静岡市議会 2011-02-06
平成23年2月定例会(第6日目) 本文
↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 午前10時開議
◯議長(石川久雄君) これより本日の会議を開きます。
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2 ◯議長(石川久雄君) 本日の議事日程は、先刻お手元に配布したとおりであります。
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日程第1 議案第26号 平成23年度静岡市一
般会計予算 外64件(総括質問)
3 ◯議長(石川久雄君) 日程第1、議案第26号平成23年度静岡市
一般会計予算から、日程第65、一般質問までを一括議題といたします。
先日に引き続き、総括質問を行います。
順次発言を許します。
初めに、池邨善満君。
〔7番池邨善満君登壇〕
4 ◯7番(池邨善満君) おはようございます。
通告に従い質問をいたします。
今回は、静岡市の
不祥事等発生抑制に向けた取り組みについて、それと業務改善についての2点についてお伺いいたします。
質問をするに至った経緯と目的について、少しだけ述べさせていただきます。
静岡市を取り巻く環境は、景気低迷、少子高齢化、そして生活環境の変化に伴う住民のニーズの多様化、意識の変化、さらには
地方分権改革など、大きく変化をしています。そのため、静岡市は、みずからの責任において、健全な財政運営を図りながら、この変化に柔軟に対応できる体制基盤を強化し、そして安全・安心な地域環境の構築が求められています。
こうした中で、静岡市の不祥事等につきましては、市民との信頼関係を著しく損なうだけでなく、業務の遂行に多大な支障が生じるなど、市として大きな損失をこうむることになるのではないかと心配いたします。
今回は、不祥事等の発生抑制に向けた取り組みを、どのように進めればよいのか、確認をしながら質問をさせていただきます。
不祥事等への対応の目的は、事案発生後、対応を迅速かつ的確に行うことで、事態の早期解決を図るとともに、市民の信頼を早期に回復させることです。市は、事案の発生原因を徹底的に究明し、その原因を明確にするとともに、再発防止策を策定し、同様の事案再発の未然防止の徹底を図ることが求められています。
不祥事等は、市にとってはピンチですが、これはチャンスにもなるというふうに考えます。ピンチの陰には、業務改善につながるヒント、チャンスが隠されています。そういった意味で、今回の質問は前向きな質問だというふうに御理解をいただければと思います。
まず、最初の質問は、静岡市の
不祥事発生抑制に向けた取り組みについてです。確認の意味で、近年発生した不祥事の原因と対策についてお伺いいたします。これまでの
事務事業事故の発生件数の推移、どの程度発生しているのかをお伺いいたします。そしてその主な原因、対策、できれば管理面や人の面、ハード面、幾つかの視点で分析をした原因と対策についてお伺いいたします。
次に、今年度新聞などに掲載された不祥事等で、皆様の記憶に新しい事案についてお伺いいたします。
具体的な不祥事等の原因について、今回は原因をお伺いしたいと思います。対策を進めるに当たっては、その原因を徹底的に究明したい、そんな思いでございます。
1つ目は、
国庫補助事務費等にかかわる不適正な経理処理についてです。これは、
国庫補助事務費の差しかえなど、不適正な処理が行われた事案について、どのように原因を分析されたのかお伺いいたします。
2つ目は、教諭による
ノートパソコン38台持ち出しについてです。パソコンが納入されてから持ち出しされ、学校に戻ってくるまでの間、パソコンが利用されなかったことを考えると、教育への影響があったというふうに考えます。原因はどこにあるのか、お伺いいたします。
3つ目は、
イベント補助金等に関する不適正経理及び不正流用についてです。平成22年12月27日に、「補助金等に関する不適正経理及びこれに伴う
イベント事業関連不適正流用等について」という報告書が出されております。これをまとめ上げるには、多大の時間と費用を要したと推測いたします。今までに経験のない事案だと思いますが、原因をどのように分析されているのか、お伺いいたします。
4つ目は、
社会福祉協議会での市の公金をめぐる不正経理についてです。本件は、市の職員の方が起こした事案ではないとの理解をしておりますが、しかし、静岡市から委託等された事業費の不正流用であり、
放課後児童健全育成事業、
放課後児童クラブに何らかの影響があったのではないかと心配いたします。平成23年1月28日の
情報提供資料によりますと、市の今後の対応のところで、
市社会福祉協議会への委託、
指定管理業務は多岐にわたるが、順次確認を行っていく。また、再発防止を含めた指導を強化していくとあります。市として責任を感じての対応だと思います。
ここで伺いますが、
社会福祉協議会での市の公金をめぐる不適正経理について、市としての原因をどのように考えているのか、伺います。
以上、1回目です。
5
◯危機管理統括監(望月重明君)
事務事業事故の発生件数の推移についてお答えいたします。
危機管理本部で取り扱った
事務事業事故の件数の推移ですが、平成19年度107件、平成20年度75件、平成21年度72件となっております。また、平成22年度につきましては、平成23年1月末現在で53件、前年同期での比較は13件の減となっております。
続きまして、主な原因と対策についてでございます。いずれの年度も、
情報セキュリティー実施手順に反した個人情報の取り扱い、個別の
事務処理マニュアルに従わないで起こった事務処理上のミス、情報媒体や書類の管理の不徹底による紛失、盗難などが主な原因となっております。また、今年度は窓口業務での書類の取り違えや書類の紛失、電算システムの変更に伴うプログラムの誤りが特に目立っております。
これらの事故は、業務の繁忙、窓口や事務室の執務環境や書類の整理整頓がしっかりできていないことなどが考えられますが、市の職務に対する知識や職員一人一人の
危機管理意識の不足が原因だと思われます。
このため、年度当初、所属長や
職場研修リーダーの研修時に注意喚起をし、各所属での職場研修の実施を依頼するとともに、事務事故の防止に向けた取り組みなどについて、文書で7回通知をいたしました。
また、
危機管理意識の向上のため、各所属長や学校長など約400名を対象に、外部講師による研修会を本年1月に開催したところでございます。
さらに、危機管理課の職員により、事務事故が発生した職場26カ所について、書類調査を実施し、このうち14カ所については、立入検査も実施いたしました。
また、各区の
危機管理本部に出向いて、
危機管理研修を実施しております。
以上でございます。
6 ◯財政局長(中井幹晴君)
国庫補助事務費等に係る不適正な経理処理の原因についてでございますが、これは事業の執行上、年度末近くになって事業費及び事務費が確定していくという状況の中、職員の間に国庫補助金は返還が生じないよう使い切らなければならないという意識があったこと、それから国庫補助金の基準に基づいて、適正に使用するという認識が十分でなかったことが原因と考えられるところであります。
以上であります。
7 ◯教育次長(鈴木教之君) 教諭による
ノートパソコン持ち出しの原因についてでありますが、平成22年2月に購入した
ノートパソコンは、機械警備をしているOA室内のかぎがかかるロッカーに保管し、かぎは
情報化推進担当の当該教諭と学校とで保管しておりました。
また、教育委員会では、情報化に対応するため、
教育ICT化推進研究委員会という内部組織を設置しております。情報機器につきましては、当委員会による
抜き打ち検査を実施しており、今回はこの検査で持ち出しが判明いたしました。
情報化推進担当である当該教諭は、
ノートパソコンを学校長の許可なく無断で校外に持ち出すことが、
情報セキュリティーポリシーの面から許されていないことは、熟知する立場でありますので、今回このような状況で事件が起きた原因は、個人に問題があることは言うまでもありませんが、備品点検のあり方など、組織上の管理体制にも一因があると考えております。
以上でございます。
8 ◯経済局長(鈴木 孝君)
イベント実行委員会経費の不正流用等について、原因は何かとの御質問にお答えいたします。
本件の原因といたしましては、
補助金等交付事務に係る所定の事務手続を怠り、市補助金を受け入れた
イベント実行委員会経費の流用という不正経理を行った当時の職員の責めに帰すべきものが過半を占めるものと認識しております。
しかしながら、一方で、組織上の問題といたしましては、昨年行った調査によれば、管理監督者の確認の不徹底、相互牽制が十分に働かなかったことなどがあったとされたところでございます。
以上であります。
9
◯保健福祉子ども局長(寺前泰男君)
社会福祉協議会での不正経理の原因についてでございますが、今回の不正経理の原因は、基本的には不祥事を起こした
社会福祉法人静岡市社会福祉協議会の
会計担当職員の資質や法人の組織としての
チェック体制、管理体制などにあると考えます。
年度終了時における委託者としての市の検収は、事業内の各支出については、
社会福祉法人静岡市
社会福祉協議会内部の決裁を経て、適正に処理されているものとして、市は会計帳簿と通帳とを照合し作成した清算書を確認しておりますが、今後は会計帳簿の内容について詳細な検収を実施したいと考えております。
以上でございます。
〔7番池邨善満君登壇〕
10 ◯7番(池邨善満君) 2回目は、対応策についてお伺いいたします。
1回目の質問でお伺いした4つの事案の原因、深掘りの程度に若干の差があるのかという感じがしております。その原因の1つに、私は不祥事等が発生した場合の対応のルールが統一されていないのではないかということで、今回、この対応策について質問いたします。
市は、静岡
市事務事業危機管理マニュアルというものを、平成20年4月に策定しています。この
マニュアルの目的は、
個人情報漏えいなどの事故や不祥事等を未然に防止するとともに、万一発生してしまった場合に、組織として対応するためには、本市の全職員が共通して認識できるルールが必要となると
マニュアルに記載されています。そして、事故等の発生時の対応として、まず1つ目は事故の報告、
事故発生報告シートを作成し、報告すること。そして、必要に応じて総括班、広報班を招集し、市としての対応について協議を行う。さらに、静岡市は市が実施する事務事業にかかわる事故、不祥事等に対する危機管理を適切に行い、もって事故等が発生した場合における市民生活の影響を最小限に抑制するために、静岡市
事務事業危機管理本部を設置するとあります。
そこでお伺いいたします。この静岡
市事務事業危機管理マニュアルが作成された経緯と運用状況、それから周知徹底の方法についてお伺いいたします。
次に、この本部が設立された事案が過去どのようなものがあったのか、お伺いいたします。さきに質問した4つの事案では、
マニュアルにある本部が設置されていないようですが、過去に本部が設立された事案はどのようなものがあるのか、お伺いいたします。
そして、さきに質問した4つの事案を、どのような体制で調査を行ったのか、お伺いいたします。
マニュアルでは、危機管理課は関係者を招集して、
事務事業危機管理本部を設立するとなっております。関係部局の意見を聞きながら事故等の調査が行われれば、的確に原因追求がなされ、その対応に問題は生じないと考えます。
そこでお伺いします。4つの事案、それぞれどのような体制で調査を進めたのか。
次に、過去の不祥事等による
マニュアル改善についてです。
この
マニュアルの中に、なお静岡市にとっての危機、リスクは常に不変というわけではありません。したがって、事務事業の実施状況を調査分析し、リスクの変化の把握に努めることにより、この
マニュアルは随時見直していくこととしますと記載されています。これだけ多くの不祥事等が起きているわけで、見直しは進められていると思いますが、過去の不祥事等による
マニュアル改善について、どのような箇所を見直したのかを伺います。
次に、職員等の研修についてお伺いいたします。
不祥事等の発生の原因として、人的要因が大きくなっていると感じます。そこで、新職員、管理監督者及び市が関係する各種団体等の職員に対する研修は、どのように実施しているのか、お伺いいたします。
次に、ピンチをチャンスにのチャンスについてお伺いします。少し視点を変えます。業務改善についてです。
業務改善提案制度というものがございます。これは静岡市
業務改善提案規程に基づき、毎年所管課ごとに
業務改善提案が、
経営管理局行政管理部行政管理課に提出されています。
平成22年度は
業務改善提案のうち、実績提案というものが総数40件提出されています。そのうち19件が入賞しており、今回、金賞は該当ありませんでしたが、銀賞3件、銅賞4件、奨励賞12件でした。
この中には、
保健福祉子ども局保健衛生部健康づくり推進課が進められている静岡市
版介護予防体操「しぞ
~かでん伝体操」の開発が銀賞でございます。私が個人的に好きな改善は、下水処理により発生する下水汚泥の脱水時に添加する
高分子凝集剤の削減、年間で745万円の経費が削減できた改善です。
実績提案の効果の金額は、報告書の数字を単純に足し算してみますと、約7,800万近くの費用削減がなされているというふうに見られます。これに、「しぞ
~かでん伝体操」の効果など医療費等の削減効果を入れてみますと、私は数億の効果があるのではないかというふうに思います。
さらに、
アイデア政策提案というものもございます。これは、受理総数61件、銅賞1件、奨励賞3件が入賞しています。
この
アイデア政策提案というものは、今回の提案を例に説明させていただきますと、提案者が
日本平動物園の職員の方で、提案先が財政局、地域産業課、観光・
シティプロモーション課です。そして提案のテーマは
ふるさと納税制度の運用についてです。
提案の概要は、
ふるさと納税者、寄附者への感謝状の様式や寄附金額に応じたお礼の品をきちんと決めることで、寄附者に対して統一した対応を可能とする。また、静岡市の特産品等を贈呈することで、静岡市をPRするという提案です。着想のきっかけといたしましては、せっかく静岡市を選んでくださった方に、静岡市に寄附してよかった、今後も応援したいと思っていただけるよう、市として統一した基準をつくり、きちんと対応することが重要であるとともに、静岡市の魅力をより積極的に発信していくことが重要だと思いましたとあります。
業務改善提案制度における近年の改善事例や提案に基づく成果にはどのようなものがあるのか、お伺いいたします。
以上、2回目です。
11
◯危機管理統括監(望月重明君)
マニュアル作成の経緯、周知方法等についてお答えいたします。
平成19年度の機構改正により、各局に調整室が設置されたことにより、これまで対応が統一されていなかった事務事業に係る事故について、当時の
総務局調整室が中心となって取り扱うことになりました。これに伴い、危機管理の基本ルールを定め、
危機管理意識を高めるため、平成20年度に静岡
市事務事業危機管理マニュアル及び事務事故の事例集の資料編を作成いたしました。
現在、各所属ではこの
マニュアルを基本に、それぞれの業務に応じた
事務マニュアルを作成して、
事務事業事故防止について取り組み、対応しております。
なお、万一事故が発生してしまった場合、
事務事業危機管理マニュアルにのっとり、
危機管理本部総括班、広報班による会議を開催し、対応等についての協議を行うこととなっており、本年度におきましては、これまでに30回余の会議を開催したところでございます。
次に、この
マニュアルの職員への周知ですが、全職員がいつでも閲覧できるよう、職員に配置してあるパソコン上の掲示板に掲載しておりまして、改訂ごとに各所属に通知しているところでございます。
また、職場研修等における講習等も随時実施しているところですが、今後も機会をとらえて、職員に周知徹底していきたいと考えております。
続きまして、
危機管理本部の協議事案についてでございますが、本年1月末現在、30回余の
危機管理本部総括班、広報班による合同会議を開催し、53の事案について協議いたしました。
その内訳は、
個人情報漏えいに関するものが32件、その他の事務処理上の誤りが18件、施設事故が3件となっております。その主なものは、7月に発生した市立中学校での
PCB廃棄物の誤処分や、9月の
動物園ローラースライダーでの施設事故、市民税や
国民健康保険料の賦課誤り、郵便物の送付誤りや未着による個人情報の流出事故などでございます。
次に、過去の不祥事等による
マニュアル改善についてでございます。
毎年、事故の内容や発生状況、原因などの情報を全職員で共有できるよう、事故の概要について事例集という形で周知し、注意喚起を実施しており、本年度も幾つかの事例について記載を追加していくところでございます。
また、
マニュアル本体につきましては、現在、事務事業に係る事故だけでなく、自然災害や感染症等への対応を含めた総合的な
危機管理指針を作成しておりますので、それに合わせ事務事故の発生防止と、より迅速で的確な対応ができるように、
事務事業危機管理マニュアルを見直す予定でございます。
以上でございます。
12 ◯財政局長(中井幹晴君)
国庫補助事務費等に係る不適正な経理処理をどのような体制で調査を行ったかという御質問でございますが、これは平成20年11月に、当時の総務局、現在の経営管理局でございますが、そこと財政局が主体となり、国庫支出金、この中には補助金、負担金、委託金及び交付金を含みますが、これを充当して執行したすべての事業を対象に、各局に対し調査を依頼し、
財政局調整室がその取りまとめを行ったものでございます。
以上であります。
13 ◯教育次長(鈴木教之君)
ノートパソコンの持ち出しについての調査体制でございますが、調査は
教育ICT化推進研究委員会を中心に、事件判明の翌日の12月7日に実施し、
ノートパソコンの台数確認及び不正使用の有無等を調査いたしました。
また、12月13日には当委員会及び教職員課が、17日には教職員課が、校長と当該教諭から聞き取り調査を実施いたしました。
以上でございます。
14 ◯経済局長(鈴木 孝君) 不祥事に関してどのような体制で調査を行ったかの御質問にお答えいたします。
イベント実行委員会会計からの資金の不正流用が発覚した以降、事実確認のため、平成18年からの
実行委員会管理口座の出入金記録や
裏づけ伝票類、
支払い書類等のチェック、さらには出金先業者や団体の入金時期、金額の照会などを行いました。
また、あわせまして組織人事、
法務所管部署と共同して、当該元職員を初め他の職員からの事情聴取、当時の
事務処理体制の調査などを行い、調査結果については、
市事務事業危機管理マニュアルにのっとり公表したところであります。
以上でございます。
15
◯保健福祉子ども局長(寺前泰男君)
社会福祉協議会の今回の不祥事に、どのような体制で調査を行ったかという御質問ですが、
社会福祉法人静岡市社会福祉協議会からの
放課後児童健全育成事業に係る清算誤りの報告を受けまして、清算を伴う事業を委託している
子育て支援課、
高齢者福祉課、
障害者福祉課の3課が、
社会福祉協議会から会計帳簿を取り寄せ、不明点につきましては、より詳細な資料を確認するなどの調査を行いました。
さらに、
社会福祉法人静岡市
社会福祉協議会職員による不正経理が明らかになった後には、
福祉総務課監査指導担当を中心に、
社会福祉協議会に委託しているすべての事業を対象とする特別監査を実施しているところでございます。
以上でございます。
16
◯経営管理局長(深津 薫君) 研修と改善に関する2点の質問にお答えいたします。
まず、新職員研修等の研修についてでございますけれども、職員に対する階層別研修としましては、平成22年度においては、新職員151人に対し、
地方公務員法や公務員倫理の科目を設け、全体の奉仕者として公正な職務の執行に当たること、市民からの信頼を損なわないよう、常に公務員という立場を確認しながら行動すること等について身につけさせております。
また、管理監督者213人に対し、
組織マネジメントやコンプライアンスの科目を設け、部下とのコミュニケーションを積極的に図り、部下を動機づけ、法令や組織のルールを遵守しながら業務を遂行させること、部下に公務員として市民の信頼を損なうような行動をさせないこと等について、認識を深めるよう研修を実施しております。
市が関係する各種団体等の職員研修につきましては、当該団体が職員の研修を計画する際、必要に応じ、より効果的な研修が実施されるよう、研修科目や講師の選定等についてアドバイスを行うなどの支援をしております。
続きまして、
業務改善提案に基づく近年の改善事例や、提案に基づく成果についてでございます。
業務改善提案制度は、市民サービス、業務能率の向上、経費節減または収入増など、広く業務の改善につながる事例を、職員から募る制度でございまして、職員の自由な発想によるアイデア提案と、実際に改善を行った実績提案の2種類がございます。
アイデア提案のうち、実現に結びついたものといたしましては、一昨年度に提案された災害時などに、一人暮らしのお年寄りなど要援護者を適切に介助するためのセルフレスキューセットの配布が挙げられます。
また、実績提案としては、今年度の静岡市
版介護予防体操「しぞ
~かでん伝体操」の開発や、昨年度の障害者や外国人など話し言葉による意思疎通が困難な方のためのコミュニケーション支援ボードの作成と、市役所窓口への配布などがございます。
提案の成果でございますが、金銭的な効果はもとより、士気の高揚あるいは改善事例の共有化による事務改善の推進などが挙げられます。入賞した提案にありましては、市長を初めとした幹部職員のもと、表彰と事例発表を行い、その内容をホームページ等で公表するなどして、職員の士気の高揚に努めております。
また、選に漏れたものにつきましても、職員に対し概要を示し、全庁での情報の共有化を図ることにより、業務遂行の際の参考とできるようにしております。
以上でございます。
〔7番池邨善満君登壇〕
17 ◯7番(池邨善満君) 3回目は要望です。
よいことはよい、悪いことは悪いと言える職場の環境づくり、ムードづくりを要望いたします。そのツールとして、この業務改善の仕組みというのは有効だというふうに考えます。組織の中に、市民本位の視点で改善を行ったり、若手の職員の方を育てたりする風土が必要でございます。行政の質の向上を図るため、改善が困難な課題に、職場の枠を越えて挑戦をしていく職場環境づくりをぜひ進めていただくことを要望いたします。
先ほどの
日本平動物園の職員の方の提案が、採用されたかどうかは確認していませんけれども、提案を受けた側の財政局の回答の欄では、静岡市の特産品等をお礼にすることや感謝状──さくらももこ氏オリジナルイラスト入りを贈呈することは、静岡市のPRにもなりますし、寄附していただいた方の満足度の面からは効果があると思われます。しかし、それにかかる費用を考えると、実現には時間を要すると思われますとの記述があります。
事務危機管理
マニュアルの未然防止の項に、ハインリッヒの法則の記述があります。これは1つの重大事故の前には、29の小さな事故があり、その前には300のヒヤリ、ハッとした経験があるというものです。改善も同様だと思います。小さな改善が大きな改善につながるものと確信をいたします。私は、職員の方の提案をすべて採用してほしいということは言いませんけれども、毎年提出されている提案の中にある提案理由をしっかりと理解していただき、不足しているのであればそれを補ってよい改善に育てることが管理部門の業務であり、管理監督者の仕事だというふうに思います。そうすることで、よいことはよい、悪いことは悪いと言える職場になり、不祥事等の発生は抑制されるものと思います。
次、2つ目の要望です。
目的達成のために、みずから策定したルールはみずから遵守するように要望いたします。
事務事業危機管理マニュアルが策定され、この
マニュアルの中には、未然防止の観点からの施策も記載されています。しかし、先ほどの4つの事案では、どの部門も
マニュアルどおりに運用・実行していないように見えて仕方がないのが残念です。不祥事等の発生を抑制するために策定した
マニュアル、みずから策定した
マニュアルを活用しないで、どうやって不祥事をなくすのか、よく考えていただきたいと思います。
以上ですべての質問を終わります。
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18 ◯議長(石川久雄君) 次に、内田隆典君。
〔17番内田隆典君登壇〕
19 ◯17番(内田隆典君) 通告しております指定管理者制度、買い物弱者対策について伺いたいと思います。
最初に、指定管理者についてであります。
指定管理者制度は、住民の福祉を増進する目的をもって、その利用に供するための施設、公の施設について、民間事業者等が有するノウハウを活用することにより、住民サービスの質の向上を図っていくことで、施設の設置目的を効果的に達成するため、平成15年9月に設けられたということであります。
