静岡市議会 2022-09-02
令和4年9月定例会(第2日目) 本文
↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 午前10時5分開議
◯議長(望月俊明君) これより本日の会議を開きます。
この際、諸般の報告をいたします。
去る9月15日、
人事委員会から職員の給与等に関する報告及び勧告が提出されました。
以上で諸般の報告を終わります。
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2 ◯議長(望月俊明君) 本日の議事日程は、お手元に配布したとおりであります。
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日程第1 認定第1号 令和3年度静岡市一
般会計歳入歳出決算の認定について 外53
件(総括質問)
3 ◯議長(望月俊明君) 日程第1、認定第1号令和3年度静岡市
一般会計歳入歳出決算の認定についてから日程第54、一般質問までを一括議題といたします。
これより総括質問に入ります。
質問の通告がありますので、順次発言を許します。
初めに、遠藤裕孝君。
〔遠藤裕孝君登壇〕
4
◯遠藤裕孝君 おはようございます。
通告に従い、
自由民主党静岡市議団を代表いたしまして質問いたします。
それでは、初めに、大項目1、
コロナ禍における経済等への支援についてであります。
新型コロナウイルス感染症との闘いは、3年目に突入いたしました。そろそろ収束してほしいとの願いとは裏腹に、この夏には感染者が再度急拡大し、依然、市民生活や経済にも大きな影響を与えております。
市当局におかれましては、今までにも
ワクチン接種や
感染予防策の普及啓発などの
感染拡大防止への取組はもちろんのこと、停滞した
社会経済活動を回復させるため、事業継続や雇用維持、また消費喚起などに取り組んできたことは十分に理解しております。
コロナ禍に加え、今年2月にはロシアによる
ウクライナへの侵攻が起き、この影響で世界的に燃料や物価が高騰し、厳しい情勢となっております。
このような状況の中で、我が
自民党市議団には、多くの市民、さらに地域や
市内各種団体、経済界より、さらなる
経済対策や生活支援など、多くの要望や意見が寄せられております。
去る5月、
新型コロナウイルス感染症による影響の長期化やロシアの
ウクライナへの侵攻による影響に伴う経済情勢の悪化を受け、公明党、志政会と共に市民の家計負担が増大しないための市民生活への直接支援や、雇用継続や事業継続に向けた、打撃を受ける業者への支援及びそれらを踏まえた市独自の支援など、
緊急経済対策について要望を提出いたしました。
特に、我が会派といたしましては、市民や市内企業、団体などからの切実な訴えを重く受け止めた上での要望であり、市長をはじめとして、市当局には、困っている方々の声を直接聞いていただくとともに、必要とされる支援を早急、かつ、きめ細やかに実施していただくための切なる願いを込めた要望であったと考えております。
その上で、当局におかれましては、
経済対策の考えの下で、6月補正予算と今回の9月補正予算において、多様な分野で様々な取組を実施してきたと思われます。
「いのちを守ろう、くらしを守ろう」の言葉のとおりに、市当局には、実効性のある取組が行われることでこの危機を突破し、次のステップへつながると考えますので、ここで最初の質問を行います。
緊急経済対策における市議会からの要望を踏まえ、市としてどのように対応したのか、市の認識をお伺いいたします。
次に、
コロナ禍の
イベント開催についてであります。
近年は
コロナ禍における
イベントの中止が繰り返され、今もなお続くコロナの波に、
イベント主催者側の皆さんもさぞかし御苦労されてきたかと思います。
そのような道のりを経て、今年の夏は5年ぶりに
安倍川花火大会が、また、3年ぶりに清水みなと祭りが、それぞれ開催されました。静岡の夜空に浮かんだ鮮やかな花火や、
さつき通りを彩った無数のちょうちんは、
コロナ禍に打ち勝つための希望の光のように市民の目には映り、そして焼きついたかと思います。
さて、
イベントが徐々に回復し、にぎわいが戻りつつあることは高く評価しております。また、市民からの喜びの声や、
実行委員会からの手応えの声が多く届いたとも伺っております。
さらに、心配されていた
新規感染者数の増加につきましても、それぞれ開催された
イベントの特性に合う対策を講じ、翌週に感染者数が増えることはなかったものと受け止めております。
一方で、この夏の感染急拡大により、地域の
イベントの中止が相次ぐ等、影響も出ております。我々としましては、
コロナ禍でもまちを元気にする取組は、積極的に行うべきものと考えており、そこで2つ目の質問です。
イベントの継続的な開催に向けて、どのように支援していくのか、お伺いいたします。
続きまして、大項目2、部活動の地域移行についてであります。
私どもの世代は、中学生になったら部活動に入るのが当たり前で、小学校から中学校に進学するに当たって、どの部活で頑張るのか、自分自身に挑戦する決意を持ち、それなりの覚悟を持って入部し、自分自身を成長させてくれる人間形成の機会となっておりました。
子供たちが自分の興味に応じて選択し、仲間と共に活動する部活動は、教育的な側面やスポーツや文化芸術の普及・振興などにも成果を上げてきたものと感じます。
本市においても、現在も市内に約430の部活が設置され、全中学生の約8割、1万1,000人が活動に参加していると伺っております。平成30年度には、全国に先駆けて、静岡市独自の
部活動ガイドラインを策定するなど、生徒主体の活動となるよう充実した取組がなされておりました。
しかし、少子化が加速する中で、部員不足による休廃部や大会参加が難しい状況等、仲間と共に充実した活動を維持することが困難になっております。
また、競技経験のない顧問教員の割合が半数を超え、生徒が専門的な指導が受けられていない状況や、教職員の働き方改革の視点からも改善が求められる社会情勢の中で、従来の部活動では持続が困難な状況にあることは理解しております。
国としても
部活動改革に取り組んでいくことが報道されておりますが、子供たちが自分なりの目的を達成するためにひたむきに挑戦し、熱中して活動に取り組むことができる環境は重要であります。何としても残してあげたいと思います。
そこで、質問いたしますが、静岡市が進めようとしている
部活動改革は、どのようなものを目指し、その実現のためにどのような
スケジュールで進めていこうとしているのか、お伺いいたします。
また、これまでにない改革を進めるに当たっては、様々な課題が生じるのではないかと予想されます。それらの課題をしっかりと把握し、整理した上で進めていく必要があるのではないかと考えます。
そこで、2つ目の質問となりますが、
部活動改革を進めていくに当たっての課題をどのように捉えているのか、お伺いします。
以上、1回目です。
5 ◯市長(田辺信宏君) 私からは、大項目、
コロナ禍における経済等への支援についてのうち、物価上昇、資材・燃料等の高騰対策について、
緊急経済対策における市議会からの要望を踏まえ、どのように対応したのかとの質問にお答えいたします。
私はこれまで、
新型コロナウイルスの脅威から市民の皆さんの2つのライフを守るということ、すなわち命を守り、暮らしを取り戻すことが最大の使命であるとの強い思いから、
感染拡大防止と
社会経済活動の両立を目指して取り組んでまいりました。
とりわけ、暮らしに直結する
経済対策については、
ワクチン接種をはじめとする
感染予防策を強力に推進する一方で、常に全国や静岡市の感染状況や
感染レベルの状況を注視しつつ、市民の皆さんの日常生活や
地域経済が一日も早く回復、正常化できるように万全の体制を整え、準備を進めるとともに、機会を逃さず、アクセルを踏み込むことによって、効果的で切れ目ない対策を重点的に進めてまいりました。
しかしながら、議員御指摘のとおり、度重なる感染拡大の影響を受け、市民生活や
地域経済においては、依然として厳しい状況が続いており、これに加えて、
ウクライナ情勢によって、原油価格や
生活必需品の価格が高騰するなど、家計や企業活動への影響は深刻さを増しております。
そこで、自民党、公明党、志政会の3会派からの緊急要望を踏まえ、
地域経済を止めないということが最優先事項と考え、国の
経済対策も活用し、早急に対策の検討、準備に着手するとともに、市民や関係団体、事業者の皆さんから、家計や経営状況の実態や切実な思いに耳を傾けるために、まずは職員自らが現地に赴くよう指示いたしました。
私自身をはじめ、職員が手分けをして、
物価高騰等による影響を伺うと、市民の皆さんからは、例えば、電気代や食材費が高騰しているので家計への負担をできる限り減らしてほしいとか、また事業者の皆さんからは、燃料代や肥料代などが高騰し、経営を圧迫しているため支援をしてほしいなど、多くの声が伝わってまいりました。
このような思いに
スピード感を持って対応するため、
新型コロナウイルス感染症対策本部検討会議で、
生活者支援、
事業者支援の観点から必要な対策を協議し、6月と9月の補正予算を合わせ、およそ63億円の追加の
経済対策を決定したところであります。
まず、6月補正予算では、電気代や食材費の高騰が家計を圧迫するなど、市民の皆さんの日常生活をいち早く支援する必要があったことから、低所得や
子育て世帯への給付金、
モバイル決済サービスを活用した
消費者支援策、そして学校等の
給食費助成など、
生活者支援に関する取組を重点的に実施いたしました。
また、原油価格や物価高騰が続く中、燃料費や光熱水費、肥料代などの価格高騰が、特に
中小製造事業者や
運送事業者、農業者、
福祉施設事業者の皆さんの経営を圧迫していることから、この9月の補正予算では、
事業者支援を最優先の課題として、企業活動を下支えするために、
燃料費高騰などへの支援策を盛り込んだところであります。
一方、先日、政府が物価高騰への追加策を決定したことから、本市においてもさらなる
緊急支援策として、とりわけ家計への影響が大きい低所得世帯の皆さんに速やかに給付金が支援できるよう、41億円の
追加補正予算を本定例会に追加上程したところであります。
本市としましても、今後も物価高騰をはじめとする経済情勢の変化に対し、切れ目ない対策を進め、一日も早く市民の皆さんの日常生活の回復と、事業者の皆さんの経営基盤の安定を図り、
地域経済を正常化させていくことで、市民の皆さんが安心して暮らすことができるよう、積極的に取り組んでまいります。
以下は、教育長及び局長から答弁させます。
6
◯観光交流文化局長(望月哲也君)
コロナ禍での
イベント対策に関する御質問にお答えします。
イベントの継続的な開催に向けての支援についてですが、大
規模イベントの開催につきましては、開催経費に対する
財政的支援をはじめ、実行組織の体制整備、企画内容の検討や関係機関との協議など、
実行委員会の皆さんとの連携により、組織運営を支援してまいります。
これらに加え、
コロナ対策につきましては、これまで蓄積したノウハウを生かし、
賑わい創出イベント感染症対策事業補助金を活用し、
コロナ対策経費に対する
財政的支援を継続してまいります。
また、
地域イベントや
民間イベントの開催につきましては、市内各地でにぎわい
イベントが開催されるよう、まちは
劇場TRY'22の対象とする
イベント数を増やし、
コロナ禍においても継続的な
イベント開催に向けた機運を醸成してまいります。
まちは
劇場TRY'22を通じて、各地域独自のお祭りや季節ごとの
イベントの開催を後押しし、商店街との連携による消費促進につなげてまいります。
今後におきましても、継続的な
イベントの開催による
地域経済の活性化に向けて、公民が連携して、
にぎわい創出による交流人口の増加を目指してまいります。
7 ◯教育長(赤堀文宣君) 私からは、
部活動改革に関する方向性と
スケジュールについてお答えさせていただきます。
部活動は中学生にとって、家庭環境に左右されないスポーツ・
文化芸術活動の機会、社会性や主体性を育む人間形成の機会、放課後や休日の有意義な居場所といった価値を実現する
教育活動としての役割を果たしてまいりました。
しかしながら、少子化による部員数の減少や競技経験のない顧問の増加など、学校だけでは解決困難な課題により、近年では部活動を維持、継続することが難しい状況にあります。
このような中、国においては、令和5年度から7年度を
改革集中期間とし、休日の部活動を地域移行する方向で、
部活動改革を進めようとしております。
その中で、本市においては、中学生の価値ある活動を大切にしていきたいという視点に立ち、静岡市の責任の下で実施する
教育活動として、部活動の改革を検討しております。
私たちが構想する改革案は、静岡市の新しい部活、シズカツです。片仮名でシズカツ、静岡の方は少し聞き覚えのある言葉ですけれども、今期からは、片仮名ならばということで御使用をお許しいただいております。
シズカツは、従来の学校ごとの枠組みを超え、市、学校、教員、関係団体、地域人材などしずおか総がかりで、将来にわたって中学生がスポーツ・文化芸術に親しめる環境を支えていく取組です。
地域展開を進めるためのシズカツの具体的な方策は2点あります。
1点目は、種目や地域の状況に応じた柔軟な
チーム編成です。
例えば、
近隣校グループを1つのエリアとしてチームを編成し、拠点校を中心に活動するエリア制です。これは学校単位でなく、
エリアごとに新たなチームを創設するため、エリア内の生徒は誰でも入部が可能となり、学校間で部活動を支え合うことができる新しい仕組みです。
2点目は、専門的な指導が可能な地域人材の配置です。
指導者となる地域人材には、技能向上のための指導の専門性と、人間力の向上につながる教育的な資質が求められます。指導者には、指導を希望する教員や
部活動指導員に加え、関係団体から推薦を受けた人材や、趣旨に賛同いただいた市民を想定しております。
改革に向けての
スケジュールについては、実施準備の整ったエリアから段階的にシズカツを展開し、休日については令和8年度までに、平日を含む全ての活動については令和12年度までに全市展開することを目指します。
シズカツを市内全域に展開することで、参画する市民が増え、地域人材のやりがいや人材間の交流など、地域における好循環が生まれ、新たな価値の創出につながります。これはスポーツ・文化芸術の力を生かした
まちづくりにつながるものであり、シズカツが市全体のスポーツ・文化芸術の振興の裾野を担うことができるのではないかと考えております。
これまでにない大きな改革である部活動の地域展開を実現していくためには、多岐にわたる関係者からの意見に基づき、丁寧に進めていく必要があると考えております。いただいた意見を基に、
総合教育会議や有識者による
部活動改革検討委員会で協議、検討し、よりよい方策の構築に努めてまいります。
8
◯教育局長(青嶋浩義君)
部活動改革を進めていくに当たっての課題についてですが、本市の改革案、シズカツは、中学生が将来にわたって、スポーツ・文化芸術に親しめる環境を構築することを目指すものです。
従来の部活動の手法を大きく転換することになるため、様々な課題が生じることが予想されます。例えば、指導者については、今後は指導を希望する教員と地域人材が担うため、指導者の量と質の確保は大きな課題となります。
量については、指導者として相当数の地域人材を確保する必要があるため、指導を希望する教員に加え、
関係団体等に協力を求め、必要数の確保を図ります。
質については、シズカツの理念や指導者の資質等について、
教育委員会主催の研修を通して周知を図り、担保することを目指します。
そのほかにも、生徒の視点では、平日と休日の指導者が異なること、活動場所への移動の負担や、保護者の視点では、
活動費増加への不安、けがなど緊急対応の懸念、そのほかにも大会の出場機会の維持、指導の過熱化等が挙げられます。
改革を進めていく上での課題につきましては、令和3年度から実施している実践研究の検証結果を踏まえるとともに、関係する方々の意向を把握した上で、
総合教育会議や
部活動改革検討委員会で、丁寧に協議を重ね、中学生のやってみたいに応えることのできる円滑な改革の推進に向け、検討を進めてまいります。
〔遠藤裕孝君登壇〕
9
◯遠藤裕孝君 2回目に入ります。
市長をはじめ、教育長、各局長の皆様、御答弁ありがとうございました。
それでは、2回目です。
大項目3、歴史文化の
まちづくりについてであります。
記憶に新しいかと思いますが、去る7月23日に静岡市
歴史博物館が
プレオープンいたしました。現在は土曜日、日曜日、祝日のみ開館し、建物の一部が公開され、多くの市民や市外からの来訪者の皆さんが訪れております。
この施設は、歴史資料の展示、収集のみならず、
観光スポットや教育施設としての役割も期待されており、来年1月の
グランドオープンに公開される2階、3階の展示室がどのようなものになるのか、大いに期待するところであります。
その一方で、
プレオープンしたからこそ、気づくことのできた課題も挙がっていると聞いております。
また、夏休みの間、子供たちもたくさん訪れたことと思います。私は、静岡市を担う子供たちに、
歴史博物館で
徳川家康公をはじめとする郷土の歴史を学んでもらうことが大切であり、そのためには学校と連携してどのように取り組むかが大変重要であると思います。
そこで、質問いたしますが、
プレオープンした後にどのような課題が把握され、1月の
グランドオープンに向けてどのような対策を行っているのか、お伺いいたします。
また、令和5年1月には、
大河ドラマ館も開館します。市長は2月定例会において、
大河ドラマ「どうする家康」の放送により、
徳川家康公が注目される1年を通じて、国内外からの観光客を呼び込むために、
大河ドラマ館を活用すると答弁されております。
近年の
コロナ禍において停滞ぎみであった観光業界においては、まさしく起爆剤となる大きな取組であります。
歴史博物館と
大河ドラマ館を行き来する人の流れは、新たな観光需要に伴う経済の活性化につながるものと期待されています。
そこで、質問いたしますが、
大河ドラマ館には大きな集客が見込まれることから、
大河ドラマ館と連携してどのように周遊性を確保していくのかについて、お伺いいたします。
続きまして、大項目4、
オクシズ振興についてであります。
興津川流域に位置し、自然豊かで温泉もある両河内地区は、清水のオクシズの中でも最も広い面積を占めております。
その両河内地区では、今年4月、
地区内3つの小学校と両
河内中学校を統合した両
河内小中学校が開校し、地域全体で子供たちを育む
小中一貫教育がスタートいたしました。
また、その地域で
中部横断道の開通に伴い、今後、地区内に
スマートインターチェンジが整備される計画もあります。今まで以上に多方面からの交流人口の拡大が期待されております。
このように、地域を取り巻く環境が大きく変わろうとしている両河内地区では、今まで以上に地域の活性化を図ろうと、自治会を中心といたしまして、
まちづくりの取組も盛んに行われているところであります。
さて、このような大きな流れがある中でお聞きしたいことは、旧清水和田島自然の家の
移転整備計画についてであります。
昭和50年の開設以来、40年にわたり小中学校の児童生徒などに大変親しまれてきた旧清水和田島自然の家でありますが、平成31年4月より休館しており、そのため清水での野外体験の機会が減少しております。自然の家の早期再開を楽しみに待っている人たちは大勢いるものと伺っております。
そこで、質問いたしますが、先ほどの
オクシズ振興の流れの中で、旧自然の家のよさを尊重しつつ、多くの市民が自然と触れ合い、地域のよさを実感することができる新自然の家は、どのような施設を目指しているのか、また、それを実現するためにどのような取組をしていくのか、お伺いいたします。
最後に、
主要地方道南アルプス公園線の
トンネル建設工事についてであります。
南アルプスユネスコエコパークの玄関口である井川地区へのアクセスにつきましては、市街地より
三ツ峰落合線を経由し、
南アルプス公園線を利用するルートが一般的であります。これらのルートは大型車が通行可能であり、第3次
緊急輸送道路にも指定されている重要な路線でありますが、幅員が狭く、急勾配や急カーブが連続するとともに、台風などの自然災害の発生によるものや、積雪や凍結の影響による通行止めの発生が、主な課題として考えられております。
現在、準備工事が進められているこの
トンネル建設につきましては、旧井川村が合併した1969年頃から井川地区の皆さんの悲願であり、早期開通を待ち望む声が多く聞かれてきたところです。現在、静岡市とJR東海との
