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  1. 静岡市議会 2014-06-02
    平成26年6月定例会(第2日目) 本文


    取得元: 静岡市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-18
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1         午前10時5分開議 ◯議長(石上顕太郎君) これより本日の会議を開きます。  この際、諸般の報告をいたします。  既に配布したとおり、公益財団法人静岡まちづくり公社ほか8件の経営状況説明書類が市長より提出されました。  以上で諸般の報告を終わります。    ─────────────────── 2 ◯議長(石上顕太郎君) 本日の議事日程は、先刻お手元に配布したとおりであります。    ───────────────────   日程第1 議案第165号 平成26年度静岡市一    般会計補正予算(第2号) 外17件(総括    質問) 3 ◯議長(石上顕太郎君) 日程第1、議案第165号平成26年度静岡市一般会計補正予算(第2号)から日程第18、一般質問までを一括議題といたします。  これより総括質問に入ります。  質問の通告がありますので、順次発言を許します。  初めに、山梨 渉君。   〔5番山梨 渉君登壇〕 4 ◯5番(山梨 渉君) おはようございます。  トップバッター、元気いっぱい質問をさせていただきます。  通告に従いまして質問をさせていただきます。  初めに、朝鮮通信使の再顕彰について、通信史のユネスコ世界記憶遺産登録の推進について伺います。
     本日6月20日、皆さん、きょうは何の日か御存じでしょうか。1607年、第1回朝鮮通信使が日本国を訪れ、駿府城にて大御所、徳川家康に謁見した、その日が6月20日であります。朝鮮通信使は徳川家康の平和外交の象徴であります。豊臣秀吉の朝鮮侵略、いわゆる文禄・慶長の役により、朝鮮半島で殺りくが繰り広げられ、多くの悲劇を生みました。この戦乱は秀吉の死により終わりましたが、隣国朝鮮とは国交断絶状態となりました。その後、天下統一した徳川家康は誠意を持って、積極的に朝鮮との国交回復に取り組みました。  1604年、朝鮮から派遣された使者、松雲大師と家康公との会談が伏見城にて行われ、朝鮮通信使が再開されることとなり、善隣友好の道が開かれました。  3年後の1607年、江戸期第1回朝鮮通信使が玄界灘を渡り、江戸に向かいました。その途中、通信使は駿府城にいる家康公に謁見を申し出ます。家康公は、将軍は江戸にいると伝え、江戸の帰りにまた立ち寄るようにと答えたそうであります。その夜、通信使一行は清水区興津の清見寺に宿泊し、江戸へ旅立ちます。そして、将軍秀忠に国書を届け終え、江戸を立った通信使は帰路、6月19日、再び清見寺に宿泊、このとき家康公は通信使一行を清見潟にて5そうの船で遊覧をし、もてなしたそうであります。そして、翌20日、駿府城で家康への謁見となりました。  朝鮮通信使は当時、最高の知識人でありました。国書を携えた正使の一行には、通訳、医者、書家、画家、僧侶など専門家が多く含まれ、総勢500名規模のきらびやかな大行列で朝鮮と江戸を往復しました。沿道の人々にとっては、一生に一度あるかないかという一大イベントでした。江戸時代、12回に及んだ朝鮮通信使の往来は、両国の平和の使者としてはもちろん、日本の文化にも大きな影響を与えました。  現在、この朝鮮通信使をユネスコ世界記憶遺産に登録しようとの動きがあります。  本日お手元に配布させていただいている資料のとおりであります。  ユネスコ世界記憶遺産とは、世界遺産、無形文化遺産と並ぶ遺産事業で、人類の記憶にとどめるべき書物や文書などの歴史的記録遺産を研究者や一般に広く公開することを目的とした事業であります。世界的には、「アンネの日記」、「マグナ・カルタ」、また、「ベートーベン交響曲第9番自筆譜」などが登録をされ、日本国内では伊達正宗公がスペインに支倉常長を派遣したことで知られる「慶長遣欧使節関連資料」を初め、3点が登録されております。  そして、現在、朝鮮通信使世界記憶遺産の登録に向けて、NPO朝鮮通信使縁地連絡協議会と韓国の釜山市外郭団体になります釜山文化財団と共同で準備作業を進めております。  長崎県知事は6月12日、資料の裏になりますけれども、通信使の登録に向け、政府レベルで推進を要請、下村文部科学大臣は日韓両国での推進に前向な発言もされております。6月16日には韓国側推進委員会も正式に発足いたしまして、各方面で現在、登録を目指し、活動が本格化しております。  しかし、隣国との関係は、現在、決してよい状況であるとは言えません。だから、今こそ歴史上、世界で例のない長く平和が持続した時代を切り開いた家康公に学び、平和の使者であった、この朝鮮通信使を本市は再顕彰すべきであると考えます。  質問ですが、市長は朝鮮通信使をどのように評価をされているか。また、ユネスコ世界記憶遺産登録の推進についての見解を、お伺いいたします。  登録推進を目指すNPO朝鮮通信使縁地連絡協議会は、現在15の地方自治体、約50の民間団体個人で構成されております。本市も、もともと旧清水市が加盟していた関係で、合併を機に加盟した経緯があります。  先日、私は縁地連絡協議会の事務局を務めております長崎県対馬市へ視察に伺いました。国境のまち、対馬市は韓国から観光客であふれておりました。市内に点在します通信使の関連施設で平和のとうとさを学び、家康公の英断をしのぶとともに、対馬が地理、経済、歴史の面で両国のはざまに立ってきたという現実を知りました。  また、対馬市担当者から記憶遺産登録のため、懸命に御努力をされている様子を伺い、登録に向けた幾つかの課題を聞いてまいりました。  そこで、協議会の中にユネスコ記憶遺産日本推進部会が先月21日に立ち上がり、この部会の中で申請準備の重要な決定を行っていくこと。学術委員会にて各地に点在します遺産の選定基準や候補決定していくことなどを伺いました。今後、申請準備が進む中で、この部会が大変重要な位置づけにあるとの認識を持ちました。  現在、この部会に静岡市は参加しておりません。対馬市担当者は、ぜひ政令市である静岡市に参加していただきたいと熱望されておりました。  本市に残る通信使の資料が世界の宝となるかという大きなチャンスのときであることは、もちろん言うまでもなく、本市が政令市として中心的役割を果たし、縁地連絡協議会に大きく貢献していくことも大切ではないかと思います。  質問ですが、ユネスコ世界記憶遺産登録に向けての今後の流れと世界記憶遺産登録について課題をどのように認識しているか、伺います。  また、ユネスコ記憶遺産日本推進部会の本市の参加についてどのように考えているか、伺います。  清水区の清見寺は、先ほど述べましたように朝鮮通信使の宿泊所として何度も活用されました。当時、通信使の書いた扁額や書などが多数残され、関連資料としては全国的にも第一級品であるそうです。これらは県指定文化財となっており、平成6年には朝鮮通信使遺跡として国が清見寺を史跡に指定しております。  世界記憶遺産に登録された場合、観光、教育を初め、さまざまな有効的活用が期待されます。一方、現在、清見寺に残る扁額を初めとした文化財をどう保護していくのか、多くの課題がございます。本市の朝鮮通信使にかかわる歴史資産の活用について、今後どう扱っていくのか、お考えを伺います。  続いて、徳川家康公顕彰四百年記念事業と朝鮮通信使について伺います。  明年2015年は、家康公薨去400年に当たり、記念事業を開催するわけでありますが、くしくも日本と韓国の国交正常化50周年に当たる年でもあります。家康公の功績の1つである平和の使者、朝鮮通信使を世界に発信する、またとない機会であります。6月議会補正予算として事業費が計上されております記念事業でありますが、この中にも家康公が導く平和プロジェクトとして、朝鮮通信使関連事業が入っております。  ここで質問ですが、徳川家康公顕彰四百年の記念事業における朝鮮通信使関連事業の意義と内容について、伺います。  これまで通信使については、地元NPOや学術機関などがさまざまな形で地道な活動を続けてこられました。これからもこれら団体による活動が期待されるところであります。  今回の記念事業についても民間団体の協力は不可欠であるかと思いますが、記念事業において朝鮮通信使関連の民間団体との連携はどのように進めていくのか、伺います。  記念事業の中に歴史文化施設さきがけ博物館事業があります。家康公を中心に興味深い展示をするのだろうと市民も注目をしている事業の1つであると思います。朝鮮通信使による家康公の平和外交は今後、注目されていくと思います。今回の展示の中に通信使関連の展示をすることも考えられ、配置されるであろう学芸員にもそれを生かしていただきたいと願うものであります。  質問ですが、四百年記念事業の関連事業として実施します歴史文化施設さきがけ博物館事業の内容はどのようなものか、伺います。  また、歴史文化施設さきがけ博物館事業での学芸員の配置についてどのように考えているのか、伺います。  以上、1回目の質問とさせていただきます。 5 ◯市長(田辺信宏君) 私からは大項目1、朝鮮通信使の再顕彰についてのうち、朝鮮通信使への評価とユネスコ世界記憶遺産登録の推進についてどのように考えているか、お答えをいたします。  御承知のとおり、朝鮮通信使は豊臣秀吉による朝鮮出兵の後、断絶していた李氏朝鮮との国交を回復するために、徳川幕府が提案した外交政策の1つであり、家康公の重要な功績の1つであります。  折しも昨日、家康公四百年プレ事業の一環として、駐横浜大韓民国総領事館と共催で、私ども朝鮮通信使を顕彰するためのシンポジウム「朝鮮通信使と日韓関係の未来」を開催しましたところ、300人以上の方々が熱心に聴講をしてくださいました。  その中でパネリストから指摘されたように、とかく隣国同士というのが摩擦が絶えない。現代の日韓関係はその1つでありますが、260年以上、当時の江戸幕府と朝鮮王朝とは全く摩擦が起こらなかった。そのきっかけが通信使の事業であると、平和外交の礎だったという指摘がされ、私自身も認識を新たにしたところであります。  その点で、家康公の行った李氏朝鮮を初め、オランダやスペイン、そして、イギリスなどとの国際交流は、当時の平和外交の礎であり、また、静岡市が推し進めている平和都市宣言をした、まちにふさわしい多文化共生国際平和都市のお手本でもあるとも考えております。  一方、文化行政の立場からも、朝鮮通信使との交流から生まれた多くの詩文や扁額は、貴重な文化財として現在に伝えられ、その価値は高く評価できるものです。特に清見寺に残る朝鮮通信使の関係の資料69点は、静岡県の指定文化財にもなっております。  その見地から、議員御提案のユネスコ世界記憶遺産登録の推進は、改めて朝鮮通信使に光が当てられることで、平和外交に取り組んだ徳川家康公の功績の再評価にもつながります。さらに、議員の地元の名刹清見寺や清見寺の持つ文化財にも注目が集まることによって、その価値が高まり、家康公が愛したまち静岡市を、世界に発信できる絶好の機会であるとも考えております。このため、この登録を推進するために、先日設立をされたNPO法人朝鮮通信使縁地連絡協議会日本推進部会への参加を、後ほど局長からも補足の答弁をさせますが、表明をしたいと思っております。  以上です。 6 ◯生活文化局長(安本 睦君) 朝鮮通信使の関係で、ユネスコ世界遺産登録の関係の3件、そして、家康公四百年記念事業におきます、さきがけ博物館事業の2点の御質問についてお答えをいたします。  最初に、ユネスコ世界記憶遺産登録に向けての流れ、また、課題についてお答えしたいと思います。  ユネスコ世界記憶遺産とは、世界の重要な文書や書物など、例えばフランスの人権宣言のような世界的に重要性が認められた資料を世界に広く普及することを目的としております。登録候補となります資料は、登録後に多くの人が見られるよう、いまだデジタル化されていない資料が候補となります。  今回の登録申請に当たっては、本市も参加をしておりますNPO法人朝鮮通信使縁地連絡協議会が中心になって進めております。本年5月に、協議会の中に登録申請準備を行う日本推進部会が新たに組織され、対馬市ほか4市と長崎県が参加をしております。  5月22日に対馬市と直接打ち合わせをした中で、推進部会が想定をしております登録の流れは、平成26年度、登録候補を選定、平成27年度、申請書作成、平成28年3月、登録申請と聞いております。  記憶遺産登録申請は、西暦の偶数年に1カ国2件までと制限があります。しかしながら、朝鮮通信使は日韓合同での申請となるため、その制限にとらわれないメリットがあります。  一方、登録に向けての課題としては、2点が挙げられます。  1点目は、国の重要文化財指定を受けている資料のうち、デジタル化されていない資料が1万7,000点余あります。この現状の中で、清見寺が所有する県指定文化財69点の朝鮮通信使関係資料が、申請リスト登載基準を満たすものとなるか。  2点目は、韓国側と資産登録数のバランスをとる必要がありますが、韓国側の資料の数及び内容の情報が入ってきていない。  以上の2点が挙げられます。  次に、ユネスコ記憶遺産日本推進部会への本市の参加についてでございますが、ユネスコへの登録申請者は、NPO法人朝鮮通信使縁地連絡協議会となる予定であります。申請準備は、先ほど議員から御説明がありました、日本推進部会が専門家で構成する学術委員会の取りまとめや韓国との調整を、協議会の指示のもとに行うこととなります。  今回の申請は、国を超えて日韓合同による民間団体からのものとなるため、清見寺の朝鮮通信使関係資料を、学術委員会が選定する申請リストに登載できるよう、本市は登録に積極的にかかわることが適当であると考えております。  部会へ参加することにより、学術委員会の見解や韓国の状況などの情報の入手が速やかに行えるというメリットもありますので、先ほど市長が御答弁しましたように、参加をしていきたいと考えております。  次に、朝鮮通信使にかかわります歴史資産の活用についてということでございますが、リスト登載候補となり得る資料を有しております清見寺は、老師お一人が管理運営を行っております寺院で、現状では、清見寺単独で資料を保存・活用することは非常に困難な状況にあります。  資料を適切に保存・活用するために、清見寺の御意向を尊重しながら、檀家の皆様や地元の皆さんとも調整し、本市が積極的にかかわって解決策を見出していきたいと考えております。  徳川家康公顕彰四百年事業に合わせ、清見寺への説明看板の設置なども検討しているところであります。  また、朝鮮通信使関連資料を有する寺院は、ほかにも清水区の真珠院や萬象寺、また、葵区の宝泰寺など多数ございます。  関係する寺院も含めた資料の活用も必要であり、市内におけるこれらの史跡や資料を、訪れた皆さんにわかりやすく紹介することで、静岡市の歴史の顕彰、アピールを行っていきたいと考えております。  次に、家康公顕彰四百年記念の関連事業として行います歴史文化施設さきがけ博物館事業の2点の御質問についてお答えをいたします。  まず、歴史文化施設さきがけ博物館事業は、徳川家康公顕彰四百年記念の追い風を得て、歴史文化施設建設の実現に向け、市民の皆さんの機運を盛り上げていくことを目的に、「さきがけ」をキーワードに実施するものであります。  多彩な歴史資源を誇る静岡の文化力が、地域経済を含めたまちの活性化につながると考えておりますので、歴史文化施設の必要性を市民の皆さんにアピールをしていきたいと考えております。  本事業では、歴史文化施設の機能であります、収集保存、調査研究、展示公開、教育普及の4つの役割を市民の皆さんにお伝えするため、さきがけ企画展、そして「我が家の宝」調査隊、さらに戦国今川塾の3つの具体的な企画を実施してまいります。  1つ目のさきがけ企画展は、平成26年度から27年度にかけて3回の企画展を行うもので、第1弾は27年2月から3月にかけて、市民ギャラリーを会場に、テーマを「幼少期の家康公を育てた今川氏」と銘打って行っていきます。  第2弾は平成27年夏、第3段は平成28年2月に、それぞれ「大御所家康公」「家康公が残した遺産」をテーマに展示する予定であります。朝鮮通信使については、家康公の功績の1つとして、その中で触れていくことを検討していきたいと考えております。  2つ目の「我が家の宝」調査隊は、市民の皆さんのお宅に眠っているかもしれない、静岡市の歴史をひもとく貴重な資料についての情報を広く集め、光を当てていこうというものであります。  3つ目の戦国今川塾は、今月29日から開講する歴史講座で、受付開始から2日で定員を超える申し込みをいただいたところであります。参加者の皆さんに、今川氏の歴史と文化に熱い思いを持っていただけるよう、開催するものであります。  最後に、さきがけ博物館事業での学芸員配置についての御質問でございますが、学芸員の役割は、展示作業だけでなく、研究活動や収蔵資料の整理、目録化、展示の企画、展示物の選定や貸し借り、図録作成のための写真撮影、執筆、編集などを担うものであります。  歴史文化施設さきがけ博物館事業は、歴史文化施設に必要とされる機能を試しながら事業を実施するため、歴史資料の取り扱いのできる学芸員資格を有する文化財課の職員が中心になって進めているところであります。  特に、さきがけ企画展では、歴史に興味のない方もちょっとのぞいてみようかとひかれるようなサブタイトルの工夫を心がけたいと考えております。事実を追いかけるだけの展示ではなく、こぼれ話や逸話の紹介によって歴史上の人物の魅力に迫ることや、歴史の「もしも」を考えたり、次回の展示内容を投票してもらうなど、皆さんが参加できる展示を検討しております。  歴史をおもしろいと感じていただけるよう、今までの枠にとらわれない自由な発想で企画し、地域の魅力の再発見につながるよう事業に取り組んでいきたいと考えております。 7 ◯地域活性化事業推進本部長(磯部正己君) 徳川家康公顕彰四百年記念事業における朝鮮通信使関連事業の2つの御質問についてお答えをいたします。  まず、四百年記念事業において、市民の皆さん一人一人の家康公に対する誇りと郷土愛を醸成するためのテーマの1つが「平和」であると考えております。  家康公は国内においては江戸幕府の開府により、260年余にわたる泰平の世の礎を築き、海外に対しては、イギリス、スペイン、オランダ、李氏朝鮮などとの間で平和外交を展開いたしました。  その中で、日本と李氏朝鮮との国交回復、友好関係の樹立に貢献した朝鮮通信使は平和外交の象徴であり、最も重要な家康公の功績を伝える1つであると考えております。  現在、平成27年秋のメーンイベントにおいては、駿府城公園などを舞台に、当時、国内外から人が集まった大御所時代の駿府のまちのにぎわいを現代によみがえらせるような、国際色豊かな催しを検討しております。  その中において、朝鮮通信使事業は家康公の功績を発信していくことはもちろんのこと、昨今の不安定な国際情勢を家康公の知恵により、新たな交流、平和外交に導くための事業となるように、シンポジウムや行列の再現など、韓国との交流連携を視野に入れながら進めてまいります。  続きまして、民間団体との連携についてでございますが、現在、朝鮮通信使については4月の静岡まつりでの拝謁の儀や、10月の興津地区文化ふれあい事業での行列の再現など、さまざまな民間団体の活動がなされております。  こうした中、昨日6月19日には、静岡会議所や駐横浜大韓民国総領事館等の主催によります「朝鮮通信使と韓日関係の未来」と題したシンポジウムが開催されるなど、徳川家康公顕彰四百年記念事業に向けまして、朝鮮通信使にかかわる活動も一段と活発になってきております。  記念事業におけます朝鮮通信使事業は、そうした民間団体の活動やその成果をクローズアップさせ、さらには、これまで取り組んできた事業をステップアップさせていけるような機会にしていきたいと考えております。  そのためには、民間団体等との十分な意見交換をもとに事業を構築し、実施に当たっては積極的な市民参画をお願いするとともに、記念事業後も継続されていくような事業展開を進めてまいります。   〔5番山梨 渉君登壇〕 8 ◯5番(山梨 渉君) 御答弁ありがとうございました。  続きまして、「ホビーのまち静岡」推進事業についてお伺いをいたします。  先ほど家康公の功績である通信使について伺いましたが、今の静岡プラモデル業界の淵源は、言うまでもなく江戸時代、静岡に職人たちが全国から集められ、その後、すぐれた木工技術を生かし、産業を営み、現在のプラモデルにつながるわけでございます。家康公の恩恵と言っても過言ではありません。  先日、5月15日から4日間、ツインメッセ静岡にて恒例の第53回静岡ホビーショーが開催されました。私も現地へ盛況ぶりをうかがいに、また、ホビー業者の方の声を聞きに行ってまいりました。懐かしいプラモデルから創意工夫あふれる新製品、そして、最近話題の3Dプリンターまで、目をみはる展示に心が躍るようでありました。  御存じのとおり、静岡市は模型メーカーが本社や工場を置き、全国出荷額の約9割が本市という模型の世界一等を標榜する都市であります。毎年ホビーショーは活況を呈しているようですが、一方、プラモデル業界の出荷額は、少子化の影響や趣味の多様化により、依然厳しいと聞きます。市内に点在していた模型小売店も、インターネットの普及による流通の変化等から、めっきり少なくなりました。静岡のプラモデルの出荷額の推移及び現状を市はどのように捉えているか、伺います。  本市は、現在「ホビーのまち静岡」推進事業を実施し、国内外に向け情報発信を行うとともに、静岡市への誘客と基幹産業の1つである模型業界への下支えをしているものと認識をしております。先日、サウスポット静岡の中にございます、静岡ホビースクエアに足を運ばせていただきました。無料の常設展示コーナーには、模型業者各社の新商品がずらりと並び、見応えがありました。イベントコーナーも興味深い企画を継続して行われております。  しかし、私が伺った日がたまたまなのか、来場者がまばらで、少し寂しく感じました。隣接されている静岡科学館「る・く・る」は、年間来場者約26万人を数えるそうであります。静岡市美術館も昨年37万人に迫る来場者であったそうです。  ホビースクエアは、民間のホビー推進協議会静岡が運営を行っておりますが、本市も支援をしております。これまで推進されてきた事業の実情はどういったものなのか。静岡ホビーショー静岡ホビースクエアの現状と市の支援内容について、伺います。  近年、中高年の間でプラモデルを楽しむ方がふえ、静かなブームを呼んでいるとの記事を読みました。子育てに一段落し、自分の趣味に出戻りしているそうです。  一方、現在の小学生世代の模型離れは業界にとって大きな懸念であるとともに、プラモデルは物づくりの楽しさを知る機会でもあることから、業界の一層の奮起を期待するとともに、的確な本市の施策が求められるところであります。  質問ですが、静岡ホビーショー静岡ホビースクエアを含め、「ホビーのまち静岡」推進事業の今後の展開について、お伺いをいたします。  以上、2回目の質問とさせていただきます。 9 ◯経済局長(斎藤 誠君) 「ホビーのまち静岡」推進事業についての3点の御質問についてお答えをいたします。  初めに、静岡のプラモデルの出荷額の推移及び現状をどのように捉えているかです。  静岡県における、ここ25年間のプラモデル製造品出荷額は、平成元年の364億円と8年の203億円を除けば、140億円前後で、ほぼ横ばいに推移をしています。  平成元年については、F1ブームの到来やミニ四駆の販売戦略が相まって、大幅に出荷額が伸びたものです。また、8年は第2次ミニ四駆ブームにより、一時的な伸びがあったものであります。  現在の業況についてですが、近年、子供が模型に触れる機会が減少し、購買層も若年層から中高年層に変化をしているため、将来的なマーケットの縮小が懸念をされています。  しかしながら、ここのところコンピューターゲームやアニメの要素を取り入れた「艦隊これくしょん」や「ガールズ&パンツァー」などの模型が、若年層に人気を博す状況も見受けられます。  こうした状況は、顧客の新規開拓の成功例であり、今後は、子供や女性などに対して模型への興味を喚起させる取り組みや他分野との連携など、購買層の拡大に向けた取り組みが重要であると考えております。  次に、静岡ホビーショー静岡ホビースクエアの現況と市の支援策についてお答えをいたします。  平成26年5月に開催をされました静岡ホビーショーは、来場者数が約8万2,000人以上あり、昨年幕張メッセで開催をされた全日本模型ホビーショーの約3万2,000人をしのぐ、プラスチックモデル業界では国内最大の見本市であると言えます。
