平成24年第1回定例会(第2日 3月13日)
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平成24年 第1回(定例)奥 出 雲 町 議 会 会 議 録(第2日)
平成24年3月13日(火曜日)
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議事日程(第2号)
平成24年3月13日 午前9時30分開議
日程第1 一般質問
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本日の会議に付した事件
日程第1 一般質問
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出席議員(14名)
1番 塔 村 俊 介君 2番 内 田 勇君
3番 内 田 精 彦君 5番 藤 原 充 博君
6番 村 尾 明 利君 7番 若 月 忠 男君
8番 内 田 正 男君 9番 松 﨑 正 芳君
10番 吾 郷 益 已君 11番 大 垣 照 子君
12番 景 山 孝 志君 13番 岩 田 明 人君
14番 若 月 康 男君 15番 福 本 修君
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欠席議員(2名)
4番 藤 原 友 征君 16番 千 原 祥 道君
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欠 員(なし)
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事務局出席職員職氏名
局長 ───── 高 橋 安 典君 書記 ───── 田 辺 綾 子君
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説明のため出席した者の職氏名
町長 ───── 井 上 勝 博君 副町長 ──── 勝 田 康 則君
教育長 ──── 安 部 隆君 総務課長 ─── 小 倉 義 幸君
教育総務課長 ─ 植 田 一 教君
企画財政課長 ─ 藤 原 努君
農林土木課長 ─ 石 原 敬 士君
地域振興課長 ─ 尾 方 豊君
病院事務長 ── 内 田 久 貴君
農業振興課長 ─ 糸 原 敬君
生涯学習課長 ─ 川 本 健 二君
健康福祉課長 ─ 野 原 万寿老君
水道課長 ─── 稲 垣 和 利君 税務課長 ─── 吉 川 孝 司君
建設課長 ─── 松 島 昭 雄君 出納課長 ─── 堀 谷 智 樹君
町民課長 ─── 石 原 啓 子君
環境政策室長 ─ 津 田 昇君
健康づくり推進室長 ───────────────── 内 田 裕 紀君
観光推進室長 ─ 舟 木 長君 財産管理室長 ─ 森 長 洋 二君
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午前9時30分開議
○副議長(福本 修君) 定刻になりましたので、開会いたしたいと思います。
開会に先立ちまして、一昨日3月11日が東日本大震災から1年の日でございました。亡くなられた方1万5,854人、行方不明者3,155人に上り、被災地はもちろん全国各地で悲痛の思いで鎮魂の祈りがささげられました。
震災復興は低迷する日本国再生の道のりでもあり、いまだ遠いものがございますが、ここで犠牲になられた方々への黙祷をささげ、本日の本会議を開会いたしたいと思います。御起立をお願いいたします。
黙祷。
〔総員起立、黙祷〕
○副議長(福本 修君) 黙祷を終わります。御着席ください。
それでは開会いたします。
ただいまの出席議員は14名であります。定足数に達しておりますので、直ちに本日の会議を開きます。
本日の議事日程は、あらかじめお手元に配付したとおりであります。
これより日程に入ります。
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◎日程第1 一般質問
○副議長(福本 修君) 日程第1、一般質問を行います。
最初に、7番、
若月忠男議員。
○議員(7番 若月 忠男君) 今期定例会に一般質問の機会をいただきましたので、次の4点について一般質問をさせていただきます。
最初に、保健対策についてであります。
