今本会議においても、
経済活性化についていろいろ質問されています。牧田議員からも坂本先生のお話が出ております。静岡市の将来に対して、大変厳しい状況だということです。丹沢議員からも成長戦略について、もう曖昧な夢を論じている時期じゃないという指摘でございます。私も、そういうふうに思うわけです。
アベノミクスによって、
デフレ脱却、円安、株高で景気は回復基調にございます。静岡市の
アンケートによる景況調査でも、緩やかながら改善傾向です。
しかし、その
アンケートの中には、売り上げ不振とか、あるいは仕入価格が上昇、ガソリンとか石油が上がっています。そういうことで、利益のほうは悪化していると、こういう回答がされているわけでございまして、非常に厳しい状況だということでございます。
しかしながら、
久能山東照宮の国宝認定とか、あるいは富士山の
世界文化遺産登録、
南アルプスの
ユネスコエコパーク国内推薦等、観光による
交流人口増加ということを市長は訴えているわけでして、新たな
サービス業による雇用創出については非常に追い風じゃないかと思うわけでございます。製造業においては厳しい状況ですけれども、一方では観光と、もう一方では雇用を安定させる
ものづくり産業の活性化が期待されるわけでございます。
ものづくり産業振興条例は、議員発議により制定されています。こういう厳しい状況の中で、この条例に基づいて、3カ年の
ものづくり産業振興計画が平成24年に策定されています。7月に
進捗状況の報告がされています。計画の目標が、多様な地域資源が連携するもの
づくり創造都市静岡です。
方針1、次代を担う有能な人材の確保と技術等の向上。方針2、事業者のニーズに基づく
経営資源確保への支援。3つ目、連携を生かした新たな取り組みの推進。4つ目、
ものづくり産業を育てる環境整備。5つ目、
ものづくり産業への理解促進と
情報発信とまとめられています。
それぞれの方針に従って施策が打たれ、そして、具体的な事業が並んでいるわけです。非常に体系的にまとめられて、すばらしい計画じゃないかと思うわけです。ちなみに、本年度が最終年の、牧田議員からも出されました、静岡市
産業振興プランも中身に書いてあることが大変すばらしい。まあ、実現すればの話なんですけれども、非常にすばらしい。計画がなければ何しろ進まないから、そういう意味では、これをもとに、あとはできなかったことは反省すればいいと思うわけです。
それでは、
ものづくり産業振興基本計画について、一つ一つ質問していきます。
次代を担う有能な人材の確保と技術についてです。現場を守る人材ですけれども、製造業で、毎年技能五輪というものが行われております。全国の大会で活躍した人を県でも表彰しております。冷凍空調の部門では、世界大会で敢闘賞を獲得した
日立アプライアンスの若い方がいます。この方は、工業系の高校卒ではないのです。工業系と言えば、
総合科学技術、
清水工業だとかあるいは
静岡工業とかあるいは島田工業とか、そういう工業系の人ではなくて、清水商業の出身だと聞いております。こういう情報もあるんです。
それからまた、
ものづくり産業で、現場の力を支える高校卒の方に働いてもらおうということで、
清水工業と
静岡工業を統合した、
総合科学技術学校へ採用の話に行ったところ、余り乗り気じゃない、採用の数が満たないということです。要するに、みんな大学を目指しておるということでございます。これは三菱電機の話なのですけれども、要するに、地元の
ものづくり企業、中小、大手もありますけれども、その人材に関するニーズ、それに対応した高校教育になっているかなということがちょっと疑問なわけで、この辺、現状をどのように把握しているかを聞いておきたいということでございます。
そしてまた、
人材育成にかかわる
職業教育、
学校教育の中では、工業系というのは
静岡市立高校でも、清商なんかもそうですけれども、特に設けていないのですね。しかしながら、やっぱり高校を出てから会社で働くと、企業で働くあるいは
ものづくり産業のところで働きたいというような人を育てないことには、地元を愛して地元の企業をしっかり育てようというような人が育たないわけです。そういう意味で、今では
学校教育の中では職能教育という位置づけになっているそうでございます。
地元企業のニーズに応えるための
職業教育をどのように考えているのか、お聞きしたいと思います。
次に、公的年金が65歳給付ということになりまして、最近では、希望すれば会社で65歳まで働けるようになりました。
60歳が定年のときは、大体60歳で終わると、まだ元気ですから、ちょっと社会に貢献しようということで、定年後もボランティアをやったり、あるいは
シルバー人材で働こうとか、あるいはNPOに入ろうとかという方が結構いたのですけれども、65歳まで働いちゃうと、私も64歳ですけれど、あと1年働くと、ちょっと気力が衰え、足が弱り、腰が痛くなって、ちょっとやる気がというところがあるのですね。ただ、消費税も上がるし、年金も少ないし、75歳ぐらいまでは何とか働ければ働きたいという方も多分いると思うのです。
そうすると、65歳を過ぎてからあと10年ですよね。ここのところをもう少し活用する必要もあろうかということで、定年延長を見越した中高年の
技術研修の検討ということが課題になっていますので、その
進捗状況と今後の進め方をどのように考えているか、聞きたいと思っています。
次に、海外へよく視察に行かせていただくのですけれども、大体お土産を持って行くのですね。静岡市のお土産を持って行くのですが、じゃ、何を持って行くかなというものが余りないのです。大体、お菓子で言うと
ウナギパイかななんて。お茶は、もちろん持って行くんです。
ただ、食べ物じゃなくてということになりますと、
伝統工芸品が静岡にあるのです。前にもちょっと言ったのですけれど、パットっていうものがあるのです。彫金のやつです。見ると富士山が描いてあって、桜があるのです。こんなものもすばらしいですけれども、こういうものがやっぱりたくさんあると。2020年に東京のオリンピックが決まっていますので、あとわずか7年ぐらいですよ。この間にやっぱり外国人がたくさん来ますので、外国人は古くて日本的なものを好むのです。そういうものをたくさんつくるということが、非常にいい策だと私は思っているわけです。
その中の1つで、やっぱり
伝統工芸技術の保存というものがあるのです。これに関する課題とかその対策について、どのように考えているか、ちょっとお聞きしたいということです。
2番目に、事業者のニーズに基づいた経営資源の確保というテーマがあるのです。新事業の支援、あるいは財産権、パテントです。特許の支援、あるいは販促。東京でイベントをやるからというような応援、こういうことが起こっていますけれども、
商工会主導で進めているような事業とか大学の研究があり、
商工会議所の資料ですけれど、オンリーワンの企業が載っておるし、なおかつ、開発なんかも一生懸命やられている。
商工会議所がやっているものは非常に具体的で、それが実現すれば、本当にいい実効性があるものになるということでありますので、こういうものをもっともっと支援したらどうかなと思うわけで、
中小企業の新
商品開発に対する本市の支援の現状と今後の取り組みをどのように考えているか、お聞きします。
3つ目は、連携を生かした新たな取り組みということでございます。
市民事業評価において、実績とか成果についてちょっと問題があるんじゃないかというものは、
フーズ・サイエンスヒルズプロジェクトでございます。フーズサイエンスセンターへの支援として、一応200万円の補助金を出しておるわけでございますけれども、これは県が進めていることなものですから、私が議員になってから、ほどなくして、この
フーズ・サイエンスヒルズ構想というものが出て、ああ、これはすばらしいなと思っております。
県では、
産業集積クラスターとして東部地域のファルマバレー、これは医薬品、医療関係です。西部のほうは、フォトンバレー、光の関係でございます。中部地区は、
食品産業の集積から
フーズ・サイエンスヒルズということで、平成14年に
都市エリア産学官連携促進事業に認定されて、もう10年たつのです。
その中で、
ホームページなんかを見ますと、研究成果も出ているのです。名前までちょっと覚えられないのですが、
発芽何とかとか
カリントウとか、何かそんなものしか出ていなくて、これは食品関係で言えば、キリンビールがキャンペーンしたせいか知らないけれど、
B級グルメの
静岡おでんのほうが全然知名度が高いです。せっかくこの
フーズ・サイエンスヒルズということで、いろんな食品の、機能性の食品とか開発して、応援して10年たつのです。これは、
静岡おでんよりも本当はぱっと出てきたほうがいいような気がするのではございますけれども。
それからまた、富士山の世界遺産で日本にたくさんお客さんが来ています。私も月曜日、平日ですよ、月曜日に行ったら、何と大阪とか東京から十数台、観光バスがばんばん来ているのです。まだ昼前から、もうすごい人です。
その観光客の方は、来たからお土産を買おうというわけで、店を物色しているのですけれども、シラスがありました。サクラエビはちょっと見なかったかな。お茶はもちろんありました。それと
静岡おでんがありました。そこに、何と「こっこ」というものがあったね、「こっこ」。これが結構売れていました。私、どこのメーカーかなと思って調べてみたら、駿河区の中原にあるミホミという会社だそうです。皆さん知っていましたかね。知らないんじゃないかと思うのですが。(「知ってます」)知ってますか。いや、本当にそういう会社があるんだなと驚きました。
