伊東市議会 1995-12-04
平成 7年12月 定例会-12月04日-01号
市認第12号 平成6年度伊東市
老人保健特別会計歳入歳出決算
市議第13号 平成6年度伊東市
霊園事業特別会計歳入歳出決算
第7 一般質問
●会議に付した事件
議事日程と同一
●出席議員(26名)
1番 肥 田 祐 久 君 2番 山 本 猛 君
3番 村 上 倍 夫 君 4番 宮 崎 三 輝 君
5番 稲 葉 知 章 君 6番 久保田 光 君
7番 鈴 木 克 政 君 8番 稲 葉 正 仁 君
9番 天 野 弘 一 君 10番 佐 藤 美 音 君
11番 平 沢 克 己 君 12番 大 島 健 次 君
13番 三 枝 誠 次 君 14番 掬 川 武 義 君
15番 伊 東 良 平 君 16番 鶴 田 宝 樹 君
17番 中 田 次 城 君 18番 増 田 忠 一 君
19番 鳥 居 康 子 君 20番 斎 藤 保 彦 君
21番 佐 藤 一 夫 君 22番 内 野 賢一郎 君
23番 戸 塚 嵩 君 24番 高 橋 喜一郎 君
25番 白 井 隆 君 26番 中 山 由 雄 君
●説明のため出席した者
市長 鈴 木 藤一郎 君
助役 堀 野 晋 平 君
収入役 佐 藤 哲 郎 君
振興企画室長 杉 本 總一郎 君
同
振興企画課長 三 橋 政 昭 君
企画調整部長 鈴 木 重 宏 君
同
企画調整課長 大 沼 伸 司 君
総務部長 日 吉 昇 君
同財政課長 田 巻 浩 君
市民部長 木 部 裕 正 君
同生活安全課長 齋 田 智 久 君
同美化推進課長 與那原 信 一 君
福祉部長 斉 藤 太 郎 君
同
高齢者福祉課長 深 田 和 年 君
同保健年金課長 片 山 靖 行 君
観光経済部長 石 井 道 夫 君
同観光課長 斎 藤 勇 作 君
同産業課長 木 部 亨 一 君
建設部長 森 美佐夫 君
同
都市計画課長 深 沢 清 彦 君
水道部長 井 原 長 君
教育長 望 月 修 君
教育委員会事務局長 山 下 弘 之 君
同学校教育課長 山 内 馨 君
同
スポーツ振興課長 小 西 幸 勝 君
消防長 浅 沼 和 生 君
●
出席議会事務局職員
局長 杉 山 雅 男 議事調査係長 日 吉 一 三
主査 池 田 正 幸 主事 松 永 勝 由
会 議
午前 9時59分開会
○議長(斎藤保彦 君)おはようございます。
ただいまから、市議会12月定例会を開会いたします。
直ちに会議を開きます。
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○議長(斎藤保彦 君)まず、諸般の報告をいたします。
議会閉会中に提出されました平成7年10月、11月例月出納検査結果報告書及び各
常任委員会行政視察報告書、並びに各議長会の記録につきましては、それぞれお手元に送付いたしました。
以上で諸般の報告を終わります。
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○議長(斎藤保彦 君)次に、本定例会の会期中の
会議録署名議員の指名をいたします。
2番 山本 猛君、16番 鶴田宝樹君、21番 佐藤一夫君を指名いたします。ご了承願います。
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○議長(斎藤保彦 君)これより議事に入ります。
△日程第1、会期の決定を議題といたします。
お諮りいたします。本定例会の会期は、本日から来る12月21日までの18日間とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(斎藤保彦 君)ご異議なしと認めます。よって、会期は18日間と決定いたしました。
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○議長(斎藤保彦 君)
△日程第2、
白石観光施設特別委員会中間報告を議題といたします。
同特別委員会の報告を求めます。
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白石観光施設特別委員会中間報告書
平成7年10月13
日本委員会設置以来現在までの経過及び結果を次のとおり中間報告する。
平成7年11月16日
伊東市議会議長 斎 藤 保 彦 様
白石観光施設特別委員会
委員長 平 沢 克 己
記
1 経過及び結果
(1)平成7年10月13日 委員会
正副委員長を互選した。
(2)平成7年11月16日 委員会
本委員会の運営方針について、要綱案に基づき協議を行い、次のとおり決定した。
目的── 本委員会は、白石第二
埋立地等観光施設の調査検討を行い、当局、関係機関と連携を密にし、建設の促進に向かって活動することを目的とする。
運営── 1 調査、検討の方法、範囲の方針は、必要の都度、委員会において決定する。
2 関係予算の審査は、
所管常任委員会において行う。
引き続き、当局から
白石観光施設の概要と経過について以下の報告があった。
まず、
港湾整備事業について、政府の
景気浮揚対策のための大型補正予算との関連があり3億円の追加補正があった。市としても厳しい財政状況下にはあるが、市の重要施策の一つであることから、
港湾整備事業に伴う地元負担には精一杯応じていかなければならないと考えている。平成8年度から始まる第九次港湾整備5か年計画においては約30億円が投入される予定となっているが、国県に対しなお一層の促進方を要請していく。議会筋の
バックアップ等により時限立法である民活法がさらに10年間延長され、第三セクターへの公的資金導入が明るい見通しとなった。今後も議会筋の格段のお力添えをいただきたい。
湯川横磯地区の
新規埋立事業はすべて完了し、竣功検査等の手続を残すだけとなっている。台風12号の襲来により、新規埋立地の護岸基礎部が一部被災し、このための修復工事費を12月定例会において措置する予定である。被災したのは設計や施工上の問題ではなく、波浪が設計値を上回るものであったことや防波堤が未だ完全に整備されていないためであると思われる。このため、防波堤の早期完成方について、国県に働きかけている。
白石ヘリポート用地明渡請求訴訟については11月21日に判決が出される予定である。相手側が許可期限を過ぎてもなお占有している状況であり、市としては勝訴を確信している。
陸域施設計画については幾度かの変遷があったが、市とメーン企業が交渉を進める中で、現在メーン企業が進めているプランが12月にまとまる予定であるので、提出され次第、第三セクター、市との間ですり合わせを行う。白石事業は海陸一体のプロジェクトとして先行している海域部分の公共事業との兼ね合いもあって、陸域施設の具体化について度々国県から指導を受けているので、今後とも引き続きメーン企業、第三セクターに対する督励を行っていく所存である。
なお、県から、さきの群発地震で大きな影響を受けた本市に、火山をテーマに伊豆の観光誘客に結びつき、防災の拠点機能を兼ね備えた「火山博物館」のような施設整備を検討する方向が示されたことから、市は早速
資料収集等事前の調査研究に取りかかっている。今後受け皿となる候補地として白石第二埋立地の一部を充てることも念頭に置きつつ県との協議に臨んでいきたい。以上の経過報告があった。
これに対して、各委員から、防波堤はいつ完成するのか。陸域施設について未だ事業着手がされていない中にあって平成9年度供用開始はおぼつかないと思うがどうか。白石構想がここまで遅れ遅れになった理由の一つに、いつまでに事業着手するんだというタイムリミットを設定していなかったことがあるのではないか。また、現在メーン企業が新たなプランを計画しておりそれが12月にまとまるというが、今後陸域部分の変更はあるのか。筆頭株主のメーン企業が動かないことには全体が動けないという事情はあるにせよ、第三セクターは独立した株式会社を構成しているわけであり、会社の独立性はどこに行ってしまったのか。第三セクター、メーン企業の姿勢には不信感すら覚える。白石問題は当初から数えるとかれこれ十年になる。市長とメーン企業の社長とがトップ会談を持つことも必要ではないか。さきの群発地震の経験から、県は「火山博物館」構想を持っているというが、これでは海想都市構想という白石の
観光施設計画が振り出しに戻ってしまう、渡りに船とこの案に乗ってはならないのではないか等の質疑意見があった。
これに対して当局から、港湾整備は当初二、三年の遅れと理解していたが、このところの予算づけの状況から遅れを取り戻してきている。市長がメーン企業のトップと交渉した中では相手側は腰が引けている印象を受ける。助役も数回首脳部と交渉しており、その中では白石地区は年間800万人の観光客がある本市の道路上の玄関口という
大変ポテンシャルの高い地点であり、そこでの事業展開を行うについてリスクばかりを計算しているようでは困ると強い調子で相手側に迫っている。12月にはメーン企業の作業が終了しこの案が第三セクターに下りてくるので早速すり合わせを行い、作業完了後間髪を入れずに事業化が進むよう努力していくとの答弁があった。
さらに、メーン企業の姿勢からして、今後積極的な姿勢に転ずることは難しいのではないか、いっそのこと本事業を白紙に戻し、心静かに考え直すことがあってもよいのではないか。県に
火山博物館構想があるようであるが、一つの地点に数多くの施設を建設したのでは一つ一つの施設がインパクトの弱いものになってしまう、市はどのようなビジョンを持っているのか。本委員会が設置されて8年が経過したが一向に前に進まない、今後どうするかについて、市として腹を据えて決断をしなければならない時期に来ているのではないか。一部増資に応じていただけない企業があったが、その後の経過はどうなっているか等の質疑意見があり、当局から、遅々として進まないことには苛立ちも覚えるが、白石構想は21世紀に向かって伊東百年の大計を持った施設を建設しようということで取り組んでいる事業であり、白紙に戻すことは到底考えられない。市としては、平成5年に示された変更基本計画を下敷きに考えている。増資問題については第三セクターの社長が増資に応じていない企業を訪問して折衝しているが、未だ増資に応じていただいていない等の答弁がされた。
これに対して、白石第二埋立地は貴重な財産であり、ぜひ実のある施設を建設していただきたい。また、メーン企業に市の不退転の決意を披瀝し、積極姿勢に転じていただくよう一層の督励を願いたい等の要望があった。
以上で経過報告を終了し、その他の質疑に入ったが、質疑意見はなかった。
以 上
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◎11番(
白石観光施設特別委員長 平沢克己 君)自席にて失礼いたします。ただいま議題となりました
白石観光施設特別委員会の中間報告につきましては、お手元に配付いたしたとおりです。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○議長(斎藤保彦 君)ただいまの
委員会中間報告に対する質疑に入ります。
発言を許します。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(斎藤保彦 君)質疑なしと認めます。これをもって質疑を終結いたします。
お諮りいたします。
白石観光施設特別委員会中間報告は、これを了承することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(斎藤保彦 君)ご異議なしと認めます。よって、本中間報告は了承することに決定いたしました。
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○議長(斎藤保彦 君)
△日程第3、
伊東線複線化・
国道等交通対策特別委員会中間報告を議題といたします。
同特別委員会の報告を求めます。
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伊東線複線化・
国道等交通対策特別委員会中間報告書
平成7年10月13日、本委員会設置以来、現在までの経過及び結果を次のとおり中間報告する。
平成7年11月16日
伊東市議会議長 斎 藤 保 彦 様
伊東線複線化・
国道等交通対策特別委員会
委 員 長 三 枝 誠 次
記
1 経過及び結果
(1)平成7年10月13日 委員会
正副委員長を互選した。
(2)平成7年11月16日 委員会
ア 委員会の運営について
本委員会の運営要綱を次のとおり決定した。
目的 本委員会は、伊東市の交通体系の根幹をなす、
伊東線複線化の促進並びに国道135号バイパス及び
伊豆縦貫高規格道路の関連道等諸問題の調査検討と、この建設促進に向かって活動することを目的とする。
運営 1 調査、検討の方法、範囲等の方針は、必要の都度、委員会において決定する。
2 関係団体と連絡を密にしながら運営する。
3 関係予算の審査は、
所管常任委員会において行う。
イ
伊東線複線化に係る経過について
当局から次のとおり、これまでの主な経過と概要について説明があった。
(ア)
伊東線線増工事の概要
第一期工事として、工事費14億円をかけて、熱海・来の宮間が昭和41年に着手され、昭和43年に完成した。
第二期工事は、工事費約104億6,300万円をかけて、昭和43年には熱海駅
伊東線ホーム来の宮駅側に片面200mの
ホーム延長工事が、昭和56年には新
小山トンネルが、昭和61年には新
宇佐美トンネルが完成した。
(イ)国鉄の民営化への移行
昭和62年4月に、
東日本旅客鉄道株式会社が発足した。
(ウ)未着手工事
伊東駅第2ホーム山側の第3
ホーム新設工事、
小嵐トンネル新設工事、新
多賀トンネル新設工事、初
津トンネル新設工事が残っている。
(エ)ソフト面の改造
昭和55年に
特急踊り子号が、平成2年には
スーパービュー踊り子号が運行された。
(オ)
複線化促進事業の要望運動
伊東線複線化期成同盟会及び
伊東地区伊東線複線化期成同盟会が、本委員会とともに、
東日本旅客鉄道株式会社への要望運動並びに
地元選出国会議員に対する支援活動を実施している。
以上これまでの経過説明の後、当局から、平成7年11月8日に、
地元選出国会議員木部代議士の案内で、JR東日本に対し、
複線化早期実現と
待ち時間解消等の要望を行った内容について報告があった。
この席で応対したJR東日本の
投資計画部長と運輸課長は、伊東線の複線化については、トンネルが多く、地形もよくないことから、非常にお金がかかるので、
特急踊り子号や
スーパービュー踊り子号等の運行などのソフト面の改善に努めるとともに、熱海駅での接続時間についても努力してきたが、現在の利用状況では複線化については難しい面もあるので即答はできない。今後、地元や県と、どのような仕組みが考えられるのか、あるいは、今の設備でどのようなサービス改善ができるのか、また、熱海駅舎の改造もホームの増線と併せて、地元要望や、県側も前向きな検討をしていきたいという意向があるので、どのようなメリットがあるのか勉強していきたいとの発言があった。また、待ち時間の解消については、時間の長短両面の問題があるが、できるだけ最大公約数のお客に満足していただけるような努力をしていきたいとの発言があったことが当局から報告された。
以上の経過報告に対して、委員から、トンネルが開通した所等、部分複線化が可能な箇所があると思われるが、そのようなできる所からでも複線化を考えていくべきではないか、さらに、待ち時間の問題点を当局は研究して、
JR東日本側に明示しているのかどうか、また、小田急の乗り入れや伊豆急行の延長等について私鉄側の考え方はどうか、複線化の進展が見込めない現在、鉄道の利便性を考えて、
スーパービュー踊り子号等の増発を働きかけていく必要もあるのではないか、との質疑があった。
これに対して当局から、JR東日本は、伊東線については通勤路線ではなく観光路線として認識しており、需要の見通しが非常に難しいと考えており、地震等の関係で利用者が落ちている現在、工事を施工するのも非常に経費がかかるという認識の基に、部分複線化についても、過去の陳情の中では、難しいということである。とは言え、宇佐美のトンネル化については、相当な負担をしているので、その負担が活きるようなことを要望している。待ち時間の解消のダイヤ改正については、当局が問題点を掌握しているのはもちろんのこと、
JR東日本側も承知しているところであり、昨年も待ち時間が短縮されたものが3本ある。まだ、不十分な点もあり、待ち時間が解消されて、結果として利用客の増に結びつくと考えるので、さらに改善を求めていきたい。また、私鉄側の考えということだが、小田急はJR東日本とのいろいろな関係があって非常に難しいという話しを非公式に受けている。ただ、以前と比べて、県が積極的に複線化について問題を採り上げてもらえるような状況がでているので、そういう中で、関係者が集まって、いろいろ検討をしてみようとの気運もある。そのような機会が出来れば、広く情報交換等をしていきたい。また、踊り子号等の増発は、JR東日本が民営化されて以来、採算という問題を重視しており、観光路線は景気等の影響で非常に流動的で利用者の変動が激しいとの認識から、伊東線の利用客数が減っている状況の中では、増発は難しいということである。以上が当局から答弁された。
ウ 国道135号バイパス及び
伊豆縦貫高規格道路の関連道に係る経過について
当局から次のとおり、主な経過と概要の報告があった。
(ア)国道135
号バイパス事業及び国道135
号道路改良事業
国道135
号バイパス事業は、川奈殿山地内を起点に、宇佐美岩松間の延長7,970.8mを、3工区に分けて昭和41年から事業着手され、平成7年10月に完成した。
国道135
号道路改良事業の最近の主なものには、平成5年に供用開始した新
宇佐美トンネル、今事業中の(仮称)第2
網代トンネルがある。
(イ)
伊豆縦貫自動車道
第4次
全国総合開発計画に基づく多極分散型国土の形成構想の一環として昭和62年に建設が閣議決定され、沼津市から下田市に至る延長約60kmの一般国道の
自動車専用道路として、現在建設が進められている。
(ウ)
伊豆縦貫自動車道に関連する道路
伊豆縦貫自動車道に接続する道路の整備促進を図るため、平成5年11月に本市及び市内民間7団体による同盟会を結成し、本市南部の八幡野から天城湯ケ島町で縦貫道に接続するルートと、北部の宇佐美から大仁町で縦貫道に接続するルートの2ルートの整備促進について、活動を行っている。
また、平成7年5月に本市、東伊豆町、中伊豆町、天城湯ケ島町及び土肥町の1市4町で、それぞれの議会の協力を得て同盟会を結成し、南部の八幡野からのルートを天城湯ケ島町から土肥町まで延長し、伊豆のほぼ中央部において東西沿岸地域及び山間部を縦貫道と有機的に接続する
伊豆横断道路の建設促進について活動を行っている。
以上の経過報告に対し、委員から、