本制度は、導入以降、公の施設の管理において、多様化する住民ニーズへの効果的、効率的な対応に寄与するところですが、地方公共団体においてさまざまな取り組みがこの間されている中で、留意すべき点も明らかになってきております。これまでの通知に加え、改めて制度の適切な運用を図るよう努めるよう昨年12月28日、総務省自治行政局長より、都道府県知事や議長、指定都市市長、議長あてに通知が出されております。
この通知は、2009年4月、草薙総合運動場体育館で、利用者が折りたたみ式のバスケットゴールに挟まれて死亡した事故、2010年6月にも、浜松市の県立三ケ日青年の家のボートが浜名湖で転覆し、中学生1人が死亡したことを受けているものと言われております。平成15年以降、全国的に公の施設が指定管理者に任されてきている中で、今回の通知は指定管理者への移行は慎重にとも受けとめられるわけであります。
そこで伺いますが、静岡市において指定管理者制度導入の時期及び現在の導入施設について、まず伺っておきたいと思います。
次に、清水区における生涯学習交流館について伺います。
生涯学習交流館は、以前は清水地域では公民館という形で利用され、教育委員会が管轄しておりました。その後、生涯学習交流館と名前を変えまして、現在の市長部局へと管轄もかわっております。
言うまでもなく、清水地域はこれまで公民館を中心としてまちづくりが進められ、現在もさまざまな講座を含めて、活発な活動が展開されている。こうした中で、生涯学習交流館を2012年より指定管理者制度へ移行するということが報道されております。
指定管理者への移行が持ち上がったのが、06年の区民懇話会での提言がきっかけと言われております。管理団体としては、地元の連合自治会ということであります。
質問の2点目は、生涯学習交流館に指定管理者制度を導入する理由、経緯と指定管理者選定の考え方及び他の政令市において、こうした制度導入がどのような状況になっているのか、伺っておきたいと思います。
中でも、今回の生涯学習交流館の指定管理については、新聞報道によりますと、地元連合自治会に業務委託ということでありました。指定管理者委託に当たっては、いろいろな団体、その内容に合った優れた団体に委託していくというのが、これまでの業務委託のあり方だと私は感じております。
今回、生涯学習交流館を自治会に業務委託するということでありますけれども、懇話会の中でも幾つか心配な点が指摘されておりました。協議の中では、利用者や職員から予算が厳しくなり、積極的に館独自の事業を行うのが難しくなるのではないか。運営のノウハウが継承できないのではないかなど、不安を訴える声も出されておりました。今回の生涯学習交流館の委託については、1つの団体に委託をするということでありますが、これは総務省の示しております業務委託に当たっては、複数の事業計画書を提出させるのが望ましいといった、こうした点からも幾つか問題を感じるわけでありますけれども、考え方について伺っておきたいと思います。
次に、買い物弱者対策についてであります。
高齢化や人口の減少等で、身近な場所からスーパー等が撤退し、買い物するのに困難になってきている人、いわゆる買い物弱者は全国的に約600万人とも言われております。
経済産業省も社会的に大きな課題となっている買い物弱者に対して、事業者等による対応の先進事例集とその工夫のポイントをまとめた買い物弱者対応
マニュアルを公表しております。そして、ことし3月にはその事例を拡充した完成版を公表すると予定がされているようであります。
経済産業省は、2010年の補正予算でも買い物弱者対策に取り組む事業者に、車両購入費に対し補助を創設いたしました。しかし、来年度の予算にはこの類似予算が盛り込まれていない、こういう状況だと聞いております。
買い物弱者対策は、民間事業者や住民だけでの対応では限界があります。行政を含めていろいろなところで支援策を検討することが求められております。私の住む地域でも、ここ数年、八百屋や肉屋、スーパー等が閉店し、高齢者を中心に買い物に困ったという状況が広がってきております。こうした買い物弱者に対する現状、市当局はどのような認識を持たれているのか、1点伺いたいと思います。
2点目は、静岡市としましても、新年度の予算に調査予算が計上されているようであります。調査の方法と今後の取り組み方について伺って、1回目の質問を終わります。
20
◯経営管理局長(深津 薫君) 指定管理者制度の導入時期と現在の導入施設についてお答えいたします。
本市では、平成15年に静岡科学館に指定管理者制度を導入したのを皮切りに、平成18年度には静岡音楽館、中央体育館など88施設に対して当制度を採用し、本格的に導入いたしました。平成23年2月末現在の導入施設数は209施設でございます。
以上でございます。
21 ◯生活文化局長(久朗津雅敬君) 生涯学習交流館に指定管理者制度を導入する何点かの御質問にお答えいたします。
平成17年9月定例会におきまして、施設の設置目的をより効果的に達成するため、生涯学習交流館の指定管理者制度導入につきまして検討をする旨の答弁をさせていただいております。平成18年3月に清水区区民懇話会から、清水区の生涯学習交流館を地元地域等の団体の管理にすることの提言がされており、これらを受け、指定管理者制度導入につきまして検討をしてきたところでございます。
本年度、指定管理者制度の導入につきまして、自治会などに対しまして説明会を開催して、全地区で御理解を得てきたものと思っております。
指定管理者選定につきましては、今後、指定管理者選定委員会を経まして、最終的には議会の議決により決定をいただくことになりますが、清水区におきまして、この選定に向けて、自治会主体の団体が設立されたことにつきましては承知をしております。
他の政令市の導入状況につきましては、指定管理者制度が5市、そのほか一部委託が2市ございまして、それぞれ民間活力を生かした取り組みをしているところでございます。
以上でございます。
22 ◯経済局長(鈴木 孝君) 買い物弱者対策に関する2点の御質問にお答えいたします。
1点目は市の認識についてであります。
買い物弱者については、昨年5月に経済産業省がまとめた報告書において、食料品等の日常の買い物が困難な状況に置かれている人々のこととされておりますが、いまだ明確な定義はなされていません。
本市におきましても、地域の商業環境の変化や高齢者のみで構成される世帯の増加などにより、都市部においても近隣での買い物が困難になる地域が、今後生まれてくる可能性があるのではないかと考えております。
現在、検討を進めております「商業都市しずおか戦略プロジェクト」においても、今後の検討対象の1つとして掲げているところであります。
続きまして2点目ですが、買い物弱者への支援策についての御質問であります。
買い物弱者対策については、昨年12月に国が買い物弱者応援
マニュアルを出すなど、取り組みが始まったところであります。本市におきましても、他都市の支援策の把握などの研究を行っていきたいと考えております。
以上でございます。
〔17番内田隆典君登壇〕
23 ◯17番(内田隆典君) 最初に、指定管理者についてであります。
静岡市も15年から導入がされ、現在209施設に指定管理者が導入されているということでありますけれども、生涯学習館に指定管理者を導入した理由ということで、17年の答弁とか懇話会で説明をして、意見が出され、自治会にも説明等して合意を得てきているという話が、今、局長からされました。確かに懇話会の提言とか自治会の説明、合意ということが話されたわけですけれども、すべての自治会の中で、指定管理者に合意をしてきているという状況ではなかろうと思っているんです。総務省の今までの考え方としても、自治会ありきという形を感じてなりません。そういう点で、私はこの問題をもう少し慎重にやっていくのがいいのかなと思います。
それで質問ですけれども、指定管理者の指定期間というのは、大体今の流れから見ていきますと3年とか5年ということで、一般的にやっているようであります。更新についても、指定期間中の総合評価として継続するのかどうかという検討に入ると思いますけれども、更新時における検討内容、新規導入時における市の考え方について、まず1点伺いたいと思います。
2点目は、指定管理者制度を生涯学習交流館に導入するという流れで話がされましたけれども、やはり、先ほど心配な点があると、議論の中で幾つかあったということであります。その1つは、今、生涯学習交流館で職員や委託の人たちが働いているわけですけれども、そうした職員の身分がどうなっていくのかということを、今、どのように考えているのかということと、指定管理者、今では担当課がチェックをしていると思いますけれども、これがどういう形でのチェックになるのか。
また、指定管理者になった場合、これまで以上に使いやすい施設にという言い方がされているわけですけれども、何をもってこれまで以上と言っているのか、その辺の具体的内容がわかれば、お話しいただければと思います。
次に、買い物弱者の対策についてであります。
私も買い物弱者に対する質問をする前に、いろいろな人から御意見を伺ったりだとか、高齢者の方からいろいろ心配事を聞きました。
そういう中で、先日、地域の自治会の皆さんの協力をいただいて、アンケートをとらせていただきました。ちょうど100人ぐらいの方からアンケートの回答が寄せられてまいりました。いろいろ質問をつくってみたわけでありますけれども、その中で出されたのは、買い物に行くには、今の時点ではそうは困っていないという人たちが33%おられました。また、特に今のところ困っていないが67%でした。こうした中で幾つか設問がありましたから、声が寄せられているわけでありますけれども、今のところは自転車等で買い物に行っているから大丈夫だと。しかし、70代に入るとかなり不安である。週に1、2回自転車でスーパーに買い物に行っているけれども、雨の日には行けないのではないか。深刻な回答が幾つか寄せられておりました。
買い物だけでなく、高齢者でありますから病院の通院等にも、バス路線の問題でもう少し充実してもらえないのかと、バス会社も経済的な理由があるからなかなか大変かと思いますけれども、もう少し利便性を考えてもらいたいという意見も出されていました。
今、買い物弱者問題は、全国の自治体で幾つか支援策が進められております。福井県では、高齢者が多く、移動販売が行われていないような地域を対象に、モデル事業として、食料品などの移動販売業者を支援する。車両購入費の3分の2を補助し、運転手の人件費を負担するという内容であります。大分市では、日常的に買い物に苦労している市内5団地で月1回朝市を業者に委託して開催するなど、このような企画がされているようであります。静岡市としても支援策について研究をすべきではないかと思いますけれども、考え方について伺いたいと思います。
それから、大型店の出店時における対応について、経済局長にお伺いしたいと思います。
私の住む清水地域においても、この5月の連休前にジャンボエンチョーを核としたかなり大がかりなスーパーが開店します。そうしますと、当然地域のスーパー等にも何らかの影響があるものと考えられますし、現在でも大型店の出店で、近所のスーパーが店を閉めるという状況も生まれております。現在の法律では、なかなかこれを規制するということはできませんから、事業者が店舗を開店するときには、関係地域に説明をする、渋滞や環境面でどうするのかという説明等は得られますけれども、なかなか難しい問題もあります。
そこで、私はこうした大型店が出店する場合には、ただ説明を受けるというだけでなくて、関係する業者の皆さんや商店街、それから地域の代表者の皆さんも入っていただいて、何らかの検討をする場を設けるようなことを、静岡市としても検討すべきじゃないかと思いますけれども、その点、当局の考え方について伺います。
24
◯経営管理局長(深津 薫君) 指定管理者の更新や新規導入時における市の考え方についてお答えいたします。
まず、指定管理者の更新に当たりましては、指定期間満了年度に実施いたします総合評価結果をもとに、再度当該施設の最適な管理形態等について検討及び検証を行い、判断をしております。
次に、新規導入時における考え方でございますけれども、指定管理者制度は、民間の専門性や経験を生かした事業の実施により、市民サービスの向上が期待できるなど、公の施設の設置目的を効果的に達成することができると認められる施設に導入されるものでございます。
一方、個別法により管理者が定められている施設のほか、将来計画や当該施設の設置目的、性質等を考慮し、指定管理者による管理が適当でないと認められる施設につきましては、市が直営で管理を行っております。
なお、平成23年度には32施設について更新を、2施設について新規導入を予定しております。
以上でございます。
25 ◯生活文化局長(久朗津雅敬君) 指定管理者制度導入後の生涯学習交流館の管理体制についての何点かの御質問にお答えいたします。
まず、指定管理者制度導入時の職員の身分につきましては、人事管理上の問題でございますので、今後検討をしてまいります。
それから、市民サービスコーナーの取り扱いにつきましては、この制度の対象事業ではありませんので、引き続き同様のサービスを提供してまいります。
制度導入後の管理運営状況につきましては、市が施設の管理状態、事業の内容などについて適切かどうか点検評価をしてまいります。
利用サービス向上についてでございますけれども、この制度は市が定める業務を誠実に履行するとともに、指定管理者が独自に事業の実施等について考えていくことが特徴の1つでございますので、今まで以上にサービス向上が期待されると思っております。
以上でございます。
26 ◯経済局長(鈴木 孝君) 2点の御質問にお答えいたします。
初めに、買い物弱者への支援策でございますが、先ほども御答弁申し上げましたように、本市におきましては、他都市の支援策の把握などの研究を行っていきたいと考えております。
2点目は、大型店の出店時に地域の声を反映させることができないのかとの御質問でございます。
今議会に提案しております静岡市商業の振興に関する条例案の規定に基づき、大規模小売店舗の設置者について、地域社会に貢献する活動を推進し、良好な地域社会の形成の寄与に努めることを求めているところであります。
大型店の出店においては、大規模小売店舗立地法に基づき、届け出から2カ月以内に地元での説明会の開催が義務づけられております。本市では、多くの市民の皆さんに、出店について意見を述べ、御理解をいただけるよう、説明会を周知する対象範囲を、他の指定都市の多くが店舗から半径1キロメートルとしているのを、半径2キロメートルと、より広範囲に設定しております。今後は、出店における説明会において、地域貢献等に係る意見交換が行われることにより、良好な地域社会の形成につながることを期待しているところでございます。
以上であります。
〔17番内田隆典君登壇〕
27 ◯17番(内田隆典君) 最初に、指定管理者制度についてでありますけれども、職員の身分については、今後、検討していくということでありますけれども、この間の総務省の通知等からも、やっぱりこの辺についてはきちんと身分や労働条件が下がらないようにという指摘がありますから、きちんとやっていただきたいと思います。
それから、複合施設における守秘義務についてということで1点伺いたいと思いますけれども、皆さん御案内のように、現在、住民票等の受け取りができるような生涯学習交流館もあります。それで、その館のレイアウト等もありますから、一般の職員と戸籍住民課から派遣された職員の皆さんが行き来をしているということで、守秘義務の問題がどうなるのかということが心配されます。あわせて、指定管理者制度ということになりますと、一層その辺の守秘義務について、きちんとしていかなければならないと思いますけれども、その辺についてどうお考えなのか、伺いたいと思います。
それから、今回、指定管理者を自治会にということでありますけれども、昨年の12月に総務省が通知した内容は、指定管理者制度は公共サービスの水準の確保という要請を果たす最も適切なサービスの提供者を指定するもので、価格競争による入札とは異なるとして、コスト削減のみを目的としないように求めていると、こういう言い方がされております。
あわせて、指定管理者が仕事を非正規職員に任せたり、自治体の直営時に比べて賃金を安くすることなどが問題視されているのを受け、指定管理者の選定に当たっては、労働法規の遵守や労働条件への適切な配慮がされるよう要請しております。
こうしたこの間の総務省の通知からしても、今回の生涯学習交流館の指定管理者制度は、この内容からもしても余りにも問題があるということを、私は感じております。もう少し慎重に進めるべきではないのかと。自治会の役員というのは、御案内のとおり、毎年とは言いませんけれども、数年で役員が交代をしていくわけであります。問題がないといいわけですけれども、問題があった場合、だれがそういう点での責任を果たしていくのかということも考えられます。
本来、医療や教育、文化といった行政が直接公的責任を負わなければならない分野に、指定管理者というのを持ってくるというのは、私は問題を感じております。
先ほども述べましたけれども、これまでも清水地域は、まちづくりの拠点として、生涯学習交流館が使われてまいりました。これからもそうなることを望んでおりますけれども、そういう点では、単に今度の生涯学習交流館が貸し館事業になるとは、私は言いませんけれども、安易な指定はそういうことになりかねないという危惧を覚えています。
確かに、清水地域の中でも、公民館によっては、本当にそこの自治会の皆さんが多額の寄附をして公民館をつくってきたという歴史もあります。いろいろ公民館によって違いがあろうと思いますけれども、そういう点を含めますと、私はもう少し生涯学習交流館の指定については、真剣に、慎重にやるべきだということを感じておりますから、改めてこの問題についての回答を求めておきたいと思います。
それから、買い物弱者の対策についてであります。支援策は、今から把握していきたいという経済局長の答弁でありますけれども、もう600万人を超える人たちが買い物弱者、買い物難民ということが現実に起こっている。そういう点では、把握をして支援策を検討していく時期じゃないかという感じをしております。ぜひ、そういう点でのスピードも上げてもらいたいと思います。
それから、もう一点、大型店に対する問題であります。これも局長は、他の政令市は半径1キロぐらいで説明をやっているけれども、静岡市は半径2キロで説明をしているということですが、説明は説明なんですよ。やはり、説明だけでなくて、私はそこの大型店が出店すると、大型店はいいですよ。しかし、そこで住む住民は一生ずっと住み続けるわけで、その大型店が出店することによって、地域のまちづくりや、ましてやスーパーや肉屋やこういうものが壊されてくるということだって危惧されているわけです。そういう点では、もう少し踏み込んだ対応を静岡市としてもするべきである。説明会だけでは不十分だと思っておりますから、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
28 ◯生活文化局長(久朗津雅敬君) 複合施設における守秘義務についてでございます。
業務における守秘義務につきましては、利用者に対して生涯学習交流館か、あるいは市民サービスコーナーの業務かの確認をしておりまして、相互に立ち入らないように配慮をしているところでございます。議員がおっしゃるように、事務室が分割されていないところも交流館の中にはございますので、今後はその部分の配慮をしてまいりたいと思っております。
それから、総務省の通知を踏まえた指定管理者制度の導入の考え方でございますけれども、この制度に係ります今回の総務省通知につきましては、従来の通知を取りまとめたものと受けとめております。したがいまして、清水区の生涯学習交流館の指定管理者制度導入につきましても、制度の趣旨に基づいて対応していくことと考えております。
以上でございます。
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29 ◯議長(石川久雄君) 次に、鈴木節子君。
〔4番鈴木節子君登壇〕
30 ◯4番(鈴木節子君) 通告に従い、2つのテーマで質問します。
最初に、非常勤職員の処遇について質問します。
非常勤職員には、その分野での専門的知識や能力、また経験を積んだ職員が多数配置されていますが、5年経過すると、いわゆる雇いどめによって雇用が打ち切られ、積み上げてきた能力や経験の損失が続いています。私は、市民サービス充実のために、雇いどめの解決を求める立場で質問します。
特に、市民生活と密接な3つの職種について伺っていきます。
まず、図書館の非常勤職員について。資料収集、利用者の高度で多様なレファレンスへの対応、書架の整理、図書館ネットワークなど、専門的で多様な能力が求められ、確実に市民要求にこたえています。この非常勤の図書館司書の役割、位置づけと評価を伺います。
次に、学校司書について。学校司書は来年度より12学級以上の学校から10学級以上へと配置校がふやされ、その役割は高く評価されています。子供たちへの本への意欲を引き出し、授業づくりにも貢献している学校司書の意義、位置づけと評価について、改めて伺います。
次に、消費生活相談員について。今の社会情勢のもと、詐欺や消費者トラブルなど、複雑化、高度化し、巧妙な手口に惑わされる事例も後を絶ちません。消費者の立場に立ったトラブル解決のため、専門知識を持ち、高度な交渉、説得の技術を持ち、実務に携わる消費生活相談員の意義、位置づけと評価を伺います。
次に、2つ目のテーマ、保育行政について質問します。
民主党政権のもと、社会福祉の分野は、介護保険をモデルとし、措置制度から契約制度に、従来の仕組みが大きく変えられようとしています。福祉を必要とする高齢者、障害者の次に子供まで儲けの対象に、企業参入を推進しようとするそのあらわれが、子ども・子育て新システムです。
新システムを打ち出した背景には、深刻な待機児解消の課題が迫っています。待機児は、全国で年度当初は2万6,000人、秋には1.8倍の4万6,000人にまで膨らみ、過去最高水準になっています。戦後最悪の不況のもと、生活のために働く母親が急増し、非正規職やパートに出るため待機児童が急増し、そのうちゼロ歳から2歳児に集中しています。
しかし、認可保育所はこの15年間で全国で250カ所しかふえず、反対に公立保育園は2,000カ所も減っています。待機児を解消するには、保育所増設こそすべきですが、定員の弾力化により子供たちは詰め込みで処理され、次に打ち出されたのが、この新システムです。導入された場合、子供たちの健全な育ちや保育はどうなるのかの観点から、質問します。
1点目に、市町村の保育の実施義務はなくなり、施設と保護者の直接契約になり、公的責任が大きく後退する問題です。現在は、児童福祉法第24条のもと、保育所入所から保育の実施、保育料の徴収まで行政が行う公的保育制度です。
これに対し、直接契約では、保育所探しは保護者の自己責任、入所できないのも保護者の責任となります。施設に応諾義務を課すと言いますが、施設に空きのない場合や、障害など困難を抱える子供は入園を断られることも明らかになりました。一人親家庭、虐待事例、障害のある子への行政の関与は、施設をあっせんするだけで責任はありません。保育が必要な子でも保障はされません。
2点目に、保育料負担は応能負担から応益負担になり、利用に応じ負担が増す問題です。負担能力にかかわりなく、利用時間に応じて保育料が決定され、上限時間を超えると保護者の全額自己負担となります。経済的負担で、低所得世帯の子供は入所できないおそれがあります。
3点目に、最低基準による規制の仕組みがなくなり、保育水準が低下するおそれがあります。新システムは、基準を満たしていれば企業参入も可能となり、認可、認可外問わずすべて給付の対象となり、広い園庭のある施設も、雑居ビルの一角の施設も同等に扱われることになります。
以上、3点の問題点を挙げましたが、児童福祉法と子供の最善の利益に照らし、現在の公的保育制度のもと、現状はどうなのか、そして新システムになった場合は、子供の育ちや保育が保障されるのか、本市の評価を伺います。
以上、1回目の質問です。
31 ◯教育次長(鈴木教之君) 非常勤職員の位置づけと評価についてお答えいたします。
まず、市立図書館の非常勤の司書でございますが、その位置づけといたしましては、司書としての専門性を発揮し、サービス業務全般にわたり正規職員と同様に、図書館の円滑な運営を行うために配置しております。
評価につきましては、以前に比べ図書館の司書資格の保有率が大幅に高まったことにより、市民サービスの維持向上につながっているものと考えております。
次に、学校司書でございますが、その位置づけといたしましては、現在、学校図書館法で定められた12学級以上の学校に任命された司書教諭の補佐として配置しているところでございます。
