静岡市議会 > 2018-11-02 >
平成30年11月定例会(第2日目) 本文
平成30年11月定例会(第2日目) 名簿

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  1. 静岡市議会 2018-11-02
    平成30年11月定例会(第2日目) 本文


    取得元: 静岡市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-18
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1         午前10時19分開議 ◯議長(田形清信君) これより本日の会議を開きます。  この際、諸般の報告をいたします。  お手元に配布した資料のとおり、人事委員会から、議案第185号ほか2件について意見が提出されました。  以上で諸般の報告を終わります。    ─────────────────── 2 ◯議長(田形清信君) 本日の議事日程は、お手元に配布したとおりであります。    ───────────────────   日程第1 議案第157号 平成30年度静岡市一    般会計補正予算(第4号) 外17件(総括    質問) 3 ◯議長(田形清信君) 日程第1、議案第157号平成30年度静岡市一般会計補正予算(第4号)から日程第18、一般質問までを一括議題といたします。  これより総括質問に入ります。  質問の通告がありますので、順次発言を許します。  初めに、早川清文君。   〔22番早川清文君登壇〕 4 ◯22番(早川清文君) 皆さん、おはようございます。  まずは、議員各位の御配慮に対して、また今の大きな拍手に感謝を申し上げまして、通告に従い、総括質問のトップバッターを務めさせていただきますので、よろしくお願いいたします。  皆さんも御存じのとおり、先日24日、2025年に55年ぶりの大阪万博の開催というすばらしいニュースが飛び込んできました。既に来年の開催が決定しているラグビーワールドカップ、そしてその翌年2020年には、東京オリンピック・パラリンピックの開催と、まさにこれを機に日本が世界中から注目を浴び、多くの人々が我が国を訪れるという絶好の機会を迎えようとしています。本市もこのチャンスを逃さず、世界に輝く静岡をいかにアピールするかが問われてきます。そこで、こうした時代背景も踏まえ、市長に市政運営についてお尋ねしたいと思います。  市長は、3年8カ月前の平成27年に、第3次静岡市総合計画を策定し、翌28年度には、さらに世界を意識した中長期的な都市ビジョンとして、静岡都心における歴史文化の拠点づくり、清水都心における海洋文化の拠点づくり、東静岡・草薙副都心における教育文化の拠点づくり、そして生活の質を高める仕組みづくりとして、健康長寿のまち、まちは劇場の5大構想を打ち出しました。
     市長として2期目のスタートということもあり、自分のカラーをはっきり出そうという強い意気込みを感じましたが、一方で、何をやりたいのかわかりにくいといった声も一部から聞こえたものでした。  しかし、私は、3次総の8年間という期間におさまり切らない中長期を見据えた大きな夢を、市民の皆さん、そして我々議員に明確に示し、互いに共有してもらうという意味においては、意義あるものと理解しましたし、市民の皆さんも、市長の2期目には大きな期待を寄せたのではないかと思っています。  そのような中、本市の人口減少対策は、いよいよ待ったなしの状況であります。実際、政令指定都市として70万人割れは、何としても阻止したいと。3次総において2025年に総人口70万人の維持を目標として掲げ、各種の取り組みを積極的に進めてこられました。  まず、首都圏から移住・定住を促進するため、東京有楽町NPO法人ふるさと回帰支援センター内に、全国の市町村では唯一の静岡市移住支援センターを開設されました。その相談件数も年々増加し、これに伴って移住者も順調にふやしてきたという実績を上げたことは、激化する都市間競争の中にあって一定の評価をすべきものと考えます。  このほか、県外の大学などに進学した学生の市内就職を促進するために、全国に先駆けて新幹線通学費貸与事業を実施し、この制度を利用した大学生のうち6割が地元に就職をしているなど、地元企業への就職の後押しとともに、若年層の人口流出を食いとめたことも評価に値します。こうした地道な取り組みの結果、平成29年の人口動態が47年ぶりに転入超過となったことは、私は将来にわずかな光を見出したのではないかと受けとめております。  また、静岡県中部地域に位置する5市2町においても、やはり人口減少という共通の課題を抱えています。市長は、みずからリーダーシップを発揮され、その解決に向けて新たな広域連携の枠組みである連携中枢都市圏の制度を活用して、しずおか中部連携中枢都市圏ビジョンを策定し、観光や産業などさまざまな分野で連携事業を展開しています。  特に観光交流分野においては、この5市2町で構成する地域連携DMOとして、するが企画観光局を位置づけ、マーケティング調査に基づくプロモーション活動や、観光資源の磨き上げ、旅行商品の開発などを展開し、交流人口の拡大を図ってこられました。  これらのことは、本市はもちろんのこと、他市町の職員が一体となって共通の課題解決のため、同じ方向を向いて取り組んできた成果だと受けとめます。  こうした人口減少対策は、一朝一夕に結果が出るものではなく、戦略的かつ継続的に多くの施策を併用し、重層的に取り組むことが肝要であると考えますので、引き続き長期的な展望を持って取り組んでいただきたいと思います。  次に、全国的にも非常に大きな問題となっていた保育所の待機児童問題です。  本市は、平成27年4月、子ども・子育て支援制度スタートと同時に、全国でも非常にまれな挑戦として、市立の幼稚園、保育所全園を一斉に認定こども園に移行させました。さらに、静岡市子ども・子育て支援プランに基づき、民間の保育所等の新設や定員拡大を計画的に進めることで、平成30年4月に、ついに保育所等の待機児童ゼロを達成したことは、他の大都市が軒並み苦労している中の誇るべき大きな成果だと受けとめています。  子供を大切にする取り組みとして、もう1つ忘れてならないものは、小中学校における安心・安全な教育環境に向けた取り組みです。  学校現場では、この夏、ブロック塀倒壊の痛ましい事故や、災害とも言うべき猛暑に見舞われました。これらに直ちに対応するため、何よりもスピード最優先で本年度の補正予算に計上した小中学校のエアコン設置などの対策に着手したことに対しては、我々議員も、これまで以上に積極的な後押しをしていかなければならないと考えています。  もう1つ、今月3日、名勝日本平山頂の展望施設、日本平夢テラスがオープンしました。これは長年の市民の願いが市と県との連携により形となったものであり、富士山や三保松原、伊豆半島など、360度の景色を楽しめるすぐれた眺望を誇ります。  多くの観光客が県内外から来訪し、先日、開館からわずか20日余りで来場者が10万人に達し、交流人口の拡大に大いに寄与していると考えます。まさに今ある資源を磨く、あるもの探しの1つの好例と言えるのではないかと考える次第です。  さて、1期目の検証は、4年前、当時の我が自民党幹事長であった繁田議員が市長にお尋ねしています。その当時、市長は、課題を各区1つずつ挙げました。現在、清水区の中部横断自動車道の開通を見込んだ三保松原の保全・活用と、三保周辺の整備、そして駿河区における東名高速道路新インターチェンジの整備は、順調に進捗しています。  一方、葵区における中央新幹線建設事業に係る自然環境問題では、建設事業と地域振興の両立は、いまだ課題として取り組んでいる状態です。  市長は、4年前の答弁の最後に、このように総括しています。市民の皆さんが「笑顔あふれる豊かな暮らしを送っているというまちの姿、すなわち私が思い描く「希望の岡」静岡の実現にはまだ道半ばであります。私に課せられた責務は極めて大きいものであります。」「私の果たすべき使命がいまだ多く残されていると、その責任を痛感しております。」そこでお伺いします。  あれから4年、世界に輝く静岡に向けて、これまでさまざまに取り組んでこられたと思いますが、それらの成果と課題について、市長自身はどのように評価しているのかをお尋ねしまして、1回目の質問を終わります。 5 ◯市長(田辺信宏君) それでは、私から大項目、市長の政治姿勢について。  3次総前期4年間の成果と課題について、どのように評価をしているかとの質問にお答えをいたします。  おかげさまで、市長就任以来7年7カ月がたちました。1期目の4年間は、3.11の直後でありましたし、また日本全国デフレ経済の真っただ中でありまして、いわば辛抱の市政を強いられたと認識をしております。  子育て支援と防災対策を二本柱にしたソフトの政策に重点を置き、財政の健全化に努めてまいりました。いわゆる箱物、ハード施策への投資は最小限に抑えざるを得なかったと総括をしています。  しかし、その結果、市債残高は、平成22年度に2,367億円ありましたが、通常債は平成29年度の決算では1,963億円と、この7年間で約404億円もの市債残高を減少することができました。その土台の上の4年間であったと思います。  3次総前期の4年間、この3次総冊子のバイブルに沿って、これまで歩みを進めてきたわけでありますが、表紙をめくった私のあいさつ文のタイトルは、「「ないものねだり」から「あるもの探し」へ。」でありました。静岡の先人たちが残してくれた地域資源を探して磨き上げれば、これは大変求心力のある地域資源になり得るという考え方に基づいております。その点で、3次総の中でめり張りをつけるべく、特に中長期的な視点で必ず成就させるべき政策として5つの大きな構想、5大構想を掲げ、その実現に向けて取り組んできた4年間でありました。  例えば、議員御指摘の歴史文化の拠点づくり。旧静岡市の城下町としての歴史を大事にしていくというスタート地点から、2015年の徳川家康公顕彰四百年、これを大きなきっかけにしてスタートした駿府城天守台の発掘調査。これはこの秋、平成の大発見とも言える想定外の約330点の金箔瓦と、幻のお城とされていた豊臣秀吉時代の天守台が出土し、全国的にも大きな話題となり、静岡への来訪客は大幅にふえています。  そのシンボル施設として、これは私が市長就任以前の2次総前期の時代から、長い歳月を経て、検討に検討を重ねてきた旧青葉小学校跡地を活用した歴史文化施設の整備、これについては、いよいよ来年度から建設工事が始まります。  全国有数の城下町として発展をしてきた静岡の都心が、歴史文化の拠点として多くの方々が訪れ世界に輝いていくための一歩を踏み出すことができた4年間だと評価をしております。  一方、清水都心を核にする5大構想の1つ、海洋文化の拠点づくりでは、これも合併前の旧清水市の都市ビジョンであった国際海洋文化都市・清水、これをベースにして、港町として発展をしてきた清水の地域資源を探し磨き上げるという手法で、都市機能の集積に向けた取り組み、例えば、新清水庁舎や海洋文化施設の整備を進めてまいりました。  ことしの冬は、清水への人の流れをつくりたいという観点で、公共投資をして、夏に盛大にやる早川議員地元で巴川の灯ろうまつり、巴川沿いの「巴ノヒカリ」、あるいはJR清水駅から、江尻地区、ドリプラ、日の出地区へと抜ける遊歩道、この2つの地域をドリプラのイルミネーションと相まって、きらきら輝く光の清水をつくり上げ、そこに多くの来訪客をいざなう仕掛けをつくっています。  来年は清水港開港120周年の節目であります。これを大きな起爆剤として、いよいよこの国際海洋文化都市・清水の形を輪郭としてあらわす段階となります。  さらに、5大構想の生活の質を高める仕組みづくりとして、健康長寿のまちの推進においては、国と強力に連携をして、国の掲げる地域包括ケアシステムを静岡型にアレンジし、ほかのどの都市に住むよりも、静岡市に住めば、元気で健康に長生きできるという都市環境を提供する。健康長寿世界一の都市の実現を目指し、富士山型で構成される裾野の部分、山腹の部分、山頂の部分、それぞれ市民が望む場所で、地域で長く暮らせる仕組みづくりを進めてまいりました。  特に今年度は、人口減少対策という国の力もかりながら、6月には駿河共生地区の拠点となる地域福祉共生センターが、また今月には、御指摘のとおり葵おまち地区の拠点となる札の辻クロスがそれぞれオープンいたしました。この拠点施設の完成は、市民の皆さんがいつまでもずっと健康で、静岡市で人生を謳歌することができ、またみずからの望む環境で、ずっと人生の最期まで自分らしく暮らすことができる都市の実現に向け、着々と取り組みを進めてきた成果であると考えています。  もちろん、5大構想以外の取り組みにおきましても、3次総における2つの政策群、すなわち創造する力による都市の発展と、つながる力による暮らしの充実に基づいて、さまざまな取り組みを進めてきたところであります。  その中でも、子育て支援の充実に向けて、保健福祉長寿局から独立させて、新たにつくった子ども未来局が先導し、本当に、局長を初め職員が現場のこども園の皆さんと頑張ってくれたと思います。全国に先駆けて実施した市立保育園のこども園化、あるいは静岡市子ども・子育て支援プラン等に基づき実施し、平成23年度に比べて約33%増加した3,800人分の保育所等の定員確保により今年度当初の待機児童ゼロを実現させました。これも、この4年間の大きな成果であると感じております。  一方、残された課題もございます。その中で、この3次総の基本計画、都市交通分野に記載されております、議員も御指摘の大谷・小鹿地区のまちづくりについては、ますます注力していきたいと考えております。  恩田原・片山地区では、これまでの成果として、多くの企業の集積が見込まれておりますが、新たな大規模開発となる宮川地区につきましては、早期の実現に向け、政策熟度を一層高めていく必要があると考えております。  いずれにしましても、目指すべき都市の姿、「世界に輝く静岡」の実現に向け、一歩一歩誠心誠意、全力を傾注して取り組んできましたが、今年度も残すところ4カ月ほどでございますが、残りの期間も引き続き市職員、教職員ともども真摯に行政課題に向き合い、市政運営に取り組んでまいりたいと考えております。   〔22番早川清文君登壇〕 6 ◯22番(早川清文君) 答弁いただきました。  市長の答弁を受けて、私なりの課題認識の一部を述べさせていただきます。  まず、歴史文化の拠点づくりですが、さきの答弁にもありましたとおり、今川義元公生誕500年祭の準備のさなか、駿府城天守台発掘調査を地道に進めた結果、豊臣秀吉公が築かせた城跡が見つかり、ここから大量の金箔瓦が発見されました。これは歴史文化施設の建設に大きな弾みをつけたと言えますが、ただ、歴史文化施設だけを見れば、確かに順調に進捗していると認識していいものの、例えば、近隣の静岡市民文化会館の建てかえやアリーナ整備構想については、現在のところ具体的なイメージが見えてこないことは残念でなりません。できるだけ早く市民の皆さんに示していただく必要があると考えます。  次に、清水区における海洋文化のまちづくりについては、先ほどの答弁にもありましたが、清水港とその周辺エリアは、非常に大きなポテンシャルを有していることは、もとより疑う余地もないところであります。来年、清水港開港120周年を迎えるに当たり、さらに勢いをつけていく必要があると強く感じているところです。  清水港客船誘致委員会と進めている客船の誘致、歓迎活動などが功を奏し、客船の寄港数は増加の一途をたどり、港とまちに活気をもたらしていることは、我々にとっても大きな喜びであります。  また、海洋文化のまちづくりの核ともなり得る海洋文化施設は、来年度には用地取得のめどが立ちそうとのことですが、市民、地元企業がまさに首を長くして待ち望んでいることを常に念頭に置き、引き続きスピード感を持って取り組んでいただきたいものです。  そして、清水区といえば、決して忘れてならないことは、長きにわたり本市のシティプロモーションに惜しみない協力をしてくださったさくらももこさんの逝去であります。本市にとっては非常に残念な知らせでありました。市議会議員、そして一市民、一区民として、改めてこの場をおかりして、深い哀悼の意をあらわす次第であります。  さくらももこさんの作品は、国内はもとより、海外でも大きな人気を博しており、まさに我々市民の誇りでありました。  先般、さくらさんに本市初の市民栄誉賞を授与することを決定されましたが、さくらさんが思い描いた世界をこれまで以上に大切にし、大きく育ててもらいたいものです。  さて、ここまで申し上げてきたように、2期8年でさまざまな成果を上げてきた一方で、ただいま一例として挙げたようにまだまだ積み残してきたものもあろうかと思います。そして、それは誰よりも市長御自身が最もよくわかっているはずであります。これら積み残してきたものをこれからどうしていくのか。この2期8年間でまいてきた種が必ずしも全ては実を結んでいない実情、ないものねだりではなくあるもの探しをしながら磨き上げた事業などさまざまありました。  SDGsで言われている誰も取り残さないよりも、ぜひここは何もやり残さない、そういう気概に期待したいものです。  市長は毎年度の施政方針で、過去の偉人の言葉を紹介し、自戒の言葉にしたいと言われています。なせば成る、なさねば成らぬ何事も、成らぬは人のなさぬなりけり、これは上杉鷹山の言葉でありますが、ぜひこの言葉を市長の座右の銘に加え、解決に向け力強く進んでいただきたいものです。そこで、改めて田辺市長にお聞きします。  先ほど御答弁されたこれまでの成果や積み残してきた課題を踏まえ、来年4月の次期市長選にどのように臨むつもりかお伺いして、私の全ての質問を終わります。 7 ◯市長(田辺信宏君) それでは、市長の政治姿勢について、これまでの成果や今後の課題を踏まえ、次期市長選についてどう対応するかとの質問にお答えをいたします。  ちょうど4年前の11月の定例会、自民党市議団の繁田議員より質問を受け、1期目の4年間を振り返る中で、その成果を3次総を推進していくための土台づくりをしてきたとお答えをいたしました。  きょう、それから4年たった早川議員の質問に対しまして、3次総を家づくりに例えるのならば、これまで丁寧に進めてきた基礎工事が終わりを迎え、将来にわたり、いかなる困難に対しても動じることのないよう躯体となる柱やはりをがっちりと固定した4年間であったと総括しています。  なせば成る、なさねば成らぬ何事も、成らぬは人のなさぬなりけり、上杉鷹山の言葉を御紹介いただきました。私の好きな言葉の1つでもあります。できっこないをやらなくちゃ、そんな気持ちでやらなければ、困難を乗り越えることはできません。  私たちが策定をした3次総、この大きな大きな家づくりは、いよいよその全体像が姿を見せるステージへと移ります。市民の皆さんにわくわくしていただきたいと願っています。  3次総の後期4年間は、いよいよ5大構想の実現に向け、市民の方々に本格的な実感をしてもらえるスタートの年です。それは私たちの世代が次の世代に対して、世界水準のワールドクラスの静岡市を創造し、バトンを渡していく新たなスタートでもあります。  私は、東京を追いかけるようなまちづくりではなく、世界を見据えた静岡市の目指すべき都市ビジョン、将来像、それを持っています。みずからがつくり上げた「世界に輝く静岡」の実現に向けて、この3次総を改めてリーダーとして担っていきたい。市議会議員出身として、現地現場主義を第一に唱え、常に市民の皆さんとともにまちづくりを進めてまいりました。  鳥の眼、虫の眼、一方で鳥のようにトップとして、大所高所から中長期的な視点を持って、将来の静岡はこれだと、まだ実感はないかもしれないけれど、これしかないという世界に輝く都市ビジョンを掲げつつ、一方で、議員各位と手を携えて、台所のつぶやき、虫の目線、生活目線で一つ一つの市民の声を丁寧に拾い上げるような、この複眼で、鳥の眼、虫の眼を駆使して、静岡市政を今後とも担わせていただきたいと強く決意をいたしました。  そして、その決意を胸に、市民の皆さんを初め、行政職員、教職員とともにまちづくりを進め、「世界に輝く静岡」の実現を引き続き追いかけていきたいと考えております。  今後におきましても、早川議員の厳しい御指導、御鞭撻を賜りますようよろしくお願い申し上げます。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 8 ◯議長(田形清信君) 次に、安竹信男君。   〔36番安竹信男君登壇〕 9 ◯36番(安竹信男君) いつになく緊張した議会質問がスタートしたわけであります。肩の力を抜いて、市長も、まだ数カ月間、任期があるわけでありますので、よろしくお願いしたいと思います。  さて、私は3点質問をいたします。  まず初めに、アセットマネジメントの推進についてであります。  3次総において、公共施設のアセットマネジメントにどう取り組んでいるかということであります。  現在機能している公共施設の多くは、1960年代から80年代の高度成長期に整備されたものが多く、地方自治体の学校や公営住宅、道路、下水道など、老朽化が顕著であり、2020年代は大量更新の時期だとされております。  中央自動車道では、1966年に開通した笹子トンネルで、2012年12月に天井落下事故が発生いたしました。また、2016年4月に発生した熊本大地震では、1965年に建設した宇土市役所が崩壊寸前の被害を受け、役所機能が麻痺したのであります。これらの事案に促された形で、総務省や国土交通省が動き出し、地方自治体公共施設等総合管理計画を2017年3月までに作成することとなったのであります。  日経グローカルに掲載されている2016年の調査データを見ますと、全国の自治体の老朽化、更新対策の実態について、施設の長寿命化を図るべきだというのがトップにありまして、それに次いで、施設の統廃合、施設の複合化、施設の総量削減、官民連携・PFI・PPPの導入という順になっています。  このような全国的な流れの中、静岡市では、3次総、さらには5大構想において、大型の箱物整備計画も進められているわけです。  ここで伺いますが、まず3次総において、公共施設のアセットマネジメントにどう取り組んでいるか、伺うものであります。  2点目の質問です。  安倍6か村合併50周年を迎えた将来展望について伺います。  安倍郡6村が静岡市に編入合併しましたのは、昭和44年4月ですが、この時点の人口は、総数1万3,633人、世帯数で2,917戸でした。  平成30年9月現在、この6自治会の人口は、梅ケ島が479人217世帯、大河内が648人278世帯、井川が481人297世帯、玉川が978人458世帯、大川が728人376世帯、清沢が1,084人480世帯、大幅に人口が減少しています。人口は9,235人減少し、戸数は811戸減っています。  私は、ここで静岡県政を振り返るわけであります。  高度成長期に安倍川流域や藁科川流域、大井川流域に沿うアクセス道路であるこの国道362号線や県道南アルプス公園線、県道井川湖御幸線、県道梅ケ島昭和線、県道三ツ峰落合線等々の整備促進が、余りにもこの県政の中でおろそかにされたということを指摘したいのであります。  本市が政令指定都市になって、これらの主要道路が本市に移管され、中山間地域の生活道路でもあり、観光客のアクセス道路でもあるこれらの南北道路が着々と整備されてきたことは明らかであります。やはり直接この管理に加わることがいかに大切か、スピード感が発揮されていることをまずもってここで敬意を表したいと思います。  