小泉首相から直接「新しい時代に対応して、地方は税財源をみずからつくり、むだな歳出を減らし、特色ある
まちづくりを目指してほしい」と要請された全国の市長さんたちはどのような受けとめ方をなされたでありましょう。
さて、静岡・清水合併問題も合併協議を続けてまいりましたが、その内容もいよいよ新市の建設計画の段階に入りました。新市の名前をこの15日から全国に公募するということであります。両市が合併した場合、人口は間違いなく71万人に達することであります。合併と同時に
政令指定都市になるために、総務省への働きかけも進行しておりまして、人口要件70万人への要件緩和の懇願も感触がよろしいようであります。
しかしながら、現実はまことに残念でありますが、静岡市の人口は 4,400人マイナス、清水の人口3,350 人マイナスという実態がございます。本来は、
政令指定都市になった時点からの人口は、例えば5年、10年後には75万、80万へと人口が増加するための勢い、意気込み、あるいは見通しが期待されることでありましょう。例え総務省からそのような足かせと申しますか、必要要件がなかろうとも、そのように我々自治体は認識すべきであると心得たいのであります。
少子高齢化社会の傾向が続く中で、人口の自然減少はやむを得ないと理解するところもありますが、まさか我らが県都静岡市の人口が減少するなどとだれが予測したでありましょう。まさにゆゆしき時代であります。
政令指定都市になりますと、県と同等の行政施策が展開できるとか申されます。飛躍した社会基盤の確立や自立した
産業基盤整備などが展開されることが期待されており、この不況のさなか、例えこれが絵にかいたもちであっても、大変おいしい話であることは間違いございません。
静岡市民は
政令指定都市を前提に、またそのさらに前段としての静岡・清水合併によって誕生する新市に何ができるのかがまだ理解できないまま、新市の名前公募に応じなくてはならない、そういう立場に立っているのが現実であります。
いずれにせよ、人口減少をとめて、人口増加に転じるためには、本市経済の活性化、そして市民が定住しやすい環境づくりが不可欠であると考えられるのであります。
以上の観点から、本市における
産業振興施策について質問してまいります。
まず、1次産業でありますが、私が所属している
本市農業委員会における研究会では、農家の後継者問題、お嫁さん問題は依然として深刻であり、
認定農業者制度への期待はますます高まってきております。農産物の輸入拡大を危惧しつつ、日本の
食糧自給率アップの重要性をも認識しながら、市街地農業と中
山間地域農業のあり方を真剣に模索してきております。
茶どころ静岡でありますから、農業問題の一例として、お茶の生産について申し上げます。安倍本山茶の荒茶生産は、市内最北の井川地域を最終といたしまして、6月上旬に終了いたしました。ことしは春先の冷温と雨が少なかったために、新聞報道によりますと、県内の荒茶生産量は過去10年間で2番目に少ない、前年比 4.2%減であり、1キロ当たりの平均単価は供給減にもかかわらず、13%安値相場だったとのことであります。まさに生産者はダブルパンチを食らったわけでありまして、昨年の荒茶の総生産額は前年 500億円から 100億円も下回ったとのことであります。
静岡市の安倍地域の
本山茶生産農家では、農薬の使用を少なくするとか、肥料に堆肥を多く使うなどして、付加価値を生み出すために涙ぐましい努力をしております。そのような生産現場を見てまいりますと、近年におけるお茶の市況の厳しさを痛感している私であります。
少々古い話を持ち出しますと、私が子供のころは林業の景気はよかった。林業でもうけた金を茶園の造成やワサビ田の造成にかけて、山間地の農林産物の生産活動は大変盛況だったわけであります。もちろん
シイタケ生産も盛況でありました。
また、一方で、ワサビやシイタケでもうけた金を、伐採までに40年、50年以上かかる百年の計と言われる人工林の撫育作業にかけて、立派な森林を育て上げてきたのであります。このような良好な循環のもとで、山里の暮らしは十分に成り立っていたのであります。
外材の輸入によりまして、国内産の材価が低迷して以来、日本の林業は成り立たなくなりました。猿、イノシシ、クマ、カモシカなど、野生鳥獣による被害対策も深刻化しており、中山間地域の暮らしも厳しい状況下に立たされていることは、都会に暮らす市民の皆さんにも十分御理解をいただいてきたところであります。
今日では、ただひたすら将来の森林管理の効率化、さらなる森林環境の健全化を図るために、せめて林道の整備促進、これに大きな政策を欲しいと期待しているところであります。
次に、地場産業の代表の1つである木工や家具製造など、多くの地場産業のさらなる振興施策が必要であることは申すまでもなく、公共建築に地場産の木材などを積極的に活用するよう提言してきたところであります。まだ、緒についたばかりであります。
さて、何といっても、急激な発展を見ているのはIT産業であります。地球規模の
情報化社会に突入した現在にあって、
IT関連産業や
各種ベンチャービジネス、
次世代産業の新たな構築など、多くの就労の場と就労のチャンスを創出する必要があると考えられるのであります。
県内の浜松市、三島市、富士市、焼津市、掛川市、この人口動向を見てみますと増加しているわけであります。特に浜松市における前年比2万人余の人口増加の要因は何であるかと強い関心を抱くのは私だけではないと思います。浜松市の産業経済の実態との関連性は定かでありませんが、合併によって生まれようとする人口71万の新市が近い将来さらなる人口の伸びを確保するためには、やはり産業経済を発展させることによって、定住人口の着実な伸びを図ることが望ましいと期待されるのであります。
日本経済がデフレ傾向の景気低迷の中にあって、さて我らが静岡市の各種産業、農林水産、商工業の実態はどうであるのか、行政はどのような
産業振興施策を展開しているのか、大変重要な問題であります。このような観点から、改めてお伺いをいたします。
まず初めに、1次産業、2次及び3次産業それぞれの近年の動向はいかようであるか。各種の統計調査などあろうと思いますが、事業所数、従業者数、
販売製造額など、わかりやすく近年どのような推移をしているかお伺いをいたします。
また、それぞれの産業支援についてはどのような施策を講じているのか。就労の場の創出につながるような支援策が必要だと考えますが、どのような施策を実施していくのか、今後どのように展開していくのかお伺いをいたします。
また、先ほども強調いたしましたが、林業行政の中において、特に
林道整備促進についてどのようなお考えを持っているかお示しをいただきたいと思います。
以上、3点であります。
なお、価格破壊と称する価格競争の中で、名店街と言われる商店街にあってすら、シャッターがおろされている店舗が目にとまります。ますます厳しい環境に立たされている商工業者がふえてくると思われますが、まず初めに
市内商工業者の経営実態をどう認識・掌握しているかお伺いいたします。
近年の大型店の出店状況はどのようになっているのか、また小売業者や商店街に対する現在の支援策にはどのようなものがあるのか、今後またどのように展開していくのか、以上2点をお伺いいたします。
次に、
住宅行政施策についてであります。
一方、人口増減の要因といたしまして、暮らしやすさや魅力ある
まちづくりが問われるとも言われております。その
よしあしいかんによっては、市町村間の社会移動もあり得る昨今である、こう認識しております。
確かに私の友人知人の多くが本市区域外、例えば岡部とか、藤枝とか、清水、焼津、そういったところに住宅を建てて、通勤で市内に就労しておりますし、その傾向は今後も続いていくと思われます。願わくば、玉川、大河内、藁科、賤機、美和、安倍口、松野など、
本市郊外地域に豊かな自然に恵まれた住宅団地を開発し、人口の流出を食いとめたいものであります。
私は昨年10月末に
ヨーロッパ視察をさせていただきました。その際、各国において、
住宅供給施策と
住環境整備施策に重点が置かれていたことをかいま見て本市における住宅行政の大切さを改めて認識して帰ってまいりました。
特にオーストリア・ウィーン市における住宅問題の再開発計画では、スクラップ・アンド・ビルド型から
既存ストック利用型を採用して、住宅やアパート、その他の建物の近代化工事をする際に、建物を壊さないで、外壁修繕、断熱強化、セントラルヒーティングなどを施工するといった住宅政策に注目を寄せてまいりました。
また、ドイツ・
フライブルグ市のエコロジカルな
まちづくりでは、1980年代に 100年前の
汚水浄化地域であった市の所有地70ヘクタールに1万人から1万 2,000人の
住宅団地計画があり、その計画は8年前に議会で議決され、
フライブルグ市と財団のプロジェクトが約2億 8,000万マルク、当時の日本円換算で 140億円で進めているものでありました。
1992年の設計協議の中では、住宅の高さは4、5階であること、ファミリー、女性が住みやすく、高齢者に優しい団地のイメージが必要であること、1万人が就業できるための店舗や事務所などを近隣につくること、職場づくりをすること、そのほか、人に優しい住環境に配慮した細かな約束事が期されておるのです。
すなわちそのまちの暮らしやすさや魅力の
重要ポンイトに住宅供給の問題があると考えられるのであります。一戸建てのマイホームを持つことが市民の夢であることは十分理解しているところでありますが、マンションや集合住宅、あるいは公営住宅がライフラインの確保や住環境問題の対応策に大変いろいろな意味で利点を有していることを研究し、住宅行政に取り上げていることが印象的でありました。
以上の観点から、今回は
市営安倍口団地の現状と対策、将来展望についてお伺いいたします。
本市における市営住宅の整備は促進されております。小鹿団地においては立派な高層の市営住宅がこのほど完成しました。富士見団地においても、建てかえ事業が着々と進められており、大いに期待しているところであります。これらの事業は平成10年度に作成されました静岡市
住宅管理計画に基づいて進められておりますが、この計画の中では、静岡市内の公営住宅の戸数はほぼ充足されているとされております。