評価につきましては、学校図書館の書架等の環境整備が進み、子供たちがこれまで以上に学校図書館に足を運ぶようになったことなどが報告されております。
以上でございます。
32 ◯生活文化局長(久朗津雅敬君) 引き続き、消費生活相談員の位置づけと評価でございます。
位置づけにつきましては、高度の専門知識を有する特別職の非常勤職員でございまして、消費生活に関する資格を有している者を配置いたしております。この資格を有していることを条件に採用し、消費生活相談や
多重債務者相談にもっぱら従事をしていただいております。
評価といたしましては、有資格者としての能力を発揮して、法律上あるいは社会通念上の問題点があれば追及し、契約の全面解除や返金など多くの消費者被害の回復に成果を上げていると思っております。
以上でございます。
33
◯保健福祉子ども局長(寺前泰男君) 子ども・子育て新システムについて、市の現状と考え方についてでございますが、現在の保育制度は、保護者が市に申し込みをし、市が入所の決定を行い、保護者からは所得に応じた保育料を徴収しております。入所の決定の際には、生活保護世帯や一人親世帯などの支援が必要な方を優先し、保育料につきましては、国の基準により軽減して定めております。
また、保育施設の新規開設につきましては、最低基準を満たすだけでなく、市が開設場所や運営主体などについて条件を定めた上で募集を行い、認可してまいりました。
現在、国において検討されております子ども・子育て新システムにおける直接契約制度、応益負担、指定制度の導入については、社会的な養護が必要な被虐待児や障害児などの保育が適切に実施されること、低所得者の利用に配慮すること、客観的な指定基準により保育と教育の質が確保されることが必要であると考えております。
以上でございます。
〔4番鈴木節子君登壇〕
34 ◯4番(鈴木節子君) 今、御答弁いただきましたが、何とも感情の伴わないような答弁でしたので、2回目では少し感情移入して答弁いただきたいと思います。
非常勤職員について伺いますが、1点目に、能力向上の現状と方針について伺います。
司書も消費生活相談員も、それぞれの市民ニーズにこたえるため、専門的知識、ノウハウを深め、さらに能力を研さんするためには、研修などは欠かせません。その取り組みと今後の方針はどのようなものか、それぞれの職種で伺います。
2点目に、資格について伺います。1回目で答弁がありましたが、改めて伺わせていただきます。
図書館司書は、定員管理計画のもと、正規職を減らされましたが、市民サービスは低下させないというスタンスから、非常勤の有資格者を採用し、正規49人に対し、非常勤119人という状況です。書架の整理や市民のリクエストに即座にこたえる高度な能力を発揮し、市内どの図書館にも共通したサービス水準を維持しています。司書資格があってこそこなせる業務ですが、この非常勤職員は有資格者か、確認の意味で伺います。
学校司書の資格については、1998年の導入時は原則的には有資格者でしたが、現在は子供が好きで、司書教諭の補助として意欲的に活動できる人が条件となり、補佐業務というような形で資格要件は外されたままです。確認で伺いますが、学校司書の現在の資格要件をお聞きします。
消費生活相談員についてです。今の社会情勢のもと、さまざまな困難事例の相談も後を絶ちません。消費者の利益優先の立場で粘り強く対応し、助言、援助してくれる相談員は、有資格者でなければ成り立たない業務ですが、資格の有無を確認します。
3つ目に、雇用どめによる損失について伺います。
どの職種も専門的知識、能力、ノウハウの継続が必要です。図書館司書については、本市の図書館が1人当たり貸出数で全国でもトップレベルにあるのは、司書の努力のたまものでもあります。
しかし、5年という期限で能力を分断され、継続して発揮できないことに対し、再三、図書館運営協議会でも、市民からも解決を求める議論、要望が出されています。
また、学校司書は、過去2007年度に雇いどめの期限を迎え、過半数が退職、新規採用と多数の入れかえがありました。継続を希望する司書に対しても、機械的に5年で採用を切ることについて、保護者や市民団体から継続を希望する要望が相次いで出されています。
消費生活相談員についても、経験やノウハウを継続してこそ、より力が発揮できます。このような非常勤の雇いどめにより、能力が継続発揮できないことは、市民はもとより市にとっても大きな損失となります。当局はどのようにとらえているのか、解決すべきだとお考えなのか伺います。
次に、保育行政について、2回目以降は本市の待機児童解消策について伺っていきます。
本市の待機児童数は、1月1日付で257人、2007年度が150人、2008年度151人、2009年度159人、そして2010年度は257人と、1.7倍にはね上がっています。不況のあおりで、産休・育休明けの低年齢児でも、仕事に出る必要がある世帯がふえ、しかも所得は全体的に低くなり、入所、待機児とも所得が低くなっています。
質問の1点目に、入所児童、待機児童の年齢分布はどうか。また、保護者の所得階層はどのような特徴かを伺います。
次に、保育士について。年度途中で待機児を受け入れるには、保育士の確保がかなめとなります。年度途中で次々に非正規職を増員し、同じ仕事をしていても正規、非正規と収入、待遇に差があり、中には非正規がクラス担任という例もあります。今では非正規が保育を担っていると言っても過言ではなくなりました。
質問の2点目に、正規、非正規職の割合はどうか、伺います。昨年は、正規4に対し非正規6という割合でしたが、現在はどういう割合になっているのかを伺います。
また、正規職をふやす必要性については、どういう認識なのか、見解を伺います。
以上、2回目の質問です。
35 ◯教育次長(鈴木教之君) 非常勤職員の研修及び有資格者採用の現状、そして課題についてお答えいたします。
初めに、市立図書館の非常勤の司書でございますが、研修につきましては、非常勤職員の資質の向上とモチベーションの保持のため、職場内研修を計画的に実施するとともに、公共図書館を対象とした専門研修にも積極的に参加させております。
採用につきましては、司書資格を有していることを条件としております。
雇用期間が限定されていることにつきましては、業務に精通している中で退職となるという面がありますが、意欲を持った新たな司書資格所有者の採用にもつながることから、特に図書館運営に大きな支障はないものと考えております。
次に、学校司書でございますが、研修につきましては、経験豊かな先輩の学校司書を講師として、図書環境の整備の仕方を学ぶとともに、司書教諭と学校司書が協力している実践例の紹介などを行っております。
採用につきましては、司書資格の有無を条件としておりません。
雇用期間が限定されていることにつきましては、知識や経験が継続されないという面もありますが、子供が大好きで、コミュニケーション能力にすぐれ、意欲を持って学校図書館で働くことができる人材を採用していきたいと考えております。
以上でございます。
36 ◯生活文化局長(久朗津雅敬君) 消費生活相談員についてのお尋ねでございます。
まず、研修につきましては、国民生活センター、静岡県や本市が主催する専門研修などに、相談員全員が年8回程度参加する機会を確保し、関係法令や制度の専門的な知識及びカウンセリングや交渉力などの相談スキルの向上を図っております。
また、採用に当たっては、国民生活センター認定資格である消費生活専門相談員、経済産業大臣認定資格である消費生活アドバイザー、日本消費者協会認定資格である消費生活コンサルタントのいずれかの資格を有している者を採用しております。
雇用期間が限定されることにつきましては、キャリアを積んだ職員の退職により、相談業務のレベルの低下を招くことがないよう、採用においては経験年数のバランスに配慮をいたしているところでございます。
以上でございます。
37
◯保健福祉子ども局長(寺前泰男君) 入所児童、待機児童、保護者の所得の傾向についてでございますが、最初に保育所の入所児童につきましては、3歳未満児が増加傾向にある一方で、3歳以上児は減少傾向にあります。
待機児童につきましては、ゼロ歳児が最も多く約5割で、1歳児から3歳児までが約4割を占めております。
保護者の所得階層を見ますと、生活保護世帯及び市民税所得税非課税世帯が約2割、所得税課税世帯が約8割となっており、生活保護世帯及び市民税所得税非課税世帯の割合が、前年より増加しております。
次に、保育士の正規、非正規の割合についてでございますが、公立保育所の保育士における正規職員と非常勤嘱託職員の割合は、正規職員が約6割、非常勤職員が約4割となっております。保育所において必要となる保育士の数は、入所児童数や年齢構成により増減するため、正規職員に加え非常勤を雇用することで対応しております。今後も、正規職員、非常勤職員ともに必要な保育士の確保に努めていきたいと考えております。
以上でございます。
〔4番鈴木節子君登壇〕
38 ◯4番(鈴木節子君) 先に、非常勤職員について伺いますが、消費者庁は2月10日付で雇いどめに関した文書を、全国の都道府県知事と市区町村あてに出しています。
内容は、複雑化した消費生活相談の解決には、カウンセリング技術、粘り強い説得の技術が求められるが、知識は一朝一夕で身につくものではなく、不断の学習や継続的に相談実務に携わることによって初めて得られる。消費者行政の充実のために、非常勤である消費生活相談員の任用回数に制限を設けないよう求めています。また、任用回数撤廃に、法令上の問題があるわけではないともつけ加えています。
香川県は、この以前に、広範囲な法律知識と相談技法、長期間の勤務経験が必要な職種と位置づけ、定年まで更新回数の上限をなくしています。また、山形県も、採用が困難な資格と位置づけて、同様の扱いをしています。
このように、消費者庁みずからがいろいろな先進事例を発信し、ぜひ、この検討を全国でも進めるように、そうした文書を出しています。任用は自治体の判断ですが、本市もこのキャリアを積んだ有能な職員、この能力の喪失を食いとめるためには、雇いどめをやめる。そして、大いに能力を発揮できる環境を整えるべきです。その方針を伺います。
学校司書も、その役割が評価され、来年度からは配置が12学級以上から10学級以上へと、大きく配置校がふやされます。これは子供たちにも大変前進ですし、その評価がされたあらわれだと思いますが、前進と同時に能力の損失はやめるという決断をすべきです。配置校がふやされれば、経験を積んだ司書の存在はますます重要なかなめとなります。
また、図書館司書も同様に雇いどめを撤廃あるいは継続雇用できるような方策を講じることは可能です。例えば、保育園では、5年たったところで臨時職として採用する、1年間。そして、またその次に5年間非常勤として採用するというような工夫があります。ですので、それぞれの分野での雇いどめをやめようと思えば、十分にできるわけですので、その方策をぜひ考えていただきたいということです。
次に、保育行政です。産休や育休明けですぐに働きに出る必要のある世帯が急増し、待機児とカウントされない潜在的待機児も含めると、保育ニーズは急増しています。妊娠しての気がかりは、希望する保育園に入れるか。入れなければ仕事につけないという気苦労が、若い子育て世帯を悩ませています。
我が党の保育園を増設すべきという提案に対し、当局は国の動向を静観しているという消極的姿勢です。むしろ、今、必要なことは保育園の増設で、公的保育制度の充実を地方から発信することです。
質問の1点目に、待機児童が解消されないことをどのようにとらえ、分析するのか。また、保育ニーズが毎年高まっている、この保育ニーズの高まりにこたえるには、保育園増設こそ必要だと提起しますが、どうお考えかをお答えください。
次に、保育士確保策について伺います。
先ほど、正規と非正規の割合、6対4という答弁がありましたが、公立では4月当初、正規が536対非正規が1,020、1対2です。非正規が2倍という状況になっていますが、先ほどの答弁では逆になっていますが、その内訳は本当に正しいんでしょうか。さらに伺いたいと思いますが、今では非正規が保育を担っているという実態です。これで公的保育と言えるのかと、私は言いたいのです。
非正規では短期間の雇用となり、生活の安定にはつながっていません。正規の保育士として生活の基盤を安定させ、職場の同等のスタッフとして、保育の一翼を担う環境づくりが必要です。年度途中の入所は、データをつかんでいるのですから、一定の入所予想は可能です。年度当初から一定の正規職を配置するなど、正規職をふやすにはどのような手立てをとるのかを伺います。
最後に、子ども・子育て新システムについて意見を述べます。
今、弁護士会や保育団体から、大変危惧の声が上がっています。保育の行政の責任がなくなる、また、応益負担になる、こうしたことについては、むしろ、現行の保育制度を拡充すべきだ。そして、新システムについては反対という意見書が、全国では31の道府県議会で上がっています。また、政令市、一般市を含めますと150議会を超えて上がっています。
このように、子ども・子育て新システムについては、大変問題点がある制度ですので、問題点の本質をつかみ、静岡市としても子供たちの保育を保障できないような制度については、危惧の声を積極的に中央にも上げていくという姿勢を、ぜひ貫いていただきたいと思います。
児童福祉法第24条で守られている子供たちの子育て、それと保育の質、それと働く母親の就労支援、また子育て支援、こうした重要な役割を担っている保育行政については、しっかり公的な保育制度の拡充、そして保育園の増設、これこそが今、求められている課題ですので、しっかりとそうした要望にこたえていただきますよう要望いたしまして、質問を終わります。
39
◯経営管理局長(深津 薫君) 消費者庁発出文書への対応と非常勤職員の任用回数制限撤廃の御質問に対して、一括してお答えいたします。
消費者庁の発出した文書の内容につきましては、さまざまな見解や課題があると認識しており、その取り扱いにつきましては、慎重な対応をすべきであると考えております。
なお、本市の非常勤職員の処遇につきましては、これまで休暇制度の改善や、人員確保が課題である消費生活相談員等について、報酬の見直しを行うなど、処遇の見直しに取り組んできたところでございます。今後も非常勤職員の処遇につきましては、国や他の地方公共団体の状況等も参考にしながら、検討を続けていきたいと考えております。
以上でございます。
40
◯保健福祉子ども局長(寺前泰男君) 最初に、待機児童が解消しないことの分析と、保育所の増設についてでございますが、これまで保育所の増設や待機児童園を開設するなど、待機児童の解消に努めてまいりました。
解消しない要因としましては、経済状況の悪化や女性の社会進出意欲の高まりなどから、出産後間もない時期から仕事に復帰する女性が増加していることが考えられます。先般の寺尾議員の御質問にもお答えしたとおり、今後はこうした保育ニーズと照らし合わせて、施設整備も含めた待機児童解消策を、幅広く検討していきたいと考えております。
次に、保育士の正規率向上についてでございますが、正規職員は約6割、非常勤職員は約4割となっております。公立保育所におきましては、3歳未満児や障害児の入所者数が増加傾向にあることから、必要に応じて職員の確保に努めてまいります。
なお、新年度は正規職員を15名増員する予定でございます。
以上でございます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
41 ◯議長(石川久雄君) 次に、井上智仁君。
〔5番井上智仁君登壇〕
42 ◯5番(井上智仁君) 通告に従いまして、大きく3点、1つ目に東静岡駅周辺整備について、2つ目に交通政策について、そして、3つ目に
日本平動物園についてお伺いいたします。
初めに、東静岡駅周辺整備についてお伺いいたします。
先日の代表質問では、東静岡駅北部の市有地に関する質問がなされ、自民党牧田議員の質問に対する答弁では、東静岡地区の市有地について、昨年9月に「県・市東静岡周辺賑わい創出検討会議」を立ち上げ、南側の県有地も含め、同地区全体のにぎわい創出のために必要な施策や、導入していく機能、活用方法について、県、市の事務レベルの協議を行っているところであるとされ、新政会中山議員の質問に対する答弁では、今後、東静岡地区のにぎわいを創出し、世界に向けた新たな静岡の顔となるよう、同地区内の市有地についても立地すべき各施設の整備方針などのコンセプトを打ち出すため、県と市が連携・協力して、アリーナ機能の導入も含め、幅広い視点から調査・検討を進めていくと御答弁をされています。
これらの御答弁を聞かせていただいても、どうも本市がこの東静岡を中心としたまちを、どのようなまちにしたいのかがよくわからないと感じます。県は、学術を中心として文化・芸術等と連携を進め、学生を初めとする若者が集い、にぎわう学住一体のまちづくりを図るため、東静岡駅から有度山に至る地域のグランドデザインや、富士の国にふさわしい大学コンソーシアムなどについて、調査研究を進めていくと、目指すまちの姿を示しているのに対し、本市は目指すまちの姿を示していないように感じます。これでは、本市の主張がないまま、事務協議が重ねられていくこととなります。
駅北側にはこころの健康センター、急病センターの建築や、民間の大型ショッピングセンターの建設が示されており、まちの姿が少しは見えてきておりますが、区画整理が進められている南側に至っては、大型マンション群のみが目立つ状況です。
第2次総合計画では、東静岡駅周辺地区を副都心として位置づけているものの、この副都心の目指す姿、副都心に求めるまちの機能が不明確であるように感じます。
そこで、第2次総合計画において、東静岡駅周辺地区を副都心として位置づけた考え方はどのようなものなのか。そしてまた、東静岡駅周辺土地区画整理事業の整備状況はどうかをお伺いいたします。
続いて、交通政策について、まず、自転車利用について、静岡市自転車道ネットワーク整備計画に関してお伺いいたします。
自転車は、通勤、通学や買い物など、さまざまな目的で数多くの人々に利用されている便利で身近な交通手段であります。近年では、排ガスや騒音を出さない環境負荷の低い交通手段として見直され、また、健康志向の高まりなどを背景に、重要な交通手段として注目されております。
静岡市は、同規模の他の都市と比べて自転車の利用割合が高く、自転車の利用に適した環境ではありますが、現状では、自転車に関連した交通事故の発生も多く、自転車利用者が安全・快適に走行できる走行空間整備が不十分であると言えるでしょう。
このような状況の中で、静岡市では、平成13年度に葵区、駿河区エリアにおいて、自転車道ネットワーク整備計画、平成19年度には清水区エリアにおいて、自転車道ネットワーク基本構想が策定されました。
一方で、各区で整備計画を策定したため、快適な自転車走行空間の連続性が確保されていない状況となり、道路交通法の改正など、自転車の利用環境も変化してきました。
したがって、平成20年11月に合併した由比町を含めて、平成21年3月に安全かつ快適な自転車走行空間の連続性の確保及び自転車の利用促進を図るため、静岡市自転車道ネットワーク整備計画が策定されました。
また、積極的な自転車通行環境整備を展開するために、国土交通省と警察庁が合同で募集した自転車通行環境整備の規範となるモデル地区に応募し、静岡市清水駅前地区がモデル地区に指定され、平成20年には、自転車専用通行帯、自転車レーンの実証実験も行われております。
現在、自転車レーンの整備がさまざまな形で行われておりますが、市内全体を見回してみますと、連続性のないところが数多く見受けられます。
そこで、静岡市自転車道ネットワーク整備計画に基づく現在の整備状況、そして、清水区の自転車通行環境整備モデル地区で実施された整備内容、またそこから得られたことは何かをお伺いいたします。
次に、サイクルシェアリングについてお伺いいたします。
ここで、先進的にサイクルシェアリングに取り組んでいる富山市の事業を紹介させていただきます。
取り組みの具体的内容は、中心市街地の歩道上等の15カ所にステーション──自転車の貸し出しや返却拠点等の設備や自転車を配置し、自転車シェアリングが可能なシステムを整備、また自転車等の機器の清掃やメンテナンス、ステーション間の自転車台数調査作業等、設備設置後の事業運営を行うといったことです。
事業主体は民間事業者で、富山市の支援のもと、設備の整備を行い、機器に添加した広告による収入により、事業運営を行っております。
施策の開始前に想定した効果は、中心市街地の活性化、二酸化炭素の排出量の削減、交通手段の転換、数値目標では、自転車走行によるCO2削減量が年間146トンとされております。
運用を開始されてから4か月の時点では、703人が会員登録、またシステムの延べ利用回数は1万6,899回となっており、1日の利用回数は126回となっています。
また、導入実施に当たり、ステーションの視認性の向上等の利便性確保や、防犯のためにステーションの多くを歩道上に設置することにしたが、路上機器がある場所や歩行者空間が確保できない場所、電源が確保できない場所などがあり、場所の選定に苦慮した。また、ステーション設置に対し、警察、道路管理者、電力会社などの関係機関との調整に日数を要したなど、苦労した点とともに、ステーション等の機器の形状やカラーリングについて、都市景観を損ねないよう関係部署との協議を重ね、十分に配慮した。本事業の趣旨や利用手続等のサービス内容に対する市民の理解を深めるため、市の広報や市長記者会見をPRに活用するとともに、サービス開始時には、大々的にオープニングセレモニーを開催する等のPRを実施したなど、工夫した点も示されています。
そして、予算関連では、環境省による補助率10分の10、環境保全型地域づくり推進支援事業補助金として事業を行い、その補助額は1億3,500万とのことです。
静岡市においても、サイクルシティ・しずおか推進プロジェクトの中で、自転車利用環境の整備として、自転車道ネットワークの整備や鉄道事業者との連携したサイクルトレインの実施、サイクル・シェアリングシステムの検討、公共施設や集客施設等における適正な駐輪場所の整備を行うとしており、平成20年3月策定の、静岡市地球温暖化対策地域推進計画におけるリーディングプロジェクトに位置づけられております。
こういった中、本市においてもサイクル・シェアリングの社会実験を行ったと伺っておりますが、このサイクル・シェアリング社会実験の方式と結果、今後の予定はどうなのかを教えていただきたいと思います。
次に、バス交通について1点お伺いいたします。
先日の代表質問においても、バス交通計画に関するお話がありました。バス交通は、市民にとって最も身近な交通手段であり、市民生活において欠かせないものであります。
しかしながら、近年の交通事情の変化により、バス利用者は減少し、それに伴い、路線の廃止やダイヤの減少が目立ち、市民の足に大きな影響を及ぼしております。
先日の代表質問の答弁を伺っていますと、バス交通計画の大枠は、都市部ではLRTの導入も含めた大量輸送、中山間地ではデマンドバスの導入といった切り分けで進めていくといった方向性であると認識しております。
しかし、バスを最も必要とする交通弱者である高齢者や障害者は都市部に居住し、都市部においても大量輸送だけではなく、コンパクトできめ細やかな足を確保する必要があると思われます。都市部のバス交通を考えるには、さまざまな方向から検討を重ねていく必要があると思います。
当初予算における商業都市しずおか戦略プロジェクト事業の中で行われる買い物環境状況調査では、お買い物難民とも言われる方々の状況が見えてくるでしょう。それらの中から、商業者と市が連携した施策も検討されるかと思います。
また、福祉の分野から見ると、現在でもNPO法人等によるボランティア輸送、福祉有償運送の制度や、バスやタクシー利用に関する助成といった交通弱者への事業も行われております。
こういった各分野で行われる交通手段の確保を、点の事業で終わらせることなく、線の事業、そして面の事業にしていただきたい、すなわち各局が連携していく中で、新たなバス交通のあり方を考えていただきたいと思います。
そこで、バス交通計画の策定に当たり、全庁的な意見の集約を図る予定はあるのかをお聞かせください。
以上、1回目の質問です。
43
◯経営管理局長(深津 薫君) 東静岡地区を副都心とした考え方についてでございます。
第2次総合計画におきましては、活発な都市活動を支える快適で質の高いまちを都市基盤分野の政策の柱として位置づけ、地域の特色を生かしたコンパクトで持続可能な、にぎわいと交流、連携のある都市づくりを目指していこうと考えております。
具体的には、まちの顔となる都心、副都心を中核として、複数の地域拠点から成る集約型の都市構造を目指しているところでございます。
副都心として位置づけた東静岡地区は、静岡都心、清水都心の2つの都心を支えるとともに、両都心にはない文化、国際交流、スポーツなどの高次都市機能を整備し、国内のみならず世界に誇れる新たな魅力を創造する交流拠点として位置づけているところでございます。
