令和元年第2回定例会(第2日 6月11日)
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令和元年 6月(定例)奥 出 雲 町 議 会 会 議 録(第2日)
令和元年6月11日(火曜日)
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議事日程(第2号)
令和元年6月11日 午前9時30分開議
日程第1 一般質問
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本日の会議に付した事件
日程第1 一般質問
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出席議員(14名)
1番 田 食 道 弘君 2番 糸 原 壽 之君
3番 景 山 利 則君 4番 土 屋 武 雄君
5番 内 田 雅 人君 6番 石 原 武 志君
7番 藤 原 和 範君 8番 川 西 明 徳君
9番 内 田 勇君 10番 内 田 精 彦君
11番 村 尾 明 利君 12番 大 垣 照 子君
13番 岩 田 明 人君 14番 藤 原 充 博君
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欠席議員(なし)
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欠 員(なし)
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事務局出席職員職氏名
局長 ───── 石 原 重 夫君 局長補佐 ─── 安 部 陽 子君
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説明のため出席した者の職氏名
町長 ───── 勝 田 康 則君 副町長 ──── 奥 原 徹君
教育長 ──── 塔 村 俊 介君 総務課長 ─── 藤 原 努君
企画財政課長 ─ 江 角 啓君
教育魅力課長 ─ 堀 谷 智 樹君
税務課長 ─── 石 原 啓 子君 建設課長 ─── 舟 木 長君
病院事務長 ── 森 長 洋 二君 町民課長 ─── 若 月 勝 久君
商工観光課長 ─ 本 山 宏 人君
健康福祉課長 ─ 杠 康 彦君
健康福祉課調整監 稲 田 やよい君
農業振興課長 ─ 荒 川 佳 史君
地域づくり推進課長 ───────────────── 高 尾 昭 浩君
福祉事務所長 ─ 末 森 利江子君
結婚・
子育て応援課長 ──────────────── 永 瀬 克 己君
農林土木課長 ─ 秋 田 和 浩君 水道課長 ─── 千 原 明 浩君
会計管理者 ── 森 田 近 子君
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午前9時32分開議
○議長(藤原 充博君) ただいまの出席議員数は14名であります。定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
その前に、昨日、大垣議員から質問があった報告第4号、
奥出雲仁多米株式会社の件について、
荒川農業振興課長より報告したいとの旨がありましたので、これを許します。
荒川農業振興課長。
○
農業振興課長(荒川 佳史君) 本会議の前に貴重なお時間をいただきまして、まことにありがとうございます。昨日、12番、
大垣照子議員からの御質問で、
奥出雲仁多米株式会社決算報告につきまして御質問をいただきましたので、その回答について御説明をさせていただきたいと思います。
報告第4号でございまして、お手元のほうに資料をつけさせていただいておりますけども、昨年度の決算におきまして、右側2ページの下のところ、下線を引いて色をつけておりますけども、玄米の部分が販売部門が315%にふえているのに、今年度の決算の、昨日の資料では2ページになりますですけども、
玄米販売部門が100%と、この差はどこに行ったのかという御質問をいただいたところでございます。
御存じのように、平成27年産につきましては、全国では作況指数が100ではございましたけども、島根県におきましては98と非常に作柄が悪かったわけでございます。6月以降の低温、日照不足、そして台風の影響がございまして非常に少なくなりまして、集荷が約200トン余り減ってきたというところでございます。
1ページをおはぐりいただきまして、これは昨日の
