次に、
地場産業界における
ダイオキシン対策についてでございますが、本市には木工・
家具製造業者など木材を原料として製品をつくっている方々が多くあります。これらの業界から排出される木くずなどの処理についてお伺いをいたします。
本年1月から
ダイオキシン対策特別措置法が施行され、1年間の猶予期間を経て、いよいよ来年から待ったなしとなるわけですが、現在のところ、処理方法としては、少量の場合は事業系ごみの袋に入れて出す、あるいは専門業者にその処理を依頼する、あるいは自社の
小型焼却炉などで処分するなどの方法をとられているわけですが、この措置法によりまして、
小型焼却炉も規制の対象となり、排ガス等の
ダイオキシン測定が義務づけられると伺っております。
この測定には大変多額な費用がかかると聞いており、中小の業者にとっては大きな負担となり、維持管理の難しさから焼却炉の使用をとりやめるケースが予想されます。現在、焼却炉を持っていない木工業者が木くずを直接清掃工場に搬入する場合には、清掃工場で焼却処理をしておるようですが、今後は、
小型焼却炉の使用中止により、今まで以上の木くずが清掃工場へ行くことが十分予想されるわけです。そうなったときの市の対応としては、受け入れが可能かどうかをお伺いいたします。
次に、助成金の問題についてお伺いをいたします。
冒頭述べましたように、一口に地場産業といってもさまざまな業界があり、その方々が所属している組合も、大きさにおいてピンからキリまであります。何百人もの組合員を抱えているところから、数人で力を合わせてやっているところまであるわけですが、そういった弱小の業界、組合と言っては大変失礼ですが、小さな組合組織では、何らかの事業を行いたいと思っても、資金的な面でやることができないといった場合が間々あると聞いております。そういったときには、公的機関にお願いして、幾ばくかの助成金を得て事業を行うということが考えられるわけですが、あくまでも助成金でありますので、業界としての応分の負担を求められるわけです。
しかし、現実にはその何割かの負担金すら出すことができない業界もあるわけです。よい事業であってもお金がないからできないということは、その業界にとっても、また、本市の
地場産業育成という点から見ても、大変残念なことであり、こういうときこそ行政として手を差し伸べるべきと考えるわけであります。
そこで、お伺いをいたしますが、業界からそういった話があった場合、中身を精査するのは当然必要でございますけれども、業界の負担なしで事業展開ができるといった積極的支援はできないものか、お伺いをいたします。
次に、市営住宅についてお伺いをいたします。
本市には、昨年建設されました
小鹿高層団地を初めとして約4千7百余の市営住宅があります。この
小鹿高層団地は、敷地面積が約1万 500平米、その中に現在供用開始いたしました 111戸と2期分の47戸、合わせて 158戸が総工費約27億円もの巨額な費用を投じて建設をされております。建設される部分は、敷地全体の約3分の1に当たる 3,573平米と伺っております。大変立派な建物であります。総工費27億円を単純に入居戸数 158で割ってみますと、1戸当たり 1,700万円強となり、市有地として以前からあった土地代を現在の価格に当てはめますと、約5億 7,000万円ということでございまして、土地代を含めた1戸当たりの単価は平均で 2,000万円強となります。
そのため
入居希望者も大変多く、人気が高かったわけですが、そこで、最初に家賃についてお伺いをいたします。市営住宅といった性質上、2DKは幾ら、3DKは幾らといった一律の家賃ではございませんので、総額でお伺いをいたします。
現在供用を始めております1期工事分 111戸のうち、障害者分4戸を差し引いた家賃総額について、幾らなのか教えていただきたい。
また、同程度の住宅を民間が建設した場合の家賃は、およそ幾らくらいになると考えているのか、お尋ねをいたします。
次に、本市の住宅事情についてお伺いをいたします。
民間アパートやマンションなどの賃貸住宅の入居状況について、市ではどのように把握しておられるか事前にお伺いをしたところ、わからないとのことでございました。私も宅建協会などに問い合わせてみましたけれども、統計的なものがないと、そういうことで実数はわかりませんでした。
そこで、知り合いの不動産業を営んでおります友人におおよその市内の賃貸住宅の実情を伺いました。それによりますと、この会社の扱っている物件の空室率、これは 11.67%とのことでございました。空室のことをこの業界では在庫と言うようですけれども、彼に言わせますと、その在庫率が12%に近いというのはかつてないことであると。中心部はともかくとしても、郊外の初期に建てられましたアパートやマンションはもっと大きな数字だろうとのことでございました。
また、静岡市はここ数年目立ってこの在庫率が高くなっており、建設省でも、健全な在庫率は6%程度といっておるようですので、現在は、それから見ますと約2倍の在庫、空室といったことで、
アパート経営者から見れば大変困った時代だなとのことでございました。
このように、民間の不況にもかかわりませず、市営住宅の待機者はことし3月31日現在で 336名。定期募集は 375名と伺っております。この数字は両方にまたがって応募している、つまりダブっている部分もあると思いますが、この数字は5年前あるいは10年前と比べてどうでしょう。また、これら待機者に対して今後どのように取り扱っていくつもりか、お伺いをいたします。
次に、低
入札価格調査制度についてお伺いをいたします。
最近、いろいろなところでこの制度の話を耳にします。特に、下請関連の業界の方々からこの話がよく出てまいります。彼らはこの制度に対して大変心配をしており、今でさえ大変なのに、これ以上そんな制度ができて値引きを余儀なくされたのではやっていけないといった切実な声も少なくありません。
この制度は、建設工事の入札において
最低制限価格を下回った入札が行われた場合、今までは失格ということで、その業者は権利を失ったわけですけれども、この制度が導入されると、落札決定を一たん保留し、その業者が契約に適合した仕事ができるかどうかを調査し、できるということなら
最低制限価格、
調査基準価格と名前が変わるようですけれども、それを下回っていても落札者とするといったことのようですが、そういった解釈でよいか、もし補足があったらお願いをいたします。
次に、現行の入札制度において
最低制限価格を設けている目的、理由についてお伺いをいたします。
そしてもう1点、仮にこの制度を導入した場合のメリットと
デメリットについてどのように考えておられるかをお伺いいたしまして、1回目の質問とさせていただきます。
4
◯産業振興部長(中西敏夫君)
地場産業振興についての2つの質問にお答えをいたします。
まず、駿府匠宿の建設に当たって、地場産品をどの程度使用したかという御質問でございます。
公共事業への地場産品の導入は、受注機会の増大と宣伝PRによる需要喚起を図る重要な業界支援策としてとらえ、これまでも積極的な活用に取り組んできております。平成11年度に本館、平成12年度に別館をオープンいたしました駿府匠宿の建設におきましては、
本館建築主体工事費約12億 7,000万円のうち、
地元木材購入費は11.6%の約1億 5,000万円で、また、
家具什器備品類等購入費約3億 6,000万円のうち地場産品が46.3%の約1億 7,000万円で、積極的な導入を図ってきたところであります。
次に、業界事業に対する支援策についての御質問でございますが、本市の地場産業も大変厳しい状況下にありますので、新商品開発や
新規流通開拓などにおいては、
景気対策事業として従来の補助率をアップして支援してきております。今後につきましては、経済状況を見きわめながら、他の事業とのバランスを考慮した中で検討してまいりたいというふうに考えております。
以上であります。
5
◯生活環境部長(青木勝彦君)
ダイオキシンについての1点の御質問にお答えをします。
木工業者が排出する木くずを清掃工場で焼却処分できるかとの御質問でございますが、事業者が排出する
産業廃棄物は事業者みずからが処分することを原則としています。地場産業である木工業者が
小型焼却炉の使用をとりやめた場合、市の清掃工場に搬入される木くずがどの程度増加するか把握できていませんが、清掃工場の焼却処理の支障のない範囲で対応できるよう検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
6 ◯建築監(大塚岩雄君) 小鹿住宅の家賃総額と、市営住宅の
入居待機者についての2点の御質問にお答えいたします。
まず、
小鹿高層団地第1期 107戸の家賃総額は幾らか、また、同程度の住宅を民間が建設したとしたら家賃総額は幾らぐらいかとの御質問でございますが、
小鹿高層団地の
年間家賃総額は、入居者の所得にもよりますが、住みかえ
特例減額措置を講じなければ約 5,600万円で、また、これと同程度の住宅の民間の家賃総額は約1億 4,700万円程度と思われます。
次に、現在の市営住宅の
入居待機者数は5年前10年前と比べてどのようになっているか、また、
入居待機者に対して今後どのように対応していくかとの御質問でございますが、
入居待機者の状況でありますが、定期募集の状況から見ますと、平成2年度は申し込み 285件に対して入居できなかったのは 169件、平成7年度は申し込み 284件に対して入居できなかったのは 151件、平成11年度は申し込み 255件に対して入居できなかったのは 214件で、年度別に見ますとばらつきはあるものの、ここ数年は増加傾向にあります。
入居待機者に対する今後の対応といたしましては、申し込みの際に入居しやすい団地を紹介するほか、退去者があり次第、空き家を早期に改修し、できるだけ待機期間を短くするように努めてまいります。
以上でございます。
7 ◯財務部長(森竹武人君) 低
