静岡市議会 2014-06-03
平成26年6月定例会(第3日目) 本文
↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 午前10時開議
◯議長(
石上顕太郎君) これより本日の会議を開きます。
───────────────────
2 ◯議長(
石上顕太郎君) 本日の議事日程は、先日お手元に配布したとおりであります。
───────────────────
日程第1 議案第165号 平成26年度静岡市一
般会計補正予算(第2号) 外17件(総括
質問)
3 ◯議長(
石上顕太郎君) 日程第1、議案第165号平成26年度静岡市
一般会計補正予算(第2号)から日程第18、一般質問までを一括議題といたします。
先日に引き続き、総括質問を行います。
順次発言を許します。
初めに、早川清文君。
〔11番早川清文君登壇〕
4 ◯11番(早川清文君) それでは、通告に従いまして質問させていただきます。
いよいよ梅雨入りということで、日本各地では多くの災害が発生しておりますが、この静岡では大きな災害もなく、落ち着いた日々を過ごさせていただいております。
落ち着いたといいますと、
ワールドカップでは日本国内は本当に今落ち着いておりまして、その中で、
東京オリンピック招致のおもてなし、そしてまた、
ワールドカップ日本サポーターの清掃活動が世界で称賛されております。ぜひ
ザックジャパン、日本代表、あと1戦頑張っていただきたいと思います。
さて、
自由民主党静岡市議会議員団を代表して質問に立たせていただいた、本年2月定例会における
施政方針演説の中で、田辺市長御自身が触れられているとおり、経済の発展、振興なくして都市の発展なしということは、私も同感であります。
先ごろ公表されました日本経済新聞社の夏の
ボーナス支給額調査によりますと、全産業の平均支給額が昨年よりも約6%増加することが見込まれているそうであります。また、内閣府の
月例経済報告を見ましても、消費税率の引き上げに伴う影響はあるものの、我が国の景気は緩やかな回復傾向を維持し、我が国の経済を本格的な成長気流に乗せることが、今こそ必要とされているのではないかと考えます。
このような状況の中で、政府はこの6月末を目途に新たな成長戦略の取りまとめを進めており、徐々にその姿が明らかになりつつあります。
本市においても、このような国の動向を常に意識しながら、地域経済の活性化策を推進していくべきと考えております。
そこで、本日は、
地域活性化をテーマに、4つの項目について質問させていただきます。
最初に、本市における
循環型社会の実現に向けた取り組みについてお伺いいたします。
これまで、我が国では、大量生産、大量消費、大量廃棄型の
社会経済活動の結果、大量のごみが排出されたことで、
最終処分場における残余容量の逼迫、不法投棄の増加など、さまざまな問題が起きてきたところであります。
そのため、
社会経済システムを根本的に改め、天然資源の消費抑制や、環境への負荷を低減した
循環型社会を実現することが求められているところであります。
しかしながら、本市におきましても、現在、利用している
最終処分場の残余容量が逼迫している状況にあると伺っております。
そのような中、静岡市では、ごみ処理における環境負荷の低減に向けた取り組みの1つとして、
溶融スラグを市の発注する工事で利用することを義務づけていると伺っております。
皆さんも御存じのことと思いますが、家庭等から出されたごみは高溶融され、スラグ、メタル、飛灰等に分かれます。メタルとスラグは確実に利用し、飛灰のみを埋め立てることで、最終処分量を抑えているところであります。現在、
溶融スラグは、主に埋め戻し材やコンクリート2次製品などで活用されております。その
溶融スラグの利用拡大に向けた新たな利用法についての研究も必要ではないかと考えます。
そこで、先日、
鈴木和彦議員、
望月俊明議員、白鳥議員、そして私の4人で、
溶融スラグ利用拡大の取り組みとして、本市の
溶融スラグを使い藻場再生の実験を行っている鹿児島県の奄美大島へ視察に行ってまいりました。
奄美大島では、近年、海の藻が枯れるいそ焼けにより沿岸水資源が被害を受けていることから、藻場の回復と保全が急務となっております。
そのような中、奄美大島では、
西ケ谷清掃工場稼働当初より、
溶融スラグを主材料とした
藻場ブロック、岩、
漁礁ブロックを設置し、藻場を再生する実証実験を行っております。
試験ブロックからは最大2メートルに成長したホンダワラが濃密に繁茂し、その周辺には小魚、ウニ類が多く確認されるなど、非常に良好な結果が出ており、継続的に藻場母群の拡大に向けた取り組みに着手しています。
私どもの視察におきましても、奄美市、龍郷町、宇検村の関係者、特に龍郷町の町長、副町長、議員団の皆さんの話では、これまでいろいろな藻場回復の実験を繰り返してきました。これが最後だとの認識で取り組んだ
藻場ブロックが、
沿岸水資源再生のための有効な手法であったと感謝されました。
このように、本市では、ごみから生成される
溶融スラグを藻場再生や市の発注する工事における材料としての利用を含め、実施していますが、新たな利用方法について、市としての考えをお伺いいたします。
続きまして、中項目の2つ目、若者の市内企業への
就職促進策について質問させていただきます。
昨年12月13日の
市議会協議会において、第3次総合計画における本市の人口推計が当局より報告されました。それによりますと、第3次
総合計画終了時点の平成34年度、2022年の本市の人口は70万人を割り込み、さらに、
国立社会保障・
人口問題研究所の推計では、平成52年、2040年には人口減少がさらに進み、56万人にまで減ることが予想されております。特に少子高齢化が一層進行して、人口全体に占める65歳以上の人口が約4割になると見込まれており、将来の労働力不足など、地域社会の活気が失われてしまうことが大いに懸念されているところであります。
このような状況の中で、政府は、50年後の人口1億人以上を目標に掲げ、さまざまな対策に取り組む姿勢を見せており、本市としましても、
人口減少対策、人口活力の維持に全力で取り組んでいかなければなりません。
さて、先ほど触れました12月13日の
市議会協議会では、本市と岡山市との人口の社会増減に係るデータの比較分析についても報告されたところであります。それによりますと、18歳から23歳までの若者について、岡山市では県外からの転入が多く、逆に、静岡市では県外への転出が多い状況にあるとのことであります。
田辺市長は、人口活力が経済の強さ、都市の発展の源であるとされておりますが、私は、特に若者こそが都市の発展を支えるものだと考えます。若者が集うまちは活気に満ちあふれ、常に新しい価値が生み出されます。私は、その都市の発展の源泉とも言える若者が県外へ出てしまうという状況に、大いに危機感を持っております。
そこで、市長に1点お伺いいたします。
若者の市外への流出について、市長はどのような課題認識を持ち、どのような対策をとろうとしているのか、お伺いいたします。
次に、若者の市内企業への
就職促進策について、当局の考えをお尋ねいたします。
先日公表されました、平成26年4月の静岡県内の
有効求人倍率は1.05倍となり、引き続き上昇傾向を示しており、こんなところからも景気は確実に上向いていることがうかがえるわけであります。
一方で、報道にもありますように、介護福祉、
レストラン等の外食業界など、一部の業種における人手不足、人材不足の深刻化が問題となってきております。
このような中で、私が特に懸念しておりますのは、建設業についてであります。いまだ途上の
東日本大震災からの復興、その
東日本大震災を教訓として進められる国土強靭化、そして、2020年の
東京オリンピックとそれに向けた再開発。先日も、JR山手線の新駅を2020年の
オリンピックに合わせて整備するというニュースが流れたばかりですが、このように、
建設ラッシュとも言うべき状況がしばらく続くことが予想されております。しかし、建設業界では、バブル崩壊以降の過去20年の間に、経済状況の悪化により公共工事が減少したことなどを背景に、若者の雇用を差し控えざるを得ませんでした。その結果、建設業界では、日本の発展を支えてきた
社会インフラ、その
社会インフラの整備を支えてきた技能集団の高齢化が進むとともに、その高い技術、ノウハウを引き継ぐべき次世代の職人が不足している状況に陥ってしまったわけであります。
今後は、先ほど述べた
建設ラッシュに加え、老朽化が進む
社会インフラの更新も本格化することが予想されております。今後の
社会インフラの更新には、長寿命化などアセットの観点が加わることで、これまで以上の高度な技術、ノウハウが要求されますが、まさにそういった技能が継承されない状況に陥る可能性があるわけであります。
先ほども触れましたとおり、静岡県内の
有効求人倍率は1.05倍となっております。一方で、時期は少し異なりますが、平成26年1月の建設業における静岡県内の
有効求人倍率は3.45倍だったそうですので、いかに建設業界の人手が足りていないのか、人手を求めているのかがおわかりいただけるかと思います。
このような状況を受け、国においては、建設業に限って
外国人労働者の
受け入れ期間を延長することや、建設現場の処遇を向上するために建設賃金の引き上げの検討をするなど、人手不足の解消策に取り組もうとしております。
しかし、このような動きはあくまでも対症療法的、一過性の対応であり、根本的には、やはり人材をいかに確保、育成するかが重要になるのではないでしょうか。
さて、では、そのような人材をどこから確保すればよいのでしょうか。
現在、日本では、大学への入学希望者の総数が入学定員の総数を下回る状況、いわゆる大学全入時代を迎えていると言われておりますが、国の発表によりますと、平成26年3月に大学を卒業した学生の就職率は94.4%、県内だけに限ると92.1%だそうであります。つまり、10人に1人は就職先が決まっていないことになります。せっかく大学を出てもその力を社会で発揮できないことは、非常にもったいない話であります。
さらに、6月3日に閣議決定された、平成25年度版子ども・若者白書によりますと、15から34歳の若者で仕事も通学も求職もしていない、いわゆるニートが60万人、この年代の人口に占める割合は2.2%だそうであります。ニートになる理由は人それぞれでしょうが、若い力が活躍できないのでは、これまたもったいない話であります。
そこで、私は、せっかく大学を卒業したのに就職先が決まっていない若者やニートの若者など、これら若い力と、人手不足で困っている市内の建設業を結びつける施策が展開できないかということを提案したいと思います。
建設業は、きつい、汚い、危険という、いわゆる3K職場の代表として認識されがちでしたが、職場環境は劇的に改善され、いまや、それも一昔前の話であります。さらに、建設業は非常にやりがいのある職業であります。
例えば、東静岡では、今後、市の発展を牽引する
にぎわい創出、文化発信、防災拠点となる施設の整備が予定されております。それを地元の建設業界を挙げて建設することになると私は認識しているわけでありますが、そうなれば、自分の仕事が形として後世まで残るわけであります。
このようなことから、私は、建設業の
人手不足解消と若者の市内企業への就職をつなげる施策に取り組んではどうかと考えますが、いかがでしょうか。
以上で1回目の質問といたします。
5 ◯市長(田辺信宏君) 私からは、大項目、
地域活性化策についてのうち、若者の市外への流出についてどのような課題認識を持ち、どのような対策をとろうとしているのかというお尋ねにお答えをいたします。
今、全国では地方議会の真っ最中でありますけれども、恐らく、この時期に出されました、岩手県の増田前知事を中心として取りまとめた
日本創成会議の試算が引用されて、人口減少にどう対応しているのかという議論があちらこちらでされているんではないかと想像をいたします。
その試算において、地方自治体の約半数が
消滅可能性都市と挙げられていることから、人口減少に対する危機感が我々
地方行政関係者に一層高まっております。
一方、先日素案が示されました政府の成長戦略において、その中にあっても、明るい日本を見ていこうじゃないかという前文のもと、労働力人口の減少を見据えた、女性の活躍の促進や外国人材の活用などが盛り込まれ、人口減少が、地方自治体のみならず、我が国全体が取り組まなければならない最重要課題として位置づけられてきていると理解をしております。
私自身は、県もこのごろ本腰を入れ始めておりましたけども、人口問題には、大変先見性を持って取り組んできたという自負を持っております。御指摘をいただいた今年度の施政方針からさかのぼること2年、私の最初の
施政方針演説、24年度の中で、いわゆる経済活動、物やサービスを売ったり買ったりという経済活動の活力の源泉は人口にあるという問題意識の中で、経済の振興なくして都市の発展なしということで、さまざまな人口の活力の維持策に取り組んできたつもりであります。例えば、
子ども医療費の助成拡大や待機児童園の整備など、子供を産み育てやすい環境を整えることとか、
人口活力維持策の推進により地域の活性化を目指していく
官民連携地域活性化会議の設置など、
まちみがき戦略推進プランに位置づけた
人口減少対策を実行してきたところであります。試行錯誤の2年間であったと言っても過言ではないと思います。
その結果ですが、残念ながら、想像以上に静岡市をめぐる人口の
自然現象圧力の物すごさというものを痛感しております。実際に、我々が対策を講じても、この2年間の人口減少は進んでいるのが現実でして、政令市20市中一番人口が少ない都市になっているということは御指摘のとおりであります。
一方、もう少しマクロで中長期的な視点から捉えますと、国が示した2050年における人口1億人に減少するという想定見込みを見てみますと、
合計特殊出生率が改善しても、
人口減少傾向にすぐに歯どめがかかるものではなく、当面続く
人口減少期間への取り組みが重要であると指摘をされているところであります。
そこで、県も、北海道に続く
人口減少ワースト県だという危機感の中で、なぜ人口が減ってしまったのかという原因調査に35の市町の協力をもらいながら始めるということであります。それと連動して、まず、この原因究明として、本県あるいは本市に特徴的な、なぜ人口が流出してしまうのかについて精査を始めるということが第一歩と思っております。
私どもは、まず、定住人口を上げる前の裾野としての交流人口を増加させていこうということで、MICEの推進ということもいたしましたし、また、静岡市のみならず、静岡県中部地域の圏域の人口を意識した取り組みをしていこうと申し上げてきたわけであります。そういう発想だけではなく、実際にピンポイントで、静岡市の転入人口の増加と転出人口の減少にどう取り組んでいくかという視点も大事だと理解をしております。
その中で、議員御質問の、若者の流出ということも大変重要な要素であります。これは御案内のとおりでありますけれども、若者の流出は、
生産年齢人口の減少による担税力の低下、若い女性の流出による出生率の低下、技術や技能を承継する担い手人材の減少による地域企業の技術力の低下など、
本市地域経済に大きな悪影響を及ぼす憂慮すべき問題であります。
とりわけ、まだこれは仮説でありますけれども、静岡市のロケーションが首都圏に近く約200キロという位置関係にあり、若者の首都圏への吸引力に対抗し切れていないという現実があります。進学や就職の機会に首都圏へ移動する状況が続いているということであります。これが続いてしまって、負のスパイラルに陥ることは避けなければなりません。
そこで、まだ緒についたばかりではありますけれども、若者が集い、活気あふれる都市の実現に向けて、まず、静岡市内に進学、そして、就職できる環境を整えることが重要であります。
その対策として、私立大学や専門学校に対する
施設整備助成制度を前面に出した大学等の誘致活動、水道局の施設の中に鈴木学園を今回入れることもその一環であります。そういうことをもっと戦略的に取り組んでいく必要があり、議員からの御提言からも必要だと再認識をいたしましたし、その後の就職口として、なかなか広報力が少ないけれど魅力ある企業が市内にはたくさんございます。そういう地域企業、地元企業の魅力の発信の下支えを行政がしていく。若者と地元企業、本当はいい会社なんだけれども、若者の目線の中にはなかなか入ってこないという、ミスマッチの解消といった就職機会でのマッチングといいますか、雇用の創出になると。このことにも積極的に取り組んでまいりたいと思います。
これは、同じ危機意識の中で、議会と行政が一致団結して連動してやらなければいけない、大きな最重要の課題だと認識しておりますので、今後とも、いろいろな御提言を現場からお願いをできますれば、大変ありがたく存じます。
以下は局長に答弁させます。
6 ◯環境局長(小林正和君)
溶融スラグの利用方法についての御質問にお答えいたします。
沼上、西ケ谷両清掃工場では、年間1万3,000トンの
溶融スラグが生成され、ほぼ全量が市の発注する工事で有効利用されております。
ただし、今後、公共工事における
溶融スラグの需要量の減少も想定されますことから、新たな利用方法の検討が必要となっております。
このような状況を踏まえまして、本市としては、将来を見据え、新たな
溶融スラグの利用方法について、大学や研究機関の協力を得ながら研究を進めております。現在は、肥料や、グラウンドなどへ設置する排水改良材、海中で魚が集まりやすくするための
漁礁ブロックなどへの利用について実証実験を行っており、良好な結果が得られております。
議員の御指摘にもございましたとおり、特に鹿児島県の奄美大島におきましては、平成21年度から、
溶融スラグ2.2トンを使用してつくったブロック170個を海中へ設置する実験を行ったところ、海藻が繁茂し、また、多くの魚介類が生息していることが確認されております。
このような良好な実験結果とともに、今後、さらに幅広い利用方法についても検討を進めてまいります。
7 ◯経済局長(斎藤 誠君) 建設業への
人手不足解消と、若者の市内企業への就職をつなげる取り組みについて、お答えをいたします。
就労支援については、各
ハローワークにおいて、年齢、性別を問わず求人を行っておりますが、例えば、新卒者などに対しては、
新卒応援ハローワークなど、個別具体的な相談に対応できる体制を整えています。
本市では、
建設関連事業所への就労を目指す若者の人材育成として、木造建築、建築板金、左官タイルの実技・学科訓練を実施している、
静岡高等技能学校に対して支援を実施しております。
また、6月補正予算で計上をいたしました
建設業若年者就職促進・
人材育成事業は、国の
緊急雇用創出事業臨時特例対策事業費補助金を活用し、建設業における人手不足の解消を図ろうとするものであります。事業内容は、
建設業事業主が若年者を1年間雇用し、技能習得のための研修を行い、
小型移動式クレーン運転技能や、
高所作業車運転技能などの資格を取得させ、継続雇用につなげるもので、若者の就労支援に効果があるものと考えております。
〔11番早川清文君登壇〕
8 ◯11番(早川清文君) それぞれ答弁いただきました。
本市の清掃工場で生成される
溶融スラグについては、市の工事での利用を引き続き行っていただきたい。また、答弁にもありました、肥料やグラウンドなどへ設置する排水改良材、
藻場ブロック、
漁礁ブロックなどへの新たな利用の研究については積極的に進めていただき、
溶融スラグの利用拡大を図るようお願いいたします。
さらに、本市のごみから生成される
溶融スラグを、今後も、他の自治体も含め、さまざまな形で有効的に利用し、
循環型社会の実現に向けて取り組んでいただきたいと思います。
若者の市内企業への就職促進については、行政だけが頑張るのではなく、企業にも当事者意識をしっかりと持っていただいた上で、官民一体となった取り組みが必要であると考えますので、そのあたりの働きかけもよろしくお願いしたいと思います。
また、若者の就職について、人手不足ばかりがクローズアップされがちですが、人材不足のほうが、これから非常に深刻な問題を引き起こすのではないかと危惧しております。
先ほども触れましたが、建設業界では、日本の発展を支えてきた技能の継承ができない状況に陥ろうとしております。建設業に限らず、社会全体が持続的に発展するためには、技能の継承がなされ、世代を超えて蓄積されることが極めて重要であると考えます。
こういった視点に立つ施策を官民が一体となって考え、取り組むことが必要ではないかと思いますので、そのような検討もよろしくお願いいたします。
続きまして、中項目の3つ目と4つ目について質問させていただきます。
まず、公共施設への
民間活力導入についてであります。
国においては、成長への道筋として、いかに民間の力を最大限に引き出すかが重要であるとしております。そこで、これまで主に官が担ってきた社会資本の整備に、
コンセッション方式等によるPPP/PFIを活用することで、民間の資金や知恵を導入することを一層推進しようとしております。
本市においても、先行きが不透明な
社会経済情勢や厳しい財政状況のもとで、持続的な発展を成し遂げるためには、既存の公共施設など限られた資源を有効に活用していくことが必要不可欠であると考えます。
今後、アセットマネジメントの方針のもと、市のさらなる発展に不可欠な公共施設は維持され、必要であれば更新されていくものと認識しておりますが、これらの施設についても従来どおりに残すのではなく、新たな価値を生み出す施設として活用することで、地域の活性化が実現できないかということを検討していくべきではないでしょうか。
一方で、これらの施設の維持、更新には莫大な経費が必要となり、行政の力だけではとてもやり切れないことも既に明らかなことであります。
このように、公共施設の運営に当たって経費の節減をしつつ、新たな価値を生み出す
地域活性化につなげていくためには、民間の知恵や力をいかに活用していくことができるかを検討していく必要があると考えます。
本市では、民間の知恵と力を活用して、公共施設の整備運営を行っていく取り組みとして、指定管理者制度とPFI事業を導入しております。指定管理者制度については、平成15年度の「る・く・る」を第1号として、平成26年4月1日現在で225施設に導入されております。また、PFI事業については、平成20年度から、西島給食センターにおいて取り組まれ、清水文化会館マリナートもPFIにより整備運営されているところであります。
そこで、2点お伺いします。
指定管理者制度を導入してから10年、PFI制度を導入してから5年が経過しております。これまでの指定管理者制度、PFI導入の成果をどのように捉えているのか、また、今後、公共施設を有効活用するためにはどのように民間活力を導入していこうと考えているのか、お答えください。
最後に、日の出町押切線について、お伺いいたします。
平成24年11月定例会においても質問いたしました都市計画道路日の出町押切線は、清水区日の出町の国道149号から南幹線、国道1号、静清バイパスを通り押切地区を結ぶ、清水区市街地の重要な南北幹線軸で、交通アクセスや防災対策の強化、市民生活の安全な暮らしの確保など、多くの役割、機能が期待されている重要な道路であります。
しかしながら、JR東海、静岡鉄道の踏切部では慢性的な渋滞が発生し、その機能は十分に発揮できない状態でした。
この状況を何とか改善したい岡地区、船越地区、入江地区の思いは大変強いものがあり、地域住民と行政の長年の努力と関係者の御理解のもと、平成24年12月25日、鉄道をアンダーで通過する大坪工区が供用開始となり、その思いを成し遂げることができました。これにより、一里山長崎線においては、草薙一里山から七ツ新屋の間で6%の交通量が減少、入江富士見線においては、桜橋から大曲までの間で16%の交通量の減少が確認されました。この開始から約1年半が経過します。
そこで、この大坪工区の整備効果について、当局はどのように把握しているのか、お答えください。
また、地域住民の皆さんは大変喜んでおりますが、日の出町押切線は、冒頭申しましたとおり、清水区押切地区と国道149号を結ぶ重要な南北幹線軸であります。路線北側には、国道1号静清バイパス能島インターチェンジがあり、また、沿線における静岡鉄道追分・大坪新駅設置については、さきの議会で議決したところであります。広域交通との連携強化や公共交通の利便性向上など、地域住民の暮らしの改善のみならず、静岡市の都市機能の活性化も大いに期待されているところであります。
現在、市では、この実現に向け、新幹線高架下から北に向け540メートル区間の北脇工区の事業を実施しております。
そこで、お伺いします。
この北脇工区事業の進捗状況と今後の見通しについてお答えください。
以上で2回目の質問を終わります。
9 ◯総務局長(三宅 衛君) まず、PFI事業の評価と施設整備への民間活力の導入の考えについてですが、PFI事業の導入効果としては、従来手法と比較し、契約時において、西島学校給食センターで約4億6,000万円、マリナートが約1億円の経費削減が図られたこと、また、建設だけでなく、運営に携わる民間事業者が共同したことにより、創意工夫が発揮され、運営に配慮した質の高い施設整備が図られたことなどが挙げられ、現時点では、制度導入の効果はあったと評価をしております。
しかしながら、PFI事業は契約期間が長期にわたるため、今後も、運営の安定性や継続性などについて、行政として監視していく必要があると考えております。
そして、今後の
民間活力導入の考えにつきましては、限りある財源の中、必要な公共施設の整備を進めるには、民間活力を最大限に生かすことが必要不可欠であると認識をしております。
本市では、これまでもPFI事業のほか、障害者福祉施設や保育園の民営化、老人デイサービス施設の民間への売却などを進めてきましたが、今後も、これらの取り組みに加え、全国の先進事例などを参考に、施設の特性に応じた民間活力の活用手法を研究し、官民が連携した施設の整備、運営手法の検討を進めていく必要があると考えております。
次に、指定管理者制度の評価と今後の取り組みについてですが、昨年度実施しました制度導入の検証では、多くの施設でアンケート調査などを実施し、市民の皆さんの意見や苦情の把握に積極的に努めるとともに、民間のノウハウや柔軟な運営体制を生かし、企業や教育機関と連携した事業展開や、利用者ニーズに応じた開館日の設定など、直営時にはない市民サービス向上への取り組みが見られました。また、経費節減につきましても、平成26年度までに直営から指定管理者制度に移行した223施設の経費を比較しますと、約9億円の削減効果が生み出されており、これらのことから、制度導入は一定の効果があったと評価をしております。
一方、指定管理者のインセンティブが働きにくい状況にあること、市と指定管理者の連携が不足していること、募集時の情報提供が不足していることなどの課題も明らかになっております。
今後、これらの課題に対応し、民間活力を最大限発揮できる環境を整えるため、利用料金制度の推進や市によるモニタリングの充実、積極的な情報提供など、制度運用の見直しを行い、平成27年度更新施設からこれに基づく改善を実施し、より一層の市民サービスの向上を図っていきたいと考えております。
10 ◯建設局長(寺田 薫君) 初めに、日の出町押切線大坪工区の整備効果についてでございます。
大坪工区は、鉄道で分断されていた地域を結ぶ重要な役割を担う道路であり、皆様の御協力のもと、平成24年12月に供用を開始することができました。
整備効果につきましては、周辺道路の交通量調査を実施した結果、議員のお話のとおりでございますが、日の出町押切線の西側を並行して走る一里山長崎線では交通量が6%減少し、同じく東側を並行して走る渋川妙音寺線では16%も交通量が減少しており、交通の分散化が図られました。
交通が分散化されることにより、周辺道路の渋滞が軽減され、車の円滑な移動が可能になったことはもとより、歩行者、自転車の交通環境が改善されたと認識しております。
次に、北脇工区の事業進捗状況と今後の見通しについてでございますが、北脇工区は、清水区北脇のJR東海道新幹線交差部から国道1号静清バイパスに向かって北進する、延長541メーター、幅員16メーターの2車線道路です。
平成20年度に事業認可を取得し、現在、地域住民の皆さんの御理解と御協力を得ながら事業用地の取得を進めているところであり、25年度末の用地取得率は39%となっています。また、事業費ベースでの進捗率は26年度末で約54%を見込んでおり、引き続き、残りの事業用地の取得に努めてまいります。
日の出町押切線は、清水区の南北軸を強化し、地域連携、
地域活性化に多大な効果が見込まれる清水区街路事業の中で重要な路線と位置づけております。引き続き重点的な予算配分を行い、第3次総合計画内での完成を目指してまいります。
〔11番早川清文君登壇〕
11 ◯11番(早川清文君) それぞれ答弁いただきました。
3回目は意見・要望といたします。
公共施設への
民間活力導入については、本市の状況を見ますと、民間の視点、手法の活用によるサービスの向上よりも、コスト削減のほうに力が入っているように感じられます。