奥出雲仁多米株式会社の決算報告書の12ページの表でございます。玄米部門のところに色をつけて、30年度の実績、29年度の実績、28年度の実績、そしてまた合計もございますけども、そこの欄外、右側に入れております。27年産米につきましては、27年度に集荷を行いました9月から3月までに出荷するもの、そしてまた28年度に入りまして、28年度の上半期、4月から9月までは27年産米を販売するわけでございまして、27年産米が非常に作柄が悪かったということで、
仁多米株式会社におきましては、その減収部分につきましては通信販売でありますとか
カタログ販売につきましては優先的に販売を行いまして、一方では、その減収部分につきましては店頭販売、玄米部分の販売の2部門を下げるという形でそれぞれ卸の方にお願いをして対応していたところでございます。したがいまして、28年産につきましては、28年産は作況も島根県では104と、好天に恵まれまして集荷が多かった関係で、28年度の後半部分から、9月から3月までについては回復をしたというところでございます。
しかしながら、27年産米の作柄の影響によりまして、その合計欄11万7,293キロ、117トンでございますけども、それに対しまして29年の実績は336万8,985キロと。昨年の決算では、これを比較しまして314%まで大幅回復をしたと、玄米部門におきましては。ただし、昨日の資料では、30年度の実績37万297キロと一昨年の実績36万8,985、この差を見たところで100ということでございまして、28から29年度のところで回復をしてるということでございますので、この30年度と29年度を比較した段階では100という状況になります。比較する年度が違いますのでこのような形になりますので、御報告をさせていただきたいと思っております。以上でございます。
○議長(藤原 充博君) わかりにくい点もあったとは思いますが、また直接課長さんにレクチャーをしてくださいませ。
本日の議事日程は、あらかじめお手元に配付したとおりであります。
これより日程に入ります。
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◎日程第1 一般質問
○議長(藤原 充博君) 日程第1、一般質問を行います。
最初に、8番、
川西明徳議員。
○議員(8番 川西 明徳君) おはようございます。日本共産党、川西明徳でございます。私は、大きく5つのことについて一問一答方式で質問いたします。
まず初めに、
児童クラブ配置基準緩和は質の低下を招くことについて質問します。
共働き家庭などの児童が放課後を過ごす学童保育、
放課後児童クラブの安全、安心が揺らごうとしております。地方自治体への権限移譲などによる規制緩和を図る政府の第9次
地方分権一括法案が、過般、
衆院地方創生特別委員会で可決しました。
放課後児童クラブの
支援員配置基準、現行は原則2名以上を参酌する基準への緩和は、子供の安全に対する国の責任を放棄するものであります。現行の基準は、
学童保育発展の全国的運動を受けて初めて設けられた基準であり、基準緩和は子供の安全に対する町の責任も放棄するものです。学童保育の質の低下を招くことが懸念されます。
そもそも
児童福祉施設の基準の定めは、戦後すぐにできた児童福祉法には、従うべきとか参酌すべきとかの区別はありませんでした。児童福祉法には、必ず守らなければならない
児童福祉施設最低基準があるだけでした。かつて旧厚生省は、基準の根拠は憲法25条だと解説していました。生存権を保障するために最低基準が必要だとし、児童福祉法は最低基準を維持するための財政措置も明記しました。憲法は、生存権の権利を保障する責務を国に課しています。よって、最低限度の生活を営む権利は、家の中だけではなく、学童保育の時間や空間でも保障されなくてはならないではないでしょうか。
現在、学童では、1支援単位に2名以上の職員を配置し、そのうち1人は県の研修を受けた
放課後児童支援員としなければなりません。これが参酌化されれば、学童の職員は無資格の1人体制でいいということになります。政府が学童の職員、指導員の配置基準を緩める口実としているのが、指導員の人手不足の解消です。しかし、基準緩和では人手不足は解消できないと考えます。
今の時代は、他人の子供を叱ったりおやつを上げたりしただけでもトラブルになる難しい時代であります。子育て経験があったとしても、1年生から6年生までの異なる年齢の子供たちを同時に相手にすることは簡単ではありません。家庭での子育ての経験がそのまま通用するような仕事でもありません。学童では、親の希望に沿わないこともしなければならないこともあるかもしれません。そういう仕事をお母さん力に求めるのは無理があります。無資格でもいいという議論の背景には、学童の指導員の専門性を認めず軽んずる意識があると思わざるを得ません。また、お母さん力という発想では、賃金を専門職にふさわしいものにするつもりでないことの裏返しではないでしょうか。一見すると生意気な子供たちと渡り合って学童の仕事がおもしろいと思えるようになるには、指導員同士の仲間とか学びや研修が絶対に不可欠です。人手不足の抜本的な解消には、就職場所としての学童の労働条件を整えていくことを優先にしていくことが必要と考えます。