しかし、もっともっといろいろ買っていただけるような商品が並んでいれば、もっと活性化するんじゃないかと思うわけでございました。
この
フーズ・サイエンスヒルズプロジェクトについて、この
進捗状況がどういうふうになっているのか、ちょっとお聞かせ願いたいと思います。
続いて、三保の東海大学が進めている
地下深層水による黒マグロ、
アワビ養殖ですが、これも早く事業化してほしいと思っております。先日、テレビでやっていたもので、
近大マグロという、
近畿大学水産研究所が持っている水槽で、和歌山の海で、稚魚を捕獲して養殖する畜養じゃなくて、人工ふ化させたもので、要するに個体数を減らさないという形の
養殖マグロなのです。これが、デパートとかですごい人気だとテレビでやっておりました。
3年たつと大体30キロぐらいになって、これだと採算が合うという話もしていたのですけれど、東海大にも負けないでほしいですね。いろいろな問題があって、まだ事業化が進んでないのかもしれないですけれども、やっぱり選択と集中で、人や投資を、もっと推したほうがいいのかなと。そういうことで、大学の研究成果の技術移転ですが、この推進はどのようになっているのかお聞きします。
次に、
ものづくり産業を育てる環境整備についてです。残り時間が少なくなりましたですかね。ちょっとはしょります。本年3月に静岡市創業の
ポーラ化粧品の静岡工場の閉鎖、袋井工場への拠点集約が発表されました。従業員336人の雇用維持は難しいということでございました。
過去にも東洋製罐の清水工場、それから関係者もいる
JFE清水製作所の閉鎖など、これは企業の経営判断によるもので、我々部外者が言えたことではないのですけれども、産業構造の変化が、これからもいろんなことが考えられるわけです。
この3例をよく見てみますと、国内需要の減で、鉄骨とかそういうものは国内ではもう要らないと。じゃ、集約するということになるわけです。要するに、この3つとも製造拠点の統合なんです。じゃ、なぜ清水に統合してくれなかったのか。ポーラなんて静岡が創業ですから、何で静岡に統合してくれないのかということでございます。
まあ、
都市間競争に敗れてしまったということが事実なわけです。そういう産業は静岡には要らないよと、もっと高付加価値のものをという市長のお考えも多分あると思うので、それならそれで進めていただければということです。企業立地、留置について、どのように考えているかをお聞きします。
それから、
ものづくり産業への理解促進と
情報発信についてです。
こどもクリエイティブタウン「ま・あ・る」に行ってきました。立派な施設でございます。多くの協賛企業とか、あるいはNPOが応援していますよというものが掲示してありました。企業展示もあり、企業が子供の職業体験を通じて
ものづくり産業への理解を推進していることがよくわかりました。この
こどもクリエイティブタウン「ま・あ・る」における
ものづくり産業との連携がどうなってるのかを質問いたしまして、1回目の質問とさせていただきます。
5 ◯副市長(山本克也君) 次代を担う有能な人材の確保と技術等の向上についての御質問のうち、
地元ものづくり企業の人材に関するニーズについてどのように把握しているのかについて、お答えをいたします。
ものづくり産業の基本は、技術力と創造力にあり、その技術を育て、新たな製品や
技術開発などの価値をつくり出していくのは、
人そのものでございます。こうしたことから、人材が
ものづくり産業の成長、発展を左右するものであり、いかに人材を確保するか、いかに人材を育成するかが企業にとって最も重要な課題であると考えております。
そのような中、県内企業における
人材確保の状況でございますが、新卒者の採用人数を満たす企業が全体の53%にとどまり、約半数の企業で
採用計画者数に達していない状況にあります。
地元ものづくり企業の
人材確保の状況も同様の傾向にあるものと考えております。
また、
ものづくり産業振興基本計画を策定する際に行った
アンケート調査では、新製品開発などの事業展開において、必要な人材が社内に不足しているとの回答を多数得ております。このため、新規採用による
人材確保のほか、
社内人材の
スキルアップが必要であると認識しております。
さらに、
中小企業におきましては、みずから就職情報を若者に呼びかけることが重要であるものの、
ホームページ等を活用した
情報発信が不十分であることから、積極的な
情報発信を行うよう、
中小企業に働きかけていく必要があるものと考えております。
本市といたしましては、学生と企業のマッチングを図る「しずまっち」事業を引き続き行い、
中小企業を支援していきたいと考えております。
また、
社内人材の
スキルアップに関して、
中小企業においては、独力では
人材育成が図られにくいことから、
産学交流センター及び
清水産業情報プラザ等において
各種研修機会を提供し、
スキルアップを支援してまいります。
6
◯教育次長(望月和義君)
地元企業のニーズに応えるための
人材育成にかかわる
職業教育についてですが、将来の静岡市を支える人材の育成は、市立の
高等学校教育の重要な目的の1つであると考えております。
現在、高校で学ぶ生徒、保護者の進路希望は、上級学校への進学が大半を占めておりまして、その傾向は
専門高校においても強くなっております。
高校生の
職業教育といたしましては、職業観の育成や将来設計能力、
コミュニケーション能力などの社会人として必要な能力の涵養を目的といたしました
キャリア教育が行われております。
その中で、
地元企業で働く先輩、人事担当から職業に対する考え方や企業の紹介を受けたり、就職に当たっての模擬面談を行うなどの時間が設けられており、
専門高校を中心に企業におけるインターンシップも行われております。この活動におきましては、職業体験だけでなく、職業観に関する講話や企画会議に出席するなど、企業の協力により多様な体験ができております。
これらの学習、体験を通しまして、地元の企業に対する理解と信頼を深め、将来の静岡市を支えていこうという意欲の喚起につなげていきたいと考えております。
7
◯経済局長(大場知明君)
ものづくり産業振興基本計画に係る7点の御質問にお答えいたします。
まず、定年延長を見越した
中高年技術研修についてでございます。
退職を契機に、多くの企業において人材と高度な技術が失われるという現状がございます。これは、本市の
ものづくり産業にとっても大きな損失であります。
改正高齢者雇用安定法が施行されましたが、企業にとっては定年を延長することによって、次の2つのメリットが生ずると考えております。
1つ目は、若手への指導を行う時間が生まれ、技術を継承しやすくなることでございます。このため、若手への技術継承、指導方法を学ぶ研修会の開催や、企業への
アドバイザー派遣を実施してまいりたいと考えております。
2つ目は、議員のように意欲のある中高年のすぐれた人材が、継続して働くことが可能になることでございます。本市としては、企業の技術力の維持につながることから、中高年のモチベーションの向上策を検討していきたいと考えております。
幸い本市では、三菱電機の
技術者OBで組織されます
産業支援型NPO法人マンパワーカフェなど、経営改善や技術指導をされている団体があります。今後、指導実績や指導方法を参考にさせていただきたいと考えております。
続きまして、
伝統工芸技術の保存に関する御質問にお答えいたします。
本市の
伝統工芸産業は、平成14年には136あった事業所が、現在では71事業所に減少しております。その要因としましては、
伝統工芸が生活様式やライフスタイルの変化に対応できなかったこと、死亡や引退、
後継者不足により職人が減少していることなどが挙げられます。
本市と
伝統工芸は、時代とともに変化、発展してきましたが、現在はその力を失いかけております。今後は、時代の要請やニーズに応えられる
伝統工芸を目指して、新しい感性を持った若者や斬新な知識、価値観を持った人材を取り込み、業界とともに
伝統工芸の再生に向け取り組んでまいりたいと考えております。
また、現在行っております
クラフトマンサポート事業や、
伝統工芸技術保存講習会を引き続き実施し、後継者の確保、育成、技術の保存に努めてまいります。
続きまして、新
商品開発に対する支援についてお答えいたします。
中小企業における新
商品開発については、すぐれたアイデア、技術がありながら、資金や設備の不足などから商品化に至らないケースがございます。特に、資金不足から新
商品開発に踏み出せない企業が多いことが、これまでの
アンケート調査からも明らかになっております。このため、新
商品等開発事業補助金制度を設け、資金面での支援を行うとともに、専門家による
アドバイスを実施しております。
現在の補助制度となりました平成17年以降、これまでに30件が対象となっております。そのうち、18件が商品化されております。
一例を申し上げますと、平成21年度に開発された
業務用ミキサーは、年々売り上げが増加し、累計で1億円を超える販売実績を上げております。
こうした中ではございますが、課題として次の2つがございます。
1つ目の課題は、申請数が伸び悩んでいることでございます。
その理由としまして、この制度の周知不足が挙げられます。このため、
商工会議所や