このような分担により、都心、副都心それぞれが個性を磨き、その相乗効果の発揮により、都市活力を創出していくことで、都市全体の持続的な発展を目指してまいります。
以上でございます。
44 ◯都市局長(藤浪芳朗君) 初めに、東静岡駅周辺土地区画整理事業の整備状況につきまして、お答えします。
平成5年度から始まった本事業も終盤を迎えまして、24年度には土地区画整理事業としての基盤整備が完了する予定でございます。
22年度末の進捗状況は、事業費ベースで約90%、建物移転約99%を見込んでおります。
23年度予算の主な内容は、委託料が東静岡南北幹線、JR工事委託等23件20億500万円、工事費が東静岡南北幹線等29件8億9,000万円、補償費が建物等移転補償4件2億8,400万で、総額は35億9,500万円でございます。前年度比率で136%でございます。
土地利用につきましては、用途地域のほか地区計画で、核施設地区、商業業務地区など4つのゾーンを設定して、誘導を図っております。現状を見ますと、議員御指摘のとおり、マンション等の土地利用が目立っておりますが、これらは用途地域、地区計画の規定に適合しておりますとともに、将来的には設定された土地利用が図られていくものと考えております。
続きまして、サイクル・シェアリング社会実験の方式と結果、今後の予定についての御質問でございます。
本市で実施したサイクル・シェアリングは、JRの鉄道駅の付近におきまして、1台の自転車を利用時間の重ならない人同士で共用する方式で、平成20年度にはJR静岡駅、21年度にはJR清水駅で、それぞれ近接駐輪場を基地として、モニターにより再生放置自転車を利用して、社会実験を実施いたしました。
社会実験の結果、利用者の利用時間が重なってしまうことや、利用者のニーズに合った車種の提供、また、基地へ返還する必要があること、返還手続の煩雑さ等が課題でございました。
しかしながら、このサイクル・シェアリングは、1台の自転車を複数の利用者が共用することにより、自転車利用が効率化され、駐輪場不足対策や放置自転車対策にも効果を期待できることから、社会実験の結果を踏まえ、コミュニティーサイクルなど他都市の事例を参考にするなど、本市に適したシステムを調査研究してまいります。
続きまして、仮称バス交通計画策定について、全庁的な意見集約の予定の御質問でございますが、仮称静岡市バス交通計画は、国が制定する交通基本法や交通基本計画の制定状況を見据えながら、本市の公共交通の重要性を認識し、住民・事業者・行政の役割、地域別運行計画、中長期的な運行計画、バス路線網のあり方などを定めるものでございます。
計画策定に当たりまして、平成23年度に路線バスに関する関係法令、関連計画の整理、デマンド交通や過疎地有償運送など公共交通の特性、路線バスの利用状況などの基礎調査とともに、課題を整理し、交通計画の基本方針や目標を定めたガイドラインの策定を行う中で、関係課で構成する庁内検討会議などを設置し、バス交通にとどまらず、生活交通全般についても、全庁的な意見集約を図っていきたいと考えております。
以上でございます。
45 ◯建設局長(澤田幹雄君) 自転車利用に関する2点の御質問にお答えいたします。
初めに、静岡市自転車道ネットワーク整備計画に基づく現在の整備状況についてでございます。
本市は、全国的に見ても自転車の利用率が高く、自転車に関連した交通事故の発生が多いことから、既存整備路線に加え、平成20年度に新たに静岡市自転車道ネットワーク整備計画を策定いたしました。
同計画では、歩道内で自転車と歩行者が錯綜し、事故の危険性がある路線について、路肩に自転車レーンを設置したり、歩道上に自転車と歩行者のマークを張りつけ、歩行者と自転車との分離を促し事故を削減するため、平成21年度から6カ年で、延長約48キロメートルを整備することとしております。
また、整備状況は、22年度末で自転車レーンの設置を約4キロ、自転車、歩行者の分離を約3キロ、計7キロが完成し、進捗率は約14%となります。
なお、平成23年度は、県道静岡環状線、県道高松日出線、市道中町長谷通線及び市道丸子新田広野三丁目線の計4路線、延長約5キロの整備を進めていく予定でございます。
次に、清水区の自転車通行環境整備モデル地区で実施した整備内容と、その検証結果についてでございます。
平成19年度に、静岡市清水駅前地区が国から自転車通行環境整備モデル地区に指定され、平成21年度に自転車レーンの設置を2路線で1.3キロ、歩道上での自転車、歩行者などの分離を2路線で1.1キロ、合計4路線、2.4キロの整備を実施いたしました。
昨年秋に実施した事後調査の結果から、効果といたしましては、整備前には約9割の自転車利用者が歩道を走行しておりましたが、整備後は多くの利用者が自転車レーンを走行することとなりました。
また、課題といたしましては、本来車両と同じ方向に走行すべき自転車レーンを逆走する自転車が約1割あり、危険な状況であることや、整備区間が短いなどの意見が寄せられました。
今後は、逆走を防止するため、矢印を設置するなど、走行方向の周知に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
〔5番井上智仁君登壇〕
46 ◯5番(井上智仁君) 御答弁ありがとうございました。
2回目は、
日本平動物園についてお伺いいたします。
初めに、
日本平動物園の再整備事業についてお伺いします。
昨年の6月定例会では、
日本平動物園再整備計画について、来園者の増加に対するサービスの向上策、来園者数の目標、動物園の機能向上などについて質問をさせていただきました。
動物園の機能向上について、局長より、動物園に求められている機能としては、レクリエーション、自然保護、種の保存、動物に接することなどによる自然保護等の教育、調査研究であること。これらの機能の充実には、特に職員の専門性、資質によるところが大きいと考えられること。そのため、職員採用時においても、その専門性に配慮し、研修などあらゆる機会を通じて職員の資質向上を図っていくこと。また、施設の整備、事業展開に当たっては、市民目線に立つことを常に念頭に置き、より楽しく、感動していただけるような施策を打ち出し、市民の期待にこたえていくこととの答弁をいただいております。
日本平動物園の再整備においては、非常に力を入れていただいていると感じております。しかし、再整備するにはそれなりの投資が必要になっております。
そこで、改めて、なぜ再整備に踏み切ったのか、ぜひ、市長御自身から伺いたいと思います。
驚きと感動を一つのキーワードに、猛獣館299を初め水辺のフライングゲージなど、順調に整備が進んでいることと思いますが、来年度、平成23年度はどのような整備内容が予定されているのか。また、今後の整備見通しにつきまして、事業効果とあわせてお答え願えればと考えます。
また、施設の整備もさることながら、動物園の使命でもある種の保存事業の中核をなす繁殖事業についてお伺いします。
今年度は、平成22年7月19日生まれの双子のレッサーパンダ姉妹、シーとミウ、平成22年7月28日生まれの双子のアムールトラのメスのチャチャ、オスのフジ、平成22年9月13日生まれ、オランウータンのオス、クッキーなど、本年度は動物園に新たな命が次々と誕生しました。そして、注目されているのはホッキョクグマ、ロッシーのお嫁さん探しです。
日本動物園水族館協会は、浜松市動物園など全国8園が互いにホッキョクグマをレンタル移籍し、ペアを組みかえて繁殖を目指すプロジェクトに乗り出したとの報道が、先月ありました。
ホッキョクグマの繁殖に関しては、全国的にも問題となっております。本市においても、9月補正予算では、レニングラード動物園ホッキョクグマ繁殖プロジェクト技術指導費が計上されており、ホッキョクグマの繁殖には力を入れていると感じております。
そこで、最近話題になっているホッキョクグマのお嫁さん探しについてお聞かせください。
続いて、
日本平動物園の危機管理について、4点お伺いいたします。
1点目は、鳥インフルエンザ対策についてです。
昨年末から、各地で鳥インフルエンザの猛威の報道がなされております。先月、愛知県での高病原性鳥インフルエンザの発症に伴い、湖西市の移動制限がなされたことは記憶に新しいところです。
また、先月21日には、鳥インフルエンザが確認された17道県のうち、富山、兵庫、山口の3県では、動物園などの飼育鳥類だったことから、環境省は、動物園で鳥インフルエンザが発生した場合の対策指針を、今年度内にも策定する方針を明らかにしております。
先ほどの再整備計画でも触れましたが、
日本平動物園では、本年春には日本最大級の水辺のフライングゲージが誕生いたします。新たな鳥類もこのフライングゲージに入るといったお話も聞いております。また、フライングゲージの東側に位置する野鳥の森は、多くの渡り鳥も生息しております。
こういったことからも、
日本平動物園における鳥インフルエンザ対策は急務となっていると考えますが、どのような対策をとられているのかをお伺いいたします。
続いて、本年度発生したローラースライダー事故と爬虫類館天井落下事故の2件の事故についてお伺いいたします。
昨年9月10日に、ローラースライダーで、男児が足の骨を折る重傷事故が発生、その後、市の調査で2005年にもスライダーを滑っていた女児が足首を捻挫していたことが判明したとの報道がありました。設置当初より、全長390メートルの日本一長いローラースライダーとして、高い人気をもっていた遊具だけに、非常に残念でありました。
安全対策が確立できたとして、平成22年10月23日より利用を再開しておりますが、今後の再整備計画の中で、新たな遊具も設置されることから、それらの安全性も気になるところであります。
また、本年1月21日、ワニやヘビを飼育している爬虫類館の観覧者通路である中2階の階段の天井、縦1.8メートル、横90センチの石膏性ボード1枚が床に落下しているのを、出勤した職員が発見したとの報道がありました。開園前の事故であったため、けが人は出ませんでしたが、この爬虫類館は昭和48年11月に完成した古い施設で、新たな爬虫類館が完成する直前の事故でもあり、他の老朽化した施設の状況はどうなのかも懸念されます。
そこで、ローラースライダー事故と今後の新設される遊具への対応、そして爬虫類館天井落下事故と老朽化設備への対応について、御答弁をお願いいたします。
最後に、再整備工事における動物への影響についてお伺いいたします。
現在、再整備工事が行われている中で、動物園内の環境が大きく変わっております。動物によっては、わずかな環境の変化でも体調を崩したり、死に至る場合もあると伺っています。工事による騒音等も、動物たちへの大きなストレスとなっているものと思われます。動物のストレスが思わぬ行動を起こし、来園者に迷惑をかけるといったことも想定され、動物たちへの配慮も必要であると考えます。
そこで、再整備工事における動物への影響について、どのように考えているのかをお聞かせください。
以上、2回目の質問とさせていただきます。
47 ◯市長(小嶋善吉君)
日本平動物園のことについてお答えいたします。
日本平動物園は、昭和44年、子供たちの1円募金と市民の熱い思いにより開設されまして、大変喜んでもらってきましたが、開園から40年がたち、老朽化が進み、開園当時は80万人を超えていた入園者数が、近年は40万人台に低迷してきたことから、動物園を何とかしなければならないと、実は市長就任当時からみんなに言われてきまして、ずっと考えておりました。
平成15年に合併いたしましたときに、実はそのときはまだ合併特例債の適債事業にならないだろうと思っていたんですが、たしか平成17年ごろだと思います、国といろいろ折衝しましたら、いいということになりました。それで合併特例債10年間でありますので、平成24年度までに整備を終わるには、いつスタートするかということで考えまして、平成19年度から平成24年度の6年をかけて、合併特例債をフル活用して、再整備をしようと決意をして、準備をしてきたところでありまして、現在、順調に来ているというふうに思います。
特に、猛獣舎は耐用年数もかなり過ぎていますので、地震が来て猛獣が出たらどうしようかということは、実はずっと言われていたんです、就任当時からですね。そんなこともありまして、どうせ耐震補強したり何かするならば、全面的に、できれば旭山動物園を上回るものをつくろうと、職員と相談をしてといいますか、互いに決意して、実はこの準備にずっと取り組んできたということを申し上げておきたいと思います。
ただ、ロッシーが来て、猛獣館299が完成したときに、一生懸命やってくれた職員が亡くなりまして、本当に今でも心が痛みます。この前、レニングラード動物園の園長も来ていただいたときに、お墓参りまで行ってくれまして、そんなこともありました。
来年度は、レッサーパンダ及びペンギンの展示館などの整備をし、平成24年度には類人猿舎の建設や園内整備を行いまして、動物園全体をリニューアルし、グランドオープンとなります。現在、開園しながらの工事ということで、来園者の皆さんには大変迷惑をかけておりますが、すべてが完成すればすばらしい動物園に生まれ変わると思いますので、ぜひ御期待をいただきたいと思います。ロッシー人気や新しい展示方法などを工夫いたしましたので、開園当時の80万人程度の来園者が見込まれるものと思っております。
なお、繁殖についてですが、これも動物園の大切な使命でありまして、積極的に取り組んでおり、今年度はオランウータンやアムールトラ、レッサーパンダなどの希少動物も繁殖に成功し、大変人気を集めております。私は、
日本平動物園の飼育職員は偉いというふうに思っていますので、また褒めてやっていただきたいというふうに思います。
ロッシーは、大人になるまであと2、3年の期間がかかりますが、お嫁さん探しにつきましては、ロッシーをお借りしているレニングラード動物園の協力を得ながら、今後積極的に進めていきたいというふうに思っております。いろいろ考えてくれているようであります。ロッシー君の血統ですね、ホッキョクグマもたくさん全世界にいるわけですけれども、彼の血統とか、その血統から合ったところをどうしても探したいということで、いろいろ考えてくれているようであります。レニングラード動物園は、完成して百何十年たって、もうホッキョクグマの飼育では非常に長い歴史、技術を持っているところでありますので、期待をいたしております。
ロッシーが来園した経緯は、実はこれはさかのぼると2002年のサッカーワールドカップにおきまして、静岡がロシア代表チームのベースキャンプになりました。トレセンでキャンプをしたんですが、実はそれがもとでして、そのキャンプ地となったことから文化交流が始まり、エルミタージュ美術館展もその流れで開催されました。エルミタージュ美術館の館長からレニングラード動物園を紹介してもらって、私は行きまして、それでロッシーが来たということでありまして、まさにスポーツ、文化の交流が非常に進んできたということです。今後ともその流れを、関係を大事にしていくことが大切かなというふうに思っております。
あと丸2年ですべて完了いたしますが、子供たちが来てくれて、子供たちの笑顔で埋め尽くされるように、期待をしております。
以上です。
48 ◯生活文化局長(久朗津雅敬君) 動物園の危機管理の4点の質問にお答えいたします。
まず、鳥インフルエンザ対策でございますけれども、皆さん御承知のように、野鳥が飛来してインフルエンザになるというような状況ですので、予防対策というのが主になります。近隣で鳥インフルエンザが発生した場合には、鳥類につきましては、野鳥との接触のないような環境に収容していきたいというふうに考えております。来園者に対しましても、入退園時の薬液マット踏み込みや、薬用石けん液による手洗い励行を呼びかけまして鳥類を飼育しているゲージ近くには立ち入らないようにするなど、感染リスクに配慮をしていただきたいというふうに思っております。
現在の予防対策でございますけれども、通常の予防対策といたしましては、動物園職員には、常日ごろからすべての感染症に対する薬用石けん液による手洗い、消毒槽踏み込みを実施しているところでございます。
続きまして、ローラースライダー事故と今後の新設される遊具への対応でございます。
昨年9月のローラースライダーによります幼児骨折事故を教訓といたしまして、遊具の安全管理
マニュアルを策定し、施設の利用方法並びに施設係員の対応を含めて、万全の体制を図り、利用を再開しております。今後も安全管理の徹底に努めてまいります。
また、新設される遊具につきましても、子供中心の遊具を配置いたしますことから、より安全なものを選定し、関係法令等に遵守した設計、施工管理を行い、遊具設定に際し、
マニュアルを作成し、これに基づき運営業務に従事する職員に十分な教育を行い、対応していきたいと考えております。
次に、爬虫類館天井落下事故と老朽化設備への対応でございます。
施設管理としましては、定期的な点検を実施しておるところでございますが、本年1月に爬虫類館で起きました天井ボードの一部落下事故は、施設の性質上、大量に水を扱うため、温度差により生ずる結露によりまして、天井仕上げ材の劣化が進んだものと考えられております。
観覧者の安全を確保するため、早急に補修工事を実施いたしまして、既に観覧を再開しているところでございます。
また、あわせて大量の水を使う他の展示施設につきましても、緊急の点検を実施いたしまして、深刻な箇所については修繕をいたしたところでございます。
なお、この施設につきましては、新年度には新爬虫類館がオープンする予定でございます。
老朽化設備への対応につきましては、再整備計画に基づきまして、平成24年度までには改築あるいは改修を行ってまいります。今後も定期的な維持修繕を行って、今回のような事故のないように配慮してまいります。
再整備工事における動物への影響でございます。
開園しながら対応することから、動物や来園者を含めまして、影響が最小限に抑えられるよう、工事の進行管理や工法の選択等につきまして、最善の方策をとっているところでございます。
そのほか、特に音などに敏感な動物に対しましては、工事現場とは離れたバックヤードに収容するなどの配慮をして、対応しているところでございます。このような対応をしていることから、動物への影響は少ないものと考えております。
以上でございます。
〔5番井上智仁君登壇〕
49 ◯5番(井上智仁君) 御答弁ありがとうございました。市長、ありがとうございました。
3回目は、要望、意見とさせていただきます。
まず、東静岡駅周辺についてですが、どんな箱をつくるかではなく、どのようなまちをつくりたいかをはっきりさせた上で、必要であれば箱をつくるといった方向を示してもらいたい。例えば、北側に急病センター、南側には民間の病院もあることから、医療と福祉のまちにしようとか、登呂遺跡や日本平、久能山といった施設へのアクセスのよさから、観光の玄関口といった考え方、また、県の大学コンソーシアム構想を受け、学問と文化のまちであるとか、現状の南側の開発状況をかんがみて、都市的な居住空間の創出といったコンセプトを立てるのもよいでしょう。
民間の開発は既に始まっています。今さらまちのコンセプトを打ち出しても遅いのかもしれません。しかし、市としての意思を早急にしっかりと示していただきたいと思います。
そして、交通政策についてです。
自転車利用についても、バス交通についても、本市では所管が異なる施策の連携がいま一歩であると感じます。
例えば、昨年会派で視察を行った金沢市では、金沢市まちなか自転車利用環境向上計画を作成し、「はしる」─自転車通行空間整備、「つかう」─自転車利用促進、「とめる」─駐輪環境整備、「まもる」─ルール・マナー向上を掲げ、1つの計画をつくり上げています。
本市では、自転車道整備は道路保全課が、駐輪場は交通政策課が、マナーは市民生活課が所管となっており、自転車利用に関して政策が一本化されておりません。本来は、まちづくりという観点から総合的に交通政策を考えた上で、さまざまな交通政策のあり方、そして、それらの施策が所管をまたがっているものであれば、それをまとめ上げる体制を構築していかなければならないと思います。そういった意味で、全庁的な対応が必要なものは、綿密な連携をとっていただきたいと要望します。
最後に、
日本平動物園については、昨年6月定例会でも申し上げましたが、私と同級生であることもあり、非常に思い入れの強い施設です。現在の再整備計画に大きな期待を持っております。来園した皆さんが感動し、来てよかった、もう一度来たいと思えるようなものにしていっていただきたいと思います。そのためにも、園内の危機管理はしっかりとしていただきたい。
今回、質問には取り上げませんでしたが、あわせて園内のレストランや売店に関しても、魅力あるものに仕上げていってもらいたいと思っています。例えば、レストランでは、子供たちの食育といった観点や、市外からの観光客に対して静岡をアピールするためにも、地場産の食材を用いたメニューや、静岡独自のメニューを取り入れたり、売店でも
日本平動物園でしか買えないようなオリジナル製品の開発などにも取り組んでいってもらいたいと考えております。
以上で、すべての質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
50 ◯議長(石川久雄君) この際、暫時休憩といたします。
午後0時7分休憩
───────────────────
午後1時10分再開
51 ◯副議長(栗田裕之君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
総括質問を続行します。
次に、工藤公彦君。
〔8番工藤公彦君登壇〕
52 ◯8番(工藤公彦君) どうも、こんにちは。工藤でございます。
今回は、教育、環境、都市問題、防災、広報活動について質問させていただきます。最後の意見、要望のところで、重要なことがたくさん詰まっていますので、最後までよろしくお願いいたします。
今年度もいよいよ最終月を迎えました。昨年の夏の猛暑、年末からの寒さ、静岡市には珍しく雪も降りました。気候が異常であるばかりでなく、政局も異常事態が続いており、市民の生活も困窮をきわめていると言わざるを得ません。
そのような世の中だからでしょうか、西方の首長選挙では、あと先を考えない耳障りのよい言葉を掲げる候補者が当選し、さらに市民生活を混乱に追い込んでいるかのように思います。
本市においては、長年安定した市政を築いてくださった小嶋市長が退任されることになり、新しく市長を選ぶことになりました。小嶋市長におかれましては、市民参加型のまちづくりに御尽力いただきまして、ありがとうございました。私の関係するところでは、静岡まつりを市民参加型に育てていただきまして、また、私が議員になる前の、私が所属していた市民グループが不眠で討論した静清合併及び政令指定都市への移行という偉業をなし遂げられましたことに、心より感謝申し上げます。思い出すと感無量になってしまいます。本当にありがとうございました。そして、お疲れさまでした。残りわずかになりましたが、任期いっぱいまで本市のために御尽力いただきたく、さらに、今後の静岡市をも見守っていただきたく、お願い申し上げます。
さて、通告に従い、質問をさせていただきます。
現在の日本は、政局不安定、経済不況、犯罪多発など、市民生活を脅かすことばかりで、さらに、俗悪なインターネット配信や青少年に悪影響を及ぼすテレビ番組や書籍のはんらんなど、子供たちにとってはよい夢など見ることができないさまであります。このような世の中で育つ子供たちは、精神的に非常に不安定になり、発達障害がある子供がふえています。
今回は、将来の静岡市の宝でもある子供たちの環境、特に、行政に大きな役割のある教育環境について質問させていただきます。
特別支援教育の大切さについて、そして、行政の支援制度につきましては、11月の定例会で、公明党の井上智仁議員が詳しく質問されております。さらに、今回の代表質問で、同じく公明党の馬居議員が取り上げてくれましたので、今回、私は確認の意味も込め、改めて現状と今後について、現場の生の声をお伝えしつつ、具体的に質問させていただきたいと思います。この問題の重要性を再度確認しつつ、具体的にお答えいただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
まずもって、当局の皆様におかれましては、このたびの来年度予算では、問題解決に向かった予算を計上していただき、感謝申し上げます。
それでは、大項目の1つ目は、特別支援学級の教職員、支援員についてです。
まず、特別支援学級の実態について、3つお伺いいたします。
1つ目、文部科学省では、8名の児童生徒まで1名の担任、1年から6年までいても1名の担任と定めています。本市においても、1人の担任に対する児童数は、文部科学省の規定に従って配置されているとのことですが、実際の現場の声を聞きましたので、御紹介いたします。