このたびの井川大日峠に3,700メートル余のトンネルが整備されることになりました。トンネルを抜けると、そこは雪国だった。こんな物語が現実化します。  台風や降雪などの道路障害がなくなれば、これまで本市が整備してきた諸施設の稼働率がぐんぐんアップするわけであります。ビジターセンターや白樺荘温泉、オートキャンプ場等々が活性化しますし、民宿や旅館も息を吹き返すでしょう。また、地域の商店や農産物加工所も活気づき、農業や林業も元気づくと思います。  井川南アルプスユネスコエコパークは、近い将来に観光客や登山者で10万人以上の流動人口増加が期待されます。井川地区の活性化はもとより、市街地から井川間の沿道沿い、玉川や賤機なども必ずにぎわうわけで、5年後のトンネル建設が待ち遠しい、そんな気持ちです。  井川トンネル完成後の地域経済効果を見れば、近い将来、国道362号線や林道豊岡梅ヶ島線、安倍峠にもトンネル建設の要望がぐんと高まるのではないかと思います。  ここで伺います。大きな節目に当たり、中山間地振興施策の推進をどう考えているか、お伺いします。  次に、3点目、自然災害に関する危機管理についてです。  「山と町」安全の会としては、政務活動の中で多くの被災地を視察してまいりました。阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本大震災、ネパール大地震など、いかに自然災害がおそろしいか、いかに復興支援がとうといかを理屈抜きでこの身で体感してきたのであります。  田辺市長の危機管理意識における啓蒙の一助となればと思い質問した経緯もございます。その1つが、ハザードマップで津波浸水区域に指定されている場所に桜ヶ丘病院を誘致するとか、新清水庁舎を移転するといった静岡市政に禍根を残すであろう案件については、田辺市長には、ぜひ熟慮していただきたいと思います。  さて、災害に関する危機管理に目を向けると、近年、数十年に一度と言われるような災害が発生しています。ことしだけでも、西日本の豪雨や大阪、北海道の地震のほかに、台風などによる風水害は何度も来ております。多くの人命と財産が失われたのであります。  身近なところでは、9月に台風24号が発生し、4~5日間もの停電事故が発生し、多くの市民が不便な生活を余儀なくされました。特に林道の被害では、路肩決壊などが37カ所、倒木は76カ所、崩土が53カ所も発生しています。農道や農業用水も、のり面崩壊5カ所、倒木26カ所、崩土5カ所等々、大変な被害を受けているのであります。皆様方のお手元に、その災害の被災状況を示してあります。  自然災害はこのように続くわけでありますが、静岡市としても、地震だけではなく、異常気象による風水害など近年起きているさまざまな自然災害から学ばなければならないことはたくさんあるのではないかと思われます。静岡市もあらゆる事態を想定して、十分な対応を準備するべきだと考えるところです。  ここで伺いますが、近年の自然災害での教訓をどう生かそうとしているか、お伺いしまして、1回目の質問とさせていただきます。 10 ◯公共資産統括監(川崎 豊君) 3次総において、公共施設のアセットマネジメントにどう取り組んでいるかについてですが、3次総では、全ての取り組みに共通して必要となる都市経営の視点として効果的なアセットマネジメントを位置づけ、アセットマネジメント基本方針で掲げる「総資産量の適正化」、「長寿命化の推進」、「民間活力の導入」の3つの柱に基づいて推進することとしております。  このため、毎年度行う3次総の実施計画の改定において、公共施設全体の更新や改修の中長期的な見通しを踏まえた上で、アセットマネジメントの推進のための投資と、他の重要かつ必要な事業への投資とのバランスを考慮しながら全体事業の見直しを行い、着実なアセットマネジメントの推進に取り組んでおります。 11 ◯経済局長(池田文信君) 旧安倍6カ村を含む中山間地域の振興施策の推進についてですが、これまで地域の活性化を目指して、空き家バンクの運営や移住報償金の支給などによる移住促進、農林漁家民宿の開業支援などによる交流人口の拡大、道路などのインフラ整備による生活環境の維持などを図ってきました。  空き家バンクを開設した平成23年度から本年10月までに43世帯103人が移住し、また、農林漁家民宿については、平成29年度の制度開始以降、2件の開業支援を行ったほか、現在2件の相談を受けており、一定の成果が出ているところです。  しかしながら、農林業の低迷や市街地への人口の流出などに歯どめがかかるまでには至らず、地域活力の低下が進んでいます。  このような中、井川地区において長年の悲願であった県道三ツ峰落合線に抜けるトンネルの開通が決まりました。  また、梅ケ島温泉の国民保養温泉地の指定や水わさびの伝統栽培の世界農業遺産登録、さらに、今後開通が予定されている中部横断自動車道によるアクセスの向上など、交流人口の増加が大きく期待できるさまざまな環境の変化が起きています。
     定住人口の増加が見込めない中、この機を捉え、交流人口の拡大につなげていくためには、オクシズの魅力ある地域資源の情報発信と磨き上げを行う必要があります。  情報発信として、SNSを活用し、わさび田などオクシズならではの特色ある風景を動画で配信するほか、首都圏へのPRとして、オクシズ農産物や加工品を扱う都内の自然食品店を通じ、何もしない週末と題したオクシズでの、のんびりとした過ごし方を提案していきます。  また、魅力ある地域資源の磨き上げには、地域住民の取り組みへの支援はもとより、地域外の人材や投資を呼び込むことが有効と考えています。  例えば、オクシズの在来作物について、その価値と、それを守り伝えてきた人々に魅せられた料理人や大学教授といった地域外の人材に加え、メディアとも連携し、かつて行われていた伝統農法、焼畑を体験するツアーや、在来作物をテーマとした交流会を実施してきました。  このような取り組みを通じて、オクシズへの関心が徐々に高まり、地域外の人材がオクシズでカフェやレストランを開業するといった事例も出てきており、今後、それをさらに後押しする事業について検討しているところです。  こうした取り組みを重ねることで、これまで以上に交流人口の拡大を図り、中山間地域の振興に取り組んでまいります。 12 ◯危機管理統括監(海野剛幹君) 自然災害の教訓をどう生かすかについてですが、近年、地震や風水害により各地で大きな被害が出ており、本市でも台風24号では今までなかったような暴風による広範囲での停電など、想定を超える被害が発生しました。  また、その停電による市民生活への影響は大きく、電気製品が使えないばかりか、水の利用までもが滞る状況も見られました。  特に、停電の解消がおくれた地域では混乱や不安も大きく、ライフラインの早期復旧が市民生活の安定に直結していることも再認識させられました。  こうしたことから、事業者には安定した供給体制はもとより、災害時における迅速な復旧対応という責務があり、一方、行政には市民生活を守るという責務があるということを今回の教訓の1つとして受けとめております。  ライフライン事業者と行政は、双方が責務を果たすために、情報共有を初め災害復旧時における協力関係について協議を進めていく必要があります。  今後、その協力体制を構築することで減災に努め、災害に強いまちづくりを進めてまいります。   〔36番安竹信男君登壇〕 13 ◯36番(安竹信男君) それでは、2回目の質問に移ります。  清水庁舎の長寿命化についてどう考えているかであります。  国は、公共施設の老朽化対策促進を図るために、自治体にとって有利な財政支援措置を講じておりますが、多くの自治体が厳しい財政運営の中で、市民の理解と協力が壁となっている実態がかいま見られます。  本市では、現清水庁舎の建てかえを前提として、新清水庁舎建設を計画しておりますが、新清水庁舎建設検討委員会で本市が示している現庁舎の課題と再整備の必要性について、専門家と学識経験者はどのような考察を示しているのか、もっと詳しく公表すべきです。  少なくとも、検討委員会における議論に市民意見の反映が不十分であることを指摘しておきたいと思うのであります。  清水庁舎は1983年に建設され、17年前の合併時、人口20万人の清水市民の生活を支え、行政の府として、いまだその勇姿は健全であります。  参考までに、静岡庁舎が建設されたのは、その6年後、1989年で、この本館は1932年のものです。  静岡市アセットマネジメント基本方針の3つの柱は、いずれも重要でありますが、特に「長寿命化の推進」は、本市のまちづくりを考える上で欠かせないものです。  清水庁舎で現在活躍している職員は960名で、行政当局の配置は資料のとおりです。当然のことでありますが、平常時のマネジメント管理は重要です。  さて、ここでお伺いしますが、現在、新清水庁舎建設検討委員会では、清水庁舎を移転建てかえすることを前提に議論されているわけですが、アセットマネジメント基本方針の1つとして、「長寿命化の推進」を掲げているならば、現清水庁舎も長寿命化し、長もちさせればよいという意見もありますが、なぜ移転建てかえを行う必要があるのか、お伺いをします。  次に、市営住宅についてちょっとここで質問をさせていただきます。  市営住宅における長寿命化の推進について伺いますが、教育施設、学校に次ぐ面積を持つ市営住宅においては、長寿命化対策は極めて重要だと考えます。ここまで実施した工事内容を伺いたいと思います。  また、団地では高齢化が進み、自治会活動の継続は大変だと地元の声もあります。団地の活性化には、若い世帯を入居させる必要があります。そのためには、長寿命化の工事だけではなく、入居率の向上につながるハード整備はどのように取り組んでいるか、伺います。  以上、2回目です。 14 ◯公共資産統括監(川崎 豊君) 現清水庁舎を長寿命化ではなく、なぜ移転建てかえとするのかについてでございますが、現清水庁舎は、建築設備などの経年劣化もさることながら、想定される大地震に対して、倒壊する危険性は低いものの、かなりの被害を受けると想定されるなど、災害時の業務継続の観点から、一刻も早い再整備を検討する必要がありました。  このため、整備方法について、現庁舎の大規模改修、現在地での建てかえ、移転建てかえの3案をまちづくり方針との整合性、ライフサイクルコスト、工事期間中の市民の利便性などの観点から比較検討を行い、移転建てかえが最適と判断いたしました。 15 ◯都市局長(片山幸久君) 市営住宅における長寿命化工事の実施状況と、入居率向上につながるハード整備についてお答えいたします。  長寿命化工事は、静岡市公営住宅等長寿命化計画に基づき、平成22年度より屋上防水や外壁の全面改修工事、老朽化した給水管や排水管の更新工事などを計画的に行った結果、実施箇所は30年度末までに、市営住宅総数75団地239棟中、43団地121棟となる見込みです。  次に、入居率向上につながるハード整備については、段差の解消、手すりやエレベーターなどのバリアフリー化を初め、居室改善として、内装の改修や給湯設備の設置・更新を行い、特に子育て世帯向きには、1戸当たりの居住面積を広げる取り組みを安倍口団地などで実施しました。  今後も静岡市アセットマネジメント基本方針及び市営住宅の配置適正化方針に基づき、建物の長寿命化を図るとともに、居室改善など暮らしやすい環境づくりを進め、入居率の向上にも努めてまいります。   〔36番安竹信男君登壇〕 16 ◯36番(安竹信男君) 清水庁舎についてでありますが、築34年ですから、本来ならば、平常時からビル保全対策工事、職員や来庁者の安全対策を図るべきです。そのことがここで言う長寿命化推進になるわけであります。  耐震対策とメンテナンスを講じていれば、今後、優に30年以上は使えるだろうという有識者の意見もあるわけです。清水庁舎建設当時の有識者の意見では、東海地震説、1976年の石橋先生の説でありますが、安政の大地震災害をレベル2の大震災と想定し、大津波対策を念頭に設計された建築であるから、これは十分大丈夫なんだと、こういう話があるわけです。このことについても、市長の気持ちの中で今後の見通しをぜひ建て直していただきたいと思うのです。  どうしても新清水庁舎を建てたいということになるならば、ぜひ津波浸水区域外への移転をすべきではないかと指摘しておきたいと思います。  次に、山間地域活性化のキーワードは、林業の低迷を克服することです。安倍奥の林業は、市内の木材製材業や建設業の発展に大きく寄与しております。その木材産業は、本市産業の一翼を担った時代があります。当時の活気ある林業が山間地域のわさび生産、本山茶生産、こういったものをずっと後押ししたわけであります。その基盤づくりは、全てここにあったと言って過言ではございません。  さて、1点、ここで質問を追加させていただきます。  地域住民の生活に不可欠な道路について、台風24号による停電の主な原因となった倒木や土砂崩れなどが発生した場合、速やかな復旧が必要と考えます。  11月補正予算案で、山林道や一般道の災害復旧、河川災害の復旧事業に迅速な対応が図られていることに、心から感謝を申し上げ、風水害被害の軽減のための課題と対策について3点伺います。  1点目ですが、災害対策で大事なこととして、まず道路の復旧が考えられます。道路の迅速な復旧がなければ、最も大切な人命の救助活動にも支障が出てしまい、道路の迅速な復旧を行うためには、地元建設業者の協力が不可欠であります。しかしながら、中山間地域の建設事業者だけではなく、市内建設事業者は、人材不足や企業経営に課題を抱えております。近い将来、大きな災害が発生した場合に、これまで同様に応急復旧対応が…… 17 ◯議長(田形清信君) あと1分です。 18 ◯36番(安竹信男君)(続) できるかどうか不安であります。  そこで、市として、市内建設業者の担い手確保や企業経営の健全化に対する課題についてどのような対策をしているか、伺います。  次に、広大な中山間地を抱える本市では、危険な急傾斜地が多くあります。土砂崩れが発生してしまった場合、道路だけではなく、住宅にも被害が及ぶわけであります。  急傾斜地崩壊対策事業を推進させるための取り組みについて、お伺いします。  さきの台風24号で山間地は広い範囲にわたって4~5日間も停電が続き、ライフラインの中でも、人命にかかわる飲料水の確保は特に重要であったわけです。台風24号に伴う山間地における水道事業の被害状況及び対応状況について、お伺いします。 19 ◯建設局長(伊東正高君) 私からは、風水害の軽減のための課題と対策について、2点の質問にお答えさせていただきます。  まず、災害対応を担う建設事業者の担い手確保についてですが、本年9月の台風24号を初め災害発生時には、市内建設事業者、特に中山間地域の建設事業者の迅速かつ適切な応急復旧作業により、早期に道路、河川などの機能回復、孤立集落の解消に御尽力をいただいております。  本市としては、災害時における初期対応のみならず、その後の災害復旧事業にも、市内建設事業者に期待することが大きく、事業者が抱える人材不足、企業経営の健全化の課題への対策は重要と考えております。  本市では、建設業における人材不足、特に若者、女性の就業者不足に対して、若者が求める安定的な休日確保のために、週休2日制への段階的モデル工事の試行や、女性が働きやすい現場とするため、高機能トイレの設置など、職場就労環境の改善を図るとともに、将来を担う子供たちに向けて、建設業のイメージアップを目的とした「しずおか建設まつり」の開催などにより、建設業の担い手確保に取り組んでおります。  さらに、平成31年度からは、企業経営の健全化のため、安定した受注機会を創出する方策として、発注時期の平準化の取り組みを進めてまいります。  次に、急傾斜地崩壊対策事業を推進させるための取り組みについてですが、事業がスムーズに進むように、本市では急傾斜地崩壊危険区域指定のための測量などを実施し、また地元説明会にも同席するなど、県と連携し、円滑な事業の推進に取り組んでおります。  平成29年度には、新たに県内で8カ所の危険区域が指定され、そのうち5カ所が静岡市内となっております。また、30年度は、市内22カ所で急傾斜地崩壊対策工事が行われております。  市内には、対策が必要な急傾斜地崩壊危険箇所が654カ所あり、そのうち300カ所が整備され、本市の急傾斜地崩壊対策事業の整備率は45.9%となり、静岡県の平均35.0%を10.9ポイント上回っております。  しかし、整備率は、県平均を上回っている状況ではありますが、未対策箇所がまだ多数あるため、今後も、国や県に対し予算確保に向けたさらなる要望を行い、事業の推進に向け県と連携していきたいと考えております。 20 ◯上下水道局長(森下 靖君) 山間地における上水道の被害状況及び対応状況についてですが、まず台風24号の直接的な被害は、倒木による施設フェンスの破損が松野油山水道施設でありました。  また、停電による被害は、配水ポンプ停止に伴う断水が、下渡、大沢など5つの旧簡易水道施設の配水区域内で発生し、電力会社が停電復旧作業に時間を要したため、10月1日から10月5日までの長期間となりました。  次に、対応については、10月1日のうちに水道部内に給水対策本部を立ち上げ、断水期間中8カ所に、給水車延べ16台、職員延べ35人を派遣し、水位が低下した配水池の水を補充する作業のほか、水需要が高まる朝夕の時間帯に合わせ、ペットボトルやポリタンクなどを持参した住民に水を配布いたしました。  また、断水した施設の配水区域内では、通水再開に伴い発生する濁りを取るために、職員延べ18人を派遣し、配水管の洗浄作業を実施して、市民の飲料水の確保に努めました。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 21 ◯議長(田形清信君) 次に、長島 強君。   〔3番長島 強君登壇〕 22 ◯3番(長島 強君) 皆様、おはようございます。  公明党静岡市議会の長島 強でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  それでは、通告に従いまして、大項目、太陽光発電についてと感染症対策についての2点について質問を進めてまいります。  初めに、大項目1つ目、太陽光発電について伺ってまいります。  皆さん御存じのとおり、再生可能エネルギーには、太陽光発電、風力発電、水力発電、地熱発電、バイオマス発電などがあります。その中でも太陽光発電は、市民に多く知られており、また身近なものになっているエネルギー源の1つであります。  太陽光発電が身近なものになった理由としては、国が再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)を押し進めてきたからと言っても過言ではありません。この制度は、太陽光や風力など再生可能エネルギーで発電した電気を国が決めた価格で買い取ることを電力会社に義務づけた制度で、2009年の余剰電力買取制度が前身で、2012年7月に現在の名称に変更されています。  電力会社が買い取る費用は、利用者が毎月支払う電気料金に賦課金という形で上乗せされており、制度開始後、再生可能エネルギー発電による新規の電力導入量は、2017年12月時点で約4,014万キロワットというデータになっています。このうち9割以上を太陽光発電が占めているとのことです。  太陽光で発電した電気は、自己消費分を差し引いた後、余剰電力として電力会社に売電されるわけですが、その原資として電気料金に賦課金を上乗せして、利用者から徴収し、コストの高い再生可能エネルギーの導入を支えているという仕組みになっています。この賦課金は、私たちの家に届いている電力会社からの電気使用料のお知らせの中に、再エネ賦課金という項目で毎月の電気料金とあわせて徴収されています。  国は、この制度によって、発電設備の高い建設コストも回収の見通しが立ちやすくなり、より普及が進むことを狙ったわけであります。  私自身もそうでしたが、一般市民としては、買う電気料金よりも売る電気料金のほうが高くなるのでお得ではないかという感覚の方が多いのではないかと思います。  こうした国の後押しもあって、新規住宅を中心に、一般住宅の屋根には多くの太陽光発電パネルが設置されるようになりました。本市においてもその傾向は同じであると思います。  そこで、1つ目の質問ですが、静岡市における太陽光発電設備の累計設置件数と容量について、昨年度とその5年前とを比較してどのように変化したのか、伺います。また、あわせて今後の見通しについてもどうか、伺います。  2つ目の質問でございます。  国においても太陽光発電普及のために実施してきた事業が多くありますが、静岡市が実施した太陽光発電の普及事業はどんなものがあったか。また、その効果はどのようなものだったかを伺います。  次に、固定価格買取制度(FIT)についてもう少し掘り下げてまいります。  固定価格買取制度(FIT)によって、屋上や屋根に太陽光パネルを設置する家庭が増加し、再生可能エネルギー普及の一翼を担っているのは周知の事実であります。  制度が始まったころは、太陽光パネルの価格が高かったこともあって、電力の買い取り価格は、当時の通常電気料金の2倍に相当する1キロワット時当たり48円でした。今年度は1キロワット時当たり最大28円。10キロワット以上の出力の場合は18円まで下がりましたが、それでも1キロワット時当たり10円程度の市場価格をやや上回っている状況であります。  資源エネルギー庁によると、2019年に買い取り期間が終了する家庭は53万件に上ると言われています。該当する家庭は、残り1年間、固定買取価格が保障されていますが、その後の見通しは不透明です。しかも、翌2020年度以降も、固定価格買取制度(FIT)を終える家庭が毎年20万件から30万件程度あり、最終的には165万件に達すると見込まれています。しかしながら、固定価格買取制度(FIT)を利用する家庭の中には、10年間の買い取り期間がもうすぐ終わることを認識していない人も少なくないと言われています。  そこで、3つ目の質問です。  固定価格買取制度(FIT)が2019年10月から順次期限切れを迎えるわけでありますが、これは太陽光発電の2019年問題と称されています。この問題に対して静岡市はどのように対応していくのかを伺います。  続いて、大項目の2つ目、感染症対策について伺ってまいります。  初めに、中項目の1つ目、肝炎対策について伺います。  肝炎は、ウイルス感染やアルコールの過剰摂取により肝臓が炎症を起こす病気です。このウイルス性肝炎は、B型肝炎、C型肝炎がよく知られていますが、我が国のウイルス性肝炎の持続感染者は、B型が110万人から140万人、C型が190万人から230万人存在すると推定されています。感染時期が明確でないことや、自覚症状がないことが多いため、適切な時期に治療を受ける機会がなく、本人が気づかないうちに肝硬変や肝がんへ移行する感染者が多く存在することが問題となっています。肝がんの原因の90%は、B型、C型のウイルス性肝炎によるものだと言われています。  肝炎の治療法は進歩しており、飲み薬だけで肝炎ウイルスを治療し、進行を食いとめることができるような時代になりました。  肝臓は沈黙の臓器と言われているだけに、慢性の肝障害では、進行が緩やかなため、感染に気づいていない人も多くいると言われています。また、医療機関にかかることなく、検査の機会がなかったため、感染に気づいていない人が多くいるとも言われています。自覚症状がないから自分は大丈夫だという自己判断は禁物であり、症状が悪化する前に早目の診断を受け、適切な治療を受ける必要があります。  B型肝炎、C型肝炎に感染しているかどうかは、肝炎ウイルス検査という血液検査で調べることができます。本市においてこの検査は、過去に肝炎ウイルス検査を受けたことがない人を対象に、市内の委託医療機関においては無料で、また保健所では、肝炎ウイルス検査を希望する人に同じく無料で受けることができることになっています。肝炎対策を強化するためには、肝炎ウイルス検査が大変有効であると考えます。  そこで、質問ですが、本市における肝炎ウイルス検査の受検状況はどのようになっているのか。また、受検者数をふやすために取り組んでいることは何かを伺います。  次に、中項目の2つ目、風疹対策について伺ってまいります。  新聞やテレビ等でも最近多く報道されていますが、ことしに入りまして風疹が大流行し、現在も拡大を続けている状況であります。  11月25日までに厚生労働省に報告されたことしの累計患者数は2,312人で、1万4,000人を超える患者が出た2013年の流行以来5年ぶりに2,000人を超えたとのことです。特に東京都、千葉県、神奈川県、埼玉県、愛知県の5都県において風疹が流行しております。  風疹は風疹ウイルスの感染によって起こる病気で、感染者のせき、くしゃみ、会話などでウイルスを含んだ飛沫が飛び散り、鼻や口から吸い込むことで感染します。感染力はインフルエンザよりも強いとされています。  一度感染すると抗体ができるので、大部分の人はその後、風疹にかかることはありません。風疹ウイルスに感染すると、平均16日から18日程度の潜伏期間を経て発症し、発疹や発熱、耳の後ろや後頭部のリンパ節のはれなどが主な症状としてあらわれます。  一方で、感染しても15%から30%程度の人は、明らかな症状があらわれずに抗体ができる人もおり、知らずに周囲へ感染を広げてしまうケースもあります。  とりわけ注意したいのが、妊娠初期である20週ごろまでの女性です。風疹にかかると、胎児が風疹ウイルスに感染し、難聴や白内障、心臓の病気などを持った先天性風疹症候群(CRS)を発症するおそれがあるからです。  2012年から2013年にかけて大流行した際は、45人の赤ちゃんが先天性風疹症候群と診断され、死者も出ていると報告されています。  過去に予防接種を受けたかなど、風疹ウイルスの免疫があるかどうかが不明の場合、医療機関等で抗体検査を受けることができます。本市でも保健所において風疹抗体検査を無料で受けることができます。ただし、本市の場合、医療機関で抗体検査を受ける場合には、実費になるということを伺っております。