入札価格制度の内容につきましての御質問でございますが、制度の概要につきましては、ただいま前田議員から御説明のありましたとおりで、特に補足することはございません。
この制度の導入につきましては、平成9年度に策定いたしました静岡市
公共工事コスト縮減対策行動計画の中で改善項目として明記され、また、平成10、11、12年と毎年、建設省及び自治省からその制度化について各自治体に指導通知がなされております。
本市として、この制度の導入につきまして、平成10年度から静岡市
建設工事請負契約研究委員会において検討を重ね、本年9月に開催されました同委員会において導入を図るべきとの結論を踏まえ、予定価格1億 5,000万円以上の工事を対象に本年度中の試行を予定しております。
低
入札価格調査制度の導入の理由は、品質確保を前提として、できる限り公共工事の経費の節減を図り、あわせて建設業者の
コスト縮減のための企業努力の促進を図ろうとするものでございます。
2点目の、現行の
最低制限価格を設けている目的でございますが、この価格未満では契約内容に適合した履行が確保できないおそれがあり、
手抜き工事あるいは粗雑工事を防止する観点から設定しているものでございます。低
入札価格調査制度における
調査基準価格を設けている趣旨も、同様の考え方でございます。
3点目の、低
入札価格調査制度のメリット、
デメリットについてでございますが、メリットといたしましては、品質確保を前提としておりますので、できる限り公共工事の経費の節減が図れること、またあわせて、建設業者の
コスト縮減のための企業努力の促進が図れることであります。
デメリットといたしましては、
調査基準価格を下回った入札があった場合、調査のための手間と経費がかかることでございますが、導入を図ろうとしている本市といたしましては、当然のことながらメリットの方が大きいものと判断しております。
以上でございます。
〔16番前田豊君登壇〕
8 ◯16番(前田豊君) 御回答いただきました。2度目の質問をやらさせていただきます。
地場産品の積極活用につきましてお伺いをいたします。
会津若松市では、
公共建築物建設経費1%
漆製品予算化事業という制度を実施し、会津若松市の漆製品が全国屈指の産地であることを、観光客はもとより市民にも積極的にPRをしております。これは読んで字のとおりでございますが、市が
公共建築物をつくる際、その建設経費の1%を会津塗りのパネルや壁画、建築部材の経費に割り当て、漆を身近に感じさせ、その振興を図るといった制度でございます。
地場産品については、そこに住んでいる人はみんな知っていると思ったら大間違いでございまして、大変恥ずかしい話でございますけれども、私もこの世界に入るまでは、竹千筋細工であるとか、あるいは駿河まき絵というものが静岡の地場産品であることを余りよく知りませんでした。大変申しわけなく思っておりますが、このように市民も知らないといった地場産品も多くあると思われます。
そういった意味でも、外部に向けてのPRももちろん大事なことですが、市民に対してのPRも怠ってはならないと思うわけです。名称は知っていても見たことがないというものもあると思いますので、こういったPRは、ぜひ機会をとらえてやっていただきたいと思うわけですが、本市もこういった他都市の制度を参考に、今後、
公共建築物をつくる際、何%かの地場産品を組み込むといった指導はできないものかをお伺いいたします。
次に、市営住宅についてですが、最近、市営住宅に入りたいという相談が多く寄せられるようになりました。先ほどの部長の答弁にも、市営住宅の
入居待機者は増加傾向であるといったことからも、そういったことがわかるわけですけれども、今まで民間のアパートに住んでいたが、景気の悪化とともに収入が減り、とてもじゃないけれども今までと同じ家賃を払っては生活できない、何とか市営住宅に入れてもらえないだろうか。あるいは、今まで住んでいたアパートが老朽化して立ち退きを迫られている、早急にどこか探さなければならないが、高い家賃は払えない等の理由で、市営住宅に入れてほしいといった声は議員諸氏も経験があろうと思いますが、現行の入居制度では、随時募集の住宅は申込順ということで、入居については時間的余裕がある人もない人も一律な基準となっております。すぐに入れる住宅といいますと安倍口ということのようですが、人それぞれ生活基盤があり、移動が思うにままならない年配の方にとっては、辛い部分があると思います。人それぞれそういったさまざまな事情を抱えて生きているわけですから、すぐに入れるのが1カ所だけというのは考えていかなければならないなと、そんなふうに思うわけです。
それでは、この広い静岡市の東西南北すべてに多額の費用を投じて市営住宅をつくれということではありません。本市の
住宅供給率は、現在 100%をはるかに超えていると言われております。それは、先ほど言ったように、市内の空室率が12%ということからもわかるわけですが、一方で市営住宅の待機者が多いという現実もあります。
市営住宅への
入居待機者がなぜ多いかというと、その最大の原因は家賃の安さでありましょう。先ほどの
小鹿高層団地の1期分 107戸の家賃総額が、
入居者全員新規の入居者と仮定しても年間約 5,600万円とのお答えがございました。単純に戸数で割ってみますと、1戸
当たり年間家賃支出は約52万円、月に直すと約4万 3,000円です。民間がこれと同等の住宅をつくった場合の家賃総額は年間約1億 4,700万円とのことで、1戸当たりの家賃支出は年間約137 万円、月に直すと約11万 4,000円となります。1戸当たりの差額は年間約85万円、月に直すと約7万円強となります。これは平たく言うと、市営住宅の抽せんに当たった方に対して毎月7万円の助成をしていると同じことになります。つまり、市営住宅の人気は家賃が安いからということになります。
税金の使途の公平さという点から見ると、このように抽せんに当たった人だけがよい思いをするというのでなくて、そういった立場の人にもある程度の助成をするといったことも考えるべきではなかろうかと思うわけです。
本市は、幸いといいますか、不幸といいますか、わかりませんけれども、さきに言いましたように、民間の
賃貸アパートなどにはたくさんの空室がございます。そういった人たちに生活基盤のある場所、近い場所であいているアパートに入ってもらい、幾ばくかの家賃助成の制度をつくるといった考え方、あるいは民間がつくったアパートを市が借り上げるといったことを考えていく方が、少ない投資でより多くの市民に満足を与えることができると思うし、民間の大いなる活性化にもつながるのではないかと思いますので、これらについての考え方をお聞かせ願いたいと思います。
次に、低
入札価格調査制度についてでございます。
最低制限価格を設けている目的については、
手抜き工事や粗雑工事を防止するためといった答えがございました。つまり、それ以下であったら責任ある工事はできないよといった、ぎりぎりの線を行政側で判断して出した基準ですね。この制度はそういったぎりぎりの、これ以上の値引きでは無理だよと今まで考えていた防波堤を取り除くということになりますし、そういったことで安心できる工事ができるかどうかといった疑問が残るわけですが、そこら辺の考え方、対応についてはいかがでございますか。
次に、静岡県では、この制度を平成8年に導入して以来、当初は5億円以上の工事が対象でありましたが、平成10年には1億円以上の工事、そして11年度には 5,000万円以上と、順次その対象工事を拡大しております。仮に本市がこの制度を導入した場合も、同じような形になっていくことは容易に想像されるわけですが、そこらについてはどのように考えておられるでしょうか。
次に、本市の入札状況についてお伺いをいたしますが、昨今、公共工事のみならず民間においても受注が少ないという話をよく聞きますが、そういったことで過当競争に拍車がかかっているようであります。切磋琢磨しながらの競争なら歓迎でございますけれども、資金繰りのために無理な受注もあると聞いております。本市の入札においても
最低制限価格を割り込み、失格となるケースが多くなっているやに聞いております。こうした現状については市としてどのように受けとめておられるのでしょうか。
次に、そういった過当競争の中で、予定価格を20%余も下回った入札もあります。何の商売でも、2割引き以上の値引きというのはかなりの無理があると思われます。この制度が仮に実施されると、そういった過当競争がより激しくなることが十分考えられます。
そこで伺いますけれども、市としては、適正な契約金額とは予定価格の何%ぐらいが適正と考えておられるのか。また、もし仮にこの制度を行った場合には、今でも大変な思いで仕事をしている下請業者に、より多くのしわ寄せがいくことになろうと思います。その点についての考え方や対応について、どのように考えておられるのかをお聞かせ願いまして、2回目の質問とさせていただきます。
9
◯産業振興部長(中西敏夫君) 初めに、
公共建築物建設の際に地場産品を組み込むことができるかという御質問でございますが、地場産品の公共施設への導入につきましては、東御門、駿府匠宿や学校などの
公共施設建設に当たり、地域材や什器備品など、これまでも庁内一丸となって取り組んできたところであります。これからも、公共建築への地場産品の導入につきましては、他都市の状況も研究しながら、引き続き積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
以上であります。
10 ◯建築監(大塚岩雄君) 市営住宅
入居希望者に民間家賃との差額を補助し、
民間アパートへの入居をあっせんする制度や、民間が建設したアパートを市が借り上げるという制度を検討する考えはないかという御質問でございますが、市営住宅入居対象者で
民間アパートを借りている方への家賃補助制度は、国、県ともないことなどから、現時点での対応は困難であると考えております。