以前に、特別支援学級の教職員が校長の判断で通常学級へ異動してしまっていることや、特別支援の免許を持っていても、通常学級に配属されていることなどを聞きました。教職員の配属の問題とは別に、児童生徒の実態も聞きました。児童生徒は、障害の程度や種類がさまざまで、さらに、肢体不自由児童が在籍する場合、すべての生徒に目が行き届かないこともあること。女子生徒の対応を男性教師が行っていて困ることがあること。ほかに、例えば高学年が校外学習を行うとき、8名の児童に1人の教師では、学校に残された生徒たちが困っていることなど、多くの問題があると聞きましたが、実際、どのように実態を把握されているのでしょうか。
2つ目、さきにも述べましたが、社会環境の悪化から、発達障害のある子供がふえていますが、市内全体を見ると、知的障害と自閉症、情緒障害の両方を対応できない学校があることや、特別支援学級が設置されていない学校もあります。
また、特別支援学級が設置されている中学校の数は、さらに少なくなっています。中には、バスの経路から一度新静岡センターまで行き、乗りかえしてほとんど戻るような行程で通学している生徒もいると聞いています。
そこでお伺いいたします。通学の実態に合った学区割をしているのでしょうか。
3つ目、このような実態を回避するために、中学校に特別支援学級が設置された学校をふやす考えはないのでしょうか。
次に、特別支援学級の市費支援員の充実について、4つお伺いいたします。
来年度予算の説明をお伺いし、来年度は97人であった市費支援員が129人に、32人増員していただくということで、ありがたく思います。ただ、現状を見ると、このままでよいのかと疑問の残ることがありますので、質問させていただきます。
1つ目は、市費支援員の就業日数と時間についてです。市費支援員の就業時間及び日数をふやすことは考えていないのかです。登校時から下校時まで市費支援員が学校にいるようにすることはできないのでしょうか。現在の市費支援員の就業日数は、年間160日、1日4時間と決められており、来年度の市の募集要項もそのようになっています。
さきに現在の問題をお話ししましたが、生徒の安全等は市費支援員がいれば解決できることが多くあります。生徒は、年間210日、1日6時間以上学校にいますが、市支援員を1日2交代制にすることなど、方法はあるのではないかと思います。
2つ目は、教職員及び市費支援員の配置についてです。年度途中で通常学級にいた児童が特別支援学級に移ったり、転校してきたり、特別支援学級の人数がふえることがありますが、年度途中での児童数の変化に対応できる教職員及び市費支援員配置について、どのようにお考えでしょうか。
3つ目は、端的に今後も市費支援員をふやしていく考えはあるのかです。社会環境の悪化などから、今後も発達障害を持つ子供がふえることが予想されています。その子供に即した特別支援教育を受けさせてあげられれば、社会に適応できるようになるばかりか、秘めたる無限の可能性を伸ばし、社会で自立することもできます。教員の増員はなかなか難しいことですが、市費支援員を増強することにより、円滑に特別支援教育が遂行できると思います。
ここまでを第1回目の質問といたします。御答弁、どうぞよろしくお願いいたします。
53 ◯教育長(高木雅宏君) 特別支援学級についての御質問にお答えしたいと思います。
初めに、実態把握をどうしているのかという質問でございます。学校教育課と教職員課の職員が、それぞれすべての小中学校を毎年訪問し、授業参観を通して特別支援学級の教員の指導方法や、子供の実態を把握しております。その際、担当職員との面談もあわせて行い、特別支援学級の課題等についても、実態把握を行っております。
また、校長とも随時連絡をとり合い、児童生徒の状況や保護者からの意見、要望等に関する情報収集にも努めているところでございます。
続きまして、通学実態に合った学区割はされているのかという御質問でございます。
特別支援学級の通学区域の設定に当たっては、通学の安全性、利便性を配慮し、通常学級の通学区域との調整を図りながら、静岡市立小学校及び中学校通学区域審議会に諮問し、答申を得て設定をしているところでございます。
特別支援学級が設置されていない学校については、近隣の特別支援学級設置校が基本的に通学区域となっております。しかし、学区境等においては、他の学校のほうが通学しやすい場合もあります。その場合は、通学しやすい学校へ変更ができるよう、指定学校変更制度を設けておりますので、児童生徒の個々の通学実態に合うよう、柔軟に対応しております。
3つ目です。中学校の特別支援学級をふやす考えはどうかということでございます。
本市の中学校の特別支援学級は、平成17年度には25学級でありましたが、年々その拡充を図り、来年度は本年度より2学級ふえ、41学級となる見通しでございます。
特別支援学級の新設には、学級編制権を持つ県の同意を得る必要がありますので、今後も県との連携を十分にとり、特別な支援を必要とする子供の実態に即して、申請をしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
54 ◯教育次長(鈴木教之君) 特別支援教育支援員に関する御質問にお答えいたします。
まず、市費支援員の就業時間と日数についてでございますが、市費負担による特別支援教育支援員の必要性や重要性につきましては、十分に認識をしております。
そこで、来年度は、これまでより支援員の年間配置日数を160日から175日にふやす予定でございます。
また、支援員は1日4時間の勤務を原則としておりますが、学校行事や児童生徒の生活実態に応じて、柔軟な対応ができるようにしてまいります。
次に、年度途中の児童数の変化に対応できる教職員支援員の配置についてでございます。
静岡県においては、4月当初の学級編制基準日に学級数が確定することとなっております。その後に児童生徒の転入等があり、編制基準の人数を超えることがあっても、学級がふえたり、教員が増員されたりすることはございません。
しかしながら、特別な支援を必要とする児童生徒が転入することなどで、緊急にその対応が必要となることがございます。このような場合には、予算の範囲内において支援員が配置できるように努めております。
次に、今後も支援員をふやしていく考えはあるのかという御質問でございます。
今回の支援員の大幅な増員は、平成23年度以降の特別な支援を必要とする子供の状況を見据えたものであります。今後も、引き続き子供たちの状況把握に努め、より適切な支援員の配置となるよう、検討してまいります。
以上でございます。
〔8番工藤公彦君登壇〕
55 ◯8番(工藤公彦君) 御答弁ありがとうございました。
財政状況が非常に厳しい折、当局の皆様におかれましては、御努力してくださっているということで、若干安心しましたが、実際に生の声をもっともっと聞いていただいて、今後とも引き続き努力していただきたいと思います。今後は、政令指定都市としての気概を持って、県に対しても積極的に働きかけをしていっていただきたいと思います。
それでは、大項目の2つ目の質問に入らせていただきます。
自転車利用環境整備モデル都市、エコサイクルシティーについてお伺いいたします。
まず、自転車道ネットワーク整備についてお伺いいたします。静岡市は、平成21年3月に、静岡市自転車道ネットワーク整備計画を策定しました。進捗状況につきましては、先ほど井上智仁議員の質問でお聞きしましたので、私は具体的なことについてお伺いいたします。
静岡市自転車道ネットワーク整備計画における整備路線選定の考え方についてお伺いいたします。
平成20年11月に、清水区において、自転車レーンの実証実験も行われました。実態を見ますと、自転車による通行が非常に多いにもかかわらず、自転車レーンや自転車道併設の歩道が整備されておらず、非常に危険な状態の道路があります。
例えば、静岡浅間神社周辺の歩道及び長谷通りがそれに当たります。静岡市の高校生の8割が自転車通学をしていますが、この地域は、高校生の通学路としての利用が非常に多いにもかかわらず、自転車レーンがないばかりか、歩道も非常に狭く、人間が1人歩くことでいっぱいになってしまうような歩道の幅員しかありません。
また、静岡環状線の安倍町交差点からお堀を周り水落交番までや、国道362号山崎から羽鳥地域も自転車の通行だけでなく、自動車の通行量も多く、自転車を利用している人たちばかりでなく、歩道を歩いている人たちも危険にさらされて、交通事故も多発しています。
自転車関連の交通事故に関しましては、同整備計画書に詳しく載っていますが、その件数には驚かされます。葵区の中部や東部には高校が集中しています。現在だけでも、県立静岡高校、県立城北高校、県立静岡東高校、市立静岡高校を初め10校の高校があります。加えて、ことしの4月からは、静岡学園が加わり11校になり、大変な事態に陥ることが予想されます。
整備概要を見ますと、短期、中期、長期の3つに分かれていますが、このような地域に関しては、たとえ自動車レーンを一方通行にして1車線減らしても、自転車専用レーンを設ける必要があり、早急な対応が必要であると思われます。23年度の当初予算では、静岡環状線東草深地域に予算計上されていますが、このような実態を考慮し、お答えください。
次に、駐輪場の整備についてお伺いいたします。
同整備計画書によりますと、市営駐輪場は、鉄道駅を中心に29カ所整備されているとのことですが、中心商店街付近の駐輪場のほとんどが地下駐輪場であり、自走式で地下まで下りなければならず、利用しにくい状況と言えます。よって、呉服町通りの歩道には、駐輪禁止にもかかわらず、違法駐輪の自転車があふれています。それらの自転車を排除すべく、違法の張り紙や強制撤去をし、いたちごっこが繰り返されています。マナー違反と言えばそれまでですが、行政として市民が利用しやすい駐輪場を設置することを考えなければならないと思います。
そこでお伺いいたします。地下駐輪場の再整備について、どのように考えているのか、お伺いいたします。
3番目の大項目は、東海地震の際の対応準備に関しての具体的な質問です。
去る2月22日、ニュージーランドのクライストチャーチで、マグニチュード6.3の大地震が起こってしまい、多くの方が死傷されました。お亡くなりになられた多くの方の御冥福をお祈り申し上げますとともに、負傷された方々の回復と一刻も早いまちの復興をお祈り申し上げます。
さて、先日、安西学区におきまして、東海地震を想定した第2回目のトリアージ訓練を、安西小学校のPTAの主催で行いました。実際に地震が起きたときのけが人に対する質問や、けがの程度を判断し、応急処置で済むか、病院に搬送しなければならないか見きわめ、訓練に協力していただいた厚生病院まで、担架でけが人役を搬送し、諸問題を探し出しました。
なお、城北学区においては、過去5回、県立総合病院と合同で、1,000人以上参加して訓練を行っているとのことです。
そこで、実際に東海地震が起きたときのために、行政としての対応準備を確認しておかなければならないことをお伺いいたします。
まず、避難場所となる学校施設について、2つお伺いいたします。
1つ目は、学校施設の中には、災害が起きたときでも使用できない施設があると思いますが、市立学校において、災害時に使用できる施設の範囲は、明確に決められているのでしょうか。
2つ目は、災害が起きたとき、市立学校の施設だけでは足らず、私立の学校施設を使うことが考えられますが、私立学校と避難地、避難場所等に関する協定を締結しているのでしょうか。また、その利用可能な施設の範囲は決められているのか、お伺いいたします。
次に、災害が起きた際の防災危険情報についてお伺いいたします。
現在、防災危険情報は、市立の学校は即時に配信されていますが、災害情報等の緊急情報が私立の学校などにも配信されているのでしょうか。
中項目の3つ目は、自治会への対応です。
1つ目は、市は自主防災組織内の役割分担などの体制を把握しているのか、お伺いいたします。トリアージ訓練を行い実感しましたが、役割分担を決めなさいという指導だけでは、実際には機能しません。東海地震の起こる可能性が高まる中、実際に機能するよう、
マニュアル等を決め、指導する必要があると思います。
2つ目として、市は同じく自主防災組織の災害時の備品の配備を把握しているのでしょうか。また、市は自主防災組織に貸し出す物品を備蓄しているのか、お伺いいたします。各自主防災組織により、かなり備蓄の状況が異なり、温度差があると思います。このままでは、実際に災害が起きたときには、混乱が生じることは明白です。
最後に、災害時のライフラインの資材の備蓄についてお伺いいたします。
災害時には、いち早くライフラインの復旧が必要なことは当然のことです。そこで、災害時に被災した上下水道の復旧のための資材は、市として備蓄してありますか。また、工事業者任せになっていないでしょうか、お伺いいたします。
トリアージ訓練のように、実際に即した実践的な訓練を行いますと、もろもろの問題が抽出されます。災害時に1人でも多くの命を救うため、一日も早い復興をするためにも、確認の意味を込めてお答えください。
さて、今回の総括質問は盛りだくさんになっていますが、最後の質問をさせていただきたいと思います。
静岡市への誘客のための広報活動についてお伺いいたします。
まず、現在、静岡市として、誘客のためのプロモーション活動は、どのように行っているのか、お伺いいたします。
昨年末に、久能山東照宮の建造物の一部が国宝指定されました。関係する諸団体においては、お祝いのイベントやシンポジウムなどが行われています。先日の市長の平成23年度予算編成の基本方針と主要事業の説明で、静岡市として多彩な観光情報を発信すると述べられましたが、久能山東照宮の建造物の一部の国宝指定は、またとない観光戦略のチャンスであると思います。このチャンスを生かし、永続的な観光戦略につなげることは、行政としての使命であると思いますが、そのためには全国的、いや世界的なプロモーション活動が必要であると思います。
静岡市は、自然環境や歴史、食など、豊かな地域資源に恵まれていますが、プロモーション活動の不足は否めないことであると思います。事実、東京の民放テレビのグルメ番組では、由比のサクラエビを特集している番組が数多くあるものの、どこに行けばサクラエビを食べられるのかわからない人が大勢いるそうです。静岡市の観光案内のパンフレットを、旅行代理店に置き、待っているだけであったり、インターネット配信するだけではアピールはできません。もっと積極的な能動的なプロモーション活動が必要であると思います。あの大観光地の京都でさえ、東海道新幹線の全駅に3連特大ポスターを張るなどしてPRし、誘客活動を常に継続しています。
静岡市には、静岡まつり、大道芸ワールドカップ、清水みなと祭りなど、大きなイベントがたくさんありますが、実行委員会任せにはなっていないでしょうか。市として、大々的にプロモーション活動をすれば、かなりの誘客につながると思います。このままでは、せっかく多額の補助を行ってイベントを開催しても、宝の持ち腐れになってしまうと思います。
そこで、もう一つお伺いいたします。今後、誘客に効果的なプロモーション活動を行うアイデアがあるかどうかお伺いいたします。積極的なプロモーション活動を行わなければ、都市間競争に勝てない時代であると思います。ぜひ、よいアイデアをお聞かせください。
大項目が3つあり、多岐にわたっていますけれども、便利で安心、安全、そして、都市間競争に勝てる静岡市の確立のために、順次御答弁をよろしくお願いいたします。
以上、質問を終わり、3回目は意見、要望を述べさせていただきます。よろしくお願いします。
56 ◯建設局長(澤田幹雄君) 自転車ネットワーク整備計画における整備路線選定の考え方についてでございます。
整備路線の選定につきましては、高校生及び市民からの交通利用実態アンケート調査や、パブリックコメントの結果を踏まえ、公安委員会や国土交通省などの関係機関と協議し、歩道内で自転車と歩行者が錯綜し、安全性に問題がある路線、自転車レーンの設置や歩道上での自転車、歩行者の分離が可能な路線、及び自転車走行空間の連続性が確保できる路線を選定しております。
これらのうち、特に自転車交通量が多く、事故の危険性が高い路線や、駅、学校などの拠点施設へ連絡する路線など、ネットワークを構築する上で優先すべき路線を短期整備路線として、約48キロを選定し、平成26年度までに整備していく計画となっております。
以上でございます。
57 ◯都市局長(藤浪芳朗君) 地下駐輪場の再整備について、どのように考えているのかの御質問にお答えします。
JR静岡駅周辺の中心市街地には、有料駐輪場が7カ所ございますが、平成21年度の利用率は、通勤、通学での長時間の定期利用が大部分を占めますJR静岡駅に近接する5カ所が、利用率98.1%であるのに対し、目的の店舗前での短時間の駐輪で済ませてしまい、駐輪場を余り利用することがない買い物客等が多い呉服町周辺2カ所の地下駐輪場では46.1%となっております。
このように、自転車利用の目的、街区の特性等により、駐輪に対する意識が異なることから、今後、自転車等駐輪場整備計画を見直す際、来街者の目的に合った駐輪場の配置、規模等を検討し、より使いやすく、利用率が上がるよう、施設を検討していきたいと考えております。
また、地下駐輪場の再整備につきましては、機械式駐輪施設等他都市の事例を参考に、建設コストを踏まえ、検討してまいります。
以上でございます。
58
◯危機管理統括監(望月重明君) 各市立学校において、災害時に使用できる施設の範囲はという御質問でございますが、避難所、避難地に指定した学校施設は、使用する施設の範囲を体育館や講堂などを中心に指定しております。地域によっては、その他教室部分も必要になる場合が予想されることから、自主防災組織、学校、地区支部で構成される三者会合などで、使用できる教室の詳細を決めていくこととしております。
続きまして、私立学校と避難所等に関する協定を締結しているのか、その利用が可能な施設の範囲はという御質問でございますが、避難地及び避難所として指定してある市内の私立学校とは、すべて覚書を締結しております。その覚書の内容において、グラウンドや体育館など、利用可能な場所を図面上に明示しております。
また、締結から長期間経過している覚書もありましたので、21年5月にすべての締結先へ覚書内容を照会し、その確認をいたしました。覚書内容につきましては、今後も状況に応じて、適時適切な見直しを実施してまいります。
次に、防災情報等が私立学校などにも配信されているのかという御質問ですが、市からの防災情報は、市内各地域に設置した同報無線及び静岡市防災メール等を通じて伝達することとしております。
とりわけ、各市立学校長へは、防災情報等の収集のために、昨年、携帯電話等へ配信を開始した静岡市防災メールへの登録を個別に依頼したところであります。
今後、私立学校などの関係者に対しましても、静岡市防災メールへ登録いただくよう、個別に依頼をしてまいります。
なお、静岡市防災メールの登録方法は、市ホームページなどで広報しており、現在、約1万6,000人の方々が登録されております。
次に、各自主防災組織内の役割分担などの体制を把握しているのか、どのように指導しているのかという御質問でございますが、静岡市内には964の自主防災組織がございまして、それぞれが地域の実情に沿って、災害時の役割分担を決めております。この組織体制をもとに、12月の地域防災の日を中心に、地域防災訓練が実施されておりますが、各自主防災組織における個々の役割については、地域環境の違いもあることから、全市一律な取り組みではないと認識しております。
しかしながら、災害対応には自主防災組織が中心となった自助、共助が欠かせないため、自主防連絡会などにおきまして、モデル地域の紹介をするなど、地域の実情に即した機動性のある防災組織体制を確保するよう、指導しているところでございます。
最後に、各自主防災組織の災害時備品の配備状況の把握、それから貸し出す備品は備蓄しているのかという御質問でございますが、市では、自主防災組織補助金制度を活用して購入された資機材等については把握をしております。
なお、自主防災組織では、防災活動
マニュアルに示されている資機材の装備基準を参考にしまして、それぞれの組織で、実情に応じた資機材の整備を進めているところでございますが、詳細については確認できておりませんので、今後、調査等により把握してまいりたいと考えております。
また、市内205カ所の防災倉庫と6つの防災センターに、自主防災組織で利用いただく資機材を分散備蓄しております。
以上でございます。
59 ◯上下水道局次長(佐野 勝君) 上下水道事業における災害復旧時の備蓄資材に関しお答えいたします。
まず、水道事業におきましては、受注生産のため、納品までに期間を必要とする大口径管や曲がり管などの特殊な水道管路復旧資材を中心に備蓄を行っております。
さらに、東京都を含む18の政令指定都市及び日本水道協会、中部地方支部管内の愛知県など9つの県支部や、同静岡県支部内の各水道事業体との間に、災害時相互応援に関する協定を締結し、応援職員の派遣とともに、復旧資機材の提供を定めるなど、その確保に努めているところでございます。
また、下水道事業における復旧作業に関しましては、下水道管が自然流下による排水を基本とするものであり、水道管のような仮設配管では、その機能を果たせないため、震災後に管渠内部の被害状況を調査した上で、本格的に復旧工事を行わなければならないことから、本市を含めた各下水道事業体における資材の備蓄はなされていないのが実情でございます。
しかし、震災直後の応急対応といたしまして、下水道管の閉塞に伴い、汚水があふれそうな場合などには、可搬式ポンプや汚泥吸引車によるくみ上げ処理などが想定されるため、東京都を含む政令指定都市との間に締結された20大都市災害時相互応援に関する協定書に基づく総合支援や、日本下水道管路管理業協会などとの間に、災害時における応急対策活動に関する協力協定書を締結し、応援職員や資機材の確保を図っているところでございます。
以上でございます。
60 ◯経済局長(鈴木 孝君) 初めに、誘客のためのプロモーション活動はどのように行っているかとの御質問にお答えいたします。
人口減少社会を迎えている現在、国内外から人、もの、情報等を呼び込み、交流人口をふやしていくことが、本市発展にとって重要な意義を有しています。そのため、本市は、市シティプロモーション基本方針及び市観光戦略を策定し、観光、産業、歴史、文化、スポーツなど、あらゆる分野にかかわる事業を活用して、全庁的かつ横断的に連携し、効果的、効率的なプロモーションを展開することとしています。
今年度実施した主なプロモーション活動のうち、国内事業としましては、甲府市、長野市、上越市の3市と集客プロモーションパートナー都市協定を結び、各市の広報紙に本市の観光・イベント情報などを掲載しています。
また、市からの一方的な発信ではなく、相手からの感想や意見などが記載できるブログ機能を備えつけたシティプロモーションのポータルサイトをインターネット上に立ち上げ、その時々に応じた旬の情報を届けています。
海外事業としましては、韓国ソウル市において開催された国際観光展(KOTFA2010)に出展し、韓国人のニーズに合わせた展示を行い、現地の旅行会社及び一般消費者に対しまして、静岡市への旅行を提案しました。
また、韓国人の主な旅行情報収集源であるインターネットを活用し、本市の旅行ブログを開設し、運営しています。
次に、誘客に効果的なプロモーション活動を行うアイデアはあるかとの御質問でございます。
効果的なプロモーション活動を行うためには、情報発信するエリア及び年齢層等のターゲットを明確にし、ターゲットのニーズに合った本市の魅力を提供することが重要であると考えています。
今後予定しています主な活動としましては、首都圏や空港就航都市に在住の人からモニターを募り、モニター旅行を実施し、旅行者のニーズを把握して静岡市ならではの観光商品を造成すること。メディア関係者を招請し、テレビや雑誌等に観光やイベント情報を積極的に発信していくことなどであります。
また、訪日外国人旅行者数が第1位の韓国では、20歳代から40歳代までの女性層をターゲットとしまして、それらの人々が利用するカフェ内に、本市の魅力的な地域資源を認知させる情報コーナーを設置する予定であります。
さらに、韓国の旅行業の特色として、テレビショッピングによる旅行販売が盛んに行われていますことから、これらを活用して、富士山静岡空港を利用して、本市に宿泊していただくような観光コースの造成を企画、PRしていきたいと考えております。
以上でございます。
〔8番工藤公彦君登壇〕
61 ◯8番(工藤公彦君) 各部署の皆様の前向きな御答弁、ありがとうございます。非常に安心する部分と、それからもっとやってほしいという部分もありますが、また、改めていつかこのことについて、その進捗状況等をお伺いしてみたいと思いますので、よろしくお願いします。
それでは、3回目は意見、要望を述べさせていただきます。意見、要望の中には提案を満載してありますので、今後の参考にしていただけましたら幸いです。
まず、教育問題から。
教育現場は、日々刻々と状況が変化しています。教育委員会として、定期的に現場の声を聞き取る必要があると思います。ぜひとも、現場主義で実行していただきたいと思います。