昨今、急速な高齢化の進行に伴い、老年期では認知症や寝たきりなどの要介護支援にある高齢者の方が増加していると聞いております。成・壮年期においては、食生活の変化や運動不足、ストレス等の原因による生活習慣病が増加しているとも言われております。また、子供を取り巻く生活環境も変化して、生活や遊びの変化等によって健康状態にも影響が出てきていると言われております。このように子供のころから生活習慣を見直し、健康的な生活習慣を実践、支援することは、健康寿命の延伸につながるものと思います。
国内で長寿の女性1番の県は沖縄県で、次いで2位の島根県が86.57歳でありますが、男性は29番目で78.49歳となっており、健康寿命の延伸をさらに図ることが大切であると考えております。
奥出雲町内では、旧仁多、横田両町で平成14年に
げんきプラン21を作成され、町内一丸となって
関係医療機関を始め学校や各種団体、個人、家庭での健康についての取り組みが実践されており、その効果が実証され、保健対策の推進が強化されてきております。そのプランの期間が10年の節目となり終了いたしますが、今後の取り組みについての考えは。
次に、平成22年度に策定されました奥出雲町
食育推進計画の取り組みで、地産地消による食育の取り組みの考えは。
また、ジョーホーにたCATVを活用した予防、医療、治療の健康づくりを町内全戸にお医者さん、保健師、看護師、介護士さん等による健康福祉についての
健康講座指導や情報発信の取り組みが大切と考えますが、その対応は。
さらに、
ドクターヘリは昨年6月13日からの運航開始以来、奥出雲町内、2月の15日現在では30件の出動要請があると聞いております。事故発生から治療開始までの時間が30分短縮されると死亡率が50%低下すると言われており、開始時間が短くなればなるほど死亡率は低くなることから、町内から出雲、松江までの道路距離では時間がかかり、
ドクターヘリの活用は避けて通れない実態であります。
ドクターヘリポートの建設については、平成24年には予算が計上され完成ということですが、町内には
三成運動公園駐車場と
横田運動公園が離着地となっておりますが、このほかへの離着地増設の問題と検討についての考えは。
次に、耕作放棄地の対策についてであります。
農業を取り巻く環境の変化は、担い手の減少、高齢化、遊休農地の発生、過疎化の混在化などのさまざまな要因により地域活力の低下が心配され、農業生産は厳しい状況になりつつあります。農地は限られた貴重な資源であり、一たん転用や荒廃してしまえば農地に戻らないものであり、その違反転用の防止や無断転用と荒廃の早期発見のため、農業委員会では農地の確認と
農地パトロールを実施しておられます。全国には38万6,000ヘクタールが存在し、食糧の安定供給や農業の多面的機能の発揮の観点から、その対策は喫緊の課題であると言われております。
奥出雲町内の耕作放棄地が平成21年には約211ヘクタール、22年度には185ヘクタール、平成23年には178ヘクタールで、今年度は畑、水田の集計は出ていないとのことでありますが、耕作放棄地は拡大する要素は多大にあると思われ、その対策といたしまして農地に緑、黄色、赤等に区分した遊休農地のランクの位置づけをされており、その緑、黄色の土地での
土地基盤整備を効率よくしなければならない耕作可能な
土地基盤整備の面積や助成金の支援についての考えは。
次に、遊休農地のパトロールや
遊休農地所有者への指導や
地元集落営農、法人、担い手等との連携強化で
遊休農地解消の取り組みがなされているところですが、平成21年度からの
耕作放棄地再生利用緊急対策交付金が平成25年度で終わると聞いておりますが、
土地基盤整備、排水施設、
客土農地保全等の
改良改善整備ができない心配もありますが、奥出雲町独自の
基盤整備助成金の考えと事業と
交付金継続要請についての考えは。
さらに、牛を利用した耕作放棄地への放牧によって荒廃地の草刈り等の整備と、蹄耕法による畜産的側面だけでなく、牧草や山菜類、特にゼンマイ、ワラビ等の作付で鳥獣害の発生防止と牛を活用した良好な農村景観の多面的形成ができると思いますが、その考えについては。
さらに、奥出雲町においては、平成24年4月1日から景観条例が施行され、その中でも
生産的景観資源の確保、農業の生産基盤の強化で雄大な農村風景を次世代に継承するためにも、農地の
耕作放棄地発生を未然につくらない、つくらせない、つくりませんの3つくらない運動等の対策協議と
耕作放棄地対策を重点的に取り組んで、緑豊かな耕作農地を形成している集落の
表彰制度創設が大切と考えますが、この対策についての考えは。
次に、3点目の
温泉施設利用についてであります。