そこで、公共施設を活用することで地域の活性化を実現するためにも、民間が創意工夫する余地が広げられないか、検討を進めていただきたいと思います。
日の出町押切線については、これまでの整備によっても一定の効果が得られているわけですが、その効果を最大限のものにするためには、やはり全長6.1キロメートルの早期の全線開通が望まれるところです。地域住民や関係者の方々の協力を得ながら、事業を着実に進めていただきたいと思います。
最後に、先ほど触れました子ども・若者白書には、日本、韓国、アメリカ、イギリスなどの世界7カ国の若者の意識調査の結果が掲載されております。その中で、自分の将来に明るい希望を持っているかとの質問に対して、「希望を持っている」と答えた若者の割合が、日本を除く6カ国は8割以上だったのに対して、日本の若者は6割にとどまり、7カ国中断トツで最低だったそうであります。
これからの次代を担う若者が将来に希望を持てる社会を築くことが我々大人の使命ではないでしょうか。
12 ◯議長(
石上顕太郎君) あと1分です。
13 ◯11番(早川清文君)(続) そのためには、官と民が一体となって、教育、子育て、雇用、観光、経済などなど、あらゆる分野の施策を総動員して
地域活性化を実現していくことが重要であると考えます。
地域活性化に向けた田辺市長のラストスパートに期待いたしまして、私の質問を終了させていただきます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
14 ◯議長(
石上顕太郎君) 次に、井上智仁君。
〔16番井上智仁君登壇〕
15 ◯16番(井上智仁君) それでは、通告に従い質問をさせていただきます。
まちづくりは人づくりとよく言われます。この言葉は、本会議の中でも何度も用いられてきました。本市を世界に輝くまちにしていくには、官民ともに人材を育成し、成長し続けることで、オール静岡が一体となって発展していくものだと思います。
今回の質問では、官における人づくり、職員の採用と人材育成についてをテーマに上げさせていただきました。
地域主権改革の推進、少子高齢化の進行による人口減少社会の到来、リーマンショックに端を発する世界的な経済危機など、地方自治体を取り巻く環境は日々刻々と変化しております。
そのような環境の中、ニーズが高度化、多様化する住民の福祉の増進を図るため、自治体において人材育成による組織の活性化が必要であることは、誰もが周知のことであります。
しかしながら、今後も進むと思われる人口減少、財政難の中、ヒト、カネ、モノと言われる経営資源は枯渇の一途をたどっております。また、行政改革、定員管理により、人の量も抑制されていく中で、唯一ふやすことができる資源が人の質であるという考えのもとで、今回の質問では、採用から育成、そして、必要な人材とは何かを含め、本市のお考えを伺いたいと思っております。
初めに、職員採用試験についてお伺いします。
まずは、採用の段階でいかに優秀な人材を見抜くことができるかです。ペーパーテストだけではわからない人間性や個人のポテンシャルをどう探っていくのか。難しい問題ではありますが、採用時には必須のことであると思います。
そこで、まずは、本年度行われた職員採用試験について伺います。
本市のホームページの人事委員会事務局の静岡市職員採用試験情報を見てみますと、静岡市職員採用試験制度が変わりますと示されております。
そこで、今年度の職員採用試験において対象者や試験内容などの見直しが行われましたが、その概要と狙いは何なのかをお伺いいたします。
続いて、採用における人材の確保についてお伺いします。
先日、「内々定辞退阻止せよ!懇親会や予備軍発見SNS」といった見出しの報道がありました。来春大学卒の就職活動は、景気回復で学生の売り手市場の様相が強まり、求人数は伸びても、内々定は一部の優秀な学生に集中しがち。そこで、中小企業は、入社意欲を高めるノウハウを研修で学んだり、ソーシャルネットワーキングサービスを駆使したりと、引きとどめに懸命だとされていました。景気の回復に伴い求人はふえているものの、優秀な人材をいかに確保するかの争いが民間企業の中で必死に行われている様子を示しています。
また、先月、青森市が昨年度に実施した市職員事務職の今春分の採用試験で、合格者62人のうち半数を超える35人が辞退したことがわかったと報道がありました。かつては県職員と同日程で採用試験を行っていたものを、2012年度から別日程で実施したため、複数の内定を得た合格者が、県を初め、他地方自治体に流出したことが原因と言われています。同市の担当者は、ここまでの辞退者数は聞いたことがない、市の魅力を発信する必要があると話していると示されていました。
本市においては、一定の辞退者はいるものの、想定の範囲の中であると聞いておりますが、景気が回復するにつれ、公務員よりも民間企業へといった現象が過去にも起こっているため、今後、ますます人材の確保が厳しくなっていくことが予測されます。青森市の担当者が言う市の魅力の発信や、公務員として従事する仕事のやりがいの発信を行っていかなければならないのは、本市も同じではないかと思います。
そこで、景気の回復に伴い、人材の確保が困難になっていくことが予測されるが、本市の現状はどうなのか、また、人材確保のためにどのような取り組みを行っているのか、お聞かせください。
次に、職員研修について伺います。
幾ら優秀な人材を確保しても、人は育てなければなりません。研修をいかに進めていくかによって、大きく道が異なってしまいます。
本市においては、平成24年に人材育成ビジョンが示されました。ここには、現在、地域主権改革が進む中にあって、地方自治体には、多様性と創造性にあふれた市民本位のまちづくりを進めていくことが求められており、これを実現するため、職員には意識改革とさらなる能力の向上が必要となっています。加えて、厳しい財政状況の中、予算や人員が限られ、経営資源の効率的、効果的な活用は、地方自治体の経営課題となっており、とりわけ人材の育成と活用は最も重要なものとなっています。これからは、本市を自立した地方政府としていくために、これらの課題に正面から取り組み、使命感と熱意を持ち、みずから考え行動できる人材を育成していくことが極めて重要となるとうたわれております。
また、平成23年11月議会において、職員の教育に関する質問の際、市長は「公共の仕事を担っていくというミッション、すなわち使命感と、あと市民の役に立つためという熱い気持ち、つまり情熱、熱意であるパッションと、そして、そのミッションとパッションを備えたならば、困っている市民の方々に我先に手を差し伸べる、不安を安心に変えていくためのアクション、行動力。このミッション、パッション、アクションの3要素を兼ね備えている、そんな職員像に期待をしているところであります。みずから進んで道を切り開いていくという、そんな気持ちを職員の方々に持っていただきたいとお願いをするところであります」と述べ、また、職員の育成方針について、「法律の知識はあって、あってこそそれを使いこなして、市民の立場から、市民の目線でこのことが本当に正しいことかどうか、市民を守るためにともに行動する、そういう冷静な頭脳と温かな心を備えている職員を求めております。真に市民から求められている価値を見出し、市民と共有し、その実現に向けてみずから考え行動できる職員、これこそが政令市を担っていく今後の静岡市の育成方針として私が職員に求めるものであります。本市職員が一人でも多くこのような人材になるよう職員の育成に努めてまいります」と述べております。
そこで、職員の資質向上のため、どのような研修を実施しているのか。
そしてまた、市長の言う「ミッション、パッション、アクション」が職員に身につくようにするために、どのような取り組みをしているのか、お伺いいたします。
先ほど引用させていただいた市長の言葉の中に、市民の立場から、市民の目線でこのことが本当に正しいかどうか、市民を守るためにともに行動するという言葉があります。
次に、これが最も発揮できる場でもある窓口対応についての質問をさせていただきます。
おおさか市町村職員研修研究センター、マッセOSAKAで、折衝能力向上研究会報告書「クレームを活かそう!~住民から信頼される行政へ~」というものが出されております。ここには、いかなる場合であっても住民の立場で物事を考え、そして行動するということ、これが、行政と住民との信頼関係を築く上で非常に重要な視点であること。そして、クレーム対応を通じて、住民から信頼を得られる行政へと生まれ変わるチャンスと捉え、行政と住民のよい関係を目指していくことが示されております。住民全体に公平、正確、統一されたサービスを提供すべきであるという行政側の考えに対し、行政は住民のためにあるのだから、住民が困っているときは何とかするのが当然と考える住民の間に、大きなギャップが生まれるとされ、そこからクレームが生まれるとしています。
ほんのわずかな一言や行動が市民を不安にさせたり、怒らせてしまうこともあります。また、それに気づかずに終わってしまうこともあるかと思います。職員側は相手に理解してもらったと思っていても、実際は、何を言ってもだめだから諦めた状態にある方もいます。これには、窓口に来た市民の思いをどこまで理解できるか、市民目線で物事を考えることができるかが重要であるかと思います。
一言で市民目線といっても、それは千差万別です。さまざまな環境、さまざまな考え方を持った市民の声をどう受けとめるのか。職員がこれまで経験をしたこともない環境の中で生活をしている方々も非常に多く、それをどこまで理解できるのか。市民への対応は非常に難しい部分でもありますが、市民目線に立った対応はなくてはならないものであると思います。
そして、クレーム対応は応急処置であってはならないと考えます。その場の対応だけで終わらせず、その根本的な原因はどこにあるのか、市民は何を望んでいたのか、何を問題として抱え込んでいるのかを十分把握し、研究し、他部局の職員とも連携する中で、市の施策にまで広げていく必要があるのではないかと思います。その意味でクレームは宝であり、大切にしていかなければならないと思います。
そこで、3点の質問をさせていただきます。
1点目は、市民アンケートを実施し、窓口対応の向上を試みているようではありますが、アンケートの結果と、それを受けてどのように対応をしているのか。
2点目は、窓口などにおける市民からのクレームにどのように対応しているのか。また、それを市の施策に生かす仕組みについて、お聞きします。
そして、3点目は、職員が、市民の置かれた状況を理解し、相手の立場に立って考えて対応できるようにするため、どのような取り組みをしているのか、お聞かせいただきたいと思います。
最後の中項目になります。
非常勤嘱託職員について、2点質問をさせていただきます。
現在、本市には、多くの非常勤嘱託職員がいらっしゃいます。さまざまな部署に配置されており、一般事務から相談業務など、幅広い分野で活躍しております。市民との接点の多い窓口業務においても、多くの非常勤嘱託職員がいらっしゃいます。
先ほど申し上げましたとおり、市民と直接接する窓口においては、その場の対応のみならず、今後の市政へつなげる、現場の最先端の市民の声を聞くことができる場でもあります。そういった意味では、正規職員と同等のスキルも必要となってくるのではないかと考えます。
そこで、非常勤嘱託職員に対し、どのような研修を実施しているのか。特に窓口対応に関しては、正規職員と同等のスキルが必要な場合もあると思いますが、どのように対応しているのかを、まずお伺いいたします。
また、正規職員以上に知識や経験を必要とする介護認定調査員、児童相談所や消費生活センター、生活支援課などの相談員も、かなり多くの非常勤嘱託職員がいらっしゃいます。しかしながら、本市においては、非常勤嘱託職員は5年で雇いどめとなり、経験や知識を必要とする専門的な業務の継続性が十分担保されていないのではないかとの懸念があります。
ある市では、非常勤の採用を採用困難者と採用容易者に区別し、専門性の必要のない採用容易者は3年で、専門性が高く人材の確保がしづらい採用困難者は、期限を設けず採用していると聞いております。
このように、各地方自治体では、専門的な非常勤嘱託職員が担当する業務の継続性を担保するために苦労されているようです。
そこで、本市において、専門的な職種の非常勤嘱託職員が担当する業務の継続性をどのように考え、また、どのように担保しているのかをお伺いいたします。
以上、1回目の質問です。
16 ◯副市長(小長谷重之君) 「ミッション、アクション、パッション」が職員に身につくようにするためにどのような取り組みをしているかについてのお尋ねについて、お答えをさせていただきます。
本市では、職員の人材育成の基本方針である静岡市新人材育成ビジョンの目的を、使命感と熱意を持ち、みずから考え行動できる職員の育成とし、ミッション、パッション、アクションを持った職員の育成を基本としております。
ビジョンでは、職位や役割に応じた目指す人材像を具体的に示しており、その実現を主眼として、研修カリキュラムの編成を行うとともに、階層別研修や年次研修において、新たな職位等の役割や本市職員としての心構えを再確認をしております。
このような中、市長みずから、新職員から所属長までの全ての階層別研修、さらには、非常勤職員の研修の中でも、職員に対しまして、希望を持って始め、熱意を持って続け、辛抱を持ってやり抜くことの大切さを繰り返し説き、使命感、熱意及び行動力への気づきを積極的に促しております。
さらに、各職場においても、所属長が定めた所属における人材育成方針のもと、業務知識の向上や組織活性化などを目的とした職場研修を行っております。また、実際に業務を遂行する中においても、職員同士が切磋琢磨することにより、静岡市職員としての使命感や行動力の醸成を図っているところであります。
17 ◯人事委員会事務局長(内田隆夫君) 職員の採用試験に関する2点の御質問についてお答えします。
議員のお言葉にもありましたが、まちづくりは人づくりと言われるように、本市が指定都市にふさわしい都市力を持ち、未来を切り開いていくためには、それを担う人材の確保、育成が極めて重要であると認識しております。
その認識のもと、当人事委員会では、市民ニーズが多様化、複雑化する中、使命感と熱意を持ち、市民目線に立って、みずから考え行動できる優秀な人材を確保することを目指し、採用試験を実施しております。
1点目の御質問の、平成26年度の試験制度の見直しの概要とその狙いにつきましては、主に3つございます。
1つ目は、学歴を問わず本市職員を目指すことができるように、試験区分を、大学卒等の学歴区分から大学卒程度の程度区分、年齢区分に変更いたしました。
2つ目は、社会人や民間志望の学生なども含め、より多くの受験者を確保し、その中から優秀かつ多様な人材を選考できるよう、第1次の筆記試験の試験科目を2科目から1科目に変更し、受験者の負担軽減を図りました。
3つ目は、受験者の利便性を図るために、申込方法に電子申請を導入いたしました。
今後も、本市が求める人材を確保できるよう、随時見直しを図ってまいります。
2点目の、本市の人材確保の現状と取り組みについてでございますが、まず、本市の現状としましては、平成25年度職員採用試験では、一部の職種で応募者が少なく、必要人員が確保できないものがありましたが、試験全体を通しましては、求める人材を確保できたと考えております。
また、平成26年度の申し込み状況では、大学卒程度の事務職の申込者数が979人で、25年度に比べ270人の増加となりました。これは、景気が回復傾向にあり、国や他の政令市等では申し込みが減少している中にあって、先ほど申し上げた見直しの効果があらわれたものと考えております。
次に、優秀な人材を必要人員確保するための具体的な取り組みとしまして、試験科目の見直しなどによる受験者増加策のほか、従前から行っている採用説明会の開催、市ホームページや採用案内パンフレットによる情報発信に加え、平成26年度試験に向けて、新たに、説明会では市長のビデオメッセージを上映し、さらに、技術職は応募が少ないため、技術職だけの業務説明会を別に開催するなどにより、本市で働くことのやりがいや魅力についてアピールしてきております。
また、最終合格者へのフォローとしまして、採用までの間、市ホームページやメールによる市政情報の発信や問い合わせへの対応を積極的に実施し、合格者の不安解消、辞退防止に努めております。
18 ◯総務局長(三宅 衛君) まず、職員の資質向上を図るための職員研修としましては、集合研修、派遣研修及び自己啓発の3つがあります。
1つ目の集合研修は、階層別研修、年次研修、選択研修に分かれており、階層別研修は、上位の職に昇任した職員が受講するもので、各職位の役割を認識するとともに実践力向上を図るために実施しています。年次研修は、職位、職種にかかわらず、節目となる年齢において職員が受講する研修で、市職員としての心構え、倫理観を醸成し、キャリアデザインやワーク・ライフ・バランスなどを学ぶために実施しています。選択研修は、受講者を募集し、政策形成能力、業務遂行能力、コミュニケーション能力を高め、それらの知識、スキルを習得する場として実施しています。
2つ目の派遣研修は、職員を国や県、民間企業、外部研修機関等に派遣し、高度な知識と幅広い視野や政策形成に関する能力などを習得するために実施をしております。特に、平成24年度から毎年実施しています民間企業への派遣研修では、派遣した職員から、徹底した顧客指向やスピード感などの重要性について身をもって学ぶことができたとの報告を受けております。
3つ目の自己啓発では、職員の自主的な学習を支援する夜間講座の開催、自主研究グループの支援等を行っております。
次に、市民応対向上に関する市民アンケートの結果とその対応についてですが、平成23年度の市民意識調査では、窓口や電話における職員の応対に満足している市民の割合は66.7%で、平成20年度の同じ調査から7ポイント以上向上していますが、それでも7割に満たない状況でありました。
窓口応対向上の取り組みとしては、年に2回、市民応対向上運動を実施していますが、アンケート結果を受け、平成24年度からは、思いやりと心からのおもてなしに焦点を当て、実施をしております。さらに、平成26年度は「笑顔や服装など職員個々の外見・印象や、親切丁寧な応対」を運動のテーマとして、全ての職場で取り組んでいます。特に、きちんとした身だしなみや見やすい位置に名札を着用することを徹底するため、全職場において、朝礼等で職員同士によるチェックを実施するとともに、各職場で独自の目標、取り組み内容等を設定し、市民応対向上推進員を中心に、目標の達成を目指し取り組んでおります。
次に、市民の皆さんからのクレームにつきましては、御意見、苦情、要望などさまざまなものがあり、窓口を初め、メール、提案ポストなどを通して、年間で1,000件以上が寄せられています。
これらの御意見などは、大切な市民の声として、それぞれの担当部局において職員が真摯に向き合い、対応をしております。
対応後は、寄せられた御意見とその回答を、庁内ネットワークを利用した市民の声システムに登録し、職員の意識啓発や情報の共有化に役立てております。これにより、担当部局以外においても、これらの情報を窓口応対の改善や事務事業の見直しに生かしております。
具体的には、ある職場における窓口応対についての御意見を全職員への御意見として捉え、市民の声システムに登録することにより、全職員に周知し、個々の職員の気づきを促すなど、窓口応対の向上につなげております。
また、市に寄せられた御意見とその回答は、市民の声として市民の皆さんと情報共有ができるよう、市のホームページで公開をしております。
次に、職員が相手の立場に立って考えて対応できるようにするための取り組みについてですが、新人材育成ビジョンの目指す人材像の中では「相手を思いやる気持ちを持ち、より良いサービスの提供を常に意識しながら行動している」、また、「行政の理論や事情、縦割りの発想を市民に押し付けず、市民の立場で考え、行動している」などを主な行動例として挙げております。
これらを人事評価の評価基準に活用し、職員がみずからを振り返り、確認するとともに、階層別研修等において、静岡市職員としての姿勢や心構えについて再認識する機会を設けることで、こうした行動が常にできる職員となるように対応をしております。
次に、非常勤嘱託職員に対する研修についてですが、これは、正規職員と同様に重要なものであると考えており、例年4月に新規採用の非常勤嘱託職員を対象として、公務員としての心構えを身につけ、職務遂行に当たって必要な基礎知識を習得することを目的に、非常勤職員研修を実施しています。
その中では、接遇の科目に重点を置き、窓口や電話応対における接遇の意識やスキルについて、実際の場面を想定した演習などを行うことにより、確実に学び、業務に活用しております。
また、各職場においては、業務スキルや心構えなどを効果的に習得するための職場研修に、正規職員だけでなく非常勤嘱託職員や臨時職員も参加させています。
さらに、受講者を公募して実施しています選択研修においては、正規職員に加え、非常勤嘱託職員も受講対象とし、市民応対向上に通じる説明能力向上研修やクレーム対応研修などに参加を促しております。
最後に、専門的職種の非常勤嘱託職員が担当する業務の継続性についてですが、介護認定調査員や各種相談員が担当する業務など、その業務の実施に当たり、専門的な知識や経験を必要とするものについては、その継続性を確保することは特に重要なことであると考えております。
それらの業務の継続性を担保するためには、募集の段階において資格や職務経験等を要件として定めるなど、採用後、速やかに専門的な業務に対応できる人材の確保を図っております。
また、各所属においては、研修や業務マニュアルの有効活用、職員間の情報の共有化を行うことにより業務の継続性の確保を図っており、今後もそれらに取り組む必要があると考えております。
〔16番井上智仁君登壇〕
19 ◯16番(井上智仁君) 御答弁ありがとうございました。
人事委員会事務局長もひな壇に戻っていただいて、答弁していただきました。ありがとうございます。
2回目は要望・意見とさせていただきます。
本日、6月23日は、国連パブリック・サービス・デーだそうです。これは国際デーの1つで、2002年の国連総会で制定。国連加盟国各国に対し、この日には、公共サービスが開発に果たす役割を周知するよう求めているということですが、これを機に、いま一度公共サービスを見つめ直すのもよいのではないでしょうか。
先日の総括質問の中で、税の収納率のお話がありました。税や保険料、水道料などを滞納している状況もさまざまであり、払えるのに払わない人、払いたいのに払えない人がいます。この払いたいのに払えない人といった方々とは、行政の見方と納税者の考え方に大きな隔たりがあるため、トラブルが発生してしまうケースも多々あります。延滞料は金融機関よりも高いといった説明をしているうちに、これを聞いた市民は、サラ金から金を借りてでも税を払えと職員に言われたと理解してしまう方もいます。税は義務だから払えという目線を一旦やめ、その人と同じ立場に立って考えたとき……
20 ◯議長(
石上顕太郎君) あと1分です。
21 ◯16番(井上智仁君)(続) その他の福祉的サービスの利用などを用いながら、生計の立て直しをともに考えていくといった、本人に寄り添った行動がとれるのではないでしょうか。
ここには、債権管理と生活支援の連携が必要になってきます。滋賀県野洲市では、こういった債権を初めとしたさまざまな相談者から生活困窮者を見つけ出し、支援していくパーソナル・サポート・サービスを、生活困窮者自立支援事業のモデル事業として展開をしていると聞いています。正規、非正規にかかわらず、目の前の人と同じ目線で接したとき、市民の真の声が聞こえてくるのではないかと思います。
そんな人材を一人でもふやしていただきたいことをお願いして、私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
22 ◯議長(
石上顕太郎君) 次に、鈴木節子さん。
〔25番鈴木節子君登壇〕
23 ◯25番(鈴木節子君) 通告に従い、子ども・子育て支援新制度について、一問一答方式で質問します。
新制度は、成立まで何度も改編が加えられ、極めて難解、複雑な制度となり、また、内容は保育現場に深刻な影響が出るとの指摘を受けている制度です。
今議会に、子ども園の制定とセットで公立幼稚園・保育園の廃園が提案されていますが、新制度実施と同時に公立園を廃止するのは本市のみです。審議の行方が全国から注目の的となっています。
先週、市長に対し、公立園をこども園に移行しないことや保育行政の充実を求める要請書1万2,240筆が届けられ、反対の声がいかに大きいかをあらわしています。
本市は、新制度実施と同時にいきなり公立園を廃園し、こども園への意向を保護者や幼稚園、保育関係者の十分な理解、合意を得ないまま、市民不在で強引に進めようとしています。今議会への提案も唐突で拙速だと考えます。
私は、公立園廃止について市民の理解を得ず強行すること、また、法律面から合法的ではないことをただす立場で質問します。
1点目に、こども園の学級編制、職員、設備、運営などの基準を定める条例案について、パブリックコメントを4月、5月に実施をいたしましたが、市民からの件数、問題意識はどのような内容か。また、市民意識をどのように受けとめているのか伺います。
2点目に、昨年を含め、2回のパブコメから、新制度や公立園のこども園移行について、市民意見は、保育行政の後退や子供の不利益にならないかなどの批判が渦巻き、市民の納得、合意、理解は得られてはいません。市はどのように判断するのか、伺います。
3点目に、職員配置についてです。
パブコメには、職員配置をより手厚くすべきという意見が6割を占めました。市は、条例は国基準と同じにするが、運用は、1歳以上3歳未満の国基準6対1に対して市は現行の4対1を、3歳児も、国基準20対1に対して15対1を実現するよう努力していくと回答しました。いずれも国基準を上回るものですが、その実現のための基本方針と具体策をお答えください。
4点目に、保育料についてです。
現在、本市は、保育所の保護者負担を軽減するため、13億7,000万円、保育料全体の35%を市が単独軽減しています。新制度で保育料増額では市民は納得しません。現在の軽減策を新制度でも実施するのかが問われています。軽減についてどのような方針か、伺います。
以上、1回目です。
〔25番鈴木節子君質問席へ移動〕
24 ◯子ども未来局長(池谷眞樹君) まず、新制度移行に伴う条例骨子案のパブリックコメントについてですが、パブリックコメントは本年4月から5月にかけて実施し、総数で1,621件の意見が寄せられました。
内容としては、幼保連携型認定こども園の職員配置等について国の基準を上回る基準とし、子供や職員にとってより手厚い保育環境を求める趣旨の御意見が多く寄せられました。
本市といたしましては、現在の教育及び保育の需要供給の状況等を考慮し、この基準を最低限守るべきものとした上で、職員配置等の充実に努めていきたいと考えております。
2点目の質問の、2回のパブリックコメントの結果ですが、市立幼稚園・保育所の移行方針については、方針に対する誤解や新制度への不安がうかがわれる御意見を多くいただきました。
こうした御意見に対しましては、機会を捉えて、新制度の概要等について丁寧に説明してまいります。
また、基準条例の骨子案に係るパブリックコメントでは、職員配置等について国の基準を上回る基準とすることを求める意見が多くを占めました。
本市としましては、基準は最低限守るべきものとの認識のもと、よりよい教育・保育を行えるよう、運用面で充実を図っていきたいと考えております。
次に、職員配置についての質問ですが、1歳児の職員配置については、現在の市立保育所では運用として、児童4人に対し1人としており、私立保育所に対しても、そのための補助を行っているところです。これについては、認定こども園になっても同様の対応とするよう努めてまいります。また、3歳児の職員配置については、現在、児童20人に対し1人となっておりますが、15対1の実現に向けて努力していきたいと考えております。
次に、保育所保育料の市単独軽減についての御意見ですが、現在、本市の保育所保育料は、市費の投入により、国の定める保育料基準より軽減が図られているところです。
新制度における保育料は、国の示す上限額の範囲で市が定めることになりますが、これまでと同様、市独自の軽減策が必要であると認識しております。
新制度における本市の保育料の水準については、国が示した上限額、現行の保育料の額及び認定区分ごとのバランス等を考慮し、検討してまいります。
25 ◯25番(鈴木節子君) 今、公立園の移行ありきで猛烈な過密スケジュールが強引に進められています。このままでは、保護者と子供たちは置き去りにされ、現場は大混乱となり、不安だけが増大します。市民や関係者への十分な理解、合意を得られないまま押しつけることは許されません。市民への説明の手法とスケジュールを伺います。