指導員の専門性をないがしろにして、1人体制でも構わないという考え方はしないでください。現行の基準は下げないでください。所見を伺います。
○議長(藤原 充博君) 勝田町長。
○町長(勝田 康則君) 御質問にお答えをいたします。
放課後児童クラブの職員配置につきましては、事業所ごとに定められた研修を修了した
放課後児童支援員を2名以上配置することとしておりますが、その1名を除いては、
放課後支援員を補助とする補助員にかえることができることとしております。また、利用者が20名未満の事業所については、
放課後支援員1名を除いた者は、同一敷地内の他の事業所、施設等の職務に従事し、利用者の支援に支障がない場合はこの限りではないとし、配置基準の緩和が可能となっております。これは、人材確保が困難といった地方からの要望を踏まえて、地域の実情に応じた運営を可能にするための改正であり、運用に当たっては条例で定め、自治体の責任で行うことになります。
しかしながら、議員御指摘のように、
放課後児童クラブの運営については、利用する子供の安全や環境を含めた質の確保が重要でございます。配置基準の緩和については慎重な判断が必要と考えます。災害や事故など不測の事態に対応するためにも、複数の職員の配置は欠かせないことから、現在の配置基準の緩和の実施については行わない考えでございます。以上でございます。
○議長(藤原 充博君) 川西議員。
○議員(8番 川西 明徳君) 次に、
幼保無償化法案は安心の子育てにつながらないことについて質問いたします。
幼児教育や保育を無償化する改正子ども・
子育て支援法が5月10日に可決、成立し、ことし10月からの実施が決定しています。本法案は、消費税増税が発端です。安倍総理は平成29年9月、消費税10%増税の使途変更を理由に幼児教育の無償化を持ち出し、解散総選挙の口実にしました。消費税は低所得者ほど負担が重い逆進性を持つ税だと総理自身認めています。保育料は既に所得に応じ段階的になっており、保育料が免除されている
住民税非課税のひとり親世帯などは無償化の恩恵はありません。
消費税増税分が重くのしかかるだけであります。そして無償化措置は、教育、子育ての切実な願いを逆手にとり、増税と引きかえにするものであり、内閣府が検討の場はなかったと答弁したように、矛盾があります。保護者と保育関係者の安心、安全な保育をという願いに応えるためには、保育の質、量の確保をしながら保護者の負担軽減を進めるべきです。無償化は低所得者世帯への恩恵は少ないことが明らかです。給食費は実費化されるため、負担増になる世帯も出る可能性があります。
よって、町独自の低所得世帯への恩恵を図ることを求めますが、所見を伺います。
○議長(藤原 充博君) 勝田町長。
○町長(勝田 康則君) 御質問にお答えをいたします。
10月から実施が予定されている幼児教育・保育の無償化については、消費税の増収分を財源とし、
住民税非課税世帯の0歳児から2歳児と、3歳児から5歳児の全ての児童を対象に、保育料の無償化が実施される予定でございます。
今回の無償化では、国の協議において副食費の取り扱いの見直しがなされ、2号認定、3歳から5歳児の副食費は、これまで保育料に含まれていたものが分かれ、実費徴収となる予定でございます。実費徴収となった場合、所得階層に関係なく一律の額を負担することになるため、2号認定の所得階層の低い方ほど負担感が高くなる場合や、負担額が増になることが予想されます。このことは、これまで町独自の軽減策などにより利用者負担の軽減を図ってきていることから、利用者に新たな負担が生じないよう、町といたしまして軽減施策を検討し、子育て支援の取り組みを進めていく考えであります。以上でございます。
○議長(藤原 充博君) 川西議員。
○議員(8番 川西 明徳君) 次に、役場業務に対する住民の不安と不信について伺います。
奥出雲町には、国の国政事業で農業関係者が喜んでいる事業もあります。数少ない事業の一つであります。しかし、申請から完了届まで農業者みずから実務することが義務づけられています。事務にたけた運営委員会はそうでもありませんが、行政実務経験がないと、事務は膨大で、農政用語も不案内な委員会では苦痛とも言える状況であります。
