静岡市議会 > 2016-09-04 >
平成28年9月定例会(第4日目) 本文
平成28年9月定例会(第4日目) 名簿

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  1. 静岡市議会 2016-09-04
    平成28年9月定例会(第4日目) 本文


    取得元: 静岡市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-18
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1         午前10時開議 ◯議長(栗田裕之君) これより本日の会議を開きます。  本日の議事日程は、既にお手元に配布したとおりであります。    ───────────────────   日程第1 認定第1号 平成27年度静岡市一    般会計歳入歳出決算の認定について 外33    件(総括質問) 2 ◯議長(栗田裕之君) 日程第1、認定第1号平成27年度静岡市一般会計歳入歳出決算の認定についてから、日程第34、一般質問までを一括議題といたします。  昨日に引き続き、総括質問を行います。  順次発言を許します。  初めに、鈴木節子さん。   〔25番鈴木節子君登壇〕 3 ◯25番(鈴木節子君) 皆さん、おはようございます。  本会議での質問もきょうが最終日ですので、元気よく張り切ってまいります。  それでは、通告に従い質問いたします。  本市は、アセットマネジメント基本方針に基づき、平成55年までに公共建築物総床面積の20%削減を達成させるために、施設の統廃合、民営化などを進めようとしています。この動きは、国、地方ともに将来の財政抑制をいかに進めていくか、焦点にされたのが公共施設です。施設の老朽化に伴う修繕、改修費用を抑えるための理由として掲げられてきたのが、人口減少社会です。人口が減るから施設の総床面積も減らせという理屈です。  本市は、特に施設数の多い市立こども園、小中学校がその対象とされています。人口減少が深刻だからこそ、今やるべきは、少子化に歯どめをかけ、子育てしやすいまちづくり、人が住み続けられるまちづくりを本格的に取り組むべきですが、統廃合、民営化を子供の分野にまで露骨に推し進めようとしています。  市民の共有財産である公共施設削減を市民不在で強行するのではなく、将来にわたる公共施設のあり方を、全市民的規模で議論すべきという立場で質問します。  まず、市立こども園配置適正化方針について、質問します。  1点目に、7月から8月にかけて実施したパブリックコメントに寄せられた意見の件数、主な内容、それに対する当局の見解、感想をお聞きします。
     2点目に、公共施設20%削減という全体の方針の中、市立こども園も例外なく毎年2から3園選定し、統廃合、民営化しようとしています。公立園をなくし、民間に委ねて待機児童解決はできるのか。保育需要に応えられるのか。30年後、平成55年の保育、教育の需要に対し、供給量をどのように見通しているのかを伺います。  3点目に、公的保育の果たしている役割について、伺います。  子育て家庭を取り巻く状況は、核家族化、ひとり親世帯による子育て不安、虐待、子供の貧困など、さまざまな問題を抱えています。公的保育は、子育て不安解消障害児保育など、子育て支援の拠点として地域に密着し、子育て世帯から常に頼られています。公的保育施設の役割と今後の継続、拡充の必要性について、認識と方針を伺います。  4点目に、民間の保育園の実態について、伺います。  今、保育士不足は深刻です。保育士が確保できない、定着できない、その背景にあるのは低賃金、理不尽な処遇、そして専門性に合う処遇ではないのに、責任だけは重いというものです。  民間保育園は、保育士確保が困難なことや経営上の問題から、正規、臨時、パートなど、多様な雇用形態で切り盛りし、保育士さんたちは懸命に保育を担っています。当局はこのような実態と原因をどう分析し、改善方針をどう持っているのか、伺います。  2つ目の項目、小中一貫教育について、質問します。  1点目に、7、8月に実施した小中一貫教育に関するパブリックコメントの件数、主な意見の内容、また、意見に対する教育局の受けとめ、感想をお聞きします。  2点目に、小中一貫教育について、目的、理念が抽象的で、あえて小中一貫にする必要性が見えてこないことです。  他市の先進事例では、教職員増員がされておりません。そのため、疲労、多忙感が大きい。9年間で子供をどう育てるのか、じっくり話し合う時間がとれない。小中学校間を生徒児童が移動する際の交通手段、時間確保が困難など、施設一体型も分離型も、それぞれ問題が山積しています。  当局は、小中一貫の必要性を、6・3制では小学校から中学校への接続がスムーズでないとか、中1ギャップがあるなどの課題を掲げますが、小中一貫になっても、現行の6・3制は変えず、小1から中3までの9年間を一続きのカリキュラムの中で、前期、中期、後期と区切りをつけ、乗り入れ授業小中学校研修を行う方針のようです。  質問の2点目に、学校によって6・3制、4・3・2制など、選択は自由なのか。そして、その選択によって学校や地域間に格差が生じないのか。  また、小中一貫教育カリキュラムに9年間を見通した系統的指導を入れたり、小中学校の教職員が共同して取り組むなどの項目が入っておりますが、大変抽象的でわかりにくい。これが今、地域住民や保護者、教職員を悩ませています。  このカリキュラムは、9年間を見通した系統的指導だと言いますけれども、どういう内容をカリキュラムに取り込むのか、目的や理念がはっきりしないまま進んでいっては、ますます混乱を生じかねません。  このカリキュラムに盛り込む内容をお聞きいたします。  以上、1回目です。 4 ◯教育長(高木雅宏君) 小中一貫教育に関する御質問にお答えしたいと思います。  小中一貫教育により、学校間格差が生じるのではないかという御質問です。  6・3制とは、6年間の小学校課程、3年間の中学校課程の修業年数について、学校教育法で定めているものでございます。そのため、小中一貫教育の導入後も、引き続きこの制度のもとで教育を行ってまいります。  一方、小中一貫教育における学年段階の区切りとは、これまでの小学校における低学年、中学年、高学年といった学年のまとまりに相当するものでございます。  小中一貫教育では、指導の一貫性を強化するために、9年間を、例えば4、3、2などのまとまりに分けて、それぞれの目標を設定し、系統的な指導をしてまいります。これにより、教科指導や生徒指導がより効果的に推進されるものと思っております。  小中一貫教育の導入により、各学年の学習内容が変更されるものではないため、学校ごとに学習内容や進度に違いが生じるとは考えておりません。  次に、小中一貫教育カリキュラムについての御質問でございます。  本年7月に、静岡市小中一貫教育教育課程等協議会を設置し、策定を進めております。  現在、第2回協議会の開催に向け、カリキュラムの基本的な考え方について、検討を行っております。その主な内容は4つあります。  1つ目は、全ての学校で、小中学校の教育目標を共有すること。2つ目は、9年間を見通した教育課程を編成すること。3つ目は、児童生徒の交流や教職員の協働があること。そして、4つ目は、地域との連携を進めることなどであります。  さらに、静岡市の人的資源と物的資源の活用をどのように図るかや、静岡市らしい総合的な学習の時間をどのように進めるかなど、全ての小中学校で実施する共通の教育内容などについても検討を行ってまいります。  今後は、公教育における教育の機会均等を保障し、本市の教育の質を高めるため、小中一貫教育の取り組みをさらに進めてまいります。 5 ◯教育局長(望月 久君) 小中学校の適正規模・適正配置方針パブリックコメントについて、お答えいたします。  45人から55件の御意見が寄せられております。  寄せられた御意見のうち、主なものは、子供たちのために取り組みを早く進めてほしいという教育的な視点に立ったものや、地域活動の場や避難所としての学校は必要であるという、地域の核の確保の視点に立ったものがありました。また、地域住民や保護者の納得が欠かせないので、丁寧な説明をお願いしたいなどの、十分な意見交換の視点に立った意見などがございました。  今回のパブリックコメントの結果から、取り組みを進めるに当たっては、保護者の方の声を重視しつつ、地域住民の理解と協力を得ながら進めていく必要があると再認識したところでありますが、方針そのものについては、おおむね御理解いただけたものと受けとめております。 6 ◯子ども未来局長平松以津子君) 市立こども園配置適正化方針についての4点の御質問にお答えします。  まず、市立こども園配置適正化方針案に対するパブリックコメントについてです。  パブリックコメントは本年7月から8月にかけて実施しましたが、総数で1,996件と想定以上の御意見をいただき、改めて、この問題についての市民の皆様の関心の高さを実感した次第です。  内容としては、待機児童の解消や発達支援の体制強化のため、現在の市立園の規模を維持すべきという意見が多数ありました。こうした御意見は、待機児童の早期解消や発達支援の取り組みに対する期待のあらわれと理解しております。  待機児童については、現在、平成30年度に年間を通じての解消を実現することを目標とし、民間の施設整備を集中的に進めているところです。  また、発達支援については、今後、公私立の園で支援を要する子供の受け入れが進むよう、支援体制の強化に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、平成55年度における教育・保育の需要と供給の見通しについてです。  核家族化の進展や共働き家庭の増加などを背景として、今後も保育利用の増加が見込まれる一方、人口減少による影響があると考えられることから、現時点で平成55年度の状況を見通すことは困難です。  したがって、今回の配置適正化方針では、まずは平成28年度から34年度までの7年間を計画期間とし、当面の待機児童解消の取り組みと整合を図りつつ、特に老朽化の著しい園を対象として、建てかえ、民営化や統廃合を進めることとしております。  また、平成35年度以降の配置適正化の取り組みについては、配置適正化の取り組みの進捗状況、待機児童解消の状況、社会経済情勢の変化などを踏まえ、必要な方針の見直しを行い、計画的かつ柔軟に取り組みを進めてまいります。  次に、市立園の役割についてです。  これまでの市立保育園・幼稚園の取り組みを受け継ぐ市立こども園は、私立園とともに幼児期の教育・保育を担い、地域の子育て支援の中核としての役割を果たしてまいりました。  さらに、山間地域における教育・保育の提供や、特別な支援を要する児童の受け入れなど、民間だけでは対応が困難なニーズへの対応も積極的に行い、民間の取り組みを支援・推進しております。  今後も、こうした市立こども園の役割を引き続き果たしていくため、一定程度の体制を市立園で確保できるよう、配置適正化の取り組みを進めてまいりたいと考えております。  最後に、民間の保育士不足及び多様な形態の職員で保育を担っていることの実態と原因についてです。  本年8月に実施した施設アンケートによりますと、私立園100園のうち約半数の園で、基準保育士は確保されているものの、朝夕の配置など、加配の保育士が不足し、時間外等で対応していました。  原因としては、急速な保育の定員拡大に対し保育士が不足していることや、就労時間や給与面での雇用のミスマッチが生じていることなどが挙げられます。また、私立園でも、多くの非正規職員が雇用されておりますが、保育園等は11時間以上開所しているため、正規職員のほか短時間勤務の職員を雇用する必要があることが主な理由です。  改善の方針ですが、保育士の確保策として、静岡市保育士・保育所支援センターによる求職と求人のマッチングの取り組みを強化するほか、本年度から保育士資格修学資金等貸付事業を開始し、資格取得支援潜在保育士の掘り起こしを進めてまいります。  また、保育士の給与については、国が処遇改善に向け、公定価格上の加算のさらなる見直しの方針を示しているところですが、本市としても、引き続き上乗せ補助を実施するなど、処遇改善に努めてまいります。   〔25番鈴木節子君登壇〕 7 ◯25番(鈴木節子君) 今、お答えいただきましたけれども、2回目の質問です。  まず、市立こども園です。現在、平成30年に向けて教育・保育の量の見込みと確保策を改定し、認定こども園の新設を、例えば、6カ所510人から、16カ所1,270人へ、小規模保育事業の新設を15カ所270人から、32カ所570人へなど、具体的な数字を掲げて、受け皿確保策の見直しを行っています。3年間で、短期間の計画ですので、出生数を見ながら需要と供給のバランスは予想できます。  しかし、配置適正化方針は、平成55年までの約30年間で、長いスパンです。少子化、人口減少を前提として、毎年2園から3園の統廃合、民営化を繰り返し、将来的には、市内、現在14区域に60園ある市立こども園を1区域1園から2園に絞り、結果的には全体で14園から28園へという計算です。  現在の4分の1から2分の1に極端に減らす削減計画です。30年後、14区域それぞれで、保育ニーズに見合った保育の確保ができるのでしょうか。今でも待機児解消は喫緊の課題です。これが30年後、需要と供給のバランスがとれ、待機児解消ができるという見通しはあるのか。計画を掲げるのであれば、そこまで見通した、根拠ある数字を示すべきです。  2点目に、少子化対策の観点から伺います。  本市は、子育てしやすいまちランキングナンバー1に輝いたばかりです。しかし、人口減少による財政規模縮小、老朽化するインフラ維持・更新費用の増大を理由に、民営化、統廃合を推し進め、子育て支援の核となる市立保育施設が削減されれば、どういう現象が起こるでしょうか。  民間で補うと言っても、子育て支援のかなめが地域になければ、人は移住してこようとか、子供をこの地域で産み育てようと思うでしょうか。かえって出生率は減り、少子化をさらに推し進める要因をつくってしまうのではないか。問題意識を伺います。  次に、小中一貫教育について、伺います。  静岡式35人学級は、効果が実証されている取り組みですが、第2期教育振興計画には平成24年度からの35人学級の効果、デメリットを整理し、29年度以降の継続の是非を検討すると書かれています。  確認の意味で質問しますが、35人学級編制をどのように評価し、来年度以降も存続させるのか、方針を伺います。  2点目に、30年後、本市の人口は70万人から56万人に減少し、児童生徒数は平成52年には4割も減少する。だから、学校床面積も2割削減という数値目標が掲げられています。施設一体型か、当面は分離型か、財政事情が絡むことですので、安易に学校数は想定できることではありません。  しかし、アセットマネジメント基本方針の30年後総床面積20%カットが規定路線です。学校施設統廃合がこの方針に組み込まれ、そのための小中一貫だとしたら、子供たちの成長や学力保障について、誰が責任をとるのでしょうか。机上の論理だけで教育を語ることはできないはずです。30年後の学校数、学級数、児童生徒数について、一定数を見通した上での計画なのか、想定数をお示しください。  以上、2回目です。 8 ◯子ども未来局長平松以津子君) 市立こども園配置適正化についての、2点の御質問にお答えします。  まず、配置適正化を進めるに当たり、周辺の保育ニーズに見合った供給量が確保できるのかについてですが、民営化や統廃合を進めるに当たっては、対象園の周辺の保育ニーズを踏まえ、施設の利用定員を調整しながら、保育ニーズに見合った供給量を確保してまいります。  