伊豆縦貫自動車道に接続させる北部ルートに関し、県は500万円の調査費を付けて亀石ルートを模索していると聞くが、それはトンネル化を含めてということで、しかも、そのトンネルが相当長大化する可能性もあり、有料化もあり得るとのことだった。こういうことからこの調査は相当進んでいると理解しているが、平成8年度の予算編成時期に当たり、県はこのルートをどのように考えているのかとの質疑があった。
これに対し、県は昨年、図面の上で3ルートを検討した経過があり、今回の調査は、本調査の前段階の調査ということで、まだ基本的なルートは決まっていない。また、平成8年度から本調査に入るとも聞いていないとの答弁があった。
さらに、委員から、このルートは、産業道路、観光道路だけではなく、本市の医療との関係で時間短縮は重要な問題である。県は医療問題と絡めてどう理解しているのかとの質疑があり、これに対して当局から、
トンネル化構想等、県が積極的に配慮し始めた中心的な考えは、阪神大震災以降の災害対策としての災害時における避難路的な道路の確保が、大きなウェートを占めているからだと思われる。本市の医療問題とは切り離せないものなので、今後も取り込んで要望していくとの答弁があった。
国道135
号バイパス事業については、委員から、将来構想としての来年度以降の伊東地域の方向性はどのような計画になっているかとの質疑に対し、当局から、
バイパス事業の当初計画は完了したが、将来計画としては、殿山までの4車線化計画があり、さらに吉田までも4車線化を含めて県へ要望をしているとの答弁があった。
また、国道135号バイパスに関連して、委員から、
県道伊東修善寺線とバイパスを繋ぐ狭い部分の市道が、県施工で整備してもらうことはできないかとの質疑に対し、現道は、11mの
都市計画道路として決定されているが、これを県道へ昇格させるには、17m決定への変更ができれば事業施工可能とのことである。現道の状況から考えると非常に難しい問題である。しかし、本市としては若しそれができなくても事業展開はしていきたいとの答弁があった。さらに、県道伊東停車場線とバイパスを結ぶ箇所も、同様に県道への延伸化が望まれる所で、地権者と折衝してきたところ、調査をさせていただくことになったとの答弁もあった。
また、委員から、国、県が景気対策として道路行政に積極的になっている機を逃がさずに、宇佐美20m道路先の3車線化、旧国道の改良等、強く要望していくべきであるとの意見が出された。
エ その他について
論議された課題について、新年度の予算編成時期であるので、県に対しての要望行動を起こす具体的な方法を、市当局と検討するよう、正副委員長に一任された。また、本委員会委員に対して、下田市で開催される
伊豆縦貫自動車道の建設促進大会への出席要請が依頼された。
以 上
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◎13番(
伊東線複線化・国道等交通対策特別委員長 三枝誠次 君)ただいま議題となりました
伊東線複線化・
国道等交通対策特別委員会の中間報告につきましては、お手元に配付のとおりでございます。よろしくお願い申し上げます。
○議長(斎藤保彦 君)ただいまの
委員会中間報告に対する質疑に入ります。
発言を許します。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(斎藤保彦 君)質疑なしと認めます。これをもって質疑を終結いたします。
お諮りいたします。
伊東線複線化・
国道等交通対策特別委員会中間報告は、これを了承することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(斎藤保彦 君)ご異議なしと認めます。よって、本中間報告は了承することに決定いたしました。
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○議長(斎藤保彦 君)
△日程第4、
医療問題特別委員会中間報告を議題といたします。
同特別委員会の報告を求めます。
━━━━━━━━━━━
医療問題特別委員会中間報告書
平成7年10月13日、本委員会設置以降、現在までの経過及び結果を次のとおり中間報告する。
平成7年11月20日
伊東市議会議長 斎 藤 保 彦 様
医療問題特別委員会
委員長 内 野 賢一郎
記
1 経過及び結果
(1)平成7年10月13日 委員会
正副委員長を互選した。
(2)平成7年11月20日 委員会
国立病院の存続充実及び総合病院建設に向けての調査、研究をする本委員会の運営方針について、要綱案に基づいて協議のうえ、以下のように決定した。
目的・ 本委員会は伊東市の第三次救急医療をはじめ、地域医療の高度化を含む医療体系の充実に向けて、国立病院の存続充実及び総合病院の建設に向けての調査、研究を目的とする。
運営・1 調査、研究の方法、範囲等の方針は、必要な都度、委員会において決定する。
2 関係予算の審査は、
所管常任委員会において行う。
なお、運営要綱案の目的にある「国立病院の存続充実」について、委員から、市民が求めているのは、専門的な診療科目を兼ね備えた総合病院であり、今ある国立伊東温泉病院がそのまま充実することでなく、別の形での市民病院、大学病院等何らかの高度医療に対応できる総合病院の建設を求めるものである。平成7年度である本年は、地域保健医療計画における病床数規制の是正の年であり、いわれるところでは、病床数の算定方程式から推察される新たな病床数は現行の1,195床から、さらに減少される可能性があるという。方程式そのものに矛盾があるにせよさらに厳しい状況が予測されるなか、国立病院の再編成も視野に入れなければ病床数規制という厳しい現状を打開することができない。そのうえに、11月13日には厚生省から、国はさらに再編成に向けて強い方針を示す内容の答申が出されている今、本委員会として、国立病院の統廃合に触れないで、存続充実を繰り返し訴え、状況の変化に応じて統廃合問題を論議するとの姿勢では、あまりにも曖昧で消極的な姿勢といわざるを得ない。本委員会の運営要綱の目的に、明確に統廃合の文言を入れ、国、県に対しても、統廃合について積極的に話し合いを持ち、統合後の後医療の問題まで質疑を交わしていくことが、本委員会の持つ重要なテーマの一つと考える。何も今直ぐに国立病院の統廃合をすべきと主張しているのではない。統廃合問題を避けては、伊東の医療が前に進まない。との意見があった。
これに対し、委員から、統合による新国立病院の設置場所が決定したものではなく、伊東、熱海にある両国立病院を統合して、一つの国立病院にするとの国の方針が示され、リウマチの専門病院としての位置づけのほかは明確な病院の姿が示されていない段階で、「国立病院の存続充実」の文言を削除すると、市民に対し、議会意思として統廃合に賛成だと、取られかねない恐れがある。確かに、この段階で国立病院の存続充実が果して可能かどうかの問題もあるが、「国立病院の存続充実」の文言を削除することは時期尚早と考える。委員会運営のなかで最終的に病床数規制を超えられない壁に突き当たった段階で再度、本委員会の付議事項及び目的について検討すべきである。前期の特別委員会においても統廃合の論議も行われており、統廃合の文言がなくとも引き続き、本委員会で論議を進めていくべきと考える。
また、委員から、国の方針で統廃合が示されているのであって、市民や市が望んで起こしている問題ではないと基本的に考えるべきである。市から統廃合についてもの申すべきではなく、存続充実が基本的に市民の声であり、国立病院だけでは伊東の医療が充実していかない、非常に不十分な伊東の医療状況を何とか改善して欲しいということが一方での切実な市民の声である。こうした声を受けて、今、総合病院の建設がどのようにしたら可能なのか、どのような方法で市民の医療要求に応える総合病院の建設ができるものか、今後とも、引き続き、調査研究をしながら、市民の望む最良な方法で伊東の医療を解決していけるよう努力すべきと考え、併せてこの医療の問題は何時までも調査、研究していてよいわけでなく、早期での解決をめざし、さらに一歩踏み込んだ調査研究を行っていくことで、示された目的の文言で委員会運営に支障はないと考え、全市民的な統廃合を認める合意が得られていない現状においては、急いで統廃合を目的にうたうことはない。等の意見が各委員から述べられたが、本委員会から、付議事項及び運営要綱の目的について、代表者会議に問題提起をし、再度、調整を図るよう委員長から議長に申し出することで各委員において確認がされ、提示した本委員会の運営要綱案を了承した。
次に、当局から、伊東市のあるべく医療の姿を描くため、民間コンサルタントの株式会社ホスピタル・ブレイン昭和に本年5月に委託し、8月末に成果品として報告され、伊東市にとって望ましい医療施設の内容とそれを求めるために行った医療等の実態分析を要約した「伊東市医療施設基本構想(案)」の概要について説明がされた。
報告のなかで特に、伊東市における基幹病院の必要性について、医療需給の見通しでは、伊東市の高齢化の速度も早く、疾病構造の変化、医療ニーズの変化が想定される中で、医療需要はますますの増加が予測される。質的に見ても小規模病院が多く、高度の機能をもった一般診療、救急医療等の地域の基幹病院としての役割を果たせる病院がなく、引き続き流出入院の患者が増えるものと指摘している。
基幹病院設置の必要性では、一般病床の不足解消、第2次救急医療機能及び体制の確立、高度医療に対応できる医療施設の整備、また伊豆の交通事情を勘案すると入院患者の他地域依存度の高い伊東市に地域医療、災害時医療の拠点となる地域中核病院の整備が必要である。さらに、基幹病院の経営主体では、基幹病院は、地域の医療事情を反映した不採算医療や救急医療を担当し、行政との連携も必要となることから地方自治体が経営主体となることが望ましいとしている。また、熱海・伊東保健医療圏域における病床数の平準化では、圏域内病床数が熱海市に極度に偏在し、病床規制の中、基幹病院を設置するためには、国立病院の統廃合を機会に病床数の平準化を、医療機能の見直しを含め、検討する必要がある等の分析がされている。続いて、病院の性格及び規模等について、伊東市における地域医療及び災害時医療の拠点となる地域中核病院として、総合的な診療機能を有する総合病院とすることとして、17診療科を置き、特定機能として、輪番制救急病院・リハビリテーション・開放病院・在宅医療支援センター・人間ドック・臨床研修指定病院の機能をあげており、病床数は、伊東市の医療需給の状況、特に入院患者の流出の多さを考慮し、当病院の性格と役割を果たすためにも、診療科規模からして最低350床が必要とし、建物の延べ床面積21,000㎡程度、敷地面積は、30,000㎡程度が適当としている。
以上のコンサルタントの報告を基に、当局は、市議会や伊東市救急医療体制基本構想策定懇談会等、広く市民の意見を踏まえ、今後、基本構想を策定していくこととなるが、医療施設整備には医療法の厳しい規制があり、国・県にも強く働きかけるなか、法規制との整合性をとりながら進めていくとしている。
経過報告に対し、委員から、基幹病院の経営主体について、コンサルタントが地方自治体と明言した経過について伺う。また、350の病床数は安定経営のボーダーライン上にあるように思われるが、コンサルタントはどのような見解を示しているかとの質疑があった。
これに対し当局から、自治体が望ましいとのコンサルタントからの表現となっているが、具体的な経営主体の選択は各自治体の判断となるわけであるが、コンサルタントからは、自治体病院と同時に公的な医療機関等への委託の方法についても報告がされている。また、病床数350の算出基礎は、あくまでも伊東市の医療実態と同時に南伊豆地域が非常な医療過疎地域となっている関係から、伊東市で基幹的な病院が建設された場合には、かなり高い需要があると患者の実態調査のなかから数値をはじき出し、必要病床数を算定したものと伺う。経営上の分岐点である損益分岐点は一般的には350床から400床あたりと言われているが、単に損益分岐点を意識して350床を算定したものではない。無理のない患者数を想定して病床数を算出したと報告を受けているとの答弁があった。
さらに委員から、実際には病院運営のため自治体から相当な出費を覚悟しての病院経営にならざるを得ないものと思われるが、どのように考えているかとの質疑に対し、自治体から相当な額の繰入れが必要になると考え、自治体からの支援が前提となっているが、これはあくまでもコンサルタントから提示された案であり、今後、伊東市として自治体病院としての経営がよいものか、公的医療施設や大学病院の誘致を図ることが望ましいことなのか、いくつかの条件を整理するなかで、伊東市としての経済的な判断を加えて、引き続き、議会の意見を伺うなかで決定していくことになるとの答弁がされた。
また、委員から、示された病院を建設するとして、どの程度の費用が掛かるものか、また、新たに病院建設をする際に、医師の確保が困難といわれているが、コンサルタントは医師等との連携を持つものかとの質疑があった。
これに対し、当局から、用地買収費、造成費を除いた建築工事費及び医療機器を含めた設備費の総計で115億円程度となり、全国平均的な算定と伺っている。医師の確保等は、運営手法でおのずと変わってくるが、国立病院を引き継ぐ方法や大学病院誘致であれば医療機関に医師が配置されており短期間での確保は可能となるが、全くの市立病院となった場合には、全てを伊東市が配置しなければならないが、まず計画決定された段階で速やかに院長及び看護婦長になる予定者を選定することによって、院長の陣頭指揮の基に関係スタッフを確保することが最も適当な方法であるとのコンサルタントからの報告を受けているとの答弁があった。
また、委員から、コンサルタントの結果を踏まえて、今後、当局として、議会等に示していくなかで、どのように具体的に実行に移していくものかとの質疑に対し、伊東市がどのような病院を建設するにせよ、病床数規制の問題があり、統廃合とのからみのなかで、コンサルタントから示されている350床規模の病院を建設する手だてができるような体制整備ができていけるものかどうか、まずは伊東市が病院が建設できる状況をつくりあげることが専決となる。伊東市の医療の実態を今後も国、県等に示すなかで、伊東市にこの規模の病院がなければ、伊東市民の命は守っていけないことを強く訴え、体制づくりに努めていきたい。そのうえで、伊東市にどのような経営主体で病院を設置していくのか、併せて検討しなければならないとの答弁があった。
さらに委員から、平成7年度末をもって病床数規制の見直し案が決定するなかで、年度末まで半年もないこの時期において、当局が、今後実施する行動、若しくは判断は国立病院の問題も含めて、大変に大きな意義を持つものであるが、今後の方針を伺うとの質疑に対し、当局から、病床数の見直しは困難性を伴うが、何よりもお示しした伊東市医療施設基本構想案に、大筋において述べられている本市の医療の実態と基幹病院設置の必要性を国、県にご理解願い、その解決に向け、本年度内に決着がつけられるような運動を積極的に進めていく必要がある。近々に市長をはじめ議会関係者等で県知事に陳情する予定であり、そのなかで、これら伊東市の窮状を訴え、伊東市に必要な医療を充分に理解願い、県の配慮がいただけるような手だてを講じていきたいとの答弁があった。
以 上
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◎22番(医療問題特別委員長 内野賢一郎 君)自席にて失礼いたします。ただいま議題となりました医療問題特別委員会の中間報告につきましては、お手元に配付したとおりでございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○議長(斎藤保彦 君)ただいまの
委員会中間報告に対する質疑に入ります。
発言を許します。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(斎藤保彦 君)質疑なしと認めます。これをもって質疑を終結いたします。
お諮りいたします。
医療問題特別委員会中間報告は、これを了承することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(斎藤保彦 君)ご異議なしと認めます。よって、本中間報告は了承することに決定いたしました。
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○議長(斎藤保彦 君)
△日程第5、発選第9号
議会運営委員会委員の選任を行います。
議会運営委員の選任については、委員会条例第5条第1項の規定により、議長が会議に諮って指名をいたすことになっております。議会運営委員に天野弘一君、掬川武義君、佐藤一夫君を選任いたしたいと思います。ただいまのとおり選任することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(斎藤保彦 君)ご異議なしと認めます。よって、選任案のとおり決定いたしました。
決算概要説明書を配付する間、暫時休憩いたします。
午前10時04分休憩
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午前10時06分再開
○議長(斎藤保彦 君)休憩前に引き続き、会議を開きます。
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○議長(斎藤保彦 君)
△日程第6、市認第4号 平成6年度伊東市
一般会計歳入歳出決算から、市認第13号 平成6年度伊東市
霊園事業特別会計歳入歳出決算まで、以上10件を一括議題といたします。
当局の説明を求めます。
〔市長 鈴木藤一郎君登壇〕
◎市長(鈴木藤一郎 君)平成6年度の一般会計並びに特別会計決算の認定に当たり、各会計の概要を説明申し上げ、ご理解を得たいと思います。
当年度は、芹沢前市長が、投資効果を高めることが地域の活力につながるものとの認識に立って、基金、市債の力をかりながら、生活関連社会資本の整備充実や高齢化社会に対応した福祉施策等、市民福祉の向上を目指した積極予算とされたものを年度途中から引き継いだものであります。このことから、市長職就任の所信表明に際し、本予算の着実な執行に努めるとともに、本市のあしたに向けて、その足元をより強固にしていくことに不断の決意をもって臨んでまいることをお約束いたし、実質収支額では黒字基調を保つことができ、前任者のご労苦にいささかでも報い得たと存じます。
平成6年度の地方財政は総じて景気の低迷が続いており、所得税、住民税等の特別減税の実施による大幅な財源不足と多額の借入金残高により、財政の健全性の確保に格段の努力が求められた一方、社会資本の整備、福祉施策の充実や景気に配慮した地方単独事業の積極的な推進が強く期待されたことから、財政の簡素効率化と経費の節減合理化を推進し、限られた財源の重点的かつ効率的な配分と節度ある財政運営を基本としました。
