令和 2年第1回定例会(第2日 3月12日)
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令和2年 3月(定例)奥 出 雲 町 議 会 会 議 録(第2日)
令和2年3月12日(木曜日)
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議事日程(第2号)
令和2年3月12日 午前9時30分開議
日程第1 一般質問
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本日の会議に付した事件
日程第1 一般質問
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出席議員(12名)
1番 田 食 道 弘君 2番 糸 原 壽 之君
4番 土 屋 武 雄君 5番 内 田 雅 人君
6番 石 原 武 志君 7番 藤 原 和 範君
8番 川 西 明 徳君 9番 内 田 勇君
10番 内 田 精 彦君 11番 村 尾 明 利君
12番 大 垣 照 子君 14番 藤 原 充 博君
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欠席議員(2名)
3番 景 山 利 則君 13番 岩 田 明 人君
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欠 員(なし)
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事務局出席職員職氏名
局長 ───── 石 原 重 夫君 局長補佐 ─── 安 部 陽 子君
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説明のため出席した者の職氏名
町長 ───── 勝 田 康 則君 副町長 ──── 奥 原 徹君
教育長 ──── 塔 村 俊 介君 総務課長 ─── 藤 原 努君
企画財政課長 ─ 江 角 啓君
教育魅力課長 ─ 堀 谷 智 樹君
税務課長 ─── 石 原 啓 子君 建設課長 ─── 舟 木 長君
病院事務長 ── 森 長 洋 二君 町民課長 ─── 若 月 勝 久君
商工観光課長 ─ 本 山 宏 人君
健康福祉課長 ─ 杠 康 彦君
農業振興課長 ─ 荒 川 佳 史君
地域づくり推進課長 ───────────────── 高 尾 昭 浩君
福祉事務所長 ─ 末 森 利江子君
結婚・
子育て応援課長 ──────────────── 永 瀬 克 己君
農林土木課長 ─ 秋 田 和 浩君 水道課長 ─── 千 原 明 浩君
会計管理者 ── 森 田 近 子君
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午前9時40分開議
○議長(藤原 充博君) おはようございます。
ただいまの出席議員数は12名であります。定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
本日の議事日程は、あらかじめお手元に配付したとおりであります。
これより日程に入ります。
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◎日程第1 一般質問
○議長(藤原 充博君) 日程第1、一般質問を行います。
最初に、8番、
川西明徳議員。
○議員(8番 川西 明徳君) おはようございます。
8番、日本共産党、川西明徳でございます。
まずは、
新型コロナウイルス対策での政府の
後手後手政策に翻弄される地方自治体での適切な業務執行に期待をしつつ、少しでも早い終息を願うものであります。
それでは、病院、農業、教育の3点について、通告に従い、一問一答方式で質問いたします。
高齢者が能力に応じて自立し、豊かな日常生活を営める手助けをする病院をつくることについて質問をします。
初めに、全国の公立病院の8割近くが赤字となっている要因は、政府の
医療費削減政策によるものであります。医師不足の打開と地域医療の確保は、国の医療政策の根本的な転換を図ってこそ実現されるものと考えます。
さて、
奥出雲病院の16億円に及ぶ
累積欠損金は破綻寸前でしょうか。それは正しいものなのでしょうか。
地方公営企業の
奥出雲病院は、自治体の一般会計で採用している、ある期間の現金の出入りだけを記録する単式簿記とは異なり、全ての費用と収益を発生の事実に基づいて割り当てて記録する企業会計、複式簿記を採用しています。貸借対照表と
損益計算書の2つの表でお金を管理していますが、
損益計算書の利益と資金残高は一致しません。
損益計算書は、発生主義で処理するというルールがある
企業会計原則を採用しているからであります。つまり、取引が発生したら、納品、請求の時点で売り上げは計上されますが、入金自体にタイムラグが発生します。よって、売り上げが計上されたからといって同時に手元にお金が入るとは限らず、収支と損益にずれが生じます。そのため、
損益計算書と貸借対照表だけではわからない使えるお金を把握するために、資金繰り表や
キャッシュフロー計算書などでお金の効率的利用を図っています。
奥出雲町の一般会計では、当年度の現金などの支出は全額が当年度の費用になりますが、病院会計では、医療機器を購入した場合などは、現金、預金の支出があっても、その年度の収益の獲得に役立ったと考えられる部分だけが、費用配分の原則により、その年度の費用として認められます。償却資産の価値を費用分配により毎年減らしていくことにより、会計内に現金、預金を内部留保させ、建物や医療機械の再投資への原資を持つという効果があります。しかし、実際、現金の出入りを伴わない数少ない病院会計の項目でもあります。それらによって、費用として分配された
減価償却費分の現金を確保できない場合、純損失となる
利益剰余金と通算され、剰余金がなければ未
処理欠損金となり、これが
累積欠損金となります。このようなおかしな欠損となる原因に、
自治体病院の企業会計の根拠となる
地方公営企業法の問題があります。