次に、配置適正化が少子化の促進の要因になるのではないかについてですが、配置適正化の取り組みは、市立園がその役割を果たせるよう、一定数を残しつつ民営化や統廃合を進め、その過程で生まれる人材、施設、財源を、多様化する子供・子育て支援のニーズに対応するために活用しようとするものです。  このような、子供をより産み育てやすいまちの実現に向けた取り組みは、人口減少対策に寄与するものであり、少子化を促進するものとは考えておりません。 9 ◯教育局長(望月 久君) まず、静岡式35人学級編制についてですけれども、制度の導入により、学習環境や生徒指導の充実、子供と教師が触れ合う時間の確保など、きめ細やかな指導の実践に成果を上げてきております。  平成29年4月の、県からの権限移譲後も、学校現場において、子供一人一人に配慮の行き届いた教育を実現し、それぞれの課題に適切に対応できるよう、35人学級編制の維持・継続に努めてまいります。  次に、平成55年度の小中学校等の想定数についてですけれども、小中学校の適正規模・適正配置方針は、小中学校で知識や技能を習得するだけでなく、思考力や問題解決能力などを育み、社会性や規範意識を身につけさせる教育を十分に行うために必要な学校規模の確保を目的に策定いたしました。  適正規模・適正配置の対象となる学校は、国の手引きで、今後の教育環境のあり方を検討する必要があるとされております、1校当たり11学級までの学校としております。平成55年度までの小中学校数や学級数の想定を行うことは困難なため、適正規模・適正配置方針では、現時点では推計が可能な平成34年度までの学級数を推計しております。   〔25番鈴木節子君登壇〕 10 ◯25番(鈴木節子君) では、3回目です。質問いたします。  歴代政権が公立保育所の廃止、民営化を進め、この間、全国で1999年以降、4分の1が減らされてきました。  待機児童対策は一層深刻です。本市は、民でできることは民にと、公の責任を後退させようとしていますが、民間保育園の抱える問題、低賃金、長時間、過重労働により、保育士が確保できない、定着できないという悪循環は解決してはいません。また、無資格の職員配置を認める基準緩和では、子供の命を預かる保育の質は保たれません。  真の対策のためには、全産業平均より月10万円も低い保育士の賃上げと有資格者による保育士配置基準の引き上げこそ、早急に取り組むべきです。市立園の民営化の前に、民間保育園の運営を支援する抜本的な解決をすべきですが、その認識と方針を伺います。  2点目に、各区域1、2園に公的保育施設を削減するのは、子育て支援に逆行するのではないでしょうか。公立も民間も、それぞれの役割をしっかり認識し、子育て支援策を拡充させることが将来の本市の発展のかなめとなります。  先ごろ、ブログにありました「保育園落ちたの私だ」のメッセージにある、安心して子育てしたい、安心して働きたいと願う、若い子育て世帯の信頼を受ける行政であり続けるべきです。そのためには、公的保育施設の増設、拡充こそ、子育てしやすいまちと自他ともに明言することができます。いかがお考えか、見解を伺います。  次に、小中一貫教育についてです。  山間地は、早急に施設を一体化させる方針で、学校は廃校、跡地は売却となります。避難施設、地域のコミュニティの拠点がなくなれば、地域住民は住み続けられません。人が減り、集落がなくなり、過疎化が進み、ますます深刻な事態をつくります。少子化に歯どめをかけるどころか、かえって少子化を推進する要因をつくり出すのではないか、見解を伺います。  2点目に、人口が減るから施設一体化、統廃合と言いますが、視点を変えることです。先ほどは、静岡式35人学級は維持するというお答えをいただきましたが、それをさらに発展させることです。  今、子供たちを巡る状況は深刻です。いじめや不登校、複雑な友達関係、子供の貧困、学力の差など、子供の世界は複雑です。子供一人一人に寄り添った丁寧な指導が、今求められており、そのためには少人数学級が最適です。児童生徒数が減るのなら、少人数学級を軸に進めるべきですが、見解を伺います。  最後に、市立こども園の統廃合や民営化、そして小中一貫教育には、市民や保護者、教職員、保育士たちから…… 11 ◯議長(栗田裕之君) あと1分です。 12 ◯25番(鈴木節子君)(続) 疑問や不安の声が日増しに大きく広がっています。そして、内容が大変わかりにくい。小中一貫教育については大変わかりにくいまま進んでいっていいのかという疑問が広がっています。  当局がやるべきは、懇切丁寧な説明を、当局がみずから出向いて、全自治体規模で行う。全市民的な議論を当局の責任で実施し、市民的合意が得られるまでは、強引な執行はしてはなりません。この姿勢をまず当局が示す。そして市民レベルで公共施設のあり方、今後のあり方も含めて、市民が納得できるまで議論を尽くす。その姿勢を示すべきです。その立場を求め、質問を終わります。 13 ◯子ども未来局長平松以津子君) 市立こども園配置適正化方針についての、2点の御質問にお答えします。  まず、民営化、統廃合より先に民間保育士の処遇改善と有資格者の配置を充実すべきとの点についてです。  民間保育士の処遇改善や有資格者の配置の充実は重要なことと認識しており、国が処遇改善に向け、公定価格上の加算のさらなる見直しの方針を示しているところですが、本市としましても、引き続き、処遇改善の上乗せ補助や、加配保育士の配置のための補助を継続してまいります。  一方、配置適正化における市立園の民営化や統廃合の取り組みは、将来にわたって充実した子育て環境を確保するための取り組みであり、同時並行で進める必要があると考えております。  次に、市立こども園を各区域1から2園程度とするのではなく、増設することこそ子育てしやすいまちづくりと言えるのではないかという点についてです。  幼児期の教育・保育の分野では、これまでも民間の園において、市との協力のもと、それぞれの創意工夫により十分なノウハウが蓄積され、適切な運営、質の高い教育・保育の提供がなされていることから、今後も、民間活力の活用による効果的・効率的なサービスの提供が期待できるものと考えております。  一方で、市立園の役割として、特別な支援を要する子供への支援、子育て困難家庭への支援など、民間だけでは対応が難しいニーズへの対応を積極的に担い、民間の取り組みを支援、推進していくことや、山間地など民間事業者の参入が見込まれない地域への対応が求められています。  配置適正化の取り組みは、こうした市立園の役割を果たすために必要な体制を確保した上で、民間でできることは民間に委ね、それにより生まれる人材、施設、財源を、多様化する子供・子育て支援のニーズへの対応に活用することにより、子供をより産み育てやすいまちを実現するものでございます。 14 ◯教育局長(望月 久君) まず、学校統廃合による少子化への影響について、お答えいたします。  小中学校は、子供たちの教育のための施設であるだけでなく、その学校が存在する地域のコミュニティの核として、防災や地域の交流の場など、地域のまちづくりとは切り離せないという性格も持っております。  このため、適正規模・適正配置の取り組みを進めるに当たっては、行政が一方的に進めるのではなく、保護者の方の声を重視しつつ、地域住民の十分な理解と協力を得るなど、丁寧な議論を行ってまいります。  次に、少人数学級こそ進めるべきではないかについてでございます。
     子供たちが社会で生き抜くための基礎的な力を身につける教育を十分に行うためには、子供たち同士で切磋琢磨できる、少な過ぎず、多過ぎない、一定規模の児童生徒の集団を確保することが望ましいと考えております。  そこで、小中学校の適正規模・適正配置方針では、基本的な考え方の一つとして、児童生徒数の減少に伴い、小規模化が進むことが見込まれる学校への、一定の学校規模の確保の対策を掲げております。  今後は、静岡式35人学級編制の維持・継続とあわせ、学校が過小規模となることがないよう、適正規模・適正配置を進めてまいります。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 15 ◯議長(栗田裕之君) 次に、松谷 清君。   〔24番松谷 清君登壇〕 16 ◯24番(松谷 清君) それでは、通告に従いまして、2点ですが、まず、静岡市総合交通計画の改定についてお願いします。  田辺市長は、世界水準の国際都市の一環として、世界水準の自転車都市を掲げてきました。静岡市は、2015年3月に自転車利用計画を策定し、2016年4月に、「ひとが歩いて楽しい」、「ひとが公共交通に乗りやすい」、「ひとが自転車に乗りやすい」、「ひとが出会える」まちづくりを目指して、静岡市総合交通計画の改定をしました。  一方で、警察庁は、良好な自転車秩序実現のために、改正道路交通法を整備し、2015年6月から施行しております。政府は、自転車活用推進法の準備を、一方で進めております。  議会サイドでは、志政会の皆さんから、自転車の安全利用の確保に関する条例の提案もなされ、11月議会での成立を目指して、現在協議中であります。  私は、これまでの総括質問で、自転車の生産、流通、消費、廃棄にかかわる自転車条例制定を求めてきた経過を踏まえて、質問します。  まず、改めて市長に、市長は世界水準の自転車都市に向け、どのような姿勢で臨んでいくのか、お伺いしたいと思います。  次に、学校給食の今後について、お伺いします。  現在、静岡市の学校給食は、主に清水区は自校式、校外調理方式、葵区、駿河区ではセンター方式という3つのシステムとなっております。  清水区の学校給食については、合併前の2000年は自校式、合併後の2006年はセンター方式を軸に移してまいりました。昨年の行財政改革推進審議会において、最初の5月段階では、安全・安心、食育の観点で、多くの委員が自校式がベターだとする意見が多数。ところが、行革審は給食のあり方を議論する場ではないということで、9月、10月にはアセットマネジメントの観点や、衛生面でセンター方式に優位性があるとの答申を出しております。議論は一面的、部分的という印象であります。  私は、熊本地震も含め、多発する地震時における避難所の食事提供という観点で、自校式の役割を評価すべきと考えております。  そこで、2点お伺いいたします。  まず、行革審はアセットマネジメント、安心・安全、食育の観点を答申しておりますけれども、教育長は、安心・安全、食育の観点での学校給食について、どのように考えているのか。  また、大阪市の防災計画においては、これは危機管理ですけれども、給食施設が避難者の炊き出しに利用される場合を想定していますけれども、静岡市において、学校給食施設は防災対策上、どのような役割とされているのか、お伺いしたいと思います。 17 ◯市長(田辺信宏君) 私からは、大項目、静岡市総合交通計画の改訂について、世界水準の自転車都市の実現に向けて、どのような姿勢で臨んでいくのかとの質問にお答えいたします。  御承知のとおり、静岡市は、坂が少ないし、雪が降らないし、風が強くないし、温暖な気候も相まって、自転車を大変使いやすいまちでありますので、自転車所有率も高いし、また、通勤・通学で自転車を使う手段、いわゆる自転車分担率も高く、日本の中では、世界水準の自転車都市を目指すにふさわしいポテンシャルを有していると思います。  分担率は20%前後でありますが、世界水準は、自転車先進都市として有名なヨーロッパのコペンハーゲンとかアムステルダムは30%でありますので、そこを目指していくというビジョンを持って、積極的な姿勢で、これに臨んでいきたいと考えております。  大事なのは、そこに至るまでの基本政策であり、体制づくりでありましょう。  そこで、議員御指摘のとおり、自転車施策を総合的に展開するための、静岡市自転車利用計画を平成27年、昨年の3月に策定いたしました。  政策の3本柱は、ハード、ソフト、マインドの3つであります。  まずは、基盤です。自転車を利用しやすい基盤を整えなければいけないというハード。  次はソフト。すなわち仕組みであります。市民の皆さんに自転車のルールやマナーを身につけてもらう。特に高校生がそのターゲットでありますが、このソフト、仕組みの施策。  そして3つ目は、市民の誰もが風を切って走る自転車の魅力を感じる。そして、歴史的に、このまちは我が国の中でも自転車をずっと愛し続けたまちなんだというプライドを醸成する。その自転車を楽しむ心といいますか、心持ちを磨き上げるマインド。  このハード、ソフト、マインドの3本柱で計画をつくってまいりました。  そして、体制としては、それまでは自転車にかかわる課がばらばらでありました。それを一元化して、縦割り行政を廃して、関係する12局、3区、25課が連携して、一体的かつ着実に進めていく局間連携の体制をつくりました。そのもとで、本年度も取り組みを進めております。  議員も御記憶だと思いますが、平成26年度には社会実験をいたしました。ハード、ソフトが足りないところを、どういうふうに自転車が走行しているのだろうと。よくマナーやルールが悪いから、そこを改善してくれという市民からの声がありました。そこで、中央体育館の前の駿府城公園北側交差点で、定点観測しまして、社会実験をいたしました。  私も毎日そこを通勤しているんですね。アイセル21からずっとお城の中に入っていって、内堀に当たる、そして左折して、中央体育館に行くところで自転車と交差するんですね。ドライバーにとっては危なくてしようがないんですね。とにかく1時間目に間に合いたいという通学、あるいは通勤の自転車が至るところから駿府城公園の中に入っていったり、またそこから出ていったり、斜め走行をしたりする。  その状況を社会実験で、どういうふうにガードしたら秩序ある運転ができるかという実験をいたしました。その結果を踏まえて、今年度から、その場所に交差点改良事業として、植樹帯を設置するなどして、斜め横断を制限する改良工事を行っていきます。  一方、マインドの施策である「けいきさんの自転車復刻プロジェクト」では、昨年度、家康公の四百年祭と連携して、徳川慶喜公はどんな形の自転車に乗ったのかなどの、「けいきさんの自転車にまつわる3つの謎」と題して、プロジェクトメンバーを任命し、約1年間にわたって調査していただきました。  完全な解明には至りませんでしたけれども、今年度も引き続き、そのプロジェクトメンバーの皆さんに御協力いただき、さらにこの3つのなぞの調査の内容を深掘りしていただくことを通じて、市民に対するマインド醸成のための冊子ですが、慶喜さんの時代から現代までの、静岡市の自転車にかかわる歴史を盛り込んだ冊子の作成や配布を通して、静岡市における自転車文化に誇りを持ってもらうという目的を持った冊子を作成し、それを広く発信してまいります。  この数年間、県警と協議を続けている、マインドのもう一つの目玉の施策は、二輪タンデム自転車の公道走行解禁に向けた取り組みであります。  走行解禁のためには、静岡県警が進める静岡県道路交通法施行細則の改正に先駆けて、福祉団体や関係機関の方々と連携して、タンデム自転車の走行体験会やタンデム自転車専用のサイクリングマップの作成などを進めています。  目の不自由な方々に対して、自転車の爽快感というものをぜひ体験させてあげたいという団体の方々と、今、それができるような準備を進めております。  そして、目標地点として掲げたのは、MICEの推進の一端でありますけれども、平成29年1月に開催する自転車利用環境向上会議、これは自転車関係の全国大会でありますけれども、これのin静岡、全国大会を静岡に誘致いたしましたので、そこで、全国から集まる自転車にかかわる行政機関や市民団体の皆さんに、静岡市の自転車施策を紹介していきたいと思っております。  