     また、静岡ホビーショーと同時開催をされる「モデラーズクラブ合同作品展」では、模型愛好家が創意工夫を凝らした作品を一同に展示をします。本イベントは、海外を含め200を超える団体から2,000人以上が参加をする、世界一の模型ファンの祭典であります。  次に、静岡ホビースクエアは、先ほどお話しありましたとおり、主要メーカー6社が組織します推進協議会が運営をしております。模型の世界首都をPRする情報発信基地として、平成23年6月に開館をし、平成25年度の来場者数は約5万6,000人でした。  本施設では、静岡模型の歴史の紹介を初め、模型ファンに向けた新製品などの展示・販売、家族や子供を対象にした「模型工作教室」、女性向けの「ドールハウス展」など、企画展を開催をしております。  次に、これらに対する本市の支援内容ですが、静岡ホビーショーについては、来場者や出展者の安全確保に加え、満足度の向上を図るため、運営に対する補助を行うとともに、事前のPRや駐車場確保などを行っております。特に、今年度は、開催直前のゴールデンウイークに、東京丸の内の東京シティアイにおいて、PR活動を実施をいたしました。  また、静岡ホビースクエアについては、施設の無償貸与に加え、企画展のPRなどの支援を行っております。  最後に、静岡ホビーショー静岡ホビースクエアを含めた「ホビーのまち静岡」推進事業の今後の展開ですが、プラモデル産業の振興とともに、「ホビーのまち」として、さらに注目度を高めていくことが必要であると考えます。  そこで、今後は、次に掲げる3つの取り組みを中心に進めてまいります。  まず、第1は、子供や女性に対する模型への興味の喚起です。模型ファンの拡大のため、静岡科学館「る・く・る」と連携をして、ホビースクエアでの親子を対象にした企画展のほか、こどもクリエイティブタウン「ま・あ・る」や生涯学習施設での模型づくり教室の開催などに取り組みます。  第2は、フェイスブックなど、インターネット媒体を積極的に活用した情報発信です。静岡ホビーショーやホビースクエアを初め、ホビーに関するタイムリーな情報をフェイスブックや動画などで発信するとともに、首都圏における継続的なPR活動を続けていきます。  第3は、今後、特に力を入れて取り組んでまいりますが、本市への来訪者に、「ホビーのまち」に降り立ったことを実感してもらえる仕掛けづくりです。本市の玄関口でありますJR静岡駅観光案内所に、誰にもわかるアイキャッチとして大型模型を設置をしたいと考えております。  また、来訪者が静岡駅からホビースクエアに迷わずに行けるよう、案内板の設置やサインの見直しについて、関係者と協議をしてまいります。  さらに、市全体で「ホビーのまち」を盛り上げていくためにも、平成27年開催の徳川家康公顕彰四百年記念事業に合わせ、家康公フィギュアの新商品開発などについて業界と連携しながら推進をしてまいります。   〔5番山梨 渉君登壇〕 10 ◯5番(山梨 渉君) 3回目は意見・要望とさせていただきます。  初めに、朝鮮通信使の再顕彰についてであります。  市長より、ユネスコ記憶遺産日本推進部会に静岡市も参加すると御答弁をいただきました。対馬市を初めとした縁地も、また釜山文化財団も、政令市静岡市の協力は大変力強いと思っていると私は確信をしております。本市の朝鮮通信使歴史資産がしっかりリスト登録をされ、そして、ユネスコ世界記憶遺産に登録されるよう、関連市と連携をし、推進するよう重ねてお願いをいたします。そして、静岡市から善隣友好を世界へ発信していただきたいと思います。その上で要望を申し上げます。  1点目は、本日6月20日を朝鮮通信使の記念日として制定してはどうかと提案をさせていただきたい。家康公が通信使と会見したのは、文献から、後にも先にもこの1日であったようです。家康公の平和外交の功績をしのび、日韓の友好を後世につなげる日にできればと思います。  2点目に、縁地連絡協議会で開催されている「朝鮮通信使ゆかりのまち全国交流会」を四百年記念事業の一環として、日韓国交正常化50周年の明年に本市に誘致を行ってはどうかと思います。  3点目に、歴史文化施設さきがけ博物館に朝鮮通信使関連の展示も入れることをお願いしたいと思います。展示品の脇には、朝鮮通信使の世界記憶遺産に向けての趣旨説明をしていただき、市民認知を高めるようお願いしたいと思います。  そして、4点目に、通信使を活用した地域の活性化、文化振興をお願いしたいと思います。清見寺等に残る関連文化財の保護をするとともに、特に観光面での活用を推進し、整備を進め、地域活性化につなげていただきたく思います。民間団体の活動を後押しできるよう、市としても積極的にかかわっていただきたいと思います。  次に、「ホビーのまち静岡」推進事業についての要望であります。  1点目は、ホビースクエアの来場者増加策であります。民間団体運営ではありますが、管理運営費、フロアの無償貸与と公費が投入されているわけですから、現在の来場者数は若干寂しく思います。ぜひ運営団体と来場者増加策を協議していただきたい。隣接の静岡科学館や静岡市美術館などの施設を初めとした連携により、回遊性を高めるコラボレーション企画なども有効かと思います。  2点目は、静岡模型コンテストを開催し、全国、全世界から世界一を争うコンテストを実施してはどうかと思います。コンテストを通じて、技術向上もさることながら、開催によりホビー人口の裾野を広げることにも寄与できるのではないかと思います。  3点目は、小学校のカリキュラムへ模型工作教室を導入することを提案をします。子供たちが模型に触れる機会は減少をしております。本来、模型は教育的要素を持っております。模型を通して、物をつくり上げる喜びを知るとともに、地域産業への理解を深めることにもつながります。静岡型ものづくり人材の育成として、特色ある施策の推進をお願いします。  以上を要望し、質問を終わらせていただきます。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 11 ◯議長(石上顕太郎君) 次に、馬居喜代子さん。   〔28番馬居喜代子君登壇〕 12 ◯28番(馬居喜代子君) 通告に従い、来年度から本格実施される子ども・子育て支援新制度について質問いたします。  私は、これまで同じ幼児を預かる施設なのに幼稚園と保育所との間のさまざまな違いがあることに疑問を呈してきました。保護者の所得によって利用料が変わる保育所と、基本的に同じ料金で預かってもらって保護者の所得が少ない人には就園奨励費が出るという幼稚園。子供たちは親の就労状態によって幼稚園と保育所の間を行き来することを余儀なくされてきました。周りから見れば、実際に行われていることに大きな違いはないのに、幼稚園には相当の空きがある一方、保育所は待機児童が出るほどいっぱいになっている。幼保一元化で解決できることはたくんあるのではいなかと、これまで訴えてまいりました。  静岡市においては、平成17年4月、幼保一元化のモデル園として開園された安東幼保園において、実践的な研究が行われており、たくさんの成果を上げております。平成22年からは市立幼稚園、保育所の職員による総合参観などの交流研修を行い、幼稚園と保育所のそれぞれのよさを取り入れていく取り組みもなされています。しかし、残念ながら安東幼保園に続く施設を開設するには至りませんでした。  そして、いよいよ幼保一体化の推進による利用者ニーズに応じた教育・保育を提供できる体制の第一歩が始まろうとしています。  今回の制度改正の1番の目的は、幼稚園と保育所のいいところを1つにした認定こども園の普及を図ることです。これまで幼稚園だった施設が認定こども園に移行することで、保育を必要とする子供を受け入れることができ、待機児童を減らすことができます。専業主婦だったお母さんが働き始めたとしても、子供は幼稚園から保育所に移る必要がなくなります。  もう1つの目的は、新たに少人数の子供を保育する事業を創設し、待機児童の多い都市部や子供が減っている山間地などで身近な保育の場を確保していくということです。  一部の私立幼稚園が今回の制度改正の枠外にそのまま残るという例外もありますが、待機児童をなくして全ての子供が必要な教育・保育を受けられる方向に変わっていくことは間違いありません。今回の制度改正を大きな期待を持って見守っていきたいと思っています。  それでは、新しい制度の中で、これまであった幼稚園や保育所がどう変わっていくのか、また、新たに創設される小規模保育所などがどのように運営されるのか、それぞれ質問していきたいと思います。  まずは、私立幼稚園についてです。  静岡市の場合、私立幼稚園を中心に就学前教育が行われてきたという歴史があります。今でも幼稚園児の9割以上が私立幼稚園に通園しています。今から20年以上も前のことですが、認可外の保育施設から近くの幼稚園に通う子供をよく見かけました。母親が働いていたとしても、4歳児、5歳児には幼稚園教育を受けさせたいという保護者の願いがあり、いわゆる二重保育を行っていました。  しかし、女性の社会進出が進むにつれて幼稚園よりは保育所のニーズが高まり、定員に欠ける幼稚園、待機児童であふれる保育所という構図ができ上がっていきました。  今回の制度改正で定員に欠ける幼稚園は保育を必要とする子供を受け入れることで安定的な運営ができるようになったと理解していますが、私立幼稚園は新制度の枠組みの中で、どのような施設形態になることができるのか、まずお答えください。  そして、新制度の枠組みの中で保育を行わない施設型給付を受ける幼稚園、つまり幼稚園が幼稚園として残る場合、どのような保育内容になるのか、また、メリットはあるのか、お答えください。  次に、私立保育所について伺います。  保育所の場合、今回の改正で幼保連携型、あるいは保育所型認定こども園に移行するか、現在のように保育所のままという選択肢がありますが、保育所のままという施設形態になった場合、保育の内容はどのようになるのか。また、保育所から保育所に移行して、どのようなメリットがあるのか、お答えいただきたいと思います。  では、次に、公立幼稚園、保育所について伺います。  静岡市は、いち早く市立幼稚園14園と47カ所の市立保育所を全て幼保連携型認定こども園へ移行すると発表しました。今回の制度改正は、現状の幼稚園、保育所を認定こども園に誘導することが最大の目的であるため、公立が範を示すということが重要と考え、静岡市として全てを認定こども園に踏み切ったのだと理解しています。案の定、公立幼稚園、保育所を全て認定こども園にするという発表は全国的に大変な先進事例とみなされて評判になりました。  ここで1つ確認しておきますが、公立保育所を全て認定こども園にするというのは、保育所の子供たちにも全て教育を保障するのだという市としての宣言だと受け取りましたが、いかがでしょうか。市としての考え方をお聞かせください。  そして、これら市立幼稚園、保育所がこれまでとどのように変わるのか、提供される教育・保育の内容がどうなるのか、具体的に教えていただきたいと思います。  また、そのうち山間地の井川幼稚園、清沢幼稚園、梅ケ島保育園、大川保育園の4園は小規模保育事業に移行するということでしたが、具体的にどのような形態になるのか、お答えください。  4点目は、小規模保育事業などの地域型保育についてです。  後に述べますが、市は、待機児童解消加速化計画の中で国の制度に先駆けて、1年前倒しで今年度から5カ所の小規模保育園を開所して、約90人の定員増を図りました。このことで救われた子供たちもたくさんいましたが、にもかかわらず、今年の4月1日、153人の待機児童が出てしまったということはとても残念です。枠を広げれば、また需要が広がるというイタチごっこの体をなしています。それでも何とか早期に待機児童を解消したいという市の熱意は理解できたところです。  小規模保育事業などの地域型保育というのは、今回の制度改正の2つ目の目玉です。これらは待機児童解消には確かに効果のある事業と言えますが、対象が待機児の多いゼロ歳、1歳、2歳のみとなっています。一旦は待機児童ではなくなったこの子供たちの3歳からの受け皿がどうなっているのか。3歳からの保育・教育へのスムーズな移行がどのように図られるか、お答えください。  次に、認証保育所と認可外保育所について伺います。  静岡市は、25年4月から市内の認可外施設のうち、市が独自に設けた基準をクリアしている施設を認証保育所として4カ所指定し、運営費の一部補助や第2子以降の保育料の軽減を行っています。また、それ以外の認可外保育所についても、ある程度基準を満たしたところには市独自で助成をしていると伺っています。これら市が助成している認証保育所や認可外の施設は、新制度になることでどうなっていくのか、伺います。  認可外とはいえ大事な子供が通っている保育所であることに変わりはなく、公立、私立の保育所で待機児童となってしまった子供たちの受け皿にもなっている施設です。少なくとも需要のある施設ですので、安心して子供たちを預けられるような形に移行していただけることを願っております。今後どのようになっていくのか、お答えください。  では、中項目(2)の待機児童解消加速化計画について伺います。  静岡市においては、平成25年3月に策定した保育計画に基づき、平成25年度、26年度の2カ年で認可保育所の整備等によって391人の保育量をふやす計画を立てていました。しかしながら、平成25年4月に国から発表された待機児童解消加速化プランの支援内容を活用して、大幅に上方修正することによって、平成27年度からスタートする子ども・子育て支援新制度への円滑な移行を図っていこうと考えました。その中で小規模保育事業を新設するなどして、大胆な待機児童解消策を実施し始め、整備する保育量を2年間で1,044人と大幅にふやしました。そして今、25年度分の整備が実施されたところだと思います。  そこで伺いますが、この静岡方式の待機児童解消加速化計画の進捗状況と今後の見通しはどうなっているのか、伺います。  次に、中項目(3)、子育て支援を生かしたまちづくりについて伺います。  昨年、思い切った子育て支援策を実行し、待機児童ゼロを達成した横浜市は、ことし4月1日、待機児童が、また20人になったと発表しました。残念ながら2年連続のゼロは達成できませんでした。  横浜市は平成10年4月に待機児童が1,552人と全国最多でした。市は保育所を運営する企業の参入を促したり、線路の高架下にまで保育所を新設したり、空きのある保育施設を紹介する保育コンシェルジュを配置したりと、ありとあらゆる方策を駆使して、3年後の平成13年4月には待機児童ゼロを達成、その手法は「横浜方式」と呼ばれ、全国の注目を集めました。  しかし、全国の注目を集めたことで子育て世帯を呼び寄せる結果ともなり、子供を預けて働く人もふえたことで、また、待機児童が発生したのだそうです。  今年度も認可保育所の定員は大幅にふやしたけれども、申込数も過去最高になったそうで、残念ながら待機児童ゼロを達成できませんでした。  我が市においても、過去に同様の出来事がありました。駿河区に全国初の待機児童園おひさまを設置したところ、次の年の年度当初の待機児童が3倍以上にはね上がりました。対策を打つと潜在需要が出てくるのは、いずこも同じです。  この横浜の新聞記事の中で、私の目をひいたのは「子育て世帯、手を打つほど流入加速」という見出しでした。えっ、保育所をつくると人が流入してくるの、人口がふえるのという驚きでした。人口減少が一番の課題となっている我が市にとって、待機児童がゼロになったというだけで人口がふえるというのは、何とも魅力的な話ではありませんか。  そう考えると、待機児童がいること自体が悪いことではないなと思いました。地方都市の中には、待機児童どころではない。若い人や子供たちがどんどん減って過疎化しているところもあります。それを思えば、待機児童がいるというのは、まちが元気な証拠です。希望があるということです。であるならば、今いる待機児童を完全になくして、静岡は子育て支援にそれはそれは熱心だという評判を立てて人を呼び込んでいく。それも若い世代を呼び込むことに力点を置いてもいいのではないか。子育て支援をまちづくりに生かしていくことが今とても重要だと私は思っておりますが、市長はどのようにお考えでしょうか。人口減少社会に立ち向かう市長の決意をお伺いしたいと思います。  以上、1回目です。 13 ◯市長(田辺信宏君) 大項目1、子ども・子育て支援新制度に向けて、多岐にわたる御質問をいただきました。  その中で、私からは最後の質問、これが総括的な答弁になろうかと思いますが、中項目(3)、子育て支援を生かしたまちづくりについて、子育て支援を生かし活力あるまちづくりをすべきだと考えるが市長の決意はどうかという御質問だと承りました。  決意はもちろんあります。議員御指摘のとおり、今日、子供を安心して産み育てたいと考える市民にとりまして、子育て支援の手厚さは、そのまちに住むかどうかを決めるほどの重要な判断材料の1つになっていると理解をしております。  人口減少の局面では、社会保障の充実という面と地域経済の活性化という面、この両面から子供と子育て支援を考える必要があります。いわゆるワーク・ライフ・バランス、働きたい女性の活躍を支えるとともに、安心して子供を産み育てることができる社会環境の整備が市政の最重要課題の1つであると、3次総の策定の議論の中でも、ただいま目下の検討中であります。  そこで、静岡市は国の大きな政策転換と制度改正と緊密に連動しつつ、この絶好の機会を生かし、子供と子育てに優しい生活環境の整備を官民一体となって進めていきたいと考えております。  そこで、私が呼びかけたいことは、新制度が始まる今こそ、幼稚園や保育所は互いの違いを乗り越えて、互いのよさを生かすべく、持てる力を結集をしていただきたいと、御関係の皆様に申し上げたいということであります。  議員御指摘のとおり、幼稚園と保育所はそれぞれ長い歴史と実績を積み重ね、別々の制度として営まれてきました。ですので、まだお互いのことをよく知らない。意識の壁がある。それを大同団結するにはどうしたらいいか。そして、個々の園にとってどう経営を永続をさせていくかという判断をしていただきたい。その下支えを私たち行政はするということです。なので、公立の幼稚園と保育所を一挙に、この国の制度改正の機を捉えて、全部認定こども園にするという決断をしたのは、私たちがこの問題に積極的にかかわる決意のあらわれだと御理解をいただきたいと思います。  静岡の子供と子育て家庭のために、従来の発想にとらわれず、中長期的視点で何ができるかということをともに考えていただくよう、切にお願いを申し上げます。  そして、そのために静岡市は民間が最大限力を発揮できるように、その先駆けとなるような支援をし、補完をしていきたいと考えております。  新制度を追い風として、私立、公立の幼稚園、保育所の教育・保育の力を結集し、待機児童対策にとどまらない抜本的な教育・保育環境の整備に取り組み、子供を健やかに育てるのならば静岡市だと、そういう評判が立つよう、いわば全国のモデル都市になるべく今後の対応を進めていきたいと考えております。  以下は局長に答弁させます。 14 ◯子ども未来局長(池谷眞樹君) 新制度の概要と市の取り組みについて5点の質問、待機児童解消加速化計画についての1点の質問についてお答えいたします。  新制度における私立幼稚園の施設形態についてですが、私立幼稚園が子ども・子育て支援新制度の枠組みに入り、施設型給付を受ける場合の施設形態としては、今回新たに加わる幼保連携型認定こども園のほか、幼稚園型認定こども園及び幼稚園の3つの類型に分かれることになります。  幼保連携型認定こども園は、学校と児童福祉施設としての法的位置づけをあわせ持ち、教育・保育を一体的に提供できる施設です。このため、これまでの認可幼稚園における教育と認可保育所における保育の質が確保されるとともに、3歳以上のお子さんの場合、保護者の就労状況により保育の必要性に変化があっても、通いなれた園を継続して利用できます。  また、幼稚園のまま施設型給付を受ける場合のメリットについてですが、安定的な運営財源が確保され、その中で教育・保育の質の改善が考慮されることにより、教育内容の充実を図ることができるものと考えております。  次に、私立保育所が保育所のままの施設形態とした場合の保育の内容とメリットについてです。  私立保育所が保育所のままの施設形態とした場合、保育の内容はこれまでと変わりません。メリットとしては、運営財源について認定こども園や幼稚園の場合と同様に新制度の給付の枠組みの中で、職員配置などの点で質の改善が考慮されるため、保育内容の充実が図れるものと考えております。  次に、市立こども園に関するご質問ですが、市立幼稚園からの移行する幼保連携型認定こども園におきましては、当分の間、受入対象とする児童の年齢をこれまでどおり3歳から5歳までとしております。ゼロ歳児から2歳児については、今後の私立園の認定こども園移行の状況や待機児童対策の効果などを見ながら受け入れの必要性について見定めていきたいと考えております。  また、市立保育所から移行する園につきましては、当分の間、教育のみを必要とする児童である1号認定児童の定員を設けないこととしております。これは、現在、保育所に待機児童が生じている中で、1号認定児童の定員を設定した場合、保育を必要とする児童が入所できなくなる可能性があるためでございます。  市立園においては、こうした条件を設定した上で、これまで幼稚園で行われてきた幼児期の学校教育と保育所で行われてきた保育の質を確保しながら、教育・保育の一体的な提供を行っていきます。  なお、山間地域の4園におきましては、いずれも3歳以上の児童を対象に、幼保連携型認定こども園に準じた教育・保育を行っていきます。  次に、小規模保育事業など、地域型保育に関する質問についてですが、静岡市子ども・子育て支援事業計画におきましては、地域型保育事業を、保育所、認定こども園を補完する保育の確保策として位置づけることになります。  地域型保育事業では、ゼロ歳児から2歳児までを対象としますので、3歳以降の受け皿となる連携施設の確保が必要となります。このため、地域型保育を行う事業者は、保育所や認定こども園を連携施設として確保することとなりますが、その確保が困難な場合には、事業者からの求めに応じて、市が私立施設のあっせんや公立施設による協力など、必要な調整を行うことになります。  本市では、こうした調整の役割をしっかりと果たしていくことにより、3歳以降の教育・保育への円滑な接続を図ってまいります。  なお、本年4月に開所した市内5カ所の民間保育所施設では、市立の保育所を連携施設としております。  次に、認証保育所や認可外保育施設についてです。  これらの施設につきましても、一定水準の保育を提供することが可能な場合には、新制度において公的給付の対象となる事業形態に移行できるよう、小規模保育事業等の地域型保育事業が新たに認可事業として位置づけられたところでございます。  特に、認証保育所につきましては、既に本市が独自に定めた基準を満たし、適切な運営がなされているものと認められますので、これらが新制度の事業形態に円滑に移行できるよう、必要な施設整備などの支援を実施してまいります。  また、その他の認可外保育施設についても、新制度への移行を促進するための支援に努めてまいります。  最後に、待機児童対策についてですが、本市では、平成25、26年度の2年間で待機児童解消加速化計画の取り組みを進め、まず、目の前の待機児童を解消することを目指しております。  このうち、平成25年度は、新制度の先取りである小規模保育事業の新設や本市独自の待機児童園の新設により新たに222人分の受入枠を設けました。  平成26年度につきましては、私立幼稚園の認定こども園移行などにより、さらに822人分の受入枠を設けるよう取り組みを進め、年間を通じて待機児童ゼロを実現したいと考えております。  また、中長期的には、平成26年度に策定する静岡市子ども・子育て支援事業計画の中で、潜在的なニーズにまで対応できる量の確保対策を講じていきたいと考えております。   〔28番馬居喜代子君登壇〕
    15 ◯28番(馬居喜代子君) お答えいただき、ありがとうございました。  市長から並々ならぬ御決意、また、熱い思い、今こそまちづくりの絶好の機会と捉えてやっていくという、その決意を伺いまして、本当に意を強くいたしました。  静岡は本来とても暮らしやすいまちです。それは皆さんが毎日実感していることだと思いますが、そこに本気の子育て支援が実施されれば、まさに鬼に金棒、明るい未来が見えてくるのではないかと思っております。  国を挙げて幼稚園、保育所を認定こども園に移行させて、待機児童をなくしていこう、誰もが必要な教育・保育を受けることができるようにしていこうという現在の状況、私たちは実は大変な局面にいるということを自覚しなければいけないと思っております。  これから先、安心して子育てできる環境をつくれるかどうか、それによって静岡市の人口が減少するのかどうか、そのことで人口が流入してくるということ、そこまで頑張っていきたいと思います。それが、まさにこれからの取り組みに全てかかっていると言っても過言ではありません。今回の制度が本来の目的を達成して、全ての子供たちが公平に教育・保育を受けられる日が一日も早く来ることを、心から祈っております。  では、2回目の質問に移ります。  1回目の質問で、今回の改正で現状の幼稚園、保育所がどのように変わっていくのかということを全てお伺いをしました。  新制度の一番の目的は、待機児童の解消ですけれども、実はもう1つの目的は、全ての子供たちに質の高い幼児教育を与えることではないでしょうか。そのために幼稚園と保育所のよいところをあわせ持った認定こども園を普及させているとうたっているわけです。  そういう意味では、今後一番問題になるのは、これまで行ってこなかった保育所における教育ではないでしょうか。行ってこなかったというと語弊があるかもしれません。保育所において、これまで教育が行われてこなかったわけではありません。しかし、午後の早い時間に子供たちが帰った後、次の日の教材研究などをしている幼稚園の先生と、夜遅くまで保育に追われている保育士の皆さんの日常を考えると、おのずとその教育内容の違いは歴然ではないでしょうか。  そこでお伺いいたします。  そもそも現在の幼稚園における教育と保育所で行われている教育の違いは何だと思われますか。お答えください。  それから、何度も言いますけれども、今回の改正の中の一番大きな課題は保育所で行われる教育の中身です。幼稚園の中に保育機能をつけ足すということも、これもハードルの高い体制だと思いますが、それにも増して大変なのが保育所における教育ではないかと思われます。全ての子供に質の高い教育・保育を実施することは簡単なことではありません。  そのため、今回の改正の中で非常に難しいことだということで、今回の改正の文書の中で、教育の内容については実はほとんど触れられておりません。認定こども園に移行しない保育所においては、教育を実施しなければいけないという義務化も、実はされておりません。とりあえず、待機児童をなくすことに集中、それ以外のことにはちょっと目をつぶってという意図が透けて見えます。  そこでお伺いいたします。  保育所から移行する認定こども園においては、どのようにして質の高い教育を提供していこうと考えておられるのか、お答えください。  以上、2回目の質問です。 16 ◯子ども未来局長(池谷眞樹君) 子育て支援を生かしたまちづくりについての2点の質問にお答えいたします。  幼稚園教育における教育と保育所保育における教育の違いについてですが、現在、幼稚園は幼稚園教育要領、保育所は保育所保育指針に基づき、それぞれ教育・保育を行っております。  この2つの基準については、国においてこれまですり合わせが行われてきており、健康、人間関係、環境、言葉、表現といった教育の5領域などについて整合が図られ、基本的な考え方に大きな相違はないものと考えております。  その上で、幼稚園においては子供の主体性を促す環境設定や小学校教育との連続性などに特に配慮がなされ、保育所においてはゼロ歳からの発達を見通した保育や障害児への対応など、環境の異なる子供へのきめ細かな対応に特に配慮がなされているものと認識しております。  幼保連携型認定こども園では、幼保連携型認定こども園教育・保育要領に基づき、双方のよさを生かして、より質の高い教育・保育を提供していくことが目指す方向性であると考えております。  続いて、保育所から移行する認定こども園における教育についての御質問ですが、保育所では、これまで保育所保育指針に基づき、養護と教育の一体的な提供として保育を実施してきましたが、幼保連携型認定こども園に移行することで学校教育としての位置づけがなされます。  今後は、幼保連携型認定こども園教育・保育要領に基づき、各園においてそれぞれの取り組みの根幹をなす教育・保育課程を策定し、これに沿って教育・保育を実施していくことになります。各園における質の高い教育・保育内容確保のためには、その取り組みの支援に加え、指導体制の構築、職員研修の充実が必要であると考えております。  現在、教育委員会におきましては、市立幼稚園の教育内容について指導主事が計画的に訪問し、指導を行っておりますが、市立幼稚園、保育所の認定こども園移行後は、子ども未来局と教育委員会との連携のもと、教育・保育内容全体について各園を訪問し、指導できる体制について検討してまいりたいと考えております。  また、職員の研修機会の確保のため、市長部局で実施する研修に加え、教育センターの研修を活用することを検討しております。このうち、一部の研修については、本年度からの実施を予定しているところであり、新制度への移行後も教育委員会と密接に連携することにより、私立園を含めた研修の充実等、職員の資質向上のために必要な支援を行い、質の高い教育・保育を確保してまいります。   〔28番馬居喜代子君登壇〕 17 ◯28番(馬居喜代子君) お答えいただきまして、ありがとうございました。  非常に答えにくい質問だったのかと思います。というのは、教育については、ほとんど国のほうでも規定をしていない。これから保育所においてどのような教育が行われていくのかは、これから考えなければいけない問題ということで、今、大変な時期にいるのだと思っております。  これから質の高い幼児教育とは一体何なのかということを、これは幼稚園、保育所、それから、認定こども園を含めて、その教育の質について、これからまた、協議をしていかなければいけないなと思っております。  3回目は意見・要望を申し上げます。  今お答えの中で職員研修ということが義務づけられているよということもございました。これからそれも非常に大事になってくると思います。  これから認定こども園で子供たちを育てていくのが保育教諭ということで、保育士と幼稚園教諭の両方の資格を持っている人です。現在の幼稚園教諭、保育士に両方の資格を持っていただくための特例制度は、もう既に始まっております。しかし、仕事をしながら新たな資格を取得するというのは、これは並大抵のことではないようです。時間もかかるし、お金もかかるということで、市としても平成31年度までに該当される全ての方が両方の資格をきちんと取れるように計画的に支援をしていっていただきたいと要望いたします。時間的にも経済的にでもです。  国は、保育士不足を懸念して資格を持たない子育て支援員制度を創設するなど、さまざまな量的な対策を示していますけれども、量的な心配よりも私は中身のほうが本当に大切だと思っています。教育も保育も資格を持たない人が簡単にできる仕事ではないと思っております。  最後に、来年度から本格実施される子ども・子育て支援新制度が、これまでと一番違っていることは何か。それは、子供を支援すること、子育てを支援することが社会保障制度になったという事実です。国の消費税増税の議論の中で、政府は、消費税の増税分は全て年金、介護、医療、そして、子育て支援という社会保障の4分野にのみ使うという約束をしました。つまり、子供を育てることは単に親の責任ではなく社会全体の責任という位置づけになったのです。実は、これは歴史的に見ても画期的な出来事です。  また、消費税増税分のうちの毎年7,000億円程度が子育て支援の財源に充てられることになりました。  これまで私ども公明党は福祉の党として、児童手当の増額や子どもの医療費の無償化など、子育て支援策をずっと求めてきました。しかし、子育ては社会の責任という認識がなかったために予算づけに大変な苦労をしてきた経緯があります。その子育て支援が社会保障制度の一分野に位置づけられたということは、これからは国の責任で大事な子供たちをきちんと育てていくのだという宣言をしたということです。この宣言を形だけに終わらせることなく、どうやって子育て支援を生かして魅力あるまちづくりをしていくのか。ここからは市の責任だと思っております。  私は、静岡市には国が考えている以上の子育て支援のノウハウの蓄積があると思っております。静岡市内の幼稚園教育、また、保育所の保育、これはどの都市にも負けないすばらしいものであると思っております。これから静岡らしい子育て支援を充実させることで、女性が生き生きと働ける社会に、そして、外から子育て世代をどんどん呼び込んでいけるよう、先ほど市長がおっしゃってくださったような、本当にどこに住むかを決めるのは子育て支援のいいところだというふうに、そういうまちづくりをしていくという思い切った子育て支援策を次々と…… 18 ◯議長(石上顕太郎君) あと1分で終了してください。 