中小企業団体中央会との連携を一層強化するとともに、新たに
中小企業と密接な関係にある
信用金庫等との協力関係を構築してまいります。
加えて、この制度が企業にとって本当に利用しやすい制度であるかという再検討を行います。今後、
アンケートなどを行い、制度が
企業ニーズに合っているかを分析し、見直しを行います。
次に、2つ目の課題でございます。これは、商品化しても販売実績が上がらないことが多いということでございます。
対策といたしましては、専門家の
アドバイスを取り入れ、マーケットを意識し、商品をつくるようにすること、また、販売増加に向けた新
商品開発後のフォローアップ、こういったようなものも実施してまいりたいと考えております。
これらの対応を通しまして、引き続き
商品開発の支援を行ってまいります。
次に、
フーズ・サイエンスヒルズプロジェクトの
進捗状況についてお答えいたします。
フーズ・サイエンスヒルズプロジェクトは、
産学官連携で、
県中部地域に集積している
食品関連産業における高
付加価値型食品等の開発と販売促進を図ることを目的に、静岡県、本市、焼津市、藤枝市が共同して、議員からもお話がありましたが、平成14年度から実施しております。
成果といたしましては、これまでに97件が商品化されており、そのうち34件が
市内企業によるものでございます。
商品化以外にも、市内の
食品関連産業の産学連携や企業間の連携、そして、
機能性食品の開発への取り組みが着実に広まっております。
また、本プロジェクトへの
市内企業の参加数は、本年10月末時点で153社となっており、年々増加しております。
一方、課題といたしましては、試作品から商品化に至らないケースがあること、開発した商品の販路開拓や
ブランド化が進まないことが挙げられます。
このため、マーケティングに基づく
商品開発、そして、販路開拓やブランディングに対する支援の強化に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、大学等の研究成果の技術移転の推進についてお答えいたします。
静岡技術移転合同会社、省略しまして静岡TTOと申し上げますが、これは、大学等技術移転促進法に基づき、経済産業省及び文部科学省から事業計画の承認を受けた県内唯一の団体で、静岡大学、静岡県立大学、浜松医科大学などの技術等を扱っており、企業に対する技術の移転や共同研究の推進、競争的資金の獲得支援等を実施しております。
本市では、この静岡TTOを活用し、新技術創出による産業の活性化を図るため、
市内企業に対する技術の移転や共同研究を推進しております。
課題といたしましては、静岡TTOの拠点が浜松にあり、また、県全域を対象としているため、本市企業と密着した活動をすることが難しいことがございまして、
市内企業の利用が伸びておりません。
このため、今後は
市内企業の利用をふやすため、
産学交流センターや清水産業情報プラザにおいて、静岡TTOのコーディネイトによるマッチング会や講演会、技術移転相談会を積極的に開催いたしまして、
市内企業への技術移転の促進を図っていきたいと考えております。
続きまして、企業立地、企業留置についての取り組みでございます。
本市の企業立地環境については、企業への
アンケートや企業訪問におきまして、用地不足、高い地価、自然災害のリスクなどが課題として指摘されております。
また、市外へ流出した企業の主な原因を見ますと、先ほど議員からもお話がありましたが、全国規模での生産拠点再編に伴う工場の集約、業績悪化に伴う事業縮小などによるものでございます。
市内での製造業の立地の動きは、平成21年度を底に、現在はほぼ回復し、平成24年度は14社の工場の新増設を支援、助成しております。現在は、製造業に加え、仕分け作業など多くの雇用を生む物流センターや、人材の確保が容易という本市の特徴を生かした、コンタクトセンターなどの都市型産業の立地に積極的に取り組んでおります。
また、用地不足という課題解消に向けまして、産業向け用地開発への支援も進めております。
加えて、企業訪問を通したフェイス・トゥ・フェイスの関係づくりにより、個別企業の詳細なニーズの把握に努めるとともに、大学や企業との連携、ビジネスマッチング、新
商品開発等、支援を充実してまいりたいと考えております。
最後になります、
こどもクリエイティブタウンにおける
ものづくり産業との連携についてお答えいたします。
こどもクリエイティブタウン「ま・あ・る」は、子供が仕事やものづくりを体験することを通じて、地域産業を担う創造力を持った人材を育成する施設でございます。
体験プログラムの企画、立案に当たっては、子供たちが
市内企業に対する理解を深めることや、本物の体験の場を提供することを重視し、企業と共同してプログラムをつくっております。
実績といたしましては、仕事ものづくり講座では、ロボット講座、スズ、メッキ体験、家具職人による小物入れづくりなど、1月の開館から10月末までに、延べ171回、2,359人が参加しております。
このほか、
地元企業を紹介する静岡を支える仕事展、工場見学会など、多彩な事業を展開しております。今後も、地域の企業と共同して、子供たちのものづくりに対する理解の促進、そして、意識の醸成に努めてまいります。
〔31番
中山道晴君登壇〕
8 ◯31番(
中山道晴君) 御回答いただきました。定年を目指した中高年の
技術研修、意欲がある中山さんと言われましたけれども、私、口だけですから、これはちょっと無理だと思います。やっぱり動く人のほうがいいんです、ものづくりの場合は現場ですから。口だけ言っている人は、ちょっとやめたほうがいいと思います。まあ、そんなことです。
回答いただきましたことは、本当に一生懸命やられているなということでございます。
フーズ・サイエンスヒルズプロジェクトについても、課題の中に、商品化されなかった、事業化されなかったという話がありましたけれども、研究の場合は、開発して、アイデアが物になるなんて、10分の1もなくて20分の1ぐらいなんです。だから、それは全然気にする必要はないです。やっぱり出てきたやつを、商品化したやつをどう生かすかということでございます。
幾つも商品化されたものがあるので、やっぱりこれは
ブランド化とかPRの問題です。
静岡おでんだって何の技術も何もないですけれども、PRであれだけ売れるようになるのですから。富士宮の焼きそばだって、あるいはギョーザだって、そんなにねと思うのですけれど、やっぱりそれだけ売れるんです。事業になる。そういうことでは、
ホームページなんかも、きのう話でありましたけれど、見たらオンリーワンの企業がぱっと出るというようなところが必要じゃないかと思うわけでございます。
では、続きまして、技術者の育成についてです。
静岡市立高校の科学探究科が3年目を迎えます。奇跡の堀川でしたかね、京都の堀川高校が科学探究科になって、いい大学に行くことが評価というのがちょっと気にはなるのですけれども、それでも全然変わったと。こういう話の中で、来年は1期生が進路を決めます。いろんな意味で評価されるわけでございます。どこの大学に行くかなということがあるのではございますけれども、余りそこは気にしないほうがいいような気がするわけで、これは学力テストと同じでございます。教育委員会もそう思っていると思います。
これまでの取り組みの中で、科学探究科では、課題の研究とか工学系の大学の授業、各種企業の研修、外国人の英語講座と、外国人も普通やるのですけれども、違うんですよ、これは技術に関する講座を英語でやるというのです。それから、カリフォルニア工科大学での海外研修、静岡市立病院での研修、あるいは浜松医大での実習と、全く新しいカリキュラムです。これをやっているのです。
ホームページでごらんいただくと、すごいことをやっているなと、私じゃちょっとついていけないなというようなレベルの高さでございます。科学探究の趣旨に沿った授業で、科学探究科で学んだ姿勢とか考え方は、どんな課題にも通用するのではないかと期待しているところでございます。
ただ、平成24年度の科学探究科の学校評価というものがあるのです。学評委員か何かがやるやつです。この中では、当局側の反省としては、大学との連携をもっととればよかったとか。これだけ一生懸命やっているから、それはちょっと大変じゃないかと思うのですけれども、そんな反省もあったようでございまして、3年目を迎えた科学探究科の現在の状況とか課題がどうなっているのか、お聞きしたいと思います。
このような事業が認められまして、文部科学省のSSH、スーパーサイエンスハイスクールに指定されたのです。知っている方は知っていると思うのですけれど、知らない方は多かったんじゃないかと。これも、PRがちょっと不足しているかなと思うのです。これになりますと、ますます多くの先進的な大学の授業とか、あるいは研究機関、あるいは企業なんかの連携ができるようになるのです。本当にそれをもっと生かしてやったら、すばらしい人材がもっと育つのかなと思うわけで、今年度から文部科学省の指定を受けたSSH事業の現在の状況及び課題です。余りに恵まれ過ぎて使いこなせない可能性があるということで、そういうことを聞きたいということです。
それから、科学、理科好きの子供を育てたいなと私も常々思っているわけです。「る・く・る」という科学館があるのです。設立の当初は、教育部門の担当だったんです。ですから、理科の先生が入って企画をして、これは