都市との交流施設の一つとして、町内には斐乃上温泉、亀嵩温泉、この4月に竣工、オープンする
仮称佐白温泉で町内には3つの温泉ができ、それぞれの特徴を生かしながら、協力、連携強化で町内はもとより町外、県外からの利用者の増客と、神話とたたら製鉄の地奥出雲町への観光客の誘客、中でも
リピーター等の確保によって観光客のお方を一人でも多く来町していただき、観光疲れの体のいやしには3つの温泉入浴も一つの効果があるではないかと思っております。それぞれの3つの温泉入浴は、統一券発行で入浴の利便性と使用性の向上で奥出雲町らしいもてなしの対応が必要と思いますが、その考えは。
次に、3つの温泉を利用した保健対策の一つとしての健康づくりに対する取り組みも必要であると思いますが、その考えは。
さらに、それぞれの
既存温泉施設整備と新たに完成いたします温泉、また、みざわの館も完成、オープンいたしますので、そのPR活動や
ホームページ等を使用したさらなる情報の発信と誘客強化と、それぞれの温泉利用での
ポイント導入確保で入浴券等のサービスの提供も必要であると思いますが、その考えは。
次に、4点目でございますが、国際交流についてであります。
旧仁多、横田両町において取り組まれていた
国際交流協会も、合併後平成17年7月から奥出雲町
国際交流協会として設立され、毎年交流活動を実施されておられます。中でも、平成19年には
北東アジア国際文化パレット事業が奥出雲町を会場に学校交流、交流会、ステージ公演から、
韓国キムチづくりの講習会で発酵食品に関する講習と実技指導が実施されてきています。このように韓国との
国際交流事業の交流が強くなっておりますが、ここ4年前から
三成愛宕祭りでの韓国伝統芸能「サムルノリ」の公演がきっかけで、韓国と奥出雲町それぞれの文化のよさを高め合い、双方の異文化理解につながっていると聞いております。このお互いの文化や習慣の理解と交流を深めることによって、多文化共生に向けて意識を高めていきたいと聞いています。この交流は、
韓日文化交流事業で、韓国・
日本文化交流連合会の皆さんの尽力によるものと聞いております。韓国からの奥出雲町へは5年目となりますが、奥出雲町からの訪韓はまだ計画や考えがないわけですが、外国の
観光客受け入れが活発化している今、よい機会をとらえた国際交流、観光振興をさらに推進するためにも、日本から近い外国の韓国との国際交流を深めるためにも、奥出雲町からの訪韓とさらなる後には
国際姉妹縁組みとの考えについて、以上4点の各項目について考えと御所見をお伺いいたします。
○副議長(福本 修君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 若月議員の御質問にお答えをしたいと思います。
大きく分けて4点御質問いただきました。
まず、健康対策についてでございますが、議員御質問の中で統計調査の結果も御提示いただきましたが、議員が示されましたデータは平成17年度の厚労省の調査によるもので若干古いものでございまして、せっかくですので最近のデータを申し述べさせていただきますと、平成22年度の
国勢調査抽出速報結果によりますと、人口10万人当たりの都道府県別の100歳以上の高齢者数、これは実は第1位が島根県で、第2位が高知、3位が沖縄県であります。
ちなみに、島根県は100歳以上の方が542人いらっしゃいます。人口は72万5,000人ですので、10万人当たりに置きかえますと高齢者数10万人当たり74.7人でございます。
ちなみに、奥出雲町は100歳以上の方が20人いらっしゃいますので、10万人当たりに同じように換算しますと、100歳以上の人口は137人と大変高いレベルでございます。国内でも長寿の地域と言えるんではないかと思っております。
御質問の「奥出雲町
げんきプラン21計画」についてでございますが、このたび節目の10年を迎えましたので、現在この計画を見直しをしておるところでございます。本町の現状や課題を踏まえた新たな第2期の計画を策定中でございます。この計画の理念は、すべての町民が生涯にわたって健康で明るく生きがいを持って生活できる社会を実現するということでございまして、策定に当たっては奥出雲町
健康づくり推進協議会の構成団体や関係機関の皆様に、今までの
健康づくり事業の取り組み状況の調査や課題を提出していただきまして、またさらには町民の皆様の
アンケート調査も実施し、現状を評価した上で新たな課題を踏まえ、今後ますます進む高齢化、少子化を見据えて子供のころから健康的な生活習慣を実践し、壮年期に多いがんや脳卒中を予防し、いかに地域と高齢期を迎え過ごしていくかということを実現するための行動計画を策定することとしております。