地方公営企業法の不備で不当に
累積欠損金が積み上がる構造になっています。
累積欠損金について、
地方公営企業法施行令ただし書きは、議会の議決を得て
資本剰余金をもって埋めることができるとしていますが、
資本剰余金は資本取引から生じた余りの金額を資金源、元手にする場合、資本金や
資本準備金を取り崩して増額させた後、配当することができますが、取り崩しの際には厳格で煩雑な手続も必要であります。民間企業の場合は、
自己資本金を取り崩し、減資、資本を減らすという方法で
累積欠損金を解消しています。しかし、これまでの
地方公営企業法の場合、
自己資本金を取り崩し、
累積欠損金を解消する減資は、条文がないため認められていませんでした。投げておくしかありませんでした。
実際、公表された総務省の
地方公営企業会計制度研究会で減資を認めるべきという提案がなされ、総務省は、
自治体病院に対しての誤解を招かないために、
地方公営企業法の改正に伴い、減資制度の導入について、
利益剰余金の処分や減資が自治体の判断で自由にできるようにする規定をやっと盛り込みました。結局
奥出雲病院は、会計制度上の問題で16億円という
累積欠損金が発生する環境に放置されていました。必要以上に経営状況を悪く見せる逆粉飾、粉飾とは不正な会計を行い、内容を虚偽の報告を指しますが、その逆という状況にあり、
奥出雲病院は大赤字というイメージが醸成されていたとも言えます。
こうして法律の不備で金額が膨れ上がる構造になっている
累積欠損金が、
自治体病院を非難したい人たちの格好の材料になっていました。確かに
奥出雲病院の経営にも課題があり、自己変革が必要です。しかし、
自治体病院に対して不可能なレベルの収支改善の要求をしながら改革を迫るのでは、かえって間違った改革が行われる危険性が存在するようになると指摘をしておきます。
このほかに、
奥出雲病院の
累積欠損金がふえた理由で大きいのは、
仁多町立仁多病院移転新築事業で発生した新病院建設による起債償還です。
奥出雲病院は、医業収益から20年間で14億5,785万9,771円償還しています。
病院関係者の人件費を抑えて捻出したものでもあります。行政は、病院環境を整えることが重要な責務なのではありませんか。政府の
医療費削減政策のもとでの医師不足と、診療報酬の引き下げ、
地方交付税の削減が
奥出雲病院の運営を困難にしている最も大きな理由でありますが、もう一つの理由が、こうした多額な借金などを担わされていることであります。ルール化されているとはいえ、理不尽です。しかし、外部から見て、病院事業が
累積欠損金を解消し、資金繰りに必要な以上の現預金を持つ必要があるかというのも疑問です。深刻な医師不足が起きており、それだけの現預金を持つよりも、医師を初め、
専門的技術保持者などの
医療従事者の待遇を改善することが優先課題と考えます。収益を生み出すのは彼らです。また一方では、
奥出雲病院の現金額が最高だった平成22年度の1割もありません。資金繰りの改善が求められていませんか。
今、
奥出雲病院の経営に必要なことは、
累積欠損金を解消することではなく、安定的な経営を行うために、適切な
キャッシュフロー、現金を持ち続けることにあります。
累積欠損金額と同程度の自己資本、現金、預金額があれば、経営のバランスは図れます。強調しておきたいのは、これらのことは住民にはほとんど知らされていません。議会でも、単純に
累積欠損金の多さの批判が目立ちます。マスコミも、病院の
累積欠損金の意味を深く理解せずに、病院の
累積欠損金何億円と安易に記事を書いているのが現状です。理屈のない思い込みに基づく批判は、
自治体病院に働く職員のモチベーションを下げます。放っておけば地域医療の崩壊をさらに加速させることになります。
そこで、
奥出雲病院の現状認識と課題は何か、
病院事務長に伺います。
○議長(藤原 充博君)
森長病院事務長。
○
病院事務長(森長 洋二君) 先般の議会初日、
病院事業管理者の鈴木院長が御説明を申し上げました内容と重なるところがございますが、
奥出雲病院の現状認識と課題についてお答えをいたしたいと思います。
第1の課題は、医師の確保でございます。
言うまでもなく、医療行為は、法律によって医師の診療や指示によって看護師を初め
医療スタッフが行い、病院収益のほとんどを占める診療報酬を受け取ることができ、特にその中でも常勤医師は、入院患者を受け持つなど病院経営の中心的な役割を担っております。
しかし、医師の確保につきましては、平成16年度から始まりました医師の新たな研修制度をきっかけに、高度な医療や症例が多く、学ぶ環境の整った都市部や大きな病院に医師が集中するようになりました。
こうした状況の変化により、それまで
奥出雲病院の常勤医師の派遣の中心でございました
島根大学医学部附属病院も、所属する医師が減少したために派遣する医師が限られ、
奥出雲病院もその影響を受けて常勤医師の減少が続き、移転新築した翌平成12年には10人在籍した常勤医師は、現在では5人となりました。さらに、医師の減少に伴い、入院患者数や外来患者数も減少し続けたために、収益の確保が年々厳しくなり、経営に大きな影響を及ぼした要因でもあると考えております。
また、昨年、厚生労働省が示した医師数の地域格差を数値化した医師の偏在指数では、全国の335ある二次医療圏域の中で、雲南市、飯南町、奥出雲町を範囲とする雲南圏域は全国333位で、
医師少数区域となり、その中でも特に本町は医師が不足している自治体であると改めて認識いたしたところでございます。
しかし、
奥出雲病院は、少ない常勤医師の体制ではありますが、当院を退職された医師、また、町内在住の
非常勤医師、さらに
島根大学医学部附属病院を初め、他病院からの
非常勤医師の派遣支援を受けながら、体制を維持し、地域医療を提供しているところでございます。医師の確保は、喫緊の最重要課題だと捉えております。
第2に、国は、
少子高齢化社会に備え、社会保障費の抑制図り、その一つとして医療費の診療報酬の見直しを進めました。その一例に、病院から在宅への誘導を促進させるために、長期入院の患者の治療費を減額する傾向となりました。
現在、