小鹿や富士見のように建てかえが進められ、近代化されていく新築団地はまことにすばらしいわけでありますが、一方にはかなり古い団地もたくさんあります。中でも
安倍口団地は昭和42年から建設が始まり、現在では 1,565戸の大団地であります。
建設が進められていた昭和40年から50年代には多くの新婚夫婦にとってあこがれの団地、ニューファミリーが入居して、広場では大勢の子供たちが遊び回って、若い奥さんたちの買い物姿や談笑する光景などで魅力あふれる団地だったと当時を懐かしむ地元の話を聞きますと、当時としてはさもあらんとうなずけるのであります。
しかしながら、現在では常時 400戸を超える空き家があり、年ごとに子供たちや若い人たちの姿が減少し、お年寄りが目立つ団地になってまいりました。当局はこの様子を十分承知していただいておりまして、平成12年度には外壁の塗装や
エレベーターの設置など、前向きの努力をいただいております。昔のような活気ある明るい団地にすべきである、そう感じてやみません。このような観点からお伺いいたします。
400戸を超える空き家の解消対策はどのように考えているのか、また、若い世代を入居させる手だてはないのか、また、団地における
高齢者対策はどのようになっているのか、最後に建設の耐震対策はどのようになされているのか、お伺いをいたします。
以上、1回目の質問といたします。
4
◯産業振興部長(中西敏夫君) 5点の質問についてお答えいたします。
まず、近年の産業の動向についての御質問でございますが、各種の統計調査によりますと、第1次産業のうち、農業は、平成11年度では農家戸数 4,012戸、耕地面積 4,130ヘクタール、農業総生産額約 169億円で、平成7年度に比べて、農家戸数で2,283 戸、36%の減、耕地面積 660ヘクタール、14%の減、農業総生産額で14億 9,000万円、8%の減となっております。
林業は、平成12年度の林家戸数で 2,532戸、
民有林面積で3万 2,330ヘクタールで、平成2年度に比べて、林家戸数で 160戸、5%減、
民有林面積で約1,000 ヘクタール、3%の減となっております。
水産業では、平成11年度の水揚げ量は全体で4,380 トン、
水揚げ金額で29億 7,300万円で、平成7年度に比べて、水揚げ量 3,085トン、41%の減、
水揚げ金額で30億 2,000万円、50%の減となっております。
なお、特産品のシラス漁につきましては、水揚げ量は約 1,332トン、
水揚げ金額は6億 9,000万円で、近年ほぼ横ばいの状況でございます。
第2次産業の製造業でございますが、平成11年度の事業所数は 3,558社、従業者数3万 4,002人、
製造品出荷額約 7,808億円となっており、平成7年度に比べて、事業所数で 235社、6%の減、従業者数で 4,574人、12%の減、
製造品出荷額で 1,655億円、17%の減となっております。
第3次産業の卸、小売業につきましては、平成9年度の商店数 9,057店、従業者数6万 1,673人、
年間商品販売額で3兆 8,574億円で、平成6年度に比べて、商店数で 907店、9%の減、従業者数で8,170 人、11%の減、
年間商品販売額で 2,922億円、7%の減となっております。
サービス業につきましては、平成11年度の事業所数 5,711社、従業者数4万 6,722人、売上額 7,178億円で、平成6年度に比べて、事業所数は 793社、12%の減となっておりますが、従業者数は 6,335人、16%の増、売上額は 1,416億円、25%の増となっております。
このように近年本市の産業は、長引く不況の影響もあって、需要や価格が低迷し、総じて厳しい状況に推移しておりますが、一方で
サービス業の伸びが著しく、産業のソフト化、
サービス化が進展をしているといった状況にあります。
次に、就労の場の創出につながる現在の支援策と今後の展開についての御質問でございますが、農林水産業では、農林道等のインフラの整備や生産現場での機械化の推進など、省力化や安全性を向上させ、就労環境を改善するための事業を実施しております。
地場産業につきましては、後継者、従業員の皆様に対して、新しい知識や技術を習得していただくための支援や、物づくりで生計を立てようとする皆様の独立や工房の開設等を支援する
クラフトマンサポート事業を実施しております。
その他、新たな就業の形態として注目されております
SOHO事業者に対する支援事業、高年齢者・
障害者等雇用奨励事業、
若年労働者雇用対策事業や再
就職支援技能講座などを実施しておりまして、就労の場の拡大に努めているところでございます。
今後も
グローバル化や
少子高齢化、情報化など、本市の産業を取り巻く
社会経済環境が大きく変化する中で、活力と創造力あふれる企業家を育成支援する事業や異分野間の交流連携と新産業の創出を支援する事業など、時代に即応した事業を展開してまいりたいと考えております。
次に、林道整備についての御質問でございますが、本市の管理する林道は 115路線、延長にして 314キロメートルとなっております。平成13年度の林道事業は、
国庫補助事業が7路線、
県単独事業が10路線、市単独事業が15路線で、合計32路線の工事を実施する予定でございます。
林道の整備や森林の適切な管理や公益的機能の高度発揮等、林業の安定的経営を図るため、極めて重要な事業であり、毎年地域の方々から多くの要望が寄せられております。今後につきましては、
地域森林計画に基づき、国、県の指導を得て、投資効果や活用状況等を考慮し、効率的な林道整備を推進してまいりたいと考えております。
次に、商工業の経営状態をどのように認識しているかという御質問でございますが、
日本銀行静岡支店の
企業短期経済観測調査などの
景気状況調査によりますと、商業は、
消費者ニーズの多様化、大型店との競合、販売単価の低下等の理由で依然として低迷しております。
また、工業は、輸入品の増加や他産地の競争の激化により、利益率が低下し、企業活動が低迷しており、本市の商工業者にとって厳しい状況にあるものと認識しております。
次に、
大型店出店状況と小売業、商店街に対する支援策についての御質問でございますが、店舗面積1,000 平米を超える大型店の新規出店は、平成10年度からの3年間で8店舗、店舗面積にして合計2万4,630 平米の出店がございました。
小売業や商店街に対する支援策につきましては、本年度は新たに高齢者や障害者に優しい
商店街づくりを目指した
ショップモビリティー実験事業を実施するほか、ITの積極的導入のための
ネットマーケティング研究事業や中心市街地のにぎわいを創出する事業に対して助成を行っております。
また、
中小企業者の事業活動を資金面で支援するため、
各種融資制度を実施しておりますが、本年度は小口資金等の貸付利率の引き下げを行ったほか、
地場産業振興資金につきましても、引き続き1%の利率で実施してまいります。今後とも
本市商業振興ビジョンに基づき、それぞれの商店街等のふさわしい活性化策を推進し、小売業者や商店街の振興に努めてまいります。
以上であります。
5 ◯建築監(大塚岩雄君)
安倍口団地の
空き家対策と将来の展望の御質問にお答えします。
まず、空き家の解消対策と若い世代を入居させる手だてについての御質問でございますが、
安倍口団地は市営住宅として市内最大の住宅団地でありますが、そのほとんどが昭和40年代建設の住宅で、
住居占用面積が狭く、老朽化が進んでいることなどから、空き家が多く、この対策が大きな課題となっております。
この
空き家対策としましては、部屋の改修を初め、2戸を1戸にする改修、外壁の改装等、居住環境の整備向上に努めているところでありますが、根本的な対策としましては、
安倍口団地全体のイメージアップを図り、若年層にとっても魅力ある団地にすることにあると考えております。具体的な対策、整備につきましては、今年度策定予定の
安倍口団地リフレッシュ計画の中で検討してまいります。
次に、団地における
高齢者対策についての御質問でございますが、
高齢者対策といたしましては、住宅の改修工事に合わせ、階段室の手すり等を設置してまいりましたが、平成12年度には全国に
先駆け高齢者対策の一環といたしまして、モデル的ではありますが、
階段室型エレベーターを2基設置し、今年度も引き続き3基設置の予定であります。
今後の対策につきましては、
高齢者向け設備改善の必要性が強く求められていることから、
安倍口団地リフレッシュ計画の中で具体的な
整備改善計画を策定してまいりたいと考えております。
次に、耐震対策についての御質問でございますが、
安倍口団地での耐震対策の必要な棟は39棟中1棟ございます。この棟の耐震対策については、国、県とも協議しながら検討してまいりたいと考えております。なお、入居者には、当面団地内に空き家があることから、他の棟に移転していただくよう考えております。
以上でございます。
〔15番安竹信男君登壇〕
6 ◯15番(安竹信男君) 御答弁をいただきました。
まず、産業振興対策についてでありますが、今やIT産業、IT産業と、IT、ITでありますが、私たち人間はITを食って生きていけません。まさに地についた産業をしっかりと支えていかなければいけない、これは論をまたないところであります。
ただいま多くの実績を、実情を報告いただいたわけでありますが、私は何もマイナスのことを拾い上げて答弁しろと言った覚えはないんですが、ほとんどマイナスでありました。まさにゆゆしき状況、このことについて我々も真剣にこれから行政とともになって頑張っていかなければいけない、こう思ったところであります。
農林水産業は、気候温暖な中部地方におきましては、我々がいろいろ視察しますと、寒いところの皆さんは一様にして、特に北海道だとか北陸の皆さんは、「静岡はいいですね。暖かいところだから、いろいろなものがたくさんとれるでしょう」と、こういうことでありますが、やはり農山村、厳しい問題があります。これからも十分にそれをわきまえて、関係当局にお願いしておきたいと思います。
また、昨年度、政府は食糧自給率を40%から45%に上げる、この指針を発したわけでありますけれども、本市の農業の実態を見る限り、これも極めて不可能に近い話だなと、こう危惧しているところであります。ぜひともこの辺につきましても、我々議会挙げてしっかりとした対応策を模索する必要があると思います。