さて、発達障害がある子供の中には、IQが非常に高く、将来高等学校や大学に進学を希望している子供もいます。このような子供たちの将来をなくさないためにも、高等学校に特別支援学級が必要であります。小学校、中学校、高等学校の特別支援学級の設置については、県の管轄ですが、政令指定都市である静岡市として、県に対し強力に働きかけをしてもよいのではないかと思います。
また、市費支援員の給与等の改善についてです。
来年度の募集要項を見ますと、静岡市の場合、時給981円であります。以前に比べ若干給与が改善されていることは評価できます。この厳しい財政状況のもと、難しいこととは思いますけれども、他県の1,200円から2,000円と比較すると、劣っていると言わざるを得ません。
そこで、経費捻出のアイデアの例を1つ申し上げます。11月の定例会で、公明党の小野議員が提案されておられた、校庭の芝生化の金額を思い出していただきたいと思います。現在、1校当たり5,000万円を計上している現状でありますけれども、鳥取方式にすれば1校当たり500万円、大ざっぱですけれども、差額の4,500万円あれば、市費支援員の給与等の改善もできますし、増員も可能です。ちょっとしたアイデアや工夫で、教育関連予算を有効に使うことができるようになるのではないでしょうか。
次に、静岡市自転車道ネットワーク整備計画の整備路線の選定について、まず、ネットワーク化を推進しなければならないことはよくわかりますが、安全確保のためにも、実情を見て短期整備計画にネットワーク計画以外の路線も加えていただきたいと思います。
図面で見れば、ネットワーク図は整然としていて、きれいに見えますが、実際の自転車は図面どおりには走りません。近道をしようとすることは当然のことです。現場主義で計画していただきたいと思います。
次に、地下駐輪場のシステムはいろいろあると思いますが、機械式の駐輪システムを使えば、地上で自転車を出し入れすることができ、利用客も便利になり、利用率の増加も見込め、違法駐輪も減ると思います。東京都の葛西駅前、自由が丘駅前を初め、数々の実績があり、違法駐輪が激減しています。
これとは別に、身近なところでは七間町通りのように、歩道に面して駐輪場を設けることも一案であると思います。何でも規制することばかりでは事は解決しません。人の行動に素直になって、使う人の立場に立って計画することが必要です。現場を見れば、おのずと見えてくることです。これもまた現場主義です。このようにすれば、商店街の美観も上がり、商店街の活性化にもつながると思います。
次に、エコサイクルシティーに関する3つ目の要望は、仮称ですが、自転車利用促進委員会の設置をしていただきたいことです。
平坦地の多い静岡市は、自転車の普及率が極めて高い都市であることはさきにのべましたが、諸問題も山積しています。静岡市は、平成20年11月、静岡市自転車道ネットワーク整備計画の策定の前に、市民意見の募集を行いました。そして、市民からさまざまな意見が寄せられました。これらを参考にして、静岡市自転車道ネットワーク整備計画が策定されましたが、今後、さらに諸問題を解決したり、さらなる自転車の利用を促進して、二酸化炭素排出削減に寄与するためにも、健康増進のためにも、自転車愛好者の意見を取り入れ、安全で効率のよい自転車王国の確立のために、各年齢層、各界の方々の意見を聞く、自転車利用促進委員会等を設置し、現場の声を聞くことが必要であると考えます。
最後に、東海地震の際の対応準備については、多角的に綿密に準備されていることがわかりまして、安心いたしました。机上ではなかなか把握できないことも多いと思います。今後も現場主義で問題点を抽出して対応していただき、災害発生時に犠牲者が1人でも少なくなるよう、日本一の防災都市を目指していただきたいと思います。
今回、申し上げたことは、自転車の問題以外はお金がかかることではありません。アイデア次第で解決できます。優れた発想のもと、アイデアをいかに出すかにより、経費の削減は十分できるはずです。
以上、今回は、教育、都市計画、防災、プロモーションについて、現場主義をテーマに質問させていただきました。
以上で、私の総括質問を終了いたします。ありがとうございました。
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62 ◯副議長(栗田裕之君) 次に、栗田知明君。
〔44番栗田知明君登壇〕
63 ◯44番(栗田知明君) それでは、質問を行います。
桜ヶ丘総合病院の移転新築についてであります。
清水区での第2次救急医療は、清水病院、桜ヶ丘病院、厚生病院を中心としての救急医療を実施し、清水区の医療の中心を担っております。
ただ、厚生病院が多くの問題を抱えているため、桜ヶ丘病院の果たす役割が、今まで以上に大きくなってきておると思います。
新築移転に向けた病院の取り組みの状況であります。昨年11月定例会で、社会保険桜ヶ丘総合病院の移転新築にかかわる進捗状況についてお聞きしました。桜ヶ丘病院は、国からの要請で、移転新築の申請作業に入り、RFOが所有している高部地区への移転新築の作業に入っているとお聞きするわけであります。
現在、移転新築に向けて、桜ヶ丘総合病院がどのような取り組みをしているのか、その状況をお聞かせください。
また、平成22年9月に、年金局事業企画課からアンケートが出されてきておりますけれども、その回答の内容がわかったら答弁をお願いしたいと思います。
新東名についての問題であります。
近々、新東名が供用開始されることになってきております。都市計画区域外である仮称清水インター、宍原のところです。伊佐布インター用地についての問題であります。
先般も言われましたけれども、準都市計画区域の指定を検討しておりますが、目的またその内容がどのようになっておるのか、具体的に説明をお願いしたいと思います。
清水駅周辺整備の問題であります。
東西の自由通路についてでありますけれども、第2自由通路の自転車通行を含めた具体化の問題であります。現在、JR清水駅周辺では、江尻口で駅前広場整備事業や市街地再開発事業、優良建築物等の整備事業、みなと口では、清水文化会館が建設中であり、これらの事業は今後1、2年で完了する見込みであります。
駅を挟んで、みなと口、江尻口との通行の一体化がどうしても欠かすことができない問題であります。清水駅の特徴は海に近いということであり、駅を中心として海を利用した地域の活性化がどうしても必要です。
こうした中で、鉄道を挟む東西間の回遊性向上について、第2自由通路を検討しておると思いますが、東静岡駅や清水駅の自由通路では、歩行者のみが通行できるだけで、バリアフリーの観点からも第2自由通路にはエレベーターが設置されると思いますけれども、このエレベーターは、自転車も利用できるようにすればよいと思いますけれども、どのようにお考えでしょうか。
また、第2自由通路が完成すれば、JRとしても真砂町の踏切の廃止を行うであろうと考えております。自転車の通行ができなくなるわけでありますから、なおさらこの点を踏まえた形の中での検討をお願いしたいと思います。
それから、駅東南北道路についての問題であります。
市は、北東地区の調査を完了し、地権者独自での土地利用という方向にしました。駅東地区の区画整理事業も完了し、集客施設である文化施設、河岸の市の増設も行われ、近々完成する見込みになってきました。
この中で、今言われた第2自由通路もそうでありますけれども、駅の東の南北道路、あと若干整備すれば現在ある道路に通行ができるわけでありますけれども、北東地区の問題が一段落したという点から考えてみますと、早急な形での検討をどのように考えておるのか、お聞かせ願いたいと思います。
64
◯保健福祉子ども局長(寺前泰男君) 最初に、桜ヶ丘総合病院の移転新築に向けた病院の取り組み状況についてでございますが、厚生労働省から独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構、略称でRFOに対しまして、RFO延長期間の平成24年9月末までに耐震整備が完了しない事業につきましても、新たに認めていくことが通知されました。
これを受けまして、桜ヶ丘総合病院では、同省より示されました耐震整備手続に従い、移転新築申請に向け、耐震化整備計画等の作成に着手したと伺っております。
今後は、この整備計画等につきまして、RFOから運営を受託している全国社会保険協会連合会及び厚生労働省による審査を受けた後、厚生労働省からRFOへ承認依頼されれば、RFOが正式に移転新築を承認する流れになると承知をしております。
もう1点、国からのアンケートにどのように回答したかということでございますけれども、厚生労働省アンケートへは、桜ヶ丘総合病院が市民の安全、安心を守る中核病院として欠くことのできない医療機関であり、公的病院として存続できるよう、新たな運営母体の早急な設立と、清水区大内新田への移転新築を求める内容の回答をいたしました。
また、昨年12月9日に同省の聞き取り調査が行われ、同様の説明を行ったところでございます。
以上でございます。
65 ◯都市局長(藤浪芳朗君) 初めに、仮称清水インター、伊佐布インター周辺について、準都市計画区域の指定を検討する目的、またその内容はどのようなものかとの御質問にお答えします。
準都市計画区域の制度は、都市計画区域外の地域におきまして、土地利用の規制誘導が必要な区域を部分的に指定して、地域の自然環境や生活環境と調和した秩序ある開発や土地利用を誘導していくことを目的とする制度でございます。指定は県が行うこととなっております。
宍原地区や国道52号の沿道を中心とした仮称清水インターチェンジ周辺、庵原地区を中心とした仮称伊佐布インターチェンジ周辺におきましては、新東名高速道路や中部横断自動車道の開通に伴い、交通条件が飛躍的に向上して、開発需要が高まり、用途の混在等の土地利用上の問題が生じることが予測されるため、この準都市計画区域の指定について検討を進めているところでございます。
内容としましては、準都市計画区域制度では、住居や商業、工業などの用途を定める用途地域、特定の用途の建築物等を制限する特定用途制限地域、建築物の高さを定める高度地区などについて定めることができます。
続きまして、第2自由通路の自転車通行についての御質問でございますが、現在、JR清水駅周辺における東西交通につきましては、清水駅東西自由通路と真砂、波止場踏切がございます。東西自由通路は歩行者専用通路で、自転車は踏切を通行しておりますが、今年度実施しておりますアンケート調査の中で、東西の行き来が不便との意見や、歩行者だけでなく自転車通行を望む要望も出されております。
平成23年度は、第2自由通路の整備の方向性などを検討する中で、御指摘の自転車通行についても、検討課題の1つとして対応してまいります。
続きまして、都市計画道路清水駅東口袖師線の北側の延伸についての御質問でございますが、都市計画道路清水駅東口袖師線の延伸は、隣接する清水駅北東地区において、民間主体の地区計画制度を導入し、土地利用転換を図り、地区内南北幹線道路として整備する計画で進めておりましたが、地区内の大規模地権者の開発動向が不確定なため、今年度、延伸計画を含む地区計画案の策定を見送ることとなりました。
今後も、民間開発の熟成に合わせ、整備計画を検討していきたいと考えております。なお、暫定整備につきましては、現況の交通量や地元の御意見を聞きながら、関係部局とともに検討していきたいと考えております。
以上でございます。
〔44番栗田知明君登壇〕
66 ◯44番(栗田知明君) 桜ヶ丘病院の問題については、市のほうのいろいろな働きかけも含めた形の中で、ある程度進んできております。
そして、今、答弁があったように、桜ヶ丘病院としては移転新築の準備に入って、その申請関係の手続に入ってきた。こういうことが言われてきておるわけであります。
また、市長は先日、議員の質問に答えて、桜ヶ丘病院の建築ができなかったのが心残りのようなことを言われておりましたけれども、その前に、市のほうとしては、平成22年10月15日付で、厚生労働大臣へ社会保険桜ヶ丘病院の公的病院としての存続及び早期移転新築に関する要望について、こういうものも出してきてくれております。この病院自身は、昭和30年代に建築された病院であり、老朽化、狭隘化のほか、耐震性の問題があるにもかかわらず、建築基準法上、現地での建てかえができない状況にあります。患者及び病院スタッフの安全確保はもとより、当病院が災害時医療や救急医療などの公的な役割を担っていることから、早急な対応が必要ということや、当病院の移転新築は、地元住民を初め、本市市民を挙げての期待であるため、耐震問題等の解決を図るとともに、一層の病院機能の強化に向け、既に確保されている建設用地への早期移転新築の決定を優先的に、RFOの延長期間内にいただけるよう要望します。こんな形で、市から厚生労働大臣に対する要望が出されてきました。
こういうような問題を含めた中において、桜ヶ丘総合病院自身も移転をするという具体的作業に入ってきているわけなんです。その中で、1つの問題が、来年、24年の3月いっぱいまでに、何らかの形で建築に入れば、国から県へ来た基金として入れてある3億1,000万が補助として出されてくる、こういうことが言われているわけでありますから、そういうことに、市のほうとしてはどういう形で対応をしながら、援助していくのかと、そんなことを感ずるわけなんです。
RFOの所有している高部地区の土地が、調整区域、遊水地に指定されており、進入路や道路築造問題は、以前から言われているとおり、これについては当然やっていってもらう問題でありますけれども、遊水地の対応、開発行為、建築確認申請等の問題を見ていきますと、相当時間がかかるわけであります。そのために、平成24年3月までの着工という工程を考えると、行政の対応が大きな問題であろうと感じております。せっかく桜ヶ丘病院がこういう形で対応に入り出してきたという中で、市のほうとしても具体的に、できるだけの援助は必要であろうと感じておりますけれども、どのように考えておられるでしょうか。
新東名インターについての問題であります。仮称清水インター、宍原のところと、伊佐布インター周辺についてです。
高規格道路というものは、インターチェンジができることによって、最も利用価値が上がるわけであります。山間地域にできるインターチェンジは、その地区にとってはまたとない絶好の機会であろうと感じます。
土地利用の誘導、さっき言われた準都市計画区域の指定という問題で、土地利用として、産業関係の立地の問題、また、逆にラブホテルや風俗の制限を通じて、具体的にできるであろうと考えてはおりますけれども、今回のこの準都市計画区域の指定の中身としては、こういう産業関係の立地も含めて、他の部局とも検討しながら、対応に入るのかどうか。この点をお聞かせ願いたいと思います。
清水駅周辺整備の問題であります。集客施設である文化施設や、例えば民間でありますけれども河岸の市、江尻口のほうについては、いろいろな施設がほぼもうじき完成に入るわけでありますけれども、あともう一つの問題は、通路関係の整備、楽に通行できるような整備をしていくということが、残された課題であろうと、私は感じております。こういう問題を含めていくと、いつかはやるという問題ではなくして、この第2自由通路の問題も、今まで真砂町の踏切を使ってきた自転車等、こういうものも利用できながら、余り先のことではなくして、できるだけ早めの対応が必要であろう。
それから、北東地区の南北通路の問題は、現実にある一定の都市部における調査関係は終えてきたわけでありますから、あとそれに対して根本的な解決は先になったとしましても、暫定的な形での道路関係の築造ができるであろうと感じておりますから、もうちょっと具体的に何らかの措置ができるかどうか、わかったら答弁をお願いしたいと思います。
67 ◯市長(小嶋善吉君) 桜ヶ丘病院のことにつきまして答弁申し上げますが、桜ヶ丘病院、私も何回も行きましたし、国にも行ったし、過去の経過もよく存じ上げておりますが、本当に時間がかかる、なかなか国の方針がはっきりしないという話でありまして、まだ正式に移転新築が承認されていませんので、早く承認されるように、また市としては働きかけていくことになると思います。かなり老朽化も進んでおりますし、一方、病院の職員の皆さんも移転新築に向けて、物すごい経営努力をされて、利益も出ているということはよく承知しております。国のほうにおかれても、早く方針をはっきりさせていただかなければ、我々地方団体としては手も足も出ないという状況がずっと続いているということを申し上げておきますし、これは市民の生命、安全にかかわる重要な問題でありますので、私としても心残りであります。
最近、耐震の問題について、国が補助金を出してもいいという話を漏れ聞いておりまして、これも実はこれからの話でして、来年の3月までに着工できるかどうか、本当に心配であります。
そんな状況で次の方にしっかりこの問題を託していきたいですし、特に、議会の皆さんも、この問題については清水の議員の皆さん、みんなよく御存じだと思いますけれども、今後とも強力に働きかけをしていただきたい。市としては従来どおり、早く移転新築ができるように努力をしていくということに変わりはありませんので、よろしくお願いいたします。
68 ◯都市局長(藤浪芳朗君) 仮称清水インター、伊佐布インター周辺土地利用の誘導において、産業関係の立地や風俗などの制限について、どのように考えているのかとの御質問でございますが、準都市計画の制度を活用し、用途地域や特定用途制限地域を定めることにより、土地利用の整序や建築の制限が可能となりますが、具体的な内容につきましては、法令や市の上位計画などを踏まえ、地域住民や関係者と協議を行いながら検討していきたいと考えております。
続きまして、清水駅東口袖師線の北側の延伸についてでございますけれども、先ほど議員も御指摘のとおり、暫定整備ということにつきましては、現況の交通量、地元の意見を聞きながら、関係部局とともに、来年度より検討していきたいと考えております。
以上でございます。
〔44番栗田知明君登壇〕
69 ◯44番(栗田知明君) 市長、桜ヶ丘病院の問題は、国が大変矛盾している点もあるわけなんですけれども、耐震上、新築移転の問題については、桜ヶ丘病院として3億1,000万がよこされて、新築移転もそれに使っていいですと、こういう格好になってきているわけなんです。
もう片方で、じゃ正式に許可を与えているかといったら、今その許可を与える申請を出していると。つまり、その金でRFOが持っている高部のところへ新築してもいいですよと。それしか建築のしようがないわけですから、それも具体的にはもう承認はされているわけなんです。
ただ、問題が、国のほうに申請を出して、そこでオーケーするかどうか。だけれども、具体的にはもうオーケーしたと同じような形での建築の対応に入ってきているのが、桜ヶ丘病院の現状であろうと私は感じております。
言われるとおり、来年の4月までの着工という点を考えてみますと、大変時間が短くて、開発行為、あそこの遊水地の指定の問題、道路関係はどうにかなろうと思いますけれども、そういう幾つかの問題を抱えているわけですから、行政と綿密にタイアップした形の中で、法のクリアをしていかないと時間がかかるのではなかろうかと感じております。
私は、そういう問題を含めて、今の桜ヶ丘総合病院が新築移転をしようとするという具体的な作業に入った中において、市のほうの対応をお願いしたいと考えているわけなんです。国はいろいろ右左、ちょっとわからないような動き方をするというのは、今の政治と同じような感じはしますけれども。
それから、都市局長、僕は宍原に新しくインターができるということの中で、静岡市の清水区の一番大きな問題は、やっぱり産業が立地するような土地が少なかった。あったとしても金額が高い。こういうようなことがずっと言われてきて、進出をしてきたいところはたくさんあるわけなんだけれども、現実には折り合いがつかなかったというのはたくさんあるわけなんです。もちろん、インターができることによって、その地域がどういう形で活性化していくか。風俗的な問題については当然規制をしていってもらいたいと思いますし、それと合わせて、産業をその地域の中で発展させることができるんじゃないのか、そういうことを感じております。それについては、都市局だけではなくして、経済局と相談しながら、千載一遇のチャンスといったら悪いんですけれども、現実にスマートインターではなくして、インターチェンジができるということでありますから、そういう具体的な措置が可能であろうと感じております。できたら、そういうことを含めた形の中での対応をしていっていただきたいと、私は感じております。
市長、桜ヶ丘病院の問題、次の人に託すなんて、そんな簡単なこと言わないで、今、私が言ったような格好で、もう桜ヶ丘病院としては、具体的に建築の方向に入ったわけですから、その辺よろしくお願いしたいと思います。
以上です。
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70 ◯副議長(栗田裕之君) 次に、佐野慶子君。
〔29番佐野慶子君登壇〕
71 ◯29番(佐野慶子君) 通告に従いまして、2つのテーマについて伺います。
まず、社会保障と税の一体改革です。この議論をさせていただこうと思っていたのは、菅内閣改造人事で、たちあがれ日本の与謝野 馨氏が離党して、経済財政大臣で入閣し、消費税増税シフトができ上がったあたりでした。しかし、1月24日に開会されました国会、2011年度予算編成すら厳しい状況が続いております。
社会保障制度を検討する取り組みは、2010年10月28日、政府・与党社会保障改革検討本部の立ち上げ、11月9日から12月8日、社会保障に関する有識者検討会、12月10日、検討会の報告が検討本部に行われ、12月14日、閣議決定をされ、2011年1月21日、第3回検討本部で、社会保障改革に関する集中検討会議の設置が決まり、1月31日、その人選が決まり、2月5日、第1回の社会保障改革に関する集中検討会議が開催され、2月19日、2月26日、3月5日と会議が開かれてきました。4月には中間報告、6月には一体改革案を策定することを目指しております。
お手元の資料1のように、国は、社会保障を年金、医療制度、介護、少子化対策、雇用を検討対象とする方針としております。
市長に伺います。社会保障と税の一体改革について、どう受けとめていらっしゃるのか。議論の方向性に何を期待するのか。また、危惧をされるのか。
保健福祉子ども局長に伺います。社会保障制度改革について、基本方針と方向、また、目指すべき社会保障の姿についてはどう考えるのか。
財政局長に2点伺います。
1つは、平成23年度税制改正大綱について、どう受けとめているのか。平成23年度税制大綱は、昨年12月示されました。23年度大綱の基本的方向性は、22年度大綱で示した5つの視点の継続です。1、納税者の立場に立ち、公平、透明、納得の税制を築く。2、支え合いのために必要な費用を分かち合うこと。3、税制改革と社会保障制度改革を一体的にとらえること。4、グローバル化に対応できる税制を考えること。5、地域主権改革を推進するための税制を構築すること。このもとに、税制全般についての改革を進め、セーフティーネットの確立、経済活性化、財政健全化、好循環を促すと言っております。
もう一つは、政府が考えている社会保障と税に絞った番号制度導入について伺います。無論、私は大反対です。モデルはアメリカの社会保障番号でしょうが、監視社会、管理社会のプラットホームの完成、国民総背番号制です。住民基本台帳ネットワークシステムのときにも、痛いほどの議論をさせていただきました。国家がこんなに信頼をされていない時代に、とんでもない話です。税制改正と共通番号制度は同時に進められております。2010年11月9日に、社会保障・税にかかわる番号制度に関する実務検討会を立ち上げ、本格的議論が、これまた始まっております。予定では、夏ごろには仮称社会保障・税番号大綱をまとめ、秋以降国会へ法案を提出したいとしております。
次に、2つ目のテーマは、官製ワーキングプアと公契約条例についてです。
厳しい日本経済と暮らしの現状、景気は一時に比べよくなったというものの、実感はありません。相変わらずの内需不振で、失業者320万人、ワーキングプア1,100万人、非正規労働者1,700万人という現実。暮らしを破壊したのは構造改革政策、だれもが認めるところです。1985年の労働者派遣法から始まる労働分野の規制緩和がこれに拍車をかけ、企業のみがもうかる経済構造をつくり、結果、企業がもうかっても賃金が上がらない。正規社員の過重労働と非正規社員のワーキングプア化の二極分化。どうやら、公務員にも非正規労働がいるらしい。職員の3割が非正規らしい。そのうち、7割以上が年収200万以下らしい。市の公共工事や委託業務で働く人の労働条件もよくないらしい。定数削減や給与カットに取り組む首長を褒めたたえたり、公務員たたき報道に溜飲を下げている場合ではない。歯どめをかけてほしいという動きが当局にも、議会にも投げかけられました。
質問の1番目は、市長の認識を伺います。官製ワーキングプアという事態を招いてはならないし、市が発注する工事や業務で働く人が、生活できないようでは困るので、市としては何をするのか。何を配慮しなくてはならないのか。市長のお考えを伺いたいというふうに思います。