また、民間賃貸住宅の借り上げにつきましては、国、県の動向及び公営住宅の需要を見ながら、今後とも研究してまいりたいと考えております。
以上でございます。
11 ◯財務部長(森竹武人君) 低
入札価格調査制度の5点の御質問についてお答えいたします。
第1点目の、
調査基準価格を下回った価格での契約は安心できるのかということでございますが、その点につきましては、この制度が基本的にはその価格で契約内容どおり品質の確保が可能かどうかという調査を行った上で決定するものでありますから、心配はないものと考えております。
また、その調査も、積算の内訳書の聴取等詳細な調査を行い、最終的に工事関係等7部長で構成いたします静岡市契約審査委員会に諮り、決定することになっております。
2点目の、低
入札価格調査制度の対象工事の拡大につきましては、試行結果を踏まえ、適切に対応してまいりたいと考えております。
3点目の、
最低制限価格割れの現状についてでありますが、これは、長引く不況によりまして受注競争が激しくなっているあらわれであると受けとめております。
4点目の、予定価格に対して何%程度が適正な契約金額かということでございますが、これにつきましては、現行の
最低制限価格制度の場合は、予定価格から
最低制限価格の範囲内のものが適正であり、また、今回導入しようとしております低
入札価格調査制度の場合には、原則的には予定価格から
調査基準価格の範囲内のものと考えておりますが、
調査基準価格を下回ったケースでも、契約履行の確保が確認されたものも適正な契約金額と考えております。
最後に、低
入札価格調査制度を導入した場合の下請業者への問題についてでございますが、中核市26市に照会、調査いたしましたところ、同制度を導入しております17市からは、いずれもこの問題については、下請業者への圧迫、苦情等はないとの回答を得ております。また、下請業者への原価を割るような発注は、建設業法及び静岡市の下請負の適正化に関する要綱において禁じておりまして、もしそのような事態があれば、指導及び是正させる考えでおります。
以上でございます。
〔41番伊東稔浩君「議長」と呼び発言を求める〕
12 ◯議長(藤田卓次君) 伊東議員。
13 ◯41番(伊東稔浩君) 答弁について、議事進行について、前田議員の質問に対して財務部長は答えてないんですよ。最低価格割れのデータ等について、現状は不景気云々でお答えになっていらっしゃいますけれども、当然そこには入札当時、契約の失格者、そういうデータがあるはずなんですね。そういう数字はなぜ出てこないのか。答弁をもっと明確に、親切に御答弁いただくように議長からお願いをしていただいて、それがない限りは恐らく3回目の質問に入れないと思いますので、よろしくお願いします。
14 ◯議長(藤田卓次君) 前田議員、いかがですか。
15 ◯16番(前田豊君) それでは、議論も多分用意もしていないと思いますので、要望の中で、私の方の思いを言わさしていただきまして、それをしっかり受け止めていただきたいと、そんなふうに思います。
16 ◯議長(藤田卓次君) それでは、登壇を。前田議員。
〔16番前田豊君登壇〕
17 ◯16番(前田豊君) 応援、大変ありがとうございました。いろいろなこともございまして、私も答弁等につきましては、確かにこれでは不十分だと思います。要望の中で私の思い入れ、そして、この制度が静岡市の下請さんたちに与える影響、そういったものもお話をさせていただきながら、お酌み取りをいただきたいと、そんなふうに思います。
きのう、この要望というものにつきましては、村越議員も要望という形の中で、受けとめ方ということで、一方通行になってしまうというようなお話もございました。確かに一人よがりの要望もありましょうし、言いっ放しでそのままになってしまう要望ということもあるわけですけれども、やはり我々は、この質問を通じまして自分たちの思い、そういったものを要望という形の中で出していきながら、この議会に臨んでいるわけですので、ぜひそこら辺をしっかりとお酌み取りをいただきたい、そういうふうに思います。
最初に、地場産品の活用についてでございます。
公共建築物をつくる際に、何%かの地場産品を組み込む指導についての質問に対しましては、明確な何%というお答えはいただけませんでしたが、積極的に取り組んでいきたいという姿勢を感じました。今後、建設を予定しておられます南東部複合施設を初め、これからつくられる施設にもその精神を十分反映させていただきたいと思います。
木くずなどの処理に関しましては、それらの業者にとっては大変重大な問題となっておりますので、受け入れ可能な数値などを今後検討の中で計算をして、お示しくださるようにお願いをいたします。
次に、住宅行政についてでございますが、民間賃貸住宅の借り上げについては、検討したいということで一歩前進したのかなと判断をいたしますけれども、家賃補助については、過去にも同趣旨の質問が何度か出たのは承知をしております。今回もこれについては過去の答弁と同様、国、県ともそういった制度はないからということで、大変否定的なお答えでございました。
しかし、今や地方の時代と、よくこういう言葉が出ております。そういった中で、むしろ私は、国や県がそういった制度がないならば、なおのことこの静岡がそういった先鞭をつけて、静岡はこういうふうにやるんだと、そういった制度をつくれば、日本じゅうの注目の的となりますし、小嶋市長の株なんかばーんと上がりますから、ぜひそういったことを検討していただきたいと思います。
これからの市営住宅の考え方は、行政が土地から建物から手当てをして、かつ安い家賃で市民に提供するといった時代から一歩進んで、もっと民間の力を活用しながらやっていくべきと思いますし、本市には空室率が高いといった実態もありますので、考えないではなくて、ぜひ考えていただきたい、そんなふうに思います。
入居待機者に関しましては、ここ数年は増加傾向とのことでございます。現在の入居順は抽せんによる順番制と申し込み順とのことでございますが、人にはそれぞれ事情があり、応募者の中には大変気の毒な人もある。早く入居できればいいなと思っていても、それらの基準の壁にはね返されてしまうのが実情です。そういった中身を見ると、必ずしも順番制ということが公平にはつながらないのではないかと思うし、行政としての優しさというものを出してほしいと思います。市営住宅入居審査委員会というものがあるのですから、ぜひそういった場での実情に合った審議をお願いしたいし、温かみのある入居基準を検討していただきたいと思います。
次に、低
入札価格調査制度についてであります。この制度が導入され、安値競争に拍車がかかれば、そのしわ寄せを一番受けるのは、言うまでもなく下請業者であります。部長は答弁の中で、この制度を導入している他市に照会したところ、下請業者への圧迫や苦情はない、あるいは原価を割るような発注は禁じられていると答弁をいただきました。
しかし、そんな話を信じる人はいませんよ。部長だって心の中では信じていないと思うんです。キャパが少なくなれば、当然圧迫がいくのは商売として当たり前のことですから、そういったことで、上っ面の、他都市の同じ立場の方々に聞いて、それはないと言うでしょうね。圧迫があってうちのところは困っていますよ、苦情が多くてなんて、そんなことは言わないと思います。
それで、ある職人さんの賃金は、3省協定で決められている賃金が1万 7,200円ということですけれども、実際にそういった仕事が来るときにその金額を提示すれば、そんな金でできるかと、やれるかと、元請の方がですね。ですから、下請の方は1万円切ってでも仕事をやらなければならない。職人はほかにもいるからと言われれば、1万円にならなくてもやらなければならない、そういった話も聞いております。
また、ある材料屋さんの話なんですが、最近は過度の値引きといいますか、まけてくれということが多い。ひどいときには本来の売り値の3割、4割。引きじゃないですよ。3割、4割で納めてほしいといった話もあるようであります。安ければ売らなければいいということもあるかもしれませんけれども、やはり商売というのは長い間の取引の中で培われてきているものですから、そういった長年の取引先から、今回だけは頼みますよと頭を下げられれば、そういったことで受けざるを得ないこともあるでしょう。(「もうかっているのはお茶屋さんだけだろう」と呼ぶ者あり)お茶屋も大変な状態にございます、努力はしておりますけれども。
しかし、こんな状態が何度もあればお互いに参ってしまいます。私のように建設に余り関係のない、縁のない人間にも、それくらいの話を聞くことがあります。そういった弱い立場の下請が元請に対して苦情など言えるわけがないじゃないですか。そんなことを言えば次から、それじゃおまえのところはいいわ、次からほかのところでやるよというようなことになります。
ですから、当局におきましては、さっきの答弁のように、同じ中核市の同じ立場の人に聞くんじゃなくて、末端業者の本音の声をぜひアンテナを高くして聞いてほしいと思います。これは部長、ぜひお願いしますけれども、そういった場をぜひつくっていただいて、そういった下請さんたちの生の声を聞いてほしいと思います。よろしくお願いします。
また、メリット、
デメリットをお聞きしましたところ、
デメリットとしては調査のための手間と経費がかかるということで、ほかはすべてメリットだということでございました。
私は、本当の最大の
デメリットというのは、調査のために手間と経費をかけるのは当たり前なことですから、そうじゃなくて、今、景気が少し上向きかけたと言われています。なかなかわかりませんけれども。そういった経済に水を差すんじゃないか、そういうことを心配します。特に建設業、その関連業というのは、その職種も非常に多く、彼らへのさらなるダメージは、本市の他の業界にも影響を与えることは必至だと思います。
質問の冒頭のお答えの中で、部長は今年度中にこの事業を試行したいと御答弁がございました。しかし、まだ議会との話し合いや業界への説明も十分とはいえない中で、そういった結論づけをするということは、時期尚早と判断せざるを得ません。したがいまして、この低
