◎
財政経営部長(鈴木昭彦君) お答えいたします。
包括施設管理委託を導入している自治体の先進事例の特徴としましては、市が直営している施設で
延べ床面積の占める割合が大きい教育施設や庁舎などを含めるケースが多い傾向にございます。また、対象業務に関しましては、
自治体ごとに違いはありますが、設備関係の定期的な
保守点検を中心に、清掃業務や常駐警備など人的業務を含めるケースなどもございます。 本市が対象とする施設につきましては、現在、三島市
公共施設等総合管理計画で定める
公共建築物の所管課と
ヒアリングを重ねる中で調整しておりますが、現時点での導入規模については、庁舎3施設をはじめ、
小・中学校21校、市営住宅13施設、幼稚園・保育園16施設、生涯
学習センター、公民館4施設など、85施設が導入について前向きな回答をしております。一方、
指定管理施設である
市民文化会館、
市民体育館、
北上高齢者すこやかセンター、
高齢者いきがいセンターや
包括施設管理委託などがなじまない業務が多い楽寿園などの15施設が
対象外施設としたいとの希望を聞いております。しかしながら、
指定管理施設にあっても契約の更新時期であれば導入が可能と考えますので、現
指定管理者や
施設所管課から申出があれば検討してまいります。以上です。
◆16番(
宮下知朗君) 各所管課と
ヒアリングを重ねる中で調整されているとのことでしたが、現時点、市庁舎を初め
小・中学校、市営住宅、幼稚園・保育園など85施設が導入について前向きな回答を示していること、理解いたしました。極力多くの施設を対象とすることが
包括施設管理委託の導入効果を最大限発揮するために重要な要素の一つと考えております。大幅な業務改善を行う際には一定程度の抵抗感や消極的な姿勢が生じてしまいがちだというふうに考えますが、将来の三島市の姿を考えた際に挑戦するべき業務改善と考えますので、引き続き前向きな御検討をいただくようよろしくお願いいたします。 最後に、
包括施設管理委託の導入を推進するに当たり心配されることですが、金額や業務の規模が大きくなることから、大手企業の参入が予想されます。現状、
包括施設管理の対象業務はその内容から
地元事業者に請け負っていただいている案件が多いものと推察いたしますが、
包括施設管理委託を導入することで、地域経済の重要な担い手である
地元事業者の仕事がなくなってしまうなど、よくない影響を及ぼす可能性を秘めているものと考えますが、こうした不安を払拭するためにも、導入に当たっては
地元事業者に対する配慮が必要と考えます。
包括施設管理委託の導入を推進するに当たり、
地元事業者への配慮について、どのようにお考えか伺います。
◎
財政経営部長(鈴木昭彦君) 現在の委託先における
地元事業者の業務件数の割合はおよそ6割を占めておりますが、これら6割の地元業者にとって、
包括施設管理委託は大手の
ビルメンテナンス業者に受注機会を奪われてしまうのではないかなど、未知の領域として多くの不安要素を抱いてしまうおそれがあると思われます。しかしながら、
包括施設管理委託はむしろ地元業者との連携、信頼関係が必要不可欠で、かつそれが業務の質に直結するといわれております。また、現在の施設の
維持管理に関する契約は、毎
年度見積り合わせを行い、業者を決め単年度の契約をしておりますが、地元の清掃業者などからは継続的な雇用を確保する観点から、債務負担、または
長期継続契約による
複数年契約を望む声も上がっております。 したがいまして、
包括施設管理委託の導入に当たりましては、
地元事業者に対し、その内容を十分に説明、周知するとともに、市内の事業者で完結できる業務につきましては、公募の際に市内業者を条件とするなど、
地元事業者の参入機会を明確に保障してまいりたいと考えております。以上です。
◆16番(
宮下知朗君)
包括施設管理委託は、
地元事業者との連携、信頼関係が不可欠であり、それが業務の質に直結するものであること、また、導入に当たっては内容を十分に説明、周知いただけるとともに、
地元事業者の参入機会を明確に保障していくお考えであること、理解いたしました。新たな手法を導入することに対して不安を持たれることは当然のことと考えますので、引き続き
地元事業者の皆様の御理解、御協力をいただけるよう、丁寧な説明、周知に努めていただくよう求めておきます。
包括施設管理委託の導入は
コスト削減や
業務効率化、管理の質の均一化だけではなく、行政事務の
生産性向上、
地元事業者との連携、信頼関係の強化にも資する可能性を多分に秘めたものであり、三島市が今後も持続的な発展を着実に進めていくためにも、やらなければならない重要な業務改善であるものと考えます。導入による効果を最大限発揮できるよう、前向きな取組とその着実な推進を期待しております。 それでは、誰もが安全・安心に利用することのできる魅力ある公園整備に関する再質問に移らせていただきます。 公園内に設置されております水と緑の課が管理するブランコや滑り台といった遊具は、合計287基あること、また、主な公園におけます遊具以外の施設についても御紹介いただきましたが、大変多くの
公園施設を設置、管理されている現状を理解いたしました。こうした
公園施設を利用される皆様に、安全・安心して御利用いただくためにも、定期的な点検は欠かすことのできない重要な業務と考えます。遊具の点検は毎年1回実施いただいているものと認識しておりますが、
公園施設の点検状況、また、敷地内においても点検がなされているのか、現状の対応について伺います。
◎
計画まちづくり部長(飯田宏昭君) お答えいたします。
公園施設及び敷地内の安全点検の状況になりますが、公園遊具につきましては専門業者による点検を年に1回と、職員による目視、触診等による簡易的な点検を年に1回、合わせまして年2回の安全点検を実施しております。その中でも、公園利用者が多い
上岩崎公園、菰池公園、白滝公園、長伏公園につきましては、管理人を常駐させておりまして、毎日の巡回を行う中で、目視、触診等による日常点検も併せて実施しております。また、植栽や水飲み場、あずまや、ベンチなどの遊具以外の各施設につきましても、年に1回職員による目視、触診等による簡易的な点検を実施し、安全を確保しております。なお、日常点検や定期点検などにより緊急箇所が発見された場合には、直ちに使用を禁止するとともに、緊急性の高い遊具等の施設から順次補修、更新等を行っております。以上になります。
◆16番(
宮下知朗君) 公園遊具につきましては、専門業者による点検、職員による簡易的な点検をそれぞれ年に1回、また、公園内施設は職員による簡易的な点検を年に1回実施されているとのこと、理解いたしました。皆様に安全・安心して御利用いただくためにも、定期的な安全点検は欠かすことのできないものと考えますので、引き続きしっかりと実施いただくようお願いいたします。 日常点検や定期点検によって不具合箇所が確認された場合の対応として、使用禁止とするとともに、緊急性の高いものから順次補修、更新を行っていただいているとのことでしたが、近年、老朽化に伴う補修、更新待ちの遊具や、撤去される遊具が増えているように感じます。子どもたちの遊び場として重要な役割を担う遊具はもちろんのこと、
公園施設の使用禁止や撤去は公園の魅力を大きく損なう原因になり得ることから、計画的な管理、更新が必要と考えますが、老朽化の進行する
公園施設の更新について、今後どのように推進されていくのか、見解を伺います。
◎
計画まちづくり部長(飯田宏昭君) お答えいたします。 市では、現在158カ所の都市公園、都市公園以外の公園を
維持管理しておりますが、そのうち設置から30年以上経過した公園が約6割を占めております。また、遊具やベンチ、フェンスなどの
公園施設につきましても、日常の点検を通しまして必要に応じて補修や更新を行うことにより、適切な
維持管理に努めておりますが、総体的には経年劣化による老朽化が進んでいる状況となっております。
公園施設の更新という点につきましては、施設の規模や利用状況、遊具施設の有無等にもよりますが、一定規模の公園に設置された施設の更新には多額の費用を要するため、財政負担の平準化のためにも、都市公園のような大規模な公園につきましては、今後、
公園施設長寿命化計画を策定し、計画的な施設の更新を図っていきたいと考えております。以上になります。
◆16番(
宮下知朗君) 今後策定されます
公園施設長寿命化計画にて、計画的な更新を図っていくお考えであること、理解いたしました。利用する皆様が安全・安心して利用できるよう、また、公園の魅力を損なうことのないよう、計画の策定及びその計画に基づいた施設の更新に期待をさせていただきます。
少子高齢化の進行などにより社会構造や利用者ニーズが大きく変化する中、引き続き公園を誰もが利用することのできる魅力的なものとしていくために、2点、御提案をさせていただきたいと思います。 まずは、健康器具の整備です。コロナ禍により健康志向の高まりが見られるだけではなく、本市の重点施策の一つであるスマートウエルネスみしまの取組をより一層充実させたものとするためにも、健康づくりにつながる機会を創出していくことは、本市の目指す健康都市の実現に大きく寄与するものと考えます。そこで、例えばベンチの更新に合わせて、休憩する時間を利用してストレッチなどをすることにより、健康増進の一助としていただけるよう、背伸ばしベンチを順次整備するなど、健康器具を整備してはどうかと考えますが、見解を伺います。
◎市長(豊岡武士君) 宮下議員に私から御答弁を申し上げます。 公園にはオープンスペースを利用したウオーキングやジョギング、散歩など、健康づくりとしての場を初めといたしまして、スポーツ、レクリエーション活動、花や緑の自然観察などを行う運動、教育の場として、さらには子供会活動やお祭りなど、地域で行うイベント会場、災害時の避難場所など様々な役割、機能があるわけでございます。新型コロナウイルス感染症により生活行動が制限され、運動不足やストレス解消のため公園を利用する方々が増え、公園の存在価値が再認識されていると認識いたしております。 これからの公園は従来からの役割、機能のほかに、運動不足やストレスにより引き起こされる生活習慣病などを予防するための健康づくりや、福祉の増進を図るという側面からの利活用に対する検討も必要なものと考えております。公園や豊かな緑のある空間で、自然との触れ合いや花の彩りにより心が癒されることで、気持ちがリフレッシュされ、ストレスを軽減し、心理的、身体的な健康を向上させることもできるものと考えているところでございます。 こうした中で、ただいま議員から御提案をいただきました健康器具の整備につきましては、スマートウエルネスみしまのさらなる推進という観点からも、公園を利用している高齢者等の健康増進につながる一つの方法であると認識しておりまして、その中でも背伸ばしベンチ等の整備については、散歩やウオーキングなどによる公園利用者がベンチに腰かけて、ただ単に休むだけではなく、休んでいる間にストレッチをしたりすることで、日常生活においての健康づくりに効果的と考えます。全国的に見ましても、高齢社会への対応のために、健康や体力の保持増進などを目的として、公園内に健康器具を整備する取組は進められておりますので、今後、地域の意向や公園の特性を踏まえた上で順次設置を検討してまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、公園には様々な役割と機能がありますので、ただいま飯田部長から御答弁申し上げましたように、
公園施設長寿命化計画を策定しながら、引き続きそれぞれの公園が持つ優れた特徴を生かしつつ、さらなる魅力を加え、人々の交流とにぎわいを創出し、また、コミュニティ活動の場としても一層活用されるとともに、