そして、本市の一般会計当初予算は財政の健全性に留意しながら、第五次基本計画の予定事業を主体にその進展を目指し、また、多岐にもわたる市民要望にも柔軟に対応し、市民福祉の一層の向上に努めることとし、譲渡所得や法人税の落ち込みが著しく、市税全体では前年度当初予算額を下回る中、競輪事業からの収益金や財政調整基金を初め特定目的基金の計画的かつ有効な活用を図り、財源の確保に努めつつ、大型の継続事業を進めるとともに、都市基盤の整備充実や高齢化社会への対応にも配慮し、地域みずから景気浮揚への努力をすることに特に意を用いました。
この結果、予算規模は303億7,000万円と、前年度当初比11.0%の伸びとし、その後7回の補正を経た最終予算現額は当初予算の5.1%増となり、前年度最終予算現額との対比では12.2%増と、昨年に引き続き2けたの伸びを確保することができました。昭和30年以来、初めて市税の当初予算が前年度に対しマイナスに転じるかつてない財政環境で編成された本予算を、決算を通し改めて顧みますと、現在の社会・経済情勢並びに今後の財政運営は容易ならざるものがあり、幾多の困難が予想されることがうかがえます。
本市の財政状況も、市税を初めとする自主財源が低下し、急速な回復が望めないところであり、今後、厳しい行政運営を強いられることとなると思われますが、本決算に学びつつ、経常的経費の抑制とともに、事業についての優先度や緊急度の厳密な検討、さらに既存事業の徹底した見直しや効率化による節減を図りつつ、新しい時代に即応したまちづくりを着実に実施すべく、市民経済と財政の地力を養ってまいらねばならないことを強く認識いたしました。
以上、決算を通しての背景、所感を申し上げました。
一般会計における歳入決算額は323億6,779万7,000円で、前年度に対し12.7%増、歳出決算額は執行率を98.9%として315億8,151万7,000円、前年度13.3%の増としました。以上の歳入歳出差引額は7億8,628万円で、前年度を6,927万5,000円下回り、繰越事業がなかったことから7億8,628万円全額が実質収支額となりました。また、これから前年度の実質収支額を差し引いた単年度収支額は4,527万5,000円のマイナスとなっております。
歳入決算額を構成別で見ますと、自主財源は長期にわたる経済の低迷や譲渡所得の落ち込みと特別減税の影響から、市税が2年連続で前年度を下回り、さらに預金利息の低下により財産収入が、競輪事業収入の減により諸収入が減少したことから、大型継続事業のための基金からの繰入金を大幅に増加させましたが、その構成比を前年度に比べ3.1ポイント下回る76.7%としました。
一方、依存財源は、ゴルフ場利用税交付金、特別地方消費税交付金が利用客の落ち込みで減少しましたが、庁舎建設事業債や住民税等減税補てん債など地方債の増加により、その構成比を23.3%としました。
また、特定財源と一般財源では、特定目的基金からの繰入金や市債の大幅な増により、特定財源が前年度をさらに35.2%上回ったことから、その構成比を7.6ポイント引き上げ45.7%とし、一般財源は54.3%となりました。
歳出決算額の性質別構成比につきましては、経常的経費において人件費が前年度を0.8ポイント下回る23.7%、同様に扶助費も0.5ポイント下回る5.5%、公債費が1.0ポイント下回る4.9%と、それぞれ構成比を低めることとなったため、義務的経費は前年度を2.3ポイント下回る34.1%となり、物件費は1.0ポイント下回る8.0%、維持補修費は0.2ポイント下回る1.1%、補助費等は0.2ポイント下回る2.0%となり、経常的経費全体では45.2%と低いものになりました。
投資的経費では、単独事業費が庁舎建設事業費の増加で前年度を9.3ポイント上回り、補助事業費は0.5ポイント下回ったものの、普通建設事業費全体としては前年度を8.6ポイント上回る45.2%と、その構成比を高め、引き続き高い水準を維持しました。
その他の経費については、下水道事業会計や老人保健会計、新たに始まった霊園事業会計への繰出金が増加したことから、土地取得会計への繰り出しの減少にもかかわらず、前年度を0.3ポイント上回る6.2%としたほか、積立金、投資及び出資金は、それぞれその構成比を低めるものといたしました。
以上が一般会計の歳入歳出決算の概要でありますが、引き続き基本計画の柱に沿い、諸施策の執行状況を助役から説明いたします。
◎助役(堀野晋平 君)それでは、諸施策の概要につきまして申し上げます。
最初に、都市基盤整備計画に係る事業でございます。
市道の整備につきましては、吉田道線を初め泉・城星線、川奈線、小原・田代線等の改良工事や一般生活関連道路の舗装、側溝等の適切な維持管理を施行し、国庫補助事業として実施してまいりました中部横断道路も、平成7年3月、鎌田工区の整備を完了いたしました。
交通安全施設整備事業では惣堂坂線に歩道を新設するとともに、防護柵、反射鏡、標識の設置など安全施設を設置し、国道135号バイパスにつきましては玖須美・新井間の中央分離帯の設置が着手され、県道整備では伊東川奈八幡野線のほか、3路線の拡幅改良工事に所要の負担をいたしました。
次に港湾及び海岸環境整備事業につきましては、県施工による白石防波堤の改修や川奈港港湾道路の改良、川奈海岸の整備に所要の負担を行うとともに、河川整備では松尾川ほかの改良や維持修繕を行いました。また、急傾斜地崩壊対策事業では、川奈小浦台ほか2か所が県営事業として実施され、所要の負担をいたしました。
臨海土地造成事業特別会計につきましては、一般会計からの繰入金3,080万円と繰越金を合わせ、歳入総額3,084万8,000円とし、歳出は公債費3,023万3,000円の償還と護岸部調査業務により3,084万円といたしました。
都市計画事業につきましては、都市計画公園丸塚公園移転計画案の答申を都市計画審議会からいただいたほか、緑のマスタープラン原案の策定、JR伊東駅前広場の改造計画の見直し調査等を実施いたしました。
街路事業につきましては、宇佐美中央通線の新たに事業認可を受けた宇佐美駅前通りまでの88m区間の用地買収を進めました。また、宇佐美八幡中里線及び伊東大仁線の事業化に向けて、地権者に対し事業計画の説明を行いました。
景観整備事業につきましては、松川ふれあい通りの整備として、音無神社付近の遊歩道整備や川口公園内の照明設備の設置等を実施し、県がみずべプラン21推進事業として進めているいでゆ橋から大川橋区間の親水護岸の整備に対しても所要の負担を行い、さらに橋の美化を図るため、いでゆ橋の修景実施計画を作成しました。また、平成4年度から進めてきた湯川白石埋立地から伊東海岸までの海岸歩道のカラー舗装を完了するとともに、宇佐美から川奈に至る海岸線の景観形成の指針となる海浜公園整備計画を作成し、美しいまちづくりシンポジウムを開催いたしました。
都市公園につきましては、丸山公園のトイレの改修や汐吹、郷戸、吉田、本郷の各公園の防護柵等の改修など、来園者の安全と利便を図るため適切な維持管理に努めました。
下水道事業特別会計につきましては、歳入18億8,736万7,000円、歳出18億6,460万4,000円で決算し、支線管きょ布設工事と玖須美及び諏訪の入雨水幹線工事を進め、利用区域の拡大に努め、整備面積を341.4ha、整備率を82.7%としました。
湯川終末処理場では、しおさい広場の整備と水処理施設劣化防止工事を引き続き施工し、ポンプ場、処理場施設の改修も実施し、適切な稼働に努めました。
また、都市下水路事業につきましては、川奈、吉田、本郷の都市下水路改修を進めました。
土地取得特別会計につきましては、一般会計からの繰入金をもって先行取得済みの公営住宅建設用地買収資金の償還を行い、歳入を2,841万1,000円、歳出を2,835万7,000円として決算いたしました。
次に、地域社会充実計画に係る事業でございます。
コミュニティ事業につきましては、市内4番目になります富戸コミュニティセンターの建設に着手いたしました。
高齢者福祉につきましては、高齢者保健福祉計画に基づき、ホームヘルパーの増員と訪問用車両の購入、緊急通報システムの設置拡大を図るとともに、シルバーふれあい郵便事業を開始し、新たなコミュニケーションの場を広げました。さらに入浴サービス事業では、老人ホーム等の施設入所者やデイサービス利用者にも温泉を提供し、伊豆高原地域では地域高齢者交流促進事業を実施し、地域住民間の連帯意識の向上を図りました。
障害者福祉につきましては、重度障害児(者)者生活訓練ホーム「ひだまり」の完成に伴い、運営費及び通所生の送迎用車両購入費を助成するとともに、児童センターと身体障害者福祉センターとの複合施設の実施設計を行い、その具体化を進めました。
保健衛生につきましては、母子保健事業や基本健康診査、各種のがん検診、感染症対策として各種予防接種や結核検診を実施し、疾病の予防と意識の向上を図りました。また、健康づくりの総合的な保健医療施策を推進するため保健計画を策定するとともに、エイズに関する正しい知識の啓蒙を図るためパンフレットを全戸に配布いたしました。
地域医療体制及び今後の地域医療の充実につきましては、伊東市救急医療体制基本構想策定懇談会を設置し、関係機関・団体、市民等の意見を伺いながら、救急医療体制基本構想策定の作業を進めました。また、医師会の協力により、引き続き在宅当番制による休日及び毎夜の深夜救急医療を実施し、夜間救急医療センターの充実に努めました。
国民健康保険事業特別会計につきましては、歳出は50億6,050万5,000円、前年度に比べ4.9%の増で決算し、うち保険給付費は37億139万6,000円、前年度に比べ6.8%増加し、1人当たりの費用は13万4,518円、前年度比7%の増となりました。これを賄うため保険税収入の確保に努めるとともに、国の国保財政制度の見直しによる主要財政措置が厳しい状況のもとで医療費の増高に対処するため、一般会計及び基金からの繰り入れを行い、歳入を50億6,781万3,000円とし、歳入歳出差引額6,130万8,000円のうち3,155万5,000円を基金に積み立て、事業の健全な運営に努めました。
さらに、老人保健特別会計では歳出45億1,126万円で決算し、前年度に比べ11%の増となりましたが、これを支払基金交付金、国・県支出金及び一般会計繰入金をもって賄いました。
次に、清掃事業について申し上げます。
ごみ処理の状況につきましては、各地域における減量化、資源化の積極的な取り組みの結果、総排出量は前年度より0.1%増の4万4,343トンと、わずかな増加にとどまりました。
収集業務につきましては、日を定め全市一斉に収集する体制に移行し、粗大ごみのコール制による戸別収集、資源の日の設置など効率化を図りました。
不法投棄、散乱ごみの処理につきましては、国道周辺や山間部を中心に回収作業に努め、町の美化対策を推進いたしました。
処理施設につきましては、環境美化センター及び御石ヶ沢清掃工場並びにクリーンセンターの管理及び機器の改善と整備に留意し、処理機能を良好に維持してまいりましたが、旧御石ヶ沢処理場跡地を最終処分場として利用すべく実施設計を作成いたしました。
良好な生活環境を維持するための対策として、定期的に一碧湖、主要河川等、公共水域の水質及び大気の汚染、騒音等を調査し、環境の実態を把握、各種公害の防止について監視と指導、啓発に努めるとともに、合併処理浄化槽の設置を促進し、生活排水による河川等の水質汚濁の防止を図りました。
交通安全対策につきましては、四季の交通安全運動、幼児・高齢者の交通事故防止に対する交通安全教室を初め、交通指導員による街頭指導、交通事故をなくす市民の集いを通じて、市民一人一人に交通道徳の高揚と交通安全意識の啓発に努めました。
交通災害共済特別会計につきましては、加入者は3万1,610人で、前年度より1,029人減少し、加入率も42.5%となりましたが、共済見舞金の申請が179件あったことから、支払準備金からの繰入金などを合わせた歳入は1,716万2,000円、歳出は1,680万1,000円で決算いたしました。
霊園事業につきましては、前年度に続き防災施設の建設を進めるとともに、霊園事業の円滑な運営と経理の適正を図るため、新たに伊東市霊園事業特別会計を設置して、平成8年度当初の一部供用開始に向けて霊園建設工事に着手し、歳出決算額は1億3,947万1,000円としました。
防災対策につきましては、災害時の情報収集体制の強化を図るため地域防災無線施設整備工事に着手するとともに、防災施設、防災資機材の整備を継続的に実施いたしました。また、各種防災訓練や研修会等を開催し、パンフレット『つなみ』を作成するなど、防災意識の高揚と自主防災組織の育成に努めました。
なお、平成7年1月17日に発生した阪神・淡路大震災に際し、仮設トイレや避難生活用品セット等資機材を提供するとともに、職員による救援隊を現地に派遣し、救援活動を行いました。
消防関係につきましては、消防車両の更新、救急資機材の充実、さらに100トン型耐震性防火貯水槽を建設し、予防関係では消防用設備等の設置と防火管理者の育成指導を徹底し、宿泊施設に対する夜間の防火管理体制の充実強化を推進いたしました。
救急活動につきましては、救急取扱内容が複雑多様化し、救急処置も高度化していることから、高規格救急車の配置、さらには救急救命士の養成を継続するなど、救急業務の充実に努めました。
市営住宅につきましては、城平住宅D棟を完成し、続いてE棟の建設に着手しました。また、既存住宅につきましても、角折、新山住宅等の補修や改修を行い、良好な住環境の維持管理に努めました。
次に、教育関係について申し上げます。
教育施設の整備につきましては、宇佐美小学校の旧校舎を解体し、散水設備を備えた屋外運動場の整備とプールの建設をいたしました。また、東小学校の老朽化した屋内運動場を柔剣道場等との複合施設として改築するため解体及び実施設計を行い、宇佐美中学校では、屋内運動場を体育館とプールの複合施設として改築するため解体及び実施設計をいたしました。
幼稚園では、生涯学習センターとの複合施設として伊東幼稚園本園園舎が完成し、また、2か年継続事業として計画いたしました文化財管理センターと竹の台幼稚園園舎の建設に着手いたしました。
学校教育につきましては、学校週5日制の実施に伴う教育環境の整備や新しい学力観に基づく授業の改善に取り組み、魅力ある授業づくりを推進し、小学校では教育用コンピューターの増設を行い、情報教育の拡充に努めました。
社会教育関係につきましては、市民の高まる学習ニーズにこたえる基盤整備として、小学校学習センター「ひぐらし会館」が完成いたしました。
青少年教育では、野外体験活動を主体として、地域活動、健全育成活動等についても関係団体との連携を図り、充実、支援に努めました。また、文化振興では文化講演会や各種教室等を開設したほか、文化協会等関係団体の協力を得て第33回芸術祭を開催し、市民文化の向上に努めました。
スポーツ振興につきましては、市民一人1スポーツの実践に向け、幅広いスポーツ教室、各種大会等を開催いたしました。
続きまして、産業の振興に係る事業でございます。
観光関係では、全日本大学釣り選手権大会、水と光と音の演出によるウォーターファンタジアや地場産品の販売を主体としためちゃくちゃ市を開催し、伊東温泉のイメージアップを図りました。また、関係団体、市民の代表によるイベントづくり懇談会を新たに設置し、既存のイベントの見直しと魅力あるイベントの創出を目指し、調査、検討をいただきましたので、今後の観光施策の中に生かしてまいります。
城ヶ崎海岸整備につきましては、新しい観光名所として、門脇埼灯台を展望台つきの灯台として改築するとともに、門脇、橋立の両つり橋の補修工事を行い、来遊客の利便と安全確保を図りました。
さくらの里につきましては、遊歩道の石張り舗装と園地整備を行い、小室山観光施設では四阿の建設を初め、みんなの広場周辺整備や園内案内看板を設置し、また、奥野ダム・松川湖畔観光施設整備では、松川湖を眺望できる梅の広場に植栽等による修景設備をいたしました。
門野運動施設整備につきましては、スポーツ・レクリエーション並びに生涯学習の積極的な推進を図るための施設として、かどの球場を平成7年3月に完成いたしました。
次いで白石マリンタウン計画の推進につきましては、県営の公共マリーナの防波堤築造工事に所要の負担を行い、隣接するボートヤード用地の公有水面埋立工事を完了いたすとともに、第三セクターの陸域整備については段階的な手法を取り入れるなど、現況に即応した計画事業の取り組みを進めてきております。
誘客対策につきましては、テレビ、ラジオやキャラバン隊による訪問宣伝等を通じてきめ細かな誘客宣伝を実施しましたが、特に
景気浮揚対策特別誘客宣伝事業を企画して、首都圏での誘客宣伝の強化に努めました。
観光会館特別会計につきましては、幅広いジャンルについて事業を展開し、市民文化の向上に努めるとともに、首都圏を中心に労働組合、各種団体及び旅館業者等を訪問し、全国大会や各種の会議等の誘致を図りました。
この結果、歳入決算額は、一般会計からの繰入金1億2,899万4,000円と、その他の収入を合わせ1億6,968万1,000円とし、歳出は1億6,687万1,000円で決算いたしました。
次に農業関係につきましては、10年後を目標とする農業経営基盤強化促進基本構想を策定し、また、高品質みかんの生産振興や農業関係団体等へ助成し、農業経営の安定、振興を図りました。
農道関係につきましては、右城星農道ほか2路線の改良工事を実施し、県営かんがい排水事業に所要の負担を行い、農業の生産性向上を図る農業基盤の整備に努めました。
林業林道関係につきましては、松くい虫防除対策を実施するとともに、松原線ほか2路線の改良舗装を施工し、林業の振興を図りました。
水産関係につきましては、資源管理型漁業の推進や漁業近代化に助成を行うとともに、地域漁業情報システムの設置や漁具倉庫及びダイバー休憩施設の建設に助成するなど、漁業活動と経営の改善並びに漁業協同組合の経営の合理化を図り、水産業の振興に努めました。
また、漁港整備につきましては、宇佐美漁港の局部改良や富戸、赤沢漁港の小規模局部改良とともに、前年度に引き続き宇佐美漁港海岸環境整備事業を実施し、漁業の振興と海岸の美化・保全を図りました。
商工関係につきましては、中小企業緊急経営支援資金融資制度を初めとした制度の利用者に対し利子補給を行い、負担の軽減や経営の安定を図りました。
また、商工組合中央金庫及び伊東商工会議所への原資貸付を通じ、融資の円滑化を図るとともに、中小企業の振興や商工団体の育成を図るため、商店街の近代化や活性化に助成し、商工業の振興に努めました。
労働関係につきましては、伊東市シルバーワークプラザの管理を伊東市シルバー人材センターに委託し、高年齢者の就業の相談、技能、技術の習得講習会や余暇活動の場としての活用を図るとともに、高齢者労働能力活用事業への助成を行い、生きがいと就労意欲の高揚に努めました。
また、勤労者対策として、静岡県労働金庫への原資の貸付を通じて、市内勤労者の持ち家促進や教育費の負担の軽減を図りました。さらに、特定退職金共済制度奨励事業及び職業訓練事業への助成により、中小企業の雇用の確保と定着化を図るとともに、勤労者共済会に助成し、市内中小企業の勤労者の福利厚生の充実や明るい職場づくりを推進いたしました。
最後に、行財政充実計画でございます。