奥出雲病院の入院患者の高齢化は年々進むとともに、医療の必要性が少ない状態、いわゆる介護寄りの長期の入院患者が増加傾向となり、診療報酬面からは経営に影響を与えているところであり、介護施設などとの連携を強め、入院患者が安心して療養ができる
仕組みづくりが重要な課題であると考えております。以上でございます。
○議長(藤原 充博君) 川西議員。
○議員(8番 川西 明徳君) ところで、
奥出雲病院の前身は、戦後の昭和24年、三成町
農業協同組合の
国民健康保険直営診療所として開設、70年さかのぼります。当時の
国民健康保険は旧法です。
国民健康保険直営診療施設の設置目的は、本来は無医村、無医地区、
医師不足町村地区を解消して、国保の療養給付の円滑化を図り、その事業の運営に支障を及ぼさないことにありました。ですから、いつでも、どこでも、誰でも利用できる国保になるよう、地元開業医も協力・支援を惜しみませんでした。歴史的に見ても、国保の普及に、国民皆保険に、重要な役割を果たしました。
国保は、村から、町から始まり、大都市が国保を施行したのは昭和34年から36年にかけてです。こうして国庫負担が当時5割以上、保険から公助への新国保法ができました。地域住民の健康保持に専念し、親しまれながら国民皆保険の母体となり、その根幹を国保が支えています。
戦前まで、臨命終時、命の終わりに臨むとき、断末魔を竹筒に入れた米を揺すって励ました歴史を忘れてはなりません。ささやかな乙型診療所が国保診療所として開設され、特筆すべきことは、
国民健康保険直営診療所勤務医師の確保困難、経営困難の中で、
三成町立三成病院、
仁多町立三成病院、
仁多町立仁多病院、そして
奥出雲町立奥出雲病院と発展。病院は、病院長に人を得、その病院長の日夜を分かたぬ血のにじむような努力と開設者の深い理解によって、施設の拡充強化、近代化が行われ、地域における医療の確保と疾病予防の総合医療センターとして大きな役割を果たしつつ、たゆみなき前進を続けていることはうれしい限りではありませんか。新しい時代に見合う病院運営を望むものであります。
さて、次に、我が国の病院の病床数は、1961年の国民皆保険の達成、
高度経済成長による国民の所得向上、さらには1973年の
老人医療費の無料化などを契機として、急激にその数をふやしてきました。1992年、平成4年には、168万床に達するに至っています。
奥出雲病院は、団塊の世代の高齢化に向かってどんな病院政策を計画しているのか、
病院事務長に伺います。
○議長(藤原 充博君)
森長病院事務長。
○
病院事務長(森長 洋二君) ただいまの御質問にお答えをいたします。
団塊の世代が後期高齢者となる2025年に向かって、どんな病院政策を計画しているかにお答えをいたします。
先般、これも鈴木院長の説明の中で、今後の病院の取り組みとして、医師確保と病床再編について申し上げました。最重要課題である医師確保については、島根県内の医師派遣の中心であります
島根大学医学部附属病院や、
自治医科大学出身医師の配置を行う島根県とも、より一層意見交換などを重ね、常勤医師の派遣についての要望を行いながら、関係強化に努めてまいります。さらに、同じ雲南圏域であります
雲南市立病院との連携を図り、特に医師派遣の
受け入れ体制強化に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。
病床再編については、一般病床の削減にあわせ、慢性期病床や介護病床のあり方を見直します。先ほども申し上げましたが、
奥出雲病院の入院患者は年々高齢化が進むとともに、医療より介護的な状態の方が増加し、病院を退院して在宅または介護施設に移れる状況の入院患者が多くなっております。しかし、在宅医療を支える診療所や介護施設なども限られ、また、患者本人や家族の問題として、核家族化、高齢世帯、
高齢独居世帯、共働き世帯などの増加によって介護力が低下し、
認知症高齢者の増加なども加わり、こうした現状への対応が迫られております。
しかし、在宅医療を支えるには、人的・物的資源を急速に整備や確保することは困難なため、
自治体病院で中核病院でもある
奥出雲病院が中心となり、町内の高齢化の進行に伴う
医療ニーズと介護ニーズの複合化に対応できるよう、病棟再編や病床機能を検討をしてまいります。
○議長(藤原 充博君) 川西議員。
○議員(8番 川西 明徳君) 公的な
介護保険施設には、
特別養護老人ホーム(特養)、
介護老人保健施設(老健)、
介護療養型医療施設(療養病床)の3施設があります。療養病床にかわり、新たに
介護医療院が登場しました。
介護医療院は、日常的な医学管理や看取り、ターミナルケアなどの医療機能と、日常生活を営むための施設としての機能の両方を兼ね備えた、長期的な医療と介護を必要とする高齢者のための施設です。高齢者が、それぞれの能力に応じて自立し、豊かな日常生活を営めるよう、手助けすることが目的です。
介護医療院は、高度な医療技術と快適な空間づくりが求められるため、設置や運営により多くのお金がかかります。ですから、通常の介護施設よりも負担が高くなる傾向にあります。低所得者のために必要に応じた
負担限度額設定も必要でないでしょうか。町民が安心して治療、療養できる施設が実現できないか、
病院事務長に伺います。
○議長(藤原 充博君)
森長病院事務長。
○
病院事務長(森長 洋二君) ただいまの御質問にお答えをいたします。
介護医療院は、慢性期の医療・介護のニーズをあわせ持つ、高齢者が医療措置などが必要で自宅や
特別養護老人ホームなどでの生活が困難な方の受け皿となることが期待をされております。先ほど議員御指摘のとおり、
介護医療院は、医療措置も行うことができるため、利用料金が高くなることが想定されております。現在、国において、
住民税非課税世帯など低所得者の方を対象に、所得に応じて居住費や食費などの
介護保険施設の利用料の
負担軽減措置が制度化されております。これらの負担軽減は、