新年度の4月には、各自治会代表の
健康づくり推進委員会を開催するとともに、
学校関係機関等へ新たな計画を説明させていただきまして、町民の皆様、全戸への
リーフレット等も配布したいと考えております。その計画の実施に向けて、御理解と御協力をお願いしたいと思っております。
次に、食育に関してのお尋ねでございます。
食育に関しましては、平成22年3月に奥出雲町
食育推進計画を策定しております。現在、町内における流通の実態把握、また学校給食や福祉施設等への地元産品の活用を促進するため、
担当栄養士等の
給食関連職員の専門部会や県の農業普及部、あるいは
JA営農経済センター等の産直市とか
地元野菜生産グループによる生産者の専門部会等も加わっていただきまして、共販、契約栽培等、経済的な供給体制の確立を目指して今検討を進めているところでございます。
食育は食育基本法によりまして知育、体育、徳育のベースとなるものであるというふうに規定されておりまして、今後とも地産地消の具体的な
仕組みづくりと円滑な活用に向けて促進を図るとともに、あわせて地元産品の活用による食生活の見直しと健康づくりを推進してまいりたいと考えております。
次に、
CATVジョーホー奥出雲の活用をという御提案でございました。
これにつきましては、来年度から定期番組として毎月第2火曜日に「こんにちは、
健康づくり室」というコーナーを設けまして、新たに始まる奥出雲町
げんきプラン21計画についての情報発信を行い、健康づくりの啓発と、あわせて特定健診やがん検診の受診の必要性を町民の皆様に説明したいと考えております。また、奥出雲病院の先生方にも、それぞれ専門の健康講座をお願いする予定にしております。
次に、
ドクターヘリにつきましては昨年6月より運航を開始したところでございますが、町内におきましては三成公園の陸上競技場、横田公園の多目的広場を中心に17カ所を離着陸場としておりますが、中でも小学校の校庭や地区運動公園などは砂ぼこり等の対応が必要でございまして、現在使用しておりません。
本定例会に予算計上しております三成公園内に災害対応も可能な専用のヘリポートを整備することとしておりますが、小学校の校庭の芝生化等も含めまして、残りのヘリポートにつきまして年次的に取り組んでまいりたいと考えております。
大きな質問の2点目は、耕作放棄地についてでございました。
耕作可能な
土地基盤整備の面積や助成金支援の考えはどうかという御質問でございますが、耕作放棄地につきましては草刈り程度で再生できるものを緑、再生に重機等が必要なものを黄色、既に山林・原野化しているものを赤に区分することとされております。平成23年の調査では、緑が約22ヘクタール、黄色が約40ヘクタール、赤が約116ヘクタールの合計で178ヘクタール弱となっております。このうち、緑と黄色の農地約62ヘクタールにつきましては、原則農地の所有者以外の第三者が借り受けて耕作する場合に限りまして、
耕作放棄地再生利用緊急対策交付金を活用することができます。この制度は、国からの交付金が2分の1、町が4分の1補助する場合には、島根県も残りの4分の1を補助するということでございまして、土地所有者もしくは農地の借り受け人においては、全く負担がなく農地の再生ができるという制度でございます。本町では、この交付金制度が創設されました平成21年度以降、経費の4分の1を補助してきておりまして、平成24年度予算にも計上しております。
次に、平成25年度でこの制度が終了するが、町独自の
基盤整備助成金創設の考えはという御質問がございました。
議員御指摘のとおり、
耕作放棄地再生利用緊急対策交付金制度は現在のところ25年度までとされております。しかしながら、本町の耕作放棄地を平成25年度までにすべて解消することは困難でございますので、制度の継続につきまして今後国に対して強く要望してまいりたいと考えております。
また、町単独の
基盤整備助成金についてでございますが、耕作放棄地を再生し、耕作してもなかなか収益が上がらない状況の中では、受益者負担が発生するような再生を希望する方は極めて少ないのが現状でございます。したがいまして、
耕作放棄地再生利用緊急対策交付金制度がある間は、これに町補助金を支出することで受益者負担がない形での解消に努めてまいりたいと考えております。