基本合意書に基づき、
中央新幹線の建設に伴う交通の安全確保及び地域振興のため、主な課題である自然災害による交通規制を回避するため、
トンネル建設工事を進めていくと聞いております。
オクシズ地域の将来を見据え、さらなる振興に寄与するためには、井川地区への
アクセス道路の整備を確実に進めていく必要があると考えております。
そこで、質問させていただきますが、
主要地方道南アルプス公園線の
トンネル建設工事の進捗状況はどうか、お伺いいたします。
以上、2回目です。
10
◯観光交流文化局長(望月哲也君)
歴史博物館に関する2点の御質問にお答えします。
まず、
プレオープン後に把握された課題と
グランドオープンに向けた取組についてですが、
プレオープンは、
歴史博物館の建物の一部を先行して公開することで、その存在を周知し、令和5年1月13日の
グランドオープンに向けて、関心を高めていくことを目的に実施しております。
来館者からは、道と石垣の遺構の迫力への驚きや、職員の丁寧な対応に満足したなどの好意的な意見のほか、出入口が分かりにくいなどの意見も寄せられており、動線や案内方法の改善といった課題が見えてきました。
グランドオープン後は、2階と3階の展示室が公開され、有料と無料のゾーンに分かれることなどから動線が複雑化するため、様々な状況を想定し、案内方法を検討しているところです。
また、博物館の取組として、未来を担う子供たちに本市の歴史を知ってもらうことが重要と考えております。平日の開館が始まる10月以降は、小中学校などの施設見学の受入れを行い、学校のカリキュラムに応じた歴史学習の支援を行ってまいります。
さらに、博物館周辺で行われる
イベント開催時に、夜間開館などを行うことで、博物館への認知と関心を高め、
グランドオープンに向けて機運を高めるよう取り組んでまいります。
次に、
大河ドラマ館と連携した周遊性の確保についてですが、
歴史博物館では、その役割の1つとして観光交流を掲げ、まちのにぎわいづくりの創出を目指しています。
令和5年1月には、
歴史博物館と
大河ドラマ館が時期を合わせて開館し、お互いの施設を結ぶシャトルバスの運行や、両方の施設を訪れた方々への特典などにより、相互の来館を促進し、相乗効果を高めてまいります。
歴史博物館では、歴史資料を基に、激動の時代を懸命に生き抜いた
徳川家康公の一生を展示し、
大河ドラマ館では、ドラマで描かれた家康公の生き方への感動や共感を追体験できる機会を提供いたします。
このように、両館の関連性を生かし、歴史的事実とドラマのおもしろさを同時に味わえるという本市ならではの魅力を積極的にPRし、誘客につなげてまいります。
さらに、
歴史博物館の展示から、本市の歴史への関心を呼び起こし、そこから市内の歴史資源へといざなうよう、観光ボランティアと連携した周辺エリアのガイドツアーを行います。
また、学生の視点で、おすすめのお店やスポットを紹介するまち歩きマップを市内の大学と連携して作成し、周辺商店街への周遊を促します。
大河ドラマが終わった後も、このような取組を継続し、
歴史博物館を拠点に歴史を生かした観光交流を定着させることで、周遊性の確保に努めてまいります。
11
◯教育局長(青嶋浩義君) 新自然の家の目指す姿とそれを実現するための取組についてですが、新自然の家
移転整備計画は、耐震性能不足等により、現在休止中の旧清水和田島自然の家を移転再整備するもので、清水両河内地域における学校統合に伴う跡地利用として、旧清水西河内小学校を改修し、令和7年度の供用開始を目指しています。
新たな自然の家の目指す姿には、たくましく、しなやかな子供たちの育成、両河内地域の
にぎわい創出という2つを掲げております。青少年教育施設として、子供たちの育成に取り組むとともに、新たに旧自然の家にはなかった地域活性化の観点から、誰もが豊かな自然や文化に触れることのできる機会を提供し、地域の魅力発信や交流人口の拡大を促す両河内地域の
にぎわい創出を目指してまいります。
具体的な取組として、たくましく、しなやかな子供たちの育成に向けては、団体での集団宿泊体験に利用できる宿泊室、野外炊飯施設等の整備のほか、旧自然の家において、多くの利用者に体験していただいた沢登りや西河内地域伝統の炭焼きなど、両河内ならではのリアルな体験の提供などが挙げられます。
また、両河内地域の
にぎわい創出に向けては、少人数でも利用しやすい宿泊室、立ち寄りでも利用可能なスペース等の整備のほか、地域人材や近隣施設など、豊富な地域資源と連携した体験の提供、体育館・運動場を活用したスポーツ大会、各種
イベントの開催などが挙げられます。
こうした取組により、子供から大人まで多世代の方が年間を通して利活用できる施設として、目指す姿の実現に取り組んでまいります。
12 ◯建設局長(池谷 誠君)
主要地方道南アルプス公園線の
トンネル建設工事の進捗状況についてですが、平成30年6月にJR東海と締結した
基本合意書に基づき、トンネル本体と坑口周辺道路の
トンネル建設工事をJR東海が施工し、また、トンネル前後区間となる井川・田代地区から玉川・落合地区までの狭隘で車両の通行に支障となる箇所の道路工事を本市が施工しており、相互に連携して事業を進めております。
JR東海が施工する
トンネル建設工事の進捗状況としましては、令和元年に測量や地質調査、ルート選定及び設計を行い、2年6月には工事公募を開始し、3年2月に工事契約を締結しております。
また、トンネル本体工事は早期完成を目指し、玉川及び井川の両側から掘削する工程で実施しております。現在、玉川側は、令和3年12月からトンネル本体工事に必要となる現道の迂回路や工事ヤードなどの準備工事に着手し、5年度からの掘削開始を予定しており、また井川側は、本年7月に県との保安林解除などの法令手続が完了したため、引き続き、準備工事に着手する予定となっております。
工事については予定どおり進んでおり、今後もJR東海と相互に連携し、当初の計画どおり、令和8年3月の供用開始を目指してまいります。
〔遠藤裕孝君登壇〕
13
◯遠藤裕孝君 3回目は意見・要望を申し上げます。
初めに、
コロナ禍における経済等への支援につきましては、市当局の迅速な対応に感謝いたします。
しかし、
コロナ禍や物価高、燃料高騰等が続き、一説には冬の時期に電力供給がさらに不足する予想もございます。
そうした多くの危機に備えるため、市長の答弁にありましたとおり、今後におきましても、あらゆる経済情勢の変化に対して、迅速に、かつ、きめ細かに対応できるよう、日頃から情報収集に努め、丁寧に取り組んでいただきたいと考えております。我々も市当局へ積極的に要望を行ってまいります。
次に、
コロナ禍の
イベント開催についてです。
イベント開催に当たっては、まちは劇場の推進に資する
イベントの主催者を支援する、まちは
劇場TRY'22開催事業負担金が大好評だということで、本定例会においても1億円の
追加補正予算が上程されております。
安倍川花火大会や清水みなと祭りのように、何年かぶりに開催することができた
イベントがある一方で、地域の盆踊りなど、いまだに開催のめどが立たないものもあります。
地域の歴史、伝統、文化を絶やすことなく、次世代につないでいくためにも、市が先頭に立って地域を支援し、市民の不安の払拭とともに、文化や経済が絶えることのないよう、引き続き、
イベント主催者等への積極的な支援を次年度も継続して取り組んでいただきたいと思います。
次に、部活動の地域移行についてですが、答弁にもありましたとおり、まさにこれまで経験したことのない大改革になるものと捉えております。
地域では、生徒数の減少により、部員確保が難しい状況にあるとともに、競技や監督経験のない顧問が増加するなど、大きな局面を迎えているところであります。
このたびの改革が全ての保護者、学校、そして地域の皆さんにとって有益な取組となるよう、令和12年度の全市的な展開に向け、引き続き検討を重ねていただきたいと思います。
次に、歴史文化の
まちづくりについてです。
駿府城公園内とその周辺は、公園内は大規模な改修や整備、さらに天守閣の発掘や桜の名所づくり、また周辺では、ホリノテラスやラン・アンド・リフレッシュステーションの整備が行われ、昭和、平成、令和の時代の流れとともに、大きな変貌を遂げております。
この
歴史博物館のオープンにより、駿府城エリアの付加価値は大きく上昇し、後世へ確実に引き継いでいける財産だと強く感じております。
来訪者の皆さんには、本市とゆかりの深い
徳川家康公と、駿府の歴史に思いをはせながら、静岡のまちを歩いていただきたいと考えております。さらに、
徳川家康公ゆかりの久能山東照宮や清見寺などを含め、市内の周遊観光へつながるよう旅行商品の充実などにも力を入れていただきたいと思っています。お願いします。
何より市民が誇りと思える施設にならなければと思います。子供たちへの教育と併せて、多くの市民が見て、触れて、感じる取組も求めます。
引き続き、大胆な取組や仕掛けを行いながら、この
歴史博物館オープンが静岡市に注目が集まる起爆剤となるよう、来年1年間が勝負のときであると考えております。当局の思い切った取組を期待しております。
最後に、
オクシズ振興についてであります。
まず、新自然の家整備移転計画につきましては、令和7年度の供用開始を目指すということですので、地域や利用を希望する皆さんの声を十分にお聞きいただき、計画に反映していただきたいと考えております。
旧和田島自然の家は平成31年に休館となり、既に3年が経過いたしました。私自身としましては、正直、市の動きが少し鈍いのではないかと感じているところでしたが、ひとまず軌道に乗り、整備に向け動いているという、両河内地区の活性化につながる取組として、大いに期待しているところであります。
なお、現在策定されている第4次総合計画においては、リーディングプロジェクトとして、森林文化の地域づくりが上がっていると伺っております。海から山まで幅広い守備範囲を持つ政令指定都市として、市街地のみだけでなく、中山間地にも注目していただいたことは、大変喜ばしい取組だと認識しております。ぜひ、中山間地振興についても予算の集中投資を行っていただき、市内のどこにいても住み続けられるまちとなるよう、市当局には取り組んでいただきたいと考えております。
また、井川地区への
アクセス道路につきましては、予定どおり進んでいるということで大変安心いたしました。一部報道で、このトンネル工事が一切進んでおらず、市がJR東海との約束を履行していないとの記事を目にしたことがありますが、答弁にありましたとおり、
基本合意書の締結に始まり、調査、測量、設計、そして関連する準備工事や法定手続など、当初の予定どおりである旨の答弁をいただいたことは、非常に喜ばしいことであると受け止めております。
市当局には、令和8年3月の供用開始に向け、引き続き、事業を進めていただくよう要望いたします。
以上で代表質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
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14 ◯議長(望月俊明君) 次に、宮澤圭輔君。
〔宮澤圭輔君登壇〕
15 ◯宮澤圭輔君 おはようございます。
それでは、創生静岡を代表して質問を行います。
大項目で、市長の政治姿勢について、第4次総合計画について、最後に、時代に合った制度への転換についての3点を伺います。
まず、政治姿勢について、驚いたのが7月21日の新聞報道、田辺市長が来年春の静岡市長選挙に4選を目指して出馬する意向と大きく報じられたことであります。通常は11月以降に報じられる動向も、このタイミングで取り上げられるというのは大変異例なことであり、驚きました。なぜこのタイミングでというのが第一印象であります。
そこで、伺いますが、出馬意向の報道において、市民の評価をいただく中で、私の態度を表明したいと述べられております。それはどのような条件が整えば表明されたいのか、表明されるおつもりなのか、伺います。
また、その際に、目の前の行政課題を一つ一つ着実にこなしていくことが、市長に課せられたミッションであるとも語っておられます。田辺市長は、現在、本市における行政課題をどのように認識され、どう改善されていくおつもりなのか、伺います。
続いて、大項目の2、第4次総合計画について、まずは3次総の総括について伺います。
第3次総合計画の最大目標は、2025年総人口70万人の維持を、なぜ最大の目標としたのかでありますが、本市の人口減少は国の平均よりも20年早く始まり、2012年には政令市中、人口が最下位となって、その際に今後、社会に与える影響として、地域社会の担い手に税収の減少、公共サービスの負担増、こういった危機感の下で、オール静岡として取組が始められたのが3次総でありました。
戦略の推進には、10の分野と41の政策、132の施策を設定。客観的な視点から事業を評価、PDCAサイクルによる改善をすると明記されております。
しかし、最大目標値であった人口70万人は68万4,000人、3次総目標の出生率、1.57は今では1.32です。
あわせて、資料の1)を皆さん御覧ください。こちらです。
3次総期間中の市民の満足度について、平成25年策定時と直近令和4年比で比較できる設問、この中で見ていただくと15問ありますが、15問中13問で市民満足度の低下、誤差とは言いがたい10%以上の低下も6項目で見受けられます。しかし、この状況においても、3次総の政策・施策評価はAが8割以上。
そこで、伺いますが、政策が間違っていたのか、それとも評価が違うのか。3次総計画において、政策・施策評価の8割以上がA評価であるのに、先ほど言ったような状況をどのように捉えているのか、伺います。
次に、主要事業、子ども・子育てについて伺います。
3次総では、総人口70万人の維持に対して、自然増と社会増、2つの増加策を掲げてきました。
この2つをそれぞれ見ると、社会増は計画年度から徐々に右肩上がりになっております。よって、成果が見えます。一方で、出生率・出生数は極端な右肩下がりで、自然増の政策効果は現れていないことが分かります。
その関連で資料2)を御覧ください。次のページです。
子育てしやすいまちだと思いますかについて、目標値67%に対して令和4年度は36.7%まで低下しており、何と3次総最終年度の目標値に対しては30.5%のマイナスです。平成25年度の6割から、今は3割しか満足できていない状況です。
そこで、伺いますが、3次総で取り組んできた子ども・子育てに関する施策について、どのように評価し、何が課題であると認識しているのか、伺います。
続いて、同時期に策定された人口ビジョンでは、人口70万人維持ができなかった場合、市税収入の減少等、財源不足によって、公共施設への影響や公共サービスの負担増加などが生じるとされてきました。
そこで、伺います。第3次総合計画の計画中の財政運営がどうだったのか。目標値としていた人口70万人の維持ができなかったことによる市税収入への影響はどうか。
ちなみに、この質問に先立って、皆さんのお手元に、財政局に分かりやすい資料を作っていただきました。大変に感激しております。財政局は数値を見る限り本当に頑張っている。
一方で、その頑張りも迫りくるこれからの外部要因に対して、しっかりと注視することも必要と考えますが、財政運営の今後の見通しはどうか、伺います。
最後に、第3次総合計画の
まちづくりの目標について、世界に輝く静岡の実現としておりますが、8年間で世界に輝きを放ったものとは何か、伺います。
次に、中項目の(2)第4次総合計画に向けてを伺います。
今、振り返ると、3次総は70万人の維持をはじめとして、合計特殊出生率1.57、まちの魅力度ランキング、有効求人倍率に移住定住目標と、数値に沿ったいい事業計画であったと思っております。
しかし、4次総では、人口目標も削除、出生率も削除。一方で、3次総の総合評価であった政策評価は総じてよくできましたのAです。よって、課題も見えてこないんです。
本来ならば、3次総での課題に対し数値目標を掲げ、改善のために事業を策定するといった流れが普通ではないかと思われますが、今回の4次総では数値目標というものが一切見えてきません。まるで目標なき計画、根拠なしの事業のように感じます。数値目標がない中で、どのような静岡市の実現を図りたいのか。
そこで、伺いますが、いよいよ4次総の策定も迫ってくる中で、今後4次総ではどのような数値目標を掲げるのか。また、それを評価する具体的な数値目標は何か、伺います。
最後に、しつこいようですけれども、6月議会、子ども・子育てを政策の中心に掲げ、市民の求めに応じて経済的支援の取組を行っている自治体では、人口、税収、子供の増加等が見られる、本市もそうするべきだと訴えさせていただきましたが、その答弁は残念ながら、健康長寿の中に子ども・子育て分野を入れるという残念な答弁でありました。
そこで、改めて伺いますが、4次総に向けて、子ども・子育てを重点施策の目玉に据えるべきと考えますがどうかを伺って、1回目の質問とさせていただきます。
16 ◯市長(田辺信宏君) 私からは、大項目、市長の政治姿勢について、第4次総合計画に向けてのうち、本市における行政課題をどのように捉えているのか、4次総でどのような目標を掲げていくのかとの質問にまずお答えいたします。
3次総では、議員御指摘のとおり、世界に輝く静岡の実現をスローガンに掲げ、最重要政策である5大構想、さらに人口減少に立ち向かうための地方創生の取組などに特に力を入れ、市政を運営してまいりました。
4次総では、この3次総、5大構想の考え方を継承しつつ、時代の趨勢や新たに生じた行政課題などに適切に反映させ、進化させていきたいと考えております。
その中で、重要な行政課題の1つは、3次総でも掲げた人口減少対策であります。3次総策定当時から現在まで、その課題認識は一貫しており、むしろ、ポストコロナ時代のこれからこそが正念場であると思います。
そこで、4次総では、これまでの定住人口に加え、新たに交流人口と関係人口といった概念を取り入れ、人口活力を高め、まちと暮らしを豊かにするを重点目標に掲げてまいります。
3次総では、定住人口が都市活力の大きな源であるとの考え方から、定住人口を指標として掲げましたが、今後は定住人口拡大施策のみでは、従前の人口活力を維持することは困難であると検証いたしました。
現時点で具体的な数値目標としては、静岡市にずっと住み続けたいと感じる市民の割合のような市民満足度調査や、市内GDPのような経済指標などを検討しており、今後、有識者との意見交換を踏まえて決定してまいります。
次に、子ども・子育てを4次総の重点目標に据えることについてでありますが、私はこれまでも、
まちづくりは人づくりとの考え方の下、未来を担う子供たちが健やかに暮らし、そして育つことのできる環境整備に取り組んできました。そして、4次総策定に関するパブリックコメントや、議員をはじめ、市議会会派からの政策提言においても、子ども・子育ての取組のさらなる充実を求める多くの声をいただいております。
そこで、4次総では、子ども・子育ての観点を新たに加え、5大構想の健康長寿のまちの推進を進化させ、5つの重点政策の1つとして位置づけた上で、本市独自の地域特性や都市規模などを踏まえ、静岡型の積極的な子ども・子育て政策を推進していきたいと考えております。
最後に、私の出馬の意向につきましては、7月の定例記者会見において述べましたとおり、しかるべき機会に表明したいと考えております。
以下は、局長から答弁させます。
17 ◯企画局長(松浦高之君) 政策・施策評価の結果と、人口目標、出生率、市民満足度についてですが、政策・施策評価が全般的によかった理由としては、外部評価委員からの指摘にもあったとおり、事業の実施状況や実績といった、いわゆるアウトプット指標が多かったことが考えられます。
4次総の策定に際しては、これまでの経験を踏まえ、取組の改善につながるような目標の設定や評価の在り方を検討しているところです。
人口については、70万人は維持できなかったものの、市民の皆さんにも分かりやすい、あえて高い目標を掲げ、これまで取り組んできたことで、国立社会保障・人口問題研究所による将来推計の上方修正にもつながったものと考えています。また、国全体として出生率が伸び悩む中、一自治体の努力でこれを改善していくことは容易ではなく、移住促進や交流・関係人口を増加させる取組がますます重要であると考えております。
市民満足度調査については、その時々の世相など外部要因の影響もさることながら、進行中のプロジェクトが多いことで、市民の皆さんが成果を実感しづらいことや、これまでの取組が認知されていないなどの要因があると考えています。
しかしながら、市民満足度が低下している現状を受け止め、中でも低下している子育てとスポーツについて、4次総では重点政策に組み込み、取り組んでいきたいと考えております。
