4 ◯31番(山根田鶴子君) 皆様、こんにちは。
ただいまから総務委員会に付託となりました議案第1号平成27年度静岡市
一般会計補正予算(第5号)中所管分を初めとする10件の議案につきまして、審査における意見・要望を中心に審査の結果を御報告申し上げます。
初めに、議案第1号中所管分であります。
まず、
住民情報システム整備事業について、市民の皆さんの個人情報に関する不安を払拭するためにも、市の
セキュリティー対策を市民にPRし、理解されるような努力を求める発言がありました。
次に、
防災施設等整備事業について、市民が安心・安全な生活をするためにも、
津波避難施設の整備に積極的に取り組むとともに、空白地域の解消に努めていただきたいとする意見が述べられました。
また、多額の
防災施設等整備事業費が繰り越されている点を指摘する発言があり、
地域防災計画に沿った事業の推進を図られたいとする要望がなされたところであります。
次に、
地方創生加速化交付金を活用した事業について、国の制度が終了した後もほかの都市との連携も図りつつ、財政確保に努めていただきたいとする要望がありました。
次に、
ふるさと寄附金受入推進事業について、市民に対する一層の事業の周知を図るため、わかりやすい広報に努めるとともに、寄附金の使途についても明らかにし、情報発信に努めていただきたいとする要望がありました。また、
ふるさと寄附金は、交流人口の増加や、
シティプロモーションの施策として取り組むことが総合戦略の推進につながるものであるので、所管する組織について検討していく必要があるとする意見がありました。
さらに、返礼品の内容だけに捉われず、本市が重点的に取り組む施策をPRし、その推進を応援する市民や、他市の皆さんからの寄附につながるよう、制度本来の趣旨に沿ったPRを行っていただきたいとする発言もなされました。
次に、
繰越明許費全般について、庁内の連絡会議やヒアリングのみならず、
政策チーム等の設置をするなど、
繰り越し事業の縮減に努められたいとする意見がありました。
次に、議案第6号の
競輪事業会計補正予算について、2月27日からたちあおい賞争奪戦の記念競輪が開催され、多くの来場者が見込まれるので、快適な環境づくりをしていただきたいとする要望がありました。
そのほか、静岡市職員等の給与制度の総合的な見直しに関連する議案第21号、議案第24号、及び議案第27号について、地域の経済を活性化させるためにも、職員給与の改善を進めていただきたいとする発言がありました。
おおむね以上のような要望・意見が述べられた後、議案第1号中所管分については、
マイナンバー制度にかかわる議案であるため反対する旨の討論がありましたが、本件は賛成多数をもって、残る議案第2号、議案第5号、議案第6号、議案第21号から議案第24号まで、議案第26号、及び議案第27号の以上9件は、全会一致をもって、それぞれ原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。
5 ◯議長(繁田和三君) 次に、
市民環境教育委員長、工藤公彦君。
〔10番工藤公彦君登壇〕
6 ◯10番(工藤公彦君)
市民環境教育委員会に付託されました議案第1号平成27年度静岡市
一般会計補正予算(第5号)中所管分を初めとする5件の議案につきまして、審査における意見・要望と審査の結果を御報告いたします。
初めに、議案第1号の
一般会計補正予算中所管分のうち、
森下小学校改築費につきまして、
校舎建築工事設計業務委託における
事務事業事故に関し、再発防止に全力で取り組んでいただきたいとの要望が全ての委員からありました。また、再発防止策として、組織としての事務処理、事務管理、業務への対応における問題点など、事故の原因をさらに掘り下げた検証を行うこと。組織の横の連携をとる際のルール、及び
マニュアルづくりをすること。組織のけじめとして、責任の所在を明らかにし、対外的に示すことなどの意見が挙げられました。
ほかに、静岡市としてどのような学校施設が必要かという議論を尽くし、校舎の標準的な仕様を決めておくべきではないかという発言もありました。
さらに、新校舎の完成に10カ月のおくれが生じたことについては、森下小学校の学校関係者や児童とその保護者、あるいは地域の皆さんに対して、説明をきめ細やかに行うなど、今後も誠意を持って対応してもらいたいという要望が多くの委員から述べられました。
議案第1号については、ほかに
小中学校照明設備改修工事について、建物だけでなく、設備の耐震化も児童生徒の安全確保の上において早急に対応すべきことであるので、引き続き積極的に進めていただきたいとの意見がありました。
おおむね以上のような意見・要望が述べられた後、議案第1号中所管分については、登録、
証明書交付事務経費が
マイナンバー制度の関連事業であるため、この制度自体に反対であること。議案第31号の北部学校給食センター建替
整備等事業のPFI手法による
特定事業契約については、コスト削減の利点はあるが、
サービス提供の主体が企業になることは、食教育のあり方としてふさわしいものでなく、給食は教育委員会が公的責任のもとで提供するべきであるとの反対討論がありましたが、表決に付しましたところ、議案第1号中所管分と議案第31号は賛成多数をもって、議案第10号、議案第20号、及び議案第25号は全会一致をもって、それぞれ原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。
7 ◯議長(繁田和三君) 次に、厚生委員長、鈴木節子さん。
〔25番鈴木節子君登壇〕
8 ◯25番(鈴木節子君) 厚生委員会に付託となりました議案第1号平成27年度静岡市
一般会計補正予算(第5号)中所管分外6件の議案及び請願1件につきまして、審査における要望・意見と審査の結果を御報告いたします。
初めに、議案第1号中所管分のうち、
保健福祉局所管分についてです。
年金生活者等支援臨時福祉給付金給付事業につきましては、短期間での受け付けになるため、事務事業も大変になるかと思うが、これまでの
臨時福祉給付金事業での課題や経験を生かし、市民への丁寧な対応に努め、対象者が漏れなく給付を受けられるように進めていただきたいとの要望がありました。
次に、
高齢者生きがい活動促進事業費助成につきましては、この事業の趣旨が市民に伝わるように努めていただき、高齢者の生きがいにつながることを期待するとの発言や、生きがいや健康づくりに資する大変有効な事業であることから、積極的にこの助成事業を進めていただきたいとの意見がありました。
次に、
子ども未来局所管分についてであります。
私立認定こども園整備費助成につきましては、私立幼稚園から
こども園移行についての意見や現状をしっかり聞き取り、信頼関係を深めて
待機児童解消のために一層の努力をお願いしたいとの要望が述べられました。
次に、本市の子育てのよさを情報発信するための静岡あったか
家族応援事業につきましては、若い世代の職員や民間企業の声も取り入れていただきたいとの意見や、子育て世帯の満足度が上昇するような事業を求める発言がありました。
さらに、共働き子育てしやすい
街ランキングでの第1位は客観的な外部の評価であり、これを絶好の機会と捉え、
移住支援センターともタイアップしながら、市外、県外への効果的なアピールを求める意見がある一方、評価はするものの、子育て支援の内容が伴うものであるか不安を感じるとの発言もありました。
おおむね以上のような意見・要望が述べられた後、議案第1号中所管分については、
福祉トータルシステムや
介護保険システムの改修が
マイナンバー制度にかかわる議案であることや、
年金生活者等支援臨時福祉給付金給付事業は一時的な施策であり、根本的な解決にはならないことから反対する旨の討論がありましたが、本件については賛成多数をもって、また、議案第4号、第7号、第12号、第13号、第15号及び第19号の6件は、全員異議なく、それぞれ原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
次に、請願第1号でありますが、まず、年金制度を維持するためには、負担と給付のバランスを考慮した上で長期的に持続する仕組みを構築することが大事であり、財源がなければ改善は見込めないとして、本請願には賛成しかねるとの発言がありました。これに対し、現在の年金制度は、