この会議では、世界文化遺産富士山や三保松原を臨みながら、自転車を楽しんでいただく走行会を開催するなどして、自転車都市静岡を全国に大いにアピールし、また、多くの市民の皆さんに自転車都市としてのプライドをさらに高めていただける絶好の機会にしていきたいと思います。  今後も、自転車利用計画に位置づけた施策を積極的かつ着実に進め、「世界水準の自転車都市しずおか」の実現を目指していき、いつの日か松谷議員とタンデム自転車で唐瀬通りあたりを走ることを夢見てやっていきたいと思っています。  以下は、教育長及び局長に答弁させます。 18 ◯教育長(高木雅宏君) 学校給食に関します御質問にお答えしたいと思います。  本市の学校給食は、安心・安全な給食と食育の推進に加え、静岡ならではの献立により、日本一おいしい学校給食の提供を目指しております。  それにより、望ましい食習慣や食を選択する力を身につけた子供たち、食の楽しさや大切さを実感できる子供たち、食べ物や家族、地域への感謝の心を持った子供たちの育成が図られるものと考えております。  行革審の答申を受けて、学校給食について、どのように考えているのかという質問でございます。  まず、安全性の視点については、答申で、食材や調理方法のチェック体制を強化・充実し、安心・安全な給食を提供できるよう人材育成に取り組むほか、管理体制の徹底に努めていただきたいとの御意見をいただきました。  これに関しましては、日本一おいしい学校給食の提供を目指す上で、栄養教諭や栄養士、及び調理員等の危機管理意識の向上を図り、学校現場との連携を密にしながら、常に安心・安全でおいしい給食を提供することを第一に心がけてまいります。  次に、食育の視点については、答申で、栄養バランス等に配慮した豊富な献立の作成に努め、食の大切さ、給食の仕組み、地産地消の重要性を伝え、学校給食を生きた教材として活用するようにとの御意見をいただきました。  これに関しましては、食育を通じて家庭や地域で人と人とが支え合い、生涯にわたり健康で心豊かな人間形成がなされるよう、食に関する指導を充実させ、子供たちの食育の推進を図ってまいります。 19 ◯危機管理統括監(荻野敏彦君) 静岡市において、学校給食施設は、防災対策上どのような役割とされているのかについてでございます。  学校給食施設である学校給食センターと小中学校の給食室につきましては、地域防災計画の食料供給計画において、災害時に全ての被災者のために、炊き出し等必要な食事を、被災状況に応じて提供することとなっております。   〔24番松谷 清君登壇〕 20 ◯24番(松谷 清君) まず、自転車について、市長から答弁いただきました。  世界水準のポテンシャル、静岡市は十分可能性があるということで、強い決意を述べていただきました。それについては応援しているんですね。通勤経路も一緒ですから、いつか一緒に自転車で走りたいとは思います。  30%の目標ですけれども、お手元の資料を見ていただければわかりますけれども、今回の総合交通計画の改訂を見ますと、パーソントリップ調査が出ておりまして、2012年の調査では、自転車の分担率は、2001年に比較して20.1%から18.3%に減少している。トリップ数も5万8,000と大幅に減少しているんですね。  一方で、自動車分担率は、トリップ数で2万4,000減少していますが、分担率は49%から49.7%に増加しているんですね。世界水準の自転車都市とは逆のベクトルで実際は動いているというデータになっているわけです。  そこで、総合交通計画の中で、自転車の分担率が下がっているこの現状を踏まえて、今後18.3%から30%を目指す、これは相当な目標ですけれども、分担率の向上に向けてどのように取り組んでいくのか、お伺いしたいと思います。  2つ目に、新交通の推進について、お伺いします。  世界水準の自転車都市の前提は、車社会からの脱却と一体のものであります。車社会からの脱却施策の1つとして、市長はLRTの導入を公約として掲げ、一方で、2011年12月、LRT導入研究会はその方向に向かって提言をまとめております。  ところが、何年たってもLRTの具体化が全く見えてこない。総合交通計画改訂版では、BRTとの両論併記となる新交通の推進を示しているわけであります。このままでは公約が吹き飛びかねません。  そこで、このLRTの導入についての課題、及びBRTを含めた経緯について、伺います。  次に、学校給食についてお伺いしますけれども、教育長の答弁については後段で質問したいわけですけれども、これはアセットとの関係で、今回の行革審の答申は、清水区の今後の学校給食のあり方を考えるということで、センター方式を選択したという答申なんですね。しかし、この議論は極めて複雑で、単純にはいかないというのが、私の印象であります。  この議論の中で、5つほど指摘しておきます。  1つ目は、清水区のばらばらな給食の提供方式をセンター方式で統一するのか、自校式で統一するのか、あるいはセンター方式と自校式の併存なのか。この議論がまず先にあるべきで、アセットはその後じゃないかと企画次長が発言しているんですね。そうすると教育局次長が、その場合は保護者やPTA、先生、学識者の意見を聞かなくちゃいけないとも述べているわけです。  2つ目に、ところが、アセットマネジメントでは、60年スパンのコスト比較の議論、これでいいのかということで、各委員からも指摘されております。  3つ目に、実際は、先ほどの小中一貫教育の鈴木節子議員の議論じゃないんですが、児童生徒の減少、60年間で1万3,000人から5,000人となる。統廃合は当然あり得る。しかし、それを見通すことができない中でのこの議論はいいのかという疑問。  それから4つ目に、当然ですけれども、小中一貫教育の議論があって、統廃合等の議論もかかわってきますよと。  最後に、防災と給食施設の関係の議論という5つの議論がされているんですが、ほとんどがきちっとした回答がないままに、センター方式の提案になっているわけであります。  そこで、その意味では、行革審の答申は、1つの材料に過ぎないと私は思います。  そこで、清水区の中学校の校外調理方式を小学校で一体的なセンター化という方針が出ているんですけれども、そうじゃなくて、葵区、駿河区の給食センターの活用という選択肢はあるんじゃないのかと。それはどう考えているのか、お伺いしたいわけであります。  つまり、その選択を前提とすると、清水区の小学校17校の自校式の建てかえコストとセンター方式のコスト比較評価という形の、別の選択肢が生まれてくるわけであります。  2つ目に、危機管理監からさらっとしたというか、ほとんど中身があるのかないのか、よくわからない答弁をいただきましたけれども、行革審の審議の中で、防災と給食施設についてはどのように意見が出されているのか、お伺いしたいと思います。  次に、安心・安全、地産地消、食育について、お伺いします。  教育長から、先ほど、その方向性の明示があったわけであります。  そこで、具体的に安全について、物資購入委員会での牛肉、豚肉、鳥肉の国内産、海外産、及び中国の食材に対する取り扱い規定について、伺いたいと思います。  2つ目に、TPPが批准された場合に、学校給食における食の安心・安全にかかわる運用規定、例えば、アメリカの牛肉は使わないとか、そういうのを決めているわけですね。  そういうものは、自由貿易という名のもとのTPPで、アメリカの牛肉事業者によるISDS条項による訴訟の対象となることが出てくるんじゃないかと懸念を持つわけでありますけれども、それはどのように考えたらいいのか、お伺いします。  3つ目に、3.11以降の放射能測定の現状について確認しておきたいと思います。  2つ目の地産地消について、お伺いいたします。  オクシズ、しずまえなど、第3次総合計画で地産地消が大きくうたわれ、今回の補正予算でも、釜揚げシラスの研究も予算化されております。学校給食における地産地消の基本的な姿勢はどのようになっているのか、伺っておきたいと思います。  2つ目に、6月と11月に、県内全自治体の県内産率の数値調査が行われております。これはどのような方法で調査をされているのか。また、直近の調査における東部、丸子、西島、中吉田の各給食センター、清水区の自校方式、中学校の校外調理、それぞれの地産地消率はどのくらいなのか、お伺いしたいと思います。  3つ目に食育。これは非常に重要であるわけですが、例えば、大豆は、和食の基本とも言える豆腐、しょうゆ、みその材料であるわけであります。国内産は残念ながら5%。学校における食育の中で、大豆についてはどのように教えているのか。また、輸入の遺伝子組み換え大豆を使った豆腐、しょうゆ、みそなどの食品の取り扱いはどうなっているのか、お伺いして、2回目の質問を終わります。 21 ◯都市局次長(林 裕司君) 静岡市総合交通計画の改訂についての2点の御質問にお答えさせていただきます。  初めに、自転車の分担率の向上に向けた取り組みについてでございますが、静岡市自転車利用計画では、平成24年時点の自転車分担率18.3%を、46年度には30%にすることを目標といたしました。  自転車は他の交通手段に比べ、5キロ未満を効率的に移動できると考えられるため、自転車分担率30%の目標達成に向けて、5キロ未満の自動車利用者を、自転車利用へ転換するよう誘導することが効果的であると考えてございます。  近距離の自転車利用の促進に向けましては、ハード面では、自転車レーンの整備など、快適で走りやすい道路環境づくり、また、快適で使いやすい駐輪環境の整備を、マインド面では、自転車利用による通勤時間の短縮や、健康増進等の効果を積極的にPRするなど、各種施策を総合的に進めてまいります。  次に、LRTの課題と新交通にBRTを含めた経緯についてでございます。  LRTなどの新交通導入検討につきましては、静岡市総合交通計画の4つの基本目標のうち、「ひとが歩いて楽しいまち」の実現に向けた施策の1つに位置づけております。  LRT導入については、これまで学識経験者や関係団体などで構成した導入研究会や地域の関係者にも参画いただいた検討協議会において、議論を重ねていただきました。この研究会や協議会からは、LRTは都市の装置として有効であるということ、導入に当たっては、都心部への自動車流入量の適正化、需要の確保などの課題があるとの御意見をいただきました。そのほか、事業費の精査や財源の確保も課題であると考えてございます。  新交通の導入検討にBRTを含めた経緯でございますが、BRTは専用の道路や走行レーン、連接バスを組み合わせるもので、通常の路線バスに比べて定時性、速達性、輸送力にすぐれておりますことから、新交通を幅広く検討するために含めたもので、今後も新交通の導入について、議論を深めてまいりたいと考えております。 22 ◯経済局長(赤堀文宣君) 学校給食についての御質問にお答えいたします。  まず、清水区中学校の給食について、葵区、駿河区の学校給食センターの活用の選択をどのように考えるかについてでございます。  行革審では、今後予想される児童生徒の減少を考慮するほか、既存の給食センターを最大限に有効活用するなど、市全体の給食提供方法の効率化を図るよう取り組んでほしいという答申をいただきました。  清水区中学校の給食の検討に当たっても、将来の生徒数の推移や、民間活力の導入、既存施設の有効活用など、答申の内容を踏まえ、進めてまいります。  次に、行革審の審議の中で出された、防災に関する意見についてでございます。  行革審では大きく3点の御意見がありました。  1点目は、震災時には、各学校に給食施設があれば活用できる。大阪では阪神・淡路大震災以降、センター方式から自校方式に戻しているところもあるという御意見。  2点目は、大災害が起こったときに、各学校でなくても、給食センターで炊き出しができる。そのために、自校方式を選ばなくてもいいのではないかという御意見。  3点目は、災害時に、給食センターは広範囲に位置しているため、自校方式よりも大規模に給食を提供できるセンター方式をお勧めするという御意見がありました。
     次に、給食用物資購入委員会での、肉類や中国産の食材の取り扱いについてでございます。  学校給食センターで購入する学校給食用物資は、本市と静岡市学校給食会で定めた、学校給食物資選定基準表の規格事項に適合したものを納入しております。この基準の中では、牛肉、豚肉、鳥肉について、動物由来感染症が発生していない国を対象に指定しております。  牛肉については、国内産、オーストラリア産、ニュージーランド産に、豚肉については、県内産、国内産、アメリカ産、カナダ産に、鳥肉については、県内産、国内産、ブラジル産に限定しております。また、中国産の原材料が含まれる食材については、納入業者に残留農薬証明書等の提出を義務づけ、安全を確認しております。  次に、放射能検査の現状についてですが、現在、学校給食の放射能検査については、東部、丸子、西島、中吉田の4カ所の大規模センターを対象に、1カ月ごと順番に実施しております。  放射能検査は、毎週、1週間分の給食をまとめて市の環境保健研究所に持ち込み実施しております。検査結果については、学校給食課ホームページに掲載しておりますが、現在までに基準値を超過したことはございません。  次に、学校給食における地産地消への取り組みについてでございます。  学校給食においては、地産地消の推進を通して、子供たちの食べ物や地域への感謝の心を育成することを目指しております。具体的には、毎年6月のふるさと給食週間を初め、毎月1回以上、ふるさと給食の日を設定し、ミカンや黒はんぺんなどの地場産物を積極的に活用する取り組みを実施しております。  このほか、11月1日の静岡市お茶の日にちなんで、茶飯や魚のお茶フライなどの、お茶を使った献立を提供したり、タチウオやカマスなどの「しずまえ」鮮魚を献立に活用したりするなど、静岡ならではの献立の工夫も行っております。また、本年度は、文部科学省の委託事業による、学校給食での釜揚げシラスの提供について、取り組んでまいります。  次に、地産地消率の調査についてでございます。  学校給食における地産地消率は、全体の品目数に対して、県内で生産・加工された食材の品目数が占める割合を示しており、6月と11月のそれぞれの月の連続する5日間に調査しております。  本市の地産地消率の目標値は40%に設定しておりますが、各学校給食センターの地産地消率につきましては、直近の、本年6月の実績で、東部センターが50.7%、丸子センターが52.1%、西島センターが46.9%、中吉田センターが50.0%となっております。また、自校方式では、平均で44.1%となっております。  なお、校外調理方式については、学校給食以外の給食も調理しているため、調査の対象となりませんが、県内産の食材の使用に努めるよう指導しております。  次に、学校における食育での、大豆を扱った指導についてでございます。  大豆は、栄養面において積極的に取り入れたい食材であり、和食を語る上でも、学校給食には欠かせない食材でございます。そのため、各調理施設では、献立表や給食のたよりを通じて、大豆や大豆製品について取り上げ、子供たちにその栄養や加工品の多様性を伝えております。  また、教科学習の中では、例えば、小学校3年生の国語の教科書に、「すがたをかえる大豆」という教材があります。これは、大豆を煮たりいったりするほか、粉にひいたり、豆腐や納豆に加工したりして、多くの食べ方が工夫されていることを説明した文章であります。  教科学習の中で、大豆や大豆製品が取り上げられていることから、子供たちは学校給食でどのような大豆製品が使われているかの調べ学習や、栄養教諭から大豆の栄養についての説明を受け、大豆について興味を持って学んでおります。  最後に、学校給食における、遺伝子組み換え大豆を使った食品の取り扱いについてでございます。  