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  1. 静岡市議会 2020-09-03
    令和2年9月定例会(第3日目) 本文


    取得元: 静岡市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-18
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1         午前10時開議 ◯議長(繁田和三君) これより本日の会議を開きます。    ─────────────────── 2 ◯議長(繁田和三君) 本日の議事日程は、既にお手元に配布したとおりであります。    ───────────────────   日程第1 認定第1号 令和元年度静岡市一    般会計歳入歳出決算の認定について 外40    件(総括質問) 3 ◯議長(繁田和三君) 日程第1、認定第1号令和元年度静岡一般会計歳入歳出決算の認定についてから日程第41、一般質問までを一括議題といたします。  昨日に引続き総括質問を行います。  順次発言を許します。  初めに、宮城展代さん。   〔18番宮城展代君登壇〕 4 ◯18番(宮城展代君) おはようございます。自由民主党の宮城展代です。  通告に従い質問します。  まず、ポストコロナの社会についてです。  オリンピック・パラリンピック開催の期待を胸に始まった2020年は、コロナ禍による大きな社会変動の年にさま変わりしています。この数か月、世界の主要都市が次々と封鎖され、グローバルなメガシティ化の陰で見過ごされてきた問題が明らかになりました。それは同時に、人々が当たり前だと思っていた住まい方や働き方を足元から見詰め直す機会にもなりました。私たちの暮らしも、密閉、密集、密接を避け、マスク着用が当たり前の新しい生活様式の下での暮らしを築きつつありますし、企業ではリモートワークの在宅勤務が広がり、通勤を省いて自由に使える時間が増え、兼業や副業という働き方も身近になってきました。  こうした状況の中、一番身近なコミュニティの自治会活動も、秋からの再開を目指して地域の行事の在り方を模索しています。特に自治会活動を通じて寄り添ってきた高齢者や子供たちの安全をいかに守ろうかと知恵を出し合いながらその準備をしています。そして、それは私たち日本人が何年も続けてきた当たり前の今までの暮らし、習慣からの大変革を迫られているのです。  また、このコロナ禍の中であぶり出された問題にも目を向けなければなりません。それは、コロナウイルス感染症患者PCR検査陽性者への過度な干渉と中傷行為、そして、その医療現場を支えた医療従事者に対する差別や風評被害です。私たち日本人の多くが持っている相手を思いやる、お互いさまやおかげさまの精神も、今まで誰も経験したことがないこの新型コロナウイルスという敵に突然襲われて失われてしまったのでしょうか。  しかし、先日、朝刊の10代の読者の投稿が目に留まりました。新型コロナウイルスによって私たちの当たり前がそうではないということを実感した。でも、こんな世の中になったからこそ私たちにできることがある。それは当たり前を恵みと考え直すこと。当たり前のように生活できることが幸せだと感じながら日々感謝して過ごしていきたい、とありました。
     私は、このような若者たちの思いがあれば、ウィズコロナの社会が来ても新しい生活様式の下、人と人とが支え合う市民生活を築くことができると確信しました。  そこで、市長にお伺いします。  今後、私たちの暮らしが大きく変わると予想される中、市民の様々な分野における声に対応すること、また、近い将来の市民生活では、リモート社会がノーマルになる中、デジタル化への対応などが急務であると思われます。ポストコロナの社会を見据え、今後どのような方向性で市政のかじ取りをしていくのか、心のありようも含めた市長の考えをお聞かせください。  次は、大項目2のコロナ禍の中の子育て支援についてお伺いします。  新型コロナ感染拡大が続く中、我が国では3月初めから、学校には休校が要請された一方、保育施設には原則開所が要請されました。4月の緊急事態宣言下には、医療従事者などのエッセンシャルワーカーの子供以外は登園自粛が求められ、子育て支援施設や児童館、図書館、公園なども利用が制限されました。登園自粛の中の家庭の多くが保育施設から十分な支援が得られず、孤立し、不安やストレスを抱え、子供にも気になる行動面の変化が見られたということも民間の調査で明らかになったそうです。  しかし、私たちの生活の中での子育ては、当然、自粛も休業もできません。他の市町では全国民が対象になった一律10万円の特別定額給付金で対象外となった、4月28日以降に生まれた同学年の新生児にも支給する子育て応援特別給付金事業子育て世帯経済的負担の軽減を図っているところも出てきました。今まで当たり前のように思っていた子育て世帯へのサポートが大変ありがたいことだと再認識された家庭も多くあったと思います。  そこで、まず、この日々状況が変化するコロナ禍の中で、特に未就学児の子育て世帯サポートするため本市はどのような取組を行ってきたのか、お伺いします。  次は、妊婦さんへの支援についてお伺いします。  新しい命を産み育てるときは誰でも期待と不安がいっぱいです。平常時でも不安な気持ちが大きくなる中、今年は新型コロナウイルス感染の不安も加わりました。今までの妊婦さんの誰もが経験したことがない不安です。現在は妊婦さんに体調の変化が見られた場合は、主治医の判断ですぐPCR検査を行います。その場合は保険診療ですので、自己負担金の多くは3割負担ですが、この部分は公費で負担しています。  そして、今度はその負担を少しでも解消するため、症状がなくても希望する妊婦さんには分娩前にPCR検査を受けやすくします。そして、その場合は自由診療になるため10割の料金となりますが、妊婦さんに負担がかからないよう静岡市も6月の補正予算で助成を決めました。その取組の詳細と進捗状況をお伺いします。  次は、保育士等への支援についてです。  コロナ禍の中、保育というエッセンシャルワークゆえに休業要請を受けることも求めることもできず、また、ゼロ歳児から預かっているこども園小規模保育園では、特に3密も避けられない保育をしています。そこで、子供の感染防止に尽力してきた保育士への支援が求められています。現場の声としては、医療従事者介護施設職員と同じように慰労金を求める声が続いています。  また、ある保育園の園長先生は、感染防止のため親子で参加する行事の縮小も検討しているが、一緒におしゃべりしたり、他人と触れ合ったりすることは、子供の育ちに欠かせない。また、3密も避けることは難しいが、そんな中でどう成長を保障するか悩みは大きいと言います。  保育の現場では、ゼロ歳児3人に対し保育士1名、1、2歳児各6人に保育士1名という国の配置基準の中、保育士たちは、手すりやドアノブ、机などの消毒を日々繰り返していますが、この人員では保育に支障が及ぶおそれがあるため、消毒専用の保育士が必要だとも聞いています。  そこで、お伺いしますが、現場のリスクを抱えて頑張っている保育現場保育士等へ静岡市はどのような支援を行っているのか、お聞きします。  以上、1回目の質問です。 5 ◯市長(田辺信宏君) 私からは、大項目、ポストコロナの社会について、ポストコロナの社会を見据えて今後私たちはどのような方向で市政のかじ取りをしていくのかとの御質問にお答えいたします。  まず、冒頭申し上げたいことは、ポストコロナの令和の時代において日本のモデル都市は、過密な大都市東京では決してないということであります。国内の感染者の約30%が東京都であるという事実は、東京の一極集中に疑問を抱く人を増やし、そして、地方に目を向けていこうという論調も多くなっております。まさに、これから地方創生が、言わばコロナによって本格化していく時代がやってきていると考えております。  そして、ポストコロナの時代においては、現在、本市に住んでいる市民とこれから本市に生まれてくる市民、言わば未来市民の両方を念頭に、持続可能性をキーワードに市政を運営していくことが重要だと考えています。  私は、これまでの一連のコロナウイルスへの対応を通じて大事な2つの気づきを得ることができました。1つ目は安全・安心。危機管理を災害自体を超えた広い視野で捉え、市民の安全・安心を確保していく必要があるということであります。  今回、コロナへの不安もさることながら、現場からは、学習の遅れは大丈夫かといった教育面、あるいは、収入が激減する中どうやって生活をしていこうという経済面、さらには、頑張って医療に従事しているのに差別されるという生活面、実に様々な市民の声が市に対しても、私の元へも寄せられました。今後持続可能なまちにしていくためには、大前提として、人々の暮らしの安全・安心の確保にあることを改めて強く感じています。  そこで、本市は今後、危機管理において、自然災害以外の、今回の感染症などのリスクやそれに伴う社会的混乱も含めて迅速・適切に対処できる、より一層の危機管理体制の充実・強化に取り組んでまいります。  2つ目は、本市のまちの魅力をさらに磨き上げることを通じて、住み続ける人、移り住む人の受皿になっていくということであります。  議員御指摘のとおり、テレワークオンライン会議が様々な企業で急速に活用されるようになり、仕事を理由にした住む場所の制約は確実に減り始めています。新しい生活様式という中では、なお一層その傾向が強まるでしょう。このことは、一方で、住み続ける理由や移り住む理由がなければ人口減少がより深刻になる危険性もはらんでいることを示唆しています。  そこで、今後、国におけるデジタル庁設置の動きなど今後のデジタル社会の流れが加速することが見込まれる中、本市も中山間地域をこのような社会の動きに積極的に対応し、全市的に持続可能にしていくための基礎的なインフラとしてデジタル環境を整えていきます。そして、今後も住み続けたい、住んでみたいと選ばれる持続可能なまちになるためには、静岡市が単に生活をする拠点というだけではなく、5大構想のまちは劇場では、わくわくドキドキするまちと表現しているような、住んで楽しいまちづくりを進めることが大切だと思います。  そこで、例えば、これまで車中心であった道路空間を人中心の快適な都市空間へと変えていく試みも必要であります。まちの顔となる駅前空間の整備といったハード面での取組とともに、四季折々のイベントのパッケージ化や官民連携による都市空間の活用策などソフト面での充実を図り、今後まちの魅力を磨き上げることにさらに注力してまいります。  いずれにせよ、本市は豊かな自然環境と固有の歴史文化の下、ワークライフバランスに優れた、市民一人一人がそれぞれの人生を謳歌できる都市、SDGsの理念である環境、経済、社会の3側面の調和がとれた都市という東京とは異なる都市モデルを実現し、世界に輝く静岡を目指していこうと考えております。  この目指すまちの姿に向け、5大構想の推進とともに、今回の2つの気づきを生かし、市民の安全・安心の確保をベースにまちの魅力を磨き上げることを強化し、市政運営をかじ取りし、ポストコロナの時代においても持続可能性のある世界に輝く静岡を実現してまいります。 6 ◯子ども未来局長青野志能生君) 私からはコロナ禍の中の子育て支援について、3点の御質問にお答えいたします。  まず、子育て世帯サポートする取組についてですが、子供の健やかな成長のためには、子育て世帯に切れ目なく支援を行っていく必要があることから、コロナ禍においても成長段階に応じたサポートや育児不安を解消するためのサポートなど、様々な取組を感染防止に留意しながら実施しております。例えば、出産後間もない親子を訪問する、こんにちは赤ちゃん事業では、母親の育児不安を早期に解消する必要があることから、保健師等の従事者が毎日自らの健康チェックを行うとともに訪問先の親子の体調を確認するなど、十分に感染防止を図りながら事業を継続しております。  また、年齢に応じた発育状況を確認するための1歳6か月児健診及び3歳児健診は、適切な時期に行う必要があることから、今までの集団健診に新たに個別健診を加えて、3密を避ける対策を講じながら行っております。このほか、子育て支援センターでは、コロナの影響によりほかの親子と交流する機会が減っている子育て世帯に対して、安心して親子同士が交流できる場を提供するとともに、育児に関する様々な不安を抱えている方々の相談を継続して行うなど、子育て世帯に寄り添った取組を行っております。  次に、妊婦への分娩前のPCR検査についてですが、この検査は妊婦の新型コロナウイルス感染症への不安解消を目的としており、発熱などの症状がない分娩予定日の2週間前で検査を希望する方を対象に実施を予定しております。検査方法は鼻の奥の粘液を採取する方法と唾液を採取する方法のいずれかで行い、市が費用を助成いたします。また、実施場所については、妊婦の皆さんに安心して検査を受けてもらうために、かかりつけの産科医で行うことができるよう準備を進めております。  検査の周知については、対象となる方へ個別に通知するほか、市のホームページや新聞、ラジオなどの様々な媒体を通じて幅広く周知し、不安を抱える妊婦の皆さんにできるだけ多く検査を受けていただくことができるよう努めてまいります。  最後に、保育現場保育士等へどのような支援を行っているかについてですが、議員からお話しされたように、保育現場ではコロナ禍の中でも保育を提供することが必要であることから業務を継続しております。そのため、私立保育所等に対しては、保育現場における感染症に対する不安を和らげ、保育士等の職員が安心して働けるよう、感染症対策を示した国からの通知や感染症対策に係る市立こども園の取組を情報提供し、適切な感染症対策を実施していくための支援を行っております。  さらに、市立こども園における感染症発生時の対応方針を私立保育所等に伝え、万が一保育現場で感染症が発生しても混乱することなく迅速に対応できるように準備をお願いしております。  また、私立保育所等保育現場において感染症対策を徹底しながら保育を継続できるようにするため、マスクなどの衛生用品の購入費、保育士等が時間外に消毒や清掃を行った場合の超過勤務手当感染症対策のために新たに人を雇用した場合の賃金などの人件費のほか、保育士等の個人が施設や日常生活において必要とするハンドクリーム等の購入費などに対して助成を行っております。   