現役労働者数の減少に合わせて支給水準を削減する仕組みであり、問題であることや、
最低保障年金制度は国の基盤であり、超党派で議論をしていくべきであるため、本請願に賛成するとの意見が述べられたところでありますが、請願第1号は賛成少数で不採択とすべきものと決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。
9 ◯議長(繁田和三君) 次に、
観光文化経済委員長、遠藤広樹君。
〔17番遠藤広樹君登壇〕
10 ◯17番(遠藤広樹君)
観光文化経済委員会に付託となりました議案第1号平成27年度静岡市
一般会計補正予算(第5号)中所管分、議案第9号、第14号の3件の議案につきまして、意見・要望を中心に審査の結果を御報告いたします。
初めに、議案第1号中所管分の中で、まず、
観光交流文化局所管分についてです。
日本・スペイン・
シンポジウム開催事業について、予算を増額して中身の濃い事業になっている。こうした事業を継続していくことが静岡市の強みとなり、文化となるので、しっかりと取り組んでいただきたいとの意見が複数の委員からありました。また、こうした事業の費用対効果を見える化し、市民への効果的な周知によって多くの市民参加を求める意見や、議員が発信している
フェイスブックなどによる情報拡散の活用を提案する発言がありました。
次に、
三保松原保全活用事業については、保全、観光、景観などの窓口が、市民にわかりやすいように一体的に進めていただきたいとの意見や、
ボードウォーク整備事業に関して、輸入材であるユーカリの使用については、地元材の使用を再検討していただきたいとの要望がありました。
次に、
動物園管理運営事業について、ロッシーが無償で貸与されている意義は、これまでの
レニングラード動物園との交流の成果である。
レニングラード動物園の一行がこの春に来静される予定だが、しっかりと歓迎し、市民にPRしていただきたいとの意見や、その際に子供たちが歓迎したり、名づけ親も参加できる事業などを検討していただきたいとする発言がありました。
そのほか、動物園に関しては、死亡した代替キリンの早期来園。
スポーツ振興に関しては、学校への
夜間照明施設等の早期整備などを求める発言がありました。
次に、
経済局所管分についてです。
地方創生加速化交付金を活用する事業である産学官連携による
海洋産業創造事業、広域連携による水産物6次
産業活性化事業、
特産茶戦略的輸出支援事業の3つの事業については、静岡市の主要産業である重要な事業なので、事業目的を達成できるようしっかり進めていただきたい。特に、広域連携による水産物6次
産業活性化事業について、静岡県中部圏域全体の活性化のため、4市1町で行う各事業は、静岡市がリーダーシップを発揮して進めていただきたいとの意見や、事業の実施に当たっては、オクシズと「しずまえ」との連携も考慮していただきたいとの要望がありました。
次に、
企業立地促進事業費助成について、さまざまな規制緩和や企業立地の
専門部署設置など、重点的に進めていただきたいとの要望や、設備投資だけでなく、工場立地も促進するような助成制度を検討していただきたいとの発言がありました。
そのほか、災害復旧時の国が行う
公共災害対策を積極的に活用できるよう、国へと働きかけてほしい。また、国の基準では原状復旧となるが、少しでも市民の利便性が向上する復旧となるような対応を考えてほしいとの発言がありました。
次に、議案第9
号農業集落排水事業会計補正予算に関連して、住民の生活環境にかかわる事業であるので、今後の事業推進では丁寧な説明となるよう、十分な配慮をお願いしたいとの要望がありました。
おおむね以上のような意見・要望が述べられた後、各議案を表決に付したところ、3件の議案は全会一致をもって、それぞれ原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。
11 ◯議長(繁田和三君) 次に、
都市建設委員長、井上智仁君。
〔16番井上智仁君登壇〕
12 ◯16番(井上智仁君) それでは、
都市建設委員会に付託となりました議案第1号平成27年度静岡市
一般会計補正予算(第5号)中所管分を初めとする議案7件につきまして、委員会における要望・意見を中心に審査の結果を御報告申し上げます。
初めに、議案第1号の
一般会計補正予算中所管分であります。
バス路線維持費助成については、不採算路線に関する助成と理解しているが、その内容はICカードの普及やバス車両への
ドライブレコーダーの設置など、設備投資を含むバス事業全体に係る助成のように感じる。不採算路線の対策が難しいことは理解しているが、バス事業者にも努力を求めるとともに、助成のあり方についても検討されたいとの意見がありました。
安倍川駅
周辺整備事業については、すばらしい駅舎ができたことを高く評価する。今後は駅前広場の整備や
アクセス道路の早期着工により、駅周辺のまちづくりを進めてほしい。また、同事業について、事業工程に沿った事業進捗を強く期待するとの発言がありました。
木造住宅耐震補強事業費助成について、市内にはいまだ多くの耐震補強が必要な木造住宅が存在することから、対象の住宅に対するきめ細かな対応に努力してほしい。
また、
地域居住機能再生推進事業については、安倍口団地の再生を目指したものでありますが、事業推進に当たっては、医療、福祉、民間企業等とも連携を図り、魅力ある地域の再生に取り組まれたいとの要望がありました。
日本平公園山頂シンボル施設回廊設計費負担金に関連して、
外国人観光客の誘客などのため、日本平山頂の整備に期待している。公園区域には各種の法規制があるため、事業推進に向けて難しい点があると聞いているが、県とも連携していい施設を整備するよう努力してほしいとの意見が述べられました。
下川原南土地区画1号線については、工期どおりの事業執行に期待している。また、国道150
号静岡バイパス避難階段設置事業については、避難先の安全確保にも十分注意して取り組んでほしいとの発言がありました。
次に、議案第11号の
駐車場事業会計補正予算に関連し、静岡駅
北口地下駐車場、及び
草薙駅前駐車場について、利用者と使用料収入の増加に向けた積極的な取り組みを促すとして、例えば月決めでの利用を検討するなど、収入の増加策も検討されたい。また、過日報道があった静岡駅
北口地下駐車場の
使用済み回数券が違法に
金券ショップに出回った事件について、このような事件が二度と起こらないような対策を求めるとの発言がありました。
次に、議案第34号の市道路線の認定については、農道や私道等を市道認定してほしいとの要望を多くの市民から聞くので、市道認定に当たっては、公平性を保った上で、積極的に対応してほしいとの要望がありました。
おおむね以上のような要望・意見の後、日本平公園の整備について、日本平が持つ自然環境や茶畑などの景観を生かしたものにするべきであり、現在の計画には賛成しかねるとして、議案第1号の
日本平公園山頂シンボル施設回廊設計費負担金について反対するとの討論の後、当委員会に付託された7件の議案を表決に付したところ、議案第1号中所管分については賛成多数をもって、議案第3号、11号、30号、32号から34号の6議案については、全会一致をもって可決すべきものと決しました。
以上、御報告申し上げます。
13 ◯議長(繁田和三君) 次に、
企業消防委員長、早川清文君。
〔11番早川清文君登壇〕
14 ◯11番(早川清文君)
企業消防委員会に付託されました議案第1号中所管分外6件の議案につきまして、審査における意見・要望等審査の結果を御報告いたします。
初めに、病院局の所管についてです。
病院事業会計の収支の状況から、厳しい経営状況も見受けられるが、引き続き医師、
医療スタッフ等の確保に尽力していただきたい。また、診療所との連携をさらに進め、地域の基幹病院として、市民の要望に応えた医療の提供に努めていただきたいとの要望がありました。
次に、消防局の所管についてです。
非
常備消防庁舎施設整備事業については、今回の補正予算が前倒しで事業を実施するものであり、地域の安心・安全の確保に対して積極的に取り組んでいる姿勢を評価する旨の意見が述べられました。
次に、上下水道局の所管についてです。
議案第28号の条例の一部改正について、震災などの大規模な災害時には、長時間にわたって苛酷で不規則な勤務が強いられる状況が予想されるため、今回の