入札価格制度の導入につきましては、自由民主党葵会といたしまして反対の態度を表明しまして、再考を求めることを強く要望させていただきまして、質問を終わります。
~~~~~~~~~~~~~~~~~
18 ◯議長(藤田卓次君) 次は、29番山田誠君。
〔29番山田誠君登壇〕
19 ◯29番(山田誠君) 通告に従いまして、私からは契約行政及び廃食用油のリサイクルについて質問をいたします。
まず初めに、契約行政についてであります。
公共工事の工事契約をする場合、建設業法により、主任技術者または監理技術者を現場ごとに置かなければならないということになっていることは皆さんも御存じのことではないかと思います。その中で、請負金額が建築一式工事においては 5,000万円以上、建設工事においては 2,500万円以上の場合には専任の技術者を置かなければならないのであり、このことは、要はこの技術者はその他の工事とのかけ持ちができないということなのです。
静岡市では、工事契約というと建設部、都市整備部、産業振興部、そして水道局に関係するものがほとんどであり、1年間の発注工事件数は 1,000件を超える数になります。
そこでお伺いするわけでありますが、工事契約の際、主任技術者等の確認についてはどのような手続をしているのか、お伺いをいたします。
次に、廃食用油のリサイクルについてお伺いをいたします。
現在、静岡市では、家庭用の油、いわゆる天ぷら油、サラダ油等のことでございますが、これらの廃油については、石けんをつくったり、あるいは固めたりして家庭ごみとして出したりと、いろいろな方法で処理をされているのではないかと思います。
京都市に本社のあるロンフォードという企業が、家庭で使用された油を再処理して、ディーゼルエンジンの燃料である軽油のかわりとして利用する研究を行い、現在では京都市が家庭用廃油を収集し、再処理をして、清掃局の収集車の燃料として利用をしております。また、隣の焼津市でもことしの3月に短期の実験をし、6月からは来年3月までの長期実験に入っております。ほかにもこれを実用化しているところもあると思いますが、まだまだほんのわずかではないでしょうか。
焼津市を例にとると、昭和62年より第3日曜日に市内84カ所のステーションで家庭用廃油のステーション方式による回収をしてきております。そして、ことし初めに、回収した廃油を処理してパッカー車の燃料として使用する実験をしたことが新聞紙上でも紹介をされております。
焼津市での回収方法は、回収日の前日に各ステーションに3個から4個のポリタンクを置いておき、それに各家庭から出る廃油を入れるのであります。このポリタンクなんですが、ポリタンクの中を間仕切りして、片方に廃油を入れて、もう片方には、滋賀県にあるロンフォードの工場に廃油を運搬したときに、帰りにバイオ燃料を入れてくることになっております。廃油の回収量は月に約 2,000リットルくらいで、収集方法は業者への年間委託になっております。また、バイオ燃料については、市とこの会社と単価契約を結んでいるとのことであります。単純な計算でございますけれども、焼津市の人口と比較すると静岡市は約4倍であり、仮に回収を静岡市で行おうとした場合、相当な量になることが予想されます。ただし、通常の生ごみ等と違って、回収にはかなりの手間がかかることも考えられます。
そこで、まずお伺いをいたしますが、1点目として、廃油のリサイクルについてはどのようなものがあるのか。
2点目として、静岡市としては廃油のリサイクルについてはどのような位置づけをしているのか、お伺いをいたします。
以上、1回目の質問といたします。
20 ◯財務部長(森竹武人君) お答えいたします。
まず、技術者等の確認の手続についての御質問でございますが、建設業法及び静岡市建設工事執行規則等に基づき、建設工事の請負契約を締結した請負人は、法令上その配置が義務づけられている監理技術者または主任技術者等を書面により発注者に通知することになっております。通知されました配置技術者の資格及び専任の有無等につきましては、その書面及び工事監督員の現場監理において確認しております。
以上でございます。
21
◯生活環境部長(青木勝彦君) 廃油についての2点の御質問にお答えをします。
リサイクルはどのようなものがあるかとの御質問ですが、廃油から行われているリサイクルは、石けんの製造、攪拌機で廃油と米ぬかをまぜ、2カ月ほど寝かせてつくる肥料や、軽油の代替燃料となるエチルエステルの精製などのリサイクルが行われていると承知しております。
次に、リサイクルについてどのように位置づけているのかとの御質問でございますが、資源循環型社会においては、廃棄物のうち、有用なものについては循環資源として有効利用することが望まれています。また、リサイクルは地球環境問題、資源エネルギー問題等への対策の1つであり、廃油のリサイクルもこうした視点から見れば、リサイクル対象となるものと考えられます。
しかし、リサイクルが成立するためには、安定的な量の供給があること、一定の品質であること、再商品化技術があること、市場ルートに乗ることなどの条件が必要と言われております。本市において、今後リサイクル対象となるもの、言いかえれば分別収集として検討しなければならないものとしては、プラスチック、生ごみなどごみを形成するあらゆるものがあります。こうした中で、廃油についても今後リサイクルしていく対象とは考えていますが、これら対象となるそれぞれのごみについて分別方法、収集方法、処理方法等を検討し、効果的なリサイクルを進めていきたいと考えております。
以上でございます。
〔29番山田誠君登壇〕
22 ◯29番(山田誠君) 御答弁いただき、ありがとうございました。
それでは、2回目の質問に入ります。
約3年半前の平成9年2月定例会で、コリンズの導入について私が質問をしていますが、知らない方もいらっしゃると思いますので、コリンズについて簡単に説明をいたします。
コリンズとは、工事実績情報システムの英文字の頭文字をとったものです。工事実績等をデータベース化し、公共発注機関に対して情報提供サービスを行うものであります。データとしては、工事名や請負金額、配置技術者、工事の工法等があり、これら以外に監理技術者資格者情報、経営事項審査情報などの企業情報があります。
このデータを管理する財団法人日本建設情報総合センターに対して、平成8年の時点では 5,000万円以上の工事が対象でしたが、現在は 2,500万円以上の工事について必要なデータを請負業者が登録することになっております。対象工事が 2,500万円以上になったことにより、平成8年と比較すると、静岡市においてもおよそ5倍ぐらいにふえております。建設業法で言うところの主任技術者等をつけなければならない工事は、静岡市が平成11年度に発注した工事 1,077件中 273件と、4分の1が対象となっているのであります。
先ほどの答弁では、工事請負人より提出された書面による配置技術者の資格及び専任の有無等について、その書面及び工事監督員の現場監理において確認しているとのことですが、現在の工事契約時の手続では、他の発注機関との間での確認はとれていないのではないでしょうか。
例えば、県が発注する工事と市が発注する工事に同一の主任技術者等で届けることができる可能性があります。当然、このようなことをすれば、その請負業者は建設業法違反になるわけで、現在、請負業者の中には、このようなことをする業者はいないものと思います。
しかし、このコリンズでは、基本的に請負業者からの登録は受付はされますが、内容の確認をしているわけではないので、確認については発注者側から行わなければならないのです。静岡市における対象工事も増加していることから、これからコリンズの導入を検討するべきではないでしょうか。この情報サービスを利用することにより、先ほど触れた主任技術者の確認が短時間で行えることになりますし、請負業者のさまざまな情報、例えば過去の工事実績や手持ち工事に関することなど、発注者である静岡市が短時間で有用な情報を入手できることにもなります。これらを活用することにより、適正な工事の質の管理や請負業者の能力の判断をすることにもつなげられるのではないでしょうか。
そこでお伺いをいたしますが、技術者等のチェックなどのために静岡市がコリンズに加入し、活用する考えがあるのかどうか、お伺いをいたします。
次に、家庭用廃油のリサイクルについてお伺いをいたします。
先ほどの答弁では、静岡市では、廃油は将来リサイクルの対象として位置づけていくことはわかりました。現在でも、市内では、きちんと処理をしている家庭もあれば、そうでない家庭もあるのではないかと考えられます。この廃油を回収し、処理をして燃料として、限られた資源の有効活用をすることは、環境にもよい結果を与えるのは当たり前のことだと思います。
しかしながら、静岡市では現在、家庭用廃油の回収をいまだ行っておりません。また、リサイクルとしての位置づけもまだまだであります。実際に回収を行った場合のコスト計算も現在できていない中で、コストに見合った効果があるのかどうかはまだわかりません。しかしながら、焼津市での実験結果を参考にするなどして、将来のリサイクル研究の1つとして、静岡市が実験的に廃油のリサイクルを行う考えはないか、1点お伺いをいたします。
以上で2回目の質問といたします。
23 ◯財務部長(森竹武人君) コリンズにつきましては、年々その内容が充実されてまいり、また、その利用に当たっての費用負担も軽減されてきていると伺っております。このことから、導入につきましては、平成13年度中の導入に向け、今後も検討してまいります。
以上でございます。
24
◯生活環境部長(青木勝彦君) 実験的な廃油のリサイクルを行う考えはないかとの御質問でございますが、現在、生ごみについては、生ごみ処理機等への補助を通じ、今後の処理方法を検討しているところです。廃油については、河川水質汚濁防止、資源の有効利用、環境教育などの点からリサイクルの必要性があるので、今後、調査研究してまいりたいと考えております。