やはり当面は農家の基盤整備と高齢化対策が急務ではないかと、こう思うわけであります。農業の担い手対策、農地の流動化対策、農業経営指針対策など、他市に先駆けた本市独自の農業施策を展開するよう強く要望しておきます。
また、林業の関係で林道の問題でありますけれども、本当に 115路線という大変大きな路線を抱えているわけでありますが、面積が市の市域83%、森林面積そのものは93%でありますから、当然であります。ぜひ他市に先駆けた林道整備を促進していただくよう心からお願いを申し上げます。
また、物づくり産業でありますが、第2次産業の製造業では、先ほど平成7年度に比較して、事業所数あるいは授業員数がやはり10%ぐらい減少しているということでありまして、驚いたわけでありますが、やはり必要なのはこれから人材育成ではないかと思います。クラフトマンサポード事業などは、ぜひとも強力に推進していただきたい。
また、働きながら高等技能を身につけようとする若者たちもふえてきております。市長が校長でありますところの静岡市立高等技能学校、私も何回かお尋ねをさせていただいておりますけれども、寂しい現実でございます。こういうところにももっと大きな光を与えてほしいと思っております。
また、第3次産業の卸、小売業では、商店数、従業者数がやはり平成6年度に比較して減少しているということが確認されたわけでありますが、ますます
消費者ニーズの多様化、大型店との競合化、外国も対象とした産地間競争、こういったものが激化してまいります中、どうぞやる気のある地域密着型の商工業者に対して、先ほど申されました融資制度等々、各種支援策を速やかに積極的に対応するようお願い申し上げます。
安倍口団地についてであります。既に平成9年12月の「市長と語る会」におきまして、
安倍口団地自治会におけるいろいろな御苦労多い状況が報告されておりますので、ただいま私が質問いたしました趣旨につきましては、小嶋市長の心の中では十分御理解をいただいていると思います。
答弁で、
安倍口団地リフレッシュ計画を立ち上げて、一層のイメージアップに誠心誠意努力していこうという、その取り組みの姿勢が強調されたわけでありますけれども、ぜひともこのリフレッシュ計画を真剣に立ち上げて、地元の皆さんの意を酌んだ事業が展開されることを心からお願い申し上げます。
特に耐震対策の必要な28号棟、これは皆さんが心配しております。今、本市に震源地を有する地震が2回も続いたわけでありますが、地震の対策あるいは安全対策の面からも、自治会と入居者の御理解は得やすいと思います。早急に入居者の転居、あるいは建物の処理、これを計画的に進めるよう要望いたします。
また、その跡地の利用でありますが、元公設市場の跡地もそのまま広場としてあります。
安倍口団地自治会が自主的に行った内部アンケートの内容を踏まえた団地住民や来訪者が集えるような多目的に活用できる施設や公園の整備など、このリフレッシュ計画の中に取り組んでいただくよう要望いたします。
次に、
山間地振興策のきわめつけでありますところの平成2年にオープンしましたリバウェル
井川スキー場の今後について質問をいたします。
平成10年のリバウェル
井川スキー場の開設10周年、これには小嶋市長も出席いたしました。地元で構成しているスキー場運営組合と県スキー連盟の関係者たちは、ゲレンデ延長を主といたしますスキー場拡張の必要性を要望いたしました。市長は、足道の悪い積雪の中を快く現地踏査に加わっていただき、全国のスキー場に関係を持ち、また多くの情報を抱えているスキー連盟関係者の熱心な現地説明を受けてくださいました。
申し上げるまでもなく、平成2年に落成オープン当初から、 300メートルのゲレンデは初心者向けであり、中級クラス以上のスキーヤーにも楽しまれるための、せめて 700メートルから 800メートルのゲレンデが欲しいと言われてまいりました。
建設計画がなされている当時を振り返りますと、温暖な地、静岡市にスキー場が建設されるというビッグな計画に対しまして、山頂付近の山腹における開発事業ということもありまして、いろいろな災害憶測が飛び交いました。そして、その計画そのものがとんざするのではという危惧される状況もあったのであります。
南アルプスの懐に位置する井川高原はマイナス気温が続き、冬の井川の生活は大変厳しいものであります。その厳しい寒さを逆手にとって、ウインタースポーツのスキー場を建設し、井川地域の村おこしを図ろうとした地元やスキー関係者及び行政当局の熱心さが認められ、夢大きな建設計画は最小規模に縮小されて建設されるに至ったと記憶されております。建設費は約14億円でありました。
早いもので
井川スキー場開設以来12年の歳月が流れ、当時心配された災害の発生は一度もなく、また延べ38万人という利用者を数えたことに対し、感謝の気持ちでいっぱいであります。この間、リバウェル
井川スキー場の管理運営に関しましては、行政当局の職員の皆さん、また県スキー連盟の方々、あの厳しい寒さの中を一生懸命地元と一体になって指導、協力を続けていただいたおかげがあったことは忘れてはなりません。この場をおかりして、深く感謝を申し上げる次第であります。
しかしながら、既に御案内のとおり、開設当時5万人をカウントした
井川スキー場の利用者数は近年減少の傾向にありまして、関係者一同今後の運営について大変心配しております。特にことしはシーズン中の天然降雪も多く、スキーヤーの皆さんがスキー場まで到達できないで引き返すといったハプニングもあったと聞いておりますが、いずれにせよ、開設当初のにぎわいを取り戻すために魅力あるスキー場に再生を図ってほしいと願ってやみません。
これまで地元スキー連盟、利用者の多くの関係者から、ゲレンデ延長など、スキー場拡張計画はたびたび要望の声が聞かされてきたのは事実であります。
以上の観点から質問いたします。
利用者をふやすためには、スキーシーズン中、マイカーや団体バスの交通安全対策が不可欠であります。スキー場へのアクセス道である県道、市道、農道の速やかな積雪除去対策などに万全を尽くすべきだと思いますが、どのように考えているか伺います。
また、公立の小中学校の児童生徒のスキー体験教室などウインタースポーツ普及について、学校教育当局はどのように考えておりますでしょうか。近年小学校の活動におきまして、冬期には利用者の減少する少年自然の家に宿泊し、夜は星座の観察などをして、昼にスキーを楽しむという行事を行っておりまして、参加している児童たちは大変楽しんでいると聞いております。今後このような催しが市内の全校に広がるような指導ができないものかお伺いいたします。
また、毎週水曜日をレディースデーとして、女性はリフト料金を無料サービスしたり、また初心者向けのスキー指導教室などを開くなどして、誘客に努力されております。
まだまだこの辺のPRが少ないように感じてなりません。このPRについてどのような方法を考えているかお伺いいたします。
また、初心者にとっては手頃な練習ができると喜ばれ、上達すると物足りないと敬遠される、このスキー場であります。この際、ゲレンデ延長など拡張していただいて、中あるいは上級者に魅力ある
井川スキー場を再開発する考えはあるかどうかお伺いをいたします。
以上、2回目の質問であります。
7 ◯市長(小嶋善吉君) 私からは、リバウェルスキー場の除雪対策について御答弁申し上げたいと思います。
まず、その前に定住人口対策、いろいろ御提言をいただきましてありがとうございました。5年に一遍の国勢調査で 4,000人ほど減ったわけですけれども、周辺の人口を見てみますと、藤枝と焼津がそれ以上ふえているということで、都市としての役割分担ということかなと思ってみたり、また全国の大体静岡ぐらいの県庁所在地、中枢都市が同じような悩みを今、抱えていまして、周辺にどうしても人口が出ていくと。
49 ◯保健福祉部長(渡辺鍵次郎君) お答えします。
身体障害者ケアマネジメント推進事業の実施状況について4点の項目について、まずお答えをいたします。
身体障害者ケアマネジメント推進事業は、平成12年10月1日から半年間にわたり、国が示した身体障害者介護等支援サービス指針に基づき実施をいたしました。具体的には、ケアマネジャーを中心として、障害者のニーズを満たすための複数のサービスを適切に結びつけ、調整を図り、当事者の意向を尊重し、ケア計画を策定いたしました。
ケア会議のメンバーと障害当事者の参加についてでございますが、ケア会議は医師や保健婦、理学療法士など15名で構成され、各事例におけるサービスの内容や回数などについて、専門分野から検討を行いました。
このケア会議の委員として、また検討事例の当事者として、障害当事者1名が参加し、当事者の視点から各ケースにおけるケアマネジメントのあり方などについて建設的な御意見をいただきました。
検討した事例数でございますが、本市の身体障害者ホームヘルプサービスを利用している方で性別、年齢、障害を考慮し、本人や家族の承諾を得られた10ケースです。
各事例の具体的な個々の状況ですが、年齢は41歳から62歳までで、慢性腎不全で人工透析を行っているが、持病のうつ病があり、日々生活に不安を抱えている事例、また視力の障害をみずから受け入れられず、不安を拡大した事例、事故による頸椎損傷で車いすの生活となったが、障害を乗り越えて、積極的に社会参加をしている事例などがございます。
次に、障害者ケアマネジメントを事業実施してわかった問題点等でございますが、事業実施をしてわかった問題点や課題につきましては、本事業の中心的存在であるケアマネジャーの資格や法的な位置づけが明確にされていないことや、障害者が利用しやすいケアマネジメントの窓口をどこに置くべきかが問題点や課題として上げられました。
今後の進め方といたしましては、障害当事者の意向を尊重しつつ、地域にあるさまざまなサービスを適切に結びつけ、その調整を図るケアマネジメントの手法を学びましたので、今後はこれらをさらに深めてまいりたいと考えております。
次に、それぞれの障害を持った人の生活を支えるケアをどうとらえているのかということですが、障害者ケアマネジメントにおけるケアの概念とは、単に介護や介助等の狭い意味ではなく、保健、福祉、医療などを包括し、障害のある者の自立と社会参加の支援、地域における生活の継続支援、主体性、自己決定の尊重や支援などを含む広い意味を持つものであると理解しております。