26 ◯子ども未来局長(池谷眞樹君) 新制度につきましては、これまでも、市の広報やホームページ、事業者への直接説明などを通じ周知に努めてきたところですが、今後も、計画的にさまざまな手法で丁寧に説明してまいります。
具体的には、在園児や入園予定の保護者に対しては、市広報紙7、8、9月号による周知のほか、今月以降、リーフレットや園を通じての定期的なお便りなどを配布するとともに、支給認定等の手続の詳細が決まる本年夏以降に説明会の開催を予定しております。
また、私立園の事業者に対しては、各園が移行後の施設形態を選ぶに当たり、制度の内容を十分に理解した上で主体的な判断が適切になされるよう、随時説明会を開催してまいります。
さらに、子育て家庭の支援に携わる方々に対しましては、子育て支援センターや子育て支援団体の皆さんなどに周知を図ってまいりました。今後は、さらに、児童委員などにも対象範囲を広げて周知を図ることで、正しい情報が広く行き渡るようにしてまいります。
27 ◯25番(鈴木節子君) 今、周知を図るとおっしゃいましたが、一方通行だけでは何の意味もないのです。しっかりと市民の意見を聞いて、やはり合意を得るというスケジュールが欠落しているのではないかと思います。
質問ですが、制度施行の来年4月実施は、このままでは全国的に危ぶまれています。日程も定かではありません。公定価格も示されたばかりで、決定すべき事項は山積みです。
こうした中で、新制度は子供たちにストレートに弊害が及ぶ欠陥があり、まだまだ十分な検証が必要です。
そのような中、公立園の移行の義務づけはありません。本市はなぜ制度施行と同時に公立幼稚園・保育園全てを廃止し、こども園に移行するのか。拙速で勇み足、強引なやり方です。
なぜ今議会に提案するのか、その必要があるのか、なぜ急ぐのかを伺います。
28 ◯子ども未来局長(池谷眞樹君) 今議会に提案させていただいたのは、新制度へ移行する平成27年4月からの入園申し込みを、公立・私立のいずれにおきましても、例年どおり10月から受け付けを開始できることを最優先に考えたからでございます。
そのためには、利用者に対しては適切に施設を選択できるよう、また、事業者に対しては新制度においてどのような施設形態とするのかの判断に資するよう、早期に市の方針を示す必要があります。制度の大改革に際し、スケジュールの遅延により市民の皆さんの混乱を招くことのないよう、円滑な移行に努めてまいります。
29 ◯25番(鈴木節子君) まだまだ本当の意味での保護者や子供たち、保育関係者には、この制度は理解はされておりません。
それで、大事なポイントを伺います。
市町村が担う保育の実施義務について、ここがポイントですが、新制度でも確実に保育の実施義務は維持されるのかが重要なポイントとなります。改正前の児童福祉法第24条第1項、保育に欠ける乳幼児について、市町村が保育所において保育しなければならないという義務づけについて、内閣府は、新制度のもとでも引き続き現在の制度と同様に、市町村が保育の実施義務を担うことにしたと説明しています。第24条第1項で、保育所において市町村の保育の実施義務を担うこと、第2項で、認定こども園においては保育を確保するための措置を講ずるととどめたため、保育の実施義務は保育所でのみ担うことになります。
本市は、公立園を全て認定こども園に移行すれば、私立保育所しか保育の実施義務を担わなくなるのではという危惧が生じます。
当局は、今後も従前どおり保育の実施義務を果たす、市の保育に関する責任が後退することはないと説明しています。
それでは、市町村の保育の実施義務について、いわゆる理念や解釈ではなくて、根拠として位置づけられる根拠条文、根拠規定であるという解釈かを確認します。
30 ◯子ども未来局長(池谷眞樹君) 児童福祉法第24条第1項は、保育を必要とする児童に対し、同条第2項により、認定こども園等による必要な保育の確保措置を講じるほか、保育所において保育を実施する義務を課した根拠規定であると認識しております。
31 ◯25番(鈴木節子君) 今、局長のお答えで、保育の実施義務は根拠規定であるということでいいんでしょうか。とあれば、確認します。
市町村の保育の実施義務について、権限が定められ、維持されていることになります。保育所への入所もこの規定に基づき、同様に行われなければなりません。
よく聞いてください、皆さん。
現在、公立保育所に在園している子供について、市は、保育の実施期間満了まで、つまり小学校就学前まで保育を実施する義務があり、保護者、子供にはその権利があります。となれば、市は、在園児がいる限り公立保育園を廃止できないということになりますが、どう説明するのか、伺います。
32 ◯子ども未来局長(池谷眞樹君) 保育所条例の廃止により、施設の位置づけは保育所から認定こども園に変わりますが、園児に対する保育は、これまでと同様に市が責任を持って実施してまいります。
33 ◯25番(鈴木節子君) 皆さん、よく聞いてください。
この問題は、本市だけが公立園の廃止にという条例を出しています。これは全国的には驚愕の目を持って大分注目をされているものなのです。ここで、安易にこの静岡市議会が、何の議論もなくすんなりと認定こども園移行を許してしまうことになったら、全国に対してどういう説明責任を果たすのか、私はこれを危惧しております。
ですので、皆さん、しっかりとお聞きいただきたいと思います。
では、質問します。
園児に対する保育は、これまでと同様に市が責任を持つということでした。
保育所と認定こども園は明確に異なる児童福祉施設です。保育所からこども園への移行をいとも簡単に淡々とお考えですが、児童福祉施設の位置づけは、この両者は全く異なる施設として法整備がなされています。
また、保護者、子供たちにとっては、1日の生活リズムや友達とのかかわり方も変わり、大きな変動となり、子供の権利にもかかわります。
保育所とこども園は異なる施設ではないのか。また、現在の保育所保育指針と幼保連携型認定こども園教育・保育要領は同じと言えるのか。異なるとしたらどう異なるのか、内容をお答えください。
34 ◯子ども未来局長(池谷眞樹君) 保育所は児童福祉法に基づく児童福祉施設であり、幼保連携型認定こども園は認定こども園法に基づく学校及び児童福祉施設であるという違いはありますが、いずれも保育を行う児童福祉施設としての位置づけに変わりはありません。
現行の保育所保育指針と幼稚園教育要領には基本的な考え方に大きな相違はなく、これら2つの基準の整合性を図った上で定められた幼保連携型認定こども園教育・保育要領では、保育所保育指針を踏まえた上で、特に配慮すべき事項として、小学校教育との円滑な接続などが定められています。
35 ◯25番(鈴木節子君) いわゆる法的な解釈が全くなされていないと考えます。言葉のあやで、同じ保育を行うからいいとかと、そういうことではなくて、法律的に子供を処遇する施設ですので、児童福祉施設としては全く異なる施設なのです。そこをしっかりとお考えの上で対処しなければなりません。全国の笑い物にならないように、そうした議論をしっかりするべきだと思います。
今、お答えのように、保育所と認定こども園は違いがあり、別の施設であるとお答えになりました。となると、公立園の子供全てを強制的にまず退園させて、そして、強制的に違う施設に入所させるということになりますが、こんな乱暴なことが許されるでしょうか。
現在の在園児には、保育を必要とする要件が消滅しない限り、皆さんよく聞いてください、大事なところです。現保育所での継続更新が前提です。更新を拒否することはできません。これが法の解釈です。現在の在園児には、保育所での保育を小学校就学前まで継続して行う義務が市町村にはあります。
先ほども、この実施義務は根拠規定だとお答えになったばかりです。こうした立場でしっかりとお答えいただきたいと思いますし、対応もしていただきたいのです。一方的な保育園の廃止は違法となり、保育所での保育を受ける権利の侵害に当たるのではないか、見解を伺います。
36 ◯子ども未来局長(池谷眞樹君) 幼保連携型認定こども園に移行しても、これまでと同様に必要な保育を受けることができますので、保育を受ける権利の侵害には当たらないものと考えております。
これまで幼稚園で行われてきた幼児期の学校教育と、保育所で行われてきた保育の質を確保しながら、教育・保育の一体的な提供を行い、市としての保育責任をしっかり果たしてまいります。
37 ◯25番(鈴木節子君) なかなか言葉のあやというか、内容としては、これまでと同様に保育を受けることができるから権利侵害に当たらないという答弁ですけれども、今、ここで問われているのは、一方的な保育園の廃止です。保育の実施の解除です。これについては、市の規則がありますが、第3条で、保育の実施期間は小学校の就学の始期に達するまでの間とするとあります。つまり、保護者からの申し込みを受けて、市町村が保育の実施を決定したら、保護者、子供には決定された保育所で保育を受ける権利が成立します。この決定によって、保育の実施期間、つまり小学校就学前まで、決定された保育所において保育を受けることができるというものです。
この公立園、保育園の廃止は一方的で、保護者や保育園関係者には、まだ理解も合意も得られていない段階で一方的な保育園、幼稚園の廃止になりますが、これは権利侵害、法律違反に当たらないか。これは、過去の最高裁判決でもこうした判決が出ておりますが、最高裁の判決に抵触するのではないか、見解を確認します。
また、仮にですが、強制的に廃園とされた園の保護者が認定こども園に入所を希望しない場合はどう対応するのかを伺います。
38 ◯子ども未来局長(池谷眞樹君) 改正児童福祉法では、幼保連携型認定こども園は保育所と同様に保育を行う児童福祉施設としての位置づけがなされていることから、保育はこれまでと変わらず提供されるものであり、権利の侵害には当たらないものと考えております。
在園児の保護者が認定こども園への入園を希望せず、他の保育所への入園を希望する場合は、希望者のお子さんの保育の必要性に応じて市が利用調整を行うことになります。
39 ◯25番(鈴木節子君) なかなか議論がかみ合っていないのですが、皆さん、よく聞いていただきたいのは、来年の制度施行に伴って、いきなり公立保育園・幼稚園の廃止というのは、全国で我が静岡市だけなのです。この制度にはまだまだいろいろな問題点、解決すべき課題がたくさん含まれていて、施行してからでも、まだ解決しなければならない問題点があるのに、その前にいきなり同時に公立園を廃止し、こども園に移行するのは、余りに拙速だし勇み足過ぎると思います。
この市の方針については、見過ごせない重要な問題があります。何点か申しますが、1つ目には、今、保護者や幼稚園・保育所関係者は反対し、撤回を求めています。先週の1万2,240筆の要請にもあらわれているように、まだまだこの制度は早過ぎると、もっと改善してほしいという市民の声がありながら、強引な廃止、移行を押しつけており、手法が強引過ぎます。
2つ目として、全ての公立園を対象とし、一方的な保育園の廃止です。これは有無を言わさず、今、在園している全ての子供の権利を保障していません。そして、子供が置き去りになっているということです。今の幼稚園・保育園の在園児全てを根こそぎ強制的に退所させ、そして、強制的に新しい別の施設に入所させるのは、大変強引なやり方です。
3つ目として、この制度には諸問題がまだまだあります。保育行政の後退、保育基準の後退、保育士さんの権利の問題、子供の健やかな成長が保障できない問題など、さまざまあります。この制度には諸問題や致命的な欠陥があるままということです。
4つ目には、保育園の廃止は保育の実施の解除に当たり、一方的な解除は法律違反に当たるということです。
こうしたさまざまな問題がありながら、本市の公立園の廃止が、いとも簡単に、何の議論もなく、淡々と移行、そして廃園がなされてはならないと。全国から、今、驚異の目で見られ、驚愕されて、注目の的となっています。ここで単純な移行や廃止を許してしまったら、将来に禍根を残す先例となりかねません。
今、子供のことを最優先に考えて、子育て応援、そして、働くお母さんたちの就労支援を最優先に考えれば、こども園にかかわる条例提案と公立園の廃止を撤回すべきと考えます。見解を求めます。
40 ◯子ども未来局長(池谷眞樹君) 今議会に提案させていただいた条例案は、来年4月の新制度のスタートに向け、今後の利用手続を円滑に行うために、今議会で制定しなければならないものと考えております。
市民の皆さんに対しては、周知が必要な部分については、今後、さらに理解が進むよう丁寧に説明してまいります。
新制度において保育を行う形態は、幼保連携型認定こども園、保育所、小規模保育事業等、多様化いたしますが、いずれにしましても、市が責任を持って地域の保育ニーズに対応してまいります。
41 ◯25番(鈴木節子君) 全体で12の質問をさせていただきましたけれども、本市にかかわるこの子ども・子育て支援新制度、それを来年の制度実施と同時に移行し、公立園を廃止することは、大変重い、重大な問題であります。
市長は、先日の議会答弁で、本市が先例となるべく公立園の廃止をするとおっしゃっておりますけれども、その陰には民間の活力も導入すると、そのようなお考えを示されましたけれども、まず、その前に、自治体としての役割は、保育の実施義務に対してしっかりと公立としての役割を担うことが大前提なのです。保育の実施義務を担うことになるのは、児童福祉法第24条第1項、第2項で、第1項では、保育所しかこの実施義務が担えないと。第2項では、こども園で必要な保育をできるように措置をするように努力するとか、講じるとか、こういう文言になっていて、保育の実施義務はしっかりと市町村が担わなければならないとしておりますが、この解釈が大変あやふやなままなのです。
先ほどの答弁では、自治体の保育の実施義務は根拠規定であるという答弁をいただきましたので、この立場で、新制度に移行してもしっかりと静岡市の保育の実施義務を果たすべきだと思います。
さらに、私はもう一度申し上げますが、この制度自体にはさまざまな欠陥がまだ内蔵されていて、改善されていない時点での勇み足は絶対にやめるべきだと考えます。
そして、2つ目には、幼稚園や保育関係者の合意をまだ得ていません。むしろ反対、撤回、改善を求める声がたくさんあります。幼稚園・保育園関係者、保育士さんたち、幼稚園教諭の皆さんも同じ思いです。この思いをしっかりと受けとめていないまま、合意を得ずに強制的な強引な本市のやり方は間違っていると考えます。
そして、重大な問題は、公立園を一旦廃止をし、認定こども園に移行したら……
42 ◯議長(
石上顕太郎君) あと1分です。
43 ◯25番(鈴木節子君)(続) もとには戻れないことです。このことを考えれば、安易なこども園への移行や廃止はもっと慎重に、もっと制度の各問題を改善させてからでなければならないという、毅然とした立場を持つべきだと考えます。
そうした立場を主張しまして、質問を終わります。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
44 ◯議長(
石上顕太郎君) 次に、安竹信男君。
〔37番安竹信男君登壇〕
45 ◯37番(安竹信男君) 今回は、一括質問で質問をさせていただきます。
初めに、リニア中央新幹線の建設についてであります。
去る2月12日の本会議で、リニア中央新幹線建設事業に関する決議が全会一致で可決されたところであります。決議文は、南アルプスの自然環境の保全、ユネスコエコパークとの整合性を図った工事計画を絶対条件とし、狭隘道路が多い井川地区の現状や、南アルプスを訪れる観光客、登山客の安全を十分に確保するためにも、道路の拡幅、整備、安全対策を検討すべきであると強調しており、さらには、JRと静岡県は静岡市と密なる協議を行うようにと強く訴える内容になっております。
報道によりますと、環境影響評価手続において、東京-名古屋間の沿線7都県にはくすぶる不満が表面化しております。JRは、指摘されてから出すのではなく、積極的に情報公開をすべきだという言葉には、JRの横柄ともとれる態度への批判がうかがえるのであります。
石原伸晃環境相が6月5日に国土交通省に提出した、JRが策定したアセスメントに対する意見書の骨子を見ますと、南アルプス国立公園の自然環境の生態系への影響をできるだけ回避するように、また、地方自治体の意見を十分に聞き、住民の関与を確保するようにとJRに要請しているのであります。
ここでお伺いをいたします。
現在のJR東海との協議の状況はどうなっているのでしょうか。
また、ユネスコエコパーク登録が決まった後において、市はどのように対応していくのか、お伺いをいたします。
続きます。
既に、静岡県を除いた6都県では、リニア建設の閣議決定以前からリニア建設促進期成同盟会を設立して、熱心な路線誘致運動や1県1駅設置運動など展開してきたところでありますが、それぞれの県はルートや駅の位置も決まったようであります。昨今は、御案内のとおり、残土処理、騒音、地下水減少など、関係自治体の環境負荷への懸念を払拭するためのJRの対応策に大きな注目が動いているのであります。
静岡県はリニア建設を促進する期成同盟会を設立していませんでした。その過去を引きずっております。南アルプスの地下300メートルを縦貫するこのルートは、他県と比較して経済産業への影響はどうなのか。リニア建設効果に対する熱意が、静岡県は余りにも小さい。その温度差を感じるわけであります。
JRは、本市葵区田代地先の特殊東海製紙株式会社の社有林内に設ける車庫位置や残土処理場は、ユネスコエコパークの移行地域であるから、アセスメントへの心配はないのだと、平然としております。
そうであるならば、静岡県は、土地所有者や移行地域である井川地区や川根本町の意向をまとめて、JRに対して1県に1駅設置案を顕在化すべきであります。恐らく近隣の山梨、長野両県と10市町村は、なぜ静岡市はエコ駅設置の要望の声を上げないのか、不思議に思っているようであります。私には、その声援が聞こえてまいります。
さて、リニア建設は、10年間余の歳月をかけて貫通される一大工事であります。工事用の車両が往来し、建設用資材搬入など、季節を問わず繁忙期を迎えるわけであります。建設にかかわる作業員700人余の生活も加算されなければなりません。本市が管理している林道東俣線、市道閑蔵線、県道井川湖御幸線、県道三ツ峰落合線を利用することは明白であります。
県道、市道、林道を工事用道路として使用することでありますが、各路線の現状と安全対策など、JRへの対応はどのように考えているのかをお伺いいたします。
以上、1回目の質問です。
46 ◯環境局長(小林正和君) JR東海との協議の状況及びユネスコエコパーク登録決定後の市の対応についての御質問にお答えいたします。
このたび、南アルプスがユネスコエコパークへの登録が決定されたことは、これまでの取り組みが世界的に評価されたと同時に、環境保全への責任を託されたものと認識しております。
ユネスコエコパークの理念は、自然と人間社会の共生ということから、まずは自然環境の保全が最優先に考えられるべきでございます。また、自然環境の保全には、それをバックアップする健全な地域社会の存在が不可欠であります。
このような考えに立ちまして、中央新幹線建設事業は一企業の利益を超えた世界的レベルで公共的な課題をはらんでいることを、JR東海に認識していただく必要がございます。
これらを踏まえまして、現在は、中央新幹線の工事に対しては、環境影響評価法に基づく市長意見において、JR東海に対しまして、工事実施に伴う環境負荷の回避及び軽減を求めたところであります。ユネスコエコパークへの登録が決定されたことによりまして、環境保全への対応はさらに厳しく求められることから、JR東海が策定する工事計画におきましては、自然環境の保全が絶対条件であることを求めていくことを念頭に、調整を進めております。
さらに、議員御指摘のとおり、本年6月5日に国土交通大臣に提出されました環境大臣意見では、事業実施に際しては、関係地方公共団体と十分に調整し、その意向を尊重することを求めております。また、同じ意見書で国土交通大臣に対しては、本事業者が十全な環境対策を講じることにより、本事業に係る環境の保全について適切な配慮がなされることが確保されるよう、本事業者に対して適切な指導を行うことを求めると表明しております。このことは、国土交通大臣のJR東海に対する意見にも反映されることと考えております。
したがいまして、これに沿った調整をJR東海に求めてまいります。
この対応の中で、自然環境の保全とともに、地域社会の発展につながる取り組みについても誠意ある対応を求めてまいります。
47 ◯建設局長(寺田 薫君) 中央新幹線建設工事が実施される場合に必要となる工事用道路については、現時点で、どの路線が使用されるかなど詳細な内容がJR東海より示されていない状況にありますが、林道東俣線に通ずる道路は本市が管理しており、工事用道路として使用されるものと考えています。
使用が想定される山間地の道路は、急峻な地形により狭隘な区間が多く、すれ違い困難箇所もあることから、大型の工事車両が頻繁に通行することになれば、一般利用者の円滑で安全な通行に支障を来すことが懸念されます。
このため、JR東海に対し、使用する道路や使用方法など、迅速で適切な情報提供を求め、道路管理者として協議を実施し、具体的な対応策についてしっかり発信していきたいと考えています。
48 ◯経済局長(斎藤 誠君) 林道東俣線の現状とJR東海への対応についてお答えをいたします。
林道東俣線は、昭和39年から47年にかけて、林業経営を目的に県が開設をし、49年に本市に移管をされました。
この林道は、急峻な地形に沿う形でつくられ、未舗装で道路幅員が狭く、ガードレール等の安全施設も少ない道路で、落石、崩土などの危険箇所を多く抱える現状となっています。
このため、安全上の観点から、林道入り口にゲートを設け、車両の通行を林業関係者、工事関係者及び井川地元関係者などに限定し、一般車両の通行は規制をしております。
中央新幹線建設工事に当たり、JR東海が公表した環境影響評価書では、トンネルの概要や林道沿いに発生土置き場の候補地などが示され、資材搬入や発生土運搬のため工事車両等が林道を通行することが予想されております。
このため、中央新幹線建設工事が実施をされ、東俣線を使用する場合には、林道の改良及び保守管理などについて原因者であるJR東海としっかり協議をし、万全な対応をとっていきたいと考えております。
〔37番安竹信男君登壇〕
49 ◯37番(安竹信男君) 道路の安全確保には時間と大きな財源を要することは明らかであります。
一例を申し上げます。
私たちの井川の隣町、早川町の件であります。
辻 一幸町長とは長年のつき合いもあるわけですが、今、山梨県早川町では、建設残土を引き受ける立場を逆手にとって、リニアの駅が建設される甲府方面に向かって、長年の懸案であった早川芦安連絡道路(延長5キロメートル)建設をかち取ったのであります。
これまで、早川町は、県道が土砂崩壊で不通となり孤立することが多かったわけでありますが、立ちはだかっている巨摩山地に約3キロメートルのトンネルを掘り、200メートルの橋をかけ、総延長5キロメートルのアクセス道路を建設するものであります。リニアのトンネル掘削残土の一部を道路建設盛り土として活用し、総事業費は70億から80億円。横内正明知事は、JRが工事費の一部を負担することを確約しております。2014年当初予算案に関連経費を計上し、同年度着工を目指しているというのであります。
本市は、政令指定都市として真っ向からJRに働きかけて、狭隘な道路の改良整備を図るべきであります。ユネスコエコパークの移行地域の住民と観光客や登山者の安全確保を最優先するならば、リニアトンネル建設が本格化する以前に、この2、3年の間に、市の管理道路の改良について、JR及び県に対して十分な協力を要望していただきたいと思うのであります。
次に、南アルプスユネスコエコパークの取り組みについて伺います。
山梨、長野、静岡3県の10市町村が一致団結、ユネスコエコパーク登録に向けて取り組んできたわけであります。南アルプス周辺地域の住民が守り続けてきた自然環境や生活文化を世界に披露し、その価値をユネスコが認めてくれたわけであります。
6月12日未明にユネスコエコパーク登録が認められたその瞬間は、慶賀の至りでありました。あわせてうれしく思うのは、祝日山の日が8月11日に決定したことであります。ちなみに、私の誕生日は8月13日であります。
ユネスコエコパーク登録に向けて、10市町村の牽引役を務めた田辺市長の面目を潰したくないという思いで、環境局清流の都創造課職員の努力、そして、文化財課や中山間地振興課など、関係部局の横断的な協力のたまものでありました。深く感謝を申し上げます。
思えば、7年ほど前に、井川地域にエコツーリズムという言葉を持ち込んだとき、安竹、エコとは何だ、高齢化、そして過疎化のこの社会に、一体何をやるというんだと。私は戸惑いました。当時の担当職員の困惑した表情が今でも私の脳裏に焼きついております。
わら草履を編んでみてくれないか。つるかごをつくってみてくれ。そばや雑穀の餅をついてみてくれないか。ヤマメ釣りを教えてくれるんでしょう、あんたならできるよ。山里歩きのガイドをしてくれ。神楽を舞ってくれ。会合を何回も重ねました。過去の田舎暮らしの経験が、そして作法が、心身に宿っている70歳、80歳のお年寄りたちが、私にできることならやってみるかと、腰を上げてくれるには少々時間がかかりましたが、南アルプス・井川エコツーリズム推進協議会を設立することができたのであります。
以来6年間、井川の自然に親しむ体験プログラムを井川少年自然の家に集う児童生徒たちに活用していただいたり、多くの観光客に里山歩きを体験させることができるようになりました。
ここで、私は教育長にお礼を申し上げます。
井川少年自然の家に集う子供たちは、あの道路の悪いところを、学校の校長先生が、ことしは井川少年自然の家で体験しようと決断しなければできないわけであります。大変な神経を使います。私は何回も、校長会に毎年出席させていただいて、井川でのエコパークのプログラムをぜひ活用してくれとお願いに行きました。会長の鈴木幸一さんや青木さんや遠藤さんたちと何回も足を運ばせていただきました。校長先生たちが快く受け入れてくれたため、エコパークのプログラムが潰れないで、私たちの活動が続いてきたわけであります。心から御礼を申し上げます。
最近は、山間地の在来植物、農産物の地産地消も大変注目を浴びてまいりました。井川の歴史や生活文化の掘り起こしと伝承がいかに重要だったかということを改めて認識したわけであります。
先般、質問がありましたが、オクシズ中山間地域に暮らす人たちに、我々のこの活動が大きな励みになれば幸いであります。
10の市町村が共通して持っている課題とは何でしょう。山間地域の少子高齢化対策と1次産業の後継者不足であります。
ユネスコエコパークの登録によって、多くの観光客がアルプスを周遊し、自然回帰を求めて行楽する時代がやってまいりました。国土の80%を占める森林地域の住民が活力を取り戻すチャンスがやってきたのであります。これまで以上に、10市町村の連携が大切だと考えるわけであります。
今後、10市町村の連携についてどのように考えておられるか、お伺いをいたします。
50 ◯環境局長(小林正和君) エコパークを構成する10市町村の今後の連携をどのようにしていくかとの御質問についてお答えいたします。
南アルプスユネスコエコパーク登録後の取り組みを進める中で最も重要なことは、関係10市町村が連携を深めていくことと考えております。
3つの地域に分けられるユネスコエコパークのうち、最も自然環境の保全に配慮しなければならない核心地域と、それを取り巻く調査研究活動などに利用される緩衝地域におきましては、行政区域を越えた広域的な保全対策が必要と考えております。特に、ニホンジカによります高山植物への食害対策を効果的に進めていくためにも、10市町村が連携し、南アルプス一帯で取り組む必要がございます。
また、人が暮らしを営む移行地域におきましては、現在、各市町村で個々に行われているエコツーリズムや特産品づくりなどを、ユネスコエコパークというブランド力を生かし、南アルプス全体の取り組みにつなげていく必要があります。
このようなことから、10市町村の行政関係者を対象とした交流研修事業を、地域の皆さんを含めた市民参加型の事業へと発展させるとともに、関係する行政機関や地元団体、企業などを交えた地域連絡会議を立ち上げ、ユネスコエコパークの管理運営を担う組織の整備を進めてまいります。
〔37番安竹信男君登壇〕
51 ◯37番(安竹信男君) 前向きの答弁で、期待をするところであります。
私は、10市町村と今申し上げましたが、最も近隣の川根本町、そして、隣の1つ山を越えた早川町との関係を強めることが重要であると。それが、ほかの市町村にも大きな影響を与えると、そう考えております。
私は、井川の住民でありますので、大井川流域、南アルプスの懐といった共通する生活環境の中で、川根本町の鈴木敏夫町長、早川町の辻 一幸町長とも仲よくさせていただいてまいりました。
実は、静岡市が政令都市になったころから、川根本町、早川町は私たちの井川との交流を敬遠してきたように思います。まず、遠慮していたのではないかと思います。