学校教育との連携がかなり強かったのかなと思っているのですが、生活文化局に変わりまして、文化振興財団が指定管理者で、もう10年です。10年経過して、もうリニューアルの時期になっているのです。
じゃ、その設備、施設なんかは、企画するのは生活文化局になるわけでございますけれども、科学の原理とか、磁石だとかを体験させるという、実際そこで、科学館で体験するやつは、
学校教育の理科授業だとか、そういうもののサポートになるわけです。
ですから、やっぱりここに、もう少し教育部門もかかわる必要があるのではないかと私は思うのです。やっぱり学校と科学館、あるいはこの場合は「ま・あ・る」とのつながりをもっと多くして、その子供たちの理科好きとか、あるいは
ものづくり産業に理解を深めてもらいたいということで、科学館「る・く・る」について、どのような取り組みをしているのか、お聞きしたいと思います。2回目の質問です。
9 ◯教育長(高木雅宏君) 私からは、静岡市立高等学校科学探究科の現状、そして、課題について回答したいと思っております。
科学探究科では、次代を担う科学技術系人材の育成を目指すという設置理念に立ちまして、大学や企業との連携、支援のもとで、最先端の研究や技術に触れる学習をしております。
また、主体的な課題解決能力や
コミュニケーション能力、そして、プレゼンテーション能力を鍛える課題研究等の授業を行っているところでございます。
本年度は、御指摘のとおり、最初の卒業生を送り出す年になっております。生徒一人一人が3年間で培った能力を生かして、それぞれの進路希望をかなえてくれることを期待しているところでございます。
課題といたしましては、志願者数が若干減少している傾向がありますので、さらに中学生や保護者に働きかけをしまして、静岡地区の理数教育の核の1つとなるよう、強く推進していきたいと考えております。
10
◯教育次長(望月和義君) 文部科学省から指定を受けましたSSH事業についてですが、市立高校におきまして本年度から5年間、文部科学省のSSH、スーパーサイエンスハイスクールの研究指定校となりました。大学や企業と連携いたしました講演や授業、実習におきまして、最先端の研究や技術を学ぶ教育活動、科学をテーマといたしました外国人とのコミュニケーション活動及び静岡科学館での活動などを行っております。
これらの活動としまして、主体的に課題の解決に取り組む生徒の育成、国際社会で活躍、貢献できる人材の育成、理科好き、数学好きな子供をふやす本市の科学教育への貢献などを柱といたしました、新しい科学教育プログラムの開発を目指しております。
現在、5年間の研究指定の1年目でありまして、連携をお願いしている大学や企業、助言をいただいております運営指導委員の方々からの支援を生かした授業を推進しておりますが、今後、さらなる連携先の拡大が課題であると考えております。
11 ◯生活文化局長(三宅 衛君) 理科好き、科学好きな子供たちを育てるための静岡科学館「る・く・る」の取り組みについてですが、静岡科学館では、市民の皆さんがみずから体験することを通して、身近な科学に親しむとともに、科学への関心を高めていただく場を提供することにより、市民の皆さんの創造力及び感性の向上を目的に事業を推進しています。
入館者は開館9年目で累計250万人を数え、平成24年度実績としては、約26万人の方が入館し、その内訳は、子供が約18万人、大人が約8万人となっています。
当館では、教育活動との連携も重視し、児童生徒の科学への興味関心を高め、教室では体験できない大規模な実験を行う科学館学習などを実施しており、平成24年度は約2万5,000人の児童生徒が利用しました。
また、理数系教員向けの指導力向上研修なども行っています。
そのほか、大人から子供まで毎回市民の皆さんの人気を集めている、ドライアイスの仕組みなどの身近な科学を体験できるサイエンスショーや、民間企業と連携し、DNAの抽出実験など、科学の不思議さや楽しさを実感するサイエンスフェスティバルinる・く・る等を実施しております。
市といたしましては、今後も指定管理者との連携を密にし、科学の基礎を楽しく学べる展示物と、科学館の持つノウハウを生かしたソフト事業の実施を効果的に組み合わせ、市民の皆さんに最新の科学を体験する機会を提供するとともに、本市の科学文化の裾野を広げ、理科好き、科学好きの子供たちの育成にも積極的に取り組んでいきたいと考えております。
〔31番
中山道晴君登壇〕
12 ◯31番(
中山道晴君) 3回目は要望・意見ですけれども、昨日、市長から、やっぱり
経済活性化の行政の役割はコーディネーターという話がありました。まさしくそうだと思います。いろんな事業を進めるにおいては、やっぱり連携が一番大事でございます。
そして、その連携する相手、企業とか大学、今、市立高校でもたくさん持っているし、あるいは経済環境もたくさん持っています。生活文化局の科学館も……
13 ◯議長(
井上恒弥君) あと1分で終了してください。
14 ◯31番(
中山道晴君)(続) たくさんの相手を持っています。こういう意味では、コーディネーター役を一生懸命やっていただいて、経済の活性化をしてほしい。ただ、非常に調整が難しい。三保の件についても、あそこで何か売ろうといっても、なかなかうまくまとまっていないような話も聞きます。調整が非常に難しいという話も聞いています。やっぱりこの辺がちょっと大変ではございますけれども、
ものづくり産業振興計画あるいはその他の事業について、一生懸命コーディネーター役をやっていただけることをお願いして、質問を終わります。
どうもありがとうございました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
15 ◯議長(
井上恒弥君) 次に、鈴木節子君。
〔26番鈴木節子君登壇〕
16 ◯26番(鈴木節子君) 皆さん、おはようございます。
通告に従い質問いたします。
政府が進めようとしている社会保障制度改革は、貧困や生活苦の解決を、国民の自己責任と家族による助け合いに押しつけ、社会保障を真っ向から解体しようとするものです。
今回の質問は、生活保護と国保について、憲法第25条を守る立場で質問いたします。
まず、生活保護についてです。各地の自治体が保護を申請した人の親族に対し、親族の扶養が保護の要件と誤認される書類を送付していた問題で、厚労省は是正を求める文書を出しました。本市の書類もお手元に配布した資料のとおり、扶養義務者による扶養は生活保護に優先して行われるものとされていると強調し、民法の直系血族及び兄弟姉妹は互いに扶養する義務があるとの規定まで引用しています。
また、親族には、勤務先、月収、資産、負債まで記入させる扶養届書を求めています。これには、親族の扶養が保護の要件ではないとの説明は一切なく、援助しなければ保護を受けられないような誤解を招く内容です。
質問の1点目に、厚労省は是正を求める文書を出しましたが、その内容はどういうものか。また、本市のこれまでの扶養照会手続は、窓口対応も含めて保護の受給権侵害に当たることはないか、見解を求めます。
2点目に、生活保護費の地方自治体の財政負担についてです。保護費の財源は、75%は国庫負担金です。25%は自治体の負担と捉えられ、そのため、本市も今年度は保護費が140億円を超えています。市の財政を大きく圧迫していると再三言われています。
しかし、地方財政法第10条では、25%分も地方交付税で財源が保障されることになっています。人口規模、単位費用、補正係数により計算式で算出された基準財政需要額が保護給付費、人件費に充当され、保護費の財源は保障されているのです。
問題は、充当された基準財政需要額と生活保護費に充てた一般財源とで、膨大な乖離、差額が生じていることです。生活保護が多い大阪市は、240億円も不足が生じ、自治体の持ち出しによる超過負担が生じています。反対に、基準財政需要額より保護費の実額が少なく、余剰が生じている自治体もあります。本市はどのような状況か、お聞きします。
次に、国民健康保険について。国保加入者は、高齢者や非正規労働者がふえていると同時に、社会保障を反映し、無所得や低所得層が増加しています。暮らしが維持できずに、生活保護受給に至る世帯も一定の割合でいるのではないかと思います。本市の国保から生活保護受給に移行する状況はどのようなものか、動向をお伺いいたします。
以上、1回目の質問です。
17 ◯保健福祉局長(小野田 清君) 生活保護行政と国民健康保険の2点についてお答えいたします。
初めに、扶養照会等について厚生労働省が是正を求める文書を出したが、その内容と、照会手続は生活保護受給権の侵害に当たるのではないかとの質問でございます。
平成25年11月8日付の厚生労働省からの文書の内容については、一部の地方自治体で使用されている扶養照会書等において、照会先の扶養義務者に対し、扶養義務が保護を受けるための要件であると誤認させるおそれがある表現が使われていたため、その改善を求めるものでございました。
本市では、従来から生活保護法施行細則の準則で示された内容とほぼ同じ書式を用いて、適切に扶養義務の履行を確認する文書照会をしてきておりますので、生活保護の受給権の侵害に当たる手続は行っておりません。
次に、生活保護開始により資格喪失をした国民健康保険被保険者数の動向についてお答えいたします。
平成20年度以降に生活保護受給を理由に国民健康保険の資格を喪失した人数は、平成20年度で約600人、21年度から24年度において1,000人前後の推移となっております。