以上でございます。
〔1番渡辺正直君登壇〕
50 ◯1番(渡辺正直君) では、3回目です。3回目は意見、要望をさせていただきます。
今回は、並行して行われています精神・知的障害者の実施状況については次回に譲りたいと思いますけれども、このケアマネジメント推進事業は2003年からの支援費支給方式の実施に向けて、大変重要な事業となるわけですので、2回目の質問でも述べましたけれども、障害者のケアの基本は、その人らしい生活と自己決定、自己選択をするためにエンパワーメント、障害を持つ人自身が力をつけるためにどのように援助していくかが、最終的な私の考える目標でありますマネジメントケアへの道筋をどのようにつけていくかが今後の課題となると私は考えています。
エンパワーを助けるための調整を実施するには、利用者が自分のニーズを充足するために必要な社会資源がどこに存在するのかを知る手がかりとなるものでなければなりません。すなわちニーズは利用者自身が把握し、社会資源の所在に関する情報を得た上で、必要となるケアサービスを利用者自身で利用することができるようにするために調整が行われなければなりません。
このような自己評価に基づいてケアサービスが提供され、必要な場合にはケアマネジメントが行われることになると思います。そこで、必要なサービスごとに対応すべき機会をわかりやすいように、そして自分でマネジメントできる分野をでき得る限り自分でマネジメントする領域としてとっておけるように調整する必要があると思います。自分だけでは不安なところ、あるいは専門家や自立生活の先輩たちからアドバイスを受けた方がよいと思う分野について、それを限定的に受けられるように配慮しなければならないと思います。
そういった意味で、介入を要する分野を限定してマネジメントを行うためには、ケアニーズの分野を大きく5つに分けて考えるとわかりやすいと思います。
第1分野としては、いわゆる身辺処理とか屋内移動におけるADLです。第2分野は、医療、リハビリテーション、第3分野としては、住環境の設定や補助器具の配備、これは福祉機器や住宅改造に当たると思います。第4分野としては、自立生活の技能を高めるための活動、コミュニケーションであるとか、健康管理、危機管理、金銭管理等がそれに当たると思います。そして、第5分野としては、生産的・創造的生活、それはさまざまな文化に触れるであるとか、余暇活動を含めて、そういったものがあると思います。
こういう援助のための調整であれば、利用者の状態を援助者が把握することで十分ですが、しかし利用者は常に援助される立場にとどまってしまい、エンパワーメントされません。利用者がエンパワーされるためには、利用者のニーズを把握する方法やサービスを利用するために知識や情報を専門職を初めとした援助者から利用者へと移すことが必要です。そこには自分に自信を取り戻すためのサポート、ピアカウンセリングであるとか、自立生活プログラムが有効だと思います。
このようなセルフマネジメントケアを目標としたエンパワーのための調整を行わないと、利用者は無期限に援助の対象にとどまってしまい、自立性が失われてしまいます。また、援助者から見ると、世話をしなければならない利用者がふえることはあっても、減ることがない。しかも、世話をする期間が長引くばかりとなって、利用者と援助者の双方にとって好ましくない状況に追い込まれてしまうことが十分に予想されます。
コンサルタント方式とセルフマネジメント方式の場合、時間の経過に従って、利用者はだんだん力をつけ、ケアを自己管理できるようになってきます。それによって、1回目の質問でも述べましたけれども、障害の内容や程度にかかわらず、必要なサービスを選択し、決定し、利用しながら、主体的に自己実現を図っていくことができていくと私は考えます。
最後に、ある重度の障害を持つ先輩が言った言葉が今でも私の耳に残っているんですけれども、それを言って、質問を終わります。彼は「生かされるよりは生きたい」とよく言っておりました。
以上で質問を終わります。
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51 ◯副議長(前田豊君) 次は、29番山田誠君。
〔29番山田誠君登壇〕
52 ◯29番(山田誠君) 通告に従いまして、教育行政についてお伺いいたしますが、先ほど午前中のときに岩ケ谷議員から私の前段全部話をしていただいたようですので、改めてここでもう一度を話をさせていただきます。
皆さんも御存じのとおり、去る6月8日、大阪府池田市において大阪教育大学附属小学校で児童8人が亡くなり、児童と先生15人がけがを負うという大変痛ましい、また悲しい事件がありました。まずは犠牲となった子供たちの御冥福を心よりお祈りいたします。
事件の詳しい状況は新聞などで報道されておりますので、ここでは触れることはいたしません。この事件は、社会的弱者である子供たちをねらった事件であり、大変許しがたい犯罪であります。最愛の我が子を失った親御さんの気持ちは余りにも深い悲しみの中にあって、今もなおいえてはおりません。私にも同じ年齢の子供がおりますので、親御さんのことを思うと、決して他人事とは思えないところであります。安全で楽しいはずの学校で起きたこの事件は、社会や教育行政に対して大変大きな衝撃を与えております。
一昨年に京都府及び和歌山県において、学校内で児童生徒を殺傷するという事件が発生し、静岡市においても、昨年1月に新通小学校の敷地内で男性が殺害される事件が発生しております。これらの事件以降、市内の各学校において子供たちの安全確保が図られているはずであります。
そこで、まず1点お伺いをいたしますが、市内の各学校では、部外者の立ち入りへの対応と子供たちの安全確保についてどのような方策をとってきたのか、現状についてお伺いいたします。
今回の事件発生後に出された遠山文部科学大臣の談話の中にも、「子供たちが楽しく安心して学べる場であるはずの学校で、このような多数の児童や教員が犠牲となる事件が起きたことは、まことに残念であり、二度と繰り返されてはならず、関係者が全力で再発を防ぐ必要があります。」中略「また、保護者やPTAを初め地域の関係団体の方々におかれましても、幼児、児童生徒の安全確保について、地域ぐるみで取り組んでいただくようお願いいたします」とあります。
また、新聞等においても、静岡市の教育委員会から通達が出されたり、また緊急の校長会が開催されたりしたことが報道されております。ほかにも本日までにさまざまなこれに関することで新聞報道があります。静岡市としては、児童教員殺傷事件発生後に今回どのような対応策をとったのか、これを2点目としてお伺いをいたします。
本市も以前から地域に開かれた学校づくりを進めてきております。私は地域に開かれた学校づくりとは、人と人のつながりからできるものと考えております。私が子供のころは、私の通っていた学校では、小学校と保護者、そして地域の人々が協力して学校行事に参加し、そして子供たちを育てることに一生懸命参加をしておりました。まさしく地域に開かれた学校づくりが実践されていたのではないかと思います。
社会の変化とともに、その後、学校のあり方も変化をしてきたのではないでしょうか。そのころの学校というのは、私からすれば、ちょうど30年前になるわけですが、今ちょうど問われていることが実際行われていたわけですが、やはり少し早くに取り組み過ぎたのかなと、今、私は思います。
そして、今まさに地域に開かれた学校づくりという大きな流れが流れてくる中で、今回のような凶悪な事件が発生したことにより、そのような流れに歯どめがかかることを懸念するものであります。市の教育委員会としては、この点についてどのように考えておられるのかお伺いをいたいします。
以上、1回目の質問といたします。
53 ◯教育長(織田元泰君) 児童生徒の安全確保に関する3点の御質問にお答えいたします。
最初に、部外者の立ち入りへの対応と児童生徒の安全確保について、これまでどのような方策をとってきたかという御質問でございますけれども、一昨年12月に起きた京都市の小学校において、侵入者に小学生が殺害されるという事件などを契機に、市内の各小中学校では、無断で校地内へ立ち入らないよう表示した看板を設置するとともに、文部省が出した点検項目をもとに、子供の安全確保と学校の安全管理について仔細に点検いたしました。
点検内容としましては、在校中の児童生徒の掌握や来校者の確認、登下校中の子供の安全指導など、日常の安全確保の徹底、及び不審者の情報があった場合のPTAや警察との連携、侵入者に対する教職員体制など、緊急時の安全確保についてであります。
さらに、保護者はもとより、登下校中の緊急時に避難できる「子供 110番の家」等の設置や日常の声かけなど、地域の方々への協力依頼についても取り組んでまいりました。
それから次に、大阪府池田市の小学校における児童職員殺傷事件が起こった後、市教育委員会はどのような対応策をとったかという御質問でございますけれども、事件の報道を受け、市教育委員会といたしましては、緊急に次のような対応措置をとりました。
直ちに市立のすべての幼稚園長、小中学校長にあて、子供の在校時は不要な門を閉じて、部外者の出入りを把握すること、職員による巡回の実施やPTA、警察との連携をとること、さらに幼児、児童生徒にも注意を喚起する指導を行うことなどについて、その日のうちに通知を送付いたしました。
さらに、臨時の校長会において、すべての幼稚園長、小中学校長に対しまして、この通知内容の徹底と先ほど述べた文部省からの点検項目をもとに、速やかな再点検の実施を指示いたしました。
それから、3つ目といたしまして、今回の大阪の児童殺傷事件によって、地域に開かれた学校づくりという方針に変化はあるかというお尋ねでございますけれども、先ほど触れました京都市、さらに和歌山県内での事件に続き、昨年1月、静岡市内の小学校の敷地内において殺人事件が発生したのも記憶に新しいところでございますけれども、このときも開かれた学校の方針に変化はなく、今回の大阪の事件もこの方針を阻害するものではないと考えております。