先般、私が辻町長と鈴木町長と対談したところでありますが、静岡市を中心に、早川町、川根本町の近隣1市2町を1つの圏域として、ユネスコエコパークを育てていこうじゃないかという認識を新たにしたところであります。
昭和47年に完成した林道井川雨畑線が開設された時期から、私たちは、川根本町も井川も一緒になって、早川町経由で甲府へ通じ、あの大都会都市東京にアクセスを展望してきたのであります。私は、この議会で十数年間、市道閑蔵線の拡幅改良や林道雨畑線の災害復旧を急いでほしいと言ってきた要望には、そうした思いがあったわけであります。
中央高速道路、中部横断自動車道路、リニア新幹線沿線とつながれば、静岡市の中山間地域はエコパークの南アルプス内陸部から新たなにぎわいをつくることが始まるのであります。もちろん、林道豊岡梅ケ島線も同様であります。かねてから私は、旧安倍6村をオクシズに押し込まないでほしいと考えてまいりましたが、ユネスコエコパーク登録を機に、大井川流域と安倍川流域の街道を多くの人と物が流通可能となる、安心安全なアクセス道路整備が必要であります。
林道2路線の森林管理道としての維持管理は……
52 ◯議長(
石上顕太郎君) あと1分です。
53 ◯37番(安竹信男君)(続) 残しつつも、峠越えをトンネルで貫通させ、通年山梨県側に流通できるアクセス道路は、国道としての位置づけが必要であります。既に、辻町長、鈴木町長は、田辺市長の理解を求めて、1市2町でこの路線を国道指定に向けて期成同盟会でもつくろうじゃないかと燃えております。私も、及ばずながらその仲介役を担おうと努力してまいりますが、ぜひ市長、その節は、1市2町で国道昇格を目指そうじゃありませんか。よろしくお願いをいたします。
最後に1句。この詠み人は、御案内の吉川英治氏であります。この句は、官僚の美学とも言われている俳句だそうであります。「菊作り 菊見るときは 陰の人」。
以上です。御清聴ありがとうございます。
54 ◯議長(
石上顕太郎君) この際、暫時休憩いたします。
正午休憩
───────────────────
午後1時再開
55 ◯副議長(中山道晴君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
総括質問を続行します。
次に、栗田知明君。
〔44番栗田知明君登壇〕
56 ◯44番(栗田知明君) それでは、質問に入ります。
清水区の活性化についてであります。
市長は、清水区の発展なくして静岡市の発展なしという方針を市長選当時より清水区民に訴え、その後も清水区民の前で表明してきているわけであります。選挙後、3年有余が経過してきたわけです。この間、清水区をどのようにしてきて、これからどのように活性化させようとしているのか、具体的に述べていただきたいと思います。
清水区には東名高速道路があり、新東名高速道路が開通し、平成29年度には中部横断自動車道の開通が予定され、インターチェンジが3カ所あり、また、清水港もあるという大変いい立地条件に恵まれているわけであります。
5月の静岡新聞に、富士市企業誘致に本腰、富士山フロント工業団地全17区画はことし4月、完成から5年で完売という記事が載っておりました。東名、新東名インターチェンジに近いという利点だと言われております。浜松市も、県の言う内陸フロンティアを利用し、都田へ工業団地開発が予定されているわけであります。
清水区は条件がよいにもかかわらず、物流基地、工業団地などの動きがなく、土地開発公社は、条例等により、民間への造成工事などが実施できないようになっているわけであります。条例等の問題解消等を考えるべきと私は考えております。
JAしみずは、県事業による畑総事業を新東名との関連で実施してきました。また、今後、5カ所ほどの事業を計画されていると聞くわけであります。静岡市の非農地用地への土地利用の問題が出されているわけでありますけれども、畑総を実施するために、非農地用地の対応は静岡市の責務であろうと私は考えております。この対応ができたならば、農地の畑総は実施されるようであります。
また、清水区の一番の財産は港であると考えております。港を利用しての活性化をどのように考えているのか、この点を述べていただきたいと思います。
それから、港周辺の再開発を検討する方針を出した清水港ビジョンについてであります。
港に近い駅周辺の改造、港の開発は、清水区の活性化の原点であると考えます。平成20年に発表された清水港ビジョンは、清水港のあるべき姿を将来ビジョンとして、市の港に対する検討方針を出したものであると考えます。今後20年、30年先を展望していると言われますが、絵に描いた餅ではないはずであります。考え方を聞かせていただきたいと思います。
以上が1回目の質問であります。
〔44番栗田知明君質問席へ移動〕
57 ◯経済局長(斎藤 誠君) 清水区の活性化について、港を生かしてどのように活性化させようと考えているのかにつきましては、現在、清水港は、外国貿易の拠点として県内の産業・経済を支える重要な役割を担っており、物流やものづくりにかかわる産業に多くの雇用を生むなど、市の経済発展に大きく寄与をしております。
また、清水港内では、海上貨物のコンテナ化や荷役作業の高度化など、産業構造の変化に対応した港湾機能の再編や集約が進んでおります。
今後は、港の再編・集約により生じる跡地を利用して交流人口の拡大を図り、「働く港からプラス楽しむ港」としてにぎわいを創出することが、清水区の活性化につながるものと考えおります。
なお、物流産業を初め、企業立地に係る用地確保については、本市の重要な課題であると認識をしております。
次に、清水港ビジョンでは、港のにぎわいづくりをどのように捉えているかにつきまして、お答えいたします。
清水港ビジョンは、平成20年に「世界を見つめ、安心・安全、憩いと活力を提供する海洋交流拠点・しみず」をキャッチフレーズに掲げ、港湾所在市として20年から30年先を展望し、清水港のあるべき姿を将来ビジョンとして描いたものです。
清水港ビジョンの中では、港と市街地が近接しているという利点を生かして、港とまちが一体となったにぎわいづくりを目指しております。
58 ◯44番(栗田知明君) それでは、これから一問一答に入ります。
清水港と清水中心市街地を結ぶ第2自由通路の問題であります。
今まで検討がされ、相当経過しているわけであります。もう何年も前から、第2自由通路の設置の検討がされてきたわけであり、マリナートができ、その対応等がされるものと考えておりました。
第2自由通路をつくることで、駅前商店街、そしてグルメ通り、中心市街地のにぎわいができるものと考えております。
いつ具体化しようとしているのか。よくスピード感を持ってと言われるわけでありますけれども、迅速な対応が求められていると思うわけであります。考えを聞かせていただきたいと思います。
59 ◯都市局長(松浦和彦君) 清水駅周辺地区の活性化につきましては、清水中心市街地の回遊性向上を図るため、今年度、臨港道路を横断しJR清水駅東地区と江尻漁港を結ぶペデストリアンデッキの設計に着手いたします。
このデッキは、駅東地区と港を結ぶだけでなく、津波に対していち早く避難できる防災機能も兼ね備えていることから、早期の整備完成を目指し取り組んでまいります。
また、駅東地区と西地区を結ぶ第2自由通路については、平成25年度は、イベント開催時の歩行者等の動向調査を行うとともに、地元関係者が立ち上げた研究会と連携し、清水駅周辺の回遊性向上や
にぎわい創出及び第2自由通路のあり方についての議論を重ねてまいりました。
26年度は、これまで実施した交通動向調査の分析結果をもとに、駅周辺地区の回遊性向上と
にぎわい創出について、第2自由通路の検討を含め、地元関係者と議論を深めてまいります。
さらには、臨港道路を横断するデッキ完成後は利用実態の調査を行い、第2自由通路の検討に生かしていきたいと考えております。
60 ◯44番(栗田知明君) スピード感を持って物事に対応するということがよく言われておるわけでありますけれども、この第2自由通路については、もう表明されてから長い期間がたっているわけであります。河岸の市のほうへ持っていったペデストリアンデッキについても、十数年前から検討され、初めて予算化がされて、測量関係に入ってきたわけであります。
まちの活性化という点から考えていくならば、スピード感を持つということは当然であろうと考えておりますから、その辺は気をつけて、対応をお願いしたいと思います。
港のにぎわいづくりの問題であります。
市長は、清水区の連合自治会の総会での講演で、清水区の活性化について明確な方向づけは講演されていなかったようでありました。
私は、清水区の活性化の原点は港であり、清水港ビジョンの具現化であると考えております。東洋製罐の移転後の土地、区民会館の土地は、現在両方とも駐車場になっております。清水港ビジョンによって、企業との話し合いがされてきてもよかったのではないかと考えるわけであります。
港のにぎわいの清水港ビジョンについてどう考え、具現化しようとしているのか、明確にしていただきたいと思います。
61 ◯経済局長(斎藤 誠君) 清水港ビジョンを推進するためには、港湾管理者である県、港湾関係企業及び土地所有者との連携が必要であります。
本市としては、まず、重点的に取り組むものとして、中心市街地及び港周辺の一体的な活性化を図るため、江尻から日の出までのウオーターフロントの活用に向けて取り組んでおります。
62 ◯44番(栗田知明君) 江尻から日の出までのウオーターフロントの活用は、具体的にどのように考えておるのでしょうか。清水港線の跡地の遊歩道関係を、花で飾り、冬にはイルミネーションなどをしていますが、これはウオーターフロントの活用とは言えないではなかろうかと感じております。ウオーターフロントとは、水産性の活用であると思うわけであります。具体的にどのような形で自慢の水産性を利用しようとしておるのでしょうか。
63 ◯経済局長(斎藤 誠君) 本市では、平成24年度に、清水都心ウオーターフロント活性化プランを作成し、港とまちが一体となった活性化策の重点地区として、江尻から日の出までの
にぎわい創出に焦点を当てて取り組んでおります。
その取り組みといたしましては、江尻漁港、日の出緑地、日の出埠頭及び江尻から日の出までの自転車歩行者道の回遊性向上やにぎわいづくりを進めることであります。
中でも自転車歩行者道については、利用者の安全性や利便性に配慮した自転車道と歩行者道の入れかえや、沿線の市有地を活用したイベントの実施など、より一層のにぎわいと回遊性を向上させることを目指してまいります。
また、これらのウオーターフロント活性化の施策については、第3次総合計画にも登載し、引き続き実現に向けて取り組んでいきたいと考えております。
64 ◯44番(栗田知明君) 清水港ビジョンは平成20年に発表されて、短期、中期、長期と色分けされてきたわけであります。
ただ、民間企業の撤退などの問題が起これば、具体的に動いていかなくてはならないと考えております。見直し等を考えないなら、清水港ビジョンの方向で実行に移していく必要があろうと思うわけであります。どのように実行していくのでしょうか。
この間、いろいろな撤退等が起こってきたけれども、その後に敏速な対応がなされないから、なおさら聞きたいわけであります。
65 ◯経済局長(斎藤 誠君) 清水港ビジョンは、本市が港湾所在市として合併後初めて描いた清水港の将来を見据えた構想であることから、これからも大切にしていきたいと考えております。
なお、個々の事業を進めるに当たっては、
東日本大震災の教訓を生かすなど、港を取り巻く社会情勢の変化に対応しながら、第3次総合計画へ登載するなどして、積極的に取り組んでいきたいと考えております。
66 ◯44番(栗田知明君) 興津の第1、第2バースの完成により、清水港ビジョンをどのように実践しようとしておるのでしょうか。
各民間業者との話し合いもされておるのではなかろうかと思います。興津第1バースに続いて、第2バースが2013年5月に一部供用開始をしたわけであります。また、興津第2埠頭の耐震化工事が実施されており、興津第2埠頭と興津第1、第2コンテナヤード、新興津埠頭の埠頭間が埋め立てされ、ターミナル機能が興津地区へ集約化され、現在計画が実践されてきているわけであります。当初計画した清水港ビジョン移転の姿が見えてきているわけであります。どのような具体的な実践をしようとしておるのでしょうか。
67 ◯経済局長(斎藤 誠君) 新興津コンテナターミナル第2バースの完成により、日の出地区にある物流機能の一部が興津地区に集約できることになるため、日の出埠頭の交流拠点化に向けて関係者との協議を進めてまいります。
68 ◯44番(栗田知明君) こういうバースが完成してきたという点から見ていきますと、これから一番本格的な形で実践に入っていくのではなかろうかと思うのです。日の出埠頭の一部移転の実施が可能になった中で、どのように具体化するか。倉庫の皆さん、民間業者との話し合いもあり、すぐに移転できるわけではありませんし、その辺の意向を含めた形での対応は必要であろうと感じておりますけれども、その辺はどうでしょうか。
69 ◯経済局長(斎藤 誠君) 日の出埠頭の老朽化した4号、5号上屋は解体、撤去することとし、興津地区に新たに上屋を建設することとなっております。
6号上屋のマリンターミナルの1階部分につきましても、上屋機能を興津地区へ移転させ、4号、5号上屋の跡地とあわせ、都市的な空間として活用していきたいと考えております。
70 ◯44番(栗田知明君) 日の出の4号、5号上屋の解体時期と跡地の活用、また、6号のマリンターミナルの上屋の機能移転後、SOLAS規制区域はどのような形になっていくのか。
ちょっと聞いた話によりましても、余り広い地域のSOLASの解除はできないようなことを聞いておりますけれども、どのような区域で、どのような活用をするのでしょうか。
人の集まる交流拠点にしようとする場合、どのような形で具体的な日程が見込まれておるのでしょうか。
71 ◯経済局長(斎藤 誠君) 4号、5号上屋の移転先である興津埠頭の耐震工事の完了は、平成29年度ごろとなりますが、上屋の解体時期は現時点ではまだ決まっていないと県から伺っております。
4号、5号上屋を解体した跡地の利活用は、今後、都市的な空間として官民が連携して検討していくこととしております。
また、4号、5号、6号の上屋機能が移転した後は、日の出埠頭におけるSOLAS条約による立ち入り規制を解除し、市民の皆さんのにぎわい空間として開放されるよう、県及び関係者に強く働きかけてまいります。
72 ◯44番(栗田知明君) 少しずついろいろな形で具体化がされてきているような感じもするわけですが、民間との関係を考えていきますと、これからが一番大事な時期であろうかと感じております。
新興津地区小型船だまりの整備の進捗状況でありますけれども、防波堤300メートルの、一部見えないところの工事に入ってきているようでございますけれども、具体的な日程をわかる範囲で明らかにしていただきたいと思います。
73 ◯経済局長(斎藤 誠君) 平成26年3月末現在の整備状況としては、海面下の基礎工事や防波堤、物揚げ場の基礎となるケーソンや波消しブロックの製作、据えつけが順次行われており、海上部分は、延べ135メートルの防波堤などの整備が行われております。
なお、全体の完成予定時期としては、30年代にずれ込む見込みであると、県から伺っております。
74 ◯44番(栗田知明君) 新しい船だまりができることを踏まえ、新興津地区船だまりの整備に伴い、現在の興津船だまりはどのような利用がされるのでしょうか。
75 ◯経済局長(斎藤 誠君) 新興津地区小型船だまりの整備完了後、まずは興津船だまりに現在係留されている小型船舶等が新興津へ移転されると県から伺っております。
また、興津船だまりは、港湾計画によりますと、将来的に埋め立てられ、埠頭内道路や緑地などに整備されることになっております。
76 ◯44番(栗田知明君) この新しい船だまりとあわせた形で、新興津地区人工海浜・緑地整備が進行してきておるかと思います。特に、これは早期の完成が求められておるわけであります。進捗状況はどうなのか。第1期工事は400メートルほど工事計画があるようですけれども、その辺の日程関係を含めて、進捗状況をお知らせ願いたいと思います。
77 ◯経済局長(斎藤 誠君) 平成26年3月末現在の整備状況としまして、人工海浜につきましては、突堤170メートル、離岸堤100メートル、砂どめ潜堤126メートルの整備が行われております。
また、緑地整備につきましては、第1期の総面積11.2ヘクタールの用地に、多目的グラウンドや芝生広場、遊歩道や駐車場などを含む緑地帯が整備される計画となっております。
そのうち、地元の皆さんが熱望されておりました多目的グラウンドと芝生広場は、海浜部分では最初に完成をし、本年7月末に供用開始予定となっております。
なお、第1期の人工海浜・緑地整備事業の完成予定時期としては、30年代にずれ込む見込みであると県から伺っております。
78 ◯44番(栗田知明君) この港の関係の中で駅に一番近いところが江尻漁港の地域であろうと感じております。マグロも荷揚げされ、河岸の市、魚市場周辺の問題であります。
この江尻漁港のところはどのような活用をしようとしているのか。埋め立て関係の計画もあるようですけれども、この辺は具体的に進んでおるのかどうか。江尻漁港の活用について、お聞かせ願いたいと思います。
79 ◯経済局長(斎藤 誠君) 江尻漁港は、JR清水駅に近接をしており、清水魚市場を中心とした水産複合施設に、年間100万人を超える人々が市内外から訪れております。
こうしたことから、清水港ビジョンに示す臨港道路を横断し、JR清水駅と江尻漁港を結ぶペデストリアンデッキについては、平成26年度に事業に着手し、JR清水駅西側と江尻漁港との回遊性を高めてまいります。
本市としましては、ウオーターフロントの重点施策である江尻漁港の活性化について、民間活力も大いに活用し、清水港周辺の観光と水産業が結びついたにぎわいの拠点として推進をしていきたいと考えております。
80 ◯44番(栗田知明君) その江尻漁港を初めとして、この地域が駅に一番近く、公園等の計画が発表されていたわけでありました。飛島地区の問題でありますが、県との土地の賃貸契約が更新されたと聞くわけであります。この飛島地区を初めとして、冷蔵庫団地の倉庫移転はどのような形で進めようと計画されておるのでしょうか。
81 ◯経済局長(斎藤 誠君) 清水港ビジョンでは、冷蔵庫団地の倉庫移転については、長期的な計画に位置づけられていることから、今後、江尻漁港周辺事業者の意向や港湾整備の状況など、江尻漁港を取り巻く環境の変化を見ながら検討していきたいと考えております。
82 ◯44番(栗田知明君) また、港湾の中に、メガフロートがあった海づり公園を建設をすると言われており、調査がされてきているわけであります。この海づり公園は港湾区域内を考えていると思いますけれども、清水港内の新興津船だまり、江尻、日の出、富士見の4カ所を候補地として選定しておったわけであります。港内へ移るということであり、今年度中に確定するという検討方向が出されておりますけれども、具体的にはどのような形になるのでしょうか。これについては、駐車場もそうでありますけれども、子供が遊ぶことができるような緑地も必要でありますけれども、その辺はどのような考え方で進んでおるのでしょうか。
83 ◯経済局長(斎藤 誠君) 海づり公園についてでございます。
海づり公園は清水港内で再建整備することを考えております。
現在の再建整備の進捗状況としましては、新興津、江尻、日の出及び富士見の4カ所を候補地として、県や港湾関係利用者等と協議を進めているところです。
また、平成26年度は市外の同類施設の調査を行い、再建整備後の施設のあり方や管理運営方法について、検討を詰めていきたいと考えております。
84 ◯44番(栗田知明君) 公園の設置場所は26年度に確定すると思いますけれども、できるだけ市民が使いやすいような形での方向づけをお願いしたいと思います。
また、市が持っている富士見地区の静岡市岸壁の問題であります。これは、耐震化がされておらず、耐震上問題があると言われておるわけであります。この耐震化の問題は検討に入っていると思いますけれども、具体的にはどのような形で進んでおるのでしょうか。少し細かくわかったら、明らかにしてもらいたいと思います。
85 ◯経済局長(斎藤 誠君) 静岡市岸壁は、平成26年度に地質調査などを行い、その結果を受け、港湾関係利用者等との調整を図りながら耐震化を進めていきたいと考えております。
86 ◯44番(栗田知明君) 静岡市の岸壁である、今利用されている埠頭のところでありますけれども、これは、耐震化の工事に入るための調査関係がされているということですが、この方向を見て、耐震化工事に入ると考えていいんでしょうね。
それから、この先にある折戸湾の問題であります。
折戸湾は、市も何回かにわたって、そこに住んでいる生物関係の調査をしたり、水質調査をしたり、幾つかのことをやってきたわけであります。県もその調査に入っていたわけであります。国の問題もあって、県との話し合いはどうしても必要であり、早く方向づけをしていかなくてはならないと感じております。
平成25年度施工の折戸湾係留くい撤去しゅんせつ工事がなされ、平成25年12月10日から12月28日まで、折戸新係留場の南で、係留のくいは9組、1組には3本のPC抗があるため、27本の除去がされてきたわけであります。しゅんせつ土量が3,844立米、しゅんせつ面積が2,200平米、しゅんせつの水深が約2.6メートル、貯木場として使用中、材木が海底に沈んで残置されている。今回やった2,200平米のしゅんせつ箇所だけでも8メートル程度の木材が7本見つかったという調査結果が出されております。貯木場全体は水深4メートル程度、全体に腐敗臭を発する木の皮混じりの堆積土が1メートルから1.5メートル、湾から50から100メートル離れた付近で水深7メートル、それより沖に離れると10メートルから13メートルと言われておるわけであります。
折戸湾の再開発利用計画を決定し、全体的なボーリング調査を実施し、その結果により、早急な堆積土除去が必要であろうと言われております。これは、早く行わないと折戸湾が腐敗臭で汚れると言われているわけであります。これは専門家が、先般の船だまり、係留場をつくるときの問題として、その工事にずっと携わったときに、こういう結果の報告書を県へ出すようであります。県としても、あそこは県が管理してきた土地でありますから、このくいについても県が除去するのが普通であろうと思いますけれども、市は、このくいを除去するために先般の調査がなされてきたわけでありました。貯木場にあれだけのものをそのまま放置するわけにはいかないと思います。調査結果も出ておるわけでありますし、これは公式な形で出していくようなことが言われております。
この折戸湾をどうしようとしていて、どう対応が行われようとしておるのか、お聞かせ願いたいと思います。
87 ◯経済局長(斎藤 誠君) 折戸湾は、県が平成25年度に策定をしました駿河湾港整備基本計画では、清水港ビジョンを反映し、海辺のレクリエーションや海浜緑地による
にぎわい創出とともに、自然再生を図る自然環境再生ゾーンとして位置づけられております。
本市としましても、この実現に向けて、県や、既に勉強会を行っている市民の皆さんと連携して進めてまいりたいと考えております。
88 ◯44番(栗田知明君) 結構、金がかかることであります。資料関係も出されてきておるわけでありますから、その辺も目を通した上で、市はどういう形で対応するかという検討に入っていっていただきたいと思っております。
また、平成27年ころに改訂予定と聞いておりますが、港湾計画はどのように考えておるのか。
私は、先ほどから述べている清水港ビジョンは市の将来像であり、清水区が一番必要とする港湾のウオーターフロントの活用という点から考えていきますと、今回の改訂は大変重要な時期であろうと考えております。どのような考え方で臨んでおるのでしょうか。
89 ◯経済局長(斎藤 誠君) 港湾計画は、港湾管理者である県が策定をするもので、今、お話にありましたとおり、港湾整備を行うための基本であり、改訂時は市の考えが盛り込まれる絶好の機会であると考えております。
このほど改訂が予定されている港湾計画では、県が平成25年度に清水港、御前崎港、田子の浦港の3港を連携させて策定をした駿河湾港整備基本計画が反映をされる見込みとなっております。
本市は、この基本計画の策定に積極的に参画し、本市の施策が盛り込まれたところであります。
90 ◯44番(栗田知明君) 今、言われたように、県が計画の検討委員会をつくって、駿河湾港整備基本計画をつくられてきたわけであります。
この計画が基本的には港湾計画に反映されるような感じでありますけれども、市の考えが具体的にどのように反映されているのか、この点をお聞きしたいと思います。
91 ◯経済局長(斎藤 誠君) 県が策定をしました駿河湾港整備基本計画には、新たに本市が重点を置いて取り組んでいる、江尻地区から日の出地区までの清水港ウオーターフロント活性化施策が取り入れられております。
今後は、県に対し、本市の施策が盛り込まれたこの基本計画が、次期港湾計画に的確に反映されるよう、働きかけてまいります。
92 ◯44番(栗田知明君) 港湾は国、そして県の港でありますけれども、一番の住人、そして、物流を扱っているのが清水の業者でありますし、清水区民が一番関係が深いわけでありますから、それを踏まえて、清水港ビジョンの進行関係も含めて、対応をお願いしたいと思っております。
私は、冒頭に言いましたけれども、市長はいつも、清水区の発展なくして静岡市の発展なしというような言い方をされてきておるわけであります。
じゃ、何をどうしようとしているのか。港についてどう考えているのか。清水港ビジョンについてどういう考え方があるのか。市長の口からは具体的な問題は一度も聞いたことがないわけであります。
市長、私ども市議会議員もそうかもわかりませんけれども、一応、4年間を一区切りとして、この4年間の中である一定の具体的な処置をしていくことが、選挙で選ばれた市長としての責任であろうと私は感じております。
そういう点から見ていくと、どういう形で清水区を変えて、そして、清水区の活性化をしていこうとしているのか。僕の考え方では、清水港が一番大きな活性化の原点であろうと考えておるわけでありますけれども、この清水港、そして、市がつくった清水港ビジョンに対して、どういう形で考えながら、どうしようとするのか。こういう形態をもう少し明確にしていっていただきたいと思っているわけであります。
なぜ僕がこう考えるかと言いますと、例えば、東洋製罐が移転をした。その跡地関係については、このビジョンが進んでいくのであるならば、どういう形で何をそこへということで、東洋製罐との話し合いがされなかったのではないかと思うのです。ある業者がそこへ水族館を建てたいという構想を持った。そうしたら、一部反対があって、今では進んではいないと思うのですけれども、そういうような問題があったときにどう対応するかということは、行政としては、ウオーターフロントをどういう形で活用し、発展させていくかという点から考えていきますと、こういうことで起こってきた問題については、対応していくのが当然であろうと私は感じるわけです。余り動きがないことについては、現実にはそれが具体化されてこない。ただ名前だけで、具体化されてこないじゃないかと、僕自身は感じるわけであります。そういう問題が起こったときについては、早急な対応をお願いしたいと思っているわけです。
それから、もう1つの点としては、港だけの問題ではなくて、この清水港はアクセス関係が大変いい。新東名がある。それから、中部横断道が29年度にできる。清水港がある。この土地を利用して、この清水区、静岡市は用地確保をしながら物流基地などをつくるような動きをしてきたかどうか。工業団地もそうであります。立地条件としたら大変いいということが言われて、民間でもある一定の人が出てきているわけでありますけれども、行政としての対応が大変不十分であると私は感じております。
その1つが、土地開発公社の問題であろうと感じております。土地開発公社は、民間の用地関係の問題については、条例において開発できない形がとられているわけです。だから、合併後は、そういう問題は基本的に何もしてこない。旧清水市当時は、土地開発公社を利用したり、県との相談をもとに工業団地をつくったり、いろいろなことをしてきたわけです。それがいい悪いにかかわらず、ある一定の対応をしてきたのですけれども、静岡市という大きなまちとして合併した中においては、土地開発公社の活用が制約され、今言ったように、物流基地を設けたり、工業団地を設けようとし、そして、人口をふやそうとするような、工場がなかったら人口もふえないわけでありますけれども、そういう施策がなくなってきてしまっておるのではないのか。そういうことを感ずるわけです。
全体のことを考えた中では、土地問題、そして、新しい道路網ができてくる中では、その活用を他の都市に負けないように十分使っていくことが、私ども静岡市の責任であろうと感じておるわけです。