〔18番宮城展代君登壇〕 7 ◯18番(宮城展代君) ありがとうございます。  では、次は大項目3の中山間地域情報通信基盤整備についてお伺いします。  私の最初の質問で、ポストコロナの社会についてお伺いしましたが、市長からもお答えがありましたとおり、私たちの暮らしの10年後を思い描くと、リモート社会がノーマルになり、市役所への申請書類もオンライン化が進み、スマート市役所に変化していくと思われます。その基礎的な考えは、行政機関のサービスに情報通信技術──ICTを活用することだと思います。  また、このコロナ禍の中、リモートワークという働き方の可能性が広がり、自然の中で自分らしい仕事と暮らしを実現するワーケーションという考え方も出てきました。今までにも梅ケ島や井川、大川、清沢地域や、また清水区の両河内、小島地域の方々から中山間地域インターネット接続が可能になる整備が欲しいとの要望を私も随分聞いてきましたが、今回それが実現するとのことです。  そこで、今回整備することになった背景は何か、お伺いします。  また、それによって市民の生活、私たちの暮らしはどう変わっていくのか、お答えください。  次は大項目4、静岡駅南口についてお伺いします。  この質問は平成29年9月に私がこの質問をしてから数えて3回目になります。そのときは、人と人とが初めて会うときの第一印象が大切なように、都市の玄関口のイメージもとても大切な場だと思います。このことから私は市長に、静岡駅南口に降り立ったときの政令市の玄関口としての役割、そして、静岡駅南口駅前広場の再整備の取組をお聞きしました。  現在、私が望む南口の姿は、人々が車やバスでの利用に不便を感じず、そして、日頃から通勤・通学で駅を利用している方々が待ち合わせをするなら絶対南口と思えるような、また、新幹線から降り立った観光客が活気とにぎわいがあって、これからの旅が楽しみだと思えるような、ドキドキわくわくさせてくれる南口であってほしいと思っています。  前回の私の質問に答弁していただいたとおり、用地買収にこだわらず、立体化などの新たな整備手法を模索しながら検討を進めていると理解しております。  そこで、これまでの検討で得た南口駅前広場再整備の方向性と今後の取組についてお伺いします。  以上、2回目です。 8 ◯総務局長(吉井博昭君) 今回整備することになった背景についてですが、本市中山間地域における光回線整備については、従前より自治会や地域住民の皆さんから早期の整備要望を頂いておりました。しかしながら、採算性などの観点から民間事業者の参入が難しく、また、行政においても整備や維持管理に多額の費用がかかるなどの課題があり、これまで整備に至っておりませんでした。  こうした中、今回の新型コロナウイルス感染拡大により新たな生活様式への早急な対応が必要となるなど、社会状況に大きな変化が生じております。この対応の一環として、国では本年6月の第2次補正予算において、光回線の整備促進のための補助金を大幅に増額するとともに、人口密度の低い地区も対象とする要件緩和が行われ、早期整備について各自治体や民間事業者への働きかけがありました。このことから、本市においては、中山間地域全体が補助対象となることで財源などにおいてこれまでの課題解決に見通しが立ったこと、また、民間事業者からも事業参画の提案があったことなどから事業を進める状況が整ったものと判断し、本定例会に予算案を上程しております。  次に、市民の皆さんの生活はどう変わるかについてですが、今回の光回線整備において最も大きな変化としましては、超高速で、かつ安定した情報通信基盤が中山間地域にて確保されることにより、市民の皆さんの生活の質が大きく向上することが期待できる点にあります。光回線の特徴である超高速通信を利用することにより、例えば、日常生活においてオンラインショッピングや、教育面では児童生徒の家庭でのオンライン学習、また事業者の方は商品のインターネット取引などにおいて、これまでより快適かつ安定した利用をすることができます。  一方で、行政におきましても光回線の確保は、例えば、移住・定住や企業誘致に伴う通信環境整備リモート診療等による保健医療体制の強化などにおいて、今まで事業推進の障壁となっていた通信環境の大きな改善となります。また、中山間地域を対象として今後検討を行う様々な行政施策における情報基盤として活用できるものと考えております。  このような今回の光回線整備は、今後の市民生活の向上や行政活動の推進に大きく関わる重要なインフラであり、様々な分野に可能性が広がることから、着実な整備を進めてまいります。 9 ◯都市局長(宮原晃樹君) 静岡駅南口駅前広場再整備の方向性と今後の取組についてですが、南口駅前広場は、一般車やバス、タクシーの輻輳による交通混雑などの課題があることから、広場の拡張を含めた再整備の検討を進めてきました。しかし、駿河区の玄関口であり、駅前の一等地のため用地費が高額となることや、地権者も土地活用に対する強い意向を持たれていることから、協議が長期化しておりました。  このため、現在は直接買収の手法に加え土地区画整理の手法で用地を確保することも検討しております。さらに、限られた駅前の土地を有効活用するため、例えば、民間建築物の1階の一部にバスやタクシーの乗降場を配置するなどの立体化を可能とする制度の活用など、官民が連携した土地の高度利用について地権者と協議を進めております。  今後は、これまでの検討内容を踏まえ駅前広場整備基本計画案を作成し、地権者との合意に向け協議を進めてまいります。   〔18番宮城展代君登壇〕 10 ◯18番(宮城展代君) 3回目は意見・要望です。  ポストコロナの社会についてですが、ポストコロナの社会は、ウィズコロナ時代を生きていくことになると思われます。現在でも新型コロナウイルス感染者の自宅への嫌がらせ、SNSでの中傷行為のニュースが後を絶たず、二重の苦しみを受けています。今後PCR検査が受けやすくなり、陽性者も増えていく中で、まだしばらくは感染者やその家族への差別や風評被害が続くのではないでしょうか。  市役所は今こそこれらのことに真剣に取り組み、差別のない社会を築くことが急務と考えます。パワハラ、セクハラ、いじめ等で苦しんでいる人々の悩みの根源は多岐にわたるので、役所のそれぞれの分野の縦割りではなく、人権に関する総合的な教育事業普及事業等を行う部署が必要です。全国にある20の政令指定都市で人権啓発センターなるものがないのは静岡市だけです。ぜひSDGsの推進をうたっている本市にも設置していただきたいと思います。  次は子育て世帯へのサポート事業についてです。  今多くの家庭が核家族で、両親共に働き、あるいは、ひとり親家庭での子育てをしています。また、コロナ禍で親も子供も思うように行動ができず、それぞれに問題を抱えているかもしれません。こんなときこそそれぞれに寄り添い、頼りになる市役所であってほしいと思います。そして、その子育て事業を保育という現場で支えてくれている保育士への支援や処遇にももう一段の御配慮を頂き、保育の質を上げていただきたいと思います。  最後は、静岡駅南口駅前広場再整備についてです。  本日の答弁から、歩みは小さくても前に進めていること、また、発想に柔軟性を持たせ、様々な可能性を模索して実現に向けて努力していただいていることが分かりました。次の段階では、駅前広場整備基本計画案を作成し、協議が少しでも前に進むことを要望します。  以上で今回の私の全ての質問を終了します。ありがとうございます。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 11 ◯議長(繁田和三君) 次に、杉本 護君。   〔12番杉本 護君登壇〕 12 ◯12番(杉本 護君) 日本共産党の杉本 護です。  通告に従って質問します。  初めに、中小企業・小規模企業の支援についてです。  昨年10月の消費税10%への増税で景気が落ち込んだところ、新型コロナに襲われ、中小企業・小規模企業は二重の打撃を受けています。このような中で本市はこの間、中小企業や小規模企業の支援として、休業要請への協力金やエールと名づけた支援事業、GoToしずおかキャンペーンやIT活用支援などを行い、無利子融資を実現する利子補給、そして、経営相談窓口の強化を行っています。こうした支援策は、そのときの経済情勢や先の見通し、中小業者の経営実態などを把握し、分析して策定したものと思います。  そこで、質問します。どのような情勢判断の下、これまで中小企業や小規模企業への支援を行ってきたのか、伺います。  さて、新型コロナ感染症は拡大と縮小を繰り返し、予断を許さない状況が続いています。また、本市の経済見通しは、昨日の答弁で、回復には一定の時間を要し、依然厳しい状況が続くと述べています。こうした中、9月の補正でGoToキャンペーンの継続、新規にモバイル決済サービスを活用した地元消費拡大促進事業やBCPの策定と実施を支援する中小企業等業務継続強化支援事業などが提案されています。  そこで、質問します。これまでの支援策の進捗状況や効果に対してどのような評価を行い、この9月補正の事業につながっているのか、伺います。  次に、文化・芸術活動への支援についてです。  ドイツではコロナ危機の下、文化・芸術活動について、アーティストは今生きるために必要不可欠な存在だと述べ、世界が注目するような支援を行っています。これはドイツの人々は、戦時中の反省から、文化や芸術を受動的に鑑賞するだけではなく、文化・芸術を通して自分と違うものの見方に接し、主体的に考える力を養うべき、こうした思想があるからだと思います。  本市は5大構想の1つとして、まちは劇場を推進しています。このまちは劇場の目的について、本市はわくわくドキドキがあふれるまちづくりとして多様なモノ・コトをつなげ、人間的なスケールで生き生きとした安全で健康的なまちを目指すとしています。その活動の中心には、間違いなくアーティストの存在があります。  そこで、質問です。自治体の施策として文化・芸術活動を推進する意義についてどのように考えているのか、伺います。  次に、少人数学級の実現についてです。  今年の3月から5月にかけ、新型コロナの影響で学校が2か月近く休校になりました。この2か月の休校は家庭で窮屈な生活を強いられ、学校再開後も子供たちに様々な影響を与えています。学校では感染予防のために、マスクを着用するだけではなく、友達とくっついてはいけない、大声を出してはいけない、同じものを一緒に使わない、給食中は前を向き、おしゃべり禁止など、今まで当たり前にできていたことが制約され、精神的にもストレスが増しているはずです。  また、教師も授業以外に感染予防のため教室の机や椅子、階段の手すり、掃除用具や体育の器具などを消毒するため、忙しさを増しているとのことです。また、全国では学校再開後、登校したがらない子供たちが出てきて、新たな問題となっています。  そこで、3点質問します。  1つは、学校の長期臨時休校後、小中学校の子供たちの心の状況はどうなっているのか。  2つ目に、子供たちの感染予防のため、学校はどのように取り組んでいるのか。  3つ目は、感染予防による消毒作業が教職員への負担となっていますが、教育委員会はこの点にどのような認識を持っているのか。  以上伺って、1回目とします。 13 ◯経済局長(加納弘敏君) 中小企業支援についての2点の質問にお答えいたします。  まず、これまで行ってきた支援策についてですが、本市では次の2つの視点を持って取組を行ってまいりました。  1つは、感染拡大期における事業継続です。  まずは、業種を問わず売上げが一定程度減少する事業者について、資金繰りを支援するため実質的な無利子化を図る新たな利子補給制度を創設しました。また、雇用を維持するため、事業者が専門家へ雇用調整助成金の申請手続を依頼する際の助成を行いました。さらには、外出自粛や休業要請等により市内での経済活動が縮小し、売上が減少する事業者が幅広い業種で見られたことから、全ての業種を対象としてエール静岡事業者応援金を交付しました。  2つ目は、経済回復に向けた経営基盤の強化と消費拡大です。  このための施策としては、緊急事態宣言等により停滞した経済活動を立て直すため、製造業者が展示会出展などの販路拡大を行う際の助成による経営基盤の強化や、商店街や商業者グループなどが新しい生活様式に沿ったイベントの実施やクーポン券を発行する際の助成を行うことによる市内での消費の拡大を図ってきたところです。  次に、これまでの支援策の評価と9月補正の事業についてですが、資金繰り支援につきましては、国、県、市が金融機関の協力とともに様々な融資制度を積極的に実施したことで当面の資金手当てが進み、資金調達の動きは一旦落ち着きつつあると判断しています。  また、オンライン化やIT化への支援につきましては、コロナ禍を経て新しい生活様式が浸透する中、3密や接触の回避が引き続き求められることから、オンライン商談に向けての支援を新たに事業立てするとともに、4月補正予算で実施したIT活用事業臨時補助金を拡充することといたしました。  さらに、市内での消費の回復・拡大につきましては、商業者の取組を軸にした支援を実施してまいりましたが、市内消費のさらなる拡大を図るため、市民の皆さんの消費行動に直接働きかけるモバイル決済サービスを活用した地元消費拡大促進事業を実施いたします。加えて、今後の感染症拡大に備えるため、BCP策定による業務継続の強化に向けた事業や首都圏から地方への人や仕事の流れを本市に取り込むため、市内シェアオフィス入居への助成などを行うこととしています。  これらの事業を通じ本市経済の回復に向けた支援を進めてまいります。 14 ◯観光交流文化局長(大石貴生君) 自治体施策としての文化・芸術活動を推進する意義についてですが、本市における文化政策は、平成28年3月に制定した文化振興の理念等を掲げた条例であります、静岡市創造及び交流によりまちの活力を生み出す文化の振興に関する条例を基本として施策を推進しております。  この条例では、市民、文化団体、事業者、教育機関、そして市が互いに連携しながら本市の多彩な文化の調和、創造、発展を進め、文化の力により市民一人一人の生活の質を高めるとともに、まちににぎわいを生み出すことで活力ある文化都市として求心力の高いまちの実現を目指しております。
