まず初めに、
平和行政について質問をいたします。
皆さんのお手元に資料を配布してありますので、それもごらんいただきながらお聞きください。
田辺市長は6月8日の記者会見で、本市から世界平和を発信、アピールする施設として
歴史文化施設を拠点とすると、世界平和を訴えられました。かねてから
平和行政の具体策を要請してきた我が党としては、市長の世界平和を発信するという表明を受け、その構想をお聞きいたします。
まず1点目に、平和の概念についてです。
歴史文化施設の構想は本市の豊かな歴史と文化を生かし、
歴史文化遺産の価値と魅力を発信するというものです。
徳川家康公は260年の平和な日本を築いたリーダーではありますが、世界平和とどのように関連づけ、平和を発信していくのか、平和とはどのような概念なのかを伺います。
続いて、
子育て負担軽減策について質問します。
子育て中の保護者が重荷と感じているのは、子育てに
経済的負担が重過ぎることです。部活の費用、給食費、学用品の支払いが大変という声、
経済的理由で進学を諦めさせてしまうかもしれないという声があふれています。2人、3人と子を産みたい世帯にとって、実効ある
負担軽減策を太く打ち出すことが、
子育て応援、住み続けられる安心感につながります。3つの項目について質問します。
まず
国保加入世帯の
子育て負担軽減策についてです。
国保料の算定は加入者の所得に応じて計算する所得割、1
世帯当たりの平等割、世帯の
加入者数に応じて計算する均等割の合計で計算されます。均等割は国保に加入している生まれたばかりの赤ちゃんでも人数として数えられ、子供が多い世帯ほど負担がふえる仕組みです。均等割とは戦前の人頭税を引き継いだもので、納税能力に関係なく全ての国民1人につき課す税金です。1903年に廃止されたものを引き継いだ制度です。
質問の1点目に、収入のない子供にまで均等割を課す根拠は何か伺います。
2点目に、均等割が加算されるのは
国保制度のみかの意味で確認です。
社会保険など他の
被用者保険は収入のない子供の均等割を課しているのか、伺います。
次に、
学校給食費助成についてです。
この問題は昨年も質問しましたが、当局は、「文科省は
地方公共団体が給食費の一部を補助する場合を禁止する意図はない」と認めつつも、
給食費助成には後ろ向きの姿勢です。
学校給食費助成について一部補助や完全無償化しているのは全国1,740自治体のうち424の自治体に広がっています。文科省も自治体の広がりを受けいよいよ実態調査に乗り出しました。
学校給食の
教育的意義について改めて確認します。
憲法第26条は、
義務教育はこれを無償とすると定め、
学校給食法は、
学校給食を
義務教育の一環と位置づけています。2005年、
食育基本法が成立し、
子供たちが豊かな人間性を育み、生きる力を身につけるためには、何より食が重要とされ、文科省は
学校給食を生きた教材として指導するよう要請しています。以上のことから、本来なら国の責任で無償化されるべきものです。
質問の1点目に、
学校給食法は
学校給食の普及充実及び食育の推進を図ることを目的としていますが、
学校給食の目標は何か。
食育重視であり、給食は教育の一環という位置づけか、確認します。
2点目に、
学校給食費を無償にした場合、どれだけの財源が必要か、確認します。今年度父母から徴収している
学校給食費は総額幾らか、伺います。
3つ目に、子どもの
医療費助成制度について。
県がいよいよ10月から
対象年齢を
高校生世代まで拡大します。本市と浜松市の両政令市は県の
補助対象外のまま、独自で
助成制度を拡充させてきましたが、県内どこに住んでいても等しく制度の恩恵を受けられる。これは子どもの権利条約から言っても基本です。本市も
高校生世代まで
対象年齢を引き上げる場合の課題は何か。また、引き上げた場合の本市の
財政支出影響額はどのくらいか、伺います。
以上、1回目です。
7 ◯副市長(
小長谷重之君) 私からは、
歴史文化施設から発信する平和とはどのようなものかについてお答えをさせていただきます。
ここ静岡の地は、大
御所家康公がみずから描いた夢を実現する舞台として選び、駿府城を拠点に政治、外交を行った場所であります。そして、世界でもまれに見る260年という長きにわたり天下泰平の世を築き上げました。ここに建設する
歴史文化施設では、広報紙、静岡気分の7月号でもお知らせしているとおり、家康公と静岡のかかわりを主軸とし、家康公の一生と
大御所時代の駿府、家康公を育んだ駿府と今川氏、東海道と
駿府城下町の変遷という3つのテーマで本市の特徴を展示で表現していく計画であります。
特にこの3つのテーマの中心となる家康公の一生と
大御所時代の駿府では、今川氏のもとで学び、平和を求めて戦い、戦国の世に終止符を打った家康公の数々の功績のうち、平和にも光を当ててまいります。特に、スペインやポルトガルとの
関係構築や、朝鮮出兵により悪化していた朝鮮との
関係修復など、
大御所時代にここ駿府で行われた平和にかかわる外交政策を紹介してまいります。この
歴史文化施設を通して、駿府から現在につながる静岡の地が世界に冠たる平和の基盤を築いた地であることを発信してまいりたいと考えております。
8
◯保健福祉長寿局長(
平松以津子君) 私からは、国保料の均等割についての御質問にお答えいたします。
子供に均等割を課す根拠についてですが、国保料の算定において均等割は
世帯当たりの
国保加入者数に応じて均等に負担していただくことが、
国民健康保険法施行令第29条の7に規定されております。したがいまして、収入のない子供も含め、世帯の人数に応じて保険料がふえる構造になっております。
次に、他の
被用者保険は子供の均等割を課しているかについてですが、
被用者保険である
政府管掌健康保険、
組合管掌健康保険、共済組合、
船員保険の保険料については、
健康保険法により
標準報酬月額等に基づき算定することとなっております。したがいまして、子供も含め他の
被用者保険には均等割という概念はありません。
9
◯教育局長(
遠藤正方君)
学校給食について2点の質問にお答えします。
まず、
学校給食の目標についてですが、現行の
学校給食法では、
学校給食の目標は7つございます。1つ目は、栄養摂取による健康の保持増進。2つ目は、健全な食生活を営む判断力や望ましい習慣を養うこと。3つ目は、社交性及び協同の精神を養うこと。4つ目は、生命、自然の尊重と環境の保全に寄与すること。5つ目は、食生活を支える人々や活動への理解を深め、勤労を重んずる態度を養うこと。6つ目は、伝統的な食文化の理解。7つ目は、食料の生産や流通、消費の理解です。この規定により、
学校給食は
学校教育の一環であるという
学校給食が持つ意義がより明確となっています。
次に、平成30年度の
学校給食費の
父母負担額についてですが、給食費の額は月々の
児童生徒数などに応じて変動しますが、平成30年5月の
静岡市立小中学校の
児童生徒数から積算すると、総額でおよそ25億3,000万円になっております。
10
◯子ども未来局長(
石野弘康君)
子ども医療費助成制度に関する2点の質問にお答えします。
まず、
子ども医療費助成制度の対象を
高校生世代まで拡大するに当たっての課題についてですが、
高校生世代は
義務教育が終わり、就労している若者もいることや、心身の発達が大人に近づいていることから、現行の中学生までを対象とした
子ども医療費助成制度とは異なるものと認識しております。このため、制度のあり方について検討し、それを踏まえた上での実施の判断が課題と考えております。
また、これを実施する場合には、本年3月31日現在、市内の
高校生世代は約1万9,000人いることから、多額な財源の確保が必要となることが課題であります。
そのほかに、
医療関係者との調整や安易な時間外受診の増加による
救急医療体制への影響なども考えられます。
次に、
高校生世代まで
助成対象を拡大した場合の影響額についてですが、現在、
子ども医療費助成制度の予算額は年間約22億円で、現行の中学生までの制度を高校生まで拡大した場合には、約4億円の増額を見込んでいます。これは、医療費の
助成費用のほか、各
医療機関へ支払う
請求事務手数料や
医療費助成の申請の取りまとめにかかる
事務委託料等でございます。
〔24番
鈴木節子君登壇〕
11 ◯24番(
鈴木節子君) 今、
平和行政について副市長にお答えをいただきました。私は市長の世界平和を発信するという、あの力強いメッセージをお聞きしましたので、市長のお気持ちをこの場で確認したかった。それで、副市長にお答えいただきましたが、市長と副市長は人格が違うんですが、なぜ、その市長のお気持ちがわかるんでしょうか。私はお二人の関係が一心同体かなと思って感心をしております。それでは、2回目の質問をいたします。