その辺を含めた形でこれからの検討をお願いして、私の質問を終わります。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
93 ◯副議長(中山道晴君) 次に、宮澤圭輔君。
宮澤圭輔君。
〔14番宮澤圭輔君登壇〕
94 ◯14番(宮澤圭輔君) では、通告に従いまして、質問させていただきたいと思います。
人口問題について、きょうも早川議員からもありました。なかなか答えの出にくい質問ですけれども、本市にとっては大切な問題として、少しばかりの持論と政策案と意見を含めて、質問を進めていきたいと思います。
お手元に資料がたくさんありますけれど、時間の関係で飛ばす場所もありますが、御了承いただきたいと思います。
それでは、全体の流れとして、1回目に現状やそれに伴う認識を伺い、2回目にその対策について伺っていきたいと思います。
1回目、まず、静岡市の人口問題の現状についてです。
資料の1ページ目をごらんください。人口問題のポイントとして、日本人口の過去のトレンドを見てみますと、明治維新から戦後にかけて、日本のGDPは世界第5位と、国策であった富国強兵策によって人口は随分増加してまいりました。そして、第2次大戦後も、先人たちの努力で、何もない焼け野原から、わずか19年でイギリスを抜いて世界第2位の経済大国へと成長し、日本の人口はさらに増加をしていきます。それから、1974年、世界的な人口爆発と73年のオイルショックにより、日本政府は人口政策の方針を転換したことがあります。はっきりと少子化を目指す政策を打ち出し、同年の開催の日本人口会議では、子供は2人までという趣旨の大会宣言を採択したこともございました。
それから40年、本年6月5日の人口動態調査の発表によれば、出生率が1.43に改善するも、子供の出生数が過去最少の102万人、人口自然減は23万人と、明らかに人口減少のレールを滑り出したところであります。
では、今後の限りなく現実的な将来として、資料の2をごらんください。これは、政府の財政諮問会議のもとで50年先を見据えた課題を話し合う専門調査会、「選択する未来」委員会での推計です。日本の総人口は2013年の1億2,730万人から、2048年には1億人を割り込み、60年には約3割減の8,674万人になっています。この中間報告では、社会経済の抜本改革をしなければ、国際的地位や国民生活の水準が低下し、社会保障給付が増加して財政破綻を招くと指摘がされました。
加えて、次のページですけれども、午前中の議論でも出ましたが、資料3によれば、地方消滅という未来が示されたところであります。元総務大臣の増田寛也東京大学客員教授が座長を務める
日本創成会議・人口減少問題検討分科会によれば、自治体の消滅危機は、出生率を2以上に上げたとしても回避ができないと。消滅する自治体が続出することを前提に、都市への集約化を実施するか、それとも、人口流出に本気で歯どめをかけるか、方針を決めなければならない段階に来ていると会見で述べております。
じゃあ、その地方都市である静岡市はどうかというところですが、次のページをごらんください。
皆さんのお手元にございます資料は、企画課がつくった静岡市の将来推計人口ですけれども、1990年に既にピークを迎えて、中位推計でも2040年には57万人。この中位推計では2050年には50万人を割り込むと考えられます。
そして、先ほどの国の中位推計をもとに静岡市の人口推計を考えると、2100年には、静岡市の人口はこのままいけば23万人程度になると予想されます。
これらの環境の変化を踏まえ、本市では、人口が減少することによる問題点をどのように考えているのか。1点目に、お伺いします。
次に、企画課が作成した説明資料6をごらんください。
これも午前中の質問でもありました若者の流出でございますけれども、その中で私が特に質問したいのが、人口減少に対して出生率が改善しても、子供を産む女性の数が少なければ減少の歯どめにはならないと。
このグラフの、静岡市と岡山市の男女別の転入出によれば、本市は、若い女性が市外に流出する数が岡山市に比べて非常に多い。結果、何が起きているかというと、単年度で出生率、人口規模も岡山市と同等でありながら、年間700名の子供の生まれる数が違うという現状が出ている。であれば、既にここで述べられているように、若い女性が流出する理由をどのように考えているのか、伺います。
次に、中項目2の超高齢社会の現状について伺います。
次のページの資料7もよくごらんいただいている資料だと思いますが、人口減とともに進む高齢化です。2013年の25.1%から、2060年には39.9%にまで拡大する。千葉大学法経学部の大石亜希子准教授によれば、2005年は、3人が1人の高齢者を支える時代であったのが、2030年には1.7人で1人、2050年、2055年には1.2人で1人の高齢者を支える社会になると。加えて、現在の若年層は、未来に増加する高齢者に加えて、ふえてくる子供についても生活を支えていかなければならず、彼らの社会的、経済的負担は非常に重くなると指摘をしているところであります。
では、その高齢化に伴う社会的、経済的な負担ですが、次の資料8「選択する未来像」をごらんください。
これは、非常に近い未来をあらわしている数字でありますけれども、2010年時点で、国の特会も含めた費用ですけれども、107.5兆円に対して、それが2025年には148.9兆円、わずか10年で1.5倍にまでふえると。これは皆さんも御存じの数字だと思いますが、本市においても、ここ5年で随分ふえてきました。今後の、国保、介護保険料、民生費の伸びは急激なものでありますけども、投資的経費を圧迫する理由とも聞いておりますが、これらの社会保障にかかわる経費がどのようなのか、まず伺って、1回目の質問を終わります。
95 ◯副市長(小長谷重之君) 人口減少の問題点と若い女性の流出要因に関する2点の御質問にお答えをいたします。
本市の人口は、1990年、平成2年ころをピークに、その後減少に転じ、平成25年3月に発表されました社会保障・
人口問題研究所の推計によりますと、2040年、平成52年には56万人を割り込むことが予想されております。
このことにより、労働力人口の減少や消費活動の低下による経済成長の停滞、社会保障制度や国、地方の財政の持続性の危機などの影響があるものと考えております。
次に、若い女性の流出の要因についてでありますが、本市の女性の社会動態は、ほぼ全世代において転出超過の傾向がございますが、特に20歳前後に転出超過が大きくなり、また、転出された方が本市に戻りにくい傾向が見られます。
こうした傾向の背景にはさまざまな要因が考えられ、今後、詳細な分析が必要でありますが、高校生の人数が1学年当たり約6,900人いるのに対し、大学、短大の在籍者数が1学年当たり約4,300人とギャップがあることから、大学、短大等のキャパシティーの少なさは要因の1つではないかと考えております。
また、ファッション、デザイン、メディアなど女性に人気のある職種における雇用や、女性が魅力的に感じる都市空間が、首都圏などの大都市と比べますと十分でないことなども要因ではないかと考えております。
96 ◯保健福祉局長(松本泰典君) 社会保障に係る経費としまして、介護保険、国民健康保険等の推移についてお答えします。
静岡市の高齢者人口は、平成20年度17万1,000人が24年度18万6,000人と、1万5,000人増加しております。
これに伴い、介護保険の給付費は、平成20年度380億円余であったものが、24年度は487億円余となっており、この4年間で約28%伸びております。
また、国民健康保険の給付費は、平成20年度448億円余であったものが、24年度は492億円余となっており、同じく4年間で約10%伸びております。
なお、平成24年度における高齢者1人当たりの国民健康保険等の給付費は、65歳から69歳が約27万3,000円、70歳から74歳が約41万3,000円、75歳以上の後期高齢者医療では約70万円となり、年齢が高いほど増加しております。
これらのことから、高齢化の進行が社会保障に係る経費に与える影響は大きいものと考えます。
〔14番宮澤圭輔君登壇〕
97 ◯14番(宮澤圭輔君) それでは、2回目の質問に移っていきたいと思います。
社会保障費の伸びは、国と地方を含めて非常に大きな伸びであり、今後さらに増加していくことが予想されますので、さまざまな対策をとっていかないといけないと。
その上で、2回目は、人口問題の対策について、幾つか質問をさせていただきたいと思います。
6月10日に、安倍首相が骨太方針の中で、50年後の人口を1億人に維持すると、政府発で人口目標が示されたところであります。
政府の経済財政諮問会議の下に設けられた「選択する未来」、これは、委員会の会長の三村明夫日本商工会議所会頭が記者会見の場で、1億人人口の維持の達成は非常に困難であるが、不可能ではないと。目標化には一定の異論もあったが、国の目標として定めることがみんなを動かすときに必要だと強調したことが、政府目標の強い後押しとなったと伺っております。
本市も、静岡市の職員の言葉をかりれば、人口減少化社会の先取りをしているといつも伺っておりますが、長期的に見れば、先ほど言ったように、消滅自治体に近い都市の一部に入りかねないという中で、市長にお伺いしたいのですけれども、市長、人口減少に対応していく上で、私は、人口目標数値を掲げるべきだと思いますが、どうか、対策を伺います。
次に、資料の9は飛ばしていただいて、資料の10をごらんください。
教育、子育てについて伺います。
午前中の話もありましたが、就職も進学もしない者について、グラフをつけさせていただきました。大学卒業後、一時的に就職した者と就職も進学もしない者、これは23歳から39歳までですけれど、ここ十数年で、1)、2)を足すと平均20%近くの方が就職も仕事もしていないという状況があると。
これは1つの問題なのですが、これは、教育と就業が分離されていることが、前回、教育についての質問でも述べましたけれども、何のために勉強するかが抜けているからこのような結果になるのだと私は考えています。
これは、日本の教育の構造的な問題であるのですが、世界的に見て、教育は文科省、就業は厚労省と省庁が分離されているのは、OECDの中でも韓国と日本だけと伺っております。
前回の質問でも述べましたが、教育改革で人は呼び込むことができるんじゃないかと。ちなみに、先ほどお話があった幼保一元化についても、そういった子供を取り巻く環境は、先駆的だからこそやるべきだと私は思っております。
そして、現に、来月1期生の会で佐賀県武雄市を視察に行くようですが、ここは、反転教育という新しい取り組みを実施しており、全国から視察者が絶えず、順番待ちになっていると伺っております。
そういう意味で、教育委員会に、本市として、子供を育てる若い家族にとって、教育環境は移住をふやす要素と考えるが、本市の魅力を発信する教育についてはどのようなものがあるか、伺います。
次に、静岡市の成長産業について伺います。
牧田議員からも以前示された政令市比較の現状を見ますと、いかに静岡市の産業、経済が危機的な状況にあるのかがよくわかりました。
今後の静岡市の産業はどこへ向かうのか。その意味で、立命館大学の鄭 小平教授による2003年の調査「市町村人口減少の現状、影響と対策」によれば、人口の社会減に関する各自治体の政策については、地域産業の活性化と就業機会の増加、2つ目に公共サービスの充実、3つ目に観光産業の振興と交流人口の増加に取り組むとしております。
はっきり言って、どこの自治体もみんな同じことを言っているのです。全国調査で見てもそうです。社会減に対応する対策は同じことを掲げており、そのような中で、一層の都市間競争が激化するものと考えられます。本市においても、さまざまな産業がありますが、3次総の中で、新しい産業や成長産業についての育成を市はどう考えているのか、伺います。
次に、資料の12に移って、人口減少下における労働力について伺います。
一般に、働く人、
生産年齢人口が確かに減少していくことがあります。その中で、政府は、高齢者と女性の労働力に期待しているようではあります。次のページの資料13、これも御存じのグラフであります。平均寿命が劇的な伸びを見せる高齢者の現状。労働経済専門家の慶応大学の今の塾長の清家 篤氏は、高齢者の定義を、人口に占める上部数%に定義を変えたらどうかと述べておりますが、確かに高齢者の定義が決まったのが、このグラフが上がっていく昭和30年の初期の段階なんです。そうすると、高齢者の定義が今の時代に合っていないということも1つ考えられるのではないかとも思っております。ちょっと資料順番が飛びますが、資料17を見てください。その高齢者の方々の働く意識について調査をした結果がございます。高齢者の就業理由・就業継続希望をごらんください。
全国的にも多くの高齢者が高齢まで働くことについて、男性では生活の糧と同等に、健康、生きがいとしております。女性では、生活の糧よりもむしろ生きがいや健康のために働きたいと、半数以上の女性がそのような答えを持っております。このように、働きたい女性が世界的にも、世界に類を見ない高齢者が働きたい数字ですけれども、それが日本の現状であります。
その高齢者や女性が働く環境について、私は従来から、現行の労働環境を変えるべきだと思っています。例えば、女性が、一度正社員の終身雇用、年功賃金のエスカレーターから育児や出産でリタイアしてしまうと、次に正社員として就職をすることはかなり困難な現状があります。雇用の研究では、そのリスクを生涯賃金で計算すると、女性が離職後にパート社員になった場合に、正社員で受け取るはずの生涯賃金に2億3,000万円もの差が出ると研究されております。生活するだけでお金がかかる時代において、一長一短はもちろんあります。しかし、終身雇用、年功賃金の雇用体系が女性や高齢者の雇用の場のハードルになっていると私は考えております。こういった現状の中で、難しい問題ですけれども、女性や高齢者が活躍できる環境を整える必要があると思いますが、市では、今までどのような取り組みを行っているのか、伺います。
次は、ちょっと戻って、資料の14ページをごらんください。
今度は、総花的な質問になって恐縮ですけれども、少子化についてです。
少子化については、全国各地でいろいろ問われているところでありますけども、3段目の主要国との国際比較ですけれど、3段目の婚外子の割合をごらんください。これ、日本の婚外子の割合が2.1%、フランスは半数以上が婚外子ですけれども、日本ではほぼ結婚と出産がリンクしている現状があります。
であれば、日本においては結婚政策は重要で、本市で行っているエンジェルプロジェクトも重要かと思いますが、次のページの独身にとどまる理由をごらんください。これは、男女ともにほぼ同数だったので、男性を記載しましたが、国が調査した結婚適齢期に結婚できない理由を、相手にめぐり会わない、資金が足りないとしていますが、私は本当にそうなのかと思っています。
実は、最も結婚相手が多くて、最も給料が高い東京都に比べて、出会いが最も少ないとされる離島のほうが結婚や出生率が高く、所得が少ないとされている。一般的にです。調査の中ではです。鳥取や島根のほうが結婚や出生率が高いのです。
そもそもこれは国の調査で、民間の調査ではまた違う結果も出ております。なので、結婚しない、できないの理由を詳細に調査をすべきだと。私は、結婚率の向上については調査が必要だと考えておりますが、いかがか、伺います。
ちなみに、ちょっと余談になりますけれども、今後の結婚過程の調査である、先ほどの千葉大学の大石教授の研究によれば、男性の生涯未婚率が、2005年時点で15.96%で、女性の2倍以上の水準にあるので、これが2030年には40%に達するだろうと言われております。さらに、40代後半に達した段階で出生児数がゼロの女性が、今、1人も子供産んでおられない女性が、2005年では15%、これが2030年では37%にまで行くとなると言われております。
つまり、支える側の世代も配偶者がいなかったり、子供がいないとか、高齢者と人口減少は、人々のライフスタイルやコミュニティのあり方を大きく変えていくことになります。そして、今は子供や孫に囲まれた皆さんはたくさんいらっしゃると思いますが、これからの私たちの世代は、子供や孫に囲まれた老後生活を送ることができるのはごく一部の人々に限られ、現在子育て中の30代、40代、私たちの世代ですが、4割近くは孫を持てない。孫が1人でもいれば幸運という状況になるだろうと研究者の間では指摘をされております。
ちょっと明るい話題にまた話を戻しますが、次は、中項目の2の超高齢社会の対策について伺います。
先日、市長の質問の答えにもあったピンピンコロリランキングです。資料の16をごらんください。
政令市静岡市はいつも比較の中で下位ですけど、このランキングを見ると、男女ともに2位と健闘しております。まさにピンピンコロリの自治体でございますけれども、このような自治体の中で、先ほどの高齢者が働きたいという現状を踏まえて、次の資料の18もごらんください。国でも、そういった地方に対する健康産業を支援していくと、6月10日の新聞に掲載をされております。
まさに、成長産業についても先ほど質問させていただきましたが、その地方というのは静岡市ではないかと私は考えています。静岡市も、健康産業や予防医学を進めるなど対策はいろいろあると思いますが、本市では、市民の健康増進のためにどのような取り組みを行っているのか、伺います。
最後の質問ですが、それとあわせて、健康でいることのインセンティブを持たせることができないかと常々考えておりました。
資料の最後の19をごらんください。静岡新聞の6月5日付「病気予防で保険料軽減」をごらんください。
病気になってしまった人や、障害を持った最も弱い人が安心して生きることができる社会にすることが最重要であるとはしながらも、健康維持に協力したら、スーパーのポイントサービスじゃありませんけども、少しだけお得になるような、最後まで楽しい人生が過ごせて、ちょっと幸せな気持ちになれるような制度がつくれないかと……
98 ◯議長(
石上顕太郎君) あと1分で終了してください。
99 ◯14番(宮澤圭輔君)(続) 思っております。
もちろん、国保料の減額について要望する方もございますけども、払えるときには、高額な医療保険を払ってでも健康でいてもらって、そして、本当に必要な方に使ってもらう。そのかわりに、健康でいたら御夫婦でのディナーに招待するとか、そんなちょっとした健康でいることで得になるような制度がつくれないかと考えております。全国的にも、今後、このような制度改正に向けて議論が始まると思っておりますが、本市ではどうか。病気予防に取り組んだ加入者に対する保険料の軽減措置についてどのように考えるのか、伺います。
時間もないので、3回目の意見・要望をつけ加えて言わせていただきますが、人口問題は長期的な問題です。これは政治の問題です。そして、政策は短期的な問題として取り組む課題であります。できたら、長期的な問題として捉えることも、短期的な政策とあわせて、市長も残り1年間の今期を、一生懸命頑張っていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
100 ◯企画局長(加藤正明君) まず、人口減少への対策と目標人口の設定についてお答えいたします。
人口減少は、本市が持続的に発展していく上で、避けては通れない重要な課題であると認識しております。
したがいまして、待機児童の解消策やエンジェルプロジェクトなど
合計特殊出生率の向上につながる施策や、企業誘致、成長産業の育成支援などによる雇用の創出、教育環境の充実を初めとする移住・定住の促進策など、流入人口の増加につながる施策を行い、人口減少の抑制に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
また、目標人口につきましては、国が掲げました2050年における人口1億人という目標に合わせ、国と同時期における本市の目標人口の設定について検討してまいりたいと考えております。
次に、本市独自で少子化問題の調査を実施すべきとの御質問でございますが、国の少子化危機突破タスクフォースからは、地域や人口規模によって少子化の状況は異なり、全国一律の施策と各自治体が地域特性に合わせて実施する施策の両者が必要であるとの報告がなされたところでございます。
また、平成24年度における東京都区部と各政令指定都市の
合計特殊出生率の状況を見てみますと、高い都市では、北九州市の1.53、熊本市の1.49、低い都市では、札幌市の1.11、東京都区部の1.12と、かなりのばらつきが見られます。
本市においては、
合計特殊出生率が1.35と全国平均の1.41を若干下回っており、今後、効果的な施策展開を図る上で、本市の少子化の特性を把握することも重要であることから、国や他都市の動向を注視しながら、本市独自の調査についても検討してまいりたいと考えております。
101 ◯教育次長(市川善隆君) 本市における魅力ある教育施策についてでございますが、さまざまな時代の変化に対応できる「たくましくそしてしなやかに生きていくことのできる子どもたち」を育てることを基本理念としております。
具体的には、地域ボランティアによる学校応援団推進事業や、市民として必要な道徳的資質の基盤を育てることを目的とした静岡版道徳教育、いじめや不登校対策としてこころの教育支援事業などがあり、本市においては、魅力ある教育施策を展開しているところでございます。
中でも、学校応援団推進事業においては、赤ペン先生等の学習支援や読み聞かせ、花壇等の環境整備、登下校時の見守りなど、多くの保護者や地域住民の方々に御参加いただき、各学校における教育環境の整備が進んでおります。
今後においても、本市における魅力ある教育施策を平成27年度からの次期教育振興基本計画に位置づけ、推進してまいりたいと考えております。
102 ◯経済局長(斎藤 誠君) 人口減少、流出への対策についての2点の御質問にお答えをいたします。
まず、3次総の中で新しい産業や成長産業をつくり出すべきであると考えるが、市ではどのように考えているかについてですが、本市の産業構造は多様な業種によりバランスよく構成をされ、特定の産業の好不況の影響を受けにくく、リスク分散の観点ではメリットがある状況にあります。
しかしながら、静岡市がさらなる経済成長を遂げるためには、市経済全体を力強く牽引する戦略産業の創出と振興に重点的に取り組んでいく必要があると考えます。
本市では、現在、第3次総合計画とともに、来年度からスタートする予定である仮称第2次産業振興プランの策定作業を進めています。
策定に当たりましては、健康・食品産業やエネルギー産業、ロジスティクス産業、都市型産業、観光・交流産業など、今後成長が見込まれる分野の企業を対象として、100社を目標にヒアリングを実施をいたします。
ヒアリングを通じて、市内企業が有する強みや技術、企業が求める支援のあり方などを把握し、戦略産業となり得る産業の重点的な育成支援策を計画に盛り込むことにより、戦略産業の創出に努めます。
加えて、有識者へのヒアリングを行うとともに、策定委員会を設置して経済界などの意見を伺うことにより、将来を見据えた、より実現性の高い計画をつくりたいと考えております。
次に、労働力確保のための、女性や高齢者が活躍できる環境整備に対する本市の取り組みについてです。
まず、女性については、従業員の働きやすい環境づくりを市内企業に広めるため、先進的な取り組みを行っている企業を表彰するワーク・ライフ・バランス推進事業所表彰を実施をしております。
本年度は、表彰対象をより明確にするため、女性の活躍応援事業所表彰と名称を改めて実施をし、他の企業への啓発を図ってまいります。
また、企業が自社の従業員の子供のために保育所を設置した際、その設置費用に対し助成を行う事業所内保育施設設置費助成制度を創設をいたしました。
さらに、結婚や出産により離職した女性の再就職を支援するため、
ハローワークとの連携による再就職準備セミナーを実施し、女性の活躍推進に取り組んでまいります。
次に、高齢者については、長年培った知識やノウハウを生かした取り組みとして、現場経験豊富なOBをアドバイザーとして企業に派遣をし、作業現場の効率化や技術力の向上を目的に、製造現場改善支援事業を静岡市清水産業・情報プラザにおいて実施をしています。
今後は、高齢者の直接的な雇用に結びつく取り組みを推進するため、国、県、他の地方公共団体の動向や先進的な事例の情報収集を行うとともに、企業の高齢者雇用に対するニーズの把握に努め、高齢者の活躍推進に向けた施策を検討してまいります。
103 ◯保健福祉局長(松本泰典君) 超高齢社会の対策に関する2点の質問にお答えします。
まず、健康増進の取り組みについてですが、本市は、市民の健康維持・増進を総合的に進めていくために、平成25年度から34年度までの10年間を計画期間とする静岡市健康爛漫計画(第2次)を平成25年3月に策定いたしました。
この計画に基づいて、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間である健康寿命を延ばしていくことを目指し、食生活や生活習慣病予防など8つの健康分野で、妊娠出産期から高齢期までの9つのライフステージに応じたさまざまな健康づくりの施策を実施しております。
例えば、生活習慣病予防のための特定健康診査や早期発見・早期治療を目的としたがん検診の受診勧奨、また、たばこに関する正しい知識の普及を目的とした小中学生向け喫煙防止教室の開催、それから、介護予防のためのS型デイサービスや「しぞ~かでん伝体操」の普及などに取り組み、市民の皆さんの健康増進に努めております。
次に、病気予防に取り組んだ被保険者に対するインセンティブについてでございますが、日ごろから健康管理に努め、健康を維持している被保険者をふやすことが、中長期的に国民健康保険の安定的な運営には必要であります。そのためには、被保険者の健康意識を高めることが重要であり、特定健康診査を無料にするなど、特定健康診査受診対象者に対し受診をしやすくする対策を行っています。
一方、現状では、長期間病院等にかかっていない方など、健康管理に努めている被保険者に対して保険料の軽減を行うなどのインセンティブの導入はしておりません。
しかしながら、政府は6月16日の産業競争力会議において、成長戦略の改訂に当たり、国民の健康寿命の延伸をテーマに、ヘルスケアポイントを活用し特典を与えるなど、病気予防あるいは健康管理が推進できる新たな仕組みづくりを始めるとの案を発表いたしました。
今後は、その動向を注視するとともに情報収集に努め、健康管理の推進について検討してまいりたいと考えております。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
104 ◯副議長(中山道晴君) 次に、山本明久君。
〔38番山本明久君登壇〕
105 ◯38番(山本明久君) 私は、2つのテーマについて質問をいたします。
第1は、議会に提案された3次総の骨子案についてです。
1点目は、基本構想案における目指す都市の将来像、世界に輝く「静岡」の実現についてです。
目指す都市像と言う以上、私は、静岡らしさや地域の特性を生かして、それをさらに発展させるイメージが湧く内容、そして、市民が違和感なくなじめる将来像が求められていると思いますけれど、なぜそういった内容にしないのかという点です。前市長の発想のまま、都市像のイメージがつかみにくく、市民にとって実感できにくいものだと私は感じますが、市長がなぜこれにこだわる必要があるのか。これがなぜ静岡の将来像にふさわしいのかを明らかにし、市長の考えを示してください。
2点目は、基本計画の骨子案についてです。
市政の11分野において、市民の暮らしの充実を図ることを土台にして都市の発展を進めるという構成のようです。この全体構成案の説明では、2次総の総括や本市の現状と課題については数点の指摘はありますけれど、この11分野において課題を明確にするためには、2次総の到達を各分野で全面的に総括を行って、本市の各分野における現状を調査、分析した上で、総括内容や調査資料とデータを市民と議会に示す必要があると私は考えます。3次総に向けて、なぜそれがなされないのか。どう考えているのか、明らかにしていただきたい。
第2は、浜岡原発の原子力災害についてです。
最近の注目すべき大きな動きは、5月に福井地裁で出された大飯原発再稼働の差しとめ判決でした。この中では、250キロ圏内の住民への人格権侵害の危険、想定を超える地震による事故の可能性、原発に内在する本質的な危険、運転停止によって被害拡大の要因の多くが除去される点などが、再稼働を認めない理由として指摘されました。3.11を経た判断としては当然のものだと思います。
ですから、50キロ圏内の本市として、これまで以上に高い危機管理意識を持つ必要があると私は思っています。
私はこれまでも、1990年代に、美浜や浜岡を初め、全国で繰り返されている原発での重大な事故をもとに、本市での放射能検知器の設置や、防災計画への位置づけなどを求めてきました。