今回の事件により、子供の生命を守ることを大前提として、学校の安全管理については一層強化してまいりますが、開かれた学校とは、出入りできる門の数といった形式的なものではなく、子供たちを保護者や地域の方々とともに育てていくという学校教育のあり方、理念を示したものでございます。
したがいまして、幼児、児童生徒の安全についても、保護者や地域の方々、警察等の関係者と連携し、多くの目で見守ってもらう方がより確かに守られるものと考え、今後も開かれた学校づくりを推進していく所存でございます。
以上であります。
〔29番山田誠君登壇〕
54 ◯29番(山田誠君) それでは、2回目の質問をいたします。
先ほどの教育長の答弁では、地域に開かれた学校づくりの方針には、今までと変更なく、これからも進めていくということでありますで、これについては期待をしておきたいと思います。
しかし、開かれた学校づくりということと、子供たちの安全確保ということを両立させていくということは、相反する部分も含んでおり、非常に難しい点があります。
学校の校門を閉めれば、安全が保たれるという保証はないのであります。もしある目的を持って入ろうとすれば、容易に入ることは可能だと考えられます。それは門があるなし関係ないと私は考えております。もしそうなった場合に、学校内の大人は普通であれば教職員だけであり、その教職員の方々が子供たちを守っていかなければならないのであります。
そのようなことから、学校においてやはり明確な危機管理体制をつくる必要があるのではないでしょうか。子供たちというのは、大人のように、今回の事件でもあるとおり、すぐに反応して逃げるとか、いろいろな対応がとれるわけではありません。やはりそれは大人が先生方がきちんとしたことをしていってあげなければ、対応はできないわけです。これは自分の子供を見ていても同じですが、やはりまだまだ静岡の言葉で言うと「みるい」という言葉が本当に入ると思います。
そこで、お伺いいたしますが、これからの静岡市として開かれた学校づくりの方針を持っていく中で、子供の安全確保についてはどのような方策をとっていくのかお伺いいたします。2回目の質問といたします。
55 ◯教育長(織田元泰君) 開かれた学校づくりの方針のもと、子供の安全確保のために今後どういう方策をとっていくつもりかというお尋ねにお答えいたします。
今後は、各学校の状況に応じ、さらに実効ある対策に取り組んでいかなければならないと考えております。例えば門扉の管理の徹底や無断での立ち入りは禁ずる看板の増設など、施設面における改善であります。また、可能な限りにおいて、教職員による校内の巡回や侵入者を想定しての緊急対応訓練を行うなど、人的な対策の充実を図ることも考えられます。
そして、今後一層重視したいのが巡視、情報提供などにおいて、PTAの方々との連携を深めること、さらに町内会長、民生委員等、地域の方々と学校とで組織する学区健全育成会などの協力を得て、地域全体の目で学校、そして子供たちを見守っていただくよう働きかけていくことでございます。
今後とも開かれた学校の推進を継承するとともに、幼児、児童生徒の安全確保に万全を期すよう、教育委員会といたしましても最大限の努力をしていく所存でございます。
以上です。
〔29番山田誠君登壇〕
56 ◯29番(山田誠君) 3回目は要望とさせていただきたいと思います。
ただいま答弁をいただいたわけですが、本当に今の答弁で十分な対応策がとれていると言えるのかと言ったら、やはり私は十分でないと。また、あるいは今、話を聞いた皆さんもそう思われた方々がいらっしゃるのではないかと思います。
今回のような事件が二度と起きてほしくないという思いは、だれもが持っていると思います。しかし、いつどこでこのような事件が発生するかはわかりません。先ほどもありましたが、門扉を閉じるとか、そういった設備面の点検あるいは対策、そういったことも重要でありますが、やはりそれ以上に教職員の方々の緊急時での対応が一番重要なんではないでしょうか。
保護者には各学校を通じて注意事項などを記載したプリントが今回も配付されております。私の家にも小学校の校長先生の名前で配付されております。
しかし、通常の状況であれば、学校内においては、先ほども話をしたとおり、教職員に任せるしかないのであります。例えば警察などの協力を得て、教職員の緊急時の対応訓練をしたりすることも必要なんではないでしょうか。ただし、これは数日前に岩手の小学校で抜き打ちの訓練をしたと、そういった話がございましたが、そういうことを指すのではなくて、本当に先生がどう対処したらいいのかと、そういったことを、1回ではなくて何回かやはり対応能力がつくような形できちんとしたものでやってもらいたいと、そういうことであります。
また、それ以上にもう1つ重要なのは、来校者が見えたら、例えば先生が授業中においても、その授業を別に長く中断するわけではありません。一言声をかける。例えば「何の御用ですか」あるいは「事務室へ行ってください」と、そういったような言葉をかける。これは私は大変重要なんではないかと思います。けさの新聞にも写真が掲載をされておりますが、外から来た方々には受付に回ってくださいと、事務室を通してくださいと、そういうふうに書いてあるわけです。しかし、本当にそれでいいのでしょうか。そうではなくて、やはり一言声をかけるということが大変大きなことに、私は、いろんなことの予防にもつながっていくと思っております。まだまだほかにもいろんな対応策というのはあると思っております。これから危機管理の対応のマニュアル──余りマニュアルに頼ることは決していいとは思いませんが、やはりそういったものの作成、また、それに伴う実践、そういったものを進めていくべきではないでしょうか。
先ほどの答弁の中にも、学区の健全育成会、町内会、民生委員の方々とも協力をしてもらうと、そういったこともありますが、本当にそれで十分なのか、もっともっとそれ以上に地域の人たちにはどのような協力ができるのか、そういったことを話し合う機会を持つなど、もっともっと今まで以上に学校側からの積極的なアプローチが必要なのではないでしょうか。
私は、これまで、学校側として地域の人たちに対して本当に積極的にアプローチができてるかと言ったら、決して十分ではないんではないかと思っております。地域から何が求められ、学校からは何を求めるのか、ともに考えていくことが大事であります。
また、今回はありませんでしたが、このような事件に遭遇した子供たちの心のケアをどのようにするのかといったことも重要な課題であります。
教育委員会のこれからの取り組みが問われているのであり、教育長の先ほどの答弁の中にも教育長の意思はあらわれておりますが、これからのもっともっと強い指導力に期待いたします。
今回の事件を教訓として、二度と同じような事件が起こらないことを切に願うものであり、今回被害に遭われた皆さんの御冥福と一刻も早く怪我から回復されることを祈りまして、私の質問を終わります。
57 ◯副議長(前田豊君) 暫時休憩いたします。
午後2時49分休憩
─────────────────
午後3時11分再開
58 ◯議長(池ケ谷恒雄君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続けます。
次は、5番丹沢卓久君。
〔5番丹沢卓久君登壇〕
59 ◯5番(丹沢卓久君) 先日、ある席で市長と御一緒させていただいた折に、市長の方から「丹沢君、子供はまだですか」というような声をかけてもらったわけなんですけれども、きょう質問させていただいた結果、また改めて考えてまいりたいと思います。
というわけで、今回は質問の大きなテーマを幼児教育についてといたしました。幼児教育と申しますと、「お受験」といったような言葉を連想される方もおられるかもしれませんが、決して小さな子供たちに早い時期から算数や英語を教え込むという狭い意味での幼児教育のことを言うのではありません。私が今回のテーマに掲げた幼児教育とは、小さな子供たちの心身が健全に育成され、社会性ある人格形成がなされていくための支援という広い意味での幼児教育であります。
そこで、今回の質問を通じて明らかにしていきたいのは、我が市の行政として、市内の小さな子供たちのためにどのような教育環境を提供できるのかということであります。個別の質問としては、幼児教育の担い手となる幼稚園と保育所のあり方や行政の支援策などについて言及してまいりたいと思います。
では、早速それぞれの項目に従って質問をしてまいります。
子供たちが健全に育っていくには、何よりも家庭の環境づくりが第1であることには昔も今も変わりはありません。しかし、近年、家族形態や親の就労形態の変化に伴って、子供を取り巻く環境は著しく変化しております。また、幼児教育や子育てそのものについても、親の価値観や行政への要望はますます多様化しつつあるようであります。
自分にとって身近な例で考えてみましたら、私が幼かったころには母親は自転車の前と後ろに私と兄を乗せて、かなり遠くのスーパーまで買い物に行ったりしたものでありますけれども、最近では自動車で移動する親が多くなってきたためか、そういう光景は以前ほどには見られなくなってまいりました。それどころか、駐車場が少ないとか、チャイルドシートに助成をせよとか、そういった声すらも聞こえてまいります。
こういった変化をぜいたくと言うか、必然ととらえるかは、受けとめる側の価値観によって異なる問題でありますから、単純によいとか悪いとかいった判断がされる問題ではありません。少なくとも若い多くの親たちはそれぞれ真剣に育児に取り組んでいることには違いはないのです。
しかし、行政の行為として、小さな子供たちのための施策を講じていくというのであれば、個別の局面ごとに場当たり的な対応をするのではなく、制度に共通した理念がその前提として必要となってまいります。私は以前の質問の折にも申し上げましたけれども、教育とは子供たちへの祈りを実現していく行為だと思っております。
そこで、まず市長にお伺いしたいのですが、市長は静岡市の子供たちに対して、どんなことを祈られているのでしょうか。これでは議会の質問としては余りふさわしくないのかもしれませんので、少しアレンジしてお伺いをいたします。幼児期の子供はどのような環境のもとで成長していくことが望ましいとお考えか、この点について市長のお考えをお聞かせください。