本市は
平和都市宣言を行い、
国連軍縮会議開催都市です。これまで恒久平和の理念のもと、教育や文化、市民との共同の
取り組みを通じて、戦争の悲惨さ、命のとうとさ、平和の大切さを市民が共有する
取り組みを実施し、継続していくという姿勢だけできました。市長が力強く世界平和を発信すると決意を述べられましたので、改めてお聞きします。本市から世界平和を発信するにふさわしい
平和行政、
平和教育をどのように展望するのか、お示しください。
続いて、
子育て負担軽減策、国保の
均等割減免についてです。
政令市長会や
全国市長会などは子供の均等割を賦課の対象としないよう、国に対し繰り返し要請を続けてきました。同時に全国の自治体の中には、
子育て世帯の負担を軽減する立場で、子供の均等割を減免、あるいは第3子以降は全額免除など、独自の
減免制度を創設しました。その趣旨は、未来を担う
子供たちを取り巻く
環境づくりに力を入れたいというものです。例えば、仙台市は18歳未満の子供の均等割の3割減免を今年度から実施しました。
対象世帯約1万1,000世帯、子供の人数は約1万4,500人に、総額約1億円を減免します。財源は国保に対する国の
財政支援が拡充され、子供の人数に着目して交付される7,000万円を原資に、
子育て世帯への支援策を打ち出しました。均等割は年齢や所得に関係なく一律に税額が賦課されるため、
子育て負担を軽減させる立場で、市長の発案で実現しております。
質問の1点目に、このように子供の
均等割減免を実施している政令市など、自治体の動向はどうか、また、減免の理由、目的はどういうものか、伺います。
2点目に、子供の
均等割減免の方針についてです。
本市の場合は、18歳未満の子供の
加入者数は約1万3,000人です。平成30年度から国の交付金のうち子供の被
保険者数に応じて都道府県に交付されるのは約100億円です。静岡県にそのうち3億円、本市には5,400万円交付されます。これはお配りした資料にあります。この財源を使えば
子育て世帯の
負担軽減は可能です。むしろそのための交付金として直接子供の均等割の減免を行うべきです。減免についての方針を伺います。
2つ目に、
学校給食費助成についてです。
全国の自治体で
学校給食費完全無料化、一部補助などの広がりの背景について、その1つは親の
経済的負担の重さです。部活費用、
修学旅行費など、小学校で年間約10万円、中学校では18万円もかかります。当局は
生活保護や
就学援助でカバーできると言いますが、制度を知らなかったり、申請しなければ利用できないという難点に対し、
給食費助成は現物給付としてどの世帯の子供も平等に利益を受けられるという利点があります。そして、給食は
学校生活の一環であり、お答えにあったように教育の一環です。だからこそ、
義務教育無償の観点も必要です。
3つ目に、貧困対策の観点です。
子供の7人に1人が貧困といわれる社会の中、子供の成長に必要な栄養がとれない
健康格差はあってはなりません。
学校給食はどんな家庭の子供でも受けられる食の
セーフティネットです。
以上のように、保護者の
負担軽減、
義務教育は無償、食の
セーフティネットの観点から、
学校給食費助成の必要性をどう考えるか、伺います。
3つ目に、
子ども医療費助成制度についてです。
4月時点で
県内完全無料化の市町は22市町。高校生まで対象を拡大する自治体は11市町と広がり、市町の努力や県の前向きな姿勢により、
県内自治体は
高校生世代まで拡大します。その一方で、浜松、静岡の両政令市だけ
格差ギャップを生じさせることは大変おかしなことです。本市も
対象年齢を引き上げるべきですが、そのお考えを伺います。
6月11日、県内市町と県は協議を行い、国、県、市町の役割分担、市町の課題と要望、県の考え方などを協議し、
対象拡大に向け踏み出しています。昨日は本市からも県に協議を要請しました。この中では、県の対応は温かくはないというか、なかなか厳しい財政的な問題もあるし、政令市に対しては県と同等の権限があるんだから自分でやれというような冷たいコメントもあったようです。
政令市移行時の
補助対象外とする協定は、今、金科玉条のごとく取り扱われるものではなく、時代の変遷によって改めるという考えも必要です。
また、昨日
浜松市長は、高校生まで助成を延長するというのは新しい制度だと。だからこそ政令市も含めて県の補助をすべきだと訴えております。こうした中で、県に対して補助金の対象とするよう、本市からも積極的に、かなり強く要望することが必要ですが、今後どのように内容を詰めていくのか、伺います。
以上、2回目です。
12
◯総務局長(大長義之君) 私からは本市が世界平和を発信するにふさわしい
平和行政、
平和教育をどのように展望するかのうち、
平和行政についてお答えをいたします。
本市では、静岡市
平和都市宣言に掲げられた恒久平和という大きな理念のもと、教育や文化、スポーツ、
国際交流など、行政が行うさまざまな場面において、平和の理念を持って事業を進めていくことを
平和行政と考え、
取り組みを進めているところです。このような中、市民の皆さんが
国際社会や文化への理解を深めることが世界平和の意識の高まりにつながることから、今後も
姉妹都市を中心とした
国際交流や
国際理解を目的としたイベントなど、異文化に触れる機会をふやしていくことが大切だと考えております。そのような機会を通じて、平和の心を持った人材が育ち、その方々が本市や国内、さらには、海外において平和への思いを持って活動することが平和の実現に貢献することになり、それが世界平和への発信につながっていくものと考えます。
13
◯教育統括監(望月敬剛君) 私からは
平和教育についてお答えをいたします。
本市では社会性を備え、静岡市民として
地域社会や世界で活躍する
子供たちを育てることを目指しております。そのために、
子供たちは道徳において
国際理解について学んだり、社会科では戦争の様子や戦後の復興の様子について学んだり、総合的な学習の時間では、地域の方から戦時体験の話を聞くなどして、命のとうとさや平和の大切さを学んでいます。今後も異
文化理解や平和に関する学習の充実を図り、
子供たちの平和への思いを育て、その実現に向けて世界的な視野で身近なところから行動できる子供の育成に努めてまいります。
14
◯保健福祉長寿局長(
平松以津子君) 私からは
国保料均等割に関する2点の御質問にお答えいたします。
まず、子供の均等割の減免を行っている政令市等の動向と減免の理由についてですが、政令市では、仙台市が平成30年度より子供の均等割の3割を減免する制度を開始いたしました。その他の市では石川県加賀市が子供の均等割の2分の1を、埼玉県ふじみ野市が3人目以降の子供の均等割の全額を減免するなど、幾つか減免に取り組む自治体が出てきていることを確認しております。また、いずれの市においても
子育て世帯への支援を減免の理由として実施しております。
次に、子供の均等割の減免の必要性についてですが、子供の均等割を減免することは、
子育て世帯の
負担軽減に資するものであると考えております。しかし、その実施については子供の数を保険料の算定要素に用いていない他の
医療保険制度との整合性を総合的に図る観点から、国の責任と負担により
軽減措置の見直しの中で行うべきものと考えております。このため、
全国市長会を通じて、国に対し
子育て世帯の
負担軽減のため、子供に係る均等割を軽減する
支援制度を創設するよう要望を続けております。
15
◯教育局長(
遠藤正方君)
学校給食費の補助の必要性をどう考えるかについてですが、
学校給食費は
学校給食法により経費の区分が定められており、
学校給食の実施に必要な施設及び設備に要する経費などは設置者の負担、食材費である
学校給食費は保護者の負担とされております。このため、本市では保護者の負担とさせていただいております。
義務教育の無償の観点については、既に最高裁において授業料の不徴収を示すものとする判決がなされております。また、子供の
セーフティネットの観点についてですが、
学校給食費は
就学援助の中で
実費負担を全額援助しており、
学校現場においても対象者に対して積極的な
制度利用を促しております。
16
◯子ども未来局長(
石野弘康君)
子ども医療費助成制度に関する2点の質問にお答えします。
まず、
高校生世代への
医療費助成の実施についてですが、先ほど御答弁しましたとおり、
高校生世代までの
医療費助成制度は現行の中学生までを対象とした
子ども医療費助成制度とは大きく異なるものと認識しています。このため、実施の判断は慎重に行う必要があることから、
制度設計や財源確保などの課題の解決策を十分に検討した上で総合的に判断し、対応していきたいと考えております。