     全国的に話題になっている風疹の大流行ですが、先天性風疹症候群を防ぐためには、風疹にかからないための方策が重要であることは間違いありません。風疹ウイルスの免疫があるのかないのかを知ることが鍵であり、抗体検査を受検しやすくする取り組みも必要であると考えます。  そこで、質問ですが、本市の風疹患者の発生状況と風疹抗体検査の受検状況はどのようになっているのか。また、受検者数をふやすために取り組んでいることは何かを伺います。  以上、1回目の質問です。 23 ◯環境局長(櫻井晴英君) 太陽光発電の現状と課題についての3点の質問にお答えをいたします。  最初に、太陽光発電設備設置件数等の5年前との比較と、今後の見通しについてですが、まず、本市における太陽光発電設備の累計設置件数は、平成24年度末で8,967件、29年度末には1万9,018件となり、2倍以上の増加となっております。  また、設置容量の累計は、平成24年度末で4万200キロワット、29年度末には13万6,200キロワットとなり、3倍以上の増加となっております。  今後の見通しといたしましては、段階的に固定価格買取単価が減額されていくことなどから、設置件数等の伸びはこれまでほどではないものの、設置コストの低廉化や環境意識の高まりなどによって、引き続き設置は進んでいくものと見込んでおります。  次に、本市の太陽光発電の普及促進事業とその効果についてですが、主な事業3点についてお答えします。  1つ目は、平成12年度から26年度まで、住宅用太陽光発電設備の設置に対して補助金を交付し、5,223件の設置を支援いたしました。  2つ目は、平成14年度から27年度まで、国の補助制度を活用するなどして、小中学校を初めとする公共施設30カ所に太陽光発電設備などを導入いたしました。  3つ目は、平成24年度にしずおか未来エネルギー株式会社と連携し、市民の皆さんなどから出資を募る市民ファンドを活用して、日本平動物園などの公共施設5カ所に太陽光発電設備を設置いたしました。  これらの取り組みにより、二酸化炭素の排出削減につながっているとともに、市民の皆さんへの再生可能エネルギーの普及と意識醸成、さらに公共施設においては消費電力の一部を賄うなどの効果につながっております。  最後に、太陽光発電の2019年問題への本市の対応についてですが、まず、固定価格買取制度の期限切れを迎える皆さんには、主に2つの選択肢が想定されます。  1つ目は、蓄電池や電気自動車などと組み合わせて、自己消費型へ転換する方法です。蓄電池などを使い、太陽光で発電した電力を効率的に消費することにより、購入する電力を減らすことができる一方、蓄電池などの購入に新たな費用負担が発生します。  2つ目は、電気事業者と個別契約を締結し、引き続き売電する方法です。固定価格買取単価と比較して大幅に引き下げられた単価で売電することが想定されるため、これまでと比較し、売電収入は大幅に減ることが見込まれます。  期限切れを迎える皆さんには、今後の対応に関して、国の指導のもと、電気事業者の責任において情報が提供されることとなっており、既に段階的に電気事業者からの御案内が始まっていることを確認しておりますが、本市といたしましても、市民の皆さんに混乱が生じることがないよう、ホームページなどを使って情報提供を行ってまいります。 24 ◯保健福祉長寿局長(平松以津子君) 私からは、感染症対策に関する4点の御質問にお答えします。  まず、肝炎対策について。  肝炎ウイルス検査の受検状況ですが、肝炎ウイルスに感染することで発症する肝炎のうち、B型肝炎とC型肝炎は慢性化し、肝硬変、肝がんへと重症化することがございます。  したがって、この2種類の肝炎ウイルス感染者を早期に発見し、治療につなげるため、市内250の医療機関に委託して、無料の検査を実施しております。また、保健所においても月2回検査を行っております。  平成29年度の受検状況ですが、7,806人の方が2種類の検査を受け、陽性者はB型肝炎が32人、C型肝炎が44人という結果になっております。  次に、受検者数をふやすための取り組みですが、無料の肝炎ウイルス検査について広く知っていただくため、市ホームページや広報紙、また、毎年4月に各戸配布している「健診まるわかりガイド」へ実施医療機関等を掲載するなどして周知を図っております。  また、毎年7月の世界肝炎デーには、県及び肝疾患診療連携拠点病院との連携により、講演会や無料個別相談会、街頭キャンペーンなどの啓発活動を行っております。  今後も、より多くの方に検査を受けていただき、早期発見、早期治療につなげるため、さまざまな機会を捉えて、事業の周知、啓発に努めてまいります。  次に、風疹対策について。  風疹患者の発生状況と風疹抗体検査の受検状況ですが、風疹への免疫が不十分な女性が妊娠初期に風疹に感染しますと、胎児にも影響を及ぼし、心臓や目、耳に障害がある先天性風疹症候群の子供が生まれる可能性があります。  そのため、保健所では、妊娠を希望する女性とその配偶者及び妊婦の同居家族を対象に、風疹に対する免疫が十分あるかどうかを調べる風疹抗体検査を無料で行っております。  まず、風疹患者の発生状況ですが、平成30年度は、10月末現在で、患者数が7人、内訳は40代男性が4人、50代男性が2人、60代女性が1人で、本市としては27年度以来の発生が多い状況となっております。  次に、風疹抗体検査の受検状況ですが、10月末現在で、250人の方が検査を受け、その結果、十分な免疫がないとされた方が106人、そのうち約3割は、子供のころに定期接種対象から外れた世代に当たる30代から50代の男性が占めています。  なお、30年度は検査の問い合わせや申し込みが多いため、検査のスタッフをふやすなど検査体制を整えることで、例年より検査の受け入れ人数を100人ほどふやし、対応しております。  最後に、受検者数をふやすための取り組みですが、無料の風疹抗体検査を広く知っていただくため、市ホームページや広報紙へ掲載をしているほか、妊娠を希望する女性など検査対象者へのアプローチとして、婚姻届の窓口である各区戸籍住民課や母子手帳発行窓口である各保健福祉センターに事業案内のチラシを置くなどして周知を図っております。  平成30年度は特に風疹の発生が多くなっているため、ラジオ放送での呼びかけや健康雑誌への掲載など、啓発活動を強化しております。  今後もさまざまな機会を捉えて、抗体検査の必要性を理解していただき、多くの方に検査を受けていただけるよう事業の周知に努めてまいります。   〔3番長島 強君登壇〕 25 ◯3番(長島 強君) 御答弁ありがとうございました。  意見・要望につきましては、最後にまとめて述べてまいります。  2回目の質問を進めてまいります。  まず、太陽光発電についてです。  現状と課題について御答弁をいただきました。2回目は、太陽光発電の2019年問題の対応策について質問を進めてまいります。  公明党は、さきの党全国大会で発表した重要政策に、太陽光や風力、地熱などの再生可能エネルギーを将来の主力電源とするため、余った電力をためる蓄電池の開発と導入を進めていく方針を示しました。  図らずも10月13日、蓄電池の必要性を改めて証明するような事態が発生しました。それは、九州電力が太陽光発電の事業者に一時的な稼働停止を求める出力制御が実施されたことであります。気温が低下して冷房などの電力需要が減ったことで、需給バランスが崩れて起こるブラックアウト(大規模停電)に陥るのを防ぐためで、大規模な実施は初めてでありました。  政府があらかじめ定めたルールに基づく措置とはいえ、資源に乏しい日本にとって、自然エネルギーが活用されなかったこと自体にもったいないと感じた消費者は少なくないのではないでしょうか。  とりわけ太陽光に対する期待は高まっていますが、難点なのは、気象条件によって発電量が大きく左右されることであります。また、余剰電力を蓄電池にためておき、需要が大きい時間帯に利用できるシステムの開発が急がれるところですが、その蓄電池は設置費用が高いというのも難点であります。低廉化に向けた研究開発なども必要であると考えます。  ことし9月6日に発生した北海道胆振東部地震では、北海道全道が停電となるブラックアウトが発生したのは、記憶に新しいところであります。  停電時に非常用電源として、太陽光で発電した電気を蓄電池にためて、その電気を活用できればと考えた人も多くいたのではないでしょうか。  そこで質問ですが、2019年問題への対応や、非常時の電源としても、今後、蓄電池の活用が期待できると思いますが、静岡市はその普及促進についてどのように考えているのか、伺います。  次に、太陽光発電に関する消費者トラブルについて1つ伺ってまいります。  太陽光発電システムに限ったことではないと思いますが、普及が促進されると、必ずと言っていいほど、契約上のトラブルや金銭トラブル、詐欺行為など悪質な消費者トラブルが起こると言っても過言ではありません。  太陽光発電システムの普及に伴って全国的にトラブルの相談が多く寄せられていると言われています。消費者の環境意識の高まりや補助金制度、固定価格買取制度(FIT)により、普及がさらに進むことで、消費者相談の内容や対処方法について知識を持っていくことが大切になります。  そこで質問ですが、太陽光発電に関する消費者トラブルについて、本市に寄せられている相談件数はどのように推移しているのか。また、相談にはどのようなものがあるのか、伺います。  次に、肝炎対策についてです。  肝炎を含む肝臓病の予防を市民に周知するとともに、感染者の把握と早期治療のため、さらなる普及啓発や受検しやすい環境を整備していくことは必要であると感じております。  肝炎ウイルス検査を受けた結果、陽性となった場合、次のステップとして、医療機関への精密検査、場合によっては定期検査の受診、抗ウイルス療法による治療を受けることになり、肝炎の重症化予防が進められることになります。  大阪府では、肝炎に関する基礎知識や情報提供、受診勧奨などを行う肝炎医療コーディネーターの養成研修を実施しているとのことです。これは国が各都道府県に対して、肝炎医療コーディネーターの養成や活用を求めていることに応じて行われたものでありますが、医療関係者や行政職員らが参加し、検査費用の助成制度の説明や、肝炎の最新治療、患者の食事管理のあり方などについての講演が行われるなど、早期発見や早期治療の橋渡し役を担うための取り組みが行われております。  このような橋渡し役として支援するコーディネーターの存在は、大変重要な役割を担っているものであり、患者さんにとっても安心できるものであると思います。  そこで質問ですが、肝炎ウイルス検査を受検した結果、陽性であった場合に、本市として取り組んでいることは何か、伺います。  次に、風疹対策についてです。  国立感染症研究所の感染症発生動向調査によると、2013年の男性の風疹患者数は女性の約3倍を記録、特に妊婦への感染経路は、夫から妻の場合が最も多く、先天性風疹症候群を防ぐには、家庭や職場での予防への取り組みが不可欠であります。ことしも患者の9割は成人が占め、男性が女性の4倍以上で、特に30代から50代の男性が多い状況になっています。その背景には、30代から50代の男性で、風疹の免疫を持つ割合が少なく、大きな問題になっています。  風疹を含むワクチンの定期予防接種制度の変遷によって、予防接種を受けていない人が数多くいるためで、30代から50代で風疹の免疫がない男性は数百万人にも上るとされています。  抗体検査を受検することも重要でありますが、風疹の感染を防ぐには、風疹ワクチンや麻疹風疹混合ワクチンといった風疹含有ワクチンを接種することが最も有効だとされ、2回の接種が望まれています。  名古屋市のように接種費用の全額を助成している自治体もあれば、千葉市や横浜市のように1回のみ定額で助成している自治体。また、相模原市や新潟市のように生活保護世帯や市民税非課税世帯の方は無料で、そのほかの方は定額で助成している自治体など、助成の方法も自治体によってさまざまであります。  そこで質問ですが、抗体検査の結果、十分な免疫がなかった場合に、本市として取り組んでいることは何かを伺います。  加えて、感染予防として予防接種が有効とされておりますが、成人に対する予防接種の公費助成を行う考えがあるかどうか、伺います。  以上、2回目の質問です。 26 ◯環境局長(櫻井晴英君) 蓄電池の普及促進についてですが、蓄電池は、本年9月に発生した北海道胆振東部地震のような災害による大規模停電の際には、一定程度の電源確保ができる有用な機器であると認識しております。  本市では、エネルギーの地産地消事業の一環として、地域防災計画で避難所に指定されている小中学校のうち80校に蓄電池を設置し、日常的にはIoT技術を活用して電力の需給調整を行い、緊急時には非常電源として活用することとしております。  このため、今後、非常時の蓄電池の有用性について、幅広く検証を行うとともに、市民の皆さんの需要の状況などを見きわめた上で、普及促進策について検討してまいります。 27 ◯市民局長(豊後知里君) 消費生活センターに寄せられた太陽光発電に関する相談件数の推移についてですが、毎年20件程度の相談が寄せられており、この5年間はほぼ横ばい状態です。  具体的な相談内容としては、訪問してきた事業者に長時間勧誘されたり、きょうならこの金額で契約できるなどとせかされて、契約してしまったが解約したいといった契約トラブルの相談や、電話などで勧誘してきた事業者の苦情の有無を知りたいといった相談が主なものです。  そのほか、事前説明と比べて工事内容が違う、発電量が少ないといった事業者の不正確な説明に関する相談も寄せられています。 28 ◯保健福祉長寿局長(平松以津子君) 感染症対策に関する3点の御質問にお答えします。  まず、肝炎対策について。  検査の陽性者に対する取り組みですが、肝炎ウイルス検査で陽性となった方を早期に治療につなげるため、医療機関への受診勧奨を行っております。  具体的には、電話にて精密検査等の受診の有無を確認し、県で実施している精密検査費用の助成案内パンフレット等を郵送します。電話連絡がつかない場合には、パンフレット等を郵送する際に、受診を勧める手紙を同封し、早期に受診していただくよう勧奨に努めております。  その上で、翌年度には、受診の有無や治療内容などを把握するための調査票を送付し、なお未受診の方に対しては、電話にて再度受診勧奨を行っております。  今後も、陽性者に対し積極的な受診勧奨を行い、早期治療につなげることで、肝炎の重症化予防に努めてまいります。  次に、風疹対策について。  抗体検査の結果、十分な免疫がなかった方に対する取り組みですが、十分な免疫がないとされた方については、予防接種により風疹に対する免疫を高める必要があります。  そのため、まず抗体検査の問診時において、妊婦の風疹感染リスクや予防接種の効果について説明し、さらに検査後、検査結果をお知らせする通知の中でも、予防接種を受けるよう勧めております。  最後に、成人に対する予防接種の公費助成についてですが、国では、風疹対策として、まずは平成31年度に向け、無料の風疹抗体検査の対象者を30代、40代、50代の男性にも拡大することとしており、成人に対する予防接種については、ワクチンの増産体制など環境整備も含め、今後検討するとしております。  本市といたしましては、国の動きに合わせ、抗体検査の対象者が拡大される場合には、検査日をふやすなど実施可能な体制を整えるとともに、成人に対する予防接種の公費助成については、国の予防接種体制の整備が前提となることから、今後も引き続き、国の動向を注視していきたいと考えております。   〔3番長島 強君登壇〕 29 ◯3番(長島 強君) 御答弁ありがとうございました。  3回目は、意見・要望を述べさせていただきます。  初めに、太陽光発電についての意見・要望です。  太陽光発電の固定価格買取制度(FIT)が1年後から順次終了していくわけでありますが、実際に設置している世帯では、制度が終了すること自体を知らない人や、知っていたとしても、今後どのようにしたらよいか不安に感じている人がほとんどではないかと思います。  実際のところ、設置世帯としては、いろいろな選択肢から選ばなければなりません。情報をわかりやすく丁寧に提供していただきたいと思います。  私自身は、防災の観点から、蓄電池の活用が期待できるものと考えている一人でありますので、そのあたりの普及啓発に尽力していただければありがたいと思っております。  また、蓄電池の導入については、太陽光発電の2019年問題に便乗して、電気料金が得になるという手口の訪問販売等で売りつける悪徳業者も存在しています。こうしたトラブルに巻き込まれないためにも、しっかり対処方法を市民の皆さんに周知していただきたいと思います。  次に、肝炎対策についての意見・要望です。  質問の中でも述べましたが、大阪府で取り組んでいる肝炎医療コーディネーターは、肝炎に関する基礎知識や情報提供、受診勧奨を行うなど、早期発見や早期治療の橋渡し役として重要な役割を果たしており、何かと不安を抱えている患者さんに寄り添うものとして、大変心強いものであると思っております。  当局におきましても、どうかこの取り組みを参考にしていただいて、患者さんに寄り添ったフォローアップをしていただきたいと思います。  最後に、風疹対策についての意見・要望です。  局長からの答弁にもありましたが、国の動きとして、厚生労働省は患者の多数を占める30代から50代男性の抗体検査や予防接種の原則無料化を検討しております。  根本厚生労働大臣は、27日の閣議後の記者会見で、成人男性の定期予防接種化などを視野に、ワクチンメーカーと増産の交渉を進めているとし、一定量の増産が可能と確認できていると、このように述べております。また、自治体によって検査や予防接種に対する助成制度にばらつきがあるとの指摘を受け、自治体向けの指針を作成する方針も明らかにしております。  風疹対策をめぐっては、公明党の山口那津男代表は、20日の記者会見で、政府に対し対策をさらに強化すべきだ。第2次補正予算案に対策費用を盛り込み、全国的な感染防止策を総合的につくってもらいたいと、このように要望しております。  こうした国の動きを見据えながら、本市としても、市民が安心して生活できるような対策を講じていただきたいと思います。  子育てしやすいまちを目指しているからこそ、風疹被害の親子をふやさないために、しっかり取り組むべきだと思います。  また、本市の魅力ある観光地である日本平、駿府城公園、三保松原など、市外、県外、海外から訪れる観光客の皆様にとっても、静岡市は安心して来られるところなんだというアピールができれば、さらに魅力アップにつながるものと確信しております。そのためにも、特に感染リスクの高い30代から50代男性に対する抗体検査、予防接種の公費助成をぜひとも実現していただきたいと思います。  以上、意見・要望を述べさせていただき、今定例会の全ての質問を終了します。ありがとうございました。(拍手)