19 ◯28番(馬居喜代子君)(続) 実現させていただきたい、そのことを訴えて私の質問を終わります。ありがとうございました。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 20 ◯議長(石上顕太郎君) 次に、水野敏夫君。   〔29番水野敏夫君登壇〕 21 ◯29番(水野敏夫君) 通告に従いまして4点質問します。  質問内容が多岐にわたっておりますので、大項目の1、2を1回目、3、4を2回目とします。  1点目は、市税滞納整理についてであります。  資料1)をごらんください。  資料は、静岡市70万人と名古屋市227万人の収入未済金と収入率の推移の比較であります。名古屋市の収入率は20政令市中トップ、静岡市は最下位であります。名古屋市の滞納金は、平成24年度で65億円、一方の静岡市は145億円であります。企業であれば145億円という莫大な赤字が出れば幾つも倒産してしまいます。そうならないよう、企業は血のにじむような経営努力を重ねております。税金は市民の安心・安全な暮らしを守るものであります。したがって、このような現状を放置していくわけにはいきません。市税を初め、国民健康保険料、市営住宅使用料、保育料等の収納状況において、滞納者に対して逃げ得は断じて許さないという姿勢で収納率を高め、税負担の公平性を確保するために収納率向上に努めていただきたい。  今後、税収の伸びも期待できない中、厳しい財政運営をしていかなければなりません。いかに収入をふやすか、そして、いかに無駄を省いていくかが大きな課題であります。収入をいかにふやすという視点から考えると、滞納金145億円は、いわば隠れた埋蔵金と言ってもいいではないか。仮に1%の徴収で収入が1億4,000万円になります。教育予算で例えると、未収金の徴収が仮に1億円あれば、特別支援員が200人増員できます。中山間地の複式学級の2学年のクラスを1人の教師が面倒見ている現状で、1人の非常勤が配置され、複式学級が解消されれば教育の格差がなくなります。  また、収納金が5,000万円あれば中学校の部活動指導員が200人配置できます。そして、1年間で2カ所程度のトイレも多く改修できます。100円ショップではありませんが、あれもこれもと考えてしまうのは、私だけでしょうか。  それでは、収納率向上について質問していきます。  1、債権管理委員会は何回開催し、どのような内容の会議か。  2、平成26年度の市税の収納率及び収入未済額の数値目標。  3、徴収を分担する係体制について。  4、各係の行動目標について。  5、現金課税分の滞納整理の流れはどのようになっているか。  6、市外在住者の滞納状況と滞納整理について。  7、徴収職員を1名ふやすと、およそ幾らの効果があるか。  8、税務の徴収業務は葵市税事務所65名、駿河47名、清水60名の3区で行っておりますが、各市税事務所を一体化し、税務組織を再編すればメリットがあると考えます。  以上、8点についてお答えください。  2点目は福祉行政についてであります。  2014年のWHO世界保健機関の平均寿命の調査によると、日本人の平均寿命は男性80歳、女性87歳、国の平均寿命は84歳で世界一の長寿国となりました。4人に1人が高齢者で、団塊の世代が10年後、2025年、75歳になると大介護時代を迎えることになります。長生きすることは医療と介護にお金がかかります。  お手元の資料2)を見ていただきたいんですが、資料2)にありますように、介護認定者数は3万2,143人、介護給付費、年間532億円で右肩上がりで上昇しております。このまま推移していけば、介護費で近い将来、財政の悪化は免れないと思います。  今後どうすれば介護制度を維持できるか。持続可能な保険制度にするために知恵を出し合っていかなければならないと思います。  今までの介護のあり方は、高齢者の皆さんに何かをしてあげることがいいことだという評価を受けていました。だから、優しくしたり何かを手伝ってあげるなど、手厚いサービスを提供することが従来の介護のメーンテーマでした。本来、介護保険サービスは介護予防のために使うものであります。介護認定者がどんどん悪化し、介護度が上がっていくことは要介護費用がふえ続けていくことになります。これに歯どめをかけるには、要介護になる前のケアを重視していくことが必要になります。  それでは、質問します。  1、要支援1・2の自立へ向けた取り組み、要支援認定者のうち、何人が自立できているか、伺います。  2、元気高齢者に対する介護予防の取り組み。  3、平成18年、高齢者虐待防止法が施行されましたが、高齢者虐待の実態と対応。  4、人材財源が不足しており、元気高齢者が高齢者をボランティアで支えていくべきと思いますが、地域ボランティアの養成と活用。  5、長寿社会で元気な高齢者の労働力を活用する必要があると思いますが、シルバー人材センターの実態と活用について。  6、地域包括支援センターへの相談と取り組みについて、お答えください。  続いて、認知症について伺います。  厚生省の推計では、65歳以上の認知症高齢者は2012年に462万人。一方、警視庁によると認知症が原因で行方不明になったとの届け出は2012、13年とも約1万人に上っています。先月には2007年、群馬で保護された女性の身元がテレビ番組をきっかけに判明しました。認知症の人の行方不明問題は、本人が買い物や気晴らしに出かけて帰れなくなるなど、日常生活の延長で起きている場合が多いと言います。大がかりな捜索網も必要ですが、見知らぬ土地まで行ってしまわないように、ふだんから身近な地域で小さな見守りをふやしていくことが問題解消の鍵となるようです。  山形市では、4月からの新制度で、徘回のおそれのある人で家族が申し出ると、地域包括支援センターの職員が自宅を訪問し、氏名や身体の特徴、旧姓、生まれ育った場所などを聞き取る。古い写真は手がかりになりにくいため、その場で写真を撮影する。情報は警察に事前登録し、家族の了承があればコンビニやタクシー会社などに提供しています。さまざまな情報をあらかじめ把握し、早期発見に努めております。  このように、身近な地域で小さな見守りをふやしていくことが、生協や企業などと自治体が協定を結ぶ動きが全国的に広まっております。  今後、自治体として真剣に取り組むべきことであると考えます。  そこで、本市の認知症の現状と対応について、2点お聞きします。  1、認知症の実態と徘回高齢者の状況について。  2、認知症見守り事業等について、伺います。  続いて、独居老人についてお聞きします。  先般の総務省国勢調査によると、ひとり暮らし世帯数に占める割合が、初めて3割を突破。家族類型別で夫婦と子供で構成する世帯を上回り、最多となりました。夫婦と子供世帯は1,458万8,000人で、28.7%、一方で、ひとり暮らし世帯は1,555万5,000人で、総世帯の31.2%。また、こうしたひとり暮らしで2009年、孤独死した人は全国で3,875人で、男性が7割を占めております。ひとり暮らしと孤独死の割合も高くなってきております。こうした独居老人宅への訪問事業について、伺います。  続いて、老人クラブについてお聞きします。  高齢者は確実にふえているのに、老人クラブの会員がなかなかふえないということをよく聞きます。世間とのかかわりを持たないひとり暮らしや老老介護世帯が増加しております。地域の防犯や防災の面でも老人クラブは重要な役割を担っております。進む高齢化に対して、老人クラブの会員が減少しているようですが、現状と加入促進について、お答え願います。 22 ◯市長(田辺信宏君) 大変多くの質問をいただきました。  私からは中項目、介護予防についてのうち、大変大事な論点だと思いますので、元気な高齢者に対する介護予防の取り組みについてお答えをいたします。  先ごろ発表されました厚生労働省の調査によると、自分のことは自分でできる高齢者、つまり健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できるという健康寿命が、静岡市は全国の主要都市、政令指定都市の中で第2位でありました。72.96歳、まあ73歳ですね。この健康寿命という新しい概念に注目をしていきたいと思っています。  先ほど議員御指摘のとおり、本市の平均寿命は約84歳であります。つまり健康でいられる寿命と11年のギャップがあるわけです。なので、この11年をなるべく短くしていく、健康寿命を延伸していく、これが大きなポイントであります。  歴史を振り返りますと、徳川家康公は、大御所時代、隠居後もこの静岡の地で、当時では大変長寿であります75歳まで活躍をされました。健康で生涯現役を貫かれたという、この家康公の生き方に、私どもは多くのものを学ぶことができると考えております。  私は、静岡市の強みである、この健康寿命をさらに延ばしていく、高齢者が生き生きと暮らせる、いわば「健康寿命世界一のまち静岡」をつくっていくということに、今後3次総の議論の焦点を合わせたいと、そう考えております。  高齢者が生き生きと毎日を楽しく過ごし、老後を安心して暮らせるまちが静岡市だよという評判が立つことが、先ほどの子育て環境と同時に、将来の転入者の増加や交流人口の創出にもつながっていくと考えております。  さて、そこで、静岡市が現在行っている元気高齢者の介護予防事業、それを紹介、検証してみますと、S型デイサービスや、しぞ~かでん伝体操の普及などは、多くの参加者があり、そして評判もよく、一定の効果も上げております。これもまず、拡充をしていくというのが基本であります。  しかしながら、現役時代に確固たる地位を築き、見識がある団塊の世代の皆さんが、この高齢者層に加わってきていることから、もう少し大きな視点から、新たな視点に立った介護予防の取り組みが必要ではないかと、そう考えております。  今国会で成立した新たな介護保険制度は、自己負担の増加であるとか地方への押しつけなど、さまざまな批判があるということは承知をしておりますが、逆に言えば基礎自治体の知恵の絞りどき、市がみずからの知見や考え方で静岡市民にふさわしい介護予防の事業を考えることができるチャンスが到来してきた、そういう発想の転換も必要であります。  地域包括ケアシステムの構築に向けた取り組み等を検討していくために、私自身も新年度の政令指定都市の首長会において、このことの所管である社会保障部会に参加することにいたしました。  一方、この質問の答弁の準備をするに当たり、所管の保健福祉局の職員に、じゃ、果たして心身とも健康で人生を楽しむ生き方、元気な高齢者をふやしていくためにはどんな要素が必要かというテーマで議論をしてもらいました。その結果として、要素として出てきたのは、これから申し上げる6つであります。  1つ目は、適度な運動をすること。2つ目は、ストレスのない生活を送ること。3つ目は、健康を意識したバランスのよい食生活を営むこと。4つ目は、何か生きがいや趣味があるということ。5つ目は、かけがえのない仲間や友人がいるということ。そして、最後に、社会の中で自分の役割があるということであります。  この要素をどれだけ下支えすることができるのか、このことを踏まえますと、高齢者が前向きに元気で暮らすためには、「健康寿命の延伸」を大きなテーマとした上で、さきにお答えをした元気高齢者をふやすための要素を取り入れた仕組みづくりが必要であるということであります。それが少し大きく考えなければいけないという発想です。  そのために私は「健康寿命の延伸」を実現できる具体の施策を、目下、全庁挙げて検討し、その中で効果的な施策は、第3次総合計画の施策に盛り込んでいきたいと考えております。  その施策は、今、熟度を高めておりますが、2つの視点から検討をしております。  1つ目は、生涯を通じて、これは社会の中という大げさではない、家庭の中でもいいかもしれない、自分の役割を持ち、いつまでも社会の一員であり続けるということ、そのためには、高齢者の皆さんが今までの知識や経験を生かし、働き続けることができるような雇用の場、ボランティアの場を確保していくこと、そんな活動に参加する仕組みづくりをしていくということであります。
     2つ目は、日々の生活を心から楽しみ、ストレスのない生活を送るということです。そのためには、このストレスの解消として、広い会場でコンサートを聞いたり、文化、芸術を鑑賞したり、あるいはスポーツを楽しみ観戦をする場所、つまり出歩きやすい環境をつくるということも必要でありましょう。  このような「健康寿命世界一のまち静岡」をつくるという目標に向かって、私が目指すは、住む人が誇りを持ち、訪れる人が憧れを抱く世界水準の都市静岡を実現してまいります。  以下は局長に答弁させます。 23 ◯財政局長(河野太郎君) 私からは、市税滞納整理について、市税収納率の向上につきまして8点の御質問にお答えをいたします。  まず、本市で取り組んでおります債権管理委員会についてでございますが、債権管理委員会は、庁内の連携、情報の共有等を通じた総括的な債権の管理を行うことにより、本市の債権管理に関する事務の一層の適正化を図り、もって市民の公平な負担による収入確保の徹底を図ることを目的として、平成19年に設置されたものでございます。  現在は小長谷副市長を委員長とし、総務局長のほか、市税や国民健康保険料などの主要債権を所管する財政局長、保健福祉局長など10人の委員で構成されております。  会議は、年度当初に主要債権の管理に関する取り組み方針の審議、決算確定後に前年度決算に基づく収入状況等の報告、年度末に債権管理条例に基づく債権放棄案件の審議など、おおむね年3回開催しております。  次に、平成26年度の市税の収納率及び収入未済額の数値目標についてでございますが、本市の収納率は、22年度移行、大幅に改善をしておりまして、25年度の実績は95.7%程度になるものと見込んでおります。  この結果、静岡市行財政改革推進大綱に掲げた平成26年度の最終目標収納率95.3%を、1年前倒しで達成する見通しとなっております。  これを踏まえ、平成26年度は、徴収努力を継続することでさらなる収納率の向上を目指すこととし、本年5月に公表した財政局運営方針において、目標収納率を96.23%に設定をいたしております。  また、収入未済額については、平成21年度末の87億円から大幅に改善しており、25年度末は48億円程度にまで圧縮する見込みでございます。  これを踏まえ、収入未済額についても、徴収努力の継続によりさらなる圧縮を目指すこととし、本年度の目標を43億円未満と設定したところでございます。  次に、税徴収を分担する係体制についてでございますが、本市においては、平成21年度から滞納整理の段階に応じて事務を分担する係体制を採用しております。  具体的には、滞納整理の初期段階にある事案については、各市税事務所納税係が担当し、それでもなお完結しない事案については、納税課特別滞納整理係が担当しております。  また、不動産を差し押さえた事案については、納税課公売・捜索係が担当しております。  次に、各係の行動計画についてでございますが、納税課及び市税事務所の各係は、それぞれの役割に応じた行動計画を月単位で定め、年間の滞納整理スケジュールとして共有しております。  この滞納整理スケジュールに基づき、各市税事務所納税係は、初期催告の完全実施と財産調査及び差し押さえを行い、納税課特別滞納整理係は、より一層掘り下げた財産調査及び差し押さえを行うとともに、公売・捜索係は、不動産公売及び捜索を行います。  次に、滞納整理の流れについてでございますが、現年課税分の滞納整理の流れにつきましては、納期限までに自主納付がなく滞納となった場合には、納期限から約20日後に督促状を発送します。それでもなお納付がない場合には、督促状の発送から約20日後に納付書つきの催告書を発送し、再度、自主納付を促します。この際、電話番号が判明している滞納者については、委託民間事業者(静岡市納税お知らせセンター)による電話での納税勧奨もあわせて行っております。それでもなお納付がない場合には、徴収職員による催告及び滞納処分を開始いたします。  次に、市外在住者の滞納者数、滞納額及び滞納整理の流れについてでございます。  市外在住者の滞納状況につきましては、平成26年5月末現在、市外在住の滞納者数は4,719人で、滞納額5億6,639万円余になります。  次に、市外在住者に対する滞納整理の流れについては、督促から滞納処分に至る流れは先ほどお答えした現年課税分の滞納整理の流れと同様ですが、市外在住者については、現住所、勤務先、不動産の所有状況など、催告や滞納処分に必要な情報が本市にないことから、事前に滞納者の居住する市町村に対して照会し、それらの事項を調査する必要がございます。  次に、お尋ねのありました徴収職員を1名増員すると、およそ幾らの効果があるのかについてでございます。  平成24年度決算における徴収実績では、徴収職員1名当たりの増収額は約7,500万円となっておりますので、増員の効果についても相応の効果が図られると考えております。  最後に、各市税事務所の集約化など、税務組織を再編すればメリットがあるかについてでございます。  各市税事務所の集約化など、税務組織の再編によるメリットにつきましては、組織を集約化した場合、新たな人員増を抑制しつつ、所定内定員の中で徴収対策に必要な人員を確保することが可能であると考えております。  徴収職員1名当たりの徴収額を鑑みますと、人員の確保により、収納率の向上が図られ、市税収入の安定的な確保に資するものと考えられることから、今後、各市税事務所の集約化など、税務組織の再編について検討してまいりたいと考えております。 24 ◯保健福祉局長(松本泰典君) それでは、福祉行政9点の質問のうち、まず、介護予防に関する5点の質問にお答えします。  最初に、要支援1・2の方で自立できた人数とのことでございますが、更新申請で非該当と判定された方及び更新申請をしなかった方と考えれば、平成23年度は、要支援認定者6,718人のうち767人、24年度は6,840人のうち665人、25年度は7,636人のうち842人となります。  次に、本市の高齢者虐待の実態と、その対応についてでございますが、まず、虐待に関する相談・通報件数は、平成22年度が183件、23年度は206件、24年度は138件と推移しております。  また、平成24年度の件数のうち、虐待を受けたまたは受けたと思われた事例は104件で、その内訳としては、身体的虐待が最も多く、次に、心理的虐待、介護の放棄・放任の順となっております。  なお、虐待を受けた人の大半は要介護認定者で、その7割以上を認知症の方が占めております。  一方、虐待者は、息子が一番多く、全体の4割となっております。  次に、虐待への対応として、各区高齢介護課と地域包括支援センターが会議を開催し、必要に応じて医師・弁護士等の専門家の参加を得て、緊急性を判断いたします。その結果、虐待者からの分離が必要な場合は、特別養護老人ホーム等で一時的に保護し、そうでない場合は、養護者に対する助言・指導や適切な介護保険サービスを提供いたします。  また、高齢者虐待を予防するためには、養護者への支援と介護環境の改善が重要であることから、今後も引き続き研修会等によりケアマネジャーを初め、介護職員等の資質向上を図るとともに、講演会を開催するなど、市民への啓発活動を実施してまいります。  次に、地域のボランティアの養成と活用ですが、地域の高齢者を対象としましたボランティアの養成については、静岡市社会福祉協議会への委託事業として、主に2つの事業を実施しております。  第1は、ボランティア養成出張講座です。この事業は、各地区の社会福祉協議会からの依頼により地域に出向き、ボランティアの養成を行うもので、平成25年度は市内16地区で開催し、S型デイサービスにかかわるボランティアの育成などを行いました。  第2は、シニアボランティア入門講座です。この事業は、団塊の世代を対象に、自身の持つさまざまな知識や経験を、ボランティア活動の中で生かしていただくためのきっかけの場を提供するものです。平成25年度からは、介護保険野サービスだけでは対応できない、例えば、電球の交換や花の水やりなどの困りごとを解決する、生活支援ボランティアの養成などを行っています。  今国会で成立した新たな介護保険制度においても、ボランティアの活用が求められていることから、今後もより一層ボランティアの養成に努めてまいります。  次に、シルバー人材センターの実態と活用についてですが、まず、現状を申し上げますと、平成25年度末の会員数は3,181人で、就業実人員は2,283人、就業率は71.8%でした。  25年度の就業受注件数は8,982件で、年間の契約金額は10億4,000万円余です。このうち、民間企業からの受注が67.5%を占め、公共事業は16.4%、以下、家庭及び個人、独自事業の順となっています。  また、就業会員の平均配分金は、月平均4万7,290円でした。  受注している仕事の内容ですが、従来の植木の手入れや大工仕事などの技能分野、草取り、屋内外の清掃などの軽作業分野に加え、最近では福祉・家事援助サービス事業と子育て支援事業も実施しております。  次に、シルバー人材センターの活用ですが、このたびの介護保険制度の見直しに合わせ、ごみ出しや買い物代行などの生活支援サービスの充実・強化を図るには、多様な担い手を確保することが課題となっております。このため、その担い手となり得るシルバー人材センターとは今後協議を行ってまいりたいと考えております。  次に、地域包括支援センターへの相談と取り組みですが、平成25年度に地域包括支援センターに寄せられた相談件数は4万7,353件で、その2割に当たる9,230件が介護予防に関するものでした。  次に、介護予防の取り組みとしては、主に2つの事業を実施しております。  1つは、要支援1・2の方に対してケアプランを作成しています。この事業は、対象者の身体機能の低下や日常生活上の課題等について、御本人の目標を定め、それに沿ってプランを作成するもので、平成25年度は延べ6万6,971件となっております。  2つ目は、要支援・要介護状態になることが心配される高齢者を支援する事業です。この事業は、高齢者の生活機能を確認する基本チェックリストにより、介護予防が必要とされた方へ地域包括支援センターの職員が訪問指導を行い、しぞ~かでん伝体操等の介護予防事業への参加を促すものです。平成25年度は、訪問した3,559人のうち1,065人が介護予防事業に参加しております。  続きまして、認知症に係る2点の御質問にお答えします。  本市の65歳以上の要介護認定者3万1,318人のうち、認知症またはその疑いのある人は、平成25年度末で1万8,999人と約6割を占めております。  徘回高齢者に関する調査はしておりませんが、平成25年度、同報無線を利用した高齢者の捜索依頼件数は、男性で34件、女性で28件になっております。  次に、認知症高齢者への支援体制としての見守りということですけれども、見守りのための施策につきましては、主に3つございます。  第1は、認知症サポーター養成講座です。これは自治会等の依頼に応じて開催し、認知症を正しく理解することで、地域で見守る応援者を養成しており、これまでに3万1,475人のサポーターが誕生しております。  第2は、認知症しずメールです。これは、徘回して行方不明になった高齢者の情報を、見守り協力者にメール送信し、早期発見を図るものです。  第3は、高齢者見守りネットワーク事業の推進です。これは、市内で営業活動を展開している事業者に、高齢者宅を訪問する際の見守りと異変時の対応をお願いするもので、現在、新聞店、牛乳販売店、金融機関の3事業者と協定を締結しております。  本市としましては、ひとり暮らし高齢者や認知症高齢者の増加を受けて、地域における見守りの目をふやしていくことは急務であると考えており、これらの取り組みをさらに充実させてまいります。  続きまして、独居老人の訪問事業に関する質問にお答えします。  ひとり暮らし高齢者の実態については、民生委員児童委員協議会の協力を得て実施する高齢者実態調査を通して把握をしております。この調査によると、葵区8,853人、駿河区5,871人、清水区8,024人の合計2万2,748人で、男女比はおおむね1対2となっております。  これらの方々のうち、日常生活の不自由や認知症の疑いにより、介護サービスや在宅福祉サービスなどを利用することが望ましいと思われる場合は、地域包括支援センター職員や民生委員等が訪問し、日ごろの見守りに加え、ホームヘルパーの派遣や附則の事態に対応する緊急通報事業などにつなげております。  最後に、老人クラブの現状及び加入促進策に関する御質問にお答えします。  単位老人クラブのクラブ数と会員数は、平成25年度は465クラブ、2万971人で、5年前の20年度と比べ78クラブ、5,677人減少しております。  その理由として、老人クラブには、おおむね60歳から加入できますが、一概に高齢者といいましても年齢の幅が広く、価値観の相違や活動の内容、「老人」という言葉に対する抵抗感があることなどが考えられます。  今後の対応ですが、市老人クラブ連合会の取り組みとしては、全国老人クラブ連合会が平成26年度から30年度の5カ年計画で、老人クラブ100万人会員増強運動を実施しており、これに合わせ、PRを中心とした会員の勧誘運動を実施する予定です。  本市の取り組みとしては、本年度から、老人クラブ会員の入退会の傾向や退会理由などを把握し、加入促進策の検討に生かしてまいりたいと考えております。 25 ◯議長(石上顕太郎君) この際、暫時休憩いたします。         午後0時1分休憩    ───────────────────         午後1時再開 26 ◯副議長(中山道晴君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  総括質問を続行します。   〔29番水野敏夫君登壇〕 27 ◯29番(水野敏夫君) 3点目は、教育行政についてであります。  教育長は、平成22年4月1日に教育長に着任され、平成29年4月23日までの任期があります。この議場に座っている中では最も長く重職につき、市長、副市長に次ぐナンバー3の立場にあります。  そこで、教育長から見て本市の学校教育、学校施設の教育課題について、お答えください。  この議場で市長の熱い思いはたっぷりと聞かせていただいておりますので、教育長の本市の教育への熱い思いを語っていただきたいと思います。  続いて、全国学力・学習状況調査について伺います。  問題のきっかけは、県内小学校の国語Aが全国の最下位とわかり、下位100校、成績の悪い校長名を公表するというもの。全国で最下位という調査結果については真摯に受けとめ、学校は子供に学力向上に努めることについては否定はしません。そして、今までのように全国、県、市との比較、回答の結果、分析等の公表は何ら問題はないと思います。しかし、平均点の悪い校長名を公表することについては、何の意味もないと私は思います。  学力テストの目的は、学力状況調査を把握、分析し、個々のつまずきを知るもので、過度な競争をあおるものではないし、校長名を新聞に公表することが子供の学力に将来、何の意味も持たないと思います。単に学力テストの平均点だけが上がったことで学力がついたとは思いません。平均は、下位の子が多くいれば数値は下がるのは当たり前。運動も同じで、例えば運動会種目に学級対抗の全員リレーがあります。クラスに1人か2人、肥満ぎみで極端に遅い子がいれば、ほとんどそのクラスはびりになります。びりになったのは、おまえのせいだと個人を責めることが運動能力向上につながるでしょうか。クラスには足の速い子、中くらいの子、いろいろいます。足の遅い子を責めるのではなく、足の遅い子も運動を好きにさせてやることが肝心であります。苦手だけど、運動が楽しいものだと教育することが学校では大切なことだと思います。  運動においても、学習においても、個人の伸びを認め励まし、評価してあげることが意欲につながります。これは本市で行っている学力アップサポート事業と同じです。学力テストを受け、個々のつまずきを把握し、個々の習熟度をきちんと把握し、その後の子供へのフォローに生かすことこそが学力テストの真の狙いであります。  そこで、本年度の全国学力・学習状況調査の結果公表について、どのように考えているのか、お尋ねします。  また、テスト結果を受け、どのように児童生徒の学力向上につなげていくのか、お答え願います。  そして、やった、できたという生徒一人一人に成就感、満足感、達成感を味わわせる、わかる授業、毎日の授業改善こそが重要であります。本市の取り組みを伺います。  次に、生徒指導困難校についてお聞きします。  私は、かつて教員時代、荒れた学校を数多く経験し、生活指導や生徒指導を担当し、立て直してきました。問題行動をとる子供たちを指導するのには、物すごいエネルギーを使います。当時、夜中にうなされて目を覚ましたことも何度もありました。  以前、「教育の荒廃」という言葉が流行になり、校舎内の廊下を自転車やバイクが走るなど、何年か前、あちこちで見られた光景でした。こうした行為は悪いことですが、問題行動をとる生徒は一人一人を見れば、決してもとから悪い子ではありません。