次に、県に対する補助金の要望に関して、今後どのように対応していくのかについてですが、本市は、
政令指定都市移行の際の県との協定に基づき、平成24年度から
子ども医療費助成制度に対する県の補助金が廃止されています。しかし、
高校生世代まで拡大することについては、協定で定められている事業の範囲を超えたものであるため県と協議が必要であると考えております。このため、浜松市と連名で、昨日6月28日に県に対して協議の場を持つよう要請文を提出いたしました。今後、浜松市と連携しながら県との協議を行い、その上で総合的に本市として実施の判断をしていきたいと考えております。
〔24番
鈴木節子君登壇〕
17 ◯24番(
鈴木節子君) では、3回目の質問をいたします。
子育て負担軽減について、
学校給食費、何回聞いても同じ答えなんですが、いいですか、
義務教育は無償、
学校給食も教育の一環、これはもう確認をされております。そこで、全国各自治体が無料だとか一部補助を始めており、
全国自治体の4分の1に広がり、文科省もこれは見過ごせないと、
全国調査に乗り出しているんです。その中で、親の負担にいまだにしがみついているというのはちょっとおかしいし、文科省も親の負担を助成することは別に否定していないんです。ここが、静岡市のこの殻を抜け出さなければならない問題点だと思います。
助成拡大に必要な額は、
子ども医療費を
高校生世代まで拡大するだけで4億円、
学校給食費の
完全無料化で25億円、
半額補助で約13億円です。国保の子供の
均等割減免は市の負担なしで国の交付金がありますから、これも着手できます。
要はこの額を、将来を見据えどう活用するかです。他市に先駆けてインパクトのある子育て環境の整備が安心感につながり、子育てするなら静岡市でというメッセージを太く打ち出すことができます。本市は5大構想で清水庁舎移転、ウォーターフロント構想、アリーナ構想、日本平山頂整備など箱物優先ですが、市民の願いは暮らしを大もとから支える施策の充実や安心感です。
子育て負担軽減策をさらに拡充させる視点を軸に据えるべきではないか、お考えを伺います。
最後に、
平和行政について意見、要望を述べます。
今、アメリカと北朝鮮が歴史上初めて首脳会談を行い、平和と繁栄、新しい両国間の確立により、全世界の人々が核戦争の脅威から抜け出す扉が開かれました。平和へのプロセスは始まったばかりですが、これをどう前進させ成功させるか、大事な点は
国際社会の協調や世界戦争に反対し、平和を願う各国市民の声です。世界平和とはこういうことではないでしょうか。市長は核兵器廃絶署名に、まだ署名をしておられません。また、広島、長崎の慰霊祭へ
子供たちを連れていくということもしておりません。そして、憲法を守ろうという、この声が大きく全国で広がるもとで、この声に対しても憲法を守るということに関して市長としてのしっかりとしたメッセージもお聞きしたいところです。
世界平和を発信するというのであれば、この静岡でしっかり私たちも
徳川家康公の精神を学んで、本市もその一員として将来を見据えた積極的な
平和行政や具体的な施策を発信する、そういう行政が必要ではないかということを申し上げまして、質問を終わります。
18
◯子ども未来局長(
石野弘康君) 子育て世代を応援するための
子育て負担軽減策の拡充についてですが、本市ではこれまでに
子ども医療費助成のほかに、保育料や放課後児童クラブの保護者負担金の軽減などを市独自で実施しており、子育て世代の
経済的負担を軽減することにより、安心して子供を産み育てる上で効果を発揮しているものと認識しております。
一方、子育て支援策の中でも仕事と育児の両立支援として、特にニーズの高い待機児童対策においては、認定こども園や保育所の集中的な整備等により、本年4月には本市として初めてとなる待機児童ゼロを達成いたしました。そのほか、出産後の支援を切れ目なく充実させるため産後ケア事業や、ママケアデイサービス事業を拡充しており、本年度から発達早期支援事業の拡充にも取り組んでいます。
このように、子育て支援策は
経済的負担の軽減策のほかに多岐にわたることから、今後の支援策の拡充については子育て世代のニーズなどを踏まえて幅広く検討し、本市に住んで安心して子供を産み育てることができると実感していただけるよう、保健福祉長寿局や教育局とも十分な連携を図りながら取り組んでまいりたいと考えております。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
19 ◯議長(
田形清信君) 次に、寺尾 昭君。
〔12番寺尾 昭君登壇〕
20 ◯12番(寺尾 昭君) 私は、高齢者の運転による重大事故が相次いでいることから、きょうは高齢者運転の安全確保という観点から質問をさせていただきます。
私も実は70代になっておりまして、ことしの初め、今度免許証の更新があると警察からはがきが来ました。更新に当たっては、その前に高齢者の講習を受けてくるようにというはがきでした。私は早速、その講習を受けるということで自動車学校へ連絡をしましたら、講習の順番がとれないんです。これは大変だということで、どうしたらいいかと聞きましたら、翌月の一日から受け付けをするから、一日になったらすぐ連絡をしなさいという話でした。
いろいろ用務がありまして、2~3日過ぎてから電話をしましたら、もう翌月はいっぱいですと言われてしまいました。これでは免許証の更新ができないということになりますから、その翌月は受け付け時間の9時の時報が鳴ったときにすぐ電話をしました。そうしたら、今度はやっと講習の順番がとれたんです。ですから、70歳を過ぎますとこの講習が必要だということになりますので、免許証の更新も大変になってきます。この更新事務は、警察の権限ということになるわけですが、市民生活の安全ということからすれば、当然市の行政にも属することであります。
そこで、まず最初の質問は、この安全確保のための高齢者講習の機会をどのようにつくっていくのか、この点について、お伺いをいたします。
次に、3年前に警察庁が運転免許証の自主返納に関するアンケート調査をやっております。この調査の結果、自主返納をしようと思ったときはいつかという問いに対して、家族に勧められたときという方が一番多く約33%ですから3分の1ということであります。そのほかは運転する必要がなくなったように思ったとき、あるいは、自信が持てなくなったときというような内容が、その後に続いております。結局、この自主返納者であっても、3分の1の人は車がないと生活が不便になってしまう。これはある面では当然といえば当然でありますけれども、同時にこの自主返納においては家族の協力が欠かせないということも明らかになっているわけです。
そこで、家族の協力をどういうふうに進めていくのかという点で、当局でお考えがあればお聞かせ願いたいと思います。
次に、自主返納者に対するサポート事業が県内の自治体でも多く行われておりますが、本市でやられているでしょうか。実はやられておりません。例えば、沼津市ではバス・タクシー利用券5,000円分を支給。三島市ではバス・タクシー・伊豆箱根鉄道利用助成券1万円分を支給をしている。富士宮市では市営バスや市営デマンド型乗合タクシー、これも5,000円分を支給ということで、自治体が自主返納者に対するさまざまなサポート事業をやっております。また、企業等でも、県のタクシー協会は、1割引きというようなことをやっておりますし、バスや電車等々、シルバーワイドフリー定期券や半額サービスなどもやっているということです。ぜひ、これは後で要望したいと思いますが、静岡市も、やっぱりサポート事業をやるべきではないかと私は考えます。ぜひ検討をお願いしたいと思うんです。
警察だけに今、交通安全というのを任せておくわけにはいかない。地域や学校や企業など、さまざまなところで交通安全が叫ばれているわけです。そこで、質問ですが、市と警察ではどんな協議を進めてきているのか、お伺いします。
次に、2つ目のテーマであります生活困窮者支援。生活困窮者自立支援法が2015年4月1日に施行されまして、満3年たったんですね。憲法第25条では、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」とうたっており、2項では、国が生活向上のために、国といえば自治体も入ってくるわけですが、努力していく責任をうたっている。いつまでも最低限度ということではなくて、しっかり生活向上のためにやっていくべきだという趣旨だと思います。
この生活困窮者自立支援法は、
生活保護の状態になる前にしっかりとサポートしていこうという趣旨であります。そして、この厚労省通知でも、この制度の施行に当たっては、自治体において福祉関係だけではなくて、商工労働関係、住宅関係、教育関係部局、税や保険の部局などとの連携をしっかりしていきなさいという通知も出ているわけです。さまざまなメニューがあるわけです。そこで、質問ですが、今の生活困窮者への支援状況、これがどのようになっているのか、お伺いします。