     コロナ禍ではありますが、人と人とのつながりが不安定な今だからこそ心の豊かさや安らぎをもたらす文化・芸術の役割が大変重要であり、このような状況下においても文化・芸術活動が継続できる支援をしていく必要があると考えております。 15 ◯教育局長(仁藤 治君) 頂いた御質問3点についてお答えいたします。  まず、小中学校の子供たち、児童生徒の心の状況についてですが、臨時休業などの影響を把握するため本年7月、全小中学生を対象にアンケート調査を実施しました。その結果、臨時休業中に生活リズムが崩れてしまったと回答した児童生徒が約17%、何となく落ち着かないと回答した者が約12%いるなど、生活の乱れや不安な気持ちを訴える児童生徒がおり、臨時休業や感染症の拡大が一定の影響を与えていることを確認しました。  このような児童生徒の心のケアをするためには、本人自身も気づかぬうちに今までにない負担を感じていることを本人も含め保護者や教職員が認識するとともに、ストレス反応の表れ方や対応方法を理解することが重要となります。そこで、児童生徒、保護者、教職員それぞれに向けてのリーフレットを作成し、アンケート結果の実態を紹介しながら、不安があるときの体調の変化は誰にでもあり得る自然なことと受け止めて、身近な大人に相談するなど、具体的なストレスへの向き合い方を示し、互いに協力してストレスのケアに当たれるように支援しています。  次に、学校における感染予防のための取組についてですが、本市では学校における新しい生活様式の標準マニュアルを示しています。各学校では、これを基に学校規模や所在地などの実情を踏まえたマニュアルを作成し、基本的な衛生管理の徹底と3密の回避に取り組んでいます。具体的には、子供たちの健康状態の把握や手洗いの励行、清掃による清潔な環境づくりなどの衛生管理を行っています。また、3密の回避のため教室内では常時換気を行い、子供たちの間隔を1メートル確保した座席配置とするとともに、熱中症に留意しながら子供たちにマスクを着用させるなど、感染予防に取り組んでいます。  3点目ですが、感染予防による消毒作業の負担についてですが、本市としましては、消毒作業が教職員にとって過度な負担にならないよう努めております。これまでも文部科学省の作成した衛生管理マニュアルを踏まえ、市としてのマニュアルを作成して消毒作業の標準を定め、学校の実態に合わせて運用してよいこととしてまいりました。  また、本年8月6日付で文部科学省がこのマニュアルを改定し、通常の清掃活動の中にポイントを絞って消毒の効果を取り入れることなど、消毒作業を簡素化できることとなり、そこで、市の標準を更新し、夏休み明けからふだんの清掃活動の中で十分な効果を上げるため、大勢がよく手を触れる箇所を重点的に消毒するなど、さらなる負担軽減に努めております。  今後も引き続き学校訪問等を通して実態把握に努めてまいります。   〔12番杉本 護君登壇〕 16 ◯12番(杉本 護君) それでは、2回目です。  まず、中小企業・小規模企業への支援についてですが、先ほどの答弁で、現在の情勢判断として、資金繰りは一定落ち着きつつあるとの判断の下で、事業者への給付よりは消費意欲を高めるための政策が重要との考えが示されたと思います。私も個人の消費の落ち込みへの対策は大変重要と考えています。しかし、そうした対策が小規模事業者まで行き渡るには一定の時間がかかります。それまで持ちこたえるためにも、やはり直接的な支援が必要ではないでしょうか。  本市が新型コロナ対策として行った事業に、先ほども言いましたが、全業種を対象としたエール静岡事業者応援金や観光関連事業者を対象としたエール静岡観光事業支援金があります。しかし、どちらも条件があって、例えば、前年売上げ360万円未満は対象外など対象から外された事業者がいます。  進捗状況を見ますと、エール静岡事業者応援金は対象業者の約3割、予算で言うと3分の1程度の執行です。エール静岡観光事業支援金は予算の約4割の執行にとどまっています。つまり支援に用意した予算が大幅に残っているということになります。エールと名づけ、経営の厳しい事業者を応援するための事業ですが、前年の売上げの基準や売上げの減少率、そして、その減少を比較した、売上げの比較をした月などの制度設計など、支援すべき事業者との間で条件のミスマッチがあったのではないでしょうか。依然として厳しい経営環境が続く中、支援の手が届かない事業者があってはなりません。  そこで、質問します。事業者に対する給付事業についてですが、エール静岡事業者応援金とエール静岡観光事業支援金について給付状況をどのように評価しているのか。また、今後の支援策についてはどのように考えているのか、それぞれお答えください。  次に、文化・芸術活動についてです。新型コロナの感染拡大は文化・芸術活動に大きな障害となり、今年度は大道芸ワールドカップをはじめ、ほとんどのイベントが中止となり、パフォーマーやアーティストは事実上、発表の場や仕事の場を失っています。また、コンサートやライブ、演劇なども公演が中止となり、再開できても集客数の制限を余儀なくされ、収益性が悪化しています。  市民文化会館を利用した文化団体から、会館を利用した後、何百席もの座席を消毒するため利用時間を通常より30分多めにする。そのため会館使用料やスタッフの負担が増えているとの声も挙がっています。  文化の振興に関する条例を持ち、まちは劇場を重要施策と位置づける本市としては、こうした状況の下で文化・芸術活動への支援を国、県とも連携し、強力に行っていく必要があると考えます。  そこで、質問です。コロナ禍の下で文化・芸術活動に対する支援策が行われていますが、その支援の状況、効果、今後の対策についてどのように考えているのか、伺います。  次に、少人数学級の実現についてです。  現場の教職員からは、2か月間休校して十分な時間が取れない中、文科省や教育委員会からは、年間授業時間の確保、あるいは教科書のやり残しを出さないようになどの指導があり大変との声が挙がっています。最近は少し柔軟な指導になったと聞いてはいますが、不安定になっている子供たちの様子を見ながら、この2か月間のブランクをどのように埋めていくかが1つの課題です。  そこで、質問します。長期休業で遅れた授業をどのような形で取り戻していくのか。また、特に休業期間の影響で勉強の定着が進んでいない子供たちをどうやってフォローするのか、伺います。  学校生活の中で、子供たちが全く触れ合わないようにするのは現実的に無理があります。むしろ様々な場面で触れ合いながら成長するのが学校生活です。そうした中で最も長い時間、密接になるのが教室です。3密を避けるために、標準的な教室の場合、先ほど1メートルと言っていましたが、机と机を1メートル空けようとしたら20人ぐらいが限界といいます。  本市は1クラス25人の下限を撤廃したことで35人を超えるクラスはなく、少人数学級に取り組んでいることには敬意を表したいと思います。しかし、まだ20人をはるかに超えるクラスもあり、それでは十分な感染予防対策にならないのではないでしょうか。そして、分散登校を経験した中学の教員からは、分散登校自体は大変だったが、20人程度のクラスだといつもより丁寧に指導ができた、子供たちも集中できて理解が早く感じたなどの声が聞かれました。  そこで、質問します。少人数学級を実現すれば3密や子供たちの心的ストレスが解消され、子供も教員もゆとりを持った学校生活を送ることができると思います。今後の少人数学級について市はどのように考えているのか。  以上伺って、2回目とします。 17 ◯経済局長(加納弘敏君) エール静岡事業者応援金の給付状況に関する評価と今後の支援策についてですが、本事業は新型コロナウイルス感染症の拡大期において、当時の経済状況とさらなる影響拡大の可能性を考慮し創設いたしました。制度設計の際には、業種を特定せず幅広い業種の事業者を支援するため、景気の動向や経済センサス等の統計情報を基に多くの事業者数を見積もったところです。  給付状況は想定の3分の1程度の給付件数になる見込みですが、対象事業者からは、市として応援金という制度をつくってくれてありがたいといった声も頂き、感染拡大に伴う外出自粛要請等の影響が特に大きい事業者にエールを送るという応援金の目的は達成できたものと考えております。  今後は感染拡大防止対策を図りながら、消費の回復を促す消費喚起施策や事業者の経営基盤強化に向けた支援策などを進めてまいります。 18 ◯観光交流文化局長(大石貴生君) 2点の御質問にお答えします。  まず、エール静岡観光事業支援金の給付状況に関する評価と今後の支援策についてですが、本事業の実施に当たっては、業界団体の皆様方にも御協力を頂きながら、コロナ禍における市内観光関連事業者の実情に沿った制度となるよう支給要件の設定等を行ったほか、積極的な周知活動も行ってまいりました。  結果として、想定に対して4割程度の給付件数となりましたが、これは制度設計の段階において支援の手が及ばぬことのないよう、対象事業者を幅広く見積もったことによるものと考えております。支援金を給付した事業者からは、事業収入や国からの支援の見通しが不透明な中、速やかに給付され、ありがたかったといった声も頂いており、著しい経済打撃を被った観光事業者を支援するという制度目的は達成できたものと評価しております。  今後は、国等による観光誘客施策が実施されていることも踏まえ、観光消費の拡大を支援する取組や教育旅行などの新たな観光需要を掘り起こす取組を段階的に進めることにより、地域経済全体を潤すような施策を実施していくことが必要であると考えております。  次に、文化・芸術活動に対する支援の状況と効果及び対策についてですが、本市ではいち早くパフォーミングアーツ発信事業を6月から開始し、プロのアーティストの活動を支援するとともに、市民の皆さんにエールを届けるため動画作品をウェブで配信しております。9月23日現在、75件の配信、3万4,000件を超える閲覧がされており、アーティストからは、表現する活動の場ができた、まちは劇場を推進する静岡市に住んでいることを誇りに思うなどの声が寄せられております。  また、プロに限らず市民文化会館などの比較的大規模なホール等を利用し文化・芸術活動を実施する市民の方には、施設使用料の半額助成を6月から開始しており、施設の利用状況を昨年同月と比較しますと、6月は1割程度の利用でしたが、7月は3割、8月は5割と、利用が徐々に回復しております。併せて、市内において美術展覧会や舞台公演などの文化イベントを開催するための活動経費に対する助成事業についても、これまでの採択要件を緩和して10月末まで助成金の申請を受け付けております。  今後の対策につきましては、これらの事業効果や国、県の取組を踏まえ、コロナの感染拡大の状況を注視しながら段階的な支援策を検討していきたいと考えおります。 19 ◯教育局長(仁藤 治君) 長期休業で遅れた授業をどうやって取り戻すのか、また、勉強の定着が進んでいない子へのフォローについてですが、本市としましては、学校再開に当たり今年度のうちに学習すべき内容は全ての学年で漏れなく指導していきたいと考えています。  そのため、市としての指針を示し、各学校において必要な学校行事は実施しながらも、一部を見直したり夏休みの短縮などを行い授業時間を確保しております。また、小学校3年生の地域を知る社会科の学習と地域のすばらしさを発見する総合的な学習の時間の一部を合わせて学習するなど、カリキュラムや授業の進め方を見直し、時間を節約して全ての内容を履修できるよう工夫しています。  学習の定着に不安を感じている子供のフォローには、民間事業者の手も借りながら、希望に応じて休業期間中の学習内容を中心に補充学習を行う事業を実施しております。具体的には、小学5、6年生に算数を、中学生全学年に数学と英語を授業時間外に勉強する機会を設けてサポートしています。  次に、今後の少人数学級の考え方についてですが、本市は令和2年度から静岡市型35人学級編制を完全実施しており、現時点においては、この取組で着実な効果を出すことを目指しております。特に本年度4月から1クラスの人数が25人以下にならないという学級編制の下限を撤廃したことで、よりきめ細かな少人数指導が可能となりました。まずはこの効果を十分に把握して、子供の学習環境がどれだけ改善しているかを見極めることが重要と考えております。  さらなる少人数指導体制については、国の動きにも注視し、より効果的な子供の学習指導体制の充実や教員の負担軽減を図るため学級編制基準の見直しも引き続き要望してまいります。   〔12番杉本 護君登壇〕 20 ◯12番(杉本 護君) 3回目は意見・要望です。  まず、中小企業・小規模企業の支援ですが、先ほどの答弁で、事業者からありがたいとの声があると言っていましたが、支給条件に当てはまったら、ありがたいと言うに決まっているんですよね。私が言っているのは、そうした条件に当てはまらない、支給されていない方に対してどうするかということを言っているわけです。  6月議会でも言いましたけれども、小さな事業者ほど返す当てがない融資は受けられないんです。例えば、前年売上が350万円の事業者は対象になっていないんですね。観光のほうで言えば、45%の減少で対象から外れているんです。こういったところで手が届いていない方がいるということを、まず分かっていただきたい。  ですから、エール静岡事業者応援金やエール静岡観光事業支援金は予算が残っているわけですから、これを使って支援していくと。そういう意味では条件を変更して活用していっていただきたいと思います。そのことを求めます。  次に、文化・芸術活動の支援では国の予算の拡充が求められます。しかし、本市としては、今行っているホールなどの施設使用料、先ほど答弁ありましたけれども、助成対象を300人以上収容可能な大きなホールから、七間町のMIRAIEや生涯学習交流館、…… 21 ◯議長(繁田和三君) あと1分です。 22 ◯12番(杉本 護君)(続) ライブハウスなど、小規模の会場も対象にして、プロもアマも活用できるように検討することを求めたいと思います。  最後に、少人数学級の実現についてですが、現在、政府もいよいよ少人数学級について文書にもし、前向きな発言をされています。その流れをつくっていくのはこの静岡市というような気概を持って、ぜひ地方からつくっていくという気概を持って取り組んでいただきたいと思っています。  少人数学級にするには、当然、教職員を増やしたり、あるいは教室を増やすというふうに予算も必要です。しかし、子供たちや教職員が安全に過ごし、そしてゆとりを持った教育環境につながっていくと思います。国にも財政措置を求めつつ積極的な検討をお願いして質問を終わります。