介護保険制度が全国一律の制度であることから、本来、法制度の枠組みの中で対応すべきものと考えております。町といたしましては、低所得者に対する負担軽減につきましては、国において適切に実施されるよう、町村会などを通じて要望してまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(藤原 充博君) 川西議員。
○議員(8番 川西 明徳君) 農業は奥出雲町経済を支える基幹産業の一つであることについて伺います。
集落営農組織の形成運営に、
戸別所得補償制度への転換の果たした役割は顕著なものがありました。奥出雲町では交付金の効果が比較的大きくあらわれ、7年間で12億7,865万9,913円が交付され、販売農家の再生産に役立ちましたが、今はありません。猫の目のように変わる日本農政に対して、仁多米をどう後世に継承するのか、町長に所信を伺います。
○議長(藤原 充博君) 勝田町長。
○町長(勝田 康則君) 少し長くなりますが、御質問にお答えをいたします。
国の米政策につきましては、米の消費に関する動向が大きく影響を与えております。国民1人当たりの年間消費量は、昭和37年度の118キロをピークに減少を続け、平成29年度はその半分程度の54キログラムまで減少いたしております。
このような状況に国は、農業の担い手に対する経営安定のための交付金の交付に関する法律、いわゆる
担い手経営安定法により、
経営所得安定対策と水田活用の直接
支払い交付金制度を創設をいたしました。
経営所得安定対策では、畑作物直接
支払い交付金で麦・大豆・ソバ・菜種等を対象作物とし、販売農家と
集落営農組織に対し、作物ごとに数量払いとして交付をいたしました。
また、畑作物の
収入減少影響緩和交付金では、
認定農業者・集落営農のうち、一定規模以上に対し、
農業者拠出とあわせ、
セーフティーネットとして実施されました。そのほか、米の直接
支払い交付金が平成22年度から29年度まで実施をされたところでございます。そして、水田活用直接
支払い交付金が
戦略作物助成や
産地交付金として農業者に直接交付をされております。
議員御指摘のとおり、米の直接
支払い交付金、水田活用直接
支払い交付金、畑作物直接
支払い交付金が7年間で本町の農業者に直接交付された総額は12億7,800万円であり、農業者が農業を行う上で非常に有利な交付金でありました。
中山間地域である本町農業の中心作物は水稲栽培であり、それは仁多米として多くの消費者の皆様に認知され、高い評価を得ておりますが、栽培される農業者は平たん部とは異なり、非常に苦労をされております。このため年間約9,000万円交付されておりました米の直接
支払い交付金が廃止されました平成30年度には、国・県に対して制度復活の要望を行いました。
本町農業の中で農業は基幹産業であり、これを守り、次世代につなぐことが奥出雲町の将来には非常に重要なことと認識しております。
議員御指摘の仁多米をどう後世に継承するかにつきましては、まず、農業の担い手対策としまして、現在、集落の
アンケート調査を実施しており、この結果をもとに集落の皆様と関係機関の皆様の協力をいただき、集落ごとに問題点など改善に向けた協議を行いたいと思います。そのほか、担い手対策として、地域課題の解決のため、
地域おこし協力隊の募集や将来の地域農業の後継者を育成するために、国、県の予算を活用し、
UIターン対策として
新規就農者募集も行っております。冬期間の積雪を考慮した半農半Xなど、
就農パッケージ化で
新規就農希望者が目指すべき
就農スタイルを明確化しております。
このほか、令和2年度から中
山間地域等直接
支払交付金の第5期対策が開始をされます。この対策では、
棚田地域振興活動加算など新規の加算や拡充された加算が講じられますので、これら加算に取り組んでいただけるように集落協定に働きかけを行ってまいります。あわせまして、中
山間地域等直接
支払交付金に取り組んでいない集落には積極的に支援を行ってまいります。現時点では、未協定集落のうち、3集落で前向きにお話し合いを進めていただいている現状でございます。
また、新年度から
棚田地域振興活動加算に取り組もうとするのは、県内では奥出雲町のみとのことでございます。
昨年、認定をされました
日本農業遺産を十分活用し、農産品を進めるとともに、農業者の支援を積極的に行い、本町農業の振興、とりわけ仁多米を安心して栽培していただくことで、農家所得の向上につながるよう取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(藤原 充博君) 川西議員。
○議員(8番 川西 明徳君)
農村兼業機会の縮小や農産物の輸入により、農業経営、農村社会の継続は一層困難となり、都市との所得格差も拡大しました。農業の担い手の減少や高齢化が進行し、農業の多面的機能の発揮が困難になりました。そんな中、全国の農山村地域で、地方自治体の
地域農業支援として、第三
セクター方式が普及した時期がありましたが、平成の市町村合併により、存続が危ぶまれるケースがふえました。それでも、奥出雲町は町村合併を経ながらも第三セクターが存続し、中山間地域の農業振興に重要な役割を発揮しています。とりわけ条件不利の中山間地域では、いずれも
エネルギー転換や輸入拡大の影響を受け、品目を転換しながら地域農業を維持してきた歴史を持っています。
シイタケ生産は、木炭産業の衰退の後を継いで、山村の豊富な林業資源を活用した農業になりました。奥出雲町の人工菌床栽培は、第三セクター経営として広葉樹という林業資源を活用して林産資源との連続性を持たせた山村の個性を生かし、中山間地域農業振興の重要品目になりました。当時私は、旧仁多町農協のシイタケ担当者でした。今の藤原努総務課長は役場の担当でした。岩田元町長に視察研修、実習に連れていかされたり、農協の農業振興の責任を追及されたりなど、町長お得意の自慢話で耳にたこができました。
自慢話については、「奥出雲町からの挑戦、よみがえった過疎の町」122ページには、奥出雲椎茸誕生物語として次のように紹介されています。仁多町で菌床ほだ木を生産するとなると10億円を超える建設費がかかることがわかった。そこで岩田は、上京のたびに建設の補助金を要請するが、国としては前例がないことなどの理由で、なかなか補助対象にしてもらえなかった。再三の陳情の結果、山村の新規雇用の場創出のため、5,000万円余の農林水産省の補助金がついた。さらに、過疎地域活性化の画期的事業ということで、県から1億円の補助金と9億円の過疎債充当が認められ、全国初の菌床ほだ木生産工場の建設にこぎつけたと、意気揚々取り組んだことなどがつづられています。
