静岡市議会 > 2014-11-03 >
平成26年11月定例会(第3日目) 本文
平成26年11月定例会(第3日目) 名簿

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  1. 静岡市議会 2014-11-03
    平成26年11月定例会(第3日目) 本文


    取得元: 静岡市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-18
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1         午前11時開議 ◯議長(石上顕太郎君) これより本日の会議を開きます。    ─────────────────── 2 ◯議長(石上顕太郎君) 本日の議事日程は、先刻お手元に配布したとおりであります。    ───────────────────   日程第1 議案第222号 平成26年度静岡市一    般会計補正予算(第4号) 外17件(総括    質問) 3 ◯議長(石上顕太郎君) 日程第1、議案第222号平成26年度静岡市一般会計補正予算(第4号)から日程第18、一般質問までを一括議題といたします。  昨日に引き続き、総括質問を行います。  順次発言を許します。  初めに、栗田知明君。   〔44番栗田知明君登壇〕 4 ◯44番(栗田知明君) きょうは、皆さん大変御苦労さまでございました。寒かったですね。  質問を行います。  台風18号、19号の対応、措置の問題であります。  台風18号は10月5日から6日にかけて大きな被害をもたらしました。変更された被害状況は、清水区では床上浸水414戸、床下浸水703戸、大きな被害をもたらしたわけであります。その被害状況が変更されたのは、罹災証明が出されたという理由で修正されてきたわけです。  災害時における行政の対応は、本庁に災害対策本部が設置され、各地区連合自治会には地区対策本部がつくられ、市職員が配置され情報収集がされるとのことです。  私が今回の災害で一番感じるのは、市長を長とした災害対策本部が設置され、この本部から各地の危機状況が地区対策本部へ連絡され、対応されるのが危機管理の原点であろうと思っております。今回の災害では、どのように対応されたのか疑問に感じています。市長を長とした本部機能、また、地区機能の果たすべき仕事はどうされてきたのか、明らかにしていただきたいと思うんです。  災害対策本部の会合が台風通過前に1回も開催されず、台風通過後の、10月6日9時15分に災害対策本部会議が初めて開かれたということであります。どういう理由でこうなったのか、教えていただきたいと思うんです。各地区対策本部への指示が出されたのかについて、明らかにしていただきたい。10月5日21時19分、静岡市全域に大雨洪水警報が発令され、10月6日6時7分、県土木事務所よりファクスで水防団の待機水位の情報が出されました。しかし、災害対策本部会議は開かれなかった。10月6日9時15分、台風通過後、第1回の災害対策本部会議が開催されたわけであります。
     災害対策本部会議を、危機状態が生じたときに開かないで、台風通過後に開くということはどういう理由か。台風被害を受けた市民にも説明ができないわけであります。明らかにしていただきたいと思っております。  台風19号への対応ですけれども、10月13日10時26分、市参集対象職員に参集指示、21時には地区支部を含めて931人が参集した。13日15時、静岡市災害対策本部会議開催。13日20時、静岡市災害対策本部会議開催。14日4時50分、注意報が解除される。14日8時半、静岡市災害対策本部会議が開催された。10月14日の台風19号の際は9月議会の最終日で、10時からの本会議に当局全員が防災服で出席したわけであります。まだ災害の期間中であるということで、そういう問題があったかと思いましたけれども、台風は通過して時間がたっていたにもかかわらず防災服で出席とは、台風18号の対応とは全然違い、台風18号の不備のため、台風19号は大げさに対応されたような行政の対応の不備が感じられているわけであります。行政はどう考えておられるのでしょうか。  台風18号では、静岡市は局地的に大雨に見舞われたわけであります。地域的な雨量に大きな違いがあります。雨量の状況、また、地域的に雨量の違いがあるときの対応はどうされているのでしょうか。  次に、台風、ゲリラ豪雨への対応であります。  静岡市は都市としての実力が備わった政令市であり、当然、市民の安全のため万全な措置がとられなければならないと考えます。  第3次総合計画の重点プロジェクト、基本計画、防災都市の項に、頻発する大型台風やゲリラ豪雨などによる風水害発生に的確に対処していくため、国、県とも連携して総合的な浸水対策に取り組むとともに、崖崩れや地すべりなどから市民の生命、財産を守るため土砂災害対策を推進するということまで掲載されているわけです。台風、ゲリラ豪雨などが今までも多く発生していたわけですけれども、対応はされず、今回、どういう問題があり、どうしようとして基本計画に取り入れられたのでしょうか。  次に、災害時の活動拠点整備についてであります。  第3次総合計画、分野別、防災・消防分野では、「災害対策本部をはじめとする災害時活動拠点整備を進め、災害時における情報の収集、共有化、対策立案など、災害対策本部の機能を強化します」と提起されております。災害時の情報の収集、共有化、対策立案など、災害対策本部の機能強化とはどういうことか、明確にしていただきたいと思います。  災害対策本部の一番重要なことは、被害を最小限にするため、情報の収集、共有化、対策立案だけではなく、災害対策本部が危険情報をいち早く察知する対策、この情報を地区対策本部や市民に、細部にわたり伝達することが重要なことの1つではなかろうかと感じております。行政の考え方を聞かせていただきたいと思います。  それでは、この後からは一問一答に入ります。   〔44番栗田知明君質問席へ移動〕 5 ◯危機管理統括監(中野達也君) 台風18号の際の降雨量など、3点の御質問にお答えいたします。  初めに、降雨量についての御質問であります。いずれも静岡地方気象台の観測でありますが、台風18号の際の雨量は降り始めの10月5日午前0時から6日正午までの36時間で、山間部の葵区梅ケ島で320ミリ、井川349ミリ、鍵穴434ミリ、平野部の駿河区曲金で363ミリ、清水区興津中町では428ミリでありました。また、時間雨量は6日午前8時15分過ぎからの1時間で、山間部の葵区鍵穴では87ミリ、平野部の清水区興津中町では64ミリでありました。これは静岡地方気象台の観測史上最大の雨量でありました。  次に、3次総重点プロジェクトに台風やゲリラ豪雨などの風水害の対処を登載した理由についてお答えいたします。  毎年のように発生する水害、土砂災害に対しましては、長年にわたって対策を講じてきたところでございます。  本年8月20日の広島市での土砂災害は極めて甚大な人的被害をもたらしたこと、また、10月6日の台風18号では、本市の広い区域で山崖崩れ、浸水被害が発生しました。これらのことから、水害、土砂災害は必ず発生する危機であり、より的確に対処していくことが必要であると考え、3次総へ登載したものであります。地震・津波災害はもとより、水害、土砂災害につきましても、自助、共助、公助、あらゆる主体の「つながる力」による不断の取り組みが不可欠であり、重点プロジェクトの1つとして掲げました。  3点目は、災害時活動拠点整備とは何を行うのかという御質問であります。  災害時活動拠点とは、災害対策本部、区本部、各地区支部など、地域防災計画上位置づけのある全ての施設であります。  被害の最小化を図るためには、災害対策本部、区本部はもとより、市民の皆さんに最も近いところに開設する地区支部など、それぞれが十分にその役割を果たすことが重要となります。災害の対応の基本は情報であると、そのように考えております。この考えのもと、3次総の防災・消防分野に掲げます災害時活動拠点整備では、災害対応力を高めるための情報の収集、一元化、共有化の仕組みづくりを進めてまいります。   〔44番栗田知明君登壇〕 6 ◯44番(栗田知明君) 私は、今回の台風18号、19号への対応で感じた中で、幾つかの点を述べたわけです。台風18号は、結構早い時期からいろいろな警報が出されていたにもかかわらず、市長を長とする災害対策本部の本部会議はこの台風が通過した後開かれ、通過する前には開かれていなかったわけなんです。そして、もう一つには、台風19号の対応はどうだったかというと、本部会議を3回やられたことは事実ですけれども、台風が進んだ後、議会の前にやられた。パフォーマンス的なやられ方がされてきた。  私は、なぜこんな差がでているのかと、それぐらいはっきりさせていただきたいと思うんです。市民は台風18号により大変大きな被害を受けたわけです。しかし、現実には、災害対策本部の会議もやっていない、市民の皆さんへは、何の指示も出されていない。地区対策本部は情報収集し、危険を察知し市民に知らせるという機能が果たされていない。こんな格好で市民の危機を守ることができるかどうかと言ったら、大変問題がある。その点ぐらいははっきりさせたらどうなんでしょうか。  それから、次に入りますけれども、台風18号、19号への対応の措置についてであります。  天気予報等では巴川流域の被害発生予想ができなかったのか。  今回の台風は、長尾川流域、高部、飯田、庵原、興津川流域上流と一部地域の雨量が多かったわけです。10月6日6時7分、県土木事務所よりファクスで藁科川、巴川、丸子川、興津川、庵原川、長尾川など、いろいろな水位の到達情報について送信されてきたわけです。7時35分には氾濫注意報が出され、7時52分には避難判断水位以上、それから、8時10分にも、避難判断水位以上と、こういう水位到達情報がファクスで送られてきて、巴川、能島地区で4.31メートル、丸子川で3.10メートル、興津川で2.45メートル、庵原川で3.52メートル、長尾川の水無橋で2.69メートルという状況の中、災害対策本部第1回本部会議が台風通過後の9時15分に初めて開かれたわけです。県土木事務所より主要河川の情報をファクスで受信し、雨量、河川の様子を把握されていた。被害予想ができていないのかと思うわけであります。  この地域の雨量が多いという情報の察知はいつごろできたのか。この情報は災害対策本部から地区対策本部へ情報伝達がされたのか。危険情報が地区対策本部へ伝達されなかった理由、しなかった理由を明確にしていただきたいと思うのです。そして、今後の対応はどうしようとしているのか。今回の対応を総括し、問題を明確にする考え方があるのかどうか、見解を求めます。 7 ◯危機管理統括監(中野達也君) 天気予報、あるいは河川の水位情報等で、巴川流域の被害の発生の予測はできなかったのかという御質問でございます。  国が管理している安倍川や県が管理している巴川などの本川につきましては、堤防が壊れたり、越水した場合に浸水被害が発生するおそれのある範囲が、浸水想定区域としてあらかじめ公表されており、本市もこれをもとに洪水ハザードマップを作成しております。  したがいまして、このような河川の被害につきましてはある程度は予測できますが、台風18号の際に巴川流域で発生した浸水被害は、巴川の水位が上昇したことで、これに流れ込む中小河川、支川におきまして土砂の堆積も重なり、低い土地に排水不良が発生したと分析もされております。このような浸水被害については、どこで発生するのか、どの程度の被害となるのかを予測することは困難であったと考えております。   〔44番栗田知明君登壇〕 8 ◯44番(栗田知明君) この雨量の関係から見ていくと、静岡市全域に対する大雨ではなく地域的なものであった。そうしますと、そういう情報をつかまえていたならば、もう少し違った対応ができたのではないかと思うんです。  それから、台風18号の際、安倍川の洪水予報は静岡市防災メールで配信されたわけです。巴川等の河川の洪水予報は配信されなかったのはなぜなのか。疑問に感じております。  今回の地域的豪雨から見ると、巴川等の河川洪水予報は、地区対策本部へ配信されるべきであります。主要河川である、大谷川、長尾川、庵原川、興津川などの、情報察知の体制は当然あっただろうと思うが、災害対策本部の対応はどうなっているのか。地区対策本部等へは一切情報提供していなかった。台風18号のとき、安倍川の洪水予報は静岡市防災メールで配信されたけれども、巴川等の洪水予報は県土木事務所から配信されてきていたにもかかわらず、地区対策本部へ伝達されなかったのはなぜでしょうか。  また、主要河川である、今言われたけれども、巴川の支流だ、こんなことも言われました。主要河川で大谷川、塩田川、山原川について、県土木事務所より情報が配信されなかったのはどういうことでしょうか。水位計が設置されていなかったのが理由なのか。今後の対応はどう考えておるのでしょうか。県からファクス等で情報を受けたと聞くが、この情報が地区対策本部へ伝達されなかった、しなかった、この理由はどういうことでしょうか。このことにより被害が増大した。市長を初めとした本部対策員はどう考えておるのでしょうか。大変不備が多過ぎます。 9 ◯危機管理統括監(中野達也君) 巴川等の河川の洪水予報が配信されなかったことについての御質問にお答えいたします。  安倍川は流域面積が大きい河川であります。洪水により国民経済上重大な損害を生ずるおそれがあるものとして、水防法第10条の規定により、国土交通大臣が洪水予報河川に指定しております。このため、安倍川については、河川管理者であります国土交通省静岡河川事務所静岡地方気象台が共同して洪水予報を発表していることから、本市はその予報を静岡市防災メールで配信しております。  一方、巴川は、河川管理者であります静岡県知事が水位情報周知河川に指定していますが、洪水予報を発表する河川ではないことから、本市も防災メールでの配信はありません。   〔44番栗田知明君登壇〕 10 ◯44番(栗田知明君) 主要河川の県河川については、県からファクスでその情報が来ているわけです。だけれども、あなた方は、情報が来ているのにもかかわらず、その情報を地区対策本部と被害が想定される地域にも何ら連絡をとっていないわけなんです。そんな対策本部はないわけなんです。何をしようとしているんですか。現実には、国の指示云々なんていう問題ではなく、市の対策本部、危機管理部についてはもう少し対応すべきではないんでしょうか。情報があったにもかかわらず、地区対策本部には何ら情報を流さなかった。これは怠慢どころじゃなく、被害を増大する、その一つの責任があるのではないんでしょうか。  また、今回の台風18号、19号の災害に対する補正予算は、一般会計で約29億7,000万円が計上されている。その財源内訳はどうなっているのでしょうか。または、国・県支出金は、現在、補正予算に関係なく、台風などの処理にされている予算、予備費等での措置がされていると思うわけであります。現在残されている台風被害への処置は基本的に対応されると考えるが、行政の考え方を聞かせていただきたいと思います。 11 ◯財政局長(河野太郎君) 今回の災害に対する一般会計の補正額約29億7,000万円の財源内訳は、国庫支出金が約6億6,000万円、県支出金が約1億4,000万円、市債が約17億7,000万円、一般財源が約4億1,000万円となっております。本市の持ち出し分は市債と一般財源合わせて約21億8,000万円でございますが、これは、今回の災害は国の採択基準に満たない小規模な被害が広範囲にわたり、単独災害復旧事業のウエートが大きくなったことによるものでございます。  なお、災害復旧事業に充当する市債につきましては、手厚い交付税措置がなされており、今回発行分の後年度の元利償還金の約60%が補填されることとなります。また、一般財源についても、今後、特別交付税による措置を国に要望してまいりたいと考えております。  今後とも、台風18号、19号災害について、必要な予算上の対応は確実に実施してまいります。   〔44番栗田知明君登壇〕 12 ◯44番(栗田知明君) 台風での避難勧告の問題であります。  台風18号では、静岡市南部という表現で避難勧告が発令されたわけであります。また、台風19号では、避難勧告が連合自治会名で幅広く発令された。台風19号の際には、何名の避難対象者に対し、何名が避難したのでしょうか。 13 ◯危機管理統括監(中野達也君) 台風19号の際は、台風18号から1週間しか経過しておらず、再び大雨となれば、土砂災害発生の危険性が極めて高いと判断したことから、山崖崩れなど、土砂災害危険箇所が存在する市内53地区21万世帯50万人を対象に避難勧告を発令をいたしました。この勧告で避難された方は、本市が把握しているところでは309世帯605人であります。   〔44番栗田知明君登壇〕 14 ◯44番(栗田知明君) そういう大げさな形の避難勧告でありましたから、皆さん自身が、本当に避難勧告の対象になるのかどうか、その辺がよくわからなかったはずなんです。私は、台風18号、19号の避難勧告は住民が判断しがたい発表方法であったと思うわけです。  市民が的確な避難行動がとれたと思っているのか。また、もっと改善すべきと思うか。今後、どのような避難勧告を発令していくべきと考えておるのでしょうか。  このような大ざっぱな避難勧告では、市民は信用できない。防災ラジオだけではなく、地区対策本部から自治会長等への通達がされ、細部にわたる連絡の対応が必要であると思うわけでありますけれども、行政の対応はいかがでしょうか。 15 ◯危機管理統括監(中野達也君) 台風18号の際の避難勧告につきましては、対象地区がわからないといった声もありました。このことを踏まえまして、台風19号の際は、避難勧告の対象地区を連合自治会、町内会単位といたしました。先ほどもお答えしましたように、これにより605人の方々が避難されましたので、この勧告が避難行動に一定程度は結びついたものと考えております。  現在、台風18号、19号の本市の対応がどうであったか、情報の収集、市民への伝達、勧告発令の判断など、細かく検証をしているところであります。今後はその結果をもとに、河川管理者、気象台など幅広く御意見を伺いながら、今後、どうすればわかりやすくきめ細かく勧告を発令できるか、検討してまいります。   〔44番栗田知明君登壇〕 16 ◯44番(栗田知明君) 連合自治会といっても広いわけでありますから、もう少し細部にわたる連絡網がとれるようお願いしたいと感じております。  台風、ゲリラ豪雨に対する対応についてであります。  台風、ゲリラ豪雨は最近の出来事ではなく、以前から指摘されていたわけであります。3次総の基本計画へ入れたということは、どのような理由があったのでしょうか。また、今後、静岡市としてどのような対応をしていくのか、明らかにしていただきたいと思います。  水害、土砂災害についても、自助、共助、公助など、あらゆる主体のつながりによる不断の取り組みが不可欠ということを基本計画に入れ、行政は現在の問題を明らかにし、問題解消のために行政がとるべき方向を明確にすべきであろうと感じております。いかがでしょうか。 17 ◯危機管理統括監(中野達也君) 先ほどの答弁と重なるところもあろうかと思いますが、毎年のように発生しております水害、土砂災害に対しましては、これまでもハード、ソフトの両面で対策も講じてきているところでございます。  本年8月、広島市で発生した土砂災害は極めて甚大な人的被害をもたらしました。これは、多くの急傾斜地や土石流危険箇所を抱える本市にとりましても、決して人ごとと言えるものではありません。また、10月の台風では、幸いにして人的被害はありませんでしたが、市域の広い範囲で浸水や土砂災害、土砂崩れが発生をいたしました。改めて、水害、土砂災害は必ず発生するものであり、また、ハード対策による防護には限度があると認識もいたしました。  このため、今後は、官民連携のもと、避難によって人命を守る警戒避難体制の整備をさらに加速させていくため、その取り組みを3次総基本計画の重点プロジェクトに登載したものでございます。   〔44番栗田知明君登壇〕 18 ◯44番(栗田知明君) 麻機遊水地、巴川、長尾川及び大谷川で水位計が設置されている箇所及び監視はどこか。また、市はどのようにして水位計の観測値を入手し、どのように利用されておるんでしょうか。  清水区にある大内遊水地、能島遊水地、押切北、押切南遊水地、それぞれの遊水地に水位計が設置がされているのか。情報はどのような形式で把握されているのか。今回のように雨量が多くなったときには遊水地は満杯になり、効果が少なくなっていると言われている。どのようにしようとしておるんでしょうか。 19 ◯危機管理統括監(中野達也君) 麻機遊水地、巴川、長尾川及び大谷川の水位計は、いずれも管理者であります静岡県が設置しております。水位計は、麻機遊水地に2カ所、巴川では、葵区の上土と大谷川の分流堰地点、このほか、清水区楠、能島、江尻に設置されております。  また、長尾川では葵区瀬名三丁目の水無橋に、大谷川では駿河区大谷に設置をされております。これらにより観測される水位情報は、日常的に、通称サイポスレーダーと呼ばれております静岡県土木総合防災情報システムや、また、大雨洪水警報発表時などには、管理をしております静岡県の土木事務所から直接ファクスも送信されますので、本市はこれらにより水位情報を入手をしております。これらの水位情報は河川巡視などに当たる水防団の出動の基準としているほか、避難勧告を発令する場合の判断材料の1つとしても利用しております。   〔44番栗田知明君登壇〕 20 ◯44番(栗田知明君) 水位情報はもう少し利用できるんじゃなかろうかと私は感じております。地区対策本部へなど一切連絡されていない。なぜかと感じます。  また、台風18号、19号の教訓を踏まえ、安心・安全な地区とするため、地区対策本部から自治会へきめ細かく避難勧告を伝達することができないでしょうか。今回の台風においては、地区対策本部から各地区自治会長へ連絡がされなかった、しなかった。どうしてできなかったのか、どう改善するつもりなのでしょうか。 21 ◯危機管理統括監(中野達也君) 避難勧告の地域への伝達につきましては、本市の地域防災計画の中で災害時の地区支部の役割の1つとしております。今後、避難勧告を発令した場合は、地区支部が受け持つ地域の代表者に確実に伝達するよう指示を徹底してまいります。   〔44番栗田知明君登壇〕 22 ◯44番(栗田知明君) 災害時の活動拠点整備についてであります。  地区支部については、災害対策本部の整備にあわせ、情報収集力の強化を図るということでありますが、情報収集だけでなく、地区支部は、市民の被害を最小限にするため、危険情報や細かい避難勧告を明確に伝えることが本来の仕事であろうと考えるわけでありますが、3次総基本計画ではどのように捉えているのでしょうか。災害対策本部、地区本部の一番の使命は被害を最小限にすることである。被害情報収集は災害の後始末である。どちらも必要であろうと感じておりますけれども、危険情報の伝達が一番であり、末端までどのように伝達し、避難させるのか。その体制づくりはどう考えておられるのでしょうか。 23 ◯危機管理統括監(中野達也君) 3次総基本計画に掲げる施策の具体化はこれからとなりますが、市民の皆さんや自治会、町内会の皆さんとの情報のやりとりを担う地区支部につきましては、区本部との情報のやりとりとともに、地域との間で情報を共有する仕組みづくりも進めてまいります。   〔44番栗田知明君登壇〕 24 ◯44番(栗田知明君) 河川の情報は地域住民の安全のために必要であろうと考えております。  台風18号の際は、災害対策本部で入手した水位情報を関係する地区支部へ提供していなかったわけであります。理由を改めて聞かせていただきたいと思うんです。  先ほどからの答弁を聞いておりますと、何だか危機管理統括監、それから、市職員は、災害のとき、いろいろな水位計があって、その情報がファクスで来ているんだけれども、それを情報としてその地区対策本部へは何にも出していないわけなんです。  そうしますと、地区対策本部は何の仕事をしているのでしょうか。被害があった後の情報収集だけなんでしょうか。せっかくこれだけの体制をつくっておきながら、どういうわけなんでしょうか。私は大変疑問に感じるわけであります。地区対策本部は、ある一定の情報提供から市民に対する危機的なものについては連絡があるものと考えているわけですけれども、そういうことが一切されていないのは、この災害対策本部のやり方の問題なんでしょうか。私は大変疑問に感じております。 25 ◯危機管理統括監(中野達也君) 災害対応の基本は情報にあると再三お答えしているところでございます。  本部と地区支部との間の情報共有も本当に重要なことだと認識しております。  ただ、台風、これまでの災害対応におきましては、災害対策本部から、河川の水位情報については地区支部へは伝達しておりませんでした。   〔44番栗田知明君登壇〕 26 ◯44番(栗田知明君) 私は、主要河川の水位情報を収集して、地区支部への水位情報を出すべきではないかと考えております。当然であります。  今回の巴川の氾濫は、巴川の本流と支流の関係で起こったことだから、その辺の情報は余り把握されていないような言い方もされていたわけですけれども、危機管理のために対応をされている災害対策本部としては、もう少しこの辺はちゃんとされているのじゃないかと思うんですけれども、私は大変残念に感じております。  行政のやる仕事には、各地域の主要河川の情報把握があり、その情報をもととして、各自治会への危険連絡である避難勧告をするのが必要であろうと考えておりますけれども、そのような形態はとろうとしないでしょうか。 27 ◯危機管理統括監(中野達也君) 災害対策本部と地区支部との間でどんな情報を共有すべきかにつきましては、地区支部の役割と伝達手段の両面から整理をする必要があると考えております。先ほど申しましたように、現在、台風18号、19号のそのときの対応の検証を進めておりますので、この作業の中で整理をしていきたいと考えております。  なお、本市が水位情報を入手しております静岡県の土木総合防災情報システム、いわゆるサイポスレーダーでは、一般利用者向けに水位情報をパソコンや携帯電話にメールで配信するサービスもありますので、地区支部員はもとより、このサービスを広く市民の皆さんに御利用いただくよう、市政出前講座やホームページを使って周知を図っていきたいと考えております。   〔44番栗田知明君登壇〕 28 ◯44番(栗田知明君) 今回の大きな教訓は、災害対策本部から各地区支部へ余り情報が提供されていなかったことのように考えるわけであります。災害対策本部から地区支部を通じて、自治会へ危険情報を伝えなければならないのではないのかと考えているわけであります。  地区対策本部の任務はどうであったのか。明確に自治会長へ危険情報を連絡し、危険管理は中心任務にはできないのでしょうか。  つまり、台風18号のときについては、災害対策本部の会議もやっていなかった。だから、地区対策本部へも連絡がいかなかったのかどうかよくわかりませんけれども、大変不備が多かったわけであります。もう少しその辺の体制をつくる意思があるんでしょうか。 29 ◯危機管理統括監(中野達也君) 先ほどもお答えしておるところでございますが、地区支部の災害時の役割は、地域で発生した被害や避難に関する情報の収集とともに、避難勧告等の地域への伝達としておりますので、その役割を十分果たすよう、地区支部員へ指示を徹底してまいります。   〔44番栗田知明君登壇〕 30 ◯44番(栗田知明君) 徹底していくと言いますけれども、今回は、徹底されていなかった、そういう感じを持っております。大変不備が多かったんじゃないのかなという感じを持っております。  清水区では、災害時、各生涯学習交流館が地区支部となっており、市の職員が配置されているわけであります。以前は交流館長は地区支部員であったけれども、現在は地区支部員ではないわけであります。それは、どのような理由か、また、今後、どのように対応しようとしているのか。管理委託をしているから、市の職員じゃないからという問題だけでしょうか。自治会長や地区の様子を交流館長が一番把握しているわけであります。交流館長を体制に組み入れることで、全ての対応がうまく遂行されるのではなかろうかと思うわけであります。対応をお聞かせ願いたいと思います。 31 ◯危機管理統括監(中野達也君) 御承知のとおり、現在、生涯学習交流館は指定管理者制度が導入されており、館長は指定管理者の職員に務めていただいております。  災害時は昼夜を問わず災害対応に当たる可能性があることから、地区支部員には市の職員を指名しております。  しかしながら、生涯学習交流館は各地区の災害対応の拠点ともなる施設であり、地域の皆さんのよりどころでもあるため、地区支部の災害対応に御協力いただけるよう、指定管理の仕様協定書の中に、館長及び職員の災害時のかかわりを定めていただいております。今後も引き続き、地区支部員と生涯学習交流館の職員との良好な連携の保持に努めてまいります。   〔44番栗田知明君登壇〕