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 23 ◯議長(繁田和三君) 次に、寺澤 潤君。   〔9番寺澤 潤君登壇〕 24 ◯9番(寺澤 潤君) 通告に従い質問いたします。  大項目の1番目として、(仮称)駿河学びのまちづくりグランドデザイン策定事業についてであります。  これは5大構想として位置づける静岡市の副都心、草薙・東静岡地区における新たなグランドデザインの策定でありますが、昨年6月議会でも質問した際に、市長からもこのエリアにかける熱い思いを聞きましたし、企画局長からも実際にまちづくりの担い手となっている皆さんとも意見交換しながら整合を図る形で検討を進めていく旨の答弁がありました。私としても地元の議員としてグランドデザイン策定には大いに期待しているところであります。  お手元に配りましたが、去る8月15日の静岡新聞朝刊に、草薙・東静岡地区で学びをテーマに長期構想を策定すると書かれておりました。この記事を拝見し、本市がこの両地区にかける思いでグランドデザインを策定する覚悟を感じた次第でございます。  この草薙・東静岡地区は、皆様御存じのとおり、まさに次代の主役である若者や子供たちに魅力あるまち、時代の流れを捉えた都市空間ができつつあると思います。当然よき伝統は残すものの、新しい概念で次代へつながるまちに変えるため、今まで築いてきた成果を種として大きな花を咲かせるためには、一層飛躍ができる実のあるグランドデザインを策定する必要があります。  特に、文教エリアとして力を注いできた草薙地区は、教育文化の拠点づくりが進む中で、人口増加など新たな効果などが出ております。昨年7月には、草薙駅南北ロータリーも完成し、今後は北口周辺地区の整備も進む中、都市再生推進法人であるまちづくり団体草薙カルテッドを中心に、住民主体の新たなまちづくりが展開されております。先日は駅南口のメインストリートを活用し、まちなかオープンテラスも行われるなど、コロナ禍でも新たな取組でまちの活性化を図っております。  新型コロナウイルス感染症による閉塞感が漂う中、アフターコロナを見据え、東京一極集中の限界により首都圏から地方へ分散が進む可能性が高く、受入側の体制や環境整備が急がれます。それには、副都心であるこの両地区が主な拠点として、首都圏の方々が地方へ移住したいと思う魅力的な都市空間の創造に向けて戦略的に進めることだと思います。  その未来型へ向けたアクションの1つがこのグランドデザイン策定事業だと思いますが、一定の効果が出ているこの両地区だからこそ、それを成熟させるため、方向性や狙いについてしっかり煮詰めていかなければ、今まで築いた実績や成果が反映されない懸念があります。  この事業を進めるに当たり、去る8月に検討会が開催されたと聞いております。まちづくりや文化、教育の専門家、さらに市民公募などで集まった11名の委員が集い、草薙駅周辺まちづくり検討会議の座長である工学院大学教授の遠藤 新氏が検討会議の会長となり、本市が目指すエリアの姿である、学びに親しみ、暮らしを楽しむ草薙・東静岡地区をベースに議論されましたが、委員からは特徴の違う両地区が一体となったグランドデザインをどう策定していくのか、本市側が考える具体像を求める意見が出ていたと聞きました。  同じ雰囲気を醸し出す両地区でありますが、実際はまちづくりや特徴に違いが多く、まちづくりの中身を見ても、草薙地区では先ほど述べたような地元住民主体、東静岡地区では行政主導でハード面の整備が進行中という現状であります。両地区がそれぞれ持つポテンシャルが生かされなければ、この策定事業の意義が薄れると思います。しっかりと進めていくため、今後の進め方や狙いについて確認していく必要がありますので、ここで当局の考えを伺いたいと思います。  まず、1点目として、今まで成果を上げてきた草薙地区でのまちづくりの取組をどのように認識されているのか、お答えください。  その上で、2点目として、草薙・東静岡地区副都心のまちづくりにおいて新たなグランドデザイン策定の狙いは何か、お答えください。  また、特に取組の成果が現れている草薙地区では、今回の動きに対して東静岡地区と一体で進めることが果たしてよいのか少し疑問を感じる方もおりますし、また、東静岡と草薙では目指す方向性にも多少違いがあると思いますが、そうした点をどのように整合していくのか、伺います。  3点目として、新たなグランドデザインは取組が進む草薙地区のまちづくりと整合が図れるのか、お答えください。  最後に、東静岡地区での動きについて質問します。  東静岡では駅北口に本市が掲げるアリーナ構想があり、昨年度末に、交流人口増加や地域経済の活性化に大きな基軸となる可能性があるとして、現在、建設地として本格的な検討が進められております。一方、駅南口には県が進める文化の拠点づくり構想があり、草薙地区にある県立中央図書館を移転新築することが進められておりますが、現状、構想の中身には多くの課題があると感じております。  このグランドデザイン策定でも、アリーナ構想と県が進める構想の整合性が必要であります。我が自民党市議団では昨年から自民党県議団との検討会を行い、このエリアで県、市の連携が効果的に図れるように、様々なアイデアを用いて議論しております。両地区に新たな可能性を、東静岡に新たな可能性を生み出すためには、県市連携の強化が必要だと思いますが、本市はどのように考えるのか、伺います。  4点目として、東静岡地区での新たなグランドデザイン策定において県との連携をどのように図るのか、お答えください。  以上、1回目とします。 25 ◯政策官(前田誠彦君) (仮称)駿河学びのまちづくりグランドデザイン策定事業に係る4点の御質問についてお答えいたします。  まず、草薙地区での取組をどのように認識しているのかについてですが、草薙地区では、都市再生推進法人草薙カルテッドを中心に、駅南北の駅前広場などを活用したにぎわいづくりや学生と交流しながらまちづくりの社会実験を行うまちづくりインターンシップなどが行われております。  また、議員からも御案内がありましたように、コロナ禍においても安心してまちに出かけて、楽しんだり買物ができる場として、まちなかオープンテラスが地元自治会や商店会の皆さんの手によって行われるなど、まさに本市のまちづくりの模範となり、全国にも誇れる先進的な取組が実施されているものと認識しております。  次に、グランドデザイン策定の狙いについてですが、静岡、清水2つの都心の中間に位置する草薙・東静岡地区においては、当該地区における教育機関等の集積や都心エリアに残る貴重な市有地を最大限に生かしたまちづくりを進めております。今回このグランドデザインを策定することで、学びをキーワードとした今後のまちづくりを加速し、地域全体の持続的な発展につなげることを狙いとしております。  今後は、およそ20年先のまちづくりにおいて関係者間で共有すべき価値観、目標、方向性をグランドデザインに示すことで、草薙地区、東静岡地区それぞれの特徴を生かしたまちづくりに向けて、関連する事業や取組につなげていくことを目指してまいります。  次に、グランドデザインと草薙地区のまちづくりとの整合についてですが、グランドデザインの検討に当たっては、草薙カルテッドの活動の基礎となり草薙地区のまちづくりの目標と思いを示す、平成27年1月に策定された草薙駅周辺まちづくりビジョンを踏まえて進めております。そして、グランドデザイン検討会の委員に草薙カルテッドの代表や県立大学、常葉大学の教員、学生など地区の皆さんに加わっていただいております。検討会において草薙地区の今後の展望やグランドデザインへの御意見を頂き、まちづくりとの整合を図ってまいりたいと思います。  最後に、東静岡地区における県との連携についてですが、県が平成27年3月に策定した、ふじのくにの文化力を活かした地域づくり基本構想を踏まえ、連携を意識して検討を進めているところです。  さらに、本年5月、東静岡駅周辺地区でのまちづくりにおいて、本市と県が連携した効果的な取組を推進するため、本市企画局と静岡県のスポーツ・文化観光部などによる東静岡駅周辺地区整備に係る県・市連絡調整会議を設置いたしました。この会議では、東静岡駅周辺地区に関連する相互の施策、取組等に係る情報共有を行うほか、駅南北での整備などについて連携することで魅力的なまちになるよう協議、調整を行っております。  今後もこの会議を通じた連携、協力の下に、東静岡地区のにぎわい創出に向けた協議等を進め、この成果をグランドデザインに生かしてまいります。   〔9番寺澤 潤君登壇〕 26 ◯9番(寺澤 潤君) それでは、2回目に入ります。  大項目の2番目として、各種選挙へ向けた投票率向上の取組についてであります。  皆さんも御存じのとおり、今後、各種選挙が予定されております。現在、衆議院の解散総選挙も予想される中、来年3月には私どもの市議会議員選挙、夏頃には県知事選挙、そして清水区では県議の補欠選挙、また再来年には参議院議員選挙、そして、その次の年には統一地方選挙と、毎年のように有権者へ民意を問う選挙が予定されております。  現在、新型コロナウイルス感染症の影響により、各自治体で行われる選挙事務もコロナ対策に苦労していると聞いており、投票率にも影響が出ております。本年4月に実施された衆議院議員静岡4区補欠選挙におきましては、コロナ感染が拡大した最中とあって、投票率は同選挙区で歴代最低の34.12%、清水区だけでも36.8%という結果は残念でなりません。  コロナ禍に限らず昨今の各種選挙では投票率が低下傾向にあります。例えば、我々の市議選については、ここ3回連続で平均5%以上の減少となっており、議会の役割や活動が十分に伝わらず、中には民意を得ていないと厳しく指摘する市民もおります。  投票率低下については、我々政治に携わる人間の責任で、もっと市民の皆様へ伝えていく努力が必要だと思います。しかし、市議会議員選挙は大型選挙と違い、メディアの注目をあまり浴びることもなく、我々議員の自助努力だけでは限界もあります。そこには議会と車の両輪である行政当局において、いかに投票率を向上させるか、共に変えていく責任を共有するべきと思います。しかし、現状は効果的な動きはなく、投票率は低下する一方であり、新たな取組を実施しなければ投票率のさらなる低下は避けられません。  コロナ禍での現状は、感染症対策をはじめ、有権者が安心して投票できる環境を整備するなど、きめ細かい対応が求められます。先般の静岡4区補欠選挙において大型バスによる移動式期日前投票を行ったことは、課題が多かったと聞いていますが、取組自体は画期的であったと思いますし、評価したいと思います。  市民からは、今よりもっと身近な場所に投票所が設置されれば投票所へ足を運びやすいとの意見が寄せられますし、コンパクトシティを推進する時代、投票環境も身近に感じる場所へ設置するべきだと感じます。  本市には葵区に69か所、清水区に79か所の投票所があります。これは全国の政令市の行政区の中で1番目、2番目に多いと聞いております。しかし、広大な面積を持つ本市では、投票所が多いことは必然でありますし、各地域で細かく設置されていると見えますが、学区が広い地域、特にベッドタウンと言われる、人口が集中する地域では意外と投票所までの距離があり、高齢化社会が進む中、不便を感じて投票に行かない有権者も多いと聞いております。投票所数は長年、現状維持であることはそろそろ考え直す時期なのかなと思います。  どの事業でもそうですが、課題解決で何かを変えなければ対策の効果は現れません。そうした中、私としては一定の効果が出ている期日前投票所の増設が取り組むべき課題かなと思います。私が住む清水区では、期日前投票所は各区役所と山間部の一部地域が中心となっております。しかし、投票率が低下傾向である都市部や住宅街地域では、今までも何度か投票所設置の改善要望があったにもかかわらず実現しておりません。  私の地元有度地区は有権者が約3万人おりますが、投票率は清水区内でも最低の記録を出すことが多く、地域住民からは期日前投票所が地元にあるだけでもいいという声も聞きます。他自治体では商業施設に設置したりする例もあります。現状、投票システム導入などの課題について、地元の生涯学習交流館などの公共施設では可能だと思いますが、当局の見解を求めます。  1点目として、コロナ禍における選挙執行の課題と投票率向上への新たな取組についてどのようにお考えか、お答えください。  2点目として、期日前投票所の設置及び拡充についてどのように対応するのか、御答弁をお願いしたいと思います。  そして、若年層の投票率が問題となっております。前回の市議会議員選挙でも10代及び20代の投票率が低くなっていることは大きな課題だと考えております。選挙活動に携わる人間自体の年齢層の高さも原因かと思いますが、令和時代となり、若者と言える世代へ選挙意識を持たせる取組が急務となっておりますが、残念ながら目に見える成果は出ていないと思います。  若者への選挙啓発には、福井県福井市や奈良県天理市で大学に相談窓口を設置、あるいは投票所の設置を行っているなど、若者の身近で選挙の存在意識を高めることが必要だと思いますが、現状、本市がどのように捉えて、今後どのような取組を展開するのか、お聞かせください。  3点目として、若年層の投票率向上について今後どのような取組を行っていくのか、お答えください。  以上、2回目です。 27 ◯選挙管理委員会事務局長(草分裕美君) 各種選挙に向けた投票率向上の取組についての3つの質問にお答えいたします。