まちづくりの観点からも重要な拠点となるよう努めてまいる考えでございます。 なお、ありがたいことに、白滝公園の遊具が老朽化しておりましたが、このたび市内の企業が新しい遊具を寄贈してくださいまして、3月25日、完成の式典を実施することとなっております。なお一層親子で楽しんでいただける公園になるものと期待をいたしております。以上でございます。
◆16番(
宮下知朗君) ありがとうございます。 最後におっしゃられた場所に関しましては、非常に心配をしていたところだったので、定例記者会見の資料を見て、本当にありがたいなというふうに思っております。ふだん、公園を利用する中、何気ないタイミングで気軽にストレッチや体を動かすことのできるような環境整備がより一層進めば、スマートウエルネスみしまで掲げます健康都市の実現に着実に近づくものと考えます。地域の御意向や公園の特性を踏まえて順次設置いただけるとのこと、期待をさせていただきます。 次に、障がいのある子もない子も一緒に遊べるインクルーシブ遊具の整備を提案いたします。昨年、東京都世田谷区の砧公園が、障がいのある子もない子も、大人も子どももみんなが肩を並べて遊べるインクルーシブ公園として整備されたという記事を目にいたしました。SDGSが目指す豊かで活力のある、誰一人取り残さない社会を実現するためにも、障がいがある子もない子も一緒に遊べるような遊具を整備してはどうかというふうに考えますが、市の見解を伺います。
◎
計画まちづくり部長(飯田宏昭君) インクルーシブ遊具の整備についてお答えいたします。 公園内のブランコや滑り台等の遊戯施設は、既存の遊戯施設が破損した時点において、地元町内会等の皆様の御意見を伺う中で、更新または撤去についての対応を図っております。また、各地域の状況や世帯数により、設置されている遊戯施設の種類、数、設置場所なども様々な状況となっております。議員御提案のインクルーシブ遊具の整備、これにつきましては、公園の利用者には障がいの有無はもとより、年齢においても幅広い利用者がおりますので、柔軟な対応が必要だと認識しております。また、コロナ禍において公園の存在というものが大きく見直されておりまして、今後の公園のあるべき姿を考えたときに、障がいのある子もない子も、大人も子どももみなが一緒になって楽しめる公園としての整備は必要であり、重要と考えますので、まずは
先進自治体の取組事例など情報収集をしながら、設置の可能性について調査、研究してまいりたいと考えております。以上になります。
◆16番(
宮下知朗君) インクルーシブ遊具の設置については、ただ単に遊具を設置するだけではなく、敷地内においてもより安全・安心して御利用いただけるような配慮が求められるものというふうに考えますので、今後の公園のあるべき姿を考え、その設置の可能性について調査、研究していただければというふうに思います。 御答弁にもありましたが、設置後30年以上経過した公園が6割を占める本市の公園事情は、決して充実したものとは言い難い状況と認識しておりますが、そのような中でも、公園が本来持つべき効果や魅力を損なうことのないよう、
維持管理に努め、利用者ニーズに適した計画的な更新がなされることで、年齢や障がいのあるなしに関わらず、誰もが安全・安心して利用することのできる、より魅力ある公園整備が着実に推進されることを期待いたしまして、一般質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(大房正治君) 以上で、16番
宮下知朗君の発言を打ち切ります。 議事の都合により、ここで休憩します。 なお、再開は14時の予定です。
△休憩 午後1時43分
△再開 午後2時00分
○議長(大房正治君) 休憩を閉じ、会議を再開いたします。
---------------------------------------
△石井真人君
○議長(大房正治君) 次に、20番 石井真人君の発言を許します。 〔20番 石井真人君登壇〕
◆20番(石井真人君) それでは、通告に従い一般質問をさせていただきます。 コロナ禍の今、そしてアフターコロナの時代に向けて、ニューノーマルといった言葉も言われるようになりました。市役所や教育の在り方についてもこれまでどおりとは行かず、急激な速度で社会変化が起こり始めています。三島市でも、来年度から本格的にGIGAスクールのスタート、そして、国も本年9月1日にデジタル庁を創設するなど、三島市におけるスマート市役所の取組について、より一層デジタル化の推進が求められてきています。そこで、今回一般質問では、1点目は、GIGAスクール構想による三島市の新しい教育体制について、2点目は、国のデジタル庁創設に対する三島市のスマート市役所推進の方向性の2点について伺わせていただきます。 まず1点目のGIGAスクール構想から伺います。 GIGAスクールについては他の議員の関心も高く、今回事前に行われました代表質問や予算審査の場で多くの質問がありましたので、私の質問では可能な限り重複を避けますが、一部重なるところがありますので、御了承いただけたらと思います。 では、最初の質問です。 三島市におけるGIGAスクール構想による学校のサポート体制について伺います。 現在、GIGAスクールサポーター、ICT支援員の配置、地域の人材の活用なども検討されていると聞いていますが、それぞれの役割と違いについて確認させてください。そして、既にタブレット端末が児童生徒に配られていますが、各家庭に持ち帰った際、Wi-Fiの設定など、タブレット導入後に様々な問い合わせが増加するなど、教員に対し今までになかったような負担が増えることが懸念されますが、教員への負担軽減の回避とその対策について、今後どのように考えているかを伺わせてください。 以降は質問席より伺います。
◎
教育推進部長(鈴木佳憲君) それでは、今、学校のサポート体制について御質問いただきましたので、答弁申し上げます。 GIGAスクール構想を機に子どもたちがタブレット端末を文房具のように日常的に使いこなし、授業に活用していく時代がやってまいりました。タブレット端末を有効に活用していくためには、導入準備の段階から利用開始以降も、児童生徒が安心して使用できる環境の構築と、導入運用に係る教員の負担軽減が不可欠になりますことから、人的サポート等の体制を整えてまいります。 まず、令和2年度中でございますが、国の補助を活用しながらGIGAスクールサポーターを配置しております。このGIGAスクールサポーターの役割は、タブレット端末導入までの初期設定作業や運用マニュアル等の作成、児童生徒及び教員への導入時研修の実施等、本格運用までのサポートとなります。 次に、一人一台タブレット端末を本格的に運用していくことになる令和3年度につきましては、これまで整備したICT機器とともに効果的に活用し、全ての子どもたちの可能性を引き出す、個別最適な学びと協働的な学びを実現できるよう、ICT支援員を配置し、教員をバックアップしてまいります。ICT支援員は専門的な知識やスキルを有する方たちですので、役割といたしましては、授業づくりへの支援、ICT機器の効果的な活用に向けた研修、機器等の簡易なトラブルへの対応などの業務を担っていただくことであり、それにより子どもの学びの充実や教員の負担軽減につながるものと考えております。 また、長期的な視点で考えた場合、継続して子どもたちの学びを充実させていくためには、地域学校協働本部を初めとした地域の皆様に御協力いただくことは不可欠でございますので、ICT支援ボランティアとして参画していただけるよう、働きかけてまいりたいと考えております。なお、学校の授業等で機器の使用中に故障や接続障害等のトラブルが生じた場合の対応といたしまして、平日の9時から17時につきましては、専用のヘルプデスクへの連絡を行うことで、迅速なトラブル対応が取れる体制を既に整えております。 家庭等からの予想される質問への対応として、Wi-Fi設定に関しましては、導入研修時にマニュアルを児童生徒全員に配付しております。また、家庭での端末本体のトラブルは、直近の登校時に学校に申し出ていただくことになります。そのほか、操作等に関する質問につきましては、その方法をインターネットで調べること等は、これからデジタル社会を生きる人として必要な能力でございますので、関連するメーカーのサポート窓口やインターネットの活用方法等について、保護者への案内及び児童生徒への指導を実施してまいりたいと考えております。以上でございます。
◆20番(石井真人君) それぞれ役割について確認できました。地域の人材については、ICT支援ボランティアの活用、そして、機器のトラブル対応にはヘルプデスクを設けていただけるということで承知いたしました。 次に、教員の人材育成と教育水準を高めるための仕掛けについて確認させてください。 学校には、現状でICTに強い教員がいらっしゃると思いますが、そうした教員の新年度の配置と他の教員の人材育成について、どのように考えていらっしゃるのでしょうか。 また、ICTのリテラシーの高い教員の授業を情報共有するなど、そうした教員間の情報共有をするために、サイトの構築や、いい教材であれば全市共通のコンテンツを作成し共有化することが可能となると思われますが、いかがお考えでしょうか。優れた教員のノウハウを共有し、データベース化することで、ICTを活用した良質な授業を、学校の垣根を越えて横断的に活用できると思いますが、今後の取組として考えていることがあれば教えてください。
◎教育長(西島玉枝君) 教員の人材育成と教育水準を高めるための仕掛けについて御質問をいただきました。 まず、ICT環境を効果的に活用するための人材育成についてでございますが、市教育委員会といたしましては、これまで文部科学省のICT活用教育アドバイザー事業を利用して、管理職や研修主任等を対象とした研修会を実施したり、ICT機器の効果的な活用方法に関する実践例等を、GIGAスクール通信を通じて発信したりしてまいりました。これらの取組により、GIGAスクール構想に対する教職員の意識は高まり、各学校におきましては校内研修でタブレット端末の活用研修を実施したり、新たにGIGA推進チームを組織したり、また、放課後等に職員室で教員同士が教え合う姿も見られているとの報告も受けております。 さらに、現在の教科等指導リーダーに加え、新たに各教科ごとのICTを活用した授業づくりについて、助言や支援を行うGIGAスクール推進リーダーを置くこととしております。加えて、各学校のGIGAスクール担当者からなるGIGAスクール推進委員会を立ち上げ、市内の実践例を通じて成果や課題を共有し、より効果的なICT機器の活用等について協議をしてまいります。これらのことにより、各学校や各教科等において、電子黒板などICT機器を効果的に活用した授業づくりの推進役となる教員を育成するとともに、全教職員のICT活用能力の向上を図ってまいります。 次に、教育水準を高めるための仕掛けにつきましては、4月からの本格的な運用に向けて、みしまGigaSchoolポータルサイトを立ち上げたところでございます。本サイトは授業のみならず学校教育の様々な場面において、各教員が取り組んだ実践事例を集約し、市内全教職員が共有することを意図したものでございます。教員同士がタイムリーに互いの実践や作成した教材を共有し取り入れていくことは、子どもの学びの充実はもとより、教員の働き方改革にもつながるものと考えております。また、小学校、中学校と校種を超えた取組についても共有することができるため、発達段階に応じた系統的な指導の充実にもつながるものと考えております。 市教育委員会といたしましては、本市の教育水準をさらに向上させるための教員の授業力向上に向けて、引き続き各学校と連携し、研修や研究に努めてまいります。以上でございます。