次に、8年間で世界に輝いた事業についてですが、3次総では、世界に輝く静岡の実現に向けて、本市の固有の地域資源を生かし、オンリーワンの都市を目指してまいりました。
例えば、世界史上例を見ない260年の平和の礎を築いた
徳川家康公の一生が分かる
歴史博物館の建設や、世界文化遺産富士山を望み、三保松原を擁する清水港へのクルーズ客船の誘致など、世界を意識した事業を進めてまいりました。
このほか、全国の自治体に先駆け、平成29年度からSDGsの取組をスタートさせ、国連からアジアで唯一のSDGsハブ都市に選定されております。
こうした取組をはじめ、総合計画に登載しているあらゆる事業を着実に推進することで、静岡市として世界から注目されることを目指してまいります。
18 ◯子ども未来局長(橋本隆夫君) 3次総における子ども・子育て支援に関する施策について、どのように評価し、何が課題であると認識しているのかについてお答えします。
まず、評価についてですが、認定こども園への移行促進や保育所待機児童の解消、放課後児童クラブの増設や開設時間の延長など、子育てと仕事の両立を支援する取組のほか、不妊治療費や子ども医療費の助成の拡充、本市独自のママケアデイサービスなど、子供を産み育てることに安心と喜びを感じる環境づくりを静岡型で進めてきました。
これらの取組により、子ども・教育分野における各施策の成果指標の目標値に対する実績は、約9割が目的が達成されているA評価となっており、各事業は着実に実施してきているものと評価しております。
一方、課題についてですが、市民満足度調査における、子育てしやすいまちだと思うと答えた人の割合が低下し、この割合を指標とした政策の1つが、目的があまり達成していないB評価となっています。
また、令和4年度の市民満足度調査の速報値では、子育てしやすいまちだと思うと答えた人の割合と、思わないと答えた人の割合のどちらの数値も低下している一方で、分からないと答えた人の割合が前年度から倍増しております。これは3次総で実施してきた事業が、市民に十分に伝わっていなかったことが要因の1つと考えており、本市の子育て施策の情報発信の強化が課題であると認識しております。
さらに、4次総の策定に向けた新たな課題として、医療的ケア児やヤングケアラー等の困難を抱える子供・若者への対策や、核家族化や地域のつながりの希薄化が進む中で、子育て家庭の孤立感や負担感を解消するために、総合的に進めてきた静岡型の子育て施策をさらに進化させていくことが課題であると認識しております。
19 ◯財政局長(大石貴生君) 財政運営に関する3点の質問にお答えします。
初めに、3次総期間中の財政運営についてですが、平成27年度からの3次総期間では、5大構想をはじめとする市民生活に必要な各種施策を推進する中で、財政の健全性は維持されていると考えております。
少し数字が入りますので、資料を御用意しました。財政局提出のA3の資料1を御覧ください。
具体的に、フローとストックの主な財政指標で見ますと、表上段の毎年度の財政状況を示すフロー指標では、7年間の期間中、経常収支比率が90%台前半で高止まりし、財政は硬直傾向にあるものの、毎年度の実質収支は34億円から65億円の黒字を維持しております。
また、表下段の資産や負債の量を示すストック指標では、3次総前年の平成26年度末と令和3年度末を比較しますと、基金残高は329億円から396億円に20%、67億円の増加、臨時財政対策債を除く市債残高は2,871億円から2,585億円に10%、286億円減少し、それぞれ大きく改善しています。
さらに、将来支払わなければならない経費の大きさを表す将来負担比率も、69.9%から37.1%に改善しております。
このような改善状況に加え、いずれの指標も政令市平均を上回っており、全体として財政の健全性は確保できていると考えております。
次に、人口減少による市税収入への影響についてですが、こちらは、2枚目の資料2を御覧ください。
3次総期間中に総人口は約3%の減少となりましたが、市税収入の収入額につきましては、県費負担教職員制度に伴う税源移譲を除いた収入額で比較しますと、平成27年度の1,270億円から令和元年度の1,288億円まで、5年間は微増で推移してきました。その後の2年間は、税制度の改正や
新型コロナウイルス感染症の影響により、令和3年度には1,242億円と、平成27年度から約2%の減収となりましたが、人口減少による大きな落ち込みは見られず、現時点ではほぼ横ばいの収入を確保しております。
次に資料2の2)を御覧ください。
特に、人口減少の影響を受けると思われた個人市民税の現年課税分の収入額は、同じく税源移譲を除いた収入額で比較しますと、平成27年度の416億円に対し令和3年度は427億円で約2.6%、11億円の増収となりました。
これは資料2の3)から5)のとおり、高齢者や女性の労働参加が進んだことにより、納税義務者数が約2%、雇用情勢の改善により、1人当たり所得額が約3%増加したことに加え、市税収納率が0.7ポイント上昇したことにより、増収につながったと分析しております。
最後に、財政運営の今後の見通しについてですが、本年2月公表の財政の中期見通しでは、令和5年度から7年度までの各年度で、62億円から73億円の財源不足が生じると見込みました。現在、予算編成作業の中で、中期見通しについて、令和3年度決算や国の景気動向を反映して見直しを行っているところであり、現時点においては、市税や地方交付税等の一般財源総額が若干増加するものの、原油価格、物価高騰の影響などによる歳出増加により、財源不足額は2月の試算とほぼ変わらないと想定しております。
今後、4次総や行財政改革実施計画に登載された取組を盛り込んだ上で、来年2月に新たな中期見通しを公表する予定です。
本市を取り巻く状況は、世界情勢や金融市場の変動など、社会情勢の先行きが不透明な状況でありますので、今後もこれらの動向を注視してまいります。
〔宮澤圭輔君登壇〕
20 ◯宮澤圭輔君 それでは、2回目の質問に移らせていただきますが、ちょっと子ども・子育ての分野で、何がどう違ったのか全然よく分からなかったんですが、またこれからも改めて聞いていきたいと思います。9割がA評価ということでありましたけれども、引き続きこの点について、子ども・子育てについて改めて伺います。もう1度、資料2)を御覧ください。こちらの資料です。
3次総の前期では政策・評価指標を先ほどもありました、市民満足度の子育てしやすいまちだと思いますか、にしており、平成30年度の前期目標値64%に対して実際は49.6%で政策評価はB、その後も年々、満足度は低下している傾向にあります。
しかし、客観的な数値に改善が見られなくても、総合的な子育て政策の後期のこれまでの評価は今はAになっております。なぜか主要評価を、子どもを産み育てやすいまちだと思う市民の割合から、実は今は、乳児検診に訪れた保健福祉センターの満足度に成果指標が変わっております。
ちなみに、子育て支援センターの利用者満足度は目標値95%以上に対して令和2年で94.6%が満足。結果、この間の子ども・子育て分野の評価、総合評価はAになっているんです。おかしくないでしょうか。
しかも、このアンケートの取り方ですけれども、保健福祉センターを利用している子供を産んだばかりの母親に対し実施した満足度のアンケートであり、しかも名前は記名式であります。出産後、一番不安を抱える中で、名前を公表してセンターの職員から満足していますかと聞かれたら、当然にバイアスがかかります。これが3次総後期の現時点における子ども・子育て評価のAの実態であります。
一方で、全世代に調査を実施する市民満足度調査、こちらは子育て世代以外の市民がアンケートに答えるから適当でないと伺いました。だから変更したんだと。
大切なのは、産み育てている市民と静岡市で産み育てたいと市民が感じているかどうかなんです。それでも実態に即さないというなら、もう一度資料2)の下段、令和3年度の市民満足度調査を御覧ください。
すると、一番出産に適していると言われている20代、30代の女性が、静岡市では最も子育てしやすくないと答えている世代なんです。これでも保健福祉センターの満足度を全体評価とすることが適切なのか。あくまでセンターの満足度はセンターの数値として利用していただきたい。
また、さらに言えば、センターの調査は一人の方の重複回答があるにしても、回答数が1万件以上あって、市民満足度調査は母数が3,500人だから、そちらを採用したという話も伺いました。
しかし、全国の自治体で同様の市民意識調査を実施しており、通常の論文研究でも調査対象の母数が3,000もあれば十分です。バイアスがかかった重複アンケートより、ふさわしいエビデンスを立証するに足る値です。
3次総の継承と言うならば、下がった数字にも目を背けずに対応するべきです。間違っても、政策評価の向上のための調査項目を都合よく取り替えるなど、言語道断だと思います。あってはならないと申し上げて、これからも客観的指標を、例えば合計特殊出生率等について、なぜ4次総では指標として策定しないのか、伺います。
続いて、先ほどの資料2)冒頭にもありますが、3次総では、子ども・子育てに関し「しずおか総がかりで子ども・子育て家庭を支援し、子供を産み育てやすい
まちづくりを推進します」と言っております。資料2)の上段に書いてあるんですね。
4次総では、3次総を継承すると言っています。じゃ、言葉だけでなく、総がかりで子ども・子育て家庭を支援し、子供を産み育てやすい
まちづくりを推進したらどうか。将来この静岡市を支えていくのは子供たちなんです。
ちなみに、私が生まれた今から45年前、1975年あたりでは、8.9人で1人の高齢者を支えていました。皆さん御存じですか。今、1.8人で1人ですよ。誰が将来この静岡市を支えていくのか。(発言する者あり)まだじゃないです、もう1.8人しかいないですから、ここで答えてもしようがないですけれども、全くもって危機感や市民ニーズを理解しているとは思えないんです。
市民ニーズといえば、子ども未来局が毎年実施している子ども・子育て・若者を取り巻く現状と課題の調査で、市民は毎年訴えているんです。報告書でも、平成25年度以来、子育てのための経済的支援の拡充が最も多い。これは認識があるはずです。何と、市民への課題を調査しても、結果に記載したのみなんです。
先ほどの答弁に、静岡型子育てをさらに進化させていくことが課題であるとありましたが、今、行っている静岡型子育て支援の内容の根拠、なぜあえて静岡型にこだわるのか。この8年間で、静岡型子育て支援がうまくいっていれば、少しでもこういった客観的数値が上がってくるのではないか。
ちなみに、前回も言いましたが、泉市長以前の明石市と静岡市、子育て支援の経済的支援の要望と市民満足度の結果はほぼ同様でした。静岡型と言わず、うまくいっているところをまねすればいいじゃないですか。
資料3)を御覧ください。資料2)の次のページです。
そこで調査してみたんですが、5つの無償化を実施している明石市の政策を本市で実施した場合の試算をしてみました。年間経費は約38億円。先ほど財政局のお答えにもありましたが、こういったところに、ぜひともお金を使っていただきたい。
田辺市長、昔は決断してくださいました。多くの予算を削って、10億円以上もかかる子ども医療費を他の政令市に先駆けてやった実績があります。このときは本当に、市長が代わるとまちが変わるんだという意識を持ちました。
そこで、伺いますが、田辺市長、明石市の子育て施策と同じような取組を決断するおつもりはないか、伺います。
次に、中項目3、箱物よりも人への投資について伺います。
一般に平均生涯年収は2.5億円と言われておりますが、そのうち所得税に消費税に固定資産税にガソリン税と、一生の間に多くの納税が行われます。人への投資は、自治体にとって将来に向けた投資であり、リターンが見込めやすいのも事実であります。
では、箱物はどうでしょうか。通常、民間であれば運用利回りを考慮し、利益を生む資産を持つようにします。一方で、今進められている海洋文化施設。事業が始まる前から市が赤字分を補填すると言われております。
新たな庁舎建設はどうでしょうか。本市のアセットマネジメント計画によると、30年間で市の保有資産の20%を削減しなければ、20年後には年間約200億円の財政赤字が生じると記載されております。では、計画から10年がたちましたが、目標値に達しているかといえば、削減目標20%に対して今は2%台であります。
一方、新聞報道では、箱物の乱立、箱物に数百億円、市政誕生以来の最大投資と、文言が躍っております。
また、資料ですけれども、次のページの資料4)を御覧ください。こちらです。
そういった箱物を市民が望んでいるか。さすが静岡市であります。4次総に向けて、市民負担と行政サービスの在り方という調査を実施済みであります。それによれば、箱物建設などの公共工事を減らし、他の行政サービスを充実させてほしいが最も高く出ているんです。
田辺市長、市民から評価をいただく中での出馬表明とされておりますが、3次総期間における市民満足度及び4次総に対する市民の評価はこのようになっております。
8月24日、私たち会派、創生静岡では、4次総に向けて提言書を提出させていただきました。こういった市民からの声を受け、箱物よりも子ども・子育て支援をはじめ、市民への行政サービスの向上、人への投資を要望させていただきました。
そこで、伺いますが、箱物重視の政策から、市民サービス、人への投資を優先させるおつもりはないか、伺います。
次に、資料5)を御覧ください。
こちらは世界に輝く静岡に向けて、オンリーワンの都市を目指してきたとの答弁がございました。
では、オンリーワンとは何か。客観的に、これは僕は好きなものですからいろいろ調べてみるとともに、本市の行政視察ランキングを作ってみました。左が静岡市、参考に右が全国です。これは1年間に来た視察の件数です。
私たち議員も、輝きを放つ都市であれば、学びに向かいます。例えば、会派でも、本年度訪れた開業率日本一の福岡市の取組は料金を払って学ばせていただきました。
では、世界に輝く静岡を掲げる本市に他都市からは何を見に来るのか。実は、1位は里親支援制度で、毎年多くの市が視察に訪れております。2位はこどもクリエイティブタウンま・あ・る。これは平成27年~28年、開業当時のみの視察で、継続的な輝きについては、大いに検証の余地があります。第3位は議会改革、これも特別委員会をつくった年に集中しております。
世界に輝く静岡で、今一番輝きを放っているのは里親支援です。地道で、困っている子供の支援。親のいない子供への里親支援の取組を学びに、毎年静岡市に多くの議員や行政関係者が学びに来ています。市長、御存じだったでしょうか。
子ども未来局の中でも、児相──児童相談所、里親支援は明らかに輝いております。世界に目を向けるのではなく、ここに住む静岡市民にもう一度、目を向けるべきではないでしょうか。
また、「世界に輝く」ではあまりにも分かりにくい。先ほどの福岡市の基本構想は、「住みたい、行きたい、働きたい」です。住みたいの実現のために、中心市街地の整備、行きたいは観光交流、アジアのハブとしての福岡市の実現、そして働きたいはスタートアップ日本一なんです。結果、人口増加率、開業率、女性の流入率で日本一を達成しております。基本構想と行動が合致しているんですね。
そこで、創生静岡では、4次総の提言として、世界に輝く静岡の実現を改め、市民満足度の低下を見ても、目を向けるべきは市民だとして、市民が幸せを実感できる静岡の実現と提言させていただきました。
そこで、伺いますが、世界に輝く静岡の実現を継承しているが、その目的は何なのか、伺います。
次に、最後に大項目の3、時代に合った制度への転換について伺います。
政令市足り得る行政運営を求める、このように会派の提言書の最後を締めくくらせていただいておりますが、政令市足り得るとは何か。政令市としての県並みの権限を生かして、他都市に先んじて挑戦する姿こそ、政令市足り得ると考えております。時代の転換期を迎えて、多くの物が歴史に取り残される中で、変化ができるのが政令市だと私は信じております。
そこで、2点伺います。
1つ目が製造業の支援策の充実について、これはまた資料の最後のページ、資料6)を御覧ください。
この表は、静岡県の資料を基に作成した平成22年から令和元年までの10年間における、浜松市、静岡市の両市の市内GDPの推移となります。
ここで注目していただきたいのが項目5の製造業と8の卸売・小売業です。イメージ先行で言えば、静岡市は小売業が強く、浜松市は製造業が強い。
では、項目5、製造業の令和元年度を御覧ください。黄色く塗ってあるところです。静岡市が製造業で浜松市を抜いております。一方で、8の小売業を御覧ください。小売業を御覧いただくと、浜松市が小売業で静岡市を抜いています。
また、製造業の伸びは単年度ではなく、この10年上昇傾向にありました。これは今後静岡市を運営する上でヒントになるのではないかと考えております。
ちなみに、製造業で重要なポイントを2点挙げるとすれば、人の確保と土地の確保であります。
人の確保においては、静岡市は政令市、周辺市町に比べて人口が多い。
続いて、土地の確保についてですが、令和2年、新たな基準をつくったと思われますが、製造業の立地環境整備について、これまでどのような取組を行ってきて、成果はどうなのか。あわせて、製造業の立地に関する
財政的支援策について、これまでどのような取組を行ってきたのか、伺います。
もう一度、先ほどの表を御覧ください。
項目1の農業なんですが、浜松市は平成22年と令和元年を比較しても、ほぼ横ばいなんですね。ということは農業政策、農業経営が継続されていることが分かります。
一方で、静岡市は僅か10年で3割減少ということは、農業政策が効いておらず、農業経営がうまくいっていないことが分かります。
また、ここ10年、静岡市を取り巻く環境が大きく変化したのが道路です。
中部横断道、新東名の開通が進み、交通の便が驚くほどよくなりました。新たに多くのインターチェンジができましたが、インターチェンジ周辺の多くは調整区域、農振区域となっております。
そこで、伺いますが、もちろん農業振興はすべきですが、製造業の一層の支援策として、インターチェンジ周辺の調整区域をより生かすなど、限られた土地の使い方についても、さらなる検討をすべきと考えており、今後、製造業の企業立地を進めるに当たって、どのような取組を行っていくのか、伺います。
最後に、中項目3の清水港の市営港化について伺います。
清水の魅力といえば、港だと思います。富士山を望む眺望、日本でも有数の穏やかな水辺、市街地と隣接した港。しかし、清水に行って思うのは、近くて遠い清水港であります。
言うまでもなく、国の国際拠点港湾に指定され、物流・工業中心の港管理が進めてこられました。清水港周辺はドリームプラザの前の道、港湾道路を境に、海に面する東側は県が管理で、多くは工業専用区域、道から西側は本市の区域となります。
清水の発展を支えた重厚長大産業、最盛期には大変な景気のよさであったのが、今では当時の8割の企業が姿を変えてしまったと伺っております。こういったことを考えると、清水港としての役割が時代とともに変化し、景観や立地を生かした、港を生かした
まちづくりこそ活路があるんではないでしょうか。
そんなことを考えると、実は今から20年前の静岡・清水合併時に、市営港化の議論がされておりました。
また、合併前夜、平成14年3月、旧清水市の若手職員が中心となって、清水港の市営港化の研究レポートを作成されております。将来、政令市になった静岡市で管理することの必要性、
まちづくりとの連携、収支についても研究されておりました。
一方で、今と同じ県管理による課題としては、県は清水港以外も所管するため、県内各港湾の機能分担を優先せざるを得ない、県営港では清水区民の声が届きにくい、清水港管理局は運営よりも整備を重視した体制である、港湾区域との一帯的な都市開発において、県、市と全く異なる体系の下では、都市開発は非常に困難と記載がありました。
そこで、伺いますが、近年、静岡県が策定した清水港長期構想や港湾計画には、本市の考えはどのように反映されているのか、伺います。
ちなみに、20政令市で港を持つまちが13市あります。市の管理が6市、県管理が6市、共同管理は名古屋港の1市になります。
それから、政令市に市管理のメリット及び港を生かした
まちづくりについて、全政令市にアンケートを取ってみました。
市営港の声としては、神戸市、全市的な
まちづくりと連携した開発が可能になる。北九州市、港湾計画の策定を市が担うことにより、市全体の施策と足並みをそろえた港湾整備や土地利用が進められる。複数の港を管理する県とは異なって、自らの港の発展を第一に考えられる。福岡市、市が管理することで、観光、集客、都市開発など、市の政策に沿った港湾整備ができやすい。川崎市、港湾の利用料収入等を一般会計に繰り入れることができるなど利益を還元できる点。