次に、耕作放棄地へ牛を放牧した良好な農村景観の多面的形成の考えはという御質問でございますが、耕作放棄地への放牧につきましては、景観の維持、耕作放棄地の解消だけでなく、低コスト畜産を図る上でも有効な手法であると考えております。これまでも行われてきましたが、今後一層拡大を図るため、先般も和牛改良組合、酪農組合及び
国営開発農地への参入企業と協議をさせていただいたところでございまして、取り組みを進めてまいりたいと考えております。
次に、景観条例と農地の
耕作放棄地対策協議の推進と表彰制度の創設の考えはという御質問でございますが、緑豊かな農地は農村景観を維持する上でも重要な要素でございまして、中山間地域等直接支払制度や農地・水保全
管理支払交付金事業に積極的に取り組んでいただくことで、農地の荒廃防止を地域を挙げて推進するような体制づくりも必要であると考えております。
御提案の表彰制度の創設につきましては、景観を形成する要素は多岐にわたっておりまして、今後景観計画を推進していく中で景観審議会の御意見も踏まえながら、検討をさせていただきたいと思います。
3点目は、温泉利用についてのお尋ねでございました。
この4月にオープンする佐白温泉も含めて、斐乃上温泉、亀嵩温泉の3つの温泉の協力、連携強化についての御提言をいただきました。
去る3月の5日、6日には「温泉と健康長寿」をテーマに温泉学会が奥出雲町を会場に開催されまして、全国から多くの皆様に御参加をいただきました。町内の3つの温泉は、いずれもアルカリ性で泉質が似通っており、
昭和大学医学部の堀泰典教授からもいずれも疲労回復や美肌、血行促進の効果を示す数値が高いとの評価をいただきました。
そこで、私も
奥出雲美肌温泉郷を標榜させていただくということも申し上げたところでございます。今後、この3つの温泉が互いに協力連携しながら、内外に情報を発信していくことが重要と考えております。
御提案がありました共通入浴券の発行につきましても、早速奥出雲振興に3つの温泉を周遊するチケットの発行を検討させたいと思います。温泉学会の際に、既に試行的に配布させていただきましたが、4月からの本格的な活用に向け調整をさせたいと思っております。
温泉を利用した健康づくりにつきましては、今回の温泉学会も
健康づくり推進室が所管します
健康づくり推進委員会の協力により実施しております。学会においても、温泉に入って健康で長生きしようとのまとめも行われました。町民の皆さんの健康づくりに、ぜひとも御活用いただければと考えております。
また、地域医療にかかわっておられる医師の先生からも、温泉を活用したプールや
リハビリ施設の提案もいただいておりますが、今後の検討課題とさせていただきたいと思います。
また、
ポイントカードによる割引サービスにつきましても御提案いただきましたが、それぞれの施設がお得な回数券を用意しておりますので、まずはこの回数券を利用していただきたいと思っていますが、どういうやり方がいいのか、今後検討させていただきたいと思います。
PR活動につきましても、先ほども申し上げましたように奥出雲町美肌温泉郷を標榜しながら、また既に日本三大美肌温泉の認定を受けている栃木県の喜連川温泉、それから佐賀県嬉野温泉とも連携しながら、効果的な情報発信の方法を検討してまいりたいと考えております。
それから、4点目、国際交流についてのお尋ねがございました。
韓国との交流においては、5年前より
国営農地開発事業の遊休地活用を目的としたキムチの共同開発を行ったこと、あるいは
日韓文化交流連合会の増渕会長様との出会い等がございまして、そういうことがきっかけになったのではないかと思っておりますが、増渕会長は日本の伝統的な文化を韓国に紹介する活動を続けるとともに、韓国で日本語学校をやっていらっしゃいまして、日本のそういう団体のお世話をされていらっしゃいます。そういう経歴をお持ちでございまして、その増渕先生のお世話で韓国の方が随分奥出雲町を訪れてくださっております。これまでも奥出雲町においては愛宕祭りへの芸能団の派遣もやってもらっておりますが、昨年度は6回、合計で約200名の方が町内を訪問してくださっております。今年度も1月、2月、2回に分けて約100名の方が奥出雲町にお越しいただきまして、玉峰山荘や町内のホームステイで泊まっていただいております。
今後、このような交流事業について、