    30 ◯議長(田形清信君) この際、暫時休憩いたします。         午後0時1分休憩    ───────────────────         午後1時再開 31 ◯副議長(望月俊明君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  総括質問を続けます。  次に、加藤博男君。   〔2番加藤博男君登壇〕 32 ◯2番(加藤博男君) 皆様、お疲れさまでございます。  それでは、通告に従い質問をさせていただきます。  まず、大項目の1つ目、静岡市創生・SDGs推進会議についてであります。  静岡市創生・SDGs推進会議は、その前身である静岡市創生推進会議が進化した会議であると認識しています。  地方創生、人口減少問題を喫緊の問題とし、静岡市人口ビジョン及び静岡市総合戦略を策定するに当たり、専門的な見地から助言、提言を反映し、また客観的な効果検証及び総合戦略の見直しのほか、SDGsを推進するために設置された会議であります。  この会議には私も2回の傍聴をさせていただいておりますが、産官学金など多様な業界団体から選ばれた委員の活発な意見やアイデアは、本市の地方創生を推進するに当たり、市長はもちろんのこと、本市の各種業界団体のトップの方々や有識者からの意見が飛び交い、大変有意義な会議であると感じています。  本年度も、先月31日に第1回の会議が開催され、3つの分科会で取り組まれてきた内容が発表されております。  1つ目は学生・留学生分科会、2つ目は多様な働き方分科会、3つ目はSDGs基礎分析分科会でありますが、特に3つ目のSDGs基礎分析分科会では、人口活力の維持、地域の持続可能性の向上、健康長寿のまちの推進、その他のテーマについて議論されたとのことであります。  このSDGs基礎分析分科会での地域の持続可能性の向上に対する問題提起では、SDGsの認知度が高くない。また、何をすればいいかわからない人が多い。地域コミュニティが維持できなくなる可能性がある。限界集落、消滅集落がふえる可能性があるというような内容が報告されており、その問題提起に対して提案や意見があったと認識しておりますが、改めて確認の意味で伺います。  本年度開催された第1回目の会議において、SDGs基礎分析分科会から報告された内容はどのようなものか、伺います。  続いて、大項目の2つ目、清水港のコンテナ物流におけるポートセールスについて伺います。  我が国港湾における2017年のコンテナ取り扱い量は2,279万TEU、前年比5%増となりました。2014年の2,170万TEUを抜き、過去最高値を更新しました。  TEUとは、20フィートの海上コンテナ1個を1TEUという単位であらわします。  その中で2017年の清水港のコンテナ取り扱い量は、前年比4.7%増の54万1,540TEUとなり、過去最高だった2006年、2位の2007年に次ぐ3番目に多い取り扱い量となりました。県によると、官民一体で県外事業者に物流利用を促したことで、清水港の利便性が認知されたとしています。  輸出が2.2%増の23万2,926TEUと牽引し、輸入も1.4%増の21万9,839TEUと好調。国内の輸出入合計は22.2%増と大幅に伸び、8万8,775TEUとのことでした。2017年は世界的にコンテナ取り扱い量が増加しており、国内の主要港湾でも上昇しているとのことであります。  清水港では、2006年に過去最高の57万2,399TEUとなりましたが、リーマンショックがあった2009年に落ち込み、その後は徐々に回復。2016年は全国8位、昨年は9位に後退しましたが、8位の北九州港との差は、わずか5,000TEU程度の差であります。  そのコンテナ取り扱い増に向けた道路のインフラ整備も着々と進んでおります。その1つとして、来月12月22日には、静清バイパスの全線4車線が開通する運びとなりました。  国土交通省によりますと、清水港の取り扱い貨物のうち約7割が静岡県浜松市、静岡市から輸送されており、そのうち約7割が国道1号を利用。静清バイパスや清水港のコンテナターミナルの整備により、清水港を発着する港湾物流が活性化され、静清バイパスを通行する大型車交通量が増加。全線4車線化により、さらなる港湾物流の活性化が期待されるとのことであります。  また、同省によれば、静岡県は全国1位のお茶生産量を誇り、近年、世界的な緑茶ブームの拡大に伴い、清水港は全国2位の緑茶輸出港に成長しており、平成24年比で昨年は約10倍の輸出額となっております。静清バイパスの全線4車線化により、県内の緑茶の生産地、製造拠点、清水港を結び、さらなる地場産業の活性化が期待できるとのことであります。  また、来年秋から仮称東名静岡東スマートインターチェンジの開通及び中部横断自動車道の開通などを視野に入れると、清水港の利活用はさらに期待が持て、取り扱い量の増加が見込まれます。  また、日本やオーストラリアなど11カ国が参加する環太平洋連携協定(TPP)の発効が決定しております。  外務省によりますと、メキシコ、日本、シンガポール、ニュージーランド、カナダ、オーストラリア、ベトナムの7カ国が国内手続が完了した旨の通報を寄託国、ニュージーランドに行っており、本年12月30日に発効することが確定しているとのことです。  国内総生産量(GDP)で世界の1割を超え、人口約5億人を抱える巨大な自由貿易圏が誕生する予定で、域内における関税の削減、撤廃や企業活動に関するルールの主導は、アジア太平洋地域の経済活性化に寄与するとのことであります。  とりわけ注目すべきは、多国間による自由貿易の新たな枠組みが動き出すことです。今後、加盟国は広がる見通しで、既に韓国やインドネシア、タイに加え、欧州連合を離脱する予定の英国などが関心を示しております。  さらに、政府は、欧州連合と経済連携協定(EPA)の承認案を閣議決定し、今国会での承認を目指しており、昨日29日に衆議院を通過したところであります。  日本、EUとも、年内に議会手続が終われば、来年2月1日に発効予定で、発効すれば、双方の関税が幅広く引き下げられます。  2016年の統計によりますと、人口が約5億1,000万人、GDPが約1,800兆円のEUと、人口1億2,000万人、GDPは約540兆円の日本によるEPAが実現すると、世界最大級の自由な先進経済圏が生まれます。  海外との競争にさらされる農畜産品を中心に、国内対策もぬかりなく進めなくてはなりませんが、世界の緑茶ブームや昨今のリーファーコンテナ、すなわち冷蔵・冷凍コンテナ用電源の拡充を行った清水港では、緑茶を初めさらなる農産物の輸出基地として期待が持てます。  また、県では、温度管理だけではなく、酸素と二酸化炭素濃度を調整し、青果物の貯蔵期間を延長させることができるCAコンテナの輸送実験もシンガポール向けに昨年行われており、より品質の高い海上輸送が期待されております。  また、東京港では、海上コンテナドレージ、コンテナを牽引するトレーラー業者の手配の逼迫は顕著な傾向であり、荷量の増加、慢性的なドライバー不足、コンテナターミナルの混雑による稼働率悪化と3つの要因が重なり、昨年末からことしにかけて多くの会社が1カ月先でも車は回せない状況にあるとの報道もありました。私も前職で車の手配には非常に苦労した経験があります。  東京港の輸送能力のキャパシティーが限界に達する中、フィーダー貨物の近距離輸送で、陸送から内航船へのシフトも見られますが、東京五輪需要で、さらにその傾向は悪化するものと想定されており、荷役の待ち時間が短く、首都圏にも近い清水港の存在は、より注目される存在になると感じています。  そこで、ポートセールスをさらに強化していく必要があると考えますが、まずは、これまでどのようなポートセールス活動を行っているのか、伺います。  3つ目の大項目は、今後の地域コミュニティについてであります。  地域コミュニティの中核を担う本市の自治会・町内会への加入率は80%を超えており、全国平均よりも高い傾向にあります。災害が激甚化する中で、地域コミュニティの存在は大きな意味を持つものと考えます。  また、南海トラフ地震が今後30年以内に7割から8割の確率で起きると言われている昨今、さらなる地域の支え合いが日ごろからできていることが望ましいのは言うまでもありません。  そのような中で、本市としても地域デザインカレッジや学区、地区ごとの人口推計の提供など、さまざまな形でフォローしていただいていると思いますが、まず現状の地域コミュニティをどのように捉えているか。また、地域コミュニティの中核を担っている自治会・町内会への支援をどのように考えているか、伺います。  以上、1回目です。 33 ◯副市長(小長谷重之君) 現状の地域コミュニティをどのように捉えているか。また、自治会・町内会への支援をどのように考えているかについてお答えさせていただきます。  少子高齢化、地域課題の多様化が進む中、本市においては、自治会・町内会を中心に、子育て、防災、福祉などにかかわるさまざまな団体が連携し、安心安全な地域づくりに取り組み、地域の暮らしを支えていただいております。  本市が目指す市民主体のまちづくりを実現していく上で、自治会・町内会は、重要なパートナーであり、日ごろからさまざまな地域課題に熱心に取り組まれていることに対し、敬意を表するとともに、大変心強く感じております。  一方、全国的に課題となっている自治会・町内会における担い手不足等の問題につきましても、本市においても、同様の状況となっております。  そこで、持続可能な地域コミュニティを維持するため、自治会・町内会への支援策として、地域デザインカレッジによる人材養成事業を行うほか、地域の課題解決を学び合う「しずおか自治取組発表会」や、住民主体の地域づくり講演会を開催し、有益な情報の提供を行うなどさまざまな取り組みを行っております。  この夏の西日本豪雨においても、自治会・町内会の活動により、住民を救った事例等もメディアで紹介され、地域コミュニティの中核を担う自治会・町内会の存在は、大変大きなものがあることを改めて認識をしたところでございます。  今後も、こうした地域コミュニティが持続されますよう支援していくとともに、引き続き、自治会・町内会を初め、地域づくりにかかわる関係団体とともに、住民主体の地域づくりを進めてまいります。 34 ◯企画局長(松永秀昭君) SDGs基礎分析分科会からの報告内容についてですが、主に次の2点について報告をされました。  1点目は、企業や団体等を表彰する制度の提案です。  これは、企業や団体がSDGsに取り組む行動を促すため、静岡市版SDGsアワードを新たに設け、SDGs達成に資するすぐれた取り組みを企業、教育機関といった部門ごとに表彰するというものです。  2点目は、小規模多機能自治に対する意見です。  これは、広大な市域の中、少子高齢化や過疎化の進展状況など地域ごとに抱える課題が異なることから、行政との協働のもと、地域の課題をみずから解決に向けて取り組む小規模多機能自治についての調査研究を進めるべきというものです。  これらの報告は、いずれも時宜を得た提案、意見でありますので、重く受けとめ、しっかりと対応していきたいと考えております。 35 ◯海洋文化都市統括監(山本高匡君) 清水港のコンテナ物流におけるポートセールスの御質問についてお答えいたします。  これまでのポートセールス活動についてでございますが、国、県、市及び港湾関係企業で組織いたします清水港利用促進協会が中心となり、コンテナ船航路の維持や拡大、取り扱い貨物量の増加を目的としたポートセールス活動を国の内外で実施しております。  この活動は、近年の海運業界において、企業の統合、それから共同配船、船の大型化等に伴い、利用する港の選択が進む中、清水港への航路の誘致や新規貨物の獲得を目指すものであり、清水港の利用拡大を図る上で重要な取り組みとなっております。  具体的には、日本の中心に位置する清水港の国内配送における地理的な優位性を初め、新規航路の開設や、新たに清水港を利用する荷主への助成制度などを、欧州・北米航路及びアジア航路の船会社を訪問してPRするとともに、首都圏、甲府市及び県西部地区でのセミナーや清水港物流視察会を開催しております。  毎年、東京の帝国ホテルで実施しております首都圏セミナーは、船会社や荷主などの関心の高さから、年々参加者が増加し、本年11月のセミナーには、800人を超える参加がございました。こうした取り組みを通じ、確実に利用者の掘り起こしが進んでいるものと考えております。   〔2番加藤博男君登壇〕 36 ◯2番(加藤博男君) 副市長、各局長から御答弁いただきまして、ありがとうございました。  続いて、2回目の質問です。  静岡市創生・SDGs推進会議についてでありますが、先ほどの御答弁では、企業や団体を表彰する制度の提案や、小規模多機能自治に関する意見があったとのことでありました。このような提案に賛同していきたいと思いますが、この分科会での発表では、地域の持続可能性を向上させていく上では、市民や企業の行動を引き出すことにつなげるべきだとの議論がされていたと記憶しております。  地域の持続可能性を向上させることは、持続的な企業活動を支えることにつながり、ひいては、企業自体の持続可能性につながるのではないでしょうか。そのサポート役として行政があり、本市においては、特に中小企業の皆さんが環境の配慮や働きがいも経済成長も追求していくことを支援していくことが求められると考えます。  首都圏、大企業のSDGsの推進は進んでいるように感じますが、いまだ市内の中小企業まで波及が及んでいないのが実情ではないかと思います。  経団連では、会員企業に対し、自社のみならず、グループ企業、サプライチェーンに対しても、企業行動憲章に即した行動変革を促すとともに、多様な組織との協働を通じて、Society5.0の実現、SDGsの達成に向けて行動するよう求めていますが、これも強制力があるわけではなく、自主性を重んじているものと考えられます。  その中で、本市として、本年5月には、国連での市長のスピーチや、広く地元経済界にも好影響をもたらす来年1月の東京ガールズコレクションの開催。また、同時期に開催されるSDGsウイークに、本市としてさまざまな試みやイベントを行っていただく計画があり、その動きは加速度を増してきたと感じており、行政側の役割としてチャレンジしていただいていると思います。  一方で、大組織であるために本市の職員の皆さんの一人一人まで意識を高めていくために、試行錯誤していただいているとも感じています。  そこで、教職員を含めた8,700人超の市職員の意識向上のためのツールとして、オクシズ材などを使用したSDGsのバッジを職員全員に配布するべきではないかと考えています。また、安価で市民や企業へも販売し、普及啓発の一助にしてはどうかと思います。  オクシズ材のSDGsバッジは、就労支援事業所などへ作成を依頼し、オクシズ材の利用促進と障害者の雇用創出の一助に寄与されるものと考えています。  名刺にもちびまる子ちゃんとSDGsを掛け合わせた名刺を作成し、市内、県内、国内、海外でも使用して啓発を行い、裏面は英語表記で、アジアでの啓発を行う際に使用することも効果的ではないかと考えています。  また、長野県では、SDGsの達成を通じた中小企業の競争力を目的に、地域SDGsコンソーシアムを発足し、金融機関やジェトロなども交え、持続可能な開発目標を活用したビジネスを創出するための効果的な手法を検討しています。  また、滋賀県では、社会的課題を解決するビジネスの創出を目指す官民連携拠点、滋賀SDGs×イノベーションハブという拠点を設けています。  このような他自治体の例もある中で、本市としても市内企業に対する普及啓発や企業の行動を引き出していくような取り組みが必要であると考えます。  そこで、本市では、東京ガールズコレクションの開催や国連での取り組みは認識しておりますが、市内企業に対するSDGsの普及啓発はどのように行っていくのか、伺います。  続いて、ポートセールスについての2回目です。  先ほどの御答弁では、海外船会社への訪問や、首都圏、甲府などでセミナーを実施し、首都圏セミナーでは大変関心が高くなっているとのことであり、今後に大きな期待が持てると感じたところであります。  昨年、同じ会派の山本議員、大石議員とともに、八戸市のポートセールスについて視察をさせていただきました。もちろん海上コンテナの取り扱いの規模としては、清水港のほうがはるかに上でありますが、港の広さや取り扱い品目の大きさなどは、引けをとらない港でありました。また、そのポートセールス活動についても、先進的な取り組みをしていると感じたところであります。  八戸市のポートセールスの特徴は、海外の総領事館やCLAIR、すなわち一般財団法人自治体国際化協会などのアセットやコネクションをかりて、ポートセールス活動を行っているところであります。  ことし1月の八戸市の上海でのポートセールスでは、八戸市長が上海を訪問し、総領事と日中間の物流事情について意見交換をしております。八戸港のレセプションにも総領事が参加し、総領事が持つ現地のコネクションを有効に使っているとのことであります。  また、現地の在外公館を使用したレセプションを開催することで、現地の会場費などを抑え、コスト削減ができ、さらに現地の強いコネクションも活用ができる利点があるとのことでありました。  さらに、CLAIRは、東京を事務局本部として、ニューヨーク、ロンドン、パリ、シンガポール、ソウル、シドニー及び北京の7つの主要都市に海外事務所を設置し、海外とのネットワークの充実に努めている地域の国際化を一層推進するための自治体の共同組織であります。  八戸市では、ソウルのCLAIR事務所を訪問するなどして意見交換を重ねたり、現地、韓国でのレセプションをバックアップしていただくなどの支援を受けているとのことでありました。  本市とも関係の深い八戸市のような活動も有効かと考えますが、今後のポートセールス活動について、どのように取り組んでいくのか、伺います。  続いて、地域コミュニティについての2回目の質問です。  地域コミュニティのあり方が変化してきており、若い世代など、自治会・町内会に所属しない市民がふえ、加入率が下がってきているのではないかとの声も地域の中でお聞きしております。  こうした状況を打開していくためには、NPOなどの市民活動団体にも活動の場を広げてもらうことが想定されます。  その中でより多くの人が参加するまちづくりを目指し、市民活動のポータルサイトとして運営が始まったのがここからネットであります。市民が市民活動に参加しやすくするために、市民活動団体をつなげるここからネットを導入されておりますが、現状はどのようか。今後、自治会・町内会と市民活動団体をつなげることを含め、どのように展開していくのか、伺います。  また、あわせてもう1点伺います。  自治会・町内会組織の運営が大変だとの声を聞く中で、NPOなどの市民活動団体が自治会をサポートする体制が求められているのではないかと考えます。  駿河区のある地域では、自治会連合会とは切り分けて、NPO法人まちづくり協議会を立ち上げ、各種イベント運営や福祉車両、買い物バスなどの運行を行っている事例もあります。  こうした事例のほか、地域デザインカレッジの受講生の皆さんが地域に入って地域づくりを活性化している例も見受けられるようになっています。  こうした流れは、さらに強化していく必要がある一方で、本市としてさまざまな部局から自治会・町内会への協力要請を行っています。  さらに、学校関係、警察、社協など、さまざまな公的団体からアンケートや調査などの協力要請もあります。  行政側が、1つしかない受け手側である自治会・町内会側にどのような負担が生じているのかを把握する必要があると感じています。  そして、こうした協力要請のあり方や負担を減らすことも、自治会・町内会の活性化のために必要であると考えます。
     そこで伺います。  自治会・町内会から、市から依頼事務が多いと聞いているが、負担軽減に係る取り組みは行っているのか、伺います。  以上、2回目の質問を終わります。 37 ◯企画局長(松永秀昭君) 市内企業に対するSDGsの普及啓発についてですが、SDGsをビジネスチャンスと捉え、オーガニックコットンを原料に風力発電を利用してタオルを製造し、売り上げを大きく伸ばした今治市のメーカーの例もありますが、議員御指摘のとおり、市内ではSDGsをビジネスにつなげている企業は、まだ少数にとどまっております。  そこで、静岡市とメディアがSDGsの普及を目的としたプロジェクトを立ち上げ、静岡朝日テレビや静岡新聞社・SBSといった大きな情報発信力を有するマスメディアと連携し、放送番組や新聞記事などを通じて、市民の皆様はもとより、市内企業に対し、SDGsのメリットを伝える取り組みを行っております。  こうしたところ、最近では、マスメディア自身が従業員を対象とした勉強会を開催したほか、静岡経済同友会が会員である企業経営者に対して講演会を行うなど、市内企業における動きも少しずつ出てきたところでございます。  このような動きをさらに加速させるため、分科会から提案のあった静岡市版SDGsアワードのようなロールモデルを発信する取り組みを、既存の企業表彰制度と調整を図りつつ具体化してまいります。 38 ◯海洋文化都市統括監(山本高匡君) 今後、どのようにポートセールス活動に取り組んでいくのかについてお答えいたします。  まずは、現在実施しております国内外でのポートセールス活動を継続してまいります。  今、議員から御紹介がありました八戸市では、在外の公館などを使っているというお話だったんですが、静岡市の場合は、官民で約20人ぐらいのグループをつくりまして、ここ2年ぐらいやり方が違うんですが、アジアを中心に、船会社と荷主のところを丁寧に回っているというやり方をしております。  そういう中で、例えば荷主に対するセミナーでは、300人ぐらい集まってくださっているようですが、そういうところに例えば総領事をお呼びするというような形で、八戸市もやっていらっしゃいますけれども、もう少し踏み込んだ形で展開しております。  こういうような活動を行いますほか、今後は特に次の2点に力を入れて取り組んでまいります。  1つ目は、これまで京浜港を利用してきた首都圏や北関東の荷主に対し個別に行うPR活動です。  平成31年に供用開始予定の中部横断自動車道とあわせて中央道や圏央道を活用することで、首都圏から清水港への輸送時間が短縮され、京浜港と遜色なく利用できることになります。  加えて、コンテナヤード内での積み込み等に必要な荷役作業の待ち時間が、京浜港は平均70分と言われておりますが、それに対して清水港は約13分と圧倒的に短く、配送時間の短縮を図ることが可能でございます。  こうした時間的・経済的な優位性をPRするセールス活動を実施し、貨物の獲得に努めてまいります。  2つ目は、農水産物の輸出拠点港湾の指定を生かしたポートセールスでございます。  この辺につきましても議員から御指摘があったところでございますけれども、国土交通省では、新たな輸出成長分野と見込まれる農水産物の輸出増加に戦略的に取り組む農水産物輸出拠点港湾への支援制度を平成29年度に創設いたしました。  清水港は、本年2月に、北海道に続く2例目の拠点港湾に認定され、冷凍・冷蔵コンテナの電源供給設備を1.5倍に増強したところでございます。  この設備を最大限に活用していくため、果物や野菜の主要産地である山梨県、長野県など、中部横断自動車道沿線の荷主に対して、清水港利用促進協会と連携して、積極的なポートセールスに取り組んでまいります。 39 ◯市民局長(豊後知里君) 地域コミュニティに関する2点の御質問にお答えします。  初めに、ここからネットの現状と今後の展開ですが、本市では、市民活動団体情報やボランティア情報を閲覧できる市民活動支援のためのウエブサイトここからネットを5月10日に公開しました。  情報を公開している団体数は、約半年間で524団体から632団体にふえるとともに、総アクセス数約8万件のうち、推計によると、これまで市民活動への参加が少なかった20代から40代のアクセス数がほかの年代と比較して多くなっております。  今後の展開としては、これを実際の市民活動につなげるために、市民ニーズの高いボランティア情報を掲載するとともに、市民活動を特に若年層に広げていくため、市内大学と連携してここからネットを紹介し、大学生の参加につなげます。  また、地域課題を抱える自治会・町内会においては、防災や子ども食堂の運営ノウハウなど、専門性が高い市民活動団体と連携した取り組みが始まっております。このような事例をふやしていくために、ここからネットの市民活動団体情報を自治会・町内会の皆様にも利用していただくよう積極的に周知してまいります。  次に、市からの依頼事務に対する負担軽減に係る取り組みについてですが、平成28年度に実施した全連合自治会長へのアンケートにおいて、市に対して一番求めることは、市からの依頼事項の削減でした。その依頼事項の中で最も多かったものが、回覧等の行政文書の配布であったため、今年度から全庁的に行政文書量の削減に取り組んでおります。  具体的には広報紙に掲載した記事は、重ねて行政文書として配布しないことを徹底した結果、4月から11月までの期間で前年に比べ約25%削減いたしました。  また、本市の依頼に加えて、小中学校、交番から直接、回覧文書の依頼があるため、回覧の手間を省けるよう、小中学校や交番に対し、市からの行政文書の配布スケジュールに合わせて届けるよう協力を求めております。  さらに、今年度開催したまちづくりセッション等で、市への書類提出をインターネットなどで申請できないか、との御意見を受け、書類への押印の見直しを含め、平成31年4月からは、持参や郵送に加え、ファクスや電子申請など、提出方法の選択肢が広がるよう、現在、準備を進めております。  