市営港全てで、
まちづくりにおけるメリットを掲げておりました。まさに市営港化は、レポートにあった県管理の課題をクリアしております。
また、川崎市が言われていた一般財源への繰入金についても、全政令市調べてみました。令和2年度分で川崎市が34億円、横浜市が55億円、大阪市が99億円、神戸市が84億円、北九州市が39億円、福岡市が83億円と全て黒字、一般財源へ繰入れが行われております。
ちなみに、静岡県の一般財源繰入金は、清水港分で15億円となっております。
20年前、旧清水市職員が作成したレポートにも、市が管理しても黒字化が可能である根拠が示されておりました。清水港の市営港化はまさに政令市でなければできません。レポートにも、自らが管理者となり、自らの責任で清水港を運営していく、これが政令指定都市であり、最大のチャンスであると。それこそ政令市足り得る姿勢ではないでしょうか。
そこで、伺いますが、清水港の市営港化により港を生かした
まちづくりが進めやすくなるのではないか伺って、2回目の質問とさせていただきます。
21 ◯子ども未来局長(橋本隆夫君) 第4次総合計画に関する2点の御質問にお答えいたします。
まず、合計特殊出生率について、なぜ4次総では指標として設定しないのかについてですが、3次総では子ども・教育分野において、政策の1つである子どもを産み育てやすい
まちづくりの推進の指標として、合計特殊出生率を設定しましたが、3次総の後期実施計画からは成果指標として使用しておりませんでした。
4次総の策定に当たっては、子ども・教育分野における2030年の目指す姿や、それに基づく政策・施策との関連性から、分野を代表する指標として、全ての子ども・若者の育ちを支えていくことや、安心して子どもを産み育てることができる環境を整えていることを測るための指標を設定しており、合計特殊出生率は子ども・教育分野の施策を超えた様々な要因に影響されるため、指標として設定する予定はありません。
4次総全体としても、定住人口だけでなく、交流人口、関係人口を加え、人口活力を高めていく考えから、指標としない予定です。
次に、明石市の子育て施策と同じような取組を実施するつもりはないかについてですが、本市は明石市のように、子育てに関する費用を一律に無料化しておりませんが、子ども医療費や保育料などの費用を軽減し、一定程度の負担をしていただく取組を行ってきました。
また、先ほど答弁したとおり、本市では静岡型の子育て施策を総合的に進めており、特に子育てと仕事が両立できる環境を整えることを重視し、認定こども園への移行促進や待機児童対策に重点的に取り組んでまいりました。
今後は4次総においても、これらの取組をハード、ソフト両面で充実、強化してまいります。
ハード面では、保育環境や放課後児童クラブの整備に引き続き取り組む一方、ソフト面では、保育施設を利用していない未就園児を抱える子育て家庭の孤立感、負担感を解消する新たな取組を検討してまいります。
さらには、医療的ケア児やヤングケアラー等の困難を抱える子供・若者への支援体制を充実させるとともに、育児不安の解消につながるメッセージを子供の成長段階に合わせて、プッシュ型で配信する等の情報発信の強化に取り組み、全ての子供に必要な支援が行き渡る子育て施策を静岡型で推し進めてまいります。
22 ◯企画局長(松浦高之君) 箱物よりも人への投資を優先すべきではないか、及び世界に輝く静岡の実現の目標についての2つの御質問に一括してお答えします。
世界に輝く静岡の実現については、いまだ道半ばであることから、4次総においても、引き続き目標として掲げてまいります。
その上で、4次総の世界に輝く静岡の実現では、目指す都市像として、まず人に着目し、「市民一人ひとりが、輝いて、自分らしい人生を謳歌できるまち」を、また、まちにも着目し、「地域資源を磨き、輝かせ、世界から注目され、人々が集まるまち」を掲げることとしております。
このように、世界に輝く静岡の実現は、一人一人の市民にもしっかりと目を向けているものであり、この考えの下、人への投資とまちへの投資をバランスよく行い、相乗効果を高めながら、4次総を推進していきたいと考えております。
23 ◯経済局長(稲葉 光君) 製造業への支援策のうち、初めに、製造業の立地環境整備についてですが、本市では、市街化区域にまとまった用地が少ないため、企業の立地ニーズに対応できる用地の確保が、長年にわたる大きな課題となっております。
こうした課題を解決するため、平成27年度から29年度にかけて、高速道路インターチェンジ周辺に企業立地の受皿となり得る用地があるかを調査し、候補地を抽出しました。
また、これらの候補地へ民間開発を誘導するため、都市局と連携し、市街化調整区域の立地基準の見直しを進め、令和2年度から本市経済を牽引している、成長ものづくり、食品・ヘルスケア、海洋・エネルギーなどの5分野に該当する事業を行う企業が、地域未来投資促進法に基づく
地域経済牽引事業計画の承認を市から得た場合は、市街化調整区域への立地を可能とする新たな基準を設けたところです。
その結果、食品機械やプラスチック製品など、4社の製造業の立地につながったところであり、現在も複数の立地相談を受けている状況です。
続きまして、製造業の立地に関する
財政的支援策についてですが、本市では、企業立地促進助成制度を
地域経済の活性化のための主要事業と位置づけ、企業の誘致や留置につながるよう、積極的な支援に取り組んでいるところであります。
この中で、市内に工場等を建設する企業に対し、土地の購入、工場の建設、機械設備等の整備に要した経費を補助しており、平成24年度から令和3年度までの10年間における製造業への交付実績は99件、約20億円となっております。
また、これに加え、工場等の建設を伴わない場合であっても、事業の高度化に資する機械設備の設置に要した経費に対し補助を行っており、同じく10年間における交付実績は302件、約4億円となっております。
次に、製造業の企業立地を進める取組についてですが、現在、本市では、大谷・小鹿地区において土地区画整理事業が実施され、新たな企業立地用地の確保が進んでいるところです。
こうした中、令和3年度には、
コロナ禍における企業立地ニーズを把握するため、製造・物流業を中心に市内外の7,000社に対して、設備投資計画や本市への進出意向等を把握するためのアンケート調査を行いました。
このアンケート調査では、葵区の竜南地区や清水区の横砂・尾羽地区等への注目度が高く、製造業の企業からは、新たな工場等の設置や移転・集約により、生産能力の強化を図りたいという声が多く見られました。
こうした企業ニーズに対応していくため、現在、本市では、これらの地区の地権者や地元の皆さんと、土地の活用について協議していくための準備を進めているところです。
今後も用地確保の取組と併せ、企業訪問やアンケートを通じて事業者の生の声を聞くとともに、景況調査等による設備投資に関する企業の動向にも、より一層注視し、時勢に応じた支援策を検討してまいります。
24 ◯海洋文化都市統括監(杉山雄二君) 清水港の市営港化に関する2つの質問にお答えします。
まず、県が策定した清水港長期構想や港湾計画には、本市の考え方がどのように反映されているのかについてですが、港湾管理者である静岡県は、清水港の長期構想を令和元年8月に策定し、それに基づく港湾計画を令和3年3月に改定しました。
一方、本市は、この長期構想と同時期に検討され、令和元年7月に策定された清水みなと
まちづくり公民連携協議会のグランドデザインにおいて、県や地域関係者と共に、水際の市民利用や観光利用等への開放、活性化について議論したところであり、長期構想はこのグランドデザインの議論を十分受け止めながら進められました。
こうした経緯を踏まえ、策定された長期構想や港湾計画においては、港湾物流の視点にとどまらず、例えば日の出地区における客船ターミナル・海洋文化施設を生かした交流・にぎわいの創出、新興津人工海浜や三保内浜における海洋レクリエーションの形成などの水辺の市民利用の推進、そして、貝島地区における海洋研究・開発拠点の形成など、本市が目指す国際海洋文化都市・清水の姿や考え方が十分反映されております。
次に、清水港の市営港化により、港を生かした
まちづくりが進みやすくなるのではないかについてですが、議員が御指摘のように、同じ組織が港湾と都市計画を所管することは、港を生かした
まちづくりにおいて双方の計画や事業を一体的に調整することができ、メリットがあると考えられます。
一方、現状の清水港においては、市、県行政間の実務的連携に加え、清水みなと
まちづくり公民連携協議会においても、市と県の間での情報共有、協議調整を円滑に行う体制が整っていること。港湾施設や防潮堤整備を担う県、客船誘致や海洋文化施設、海釣り公園などのにぎわい、集客に関わる施策や隣接する市街地の整備等を担う本市と、それぞれの役割分担を図りながら進めていること。このような状況から、本市が港湾管理者でないこと自体が港を生かした
まちづくりの支障になっているとは認識しておりません。
市営港化に関し、これまで行われた議論の経緯も認識しておりますが、移管に伴う清水港の機能の維持・強化に係るコスト、人材等の負担など、最新の状況を踏まえ、改めて港湾経営全体の観点から議論する必要があります。
したがって、現時点では港湾管理者である県との連携体制により、既に取り組んでいる双方の事業を円滑、迅速に進め、市民の皆さんに港を生かした
まちづくりの実現を早期に図っていくことがより重要であると考えております。
〔宮澤圭輔君登壇〕
25 ◯宮澤圭輔君 3回目は意見・要望を述べさせていただきたいと思います。
いろいろその政策についてはあると思うんですけれども、僕は一番注視したのが数字なんですね。
こういう課題があって、この数字に対して課題が見える、それに対して政策を実行すると、そういった取組によって改善されたから、次は何をする。そういった姿勢が必要ではないかと思うんですが、先ほど待機児童の話もありましたが、実は1年間に生まれる子供の数が、この3次総が始まってから今までで1年間に1,200人減っているんです。
だから、待機児童のことを考えるだけでも、こども園を小規模であれば今から50か所をやめていかなきゃいけない、そういった社会的な変化もあります。ということも踏まえて、やはり数字をしっかりと見据えて、政策を運営していっていただけたらと思います。それが課題について、市長がよくおっしゃっていた70万人の一歩、みんなで一歩を進めていくといったことにつながるんではないかと思っております。
次に、民間企業のように、実は売上げや利益率で示せないのが行政運営で、行政運営の評価は市民が満足してくれているか、少しでも静岡市をよくする、そのために私たちは、市民から税金を預かっております。
先ほど述べた厳しい数字を提示して質問しましたが、それは改善すれば市民の喜びにつながるチャンスです。決して不利益になる数字にも目を背けず、客観的数字を注視し、その行為、事業が本当に市民のためになるのか、真剣に考えて取り組んでいただきたいと思います。
そして、田辺市長、先ほどの資料1)を御覧ください。
そこの満足度調査の中の設問6ですが、世界中から人の集まるまちと言い続け、実態はともかく、ここだけは大きく満足度が上がっています。市民に響いている証拠ではないでしょうか。それだけ市長の発信力は大きい。
今回の質問でも、数値を基に、目の前の行政課題を幾つか述べさせていただきましたが、同様に課題に取り組む決意、発信を忘れないでいただきたいと思います。
最後に、時代に合った制度への転換ですが、政令市誕生からもう20年がたちます。規制や弊害を乗り越えても挑戦するのが政令市です。
26 ◯議長(望月俊明君) あと1分です。
27 ◯宮澤圭輔君(続) 市長、この間に、あるもの探しから、実はもう最近は、ないものねだりに傾いてはいないでしょうか。そういった意味からも、先ほどのものづくりのまちとしての製造業の伸びの要因、また清水港の運営方法についても、また研究していただくように要望いたします。
また、今後、箱物もないでしょう。全ては人です。そこにいま一度、目を向けた行政運営を要望いたします。
最後に、質問に対し、多くの資料作成や調査を実施していただいた市の職員及び関係者の皆様に感謝申し上げ、創生静岡の代表質問とさせていただきます。ありがとうございました。
28 ◯議長(望月俊明君) この際、暫時休憩いたします。
午前11時49分休憩
───────────────────
午後1時再開
29 ◯副議長(佐藤成子君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
総括質問を続けます。
次に、小山 悟君。
〔小山 悟君登壇〕
30 ◯小山 悟君 志政会の小山 悟です。
通告に従い、志政会からは、大きく4点について質問させていただきます。
内容は通告書に記載のとおり、1つ目、コロナ関連、2つ目、定年引上げ、3つ目、大雨時の治水対策、4つ目、学校給食についての4点であります。
まず、大項目の1点目ですけれども、コロナ関連対策についてです。中でも医療体制強化について質問いたします。
7月の初旬より、再度猛威を振るったコロナウイルス感染症ですが、まずはコロナウイルス感染症への対応に御尽力いただいている医療関係の皆様をはじめ、
ワクチン接種対応のスタッフの皆様や、行政の中心で対応に御尽力いただいている皆様に感謝を申し上げます。第7波となるこの間だけでなく、それ以前から長期にわたり御苦労が続いており、敬意を表します。
さて、ここ数日は感染者患者の発生状況については、静岡市内では3桁台の数字が続いており、最大人数を更新し続けた時期からすれば、やや減少傾向が見えてきたようにも思えますが、絶対値を見れば3桁の数字であり、第6波までの数値と比較すれば、依然として緊迫した状態が続いているとも言えます。
この第7波においては、首都圏をはじめ、全国で過去最大人数を記録しており、静岡市も静岡県も例に漏れず、その傾向であるとも言えます。病床使用率も高い数字が継続し、医療現場の逼迫も各方面で報道されました。
行動制限のない中で対応をしていかなければならない状況であったことは、関係者の皆様のさらなる負担や苦労となったのではないかと考えます。
そうした関係者の皆さんの努力があり、ようやく現状まで来たということになりますが、最大人数を更新していった時期もあり、それらに対応を迫られる過程の中で、そうした中で見えてきた課題もあるのではないでしょうか。
まだまだ第7波が収まったとは言えない状況ですが、この第7波で見えてきた医療提供体制の課題に、どのように取り組んだのかをお伺いします。
大項目の2点目にいきます。
今後の静岡市政を推進していく上で、次年度から始まる予定の定年引上げについて、お聞きしたいと思います。2点あります。
静岡市職員の定年引上げについては、国家公務員の制度に倣う形で、地方公務員についても定年引上げが行われることとなっています。次年度、2023年度から実施し、2年に1回、1歳ずつ定年年齢を引き上げていき、10年間かけて、現行の60歳定年を65歳定年に制度変更するものです。
対象は地方公務員ということですから、静岡市でいえば、主に庁舎で働いている行政職員や消防職員、市内公立学校で働いている教職員の方々等が対象となります。
この9月議会においても、御承知のように、定年引上げに向けた条例改正案が出されています。年金支給年齢が65歳以降に変更されたことへの対応として、65歳までは働ける環境を整備する必要があることから、このような制度変更が行われるものと理解しています。
制度導入に当たっては、大きな制度変更になると私は考えています。条例改正案が出されるまでには、様々な検討や議論がされてきたと思いますが、それでもまだ様々課題があると考えています。
大きな課題だと捉えていることは、賃金がこれまでの7割になること、役職定年制が導入されること、これらの2点から発生する課題です。国の制度とほぼ同様な制度設計にしなくてはならないということ、したがって、静岡市独自の制度を設けることは難しいということは分かりますので、先の2点が制度となることは理解していますが、それらを踏まえた上で、大きな課題と考えていることとして、60歳を超えた職員の方々の居場所をどのように確保していくかが大きな課題と考えます。
制度完成までの10年間、そして制度完成後も、静岡市政が停滞することなく前に進んでいくためには、該当職員の居場所の確保、もっというと人材をどのように配置していくかは大きな課題と考えます。
賃金が7割になってしまうのに、60歳時と仕事内容が変わらないケースも出てくるのでは。また、賃金7割に見合った仕事内容に変更が可能ならば、そうしていくことが妥当でありますが、そうすると今度は、職員定数が決まっている中でそれをするとなると、該当職員がこれまで行ってきた業務内容の3割分はどなたかが負担するか、業務見直し、精選をして、3割分を減らすかしていかなくてはならない状況になるのではないかと思います。それは、静岡市政が停滞することになってしまうのではないかと心配になるのです。
また、役職定年制が導入されることで、職場の雰囲気がこれまでとは大きく異なってくることが予想されます。これまで上司であった方が、あるときから同僚もしくは部下になるのです。現在でも再任用という現行制度の下でこうした事例はあり、雰囲気は大きく変わらないはずとの声も聞いてはいますが、例えば、学校現場を例に挙げれば、これまで3月末まで校長職や教頭職、いわゆる管理職だった方が、4月から学級担任として授業を行い、学年団を組織して、子供たちと向き合い、教育活動を推進していくということが想定されます。
教員定数が決められている中で学校
教育活動を推進していくには、どうしても学級担任をやってもらわなければならない状況が発生すると思われます。もちろん、率先して学級担任を希望する方がいてもおかしくはありませんが、該当職員はもちろん、学年団を組む60歳以下の職員やその学校の管理職の皆さんは、これまで以上の気遣いが必要になってくるのではないでしょうか。制度が完成して軌道に乗り、これが普通という状態になるまでは、課題として上がってくると思われます。
また、管理職ではなかった方々が、60歳以降も学級担任を継続するケースでは、賃金はこれまでの7割となるのに、業務内容はこれまでとほぼ同様ということになります。
例として、小学校のプール指導を例にとってみます。学級担任は子供と共にプールの中に入水をしての指導が大半でございます。体力的にも非常に厳しい状況での勤務が想像されます。学校内での係等の役割分担の負担軽減は多少あるとしても、軽減された分はほかの教職員が担うこととなります。このように心配事は尽きません。
この定年引上げにより、60歳以降の働き方の選択肢は若干増えることになりますが、年金支給開始までの間、生活をしていく上で働き続けなければならない方がいます。こうした方々の居場所の確保が必要であり、なおかつ、それは静岡市政の推進につながるものでなくてはならないと思います。
この課題は、制度完成までの間に該当する、現在55歳以上の方々はもちろんですが、それだけではなく、現時点で庁舎で働いている多くの職員、そして今後、庁舎で働く未来の職員にも関わることであります。
そこで、定年引上げに関する1つ目の質問は、市職員の定年引上げについて、市長はどのように考えているのかをお聞きしたいと思います。
また、2つ目の質問として、定年引上げにより、今後、市職員の中で60歳を超える職員が増えることが予想されますが、該当の職員のモチベーションを維持するための方策は、どのようなことをお考えになっているのかをお聞きします。
1回目の質問を終わります。
31 ◯市長(田辺信宏君) 私からは、大項目、静岡市政の推進についてのうち、静岡市職員の定年引上げについて、市長はどのように考えているのかとの質問にお答えいたします。
言うまでもなく、少子高齢化が急速に進行し、若年労働力人口の減少が続いている中、働く意欲のあるシニア世代の活躍が強く求められております。
そこで、本市でも令和5年度から13年度にかけて、段階的に定年年齢を65歳まで引き上げる改正を行う考えです。
定年引上げ制度は、知識、経験、技術を有する高齢期職員を引き続き活用し、複雑、高度化する行政課題に対処できるのをはじめ、高齢期職員の知識等を後輩職員に継承する時間がこれまで以上に長く確保できるようになるなど、導入には大きな意義があるものと考えています。