外国人観光客の受け入れのモデル事業として県の協力も得ながら、戦略的な取り組みを行っていく必要があろうとも思っておりますが、町からの訪韓、国際交流の推進はということにつきましても、今後もさまざまな切り口やテーマがあると思いますが、町民の皆様に交流活動を続けていただく中から具体的なテーマを絞って、相互交流、姉妹交流の道も模索していきたいと思っております。神話とかたたら製鉄など、朝鮮半島の関係が大変強い地域であると思っておりますので、そこら辺についても今後取り組みを検討させていただきたいと思います。以上です。
○副議長(福本 修君) 7番。
○議員(7番 若月 忠男君) それぞれ再質問をさせていただきたいと思います。
最初の保健対策についてでございますが、町長も答弁がございましたように、3月の5日の第16回の温泉学会におきまして、それぞれ町長の方からも話にございましたように、出雲国の風土記にもそれぞれ薬湯というような温泉であるというようなことが言われておりますし、つきましては温泉を利用した先ほど来の健康づくりについて、さらに寿命の伸長につながるということでございますので、特に取り入れた対策をやっていただきたいということが1点と、防災拠点施設整備と
ドクターヘリポートのやはり整備についての取り組みは必要ではないかなというように思うわけでございまして、そこのあたりをもう1点再度聞かせていただきたいということでございます。
それから、耕作放棄地についてでございますが、農業委員会とか集落営農、そして法人、担い手の皆さんとの連絡協議会的なものが開催されていないわけでございまして、そういう協議会的なものを開催をいたしまして耕作放棄地の防止に積極的にかかわっていただきたいなというようなことについて、再度お考えをお聞かせいただきたいということ。
そして、温泉利用でございますが、温泉水の飲泉についての考え方について、いわゆる温泉を採掘いたしました近くの方からも湧水的なものもわき出ておるようなところもあろうと思いますので、そういうところの水質の調査をいたしまして、飲泉として取り組みができないものかという考え方。
そして国際交流につきましては、奥出雲
国際交流協会でそれぞれ御尽力いただいておりますが、支援についてはどのような支援をされておるのか。
また、結婚祝い金の創設は少子化対策にもつながっており、車の両輪のようなものであり、素直に結婚をお祝いする制度を創設していただきたい、このように思います。御所見をお伺いいたします。
○副議長(福本 修君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 結婚祝い金のことにつきましては、以前にも内田勇議員から御提案いただいております。
この祝い金のことにつきましては、合併前の旧仁多、横田の両町時代、結婚のお世話をいただいた方に対しての報奨金制度があったようでございますが、どうも余り効果が出なかったということで、事業が中止されたというふうに聞いております。
晩婚化、非婚化が進んでおりまして大きな問題だと思っておりまして、どういう対策がいいかいろいろ各地で検討もされておりまして、島根県でもしまね縁結びボランティア協議会が設置されておりましたり、島根はっぴいこーでぃねーたーというふうな組織もあって制度もありまして、奥出雲町からも3名の方が登録して活動いただいておるようでございます。町内におきましても、20年ですか3月、ちょっと前になりますが、ボランティアでブライダルサポートおくいずもが社会福祉協議会を事務局として設立されております。いろいろ活動していただいておりますが、最近では若者グループのやらこい奥出雲等が婚活イベント等を実施してくれております。町としては、今後このようなボランティアや町づくりグループの活動を関係機関と連携して支援をしてまいりたいと思っておりますし、結婚奨励金制度等についてもそういう活動グループの皆さんとも協議をしながら、検討を継続させていただきたいと思います。
○副議長(福本 修君) 2番、内田君。
○議員(2番 内田 勇君) ぜひとも結婚祝い金制度、また婚活を本当に頑張っていらっしゃるグループの皆さんを支援していただきたい、このように思います。
次に、奥出雲町の伝統文化、芸術振興と支援についてお伺いをします。
奥出雲町にも仁多乃炎太鼓あるいは神代神楽、民謡クラブや音楽グループなど多数のグループが活発に活動を展開されております。文化芸術振興条例を制定し、産業振興、観光、教育、福祉など幅広い観点からの推進を提案したいと思います。
また、文化協会の活動また役割についてお伺いをいたします。
○副議長(福本 修君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 町内の伝統文化でありますとか芸術の振興についてのお尋ねでございます。