引き続き、自治会・町内会の皆様の負担軽減に努めてまいります。   〔2番加藤博男君登壇〕 40 ◯2番(加藤博男君) 御答弁ありがとうございました。  3回目は、意見・要望です。  静岡市創生・SDGs推進会議とポートセールスについての意見・要望です。  認定されてから間もないこともありますけれども、海外でのSDGsハブ都市としての認知度、また清水港の認知度は、海外ではいまだ低いものと感じています。  静岡市創生・SDGs推進会議についての御答弁では、静岡市版SDGsアワードのようなロールモデルを具体化していくとのことでありました。  今後、ポートセールスとこのSDGsの啓発推進をセットにして、アジア域内で展開していくことも想定できます。  また、昨年、静岡ツーリズムビューローの府川ディレクターが講演で語っておられましたが、清水港の海外認知度を増すために、海外向けに港の名前をマウント・フジ・シーポートにすれば、清水と聞いてもわからない外国人にはわかりやすいのではないかとのことでありました。  清水港の名前は国内ではメジャーであり、譲れないという方も多くおられると思いますけれども、海外向けであれば、その認知度向上には一役買うのではないかと考えます。  また、人類初となるプレート境界へ出港した「ちきゅう」が船出した港としてのアプローチもあると思います。きょうは「ちきゅう」のバッジもさせていただいております。  地震のメカニズムを解明するための材料が発見される可能性があり、持続可能な社会に向けた先駆的なJAMSTECが利用する港としても、世界に発信できると考えます。  クルーズ船、コンテナ貨物、JAMSTECなど、さまざまな効果的なアプローチや、八戸市のポートセールス活動を取り入れるなど、今後の活動をされる中で御検討いただきますようお願いいたします。  最後に、地域コミュニティについてであります。  本年10月に新潟県長岡市で開催されました全国都市問題会議に出席いたしました。その中で和光市長が登壇され、和光市の取り組みを発表されていました。  和光市では、自治会加入率が40%と低いものの、人口が500人ペースでふえているということであります。地域の地縁団体を敬遠する世代がふえている中、土日限定のパパ組の子育てネットワークが広がり、自治会加入へのきっかけづくりとなっていたり、新たな地域の支え合いを促すコミュニティの姿があらわれているとのことでした。  また、今後の地域コミュニティを維持し、地域の支え合いを促すために、熊本市では地域課題解決型の職員を配置する事例もあります。今後の地域コミュニティをどう考えるか、岐路に立たされているようにも感じております。  他都市の事例を参考にしながら、今以上に地域コミュニティを大事にする、住み続けられるまちづくりを志向していくべきではないかと考えて、意見・要望にかえさせていただきます。  以上、質問を終わります。(拍手)    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 41 ◯副議長(望月俊明君) 次に、中山道晴君。   〔28番中山道晴君登壇〕 42 ◯28番(中山道晴君) それでは、通告に従い質問していきます。  ちょうど眠くなる時間じゃないかと思いますけれど、大体大きい声を出すから、多分寝ていられないんじゃないかと思いますが、余計なことを言わないように頑張って文章どおり読んでいきます。  最初は、第3次総合計画の推進です。  今、市長が次の市長選に立候補すると、こういうお話で、覚悟と期待を持ってやられるということでございますので、ぜひとも応援したいなと思うんですけれども、それはあと4カ月の間に、我々の課題としているところをどの程度進めてくれるかなというところにもかかっていると思っています。  第3次総合計画、8年。4年が終わり、第4次総合計画も、あと4年後に控えているわけでございますから、平成31年、2019年度からの後期4年の見直しの時期に当たって、5大構想を主軸に、市長は実現に向けて事業が着々と進んでいるわけでございまして、早川議員からも言われたとおり、非常にすばらしい成果も出ていると思っています。  歴史文化の拠点づくりでは、歴史文化施設がどんどん建設に向け、旧青葉小学校の跡も、もう解体されてしまいました。あそこに表札がかかっているんですね、青葉小学校。あれ盗まれちゃうと困るから、また考えておいたほうがいいかなと思いますけれども、天守台発掘調査では、新たに秀吉の息のかかった天守台跡が見つかったと。  海洋文化の拠点づくりでは、海洋文化施設の検討も始まり、クルーズ船ももう43隻ですかね、非常にすばらしい成果じゃないかと。  教育文化の拠点づくりでは、常葉大学の開学にあわせて、草薙周辺の整備が進んでおります。  そして、健康長寿のまちづくりでは、生涯活躍のまちづくりに向けた2つのモデル地区、これが実施されております。  まちは劇場の推進では、ことしも大道芸ワールドカップが大盛況でございました。私も4日間、清水まで出かけて、パントマイムが好きなんですけれども、非常にはまってしまいまして、楽しみにしています。非常にいいです。  さらに、SDGsの取り組みでは、世界のハブ都市ということで、推進に拍車がかかるというわけですね。  それから、学校の空調整備も、我々が過去5年ぐらい前から言っているんですけれども、やっと国の予算もおりて進むということで、市長以下、行政当局の精力的な活動を評価するものであります。  しかしですよ、財政負担のかかる多くの推進事業に対して、本会議、2月ですかね、あるいは委員会、多くの議員が心配しているんですね。財政の中期見通し、これは毎年、大体財源不足が70億円ぐらいありますかね。経常収支比率も93%中盤に悪化するんじゃないでしょうか。市債の残高はふえていくという予想でございました。結果、29年度の決算では、経常収支比率は94.0%。中盤と言っていたのが94%と、これは理由があるわけでございますけれども、悪化しております。  国に対する提案・要望書ですね。これを見ますと、物すごく多くの懸案課題が載っているわけです。例えばSDGsの推進に向けた具体的な推進をどうするかと、あるいは道路施設の老朽化対策、このようにいろいろな事業がめじろ押しです。3月の総務委員会でも当局から、2019年度に沼上清掃工場の基幹改修が48億円。そして、歴史文化施設に17億円。それから、2020年度では、歴史文化施設に38億円。沼上清掃工場は28億円。2021年度は、清水庁舎建設事業が63億円。沼上清掃工場が11億円と見込んでいると答弁も聞いております。  さらに、2022年度以降になりますと、今年度、天守台の石垣を積み上げてやるという話も、決意を聞かれるんですが、これは60億円ぐらいかかるんじゃないかと。それから、市民文化会館のアリーナ、海洋文化施設、本当に大丈夫なんですかというのが質問なんですね。  財政状況について、今後、新たな施設の建設がふえていくと予想されますが、その建設費や施設完成後の維持管理費についてどう対処していくのか、まず第1にお聞きします。  次に、人口70万人は2025年の目標でありますけれど、大変厳しいというふうに認識されています。そのために交流人口の増加に力が入っているわけであります。  この3次総をひもといてみますと、交流人口の増加では、静岡のブランド力がある地域資源を活用した観光を推進します。ホビーのまち静岡の推進をします。三保松原、日本平を磨き上げます。駿府城公園を再整備します。家康公が愛したまち静岡プロジェクトをやります。オクシズ、進めます。静岡マラソン、施設じゃないけれど、そんないっぱい挙げられているわけです。  関連施設のイベントの入り込み客、これも目標として944万人というような数字が載せられているんですけれども、このような投資に対する経済波及効果はどうなっているのか。後期計画はどうなるのか。どんな数値を目標とするのか気になるわけですね。  交流人口が1人、ホテルに泊まってくれると3万円ぐらい。だから、定住人口1人に対して大体26人、交流人口をふやせばというような話もあります。そうすると、年間3,000人ぐらい減っているので、3,000人掛ける26倍で6万人か10万人ぐらいかな、10万人ぐらいの人がふえていけば、ペイするわけですね。そういう数字、どうするのかなというような思いであります。  交流人口増加のための施策と成果についてですが、観光交流客数の現況と今後の見通しについてお聞きします。  続きまして、歴史文化施設でございます。  2021年オープンに向け着々と進んでおります。基本計画では、家康公と駿府、これを柱にした歴史博物館ということでございます。  徳川に関する博物館、これ各所にあるんですね。東京の江戸東京博物館、あるいは名古屋の徳川美術館、それから水戸の徳川ミュージアム、旧徳川博物館、こういうのは有名でございますが、これらの博物館と比較して、観光客に魅力のある博物館になるのか、私はこれが心配なわけです。ほかにもあります。  資料的にはうちとしては非常に少ない、ほかのところはいっぱい持っているからということがありますね。こういう心配。  歴史文化施設で家康公の展示の特徴、これはどういうふうになりますかという質問でございます。  駿府城公園の天守台発掘調査では、歴史的な発見がありました。今、わかったやつ。1607年の徳川の天守閣だけではなく、豊臣秀吉の息のかかった天守閣遺構が見つかった。これによって、1588年に家康が1回目の駿府城をつくっているんですね。それから、今川館跡にも期待がかかってきちゃったわけなんですね。駿府城公園は見どころ満載になっちゃったんです。  そこで、ツアー客、ツアーで来る人、まず歴史文化施設にバスで来ます、おります。それで今川のこと、今川から徳川家康まで勉強して、ああ、駿府はすごいな。東御門のところへ行って、あそこに博物館がありますから、そこを見て、おりてきて、それから本丸のお堀があるんです。あれ現物なんですね。それを見て、それから坤櫓を見て、それから天守台の跡をぐるっと回って、ついでにみかんをちょっと食べてということで戻ってくるわけでございます。紅葉山もありますけれども、そういうようなルートになるわけでございます。駿府城公園の東御門とか、巽櫓、坤櫓、それから天守台遺構、こういうような歴史文化施設との関連、連携はどうしていくのかなと。こっちにも博物館ある、あっちにもあるよというのは、非常にわかりにくい。そういうことを聞きたいと。  次に、しずおか中部連携中枢都市圏についてです。  市長は、2025年の人口70万人の目標に対して、2月本会議においてちょっと方針を変えました。人口活力の維持という点から、中部5市2町から成る県中部地域を全体として発展をしていく中で、静岡市の人口活力も維持していくとの方針が出されました。この圏域は、人口115万人です。私は大賛成なんですね。  実を言うと、静岡市内に企業を誘致しろといっても、土地の値段が非常に高いんですね。だったら、やっぱりその周りのちょっと安い土地に、企業に行ってもらって、静岡から働きに行く。こんな形をどんどん進めたほうがいいという意見です。  今、この中部連携中枢都市圏については、東京銀座のアンテナショップ、これがちょっと話題になったんですけれども、これまでの取り組みの成果と課題についてどのように捉え、今後どのように進めていくのかをお聞きして、まず1回目の質問でございます。 43 ◯副市長(小長谷重之君) 私からは、しずおか中部連携中枢都市圏の取り組みについてお答えをさせていただきます。  この連携中枢都市圏の制度は、相当の規模と中核性を備える圏域において市町が連携し、コンパクト化とネットワーク化により、人口減少・少子高齢社会においても一定の圏域人口を有し、活力ある社会経済を維持することを目的とした、新たな広域連携の枠組みでございます。  本市は、いち早くこの制度を活用することを県中部地域の4市2町に働きかけ、平成29年3月に、各市町の議会の承認を受けて、県内で初めて、連携中枢都市圏を形成するに至ったところでございます。  こうした中、このしずおか中部連携中枢都市圏では、圏域の将来像として、「海・山・街道を活かした多極連携・交流都市圏」を掲げ、圏域の内外にわたり交流人口の拡大を図っていく中、まずは圏域内の一体化を図り、交流を促すさまざまな取り組みを行っております。  一例を申し上げますと、本年度から5市2町が協働でつくり上げたイベント情報誌「GOTO」を、圏域内の住民に行き届くよう、約35万部を新聞折り込みにより配布する新たな取り組みを開始したところでございます。  このイベント情報誌は、これまで周辺の市町から、都市機能が集積している本市を訪れる人が多い現状にありましたが、人の流れを変え、本市の市民が周辺市町のイベントを訪れることによる相互交流の促進を目的としたものでありまして、周辺の市町からも評価をいただいているところでございます。  このような取り組みの成果といたしまして、藤枝市の蓮華寺池公園で開催をされております「藤まつり」につきましては、圏域を形成する前と比較いたしまして、来場者が約2万人増加するなどの連携効果があらわれているものと捉えているところでございます。  一方、課題といたしましては、それぞれの市町が地理的条件、歴史的な背景、地域資源などが異なり、個性と実力を備えた自治体であることから、連携事業として、打ち出したいコンセプトなどへの思いに違いがあり、その意思統一に時間を要することなどが挙げられます。  今後は、連携中枢都市としてのリーダーシップを発揮し、国の内外にわたり、存在感のある静岡都市圏として、5市2町の大同団結により、圏域内外からのさらなる交流人口の拡大を図り、圏域の一体的発展と活性化を目指してまいりたいと考えております。 44 ◯財政局長(平沢克俊君) 今後の新たな施設の建設費や維持管理費への対処についてですが、本市では、現在、5大構想を初めとした3次総の実現に向け、地域経済の活性化や人口活力の維持を図るため、ハード整備とソフト事業の両面にわたり総合的に事業を展開しております。  このうち投資的経費については、本年2月にお示しした財政の中期見通しにおいて、平成31年度から33年度までの3年間で、年466億円から478億円の規模で推移し、30年度と比較し49億円から61億円増加すると見込んでいます。  財政の健全性も維持しつつ、こうした経費の増加に対処していくため、国の交付金や財政措置の有利な市債、利用可能な基金の活用を図るとともに、民間資金の導入などをあわせて検討していきます。  また、事務事業の見直しやアセットマネジメントの推進、市税等の収納率の向上などにより必要な財源の確保に努めていきます。  なお、これらの方策については、現在策定中の3次総後期実施計画及び3次行革後期実施計画に位置づけた上で、着実かつ計画的に取り組んでまいります。 45 ◯観光交流文化局長(中島一彦君) 観光交流客数と歴史文化施設の御質問についてお答えいたします。  観光交流客数の現況と今後の見通しについてですが、観光交流客数は、3次総策定前年度の平成26年度と29年度の比較では、26年度の2,620万人に対し、29年度は2,652万人で、32万人の増加でありました。  この要因としましては、平成28年8月に開館し、29年度は約10万人の入り込みがあった発掘情報館「きゃっしる」、29年5月に開設し、29年度は8万2,000人の入り込みがあった東静岡「アート&スポーツ/ヒロバ」など歴史・文化、スポーツ施設の完成が挙げられます。
     このほか、大道芸ワールドカップ、清水みなと祭りなど堅調に来場者を伸ばしている大型イベントの開催が挙げられます。  これらは、本市が掲げる5大構想のうち、歴史文化の拠点づくり、まちは劇場の推進に係る施策が着実に成果となってあらわれたものと考えております。  今後の見通しとしましては、新たな観光資源として、ハード面では、今月3日にオープンし、既に10万人以上の観光客が訪れている日本平夢テラスを初め、本年度末に開館する三保松原文化創造センター、さらに3年後に竣工予定の歴史文化施設などがあります。  また、ソフト面では、まちは劇場の推進が図られる中、2019年度には、今川義元公生誕500年祭や清水港開港120周年記念事業の開催を企画しています。  このようにハード面とソフト面を結びつけ、相乗効果を図るとともに、新たな観光資源を活用して、来年度本番を迎える静岡デスティネーションキャンペーンに合わせた旅行商品を造成しているほか、DMOは、新規顧客開拓のために新たな体験プログラムなどを企画開発しているところです。  さらに、近年、人気が高まっており、本市でも年々増加しているクルーズ客船がもたらす観光客の取り込みも図ってまいります。  今後は、本市がより多くの旅行者に目的地として選んでいただけるよう、こうした観光情報をターゲットに的確に発信するなど、観光交流客数のさらなる増加につなげていきたいと考えております。  次に、歴史文化施設での展示の特徴についてですけれども、徳川氏をテーマとする博物館は、議員の御質問の中でもございましたように、久能山東照宮博物館を初めとして、名古屋市の徳川美術館など、全国に幾つかございます。  その中でほかにはない静岡市歴史文化施設での家康公の展示の特徴は3つあると考えております。  1つ目は、徳川家康公に焦点を当てて、私たちが知っているようで知らない75年にわたる人生全体がわかる全国初の博物館となるということです。  ここでは、家康公が学んだ書物や毎日拝んだ守り本尊の展示を初め、駿府が描かれたと伝わる屏風絵により、大御所時代に駿府を拠点に行われた外交政策がいかに駿府ににぎわいをもたらしたのかを紹介するなど、戦国の世に終止符を打った家康公の想いや人物像を多面的に表現をしてまいります。  2つ目は、とりわけ、幼少期の家康公を育て強い影響を与えた今川氏にも注目し、家康公とのつながりで語っていくことです。  来年、2019年に生誕500年を迎える義元公を初めとする今川氏の先進的な領国経営など、今川氏の功績を常設展示で紹介していくことも全国で初となります。  3つ目は、徳川家康研究の拠点として、最新の成果を展示に反映していくことです。ここでは、家康公研究室を設け、市民と専門家が一緒になって資料調査などに取り組み、日本の家康研究の中心となることを目指してまいります。  こうした展示は、家康公が成長し、大御所時代を過ごした本市でしかできないものであり、これを打ち出すことで、市内外からの注目を集めてまいりたいと考えております。  最後に、駿府城公園と歴史文化施設の連携についてですが、これはもう議員が御質問の中でお話しくださったとおりにしたいと思っております。  駿府城公園と歴史文化施設は、切り離すことのできない歴史文化のまちづくりの重要な資源であり、施設の整備に当たっては、当初から駿府城公園と一体的に感じられることをイメージして進めております。  セノバ方面からお堀沿いを進んでまいりますと、歴史文化施設と東御門・巽櫓が一緒に見えてまいります。歴史文化のまちのゲートウエイとなるガラス張りの施設──これが歴史博物館ですけれども──に引き込まれるように入ると、まずここで駿府の歴史や家康公の一生を知ることができます。  その先にある東御門・巽櫓は、江戸時代の図面に基づき再建されたもので、それ自体も1分の1の展示物となる価値を有しております。来訪者を駿府城公園に引き込み、さらに巽櫓の櫓の内部では、歴史文化施設で紹介し切れなかった駿府城の重要な役割や見どころなどの展示を現地で展開します。歴史文化施設と駿府城公園をつなぐ役割を果たしてまいるものと思います。  現在進行中の天守台の発掘調査では、家康公の築いた天守台に加え、御質問の中でもありましたけれども、豊臣秀吉が家臣の中村一氏に築かせた天守台も発見されて、新たな魅力が加わりました。駿府城の石垣が本物の迫力をもって訴えかけてくるこの天守台は、2つの時期の最先端の技術を使って築かれた石垣で、それを見ることができる、これも全国唯一の野外展示となります。  このように、家康公の威厳を示す城と一生を知ることができる博物館、さらに家康公のつくったまちが一体となることで、歴史文化のまち静岡の魅力を伝えていきたいと考えております。   〔28番中山道晴君登壇〕 46 ◯28番(中山道晴君) 御回答いただきました。  財政に関しては、いろいろな事業が控えておりますけれども、財政規律を守って進めていく。要するに投資枠とかそういうのを決めてやっていますので、財政上は問題ないんだと、幾らそういう数字が悪くなっても。そこに私は大きな課題があると思っています。  市民の皆さんからいろいろな話を聞きますと、身近な生活にかかわる道路や公園とか、そういうところのちょっとした整備、あるいは学校施設の修繕ですね。役所に相談に行きますと、いや、お金がないんですよと、財政上厳しいですからしようがないねという答えがくるというんです。我慢するしかないというわけですが、先ほどの国要望の中にも入っているんですけれど、特別支援学級の編成の標準を見直ししてください。  視察に行きますと、1年生から6年生、非常に大変な指導が要る子供たち8人を1人の先生が担任している。前回のいろいろなところの質問でも、回答は国に要望しますと、法律的にそういうふうに決められていると。こういうことで一応要望を出すわけですけれども、これはみんなわかっているんです。もう無理だなと。そういうのは、やっぱり国のお金を頼るんじゃなくて、市のお金で何らかの改善をしたほうがいいんじゃないかと思うわけです。  CCRCの件についても、生涯活躍で駿河区に共生センターができましたよね。それから、そこの札の辻のところにもできたんですけれども、国の助成で施設は整備されましたけれども、その後、全市に広げるのに助成金がなくなったらどうするのかということです。要するに市単独で実行できる予算にしわ寄せが来ていませんかということですね。  高校生の医療費助成も同じですよ。市単独のほかにないから、何とか県にお願いするということなんだけれども、ここは市長の腹でやっぱり市の単独でもやらなきゃいけないですよね。市の単独事業で進めていく事業が停滞しないように、ぜひとも頑張ってもらいたいと思います。  2回目の質問にいきます。  第2次静岡市産業振興プランです。これ大体いつも出すんですね。プラン、プラン、プランという話をしたんです。この中でやっぱり見ているわけです。  平成27年策定当初のプランの位置づけとしては、「人口70万人の維持に必要な市内総生産額の増加と雇用の創出のために、本市へ産業がその強みを活かして時代の要請に応える産業へと展開を促す施策」をなんてね。「広く中小零細企業の活動を下支えする各種施策を位置付けていくもの」として、こう書いてあるんです。私は大いに期待していましたよ。  産業振興の目標は、平成26年の市内総生産額3兆880億円を平成34年度に3兆2,140億円、4.1%ふやそうじゃないかと、こういうことです。  昨年の3月の委員会なんですけれども、景気動向把握のためには、四半期ごとに県から出されるGDPデータがあるんです。これかなり古いんですよね。それを市のこの事業にリンクさせて、GDPどうなんですかと、こういうことが把握できるようにしますよという、当局からも御意見があったんです。  先日、国の発表では、経済成長が4月から9月期、これで0.3%マイナスになると。IMFなんかでは、2040年、GDPが20何%減ると。だから、もっともっと外国人を入れるなんていう意見も出されたんですけれども、静岡市はどうかなということで、5大構想について積極的な取り組みで、イベントなんかもあるときは大変な人出ですよ。  