さらに、今、ワーキングプアなどが増大しているという状況があります。
生活保護基準に満たない生活を強いられているという実態もあるわけですが、こういう方々の支援をどう進めていくかが重要だと思います。生活困窮者への支援における課題とその対策は今どのようになっているのか伺います。
以上、1回目です。
21 ◯市民局長(豊後知里君) 高齢者運転の安全確保について。
まず、高齢者講習の機会と家族の協力をどう進めるかについてですが、静岡県警察が運転免許更新時に行う認知機能検査のほか、本市では初の
取り組みとして、官民連携により損害保険会社と協働して、高齢者運転の危険防止のための安全確保講習会を、本年度各区において開催いたします。この講習会を通して、まず高齢者に身体的機能や認知機能の低下による運転の危険性を認識してもらい、安全運転への意識の向上を図るとともに、講習会には御家族にも参加を呼びかけ、高齢者運転の特性を本人と御家族の双方に理解していただきます。これにより、家族の間で安全運転や運転免許自主返納などについて話し合う契機としていただくことを考えております。
次に、市と警察との協議についてですが、市内3警察署及び交通安全協会と、季節ごとに行われる年4回の交通安全運動にあわせた関係機関連絡会議を開催しているほか、交通安全協会と年2回程度意見交換会を開催し、高齢者の交通事故対策を含めた交通安全に関する協議と情報共有を行っております。
今後も各警察署等とは継続的に協議の場を設け情報共有を行うとともに、交通安全事業の実施について連携を図り、高齢者運転の安全確保に取り組んでまいります。
22
◯保健福祉長寿局長(
平松以津子君) 私からは、生活困窮者自立
支援制度に関する2点の御質問にお答えいたします。
まず、生活困窮者への支援状況についてですが、本市では平成27年度から各区に「静岡市暮らし・しごと相談支援センター」を設置し、継続した支援が必要な場合は、困窮者の状況に応じた自立支援プランを作成し、ハローワークや企業へ同行するなど、伴走型の支援を実施しています。新規相談受け付け件数は、平成27年度が1,756件、28年度が1,343件、29年度が1,320件となっており、自立支援プラン作成件数は、27年度が104件、28年度が151件、29年度が182件となっております。このうち一般就労に至った件数は、27年度が31件、28年度が31件、29年度が38件となっております。
次に、生活困窮者への支援における課題と対策についてですが、生活困窮者の自立に向けた支援についてはさまざまな課題があり、特に就労支援では就労を阻害する要因を特定するまでに時間を要することが課題となっております。そのため、自立支援プランを検討する支援調整会議に専門的知識を有する関係機関を加えたり、きめ細やかな就労支援に対応できるよう支援員の増員を図っています。
また、相談支援センターへの相談につながった人のほかにも生活困窮者は少なからずいると考えられ、高齢者単身世帯、ひとり親世帯や親族、地域から孤立しているなど、みずから支援を求めることが難しい人を適切に自立支援につなげていくことも課題と考えております。このため、地域包括支援センター、介護事業者や民生委員等の会議において、自立
支援制度を周知し認知度を高めるとともに、各関係機関と連携を図りながら生活困窮者を早期に相談支援センターにつなげ、対象者に応じた効果的な支援を実施してまいります。
〔12番寺尾 昭君登壇〕
23 ◯12番(寺尾 昭君) 2回目です。
高齢者運転の安全確保について、お伺いします。
先ほどの警察庁のアンケート調査の結果、75歳以上で運転を継続をしている方の中で、自主返納をしようと思ったことがある人がどのくらいいるかと言いますと、3分の1ぐらいだということです。3分の2は75歳以上になっても自主返納をしようと思ったことがないという結果が出ております。ためらう理由の第一位は、車がなくなったら生活が不便になる。そういう点では、この自主返納のための支援がどうしても必要になってくるということです。
何が必要かという問いに対しては、電車やバスの発達、乗り合いタクシー、コミュニティバス、タクシーの割引きなど、交通手段の充実が必要だという方が7割を超え、大変大きな割合を占めているわけです。いずれにしても返納した場合の後の交通手段、ここが自主返納をためらう最大の理由であります。
そこで、免許証返納者の不安をどう解決していくのかが大きな課題でありますが、この点についてどうお考えなのか、お聞かせください。
次に、生活困窮者の問題です。
生活保護に頼らざるを得なくなったという方々が当然いるわけであります。ケースワーカーなどの窓口対応が、最近では改善をされてきたと私も思います。その点は評価をしていきたいと思いますが、問題はケースワーカーの皆さんの扱う件数が、実はまだ多いということなんです。80件という1つの基準があるわけですが、実際上はこれが守られていないことがあります。ケースワーカーの増員ということもこれまでやられているわけですが、さらに増員を図っていくことが必要だということを、これも改めて要望しておきたいと思います。
そこで、今、ケースワーカーの担当件数を改めてお伺いします。どんなふうになっているのか、お聞かせください。
それと、窓口対応について、改善をされてきていても、やっぱり苦情も聞かれるんです。ちょっと強制に当たるようなことがあったというような声もあったり、できないことも、やんなきゃいけないというようなことでしつこく言われたということもあると。
生活保護を申請する方については、まだまだ役所の敷居は高いわけなんです。ですから、ここはきめ細かなと言いましょうか、情の通った、そういう対応が必要だと思うんです。今、若い方々がケースワーカーとしてやっているところが多いわけですが、今後の研修などについて、どんな形で行っているのか、ケースワーカーに対する研修の内容についてお伺いします。
次に、
生活保護からの自立への道というのは何といっても、先ほど局長からも話がありましたように、やっぱり就労だと思うんです。就労支援ということが1つのポイントになるわけです。さまざまな施策がとられているということは言えるわけですが、しかし、これまで結局
生活保護に頼らざるを得なくなったという中で、さまざまな経緯を抱えているという難しいケースも少なくない。押しつけや強制ということになってはいけないと思いますし、その方に合った支援をどう進めていくか、ここが鍵だと思うんです。
生活保護受給者への就労支援を、どのように行っているのかということをお伺いします。
時間がなくなりましたが、意見、要望についても若干申し上げます。
先ほど申し上げましたように、免許証の自主返納者に対するサポート事業をぜひ検討していただきたいと思います。さらに、免許証の更新時に限らず、安全運転の確保のための更新の機会、先ほどもお話がありましたが、これもふやしていっていただきたいと思います。
ケースワーカーの増員についても、ぜひ進めていっていただきたいと思います。さらには、ケースワーカーの研修の機会もしっかり充実をさせていただきたいということも要望しておきます。
以上でございます。
24 ◯市民局長(豊後知里君) 運転免許の自主返納に対する不安解消についてですが、現在、静岡県警察により運転免許自主返納者サポート事業が進められております。この事業は、御質問の中でも紹介がございましたが、タクシー運賃の割引きやバス及び電車における高齢者専用の全線フリー乗車券の60歳からの早期販売など、民間企業と連携した運転免許自主返納者への支援事業です。
本市といたしましては、この事業を市民の皆さんに広く周知するとともに、このサポート事業の新規協力事業者の掘り起こしを静岡県警察と連携して行い、運転免許自主返納の促進に向けて、不安感の解消に取り組んでまいります。
25
◯保健福祉長寿局長(
平松以津子君)
生活保護に関する3点の御質問にお答えいたします。
まず、ケースワーカーの担当件数についてですが、過去3年間における4月1日時点の1人当たりの平均担当件数は、葵福祉事務所生活支援課においては、平成28年に94.9件、29年に92.3件、30年に95.1件、駿河区では、それぞれ89.7件、94.4件、96.4件、清水区では、それぞれ80.4件、83.5件、93.5件となっており、ケースワーカーの標準数の算出に用いられる80件を上回っております。各福祉事務所には、
生活保護受給者によりよい支援を実施していくため、専任の面接相談員や就労支援員等を配置し、ケースワーカーの
負担軽減を図るとともに、体制の整備に努めているところです。