一方で、制度導入、運用には課題もございます。高齢期職員の活用と後輩職員の登用のバランスであるとか、議員御指摘のとおり、職員のモチベーション維持の課題です。高齢期職員を長く活用できることは、組織運営上メリットがありますが、それによって職員の新陳代謝が進まず、組織が硬直化するおそれも生じます。
そこで、高齢期職員については、60歳以降の職務内容や処遇の変更、一方、後輩職員については、昇任機会や活躍機会の減少によりモチベーションが低下するおそれなど想定される課題について、次の2つの方針を考えております。
1つ目は、人事配置の工夫についてです。
組織として最大の成果を上げることができるよう、高齢期職員の活用と後輩職員の登用を、バランスよく効果的に組み合せ、柔軟な人事配置を行ってまいります。
例えば、高齢期職員には、これまでの経験や意欲などを生かし、政策形成から実務までの幅広い職務の中で、組織が必要とする役割を担うこととします。一方、後輩職員は、高齢期職員の支えを受けられることとなりますので、能力の高い職員については、これまで以上に積極的に能力を発揮できるポジションに配置してまいります。
2つ目は、研修による職員への働きかけについてです。
65歳定年を踏まえて、様々な階層でキャリア育成の研修を実施し、高齢期職員も後輩職員も組織の中でそれぞれが果たすべき役割を理解し、全ての職員が組織から活躍を求められていることを意識できるような職場環境を実現していかなければなりません。
本市は、定年引上げの導入、運用は難しい課題があるものの、それら一つ一つに丁寧に対応し、課題を乗り越えていきたいと考えております。
とりわけ、職員のモチベーション維持については、人事制度や研修制度も影響を与えることから、既存制度の見直しの必要性も含めて、引き続き調査研究してまいります。
課題を克服し、高齢期職員も後輩職員も共に生き生きと働く職場を実現できれば、組織がより成熟し、市政の発展につながるものと前向きに考えておりますが、これは理屈だけではいかない問題がありますので、豊富な現場経験の中から、議員の引き続きの御支援、御指導をよろしくお願い申し上げます。
以下は、局長及び統括監から答弁させます。
32 ◯保健衛生医療統括監(吉永幸生君) 第7波で見えた医療提供体制の課題にどのように取り組んだのかについてですが、第7波では新規患者数が急増し、1日最大で1,945人を記録した日もありました。この患者急増により、医療提供体制における課題は、主に2つあったと考えております。
1つ目は、有症状者の医療機関の受診機会の確保です。
この期間、多くの有症状者が出たことから、市民の皆さんから、医療機関の受診の予約が取れないという相談が多くありました。
そこで、有症状者が円滑に検査、受診できる体制を確保するため、医師会の協力により、休診となる医療機関が多い8月のお盆時期及び9月の医療機関の診療時間外に、それぞれ3時間以上の診療時間を設ける発熱専門外来を開設していただき、市民の皆さんが受診できる体制を強化いたしました。
2つ目は、コロナ患者の入院病床の逼迫です。
第7波では、市内の病床の使用率は90%を超える状況が続き、ほぼ満床の状況が続きました。また、職員の感染などによるマンパワー不足も生じ、一部の病院では、救急患者の受入れや一般医療を制限せざるを得ない状況となりました。
そこで、これまでコロナ患者の受入れを行っていない病院に対しても、患者受入れの働きかけを行うとともに、入院の適用となる酸素投与が必要な中等症以上の患者が確実に入院できるよう、保健所では24時間体制で急変時の受診や搬送の調整、入院先の調整を行ってまいりました。
また、高齢者施設などにおける患者への対応として、医師会の往診体制や、県の感染症対策チームの支援により、当該施設で療養を継続できるよう、可能な限り支援しました。
今後も第7波の課題を踏まえ、医師会や医療機関とも連携し、感染拡大に対応してまいります。
33 ◯総務局長(渡辺裕一君) 定年引上げに伴う、60歳を超える高齢期職員のモチベーション維持の方策についてですが、先ほど市長がお答えしました、高齢期職員と後輩職員、両者のモチベーションの課題とその対応の方針に従い、本市では2つの方策に取り組んでまいります。
1つ目は、高齢期職員の適材適所の人事配置です。
自己申告制度や人事評価の活用に加え、高齢期職員のこれまでの職場経験、知識、資格などを十分に把握するとともに、組織からの期待や本人の意向等を踏まえ、能力を最大限に生かせる職場に配置してまいります。
2つ目は、研修による高齢期職員への働きかけです。
研修により、自分の能力や経験を振り返る機会や、期待される役割を明確にした上で、働き方を考える機会を提供し、高齢期職員が担う業務にスムーズに移行し、実力を発揮できるよう努めてまいります。また、必要に応じて実務研修も実施してまいります。
これらによって、市政運営の停滞を招くことなく、制度の円滑な導入と継続的な運用を目指してまいります。
〔小山 悟君登壇〕
34 ◯小山 悟君 御答弁ありがとうございました。
内容についての要望はまた後ほど述べます。
大項目の3点目の質問です。災害対策の強化について質問いたします。特に、大雨時の治水対策についてお伺いします。
近年、気候変動の影響により、全国各地でこれまでにない浸水被害が頻発しています。8月には、県内でも松崎町で洪水による大きな被害が出ました。
本市では、近年の気候変動以前から、平成15年、16年の2年連続で大きな浸水被害が市内各所で発生したことを受け、浸水対策推進プランが策定されています。現在このプランに基づき関係部局が連携し、ハード面、ソフト面、両面の対策が進められているものと認識をしています。
ハード整備に関しては、対策が完了しても、想定を大きく上回る短時間に強い雨が降るような降雨や、線状降水帯などにより長時間に強い雨が続くような場合には、対応が難しくなってしまうことも一定理解できます。
8月の台風では、静岡市内では洪水には至らなかったものの、梅ケ島地区などで土砂崩れが発生するなど、大雨による被害が出ています。
私の地元には、白部川という川が流れております。大沢川に合流し、最終的には巴川に流れるものであります。この白部川が7月の大雨時には道路冠水し、川の横の道路が通れないほどになりました。ガードレールがあるおかげで、道路と白部川の境は辛うじて見分けることができましたが、近隣住民の不安は大変大きなものでした。
白部川は、浸水対策推進プランによりハード整備が完了とはなっていますが、住民が暮らしている家屋などへの被害はなかったものの、現状ではこうした道路冠水が起こることがあったことも事実です。
この3連休にも、台風14号が過去最大の規模だという報道を受け、大変心配にはなりましたが、今回は白部川の道路冠水はございませんでした。ですが、今回のように、昼間降るような雨の場合には、そこが通学路となるようなところでもありますし、小さい子供たちが川に落ちるとか、そんなような危険をはらむ心配もまだまだあります。
そこで、浸水対策推進プランにおける現在の整備状況についてお伺いします。
また、あわせて、どのような降雨を想定して施設を整備しており、対策が完了した地区では、その整備効果が検証されているのか、伺いたいと思います。
大項目の4点目の質問に移ります。清水区の学校給食についてです。
清水区の学校給食施設については、現在、清水区の小学校の大半で、学校敷地内の給食室で調理された給食が配膳されています。単独調理場と呼ばれています。
この単独調理場の耐震や老朽化が以前から課題となっており、静岡市では、これらの単独調理場をセンター化することを表明しています。
しかし、センター化表明から数年が経過していますが、具体的な今後の展望がなかなか見えてこないのが現状であると認識しております。以前のこうした本会議の場でも、何度か話題として取り上げられております。
この間、現場からは様々な要望が上がってきています。内容としては、老朽化した設備の改善や改修が必要と思われる施設自体の補修、そして人材の補充等です。
具体例としては、調理場内の暑さ対策についてですが、夏場の調理場の室温は40度を超える場合があります。大人数の食数を大きな鍋や釜で調理するのですから、それなりの火力が必要なことは当然であります。そして、この環境は、そこで働く方々には大変苛酷な環境となっています。そこで、スポットクーラーなどを設置していただきましたが、焼け石に水の状態だと聞いております。
さらに、単独調理場で勤務している方々は、センター化に伴い、自分自身の勤務先が確保されるのかといった不安を抱えながら業務に当たっている状態であります。
個々の調理場で様々なケースがあり、課題も多種多様なものが上がってくる中、センター化に向けての検討は少しずつ進んできてはいると思いますが、現状からすると、清水区の給食センターが完成し稼働するまでには複数年を要すると考えます。
そこで、質問です。
課題となるのは、給食センター稼働までの間、現状の単独調理場の老朽化対策であると思います。安心安全な学校給食を提供していくためにも、単独調理場の維持管理に関して、課題とその対応をどのように考えているのかを伺います。
質問は以上です。
35 ◯上下水道局長(服部憲文君) 浸水対策推進プランにおける施設対策の進捗状況と整備効果についてですが、初めに、施設対策の進捗状況については、対策地区に位置づけた市内全41地区について、建設局と上下水道局が中心となり、関係部局が連携し浸水対策を進め、令和3年度末までに27地区の対策が完了しております。一部の地区で遅れが生じたものの、おおむね計画どおりに進捗しております。
現在は葵区で2地区、駿河区で1地区、清水区で7地区の計10地区で、河川改修や雨水管、ポンプ場などの整備に着手しており、このうち令和4年度には、清水区高橋二丁目、三丁目、飯田町地区で実施している高橋雨水ポンプ場が本年7月末に供用を開始し、年内には対策完了となります。
また、葵区城北二丁目地区で整備を進めている唐瀬1号雨水幹線も、本年度末の供用開始を見込んでおります。
次に、浸水対策の整備効果についてですが、現在、進めている浸水対策では、おおむね1時間当たりの降雨量67ミリに対応した施設整備を行っております。
整備効果の一例として、平成16年6月に大きな浸水被害が発生した駿河区下川原地区では、平成27年度に対策が完了した以降、同等の降雨時でも、床上、床下浸水の被害は発生しておりません。その他の完了地区においても、同様の効果が得られているものと評価しております。
引き続き、水害に強いまちの実現を目指し、対策を着実に進めてまいります。
36
◯教育局長(青嶋浩義君) 単独調理場の維持管理に関する課題とその対応についてですが、現在、本市の学校給食施設は、複数の学校へ給食を提供する学校給食センターが10施設、それに対し、学校敷地内で調理し、当該学校に対して給食を提供する単独調理場は21施設あり、そのうち20施設が清水区内にあります。
清水区の単独調理場については、開設してからおおむね30年以上経過しており、必要な施設の修繕や調理設備の更新は随時実施しているものの、全般的に老朽化が進んでいる状況です。
そのため、清水区の学校給食については、栄養士や調理員など、限られた人材の集中的な配置等も考慮した上で、新たな学校給食センターを早期に整備することとし、その開設時期等については、今年度中に方針を示せるよう検討を進めております。
しかしながら、新しい学校給食センターが開設されるまでの間は、今後、さらに単独調理場の建物や調理設備などの劣化が進むため、その対応が課題であると認識しております。
そこで、単独調理場における給食の提供に支障がないよう、引き続き必要な修繕を行うとともに、これまで行ってきた調理設備の自主点検に加え、新たに専門業者による点検を実施し、不具合の早期発見と改善措置に努め、子供たちへ安全で安心な学校給食を提供してまいります。
〔小山 悟君登壇〕
37 ◯小山 悟君 御答弁ありがとうございました。
3回目は意見・要望を述べさせていただきます。
まずは、コロナ関連対策についてです。
第7波の収束に向けて、これまでの取組を手を緩めることなく、継続をお願いしたいと思います。
国の方針が刻々と変化し、今後、緩和されていくものもあるかと思います。考えたくはないですが、第8波の発生も予想しておかなければなりません。現時点では第7波を抑えることが喫緊課題でありますが、第8波への想定も必要でありますので、御検討をお願いいたします。
定年引上げについてです。
2年ごとに、定年退職者がいない状況が5回発生することになります。この10年間の採用計画を綿密に行っていく必要があると考えます。
さらに、今後、出てくるであろう現場からの課題の声を、真摯に聞き取っていただき、解決に向けての検討を常時していくことをお願いしたいと思います。全部は解決できないにしても、現場からの声を聞き取るなどの機会を設けるなどの取組は必要だと考えますので、よろしくお願いいたします。
治水対策についてです。
プランに基づいた整備は予定どおりに進んでいるとのことですが、市民の不安解消のためにも、整備の前倒しなど、できる限り早く、整備完了を目指していただきたいです。プランに入っていない地域の対策の検討も併せてお願いいたします。
白部川のような事例が市内各所に多々あると考えられます。道路や家屋への浸水状況や冠水状況がリアルタイムで把握できるようなシステム、そうしたシステムの構築、または拡大が必要ではないかなと考えます。御検討をよろしくお願いいたします。
さらに、各自治会との連携が非常に重要になってくるかと思います。非常時の役割分担や連絡体制の確立など、日常的な連携を一層強化していただくことをお願いしたいと思います。
清水区の学校給食についてです。
給食センター設置に向けた方針は、今年度中に示されるとのことですが、センター設置場所や建設計画等を含めた稼働までの
スケジュールの公開に当たっては、できる限り早くしていただくことが望ましいのですが、現場の声も取り入れた、十分な検討を踏まえたものとしてほしいと思います。
給食センター稼働までは、現行の単独調理場には、新たに専門業者による点検を実施するとの御回答をいただきました。日常点検を行うスタッフ等を常設することが理想ではあると思いますが、この専門業者による点検回数については、できる限り回数増となるよう、御努力をお願いしたいと思います。
以上、意見・要望を述べさせていただきました。
以上で発言を終わります。どうもありがとうございました。
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38 ◯副議長(佐藤成子君) 次に、山梨 渉君。
〔山梨 渉君登壇〕
39 ◯山梨 渉君 それでは、通告に従いまして、公明党静岡市議会を代表して質問をいたします。
先日、厚生労働省は、令和3年国民生活基礎調査の結果を公表いたしました。
この調査によれば、独り暮らしと高齢者世帯の数が、調査開始以来、過去最高を更新。
子育て世帯は年々減少する中、仕事をしている母親の割合が初めて75%を超え、4人に3人は就労している実態が明らかになりました。少子高齢化、核家族化が一層進んでいることが改めて示され、母親の就労者数増加は、保育の受皿拡大や就労支援策などの取組が反映しているものと見られます。
次の世代のために、どう持続可能な社会を築いていくのか。人生100年時代を見据えながら、高齢者に重点が置かれていた社会保障は、全世代型へと転換が進められてきました。社会保障の担い手である若い世代への支援が進み、幼児教育・保育の無償化や、私立高校の実質無償化、低所得世帯の学生を対象にした大学・専門学校の無償化などが実現しました。
公明党は、全世代型社会保障の構築をさらに推し進めるため、ベーシックサービス論を中心とした検討を、今進めております。
ベーシックサービス論とは、医療や介護、育児、教育、障害者福祉など、人間が生きていく上で不可欠な基本的サービスを所得に関係なく無償化し、弱者を助ける制度から、弱者を生まない社会へと福祉の裾野を大きく広げる、分断をもたらさない連帯の社会を目指す、新たなセーフティネットであります。財源の問題と併せ、社会保障制度の議論が国で進むことを期待するところであります。
一方、こうした制度変革が進む中で、地方自治体としては、医療、福祉、教育の新たな課題への対応や、持続可能な体制構築に取り組むとともに、ソーシャルワークによる地域レベルの連帯を構築していくことが求められます。
こうした視点で、大項目1、誰もが安心して暮らせる社会について伺ってまいります。
初めに、第4次総合計画についてです。
いよいよ総合計画の策定も最終段階となってまいりました。公明党静岡市議会は昨年11月、市長に第4次総合計画策定に向けて政策提言をいたしました。世代における直面した課題については、誰もが子供を安心して産み育て、全ての子供が十分な教育が受けられる総合的な計画を進め、子供の幸せを最優先とする、日本一の子育て都市を目指すこと。
また、高齢者人口がピークとなる2040年を見据えた、高齢者の孤立化、貧困化に対する支援、健康年齢の向上など、高齢者が健康で自分らしく生き生きと生きる「幸齢都市」を目指すこと、これを重点的に盛り込むよう要望をいたしました。
その後、本会議等を通じて、特に子育て、教育分野についてさらなる取組が必要なのではと、各議員から指摘させていただいたところであります。
その後、8月に実施された2回目のパブリックコメントにおいて示された原案では、5つの重点政策のうち、健康活躍のまちの推進に、健康長寿・健康づくりプラス子供・子育てとの記載が加わりました。力強い新たな施策に期待したいと思います。
そこで、現在、検討が進む、全世代型社会保障の議論の方向性を踏まえつつ、世代間の分断を生まない、皆で支え合う連帯を構築することを念頭にすべきと考えますが、第4次総合計画において、全世代型の支援にどう取り組んでいこうとしているのか、伺います。
続いて、中項目、健康福祉について。
初めに、計画について伺います。
本市は、団塊の世代が75歳となる2025年を見据え、静岡市健康長寿の
まちづくり計画を策定し、取組を進めております。
現行計画の最終年度となる本年、現在、次期計画の策定が進められております。計画策定に向け、これまでの議会答弁では、施策の成果や課題が示されてきました。男女ともに健康寿命が延伸している成果が出てきている一方で、課題として、後期高齢者人口や、高齢者独り暮らし世帯が増加していることが示されました。
また、生産年齢人口は減少することが見込まれること、
コロナ禍における外出控え等の影響による認知機能の低下、フレイルの進行が懸念されるとのことでした。
新しい計画では、こうした課題に適切に対応することが求められますが、現在、策定を進めている次期計画、健康長寿の
まちづくり計画について、その策定の方針はどのようか、伺います。
次に、がん対策について伺います。
さて、今月は日本対がん協会が定めるがん征圧月間です。昨年1年間で、日本人の死因の26%を占めたのは、悪性新生物、いわゆるがんでありました。がんは日本人の死因で最も多くなっており、生涯で2人に1人はがんに罹患すると言われます。
こうしたことから、生涯を通じて健康で自分らしく生活できる
まちづくりを進めるため、静岡市議会は、議員発議政策条例として、平成31年2月定例会において、静岡市がん対策推進条例を全会一致で可決、同年4月に施行いたしました。
がん対策は、予防・早期発見、そして患者支援、この大きく2つの柱で成り立っておりますが、特に、患者支援については、本条例の施行を機に、さらなる取組が進んできたと認識しております。
がん対策推進条例に基づくがん対策の成果、また、がん患者支援に対する課題をどう捉え、今後どのような取組を進めていくのか、伺います。
次に、重層的支援についてです。
8050問題やダブルケアなど、困難を抱える個人や家族の課題は複雑化、複合化してきております。
こうしたことから、社会福祉法が改正され、重層的支援体制整備事業が創設されました。この事業は、相談支援、参加支援、地域づくりに向けた支援を一体的に実施する事業、3つの支援を柱としております。
困難なケースについては、重層的支援会議において、多様な機関が集まって、各支援機関の役割分担や支援の方向性を定めたプランを作成し、必要に応じてアウトリーチ等を通じた継続的支援を組み合せ、支援を進めるものです。
こうした支援を行うためには、関係機関との連携が一層重要になってくると考えますが、本市では令和6年度の実施に向け、昨年度から体制整備を進めておりますが、もう少し
スピード感を持った取組が求められると感じます。
実際、困難を抱えている方のケースは千差万別で、一人一人に臨機応変に対応していく中で、答えが見つかっていくのではないかとも思いますが、現在進めている重層的支援体制の整備に向けた課題、そして、その対応はどのようか、伺います。
次に、居住支援法人について伺ってまいります。