3.11を経て、ようやく24年2月の修正版で、予想される災害の中のその他の1つとして原子力発電所の事故が、わずか3行だけですけれど、位置づけられて、25年度の防災計画では、これが1項目起こされて、原子力発電所の事故として5行にふえて、万が一過酷事故が発生し放射性物質が大量に放出された場合、市内にも影響を与えることが予想されると位置づけられました。昨年もさらなる対応を求めましたけれど、26年度に向けた修正版では、格上げして第24節として、複合災害及び連続災害対策を設けて、その中に原子力災害も位置づけて、発生可能性を認識し備えを充実するとの規定に発展させました。少しずつではあるけれど、前進してきており、これは大事なことだと思います。
今回は、さらなる前進を求めてお聞きするわけですが、こうした防災計画における浜岡原発による原子力災害の位置づけ、複合災害への対応についてどう考えているのか、丁寧にお答えいただきたいと思います。
以上、1回目です。
106 ◯市長(田辺信宏君) 私からは、大項目、3次総について、目指す将来像、世界に輝く「静岡」の実現についてにかかわるお尋ねにお答えをいたします。
静岡らしさや地域特性を生かして発展をさせる、市民が違和感がなくなじむ将来像になぜしないのかという問題提起だと承りました。
3年前、私が市長に就任したときの社会背景は、デフレ経済下のもとの3.11の直後ということでありましたので、私に与えられた2つの大事なミッションは、地域経済の活性化と暮らしの安心・安全の確保、この2つでありました。
その中で、ないものねだりではなくあるもの探しをしようよ。あるもの探しをしたら、それを磨いていこうよ。ぴかぴかにして輝かせようよと。そして、求心力を強めていこうよという呼びかけをしました。この3年間の取り組みの中で、都市の求心力を強めていくときに、そのことが方向性として間違っていないということを感じました。
例えば、富士山が世界文化遺産7年を迎えましたが、このごろ、またテレビニュースで、三保松原が注目をされておりますが、世界の三保松原というブランドを手にしたことによって、観光客が2.5倍にふえました。
あるいは、家康公四百年という地域資源を生かして、昨年の冬にイギリスのシティプロモーションに行って、手応えを感じました。
あるいは、御地で大変人気のキャラクターちびまる子ちゃんを連れて台湾にキャンペーンに行って、インバウンドとこちらの地場産品のPRをしてきました。
つまり、人口減少局面の中で、世界にマーケットを求めていかないと、世界の中の静岡という発想がなければ、静岡の都市経営はしていけないという認識があるからであります。だから、世界に輝く「静岡」の実現なのであります。
ただ、これは一つのスローガンであります。この世界に輝く「静岡」の実現には、2つの要素があります。
1つは、マクロな形での「求心力が強く、世界中から人が集まるまち」をつくろうという地域経済の活性化を考慮した部分。もう1つ大事なこと、より大事なことは、「災害に強く、安心・安全に人が暮らせるまち」をつくっていこうというものであり、それこそが世界に輝く大事な要素だということを議員にはぜひお伝えをして、理解をしていただきたいとお願いをいたします。
しかし、経営でありますので、この安心・安全の確保、それは防災を初めとして、午前中議論がありました保育も、子育ても、介護も、医療も、福祉も、公共サービスとしてかなりの費用がかかります。それらをきちっとバランスをとっていかなければいけない。やはり経済の振興と安心・安全の確保は車の両輪であります。
基本構想の考え方は、「創造する力による都市の発展」と「つながる力による暮らしの充実」の両輪で未来を切り開こうとするものであります。これは、就任後につくりました
まちみがき戦略推進プランの、先ほど申し上げました、鳥の眼で見る都市ビジョンである「求心力が強く、世界中から人が集まるまち」と、虫の眼で見る「災害に強く、安心・安全なまち」をつくるという都市ビジョンを発展的に3次総に位置づけたものであります。
とりわけ、「つながる力による暮らしの充実」は、これは先週も議論させていただきましたが、ここに住む住民が安心・安全に笑顔で、幾つになっても地域で健康に暮らせるような、健康寿命世界一のまちをつくっていこうという、地域包括ケアシステムの充実であるとか、そういう観点の生活環境を実現していこうという考え方であります。地域において、さまざまな価値観を持つ人々がともに生き、健康で長寿で、生きがいを持って暮らせるまちの実現をしていこうとするものであります。
そういう中からこのまちに暮らす誇りが市民の中で醸成をされると、私は信じております。ここに住む人が誇りを持つこと、これが第一であります。そして、ここに来る人がこのまちに憧れを持つという、この誇りと憧れを2つのキーワードにしていく。それが両立されたとき、初めて世界に輝く「静岡」の実現ということであります。
第2次総合計画では、議会の同意をいただいて、世界に輝く「静岡」の創造という小嶋前市長のスローガンができたと受けとっています。このいいものを継承することは、私にとっては自然な成り行きであり、これらが相まって、本市の目指す姿として参りたいと考えております。御理解のほど、よろしくお願いをいたします。
以下は局長に答弁させます。
107 ◯企画局長(加藤正明君) 3次総の基本計画における現状と課題についてでございますが、3次総を策定する上で、2次総を総括するとともに、本市の現状を把握、分析し、課題を導き出すことは大変重要であると認識しております。
そこで、2次総の総括につきましては、現在、各局において2次総における主要プロジェクトの達成状況の把握を行うとともに、外部評価を含めました施策評価を行っているところでございます。
また、各局においては、既に現状の把握と分析を行い、課題を解決するための施策を打ち出しておりますので、それを第3次総合計画の中間素案としてまとめ、近々公表する予定でございます。
108 ◯危機管理統括監(中野達也君) 原子力災害と他の災害との複合に関する御質問にお答えをいたします。
複合・連続災害につきましては、静岡市地域防災計画の中で、地震、津波、原子力災害、風水害、火山災害等が同時、または連続して2つ以上発生するものと整理をしております。
南海トラフ巨大地震など大規模地震の発生の際に、浜岡原子力発電所の事故が複合的に起こり得ることは想定しているところでございます。
〔38番山本明久君登壇〕
109 ◯38番(山本明久君) まず、3次総についてです。
市長から説明がありましたけれど、世界を見据えてという気持であることはわかりましたが、それがなぜ目指す都市像として規定される必要があるのか、ふさわしいのかという説得力がないのです。
ちなみに、他の地方の政令市の基本構想における目指す都市像を見てみますと、目指す「らしさ」が出てきているんです。
例えば、国際平和、人権、地球環境問題に関する取り組みなどを通して、創造的な都市活動と国際交流を活性化する「北の拠点都市」、これは札幌です。誰もが心豊かに暮らし続けることができる「ひとが輝く杜の都」、これは仙台。「多彩な都市活動が展開される東日本の交流拠点都市」「環境共生都市」「若い力の育つゆとりある生活文化都市」、これはさいたま市です。「人・自然、産業が共生する活力あるさがみはら」等々、その他もそういう感じです。何となく目指す「らしさ」、ああ、一丸となって目指しているんだなというのがイメージできるんです。もう1ついくと、「住みたい、行きたい、働きたい。アジアの交流拠点都市・福岡」ということです。
市長は、2回目の質問の内容に、もう少し答えたような感じもあるのですが、世界に輝く説明として、案では「住む人が誇りを持ち、来る人が憧れを抱く世界水準」というふうになっています。少し説明がありましたけれど、具体的にはそれがどのような内容のまちなのか。どのような水準になるのか。どのような水準を目指すのか。そして、現状はどうなっているのか。ここについてはわかりやすく説明しておいてください。
もう1件、全体構成案で強調されている暮らしの充実についてです。
充実するという以上、先ほど、各分野での調査、検討の結果が近々に示されるということがありましたが、市民の暮らしの現状をどう認識して、市民の暮らしの要求、ニーズをどう把握しているのか。充実の内容をどのように考えているのかについては説明しておいてください。
これは、議会でも議論していくのですが、そういうデータがないと検討しようがないというのがあります。
第2は、浜岡原発の原子力災害からの危機管理についてです。
もう少し危機意識を持った答弁を求めたわけですが、その意識としては非常に低いんじゃないかという受けとめです。
なぜそういうことを言うかというと、現に、福島の事故で、4号機は、使用済み燃料プールが危機になりました。2号機は、格納容器が爆発の危機にあったわけです。実際に、170キロ圏内の強制移住が、最悪のシナリオとして首相に報告されました。最近出た吉田調書は、あの福島事故で東日本壊滅という危機だったと当事者は受けとめているということだったわけです。民間事故調の委員長の話も読んでみましたけれど、この危機が幸運にも予期せずに起きずに済んだというほど、紙一重、危機一髪だったというわけです。
この間、原子力規制庁によるSPEEDIを使った放射線影響予測調査結果や、福島事故並みに浜岡原発事故が起きた場合の民間の環境総合研究所による放射能汚染調査試算などにおいて、現実的な静岡市への危険性が数字で示されてきています。
環境総合研究所の調査は、SPEEDIでは考慮されていない地形を3Dで読み込んで、現実的な試算がされているそうで、これは新聞報道でもありましたけれど、それによると、西南西の風で本市には毎時10マイクロシーベルト・パー・アワーの汚染だと。仮に、これを1日8時間外を歩いたとして計算すると、年間推定積算線量は29ミリシーベルトだと。福島の避難指示は20でしたから、上回るわけです。これが浜岡から秒速3メートルの風にプルームが乗れば、5時間で静岡市に到達すると。そういう危険性なんだと。
もし浜岡が稼働していれば、発電量は福島の数倍ありますから、もっと大きな汚染被害になることは目に見えているわけです。
静岡市民の命と都市の存立が脅かされる危険ですから、お聞きしておくことは、こうした調査結果、本市の被害予測についてどう受けとめているのかということと、防災計画資料編には、こうした資料をしっかり提供する必要があるんじゃないか、掲載する必要があるんじゃないか。
そして、現実的にもっと危機意識を高く持って、原子力災害を含む複合・連続災害を想定するなら、机上訓練、実動訓練をすべきだと思いますが、考えをお聞かせいただきたいと思います。
つまり、津波が来て、逃げたところへ放射能が襲ってきたらどうするんだと。これはしっかり検討しておく必要があると。お答えください。
以上、2回目です。
110 ◯企画局長(加藤正明君) 3次総における目指す将来像はどのようなまちなのか、また、暮らしの充実の内容などについて、あわせてお答えいたします。
3次総で目指していきます「世界水準のまち」とは、本市の歴史、文化、自然などのよさや強み、そして、そこに住んでいることに市民が誇りを持ち、ずっと住み続けたいと思えるまちであり、さらに、市民一人一人が静岡のよさや強みを国内外に情報発信することにより、世界中の人が憧れを持って、行ってみたいと思うまちのことでございます。
一方、「暮らしの充実」とは、住む人にとって、福祉が充実し、安心・安全で豊かな生活を送ることができるまちであり、すなわち、市民一人一人が枕を高くして寝ることのできる安心感を持てることだと考えております。
しかしながら、現状はまだその水準には達していないと思われますので、3次総の中で、その実現に向け取り組んでまいりたいと考えております。
111 ◯危機管理統括監(中野達也君) 原子力災害に関する2点の御質問にお答えをいたします。
まず、浜岡原発に係るSPEEDIによる拡散シミュレーション結果についてであります。
SPEEDIは、原子力発電所の災害発生時に、周辺環境における放射性物質の影響を、気象条件や地形データをもとに迅速に予測するものであります。
本年4月に公表されました浜岡原発に関する拡散シミュレーション結果は、平成23年の実際の気象データをもとに原子力規制庁が行ったものであります。
静岡県は、このシミュレーション結果を、避難ルート等を検討する際の参考とするとしております。
この結果は、原子力災害に関する情報の1つではありますが、本市は、現時点で、この結果に基づいた災害対策を地域防災計画に盛り込む予定はなく、資料編への掲載も予定しておりません。
次に、訓練についての御質問にお答えをいたします。
本市は、緊急時に避難等の防護措置の準備を行う区域、いわゆるUPZの圏外に位置しております。
このため、現在のところ、本市の地域防災計画におきましては、具体的な対策については触れておりません。
今後、原子力災害に関する国の指針や、それに基づく県の地域防災計画の中で本市が対象とされた場合は、訓練を含めて対策を検討していくことになると考えております。
〔38番山本明久君登壇〕
112 ◯38番(山本明久君) 3次総の骨子案ですけれど、日経グローカルとか東洋経済は民間調査をやっていて、住みやすい都市ベスト100などの調査をやっているわけですけど、他の政令市は全部入っていても、静岡市だけは入ってなかったりするわけです。
先ほど答弁にもありましたけれど、本市のレベルは平均以下ぐらいなのです。住みよさランキングの各指標にある災害対応力、安心度、快適度、扶養度、居住水準度、どれも本市はランキングされていなくて、非常に低いレベルだということで、誇りと憧れを持つという都市を目指すということ自体は否定はしませんけれど、しかし、足元の市民の暮らしの現状は厳しい中で、もっと後半に説明されたような中身で、目指す都市像を規定していくべきだと思うのです。
安心して住み続けられる福祉と防災のまちを目指すというほうが、静岡市にとってはわかりやすいんじゃないかという提案です。
暮らしの充実と言うなら、暮らしやすさや行政水準をトップレベルに引き上げるような目標と方針をしっかり示す必要があるんじゃないか。考えを聞かせていただきたい。
もう1つは、市民が共感できるような中身に練り上げていくために、作成過程において、市民参加を最大限進めて、意見を反映できるようにする取り組みを、どういうふうにしていくのかについて、お聞きしておきます。
浜岡原発の危険の問題です。
浜岡原発は、よく言われるように、直下に震源域があって、断層があって、世界一危険だと言われますから、幾ら高い防潮堤をつくっても、地盤から壊れて、沖合から引いている冷却水の取水排水施設が壊れれば、もうアウトなのです。
中電は、新基準で2,000ガルに対応できると言っていますけれど、しかし、福井地裁判決も認定したように、岩手・宮城内陸は4,022ガルも出ているのです。だから、想定以上の地震が起こり得るという対応がどうしても必要なのです。安全基準には全くないのです。
つまり、原子力災害からの最大の危機管理は、再稼働しないこと、廃炉にするしかないというのは、もう自明のことだと思うのです。
先ほど、UPZが出ましたけれど、浜岡原発のUPZで、90万人をどう非難させるかという、県がやる……
113 ◯議長(
石上顕太郎君) あと1分で終了してください。
114 ◯38番(山本明久君)(続) 避難計画は、実効あるものということはほぼ不可能でしょう。車のない人や、要援護者や、入院患者はどうするかというめどが全くないわけです。
もし、今、原子力規制委員会も40キロ、50キロ圏をUPZに入れると検討されていますから、そうなってくれば、200万単位で避難させるのはほとんど無理だということからして、仮に動かさなくても、先ほど言ったような使用済み燃料プールの危機があるわけですから、冷却水を供給できなければメルトダウンということになります。
こうした観点から、やっぱり福井地裁判決を市としても受けとめて、危機意識をしっかり持って、浜岡原発による原子力災害からの最大の危機管理は、再稼働しない、廃炉しかないということについて、どう考えるかお答えいただきたい。
以上です。
115 ◯企画局長(加藤正明君) 暮らしの充実における目標と、3次総の策定過程での市民参画について、あわせてお答えいたします。
市民の住みやすさを示す目標や指標につきましては、3次総における各分野の基本的な方向性においてそれぞれ掲げてまいります。特に、暮らしを充実させるための3つの分野、すなわち、健康・福祉、防災・消防、生活・環境におきましては、可能な限り市民にわかりやすい目標や指標を設定していく予定でございます。
また、3次総の策定過程での市民参画につきましては、これまでも、市民アンケートを初め、Voice ofしずおかや、まちみがきトークなどで市民の皆さんから御意見をいただき、中間素案に反映させてまいりました。
今後は、この中間素案を公表するとともに、さらに、パブリックコメントやシンポジウムなどを通じて、引き続き市民の皆さんの意見聴取に努め、オール静岡の計画となるようにしていきたいと考えております。
116 ◯危機管理統括監(中野達也君) 浜岡原発の再稼働につきましての御質問にお答えをいたします。
浜岡原発の再稼働につきましては、浜岡原発に安全措置が講じられた時点で、原子力発電を含むさまざまな発電手段の中で、安全性を初めとする総合的な検討と関係住民への十分な説明が必要であると考えております。
117 ◯副議長(中山道晴君) この際、暫時休憩いたします。
午後2時40分休憩
───────────────────
午後2時55分再開
118 ◯議長(
石上顕太郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
総括質問を続行いたします。
次に、山根田鶴子さん。
〔31番山根田鶴子君登壇〕
119 ◯31番(山根田鶴子君) 通告に従いまして、流れを変えて、静岡市に生まれ育ったことに誇りを持ち、総括質問をいたします。
初めに、大項目の教育行政について3点質問いたします。
まず、コミュニティ・スクール推進事業についてですが、平成16年に改正されました地方教育行政の組織及び運営に関する法律を踏まえ、コミュニティ・スクール、学校運営協議会が導入されています。
文部科学省によりますと、平成26年4月1日現在、コミュニティ・スクールの指定校は1,919校で、前年度の1,570校から349校増加しております。その内訳は、幼稚園94校、小学校1,240校、中学校565校、高等学校10校、特別支援学校10校でございます。指定校数では、京都市が206校、次いで、岡山市151校、横浜市109校、世田谷区93校の順になっています。同省は、平成25年の第2期教育振興計画において、全公立小中学校の1割、約3,000校に拡大の推進目標を挙げています。
昨年8月30日に、全国コミュニティ・スクール研究大会in京都へ参加されました教育委員の実施校の事例報告によりますと、地域への情報開示をすることによって、学校へのクレームや学校内の問題行動が減少した。また、秋田県由利本荘市では、ふるさと教育が地域に徹底していたのでコミュニティ・スクールは必要ないと考えていたが、学校統廃合を契機に、新たな学校づくりの必要からコミュニティ・スクールにつながった。さらに、発展型で、岡山市では、2つの学校の運営協議会を一本化した中学校区の連絡会の設置、京都市では、学区内の中学校、小学校2校、計3校を統括する体制など、一口にコミュニティ・スクールといっても、個々の学校で、また、地域の内容によって、小中学校の連携型もあることなど、各市では課題解決に向け取り組んできた成果を聞くことができましたが、今後、静岡市への導入においては課題もあることを指摘しております。
そこで、静岡市として、コミュニティ・スクールの導入に対して研究を始めておりますが、事業の概要説明と、コミュニティ・スクールが目指すものは静岡市としては何なのか、お伺いいたします。
また、平成25年度に、試行的に清水江尻小学校で行われましたコミュニティ・スクール事業の研究内容とその成果を教えてください。
今後、導入するとしたら、そのスケジュールについて、また、研究成果の普及をどう考えているのか、お伺いいたします。
次に、2点目といたしまして、学校体育器具・遊具の安全調査と改善策についてお伺いいたします。
毎年、学校体育器具・遊具の診断が行われておりますが、診断結果の実態とその対応はどのようになされていますか。
また、Aランク、危険と判断されたものについては、早急な対応が必要と考えますが、どのような改善を講じているのか、お伺いいたします。
3点目といたしまして、学力向上と補助教材の選定についてお伺いいたします。
昨年、全国学力・学習状況調査で、静岡県が、国語A、これは主に知識に関する問題ですが、平均正答率57.7%で全国最下位。静岡市は県を上回ってはおりますが、平成22年度以降、全国の平均点以下を推移しております。
昨年度、静岡市教育委員会は、学力向上へ向けて取り組み、また、各学校の課題もあることから、学校ごとも学力向上に取り組んできたと伺っております。その取り組みは今年度に生かされると思いますが、昨年度の取り組みはどうであったかをお伺いいたします。
次に、学校補助教材の選定ですが、全国学力・学習状況調査は、教科書に沿って問題が出題されております。教科書をしっかり学び、それに即した補助教材は学力向上の対策であり、その選定は非常に大切であります。
補助教材の選定に当たっては、新聞報道などから、静岡県は長期にわたり、全般的に1社のみの補助教材を使用しているという情報から、静岡市の補助教材の状況を調査したところ、小学校6年生の補助教材の算数と国語の単元テストの選定では、葵区、駿河区の小学校では9社以上から選定されておりました。しかし、清水区の小学校は、県と同様の1社のみを使用していました。
補助教材は、保護者の資金で購入していること、教科書に沿った補助教材の選定は学力向上の対策となることから、多くの補助教材の中から比較して、現場の教師がよりよい補助教材を選定して当然です。
今年度の区ごとの選定状況を伺います。
次に、大項目の2番目といたしまして、子ども・子育て支援新制度について、2点お伺いいたします。
この制度は、子供と子育てを取り巻く現状と課題を解決するために、質の高い幼児期の学校教育や保育の総合的な提供をすること、教育・保育の質的改善、量的拡大、待機児童の解消、そして、地域の子ども・子育て支援の充実を目指しております。
全国に先駆けまして静岡市が導入を決断したことは、私は、すばらしいことであり、当然ではなかろうかと思っております。どんどん進めていただきたいと思います。
静岡市は、平成27年度から、公立幼稚園、保育園を認定こども園に、山間地では小規模保育施設に移行することで、静岡市の子供たちに質の高い教育・保育の環境整備を進めています。
そこで、現在静岡市が進めている待機児童解消加速化計画の状況についてお伺いいたします。
静岡市の待機児童1,044名の解消につながる施設整備の計画ですが、平成25年度の公募による施設の整備状況と、平成26年度の募集計画はどのようになっているか、お伺いいたします。
施設整備による待機児童の解消とともに、この制度の目指す高い教育目標があります。
現場で勤務する職員の資格については、昨年の答弁で、5年間の特例があるとのことでしたが、市立幼稚園及び市立保育園に勤務する職員の幼稚園教諭免許、それから保育士資格の併有はどのような状況にありますか。
以上2点をお伺いいたします。
次に、放課後児童クラブについてですが、子ども・子育て支援新制度では、認定こども園の普及とともに地域における子育て支援を充実するとあります。その一環として、児童クラブに関する改善にも触れていることから、静岡市の放課後児童クラブについてお伺いいたします。
現在、放課後児童クラブは、共働きの家庭の増加に伴い需要が伸びております。昨年、全国の利用登録児童数は約88万9,200人、待機児童8,700人。
このため、受け入れ拡大は急務とされ、女性の活躍推進策も踏まえて、2015年度から5年間の登録者の増加目標を設け、その達成のための施設、指導員の確保、財政支援を進めるという方針が政府より打ち出されています。
また、小1の壁にも対応して、午後6時以降も運営している放課後児童クラブが約62%という現状に対しても、改善するとしています。
今までも、静岡市の放課後児童クラブへの要望は多々ありましたが、新制度に移行していく中で、静岡市放課後児童クラブについて、開設クラブ数、入会児童数、待機児童数はどうなっていますか。
また、ニーズ調査を行った結果と今後の対応についてのお考えをお伺いいたします。
以上、1回目の質問といたします。
120 ◯副市長(小長谷重之君) 最後に御質問いただいた、放課後児童クラブのニーズ調査結果と今後の対応についてどのように考えているかという御質問について、お答えさせていただきます。
子ども・子育て支援事業計画の策定に先立ち、平成25年度に実施したニーズ調査の結果では、計画の最終年度である31年度において、利用対象者を小学校6年生にまで拡大した場合の入会希望児童数は6,080人が見込まれております。
今後は、これを踏まえ、必要な確保方策を本市の子ども・子育て会議に図りながら、子ども・子育て支援事業計画において定めてまいります。
また、今後、国が策定することとしています放課後子ども総合プランにおいては、小学校の余裕教室の徹底活用や、教育委員会所管の放課後子ども教室との連携等が示される見込みでありますので、本市の事業計画の策定においては、その内容も踏まえながら検討してまいります。
新制度におきましては、認定こども園の推進とあわせて、放課後児童クラブをもう1つの大きな柱として位置づけ、小学校入学後のいわゆる小1の壁を打破するため、教育委員会と連携しながら、子供にとって安心・安全な居場所づくりを進めてまいります。
121 ◯教育長(高木雅宏君) 私からは、コミュニティ・スクールの事業の概要と、目指すものについての御質問にお答えをしたいと思っております。
この事業は、保護者や地域住民の方々が学校運営に参画することにより、そのニーズを迅速かつ的確に学校運営に反映させ、よりよい教育体制を構築することにあります。特に、学校運営について、保護者や地域の皆さんが直接意見を述べることが特徴でございます。
この研究の狙いは、1つ目として、本市の実情に応じたコミュニティ・スクールの実現の可能性について検討することであります。
2つ目としましては、学校と家庭、地域等の連携のあり方について、その実践方法と成果を全小中学校に発信することであります。
本市では、平成25年度より、清水江尻小学校を研究校とし、本年度は文部科学省の研究指定を受けまして、さらに研究を継続しているところでございます。
122 ◯教育次長(市川善隆君) 教育行政に関する6点の御質問にお答えいたします。
最初に、清水江尻小学校でのコミュニティ・スクールの研究内容とその効果についてですが、平成25年度に、連合自治会長やPTA会長等、保護者、地域住民の方々を委員とする学校運営協議準備会を設置いたしました。また、その下部組織として、活動、学習、環境安全の3つの支援部会を設置し、企画、運営及び実践を行ってまいりました。
その結果、25年度は、教科の学習等への学習支援ボランティアが大幅に増加するなど、地域の力を生かした学校教育活動が充実してきております。
今後も、さらに実践研究の効果が得られるよう、研究を進めてまいりたいと考えております。
次に、導入に向けてのスケジュールと研究成果の普及についてでございますが、平成26年度より2年間は、文部科学省補助事業として、清水江尻小学校において実践研究を行ってまいります。
来年1月には中間報告会を開催し、実践研究の成果を市内全小中学校に発信したいと考えております。
今後は、清水江尻小学校におけるコミュニティ・スクールの有効性や学校運営協議会委員の人材確保等、さまざまな課題について十分検証した上で、同校の28年度の本格導入を目指すとともに、コミュニティ・スクールの拡大に向けて準備を進めてまいります。
続きまして、学校体育器具・遊具の診断結果と対応についてですが、本市では、幼稚園、小学校、中学校の体育器具と遊具、対象件数約9,500台について、幼稚園、学校での年3回の自主点検とともに、専門業者による安全点検を年1回実施しております。
平成25年度の診断の結果は、良好なものとおおむね良好なものが約96%で約9,100台、軽微な修理を要するものが約2%で約200台、危険と判断され修理を要するものは約2%で約200台となっております。
このうち、軽微な修理を要するものは一時使用を中止し、順次修理をした後使用することとしています。
次に、危険と判断されたものについての対応ですが、対象の器具は、周囲をロープで囲み立入禁止表示を行うとともに、直ちに使用禁止としています。このうち可能なものは修理を行っておりますが、老朽化が著しく、安全確保が困難な遊具については、学校や地元関係者と協議し、原則撤去していきたいと考えております。
次に、学力向上の取り組みについてですが、本市では、教員の教える力の向上を目指し、大学教授による研修会や指導主事による指導助言により授業力の向上を図っております。
また、放課後学習支援を行う学力アップサポート事業は、その取り組みや成果を市内の小中学校に発信するとともに、平成26年度より、支援校及び放課後学習の回数を拡大して実施してまいります。