そんな状況の中で、役場事務局に事務局体制が組めなくて困ってると相談したところ、じゃあ、あなたの地区は事業をやめるんですね、そんなことは言っていない、事務局をつくって事業を進めろと提案したのは役場だと、水かけ論になりました。たまたま担当者は本来業務でない業務のことが頭いっぱいで、それどころではないふうでした。担当は、それぞれの組織事業が違う全庁の対応をしています。しかし、対応してもらえない住民は不安です。これらの各事業に対しての人員配置の基本的な指針はあるのでしょうか。また、事務量はどうやって把握されていますか。
住民は、業務内容を承知して配置されているように見ていません。
過剰業務件数が多くなると仕事の達成感が減少し、結果、後味の悪い業務にならざるを得ない現場事業ではありませんか。住民要望に寄り添って
住民サービスができるよう正職員をふやすべきです。所見を伺います。
○議長(藤原 充博君) 勝田町長。
○町長(勝田 康則君) 厳しい御質問をいただきました。御質問にお答えをいたします。
まず、人員配置に当たっての事務量の把握方法についてでございますが、例年行っておりますのは、
予算ヒアリングのほか、5月に行う当該年度の
業務ヒアリング、また7月に行う
所属長ヒアリングを実施をいたしております。また、人事評価制度に基づく副町長による所属長面談を、4月と10月と1月に3回実施をいたしております。これらを通じて年度ごとの事務量の把握をしているところであります。
正規職員につきましては、
定員管理計画を定め、人口や産業構造が同程度の類似団体の職員数も参考にしつつ、職員数の管理をしているところでございます。過去には国の行政改革に伴い、町においても
集中改革プランを策定し、採用抑制などにより、職員数は今よりも約20名程度少ない230名のときもございました。しかしながら、複雑多様化する行政課題や法改正への対応、高齢化に伴う医療、福祉施策の増大に伴い、その後の職員数は増加しており、近年は、
定員管理計画の目標値であります252人前後で横ばいの状況となっております。また、組合交渉においても、退職者を正規職員で補充するよう要望がございます。これらを踏まえながら適切に対応をしているところでございます。
議員御指摘のとおり、よりきめ細やかに
住民サービスをするために職員数をふやすことも一案でございますが、一方では町の人口は減少しており、また、財政状況も厳しい現実がございます。したがって、これからも限られた資源の中で事業の取捨選択を進め、優先度をつけ、また、業務遂行に当たっては最少の経費で最大の効果が得られるように、効率的で質の高い行政の実現に向け、引き続き適正な定員管理に努めてまいる所存でございます。
また、災害対応や選挙事務等は、通常の担当業務に加え、所属長以下職員が協力して業務に当たっておりますので、その時期には平常時よりも業務量が増す関係上、場合によっては御不便をおかけすることもあろうかと存じますが、この点は御理解と御協力をお願いしたいと思います。以上でございます。
○議長(藤原 充博君) 川西議員。
○議員(8番 川西 明徳君) 次に、
会計年度任用職員制度について伺います。
会計年度任用職員制度は、相当の期間任用される職員をつけるべき業務か否かの判断により、対象となる範囲は大きく異なり、その尺度には少なからず曖昧さを残すことになりますが、見解と方針をお聞きいたします。
制度導入は来年4月1日からですが、私は質問に入る前に、幾つか興味深い重要な事実を確認します。労働力人口に占める公務員の割合をOECD各国の
相対的位置関係で見ると、日本の労働力人口に占める公務員比率は他国より断然低く、GDPに占める公務員給与の比率も低いのが日本の実態です。政府が言う、公務員が多く人件費が財政を圧迫しているので職員数と給与を下げるべきとの主張は成り立たないのが日本の公務員事情であります。地方自治体の正規職員は、平成13年以降、15年間で45万人減少。
公共サービスは、正規職員に加え多くの低賃金の非正規公務員であり、彼ら、彼女らによって支えられています。
それでは、本論に入ります。
会計年度任用職員制度の特徴は、非正規と正規を画する融通無碍の尺度と、曖昧模糊とした非正規の概念であるということであります。総務省の第9回地方公務員の臨時・非常勤職員及び任期付職員の任用等の在り方に関する研究会の平成29年
事務処理マニュアルでは、パートは短時間勤務の職、相当の期間任用される職員をつけるべき業務でないものは
会計年度任用職員の職としています。フルタイムは、
フルタイム会計年度任用職員の業務、パートは
パートタイム会計年度任用職員の業務で、相当の期間任用される職員をつけるべき業務は担当しない
会計年度任用職員、フルタイム、
パートタイムの職と、当該業務の要件を満たすものの同業務を