管理職員特別勤務手当に関する改正は、適正なものだとする意見が述べられました。また、全体を通して国庫補助金の認証減があり、厳しい財政状況ではあるが、効果的、効率的な経営に努めていただきたいとの意見が述べられました。
おおむね以上のような意見・要望が述べられた後、採決に付したところ、議案第1号中所管分、議案第8号、議案第16号から議案第18号、議案第28号、及び議案第29号の7件は、全員異議なく、原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。
15 ◯議長(繁田和三君) ただいまの委員長報告に対する質疑に入ります。
質疑はありませんか。
〔「ありません」〕
16 ◯議長(繁田和三君) 質疑なしと認め、質疑を終了いたします。
これより討論に入ります。
討論の通告がありますので、順次発言を許します。
初めに、内田隆典君。
〔39番内田隆典君登壇〕
17 ◯39番(内田隆典君)
日本共産党市議団を代表して、議案第1号平成27年度
一般会計補正予算、議案第31
号特定事業契約の締結についての2議案について、反対討論を行います。
最初に、議案第1号中、
マイナンバーに関する議案についてであります。
マイナンバーは、社会保障・
税共通番号制度として利便性ばかりが強調されてきました。しかし、
日本年金機構における
個人情報流出事件を初め、多くの問題が指摘され、いまだに解決されないまま推進されています。
こうした中、総務省においては、都道府県と市区町村が協力して
自治体情報セキュリティークラウドを構築し、高度な
情報セキュリティー対策を講じるよう求めています。総務省は、自治体にこうしたことを求めながら、
地域経済活性化の名のもとに、
マイナンバー制度で、取得が任意の個人番号のカードを普及促進するため、買い物で使われることがあるポイントカードなどの一体化を進めています。
しかし、各種カードを一体化すれば、情報漏えいや紛失した場合などの被害も甚大になります。ところが、検討会ではそれらの検討項目はありません。事業者にはカードの読み取り端末の導入など、新たな負担を押しつけるものであります。
我が党は、
マイナンバー制度は国民一人一人に原則不変の個人番号を付番し、個人情報をこれによって容易に照合できる仕組みをつくることは、プライバシー侵害や成り済ましなどの犯罪を常態化するおそれがあると、当初から問題点を指摘してまいりました。
マイナンバー制度は、実施を中止しても住民生活には何の支障も生じません。莫大な費用や手間をかけて、わざわざ国民のプライバシーを重大な危険にさらす共通番号を導入するよりも、現在使っているシステムを活用しながら、税と社会保障の分野での業務の効率化、適正化を図り、住民の利便性を高めるために知恵と労力を使うべきであります。
日本平公園整備についてであります。
今回の予算は、日本平公園山頂シンボル施設設計業務に関する協定書を県と締結、全体予算5,100万円中、静岡市が700万円を負担するということであります。日本平公園整備計画は、平成22年度から工期を3期に分けて20年間で整備する計画です。総工費100億円と言われていた事業費も、土地代、材料費等の高騰で現在では140億円規模になると言われております。日本平公園整備は、日本平が持つ自然環境を生かした公園整備を中心に据え、工事期間の短縮、事業費の縮小等、大幅な見直しを求めるものであります。
議案第31
号特定事業契約の締結について。
これは、北部学校給食センターへのPFIの導入であります。PFIは、国、地方公共団体の事業コストを削減し、より質の高い公共サービスの提供を目指す目的で、平成11年11月にPFI法が制定され実施されているものであります。今回の議案は、施設の解体、設計、建設、維持管理、運営まで、平成45年3月までの長期にわたり民間に丸投げするものであり、公的責任の後退であります。
本来、学校給食は教育の一環であり、コストの削減の対象にすべきではありません。ましてや、民間に事業を任せることが、果たして質の高いサービスを提供できるのか、十分な検証がされているとは思えません。
以上の問題点を指摘し、反対討論とします。
18 ◯議長(繁田和三君) 次に、松谷 清君。
〔24番松谷 清君登壇〕
19 ◯24番(松谷 清君) ただいま上程されております議案第1号平成27年度
一般会計補正予算、議案第22
号静岡市議会の議員の議員報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正に緑の党Greens Japanとして、反対の立場で討論いたします。
議案第1号の反対理由であります。
第1は、森下小学校の継続費に関する議案の取り扱いについて、納得のいかない点があるからであります。1月29日の教育委員会事務局、都市局の突然の記者会見、補正予算における継続費の2年から3年への変更、2月15日の補正予算議案質疑、16日の
都市建設委員会、17日の
市民環境教育委員会と、議会側から厳しく問題が指摘されております。
問題の第1は、何といっても、昨年9月の公共建築課による設計のやり直し決定と、構造計算の委託業務発注の時点で、議会との情報共有が必要であったし、可能でもありましたが、結果として隠し通されたという点であります。
第2は、検証報告にもあります明確な設計業務にかかわる監督規定、設計業務委託契約約款など、自治法令違反が行われ、そのことによって、構造計算委託経費などの600万円だけでなく、公共建築課職員の設計業務に要した経費など、無駄な税支出が確認されている点であります。
第3は、受注者であるパシフィックコンサルタンツに4,200万円の経費が支出されていますが、総工費19億円となる成果品に関し、支払の一部返還など受注者責任についての検討経過がなく、業務は終わっているとのパシフィックコンサルタンツ側の言い分を放置している点であります。
第4は、事実関係に関する資料、委員会からも請求されておりますが、例えば職員のメール情報、設計業者の見積情報、11億円から19億円、19億円から11億円に戻る公共建築課による設計過程の議事録など、議会への情報提供がいまだ不十分である点であります。
第5は、先ほど
市民環境教育委員会委員長から報告がありましたように、全委員から批判的な質問が行われ、附帯決議とも言える継続した調査、再発防止への取り組みが強く要望されている点や、現段階においても関係職員への処分決定も行われていない点であります。子供たちや地域の皆さんの状況を考えると賛成しないわけにはいかない、これも現実であります。私もそう考えます。
しかし、補正予算で議会として、一旦、反対という明確な姿勢を示すことも、二元代表制にふさわしい緊張感のある問題の解決方法であるように思います。
今後、住民監査請求などが予測される中で、賛成に当たって、委員会から出されたさまざまな条件を早急にクリアし、この予算議会に改めて再提案を行い、子供たちや地域の皆さんの笑顔を見ることは十分可能であると思います。
次に、反対理由の第2は、
マイナンバー制度に関する補正に債務負担が含まれている点であります。先ほど、内田議員からも、ほぼ同じ理由で反対がありましたけれども、1点だけ述べたいと思います。
この
マイナンバー制度は、民主党政権の時代において税と社会保障に限定するとされたものですが、法の施行もされていない段階で、安倍政権に入ってIT戦略を成長戦略に取り入れるなど、
マイナンバーカードを銀行預金、メタボなどの医療情報、社員証、クレジットカードや診察券、健康保険証、お薬手帳など、ワンカード化して、ICチップを民間に開放する戦略に転換しました。個人情報が丸裸にされ、大量の情報漏えい、成り済まし犯罪の多発など、危険きわまりない事態が始まろうとしているわけであります。
反対理由の第3は、住民税非課税の65歳以上の年金生活者5万6,500世帯、7万人を対象に1人3万円ずつ支給する施策に大きな疑問があるという点であります。
1つは、なぜ6月中なのか。なぜ支給を急ぐのか。なぜ高齢者だけが対象なのか。そして、自治体への過度な業務負担が求められている点であります。国会では、野党からはばらまき、参議院選挙対策、合法的買収行為などと厳しく批判を受けております。
2つ目は、来年4月の消費税10%対策として、現在凍結されている年金生活者支援給付金の前倒しとの説明をされているわけでありますけれども、この制度は基礎年金の満額77万円以下の方に毎月5,000円、1年に6万円、総所得の逆転が起きないよう公平性から87万円以下になるよう定められ、年金受給者600万人が対象で、今回1,100万人を対象とする給付とは、性格を異にしている点であります。