     まず、コロナ禍における選挙の執行の課題は、投開票における選挙人及び事務従事者の安全を確保し、選挙人に安心して投票に来ていただく対策を取る難しさがあることです。  本年4月26日の衆議院議員補欠選挙は、全国に緊急事態宣言が発令された緊迫した状況の中で執行されました。その中でも、本市初となる大型バスでの移動期日前投票所の設置など、期日前投票所の拡充により3密を回避した投票機会の確保や、投票所等での消毒の徹底などにより感染症対策を十分に行ったため、選挙人からも安心して投票できたという評価を頂くことができました。  しかし、移動期日前投票所では、雨天時の対応や専用回線を用いた期日前投票システムが使えない環境で選挙人の待ち時間が長くなるなどの新たな課題も明らかになりました。今後予定される選挙については、今回の対策を生かすとともに、課題を検証し、より安心していただける体制で執行してまいります。  次に、期日前投票所の増設等の拡充についてですが、選挙人の投票機会の確保のため、一部の期日前投票所の開設期間及び時間の延長を実施していきたいと考えております。期日前投票所の設置については、専用回線を用いた期日前投票システムを設置でき、投票の秘密を確保できるなどの条件を満たす施設が必要です。増設に当たっては、これらの条件と全市的な投票所の配置状況及び地域の実情を踏まえた上で早急に検討しなければならないと考えています。  次に、若年層の投票率向上について、今後の取組ですが、平成29年3月26日に執行した静岡市議会議員選挙の投票率は全体で41.2%でした。しかし、10代の投票率が29.2%、20代が20.4%と、全体の投票率を大きく下回る状況でした。このような状況を踏まえ、若年層の投票率を向上させていくためには、選挙に対する意識を高め、投票行動に結びつけていく継続的な取組と選挙への投票参加を呼びかける選挙時の取組が必要です。  継続的な取組として、高校生や大学生が企画・編集に携わる選挙啓発パンフレットを作成しており、令和2年度は1月頃に市内全ての高校に配布する予定です。このほか高校での出前講座や模擬選挙を充実させていきます。また、新たな取組として大学生とともに選挙を考えるワークショップを実施し、大学生から同世代への情報発信を計画しています。  選挙時の取組として、本市では1票の大切さを身をもって実感してもらう高校生の選挙事務従事を平成21年から全国に先駆けて実施しております。令和元年7月までの13回の選挙で市内29校、延べ2,104人の生徒が参加しました。このほかには、若年層の利用率が高いインスタグラムやツイッター等を活用して新たな情報発信を実施し、投票参加を呼びかけます。  今後も若年層の投票率向上に向けた選挙啓発に積極的に取り組んでまいります。   〔9番寺澤 潤君登壇〕 28 ◯9番(寺澤 潤君) 3回目は意見・要望になります。  まず、(仮称)駿河学びのまちづくりグランドデザイン策定事業であります。  御答弁で両地区がそれぞれ持つ特徴の具体化に合わせたグランドデザイン策定に向かうとの認識を理解しました。今回の質問で言いたかったのは、単に目標や理念で終わることなく、中身が伴った価値の高いものにしなければ、両地区の未来も中途半端なものになってしまうと感じたからです。どんな事業でも、理想を大きく語ることも大切ですが、そこには方向性と具体性ががっちりと固まらなければ行政側の自己満足で終わってしまう可能性もあります。  両地区は市全体の持続的な発展を牽引するまちであります。その優良品をより売り出していくためには今回のグランドデザイン策定事業は極めて重要であり、失敗は許されません。ぜひ新しい価値観を持ったライフスタイルを実現できるまち、草薙、東静岡が持つポテンシャルを生かしながら地元住民やまちづくり団体と連携し、実行性のあるグランドデザイン策定を強く求めます。  なお、草薙と東静岡の連携があまりない事実もございます。こういったグランドデザイン策定には両地区のさらなる連携も当局で図っていただくことも申し上げておきます。  各選挙へ向けた投票率向上の取組についてです。  期日前投票所の増設等の拡充については、投票システム設置条件の整備など、また、地域の実情を踏まえて早期に検討するとの答弁でした。 29 ◯議長(繁田和三君) あと1分です。 30 ◯9番(寺澤 潤君)(続) ぜひ実現に向けて早急な整備の検討をお願いしたいと思います。もちろんこれだけで投票率が向上するとは限りません。今まで言ってきた課題をしっかりとクリアしながら、また、特に選挙啓発についても戦略広報で伝える努力から伝わる努力を行うような形で、ぜひその言葉どおりに我々とともに知恵を絞っていただき、多くの有権者が権利を行使できるよう期日前投票所増設のほか、選挙当日の投票所の環境を精査し、あるいは選挙啓発のため戦略広報の強化、特にSNSを効果的に活用していただき、関心を持ちやすい内容での発信に力を注いでほしいものであります。  若年層の投票率につきましては、全国各地で事例があるように、ぜひ大学内への投票所の設置など、固いキーワードだからこそ柔軟な姿勢に変化するように……    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 31 ◯議長(繁田和三君) 次に、安竹信男君。   〔25番安竹信男君登壇〕 32 ◯25番(安竹信男君) それでは、私からは2点質問をさせていただきます。  まず、茶生産の現状と支援策についてであります。  中村羊一郎先生は著書「お茶作り名人紀行」の中で、その10章に「おらんとこの畑で、これが一番ええ」の見出しがあるわけですが、新品種開発の先駆者、大棟藤吉、杉山彦三郎、増田源作について書いております。やぶきたを世に出した杉山彦三郎さんは、御案内のとおり有名であります。私が注目したのは、中村氏いわく、お茶作り名人はどのような茶の木を育てるかということに熱心である。幾ら製茶の腕がよくても素材となる茶の生葉が悪ければ良いお茶はできない。今、農産物の価値を高めるためにブランド化が叫ばれ、その大本になる遺伝子の保護が重要な課題になっている、という記述が注目されるのであります。  さて、静岡市めざせ茶どころ日本一条例が平成21年4月に施行されて以来、本市は条例に基づく茶どころ日本一計画を策定し、これまで本市をお茶のまちとしてブランディングすることを戦略の柱とした茶業振興やお茶のまちづくりを進めてきたと承知しております。ところがこの間に、残念ながら若者のお茶離れや茶価の低迷、生産者の高齢化、担い手の減少、そして、耕作放棄茶園の増加など、茶業を取り巻く環境は厳しさを増しております。特に今年は、茶業界待望の新茶生産、新茶商戦の時期に新型コロナウイルス感染拡大という前代未聞の災害に遭遇し、茶業界はこれまでにない厳しい状況が見聞されたのであります。  そこで、まず、1つ目の質問ですが、茶生産量と茶価の現状はどういう状況なのかをお伺いいたします。  次に、2つ目の項目、本市における森林管理についてであります。  最近、日本各地において集中豪雨による未曾有の大災害が頻発しております。幸いにも本市においては昭和49年の七夕豪雨以来、大災害は発生しておりませんが、局地的豪雨の発生状況は、以前とは大分変ってきているように思われます。七夕豪雨では、死者27名、床上浸水1万1,981戸、床下浸水1万4,143戸、被害総額は213億円余と記録されております。この大災害をきっかけに巴川流域総合治水対策事業が始まり、平成11年5月に大谷川放水路が完成しております。  大谷川放水路や麻機遊水地の整備によって排水や滞水の機能は充実してきましたが、手入れ不足の森林が増えていることにより山の水源涵養機能は低下していると思われます。森林が有する公益的機能には、水源涵養機能、山地災害防止機能、快適環境形成機能、保健・レクリエーション機能など、人々の生活や周辺の環境に広く寄与する機能があることは周知のとおりであります。森林の公益的機能を維持することは、中山間地居住者のみならず都市住民を含めた多くの市民が広くその恩恵を享受することにつながると考えられます。  そこで、本市における森林管理について質問していきたいと思います。  初めに伺います。森林の公益的機能を広く市民に理解していただくためにどのような取組を行っているか、伺います。  以上、この壇上では2問であります。   〔25番安竹信男君質問席へ移動〕 33 ◯農林水産統括監(白鳥博己君) 初めに、茶生産量と茶価の現状についてですが、農林水産省の作物統計では、本年の静岡県の一番茶の荒茶生産量は前年より14%少ない9,420トンで過去最低となり、また、JA静岡経済連の発表では、荒茶1キロ当たりの平均価格は前年より104円安い1,760円で、3年連続で過去最低を更新しました。本年は4月下旬の低温により茶の生育が抑制されたことに加え、新型コロナウイルス感染拡大が新茶商戦と重なったことや各種イベントが中止となったことなどにより、茶業情勢は一段と厳しい状況にあります。  次に、森林の公益的機能を広く市民に理解していただくための取組についてですが、本市には森林の大切さを感じてもらうための施設として高山・市民の森があります。高山・市民の森では学習展示施設、森の恵や、森林教室の開催により森林の働きについて学ぶ機会を提供しています。このほか若手林業家が小学校に出向き、山林作業の現場とインターネット回線でつないで行う出張林業教室や市政出前講座を開催するなど、子供から大人まで広く市民の皆さんに森林の公益的機能について理解を深めていただくよう取り組んでいます。 34 ◯25番(安竹信男君) 答弁を頂きました。  これより一問一答でありますので、まず、お茶の関係で質問を展開したいと思います。  答弁で、一番茶の荒茶生産量が過去最低となったと報告されたわけであります。昨年、荒茶生産量が過去最低となったということ、さらにそれが14%の減少ということであります。この数字は大変大きなものだと思います。全国的に減少傾向にあると思いますけれども、これは茶で生きていこうというこの静岡市にとっては、よその県よりも大きな問題であります。2位の鹿児島との差も大分縮まったようであります。茶どころ日本一である静岡県の地位が危ぶまれていると認識すべきであります。  本市における荒茶生産量の減少傾向は、お茶はもうからないからと生産をやめて茶園の耕作を放棄しているという現象の現れであります。元市長の小嶋さんが山間地の段々畑の茶園風景を見て、私にこんなことをぽつんと言ったことがあるんです。安竹さん、あの茶園を見てると心が休まるね。小嶋市政当時を懐かしく思い出す言葉であります。  次に、茶業界が非常に厳しい状況の背景として、1つには茶農家の人手不足の問題があります。先日、茶農家から聞いた話の中で、5月の一番茶の収穫時期に、やはりコロナ禍の状況の中、茶摘みの人手がなかなか集まらず、遠方に住む親族も茶摘みの手伝いに帰ってこられない、大変な思いをされたとの話があるわけであります。私自身も、小さな茶園でありますが、親戚が集まれなかったです。昔ほどではありませんが、山間部には「結」の精神が残っており、地元の結びつきや絆がある一方で、今年はそれが厳しく、一番茶の収穫作業など生産現場において人手不足に悩む農家の実態を痛切に感じた次第であります。  ここで、2つ目の質問です。生産現場での人手不足にどのように対応しているのか、お伺いいたします。 35 ◯農林水産統括監(白鳥博己君) 本市では、後継者不足や高齢化により人手不足に悩む生産者と農業をサポートしたい市民の皆さんなどを結びつける援農ボランティア事業に取り組んでいます。援農ボランティアには、本年8月31日現在で322人の皆さんに登録いただいています。このほか人手不足を補うために地域の生産者が協力して摘採や防除等の管理を行う生産組織に対し、乗用型茶園管理機など共同管理に必要な機械の導入への支援を実施しています。 36 ◯25番(安竹信男君) 答弁で322人の援農ボランティアの数字が出たわけでありますが、援農ボランティア事業というのはとても大切な事業であります。60歳代で退職して、まだまだ体力、知力の旺盛な多くの市民に農業の魅力を知っていただくことが大事だと思います。お茶の繁忙期に手伝ってもらうとか、ワサビやシイタケなどの収穫を手伝ってもらえば、農家の労働力不足の解消にどれだけでもつながるのではないかと思います。  JA静岡市が経営の合理化で山間地域のJA支店を潰してしまいました。潰したんです。ATM──現金自動預払機を残すから不便はない、こんなばかなことを言ったんです。この地元説明に私はとても腹が立ちました。JAは既に農業支援という重要な事業をないがしろにしたというふうに感じます。私は、JAは金融バンクではなく人材バンクをやるべきで、少子高齢化が進み、農業後継者不足に悩む農作業を支援する人材を確保、派遣すべきだと、前組合長の青山さんに申し出たこともあるわけでありますが、残念ながら理解を得ることはできませんでした。  静岡市のお茶は、自園自製にこだわっているお茶農家さんに支えられていると言っても過言ではありません。農家さんから聞いた話ですが、製茶機械が老朽化し、本当はこれを買い換えたいが、費用も多額であるためになかなか製茶機械の更新ができないでいるということで、周辺の茶農家共通の悩みであることが分かってまいりました。本市のお茶は個性豊かな山のお茶であり、今後、茶の品質向上、生産性向上を図るためには、製茶機械の老朽化対策は絶対必要であると考えております。何らかの支援策はないでしょうか。  ここで、質問でありますが、製茶機械の老朽化にどのように対応していくのか、お伺いいたします。 37 ◯農林水産統括監(白鳥博己君) 多くの製茶工場において老朽化が進む製茶機械への対応が大きな課題の1つとなっていると認識しています。そこで、地域の茶業を牽引する生産者が本市のお茶の特徴でもある品質の高い山のお茶の生産に継続的に取り組むことができるよう、令和2年度に加工施設機械整備事業を創設し、製茶機械の導入や更新を支援してまいります。 38 ◯25番(安竹信男君) 本年度から加工施設機械整備事業を創設すると、すごく待ちに待ったことであろうと思います。とても力強く思います。このような助成制度は随分前から要望があり、製茶機械の導入、更新を希望する茶農家がたくさんいると聞いております。必要な予算措置もしっかり講じながら、融資する、あるいは返済のしやすい制度を講じながら対応していただきたいと要望しておきます。  次に、茶園の耕作放棄が目立つ厳しい現状の中で、今後も茶業を続けていくには、茶の一部を他の作物に転換する必要性も話が聞かれます。農業全てをお茶にこだわらないで、茶園の一部を他の作物に転換することで収益を安定化させることも必要であると考えます。  ここで、伺いますが、複合作物への転換にどのように取り組んでいくか、お伺いいたします。 39 ◯農林水産統括監(白鳥博己君) 茶業情勢が低迷する中で、経営が安定しない生産者の収入不足を補い茶業を継続できるよう、本市では茶園の一部をより収益性の高い作物に転換するための経費を助成する補完作物転換事業を実施しています。事業の推進に当たっては、生産者がファーマーズマーケットなどの販路を活用し、需要が見込まれる作物を選択、作付するよう、引き続きJAなどと連携してまいります。 40 ◯25番(安竹信男君) 答弁の中にファーマーズマーケットという言葉が出ましたけれども、じまん市ですよね、じまん市。