そして奥出雲椎茸と製造環境と経緯が異なる成功事例として、同じく「奥出雲からの挑戦」299ページには、町三セクのマイタケ、横田サンマッシュでは、それまでパックで売っていたが、包装分だけコストが割高になるので、岩田の指示で、収穫の際、切り取った株1本のまま売るようにした。マイタケの人工ほだ木も仁多のオガコセンターの人工きのこ専用の広葉樹のオガコを使用、それまで購入していた種菌も奥出雲椎茸の別法人の研究所で生産、種菌購入費が格安となった。
さらに、平成21年度には売り上げ1億1,000万円で、平成18年当時のおよそ3倍になった。それまで年間500億円の赤字を計上していたのがうそのようで、移管後は年間利益およそ2,400万を計上、有限会社時代におよそ5,000万円あった累積の有利子負債は、移管と同時に町の補助で解消、その後は毎年黒字を計上するようになったと記載されています。
舞茸奥出雲が赤字にならなかった要因は、まずは無借金経営です。非正規雇用中心の低賃金や物材費を低く抑えたこと、移送リスクの小さい直売方式などのニッチ戦略をとったことなどであります。しかしながら、生シイタケは、農家の階層構造変化と市場対応、農産物貿易自由化によって安価な海外農産物、生シイタケは中国産菌床の大量輸入が急激に進み、奥出雲町菌床シイタケの生産空洞化や、奥出雲椎茸の経営不振に拍車をかけています。
古い資料ではありますが、中国産菌床の1キログラム当たりの輸出単価は、1992年、平成4年には482円でしたが、元安や輸出量の低下などで低下し、1997年には22円となり、その後、製造コストの上昇や2008年のリーマンショックの影響によるドル安などによって輸出価格は上昇し、2013年、平成25年には81円でした。当時奥出雲椎茸菌床は206円、今は180円となっていますが、3分の1の原価と戦うことを余儀なくされていました。
県農林部は、農水省の計算式資料で算出すると、TPP11で24億円減、日欧EPAで23億円減、島根県農業におよそ50億円の影響があるとしています。生シイタケ農家、第三セクの経営不振を回避するために、菌床シイタケを補助金対象に初めて認め、推奨した農水省や林野庁に再建支援を求め、地方創生の立場から経営改善ができるよう、TPP11、日欧EPA対策の助成をさせるべきであります。県には、奥出雲町農業の維持発展を図るよう強く求めるとともに、町独自での財政措置をすべきと考えます。町長の見解を伺います。
○議長(藤原 充博君) 勝田町長。
○町長(勝田 康則君) これも少し長くなりますが、御質問にお答えをいたします。
奥出雲町におけるシイタケ栽培の歴史から振り返ってまいります。
○議長(藤原 充博君) 土屋議員。
○議員(4番 土屋 武雄君) それでは、2番目の質問に入ります。農業者の所得倍増を目指した、かつて中央で発表があっておった農林水産業・地域の活力創造プランというのが打ち出された平成25年以降の実績でございますね、所得倍増を打ち出した制度でございますが、全国的には、現在、4割程度、倍増は残り3年間で達成は不可能だと、不透明とされています。奥出雲町の農家における各分野の生産高あるいは生産額がいかように推移していたかを検証してみたいと、そういう思いがありますので、次の5項目を質問いたします。
その上で、農家が安心して経営安定のために日夜努力する各種の生産物について、所得倍増するということの考え方、農家がほとんどのこの地域でございます。地域消滅とか限界集落、そういうふうなことになる前にどのように考えていくのかということの対策案も含めまして、町長さんに質問いたします。
第1点目でございますが、農業所得の主食用の水稲うるち、あるいは主食用稲もち、あるいは酒造用好適米、お米の部分でございますが、これの生産高あるいは売上高の推移を質問いたします。
○議長(藤原 充博君) 荒川
農業振興課長。
○
農業振興課長(荒川 佳史君) お答えさせていただきます。
御質問をいただきました生産高と販売額につきましては、町において資料を持ち合わせておりませんので、生産高はJAしまねの集荷数量を、そしてまた、販売額につきましては、JAしまねの農家からの買い入れ額をもってお答えをさせていただきます。
最初に、主食用うるち玄米でございますけども、平成25年産米につきましては、集荷量が2,258トン、買い入れ額約4億6,996万円でございました。平成30年産につきましては、集荷量2,389トン、買い入れ額約5億8,988万円でございました。
次に、もち玄米でございますが、平成25年産は、集荷量205トン、買い入れ額につきましては約4,008万円でございます。平成30年産につきましては、集荷量233トン、買い入れ額約5,181万円でございました。
次に、醸造用玄米でございますけども、平成25年産は、集荷量199トン、買い入れ額約4,703万円でございました。平成30年産につきましては、集荷量254トン、買い入れ額約6,573万円となっておるとこでございます。以上でございます。
○議長(藤原 充博君) 土屋武雄議員。
○議員(4番 土屋 武雄君) 続きまして、2点目でございますが、やはり農業所得の分野の特用作物と申しましょうか、仁多そば、あるいは大豆、エゴマと、それから最近ではワインの原料のブドウ、その他の果樹等、これらについての数字を質問いたします。
○議長(藤原 充博君) 荒川
農業振興課長。
○
農業振興課長(荒川 佳史君) お答えさせていただきます。
ソバ、大豆、エゴマ、果樹類につきましては、JAしまねへの出荷量を申し上げます。なお、JAのほうにおいて資料がないものもございますので、あらかじめお断りをさせていただきます。また、販売額につきましても、JAしまねの農家の買い入れ額ということでお答えをさせていただきたいと思います。