自分の居場所が学校にはなく、自分の存在感を違った形であらわしております。  残念なことに、静岡市のある中学校が荒れております。授業中、土足で廊下を歩き、携帯を高音響で音楽を鳴らし、授業妨害、器物破損、対教師暴力や生徒間暴力等、誰がやったか特定できず、校内に防犯カメラを設置、まさに犯罪であり、放置できません。生徒指導に先生方も疲れ果て、休みが多く、昨年度ある学年部の職員全員がそろった日が9月から3月にかけて10日前後、今や学校現場の教職員だけでは解決できない状況となっております。  こうした内容を公にしたくはなかったのですが、現状を見てまして、改善の見通しがつかないため、あえてここで取り上げました。こういうことを長く放置していくことは、加害者も被害者も犠牲者となります。早期の対応をとれば、こうはならなかったはずです。この学校の実態はどうなのか、具体的にお答え願います。  また、教育委員会はどのように対応してきたのか。学校任せのように思われますが、きれいごとの答弁にならないようにしてください。  また、過去においては生徒指導、生活指導担当が中心となり、なりが直ったケースが多く見られましたが、今の先生方はこうした問題行動生徒への指導がうまくできないのではないかと思います。以前は子供との人間関係を保ち、子供への指導がしっかりできていたような気がします。5月に3年部に1名加配されましたが、緊急事態に対して、さらに加配措置をとるべきだと考えます。  このように学校だけでは解決が難しい問題に対応するため、別室で指導したり、社会福祉士や臨床心理士などの専門家で構成する強力な学校支援チームを結成し、対応する必要があると考えますが、お答え願います。  次に、登下校見守りメールについて伺います。  最近、子供に関する痛ましい事件が後を絶ちません。2005年12月、栃木県で当時、小学1年生の女児が下校途中行方不明になった事件で、8年半たって容疑者が逮捕されました。また、長期間居場所が確認できない居所不明児童が話題となりました。  そこで、本市の居所不明者の実態と小中学生の不審者連れ去り等被害状況を教えてください。  こうした事件・事故に対して、大阪府守口市では昨年10月から阪神電鉄が提供する登下校見守りサービス、皆様方にお配りました資料3)を見ていただきたいのですが、市内18校で導入しました。同サービスは、かばんの中に入れたICタグを持った子供が校門を通過すると、校門に設置されたアンテナが情報を読み取り、保護者の携帯電話に登下校時の通過時刻をメールで知らせるというものであります。市の費用負担はなく、保護者と阪神電鉄が直接契約する。阪神・阪急沿線地域の住民の利用料は1人当たり1カ月350円、同社によると、2011年の開始以来、全国で約6万8,000人が利用し、特に公立小学校で利用が多いと聞いております。月350円で子供の安心・安全が守られる。この配信メールシステムは本市でも導入すべきと考えますが、お答え願います。  4点目は、静岡マラソンについてであります。  ことし3月、県内唯一の都市型公認マラソン、第1回静岡マラソンが開催されました。大会関係者や、この大会を陰で支えてくださったボランティアの皆様方に感謝申し上げます。  この大会は、田辺市長の熱い思い入れで実施されましたが、大会開催に当たっては鈴木和彦会長のバックアップも忘れてはならないと思います。私も陸協の関係者としまして、当初からこのマラソンへの関心を持っておりました。参加者約1万人のランナーが県内外から静岡市に集まるということは、なかなかないことです。今では各地でマラソンブームであります。以前は交通規制等でマラソンの許可がおりなく、開催が難しかったのですが、あの大都市での東京マラソン以降、規制が緩和されてきたようです。それは、マラソンのシティプロモーションや経済効果が期待され、各自治体が本腰を入れてきて、マラソンの注目度がアップしているからであります。  今年度の全国のマラソン日程を見ると、11月、下関、2月、北九州、京都、東京、3月、静岡、名古屋、新規に横浜が予定されております。  今後、全国でマラソン大会が開催され、あちこちでマラソンランナーを取り合う、マラソン都市間競争に突入しております。全国でマラソン大会が実施されれば、やがて選別化されてきます。そのときに勝ち残るには、ランナーの多くが静岡は選手を歓迎してくれる、市民が温かいなど、静岡に行ってマラソンを走ってみたいという都市の魅力をつけなければならないと思います。ランナーへのおもてなし、まちの力、まちの魅力、静岡市の総合力が重要であります。人の集まるまちづくりに向けて、今後の静岡マラソン大会に行政がもっと前面に出て大会を盛り上げていく必要があります。  そこで、第1回静岡マラソンの反省点についてお聞きします。運営面の課題、成果等、魅力ある大会にするためにどのように改善していくか、伺っておきます。 28 ◯教育長(高木雅宏君) 本市の教育の課題と、そして、どのようにそれを施策として進めていくのかという御質問にお答えします。
     まず、私は本市教育の課題は、大きく3点あると考えております。  1つ目は、子供たちに社会を生き抜くために必要な基礎的な力である知・徳・体を身につけさせることであります。  2つ目は、人口減少やグローバル化の進展などの時代の変化、支援が必要な子供たちの増加など、多様化する社会に対応する教育、支援を行うことであります。  そして、3つ目は、子供たちが良質な教育を受けることができる環境を整えることにあると考えております。  次に、これらを解決するための施策の方向性は、大きく4つあると受けとめております。  まず、方向性の1として、1つ目の課題であります知・徳・体を身につけさせるために、学校での授業を改善するのだけではなくて、学力アップサポート事業などにより学力の向上に努めてまいります。  次に、方向性の2としまして、2つ目の課題であります時代の変化に対応する力を身につけさせるため、外国語指導助手の活用など、英語教育の強化に取り組むとともに、静岡市民らしさを育むために静岡版道徳教育やお茶で学ぶ静岡型人材育成などに取り組んでまいります。さらに、スクールカウンセラー、ソーシャルワーカーの活用などにより、いじめ、不登校に対応するとともに、特別支援教育の充実などに力を入れてまいります。  次に、方向性の3でありますけれども、3つ目の課題であります良質な教育環境の整備として、アセットマネジメント方針にのっとり、学校施設の老朽化対策を進めるとともに、ICTの活用による教育の質や効率性の向上、静岡教師塾などによる教職員の資質の向上に努めてまいります。  最後に、方向性の4としまして、3つの課題を解決するためには、家庭や地域との連携が重要であることから、学校応援団活動への一層の支援、そして、コミュニティスクールの市内学校への普及方法について研究を進めてまいりたいと考えております。  このように私は学校が中心となりまして、家庭や地域と連携をし、これからの時代を生き抜くことができる本市のキャッチフレーズです「たくましく、しなかやな子どもたち」を育てていきたいと強く思っております。 29 ◯教育次長(市川善隆君) 全国学力・学習状況調査の結果公表についてでございますが、本調査は、調査結果を把握、分析し、教育活動の成果を検証して、教育指導の充実や学習状況の改善等に役立てるという目的を踏まえて実施しております。  教育委員会が、学校ごとに点数を公表することは、本調査で測定できるのは学力の一部であるにもかかわらず、学校全体の評価とみなされて、学校間の序列化や過度な競争を助長してしまうことが考えられます。その結果、学校と保護者、地域との信頼関係が失われてしまうことや、学校教育の目的がよい点数をとることのみに偏重されてしまうこと等の大きな弊害が出ております。したがって、教育委員会が学校ごとの点数を一覧にした公表は行うべきではないと考えております。  ただし、各学校では、調査結果を分析し、基本的な計算の技能が身についている、文章を要約する力が弱い等の特徴を示すとともに、学力や学習状況の改善策を家庭・地域に公表しております。  また、平成26年度から静岡市版公表スタイルとして、各学校のよりどころとなります公表の仕方について提案をしていく予定でございます。  次に、今後どのように学力向上につなげていくのかについてでございますけれども、本市では、毎年度調査結果を分析し、読み取る力、書く力の育成など、課題を整理して各学校に示すとともに、指導主事が各小中学校を訪問して、指導助言を行っているところでございます。  また、学力向上専門家委員会の事業によりまして、専門的知識を持った大学教授等を学校に派遣して授業改善研修を行い、教員の授業力の向上に努めております。  さらに、放課後に児童の学習支援を行う学力アップサポート事業において、平成26年度より、支援に入る学校数を6校から12校へと拡大するとともに、開始時期を9月から6月に早め、1校当たりの回数を44回から60回に増加しました。  これらの事業を通して、各学校の授業改善に向けた取り組みが一層進められ、子供たちの学力向上につながるものと考えております。  続きまして、生徒指導困難校の実態についてですが、小中学校129校の中に、非行・問題行動の件数が特に多い学校が数校ございます。その中でも特に件数が多い学校の状況について御報告いたします。  この学校からは、平成25年度1年間で、器物損壊27件、対教師暴力19件、喫煙10件、生徒間暴力5件などを含む66件の問題行動が報告されています。器物損壊については、生徒が登校する前に発見したため、生徒なのか外部侵入者がかかわったものなのか、特定できないものもございますが、その被害額は110万円余となっております。これら防犯対策の一環といたしまして、防犯カメラを4台から11台にふやしたところでございます。  次に、生徒指導困難校に対する教育委員会の取り組みについてですが、1、人事異動により、生徒指導力の高い教員を多く配置しました。  2、問題行動に対応する生徒指導主事や学年主任等のかわりに、授業を行う教員を増員いたしました。  3、スクールカウンセラーは、臨床心理士に準ずる者から問題対応能力の高い臨床心理士に交代いたしました。  4、教育長や学校教育課長の訪問により実態把握を行うとともに、指導助言を行う指導主事の訪問指導回数をふやしました。  5、心の教育相談員を1名配置いたしました。  6、重大事態の場合、所轄警察署に通報し、適切な援助を受けています。  これらのほかに、警察、児童相談所、家庭裁判所などの関係機関との連携を機動的に進めるために、スクールソーシャルワーカーを派遣したり、教育上必要があると認めるときは、学校教育法第11条の規定に基づき、児童生徒に対して懲戒を加えることを検討します。  今後も懇切丁寧に粘り強い対応を継続し、学校全体が落ち着いて学習に取り組める対策を講じてまいります。  続きまして、登下校見守りメールの導入についてですが、これは、児童生徒が学校に着いた時刻や出た時刻を保護者にメールで知らせるシステムと捉えております。  現在、小中学校では、始業時に担任が学級で児童生徒の登校完了を確認し、万が一登校していない場合には、保護者に連絡をとり、不在の理由を明らかにしております。また、下校時は教員が校内を巡視し、児童生徒が残っていないかを確かめるなど、子供の安全確認に努めております。  さらに登下校の際は、PTAや地域の方々が学校安全ボランティアとして、通学路に立って児童生徒を見守っております。また、学校では保護者のメールアドレスを集め、緊急時には一斉にメール配信を行っております。  したがいまして、学校発着の時刻だけを伝える登下校見守りメールを導入する予定はございません。  次に、市内の不審者や連れ去り等の被害状況についてでございますが、静岡県警察本部から、子供や女性に対するつきまとい、声かけなどの不審者情報が公表されております。  この不審者情報のうち、本市分の目撃情報も含めた件数を集計したところ、登下校時には限りませんが、平成25年度には、小学生28件、中学生33件、高校生36件の計97件でございました。  幸い、連れ去りなど大きな事件には至っておりません。 30 ◯生活文化局長(安本 睦君) それでは、静岡マラソンの御質問についてお答えをいたします。  当日は、あいにくの冷たい雨となりましたが、事故もなく無事に大会を終了できましたことは、市民の皆さんを初めとする多くの皆様のおかげと、改めて感謝をしております。  3点の御質問のうち、最初に、成果についてでございますが、次の3つの点が成果として挙げられると考えております。  1つ目は、地域コミュニティの強化や各団体内の連帯感が高められたということです。大会を運営するに当たりまして、自治会連合会や学生、各企業、一般公募など、当初計画の2,000人を上回る2,655人の皆さんに大会を支えていただきました。  2つ目は、MICEの推進が図れたことです。フルマラソン、ファンラン、小学生の部を実施いたしましたが、フルマラソンでは申込者1万2,168人のうち6,523人の方が県外や海外からでありました。現在算定中てあります経済波及効果は10億円を超える見込みとなっております。  3つ目は、本市のPRができたことです。大会終了後、マラソン専門誌に特集が組まれたり、ランナーとして参加した記者による記事が新聞に掲載されたほか、インターネット上で「向かい風や横殴りの雨の中、最後まで途切れることのなかった応援に感謝している」、「静岡らしいイチゴの給食がおいしかった」などの評価が多数書き込まれ、全国に静岡のPRができたと考えております。  続きまして、運営面の課題についてでございますが、当日の開催状況や大会後の関係団体等の反省会、ホームページへの書き込み、参加者へのアンケートなどから、運営面の課題を認識しております。  内容としましては、2点ございます。  1つ目は、参加者の視点として、参加者受付、荷物の受け渡しなど、ランナーへの環境です。  2つ目は、運営者の視点として、ボランティアの育成です。  最後に、どのように改善していくかということについては、本大会は、参加するランナーだけが楽しめる大会ではなく、ボランティアを含め、支える人、また、沿道やテレビなどで応援する人も楽しめる大会開催を目指しておりますので、改善策として次の3点を検討していきます。  1つ目として、ランナーへの環境の改善ですが、前々日、前日の参加者受付や荷物の受け渡しにかかる時間の短縮などについて、改善策を検討し始めております。  2つ目として、おもてなしの心を持ったボランティアの育成です。ボランティアの方々からの大会後のアンケートにおいて、「もっとお手伝いをしたい、もっと自分たちはできる」という前向きな御意見をいただいております。そのためにも、ボランティアリーダーの養成や研修会の開催、マニュアルの作成などを行い、ボランティアのスキルアップに努めていきたいと考えております。  3つ目としまして、魅力ある大会にするために本市のPRにもう少し力を入れていきたいと考えております。ランナーの評価が高かった「石垣イチゴ」や県外ランナーから販売店などのお問い合わせの多かった「安倍川餅」などの特産品を強くPRしていきたいと考えております。  最後になりますが、次回大会は、晴天になることを期待して進めていきたいと考えております。 31 ◯教育次長(市川善隆君) 1件答弁漏れがございましたので、答弁をさせていただきます。  就学時健康診断に来なかった場合の居所不明児童の把握方法についてでございます。  教育委員会事務局では、就学時健康診断予定者名簿を10月1日現在で作成し、各小学校に送付いたします。各小学校では、おおむね11月末までに、この名簿により健康診断を実施し、児童の把握をしているところでございます。  居所不明児童がいた場合の対応でございますが、まず、各学校と教育委員会事務局で連携し、家庭訪問で確認をいたします。しかし、確認できない場合には、民生児童委員や児童相談所に連絡したり、あるいは外国への出国も考えられることから、東京入国管理局等へ照会をします。また、状況に応じては、警察に連絡をとる場合もございます。  なお、本市では、平成24年度からら26年度における居所不明児童はおりません。   〔29番水野敏夫君登壇〕 32 ◯29番(水野敏夫君) 最後に、2点要望を述べます。  市税の滞納整理については、25年度は向上が見られましたが、21年度が93.2%、22年度は93.3%、23年度は93.8%という低い数字でありました。企業が145億円もの負債を抱えれば、即倒産となります。もし、役所が倒産し、給料がもらえなくなるという状況にまで追い込まれたらどうでしょうか。常に危機感を持ち、滞納整理に当たっていただきたい。常駐職員を1名増員で7,500万円のプラス効果があるなら、ちゅうちょせず増員すべきであります。  また、組織機構の見直し、スクラップ・アンド・ビルドなどでも無駄を省き、お金を捻出できると考えられます。例えば、外部団体の委託、市まちづくり公社3億8,600万、市文化振興財団2億2,500万、市体育協会3億、市動物園協会500万円、合計9億1,000万円、これら全て施設管理の団体で、個々に市が委託しているもので、管理を一括して統合化し、スリム化すれば、コスト削減につながると思います。このように財源を生み出す余地がまだまだあると思われます。御検討いただきたい。  介護予防については、埼玉県和光市の取り組みは先進的で、全国で有名であります。取り組みの特徴は介護の予防に力を入れ、予防型の仕組みを確立しています。全国平均の介護認定率17.4%に対し、和光市は5年連続10%、介護保険料は全国平均4,972円に対し、和光市は4,360円、このように数値であらわれるような成果を本市でも期待します。  教育現場では、教育課題が山積みされております。静岡は、教師1人当たりの担当する児童数は全国5番目に多い。児童1人当たりの教育予算は全国最下位であります。教育クラウド未整備は20政令市中、静岡だけとなりました。  先ほど教育長がいろいろと答弁していただいておりますけれども、やはり現場の問題につきましては、教育次長ではなくて教育長に熱く語ってもらいたいと。市長は事あるごとに熱く語ってくれているわけですので、ぜひとも教育長はナンバー3の立場でありますので、どんどん熱く、熱く語ってもらいたいと思います。  先ほど教育長が述べた教育課題につきましても、きちんと予算化できるようにやっていただきたい。教育長は市内129校、教職員2,980人、生徒数5万777人の教育界の代表であります。豊かに学べる教育環境整備に先頭になって頑張ってもらいたい。  義務教育では、先生、生徒、それから、保護者も加えれば、恐らく15万人は関係します。市長も義務教育については、さらに関心を持っていただき、教育予算について格段の配慮をお願いします。  生徒指導については、最近大阪で問題行動を繰り返す子供への対応で、学校から引き離し、問題生徒を特別教室で指導するということを打ち出しました。本市においては、問題傾向のある子供たちに打つ手がなく、ただ、卒業するのを待っている状況にあるようです。こうした一部生徒の問題行動によって、大半の生徒たちの学習権利が十分に守られず、まじめにやろうとする生徒らがばかを見ることがあってはなりません。  学校で解決できない問題に対して、特別な体制を組んで、子供に合わせた指導を行うよう、早急な処置をとるべきだと考えます。  教育委員会は、子供と教職員を守ることが仕事であります。防犯カメラ11台ですよ。そして、器物破損の損害額が110万円、これは犯罪じゃないですか。これはひど過ぎますよ。何でここまで放置しているのか。この学校の小学校では、私立中学校へ転校していく子供がふえています。2、3年前から問題が起きているのに、教育委員会は、教育長も4月30日に学校に行っているようですが、この4月から現場に聞き取り調査をしております。学校の問題だから、自分たちは関係ないという意識があるとしたら、とんでもないことです。子供や教職員を守ってくださいよ。委員会のモチベーションが低過ぎると思います。静岡市の教育界の恥です。教育長、教育次長、いいですか、頑張ってください。  アメリカの損害保険会社に勤務するハインリッヒさんが、1つの重大事故の背後に29の軽微な事故があり、その背景には300の異常が存在すると言っており、1対29対300というハインリッヒの法則は有名であります。また、アメリカの経済学者が病気を予防することは簡単だし、金もかからない。犯罪を予防するほうが処理をするより簡単で済むと言っております。事が起きてから対応するのではなく、予防行政が市民の貴重な税金を無駄に使わなくて済むことにつながります。  レクチャーの折、税務部の若い職員と話しておりまして、すごくやる気を感じました。聞くところによると、税の収納率が政令市ワースト1とよく言われるので、汚名返上したいと、みずから税務部に志願してきた人が多いと聞きます。事実、収納率が急激に向上しており、成果があらわれております。市役所の全職員がこのような意識で、こういう危機感を持ち、モチベーションを高く持ち、市民のために頑張っていただきたいと思います。  以上で質問を終わります。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 33 ◯副議長(中山道晴君) 次に、鈴木直明君。   〔6番鈴木直明君登壇〕 34 ◯6番(鈴木直明君) 新政会、鈴木直明です。  初めに、南アルプスユネスコエコパーク登録、おめでとうございます。また、登録に向けて御尽力をいただきました全ての関係者の皆様に、深く御礼を申し上げるとともに、市役所担当課並びに携わっていただきました職員の皆さん、本当にお疲れさまでした。これでまた1つ、静岡市の宝が誕生しました。ありがとうございます。  それでは、通告に従いまして1回目、大項目、静岡プレゼンスの強化について質問します。  2月の総括質問で、過去から未来に向けた人口推計について触れ、観光交流人口の増加を官民一体、One静岡、静岡は1つで取り組んでいきましょうと話をさせていただきました。また、代表質問で静翔会の風間議員が、定住人口が1人減った場合、観光交流人口を何人ふやすと補うことができるのかについて触れております。  ここで私は、もう一歩踏み込んでみたいと思います。  この観光交流人口増大による定住人口の補完を題材にした研究報告は数多くあります。今回は観光庁が2010年11月に報告している観光立国の実現に向けた取り組みについてを紹介します。  本報告書は、観光交流人口をふやすことの重要性や、どう進めるべきかを判断しやすくするため、数値化しております。数値化することは目標を設定するために必要です。ただ、観光交流人口をふやせと言っても、数値目標がなければ決していいアイデアは生まれません。今回、この報告は必ず一つの指針になると思います。  本報告書では、まず、日本の定住人口を1億2,800万人、1人当たりの年間消費額を124万円として試算しております。そして、日本の定住人口が1人減った場合、減少してしまう地域内需要を補うために外国人旅行者なら7人、国内の宿泊旅行者なら24人、国内の日帰り旅行者なら79人ふやさなければならないと報告しています。  1月30日、総務省が公表した2013年の人口移動報告によると、静岡県は6,892人が減少し、全国ワースト2位、静岡市は775人減少し、政令市20市中ワースト2位となり、ダブルで不名誉な銀メダルをいただいてしまいました。  また、昨年12月に企画課より提出された人口推計資料では、2010年の国勢調査人口は71万6,197人、2020年、低位推計するパターンでの人口は67万2,718人となっており、この10年間で4万3,479人も減少することになります。この人数を補完するためには、今までの統計人数プラス外国人旅行者なら30万4,353人、国内宿泊者旅行者なら104万3,496人、国内日帰り旅行者なら343万4,841人と、大幅に観光交流人口をふやさなければなりません。  このような状況にならないため、定住人口をふやすことがベスト。最低限で現状キープ、すなわち静岡市に住み続けてもらうための施策プラス観光交流人口を拡大させる施策が必要不可欠となります。  田辺市長は、日本全国はもちろん、世界中から人が集まる都市になれば活気に満ちた静岡市に生まれ変われると、鳥の眼で見る都市ビジョンとして「求心力が強く、世界から人が集まるまち」を掲げ、5つのまちみがきプランを発信しました。  その中の1つ、静岡ブランドをつくろう、創造都市静岡の実現において、「寿司の都・しずおか」創造プロジェクトの推進、昨年6月、「夢を追いかけたい」と市長答弁したプロ野球地元球団創設構想の推進、5月17日から開催されました「シズカン」プロジェクトの推進、中山間地域オクシズの活性化推進を積極的に進めているところだと思います。  また、平成27年度に第3次総合計画が策定されます。市長も目指すべき将来像として、世界に輝く静岡の創造から実現へと繰り返し発信されています。それを達成するためにはOne静岡、静岡は1つの体制を市民の皆さんとつくり上げていかなければなりません。それには、市民に対し、明確なメッセージをストレートに、かつ積極的に伝えていくことが必要です。  そこでお伺いします。  この4つのプロジェクトに対し、平成25年度進化版、まちみがき戦略推進プラン工程表におけるこれまでの成果、そして、計画を推進していく上で隘路となった点、さらに今後の展開について、お聞きします。  なお、プロ野球地元球団創設構想の推進については、公募市民で構成された委員会より必要性が低いと評価された中、5月22日、追い風が吹いております。それは、世間でアベノミクス第4の矢と言われているプロ野球16球団構想です。その本拠地候補に静岡の名前が挙がり、市長が夢を追いかけたいと望んだプロジェクトにスポットライトが当たりました。  しかしながら、本構想はまだ公式なものではなく、政府が6月中にまとめようとしている成長戦略の1つです。今の段階では、まだ何も答えられないと思いますが、プロ野球地元球団創設構想の推進を掲げ、3年にわたり事業を積極的に推進し、成果も上げてきた本市です。プロ野球16球団構想には田辺市長、特段の思いがあると思いますので、まずはその熱い思いをお聞かせいただきたいと思います。  以上、1回目です。よろしくお願いします。 35 ◯市長(田辺信宏君) 南アルプスエコパークについての職員へのねぎらい、御丁寧なコメントをありがとうございました。  私からは中項目、まちみがき戦略推進プランの取り組みについて、プロ野球地元球団創設構想への思いをお尋ねでございますので、これについてお答えをしたいと思います。  けさの、サッカーワールドカップ、ブラジル大会、ギリシャ戦は残念でありましたが、勝ち点1を取りました。しかしながら、連日報道され、スポーツというのは、これはサッカーにしてもラグビーにしてもバスケットボールにしても、そして、マラソンにしても、人々の心を1つにつなげる不思議な力があるなと私は実感をしております。また、MICEの推進という立場からも、交流人口の大幅な増加につながりますし、地域経済の活性化という効果もあります。  その観点で、私はマニフェストでプロ野球地元球団の創設構想を掲げました。従来からサッカー王国清水にふさわしいプロ球団エスパルスがありますので、もう1つ大きな柱を政令指定都市にふさわしく、名古屋市にグランパスとドラゴンズがあるように、この夢を追いかけようと構想しているわけであります。  御指摘のとおり、この本会議の答弁でも、たとえ可能性は0.1%でも、この夢を追いかけていきたいと言明をしたところであります。  そういう中で、先月、自由民主党、日本経済再生本部がまとめた成長戦略第2次の提言案に、このプロ野球16球団構想が盛り込まれたことにつきましては、1つ、3年間の取り組みが結果としてあらわれたなと喜んでおります。可能性が0.1%から0.5%ぐらいにはなったかなと自負をしております。  しかし、私の立場からすると、地道に地道に取り組んでいく。これまで3年間、浜松市との学童中学の選抜交流試合を開催をしたり、あるいはプロ野球合同トライアウトを誘致をしてきたりという取り組みを進めてきたわけであります。  これは熱い思いだけではどうしようもないわけです。教育長のような冷静沈着な頭、つまりホットハートとクールヘッドのバランス感覚というものが必要です。