あそこのハロウィンのときなんかも、子供と親子がうわっといて、いや、景気もよくなっているなと思っていたんですけれども、少し回ってみますと、七間町、呉服町、テナント募集という空き店舗が物すごく多くなっているんです。今20ぐらいですかね、そのままの足で、パルシェの新しいお店に入ったところ、あそこへ行ったら、またすごい人なんですよね。人の流れが変わっただけなのかなという気もしないではないんですが。それで、その中に静岡市の葵煎餅ややまだいち、藏好三坂屋とか、地元のお店が入って頑張ってやっている。呉服町に戻ると、店舗が、ちょっと違うのかなと思うんですけれども、そういうことも含めて、市内産業の状況について、現在の本市のGDPや製造品出荷額はどのような状況であるかを聞きたいと思います。  それから、プランで、本市の有する豊富な地域資源や、地勢上の強みを最大限生かした本市経済を牽引する力を秘めた産業として戦略産業、海洋・エネルギーとか清水港・ロジスティクス産業、食品・ヘルス、観光・ブランド産業、文化・クリエイティブ産業、これら戦略産業が掲げられていますけれども、中でも清水港・ロジスティクス産業は、先ほどの話もありましたように、食品・ヘルス産業、観光・ブランド産業、多分この3つの業況がいいんじゃないかと思っているんですが、現在どのような取り組みをされているかお聞きします。  それから、第2次静岡市産業振興プランについて、これからやっぱり数字的にもフォローする必要があると思うので、そういうことをどういうふうに見直そうとしているのかお聞きしたいと思います。  次に、これまで第2次静岡市産業振興プランにおいて、市内産業の現状や各種の数値を聞いてきたんですけれども、プランの第4節に、人材育成・確保とあるんですね。今、人材が不足しているという話題の中でも、人材の確保は、産業の振興にとって非常に重要な要素であり、昨今の企業における深刻な人手不足の状況を見ても、人材確保なしでは振興は進まないと考えます。  我が会派は、例年、大学生との意見交換会を実施して政策提言を行っております。大学4年生6人ぐらいに、どこに就職しましたかと聞いたら、全員市外でございました。  また、この前、神奈川の有料老人施設を視察したときに、若い女性施設長が元気があって、丁寧に説明してくれた。私、興津出身ですよと。え、じゃ、なぜ静岡に就職してくれないのと聞いたら、やっぱり関東圏のほうが職場が多い、探せる。  静岡県の調査によれば、県内出身学生のUターン就職率は、平成27年、41.2%、平成28年で40.6%、平成29年で39.1%、下がっているんですね。ふえていないんですよ。市内には、僕はすばらしい企業がたくさんあると思っているんですよ。  先日、札幌にもちょっと勉強に行ってきたんですけれど、200万都市ですね、あそこ。そうしたら、若い人の職場、サービス業だけはあるけれど、それ以外はないということで、道内に行っちゃったり、若い人の職場が足りないということで、若者支援センターという若者の就職支援を市で一生懸命やっておりました。それから考えると、静岡市は、幅広い産業、職種を有し、バランスがいい。地勢もいい、地の利もいい、大変な強みがあるなと。もっともっと若い人を呼ばなきゃいけないなと思ったわけで、人材確保については、若者のUターン就職の現状を踏まえ、市内の魅力ある企業を知ってもらうために、どのような取り組みを行っているのかをお聞きして、2回目の質問といたします。 47 ◯経済局長(池田文信君) 議員に3回もプラン、プラン、プランと言っていただいて、宣伝していただきました第2次静岡市産業振興プランに関連した4つの質問についてお答えいたします。  まず、本市のGDPや製造品出荷額の状況についてですが、本市では、平成29年度から、経済成長をはかる指標である市内のGDPの速報値を算出する静岡市市民経済計算を実施しています。  直近のGDPでは、平成29年度と28年度を比較すると、0.2%の増となっており、産業ごとでは、製造業や卸・小売業が好調に推移しています。  次に、製造品出荷額ですが、平成28年は約1兆8,300億円と、27年に比べ5.6%、約970億円の増となり、長年にわたり県内トップであった浜松市を上回り、県内1位となりました。  中でも、三菱、日立、小糸など、強い雇用吸収力を持つ電気機械器具製造業は、出荷額の約4割を占め、本市の基盤産業として、地域経済を力強く牽引しています。  次に、5つの戦略産業のうち、御質問の3つの戦略産業についてお答えします。  まず、清水港・ロジスティクス産業では、新東名高速道路や中部横断自動車道などの広域交通ネットワークや清水港の利便性・拠点性を生かし、官民連携による国内外へのポートセールスを行うことで、貨物量の増大に取り組むとともに、新興津地区国際海上コンテナターミナル後背地での物流拠点整備など、清水港や高速道路インターチェンジ周辺への物流産業の集積に取り組んでいます。  次に、食品・ヘルスケア産業では、缶詰に代表される食品関連産業での新たな商品開発を支援するほか、昨今、健康志向の高まりを受けて市場が拡大しているヘルスケア産業では、産学官連携による機能性食品の開発支援などに取り組んでいます。  そして、観光・ブランド産業では、三保松原や久能山東照宮といった文化的・歴史的な地域資源や、お茶やプラモデルなどの世界的なブランド力を持つ地域資源を磨き上げるとともに、それらを観光資源として活用することで、交流人口の増加に取り組んでいます。  今後も、これら3つの産業に、海洋・エネルギー産業、文化・クリエイティブ産業を加えた5つの戦略産業のさらなる推進を通じて、その果実を産業全体に広く波及させることで、本市経済の底上げを図ってまいります。  次に、第2次静岡市産業振興プランの見直しについてですが、4年前のプラン策定時から社会経済情勢は大きく変化しています。人口減少や少子高齢化のさらなる進行、IoTやAIなどに代表される第4次産業革命と言われる技術革新の進展、また中小企業にあっては、人材の確保、生産性の向上、事業承継などが喫緊の課題となっています。  プランの進捗管理のために設置しています静岡市産業活性化懇話会においても、本年7月の会議では、人手不足対策や技術革新の進展を踏まえた生産性の向上策などの御意見を多くいただいています。  そこで、今回の見直しでは、5つの戦略産業をさらなる牽引役とし、本市産業がその強みを生かして時代の要請に応える産業に転換する施策とともに、社会経済情勢の変化への対応を図りながら、広く中小企業の活動を下支えする施策を位置づけていきたいと考えています。  戦略産業につきましては、近年、海洋資源に含まれる成分を生かした機能性食品の開発など海洋とヘルスケア、クルーズ船の乗客を観光振興につなげる清水港と観光など、新たな組み合わせによる産業化の動きも出てきており、こうした動きも捉えながら、さらなる推進を図っていきたいと考えています。  また、これからの中小企業の経営においては、環境や社会課題へ対応しつつ、持続可能な成長につなげることが求められています。そのため、SDGsの視点に立った取り組みが企業利益の増加につながることを周知し、中小企業、ひいては本市産業の持続的な成長につなげていきたいと考えています。  産業は、市民一人一人の暮らしを支える重要な基盤であるとともに、本市の成長や発展のエンジンでもあります。  今回、本プランについて、時代の変化に応じた見直しを行い、進化を図ることで、引き続きその役割を果たしていきたいと考えています。  最後に、若者に市内の企業を知ってもらうための取り組みについてですが、本市には、世界に誇る技術を持つ企業や、多様な人材が活躍する企業など、魅力ある企業が多数存在しており、その情報を若者に広く伝える必要があります。  そこで、若者就活応援サイト「しずまっち」や、市内企業を紹介する冊子、先輩社会人との交流イベントなど、さまざまなツールを活用し、情報発信に取り組んでおります。  特に、市内企業を紹介する冊子「静岡で働こう。」は、今、私が手に持っているこの冊子ですけれど、本日、議員の皆さんだけにできたての今年度の冊子を先行配布させていただいています。お手元にありますので、ぜひ開いて中を見ていただきたいと思います。  この冊子は、企業による自社のアピールに加え、若者が就職活動で重視するやりがいや働きやすさ、静岡での社会人生活などに関する先輩社員からのメッセージを掲載し、市内企業への就職を具体的にイメージできる内容としています。  この冊子を、静岡商工会議所や市内26校の高校同窓会と協力して作成し、在校生に配布するとともに、同窓会を通じて卒業生に届けています。  在校生からは、進路の選択肢が広がった、県外就職と決めていたが、静岡もいいなと思うようになった、また卒業生からは、Uターン就職を考えているが、とても参考になった、自分の知っている先輩が載っていてとても興味が湧いた、というような声をいただいています。  今後も、企業の魅力の発信に努め、若者がこれまで以上に、市内企業への就職を将来の選択肢として捉えることができるよう取り組んでまいります。  私たちも頑張ってこれを周知していきますので、議員の皆様にもぜひPRしていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。   〔28番中山道晴君登壇〕 48 ◯28番(中山道晴君) 最後は、意見・要望になります。すばらしいものを見させていただきました。早速、孫の高校2年生に渡します。こんなにいい場所がある。これは私からも、どんどん広げて、若い人も静岡へ来るようにお願いしたいと思います。すばらしい。  これから3次総の後期見直しということになっていくわけでございますけれども、進んでいることは進んでいるのでいいんですが、やっぱり懸案事項が多々あります。  こういうのを質問したいなと思ったんですけれども、調整がとれていないし、回答もなかなか難しいので、やめているんですが、歴史文化施設の隣の利活用の話や、歴史文化施設ができたけれども、観光バスはどこに置くのというような話。  それから、天守台を発掘してきたけれど、どこまで広げるのか、あるいはどこで調整するのか。あけちゃうと、またどんどん風化しちゃうという話も聞いているし、早く方針を決めて、埋めるのは埋める、建てるのは建てる、公園にするのは公園にする、こういうことは早く決めなきゃいけない。  東京銀座のアンテナショップも、目いっぱい600万円の家賃を払っても全然見つからない、今、探している最中。本当に、そんなに遅らせていいのかと。どうせなら、もっとどんどんやれないか、早く決めなきゃいけない。  それから、アリーナの話もありました。アセットマネジメントもありました。  SDGsも、どんどん具体的な推進をやらなきゃいけない。  桜ヶ丘病院も早く移転してもらうように進めなきゃいけない。  海洋文化施設も、土地が買えるような話もあったんですけど、全てスピーディーに意見集約して、整理するところは整理していく、これが必要なので、市長にはぜひとも頑張っていただきたいと思うわけでございます。  そしてまた、しずおか中部連携中枢都市圏の話では、観光は、いろいろ進んでおるというような話でございまして、非常にいいなと思うんですけれども、静岡市とその他の市町では、どうも規模がちょっと違って、やっぱり静岡市ばかりいっちゃっているようなイメージがある気もしないでもないし、特にほかの市町には、SDGsをやってもらったほうが、ハブとしてはいいんだけれども、静岡市がちょっと先走っているんじゃないかなというような懸念も、温度差とか、あるような気もするので、この辺はやっぱり相手のことも考えて、しっかり市長が調整して、頭を下げて一緒にやりましょうよとやってもらったらいいと思います。  産業振興プランの見直しですけれど、プラン、プランじゃないよと、ちゃんとしたプランだということでございますので、期待して、あのとおりにしっかり進めてもらいたいと思います。  やっぱり大手企業は業績が好調であって、これから、来年10月に消費税増税があるんですけれども、多分、この逆風でもいろんなことで耐えられると思うんですね。  しかし、体力のない中小零細企業、これは死活問題です。先ほど言った空き店舗の話もありますけれども、あるいは商店主から聞いた話も、やっぱり厳しいという話がありますので、これからもうちょっとというより、もっともっと中小に力を注いでもらいたいなと思います。  静岡はいつまでも暮らしていける、これには雇用が第一です。まちにしていくために、活力ある中小企業を生み育てる、これが最大の課題だと思いますので、よろしくお願いします。  そして、最後に、歴史文化施設の話についてでございます。  私も市長も城内小学校。私は、60年以上前からあそこで遊んでおりましたので、そのころ、このぐらいの知識があれば、あそこを夜こっそり掘って、金箔の瓦をこっそり手に入れたんだと思うんですが、残念ながらあそこには駿府会館という立派なやつがありまして、掘ることはできなかった。そのかわり、お堀で「アッカイ」をとって、こうやって、お堀を掘っていたんですけれど、何にも出てきません。  そんなことがありましたが、歴史文化施設については、家康公と駿府が中心で、今川も絡める。家康公研究室も設置するということで、駿府城公園と一体のイメージ、そこがほかの徳川関連博物館と違うという説明でした。早く整備してほしいと私も思います。  私は、1590年の秀吉の駿府城というのを聞いて、歴史に少し興味を持ちまして、今川義元からの駿府にかかわる歴史を調べてみました。  1560年に桶狭間で今川義元が討ち死にしているんですね。織田にやられたんですけれども、その後、かわったのは今川氏真、これが余りできがよくなかったみたいな話があるんですけれども、そこから波瀾の駿府が始まるわけです。1560年、それから、家康が来るまでの20年間、これが結構おもしろい。  今川を寝返った徳川家康が織田と組んで、家康と武田が密約して、1568年、武田信玄が駿河に侵攻した。駿府のまちと館は破壊されたんですね。1586年、家康が駿府に入るまでの間、信玄、今川の薩た峠、身延街道、この戦いがあったと。北条、武田の薩た峠、江尻城の戦い。江尻城の話では、北条水軍と武田水軍が戦ったという、戦国ロマンが見て取れて、大変おもしろい。この戦いの物語を展示の中に入れてほしいんですけれども、市内の興津城や薩た峠、久能城、江尻城、清見寺、今川の重臣だった庵原忠胤、薩た峠に1万5,000人も行ったらこぼれ落ちちゃうよね。どうやって武田と戦ったのか、非常におもしろいわけです。  本当に、こういうところにも光を当てれば、静岡市も我々は葵区だけだと思っていたんですけれども、駿府城というのは、違うんですね。清水にもいろいろなところに関係していて、非常に興味深い。おもしろい、歴史文化施設や駿府城になるんじゃないかと思うので期待をしまして、全質問を終わりにいたします。どうもありがとうございました。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 49 ◯副議長(望月俊明君) 次に、杉本 護君。   〔11番杉本 護君登壇〕 50 ◯11番(杉本 護君) 日本共産党の杉本 護です。  通告に従って、避難対策について質問いたします。  近年は、地震と津波、台風、豪雨災害、火山災害や災害並みの猛暑など、自然災害が多発しています。そうしたもとで、市民の命と財産を守るのが、国や地方自治体の役割です。  防災、減災、救済、そして復興という角度から幾つかの課題を挙げてみたいと思います。  橋やトンネル、学校施設や病院など、公共施設の老朽化対策、堤防の強化、観測体制の強化、正確な情報提供、的確な避難方針の作成と実施体制の構築、消防職員の体制強化、日常からの十分な医療、福祉の体制、被災者が自立できるまでの適切な支援など、実に多くの課題があります。今こそ英知を結集して、本市も対策を抜本的に強化する必要があると思います。  そして、そうした対策を講じながら、災害が起きた場合、あるいは起きるおそれがある場合の迅速な避難行動が命を守る上でとても大切になっています。  さて、ことしの7月28日土曜日、安倍川花火大会が中止となった台風12号が接近するもとで、市は午後3時に避難場所を開設。午後4時には土砂災害、浸水害のおそれのある地域に対し、避難準備と高齢者等避難開始を呼びかけ、午後6時には土砂災害が発生するおそれがある地区に対し避難勧告を出しました。  この一連の流れの中で、葵区の西奈地区で夫と2人で暮らしている方、仮にAさんといいますが、Aさんが避難するのに大変苦労した話を聞きました。Aさんは後期高齢者で、車椅子でないと移動できない重度障害者、災害時要援護者にも登録してある方です。Aさんが避難に至るまでの過程を振り返り、本市の避難対策、特に災害時要援護者に対する支援の課題について質問をしていきます。
     繰り返しますが、この出来事は、突然地震が来た、このような災害が発生したわけではありません。台風が接近する中で避難指示が出るかもしれないと、当局は前の日からでも心構えや態勢の準備ができる、そういう状況で起きた出来事です。そのことを自覚してお答えいただきたいと思います。  まず、市は午後3時に避難場所を開設しました。葵区と駿河区は主に小中学校、清水区は生涯学習交流館です。ここで4点の質問をします。  1つ、一般の避難所と福祉避難所はそれぞれ何カ所あり、収容人数もそれぞれどのぐらいあるのか。  2つ、防災行動計画、いわゆるタイムラインは、台風などが接近する中、誰が、どのような情報のもとで、どの段階で作成しているのか。  3つ、このタイムラインはどの範囲まで、どのように周知をしているのか。  4つ、避難所開設の情報は、この時点でどこまで、どのような方法で伝えているのか。特に自主防災会や民生委員・児童委員などの避難支援者にはどのように伝えているのか。  以上、お答えください。  次に、市は午後4時に土砂災害、浸水害のおそれのある地区に対して、避難準備と高齢者等避難開始を呼びかけました。Aさんは、その情報を受けて避難すべきと考え、民生委員に相談しました。ところが、民生委員の方にどうすればいいかわからない、こんなふうに言われ、いつもお世話になっている通所介護施設に連絡をするがつながらず、やむなく離れて暮らす娘さんに連絡したとのことです。この時点では、避難支援者には避難準備の指示が出され、高齢者など要援護者には避難開始の指示をしています。ここで4点お聞きします。  1つ、避難準備と高齢者等避難開始の情報は、要援護者や避難支援者などにどのように周知をしているのか。  2つ、災害が発生するおそれがあるとき、Aさんのような要援護者は、みずから助けを求めなければ避難支援者は動かない仕組みなのか。  3つ、要援護者には、誰が避難支援者かをあらかじめ伝えているのか。  4つ、避難支援者に対して、その役割をどのように伝えているのか。  以上で1回目とします。 51 ◯危機管理統括監(海野剛幹君) 要援護者の避難行動に関する御質問に一括してお答えします。  初めに、避難所と福祉避難所の施設数及び収容人数についてですが、本市が指定する避難所は、240施設で、10万2,838人。福祉避難所は、77施設で、3,400人程度の収容が可能となっております。  次に、タイムラインはどのように作成され、どのように周知しているかについてでございますけれど、タイムラインは、台風などの接近を受け、天候の悪化などが生じる前の段階において、災害が発生することを前提に、風水害等の緊急避難場所の開設などに関して、どの時点で、どの部署が、どういった対策をとるのかを時系列に整理した計画です。  災害対応が必要となる部署で構成する危機警戒本部において、気象情報などをもとに決定し、速やかに、決められた時間に事前配備態勢が整うよう、全職員へ職員メールで情報伝達をしています。  最後に、避難等の情報を要援護者や避難支援者などにどのように周知しているかについてですが、タイムラインは事前の情報に基づき作成されるもので、実際の気象状況等に応じて修正を行います。その修正内容に基づいて、避難所等の開設や、避難準備・高齢者等避難開始の情報の発表を、時間的な余裕をもって、市民の皆さんに一斉発信することとしています。  その伝達方法としては、同報無線のほか、テレビ、ラジオ、インターネット、緊急速報メールなど、さまざまな情報媒体を用いて発信し、福祉施設などには、電話やファクシミリを使って伝達する方法もとっております。 52 ◯保健福祉長寿局長(平松以津子君) 私から、残り3点の御質問にお答えいたします。  まず、災害が発生するおそれがあるとき、要援護者は、みずから助けを求めなければ避難支援者は動かない仕組みなのかについてですが、本市では、災害に備え、各地域における自助と共助を基本とし、要援護者の避難誘導等の支援体制を確立することを目的として、平成22年度に静岡市災害時要援護者避難支援プランを策定しました。このプランに基づき、24年度に災害時要援護者避難支援マニュアルを作成し、自主防災組織や民生委員へ配布して説明することで、地域において具体的な支援体制づくりが進むよう支援しています。  このマニュアルでは、自主防災組織、民生委員、隣近所の方など地域で暮らす人たちが避難支援者となり、みずからの安全を確認した上で、連携・協力して要援護者の避難支援を行う体制づくりをお願いしております。  次に、要援護者には、誰が避難支援者かあらかじめ伝えているかについてですが、本市では、高齢者実態調査において身体状況により生活介助が必要である方や、障害者手帳を取得されている方など、災害時に自力で避難ができない方からの申請に基づき、災害時要援護者名簿を作成し、自主防災組織と民生委員に配布しております。  この名簿をもとに、自主防災組織が民生委員の協力を得て、要援護者を訪問し、個々の要援護者の実態に即した避難支援策の策定や避難支援者の選定を、要援護者との話し合いの中で決定していただくようお願いしております。  最後に、避難支援者の役割の周知についてですが、先ほど申し上げました、災害時要援護者避難支援マニュアルには、避難支援者の知っておくべき支援の手順や、留意すべき事項などが記載されております。  このマニュアルは、年1回更新している要援護者名簿の配布に合わせて周知を図っており、平成30年度においても、10月から11月にかけ、各区の自主防災連絡会や民生委員・児童委員協議会常任理事会で計6回、直接説明し、運用について周知を図りました。  今後も、さらにマニュアルの活用が図られるよう、効果的な周知方法について検討してまいります。   〔11番杉本 護君登壇〕 53 ◯11番(杉本 護君) 質問を続けますが、この方は、民生委員に相談をしたらわからないと言われたんですね。今の答えは、民生委員に周知していますと、かみ合っていないんです。この実際の避難対策をどういうふうにしていくのか、この辺が課題だと思っています。  続けます。Aさんから連絡を受けた娘さんは、葵区役所、地域総務課に連絡をし、大まかに言って、こんなやりとりがあったそうです。  娘さん、車椅子の高齢者を避難させたい、担当者、避難場所は開設したが、職員1人だけ。車椅子の対応はできない、娘さん、福祉避難所を紹介してほしい、担当者、福祉避難所は避難生活を2~3日して対応困難な人を受け入れるところ。この段階では開設していない、娘さん、指定避難所で車椅子用のトイレを設置しているところを教えてほしい、担当者、調べるが、ないと思う。避難しないで2階に上がることも考えられるが、娘さん、重度身体障害者で自力では無理。Aさんの夫も重度身体障害者で、介助は不可能、担当者、受け入れ先を探してみます、こんなやりとりがあったそうなんです。  こういった中で4点お聞きします。  1つ、避難所開設時、避難場所の体制はどうなっているのか。