最初に、ソバでございますけども、平成25年の集荷数量は約19トン、買い入れ額約617万円でございました。平成30年度の集荷量につきましては約17トン、買い入れ額786万円でございました。
次に、大豆でございます。平成25年度の集荷量、そして買い入れ額ともに資料はございません。豆類ということになっておりましたので、大豆として分けることはできておりません。30年度の集荷量については資料がございません。買い入れ額につきましては、大豆につきましては229万円となっております。
次に、エゴマでございます。平成25年度の集荷量は6.3トン、買い入れ額約1,071万円でございました。平成30年度の集荷量は4.3トン、買い入れ額761万円でございました。
次に、ワイン用ブドウでございますけども、島根ワイナリーの資料となっております。平成25年度の収穫量は1.8トン、販売額については数量で、本数で申し上げます、1,631本醸造して販売をいたしておるということでございます。それから、平成30年度の収穫量は2.5トン、販売数量は1,059本ということでございます。
次に、果樹類でございますけども、JAしまねの産直を含んだ資料で報告をさせていただきます。平成25年度の販売量につきましては4.4トン、販売額は300万円でございました。平成30年度の販売量につきましては2トン、販売額は1,908万円となっております。以上でございます。
○議長(藤原 充博君) 土屋武雄議員。
○議員(4番 土屋 武雄君) 今のところ余り伸びのよい産物がないと思われますが、第3点目でございますが、農業所得のうちの畜産部門といいましょうか、肉用子牛生産、そして乳製品あるいは肥育肉牛、これらについて質問をいたします。
○議長(藤原 充博君) 荒川
農業振興課長。
○
農業振興課長(荒川 佳史君) お答えさせていただきます。
肉用子牛生産と肥育肉牛につきましては、JAしまねの出荷頭数とセリの価格でお答えをさせていただきます。なお、乳製品につきましては、資料がございませんので、生乳の出荷量と販売額でお答えをさせていただきます。
最初に、肉用子牛でございます。平成25年度の出荷頭数は698頭、販売額3億5,711万円でございました。平成30年度の出荷頭数は671頭、販売額5億685万円でございます。
次に、肥育牛でございますけども、平成25年度の出荷頭数についての資料はございません。販売額4億9,964万円でございました。平成30年度の出荷頭数につきましては、資料はございません。販売額につきましては4億7,876万円でございました。
次に、生乳でございますけども、平成25年度の出荷数量は830トン、販売額9,193万円でございました。平成30年度の出荷数量は809トン、販売額9,455万円となっております。以上でございます。
○議長(藤原 充博君) 土屋武雄議員。
○議員(4番 土屋 武雄君) 伸びの悪い中で、畜産の中の肉牛子牛生産は少し伸びがいいかなと感じました。
4番目に、これは農業所得といいましょうか、特用林産系統の農業所得でございますが、前任の議員のほうからも質問が出ておりましたけれども、生シイタケあるいは原木シイタケ、干しシイタケ、乾燥シイタケといいましょうか、そういったタケ類の生産額がわかりましたら質問いたします。
○議長(藤原 充博君) 秋田
農林土木課長。
○
農林土木課長(秋田 和浩君) 御質問にお答えをいたします。
生シイタケでございますが、菌床シイタケの実績として、奥出雲椎茸の資料をもとに申し上げます。
平成25年度の販売量は737トン、販売額約7億8,795万円でございます。これが平成30年度になりますと、販売量は611トン、販売額が約6億1,388万円となっております。
次に、マイタケでございますが、こちらは舞茸奥出雲の資料でございます。平成25年度の販売量は115トン、販売額は約1億287万円でございます。これが平成30年度になりますと、販売量は125トン、販売額約1億1,837万円となっております。
次に、乾燥シイタケですが、原木シイタケといたしまして、JAしまねの資料から申し上げます。平成25年度の販売量は115キログラム、販売額は約98万円でございました。平成30年度になりますと、販売量は327キロ、販売額は約136万円となっております。以上でございます。
○議長(藤原 充博君) 土屋武雄議員。
○議員(4番 土屋 武雄君) 5番目の質問でございますが、農業所得といいましょうか、農村所得に上げられると考えられますが、農産加工品とか産直販売品、これらについての実数について質問をいたします。
○議長(藤原 充博君) 荒川
農業振興課長。
○
農業振興課長(荒川 佳史君) お答えをさせていただきます。
農産加工品と産直販売品につきましては、JAしまねの資料よりお答えをさせていただきます。なお、販売量につきまして、資料がないものもございますので、御了承をいただきたいと思います。
最初に、農産加工品でございますけども、平成25年度につきましては販売量、販売額とも資料がございません。平成30年度の販売額につきましては4,747万円でございました。
次に、産直販売品でございますが、平成25年度につきましては販売額を申し上げます。販売額は1億7,783万円でございました。平成30年度の販売額につきましては1億494万円となっております。以上のとおりでございます。
○議長(藤原 充博君) 土屋武雄議員。
○議員(4番 土屋 武雄君) いろいろの数字が出てまいりました。全国平均に至っていないかなという思いもするところでございます。和牛のように少し進展があるものもありますけれども、これらにつきましてどういうふうな対策が必要なのか、やはりいろんな課題があると思うわけでございますけれども、所得倍増におぼつかないというところをどのようにしていくか、最後に方針があれば伺っておきたいと思います。
○議長(藤原 充博君) 勝田町長。
○町長(勝田 康則君) 御質問にお答えをいたします。
先ほど担当課長からお答えをさせていただきましたとおり、あくまでもJAしまねなどの資料のため、これをもって今後の推進対策を申し上げることは差し控えさせていただきますが、農業所得につきましては、本年度の農林業センサスが調査中であり、結果を踏まえて分析してまいりたいと思います。