    32 ◯44番(栗田知明君) 現在、生涯学習交流館の館長は地区支部員になっていないわけであります。地区支部への協力については指定管理の仕様書、協定書に記載されているということでありますけれども、具体的にどのような形で地区支部への協力ができるようになっているのでしょうか。  私は、今回の台風18号への対応から考えると、災害に対する危機意識の甘さがあったと思うわけであります。交流館長は仕様協定書に明記されているからという理由では成り立たないと思うわけでありますし、その体制がつくられていないからであろうと感じております。明確に地区本部員との関係、体制をつくるべきであるという考え方を持っておりますけれども、当局の考え方をお聞かせ願いたいと思います。 33 ◯危機管理統括監(中野達也君) 生涯学習交流館の館長などに御協力いただく内容につきましては仕様協定書に定めていただいておりますが、主なこととしましては、施設利用者が退去した後の地区支部員への引き継ぎ、地区支部の災害対応の支援のほか、避難所に指定をしております交流館にありましては、施設の管理に精通していることから、避難所運営の支援などとなっております。また、災害時は地域の自主防災組織との連携が大変重要となりますので、日ごろから地域の防災にかかわる会議に地区支部員とともに参加していただくようお願いもしているところでございます。   〔44番栗田知明君登壇〕 34 ◯44番(栗田知明君) ただ仕様書に書いてあるから、全てがなされているというような言い方はできないであろうと感じております。もう少しちゃんとした形で交流館長の位置づけを明確にして、災害時の対応をしていく必要があろうと感じております。市の職員ではないけれども、違った角度からどういう形で入ってもらうかということは、指定管理の関係からはっきりさせていっていただきたいと感じております。そのことが一番地区に対する浸透になっていくんではないかと感じております。  また、今回の台風18号、19号の問題を見ていく中で、まず、先ほど言ったとおり、台風18号では、なぜ市長を長とする災害対策本部の会議がなされなかったのか。そして、台風が通過した後、本部の会議が開かれた。開かれないよりはいいとは感じますけれども、何で相当早い時期からいろいろな避難関係の対応や水位情報が出ていたにもかかわらずなされなかったのか。  今回の3次総基本計画においても、台風やゲリラ豪雨に対する対応、災害時活動拠点整備について書かれておりますけれども、僕は、現在のやり方は、本来の災害時の対応ではないと感じているわけです。市民から言わせると、大変多くの被害を受けた。少しの情報だけでも早く来ていれば、車を高いところへ移動できた。現実には相当の台数が水没したわけでありますけれども、こういうような簡単なものについては、水位情報等さえはっきり出てくれば対応できたのではないのか、そういう感じがするわけであります。また、床上浸水が生じようとする道路については、情報があることによって、その家屋の上げる物、畳の問題等幾つか対応ができたはずです。  今回の行政の対応というものは大変不十分であったと私は感じております。末端のところで頑張った皆さんは大変苦労していると思うし、現実には、本部からの対応指示が出されてこなかった。出されてこないために、その地区支部の皆さんは何の仕事をするかといったら、その災害が起こった情報を収集するだけだった。僕は、そんなやり方で災害対策本部は成り立っていかないんじゃないかと思うんです。市民の皆さんに対する被害を少しでも少なくするということは前提であろうと感じております。被害が出たものをただ情報収集をすることを一番の任務とするものではなく、私は、今回の台風18号、19号の対応を見ていきますと、現実に台風18号のときについても、災害対策本部は、全員が集まるかどうかはわかりませんけれども、やることもできたんじゃないのか。やらなかったらおかしいんじゃないのか。そういう感じを特に持ってきました。  これはどこの責任かと言うと、行政の長、それから、危機管理統括監、そういうところについては、こういう問題が一切ないようにしていかなくてはならない。そのことがない限りについては、市民からは行政不信を招くと思います。  だから、私は、災害が起こった後、何カ所か、市の責任でいろいろな水害や被害が起こったところの相談を受けてきました。そういうことを考えてみましても、行政は、市民に対して、災害のときこそ信頼されるような体制をつくらなくてはならないと感じております。  遊水地についても水位計がないわけです。情報をとろうとしても情報がとれない。現地を回るしかない。けれども、水が出ているときにそんなことはできない。遊水地の水が満杯になってきている。そういうことから考えてみますと、その辺の情報はどこがとってくれるのかなと感じるわけなんです。  例えば、今回、3次総基本構想という形で出てきたならば、じゃ、そういう水位計、それから、巴川の支流関係をどうするかという問題などを明確にしながら、情報を集めることによって被害を最小限にすることができるではなかろうかと感じております。  僕は、災害という問題に対して真っ向から取り組みながら対応していただきたいと感じております。  今回の教訓を、災害があって、被害が出て教訓というのはおかしいわけですけれども、今回の災害対応においては不備な点が大変多くあったわけでありますけれども、その辺は間違いなくちゃんとした方向づけをしてもらいながら、二度とという言い方はよくありませんけれども、このような状態があってはそれこそ行政不信になると思うわけでありますから、その辺に気をつけた対応をお願いしたいと考えております。  以上です。 35 ◯議長(石上顕太郎君) この際、暫時休憩いたします。         午前11時48分休憩    ───────────────────         午後1時再開 36 ◯副議長(中山道晴君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  総括質問を続行いたします。  佐藤成子さん。   〔18番佐藤成子君登壇〕 37 ◯18番(佐藤成子君) きょうの午後は長丁場になるので、皆さん頑張りましょう。  それでは、通告に従いまして質問いたします。  大項目1、まちみがき戦略推進プラン・第2次総合計画・行財政改革について、伺います。  本当に月日のたつのは早いものです。2月議会でも同様のことを申しましたが、田辺市長が「若い力で現状打破、今を変える、静岡を『希望の岡』に」のマニフェストを掲げて当選されて、あと少しで4年になろうとしています。  このマニフェスト自体は政治家としての首長個人の私文書にすぎないものなのですが、当選後、田辺ビジョンの策定や静岡版事業仕分けの実施などを経て、マニフェストと第2次総合計画との整合性を図って、静岡市まちみがき戦略推進プランを策定されました。このことは、マニフェストを自治体の事業推進計画に位置づけ、策定に当たっては、市民との対話集会などを開催し、市民とともに策定した自治体の行動計画となりました。  ここ数年、地方自治体の首長選挙には、ローカルマニフェストを掲げて選挙に臨む首長がふえています。任期中に目指す目標が明確化され、その達成責任もはっきりと示し、事業推進の見える化が図れるからだと思います。  また、マニフェストを掲げての当選後は、田辺市長と同様に、それを自治体の事業推進計画とし、それらがしっかりと推進されているかどうか検証する、いわゆるマニフェストサイクル、マニフェストのPDCAを回しているのかの評価検証につながります。  まずは内部評価。  田辺市長もこれまで、事あるごとに、鳥の眼、虫の眼の複眼思考の都市ビジョン、まちみがき戦略推進プランがどの程度推進されているかの比較・検討や、事業仕分けの際、担当部署での検討を行ってきました。とかく自己評価は甘いと言われがちですし、内部での目標の設定の仕方自体問題があるのではないかなどとも言われたりしています。  それならば、外部評価もということで、静岡市まちみがきプラン評価委員会の市民評価が行われてきています。昨日の鈴木議員の質問にも出ていましたが、その最終評価報告がまとめられました。その外部評価について、お伺いいたします。  外部評価といえば、昨年のマニフェスト大賞で、田辺市長は優秀マニフェスト賞、審査委員会特別賞を受賞されましたが、毎年マニフェストの進捗管理を行っていることや、市民との対話にこだわっていることなどが評価されての受賞でした。  それでは、お聞かせください。  今回の評価委員会からの最終評価報告書をどう受けとめられ、次につなげられたか、お伺いいたします。少なくとも最低1件は3次総に盛り込むと話されていました。  次の質問です。  静岡市行財政改革推進審議会についてです。  市長は、安定的な市政運営を行っていくためには、3次総と財政計画及び行財政改革が三位一体となり、諸施策の選択と集中を図らなければならないと述べています。この審議会から、政策・施策評価(試行)と題して、2次総の内部評価の9つの評価の中から4つを抽出して評価した外部評価報告書が出されました。内部評価の結果に対して、指標の達成率や適格性、施策の課題と原因、解決方法など、興味ある分析がなされていました。  お伺いいたします。  この報告書についてもどのように受けとめられたかをお聞かせください。  また、この2つの外部評価がどう生かされて、3次総の具体的なものにつなげられたのかをお聞かせください。  次の質問です。  新行財政改革推進大綱案の答申についてお伺いいたします。  市長の諮問を受けて、静岡市新行財政改革推進大綱案の答申が提出されましたが、前出の2例同様、その答申書をどう受けとめられたか、お伺いいたします。  また、行財政改革をどのように位置づけ、連携していかれるのかをお聞かせください。  次に、大項目2、第3次総合計画についてお伺いいたします。  その1、組織機構改正について伺います。  観光交流文化局新設について、地域活性化事業推進本部の廃止の経緯についてお伺いいたします。  市長のマニフェストにもあった現状打破、縦割り行政の弊害の解消を図り、円滑かつ柔軟な体制でさまざまな事業に取り組める組織を確立し、地域経済の発展に寄与する目的で地域活性化事業推進本部が設置されたと認識しております。  本部担当の業務については、取り扱う事業の妥当性などの検討を重ねてきたことや、効果的な職員の意識改革に向けた課題解決が必要なこと、多岐にわたる関連部局を横断的に統括するため局間連携の強化が必要なことなどをこれまでの質問で答弁いただいておりました。なかなか課題が解決されていない状況に、我が会派は歯がゆい思いをしておりまして、課題解決のためには発展的解消も必要なのではないかとの提言もさせていただきました。  お伺いいたします。  組織改正に当たり、これまで設置されていた地域活性化事業推進本部設置の成果は何であったとお考えでしょうか、お聞かせください。  また、局間連携の表現を横串を刺すと言われてきましたが、新しい組織体制の中で、この重要な役割はどのように継承されていくのでしょうか、お伺いいたします。  次の質問は、中項目2で、静岡市基本計画についてお伺いいたします。  2次総の世界に輝く「静岡」の創造を3次総では「世界に輝く静岡」の実現と進化させました。何をどのように具現化していこうとされているのか、お伺いしていきます。  その1、重点プロジェクトについて8点お伺いいたします。  創造する力による都市の発展、文化都市について。  東静岡地区における県との連携はどのように進んでいるのかお聞かせください。会派として、市長と政策協定書を交わした際、民間と同様に県との連携の必要性は強調した項目でした。  先ごろ、東静岡地区の整備に関する有識者会議が開催されたと伺いました。その内容や今後のスケジュールをお聞かせください。  また、新たなにぎわいと交流の核となる文化・スポーツの殿堂が意味するものは何か、お伺いいたします。  また、中枢都市の項目では、世界中から多くの人が集まるまちとして、首都圏からの移住・定住の促進と述べています。そして、2025年の静岡市の目標総人口を70万人を維持すると設定されました。昨日も触れられたテーマですが、人口移動・年齢調査を分析し、あらゆる対策を講じ、特殊出生率向上までつなげていきたいとのことでした。  改めてお伺いいたします。  首都圏からの移住・定住策、今後の定住人口増加策についてどのように推進していかれるのかをお伺いいたします。  また、同じ中枢都市の項目で、静岡市の強みを生かした戦略産業を選ぶと記載されていますが、戦略産業とは具体的にどのような産業なのか、お聞かせください。そして、この戦略産業を重点的に振興する理由はどこにあるのでしょうか。また、期待される効果はどれほどなのか、お伺いいたします。  次に、つながる力による暮らしの充実、健康都市についてお伺いいたします。  子育て支援についてです。  「子ども本位の子ども・子育て支援の推進」の表現が目にとまりました。これまで子育て支援の軸足は子育てする側にあったと認識しています。働き続けてきた1人として、働きながら子育てする側にとってはとてもありがたいことで、一時預かりや時間延長保育、病児・病後児保育、民間での日祭日保育など、とても助かる制度で、少しでも長く、少しでも多くなど、個別要求も千差万別でした。一方、受け入れていただいていた側、保育する方たちの声は、もう少し預かられる子供たちのことを考える必要があるのではないかと感じているとのことでした。今回、私の目にとまったこの子ども本位の子育て支援、具体的にはどのような取り組みを行っていくのか、お伺いいたします。  次に、共生都市、まちづくりは人づくりについてお聞かせください。  市民と行政との協働によるまちづくりを担うシチズンシップに富んだ人材を養成するとのことですが、これまで静岡市が行ってきた市民への人材養成塾、人づくりはどのようなものだったのか、お伺いします。講座の名称の変化はあったものの、かなり長い期間養成されてきたと承知しています。  また、それぞれの講座の修了生はどんな分野でどんな活躍をされているのか。人材養成塾の成果をお伺いいたします。  次に、分野別の基本的な方向性について伺います。  観光・交流分野、重点的な取り組み、政策3、来訪者が再び訪れたくなる受入態勢づくりの推進についてです。  観光・交流分野の受入態勢と聞いて、皆さんは何を最初に思い浮かべるでしょうか。私は宿泊施設の充実と思いました。もちろん、ほかのことも多々あろうかと思いますが、このことについてお聞かせください。  まず、現在、静岡市内のホテルなどの宿泊状況はどのような状況でしょうか。イベントある、なしなどいろいろと思われますが、お聞かせください。  次に、商工・物流分野、重点的な取り組み、政策2、商業都市としての特性を磨き、個店、商店街への支援や都心商業から地域商業まで地域特性に見合った商業立地を促していく。誰もが安心・安全に快適な買い物ができる環境の創出を図るとのことですが、条例の制定や計画の策定など、いろいろ進めているとは思いますが、具体的にお伺いいたします。これまで余り積極的でなかった各個店への支援を進めていくことになった審議会などでの検討経過と、今後の支援の方向性について、お聞かせください。  次は子ども・教育分野の重点的な取り組み、政策1、しずおか総がかりで子ども・子育て家庭を支援し、子どもを産み育てやすいまちづくりの推進について伺います。  先ほども子育てについて、子ども本位について伺いましたが、この「しずおか総がかり」の言葉も目にとまりました。具体的にはどのような思いが込められているのでしょうか。その趣旨をお聞かせください。  次に、中項目3、静岡市史編纂についてお伺いいたします。  第3次総合計画の創造する力による都市の発展の中で、「悠久の歴史を誇りとして活かした風格のあるまちづくり」を第一に掲げています。もちろん、400年前の歴史をひもとくことが大事なことであるのは百も承知であるのですが、もう少し現代に近い静岡市の歴史の記録についても考える必要があるのではないかと思っています。建物、例えば、今後検討されるであろう歴史文化資料館などの中におさめるべきものは何か。古いものから近現代も含めて考えるべきと思い、5年前、静岡市ではどう対応しているのか、市史編さんについて質問しましたが、編さんについては消極的な答弁でした。あのときから一歩も進んでいません。  今回、天守閣再建に向けて発掘調査が開始されようとしています。新たな遺物などが発掘されるかもしれません。記録資料も膨大になることも考えられますし、何よりも、時間の経過とともにこれまでの貴重な歴史的資料などの遺失が懸念されます。ハードの整備とともにソフト面への配慮も必要です。  お伺いします。  市史編さんの現状を改めてお伺いいたします。また、この現状をどのように認識しているか、お聞かせください。  以上で1回目の質問を終わります。 38 ◯市長(田辺信宏君) 今後の市政運営に向けて、大変重要な諸課題について多岐にわたって、また、テンポよく御質問をいただきました。  私からは、大項目1、まちみがき戦略推進プラン・第2次総合計画・行財政改革について、幾つかの論点についてお答えを申し上げます。  まず、外部評価に対する考えでありますが、議員御指摘のとおり、私は市長就任時、市政の運営の基本を新しい公共経営、つまり、民間の経営手法をできる限り行政に取り入れるニューパブリックマネジメント、この手法に求めました。すなわち、その基本理念とは、市民満足度や効率性、生産性などを追及するとともに、市民目線を意識した費用対効果の高い行政運営の実践であります。  今回の市民委員の皆様方による外部評価は、その手法の1つとして実施されたものであります。施策や事業をプラン・ドゥー・チェック・アクション、いわゆるPDCAサイクルによって見直していく。そして、その政策を進化させていく。そのプロセスにとって大事な外部評価という取り組み、姿勢でありました。  おかげさまで、多くの市民の委員の皆さんにかかわっていただきました。まさに時間を惜しまず熱心に議論をしていただいた、シチズンシップに富んだ市民委員の皆様の成果でありますので、この熱心な議論に応えるべく、いただいた意見や提案はこれを真摯に受けとめ、今後の市政運営に生かしていきたいと考えております。どの政策を今後3次総に反映させるか、目下検討をしておるところであります。  次に、新行財政改革推進大綱案についてでありますが、これも申し上げるまでもなく、行革は、今後見込まれる財源不足に対処し、3次総が目指すまちづくりの実現を支えるために必要な行政運営の要素の1つであります。  今回答申された新しい大綱案は、行財政改革推進審議会において10回にわたる審議を重ねていただいたたまものであります。この委員の皆さんも市民の皆さん、しかも、専門的な知識を豊富に擁し、また、シチズンシップに富んだ、そんな委員の皆さんによって取りまとめられたものだと考えております。今回、その対象の事業にかかわる施設を市民の皆さんが現地現場主義で視察をしていただくという新しい取り組みもいたしました。それに応えていただいたと感謝をしております。  そして、この答申では、従来にはない御提言をいただきました。引用いたしますと、すなわち、行革は単なるコスト縮減だけではなく、住民の生活の豊かさを目指した自治を希求した活動でなければならないとの指摘であります。そこでは、本市にかかわる全てのものが、協働に加え連携の意識を常に持ち、改革に取り組むことが重要であるとうたわれております。この考え方が、今回、大綱案の答申において前面に出されたということは、答申の最大の特徴であると受けとめております。  私はこれまでも、費用対効果の高い市政運営に求められる2つのキーワードは連携意識と当事者意識だと強調してきました。この大綱案を大きな礎として、職員のみならず、きのうも申し上げましたが、1人でも多くの市民の皆さんに当事者意識を持っていただき、つまり、シチズンシップを持っていただき、オール静岡の体制で経営に取り組んでいきたいと考えております。これが私の理想であります。  そしてさらに、今後、3次総に掲げる事業を推進し、目指すまちづくりを実現するには、限られた期限、限られた財源の中で事業の優先順位を明確につけていかなければなりません。そのためには、アセットマネジメントの推進や不断の事務事業の見直しが不可欠であります。  そこで、3次総の基本計画の中では、各分野の政策・施策の推進に共通して必要となる2つの視点として、市民主体のまちづくりを進める市民自治、そして、行政の基盤を強化する都市経営、これを車の両輪として掲げ、ここに行革の理念を反映させております。  今後は、3次総と財政計画とこの行財政改革、この3つの計画が三位一体となり諸施策の選択と集中を図ることによって、リアルとロマンを両立させた、将来にわたって安定的な市政運営を実現していきたいと考えております。  以下は局長に答弁させます。 39 ◯総務局長(三宅 衛君) まちみがき戦略推進プラン及び2次総の政策・施策に対する外部評価の結果と3次総への反映の3点の御質問についてですが、外部評価は、行政では気づきにくい視点から御意見や御提案をいただき、事務事業などの見直しや改善を図るとともに、市民の皆さんに対する説明責任を確保するために実施してきました。  まず、まちみがき戦略推進プランの外部評価は、市民の視点でプランに位置づけられた事業の評価、提案を行うもので、平成24年度から3年間で延べ67人の公募市民委員などにより実施しました。評価は必要度、達成度の2つの視点で行い、委員の意見をもとに事業をよりよいものに進化させ、PDCAサイクルを回しながら事業を推進してきました。そして、最終評価においては、おおむね計画どおり実施されたとの評価をいただきました。  次に、2次総の政策・施策の外部評価は、今回初めての取り組みとして、行財政改革推進審議会が2次総の4つのプロジェクトを試行的に評価したもので、3次総の政策・施策の策定や新たな行政評価制度の構築に活用することを目的に実施しました。審議会からは、成果目標に達していないプロジェクトはあるものの、全てにおいて改善されており、一定の成果があったと評価されましたが、政策・施策体系はそのつながりや関連性がわかりにくいなど、改善を要する意見や提案もいただきました。
     この2つの外部評価は、いずれも関係課とのヒアリングや現地視察などを行い、その業務内容の理解を深めた上で評価されたものであり、今後の市政運営に生かせる貴重な評価結果をいただいたものと受けとめています。これらの結果は、各局にフィードバックした上で、3次総の基本計画における各分野の政策・施策に反映させるとともに、個別の事業についても昨今の厳しい財政状況や全市的な視点も踏まえてさらに検討を行い、実施計画の中に位置づけていきたいと考えています。  次に、地域活性化事業推進本部の成果についてですが、本部は大きく2つのことを目的に設置をしました。1つ目は、地域の活性化のために市長が特に指定する事業を推進すること、2つ目は、本市の組織を横断的に活用することにより、縦割りの弊害を解消することです。  この2つの目的から成果を見ますと、1つ目の事業推進につきましては、新たなにぎわいを創出することにより地域経済の活性化が期待でき、局間連携が不可欠な事業である三保松原の整備事業や、「シズオカ×カンヌウィーク」、家康公四百年祭などを推進してきました。これらの事業につきましては、1つの分野にとどまらない地域経済活性化という大局的な目標を掲げ、スピード感を持った対応により、それぞれの局の連携に基づく役割や事業推進の方向性が定まってきました。  また、2つ目の組織の横断的な活用につきましては、局横断的な統括会議を設置するなど、各局連携のもと、一つの目標に向かって事業を推進してきたため、各局のそれぞれの職員が局間連携の必要性を認識し、さまざまな行政課題等に取り組む当事者意識が根づいてきました。一方で、課題としては、限られた人員の中で事業を推進していくため、多くの兼務職員を配置して対応したことや、特定の組織だけで数多くの局間連携を図ることの難しさなどが挙げられます。  そして、この成果と課題を踏まえた上で、本部の担っていた役割がどのようになるのかについてですが、まず、局間連携につきましては、新年度から、局間連携のかなめとなる局次長を全ての局に配置します。  この局次長は、局長のリーダーシップがこれまで以上に発揮できるよう、実務レベルで局長を支える局長の補佐であり、局横断的な事業の推進に当たっては、全庁的な視点を持って他局とのすり合わせ、調整作業を担います。また、調整した結果に基づく局内調整など、局間及び局内調整における実務責任者としての重要な役割を担っていきます。これにより、本部という特定の組織が局間連携を図っていくのではなく、3次総に掲げる6つの重点プロジェクトを初め、さまざまな行政課題についても、全ての局が一層の局間連携のもと取り組んでいきます。  次に、これまで本部が推進してきた地域活性化事業につきましては、主に新たに設置する観光交流文化局において実施していきます。  この観光交流文化局では、本市特有の地域資源を最大限に活用し、全庁的なシティプロモーションを積極的に展開するとともに、MICEの推進に取り組みます。また、多彩な歴史資源を磨き上げ、世界へ発信し、3次総の目指す都市像の1つである歴史文化のまちづくりを進めていきます。特に、家康公四百年祭は、官民連携のもと、引き続き切れ目のない確実な事業展開を図るため、当該事業に特化した専門部署を設置し取り組んでいくなど、3次総の基本構想に掲げる創造する力による都市の発展の一翼を担っていきます。 40 ◯企画局長(加藤正明君) 東静岡地区における県との連携についてですが、東静岡地区における県と市の連携につきましては、この地が県、市双方にとって重要であるとの観点から、これまでさまざまな形で取り組みが行われてきました。  まず、平成22年9月に、県と市で立ち上げた事務方による県・市東静岡駅周辺地区賑わい創出検討会議により、市有地、県有地の利活用を含めた協議を進めております。  そして、ことしの9月には、県主催の東静岡周辺地区の整備に関する有識者会議が立ち上がりました。この会議は、大原美術館館長である高階秀爾氏を会長とし、県知事、市長も参加して、東静岡地区のみならず、日本平や三保松原までも視野に入れた検討を行っております。  なお、当会議では、本年度中に当地区の基本構想を打ち出すと伺っております。  また、県が主体となって進めていますふじのくに地域・大学コンソーシアムは、その拠点機能を東静岡地区に整備する予定と伺っておりますので、本市も構成員として積極的にこれにかかわってまいります。  今後も、東静岡地区の利活用に関しましては県と連携をとりながら検討を進めてまいります。  次に、文化・スポーツの殿堂についてですが、東静岡地区の市有地の利活用につきましては、これまで、都市デザインコンペを行い、提案いただいた作品を展示し、市民の皆さんから意見をいただくオープンハウスを行うなど、幅広く市民意見を伺ってまいりました。さらに、これらに加え各種団体からの要望なども尊重し、3次総では、東静岡地区は文化・スポーツの殿堂を目指すと位置づけたところでございます。  ここで言う文化・スポーツの殿堂とは、この地区が文化・スポーツの聖地として輝くことを意味しており、この点を踏まえ、今後、新たなにぎわいと交流の核としてふさわしい施設の整備を目指していきたいと考えております。  最後に、本市における定住人口増加策についてですが、まち・ひと・しごと創生法に基づき、静岡市版の人口ビジョンと総合戦略の策定を進めるとともに、詳細な人口動向分析により必要かつ効果的な施策を検討してまいりたいと考えております。特に、定住人口を維持、増加させるための施策としては、多様な人が活躍できる雇用、就労の場をつくり、また、子育てしやすい環境の整備を進めることとあわせて、静岡暮らしの魅力を積極的に情報発信することにより、首都圏などからの移住・定住を推し進めることを検討してまいります。このような施策を初めとし、さまざまな事業を展開することで、2025年における本市の目標人口70万人を維持していきたいと考えております。 41 ◯経済局長(斎藤 誠君) 経済局所管の4点の御質問にお答えをいたします。  まず、3次総重点プロジェクトに記載をした戦略産業につきましては、現在、パブリックコメントを実施中の(仮称)第2次静岡市産業振興プラン(案)の中で5つの産業を候補として掲げております。  その5つの産業の内容ですが、1つ目のエネルギー・海洋産業は、駿河湾に臨む本市の立地を生かし、エネルギー及び海洋に関する産業の集積を進めようとするものです。具体的には、全国唯一の海洋学部を設置をしている東海大学を生かすなど、波の力、波力発電を初めとした海辺に立地するエネルギー産業や、地下海水による養殖事業などの振興を図るとともに、本市を拠点に活動している地球深部探査船「ちきゅう」を運営するJAMSTECなどとの連携を進め、新たなシーズの発掘や開発などに取り組みます。  2つ目の清水港・ロジスティクス産業は、清水港を基盤として発展してきた物流産業の集積をもとに、新東名や中部横断自動車道、新設をする現東名のスマートインターチェンジを生かして、ロジスティクス産業の集積を図るものです。具体的には、清水港を利用する市内外の荷主の増加を目指し、首都圏、中京圏、山梨・長野両県などの後背地へポートセールスなどを行うとともに、高速道路インターチェンジ周辺地域などの内陸の物流拠点の整備などにより、ロジスティクス関連企業の誘致、留置に取り組みます。  3つ目の食品・ヘルスケア産業は、国内主要20都市中第2位を誇る健康寿命と缶詰を初めとする食品産業の集積をもとに、食と健康を切り口とした関連産業の育成を図ろうとするものです。具体的には、県と協力して進めてまいりましたフーズ・サイエンスヒルズプロジェクトの研究成果の事業化や、農と食、癒やしをテーマとした企業誘致に取り組むとともに、地域で需要増が見込まれる医療・介護関連サービス産業の地元業者の育成や人材確保などを推進いたします。  4つ目の観光・ブランド産業は、定住人口の減少に伴う市場縮小を打開するため、観光交流客数をふやすとともに、宿泊、飲食、お土産などの消費額の増加を図ることにより、観光関連市場の拡大を目指すものです。具体的には、世界文化遺産富士山の構成資産となった三保松原や南アルプスユネスコエコパークなどの観光資源の整備のほか、ホビーやお茶など、世界的なブランド力のある産業を売りとして、国内外からの観光交流客の拡大を図るとともに、国際会議や学会、展示会などのMICEの誘致を推進いたします。  最後に、クリエイティブ産業は、世界で活躍できるグローバルクリエーターの育成、集積を進め、クリエーターの力を他の産業に生かしていこうとするものです。具体的には、七間町に移転、再整備をしますクリエーター支援センターを拠点として、クリエーターのアイデアのビジネス化やクリエーターと地場のものづくり企業のコラボレーションによるオリジナル商品やオンリーワン商品など、付加価値の高い商品づくりを推進いたします。  次に、この5つの戦略産業を選び重点的に振興する理由につきましては、経済のグローバル化や国内の少子高齢化などにより激しく変化する社会経済環境が背景にあります。そのような中、本市経済を牽引する力を秘めた産業を戦略産業と位置づけ、これを重点的に振興することを通じて本市の産業全体の成長につないでいくことを目指します。  選定に当たりましては、1点目として、世界的な市場拡大や社会的必要性の高まりが予想される産業、2点目として、特徴的な地域資源を生かした本市のブランド力を高める産業、3点目として、本市が持つ立地上のポテンシャルを生かせる産業の3つの視点を重視いたしました。このようにして選定した5つの産業を重点的に振興することを通じて、市内中小企業の活性化や関連産業の集積を進め、3次総の目標である人口70万人の維持につなげていきたいと考えております。  次に、分野別の基本的な方向性のうち、市内ホテル等の宿泊状況についてですが、市内のホテル等宿泊施設数は平成26年4月現在約190施設であり、客室数は約5,000室、収容人数は約1万3,000人です。  次に、稼働率についてですが、静岡市ホテル旅館協同組合提供の資料によれば、静岡駅周辺にある宿泊施設の稼働率は、2012年度、2013年度の平均で平日、土曜日とも約60%、日曜日は約36%でした。なお、大道芸ワールドカップなど大きなイベント時には約80%の高い稼働率となると伺っております。また、本市実施の市内全域を対象とした2013年度観光交流客数調査によれば、1年平均の稼働率は約40%でした。  最後に、個店支援に係る検討経過とその方向性についてですが、本市では、商業振興の重点の1つに個店の成長支援を位置づけ、これまで、B-nest、SOHOしずおかなどによる新規起業経営相談やマーケティング支援などを行っているところです。  こうした取り組みにもかかわらず個店が減少しているため、商業振興審議会の場で、現在の支援を踏まえ、さらなる拡充策を議論してまいりました。  審議会において次の3つが主な論点となりました。  1つ目は、個店単独での情報発信力の限界、2つ目は、例えば、個店と県立大学の連携による飲食イベントや個店の有志によるマルシェといった、にぎわい事業を行う新たな活動の活性化、3つ目は、都心部における賃貸料の高どまりによる新規出店の難しさです。  