議論を少し具体的にしまして質問を続けてまいります。理想を掲げた上で行政がまずしていかなければならないのは、先ほど申しましたような価値観の多様化の背景にある社会環境の変化を的確にとらえていくことであります。そして、その上でどこまでを家庭の努力の範囲内とし、どこまでを行政が支援するべき問題とするのか、その点を明確に判断しながら実現のための具体的な施策を講じていくことが求められてまいります。
そこで、まず幼児教育をめぐるこれまでの変遷と今日の社会的要請について伺ってまいりたいと思います。
我が国の幼児のための施策は、戦後に制度化された大きな2つの体系によって、これまで展開されてまいりました。その1つが教育の施策としての幼稚園制度、そしてもう1つが福祉の施策としての保育所制度であります。
我が国における幼稚園の発祥は、明治9年の東京女子師範学校の附属の幼稚園であるとされておりますが、これらの戦前の幼稚園は経済的に恵まれたごく一部の階層の子弟が通園するところであったようであります。
幼稚園が一般的になり始めましたのは、戦後の昭和20年代と言われております。私はこの背景には、戦後の復興期において教育そのものへの社会的関心が高まったことが挙げられると思います。
また、それに続く高度成長とベビーブームの社会情勢の中では、教育の提供のみならず、一定時間幼児を安全に預かってくれるところとしての社会的な期待が次第に比重を増してきたと考えます。
そして、こういった役割への期待は、現在ではますます社会的要請として高まりつつあるように感じております。このように一口で幼稚園制度と申しましても、そこに向けられている社会的要請は時代背景によってそれぞれ異なってまいります。
そこで、本市における幼稚園の変遷と社会的要請についての認識をお伺いいたします。本市の幼稚園の変遷はどのような社会的要請によるものとお考えか、そしてまた今日の幼稚園に向けられている社会的要請とはいかなるものとお考えか、お答えください。
さて、同じ内容について保育所行政の角度からもお伺いしてみたいと思います。今日で言う保育所の発露は、やはり明治時代に見ることができます。殖産興業の国策のもとで、多くの女性が繊維工場などで働くようになったために、工場内に託児所がつくられたのが保育所の始まりと言われております。また、戦争の影響によって、出生軍人幼児保管所といったようなものも設けられたと聞いております。
また、その一方で、戦災や貧困などの事情によって、家庭での保育が十分でない子弟を慈善事業として保育していた寺院や教会なども多くあり、これらによって、多くの恵まれない子供たちが救済されてきたという事実も見逃すことはできません。いずれにしても、教育とは全く異なる理由で創設された制度であることには違いなく、救済的、慈善的な特徴を色濃く含んだものであったと考えられます。
このようにして誕生した保育所は、戦後になって、人権思想に基づく福祉施設としての現在の位置づけを獲得し、児童保育事業として制度化されてまいりました。そして、近年の保育所利用の一般化に伴い、かつての弱者救済といったようなイメージは次第に払拭されつつあると思います。特に現在では核家族化や夫婦共働きは当たり前の時代となり、保育所行政が福祉施策の一環であるとはかつてほど実感されないほどになっております。
私は、このようなことから、保育所制度は慈善から福祉へ、そして福祉から一般的な社会サービスへと社会的要請が変化しつつあると感じております。そして、単なる育児の補完という意味合いだけではなく、集団の中で心身の健全な育成を支援し、社会性を身につけていくという広い意味での幼児教育が今後の保育所に対してはますます求められつつあるのではないでしょうか。
そこで、お伺いいたします。市としては、これまでの保育所の変遷をどのような社会的要請によるものとお考えか。また、今日の保育所に対する社会的要請とはどのようなものとお考えであるのかお聞かせください。
さて、続いて福祉施策としての保育所の意義について質問いたします。先ほど私が申しましたように、保育所に対する社会的要請は時代とともに変化してきております。もちろん根本としての理念は福祉施策としての保育であり、それ以上でもそれ以下でもありません。保育所は児童福祉施設であり、家庭生活では十分に得られない保育を補うための福祉施設であります。
しかし、幼稚園は教育機関であるからここまで、保育所は福祉施設であるからここまでという区分が今日の社会的要請に的確にこたえているものであるかどうかは議論の余地があると思います。冒頭で市長にお伺いしましたように、子供たちにとって何が必要であり、どんな教育環境を提供するのが望ましいのかという視点に立たなければ、静岡市の子供たちは教育と福祉という制度上の見えない壁によって分断されてしまうことになるのであります。
では、果たして現在の福祉制度で言うところの保育所における保育とはどこからどこまでを守備範囲としているのでしょうか。そこで、行政の考え方をお伺いいたします。本市としては、保育とはどのような内容のものと解釈し、どのように保育所に指導を行っているのかについてお伺いいたします。
続いて、質問させていただきます。家庭の教育力の低下が指摘されている昨今、幼稚園や保育所にかかわらず、すべての幼児に対して心身の健全な発達と社会性ある人格形成への支援、つまり広い意味での幼児教育が求められてくると考えますが、このような社会的ニーズを保育行政の立場からはどのように受けとめられているのかについてお答えください。
さらに、続けてお伺いをいたします。保育所に通う幼児に対して、ただいま申し上げましたような広い意味での幼児教育をより積極的に推進していくことが必要と考えるのであれば、現在、保育所は幼児教育の推進のためにどのような取り組みを行っておられるか、また、今後どのようなことが必要であるとお考えか、この点についてお聞かせください。
さて、保育所のあり方について質問してまいりましたが、幼稚園についても幾つかお伺いしたいと思います。繰り返し申し上げているとおり、本来重要であるのは、子供たちにとっての教育環境はどうあるべきかという議論でありますが、事幼稚園については、その担い手となる幼稚園が現在抱えている問題を解決しないことには理想論ばかり語っていることもできない状況にあります。
御承知のとおり、現在多くの私立幼稚園は大変苦しい立場に置かれております。まず、確認のためにお伺いしたいのは、本市における私立幼稚園の価値とその評価であります。
明治の学制公布以来、現在に至るまで、国や地方は大変熱心に学校教育に取り組んでまいりました。私立の多いヨーロッパ諸国と比べ、我が国の学校教育は国と地方自治体による公立主導で展開されてきた歴史を持っております。全国のあらゆる地域に公立の小中学校が配置され、高校にしても大学にしても同じように各地域に整備されてまいりました。
しかし、幼児教育について言えば、事情は全く逆であります。幾つかの公立幼稚園が歴史的に重要な役割を果たしてきた例もございますけれども、社会全体からの幼児教育のニーズを直接受けとめ、そして専門的幼児教育の分野を開拓してきたのは私立幼稚園の主導によるものと私は考えます。私立幼稚園は、それぞれ独自の理念を持って幼児教育を展開してきたわけでありますが、結果的には私立幼稚園によって、公の幼児教育への社会的要請が満たされてきたと考えることができます。
実際に現在では、公立9園に対して私立39園、園児の比率にいたしまして93%の子供たちが私立幼稚園に通園しております。さらに、公立幼稚園が存在しない我が市の多くの地域においては、私立幼稚園が地域の幼児教育の拠点として位置づけられ、幼児とその保護者はもとより、地域全体にとっても不可欠な存在とされるに至っております。これらの事実から明らかなように、我が市の幼児教育を支えているのは私立幼稚園の努力によるものが非常に大きいと私は考えております。
そこで、お伺いをいたします。市としては私立幼稚園がこれまで我が市の幼児教育に果たしてきた役割についてどのように評価されているのかお答えください。
さらに、質問を続けてまいります。現在我が市における私立幼稚園は、各園の懸命な経営努力にもかかわらず、非常に困難な経営を強いられているのは御承知のとおりであります。平成12年5月のデータでも、私立幼稚園の定員に対する園児数は73%台にとどまっており、今後も深刻な定員割れが続くと予想されます。親としては、もし近くに公立の幼稚園があるのなら、入園料と毎月の保育料が安い方を選ぶのは自然なことでありますし、保育園への入園が可能であれば、家庭にとって経済的に有利な方を選択するのは当然なことであります。
子供の数そのものが減っている社会情勢のもと、一方では、福祉施設としての保育所に多くの子供たちが吸収され、また一方では行政の財源によって守られている公立幼稚園と保育料の格差を抱えたままで競合していかなければならないのが現在の私立幼稚園が置かれている立場であります。
しかし、そういった状況の中でも、なお我が市の幼児教育の大半を私立幼稚園が担っていくことになるのは、これまでも今後も変わりはないと思われます。これまで私立幼稚園に幼児教育を依存してきたことも考え合わせれば、行政としてはこの問題を単純な市場原理に基づく淘汰の理論で考えるべき問題ではないと私は考えます。事は教育であります。もしも行政が淘汰の理論を当てはめることで、幾つかの私立幼稚園が経営不能となった場合には、そのしわ寄せを受けるのは各地域の小さな子供たちにほかならないのであります。
そこで、お伺いいたします。静岡市の子供たちのために幼児教育の量と質を確保するという点から、私立幼稚園に対して積極的な支援を講じていくお考えはないかどうかお答えください。
さて、1回目の質問の最後となりますが、ここでは私立幼稚園での幼児教育に関連して、幼児教育の安全性についてお伺いをしてまいりたいと思います。
静岡市にとっては常につきまとっている地震への心配でありますが、最近の県内における地震の頻発は、さらに不気味な影を落としております。日中、小さな子供を幼稚園や保育園に託している親にとっては、なおさらのことと思われます。
このような中、静岡市としては小中学校を初め、公立の幼稚園に対して耐震補強工事の完備を急いでいるところであります。ぜひ早期に万全の補強工事が完成するよう求められてくるところであります。