本来なら、今回のような一時金ではなく、年金生活者の基礎年金の国庫負担など、年金制度の抜本的制度改革を行うことが求められているわけであります。
次に、最後ですが、議案第22
号静岡市議会の議員の議員報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正について、反対意見を述べたいと思います。
今回、補正予算議案に議員だけではなく、市長、副市長などの特別職の報酬に関する条例改正、議案第22号、第23号も提出されております。一昨年12月の消費税先延ばし総選挙のさなかに、人事院勧告に基づいて特別職、議員にかかわる期末手当の値上げ案が提出され、市議会議会派、緑の党Greens Japanとして、アベノミクスの成果は十分に実感されていないと反対を表明し、その後、引き上げ部分について法務局に供託をしてまいりました。
今回の提案も、人事院勧告に基づく一般職の給与引き上げに伴うもので、議員の期末手当を今年度は昨年12月にさかのぼって0.1月分引き上げ支給し、来年度も6月分、12月分をともに0.05月引き上げるというものであります。
先ほどの高齢者への臨時福祉給付金は、賃金引き上げの恩恵が及びにくい低年金受給者にもアベノミクスの成果を行き渡らせることで、所得全体の底上げということを説明しておるわけでありますけれども、そもそもアベノミクスの成果と言っている多くの勤労者への賃金の引き上げは始まっているのでしょうか。若い世代や働く女性の大半は非正規労働者という雇用構造の改革は行われているのでしょうか。アベノミクス三本の矢はそもそもどこへ行ったのか、的が外れたのか、途中で折れたのか、わからずじまいであります。
新三本の矢、GDP600兆円、合計特殊出生率1.80、介護離職ゼロは、果たして実現されるんでしょうか。サプライズなマイナス金利政策も効果を発揮できず、消費税10%引き上げの見直し議論も始まる。いわば金融政策一辺倒のアベノミクスそのものの破綻の始まりともなっているわけであります。
こうした中で、政治を決定する側にいる特別職や議員の報酬の引き上げが一般公務員同様に行われていいのでしょうか。少なくも、一般公務員は人事院勧告や、人事委員会で議論をされております。極めて不透明な議員や市長、特別職への期末手当の引き上げではないでしょうか。
本来なら、田辺市長が特別職や議員の期末手当の値上げ理由については、第三者機関である特別職報酬等審議会に諮問してしかるべき案件であります。諮問せず、市民に見えない形で議会に提案している背景には、特別職の報酬等審議会条例の第1条、ここに設置目的が書かれているわけでありますけれども、議会の議員の議員報酬の額、市長及び副市長の給料の額並びに政務活動費の額について審議するという規定があって、これが審議会に諮られない理由にもなっているわけであります。
議員だけではなく、特別職も含め、透明な形で期末手当を含めて議会に提案されることが望ましいという点においては大方の方が認め、賛成されることと推察いたします。実際に、政令市の中で新潟市においては、昨年9月議会に、市長より特別職の報酬審議会条例改正案が提案され、全会派一致で可決されております。つまり、第1条の設置目的に、議会の議員報酬並びに期末手当の額並びに市長及び副市長の俸給及び期末手当の額、政務活動費の額について審議するという規定を書き加えたわけであります。
本日、議会運営委員会の前に、繁田議長に議会の総意として、市長に特別職の報酬等審議会条例の改正を提案していただくよう申し入れも行いました。
なお、市長を含む特別職の引き上げに反対をしていないのは、1期目でみずからの報酬の半減をというマニフェストを実現してきた田辺市長でありますので、みずから給与アップ分の受け取りを自主的に辞退していただくことを期待しているわけであります。
以上で反対討論を終わります。
20 ◯議長(繁田和三君) 次に、山本明久君。
〔38番山本明久君登壇〕
21 ◯38番(山本明久君) 私は、
日本共産党市議団を代表いたしまして、議題となっております請願第1号若者も高齢者も安心できる年金制度の実現を求める意見書提出に関する請願について、賛成の討論を行います。
意見書案は、現在2カ月に1回の年金支給を国際水準並みに毎月支給にすること。マクロ経済スライドを廃止すること。全額国庫負担の
最低保障年金制度を早急に実現すること。支給開始年齢を引き上げないことなどの年金改革を国に求めています。これらの内容はどれも当たり前の、しかも切実な内容です。
請願では、無年金者や国民年金のみの低年金者がふえていることや、若者だけでなく現役世代も非正規雇用の低賃金労働者がふえており、現役時の賃金額が年金額に反映して低年金になるので、現在と将来の生活への不安が高まっている問題を強調しています。このままでは、年金は当てにならないから保険料は払わないなどの年金不信が一層広がる懸念があります。この問題こそ、今、政治が解決しなければならない重大問題です。
しかし、今進められている年金制度改革では、年金保険料を引き上げして、給付は削減する。そして、支給開始年齢を先延ばししようとするなど、年金では暮らしていけなくなるという不安を一層駆り立てるものになっています。
さらに、年金積立金を原資にして株運用をふやしていく中で、もし株が暴落したら将来の年金支給額が減るかもしれないという不安も新たに生み出されています。
年金の現状は、現役世代で国民年金保険料の未納率が4割に達し、未加入者や保険料を払えない人、払っていない人が1,000万人を超える事態になっています。そして、国民年金支給額は月平均約4万5,000円程度と、とても年金だけでは暮らせない水準です。このような無年金や低年金の問題は極めて深刻です。そして、こうした状況をさらに悪化させるのが、マクロ経済スライドの導入です。
これは、物価下落時の発動も含めて、物価上昇以下に年金支給額を抑えるために、これから30年間毎年支給額を下げ続ける制度です。そんなことになれば、基礎年金部分は今より30%も削減されることになってしまいます。
今求められている制度改革は、年金への不安を取り除き、少なくとも年金で生活が何とかなるという水準に引き上げることではないでしょうか。そのために必要な制度が
最低保障年金制度です。
この制度は、これまでに政令市長会や全国市長会なども政府に要望を出しているものです。今、基礎年金の受給額の半分は、税金を財源にしていますけれども、これを拡充して保険料を払っていなくても受け取れる、例えば月5万円程度の最低保障額を設定して、その上に保険料を払った分に見合った支給を上乗せするという仕組みが最低保障制度です。
この例でいくと、国民年金保険料を40年間払った場合、支給額が今満額の6万5,000円とすれば、最低保障年金では月8万2,500円になるというものです。これによって、低年金や無年金問題の解決の道を開くことができます。今世界の先進国の中で、公的年金制度の中に最低保障の仕組みがないのは日本だけであり、国連の社会権規約委員会から導入するよう、何度も勧告されています。
この
最低保障年金制度のための税財源をどうするのか、それはいろいろ議論はありますけれども、正規雇用が当たり前の社会にしてワーキングプアをなくし、最低賃金も上げていく、これが大事です。そのために中小企業の賃上げも政府が支援して経営も守っていく必要があります。また、パートなどの非正規雇用の人でも、厚生年金に加入していけるよう法改正された改善措置を、政治が責任を持って実施することです。こうした中で、年金保険料の未納者や滞納の事業所も減らしていき、社会全体として年金財政を支える担い手をふやしていく、この循環をつくっていくことです。
請願が求めている毎月の年金支給にしてほしいということも、月給のように生活の月サイクルの収入を考えれば当たり前のことです。支給開始年齢をこれ以上引き上げないでほしいということも、若者や現役世代にとっては切実です。
以上、見てきましたように、請願項目はどれも切実であり、当然の制度改革の内容です。これらは表題にあるように、若者にも年金受給者にも無年金の人にも安心できる年金制度であり、政府に提出する意見書としてふさわしいものだと私は考えます。議場の皆さんが賛同していただけますよう訴えをいたしまして、賛成討論といたします。