     そもそもこれは官民連携事業の典型でもありまして、行政の役割と民間の役割ということを峻別をした上でやっていくと、つまり行政はこの構想について環境の整備をする。器をつくるということが役割でありまして、この器の中に飛び込んで、よし、球団経営に投資をしてみようじゃないかという民間企業があらわれなければ、これは元も子もないわけであります。そこらあたりが今後の課題になろうかと思います。  しかし、今回の成長戦略の提案が追い風となって、アベノミクスによる景気回復の兆しの中で、全国には、プロ野球16球団構想をビジネスチャンスがあると捉え、手を挙げてみようという企業が必ずあらわれるものだと私は確信をしております。  昔は、新聞系、鉄道系、そして、このごろはIT系の企業がこの球団経営ビジネスをしているわけでありますけれども、若い世代にしか知られなかった楽天とかDeNAが球団経営に乗り出すことによって、抜群の知名度になっていったという大変な投資効果はあるわけであります。必ずそんな企業家精神に満ちた企業はあらわれるに違いない。そのための器づくりを本拠地である静岡で、どうつくっていくかということが課題であります。このため、静岡の地に球団が創設されることになりますように、引き続き、静岡市民の元来高い野球熱の醸成や、野球関係者との関係づくりなどの環境整備に努めていきます。  千里の道も一歩からであります。球団創設に係るハードルはまだまだたくさんありますけれども、その一つ一つを丁寧にクリアをし、プロ野球地元球団創設構想の夢の実現に向け、一歩でも近づけていきたいと考えております。議員の引き続きの御支援、よろしくお願い申し上げます。  以下は局長に答弁させます。 36 ◯生活文化局長(安本 睦君) プロ野球地元球団創設構想についての御質問にお答えをいたします。  最初に、これまでの取り組みの成果として、3つが挙げられると思います。  1つ目は、平成23年度から実施しております野球イベントにより、市民の野球熱の醸成及びMICEの推進が図られたことです。  中でも、昨年度の「東京六大学野球オールスターゲーム」には1万2,000人、「プロ野球合同トライアウト」には1万人の方が市内外から来場されました。来場者への聞き取りによりますと、オールスターゲームでは約3割、合同トライアウトでは約4割の方が県外からの来場者であり、駅周辺のホテルは、ほぼ満室であったと聞いております。  さらに、合同トライアウトでは、50社、150人を超える報道関係者が取材にあらわれ、全国に静岡をPRすることができました。  2つ目は、平成24年度に実施しました基礎調査により、本市の現状と課題を整理し、経済波及効果の予測を把握できたことです。  3つ目は、野球関係者との関係づくりができたことです。野球イベントの開催を通しまして、県内野球関係者、日本野球機構、プロ野球球団関係者との関係づくりを行うことができました。  続きまして、球団創設への課題として、3つが挙げられると思います。  1つ目は、日本野球機構への参入に関する課題です。参入には、球団数の拡張や、球団の統廃合による球界再編が起こることが必要となります。また、その際には、プロ野球実行委員会やオーナー会議での同意が必要となります。  2つ目は、オーナー企業に関する課題です。プロ野球球団数の再編時に、本市を本拠地としてプロ野球球団を持つというオーナー企業があらわれることが課題となります。  3つ目は、観客動員に関する課題です。本市が実施をいたしました基礎調査では、プロ野球球団を運営していく上で、年間100万人以上の観客動員は不可欠な要素となっています。本市を中心に、年間100万人の観客動員を達成するには、広域からの集客実現が課題となります。  最後に、今後の展開としましては、これまでの取り組みにより関係ができました野球関係者等と連携し、子供から大人まで気軽に楽しむことができ、そして、多くの人を呼ぶ込むことができるイベントを誘致していきます。  本年は、11月に合同トライアウトを開催し、12月には、プロ野球選手会最大のイベントであるベースボールクリスマスを東海地区で初めて開催します。  このように、イベントに参加や参画した方々が、このプロ野球地元球団創設構想の理解者や協力者になってもらえるよう努力を続けていきます。 37 ◯経済局長(斎藤 誠君) 「寿司の都・しずおか」創造プロジェクトの成果、課題、今後の展開についてお答えをいたします。  「寿司の都・しずおか」の創造プロジェクトは、平成23年度から検討を開始し、24年度には、すしに関連する基礎調査を実施いたしました。  調査結果では、市内に流通しているマグロの質がよく、市民もマグロに対し舌が肥えているという評価や、静岡に行けばおいしいマグロが食べられるという期待感があること。また、静岡ならではのサクラエビ、シラスに対する消費者ニーズが高いこともわかりました。  反面、静岡市イコールすしというイメージをさせる要因は少ないことが明らかになりました。  25年度の9月議会経済消防委員長報告や、まちみがきプラン評価委員会提案においても、同様の趣旨で「すしというネーミングにとらわれることなく、まずは、本市の既存資源をもっと活用すべき」との御意見をいただきました。  これらの評価や御意見を踏まえ、「寿司の都・しずおか」創造プロジェクトの発展的な取り組みとして、本市の目の前に広がる日本一深い駿河湾でとれるサクラエビ、シラスを初め、「倉沢のアジ」など、ブランド名を持つ多種多様な魚の魅力を生かした「しずまえ」をキーワードに事業を推進しております。  今年度は、日本さかな検定、通称「ととけん」や「しずまえ鮮魚レシピコンクール」などを実施し、消費拡大を図る中で、「しずまえ」のイメージの構築を図り、将来的には、「しずまえ鮮魚」や「しずまえ寿司」など、「しずまえ」が静岡らしい食をあらわす言葉となるよう、取り組んでまいります。 38 ◯地域活性化事業推進本部長(磯部正己君) まちみがき戦略推進プランに基づく、2つの事業の成果と課題、今後の展開についてお答えいたします。  「シズカン」プロジェクトの推進については、姉妹都年カンヌと映画を活用したプロジェクトを支援し、国際都市静岡市を世界にアピールすることを目指してスタートしました。  ことしは本市が共催して3年目を迎え、石畳の街角や海辺のロケーションを生かし、フランスの雰囲気が感じられるおしゃれなイベントとして定着し、約13万5,000人と過去最大のにぎわいを創出することができました。  また、各方面へ積極的に参加を呼びかけた結果、市立図書館や国際交流協会、文化振興財団、清水市民活動センター、民間企業などにおいて、独自の発想で魅力ある自主企画を実施し、官民連携で多彩な文化に触れる機会を提供できたことは意義深いと考えております。  さらに、ことしはマルシェの出店数も約100店と過去最大となるとともに、「カンヌ映画祭」に派遣された監督を招聘して報告会を行うなど、カンヌとつながる新たな試みも実施されました。このように、官民の役割分担と相互支援によりまして、多面的で裾野の広い事業を展開することができ、着実な成長と次なるステージへの可能性を感じております。  成果目標については、当面の目標として、市民認知度80%、参加・来場したことのある市民の率50%を目標としておりますが、中間地点となる昨年度末現在では、その目標を達成しておりません。そのため、情報発信の拡充が重要であると捉え、継続して、多種多様な媒体を活用した効果的なプロモーションに力を入れていきたいと考えております。  今後も、幅広い官民連携により地域資源を活用した魅力ある事業を展開し、地域経済の活性化と「創造都市・静岡の実現」を推進していきます。  続きまして、中山間地域オクシズの活性化については、都市と山村の交流、観光交流の促進といった視点による事業を推進してまいりました。  現在まで、具体的には「おらんとこのこれ一番事業」などによる地域資源の発掘と活用、大学生と地域の皆さんでオクシズの活性化策を議論した「若者トーク・フォーラム」の開催、井川湖畔の廃線敷を活用したウオーキングコースの整備とそのプロモーション、オクシズ在来作物の紹介などの事業を、関係局間の連携等により展開してまいりました。  これらの取り組みによりまして、市営温泉及びレクリエーション施設のほか、加工物販施設、山小屋などのオクシズ全体の振興・交流施設の利用者数は、昨年度、前年度比で約3.6%の増、22年度比で約4.2%の増加となりました。  平成23年の東日本大震災等による急激な来訪者減少を回復しまして、着実に訪れる方が増加していることは、これら事業の推進による大きな成果であると感じております。  今後の課題としましては、南アルプスのユネスコエコパーク登録を生かした一層の地域ブランド化推進、そして、オクシズを盛り上げる機運を地域の皆さんと一体となって、さらに高めていくことが必要であると考えています。  そのため、登山などを目的とする来訪者対策や、地域活性化を目的としたトレイルランニング、マラソンなどのスポーツツーリズムへの支援、新東名高速道路サービスエリアなどでのプロモーションを、各局連携のもと積極的に推進し、さらなる交流人口の増加を図っていきたいと思います。   〔6番鈴木直明君登壇〕 39 ◯6番(鈴木直明君) それでは、2回目です。  まずは、御答弁いただいた4つのプロジェクトのうち3点について、意見・要望です。  「寿司の都・しずおか」創造プロジェクトの推進は、寿司の都の定義は難しくて、人それぞれに感じ方も異なるため、プロジェクトの推進は非常に難しいと思います。昨年11月、自民党の望月俊明議員が「しずまえ」というキャッチフレーズを定着させた鮮魚セールスを行っていってはどうかと提案されています。それから既に6カ月が経過し、市長もあちらこちらで「しずまえ」をPRしておりますが、市民認知度はまだまだ低いというのが現状です。既に、マグロ、サクラエビ、シラスはビッグネームになっています。「しずまえ」を売り出すためには、御答弁のとおり、広くPRしていくことが重要であり、「ととけん」や「しずまえレシピ」はとてもいいPRになると思いますが、「しずまえ」をビッグネームにするためには、やはり大きな仕掛け、インパクトが必要です。  そこで、それぞれが単独開催するのではなく、全てをあわせた「しずまえ」をキーワードとした食の祭典を開催してみてはどうでしょうか。  次に、「シズカン」プロジェクトの推進です。  マルシェという文化が定着し始め、市民がフランス文化を受け入れた点はすばらしいことです。しかしながら、カンヌと言えば映画祭、また、シズカンがさらに発展するためには、この映画文化をより強く発信していくことが重要と考えます。  私もことし参加させていただきましたが、この映画文化の発信が、ことしは若干弱くなっていたように感じ取れました。このイベントは、今までにない感覚のイベントであり、ランクアップ可能なイベントだと思っています。このすばらしいイベントをもっと多くの人に知ってもらうため、お互いの文化を認め合いながら積極的にセールスプロモーションを行うことが必要です。  中山間地域オクシズの活性化推進では、地域資源を活用した事業展開により、オクシズファンがふえたことは大きな成果です。オクシズの豊かな地域資源は魅力があります。さらなるファン獲得のため、実体験で農林水産業の世界を知り、生産に興味を持ってもらう、農林水産業インターンシップ制度や空き家を格安で賃貸できる仕組みなどを構築し、この地に暮らし、生活するオクシズファンをふやす施策を講じてみてはどうでしょうか。このような施策は活性化への特効薬とはなりませんが、漢方薬のようにじわじわと効果があらわれてくるはずです。  それでは、質問です。静岡プレゼンスの強化について、2点お伺いします。  1つ目は、2012年11月に市長がトップセールスを行うなど、積極的に行っている台湾プロモーションについて、お聞きします。  日本政府観光局の報告では、台湾からの訪日者数は2012年が146万7,000人、2013年11月末時点では206万人と41%以上の伸びを見せています。また、2012年、台湾から静岡県内への宿泊者数は6万4,270人、これは外国人宿泊者数全体の14%を占めます。  このような中、静岡県は2013年4月に静岡観光の誘客拡大、スポーツ、文化、教育交流の推進、経済発展への情報交換などを目的とし、台湾事務所を開設しております。これは、全国47都道府県で沖縄県に次いで2番目になるそうです。  このように本市にも追い風が吹く台湾プロモーションの今後の展開、そして、県事務所との連携について、お聞きします。  2つ目は、「ちびまる子ちゃん」についてお聞きします。  ことし2月、「まるちゃんの静岡音頭」の認知度調査を行った結果、市民認知度はわずか30%であり、本年度には60%まで向上させる方針を掲げています。  また、5月に静岡県台湾事務所を訪問した際、所長が「台湾の人は『ちびまる子ちゃん』をよく知っているが、静岡のことは余り知らないんです」と話をしておりました。ジャパンアニメは世界最高峰で、「ちびまる子ちゃん」は本市にとって強力な戦力であり、静岡ブランドです。これはインバウンドツーリズムを拡大する戦略となり、戦略的なMICEの推進、静岡プレゼンスの強化にも必ずつながってきます。  そこで、限定販売された「ちびまる子ちゃん」特別住民票の販売状況、私も3部ほど買わさせていただいて、先着500名の中の缶バッジをいただいております。超豪華メンバーでつくられた「まるちゃんの静岡音頭」の認知度アップの対応と今後の活用について、お聞きします。  以上、2回目です。よろしくお願いします。 40 ◯経済局長(斎藤 誠君) まず、台湾プロモーションについて、これまでの取り組みと今後の展開、静岡県台湾事務所との連携の2点についてお答えをいたします。  台湾市場へ向けた本市の取り組みは、平成24年3月の富士山静岡空港の静岡台北便の新規就航に伴い、平成24年度より開始をしています。その際に、本市の認知度を現地で調査したところ、大変に低いものでした。このようなことから、まず、認知度の向上及び人脈の構築を主要な活動方針として、24年度は、主に次の3点に取り組みました。  1、台湾立法院や大手百貨店でのトップセールス、2、台湾で絶大な人気を誇る「ちびまる子ちゃん」の活用によるメディアへの露出、3、大手テレビ局招聘による静岡特番のテレビ放映を実施をいたしました。  25年度は、トップセールスで構築をした人脈を生かすとともに、商社、旅行会社、メディアなどから成る経済ミッションを招請し、商談会やモニター旅行を実施いたしました。その結果、本市が提案した旅行ルートが実際に商品化をされております。また、市内等企業10社に働きかけ、台湾大手百貨店が主催した日本商品フェアへ出展し、地場産品など、372品目を販売することができました。  今後の展開といたしましては、さらなる誘客につなげるため、旅行先として選んでいただけるような魅力の発信を行ってまいります。  具体的には、団体旅行者向けでは、旅行会社とタイアップした静岡旅行商品の広告宣伝を実施をするほか、個人旅行者向けでは、台湾の旅行ライターの協力を得て、台湾で最も利用されているフェイスブックを活用した情報発信などを行ってまいります。  さらに、ビジネス交流として、海外販路開拓に必要な知識を習得するセミナーの開催や現地商談会を実施し、販路開拓を支援してまいります。  次に、県台湾事務所との連携についてですが、本年3月に開催された静岡マラソンでは、同事務所の協力により、台湾のマラソン関係者を招請することができました。これをきっかけとして、台北マラソンと静岡マラソン相互の大会参加を目的とした商品の造成を県、市協力して、旅行会社に働きかけており、スポーツツーリズムの拡大に結びつけていきたいと考えております。  なお、台湾の旅行会社からは、広域周遊のモデルルートの提案も求められているため、これに応えるためにも、さらに県と市が連携した活動に取り組んでまいります。  次に、「ちびまる子ちゃん」についての2点の御質問にお答えをします。  初めに、特別住民票についてですが、本年の「ちびまる子ちゃん」の特別住民票の事業目的は3点あります。  1点目は、シティプロモーションに御協力をいただいている、さくらももこさんが、ことしで漫画家デビュー30周年をお迎えになったお祝い。  2点目は、「ちびまる子ちゃん」が住んでいる本市を、日本全国、また「ちびまる子ちゃん」の知名度が高い台湾、中国にPRし、認知してもらうため。  3点目は、清水区内限定で販売することにより、清水に訪れた思い出の品として楽しんでいただくことです。  5月1日の販売開始に当たり、告知活動として、静岡商工会議所後藤会頭と市長による共同記者会見を行うとともに、清水駅前銀座商店街において販売開始セレモニーを実施いたしました。その結果、各種メディアに81回取り上げられるなど、県内、あるいは全国に発信ができたところです。  6月18日現在の販売状況は、作成いたしました5,000部中1,945部となっております。今後は、9月に発行予定の「るるぶ特別編集号」へ宣伝チラシを折り込む予定であります。また、販売箇所を現在の7カ所からふやし、よりお買い求めやすくいたします。これらの事業を通じて、「ちびまる子ちゃん」が住む本市について、より一層のPRを図ってまいります。  続きまして、「まるちゃんの静岡音頭」の認知度アップの対応と今後の活用についてお答えいたします。  「まるちゃんの静岡音頭」の普及活動として、本年度も引き続き音頭隊を派遣する出張教室を実施してまいります。  平成25年度は、市民の皆さん約6,000人、本年度は、5月末現在において約1,300人の方に出張教室に参加をいただき、その際に、「子供からお年寄りまで踊りやすい音頭だ」と声をいただいております。  その結果、さくらももこさんの地元である入江地区では、この5月に地区運動会のアトラクションとして、地元の皆さんに踊っていただきました。また、全市的には出張教室の予約が6月には約35件、7月には約20件が入っており、音頭の輪が広がりつつあります。  市内向けのプロモーション活動としては、主要イベントである静岡まつりや応援団フェスティバル、安倍川花火大会などで音頭を披露し、PRに努めております。  首都圏向けのプロモーション活動としては、9月に東京ビッグサイトで開催されます世界最大級の旅行博「ツーリズムEXPOジャバン」でのデモンストレーションを予定しているところです。  このほか、本市の名所や名産品とともに、地域の方々に多数出演をしていただくプロモーションビデオを制作中です。ホームページやユーチューブなどの動画サイトを活用し、歌詞に合わせ登場する本市の魅力ある資源の情報拡散を図ってまいります。  今後は、これらの活動に加え、普及啓発の担い手としてのインストラクターやリーダーの育成にも力点を置き、市民みずからが音頭を広めていっていただけるよう養成講座等を実施し、来年度以降も、音頭を教えてほしいという市民の皆さんの声に対応できるような仕組みを検討してまいります。   〔6番鈴木直明君登壇〕 41 ◯6番(鈴木直明君) それでは、3回目は意見・要望です。  台湾プロモーションと「ちびまる子ちゃん」について今お聞きしましたが、これはセットで考えていったほうがプラスアルファの結果が生まれてくると思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。  6月18日に政府観光局が発表しました、5月の外国人旅行者数は109万7,200人、そのうち台湾が1位で28万2,000人となっています。台湾の方は、とにかく日本が大好きです。これからも積極的に台湾メディアに仕掛ける、仕掛け続けるということが重要だと思っております。  また、先に述べたように、日本は本格的な人口減少社会に入っており、2040年には都道府県全てで人口が減少し、地域内需要の縮小は既に避けられない状況、緊急事態であり、これはまさに自治体として生き残りをかけた大きな問題になってきます。  このような中、田辺市長は2月の施政方針で次のように述べています。「県都でもある静岡市には時に、商圏として東は富士市から西は御前崎市まで、圏域人口約158万人を視野に入れた、市域を超えた発想が」求められる。「中長期的な視点では、圏域全体の交流人口をふやす取り組みや、観光業を初めとした、新たな成長産業を創造する取り組みを推進して」いくと、これは県都静岡市のリーダーとして、強力なリーダーシップで圏域市町に住む約158万人とともに、生き残りをかけるという強い意思表示だと私は受けとめています。  しかし、静岡市は現在、一番人口の少ない政令市になっています。この状況下、まず、圏域全体でと言う前に、横浜市が待機児童ゼロの先進自治体と呼ばれたように、まずは静岡市が人口減少に歯どめをかけた先進自治体と呼ばれるよう施策を打ち出していくことではないでしょうか。  先ほどお聞きしましたプロ野球地元球団創設構想、地元にプロ野球球団が誕生するかもしれないという希望、まさに今はまだまれな望みかもしれませんが、野球をやってきたものにとっては夢のような話です。地元チームが試合をする。そこに生まれる経済波及効果は大きく、ましてそのチームが優勝、日本一を狙えるチームであれば、その経済波及効果ははかり知れなく大きくなります。  2005年、新規参入した東北楽天ゴールデンイーグルスが生み出す2013年の経済波及効果として、優勝しない場合でも139億円、優勝・日本一になった場合は224億円になると、地元銀行が推計しています。これだけの経済波及効果を生み出す地元チームには、大きな魅力があります。  反面、プロ野球地元球団創設の夢がほんの少しだけ近づいたのかなと思えば、そのハードルの高さを知ることになります。まずは、新規参入に際しての預かり保証金30億円です。うち25億円は預託金で10年間チームを譲渡しなければ返還されますが、5億円は戻りません。また、参入資格として資本金1億円以上の株式会社でなければなりません。  次に、2013年、選手の推定年俸の総額です。巨人が一番多く38億1,610万円、DeNAが一番少ない15億470万円、そして、12球団の平均総額が22億6,164万円です。その他に、チームスタッフ費、キャンプ、チーム移動費など、莫大なコストがかかってきます。  そして、2013年、ホーム72試合の平均観客数です。これも巨人が一番多く4万1,781人、ロッテが一番少ない1万7,506人、静岡草薙球場は2万2,000人が収容できます。一番少ない1万7,506人の場合であっても収容率は約80%、この数字を毎試合保つことは至難だと言えます。  最後に、プロ野球球団は収支を明らかにしていない球団が多く、収支については推測するしかないようです。ただ、定説によれば、黒字になっているのが巨人、阪神、広島の3チーム。多くの地元ファンを集めているソフトバンク、日ハム、楽天でさえプラマイゼロ。その他6チームは親会社から宣伝費名目で10億円単位の支援を受けているようです。  そこで提案です。  今までの成果であるプロ野球12球団合同トライアウト、そして、ことし開催するベースボールクリスマスの開催を継続しながら、もっと市民の野球熱を燃え上がらせていくため、次の3点にチャレンジしてみてはどうでしょうか。  1点目です。これはオールスターゲームの誘致です。プロ野球12球団合同トライアウトで日本野球機構と、ベースボールクリスマスでは日本プロ野球選手会とつながりを持ちました。この両者とつながりを持つ静岡市が静観しているべきではありません。  2点目です。春季キャンプの誘致です。2013年、プロ野球春季キャンプは沖縄県内に9球団が終結し、その経済波及効果は81億6,100万円になるそうです。このうち1球団でも誘致ができれば、新たな経済波及効果も生まれます。過去には、大洋ホエールズ、中日ドラゴンズ、静岡に2チームがキャンプを張っていたこともあります。  3点目は、準フランチャイズを目指すことです。球界の法律に当たる野球協約には、準フランチャイズという概念はありませんが、ホームゲーム72試合のうち、数ゲームを本拠地以外で開催しています。ここがポイントとなります。
     2013年、巨人とヤクルトを除く10球団は、ほぼ地元圏域内で試合をしています。そこで、地元圏域を離れて試合をしている巨人とヤクルトに対し、ワンカード、3試合連続開催の計6試合の開催を誘致する。これにより、プロの試合が間近で観戦できる、体感できる、この環境づくりこそ、市長の追い求めてきた夢の1つではありませんか。  静岡草薙球場は、日本プロ野球が始まる前の1934年11月20日、日米野球大会が行われた伝統ある球場です。日本選抜チームのピッチャー、巨人の初代エース、沢村栄治投手がベーブ・ルース選手を三振に討ち取るなど、球史に残る快投をした場所であり、愛称「沢村・ベーブ・ルース・メモリアルスタジアム」と名づけられている球場です。  また、ちょうどその40年後、1974年11月20日、日米親善野球シリーズとして行われた巨人対ニューヨークメッツ戦、この試合はミスタープロ野球、長嶋茂雄選手が巨人の現役選手としてプレーした最後の球場になります。  このように、伝統と伝説がある静岡草薙球場を売りにして、オールスターゲーム、春季キャンプ、準フランチャイズの実現に向け、総力を挙げて推進していくことが夢の実現への大きな一歩に必ずなるはずです。  最後になりますが、世界のホームラン王、王 貞治氏は、何のための練習なのか、自分の役割は何なのかを明確に意識している。自分の役目はホームランを打つこととチーム内での自己の役割を知り、個人としてすべきことは確実に実行していくことの大切さを語っております。また、ミスタープロ野球、長嶋茂雄氏は、少なくともセオリーどおりの安全な道ばかり歩いていては生きがいなんか生まれない。時には冒険も必要。周囲の批判をおそれず、俺はできるんだとやり抜く。それが男のロマンと、いつでも新たな目標を見つけ、全力で挑戦していくことの大切さ、気持ちを強く持ってやり抜くことの大切さを語っています。  このように、私たちはチーム静岡の一員として、やるべきことは必ずやり遂げるという強い気持ちで、常にチャレンジしていく姿を子供たちに見せ続けること、同時に、夢を与え続けることを使命とし、静岡市が、市長がおっしゃるとおり希望の丘になるよう、全身全霊を傾けていきましょう。  以上、私からの総括質問とさせていただきます。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 42 ◯副議長(中山道晴君) 次に、大石直樹君。   〔15番大石直樹君登壇〕 43 ◯15番(大石直樹君) 通告に従い質問をいたします。  1点目に道路行政について、2点目に日本平・久能山エリアの活性化について、3点目に海岸保全について、4点目に福祉分野における防災対策について、お聞きします。  初めに、道路行政について、中でも東名高速道路にスマートインターチェンジ追加構想であります。  新東名が開通し、2年が過ぎましたが、走りやすく、繁忙期も左右の合流部以外、渋滞も起きず、便利な道路で、私もよく利用しています。  さて、桜の開花真っ盛りの地元を離れ、3月24日、私は東北の地を訪れていました。昨年のその日、多くの方々から未来の静岡市をより快適に、より安全に、そして、明るい地域と市議会に送っていただき、1年たったその日の前後を、東日本大震災の復興状況をこの目で見て、空気に触れてみたいと3泊4日で行ってきました。  往路の途中、東北自動車道の数カ所のサービスエリアやパーキングエリアに立ち寄りました。フードコートや地元の土産売り場はそれぞれ特徴が出ておりましたが、私が驚いたのは、立ち寄った施設にスマートインターがつくられていたことでした。それも、東名や新東名では確認したことがないシンプルな施設構造で、赤いポストコーンとカラー舗装で、一旦停止し、一般道と流入出していました。軽自動車や軽トラックが多く、バイパス感覚で使用していると感じました。  ゲート横の料金収入兼監視員のNEXCO東日本の職員にお声をかけました。私「比較的広目でもないパーキングエリアの片隅を利用されたスマートインターがつくられていますが、後づけですか」、職員「そうです。ここができて便利になりました。大きいトラブルはありませんが、たまにETCカードの差し込み忘れなどの立ち往生に私たちがいるんです」。私「上下線流入出がまだ整備されていないインターもあるんですか」、職員「片側しか出入りできないハーフインターや時間制限のスマートインターもあります。社会実験のところもあり、まだまだ東北の地は開発の途中ですが、利用者の方々からは好評です」と話されていました。  連結の一般道を確認すると、インターチェンジにつきものの幹線道路ではなく、片側1車線の市道です。改めて地図で確認したら、東北道の茨城県内、佐野藤岡インターから佐野サービスエリアスマートインター間が2.9キロ、常磐自動車道には何と最短1.9キロという区間もあります。  本市でも新東名が開通してダブルネットワークとなり、さらに清水連結路で東名とつながり、3年後の中部横断道開通で山梨、長野方面とのアクセスが格段に向上します。そして、静岡東スマートインターの完成で梅ケ島方面、あるいはエコパーク登録の井川方面と新東名新静岡インターを経由して、下大谷線から海岸線の150号まで直線で結ばれます。急速にインフラ整備が進む中、設置現状及び設置方法について、お聞きします。  2点目に、日本平・久能山エリアの活性化についてでありますが、この付近に人の集まる仕掛けづくりと地域活性化を兼ねて、道の駅構想であります。  道は人の体で例えると血管であります。大動脈が主要にはりめぐらされて、手足の隅々まで細い血管が行き届き、健康な体を維持しています。道の駅は血液のたまり場所のような役目で、リフレッシュ機能を持っていると思います。  まずは、私の経験をお話しします。趣味で35年ほどバイクに乗って、現在14台目を所有しています。アメリカの大型バイクも乗りましたが、現在は国産に戻り、多目的にどこにでも行けるオフロードタイプです。前職の変則勤務を利用し、平日連休をとり、20年ぐらい前からひとり旅をしてきました。残念ながら、県内には私が気に入る快適な施設が整った道の駅がないので、他県を御紹介します。  