また、議員の御質問のとおり、国では平成25年に農林水産業・地域の活力創造プランを決定し、農林水産業を産業として強くしていく産業政策と国土保全といった多面的機能を発揮するための地域政策を車の両輪として、農業・農村全体の所得を今後10年で倍増を目指した、強い農林水産業と美しく活力ある農山漁村をつくり上げることとされております。
さらに、平成28年11月には、さらなる農業の競争力強化のため農業競争力強化プログラムを決定し、その後、農業競争力強化支援法など関連法案が成立をしたところであります。
このため、今後、国に対して、各地域の実情を踏まえ、柔軟な施策の展開と農林畜産業の振興、農山村の持続的な発展への支援を強くお願いをしてまいりたいと思います。
また、町としましても、昨年、
日本農業遺産に認定されましたので、これを活用し、農産品のブランド化をさらに進め、農業の所得向上につなげてまいりたいと思います。以上でございます。
○議長(藤原 充博君) 土屋武雄議員。
○議員(4番 土屋 武雄君) いろいろ前向きなお話をいただきました。
日本農業遺産はもとより、世界農業遺産に向かって私たちも応援をいたします。ひとつ農業振興をよろしくお願いいたしまして、私の質問を終わります。
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○議長(藤原 充博君) 次に、6番、石原武志議員。
○議員(6番 石原 武志君) 6番、石原でございます。一般質問、2点についてお伺いをいたします。
まず最初に、今の大変な話題といいますか、世界的な猛威を振るう新型肺炎、けさのニュースでは、WHOはパンデミックを表明した、いわゆる事実上、世界的な大流行ということを認めたところでございます。そうした中で、何点か質問をさせていただきます。
現時点での予防策あるいは対応策について、既に実施されたことも含めて、今後の予定等、対応策についてお伺いをいたします。
○議長(藤原 充博君) 勝田町長。
○町長(勝田 康則君) 御質問にお答えをいたします。
本町におきましては、2月3日を第1回目として、これまで3回、三役、全課かい長による
新型コロナウイルス対策会議を開催し、情報共有と対応について検討を行ってまいりました。
まず、予防につきましては、役場庁舎、各地区公民館、町内商業施設、金融機関、郵便局へ新型コロナウイルス感染症対策についてのポスターを掲示するとともに、2月広報にあわせて回覧文書を回布し、感染予防の啓発を行いました。また、感染予防対策とあわせ、保健所に設置された相談窓口について、ジョーホー奥出雲の告知放送及び文字放送、町ホームページ等で周知を図ってまいりました。
そして、これにあわせて、役場庁舎、各地区公民館等へ公共施設へのマスクと手指消毒液の配置及び全世帯へのマスクの配備をいたしたところでございます。
役場職員に対しましては、窓口対応、申告相談時のマスク着用及びせきエチケット、手洗いの励行や出張の自粛、不要不急の外出を控えるなど指示をいたしたところでございます。
そのほかの対応といたしましては、所得税確定申告相談の延長、100キロ遠足などの町主催、共催イベント等の中止を決定するとともに、既に御存じのところでございますが、国からの要請を受け、町内小・中学校を3月2日から臨時休校の措置をとらせていただいたところでございます。以上でございます。
○議長(藤原 充博君) 石原武志議員。
○議員(6番 石原 武志君) この流行に伴いまして、マスク、アルコール消毒薬等はもとより、その他いわゆる消毒薬等のものが非常に不足をいたしております。春でございますので、いわゆる花粉症等で大変苦しんでおられる方、あるいはインフル等の風邪ということも心配をされておるわけでありますが、そうしたことに対する対策もなかなかできないといったような状況でございます。
先般は各戸にマスクを配布していただきました。以前は布製マスクが大半でございましたけれども、ああして大変取り扱いが容易で、そして性能にすぐれたといいますか、そういったことで紙マスクが本当に現在主流で使われているわけであります。
そうした中で、まだまだ実態、不足しているということでございまして、今後さらに具体的な対応が望まれるというように思うところでございますが、行政としてできること、こういうことについてどのようにお考えかお伺いをいたします。
○議長(藤原 充博君) 勝田町長。
○町長(勝田 康則君) 御質問にお答えをいたします。
マスクにつきましては、町内小売店での品不足、また、2月29日の安倍総理の記者会見でのここ一、二週間が急速な拡大に進むか、終息できるかの瀬戸際になるとの言葉に鑑み、先週末に町備蓄のマスクを町内全世帯に15枚ずつお配りをさせていただいたところでございます。十分な数ではないことは重々承知をしておりますが、新型コロナウイルス感染症は高齢者や持病などをお持ちの方が重症化するリスクが高く、今後、多くの高齢者が入所する福祉施設、医療機関等での不足に対応するためにはある程度の在庫が必要でございます。町といたしましても最大限の努力をさせていただいたところでございます。
また、消毒液につきましては長期間の保存ができないため、備蓄はしておりませんので、一刻も早く安定した供給がなされることを願うところでございます。以上でございます。
○議長(藤原 充博君) 石原武志議員。
○議員(6番 石原 武志君) 次に、あってはならないというようには思うところでございますが、町内で仮に発生した場合、その時点での対応策、患者の受け入れ等体制、そうしたことについてお伺いをいたします。
○議長(藤原 充博君) 勝田町長。
○町長(勝田 康則君) 御質問にお答えをいたします。
今回の新型コロナウイルス感染症への対応は、島根県においては新型インフルエンザ対策に準じて対応するとされ、これに従い、本町におきましても、県の計画及び平成26年11月に本町が策定した新型インフルエンザ等対策行動計画に準じて対応することといたしております。