国際交流につきましては、文化交流の一環として、友好都市リエティ市との間で両市在住の彫刻家のブロンズ像作品の交換を行い、リエティ市からの作品を新庁舎に展示するべく準備を進めました。
広聴事業につきましては、新たに移動市長室として、市政全般にわたる問題や各地区の懸案となっている課題について市内16地区から意見や提言をいただき、市民の皆様と21世紀を見据えたまちづくりについて話し合い、市政への一層の理解と協力を深められるよう努めました。
庁舎建設事業につきましては、3か年継続事業の2年度目として工事の円滑な進捗を図るとともに、外構等の各種工事や芸術作品製作等を委託しました。
行政機構につきましては、平成6年4月に福祉部保健年金課に設置しました救急医療対策担当を、3人体制の地域医療対策係とする組織改正に向け準備を進め、事務処理のOA化推進につきましては、6月から宇佐美、対島の2出張所のオンライン化を開始し、市民サービスの向上を図りました。
競輪事業特別会計につきましては、全国の車券売上額が低迷を続ける中、伊東温泉競輪開設以来初めての臨時場外車券売場を富山競輪場に開設し、また、前年度より1開催多い施設改善競輪及び環境特別競輪を開催し、ほぼ前年並みの売り上げを確保いたしましたが、普通競輪では売上額が前年比87.3%と厳しい状況となりました。この結果、歳入総額は224億9,900万7,000円となり、一般会計へ12億円を繰り出し、歳入歳出差引額3億6,865万3,000円を翌年度へ繰り越すものといたしました。
以上、平成6年度の一般会計及び特別会計の決算の概要について申し上げました。
現在の我が国の経済は、主要な経済指標に目立った動きがなく、景気は足踏み状態が長引く中で、低迷の続く国内景気の浮揚に向けて、総事業規模が過去最大という経済対策を盛り込んだ第二次補正予算の着実な実施により、景気回復を確実なものとしていくとされております。
しかしながら、本市の財政は、税収による譲渡所得の伸び悩みや企業業績の不振とともに、減税措置も重なる中で、さきの群発地震の市民経済への影響も当然のこととして予測され、かつて経験したことのない局面を迎えておりますが、市政の展開を通じて築き上げられた成果を市民がひとしく享受できることが行政に課せられた変わることのない使命であります。そして厳しい行政環境の中から地方分権と行政の自立を確立し、地域の特色を生かした伊東らしさをつくり上げていく自主的、主体的な活力あるまちづくりを市民とともに考え、ともに歩む姿勢をもって進め、本市の発展へとつなげていくことが今こそ必要とされていると考えます。
本決算につきまして、何とぞご認定くださるようお願い申し上げ、決算の概要説明を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○議長(斎藤保彦 君)この際、お諮りいたします。決算10件に対する本会議における説明は、ただいまの市長、助役の大綱説明にとどめ、委員会において詳細な説明を求めることにいたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(斎藤保彦 君)ご異議なしと認めます。よって、これら10件に対する大綱質疑は、来る11日及び12日の両日で行う予定でありますので、ご了承をお願いいたします。
○議長(斎藤保彦 君)10分間ほど休憩いたします。
午前10時44分休憩
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午前10時56分再開
○議長(斎藤保彦 君)休憩前に引き続き、会議を開きます。
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○議長(斎藤保彦 君)
△日程第7、一般質問を行います。一般質問は議会運営委員会で決定のとおり1人1時間以内、関連質問なしで実施いたします。
まず、7番 鈴木克政君の質問を許します。
〔7番 鈴木克政君登壇、拍手〕
◆7番(鈴木克政 君)おはようございます。私は海風クラブ所属の鈴木克政でございます。さきの選挙で初当選を果たして以来2か月、まだまだふなれな点、多々ございます。皆様にはご迷惑をかけることと思いますが、ご寛容のほどよろしくお願いいたします。
それでは質問に入らさせていただきます。質問のテーマは、21世紀に向けての伊東市のまちづくりについてでございます。
初めにまちづくりの基本概念について、鈴木市長のお考えをお尋ねいたします。
伊東市におけるまちづくりの基本概念は、昭和61年に制定されました第二次伊東市総合計画にあると認識しております。しかし、この計画は芹沢前市長時代のもの、また、10年前のもの、そして、この10年がバブルから不景気へと、その時代の推移を考慮に考えれば、伊東鈴木市長独自の鈴木市長らしさの解釈があってもよいのではないかと私は思います。その辺を踏まえ、以下、質問にお答えいただきたいと存じます。
その第1点目の質問は、まちづくりにおける伊東らしさをどのように考えておられるのかお聞きいたします。
先日、私の所属しております伊豆フィルハーモニー管弦楽団では、第4回の定期演奏会を開催いたしました。伊豆フィルの団員には、西は藤枝、東は東京までの方々が、中には夫婦や親子で参加しております。また、演奏会のみに演奏を依頼するエキストラと呼ばれる方々、そのほとんどの方は東京の音大生ですが、よそから来る団員の皆が皆、口をそろえて、伊東はすばらしいところと言われます。
それでは、何がそんなにすばらしいのですかと尋ねますと、おいしい空気においしい料理、海があって、山があって、温泉があって大変すばらしい。しかし、何よりも増して、伊東の人たちの心の温かさが大変すばらしいと言われます。また、伊東の皆さんに会える月2回の練習が楽しみで、伊東市民の方々の心の温かさに接することのできる演奏会に参加することが楽しみで、わざわざ伊東に通ってくるんですよとつけ加えられるわけでございます。まさに、この心の温かさこそが伊東らしさと私は考えておりますが、市長にはいかがお考えかお伺いいたします。
その第2点目の質問といたしまして、総合計画の基本理念にうたわれております市民総参加のまちづくり、これをどうすれば推進できるのか、市長のお考えをお聞きするものでございます。
現在、昨年に引き続き移動市長室が行われております。また、計画や条例等を制定するときにはアンケート調査や審議会等で市民の意見を聞いているようですが、移動市長室はともかく、アンケート調査は設問により、その調査の方向性を意図的に導きやすいとか、審議会は参加するメンバーが固定化し、でき上がったものを審議するケースが多く、意見が出しにくいなどの声が聞かれております。
これらの方法では、なかなか市民の声は反映されないように私は思います。ですから、市民は自分たちが決めたものでないという意識が強く、市に対する不満や議会に対する不満が多いものと思われます。市長が市民一人一人に会って意見を聞くことは不可能です。物によっては職員が手分けをし、できるだけ小さな単位で──例えば隣組など、できるだけ多くの市民の意見を聞き、まちづくりに反映させることができれば、市民に自分たちでつくったものという意識を持っていただくことができると私は考えております。市長はいかがお考えかお伺いいたします。
まちづくりの基本概念についての3点目の質問は、これも総合計画の基本理念にうたわれております、誇りを持って住むことのできる魅力あふれる観光の街という部分の解釈についての質問でございます。
市民が誇りを持てない街に来遊客が魅力を感じるわけはありません。市民が誇りを持って自慢のできる街、それは市民が市民のためにつくった街でなければならないのです。行政はそのようなまちづくりをする市民のためのよい環境づくりに最大の努力をしなければならないし、また、プランニング等をつくるときには、伊東を熟知した人々の手でつくらせなければならないと思います。
伊東市では大規模事業をしようとするとき、その構想や計画を市外の業者に発注することが多いと伺っております。例えば白石の利用の計画、都市景観形成ガイドプラン、最近では市庁舎跡地利用計画等です。それでは、都会に住む人々の要求で伊東の街ができてしまうような気がします。それは伊東市民が求めているまちづくりでしょうか。私は少し違うような気がするのですが、市長はいかがお考えかお伺いいたします。
続きまして、まちづくりと都市景観についてお尋ねいたします。
言うまでもなく、まちづくりにとって都市景観は重要な要素の一つです。伊東市でも都市景観条例の制定を本年度予定していますが、既にその条例素案が市内関係団体に示されております。私は伊東市都市計画審議会委員でありますから、条例についての細かな疑問点は審議会の席で質問することにし、この席では都市景観についての基本的な考え方についてお聞きしたいと思います。
その第1点は、最良の都市景観をつくるには、その地域の住民が直接参加する中で、その地域に合った都市景観構想を持ち、実行していくことが最も大切なことではないかと思っております。そのことにより、都市景観の重要さを住民意識として持ち、行政は積極的にそんな住民の中に入り、その実現に向け最大の努力をすべきだと考えております。また、民間で地元の専門家、例えば建築士などがオブザーバーとしてその中に入っていただき、専門的意見を入れていただければよりよいものになると思いますが、市長のお考えはいかがかお伺いいたします。
2点目は、平成5年に伊東市が作成した都市景観ガイドプラン報告書の冒頭に、山、川、海、街並みなど目に見えるすべての眺めと、そこから感じ取る私たちの心の動きを景観と言います、よい景観は、目に映る一つ一つのものがよい眺めであること、さらに、そのそれぞれが組み合わされて、お互いに働きかけながら全体として調和がとれていることが大切ですと書かれております。このことによってもわかるように、一つの建物の景観がよくても、それが地域の景観とマッチしていなければ、また、住民の意に反するものであってはならないのでございます。その景観は決してよい景観とは思われません。市長はその辺をいかがお考えかお伺いしたいと思います。
都市景観についての3点目は、前質問にも関連するんですけれども、橋や道路や歩道や公園といった都市施設、コミュニティセンターや会館、そして、この市役所もそうですが、このような公共施設は都市景観にとって先導的役割を果たすものと私は思っております。しかし、これらの建設に当たり、景観について地元住民と話し合いをなされたのでしょうか。
また、最近、新聞等でも報道されましたが、物見塚公園を整備するため、現在使用されているゲートボール場を締め出そうとしておるそうですが、老人の楽しみを奪った公園など市民は利用しません。今、この地域の景観を考えたとき、市役所の正面玄関の先でゲートボールをしている老人たちの姿が余りにも近隣建物とそぐわない、この市役所とを結びつける唯一の景観だと私は思います。
また、旧庁舎跡地利用計画もそうでございます。この跡地は特に川東地区の住民にとってみれば、地域の活性化や都市景観などを考えたとき重要な役割を果たすものであります。地元住民の意見を十分に聞き、住民の納得のいくものをつくらなければならないと思います。十分な話し合いのもと、地元住民が誇りを持って自慢のできるものをつくらなければなりません。市長のお考えをお伺いいたします。
都市景観についての4点目は、ごみの問題でございます。ごみが都市景観や自然景観を損ねる最大の原因と、アンケート調査は示しております。特に夜間や早朝に出されたごみは回収時間までの間、ごみステーションに放置され、また、堤防や海岸でもごみの投げ捨てなどが多く見られます。伊東港などでも海中に多くのごみが浮かび、景観を損ねていますが、その対処について市長はいかがお考えかお伺いいたします。
最後に、まちづくりと松川についてお尋ねいたします。
最近、景観を念頭に置きまして、松川遊歩道を岡橋から河口まで歩いてみました。しかし、そこは到底自慢のできるものではなく、昔、子供のころに遊んだ松川はありませんでした。そのわけを考えてみると、川底が以前よりずっと深くなり、のぞき込むと恐怖感すら感じられることや、川底に露出する井型のコンクリート、一部、手すりが高過ぎる点などが川と遊歩道の一体化を阻害しているからだと思います。第五次基本計画の中で、景観を阻害しているコンクリートの改修を河川管理者に要求すると記載されていますが、現状についての市長のお考えをお伺いいたします。
次に、松川をまちづくりの観点からとらえた、その有効利用を示し、市長のお考えをお聞きしたいと思います。
ご承知のとおり、現在、遊歩道は河口から岡橋まで一部工事中ではございますが、ほとんどが整備されております。しかし、この遊歩道も今のままでは、大金を投じた割には利用度の少ない遊歩道になってしまいます。それは始点と終点とを結ぶ関連性がないからです。そこで提案なんですが、海岸、松川、奥野ダム、松川湖、青少年キャンプ場を結ぶ遊歩道を整備し、市民の健康づくりの場、また、観光施設として利用するように考えてみてはいかがでしょうか。
もう少し具体的に提案させていただきますと、海岸と青少年キャンプ場の間を五つの区間に分けます。海岸より岡橋を第1区間とし、これは現状の遊歩道を利用します。ただし、岡橋、通学橋、大川橋の横断については配慮が必要と思います。第2区間は岡橋から大川浄水場までの区間とします。この区間では車道と歩道の完全分離が必要です。場所によっては、川の上に歩道をつくることも考えられるでしょう。第3区間は万葉の小径を利用した区間で、奥野ダム下までの公園までとします。一部歩道を整備すれば、現状のまま利用できます。第4区間は松川湖までの区間とし、この区間も現状のまま使います。第5区間は青少年キャンプ場までとします。この間は、松川上流沿いは現状のままの未舗装状態の道で利用し、十足、井原の庄上の歩道の整備のみが必要となります。
また、区間ごとにチェックポイントを設けます。チェックポイントには休憩所、トイレ、血圧や心拍数をはかる計器、案内板、公衆電話等を配備します。これらチェックポイントには社教センターや大川浄水場、松川湖の管理事務所等の既存建築物を利用し、スタート地の河口には旧市役所跡地にチェックポイントをつくり、終点のチェックポイントの青少年キャンプ場は設備の拡充を図ります。また、ソフト面でも区間の距離や時間による健康チェックシステムをつくり、ウォークラリー大会等を開催したりして充実を図ります。この構想は余り費用がかからず、市民の健康づくりに寄与したり、観光施設としての遊歩道として、また、その周辺の設備の利用も含めて考えたとき、その利用度がぐんとふえるものと考えられますが、市長のお考えをお伺いいたします。
以上で壇上よりの質問を終わらせていただきます。(拍手)
〔市長 鈴木藤一郎君登壇〕
◎市長(鈴木藤一郎 君)7番 鈴木克政議員の質問にお答えをいたします。
まず、第1点目の21世紀に向けての伊東市のまちづくりについてのうち、まちづくりの基本概念、この1につきまして、まちづくりにおける伊東らしさについてでございますが、私たちのまちは西に天城の山々を背に、東は相模湾に臨み、さらに城ヶ崎海岸、一碧湖、大室山など、変化に富んだ自然環境と豊富な温泉の恵みを生かした湯の街景観とがまざり合い、成り立っている観光都市でございます。また、幾多の史実や語り伝えがあり、文化の高い雰囲気を持っているところでもございます。このような特徴的な自然地形や先人がはぐくんだ湯の街情緒、文化の香りが醸し出される街、そしてご指摘のような温かな心を持った街、これがまさに伊東らしさと考えているところでございます。
次の市民総参加のまちづくりの推進についてでございますが、平成4年の都市計画法の改正によりまして、市町村は住民の意見を反映して都市計画に関する基本的な方針を策定することとなりました。このため本市におきましては、平成7年度から平成9年度までの予定で都市計画マスタープランの策定を進めているところでございますが、殊に平成8年度においては各地域の住民の方々とまちづくりについて検討し、ご意見をマスタープランに反映していくことを予定しております。この地域の住民の方々のご意見等につきましては、地域ごとの説明会や懇談会を予定しているところでございまして、これを通じまして市民総参加のまちづくりを着実に推進していきたいと考えております。
まちづくりの環境を整えるためのプランニングについてでございますが、プランニングに当たっては専門的知識を有する方々に参画していただくとともに、地元を熟知した方々の手は不可欠なものであると考えております。また、今までも機会あるごとにご参画をいただき、理想的で、しかも現実的なプランニングを行ってまいりたいと考えております。ご指摘にございました市役所跡地利用につきましても、跡地利用構想審議会を設けまして、この審議会でのご検討もいただいたところでございます。
次に、2点目のまちづくりと景観についてのうち、都市景観をつくるには地域の住民の直接参加、そして地域に合った都市景観構想を持つことが大切であるというところでございますが、現在、具体的な検討を行っております都市景観条例の素案につきましては、地域の景観向上や、まちづくりを目指す地区については、地区の住民がまちづくり協定を結ぶことにより都市景観形成推進地区に指定をし、その地区における都市景観の構想を住民みずからが作成し、市がこの実行を支援する制度を考えておるところでございます。また、この条例が制定されますと、ご質問の趣旨が生かされるものと考えております。
次に都市景観の考え方でございますが、ご質問にございますように、地域景観が良好であるかどうかは地域住民による客観的な判断が中心にあるものと認識をしており、そういう中で景観としての全体の調和が求められるものと考えております。また、地域ごとの良好な都市景観を形成するためには、一つ一つの建築物などが全体の景観と調和することが不可欠でありますが、その中でも主要な都市的な施設である公共施設につきましては、規模の点だけから言っても影響が大きいものと言えますが、大半を占める民間施設が景観の大勢を決めている実態にあると思っております。このため公共施設の設置に当たりましては、施設のみならず、周辺の景観誘導の方針を定め、その先導役として公共施設のデザインを行うことが重要と考えております。
なお、広範囲な民間施設を創造し、街をデザインする専門家集団の協力が得られるならば、地域景観の創出に一層有効だと考えております。また、物見塚公園整備につきましては、先ほどのご指摘にございましたように、この公園の構想の中で今後十分話し合いを持ってまいりたいと考えております。
次に、ごみの関係でございます。ごみの収集につきましては、可燃ごみが月、水、金曜日の週3日、不燃ごみが火、木曜日の収集をいたしております。現在、市内には1,750か所のステーションが設置されており、その管理は各町内会にお願いをしているところでございます。各ステーションにおける収集時間につきましては、市民による排出や清掃時間及び美化対策などを考慮し、遵守しておりますが、人通りの少ない道路沿いのステーションにおいては、ご指摘のとおり前日に排出されたり、夜間排出されたり、あるいは分別せずに排出されるなどが目立っており、街の景観が損なわれている状況にございます。