東名袋井インターか、3月29日に完成した新東名遠州森町パーキング内のスマートインターから、浜松市天竜区を目指し北上、国道152号を水窪から長野県飯田市南信濃和田へ抜けると遠山郷道の駅があります。バイク、乗用車、バス、トラックとエリア分けされた広い駐車場と清掃が行き届いたトイレ、全ての施設は木材をふんだんに使い、温かみが感じられます。観光協会のブースで観光スポット案内はもちろん、道路、医療、災害情報も集められ、運営協議会で開いている売店と食堂、そして、温泉及び足湯が完備、脇屋には集落の婦人たちの出荷した農産物直売所があり、居心地満点。さらに、隣接にバンガローや芝生広場もあり、私は食事と温泉を利用し、1人用テントで1泊をします。  また、山梨県と長野県境の国道20号沿いにある信州蔦木宿道の駅は出入り抜群で、キャンパーには優しい土をベースに木くいを打ち込んで、ぬかるまないよう整備した多目的駐車場があり、テントやキャンピングカーの日よけロープを打つのに最適で、施設は平家のシンプルな構造ながら、遠山郷道の駅同様の設備が整っています。しかし、屋外の仮設テントのスペースが年々増加して、付近の集落でとれた朝どり野菜の直売が好評です。  もう1カ所は、特色のある施設づくりで紹介します。  南伊豆町下賀茂に湯の花道の駅があります。そこは、ファーマーズマーケットで大盛況しています。湯煙漂う下賀茂温泉郷の開けた旧薬用試験場倉庫20坪に、跡地活用と鳥獣被害や高齢化により生産意欲が衰えた農業者の収入確保と、荒廃農地対策として行政より依頼を受け、振興会融資で農水産物特売所を平成17年、33名が出資し、会員120人の農産物出荷所でスタートしたそうです。  3年後、NPO法人化して、翌年の21年、道の駅複合施設の1つとして拡大運営、24年時で会員43名、出荷者564名で売り上げは1億円超え、先日お伺いしたら、出荷者900名で売り上げ2億円に伸びたと駅構内の観光協会所長が教えてくれました。ここは県道223号を駿河湾フェリーで往復して訪問しましたが、温暖で居心地がよく2泊しました。  早朝6時、軽トラックや軽ワゴン車にトレーで規定の袋に入れた朝どり野菜を搬入口に運びます。直売所の女性職員がバーコードリーダーに名前入りの値札つき野菜を通し、それを終えると出荷者は店内に入り陳列作業を行います。昨日の売れ残りを回収したりして、慌ただしく動き、9時の開店に間に合わせます。開店直後から道の駅利用者はもちろん、周辺の温泉街に前泊された御夫婦や女性グループが押し寄せ、あっという間に店内はごった返します。品数は農水産物300種、干物や弁当などの加工品を入れれば500種を超えて、野菜の価格は100円か150円で飛ぶように売れます。  直売以外に若手就農者がふえ、ネットやお任せ通販で販路を広げているそうです。出荷者の元気のいいお母さんにお声をかけたら、「昨日の売り上げを見せてあげるよ」と携帯電話を広げてくれました。事務所から送信されたメールでタイムリーに、何がどれくらい売れたかがわかるそうです。利益配分は2割が直売所に、8割が手元に来るそうで、農協も漁協も一出荷者だそうです。ほのぼのとした店内には、はがき大で出荷者の顔写真と氏名、生年月日、地区が明記し、張り出され、信用と誠実さが感じられました。  そこで、国道150号で2万4,000台、三保街道2万6,000台を超える車両が来訪している観光地である日本平・久能エリアに三保も含め、平成3年から社会実験的にスタートとして、はや20年が過ぎ、道路利用者の安全・安心と快適を提供し、地域の文化や観光情報を発信し、地域振興施設として新たな人が集う、この道の駅を構想しますが、本市のお考えをお聞きします。  以上が1回目の質問です。 44 ◯建設局長(寺田 薫君) 初めに、スマートインターチェンジの設置状況についてでありますが、平成26年3月末現在、全国の高速自動車国道で129カ所のスマートインターチェンジを導入することとし、70カ所が開通し、59カ所で事業中であると聞いております。  本市では、24年4月に供用開始された新東名高速道路にあわせ、静岡サービスエリアスマートインターチェンジが開通し、現在、事業中であります東名高速道路本線直結型の(仮称)東名静岡東スマートインターチェンジとの2カ所となります。  次に、設置方法でありますが、地方公共団体が主体となって発意し、便益や採算性、設置の必要性、整備効果などについて、関係機関や学識経験者などにより構成される協議会で検討、調整した上で、実施計画書を作成し、国からの連結許可を得た後、事業着手という流れが基本となっております。  続きまして、道の駅についてでございますが、道の駅は、道路管理者が整備するトイレや駐車場、道路情報提供施設などで構成される道路休憩施設と、市町村または公的な団体が整備する地域振興施設が一体となった施設でございます。  国道150号の駿河区高松から清水区駒越では、1日当たり1万台から2万台の交通量があり、周辺に大型の駐車場トイレがないことから、安全運転のための適切な休憩を促す道路休憩施設の役割は期待できると考えております。  一方、道の駅が地域振興支援としての機能を最大限に発揮するためには、市町村または公的な団体が整備する地域振興施設を良好かつ継続的に運営していくことが必要となります。  このためには、地域の創意工夫による個性豊かなサービスの提供などについて、地域の皆さんを中心に活力を創造していくことが重要であると考えています。  道の駅につきましては、地域や経済団体などからの地域振興施設に関する提案に基づき、関係部局が相互に連携し、一体となって設置の可能性について検討していくものと考えております。   〔15番大石直樹君登壇〕 45 ◯15番(大石直樹君) 御答弁ありがとうございました。  2回目の質問に入ります。  3点目は海岸保全、特に三保松原の砂嘴保全についてお聞きします。  砂とくちばしと書いて「サシ」。  三保半島は、長い年月を得て安倍川河口からの砂と久能山を含む有度山の土で形成された国内有数の地であります。内海が埋め立てで、私が学生のころは造船所や企業が立ち並び、夕方の退社ラッシュは活気ある光景でした。  外海は、ここ30年ぐらいで急激に浸食され、波打ち際は消波ブロックに変わりました。しかし、羽衣の松周辺は海抜も高く、砂浜も広くあるようですが、海岸保全の勉強に宮崎県宮崎海岸を視察してまいりました。  国土交通省宮崎河川国道事務所の海岸課長より概要と現地説明を受けました。市民や専門家を交え、行政が進めてきた歩みもお聞きし、骨の折れる取り組みだと感銘しました。陸上から砂を入れる養浜、砂をとめる突堤、そして、波打ち際から高波や高潮時の範囲に埋没護岸の新工法でサンドパックを採用していました。ポリプロピレン、通称PPといい、化学繊維でできた大型砂袋でした。縦4メートルの横4メートル、幅20メートルのクジラか潜水艦のような袋に機械で砂を入れ、砂浜の1メートルの鉄柱に埋めます。袋の色は、その砂浜に合わせてカラーリングができるそうで、想定以上の波で表面を洗われても景観上目立ちにくいそうです。各地の県や県議団の視察が押し寄せているそうですが、市議で来たのは私たち公明党が最初ということでした。  羽衣の松周辺は、堤防整備よりも砂嘴と松原の景観が似合うと思いますが、本市で作成している三保松原保全活用計画の中で、砂嘴の保全についてはどうなっているのか、お聞きします。  4点目は、福祉分野における防災対策について、中でも災害時の要援護者支援体制についてお聞きします。  2人の友人の息子に、1人はダウン症、もう1人は自閉症の1つとされるアスペルガー症候群の息子たちがいます。生まれたときからつき合っていますが、とても素直で頑張り屋です。しかし、ストレスや突然のアクシデントが苦手で、最悪のときはパニック状態になってしまうそうです。  先月、静岡県立中央特別支援学校の高等部や地元の中学に通う自閉症や登校拒否の児童を持つ母親たちと懇談会を持ちました。平時の学校及び行政の対応に、それぞれ強い不満や不安を話されていました。聞き取りをして一段落し、防災時の対応についての話になり、自宅で発災したとき、母親だけや家族だけで避難できるかから始まり、避難所での初日の過ごし方等、矢継ぎ早に質問されました。  本市作成の災害時要援護者避難支援マニュアルを熟読しました。マニュアル本としては支援順序や考え方が書かれ、いろいろな要援護者への接し方まで載っていますが、自治会でどこまでできるでしょうか。毎年、役員や自治会長がかわるところは大丈夫でしょうか。  私の住んでいる町内は60年以上前に開発された地域で、第1世代の高齢者から第4世代の乳幼児まで400世帯ほどの下町密集地です。S型デイサービスも活発ですが、避難訓練は組長と役員が参集し、他有志が少し参加して100名以下です。つながりのある地域と思っていますが、年々薄くなってきていると第2世代の同級生と話になりました。  そこで、高齢者や障害のある人などの災害時要援護者に対する支援の現状の取り組みは、どうなっているか。それと、地域における共助の取り組みを推進していくために必要なことは何か。  以上、2点をお聞きします。 46 ◯生活文化局長(安本 睦君) 三保松原保全活用計画の中で、砂嘴の保全についてはという御質問でございますが、現在、本市では、富士山世界文化遺産三保松原の範囲において、緑豊かな松原と美しい砂嘴、天空にそびえる富士山が織りなす風致景観を未来に引き継ぐため、三保松原保全活用計画の策定を進めております。  この計画の保全指針には、松原の保全、砂嘴の保全、風致景観の保全を掲げていく予定であります。  三保松原の砂嘴の保全に関しましては、海岸管理者であります静岡県が主体となり、名勝三保松原にふさわしい、海岸景観に配慮した海岸保全に取り組んでいるところであります。  本市では、全ての保全が適正に実施できるよう、砂嘴の保全を含めて、個別事業を把握し、静岡県や地元と協力をしながら、三保松原全体の保全を進めていきたいというように考えております。 47 ◯保健福祉局長(松本泰典君) 災害時要援護者支援体制に係る2点の質問にお答えします。  まず、支援の取り組みについてでございますが、本市では、災害時に自力での避難が困難な高齢者や障害のある方などの災害時要援護者の支援体制を確立するため、地域における自助及び共助を基本とした静岡市災害時要援護者避難支援プランを、平成22年度に策定いたしました。  このプランは、自主防災組織など、地域住民の皆さんが主体となり、事前に登録した要援護者に対して安否確認や避難誘導などの支援を行っていただくものでございます。  具体的には、登録を希望した要援護者の台帳などを本市が作成し、地域の自主防災組織と地区民生委員児童委員協議会に提供しており、現在約5万4,000人の方が要援護者として登録されております。  一方、自主防災組織や民生委員などの避難支援者は、台帳などの情報をもとに、災害時に安否確認や避難誘導などを行うほか、平常時は声かけや見守りなどを行っております。  また、本市では、体育館などの避難所で避難生活を送ることが困難な要援護者のために、特別養護老人ホームや障害者支援施設などの福祉施設や特別支援学校など、73施設を福祉避難所として指定しております。  被災状況により、指定した施設や地域住民と連携して福祉避難所を開設、運営し、要援護者の避難生活を支援してまいります。  次に、地域における共助の取り組みを推進してくために必要なことは何かということでございますが、災害発生時における共助の取り組みを進めるためには、地域の自主防災組織や民生委員と協力しながら、災害時要援護者を地域の中で見守っていくことが必要となります。  そこで、本市といたしましては、次の2点により、共助の取り組みを推進してまいります。  1点目は、避難支援者に対する取り組みです。由比北田自治会における要援護者マップや人材台帳の作成など、先進事例を掲載した本市の避難支援者向けマニュアルの活用について、地域の自主防災組織や民生委員に働きかけ、地域の防災力の向上を図ります。  また、要援護者を交えた防災訓練の実施等について、地域の自主防災組織などに働きかけるとともに、市民の皆さんにも、広報や市政出前講座などを通じて、これらの取り組みの周知に努めてまいります。  2点目は、要援護者に対する取り組みです。防災訓練や地域の活動にみずから積極的に参加するよう、広報や障害者団体等を通じて呼びかけを行い、地域住民の一員として日ごろから交流を図るよう働きかけてまいります。  このように、要援護者と地域の自主防災組織や市民の皆さんに働きかけ、地域でのつながりを深めることにより、市内のどの地域においても災害時に迅速かつ的確な支援活動が行われるよう努めてまいります。   〔15番大石直樹君登壇〕 48 ◯15番(大石直樹君) 御答弁ありがとうございました。  最後は意見・要望です。  スマートインターが必要なところは、東名高速道路と国道1号が平行で走る由比です。倉沢か寺尾付近にスマートインターがあれば、由比はもちろん興津や袖師の清水インター以東の地域で活用でき、東西道だけではなく中部横断道を利用するときも便利です。  さらに、由比、蒲原の防災面や経済交流に活用できると思います。  上りのパーキングエリア、流入ランプ北側にスペースがあり、東名に流入出は可能です。下りは旧由比バス停スペースを利用し、やはり流入出が可能です。ただし、国道1号への流入は当分下りだけのハーフインターで運営し、利用状況を見て上り流入を検討すればよいと思います。  次に、道の駅は久能山と羽衣の松を結ぶ国道150号の駒越が適地と思います。地域の農産物はお茶、葉ショウガ、ネギ、枝豆、イチゴ、トマト、かんきつ類、そして、家康公が食した折戸ナス等、多種あるので、朝どり直売所を地元主体で運営してもらい、シラスやサクラエビの水産物も出荷可能と思います。  ウオーキング、ジョギング、サイクリング、そして、ドライブ、観光バスの拠点に駐車場を整備し、地元の木材を使用した潮風に強いログハウスとウッドデッキの建物でリフレッシュして、冬期は松葉がきで集めた松葉ペレットで室内暖房をして、屋根のソーラーパネルで発電し、電力補助活用できる環境に優しい施設が欲しいと思います。  さらに、三保松原の砂嘴保全については、イコモスの勧告クリアも大事ですが、防災第一で景観に配慮した工法を進めてもらいたい。希望は、駒越付近の羽衣海岸線起点付近から砂浜をふやし、コンクリート堤防をなくしてもらいたい。  最後に、災害時要援護者支援は、自宅で寝たきりの重度障害の家族の声等も吸い上げ、弱者に優しい地域づくりに本市を挙げて取り組んでいただきたいと思います。  以上で全ての質問を終了いたします。 49 ◯副議長(中山道晴君) この際、暫時休憩いたします。         午後2時47分休憩    ───────────────────         午後3時5分再開 50 ◯議長(石上顕太郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  総括質問を続行いたします。  次に、繁田和三君。   〔23番繁田和三君登壇〕 51 ◯23番(繁田和三君) 通告に従いまして総括質問をさせていただきます。  その前に、傍聴席の皆さんに、きょうはびっくりしました。オクシズから若い方々がお出かけいただきました。これでもオクシズ地域では若い人たちです。ありがとうございました。  それでは、質問させていただきます。  今からさかのぼること50年、昭和39年6月1日、南アルプスが国立公園に指定をされました。すなわち、ことし平成26年6月1日で南アルプスは国立公園指定50周年を迎えたところであります。そして、去る6月12日の未明、めでたくスウェーデンから南アルプスユネスコエコパーク登録決定との吉報が届きました。南アルプスの新しい歴史が始まった瞬間であります。市長を初め、関係された職員、そして、3県10市町村の関係者の皆様方、これまでの御労苦に対して、重ねて感謝を申し上げます。厚く御礼申し上げます。  約9年前、南アルプスの世界自然遺産登録を目指して、当時の自民党市議団の剣持邦昭会長を中心に旗を振り始めたことを、つい先日のことのように思い出しますが、久能山東照宮の国宝指定、三保松原を構成資産とする富士山の世界文化遺産登録、そして、今回の南アルプスのユネスコエコパーク登録と、本市の地域資源が世界水準にあることが明らかになったわけであります。  また、新東名高速道路の県内区間の全線開通や清水港の第2バースの供用開始に続き、平成29年には中部横断自動車道とともに、大谷・小鹿地区の新インターチェンジも開設されることとなります。まさに本市の発展の基礎は整ったと言えるのではないでしょうか。  このような中で、今回の総括質問では少し長期的な時間軸で静岡市政を俯瞰させていただき、本市の発展を展望した具体的な政策提言を行いたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。  さて、ここ20年来、我々が住む今の時代は、歴史的にも大きな転換点にあるのではないかと言われております。すなわち拡大、成長の時代から縮小、均衡、成熟の時代への転換期を迎えていると、多くの皆さんが主張をされているところであります。もちろん人口を維持し、都市活力を高めていくことは都市経営の重要な課題でありますので、子育て環境の整備や雇用の拡大を目指していくための施策を強力に推進していくことが必要でありますが、一方で、長期的な視点からは、成熟した社会では地域の固有の価値や文化の再発見、さらには、生活の豊かさや質的な充実を求めていくことが重要になると言われております。まさに本市が有する歴史的、文化的資源に光を当て、それらの地域資源を生かし、新しい時代に即した新たな価値を創造していくことが求められる時代となりつつあると言われております。  そこで、今回の総括質問では、無限の可能性を秘めた地域資源の宝庫であるオクシズからの価値の創造についてと、本市の地域資源を生かし、世界に発信していくため、世界の中での輝きを満たしての2つのテーマから質問をさせていただきます。
     まずは、オクシズからの価値の創造についてであります。  本市の中山間地域を「オクシズ」と呼ぶことにつきましては、皆さんの御協力によりまして多くの皆さんに認知され、今では新聞、雑誌でも普通に使われるようになりました。しかし、残念ながら、まだ静岡県内だけであるように思います。  今後は、日本国内はもとより、さらには夢は大きく世界で「オクシズ」と呼ばれることを目指していきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。  それでは、質問の1つ目でありますが、オクシズまるごと博物館構想についてお伺いをいたします。  オクシズの自然、歴史、産業、文化、風習など、さまざまな地域資源は、自民党市議団が平成22年度と24年度に取りまとめをしました「奥静岡(オクシズ)への誘い」で紹介をさせていただき、その中でオクシズまるごと博物館の創造を目指した取り組みを推進していくことを掲げたところであります。  当局においても、清沢のレモンの郷づくりや玉川のトレッキングスポーツの郷づくりなど、地域の特色を生かした地域の主体的な事業を支援するなど、オクシズの活性化に向けて精力的に取り組んでいただいておりまして、地元の皆さんも大変感謝しておりますが、これらの取り組みによりまして多くの市民の皆さんにオクシズの地域資源のすばらしさを理解していただいているところであります。  また、これまでハンディキャップとされていた急峻な地形を利用したスポーツツーリズムを推進していくなど、オクシズまるごと博物館を体験型の博物館として広く情報発信できるのではないかと考えております。  皆さんに資料を配布させていただきましたが、オクシズまるごと博物館構想は、これらオクシズの地区に住む人々の暮らしそのものにも価値を見出し、それぞれの魅力を地域資源として発信し、さまざまな交流を生み出し、新たな価値を創造していくことを目指したものであります。そして、創造された価値が、また新たな価値を呼び、オクシズの活性化につながっていく、そのような好循環の確立をぜひとも目指してまいりたいと思います。  競争よりもゆとり、成長よりも持続、お金より時間を大切にしようとする国民意識の大きな転換により、これまで見過ごされてきた中山間地域の暮らしそのものが新たな価値を生み出していく、このオクシズまるごと博物館構想は、成熟社会に突入した我が国が抱える課題の一つの解決策を示すものになるのではないでしょうか。  そこで、市長にお伺いいたします。市長、よく聞いていてください。  オクシズの自然や、いにしえから伝わる歴史、伝統、文化を生かし、さまざまな交流による価値を創造していくため、例えば、市独自の条例を制定してオクシズ全体を条例に基づくまるごと博物館構想として指定し、地域資源の保全や活用、情報発信等を積極的に行っていくことでオクシズの活性化を目指していってはいかがでしょうか。特に南アルプスのユネスコエコパークへの登録実現により、オクシズに注目の集まる今こそ、オクシズまるごと博物館設置条例制定の検討に着手し、新たな施策にチャレンジしていく姿勢そのものを市民の皆さんにアピールすることでも、大きなインパクトがあるものと考えます。  ユネスコエコパークへの登録や国立公園指定50周年を記念し、将来の市民に向けて理念を掲げるメモリアル条例として制定をすれば価値のあるものになると考えますが、市長の積極的な御答弁をお願いいたします。  また、まるごと博物館の中核となる地域資源を磨き上げていくために、近江八景になぞらえて、すぐれた地域資源の中からオクシズ八景を選定し、国内外へのPRに活用してはいかがでしょうか。特に茶畑、紅葉、大滝、山岳など、さまざまなジャンルですばらしい景観を有するオクシズですので、例えば、それぞれのジャンルを代表するような資源を選んで、ホームページやパンフレットを作成することで発信力を高めていくことに取り組んでいくとともに、オクシズ七滝、滝です。それから、オクシズ八湯、温泉、オクシズ名物10選など、さまざまな名物も合わせて選定をしていけば話題性は十分と考えますが、お考えをお伺いいたします。  次に、質問項目2つ目の世界の中での輝きを目指してについてのうち、南アルプスの情報発信についてお伺いをいたします。  冒頭にも申し上げましたが、去る6月12日の未明に南アルプスのユネスコエコパークへの登録が決定をいたしました。登録に向けて市長を初め、当局の皆さんの御苦労に改めて感謝を申し上げる次第ですが、ユネスコエコパークは登録が目的ではなく、登録を踏まえてユネスコエコパークとして、いかに南アルプスの保全と活用のバランスを図り、地域の活性化につなげていくかが重要であります。特にリニア中央新幹線の工事着手も予定されていることから、世界レベルで認知をされた南アルプスの自然環境の保全は、日本国民全体の責務であることをJR東海にもしっかりと説明していく必要があるものと考えます。  また、世界中の皆さんに南アルプスのすばらしさを知ってもらうための情報発信とともに、静岡を訪れれば南アルプスの大自然に誰もが触れることができる、体験できるという仕組みづくりが重要となります。そのためにも、井川地区を中心としたオクシズ全体でのエコツーリズムのさらなる推進が求められます。  さらに、地域の自然と文化を守りながら地域の発展を目指そうとする、ユネスコエコパーク自体の認知度の向上を図っていくことも重要であります。世界遺産の知名度は抜群であり、三保松原には世界遺産効果で多くの来訪者が訪れておりますので、ユネスコエコパークも世界遺産に匹敵する価値があることを、国民はもとより世界の人々に理解をしていただくよう、取り組んでいく必要があります。  そして、南アルプスを登録したことにより、静岡市が加わったことでユネスコエコパークの世界的な知名度が飛躍的に向上したと、ユネスコに評価されるよう積極的に取り組んでいくべきと考えますが、お考えをお伺いいたします。  また、本年6月1日で南アルプス国立公園指定50周年を迎えたところであり、ユネスコエコパークへの登録実現という記念すべき年に50周年というおめでた続きでありますが、この機を捉えた、さらなる情報発信が必要と考えます。特に50周年の記念事業を一過性のイベントに終わらせることなく、南アルプスの将来にどのように役立てていくのか、オクシズの活性化に向けて、どのような事業を展開していこうと考えているのかをお伺いして、1回目の質問といたします。 52 ◯市長(田辺信宏君) それでは、私からは大項目、オクシズからの価値の創造についてのうち、オクシズまるごと博物館構想についての見解にお答えをしたいと存じます。  きょう、午前中から何人も登壇される議員の皆さんから、口々に南アルプスのエコパーク登録の言及がございました。本当に、おかげさまで今月12日、井川地区を含めた南アルプスが登録をされたということは、静岡市の財産であるオクシズが世界的なレベルで認められたということで、私たちは胸を張って、いいことだと喜んでおります。今後ますますオクシズに対する注目が集まるんではないかと期待をしております。  ただし、オクシズは広うございます。市域の8割でございます。井川だけではございません。梅ケ島もあるし大河内もあるし玉川もある。そういう中で今回の南アルプスエコパークをきっかけに、日本有数の清流である安倍川流域の豊かな自然や徳川家康公も愛したワサビやお茶などの特産物のみならず、歴史そのもの、地域文化そのもの、山村での暮らしを含め、魅力に満ちた地域であり、これは静岡市にとってのストロングポイントそのものであります。  これをどのように魅力発信をして、地域経済の活性化につなげていくかということが問われております。そのためには、静岡市民に、そのオクシズの価値ということを、もっともっと理解をしてもらう。水源の涵養の観点、国土・環境の保全の観点、そして、そこに行くと何となく心が癒やされるという空間の観点、オクシズから多くの恩恵を享受しているということを、まず静岡市民、まちの人々に知ってもらう。その維持が重要であると認識をしてもらう。そして、オクシズへの愛着を市民全体の共有財産にしていく、その共通の道しるべになるものが必要だと私も感じております。  そこで、御提案をいただいたオクシズまるごと博物館、資料も見せていただきました。この御提案のユニークなところを、単なる年度つきの行政計画で期限が終わったら、そこで終わりということではなくて、このオクシズまるごと博物館という構想を条例で未来永劫に定めていくという点であります。成長より成熟、お金より時間というような、議員御指摘の経済性とか効率性という尺度だけでははかれない、プライスレスな自然を身近に感じ、地域の中で生き生きと暮らすことが私たち21世紀の日本人にとって大事なんだという理念、あるいは実際的にはこの南アルプス、ユネスコエコパーク、これを保全、活用していくという枠組みをつくるという考えのもと、行政の責務と市民の役割などを明確化し、今後の静岡市の中山間地域振興に対する本市行政の積極的な姿勢をアピールをする有力な方法だと考えるに至りました。  議員から質問の通告をいただいてから、経済局中山間地振興課を中心に議論を重ねてました。その結果、今後、私どもは条例の制定について南アルプス国立公園50周年、あるいはユネスコエコパークの登録など、中山間地域に注目度が集まっている今を絶好の機会と捉え、今年度中に議会に条例案の上程を目指して、スピード感を持って制定作業を進めてまいります。  以下は、副市長及び局長に答弁させます。 53 ◯副市長(山本克也君) 南アルプスの情報発信についての御質問に一括してお答えをいたします。  南アルプスのユネスコエコパークにつきましては、平成19年2月、本市議会の皆様の発案によりまして、関係10市町村による南アルプス世界自然遺産登録推進協議会が設立され、以来、議会の御協力をいただきながら、長い年月をかけて登録に向け取り組んでまいりました。  南アルプスの大切な自然環境を守ることは、ユネスコエコパークにおいても、世界自然遺産においても共通した考えであり、これまでの活動の中で集積してきた南アルプスの学術的な価値や10市町村による取り組みが、今回のユネスコエコパーク登録に結びついたものと考えております。  一方、登録地域内では、中央新幹線の整備計画が進められております。事業者であるJR東海には、一企業の利益を超えた世界レベルの公共的な課題として認識していただき、ユネスコエコパークの理念のもと、自然環境の保全に対して誠意ある対応をとるよう求めていかなければなりません。  ユネスコエコパークとして登録されたことにより、環境保全への対応は、さらに厳しく求められることから、中央新幹線の工事計画においては、自然環境の保全を絶対条件とすることを求めてまいります。  こうした考えのもと、今後、ユネスコエコパークの取り組みを効果的に展開していくためには、ユネスコエコパークの機能として示されている生物多様性の保全、学術的研究支援及び経済と社会の発展、この3つの機能を総合的・継続的に進めるとともに、南アルプスや井川地域の情報を国内外に積極的に発信していくことが重要であると認識しております。  