学校給食で取り扱う食品については、大豆も含め、学校給食物資選定基準表により、遺伝子組み換え食品の使用を極力抑えたものと規定しております。見積もり参加時には、各納入業者から商品内容表の提出を求めております。  この商品内容表には、原材料産地や遺伝子組み換え食品の使用を記載した食品表示などの情報が含まれており、物資選定時に確認しております。 23 ◯経済局長(赤堀文宣君) TPPの批准に伴い、学校給食物資選定基準表は、ISDS条項による訴訟の対象になるのかについてでございます。  TPP協定のISDS条項は、投資家が投資先の国家の政策により損害を被った場合に、仲裁機関に損害賠償等の提訴ができることを定めたものです。  学校給食物資選定基準表は、食品に関する選定基準であり、外国企業のみを狙い撃ちするような不当な措置でなければ、ISDS条項による訴訟の対象外であることを、内閣官房から確認しております。   〔24番松谷 清君登壇〕 24 ◯24番(松谷 清君) それでは、3回目の質問をさせていただきます。  分担率の向上について、総合的に進めていくということなんですね。特に、5キロ以内のトリップ数が47万あるんですけれども、計画では15万を自転車に転換すると書かれているわけです。その点については大きな期待をしておきたいし、総合的に進めていくためには、やはり静岡市が条例をつくることを、議会の「(仮称)静岡市市民で守る歩行と自転車の安全条例」検討会でも示しておりますけれども、国の法律制定を待っているんじゃなくて、ぜひとも、市長、静岡市は世界水準を目指しているんですから、全国の先端になるような条例をつくってもらいたいと思うわけでありまして、その条例の内容と、制定スケジュールはどう考えているのか、お伺いしたいと思います。  次に、LRTとBRTについて、聞いていて非常によくわからないんですけれども、導入の議論を進めていくために、BRTを実験しますということなんでしょうね、あの答弁は。ただ、このBRTの併記は、LRT構想の棚上げとの誤解を招きかねない表示なんですね。第3次総合計画にも、BRTの文字はないんですよ。この総合交通計画で初めて出てきているわけなんです。  建設費用が1つの大きな課題だということも答弁であったわけですけれども、縮減策であれば、蓄電池LRTの研究や、事業意欲のある全国の事業者を募集して提案してもらうとか、さらに、葵区、駿河区、清水区で、今、3つの路線が決められていますけれども、全部の路線じゃなくて、短い路線を同時着工することによって、LRTの建設費用も、また、これからの静岡市のまちの姿も見えてくると思うんです。  そういう点も含めて、ぜひ検討していただきたいというのが私の意見です。  ただ、第3次総合計画では、「港町・清水の海洋文化拠点の創出」のところで、新たな公共交通の検討と記載されていて、清水区先行なんですね。  仮に、それが前提の場合ですけれども、清水地区のLRTの導入は、今後、どうするんですかと。BRTを先にやっちゃうんですかと。そういうことについて、お伺いしたいわけであります。  次に、学校給食の問題について、お伺いいたします。  いろいろ答弁をもらったんですけれども、清水区の中学校について、明確な答弁を示さずに、民間の活用とか、生徒の減少とか、既存施設の活用という言い方で、不明な答弁なんですね。答申書には葵区のセンターの活用ということは明確に出されているわけでありますから、その点がなぜ不明確なのか、私は答弁を聞いてよくわからなかったんです。中学校の葵区、駿河区のセンターの活用の選択があるとすれば、全部を自校式へと急ぐ必要はないわけでありまして、小学校のセンター化の問題について、センターか自校式かの議論をやるべきであるし、全国の政令市でも、20市のうち5つは自校式なんです。  防災議論も、私はマニュアルが全くできていないんじゃないかと想定しているんですが、仙台市が2011年の地震の後、市内506の給食施設の調査をしたところ、37%しか災害時の給食提供に関するマニュアルがなかったと。静岡市はどうなっているのかと。先ほどの危機管理統括監の話を聞くと、何かそんなのも、あるのかないのかよくわからない答弁ですよね。  そういう意味で、私はやはり、もっと大胆に保護者やPTAからの意見聴取をきちんとやった上で、清水区の給食の方式は議論すべきだと思うわけであります。  次に、食の安全についてでありますけれども、国産、安全性を追求する姿勢はあるわけですが、さっきの答弁の中で、実は、輸入の国がふえているんですね。  なぜふえているかというと、消費税8%の影響で、豚肉、鳥肉は国産だと決めていたにもかかわらず、値上がりしたので、輸入を使いますと、本市は転換をしているわけでありますけれども、その経過について、伺いたいと思います。  また、この選択は、価格と安全性、給食費の値上げとも絡む問題でありまして、その情報は、保護者にどのように知らせているのか、お伺いしたいと思います。  それから、地産地消ですが、さっきの御答弁を聞くと…… 25 ◯議長(栗田裕之君) あと1分です。 26 ◯24番(松谷 清君)(続) 意外だったのが、自校式のほうが少ないんですね。私は、にわかには信じがたい数字なんですけれども、これはまた後日、きちっと実態を調べさせていただきますが、地産地消の消費率アップの課題は何であるのか、お伺いしておきたいと思います。  最後に、要望を2つ。  1つは、大豆の実情。先ほど、栄養とかを教えていると言ったんだけれども、農業として5%の生産率がないということ。我々がそれによって、現在、現実には輸入によって非常に賄われているという事実も、きちんと伝えていくべきだと思います。  もう一つ、TPPですけれども、これは、学校給食はTPPの対象外だという答弁ですけれども、時間がなくなってきましたが、私はやはり、静岡市が地産地消条例を、学校給食は個別というんだけれども、全国全部でやっているわけでありまして、その意味で、ISDS対象になる可能性がありますので、地産地消条例の制定を、ぜひ検討していただきたいと要望して、質問を終わります。 27 ◯都市局次長(林 裕司君) 静岡市総合交通計画の改定に関する御質問のうち、自転車条例の内容と制定スケジュールについてでございます。  議員提案条例では、安全・安心な生活環境の実現に資することを目的としており、自転車の安全利用に関する事項などについて、検討が進められております。  本市が制定を予定している、健康で暮らしやすいまちの実現を目的とする自転車条例については、現在、国で自転車の活用を総合的かつ計画的に推進することを目的とした、自転車活用推進法の制定が進められていることから、この法律で示される予定の内容や制定状況などを注視しながら、検討してまいります。 28 ◯企画局長(山本高匡君) 清水地区のLRT導入に向けた今後の展開について、お答えします。  平成23年度に市、商工会議所、静岡鉄道で行われた、LRT導入研究会の検討において、清水地区でのLRT導入には、運営を成立させるための需要の確保が必要であるとの課題が示されました。このため、現在、そうした課題解決につながるウオーターフロント地区の活性化を積極的に推進しているところです。  特に、日の出地区は、今後、清水港周辺で展開する海洋文化拠点の核となる地区として、国内外から客船が集まる埠頭を中心に、市民や観光客が水辺を楽しみに訪れ、海洋に関する研究や、文化の発信が活発に行われるエリアとなるべく、官民が連携して、埠頭の再整備や周辺開発を進めていくことが計画されております。  こうしたウオーターフロント開発の実現によって交流人口が増加し、それに伴って、公共交通の需要がふえることにあわせ、新たな公共交通の可能性についても検討してまいりたいと考えております。 29 ◯教育局長(望月 久君) 学校給食についての御質問にお答えいたします。  まず、給食施設の整備に当たっての意見聴取についてでございます。  今後、具体的な学校給食施設の整備の際には、市民の関心や与える影響などを勘案し、意見聴取について、検討してまいります。  次に、肉類の調達に関する方針の転換の経緯と保護者へのお知らせについてであります。  学校給食においては、平成27年10月まで、豚肉と鳥肉の産地を、国内産と県内産に指定しておりました。しかし、国産鳥肉の需要が高まり入手困難になったことや、価格が2倍近くに高騰するおそれがあったことから、平成27年11月より、豚肉と鳥肉については、先ほど申し上げた産地に限定して輸入肉の使用も可能といたしました。  このような情報については、給食に使用する肉類等の産地の情報として、学校給食課のホームページで毎月お知らせしております。  最後に、地産地消率向上への課題にについてでございます。  地場産物を使用する場合の課題としては、食材の確保が挙げられます。学校給食に使用する食材は、同等の規格のものを相当量確保する必要があるため、地場産物に限定してしまうと、入手困難となる場合が考えられます。また、流通量が少ないことから、価格についても比較的高い設定になってしまうという課題が見られます。  しかしながら、このような課題がある中でも、食べ物や地域への感謝の心を育成することを目指し、今後も地産地消の推進について、積極的に取り組んでまいります。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 30 ◯議長(栗田裕之君) 次に、井上智仁君。   〔15番井上智仁君登壇〕 31 ◯15番(井上智仁君) それでは、通告に従いまして、今回は人口70万維持、防災対策、人権の大きく3点について、質問させていただきます。  まずは、大項目の1点目、人口70万維持についてお伺いいたします。  第3次総合計画がスタートして1年半、総合戦略が始まり約1年が経過しました。そろそろ少しでもその効果が出てこなければ、第1の目標である2025年に人口70万の維持が、絵に描いた餅になってしまう可能性もあります。  先日、静岡市政策・施策外部評価委員会により、第3次静岡市総合計画及び静岡市総合戦略の評価報告書が提出されました。そこには、新聞報道にもあったとおり、評価と目標の設定が甘い、輝こうという熱意が見当たらない、新しいことへのチャレンジがないといった厳しい意見も述べられております。少子化、高齢化、人口減少という問題は、我が国における大きな課題であり、地方創生は急務です。  本市は、少子化に対しては、市立の全幼稚園・保育所を認定こども園に移行させ、待機児童の解消と良質な幼児教育の提供を目指したり、子ども医療費をワンコインとしたり、不妊治療・不育治療の支援を拡充したり、子育て世代包括支援センターにより、出産から子育てまでの総合的相談窓口を設けたりなど、子供を産み育てやすいまちづくりを目指し、少子化を食いとめる施策を展開しております。  また、高齢化に対しては、住みなれた地域で最期までずっと暮らすことができる地域と医療と介護が連携できる、静岡型地域包括ケアシステムの構築を目指し、高齢化という現実を受け入れる政策を展開しております。  それでは、人口減少という問題に対してはどう向き合うのか。食いとめるのか、それとも受け入れるのか、両方の選択が可能となります。  人口減少は都市の活力を衰退させ、持続可能な都市経営を圧迫します。すなわち、都市の経済力の問題であるとも考えられます。したがって、これを回避するためには、人口を維持することにより経済力を維持する方法と、人口が減少しても経済力が維持できるようにする方法が考えられます。  本市は、この人口減少という課題に対し、前者の人口維持で対応することを選択したものだと理解しております。人口維持とはいっても、合計特殊出生率はすぐに上がるわけではなく、総合戦略の中でも、2025年で1.70、2040年で2.07を目標値としており、実質的には、社会増で対応する必要があります。  そこで、総合戦略では、2015年から19年までの5年間で、6,000人の社会増を目指しております。しかしながら、現状の事業を見てみますと、歴史・文化を基調とした観光事業に注力しており、人口増よりも経済対策が前面に立っていると感じます。この状態、目標と施策がちぐはぐとなっているように感じます。  実際、平成27年度の人口動態をみると、約900人の社会減であり、目標を達成するには、残り4年で7,000人の社会増を目指す必要があります。  そこで、まずは、総合戦略について、昨年度、2025年に総人口の70万維持という目標を掲げた総合戦略を策定し1年が経過しましたが、これまでの成果はどうであったのか。また、昨年度1年間で約900人の社会減となっているが、これをどのように受けとめているのか、お伺いいたします。  人口推計データから、最近数年の社会減の状況を見てみますと、平成24年度はマイナス859人、平成25年度はマイナス721人、平成26年度マイナス672人、そして、平成27年度はマイナス911人であり、昨年度は悪化している状況です。  さきに示したように、今後4年で7,000人の社会増を目指さなければならないことからすれば、今後の対策をしっかりと検討していかなければなりません。どのような事業が、どの程度社会増に寄与することができるのかなど、さまざまな分析も必要となってくるでしょう。  そこで、社会増対策について伺います。  これまで、転出抑制や転入誘導に直接効果があらわれるであろう事業も展開されてきましたが、数千人という規模に対応した策にはなっていないのが現実ではないかと思います。  特に、若者を中心に生産年齢人口をいかにとどめていくのか、そして、その効果が早急にあらわれるようにしなければなりません。全国からも、注目されるような際立った事業を展開していく必要性があると思います。  そこで、昨年度の社会増減を見ると、新幹線通学費貸与事業のようなとがった施策や、庁内の推進体制の強化などが必要であると思いますが、今後どのように進めていこうと考えるのか、お聞かせいただきたいと思います。  また、これまで交流人口を定住人口にといった旨の答弁が繰り返されてきました。長い目で見ればそうかもしれませんが、2025年の人口70万の維持につながるとは思えません。交流人口をふやすことが本当に定住人口の増につながるのか、交流人口をどこまでふやせば定住人口につながると考えるのか、はっきりしないと感じております。  また、定住人口を目指した観光戦略であれば、定住人口につながる観光客としてのターゲットを絞り込む必要があると思います。さらに、定住人口をふやすことを考えた場合、日常生活の充実を目指す必要がありますが、観光交流によるまちのにぎわいを目指した場合、非日常的な充実感や楽しめるまちをつくり上げる必要があり、両者はまちづくりの方向性が異なってまいります。  そこで、社会増対策として交流人口の増加を進めておりますが、交流人口の増加と定住人口の増加の方向性が若干違うと考えます。交流人口をふやすことが定住人口の増加にどうつながるのか、お伺いいたします。  人口減少における問題は、経済の失速にあると考えられます。したがって、人口減への歯どめに対する施策はあくまでも1つの手段に過ぎないと思います。しかし、この人口目標が余りにも遠いところにあると、それを達成するための事業の組み立てができず、結果として、政策にひずみをおこすような気がします。現在はそのような状態にあるような気がしております。  毎年約3,000人の人口減が続いており、本年9月1日の推計人口は70万2,258人。このままでは、本年度中に70万人を割ってしまいます。人口減少に歯どめをかける策と、人口が減少しても都市経営の持続できる経済対策を、同時に進めていく必要があると思います。  現在行っている本市の主要な施策は、観光交流に軸足を置くことで新たな産業を生み出し、経済力を維持していこうというものであると考えます。