18 ◯財政局長(河野太郎君) 生活保護費の財政負担についてお答えをいたします。
地方交付税における生活保護費の基準財政需要額は、市部人口を測定単位として生活保護受給者数等の状況を密度補正により考慮し、理論的に算定するものであり、実際に支出しようとする額を算定するものではございません。
お尋ねの地方交付税における生活保護費の基準財政需要額と決算統計における生活保護費の充当一般財源の差額でございますが、いずれの年度も基準財政需要額を上回っており、その差額は、平成20年度は約4億7,000万円、平成21年度は約7億3,000万円、平成22年度は約4億6,000万円、平成23年度は約13億2,000万円、平成24年度は約10億6,000万円となっております。
〔26番鈴木節子君登壇〕
19 ◯26番(鈴木節子君) それでは、最初に生活保護についてですが、親族に出す扶養照会手続について、本市の答弁は保護受給権の侵害には当たらないということでした。生活保護法の規定は、親族による扶養を保護の前提とするものではなく、親族が扶養を拒んでも保護の判断には影響しないという意味ですが、本市はこの説明もしていません。
もともと照会手続書の見本は厚労省が作成したもので、厚労省からの是正を求める文書は、根本的に改善を指導するものにはなっていません。保護受給権を保障する立場になり切っていないことにも問題があります。
質問の1点目に、本市の親族への問い合わせも誤解を招く内容のままです。生活保護の受給権保障を貫くため、親族への問い合わせ書の様式や窓口対応をどのように改善するのか、伺います。
2点目に、保護費の財源について。基準財政需要額と一般財源の差が億単位で余剰が生じていることが判明しました。ここ数年、7億、4億、13億、10億と、基準財政需要額に算定された交付税額より生活保護費が少なく執行され、数年続けて他の事業に回されていることになります。基準財政需要額は単なる目安だという答弁だと思いますが、この国の計算式は一定の根拠ある計算によって支給されています。この余剰の要因は、扶助費の算定と実額との乖離か、または、福祉事務所の人件費の抑圧でしょうか。
生活保護受給が平成20年度比で1.5倍にふえ続け、貧困により保護を必要とする世帯が急増する社会情勢の中で、いかに憲法第25条の立場で最後のセーフティネットと言える保護行政を充実させていくかが、自治体の姿勢にかかっています。福祉施策に詳しい相談員やケースワーカーの補充で、窓口体制の拡充や保護受給者に寄り添った援助ができる体制整備などが求められています。
当局は、定員管理計画で人員を縛られていると言いますが、保護費として措置された額は他の施策に回されているのですから、まだ施策を拡充できる余地は十分にあると考えます。財源措置された額に見合う保護行政の拡充について見解を求めます。
3点目に、生活困窮者自立支援法が国会で審議されていますが、この目的は、生活保護の前に就労を優先させ、保護が必要な人でも最低賃金の保障もない中間的就労を押しつけられ、生活保護から遠ざけられる危険性を含んでいます。この法が施行されても、要保護状態の人には保護の利用を拒否してはならず、受給権は優先し保障されるという認識か、確認の意味で伺います。
4点目に、生活困難者対応について。保護に至らない生活困窮世帯は、税金、国保料、水道料などの公共料金や市営住宅家賃などの滞納、多重債務、疾病の重症化、仕事につけないなど、暮らしのあらゆる分野で困難を抱えています。こういう方は、相談場所、救済制度、福祉制度も知らず、解決困難な事態がより深刻化、慢性化するケースがふえています。
生活困窮者自立支援法のモデル事業が全国で実施され、本市でも検討が始まったようですが、就職支援の域を出ていないように感じられます。生活困窮者自立支援法自体は、保護受給権の侵害のおそれなど問題をはらんでいますが、この法に捉われない困窮者に寄り添った事業展開で、貧困に陥っている方の早期支援、生活再建で貧困の連鎖から抜け出すために、行政として住宅、福祉、社会保障、医療、教育などの分野との連携を構築し、対応することが必要ではないか、その見解を求めます。
次に、国保について。毎年、国保から1,000人程度の方が要生活保護に至るほど、国保加入者は厳しい暮らしを強いられています。今年度国保料は、所得の2割を占める高負担で、政令市中2番目の高額です。限度をはるかに超えた負担を軽減するためには、一般会計からの繰り入れ増額は不可欠です。
先日、山根議員から紹介がありました、静岡女性の会の市長と語る会でも、女性の社会進出、介護、原発問題、教育など、市長とともに活発な討論があり、多いに盛り上がりました。市長、そうでしたね。
その中で、国保料の引き下げも大変強い要望が出されました。昨今、国保は社会保険だと、助け合いだから公費投入に頼るべきではないとの論調が始まっていますが、一般会計からの繰り入れがなければ成り立たないほど、国保は崩壊寸前です。本市の20億の繰り入れは、それでもまだ政令市平均以下です。国保は社会保障の立場から、また、低所得層が8割を占める国保には、一般会計のさらなる増額は必要と考えます。見解を伺います。
以上、2回目の質問です。
20 ◯保健福祉局長(小野田 清君) 生活保護行政の何点かの質問にお答えいたします。
初めに、親族扶養が保護の要件とすることを誤りとした厚生労働省の是正措置を受け、照会書の様式や窓口対応をどのように改善するかにお答えいたします。
本市では、従来から適切な様式を用いて、扶養義務者に対して扶養が可能か、またはできないかの回答を求めております。
また、窓口対応では、生活保護を受ける権利を侵害することがないよう、十分な配慮をしております。窓口での対応の際には、より丁寧な説明に心がけ、扶養義務が保護を受けるための要件であると誤認されることがないよう努めてまいります。
次に、人員体制の充実や財源保障されている額に相当する生活保護行政を展開すべきではないかにお答えをいたします。
生活保護受給者の増加に伴い、平成20年度当初から本年9月まで、あわせて35人のケースワーカーを増員しており、平成24年度からは任期つき短時間勤務職員を採用し、体制整備に取り組んでおります。この任期つき短時間勤務職員は、幅広い年齢層にわたり、その中には民間企業の出身者や福祉関係の有資格者も含んでおります。
また、平成23年度から福祉行政に高い知識や意欲を有する福祉専門職の採用を開始し、平成25年度より生活保護担当課に配置している職員もおります。
さらに、面接相談や就労支援を専門に行う非常勤嘱託職員等も25人配置し、支援の充実を図っております。
特に、平成25年度からは、就労支援員の増員や、就労体験、職業訓練事業、就職先の確保のための補助事業など、就労による自立を支援する体制を強化しております。
今後も、これまでどおり保護を必要とする人には確実に保護を実施し、生活保護受給者にはより適切に対応できるよう、保護開始前の相談から受給中まで切れ目のないきめ細やかな支援が可能となる実施体制の底上げを図っていきたいと考えております。
次に、生活困窮者自立支援法が施行されても、生活保護の申請権は保障されるという認識でよいかとの御質問でございます。
生活困窮者自立支援法が施行されれば、平成27年度より生活保護に至る手前の方に対しても、これまで以上に自立に向けた支援を行うことになります。支援に当たっては、相談者の意思を尊重しながら、本人にとって最も望ましいと思われる支援を実施することになりますので、生活保護の申請を希望する方には、これまでどおり生活保護の相談窓口を案内し、申請いただくことになると考えております。
次に、生活困窮者自立支援法の施行に捉われず、生活困窮者の早期支援、生活再建関係機関との連携との御質問でございます。
生活保護に至る手前の方に対して、早期に支援を実施し生活を再建していただくことは、本人にとっても好ましいことであり、大切なことと考えます。また、生活困窮者は、失業や借金等、複合的な問題を抱えていることが多いため、実際の支援に当たっては、ハローワークや社会福祉協議会など庁外関係機関との連携が非常に重要になると認識しております。
最後の質問になりますが、負担の国民健康保険でございますが、保険料を引き下げるため、一般会計からの法定外繰り入れを増額する必要性があるのではないかとの御質問でございます。
国民健康保険事業は、被保険者の保険料を主として国庫負担金とその他の収入で賄うことが原則です。保険料率の算定につきましては、法令等に基づき、必要となる給付費を見込み、国の交付金等を差し引いた後、被保険者数、所得階層など、多くの要素を加え算出します。
平成26年度の保険料率につきましては、現在、給付費の推計等、算定作業に当たっているところであり、法定外繰り入れも含め、今後、算定作業を進め、静岡市国民健康保険運営協議会に審議をお願いしていくことになります。
〔26番鈴木節子君登壇〕
21 ◯26番(鈴木節子君) 今、お答えいただきました。3回目ですけれども、生活保護は現在、全国で215万人が受給し、増加を続けています。その要因は、非正規雇用で働く労働者や、働いていても低所得層の増加、また、貧困の連鎖から抜け出せない層など、今の社会情勢を反映しています。
国は、保護基準引き下げを強行しました。さらに、親族の家計状況や勤務先などの調査を強めて扶養義務を強化し、水際作戦や門前払いにより保護が必要な人を締め出す違法を合法化しようとしています。