そのため、まずは、本市の自然環境の保全、教育活動、地域振興などの施策をまとめた管理運営計画を策定するとともに、計画の運営組織として、静岡県、川根本町、地域の関係団体等から成る地域協議会を立ち上げ、地域と行政が一体となった取り組みを進めてまいります。  情報発信につきましては、ユネスコの日本国内、東アジア、世界のネットワークを最大限に活用し、南アルプスのすばらしい自然環境と伝統文化を広く世界に向けて発信し、世界から登山者、調査研究グループなどを呼び込むプロモーション活動の展開を図ってまいります。  また、7月19日・20日の2日間、南アルプス国立公園指定50周年の記念事業として、本市において「こども未来フォーラム」と題したイベントを開催いたします。このイベントでは、未来を担う子供たちを主役に、一過性のイベントで終わらないよう、南アルプスのあるふるさとを誇りに思う心を育みながら、南アルプスの自然や井川地域の文化に関心を持ってもらい、訪れたくなるような仕掛けを用意したいと考えております。  今後、世界が認めた価値に対する責任を自覚し、ユネスコエコパークに登録された南アルプスを本市の宝として、情報発信、啓発活動を効果的に行いながら、国際的なブランド力を生かした農産物等の6次産業化など、地域社会に寄与する経済活動の推進、インフラ整備などを進めます。そして、南アルプスや井川地域の交流人口の拡大、さらには、定住人口の増加につながるよう、官民一体で世界の地域振興モデルとなることを目指し、取り組んでまいります。 54 ◯経済局長(斎藤 誠君) オクシズのすぐれた地域資源の中から、オクシズ八景、オクシズ七滝など、名物を選定してPRに活用してはどうかという御質問にお答えします。  本市では、オクシズのさまざまな魅力を発信し、交流人口や定住人口の増加を図ることを目的に、中山間地域プロモーション事業を実施をしております。  具体的には、オクシズホームページやオクシズガイドマップにおいて、新鮮で魅力あふれる情報を発信しております。この情報発信については、ホームページにおいて、「オクシズ100選」というコーナーを設け、オクシズの魅力を「安倍奥」「奥藁科」など4つの地域ごとに紹介をしています。また、「富士山の眺望」、「水辺の景観」など3つのジャンルに分け、合計148カ所の紹介をしております。また、ガイドマップには、その中から68カ所を掲載しております。  さらに、議員御提案のように、数ある資源の中からオクシズ八景やオクシズ七滝など、すぐれたものを絞ってPRすることは、それぞれのジャンルに興味を持つ都市住民をターゲットにできる利点があり、オクシズの知名度向上に有効な方法と考えます。  今後は、さらに情報発信力が高まるよう、ジャンルの選定やネーミングなど、情報発信の方法を研究し、オクシズへの誘客に努めてまいりたいと考えております。   〔23番繁田和三君登壇〕 55 ◯23番(繁田和三君) 御答弁ありがとうございました。  市長、すばらしい答弁です。初めて褒めますよ、私は。まさにこれはタイムリーヒットです。それにまして、また、山本副市長ありがとうございました。ぜひその意気込みで、ひとつお願いをいたします。時間がありませんから、褒めるのはこれぐらいにします。  次に、オクシズの回遊道路の整備について質問をさせていただきます。  オクシズというのは、日本のふるさとの原風景と言えるべきところであります。新たな価値の創造を目指していくために、最も重要なポイント、これはかねてから課題として挙げられてきた回遊性の向上であります。現在のオクシズの各地域は、川上から川下へと縦軸ではつながっておりますけれども、残念ながら川から川へと、その横軸でのつながりがありません。井川地区も梅ケ島地区も、いずれもその先は行きどまりで、上ったルートを下ってくるのが基本であります。  モータリゼーションの発達以前の徒歩が交通手段の中心であった時代では、峠を越えた縦軸と横軸の活発な交流があって、それらが今のオクシズに伝わるさまざまな文化を生み出してきたのも事実であります。しかし、車社会となった現在は道路でつながっていなけば活発な交流は期待ができません。活発な交流を促す重要なインフラとして、インターネット等の情報通信の基盤整備も当然必要ですけれども、人と人が直接つながる道路は急峻な地形の中で暮らす人々にとっては、より一層重要な社会基盤となるものであります。  そこで、オクシズの回遊性を高め、南アルプス前衛部へのアクセスの向上を図るため、例えば、例えばですよ、1つの案として、国道52号の身延町からトンネルで梅ケ島地区と結び、さらに玉川地区、井川地区へとつながる道路を整備する。そして、閑蔵線を整備・活用し、国道362号の川根本町に至る道路のように、オクシズを横断していくルートをオクシズ回遊道路として整備をしたらいかがでしょうか。成熟社会を迎える中、オクシズの地域資源を生かし、新たな価値を創造していくためにも、オクシズの回遊性の向上は極めて重要な課題であります。  さらに、平成29年の中部横断自動車道の開通を踏まえると、山梨県や長野県とオクシズとの広域交流の可能性が広がるところでありまして、さらには、オクシズ回遊道路と浜松から長野県の南信地域をつなぐ三遠南信自動車道の連結が実現をすれば、日本列島の中央部において新たな山岳文化の大交流圏の創造が期待できるところであります。  そこでお伺いをいたしますが、このような大きな可能性を有するオクシズ回遊道路の整備の必要性について、どのようにお考えか、お伺いをいたします。  また、オクシズ回遊道路は南アルプス前衛部へのアクセス向上を目指すものであり、さらに、将来的には日本列島の中央部における新たな山岳文化の大交流圏の形成を目指すのでありますので、国家的プロジェクトとして整備する価値があるものと考えますが、いかがお考えでしょうか、御答弁をお願いいたします。  次に、質問項目の2つ目の世界の中での輝きを目指してのうち、オリンピック・パラリンピックを生かした地域活性化策の推進についてお伺いをいたします。(「ラグビーのワールドカップもあるよ」)はい、ラグビーは頑張りましょう。  東京オリンピック・パラリンピックについては、いよいよ2020年の開催が決定し、全国各地で事前合宿の誘致の動きが高まりを見せつつあります。  さきの新聞報道では、藤枝市においても北村市長を本部長に推進本部を設置され、サッカー、ライフル射撃、そして、柔道の合宿誘致に取り組まれるとのことでありました。2008年の北京オリンピックの際にも、福岡や神奈川県が事前合宿の名乗りを上げて受け入れをしております。  本市が有する地域資源を世界に発信し、世界中の人々に本市を知ってもらう。そして、訪れてもらう。そのためには、言葉は悪いですけれども、東京オリンピック・パラリンピックをぜひとも活用すべきであると考えますが、まずは各競技団体の各国政府に対し、事前合宿の誘致活動に取り組んでいってはいかがでしょうか。  本市は、開催地である東京から極めて近く、そして、食べ物も豊富であります。J-STEPや日本平サッカースタジアムはもとより、西ケ谷総合運動場には陸上競技場や水泳場がありますし、市内の体育館などの競技施設を活用すれば、さまざまな競技の受け入れが可能となるのではないでしょうか。  さらに、宿泊施設、医療機関、商業施設、放送局などのさまざまな施設も集積をしておりまして、世界中から多くのアスリートをお迎えできる都市機能は十分に有しております。  そこで、東京から近い、そして、本地の都市機能の優位性を広くアピールし、各競技団体の合宿等の誘致を積極的に行うべきと考えますが、お考えをお伺いいたします。  また、事前合宿の誘致にとどまらず、外国からの観光客の誘致や文化イベントの開催等を積極的に行うことで、東京オリンピック・パラリンピックを契機に、本市のスポーツツーリズムの推進を図っていくことが重要であると考えるところであります。  新聞では、去る6月16日には、静岡市役所内に庁内連絡会議を設置されたとのことでありますが、例えば井川湖を活用したボート競技や競輪場を活用したサイクルスポーツ競技などの誘致、新たな観光事業を掘り起こそうと、いけそうな競技の誘致を戦略的に行うため、庁内にオリンピック推進本部などの専門部署を設置してはいかがでしょうか。その専門部署では、本市のすばらしさをプレゼンテーションする冊子をつくり、全庁的に手分けをして、参加する全ての国の大使館に持参するなど、総合的かつ計画的な取り組みを進めていってはどうかと考えますが、いかがお考えでございましょうか。  さらに、オリンピックを活用した地域活性化策として、具体的に提案をさせていただきたいのが、オリンピックのメダリストに授与されるメダルケースについて、地域ブランドである駿河漆器・駿河蒔絵を活用してはどうかということであります。  オリンピックで授与されるメダルは、通例ではケースなどに入れずに裸で渡すそうですが、日本ではもったいない運動で脚光を浴びた風呂敷に代表される、大切な物を包むという文化が存在しております。このような物を大切にする日本文化を発信していくため、さらには、メダリストを通じて駿河漆器・駿河蒔絵を世界にアピールするために、世界文化遺産であり、我が国のシンボルである富士山と三保松原のデザインを施した駿河漆器・駿河蒔絵のメダルケースへの採用を、国や東京オリンピック・パラリンピック組織委員会に働きかけてはいかがでしょうか。(「いいね」)いいですね。(「いいよ」)行政がいち早く関係業界へアプローチをかけ、試作品づくりに取り組まれ、完成の暁には首相官邸に安倍総理を訪ね、富士山、三保松原のデザインを施した駿河漆器・駿河蒔絵のメダルケースのすばらしさを田辺市長が直接PRしたらいかがでしょうか。(発言する者あり)遠慮はしていません。  そこで、当局にお伺いいたしますが、駿河漆器・駿河蒔絵をオリンピックのメダルケースに採用するよう、国へ働きかけを行い、本市の地場産業のすばらしさを世界にアピールしていくことについて、どのようにお考えかをお伺いして、2回目の質問といたします。 56 ◯建設局長(寺田 薫君) オクシズ回遊道路の整備についてでございますが、本市の市街地から中山間地に至る道路は、放射状に広がっているという特徴がございます。これらの道路を中部横断自動車道や国道52号、362号などの幹線道路と接続し、広域的な道路ネットワークを形成することは、周辺市町村の観光資源と連携した観光振興や被災時における代替性確保による防災力強化など、さまざまな効果が期待されます。  このように、市域をまたぎ広域連携を図る道路の構想については、さきに申し上げましたとおり、さまざまな効果が期待されることから、国や関係する周辺自治体と、その効果や課題を共有し、協力して取り組んでいく必要があると考えておりますが、多額な財政的負担も伴うことから、中長期的なビジョンで検討していく必要があると考えております。 57 ◯生活文化局長(安本 睦君) 東京オリンピック・パラリンピックの合宿等の誘致についての御質問ですが、合宿等の誘致については、スポーツの振興だけでなく、本市が持つ自然資源、歴史文化資源、食資源を世界へPRできる絶好の機会と捉えております。  合宿誘致に向けてでございますが、昨年度までは、県と一体となって進めてまいりましたが、5月20日の県の推進会議において、各市町での特色ある誘致活動を歓迎するという意向が示されました。これを受けまして、6月11日に、清水ナショナルトレーニングセンターを活用していただくよう、国へ要望に行ってまいりました。  また、13日に県のラグビーワールドカップ招致委員会が開催をされました。そこで、議員、御案内のとおり、16日の日に、本市では、東京オリンピック・パラリンピック及びラグビーワールドカップについて、市長、副市長を含めました庁内連絡会議を開催したところであります。  今後は、全国で合宿等の誘致の動きが高まってくると思いますが、本市では、東京オリンピック・パラリンピックという、またとない機会を逃すことがないよう、競技団体などと連携をしながら、積極的に誘致活動を進めていきたいと考えております。 58 ◯総務局長(三宅 衛君) オリンピック開催に向けての専門部署の設置についてですが、専門的な部署の設置は、経営資源を集中的に投入し、特定の施策や目標を一定の期間で達成しやすくなるという点や、その施策や目標を重点的に推進する姿勢を示すことができるという点で効果があると考えております。  オリンピックの開催に向けて、合宿誘致にとどまらず、海外からの観光客の誘致などを推進していくことは、本市の交流人口拡大において、極めて重要であり、その推進に当たっては、総合的・一体的に進めていく組織体制が必要であります。  そのため、東京オリンピック・パラリンピックに向けて展開する事業の検討にあわせ、専門部署の設置や全庁の連携体制の構築など、事業を推進するための体制の整備に向けて取り組んでまいります。 59 ◯経済局長(斎藤 誠君) 東京オリンピック・パラリンピックのメダルケースに関する御質問にお答えをいたします。  漆は英語名で「ジャパン」と呼ばれるように、日本の代名詞となっておりますことから、漆のメダルケースは、日本のすばらしさを世界に伝えるにふさわしい提案であると思います。  今回の東京大会で、本市が誇る駿河漆器・駿河蒔絵が採用されれば、本市地場産業の世界へ向けた大きなアピールになると考えます。  そこで、まず、各種地場産業団体で構成をします静岡特産工業協会と連携をして、試作品の開発に取り組んでまいりたいと思います。  しかし、全国には知名度の高い漆器産地が数多くあるため、駿河漆器がこれらの産地との競争に打ち勝っていくには、本市ならではの品質やデザインなどを訴えていくことが必要であると考えます。  このことから、議員御提案の富士山・三保松原は、本市が世界に誇るブランドイメージであり、シンボルデザインとして有望であると思います。この図柄を基本に、試作品の開発に取り組むととともに、メダルケース以外への活用についても研究してまいりたいと考えております。  これらオリンピック向け製品の採用につきましては、市長を先頭に、関係部局が一体となり、組織委員会を初めとした最も効果的と考えられる相手先に対し、トップセールスを展開してまいりたいと考えております。   〔23番繁田和三君登壇〕 60 ◯23番(繁田和三君) ありがとうございました。  3回目、市長に苦言を呈そうと思いましたけども、非常にいい答弁をいただきました。  本市独自の条例の制定について、田辺市長から今年度中の上程を目指しているということで、非常に前向きな御答弁をいただきました。先ほど「タイムリーヒット」と申し上げましたけれども、満塁ホームランに変えさせていただきます。ありがとうございました。ぜひひとつよろしくお願いをいたします。  オクシズ全体をまるごと博物館として指定をして、そして、市民全体でかけがえのない市民共有の財産を保全すると、こういうところであります。保全、さらには活用していくという取り組みを加速していくように、大いに期待をしております。  今回の質問では、情報発信の手法として、オクシズ八景、それから、オクシズ七滝、滝ですね、こういったものの選定を提案をさせていただきました。このユネスコのエコパーク登録を契機として、ぜひオクシズのさまざまな地域資源を多面的な観点から情報発信をしていただくようにお願いをいたします。そして、これが情報発信によって国内外からの誘客の向上に取り組んでいただけたらとも思っております。  それから、オリンピック・パラリンピックを生かした地域活性化策の推進についてであります。  オリンピック・パラリンピックに向けて事前合宿の誘致はもとより、観光誘致など、全国的な競争が既に始まっております。そういった中でもって、地場産業の活性化を生かしていくという今回の提案に対して、極めて建設的な御答弁をいただきました。  提案をさせていただいた我が国の象徴である富士山や三保松原のデザインを施した駿河漆器・駿河蒔絵は、多くのアスリートの心を魅了するものだと思いますので、積極的に取り組み、これは時間をもたもたしていますと、多分間に合いません。ここには我々の会長もそうですけれども、地場産業界に関係する議員もおります。これぐらいのことは、その方々から提案してほしいんです。会長もいたしますが、そういったことでもって、ラグビーの世界選手権のことも忘れずに、ひとつ当局は積極的な取り組みをお願いをしたいと思います。  それから、きょうは多くのオクシズの若人がお見えいただきました。議員各位に図面でお示しをしましたとおり、オクシズの回遊道路の整備の必要性、これについては時間をかけて中長期的にということであります。しかし、きょうお見えいただいた皆さんからすると、せめて身延町、それから、梅ケ島間、このトンネル整備に先行して取り組んでほしいよと、そして、経済効果を検証していくなどして、めり張りのきいた検討もしてくださいということが多分傍聴席からの声ではないかと思います。ユネスコのエコパークもチャレンジすれば実現ができました。日本列島全体を俯瞰し、南アルプスを中心として、山梨県や長野県の皆さんとともに県境を越えた圏域を形成していくとの大胆な発想で実現に向けての検討をぜひともお願いをいたします。  最後になりますが、南アルプスの世界自然遺産登録を目指した取り組みをスタートして9年であります。実は、こんなに早くユネスコのエコパーク登録が実現するとは、まさに想定外でありました。しかしながら、関係の皆さんの絶大なる御努力により登録が実現をした今、努力すれば必ずできる。越えられない山はないと、こういう思いを改めて強く感じたところであります。  現在、当局では来年度スタートの第3次総合計画を策定されているところであります。本市には多くの課題、懸案が残されておりますが、それらの解決の方向性を市民の皆さんにお示しし、将来に対する夢や希望を持っていただかなければなりません。ぜひ市長を先頭に、英知を結集し、すばらしい総合計画を策定されるようお願い申し上げるとともに、私も全力で協力させていただくことをお約束申し上げ、全ての質問を終わります。ありがとうございました。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 61 ◯議長(石上顕太郎君) 次に、内田隆典君。   〔39番内田隆典君登壇〕 62 ◯39番(内田隆典君) 通告しております項目について質問させていただきます。  最初に、三保地区への観光対策についてであります。  三保松原が富士山世界文化遺産構成資産に登録されて、もうすぐ1年を迎えるわけでありますけれども、関係者の皆さんの努力もあり、大逆転での登録となりました。構成遺産決定後、前後して三保松原へは県内各地から大勢の観光客の皆さんが来静をしているわけでありますが、決定後、地元の皆さんはもとより、多くの皆さんが三保松原の清掃を初め、松原の育成に力を注いでくれているところであります。  静岡市もこれまでにも増し、松原の保全や交通アクセスの向上、観光バス、駐車場の整備等々、力を入れているところであります。しかし、まだまだ海岸浸食対策や三保街道の架空線の撤去、羽衣資料館建設問題等々、課題もあるところであります。  そこで、幾つか質問させていただきます。  1点目は、世界遺産登録後の観光客の入り込み客数についてであります。
     1年前の5月の連休、ことしの正月等々は大変な渋滞を起こしました。正月1日には、関係職員の皆さんが対応に追われていました。世界遺産登録後の観光客の状況がどのように変化をしてきているのか、伺いたいと思います。  2点目は、観光バスへの対応についてであります。  現在は、土日だけでなく平日でも多くの方が三保松原へ足を運んでいただいております。  そこで問題になってきているのが、大型バスの神の道の通行による松並木への影響であります。現在、新しい駐車場を三保生涯学習交流館の前にあります交流館建設予定地の一部を借りて、そこで観光客の皆さんにおりていただき、御穂神社への前を横切り、神の道を通って三保松原観光というコースをとっております。  しかし、一定時間を経過しますと、観光バスは神の道を通って、もとの駐車場へ迎えに行くという状況であります。現在の観光バスへの対応、新駐車場の乗降状況について、伺います。  3点目は、降車状況を10月1日からは観光バスを一定制限をする。進入を禁止するということを伺っておりますけれども、観光バスへの対応について、伺っておきたいと思います。  次に、静岡市立病院についてであります。  清水病院について伺います。  先月、突然、清水病院での人工透析が医者の退職等で7月から対応できないという旨の説明が患者さんの皆さんにされております。  清水病院は約70名の透析患者がおりまして、2名の担当医師がいる。1人の医師が退職、もう1人の医師は医局の人事によって他の病院へ異動が決まっているということであります。  この間、市長も関係する医局へお願いに行っているようでありますけれども、患者さんへは5月14日ごろから個人個人への現状を説明、他の病院へ移るよう話をされてきております。患者さんにとっては、命にかかわる重要な問題でありまして、5月22日、患者会として清水病院への要望書を提出すると同時に、要望活動も行ってきているところであります。  私もこの要望活動に参加をさせていただきましたが、患者さんからは、最初から異動ありきでどういう病院があるのか説明をされない。紹介状を書くと言われても、半分は高齢者の皆さん。病院側は説明で5月半ばから市立病院での透析が今後できないという話を聞いたが、私たち患者は昨年の11月には担当医師からこういう話を聞いていると、そういう点では病院側の対応は大変遅いんではないかという話がされておりました。そして、この話が出てから眠れなくなり、睡眠薬を飲むようになったがそれでも眠れないと、深刻な訴えが複数の方からされておりました。  私は、この間、病院当局の対応が十分だったのか、大変疑問に思っているところでありますけれども、そこで、3点について伺いたいと思います。  1点目は、清水病院の診療科目の現状がどのようになっているのか。  2点目は、透析患者へのこれまでの対応がどうなっていたのか。  3点目は、透析患者の現在の状況、対応を十二分に行っているのか、伺いたいと思います。  次に、地方独立行政法人化についてであります。  この独法問題については、前回も私は質問させていただきましたけども、静岡市は静岡病院が2016年に、清水病院が20年代半ばに独法化を進めると、こういう方針を打ち出しました。9月議会では定款を定めた条例案を提出すると言われております。  当局は、この流れに沿って淡々と事を進めておりますが、私は市民や関係者の理解が今日十分なのかどうか、独法ありきで進めていることに大変問題を感じているところであります。  そこで、4点について伺いたいと思います。  1点目は、病院職員、看護師に対し、この間、当局はどのような説明をされているのか。  2点目は、看護師を含め、病院の職員の皆さんが、この間、独法化について現状を理解されていると当局は認識をされているのかどうか。  3点目は、医師や看護師の確保についての考え方であります。  当局は、独法化すれば医師も看護師も、確保について今以上に前進があると考えているようであります。私は、そう単純ではないと考えております。現状の医師確保の確保状況や、7対1の看護体制を目指すと言われておりますけれども、看護師の確保状況はどうなっているのか。看護師の確保については、私は病棟ごとに7対1を目指す体制をとる場合、何人の看護師が必要となるのか、増員が必要か、細かく計画を立て、順次進めていくべきだと考えておりますけれども、現状について、考え方を伺いたいと思います。  4点目は、経営形態についてであります。  22年12月の段階で市立病院の経営形態最適化検討会で、地方公営企業の全部適用という答申が出されました。その後、平成25年8月、重要政策検討会議、ここで独法への移行を方針決定をしてきているわけでありますけれども、私はこのときの全適から独法への移行過程が不明確ではないかと感じております。  当局のこの間の議会への説明によりますと、経営形態最適化検討会では、独法は民間的手法を取り入れるなどの点ですぐれているとの評価を得たが、実例数が少ないとの不確定要素があるため、その時点では全適がふさわしいと判断したと、このようなことでありました。その後、全適から独法へ移行する病院が多く出ていることから、最適化検討委員会の評価、検討の延長線上であると判断し、重要政策検討会で方向性を審議し、方針を決定したと、このように言われております。全適と判断したときは独法へ移行する病院が少なかった。その後、ふえてきたから独法へ変更したと、単純にこんな答弁のようでありました。具体的に何が問題だったのか、独法化に変更した理由ですね、改めて伺いたいと思います。 63 ◯経済局長(斎藤 誠君) 三保地区への観光対策についての3点の御質問にお答えをいたします。  まず、三保地区への観光客の入込客数ですが、平成24年度は、推計62万人でしたが、25年度は前年度比約2.5倍の156万人となりました。  次に、現在の観光バスへの対応についてですが、松の保全と世界文化遺産構成資産である御穂神社や神の道を楽しんでいただけるよう、全ての観光バスを新観光バス専用駐車場に誘導をしております。ここから観光客の皆さんには、羽衣の松まで歩いていただくわけですが、特に復路については、本市がバス通行の抑制方針を発表する前に企画されたツアーも多く、滞在時間の関係からか、なかなか御協力いただけていないのが実情です。  3点目の質問である、平成26年10月1日以降の対応についてですが、羽衣の松駐車場を廃止し、バスの本格的な通行抑制を実施をしてまいります。このため、旅行会社などに対し、滞在時間の延長をお願いをしているところで、既にそうしたツアー造成に御協力いただける旅行会社もあらわれてまいりました。  今後も、引き続き、各方面への周知と協力をお願いしてまいります。 64 ◯病院局長(上松憲之君) 静岡市立病院に関します御質問のうち、初めに、清水病院の診療科目充実についてお答えをいたします。  まず、診療科目の現状についてでございますが、本年4月現在、25の診療科のうち、常勤医師が不在の診療科は、精神科、循環器内科、呼吸器外科及び耳鼻咽喉科の4科でございます。  なお、7月からは内科のうち腎臓内科において常勤医師が不在となる状況でございます。  次に、透析患者の皆さんに対するこれまでの対応についてでございますが、まず、医師の退職の話が正式なものとなり、本年5月に入り、病院内への掲示を行い、次の2点につきましてお知らせをいたしました。  1つ目は、7月から常勤医師が不在となること。2つ目は、現在透析中の患者の皆様については病院が責任を持って診療所などに紹介をすることです。さらに、中旬には、患者の皆様への説明会を開催し、御意見をお伺いいたしました。  その結果、現在の状況についてでありますが、現時点では62人中59人の方との面談を実施し、希望をお聞きしながら、市内のクリニックを紹介させていただいているところでございます。  次に、地方独立行政法人化について4点の御質問にお答えいたします。  まず、病院職員への説明会等の対応についてでございますが、本年4月中旬から5月中旬にかけて、静岡病院職員を対象に、地方独立行政法人への移行を決めた経緯や移行後に適用される制度の内容、今後のスケジュールなどについて6回の説明会等を開催し、約640人の参加を得ております。  また、4月から病院局内に職員相談窓口を設置し、電話やEメールなどによる個々の職員からの質問に随時対応をしております。  さらに、5月末には職員向けの情報紙を発行し、独法化の進捗状況や職員から寄せられた主な質問とそれらに対する回答を掲載しております。  今後も、独法化に当たっては、個々の職員に影響がある事項ですとか、移行業務の進捗状況について、積極的な情報提供に努めてまいります。  次に、独法化に関する職員の理解についてでございますが、これまで説明会等を通じ、市立病院の諸課題を解決するための経営形態として、地方独立行政法人が最適であることなど、独法への移行理由や制度について説明を行ってまいりました。  説明会等で職員から出されました質問では、移行後の給与や勤務時間などの労働条件に関するものが多く、主に処遇面について関心が高いものと認識しており、今後、それらについて具体的な内容を示すことによりまして、より一層の理解を得ていきたいと考えております。  次に、静岡病院の医師と看護師の確保状況についてでございます。  まず、医師につきましては、本年4月現在、常勤医師91人、初期研修医・専攻医39人の合計130人の医師が在籍しております。  医師の充足状況でございますが、現在、標榜をしている29の診療科のうち、神経内科については常勤医師の退職により、応援医師にて対応しておる状況でございます。  次に、看護師についてでございますが、7対1看護体制の確立のため、平成29年度までに、静岡病院で90人の増員を図ることとしております。本年度、新たに68人の看護師を迎え、総数は451人となり、増員計画90人に対しましては22人の増員を図ることができました。  今後も人材の確保に向け、県内外の養成機関への積極的な働きかけや市立病院への就業を希望する看護学生への修学資金の貸付など、さまざまな手法によりまして看護師確保を図ってまいりたいと考えております。  