将来的には人口増につながる事業でありますが、実質的には経済政策であり、そうであるのならば、経済成長率何%の維持とか、経済成長による税収増などの経済目標をしっかりと定めて進めていくべきだと思っております。  先の見えない夢のような目標は、場合によっては進むべき方向を見失い、連携という団結力まで失ってしまう可能性があると感じています。  そこで、人口維持について最後の質問になりますが、人口70万維持の達成に向けて、現在の状況を見ると、人口70万の目標の達成は厳しいと感じますが、今後も70万人の維持を掲げ続けていくのか、改めて市長の強い意思を確認したいと思います。  次に、大項目の2番目、防災対策について質問させていただきます。  本年、議員発議で「静岡市いのちを守る防災・減災の推進に関する条例」が制定されました。この中には、自助・共助の重要性が強調され、それを支援する公助が示されております。  地域住民がお互いに助け合う共助の中でも、先般の熊本地震においても課題とされていた避難所について、幾つか質問させていただきます。  先般の熊本地震においては、本市からも多くの職員が派遣され、支援を行ってきました。熊本地震においては、女性の避難者への対応や、車中避難によるエコノミー症候群、その他避難所運営に関し、さまざまな課題が見出されたと伺っております。  そこで、避難所運営において、熊本地震における課題は何か、お聞かせください。  避難所の運営は非常に困難です。避難所に来た方々の状況に応じた対応、個人のプライバシーの確保、救援物資の整理や配給、要介護者など福祉的な支援、女性特有の課題解決などの考え得る課題をいかに解決するか、事前に協議しておく必要があります。また、会議の中では見出せない実際の訓練によってわかることもあると思います。だからこそ、避難所が開設された際は、市の地区支部員と地域の自主防災組織の連携が重要となってくると考えます。  実際に避難所となる学校などを利用し、職員と自主防災組織が連携した訓練等を行っていく必要があると思いますが、実際には、全ての地区支部で訓練が行われている状況ではないと思います。  そこで、地域の自主防災組織が避難所運営を実施するに当たり、地区支部と綿密に連携する必要があると考えますが、現状はどうなのか、お聞かせください。  次に、避難所運営ゲームHUGについて、お伺いします。  平成24年2月定例会において、避難所運営の模擬体験トレーニングである避難所運営ゲームHUGの普及に関する質問を行った際、当時の危機管理統括監は、各自主防災組織にもHUGの有効性を確認していただき、全ての自主防災組織がHUGの研修を受けることができるよう、計画的に実施してまいりたいと考えておりますと答弁されております。  あれから約4年半、イメージTENのような新たな取り組みも進められているようですが、現在、このHUGはどのような状況になっているのか、気になるところです。そこで、このHUGについて広く普及する必要があると考えますが、どのように取り組んでいるのか、伺います。  次は、避難所の数に関する質問です。
     静岡県第4次地震被害想定では、レベル2の最悪の状態で、火災や家屋の倒壊、津波などで避難を必要とする人は約30万人、そのうち指定避難所に避難する方は約18万人、自治会の集会所や事業所等、指定避難所ではないところに避難する方は約12万人と予測されております。  それに比べ、地域防災計画に示された現在の避難所における収容数は238施設431棟で約12万人であり、必要量を満たすことができておりません。また、現在の避難所の開設に関しては、地区支部が配置される小学校などを中心に開設の後、被害状況を見ながら順次避難所が開設されるような計画となっております。この避難所開設の流れからすると、地域ごとにまとまって避難できるような仕組みが定まらず、自主防災組織が機能しない可能性も出てくると考えられます。  そこで、静岡県第4次地震被害想定で示された被害状況からすると、避難所の収容人数が足りないと思いますが、今後どのように対応していくのか、お聞かせください。  また、指定避難所以外にも多くの方が避難されることが予測されますが、そのうち指定管理となっている公共の施設へ避難される方も多いと思われます。  そこで、大規模な災害が発生した場合、指定管理者が管理する施設も避難者を受け入れることになりますが、指定管理者が避難所運営に積極的にかかわる必要があるのではないかと思いますが、お考えをお聞かせください。  防災の基本でもある自助・共助・公助。今回は、地域で助け合う共助において、最も主要な活動となる避難所運営について、質問させていただきました。地域の中心となる自主防災組織もさまざまな活動や訓練をされていると思いますが、まだまだ地域によって温度差があるようです。  大規模な地震が発生したとき、まず何をしなければならないのか。誰がどこへ行くのか。単位自治会の自主防災組織と連合自治会の自主防災組織はそれぞれ役目が違うはずです。指定避難所以外の避難者となり得るところはどこにあるのか。支援物資をどう届けるのか。自宅で避難している方の支援はどうするのか。また、実際に訓練を行うことで見える課題をどう解決していくのか。自主防災組織にはさまざまな使命があります。  以前、総括質問の中で、地域における防災計画である地区防災計画の策定に関し、モデル事業を始め、展開していく旨の答弁がありました。地域の実情に合わせた地域ごとの防災計画が必要だと国が判断したことにより、本市でもモデル地域を選定し、この地区防災計画の策定を行ってきたはずです。  しかしながら、この事業はモデル事業にとどまってしまい、横展開ができておりません。行政で作成するような防災計画を、地域の力でつくり込もうとするのはかなり困難であると思います。基本的な行動はどの地域でも大きく変わらないはずですので、行政として、地域防災のためのガイドラインなどを作成し、地区支部と自主防災が連携して、地域の災害時の行動計画などをつくっていく必要があると思います。共助をしっかりとサポートする体制をつくり上げていただきたいと思います。  次に、中項目の2番目、遺体安置所訓練について、お伺いします。  先日、9月1日、静岡市総合防災訓練において、平成20年以来8年ぶり、駿河区としては初めて遺体安置所運営訓練が開催されました。県の第4次被害想定では、最大で葵区で約1,100人、駿河区で約2,200人、清水区で約1万2,000人の死者が想定されております。こういった中、現状、本市では、遺体安置所が指定されていないとのことです。これに対応するため、遺体安置所運営訓練は非常に重要だと思っております。  私も見学をさせていただきましたが、警察、医師、歯科医師などにより、犯罪性の有無などを調べる検視から、遺品や歯の治療痕からの身元確認など、多くの人と時間、そして、場所を必要とすることがよくわかりました。  そこで、9月1日に南部体育館で実施した遺体安置所の設営訓練についての状況はどうだったのか、お聞かせください。  今後、遺体安置所を選定するに当たり、地域の方々の協力が必要です。必要なのはわかっていても、自分の家の前に遺体が運ばれてくるとしたら、余りよい気分ではないと感じる人もいるでしょう。また、避難所であった場所を遺体安置所としなければならないことも予測されます。ただでさえ収容量の足りない状態なのに、さらに避難所が減ってしまうことを危惧する方もいるでしょう。  今回の訓練をもとに、住民の皆さんに丁寧に説明して、理解を得られるよう進めていただきたいと思います。  最後に、人権について質問させていただきます。  人権とは、人が人らしく幸せに生きる権利であり、全ての人が持っているものです。それを相互に理解し、相手の人権を尊重していくことが最も重要であると思います。法務省、文科省が毎年、人権教育・啓発白書を出しており、人権に関する課題が山積している中、教育・啓発に関する活動状況等を報告しております。  また、人権教育及び人権啓発の推進に関する法律では、地方公共団体の責務として、基本理念にのっとり、国との連携を図りつつ、その地域の実情を踏まえ、人権教育及び人権啓発に関する施策を策定し、及び実施する責務を有するとされております。人権に関する教育・啓発の重要性がうかがえ、そのための政策を計画的に進めていく必要があると思います。  国では、人権教育・啓発に関する基本計画を策定し、総合的・計画的な推進を図っており、先ほども紹介しましたが、毎年、人権教育・啓発白書も発行しております。  そこで、本市の人権教育・啓発に関する取り組みについて、質問を行います。  まずは、昨年度行われた市民意識調査について、伺います。  平成27年度市民意識調査「私はこう思う」では、5項目の調査のうち3番目に、人権についてとの項目が挙げられております。ここでは、人権侵害に関する項目や人権に関する関心度など、10項目にわたりアンケート結果が示されております。また、国においても人権啓発活動に関する効果検証業務として、本年3月に人権に関するアンケートの結果が示されております。  そこで、市民意識調査の結果はどのようなものであったのか、お聞かせください。  次に、人権教育について伺います。  国の白書において、27年度に講じた施策の項目では、まず、人権教育として学校教育が示されております。そこでは、ア、人権教育の推進、イ、道徳教育の推進、ウ、地域や学校における奉仕活動・体験活動の推進が掲げられ、具体的な事例も含め記されております。  そこで、本市の小中学校における人権教育について、どのように考えているのか。また、具体的にはどのような取り組みを行っているのか、お聞かせください。  最後に、人権啓発について伺います。  国における調査では、人権に関心ありと答えた人が約66%で、前年度の65%とほぼ横ばいの状況で、まだまだ啓発不足であることがうかがえます。  先ほどの質問で取り上げたとおり、本市でも人権に関する調査を行っており、現状の把握はある程度できたものだと思っております。これを踏まえて、今後の事業展開を検討していく必要があると考えております。  そこで、これまで、どのような人権啓発に関する事業を行ってきたのか。その成果をどのように考え、先ほどお聞きした調査結果を踏まえて、今後どのように進めていくのか、伺います。  全ての人が幸せに生活できるよう、ルールをつくったり社会基盤を整えたり、さまざまな支援を行うのが行政の役割であり、人権を守り尊重していくことが行政の仕事そのものであると思います。その意味では、まず、職員全てが人権というものに対し、学び続ける必要があるのではないでしょうか。  さまざまな問題を抱えて窓口に訪れた市民に対し、相手の立場に立って、ともに解決していく姿が人権を意識した姿だとも思います。人権に関する問題が発生してからの対応ではなく、一人でも多くの方に教育・啓発が必要であると思います。  現在、人権啓発に関しては、福祉総務課の1つの係が窓口となっていますが、先ほど申し上げたとおり、人権は行政の仕事そのものだと思いますので、全ての部局が連携した取り組みをしていく必要があると考えます。 32 ◯議長(栗田裕之君) あと1分です。 33 ◯15番(井上智仁君)(続) 全庁が連携した取り組みを進めていくようお願いしておきます。  以上で、通告をさせていただきました全ての質問となります。意見・要望も取り混ぜて質問させていただきましたので、この後の答弁を期待しまして、全ての質問を終わりといたします。  ありがとうございました。 34 ◯市長(田辺信宏君) 私もさわやかに答えたいと思います。  それでは、大項目、人口70万維持についてのうち、人口70万維持の目標達成に向けて、現在の状況を見ると、その達成は厳しいと感じているが、今後も70万人の維持を掲げ続けていくのかとの御質問にお答えします。  もちろん、掲げ続けてまいります。  もとより、これを設定をするとき、客観的な今後の人口の推計値を見ると、これは厳しいな、チャレンジングだなということは、議論があったところであります。  しかし、だからこそ、この目標を達成していこうという考え方を明確に打ち出したんです。それは、静岡市政が、政令指定都市10年目を迎えて、少し無理をしていこう、少し背伸びしたところに目標を掲げようということが必要だと感じたからであります。  ただし、私は、その目標を達成すること自体が目的ではなく、その高くて厳しい目標に向けて一歩一歩努力する、その過程を重視していると、いつも職員に対して言っていることであります。  もう議員御承知のことではありますが、組織経営において目標による管理という考え方は、アメリカ流の、かのピーター・ドラッカー氏が提唱した経営手法の1つであって、戦後、昭和40年代以降、アメリカ礼賛の中で、日本の企業においても取り入れる動きがたくさんありました。  しかしながら、やはり日本的な経営は、それと少し違う文化的背景があることに気がつきました。我が国の経営哲学学会の菊澤研宗教授の言葉をかりると、もともとドラッカーが目指していたものも、人間の自立性や自由意思を尊重した人間主義的な管理、自分がやりたいという気持ちを目標に求め、そこに自律的に向かっていく当事者意識、だから目標設定することが大事だという考え方であったにもかかわらず、いつの間にか、人間の他律性に基づく経済合理的な管理、つまり、もう結果を出さなければいけない、ノルマを達成しなければいけないという、やらされ感の中で運用されてしまったことによって、かえって生産性を悪くしてしまったということが多発しました。  このような運用は、結果として、行き過ぎた結果重視とか成果主義とかノルマ主義を招いてしまい、かえって効率性、生産性を下げる状況を生み出しました。人は理屈だけではなく、数字だけではなく、情け、情感によって動くものであり、目標の解釈を誤ると、逆にモチベーションが維持できないという本来の人間性が置き去りになってしまったわけであります。  私は、かねてより静岡市のみならず行政組織全般として、実現可能で少し手を伸ばせば手が届きそうな目標を掲げがちではないかという感を持っておりました。事実、例えば、この8月に取りまとめた、これは外から見た印象でありますけれども、静岡市政策・施策外部評価委員会評価報告書においても、外部の有識者の委員の皆さんから、総じて、容易に達成できる数値目標を設定しているという厳しい指摘がなされ、外から行政はこのように見られているんだなということを、改めて身にしみたところであります。  できる目標を掲げれば、これはできるんですね。これは私の生きる姿勢にもかかわることであります。例えば、安全を第一に考え、そこに目標を設定する。登山にたとえてみれば、富士山に登ってみようという目標を掲げれば、3,776メートルという目標があります。竜爪山に登ろうという目標であれば、1,040メートル、これはハイキングついでに竜爪山に登る目標1,040メートル達成した、達成率100%だということになります。  でも、それでいいんでしょうか。政令指定都市です。「世界に輝く静岡」を実現するというときに、少し無理をした高いところに目標を置いて、ここに向けて頑張ろうというその過程を大事にしよう、たとえ3,776メートルという富士山頂は力尽きてできなかったかもしれない、しかし、3,000メートルまで登ったら、竜爪山に登り切ったよりもよっぽど高いところまで行ったじゃないかと、その姿勢を持つことが今の静岡市役所には必要だというのが、私のこの70万人という人口目標を掲げた大きな動機であります。  もちろん、この目標のもとには、各政策、施策、事業レベルで実現可能性を見きわめ、少し手を伸ばしただけでは届かないけれども、懸命に背伸びをすれば届く目標をぎりぎりに設定し、それにチャレンジしていくことが大切だという、シンボリックな目標であります。  就任以来一貫して、私はチャレンジを恐れない職員、行政内部の内輪の理屈で行動するのではなく、市民目線や民間目線で物事を考え、当事者意識を持ってみずから行動する職員を求めているということを言い続けてまいりました。  