局長、今、お答えがありましたが、再度確認させていただきます。生活保護法の改悪が強行されようとしておりますが、親族による扶養が前提ではなく、扶養義務は強制しないという方針か、確認の意味で伺います。
2点目に、貧困の連鎖から抜け出し、生活を再建させるための相談体制について。今、孤独死など社会的孤立や貧困による経済的困窮に陥ったまま、生活の再建ができない人がふえています。滞納の督促状が何種類もたまり、多重債務も解決できず、病気が重症化しても病院に行く費用もないまま、解決しようという気力も失った方もいます。ようやく相談に行っても、行政の窓口は縦割り行政です。
例えば、滞納対策をとってみても、市営住宅、水道、福祉債権管理、納税課などはそれぞれ窓口で督促をし、払ってもらえればそれで接触の機会はありません。その方が抱える根本的な問題解決に導く相談体制ではありません。生活困窮に陥った方は、縦割りでは解決できないさまざまな問題を抱えています。どんな問題でも、行けばその場で相談できる、例えば、生活保護や医療、教育、福祉、住宅などの各部署と連携した困窮者の早期発見、早期支援、生活再建までかかわれる体制を構築し、総合相談窓口をつくる。そのための人員は、福祉、社会保障の専門家を配置すれば、スピーディーに解決につなぐこともできます。
この主張は、先日の安竹議員の主張と同じです。この問題では、連携して主張していきたいと思います。措置されている財源は、こうした体制づくりにも……
22 ◯議長(
井上恒弥君) あと1分で終了してください。
23 ◯26番(鈴木節子君)(続) 有効に生かせるはずです。各部署との連携体制を今以上に構築し、総合的な相談窓口体制を構築する必要性に迫られています。生活困窮者自立支援法でも、全国でモデル事業が今、始まっています。静岡市もこうした事業をつぶさに研究し、よりよい静岡市なりの体制、システムを構築する、これを求めて質問を終わります。
24 ◯保健福祉局長(小野田 清君) 初めに、扶養義務の質問にお答えいたします。
生活保護法において、扶養義務を履行するためには、扶養義務者が扶養するための資産や収入等々、扶養する意思を持っていることが必要になりますので、親族による扶養が保護の前提になっているわけではありません。こうした考え方は、今回の改正案でも何ら変わることはありませんので、扶養義務は強制しないものと認識しております。
次に、生活困窮者の生活再建を可能とするため、各部署との連携体制がとれる総合相談窓口の体制についてお答えいたします。
平成27年度から生活困窮者自立支援法に基づき、自立支援のための総合相談窓口を設け、相談内容に応じ、住宅支援給付や就労準備支援等の支援を実施する予定でございます。そのため、既に庁内関係課を集めた自立支援検討委員会で、生活困窮者に対して実施する施策や庁内外の連携体制の検討をしております。
今後も、国や他の指定都市の動向を踏まえ検討を進め、庁内関係課や庁外関係機関と緊密な連絡調整、連携体制がとれる総合相談窓口を整備していきたいと考えております。
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25 ◯議長(
井上恒弥君) 次に、西谷博子君。
〔13番西谷博子君登壇〕
26 ◯13番(西谷博子君) 私は、介護保険問題とごみ問題について質問をいたします。
介護保険、要支援向けサービスについて、最初に質問をいたします。
厚生労働省は、世論に押され、介護保険で要支援と認定された人への保険給付の全廃方針を転換することになりました。
一方で、訪問介護と通所介護については、市町村事業に丸投げする方針を変えず、利用者、事業者から不安と不満の声が上がっています。
静岡市は、9月議会の質問に対して、要支援者にとって必要なサービスは継続されると考えていると答弁していますが、厚労省は、訪問介護と通所介護は市町村事業に移し、費用の伸びを低減させるとしています。
費用削減の手法として厚労省が上げているのは、NPOやボランティアの活用です。介護の専門職が担っている訪問介護や通所介護をボランティアなどに任せ、安上がりにするというものです。各地の自治体から、ボランティアで対応できる範囲ではないなどの声が上がっています。
世界のどの国も経験したことのない高齢社会となった日本で、80歳代の老人の4割を超える方に認知症の症状が見られると言われています。初期の認知症は、要支援と認定される人が少なくありません。また、介護サービスを利用することで現状を維持させています。私のところに手紙が届いていますので、一部紹介させていただきます。
さて、本市で水揚げされる多種多様な魚の魅力を生かし、議員が提唱されるシズマエという大変ユニークなネーミングでありますが、これをキーワードに、漁港やその周辺、さらには市街地にも人を集めるような仕掛けづくりを、私ども行政当局はコーディネートしていきたいと思っています。つまり、静岡の誇る貴重な水産文化を経済力に変えるという、この本会議でも私が何回も強調していた考え方であります。
ただし、このような考え方を持っていても、産業振興には民間の方々がもうけようという気持ちを持っていなければ、どうにもこうにも行政だけ旗を振っただけではなかなか盛り上がっていきません。当事者が必要であります。官民連携には、相手が、パートナーが必要であります。
その意味では、経済局を中心に人を集める仕掛けづくり、水産業というキーワードの中で、シズマエという新たなキーワードの中で、いろいろ仕掛けづくりを今、検討をして、政策立案、さまざまなブレーンストーミングをしているところではありますけれども、官民連携の相手として、飲食業や観光業など関連の業種とも連携をするように今、指示をしているところであります。
ですので、ぜひこれからシズマエというキーワードも盛り上げていただきたいとお願いをいたします。中山間地域の議員を中心に、オクシズという言葉の認知度を随分高めていただきました。ありがたいことであります。今度は、沿岸地域を地元とする議員の皆さんと連携をして、ぜひシズマエというネーミングも認知度を高めていただければ、行政にとって大変心強いです。
静岡の奥座敷がオクシズ、静岡の前の浜辺がシズマエと、オクシズにおいで、シズマエへおいでという、これひとつウインウインの関係になれれば、山も海もあるという静岡の自然を大きくプロデュースする単語にもなってくると思っております。
さて、その中で、今後の具体的な私どもの考える展開イメージ、水産文化力を経済力に変えるという発想のイメージとしては、次のように考えております。
まず、お茶やワサビ、葉ショウガなど本市特産の農産物と、いわゆるシズマエ鮮魚という素材を連動、集結をさせて、これを飲食店やホテルなどと結びつけ、市民や観光客が手軽に食べられるような仕組みづくりを行います。
あるいは、シズマエ鮮魚のロゴをつくって、それを
ブランド化の第一歩として認知度を高めていくということも考えられるでしょう。
あるいは、やはりおいしい魚に対して静岡市民は親近感がありますので、私も受けた家康公検定と同じような魚検定のようなものを静岡で開催をしていくという工夫も必要でしょう。
魚についての大切さというものを、前浜に住む方々ばかりではなくて、市民全体で盛り上げていくという発想が必要であります。
シズマエのロゴをつくり、認知度を高めれば、シズマエという新たなブランドを誕生させ、水産業はもとより、農業、飲食業、観光業などの発展につなげ、本市経済の活性に結びつけていくという発想が必要であります。
シズマエにしても、すしの都にしても、当事者、連携のパートナーが必要です。そういう意味では、私は今、すし組合にもすしの都についていろんな事業を一緒にやっていこうという働きかけをしております。ぜひ、チームシズマエをつくっていただいて、ともに官民連携の仕組みをつくっていきたいとお願いを申し上げます。
将来は、江戸前ずしが東京湾近郊であるように、シズマエずしというものが、とっても流行してくると。江戸前ずしにはもう飽きたから、新東名や中部横断自動車道を通って、清水に、静岡にシズマエずしを食いに行こうというようになるように、シズマエ鮮魚とかシズマエ料理とかシズマエずしという、シズマエというものがもっともっと認知度が高く、静岡らしい食文化を代表する言葉として、今後育っていくことを期待するところであります。
以下は局長に答弁させます。
51
◯経済局長(大場知明君) 水産業に係ります3点の御質問にお答えいたします。
まず、骨肉分離機の利用状況、導入成果についてでございます。
平成24年度に由比港漁協が導入いたしました骨肉分離機は、由比の前浜でとれます新鮮な魚を骨と魚肉に分離し、すり身状に加工して商品生産する機械であります。
機械の利用状況といたしましては、平成25年2月から10月までのうち、サクラエビの漁期を除く期間に稼働し、これまで850キロの製品を生産いたしました。
導入の成果といたしまして、小さなカマスを原料にしまして、だんご状にした漁師魂といった加工品を商品化いたしました。そして、本年の2月から、由比港漁協直売所で販売されております。商品の購入者からは、歯ごたえがよい、素材のよさが引き立つ、味がよいなど、生産者である漁業者にとって励みとなる評価をいただいております。
課題といたしましては、原料が少なく、安定供給できないことが上げられますが、生産者の収入をふやすための施策として、カマスに続き、タチウオのすり身に関しての研究、
商品開発を行っているところでございます。
続きまして、骨肉分離機を生かした今後の展望についてお答えいたします。