車椅子などを利用する障害者が避難してくることを想定した体制になっているのか。  2つ、車椅子などに対応できるバリアフリー化をしている避難所は幾つあるのか。また、車椅子対応のトイレのある避難所は幾つあるのか。  3つ、障害者などの状態に対応できる避難所を、要援護者には伝えてあるのか。  4つ、福祉避難所はどのタイミングで開設するのか。そもそも指定避難所では対応できない要援護者は、初めから福祉避難所に行くことはできないのか。  以上、お答えください。  暴風雨が来るかもしれないとAさんが不安な気持ちでいる中、市は受け入れ先を探し、その間、娘さんも幾つかの福祉避難所を紹介してもらい、連絡をとりました。受け入れ先の体制はないという返事だったそうです。  さらに、ある福祉避難所では、ここは土砂崩れの危険はないが、浸水警戒区域で、今後、雨量がふえたら、入所者をどこに移そうか考えあぐねている、こう言っていたそうです。  ここで3点お聞きします。  1つ、浸水害に対応した、浸水警戒区域以外の指定避難所や福祉避難所は、それぞれ幾つあるのか。  2つ、浸水害のおそれで避難勧告を出した場合、避難先は浸水害警戒区域外になると思いますが、市民や要援護者、避難支援者にはどのように避難先を伝えているのか。  3つ、浸水警戒区域の福祉施設の方々は、万が一浸水しそうになった場合、どこに避難するのかを決めていないのか。  以上、お答えください。  このように避難先を探して時間が経過していくわけですが、Aさんが避難をしようと思った午後4時から1時間半ほど経過した午後5時半ごろ、市の職員から駿河区で受け入れてくれる福祉避難所を見つけたと連絡があったそうです。娘さんからは、市の職員の方が必死になって探してくれたと、感謝の言葉を私は聞いています。そして、午後6時に土砂災害の発生するおそれのある地区に対して避難勧告が出されています。  さて、移動先は確保できましたが、今度は移動手段です。介護タクシーを呼ぼうとしましたが、暴風雨を警戒して運休とのこと。頼るところがなく、娘さんが迎えに行くことになりました。親の状態を考えて、1年前にスロープつきの車に変えたために対応することができ、駿河区の福祉避難所に送ることができました。その避難所に着いたのは午後7時ごろ、避難しようと思ってから約3時間がたっていました。  ここでお伺いします。  市は暴風雨のとき、このような車椅子の方が浸水警戒区域以外の遠く離れたところに、どのような方法で移動させようと考えているのかをお答えください。  以上、2回目の質問とします。 54 ◯危機管理統括監(海野剛幹君) 要援護者の避難行動に関する御質問に一括してお答えします。  初めに、避難所開設時の体制及び車椅子への対応など、バリアフリーの状況と、対応可能施設の情報提供についてでございますが、バリアフリー化された施設は146施設で、そのうち多目的トイレがある施設は108施設となっています。  風水害時の緊急避難場所、その他の避難所については、学校、生涯学習交流館など、日常的に市民が利用する施設を指定しており、開設時には複数の職員を配備し、車椅子の方へのサポートなども行える体制となっております。  また、障害などの状態に適応できる避難所の情報は、各避難所におけるスロープや多目的トイレの有無などを一覧にして、今後周知してまいります。  次に、浸水害に対応した指定避難場所の数と避難勧告等が出た場合の避難先の伝達方法についてですが、あらかじめ、浸水害等に備える指定緊急避難場所は、市内に75施設を開設します。  なお、福祉避難所は、浸水警戒区域外に62施設あり、避難勧告の段階では福祉避難所は開設しておりません。  避難勧告の情報は、同報無線を初め、テレビ、ラジオなどさまざまな手段で伝達しております。  また、避難勧告では、避難支援者も避難行動をとる必要があることから、あらかじめ避難準備・高齢者等避難開始の情報の発表と同時に避難行動をとるよう、平時から要援護者と避難支援者との関係が構築ができるよう必要な支援を行ってまいります。  次に、浸水害想定区域の福祉施設の方々がどのように避難をするのかについてですが、昨年度の水防法の改正を受け、福祉施設を含む、要配慮者利用施設の管理者に対して、避難確保計画の作成が義務づけられました。  本市では、711施設が計画作成の対象となっており、ハザードマップの見方など、計画作成のサポートを実施した結果、77%、545施設が計画の作成を完了し、既に避難訓練等を実施している施設もあるなど、避難体制が整ってきております。  今後も、計画作成のサポートを行い、未作成の施設についての避難体制も整えてまいります。  最後に、暴風雨時の車椅子の方の避難方法についてですが、避難準備・高齢者等避難開始の情報の発表は、被害が発生する前に、早目に避難行動が可能となるよう情報を出しております。  避難行動をとる上で、災害の種類や状況に応じて、必ずしも避難場所への避難ではなくても、近くの自治会館や知人宅などへの避難も1つの方法となります。  まずは、御本人、避難支援者も交えた事前の避難計画づくりが大事であることから、地域における具体的な支援体制づくりが進むよう、市も連携し支援してまいります。 55 ◯保健福祉長寿局長(平松以津子君) 福祉避難所が開設されるタイミングと初めから福祉避難所に行くことはできないのかについてですが、福祉避難所は、医療的なケアが必要となる方や、多くの方と共同生活を送ることが困難な方など、一般の避難所では生活を送ることができない方のための二次的な避難所です。  要援護者も、まずは家族や近隣の方などの避難支援者とともに、一般の避難所に避難していただき、要援護者のうち二次的な避難が必要な方の状況や、福祉避難所として指定されている施設の被災状況、受け入れ体制等を調査した上で、福祉避難所への受け入れを決定いたします。  したがって、要援護者が直接福祉避難所へ避難するのではなく、一般の避難所での生活が困難な場合に、市が調整し、福祉避難所へ移動していただくこととしております。   〔11番杉本 護君登壇〕 56 ◯11番(杉本 護君) 3回目に入ります。  1回目、2回目でお答えをもらったんですが、私、余り頭がよくなくて、細かく聞いているのをまとめて言われますと、どこがどう答えているかよくわからないんですね。聞いたことに答えてもらっていない部分もあるような気もするんです。  ちょっと先に進みます。  本市は、災害時要援護者避難支援マニュアルを作成し、支援体制の強化を図っているところですが、今回の要援護者の一人であるAさんの避難行動を追う中で、私は幾つか課題があると思っています。  まず、市の危機管理体制の問題です。  今回、実際に災害が起きる前、危険を予測して避難行動を促した時点での対策が十分に検討されていないことが明らかになっています。  Aさんは、午後4時に高齢者は避難しなさいという広報を受けて、市の望むように早目に避難をしようと考えたわけですね。ところが、避難場所開設時に対応する職員は1人しかいなくて、車椅子は対応できないと事実上拒否をされているわけです。  先ほどの答弁で言うと、なぜか市が悪くなくて、地域の方とのコミュニケーションが不十分だと言わんばかりの言い方をしていますが、そうではないと思っています。  市が災害の起きる前の早目の避難行動を促すなら、その受け入れ体制を、災害が起きる前でもしっかりととるべきだと思います。  そして、車椅子などの障害の特性に対応できるように、避難場所となる施設には、スロープの設置や障害者に対応したトイレの整備など、バリアフリー化を早急に進める必要があると思います。先ほど何件かあると言っていますが、そんなにいっぱいあるんだったら、対応できるところはないという、何であんな職員の対応になるのか、私は非常に不思議です。  選挙のときにはスロープをつけますよね。そういったものを全ての避難所に常備する、そういうこともできるのではないかと思います。  そういったことで、そういう答えは先ほど言ったかもしれませんが、私はよくわかっていません。  それで、質問です。2点お聞きします。  避難指示が出た時点での避難所の受け入れ体制を今後どのように整備するつもりか。Aさんは拒否されています。  2つ目、避難所に指定された施設のバリアフリー対策はどのような状況で、先ほど聞きましたけれども、これに対して、バリアフリー化をされていない施設の今後の対策はどのようになっているのか、考えているのかをお答えください。  さらに、車椅子の方の避難は、近隣の指定避難所であれば、避難支援者に運んでもらえます。しかし、浸水害のおそれがある場合、あるいは離れている場合には、離れていても、そういった浸水警戒区域以外の安全な避難所に行く必要があると私は思います。  先ほど見せたこのマニュアルですね、雨の中を雨がっぱを着て車椅子を押している、そういう絵がありますが、こんなふうに運べるわけがないんです。その際の移動手段を考えていく必要があると私は思います。  そこで伺うんですが、市は要援護者の移動を避難支援者に頼るのであれば、例えば、消防団ごとにスロープ付きの避難送迎車両、このようなものを用意することが必要ではないのか、考え方をお聞かせください。  もう1つの課題は、災害時要援護者と避難支援者との連携をどうつくっていくかです。当局も先ほどから答弁していました。  Aさんは、日ごろ身近に感じている民生委員の方に相談をしたんですが、その民生委員の方は、どうしたらいいかわからず、十分な対応ができなかった。恐らく実際には、車椅子の要援護者を避難させることなど想像もしていなく、戸惑ったのではないかと思います。  当局は、さきの9月の議会で、日本共産党の内田議員の質問に答えて、障害者が要援護者として参加をした中島地区の防災訓練を紹介しています。私もそれを聞いていて、必要なことだと感じています。  しかし、実際に障害を持つ方の協力を得るということは大変なことだと思います。そして、運営する自主防災会の理解も必要だと思います。  中島地区の事例を机上で自主防災会などに紹介するだけでは…… 57 ◯副議長(望月俊明君) あと1分です。 58 ◯11番(杉本 護君)(続) 広がっていかないのではないでしょうか。中島地区のような防災訓練ができるように自主防災会などの理解、障害者の協力、実際の訓練と軌道に乗るまで、市が積極的な関与をする必要があると思います。  そこで伺いますが、市は災害時、要援護者を支援する実効性のある防災訓練の実現のために、今後どのように取り組んでいくかをお答えください。  自然災害が多発している日本です。災害対策、避難対策で懸念する点はまだまだありますが、今回は災害時要援護者への対応を中心に質問し提案してきました。  人災による被害者は一人も出さないように、今後もしっかりと取り組んでいただきたいと思います。  質問通告をしていませんが、今回の出来事を聞いて、市長、何か感じることがありましたならば、一言御発言をお願いして、私の質問を終わります。 59 ◯危機管理統括監(海野剛幹君) 初めに、避難指示が出た時点での避難所の受け入れ体制についてですが、配備している職員は避難所ごとに指定しており、それぞれが平時から自主防災組織の皆さんと会合を持つなどして、自助・共助・公助の連携の強化に努めており、その中で、きめ細かな要援護者支援の受け入れ体制に向けて今後とも取り組んでまいります。  次に、避難所に指定された施設のバリアフリー対策の状態、今後の施設のバリアフリー化をどのように考えているのかについてでございます。  避難所のバリアフリー化には、施設ごとに備えられる設備の違いがあります。このため、必要に応じて、例えば車椅子対応型の仮設トイレなどを備えることで対応しております。  施設のバリアフリー化は、スペースの制約、大規模改修時の改築など、ハード整備に要する時間が必要となることから、当面は、車椅子にとどまらず、要援護者には必要に応じた援助が可能となるよう、ソフト面からも支援体制づくりに取り組んでまいります。
     最後に、要援護者の移動に、避難専用車両を用意する必要についてでございますが、車椅子の移動に避難専用車両があり、地域共助が可能となることは、理想ではありますが、現実的には、先ほどから申しておりますが、垂直避難となる自宅上層階への避難、または水平避難となります近親者宅や地域の公民館、あるいは指定避難所への避難、こういうさまざまな避難行動をみずから判断していただくことが、みずからを守るための原則となります。  いずれの場合でも、暴風雨などで避難が難しくなる状況に至る前に、早目の行動がとられ、地域における支援体制づくりが進むよう、各種気象情報及び避難に関する情報の意義について、引き続き、普及・啓発してまいります。 60 ◯保健福祉長寿局長(平松以津子君) 実効性のある防災訓練実現のための取り組みについてですが、本年9月1日、2日に実施した静岡市・静岡県総合防災訓練において、中島地区で行われた避難所協働訓練では、要援護者と避難支援者が一体となり、要援護者支援に関する講座で支援の必要性や方法を学んだ後、実際に福祉避難所への受け入れ準備及び移送する訓練を実施しました。  平成30年度の地域防災訓練においても、森下学区を初め、数多くの地域で要援護者を支援するための防災訓練が実施される予定です。  また、西豊田学区では、地域で暮らす要援護者を住民主体で支える体制づくりをテーマとして、宿泊防災訓練を11月に実施しました。  これは、地域の自主的な支え合い活動として、地域住民による実行委員会が、県立短期大学及び静岡市障害者協会などの協力を得て、取り組んだものです。  本市としましては、今後、要援護者支援の訓練などに先進的に取り組んでいる地域の事例を収集し、自主防災連絡会などの機会を捉え、他の地域にも紹介するほか、こうした情報を市のホームページなどでも紹介し、市民への周知を図ることで、各地域の実情や課題を踏まえた防災訓練の実施など、要援護者支援の体制づくりにつながるよう取り組んでまいります。 61 ◯副議長(望月俊明君) この際、暫時休憩いたします。         午後2時54分休憩    ───────────────────         午後3時10分再開 62 ◯議長(田形清信君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  総括質問を続けます。  島 直也君。   〔8番島 直也君登壇〕 63 ◯8番(島 直也君) 皆さん、こんにちは。自由民主党静岡市議団の島 直也でございます。  本日、傍聴にお越しいただいた皆様、まことにありがとうございます。  本日、私が最後の登壇となります。午前は、早川議員からの質問の答弁に、田辺市長の3期目への志をお伺いいたしました。静岡市のためにも頑張っていただきたいと応援しております。  私も3期目への市長の志を受けとめ、さらなる市民の幸せを願って質問させていただきます。  あえて生意気なことを申し上げますが、どうぞ最後までおつき合いのほど、よろしくお願いいたします。  それでは、通告に従いまして、職員の人材育成についてとSDGsの推進についての2点について、順次質問をさせていただきます。  今回の質問のテーマは人づくりです。田辺市長も常々お話をされているとおり、まちづくりは人づくりです。どんなに便利で住みやすいまちであっても、人の心が通っていなければ、決してよいまちとは言えません。  市長の施政方針にもあるとおり、積極的にまちづくりにかかわろうとするシチズンシップに富んだ市民が多ければ多いほどまちはよくなる、私もそのとおりだと思います。  このまちに住まう子供から大人までがまちをよくしたいと思い、また行動していくことが大切なのはもちろん、市役所の職員もまたしかりです。  静岡市のまちづくりを支えているのは、市の職員であり、職員がモチベーション高く積極的にまちづくりに取り組んでいかなければ、市民の声は行政に届かず、まちづくりへの意欲は低下し、このまちはよくなっていきません。それでは、現在の静岡市役所の職員の状況はいかがでしょうか。  私は、3年ほど前に、市内の大学生と一緒に地域の活性化を目的に活動をさせていただいたことがありました。その中の一人が静岡市役所への内定が決まっており、市民が幸せに暮らせる静岡市になるように頑張って働くんだと目を輝かせながら話をしてくれたことがありました。そのとき、僕はこういう志を持った若手職員と一緒になって、静岡市のために働きたいと思いました。  その後、私も議員となり、昨年の夏、市役所の1階を歩いているとき、その職員を見かけました。久しぶりだねと明るく声をかけましたが、思い描いていたまちづくりへの仕事とかけ離れていたのか、あのころのような目をきらきらさせながら静岡市の未来を語っていた姿はそこにはなく、死んだ魚のような眼になっていました。その姿を見たとき、あんなにやる気に満ちあふれた若者がたった2年の間にこんなにも変わってしまう環境なのかと正直驚きました。  まちづくりは市役所の職員によって決まると言っても過言ではありません。中には、いきいきと働いている職員もいるとは思いますが、やる気や向上心をそいでしまうような、そんな職場環境になってしまってはいないでしょうか。  ただ指示されたことをこなす業務で、みずからが率先してまちをよくしていきたいという崇高な思いや、積極的にまちづくりに取り組みたいという志がかなわない、そんな職場環境や風土になってしまってはいないでしょうか。  最も大事なのは、市民と向き合うことです。対外的な評価や上司の顔色ばかりを気にするのではなく、市民の笑顔や、笑顔をもっと見たいと願う、そういう気持ちを育ててほしいと思います。市長が望んでいるのも、そんな職員ではないかと思います。  現在、職員のスキルアップや企画力、提案力、やる気の向上につながるような職員の人材育成は、どのように行われているのでしょうか。  そこで、人材育成に対する市長の考え方について、今後将来を担う職員の人材育成について、どのように考えているか、お尋ねします。  次に、現在の静岡市のSDGsの推進についてです。  2030年までに先進国も新興国も途上国も、国も企業も、NPOも個人も、あらゆる垣根を越えて協力し、よりよい未来をつくろうと国連で決まった17個の目標であることは、皆さん御存じのとおりです。  現在、静岡市が取り組んでいるSDGsの取り組みは、田辺市長が国連でスピーチをされ、東京ガールズコレクションを誘致し、来年の1月にはSDGsウイークと銘打って、若者や女性にSDGsの認知向上を図るとのことです。  しかし、市民に対して、貴重な予算を使ってイベントを開催するだけの単なるパフォーマンスに見えてしまうようでは意味がありません。  本来、TGCの誘致などのイベント開催は、民間の企業が主体となり行っていただき、行政はそういった事業の行いやすい環境をつくり、サポートに努めるべきであると思います。  田辺市長は、必死になってSDGsの旗を振られておりますが、市職員を初め市民や現場にその思いは伝わっているのでしょうか。  SDGsとは、社会や環境をよくするのはもちろん、経済発展にもつながっていくことが重要です。志は高いが、結果的にSDGs貧乏になってしまっては、元も子もありません。  SDGsを推進するという思いだけがひとり歩きし、イベントの誘致や総合計画を実施するための理由の後づけになってしまってはいないでしょうか。  市民は、もっと身近な生活に根差した悩みや不安を抱えて日々生活をしています。私は市議として、多くの方からそういった相談を山ほどいただいております。ここにおられる多くの市議の皆さんも同様だと思います。  今の静岡市は、子育てや介護、災害など、多くの課題が山積しています。地域に目を移せば、自治会やボランティアの皆さんが中心になって、地域行事やS型デイサービス、子ども食堂など、SDGsにもつながるような活動を一生懸命に支えてくださっています。そんな市民の皆さんに、国連やTGCの話をしても共感は得にくく、市長がこの静岡市をどうしたいのか、市民に十分に伝わらないのではないでしょうか。  私自身、毎日、胸にこのSDGsバッジをつけております。国連が進めるSDGsの考えにはもちろん賛同しております。ぜひ市民の皆さんにも知っていただき、静岡市が、そして日本が世界と一緒になって発展し、幸せになっていければと願っています。  しかし、地域の経済発展や市民の幸せなくして世界は救えません。今の静岡市が抱える課題の優先順位を考えたときに、SDGsは今どの位置にあるとお考えでしょうか。  そこで、本市におけるSDGsの取り組みについて、SDGsの推進における市長の取り組み姿勢とは何か。  これまでの取り組みにおける成果と課題は何か。また、その課題の改善に向けて、どのように取り組んでいくのかお尋ねします。  以上、3点をお聞きし、1回目の質問を終わります。 64 ◯市長(田辺信宏君) 私からは、大項目、SDGsの推進について、市長はどのような取り組み姿勢なのかとの質問にお答えいたしますが、もう1つの大項目、職員の人材育成についても大事な論点であります。  私は、常日ごろ、職員に対しまして、鳥の眼と虫の眼の2つをあわせ持てということは伝えておりますが、魚の眼では困ります。叱咤激励をお願いしたいと存じますが、この2つの大項目は、ベースのところで通底しております。議員御指摘のとおり、私の理念である、まちづくりは、つまるところ人づくりだということであります。  人生100年時代、前向きに生きようとするチャレンジ精神と、また長い人生の中で出会う困難な局面にぐっとこらえ、そしてあきらめない胆力、このチャレンジ精神と胆力を持った人々が静岡市に多くいることがSDGsの推進の原動力になるというふうに私は考えています。  まず、冒頭御理解いただきたいのは、3次総を推進していくためのツールとして、手段としてSDGsを活用していくということであります。あくまで主役は3次総であります。  イメージとしては、午前中に私が申し上げましたとおり、この3次総を積んだ船が、帆船が世界を目指して出港を始めたというときに、国連とか国連外交を重視している日本政府がSDGsの風を吹かせてくれているから、これをこの帆船がしっかり受けとめて、より早く船を進めていく、そのためにSDGsを活用していくというイメージであります。  ただ、SDGsの17の目標、その意味、内容を子細に分析をしてみますと、3次総を通じて70万人の静岡市民に提供したい都市の姿、すなわち安心感と満足感が両立した、人生を謳歌する都市と。国連が地球上の誰一人取り残さないという理念のもと、70億人の地球に暮らす人々に、戦争やテロや貧困や地球温暖化を解決した、そんな世界を2030年までに実現をしたいという地球の姿は、全く一緒だということを理解したからであります。  だから、私たちは、3次総を加速するためにSDGsを活用していくという取り組みを始めたと理解をしていただきたいと思います。  そこで、取り組み姿勢は2つ、いわば2段構えでやっていきたいと思っています。  第1に、まずは、市民に対してSDGsの認知度を高めるということ。  第2に、これが大事なわけですけれども、市民のSDGsについての理解力、理解度を高めていくということ。これが車の両輪になって普及啓発を進めていきたいという取り組み姿勢を私は持っています。  今、情報発信力の強化、広報力の強化に取り組んでいる一環として、ある企業グループと官民連携で、御当地ソングをつくった「思い出の交差点」、これを普及していこうじゃないかというプロジェクトを進めております。  このごろ、おかげさまで、認知度は高まってきました。ああ、これコマーシャルでこのごろやっているね。市役所でもエレベーターの中で流していたねと認知度は高まっているんですが、理解度はというと、例えばこれを私は地域の会合で、カラオケスナックで一緒にデュエットしようとリクエストしても、歌える人はまだほとんどいないですね。