このうち、審議会においては、都心部における賃貸料問題を長期的課題として継続検討することとし、次の2点が新たな支援策の方向性として示されました。  1点目は、オンリーワンサービス、オリジナル商材、静岡らしい商材などを取り入れた創意工夫のある個店の情報発信を支援すること、2点目は、商業活性化を図る任意のグループへの新たな支援を開始することでした。本市では、これらの意見に基づき、個店の魅力向上につながる施策となるよう、3次総期間における事業化に向け、現在検討を進めております。 42 ◯子ども未来局長(池谷眞樹君) 基本計画に係る子ども未来局関係の2点の御質問にお答えいたします。  まず、重点プロジェクト、健康都市における子ども本位の支援の具体的な取り組みについてですが、本市では、子供の視点に立った子ども本位の支援、つまり、常に子供の最善の利益を念頭に置いた子ども・子育て支援を充実させてまいります。  主な具体的施策としては次の3点を考えております。  まず、1点目は、認定こども園の推進を初めとする幼児期の教育・保育の充実です。保護者の就労状況や家庭の経済状況にかかわらず、全ての就学前の子供たちが質の高い教育・保育を受けられるよう体制の整備を進めます。  2点目は、放課後子ども教室と放課後児童クラブの一体的実施など、総合的な放課後対策の推進です。認定こども園と同様に、保護者の就労状況等にかかわらず、子供たちが安心・安全に充実した時間を過ごせる場の整備を進めます。  最後に、3点目は、子供の貧困対策など、困難な状況に置かれた子供への支援の充実です。生活に困窮する家庭やひとり親家庭の子供、また、保護者のいない子供など、全ての子供たちが夢と希望を持って成長できるよう、子供の居場所づくりや学習支援、さらには、ひとり親の就労支援や里親の支援など、きめ細やかな支援を行っていきます。  これらの施策を初めとして、子ども・子育て支援の推進に当たっては常に子ども本位の視点を大切にし、その充実に取り組んでまいります。  次に、子ども・教育分野における重点的な取り組みの政策1、しずおか総がかりの具体的な趣旨についてですけれども、子供や子育て家庭を力強く支援していくためには、行政だけでなく、幼稚園、保育園などの民間事業所、子育て支援団体、また、地域や企業などと密接に連携・協働して取り組んでいく必要があります。  例えば、認定こども園の普及を初めとする抜本的な幼児期の教育・保育環境の整備のためには、私立、公立の幼稚園、保育園が持つ教育・保育の力を結集して取り組む必要があります。また、放課後子ども対策を総合的に進めていくためには、学校や民間事業者、そして、地域の皆様方と連携・協働していくことが必要です。そのほかにも、地域全体で子供と子育て家庭を支える環境づくりを進めるため、地域住民や子育て支援団体相互の連携や協働の促進に努めてまいります。  このように、3次総においては、地域、民間、行政を問わず、市民一人一人が子育てに対するそれぞれの役割を果たし、相互に協力して、しずおか総がかりで子供を産み育てやすいまちづくりを推進してまいります。 43 ◯生活文化局長(安本 睦君) 私からは、重点プロジェクト、共生都市、人材養成の関係と、静岡市史の関係、2点について御説明いたします。  最初に、人材養成塾の関係の2点のうち、人材養成塾の実績についてでございますが、人材養成塾は、全国に先駆けてまちづくりの人材を養成し、都市間競争の時代を生き抜く魅力あるまち、静岡をつくるために、平成3年度に静岡ヒューマンカレッジとして開講をいたしました。その後も、時々の社会ニーズに合わせ、静岡まちづくりの学校、地域シゴトの学校、そして、現在は地域デザインカレッジとして実施をしており、今までに多くの人材を輩出してきた自負があります。25年度までの修了人数は延べ488人になります。具体的な講座内容としては、事例研究、事業企画、市民協働や課題解決など、それぞれを学び行動できる人材を養成いたしました。  次に、講座の修了生についての御質問でございますが、平成25年度に実施をいたしました、講座修了生の活動状況を把握するためのアンケート調査では、修了生488人のうち住所が特定できた322人に送付し、約29%の92人から調査票を回収いたしました。調査結果では、回答者の約64%に当たる59人が、講座に参加した当時の熱い思いを持ちながら、現在もまちづくりや地域などの分野で活躍をされております。この中には、大道芸ワールドカップin静岡などの本市を代表するイベントの企画運営や、まちづくりに取り組む市民活動団体の立ち上げのほか、市議会や審議会等、附属機関でそれぞれお力を発揮していただいております。  次に、市史に係ります2点の御質問でございます。  最初に、市史編さんの現状についてでございますが、市史は、これまで本市が歩んできた道のりを後世に伝える資料であるとともに、みずからを育んだ郷土の歴史を学ぶ大切な資料であります。  市史編さんの現状につきましては、合併前の旧静岡市、清水市、蒲原町、由比町において、それぞれ独自の市史、あるいは町史を刊行しております。旧静岡市では昭和56年12月までの出来事を、旧清水市では昭和61年2月までの、旧蒲原町では合併前の平成18年3月までの、旧由比町でも合併前の平成20年10月までの出来事をそれぞれ編さんし、刊行しております。  次に、市史編さんの認識についてでございますが、3次総の中では、都市の発展を目指し、歴史都市を重点プロジェクトに位置づけております。その歴史都市構築の原点は、市民がみずから暮らす土地の歴史を知り、市民であることに誇りを持つこと、郷土愛の醸成であります。市民の歴史認識の醸成にとって、市史の編さん事業は、今後本市が取り組むべき重要な施策の1つであると認識をしております。  一方、市史編さんは、非常に時間や労力、そして、膨大なデータの蓄積が必要なものです。そのため、現在、歴史文化施設建設に先駆けて実施をしておりますさきがけ博物館事業では、歴史資料の所在データの蓄積を行っており、これを編さんに生かすことができるよう継続的に歴史資料の収集を行ってまいります。   〔18番佐藤成子君登壇〕 44 ◯18番(佐藤成子君) 2回目の質問です。  市長に御答弁いただき、何を目指してこられたのか、そして、これから何を目指そうとされているのか、かいま見た気がいたします。  昨日は、この4年間のさまざまな思いを込めて策定した3次総の執行権者になるべく手を上げる旨の発言をいただきました。先ほど、私が質問した第三者の外部評価には、誰しも弁解といいましょうか、幾ばくかの補足説明をしたくなるものですが、田辺市長は真摯に受けとめて、次のステップにつなげていかれていることがよくわかりました。  市政運営のかなめともなり得る新局の設置、期待すること大ではありますが、このことについては後ほど、意見・要望で述べさせていただきたいと思います。  まちづくりは人づくりについてお伺いいたします。  これまでも人材育成をされてきているのはよくわかりましたが、修了生等の活用の仕方にもっと力を注ぐべきではないかと思うのです。それが事業成果と言えるのではないかと考えます。市民と行政との協働、なかなかその実態がつかめません。リードできる人づくりが必要です。市民との協働としての受け皿が地域の自治会単位だったり、既存の協議会等だけでは、リーダーの高齢化も進み、限界に達してきています。新たなファシリテーターやシチズンシップを持った人材育成なども必要とは思いますが、それと並行して、これまでの人材の発掘調査、これまで輩出された人材の活用についてお伺いします。これらの人材を今後どのように生かしていくおつもりでしょうか。その計画などはあるのか、お聞かせください。  次の質問です。  静岡市内のホテル等の宿泊状況についてお伺いいたしました。その日常的状況はよくわかりましたが、MICEの推進に伴う受け皿の状態についてお伺いいたします。  これまで俎上に上がった国際会議が、この受け皿の体制、宿泊施設やコンベンションを行う収容施設などに課題があり、開催できなかったものが何件かあったと伺っております。このたびも誘致に力を注いでいるG8サミットですが、首脳会議はその受け皿の体制から浜松市での開催要請で、静岡市は閣僚会議と伺いました。残念じゃありませんか。  受入態勢の評価でMICEの誘致が実現できないのであれば、これから、より一層地域経済の活性化に向けてMICEを推進していく、誘致していくのであれば、住み分けのできるエグゼクティブクラスのホテルや、ハイレベルのホテル、会員制のホテルの誘致に早急に取り組むべきではないかと考えます。このままでは、ますますグローバルMICE都市に水をあけられてしまいます。見解をお伺いいたします。  以上、2回目の質問です。 45 ◯生活文化局長(安本 睦君) まちづくりは人づくり、人材養成についてでございますが、平成27年度からの3次総は、まちづくりは人づくりという観点から、市民と行政との協働によるまちづくりを担うシチズンシップに富んだ人材の養成を進めていきます。  その重点的な取り組みとして、地域における次世代リーダーの養成を目的に、地域課題の解決や仲間づくりができる新たな事業を来年度より実施してまいります。  一方、人材養成塾の修了生に平成25年度に実施したアンケート調査の結果、回答者92人のうち、まちづくりや地域にかかわる活動を現在行っていない修了生が約36%の33人となっています。このように活躍されていない修了生についても、地域活動に携わることで、これまでの経験や能力を生かし大きな力が発揮できるよう、地域活動への参加を促していきたいと考えております。 46 ◯経済局長(斎藤 誠君) MICE推進に伴う受入態勢についてですが、本市では、海外の首脳級が参加する国際会議の誘致として、残念ながら実現には至りませんでしたが、平成25年度に第7回太平洋・島サミットに取り組みました。また、現在は、先ほどの御質問にもありましたとおり、G8サミットの誘致に取り組んでおります。  これら首脳級会議の誘致にかかわる中で、昨日の鈴木直明議員に対する市長答弁でも一部言及をいたしましたが、市内には外務省が示す受入基準を満たすことのできる会議場、宿舎、関連施設が十分でないことが明らかになってまいりました。  このことから、今後、さらなる首脳級会議の誘致に取り組んでいく場合には、本市に立地するコンベンション施設、ホテルなどに関する再検討が必要となってまいりました。特に、グレードの高いホテルについては、民間が主体に設置する施設ではありますが、今後、その立地の可能性や波及効果などについて幅広く調査研究をしてまいります。あわせて、コンベンション施設の機能や規模の調査研究を実施するほか、海外からのMICE受け入れに不可欠なWi-Fiの拡充や案内の多言語表示など、利用者に優しい環境の整備に取り組んでまいります。   〔18番佐藤成子君登壇〕 47 ◯18番(佐藤成子君) 3回目は意見・要望です。  今回質問するに当たり、23年6月議会の市長所信表明から26年2月議会までの市長の施政方針を改めてじっくりと読ませていただきました。  繰り返しますが、市長マニフェストを総合計画と整合させ、静岡市の事業推進計画、まちみがき戦略推進プランとし、施策を推進してきたことがよくよくわかります。その年ごとに新たに進められた事業もありますし、完結した事業も多々あります。また、継続して言い続けている事業や言葉もあります。  市長は、進化するマニフェストと表現されていますが、この点が大事なことだと私は思っているのです。状況変化に伴った対応です。思いを込めたマニフェストの転換です。通常は、事業の進捗状況、数値目標の到達度での成果評価をするのがその手法です。もちろん、それがマニフェストの基本なのではありますが、私は、少し判断が異なるかもしれませんが、ある程度の納得が得られるような説明責任が果たされていれば、それは市政全体の事業の一部なのですから、転換もあり得ると思っているのです。このこと、説明責任が十分に果たされていなかったので、マニフェストに対する不信感が生まれていったのではないかと捉えています。どの世界でも100%はあり得ないことです。  私は、さきのマニフェストやまちみがき戦略推進プランにうたいながらトーンダウンした事業が、今後、第3次総合計画を推進する中でどう展開されているのか注視していきたいと思っています。昨日の静岡の前庭と奥座敷の話に出てきたすしの話、このことと「寿司の都しずおか」の実現との関係はあるのかないのか。実施計画が示されていない3次総の中で、プロ野球地元球団の創設、LRTの導入、東静岡の土地利用などなど、どう進化させていこうとしているのかということです。  「人に決してあきらめない強い志さえあれば、道は必ず開けてくるものだ」24年、「こちらが誠心誠意を持って人に接すれば、どんな難しい局面であろうと事態は必ずよい方向に向かうものだ」25年、「常に、よい目的を見失わず努力を続ける限り、最後には、必ず救われる」26年、田辺市長施政方針の最後の締めの引用言葉です。昨日は坂本龍馬の言葉を引用し、静岡を暮らしたい都市にしていく思いを語られました。  さて、「静岡市に観光交流部を開設します」とは市長マニフェストの1つでした。我が会派だけではありませんでしたが、3年前の観光局新設の提案がようやく実現できることになるのでしょうか。今回新設される観光交流文化局は、地域活性化事業推進本部の業務範囲だけではなく、所管内容が広がります。縦割り行政の弊害を打破するという役割を担うべく設置された、まだ道半ばであった地域活性化事業推進本部、この役割は6つの重点プロジェクトを推進しながら各局が担い進めていくとのこと、そして、その局間連携のかなめは、全ての局に配置される局次長の調整作業に委ねられるとのことです。事業推進に当たり、どこが成果評価の責任部署になるのか気になる点ですが、習得した課題をしっかりと解決し、経験を生かしてほしいと思います。  静岡を「希望の岡」にするには、いかに静岡を愛するシチズンシップを持った人を育てていけるかにかかっていると思います。行政と市民の協働のためには、動く人をどう養成できるか、大事なことだと思います。働く世代の地域での活動への参画が必要です。そのためのワーク・ライフ・バランスのとれた仕事の仕方が、男性にも女性にも必要です。それでこそ、地域での新たな人の動きが出てくるのだと考えます。女性が輝く社会を創設するとうたっていた安倍政権は、国会でその議論をしないまま解散してしまいました。さもありなんの感ですが、第3次総合計画の検討段階で消えた女性に関したプロジェクトについては、特化しない全体の施策として進めていくとのことですので、人口減少対策の施策も、あらゆる施策を尽くして特殊出生率の向上につなげていくとのことです。期待したいと思っています。  さて、田辺市長は、市長マニフェストをまた作成されるでしょうか。そのマニフェストは首長の私文書ではありますが、即刻、静岡市の事業推進計画に転換できるようになることをお祈りし、全ての質問を終わります。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 48 ◯副議長(中山道晴君) 次に、平島政二君。   〔3番平島政二君登壇〕 49 ◯3番(平島政二君) そろそろ眠くなる時間かと思いますが、しばらくおつき合いをお願いいたします。  それでは、通告に従い質問をさせていただきます。  まずは、学校施設のあり方検討や他施設との複合化について伺います。  日本全国各地で人口減少問題が注目を集める中、特に人口減少が進んでいくことが予想される地域においては、その地域の住民の暮らしに密接に関連し、重要な役割を担っているさまざまな公共施設について、そのあり方を住民と行政が一緒になって早急に考えていくことが求められています。今後の地域を考えていく上で、現在の施設をそのままの形態や機能のままで修繕や改修を行いながら延命していくだけでは、地域に新しい変化や発展は生まれるはずもなく、地域の元気が徐々に衰えていくことは目に見えていますし、管理運営や機能を維持するための修繕などのコストが重くのしかかり、ひいては、それが住民の負担となってくることが予想されています。これは、道路や橋などの公共インフラでも同様であり、学校などの施設も例外ではありません。  まず、提案ですが、本市にあるさまざまな公共施設のこれからの役割やあり方を考えていく上では、それぞれの地域ごとの20年、30年先の人口やその年齢構成などについて、できるだけ細かく将来推計してみることが必要だと考えております。その点、本市ではどのように対応しているのか、大変気にかかるところです。  また、今後、地域の将来を考える上でも、あるいは、移住や定住施策を行うにしても、小中学校をどうしていくのか、そのままの形で存続させていくのか、あるいは、廃校にして他の用途に活用するのか、それは非常に大きな判断を伴うものです。全国で見ると、廃校のあった学校の周辺地域は活力が失われていく傾向が顕著に見てとれますし、機能を変えて他の用途に利用している例でも、にぎわいや有効活用という観点では成功している例もありますが、十分に活用できていない例も多く見受けられます。  国の大きな流れとしては、人口の集約化で、過疎地や人口減の激しい地域では学校を含む公共施設を廃止して、都市部の施設に統合させていく方針が見え隠れしていますし、コンパクトシティの議論や小さな拠点づくりの議論が今後本格化していくことは当然の状況で、3次総においてはどのような形で具体的に反映されるのかが気になるところです。  事実、文部科学省では、生徒が少なくなった公立中学校の統合を後押しするために、来年度統合する学校向けの教員の増員枠の確保や、統合に必要な施設整備や改修費の補助制度の創設を行う予定と聞いています。  こういった動きを受け、本市においては今後、小中学校の統廃合についてはどういった方針で臨もうとしておられるのでしょうか。地域の中での小中学校の位置づけや重要性についてもあわせて、御所見をお伺いいたします。  全国では、廃校となった施設を有効活用している例が多くあります。その内容は、役所の庁舎や健康づくりセンター、コミュニティセンター、高齢者福祉施設、文化施設など、活用例はさまざまです。また、学校施設全部ではなく、児童生徒が減り、通常利用していない教室、いわゆる余裕教室を特別支援学級や老人福祉施設、障害者の福祉作業所などに転用している例もあります。  本市において、いわゆる余裕教室は既に十分な活用がされているのか気になりますが、これらを積極的に他の用途活用することを検討してはいかがでしょうか。  東京都立川市のある小学校では、本年度、小学校と地域の図書館、学習館、学童保育所の3つの社会教育施設を複合化して整備する形で統合されました。この建物は、小学校に学習館、図書館、学童保育所を併設した市内初の学校と社会教育の複合施設です。複合化のメリットを生かすよう、陶芸室を学校と学習館の共有スペースにし、学校図書館と図書館を隣り合わせに配置するなどしています。また、学校は、授業に合わせて教室のレイアウトを変えることができるよう教室を配置したり、学年ごとに少人数学習や学年集会ができるようワークスペースを配置、その他、テラスや中庭を設置し、自然採光で明るく風通しのよい教育環境を整備するなど、一体的な活用が可能だそうです。地域住民の異世代間交流や地域コミュニティの促進、さらには、地域の学びの拠点として、こういった手法も有効と考えます。  現在、静岡市においては、清水江尻小学校を研究校として指定し、静岡市版コミュニティスクールの実現に向けて取り組んでいるところだと認識しております。しかしながら、既に全国でコミュニティスクールとして登録されている学校が平成26年4月現在で1,919校となり、静岡県においても、昨年度の4校から大幅に増加し19校が指定されている現状では、静岡市において研究校が1校だけでは取り組みがおくれていると言わざるを得ず、速やかな研究の促進、規模拡大が求められます。  そこで、当会派では、地域とともにある学校づくりを目指すために、学校、保護者、地域が一体となって取り組む体制づくりを早急に行うこと、コミュニティスクール研究指定校の拡大と、得た成果を速やかに開示し情報の共有化を図ることの2点を提言しているところです。  本市においても、さきの事例のような小中学校と社会教育施設の複合化は有効な手段であると考えます。また、学校の複合化を検討する際には、地域の意見や要望を聞くとともに、その地域の将来ビジョンの中で、学校施設の役割や住民参加など、地域住民のかかわりについて議論すべきではないかと思います。  そういった観点から、地域との連携や有効活用を進める上で、小中学校と社会教育施設等の複合化についてどのように考えているのか、ぜひともお考えをお聞かせください。  続いて、本市の公共施設全体での長寿命化やマネジメント方針を考えていく上で、学校だけでなく、あらゆる公共施設について統合や複合化を検討していくべきであると思います。
     そこで、歴史文化施設について伺います。  静岡市には、現在、静岡市文化財資料館、静岡市埋蔵文化財センター、静岡市立登呂博物館等、静岡市の歴史を紹介する施設が存在しています。さらなる市民の郷土に対する誇りを醸成する施設としての活用が求められております。静岡市歴史文化施設の基本方針に示されているとおり、このまちの未来をより豊かなものにしていくためには、先人達が残した大切な歴史文化遺産の意義を理解し、まちづくりに生かしていく必要がある。静岡の文化のすばらしさを全国のみならず世界に向けて発信し、さらには、静岡を訪れる人々を引きつける魅力ある展示を通じて、拠点として歴史文化施設を建設することが求められていると言えます。  平成22年12月、静岡市歴史文化施設基本構想(案)が示され、パブリックコメントが行われて以降、建設計画策定へと準備が進められていると思います。現在は旧青葉小学校跡地に建設予定とされていますが、想定される予算の捻出とアセットマネジメントの観点からも、単独施設としての建設は財政上の負担が大きく、駿府城公園に隣接する良好な立地条件であることから、静岡市民文化会館の建てかえとあわせ合築での建築が望ましい。また、施設の管理運営上も大きな負担が想定されることから、民間活力を活用したPFI等の手法による建設も検討することの2点を提言しておりますが、現時点でのお考えをお聞かせください。  次に、外国人観光客の受け入れ促進について伺います。  訪日外国人観光客向けの消費税の免税制度が、10月から大幅に拡大されました。具体的には、これまでの家電製品や衣類に加え、食料品や酒、化粧品などの消耗品類も対象になり、土産として持ち帰るなら、日本国内で購入したほぼ全ての商品が免税となりました。  消費税増税に伴う国内景気の不透明感に加え、人口減少等による国内市場の成長が見込めない中で、とりわけ小売業者などは、新たな商機到来と見て、さまざまな対策に乗り出しています。また、加えて、これは地方にとっても同様であり、域内消費の拡大や地域経済の活性化に外国人観光客の誘客促進は非常に重要なことであり、私たち地方自治体としても積極的に取り組んでいく必要があります。政府観光局によると、昨年度の訪日外国人客は前年度比24%増の1,036万人で、初めて1,000万人を突破しました。ことし4月から6月までの3カ月間の訪日外国人1人当たりの旅行支出額も、前年同期比5.7%増の14万3,942円と過去最高を記録したそうで、外国人観光客の消費増にはますます期待が高まっています。  そこで、まず、本市を訪れた外国人観光客の方々はこれまでどれくらいおられたのでしょうか。それをどのように把握しているのでしょうか。また、MICEの推進を掲げる中で、外国人観光客の受け入れについてどのように取り組んでいるのかをお聞かせください。  前述した動きを受け、全国の観光地を抱える自治体では、免税品販売を行う商店を支援する動きも出始めています。例えば、佐賀県嬉野市では10月から、市内の商店の外国人観光客の誘致をにらみ、税務署に対して提出する免税販売の申請書類の作成サポート、営業に必要な売り場の改修費や、免税店表示ステッカーの作成に対する補助などの支援を行っておられます。  本市においても、免税制度の拡大を受け、市内の商店等に対して制度の丁寧な説明や申請手続等のサポート、マーケティングなど、販売に関する相談、助成制度の創設など、積極的な支援を行ってはいかがでしょうか。  また、外国人観光客を今後積極的に受け入れていくためには、市を挙げて取り組んでいくことが重要ですし、市民一人一人がおもてなしの気持ちを持つことが重要なことと考えます。  また、外国人観光客の誘致に関連する最近の取り組みとしては、Wi-Fi通信用のモバイルルーターの外交人観光客への無料貸し出しや、公衆無線LANサービスが利用できる場所、アクセスポイントの整備や拡充を行う自治体が急速にふえています。これは日本を訪れる外国人観光客からの要望で、まちなかでインターネットが使えずに不便を感じるという声が多く寄せられている現状を踏まえ、これを解消しようとするもので、まさに外国人観光客の満足度を向上させ、誘客につなげようとするものです。  本市においても、外国人観光客の満足度向上とよりよいおもてなし環境をつくるために、無料のWi-Fiアクセスポイントの整備や利用促進は大変重要と考えます。さきに行われました大道芸ワールドカップでは、パフォーマー向けに無料Wi-Fiカードを配布し、大変好評であったと聞いております。  また、昨年の9月より、静岡市公衆無線LAN整備事業「Shizuoka Wi-Fi Paradise」がスタートしましたが、現在の進捗状況をお聞かせください。また、あわせて、外国人観光客を対象とした取り組みを行っているのであれば、お聞かせください。  以上、1回目の質問といたします。 50 ◯教育長(高木雅宏君) 学校施設に関します2つの質問にお答えをしたいと思っております。  1点目、小中学校の統廃合についてでございます。  学校は、子供たちへの教育の中心的な役割を担うだけではなく、従前から地域コミュニティの核としての役割も担うなど、重要な存在であると認識しております。  小中学校の統廃合を進めるに当たっては、何よりも子供たちの教育環境の向上を図ることが大切であると認識しております。現在、教育委員会事務局内に設置をしましたプロジェクトチームにおいて、平成24年10月の静岡市立小学校及び中学校適正規模等審議会からの答申も踏まえ、学校施設の一体化や小中一貫校を含めた検討を進めているところでございます。  今後、小中学校の統廃合に係る具体的な計画の策定につきましては、学校関係者、保護者を初めとする地域の皆様、有識者など、多方面からの意見を伺いながら進めてまいりたいと考えております。  2点目、小中学校と社会教育施設等との複合化という御質問でございます。  これまで本市では、静岡市立大里中学校において、生涯学習センター、保健福祉センター、市民サービスコーナーとの複合化を、また、静岡市立清水桜が丘高等学校においては、生涯学習交流館との複合化などを進めてきております。これらの複合化については、建物と土地の有効利用が図られるだけではなく、市民の皆さんにとって、使い勝手のよさや地域活力の向上に役立つなど、有益な手法であると認識しております。  今後、小中学校と社会教育施設等との複合化については、より一層学校と地域コミュニティを活性化させることができるよう地域の皆さんとの意見交換を行い、関係部局と調整の上、個々の事案ごと検討していきたいと考えております。 51 ◯生活文化局長(安本 睦君) 歴史文化施設の現時点の検討状況についてでございますが、歴史文化施設については、平成22年度に基本構想を策定し、翌年度から建設検討委員会を設置して、機能や規模等について学術的及び専門的な見地から検討を進めてきた結果、4つの課題が浮かび上がってきました。  1つ目は財源の確保、2つ目は建設・運営に係る民間活力の導入、3つ目は市民意識の醸成、4つ目は観光、教育、商業分野との連携です。現在は、これらの課題解決に向け取り組んでおり、特に市民意識を高めるために、歴史文化講座等のさきがけ博物館事業を行っています。  御質問についてですが、新たに整備を予定している歴史文化施設は、本年4月に策定されましたアセットマネジメント基本方針に基づき、文化財資料館など既存施設を含め、経営の観点から検討をしていきます。  その中で、歴史文化施設は、桜の名所、駿府城の整備とともに、駿府城エリアを核とし、点在する歴史的、文化的な遺産へいざなうビジターセンターの機能を持たせた施設と位置づけ、歴史をキーワードとした交流やにぎわいの拠点となる整備を進めていきたいと考えております。  また、建設地の選定や民間活力の導入については、徳川家康公顕彰四百年記念事業の成果を随時生かしながら、今後策定していく基本計画の中で決定してまいりたいと思っております。 52 ◯経済局長(斎藤 誠君) 本市を訪れる外国人観光客の受け入れの促進についてですが、日本政府観光局、いわゆるJNTOなどの平成25年度統計調査によりますと、市内に宿泊した外国人客は台湾、中国、韓国を中心に約2万5,000人でした。  これらの外国人客への対応として、市内3カ所の観光案内所で英語、中国語、韓国語などのパンフレットを配布しており、このうち、JR静岡駅北口の観光案内所では、JNTO認定の外国人観光案内所として英語での対応が可能な職員を配置しております。また、静岡観光コンベンション協会では、外国人客の受け入れを行う事業者向けの研修会として、おもてなしセミナーを毎年開催しております。  現在、本市の魅力や文化などの楽しみ方として、まち歩き観光を推進しているところですが、外国人の方にもまち歩きによってこれらの魅力を感じていただきたいと考えております。  しかしながら、現状では、外国語の記載のあるものは総合案内パンフレットのみで、気軽にまち歩きを楽しむようなものはまだ提供できておりません。また、多言語化に対応した案内看板も、三保、登呂遺跡など一部の観光スポットにとどまっており、まち歩き観光コースにおいては不十分な状況です。  このため、環境整備として、1点目として、英語版まち歩きパンフレット及び他言語版ホームページの作成、2点目として、食事や買い物、観光スポットのアクセス強化のため、静岡市国際交流協会と連携をした外国語通訳ボランティアの活用、3点目として、観光交通案内看板の多言語化の一層の推進などを行い、外国人観光客の利便性向上に努めてまいります。 53 ◯総務局長(三宅 衛君) 静岡市公衆無線LAN整備事業についてですが、公衆無線LANは今や必要不可欠な情報インフラであり、まちの活性化、観光面、防災面でも効果が期待できるため、官民連携で静岡市公衆無線LAN事業協議会を設立し、平成25年9月30日に「Shizuoka Wi-Fi Paradise」をスタートさせました。  事業の進捗状況ですが、Wi-Fiのアクセスポイントは、現在、官民合わせて126カ所に設置しております。当初の目標でありました平成27年度末までに100カ所の設置を約1年半早く達成することができました。また、本年9月には焼津市も本事業に参入し、今後さらに、県中部地域での広域連携による拡大を目指していきます。  次に、外国人観光客を対象とした取り組みについてですが、本市の観光やグルメ情報などを掲載しているポータルサイト「しずぱす」では、英語、韓国語、中国語の多言語に対応をしています。