次に、ケースワーカーへの研修等の実施についてですが、毎年3区の新任ケースワーカーを対象とした
生活保護制度の研修会において、厚生労働省が作成した研修用ビデオを用い面談時の対応能力向上を図っているほか、国が実施する社会福祉主事資格認定通信課程や業務経験に応じた全国研修会、さらに県が実施する新任職員研修会等を受講することで、ケースワーカーの資質向上を図っております。また、新任ケースワーカーが初めて
生活保護受給者の居宅を訪問する際は前任者とともに訪問し、対応が難しいケースについては組織的な対応方針を検討した上で、ケースワーカーの上司である指導員が同行して訪問を実施するなどの対応をしております。
最後に、
生活保護受給者への就労支援についてですが、
生活保護法第4条第1項に、保護は、利用し得る資産、能力その他あらゆるものを活用することを要件とすると規定されていることから、就労可能な場合は支援内容を説明し、本人の同意を得た上で就労に向けた支援を実施しております。離職後間もないなど就労能力に支障のない場合は、早期の就労に向け就労支援員と各区役所に設置されているハローワークのジョブサポートコーナーの職員と連携し、支援を実施しております。また、就労経験が少ない、就労への自信がない、または生活リズムが乱れているなどの就労阻害要因がある場合は、
生活保護受給者等就労体験・職業訓練事業における工場での就労体験やコミュニケーション研修、健康管理支援などを通じ、就労への意欲や自信の向上及び生活リズムの改善を図るなどの支援を実施しております。
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26 ◯議長(
田形清信君) 次に、池邨善満君。
〔15番池邨善満君登壇〕
27 ◯15番(池邨善満君) それでは、通告に従い質問をいたします。
今回はSDGsとシティプロモーションの2つです。
静岡市のSDGsへの
取り組み実態がよく見えてこないということで、きょうはなるべくわかりやすく御答弁をいただければと思います。
まず、取り組むメリットについてでございます。
SDGsについては既に質問がされておりますが、簡単に触れておきます。SDGsとは、人類及び地球の持続可能な開発のために、達成すべき課題とその具体的目標です。2030年までに実行、達成すべき事項が示されています。17の目標と、169のターゲットを定めており、これらの目標達成に向けた進捗状況を計測するための約230の指標が設けられております。SDGsは、その1つのツール、道具であります。ゴルフで例えますと、私が幾らよいクラブを手に入れたとしても、そのクラブの特性を知った上で基本に沿った練習を一生懸命やらないと、多分私のスコアは全然伸びない。このSDGsも同様で、幾らツールを手に入れたからといって、正確に理解して地道に取り組まなければ成果は期待できないと考えます。
静岡市のこれまでの
取り組みは、2月に市長が施政方針の中で示されております。そして、3月13日にSDGsのキックオフイベントが実施され、官民連携講座等が行われております。5月31日、国連ニューヨーク本部においてSDGs推進に向けた決意と認知度向上に向けた
取り組みを市長がスピーチされております。そして、6月15日だったと思いますが、SDGsの達成に向けたすぐれた
取り組みを提案する29都市を「SDGs未来都市」として本市が選定されております。特に先導的な
取り組み10事業を、自治体SDGsモデル事業として選定されておりますが、本市はこのモデル事業には選ばれなかった。
そして、静岡市はSDGsの認知度向上等を調査するために市政アンケートを実施しております。その結果は、SDGsを知っている人は11%、聞いたことはあるが内容は知らない方は14%、全く知らない方が75%で、市民にはまだまだ浸透していないのが現状です。アンケートでは、SDGsのどの目標を実施すべきですかという問いも行われており、目標11の「住み続けられるまちづくりを」は、市民と行政との共通目標に設定しやすい、目標8の「働きがいも経済成長も」は、推進することで若者に対するSDGsの関心を高めることができると考察が行われております。
この必要性ですが、SDGsは社会課題解決に向けた
取り組みを考慮する際のグローバルな共通言語となると言われております。そういう意味で日本企業のSDGsへの関心は高まっているようです。最終消費者に商品を提供する車の関連や電気機器、食料品、医薬品など、そして、ESG投資にかかわる金融・保険の業種において関心が高いようです。企業にとってSDGsの
取り組みは、リスク管理だけではなく社会課題解決型ビジネスを検討するヒントにもなるからだと考えます。
一方、自治体では、現在進められている既存の事業をSDGsの目標とゴールと関連づけをされているようですが、その後、なかなか進んでいるようには見えてこないのが現状だと思います。SDGsの
取り組みを継続的に行うためには経済、社会、環境の3つの側面を調和させることが必要です。というのは、幾ら環境によいことでも経済コストがかかり過ぎると継続はできませんし、環境や経済によいことでも社会に認められなければ事業としては成り立たないからです。
以上のことから、民間企業にとってはビジネスチャンスであり、企業体質強化を図るツールとして活用できると思いますが、自治体事業にとってのメリット、その先の市民にとってのメリットがどのようなものか、市民に理解していただかないとなかなか進まないだろうと思います。ここでお伺いします。
SDGsを推進することで市民にとってどのようなメリットがあるのか、お伺いします。
次に、優先する項目についてです。
自治体SDGsガイドライン検討委員会が取りまとめた導入のためのガイドラインによりますと、日本政府は持続可能な開発目標、実施指針と8つの優先課題を
取り組みの柱として掲げ、これらに重点的に取り組むこととされております。企業がどのようにSDGsを活用するかを示している解説書SDG Compassによりますと、SDGsがもたらす機会や課題を生かすため、各企業の優先課題の所在を明らかにすることにより、
取り組みの重点化を図ることができるとされております。静岡市にとっても、市民のためにどのように17の目標の重点化を図るかが求められている。静岡市が表明している5大構想と17の目標との関連を見ますと、歴史文化拠点づくりは、SDGsの目標16「平和と公正をすべての人に」、海洋文化の拠点づくりでは、目標14「海の豊かさを守ろう」、教育文化の拠点づくりでは、目標4「質の高い教育をみんなに」、「健康長寿のまち」の推進では、目標3「すべての人に健康と福祉を」、そして、「まちは劇場」の推進では、目標8「働きがいも経済成長も」であります。
ここで心配なのは、この三側面の経済、社会、環境が議論されたのかということと、既存の
取り組みをSDGsの目標に単に関連づけて、それで満足していませんかということです。SDGsの目標8は、包摂的かつ持続可能な経済成長及び全ての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用を促進する。その中のターゲットの1つに、2030年までに、雇用創出、地方の文化振興・産品販促につながる持続可能な観光業を促進するための政策を立案し実施するとあります。まさしく静岡市が総合計画で示している10分野の1つ、「賑わい・活気」の中の観光交流の事業が該当します。
ここで、経済、社会、環境の三側面を踏まえ、交流・観光の事業について議論されていれば、目標8のみならず、ほかの目標ターゲットにも深くかかわってくることが理解され、縦割りではなく自治体行政にかかわる全ての関係者に交流・観光について市が行うべき事業が示されているべきであります。
話は変わりますけれども、都道府県幸福度ランキング2018年度版が新聞報道でなされました。幸福度総合ランキングの政令市の1位は、浜松市が獲得しております。静岡市は13位、浜松市は総合1位で、分野別では健康2位、文化15位、仕事6位、生活3位、教育6位です。評価の内容は、財政健全度や合計特殊出生率が1位など、自治体としての基本的ポテンシャルが高いことに加え、古くからのものづくり産業の集積など、安定した雇用環境も有しているということが評価されています。また、健康分野や生活分野においても上位3位内で、健全な市民生活を送ることができる環境も整っており、総合ランキングでさいたま市を抜いてトップになっています。
静岡市は13位。本市が力を入れている分野ですが、健康で10位、文化で14位でした。SDGs推進に当たって、市民との協働で事業を推進する必要があるわけですが、市民が幸せと実感できる施策に絞って、三側面を満たした持続性のある事業を推進すべきではないかとの観点でお伺いします。