ステーションの指導といたしましては、立て看板による告示、管理している町内会との話し合いなどを進めておりますが、投げ捨てをする対象者が市域外の者や観光客など不特定の方が多く、その対策に苦慮をしているところでございます。対策といたしましては、対象となる町内会などと十分協議を進めるほか、報道機関を活用したPR、立て看板による周知徹底など投げ捨て防止を強化するとともに、ポイ捨て禁止条例の制定についても準備を進めているところでございます。
また、堤防や海岸河川などの清掃につきましては、海岸河川清掃員5人により定期的に実施しているほか、釣り具商組合やボランティアグループ数団体により毎月清掃が実施されております。しかし、防波堤等におきましては、不特定多数の観光客、釣り人などによる空き缶、ビニール袋の投げ捨てが多く目立ち、また、風向きによっては、沖から寄せてくるごみがたまりまして景観を損なわれておりますため、これらの対策につきまして港湾管理者、伊東市漁業協同組合、釣り具商組合、伊東市ダイビング事業協議会など関係団体と連携し、海中及び海底のごみ収集を行ってはおりますが、さらにチラシ等を作成し、釣り具店にも協力を要請いたしまして、ごみの持ち帰り運動のPRを進めてまいります。
次に、まちづくりと松川についてでございます。
最初に、松川の遊歩道とそれにかかわる整備についてのご質問につきましては、河川の安全性の確保や機能面のみの充実を図っておるという過去の施設づくりへの指摘ではないかと考えております。これらは河川の安全のための必要な措置ということで、特に河床の掘り下げ等につきましては県と協議して行ってきたものであり、コンクリートが露出している護岸等については、既に県が下流部から順次自然石張りの改修を行っているところでございます。
次に、松川をまちづくりの観点から生かしたご提案でございますが、このご意見はTライン構想として県と協議をして進められておるところでございます。伊東海岸は県の施行により緑地帯等が整備され、渚橋の下を通って松川遊歩道と接続したものとし、施設利用を高めてまいりました。松川遊歩道整備区間から奥野ダムまでの区間につきましては、早急に松川中流域の修景整備計画を作成してまいりたいと考えております。さらに、松川湖から青少年キャンプ場までは林道奥野線と一部県道を利用することとなります。ここはダム湖とキャンプ場やさくらの里を結ぶルートとして、市民や観光客が自然との触れ合いや森林浴を楽しみながらハイキングできるように林道を進めてまいりたいと考えております。これらが整備をされますと、先ほどのご意見にもございましたように、ウォークラリー大会等の開催もできるのではなかろうかと考えているところでございます。
以上でございます。
◆7番(鈴木克政 君)ただいま市長よりご答弁いただきましたが、自然環境等は伊東でなくても、よその地域でも、伊東よりすぐれたところは多々あろうかと思います。それでは、伊東は何がそういった地域と違うのかということを考えたときに、私は心の温かさということで発言したわけですけれども、市長におきましても、そのような心の温かさが大切だというようなご答弁をいただきました。ありがとうございました。
市民参加のまちづくりですけれども、都市計画マスタープラン、本年度より3か年で行われるということでございます。来年度は各地域に入り、住民の意見を聞くということでございますが、地域に職員が行って話を聞く、これはまさしく私の言わんとするところなんですけれども、この都市計画マスタープランをつくるときの地域との話し合い、これは聞くところによりますと、15地区に分けて行うということでございます。これは各区単位で行われるんじゃないかと思うんですけれども、私の住んでおります玖須美などは1万人近い人がいるわけでございます。それでは1か所で、そういった話し合いの中で住民一人一人の意見が反映されるのか、この辺についてももう少しお考えいただける余地があるのではないかなと思っております。
また、跡地の利用についてでございますけれども、跡地利用審議会で答申を得たというお話でございますが、私の言わんとするところは、そういった全体のところでなく、あそこの周りに住む商店街の方々、住民の方々の意見を聞いて、こういったものもやらなきゃいけないんじゃないかなということでございます。その辺のお考えを再度お聞きしたいわけでございます。
また、都市景観について、まちづくり協定をして住民の意見を尊重するんだということでございます。私も都市景観条例素案を見させていただきましたが、その条例の中にまちづくり協定という項目が入っております。建築協定というのが建築基準法の中にありまして、市の条例の中にもそれを補足するものがございますが、この建築協定とまちづくり協定の違い、どの辺が違うのか、その辺もちょっとお聞きしたいなと思います。同じものであれば、何もあえて景観条例の中にうたわなくてもいいのかなと。これはちょっと極論ですけれども、その辺の考え方もお聞きしたいなと思います。余り細かいところに質問したくなかったんですけれども、まちづくり協定という言葉が答弁の中に出てまいりましたものですから、その辺についてのご質問を再度したいと思います。
また、物見塚公園のゲートボール場、十分話し合うと市長はご答弁いただきました。ぜひ老人たちの楽しみでございますゲートボール場を奪うことなく、その中に組み込むような形でお考え願いたいなと再度要請するものでございます。
また、ごみ問題につきましてでございますけれども、ごみステーションは市内に1,750か所あるということでございますが、確かに道路等にあるごみステーション、この管理はなかなか難しいものと思います。ぜひその辺は町内会、それから隣組等に対する啓蒙といいますか、要請をよろしくお願いいたします。
また、伊豆高原地区などにおきましては、こういったごみステーション、動物等がごみをあさるせいでしょうか、箱が置いてありまして、その中に網がかかったりして、これは市がつくったのか、地元の人たちがつくたのか、ちょっとわからないんですけれども、余りにも景観とそぐわないといいますか、ごみ箱自体が景観とそぐわないような箇所があります。ぜひその辺の設置につきましても、指導なり、市が行うなりして、ひとつ改良をよろしくお願いいたします。
松川の問題ですけれども、川底に井型のコンクリートが出ております。これは河川管理者の仕事だということでございますけれども、確かに河口付近、整備はされておりますが、ニュー東海遊季亭さん前、伊東園さん前あたり、それから通学橋の下、あの辺につきましては、かなりまだ井型が残っております。ああいった井型の部分に玉石か何かを置きまして隠すというような、そんな方法も提案なさったらどうかなということも思っております。その辺につきましても、ぜひ河川管理者に再度要求を促していただきたいなと思います。
また、最後に提案をさせていただきました遊歩道の件ですが、余り金がかからない計画だと思っております。それでいて、かなり利用度が高いといいますか、現在、健康づくりに散歩をするという方がかなりふえてございます。その辺も含めまして早急な整備をお願いいたしまして、再質問とさせていただきます。
◎市長(鈴木藤一郎 君)鈴木克政議員の再質問にお答えをいたします。
市役所跡地利用構想審議会、そういうところではなく地元との相談をしていただきたいということでございますが、この利用構想審議会の委員さんにつきましては、地元の代表も何人かメンバーに入っていただいたというような経過もあるわけでございます。しかしながら、現在、あそこの跡地利用につきましては段階的にやっていこうということで進めているわけでございまして、これらを段階的に整備をしていく中でご意見等も承っていきたいと思っているわけでございます。現在のところでは、そういうようなことで進めさせていただきたいと思っているところでございます。
なお、残余につきましては担当の部長から答弁をいたさせます。
◎建設部長(森美佐夫 君)それでは、市長の答弁を補足させていただきます。
市民総参加のまちづくりをどうすれば推進できるかということの第2質問でございます。住民一人一人の意見が全くそのとおりに反映できるということはなかなか難しいことではございますが、1回だけ住民の意見を聞くという立場をとるわけではございませんで、その関係につきましては、確かに大勢を対象として説明会をやりますけれども、要するにその意見が我々の側に十分吸収できるような格好で、例えば意見書を出すとか、無記名でアンケートを出すとかという方法も含めて、できるだけ民意が吸収できるような方法を講じてまいりたいと考えております。
それから、都市景観の関係でまちづくり協定と建築協定の違いというお話がございましたが、鈴木議員は専門家でございますので、建築協定についてそう細かく説明する必要はございませんけれども、我々の基本的な考えは、建築協定というのは、確かに一定の地域の地権者が利用目的、それから景観、用途、形態、意匠、建築設備等、また、その関係について十分細かく協定したものでございますけれども、この協定については工法上の権利制限が余り明確になっていないため、協定で定められました建築物に関する基準は建築の確認の対象とならないということになっておりまして、これに違反があっても特定行政庁による違反是正の対象とならないという欠点もございますので、いわばその辺も含めて、住民の意識で十分にそのことを守らせるためにも景観条例が必要になるという、こういう考えであります。
それから、まちづくり関係の松川につきましての12ブロックを玉石とするような方向というのは、一応県の関係者といろいろお話し合いをしてございまして、鈴木議員がおっしゃるような方法で、できるだけ修景を進めてまいるような話になってございますが、年次、順を追ってという改修になってまいりますので、今のところ施工してないということになっております。
以上でございます。
◆7番(鈴木克政 君)今、部長の答弁の中で再度お聞きしたいんですけれども、建築協定には違反罰則がないというようなお話でございました。まちづくり協定はそれを補うものだということですけれども、私の入手しました素案につきましては、景観条例は助言、指導ということで罰則協定がないように理解をしておるわけでございますが、その辺についてのご質問をしたいと思います。
◎建設部長(森美佐夫 君)お答えいたします。
ご承知かと思いますけれども、伊東市には開発に関する指導要綱というのがございまして、これはご存じだと思いますが、法律を超えて相当強い指導をしておるわけでございまして、これは基本的には条例より、まだ拘束力が弱いものでございます。そういう形で指導要綱の中にも罰則規定はございませんけれども、要するに、この関係についての民意を条例として定めて、議会の意思もそこにありますよということを地域的にも十分知らしめ、開発なさる方、または家を建てる方がそれを守っていただくという基本的な理念を持たせようということであります。
それからもう一つは、将来的な問題になりますけれども、法律の上に置く条例はございませんで、最終的には法律で規定するのが一番いいわけでございまして、場合によっては、この景観条例なんかを一つのステップとして地区計画等に発展をさせる、こういうことも考えてございますので、ご理解願いたいと思います。
◆7番(鈴木克政 君)余り細かいことでやりとりしても仕方ないと思いますけれども、指導要綱でその辺の規制をするということでございます。指導要綱というのは、ある一定の規模以上の建築物、また、開発に関しての指導じゃないかと思うんですけれども、この景観条例、そういった建物の大きさだけで規制するものでなく、また地域とか、そういった現在あるものに対しての指定等もするものではないかと思います。ぜひその辺のご検討も、さらになされたいなと要望するものでございます。
以上、公園の問題、それから提案の松川遊歩道等の問題、多々要望事項をさせていただきました。ぜひ早期実現、また、特に市民のきめ細かな意見を聞いていただきまして、反映して市政を、伊東のまちづくりを最良のものにしていただきたいと要望しまして、質問を終了させていただきます。ありがとうございました。
○議長(斎藤保彦 君)以上で7番 鈴木克政君の一般質問を終わります。
昼食のため、午後1時まで休憩いたします。
午前11時50分休憩
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午後 1時 再開
○議長(斎藤保彦 君)休憩前に引き続き、会議を開きます。
次に、23番 戸塚 嵩君の質問を許します。
◆23番(戸塚嵩 君)私は市民クラブを代表して、市長に一般質問を申し上げます。
本年8月7日、市役所がこの物見が丘に引っ越してきまして、早くも4か月になりました。標高45mの丘の上に立って、ひときわ高く立ち上がった8階建ての新庁舎は市街地のどこからでも目につき、やはり大きく、そしてまた、外構工事ともほぼ100億円という巨大な建設費と、また、お役所らしくない斬新なデザインなど、市民の間に話題はいろいろありますが、毎日、これを町から振り仰いでいる市民の目からしますと、さまざまな感想や言い方を聞いております。
昭和31年以来、これまで39年余りなれ親しんだ旧庁舎が、古い上にも今日的には手狭で素朴であったのに比べ、エレベーター、エアコン完備、その上、庁舎規模から推論して維持管理の経費の増大など、市民は市民なりに心配しているのも事実であります。平成3年、庁舎の移転新築を決めた時点と比べて、わずか二、三年ですっかり社会情勢も変わり、さらに先行きの見えない社会状況、あるいは景気動向の中で不況に悩んでいる市民の感覚からすると、現実のものとなった大きな庁舎はまだなじめないことも確かですが、翻って、それが市当局はもとより、市職員から、あるいは市議会、あるいは議員にまできつい冷やかしや注文となって、いろんな言い方の中で、庁舎が丘の上へ移って、町と物理的距離が遠くなったという以上に、市民と市政、行政との間に心理的距離が生じてしまわないか、私は心配しております。
申し上げれば、鈴木市長就任以来、早くも1年5か月になります。市長は市長選を通じ、また、議会において機会あるごとに、市長の信条として協調と調和をうたい、3月の施政方針演説では、協調と調和を基調として理解と協力の芽を育て、この土壌の中からあすにつながるものを生み出していくと表明されておりました。円満な市長の性格をうかがうと同時に、物事への取り組みの姿勢として率直に理解してはおりますが、実は私は本年3月議会の一般質問で、今回と同じ市長の政治姿勢について、ほぼ同じ趣旨の質問をさせていただきました。ここでまた同じ質問を繰り返すのはいささかじくじたるものがありますが、思えば市長が就任して1年5か月になり、そして今、ここにきて市庁舎が新しく、39年ぶりに新庁舎に移った。そしてまた、去る9月には市議会の選挙を通じて、13期市議会議員選挙の審判を受けて議会構成も新しくなりました。こういうタイミングは、私は伊東市制50年の中で初めてのことだと思います。
さきに申し上げましたが、重ねてここで質問させていただくのは、3月の議会のときにはそれなりに理解して、そこでおさめましたが、協調と調和の先に目指すもの、そういうものを示してほしいというのが質問の趣旨であった。また今回、こういうタイミングに当たって、市長さんはどのように考えていられるか。庁舎が大きければ大きいほど、私はやはりこの庁舎が本当に市民のものとなるために、それなりという以上の覚悟を持って、みんなでその気になって──これは当局も、職員も、そして我々議会も当然でありますが、この庁舎が大き過ぎないような市政を目指していくのが我々の課題だと思うからであります。今、伊東の当主として、鈴木市長がこの伊東市をリードするその方向性、市長の目指すもの、そういうものを歯切れよくわかりやすい言葉で表明してほしい。そういう願いを込めて、伊東市新生の年を意義づける姿勢でリーダーシップを期待して、重ねて政治姿勢をご質問申し上げます。
もう一点、電線の地中化についてであります。
長年懸案だった駅前大通りで、伊東市初めての電線地中化工事が進んでおります。電柱が姿を消した町がすっきりと大きく表情が変わってきたことを楽しんでおります。このためには地元商店街を初め、電力会社、NTT、あるいは有線放送等、利害関係者の方々と根気よく話し合いをされた当局の努力の成果と評価をいたします。私はこの成果を踏まえて、日ごろ気になる部分について、これはどこをどうしろということは相手のあることですから、明確な答弁はいただけないかもしれませんが、町の景観を大きく阻害している電線、あるいは電柱について、当局はどのような対策を考えていらっしゃるか。二、三、例を挙げて、ポイントを指摘してお考えを聞いてみたいと思います。
一番だれでも目につくところ、大川橋に立ってみますと、頭の上をおびただしい電線が通っております。ちょっと下がって川の上流を眺めますと、伊東温泉の象徴ともうたう木造の旅館街がございます。その上にかかって大川を横切るあの電線の煩雑さ、毎日、私はあれを眺めている。何とかならないものかなと思います。と申し上げますのは、橋の上に柱が立っているわけじゃない。要するに渡し込んでいるわけですから、両岸から上手に受け取れば、あの橋のわきを通すことができるんじゃないか。今の技術ならば方法があるんじゃないか。要するに伊東の顔という景色ならば、それを大事にする工夫があってしかるべき、そう考えるわけでありますが、市長さん、お気づきになったことがあるか。また、あるいはお聞きにならないか。そこらあたり、ひとつ市長さんの感覚でお答え願いたいと思います。
まして観光担当者は、町をどう眺めているのか。所管者として、こういうことについてどう思うのかお伺いしてみたいと思います。
岡橋では架けかえの時点に橋げたの中に二十数本のパイプを通して、電線から、温泉から、水道から、みんな処理した。たまたま架けかえという時点の中で大変な苦労をされたでしょうが、でき上がったことです。でき上がった橋の上をどう始末するかということは、これと同列ではありませんが、やってできないことはない、私はそう考えるわけであります。
次に、ここも気になるところですが、信用金庫の本店の前に立って、県道修善寺線と旧135の豊島屋前の交差点から湯川方向を眺めてみますと、今日の電柱の長大さに改めて驚きます。それだけでなく、鉛直に立っていない電柱もかなりあります。町の建物の壁の垂直線とのずれは、町並みを大きく不安定にしています。気になります。猪戸温泉通りの猪戸館の前に立って海の方を眺めますと、屋根の上に延びた大きな柱が大きなトランスをしょっています。そして傾いている電柱がかなりあります。気にしてみると、まさに不安です。建物の壁と電柱がずれているということは町が狂っているということ。私は、こういう景観は、やはり電柱を撤去できないまでも、鉛直に立てる努力は求めていくべきだと思います。いろんな事情があるかと思います。荷重の問題があるかと思いますが、やはりそれはそれなりに企業者としての努力を求めていくのが管理者、あるいは土地提供者としての市の立場だと思うわけでありますが、そのあたり市長さん、いかがお考えになりますか。