由比漁港には、サクラエビ、倉沢のアジの2大ブランドがございます。そうした魚、鮮魚をただ鮮魚として販売するだけではなく、加工して付加価値をつけた製品の販売を行うなど、経営の多角化が必要であると考えております。
資源豊かな前浜では、議員のお話にありましたとおり、アジ、サバ、イワシを初めとした大衆魚、そして、タイやヒラメなどの高級魚、また、地元でしか知られていない小魚のシラガ、エナゴ等、多種多様な魚が水揚げされています。
これらシズマエの魚をブランド鮮魚としてアピールすることはもとより、骨肉分離機を活用し、由比漁港の新たな特産品として、そして、人を引きつける集客力のある新商品を開発していきたいと考えております。
最後に、間伐材魚礁事業の実績と効果についてお答えいたします。
本市では、県内初の試みとして、由比漁港の沖合に平成19年度より間伐材魚礁を合計26基設置いたしました。また、この魚礁設置に伴い、静岡市産材の間伐材約700本、52立米を活用いたしました。
間伐材魚礁の状況と効果については、これまで2回の潜水調査を実施し、検証したところです。議員提供の写真にもございますが、多くの魚が集まっております。そして、そうした小魚を目当てにタイやヒラメなど高級魚に分類される魚も集まっており、また、アオリイカの産卵等も確認されるなど、魚が集まる効果に加え、魚のすみかになっていることが実証されております。
また、間伐材魚礁は、3年から5年で自然に返りますが、フナクイムシ等に代表される小さな海中生物の餌となり、この海中生物がまた魚の餌となるため、魚のオアシスを形成し、豊かな海と水産資源の回復にも役立っております。
〔19番望月俊明君登壇〕
52 ◯19番(望月俊明君) 市長並びに経済局長の前向きな御答弁をいただき、本当にありがとうございます。お二人の御答弁を聞いておりまして、私自身も、もっと汗をかいて、しっかりとシズマエを売っていかなければいけないなと、感じたところでございます。
間伐材魚礁について、経済局長にもう1点質問させていただきます。地球温暖化等に見られます自然環境の変化によりまして、海が非常に変わってきております。例えば、海水温の上昇でありますとか、それに伴います、とれる魚の変化などであります。先ほども、市長からも答弁がありましたけれども、サクラエビの水揚げ高も、ピークに比べると10%程度落ちてきているという状況にあります。サクラエビは、ここに座っております建設局長の望月清司さんのおじいさんが発見したということで、この話をしたいのですけれど、時間がありませんので話しませんが、そういうことで、大変この人は、この家はノーベル賞ものの家であると私は思っております。
由比の定置網なんかを見てみても、おかしな時期におかしな魚がたくさんとれるというようなことであります。先ほども話をしましたけれども、その対策として水産庁では、長期間にわたる休漁期を設けたり、栽培漁業と称しまして魚の稚魚を放流して、資源の回復を行っているわけであります。静岡県の県漁連などでも、県の関係団体と一致団結をいたしまして、マダイやヒラメも放流しているわけであります。
先ほども言いましたように、せっかく放流しても消波ブロックと砂浜だけの殺伐とした海では、全然魚が居座らない。そこで、間伐材魚礁を設置してあげることによって、そこに魚がついてくる、フナクイムシ等が発生をして、飼料生物がびっしり付着することによって、魚のすみかとなるという形になるわけであります。
そうした魚の餌を発生させることができる、この間伐材魚礁の設置事業というのは、まさに私は本市の海洋資源の回復、資源の定着化に役立つものと思っております。海に森をつくってあげるということ、魚のすみかをつくってあげるということだと思っております。漁業者の皆さんに聞くと、非常にこうしたアジなんか、倉沢のアジに負けないくらいしっかり太った、丸々と太ったアジがとれるということで、その効果があるのではないかと思っております。
先ほども言いましたが、回遊魚であるアジが定着するというようなことも、1つの要素であります。間伐材魚礁に集まった数多くの魚を、先ほど、市長も言われておりますけれども、すしに提供する。私はただ単にすしの都ではなくて、こうした事業を展開して、苦労をして間伐材を置いて、そこに集まった魚を静岡のすしにしていくんだよと、それこそ、まさに私は静岡が誇れるすしの都ではないかと、私は思っております。
間伐材シズマエずしなんて名前つけたらいいんじゃないかなと、私はそんなふうに思いますけれども、漁協というものは、ただ魚をさばくことだけではなくて、やはり、しっかりとした将来に向かって、未発掘の資源がたくさんありますので、そういうものを発掘しながら、開発しながら、さらに流通拠点そのものをつくっていくという、そこに人が集まるような地域の活性化があるのではないかと私は思っているところであります。
時間がなくなってきているわけでありますけれども、先ほど言った浜の市というものも、朝市のようなものですけれどもやっております。サクラエビ祭りは、5月3日に、もう20年以上もやっておりまして、3万人とか5万人とか7万人とか、そうした大勢の方が来ていただいております。これは、サクラエビ祭りに限らず、清水港マグロまつりだって用宗のシラスまつりだって、私は、それ以上の人盛りを見せていると思っているところであります。
また、私もたまに土曜日に港に行ってみますと、食事の時間じゃなくても、大変多くの車がとまっている。そのナンバーの確認なんかしてみますと、静岡以外のナンバーが非常に多いということで、ほとんどの車が遊漁船に来ているわけであります。ひところの遊漁船のブームは過ぎておりますけれども、まさに釣り客は、まだまだ強い人気を持っているところであります。
こうした間伐材魚礁の魚が集まる、そうした効果に、人が集まる効果を付加できないかなと、そんなことを考えているところであります。
したがいまして、質問といたしまして、間伐材魚礁の今後の展望について、さらにもう一度お話を聞きたいと思っております。その漁協やその地域に人が集まる効果を、この間伐材でどのようにしていくかということであります。
以上、2回目であります。
53
◯経済局長(大場知明君) 間伐材魚礁の今後の展望についてお答えいたします。
いそ焼けに代表される海洋環境の変化により、沿岸海域の魚が減少する中、間伐材魚礁を設置したことで、少しずつ資源が回復傾向にあります。また、議員のお話にあったとおり、休日には間伐材魚礁に集まる魚を目当てにした多くの釣り客や遊漁船で、漁港はにぎわっております。釣れる魚は主に、タイやヒラメを主体とした高級魚ですが、アジに代表される大衆魚も釣果として上げられ、初心者から上級者まで、それぞれ楽しめるレジャースポットとなって、観光漁業、水産業の多角化にも役立っております。
このことから、水産、林業関係者と連携を図り、資源循環型事業のモデルとするとともに、観光と連携した多角的な漁業を推進するため、今後も間伐材魚礁を計画的に実施していきたいと考えております。
〔19番望月俊明君登壇〕
54 ◯19番(望月俊明君) 3回目でありますけれども、もう1つ質問させていただきます。
それは、既存ストックの有効利用ということであります。本市の御尽力をいただきまして、由比漁港にすばらしい荷さばき場が完成しました。先ほども申し上げましたけれども、地元の皆さんは大変喜んでおりまして、本当にこうした立派な既存ストックができたということで、感謝しているところであります。
水産業の振興というものは、先ほど言いましたけれども、創造漁村をつくっていくということ。私は、朝起きて魚の競りを見に行ったりするのでありますけれど、また、サクラエビの出荷を見に行ったりもしております。いろいろそういうことをしていますと、やはり、漁業者の皆さんが新しい市場の使い方について、この新しい荷さばき場がもっと地域の発展のために使うことができないかということを、いろんなところで話をしているところに直面いたします。
私は、本当にいいことだと思っておりますけれども、市民みずからが自発的にこうした地域の宝、そうした地域の既存ストックを使って活性化しようとすることは、やはり行政が主導ではなくて、地域の人たちが主導して、それを行政が手伝うという形でいいんじゃないかなと感じております。
先ほど言った浜の市などもそうでありますけれども、もっともっと大きくなる可能性を秘めたところであります。そうしたポテンシャル、潜在能力がある、この収客能力を持っているいろいろな既存ストックを、ぜひ利用していきたいなと思っております。
また、新しい荷さばき場の2階には、体験学習施設も併設して、すばらしいキッチンもあるわけであります。ぜひ、こういうものを使って、これからはぜひ、それを利用した新しい既存ストックの利用、活用を含めて、今後の方針について、終局的には市の水産振興施策の策定をしていただきたいとお願いするところであります。
要望が何点かあるわけでありますが、少し述べさせていただきます。
1点目の要望でありますけれども、先ほど言いました静岡市の水産振興計画を、できるだけ早期にしっかりと策定してもらいたいということであります。市長のおっしゃっております鳥の眼で、全体的な本市の水産業を見て、その中で、由比とか蒲原とか用宗といった個々に地区別の計画を立てていくということが大切だと感じております。