17の目標の中で静岡市が優先的に取り組む項目について、どのように考えておられるのか、お伺いします。
以上、1回目です。
28 ◯市長(田辺信宏君) 私からは大項目SDGsの進め方についていただいた2つの質問についてお答えします。
まず、SDGsを推進することによって、市民にとってどのようなメリットがあるのかをわかりやすく答えていただきたいということであります。
確かに2030年、地球上の誰ひとり取り残さないという理想な地球をつくるんだと力説をしたところで、私たち今の一人一人のふだんの生活に関係ないじゃんと、何かSDGsがかけ離れたものであるというような印象を持っている方は現状多いと私も思っています。しかしながら、そうではないということを私はお伝えしたいと思います。例えば、21世紀になってプリウスという車が日本のみならず世界的に爆発的に売れました。私の愛車でもあります。このプリウスだったらガソリン代も安く済んでお得だし、また、私なりに地球環境に優しい行動ができる、両立ができるからプリウスを選んだわけです。そして、トヨタという企業がもうかったわけであります。つまり、その一人一人の市民の行動が世界中で積み重なれば、これがSDGsの目標13「気候変動に具体的な対策を」というところにつながっていくわけであります。
同じように、例えばこれから梅雨があけて暑い夏が予想されます。ことしはエアコンを買いかえようということを考えた消費者が、どうせ買いかえるんだったら電気代が安く済む、いわゆる省エネ性能が高い最新型の三菱電機の霧ヶ峰を買おうというふうになれば、それがエネルギーを抑制する、環境に優しいという消費行動になるわけです。そのお得感という経済意識と、環境、地球に優しいという環境意識、その両立ということがSDGsの本質なのであります。ですから、各企業はもっと省エネ性能が高い商品、例えばエアコンを出そうと消費者の環境意識というものが高まれば高まるほどそこに企業の開発が向かい、そして、そういう種類のエアコンが売れるということになる、これがSDGsなんです。
SDGsというのはチャリティーでも慈善活動でもない。これが経済的な合理性にのっとった究極の目標だと、よくつくられている
制度設計なわけであります。その中で、ESG投資ということが生まれています。これは、環境──エンバイロメント、社会──ソサエティー、企業統治──ガバナンス、この頭文字をとったESGなんです。このESG投資の企業活動というのも、従来の環境保全と経済発展を対立の図式で捉えるのではなくて、やり方によっては対極的にぎりぎりのところで双方の両立が可能だという考え方に基づいています。先ほどのプリウスの考え方であります。
このESG投資の規模が世界全体で目下2,500兆円を超え、飛躍的に拡大しているというのが今の世界の趨勢であります。つまり、今後ますますSDGsを理解して取り組まない企業には、機関投資家等々の投資が向かず、発展ができないどころか持続も危うい時代が来つつあるということであります。
先般、静岡市は「SDGs未来都市」に選ばれました。議員御指摘のとおり、その中の10都市のモデル事業には選ばれなかった。だけど、全国1,788自治体の中のわずか2%の29の未来都市に選ばれた。私は大したもんだと、市の職員はよくやってくれたと思います。きのう、サッカーワールドカップで日本はポーランドに勝ち切れなかった。負けました。だけど、決勝トーナメントに駒を進め希望をつないだじゃないかという前向きな姿勢こそが、私はSDGsを推進するにおいて大変大事な心構えだと思っています。
次に、優先的に取り組む項目についてでありますが、その前にお手元に資料を配布しておりますのでごらんください。これは、先月私を初め市の職員がニューヨークに行ったときに拾ってきた、SDGsにかかわるショートストーリーです。これは4人の物語。池邨さんと田辺さんとではなく4人、エブリバディ──みんなと、サムバディ──誰かと、エニバディ──誰でもと、そして、ノーバディ──誰もという4人の物語であります。
例えば、きょうはごみの回収日じゃないのに、道端に生ごみの入ったごみ袋が転がっているというシチュエーションを想像してください。それは、ある大事な仕事、しないといけない仕事がありました。みんなは、誰かがやるはずだと思っていました。誰でもそのごみを取り除くということはできるはずのこと、でも、誰もしませんでした。誰かは怒りました。みんなの仕事だったのだからと。みんなは、誰でもできるはずと思っていましたが、誰かがやるようには誰もしなかったのです。誰でもできることを誰もしなかったあげく、みんなは、誰かを非難して、おしまいにしてしまいました。
これは世の中でよくあることです。結果、そのごみ袋をカラスがつついて、ごみが散乱をするということになってしまうかもしれません。そして、このショートストーリーは、2030年度の地球社会、
国際社会が、この物語に描くような状態でないことを祈りつつという文章で締めくくられています。これはSDGsの本質を実によくついているものだと感心しました。
そこで、優先すべき項目は、SDGs最後の17の「パートナーシップで目標を達成しよう」。これがすごく大事だと私は感じています。実はこれだけ異質な目標なんですね。目標1から16までが、貧困をなくそうとか、飢餓をなくそうとか、1つの開発分野を扱うのに対して、これはそれぞれを実現するための手段とか方法を示す目標です。つまりこの目標は、SDGsの担い手というのは国連でもなく、国家でもなく、どこかの専門機関でもなく、地球に住む一人一人の多様な市民が主体、そのみんなの意識にかかっているということです。SDGsは、一人一人の地球市民の心に宿っているものであり、SDGsと身構えて何かをするというよりも、誰でもできることをそれぞれの国で、地域で一人一人がやるという、そういうシチズンシップに富んだ市民の皆さんをふやしていくこと、これが最も優先するべき大事な項目だと私は考えています。
若い方々はとても純粋であります。きのうは日本代表が勝って、深夜までその喜びで渋谷もどこも大騒ぎだという報道をテレビで見ました。素直な心を持ち、そして、汚れなき純粋な心で世の中をよくしようという若者パワーをこのSDGsの力にしていくために、一昨日池谷議員にもお答えしたとおり、初めてSDGs推進を冠に抱く東京ガールズコレクションを中心としたSDGs推進ウイークを来年1月に展開していきます。それを成功に導き、国連の場で私自身が約束した静岡市民のSDGs認知度50%のストレッチ目標に向かって、認知度向上に注力してまいります。
〔15番池邨善満君登壇〕
29 ◯15番(池邨善満君) 2回目に入ります。
意見・要望は3回目でいきます。
わかりやすくとお願いしました。さらに、もうちょっとかみ砕いて質問をしたいというのは、要はどうやって進むのかがなかなか見えてこない。2回目は進め方、具体的なスケジュールについてお伺いしたいと思います。
SDG Compass、また、SDGsの自治体ガイドラインなどによりますと、推進に当たっては5つのステップで説明されています。まずステップ1が、先ほど御答弁いただきましたが、まず理解をしていただくということです。市の職員、市民、そして、議員などSDGsを正確に理解することが求められています。理解が不十分なまま事業とSDGsとの関連づけを行うことは、そのSDGsのターゲットを達成することができなくなるだけではなくて、ステークホルダーの信頼を損ねるリスクがあると言われております。静岡市は、一生懸命やっていると言うけれども、何も達成していなかったら信頼をなくすよということが書かれています。
そして、ステップ2は、優先課題を決定し推進体制を構築する。これは何度も申し上げているとおりです。そして、ステップ3は、目標と指標を設定するということです。静岡市では総合計画で目標、指標が定められておりますけれども、この三側面、経済、社会、環境を考慮した指標に見直す作業が必要になってくると考えています。そして、ステップ4は、アクションプログラム、総合計画、経営統合するということです。ここでも大事なのは、各事業を持続可能とするために三側面の調和を図って、静岡市の総合計画の中に盛り込んでマネジメントする仕組みが必要だろうと考えます。そして、ステップ5がフォローアップです。これは市民の方から静岡市がしっかりとやっているかどうか評価をしていただく仕組みをつくるということだと考えております。
静岡市がSDGsを推進するに当たって、この手順を踏んで進められるものと考えておりますが、静岡市の今後のスケジュールはどうなっているのか、お伺いします。
そして、次にステークホルダーについてです。