質問の2番目は、非正規雇用の実態を明らかにしてください。静岡市の非正規職員数は、2006年4月2,342人、2007年2,480人、2008年2,586人、2009年2,766人、2010年4月1日2,910人、5年で568人、24.3%も増加しております。総務省基準に従い、正規職員を減らした分を非正規職員補充で埋め合わせているわけです。
当局の資料によりますと、2010年4月2,910人の内訳は、人件費に含まれる給与支弁に920人、報酬支弁1,003人、合わせて1,923人、臨時326人、パート661人です。非正規職員の部局ごと内訳と人件費額を明らかにしてください。
2点目、非正規職員の報酬、賃金は、職種ごとに設定されているようですけれども、報酬月額、賃金の基準、年収額を示してください。
3点目、公の施設を指定管理者が管理し、そこで仕事に従事している常勤及び非常勤の職員及び人件費はどうなっているのか。
4点目、公共工事は設計労務単価に基づいておりますけれども、実際の現場での賃金実態、把握をされているのでしょうか。
質問の3番目、公契約条例の制定については、今議会においても積極的に取り組んでいく姿勢は、残念ながら示されませんでした。それでも、この間、何らかの検討は行われてきたというふうに思われます。全国的には建設業の労働団体の国への意見書採択運動や、労働組合の皆さんの条例制定の継続的働きかけも続いております。どのような検討をしてきたのか、明らかにしてください。
72 ◯市長(小嶋善吉君) 社会保障と税の一体改革についての受けとめ方についてお答えします。
私は、16年余の市長経験を通しまして、地域の課題は地域で解決していくこと、地方の意見を国に発信、反映をさせていくことは、本市のみならず国の将来にとって重要であると感じてやってまいりました。
現在、本市の社会保障にかかる経費、いわゆる扶助費は、他都市と同様に今後も増加傾向にありまして、これは我が国全体にも言えることであります。
そのような中で、社会保障を支える財源を確保するためには、税制の改革が必須でありまして、同時に社会保障を最前線で担う基礎自治体に対して、十分な税財源が確保されるべきであると考えます。
また、社会保障制度を持続可能なものとするためには、社会保障の主な担い手である地方、中でも本市のような基礎自治体の意見が、国の検討の場で取り入れられるべきであると考えております。
73
◯保健福祉子ども局長(寺前泰男君) 社会保障と税の一体改革について、どのように受けとめているかということでございますが、社会保障制度は、憲法第25条におきまして、国民の生存権保障と国の社会的使命を規定しており、制度設計に当たりましては、国が主体となり行わなければならないと考えます。
国において、社会保障と税の一体改革を検討していることは承知しておりますが、これは社会保障制度改革に大きな影響を及ぼすものと考えております。
ただ、制度案の全体像が見えないため、今のところ国の動向を注視しているところでございます。
とはいうものの、この制度を実施する最前線を担うのは、住民生活に密着している市町村などの基礎自治体でございます。基礎自治体は、従来から住民生活を守り、支援していくために、さまざまな努力をするとともに、施策に反映してきております。
国は社会保障制度の設計に当たっては、国民が求めているものを的確に把握するとともに、財政状況のみに左右されない、未来に通じる施策を構築していくことが重要であると考えます。そのためには、最前線に立つ基礎自治体の意見を積極的に取り入れる努力をするべきと考えます。
市としましては、厳しい財政状況のもと、限られた財源の中で、施策を実施していかなければなりませんが、今後とも国の動向も見つつ、市民生活を守り、支援していく施策を推進していくつもりでございます。
以上でございます。
74 ◯財政局長(中井幹晴君) 23年度の税制改正大綱について、どのように受けとめているかということでございますが、23年度の税制改正大綱において、地方税関係では、一定以上の所得を有する者についての成年扶養親族にかかる扶養控除の見直し、法人実効税率の引き下げ、法人市民税に生じる減収を調整するための県たばこ税の一部の移譲等が示されたところであります。
法人実効税率の引き下げについては、企業の国際競争力を強化することで、デフレ脱却と雇用拡大を図り、日本経済を本格的な成長軌道に乗せようとするものというふうに言われておりますが、市としましては、この税制改正が地域における投資、雇用の拡大に結びつくことを期待したいというふうに考えております。
次に、社会保障と税の共通番号制度について、どのように受けとめているかということでございますが、この社会保障、税に係る番号制度につきましては、政府・与党社会保障改革検討本部が、本年1月31日に基本方針を発表したところであります。6月には、社会保障・税番号大綱(仮称)の公表が予定されており、この大綱により全体像が示されるものと認識しております。
1月に示された基本方針においては、番号制度の導入により、税務分野では、所得の過少申告や扶養控除のチェックが効率化し、税の不正還付等を防止することができる。e-Taxで確定申告を行う際に、保険料等の必要な情報を確認できる。事業者が提出する給与等の支払調書の提出先が1カ所になり、負担が軽減される等の効果が得られるとされております。
番号制度については、住民にとって利便性が高く、より公平、公正な行政の執行や、社会保障がきめ細やかかつ的確に行われる社会の実現のため、有効であるというふうに考えますが、個人情報保護の問題をどう解決していくかが課題であると認識しております。
次に、公契約の現状についてでございます。
市が契約するに当たっては、適正な積算により予定価格を定めた上で、入札または見積もりを執行しております。このうち、建設工事の入札においては、ダンピング対策として最低制限価格制度及び調査基準価格制度を採用しております。これらの制度のもと、公契約については、適正な価格で落札、契約されていると認識しておりまして、発注先での労働条件についても法にかなったものであると考えております。
次に、設計労務単価と現場の賃金の実態についてでございます。
公共工事の発注に際し必要となる予定価格の決定に当たっては、取引の実例価格等を考慮して、適正に定めることとされております。
労務単価の積算に関しては、国が毎年実施している公共事業労務費調査により、都道府県別、職種別に決定している公共工事設計労務単価を使用しております。公共工事設計労務単価は、全国統一の基準で、工事に従事した建設労働者に対する賃金の支払い実態を賃金台帳等からの実態調査に基づき、決定されております。このことから、設計労務単価と現場の賃金実態に大きな乖離はないというふうに理解しております。
次に、公契約条例についてでございます。
公契約条例については、その趣旨は重要であると認識しておりますが、制定に当たっては、さまざまな論点や課題が指摘されているため、議論の推移を注視してまいりました。
具体的な論点といたしましては、憲法上、賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定めるとされていることとの関係、労働法上、契約自由を原則とするべき雇用関係に行政が介入することの是非、地方自治法上、最低賃金法に規定する最低賃金を上回る賃金を条例で定めることの是非等が指摘されているというふうに聞いております。
具体的な課題といたしましては、条例を制定した場合の実効性、公平性の確保や、そのための調査に要するコスト増の問題、客観的基準に基づく賃金の積算、企業への影響等が考えられます。
これらについては、他の政令市とも密に情報交換を行ってきたところでございます。
以上でございます。
75
◯経営管理局長(深津 薫君) 官製ワーキングプアと公契約条例に関する4点の質問にお答えいたします。
まず、市が雇用する非正規職員に対する認識という御質問でございます。官製ワーキングプアについては、社会的な問題であると認識しておりますが、本市における非正規職員の任用につきましては、職務給の原則を踏まえ、その職務の内容と責任に応じ、また、勤務時間や勤務期間を考慮した上で、報酬等の勤務条件を決定しておりますことから、官製ワーキングプアには当たらないと認識しております。
次に、非正規職員の主な部局の人数、人件費等の総額、それから、職種ごとの報酬、賃金の額についての御質問に、一括してお答えいたします。
先ほど、議員がおっしゃいました平成22年度の2,910人の内訳ですけれども、主な部局の人数といたしましては、市長部局は給料支弁非常勤職員644人、報酬支弁非常勤職員736人、臨時職員292人、パートタイマー631人の計2,303人、上下水道局はそれぞれ40人、28人、18人、7人の計93人、教育委員会事務局はそれぞれ234人、228人、10人、23人の計495人となっております。
非正規職員の人件費等の総額については、報酬支弁非常勤職員に係る人件費の総額についてお答えいたしますが、平成23年度当初予算において21億8,592万6,000円を計上したところでございます。
次に、非正規職員の報酬、賃金につきましては、その職種、職務内容等により定めております。まず、非常勤職員のうち、代表的なものを幾つか挙げますと、図書館や生涯学習交流館、一般的な市の職場などに勤務する事務職員は、週31時間勤務で月額12万800円、一時金等の付加報酬を加えた年額では170万3,280円、保育園に勤務する保育士については、週38時間45分勤務で、月額15万9,700円、諸手当を含めた年額では233万1,620円などとなっております。また、臨時職員につきましては、1日当たり7時間45分勤務いたしますが、その日額賃金として代表的なものは、一般的な事務補助を行う職員で6,670円、保健師9,700円などがございます。なお、パートタイマーにつきましては、それら非常勤の日額賃金を勤務時間で割り戻した額を時間単価として、一般事務補助では860円を賃金として支給いたしております。
次に、指定管理者制度導入施設数、事業者数及び職員数についてでございます。平成22年4月1日現在における指定管理者制度導入施設数は208施設であり、その管理運営を請け負っている事業者は41事業者となっております。指定管理施設における従事者の常勤、非常勤別の雇用の状況については、団体によって勤務形態や名称などが異なるため、明確な区分けは困難でございますが、一般に雇用期間が短く、非常勤嘱託、臨時、パート、アルバイトと呼ばれるものを非常勤として区分した場合、それぞれの人数は、外郭団体7団体が管理する132施設では、常勤165人、非常勤341人、民間企業6社が管理する9施設では、常勤16人、非常勤44人、これら以外の公共的団体、NPO、地元組織など28の団体が管理する67施設では、常勤350人、非常勤411人となっております。
以上でございます。
〔29番佐野慶子君登壇〕
76 ◯29番(佐野慶子君) お答えをいただきましたけれども、2回目の質問に入ります。
政府が考えております社会保障と税の一体改革は、ゆがみきってしまった格差社会を是正し、税と社会保障による所得の再配分を実現することが求められておりますけれども、逆の方向が大変危惧されております。
消費税だけは、私は絶対増税してはいけないというふうに思っております。景気の影響や逆進性だけではありません。この税金が不公平きわまりない税だからです。後で言います。
今さらおさらいするまでもありませんけれども、消費税は1988年に成立し、89年4月実施、97年、税率は3%から5%に、そして橋本6大改革と言われるもので、行政、財政、金融、経済、社会保障、教育9兆円の負担増です。特別減税を廃止し、健保の負担率がふえ、銀行が貸し渋りをし、倒産がふえ、不況のどん底へ、平成不況20年というところです。
消費税の滞納は、新規発生額中29.2%、滞納整理総額中の45.8%です。増税などで改革の道が開かれるものでないことははっきりしております。
と、思っておりましたら、2月19日、第2回の集中検討会議で、早々と本音の方向性が出されてきました。どういう方向性かと言いますと2つです。1つは、消費税率を引き上げる方向、速やかに10%、2020年代半ばまでに10%台後半にすべき。2つ、15年には社会保障と税の共通番号制度導入、まさにありきの議論になってまいりました。
当日の経団連、同友会、商議所、連合4団体のヒアリング、提言の方向性も残念なものでした。
そこで、質問の1番目は、消費税率10%の経済や市民生活に与える影響について、どのように考えるのか、お伺いします。
次に、社会保障制度の中の、国保制度、介護保険制度についてお伺いをいたします。
私は、今年度、国保運協の委員をさせていただきました。資料2の国保運協の要望項目、減免制度の改正、時期及び内容について明らかにしてください。
もう一つは、国保制度の県単位の広域化について。
厚労省は、全年齢を対象とする国保の広域化を、30年度を目標とすることを明記した法律案を出したいとして、国保に関する国と地方の協議の場の開催を提案しておりますけれども、全国知事会の反発など、課題は山積しております。
次に、介護保険制度についてです。
国の社会保障審議会介護保険部会は、昨年5月から11月までに、13回にわたる審議を行い、見直し案を出しております。内容は6項目、地域包括ケアシステムの構築、サービスの質の確保・向上、介護人材の確保と資質の向上、給付と負担のバランス、保険者の果たすべき役割、低所得者への配慮。
我が市の第6期高齢者保健福祉計画、第5期介護保険事業計画の策定、新年度で行うことになっておりますけれども、4点伺います。
1点目、どのような事業計画を策定しようとしているのか。
2点目、現計画の問題点は何なのか。
3点目、策定スケジュールを明らかにしてください。
4点目、介護保険料、月額の基準額はどういうふうになっていくのか。ちなみに1期は2,860円から3,109円、これは合併前の市町のばらつきです。2期が2,900円、3期が3,600円、4期が4,175円でした。
次に、官製ワーキングプア。官製ワーキングプアをなくす会、今、県下23市12町の首長に要請書、議会には陳情書を出しております。十分議論されることを期待します。
さて、公共サービスに従事する者の労働環境の整備がうたわれた公共サービス基本法の施行は2009年7月。公契約条例の自治体第1号は、先日もお話がありました、この2009年9月、野田市で制定され、政令市では、川崎市が新年度から施行です。条例の対象となる契約は、野田市は予定価格1億円以上の建設工事、川崎市は6億円以上。施設清掃や設備の点検管理や保守点検といった業務委託は両市とも予定価格1,000万以上です。
質問の1番目は、2市の条例に対する評価を伺いたいところですけれども、我が市に当てはめますと、何件くらいが該当するんですか。実行するにはコストがかかるというのが財政局長の答弁でした。
質問の2番目は、発注された工事の労務費、発注者や下請に雇用される者、派遣労働者や一人親方の賃金の調査はできないんですか。とても生活できないという厳しい実態を耳にするからです。
質問の3番目、静岡市の非常勤職員の報酬は、短大卒初任給を基準としているというふうに説明されているんですけれども、先ほどの数字もそうですけれども、浜松市よりも名古屋市よりも、全国平均すら下回っているというのは本当なんですか。
質問の4番目、静岡市役所非常勤ユニオンとの話し合いの中で、どのような待遇改善を行ってきているんですか。何人くらいが受けているんですか。また、今後どのような改善を図るんでしょう。
質問の5番目、指定管理者における労働法規の遵守について、市はどのように取り組んできたのかをお伺いします。12月28日の制度の適切な運用、これは午前中にお話がありましたけれども、この総務省通知を受けて、取り組みに生かしたんでしょうか。取り組むのか、取り組まないのか。
質問の6番目は、今回出されている要請書のいう適正な時間単価1,200円を下回らない賃金を保障するには、どのくらいの財源措置が必要なのか、お伺いいたします。
77 ◯財政局長(中井幹晴君) 消費増税の影響についてということでございますが、消費税率の引き上げにつきましては、消費の冷え込みによる地域経済への影響や、低所得者層の生活への影響についての懸念が指摘されるところであります。
他方、国、地方ともに財政の健全化が先送りできない課題となっている状況もあるため、消費税率の引き上げについては、その是非を含め、実施時期、引き上げる税率等について、市民生活への影響を十分に考慮しつつ、社会保障制度改革と一体的に、さまざまな観点から慎重な議論を行っていくことが必要と考えます。
次に、予定価格1億円以上、6億円以上の建設工事、1,000万円以上の業務委託、この件数でございます。平成21年度における建設工事の総発注件数1,019件のうち、予定価格1億円以上のものは71件、予定価格6億円以上のものは3件、また、業務委託のうち、予定価格1,000万円以上のものは372件でございました。
次に、労務費の調査はできないのかということでございますが、確実に労務費調査を行うためには、市が発注するすべての業務について、元請だけでなく下請を含むすべての事業主へ、資料等の提出依頼をした上で、提出された資料をもとに、労働者一人一人に確認作業を行うということとなりまして、非常に大きな労力、時間を要するというふうに考えます。
また、労務費の調査は、現行法制度上強制力があるものではなく、あくまでも事業主に対してお願いするということにとどまるものでございます。
以上でございます。
78
◯保健福祉子ども局長(寺前泰男君) 最初に、国保についての2点の御質問にお答えします。
最初に、国保料減免制度の改正についてでございますけれども、被保険者間の負担の公平性の確保という観点を踏まえまして、他都市の状況等を参考に、現在、減免基準の改正の準備を行っております。傷病、倒産等による失業や事業の休廃止などで所得が著しく減少した場合について、前年所得500万円や所得減少割合30%の現行基準を緩和することにつきましては、平成23年度より実施していきたいと考えております。それ以外の減免内容、実施時期につきましては、今後、引き続き検討してまいります。
国保料の納付が困難であるが、減免制度に該当しない場合につきましては、各区役所の保険収納担当や新たに設置されます福祉債権管理担当が、相談者の生活状況等を伺い、どのような納付が可能であるかなどきめ細やかな納付相談を行ってまいります。
次に、国保の広域化の問題についてでございますが、国は、昨年12月、高齢者医療改革会議において、後期高齢者医療制度廃止後の新たな高齢者医療制度について、改革案を取りまとめました。
改革案では、第1段階として75歳以上の国保について、都道府県単位の財政運営とし、75歳未満については、都道府県が策定する広域化等支援方針に基づき、保険料算定方式の統一や、保険財政安定化事業の拡大などの環境整備を進めた上で、第2段階において、全年齢で都道府県単位化を図るとしております。
国保の都道府県単位の広域化につきましては、保険料の平準化、医療費の適正化への取り組みや、事務の効率化等のメリットなどもありますが、全国知事会は、単に財政運営を都道府県単位に移すだけでは、問題を先送りするだけだとして反対しております。
国保の課題としましては、低所得者、中所得者層の保険料の軽減、国庫負担の増額など財政基盤の強化、収納対策の強化、医療費適正化のさらなる推進があり、今後、国と地方の協議の場あるいは社会保障制度改革の検討に当たって、このような点を議論する必要があると考えております。
次に、高齢者保健福祉計画及び介護保険事業計画についての4点の御質問にお答えします。
1点目は、次期計画のテーマの骨子についてでございますが、国では、次期計画の主要な取り組みとしまして、介護と医療の連携強化、介護サービスの充実強化、予防の推進、見守り、配食など多様な生活支援サービスの確保や権利擁護、高齢期になっても住み続けることのできる高齢者住まいの整備の5点の視点による地域包括ケアを提唱しております。
本市としては、認知症の早期発見、早期治療の充実など医療との連携強化、24時間対応の定期巡回・随時対応サービスの創設など介護サービスの充実、高齢者の住まいの確保の方策などを重要施策としまして、計画に位置づけていきたいと考えております。
次に、現在の計画の問題点についてでございますが、現在の計画の問題点としましては、高齢者の積極的な社会参加の促進を図るための、魅力ある施策を十分に展開できていないこと、認知症高齢者の見守り体制を十分に構築できていないこと、介護予防事業への参加者が伸び悩んだこと、地域包括支援センターに対する市民の認知度が低いことでございます。このようなことが問題として挙げられておりますので、次期計画の中で、推進策を盛り込んでいきたいと考えております。
次に、次期計画の策定スケジュールについてですが、平成22年度に実施しました高齢者・要介護等認定者実態調査等を参考に、7月から8月にかけて骨子案、9月から10月にかけて計画素案を作成し、いずれも健康福祉審議会の専門分科会に諮問します。11月から12月にかけまして、パブリックコメント等により市民から意見を募集し、計画案を策定してまいります。1月から3月にかけまして、健康福祉審議会等に図りながら、計画を策定する予定でございます。
最後に、介護保険料の基準額の傾向でございますけれども、介護保険サービスの利用者数の増加や、施設の整備が進んだことなどによりまして、保険料の基準額は上昇してきております。今後、後期高齢者数の増加が見込まれるため、その傾向はますます顕著になると考えております。
国は、次期計画期間の保険料基準額を5,080円から5,180円程度と見込んでおります。なお、本市の現在の基準額につきましては、国とほぼ同程度となっております。
以上でございます。
79
◯経営管理局長(深津 薫君) 4点の御質問にお答えいたします。
まず、非常勤職員の報酬について、他の政令市等との比較ということでございます。非常勤職員の報酬につきましては、職務給の原則を踏まえ、一般事務では補助的な職務内容と責任、資格職などではその資格に基づく基本的な職務内容と責任に応じ、加えてその勤務が短時間であることを考慮の上、類似する職務の正規職員の初任給に準じ、決定をしております。
他の政令市との比較につきましては、それぞれの市の任用制度に関し、その職務内容や責任、付加報酬の取り扱いなどに差異があり、また、勤務時間などの勤務条件も異なる場合があることから、一概に比較することが難しいものと考えております。
次に、非常勤職員の待遇の改善についてでございます。
これまで、非常勤職員につきましては、国の制度に準じて忌服休暇などの休暇制度の改善や、人員確保が課題となっている保育士等の資格職について、給料の見直しを行うなど、処遇の見直しに取り組んでまいりました。今後も、非常勤職員等の処遇につきましては、国や他の地方公共団体の状況等も参考にしながら、検討を続けていきたいと考えております。
指定管理者の法令遵守についての市の考え方でございます。賃金などの労働条件は、労働関係法令に定められており、当事者間の自主的な取り決めにゆだねられるべきものでございます。
本市では、指定管理者に対して、指定管理期間中の毎年度終了後、当該年度の業務の履行状況の確認を中心とした年度評価を行うこととなっており、その中で、適正な人員配置がされているか等の確認を行い、次年度以降の運営に反映させております。
なお、現下の厳しい社会情勢や雇用不安などの状況を踏まえ、今後、指定管理者における雇用の実態についても注意を払っていきたいと考えております。
最後に、報酬単価を1,200円とした場合に、必要となる経費ということでございます。非常勤職員の報酬額は、勤務時間の定めがある職務のほか、勤務時間の定めがなく、その職務に応じて月額を定めており、単に時間単価を1,200円に置きかえることにはなじまないものもございます。そのため、一般的な任用形態である週31時間勤務の一般事務に従事する報酬支弁非常勤職員415人について算定いたしますと、それらの職員の年間の報酬額を付加報酬2.1月分を加えた月額報酬の14.1カ月分として計算した場合、現在の報酬総額7億686万円に対し9億4,326万円となり、計算上2億3,640万円の財政的措置が必要となります。
以上でございます。
〔29番佐野慶子君登壇〕
80 ◯29番(佐野慶子君) お答えをいただきましたけれども、それでは、3回目の質問をさせていただきます。
まず最初に、社会保障と税の一体改革。これは、大分不規則発言が飛んでおりましたけれども、消費税が福祉目的財源とされるかのような位置づけで、これに賛意をあらわす人が大変多いんだという報道がされておりますけれども、このマジックということを、実は今回議論したかったのですけれども、時間がありませんので、次回に回します。