22 ◯議長(繁田和三君) 以上で討論を終了いたします。
これより議案第1号を採決いたします。
議案第1号に対する委員長の報告は可決すべきものとされております。
議案第1号は原案のとおり可決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
23 ◯議長(繁田和三君) 起立多数。よって、議案第1号は原案のとおり可決することに決定いたしました。
これより議案第31号を採決いたします。
議案第31号に対する委員長の報告は可決すべきものとされております。
議案第31号は原案のとおり可決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
24 ◯議長(繁田和三君) 起立多数。よって、議案第31号は原案のとおり可決することに決定いたしました。
これより議案第22号を採決いたします。
議案第22号に対する委員長の報告は可決すべきものとされております。
議案第22号は原案のとおり可決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
25 ◯議長(繁田和三君) 起立多数。よって、議案第22号は原案のとおり可決することに決定いたしました。
これより議案第2号から第21号まで、第23号から第30号まで、及び第32号から第34号までの31件を一括して採決いたします。
これら31件に対する委員長の報告は可決すべきものとされております。
これら31件は原案のとおり可決することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」〕
26 ◯議長(繁田和三君) 御異議なしと認め、議案第2号外30件は原案のとおり可決することに決定いたしました。
これより請願第1号を採決いたします。
請願第1号に対する委員長の報告は不採択とすべきものとされておりますので、改めて可をもってお諮りいたします。
請願第1号は採択することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
27 ◯議長(繁田和三君) 起立少数。よって、請願第1号は不採択とすることに決定いたしました。
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日程第36 発議第1号 静岡市議会の議員の
議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一
部改正について
28 ◯議長(繁田和三君) 日程第36、発議第1
号静岡市議会の議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部改正についてを議題といたします。
亀澤敏之君から提案理由の説明を求めます。
〔33番亀澤敏之君登壇〕
29 ◯33番(亀澤敏之君) ただいま議題となりました発議第1
号静岡市議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部改正につきまして、提出者を代表して提案理由を述べさせていただきます。
私たち市議会議員は、住民に選ばれた代表者として市民福祉の向上、及び当市の発展に向け活動しているところでありますが、刑事事件の被疑者として逮捕されるなど、身体を拘束された場合には、その期間に係る議員報酬、及び期末手当を一時差しとめ、その後、有罪判決が確定した場合等には支給しないとするものであります。議員が逮捕されるなどの事態は避けなければなりませんが、今回の条例改正は、議会がみずからを律することを表明するものであります。
議員各位の御賛同をお願いし、提案理由とさせていただきます。
30 ◯議長(繁田和三君) お諮りいたします。
ただいま議題となっております発議第1号は、質疑、委員会付託、討論を省略し、直ちに採決したいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」〕
31 ◯議長(繁田和三君) 御異議なしと認め、発議第1号は、直ちに採決することに決定いたしました。
これより発議第1号を採決いたします。
発議第1号は原案のとおり可決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
32 ◯議長(繁田和三君) 起立全員。
よって、発議第1号は原案のとおり可決することに決定いたしました。
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日程第37 議案第35号 平成28年度静岡市一
般会計予算 外100件
33 ◯議長(繁田和三君) 日程第37、議案第35号平成28年度静岡市一般会計予算から日程第137、議案第135号静岡市手数料条例の一部改正についてまでを一括議題といたします。
説明員から提案理由の説明を求めます。
〔市長田辺信宏君登壇〕
34 ◯市長(田辺信宏君) 先ほどから各委員長が登壇されると一様に驚きの表情を見せておりましたが、ここに立ってみますと、まるで日本平のアイスタにいるかのようであります。それぞれ大変お似合いであります。ユニホームの袖から見えるワイシャツの長袖が御愛きょうでございます。ことしの初戦は今度の日曜日、アイスタで午後1時キックオフ。相手は愛媛FCであります。どうぞ応援をよろしくお願い申し上げます。
それでは、平成28年度当初予算案を初め、これに関連する議案の審議をお願いするに当たり、議員各位を初め、広く市民の皆さんの御理解を賜りたく、私の施政方針を申し上げます。
さて、今年度は第3次静岡市総合計画実行の1年目の年でした。「世界に輝く静岡」の実現に挑戦せんとする本計画は、市政運営の最も基本となる計画、まちづくりのバイブルとも言える最重要文書であります。
3次総では2つの都市目標として、第1に、市民が世界水準の歴史や文化を誇れる「歴史文化のまち」、第2に、市民が世界水準の自然環境の中で元気に暮らせる「健康長寿のまち」を掲げ、その実現への道筋として、6つの重点プロジェクトと10の分野別の政策、施策を盛り込みました。
さらに、今年度は国から策定を要請された地方創生総合戦略も立案、公表しました。本総合戦略では、未来に本市に住むであろう市民を「未来市民」という概念にくくって設定し、主に人口減少対策の観点から、3次総の政策、施策を補強するために必要な事業を加えました。この3次総と総合戦略との2つの計画のもと、平成28年度は2025年、平成37年に総人口70万人を維持という高く困難な目標に果敢に立ち向かっていくべく市政に取り組んでいきます。
さて、計画の着実な実行には予算の裏づけが伴わなければなりません。そこで、まず冒頭に、平成28年度の当初予算案を編成するに当たって、私が念頭に置いたポイントについて申し述べます。
振り返ってみると、1期目の4年間は東日本大震災の発生直後、そして、長引くデフレ不況といった社会背景のもと、みずからの給与半減を断行するなど、行財政改革を通じた財政の健全化に最優先に取り組んできました。総じて箱物などのハード施策への投資は最小限に抑えつつ、子育て支援やMICEの推進などのソフト施策に力点を置いた市政運営は、将来の飛躍、発展に向けた土台づくりの期間であったと顧みています。だからこそ、この土台の上に立って、2期目の4年間は積極的な財政のもと、市政運営に当たる強い決意で臨みます。
そこで、歴史文化と健康長寿の2つをキーワードにした重点プロジェクト群に予算を多く配分するとともに、中でもさらに3次総の期間中に必ず成就させるべき政策を5大構想と位置づけて、着実に推進する予算を措置しました。厳しい財政状況であっても、都市の発展や暮らしの充実のためにハード、ソフト両面からの一定の投資は不可欠です。行財政改革推進大綱やアセットマネジメント基本方針に基づいた行政のシェイプアップ化と諸政策の優先順位づけを図りつつも、そのために必要な予算額を十分に確保しました。
この考え方のもと、平成28年度当初予算は、3次総前期実施計画並びに総合戦略に基づいて、重要政策の進捗をシフトチェンジして加速していくための積極的な予算規模となりました。
予算の内訳としては、一般会計において2,822億円、特別会計において2,429億3,870万円、企業会計において727億600万円、全会計で5,978億4,470万円を計上しました。