また、この事業を外国人観光客にPRするため、現在、駅の観光案内所などで無料でWi-Fiを利用できるおもてなしカードを配布しています。本年9月30日にも、清水港に寄港した外国客船の乗客、乗員に配布したほか、大道芸ワールドカップin静岡の外国人パフォーマーにも贈呈しており、いずれも大変好評をいただいております。  これからも、外国人観光客の誘客につなげるため、より一層事業を推進していきたいと考えております。   〔3番平島政二君登壇〕 54 ◯3番(平島政二君) 2回目は意見・要望といたします。  まず、学校施設の複合化について申し上げます。  学校、特に小学校はかつては地域の中心でありました。町内会の運動会や盆踊りも小学校の校庭で行われましたし、夏の野外映画鑑賞会も懐かしく思います。夏休みにはプールが毎日開放され、児童のみならず、当時プールのなかった近隣の中学生や一般の方にも利用されていました。放課後には、帰宅後、再度学校に集まり、ソフトボールをするのが日課でもありました。自然と大人たちも集まり、交流の場となっておりました。  しかし、時代が変わり、小学校が小学生の教育の場としての機能が強化される中、社会の学校への関与、あるいは関心が薄れていったような気がします。  少子化、人口減少社会の傾向はとめることはできないでしょう。必然的に小学校の統廃合の問題が浮上してくるのは間違いないと思います。  そのような環境の中で、改めて地域の中での小中学校の位置づけや重要性についても考えなくてはならないというのが、今回の質問の趣旨であります。  そんな中、本年8月20日、文部科学省において第1回学校施設と他の公共施設等との複合化検討部会が開かれました。その中で、学校施設は、地域住民にとって最も身近な公共施設として、まちづくりの核及び生涯学習の場としての活用を一層推進していくことが必要であること、社会全体で子供たちの学びを支援し、学びの場である学校を拠点として地域コミュニティの形成を推進する観点から、学校施設と社会教育施設等との複合化や余裕教室の活用を促進していくことが必要であること、公共施設については、今後、人口減少等により公共施設の利用需要が変化していくことが予想されることを踏まえ、全体の状況を把握し、長期的な視点から公共施設の更新、統廃合、長寿命化を行い、財政負担の軽減、平準化、公共施設の最適な配置を実現していくことが必要であること等が設置の背景とされました。  学校が、社会全体で子供たちの学びを支援する場となり、地域の振興、再生にも貢献するコミュニティの拠点としての役割を果たし、また、財政負担の軽減、平準化にも資するよう、さらには、移住・定住を促す要素となるよう、学校施設と他の公共施設との複合化に関するあり方について検討が必要だと思います。ぜひ進めていただきたく、強く要望いたします。  次に、静岡市歴史文化施設について申し上げます。  歴史文化施設は、静岡市の歴史文化遺産の展示、保存及び学術研究拠点を目指しながら、歴史観光のまちの情報を発信し観光の核となること、文化活動を通じて、地域産業の活性化、みずから学ぶ市民の生涯学習の拠点、郷土学習の拠点、市民との協働を基本方針に挙げております。  基本構想を見る限り、ソフト面においては大変すばらしい計画となっておりますが、それを体現するためのハードの部分、実際の施設建設についてはまだまだ不透明です。そこで、基本方針に掲げる目的を実現するため、特にMICEの推進の観点から効果を上げられるような建築になることを期待しております。十分な検討をお願いいたします。  最後に、外国人観光客の受け入れ推進についてです。  外国人観光客を今後受け入れていく中で、本市の具体的な魅力やその発信については、どう考えていくかは大変重要です。  まずは、市民との協働が求められるでしょう。例えば、観光産業の振興のために、観光客受入施設や土産品の製造販売のための…… 55 ◯副議長(中山道晴君) あと1分です。 56 ◯3番(平島政二君)(続) 施設・設備整備に対する融資制度、もしくは、利子補給制度を創設する。また、観光施設や商店の従業員などを対象に、外国人観光客をおもてなしするための研修会やセミナーなどを開催してはいかがでしょうか。あるいは、民間事業者が外国人観光客を積極的に受け入れるために必要な外国語表記のパンフレット作成や、外国語対応のホームページの改修、作成、外国語表記の看板の設置などに対する独自の補助制度を検討したり、外国人観光客に観光スポット等で案内を行うための外国人観光ボランティアの養成や、外国人観光客向けの市内無料ツアーなどを企画、実行するなど、広く市民協働について具体的な施策を検討していただくよう要望して、私の質問を終わります。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 57 ◯副議長(中山道晴君) 次に、宮澤圭輔君。   〔14番宮澤圭輔君登壇〕 58 ◯14番(宮澤圭輔君) 先日、市長から、もう一度生まれ変わっても住みたいまちにしたいとの発言がありました。静岡市では、自然増として1日に約130人の子供が生まれています。実は、私ごとですが、自然増員として1名、11月26日に次男が生まれました。市長の思いと同じように、生まれ来る子供たちに残すまちづくりにかかわる一員として、私も気を引き締めて自分の仕事を全うしていきたいと思っています。  それでは、通告に従いまして質問させていただきます。  質問項目は、大項目、市長の政治姿勢、東静岡市有地の活用、大谷・小鹿地区のまちづくりについての3点、会派静翔会として伺います。  まずは、市長の政治姿勢についてです。  市長においては、71万人余の市民の生活という重責を負って日々取り組む姿勢を見させていただいております。大変な職務に従事する姿にまずもって敬意を表します。  静翔会としては、結成から2年ということで、3年半前の市長選では会派としての政策協定は結んでおりませんが、会派としてはこれまで、田辺市長と前向きな意見交換をさまざまな面でさせていただいておりますので、まずは、田辺市長の政治姿勢について幾つか伺います。  子ども医療費助成や歴史文化都市など、田辺市政ならではの政策を大きく評価する一方で、昨日の繁田議員の「若い力で現状打破、スピード感」に対して厳しい指摘がなされたと同時に、また、人口面では70万人を切る瀬戸際まで来ているこの本市の危機的状況の中で、今後の4年間を誰に託すかとの投げかけには、改めて考えるきっかけになった質問でありました。  今回、私が伺う政治姿勢とは、企業でいう経営理念に値するもので、政治でいえば使命としての姿勢について、まず4点、田辺市長に伺います。  まず、リーダーシップと責任についてですが、よく例えを出されるサンフランシスコ。その対岸、東海岸に位置する9.11を経験した前ニューヨーク市長ジュリアーニ氏の著書「リーダーシップ」に、リーダーは人々の顔色にどれだけ敏感ではなく、判断と人柄と知性と信頼されて選ばれているんだと。この信頼に応えることがリーダーの責務である。また、リーダーシップは、制度や政策や理念よりも重要だと記載してあります。私も同感であります。  時に、どんな先進的計画にも支持者と中傷者がいます。政治的な対応についても大変な御苦労がおありのことでしょう。例えば、駿府城に関する最近の市長の発言には大変多くの市民が注目しています。  「民衆を正しい方向に導いているという自信のもとに、群れより先を行き、新たな進路を築かなければならないときがある」。これはネルソン・マンデラの言葉ですけれども、耐え忍ぶことも重要だと考えますが、時に、強引でも引っ張っていく姿をリーダーに対して心待ちにしているようにも感じています。市長は、リーダーシップとしての責任をどのように考えているのか、伺います。  続いて、市政運営ですが、それぞれの職員が持っている能力を最大限に引き出すことは、リーダーの課題の中でも最も難しい課題の1つではないでしょうか。  時に私が取り上げる人口わずか5万人の佐賀県武雄市の樋渡市長、彼の発言に、翌年、同じだけの税収が入る。自治体にリスクは極めて少ないんだと。また、自治体の場合は、新しいことに取り組んだことによる効果が大きい。職員に挑戦してもらって、あとは市長が責任をとるという姿勢により、今では全国で最も視察者が多くなった自治体の1つでもあります。  そこで伺いますが、市長が市政運営で最も大切にしてきたことは何なのか、伺います。  3点目に、国への思いについて伺います。  きょうは、今後の国の運命を分ける第47回衆議院議員選挙告示日でもあります。(「公示日」)ありがとうございます。公示日でもあります。民主主義がすばらしいのは、その社会が与えられたものではなく、みずからの手で築き上げるものだからであります。田辺市長御自身も第43回、第44回の衆議院議員選挙に出馬されるなど、国への熱い思いがあったことと思われます。  また、先般の地方創生法案の中身では、改めて補助金システム、税制の見直しなども含め、地方のことは地方にとして記載されておりますが、その地方、政令市の市長としての国に対する思いについて、伺います。  4点目に、東静岡市有地の活用について伺います。  お手元の資料3)の裏面の新聞記事をごらんください。  11月22日の日経新聞には、大きく「宙に浮く東静岡の市有地」との見出しで、それぞれ、日詰静岡大学教授は、天守台の整備計画よりも優先順位が高いと。天守台をそうやって施策に持ち出されるのはどうかと思うんですが、市民からはまた、人口が減少する中、都市間競争を高めるための市の方針が見えない。これは、市の幹部からのインタビューだと思いますが、県がどんどん構想を固めるので市の選択肢は少なくなるばかり。出口が見えないとぼやいているとの記事があります。  市長は、東静岡の市有地の活用についてどのように考えているのか、伺います。  続いて、大項目の2つ目、東静岡市有地の活用についてです。  先ほどに続いてですけれども、現在、東静岡市有地については、これまでの一連の新聞報道を見ると、体育協会がアリーナを、サッカー協会関係者がサッカースタジアムを要望している構図になっているように見受けられます。  本市としては、3次総の基本計画の概要では、文化・スポーツの殿堂と明記されているところであり、これら各種団体の東静岡市有地への要望に対してどのように対応していくのか、伺います。  次に、3点目。  市長は、先日の駿河区の取り組みを代表して、大谷・小鹿まちづくりについて発言をしていただきました。  大項目の3点目は、その大谷・小鹿地区のまちづくりについて、中項目で、東名新スマートインターチェンジ、まちづくりの検討状況、下大谷線及び周辺道路の整備、まちづくりの実現に向けた整備手法及び今後の予定についての4点を伺います。  では、まず、昨年の6月の許可により、既に地元でも、用地買収から発掘調査など、工事の様子が見てとれるようになりました東名新スマートインターチェンジについて伺います。  御存じのとおり、場所は駿河区宮川、静岡大学から西の調整区域内にある大谷田んぼのど真ん中、場所はお手元の資料1)の下段、土地利用計画図の濃いピンク部分になります。  まずは、その東名新スマートインターチェンジについて、現在の進捗と今後のスケジュールについて伺います。  次に、まちづくりの検討状況について、平成25年6月議会でも質問していますので、進捗とあわせて伺います。  まちづくりとは、資料1)の下段、先ほどの図でございますが、これが現在のまちづくりの素案となっております。これまでも、何度も市街化編入や大型ショッピングモールの出店などの話題となった土地でもありますが、土地の規模はおよそ125ヘクタール、市街化区域に囲まれた静岡市内でも唯一の場所であり、私は、東名新スマートインターチェンジとあわせて、駿河区の活性化の核となる土地と確信しております。  そこで伺いますが、3次総における大谷・小鹿地区のまちづくりの位置づけはどのようになっているのか、伺います。  次に、その大谷・小鹿地区のまちづくりですが、先ほどの東名新スマートインターチェンジの開通と合わせて、本市においては、新スマートインターチェンジ周辺の新たな土地利用方針を示すグランドデザインを策定。その中で、交流、農業、工業、物流、住居の5つの導入すべき機能の配置や規模を示した土地利用計画図の素案を、先ほどの資料1)の下段のとおり、本年2月に策定、公表し、まちづくり実現に向けて動き出しているところでもあります。  そこで、導入すべき5つの機能の進捗について伺ってまいります。  まず、資料1)下段の青色の部分です。工業・物流エリアについて伺います。  静岡市は、市外からの企業進出について積極的に誘致活動に取り組んではいるものの、地代も高くなかなか進んでいません。一方で、市内には、土地の用途区域の指定はあるものの、住宅地が張りつき、製材業、塗装業などが周辺近隣に気を使いながらものづくりをしている、いわゆる町工場がたくさんあります。また、現状では物流業者にとっても同様のことがあります。なので、このまちづくりの用地に移転してもらうことで、静岡市内の住環境の整備と工業・物流企業の効率化が図れる、さらには、市内に企業がとどまる、これら移転整備についても補助を活用できないかと要望しているところでもあります。  そこで、まず、工業・物流エリアについて、どの程度の規模の企業立地ニーズを把握しているのか。また、用地確保の方法として、買い上げか賃貸か、どちらの希望が多いのか、伺います。  次に、土地利用計画図の中の薄いピンク色、交流施設エリアについて伺います。  この機能の中で地区の核となる交流機能については、インターチェンジという他都市、他県から人を呼び込める広域交通インフラが整う中において、交流人口拡大には重要なものと考えています。また、東名新スマートインターチェンジが開設した後、新幹線ののぞみのように、ただただ通過するのを眺めているだけではなく、どのようにしたらとまっていただけるのか。  ちなみに、皆さん、日本一集客力がある施設はどこだとお思いでしょうか。以前も話したかもしれませんが、東京ディズニーランドです。年間1,000万人を誇る集客をしています。唯一それを超える施設があるのを御存じでしょうか。東名高速道路の海老名サービスエリアであります。  であるならば、イメージしてください。富士川サービスエリアや海老名サービスエリアのような東名サービスエリアの機能を、大谷・小鹿地区のまちづくりの交流施設エリアが担ったら、どうなるでしょうか。  お手元に配布させていただいた資料2)をごらんください。  昨年の会派要望でも提案させていただきましたが、本市大谷におりる仕掛けとして、スマートインターチェンジを活用して、一度サービスエリアをおりても課金されない、いわゆるターミナルチャージされずに乗降できる仕組みが重要です。それが、先般11月には本市より国へ要望された、ETCを活用した新たな高速道路利用料金割引の導入に関する要望書であります。
     高速道路利用者にインセンティブを与え、大谷まちづくりの交流施設をサービスエリアとして活用してもらうことで、静岡市の広域交流、観光の玄関口、地元の物産品の販売など、地域振興につながると考えております。  そこで伺いますが、交流機能における検討状況はどのようか、伺います。  次に、薄緑色の農業エリアについて伺います。  もともと農地ということもあり、収益を出して頑張っている営農希望者もおります。さらには、先ほどの交流施設で地元のとれたての野菜の販売や、住居にとっても農住混在の景観、市長もよく言っていただいている環境に配慮した住環境の整備が、世界の先進事例を見ても求められているところだと認識しています。  そこで、営農希望者の意向はどのように反映されるのか、また、地区内に300世帯ほどある既存の住宅地はどうするのか、伺います。  次は、中項目3つ目の都市計画道路、下大谷線及び周辺道路の整備について伺います。これも平成25年6月議会でも質問しておりますので、進捗、課題についてもあわせて伺っていきます。  まず、東名新スマートインターチェンジの開通と大谷・小鹿地区のまちづくりについて大変大きな期待と将来への希望を寄せる一方で、今後の最大の課題は交通対策であります。まさに明暗を分ける暗い影を落としている部分ではないかと思っています。具体的には、東名新スマートインターチェンジの利用台数は、当局のシミュレーションによれば、日に1万4,000台が利用されると。それに隣接する道路が耐えられるかが課題であります。  そこで、まずは、お手元の資料の1)の上段、都市計画図の中心部にある紫色の点線の路線、この下段のほうが下大谷線になるんですが、この駿河区での都市計画道路、下大谷線の位置づけはどのようなのか。現在の進捗と今後のスケジュールについて、伺います。  以上で1回目の質問を終わります。 59 ◯市長(田辺信宏君) 私からは、大項目、市長の政治姿勢について3点の御質問にお答えをいたします。  まず、リーダーとしての責任をどのように考えているのかという大変重い問いかけでございます。  私、部下を持った職員によく言うのですけれども、私の目指しているリーダーの姿、キーワードは「ミッション・パッション・アクション」だよと。つまり、使命感と熱意と行動力、この3つの要素を兼ね備えている人がリーダーだよという話をいたします。すなわち、リーダー像とは、みずから使命感を持ってビジョンを描き、そして、熱意を持って人々を動機づけ、その気にさせて、そして、行動力を持って諦めずに粘り強くビジョンの実現をする人。これが私の目指すべきリーダー像であります。  このビジョン、目に見えるもの、目指すべき姿ということが今回提案させていただいた静岡市基本構想であり、静岡市基本計画であります。  3次総基本構想においては、静岡市のまちづくりの目標を「世界に輝く静岡」の実現として掲げました。きのうも、成熟した都市の議論をさせていただきましたが、目指す都市像として2つ、歴史文化のまちづくりと健康長寿のまちづくりという2点を提示しました。この8年間で静岡市をもっと歴史的な誇りあるまちにしよう、もっと健康的な元気な都市にしようということが私のビジョンのコア、核心であります。  このように、市の職員や皆様方からの御意見をもとにこの基本構想、基本計画を策定いたしました。今度は、言行一致させなければいけません。私自身が、先ほどイメージをしているリーダーとして、みずからが熱意を持ってこの3次総を語り、広く周知し、議員各位はもとより、市民の皆さんや企業、団体をも巻き込んで、ここで策定をした人口減少対策や重点プロジェクト、分野別の計画を行動に移してまいります。この3次総の目標の実現というプロセスの中で、リーダーとしての責任を果たしていきたいと考えております。  次に、市政運営で最も大切にしてきたことは何かということであります。  これは、先ほども申しあげましたとおり2つであります。キーワードは連携意識と当事者意識であります。この連携と当事者意識ということを念頭に、私がこれもよく、これは市民に対して申し上げるスローガンであります。それは、これからのまちみがきは1人の100歩よりも100人の1歩だよという言い方であります。つまり、1人がひとりよがりに100歩進んで、後ろ向いたら誰もいなかったじゃだめだよということであります。そうではなく、同じ歩数の100歩ならば、1人の100歩よりも100人の1歩、より多くの方々と手をつないでいく、連携をしていく。そして、1歩でもいいから、100人の一人一人が自分の足で進むという当事者意識を持つことが大事だということの例えであります。これが私のいわば信念でありますので、この信念のもとに、これまで、市の職員の縦割り意識というものを少しでも破っていこうと言い続けてきたわけでありますし、あるいは、行政と民間の枠を破っていこう、官民連携をしていこうという3年半の試行錯誤がここにあると御理解いただければと思います。  もちろん、同じ方向を向いてみんなで前に進むためには、市長である私が号令をかけて、行き先を決めていく必要があります。市長に就任して市政運営のかじをとるようになって改めて感じたことは、人口70万人を抱える政令指定都市の長として、多種多様で複雑な案件に対する決断を常に求められているということであります。  この決断をするに当たって、市民の皆さんや専門家や議会の皆さんの意見を十分に聞いて、つまり、衆知を集めて、そして、熟慮に熟慮を重ねた上で決断をするというのが私の基本のスタイルであることは間違いありません。しかし、3次総策定という絶好の機会を捉えて、これは基本のスタイルでありますけれども、そろそろ応用もしていかなければいけないかなと、つまり、誰が何と言おうととは申し上げませんが、先頭に立って道を切り開いていく必要があるとも感じております。ただ、私は、基本は1人の100歩よりも100人の1歩、この思いはそのままに、3次総を携えて、次の時代に向けて歩み出していきたいと考えております。  最後に、国政に対する思いでありますけれども、平たく言うと、本気の地方創生に期待をしています。  申すまでもなく、我が国が最も優先的に取り組むべき課題は人口減少問題であります。いわゆる増田レポートが、現状の減少傾向が続くことにより居住地域の6割以上で人口が半減し、その人口減少により経済の縮小スパイラルへの転落が懸念されるなど、私どもは、地域社会、地域経済を維持できるか否かの分岐点に立っていると言えます。こうした中で、少子高齢化への的確な対応や東京圏への過度な人口集中の是正など、活力ある日本社会の維持に向けて掲げられた地方創生の取り組みには、あらゆる自治体が目下注目をして、それに呼応した施策展開に備えています。我が市もその例外ではありません。  11月21日、デフレ脱却に向けた安倍総理の経済政策、アベノミクスに対する国民の真意を問うためとして衆議院は解散いたしましたが、人口減少への対策は早ければ早いほど将来の人口規模を大きく確保できるものとされ、いかなる状況にあっても、地方創生というキーワードは迅速かつ着実に進めるべき優先政策であります。  したがいまして、国において総選挙が終了した後、速やかに総合戦略と長期ビジョンを策定していただくとともに、包括的かつ自由度の高い交付金の創設など、地方を信頼していただき、地方自治体の主体的な取り組みを後押しする制度構築に、スピード感を持って取り組んでいただきたいと切望しております。  以下は局長に答弁させます。 60 ◯企画局長(加藤正明君) まず、東静岡に関する2つの御質問にあわせてお答えいたします。  東静岡地区市有地の利活用に関しましては、3次総の重点プロジェクトの中で、新たなにぎわいと交流の核となる文化・スポーツの殿堂の整備を目指すと位置づけたところでございます。今後、この文化・スポーツの殿堂の整備という方向性を具現化する検討を行ってまいりますが、実現のためにはさまざまな課題が残されていると認識しております。その最大の課題は、やはり財源の確保でございます。方向性に合致した施設の整備を行うためには、相当額の財源が必要であり、PFIなど、民間活力の導入についての検討を進めているところでございます。  一方、各団体からの要望につきましては、これまでに、静岡市体育協会から東静岡市有地に多目的アリーナの建設要望、清水エスパルスからはアクセスしやすい新スタジアムの建設要望、静岡市サッカー協会からは東静岡にスタジアムをといった要望がございました。加えて、市民の声などを通じて、多くの方々から利活用に関するさまざまな御意見や御提案をいただいたところでございます。  これらの御要望、御提案につきましては、このたび打ち出した文化・スポーツの殿堂の整備という方針に基づき、県と歩調を合わせて具体的な整備内容の検討を行っていく際に、改めて貴重な御意見として取り扱っていきたいと考えております。  次に、3次総における大谷・小鹿地区のまちづくりの位置づけにつきましては、まず、分野別計画の都市交通分野において、分野の役割の中で東名高速道路新スマートインターチェンジの設置を見据えた交流拠点の整備という形で位置づけております。さらに、3次総では、都市構造軸の考え方を定めており、その中の葵・駿河ラインにおいて、大谷・小鹿地区の東名新スマートインターチェンジを視野に入れた循環型6次産業の創出など、特色に応じた都市機能の集積や地域経済の発展を目指す旨、記載してございます。 61 ◯都市局長(松浦和彦君) 私からは、大谷・小鹿地区のまちづくりに関する4点の御質問にお答えをします。  まず、東名新スマートインターチェンジの現在の進捗と今後のスケジュールについてですが、東名新スマートインターチェンジ設置につきましては、平成25年6月に国より許可をいただき、25年7月には、新スマートインターチェンジ本体の事業主体となる中日本高速道路株式会社と新スマートインターチェンジ整備に関する協定を結び、本格的に事業をスタートいたしました。本年9月には、事業に必要な用地測量が完了し、現在は、関係地権者と用地交渉を進めているところでございます。また、新スマートインターチェンジ本体の詳細設計は平成26年度末の完了予定で、おおむね順調に進捗しております。  今後のスケジュールですが、現在行っている事業用地の取得を進め、平成27年度から新スマートインターチェンジ本体工事に着手し、29年度末の供用開始を目指し進めてまいります。  次に、交流機能における検討状況、農業希望者の意向の反映、既存の住宅の扱いの3点についてでございます。  1点目の交流機能における検討状況については、交流施設エリアの拠点整備に向け、新スマートインターチェンジ整備の共同事業者である中日本高速道路株式会社と、本年1月より交流機能の構想案に関する勉強会を開始し、地域資源である農業を生かした検討を進めております。  また、11月には、東名高速道路利用者がこの交流施設エリアを利用しやすくなるように、初乗り料金であるターミナルチャージを徴収しないことなどを盛り込んだ、ETCを活用した新たな高速道路利用料金割引の導入に関する要望書を国に提出したところです。議員の御質問にもあったお話です。今後、その要望の実現も含めた高速道路利用者や交流施設事業者へのインセンティブの導入とあわせ、構想案を作成し、地域の方々に提案していきたいと考えております。  2点目の農業希望者の意向につきましては、これまで、営農意向アンケート調査や営農意向者とのワークショップ等によりその把握に努め、2月に公表した土地利用計画図の素案に反映してきたところでございます。引き続き、農業に関する意向把握に努め、その意向を総合的に判断し、平成26年度内に地域の方々に提示する整備手法等に反映する予定でおります。  3点目の既存の住宅については、既に住んでいる方々の事業への協力を得るために、既存建築物が建ち並んでいる箇所を居住エリアに設定したところでございます。 62 ◯経済局長(斎藤 誠君) 大谷・小鹿地区のまちづくりについての御質問のうち、工業エリア及び物流エリアにおける企業立地ニーズについてですが、これまで、企業へのアンケートやヒアリングを通じ、40社以上の企業が立地を検討している状況を把握しており、規模といたしましては、単純合計で、工業エリア及び物流エリアの想定面積約30ヘクタールを上回るものとなっております。また、用地確保の方法としては、買い上げにより用地取得を希望する企業が多い状況です。  ただし、これは、用地価格を初め、実施時期やインフラなど、企業にとって必要な検討条件が未確定な中でのあくまで可能性としてのニーズにすぎません。今後、大谷・小鹿地区全体の開発方針が確定し、さまざまな条件が明らかになり次第、それらを前提としたより具体的なニーズの把握に努めてまいりたいと考えております。 63 ◯建設局長(寺田 薫君) 初めに、駿河区での下大谷線の位置づけについてでございますが、都市計画道路下大谷線は、新東名高速道路新静岡インターチェンジから国道1号静清バイパス、国道1号など幹線道路と接続し、国道150号に至る本市の南北交通の骨格となる重要な道路です。  駿河区における下大谷線の役割は、東西道路とのネットワークを構築し、各拠点間の連携と機能強化を図り、日常的な交流活動を支えるとともに、大規模災害時には円滑な避難や迅速な災害復旧にも寄与するなど、多くの機能をあわせ持つ道路と位置づけております。  次に、現在の進捗と今後のスケジュールでございますが、現在、大谷郵便局から旧静岡南高校交差点までの延長637メートルを1工区、旧静岡南高校交差点から都市計画道路広野大谷線までの延長230メートルを2工区とし、事業を推進しています。1工区の平成25年度末事業費ベースでの進捗率は約98%となっています。2工区は25年度より事業着手しており、26年度は用地測量と物件調査を実施し、用地補償を積極的に進めております。  両工区とも大谷・小鹿地区新インターチェンジ開設時に重要なアクセス道路となりますので、インターチェンジの供用に合わせ、整備を推進してまいります。   〔14番宮澤圭輔君登壇〕 64 ◯14番(宮澤圭輔君) それぞれ御答弁ありがとうございました。  市長に至っては、熱いメッセージと中身も伝わりました。歴史都市、健康都市、非常に重要なコンセプトだと思いますので、一生懸命頑張っていただけるように私も応援していきたいと思っております。  続いて、2回目の質問に移りますけれども、東静岡市有地の活用についてです。  これは5年半前の本会議でも問題提起したことですが、まず、この3次総(案)に関する市民意見提出手続結果、既に企画課から皆さんにお配りされている資料ですけれども、パブリックコメントというのは市民の意見を広く伺うためであって、件数で賛否の割合を示すものではないことは周知していると思いますが、しかし、お手元の資料3)のように、当局の資料をもとに、先ほどのサッカースタジアム支持90%と報道されると勘違いを招いてしまう。  そこで、3次総のパブリックコメントに寄せられた東静岡に関する意見は賛否を示しているかのように見えますが、適切なのかどうか、伺います。  次に、先ほど、財源の話がありました。PFIの活用も含めてというところですが、資料4)をごらんください。  この資料は、調査法制課に御協力いただいて、全国のJリーグ1部リーグのホームスタジアムの収容人数、所有者、運営、建設費、黒字赤字などの調査結果をできる限りまとめたものであります。  中でも、番号15番のガンバ大阪のスタジアムですが、totoのくじで32億円、ふるさと納税と民間出資で既に140億円を集めて、なおかつ、管理運営も民間で行うとして建設が進められております。そのほか、テナント料金などで黒字化して、維持管理運営費を賄っているスタジアムもあるそうです。  先ほど、100人の1歩というお話がございました。これはきつい言い方かもしれませんが、それぞれの団体、今、アリーナとスタジアムとありますが、それぞれの団体が選挙前に要望をして、公共で建設してもらう時代ではないんじゃないかと私は考えています。欲しいものがあれば、市長も言われるように、要望をして獲得するのではなく、皆が汗を流す時代ではないでしょうか。駿府城再建の手法と同じように、どちらにせよ、クラブチームの募金活動やサポート拡大を通じていく中で、地元から愛され、地元のチームとして花開いていくのではないでしょうか。本来なら、市長も、欲しいなら、民間の方はどこまで御協力いただけますかと聞いてほしいところでもあります。住民ではなく、市民としてかかわり支援をする。これが市長の言っているシチズンシップではないでしょうか。  東静岡の市有地2.5ヘクタールは、本市で最も貴重な市有地の1つであります。