パートタイムとして担う職をあわせたものが非常勤の職としている。相当の期間任用される職員をつけるべき業務の要件が、
会計年度任用職員、フルタイム、
パートタイムを画する基準になると、これが重要な尺度になります。
したがって、相当の期間任用される職員をつけるべき業務の要件は、最も大切な尺度になるのではないでしょうか。公務労働を非正規化して財政上の負担が軽減されたとしても、人的資本の形成上、不効率性、無駄が生じる点、任用制度での
フルタイム職員とパート職員との差別的な取り扱いを許容し、奥出雲町労働政策上、逆行することにはならないでしょうか。町内の産業別生産額の公務の占める割合は何%でしょう。その数値は全産業分類中何位ですか。
産業別付加価値額はどうですか。
地域で生み出された付加価値は雇用者所得とその他所得に分配され、雇用者所得が地域の住民生活を下支えすることになっています。公務労働は地域の経済活動の中にあり、インタラクティブな関係、つまり地域経済と相互に作用し合うことになります。公務労働は、地域住民の福祉増進、
住民サービスの重要な働き手です。国の
公務員バッシング政策に同調せず、奥出雲町独自の政策の確固たるものを求めるものであります。見解と方針を伺います。
○議長(藤原 充博君) 勝田町長。
○町長(勝田 康則君) 御質問にお答えをいたします。
議員御指摘のとおり、相当の期間任用される職員をつけるべき業務に当たるのか否か、業務の内容や責任の程度を踏まえた業務の性質から、各
地方公共団体において個々の具体的な事例に即して判断することとされております。
会計年度任用職員制度への移行に当たり、職の検討も行っておりますが、基本的にはこれまで非常勤職員で行っていた業務について、制度が変わることのみをもって正規職員の配置が必要となることはないものと認識をいたしております。
また、見直しにより当該業務を正規職員で行うことに改めることもあり得ますが、当該業務が相当の期間任用される職員をつけるべき業務であるといって非常勤職員を正規職員に改めることは、
地方公務員法上、予定されていないものでございます。以上でございます。
○議長(藤原 充博君) 川西議員。
○議員(8番 川西 明徳君) 時間の都合で多くは語りませんが、町長、一つだけ確認をします。奥出雲町公務現場の中で、正規職員が非正規職員に仕事を教わるという現状を御理解いただきたい。
それでは、最後に、
学校再編計画は子供や地域を最優先にすべきことについてであります。
学校再編は、国の政策誘導を優先するものではなく、子供や地域を大事にした計画になっているか懸念をしております。平成20年7月2日、
中央教育審議会の第1回小・中学校の設置・運営の在り方に関する作業部会が開催されています。そして、21年3月27日、第12回目の作業部会が開催され、小・中学校の適正配置に関するこれまでの主な意見等として資料2が配付されています。
概略は以下のとおりであります。適正配置を検討する背景、意義をどのように考えるか。学校の適正配置について検討することが必要。設置主体は市町村、最終的には市町村の判断。本作業部会は留意点として、施設の老朽化、交通環境の整備、市町村合併の進展、地域により人口動態が大きく異なることなど、昭和31年当時とは学校を取り巻く社会状況が変わってきていることも踏まえる。国は、考え方、考慮すべき要素、留意点等を提示し、支援策を講じる。地域特性に配慮できる
県教育委員会が一定の方針に基づく支援策を講じ、市町村の取り組みを行いやすくすることが考えられると、既に学校の適正配置について検討することを促しています。
平成27年7月30日付で文科省は、
小中一貫教育制度の導入に係る
学校教育法等の一部を改正する法律についての通知を
県教育委員会などに出しました。つまり解説をしています。この期間は、三成小改築は現在地で西校舎を耐震改築する方針でしたが、いつの間にやら中学校用地に移転新築する話になり、
三成地区自治会長会と三成小PTAの会議では大きな反対意見はなかったので、合意はできたと議会で教育委員会は報告しました。しかし、
三成地区自治会長会は、質問や意見を述べたり要望を出したが、合意したと思っていない、また、PTAも同じだと聞いてるとしています。
この学校教育法の改正によってでの政策変更は明らかであります。本年になって慌ただしく再編方針が示されるまでの間の10年の空白はどのような事情だったのでしょうか、まずは伺います。
○議長(藤原 充博君) 塔村教育長。
○教育長(塔村 俊介君) 御質問にお答えをいたします。
議員御指摘のように、平成20年から21年にかけて、小・中学校の設置、運営のあり方について検討がなされておるところでございます。その際の考え方については、議員から御説明があったとおりだというふうに思っております。一方で、平成27年においては、