具体的には、3次総と総合戦略の両計画に盛り込まれた5大構想、及び6つの重点プロジェクトについて、とりわけ思い切った予算の配分を行っています。
まず、「創造する力」による都市の発展、産業・経済の振興にかかわるまちづくりの推進に約114億2,000万円を、そして、「つながる力」による暮らしの充実、安心・安全の確保にかかわるまちづくりの推進には約352億8,000万円を、それぞれ措置しています。
それでは、これから順を追って5大構想、及び6つの重点プロジェクトの内容について申し述べます。
さて、3次総基本計画並びに総合戦略の中でも、特に中長期的な視野に立って最優先に挑戦していく取り組みを5大構想として定めて予算を措置して、平成28年度から本格的に取り組んでいきます。
その1つ目は、静岡都心における世界レベルの歴史文化拠点づくりです。
私は、市外からお客さんが来ても、このまちには連れていくところがないと、市民の皆さんが嘆いているのをしばしば耳にして、残念に思ってきました。そこで、昨年官民連携して1年間にわたって取り組んできた家康公四百年祭を一過性のものとせず、これを今後に向けての起爆剤にして、静岡都心を求心力の強い世界中から人が集まる城下町にしていきます。
2つ目は、清水都心における世界レベルの海洋文化拠点づくりです。
この5年間、私は、清水の中心市街地が年々元気がなくなっているようで寂しいという市民の皆さんの切実な声を何度も聞いてきました。そこで、清水港周辺に集積する海洋関連産業や教育研究機関を生かして、政府関係機関の地方移転やウオーターフロントのにぎわい創出を有機的に結びつけて、清水港の発展方向を、働く港に楽しむ港を加えてかじを取り、清水都心も求心力が強い世界中から人が集まる港町に再生していきます。
3つ目は、恵まれた自然環境を生かした世界レベルの健康長寿のまちづくりです。
市内外から、世界中のどこよりも静岡市で暮らせば元気に長生きできるとの評価を確立することを目標にして、住みなれた地域で元気に健康で、そして、最後まで安心して暮らすことができる静岡型地域包括ケアシステムを構築していきます。この一連の政策、施策を、これから平易に一言で「自宅でずっと」プロジェクトと呼ぶこととします。
4つ目は、本市に根をおろした大道芸や演劇、音楽文化の力を生かした世界レベルの創造都市づくりです。
ヨーロッパの都市のように、静岡市のおまちに来るといつもわくわくどきどきの魅力があるとの評判を得ることを目標にして、まちの随所でパフォーミングアーツなどのエンターテインメントが楽しめる仕掛けづくりを行います。この一連の政策、施策を、これから平易に一言で「まちは劇場」プロジェクトと呼ぶこととします。
そして、5つ目は、世界レベルで考えて地域で行動する人づくりです。
私は就任以来、まちづくりとはつまるところ人づくりであるとの思いを強めてきました。議会からも御提言いただいた市立大学構想も視野に入れた高等教育のあり方について調査研究を進めるとともに、その第一歩として、これまで各局がそれぞれに行ってきた人材養成講座を束ねて、シチズンシップに富んだ人づくりを目指した静岡シチズンカレッジを創立します。
以上が5大構想の概要です。これらを人口減少の抑制と人口減少社会への適応という2つの課題を持って、取り組んでいきます。
次に、5大構想の裾野を広げ、周りを固める政策、施策群として、3次総で掲げた6つの重点プロジェクトについて、平成28年度の主要事業のうち、新規並びに拡充する取り組みを中心に説明申し上げます。
まず、歴史をキーワードにしたまちづくりの取り組みです。
駿府城公園地区では、家康公四百年祭を新たなスタートとする400+プロジェクトのもと、官民連携で整備を進めていきます。歴史文化拠点づくりの中核となる歴史文化施設の整備に向けては、徳川家康公を中心とした展示内容の本格的な研究を行っていきます。同時に、民間との複合施設化も視野に入れた建設手法の調査も始めるなど、施設の運営方法も検討を進め、平成33年度中の開館を目指して、取り組みを加速させていきます。
駿府城の再建に向けては、その第一段階として天守台の発掘調査に着手します。同時に、発掘調査を見える化させて、一般公開して発掘体験の機会を提供したり、駿府城公園内の各施設への回遊を促す仕組みを導入したりして、発掘調査を単なる歴史学習の場のみならず、当面の観光拠点の一つとしても活用していきます。
桜の名所づくりに向けては、現在、地区内に761本ある桜木の数を段階的にふやしていき、将来的には1,000本を上回るよう植樹を完了し、お花見の季節には千本桜が咲き誇る東海道随一の桜の名所として認知されるよう整備を進めていきます。
さらに、駿府城公園と御幸町などの商業・業務エリアをつなげるお堀沿いの道、市道追手町音羽町線では、市民の皆さんとともに、オープンカフェなどの設置によるにぎわいを生むような魅力空間の創出事業に取り組みます。
次に、蒲原から丸子まで6つの宿場町を結んだ東海道歴史街道地区では、昨日、丸子宿場まつりが盛大に行われましたが、400年前から始まるありし日の東海道の人々の往来で育まれた歴史資源を生かし、整備を進めていきます。平成30年度の全国街道交流会議全国大会の開催地に名乗りを上げ、それを目標にして東海道における街道観光の聖地化を目指します。そこでまず、現在の二峠六宿に残る歴史資源のうち、サクラエビや富士山、浮世絵などの素材をテーマに団体・個人旅行客の多様なニーズに対応した観光商品を民間の事業者とともに造成し、PRを行い誘客に努めます。
このほか、興津の清見寺にゆかりがある朝鮮通信使の世界記憶遺産への登録を目指す一方、釜山文化財団との連携事業などを進め、また外国人旅行者向けの取り組みとして、外国人の街道観光アドバイザーとともに街道沿いに点在する古民家やまち並みの利活用の方策など、外国人にとっても魅力的な場所づくりについても検討していきます。
三保半島地区では、昨年制定された三保松原保全活用条例を踏まえ、県との連携により松原の歴史的、文化的価値を守り、景観を生かした風格のあるまちづくりに取り組んでいきます。
まず、松原の保全に向けては、喫緊の課題であるマツノザイセンチュウ病の防除対策を徹底し、早期微害化を図っていくとともに、神の道や羽衣の松周辺の老齢大木の長寿命化に向けた対策を進めていきます。
次に、三保松原のガイダンス施設、みほナビをグレードアップさせる拠点施設の整備に向けては、平成30年度の開館を目指し、仮称三保松原ビジターセンターの建設を進め、世界文化遺産の魅力をより強くアピールしていきます。このほか、羽衣公園や都市計画道路清水港三保線、羽衣海岸線などの都市基盤の整備を推進します。
次は、文化をキーワードにしたまちづくりの取り組みです。
初めに、東静岡地区、草薙地区についてです。
東静岡駅周辺地区では、文化とスポーツの殿堂づくりの方向性のもと、国道沿いにはアートやホビー、若者に人気のローラースポーツを楽しめるにぎわいづくりの実験広場を、また、駅近くにはお年寄りから子供たちが思い思いに楽しめる緑の芝生広場を設けるなど、「アート&スポーツ/ヒロバ」を整備していきます。
草薙地区では、本年秋の供用開始に向けてJR草薙駅橋上駅舎、及び南北自由通路の整備を進めていきます。平成30年度の完成に向けて、駅に接続する北口通り線、及び北口駅前広場の整備を進め、交通結節点としての機能強化を図っていきます。また、駅南に立地する県立大学や平成30年春を目途に駅北に新キャンパスの開設を予定している常葉大学を核として、多くの若者でにぎわう文教地区づくりを推進していきます。
清水港ウオーターフロント地区では、海洋文化拠点づくりの中核となる海洋文化施設の整備に向けて、産学民官が連携し、民間活力の導入可能性などについて調査、検討を重ね、基本構想を策定していきます。また、世界に開かれた本市の海の玄関口にふさわしい場所となるよう、県や民間事業者と協力して魅力的な空間整備、開発の誘導を進めていきます。
江尻と日の出をつなぐ清水港線跡自転車・歩行者道の沿道では、回遊の魅力を高めるポケットパークの整備や活用を進めていきます。さらに、本年も一層の増加が見込まれる大型客船の寄港に対して、歓迎式典などのおもてなし事業を引き続き積極的に実施します。
次は、中山間地域並びに駿河湾沿岸地域についてであります。