利用許可については、民間も役所も頑張っている姿を市民に見せて初めて、多くの市民もそのように利用しても異論はないと納得してもらえるものと考えています。  そこで伺いますが、団体等の要望については、要望団体がみずから努力することも必要だと思いますが、どのように考えるのか、伺います。  次に、東静岡市有地の活用の最後の質問です。  東静岡市有地の利用については、恒久的活用策は検討する方針のもとで、会派としては、東静岡市有地の利活用について東静岡セントラルパーク構想を提案しています。セントラルパークとは、文化芸術の発信や野外イベント等の多目的に利用できるフリースペースとして整備することを提案しています。  以前、そこに座っていらっしゃる磯部地域活性化事業推進本部長が当時尽力して、160万人余の人が訪れた静岡ホビーフェア──本会議でも述べましたが、あそこには箱物がなかったから等身大ガンダムを建てることができたのであります。  また、先日、10月4日、市内イベントホールで「みんなで考える、静岡のまちづくり」が開催されました。主催は都市局であります。  その中の第2部のテーマ「どうする?これからの静岡」と題したパネルディスカッションでは、松浦都市局長、親善大使の森 理世さんほか2名が参加。そのパネルディスカッションで森 理世さんが、東静岡市有地に対してセントラルパークの活用を提案という記事が翌日の新聞に掲載されておりました。著名人の影響力を行使するわけではございませんが、森 理世さんといえば、ミスユニバース世界大会優勝者として世界を見て、世界で活躍されてきた御経験をお持ちの方から見た東静岡駅前のイメージがあったのではないかと思っております。  そこで、静翔会の要望でもあるセントラルパーク構想について当局はどのように考えるのか、伺います。  続いて、大谷・小鹿地区のまちづくりについて伺ってまいります。  まずは、先ほど御答弁いただきました周辺道路について伺います。  実は、今回の質問に先立ち、念入りに地域の状況を見てまいりました。大谷・小鹿地区のまちづくりに隣接する下大谷線に対する先ほどの答弁からわかるように、下大谷線は南北軸の柱、また、東西の交通の集積路であり、駿河区においても最重要道路の1本であります。ですが、市当局の担当を含め大変尽力していただいていることを承知の上で申し上げますが、それだけ重要な路線でありながら、県が所管時代からこれまで、整備がほとんど進んでこなかった道路であります。資料1)の土地利用計画図には、下大谷線が東名を越えて整備されているような図になっておりますが、実際には整備が完了しているわけではございません。  下大谷線が整備されない中で、現在、地域では南北軸として利用されているのが、皆さん御存じの静岡大学前の狭い狭い山脇大谷線であります。この道がどれほど危険か、通ったことがある人ならば誰もがわかることだと思います。大谷小学校の子供から、以前は旧静岡南高校の学生、静岡大学の学生の往来がある中、歩道はほとんどなく、大型車両が相互に行き交うことができないほどの路線に、交通量は大変なものです。バスの交通だけでも、多い時間帯には10分に1本、静岡市内で最もバスが走る路線ということから御想像がつくでしょう。  また、何と、馬車が走り、道で野球をしていたと言われる70年前と、この道幅は現在も同じなんです。だから、驚きなんです。なぜ同じなのか。なぜこれほどまでに車両が通行し、学校も多く、学生も多く利用する路線が拡幅されなかったのか。それは、図面にあるかのように記載されている下大谷線が、昭和30年代から整備されるはずだったからにほかならないのです。  そこに加え、平成29年、東名新スマートインターチェンジ開通後には、1万4,000台の車両が通行することが本市のシミュレーション結果として公表され、まちづくりが実現されれば、先ほどの工業や物流企業、大型車両が行き来し、さらには、スマートインターチェンジ機能を活用して、多くの観光客が車に乗って現道に流入してくることが予想されます。だから、地権者や地元住民から、東名新スマートインターチェンジが供用開始される時点の周辺道路の安全を気にする声が数多く上がってきているのであります。  そこで伺いますが、交通量調査はどのようか。また、山脇大谷線に進入する車両対策はどのようにしているのか、伺います。  次に、資料1)の下段、ピンク色のスマートインターチェンジが接続している南側の路線です。それを広野大谷線と申します。東西に伸びる道路の下の道路になります。申し上げておきますが、東名高速道路とこの広野大谷線の南北間には、現在、東名の側道もあわせて、ピンク色の区域には4路線が東西を行き来する道路であり、地域で活用されています。  スマートインターチェンジ開通後はどうなるか。現在の説明では、スマートインターチェンジの料金所及びアクセス道路が南北に延び、東西を分断し、スマートインターチェンジ開通後は今ある東西4路線が通行不能となります。ということは、今後、この4路線、農家のトラクターや周辺住民の車の移動、通学の子供たちの多くがこの広野大谷線に集中することになります。ですが、現在の予定では、インターチェンジ接続道である広野大谷線は片側1車線の接道にとどまるとしています。下のほうの道路です。繰り返しになりますが、スマートインターチェンジ開通後は1万4,000台の車両と、まちづくり後は事業所関係者の車両や多くの観光客、車両が片側1車線の広野大谷線を活用することになります。  そこで伺いますが、広野大谷線の本整備の時期はどのようか、伺います。  さて、ちょっと明るい話に話題を戻しますが、まちづくりとしては、現場職員の御努力の中で前向きに進めていただいていることがよくわかりました。本当に企業は来るのかという御意見に対しては、企業の希望用地の積み上げなど、説得材料としてもすばらしい活躍ですし、交流機能については全国に先駆けた取り組みではないかと、大変期待しているところであります。また、営農希望者についても、よく意向を踏まえ整備を進めていただけるとのこと、ぜひ交流機能との相乗効果も期待しております。  では、まちづくりもだんだんと具体性を増していく中、地権者の皆さんの関心どころとして、まちづくりの整備手法がございます。  さきの9月議会では、市街化区域への編入や土地区画整理事業など、整備手法についての調査検討を進め、地元地権者などと勉強会、説明会を開催するとの答弁はいただいています。  一方、地権者からなる大谷街づくり促進協議会からは、対象地区の一括市街化区域編入の上、区域全体の同時開発という要望が出ているところです。私は、この協議会からの要望に対して、対象地区が125ヘクタールと広大であること、地権者が800名近くいること、各地権者の意向に合う場所への土地の移動が必要であり、それには土地区画整理事業を、また、地区の一括整備は合意形成を含めさまざまな課題があるため、将来を描く姿は変えずに、一括ではなくできるところから段階的に整備することが重要であると考えます。そこで、土地区画整理事業とした場合の地区一括整備と段階的整備におけるメリット、デメリットについて、あわせて、まちづくりの実現に向けた今後のスケジュールはどのようか伺って、2回目の質問を終わります。 65 ◯企画局長(加藤正明君) 3次総のパブリックコメントにつきましては、本年9月から10月の1カ月間実施し、205人の方から304件の御意見をいただきました。3次総の骨子案をお示しして御意見を伺う形でしたが、東静岡地区に関する御意見、御提案も多数寄せられたところでございます。  パブリックコメント終了後、全体概要を取りまとめ、多くの意見が集まったものにつきましては個別に意見の傾向を整理いたしましたが、これはあくまでも市民意見の傾向を把握するものであって、決して数を競い合うものではございません。  したがいまして、東静岡地区に関する御意見につきましても、3次総において、賛否の数にかかわらず、事業具体化の際に市民の声として参考にさせていただきたいと考えております。  次に、市民や企業からの寄附についてですが、御指摘のとおり、ガンバ大阪の新たな本拠地となる吹田市のサッカースタジアムは、親会社であるパナソニックが中心となり、132億円を超える寄附が集まったと伺っております。また、マツダスタジアム広島市民球場は、「たる募金」や地元民間企業の寄附などにより、建設予算90億円のうち、市の実質負担額は23億円であったと伺っております。  先ほどの答弁でも触れましたとおり、現在の厳しい財政状況の中で大規模な施設を建設する場合には、財源の確保をどのように行うかが重要な課題となります。事業費を捻出する上で、PFIといった民間活力を導入した整備手法の検討はもちろん必要ですが、市民の皆さんや団体、企業からの寄附も大きな助けになると考えております。  東静岡市有地につきましては、今後、具体化に向け方針検討を行ってまいりますが、その際に市民の機運の盛り上がりにも大いに期待しているところでございます。  最後に、東静岡をセントラルパークにしたらどうかについてでございますが、東静岡の市有地はJR東海道線の駅直近に位置する約2.5ヘクタールの貴重な空間であることから、市全体の活性化や発展につながる活用を行う必要があると考えております。このため、3次総において示した「新たな賑わいと交流の核となる文化・スポーツの殿堂」という方針にふさわしい施設の整備に向けて、財源等の課題を含め、検討を行ってまいります。 66 ◯都市局長(松浦和彦君) 私からは、大谷・小鹿地区のまちづくりについて、都市局所管の4点の御質問についてお答えをいたします。  まず、交通量調査結果及び山脇大谷線に進入する車両対策についてですが、交通量調査につきましては、東名新スマートインターチェンジを設置する際に検討、調整が義務づけられている国、県、中日本高速道路株式会社及び本市で組織する地区協議会において、大谷・小鹿地区の幹線道路の交通シミュレーションを実施した結果、供用開始後の周辺道路計画では混雑度は問題ないと確認をしております。  次に、山脇大谷線に進入する車両対策については、東名新スマートインターチェンジに接続する広野大谷線から直接、山脇大谷線への流入を抑える計画としております。車両の規制や誘導について、具体的な抑制方法を、現在、関係機関と協議、調整して進めております。今後も、周辺道路の交通処理につきましては、安全な交通処理ができるよう、東名新スマートインターチェンジ出入り口付近や市内幹線道路に道路案内看板を設置するなど、円滑な交通処理を行ってまいります。  次に、広野大谷線の本整備の時期についてございますが、東名新スマートインターチェンジに接続する都市計画道路広野大谷線は、平成29年度の新インターチェンジ供用開始に合わせ、片側歩道つきの車道2車線で幅員12メートルの道路整備を進めております。将来計画である4車線の本整備の時期については、周辺の土地利用状況や交通状況を踏まえ、整備時期を判断していきたいと考えております。  最後に、まちづくりの実現に向けた整備手法及び今後の予定の2点についてでございます。  まず、まちづくりの実現に向けた具体的な整備手法は検討中で定まっておりませんが、土地区画整理事業で実施した場合の地区一括整備と段階的整備における一般的に想定されるメリット、デメリットについてお答えいたします。  当地区125ヘクタールを土地区画整理事業により一括整備した場合のメリットとしては、各地権者の将来の土地利用意向に合う箇所へ同時期に一体となって権利移動することができるため、地権者ニーズに合った開発が可能になると考えられます。一方、デメリットとしては、地権者約800名の合意形成、事業期間の長期化等により、土地利用の開始時期のおくれが想定され、現在進出意向のある企業が進出を断念し、事業の確実性が薄まることが考えられます。  これに対して、当地区125ヘクタールをエリア分けし整備する段階的な開発を実施した場合のメリットとしては、短期間で地権者の合意形成が図られることが期待できるなど、事業の確実性の高いエリアから着手が可能となるため、早期に事業が完了できる可能性が考えられます。しかしながら、デメリットとしては、後発的に着手するエリアの地権者に対して取り残された感や不公平感などが生まれ、事業進捗に支障を来すことから、十分な調整、検討が必要になると考えられます。  次に、今後のスケジュールについてですが、現在、市街化区域への編入のあり方や土地区画整理事業などの基盤整備手法について調査、検討を進めており、平成26年度中には整備方針を地元地権者の皆様などに示す予定でございます。今後も、土地利用計画の実現に向け積極的に取り組んでまいります。   〔14番宮澤圭輔君登壇〕 67 ◯14番(宮澤圭輔君) 最後に、意見・要望を述べさせていただきます。  まず、御答弁があった大谷・小鹿地区のまちづくりについてですが、まずは周辺道路の整備、山脇大谷線には入らないように看板を設置するという話が出ましたけれども、実は、その看板というか、今、困るのが車のナビなんです。  資料1)の上段に名勝日本一の日本平と書いてありますね。ほかにも、今や全国的にも有名になった日本平動物園や県の施設が建ち並ぶ有度山への案内図は必ず山脇大谷線を指します。また、100歩譲って、山脇大谷線は南に向かう指示を出したとしても、地元道路として、ほんの少し南に下ったところに簡単に北上できる道路を整備する予定であります。車は、水が低いほうに流れるように、迂回してでも近いほうに向かうことは目に見えています。  次に、高速道路の接道である広野大谷線ですが、全国の政令市内で大型車の通行があるインターチェンジの接続道路で、片側1車線しかないというのは珍しいのではないでしょうか。1車線しかない道で、田畑を往来するトラクターを大型トラックが後ろからあおる姿は見たくないところであります。駿河区の重要開発エリアでもあります。道路事業費の関係であれば、ぜひ財政局長も現場を見に来てほしいところでありますが、現在、所管の職員も鋭意取り組んでいただいていることは伺っているとした上で、平成29年度の東名新スマートインターチェンジ開通前に、一刻も早い南北軸としての下大谷線の整備と、先ほど検討という話がありましたが、東西道路として広野大谷線の対策を実施していただけるように強く要望したいと思います。  次に、大谷・小鹿地区のまちづくりのためには、まずは、日々御努力いただいている職員に心から感謝申し上げるとともに、このまちづくりの計画も、長きにわたり歳月を費やしてきた経緯が、東名新スマートインターチェンジ開通を控え、今回の編入が最後のチャンスだと思っています。  いよいよ大詰めとなった整備方針については、今後は地区一括にこだわらず、地区内のエリアごとの状況も十分加味していただいて、地区全体の将来構想を見据え、できるところから順々に進めていただきたいと思います。年度内における地権者への提案においてはぜひ実現可能なプランを提案していただき、早期の実現を目指していただきたいと思います。  大項目2の東静岡市有地の活用ですが、これまでの塩漬けを継承するのではなく、現状での利活用の検討や民間企業に協力を求めるなど、何らかの方針は出すべきではないかと思っています。ぜひ静翔会のセントラルパーク構想についても前向きに御検討いただければと思っております。  大項目の……
    68 ◯副議長(中山道晴君) あと1分です。 69 ◯14番(宮澤圭輔君)(続) はい。  市長の政治姿勢については、現在、3次総の策定ということで、職員、関係者等とけんけんがくがくの議論をされていると思いますが、地域が引き立つためにはとがった政策も必要です。ぜひ、あとは市長が責任をとるから、思い切りやってみろという姿勢で、職員を今後も引っ張っていただいて、決断のスタイルを貫いていただけるようにお願い申し上げて、全ての質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。 70 ◯副議長(中山道晴君) 本日の会議時間は、議事の都合により、あらかじめこれを延長します。  この際、暫時休憩いたします。         午後3時23分休憩    ───────────────────         午後3時40分再開 71 ◯議長(石上顕太郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  総括質問を続行いたします。  次に、大村一雄君。   〔20番大村一雄君登壇〕 72 ◯20番(大村一雄君) 今回は、第3次総合計画における清水区の展望についてと空き家対策の2点について、市長並びに関係局長にお尋ねをいたします。  まず、第3次総合計画における清水区の展望について、お伺いしていきます。  9月3日から10月2日までの1カ月間、第3次総合計画の骨子案についてパブリックコメントが行われたわけですが、我々自民党静岡市議団清水支部においても、10月1日付で第3次静岡市総合計画策定に向けた清水区への政策提言をまとめ、市へ提出したところであります。  平成17年の政令指定都市移行から10年が経過し、政令市としての基盤が確立しつつある静岡市ではありますが、一方で、人口減少や産業経済の低迷、衰えが大きな課題としてクローズアップされてくるなど、我が市を取り巻く環境は厳しさを増しております。  中でも、清水区におきましては、大手企業の市外への転出や、製造業を中心に転廃業が続く中小零細企業、シャッター通りとなった中心市街地商店街などの衰退が激しく、大変厳しい状況であります。確かに三保松原の世界文化遺産富士山の構成資産登録など、一部には明るい話題があるものの、富士山静岡空港開港や新東名高速道路開通などの経済効果が全く見えてこない状況など、経済界、産業界を中心に、今後の清水区を憂うる声が渦巻いているところであります。  このような中で策定される第3次総合計画は、対象期間である平成27年からの8年間のみならず、その後の清水区、静岡市の将来を左右するとも言える極めて重要な計画であります。  こうしたことを踏まえ、我々自民党静岡市議団清水支部では、清水区だけ何とかしてくれという我田引水の発想ではなく、世界に輝く静岡市になるために、清水区が持つ資源を、特色をどのように生かし、静岡市全体をよくしていくのかという視点で政策提言をまとめてまいりました。  提言書では、主なテーマとして、1.重点プロジェクトへの海洋文化都市の位置づけと清水港ウオーターフロントの開発推進、2.産業経済の活性化、雇用の創出、3.区内医療体制の充実、4.津波・土砂災害など防災対策の推進、5.区の権能強化と地域と行政との協働まちづくり活動の推進、そして、6.生活文化、都市基盤の整備を掲げています。  そこで、3次総が静岡市全体をよりよい方向へ牽引していくために、市内3区の特性をどのように理解し、めり張りをつけて効果的な施策を打っていくのか。今回、私は清水区選出の議員として、3次総において清水区をどのように捉えているのか、策定の段階でしっかりと確認をしていく必要があるという観点から、限られた時間の中ではございますが、特に重要と考えている点について質問してまいりたいと思います。  まず、1つ目の質問といたしまして、今回の第3次総合計画における目標の実現のために、この計画での清水区の位置づけと課題認識について、市長はどうお考えでしょうか。全体を俯瞰しながらも、特に重要という点がわかるお答えをいただきたいと思います。  そのお考えと重なることを期待しつつ、続いて、具体的に分野を取り上げてお尋ねしていきたいと思います。  我々の政策提言書では多岐の分野を取り上げているわけですが、清水区は、製造業や運輸業といった、いわゆるものづくりや港にかかわる産業経済の振興が生命線であります。そこで、まず、清水区の産業経済活性化に関して、4点お尋ねをしたいと思います。  1つ目は、清水いはらインターチェンジから清水港湾岸に至るエリアの産業振興の問題であります。  市内では、従来から、市街地に隣接する工業地域において大小の活発な産業が立地していたわけですが、時代とともに、産業構造、社会の変化もあり、産業側から求められる立地のニーズは変化をしてきております。特に、住宅地化が進み、専門的、集約的な事業所は高速道路インターチェンジ周辺などの郊外の大きくて利便性の高い場所に着目をしているというのは、全国的な傾向でもあります。  市内においても、駿河区大谷・小鹿地区におきましては、東名新インターチェンジの開設に向けて土地利用の検討が活発に行われております。そして、清水区におきましては、新東名と東名を結ぶ清水いはらインターチェンジや、高速と清水港を結ぶ連絡路となる清水富士宮線の沿線が着目をされております。  私は、11月に清水港ポートセールスミッションに参加し、台北、上海、青島の船会社を訪問し、清水港を利用していただくようPRをしてまいりました。訪問先で、我々は清水港の概要をDVDを使って説明をさせていただいたのですが、中でも、特に先方の関心を集め質問を受けたことが、平成29年度に供用予定の中部横断自動車道についてでございました。現状におきましては、背後圏域の貨物の大半が東京港、横浜港、名古屋港を利用している結果となっていますが、中部横断自動車道が完成すれば、清水港への距離、時間、高速料金のいずれも優位となり、2万TEU以上の貨物がふえる試算となっており、例えば、各県ごとの清水港利用率は、長野県では今までの4.3%から20%、山梨県では15.5%が25%にと、ともに大きな利用率のアップが期待されるという説明をさせていただきました。  このようなことからも、今後、いかに清水いはらインターチェンジや清水港周辺での土地の有効活用が促進できるかは、本市の官民共通の喫緊かつ重要な課題と言えます。  今までも、議会でさまざまな議員から、このエリアの活用については当局の姿勢を伺う場面が多く見られておりますが、当局の答弁は、大事な地区ではあるが、土地利用規制の課題などもあるため関係部局で検討していきたいといった、いささか切迫性に欠けた内容を何度となく聞いているわけであります。当然、一筋縄では行かない問題ではあると思います。土地利用規制という行政的な検討課題はもちろんのこと、周辺住民、地権者、関係組織の方々のお声を十分伺いながら、まちづくりの方向性として考えることなど、これは一朝一夕でまとまる話ではありません。  だからこそ、産業的視点を含めた土地利用を念頭に置いて、本地区のポテンシャルを十分に掘り下げ、道づくりやまちづくりとの調整など分野横断的な課題への対応や、関係者の意向を把握する場を設けるというアクションがまず必要ではないでしょうか。  そうこうしているうちに、県では内陸フロンティアの推進区域指定を進め、去る10月14日には第2次の地域指定が行われました。また、同じく10月の県開発審査会の決定により、政令市、特例市を除く県内地域では、市街化調整区域の開発について、今後、市町ごとに地区を定めることで開発の緩和を行うことができるようになるなど、周辺地域では物流・工業の立地を誘致する競争環境が激しくなってきております。  静岡市では、この庵原地区について、産業的観点からも重要という認識がありながら、そして、もう3年後には中部横断自動車道のアクセス道路も供用されるという状況において、いまだ専門的な議論の場が設けられていません。これでは、周りから完全に出おくれてしまっているという強い危機感を抱かざるを得ません。第3次総合計画を迎える今、庵原地区の住民の方々はもちろん、清水区を生かした清水区の産業環境にとっても大きな影響を持つこの地区の、静岡市としての活用に向けた具体的な検討を、広い関係者を交えて議論を行わなければ、この話はうやむやに終わってしまうのではないでしょうか。  我々はそうした思いから、政策提言書において、企業立地用地の創出・確保や、土地利用や法規制に対する弾力的運用とトップセールスの実施、地域活性化拠点施設の整備などを掲げているところであります。  そこで、質問でございます。  市としては、第3次総合計画開始と同時に、清水いはらインターチェンジから清水港湾岸に至るエリアについて企業立地用地としての活用を図っていくべきと考えますが、今後の企業立地の推進に向けてどのように取り組んでいくのか、お伺いをいたします。  続いて、清水港に寄港するクルーズ客船に対する清水区ならではのおもてなしについてでございます。  我々の政策提言でも筆頭に挙げていることですが、清水港ウオーターフロントの活性化は、ここ数年、県、市の新たな連携が生まれつつあり、江尻地区のペデストリアンデッキ整備が動き出したり、日の出地区の物流機能の移転方針などが示されるなど、来年からの第3次総合計画期間では、しっかりと目に見える効果を生み出していかなくてはならないテーマだと考えております。  そうした中で、昨年の富士山世界遺産登録以降、富士山が最も美しく見える港としての清水港へ注目が高まり、国内外のクルーズ客船の寄港がふえていると伺っております。特に、去る9月、10月に3回寄港したセレブリティ・ミレニアムは、毎回2,000から3,000人とも言われる乗客、乗組員が上陸し、バスや徒歩で寄港地のひとときを楽しまれたとのことであります。3,000人ともなると、まだ年間あたり数日しかないにしても、静岡空港の国内線、国際線合わせた1日当たりの利用客約1,000人を軽く超えるわけで、それなりの国際会議、学術会議などを誘致できても、そこまでのニーズを外から迎える機会はないと思われます。  こうした客船の寄港を今後もふやしていくことは、清水港とともに生きる清水区民にはとても楽しみであり、地域の誇りとして大事な取り組みだと考えます。そして、そこで受けるおもてなしは、訪れた人たちにとって清水の印象、ひいては静岡市、静岡県、日本の印象ともなる大事なものであります。  そうした中、今年度は、清水区の魅力づくり事業として、この客船寄港に際して日の出埠頭で海辺のマルシェを開き、客船の乗客や地元の見学者に憩いとにぎわいの場を提供するという取り組みを行っているわけでございます。そのような中におきまして、今回の魅力づくり事業は、区内外の人に喜んでいただき、清水港という地域資源の魅力を高める、なかなか有効な取り組みであったのではないかと思います。  そこで、今後の清水区にとって重要性がますます高まる客船寄港の促進と、清水区民が地域への愛着を持って主体的に観光客をおもてなしする環境づくりという2つの観点から、あえて港や観光を所管する経済局長ではなく、今回は清水区長へお尋ねいたします。  客船来港時に実施した清水区魅力づくり事業の取り組みと成果、また、清水区の資源を活用したおもてなしについてどのように考えているのか、お伺いをいたします。  それから、客船の話題に関連してもう1つお伺いします。  国では、現在、観光立国を重要な政策として掲げ、2020年東京オリンピックという絶好の機会を捉えて各種取り組みを推進し、2020年に訪日外国人旅行者数2,000万人への倍増を目指しております。ことし6月に公表された観光立国実現に向けたアクション・プログラム2014には、観光立国に関する有識者を交えた議論からまとめられた多数の政策が書かれておりますが、訪日旅行の容易化の鍵となるビザ要件の緩和など、大胆な施策も含まれ、我々静岡市のような地方都市も他人ごとではなく、これから官民で大きな変化が起きてくると感じております。  その中で、客船寄港がふえている清水港にも関係が深いものとして目にとまったものが、先ほど、平島議員から質問がありました、外国人旅行者向け消費税免税制度の拡充を契機としたショッピングツーリズムの振興であります。  この中では、もうことしの10月から始まっておりますが、免税店における対象品目が、従来の酒やたばこなどの嗜好品、高級品だけから大幅に拡大され、地域の特産品なども免税品とすることができるようになったとのことであります。うまく活用すれば、お茶やミカンなどの地域産業を外国人旅行者に消費していただくことにつながると考えます。  そして、もう1つ書かれているのが、2020年までに全国各地の免税店を1万店規模へと倍増させるというものであります。免税店がより設置しやすくなり、身近なものとなれば、観光の大きな武器になると考えられます。  これを、先ほどからお話ししている清水港の客船誘致施策とも絡めて考えると、これから清水港周辺にも免税店ができ、外国人旅行客のメリットをふやすことができるようになると、客船誘致の点でも、地域経済振興の観点でも、よい効果を生むと考えられます。  そこでお伺いをいたします。  静岡市として、こうした観光立国の施策、方針を踏まえ、清水港においても免税店設置を推進していく考えはないでしょうか。  産業経済活性化の4つ目の質問として、清水中心市街地のあり方についてであります。  衰退の傾向がなかなかやまない清水中心市街地については、我々の提言書においても、江尻港と中心商店街との回遊性の実現や、清水区役所庁舎水道局跡の利活用などの課題に、重点的に取り組むよう提案させていただいているところですが、ともすると、活性化やイベントといったことに目が行きがちな中心市街地の問題について、そもそも身近な利用者であるはずの清水区住民が、暮らしの拠点として利用したくなるような場所になっていないのではないでしょうか。  清水中心市街地は、JR、静岡鉄道はもちろん、清水市内のバス路線が集約された交通ターミナルがあり、たくさんの方々が乗りおりをしているはずですが、周辺の商業は苦戦し、ビルの空室なども目立ってきている状況はなかなか歯どめがかかりません。  本来の中心市街地のあり方として、例えば、静岡中心市街地などを見ていますと、商業関係者も当然頑張っておられますが、それ以外に、そもそもお客としてまちを訪れる人が、ビジネスや学校、病院など、一定の固まりとしてあり、そういう人たちがそのついでにまちで買い物や食事を楽しんで帰るという流れがあるように思います。マンション開発などにより、まちなかに住む方がふえているということもあろうかと思います。  清水中心市街地におきましては、再開発を含めた幾つかのマンション開発、そして、文化機能としては清水マリナートが整備されましたが、それ以外には、平日にまちを訪れる人をふやす施設、機能として目立ったものは少なく、結果として、まちなかで歩く人が減り、商店街も頑張ろうにも限界があるという、よくない循環が生まれているのではないかと感じるわけであります。  こうしたことから、市のほうでは、平成25年度で清水地区の中心市街地活性化基本計画の期間が終わりましたが、第3次総合計画においては、清水地区の中心市街地をどのような方向へ誘導していくかということは、引き続き重要な課題と考えます。そして、その中では、観光活性化という観点はもちろんですが、鉄道や公共交通、あるいは、駅周辺に整備された駐車場などの交通利便性を生かし、また、ふえつつある空き地や空きビルなどを活用しながら、地元清水区民が日常生活のよりどころとして訪れる機能を集めるという、まちの原点に立ち返った政策が必要ではないでしょうか。  そこで、質問いたします。  市は、第3次総合計画の期間において、人口減少、高齢化社会への関心が高まる中、今後の清水中心市街地の目指すべき姿や取り組み方について、経済、都市、それぞれの視点からどのように考えているのか、お伺いをいたします。  最後に、区民が安心できる暮らしという観点で1点伺いたいと思います。清水港、江尻・日の出地区の津波対策についてでございます。  2011年の東日本大震災発生以降に全国で津波被害想定が見直され、昨年には、静岡県で、津波に対する防護の方針を示す海岸保全基本計画の改訂が行われました。