ここで言うステークホルダーというのは自治会・町内会でございます。目標17のターゲット、17の17に「さまざまなパートナーシップの経験や資源戦略を基にした、効果的な公的、官民、市民社会のパートナーシップを奨励・推進する。」というふうに記されております。自治体のSDGs推進ガイドラインにおいても示されておりますが、現実的な問題として何でもかんでも自治体が行うということは、現時点では大変厳しい状況です。人的にも経済的にも困難な状況であります。自治体がリーダーシップを発揮してあらゆるステークホルダーとのパートナーシップを大切にし、みんなが担当する役割を持つことで、事業を効率的に推進することができるとされております。
自治体のステークホルダーには中央政府もあります。市民、NPO、議員、企業、研究機関、専門家、金融機関などが該当します。自治会・町内会は、その中でも重要なステークホルダーであり、事業推進に当たっては強いパートナーシップを構築する必要があると思います。そのためには、自治会・町内会がみずから活動しようとされている場合や、市ができない事業を推進しようとしている提案事項について、市は真摯に受けとめ、前向きに検討すべきと思います。前例がないという話は聞きたくはないということです。このSDGsの原則の中に、害を起こさないというのがあります。ぜひ、よろしくお願いをいたします。SDGsの推進に当たり、ステークホルダーの1つである自治会・町内会の役割はどのようにお考えか、お伺いします。
最後の質問は、シティプロモーションについてです。
静岡市の魅力をどう発信するか。特に若い女性にターゲットを絞って本市の魅力を発信すべきではないかということでお伺いします。静岡市は若い世代、特に女性の人口流出が続いており、静岡市の魅力を発信し、新たな人の流れを生み出していくべきとの視点です。特に、若い女性に人気の国内最大級のファッションイベント、東京ガールズコレクションが来年、静岡で開催されます。これを機会に、この静岡市内に若い女性をあふれさせる施策が必要だと思います。
人口減少対策特別委員会で千葉県の流山市を視察しました。この市は重立った観光資源、大企業立地もなく、高齢化社会を支える住民サービスを維持するために発展し続けるための仕組みづくりが必要だと考え、流山市の強みは、首都圏のベッドタウンとして発展したことで「都心から一番近い森のまち」というブランドイメージを打ち出し、首都圏に住む共働きの子育て世代にターゲットを明確に定め、定住人口をふやすことに成功されました。全国に先駆けて設置したマーケティング課は、共働きの子育て世代を中心に人口をふやすというミッションのもと、行政にマーケティング手法を持ち込み、新しい発想や切り口でプロモーションやPRを展開し人口増につなげました。この流山市の強みは、秋葉原からつくばエクスプレスで20分。首都圏のベッドタウンを生かした施策であります。そして、黙っていては伝わらないので、マーケティング課という組織を強化し、ターゲットを子育て世代に絞って、いろいろなところでアピール活動をされておりました。
静岡市もこの静岡の強みを生かし、選択と集中で結果を出すことが求められていると思います。総合戦略で示されております静岡市の強みは、戦略の1つに、「女性・若者の活躍を支え、子育ての希望をかなえる」というのがあります。この中で、市の強みとして、首都圏と比べて子育て環境が充実している、市内大学生による自主的な地域活動が盛ん、とあります。このほかにもあると思います。そして、シティプロモーションのための資源として、市のホームページに世界に誇る3つの宝物。世界オンリーワンのサクラエビ、三保松原は富士山の代表的な景観地、静岡市には茶市場があり、茶商、日本茶カフェが存在する。静岡市が誇る世界オンリーワン資源として、もうちょっと別なところに、生で食べられるサクラエビ、静岡ウイスキー、駿府城跡で体験発掘、大道芸ワールドカップ、ちびまる子ちゃんのテーマパーク、プラモデルと書かれています。
シティプロモーションとは、静岡市の地域のイメージをブランド化し、国内外の方に知っていただく
取り組みです。ただし、静岡市のイメージはすぐには定着しないため、根気と工夫が必要な活動であると思います。ここで忘れてはならないことは、市民とともにブランドをつくるという意識が必要ではないかということです。静岡市の強み、魅力は何かを協働してつくり上げることがシティプロモーションの核を担うと言えるでしょう。SDGs推進の重要性を国連や社会的問題に関心が薄いと言われる若年層に、東京ガールズコレクションの発信力、拡散力を活用して普及していくことであります。約3万人ほど動員されるとお聞きしておりますが、このイベントをよい機会と捉え、静岡市の魅力を誰に、どのように、何を発信するのか、楽しみなところであります。本市のシティプロモーションの見せどころであります。若い女性にターゲットを絞って本市の魅力を発信すべきと考えますが、市はどのように取り組んでいくのか、お伺いします。
以上、2回目です。
30 ◯企画局長(松永秀昭君) SDGsの進め方に関する2点の御質問にお答えいたします。
まず、SDGsを推進するスケジュールについてですが、本市が推進している3次総、5大構想で目指す安心感と満足感を両立するまちのビジョンと、SDGsの目指す2030年の地球の姿の方向性には非常に親和性があるため、これまで東京ガールズコレクションを活用した啓発普及のための
環境づくりや、国連との関係づくりなどに取り組んでまいりました。議員のお話ありましたが、6月15日に本市は全国に先駆けてすぐれた
取り組みを行う「SDGs未来都市」に選ばれたことで、SDGs推進に向けさらに大きく確かな一歩を踏み出したところでございます。
今後の
取り組みですが、先ほど市長がプリウスや霧ヶ峰を例にとりまして答弁されたように、省エネ型商品の購入など、市民の皆さんの日常生活にはSDGsにつながる行動が数多くありますので、SDGsを意識し、誰でもできることを自発的に行う市民の皆さんをふやしていくことが、本市が優先して取り組む必要がある課題と考えております。
そこで、まずはSDGsの市民認知度を高めるための
取り組みを重点的に行うこととし、特に、来年1月3日の成人式から東京ガールズコレクションまでの間をSDGs推進ウイークと定め、普及啓発を強力に進めていきます。このウイーク期間中、町全体をSDGs一色に染めるため、庁内に設置しました若手職員によるチームが、学生、企業等と連携したイベントを検討しており、その具体的な内容については秋ごろの公表を予定しております。さらに、ウイーク以外の普及啓発としましては、5月から行っております、しずおかまちづくりセッションでの市長によるSDGsの説明のほか、市内企業を対象としたSDGs普及啓発事業を市内大学生と協働して実施するなど、認知度の向上に努めてまいります。なお、7月9日に、第一人者であります蟹江先生の講演がございます。議員の皆さんに御紹介したところ、32名という多くの議員の方からの申し込みがございました。まだ、枠がありますので、ぜひ出席についてよろしくお願いします。
次に、SDGsの推進に当たっての自治会・町内会の役割についてですが、自治会・町内会は清掃や古紙回収など、安心・安全な日常生活を送るため、地域ぐるみで活動されております。そこで、これらの活動とSDGsの関連性を見た場合、例えば、清掃活動や防犯活動は安心・安全な地域づくりの観点で、主に、目標11「住み続けられるまちづくりを」に、古紙回収は、持続可能な生産と消費の観点から、目標12「つくる責任つかう責任」にそれぞれ結びついており、自治会・町内会は既にSDGs推進の役割を担っていると言えます。
さらに、目標5「ジェンダー平等を実現しよう」を意識することで、地域活動における女性の参画が促されるなど、今後の自治会等の
取り組みにSDGsの観点を加えることで活動内容が持続可能な
取り組みへと強化されていきます。このようにSDGsを意識し将来の姿を見据えて活動することにより、自治会・町内会の
取り組みはさらに
地域社会の充実につながり、結果としてそこに住む市民の皆さんのQOLの向上に寄与していくものと考えております。
31
◯総務局長(大長義之君) 若い女性への本市の魅力発信における
取り組みについてお答えをいたします。
公益財団法人日本交通公社発行の旅行年報によりますと、旅行に対する意識調査において、20代女性の8割以上が国内旅行に行きたいと回答し、あらゆる世代の中で最も意欲が高いことから、議員御指摘のとおり若い女性をターゲットにまちの魅力をしっかりと伝えていくことが大変重要と考えております。