小中一貫教育制度の導入に係る
学校教育法等の一部を改正する法律についての通知がなされたところでございます。
この10年間のことについての指摘でございますが、この10年間に関しては、そのような国の新たな検討がなされてるということであったり、あるいは町のほうでも、さまざまな学校再編についての考え方が変わったということも大きかったというふうに思います。我々といたしましては、平成27年、新たな義務教育学校を初めとする大きな方向性も出された。そして、ことしの新聞等でも出ておりますが、小・中学校の免許制度の改正であったり、あるいは、小学校高学年における教科担任制も含めた新たな学校改革が進められようとしておるところでございます。
それ等も見きわめながら、この10年は確かに空白となったかもしれませんが、我々としては、今の現況、子供たちの状況、そしてこれから国として奥出雲町として目指す教育のあり方を考えながら、次の10年が空白とならないようにしっかりと進めていくことが大事だと思いますし、掲げております日本一の教育のまちづくりに向けて何が必要かということを皆さんと一緒に考えてまいりたいというふうに思っております。
○議長(藤原 充博君) 川西議員。
○議員(8番 川西 明徳君) 全国の地方自治体が学校再編を進めるのに持ち出すのが、学校の適正規模についての国の基準です。それは、学校教育法施行規則第41条による、公立小・中学校の適正規模は国の基準では12から18学級だということを使用しております。住民が知りたい学校の適正規模というのは、教育的な観点からの適正規模で、子供たちの学習や成長にとってふさわしいとされる学校の規模がどれくらいかということではないでしょうか。ところが、平成27年1月に文科省が公表した手引でも、教育的な観点からは一定の学校規模を確保することが重要だとしているだけで、適正な学校規模を国は定めていません。つまり、行政が一方的に決めるものでもなく、教育条件の改善の観点を中心に据えるとか、地域とともにある学校づくりの視点を踏まえ、保護者や地域住民との丁寧な議論を積み重ねて決める必要があるとしたからであります。
行政当局が適正規模として12−18学級にこだわるのは、それが国の補助金の基準だからです。学校の適正規模の法律は1つだけあります。公立小・中学校の施設整備に対する国の補助金、負担金について定めた法律です。国が定める適正な規模に学校を統合するなら、校舎や体育館など施設整備に補助金を出すというものであります。教育総合計画の変更を申請の条件にしています。ここで国が定める適正な学校規模は、学級数と、通学距離が小学校4キロ以内、中学校6キロ以内であります。つまり、国が定めた統合基準に沿って学校を統合するなら施設整備の補助金が出るという仕組みになっています。
財務省の予算執行調査というのがあります。財務省主計局や全国の財務局の担当者が、予算が効率的かつ効果的に執行されているかといった観点から行う調査で、平成14年度から毎年実施されています。何を調査するかは例年4月に選定されています。学校統合の目的は、小規模校は経費が割高になって非効率だから、統廃合して学校経費を合理化する、このことが狙いであります。財務省の学校規模の最適化に関する調査は、学校を統合して、平成17年4月に開校した全国の公立小・中学校全てを対象に、学校統合の現状及び効果等の把握を行ったものであります。
調査結果のまとめでは、学校統合については財政効率化という観点のみで論ずるべきではないとする一方で、学校統合によって、人件費を中心として小中合計でおよそ170億円の効率化、児童生徒1人当たり約3割の効率化が図られたと高く強調しております。ここで言ってる教育政策上の効果とは、学校規模を標準規模にできたかどうか、教職員を削減できたかどうかといったところであって、教育効果とは全く違うのではありませんでしょうか。財政効率化という観点のみで論ずるべきでないとしながらも、教育効果や子供たちの生活面の影響などは何ら検証がされておりません。
財政、効率性のみから学校統合が促進されて、一番被害を受けるのは子供たちであります。予算執行調査の結果に基づき、財務省は今後の方向性として、少子化が進展する中、あまねく教育の質を向上させつつコスト縮減を図り、効率化を進めるためにも学校規模の最適化を目指すとしております。地方自治体が学校の統合を積極的に進められるよう、各
地方公共団体、各省庁横断的な取り組みを検討し、効率化を目指し、教育委員会や文科省任せではなく、地方自治体や国を挙げて学校統廃合を促進させる方向を打ち出しております。