しかし、清水港の江尻から日の出地区の部分については、防潮堤の整備位置が決まらず、この地区だけ未定のまま改訂が行われ、今年度、官民関係者が検討を行うということになったと聞いております。その後、11月13日の新聞では、清水港、江尻・日の出地区具体的検討開始との見出しで関係者の会議の様子が伝えられていました。  確かに、さまざまな港湾産業機能や、ウオーターフロントとしてのにぎわいや憩いの空間などへの影響が大きいことから、この空間の防潮堤の整備位置については、広く市民、関係者が参加してよい知恵を集めて、港の発展とまちの安全が両立する答えを模索していただきたいと希望をしております。  そこで、2点お尋ねをいたします。  江尻・日の出地区の津波対策について、静岡県が設置した検討委員会ではどのような協議を行っているのでしょうか。  また、清水都心ウオーターフロント活性化を進めていくに当たり、防潮堤の配置やデザインなどの検討について、市はどのような視点で取り組んでいるのか、お聞きいたします。  以上で1回目は終わります。 73 ◯市長(田辺信宏君) 私からは、大項目、3次総における清水区の展望について、後に続く質問の総論部分になろうかと思いますが、3次総における清水区の位置づけ、課題認識の各論点についてお答えをいたします。  市長に就任をして全国の自治体とおつき合いをしていく経験の中で、あるいは、私が葵区出身だから殊さら強く感じるのかもしれませんけれども、政令指定都市になった最大のメリットは、本市が国際拠点港湾を要する都市になったということだと私は痛感をしております。  来年は、全国の港湾都市の港湾整備に対する全国大会を、MICEの推進という立場から誘致を成功させ、清水区で開催をさせていただくことになりましたが、港湾都市のネットワークというのは、本市の器を広げる意味で大変重要だという理解であります。  その国際拠点港湾を擁する清水区は、それのみならず、興津川流域や由比の中山間地域など、豊かな自然を残すオクシズ、そして、世界文化遺産富士山の構成資産である三保松原など、人を引きつける、まさに議員御指摘の世界に輝く魅力にあふれております。  ゆえに、3次総でも、清水都心を海洋文化を生かした国際交流拠点と位置づけ、快適で質の高いまちみがきに向けて、ここの振興、発展は重要な課題であると認識しております。  とりわけ、本市の産業経済を牽引する原動力である清水港は、平成25年に新興津埠頭第2バースが一部供用開始され、利便性が飛躍的に向上をいたしました。来る平成29年には中部横断自動車道の開通が予定されるなど、今後も、物流・交流の拠点としてそのポテンシャルはますます磨きがかかっていくものと期待をしております。  そのような物流・交流拠点という機能を強化をしていくとともに、3次総で掲げるビジョンはそれのみならず、いわば港湾施設の整備を中心としていた20世紀の働く港であった清水港を、21世紀型、きのうも成熟都市のあり方として議論をいたしましたが、成熟都市として、働く港からウオーターフロントとしての楽しむ港の要素を付加をしていくというのが、3次総の清水港における一つのビジョンであります。産業のみならず、人々がそこで笑顔で集い、憩う、にぎわいの場所としてのウオーターフロントの整備にも注力をしていきます。  具体的には、清水港周辺における産学官の連携による海洋文化の拠点づくりや、港に活気とにぎわいをもたらす客船の誘致、江尻地区から日の出地区マリンパークへ至る遊歩道の整備、そして、新たな公共交通の導入の検討など、3次総の中で取り組んでまいります。  また、三保松原地区におきましては、三保松原ビジターセンターの早期整備や羽衣公園の拡張整備、無電柱化による景観の向上を推進し、国内外からのインバウンドの観光客の満足度向上と三保松原の本質的価値の世界への発信、松原の環境の適切な保全も図ってまいります。  また、清水区西側、草薙地区に目を転じますと、ここもポテンシャルの高い地区であります。JR東海道線草薙駅のバリアフリー化や駅前広場、道路整備を推進することにより、その利便性の向上を図るとともに、目下取り組み中の草薙駅南口の市街地再開発事業を着実に進め、文教地区にふさわしい、都市空間を有効利用した快適なまちみがきを目指してまいります。  以上、概観をいたしましたが、このように3次総においては、清水区の魅力を生かすとともに、地域と連携したまちみがきを着実に進めてまいります。  以下は区長、局長に答弁させます。 74 ◯経済局長(斎藤 誠君) 清水区の産業経済活性化についての3点の御質問にお答えをします。  まず、企業立地用地についてですが、清水いはらインターチェンジから清水港湾岸に至るエリアは、新東名高速道路の開通に加え、平成29年度には中部横断自動車道も接続をすることから、物流関連産業を初めとした企業立地のポテンシャルの高いエリアと考えられます。  このエリアについては、過去、平成19年度及び20年度において、清水港から約5キロメートル圏内を対象とした用地可能性調査を行っており、その結果、まとまった用地の開発には大規模な造成工事等が必要となり、売却予想価格が坪約50万円の試算となるなど、用地としての採算性が弱いということが明らかになっております。  このため、現在は個別の開発案件について、土地利用規制をクリアするための支援や用地取得、設備投資等への助成などを行っているところです。  今後につきましては、引き続き個別案件の支援を行うほか、新産業振興プランの戦略産業の1つである清水港・ロジスティクス産業の企業立地推進の観点から、県や港湾事業者等と連携をして新興津埠頭第2バース港湾関連用地の利活用の検討を進めるとともに、清水いはらインターチェンジ周辺の未調査エリアなどの用地開発可能性について調査・研究を行ってまいりたいと考えております。  次に、清水港周辺へ免税店設置を推進していく考えはないかについてですが、国が進めている外国人旅行者への消費税免税制度を活用することは、観光や地域経済の振興にとって効果的であると考えております。  清水港周辺への免税店の設置については、臨時的な免税店と通常店での対応の2つが考えられます。  まず、臨時的な免税店の設置については、許可申請手続などが出店者の負担になっているため、実現にこぎつけるのが難しい状況であり、横浜港や神戸港、博多港などの多くの外国人が訪れる港でも実施ができておりません。そこで、全国の港湾管理者や港湾が所在する自治体で組織する全国クルーズ活性化会議では、本年11月、国土交通省等に対し、許可申請の簡素化などについての要望書を提出したところです。今後は、国の動向や出店者の意向を確認しながら、対応をしていきたいと考えております。  一方、清水区内において免税の許可を受けている通常店は、確認できた範囲では郊外型大型店数店舗のみであり、清水港周辺及びまちなかにはない状況にあります。現在、国においては、免税店の増加策として、事前相談、免税手続研修などの実施を検討しております。本市もこうした国の動きに連動し、まちなかにおける免税店の増加に向けた事業者の掘り起こしに努めてまいりたいと考えております。  最後に、清水中心市街地の目指すべき姿や取り組みについてですが、3次総において、目指すべき姿としてまちなかの魅力向上によるにぎわい創出の推進等を掲げ、その実現に向け、民間とともに実施する中心市街地活性化基本計画案の策定を進めているところです。  経済の観点から、にぎわい創出に寄与するものとして、清水地区において3つの要素があると考えております。  1つ目は、清水港ウオーターフロント、マグロなどの地域資源の活用、三保との連携など環境分野の強化、2つ目は、コスプレ事業などによる来街者増加策や市民のニーズを満たす専門性の高い地域商業の維持・発展、3つ目は、未来のまちを担う新たなまちづくりの人材、団体の発掘、組織化です。  現在、静岡市中心市街地活性化検討協議会の場に、プレイヤーを兼ねる経済界、まちづくり団体、学識経験者などの各分野の委員に御参加をいただき、民間事業を含めた計画案を検討しております。目指すべき姿の実現に向けた取り組みにおいては、こうした各種各界の皆さんと力を合わせながら事業を実施をしてまいります。 75 ◯清水区長(府川佳弘君) 本年度実施した客船歓迎の初めての取り組みと成果についてですが、清水区が持つ魅力ある資源を国内外に発信し、交流人口を拡大することを目的に経済局と連携して、「清水区をふるまう」事業、海の駅「SHIMIZU」を開催しました。取り組みとしては、8月の飛鳥IIを初め、にっぽん丸、大型外国客船セレブリティ・ミレニアム、帆船海王丸の寄港時に、海辺のマルシェとして、「みる」、「食べる」、「体験する」ブースを各種団体と協働して設置しました。  具体的には、「みる」分野では、富士山グッズや写真、東海道宿場パネルの展示、「食べる」分野では、サクラエビ、お茶、地酒等の地場産品の販売、「体験する」分野では、浮世絵刷り版画体験、着つけ、茶道体験などを実施しました。また、乗船客や見学に訪れた方に港周辺を散策していただくために、お手元にお配りしてあります英語、日本語併記の「清水港おさんぽMAP」の配布や「みなとスタンプラリー」を実施しました。  これらの成果としては、乗船客や見学者に対して区の魅力を効果的に情報発信できたこと、また、「清水港おさんぽMAP」の配布やスタンプラリーの実施により、周辺への回遊性が向上し、にぎわいを創出できたことが挙げられます。  なお、6日間の来場者数は延べ6万2,000人であり、アンケート結果からも89.5%の方に満足という回答をいただいています。  今後も、清水区のさらなる交流人口の拡大を図るため、地域の魅力を国内外に積極的に発信してまいります。  次に、清水区の資源を活用したおもてなしについてですが、清水区には、清水都心ウオーターフロントを初め、三保松原、日本平、東海道歴史街道、オクシズ、「しずまえ」など、国内外に誇れる魅力が数多くあります。こうした区の魅力を生かした事業を区民の皆さんや各種団体と協働して実施し、来訪者に清水らしさを感じていただける振る舞いをキーワードとした取り組みを進めていきます。  さらに、人や地域のつながりを大切にする区民の皆さんが、地域への愛着や誇りを持って主体的におもてなしを行うことにより、人が集まり回遊するまちづくりを推進していきたいと考えております。 76 ◯都市局長(松浦和彦君) 私からは、3次総における清水区の展望に関する2点の御質問にお答えをいたします。  まず、清水中心市街地の目指すべき姿や取り組みについてですが、平成22年度に策定した静岡市都心地区まちづくり戦略では、清水都心地区について、まちと港が融合する都心を理念として掲げ、港を中心にまち全体が魅力とにぎわいを醸し出す都心づくりを目指しています。
     この理念を実現するためには、JR清水駅から市役所清水庁舎周辺、さらには、ドリームプラザなどの集客施設がある日の出地区周辺に広がる中心市街地において、さまざまな生活サービスの提供や交流を創出する魅力ある空間づくりが不可欠と認識をしております。  そこで、現在、清水地区ならではの魅力を最大限に引き出していくため、港の持つポテンシャルを十分に生かした取り組みとして、まちと港をつなぐ江尻地区のペデストリアンデッキ整備や、日の出埠頭の交流拠点化に向けた検討などを先導的に進めているところでございます。  これらを生かし、回遊性と魅力ある清水中心市街地とするためには、江尻地区から日の出地区につながる遊歩道と周辺道路との連続性を持った一体的な魅力ある空間づくりが必要と考えております。  そこで、平成27年度は、経済局が行った遊歩道での社会実験の効果を踏まえ、地域関係者などの意見を聞きながら、遊歩道の活用方策や周辺道路を含めた道路空間のあり方などについて検討を進める予定でございます。  今後も引き続き回遊性向上を目指し、ウオーターフロントを生かした清水中心市街地の活性化に一層取り組んでまいります。  次に、防潮堤の検討に対してどのような視点で取り組んでいくのかについてでございます。  本市では、清水都心ウオーターフロントの活性化を図るため、江尻地区から日の出地区の異なる魅力の拠点を磨きつなげていくという目標を掲げ、水辺空間の開放や公共空間の魅力向上などに取り組んでいるところでございます。  この目標や取り組みを円滑に推進していくためには、美しい景観やにぎわいの空間をつくることとあわせ、清水港ならではの観光や産業、そして、市街地の暮らしを守るための津波対策を着実に進めていくことが必要不可欠と認識しております。  そこで、現在進められている津波防災対策検討委員会に本市も委員として参加し、防潮堤の配置やデザインについて、清水都心地区の安全性を高めることに加え、さらに、ウオーターフロントの景観や回遊性に新たな魅力を生み出していくという視点を持って取り組んでおります。  今後も、県や関係者の皆様と連携し、安心・安全とともに港の景観や都市デザインの向上の実現を図ってまいります。 77 ◯危機管理統括監(中野達也君) 江尻・日の出地区の津波対策の協議についての御質問にお答えをいたします。  清水港を管理しております静岡県が設置した清水港江尻・日の出地区津波防災対策検討委員会の場で、官民一体となって検討を進めているところでございます。この検討委員会では、防潮堤などの津波防護施設の位置について、当該地区の特徴に応じ5つのエリアに区分した上で、港内企業の活動、にぎわい、まちの景観、まちづくり、避難体制に考慮し、施設整備に関係する港内企業、近隣に居住する住民の皆さんの声を聞きながら検討を進めております。  なお、この検討委員会には、関係する4地区の連合自治会の会長にも御出席をしていただいており、地域の皆さんの声も直接反映をされております。   〔20番大村一雄君登壇〕 78 ◯20番(大村一雄君) 市長からは幅広い視点で清水港を見ていただきまして、ありがとうございました。  それでは、2回目は、全国的にも大きな問題となっております空き家対策についてお聞きいたします。  まず、本市における空き家問題の現状と対策についてでございます。  空き家の増加に歯どめがかからない。  総務省の調査では、昨年10月1日時点での全国の空き家戸数は820万戸とのことで、そのうち放置された空き家は実に318万戸に上り、住宅総数に占める割合は13.5%と、いずれも過去最高だったと言われております。  その背景には住宅の供給過剰があり、今後、人口減少が進むのにあわせて、さらに空き家がふえる可能性があると言われております。  また、野村総合研究所がまとめた資料によりますと、定住者がいない住宅が2023年には全国で約1,400万戸に達し、5軒に1軒が空き家となり、今後、人口減少が本格化して世帯数が減っていく一方で、空き家の撤去がスムーズに進んでいかないことから空き家がふえていき、住民の転居や死亡後、買い手や借り手があらわれずに放置され、景観の悪化、倒壊、敷地へのごみの不法投棄がふえるため、生活環境の悪化などの事故の増加を招くおそれがある。そして、今後は、空き家の撤去の促進や中古住宅市場の活性化といった対策強化が必要と指摘をされております。  既に、空き家問題につきましては、本年の9月議会におきまして我が会派の浅場議員からの質問に対し、3月から空き家等相談窓口関係課連絡会議を立ち上げ、全庁的に取り組みを始めたとの当局からの答弁がなされております。  そこで、3点お聞きいたします。  1点目は、本市の平成20年と25年の空き家の状況と、空き家等相談窓口関係課連絡会議の立ち上げ後、市民からの相談件数は区ごと、どのくらいあったのか、お聞きいたします。  2点目は、市民からの相談内容と対応状況についてはどのようなものがあったのか、お伺いをいたします。  3点目は、対応した結果、どのような課題、問題があるのか、お聞きいたします。  次に、空家等対策の推進に関する特別措置法についてお尋ねいたします。  少子高齢化や地方の過疎化などで、十分な管理がなされないままふえ続ける空き家の解消に向けて、全国の自治体では独自に空き家条例を制定して対策に乗り出しております。国土交通省の発表では、空き家条例を制定している自治体は、2014年4月1日時点で和歌山県と354市町村が制定しており、このうち184市町村では行政代執行の規定も設けているということであります。本県におきましても、焼津市、掛川市、小山町が既に条例を制定しております。  このように、多くの問題を抱え、対応に苦慮する空き家への対策として、私は今定例会において、本市にも空き家条例を制定すべきではないかとの質問をしようと考えておりましたところ、国におきまして、去る11月19日に、空家等対策の推進に関する特別措置法が駆け込み成立をいたしました。この駆け込み成立という状況を見ましても、いかに空き家の問題が緊急の課題であるかが御理解いただけるものと思います。  この法律の内容を見ますと、空き家への立入調査権を初め、市町村に課題解決のための多くの権限が認められております。また、この法律の中では、そのまま放置すれば、倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態や、衛生上有害となるおそれのある状態など、周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切な状態にあると認められる空き家を「特定空家等」と規定しており、私が条例を制定する際に必要であると考えておりました、空き家の所有者が解体などの命令に従わない場合の行政代執行により解体できる規定も盛り込まれているわけであります。  そこで、お聞きいたします。  この空家等対策の推進に関する特別措置法の成立を受け、今後、本市ではどのように空き家対策を行っていくのかお伺いをいたします。  次に、空き家バンクについてお聞きいたします。  人口減少に伴って空き家が放置される事態を防ぎ、これを活用して居住者を呼び込もうとする空き家の登録制度、空き家バンクを始める自治体がふえております。一般社団法人移住・交流推進機構が、2012年1月から2月にかけて全国の市町村にアンケートを実施をしました。回答率は67.4%でありましたが、374の市町村が移住・定住化を進めるため空き家バンクを導入していると回答し、2009年9月の前回調査時の1.5倍に上るということであります。  本市の友好都市である長野県佐久市では、2008年に地元不動産業者と連携し、月1回程度首都圏でセミナーを開催するなどして空き家情報を紹介し、今回の調査時までに全国一の賃貸・売買契約となる247件が成立し、2014年7月29日までに契約が20件ふえたということであります。  そこで、お聞きいたします。  本市でも、空き家バンク制度について人口増加策としての導入可能性調査をすべきと思うが、どのように考えているのか、お伺いをいたします。  次に、空き家の利活用についてお聞きいたします。  国土交通省では、都市郊外の一戸建て空き家を地方自治体が借り受けて、子育て中の世帯が住みやすいように改修し、貸し出す取り組みを促す方針を固めたという報道がなされました。そして、来年度から助成制度を拡大し、階段に手すりをつけたり、手を挟みにくい扉にするといった子供の事故防止対策費を助成対象とするということで、少子高齢化対策と全国的に増加する空き家解消の一石二鳥を狙って、来年度予算の概算要求に必要経費を盛り込んだと言われております。  この制度は、子育てのほか、お年寄り、障害のある人で所得が高額でない世帯向けの良質な住宅の供給を進めることを目的に、自治体が認定する地域優良賃貸住宅制度を活用し、自治体が民間の物件を借り受けるなどして改修し認定する場合は、国が改修費用の約45%を助成する仕組みとなっております。  そこで、お聞きいたします。  国の制度であります地域優良賃貸住宅の拡充支援を受けて、子育て世帯対策を含め、空き家についてどのように取り組んでいくのか、お伺いをいたします。  以上で2回目を終わります。 79 ◯生活文化局長(安本 睦君) 空き家問題の現状と対策の3点の御質問にお答えをいたします。  1点目の平成20年と25年の空き家の状況、並びに区ごとの相談件数についてでございますが、空き家の状況としましては、平成20年は、住宅総数が30万9,940戸、うち空き家数は4万30戸で空き家率は12.9%となっておりました。平成25年は、住宅総数が31万9,200戸、うち空き家数は4万3,500戸で空き家率は13.6%となっております。平成25年度の数字を平成20年と比較しますと、住宅総数で9,260戸、空き家数で3,470戸、空き家率では0.7ポイントの増となっております。  次に、区ごとの相談件数ですが、空き家等相談窓口関係課連絡会議設置後の本年3月から10月末現在で、葵区25件、駿河区11件、清水区22件、本市全体で58件となっております。  2点目の相談内容と対応状況についてでございますが、市民の皆さんからの相談内容としましては、1つには、保安面、防災面にかかわる相談で、建物の老朽化による倒壊や工作物の一部損壊の危険があるというものでございます。2つには、敷地内の衛生環境面にかかわる相談で、枯れ草やごみの放置、野良猫のすみか、害虫の発生などです。そのほか、防犯・防火面で、門扉や玄関が施錠されていないことから不審者の侵入、火災の発生のおそれなど、また、交通面で、樹木などが生い茂って道路側へはみ出し、通行に支障を来すなどの相談がございます。  これらの相談への対応についてですが、現地確認及び写真撮影、登記簿による所有者確認などを行い、相談内容に関係する庁内各課へこれらの情報を提供し、各課がそれぞれ所管する問題について対応をしております。対応状況の結果につきましては、58件中対応継続中のものが10件、未解決のものが13件となっております。  3点目の問題、課題についてでございますが、1つには、現地確認の際に、法令に基づく立入調査権がないために敷地内への立ち入りなどができず、空き家の詳細な状況が把握できないということでございます。2つには、空き家の所有者を調査するための個人情報の取得が登記簿情報のみであることから、所有者の把握が困難な状態となってしまうということでございます。そのほか、登記簿から所有者が判明しても、所有者が多数であったり、高齢者であったり、また、金銭面や相続放棄などの個人的な問題を抱えているなど、対応に苦慮している案件も多く、これらの問題への対応が課題となっております。  次に、空家等対策の推進に関する特別措置法成立後の対応についてでございますが、議員御案内のとおり、この法律には、市町村に立入調査権、所有者確認のための固定資産税の納税情報の利用、撤去、修繕等にかかわる命令などの権限が付与されております。また、所有者が指示に従わない場合には、行政代執行法の定めるところにより、行政が所有者にかわって空き家の撤去をすることも可能となりました。  今後は、法律の成立を受け、国土交通省で基本指針、市町村向けのガイドラインの策定が進められるので、情報収集に努めてまいります。また、法律施行時にすぐに対応ができるよう、庁内の関係課で組織する空き家等相談窓口関係課連絡会議で協議し、市民の皆様からの相談への準備を進めてまいりたいと考えております。 80 ◯都市局長(松浦和彦君) 私からは、空き家対策についての2点の御質問にお答えをいたします。  まず、人口増加策としての空き家バンク制度の導入の可能性についてでございます。  現状、本市では中山間地域を対象とした空き家情報バンクを実施しており、好評を得ているところであります。  この制度を市街地にも広げた場合、空き家を所有している人や利用を希望している人にとっては物件探しの選択肢が広がるとともに、市が関与することによって、安心して不動産取引ができるというメリットが考えられます。しかしながら、既に実施している市町村においては、地域性や都市の規模、抱えている課題がそれぞれ異なるため、その手法や効果もさまざまであると考えられます。  今後、他都市の取り組み状況や課題等の情報収集を進め、空き家バンクを市街地に導入することにより、本市において移住・定住に効果があるかどうかの検討をしてまいります。  次に、地域優良賃貸住宅を利用した空き家の利活用についてでございます。  地域優良賃貸住宅は、平成5年度に特定優良賃貸住宅としてスタートし、建設時とその後の家賃の一部を国と市が補助するものです。  本市においては、平成8年度から現在までに7棟139戸が整備されております。  議員の御案内のとおり、国においても、敷地が広く安心して子育てができる郊外の一戸建て空き家を賃貸住宅として充実させるため、来年度から、手すりの設置や手を挟みにくい扉に変えるといった改修費用も助成対象とする方針が示されました。  こうした制度を利用することにより、子育て対策や高齢者、障害者等への支援が期待できることから、福祉部門との連携を密にし、空き家解消に向けた具体的な施策を検討してまいります。   〔20番大村一雄君登壇〕 81 ◯20番(大村一雄君) 3回目は意見・要望を述べさせていただきます。  空き家対策でございますが、都市局長、空き家バンクにつきましては、中山間地の人は非常に期待しておりますので、ぜひ進めていただきたいと思います。  今回の空家等対策の推進に関する特別措置法の成立は、まさに全国の自治体の空き家対策にとっての援護射撃であり、問題を抱える空き家の解決に向けて1歩も2歩も前進し、市民の要望に応えていただくことを期待しております。  次に、第3次総合計画における清水区の展望についてであります。  今回は、産業・経済という攻めの部分と、安心・安全という守りの部分について、実現上さまざまな工夫と労力を必要とする難しいテーマも含めて質問をさせていただきました。  現状の課題を克服し、港や産業で栄えてきた清水地域を再生するためには、小手先の事業をすぐにできましたと打ち上げ花火のように繰り返していても、本質的に大きな意味を持つ政策課題から目をそらしているのでは、いつまでも状況を打開することはできません。第3次総合計画のスタートという新たな節目に際しては、今までの議論、経緯のままで行き詰まりを感じるものであるならば、大局的、複合的に捉え直し、合理性や実現の筋道がある新たな可能性があれば、関係者と丁寧に連携をしながら、大胆にかじを切るという意識が大切と感じております。  また、郊外の産業、まちなかの活性化などは、いずれも経済と都市両方のアプローチが必要な課題ですが、どちらのアプローチも各部署の所管事項に閉じこもるのではなく、関係する市民の我がまちの将来像、すなわち、まちづくりに結びつくところまで、それぞれが視野を広げ、さまざまな立場に思いを寄せながら、市民のための解決策を生み出していただくことをお願いをいたします。  仕事を仕切るために各所管があるのではなく、課題に応じて総合的に取り組むチームをつくるために各所管があるというのが、市民のためにあるべき姿と考えております。  最後になりますが、田辺市長はきのう、我が会派の繁田議員の質問で、来年4月に予定されております静岡市長選挙に出馬されるという強い意思表明をされました。市長は常々、清水がよくならなければ静岡市はよくならないと言われております。その言葉に清水区民は大いに期待をするところであります。  我々自由民主党市議団清水支部で政策提案しました第3次静岡市総合計画策定に向けた清水区への政策提言が実現できますよう、市長を初め、各関係局に対し強くお願いをいたします。そして、第3次総合計画の基本構想にもありますように、「創造する力」による都市の発展と「つながる力」による暮らしの充実を目指す中で、「世界に輝く静岡」の実現を市議会、行政、企業、そして、市民の皆様と協働でつくり上げていこうではありませんか。  以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 82 ◯議長(石上顕太郎君) 次に、鈴木節子さん。   〔25番鈴木節子君登壇〕 83 ◯25番(鈴木節子君) では、通告に従い、初めに、国民健康保険について質問いたします。  24年度国保料の大幅な値上げから3年目に入りました。市民の暮らしは苦しい閉塞感が広がっているにもかかわらず、値上げ以降の国保会計は毎年十数億円の繰越金が積み増しされています。国保基金残高も20億円単位で毎年積み上がっています。この実態から国保財政を分析し、大幅な引き上げは妥当であったのかを検証し、徴収し過ぎた国保料は引き下げできるという立場で質問いたします。  質問の1点目に、国保財政の分析について。  値上げ以降、決算は、平成24年度26億4,000万円、25年度41億8,000万円の多額な繰越金が発生しています。基金残高は、値上げ前の23年度2億円に対し、平成24年度は24億円、平成25年度は41億円、そして、現在は61億円にまで積み上がっています。  3年前の議論は、医療費が毎年3%から4%ずつ増加し、保険料を改定しなければ、平成30年度には407億円の赤字というとてつもない当局の試算が示されました。その結果、平均で17%、そして、低所得世帯には3割もの値上げを強行しました。当時の資料では、平成24年度15%引き上げをし、その後、毎年5%引き上げをしても、平成26年度、ことしには約36億円の不足が出ると赤字を強調しました。  しかし、どうでしょうか。現在、赤字どころか、繰越金は41億円、基金残高は61億円と、政令市中最高額に積もり続けています。  今、やるべきことは、国保財政を分析し、値上げの議論、試算は正しかったのか、検証が必要です。  値上げ以降の繰越金基金残高増額の要因をどのように分析をするのか、伺います。  2点目に、政令市との比較で伺います。  皆様にお配りした資料をごらんください。  1人当たり保険料は、25年度10万9,888円、26年度は10万6,927円と、政令市中2位、3位とトップクラスです。一方、1人当たり医療費は31万4,659円、政令市中13位です。また、一般会計からの繰入金20億円を1人当たりで比較すると1万622円、12番目と繰入額は平均より低い額です。  しかし、基金残高はどうでしょうか。25年度末は41億円、政令市中1位、そして、現在はさらに20億円積み増しをして61億円です。1人当たり3万2,000円を超え、断トツに高額です。この状況をどのように受けとめるのか、見解を伺います。  次に、国保の滞納対策についてです。  国保料が高くて、払いたくても払えない、滞納せざるを得ない世帯にとって、差し押さえは深刻です。払える資力があっても払わない人への対応は必要ですが、収入も財力も乏しく困窮している世帯への強権的な差し押さえは、生活をますます困窮に陥れるだけです。  国保料の収入未済額は54億円、市税、水道料、介護保険料など、滞納総額130億円の4割を占めるほど深刻な事態です。この滞納に対し、差し押さえが急増し、平成20年の22件、差し押さえ金額1,500万円に対し、24年度には792件、3億8,700万円にまで、件数も差し押さえ額も急増しています。このように、差し押さえが急増している背景をまず伺います。  次に、介護保険制度改正への対応について質問します。  安倍政権は、自立・自助の名のもとで公的給付の削減と介護の自己責任化を徹底し、多くの高齢者を介護保険サービスの枠外に切り離す社会保障解体を行おうとしています。本市も、来年度から3年間の第6期介護保険事業計画にこの内容を反映させようとしています。  新総合事業ガイドライン案の問題点をそれぞれお聞きしていきます。  1点目に、安上がりサービスへの誘導について。  これからは、要支援と認定された方の8割が利用しているホームヘルプサービス、デイサービスは保険給付から外され、市町村が実施する地域支援事業に移されます。となると、専門的サービスとボランティアなど非専門職による多様なサービスに分かれます。新規利用者には多様なサービスを割り振り、現在サービスを受けている人も一定期間後には多様なサービスに転換されます。  市の説明では、自分に合ったサービスが選択できると言っておりますけれども、ボランティアなど非専門職による安上がりサービスへの流し込みは、要支援者の状況悪化を招くだけとの批判が相次いでいます。どのように受けとめているのか、伺います。  2点目に、要介護認定を省略し、認定に至らない高齢者を増加させることです。  窓口の担当者が要支援相当と判断し、認定を省略した人は、制度上の要支援者とは呼ばず減らしていくのが目的です。国は、迅速なサービスが可能だと説明しますが、要支援者を介護保険の枠外に出して、適切なサービスを受ける権利が阻害され、状況悪化を招くのではないか。  3点目に、自立の促進を名目に、サービスの卒業、終了を強いることです。