最後に、独法化を選んだ理由についてでございますが、全部適用では管理者を設置することで経営責任が明確となるものの、市の組織の一部として法律の適用を受けるほか、医療環境の変化に対して、経営の自由度が限定的となっております。  また、医療技術の進展や医療制度改革、市民の皆さんのニーズなどに即して、人的、物的な医療資源を迅速に確保することも困難でございます。  そこで、これら市立病院の諸課題を抜本的に解決するために、最適な経営形態として、地方独立行政法人への移行を選択したものでございます。   〔39番内田隆典君登壇〕 65 ◯39番(内田隆典君) 先に三保地区の観光対策ですけれども、今156万人という相当な数が報告されました。問題は10月から制限を加えますけれども、そういう中でどういう形になるのか、心配するわけです。バスが今のように迎えに行くという形がとれないわけですから、新たに羽衣の松の横にエレーヌのがあるんですけれども、そこからおりて、バスでその下に迎えに行くということも検討に入れたらどうかと思います。その辺、検討に入れていただきたいと思います。  それから、世界遺産登録によって羽衣の松を中心に公園整備等々がやられているわけですけれども、前から指摘があった羽衣の松の駐車場の観光トイレ、改修等々も議論はされているわけです。早期、早期と言うんですけれども、なかなか具体的に見えてこないような気がしますが、その辺どうなって、計画されているのか、伺いたいと思います。  それから、清水病院の透析患者に対する対応でありますけれども、まだ数名の方が今、面談中できちんとした病院が決まり切れてないということです。もうわずかな日にちしかありませんから、本当に負担になっているわけですよね。そういう点では一日も早く全員の皆さんが対応を済ませるようにしていただきたいと思いますけれども、その後の考え方を伺いたいと思います。  それから、あわせて今後の、当面は民間のお医者さんにかかるようになるかと思いますけれども、今までかかられた患者さんは大変、市立病院に対して厚意を持っていまして、できれば再開するめどが立てば市立病院で治療を受けたいということを望んでいるようでありますから、今後、再開に向けた見通しをどのような形で持たれているのか、あわせて伺いたいと思います。  それから、独立行政法人についてでありますけれども、この間、6回、640人の職員の皆さんに説明会をして、順次理解を得てくれるような努力をしていくということであります。私は独法化で医師や看護師の確保が本当に進むというような安易な考えを持っているんじゃないかと思いますけれども、先日、職員組合が行った看護師に対するアンケートの結果を聞いておりましたら、独法化になったら市立病院も退職するという、そういう声が1割、2割じゃなくて相当な数あったということを聞いております。そういう点では、やっぱり公務員として病院に頑張りたいという意向があるようですから、私はそういう看護師の意向を説明会の中等々でどれくらい認識をされているのか、まず1点伺いたいと思います。  あわせて、2点目は、公共の病院として、これからも役割を果たすと繰り返し言っているわけでありますけれども、不採算部門や救急医療の提供について、独法後もこれまでと変わらない対応を進めていくと思います。その辺の考え方について伺っておきたいと思います。 66 ◯経済局長(斎藤 誠君) 羽衣の松駐車場観光トイレの改修についての御質問にお答えをいたします。  三保地区の観光トイレの整備については、本年、新観光バス専用駐車場内に洗浄機能つきの洋式便座やオストメイトなどを備えたトイレを整備いたしました。駐車場の利用者アンケートでも、「トイレがきれい」との御意見をいただいております。  一方、御質問の羽衣の松駐車場観光トイレについてですが、昭和60年の建築以来、28年を経過し、清潔で快適なトイレを求める昨今の観光客ニーズに対応できなくなってきております。観光地にとって、トイレの適切な整備と管理は重要な課題であることから、できる限り早期の改修を図ってまいります。 67 ◯病院局長(上松憲之君) まず、清水病院に関する御質問にお答えをいたします。  今後の維持透析の見通しについてでございますが、7月以降、応援医師による診療体制を確保し、現在、週3クールある透析治療のうち、週2クールが継続できるよう努めているところでございます。それにより、他病院に他の疾患で緊急入院されたことにより調整が図れていない透析患者の皆さんにつきましては、清水病院内での対応が図れないか、調整を行っているところでございます。  今後の再開の見通しについてでございますが、完全再開には常勤医師の確保が欠かせないことであることから、大学病院への医師派遣の依頼を継続的に実施するとともに、今後の医療体制の充実に向けまして、多面的に検討していくことが必要だと考えております。  次に、独法化について2点の御質問にお答えをいたします。  まず、職員団体、いわゆる労働組合が行った看護師へのアンケートについてでございますが、これは本年3月に実施され、病院の経営形態が変更になった場合、働き続けないと回答した職員がいるとの情報を得ております。  一方で、病院局といたしましては、先ほど御答弁いたしましたとおり、本年4月から5月にかけ、6回にわたって職員説明会を開催するとともに、職員相談窓口を開設し、職員の独法化に係る理解の促進を図ってまいりました。その結果、今までのところ、独法化を原因として病院を退職したいとの旨の相談を受けてはおりません。  今後も職員へ積極的に情報提供を行うとともに、独法に移行した後の処遇が不利益とならないように配慮し、その不安の解消に努めてまいります。  次に、独法に移行した後の不採算医療や救急医療の提供についてでございますが、市立病院は市民が必要とする高度で良質な医療サービスを安定的・継続的に提供していく役割を担っております。  独法に移行した後も、この市立病院の役割が変わるものではなく、市民にとりまして必要な医療は引き続き実施をしてまいります。   〔39番内田隆典君登壇〕 68 ◯39番(内田隆典君) 私は非常に甘いんじゃないかと思っているんですね。職員組合、看護師にアンケートをとった結果は、聞くところによると4割近い人たちが退職をするかもしれない。相談窓口には今のところ来ていないという言い方ですけれども、私は独法化すれば看護師も医師もどんどん集まるような認識で、説明会は確かに6回、600人ぐらいに説明をしたようでありますけれども、看護師というのは、御案内のとおり、かなり日常的に仕事が大変で、そのことを理由に退職を余儀なくされる方もたくさんおられるわけですよね。そういう中で、今度…… 69 ◯議長(石上顕太郎君) 後1分で終了してください。 70 ◯39番(内田隆典君)(続) 独法という変更になるわけですから、心配事もふえるということで、そういう職員組合がとったアンケート結果が寄せられているんじゃないかと思います。  私は、今の時点で6回、600人余の人たちに説明をした、これからも理解をお願いをしていくということでありますけれども、今の時点で職員の皆さんや看護師の皆さんの理解が得られていないと思っています。そういう点では十二分に、期限を切って独法化を推進するのではなく、きちんとした説明、理解を得ながらやるべきで、そういう点では拙速な進め方をするべきじゃないと考えておりますけれども、その点についての考え方をお伺いしたいと思います。 71 ◯病院局長(上松憲之君) 十分な理解なしに拙速に独法化を進めるべきではないとの御指摘でございます。  御指摘、ありがたく受けとめたいと思います。独法化に係る説明会の開催ですとか、先ほどお話しいたしましたように、情報紙の発行などによりまして、職員への情報提供に一層努めるとともに、その処遇につきましても留意をし、理解を得ながら進めてまいりたいと考えております。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 72 ◯議長(石上顕太郎君) 次に、平島政二君。   〔3番平島政二君登壇〕 73 ◯3番(平島政二君) さて、本日最後の質問となりました。もうしばらくおつき合いをお願い申し上げます。また、傍聴の皆様も遅い時間までありがとうございます。  それでは、通告に従い質問をさせていただきたいと思います。  昨年11月議会の質問において、循環型社会の構築の一環として、厨芥類の堆肥化によるごみ削減と放任竹林の整備促進について質問をしたところ、山本副市長から御答弁をいただきました。  その要旨は、ごみ減量を達成するには生ごみを削減することが大変重要である。放任された竹林が農地や山林の荒廃を招いている。この2つの課題に取り組むため、小学校と協働し、生ごみと竹の活用を考えるモデル事業を開始した。その結果、生ごみの減量及び伐採した竹の活用について、このモデル事業の有効性を確認したとした上で、市民に広く取り組んでいただくための課題として、市民の協力が必要であること、竹粉末の製造をする必要があること、竹粉末の供給方法を検討する必要があるということでした。  いずれも、このモデル事業をごみ削減の切り札の1つとして事業化していく意思が感じられ、大変頼もしく思いました。  それでは、あれから約8カ月間たった現在、それらの課題に対してどのように対応してきたのかについて伺いたいと思います。  質問の1つ目、厨芥類の堆肥化によるごみ減量について、市民意識は向上していると考えているが、市の見方はどうか。  2つ目、市民に広く取り組んでいただくために、どのような取り組みを行い、今後どのように進めていくのかについて、伺います。  次に、ことしの新茶取引の現状を受けての質問です。  茶業界は、平成22年から4年続きの凍霜害や原発事故による風評被害を受け、ことしこそはとの思いを込めて、新茶シーズンに臨んだと思います。静岡市の重要な産業であり、文化であるお茶に対して、市は従来から大変努力していただいているという認識をしているところでありますが、まず、ことしの一番茶の取引状況はどうであったか。また、茶農家の経営安定に向けた方策をどのように考えているのかについて、伺います。  また、もうかる農業の1つとして、個性的な特徴のある製品づくりが必要であるという観点から、静岡茶の生産を見てみますと、どうしても「やぶきた」一辺倒の産地であります。消費者の味覚が多様化し、在来種の作物等が見直されてきており、先日、葵区の足久保で在来茶を使ったイベントが実施され、まちから多くの来訪者でにぎわい、テレビでも取り上げられました。消費が低迷している中、特徴のあるお茶に光を当てる必要があると思います。  本市にも「やぶきた」以外にも特徴のあるお茶はどのようなものがあり、それらをどのように伸ばしていくのか、伺います。  また、昨年6月議会の質問の中で、我々生産者への支援はもう十分だ、これ以上、別に希望しない。それよりもお茶問屋など流通販売への支援をもっとしてほしい。買い手に元気がないからお茶の値段が上がらない。我々が努力して生産コストを下げると、それを理由にして買い値を下げてくるという生産者の声を紹介させていただきましたが、消費を拡大し、流通を元気にすることが農家の元気につながってくると考えております。まだまだお茶の需要は伸びると思うが、消費拡大のためにどのようなことを考えているのか、伺います。  次に、葵区の魅力づくり事業について質問いたします。  今議会から区長の皆さんが議会に出席していただけることになりました。国の権限は県に、県の権限は市に、市の権限はより市民生活に身近な区へと、できるだけ移譲していくことが必要であると考えます。行政が市民にとってより身近なものになり、市民との協働がより円滑になり、また、行政側においても行政目的を効率的に達成するために役立つものとして、大変すばらしい一歩であると市長の御判断を高く評価し、区長の皆さんを歓迎いたします。  区長の皆様、ようこそ議会へ。  静岡市の区割りは、単に人口数によって分けたわけではありません。清水区は旧静岡市とは別の文化、風土を持つまちであり、清水港や三保松原など、葵区は広大な中山間地や森林を持っております。駿河区は平たんな土地に登呂遺跡が示すように、古代から居住に適したところであります。それぞれ全国に発信できる個性と特徴を持っております。この個性と特徴を磨き上げていくことが、世界に輝く「静岡」の創造であります。  区長の皆さんを中心に各区の職員の皆さんには、魅力的な区づくりについてぜひ頑張っていただきたいところです。
     静岡市では、平成17年度の政令都市移行とともに3区制がしかれ、それぞれの区役所において地域振興を目的に魅力づくり事業が実施されております。これからの地域振興においては、地域住民が主体となって取り組んでいくことが重要であると考えます。  そこで、にぎわいある中心市街地を有する都市部から豊かな自然の恵みを受けた地域資源を有する中山間地域まで、広範な地域性を抱える葵区の魅力づくり事業について、お聞きします。  過去に実施された魅力づくり事業を見ると、初期には単に広告を出すものや市が主導して行うものが多かったが、近年は市民との協働を目指すものが多くなってきていると感じられます。平成26年度葵区魅力づくり事業計画によると、山とまち区民交流事業、郷土食をテーマとする事業、地域イベント参加促進事業、地域の魅力づくりアドバイザー派遣事業とありますが、魅力づくり事業をどのような基本的な考えを持って進めているのか、4つの事業について伺います。  また、事業を行う上で問題となっている点はあるのでしょうか。現在の課題と今後の方向性はどのようなものかについて伺います。  以上で1回目の質問を終わります。 74 ◯副市長(山本克也君) 厨芥類の堆肥化によるごみ削減と放任竹林の整備促進についての御質問にお答えをいたします。  平成25年度には、厨芥類の堆肥化によるごみ削減を進める方策として、生ごみと竹の活用を考えるモデル事業を、市内の小学校4校において行ってまいりました。  平成26年度も、このモデル事業を継続し、さらに多くの学校に取り組んでいただくため、小中学校の先生を対象として、「竹粉による生ごみ処理の実践事例の紹介」と題した環境学習会を開催する予定でございます。  また、広く市民の皆さんへの意識啓発を図るため、「竹粉による生ごみ処理講習会」を実施したところ、90名程度の市民の皆さんの御参加をいただいたところであり、市民意識の向上が図られつつあるものと認識をいたしております。  次に、昨年11月定例会で答弁いたしました、市民の皆さんに広く取り組んでいただくために解決すべき課題でございますが、これらにつきましては、段階的に実施をしていく必要があると考えております。  まずは、小学校で行っているモデル事業や市民向けの講習会の開催をふやし、家庭での取り組みデータを収集するなどして、実践活動を促す事業に積極的・継続的に取り組んでまいります。  その上で、里山保全団体の皆さんに、竹粉による生ごみの堆肥化に対する御理解、御協力を得るため、講習会等への参加を呼びかけてまいります。  また、竹粉の供給方法につきましては、6月補正予算に計上しております、総務省の地域経済循環創造事業交付金を活用した、しずおか型放任竹林解消モデル事業と連携するなどして、市民の皆さんへの供給体制の構築を図ってまいります。  このモデル事業につきましては、民間事業者が主体となって、竹粉と下水汚泥から堆肥を製造するものであり、放任竹林対策の手法の1つとして期待されるものでございます。 75 ◯経済局長(斎藤 誠君) 本年度の新茶取引についての3点の御質問にお答えをいたします。  まず、ことしの一番茶の取引状況はどうであったか、また、茶農家の経営の安定に向けた方策をどのように考えているかですが、先ほど議員からお話があったとおり、茶業界は、平成22年から4年続きの凍霜害や風評被害を受け、ことしこそはとの思いを込め、新茶シーズンに臨みました。  本年の一番茶は、大きな凍霜害はなかったものの、生産に伸びを欠き、取引においては需要の先行き不透明感などから、取扱量、金額ともに低調に推移をし、全体的に盛り上がりを欠く新茶取引となりました。  管内JAの取扱実績で見ると、比較的順調な生産が行われた平成21年に比べ、取扱量、金額ともに4割以上の減となり、茶農家の経営は一層厳しい状況に追い込まれております。  このため、本市では、昨年、茶農家の経営安定化を図るため、国の政策保険である茶共済への加入要件の緩和を、他に先駆けて国に対し要望したところです。  そして、このたびの制度改正により、生葉をみずから荒茶加工してJAなどに出荷する自園自製の茶農家も、本年10月から茶共済に加入できることとなります。  この新たな制度は、自園自製農家の多い本市の実態に即したものであり、本市では、この制度改正に合わせ、茶農家が負担する掛金の2分の1を助成することにより、共済制度に加入しやすくする取り組みを実施したいと考えております。  次に、本市にも「やぶきた」以外に特徴のあるお茶はどのようなものがあり、それらをどのように伸ばしていくかについてですが、お茶の取引を活性化させていくための生産面での取り組みとして、消費者に喜ばれる、個性あふれるお茶づくりは欠かせないものと考えております。  このため本市では、多様な産地条件を生かし、消費者の嗜好に合ったお茶づくりを進めるため、香りに特徴のある「香駿」や花粉症に聞くと言われる成分のメチル化カテキンを豊富に含む「べにふうき」など、11の優良品種を推奨して、茶園の改植を進めております。  また、これらの品種を活用して、これまでに桜葉の香りが特徴の「まちこ」や井川のお茶蔵に秋まで貯蔵し、深い味わいが特徴の「熟成本山茶」など、6銘柄を地域ブランド茶としてPRしております。  このような取り組みを進めることにより、消費者にお茶を選ぶ楽しさを広げ、消費拡大につなげていきたいと考えております。  次に、まだまだお茶の需要は伸びると思うが、消費拡大のためにどのようなことを考えているかについてですが、お茶の取引を活性化させていくための販売面での取り組みとして、新たなリーフ茶の需要を掘り起こすことは大変重要なことと考えております。  本市では、教育委員会と連携し、子供たちが将来のリーフ茶の消費の主体になってもらうための取り組みとして「お茶のおいしい入れ方教室」を実施をしております。  また、茶業界では、本市も参加しております静岡市茶業振興協議会も、若い世帯への対策として、市内で婚姻届を提出した世帯に、急須とお茶をプレゼントしております。  そのほか、今後、お茶の需要拡大が期待できる事例としては、冷たい水にリーフ茶をいれて、ゆっくりうまみを抽出した冷茶があり、これは、お茶の需要が落ち込む夏の間に消費の拡大が期待ができます。  また、焼酎を割るのにリーフ茶を用いる「静岡割り」を広める活動に、JA静岡市が主体となって、この夏から取り組むことも伺っております。  なお、海外市場に目を向けますと、緑茶の消費は伸びており、平成25年12月の和食の世界無形文化遺産登録を受けて、今後は一層、高級志向のリーフ茶の需要が見込まれます。  今後も、茶業界と連携をして、リーフ茶の需要を掘り起こし、お茶の消費拡大につなげていきたいと考えております。 76 ◯葵区長(大場知明君) 葵区の魅力づくり事業に係る御質問にお答えいたします。  まず、魅力づくり事業に対する基本的な考え方、そして、具体的な事業についてお答えいたします。  葵区の魅力づくり事業の目指すものは、住民主体のまちづくりでございます。これを実現していくために、地域資源を発掘し磨き上げること、そして、地域住民やコミュニティーの活性化を図るということを大切にしながら、事業を進めていく必要があると考えております。  そうした考えのもと、葵区魅力づくり事業は、1つ目の柱、地域住民の発案による事業、そして、2つ目の柱、人材育成につながる事業、この2つの事業のもとに、議員から御指摘がございました4つの事業を中心に展開しております。  まず、1つ目の柱、地域住民の発案による事業では、3つの事業、1つ、山とまち区民交流事業、1つ、郷土食をテーマにした事業、1つ、地域提案支援事業を実施いたします。  一例を申し上げますと、山とまち区民交流事業では、カブトムシ大相撲・梅ケ島場所など、市街地に住む皆さんに中山間地の大自然を楽しんでいただくイベントを、また、郷土食をテーマにした事業では「在来作物」をキーワードに、地域の皆さんが地域の食材を紹介する葵レストランを各地で開催してまいります。  次に、2つ目の柱でございます、人材育成につながる事業では、各地域のニーズに合わせたアドバイザーを派遣する、地域の魅力づくりアドバイザー派遣事業を実施いたします。  さらに本年度、新たに交流を通して地域間のきずなを深めるため、交流促進事業に取り組んでまいります。これは、地域住民が主体となって実施しているイベントに、区が中心となりまして参加者を募り、バスツアーを組むもので、「葵トラベラー」と銘打って実施しております。これは、ことしの5月にきよさわ里の駅の感謝祭でも既に1回目実施しております。  最後に、課題と今後の方向性についてお答えいたします。  まず、課題ですが、魅力づくり事業を協働事業から住民主体の事業へと発展進化させることが課題であると考えております。そのためには、地域の皆さんが主体的に活動するという意識の醸成と、活動を担う人づくりを進める必要があると考えております。  今後の方向性といたしましては、まずは、葵区の魅力づくり事業の目的と基本的な考え方を、これまで以上に区民の皆さんに周知、浸透させてまいりたいと考えております。  次に、自治会、町内会だけではなく、日ごろから地域で活動する人材を発掘し、事業の企画や運営を行えるよう、人材育成・環境整備を進めてまいります。  そして、これと並行いたしまして、区役所が地域の実情を踏まえ、総合的な地域振興を行えるよう、他部局との連携を進め、そして、職員のコーディネート力の向上に努めてまいります。   〔3番平島政二君登壇〕 77 ◯3番(平島政二君) それぞれ御答弁をいただきました。  2回目は意見・要望といたします。  まず、厨芥類の堆肥化によるごみ削減と放任竹林の整備促進についてです。  1つ目の質問、厨芥類の堆肥化によるごみ削減について、市民意識が向上していると考えているが市の見方はどうかという質問に対して、小学校における従来の生ごみと竹の活用を考えるモデル事業を拡大するほか、先生を対象とした環境学習会を開催する予定であり、5月31日に行われた第1回「竹粉による生ごみ処理講習会」において、90名程度の市民の皆さんの参加があったことで、市民意識の向上が図られつつあるものと認識しているという御答弁でした。  しかし、私は別の市民の声も聞いております。もちろん市民全員がごみ減量に対して高い意識を持っているとは申しませんが、昨年市が取り組んだこの事業を受けて、竹粉による堆肥化に取り組みたいが、竹粉はどうやって手に入るのかという声が消費者協会の会員からあり、沼上資源循環学習プラザの重岡さんの講演を聞いた市民からも、すばらしい取り組みだが、実際に竹粉を手に入れるところが身近にないと、ああ、いいお話を聞いたなということで終わってしまう。ぜひ竹粉を入手できるところまでやっていただきたいとの御意見もいただいております。  副市長の御答弁以上の市民意識を感じますし、この事業への高い評価と期待を感じているところであります。自信を持って事業を進めていただきたいと思います。  2つ目の質問、市民に広く取り組んでいただくためにどのような取り組みを行い、今後どのように進めていくのかという質問に対しては、解決すべき課題については段階的に実施していく必要があると考えているとして、講習会の開催回数をふやすこと、その後のデータ収集等により実践活動を促す事業に積極的・継続的に取り組み、里山保全団体に講習会の参加を呼びかける。そして、市民の皆さんへの供給体制の構築を図ってまいりますとの御答弁をいただきました。  前向きな言葉をいただいたとは思いますけれども、消費者協会、里山保全団体、市民のこの事業に対する評価や大きな期待はそれ以上だと感じています。さらに、スピード感を持って対応していただきたいと思います。この方法を事業化することにより、身近な生態系の問題も、生活上の廃棄物の問題も合わせて処理することになり、竹粉によってもたらされる生ごみの分解物を資源として位置づけ、有効活用していくことで、ごみ処理にかかる経費の削減が可能になり、また、新たな産業の創出、中山間地の活性化、ごみの減量、放任竹林の減少及び生活環境改善につながることが期待されます。  また、6月補正予算に計上している総務省の地域経済循環創造事業交付金を活用した、しずおか型放任竹林解消モデル事業と連携していくとの答弁は、関係する課、部、局を超えて共同で進めていく意思表明であると高く評価いたします。ぜひよろしくお願いをいたします。  次に、ことしの新茶取引についての質問です。  ことしは大きな凍霜害はありませんでしたけれども、比較的順調であった平成21年度と比較して、取引量、金額ともに4割以上の減ということでありました。  昨年の凍霜害を受けて、市は茶共済の加入要件緩和を国に働きかけました。それにより、従来は加入できなかった茶園管理、製茶まで自分で行い、販売はJAが行う自園自製共販の農家が共済に加入できるようになったこと。特に市長みずからが要望活動を行い、早急に制度改正が行われたことは高く評価をいたします。  しかし、従来加入できた生葉の全量出荷、製茶後販売はJAが行う共同製茶工場の農家の加入率が、わずか3.3%であったことから、掛金の55%を国が、22.5%を市が負担する大変有利なこの制度でありますので、今後は加入促進に全力を挙げていただきたいと思います。  ことしの一番茶の取引状況を受けて、山間部のほうでは、ことしをもって生産者が離農、廃業するとの声が聞かれます。耕作放棄地が増加する懸念があります。現に皆様のお手元の資料のNHKの「美の壺」でも取り上げられた葵区足久保奥組の「段々茶畑」ですら、来年は耕作する農家がなく、地元の住民や里山保全団体の方々を中心に、NPOを設立して保全しようとして準備をしているところであります。危機的な状況であることを再確認する必要があります。  また、農地保全のため、また、もうかる農業を育てるという意味で、農事法人やNPOなど、企業の参入も1つの方策と考えています。例えば企業参入については、収穫期が長いという本市の特徴を生かし、山間部の生葉の加工を下流域にある大規模な茶工場が請け合うことで、農地が保全され、茶工場にとっても稼働率が上がり、経営の安定につながるというような仕組みを支援する必要があると思います。  消費が低迷している中、特徴のあるお茶に光を当てる必要があり、「やぶきた」以外にも特徴のあるお茶はどのようなものがあり、それらを伸ばしていくのかという質問に対しては、「やぶきた」以外にも「香駿」や「べにふうき」など、11種類の優良品種を推奨しているとのことでした。特徴のあるお茶についても積極的にPRが必要です。市役所で、来訪者にいつでもおいしいお茶が提供できる環境づくりも必要だと思います。  また、毎年10月下旬には、夏の間、海抜1,200メートルの井川大日峠のお茶壺蔵に保管、熟成させた新茶を久能山東照宮まで運ぶ、駿府お茶壺道中行列が行われておりますが、これは山の茶である本山茶が熟成させることでうまみが増すという特徴を持っているからだと聞いております。ワインで例えるなら、さまざまなポリフェノールを含むフルボディーのワインが熟成に向いているように、味が濃厚で熟成に向いているフルボディーのお茶でありますから、新茶のみならず熟成茶のPRも積極的に進めるべきだろうと思います。  私は、お茶の需要はまだまだ伸びる。販売を伸ばしていく先はまだまだあると思っております。お茶の取引を活性化させていくために、販売面の取り組みとしてリーフ茶の冷茶や焼酎の「静岡割り」などは、今後も需要拡大が期待できるという御答弁でした。その点、同様な認識ですので、茶共済の加入要件緩和で見せていただいた市長の行動力をもってしてのトップセールスを含め、消費拡大に努めていただきたいと思います。  最後に、葵区の魅力づくり事業についてです。  葵区の魅力づくり事業の基本的な考え方が、住民主体のまちづくり活動を支援することにあるということでした。その上での課題が、協働事業から住民主体事業への発展であるとした認識は、大変すばらしいものだと思います。  今回の質問は、どんなイベントをやるのかを尋ねる質問ではありません。単にイベントを繰り返しても地域の魅力づくりは進まないからです。日ごろから地域で活動する人材を発掘し、住民主体の事業や地域資源を守り、活用していく事業を見きわめ、支援していかなければならないと思います。そのためには、各区が主体となった魅力あるまちづくりの一層の推進のために、区の財源強化、区の権限強化、区の体制強化を提案し、市役所、区役所の連携による市政運営のため、区、市の連携強化と事務分担の再整備の検討を要望し、私の質問を終了いたします。ありがとうございました。    ─────────────────── 78 ◯議長(石上顕太郎君) 本日はこれにて延会いたします。         午後4時45分延会    ─────────────────── Copyright © Shizuoka City, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...