町内では、現在核となる奥出雲町の文化協会と連携を図りながら、いろいろ支援施策を講じているところでございますが、文化協会には伝統芸能、美術、文芸、音楽を初め多岐にわたる93団体、約1,800名余りの方が加盟しておられまして、自主的かつ主体的な活動を行っておられます。
また、近年には仁多乃炎太鼓につきまして新たな文化創造ということで、奥出雲神代神楽も結成されて活躍をいただいております。町内の文化芸術活動は県下でも極めて高い水準にあると認識しておりまして、今後とも継続して支援をしてまいりたいと思っております。
支援の施策としてはいろいろあると思いますが、あくまでも活動される皆さん方の自主的な活動を損なわないように、支援についてもいろいろ方法を考えてまいりたいと思っております。
○副議長(福本 修君) 内田君。
○議員(2番 内田 勇君) 芸術文化の振興についての国家の予算も0.12%ですか、国家予算の、韓国あたりに比べれば8分の1という国家予算も本当にお粗末なものでございます。ぜひとも文化芸術等振興にやはり思い切った支援も大事ではなかろうか、このように考えますので、よろしくお願いします。
それでは、2点目の奥出雲版ニューディール政策について2点にわたり質問をしたいと思います。
まず、東日本大震災で防災、減災への関心は大変高まってきております。依然として厳しい経済情勢の中で、何としても奥出雲町内で雇用を守っていく、経済の循環を図り景気の下支えをし、定住対策にもつなげるようないわゆる奥出雲版ニューディール政策で、老朽化した社会資本、インフラの再整備を求めたいと思いますが、橋梁また上下水道、公共施設等の耐用年数と改修計画についてお伺いをいたします。
○副議長(福本 修君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 奥出雲版のニューディールをということでございますが、辞書を引きますとディールは政策ということで、ニューがつきますから新しい政策という意味のようでございますが、御提案のありましたことにつきまして、まず橋梁についてでございますが、耐用年数がいろいろ来ているというものも数多くあります。国土交通省の橋梁の長寿命化の取り組みの中で、橋梁の平均寿命を60年と設定するというふうな記述もございます。
上下水道施設、公共施設については、その種類や構造、用途によって国が定めた耐用年数を目安に管理をしております。
また、それぞれの改修計画は、橋については本町が管理する道路橋は高度成長期に整備が進んだことから、建設後50年を経過する高齢化橋梁がこれから大幅にふえてくると考えておりまして、平成21年度には橋梁の点検調査をやっております。今後はその調査結果に基づきまして、これらの橋梁の修繕やかけかえに要する経費のコスト縮減や予算の平準化のために、橋梁の長寿命化修繕計画を策定しまして、計画的かつ予防的な修繕等を行ってまいりたいと考えております。
上下水道施設につきましても、施設の状態と将来負担に留意しながら計画的に順次整備を進めたいと考えておりますが、改修経費が利用者の使用料に影響するということもございますので、これも適切に対応してまいらなければならない課題だと思っております。
そのほかの公共施設につきましては、特に防災や減災上重要となる施設の整備として、既に教育施設は積極的に耐震化を目的とした改修事業を推進しておりますし、このたびの補正予算にも計上しましたとおり防災・減災関連施設は引き続き整備を行う考えではございますが、今後これらの整備には多額な事業費を要しますので、国の補助事業等の有利な財源確保を図りながら計画的に進めてまいりたいと考えております。
○副議長(福本 修君) 2番、内田君。
○議員(2番 内田 勇君) 水道についてでございますけど、1月には大田市で耐用年数10年を越す送水管の破損事故で1,900戸が断水いたしました。町内でも、同じような断水事故も起きております。水道等、やっぱりインフラの整備というのは重要ではないかというふうに思います。どうか町内でやはり経済の循環ができるような方法で、速やかな点検整備等もぜひともお願いをしたい、このように思います。
次に、森林整備並びに山林の地籍調査は、林業再生と再生可能エネルギーのを活用する上で重要な問題であり、雇用創出を図るためにもグリーンニューディール政策として加速させてもらいたいと思いますが、所見をお伺いをいたします。