◆20番(石井真人君) 4月にみしまGigaSchoolポータルサイトを立ち上げ、教員間の情報共有を図っていくということで、活用のほう、ぜひよろしくお願いいたします。 次に、個に応じた支援と緊急時の対応について確認させてください。 まず、タブレット学習における個々の放課後のサポート体制と、その際に、家庭間における格差が発生する可能性もありますので、そうしたことを是正するための家庭学習のフォロー体制はどのようになるのでしょうか。 また、欠席した児童生徒や不登校児童については、例えば、青森市の中学校ではコロナ禍のオンライン学習により、不登校児童の4分の3がオンライン授業に参加し、そして学校再開後には通常登校もできるようになるといった不登校対策にもつながったという事例もあります。このように、オンライン学習やオンライン通学による、欠席した児童や不登校児童に対するフォロー体制はどのように考えていらっしゃるのでしょうか。 次に、視覚や聴覚など特別な配慮が必要な児童生徒に対しても、タブレットは効果的に利用できると考えられますが、どのような活用方法を考えていらっしゃいますか。そして、いまだ終息の見えないコロナ感染症の長期化に備え、再び休校となったときの対策はいかがお考えでしょうか。 さらに、地震や自然災害を想定した防災訓練と同じように、平常時から備えていくことが、いざというときに役に立つのではと思っています。例えば、平常時の授業の一部をオンライン授業として割り当て、平常時からクラスや学校全体でのオンライン授業を実施することは、緊急事態宣言中のように、長期間全ての児童が家庭にいながらオンラインで授業をする体制への事前準備にもつながると思っています。つまり、平常時から定期的にオンライン授業をすることが、いざというとき、すぐ緊急対応に切り替えることにつながります。そのような試みは検討されているのでしょうか。
◎教育長(西島玉枝君) まず、個に応じた支援についてお答えいたします。 一人一台端末は授業中だけでなく、放課後等の自主学習や家庭学習においても効果的な活用が期待されます。端末の主要ソフトであるeライブラリアドバンスには、個々の学習履歴に基づいて、難易度を変えて出題する機能が登載されております。また、難しい問題に取り組むときには、ヒント機能や学習内容の要点をまとめた解説教材も備わっているため、それらを活用することで、自分のペースで学習を進めることができます。様々な理由により登校することができない児童生徒にとりましては、端末を活用し、家庭や病院などで担任等とコミュニケーションが取れるだけでなく、個々の状況に応じた学習も可能となります。また、端末を通じてリアルタイムで授業に参加することができるため、教育の機会確保とともに、不登校状態の解消のきっかけとなることも期待されます。 特別な支援を必要とする児童生徒につきましても、一人一人の困り感に寄り添った指導ができるものと考えております。例えば、読むことに困難さのある児童生徒は音声読み上げ機能を活用することにより、書かれている内容を理解することができます。書くことに困難さのある児童生徒はキーボード入力によりノートをとることができます。また、個に応じて必要なアプリをインストールすることで児童生徒の可能性を広げることも期待されます。現在、読み書きが難しい児童生徒に対する支援として、文字の拡大、色の強調、音声の再生などを同時に行うことのできるマルチメディアデイジー教科書の活用に向け、準備を進めております。一方で、タブレット操作やキーボード入力等が苦手な児童生徒には、じっくりと時間をかけ、丁寧に操作技術を習得させたり、鉛筆やノートを使った学習と融合させたりするなど、実態に応じた学び方を柔軟に支援していくことが重要であると考えております。 次に、感染症や自然災害等による緊急時の対応についてでございますが、各学校では今年度中に試験的に端末の家庭への持ち帰りを行うこととしております。また、4月以降はできる限り早い段階で、全ての児童生徒が日常的にタブレットを家庭へ持ち帰り活用することを目指しております。さらにその中で、例えば、1時間目と2時間目はオンライン授業を行い、その後に登校するというような取組を定期的に実施していくことも検討してまいりたいと考えております。 このように、学校と自宅のいずれにおいてもタブレットの利活用が定着することにより、学校が臨時休業になった場合でも、子どもたちの学びを継続し、保障していくことができるものと考えております。
◆20番(石井真人君) 今後、感染症や災害時を踏まえ、学びを継続するために、平常時でもオンライン授業を検討いただけるということで安心いたしました。 次の質問です。 タブレットを長時間する子どもや有害サイトへのアクセスなど、子どもたちを守る上で、情報モラル教育の推進やセキュリティー対策について、どのように考えていらっしゃるか教えてください。
◎
教育推進部長(鈴木佳憲君) お答えいたします。 学習指導要領総則では、情報モラルを含む情報活用能力が学習の基盤となる資質能力として明記されております。各学校ではこれまでも学級活動や道徳科、そよかぜ学習におけるスマホ・SNS講座等を中心に情報モラル教育に取り組んでまいりました。一人一台端末の導入より情報モラルを身につけることの重要性は一層高まっております。市教育委員会といたしましては、教科横断的かつ計画的に情報モラル教育を推進できるよう、みしまGigaSchoolポータルサイトやGIGAスクール通信等を通じて情報提供に努め、児童生徒が情報モラルを自分事として捉え、自律的に判断できることを目指し、各学校や関係課、関係機関と連携し取り組んでまいります。 このように、児童生徒への情報モラル教育により、各種IDやパスワード管理の重要性等、セキュリティー意識の醸成を図ってまいりますが、実際にパスワードの漏洩や不正利用等があった際の対応につきましては、ヘルプデスクを介してパスワードの変更処理や不正利用された形跡がないか、管理記録の確認を行います。また、端末自体が紛失、もしくは盗難に遭った場合には、端末管理システムから遠隔でのロック、もしくは端末自体の初期化を行うことができます。児童生徒及び教員への情報提供やモラル教育に加え、端末管理システムによる管理等により、子どもたちが学ぶ上での安全・安心なICT環境を提供してまいります。以上でございます。
◆20番(石井真人君) 子どもたちを守るためにも、情報モラル教育とセキュリティー対策、ぜひよろしくお願いいたします。 最後に、文部科学省の学習指導要領においては、主体的、対話的で深い学びの実現とした指針が出されています。三島市で進めようとしていますICT教育は、アフターコロナやウィズコロナに対応した新しい学びを実践するために、情報機器を教育の中で活用するということですが、どのような形でこの学習指導要領にある主体的、対話的で深い学びを実現しようとしているのか、教えてください。
◎教育長(西島玉枝君) 主体的、対話的で深い学びの実現に向けて、ICT教育はどのように寄与するのかという御質問かと思います。 お答えいたします。 学習指導要領におきましては、主体的、対話的で深い学びの実現に向けた授業改善の推進が示されております。また、令和3年1月26日の中央教育審議会答申において、全ての子どもたちの可能性を引き出す、個別最適な学びと協働的な学びの実現として、令和の日本型学校教育の姿が示されました。これらを実現するためには、これまでの教育実践とICTを活用した教育実践を融合させていくことが重要であり、GIGAスクール構想の推進はその効果的な手段であると考えております。例えば、授業支援ソフト、MetaMoJi ClassRoomを活用することで、児童生徒がおのおのの考えをリアルタイムで共有することや、双方向での意見交換が容易にできるようになります。このタブレット端末を通じた対話において、他者の考えを参考にしたり、自分の考えとの比較をしたりすることで、より深く課題を追求し、問いに対する自らの答えを導き出すことが可能となります。 また、学習支援ソフト、eライブラリアドバンスは、個々の学習履歴を蓄積することができますので、学習状況や興味、関心、意欲に合わせて主体的に学習を進めたり、自らの学習の状況を把握して、目標に向け見通しを持って取り組んだりすることができます。さらに、インターネット通信を利用し、国内外を問わず、様々な人たちと直接会話したり、多様な考えに触れたりすることは、児童生徒の興味、関心を広げ、自分自身や社会全体の将来について考えるきっかけにもなるものと思います。これらのことはまさしく主体的、対話的で深い学びの実現につながるものでございます。 一方で、新型コロナウイルス感染症の影響により、ウィズコロナ、アフターコロナという言葉も生まれ、多くの企業においてテレワークが普及するなど、生活様式が一変いたしました。さらに、今後はAIやRPAなどの発達により、様々な職業において働き方が変わってくるものと考えられます。 このように、社会の在り方が大きく変化する中、子どもたちはこれらの変化にも柔軟に対応できる生きる力を身につけていく必要がございます。市教育委員会といたしましては、引き続きICT機器を効果的に活用した、主体的、対話的で深い学びの実現に向けて取り組むとともに、子どもたちが様々な情報を主体的に判断し、活用することで、デジタル社会の市民として成長し、変化の激しいSociety5.0時代を、自らの力でよりよくしていく力を身につけられるよう、GIGAスクール構想を着実に推進してまいりたいと考えております。以上です。
◆20番(石井真人君) ICT機器を活用し、社会の変化に対応できる、生きる力を子どもたちに身につけていくという力強いお言葉を教育長からいただき、安心いたしました。来年度はGIGAスクールがスタートする最初の年になります。三島市のICT教育の礎となる大切な1年かと思いますので、未来を担う子どもたちのためにも、ぜひともよろしくお願いいたします。 では、次の質問に移らせていただきます。 本年9月1日に、国の進めるデジタル庁においては、自治体の業務システムを一元化していくという方針が打ち出されております。三島市のデジタル化を推進するためにも、令和元年度より進めているスマート市役所においても、国の動向を見据えてあらかじめ準備を整えておく必要があるのではないかと考えております。そこで確認させていただきたいのですが、まずは、今後行政のデジタル化のキーとなるマイナンバーカードについて、その普及率は、先日の予算審査の場で本年度は月1,000件程度の手続があり、3月末には28.43%を超えた普及率になると伺っております。なので質問の2点目からお話させていただきたいんですけれども、既に進められておりますスマート市役所事業に関しては、職員へのタブレット端末の配付、AI議事録作成支援システムについては、既に予算化をして事業を推進していると思いますが、その導入状況と効果はどのようになっているのでしょうか。
◎
企画戦略部参事広報情報課長取扱(岩崎俊彦君) 職員のタブレット端末及びAI議事録作成支援システムの導入効果についてお答えをいたします。 まず、職員のタブレット端末の導入につきましては、令和3年2月から課長級以上の職員が使用するノートパソコンをタブレットパソコンに交換いたしました。職員のパソコンはこれまで主に自席でのみ利用しておりましたが、今回のタブレット端末の導入によりパソコンを携帯して移動することが可能となりましたので、庁内ネットワークに接続可能な場所であれば、会議室など、自席以外での利用が可能となります。これによりまして、会議や打ち合わせの場でのスケジュールや資料の確認のほか、電子決裁、メールなどが利用可能となりますので、事務の効率化や時間の削減など、働き方改革が図られているところでございます。 今後はタブレット端末を活用することにより、各種資料などの印刷が不要となるほか、最新情報の共有が迅速にできるため、ペーパーレス化をさらに推進してまいります。 次に、令和2年12月にAIを活用した音声認識による議事録作成支援システムを導入いたしました。このシステムは、会議内容を録音した音声データをAIによる音声認識で解析し、テキストデータとして出力することで、会議の議事録などの作成支援を行うものでございます。導入から約2カ月で廃棄物対策課など13課において、延べ36回の会議で利用をいたしました。利用した一部の部署に