また、自分の権限の届く範囲だけで、自分の課の中で処理すれば、そのほうが簡単に決まっているんです。でも、そのミッションを構成するんだったら、隣の課、隣の局に声をかけて、面倒くさいけれども、そのほうが大きな結果、先ほどの自転車施策もその1つでありますけれども、そのほうが大きな結果が得られるということで、既に局間連携を意識するように働きかけをしてきました。  人口減少問題は、まさに間口が広く、奥が深い課題であります。子育てとか地域コミュニティー、あるいは移住。局を越えて連携ができない限り、到底達成することができない、前に進むことさえできない典型的な、全庁的にオール静岡市で臨む課題だと考えております。  そこで、新たな取り組みとして、今年度から局長会議を毎月やっておりますけれども、冒頭必ず企画局長から、人口減少対策を通年の共通テーマとして設定し、状況を定期的に問題提起し、報告し、そして、その人口減少問題を企画局のものだけではない、各局長が自分の局のものとして何ができるのかという観点から、議論を重ねてまいっているところであります。  そのような局間連携も、少し無理をした高い目標であるから、そうしなければならないという気持ちにつながっているんだと私は考えております。  また、局間連携だけではありません。官民連携、公民連携もその中で、共通の高い目標の中で、じゃ、自分たち市民も、民間も協力しようという芽生えもできてきております。私も産業界、経済界や各種団体などの集まりに数々の場面で、この困難な目標を含め、本市の人口減少の状況やその対策について、発信を続けてきておりました。また、職員にも、そのことを外に対して発信するように求めてきました。  その中で、少しずつではありますけれども、行政が人口70万人という1点に絞って挑戦しているんだ、我々も協力しよう、そういう動きが出てきました。  例えば、先日は、子育て対策に役立ててくれと、缶詰協会の皆さんが、静岡市でおぎゃーと赤ちゃんが生まれて出生届を出すときには、缶詰協会からささやかなプレゼントとして、缶詰セットを無料で提供するという申し出がありました。あるいは、この前は、英和学院の先生方から、ぜひ中学校のときから、将来の静岡のキャリアプランを考える上で、人口減少の問題を市の職員に出前で講義に来て授業をやってほしいという依頼。あるいは、ある自治会では、人口減少をテーマにした、自治会のことだけではないですよ、静岡市全体の人口減少をテーマにしたワークショップを市と一緒にやりたいという御依頼も上がるようになってきました。  このように、市民レベル、民間レベルにおいて新たな動きが芽生え、少しずつ人口減少に一緒に取り組もうとするうねりが生じてきているのは、足を伸ばして手を伸ばして、みんなでやらなければいけないという難しいチャレンジングな目標を掲げているからだと私は思っています。  それを、できっこないじゃんと思うのは簡単であります。しかし、そこを達成すること自体が目標ではなく、それを実現していくプロセス一つ一つをみんなでやっていこうというシンボルが目標だということを、ぜひ御理解いただき、私は人口70万を擁する政令指定都市の長として、このシンボリックな目標を今後も掲げ続け、全力で取り組んでまいりますので、井上議員の御協力、御理解もよろしくお願いいたします。  以下は局長に答弁させます。 35 ◯企画局長(山本高匡君) 総合戦略のこれまでの成果、及び昨年度の社会減についての受けとめについて、一括して御答弁申し上げます。  昨年作成いたしました総合戦略には、短期的に効果の発現を目指す施策と、中長期的な視点から将来の効果を見込んでいる施策を盛り込みました。それらについて現在、着手できるものから順次、取り組みを進めているところでございます。  その成果といたしましては、短期的な施策としましては、例えば昨年、東京有楽町に新設した移住支援センターにおいて、当センターを通じて移住した方が9世帯16人になりました。移住を決心して行動に移すまでには平均3年を要すると言われておりますので、9世帯の移住が実現したことは、一つの成果であったと考えております。  中期的な施策といたしましては、まちの活性化に向けた取り組みが挙げられます。その1つとして、草薙地域において、地元住民を中心とした官民の連携によるJR草薙駅周辺の再開発といったハード面の整備や、草薙ブランド向上のための活動支援などの取り組みが進められております。  そのような中、文教地区としての土地利用の方針や大学誘致の活動などを行った結果、草薙駅北口に常葉大学の移転が決まり、この地区が文教地区としてさらに発展していくと見込まれております。今後は、若者の社会増にもつながる大きな成果であると考えております。  また、長期的な施策としては、産業構造の転換を進めていく取り組みが挙げられます。  その1つとして、海洋関連産業が集積する清水区において、海洋文化拠点構想を進めており、清水を海に関する研究、産業、MICEのメッカとして世界中から人が集まるまちへと再生し、新たな産業、雇用の創出も図ってまいります。  この取り組みの中で、政府関係機関の地方移転という国の方針を活用して、水産研究・教育機構の機能移転や、JAMSTECとの連携が強化されたことは、今後、全国、世界からこれに関係する研究者が集まってくる可能性を秘めた、これまでにない成果であったと考えております。  次に、昨年度の社会減につきましては、人口減少対策の取り組みによる効果が直ちにあらわれるものではないと承知しておりましたが、約900人の社会減は非常に厳しい結果であると受けとめております。  この社会減については、転出入の理由が明らかになる統計データがないため、新たに各区役所でアンケート調査を実施する準備を、現在進めております。このアンケートは静岡大学と共同で設計しており、1年間の調査後に結果を分析し、今後の対策につなげてまいります。  次に、社会減対策を今後どのように進めていくのかについてです。  昨今、価値観が多様化する中で、世代ごとにライフスタイルが異なるため、それぞれの世代において、いつかは静岡と思っていただけるような施策を進めていくことが必要であると考えております。  例えば、20代の若年層に対しては、首都圏でのリクルートカフェの開催や、市内に就職したい学生を支援する就活よろず支援体制事業などの充実強化を図ってまいります。  30代、40代を中心とした子育て世代に対しては、子育てをテーマにした移住体験ツアーをより魅力的に磨き上げ、静岡生活を体験していただく、移住体験住宅の整備などを進めてまいります。  また、60代を中心としたシニア世代に対しては、高齢者がみずからの希望に応じて移り住み、健康でアクティブな生活を送る、いわゆるCCRC構想推進事業などに取り組んでいきたいと考えております。  今後は、今度の休みの谷間になりますが、産業界、金融界、メディアなど産業界の第一線で活躍されている方を委員といたします静岡市創生推進会議を9月23日に第1回を開催していただくんですが、こちらにおいて、総合戦略に対する見直しなど、実践的な意見、提案をいただき、それを実践に移しながら、常に総合戦略を進化させていきたいとい考えております。  また、社会増に向けた庁内の推進体制でございますけれども、ただいま市長から申し上げましたとおり、現在、毎月、局長会議で人口減少をテーマに議論していますが、それは、基本的には自分の局で何ができるかということを主体的に考えていただくということでございまして、そのような各局の取り組みを有機的に連携できる推進体制を強化できるよう、努めていきたいと考えております。  最後に、交流人口をふやすことが定住人口の増加にどうつながるかについてですけれども、交流人口の増加は、観光産業など関連する産業の雇用創出につながるとともに、本市の魅力を知ってもらい、移住先の候補にしていただくきっかけになると考えております。  また、まち自体に魅力があることが交流人口増に必要であり、住み続ける動機となり得ることから、市民の定住にもつながるものと考えております。  総合戦略策定にかかわっていただいた、移住に関する第一人者である、ふるさと回帰支援センターの高橋代表理事からも、いきなり移住を目指してもうまくいかない、まずは、地域に足を運んでもらう取り組みが必要であるとの御意見をいただき、総合戦略の6つの戦略のまず1番目に、「「まち」の存在感を高め、交流人口を増やす」という戦略を掲げ、取り組みを進めております。  また、2013年に観光庁が実施した調査結果から、宿泊する国内旅行者26人分の年間消費額は、定住人口1人分に匹敵するとの試算がされており、地域経済活性化という観点からも、交流人口の増加は重要であると考えております。 36 ◯危機管理統括監(荻野敏彦君) 防災対策に関する6項目の御質問にお答えいたします。  まず、避難所運営において、熊本地震における課題は何かについてでございますが、本市が避難所運営等に派遣した職員からの報告によりますと、課題は主に3つございます。  1つ目は、避難所運営マニュアルに定められていました住民主体の運営が徹底されずに、避難所の運営に支障を来したということ。  2つ目は、障害者や高齢者などの受け入れ体制が整っていなかったこと。  3つ目は、女性のプライバシーに配慮したスペースの確保が不十分だったことでございます。  次に、地域の自主防災組織が避難所運営を実施するに当たっての、地区支部との連携の現状についてでございます。  まず、年度当初、各区で開催されます自主防災連絡会におきまして、自主防災組織の代表と地区支部長とで連絡体制等の確認を行っております。  次に、自主防災組織と地区支部は、年に数回、学校施設管理者や医師を交えて会議を開催し、避難所や救護所の運営のほか、地域の防災上の課題について話し合いを行っております。また、地区支部員につきましては、12月に自主防災組織が実施します地域防災訓練などに参加し、自主防災組織との連携を図っております。  次に、HUGの普及に関する取り組みについてでございますが、自主防災組織への出前講座としまして、平成26年度は8回、平成27年度は9回、HUGの研修を実施しております。また、さらに多くの自主防災組織に実施していただくために、清水区では、全地区の防災指導員を対象にHUGの研修を行いました。  また、自主防災組織以外を対象とした取り組みといたしまして、本年度は県立大学の学生を対象としたHUGの研修も実施しております。このほか、一般市民向けに、県の自主防災センターで毎月実施しているHUG研修会への参加も呼びかけております。  今後も、自主防災組織を初め、事業所や大学などに対してもHUGの普及啓発を図ってまいります。  次に、避難所の収容人数が足りないが、今後、どのように対応していくのかについてでございます。  御指摘いただきましたように、静岡県第4次地震被害想定では、発災直後に本市の避難所へ避難する避難者の数は、最大で約18万人と想定されております。  現在、本市の避難所の収容人数は約12万人であり、現時点において、全ての避難者を収容することは困難な状況でございます。  現実に避難者を収容できなくなった場合につきましては、避難所の施設管理者に利用可能なスペースの開放を要請するとともに、地域の公民館や集会所など、避難生活が可能な場所に避難していただくことも考えられます。  また、自宅でも避難生活を送っていただけるように、住宅の耐震化や家具の固定については、今後も推進してまいります。  次に、指定管理者も避難所運営に積極的にかかわる必要があるのではないかということについてです。  避難所の運営は、自主防災組織と地区支部とが協力して行うこととなっており、指定管理者には施設の管理者として避難所運営に協力していただくことが必要となります。
     現在、一部の施設では、避難所運営の支援等について指定管理の協定に盛り込んでおりますが、施設ごとに協定内容が異なることから、役割分担が明確になっていない施設もございます。  今後は、避難所運営が円滑に実施できるよう、協定の内容について検討してまいります。  最後に、遺体安置所の設営、運営訓練についてです。  これまで本市では、市民の生命を守るため、施設の耐震化や津波避難対策など、被害の軽減に向け、最大限の努力をしてまいりましたが、一方で、大きな災害においては犠牲者が生じることも想定しなければなりません。  そこで、先ほど御質問の中にもありましたように、市としては8年ぶり、駿河区では初めてとなる遺体安置所の訓練を警察、医師会、歯科医師会などの関係機関の協力を得て、南部体育館で実施いたしました。訓練では、遺体安置所の設営から、遺体の搬入、洗浄、検視・検案、歯牙鑑定、納棺、遺族対応までの一連の流れを行いました。  この訓練の結果を検証し、遺体措置計画にも反映してまいりますが、お話にありましたように、遺体安置所の指定については地域の皆さんの御理解が必要となりますので、今後、丁寧な説明を行ってまいります。 37 ◯保健福祉長寿局長(松永秀昭君) 人権に関します2点の御質問にお答えいたします。  まず、平成27年度に本市が実施しました市民意識調査の主な結果についてです。  人権問題への関心度の項目では、非常に関心がある、または多少関心があると回答した人が合わせて約65%で、3人に2人が人権について関心を持っております。  また、人権侵害に関する項目では、人権侵害を受けたことがあると回答した人が30.8%おりました。さらに、人権侵害を受けた場所は、職場や学校と回答した人がそれぞれ半数以上であり、人権侵害の主な理由は、地位や職業、病気、性別などによるものでした。  このように人権問題への関心度は高いものの、人権侵害を受けたことのある人が3割を超えているという調査結果から、人権を守るという意識が、まだまだ低いことが明らかとなり、さらに広く市民の皆さんに啓発する必要があると強く認識いたしました。  次に、人権啓発に関しまして、これまでの事業、成果、そして、調査結果を踏まえて、今後の進め方についてお答えいたします。  まず、人権啓発に関する事業についてですが、これまで人権週間等における街頭啓発や保育園児等を対象に紙芝居や絵本を使った思いやりの心を育む事業、一般市民を対象とした人権啓発講演会を実施してまいりました。  また、平成27年度からは、新たに清水エスパルスと連携した人権スポーツ教室やホームゲームでの人権啓発ブースの出展等を実施するとともに、6月1日の人権擁護委員の日には、ラジオ番組による啓発も行っております。  次に、啓発活動の成果についてですが、それぞれの事業の参加者より、人権についての関心や理解が深まった、偏見や差別をしないようにしたい、人権の重要性について、再認識したなどの意見をいただいており、人権に対する意識の向上が図られているものと考えております。  しかしながら、さきに御答弁しましたとおり、本市が実施しました市民意識調査から、人権を守る意識がまだまだ低いという調査結果が出ておりますので、人権擁護委員や関係団体等と連携し、より効果的な啓発事業を検討し、また実施することによりまして、3次総に掲げる多様な個性を認め合い、ともに暮らすまち、共生都市の実現を目指してまいります。 38 ◯教育局長(望月 久君) 小中学校における人権教育についてでございます。  3次総で掲げている共生都市の理念を受け、第2期静岡市教育振興基本計画では、子供たちが年齢や性別、障害の有無などの人権課題に関する理解を深め、自他を大切にする資質や能力、実践力を養うことが重要と考え、人権教育の充実に努めることとしております。  具体的な取り組みとしては、例えば、小学校では、いじめを題材にしたDVDを視聴したり、人権擁護委員を招いて講話を聞いたりすることなどを通して、人権に関する理解を深めております。