もう一点、県道伊東川奈八幡野線の拡幅工事に伴いまして、対島中学前に歩道ができました。そして電柱が立てかわりました。あの道路を西に向かって進みますと、車の車窓いっぱいに天城の景色がまともにパノラミックに映ってまいります。景色のいいところです。残念ながら、遠笠山に向かって電柱がぴーっと列を通しています。電車が遠笠山へ向かっているんです。新しくつくる道路ならば、気にする考え方があるならば、電線の地中化はそう難しいことではないと。でき上がった町を直すんじゃなくて、あそこは、これから町のできるところです。そういう配慮はできないものか。あるいは、そういうときにそういう協議ができないものかどうか。その辺について専門的な立場でお考えを聞かせてほしいと思うわけであります。
最後に1点、自動車学校から泉に下る、最近、競輪の益金で直した道路があります。あそこから鎌田の海立の方を眺めます。国立病院から観光荘にかけて、あの緑の山肌につまようじを立てたように白い柱がいっぱい目につきます。言うまでもなく電柱です。でも、あの電柱が白くなくて茶色、あるいは緑だったらば、そんなに景観的に邪魔にならないと思います。と申し上げますのは、箱根でも、天城でも、沿道の電柱はカラー電柱にして、景観になじむように配慮がされています。今さら色が塗れるかどうか、ちょっとわかりませんけれども、そういう目配りが、先ほど鈴木議員の質問にもありました景観整備の中の大きなポイントになるんじゃないかと思う。そういう思いを一つ一つ大事にして、細かいチェックをしていくのが、これからのいい町をつくる一つの方向性だと思うわけであります。
これは関係者がある話で、また、伊東市の事業で片づく問題ではありませんから、ここで的確なご答弁がいただけると期待する方が無理かもしれませんが、しかし、電柱の立っているところはいずれも公道の上で、土地の提供者は伊東市であります。しからば、やはりそれなりの注文をつけて協議があっても当然だと思いますし、また、ぜひひとつ今後のそういった計画の中で考慮願いたいと思うわけであります。
これをもって、私の壇上からの質問を終わります。(拍手)
〔市長 鈴木藤一郎君登壇〕
◎市長(鈴木藤一郎 君)23番 戸塚議員の質問にお答えをいたします。
まず、第1点目でございますが、私も昨年の7月、市長に就任以来、市民が求めております多くの行政需要に対しまして、いかにこれにこたえるべきか、その対応策に対しまして常に研究をしてまいりましたが、現在の厳しい財政状況でもあり、すべてを充足するには至らず、行政の難しさを実感しているところでございます。しかしながら、多くの市民との対話を重ね、議会のご意見を伺いながら、協調と調和の精神を変わらぬ信条といたしまして、時宜を得た決断と実行が本市の進むべき道を切り開き、あしたへの発展へとつながっていくものと確信をしているところでございまして、この多い市民需要の中から、やはり緊急性、必要性というものも考慮しながら進めなければならないと思っているところでございます。そのためには平成8年度から始まります第六次基本計画を着実に推進させることが何よりも重要であり、計画事業への財源配分や、より機能的な業務が行われるための機構改革等の条件整備にも努めながら、これが今世紀の締めくくりとなり、新たな時代へ向けての弾みとなるよう細心の注意を払いながら進めてまいりたいと存じております。
次に、電線、電柱の地中化についてでございます。
電線類の地中化につきましては、従来は中部ブロック電線地中化協議会の定める採択基準が、電力需要密度や歩道の幅員の制限など厳しい内容となっておりましたが、平成7年6月22日から施行されました電線共同溝の整備に関する特別措置法により、基本的に電柱にかかわる変圧器ボックス等の設置が可能となれば、道路管理者が施行者となって地中化の実現が採択できるようになりました。このため3.5m未満の歩道には通行上の問題等があって地中化が難しいことから、実施が不可能であったものが、今回の法律の施行により、狭い歩道についても民地内等に変圧器ボックス等の設置が可能となりましたので、引き続き地中ブロック電線地中化協議会の採択を得て、駅前通りの電線地中化を延長してまいりたいと考えております。
ご指摘のありました国道、県道の路線は、県が道路管理者であるため、事業化については県とも相談をしてまいりたいと考えております。
また、大川橋の上空については、旧庁舎からの眺めもあり、私もこれにつきましては承知をしているところでございますが、大川橋の橋げたに岡橋のような地中線を通すことになるため、橋の強度等から、架けかえ時に実施する以外は有効な手だてがないことから、今後、技術的な面から検討を進めてまいりたいと思います。
なお、電線の地中化に関しましては、当然、東電を初めといたしまして、多くの関係する部署があるわけでございます。これらとも今後協議をし、今後の課題とさせていただきたいと思います。
以上でございます。
◆23番(戸塚嵩 君)ご答弁を伺いまして、大変答えにくいことはよくわかります。私も意地悪くご質問申し上げたんじゃなくて、私が通報申し上げたのは、政治姿勢の問題について言うならば、市民の中に、市長さんにしっかりしてもらってくれという声が非常に強い。私は市長がサボっているとは思いません。本当に日夜、よく頑張っていると思います。また、円満な人柄と人当たりのよさと、そしてまた、親しみやすいご性格から人気があって、そのためにさなきだに忙しい中に余計忙しくなっている、そういう部分も承知しておりますし、実に精力的に公務をこなしていらっしゃる点を評価しております。
しかし、今、私が申し上げた──これは大変皮肉な言い方なんですけれども、物事に当たって、もっと市長らしい的確な意思の表明というものが一言加わるならば、それなりに市民も納得するでしょう。難しいものは難しいとしてですよ。何をやれ、これをやれと言っているわけじゃないんですから。表現の仕方、言い回しのこと、物言いのこと、そういったものを踏まえて、やはり意思の表明の仕方というのはあるかと思うわけです。ただ、まじめにやっていればというのは当たり前の話。また、第六次基本計画に沿って、これも当然の話。それ以上のものを求めても、できないこともわかっているわけですが、どうかひとつ私がご質問申し上げた趣旨は、伊東のニューリーダーとして、やはり方向性が一番見えるような、そういう意思表明が欲しいということであります。市民がそれを期待しているわけです。
例えば申し上げます。それがすべていいと思いませんが、鈴木市長の場合には協調と調和と申される。熱海の市長は文化と親切だと言う。やはり市民をリードしていく方向性を示すならば、文化と親切という方に私は点をあげたいと思う。これがすべてだということじゃないですけれども、しかし、どういうものをつくろう、この町をどういうふうに仕上げていこうという方向性を示すならば、協調と調和というのはわかりにくいと思う。これは手法であると3月のときにも申し上げた。この町はいい町なんだと。先ほど鈴木議員も質問してらっしゃったけれども、伊東はいい町だと思うんですよ。市長さんも伊東に生まれて、伊東に育った。しかも、伊東高校を卒業して初めての市長さんです。伊東に対しては思い入れもあるでしょうし、愛着もあるでしょうし、だれよりも伊東を愛する心をお持ちだと思う。
ならば、この伊東が将来どういう町になるかということを市長鈴木はどう考えているんだという姿勢が、折に触れて伺えるような姿勢を期待して質問したわけであります。これは包括的な質問で、お答えになりにくいのは承知していましたけれども、私も言いにくい。でも、私も昨年7月の市長選挙に当たっては、一生懸命応援した1人であります。応援した責任を感じながら、市長さん、もうひとつここらで腹を据えて頑張ってほしいと、そういう気持ちで申し上げているということをおわかり願いたいと思います。その先のご答弁がいただけないとなると残念ですが、やはりそこらあたりは率直に、答弁書にない市長の腹のうちというもの、おれはこうなんだよというものがお示し願えるならばありがたいと思います。
もう一つ、次に電柱の問題ですが、これはまさに思い方、考え方の問題です。邪魔だと思わない人もいっぱいいるかもしれない。しかし、これから景観整備条例もつくろうとしていらっしゃる伊東市が、やはりこういうものの積み上げが町をよくもし、だめにする。そうだと思いますよ。大川橋の中に電線を通せといったって無理なことはわかっています。昭和33年の狩野川台風の災害復旧でつくったあの橋は、伊東で初めてつくったモノコックの橋です。ピアノ線を両岸の地中に埋め込んで引っ張っておいてコンクリートをまいた、PSコンクリートの現場打ちの第1号の橋だった。私は新聞記者として取材もしましたし、また、その記事も書きましたから、当時のことを鮮明に覚えております。だから、橋台に手をつけることができないわけですけれども、護岸というのは上もあり、下もあるわけです。あの橋に乗っけなくたって、あのわきを通すということはやってできないことじゃないと思ったから、考えられないかと申し上げたわけです。もちろんあそこは国道ですから、将来は県道になるとしても、いずれまた市道に引き取らなきゃならないときがくるでしょうけれども、やはりあの架けかえをするまで待つようなことじゃなくて、伊東の顔という景色を大事にするような、そういう方向で頑張ってほしいと思うわけです。
それから電柱の傾いているもの、これは、こういうふうに地震の多い伊東の町だと、だれか気がついた人が意地悪く言ったら、その人は歩けなくなりますよ。そういった意味で、やはり道路敷を提供して電柱を立てることを認めている立場で、そういうものはきちんとするような対策を求めていくこと。私は市にそういう姿勢が欲しいわけであります。参考までに市長さんのお手元に写真を差し上げましたけど、猪戸館の前で見たらすごいですよ。ぜひ一度、試しに見に行ってほしいと思う。
それから対島中学の前の電柱など、本当にその気じゃなかったからそのままいっちゃったので、これはしょうがないと思うんですけれども、これからああいうチャンスというのはあるかどうかわかりませんが、道路の正面に天城がぱんと見えて、邪魔なく天城の景観が楽しめるところ、まさにそういう景色を大事にしていくことが伊豆の伊豆らしいところであり、伊東の伊東らしいところじゃないでしょうか。これについては返事をしろと言っても無理でしょう。答弁を求めませんけれども、ぜひひとつ、これからそういうときには、やっぱり視点を変えて施策を考えてほしいと思う。
それから海立方向に眺めて電柱の目立つ部分について、これはできるなら色を塗ってください。そういう協議ができるかどうか知りませんけれども、やはりそういう努力はしてほしいと思う。かなり電柱が立っていますから、これ以上ふえることは、そうたくさんはないと思いますけれども、気にしてみると随分あるものです。これは天城の山の中、あるいは伊豆高原の方を見ても同じことですけれども、気のきいた土地会社は開発行為の中で電線は地中化していますし、そういった電柱に対する配慮もしているようであります。ご答弁いただけるならば、今後の姿勢について、電柱の問題についてもお答え願いたいと思います。
◎市長(鈴木藤一郎 君)戸塚議員の再質問にお答えをいたします。
私の政治姿勢ということでございますけれども、先ほどの鈴木議員のご質問にもお答えをいたしましたように、伊東市は非常に恵まれた自然を持っているわけでございまして、やはりこの自然を大切にしながらのまちづくりということは必要であるわけでございまして、これを目指してまいりたいと考えているところでございます。
この自然を大切にしながらのまちづくり、都市計画といいますか、そういうものも打ち立てていかなければならないわけでございまして、先ほどこれまた鈴木議員の質問にもお答えをしたわけでございますけれども、やはり景観条例とか、あるいはまた全体的な都市整備というものも視野に入れながら、これからのまちづくりをやっていかなければならないと考えているわけでございます。伊東が、訪れてよい町、そしてまた、特に伊東駅へ着きまして、駅前の状況等も見て、伊東らしさというものを今の状況ではなかなか見られないわけですから、その辺の駅前の広場の改修等もこれからの視野に入れながら進めてまいりたいと考えているところでございます。非常に狭い駅前広場でございますものですから、これからの状況というものはなかなか難しい面があるわけでありますけれども、駅前通りが電線の地中化をされたわけでございまして、これによって駅前通りの美観といいますか、そういうものも大分変わってきたのではなかろうかと思っているところでございます。
また、あわせまして、私の選挙のときの公約でございました小室山公園の問題につきましても、全体的な整備計画といいますか、そういうものを現在検討しているところでございまして、これらの整備に向けて青少年自然の家、あるいはまた総合グラウンドの整備というものも考慮しながら、また当然、現在の道路との問題、排水との問題等もございますものですから、これらも視野に入れて、この整備を考えてまいりたいということも思っているところでございます。観光温泉文化都市といたしまして、今、国際交流協会というようなものも設立に向けて準備を進めているところであるわけでございまして、町の整備とともに、心といいますか、人と人とのつながりといいますか、そういうものも大切にしながら、こういうような国際交流協会というものを通しての国際化も図ってまいりたいと考えているところでございます。
また、電線の地中化の問題につきましては、これは先ほどもご答弁申し上げましたように、市単独でできる問題でもないわけでございますし、また、あわせまして地中化になれば、それだけいいわけでございますけれども、市内には電線だけでなくて、電話線、あるいはその他テレビの線とかいろいろ入っております。そしてまた、共同溝ということになりますと、当然、ガス、水道、温泉、こういうようなものも地中に埋まっているわけでございますものですから、これらの整備等もやっていくということになりますと大変大きなお金もかかってこようかと思いますし、まず第1に、やはり東電の関係のやる気持ちといいますか、そういうものが市が働きかけて表に出てこなければどうにもならないわけでございますものですから、その辺のことも東電さんの方とも要望しながらやっていきたいと思っております。先ほどもお答え申し上げましたように、駅前の電線地中化をさらに延長をしてまいりたいということで、今後の状況といたしましてはその線を進めていくつもりでございます。
また、先ほど答えを漏らしたわけでありますけれども、電柱のカラー化等につきましては、これまた東電ともよく協議をする中で、これに向けて努力をしてまいりたいと考えているところでございます。いずれにいたしましても、電線地中化をしていくには大変なお金がかかるわけでございますし、たまたま駅前通りの整備につきましても、市が歩道の部分を持ったわけでありますけれども、この歩道整備等にも多額の経費が必要になってくるというようなことから、一度にそういう形はできてこないわけでありますけれども、電線の地中化に向けてさらに努力してまいりたいと考えております。
以上です。
◆23番(戸塚嵩 君)今、市長さんから、当面やりたいこと、考えていること、違った形でお話がありました。やっぱり市長が目指すものはいつも市民に見えているということ、将来的にはこういう町になるという絵が見えていることが必要だと思うんです。また、そこへ向かってみんなでやっていこうとやる気が起きるようなきっかけといいますか、モチベーションは、これはリーダーとして市長がやればできる。もちろん市民から起きることもありますけれども、やはり方向性をつけて、みんなやれよ、市も頑張るよという姿勢があるならば、町は動くと思うんですよ。この市役所を情報発信基地としてという開庁式の市長のごあいさつもあった。情報というと言葉がかたいですけれども、しかし、呼びかけのあるじが市長である、あるいは市役所であると。
例えばごみの問題にしても、あるいは清掃の問題にしても、そういったものをやはり全市民的な視野の中で、リーダーシップをとって一緒にやろうという姿勢を築き上げていくためには、私は一つの方法として、すかっとしたキーワードを立てる、キャッチフレーズをつくるというか、そういうものを市民に求めてもいいでしょうし、市長が提唱者になる、市役所が音頭取りになって──大したお金はかからないと思います。そういった形の運動が、この町を興していくんじゃないかと思う。
今、伊東市は被害のない災害に悩まされ、また不況に悩み、自信喪失している、市民も迷っている、そういう感じがいたします。伊東はいい町なんだから、この伊東をさらにだめにしないような努力というものは、当然、行政、政治の責任を負っている我々がやっていかなきゃならないわけですが、どうか市長、その先頭に立って頑張るという姿勢、これをひとつよろしくお願いしたいわけです。キーワードの問題等、これは市民と話し合う中で、あるいはまた、そういうご提案を提示していく中で、これからの方法としてご検討願いたいと思います。
それから電柱の問題は、これは幾らやってみたって東電があり、あるいはNTTがあり、そう簡単に進む話でもないし、また、一遍に伊東市内の電柱が全部なくなるなんていうことは、言ったってできる話じゃありません。しかし、そういうことを視点に入れながら、まちづくりに取り組むという姿勢が必要だから、私はあえて意地悪くポイントを指摘したわけです。どこをやるといったって、私の考えで、大川橋くらいはやる気になってやればできるかなと思いますけれども、ほかのところはそう簡単にいかないと思います。これは電力需要がふえるから、どんどん大きくなる。だから、トランスも大きくなる、電線も太くなる。しかもカバーをかけるから、風が吹けばうなり出す。大川橋だってそうです。リングがはまっているわけです。あれは鳥がとまってフンをしないためにかけたリングだそうですけれども、そのリングがついたから余計目立つわけですよ。イタチごっこでそういうことをやっていると切りがないので、どうかひとつ、いろんな処理すべき問題はあると思いますけれども──これは観光担当者もそうです。そういう視点で町を見ていかなかったら、この町はだめになります。私は当局の格段のご努力と、また、そういう関係者に対して、そのような観点から、やはり積極的に協力を求めていく姿勢が欲しいと思う。それが私の期待する市長のリーダーシップの一つであります。
言い始めますといろいろ出てきますが、どうかひとつ健康に気をつけられて精いっぱい努力しながら、市民の先頭に立って、いい町をつくる音頭取りになってほしいと思います。終わります。
○議長(斎藤保彦 君)10分間ほど休憩いたします。
午後 1時41分休憩
━━━━━━━━━━━
午後 1時53分再開
○議長(斎藤保彦 君)休憩前に引き続き、会議を開きます。
次に、10番 佐藤美音君の質問を許します。
〔10番 佐藤美音君登壇、拍手〕
◆10番(佐藤美音 君)9月に改選後、初の一般質問の機会が得られましたが、今回は質問通告をした者は試験的に全員受け付けて行うことになりました。私たち日本共産党議員団は3名全員が一般質問を行いますので、私はその一番手として質問をさせていただきます。
私のテーマは大きく分けて二つ、一つは高齢者福祉についてであり、二つ目は新食糧法についてでありますが、市民の立場に立った誠意ある明快な答弁を期待するものであります。