近年、居住支援法人へのニーズが急増しております。居住支援法人は、賃貸住宅の契約が困難とされる住宅確保要配慮者と不動産会社や大家さんのマッチングを行い、必要なサポートを行う法人で、住宅セーフティネット法に基づき、都道府県が指定するものです。
静岡市内で活動される法人は、
コロナ禍で相談件数は年々増加し、事業化を開始してから約5年で、350件を超える相談に取り組んでおられます。そして、その半数以上の190件以上が、生活支援課や子育て支援課からの依頼によるもので、行政を陰で支え、生活困窮者のニーズに応えるため奮闘しておられます。
一方、居住支援法人は、福祉的事業の側面が強く、活動に対する経済的な基盤は脆弱です。事業継続に課題があることから、先進的に取り組む岡山市では、居住生活移行支援事業補助金を設けて、官民連携強化を図っております。
本市は、居住支援法人と連携した生活困窮者に対する支援について、今後どのように進めていくのか、伺います。
続いて、中項目、清水病院についてです。
清水病院は清水地域の基幹病院として重要な役割を担っており、超高齢化時代に突入する中で、限りある人的、物的資源でどのようにニーズに応えていくか、持続可能な経営の確保がますます重要になっております。
そのような中、依然、厳しい経営状況から脱することができず、毎年のように一般会計からの補助金が支出されております。直近3か年でも、令和元年度18.8億円、2年度21.5億円、3年度16億円と推移しております。
最重要課題である医師不足への対応、築34年を迎えた本館をはじめ、施設維持管理や設備機器の更新など多くの課題を抱える中で、不断の経営改善へ取り組んでいただき、高度急性期医療には集中的に資源を投資するなど、選ばれる病院となるよう、清水病院次期経営計画の策定を進めていただきたいと思います。
質問は、1点目に、清水病院が進めている経営改善策について、令和3年度の効果はどうだったのか。
2点目に、現在、策定中の次期経営計画はどのような内容となるのか、伺います。
続いて、中項目、子育て、教育。
初めに、未就園児についてです。
来年4月に創設されるこども家庭庁は、少子化や虐待、貧困といった子供に関する課題に総合的に対応する新しい行政組織であります。
こども家庭庁が新たな取組として、いわゆる無園児と呼ばれる、認定こども園や幼稚園、保育所などに通っていない小学校就学前のゼロ歳から5歳までの子供、つまり未就園児のうち、育児で困難を抱える家庭への支援を進めることが報道されました。
具体的には、障害を持つ子供や外国籍で入園手続が分からないケース、経済的困窮などで親が孤立した場合に、虐待などのリスクが高まると指摘されております。
本市は、静岡市子ども・子育て・若者プランに基づき、ゼロ歳児から切れ目のない支援に取り組んでおりますが、誰ひとり取り残さない、さらなる体制づくりが求められます。
本市は、未就園児の状況をどう把握しているのか、また、今後どのように支援していくのか、伺います。
次に、不登校対策についてです。
本市の小中学校における不登校生徒数は、平成30年度1,084人、令和元年度1,177人、2年度1,127人と、依然、深刻な状況が続いております。これは増加傾向が顕著となってきた平成27年度と比較し、令和2年度は約1.5倍の増加となっております。
ちなみに、この間で児童生徒総数は3,700人以上減少しております。こうしたことから、
総合教育会議でも議論され、アウトリーチの取組を始めております。
また、別室登校や適応指導教室、フリースクールなど、児童生徒の希望、状況に合わせた取組が行われております。
不登校児童生徒数は、全国的にも増加傾向であることから、政府は今年6月に策定した経済財政運営と改革の基本方針、いわゆる骨太の方針で、不登校特例校を全都道府県、政令指定都市に設置を目指していく方針を固め、初めて明記しました。
多様な教育機会を設けるため、本市にも不登校特例校の設置が必要ではないかと思いますが、不登校特例校の設置について、どのように考えているのか、伺います。
次に、学校のエレベーター設置について伺います。
先日、車椅子、また義足で生活する小学生2名とその保護者が、教育長に要望書を提出いたしました。これには、超党派の議員で同席させていただいたところであります。本日、要望された保護者の方も傍聴に来ていただいております。
要望内容は、現在、通学している小学校にエレベーターが設置されているものの、進学先である学区の中学校にはエレベーターが設置されていないため、早期の設置を望む内容です。あわせて、多目的トイレや段差の解消などの環境整備も必要とされます。
現在、通学している小学校では普通学級に在籍し、友達と同じように学び、そして毎日当たり前のように友達が車椅子を押してくれたり、歩行を気遣ってくれる。そんな学生生活を送ることができることに、今回、要望された小学生、保護者は、感謝の気持ちを語ってくれました。まさに、すばらしいインクルーシブ教育の実践がされているわけであります。
ところが、進学を希望する学区の中学校にエレベーターがないことから、一緒に生活してきた友達と別れ、特別支援学校か私立中学に進学する選択しかないのが現状であります。
令和2年、バリアフリー法の改正等を受けて、文部科学省において有識者会議を設置し、学校施設バリアフリー化推進指針が改定されました。既存学校施設を含めて、バリアフリー化の一層の取組が求められ、身体的障害を持つ児童生徒等の教育機会均等を保障するためには、建物の建て替えや全面改修のタイミングによらず、対応する必要があるとされています。
公立小中学校の校舎におけるエレベーターの設置率、これは全国平均が27.1%であるのに対し、静岡県は12%、そして静岡市は7%というのが実情であります。特に、中学校への設置は、43校中、清水区の2校のみで、葵区、駿河区には1校もありません。
まずは、拠点校などを定め、早期に設置を進めるべきで、併せて、全体的な計画を策定する必要もあります。
また、来年、就学予定で、車椅子生活をされるお子さんの保護者からも、学区を越え、エレベーターが設置された希望する小学校への入学を早期に認めてほしいとの声もあり、児童生徒に寄り添ったさらなる取組も求められます。
本市は、こうした状況を踏まえ、小中学校におけるエレベーター設置をどのように進めるのか、伺います。
次に、奨学金についてです。
先日、政府は、令和6年度から返済不要の給付型奨学金の対象を拡大することを公表いたしました。これまで住民税非課税世帯などの大学生等が対象であったものを、授業料が高くなりがちな理工系の学生や、多子世帯の学生については、所得制限を引上げ、対象を広げるというものです。
日本学生支援機構によれば、令和元年度末の返済延滞者数は全国で約32万7,000人を数え、返済に困難を抱える若者が多いことが浮き彫りとなっております。
奨学金の返済期間は、結婚、出産、子育てという人生の重要なタイミングに重なる方も多いと考えられ、若者が希望を持ってライフプランを描けるように、本市の奨学金制度拡充、また、在り方の検討が求められます。
前回、質問で取上げさせていただいた際は、本市の奨学金制度の在り方について、日本学生支援機構の奨学金制度、これによる影響や、総務省の奨学金を活用した若者の地方定着促進要綱の活用の可能性を踏まえ、4次総策定の中で検討するという答弁でありました。
本市は、奨学金制度についてどのように考えているのか、伺います。
次に、大学との連携についてです。
団地の活性化、大学生の居住費負担軽減にもつながる取組として、市営住宅への大学生の入居を認める自治体があります。大学を通じて入居した学生が自治会活動にも参加することで、高齢化により、コミュニティーの力が低下する団地自治会の活性化に寄与し、市、大学、団地、そして学生がそれぞれウィン・ウィンの関係となる取組であります。
これまでの答弁では、課題解決に有効な手段であるとし、市内の大学などへ働きかけ、団地住民と学生双方にメリットがあるような入居形態を含む参画モデルを研究していくとのことでした。
静岡市は市内大学との包括連携協定を締結しております。相互に連携、協力して、地域の課題に適切に対応し、活力ある個性豊かな地域社会の形成と発展並びに人材の育成に寄与していくとうたっております。
こうしたことを踏まえ、現在、市営住宅と大学の連携について、どのように進めているのか、伺います。
以上で1回目の質問を終わります。
40 ◯市長(田辺信宏君) 私からは、大項目、誰もが安心して暮らせる社会についてのうち、第4次総合計画において、全世代型の支援にどう取り組んでいこうとしているのかとの質問にお答えいたします。
もう1年にならんとしているのでしょうか。昨年の11月に貴会派より、誰ひとり取り残さないとのSDGsの理念の下、4次総に関する6つの御提言を先駆けていただきました。とりわけ、日本一の子育て都市を目指す、子育て・教育への戦略的計画については、貴会派からの首尾一貫とした御主張を受け止めたところであります。
その後、本会議での議論やパブリックコメント等を経た結果、4次総においては、3次総5大構想の健康長寿のまちの推進に、子ども・子育て政策の充実の観点を新たに加え、世代を超えた取組として、重点政策に位置づけるとの結論に至ったところであります。
私はこれまでも3次総の中で、病気や障害を抱える方、生活に困窮されている方など、様々な困難な境遇にある市民の皆さんが、安心して暮らせる環境づくりが不可欠と考え、取組を進めてまいりました。
具体的な取組を2つ、紹介いたします。
1つ目は、インクルーシブ教育の推進です。
子供世代に対して、多様な背景を有するお子さんを受入れ、共に成長を促していくというインクルーシブ教育、令和2年度には松野小学校において、重い障害のある医療的ケアが必要なお子さんを受け入れる体制が何とか取れないかと教育委員会と検討を重ねた結果、学校施設の改修とともに、特別支援学級での豊富な経験を有する教員の配置を実現いたしました。
また、議員御指摘のとおり、つい先日は教育長に対して、市内の小学校に通う身体に障害を持ったお子さんとその保護者から、進学予定の中学校へのエレベーター設置などについての要望をいただいたと報告を受けております。市内の小中学校に通学、進学を希望する子供たちが安心して学校生活を送れますよう、今後の学校施設の在り方について、私からも検討を指示したところであります。
2つ目は、就職支援や社会参加の後押しであります。
自らが望む形で社会参画ができるような支援を行うため、シニア世代のみならず、1990年代から2000年代に就職活動を行った、いわゆる就職氷河期世代に対して、新たに設置したNEXTワークしずおかを拠点に、一人一人の実情に応じたきめ細やかなサポートを行っております。
今後、こうした取組を全世代の支援に発展、応用させていきたいと考えております。
以上、2つの施策を紹介をしましたが、
コロナ禍のただ中で、市民の皆さんの暮らしを取り巻く環境がなお、複雑化、多様化していることも実感しております。制度のはざまに取り残される方が生じることのないよう、取組を一層きめ細かく充実させていく必要があると考えております。
世代間の分断が言われる今こそ、4次総では世代を横断的に捉え、子供から高齢者まで切れ目のない支援が行き届くよう、取組を推進してく。そのためにはまず、中心となる子ども・教育分野、そして健康・福祉分野における各種施策を着実に連携して進めていきます。
さらに、冒頭申し上げましたとおり、これらの分野を一体的に推進するための重点政策を新たに位置づけ、全世代に対する支援の体制を強化してまいります。
これらの施策を貫く理念である、貴会派と共有するSDGsを、8年間の基本計画の中に明確に組み込むことによって、市の各部局と同じ視点の下、ワンチームとなって取組を推進してまいりますので、議員の引き続きの御支援、御協力をお願い申し上げます。
以下は、副市長、局長及び統括監から答弁させます。
41 ◯副市長(大長義之君) 私からは、がん対策推進条例に基づくがん対策の成果と、患者支援に関する課題及び今後の取組についてお答えいたします。
まず、条例に基づくがん対策の成果として、大きく3点が挙げられます。
1点目は、静岡市がん対策推進計画の策定による、がん対策の総合的かつ計画的な推進が可能となったこと。
2点目は、ウィッグなどの補整具購入費助成事業をはじめとした3種類のがん患者支援事業の開始により、がん患者の社会生活上の経済的負担を軽減するとともに、社会参加に向けた支援ができるようになったこと。
3点目は、がんと診断されたときの相談窓口や支援情報を1冊にまとめた「しずおかしがんガイドブック」の発行により、患者や家族の不安解消につなげられたことです。このガイドブックは大変好評で、発行直後から多くの配布希望が寄せられたため増刷し、医療機関や公共施設に追加でお配りしたところです。
次に、患者支援に関する課題としては、2点あると考えております。
1点目は、当事者同士の交流機会の充実です。
がんを経験した方やその家族は、当事者同士でなければ分かち合えない悩みや不安を抱えており、患者会や本市のがん対策推進協議会の委員からも、当事者同士が気軽に相談し、交流できる場が必要といった意見をいただいております。
2点目は、がん治療と仕事の両立です。
がん患者の約3人に1人は、20代から60代で罹患しており、治療と仕事の両立は、がんとの共生を目指す上で重要な課題です。
そうした中、仕事を継続したくても、職場の理解が得られないことで退職を選択せざるを得ない方も多いと言われているため、事業所における理解の促進が必要です。
これらの課題を踏まえ、今後の取組として、令和5年度から市の主催により、医療機関などでは相談しづらい悩みについて、様々ながん種の患者やその家族同士が気軽に相談できる交流会や、従業員ががんになった場合にも働き続けられるよう、事業所の人事・労務担当者などを対象に、休暇制度や相談体制の整備等を促すセミナーを開催してまいります。
このような取組を通じ、がん患者とその家族が地域で安心して暮らしていけるよう、引き続き条例に基づく総合的ながん対策を着実に推進してまいります。
42 ◯保健福祉長寿局長(増田浩一君) 健康福祉についての3点の御質問にお答えいたします。
まず、次期、健康長寿の
まちづくり計画の策定の方針についてですが、次期計画では、議員からお話しいただいたとおり、後期高齢者人口が増加する一方で、生産年齢人口が減少していくことなどを見据え、地域包括ケアシステムの推進、健康寿命のさらなる延伸、多様な就労・社会参加の促進などが必要と考えております。
そのため、次期計画は現在のところ、次の4点を基本的な方針として策定を進めています。
1点目は、健康長寿に加え、多様な就労・社会参加を促進するため、全世代の活躍に向けた対応を図る観点に立つこと。
2点目は、要支援・要介護者への支援に加え、要支援・要介護状態になる前からの疾病・介護予防を重視すること。
3点目は、市民の自主的な取組の促進や地域での支え合い、専門的な支援など、総合的な支援体制の整備を図ること。
4点目は、SDGsの理念──誰ひとり取り残さないを実践することでございます。
こうした考え方の下、次期計画においても、本市がこれまで推進してきた富士山型施策体系、すなわち身近な地域で医療、介護の専門的な支援が受けられる「山頂」、地域での支え合いにより支援が行われる「山腹」、広く市民全体が自主的に自らの健康づくりや社会参加などを行う「裾野」の3層から成る取組を、より一層発展させ、健康長寿と全世代が活躍できる
まちづくりを推し進めてまいります。
次に、重層的支援体制の整備に向けた課題とその対応についてですが、まず、課題については、重層的支援体制は幅広い対象者を包括的に支援するものであることから、市内部だけではなく、市社会福祉協議会や高齢者、障害のある方などの支援機関等、多様な関係機関との連携の方法や、体制の確立が一番の課題と捉えています。
次に、その対応につきましては、これまで庁内26の関係課により、分野を越え連携するための情報伝達シートや支援機関一覧の作成など、連携方法等について検討してきました。
また、本事業についての関係機関の理解を深めるため、県の派遣するコーディネーターによる研修も実施してきました。
令和4年度は、高齢、障害、生活困窮等の困り事が複雑に絡み合った実際の困難なケースを抽出し、支援方針を検討するモデル会議を実施し、支援体制の検討と課題の解決に一体的に取り組みます。この会議では、市や民間の相談支援機関の職員のほか、必要に応じ、医師や弁護士等も加わり、専門知識を有するコーディネーターの下、支援プランを作成し、各関係機関がプランに沿って継続的な支援を行います。
これらの取組を通じ、関係機関と緊密な連携体制を構築し、必要な方に支援を届けるアウトリーチ型の支援や、社会参加を促す参加支援の事業化にも注力し、令和6年度の事業実施を目指し、着実に準備を進めてまいります。
最後に、居住支援法人と連携した生活困窮者に対する居住支援を、今後どのように進めるかについてですが、今般の原油高・物価高騰などの影響を受け、住居を失った生活困窮者の急増に伴い、ホテル・旅館等の一時宿泊施設の利用日数が8月末時点で、前年度同期比3.5倍と大幅に伸びたため、本定例会に補正予算を上程しました。
具体的には、利用日数増加分の宿泊経費を計上することに加え、居住支援法人が一時宿泊施設を用意し、住まいと食事を提供するための委託経費を新たに計上しています。
この新たに実施する居住支援法人の支援においては、専門的な知識や人脈を持つ支援員が、一人一人の状況に応じて、一時的居住の確保から恒久的居住の確保や見守り支援まで、自立した生活に向けて切れ目なく行うこととしています。
今後も高齢化の進展などにより、住宅の確保に困難を抱える生活困窮者に対する支援の必要性が高まっていくものと考えています。そのため、居住支援法人の活動支援を行っている先進市の取組等を参考に、本市においても、引き続き、居住支援法人と連携した支援の在り方について検討してまいります。
43 ◯保健衛生医療統括監(吉永幸生君) 清水病院についての2点の質問にお答えいたします。
まずは、経営改善策の令和3年度の効果についてですが、市民の皆さんに継続して、安定的に質の高い医療を提供するとともに、一般会計補助金に頼った赤字経営体質からの脱却を図るため、令和2年2月に副市長をトップとした清水病院ビジョン検討会議を立ち上げ、これまで経営改善を進めてきました。
令和3年度は、患者数を増やし、収益を増加させるため、救急受入れ体制の強化を図ったことにより、救急車による受入れ患者数が令和2年度は2,415人だったものが2,732人まで増加しました。
また、医療サービスの向上及び診療報酬のアップを目的とし、看護師1人が担当する入院患者数を10人から7人とする手厚い看護体制を構築しました。
そのほか、経営状況や今後の改善策について、職員に対する全体説明会や、各所属長を対象にした複数回にわたる説明及び周知などにより、職員一人一人に対する経営改善への意識づけを行いました。
これらにより、令和3年度決算では、医業収益が7億6,600万円余の増加となり、一定の効果を上げることができました。
一方で、人件費や経費等の増加により、医業費用が4億800万円余増加したことなどから、実質的な経営改善額は2億6,000万円余にとどまっており、さらなる取組が必要であると認識しております。
次に、次期経営計画の内容についてですが、現在、4次総の計画期間に合わせた次期経営計画の策定に取り組んでおり、清水病院の目指すべき姿として、公共性と経済性が調和した持続可能な経営がなされている病院を掲げております。
そのうち、公共性については、救急医療や災害時医療、ハイリスク妊娠・分娩にも対応可能な小児・周産期医療など、地域に求められる医療を提供するとともに、脳・心疾患などの急性期医療を積極的に担うという清水病院に期待される機能、役割を明示しています。
経済性については、これまで医療職を主体に病院全体として危機感を持って検討してきた新たな経営改善策を、次期経営計画に盛り込んでいきます。
具体的には、新規入院患者を獲得し、収益を増やすため、地域の診療所や介護施設との連携による紹介患者数や、救急当番日の可能な限りの増加による救急受入れ患者数を増やす取組です。
費用面については、職員配置の適正化による人件費の抑制や、薬品・診療材料の価格交渉を通じた適正価格での調達、また委託業務の効率化などを進めることによる費用削減です。
今後も清水病院ビジョン検討会議においてさらに議論を重ね、本年4月に就任した新病院長のリーダーシップの下、清水病院の基本理念である、地域に愛され信頼される病院を目指してまいります。
44 ◯子ども未来局長(橋本隆夫君) 子育て、教育に関する御質問のうち、未就園児の状況把握と今後の支援についてお答えいたします。