中学校では、社会科において、民族や国籍などの人権課題についての新聞記事を活用し、人権に対する自己の考えをより深める指導を行っております。  また、教育委員会では、各小中学校の人権教育担当者を対象とした研修を行っております。各担当者は、自校の人権教育の取り組みを振り返るとともに、人権尊重の視点に立った学級経営や生徒指導のあり方について学ぶなど、研さんを積んでおります。  今後も、子供たちが自己肯定感を持つとともに他者を尊重する姿勢を身につけることができるよう、教育活動全体を通して、人権と命の大切さを学ぶ機会を提供してまいります。 39 ◯議長(栗田裕之君) この際、暫時休憩いたします。         午後0時8分休憩    ───────────────────         午後1時10分再開 40 ◯議長(栗田裕之君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  総括質問を続けます。  次に、望月俊明君。   〔19番望月俊明君登壇〕 41 ◯19番(望月俊明君) 自民党の望月俊明であります。  通告に従いまして、中山間地における生活用水の安定供給について、市民の生活になくてはならない水をキーワードに、これから順次、質問させていただきます。  本市では、人口70万人の維持を目標に、現在、3次総が推進されております。この目標は大変ハードルの高いものでありますが、本市の将来を世界に輝くものとするために、また、次代を担う子供たちに活力ある静岡市をつなげていくためにも、全市民一丸となって汗をかき、さまざまな施策に真剣に立ち向かっていかなければなりません。  田辺市長は、歴史文化と健康長寿をテーマにさまざまな施策を実施し、経済効果の高い、また、裾野の広い観光事業を強力に推進しているものと思っております。  しかし、さまざまなイベントが繰り広げられ、中心市街地に多くの人が集まる一方、緑豊かな自然や集落、コミュニティーなど、そこにとどまり、そこを守り育てる中山間地の人たちへの支援を振り返ると、私はもう少し何とかならないものか、そこで生活できる仕組みづくりのためにもっと税金を投入するなどして、より整備をしてあげることはできないものかと考えてしまいます。  昨年の9月議会で、私は市域の80%を占める中山間地の、特にお茶を中心とした本市農業が秘める成長の可能性について、まちみがきとあわせ、特に、田舎みがきという言葉を提唱しながら、農業を主軸に、そこで生活できる仕組みづくりを本気で進めていってほしいと要望させていただいたところであります。  今回も、水がメーンとはいえ、中山間地の活性化対策を期待する旨の質問でありますので、経済局としても答弁をお願いしたところでありますが、とても経済局だけで答えられる内容ではないことから、所管の保健所生活衛生課にその全てを委ね、全庁的視野に立った答弁を、本日はお聞かせいただけるものと期待しているところであります。  私は、こういう今だからこそ、中山間地で抱える多くの諸問題を扱う専門部局を、総合的な角度からきちんと整備していく、都市局の発展は都市局が担うのと同じくらいに、中山間地の発展は中山間地局が担うといったくらいの強い気概を、私はもってほしいと思っているところであります。それだけ中山間地には価値があるという思いであります。  私のきょうの質問でありますので、ぜひ、ここにいる全ての局長さんたち、どうぞこの大切な里山を守り暮らす人たちの生活を、自分の局に置きかえて、また、自分の局としては何ができるんだ、何をしてあげられるんだということを捉えていただき、それぞれの心の中で御答弁くださると、私は大変ありがたく思う次第であります。  さて、テーマは中山間地の水の安定供給であります。  今回、私がこの質問をしようとしたきっかけは、先月中旬に、清水区由比入山槍野地区で発生した渇水災害、いわゆる、小さな集落が水飢饉に陥った事実からであります。  もちろん、それ以前から、入山地区の強い要望として、生活用水の安定供給を望む声はずっとあったわけでありますが、この渇水事案をきっかけとして、本市当局が局、部、課という組織の枠を超えて、横のつながりを意識し、当局一丸、オール静岡となって、水資源の確保と活用、そして、中山間地の振興をより一層真剣に考えていただける契機になればとの思いからの質問でありますので、田辺市長、どうぞよろしくお願いいたします。  言うまでもなく、私たちの生活に水はなくてはならないものであります。市民に清浄で低廉、しかもおいしい水を届けるため、本市では上水道事業を経営し、蛇口をひねれば、普通にきれいな水が使える環境が整えられております。まことにありがたいことであります。  本市の水道普及率は97%で、これは本市が大正、昭和の時代から実施してきた上水道の整備の努力が着実に実を結んできた、すばらしい成果のあらわれだと、私は感謝する次第であります。  一方、中山間地に点在する小規模な集落では、上水道はいまだ普及しておらず、集落を構成する住民が自主的に、地域にある貴重な水源を見つけ、貯水槽や水道管を整備し、生活に欠かせない水を必死になって確保、維持している現状にあります。  本市においては、水道法の適用を受ける給水人口101人以上、5,000人以下の簡易水道が28施設あり、このうち18施設は本市が管理する公営の簡水となっております。また、公営簡水の18施設のうち15施設は、本年度末までには上水道事業に統合するため、現在、その作業を進めていると伺っております。  ここで清水区の簡易水道を見てみますと、両河内地区に1施設、由比地区に4施設ありますが、いずれも集落の住民が自主的に維持管理する極めて労力のかかる民営水道として経営されております。  さらに、水道法の適用を受けない給水人口100人以下の、通称飲料水供給施設と呼ばれている施設も地域住民が自主的に運営する水道施設であり、現在も市内3区の小規模集落に162カ所が民営として運営されているところであります。  葵区のように、安倍川の恩恵を受けて、湧水や伏流水の豊富な中山間地であればいいわけでありますが、清水区のように表流水を水源とする水道においては、雨や台風時には水源付近の山肌が崩れ、表流水に土砂が混じり、水道水の使用が制約されることも数多くあるわけであります。  昨日も大型台風16号が通過したわけでありますけれども、まさに今、9月議会のこの時期は台風シーズンであり、中山間地の方々は気象情報を横目に見ながら、気の休まらない日々が続くことでありましょう。  高齢化率の高い集落の住民であっても、雨が上がると水源地に行き、水源を閉塞させた土砂や枯れ葉の除去に汗を流し、生活に欠かせない水道の復旧を必死になって図っているわけであります。  さて、ことしは特に雨が少なく、朝の情報番組では、連日報道されていた利根川水系だけでなく、我が静岡市においても同じであり、特に清水区由比槍野においては、7月から8月にかけ、深刻な水不足に陥っておりました。気象庁から出典した、本市の当時の降水量データを見てみますと、7月、8月の合計降水量は167ミリであり、これは77年前の昭和15年に観測を始めて以来、史上3番目に少ない降水量となっております。さらに、ことし7月10日から8月14日までの36日間で20ミリしか降っていないこともわかっております。  このように、雨が少ない状況が続けば、本事案のような深刻な水不足に陥る地域が今後、あちらこちらで出てきてもおかしくないと、私は大変な危機感を持っているところであります。  この夏、槍野地区住民も節水制限をするなど、自助努力に励まれましたが、水資源の乏しい地区であり、自助にも限界があり、また、施設の老朽化も重なりまして、ついに8月には蛇口から1滴も水が出ない渇水被害に見舞われたところであります。  集落住民が地元入山地区自治会、由比地区連合自治会、そして、中山間地地域支援員に相談する一方、まずは共助という意識のもと、入山地区一丸となって何とかこの渇水被害に対応すべく奔走したところであります。  当事者である集落の地区長さんたちが、きょうも傍聴席におみえになっておりますけれども、清水区地域総務課へはもちろんでありますが、本市上水道を経営する上下水道局に対しても、渇水被害の実情を訴え、給水車による給水支援について問い合わせをしたわけであります。  ところが、槍野地区は、上水道の給水区域外ということもあり、支援要請に対して難しいシステムの実態の説明があり、給水車の派遣はすることができるが、約7万円程度の使用料を住民側が負担しなければならないこともわかってまいりました。  槍野地区は約10軒程度の集落であります。1日7万円以上の実費がかかり、何日渇水が続くかもわからないこの危機的状況であれば、金銭的負担が重くのしかかり、住民が不安を抱くのは当然であります。  そこで、飲み水は隣の桜野地区からいただいたり、JAしみず由比支店が理事と一緒に率先してペットボトルを運んでくれたり、トイレや洗濯や風呂水は、地元消防団の自主的な協力を得て、下流域の河川水を50本以上のホースを中継し、中継、中継でやっと1キロ以上も離れた槍野集落上部の貯水槽に数日間にわたりくみ上げていただき、当座をしのいだところであります。  私は、これは見事な共助だと思っておりますが、皆さんはどうお感じになりますか。地元消防団もこれは中継の訓練なんだと、それなりの理屈をつけてまで、協力していただきました。地域が一丸となり、また、我が自民党会派からも強力な後押しをいただき、最終的には市が事情をしんしゃくした上で、給水車を派遣していただきました。  また、その料金についても、生活衛生課と水道総務課等が組織横断的な連携、判断により、集落住民に負担が重くのしかからないよう手続を進めていただき、大変助かった次第であります。  槍野集落の住民は、本市がとった今回の措置に対し、本当に涙を流して大変感謝しているところであります。本当にありがとうございました。  しかしながら、今回のこの槍野地区の問題は、特例の特例であったのか、また、今後、上水道供給区域外の全ての民営簡易水道、飲料水供給施設に置きかえて考えてみたとき、給水区域外であっても給水車を派遣することはできるのかどうか、非常に気になるところであります。  今回は事が事だけに、我が会派からも貴重な後押しの声をいただきました。別に圧力をかけたわけではありませんが、こうした声がなければ事が進まないような、今の縦割り行政を早急に見直さなければ、住民は本当に不幸であります。  田辺市長は、現場の声を大切にする方であります。この後の答弁には大いに期待したいと思っております。  自分たちの集落を守り、正しく納税し、日々汗をかいている中山間地の方々が、生活に欠かせない水に困窮したとき、本市はどのような手を差し伸べることになるのでしょうか。これは、本市全域にわたる市民生活の安心・安全にかかわる極めて重要な問題なのであります。  今回は、東日本や熊本地震のような大規模災害でもなく、土砂くずれでもなく、河川の氾濫でもありません。しかし、50日に満たない照りによる渇水であれ、市民にとっては生活に直接かかわる大きな災害なのであります。  今回のこの渇水問題は、これからの上水道供給区域外の中山間地での生活を維持することに関して、大変ゆゆしき事態であるとともに、超高齢化社会の到来に向け、中山間地での生活を維持する上において、今、大変な問題が生じていることをどうぞ御理解していただきたいのであります。  そして、このような中山間地に点在する小規模な集落で、自主的に水道を運営する現状を本市当局においても知らないわけはなく、また、上下水道局も区域外とはいえ、十分把握しているものと思っております。  今は、市長部局の保健所生活衛生課が事務分掌として所管していただいておりますが、所管であれ、所管外であれ、こうした課題については、常に連携を図るべきなのであります。  上下水道局では、平成27年3月にしずおか水ビジョン、及び第3次中期経営計画を策定し、上下水道の安定経営、よりよいサービスの向上に日々邁進していることであります。  そして、この経営計画書の12ページ、施策2の簡易水道事業などとの統合の欄に、未普及地域への対応ということで、集落で運営する簡易水道、飲料水供給施設の現状と将来の見通しについて触れられております。  朗読しますと、「本市水道の未普及地域については、山間部等で収益が見込めないため、今後の給水区域拡張にあたっては、経営を圧迫しないよう慎重に検討します。また、対応については、市関係部署との連携を図ります。」と記載されております。  この問題で住民らが当局と折衝したとき、この記載にあるような上下水道局と保健所に関係部署としての連携があったかどうか、いささか疑念が残っております。  さらには、今議会に提出されている平成27年度決算の監査委員からの意見書においても、簡易水道事業の公営化について調査したところ、本来、簡易水道事業の実質責任を持つべき市長部局の部署からも明確な説明がなく、保健衛生医療部全体としての責任体制が不明確であり、上下水道局との意思疎通もできていない状況が見られたとの報告が記載されております。  また、簡易水道事業の経営のあり方や将来像、ひいては、本市中山間地域における飲料水の安定供給について、総合的な政策をどこがどう責任を持って担っていくのかを、早急に明確にされたいと進言しております。  以上のように、本市の上水道という地方公営企業は、給水区域の枠の内外にとらわれず、市民生活に欠かせない、なくてはならない水について、本市として早急に責任を持って政策を講じるよう、監査でも指摘されているわけであります。  そこで、質問いたしますが、民営簡易水道、飲料水供給施設の現状と課題は何かについて、当局はどう把握しているのか。  また、中山間地域には公営と民営の簡易水道がありますが、その経緯について、まずは、お伺いいたします。  次に、先月、清水区由比槍野地区で発生した飲料水供給施設の水不足については、どのように認識され、公営企業管理者の管轄区域外の中山間地域における水の安定供給について、市長はどのように考えているのかについて、お伺いいたします。  このまま質問を続けます。  何度も言うようですが、この中山間地の持つ多面的な機能をいかんなく発揮させるためには、本市が中山間地域の振興に真剣に取り組み、熱い手を行政が差し伸べ、市民と協働し、田舎みがきに汗をかくことが必要であります。  昨年9月の一般質問でも要望しましたが、中山間地で暮らす人たちがそこにとどまり、生活に困らないような仕組みをつくり上げていくことが、本市行政のしなければならない大きな課題の1つであります。  中山間地で生きる仕組みを確立させるためには、オクシズ、「しずまえ」に代表される交流人口を増加させる観光施策も大切ではありますが、いま一度、中山間地域での生活の基盤、ライフラインを整えていくことでありますが、今はこの水問題が最も重要ではないかと、私は痛烈に感じている次第であります。  本市上下水道局は地方公営企業であります。企業の理論から言えば、お金、つまり水道使用料と交換に水を供給するわけでありますから、当然、上下水道局職員は企業的感覚を持ち、そのルールにのっとり、きちんとした裁量を持って事を処理することでありましょう。  しかし、そこに働く企業局職員といえども市役所の職員であります。公僕として市民のため、ふるさと静岡のために役立ちたい一心で市役所に奉職なされたものと私は感じております。今回のこともそうでありますが、収益が見込めない山間部への区域の拡張は経営を圧迫することから、慎重にしなければならないとする上下水道局の経営方針も理解するが、このような渇水に関しては別問題であります。  管理区域外だから、上下水道局として直接的には支援できないという、今のがちがちにかたい決まりだけを遵守することが本当に正しい行政なのか。上下水道加入者を守るがための上下水道局であることは、もちろん正しいことでありますが、これでは一般市民の理解を得ることは大変難しい問題であると思っております。  