ヒアリング調査を行ったところ、音声認識率については90%以上で、通常10時間程度かかっていた文字起こし作業が4時間程度に削減されたとの報告を受けております。音声認識につきましては、雑音や録音レベルが認識精度に大きく影響することを実証しております。今後は最適な録音環境を研究し、認識精度の向上を図るとともに、多くの職場で議事録作成の効率化が図られるよう活用してまいります。以上でございます。
◆20番(石井真人君) 業務効果が見られている部署があるということで、理解いたしました。 次の質問ですが、令和元年度の住民基本台帳法の一部改正に伴い、手続の簡素化により、窓口の3密回避や短縮が求められていますが、3月1日の午後ですけれども、かなり多くの市民の方が窓口にいらっしゃったのをお見かけしました。こうした状況を回避する意味でも、例えば、本市において転入転出の事務をサポートするAI-OCRの移動受付システムの導入など、窓口の3密回避対策や時間短縮を図るような検討は、これまでされたのでしょうか。
◎
環境市民部長(佐野隆三君) お答えいたします。 現在、住所異動に伴う手続、特に転入届の手続につきましては、受付から手続終了まで30分以上の時間を要しており、窓口滞在時間が増え、窓口混雑の要因の一つとなっております。国では、マイナンバーカード所持者が行います転出転入手続について、転出地市区町村から転入地市区町村にあらかじめ転出証明書情報を通知することで、転入時における事務処理に要する時間の短縮に向けて、住民基本台帳法の一部改正の準備が進められております。このことにより、転入手続当日の事務負担を軽減する効果がございます。併せて、コロナ対策の観点からも滞在時間の短縮対策が必要と考えますが、職員の増、事務スペースや待合スペースの確保が難しいため、ICTを活用した窓口の効率化につながるシステムの導入などにより解決できるよう、調査、研究してまいります。以上です。
◆20番(石井真人君) 窓口の滞在時間、そして短縮対策も検討いただけるということで承知いたしました。国からのコロナの対策費なども活用可能だと思いますので、ぜひとも検討をお願いいたします。 次に、デジタル化推進に向けての最初の第一歩として、手続における押印の廃止を進める必要がありますが、本市における現状の取組状況はいかがでしょうか。
◎副市長(梅原薫君) 石井議員にお答えいたします。 久々の答弁ですのでいささか緊張しておりますけれども、よろしくお願いいたします。 デジタルファーストの実現により、市民に迅速、便利で質の高い行政サービスを提供するとともに、生産性の高い行政運営を行うためには、その環境整備としまして、行政手続の押印の廃止等を進めていく必要がございます。三島市におきましては、庁内プロジェクトチームを立ち上げまして、内閣府が昨年12月に策定したマニュアルをベースに、押印廃止の方向性を検討し、令和3年2月に見直しの方針を決定したところでございます。 また、令和2年度に実施いたしましたオンラインによる行政手続に係る調査の結果では、1,190件の様式を確認しておりまして、現在各様式の精査と行政手続における押印廃止の可能性について整理しているところでございます。内閣府によりますと、認め印を押印すること自体に本人確認や文書作成の真意の確認などの効果は少ないことから、国の行政手続におきましては、99.4%の様式で押印の廃止ができるとし、一方で、引き続き押印を求める様式としましては、実印、登記印などの公的な担保を必要とするものや、本人の意思確認を強く求める同意書、誓約書、委任状などが考えられるとしております。 三島市におきましても、国と同様に認め印による押印は原則廃止していく考えでおりまして、本年9月1日までに行政手続に係る規則、規程、要綱等の様式を改正した上で順次施行することとし、中でも各課で管理をしております要綱等の様式につきましては、本年4月1日までに押印を廃止していく計画でございます。また、財務会計事務等に使用する様式につきましては、ペーパーレス化や電子決裁の導入状況等に従い、来年度以降、可能なものから順次廃止してまいります。押印の廃止はスマート市役所宣言に基づくオンライン申請を推進していく上で必要不可欠な手続でございますので、今後もスピード感を持って進めてまいりたいと考えているところでございます。以上です。
◆20番(石井真人君) 副市長から御答弁いただきありがとうございます。 押印廃止に向けたプロジェクトチームを発足し、そして、今後スピード感を持って進めていただけるということで、わかりました。 次に、マイナンバーカード普及については、市民に利便性やメリットを分かりやすく伝える必要があると思っておりますが、例えば、市民窓口の近くにコンビニ端末を設置したり、窓口の手数料よりもコンビニの交付の手数料の価格設定を安くすることで、マイナンバー交付時に自治体ポイントを付与することなど、そういったメリットを与えることも考えられますが、そのような検討はこれまでされてきたのでしょうか。
◎
環境市民部長(佐野隆三君) お答えします。 マイナンバーカード普及のため、現在、市民課窓口に窓口支援ツールを設置しております。この窓口支援ツールは、マイナンバーカードがあればコンビニ交付のシステムを利用し、申請書を書かずに証明書の発行が可能なものです。来庁者は自身でマイナンバーカードを用いて機器操作をし、発券されたレシートを会計窓口へ持参すると証明書が受け取れるというものです。現在は、フロアマネジャーによる声かけやホームページでの広報、窓口に案内を掲示し周知をしております。しかしながら、利用される方がまだ少ないため、機器の設置場所を変更するなどの工夫をして、便利さを市民に伝えることにより、今後多くの方のコンビニ交付利用につながれば、マイナンバーカードの普及になると考えております。 また、他市ではコンビニ交付の手数料と窓口交付の手数料に価格差の設定をして、マイナンバーカードの普及を推進しているという事例もございます。価格差の設定をすることで、コンビニ交付を利用して証明書を取得する方や、マイナンバーカードを新規取得しようとする方が増え、窓口の混雑が緩和されるものと思われます。そのためには、マイナンバー事業に要する経費と歳入とのバランスや費用対効果などを十分に考えた上で検討する必要があります。 また、自治体ポイントについてですが、現在、国はマイナンバーカードの普及と消費の活性化を目的に、マイナンバーカードを所有する方を対象に、キャッシュレス決済に利用できるマイナポイントを付与する制度を実施しております。国は当初、本制度の検討段階におきまして自治体独自のポイント付与を想定しており、各自治体に対し導入について検討を促しておりました。このことから、本市においても庁内のマイナンバー推進特別部会やマイナンバーカード普及利用委員会で導入のための環境整備、ポイントの付与条件や使い道、有効期限等について検討を重ねておりましたところ、現在、行われているマイナポイント事業の実施が急速に具体化したため、それについての市民への周知に力を入れてまいりました。 自治体ポイントの付与など、独自の方法でカード普及の効果を上げている市町の取組は大変参考になるところであり、導入するためには国の制度や社会、経済環境を見定めつつ、地域に還元できるものを前提としていきたいと考えております。 いずれにいたしましても、マイナンバーカードの普及と利便性向上の施策に関しましては全庁で取り組むべき重要な課題と認識しておりますので、今後も研究してまいりたいと考えております。以上でございます。
◆20番(石井真人君) ぜひとも、マイナンバーカード普及に向け、引き続き他市事例を参考に、調査、研究をお願いいたします。 次の質問です。 三島市では現在、伊豆市、伊豆の国市と電算協議会を開き、裾野市、長泉町とは消防の事業、そして、函南町とは斎場の事業を一緒に行っており、既に事業の分野によっては近隣市町と連携している状況があります。そのため、システムにおいても共同で電算化を進める土壌が備わっており、今後、国が進めようとしている広域化を先取りして推進できるような環境にあると思いますが、三島市においては周辺市町とのシステムの広域利用に関してどのように考えているのでしょうか。
◎
企画戦略部参事広報情報課長取扱(岩崎俊彦君) お答えをいたします。 広域での共同電算化につきましては、国では、平成26年3月に公表いたしました電子自治体の取組を加速するための10の指針において、システム運用経費の削減や業務負担の軽減、事務の効率化、災害に強い基盤構築などを目的に、複数の自治体の情報システムの集約と共同利用を行う自治体クラウドが推進されてきました。さらに、令和3年9月にデジタル庁設置に向けて策定されました自治体デジタル・トランスフォーメーション推進計画において、2025年を整備目標とする自治体の業務システムの標準化と共通化の推進について発表されました。この取組により、地方公共団体における住民記録や税など、主要な17業務について標準仕様で開発されたシステムも利用可能となるため、住民の窓口での手続時間短縮やシステム調達など、運用面での職員負担が軽減されるものと考えております。 市が加入する三島市、伊豆市及び伊豆の国市電算センター協議会は、広域における電算業務の共同化について先進的に取り組んできたものと考えております。このように、広域で業務を共同運用することは、コンピュータなどの情報資産を共有することで、調達の簡略化、システム構築費用や運用費用、法改正などにおけるアプリケーションの保守費用などの経費削減、システム運用に関する職員の負担軽減などの効果があるものと認識しております。したがいまして、広域事務の共同運用につきましては、今後の国の行うシステムの標準化と共通化を考慮しながら検討するとともに、電算運用の効率化や業務の資質向上のために、情報交換などを目的に、県東部の近隣市町で構成する静岡県東部EDPS研究会などの広域ネットワークを活用しながら、調査、研究してまいりたいと考えております。以上です。
◆20番(石井真人君) 今、広域事務の共同利用について検討いただけるという話がありましたが、来年度から本市が取り組む新しい事業として、給食費の公会計化があります。これは、周辺市町も同じように、同様な検討が必要な課題と認識していますが、このような新規事業は既存事業よりも共同化のチャンスがあったようにも思いますが、なぜ、今回、給食費の公会計化は他市と共同歩調が取れず、単独でのシステム構築となったのでしょうか。
◎
教育推進部長(鈴木佳憲君) お答えいたします。 三島市、伊豆市及び伊豆の国市電算センター協議会の構成市におけます学校給食費公会計化の状況は、伊豆市が平成16年度から、伊豆の国市が令和2年度からであり、三島市に先行し制度を導入しております。そのうち、業務システムによる運用管理は、伊豆市は導入予定なし、三島市及び伊豆の国市はともに令和3年度から運用を開始すべく、その準備を進めているところでございます。共同歩調が取れなかった理由とのことですが、学校給食の運営方法及び給食費の徴収管理方法は、各市の学校数や児童生徒数の違い、従来からの運用方法等により、業務システムに求める仕様が大きく異なります。このことから、それぞれの市が独自の導入計画に基づいて行ったものでございます。以上です。