まず、第1点目の高齢者福祉について質問いたします。
日本は今、急速に高齢社会を迎えようとしています。ご承知のように、国連の定義によりますと、人口に占める65歳以上人口の割合が7ないし14%が高齢化社会、14%以上になれば高齢社会と言うわけですが、伊東市は本年4月1日現在、65歳以上の方は1万3,389人で18.0%の高齢化率であり、国や県の平均を大きく上回って、定義による高齢社会に達していることになります。また、平成4年版の老人保健福祉マップ数値表によりますと、全国で最も高い高齢化率は山口県東和町の41.5%、最も低いのは千葉県浦安市の4.9%であり、40%前後から1けた台と、都市ごとに実にさまざまです。
進んだ高齢者福祉で注目を集めているスウェーデンは、1960年に高齢化率が12ないし13%であり、35年たった現在は約18%、そして2025年は推定で22.5%ということですが、1960年には6%であった日本は急速に高齢化率を高め、2025年には27.5%に到達し、スウェーデンをはるかに抜くという推定であります。そのスウェーデンは、高齢化率十二、三%になったころから高齢者福祉、保育サービスなどに力を入れて、出生率や女性の社会進出を高めること、つまり福祉に力を入れることが長期的に見て経済を活性化させる道であるという考えで、福祉重視の生活大国へのさまざまな取り組みがなされてきたのであります。
こうした取り組みの中で、老若男女、障害のある人、ない人、みんなが一緒に生活すること、重介護を必要とする人でも、住みなれた地域で暮らせるように社会全体を変える努力、つまり障害者が社会に適応できるように努力するのではなく、社会が障害者に適応できるようにするノーマライゼーションの流れを確立してきました。それは社会サービス法という法律の一説に、社会サービスの目的は、社会の中でだれもが他の人々と同じように地域社会の中で暮らせることと明記されていることからも、単なるスローガンではなく、社会の制度として位置づけられていることがわかります。
要するに、ノーマライゼーションとは民主主義です。この民主主義のために多くの国民がさまざまな場で徹底して意見を述べ、国民の声によって福祉のあり方が確立されてきた歴史でもあります。そして、この民主主義を貫くためには徹底した地方分権、当然、財源の伴う地方分権が確立されなければならなかったし、政治家も、公務員も、福祉施策をつくり上げる福祉のスペシャリストでなければなりませんでした。もちろん社会的な仕組みが違うのですから、一概に我が国との比較はできませんが、我が国の高齢者福祉はまだ基本理念すら定まらず、国民の声を徹底して酌み取ろうとする姿勢も確立していません。しかし、私は憲法第25条の、すべて国民は健康で文化的な人間らしく生きる権利を持ち、国はこれを保障する責任があるという理念を生かしていくことこそ、ノーマライゼーションを日本の社会に花開かせていく道であると考えるのであります。
日本で北欧諸国並みの地域福祉にするには、四、五兆円の財源があれば十分との試算があります。そして村山内閣は1年前、圧倒的な国民が反対している消費税率5%への引き上げ法案を高齢者福祉の財源になどといって成立させてしまいました。消費税は高齢者福祉のためどころか、高齢者や障害者など、社会的に弱い立場の人に最も苛酷な負担を強いる悪税です。しかも、福祉財源にするとの口実で消費税を導入しながら、この5年間の消費税収が約20兆円なのに対し、従来より福祉を前進させるべきゴールドプラン関係事業費へは9,700億円、わずかこの4.85%しか使われていないのであります。そして福祉財源は、消費税を国民に押しつけなくとも確保できると我が党は試算し、提起しているのです。
例えばアメリカに次ぐ世界第2位の軍事費を半減するだけでも2兆3,500億円が確保でき、不要不急の大規模プロジェクト、大企業優遇の不公平税制などなどにメスを入れれば、年間五、六兆円の財源は十分に生まれるのです。これらの財源が振り向けられれば、全国的なゴールドプランとともに、本市の高齢者福祉も大きく前進すると考えるのでありますが、本市の当面する高齢者福祉に関する諸問題について、だれもが人間らしく生きていける街を目指す観点からお尋ねをするものであります。
その第1は、特別養護老人ホームの増設についてであります。
平成6年度末での特別養護老人ホームの入所者は112人であり、その時点での入所待機者は47人でありました。しかし、12月1日現在で待機者は59人となり、さらに増加の状況となっています。これは少なくとも、一施設をいっぱいにするだけの人々が入所を待っておられるということです。市内に存在する特別養護老人ホームは、ご承知のとおり十字の園と城ヶ崎いこいの園の2施設でありますが、112名のうちの71名がこの市内2施設に、41名が市外施設の利用となっているのです。今、自分の住んできた家で、過ごしてきた町で一生を終えたいという声が大きくなってきました。そうした意味からも、また、家族とのコミュニケーションの点からも、新たな特別養護老人ホームの市内への設置が急がれねばならないと考えるのであります。同時に、特別養護老人ホームへ付随できる施設として、デイサービスや給食サービスなどゴールドプランの具体化を可能にする意味からも、市内北部への設置を期待するものでありますが、市長のお考えをお尋ねするものであります。
第2は、老人保健施設の設置についてであります。
老人保健施設は老人保健法に定められた施設で、病院を退院した後にリハビリテーション、看護、介護を行いながら家庭生活の準備をする施設であり、また、介護する人の都合で短期間利用することもできる施設とされています。このため老人保健施設は通過施設、在宅ケア支援施設とも言われています。昨年、私たちが視察した長野県にある老健施設は、平成6年度、132名が家庭から、62名が病院から、5名が特養から入所し、これらの入所者の134名は家庭に、47名は病院に再入院し、18名は特養に退所していったとの状況からも、家庭と病院、特養との中間施設として大いに役割を発揮していると考えるのであります。
市内に住むある老婦人は、炭坑で働いた若いころの後遺症で片肺が使えないために、常時、酸素吸入をしなければ呼吸が苦しいという状況にいます。しかし、それだけでは病院に入院することはできず、かといって、酸素吸入を常時つけているためにさまざまな介護を必要とし、同時に、その酸素吸入を必要とするために特養への入所もままならない状況に、本人は、こんな苦しい思いをするなら早くお迎えにきてほしいと、つらい思いを語られています。慢性疾患などを持つこうしたお年寄りを受け入れる施設として老健施設の役割は大きく、その設置が強く望まれていると考えますが、いかがですか、お答えいただきたいのであります。
第3は、在宅福祉のかなめとも言えるホームヘルパーの24時間派遣についてであります。
現在、本市のホームヘルパーは家事援助型を主な業務として、常勤職員換算で19人の方々が働いています。ゴールドプランでは平成11年までに25人にする計画でありますが、昨年春から大阪枚方市で取り組み、各地へ急速に広がりつつあるのが、介護型を中心とする24時間派遣のホームヘルプ事業です。先月、福祉文教委員会で視察した大垣市でも、本年7月12日スタートで巡回型のモデル事業として始められていました。大垣市での巡回型ホームヘルプのサービス内容は、食事、給水等の介護、衣類着脱の介護、排せつの介護、身体の清拭、起床、就寝の介護等々であり、従来の家事援助型のヘルパーもあわせて派遣する家庭もあり、巡回型の派遣は1回につき25分が限度だということでした。このようなホームヘルプのあり方は、ある全国的な医療機関が訪問看護を利用する約3,000世帯にとった在宅介護で何が望まれているかのアンケート結果からもうなずけるものであると考えます。
このアンケートによりますと、介護を続けて3年以上になる人が約6割、介護で困っていることとして、「ストレスや精神的負担が多い」が58.6%、「自分の時間が持てない」35.6%、実際の介護で大変なこととして、「排せつ」63.3%、「入浴」57.3%、「食事」38.1%が上位を占め、希望する福祉サービスで最も多かったのは「入浴」や「排せつ」など、日常生活の介護や世話をしてくれる人の訪問でした。そして国への要望としては、「ホームヘルパーや看護婦の増員」73.0%、「ショートステイやデイサービスの普及」64.5%など、在宅福祉の充実を望むとともに、「特別養護老人ホームの増設」59.5%など、それぞれ、これらの数値は複数回答によるものですが、在宅介護をする人の中でも施設介護への期待もまた強く求められていたのです。このアンケート結果からも、高齢者のケアが各家庭の個人的な努力に多くが支えられていること。それだけに介護者の負担の大きさと重圧の強さを思わずにはいられないのであります。加えて、こうして介護を支えている多くは女性であることからも、家事援助型に加えて24時間巡回型ホームヘルプ事業に取り組むべきと考えますが、お答えを願いたいのであります。
また、ホームヘルパーの事業も、家事援助型に加え、いや応なく巡回型、介護型の事業に取り組む必要に迫られるなど、仕事に対する高い専門性が求められていると考えます。研修制度の確立など在宅福祉の質的な前進を図る必要があると考えますが、いかがですか、あわせてお答えをいただきたいのであります。
第4は、検討してきた給食サービスの早期実現についてであります。
既に給食サービスにつきましては何度となく取り上げ、準備が整い次第、本年度中にも実施するということでありましたが、今現在、実施を見ていないのであります。私がかつて県下の給食サービス実施状況を調べたのは6年ほど前でありましたが、そのときはせいぜい週1回、100食に満たない実施でありました。静岡市もその一つでありましたが、本年より静岡市は週4回、利用者も316名へとふえてきております。全国の進んだ経験としては、福岡県春日市や鹿児島県隼人町などに見られる365日休みなし、1日2食という取り組みです。春日市は配食のみでなく、意見や苦情を拝聴する場を兼ねて、月に一度は会食の機会を設け、桜の花見、もみじ狩り、菊見などのイベントつきで、ふだん配食しにくい寄せ鍋、すき焼き、水たきなどが用意されるとのことであります。さらに配食を担当する社協の職員が、このお年寄りには食事をつくる力があるのではないかと判断すると、おかずの材料配達に切りかえてみることを勧め、残存能力の活用を図る取り組みもしているのです。食は人間の生きる源の重要な一つであり、ひとり暮らしの方も給食サービスや配食のコミュニケーション等の中で、生きる張りや生活のリズムをつくり出していけるのではないでしょうか。一日も早い実施と、全市的に条件が整うのを待つのでなく、整ったところから実施に踏み切ることも検討すべきと考えますが、いかがですか、お答えをいただきたいのであります。
第5は、安全な住まいづくりのための住宅改造に対する援助制度についての質問であります。
一昨年の10月から開設された介護支援センターの事業の中で、住宅改造相談事業が取り組まれてきました。平成6年度の相談件数は25件でありました。住宅内の敷居でつまずいたり、浴槽でおぼれたりの事故で、全国で年間4,200人もの高齢者が死亡していると言われます。けがをした人となれば、その何十倍にも上ると見られ、寝たきりの大きな原因でもあります。段差の解消、階段や玄関などへの手すりの設置、風呂場やトイレの改修など、車いすや、歩くのにつえを必要とする在宅の高齢者の介護にとって欠かせないのが、こうした住宅改造であると考えます。東京江戸川区では、こうした住宅改造に対する助成金の限度額なし、所得制限なしの制度をつくっているのでありますが、本市におきましても、住宅改造の相談事業を一歩進めて住宅改造に対する援助制度を実施し、高齢者が住みやすく、そして家庭内での事故の防止とともに、少しでも介護がしやすくなるよう在宅ケアへの援助を図るべきと考えますが、いかがですか、お考えをお聞かせ願いたいのであります。
第6番目は、負担あって介護なしと心配される介護保険制度についてお考えをお聞かせ願いたいのであります。
るる述べてきましたように、高齢者福祉は高齢者自身の状況とともに、その高齢者を取り巻く環境などによって、施設福祉、在宅福祉のいずれかが求められ、それにこたえられる施策の充実が不可欠です。特に在宅介護を個人任せにせず、公的に解決しようとするニーズが急速にクローズアップされてきたことからも、政府はこうした公的介護の財源として介護保険制度を導入しようとしています。政府は、介護保険ができれば介護不安が解消するかのような宣伝を盛んにしています。それは長いこと女性を介護に縛りつけ、これを公的に解決するための施策の整備を政府がサボってきたことで、介護に対する大きな不安が国民の中に生み出されているからにほかなりません。
本来、介護福祉は社会保障の一環として、国と自治体の責任で福祉サービス、介護保障の供給体制を整えることこそ必要なことであると考えます。今でも高い利用料のため、福祉サービスを利用したくても利用できないお年寄りが少なくありません。この上、保険料も払えとなったら、負担あって保障なしとなってしまうのではないでしょうか。
最初に述べましたように、財源がないのではありません。政府は、1990年に約3兆7,700億円であった高齢者介護のための費用が2000年には7兆7,000億円になるだろうと見込み、その大部分を保険料と利用者負担、さらに公費部分は消費税で賄おうと考えているようであります。しかし、軍事費を半分にすることで2兆3,500億円、通常より発注額が二、三割は高いとされているゼネコン奉仕の公共事業費40兆円をたった1割削っただけで4兆円。大企業にだけある特別の60種類もある税の減免制度、優遇税制をやめさせただけで年間五、六兆円などなど、国民の懐をこれ以上痛めないでも財源は十分にあるのです。
介護保険をことし1月から実施したドイツの実施状況を報道した毎日新聞記事によりますと、あるカソリック系の福祉団体の職員は、介護保険の登場を機に、この福祉団体から6人の看護婦らが独立し、安いサービスを売り物にしたが、すぐ倒産した。同じ例が全国にたくさんある。政府は競争で介護のコスト抑制をねらうが、問題は介護の質が下がることだと警鐘を鳴らしていますし、要介護の認定の地域格差が激しく、再審査の申請や、最終的には社会裁判所への提訴で決着させるなど、多くの難問を抱えていることが浮き彫りにされています。政府は1997年度の創設に向け、年明けの通常国会に法案の提出を考えているようでありますが、公的介護を大きく前進させる責任を持つ自治体の長として、介護保険制度をどのように考えられますか、お答えいただきたいのであります。
二つ目のテーマであります新食糧法についてお伺いします。
11月1日から新食糧法、主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律が施行されました。同時に食糧管理法が廃止されます。これにより、従来、米を全量国が管理し、商社や大企業の介入をさせなかったのですが、これからは国が政府米として買い入れるのは、輸入米を含む備蓄米だけとなるのであります。そして国が備蓄用とする米は最低200万t必要と考えられていますが、ことしは150万t、その中には輸入米の10万tも含まれています。また、従来、生産者米価は農家の所得を保障し、消費者には生産者米価より安い価格で販売され、その差額や経費は国が責任を持っていたわけですが、それが市場任せの価格となり、生産者米価は引き下げられ、消費者米価は天候や輸入米の状況などに左右され、変動が大きくなってしまいます。さらに米の輸入規制をなくし、米の需給は放棄し、輸入自由化が強まります。そして輸入米を前提として、需給計画がつくられることになるのだそうであります。ことしの輸入量は約40万t、毎年8万tずつふえ、6年目には80万tになります。この輸入の拡大に合わせて減反が進められるのです。アメリカの民間調査機関のワールドウォッチ研究所は、96年の収穫までに世界の備蓄穀物は49日分しかなく、今までで最低だった73年の55日分をさらに下回っていると指摘しているように、世界の穀物は決して安定している状況にはないのです。その上、なお日本は減反までしようというのです。
こうした状況の中で、先ほど申し上げましたように、国が今後、政府米として買い入れるのは備蓄米だけということになりました。備蓄米ということは、ことし買い入れた米をことし放出はしないということです。従来、学校給食はその大半、政府米を使用してきました。米給食に使われる年間約11万tのほとんどは政府米、自主流通米の使用は2,000t程度にとどまっていました。それは学校給食での米消費促進を目的に76年度から国庫補助が始まり、政府米を使っての週3回以上の米給食の実施には50%の値引きなど、条件に応じて45ないし60%の値引きがされてきたからであります。
一方、自主流通米に対しては、政府値引き額の85%に限ってのみの補助がされてきたのです。新食糧法の施行に伴い、政府は輸入米を含む備蓄米の買い入れしかしないことになったわけですが、学校給食においては、引き続き従来のように当年度生産分の国内産米の確保をすべきと考えますが、教育長はどうお考えになられますか、お答え願いたいのであります。教育長の誠意ある答弁を期待して、私の壇上よりの質問を終わります。(拍手)
〔市長 鈴木藤一郎君登壇〕
◎市長(鈴木藤一郎 君)10番 佐藤美音議員の質問にお答えをいたします。
まず、第1点目の特別養護老人ホームの関係でございます。
特別養護老人ホームの建設につきましては、入所待機者の状況などから判断をし、高齢者保健福祉計画の目標年次内のできるだけ早い時期に整備することで、市内の社会福祉法人の意向を打診し、また、新規法人による建設計画にも対応するなど、作業を進めてきているところでございます。しかしながら、建設用地の確保が思うように進まないなどにより、現在に至っております。今後、法人誘致による建設などの方向も含めて検討し、建設実現に向けて鋭意努力してまいる所存でございます。
次に、老人保健施設の関係でございます。
急速な高齢化が進展する中、病状が安定期にある寝たきりのお年寄りの家庭復帰を促すため、老人保健施設の整備が必要と考えております。現在、一、二の法人から相談もありますが、整備に当たっては熱海・伊東圏域内での調整や医療法人等の協力が必要となり、また、医療施設基本構想との整合も必要となりますので、関係機関との調整を図りつつ、整備に向け努力してまいります。
次に24時間ホームヘルパーの派遣の関係でございますが、まず、24時間対応ホームヘルプサービス事業につきましては、厚生省が今年度から在宅介護支援の施策として新設され、全国21市を指定し、事業開始したこと、また、その実施都市の大垣市を常任福祉文教委員の皆さんが行政視察されたことなど承知をしているところでございますが、この実現に当たっては人材及び財源などの課題も多く含んでおりますので、この事業の内容や事業実態などを調査、研究してまいりたいと考えております。