以上でございます。
〔29番山田誠君登壇〕
25 ◯29番(山田誠君) 3回目は、要望などにいたします。
中央省庁において、先ほど財務部長からありましたが、平成10年度に公共工事の規制のあり方ということで幾つかの措置がされております。その中には、一般競争入札の拡充、予定価格の事後公表、低
入札価格調査制度への移行と調査結果の公表、上請け・丸投げの排除、共同企業体制度の運用が本来の目的に合っているのかといったようなことを地方公共団体に要請することとなっております。この中では、静岡市においても既に実施されているものもあります。
先ほど前田議員からも質問がありましたが、我が会派の中においても、低
入札価格調査制度を含め、契約行政についても議論がされております。新しい制度の導入をした場合、工事の質が保証されるのかといったことや、瑕疵担保について現状では不十分ではないのか、工事現場における安全対策が十分にされるのか、低く応札しておいて倒産といったようなことも考えられたり、多くの不安要素もあります。特に、工事の質の管理を大きな課題として認識しなければなりません。
また、先日の新聞にもあるとおり、政府は、工事の丸投げ全面禁止を含めた法の成立に取り組んでおります。これらの諸課題にきちんと取り組んで、静岡市において最善の契約行政を進めるべきではないでしょうか。来年度のコリンズの導入は、適切な業者による工事の質の確保や透明性を高める上で有効な方法の1つであると思いますので、さまざまなデータの活用をお願いしておきます。
次に、リサイクルについて要望したいと思います。
以前と比較して、市民のリサイクルに対しての意識は大変高くなっております。新たな技術開発が進むことにより、リサイクルのコストも下がってきており、今回お伺いした家庭用廃油以外にも対象となるものがふえてくるものと考えられます。しかし、何といっても、リサイクルにおいては市民の意識づけが重要であり、これからもより一層の意識啓発をされるようお願いをいたします。
以上で質問を終わります。
〔44番剣持邦昭君「議長、関連」と呼び発言を
求める〕
26 ◯議長(藤田卓次君) 何の関連ですか。
〔44番剣持邦昭君「契約行政」と呼ぶ〕
27 ◯議長(藤田卓次君) それでは、本会議最終質問者が終わった後でお願いいたします。
~~~~~~~~~~~~~~~~~
28 ◯議長(藤田卓次君) 次は、23番白鳥実君。
〔23番白鳥実君登壇〕
29 ◯23番(白鳥実君) 先般、先輩議員の皆さんと、自由民権運動の発祥の地、高知土佐を訪れる機会に恵まれ、命をかけて自由をかち取る運動を展開した坂本竜馬、板垣退助などの資料が展示されている記念館を見学させていただきました。「よしや南海苦熱の地でも粋な自由の風が吹く」、「板垣死すとも自由は死なず」等々の生き方は、自由と民権の原点を示された思いがして、政治に取り組む姿勢を正されてまいりました。今では地方分権、地方主権ということになりますが、「静岡に粋な分権の風が吹く」とか、会派代表の言葉をかりますと、「石津死すとも分権は死なず」と、地方分権の発祥の地・静岡と命名されるよう頑張っていかなければと思わされました。
それでは、通告に従いまして3項目、福祉行政、環境行政、住宅行政について質問いたします。先ほど質問に立たれました前田議員とたまたま2項目重なりましたが、視点が若干異なりますので、お聞きをいただきたいと思います。
初めに、高齢者福祉行政、介護保険についてであります。
介護保険は、4月スタート、半年が過ぎ、10月からは1号被保険者からの保険料半額徴収も始まります。ここに至るまで、国の制度改正等、地方自治体に背負わされた課題は多々あったわけですが、静岡市においても、職員の皆さんの御努力によって、まずまず無難にスタートを切ることができたことに対して、心より敬意を表するものであります。その中で、私は、今回市民の皆さんからいただいた意見をもとに、行政が取り組んでおられることについてお聞きしたいと思います。
まずは、市民の皆さんが直面するまでこの制度を理解しておらず、直面して初めて今までの制度とは違うことに気づき、制度の手続を聞きに来るケースが非常に多いということであります。市として制度の認知度はどの程度と把握しているのでしょうか。今後の制度説明、パンフレット作成等、方向を決める上でお聞かせをいただきたいと思います。
次に、認定についてであります。
認定には、まず調査の申請、訪問調査、そこから導き出される1次判定、主治医意見書、調査員の特記事項、そして、それらをもとに認定審査会にかけて認定が決定されてくるわけですが、その中で、公平な認定をするためには、各ポジションの質的向上が不可欠であると考えております。その意味で以下のことを質問いたします。
調査員の指導、研修はどうなっていますか。特に特記事項記入についてはどのような指導を行っていますか。また、審査会では特記事項はどのように位置づけられていますか。
次に、主治医意見書について同様に質問いたします。主治医意見書の指導はどのように行っていますか。また、審査会ではどのように意見書は位置づけられていますか。
次に、審査会について質問いたします。
合議体を構成する委員の皆さんへの研修、指導はどうなっていますか。また、委員の組みかえ等は行っているのですか、お聞きをいたします。
認定には、公平性、平準性が最も大切な問題になってくるわけであります。2月の定例会の折、私は、審査会の公開について、佐原市において行われている事例を示しながら、より一般の方々に透明な審査会になることを要望させていただきました。現在、判定の標準化のためにどのような取り組みをし、今後どう取り組んでいく予定か、お聞かせをいただきたいと思います。
次に、ケアマネージャーの問題であります。
開始直後に寄せられた苦情の1つに、自分が依頼したサービス内容と違っていた、具体的は4時間から6時間のデイサービスのつもりが、行ってみると6時間から8時間で設定されていて、その料金が請求されたというものがありました。簡単に言うと、発注した商品と違う商品が提供されたということであります。
介護保険制度においては、ケアマネージャーはケアプランを作成し、そのプランどおりにサービスが提供されるよう各事業者に依頼する義務があり、また、事業者は指示どおりのサービスを提供する義務があるわけです。しかしながら、ケアマネージャーというと、職種が新しい職種で、まだ力量不足であること。また、いずれかのサービス事業者に所属しているものがほとんどであることから、本来対等であるべき関係が事業者優位になっているとか、事業者とケアマネージャーの関係が上司と部下の関係になりやすく、ケアマネージャーがどうしても弱い立場になってしまうわけです。そういう意味でも、ケアマネージャーの権限と社会的立場というものは大切になってくると思います。
そこで質問いたします。ケアプランに対して、不満を持っている人をどの程度と認識をされていますか。また、不満の内容はどのようなものがあるか、お示しをいただきたいと思います。
また、静岡市居宅介護支援事業所に提出されたケアプラン作成依頼届は何件ありますか。また、その件数は市全体の中でどのくらいの比率を占めているか、お聞かせをいただきたいと思います。
次に、保健福祉サービスの利用状況についてお伺いをいたします。
介護保険がスタートと同時に、静岡市では福祉サービスの充実も図られてきていると認識をさせていただいております。そこで、現在の自立支援型ホームヘルプサービス、介護予防型デイサービス、短期保護事業及び安心住まい助成制度の利用予定数と、現在の利用状況はどうなっているか、お示しをいただきたいと思います。
次に、第2項目、環境行政についてであります。
ダイオキシン特別措置法についてお伺いをいたします。
この問題については、既に前田豊議員、佐野議員より質問がありましたが、私は、去る8月初旬に行われた説明会における行政の説明と事業者との間に、認識においてかなりの隔たりがあるのではないかということで、事業主の皆さんが正確な対応をしていただくことができるように、再度質問をいたします。
この質問をさせていただくに当たり、私は、ある地場の組合に行って御意見を伺いました。「白鳥さん、私たちも
ダイオキシンの問題は理解していますよ。しかし、このような景気状態のときに検査、改善にお金をかけるのは苦しい。もし今のまま使えないのなら、廃材の処理はどのようにしたらいいのかね。環境の問題で廃業せざるを得ないところも出てくるかもしれないね」、この言葉は、まじめに行政の指導をとらえている言葉として私は受けとめました。
平成10年度、
ダイオキシン類の緊急全国一斉調査を 400カ所で実施、所沢市を中心とする野菜の
ダイオキシン類実態調査が実施されました。平成11年7月、
ダイオキシン類対策措置法が成立し、平成12年1月15日より施行されました。県においては、平成9年11月、静岡県
ダイオキシン削減総合対策が実施され、大気汚染防止法及び廃棄物処理法を受けて事業者への説明会を行い、立入検査を行い、平成12年度、
小型焼却炉ダイオキシン排出削減マニュアルを策定し、それらに準じて本市においても環境調査が実施されてきました。事業者の皆さんが抱えている矛盾を少しでも改善すべく、ここに質問させていただきます。
まず初めに、
小型焼却炉の実態調査の結果、判明した保有事業者数とその業者別割合はどのようになっていますか。
また、平成13年1月15日から平成14年11月30日まで、既設施設の基準は87ナノグラム、平成14年12月1日より焼却能力に応じて1ナノ、5ナノ、10ナノと、かなり厳しい基準が示されているわけですが、この基準値を満たすように焼却炉を改善するためにはどのくらいかかると認識していますか。