◆20番(石井真人君) それぞれの業務の違いがあってできなかったとありますが、共同化のメリットというのはシステムの費用だけでなく、それに関わる市の職員も共通で1人で済むなど、職員の負担や人件費の削減、そして長期的にもメリットがあります。コストカットの意識を持っていただきたいと思います。将来的な国の流れもありますので、周辺市町とは歩調を合わせ、新規のシステム構築の際には共同化できるように考えていただけたらと思います。 次の質問ですが、スマート市役所の進んでいる他市の事例としては、窓口を民間に委託するアウトソーシングや、手続を一カ所でできるワンストップ窓口、そして、市役所に来ないでも手続の済むノンストップ市役所など様々な取組が進んでいますが、三島市では新しい市役所の窓口の取組に関して、現状、どのような検討をされてきたのでしょうか。
○議長(大房正治君) 発言の途中ですが、あと3分ほどたちますと東日本大震災追悼サイレンの吹鳴が開始されます。 東北地方を中心に未曾有の被害をもたらした東日本大震災の発生から本日で10年が経過しました。被災地の復興は、地元の方々、関係する全ての方々の大変な御努力により着実に進んでおりますが、一方で、いまだ被災地には様々な課題が残され、全力で取り組んでおられます。 ここに、改めて被災者の皆様の安寧を祈念するとともに、犠牲となられました多くの方々の御冥福をお祈りし、1分間の黙祷を行いたいと思います。 皆様、御協力お願いいたします。 サイレン吹鳴まで、しばらくお待ちください。 御起立願います。 黙祷。 黙祷を終わります。 御着席願います。 ありがとうございました。 引き続き発言を許します。
◎市長(豊岡武士君) 石井議員に私から、ノンストップ市役所の推進体制等につきまして御答弁を申し上げます。 本市では昨年の4月1日、デジタル戦略室をスタートさせておりますが、窓口業務のアウトソーシングにつきましては、本年2月に庁内関係課による窓口業務の民間委託に関するプロジェクトチームを立ち上げて検討を開始したところでございます。これまでの情報収集や検討結果によりますと、窓口業務の外部委託はむしろ行政コストの増大につながるなどの懸念がございました。しかしながら、コロナ禍における新しい生活様式への対応やスマート市役所推進を図る上で、5点ほどございますけれども、
市民サービスの向上、業務の効率化、
コスト削減、人口減少に伴う職員数の不足への対応、職員の働き方改革の実現などの観点から、改めて民間委託に関する検討を進めております。 検討方法につきましては、先進事例の研究や庁内の検討だけではなく、計画段階において
民間事業者からの提案を受けるなど、官民連携で検討していきたいと考えております。 それから、複数の部署にまたがる手続を1つの窓口で完結するワンストップ窓口につきましては、市民の皆様などが多数来庁する市民課窓口での、主に転入転出の手続に伴う健康保険や子育て、介護などに関連する窓口との情報連携について検討していきたいと考えております。これは、基幹業務システムを活用して、来庁者のニーズに合わせた手続フローを集約することで、1カ所で完結できるような窓口の構築と、各窓口の手続を同時進行で処理をすることによる処理時間や待ち時間の短縮を目指すものでございます。新たな庁舎建設までは現庁舎を活用しての暫定的なワンストップ窓口の運用になると思われますが、必要な手続に応じて担当課の職員がその窓口に出向いて対応するなど、職員の創意工夫で対応してまいりたいと考えております。 そのほか、24時間いつでも利用でき、オンラインで手続が完結するノンストップ市役所につきましては、既にAIを活用した問い合わせ業務を行っておりますけれども、現在、デジタル戦略室を中心とした行政デジタル化推進プロジェクトチームにより、全庁的な検討を開始したところでございます。まずは、先ほど答弁をさせていただきました押印の廃止から取組を進め、オンライン申請手続の拡充、基幹業務システムとの連携などについて検討を行い、実現可能な手続から順次対応してまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、住民本位で様々な課題をデジタル技術で解決するなどのデジタル変革を加速させることにより、市民の皆様にとりまして、より便利でスマートな市役所の実現を目指してまいります。以上でございます。
◆20番(石井真人君) 御答弁ありがとうございました。 市長から、住民本位に立ち、推進体制を構築して進めていただけるということで、承知いたしました。 それでは、最後の質問をさせていただきます。 今からすぐできる住民本位のスマート市役所の取組として、市民に身近な公民館の強化が考えられます。例えば、既に部課長に配付しているタブレット端末を活用し、本庁にあるタブレット端末と地域の公民館とを情報連携させオンラインで結ぶことができれば、お互いが画像情報のやり取りが可能となり、市民の方がわざわざ本庁に来ずとも、地域の公民館でやりたいことが完結するということも考えられますが、このような形でICTの導入に対し、地域の公民館機能を強化することについてはいかがお考えでしょうか。
◎
教育推進部長(鈴木佳憲君) お答えいたします。 市立公民館は市民のための社会教育施設として、実生活に即した学習活動や文化的教養及び
地域コミュニティ活動につながる社会教育法に定められた事業を行っております。地域の皆様にとって、議員の御発言にもありましたとおり、最も身近な
公共施設でありますので、行政情報の発信や各種手続等の窓口運営はもとより、市政に関する様々な紹介や御相談をいただく場面も多く、日々、公民館を訪れる方々のニーズに即した業務運営に努めております。 先月末、スマート市役所推進の一環として、庁舎内や
公共施設における地域BWA--地域広帯域移動無線アクセスの略でございますが--を活用したインターネット環境の整備及びタブレット端末の導入に向けた整備が行われました。今後、市立公民館においても同様の整備を行うことにより、日々、地域の皆様からいただく様々な相談事にお答えするための有効なツールとして、また、外国人来館者への多言語対応や災害時における通信手段の強化等にも資するものと考えております。 さらに、施設間でのタブレット端末の活用は、コロナ禍における、いわゆる3密防止の一助として、また、アフターコロナにおける新しい生活様式での利便性の向上にもつながってまいります。本庁のタブレット端末と公民館との連携は、スマート市役所機能の一部としても有効な手段であるため、これらを踏まえ、さらなる公民館の機能強化に努めてまいります。以上でございます。
◆20番(石井真人君) 公民館機能の強化に努めていただけるということで、前向きな御答弁、ありがとうございました。三島市の地域の主な課題である、郊外に住む高齢者がふえていく現状、スマート市役所を実現し、市民に身近なところでサービスを強化することができれば、住民福祉の観点からも住みよい三島が作れるかと思っています。 今回、2つの質問をさせていただきましたが、この状況をさらに踏み込んで考えれば、GIGAスクールにより子どものいる家庭には、タブレット端末が一台ずつあり、スマート市役所では各部署にタブレット端末が1台ある。つまり、あらゆるところで、これら情報機器同士がつながる時代となります。先ほど、本日が東日本大震災から10年になるということで、犠牲になられた方々に対し、ここにいらっしゃる皆さんとともに、哀悼の意を込め黙祷を捧げさせていただきましたが、三島市でも懸念される大地震から市民の命を守るためにも、今までの同報無線だけでなく、新しいICT機器を活用して災害時の緊急通報や避難所情報の連絡にも活用できます。 市政で最も大切なのは市民の命を守ることです。そして、令和3年から独り親世帯の支援、生活困難な家庭への子どもに対する配食事業など、福祉の側面でも支援を行います。今までは声なき声を拾えなかったところがありますが、これからは、各家庭と市の各部署や地域の公民館とが直接ICTをつなげることもできます。ぜひとも、新しい技術を通して多くの市民の声を拾い、今後は困っている市民の不安を解消し、市民生活の向上ができるよう取り組んでいただけたらと思います。そして、三島市には、新しい時代を切り開く静岡県東部地域のリーダーとしての役割を担っていただきたいという思いを込め、私の一般質問を終わらせていただきます。
○議長(大房正治君) 以上で、20番 石井真人君の発言を打ち切ります。 議事の都合により、ここで休憩します。 なお、再開は15時10分の予定です。
△休憩 午後2時56分
△再開 午後3時10分
○議長(大房正治君) 休憩を閉じ、会議を再開いたします。
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△杉澤正人君
○議長(大房正治君) 次に、21番 杉澤正人君の発言を許します。 〔21番 杉澤正人君登壇〕
◆21番(杉澤正人君) 通告に従い質問いたします。 今回は、質問事項として山中城跡の修復状況と向山古墳群の文化的価値、その啓発の進捗についてとコロナ禍における学校現場での指導の工夫、この2点を伺います。 まず、山中城跡の質問ですけれども、新型コロナの影響で人々は今、外出を控えておりまして、そういう状況ですけれども、野外ではいいだろうと思いまして、私は先日散策をする際に、一昨年の台風19号によって被害を受けた山中城跡の様子も見ておこうというふうに思いまして、その後の修復の様子について、確認の意味も含めて訪ねてみました。大変天気もよかった日なんですけれども、春の訪れを感じさせるような場所で、大変気持ちのいいところ。山中城跡には数人のグループとか家族連れとか、ほどよい数だなと、もう山のように人がいるということではなくて、ほぼ気持ちよく散らばって、程よい数の訪問者がありまして、人気の高さを物語るものだなと思いましたし、また、その山中城跡が野外での歴史探訪と、あるいは散策というものが同時に楽しめまして、健康にも学習にも優れた場所だという価値が定着してきたのかなと思わせる状況でした。 その損壊と修復については、もう既に他の議員の質問に答えるような形でも、議場でも、私も報告を受けておりますけれども、その後の進捗状況はどうなのか、これを伺いたいと思います。 また、同じく今後の整備が待たれる向山古墳群ですけれども、これは国指定の公園を目指すんだという、そのために調査、研究を実施していくという旨、聞いておりますけれども、これも、その後の進捗状況を伺いたいと思います。こちらも歴史資産としては山中城跡に劣らない価値があると思うんですけれども、見学のためにそこに行こうと思うと、見学のための駐車場の問題とか、周りの状況を考えますと、もう一つ理解が進んでいないのかなという感じがあります。向山小学校の児童たちは直接にそこに上って、授業の中でそれを見るという、大変にすばらしい、優れたよい機会が教材としてはあるんですけれども、今現時点で実際に行けば大変すばらしいと、よく思われます。 一般の訪問客にとっても歴史ロマンにあふれる場所ということは理解できる、すばらしい施設ではありますけれども、やはり16号墳、前方後円墳のところですね、一番先端のほうの、そこの整備とか、全体の見学をするため、今申し上げました周辺の整備というのがまだこれからかなと思いますので、今後の整備の進展を期するためにも、この古墳が持つ価値というものをもっと啓発して、さらに分かっていただいて、情報として広めていくという必要はあるだろうと思います。この辺についての御認識を伺いたいと思います。 郷土の資料という意味で、これに関連してですけれども、以前にもお伺いしておりますけれども、この楽寿園内にある郷土資料館、これもなかなか立地の問題で湿度が高く、湿度というのは非常に資料に対してはもう致命的なもので、大変苦労するわけですけれども、立地上の問題で難しいというお話があったと記憶しています。こちらもその後の改善策など、どうだったでしょうか。 以上3点、山中城跡修復の関係、それから向山古墳群の文化的価値というものに対しての取組、それから郷土資料館、保存資料の保管の方法などを伺います。以下の質問は質問席より行います。