中山間地域では、市内外に定着してきたオクシズのネーミングのもと、さまざまなプロモーション事業を実施して、引き続きオクシズブランドの強化を図っていきます。また、地域振興策の担い手として期待される地域おこし協力隊を、井川地区に続いて玉川地区、清沢地区に拡大配置します。
本市東端の蒲原地区から久能地区、西端の用宗・石部地区に至る駿河湾沿岸地域では、新しくネーミングした「しずまえ」の統一名称のもと、「しずまえ」鮮魚のレシピコンクールや「しずまえ」祭りの開催など、市外から多くの皆さんに来てもらう事業や、焼津市や御前崎市などの広域連携による首都圏でのアンテナショップの実証実験を初め、「しずまえ」の水産物のおいしさを知ってもらい、消費を拡大する取り組みを進めていきます。
最後に、創造都市づくり、「まちは劇場」プロジェクトについてです。
本年より、おまちを初め、日常の生活のいつもの場所を劇場に見立て、街角で大道芸やクラシック音楽の生演奏、演劇やダンスなど、いわゆるパフォーミングアーツに触れられる数多くの創造の場づくりを進めていきます。その推進エンジンとして期待されるのが、葵区七間町の新しい上下水道局庁舎内に入居する文化・クリエイティブ産業振興センター、CCCです。本市の戦略産業の一つとしても挙げられている文化・クリエイティブ産業を振興するための拠点施設として、従前のクリエーター支援センターでの実績の上に機能強化を試みて、創造都市づくりを後押ししていきます。
次は、本市の県都圏としての中枢性に着目した取り組みです。
ここに掲げた政策・施策の推進については、このたび発表された国勢調査の速報値を危機感のばねとして、とりわけ人口減少の抑制を意識して、全力で取り組んでいきます。
まず、定住人口・交流人口の拡大についてです。
移住・定住促進の取り組みには、息の長い地道な積み重ねが求められます。そこで、今までの育英奨学金や清水病院医学生修学資金貸与制度に加えて、新たに若者の転出抑制の目玉事業として新幹線通学費貸与制度を創設し、県外の大学などに進学した学生が転出することなく、自宅から通学することを支援し、将来の地元就職の促進につなげます。
一方、昨年、東京有楽町に開設した静岡市
移住支援センターの機能を一層充実させるとともに、移住セミナーや移住体験ツアーを実施するなど、首都圏からの移住者の呼び込みをさらに強化していきます。
交流人口の拡大については、これまで以上に国際会議や大規模イベント、全国大会など、MICEの開催誘致を積極的に推進していきます。4月に開催される日本とスペインの2国間賢人会議である第18回日本・スペイン・シンポジウム、そして、第18回日中韓三カ国環境大臣会合を絶好の機会として、世界に向けて静岡市のプレゼンスの強化を図ります。その主舞台となる日本平地区では名勝日本平の歴史的、文化的価値を守って、富士山の眺望を生かした観光拠点として整備を進め、山頂部においては県と連携の上、展望施設の整備を進めていきます。
さらに、ラグビーワールドカップ2019や2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を見据えて、世界の注目が集まるこの機会を最大限に生かし、本市への合宿誘致や文化プログラムへの参画を進めて、静岡市の魅力発信に取り組みます。
一方、県中部地域の観光課題の解決を図りつつ、来訪者の観光消費拡大を目指し、その推進母体になるべく、広域的な地域主体の観光地域づくり推進法人、いわゆる静岡型DMOの構築を各市町の行政と民間事業者との連携によって進め、広域観光の一層の振興を図っていきます。
戦略産業への支援・育成については、まず企業立地の取り組みでは、大谷・小鹿地区において企業用地確保に向けた土地区画整理事業の実施のための調査を進めるとともに、東名、新東名インターチェンジ周辺地区などでの企業立地用地開発の具体化に向けた検討を進めます。また、企業の本社機能の移転拡充やマザー機能強化などに対応し、企業立地促進事業補助金の拡充を図るなど、企業立地の一層の促進に向けてハード、ソフト両面で取り組んでいきます。
このほか、地域を支える中小企業への支援策として、市内の中小企業者が経営上必要とする資金を円滑に調達できるよう、本市が実施する融資制度の利用者に対し、保証料の一部を補給する制度を創設します。
次は、市民の健康に着目した取り組みです。
まず、健康長寿のまちづくり、「自宅でずっと」プロジェクトです。
間もなく3.11から5年になります。きのうのニュースで報道されておりますが、この5年間、仮設住宅のひとり暮らしで180人の方が孤立死されたそうであります。健康寿命世界一の都市を目指していく上で最も大事なのは、それを支える地域社会の仕組みの整備です。高齢者が長い期間、地域で元気で暮らすためには、居場所づくりや生きがいづくりを初め、介護予防の種々の事業、そして、在宅医療と介護の連携施策までの仕組みが切れ目なく構築されていなければなりません。
そこで、高齢者が生き生きと活躍するための活動推進セミナーや高齢者グループの交流活性化に向けたワークショップなどの事業を盛り込んだ、名づけて「しずおかハッピーシニアライフ推進事業」を実施します。また、高齢者の社会参加の観点と地場産業の振興を同時に企図した「元気いきいき!シニアサポーター事業」の対象となる活動分野を広げ、S型デイサービスや在宅高齢者に対する買い物補助などの日常生活支援もこれに加えて、本格的に実施していきます。
在宅医療と介護の連携に向けては、医師や看護師、ケアマネジャーや介護ヘルパーなどの専門職と、民生委員やボランティアなどの地域住民らとともに、オールフォーワン、一人の高齢者を地域全体で支え合う体制を整備していきます。本年は地域の特性に合った小学校区程度の身近な地域でのケアモデルやチーム体制をつくる、小圏域における在宅医療推進モデル事業、そして、医療と介護、福祉サービスをコーディネートする、医療・介護・福祉スーパーバイザー配置事業などに取り組みます。
また、清水区では、市立清水病院と地域のケアマネジャーとの一層の連携を図り、地域包括ケア病棟が持つ退院支援や在宅復帰などの事業を充実していきます。
静岡型子ども・子育て支援については、日経DUALによる共働き子育てしやすい
街ランキング2015地方編において、本市が全国第1位との評価を受けたことを大きな弾みとして、子ども・子育て支援策のさらなる充実に取り組んでいきます。
まず、妊娠・出産期の支援では、母子保健分野を子ども未来局に移管して子供行政の一体化を進めた上で、不妊治療費助成の不育症治療への拡大、さらにゼロ歳児ママを支援するママケアデイサービスの創設、産後ケアの拡充などの大幅な充実を図っていきます。
次に、幼児学童期の保育、教育の支援では、保育の定員を約1,200人分拡大します。放課後児童対策は、放課後児童クラブの定員を約500人分拡大するとともに、放課後子ども教室との一体的実施を拡充します。
また、子供の貧困対策では、スクールソーシャルワーカーを10人に増員し、学校をプラットホームとした総合的な支援体制の整備や、生活・学習支援の場の拡充、社会的養護の充実を図ります。
そして、学校教育の充実としては、昨年始まった総合教育会議などでの議論を踏まえて、教職員が子供と向き合う時間をふやし、一層きめ細やかな教育を行うことを目的に、校務支援システムの導入を進めます。
また、切れ目のない教育環境の充実を図るため、静岡型小中一貫教育のカリキュラム策定を進め、全校への小中一貫教育の導入を目指すとともに、本年4月に井川小学校と井川中学校を施設一体型の小中一貫校に移行します。また、施設面では、小中学校のトイレリフレッシュや給水施設の更新などを進め、子供たちの安全で快適な教育環境の確保を図っていきます。
一方、健康都市を支える基盤として、本市の長所を生かした自転車を利用しやすいまちづくりに向けては、走行ルールの遵守や利用者マナーの徹底に取り組み、自転車利用環境の向上のため、自転車サポーター制度の普及を進めるほか、誰もが安全に通行できる空間として自転車走行空間の整備を進めます。また、来年1月ごろには「自転車利用環境向上会議in静岡」を開催し、これを好機にして、より一層「自転車先進都市・しずおか」の存在を全国に向けて力強くアピールしていきます。
5つ目は、防災をキーワードにした取り組みです。
まず、災害対応力の強化と危機管理体制の確立についてです。南海トラフ巨大地震などに伴う津波対策に向けては、津波避難空白域の解消を目指し、