自主測定及び測定結果の市長への報告では、毎年1回以上の測定義務、報告の義務が示されていますが、かかる費用はどのくらいと見積もっていますか。また、この義務を怠った事業者に対しては、罰則等どのように処理されますか。そして、自主測定を行った結果、基準値を超えている事業者に対してはどのように指導されるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
次に、第3項目め、住宅行政についてお伺いをいたします。
少子高齢化社会が確実に進む中、また、景気先行き不透明の中、市民の皆さんの中には、安心して暮らせる住宅の確保が急を要する方々がふえていることは否定しがたい事実であります。この1年半の間、私のところにも、申し込みをしてから半年以上たつけれども、返事がまだきませんという声が20数件飛び込んできております。中には、老老介護の在宅世帯の方が経済的緊急を要して申し込みをしておられる方もいました。また、母子家庭の方が、何とか早く入れませんかと切実な訴えをされる方もおりました。
そこで、現在の待機者の現状と対策について質問をいたします。
まず初めに、平成11年度の本市の一般個人住宅建設戸数と前年との増減の理由をどうとらえているか、お聞かせをいただきたいと思います。
先ほどの答弁では、待機者が年々増加しているということでありました。待機者にとって希望を持たせることが新規住宅の状況です。そこで、お聞きいたします。富士見団地、
小鹿高層団地の建設計画について進捗状況はいかがですか。また、来年度建設完了予定の
小鹿高層団地については、入居者の決定はどのように行われるのですか、お示しをいただきたいと思います。
ここで、毎年問題になりますが、使用料収納率についてお聞きいたします。昨年度の状況と、市としてはこの問題に対してどのような対策を講じているか、お聞きをいたします。公営住宅の弱みなのかもしれませんが、この点はしっかりと管理していかなければならないと思います。市民の権利と義務、利用者もしっかり自覚しなければならないことだと感じています。
以上、高齢者福祉について8点、環境行政について5点、住宅行政について4点、1回目の質問といたします。
30 ◯保健福祉部長(渡辺鍵次郎君) 介護保険に関する御質問にお答えをいたします。
まず、高齢者が介護保険をどのくらい知っているかという御質問でございますが、この2年間、さまざまな機会をとらえて制度PRに努めてまいりましたので、介護保険の手続や流れについては、多くの高齢者に浸透してきていると思っておりますが、制度の複雑さに加え、介護が身近な問題ととらえにくかった面もあったのではないかと思っております。今後、保険料の徴収が始まりますが、制度の円滑な運営のため、一層の制度周知を図っていきたいと考えております。
次に、調査員への指導、研修についての御質問でございますが、基本的には、県の行う介護支援専門員実務研修が修了すれば認定調査を行うことができますが、市では調査の重要性にかんがみ、さらに実習を含めた研修を追加して行っております。また、その際に特記事項の重要性についても周知を図り、適切な記載例を提示しております。現認研修におきましては、県が10月に行う予定と聞いておりますので、市も検討しているところであります。
審査会での特記事項の位置づけにつきましては、心身の状況等において客観的な視点で記載されるものであり、1次判定にあらわれない介護にかかる手間等の情報が提起をされているところであり、判定の重要なポイントを担うものと認識をしております。
次に、主治医意見書についてでございますが、主治医意見書の作成に当たりましては、審査判定資料としての重要性にかんがみ、11年度において研修、指導を行ったところであります。また、主治医意見書は、医学的見地からの重要な審査判定資料として位置づけられており、判定根拠の重要な役割を担っていると考えております。
次に、審査会委員への研修指導のことですが、審査会委員全員を対象にした研修を平成11年度に1度開催しました。本年度におきましても必要に応じ実施してまいりたいと考えております。そのほか、合議体の長による連絡調整会議に諮った事項につきましては、各合議体ごと各委員に対し説明、周知を行っているところであります。また、委員の組みかえにつきましては、本年4月に合議体間の委員の編成がえを実施いたしました。
次に、審査判定の平準化の取り組みでございますが、審査の平準化の確保につきましては、本年4月の委員の編成がえのほか、8月に合議体の長による連絡調整会議を実施いたしました。今後も必要に応じて研修会及び連絡調整会議を行うとともに、委員の固定化に伴うばらつきを解消していくため、適当な期間をおいての合議体の編成がえも行っていきたいと考えております。
次に、ケアプランに対して不満のある人はどのくらいいるかとのことですが、8月に静岡市が実施した介護保険サービス等利用実態調査によれば、「ケアプランのサービス種類や回数に本人の希望が反映されていますか」という設問に対しまして、 6.3%の方が「反映されていない」と答え、また「家族の希望が反映されていますか」という問いには、 6.8%の方が「反映されていない」と答えております。
次に、ケアプランの作成依頼届についてでございますが、静岡市居宅介護支援事業所に提出された居宅サービス計画作成依頼届の件数は、8月末現在で 221件となっております。市全体の届け出数が 5,339件でしたので、約 4.1%を占めております。
次に、保健福祉サービスの利用状況でございますが、生活支援型ホームヘルプサービスは、4月から7月までに延べ 228人の利用があり、介護予防型デイサービスは、同様に延べ 231人、自立型ショートステイは延べ3人の利用がございました。これらのサービスは、見込数に対して少ない状況にございます。また、安心住まい助成制度の利用は、4月から7月までに20件の補助件数があり、昨年の件数の約半分となっております。これらは、新規サービスであったり介護保険との調整もありまして、当初想定したほどには件数が伸びなかったものと思われます。
以上でございます。
31
◯生活環境部長(青木勝彦君)
小型焼却炉についての5点の御質問にお答えをいたします。
実態調査の結果はどうなっているのかとの御質問ですが、昨年度から今年度にかけまして実施しました
小型焼却炉の実態調査の結果、
ダイオキシン類対策特別措置法の規制対象炉は 404事業所でした。また、その業種別内訳は、木工関連地場産業が約半分、残りは建築工事業、寺院、運送業等が主なものでした。
次に、基準値を満たすように焼却炉を改善するために必要な費用はとの御質問ですが、焼却炉の種類、規模により金額が大幅に変わりますが、平成14年12月1日以降に係る基準値10ナノグラムを満たすための改造費用として、今回の規制対象となる最低規模の1時間に50から 100キログラム程度の能力の焼却炉で、概算で 500万円から 1,000万円程度の費用がかかると聞いております。
次に、年1回の自主測定の費用はどうかという御質問ですが、
ダイオキシン分析が可能な県内の環境計量証明事業所25社に問い合わせたところ、概算で排出ガス測定費が35万円、燃えがらが25万円と聞いておりますので、少なくとも測定費用として約60万円が必要になります。
次に、届け出義務及び自主測定義務を怠った事業所への罰則等、どうなっているのかとの御質問ですが、設置届及び構造変更届を怠った場合は、 3カ月以下の懲役または30万円以下の罰金、使用届を怠った場合は20万円以下の罰金に処せられます。
また、自主測定の結果については、事業者は市長に報告することが義務づけられており、市長はその結果を公表することになっております。その際、自主測定を怠った事業者名についても公表をいたします。
最後に、基準値を超えた事業者への対応、指導ということでございますが、継続して使用するものについては、焼却炉の改善等を指導することになります。なお、市の立入検査の結果、基準値を超えた事業者に対しては改善命令を、その指導にも従わなかったものに対しては焼却炉の使用停止を命ずることになります。
以上でございます。
32 ◯建築監(大塚岩雄君) 待機者対策の現状と対策についての御質問にお答えいたします。
まず、平成11年度の市内での一般個人住宅建設戸数と前年度と比べて増減がある場合は、その理由は何かとの御質問でございます。
平成11年度の個人住宅建設戸数は、静岡県発行の住宅着工統計によりますと 2,091戸で、前年度と比べ 210戸の増となっております。増加の理由といたしましては、住宅ローン減税措置等によるものと思われます。
次に、富士見団地、
小鹿高層団地の建設計画と、
小鹿高層団地の入居者の決定はどのようにしているかとの御質問でございますが、富士見団地につきましては第1期工事43戸が本年6月末に完成し、8月1日に入居が完了しております。団地全体では、平成20年度までに多様な世帯構成にも対応できる住宅として、車いす住宅を含む一般住宅 190戸、特定公共賃貸住宅30戸、シルバーハウジング30戸の計 250戸程度の建設を予定しております。
次に、
小鹿高層団地でありますが、既に第1期工事として車いす住宅4戸を含む 111戸の住宅が昨年9月末に完成し、現在、第2期工事47戸の建設を、平成13年5月末完成を目標に工事を進めているところでございます。
昨年実施いたしました
小鹿高層団地の入居者の決定につきましては、旧木造住宅からの住みかえ入居者住宅を除く29戸を公募し、公開抽せんにより入居者を決定いたしました。
次に、市営住宅使用料の収納率についての御質問でございますが、平成11年度末の市営住宅使用料の収納率は82.8%となっております。
収納率を高める方策といたしましては、入居者本人及び連帯保証人に対する納付指導の強化、職員による夜間折衝とともに、口座振替の勧奨等を実施しております。
なお、特に悪質滞納者に対しましては、入居者間に著しい不公正を欠くことから、現在、法的措置に向けて準備を進めているところでございます。
以上でございます。
〔23番白鳥実君登壇〕
33 ◯23番(白鳥実君) 各部長より御答弁をいただきました。