しかし、同じ幼稚園であっても、私立幼稚園の場合は多大な出費を伴う耐震補強工事にはなかなか手がつけられないという現状があります。現在、私立幼稚園の耐震補強工事への補助は県によって行われておりますが、補助率は15%前後にとどまるものでしかなく、厳しい経営を余儀なくされている私立幼稚園にとって、残りの予算を確保するのは至難のわざと言わざるを得ません。
そこで、まずお伺いいたします。県からの耐震補強工事への補助をより充実させるよう、静岡市として県に働きかけていくお考えはないかお答えください。
耐震補強工事について続けてお伺いいたします。公立と私立では制度上の違いはございますし、市としては公の施設への耐震補強工事だけでも財政的な限界があることは承知しておりますが、静岡市の小さな子供たちを地震から守ることには、公立も私立も違いはありません。まして市内の幼稚園児の93%は私立幼稚園の園児なのであります。
市としては、県の補助のみに任せるのではなく、独自に耐震補強工事を支援する施策を講じるべきではないでしょうか。例えば県の補助に対して、市の単独の上乗せ補助をすることも考えられます。しかし、もし財政的あるいは制度的に限界があるのであれば、市から無利息で耐震補強工事費用を貸し付けるといった方法や、金融機関などからの借入金の償還に対して利息や元本の一部を市が負担するといった方法も考えられると思います。いずれにしても、市独自の積極的な支援策が求められてくるところであります。
そこでお伺いいたします。市としては、私立幼稚園の耐震補強工事に対して独自に積極的な支援策を講じるお考えはないかお答えください。
以上で1回目の質問とさせていただきます。
60 ◯市長(小嶋善吉君) ひとつ頑張ってくださいね。
それでは、幼児期の子供たちはどのような環境の中で成長していくことが望まれるか、私の考えを述べさせていただきます。
幼児期の子供は、親の温かく豊かな愛情のもとに健やかに育てられることが最も大切なことでありまして、家庭こそが幼児教育の根幹であるというふうに考えます。
しかしながら、少子化や社会の変化により、幼児を取り巻く環境も大きく変化をしてきている現状の中では、社会全体で将来のある子供たちを育てていくという認識のもとに、社会全体で家庭教育を支えていく必要もあるものと考えます。
以上であります。
61 ◯教育部長(栗本裕君) 幼稚園の変遷はどのような社会的要請によるものか、また、社会的要請とはどういうふうにして考えているかという御質問でございます。
本市における幼稚園の創設の歴史は、明治18年に追手町の市立小学校に附設されたものが最も古いと言われておりますけれども、市立幼稚園としては安東幼稚園が昭和6年に開設され、一般的には伝統のある幼稚園として知られております。
私立幼稚園は、古くは明治末期に数園設立されましたけれども、最も多くの園が設立されたのは昭和20年代から昭和40年代にかけてであります。
明治末期、戦後の復興期、あるいは現代においても、それぞれの時代背景に違いがあるものの、市立、私立を問わず、就学前の幼児期という大切な時期を集団の中で豊かな心情をはぐくみ、健康でたくましく成長してほしい。そして、円滑に小学校での集団生活に進んでほしいとする保護者の願いには変わりはないものと考えられます。
私立幼稚園が本市の幼児教育行政に果たしている役割でございます。戦後の復興期から高度経済成長期にかけて、幼稚園への期待は大きく膨らみ、小学校就学前の保育の重要性も一段と叫ばれるようになってまいりました。
市立幼稚園は昭和28年ごろから、小学校の幼童部として数園が開設されていきましたが、保護者の要請に十分にこたえることはできませんでした。その間、私立幼稚園はまさに本市の幼稚園教育の中心的な役割を果たし、小学校就学前の大切な幼児期の保育を担っております。
現在も本市の全幼稚園児の93%が私立幼稚園に通園しており、本市の幼児教育の充実に大きく貢献していると認識しております。
市は私立幼稚園に対して積極的な支援をということでございますが、私立幼稚園に対する支援は、本来は国、県の責務でありますが、本市も私立幼稚園の果たしている役割にかんがみ、県内でも上位に位置する助成を行っているところであります。
県補助充実のための県への働きかけということでございますが、東海地震が叫ばれている折、私立幼稚園園舎の耐震補強への補助金の充実など、機会をとらえて県に対して働きかけをしてまいりたいというふうに考えております。
市独自の耐震補強工事の支援策でございますが、本市としましても、今後地震に対する子供の安全や幼稚園園舎の耐震補強については必要なことと考えておりますが、今後県、他市の状況等見ながら研究をしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
62 ◯保健福祉部長(渡辺鍵次郎君) お答えします。
まず、保育所の変遷と保育所に向けられている社会的要請とは何かの御質問でございますが、戦中、戦後の社会的混乱による要保護児童の増加や女性の職場進出等の社会的変化の中で昭和22年に児童福祉法が制定されて、保育に欠ける児童の保育を行う児童福祉施設としての保育所が制度化されました。
その後、核家族化や共働き家庭の一般化などにより、保育ニーズも多様化し、延長保育、障害児保育、緊急保育などの推進を図ってきたところであります。
また、近年は保育所に入所している子供の保育ニーズだけでなく、地域の子育て家庭への支援ニーズも年々高まっていることから、地域子育て支援事業にも力を注いでいるところでございます。
次に、保育所の保育の内容をどのように解釈し、指導しているかについてでございますが、国が定める保育所保育指針におきましては、保育所における保育の基本は、家庭や地域社会と連携を図り、保護者の協力のもとに、家庭養育の補完を行い、子供が健康、安全で情緒の安定した生活ができる環境を用意し、自己を十分に発揮しながら活動できるようにすることにより、健全な心身の発達を図るところにあると示されておりますので、本市におきましても、これを理念として保育を実施しております。
次に、保育に対する社会的ニーズをどのように受けとめているのかとの御質問でございますが、保育所の3歳以上の児童につきましては、健康、人間関係、環境、言葉、表現の5つの領域ごとに体系的に保育のねらいや内容を定めた年齢別の具体的な指導計画を作成し、これに基づく保育を実施することにより、児童の心身の健全な発達と社会性、あるいは人間形成を促しているところでございます。
さらに、子供自身の成長への援助とあわせて、子供を育てる家庭への支援も保育所の重要な役割であります。そこで、個別の児童相談に応じたり、連絡帳などを通じて、保育所での子供の様子を伝えるなど、常に家庭との連携協力に努め、保育所と保護者が子育ての楽しみ、あるいは苦しみ、悩みを共有できるよう配慮しながら、日々の保育に当たっております。こうしたことが御指摘の家庭の教育力低下などの社会的ニーズへの対応に結びついているものと考えております。
次に、保育所はどのような取り組みを行っているのか、また今後どのようなことが必要なのかとの御質問ですが、保育所におきましては、長時間にわたる保育を実施しておりますので、常に子供たちが家庭にいるときと同じように温かく安心して生活することのできる環境を確保し、その中で保育所、保育指針に示された心身の健康の基礎づくり、さらに人権を大切にする心や信頼感、道徳心の育成を図っているところでございます。
特に昨今、核家族化や少子化の中で子供同士のかかわりが希薄になっているとの指摘もありますが、保育所には乳児から5歳までの年齢の子供が家庭的な雰囲気の中で生活しており、日々の保育を通して、自然な形で異なる年齢の子供同士の人間関係が形成され、思いやりの心や信頼感もはぐくまれております。
このような利点を生かし、家庭や地域と連携・協力しながら、今後も次の世代を担う子供たちの健やかな成長を目指した保育を進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
〔5番丹沢卓久君登壇〕
63 ◯5番(丹沢卓久君) 御答弁ありがとうございました。
市長からは、社会全体で将来を担う子供たちを育てていくという考えというようなお言葉がありました。ぜひそのお考えを個別の政策に実現していただきますようにお願いいたします。
また、耐震補強工事に関しては、前向きな御答弁をいただけたものと思っておりますが、これはぜひとも必要なことでありますので、国、他市の状況には余り気を使わずに積極的にやっていただきたいと思います。
さて、1回目の質問と御答弁を受けて質問を続けてまいります。私立幼稚園の健全経営の確保のための支援策については、現状で最大限であるという趣旨の御答弁をいただいたものと思っております。当局としての説明という意味では理解できないでもありませんが、これで目いっぱいですと言うだけでは現状の問題を解決することはできません。
問題点は2つあります。1つには、このままでは幼児教育の質と量がバランスよく確保されていかないのではないかという問題、そしてもう1つは、これまでの議会で我が党の山田議員や佐地議員が指摘したとおり、このままでは公私間の負担の格差の公平性が確保されないのではないかという問題であります。
昨年11月の議会では、山田議員が保護者の負担額の格差を指摘し、市の認識をただした上で、税の公平性と受益者負担の原則から、格差是正を求めております。これへの当局の御答弁としては、多少の格差はあるものと認識しているという内容にとどまるものであり、公立幼稚園の保育料改定については、消極的なお答えであったと思います。
また、ことしの2月議会では、佐地議員が補助と保護者負担について具体的な数字を示した上で公私間格差について重ねて是正を求めております。これへの答弁としては、金額の開きはやむを得ないものであり、保護者負担の差異をなすくことは困難であるということ。今後の保育料の算定は、これまでどおりの考え方で行うというものでありました。
私の印象としては、これまでの答弁に見られる姿勢は行政の立場の説明を超えるものではなく、我が市の幼児教育全体をどのように導いていくのかという問題へのお答えとしては少々不十分であったように感じております。私立幼稚園への補助はこれ以上は無理、公立の入園料、保育料を上げて、私立と同じ土俵で競合していく考えもないという説明だけでは今後の展望は見えてこないのであります。