南部じまん市、北部じまん市などがあるわけですが、お母さんたちがつくったものを販売するじまん市です。  先日、JA静岡市の大原組合長と面談の機会がありました。大原氏は組合長就任の抱負を日本農業新聞の紙面で語っております。賢く高機能なスマート農協を目指すと、トップの意気込みが掲載されているのであります。組合員の所得向上と販売額10%増を10年後の目標に掲げています。注目するのは、販売額42億円のうち18億円をじまん市──ファーマーズマーケットが占めております。この販売額の増額を図るためには、出荷者を増やす必要があります。新たな農業者を毎年150人迎え入れる考えで、定年退職者も高齢者も貴重な担い手だと、こう話しているのであります。  答弁にありましたが、農家の皆さんが豊かさを感じる農業経営に励めるよう、ぜひともJAと連携を深めていただきたい、こうお願いしておきます。  次に、これまで入り口戦略で話をしてきましたけれども、生産振興に関わる話を伺いましたが、出口戦略について伺いたいと思います。  通常の経済では、生産量が落ち込み、物が少なくなれば市場単価が上がるのが市場原理というものであります。例えば、悪天候が続いて野菜類が減産し高値になって、台所を預かるお母さんたちはマーケットでため息をついている、こういう話が巷にはあります。最近はサンマの漁獲量が落ち込んで高値だということで、我々庶民の口から遠のいているようであります。私はサンマが大好きです。  ところが茶価に関しては、ここ数年、生産量は下がり、なお単価も下がるという状況が続いております。この理由の1つに、茶の需給バランスが崩れていることが挙げられております。茶の需給バランスを正常に保つためには、1つに茶の消費拡大を進めることが必要ではないでしょうか。特にコロナ禍にあっては販売量の増加や販路拡大のための支援、静岡市のお茶のファンになってもらうような取組を進めることが必要だと思います。ひいては茶業者の所得向上につながると考えるからであります。生産者の個性を生かして所得向上を図るために、近年は直販を図る農家、生産者が増えているのであります。大変な努力をしております。  ここで、伺いますが、販売量の増加や販路拡大に向けた取組をどのように進めようとしているか、お伺いいたします。 41 ◯農林水産統括監(白鳥博己君) 本市では、静岡市のお茶の販売量の増加や販路拡大のため、生産者と連携した首都圏でのプロモーションやお茶体験を通じて消費につなげるお茶ツーリズム、主にヨーロッパをターゲットとした海外輸出の推進などに取り組んでいます。また、令和2年度には、生産者のお茶づくりに対する思いやお茶の特徴、商品の購入方法などの情報を発信するウェブページを新たに制作し、消費者への情報発信を強化することで生産者の販路開拓を支援してまいります。 42 ◯25番(安竹信男君) ただいまの答弁にあったとおりでありますが、ウェブページを作成するという新たな方法はもういろんな分野で始まろうとしているわけでありますが、農業分野でもぜひお願いしたいと思います。  答弁にあった取組の中で、お茶のまち静岡市の認知度を向上させるとともに、ぜひ当局には静岡市のお茶のファンを増やすような取組を積極的に推進していただきたいと考えます。静岡市のお茶のファンに生産者の顔が見える仕掛けが必要です。生産者の顔が見えて、初めて価値が上がる。あわせて、日本一おいしい水に恵まれ、美しい景色を織りなす茶園を紹介するお茶ツーリズム事業にぜひもっと力を入れて推進していただきたいと思います。  最後に、これまで伺った茶生産の現状や個々の支援策を踏まえて、本市が日本一の茶どころとして今後、持続可能な茶園経営に向けてどのように取り組んでいくのか、確認したいと考えます。  ここで、伺います。持続可能な茶園経営に向けて今後どのように取り組もうとしているのか、伺います。 43 ◯農林水産統括監(白鳥博己君) 生産者が将来に希望を持って茶業経営を続けていくためには、収益性が高く、安定した経営の実現が欠かせません。このため、令和2年度からはJAなど関係機関と連携し、経営力の高い人材や製茶組織の育成に向け、経営診断や改善指導などに取り組むとともに、自然災害や新型コロナウイルスなどの様々なリスクに対応する農業経営収入保険の加入推進を図ってまいります。  今後もこれら経営体質強化への取組を基軸に生産への支援と販路拡大に向けた取組を両輪で推進することにより、持続可能な茶業経営の実現を目指してまいります。 44 ◯25番(安竹信男君) 本市農業の強みは消費者が最も望むところ、消費者が望むところですよ、きれいな水と空気、こういう環境で作物ができるんだという消費者が望むところの自然環境に恵まれているということであります。生産者はこの農業環境に誇りを持って、お茶やワサビだけでなく野菜類など農産物の収益性を高めていただきたいと考えるのであります。ところが、恵まれた自然もいつも穏やかではありません。山間部では、冬の時期には降雪や冷害被害を受けます。梅雨や台風の時期には洪水被害にも遭うなどのリスクが高いわけであります。  このたびの新型コロナウイルス感染症の拡大は、茶やワサビなど農産物の一大消費先である都市部の飲食店などのにぎわいをストップさせました。観光地のホテルや旅館などの営業を自粛に追い込みました。大量取引先のキャンセルは農家に大きな打撃を与えたのであります。本市においても飲食店や生産者に対して多岐にわたる支援策を講じたところでありますが、これらの災害を教訓として身近な消費者の開拓など、新たな販路拡大の重要性が話題になっております。経営の改善指導にはスピード感を持って取り組んでいただきたいと思います。  静岡市農業委員会はこの9月に、市長に対して要望書を出してあります。静岡市農業施策に関する要望書を出しております。その中の1つに、農業経営収入保険制度の加入促進について、収入保険の加入費助成の継続を要望しておりますので、よろしくお願いいたします。  さて、次に、森の話に移ります。  高山という言葉が出まして、懐かしく思いました。高山・市民の森では、学習展示室、森の恵で森の公益的機能を教えているということは私も承知しておりました。振り返りますと、高山・市民の森整備事業は、当時の小嶋市長のヒット事業だったと思います。この計画が浮上したときのことですが、小嶋さんが私に直接、井川地域には井川少年自然の家や幾つかの公共施設があることを羨ましく思っている藁科地区の皆さんの要望に応えたい。高山に市民の森を整備したいので、ぜひ経験者として協力してほしい、こういう話が持ち込まれたのを思い出した次第であります。高山・市民の森は、山頂からの眺望もすばらしく、バードウォッチングなど最適であり、美和方面、足久保の八十岡に通じるハイキングコースは、市街地からのバス交通の連絡もあり、もっともっとPRがあってもよいのではないかと考えております。  出張林業教室などの取組、これもいいです。次代を担う子供たちに対するアピールとしてとてもよい事業だと考えますので、より広く進めてほしいと期待いたします。当局肝煎りのオクシズ森林の市事業の人気度が年ごとに高まっていることも高く評価しております。本市の森林資源を楽しく活用した木工体験など、森と共生することの大切さをテーマにした親子で楽しめるイベントが好評であります。  次に、本市市域面積の76%、実に10万7,000ヘクタールが森林地域であることは御案内のとおりであります。本市の森林管理構成について伺います。  本市の森林における人工林面積及びそのうち民間が管理する森林面積はどれくらいなのか。また、森林経営の問題点はどのようなものが挙げられるか、お伺いいたします。 45 ◯農林水産統括監(白鳥博己君) 人工林面積は約4万6,000ヘクタールで、そのうち民間が管理する森林面積は約4万4,000ヘクタールです。その中で適正な管理が行われていない、間伐を必要とする森林は、約2割に当たる9,200ヘクタール程度と見込んでいます。  次に、森林経営の問題点についてですが、本市の森林所有者の多くは、経営規模が小さく、所有する森林も急峻な地形が多いため、搬出コストが高く、加えて近年は木材価格も低迷していることから、森林の管理不足や管理放棄が起こっています。また、高齢化や相続を機会に所有者や境界が不明となっている森林の増加も問題となっています。 46 ◯25番(安竹信男君) 人工林面積が4万6,000ヘクタール、そのうち民間が4万4,000ヘクタール、つまり96%が民有林ということであります。私はいつも思うんですがね、国有林、県有林、市有林、つまり公有の森林面積が少ないんじゃないかなと思うわけであります。9,200ヘクタールがまだ間伐の手入れが行き届いていないということも分かりましたけれども、このことをベースに質問を続けます。  3か月ほど前の出来事ですが、藁科川上流部の黒俣地先の私有林に太陽光発電施設が建設されたことが話題になり、林地内の開発行為が山腹崩壊、土砂流出などの災害を誘引するのではないかという地元住民の不安が発端でありました。地域住民の一部の声を伺いますと、数年前に地元の林業者が森林経営に見切りをつけて、土地付きで林地を事業者に売却した。その場所に太陽光発電施設の建設が進められ、既に昨年8月に発電事業を開始したのであります。  創生静岡議員団が現場に入ったわけですが、同行した市の環境創造課、治山林道課の職員の気持ちは大変複雑なようでありました。現場には看板が設置されております。資料を用意しましたので、ぜひ目を通してください。看板です。許可を取ってこういう事業をしているという看板です。  太陽光発電施設用地は森林を伐開した傾斜地であります。開発行為に関して静岡市林地開発許可制度は森林面積1ヘクタールを境に許可または届出を必要としておりますので、事業者は森林面積を1ヘクタール以下に分割して他の事業者に売却することで届出の手続を済ませ、太陽光発電施設建設を可能にしたと考えられるのであります。  地元住民は市と連携し土砂流出対策の要望をしたものの、満足する対応は得られなかったようでありますが、ソーラーパネルの下は山肌の保護対策も施されない状況で、豪雨となれば土砂流出を誘引する可能性が高いと感じられ、藁科川上流域に暮らす住民の目には災害の心配が募ったに違いありません。市長が現場に入り、間もなく国会議員も現場に入るなど、鳴り物入りで物々しさが目立ったわけでありますが、結局、何が目的だったのか。  ここで最も問題になるのは、地元の林業家が先代から受け継いで70年余も森を、林を守り育ててきた林業経営に見切りをつけなければならない現実と、せめて地元の林業家が林業経営のモデル事業としてこの太陽光発電施設建設をやろうとしたならば、これはまた話が変わってくるわけであります。この話題は一変したに違いありません。  さきの答弁にもありましたが、本市の森林経営が困難であり、近年、材木の価格低迷などで林業が衰退の一途にあり、森林の管理放棄が問題になっております。手入れ不足の森林は、下草が繁茂することなく地面が露出し、保水能力を失い、降雨を地面に貯留することなく沢に流出し、藁科川や、玉川で言うならば仙俣川などの支流が増水、濁流となり地域住民、流域住民の安全を脅かしながら、結果として安倍川河川に流れ込むのであります。  一例を挙げれば、旧安倍郡梅ケ島村において昭和41年9月25日、台風26号が安倍川上流域に豪雨をもたらし、大きな土石流が発生し、梅ケ島温泉郷の旅館など11軒の家が流出し、26名の死者が出るという温泉保養客を巻き込んだ悲惨な大災害として記録されております。本市においても安倍川河川敷の上昇により氾濫が心配されるわけでありますが、森林の適正管理は下流域の都市住民にとって大きな課題であります。  ここで、伺いますが、森林の公益的機能を維持するためにどのような取組をしているか、お伺いいたします。 47 ◯農林水産統括監(白鳥博己君) 森林の公益的機能を維持するためには健全な森林を育成する整備が必要で、特に間伐が重要な手段となります。間伐には次の2つの方向で取り組んでいます。  1つ目は、人工林として再生を目指す間伐です。これは経営が困難な森林に対し競輪事業の収益等により積み立てた本市独自の財源である森林環境基金を活用し行うものです。  2つ目は、人工林を自然林に戻していく間伐です。これには県が森づくり県民税を財源に市町と連携して行っている森の力再生事業によるものと、令和元年度から新たに始まった森林環境譲与税を財源とした市が行う間伐があります。 48 ◯25番(安竹信男君) 森林環境基金にはいろんな思い出があるわけであります。平成11年に創設された森林環境基金は、小嶋市政のときに、水道料金に幾らか上乗せして、森を守るための財源を確保すべきではないかという事案が議会で話題となりました。しかし、市民が納得するかどうかが大きな課題でありました。全国に先駆けて都市住民が森を育てるというこの発想、森林環境基金を創設する方針を小嶋氏は取ったわけであります。基金の目標額は50億円として、その果実を活用して毎年1億円、森林環境整備、今答弁があったような間伐事業などをしていこうとするものでありました。  一方では、水道料金に上乗せするということに市民の同意を得るには時間を要するだろうといった懸念もあり、小嶋市長は競輪事業の特別競輪、日本選手権の収益金と電気事業経営記念基金会計を合わせて25億円でスタートに踏み切ったと記憶しております。  都市に暮らす市民が蛇口をひねればおいしい水が飲めるのは山に暮らす人たちが森林を守っているおかげであるという感謝の心を育んだ小嶋市長の英断はすばらしいものでありました。  さて、次に、多様な財源を活用した森林整備を実施しているとのことですが、昨年度から始まった森林環境譲与税について伺います。  森林環境譲与税を活用した森林整備を今後どのように進めていかれるんですか。お伺いいたします。 49 ◯農林水産統括監(白鳥博己君) 森林環境譲与税を活用した森林整備は、経営に適さない森林に対する間伐と経営に不可欠な林道の開設を実施します。間伐については、令和元年度から20年間で1,340ヘクタールの整備を予定しています。また、林道については、静岡市森林整備計画に基づき令和2年度から5年間で約22.5キロメートルの開設を予定しています。 50 ◯25番(安竹信男君) 先ほどの答弁にもあったんですがね、まだ要間伐の森林が9,200ヘクタールあるということです。そのうち当事業の間伐をもって20年を要するということであります。継続は力なりですから、県の森の力再生事業の対象要件に満たないものもあるわけでありますので、ぜひ今の新しい森林環境譲与税を活用していただきたい、こう思うわけであります。  森林の公益的機能を維持していくためには、全てを公費、税金で維持していくのではなくて、経済林として維持される森林を拡充していく必要もあると考えられ、当局の努力も見ているわけでありますが、後継者が夢を持てる林業を続けていくためには、山そのものの維持管理だけでなく、木材の需要拡大が重要であると考えます。林業家にとって生きがい、働きがいというものは、身近な暮らしの中で木材が家づくりやまちづくりに活用され、生活に生かされて役に立っているんだと、俺たちの仕事が役に立っているんだと感じることであります。  ここで、伺いますが、木材の需要拡大に向けてどのような取組をしているか、お伺いいたします。 51 ◯農林水産統括監(白鳥博己君) 木材の需要拡大に向け、従来から行っている住宅への柱・土台100本プレゼント事業やこども園などの公共的施設の木造・木質化に加え、令和元年度からは飲食店などの商業施設へのオクシズ材活用促進事業を展開しています。さらに、令和2年度からは、森林環境譲与税を活用し、製材、家具、遊具メーカーなどの木材関係団体と協力して、幼児期から木のぬくもりに触れる木育に着目し、オクシズ材を使った遊具や玩具の製品開発を支援しています。  今後もオクシズ材の需要拡大に向け全国、特に森林を持たない首都圏の自治体等へのこれら新製品の販売展開を支援してまいります。 52 ◯25番(安竹信男君) 非常にきめ細やかに森の材木を活用する、特に公共事業にも活用していくという大変前向きの御答弁を頂いたわけでありますが、それもまだ途上でありますので、ぜひもっともっとPRも兼ねながら普及促進をお願いしたいと思います。