     お年寄りがかがめるようになる、1人で買い物に行けるようになるという目標を持たせ、目標達成とみなすと、安いサービスへの転換やサービス終了を説得するというものです。先行実施している自治体では、介護認定を更新させない、ボランティアに切りかえるよう説得する、サービスを卒業し助ける側になれと圧力をかけるなど、横行しています。これは強引なサービス打ち切りではないのか。  このように、国は個人に見合ったサービスが提供できると説明していますが、自立・自助の名で住民相互の助け合いに参加をさせ、高齢者みずから支え手になるよう求めています。まさに、公的支えをなくし、国民を自助に追い込むのが今回の要支援切りではないのか。見解を伺います。  以上、1回目です。 84 ◯保健福祉局長(松本泰典君) 国民健康保険に関する3点の御質問にお答えします。  まず、基金残高増加の要因についてですが、静岡市国民健康保険診療報酬支払準備基金の残高は、現在、おっしゃったとおり、61億円余となっております。これは、歳入においては、平成24年度及び25年度の保険料収納率がともに予定収納率を3%強も上回ったこと、前期高齢者交付金が両年度ともに増額されたことなどが主な要因となります。また、歳出においては、後期高齢者医療制度への移行及び新規加入者の減などの理由で被保険者数が減ったことにより、全体の給付費が見込みを下回ったことが大きな要因でございます。  次に、国保料における政令市比較についてですが、平成25年度の1人当たり医療費は政令市20市中13番目で、これに対し、1人当たり保険料は26年度の当初賦課時において3番目となっております。  これにつきましては、前期高齢者交付金や国庫負担金の交付額及び各市の被保険者の所得水準などにより、必ずしも順位が比例するものではありません。鈴木議員が提出された資料にもあるとおり、政令市の保険料につきましては、東日本で高く、西日本が低い傾向でありますが、これは、所得水準の低い西日本の政令市に調整交付金が多く支払われていることによります。  本市の交付額は、政令市平均の約半分、1人当たり1万893円となっており、順位は14番目で、本市よりも交付額の低い政令市は全て医療費の順位よりも保険料の順位が高くなっております。このように、医療費水準のみで保険料額が決定されるわけではないため、順位については逆転の現象が起こる場合がございます。  次に、保険料滞納者に対する差し押さえについてですが、保険料の滞納対策は医療保険制度を運営する上で重要な業務であります。資力があるにもかかわらず、特別な理由もないのに保険料を納付しない滞納者に対し、差し押さえなどの滞納処分を執行することは、被保険者間の公平性を保つために必要であると考えております。  差し押さえ件数及び額が急増している理由については、平成23年度、福祉総務課内に福祉債権管理係が新設され、今まで以上に個々の状況に応じたきめ細やかな対応が可能となったことから、差し押さえ件数等も増加しております。  続きまして、介護保険の制度改正に伴う新しい総合事業の3点の御質問に一括してお答えします。  介護予防・日常生活支援総合事業は、要支援者等の多様なニーズに応え、その人の能力を最大限生かしつつ多様なサービスを提供する仕組みになっており、介護予防の推進と自立支援に向けたサービスの推進等を基本に実施されるものであります。具体的には、ごみ出しのような簡易なサービスで生活が維持できる方には、ボランティア等によるサービス提供が行われ、身体介護のような専門的なサービスを必要とする方には訪問介護員によるサービス提供が今までどおり行われることになります。  このようなニーズに合った多様なサービスの提供が可能となることから、要支援者の状態悪化を招くことにはならないと認識しております。  また、ホームヘルプサービスやデイサービスに代表される訪問型や通所型サービスのみを希望される方は、窓口での基本チェックリストにより対象者か否かの判断ができ、要介護認定に係る一連の手続が不要となるため、迅速なサービス利用が可能となります。一方、より専門性が高い訪問看護などの介護予防給付を必要とする方は、これまでどおり、要介護認定を受けサービスの受給ができます。  以上のように、何らかの支援が必要な人には、従来どおり地域包括支援センターがかかわり、必要なサービス等が適切に提供できるようケアマネジメントが行われますので、サービスは引き続き提供されることになります。  今後は、対象者にとって必要なサービスが提供できるよう、ガイドラインに沿って制度設計していきたいと考えております。   〔25番鈴木節子君登壇〕 85 ◯25番(鈴木節子君) それでは、2回目の質問をいたします。  まず、国民健康保険ですが、基金積み上げを繰り返すことについて、当局はこれまで、国保財政の安定的運営のために基金は重要な基盤だと説明してきました。昨年の9月議会の答弁でも、医療給付費の予想外の伸びなど不測の事態に対応し、国保財政の安定した運営のために必要である。また、国からの通知で、保険給付費の5%に当たる額を積み立てることとされていると答弁しています。  しかし、現在は、保険財政共同安定化事業によって県全体で負担を調整する仕組みがあります。来年度からは、全ての医療費が都道府県単位で調整されることになっています。また、国の通知は過去十数年前のことで、現在、そのような理由を使う自治体はありません。基金残高を積み増しし続けることについて、突発的な医療費の増額に備えた基金保持が必要という説明は、今では成立をいたしません。見解を伺います。  次に、滞納対策についてです。  福祉債権ではこれまで、児童手当、児童扶養手当など、差し押さえが禁止されていても、一たび口座に振り込まれれば一般財産だから差し押さえできると、差し押さえを強行していました。しかし、児童手当そのものが振り込まれた口座の差し押さえについて、平成25年3月の鳥取地裁、同年11月27日の広島高裁判決は、手当自体を受ける権利を差し押さえたのと同じであり違法だと断じました。この判決後の国会答弁で、厚労省の保険局長は、公的手当が入る口座を狙い撃ちする差し押さえは禁止されると答弁しています。  これに倣い、本市は公的手当が大部分を占める口座の差し押さえは行わないと方針を示すべきです。見解を確認します。  次に、介護保険についてです。  介護保険の解約によって必要なサービスが受けられない事態を防ぐために、地域包括支援センターの役割がより重要となります。市も、次期介護保険事業計画で、複合的に機能強化を図ることが重要であるから、基幹型地域包括支援センターの設置について検討するとしています。しかし、それだけで解決になるのでしょうか。  本市は、高齢者のひとり暮らし、夫婦のみ世帯は4世帯に1世帯と、高齢化が進んでいます。高齢者虐待、精神障害、認知症、経済的困窮、孤立など、処遇困難の高齢者は多く存在しています。こうした方に対して、実情に即したきめ細かな支援が必要です。  そのためには、地域包括支援センターの職員配置は、現在は1号被保険者の人口割になっています。それだけではなくて、地域の独居率や高齢化率に対応した配置で増員し、行政や関係機関との連携を強化し、太いパイプで連携できる体制整備が必要ではないか。方針を伺います。  以上、2回目の質問です。 86 ◯保健福祉局長(松本泰典君) まず、基金の必要性についてですが、今までは、安定運営の財源として、医療給付費の1カ月分、40億円強の積み立てが必要であるとしてきました。  一方、平成25年12月に、持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律、いわゆるプログラム法が制定され、29年度末を目途に、国民健康保険の保険者が都道府県に移行されることになりました。  今後、広域化への国、県等の動向を見据えながら、基金の運用も含め、運営方針を静岡市国民健康保険運営協議会に諮り、協議をお願いしてまいります。  次に、公的手当が大部分を占める口座の差し押さえの見解についてですが、平成10年2月10日の最高裁判所の判決により、児童手当や児童扶養手当の差し押さえ禁止債権であっても、一旦金融機関の口座に振り込まれた段階で一般財産となるため、その預金債権を差し押さえることは原則違法ではないと解釈しております。しかしながら、先ほど御指摘のとおり、平成25年11月27日の広島高裁の判決では、児童手当が預金口座に入金されることを認識した上で、振り込まれた直後にその児童手当が大部分を占める預金債権を差し押さえすることは、差し押さえ禁止債権である児童手当と同様と考えられることから、最高裁の判決の例外として不当であるということでございました。  本市といたしましては、広島高裁の判決を真摯に受けとめ、同様な事例については本市においては差し押さえは行っておりません。  最後に、介護保険のうち、地域包括支援センターの職員配置と連携強化についてでございますが、まず、職員配置は、地域包括支援センターが担当する日常生活圏域の高齢者数に応じて決定しております。高齢者数が6,000人未満の圏域においては、保健師、社会福祉士及び主任介護支援専門員の3職種を1名ずつ配置しております。さらに、6,000人を超える圏域においては、2,000人増加するごとに職員を1名増員しており、現在、23の地域包括支援センターに111名の職員を配置しております。  今後は、介護保険制度の改正により、在宅医療・介護連携推進事業、認知症施策の推進等の新たな業務が加わることから、それらに応じた職員体制を強化する必要があると認識しております。  次に、関係機関との連携強化については、現在も地域ケア会議を開催するなど、ケアマネジャー、介護事業者、医師、歯科医師、警察署等の多職種の協働によるケアマネジメント支援を行い、ネットワークの構築に努めておりますが、今後も、地域包括ケアシステムの構築に向けて、さらなる連携強化を図ってまいりたいと考えております。   〔25番鈴木節子君登壇〕 87 ◯25番(鈴木節子君) では、3回目の質問をします。  国保料についてですが、国保運営協議会は、来年度の保険料引き下げがどの程度可能かを議論することになりました。ここで肝心なのは、当局の引き下げに向けた主体的な姿勢を示すことです。繰越金は41億円、そして、基金は61億円と余り続けています。今では安定的な国保財政の運営が十分できるこの事態を分析をして、国保料引き下げにかじを切ると言明すべき、これが当局の責任ではないでしょうか。  昨日、市長は来年春の市長選に出馬するとの意向をお示しになりました。  国保料が大変高過ぎると、市民からの切実な願いは、引き下げしてほしいのです。これについて、直接市長からめり張りのきいた方針をお示しをしていただきたい。ぜひとも市長みずから答弁をお願いしたい。これは、せっかくこういう市民の切実な願いに応える場を私は提供しておりますので、市長、ぜひお願いしたいと思います。  2点目に、一般会計からの繰り入れについて。  国保運営協議会で、保険料引き下げとセットで繰り入れの減額も検討することが委員から提案されています。しかし、セットで議論するのは国保制度の存続にかかわり、乱暴な議論です。市町村国保の共通した問題は、加入世帯の年齢構成が高く、医療水準も高い、そして、所得水準も低いため、保険料の負担が重いという構造的問題です。そのために、一般会計からの繰り入れは必要不可欠です。厚労省で協議中の国保広域化の議論には、一般会計からの繰り入れのない保険料負担を明らかにして、県内の保険料を平準化する狙いがあります。しかし、そうなると保険料が増加するおそれもあり、広域化には多くの問題があります。その議論が定まらないうちに、一般会計からの繰り入れの減額など、まだ結論を出すべきではありません。時期尚早です。減額は行わないと方針を…… 88 ◯議長(石上顕太郎君) あと1分です。 89 ◯25番(鈴木節子君)(続) 明確にすべきです。見解を伺います。  続いて、滞納対策についてです。  誠実に国保料を払うことは当然ですが、払えないほど困窮している世帯があることも事実です。滞納整理、債権回収だけを目的としたら、適切な徴収から踏み外すおそれがあります。本来徴収してはならない人や財産から徴収したら違法となることを自覚し、生活再建、滞納者の権利擁護の立場で、一律機械的差し押さえは行わないと、また改めてこの場ではっきり方針を示していただきたいと思います。その見解を伺います。  そして、意見・要望ですが、地域包括支援センターについては、今後はもっと重厚な制度が必要です。あわせて、高齢者福祉については措置制度をもう一度復活をさせると、そうしたことに意見・要望をして質問を終わります。 90 ◯保健福祉局長(松本泰典君) 国民健康保険料に係る2点の質問に一括してお答えします。  国民健康保険事業は、被保険者の保険料を主として、国庫負担金とその他の収入で賄うことが原則となっています。  保険料の算定は、医療費推計、被保険者の増減及び1世帯当たりの所得金額などをもとに行っておりますので、保険料については、各項目を精査し、静岡市国民健康保険運営協議会において協議をお願いしてまいります。また、法定外繰り入れにつきましても、保険料と同様に、国民健康保険の運営に関する事項でございますので、あわせて運営協議会に諮ってまいります。  次に、国民健康保険の収納対策についてですが、差し押さえについては、まず、滞納者の実情を把握するために納付相談を行います。この納付相談では、家族構成、家庭の収入状況、通院の状況など、滞納者の生活実態を細かく聴取した上で適切な納付計画を作成し、納付に導いておりますので、機械的かつ一律に滞納処分することはありません。  しかしながら、資力があるにもかかわらず、特別な理由もないのに保険料を納付しない滞納者に対しては、公平性の観点から厳正に対応しなければならないと考えております。 91 ◯議長(石上顕太郎君) この際、暫時休憩いたします。         午後5時2分休憩    ───────────────────         午後5時15分再開 92 ◯副議長(中山道晴君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  総括質問を続行いたします。  次に、池邨善満君。   〔7番池邨善満君登壇〕 93 ◯7番(池邨善満君) 夕方の5時を回り、外は大分暗くなってきましたけれども、ぱっと気持ちが明るくなるような答弁を期待し、通告に従い質問をいたします。  今回は、市長の政治姿勢、トップマネジメントについてです。  新政会は2月定例本会議におきまして、代表質問で佐藤議員から、市長の政治姿勢、リーダーシップとトップセールスについて質問をしております。  同じような質問ではありますが、今回は、市が抱える課題解決に向けて、今までどのように進めてこられたのか、そして、今後どのようにリーダーシップを進めていかれるのか、お伺いしたいと思います。  この質問を取り上げるに当たって、2つございます。  1つは、平成23年2月に、新政会は市長選挙に際し、市長候補であった田辺市長と政策協定書を交わし、3点の政治姿勢と5点の基本政策を締結させていただいております。  政治姿勢の主な内容は、1つはリーダーシップ発揮、トップセールスを積極的に行うこと、そして、会派との政策情報交換会議の設置の3点でございます。  新政会は、これまで毎年、政策提言、そして、第3次静岡市総合計画への提言を行ってきました。この新政会が取り組んできた機能が十分に発揮できていたのか。確認も含めて、この質問を取り上げてみました。  もう1つは、静岡市が抱える課題、人口減少、少子高齢化社会への対応、財政基盤の強化としてアセットマネジメントの推進、そして、市民ニーズの多様化、市民との協働など、多くの課題がございます。そして、これら課題解決のための方向性を示した第3次静岡市総合計画がこの定例会で提案をされております。この総合計画実現に向けては、今まで以上に強いリーダーシップを発揮し、市長は進むべき方向性をしっかりと示すことが求められていると感じます。  以上のようなことから、今回の質問を行います。  まず、リーダーシップを発揮するためには何が必要か。確認のために少し述べさせていただきます。幾つかの資料を参考にしましたが、2つございます。1つは人の資質、もう1つは制度的なものだそうです。制度的なものは説明が長くなりますので、今回は割愛をし、人の資質について簡単に述べます。  人の資質には、知識と教養、そして、胆力と調整力だそうです。胆力とは、肝が据わっていること、物おじしないこと。政治家に当てはめてみますと、自分の票は気にせずに政策・施策を推進する気概とのことです。調整力とは(発言する者あり)これは私が言っているわけではございませんので、資料によりますと、調整力とは、少数意見であっても自分の考えをしっかりと説明をし、組織内のメンバー等にわかりやすく目に見える形でコミットメントを行う力だそうです。  第3次総合計画策定実現に向けてのトップマネジメントは、特に、重点プロジェクトの方針、計画の目的、意図した成果の達成、組織内の横断的な協力の促進について、リーダーシップを発揮すべき事案だと考えます。  少し前置きが長くなりましたが、これらを踏まえて質問に入ります。  まず、リーダーシップについてです。県と市との連携強化、そして、県からの権限移譲、財源移譲についてお伺いいたします。  県と市との連携については、県・政令指定都市サミットが毎年行われております。田辺市長は、平成23年度から平成26年度まで4回御出席をされ、この間、地震・津波対策の推進について、しずおか型特別自治市実現に向けてなど、県、市で確認がされております。注目は、初めて参加されたときに、県と両政令指定都市との協働についても確認をされております。  ところが、今日までの新聞報道によりますと、静岡県知事から、三保松原整備の件、東静岡周辺整備についての発言、さらに、市長が再選出馬表明されました次の日、11月26日の静岡新聞、中日新聞によりますと、まちの景観に全く鈍感という県知事発言が掲載をされております。  ここは、胆力を発揮して、周りからの発言に対して一喜一憂せずに、しっかりと事業を推進すればよいと考えますが、市民からしますと、市当局なのか市長なのか、何が原因なのかよくわかりませんが、県と市との関係について市民の方が心配されているのは事実です。  静岡市の事業を進めるには、県市連携をさらに密に、そして、前向きな議論が行われるべきだと思います。県と市との連携をさらに強化するためにどのように進めていこうと考えておられるのか、お伺いいたします。加えて、県からの権限移譲、財源移譲についてどのように進めるか、考えをお伺いいたします。  次に、民間人や若手職員の積極的登用についてです。特に、第3次静岡市総合計画のアセットマネジメントを進めるには、民間手法の積極的な活用が必要との視点で質問をいたします。  アセットについては、山梨県の中央自動車道上り線笹子トンネルでの事故や、JR北海道のレール点検数値改ざんなどで問題にもなりましたが、インフラの老朽化対策や適正な管理の必要性は、本市にとっても、これからの市政運営に大きな影響があります。  静岡市のアセットマネジメント基本方針で、年間維持更新費は、平成25年度以降30年間、毎年309億円が必要との試算がされております。アセットマネジメントを計画どおりに進めるためには組織の体系化と継続性を維持すべきですが、そのためには民間手法を積極的に取り入れる必要があると思います。コスト意識の醸成、市民へのサービスレベルの維持、施設統合などによる住民説明などにおいては、経験のある方を積極的に登用すべきではないでしょうか。  アセットは一つの例ですが、今後の市政運営において、民間登用や若手職員の積極登用は静岡を元気にしてくれるのではないかと期待しますが、今後の進め方についてお伺いいたします。  次に、横断的行政運営についてでございます。  地域活性化事業推進本部は平成24年2月に設置条例が上程をされました。この際の説明では、専門化、複雑化する行政需要に対応するためには局間の連携による課題解決や事業実施が重要かつ不可欠である。そのために、局を横断する組織として地域活性化事業推進本部を設置をし、事業計画から実施まで局間連携を確実に図り、経営資源を効果的に活用していくと説明をされております。  今回の議案では、この組織を解消するわけですけれども、多様化するニーズに対応するためには、今後、地域活性化事業推進本部にかわる組織が必要ではないかという思いもございます。今回の第3次静岡市総合計画の重点プロジェクトにかかわる基本計画を各部門が策定をされていますが、どこが横断的視点に立った計画になっているのか。現時点では、総合計画に記載されている内容との言葉の整合もとれていない計画があるようですということを申し添えておきます。詳細は2月の定例会で質問ができればと考えております。  横断的行政運営による事業推進についてどのように進めていくお考えなのか、お伺いいたします。  次に、トップセールスについてです。  言うまでもありませんが、全庁挙げて、あらゆる機会を捉え、静岡市のセールスマンとなって静岡市を積極的に売り込もうという意気込みは必要だろうと考えます。徳川家康公顕彰四百年を迎えるに当たり、静岡市で発展してきた伝統工芸や、そこから生まれ育ったプラモデル、自然豊かな地でつくり上げられたさまざまな特産品、歴史は浅いですが、世界に誇れる電機産業、省エネ技術などの静岡市の魅力を国内外に発信し、静岡市の知名度や都市イメージの向上、観光客と交流人口を拡大し、定住人口増につなげて、魅力、活力ある静岡市をつくっていくことが、「世界に輝く静岡」の実現ではないでしょうか。  国内はもとより、海外の企業誘致や全国的、国際的なイベント、コンベンションの誘致に向け、どのようにトップセールスを推進していかれるのか。今回の議案で、観光交流文化局を設置し、静岡市を売り込む体制を強化されるとのことですが、観光戦略強化についてどのようにトップセールスを推進していくのかをお伺いいたします。  以上、1回目です。 94 ◯市長(田辺信宏君) 大項目、市長の政治姿勢のうち、トップマネジメントについて4つの御質問にお答えをいたします。  リーダーシップについての質問が相次いでおりますが、議員、胆力が必要だという御指摘でありますが、私も全く同感であります。私は、胆力を持ったリーダー像の模範として徳川家康公を一つの形として考えております。太閤秀吉に10年以上も無理難題を吹っかけられても、鳴くまで待とうとばかりじっと耐え忍んで、ついには戦国時代の世を終わらせ、天下太平の265年を切り開いたという家康公は、胆力を持ったリーダーだと思っています。一歩でも近づきたいという気持ちであります。そんな観点で、私はこのトップマネジメントということを、まだ足元にも及びませんけれども、追い求めていきたいと思っております。  お尋ねの4点であります。  まず、第1に、県と市との連携強化についてでありますけども、私が一番大事にしたいのは、今、一つ一つの案件について、市の職員と県の職員が現地現場で一つの方向性を持って連携して一生懸命やっております。その環境を守ってあげること、これが一番大事なことであると思います。そういう意味では、もうこれは連携は自然体のうちに、住民にとっては県も市も行政がやってくれればいい話でありますので、そのことが大事なんだろうと思います。  県知事から市のことについてさまざまな発言があって、心配をなさっているということでありますけれども、いろいろなことをおっしゃるのは、これは自由であって、耳は傾けます。しかし、最後はここで決める。最後は市議会と一緒になって市で決める。これが代表制の原理原則であります。G8サミットの誘致等々、県とともに取り組む課題は数多くありますが、連携して、今後とも市政を進めてまいります。  次は、県からの権限、財源移譲についてでありますが、これも着実な移譲を進めてまいりました。県においては、ふじのくに権限移譲推進計画を策定されております。本市のみならず、県下の市町に対して、この計画に基づいて積極的な権限移譲がなされております。願わくは、もっと裁量権のある権限を財源とともに移譲してほしいというところではありますけれども、移譲計画そのものは、全国レベルで見ても県の計画は積極的なほうだという評価をしております。  次に、国の示した地方分権改革における提案募集方式について。  これについても、本市は政令指定都市とともに、農用地の活用についての事項、一緒に提言を国に対して働きかけておりますが、今後も、自主的かつ自律的な行政運営のための基盤整備を、政令指定都市市長会を通じて国に積極的に働きかけをしていきたいと思っております。
     次に、民間人や若手職員の積極的登用について。  これについては、地域活性化アドバイザーや広報アドバイザー、観光コーディネーター、シティプロモーション推進委員といった、民間企業の豊かな経験と高い知識が必要となる業務について、これを登用してまいりました。これも答弁をしたとおりであります。3次総を推進していく過程を通じて、専門性が高く困難な行政課題に対して、今まで以上に、民間感覚を持った豊かな経験と知識を持った人材は必要不可欠と考えております。  さらに、若手職員の登用でありますけども、これも私は期待をしております。  今年度の子ども未来局の目玉事業、ヒット作だと思いますけれども、しずおかエンジェルプロジェクト、子育て支援、出産支援、そして結婚支援と、ソフト施策を相次いでやってきた3年間だったわけですけども、この結婚支援事業は非常に好評であります。カップル成婚率も大変高い数字、成果を上げております。  もともとこれは、総務局が主催をした人材育成研修での提案にすぎなかったわけです。これは非常に先進性があるということで着目をして、やってみなはれとばかりにエンジェルプロジェクトとして政策立案をして、そして、事業化したわけでありますけれども、これは若手職員の大胆な発想と行動力によっての施策で、高く評価をしておりますので、このような形で、若手職員のアイデアをこれからも積極的に取り上げていきたいと思っております。  最後に、横断的行政運営による事業推進についてでありますけれども、これについての目玉は、局次長制度の新設であります。多様で複雑な行政課題に対応していくためには、全局が一丸となって局横断的な連携による、オール静岡市役所での行政運営が必要であるという観点から、口を酸っぱくして局間連携、局間連携というふうに、今までこの3年は言ってきたのです。  一方、課題があるんです。局長というのはやっぱりトップなんです。トップなんです。そうすると、局間連携をするということはやっぱり必要だと頭でわかっていても、できないことはたくさんあるんです。つまり、例えば、国政においても同じだと思います。大臣になると、その省庁から強い大臣を求められて、そして、それを期待されるというわけであります。例えば、環境大臣になれば、環境省の職員の期待を一身に受けるというわけです。だから、その省益を追求しがちになるわけです。  しかし、環境大臣になっても、国の大臣である以上、国土交通省とも連携しなきゃいけない、経済産業省とも連携しなきゃいけない、内閣府ともやらなければいけないというような観点であります。しかし、環境省という省庁からすると、環境大臣、ただ自分たちの省益ということです。  やっぱり、これは市役所にも同じであって、局長というものはその局のトップでありますから、その局の代弁者として突っ張らなきゃいけないところもあるということを、局間連携というのは、私の立場で言い続けていて強く感じました。  そこで、局次長制度というものを設置します。それは、総務局長からも説明がありましたが、局長を補佐しつつ、横連携、局間連携を局次長同士で図っていくというようなマネジメントができる人材を登用して、局次長、これをひとつ、私、今後の大きな組織再編の目玉として新設をするというのは、こういう気持ちからであります。局横断的に実施する事業などの調整を担い、局間連携のかなめとなる局次長を全局に新たに設置し、局横断的な事業推進を図る体制を構築していきたいと考えております。  以下は局長に答弁させます。 95 ◯経済局長(斎藤 誠君) トップセールスについてですが、市長みずからが職員の先頭に立ち、国内外に向けて強力に本市の情報を発信し、売り込みをかけていくことは、特に企業誘致や観光の分野において大変重要で効果的な取り組みであると考えております。  まず、戦略的企業誘致についてですが、従前より、本市主催のセミナーや企業が集まる国内外の産業展示会などの機会を捉え、市長が顔となって、本市の売りである充実した交通インフラや豊かな自然、住環境などの立地優位性を積極的にPRをしてまいりました。  今後は、特に3次総の重点プロジェクトに掲げた戦略産業の企業誘致を重点的に進めていくために、さまざまなネットワークを活用し、関連企業の経営層との関係構築をトップレベルで図るなど、企業との誘致交渉を効果的に進めてまいりたいと考えております。  次に、観光戦略の強化についてですが、これまで、市長みずからが本市の営業マンとして、首都圏や東アジア、欧米など、国内外の政府機関やマスメディア、旅行会社などへトップセールスを行ってきたところです。  観光分野においては、その取り組み意義がシティプロモーションや観光客誘致、MICE誘致など多岐にわたるため、国内外の現地へ赴くだけでなく、あらゆる機会を捉えたトップセールスが必要です。特に、国際会議などMICEの誘致においては、誘致主体のトップが主催者に対して歓迎の気持ちをあらわすとともに、官民一丸となった取り組みであることを示すことが重要であると考えています。  今後は、新設を予定する観光交流文化局を中核に据え、官民連携を強化し、全市を挙げたシティプロモーションの推進や観光客誘致、MICE誘致に向け取り組んでまいります。   〔7番池邨善満君登壇〕 96 ◯7番(池邨善満君) 2回目は意見・要望といたします。  市長からの御答弁をいただきまして、要望は3点に絞らせていただきたいと思います。  まず、県、市連携強化でございます。  市長のほうからは胆力というお話もありましたが、私は、ここでは、調整力をぜひ発揮をしていただきたいと思います。