◎市長(豊岡武士君) 杉澤議員に、私からは向山古墳群の文化的価値啓発への取組につきまして御答弁を申し上げます。 向山古墳群は平成11年3月に1号墳から15号墳までが静岡県指定文化財の指定を受け、さらに平成28年3月に16号墳が追加指定を受けております。また、平成23、24年度に公園整備事業を実施いたしまして、平成25年4月に向山古墳群公園としてオープンいたしましたことから、社会教育における古墳学習の場、富士山の眺望が美しい、緑あふれる憩いの場として多くの方々に親しまれているところでございます。文化財課ではこうした経緯を踏まえつつ、古墳群全体が国の史跡指定を受けることを目指して、16号墳の発掘調査等の事業を継続いたしております。 令和元年度の調査では、古墳の周囲に掘った溝である周溝の一部を発見するという成果を上げております。これを受けて、令和2年度は周溝の延長部分を確認して、古墳の形状を確定するための発掘調査と検討委員会の開催を、それぞれ2回計画しておりましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大により、委員会を伴う発掘調査を実施することができず、また、関東圏在住の検討委員の先生方をお呼びできない状況が続いておりましたため、この3月中に発掘調査を1回実施する予定であります。令和3年度以降は、発掘調査と検討委員会を交互に実施することによりまして、先生方に現地で発掘成果を確認していただき、全員が納得した上で古墳の形状を確定してまいります。 さらに、検討委員の先生方には、調査結果と歴史的背景を考察した原稿執筆を依頼し、それを取りまとめ、史跡指定の申請時に必要な報告書を刊行いたしてまいります。この報告書が古墳についての学術的な公式見解となりますので、記載内容に沿った啓発活動を実施、広く市民の皆様に、向山古墳群についての理解を深めていただきたいと考えております。 このように、国の史跡指定に係る申請書を提出するには慎重に調査を進めていく必要がありますので、いましばらくのお時間をいただきたいと考えているところでございます。 そのほかの御質問につきましては、教育長、関係部長から御答弁を申し上げます。
◎
教育推進部長(鈴木佳憲君) それでは、私からは山中城跡の修復工事の進捗状況及び郷土資料館保存資料の保存方法の改善について答弁申し上げます。 まず、山中城跡の修復工事の進捗状況についてでございますが、令和元年10月に発生いたしました台風19号による雨風等の影響により、山中城跡では三ノ丸西堀、西ノ丸南堀など、8カ所において、堀のり面などが崩れました。令和2年度の修復工事については、昨年の9月議会でもお答えさせていただきましたが、文化庁及び静岡県の補助金を活用し、まず二次被害が発生する可能性が高い地点を優先し、三ノ丸西堀、田尻ノ池北側のり面の2地点について実施しております。また、今回は災害復旧工事でございますので、一日も早い復旧を目指す中で文化庁とも相談、協議をし、令和3年度に実施予定であった田尻ノ池、二ノ丸堀、西ノ丸堀の一部を令和2年度の対象地点に加え、前倒しで復旧工事を実施しております。 なお、今回の工事は堀のり面において崩れた土砂を撤去し、新しい土を積み直す土工事と、積み直したのり面の上に芝を張る張芝工事がございます。山中城跡は標高500メートルを超える場所にあるため、冬期は霜が降りて、せっかく芝を張っても霜柱で浮き上がるなど、12月から3月上旬は根づきに適さない時期となります。そのため、令和2年度に復旧工事を行った地点では、土の積み直しの土工事のみを実施しており、張芝工事につきましては令和3年度に入ってから実施する予定でございます。 現在、土の積み直しが終了した時点ではブルーシートをかぶせて霜柱対策を行っておりますが、霜が降りない3月下旬には取り外すこととなります。令和3年の張芝工事は5月からの開始を予定しており、それまでの期間は芝が張られていない、450年前の堀のり面に近い様子を見学できる貴重な機会でございますので、多くの皆様にお出かけいただきたいと思っております。 続きまして、郷土資料館の資料の保管方法の改善についてお答え申し上げます。 郷土資料館では2階、3階の2室の収蔵庫を中心に所蔵資料の保管を行っております。管理の上では、館が楽寿園という森の中にあることから、カビ対策、とりわけ湿度管理が最も重要となります。そのような中、空調設備の1基が故障したため、令和3年度予算に修繕費用を計上いたしまして、令和3年早々に空調設備の修繕を発注したいと考えております。また、収蔵庫からの資料の出し入れを頻繁に行う必要があることから、害虫やカビを全て除くことは大変難しいという状況でございます。資料を少しでもよい状況で保管するためには、日常的に資料や収蔵庫内の清掃を実施することが重要となりますので、カビ対策を中心とした地道な清掃作業も合わせて続けてまいりたいと考えております。以上でございます。
◆21番(杉澤正人君) ありがとうございます。 では、何点かさらに伺います。 令和3年3月下旬からという、その芝張りの工事ですね。その間は450年前の土の面の堀の様子が見られるということですけれども、現在、仮設的に通してある見学者用の通路というのは、その現状のままで、仮設のような形で見学するようになるんでしょうか。また、見学者用の通路、駐車場などはどのような状況になるかをお願いいたします。
◎
教育推進部長(鈴木佳憲君) お答えいたします。 令和2年度分の工事完了後から令和3年度の張芝工事開始までの間、見学者用通路及び駐車場の状況についてでございますが、新年度の工事開始は工事入札、契約、工事準備、着手の工程を考慮し、5月頃からを想定しております。ただ、本事業は災害復旧が目的で、できるだけ早い時期の完了を目指しておりますので、工期が前倒しになることも考えられます。 議員御質問の工事開始までの仮設通路や工事用事務所は上り車線側駐車場にございますが、令和3年度のできるだけ早い時期に実施することが望ましい張芝工事の作業効率を考えて、そのまま放置した状況であることも想定しております。先ほど答弁いたしましたように、この間は450年前の堀のり面に近い状況を見学できる貴重な機会でもありますので、見学者用通路につきましては、仮設道路も使いながら、何よりも来場者の安全を最優先に、張芝工事前の堀のり面が見学できるよう、対応していきたいと考えております。 また、駐車場は曜日や時間帯によって満車になる場合もございますので、下り車線側の駐車場を案内表示するなど、分かりやすい方法で対応していきたいと考えております。以上でございます。
◆21番(杉澤正人君) ありがとうございます。 先日私が実際訪ねたときも、上り車線の駐車場は満杯でした。ただ、駐車場に入ってから満杯だということが分かって、出てこようとすると狭いのでなかなか難しい。私はもちろん下の下り車線のほうの駐車場があるということも分かっていますし、そこから上っていけば、あの石畳のところから入ってとてもいい、それはそれでまた新しい見方でとてもいいとは思いますけれども、初めての方はなかなか分からないかもしれない。このあたりの工夫をしっかりしていただいて、今、お話にありましたように快適に、安全に見学をしていただいて、さらに素早く修復が進むということを期待しております。 向山古墳群のほうですけれども、古墳全体が国の史跡指定を受けることを目指しているという前提で、今、市長からお答えもいただきました。文化財課の見解という前提で構わないんですけれども、現在、この向山古墳群の史跡的な価値というものをどのように把握していらっしゃいますでしょうか。一般的に古代政権が東進を、東のほうへ進む資料であるという見方で古墳というものは見ますけれども、この三島、あるいは伊豆半島の入口というのか、伊豆半島の先端、海のほうから見れば、これが根本のほうに見えるわけですけれども、そういう場所にあるということの価値、これはその周辺の考古学的見地、状況から、この古墳群がここにあるということの歴史的価値というものが何か実証できるような、そういう手がかりになるようなものというのはあるんでしょうか。学術的な価値として国の指定史跡となると、そういう要素はどのような点にあるというふうに分析しておりますでしょうか、伺います。
◎
教育推進部長(鈴木佳憲君) 申し訳ございません。今の御質問にお答えいたす前に、先ほど間違ってしまった部分がございまして、仮設トイレや工事用事務所でございますけれども、そのまま放置した状況とお答えしましたけれども、設置した状況でございますので、訂正させていただきます。 それでは、現在の向山古墳群の文化的価値、学術的価値から見ての国指定史跡となる要素という御質問でございますが、向山古墳群、とりわけ16号墳につきましては、伊豆半島における最も古い前方後円墳と認識しております。平成16年の確認調査では、竪穴式石槨という死者を埋葬する施設の存在が明らかになりました。この竪穴式石槨は初期大和王権に特に認められた権力者だけが造営することができる埋葬施設でございまして、従来の歴史認識では静岡平野より西側にしか存在しないとされてきました。ところが、三島市が実施いたしました考古学的発掘調査において、向山16号墳で竪穴式石槨が発見されたことにより、大和王権の影響力が箱根山西麓域まで及ぶ時代があったことが証明され、従来の歴史認識を改める必要性が生じました。 さらに、古墳群全体に目を向ければ、最も古い古墳時代前期の16号墳から最も新しい古墳時代後期の3号墳に至るまで、古墳群が作られた時間的経過が観察できる、全国的にもまれな遺跡であることも、向山古墳群の文化財価値と考えております。以上のことから、向山古墳群は国史跡になるにふさわしい遺跡と理解しております。以上でございます。
◆21番(杉澤正人君) 時間的経過が観察できるというのは、私も実は認識しておりませんでした。面的に特定の地域に新旧の古墳が顕在するということは幾つか例があると思いますけれども、確かにこの一つの尾根にずっと連続してあると、そういう形は私も聞いたことがありませんので、これは本当に国の史跡として保存するというものに値するものだろうと思いますので、ぜひ、その方向でこれを実現していただきたいと思います。 そのための調査ということで、またその調査が公式見解というところで、その公式見解が待ち遠しいところですけれども、コロナの問題もありますから、どうしても時間的なものは延びてしまうのかなと思いますが、コロナは考えないという前提で、一般論として、そのような調査ができて、結果が出るというのはどの程度の年数なんでしょうか、二、三年というような理解でよろしいでしょうか。
◎
教育推進部長(鈴木佳憲君) お答えいたします。 向山古墳群の確認調査から報告書刊行に至るまでのタイムスケジュールにつきましては、平成30年2月に開催した第1回向山古墳群検討委員会で議案に上りました。事務局からの1年という想定案に対し、検討委員の先生方からは、県指定から国指定史跡へと昇格することを目標とするならば、より慎重に時間をかけて調査する必要があるという御指導があり、中長期、3年から5年の計画に変更したいきさつがございます。国指定に向けては、初期段階の大和王権との関係、古墳時代前期という段階に伊豆、三島の地に作られた意味を打ち出すことで国史跡に指定される可能性が高くなると考えております。また、古墳自体の価値は無論のこと、向山古墳群への地域住民の理解度や関心度を高め、市民全体で国指定への機運を盛り上げていく必要もあると、そのような御指摘もいただいております。 こうした経緯を踏まえますと、コロナウイルス等の影響がないという前提でも、議員御質問のとおり、3年程度の期間が必要になるものと考えております。以上でございます。