介護保険サービスについては、8月9日から9月11日にわたり利用実態調査が行われました。 1,500件の発送に対し、回収数は 986件、回収率は64.5%でありました。先ほども答弁の中にもありましたが、その中で、調査員の対応について、よかった 519件、普通 406件、悪かった23件、 2.4%でありました。その主な理由は、心身の状況を十分に見てもらえなかった、調査の時間が足りなかった、態度や言葉遣いが悪かった。また、ある方は、約束の時間に来なかったという内容もあったようであります。
気になるところでは、「ケアプランが家族の希望が反映されていますか」の質問に、「反映されていない」が全体の 6.8%、「計画の作成後、計画の変更や生活上の相談のためケアマネージャーがどの程度訪問や連絡があったか」では、17.8%の人が2、3カ月に1回程度、ほとんどないが18.6%でありました。介護保険制度に対しては、やや不満16.5%、不満 9.7%と、満足、やや不満とほぼ同じ程度でありました。このような状況の中で、私は、市民の皆さんはやや厳しい目でこの制度を見ておられると感じております。
そこで、このデータを踏まえて再度質問いたします。認定審査会については、透明性の確保と平準化のため、さらに努力していただくことを要望いたします。
ケアマネージャーについて、1点お伺いいたします。
私は、市が居宅介護支援事業者となってケアプラン作成を行うことは大変意義のあることだと思っております。介護を行うことは、介護保険が過渡期であることを踏まえると、同一事業者がプラン作成とサービス提供を行うことは、利用者にとってかなり不透明になりやすいと考えるからです。そこで、今後の方向性についてお聞かせいただきたいと思います。
また、保健福祉サービスは、介護保険スタート時に、その関係性が市民にとってちょっとしたずれが生じてしまったように感じています。また、非該当の方が福祉サービスを利用するとき、非該当という介護認定が必要であること等、不理解のことが生じているように思います。自立している方が健康に生活するために利用できるサービスは何なのか、市独自のサービスは何なのか、しっかりと示していかなければならないと考えております。
そこで質問ですが、広報の方法、また、今後の取り組みについてお聞かせいただきたいと思います。
次に、
小型焼却炉についてですが、この問題は環境の規制と製造・製材等事業を営む廃棄物処理と板挟みの問題となってくるわけですが、特に、まじめに環境と処理について考えている事業主の方にしっかりとした方向を示していかなければならないと思います。
そこで質問ですが、一部の事業者は、法の趣旨に基づくと
小型焼却炉は使えなくなると認識しております。この点について市はどのように考えていますか。また、現時点で事業者に対してその考えを示すことは検討されていますか。さらに、市としては、焼却できなくなったときの廃棄物の処理方法についてはどのように考えていますか、お答えをいただきたいと思います。
次に、住宅行政についてでありますが、答弁をお聞きして、需要の拡大を懸念せざるを得ませんでした。再度質問いたします。
初めに、高齢者世帯の入居率についてお聞きをいたします。
次に、私はよく「あの部屋は長い間あいているけれども、入る人がいないのかね」という言葉を耳にします。そんなはずはないと思い、住宅課の方々にたびたびお話を聞かせていただいてきたわけですが、4点質問いたします。
緊急時、災害時に備えて空き部屋を確保しているということはあるのですか。待機者にとっては空き部屋というのは、事情があるにせよ非常に気になるものであります。伺った範囲では、退去者が出てから修繕等にかかる期間があるためということであったと思います。
そこで質問ですが、前入居者退去後から、新入居者入居までの流れはどのようになっていますか。また、修理等にかかる期間はどの程度必要と考えているのですか。
次に、管理についてですが、民間では当然のこと、空き家を出せば収入の減収につながるわけですから、一日も早く入居させなければと考えるわけです。市の管理に対する考え方をお示しいただきたいと思います。
以上、2回目の質問といたします。
34 ◯保健福祉部長(渡辺鍵次郎君) 2点の御質問にお答えをいたします。
まず、静岡市居宅介護支援事業所の今後の方向性についてでございますが、市の居宅介護支援事業所につきましては、民間居宅介護支援事業所の補完的な役割とともに、困難事例に対応し、実践を通して指導的、模範的な役割を担っていくことも目的の1つとして設置したものであります。今後におきましても、制度が順調に根づくよう、居宅介護支援事業を育成していく役割を担っていかなければならないと考えております。
2点目の、福祉サービスのより一層の浸透を図るため、どのような取り組みをしていくのかとのことでございますが、現在高齢者福祉のしおりを作成し、各保健福祉センター、在宅介護支援センター等で配付しております。また、地域で活動していただいている民生委員を通じて必要な方に周知をしていただいております。このほか、市の広報紙に特集を組みましてお知らせをしております。
今後とも、高齢者の相談窓口においてPRに努めるとともに、介護認定等でお見えになった方々にも、積極的に福祉サービスのPRに努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
35
◯生活環境部長(青木勝彦君)
小型焼却炉についての2点の御質問にお答えをいたします。
一部の利用者は、使用できなくなると認識しているが、市としてはどう考えているのかとの御質問ですが、現在は80ナノグラムの基準でありますが、平成14年12月1日からは、この基準が10ナノグラムに規制強化されます。この場合の焼却炉の改善費用は莫大なものになりますので、焼却炉を継続使用することはかなり厳しいものになると考えられます。継続して規制対象となる焼却炉を使用する場合は、法に基づき適正な指導をしてまいります。
2点目の、焼却することができなくなったときの廃棄物の処理方法についてどう考えているのかとの御質問ですが、焼却炉を使用できなくなった場合の廃棄物処理の方法は、1点目としては廃棄物の減量化、2点目が廃棄物のリサイクル化の推進、3点目が市有料指定袋での排出、4点目が市清掃工場への搬入、そして、5点目としては廃棄物処理業者への委託処理などが考えられます。今後、具体的な処理方法については検討してまいります。
以上でございます。
36 ◯建築監(大塚岩雄君) 待機者対策の現状と対策につきましての御質問にお答えさせていただきます。
まず、高齢世帯の入居率でありますが、65歳以上の高齢者がいる高齢世帯の入居率は、平成12年4月1日現在、市営住宅入居世帯数 4,181世帯のうち 2,000世帯で、入居率は47.8%となっております。
次に、災害時のための空き家の確保についてでございますが、災害時等のための空き家確保は特にはしておりませんが、市営住宅全体の中での空き家で対応を考えております。
次に、前入居者退去後から入居までの流れはどのようになっているか。それともう1点、修理等に要する期間はどの程度必要かとの御質問でございますが、待機者が入居できるまでの流れは、まず退去検査を行い、畳、ふすま、壁、給排水設備等を調べ、必要な箇所を修理し、次に、修理後の部屋を
入居希望者に見ていただき、入居を決定しております。また、退去検査終了後の修理の期間といたしましては、部屋の傷みぐあいにもよりますが、通常では、業者の手配から修理完了まで約1カ月程度を要しております。
次に、民間では空き家が出ないように努力しているが、市は市営住宅の管理についてどのように考えているのだという御質問でございますが、市営住宅の管理につきましては、市民ニーズを的確に把握する中で、市民にとって魅力ある団地にすべく、住環境の整備や住戸改善を検討し、既に一部実施しているところであります。今後とも市民の理解・協力を得ながら、効率的な管理運営に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
〔23番白鳥実君登壇〕
37 ◯23番(白鳥実君) 3回目は、意見、要望を述べさせていただきます。
以前、福祉は金食い虫だと言われた時代がありました。しかしながら、今日、福祉制度の充実につれ、福祉産業の従事者も増加しております。また、シルバー産業と言われるように、高齢者をターゲットにした新たな市場もできつつあると思います。
秋田県鷹巣町岩川町長は、福祉自治体ユニット立ち上げの折、くしくもこのユニットの基本的考え方は、これまでの公共事業重視の行政から住民生活の福祉自治体への転換を図るところにあると明言いたしました。
介護保険は地方分権の試金石であります。その意味で、私は2つの大切な事柄を感じています。1つは市職員の意識改革であります。従来の福祉施策といえば、国のマニュアルどおりにすれば事足りていました。むしろ、マニュアルどおりにすることが求められてきました。しかしこれからは、地域の実情に応じたという言葉をどれだけ自分の言葉として受けとめるか、まさに職員の企画力が試される事業であります。
2つ目は、住民の理解であります。行政のみでサービスを組み立てても、保険料にはね返ることであり、住民の合意なしでは、やはり地域の実情に応じた制度は成り立たないと思います。
その意味で、広報は大変重要になってくるわけです。今回は1点のみ要望いたします。先ほども指摘をさせていただきましたが、私は、この制度がしっかりと社会に根をおろすまでは、市が行う居宅支援事業、特にケアプラン作成は大変重要な仕事と考えております。
聞き間違いとは思いますが、議案説明会の折、保健福祉部長から、プラン作成は民間へ移譲する方向とのコメントがあったかに聞き取ったのですが、先ほどの答弁では、そんなことはないというふうなことでありましたので、安心をいたしました。さらに、数的確保、質的向上を目指して頑張っていただきたいと思います。私も、個人的に信頼するケアマネージャーのいない方へは、今後も市の居宅支援事業所を紹介したいと考えておりますので、よろしくお願いをいたします。