本年5月に行った調査では、本市の住民基本台帳上のゼロ歳から5歳までの年齢別人口から、こども園や保育所等を利用している子供の数を差し引いた人数が6,786人でありました。このうち、ゼロ歳から2歳までが99%を占めており、保護者の方が家事・育児に専念していたり、育児休業を取得するなど、子供を家庭で養育できる環境にあることが未就園の主な理由と考えられます。
なお、本市では、就園・未就園にかかわらず、生後4か月までの乳児がいる全世帯への保健師・助産師等の訪問や、1歳6か月児、3歳児の全員を対象とした健康診査などにより、子供の発育状況や個々の家庭における養育状況を把握し、フォローが必要な世帯に対しては継続した支援を行っております。
そのほかにも、子育て支援センターや各区子育て支援課での相談対応や、
子育て世帯同士の交流事業等を行っておりますが、ただし、御指摘のとおり、特に未就園児がいる世帯は、孤立化によって虐待などのリスクが高まるおそれがあるため、一人一人に寄り添いながら伴走型の支援が必要であると認識しております。
また、さきの報道でも、国において今後、未就園児がいる世帯の孤立化等に対する支援の在り方を検討するとのことでありますので、本市におきましても国の動向にも注視しつつ、
子育て世帯が孤立することなく安心して子育てができるよう、今後の支援策について検討してまいります。
45
◯教育局長(青嶋浩義君) 教育に関する3つの御質問にお答えします。
最初に、不登校特例校の設置についてですが、本市では、子供一人一人の特性に合わせた支援を行うことを通して、子供自身が学校に自分の居場所があるという安心感を得られるよう、不登校対策に取り組んでいます。
具体的には、各校への教育相談員配置による別室指導の充実などを行っており、自校の別室に通えるようになったケースもございます。さらに、令和元年度からは、不登校児童生徒の自宅に伺う訪問型の教育相談員を導入した結果、全く登校できなかった子供が毎日登校できるようになったなどの成果も出ています。
御質問のありました不登校特例校は、国の学習指導要領にとらわれず、不登校児童生徒の実態に配慮し、授業時間や学習内容を柔軟に変更することで、子供が社会性を身につけたり、コミュニケーション能力を高めたりすることができる学校と言われており、令和4年4月現在、全国で21校が設置されています。
一方で、不登校特例校の設置に当たっては、様々な不安や悩みを抱える児童生徒にとって、今の学校よりも遠くなる場所へ通学できるのか、新たな環境において望ましい人間関係を実際に築くことができるのかなど、様々な視点からの検討が必要であると考えております。
本市としましては、既に開校している不登校特例校の情報を参考に、設置の必要性について引き続き検討してまいります。
次に、小中学校におけるエレベーター設置についてですが、本市では子供の障害の有無にかかわらず、可能な限り同じ場所で一緒に学ぶインクルーシブ教育の実現に当たって、特別支援教育支援員の配置や学校への看護師配置などのソフト面の充実とともに、段差解消や多目的トイレ、エレベーター設置等、学校施設の整備、いわゆるハード面の充実も重要であると考えております。
これまでの小中学校におけるハード面での整備状況ですが、127校中、車椅子使用者用トイレは88校、段差解消のためのスロープは57校、エレベーターは9校に実施してまいりました。これにより、現在、小学校に6名在籍している車椅子利用など肢体不自由のある児童は、エレベーターやスロープが整備された環境で学校生活を送っております。
今後も車椅子利用など肢体不自由のある児童生徒の入学見込みを基に、エレベーター設置等、必要なハード整備に向けた検討を進め、障害がある児童生徒が他の児童生徒と共に学べる環境づくりに努めてまいります。
次に、奨学金制度をどのように考えているかについてですが、本市の奨学金制度は、給付型である篤志奨学金と貸与型である育英奨学金があり、教育の機会均等の理念の下、生徒や学生の修学支援を行っております。
これらは令和3年度までの直近10年間で、篤志奨学金は延べ334人に約2,800万円の給付を、育英奨学金は延べ2,005人に約4億5,400万円の貸与を行ってきました。この間、育英奨学金では、卒業後、本市に定住するなどの条件を満たした方に対し、奨学金返還額の最大2分の1を免除する返還免除制度を導入し、本市独自の制度充実を図ってまいりました。
また、国や県の奨学金制度より、成績及び収入基準を緩和し、国や県の受給対象とならない方でも、本市の奨学金を受けられるよう配慮していることも、本市奨学金制度の大きな特徴となっております。
しかし一方で、育英奨学金の応募者が減少しているという課題があります。そのため、本市奨学金の給付金額や貸与金額は、
学費の負担軽減に役立っているのか、育英奨学金の返還支援制度が、十分に返還者の負担を軽減しているのかなど、現行の制度は、利用したい方が求めている支援と合っているのかという視点での検討が必要であると考えております。
これらのことから、本市奨学金利用者のニーズを調査し、現状や要望を把握した上で、生徒や学生の教育費負担軽減という奨学金本来の目的に一層かなう制度となるよう、制度の充実について検討を続けてまいります。
46 ◯都市局長(八木清文君) 市営住宅と大学との連携について、どのように進めているかについてですが、本市では団地住民の高齢化による自治会活動の低迷化を解消することを目的として、先進市の事例を参考に、団地自治会や関係大学と協議しながら研究・検討を進めてきた結果、静岡大学に市営有東団地の一室を貸付け、留学生用のシェアハウスとして活用してもらうこととしました。
留学生には団地の自治会活動に積極的に参加してもらうこととし、これにより、団地は低迷する自治会活動の活性化、留学生は団地住民との交流による異国での生活の不安解消や低家賃による生活負担の減、大学は不足する留学生寮の充足やコミュニティー実践活動の機会確保、市は市営住宅空き室の有効活用など、関係する者それぞれにメリットが生じるものと考えております。
現在、静岡大学や有東団地自治会と調整を進めており、令和5年4月からの入居を目指しています。留学生が入居した後、自治会活動への参加状況を確認するなど、効果や課題を検証した上で、静岡大学以外の他の大学も含め、相互連携を深めてまいります。
〔山梨 渉君登壇〕
47 ◯山梨 渉君 御答弁ありがとうございました。
丁寧な御答弁をいただきまして、もう少し簡潔に御答弁いただけるとありがたいなというふうに思います。
それでは、引き続き質問してまいります。
次に、大項目2、職員の定年引上げについてであります。
先ほどからも議論されている内容でありますけれども、国家公務員の定年引上げに伴い、地方公務員についても、いよいよ令和5年度から定年年齢が60歳から65歳まで、2年に1歳ずつ引き上げられることとなり、本定例会にも関連議案が上程されております。
こうした中で、制度が完成する令和13年4月までの間、定年退職者が2年に1度しか生じないことになります。通常、退職者の補充を基本に職員を採用しているわけですが、定年退職者が生じない年度の翌年は、相対的に新規採用者数が少なくなることが考えられます。これは職員の年齢構成のバランスや、優秀な人材の確保の観点からも考慮が必要かと思います。
そこで、定年の段階的引上げ期間中の職員が、60歳以降にどのように働き、どのような勤務形態を希望するのか、また、どのくらいの職員が定年前に退職するかなど、働き方の意向をしっかりと踏まえた上で、退職者数を見込み、そこから必要な採用者数について考えていく必要があることから、対象の職員に調査を実施したと伺っております。
3点について伺います。
1点目ですが、定年の段階的引上げ期間中に定年退職を迎える予定の職員はどの程度いるのか、伺います。
2点目として、60歳以降の働き方の意向を把握するために実施した職員への調査の結果はどのようであったのか、伺います。
3点目として、定年の段階的引上げ期間中における新規採用者の確保についてどのように考えているのか、伺います。
次に、大項目3、水害対策についてです。
18日、鹿児島に上陸しました台風14号は各地に大きな被害をもたらしております。昨夜から朝方にかけ、本市にも最接近いたしました。全国で被害に遭われた方々にお見舞い申し上げ、一刻も早い復旧を願っております。
また、本市の被害の状況についても大変心配しているところであります。
さて、こうした台風や豪雨災害は近年頻発化、激甚化しており、市内各地で浸水地域の住民を中心に対策を求める声が大きくなっております。
興津地区においても、長年浸水被害に悩まされている箇所があり、年に数回、市道が30センチ以上冠水し、そのたびに自動車を避難させるなど、住民は苦労しております。今年5月末の豪雨の際は、砂利堆積が頻繁に発生する都市下水路河口部の閉塞と相まって、これまで浸水することがなかった箇所でも床下浸水が発生するなど、住民の不安が増しております。
地元自治会による要望は毎年継続されておりますが、平成18年2月に策定された浸水対策推進プランに位置づけられた市内41地区の浸水対策地区が完了しなければ、新たな整備要望地区については着手できないとの回答が続いている状況です。市内複数の未整備地区においても同様の状況にあります。
さらには、整備済み箇所においても浸水被害が発生するなど、第4次総合計画期間中において浸水対策推進プランのさらなる加速化が求められます。
浸水対策推進プランにおける施設対策の完了見込みとプラン完了後の浸水対策の方針はどのようなものか、伺います。
水道水は最も重要なインフラであり、水害による災害復旧にはなくてはならないものであります。
しかし、水道施設は水源となる河川付近や高台に位置することから、河川の氾濫や土砂災害などのリスクが高く、計画的な対策を取ることが必要であります。平成26年10月の台風18号により、清水区小河内のポンプ施設が土砂災害を受け、長期間断水したことは記憶に新しいところであります。
水害や土砂災害が想定される水道施設は、平成30年度末時点で213施設あり、うち洪水浸水想定区域内に55施設、土砂災害警戒区域内に59施設が位置しております。
前回の質問では、水害、土砂災害想定区域内にある各施設の被害想定の調査をはじめ、施設の重要度や想定被害規模に応じた対応策を講じ、水道施設の強靱化に努めるとの答弁でしたが、その後、水道施設における水害、土砂災害への対策をどのように進めているのか、伺います。
以上、2回目の質問です。
48 ◯総務局長(渡辺裕一君) 定年引上げに関する3つの質問にお答えいたします。
初めに、定年の段階的引上げ中に定年退職を迎える予定の職員が、どの程度いるのかについてですが、まず今回の改正で、定年年齢が令和5年度から2年ごとに1歳ずつ段階的に引き上げられ、5年度に61歳、7年度に62歳、9年度に63歳、11年度に64歳、13年度からは65歳となります。
定年の段階的引上げ期間中に定年退職を迎える職員の数は、小中学校の教職員及び既に65歳定年となっている医師、歯科医師を除いて、全体で458人、年度別では、令和6年度が61歳で100人、8年度が62歳で115人、10年度が63歳で112人、12年度が64歳で131人を見込んでおります。
次に、職員の意向調査の結果についてですが、調査は定年の段階的引上げ期間中に定年退職を迎える予定の職員を対象に、60歳以降の働き方の意向を把握し、それを踏まえた職員数のシミュレーションを行うため実施したもので、約9割の職員から回答がございました。
調査により確認ができたことは、定年年齢に達する前に退職等を希望する職員が一定数いたことです。
例えば、61歳を定年年齢とする職員のうち、17%が定年前に退職を、13%が定年前に再任用の短時間勤務を希望するなど、定年までのフルタイム勤務を希望しない職員が一定数おり、これらの職員の割合は、定年年齢が上がるにつれ高くなる傾向がありました。
また、定年前に退職を希望する割合が多い職種や、定年前に再任用の短時間勤務を希望する割合が多い職種があるなど、職種によっても異なる傾向が見られました。
最後に、定年の段階的引上げ期間中における新規採用者の確保についてですが、例年、各年度の新規採用者数については、前年度の退職者の状況に応じ算定しております。
検討に当たり、60歳以降の働き方の意向や定年退職以外の退職の状況も踏まえ、職員数のシミュレーションを行ったところ、定年の段階的引上げ期間中においては、各年度の退職者数に大きな差があり、それに応じて新規採用者数にも影響を及ぼすことを確認いたしました。
各年度の新規採用者数が大きく異なると、職員の年齢構成に偏りが生じる可能性があり、これにより計画的な人事配置が困難になるとともに、必要な市民サービスを将来にわたり安定的に提供できなくなるおそれもあります。
このため、定年退職者が2年に一度であることを踏まえ、2年間でならして採用するなど、定年の段階的引上げ期間中においても、職員の採用試験を実施し、引き続き一定の職員を確保してまいります。
49 ◯上下水道局長(服部憲文君) 浸水対策推進プランに関する御質問と水道施設の水害、土砂災害対策に関する御質問について、併せてお答えします。
まず初めに、浸水対策推進プランにおける施設対策の完了見込みと、プラン完了後の対策の方針についてですが、施設対策の完了見込みについては、対策を実施する市内全41地区のうち、令和3年度末に対策が完了していない地区は14地区あり、このうち現在10地区で整備に着手しており、全地区の対策完了は、現在、策定を進めている4次総最終年度となる令和12年度を見込んでおります。
次に、プラン完了後の浸水対策の整備方針についてですが、現在、見直しを進めている浸水対策の上位計画である静岡市雨水総合排水計画の中で、近年の浸水被害の状況や既存排水施設能力の検証、シミュレーションによる被害想定などを行った上で、本年度末を目標に対策地区の選定を進めております。
令和5年度以降は、選定した対策地区における都市計画法や下水道法の事業計画変更に係る関係機関との調整や、実施計画となる新たな浸水対策推進プランの策定などを行い、13年度より優先度の高い地区から整備を進め、浸水被害の軽減を図ってまいります。
今後も市民の皆さんの安全・安心の確保のため、できるだけ早期に効果が得られるよう努めてまいります。
続いて、水道施設における水害、土砂災害への対策についてですが、本市では異常気象による災害時にも水道水を安定的に供給するための対策として、浸水対策、土砂災害対策、停電対策の3つについて、施設の重要度により優先順位をつけて取り組んでおります。
1つ目の浸水対策ですが、これまでに電気設備等への被害を防ぐため、現在、施設の更新を行っている清水谷津浄水場において、非常用自家発電設備や電気設備などを上層階に設置いたしました。加えて、門屋浄水場ほか4施設に排水ポンプを配備し、浸水回避のための対策を講じております。
2つ目の土砂災害対策については、土砂災害警戒区域内にある主要な浄水場で対策の計画を進めてきましたが、水運用計画に基づき施設配置を見直す中で、改修が必要となった門屋浄水場と中町浄水場は、今後、その改修に併せて土砂災害対策を実施していくこととしました。
3つ目の停電対策については、非常用自家発電設備を整備するとともに、緊急時に確実に稼働できるよう点検を強化しております。
本年7月に葵区、駿河区の一部で落雷による停電が発生しましたが、南安倍取水場ほかの非常用自家発電設備が稼働し、施設を停止させず給水を継続することができました。本年度は、清水区小河内地区の3施設で非常用自家発電設備の整備を行い、令和5年度からの運用開始を見込んでおります。
さらに、本年度の防災訓練において、本市と災害協定を締結している機械及び電気の業者と連携し、非常時の電源確保に向けた対応の確認を行いました。
今後も災害を想定した様々な対策を講じ、水道施設の強靱化に努めてまいります。
〔山梨 渉君登壇〕
50 ◯山梨 渉君 3回目は意見・要望になります。
市長から御答弁をいただきました。公明党の提言も受け止めていただき、重点政策に子ども・子育ての観点を加えていただいたということでありました。
さて、重要なことは、中身の施策であります。
上智大学の香取照幸教授は次のように指摘しております。少子化対策は出生率対策ではない。結婚すること、子供を持つことは、市民にとって義務でも責務でもない。重要なことは子育ての経済的負担を軽減するだけでなく、子供を産み育てることと、働くことの両方が本人、家族の希望に応じて実現できるようにすること。保育サービスや地域の子育て拠点など、多様で柔軟なサービスを用意すること。全ての子育て家庭の親が必要に応じて、権利として利用できる仕組みにすることだと、重要な指摘であると思います。
こうしたことも踏まえ、4次総には子育て、教育の充実を図っていただきたいと思います。
既に、日本は人口減少局面の時代に入っております。人口構造の推移を考えると、全ての団塊の世代が75歳以上になる2025年以降は、高齢者の急増から現役世代の急減へと局面が変化していきます。
本市においても、経済活力の低下、地域活力の低下をはじめ、行政サービスの低下が懸念されます。持続可能な都市経営のために、4次総のさらにその先の未来を見据えながら、連帯の社会を目指す施策を盛り込んでいただき、誰もが安心して暮らせる静岡市の構築をお願いしたいと思います。
以上で全ての質問を終わります。ありがとうございました。
51 ◯副議長(佐藤成子君) この際、暫時休憩いたします。
午後2時40分休憩
───────────────────
午後3時再開
52 ◯議長(望月俊明君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
総括質問を続けます。
次に、寺尾 昭君。
〔寺尾 昭君登壇〕
53 ◯寺尾 昭君 おはようございます。
日本共産党市議団を代表して質問をいたします。
質問に入る前に、9月27日に予定されております安倍晋三元首相の国葬について一言申し上げます。
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日本共産党市議団は、国葬は反対だということを表明し、今からでも中止すべきだということを改めて表明したいと思います。
それでは、質問に移ります。
4次総策定に向けて、まず田辺市長の政治姿勢から伺います。
3次総では、定住人口70万人維持が最大目標に掲げられ、全ての施策がこの目標達成のために位置づけられました。4次総の骨格が見えてきましたが、定住人口目標は後景に追いやられた。交流人口、関係人口確保が前面に出てきたということであります。
私は定住人口維持を目標にすることこそ施策の基盤、政策の中心に置くべきであると改めて提起したいと思うんです。定住人口目標を何人にするかで、全ての施策は位置づけられると言っても過言ではありません。公共施設や行政機関の規模、学校、保育園、高齢者施設も、定住人口がやはり基礎になっている。定住人口目標を曖昧にしたままで交流人口、関係人口を目標にするということで計画が成り立つんだろうか。改めての検討が必要ではないでしょうか。
そこで、質問でありますが、4次総に定住人口維持に向けた具体的な目標を掲げるべきではないか、お伺いします。
4次総ではSDGsを積極的に取り入れ、生かしていくことをうたっております。4次総とSDGsの目標年次がともに2030年ということは、偶然とはいえ、取り組みやすい状況になっているということではないでしょうか。
まず、このSDGs、17項目ありますけれども、1番目、貧困をなくす、2番目、飢餓をゼロに、例えば5番目、ジェンダー平等を実現しよう、10番目、人や国の不平等をなくそう、13番目、気候変動に具体的な対策を、16番目、平和と公正を全ての人になど、切実な課題が掲載されており、これはやはりお題目で終わってはいけない、明確な施策として取り組んでいくことを強調したいというふうに思います。
質問です。4次総を進めていくことで、SDGsにどのような寄与をしていくのか、お伺いします。
市の財政当局は、2022年度の予算編成に当たり、財政中期見通しを発表しているわけですが、今後、毎年50億円から70億円の財源の不足が出てくると明らかにしております。大規模箱物事業は建設費が膨大であるだけでなく、その後の維持管理に要する費用もこれは半端ではない。民間活力導入ということでPFI方式や、これまで指定管理者制度など様々活用はしてきておりますけれども、しょせん、税金支出という点では変わっておりません。これらの大規模事業を進めることにより、その影響は他の行政部門の事業執行に影響を与えずにはおきません。
これまでも市は予算編成において、選択と集中を強調しておりますけれども、何を選択し、何に集中するか、この視点は、私はやはり市民の命と暮らしにこの中心を置くべきだということを強調したいと思うんです。