2点目としましては、何度も言っておりますけれども、シズマエの魚、魚のまち静岡、その礎を築くような魚を売り出すような施策を、平成26年度の予算に盛り込んでいただきたいと感じているところであります。これは、魚を売るという単純なものではなくて、シズマエに世界中から集まってくる都市になる、そんな本市を磨き上げる1つのツールであると私は思っているからであります。
3点目といたしましては、中山間地振興として……
55 ◯議長(
井上恒弥君) あと1分で終了してください。
56 ◯19番(望月俊明君)(続) オクシズを展開しております。誰がつけたかわかりませんけれど、オクシズなんてすばらしい名前をつけたと思っております。最近では、歌も売って、カラオケで歌っている人もあるようでありますけれども、すばらしいなと思っておりますが、そうした中山間地の振興とこの前浜を、シズマエをしっかりと連携をさせて、最後には、大変すばらしいすしの都静岡をしっかりつくっていくことが大事ではないかと感じているところであります。
こうした、なかなかまだ開発されていない、本市に備わっている未開発のものを利用しながら、私は、きょうは漁業の関係で言っておりますけれども、そうしたものをしっかりと使って、それを磨いていくということは、まさに市長の思うところであると思っております。そんなことを願いながら、きょうの質問は終わらせていただきますけれども、ぜひ、オクシズとシズマエの連携する姿を希望しております。
57
◯経済局長(大場知明君) 水産計画の策定、シズマエの魚のPR等、要望をいただきましたが、私からは、由比漁協新荷さばき場の整備に伴う波及効果、それと、今後の展望についてお答えさせていただきます。
由比漁港新荷さばき場は、魚の鮮度を保ち、食の安心・安全を確保する衛生管理機能のほか、観光を視野に入れた体験学習施設の機能を付加し、平成24年2月に完成いたしました。
体験学習施設では、県内外の小中学生を対象とした漁業体験学習や、料理研究家による料理教室が行われております。特に、料理教室では、由比漁港でとれる魚を調理し、シズマエ鮮魚のおいしさを体験してもらうとともに、その模様をインターネットで同時配信しております。こうしたことから、シズマエ鮮魚をインターネットの視聴者にもPRできております。
また、新荷さばき場付近では、議員からもお話がありましたが、本年1月から浜の市を合計5回開催しており、由比漁港に人の集まるにぎわい拠点を創出しております。今後とも、由比漁港新荷さばき場の持つ多面的な機能を有効活用し、漁港を魚が集まるだけではなく、人も集まる地域活性化の拠点となるように取り組み、そして、官民連携して水産業振興を推進していきたいと考えております。
58 ◯議長(
井上恒弥君) 以上で、総括質問を終了いたします。
ただいま議題となっております議案第212号外12件は、既に配布した議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
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日程第15 議案第225号 工事請負契約の締結
について
59 ◯議長(
井上恒弥君) 日程第15、議案第225
号工事請負契約の締結についてを議題といたします。
説明員から提案理由の説明を求めます。
60 ◯副市長(山本克也君) 今定例会に追加で提案いたしました議案について御説明いたします。
議案集4)の表紙をめくって、議案説明をごらんください。
議案第225号は、工事請負契約の締結で、静岡地域消防救急無線デジタル化整備工事の請負契約を締結しようとするものでございます。
61 ◯議長(
井上恒弥君) これより質疑に入ります。
質疑の通告がありますので、発言を許します。
松谷 清君。
〔25番松谷 清君登壇〕
62 ◯25番(松谷 清君) ただいま山本副市長から追加議案として提案されました議案第225号静岡地域消防無線デジタル化整備工事に関わる工事請負契約案件について、質疑を行います。
この議案は、電波法改正に伴う2016年5月までに行わなければならない静岡地域消防救急無線デジタル化事業の整備工事を、日本電気株式会社静岡支社と19億1,484万円で契約しようとするものであります。
質疑を行うきっかけは、入札参加応募企業が日本電気株式会社静岡支社1社だけであったということで、そこに請負契約がそのまま受注されるということであるからであります。
まず、事業の内容で、19億1,484万円の契約額ですけれども、3市2町それぞれの工事概要と、負担基準と内訳額について伺います。
それから、現在のアナログからデジタルに移行するわけでありますけれども、現在、アナログのメーカーと他のメーカーが変更になった場合、技術的には問題はないのか、また、現在のアナログ無線局のメーカーはどこのメーカーなのかを伺っておきたいと思います。
次に、今回、総合評価一般競争入札という入札方式で行われているわけであります。この総合評価一般競争入札を、今回の入札方式として採用した経過について1点お伺いします。
2つ目は、本案件と同様の総合評価一般競争入札で、WTO対象工事において応募事業者数が1社であったということは、過去に案件としてあるのかどうか、お伺いします。
3つ目に、今回、入札応募企業は1社のみであったわけでありますけれども、技術力、競争に基づく適正価格、透明性は担保されていくことになるのか、疑問があるわけであります。この背景、評価についてどのような分析をされているのか。また、問い合わせというのは、そもそも今回あったのか、なかったのか。あれば企業名を教えていただきたいと思います。
4つ目に、今回の総合評価一般競争入札は技術提案という条件がついているわけでありますけれども、この技術提案というものはどの機関で議論され、2つあるんですけれど、2つの調査項目に至ったのか、お伺いしたいわけであります。
というのも、2つのうちの1つの技術評価項目は、施工監理に至る技術提案ということで、40メートルの無線鉄塔を建てるということが、建てる場合の高所における事故、災害の抑制ということが上げられているわけでありますけれども、電波技術というかデジタル工事等を行う会社は、当然持っているノウハウというか技術でありまして、これが今回の技術項目として上げられるという経過について、どの程度の意味があるのかと。また、2つ目の技術評価項目が、アナログからデジタル移行の工事期間の短縮、つまり、消防救急は24時間動いてますので、車両のアナログから無線デジタルに変える場合に、時差というか時間ができるだけ短いほうがいいということを技術項目に上げていますけれども、これもある意味で、企業として持っているノウハウでもありまして、これが今回の技術提案の大きな条件として上げられているということについて、どういう意味があるかということを含め、どういう形でこれが決まったのか、まずお伺いしたいと思います。
63 ◯消防局長(長田光明君) デジタル化事業に関する幾つかの御質問にお答えいたします。
まず、工事請負契約の概要についての御質問ですが、工事概要は、無線基地局を静岡市に6カ所、島田市に1カ所、牧之原市に2カ所、吉田町に1カ所、川根本町に1カ所及び共用で1カ所を整備するとともに、消防車両等への無線機取りつけが主な工事となります。
次に、負担基準は、各市町に設置する無線機器は各市町で、無線機を制御する機器などの共用設備は案分することとしています。
最後に、内訳額は、静岡市が約12億1,000万円、島田市が約1億8,600万円、牧之原市が約3億5,400万円、吉田町が約8,800万円、川根本町が約7,500万円となっております。
次に、デジタル化移行で他のメーカーに変更になっても問題はないかとの御質問ですが、現在のアナログ無線機にかえて新たにデジタル無線機を整備するため、問題ありません。
また、現在使用しているアナログ無線は、基地局が日本電気株式会社で、移動局が日立国際電気株式会社、沖電気工業株式会社、富士通株式会社などの複数社です。
次に、総合評価一般競争入札を採用した経過についての御質問ですが、静岡市建設工事に関わる総合評価方式制限付一般競争入札実施要綱第3条の規定に基づき、本工事は、設計金額及び工事の技術的難易度から、総合評価一般競争入札となりました。
次に、入札応募企業が1社であることの背景、評価についてどのように分析されているかとの御質問ですが、複数社の参加を見込んでおりましたが、結果として1社でした。この背景及び評価については、分析しておりません。
入札に関する問い合わせは2社からあり、株式会社富士通ゼネラルと沖電気工業株式会社です。
最後に、技術提案はどの機関で議論され、2つの評価項目に至っているのかとの御質問ですが、技術提案については、総合評価審査会にて検討し承認を、静岡市建設業者等選定委員会にて、2項目の技術提案について決定しております。
64 ◯財政局長(河野太郎君) 入札実績についての御質問にお答えいたします。
本案件と同様の総合評価一般競争入札、標準型で行ったWTO対象工事は、平成24年度において2件の入札実績がありますが、参加者が1社であった実績はございません。
〔25番松谷 清君登壇〕
65 ◯25番(松谷 清君) 御答弁いただきました。過去にこうした案件での入札においては、1社の応募だけというものはなかったと。当然、普通であれば競争になるわけであります。なおかつ、現在のアナログの無線機のもとというか、基地局は日本電気株式会社で、移動局が富士通、沖電気、日立国際であったという現状で、つまり、1社のみで、現在無線基地局の日本電気に受注するということになるわけであります。