津波避難施設の整備や津波避難ビルの追加指定、避難誘導板の設置などの対策を着実に進めていきます。中でも、用宗漁港と由比漁港地区では、発災後も漁業活動の早期再開が可能な陸揚げ岸壁の耐震・耐津波対策を図ります。
さらに、道路においては、速やかな避難や救命救急、物資の支援ができるよう緊急輸送路や避難路の拡幅整備、橋梁の耐震化などに取り組みます。
消防力の強化については、3市2町の新しい消防救急広域体制のもとで、清水区東部地区の消防サービスの充実強化やコンビナート防災体制の強化を図るため、平成30年3月の完成を目指し、湾岸消防署の庁舎移転建設を進めます。
また、消防団員の確保において、新たに学生や女性の加入を促進し、地域防災力のマンパワーの充実強化を図っていきます。
次は、ゲリラ豪雨や台風などの風水害や土砂崩れへの備えについてです。
何にせよ、浸水・土砂災害対策の拡充などを通じて、災害に強いまちづくりを進めます。浸水対策では、一昨年の台風被害を踏まえ、昨年7月に改訂した浸水対策推進プランのもと、清水区高橋地区の雨水ポンプ場の整備や、押切地区の大内川の河川改修並びに駿河区広野地区の雨水幹線の築造などを着実に進めるほか、駿河区高松地区の二級河川浜川河口護岸の耐震補強工事を引き続き進めていきます。
また、昨年の関東・東北豪雨による鬼怒川の氾濫の教訓や課題を踏まえ、国との連携のもと、これから国交省が示す安倍川と富士川の最新の洪水浸水想定を受けて、指定緊急避難場所などの必要な防災情報を提供するハザードマップを作成していきます。
一方、土砂災害対策では、引き続き急傾斜地崩壊危険区域の指定に必要な測量を実施するとともに、土砂災害警戒区域の指定促進、関連補助制度の活用による既成宅地の安全度の向上を図ります。また、道路のり面対策により、道路を利用する皆さんや地域住民の安心・安全の向上を図っていきます。
最後は、再生可能エネルギーの導入並びに普及の促進についてです。
まず、エネルギー関連産業の立地促進の観点からは、未来の新たなエネルギー源として期待される水素エネルギーの利活用促進を図るため、国や県、民間の事業者などと連携して、定置式としては県内初となる水素ステーションの整備を支援していきます。また、官民連携による協議会を設立し、水素エネルギーの多角的な利活用方法などについて検討を進めていきます。
一方、中小企業を対象とした省エネルギー対策の支援を行うとともに、地域住民と協働しておのおのの地域地形のニーズに合った再生可能エネルギーの導入や促進、普及に取り組んでいきます。
重点プロジェクトの6つ目は、性差や障害の有無、さらには国籍の違いを超えた人と人との並びに人と自然との共生に着目した取り組みです。
先日、騒動を起こしたSMAPの代表曲と言えば「世界に一つだけの花」、ここで歌われているように多種多様な人と人との共生について、一人一人が違った個性を持つ一人の人間として互いに尊重し、違いを認め合う風土づくりに取り組んでいきます。
まず、男女共同参画社会の実現に向けては、女性が活躍しやすい環境整備に取り組みます。「しずおか女子きらっ☆」プロジェクトのもと、女性のロールモデル発見支援事業として、メンターというのは最近新しく外来語として定着し始めた言葉であり、日本語で助言者とか先輩を指しますが、社会人女性の先輩と後輩の語らいの場としての「Jo-Shizuメンターカフェ」の設置、女性が活躍する企業への応援事業として女性活躍推進セミナーの開催など、多様な事業を実施して、本市の人口減少の主な原因である女性の市外流出も歯どめをかけていきます。
また、バリアフリー社会の実現に向けては、障害者就労施設の経営力を高め、工賃の向上を目指すためのセミナーを開催し、障害のある人が経済的に自立し、地域で生き生きと暮らせるよう取り組んでいきます。
さらに、日常生活における移動が困難な障害者や高齢者などの交通弱者の外出機会をふやすため、清水区駒越地区を初め市内4地区で、地域住民の協力のもと、地域内を周回し、既存の公共交通とを結ぶ交通手段を確保する取り組みに着手していきます。
一方、今月上旬に本市で開催した中東和平プロジェクトでは、国籍を初め、言語や宗教が異なる人と人との共生の大切さと困難さを痛感しました。近年ヨーロッパ各国で深刻な難民問題を視野に入れるにつけ、世界の中の静岡市を標榜する本市にとって、市内に目下約8,000人が暮らす外国人との共生も将来にわたった重要なテーマです。
多文化共生社会の実現に向けては、互いの異なった文化への理解促進のための異文化コミュニケーション体験フェアなどの啓発イベントの開催を通じて、市内に住むさまざまな国籍の人々が笑顔でともに生きる地域社会づくりに取り組んでいきます。
人と自然との共生については、南アルプスの自然環境の保全に向けて、引き続き水資源や動植物などの環境調査を行うとともに、官民学の連携のもとでオオサクラソウなどの高山植物の保護並びにライチョウサポーター養成事業を実施して、希少なライチョウの保護に取り組んでいきます。
井川地区の振興では、農林業の活性化や南アルプスの登山道の整備を初め、南アルプスユネスコエコパーク井川ビジターセンターを拠点施設とした情報発信の充実を図ります。また、これも名称変更した南アルプスユネスコエコパーク井川自然の家の活用を通じて、野外活動や自然を学ぶ機会を拡充し、市内外からの誘客に努めていきます。
また、市街地に近接し、豊かな自然環境に恵まれた麻機遊水地地区では、県と連携して設立する地域協議会の取り組みとして自然再生・保全の活動を促進するイベントを開催するとともに、自然と触れ合う体験型の親水都市公園としてあさはた緑地の多目的広場の整備などを進めていきます。
最後は、地域に貢献するシチズンシップに富んだ人づくりについてです。
これまでの地域デザインカレッジで提供されてきた講座を中心として、静岡環境大学、しずおか教師塾、静岡市お茶の学校など、10の人材養成講座を1つに束ね、本年より学び舎「静岡シチズンカレッジこ・こ・に」を開校します。
「こ・こ・に」には、公共の意識を実際の行いに移し、具体的な形にしていくために必要な3つの力、すなわち1)ビジョン、目指すべきものを描く構想力の「こ」、2)ビジョンの実現に向けて力強く進む行動力の「こ」、3)ともに行動する仲間を引きつけ魅了する人間力の「に」、これをそれぞれ強化するための知識の習得と経験の分かち合いを促すカリキュラムが盛り込まれています。この「こ・こ・に」では、講座の共同告知や受講生同士の交流会を開催するほか、講座修了生に対する認定制度を導入し、学んだことを生かし、まちづくりリーダーとして活躍できるよう支援していきます。
また、静岡市の将来につながる人材育成に向けては、グローバル時代の地方創生を担う高等教育や地域に求められる人材像、国際化への対応などをテーマに高等教育のあり方について、検討を進めていきます。
さて、6つの重点プロジェクトを推進する礎には強靭な社会基盤の支えが欠かせません。そこで、平成28年度に取り組む主なインフラ整備について申し述べます。
まずは、中心市街地の整備についてです。
歩行者が安全で快適に回遊し、くつろげる空間形成を目指し、歩いて楽しいまちづくりの実現に向けた取り組みを引き続き進めていきます。また、都市機能の高度化・集積化を図るため、平成30年度の竣工に向けて呉服町第二地区市街地再開発事業を支援するほか、保育施設を備えた七間町地区優良建築物等整備事業も、引き続き支援していきます。
次に、地域拠点の整備についてです。
交通結節点としての機能強化や地域拠点としてのまちづくりに向けて、JR草薙駅周辺の整備のほか、JR安倍川駅の駅前広場の整備を進めます。
一方、追分・大坪地区への静岡鉄道新駅の設置に向けては、具体的な調査、検討を行い、引き続き交通事業者との具体的な協議を進めていきます。
次に、道路の整備についてです。
中部横断自動車道、国道1号静清バイパスなどの広域交通を担う道路の整備促進は無論のこと、清水富士宮線や井川湖御幸線などの
アクセス道路や、東名高速新インターチェンジの整備を着実に進めることを通じて、産業面や観光面での地域経済にもたらす、より大きなストック効果を発現させていきます。
次に、快適な生活環境の整備についてです。
まず、市民の誰もが気軽にスポーツなどを楽しめて身近なレクリエーションの場となるよう、富士川緑地や安倍川緑地の整備を進めていきます。
また、増加傾向にある火葬需要に備え、平成29年度の開設に向けて清水斎場の整備を進めていきます。
次に、今月より新しい庁舎にて業務を開始した上下水道事業についてです。