この計画の中では、県内で患者が発生した場合、県においては県民に対し、利用可能なあらゆる媒体・機関を活用し、国内外の発生状況と具体的な対策等をできる限りリアルタイムで情報提供するとあり、この場合、町においてジョーホー奥出雲などを活用して町民への情報提供を行うこととしております。そして、国、県からの要請があれば、町は相談窓口等による適切な情報提供が実施できるよう体制の充実・強化を行うこととしております。
また、町民生活に対しては、町は行動計画の定めるところにより、消毒そのほかの衛生上の措置や重要なライフラインである水道水を安定的に供給するために必要な措置を講ずることとしております。
患者の受け入れにつきましては、県において、新型コロナウイルス感染症が疑われる患者を診察する帰国者・接触者外来を県内に19カ所設置されたところでございます。保健所等に設置されている相談窓口への相談を通じて、受診が必要と認められた時点で指定された医療機関に案内されることとなっております。その後、感染拡大、蔓延という状況になった場合には、追って県から出される指示に従い対応をしてまいりたいと思います。以上です。
○議長(藤原 充博君) 石原武志議員。
○議員(6番 石原 武志君) いろんな体制が用意され、準備もなされているというような状況でございます。何せ得体の知れない新ウイルスということでもございます。世界的にはSARS、MERSとか、そうした経験もあるところでありますが、日本では、たまたまよかったといいますか、そうしたことがなかったということでございまして、今回のこのコロナに対しては本当にいろんな方面から事業、また学業等も含めて影響を受けているわけであります。
また、同時に、町民の皆さんも大変な御不安、御心配もしておられるというようにも思いますので、もちろん医療を含めた関係の皆さんも大変な御苦労と御心配もお持ちであろうと思いますが、どうかそうした町民の皆さんの不安解消も含めて適切な行動といいますか、御対応をいただきますようによろしくお願いをいたします。
次に、小さな拠点づくりについて伺います。
各地区で具体的な行動がなされて、実例も報告されております。事業開始からはかなりの年数がたっているというようなことも感じておりますが、その状態、状況を鑑み、幾つかの疑問を持ってもおりますので、質問をさせていただきたいと思います。
現在、町で取り組んでおられますこの体制、指導体制等もこれから次年度等に向けて今後どのような予定でいらっしゃるか、そうしたことについてお伺いをいたします。
また、この事業の持っている目標あるいは方向性といったようなことについてもどのように捉えていらっしゃるかお伺いをいたしたいと思います。
○議長(藤原 充博君) 勝田町長。
○町長(勝田 康則君) 御質問にお答えをいたします。
小さな拠点づくりの取り組みにつきましては、現在、三成、亀嵩、三沢、鳥上、八川、馬木の6地区が地域づくりビジョンの策定や実践活動に取り組んでおられます。また、来年度から阿井地区においても取り組みを始めたい旨、承っております。
小さな拠点づくりとは、人口減少社会の中にあっておのおのの集落単位では地域運営が困難になりつつある今日、今後も安心して住み続けることができるよう、住民同士の話し合いを通じた地域運営の
仕組みづくりを行うものでございます。
したがいまして、地域それぞれの身近な課題を地域住民の皆さんが共通認識と共感を持って取り組むことが必要であり、地域の主体性が重要視されます。
このことを踏まえ、平成30年度から行政支援として活動補助金の交付250万円のほか、それぞれの地区に担当職員を決め、会合等に参加し、指導助言など伴走型支援を行っているところでございます。
また、小さな拠点づくりの目標とするところは、最終的には全地区において取り組んでいただき、以前から申し上げておりますとおり、奥出雲町に生まれて住んでよかったと実感できるよう、自助、互助、共助、公助のバランスのとれたまちづくりを目指すものでございます。以上でございます。
○議長(藤原 充博君) 石原武志議員。
○議員(6番 石原 武志君) この小さな拠点づくりという言葉でございます。随分経過もしてるわけでございますが、いろんな形で本町の中でも取り組まれており、既に半数以上の地区が、そうして、ことしはまた7地区になるといったようなことでございます。なかなか事業自体わかりにくいといいますか、そういう思いも実はあったところでございますけれども、なぜ今そうした小さな拠点というようなことが必要なのか、あるいはどういう目標なのか。いろんな報道の中で地方の消滅等が危惧されたり、再開発といったようなことも言われておる中でございますので、地域がどうしていくのかといったことでこうした事業、公民館を一つの区分としてやっていくということでございます。そうしたことで今後さらに地域の特徴を伸ばして弱さを補強する仕組みである拠点とかネットワークをつくって、田園回帰とか、若者や女性たち、移住希望者の増加や地域おこし隊、あるいは孫ターンというような言葉もあるようでございます、こうしたことが増加していく、そうした状態がとりあえずの目標ではないかというように私は捉えているところでございますけれども、そこで新しい地域運営といったようなことで見たときに行政と一体となった組織を構築するのが望ましいと言われております。そのためには縦割り行政からの脱却と民間との協業化ということが必要ということも言われております。
例えばこの地区にそれぞれにある公民館、これを民営化といったような検討はどのようなことなのか。そういうことによって行政分野からの地域マネジャーの育成や派遣、行政各分野ごとの連携等が図られ、支援制度の合理的な活用ができる状況というものができること、そして地区間それぞれの格差を減らしていくというようなことが求められているのかなというようにも思っておるところでございまして、積極的な行政指導が必要というように感じているところでございます。適切な言葉ではないかもしれませんが、国策の事業消化のみにおさめず、熱心な取り組みが今後もなされていく必要があろうかというように思っておりますし、もちろん本町としてもそういう姿勢でやられるというように感じてもおりますが、その点について町長の御所見をお伺いいたします。