◆21番(杉澤正人君) ありがとうございます。 国指定になると、可能性は十分にあると思いますので、ぜひ、鋭意取り組んでいただきたいと思います。期待しております。 では、追加的な質問ということ、追加というと失礼な言い方ですけれども、郷土資料館の立地の問題です。湿度の管理というのは難しいということはもう理解しておりますけれども、この収蔵品の量とか収蔵庫の収容能力というものを考えますと、いずれは抜本的解決を図る必要があると思いますけれども、現在の場所でもっと最新の技術を取り入れて、例えば二重構造にするとか、それは大変な費用がかかると思いますけれども、よりよい条件の場所へ移転するとか、そういうような検討は行われているんでしょうか。その収蔵方法の改善などを含めて、今後の郷土資料館の将来像というような形についてどのようにお考えになっているのか、見解を伺います。
◎
教育推進部長(鈴木佳憲君) 収蔵方法の改善を踏まえての郷土資料館の将来像についてでございますが、三島市の
公共施設保全計画では、令和14年度に構造体耐久性調査を行い、長寿命化のための改修とその後の
施設管理方法について決定していくこととなっております。よって、それまでは現有の施設を利用し、現収蔵庫に空きスペースを作り出すため、資料の棚卸しを進めております。将来的には他の
公共施設の空きスペースに空調設備等を設置し収蔵庫とすることを検討していくことになると考えております。しかしながら、現時点で考えられる最新式の設備を導入したといたしましても、現在の収蔵庫においてはもちろん、移転先の他の
公共施設においても、カビ等の侵入を完全に防ぐことは難しいと考えております。 以上の点を踏まえまして、郷土資料館の将来像といたしましては、最新式ではなくとも必要最低限の設備を備えた収蔵施設を分散せずに確保し、効果的なクリーニングや点検など、日常的、予防的な措置に重点を置いた管理により、資料の長期保存ができるような施設を目指してまいりたいと考えております。以上でございます。
◆21番(杉澤正人君) なかなか新展開というのは難しい状況であろうと思います。しかし、お話のとおり効果的な日常の点検、予防措置などをしっかりと、貴重な資料の
維持管理をお願いいたしたいと思います。 では、次の質問事項に移ります。 学校現場でのいろいろなお話を伺いたいと思うんですけれども、第二波、第三波と新型コロナの感染危機はまだ予断を許さない状況ですけれども、第一波のときと違って、第三波の中にある今現在は、休校措置というようなものは取られておりません。しかし、この感染症防止の基本対策としてのマスク・手洗いなどの励行、それから、いわゆる密を避けなくてはならない、回避しなくてはいけないので、部活動とか、あるいは学校行事、特に運動会、文化祭、こういうものが、団体行動としてなかなか十分にできない、大きな声で歌う音楽の授業なんていうものを縮小するとか代替するとか、今までにない学校現場の活動状況であるということは、いろいろ情報として聞いておりますが、第一波から現在まで1年間ほどに及ぶ、このような状況の中で、生徒たちの行動に何か変化はなかったでしょうか。問題と思われるような状況がなかったでしょうか。小学生と中学生というものもそれぞれ、また違うとは思いますが、その状況について伺います。
◎教育長(西島玉枝君) 新型コロナウイルス感染症に起因する児童生徒の行動の変化についてお答えいたします。 昨年3月から5月末までの期間、新型コロナウイルス感染症の影響により、学校は臨時休業となりました。このような状況は誰もが経験したことのないものであり、児童生徒や保護者、教職員が不安を抱えていたことは事実でございます。卒業式や入学式といった児童生徒にとっても大切な行事の開催も危ぶまれる状況ではございましたが、多くの方々の御理解と御支援のおかげで、これらの行事を行うことができました。小学校の入学式後には、学級の児童一人一人に宛てた手紙を家庭訪問して手渡すことで、子どもとの絆づくりに努めた教員もおりました。臨時休業期間におきましては、子どもたちは友達と会えない寂しさや、外で思い切り遊ぶことのできないことによりストレスを抱えておりました。その中でも、家のお手伝いや勉強、体力づくりなど、できること、するべきことを自分で考え、取り組む姿が見られました。 6月の学校再開後の児童生徒は、友達と一緒に生活することができる喜びとともに、感染症に対するおそれ、慣れないマスクの着用によるストレス、学習に関する不安など、様々な思いを持つ中での学校生活となりました。飛沫の拡散を防いだり、身体的距離を保ったりするために、学習や遊びの形態も変化いたしました。友達と一緒に力いっぱい体を動かすことのできた体育、気持ちを込めて思い切り歌っていた音楽などで活動が制限され、子どもたちの心や体を開放する機会が少なくなってしまいました。また、ドッジボールや鬼ごっこなど、子どもたちが伸び伸びと過ごしていた昼休みも、友達との距離を意識しなければならないことは難しいことであったと思います。子どもたちが楽しみにしている様々な学校行事も実施できるかどうかわからないという状況で、とても不安であったと思いますが、その分、実施できたときの喜びはこれまで以上のものであったかと思います。 間もなくワクチン接種が開始され、ようやく明るい兆しが見えてきたところでございますが、引き続き新型コロナウイルス感染症対策として、児童生徒のマスク着用徹底や身体的距離の確保、前を向きながらの無言給食等に取り組んでいく必要がございます。したがいまして、精神的な疲れや体調の変化等、児童生徒の心身の状況につきましては今後も注意深く見守り、適切な対応をしていく必要があると考えております。以上でございます。
◆21番(杉澤正人君) 大変ですね。先ほどの、その大変な中でも家の手伝いや勉強、体力づくりなど、できること、すべきことを自分で考え取り組む姿が見えたというようなお話ですが、これは逆にコロナ禍にあっても、なるほどそういうことが見えたというのは、これはよい傾向が現れたというふうに考えられますね。また、今おっしゃいましたように身体的距離、いわゆるソーシャルディスタンス、フィジカルディスタンス、これを、友達との距離を意識しなければ遊べない、子どもたちとの間で遊ぶというのは、これは本当に、非常に難しいことであっただろうなと思います。今回、この件で担当課の方にお話を伺う中で、特に子どもの中の小学校低学年、1、2年生当たりは、最低でも1メートル、2メートルという、そのことの理解から始めなくてはいけないという、大変難しいという話を聞きましたけれども、この点どういうことだったのか、子どもたちの状況をちょっと伺いたいと思います。
◎教育長(西島玉枝君) 子どもたちが友達との距離を取ると、そのことの状況についてお答えいたします。 最低でも1メートル、可能な限り2メートルの距離を保つということに関しましては、初めは大人でも戸惑った方が多かったのではないかと思います。メートルという単位は小学校2年生の算数で学習する内容でありまして、具体物を用いて学習を進めることの多い低学年の子どもにとって、言葉だけで理解することは非常に難しいことでした。そのため、実際遊ぶときにどれくらい離れていいのか戸惑ったり、遊びに夢中になると距離を保つことを忘れてしまったり、そのような子どもたちの姿も見られました。そのような中で教員が、手を伸ばしたときの2つ分離れようなどと子どもに分かりやすく示すことを通じて、だんだん子ども同士で注意し合って遊ぶことができるようになってまいりました。以上でございます。
◆21番(杉澤正人君) そういうような御苦労というのは大変なことだと思いますけれども、なかなか日常の中で普通には気づかないことですが、大変な御苦労だったなと思います。また、先ほど御説明の中にあった、前を向きながら無言の給食というのも、これも大人にとっても大変違和感のある、我々も今、レストランとか食事に行きますと、お話は控えてくださいというカードが置いてあったり、パーテーションがある。それも相当違和感がありますけれども、学校給食は、もともと皆さん楽しくおしゃべりをしながら食べましょうみたいなのが基本的なルールだった、あるいは指導だと思いますけれども、このあたりの違和感というのはどうだったんですか。ある程度一定のスパンやっていると思いますけれども、最初の頃と今ではどうだったか。このあたりどうでしょうか、お伺いします。
◎教育長(西島玉枝君) 給食を再開した当初は、配膳から喫食、片づけまで、飛沫感染、接触感染のリスクを少なくするために非常に神経を使い、緊張感がございましたので、楽しいはずの給食の時間の変化に戸惑う子どももおりました。現在も引き続き感染症対策を徹底しておりますが、このような新しい生活様式は子どもたちにとっても当たり前の行動として身についてまいりましたので、配膳、喫食、片づけを手際よく行い、生み出した時間を使って本を読んだり、絵を描いたりするなど、楽しく過ごせるようになってきております。以上でございます。
◆21番(杉澤正人君) 安心しました。そういうことで頑張っているなという実感です。 では、今、生徒たちはそういう様子だと思いますけれども、そのように指導されている先生方、現場で大変苦労されていると思いますけれども、その児童生徒の様子を直接に受け止めている先生方、まずはもちろん安全とか健康の管理を大前提とした上で、通常とは違う状況で生徒の教育の成果を保障してあげなくてはいけないということですから、大変工夫されていると思いますけれども、その御苦労の中で、指導がうまくいったなと、もちろんよい結果が出た、出なかった場合もあるかと思いますけれども、それを含めてですけれども、その先生方の御努力の結果、コロナ禍という現在の状況がもたらした、教育上参考になるような事例というものがあれば伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。
◎教育長(西島玉枝君) 問題解決すべく取り組んだ事例についての御質問でございます。 先ほどお答えいたしましたように、困難な状況下ではございますが、各学校では文部科学省発出の学校の新しい生活様式に基づき、それぞれに工夫しながら感染症対策の徹底を図るとともに、保護者や地域の皆様に御協力いただきながら、朝、休み時間、放課後等に学校内の消毒を行ってまいりました。マスクの着用等につきましては、その意味を子どもたちに繰り返し丁寧に説明する中で、子どもたち自身がその大切さを理解し、意識して行動できるように努めてまいりました。マスクを着用し続けることでストレスを感じてしまう子どもについては、別室を用意し、マスクを外す時間を設けている学校もございます。 学習保障につきましては、週当たりの授業時数の増加や夏期休業期間の短縮により、最大限授業時数を確保できるよう努めてまいりました。また、地域学校協働本部の皆様に御協力いただいたり、県から配置された非常勤職員を活用したりすることで、放課後等の補充学習を行ってきました。 音楽の授業では、子ども同士が十分な身体的距離を保つことができるよう複数の部屋に分かれたり、飛沫拡散を考慮してフェイスシールドを活用したり、一人一人の体の向きを変えたりする中で、工夫して歌唱を行っています。また、鑑賞の時間を充実させたことで、教科の本来持つ特性に触れることができ、例年以上に児童生徒が主体的に取り組むことができた学校もございます。体育の授業では、少人数での活動を増やしたり、基本的な活動に時間をかけたりすることで、教師も一人一人の活躍を見取ることができ、称賛の声をかける機会が増えました。このことにより、子どもの意欲が向上するとともに、運動に苦手意識を持っていた子どもが少しずつ自信を持つきっかけとなりました。 給食の時間は会話ができないために、日替わりで子どもたちの好きな音楽を流し、楽しい雰囲気づくりをしている学校もございます。昼休みの遊びでは、子どもたちが自主的に感染症対策を踏まえた遊び方やルールを考える姿が見られました。児童会、生徒会活動においては、感染症に起因する差別や誹謗中傷に関する授業や指導を受けた児童生徒が、課題意識を持ち、自主的にその防止に向けて取り組みました。具体的には、誹謗中傷防止動画を作成し、全校生徒で課題を共有したり、学年ごとにいじめ防止集会を実施したり、また、シトラスリボンプロジェクトに参加した学校もございます。 学校行事については、運動会を全校で開催するのではなく、学年ごとに日や時間をずらすことで例年どおりの種目を実施し、保護者の皆様にも参観していただくことができた学校もございます。合唱コンクールでは、感染症対策に万全を施した上で、