いろいろなことを言われる方がいらっしゃいますが、それを抑え込むという言い方はおかしいですけれども、それが調整力。胆力だけでずっと耐えてばかりではなくて、やはり攻めるときは攻めなあかんと思います。ぜひここは調整力を発揮していただきたいというのが1つでございます。  それから、体制整備のところでは、横断的行政運営のところでございます。  ここは、今回、局次長という方を配置をされて、局間連携ということでございますが、この局次長に市長の思い、意思表明、コミットメントがしっかりと伝わり、局間の横断ができなければ意味がないわけで、これをうまくやるには絶対リーダーシップが必要だというふうに考えておりますので、ここは強力的に進めていただきたいと思います。  それから、3つ目のトップセールスでございます。  トップセールスのよいところ、トップマネジメントのよいところはいろいろあると思いますけれども、その中でもスピードだと思います。通常の業務はPDCAで回しますので、物事の決定までにはどうしても時間を要します。しかし、チャンスは待ってくれない場合がございます。そのときこそ、ぜひトップの判断で実現をお願いしたいと思います。  これで気持ちが明るくなったかどうかは、ただいまは緊張しておりますので、新政会の会派の中に帰って実感できると思いますが、最後に、真の市長のトップマネジメント、リーダーシップを発揮されることをお願いして、全ての質問を終わります。  以上です。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 97 ◯副議長(中山道晴君) 次に、山梨 渉君。   〔5番山梨 渉君登壇〕 98 ◯5番(山梨 渉君) 本日最後の質問になります。通告に従いまして質問をさせていただきます。  学校教育についてであります。  本議会に第3次総合計画の基本構想、基本計画が示されました。分野別の基本的な方向性で「健やかで、たくましく、しなやかに生きる力を持った子ども・若者が育つまちを実現します」と子ども・教育分野にうたわれております。変化が激しく多様化が進む時代の中にあって、子供たちのたくましさ、しなやかさは必要な力と言えます。  また、時代の要請に合わせ、法改正も進みました。いじめによる生徒の自殺がきっかけとなり、国は教育委員会制度の改革を断行し、本年6月に歴史的な法改正が行われました。市長と教育委員会の協議・調整の場として、教育に関する大綱策定などを行う総合教育会議が来年度より設置されることとなりました。また、新教育長の制度は、本市の場合、高木教育長が任期を終える平成29年度から始まる予定であります。  同じく平成29年度からはもう1つ大きな変化があります。県費負担教職員の給与負担等の権限移譲が予定されております。これまで、教職員の人事権は政令市にあり、給与費は県が負担するというちぐはぐな状態が続いてまいりましたが、政令指定都市市長会による要望、関係者の御努力もあり、教職員の定数、学級編制、教職員の給与などの権限が移譲されることになりました。このように、静岡市にとっては、さらに児童生徒の実情に合わせていくことができ、独自性を発揮することも可能と考えます。ゆえに、学校教育の充実に向け、市民の期待も大きいものと思います。  総合計画の中身については、現在の課題に対して満遍なく記載されている一方、具体的なことはこれからだからなのか、法改正や権限移譲に伴う影響は余り感じず、これまで進めてこられた事業の延長という印象も否めません。  平成27年度を開始期とする第2期静岡市教育振興基本計画は、総合計画にあわせ、現在策定が進んでいると伺っております。何より子供たちの目線に立って、子供たちの未来に責任を持ち、策定を進めていただきたいと願うものであります。  総合教育会議がスタートする意味も込め、次期市長選への立候補を表明された田辺市長に伺いたいと思います。  市長は、第3次総合計画期間内でどのような学校教育を展開していくべきと考えるか、伺います。  次に、教員の多忙化について伺います。  OECD(経済協力開発機構)は、本年6月、国際教員指導環境調査の結果を公表しました。これによりますと、2013年、日本の教員の平均勤務時間は週53.9時間となり、調査した国、地域の中で最も長く、平均の1.4倍であったと発表。  内容を見ると、授業に使った時間は17.7時間で平均よりも短く、部活動などの課外活動の指導が特に長く、事務業務、授業計画・準備時間も長いとのことでありました。また、自分の指導に自信を持っていると答えた教員の割合は、世界が86%であったのに対し、日本はわずか18%と圧倒的に低い結果でありました。また、ICTの活用割合も低く、改めて教員の現状と課題が浮き彫りになりました。  教員の多忙化解消は、本市の学校教育においても重要な課題の1つです。本市の教員の方と懇談させていただいた機会に、教員を志したきっかけを伺いました。すると、子供のころによい教師と出会ったことを挙げておりました。教師こそ最大の教育環境であります。本市は、多くの優秀な教員が現場で奮闘しております。子供たちは教員との人間的触れ合いをもっと求めており、教員も、子供の心を十分に酌み取り、触れ合える、そんな子供たちとの時間を大切にしたいと考えております。  一方、学校現場に目を向ければ、いじめ、不登校、学力についてなど、諸問題が山積しております。私は、教員一人一人が児童生徒と十分に向き合える時間を確保し、教育の質を高めることで、こうした諸問題の解決につながっていくのではないかと考えます。  他都市のある中学校では、毎日の打ち合わせを含めて大胆に職員会議を減らし、確認するだけのものならば文書等で行うなどの工夫をして、時間を生み出したそうです。その結果、個別の学習指導や家庭訪問を初め、生徒とのコミュニケーション時間を確保でき、よい結果が生まれている事例もあります。  本市もこれまでさまざまな取り組み、努力をされてきたかと思いますが、どのように結果に結びついているのか。学校現場における教員の多忙化の実態はどうか、伺います。また、解消に向けどのような対応をしているのか、伺います。  静岡式35人学級についてであります。  35人学級は、少人数教育による児童生徒一人一人へのきめ細やかな指導、支援を充実させる目的で実施されています。現在、学級編制については県の権限になるため、静岡市もそのまま静岡式35人学級を実施しております。  35人学級については、現在、県内においてもさまざま議論が交わされております。児童生徒の生活態度に落ち着きが見られ、一人一人の課題を意識した授業を進めることができ、学力向上につながっているとの意見や、全体の教員がふえないため、級外教員が担任となり、かえって現場にしわ寄せがあるとの意見が主なものと認識しております。  ある市内の小学校では、教員数が少ない上に、研修等での出張で手薄になり、やむを得ず職員室に鍵を閉めるということもあるそうであります。これでは、突発的な問題が起こったときの対応が適切にできるか、危機管理上の問題があると思います。  静岡式35人学級について、現在どのように捉えているのか、今後どのように対応していくのか、伺います。  次に、こどもクリエイティブタウン「ま・あ・る」について伺います。  面積1,800平米、総事業費12億2,000万円の本施設は、平成21年度の基本構想に始まり、平成25年1月に開館。まもなく2周年を迎えようとしております。  当時の基本構想には、地域のにぎわいの喪失や産業の活力低下が懸念されており、地域に元気を取り戻し、産業に新たな活力を生み出す必要性から、今後の地域・産業の活性化に向けた人づくりと、清水地区中心市街地のにぎわいづくりのための施策とうたわれております。そして、静岡市中心市街地活性化基本計画(清水地区)のうち、清水駅西第一地区市街地再開発事業の一環として、地域の期待を背負い、新たな拠点として整備されました。市内類似施設の静岡科学館る・く・るが現在来館者が年間26万人の施設でございますので、清水駅前の周辺の商店の方、「ま・あ・る」への期待はそれなりにあったのかと思います。  本施設の整備運営計画によれば、入館者数を年間10万人と想定してスタートしました。また、キャリア教育などの学習の場として、小中学校が活用するためのプログラムを推進していると聞いております。  こどもクリエイティブタウン「ま・あ・る」の入場者数、小中学校の利用状況について、伺います。  また、清水駅前の商店街を初め、駅前の活性化にどのようにつながっているのか、伺います。  以上、1回目の質問です。 99 ◯市長(田辺信宏君) 大項目、学校教育についてのうち、3次総においてどのような学校教育を展開していくべきと考えているのか。大変これも大きな御質問をいただきました。  教育行政は、今まで、教育委員会が独立委員会としてオペレートをするということでありましたけれども、議員御指摘のとおり、法律が改正をされ、来年度から総合教育会議が開催をされる。今まで以上に、首長とか議会が教育行政にコミットメントするという時代がやってきました。私たちが教育に責任を持つと、地域の教育に責任を持つという時代になる。先見性があるという観点から、これは私が答弁をさせていただきます。  静岡市の将来を担う子供たちを育てるために、私としては、次の3つのことに力を注いでいくべきだと考えております。  1つ目は、御指摘のとおり、教員の多忙化解消であります。待ったなしであります。子供と教員が向き合う時間をより多く確保する必要があると考えております。保護者や地域、そして、教員の当事者の皆さんから、課外活動の指導や事務など授業以外の業務が多く、子供たちと向き合う時間が確保できないという、悲鳴にも似た声をたくさん伺います。議員もそうだと思います。このようなことから、3次総の中で、学校現場の業務の全てを洗い直し、教員の本分である子供たちと向き合う時間を確保するための環境整備を進めるべきだと考えております。  目下の詳細については、後ほど、教育長が答弁をいたします。  2つ目は、学校給食の改善であります。言いかえれば、健やかな体づくりにもつながる食育の充実に取り組みたいと考えています。  学校給食が開始されてから、はや60年がたちました。20世紀の高度成長時代、また、それ以前の貧しかった時代に創設をされた学校給食でありますが、適切な栄養の摂取という当初の目的だけではなく、成熟の時代にふさわしい、おいしさ、地産地消、食育等々、地元の食材や伝統的な食文化について理解を深めるという、新たな役割が学校給食には求められていると私は考えております。  そこで、今年度は、お茶を初めとする地元食材のさらなる活用などを始めたわけでありますけれども、今後、その静岡型の教育という中でそれを推し進めるなど、静岡の子供たちが全国の中で、静岡市の提供する学校給食は日本一おいしいと。例えば、遠くから静岡市に転校してきた子供たちが蛇口をひねると、静岡の水道水っておいしいねと皆さんおっしゃっていただける。それと同じように、静岡市の提供する学校給食は日本一おいしいねと、そんなふうに言われる、自慢できるような学校給食の提供に、これも3次総の期間の中で取り組んでいきたいと考えております。  3つ目は、これは何度もこの議会で議論になっておりますが、シチズンシップ教育の充実であります。  グローバル化が進む中で、地域社会や世界で活躍する人材を育成するための教育、地球市民である前に、静岡市民であれということであります。国際人である前に、よき日本人であれということであります。目指す都市像、重点プロジェクトの中で、共生都市ということを描いておりますが、共生都市を目指すために、これ、少し専門的になりますと、住民、つまり居住者、英語でいうとレジデントというレベルから、地域社会の一員としての自覚を持ち、積極的に社会活動に参画していく市民、つまりシチズン、レジデントからシチズンになっていくんだと、公民になっていくんだという、そういう教育がこれから求められていくと思っています。  そこで、まずは本市の豊富な歴史資源を活用した事業、聖一国師さんをテキストにした教育もこの前新聞報道で出ておりますけれど、すばらしいことだと思っています。地域の偉人のことを学んだり、あるいは、地域の古墳のことを学んだり、あるいは、防災訓練が今月はあります。そういうことに社会の一員として参加させたり、あるいは、伝統の祭りなどに、地域の行事に参加を促すなど、子供たちに自分たちが住んでいる地域に愛着を持って、ここに誇りを持って、そして、ここで何か貢献をしたいというシチズンシップの教育、これにも取り組んでいきたいと思っております。まちづくりは人づくりというのが私の信念であります。  以上が、私が考える、今後教育分野において力を入れていくべき3つの事項となりますが、いずれにしても、教育委員会と市長部局が車の両輪になって、これから、子供たちを静岡でどう育てるかという共通課題について議論を交わしていきたいと思います。子供たちがどのような教育を受けるかは、経済政策も大事ですけども、静岡市、さらには、我が国の未来が左右される大変公共的な課題だと理解をしております。  以下は教育長及び局長に答弁させます。 100 ◯教育長(高木雅宏君) 私からは、教員の多忙化の実態、それから、解消に向けてということについてお答えをしたいと思っております。  平成25年度の長時間勤務者の実態調査の結果、時間外が最も多い6月では、1カ月で100時間を超えた教員が全体の10.6%、285人です。2カ月連続で80時間を超えた教員が5%、136人でありました。3カ月連続で45時間を超えた教員が23.8%、642人でございました。  小学校においては、教材研究や成績処理、学習指導等に充てられております。中学校においては、これらのほか、部活動や生徒指導、進路指導などに多くの時間を費やしておりました。  この解消に向け、学校には、学校行事や会議の精選、部活動における活動日数の適正化、定時退勤日の実施を指導してきたところでございます。また、教育委員会としましては、部活動指導員の継続的配置をするとともに、調査依頼文書の削減や、生徒指導を補佐します非常勤講師の新たな配置に努めてまいりました。このほか、現在、事務局内のプロジェクトチームにおいて、さらなる事務の改善、外部人材の登用、校務支援システムの導入を中心に、効果の検証を行い、具体策の検討を進めているところでございます。 101 ◯教育次長(市川善隆君) 静岡式35人学級をどのように捉えているかについてでございますが、静岡式35人学級は県の制度でありまして、小学3年生から中学3年生までは、国の標準では40人学級ですが、学年の児童生徒数が75人以上の場合に1学級最大35人とする学級編制でございます。  40人学級と比べて、当然のことながら、クラスの児童生徒に教員の目が行き届きやすく、きめ細かな学習をしやすいという利点が生じますが、反面、教員の数は変わらず学級数のみ増加するため、教員の多忙化の要因となっております。  今後の対応についてですが、平成29年度より県から学級編制や教員定数の権限移譲が予定されておりますので、26年度、事務局内にプロジェクトチームを設置し、29年度に向けて、本市の学級編制のあり方について検討を始めたところでございます。この中で、静岡式35人学級について改めて検証し、習熟度別少人数指導など多面的に検討していきたいと考えております。 102 ◯経済局長(斎藤 誠君) こどもクリエイティブタウン「ま・あ・る」についての2点の御質問にお答えをいたします。  こどもクリエイティブタウン「ま・あ・る」は、子供たちを対象に、仕事体験やものづくり体験を通じて自主性や創造性を育み、将来の地域産業を担う人材を育成する施設として設置をしております。  そのため、「ま・あ・る」では、模擬店舗による子供のまちを常設しており、そこでは、子供たちが大人の力をかりずに自分たちでどのような仕事をするのかを決め、その仕事をするにはどのような店を出すのか、そして、どのようにしたら売れるのかなどを考えながら店の運営をしています。  御質問の入場者数ですが、開館から2年目を迎え、この「ま・あ・る」のスタイルが定着をしてきており、前年度5万3,345人に対し、今年度7万5,000人を超える入場者を見込んでおり、対前年度比1.5倍と増加をしております。  小中学校の利用につきましては、「ま・あ・る」がキャリア教育の場として活用できることが先生方にも徐々に認知をされ、前年度39校、1,387人に対し、今年度は43校、1,627人を見込んでおり、これも増加傾向にございます。  次に、清水駅前の商店街を初めとした駅前の活性化へのつながりについてですが、「ま・あ・る」は、商店街と連携した「はじめてのしょうてんがい」や「ミニ・しずおか」などのイベントを、開館前から仕事体験事業として商店街を会場に開催をしています。これらのイベントを通し、子供たちは、模擬店舗ではなく本物の店舗でお客様と接する実体験をすることができています。  一方、商店は、保護者が来店するなど、新しい顧客の獲得や親子に店を知ってもらうことで、駅前の商店街で買い物をしてもらう機会が生まれております。イベントに御協力いただいた22店舗からのアンケート結果も、7割の店舗から商店街にとってよかったとの御意見をいただいております。  このような相乗効果があるイベントを、今後も「ま・あ・る」が核となり、子供たちと商店街が連携して実施をしていくことで、清水駅前の商店街を初め、駅前の活性化に寄与していきたいと考えております。   〔5番山梨 渉君登壇〕 103 ◯5番(山梨 渉君) 御答弁ありがとうございました。  意見・要望は3回目にさせていただきます。  質問を続けます。  学校図書館について伺います。  本年6月、学校図書館法改正案が参議院本会議において可決、成立しました。学校図書館の職務に従事する職員の設置、そして、研修実施に努めなければならないとの法改正は、努力義務にはなりますが、初めて学校司書が法律上位置づけられ、今後の学校司書制度整備の第一歩となるものであります。  静岡市はこれまでも、年々学校司書の配置拡充を進めてきました。これにより、子供たちがより読書に親しみ、学習への支援に大きな役割を果たしているものと認識しております。子供たちの活字離れが叫ばれる今日、学校司書の役割はさらに大きくなっていくと考えます。一方、ある学校司書からは、図書館に来てくれる先生が少ないとの声もあり、教員側の授業での活用方法についてもまだ課題があろうかと思います。  教育委員会は、学校図書館教育推進事業についての現状をどう捉えているのか。この事業についてのこれまでの成果と課題を伺います。  学校図書館への学校司書配置については、いまだ配置されていない5学級以下の学校への拡充を行い、学校間格差の是正が求められます。また、学校司書は非常勤嘱託職員で5年雇いどめの現状です。業務や研修への意欲低下につながり、他都市へ人材が流出している事実も聞きます。また、1日の勤務が4時間になるため、担任との連絡調整に苦労をしているという声も聞きます。授業の合間、休み時間等を活用するため、担任のほうも忙しく、これでは十分な打ち合わせもできないと思われます。学校司書が継続かつ安定して職務に従事できる環境の整備に努めるべきだと、衆参両院の委員会附帯決議にも盛り込まれており、大きな課題とされております。  本市は、学校司書のさらなる配置拡充、そして、雇いどめについてどのように考えているか、伺います。  次に、教員採用試験について伺います。  11月16日毎日新聞の朝刊によりますと、教員採用試験の適性検査にMMPIを2013年の試験に使用したかどうか、47都道府県20政令市の教育委員会に尋ねたところ、山形、山梨、岐阜の3県、そして、静岡、浜松の2政令市が実施、5県1市が非公表、他の56自治体は実施していないとの報道がありました。  このMMPIは、ミネソタ多面人格目録検査の略称で、精神疾患の有無を判定するための指標として、アメリカで約70年前に開発されたテストであります。日本では50年代から導入され、主に医療現場で使用されているそうであります。
     報道で問題視をしているのは、この質問項目にあります。例えば、同性に強く心を引かれる、キリストの再臨を信じる、自衛隊員になってみたい等、性的指向や宗教などプライバシーにかかわる質問項目が含まれ、人権侵害につながりかねないという指摘であります。  これに対し静岡市は、合否の参考にし、2014年は一部の問題が削除されたタイプで実施したと回答をしております。  このテストに関しては、公務員採用試験でも、実施について人権侵害に当たるとして、平成12年、衆議院法務委員会で当時の法務大臣が認識が薄かったと釈明した経緯があります。  こうした中、静岡市はどういった考えでこの心理テストにMMPIを採用し、実施し続けているのか。教員採用試験において心理テストが行われている理由を伺います。  このMMPIについては、他県では他のテストに変更しているところが多いようで、浜松市は既に本年からは実施せず、静岡県教育委員会は平成19年から他の検査に変更し、その後、より精度が高く、教員採用にマッチングさせるため、平成24年度からは新たな検査を導入しました。臨床心理士の武田武蔵大教授はMMPIについて、時代の要請する配慮に適応できていないとし、精神疾患を抱える教員の増加に対し採用時点でのより分けに生かしたいとの狙いだろうが、そもそも採用後に疾患を生み出す職場環境の見直しが必要だと指摘をされています。全くそのとおりであると思います。  本市でも同様に対応が必要と考えます。心理テストについて、静岡市の今後の方針を伺います。  続きまして、こどもクリエイティブタウン「ま・あ・る」についてです。  先ほどの御答弁では、今年度7万5,000人を超える入場者を見込み、順調であるとのことでした。入場者の増加は関係者の御努力のたまものかと思いますが、市民の期待、駅前商店街の期待はそのさらに上を行っているわけで、多額の費用をかけた目玉施設でありますので、さらなる御努力をお願いしたいと思います。  整備・運営計画には、質の高い事業を継続的に実施するため、中長期スケジュールを定め、課題抽出と解決は日常的に行い、規模の大きな設備や機器の見直しを定期的に行うとされております。5周年をめどに体験プログラムの見直しも必要に応じ計画されているようです。  今後の「ま・あ・る」の利用者増加策をどのように進めるのか、伺います。  以上、2回目の質問です。 104 ◯教育次長(市川善隆君) 学校図書館と教員採用試験に関する4点の御質問にお答えいたします。  最初に、学校図書館教育推進事業の成果についてですが、学校司書が学校図書館に配置されたことにより、本の整理や掲示物の工夫など環境整備が格段に進み、子供たちが足を運びやすい、親しみのある図書館となりました。平成25年度の調査では、新規の配置校で、来館回数が1人当たり9.8回から21.6回に、貸出冊数が7.6冊から11冊にふえました。これにより、子供たちの読書量がふえ、読書の習慣が身についてきております。  また、学校司書と司書教諭との連携により、調べ学習などを充実させることができ、学習意欲の向上や課題解決に向けた学習方法の習得などが一層図られております。  次に、課題についてですが、全ての子供たちに親しみやすく環境が整った学校図書館を提供することや、山間地域の小規模校における学校司書の人材を確保することが難しいことであると考えております。また、子供の読書習慣の定着や学習方法の習得等を一層図るため、学校司書対象のさらなる研修の充実が必要であると考えております。  次に、学校司書の配置拡充と雇いどめについてどのように考えているかとの御質問についてですが、学校司書は平成25年度より、6学級以上の小中学校103校に配置しているところでございます。今後、5学級以下の学校への配置を検討する中で、まずは、学校司書を確保しにくい山間地域の小規模校において、1人の学校司書が近隣の2校を併任することが可能かを検証していきたいと考えております。  学校司書の継続雇用につきましては、静岡市非常勤職員及び臨時職員の給与、勤務時間、休暇等に関する取扱要綱に基づいて任用しております。任期満了による学校司書の交代に際しましては、学校図書館機能の停滞や質の低下を招かないように、学校司書に対して実地研修を含む資質向上研修を年に3回実施し、経験年数の多い学校司書との情報共有の場を設け、支援しております。  なお、学校司書は、日常的に司書教諭などと打ち合わせを重ねながら業務を進めておりますので、新規に任用した学校司書も学校に早くなれ、専門性を身につけていくことができると考えております。  続きまして、心理テストを行っている理由についてですが、本市では、政令市となった平成17年度より、適性検査としてMMPI検査と内田クレペリン検査を教員採用試験で行っております。MMPI検査では、抑鬱神経症や不安神経症、強迫神経症のそれぞれの特徴的傾向を、内田クレペリン検査では、能力面の特徴と性格・行動面での特徴を読み取るため実施しております。  採用試験においては、筆記試験、面接試験の総合点により合否を判定しておりますが、この2つの検査の両方に異常な数値があらわれた場合は総合的に判断しております。  次に、心理テストを今後どうするかについてですが、新聞等では、MMPI検査は、議員御指摘のとおり、性的指向であるとか、宗教的質問があるとして問題となっておりますが、平成26年度に実施した採用試験では、問題とされる質問項目を削除したMMPI-Sタイプで実施いたしました。来年度以降の採用試験においてどのように行っていくのかについては、実施結果を検証し、本年度中に決定する予定でございます。 105 ◯経済局長(斎藤 誠君) 「ま・あ・る」の利用者増加策についてですが、開設以来現在まで、親子が数多く集まる屋外イベントやショッピングセンターなどでの施設パンフレットの配布や、市内の小学生全児童約3万4,000人に対し、施設情報誌「まあるんダ!」を配布するなど、施設のPRに努めてまいりました。  現在、休日は平均約450人の利用があり、混雑をしている状況です。しかし一方で、平日は約50人の利用にとどまり、平日の利用者を増加させることが現在の最大の課題となっております。  そのようなことから、平日の利用者の増加策として、次の2点に取り組んでまいります。  1点目として、小中学校の利用をふやすため、キャリア教育などの授業の一環として取り入れてもらえるよう、本市教育委員会と連携をし、より一層のプログラムの充実に取り組んでまいります。あわせて、県内中部地区などの小中学校に対してもPRを実施をしてまいります。  2点目として、未就学児を持つ保護者の認知度を高めるため、未就学児が楽しめる遊具や親子で参加できる講座の充実を図ってまいります。  これらの利用増加策を進めていき、将来、本市の産業の担い手となるような子供たちを数多く育成していきたいと考えております。   〔5番山梨 渉君登壇〕 106 ◯5番(山梨 渉君) 御答弁ありがとうございました。  3回目は意見・要望です。  まず、教員採用試験の心理テストについてです。  MMPIを静岡市が採用していくかどうか、専門家の判断も必要に応じて伺っていただいて、教育委員会でじっくりと検討をしていただきたいと思います。  私は、このMMPI実施自体の課題も当然あると思いますけれども、この経過について、実は疑問が残ります。平成17年合併当時、静岡市として独自採用がスタートするに当たり、県が実施してきたMMPIを本市も導入をしました。県は、平成19年、24年と、人権問題への配慮やよりよい採用試験のために新しいテストを導入をしました。しかし、静岡市は本年から、S型ということでしたけれども、若干の変更はあったものの、ほぼそのまま継続をしてきました。つまり、本市はどこまで主体性を持ってテスト内容について検証をしてきたかということであります。  これから、大きな権限移譲に伴い、さらに実情に合わせた質の高い教育が求められていきます。現状の課題を明確にし、学級編制を初めとした静岡市の教育のあり方を議論し、主体性をさらに発揮していただきたいと思います。教育委員会の奮闘をお願いしたいと思います。  これからの学校教育に対し、田辺市長は、子供と教員が向き合う時間をより多く確保するということと、食育、シチズンシップ教育ということで、具体的に御答弁をいただきました。  一番に子供と教員が向き合う時間を挙げていただきまして、教師の力をもっと引き出す環境整備を推進することは私も同感するところであります。新制度であります総合教育会議がよい形で機能するように期待をするところであります。  学校図書館教育推進事業についてであります。  学力テストについて公表、非公表の議論がいまだ続いておりますけれども、子供たちの国語能力は生徒の読書量に関連性が高く、重要であると思います。ゆえに、学校図書館の使命、司書教諭、学校司書の使命は大きいと考えます。学校司書の配置拡充、勤務時間の延長、そして継続的な雇用、そして、学校図書館を活用しやすい環境づくりをさらにお願いしたいと思います。  環境づくりの例として、公共図書館において読書通帳を導入し、読書意欲を高める取り組みを推進している自治体があります。借りた本のタイトル、著者名などが記入される読書通帳を活用し、学校も一体となり子供の読書意欲をかき立て、高い効果が期待され、好評であるようです。東京都の江戸川区では、ICTを活用した読書通帳による「読書大好き日本一」推進事業として、区立上一色中学校の学校図書館において、全国初の学校図書館での読書通帳が導入され、読書履歴の見える化など、注目されております。こうした取り組みの導入もぜひ検討していただきたいと思います。  こどもクリエイティブタウン「ま・あ・る」についてです。  入館者数が前年に比べ増加してきているということで、御努力に本当に感謝申し上げるとともに、早期の10万人という来館者の目標達成をお願いしたいと思います。特に、学校との連携をさらに進めて、学校教育との相乗効果が一つの形になることを期待しております。  最大の課題は、先ほど局長から御答弁ありましたように、平日の昼間の来館者が少ないということで、未就学児が楽しめる遊具の充実を図る旨の対応策が示されました。  島田駅の近くにあります島田市こども館は、平日の昼間も多くの来館者でにぎわいを見せているようであります。特に屋内遊戯施設、プレイルーム「ぼるね」の来館者が多いようです。乳幼児から小学生までがデンマークの最新運動理論により開発された遊具で思い切り遊べるこの施設は、昨年は来館者数約11万人、内訳として、子供が約6万5,000人、大人が約4万5,000人、そして、大人のうち、何と市外の来館者が7割を超えるそうであります。静岡市内の子育て世代の方から、たびたび静岡市にも導入してほしいという声を受け、私も視察をさせていただきましたが、同様の施設ならば、「ま・あ・る」の一部に取り入れることも可能かと思います。  来館者の増加策、そして、駅前活性化につなげるため、ぜひとも御検討をお願いし、質問を終わります。    ─────────────────── 107 ◯副議長(中山道晴君) 本日はこれにて延会いたします。         午後6時21分延会    ─────────────────── Copyright © Shizuoka City, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...