     特に、柱・土台100本プレゼント事業、これは私も活用したことがあるんですが、上限30万円で、いかにも少額のように、家が2,000万円、3,000万円ということから考えますと大変微々たるもののように思いますが、そうじゃないんですよね。地元の柱を使うということ、それに補助が出るという、これは重要な事業だと思いますので、これからもその事業費を拡大するよう、努力していただきたいと思うものであります。  多様な財源を活用して森林整備を進めていくわけでありますが、木材需要を喚起することによって林業振興、そして森林が維持され、もって森林の公益的機能が維持されるということを十分、都市の住民と共有していただきたい、こう思うわけであります。  でも、技術革新というのはありがたいですよね。東京オリンピックの競技場も大分、全国から材木を集めて、たくさん使おうとした。これも1つの国策でありますが、静岡市も大いに貢献しているわけであります。こういう事業も大変大事ですよね。コロナウイルス対策で東京一極集中を分散するんだという、このことも大変大事なことであり、この静岡市においても、いわゆるまちの周辺に集まるだけでなくて、商業地域にしていくすべを見つけていくという新たなコロナ禍の対策が勉強されなきゃいけないと思うところであります。  この技術革新の中で、間伐材を上手に利用するCLTが開発されたことも画期的でありますよね。コンクリートでなければ5階、6階建ての建物ができないなんて、そういう時代じゃなくて木材を使って5階、6階建ての建築ができるんだという、これも森林関係者には大変大きな希望であります。  さて、もう1つですね。先ほど私が申し上げましたこの看板、事業者は東京在住ですよね。よく見ますと、外国の方かなと思う方が設置者ですよね。もしこの看板が、静岡市森林組合が事業者であって、そこにこの地主が、私がここで発電事業をやるんだという、新しい森の事業を開拓するんだということがあったならばということを先ほど申し上げたかったわけであります。  2ページを見てください。皆さん、これが地主が打ったいわゆる第2弾、この事業の後、継続してやりたいという林です。間伐が行き届いておりません。下草が生えておりません。こういう環境が残っている。これを事業者がやれない。以前こんな話があったんです。大根1本つくれば100円もうかるが、2石、3石の立派な林を切れば赤字になるという、こういうことが叫ばれたわけであります。今でもその延長線にあると心得ていただきたいと思います。  もう1つ、ここで発電事業、環境局の方も見てくれたわけでありますが、ここにパネルが設置されたわけであります。確かに急傾斜地で、このままの姿は危ないように感じますが、皆さん見てくださいよ、下草が生えているんです。ここは広葉樹のちっちゃな樹木も育つだろうと思っています。これからこの事業者に我々がお願いすることは、しっかり下草を生やしていただくような、たまには鳥が飛んできて木の実を食べるような植樹もしていただくように私は進言すべきだろうと思っています。  ただ反対じゃいけないんです。これを1つのモデル事業として静岡市森林組合が筆頭となり、あるいはここの林業で暮らす人たちが、自分たちが林業のこれからの在り方を考えるために、国が進めている太陽光発電をぜひ継承できるような形を取っていただきたいと思うんです。  先ほど鳴り物入りという表現をして、大変失礼な言葉でありましたけれども、市長あるいは国会議員がここに出向いたのは、そういうことへの第一歩であると信じて私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。 53 ◯議長(繁田和三君) この際、暫時休憩します。         午後0時10分休憩    ───────────────────         午後1時10分再開 54 ◯副議長(早川清文君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  総括質問を続けます。  次に、佐藤成子さん。   〔27番佐藤成子君登壇〕 55 ◯27番(佐藤成子君) 通告に従い質問いたします。  これまで何人かの議員が似たような質問をし、当局はそれなりに、その都度答弁をされています。私の質問も既に答えを頂いているかもしれませんが、ここ数か月間、何とも言えない悶々とした思いでおりましたので、いささかメンタル的かもしれませんが、すっきりしたく質問させていただきます。  前置きが少し長くなるかもしれませんが、お許しを頂きたいと思います。  私は昨年、観光文化経済委員会の委員長をさせていただき、第3次総合計画5大構想の歴史文化の拠点づくり、海洋文化拠点づくりを、それぞれの定例議会で上程された予算、補正予算を議論、審議、審査させていただきました。なぜ今この施設、ハード事業が必要なのか、この巨額の予算はどうなのか、官民連携事業のシンボルとなり得るのかなどなど、本会議で質問された賛成や反対の意見等も含め、事業提案の理由等を当局に問いただし、当局の熱い思い入れの答弁を伺ってきました。  これは新型コロナウイルス感染症拡大以前の話です。  ちょうど1年前の9月議会と11月議会に引続き、今年の2月議会で私が総括質問で伺ったのがPFI、PPPなどの事業推進における民間力期待への危惧する思いでしたが、プラットフォームをつくり対応を進めているので心配には及ばないという答弁でした。その後、歴史文化拠点づくりは新たな遺構の発見もあり、官民合築の計画案は官のみの直営で進められることになりましたが、現在バスなどの大型車の駐車場に使用しているところは手つかずの状態です。  一方、海洋文化拠点づくりは、産学官のそれぞれの役割分担等で民間の募集期間の延期がなされ、また、清水区のにぎわいづくりの牽引役の1つ、清水庁舎移転新築計画への民間参入は見送られることになった状況の中で全世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大になりました。もちろん予想だにできない出来事です。  4月の臨時議会からこの9月議会の補正まで、第6弾までの新型コロナウイルスの感染症に対する緊急対策の補正予算が組まれてきました。5月の段階で財政調整基金が1億1,000万円まで落ち込んだ現状に、財政に疎いさすがの私でも、期待していた民間連携がなかなか進まなかったことも含めて、これから先、静岡市は大丈夫なのかと思いました。  そんな中、6月16日、本会議での市長の3次総5大構想の中、中枢を担う大規模事業の3本柱の事務手続を一旦停止し、事業の見直しを図っていくということに至った、聖域なき事業の見直しをするという言葉でした。マスコミでは、肝煎り事業の凍結と表現されたのは皆さん承知のことです。えっ、あれだけ時間をかけて議会で可決に至った議案です。今後どうなっていくんだろうかと、私は不満と不安を覚えました。  また、以前、政策はどのように提案され、どのように遂行されていくのか質問し、市長から説明を頂いた、組織は政策に従うという言葉を思い出しました。それぞれの部署で与えられた政策の遂行に全力で取り組んできた一人一人の職員の皆さんはどんな思いだったんだろうかと思いました。そして今、9月議会に向けて今後の取組の方針の発表がなされました。事業遂行には、コロナウイルス感染拡大さえなければの一言で解決できない要素もあったと私が思っていたことは先ほども述べさせていただきました。  再開が決まった歴史文化施設建設事業、予算の白紙化がされる海洋文化施設整備と新清水庁舎整備事業、それぞれの今後の方針と見直し結果が示され、民間の事業への参入がキーワードであることが語られています。5大構想の屋台骨と種々の事業の見直しで目標を失ったのではないかと私が思っている第3次総合計画は、遂行し続けられるのかと感じています。  それでは、質問させていただきます。  大項目1、静岡市のまちづくりの展望について、コロナ禍における5大構想について改めて確認させていただきたくお伺いいたします。  5大構想を含む全体事業の見直しは、どのような思いの下、行われたのでしょうか。市長記者会見では断腸の思いとの言葉でしたし、昨日からの答弁でもいろいろとお聞きいたしました。その方針、見直し作業の内容、コロナウイルスとの対応、そして今後の内容について、改めて確認させていただきたい。  ここで、少し方向を変えて質問させていただきます。  5大構想における見直しでの事業再開や債務負担行為の廃止の都心づくりのハード事業、もう1つの懸案事業。以前、総括質問しました2020年までにはその土地の利用方針が出される予定であった教育文化の拠点づくり、東静岡駅北側の市有地2.5ヘクタールの利用方向については、当初予算で2,000万円余りの予算が決まり、アリーナ誘致業務に向けグランドデザインを策定していくとのことです。先ほど午前中の答弁にありました。  できるだけ早い方向性の決定が必要と思っておりますが、民設民営の整備の方向性は大丈夫かと、また心配事が増えました。昨日はサッカースタジアム建設の話も出ていました。  さて、これらとは別に進められている同じ5大構想の生活の質を高める2つの仕組みづくりの進捗状況について、お伺いいたします。  コロナ禍の中、推進しようとしていた事業が思うように進められなかった年間行事やイベントがたくさんあったのではないかと思われます。  その1、健康長寿のまち推進における現状と、今後どのように進められていくのか、主なものを御紹介ください。  そして、その2、まちは劇場の推進について、現状はいかがでしょうか。大きくは静岡まつりや安倍川花火大会、大道芸ワールドカップ開催、清水みなと祭りなどの開催中止は、経済的ダメージはもちろんですが、市民に精神的なダメージを与えたと思っています。  午前中にも答弁がありましたが、現状と今後、どのようにお考えでしょうか、お聞かせください。  静岡市のまちづくりについて、3次総の5大構想の3つの都心づくりと2つの仕組みづくりについて、言ってみればハード事業とソフト事業、私自身の中では進捗状況について対照的に感じておりましたので、比較すべく現状と今後について伺って、1回目の質問を終わります。 56 ◯市長(田辺信宏君) 私からは大項目、静岡市のまちづくりの展望について、コロナ禍における5大構想についてのうち、5大構想を含む全体事業の見直しはどのような思いの下、行ったのかとの質問に、すっきり簡潔にお答えいたします。  断腸の思いであると同時に、私はこの危機を機会にするという観点で新しい生活様式によって人々の価値観か変わっていく、それに沿った見直しを行いたいという思いであります。  5大構想を含む全ての事業について聖域なき見直しを決断し、その結果、事業の最適化が図られたもの、もしくは図ることが見込まれるものについては取組を進めることとし、停止したものについては感染症対策の財源とし、感染拡大を防ぎつつ、そして同時に、経済も回す取組を行っていくことといたしました。  議員御関心の2つの仕組みづくり、健康長寿のまちの推進と、まちは劇場の推進、これらについて、ますます重要になってきていると私は理解しております。  認知症の人やその家族を総合的に支援し、認知症本人とともに新しい暮らし方をつくり出す拠点となる認知症ケア推進センターの整備はいよいよ大詰めを迎え、10月31日土曜日にオープンいたします。このように、コロナ禍においても必要な事業を柔軟かつ着実に実施してきて、今後も介護予防の強化に取り組むなど、ポストコロナの時代の新しい社会環境にあっても市民が健康で人生を楽しむことができる、住み慣れた自宅でずっと自分らしく暮らすことのできるまちの実現に磨きをかけてまいります。  一方、まちは劇場の推進についても同じであります。コロナ禍で、人と触れ合ったり、心豊かに過ごすことが難しい状況であるからこそ、今ポストコロナの時代に向けて仕掛けをしておく、準備をしておくということが大事であります。  午前中の答弁にもありましたとおり、アーティストの活動が制限される中でも文化・芸術の力で人々の心に潤いを提供する取組も支援してまいりました。  一方、3密を回避しながら人々が憩える場所をコロナ禍だからこそ確保するために明日、25日から呉服町と七間町の道路空間を活用した、これは国策の規制改革の一環でありますけれども、パークレットと呼ばれる開放的な空間を試験的に設ける実証実験を行います。これもたとえコロナ禍にあっても、新しい生活様式に対応した屋外の利活用などにより、おまちに出かけてわくわくドキドキすることができる、そんなポストコロナの時代にふさわしいまちづくりの準備を今こそ進めていくという発想です。  