市民文化会館を会場とし、生徒だけで実施したり、運動場での全校合唱に変更したりした学校もございます。また、修学旅行ができなかった中学校では、旅行会社の提供するオンライン修学旅行を活用して旅行体験を行った学校もございます。 このように、学校における事業や行事等は子どもたちが大きく成長し、喜びや感動、達成感等を味わうことのできる貴重な機会でありますので、今後とも各学校、様々な工夫をする中で、可能な限り実施できるよう努めてまいります。以上でございます。
◆21番(杉澤正人君) マスク着用について、別室を用意してマスクを外す時間を設けるとか、大変心を砕いた御様子が伺われます。マスクの着用もそうですけれども、手洗いの励行、徹底というようなことも、これもなかなか難しいのではないでしょうか。何か工夫した点などありましたらお伺いしたいと思います。また、小学生はそうですけれども、中学生はマスクにしても手洗いにしても、自分でしっかり意識して行動するというようなことのほうを促すということに恐らく重点を置いて指導するというふうなことではないかなと想像しているんですけれども、この点について、学校側の指導の工夫というのはいかがでしょうか。
◎教育長(西島玉枝君) お答えいたします。 手洗いの徹底のために、学校再開後しばらくの期間は日課を変更し、通常より休み時間を長く設定した学校もございます。その中に手洗いの時間を位置づけることで、手洗いが習慣化し、その段階で通常の日課に戻した学校もございます。 また議員おっしゃるとおり、中学生につきましては新型コロナウイルス感染症に関する正しい知識を身につけ、社会の動向などにも目を向ける中で、主体的に行動できる力を身につける必要がございます。各中学校では生徒会活動や委員会活動を通じて、感染症に関する情報発信や啓発を行ったり、感染症対策を踏まえた部活動の練習メニューを自分たちで考えたりするなど、生徒の主体的な行動を促すようにいたしております。以上でございます。
◆21番(杉澤正人君) ありがとうございます。 少し細かくなるんですけれども、音楽の授業で複数の部屋に分かれての授業というようなお話がありましたけれども、複数に分かれてどういうふうにするのでしょうか。ちょっと実例をお聞きしたいと思いますけれども、向きを変えて合唱する。そうしたら声を合わせるということは可能なんですか。それから、鑑賞の時間を多く取るというのはとても有効な学習の様子に思います。主体的に取り組むようになったというのは、楽器やその作品に対して技術の向上や知識の習得を、自分からもっといいものを聴きたいとか、もっとうまくなりたい、上手になりたいというふうに望むようになったということだろうと思いますけれども、大変結構なことだと思います。 体育の授業でもまた少人数に分かれてというふうなお話でしたけれども、この音楽と体育、どんなようにしたのか、少し伺いたいと思います。
◎教育長(西島玉枝君) 音楽の授業の実例といたしましては、パートごとに分かれての練習を多く行いました。その際は音楽室周辺の空き教室等を活用いたしました。子どもが複数の場所に分かれるため、担当教員が巡回して指導するとともに、必要な場合にはその時間に授業が入っていない教員が補助として入るなど、学校体制で協力して行いました。個人練習の段階では子どもが壁際に立ち、全員が壁に向かって歌ったり、ペアやグループの練習では背中合わせになるように歌ったりしました。最終的には回数を限定し、十分な距離を確保する中で向きを合わせて練習をいたしました。また、全体合唱は最後の1回のみと決めることで、子どもたちが集中して取り組むことができた事例もございます。 さらに鑑賞の学習に関しては、学習指導要領において、小学校低学年は音楽を聴くことが好きと思えるようにすること、中学年はいろいろな種類の音楽を聴いてみたいと思えるようにすること、高学年はいろいろな種類の音楽を聴いて、そのよさを伝えたいと思えるようにすることと示されております。また中学校では、音楽を自分なりに評価しながら、そのよさや美しさを味わって聴く力を育てることが大切であると示されております。これらを踏まえて鑑賞の学習を充実させたことが、議員のおっしゃるとおり、技術の向上や知識の習得に際して、児童生徒自らが主体的に取り組む姿につながったものと、このように考えております。 次に、体育科の授業の実例といたしましては、サッカーは本来11人のところを5人にしたり、バスケットボールは1チーム5人のところを3人にしたりいたしました。このように密を避けたチーム編成を行うことにより、練習やゲームにおいて一人一人がボールに触れる機会が増え、個々の技能の向上につながるとともに、教員が個々の習得状況を確認し、支援や称賛の声かけをする機会も増えたため、子どもの意欲の向上につながったものと考えております。以上でございます。
◆21番(杉澤正人君) なるほどと、お話を聞いて腑に落ちる部分がありました。そういうやり方もあったんだなということですね。全体合唱を最後に1回で決めるなんていうのはおもしろいかもしれませんね。集中力を高めるにはいいかもしれません。あと、音楽の鑑賞時間を増やすというのは、今おっしゃったとおり、さらにモチベーションが上がるということはあると思います。体育の個人指導を充実させるという形も全く同じことが言えるのかなと思います。お話を聞いて、実際にはそういう指導は、コロナ禍でそういう形を取ったかとは思いますけれども、常日頃からやっても、そのような角度からの指導というのはあってもおかしくはないんですね。今回はそういう形でやりましたけれども、逆にそういうものを乗り越えて、このコロナ禍が終われば、また通常に戻ったとしても、そのようないろいろ試行錯誤といいますか、子どもたちが苦労してやった、先生が御苦労して指導したということは、また生きてくるのではないかなと思いますので、なるほどという気持ちでございます。 あと、ちょっと2点、細かい点ですけれども、遊び方のルールを子どもたちが考えたとのことですが、何か事例があったらちょっと教えてください。 また、シトラスリボンプロジェクトというのは、教育長も市長もなさっていますけれども、そのリボンですね。これは子どもたちが作って身につけたんですか。
◎教育長(西島玉枝君) お答えいたします。 具体的な例といたしましては、鬼ごっこは接触を避けるためにタッチをしないで、1メートル以内に近づいたら声をかけ、鬼を交代するようにしたというような例がございます。また、ドッジボールでは、チームの人数を少なくしたり、一人一人が動けるスペースを決めて、友達と接触しないようにしたりいたしました。 また、シトラスリボンプロジェクトに取り組んだ学校では、児童会が全校児童と教職員に呼びかけてリボンを製作いたしました。現在も児童、教職員がリボンを身につけて活躍を継続していると報告を受けております。さらに、日頃からバレーボールの体験教室等でお世話になっております東レアローズの選手に、シトラスリボンを送った学校もございます。以上でございます。
◆21番(杉澤正人君) 大変すばらしい指導がなされているのかなと思います。児童生徒たちが自ら問題意識を持って自主的に取り組むというのは、これこそ学校教育の原理であり根本ですから、それが図らずもここでしっかり出てきたという形ですね。大変結構だと思います。このような形をぜひ進めていただきたいわけです。また、あるいはコロナが終息すれば、それがまた一段と生きてくるのかなと思います。 最後に、教育委員会としては、今、学校現場の子どもたち、あるいは指導を行った先生の様子を伺いましたけれども、教育委員会としてそれに対して御助言、アドバイス、御指導というのはどのようにしたのか、伺います。
◎教育長(西島玉枝君) では、教育委員会の取組についてお答えいたします。 市教育委員会といたしましては、安全・安心な学校生活を第一に考えております。そのためには感染症防止対策が極めて重要でありますので、アルコール消毒液や非接触型体温計を配付し、保健衛生や健康観察の徹底を図るよう、各学校に対し繰り返し指導しております。毎月、開催される校長会議、教頭会議では、文部科学省発出の学校の新しい生活様式について、情報共有する中で、特に内容に変更があった項目や対応が難しいケースなどは、事例を紹介しながら共通理解を図っております。 また、日頃からいじめや差別、偏見は決してあってはならないことを各学校に対して指導しておりますが、さらに新型コロナウイルス感染症に起因する差別や偏見についても、絶対にあってはならないことと再認識し、文部科学大臣や県教育長のメッセージを、道徳の授業や学級活動で扱うなど、これらの防止に向けた取組を徹底するよう、各学校に指導しております。本市の小学校が実施した差別や偏見、誹謗中傷について考える道徳の授業は、県教育委員会のホームページで紹介されております。 学習保障につきましては、子どもたちの負担を考慮する中で、学習指導要領に基づいた学習活動や学校行事がバランスよく実施できるよう、教務主任者会等において各校の工夫を共有してまいりました。授業時数を確保するためには学校行事の精選も必要でしたが、子どもたちの健やかな成長のために大切な行事等については、内容や方法を工夫することで可能な限り実施するよう指導してまいりました。また、臨時休業期間中には、指導主事が作成した算数、社会、体育などの学習動画や楽寿園の動物の動画、箱根の里のプラネタリウムを使った星座観察の動画、宮西達也先生の読み聞かせ動画などを市のホームページから発信することで、各校の学習保障に向けた取組の充実を促してまいりました。 子どもの心のケアや支援については、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの積極的な活用を進めるとともに、各学校で行われるケース会議に指導主事が参加するなどして、対応について助言してまいりました。 市教育委員会といたしましては、引き続き各学校や保護者、地域の皆様と連携し、学校の新しい生活様式に基づいた感染症防止対策を徹底する中で、子どもたちの健やかな成長のために、安全・安心な学校づくりに努めてまいります。以上でございます。
◆21番(杉澤正人君) ありがとうございます。 子どもたちの頑張り、あるいはその努力、現場の教員の先生方が、その実際が充実したものになるように、また創意工夫、先生方の発想というものが活性化されて、さらに転換して生きていく、そういうような御指導、また御助言をぜひお願いしたいと思います。以上で質問を終わります。
○議長(大房正治君) 以上で、21番 杉澤正人君の発言を打ち切ります。
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△延会の宣告
○議長(大房正治君) お諮りいたします。本日の一般質問はこの程度にとどめ、残された一般質問は、明12日午後1時から本会議を開き、行いたいと思いますが、これに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(大房正治君) 御異議なしと認めます。よって、明12日午後1時から本会議を開き、残された一般質問を行うことに決定いたしました。 本日はこれにて延会いたします。
△延会 午後3時59分地方自治法第123条の規定により署名する 令和3年3月11日 議長 大房正治 署名議員 藤江康儀 署名議員 堀江和雄...