これを歌うためには、歌詞も知らなきゃいけない、メロディも知らなきゃいけない。そして、理解をしないと、ものにならないわけであります。  そして、みんなで楽しく、この御当地ソングを市民が愛唱するということにならなければ、これは当初の目的を達成したことにはならないわけです。  だから、まず認知度を高めるということは大事だけれども、理解度を高める。SDGsも同じことなのであります。  おかげさまで、何となくこのごろSDGsと、メディアも提供してくれる、議会でも議論になっているので、確かに認知度は高まりました。しかし、このSDGsの意味、内容を理解して、国連がどんな17の目標を掲げ、それが静岡のまちづくりとどうつながり、ひいては、自分の生活、自分の人生にどんな目標を掲げるにせよ、これは役に立つんだ、仕事の役に立つんだと、こういう自分事として、これを一本の線で理解をしてもらわないと、なかなかSDGsというものが、当事者意識を持って、市民一人一人の官民連携の力強い動きにはならないと私は認識をしています。  今年度、市民にとって自分事として一番関心があるのは、自分の健康であります。とにかく健康で元気に暮らしたい。そして、3次総、5大構想の1つが健康長寿のまちづくりであります。そこに着目をして、自分の健康を守るんだという切り口から、SDGsの視点を取り入れ、これを指標で健康長寿のまちの施策の中で、自分一人の健康をどう守っていくのかということをわかりやすく示し、進捗管理をしていくための作業に取り組み始めました。  1つの地方公共団体として、行政サービスを可能な限り向上させることは、最も重要なことであります。現在、SDGs研究の日本の第一人者の知見もおかりしながら、我が国のこの健康という切り口、全ての人々に健康と福祉をというのは、SDGsの17の目標の大きな1つであります。ですので、我が国の先進事例をこの静岡市で健康長寿のまちという5大構想と組み合わせて作業を進めているところであり、今年度中の完成を目指しております。  いずれにしましても、このSDGsの取り組みは、まだ緒についたばかりであります。議員御懸念のように、これを一過性のイベントに終わらせてはなりません。また、これから2030年に向けて、日本政府も国連もますます強い風を吹かせてくれると私は予見をしております。  官民連携で静岡市でこの取り組みを強めていくためにも、まず認知度の次に理解度を高める取り組み、そして何と言いますか、まちづくりの大きな物差しとして、このSDGsを利用していく。そして、3次総を加速していく手段として使っていく、こんな取り組みをしていきたいと思います。日本の自治体の中では、未来都市に指定されたり、アジア初のハブ都市になって、いわば先頭ランナーを走っているという自負はありますが、先頭集団がゆえに、強い向かい風も受けるんです。SDGsをやったところで何の役に立つんだと。実は、介護や福祉や医療ともこれは結びついて、これを加速化するツールになり得るという理解が進んでいないゆえに、まだまだ先にやることがあるんじゃないかという意見もいただいているということは重々承知をしておりますが、それは先ほど中山議員からアドバイスをいただいたように、そういうときには、まあまあ、一緒にやりましょうと私自身頭を下げて、この普及啓発に取り組んでいきたいと考えておりますので、ぜひ御協力のほどをよろしくお願いいたします。  以下は局長から答弁をさせます。 65 ◯総務局長(大長義之君) 将来を担う職員の人材育成について、私からお答えをいたします。  「世界に輝く静岡」の実現を目指すために、職員の育成は、重要な課題の1つとなっております。  そのため本市では、あるべき姿を地球規模で見定める鳥の眼の視点と、市民生活に寄り添う虫の眼の視点の複眼思考を持って政策を進めていくことが大切であると考えております。  このような視点で政策を進めるため、特に将来を担う職員に求められるのは、失敗を恐れず、何度でも立ち向かっていくチャレンジ精神や、高い目標に向かって粘り強くあきらめない胆力、そして、市民の皆さんの信頼に応え、ともに行動する仲間を引きつける人間力であると考えております。  そこで、職員のチャレンジ精神や胆力、そして人間力を育てるため、さまざまなプロジェクトメンバーに若手職員を起用するなど、育成の場を積極的につくっております。  具体的には、本年8月にスタートした、おもてなしコンシェルジュがあります。  これは、若手職員で構成するプロジェクトチームの提言から生まれた取り組みであり、みずから手を上げた職員が庁舎の入り口に1人で立ち、来庁される市民の皆さんに積極的に声をかけ、目的の場所に御案内しています。  不安を持って来庁される市民の皆さんも多く、年齢、性別、目的もさまざまであるため、親しみやすい口調やわかりやすい会話のスピードを心がけながら、内容を的確に把握するなど、場面に合わせた柔軟な対応が求められます。  そのような中、1人で対応することへの不安や、案内先を間違えられないプレッシャーに耐えるという経験は、まさに胆力の育成につながっていると考えております。  そのリーダーとなっている職員が先日、新聞に取り上げられました。記事には「職員全員がおもてなしマインドを持って自ら動くことができれば、コンシェルジュはいらない。一人でもそうした意識を持った職員が増え、市民サービスの向上につながればいい」とコメントしていました。  私は、このコメントを大変うれしく思い、おもてなしコンシェルジュが、市民の皆さんにとっては、気持ちのよい接遇になっており、職員にとっては、人材育成の場につながっていると手応えを感じているところです。  また、本市では、そのほかにも、多くの報道関係者が集まる記者会見や幹部職員が集まる局長会議において、入庁して間もない職員が堂々とプロジェクトの説明を行っており、若手職員が育ってきているところでございます。  こうした若手職員を1人でも多く育成するため、高い目標を掲げた、やりがいのある育成の場を今後もつくっていきたいと考えております。  まちづくりは、ひとづくりであり、育成の場から育った多くの職員は、まちづくりを支える人材になると考えております。  若者や子育て世代、高齢者など、全ての市民の皆さんがこのまちでずっと暮らしたい、そして世界中の人たちが、このまちを訪れてみたいと思うような魅力的なまちを具現化するのは、まさにそういった職員です。  人材育成ビジョンで掲げる「使命感と熱意を持ち、自ら考え行動できる職員」を目指し、将来を担う職員の育成に取り組んでまいります。 66 ◯企画局長(松永秀昭君) SDGsの取り組みにおけるこれまでの成果と課題、また、その解決方策などについてお答えをいたします。  本市は、本年6月にSDGs未来都市、そして7月にアジア初のSDGsハブ都市になり、日本政府や国連を通じて取り組みが紹介されているほか、本市ホームページ、さらには月刊「地方自治職員研修」などにより、本市のSDGsの取り組みを発信していることもあり、最近では、日本教育行政学会を初め、獨協大学や静岡産業大学、他の自治体などからも講演依頼を受けるようになりました。  このように、SDGsに取り組んだことにより、本市の存在感を高めるという点で、一定の成果があったと評価しております。  しかしながら、先般、小学校への出前授業でSDGsの認知度を尋ねたところ、知っている人の割合が10%程度にとどまるなど、まだまだ低い認知度が課題であると再認識させられました。  これまで常葉大学を初め、静岡デザイン専門学校、清水六中、安東小などで出前授業を行い、認知度向上に努めてまいりましたが、引き続きSDGsという言葉を知る、興味を持つ人をふやすため、SDGsウイークなどを通じて、次世代を担う若者を中心に普及啓発を進めてまいります。  そして、来年度以降は、SDGsの内容を理解し、行動に移す市民や企業などのさまざまな主体をふやすため、SDGsの取り組みを疑似体験できるカードゲームを初め、市政出前講座や、企業に対しては、ボランティアでも社会貢献でもない、ビジネスに直結することなどを民放テレビ局と連携し取り組んでいるメディアプロジェクトの本格実施を通じて、SDGsの言葉を知っている段階から理解を深め、自分事として行動につなげる段階まで、それぞれの状況に応じた普及啓発事業を進めてまいります。   〔8番島 直也君登壇〕 67 ◯8番(島 直也君) 御答弁をいただきました。  意見・要望は、3回目にさせていただきたいと思います。  私は、今回のテーマである人づくりの質問に先立ち、幾つかの市町に研修視察に伺わせていただきました。そんな中で大変すばらしい取り組みをされていたのが焼津市と藤枝市でした。  焼津市は、数年前から市役所の職員研修の一環として、採用2年目、3年目の若手職員向けの研修制度、市役所若者倶楽部を設立しました。焼津の元気で魅力あふれるまちづくりを推進することを目的として設立されたこの研修制度は、若手職員が企画やアイデアを出し合いながら、企画力や提案力の向上などのスキルアップや、企画立案を進める中で地域との交渉などを行い、市民との関係構築にもつなげているそうです。  それだけではなく、若手職員全員が部署の垣根を越えて4つのチームに配属され、企画・運営を行うことで、通常の業務ではかかわることのない職員との交流にもつながり、他部署との情報共有など、研修終了後も横の連携が図れるようになったとのことでした。  小さな取り組みではありますが、若手職員にとっても、自分たちで考えた企画が形になり、自信やモチベーションのアップにもつながっているそうです。  また、藤枝市においては、職員を市の財産として捉え、市民のためにいきいき働く職員の育成に重点を置き、「人財育成」型の市政改革を行うために、平成23年4月に「人財育成基本方針~「日本一の職員づくり」を目指した人財育成に向けて~」を策定し、「…市民の元気は、市役所の元気から!!」をテーマに、「職員が変われば市役所は変わる。市役所が変われば市が変わる。」という考え方のもと、人財の育成に取り組まれてきました。そんな思いから、藤枝市では、人材の材を、財産の財と表記しています。  これまでの7年間で、市職員が劇的に成長を遂げ、その結果、市民サービスの向上や人口増加にもつながったとのことでした。  私が一番驚いたのは、市の人事課や管理職だけではなく、藤枝の市議会議員でさえも、我が市の職員の能力は他の市町に負けていない日本一の職員ですと自信を持ってお話をされたことです。  過去に、静岡市役所に内定をもらっていた方が、人材育成基本方針や説明会での先輩職員からの話を聞いて、藤枝市役所を選ばれた方もいたそうです。
     静岡市だけではなく、他の市町に採用された職員も、スタートの段階では、能力に大きな違いはないと思っています。採用された職員たちのスキルや企画提案力、モチベーション、まちを思う気持ちを成長させるのは、人材育成や職場環境にあると思っています。  静岡市役所の中にも中堅職員が有志で集まり、自分たちの興味、関心のある分野に対してさまざまな活動をされている自主研究グループがあります。こういった能動的な取り組みこそ、静岡市がさらによいまちになる、職員の意識が向上するきっかけになると思っています。  きれいごとと思われるかもしれませんが、私は、仕事とは、やらされるものではなく、自主的に考え、動き、形にしていくものだと思っております。  1人では乗り越えられない高い壁も、仲間でアイデアや企画を出し合い、それを経験豊かな先輩がフォローし、上司がその背中を押してあげる。職員同士が力を合わせ、あきらめずに取り組んでいくことが、何よりも重要だと思っております。  1回目の質問でも述べたように、市役所の混沌とした雰囲気を払拭し、職員全員がやる気に満ちあふれる環境や雰囲気づくりをしてくいことが今必要なのではないでしょうか。  静岡市でも、平成24年3月に新人材育成ビジョンが策定され、平成27年3月に改訂が行われました。改訂から3年が経過し、今年度は見直しの時期に来ております。  実際、藤枝市の新・人財育成基本方針、静岡市の新人材育成ビジョンを拝見したところ、内容にはそれほど大きな違いはないように思います。では、なぜ、職員の成長に違いが生まれてしまうのか。それは、人材育成に対する意気込みや研修制度、OJT、評価方法などに課題があるからではないでしょうか。  そこで、若手職員の育成について、若手職員の人材育成について、現在どのような取り組みを行っているのか。  取り組みを推進する上での課題は何か。また、その解決に向けてどのように考えているのか、お伺いします。  次に、SDGsについてであります。  そもそもSDGsとは、古くから日本に脈々と受け継がれてきた教えや、私たちが幼いころに学校で学んできたこととそれほど大きな違いはないと思っています。  例えるなら、江戸時代から明治時代に日本各地で活躍した近江商人が大切にしていた、三方よしの考え方です。三方とは、売り手、買い手、そして世間であります。信頼を得るために、売り手と買い手がともに満足し、さらに社会貢献もできるのがよい商売であるという考えです。自分たちの利益ばかりを考えるのではなく、ただ人のためになることを行い、そして蓄積していった信頼がやがて大きな利益をもたらす。そこでたまった利益を今度は学校の建設や橋の建設に使い、社会にも大きく貢献をしたということです。これこそSDGsの考えに通じるものだと思っています。  また、私たちが学生のころに学んだ道徳教育もその1つだと思っています。学校の水道の蛇口の前には、水を大切にしましょう、教室には、友達と仲良くしましょう、困っている人がいたら助けましょう、みんなで協力して目標を達成しよう、ごみはごみ箱に捨てましょうなどの標語が掲げられていたと思います。もちろんSDGsの目標の中には、近年になって問題になっている内容も含まれていますので、全てがそうだということではありませんが、私たちが幼いころに学校という環境の中で自然と学んだことと、SDGsが目標に掲げていることは、そんなに大きく違わないと思っています。  私は、多額の予算を使ったイベントでSDGsの認知向上を図るよりも、まずは国連が目標とする2030年に、このまちを担う子供たちに対して、日々の暮らしの中で自然とSDGsに親しむ環境をつくっていくことのほうが重要ではないかと考えています。  先日、青年会議所の主催で、「SDGs for School」という事業を実施し、市役所の職員向け情報誌「What's your SDGs?」でも紹介されておりました。9月3日から10月31日の期間で、市内の小中学校の12クラスを対象に実施され、SDGsとは何かを子供たちでもわかるように、すごろくゲームを取り入れながら学べる授業でした。  私も1つの中学校の授業に参加させていただきましたが、授業を受ける前に行ったアンケートでは、生徒の258人中238人、92%、また立ち会われた先生でも12名中2名がSDGsを知らなかったと答えていました。  授業を受けた後は、生徒の93%がSDGsを理解できたと答えました。また、生徒の258名中233名、およそ90%が、世界のために今、自分にできることをしようと思ったと答えました。9割以上の生徒、また先生の中でもSDGsが認知されていないというのが現状です。  しかし、SDGsを知ることで、自分たちがどのように世界と向き合っていくのか、自分事のように真剣に考え、今の自分にできることをしようと取り組むきっかけになるのは間違いありません。  また、その活動が評価され、小中学校の校長会にも招かれ、カードゲーム「2030SDGs」の体験会が行われました。校長先生でも、SDGsという名前は聞いたことがあっても、具体的にどんなものなのか知らない方も多く、このゲーム体験によって、SDGsの理解が深まったとお話をされていました。  こういった状況を見ると、学校の現場においても、まだまだSDGsに関する認知は広がっていません。貴重な予算を使い、単なるパフォーマンスで終わらせてしまうのではなく、まずは足元を見て、学校の現場で子供たちから理解促進を図っていくことも重要だと考えます。  そこで、学校教育における取り組みについて、学校教育におけるこれまでの取り組みを、SDGsの視点から捉え直し、位置づけていくことが大事だと考えるが、SDGsについて、教育現場においてどのように捉え、今後どのように取り組んでいくのかをお伺いし、2回目の質問を終わります。 68 ◯総務局長(大長義之君) 若手職員の人材育成についての2点の御質問にお答えいたします。  まず、若手職員の人材育成についてですが、若手職員がさまざまな場面で市民の皆さんの期待に応え、プロ意識を持つ職員に成長するには、コミュニケーション能力、問題解決能力、自己成長意欲の3点を特に高めていく必要があると考えております。  1つ目のコミュニケーション能力は、職員が市民の皆さんとの信頼関係を築き、業務を円滑に進めるために必要な能力です。研修では、相手の話にしっかりと耳を傾けて聞くことと、わかりやすく説明することを、1対1のロールプレイングを通して学び、聞く力と伝える力にあわせて、相手を思いやる力の向上を図っております。  2つ目の問題解決能力は、職員が業務上の問題や市の課題を解決するために必要な能力です。研修では、職員が5~6人のグループに分かれ、福祉、環境など市のさまざまな課題を事例とし、現状を分析し、原因を探求し、その解決策について、議論を交わし導き出すことで、問題を解決する力の向上を図っています。  3つ目の自己成長意欲は、職員がどのような環境においても自発的に成長していくために必要な意欲です。研修では、ロールモデルとなる先輩職員や国への派遣を経験した同世代の職員が、経験や仕事のやりがいを伝えるほか、各局では、局長と若手職員による座談会の実施などを通して、若手職員の成長意欲を促しています。  この取り組みを中心に、さまざまな研修を通じて、業務を着実に遂行し、市民の皆さんの期待に応える若手職員の育成に取り組んでおります。  次に、取り組みを進める上での課題についてですが、上司や先輩職員が、日常業務を通じて、部下や後輩職員を育成する職場のOJTのあり方が課題であると考えております。  現在の組織においては、若手職員の増加により、経験の少ない職員についても、職場の即戦力として、その役割を期待されることがふえています。  一方で、ベテラン職員の減少により、実務経験が豊富な人材が不足し、かつてのように、先輩職員が人間関係を築きながら、時間をかけて若手職員を指導していくことが難しい状況になってきています。  このことにより、職場における知識やスキルの継承がうまくできず、これまでのような個々の能力に頼った組織運営の方法では、組織力の低下が懸念されます。  市民に信頼される自治体として、組織力をさらに高めていくためには、職場全体で職員を育成する体制を整え、若手職員がそれぞれの職場においてみずからの力を発揮し、その力を組織の成果につなげていく必要があります。  そのため、次期の人材育成ビジョンでは、人を育てる組織への転換を方針に掲げ、組織全体で人材育成を推進する体制の構築を目指します。  具体的には、職場全体が人を育てる場として機能するために、職場の人材育成を推進するリーダーの役割を強化するとともに、上下職員間の相互理解を深めるために、課長級と主査級との合同研修を実施するなど、職員一人一人に、部下や後輩職員を育てる意識を持たせ、OJTを推進してまいります。 69 ◯教育統括監(望月敬剛君) 学校におけるSDGsの捉えでございますが、SDGsの特徴である、多様な価値を受け入れ、協働して問題解決を図るという点では、本市の教育が目指してきた、「様々な視点で物事を見ることができ、他人の考えを受け入れ、協力し合いながら、問題解決ができる」という、たくましくしなやかな子供たちの姿と方向性をともにするものと捉えております。  また、2020年度から実施の新学習指導要領で重要視されております教科横断的に取り組む教育においても、社会におけるさまざまな課題が相互に関連し合っているというSDGsの視点を取り入れていくことが重要であると考えております。  例えば、学校では、これまでも、身近な海岸のごみ問題を考える授業から地球的課題である海洋保全の学習に発展させるなど、地域の現状から普遍的な課題に問題意識を広げていく教育を行ってまいりました。ここにSDGsの視点を取り入れることで、子供たちが海洋資源の保護と経済問題との関連に気づき、世界の貧困問題に結びつけるなど、学習に広がりを持たせることが可能となります。  このことで、子供たちは、レジ袋をもらわずプラスチック包装を減らすことが海洋汚染を防ぎ、漁業にかかわる人の生活を守ることにつながることが意識でき、消費者としての自分の役割を果たしていく子供に育っていくと考えます。  そこで、SDGsの視点を取り入れていく第一段階として、1月に、本市のSDGsに中学生が参画するという目的で、「静岡市SDGs中学生サミット」を開催します。ここでは、それぞれの学校の取り組みや考えを全中学校で共有し、SDGsと結びつけて考えることで、自分たちの活動を価値づけ、さらに発展させるきっかけとします。  今後は、サミットに参加した子供たちがSDGsを各学校で普及させていくとともに、この取り組みを通じて得た指導方法を教員同士で共有します。  SDGsの視点を学校教育に取り入れることで、本市の小中一貫教育が目指す、つながる力の育成をさらに加速させ、グローカルな子供たちの姿として世界とつながる力、未来とつながる力を育んでまいります。   〔8番島 直也君登壇〕 70 ◯8番(島 直也君) 最後は、意見・要望です。  まずは、人材育成についてです。  ぜひ我が市も日本一の職員づくりを目指して、人材育成に取り組んでいただきたいと思います。  若手職員にも広く活躍の場を与え、若さならではの新しいアイデアやセンスを取り入れることは、「世界に輝く静岡」の実現のためにも、大変重要であると思います。  ぜひ若手職員向けの研修制度の設置や、自主的に活動されている研究グループの活動のサポート、推進をしていただき、全庁的に職員のやる気やスキルアップにつながるように取り組んでいただきたいと思います。  続いて、SDGsについてです。  質問の中でもお話をさせていただきましたが、子供がふだんの学校生活の中で、自然となれ親しむ環境の整備をお願いします。  わざわざ授業で行う必要はないと思います。水を大切にしましょう、SDGsマーク、ごみはごみ箱に捨てましょう、SDGsマークのように、SDGsに触れる機会をふやし、興味、関心を持てば、みずから知りたいという行動につながります。例えば授業で習っていなくても、二宮尊徳の銅像が学校に立っているからみんな知っているのと同じことだというふうに思っています。  難しく考えるのではなく、簡単なことから始めてはいかがでしょうか。学校の壁や公共施設の壁にマークをつけるだけでも、興味喚起は図れると思います。  本日の早川議員への答弁の中で、市長は、現地現場主義を第一に考えとおっしゃいました。70万人の静岡市民の生活は、田辺市長の肩にかかっています。生活者の目線を忘れることなく、今後も市政運営に取り組んでいただきたいとお願いし、私の全ての質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)    ─────────────────── 71 ◯議長(田形清信君) 本日はこれにて延会いたします。         午後3時55分延会    ─────────────────── Copyright © Shizuoka City, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...