一方、学校においても、それぞれの課題を明確にし、さまざまな取り組みを実施しています。読み取る力・書く力に課題がある学校では、朝の15分学習の内容を見直し、ことばタイムと題して、文の組み立て方や初めて読む文章の読み取り方などを指導しています。また、基礎学力の定着に課題がある学校では、家庭学習の手引きを作成し、家庭との連携を強め、保護者の御協力も得て、基礎学力の定着を図っています。
このような学校独自の効果的な取り組みを積極的に情報発信することにより、市内の小中学校へ広めていきたいと考えております。
次に、本年度の小学校6年生の単元テストの区ごとの選定状況についてですが、自校で使用する補助教材は各学校が4月に選定しています。
その結果、清水区内で使用されている算数の単元テストの出版社は4社、国語の単元テストの出版社は8社です。同様に、葵区内は算数7社、国語9社、駿河区内では算数7社、国語7社の単元テストが使用されております。
123 ◯子ども未来局長(池谷眞樹君) 子ども・子育て新制度についての3点の御質問にお答えいたします。
待機児童解消加速化計画に基づく施設整備についてですが、平成25年9月に策定した待機児童解消加速化計画では、25、26年度の2年間で1,044人分の保育の受け入れ枠の整備を目標としており、一部公募等による整備を実施しております。
平成25年度は222人分の整備を行いましたが、そのうち公募によるものは、本年4月から事業を開始した小規模保育事業5カ所の90人分となっております。
平成26年度は、さらに822人分の整備を予定していますが、公募によるものは、私立園の認定こども園への移行、小規模保育事業、保育所の新設及び増設等で676人分となっております。
このうち、既に募集を終えているものもあるため、現在、募集を行っているのは、認定こども園への移行を目指す施設10カ所程度及び小規模保育事業の新設7カ所についてであり、これにより合計262人分の整備を見込んでいます。
これらにより、計画している整備目標量を達成できるよう、整備事業の着実な実施に引き続き努めてまいります。
次に、職員資格等の保有状況でございますが、本市が本年6月に行った調査では、市立幼稚園に勤務する職員では、小中学校籍の園長6人を除く幼稚園教諭、臨時講師、保育補助員、合計で84人中54人が幼稚園教諭免許と保育士資格の両方を保有しており、併有率は64.3%になっております。このうち、小中学校籍でない幼稚園園長8人中資格併有者は2人となっております。
市立保育園においては、正規保育士、非常勤保育士、臨時保育士、パート保育士、1,258人中863人が両方の資格等を保有しており、併有率は68.6%となっております。このうち、保育園園長46人中資格併有者は17人となっております。
最後に、放課後児童クラブの実施状況ですが、平成26年度は、葵区で31カ所、駿河区で21カ所、清水区で24カ所の計76カ所で開設しております。
また、入会児童数は、葵区1,233人、駿河区986人、清水区1,356人で、計3,575人です。
待機児童数は、葵区66人、駿河区29人、清水区42人で、計137人となっております。
〔31番山根田鶴子君登壇〕
124 ◯31番(山根田鶴子君) 2回目の質問をいたします。
答弁ありがとうございました。答弁のとおり、速やかに進められることを期待しております。
2回目は、地場産品の情報発信について、2点お伺いいたします。
まず、静岡市の地場産品とは、駿府楽市のホームページに書いてあるように、歴史市場のような、伝統工芸品を初め、缶詰、海産物、サンダルなどの産品を含んだ総称と位置づけて質問いたします。
現在、駿府匠宿、駿府楽市の2カ所が、静岡市の地場産品の情報発信の拠点であると把握しております。駿府匠宿は静岡市の西の玄関に位置しておりますが、駿府楽市は静岡駅アスティ内にあり、静岡市の地場産品の情報発信や販売促進としての立地条件は良く、駿河区、清水区にはこのような拠点はないことから、静岡市の地場産品の拠点として認識しております。
駿府楽市は、地場産品の販売等を目的に設置されました静岡市の第3セクターですが、その特徴が生かされていないので、もっと生かしていただきたいと思ってきました。静岡市の玄関口である静岡駅構内で、来静者の皆様に地場産品を宣伝、販売するには最適で、地元の商店が出店したくてもできない好条件の場所であります。
全国で、特別な産品を除いて、地場産品の販売低迷が懸念され、積極的に情報発信と販売促進を図る努力が求められます。
駿府匠宿、駿府楽市は、今後の地場産業にとって非常に重要な機能を有していることから、駿府匠宿の利用状況、駿府楽市の経営状況とその対策、改善策についてお伺いいたします。
2点目といたしまして、地場産品の情報発信の推進施策についてですが、駿府楽市における地場産品の販売促進については、確かな現状認識のもとでの対応策が重要と思います。換言すれば、地場産品の売れ行きを促進させる販路の開拓などに関して、特に情報の収集と発信は大切です。
昨年度の答弁では、ネット等を駆使した情報発信に取り組んでいくともお伺いしておりますが、駿府楽市における地場産品の情報発信について、現状と今後の推進施策をお伺いいたします。
125 ◯経済局長(斎藤 誠君) 駿府匠宿、駿府楽市についての2点の御質問にお答えをいたします。
まず、匠宿と楽市の状況と対応についてですが、駿府匠宿の来場者数は、ここ数年、全体としてはほぼ横ばいの状況にあります。しかし、そのうち有料展示施設の駿府工芸館については、利用者数が開館当時の10分の1にまで落ち込むなど、厳しい状況が続いております。
これは、平成11年の開館以来、映像ソフトが未更新であるほか、展示施設内での企画展の開催も少なく、工芸品展示施設としてもアミューズメント施設としても魅力が減少し、利用者への訴求力が欠如してきたことが主な原因だと考えられます。
このことから、伝統工芸品の価値の再認識を目指し、江戸時代から伝わる洗練された職人技術を伝えるとともに、工芸品を取り入れたライフスタイルの提案ができるような施設をめざし、現在、検討を進めております。
また、株式会社駿府楽市は、地域の伝統工芸品や食品などを販売するアンテナショップとして設立をされ、本市の地場産業界の振興に貢献をしてきました。
しかし、他店との競合が激しくなる中で、顧客ニーズの把握、購買層の分析不足などから売り上げが減少し、経営状況が悪化をしております。
そこで、平成26年度は、流通の専門家による顧客ニーズの分析や他店舗との差別化についてアドバイスを受けながら、経営の改善化に努めてまいります。
次に、駿府楽市の情報発信についてですが、株式会社駿府楽市は、これまで、1つ目として、店舗内の展示場での企画の展示、2つ目として、新宿駅西口での地場産品のPR、3つ目として、自社ホームページの運用などにより、情報発信に取り組んでまいりました。
しかしながら、アスティ静岡の奥まったところに位置するという立地的なハンディを打ち消すようなPRができず、また、ここでしか買えないような静岡オンリーワン地場産品の魅力を十分に発信することができなかったのが現状です。
今後は、これらの課題を解決するため、静岡駅観光案内所やしずチカ情報ポケットを利用し、駅コンコースや駅地下から店舗までの誘導対策に取り組むとともに、市ホームページ、市フェイスブックを利用した催事情報の発信に努めてまいります。
あわせて、魅力ある店舗づくりを行っていくため、静岡デザイン専門学校との連携により、商品ディスプレイの見直しなどを図ってまいります。
〔31番山根田鶴子君登壇〕
126 ◯31番(山根田鶴子君) 3回目は意見と要望でございます。
コミュニティ・スクールの導入は、学校が置かれている地域性が非常に大きいと思います。影響が大きいと思いますので、研究成果をもとに、地域との連携をしながら、ともに活性化し、学校と地域の活性化を期待してやみません。全校へ普及するということでございますので、検討しながら進めていただきたいと思います。
それから、学校体育器具・遊具の危険なところが200、そして、それに準ずるのが200。教育現場で危険と示された箇所の撤去作業を速やかに進めていただきたいと思っております。もう8年ほどもほっておかれている部分もあると聞いておりますので、お願いしたいと思います。
そして、学校の補助教材選定に当たりましては、1社から4から8社へとの選定枠が広がったということは、大きく前進したと捉えています。新聞報道の影響もありましたけれども、教育委員会、学校教育課の取り組みの結果と判断しております。
今後とも、多くの補助教材を比較検討して、現場において4月に選定していただくよう要望いたします。
平成27年度に向けて、認定こども園における施設整備が計画的に進められております。教育、保育の質を高める目標に向かい、研修の充実や教育委員会との連携など、対策が掲げられていますが、資格取得も来年度から計画的に進めていただきたいと思います。
特に、認定こども園の運営に責任を持たれている園長資格の併用が、現在、3割弱にとどまっているということでございますので、大変かと思いますが、この件を重要視していただきたいと思います。
最後に、静岡市の地場産品の情報発信について、工芸品を取り入れたライフスタイルの提案ができる施設という新たな取り組みに期待しております。今年度、さまざまな分野での市場調査を行い、施策に生かすとのことですが、静岡市の玄関に位置する駿府楽市で、「地場産品はここにあります」などの宣伝を初め、ディスプレイ、接客態度の改善など、また、ネット販売の品数の拡充などに取り組んでいただきまして、経営の健全化に努め、地場産品の情報発信の基地として整備されることを期待して、意見・要望とさせていただきます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
127 ◯議長(
石上顕太郎君) 次に、畑田 響君。
〔8番畑田 響君登壇〕
128 ◯8番(畑田 響君) 自民党市議団の畑田です。
まずもって、今月、ユネスコエコパークに登録されました南アルプスですが、静岡市にとりましてとても喜ばしいことであり、井川地域を初め、これまで南アルプスの自然環境の保全に御尽力されてこられた皆様に、改めて敬意を表します。
今月、6月は、まちづくり月間でもありますが、環境月間でもあります。昭和47年にストックホルムで開催されました国連人間環境会議を記念して定められたものです。国連では、日本の提案を受けまして、6月5日を世界環境デーと定めております。
また、昨年、世界文化遺産の構成資産として三保松原が登録されたのも6月22日であり、このたび、ユネスコエコパークに南アルプスが登録されましたのも6月12日、さらに、南アルプスが国立公園に指定されましたのも50年前の6月1日です。三保松原、そして南アルプスの2枚看板を後世に残すべき静岡市としましても、この6月は環境を見つめ直す、とても大切な月になっていると考えます。
そこで、私は今回環境をテーマに、大項目、動物愛護について、太陽光発電等自然エネルギーの推進の2つのテーマについて、質問をいたします。前向きで積極的な答弁をお願いいたします。
まずは、動物愛護についてであります。
動物は私たち人間に対して癒やしを与えたり、病院や介護施設などで、動物との触れ合いを通じて、子供からお年寄りまで精神的な健康をもたらす効果として、アニマルセラピーが話題になっています。
そのような中、ペットとして飼われている犬や猫の殺処分が全国で約16万頭もいるとされており、人間のエゴではなく、いかに殺処分を減らすかが、日本全体、また地域でも課題とされております。
動物愛護管理法を所管する環境省では、このたび、牧原政務官をリーダーとして、人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクトを立ち上げ、女優の浅田美代子さんたちとともに、殺処分をなくすためのアクションプランをまとめました。
それがこちらであります。
アクションプランの中では、対策としまして、1つ目に飼い主・国民の意識の向上、2つ目に引き取り数の削減、3つ目に飼い主への返還と適正譲渡の推進を挙げています。
プロジェクトでは、人と動物が幸せに暮らす社会の実現モデル都市事業を行うこととしておりまして、例として、所有者不明の猫対策、広域的な譲渡の推進、教育活動の推進などが挙げられています。
先日、静岡新聞で特集記事になっておりましたが、動物愛護に関して参考になるのはドイツであります。
動物保護団体が運営をするある施設では、犬や猫を初め、小鳥や家畜など1,200匹を保護しておりましたが、治る見込みがない病気を除いて、殺処分はしておりません。ドイツでは、犬や猫を飼いたい場合には、ペットショップではなく、こういう保護施設で探してから有料で譲り受けるのが一般的とのことです。その際にも面談などを行い、安易に飼えない仕組みになっています。
これに対しまして、我が国では、ホームセンターなどでペットを気軽に購入し、例えば、外来生物の亀などを飼うことを途中でやめてしまい、池に放流することで繁殖してしまい、それまでの日本の在来の生物まで脅かすことが問題になっております。
そこで、3点質問いたします。
まず、静岡市におきまして、犬や猫の殺処分の現状と、それを減らすための取り組みの状況についてお尋ねいたします。
また、
東日本大震災の際にも、避難所でのペットの持ち込みについて大きな問題になりました。ペットを同行して避難した人は、ほかの避難者への遠慮や後ろめたさから、余儀なく車の中で飼っていた人もいて、避難所でのペットの同行避難の数は把握し切れない状況だったそうです。
そこで、本市におけます震災におけるペットの受け入れ状態を整えるべきと考えますが、そのお考えをお聞きいたします。
3つ目に、先ほど述べました人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクトと連携しまして、本市でも、市民や獣医師さん、ペットショップ、ボランティアなどとスクラムを組んでペットの終生飼育、飼い主は責任と愛情を持って最後まで犬や猫を飼うという意識を養うとともに、どうしたら殺処分しなくなるのか、具体的な方策、それから、具体的な目標を検討すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
次に、大項目、太陽光発電等自然エネルギーの推進についてお尋ねいたします。
今月、環境省は、環境月間に合わせて環境白書を国会に提出しました。
この環境白書では、環境負荷を低減させるとともに、環境産業の振興にもつながる環境技術の開発、そして普及がグリーン経済の実現に不可欠と、新たなメッセージを発信しています。
また、太陽光発電など再生可能エネルギーをミックスし、電力の自立と分散を地域内で実現すべきだとの考えで、その観点から質問をいたします。
我が会派における政策グループ、環境に優しい再生エネルギーでは昨年度、同僚議員とともに、太陽光発電の市民共同発電を実施している滋賀県東近江市と、小水力発電を行っている岐阜県の山間地、福井県との県境に位置する郡上市に視察に行ってまいりました。
静岡市の市民共同発電と違うのは、出資してくれた方には、その地域にある商店で使えるという三方よし商品券で利益を還元し、市内での経済と環境の好循環を具体化しています。近江商人の経営理念を生かし、自分よし、相手よし、社会よしの三方よしを地域力で図っています。
また、同じく我が会派の政策グループでは、先月、清水区の物流会社である鈴与株式会社の本社に伺い、本社社屋の屋上で行っている太陽光発電を視察させていただくとともに、倉庫等の屋根に積極的に太陽光発電を行っている現状を伺いました。
先日も、ソフトバンクが、葵区中ノ郷にメガソーラー1.9メガワットを完成させ、また、清水区三保地区で中部電力が市と共同で8メガワット、約2,300世帯分の電力となるメガソーラーを整備していますが、そこで質問いたします。
本市におけます太陽光発電の導入実績と目標について、どのようになっておりますか、お聞きいたします。
また、環境教育にもつながりますので、市立の小中学校でさらに積極的に太陽光発電を行えるように、公共施設の屋根貸しを積極的に推進すべきと考えますが、いかがでしょうか。
さらに、先ほど述べました中部電力や、そのほか、JFEエンジニアリングが整備をしています10メガワットのメガソーラーや、鈴与株式会社が積極的に進める倉庫などのソーラー施設が完成いたしますと、この清水区は、港湾地域として全国的にも珍しい、いわばソーラーハーバーが実現することになります。この利点を観光に、また、環境教育に生かさない手はありません。環境局を中心に、経済局、また清水区役所で議論をしていただき、三保松原を訪れる観光客を初め、清水港を観光や仕事で訪れる人にこのメガソーラーを積極的にPRすべきと考えますが、いかがでしょうか。
そのことを質問いたしまして、1回目の質問といたします。
129 ◯副市長(山本克也君) 私からは、太陽光発電についての御質問のうち、導入目標と実績及び公共施設の屋根貸しに関してお答えをいたします。
まず、太陽光発電システムの導入目標につきましては、平成23年3月に策定した静岡市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)において、27年度末で約11万9,000キロワットとしております。
導入実績でございますが、中部電力の太陽光発電買取契約数によりますと、平成25年度末現在、約6万1,000キロワットとなっております。
現在の見込みでは、民間事業者のメガソーラーの設置予定や、過去の個別住宅等の契約実績から見て、平成27年度末には約11万7,000キロワットとなるものと見込んでおります。
目標の達成に向けまして、平成26年度は、新築住宅に比べて設置の進んでいない既築住宅をターゲットとして太陽光発電システムの助成を行い、設備導入を促進してまいります。
次に、公共施設の屋根貸しにつきましては、使用料収入などの財政的なメリットが考えられる一方、施設の構造や改修計画の有無など、施設ごとに事情が異なるため、導入に当たりましては個別の検討が必要となるものでございます。
現在、本市におきましては、環境省の二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金、いわゆるグリーンニューディール基金を活用して、地域の防災拠点となる公共施設や民間の福祉施設に自然エネルギーを積極的に導入するよう、手続を進めているところでございます。
この事業により、太陽光発電設備に蓄電池を加えた、創エネ、省エネ、蓄エネの要素を備えたエネルギーシステムを導入し、「安心・安全・快適に暮らせる自然豊かなまち」を実現するための取り組みを官民一体となって推進してまいります。
このようなエネルギーシステムの構築は、緊急時のエネルギー確保、平常時の省エネルギー推進が図られるとともに、市民の皆さんがエネルギー問題をみずからのこととして捉える機会となることも期待しているものでございます。
130 ◯保健福祉局長(松本泰典君) 動物愛護についての3点の質問にお答えします。
まず、犬猫の殺処分の現状と減らすための取り組みについてでございますが、無責任な飼い主による飼育放棄、迷子、飼い主がいないなどの理由で動物指導センターに引き取られた犬猫は、平成21年度、犬224頭、猫1,825頭に対し、25年度は、犬126頭、猫1,076頭となっております。このうち、飼い主が見つからずやむを得ず殺処分となった犬猫は、平成21年度、犬64頭、猫1,766頭に対し、25年度は、犬26頭、猫995頭で、いずれも減少しております。
次に、殺処分の減少に向けた取り組みですが、犬については主に4点ございます。1つ目、未登録犬の飼い主への登録指導、2つ目、迷い犬のホームページへの掲載、3つ目、希望者への譲渡、4つ目、正しい飼い方の啓発指導でございます。
一方、猫についても主に4点ございます。1つ目、人と猫が穏やかに暮らすためのガイドラインによる適正飼育の普及啓発、2つ目、地域猫活動モデル事業準備事業補助制度の実施、3つ目、野良猫の不妊手術費用の助成、4つ目、動物愛護館を通じた子猫の譲渡活動の推進です。
以上、このように、殺処分の減少に向け取り組んでおります。
次に、避難所へのペットの受け入れ態勢を整えるべきと考えるがどうかということですが、大規模災害発生時におけるペットを連れての避難については、泣き声、ふん尿などに対する多くの方々の理解や対策など、さまざまな課題があると認識しております。
本市では、静岡市獣医師会、静岡県動物保護協会静岡支部、日本愛玩動物協会との間で締結した災害時の動物救護活動に関する協定に基づき、それぞれの役割、協力体制を定めた被災動物救護計画を策定いたしました。
この計画では、同行避難に必要なしつけや、餌及び水の備蓄確保などを平常時から飼い主に意識啓発するほか、発災時には、市は獣医師会と連携して動物救護センターを設置し、明らかに救護を必要としている動物を一定期間保管し、収容動物の治療や同行避難者への支援などを実施することとなっています。
また、避難所におけるさまざまな課題を検証するため、平成25年度には、有度地区で、ペットを連れて避難する地域自主防災避難訓練を実施し、26年度も2カ所での避難訓練を予定しております。
今後も、災害時に備えて、地域の皆さんや関係団体と連携し、動物救護意識の普及啓発に努め、受け入れ態勢を整えていきたいと考えております。
最後に、殺処分を減らすための具体的方策、具体的目標の検討についてお答えします。
本市では、動物の愛護及び管理に関する法律に基づき静岡県が策定した静岡県動物愛護管理推進計画に沿って、10年後の平成35年度には殺処分を半減させることを目標としております。
この目標を実現するには、市民の皆さんや獣医師、事業者等と一体となって、動物愛護の意識向上、引き取り数の大幅な削減、引き取った犬猫の返還・譲渡等の推進に取り組んでいくことが必要と考えております。
現在、関係団体と連携して、動物愛護館における猫の譲渡会、家庭犬のしつけ方教室、動物愛護館まつりなどを実施しております。
また、先ほど申し上げました人と猫が穏やかに暮らすためのガイドラインも、静岡市地域猫運動連絡会、静岡市獣医師会の協力を得て策定されたものでございます。
議員御指摘のとおり、殺処分をできる限り減らし、最終的にはこれをなくすことが望ましいと考えます。そのため、まずは現行の目標達成に向けて、さらに、市獣医師会やボランティア団体等と連携を図りながら、殺処分の減少に取り組んでまいります。
なお、殺処分のほとんどが飼い主のいない子猫であることから、不妊手術費用の助成制度の充実について検討してまいりたいと考えております。
131 ◯環境局長(小林正和君) 清水区に設置されるメガソーラーについての御質問にお答えいたします。
現在、清水区の三保地域におきまして中部電力が整備しているメガソーラーしみずの建設に伴いまして、環境教育に活用することを目的に、隣接地の広場整備に着手しております。
特に、三保地区周辺には、このメガソーラーしみずを初め、議員御指摘のとおり、事業者が設置するソーラー設備がふえてきております。そのほかにも、本市には、再生可能エネルギー施設を整備している日本平動物園や、ごみ焼却熱を活用したバイオマス発電、近隣施設へ熱供給を行っている清掃工場など、再生可能エネルギーを導入した施設がございます。
今後は、環境教育を進める中で、これらの施設と他の観光資源との連携を図り、活用を進めてまいります。
〔8番畑田 響君登壇〕
132 ◯8番(畑田 響君) 2回目の質問をさせていただきます。
太陽光発電を初め、小水力発電、そしてバイオマス発電、地熱発電など、さまざまな自然エネルギーの可能性を秘めております。
農山漁村再生可能エネルギー法が5月に施行され、その中で、再生可能エネルギーの発電を農山漁村の基幹産業である農林漁業の発展に結びつけることは、地域の活力や持続可能性を高めるものであり、重要であるとして、平成30年度に全国100カ所の地区で取り組みを行うことを目標にしております。
そのような国の方向性の中で、農地の上に太陽光発電パネルを設置し、農業を続けながら売電による副収入が得られるソーラーシェアリングが注目をされております。
県内では、藤枝市で先月、水田でのソーラーシェアリングが市の農業委員会から初めて認可をされました。5月13日付の産経新聞記事によりますと、広さ1,300平方メートルの水田に太陽光発電を取りつけ、総発電量49.5キロワットの売電によりまして年間200万円ほどの年収が期待でき、約10年で設置費用の元が取れる計算になるとありました。昨年3月に農林水産省が、営農を継続することを前提に農地での一時転用を認め、既に、本年4月時点でも、県内で茶畑など17件で進んでおると記事にはあります。
本市でも積極的に農地での太陽光発電の設置に向けて推進すべきだと考えております。
また、蓄電池つきの太陽光パネルを積極的に小中学校に導入すべきだと考えております。
本市が、平成25年度内、昨年度中に小中学校に導入した実績はゼロ、残念ながら0校だったのに対しまして、浜松市では、蓄電池をつけた状態の太陽光パネルを19校で5億7,000万円を投じております。防災時に活用できるための蓄電池が不可欠でございます。
さらに申し上げますと、お題目を唱えるだけでは進みません。行政が下支えをしようとするのであれば、太陽光発電を設置しようとする企業や市民がいたら、優遇策、つまりインセンティブを講じなければなりません。
地熱発電につきましても、報道によりますと、経済産業省が説明会を行っており、本市も出席したとありますが、ぜひ地熱発電の可能性についても挑戦していただきたいと思っております。
そこで、質問をいたします。
太陽光発電などの自然エネルギーを活用しながら、機を捉えて、エネルギーの地産地消を目指していくべきだと考えますが、今後、どのように導入目標を設定していくのかをお尋ねし、2回目の質問を終わります。
133 ◯環境局長(小林正和君) 太陽光発電など自然エネルギーの導入目標は今後どのように設定していくのかとの御質問にお答えいたします。
本市は、南アルプスから駿河湾までの広大な市域がもたらす多様で豊かな自然と資源を有する中で、太陽光、風力、水力などさまざまな自然エネルギーの導入の可能性があります。
特に、太陽光は、全国的にもトップクラスの日照時間からポテンシャルが高いエネルギーと考え、重点的な取り組みを進めてまいりました。
今後は、固定価格買取制度や電力システム改革、技術革新などの動向を踏まえ、これまでの取り組みを検証するとともに、水素などの新たな2次エネルギーの導入に向けた研究を進めていく必要があります。
第3次総合計画や環境基本計画におきまして、本市の地域特性を生かした自然エネルギーの導入目標を定め、安心・安全の確保や低炭素社会の構築を目指し、さらには、エネルギー関連産業によります地域振興に向けて、市有地の有効活用やスマート街区の整備促進などの施策を官民が連携して進めてまいります。
以上でございます。
〔8番畑田 響君登壇〕
134 ◯8番(畑田 響君) 3回目は意見・要望を申し上げます。
ペットにつきましては、人間にとりまして、冒頭でも言いましたように、癒やしなどのいい効果をもたらす一方で、人によりましては嫌いな方もいます。人と動物が幸せに暮らす社会の実現のためには、ペットが好きな人も嫌いな人も尊重し合い、その上でペットの命を大切にしていくこと、ペットを飼う人が住みやすいまちづくりが、今求められていると考えます。
その意味で、公園では、遊んでいる子供たちの安心・安全を第一としつつも、例えば、広範囲な公園の一部を活用してドッグランなど導入してはいかがでしょうか、提案いたします。
動物指導センターで迷子などで引き取った犬や猫は、このセンターが行う成犬譲渡や返還、また、動物愛護館によるポッチとニャンチの愛の伝言板を利用した譲渡、それに、ボランティア団体による譲渡など、関係者の御努力によって減少しているのは事実であります。
先ほどお話ししました環境省でのプロジェクトでモデル都市事業を今後行っていくようですが、自治体が音頭をとって、獣医や飼い主、ボランティアやペットショップなど、関係者と連携をします協議会を設置し、静岡らしいモデル事業を確立していただけますよう要望いたします。
次に、環境にいいことをしている企業などを金融面で優遇する環境金融も推進すべきだと考えております。市内の金融機関でも、太陽光発電導入に向けた融資を行っています。それを本市でも後押しするような施策をぜひ検討していただけますようお願いいたします。
市有施設での蓄電池つきの太陽光発電の積極的導入も、ここで要望いたします。
市の施設は、被災時にも避難地や拠点として設定をされております。その意味で、上下水道施設などへの積極的な太陽光発電の導入をすべきだと考えております。当局での御研究をお願いいたします。
本市は、18の政令指定都市とともに、指定都市自然エネルギー協議会に参加をしており、協議会では「都市部における太陽光発電及びバイオマス発電の更なる普及に向けて」などを、本年2月に国に提言をしております。
隗より始めよでございます。静岡市から発信しようではありませんか。