また、ホームヘルパーの研修制度につきましては、適切なホームヘルプサービスを提供していく上からも、そのために必要な知識、技能を有するホームヘルパーの養成は欠かせないものであるとの認識をし、県単位で実施される研修制度に受講生の派遣を行っているところでございます。今後とも引き続き、これら研修制度を積極的に活用するなどして、技能、資質の向上に努めてまいります。
次に給食サービスの実施に向けてでございますが、この具体化につきましては、社会福祉関係団体の代表による給食サービス事業研究会の協力を得て調査、検討を重ねてきたわけでございますが、本年11月にその骨子がまとめられたところでございます。この報告を受け、さらに市の担当部内で細部の詰めをしていく必要がありますので、いましばらくの時間をいただきたいと考えます。基本的には全市域を対象にした規模で考えており、早期に実施できるよう作業を進めてまいりたいと思います。
次に、住宅改造の関係でございます。
住宅改造に対する助成制度につきましては、本年度から静岡市及び浜松市で開始されたことは伝え聞いておるところでございます。本市では平成5年10月に在宅介護支援センターの設置に合わせ、建築士会伊東支部の協力を得て、高齢者向け住宅改造相談の窓口を開いてきておるわけでございます。これらの相談状況や実績及び他都市の動向にあわせて検討をしていきたいと考えております。
次に、公的介護を前進させる立場から介護保険制度をどう考えるかとのご質問でございますが、国は平成6年12月の新ゴールドプラン策定に合わせ、高齢者介護に関連する既存制度を再編成し、新介護システムの創設を目指すとして、介護保険制度の導入について検討に入り、現在、老人保健福祉審議会において、具体的制度の基本的考え方についての意見の取りまとめを進めていると伝え聞いているところでございます。しかしながら、まだその内容が必ずしも明確化していないなどから、今後、この推移を見守りながら進めていきたいと考えております。
しかし、この制度の創設に対しまして、去る11月16日に全国市長会としては、給食サービスと住民負担の均衡を図るとともに、地方に過重な財政負担を強いることのないような仕組みを構築することと決議している経過がございますので、これを踏まえて対処していくつもりでございます。
なお、食糧法と学校給食の関係につきましては、教育長の方から答弁をいたします。
以上で佐藤議員の質問に対するご答弁といたします。
◎教育長(望月修 君)質問にお答えをいたします。
先立って伊東市の学校給食、現在、小学校のみで行っておりますけれども、年々充実を加え、大変内容がよくなってきているという考え方を持っておりますし、実際に努力をしているところでありますが、ご質問の内容に対して基本的な考え方としては、新食糧法のもとであっても、学校給食用の米は国産の新米を使い、補助金も存続していただきたいという考え方を基本的に持っております。食管法では、米飯給食にご指摘のとおり年間200億円程度の補助で、政府米を主力として約10万t以上、45から50%の値引きされた供給がされてきました。今年度末、来年3月までは、このシステムで行われることは確かであります。しかし、4月からはどうなるか決まっていないのが実情であります。大蔵省は給食費の保護者の受益者負担の考えから助成措置を廃止し、その廃止の方向で検討をしているということも伝え聞いております。また、食糧庁では、給食米をどう手当てしていくかを検討中であるという考え方もお聞きします。
そこで、私どもとしては学校給食会、それから教育委員会、主に体育保健課を中心とした中で、大蔵省、それから食糧庁、文部省、さらに国会、国会議員の皆さん、国の各関係会議とか委員会へ陳情を現在行っているところであります。従来どおりの補助金継続、新米供給を強く要請して、本来の学校給食の目標を損ねないよう実施ができるような、そういう継続をしていきたいと考えております。
以上でございます。
◆10番(佐藤美音 君)市長及び教育長からの答弁をいただいたわけですけれども、高齢者福祉の問題について、かなり多岐にわたって質問させていただいたわけです。ゴールドプランをつくって、計画が一応あるわけですから、基本的な答弁はその計画に沿ってというふうになってしまうのかもしれませんが、実際に私は今の伊東市の特別養護老人ホームの現状で見ていきますと、待機者が50人前後と思っていたわけですけれども、さらにそれがふえてきているということですね。そうした中にはいろいろな方がいらっしゃるとは思いますが、やはり特別養護老人ホームへの入所を希望されるということは、その高齢の方の状況というのは、自分1人の力では生活が大変困難だという方ですからね。そういう方が59人も待っておられるというのは大変なことだなと私は考えますので、いろいろ努力はされているようには伺っているわけですけれども、しかし、目標年次に間に合えばいいということではなくて、相当力を入れて、この解決を図っていかなければならないのではないかと考えるわけですね。建設用地等、いろいろ問題はあるようですし、特に国はこの特別養護老人ホームへのいろいろな助成──もちろん国の負担もあるわけですけれども、土地についてだけは全くない、自前で土地を探さなければならないという、そういうことも含めて国への要望も強めていただきたいわけです。
何とか土地も探し、あるいはやろうという法人はいないことはないと思うんですけれども、その中で私は特に今後の特別養護老人ホームをつくっていく上で、先ほど第1質問でも少し言いましたが、まだまだ日本の高齢者福祉に対する基本的な理念というのは全体としてはつくられてきていない。ゴールドプラン等はありますけれども、でも、その中身が、本当に高齢者をどうしたいのかということがつくられてきていないわけですが、そういう中で、例えばスウェーデンなどの特別養護老人ホームなどでも個室化されている。小さな町ですけれども、日本でも個室化をしたところがあるようです。現在の日本では特養の1人の面積は8.4㎡でいいということになっているようですが、スウェーデンなどでは25㎡が確保されて、自分の持っていたいろいろな荷物も全部持ち込めて、そして、そこで新たな生活が始まるというような、そういうことが保障されているようです。
新たな法人なども探しながら、内容としても高齢者福祉を前進させる、そういう福祉法人同士の切磋琢磨といいますか、そういうことも目指しながら、特別養護老人ホームの設置を図っていくべきではないかと考えるわけですが、そうした点で、ぜひ目標年次内にということではなくて、今、この状況を解決するという基本的な姿勢を持って取り組んでいただきたいし、早急な対応をしていただきたいということを希望しておきます。
それから老人保健施設ですが、この近くにはまだ余りなじみがないということもありまして、なかなかイメージ化されていかないという部分もあるんですけれども、実際には先ほど私が申し上げましたご婦人の例などをとってみましても、本当に行き場がなくて大変困っておられるんですね。つらい思いをされているのがとてもよく私もわかるわけです。例えばこの方は小さなアパートに住んでおられるわけですけれども、夏などは西日の差す部屋で毎日いるわけですから、汗をかくし、本当に毎日でもお風呂に入りたい。でも、お風呂に入ることができないんですね。自分が酸素吸入のチューブをいつも鼻につけているものですから、そのチューブが邪魔になって自分では洗えないし、それをとっちゃえば苦しくて自分で行動ができないんですね。ですから、介護が必要になる。しかし、なかなかその介護ができない。そういう状況でありますので、いわゆる入浴サービスも、体が健康であるとかいろいろなチェック機構があるわけですが、そういう中の一つにひっかかったりして、思うように入浴もできないんですね。それこそ、その方の言葉で言えば、入浴できれば死んでもいいというぐらいに気持ちよくなりたいという思い、これは本当に人間として当然の思いだと思うんですね。
そうしたことを本当に保障してやれる体制って、どうやってつくっていったらいいのかというのを私も相談を受けながら悩むわけですけれども、そうした点でも、こうした老人保健施設などがあれば、少しでもこうした方々を救っていけるのではないかと思うわけで、この辺についても設置をしていいという方がいなければつくっていかれないわけですけれども、そうした点で積極的に関係機関へ働きかけて、伊東、熱海という関係があるんでしょうけれども、何とか近くに、いつでも伊東市民がそうした施設が利用できる、そういう施設として設置をしていただきたいと、これも強く希望し、そして、その対策を進めていただきたいということを要望いたします。
それから24時間ヘルパーの派遣の問題ですが、ことしモデル事業として全国で21市が指定されたということでありますけれども、やはりこれは在宅福祉のメーンだと思うんですね。大垣市を見ましたけれども、まだ始めたばかりですので、完全にうまくいっているというふうにもまだ思えませんけれども、しかし、始めることによって、問題点をいろいろ洗い出しながらクリアしていくということになるんだろうと考えるわけですね。今までは、どちらかというと家事援助型でひとり暮らしの方々を訪問されるホームヘルプ事業が多かったと思うんですね。その中でもちろん介護をやってこなかったということではないわけですけれども、この24時間ヘルパーというのは、どちらかというと介護を中心としていると思うんですね。
先ほど私が例に出しましたのは、全国にある民主医療機関というところがとったアンケートなわけですけれども、3,000人を対象にアンケートをとって、その中で最も強いのはストレスや精神的な負担だったということと、そして、そういう中で実際に介護をしていて大変だと思っていることが排せつや入浴や食事、これらの介護なわけですね。ですから、やはりこの介護に対する援助をしていくということは、在宅ケアを行っている方々の一番の強い願いだと思うんです。これは、このアンケートの対象者だけじゃなくて、介護を実際されておられる方々に共通しているのではないかと思うんですよね。
そうした中で、大垣市でも最初70ぐらいの希望者だったのが、実際には27世帯を訪問しているということで、希望よりも大分少なくなっている。それは、やっぱりプライバシーの問題等ではないかということでしたけれども、そういう問題は実際行っていく中で出てくるとは思うんですね。でも、それは何といっても介護が個人の責任としてずっと長いこと行われてきたわけですから、その辺に対する意識改革というのはそう簡単にいかない部分もあるだろうと思うんですね。そういう点で、私は最初からうまくスムーズにいかないにしても、こうした介護を単なる個人の問題として片づけないで、社会的な問題として解決をしていくべき課題として受けとめるべきだと考えるわけですけれども、その辺についてどうお考えになるかお聞かせを願いたいということ。
それから研修制度については、私も知り合いでヘルパーをやっていらっしゃる方が、研修に行ったことによって、今まで全く自分なりの判断をしてよかれと思ってやっていたことが、介護をされる側の立場に立ってみるととっても苦しいことを私はしていたんだというのを知って、研修に行ってみて本当によかったという、実際に研修を受けた人の話を聞いたこともあるわけです。そういう意味では、従来の経験などでよかれと思っていたことが、案外、そうでなかったということも含めて、やはり専門的に介護などについてを学んで資質を高める必要があると考えるわけです。先ほど県の制度などを使ってということでしたけれども、そのための休暇の保障ですとか、そういうことをきちんと制度として定めていく必要があるのではないかと思いますが、その辺についてを再度お聞かせ願いたいと思います。
それから給食サービスについてですが、先ほどのお話では担当課内での詰めの検討がされていると。全市域を対象として考えて検討しているということでありましたけれども、私は全市域を対象としてスタートしていければ大変いいなと思いますし、それを望みますけれども、それができないために、実施がもしおくれていくというようなことであるならば、準備の整ったところからでも進めていくということも必要ではないかと考えるわけですが、その辺について。
例えば静岡などでは特別養護老人ホーム、あるいは老健施設を使って給食サービスをやっている。あるいは、それだけでは足りなくて、給食センターなどの業者を使ってやっているということも含めてで、先ほど言いました361食になっているわけです。そういう点で伊東の中ではどういう可能性があって、地域的な部分で多少偏在があっても、始められるところから始めていくという必要もあるのではないかと考えるわけですが、その辺についてのお考えを再度お聞かせ願いたいと思います。
それから住宅改造についてですが、この援助を相談事業の成果を踏まえて、ぜひ伊東でも検討していただきたいと思います。所得制限があるわけですけれども、静岡市では80万円を限度として今年度から行っていると。昨年視察した小諸市は限度額90万円までで、ここでは県の補助としてやっているということです。静岡はまだそこまでいきませんけれども、そうした先進的なところもありますので、ぜひそれらを生かして検討をしていただきたいと思います。これについてもいろいろ例はあるわけですけれども、介護者も大変です。こういう住宅が不備であるために、介護者が体を壊してしまうということが実際にはあるんですね。その辺についてをぜひ考慮していただいて、積極的に住宅改造が進んでいけるような援助をしていただきたいと思います。
それから、介護保険制度については国の制度として取り組もうということになるわけですので、伊東市でどうこうと言えない部分もあるわけですが、しかし、この介護保険制度はいろいろ矛盾も持っているように考えられるわけですね。それから、介護保険の対象として保険を出しますよ、給付を受けられるか、受けられないかということの判断というのが、これがなかなか難しいというのが実際にドイツで起こっているわけです。それで裁判ざたにまでなるという状況ですから、こういうことが同じような形で行われていくとすると、市民の中にも大変な混乱が生まれるのではないか。介護保険によって介護が前進すると思っていたら、どっこい介護が受けられないでお金だけとられちゃうということになりかねないという危険を感ずるものですから、ぜひそうした点で市民の立場に立って介護が大きく前進するという介護保険になるように、市長の立場としても発言をしていっていただきたいと強く希望しておきます。
それから新食糧法に関しては、これも明確でないという状況にあることは承知をしています。食糧庁の中でもいろいろと意見が分かれているとか、農水省の方でも分かれているとかということも聞くわけですが、先ほど教育長がご答弁されましたような国内産新米、それから従来の補助制度も引き続き実施させていくということが、子供たちに日本のお米のよさ、おいしさを身につけていってもらうという点で、とても大事なのではないかと考えるわけですね。そういう点からも、学校給食のお米の問題がこのことで後退しないように、ぜひ強く働きかけていっていただきたいと思います。
以上で、あと答弁をお願いいたします。
◎市長(鈴木藤一郎 君)佐藤議員の再質問にお答えをいたします。
まず、24時間ホームヘルパーの派遣の関係でございますが、これにつきましては確かに在宅福祉の最たるものであろうというようにも思うわけでございますし、また、在宅介護の支援施策としての非常に重要な位置を占めてくるというようにも思っているわけでございまして、なお、この実現に当たりましては、先ほどご答弁申し上げましたように、人材の確保をまず第1に挙げなければならない問題でございますし、あわせて財源の確保等、まだまだ課題も多々含んでおりますので、さらに需要実態などの調査、研究を鋭意進めてまいりたいと考えているところでございます。
また、ホームヘルパーの研修制度の関係でございますけれども、研修のための休暇制度を考えてというようなご質問だったと思いますが、これらの制度につきましては、今後、研究をさせていただくことにしていきたいと思っておりますので、ご理解をお願い申し上げたいと思います。
次に給食サービスの関係でございますが、先ほどもお答えを申し上げましたように、本年11月にその骨子がまとめられたところでございます。今、担当の内部において、その詰めを行っていくところでございますので、部分的な実施を含めまして、さらにそういう細部の詰めをさせていただきたい、このようにお願いを申し上げるわけでございます。
以上でございます。
◆10番(佐藤美音 君)時間を大変気にさせられながら質問させていただいたわけですが、24時間ヘルパーについても、一定の市長の認識については、在宅介護の支援施策の中心と認識をしておられるということについては評価をするわけですが、私が先ほど大変残念に思ったのは、私の前任の質問者の答弁の中で、政治姿勢についていろいろるる具体的に述べられた中に福祉が入ってなかったんですね。私は、市長が日ごろ何に関心を持っておられるかという点で福祉が欠けているのではないかという、とても残念な思いをしたわけですが、福祉というのは地方政治、自治体の行政の全く中心に座らなければならないと。福祉が前進していれば、その町のよさのバロメーターだというぐらいに、私は福祉についてを重視して考えていただきたいと思うんです。
というのは、福祉の基本的な精神というのは、だれもが人間らしく生きられる、そういう町をつくることが福祉の基本理念でなければならないと思っているんですね。それは本当に、その町に住んでいる人たちが実感できるかどうかにかかるわけですから、そういう点で、私がこの施策についていろいろ述べさせていただいたわけですけれども、それぞれ確かにお金がかかります。そして今、特に不況のときですから、財源も厳しいということをおっしゃらなかったことだけ私は評価をしたいと思っているんです。財源が厳しい、厳しいということで、きょうの民生委員の伝達式の中でもそういうことをちらっとおっしゃっていましたが、そのことで福祉が後景に押しやられてしまってはならないと。いろいろ財源が厳しい中で、その予算の執行については絞り込んでいかなければならないと思うわけですけれども、その中で、やはりきちんと位置づけていかなければならないのは、それぞれの市民の暮らしが基本的に人間らしく維持されていけるのかどうか。そういう点で福祉や教育、医療、こうしたものを決して後景に押しやってはならないと考えますし、そういう立場でそれぞれの施策──私はとっくに実現させていいと思うこともいっぱいあるわけですけれども、こうしたものが本当に一日も早く日の目を見て、そして市民に喜ばれる日を期待をいたしまして、質問を終わらせていただきます。
○議長(斎藤保彦 君)以上で、10番 佐藤美音君の一般質問を終わります。
この際、お諮りいたします。本日の一般質問はこの程度にとどめ、あすの日程に譲りたいと思います。これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(斎藤保彦 君)ご異議なしと認め、さよう決定いたしました。
━━━━━━━━━━━
○議長(斎藤保彦 君)以上で本日の日程全部を終了いたしました。
本日はこれにて散会いたします。
午後 2時52分散会...