今お答えしました健康長寿のまちとまちは劇場の推進という、生活の質を高める2つの構想に加え、世界に存在感を示す都心づくりのための歴史文化、海洋文化、そして教育文化の拠点づくりの全部で5つの構想を推し進めることによって、総合的に新しい日常が定着した新たな時代において一人一人の市民が安心安全で、しかも、まちなかがわくわく楽しく感じられるような持続可能な静岡市の形成に尽力してまいります。  各論については局長が答弁いたします。 57 ◯保健福祉長寿局長(和田明久君) 健康長寿のまちの推進における現状と今後についてですが、コロナ禍においても介護保険事業や地域包括支援センター事業等、市民の命と健康を支える上で欠くことのできない事業については、多くの関係者の努力の下、中断することなく継続して行っています。中でも認知症総合支援の拠点となる認知症ケア推進センターは、市民の皆さんが安心して御利用頂けるよう、感染症対策を講じて計画どおりオープンの運びとなりました。  一方、S型デイサービス事業等、地域が取り組んでいる介護予防事業については、感染拡大防止のため一旦中止としましたが、自粛中に健康を維持する方法について、市ホームページや広報紙などにより積極的に情報発信しつつ、再開に向けた対応策を検討してまいりました。その結果、S型デイサービス事業については、時間短縮や活動内容の見直しを行い、9月から再開しております。これを機に新しい生活様式に合わせ大幅なリニューアルを図りたいと考えております。例えば、デジタル社会に対応するスマホ教室や屋外での園芸活動など、多彩なメニューを取りそろえ、これまで参加が少なかった男性も含め新たな参加者の拡大につなげてまいります。  今後については、事業を進めるに当たり、市民の皆さんの安心安全を最優先にしつつ、できる限りの工夫を凝らし、健康長寿のまちを推進してまいります。 58 ◯観光交流文化局長(大石貴生君) まちは劇場の推進における現状と今後についてですが、コロナ禍におけるイベントの多くが中止または延期となる中、本市ではいち早くウェブを使ったパフォーミングアーツ発信事業に取り組み、市民の皆さんに芸術に触れる機会を創出してきました。この取組は多くのメディアで取り上げられ、まちは劇場を広く周知できたほか、本市の魅力を伝えるシティプロモーションの映像素材としての利用も予定しており、その活用に広がりを見せています。  また、イベントの開催制限の段階的緩和を受け、まちなかで生演奏を気軽に鑑賞できるまちかどコンサートを6月から再開しました。さらに、ポストコロナの取組を探る試みとして9月の4連休にはストレンジシード静岡と静岡ピクニックガーデンを駿府城公園等で開催したほか、10月下旬からは東静岡「アート&スポーツ/ヒロバ」や県及び市美術館で、めぐるりアート静岡の開催も予定しております。  今後は、これらの経験を積み重ね、新しい生活様式を踏まえたイベントのスタイルを構築していくとともに、コロナ禍で注目されたウェブを活用した事業展開も進めてまいります。また、パークレットやオープンテラスなどの屋外の公共空間での居場所づくりは、コロナの危機を機会とする、まさにまちは劇場にとって追い風となるものであり、これらの取組と連動し、多角的にまちは劇場を推進してまいります。   〔27番佐藤成子君登壇〕 59 ◯27番(佐藤成子君) 2回目の質問です。  お答え頂いた今後の見通しは、ポストコロナ、新しい生活への対応として粛々と進めていくということなのだと思いますし、何と言ってもコロナウイルス感染症の終息がいつになるか分からないし、その対策をまず第一に進めていくと理解させていただきました。伺っての我が思いは、意見・要望として後ほど述べさせていただきます。  大項目2、男女共同参画社会推進についてお伺いいたします。  これまで社会の中での性別役割分担意識をなくすために、男女共同参画社会基本法や静岡市の行動計画など、法律や条例などが定められてはいるものの、社会全体での意識を変えていくのはなかなか難しいものでした。それでも私たちの世代からすればかなり進化してきていると感じていたところでしたが、今回のコロナウイルス感染症拡大の中で、まだまだ性別役割分担意識はそんなに変わっていないと実感したところです。  資料1を御覧ください。  学校が休校になり、パートナーが在宅するなどの状況が続いた頃、静岡市の女性会館がアンケート調査をした結果です。子供の世話が増えたとか家事の負担が増えたなど、女性の家事・育児負担増について現状をどのように受け止めたか、どのような対応をされたか、お伺いいたしました。  次に、皆さん202030ということを御存じだったでしょうか。  資料2を御覧ください。  本日の静岡新聞の時評でも取り上げられていました。2003年に小泉政権時代、男女共同参画推進として定めた数値目標で、社会のあらゆる分野で指導的地位の女性の比率を2020年までに30%にするというものでしたが、今回達成できず、いとも簡単に先送りされました。女性が輝く社会の実現をうたった安倍政権は交代しました。菅政権の組閣に期待しましたが、御存じのとおりの女性登用でした。また、同じ資料にもコロナ禍で企業の女性登用等は鈍化していると記載されています。  今後、静岡市として女性の登用についてどのように対応されていくのでしょうか。審議会等への登用は数値目標を掲げていたと思います。現状をお伺いいたします。  次の質問です。静岡市職員のための子育て・女性活躍支援プランについて、特に男性・女性職員の働き方支援について伺います。  まず、このプランを作成するに当たり、どこに力点を置いて作成されたのか、伺います。  3本柱があるということでしたが、具体的に御説明頂けますでしょうか。  次に、これまで何度か質問しておりますが、男性職員の育児休業取得についてお伺いいたします。  資料2の裏面を御覧ください。  資料については、後ほど皆さんじっくり読んでいただければ幸いです。  これまで取得率が上がらない現状についてや取得した職員の声などを伺ってきましたが、その後向上しているのでしょうか。促進のためにどのような取組をされているのでしょうか、お伺いして、2回目の質問を終わります。 60 ◯市民局長(深澤俊昭君) 男女共同参画社会推進に関する2点の御質問にお答えいたします。  まず、女性の家事・育児負担増に関し、どう受け止め、どう対応したかについてですが、議員から紹介がありました女性会館のアンケート結果を見ますと、新型コロナウイルス感染拡大に伴う休校や休業、自宅待機、テレワークなどにより増大した家事・育児の多くを女性が担い、ストレスを抱えている現状がうかがえます。これは家事・育児等の無償労働は女性が担うべきであるという意識が顕在化したものと捉えることができ、社会の意識改革や困難を抱える女性への支援が一層重要であると認識しております。  そこで、男性の家事への参画や配偶者間の暴力防止がコロナ禍において一層求められていることから、本市フェイスブック等で改めて紹介し、家事・育児分担の見直しに対する啓発を行いました。また、女性会館では、緊急事態宣言下においても女性のための総合相談を継続し、確実に相談できる電話相談の予約制やウェブ会議システムZoomによる面接相談を導入したほか、コロナ禍に対応した相談機関や支援団体のリストを作成し、困難を抱える女性の支援を図りました。  今後もコロナ禍で得られた知見を生かし、総合的な女性支援施設である女性会館などと連携しながら男女共同参画社会の実現に向けた意識啓発と女性へのサポートに努めてまいります。  次に、国が女性登用目標202030の達成を先送りしたが、本市としてどう対応していくかについてですが、本市は平成27年3月に策定した第3次男女共同参画行動計画において、政策・方針決定の場への女性の参画拡大と女性の活躍の推進を重点目標に位置づけており、引き続き、その達成に向けて取り組んでまいります。  御質問の市の審議会等における女性委員の割合は、本年4月1日現在、既に30.4%となっており、さらに令和4年度の数値目標40%を目指し、市長が会長である男女共同参画推進会議を通じ全庁に対して積極的に女性委員を登用するよう要請しております。また、市内で活躍する女性の人材リストを整備するとともに、情報提供その他の女性委員登用促進のための支援を行っております。  今後も審議会等の委員をはじめ、社会のあらゆる分野における政策・方針決定の場への女性の参画を促進し、誰もが活躍できる、多様性に富んだ、活力あるまちを目指して取り組んでまいります。 61 ◯総務局長(吉井博昭君) 男性・女性職員の働き方支援に関する2点の質問についてお答えします。  まず、どこに力点を置いたプランなのかについてですが、このプランは令和2年4月から3年間の計画となっており、職員誰もが生き生きと働くことができる職場づくりとこれによるさらなる市民サービスの向上を図ることを目的として、職員のワークライフバランスの実現、仕事と子育て等の両立支援、女性職員のさらなる活躍推進を3本柱として推進しております。  次に、男性職員の育児休業を取得促進するための取組についてですが、これまでも係長以上の育ボス宣言による意識啓発や両立支援アドバイザーによる制度の周知、取得を促す積極的な声かけなど、職場における理解や支援を進めるための数々の取組を行ってまいりました。  また、本年4月からは、新たに男性職員の育児休業取得促進策として育児フォロー面談を導入いたしました。これは、子の出生が見込まれる全ての男性職員に対して所属長が育児休業等の取得計画や子育て期間中の業務量などの配慮を確認するための面談を実施し、業務分担の見直しを行うことにより男性職員が育児休業等を取得しやすくなるような職場風土を醸成しようとするものです。  令和2年度に新たに育児休業を取得した男性職員の人数は、9月1日までの約5か月間で16人となっており、元年度の年間取得者数6人を既に大幅に上回っております。  今後も育児フォロー面談を継続するとともに、育児休業を取得した男性職員の体験談を全庁に発信するなど、男性職員が育児休業を取得しやすい環境づくりに努めていきたいと考えております。   〔27番佐藤成子君登壇〕 62 ◯27番(佐藤成子君) 3回目は意見・要望を述べさせていただきます。  まず、男女共同参画社会推進についてです。  ここの場を見ても、45人中、女性議員は3人です。これには私たち自身の意識改革、市民の意識啓発が必要だと思っております。また、当局の答弁側についてですけれども、女性職員がおりません。先ほど選挙管理委員会事務局長の答弁がありましたが、様々な事情も伺いました。202030とは申しませんが、ゼロはとても残念です。  また、男性職員の育児休業取得についてですが、増加しているとのこと、大変好ましいことだと思っております。女性職員へのきめ細かい支援により働きやすい環境ができることは、男性職員にとっても働きやすい環境づくりにつながります。  さて、静岡市のまちづくりの展望についてです。  展望とは、遠くのほうまで見渡すこと、使命感から将来を見据えて考えることと辞書にありました。形として文字で表現されているのが第3次総合計画であり、究極、世界に輝く静岡の実現です。先ほども述べましたが、まちづくりの展望、5大構想の屋台骨が停止し、財源確保のため102事業が見直されました。来年度は3次総のローリングを行い、第4次総合計画につなげていく時期になります。このコロナ禍ではありますが、将来希望が持てる静岡市の展望を今後どう語っていくのでしょうか。  いつ終息するか分からないコロナウイルスさえなければと言われますが、それ以前から抱えていた静岡市の課題は、ここに至って、より深刻な課題になってきています。東京一極集中の弊害がより顕著に語られ、地方が抱える人口減少解決につながるかもしれない、働く場の新しい考え方が見えてきています。9月1日現在の静岡市の人口は68万7,819人です。この物差しを今後の事業展開にどのように生かしていくかが大事だと思います。チャンスかもしれません。  来年度の地方の税収は大幅に減少すると予想されています。現在の景気回復には10年はかかるなどとの話も聞こえてきます。市民の気持ちとしては、少しでも先の見える何かが欲しいと思っています。白紙化が告げられたときの担当職員の悔しかった、残念だったとの気持ちも伺いました。感染症のフェーズ──段階、局面に応じて柔軟な見直しを行うということです。  昨日の答弁では、事業推進のためには熟度の上がったところから進めていくとのことですが、どのようにしてその熟度を上げていこうとしているのかを知りたいところです。この際、SDGsのバックキャストの手法で政策遂行してはどうかと思います。いつまでに、何を、どうするという目標を定める。それに向かって今やることをやる。外的要因をやれない理由にしないで目標に向かって進む。この方法で総合計画を練り直してはいかがでしょうか。  もちろん全ての結果責任は市長にあります、と思っていますが、私たち議会にも議決責任はあると認識しております。今後の対応に、中長期的視点で事業の成立性を検証していくとあります。  大きな2事業が白紙化された海洋文化の拠点づくり、ミュージアムの整備は、事業の縮小なり運営の仕方など、その事業の成立について、よくよく話合いが必要だと思います。庁舎の整備については、庁舎がどこにあるかという行政サービスの捉え方よりも、どんなサービスの充実ができるかが大事になってきているのではないかと思います。
     海洋文化の拠点づくりは、清水区の医療体制をどうしていくのか、病院建設という生活に密着した課題につながる事業も含んだ一つ一つの事業の結集事業、清水港のグランドデザインです。これらのハード事業に静岡市の未来の姿を託し、ほかの地に住む人たちに誇りが持てる静岡にすると市民に夢を語ってきたはずです。  公共投資を呼び水に民間投資を喚起して経済の活性化を図る、このことはここに至ってより重い課題になってきていると私は感じています。  ホームステイの時期、市長が考え抜いての結果だとおっしゃっています。昨日の答弁では、立ち止まることなく前に進めていくとおっしゃっていますが、今、私は立ち止まっていると感じています。立ち止まらざるを得なかった現実、立ち止まっている意味が生かされる前進が今必要なのではと思っています。  生かされる前進を願って、全ての質問を終わります。    ─────────────────── 63 ◯副議長(早川清文君) 本日はこれにて延会いたします。         午後1時45分延会    ─────────────────── Copyright © Shizuoka City, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...