いろいろ述べてまいりましたが、安倍総理が掲げる経済の好循環を、そして、田辺市長のメッセージでもある、市民の懐が暖かくなるためにも、環境と経済の好循環に向けて今こそ一歩踏み出し、将来を見据えた環境政策について、環境局を先頭に、積極的かつ果敢に挑戦していただくことを心よりお願いいたします。
今回の質問で取り上げました太陽光発電だけではなく、新エネルギーや環境技術の開発、環境配慮製品は、ものづくりの現場でも進んできております。そのことに手をこまねいて見ているだけではなく、環境局、経済局が現場の声を吸い上げて、環境省などの国の予算を獲得し、環境産業の振興、自立したエネルギーの推進につなげていくといった本市の攻めの環境政策を進めていかなければなりません。
そのために、私も、微力ではありますが、一議員として環境局をしっかりと応援してまいることを決意申し上げ、質問を終わらせていただきます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
135 ◯議長(
石上顕太郎君) 次に、福地 健君。
〔9番福地 健君登壇〕
136 ◯9番(福地 健君) 皆さん、こんにちは。
自由民主党の福地です。本日最後の質問者となりますが、元気いっぱいやらせていただきます。最後までよろしくお願いいたします。
さて、就任から3年、田辺市長は、一貫して人口減少問題を静岡市政の最大の課題として捉え、さまざまな施策を打ち出してこられました。
まず、今いる子供たち、親たちを応援するため、
子ども医療費に対する助成を拡充し、中学生までワンコインで医療サービスが受けられる仕組みに改める一方、保育園や待機児童園の総合的な整備にも取り組まれ、また、今年度からは、これから子供を産み育てたいと願う御夫婦のため、不妊治療の助成費拡充を実施、さらに、この6月からは、より直接的な施策として、市民の結婚支援事業を開始されました。
政令指定都市20市中人口が最も少なくなってしまった我が市にあって、活気ある市民の生活を守り続けるためならば、ありとあらゆることに挑戦をしていくという、行政の長としての強いメッセージが伝わってくるようであります。
そこで、今回は、初めに、市長が先月の記者会見で、ソフト経営事業の目玉とおっしゃったしずおかエンジェルプロジェクトについて、質問をさせていただきます。
今回のプロジェクトですが、市内に在住または通勤、通学されている20歳以上40歳未満の男女を対象とし、申し込みのあった100名を2つのグループに分け、博物館や美術館、動物園など公共施設を出会いの場として提供することで、非日常的な特別な空間を演出、カップル成立までを応援していくという内容でありました。
やはり、まず気になるのは、参加希望者が本当に集まるのかという点であります。そこで、今月末に申し込みの締め切りを迎える、しずおかエンジェルプロジェクトの申し込み状況が現在どのようになっているのか、お聞きしたいと思います。
次に、今回のプロジェクトは、中小企業の福利厚生事業を扱うジョイブ静岡や株式会社日本旅行静岡支店の協力のもとに行われるということで、民間との連携も見てとれますが、それぞれの役割がどのようなものであるのか、教えていただきたいと思います。
あわせて、これをただいっときのイベントに終わらせるのではなく、市民みんなで結婚を応援していこうという市全体の機運を高めていくために、今後、どのような広報戦略をお考えであるかという点についても、お聞かせいただきたいと思います。
次に、駿府城公園を利用したにぎわいづくりについて、お伺いいたします。
駿府城公園については、これまでも、お城や天守台などの整備を求め、多くの議員が質問をされてこられたことと思います。
私も立派なお城の復元を願う者の1人ですが、復元の可否だけを議論の対象とすることには若干違和感を感じておりますので、今回は、今ある駿府城公園を利用したイベント等によるにぎわいづくりについての市の方針をお聞きしたいと思います。
昨年に続き、ことしも各地で、家康公顕彰四百年記念事業のプレイベントが行われ、来年はいよいよ本番といった盛り上がりを見せつつあるようです。駿府城公園も、そのメーン会場として多くの人を集め、たくさんの感動と笑顔を我々に与えてくれるものと信じておりますが、私は、大きな予算をかけてせっかくつくるそのにぎわいを、どのようにその先へ、未来へとつないでいくのかという点にも注目をしております。
1つの例ですが、浜松市では、城址公園ではありませんが、今から10年前の2004年、
国際園芸博覧会「浜名湖花博」を開催し、期間中545万人の入場者数を記録しました。その経済効果は、浜松市内だけで1,883億円と言われています。その5年後の2009年には、花博に次ぐ花の国際イベントであるインターナショナルモザイカルチャーを開催し、期間中86万人の来場者を集め、その経済波及効果は179億円でありました。そして、5年後となることし、「浜名湖花博2014」と題して、
国際園芸博覧会の10周年記念事業を開催、つい先日閉幕したばかりですが、来場者数は約130万人に及びました。経済効果も、恐らく前回の179億円を大きく上回ることでしょう。このように、浜松では、花と緑のイベントを地場の産業として、広く国内外に定期的に発信し続けているのであります。
もう1つ例を挙げさせていただきますと、お手元に資料を配らせていただきましたが、このように、全国各地多くの城址公園で、春には桜をメーンにした祭りが開催されています。もちろん、ここにあるものが全てではありませんが、その中でも、毎年100万人を超える観光客を集めている公園が3つあるのがおわかりいただけますでしょうか。東京の上野と青森の弘前、そして、新潟の高田公園です。
では、この3つの公園に共通している点は何かということでありますが、それは、これらの公園が日本三大夜桜に選ばれている夜桜の名所であるということです。
このように、花や緑は確実に人を集め、その演出の仕方次第では、他のどこにも負けない圧倒的な魅力を持った観光資源となり得るのであります。
この日本三大夜桜の中でも、静岡市の姉妹都市である人口19万8,000人の上越市にある高田公園は、駅から公園までの距離や、お城や天守台がなく、やぐらのみが復元をされている点など、私たちの駿府城公園とよく似た特徴を持っています。
毎年、市の総人口の6.6倍の観光客を集めるこの公園のように、駿府城公園でも上手に桜を演出することができるのであれば、静岡市の立地からしても、それほど大きな予算をかけることなく、100万人規模の観光客を集める東海屈指の桜の名所を生み出すことができると思うのであります。
また、夜桜であれば、昼のイベント以上に周辺の飲食店や宿泊施設に潤いを与えることができると思いますし、まさに田辺市長が目指すまちみがきに値すると思うのですが、いかがでしょうか。
そこで、質問です。
田辺市長が考える駿府城公園を利用したにぎわいづくりに向けての取り組み、構想というものをお聞かせいただきたいと思います。
次に、ことし40年の節目を迎える七夕豪雨被害について質問します。
今から40年前の昭和49年7月7日、七夕の日の午前から降り出した雨は、夜半過ぎから翌日の明け方にかけて強まり、最大時間雨量84.5ミリ、総雨量508ミリという静岡地方気象台開設以来の記録的な大雨となりました。この集中豪雨による崖崩れ、道路の決壊、河川の氾濫、家屋の倒壊などにより、市内では27名の方が犠牲となり、旧静岡・清水両市で全壊した家屋は32棟、床上・床下浸水は計2万6,124棟、一般資産等の被害総額は212億円を上回る大災害となりました。
現在37歳の私はまだ生まれてはおりませんでしたが、当時、城北の岳美というまちに住んでいた両親から、当時の状況やゴムボートで救助された経験などを聞き、その恐ろしさを学び、育ちました。恐らく当時のことを鮮明に覚えている方は、今では50歳以上の方に限られるのではないでしょうか。
二度と同じような被害を繰り返さないために、県と市が協力し、遊水地や放水路、雨水貯留施設等の整備を進めていますが、同時に、私たちは、自然災害の怖さを子から孫へと伝え続けることこそが最大の防災であるということを経験から学んできたはずです。
そこで、質問ですが、ハード面の整備である巴川総合治水対策事業の進捗状況はどのようになっているのか。
また、七夕豪雨被害から40年目の節目に当たり、その恐ろしい記憶を風化させないため、静岡市としてどのような取り組みを行っているのか、また、行っていないのか。教えていただきたいと思います。
以上が1回目の質問です。
137 ◯市長(田辺信宏君) 私からは、大項目、駿府城公園を利用したにぎわいづくりについてのうち、駿府城公園のさらなるにぎわいの創出に向けて、どのような構想を考えているのかとのお尋ねについて、お答えをいたします。
就任当初から、駿府城公園をどう磨き上げて、求心力の強い静岡市のセントラルパークにしていくのかは、私の問題意識でありました。この3年間、いわばホップ、ステップ、ジャンプと取り組んできたつもりであります。
御存じのとおり、ホップは、議会の同意をいただき条例改正をし、長い間親しまれていた駿府公園の名前を、思い切って「城」という1字を入れて、駿府城公園と改名したことでございます。市民の皆様方に、天下の名城がここにあったのだということに改めて認識をしていただきたいという願いからであります。
そして、ステップの2番目の取り組みは、この4月に、オランダとの交流400年という節目も活用をしながらオープニングをした坤櫓であります。まだまだ発展途上の技術でありますけれど、日本のテーマパークの中で初めて採用をしたバーチャルリアリティの機器を入れた3D映像など、4月にオープンをし、5月の末日までに約1万2,000人の集客があり、市内外の皆様から注目を集めております。
余談ですが、そのときのオランダ大使との約束は、サッカーの
ワールドカップの決勝は日本対オランダで行こうということでしたが、風前のともしびであります。
ともかく、その次のジャンプが問題であります。それを私たちは、来年の徳川家康公顕彰四百年にかけております。
目下、駿府城公園は、歴史的文化が感じられ、広く市民の皆様に憩いの場と親しまれるための整備を進めるとともに、春の静岡まつりとか、秋の大道芸
ワールドカップなどのイベントのメーン会場としても活用されております。
そこから、四百年記念をジャンプ台にして、これからどうさらなる求心力を強めていくかが課題であります。ハード面、ソフト面の、両面からの磨き上げが必要だと思っております。
ハード面は、議員から御指摘がありましたとおり、市民有志の中から天守閣、そして天守台の整備を求める要望書が届いておりますし、あるいは、歴史文化施設の整備を求める要望書も届いております。
ただし、ハードの整備には中長期的な時間のかかる取り組みが必要であります。その過程の中で、ソフト的な取り組みも必要であろうと思っています。
その中で、これも議員御指摘のとおり、花というものを活用をした磨き上げも一つのアイデアであろうかと、検討を進めておりました。
先日、浜名湖花博の閉幕式に、山本副市長に行ってもらいましたが、大変な盛況だったと伺っております。
浜松市は、花卉産業が大変盛んでありますが、私ども静岡市、とりわけ清水区も、花卉産業が大変盛んであります。
その中で、清水区の有志の皆さんから要望をもらっていた全日本花いっぱい全国大会をMICEの推進の絶好の機会と捉え、議員の皆さんからの後押しもあり、そして、全日本花いっぱい連盟に誘致の働きかけを行った結果、静岡市での開催がほぼ決定をいたしました。
清水区の花卉産業は1次産業だけでなくて、こういう見せ方によって6次産業化していくと。こういうMICEの推進も行っていきたいと思います。
それとあわせて、本日、議員の御提案の桜の見せ方も大変参考になりました。作成の資料を見せていただきました。すごいですね。上野はともかく、新潟県の上越市で130万人、青森県の弘前で230万人という集客があるとの御示唆でありました。
確かに、桜とお城というものは大変親和性があり、日本人の一つの原風景として、あるいは、外国人から見た日本のイメージとしても、お城と桜は大変相性がいいのかもしれません。
浜名湖花博が湖と花ということならば、私どもは、お城と桜、花という見せ方もおもしろいのかなと拝聴をして、頭の中にいろいろな思いをめぐらさせていただきました。
四百年記念事業を観光交流拡大のチャンスと捉え、今後、魅力ある駿府城公園内の整備を推進し、さらなるにぎわいや歴史文化の拠点として、静岡市内のみならず、市外から憧れを持って静岡市の駿府城公園をごらんいただけるよう取り組んでまいりたいと思います。
その起爆剤として、四百年記念事業を契機として、駿府城公園においても、議員御提案の桜の植樹や効果的なライトアップ、また、家康公とゆかりの深い静岡浅間神社と連携した桜めぐりなど、積極的な環境整備に取り組み、駿府城公園が東海道一の桜の名所であると、将来評判に立つような取り組みを、3次総の中に盛り込みたいという検討に着手していきます。
世界に輝く「静岡」の創造から世界に輝く「静岡」の実現へとステップアップしていくため、大御所徳川家康公ゆかりの地であるこの駿府城公園を、歴史的価値のある貴重な地域資源として磨き上げ、全市的なイベント等を通じ、静岡市を世界に向けて積極的に情報発信をしていきたいと考えております。
若さあふれる斬新で魅力的な御提案、ありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
以下は局長に答弁させます。
138 ◯子ども未来局長(池谷眞樹君) エンジェルプロジェクトについての3点の質問についてお答えいたします。
エンジェルプロジェクトの会員登録の申し込みにつきましては、今月2日から、ホームページの専用サイトに入力する方法で受け付けております。
6月19日現在で、男性129名、女性261名、計390名が登録しております。
なお、コース別の内訳は、定員男女各30名の「3区をめぐるしぞ~か恋物語コース」には、男性66名、女性97名、計163名、定員男女各20名の「しぞ~かプチ贅沢大人恋愛コース」には、男性60名、女性157名、計217名となっております。
次に、エンジェルプロジェクトにおける静岡市勤労者福祉サービスセンタージョイブ静岡と日本旅行静岡支店の役割についてですが、市を含めた3者の役割分担としまして、まず、市は、婚活イベントの企画から運営及び結婚支援の機運の醸成を行います。また、ジョイブ静岡は、加盟している2,132事業所の社員へのイベントの広報、事前講座の講師紹介を、そして、日本旅行静岡支店は、会員登録の申し込みの受け付け、イベント当日の運営を担当することとなっております。
このように、行政、民間団体、民間事業者がそれぞれの持つ強みを生かし、役割をすみ分けることで本市らしさを出して、エンジェルプロジェクトの成果を上げたいと考えております。
次に、エンジェルプロジェクトの広報戦略についてですが、まずは、このプロジェクトを1人でも多くの対象者に知ってもらうため、これまで、市の広報紙、ホームページ及びジョイブ静岡を通じた広報のほか、新聞広告、電車、バスの中づり広告、民間のフリーペーパー、静岡駅地下道の横断幕等による告知を実施してまいりました。
今後の広報戦略としては、イベントのみを告知するのではなく、まち全体で結婚を応援する機運の醸成というプロジェクトの目的を市民の皆さんにお知らせできるよう努めてまいります。
例えば、今回のイベントでは、静岡市美術館や登呂博物館、日本平動物園を、ユニークベニューという観点で会場として活用することを特徴の1つに挙げております。ユニークベニューとは、歴史的建造物の公的空間等で、会議・レセプションを開催することで特別感や地域特性を演出できる会場とされており、ふだんは婚活イベントの会場として使われていない施設を活用することで、まち全体で結婚を応援するという本市の姿勢のアピールにつながると考えております。
こうした取り組みを、マスコミ等を通じて情報発信することで、より多くの市民の皆さんが、結婚したいと考える若者やカップルを応援するサポーターになっていただくことを期待しております。
139 ◯建設局長(寺田 薫君) 初めに、巴川総合治水対策事業の進捗状況についてでございます。
本市に甚大な被害を与えた昭和49年の七夕豪雨を契機に、巴川は53年に総合治水対策特定河川に指定され、おおむね5年に1度起こり得る大雨によってもたらされる浸水被害から流域を守る流域整備計画を、57年に策定いたしました。
この計画に基づき、巴川狭窄部の改修、大谷川放水路の建設、麻機遊水地第3工区、第4工区の整備などを行い、平成16年に完了しております。
現在は、平成11年に策定された新流域整備計画に基づき、おおむね10年に1度起こり得る大雨によってもたらされる浸水被害から流域を守るため、静岡県と本市が連携して事業を行っております。
これまでに、麻機遊水地第1工区と大内遊水地の整備が完了し、現在、麻機遊水地第2工区の整備、大谷川放水路の河床整備、学校のグラウンドや公園を利用した雨水貯留施設の設置などを進めているところでございます。
次に、七夕豪雨の記憶を風化させないための本市の取り組みについてでございますが、これまでの取り組みといたしましては、七夕豪雨の被害や治水対策事業などを掲載した治水啓発副読本「わたしたちの巴川」を、平成3年度から毎年、市内小学校4年生全員に配布し、学校授業などで活用してもらうことにより、児童の理解を深めてきております。
また、七夕豪雨水害や治水対策事業について、映像や立体地形図を使い、わかりやすく学習できる静岡市治水交流資料館かわなびを平成21年4月、駿河区大谷に開館し、これまで2万2,000人以上の方々に御利用をいただいております。
七夕豪雨から40年に当たる本年は、治水交流資料館において、アニメちびまる子ちゃんの「まるちゃんの町は大洪水の巻」という七夕豪雨にまつわるお話について、日本アニメーション株式会社様の御協力により、1年間の使用を認めていただけたことから、視聴希望者に対し上映しております。
また、7月1日から11日まで、市役所静岡庁舎1階ロビーにおいて、七夕豪雨被害写真のパネル展を実施し、来庁される皆さんに広報してまいります。
さらに、県やさまざまな団体と連携し、イベントなどを通じて、七夕豪雨の記憶を風化させないよう、積極的に広く市民の皆様に伝えてまいります。
〔9番福地 健君登壇〕
140 ◯9番(福地 健君) それぞれ御答弁いただきました。
まず、駿府城公園の活用につきましては、市長からとても前向きなお答えをいただくことができました。ぜひ、全日本花いっぱい全国大会の誘致に成功していただき、花と緑と笑顔あふれる駿府城公園、そして、静岡市にしていただきたいと思います。
また、その大会をきっかけに、東海屈指の桜の名所づくりも、ぜひ進めていただければと思います。
それでは、2回目の質問です。
まず、先ほどのエンジェルプロジェクトについてですが、申し込みの状況は予想をはるかに上回る数が寄せられているようであります。それだけ静岡市内での結婚を希望されている方が多いということで、うれしい限りであります。
統計によりますと、20歳から39歳までの未婚の静岡市民は8万8,000人、計算上では、そのうちの7万6,700人がいずれは結婚したいと考えていて、さらに、そのうちの4万3,300人が結婚していない理由に、適当な相手にめぐり会わないからというものを挙げているそうです。
そう考えると、結果論ではありますが、もともとの定員100名という枠が小さかったように感じられるのですが、いかがでしょうか。
そこで、質問です。
今回申し込み登録いただいた方々で、先着の100名に漏れてしまった人たちは、今回は参加できないということでしょうか。それとも、枠を広げて、全員に参加をしていただくのでしょうか。
さらに、今回の事業には、市民の貴重な税金が使われているのでありますから、その事業成果を市民にわかりやすく示す必要があると考えます。
その点、市ではこの事業の成果をどのように把握をしていくのか。
この2点についてお答え願います。
次に、駿府城公園を利用したにぎわいづくりについてです。
先ほど市長に御答弁いただきました新たな取り組み、全日本花いっぱい全国大会も、その後の公園の整備も、来年の家康公顕彰四百年記念事業が大きなきっかけとなる大切な事業であることは間違いないと思います。
当然、駿府城公園がこのイベントのメーン会場として大きな役割を果たすと思うのですが、その具体的な活用方法とはどのような内容になるでしょうか。まだ決定していないことも多いと思いますので、お話しいただける範囲で結構ですので、お答えいただきたいと思います。
個人的には、家康公が愛した鷹が空を舞い、京都上賀茂神社の流鏑馬が会場を盛り上げてくれるのではないかと期待をしているのですが、いかがでしょうか。
それでは、最後の質問となりますが、大項目の4番、新東名高速道路の騒音対策と落下物防止策についてお伺いいたします。
この問題につきましては、これまで、市としてもさまざまな対応をしていただいていることとは思いますが、解決までにはなかなか難しい面もあるようです。確認の意味も含めて、質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
私が、地域の方から、新東名高速道路の車の音がうるさくて困っているという相談を初めてお受けしたのは、市議会議員になる前のことでした。その後、その町内に住む多くの方にお聞きすると、同じ問題で困っているという人が少なからずいることがわかりました。また、別の方からは、高架の上から自分の土地にペットボトルが落ちてきたことがあるとか、開通間もないころは、路肩に車をとめて下をのぞいているドライバーがいたという驚くべき内容まで飛び出してきたのでした。
せっかくできたこのすばらしい道路と、自然豊かな周辺地域を守っていくためにも、一日も早い改善が望まれるわけですが、静岡市のこれらの問題の把握状況と、それに対する対応はどのようになっているでしょうか。
また、高速道路でありますので、中日本高速道路株式会社の取り組みや、それに対する市の対応についてもお答えいただきたいと思います。
以上が2回目です。
141 ◯子ども未来局長(池谷眞樹君) エンジェルプロジェクトについての2点の御質問についてお答えいたします。
エンジェルプロジェクトの定員をふやすことについてですが、現在設定しているイベントは、男女各50名、計100名で、登録申し込み者が既に定員を超えております。
イベント会場や運営方法の都合上、既に決定しているイベント当日の定員そのものをふやすことは困難ですが、新たなイベントを追加することにより、1人でも多くの会員に出会いの機会を提供できるようにしてまいります。
具体的には、登呂博物館等を使った同様のイベントや、お茶、大道芸などをテーマにした新規の婚活イベントを検討しております。
次に、事業の成果の把握手段ですが、このエンジェルプロジェクトでは、出会いのパーティーをただ実施するのではなく、イベントを通じて出会ったカップルのその後の経過について、アンケートや電話等を通じて、成婚に至るまで継続的に見守っていく予定です。
なお、会員登録時の利用規約では、婚約をした場合には、市長に対して報告していただくことになっております。
142 ◯
地域活性化事業推進本部長(磯部正己君) 徳川家康公顕彰四百年記念事業における駿府城公園の活用についての御質問にお答えいたします。
駿府城公園は、家康公が大御所時代を過ごしたゆかりの地であり、久能山東照宮などとともに、家康公と本市のつながり、そして、本市の歴史・文化を象徴する場所であります。
この駿府城公園に多くの人が訪れることは、まち歩きの促進や中心市街地の活性化につながるものであり、そのため、駿府城公園については、単なる都市公園という枠を超えた重要な観光資源、そして、交流の拠点としての活用が必要であると認識しております。
記念事業の中では、大御所時代の駿府の歴史が感じられる場所、そして、家康公ゆかりの地としての本市を発信できる場所として、駿府城公園を春と秋のシンボルイベントのメーン会場とするほか、先ほど言いました花に関連した関連事業などの会場として、年間を通して積極的に活用してまいります。
また、あわせて、諸外国との平和外交及び交流のスタートの地、さらには、当時政治の中心であった場所としての駿府城公園のプロモーションを図ってまいります。
そして、記念事業を通じまして、駿府城公園の市民への愛着を育み、重要な地域資源として理解をしていただき、さらには、今後の歴史文化施設整備や駿府城公園再整備の具現化などによりまして、観光交流の推進による駿府城公園の求心力向上に努めてまいります。
143 ◯建設局長(寺田 薫君) 新東名高速道路の騒音対策及び落下物防止策についてでございます。
初めに、騒音、落下物の被害の発生をどのように把握しているかについてでありますが、新東名の開通後、沿線の葵区谷津ほか5地区の自治会などから、主に騒音、振動に対する御意見が寄せられています。
このため、新東名を管理する中日本高速道路株式会社とともに、関係者との立ち会い調査を実施し、騒音、落下物などの内容や御意見などを確認しております。
次に、どのような対応をしたかについてでございますが、騒音、振動については、沿線6地区において測定器による調査を26カ所で実施し、環境基準内であることを説明会において関係者へ報告してきております。
しかしながら、市民生活に直結する問題であるため、環境基準を超えてはいませんが、騒音、振動等の低減に資する事項に関して、平成25年10月に中日本高速道路株式会社に対して意見書を提出しております。
続いて、中日本高速道路株式会社の対応状況についてでありますが、騒音の原因とも考えられる橋梁のジョイント部について、路面管理の一環として、走行性の向上と衝撃などを緩和することを目的に、段差を改善する薄層舗装工事を26年5月に新東名本線上り下り線において5カ所施工しております。
本市の今後の対応についてでありますが、騒音対策については、浜松いなさジャンクションから豊田東ジャンクション間において26年度の開通が予定されており、供用開始後、交通量の変動が見込まれるため、騒音などの再調査を実施してまいります。
また、落下物防止策についても、引き続き粘り強く中日本高速道路株式会社へ要望してまいります。
〔9番福地 健君登壇〕
144 ◯9番(福地 健君) 最後は意見・要望です。
まず、エンジェルプロジェクトにつきましては、その性質上、否定的な声も出やすい事業かもしれませんが、これを機会に新しい御夫婦がたくさん誕生することを願っておりますし、同時に、ユニークベニューの活用により、地域、企業も一体となり、このまち全体が結婚を皆で応援する、そんな静岡市となってくれることを期待しています。
次に、駿府城公園については、先ほどの市長の御答弁にもあったとおり、家康公顕彰四百年記念事業に始まり、全日本花いっぱい全国大会、そして、東海屈指の桜の名所へと大きく花開いてくれることを期待しておりますし、そのためにも、四百年記念事業の成功を願わずにはいられません。
来年の春は市長も何かとお忙しいこととは思いますが、見事に桜が咲くころには、日本三大夜桜をぜひ御視察いただき、静岡市政への反映を御検討いただけますようにお願いいたします。
また、七夕豪雨被害40年目につきましては、市においてもさまざまな啓発事業を計画していただいているということで、安心しました。
来る7月6日の夕刻には、地域の市民ボランティアの方々が中心となり、麻機遊水地から巴川、大谷川放水路沿いに市内5カ所で、竹灯籠への一斉点火が予定されています。これには、自然災害で亡くなられた多くの方々の冥福を祈ると同時に、一本でも多くの竹を山から切り出し、里山を守り、川を守ろうというメッセージが込められています。静岡の新たな夏の風物詩として継続されていくことと思いますので、このような市民ボランティアの取り組みにつきましても、市を挙げて応援をしていただけますようお願いいたします。
また、新東名高速道路の騒音、落下物対策につきましては、先ほど御答弁でもありましたが、今後、近隣の各県でも供用が始まり、交通量は増加していくものと予想されます。市民の健康と安心・安全を守るためにも、一日も早い改善を強く要望させていただきたいと思います。
ここまで、さまざまな意見・要望を申し上げましたが、それら一つ一つに丁寧に対応していただけることこそがまちみがきであり、少子化対策やMICEの推進へとつながっていくことだと思っておりますので、何とぞよろしくお願いいたします。
最後になりますが、2年後には、日本国内においてG8級の国際サミットの開催が決定しています。MICEの推進を掲げる静岡市では、既に情報収集など積極的な対応を進めていただいていることとは思いますが、この件に関しましても、未来の静岡市のために引き続き前向きに調査研究を進めていただけますよう要望しまして、私の全ての質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
───────────────────
145 ◯議長(
石上顕太郎君) 本日はこれにて延会いたします。
午後4時34分延会
───────────────────
Copyright © Shizuoka City, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...