社会保障の財源を、高い逆進性の消費税に求めること自身がまず、本末転倒であるわけですし、現に消費税というのは、皆さん御存じだと思いますけれども、大企業の完全転嫁ができますし、税逃れもできますし、ほとんどが還付をされます。ところが、中小企業の自己負担というのが、一番多いものが消費税です。
ましてや、消費税値上げに反対もせず地方税減税など、人気取り政策で、ちょっと税の仕組みを知っている人だったら、これは見抜いているということを、あわせて申し上げておきます。
次に、公契約条例についてですけれども、野田市がつくりました全国初の公契約条例が注目されましたのは、政府がILO94号条約を批准もせず、公契約法をつくらないという中で、一自治体が自治体本来の目的であります住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものとするという地方自治法第1条第2項の精神を、自治権を生かして労働者の労働条件保障として発揮しようというものだからです。
多分、市長の市政運営の中にも、このような市の姿勢というのがあったんではないかと思うんです。私は、直ちに公契約条例をつくっていただきたいというふうに思いますけれども、これが非常に難しい、あるいは制定の日まで、どんな契約改善の取り組みをするのか、伺っていきたいと思います。
2月10日、豊田市が新たな公契約に向けた取り組みの提案を行ったところであります。私は、この条例制定を何とか実現できるように提案し続けます。
以上です。
81 ◯財政局長(中井幹晴君) 公契約条例制定にかわる取り組みということでございますけれども、本市では、これまでも発注を市内業者優先で行っており、元請業者に対しても下請にできるだけ市内業者を入れるよう要請しております。
入札制度の改善では、平成21年1月に、最低制限価格及び調査基準価格を引き上げ、低入札価格調査制度における失格判断基準制度を導入いたしました。同年12月には、国と同じ計算式に合わせ、再度最低制限価格及び調査基準価格を引き上げたところであります。さらに、価格のみの競争とならないように、価格その他の条件が、市にとって最も有利な者を落札者とする総合評価方式による入札を拡大してまいりました。今後も、これらを活用し、公契約の内容の充実を図っていきたいと考えております。
以上でございます。
82 ◯副議長(栗田裕之君) この際暫時休憩します。
午後2時59分休憩
───────────────────
午後3時10分再開
83 ◯副議長(栗田裕之君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
総括質問を続行します。
次に、松谷 清君。
〔2番松谷 清君登壇〕
84 ◯2番(松谷 清君) それでは、最後の質問となりました。
小嶋市長の最後の本会議ということで、質問者の何人かの方々が思いを語っておられます。私も一言。
私は、94年の就任早々、選挙公約とされました駿府城再建問題について、最初に質問したことを記憶しております。今回の退任は、合併、政令市移行という一つの区切りの側面もありますが、力を残しての新たなステージでの政治活動への挑戦と理解しておりますので、大いなる奮闘を期待しております。
それでは、質問に移ります。
人口減少に相関しながら、税制財源は長期的に減少し、少子高齢化対策への財源支出の増加、一方で高度経済成長期に建設された公共施設や道路等の社会資本の一斉の更新時期を迎え、税財源の困窮という中、自治体運営の新たな手法であるアセットマネジメント、資産の経営管理につきましては、昨年の9月議会で新しい公共に関連して質問いたしました。財政局長から、各種の事例研究の段階という答弁をいただいております。先週の牧田議員、馬居議員の代表質問でも、この問題意識に基く質疑がなされております。
各議員の資料箱に配らせてもらったんですけれども、1,236の公共施設の年度別累計床面積などの基礎資料はつくられているようであります。藤沢市、習志野市、政令市では新潟市、さいたま市などで取り組みが始まっております。こうした意味で、16年間の市政運営を次の市長への引き継ぎという脈絡の中で、市政運営における新たな戦略手法とも言えるアセットマネジメントに対する市長の基本姿勢を伺っておきたいと思います。
2つ目に、9月議会の研究段階から、現在、どのような取り組みに至っているのか、お伺いします。
3つ目に、アセットマネジメントの観点で、具体的に市営住宅、道路等施設、下水道施設の現状について、牧田、馬居議員への答弁もされておりますが、改めて伺っておきたいと思います。
次に、学童保育、
放課後児童クラブ事業についてお伺いいたします。
今年度の足久保小学校での教育委員会との合築によるスペースの確保などによりまして、市内74カ所の児童クラブは、小嶋市長の子育て環境整備優先方針により、大幅な改善が行われております。
入所している児童は、昨年5月段階で、1年生から3年生で3,217人、4年生から6年生179人です。静岡市内の小学校1年生から3年生は1万8,000人ですから、3,217人、6分の1の子供にかかわる事業であります。
国は、2010年5月現在81.4万人から、2014年には111万人、2017年には129万人と多大な潜在需要を見込んでおり、静岡市においても、今後、入所児童は増加することが予測されます。
そうした中で、内閣府子ども・子育て新システム検討会議は、法的位置づけのない
放課後児童クラブ事業のガイドラインレベルから、最低限必要な内容において、国が一律の基準を示し、それを満たす形で市町村が設備、人員配置、事業内容等に関する基準を定め、質の確保を担保するという新たな方向性の議論を始めております。
この子ども・子育て新システム検討会議が、幼保一元化推進の流れの中にあることから、幼稚園、保育園関係者の評価も分かれますが、
放課後児童クラブ事業においては期待できる内容も示されております。
そこで、3点お伺いいたします。
こうした経緯を踏まえ、今後の
放課後児童クラブ事業のあり方についてどのように考えているか、伺います。
2つ目に、教育委員会は、とかく
放課後児童クラブ事業と学校教育とは直接かかわりがないかのような姿勢を示す傾向があります。しかし、実際には、放課後の子供の居場所確保として、
放課後児童クラブ事業とのすみ分けを図り、玉川小学校など山間地の7校で、放課後子ども教室推進事業を進めております。教育委員会としては、
放課後児童クラブ事業をどのように見ているのか、教育長に伺います。
3点目に、
社会福祉協議会の不正流用事件について伺います。
今回の事件は、
放課後児童クラブ委託事業の清算金を社協本部会計に入金するという会計処理の過ちの発見から明らかになっているものであります。日ごろより、社協の硬直化した児童クラブ運営に疑問を持っている父母は相当数おりまして、今回の事件に大きなショックを受けております。
そこで、この事件の経過と現在の調査状況、ほかの委託先での会計処理について問題はないのか、伺っておきたいと思います。
2つ目に、待機児童の現状についてお伺いいたします。
児童クラブは、学校の空き教室の活用や学校敷地内の施設の場合が大半です。来年度の第1次、第2次の入所発表も行われましたが、シングルマザーの家庭において、いまだ入所のめどが立たない児童がおります。特に、安東小学校、城北小学校の待機児童は、ほかの地域に比較して、毎年継続しております。待機児童の現状と、4年生以上の受け入れについて、どのように考えているのか、お伺いいたします。
2つ目に、城北小学校では、空き教室2つを使って、児童クラブを運営しております。学校からは、少人数教育の推進や、学校運営上の観点から、空き教室の返還も
子育て支援課に示されております。今後、こうしたケースが増加することが十分に予測されるわけでありまして、教育委員会は、学校運営上、教室が不足した場合、空き教室を活用しての児童クラブ運営に対して、どのように考えるのか、伺いたいと思います。
次に、指導員の身分についてお伺いいたします。先ほど来、公契約条例やさまざまな非常勤嘱託職員の問題が明らかになっておりますけれども、学童保育における指導員の身分は、時間給で7時間、6時間、4時間の臨時職員という扱いで、09年度で72児童クラブ345名の職員がおります。7時間労働の方が51名、6時間労働の方が127名、4時間労働の方が167名であります。まさに不安定な身分の扱いで、官製ワーキングプアと言われる状況にもあるわけであります。
先ほどの図書館司書の流れでいきますと、図書館においては非常勤が122名、臨時、パートが25人ということでありまして、これに比しても学童保育、児童クラブ事業における指導員の身分というものが、非常に悪い状況にあるということが言えると思います。
先日、京都市の
放課後児童クラブ事業の視察の機会がありましたが、京都市では指定管理者制度をとっておりますが、指導員は正規職員の身分として扱われております。印象的だったのは、説明をしてくれた担当者が、児童クラブの指導員を子供たちの命を預かる職員であるという発言をされていたことであります。指導員を、正規または非常勤職員として位置づけることは検討できないのか、また、位置づけた場合の経費はどのくらいとなるか、教えていただきたいと思います。
85 ◯市長(小嶋善吉君) アセットマネジメントに対する基本姿勢ということに対してでありますが、人口減少、成熟社会の到来、地方主権改革の進展等、社会経済情勢が大きく変化をする中、本市が自立し、持続的に発展するためには、限られた資源、資産を有効に活用する効率的な行政運営が、ますます必要となります。そのため、本市が整備してまいりました公共建築物、また、道路施設や下水道等のインフラ施設においても、それぞれの施設の持つ機能を適切に維持しながら、その長寿命化やトータル的な維持管理コストの縮減や平準化を図るアセットマネジメントの推進は、今後さらに重要性を増すものと考えております。
86 ◯財政局長(中井幹晴君) アセットマネジメントの取り組みの現状でございますが、本市では、昨年度策定いたしました静岡市資産の活用に関する推進方針に基づき、未利用となっている市有地の積極的な売却処分や、貸し付け等の有効活用など、効率的な資産管理を推進しております。
アセットマネジメントにつきましても、この推進方針の中に位置づけており、施設の長寿命化やトータル的な維持管理コストの縮減を目指すデータベースの構築に向けた取り組み等を行っております。
データベースの情報には、財産台帳で把握している基本的情報のほか、一定規模以上の建築物についての耐震性、今後の維持補修費用の見込み、光熱水費や施設管理費用の状況等、これまで市有建築物の保全管理の取り組みの中で蓄えてきた情報についても加えるべく、作業を進めております。
今後、立地状況、利用状況等の施設が生み出している便益にかかわるデータについても調査を進め、情報の整理統合に取り組んでまいります。
以上でございます。
87 ◯都市局長(藤浪芳朗君) アセットマネジメントについての市営住宅での取り組みをお答えさせていただきます。
静岡市市営住宅整備計画は、老朽化が進む市営住宅の計画的な維持修繕を進めるための中期計画として策定しております。計画期間は、平成23年度からの10年間でございますが、長期的な視点に基づき、事業量の平準化を図ることなど、アセットマネジメントの要素を含んだ計画としております。
以上でございます。
88 ◯建設局長(澤田幹雄君) 道路施設のアセットマネジメントの取り組みについてでございます。
さきに、牧田議員にもお答えいたしましたが、道路施設の多くが、高度経済成長期に建設されていることから、今後、急速に施設の高齢化が進み、維持補修や更新にかかわる費用が膨大になることが懸念されております。
このため、平成20年3月に、主要道路施設である橋梁と舗装について、静岡市土木構造物健全化計画を策定し、日常的な道路パトロールや定期的な点検により、状況把握に努め、予防的修繕の視点で、効率的な維持管理に取り組んでいるところでございます。
以上でございます。
89 ◯上下水道局次長(佐野 勝君) 下水道施設におけるアセットマネジメントの取り組みにつきまして、お答えいたします。
本市では、平成17年度から19年度にかけて、日本下水道事業団との共同研究により確立し、全国的にもモデルケースとして評価されておりますアセットマネジメント手法を取り入れた静岡市下水道長寿命化計画を、平成21年度に策定し、現在、その推進に努めておるところでございます。
計画の内容といたしましては、既に法定耐用年数を経過した浄化センターやポンプ場の機械及び電気設備等を対象として、老朽化度に応じ修繕あるいは更新等を行うもので、いずれの場合においても、低コスト化、省エネルギー化を通して、ライフサイクルコストの最小化と費用の平準化により、下水道事業健全経営の推進を図ろうとするものでございます。
以上でございます。
90
◯保健福祉子ども局長(寺前泰男君)
放課後児童クラブについての4点の御質問にお答えします。
最初に、今後の
放課後児童クラブのあり方についてでございますが、
放課後児童クラブは、就労等により、日中家庭にいない保護者にかわって、児童に遊びと生活の場を与えるもので、児童の健全育成を図ると同時に、保護者の仕事と子育ての両立を支援し、児童の日常生活における安全確保の面でも、重要な役割を担っております。
平成22年3月に策定しました「しずおか☆未来をひらく子どもプラン」におきまして、待機児童を解消するための施策を推進するとともに、指導員の研修等を通じ、さらなる質的向上に努めることとしており、子育て支援の主要な施策として位置づけております。
放課後児童クラブのあり方につきましては、国の子ども・子育て新システム検討会議においても、開設時間の延長や4年生以上の受け入れ、指導員の資質や専門性の確保などを論点に検討が進められており、この状況を踏まえながら、今後の事業を推進していきたいと考えております。
次に、
社会福祉協議会における不正経理の調査状況と、他の委託先での問題はということでございますが、
社会福祉法人静岡市社会福祉協議会における不正経理の経過は、平成21年度の
放課後児童健全育成事業に清算誤りがあったことを受け、市として当該事業の指導監査実施を決定し、法人に通知したところ、監査準備のため、法人が独自に伝票等の再点検を実施し、その過程で法人職員による私的流用が判明したものでございます。
このため、本市では、1月21日、24日の2日間、
放課後児童健全育成事業会計を対象として、特別指導監査を実施しました。さらに、市の委託事業などを対象に、現在も特別指導監査を継続しているところでございます。
社会福祉法人静岡市社会福祉協議会以外への
放課後児童健全育成事業委託につきましては、それぞれの運営委員会における監査を経て、市で検収しており、会計処理については適切であると考えておりますが、今回の事件を踏まえ、今後も運営の指導をしてまいります。
次に、待機児童の現状と4年生以上の受け入れについてでございますが、平成22年5月1日現在の
放課後児童クラブにおける待機児童数は、1年生から3年生で38人、4年生以上が62人の合計100人でございます。
児童クラブの入会については、3年生までの入会希望者を優先しておりますが、施設や指導員配置に余裕があれば、4年生以上についても受け入れており、平成22年5月1日現在、38クラブで179人が在籍しております。
最後に、指導員の位置づけと経費についてでございますが、
放課後児童クラブにおける指導員の役割は、非常に大きなものがあり、本市としてもその重要性は十分認識しております。このため、主任手当の創設や時間単価の引き上げなどにより、委託料を増額し、指導員の処遇改善に努めてきておりますが、委託先職員の身分にかかわる大幅な処遇の変更につきましては、委託先の事業所の状況もさまざまであることから、現時点では非常に困難であると考えております。
放課後児童クラブの指導員は、各事業委託先が雇用する職員であり、事業所ごとに雇用条件が異なることから、経費等の想定は難しい状況にございます。
以上でございます。
91 ◯教育次長(鈴木教之君) 2点の御質問にお答えいたします。
まず、現状の
放課後児童クラブについて、教育委員会としてどのように見ているかとの御質問でございます。
教育委員会といたしましても、
放課後児童クラブは、「しずおか☆未来をひらく子どもプラン」に位置づけられている市の重要な施策であり、放課後における子供たちの安全、安心な居場所が確保できることから、有意義な事業であるととらえております。
次に、学校運営上、教室数が不足した場合の対応についてでございますが、普通教室の不足が見込まれる小学校につきましては、保健福祉子ども局と連携を図りながら、学校及び
放課後児童クラブ双方の運営に支障がないよう、対応策を協議してまいります。
以上であります。
〔2番松谷 清君登壇〕
92 ◯2番(松谷 清君) それでは、2回目の質問をさせていただきます。
市長にもう少しアセットマネジメントについて思い入れのある御答弁を期待したわけですが、なんか淡々さらさらという感じで、大変残念に思います。
財政局も、まだ情報の整理の段階ということのようであります。道路、下水道、市営住宅、御答弁いただきましたけれども、道路、下水道においては、現状はアセットマネジメント手法を取り入れると言いながらも、長命化、更新施策の域を出ておらず、国交省も指摘する2021年には、社会資本の維持管理費が新設に充当する費用を上回り、更新費さえもまかない切れなくなる。このことには、依然として答えが出ていないことになります。
一方、市営住宅については、アセットマネジメント手法による整備計画をつくり上げたと、そして新規の建設は行わないということを決めているわけであります。これと同じ手法に立てば、下水道事業におきましては、公共下水道事業を中止し、合併浄化槽と農業集落排水で対処するとか、道路でいけば、渋滞解消、道路建設でなく、公共交通政策の推進とか、これまでの需要に応じた公共施設建設路線は大きな転換をせざるを得ないわけであります。
しかし、そう簡単に事は進みません。その意味で、市営住宅整備計画におけるアセットマネジメント手法活用過程がどのように進んだのか、明確にしておく必要があると思います。
そこで、まず、耐用年数70年で2分の1を超えたものを、従前どおりに更新した場合の総コスト、いただいている計画の数値でシミュレーションしてみますと、現時点で4,441戸の更新が必要となっている、2分の1以上を超えたものがです。1部屋60平米と想定すると、仮に建設費20万円とすると532億円、さらに10年間の間に1,665戸を同じように60平米と想定し、仮に20万とすると199億円、合わせて730億円の建設費が必要になる。これに修繕維持費を加えたら1,000億円近いものが必要となるわけでありまして、10年間でありますので、1年間100億円という経費が必要となってまいります。
これに、さらに残った1,447戸の更新も加えますと、莫大な費用になります。
それで、おそらくこうした財政シミュレーションをされていると思いますので、まず、耐用年数に基づく総工費のシミュレーションはどのようなものか、そのシミュレーションから新設しない、維持、長命化、管理戸数の削減、民間借り上げという結論に至るわけでありますが、どのような検討が行われたのか。
3点目に、そこに至るには相当な論点、争点があったと思いますけれども、まだ、策定されていない静岡資産の活用に関する推進計画との関係はどのように整理されていることになるのか。
2つ目に、国、県の計画や市営住宅基本計画、国の特別措置法との関係はどうなるのか。
3つ目に、5年単位の第2次総合計画に、この10年間単位の整備計画は、財政の担保を含めどのように反映しているのか、お伺いしておきたいと思います。
次に、
放課後児童クラブの問題でありますけれども、どの程度に真剣かというのが、余りうまく伝わってこないわけでありますが、時間もありませんので、厚生委員会もありますので、2点だけお伺いしておきます。
1つは、昨年の8月に父母を対象にアンケートをとられておりますけれども、この内容がどういうものか。また、これらの回答結果をどのように事業に生かしていくのかです。
それから、2つ目に、現在、待機児童の多い安東小学校や城北小学校、さらに今後入所児童が増大していくと、現在満杯状況の学校では、空き教室が足りなくなるわけです。
そういう状況の中で、
子育て支援課としては、今後、学校からの空き教室の返還の申し出があった場合、どう対応していくのか。そしてまた逆に教育委員会としては、先ほど双方で支障のないようにと言っているんですけれども、積極的に学校施設の活用ということをきちんと明示することができるのかどうか、考え方を改めてお伺いしたいと思います。
2回目の質問を終わります。
93 ◯都市局長(藤浪芳朗君) 静岡市市営住宅整備計画の具体的な内容について、3点の御質問にお答えします。
まず、策定上の設定につきまして、整備計画は、既存住宅の長寿命化を図ることを目標とした10年間の中期計画でございます。策定に当たっては、西暦2070年までの60年間に、耐用年限の2分の1を経過した住宅の建てかえをする場合と、計画的修繕を行いながら、耐用年限まで使用する場合の2つの設定で、総コストのシミュレーションを行っております。
策定上の論点でございますけれども、人口の減少、高齢者の増加、税収の減少による自治体財政の悪化等の社会環境の変化に加え、7,553戸、約45万平方メートルの資産を保有するリスク、住宅供給というサービスを提供するためのコスト、民間の住宅マーケットの動向等を論点といたしました。
他計画との整合性でございますけれども、整備計画は、公営住宅法を基本に定めたものでございまして、上位計画となる住生活基本法に基づく住生活基本計画、住宅セーフティネット法に基づく地域住宅計画との整合に配慮しております。
また、静岡市資産の活用に関する推進方針、これに基づき検討中の市有施設のアセットマネジメントの整合も図っていきたいと考えております。
なお、平成23年度より計画期間となりますが、実施に当たりましては、総合計画等に基づき整備を推進してまいります。
以上でございます。
94
◯保健福祉子ども局長(寺前泰男君)
放課後児童クラブについての2点の御質問にお答えします。
最初に、アンケートの内容についてでございますが、今回のアンケートは、市内74カ所すべての児童クラブの在籍児童の保護者と指導員を対象に実施したもので、児童クラブの開設時間の延長や土曜日の利用状況、利用希望等について保護者、指導員それぞれの立場から回答をいただいたものでございます。
今後は、このアンケート結果をもとに、利用者である保護者のニーズや、現場で直接運営に当たる指導員の意見等を十分に把握、分析した上で、児童クラブ運営方針検討の参考にするとともに、実施、改善できるものについては、早期に対応していきたいと考えております。
次に、児童クラブ室の返還を求められた場合でございますが、教育委員会から児童クラブ室を教室として利用したい旨の要望があった場合には、学校の教育活動、児童クラブ双方の運営に支障が出ないよう、教育委員会と協議の上、対応することとしております。
以上でございます。
95 ◯教育次長(鈴木教之君) 学校施設内への
放課後児童クラブの設置についての考え方でございますが、
放課後児童クラブの設置につきましては、学校の施設だけでなく、敷地も含め、学校運営に支障のない範囲で設置場所を提供しております。
以上でございます。
〔2番松谷 清君登壇〕
96 ◯2番(松谷 清君) 3回目があと1分しかないということなんですけれども、結局、市営住宅整備計画の具体的な数値は公表してもらってないんです。いろいろシミュレーションしたということは言っていただいたわけでありますけれども、非常に莫大な、多額の資金が必要だということが、実は市営住宅などでは協議の対象になっているわけなんです。その意味におきまして、市営住宅が資産管理から、さらに施策、建設、更新、そういうのも含めて全部出しているわけでありますので、こうした静岡市のアセットマネジメント手法を、施設の配備計画、政策展開に活用していく必要が、私はあると思うんです。特に、私の住んでいる城北地区、コミュニティー施設が非常に薄いというのがあるわけですが、これをアセットマネジメントをやったらどうなるか。きちんとした数字に基づく世代別、地域別格差をなくす、こうした手法として私は活用してほしいと思います。最後の質問を終わります。
97 ◯財政局長(中井幹晴君) アセットマネジメントの施設配置計画への活用ということでございますが、施設のあり方につきましては、これまで総合計画や分野別計画の策定の中で、市民の皆様の御意見を伺いながら検討してまいったところでありますが、アセットマネジメントを推進していく中で、資産に関するトータル的な費用や利用状況等の情報を、わかりやすく示すことができるようになることから、施設配置計画等の検討にも活用できるものと考えております。
以上でございます。
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98 ◯副議長(栗田裕之君) 本日はこれにて延会します。
午後3時38分延会
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