本市には女性が大いに楽しめる環境がそろっています。例えば、まちなかでは富士山コスプレ世界大会やシズオカ×カンヌウィークなどのおしゃれなイベントを楽しむことができます。また、来月にオペラ座の怪人を上演する劇団四季やふじのくにせかい演劇祭を毎年開催しているSPACなどの世界に誇る舞台芸術にも触れることができます。まさに、まちは劇場です。さらに少し足を延ばせば、オクシズの豊かな自然の中でのアウトドアや温泉など、心や体が癒される環境もあります。そして、平成31年1月には「東京ガールズコレクションしずおか」が開催されます。東京ガールズコレクションは、若い女性の熱狂的な支持を集めていることから、本市をPRする絶好の機会になると捉えています。
また、PRの手段としては、若い女性に強い影響力を持つインスタグラムが有効であると考え、本年1月公式サイトを開設いたしました。記事の投稿に当たっては同世代の女性職員のしなやかな感性を生かし、これまでにないインパクトのある画像を使ったところ、わずかな期間でフォロワー数が1,200人を超えました。自治体のインスタグラムとしては、短期間で非常に多くの方に見ていただいたことから、大きな手応えを感じております。今後はさまざまな地域資源に加え、本市が女性にとって居心地がよく、心豊かに自分らしい生活を実現できるまちであるという強みをアピールすることで、若い女性に注目され、行きたい、住みたいまちになるようプロモーションを推進してまいります。
〔15番池邨善満君登壇〕
32 ◯15番(池邨善満君) それでは、3回目は意見・要望でございます。
SDGsに対する理解が、霧が晴れたかといいますと、私自身もまだまだなんですが、本市の課題解決に向けたその目的の明確化、そして、組織的対応、SDGsの正しい理解など、現在はまだ試行錯誤を重ねている段階だと理解します。そして、知見やノウハウを蓄積することで、今後改善が期待できると考えております。
このSDGsの有効的な活用に向けた
取り組みを考える際の基本的なポイントは、やはり正確に理解することと本市の事業とSDGsのかかわりについて、リスクと機会を把握するということで、個々の事業にとってSDGsの視点の使い方を具体的に検討することが重要だと思います。
くどいようですが、その目標と静岡市の今の既存の事業をくっつけて喜んでいる場合ではないということだけは指摘をさせていただきたいと思います。静岡市がSDGsをツールの1つとして活用し、「世界に輝く静岡」を実現するというのであれば、みんながSDGsを理解して、全てのステークホルダーと協働でよいパートナーシップと取り組んで、住んで幸せなまち静岡の実現に向けて、ぜひオール静岡で推進することを要望します。
そして、シティプロモーションについてであります。
課題は、静岡市の強みを生かしきれていない、アピールポイントがいっぱいあるから、もっと絞ったらどうですかということなんです。体制はシティプロモーション係がいらっしゃるわけですが、多分大変苦労されている。というのは何をアピールしていいのか、よくわからないんじゃないかなという感じはします。例えば、シティプロモーション推進会議のような関係部門が集まって知恵を出して何をセールスしていくか、やっぱりしっかりと決めた上で広報担当部門に任せることが必要ではないかと感じます。
静岡市の魅力を発進してくださる方には、観光親善大使が3名いらっしゃいます。そして、ふるさと観光大使が133名。首都圏を中心とした「いいねぇ。」届け隊は300人を超える方がいらっしゃるとお聞きしております。ここの「いいねぇ。」届け隊は、首都圏地域に限ったようなんですが、ここは首都圏に限らず、静岡から離れていく学生さんとか社会人の全ての方にまずお願いだけでもして、自分の住む地域で静岡をアピールしていただけませんかと。常にその方々に静岡市の魅力を発進するという仕組みはあってもいいような感じはします。これは余り費用もかからないでしょうし、手間はちょっとかかるかもわからないですが、ぜひ、お願いしたいと思います。
何を強みとするかというのは、今回の
総括質問においても動物園のレッサーパンダとかサクラエビとかというお話がありましたが、若い女性が旅行する動機は、やっぱりストレス解消、思い出づくり、おいしいものとされています。そして、行ってみたい旅行のタイプはグルメ、自然観察、温泉旅行なんですね。これを全部満足するもの、そして、SDGsが言う三側面、経済、社会、環境があるのは、静岡市の中には何だと言うと、やっぱりお茶があると思うんです。お茶にはいろんなストーリーがあって、産業もあって、おいしいお菓子もつきもので、お茶の効能もあります。そして、自然豊かな茶畑。静岡市はいいものがあるので、これを使ったらどうかなという思いはありました。東京ガールズコレクションとお茶、よいと思いますが、いかがでしょうか。
SDGsの本当の意味を理解し、静岡市が世界で輝くだけではなく、世界で活躍できるように期待を込めて、2030年度には多くの皆さんが静岡市に訪れ、住んでくださる様子、よいイメージをして質問を終わります。
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33 ◯議長(
田形清信君) 次に、内田隆典君。
〔37番内田隆典君登壇〕
34 ◯37番(内田隆典君) それでは、通告しています新清水庁舎の移転計画について質問させていただきます。
田辺市長は、新清水庁舎計画について、パブリックコメントの実施後においても、建設場所について反対の意見が多数寄せられたとしても、一度決めた建設場所の変更はあり得ないと豪語してきました。そうした中、2月13日から1カ月間のパブリックコメントが実施されました。応募者数は421人、意見数は828件となっています。意見の内訳を見てみますと、庁舎に必要な機能270件、建設場所238件、清水のまちづくり123件となっています。短期間の中で、また、清水庁舎の移転計画が余り市民に徹底されていない中で数多くの意見が寄せられたと私は感じております。当局はパブリックコメントで市民から提出されたさまざまな貴重な意見に対し、どのように受けとめているのか、まず伺います。
2点目は、パブリックコメントで提案されている貴重な意見に対する対応についてであります。意見の反映状況を見ていきますと、基本構想に反映した意見は44件、基本計画の中で検討する意見345件、清水港臨海部グランドデザインの中で検討する意見82件となっています。残る意見はどこにも反映されないのか不思議であります。また、建設場所についても、津波浸水区域であることから立地場所を変更するべきだとする意見は134件、42%もありました。清水区民からの応募も316人あり、市民に対し十分な説明をという意見も多数寄せられています。こうした貴重な市民意見に対して、市の考え方に沿わないものと決めつけ、一切無視する考えなのか、当局の考え方について伺います。
3点目は、パブリックコメントの実施に当たり、市の対応について伺います。
市長は、パブリックコメントに当たり早朝から清水駅前に出かけ、パブリックコメントが始まったと宣伝を行いました。このこと自体は私も理解しますが、不可解なのはパブリックコメントの実施に当たり駅前銀座商店街に市職員が訪問し、意見応募用紙を配布したことです。清水区民にはパブリックコメントが始まりますといった資料は全戸に配布されましたが、意見応募用紙はついておりませんでした。なぜ駅前銀座商店街だけに市職員が訪問し、このような対応をしたのか、配布先と目的は何か、また、パブリックコメントの実施に当たり、意見応募用紙を配布した例は過去にあるのかどうか、伺います。
35 ◯公共資産統括監(川崎 豊君) パブリックコメントに関する3点の質問にお答えいたします。
まず、寄せられたさまざまな意見に対して市はどのように受けとめているかについてでございますが、このたび実施したパブリックコメントには、さまざまな視点で828件もの御意見をいただき、心より感謝申し上げるとともに、改めて市民の皆さんの関心が高いことを認識いたしました。これらの御意見の中には、庁舎移転を契機にまちの再生に期待を寄せた御意見や、災害に強い庁舎建設を望む声なども多数いただいており、大変心強く感じております。しかし、清水庁舎を津波浸水想定区域内へ移転することに対する不安や懸念などの御意見もあったことから、今後も引き続き積極的な情報発信と丁寧な説明に努めてまいります。
次に、基本構想、基本計画、グランドデザインのいずれでも検討されない意見についてどのように考えているかについてですが、基本構想案に対していただいた全ての市民意見については、十分な検討を行いました。そのうち、基本構想案をよりよいものとする御意見については積極的に反映し、施設の詳細な計画や清水のまちづくりに対する御意見については、今後、基本計画やグランドデザインの中で検討してまいります。なお、建設場所等の基本構想の根幹に係る方針を大きく変更するような御意見については、多くの市民の意見をもとに、検討委員会で十分に議論を重ねてきた経緯もあるため、施策の参考とはするものの、反映しないことといたしました。