例えば、これまで清水の新庁舎、94億円という前の計画ですけれども、出されておりましたし、海洋博物館も170億円、入場料などを含めると240億円というような数字が出されております。アリーナ、あるいはサッカースタジアム、賛否は別として、また植物園というようなことも上がっておりましたけれども、いずれにしても、大変な金額を要する。私の個人的な試算では、これらを含めると1,000億円は下らないんじゃないかということも考えられるわけです。
そこで、質問でありますけれども、多額の財源が大規模事業に必要になるわけですけれども、これらをどのように考えているのか、改めて伺いたいというふうに思います。
2番目は、
新型コロナウイルス対策についてであります。
昼夜たがわず御尽力いただいております全ての関係者の皆さんに、改めて厚く御礼を申し上げる次第であります。
そして、現在、感染が続いている第7波への対応について伺いたいと思うんです。
感染者は、本市において既にもう10万人を突破しております。70万人を分母にいたしますと、7人に1人という感染状況ということになるわけです。
今や特殊な病気というような感じではないような、そんな感じもあるわけでありますけれども、感染拡大の現状は一応漸減と言いましょうか、次第に減っているというような傾向にはあるんですが、依然として高水準と言えると思います。
そこで、質問ですが、第7波の感染拡大時における検査や受診、市民からの相談について、保健所はどのようにこれまで対応してこられたのか、改めてお伺いいたします。
ただ、重症化率がこれまでに比べ、やや低いという特徴もあります。病床占有率は切迫しており、入院が困難となっているということから、自宅療養が増えているというのも特徴であります。家庭に感染者を抱えることによって、家族は必然的に濃厚接触者ということになるわけであります。
かかりつけ医などの発熱外来を頼るということになりますが、このようなときに頼りになるのは、やはり保健所だというふうに言えるわけです。相談したくてもなかなか電話がつながらなかったと、自宅療養しているが具体的な指導もなかなかもらえなかったというような声も届いております。
質問ですが、病床の逼迫状況はどうだったのか、また自宅療養をしている患者の体調悪化時の不安にどのように対応してきたのかということについてもお伺いしたいと思います。
感染状況の把握について政府は、その全数把握については、保健所など各機関の業務を過重にしているというような理由から、都道府県の判断に委ねて、これまでのやり方を見直すことを示しております。県は保健所設置市の意見を聞いて判断するとしております。
これに対しては賛成の意見は少なく、むしろ全数把握を行わないことで、
コロナ対策にマイナスに働くのではないかというような意見もあるわけです。全数把握が過重負担になっているという理由についても、これもまた疑問の声が出ているということであります。
そこで、お伺いしますが、全数把握の見直しについて、静岡県が全国一律の実施に合わせる方針を示した際、市としてどのような考え方を伝えていたのか、お伺いいたします。
次に、世界平和統一家庭連合──旧統一協会について、市の行政との関わりとその対応についてお伺いします。
安倍元首相の銃撃事件を契機に、この旧統一協会と政治家や行政との関わりがクローズアップされました。旧統一協会は霊感商法と言われる、いわゆる、うそとごまかしの手口を使って法外な価格で商品を売りつけていた。また、憲法違反とも言えると思うんですが、集団結婚式を行っていたことなどによって、反社会的組織であることが明らかにされております。
多くの政治家が選挙での応援や政治資金の提供を受けていたこと、日常的な行事への参加など深い関係を持っていたこと、行政へも様々な形で関与していたことなど、この膨大とも言える事例にただ驚くばかりでありますが、関与していた政治家は自らその全ての内容と責任を明らかにすべきであります。
同時に、関与していた政治家の属する政党が、どことは言いませんけれども、その全容を調査し、公表することは国民に対する責任ではないでしょうか。
我が党市議団は、8月10日、市長に対しまして、市長及び市行政と旧統一協会との関わりについて調査し、公表することを申し入れてきたところであります。
そこで、質問でありますが、世界平和統一家庭連合及び関連団体が実施する事業への後援の実績に関する調査に至った経緯と理由はどのようなものであったのか、お伺いします。
9月7日発表の市の調査結果では、過去10年間の世界平和統一家庭連合及び関連団体が実施した事業への後援、補助金交付及び共催は実績なし、つまり関係なかったという発表がありました。10年で区切った理由は何なのか分からないわけですけれども、また、市の行政には市の外郭団体というのも含まれるんではないかと私は思うんですね。こことの関係はどうであったのか、これも調査する必要があるのではないかと思います。
2013年1月に第24回国連軍縮平和会議in静岡が開催されています。これは市長も大変高い評価をされておりますし、私も評価しているところであります。核兵器廃絶や軍縮へ向けて平和を語る意義深い行事であったということです。
日本平ホテルにおいて地元自主事業として行われた平和・国際交流活動展示会に、世界平和女性連合静岡第一連合会が参加しておりました。この団体は旧統一協会の関連団体であります。2013年1月は、今回の調査の年度に入っておるんですが、先ほど言いましたように、関係ないという調査結果が発表されているわけでありますが、どのような経緯で参加してきたのか、改めて調査してほしいと思うんです。
この団体は、またしずおか女性の会というところの一構成団体にもなっている。市長は毎年この女性の会との懇談もされてきた。懇談自体を決して否定するわけではありませんけれども、こういうところにも入り込んできているということも明らかになっております。
静岡市は○○公社、○○協会、○○協議会等々、多くの外郭団体を持っているわけです。これらの団体は市の行政を補完して、行政に代わって住民へのサービスを提供する重要な役割を果たしております。これらの団体との関わりについて、やはりこれは市民の行政への信頼ということをきちっと確保するということが必要でありますので、やはり責任を持って調査する必要があるのではないかと思うんです。
質問ですが、過去10年より前の後援の実績及びこの外郭団体における後援の実績について、今後、調査する必要があると思うんですが、それについての考えをお聞かせください。
1回目です。
54 ◯市長(田辺信宏君) 私からは、大項目、市長の政治姿勢について、第4次静岡市総合計画の策定に向けての2つの質問に一括してお答えします。
まず、定住人口維持の目標についてですが、これは午前中に答弁を申し上げたとおりです。
4次総では、3次総の定住人口といった単一的な目標だけではなく、本市を訪れる交流人口や本市に関心を寄せる関係人口の視点も取り入れて、多面的に人口活力の向上を目指してまいります。
そこで、次に、4次総を進めることでSDGsにどのように寄与するかとの御質問ですが、これは議員御指摘のとおりであります。17の国際目標を私たちは進めていかなければなりません。
そこで、4次総では、SDGsの市政への組み込みをより強固なものとするために、基本計画に位置づけた上で、10の分野別計画と5つの重点政策を推進し、全庁的に取り組んでまいります。SDGsと結びついた
まちづくりを進めることが、本市の行政課題の解決を図ることのみならず、SDGsが目指す地球規模の持続可能な社会の実現にもつながるものと考えております。
例えば、地球温暖化による気候変動は深刻さを増しており、各地で様々な自然災害を引き起こしております。
先日も南アジアのパキスタンでは、6月から2か月以上にもわたる大雨により、国土の3分の1が水没し、多くの人々が被災するなど、甚大な被害に見舞われました。これも地球温暖化に起因するものだと言われております。CO2をほとんど出さない開発途上国が、大量に消費する先進国の犠牲になってはならないという考え方で、これは世界的な解決が望まれます。
地球温暖化は産業革命以降、人類が化石燃料を大量に消費し、温室効果ガスを排出し続けたことが原因であり、現在、気候変動への具体的な対策として、世界各国それぞれがカーボンニュートラルの取組に乗り出されております。
一方、海洋環境面では、世界中の人々が生活を営む中で排出されるプラスチックごみが海に流入することで海洋汚染が進み、生物などに悪影響を及ぼすなど、大きな社会問題となっており、その対策も急務であります。
本市は、このような地球規模の環境問題に対しても、一基礎自治体としてできることとして、例えば、現在進めている海洋文化施設においては、海の環境を守る意識の醸成や啓発教育を展開するとともに、今年度、清水駅東口エリア等が指定された脱炭素先行地域においては、公民連携による再生可能エネルギーの導入や水素エネルギーの利活用など、他の都市のモデルとなる取組を進めてまいります。
このような環境啓発活動やカーボンニュートラルの先駆的な取組を推し進めることによって、市民の皆さんや企業がSDGsを自分事として捉え、自ら行動し、SDGsのゴール13、気候変動に具体的な対策を、ゴール14、海の豊かさを守ろうに貢献できると考えております。
最後に、SDGsを推進するためには、ゴール17のパートナーシップが特に重要です。今後も議員をはじめ、市民の皆さん、企業・団体等と連携し、経済、社会、環境の3つの側面が調和した持続可能な
まちづくりを目指してまいります。
以下は、局長及び統括監から答弁させます。
55 ◯企画局長(松浦高之君) 多額の財源が大規模事業に必要になるが、どのように考えているのかについてですが、海洋文化施設や
歴史博物館などの大規模事業については、市民の皆さんの御意見を伺いながら議論を重ねた上で、総合計画に位置づけ、計画的に実施しております。
今後も財政規律の堅持を大前提としつつ、国の補助金や交付金の確保に努め、また行財政改革やアセットマネジメントの着実な推進、さらには企業版ふるさと納税による全国の企業からの寄附などを通じて、財源の確保に努めてまいります。
56 ◯保健衛生医療統括監(吉永幸生君)
新型コロナウイルス対策について、第7波への対応に関する3点の御質問にお答えします。
まず、第7波の感染拡大時における検査や受診、市民からの相談について、保健所はどのように対応してきたのかについてですが、まず検査については、抗原検査キットの普及により、多くの医療機関で迅速に検査が実施できる体制となっております。このことから、第7波の感染拡大時にも、発熱外来を行っている医療機関のほか、多くの医療機関で検査を実施していただきました。
次に、医療機関への受診については、地域の医療機関、発熱外来を行っている医療機関を中心に、発熱患者等の検査や受診に対応していただきました。加えて、医療機関が休診となる8月のお盆時期、感染者数が高止まりしていた9月の診療時間外に、発熱患者等の受診の受皿として、医師会の協力により発熱専門外来を設置し、受診体制を整えました。
さらに、市民からの相談については、感染者数の増加に比例して、保健所の発熱等受診相談センターなどへの電話相談が急増いたしました。そこで、発熱等受診相談センターの日中の対応人数を、これまでの2人体制から7人体制に増員することにより、市民からの相談体制を強化いたしました。
次に、病床の逼迫状況と自宅療養者の体調悪化時の不安にどのように対応してきたのかについてですが、病床の逼迫について、第7波では、患者の急増と病院内クラスターの発生などにより、7月23日時点で市内の病床使用率は90%以上となり、これ以後、8月末まで同様の状況が続きました。
この病床逼迫により、救急搬送の受入れや入院が非常に困難な状況の中、病院との入院受入れの調整、または必要に応じて市外の病院への入院受入れの調整を行いました。これにより、入院が必要と診断された患者を全て入院させることができました。
また、自宅療養者の不安解消については、自宅療養者のうち、必要な方にはパルスオキシメーターを貸し出し、体調の急変を早く探知するとともに、緊急時の連絡先を伝えておくことにより、急変時の迅速な受診及び入院調整につなげてきました。
最後に、全数把握の見直しについて、静岡県が全国一律の実施に合わせる方針を示した際、市としてどのような考えを伝えていたのかについてですが、8月25日付で厚生労働省より、発熱外来や保健所業務が極めて切迫した地域において、緊急避難措置として発生届を重症化リスクのある者に限定することを、都道府県知事の判断により可能とする通知がありました。
保健所での発生届の事務処理に関しては、多忙な状況ではありましたが、庁内からの応援や業務の委託化により対応できておりました。また、医師会からも、発生届の作成により医療提供に混乱が生じている状況ではないとの意見がありました。
そこで、保健所と医療機関のいずれも、緊急避難措置の対象となる極めて切迫した地域には当たらない状況であると判断いたしました。
また、9月中旬にも、全国一律で制度変更を行う方策が示されていたため、短期間での2度の制度変更は、市民の混乱を招くおそれがあるとの懸念がありました。
これらのことから、市としては、全国一律の緩和措置による対応とすべき旨を、8月31日に県の担当課に回答いたしました。
57 ◯総務局長(渡辺裕一君) 世界平和統一家庭連合に関する2点の御質問にお答えいたします。
まず、世界平和統一家庭連合及びその関連団体が実施する事業への後援の実績に関する調査に至った経緯や理由についてですが、本年7月以降の世界平和統一家庭連合に関する一連の報道等を踏まえ、社会的関心の高さから、市の事業との関連について把握する必要があると判断し、8月下旬に全庁に対し、世界平和統一家庭連合及びその関係団体への後援名義の使用許可の有無等について調査を実施いたしました。
次に、過去10年より前及び外郭団体における後援の実績について調査を実施しないのかについてですが、調査は保存されている公文書の確認により行いました。公文書の保存期間は静岡市公文書管理規則に定められており、後援名義の使用許可については最長10年となっているため、これを超える調査を実施する予定はございません。
また、外郭団体は、市とは別の独立した法人であり、市として調査を実施する考えはございません。
〔寺尾 昭君登壇〕
58 ◯寺尾 昭君 2回目です。
4次総に向けての質問でありますが、新清水庁舎建設の前の計画におきまして、
にぎわい創出を目的に民間活力の導入ということで参加企業を募集したわけですけれども、応募者がなかったという状況がありました。
戦争やコロナなど世界の不安な状況に加えて、円安による最近の建設資材の値上がりは、民間の進出をさらに消極的にしています。首都圏と人口規模の異なる本市において、大規模施設建設と維持費用を考えると、採算性は大変厳しいと言わなければなりません。民間事業者の進出は慎重にならざるを得ないということも考えられます。
今後、計画を俎上にのせるものについては、必要性、採算性、費用対効果、市民合意など、様々な角度から検討が必要であるということを改めて提案したいと思います。
市議団は4次総への提案で、大規模施設、箱物についてはゼロベースで見直すべきではないか、再検討を行うべきではないかと提起しております。建設に関わり市民合意が必要であるということは言うまでもありません。
そこで、伺います。財政難と市民生活の影響を踏まえ、大規模事業はゼロベースで考えるべきではないか。また、推進するのであれば、どのように市民合意を図っていくのか、お伺いいたします。
次に、旧統一協会についてでありますが、様々な団体の名前を名乗って、行政に接近してくることが考えられます。行政としてより慎重な対応が求められます。
そこで、伺います。今後、世界平和統一家庭連合、旧統一協会と関連団体が実施する事業について、後援名義の使用許可の申請があった場合はどのように対応するのか、確認しておきたいと思います。
平和行政について質問します。
ロシアの
ウクライナ侵略が続いておりますけれども、プーチン大統領は核兵器による威嚇をほのめかすなど、その使用が現実のものになっていると言われております。
この夏はNPT再検討会議、そしてまた核兵器禁止条約というような、国際的な会議が行われてきて、大きな注目を浴びたところでありますけれども、そこで質問であります。
ぜひ、市長のお考えを聞きたいわけですけれども、国連核兵器禁止条約、NPT再検討会議についてどのような見解を持っておられるのか、お聞きします。
また、2番目、核兵器廃絶に向けて、今後どのような取組を行っていくのか、お伺いします。
これまで質問したところでは、国の専管事項だということで、本市には関係がないとは言わないまでも、それに近いような回答をしておりましたので、ぜひ見解をお伺いいたします。
以上、2回目です。
59 ◯企画局長(松浦高之君) 大規模事業はゼロベースで考えるべきではないか、また、どのように市民合意を図っていくのかについてですが、必要な大規模事業については、市民の皆さんの御意見を伺いながら、総合計画に位置づけ、計画的に実施してきております。
今後、総合計画に登載していく大規模事業についても、これまでどおりパブリックコメントなどを通じて、市民の皆さんからの御意見をいただきながら、財政規律の下、進めてまいります。
60 ◯総務局長(渡辺裕一君) 今後、世界平和統一家庭連合及びその関連団体が実施する事業について、後援名義の使用許可申請があった場合の対応についてでございますが、後援名義の使用を許可する意義は、団体等が主催して行う各種の公益的事業等の趣旨に市が賛同し、後援名義の使用を許可することにより、その実現のために名義上に限って援助しようとするものです。
許可に当たっては、後援の意義から逸脱することがないよう、事業計画等が市の方針に沿っているか、一般市民を対象とする事業となっているかや、団体の概要や活動状況も確認しながら、申請された内容を正確に把握し、個別に審査しております。
市の後援が表示されることで、その事業に対する信用度が増すなど、市民の皆さんへの影響が大きいと考えることから、今後も引き続き、適正に手続を行うとともに、反社会的な団体と認められる団体に許可することのないよう、今回の一連の状況を踏まえ、情報収集等に努めてまいります。
次に、平和行政に関する2つの質問にお答えいたします。
まず、国連核兵器禁止条約等についての見解ですが、条約の批准等については国の専管事項であり、国政の場においてしかるべき議論、対応がなされているものと考えております。
次に、核兵器廃絶に向けた今後の取組についてですが、本市は平成17年12月に市議会で決議し、制定した平和都市宣言の中で、核兵器など大量破壊兵器の廃絶と世界平和の実現に貢献することを表明しております。不安定な国際情勢により、市民の平和に対する関心や、平和を希求する機運が高まっていることから、引き続き、様々な場面において平和の理念を持って事業を進めることで、平和の大切さを幅広い世代へ伝えてまいります。
〔寺尾 昭君登壇〕
61 ◯寺尾 昭君 定住人口目標については、掲げないということであります。
公共施設のアセットマネジメントの着実な推進というようなことも言われましたけれども、やはりこの具体化においては定住人口、様々な政策の具体化という点では定住人口というのが、この基礎になっているということを改めて申し上げたいと思うんです。交流人口、関係人口ということでは、やはりその曖昧さは否定できないということではないでしょうか。
それから、大規模事業とその財源の問題についてでありますが、市民の声を聞きますと……
62 ◯議長(望月俊明君) あと1分です。
63 ◯寺尾 昭君(続) そんなにその箱物が必要なのか、今日の議論にもありました、先ほどの。そういう声が非常にたくさんあって心配しているわけです。
今の段階では、やはり市民の理解は得られていない。市民の理解を得ながら云々ということの答弁がありましたけれども、現状ではやはりまだ市民の理解が得られていないというふうに言っていいんではないかと思います。
旧統一協会の関係では、少しこれも抽象的な答弁でありました。もう性格はきちっと把握されているということでありますから、そこは明確にしていただきたいと。
平和問題については、やはり今日の回答も国の専管事項ということの繰り返しでありました。これはしっかりと、やはり答弁していただきたい。
以上で終わります。
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64 ◯議長(望月俊明君) 本日はこれにて延会いたします。
午後3時35分延会
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