市役所の職員は全体の奉仕者として、こういうときにこそ、さまざまな問題を横断的に考え、おかしいなと感じたときには、積極的に提案していくことが大切ではないかと感じるわけであります。  余談でありますけれども、市役所、役場の漢字を分解してみますと、役に立つところ、役に立つ場所と言いかえることができます。また、役どころという意味を調べてみますと、その役にふさわしい人と出てまいります。市役所は、市民の役に立つところ、役に立つ場所であり続けることが重要であり、その役を司る人は、その役にふさわしい人がなるべきなのであります。  そのような考えに立てば、これは私の課ではできないなんていう答えは出てこないはずであります。部局を超えた大きな視点に立って、こう考えればこう支援できるのではないかと、できる限り市民の目線に立った市民の要望に応える方法を、これからは考えていただきたいのであります。  そして、この体制を構築するには、まさに縦割りを排し、職員が大きな視点に立って横断的に仕事を進めるためには、職員の意識改革が必要であり、その全ては田辺市長の行政手腕にかかっているわけであります。  今回のこの水問題は、職員の意識改革のチャンスであり、関係部局で連携し、課題を整理する、まさにいい事例であると感じております。そして、大事なことは、今後、このような問題に直面したとき、職員が困らないよう、また、迅速に行動ができるよう、総合的に総務局や企画局や、それらを中心に区役所とか上下水道局とか財政局とかが、オール静岡で一丸となってこれを連携して、今からその計画の策定に向けた研究を進めることが、私は必要だと感じているところであります。  話をもとに戻しますが、本市の支援制度を調べてみますと、保健所生活衛生課において、経営が脆弱な集落で運営する飲料水供給施設に対して補助金を制度化し、施設の整備に対して補助金を交付し、飲料水供給施設経営の支援を後押ししていただいているわけでありますが、集落にとってはまことにありがたいものであります。  しかしながら、これらについても、合併により新静岡市が誕生し、新しい市域が編成された中で、中山間地の皆様に十分な周知を行い、また、有効に活用されているのか、また、今の助成制度の割合で本当にいいのかといった不安材料が残っているわけであります。  そこで、質問させていただきますが、民営簡易水道、飲料水供給施設の現状と課題について、経営的に脆弱な民営簡易水道、飲料水供給施設の安定供給に対する市の助成について、現在どのように支援しているのかについて、お伺いいたします。  さらに、市全域にわたる水の安定供給を目指し、水運用に係る計画の策定を今からすべきと考えますが、どうかについて、お伺いいたします。  そして、最後に、私が最も聞きたい質問でありますが、中山間地域を含めた市域全体の水運用を支える全庁的な体制が必要と考えていますが、どうかについて、当局のきちんとした考え方について、その方針をお伺いしたいと思っております。  以上、1回目であります。 42 ◯市長(田辺信宏君) 私からは大項目、中山間地における生活用水の安定供給についてのうち、公営企業管理者の管轄区域外の中山間地における水の安定供給について、市長はどのように考えているのかとの御質問に簡潔にお答えしたいと思います。  まずもって、先ごろ、由比入山地区で発生した給水施設の老朽化による渇水事案の件につきまして、議員御発言のとおり、きょう傍聴にいらっしゃっている地域の役員の皆様を初め、住民の皆様が地域で起こったこの窮状に素早く団結、協力、支援してくださったことに厚く御礼を申し上げますとともに、地域の皆様にくれぐれも市長からよろしくお伝えいただきますよう、お願い申し上げます。御礼方々よろしくお伝えください。  さて、水、特に飲料水の安定供給は、人々の快適で豊かな市民生活を送る上では、なくてはならないものであります。
     本市は、清流である安倍川や興津川など豊かな自然環境に恵まれ、清らかな水を市民の皆さんにお届けできるよう、昭和初期の時代から上水道供給事業を開始し、現在に至るまで、主に都市部となる給水区域において着実な拡張・整備を進めてまいりました。  その一方、中山間地においては、急峻な地形を擁している地勢的な条件が上水道事業の拡張を阻んできました。そのことから、個人、あるいはその地域にお住まいの市民の皆さんが共同で飲料水の供給施設を設置し、水の確保を歴史的に行ってこられました。  しかしながら、ときの経過とともに、これまで住民の皆さんの懸命な努力によって支えてこられた施設そのものの老朽化が進み、そして、何よりもそれを支えている住民の方々の高齢化も進み、その施設の維持管理もままならない、そういう状況が現実となっております。  このことから、全ての市民の方が快適で豊かな生活を送るために、水の安定供給体制を確保することは、市民の安心・安全な暮らしを守るという3次総のビジョンに向けて、私の重要な使命だと考えております。  そして、今回の問題提起は大変な契機になりました。調べてみたところ、飲料水供給施設で起こった今回の渇水案件は、潜在的に同様の問題を抱える地区が静岡市内に多数存在することがわかりました。ですから、今後、ますますこのことについて深刻化することが懸念をされる、大きな行政課題であり、この対応につきまして、広く全庁的な取り組みが必要であるという認識に至りました。  そこで、まずもって、今回の件を今後の施策に生かすため、私と副市長がみずから現地現場主義という理念のもと、現地に赴いて、この問題の確認をしてまいりたいと思っております。  一方、本市としては、この水問題に対してスピード感をもって取り組むべく、過日、関係部署による庁内検討会議も発足させました。私からは、この庁内検討会議の使命として、まず、現在の静岡市内における民間簡易水道、飲料水供給施設の実情を早急に把握することとし、その分析結果から、行政が具体的に何を支援できるのか、それを検討し、二役に提案するように指示いたしました。  水問題で不安を抱えておられる市民の皆さんの、この不安を安心に変えていくために、初動として、このような取り組みを進めていくことに着手してまいります。  なお、具体的な進め方につきましては、この後、副市長から答弁させます。 43 ◯副市長(小長谷重之君) 私からは、水運用にかかわる計画の策定、及び全庁的な体制づくりに関する考え方につきまして、お答えさせていただきます。  中山間地における水の安定供給は、本市にとりまして今後ますます深刻化することが懸念され、ただいまの市長の答弁のとおり、全庁的な対応が必要な問題であると認識しているところであります。  これまで本市では、施設整備への助成制度による対応を行ってまいりましたが、このたびの由比入山地区の水不足の事案を受け、これまでの助成制度に加え、地域の実情を踏まえた支援策を検討していくことが必要であると考えております。  このため、関係部署による庁内検討会議を、去る9月13日に発足させました。この検討会議は、局間連携により、保健所を初め、関係する上下水道局、各区役所、経済局などの関係課職員をメンバーとして構成しております。  この中では、まず、スピード感を持って取り組まなければならないものとして、市内の民間簡易水道や飲料水供給施設の利用者の皆様から声のあった、緊急時における市の対応体制を早期に確立することを議題とし、年内を目途に対応体制を整えていくことといたしました。  次に、議員御指摘の水運用に係る計画の策定など、総合的な施策を計画的に進めていくためには、市内に多数の対象施設があり、なおかつ、多様なニーズが存在することも考えられますので、その実情を早期に把握するため、速やかに実態調査をしてまいります。  その上で、中山間地にお住まいの皆様の安心・安全のための水の安定供給について、全庁的で、迅速かつ十分な議論を重ね、庁内体制を含めた総合的な施策を検討してまいりたいと考えております。 44 ◯保健福祉長寿局長(松永秀昭君) 民営簡易水道、飲料水供給施設に関する3点の御質問にお答えいたします。  まず、民営簡易水道、飲料水供給施設の課題についてですが、民営簡易水道につきましては、過疎化による利用者の減少や施設の老朽化が進み、利用者みずから整備を行っている施設では、高齢化により施設の維持管理が難しくなってきていることが挙げられます。  次に、飲料水供給施設の課題につきましては、簡易水道と同様に、施設の老朽化などが挙げられます。さらに、簡易水道に比べ、水源の規模が小さいため、渇水や大雨による水源の濁りなど、天候の影響を受けやすいという課題もございます。  次に、民営と公営の簡易水道が整備された経緯についてですが、民営簡易水道につきましては、住民みずからにより整備したもの、あるいは開発行為の際に、開発事業者により整備されたものでございます。  また、公営簡易水道につきましては、昭和32年の水道法の成立後、主に住民からの水道整備の要望を受け、市が国庫補助の制度を活用しながら整備したものでございます。  最後になりますが、現在の経営的に脆弱な民営簡易水道、飲料水供給施設の安定供給に対する市の助成についてですが、昭和63年度から飲料水供給施設等の整備に対して助成を行っております。  現在の対象施設は、給水区域外の民営簡易水道と、3世帯または10人以上の規模の飲料水供給施設でありまして、施設の新設、改造、修繕に要する経費の7割を助成しております。  また、実績といたしましては、平成27年度末までに延べ142件、約1億6,000万円の助成をしており、26年度は10件、約1,800万円、27年度は10件、約2,800万円を助成いたしました。  今後とも、助成制度運用などを通じまして、安心・安全な生活環境の確保に努めてまいります。   〔19番望月俊明君登壇〕 45 ◯19番(望月俊明君) 御答弁ありがとうございました。  私も質問の組み立て上、1回で一気に質問させていただいたわけでありますけれども、市長、副市長からは大変前向きに、しかも丁寧に御答弁いただき、感謝いたします。  特に、市長からは、今回の事案を強く受けとめていただき、地域の住民が高齢化によって大変苦労しているという難しさも十分理解していますよと、だから、早速、全庁挙げてこれに取り組むべき指示をしたという答弁をいただいたと思っております。ありがとうございました。  また、市長の政治姿勢であります現地現場主義、そうした信念から、市長みずからが槍野の現場を訪れると。そこで確認して、今後の施策に生かすという御答弁をされました。私はびっくりしております。  本当に、中山間地の生活に困っているところへ出向いていただき、水源地まで結構歩かなければいけない、もしかしたらイノシシとかクマが出るかもわかりませんが、来ていただけるということでありますので、期待しております。  2回目は、意見・要望とさせていただきます。  さて、ゲリラ豪雨や、たび重なる台風の襲来によります災害が、全国各地で発生しております。また、想定外という言葉が世間で話題になったように、今後も予測できない災害が発生することは、当然考えられることでありましょう。  そのようなとき、まず必要なことは、住民みずからの自助であり、互いに助け合う共助であります。そして、何よりも公助、行政の手が必要になってくるのであります。  現在は市民活動も活発化し、NPOなどもありますが、やはり公助は私たち市民の命、行政の使命なのであります。先ほども言いましたが、困ったときに役立つところ、私たち静岡市役所は常にそのような場所であり続けるべきであります。また、困ったときに役立つ市役所には、市民の立場に立って物事を考えられる、市民に寄り添える、そんな役どころにふさわしい職員がいなければならないのであります。  そのような考え方を念頭に、私は次のことを要望いたします。  まず、1点目でありますが、今回の槍野地区の問題のように、他の中山間地域においても、渇水災害が発生することが懸念されております。そのようなとき、もし公助の手が差し伸べられない状態では、市民は生活に不安を持つどころか、行政に対する不信感も発生してくるわけであります。  そこで、まずは、先ほども答弁していただきましたけれども、今からそのような問題を想定して、民営簡易水道、飲料水供給施設の渇水問題に対して、行政としてはどのように支援できるか、どんな対応ができるか、早期に応急対応マニュアルをしっかりと整備していくことを要望いたします。  次に、2点目でありますが、監査でも指摘されておりますとおり、水に関する上下水道局と保健所との仕事の事務分担が不明確であり、問題があった場合の指示系統や、責任体制がいまだ確立されていないと感じております。  指示系統や責任体制を明確にするためには、民営簡易水道及び飲料水供給施設の水に関する市の組織機構の体制づくりに関して、その対策と整備を早急に講じるよう、強く要望するところであります。  そして、できることでありますれば、近い将来、こうした民営簡易水道が公営企業管理者の責任ある管理のもとに、こうした上下水道局の給水区域となるための研究を、大変ですけれどもしていただきたい。そういう調査研究をぜひきょうから行い、何とかしてこういう地域を上水道給水区域に入れてあげることはできないかも含めて、御検討いただけるとありがたいと思っております。  最後に、3点目ですが、田辺市長が作成した3次総最大の目標であります人口70万の維持は、中山間地の振興なくして、私はあり得ないと思っております。  なぜならば、やはり都市部の生活を支えているのは中山間地。中山間地が輝いていてこそ都市部があるという考えであります。今は経済局にある中山間地振興課でありますが、田舎みがきを推進し、総合的諸問題を、より確実に事業の実行性を高めていくためには、組織の横のつながりを意識して、中山間地振興課を一つのもっと大きな部局、大きなセクションに位置づけて、それを核とした、庁内での横断的な体制づくりに発展させていただきますことを、強く要望するところであります。  私たち議会にも、中山間地活性化調査特別委員会もあり、また、議員の中には、中山間地を抱え、山積する課題に奔走している議員も相当多いと思っております。  そんなことから、港湾議員連盟はあるんですけれども、私はこうした中山間地を活性化する議員連盟を立ち上げていく必要があるのではないかと感じるわけであります。  緑豊かな台地が広がり、その恩恵は水、食料、環境と私たちの市民生活に欠かせないものばかりであります。我々はその恩恵を受けるだけではなく、その貴重な財産を大切に保全し、次世代に生きる若者たちに確実につないでいくためには、今、みずからが意識して行動し、この中山間地をいかにして活性化すればよいか、いかにしたら里を守り暮らしている住民の負担を軽くしてあげることができるのか、真剣に考えていかなければならないと、私は感じている次第であります。  子供たちの未来のために、中山間地を総合的な立場に立って振興する努力をお願い申し上げまして、質問の全てを終わらせていただきます。  ありがとうございました。 46 ◯議長(栗田裕之君) 以上で総括質問を終了いたします。  ただいま議題となっております認定第1号外32件は、既に配布した議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。    ─────────────────── 47 ◯議長(栗田裕之君) 以上で本日の日程は終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。         午前1時48分散会    ─────────────────── Copyright © Shizuoka City, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...