次に、
ダイオキシン特別措置法についてですが、平成13年1月15日より施行されるということになりますと、11月中旬には1回目の検査申し込みが必要となってくるわけです。その意味で、改善に 500万円から 1,000万円ものお金を投資して、毎年の検査費用60万円をかけても、結局燃やすことができなくなり、むだな投資となるとすれば、今の段階ではっきりとした結論と処理方法、また、緊急措置としてのかかる費用に対する助成等も検討し、示すべきではないかと考えます。前向きな検討、決定、事業者に対する説明を心から要望いたします。
住宅に関しては、待機者に対する対応は2つしかありません。増築か空き世帯の回転をよくすることであります。退去者が出たならすぐに修繕し、逆に、修繕直後の住宅を売り込むくらいの気合いが必要なのではないでしょうか。修繕等のかかる期間については、既に事業者、組合より短期間に対応する旨のことを伺っております。予算の問題等あるのかもしれませんが、予算づけをするならばして、くれぐれも行政の努力不足で空き部屋が残ることのないようお願いする次第であります。
冒頭、私は、地方分権の発祥の地・静岡ということを言いました。今回質問させていただいた内容は、分権の一石としてとらえております。分権は、職員の皆さんの意識改革と国への提言権も必要と考えます。小嶋市長の分権に対する熱い熱意に期待して質問を終わらさせていただきたいと思います。
ありがとうございました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~
38 ◯議長(藤田卓次君) 次は、1番渡辺正直君。
〔1番渡辺正直君登壇〕
39 ◯1番(渡辺正直君) 通告に従いまして、質問させていただきます。
きょうは、脳外傷後遺症について3点、それから、高齢者・障害者の外出環境についてということで3点の質問をさせていただきます。
近年の救急医療システムの整備や、脳低温療法などの新しい治療法によりまして、重傷の頭部外傷の救命率が飛躍的に向上し、命を取りとめる重傷患者が増加し、それに伴って後遺症を持つ脳外傷患者の数がふえています。救命率の向上自体は非常に喜ばしいことですけれども、その中で、後遺症を持ちながら生活をしていく患者さん本人や家族の厳しい状況が、今、大きくクローズアップされています。
脳は、生命維持、運動と知覚、学習思考や創作など人間のさまざまな活動をつかさどっております。したがって、大切な脳は頑丈な頭蓋骨で守られているわけですけれども、しかし、交通事故などによって頭部に激しい衝撃を受けますと、脳組織に損傷が及ぶことがあります。脳組織の損傷状況から、医学的には少し専門的な名前ですけれども、びまん性脳軸索損傷、脳挫傷、頭蓋内出血などと診断されます。これを総称して脳外傷といいます。外傷による脳損傷の特徴は、必ずしも脳のどこか1カ所がダメージを受けるということではなくて、脳の至るところで損傷が見られることがあります。先ほど出ましたびまん性という言葉は、広く満遍なくという意味だそうです。そして、その原因の多くは交通事故ということです。
熊本県で、熊本赤十字病院が中心となって県下15施設で行った頭部外傷患者 1,503名の調査によりますと、脳外傷の発生率は県民10万人当たり年間27人、熊本市では発生率が高く、交通事故が都市部に多いことと相関関係が見られます。さらに、受傷原因の第1位は交通事故で50%、それ以外は転落、転倒、打撲で、受傷年齢は、交通事故の場合は若年の成人、中年成人と若い人に多く見られます。転倒、転落等は中年成人と高齢者に多く見られました。静岡の場合にはデータがないのではっきりしたことはわかりませんけれども、相当数の患者がいるものと考えられます。
現在、日本脳神経外傷学会では、全国レベルでデータバンクの設立に向けて動きが始まっているそうです。そして、この脳外傷の結果、運動麻痺、失調症、複視、言語障害、記憶障害、そして意識障害、場合によっては性格の変化や情緒障害などさまざまな障害が発生します。その内容や程度はさまざまであり、外見から障害の残っていることがわからない場合も少なくありません。例えば、感情が抑え切れず怒りっぽくなったり、突然子供のようなしゃべりをしたり、自分勝手な思い込みも多くなるそうです。そして、記憶力、記銘力の低下は、新しい仕事を覚えることを困難にしています。また、言葉や反応行動が全般に緩慢で、てきぱきと物事に対処できなかったり、同時に2つのことに注意が集中できないために、仕事上のミスや見落としが見られるなどの障害が社会復帰の妨げになっています。
静岡においても、この複雑で独特な、しかもわかりにくい障害を持った本人や家族が励まし合い、正しい知識を持ち、お互いの体験をもとによりよい進路を見つけ、一人でも多くの当事者が社会復帰できることを願って脳外傷友の会が設立されました。リハビリテーションに関しても、本来は総合的なアプローチが必要であるにもかかわらず、臨床心理や職業訓練、生活適応などの諸訓練、これは医学、心理、社会、職業訓練、環境の調整や情報、相談を受けられる機関がシステムとしてないため、生活障害を軽減する方法がいまだ確立されていません。そんな中ですけれども、愛知県や香川県では、総合的なリハビリに向けての取り組みが行われていると聞いております。
そこで、お伺いいたします。
まず1点目、脳外傷後遺症についてどのような認識を持っていらっしゃるのか。
2点目として、患者の実態についてどのように把握されているのか。
3点目、静岡病院における患者数及び相談状況はどうなっているのか。また、障害福祉において患者の実態をどのように把握されているのか。
4点目におきまして、治療とリハビリに関連して、静岡病院における取り組みはあるのかどうか。
そして最後にですけれども、今、患者会から要望が出されておりますけれども、総合的リハビリテーション施設の整備について、静岡市としてどのように考えているのか。
以上5点伺います。
1回目の質問を終わります。
40 ◯保健福祉部長(渡辺鍵次郎君) お答えします。
脳外傷後遺症についてどのような認識を持っているのかとのことでございますが、脳外傷後遺症は、交通事故など外部からの力で脳に障害が起こり、治癒後にも見られる運動、感覚、精神などの障害や、記憶、思考、判断といった機能障害などの症状のことを言います。日常生活における記憶力や注意力、行動等に障害を来し、社会復帰への適応性が著しく困難になっている方がいらっしゃることを承知しております。
次に、障害者福祉において脳外傷患者の実態をどのように把握しているかとの御質問ですが、交通事故や転落等による頭部外傷が原因で、記憶障害、判断力推考障害、認知障害など高次の脳機能障害があっても、法令で定めた肢体不自由等の機能障害がなければ身体障害者として認定されないため、障害福祉課においては実態の把握はしておりません。しかし、頭部外傷が原因で肢体不自由となり、身体障害者手帳の交付を受けた人は、平成11年度には18件ございました。
次に、患者会からのリハビリ施設の要望についての御質問でございますが、脳外傷治療につきましては、医療機関においても標準的な診断技術、リハビリテーションのプログラムがいまだ確立されていないのが現状だと聞いております。国におきましても、頭部外傷後遺症を含む高次脳機能障害者への対応として、実態の把握をして、診断技術及びリハビリプログラムの確立と在宅生活の支援体制の整備等の検討を来年度から始めるとのことです。その動向を見守っていきたいと思っております。
以上でございます。
41 ◯病院事務局長(大畑孔作君) 市立病院に係る2点の質問についてお答えいたします。
まず最初に、市立病院における患者数及び相談状況についての御質問ですが、当院における頭部外傷による入院患者数は年間約70例で、そのうち脳挫傷、急性硬膜下血腫など脳の実質損傷は30例前後であり、このうち重傷例に身体的・精神的に後遺症が生ずる場合があります。このような患者さんで高次脳機能障害のうち、特に知覚・認識等に障害のある患者さんは、入院中はその障害が目立たないため発見が難しく、退院後に社会生活の中で問題となる場合が多いと思われ、患者さんの数を把握することは困難な状況にあります。なお、医療相談では今まで1件の相談がございました。
次に、静岡病院における取り組みでございますが、当院といたしましては、今、議員さんが言われています脳外後遺症に対する専門の診療科もなく、また専門の医師もいないため、対応できない状況ですが、今後相談があった場合は、専門の医療機関等を探すなど協力をしていきたいと考えております。
以上です。
42 ◯議長(藤田卓次君) 暫時休憩いたします。
午前11時53分休憩
─────────────────
午後1時再開
43 ◯副議長(寺尾礼二郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続けます。
渡辺正直君。
〔1番渡辺正直君登壇〕
44 ◯1番(渡辺正直君) 質問いたします。
1回目でも申し上げましたけれども、このように脳外傷の結果、さまざまな症状が起こることを述べてきましたけれども、それらの後遺症の中でも、社会参加を阻む大きな要因として、先ほど部長からも発言がありましたけれども、高次脳機能障害があります。例えば、直前のことでも覚えていられない記憶障害、集中力や意欲の障害、周囲の状況に的確に対応できず、誤りを修正できないなどの問題は、高次脳機能障害によると考えられます。
一方、脳外傷後に起きやすい衝動性や情緒不安定性、抑制が効かないこと、あるいは幼児的言動などは、人間関係の維持や社会への適応を阻む大きな壁となっています。このような後遺症の結果、社会参加が困難となった高次脳機能障害を持つ本人とその家族は、社会から孤立し、生活への不安を高めるなど共通の悩みを抱えています。脳外傷者がこのような状況にあるということは、一般社会の人々から十分に理解されていない心細い状況にあります。