確かに市は県下で最高レべルの補助を行っておりますし、公立の入園料、保育料は地方財政計画に基づくものでありますから、これを行政の怠慢であるとは思いません。問題であるのは、むしろ現在の枠組みの中ではこれ以上どうしようもないというところまで来ているという現状そのものにあると思います。
公立幼稚園の役割と存在意義を見直すことも含め、幼稚園全体の枠組みのあり方を再検討するべき時期に来ているのではないでしょうか。早急に関係者などを交え、新たな枠組みづくりの計画を策定するための委員会などを立ち上げていく必要があると思います。
そこで、お伺いいたします。市としては、静岡市の幼稚園全体について、長期的な視点に立って幼児教育の枠組みのあり方を見直していく考えはないかお答えください。
さて、長期的な展望を含む幼稚園全体の枠組みの検討についてお伺いしたところでありますが、当面の幼稚園行政については、個別の問題がまだまだ残っております。これまでも本会議において山田議員、大橋議員が取り上げている公立幼稚園での3歳児保育の実施についてであります。この問題点などについての指摘は、両議員の質問の際にされておりますので、ここでは現在までに決定した内容をお伺いしたいと思います。
これまでに当局から明らかにされてきた内容としては、開設の方向で検討していくが、私立幼稚園の経営への影響を考慮して、現行の園児数、クラス数の範囲内で行いたいとのことでありましたが、今のところ具体的な構想はまだ示されてきてはおりません。現在どのような議論がなされているのか非常に気になるところであります。市の基本的な方針が示されている静岡市幼稚園振興計画では、実施に当たっては、私立幼稚園協会及び隣接する幼稚園を含む関係者と慎重に協議して、可能なところから整備していくとうたわれております。
そこで、お伺いいたします。これまでの協議の結果、振興計画に言う可能なところ、つまりどこか実施が決定されているところがあるのかどうかお答えください。
2回目の質問は以上であります。
64 ◯教育部長(栗本裕君) 幼児教育における長期的なあり方の見直しの考えはないかという御質問でございます。幼児期は、人間形成の基礎が培われる極めて重要な時期であることを踏まえまして、幼児の望ましい発達を促していくための教育環境を今後とも整備していくことが大切と認識しております。平成13年度中に新たに有識者や関係者を交えた幼児教育振興計画策定委員会を発足し、幼児教育全体についての研究を通して、今後の本市における幼児教育の充実を図ってまいりたいと考えております。
次に、公立保育園での3歳児保育について可能なところから整備していくとあるが、どこか決定しているのかという御質問でございますが、平成8年2月策定の静岡市幼稚園教育振興計画で、平成13年度をめどに3歳児保育の開設を目標としてまいりました。そのため私立幼稚園協会等の関係団体との協議を慎重に重ねてまいりました。今後3歳児保育を開設していない残り5園については、可能なところから早期に実施できるよう、引き続いて私立幼稚園協会等との協議を継続してまいります。
以上でございます。
〔5番丹沢卓久君登壇〕
65 ◯5番(丹沢卓久君) 御答弁ありがとうございました。
幼稚園全体の枠組みについての見直しということに関しては、今年度中にも幼児教育振興計画策定委員会というものを設置して、検討を開始していただけるということであります。非常に積極的な御答弁をいただいたものと思っております。関係各位と十分な検討をされますことをお願いいたします。
さて、これまでの質問と御答弁を受けまして、さらにお伺いをしてまいります。
第1回目の質問の際、幼稚園、保育園、それぞれの変遷と現在の社会的要請について触れさせていただきました。幼稚園、保育園はもともとは全く別の社会的要請で誕生した制度であり、現行法の上でも教育と福祉として、それぞれ個別に重要な役割を担ってきたわけであります。
しかし、両者に対しての今日的な社会的要請は極めて似通ったものとなりつつあることは、先ほども私が申し上げましたとおりであると思います。国においても、今後の幼児教育の上で新たな枠組みづくりの模索が既に数年前から始まっております。いわゆる幼保一言化の議論がそれであります。
しかしながら、この幼保一元化という言葉がいつから一般化したのかは存じませんが、公の用語としては、その内容も定義も確定しているわけではありません。現実に国や公の機関の公式文書には、この幼保一元化という用語は見当たらないのであります。
私としては、幼稚園と保育園とに向けられている社会的要請が重なりつつあるというその1点から、どのように相互の連携をし、どのように相互を補完し得るのかという議論として解釈しております。
例えば幼稚園は適切な公の支援を得ながら、保育メニューをより豊富にしていくことで、待機者すら出ている保育所への需要を補っていくべきではないかというようなこと。そして、保育所はより教育機能を高めることで、幼児教育の質的向上に努めるべきではないかというようなことであります。
一元化という用語が余り適切ではないので勘違いされがちですが、国での議論もそういった方向で進められているものと私は認識しております。さて、我が市の考える幼保一元化とはどのようなものなのでしょうか。
そこで、お伺いをいたします。本市において、いわゆる幼保一元化ついては、どのような見解をお持ちか御説明ください。
さて、国においては、平成9年4月に幼稚園と保育所のあり方に関する検討会を当時の文部省と厚生省の共同で発足させ、平成10年3月には幼稚園と保育所の施設の共用化等に関する指針が両省の担当局長名で示されてきております。
一昨年の9月議会では、我が党の増田議員が施設の共用化について取り上げております。その際の教育長の御答弁では、個別の状況に応じて対応していきたいとのことでありました。そろそろ具体的な計画が示されるべき時期ではないでしょうか。折しも公立の幼稚園の中には全面的な改修が近く予定されているところもございますので、教育長の御答弁にありました個別の状況としては、その時期を迎えているものと思います。
そこで、お伺いをいたします。幼保の施設共用化等についての国の指針を実現するに当たって、本市としてはよい機会を迎えていると思われますが、具体的な構想についてはどうか、お聞かせください。
さて、幼稚園、保育園の連携を深めていくについては、施設などハード面での共用化、相互利用ばかりでなく、職員相互の知識や技能の共有も求められてくるところでございます。また、幼稚園の教諭と保育所の保育士がそれぞれ現場レベルで交流していくことは、現在の制度の問題点と改善の方策を見出すためにも有益であると思われます。
そこで、お伺いいたします。現在、幼稚園教諭と保育士が技能や知識を共有するための研究や研修はどのように行われているのかお聞かせください。
さて、これまでさまざまな角度から広い意味での幼児教育についての質問をさせていただいてまいりましたけれども、最後に小学校との連携についてお伺いをいたします。
静岡市においては、今のところ幸いにして具体的な例は報告されておりませんが、他都市では小学校におけるいわゆる学級崩壊などという事態も指摘されております。また、不登校や引きこもりといった問題も深刻なものがあり、問題発生の低年齢化も指摘されているところであります。こういったことからも幼児教育のあり方が問われてくるわけでありますが、重要であるのは、一人の子供の成長過程の一部として、幼児期を見詰め直すということであると思います。
そこで、幼稚園、保育所としては、卒園すればそれで終わりということではなく、その後に続く学校教育との連携がますます求められてくるのではないでしょうか。そして、小学校としても幼稚園、保育所から得た情報などを個別の生徒指導の参考などにしていけるように情報を共有する必要があると思います。
そこで、最後の質問となりますが、お伺いいたします。幼稚園、保育所の卒園生が小学校に就学するに当たり、幼稚園、保育所と小学校はどのような連携が図られているのかお答えください。質問としては以上であります。後ほど簡潔に要望等を申し上げます。
66 ◯教育部長(栗本裕君) 幼保一元化についてどのような見解を持っているのかという御質問でございますけれども、幼保一元化については、全国的にも各自治体で研究が始められたところであり、その解釈は必ずしも一定ではございません。
そこで、昨年発足いたしました静岡市幼児教育検討委員会は、静岡市ならではの幼児教育のあり方を研究する中、施設の共用化とともに、子供に軸足を置いた幼稚園と保育所の保育を就学前保育としてとらえ、その新しい関係づくりについて幼保一元化と定義づけております。
幼保の施設供用等について、国の指針を受けて、具体的な構想は何かあるのかという御質問ですが、現在のところ、静岡市幼児教育検討委員会で施設の供用化とともに、運営面や保育面での実現が可能かどうか、研究を継続中であり、検討委員会の研究結果を待ち、可能と判断された場合については、実現に向けて努力していく考えでございます。
幼保一元化において幼稚園教諭と保育士の研究や研修はどのように取り組んでいくのかということでございますが、静岡市幼児教育検討委員会では、就学前保育について、幼稚園教諭と保育士が合同で研究を継続中であります。現在のところ、日常の研修については幼稚園と保育所が別々に行っているのが現状ではありますが、お互いが積極的に参加できるよう研修会の日程、内容等を連絡調整しております。また、将来的には幼稚園教諭と保育士の合同研修が充実して行われるように環境づくりの推進について検討をしているところでございます。
幼稚園、保育所と小学校はどのような連携が図られているかということでございますが、幼稚園、保育所と小学校の連携につきましては、近隣の小学校の教諭を招いた保育参観を毎年実施し、全市の小学校の教諭が幼稚園、保育所への理解を深めております。また、園児たちが学校生活を知る一日体験入学や幼稚園教諭や保育士が小学校の研修会に参加するなど、各校で工夫を凝らしながら取り組んでいるところでございます。
さらに、小学校と幼稚園、保育所の教職員の話し合いの場を設け、園での様子などの情報交換を行い、就園児一人一人の理解につなげております。今後も相互の連携を深め、就学が円滑に行われるよう工夫をしていきたいと考えております。
以上でございます。
〔5番丹沢卓久君登壇〕