○副議長(福本 修君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 森林整備についてでございますが、森林の多面的機能につきましては国土の保全とか水源の涵養とかいろいろ言われております。林業を取り巻く状況は大変厳しい中で、森林整備を進めていくためのいろんなことを考えていかなければならないと思っておりますが、そのためにも出口の方をまず下流の方からということで、今年度は玉峰山荘と佐白の温泉施設にチップボイラーを導入するということで、今整備を進めているところでございますが、木材価格が低迷する中で少しでも森林の整備あるいは木材の利活用を進めていくために、新年度も試行的にいろんなことをやろうという考えを持っておりまして、さらに両チップボイラーで年間1,700トンか1,800トン程度のチップが必要というふうに言われておりますので、山に入ってそれをチップ化する取り組みをまずは進めていきたいと思っております。
○副議長(福本 修君) 内田君。
○議員(2番 内田 勇君) 森林整備もなかなか思うように進んでいないというふうに私は思っておりますけれども、住民参加の森林保全活動等、町内の皆さんと一緒に取り組むような方法をもうちょっと考えて、荒廃森林の再生もできる方法はあるのではないかというふうにも思います。
また、山林の地籍調査については、やはり森林整備をする上でどうしても必要なことでございますけれども、聞くところによりますともう30年も先でないと地籍調査は終わらないというふうにも聞いておりますけれど、この点について再度お願いをしたいと思います。もう少しスピードアップできないのかということをお願いします。
○副議長(福本 修君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 山林の地籍調査のお尋ねでございますが、本町の地籍調査の対象面積は約344平方キロメートルでございます。平成23年度末で113平方キロメートルを実施しておりまして、進捗率は32.8%であります。
もっとスピードアップしろということでございますが、国、県の予算配分が結構厳しい状況がございまして、毎年要望額は1億以上要望しておりますが、実際に配分されるのは1億円以下の金額でございまして、そういうふうな要望もしながら、議員御指摘のように進捗率が上がるように努力をしてまいりたいと考えております。
○副議長(福本 修君) 2番、内田君。
○議員(2番 内田 勇君) 最後に、奥出雲雪まつりの開催についてお伺いいたします。
この冬も大変な大雪でございました。私たちの住む奥出雲町は島根県有数の豪雪地域でもあり、この5年間の降雪量は全国平均でも増加傾向にございます。厄介者の雪ですが、これを活用し冬場、2月行われます日刀保のたたら操業と組み合わせた雪祭りの開催等で冬期の観光客誘致やにぎわい創出ができないのか、活性化策を提案したいと思います。場所は三井野原地区とか、また横田駅前の新しくすばらしい町並みになりましたそういうところも考えられると思いますが、いろいろたくさんの三井野原等も赤字が毎年積み重なっておりますけれども、やはり何か冬期のスポットとして人に来ていただくということが大切でないかと思います。多くの雪だるまがある、あるいはかまくらがあって、また雪合戦大会やいろいろなコンテストなど、ファミリーで楽しめる場所になればと思います。
また、横田駅前については、横田小学校の校庭等も利用して本当に冬場、奥出雲ならではの、出雲や松江にはできない雪といいますかあるわけですので、どうか新たな観光客誘致として活性化策につなげていただきたいと思いますが、御所見をお伺いいたします。
○副議長(福本 修君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 雪を活用した活性化策をという御提案でございます。
まず、三井野原スキー場につきましては、赤字は出ておりますがふるさと教育の場、あるいは雪に親しむ経験を子供たちにさせるという意味からも、何とかして継続してさらに利用が伸びるような工夫もしていく必要があろうと思っております。
三井野原の地元の人たち皆さん方ともいろいろ協議を進めておりますが、スキーに来てくださった人に大根などを振る舞うとか、いろんなイベントも組み合わせながら利用が伸びるような取り組みを今後もぜひ検討していきたいと思っております。
それから、横田の駅前につきましても、雪だるまづくりやキャンドルづくり等、現に駅前で雪イベントをやっていただいております。さらに広まるようなことも考えなきゃいけませんが、雪を活用するという意味では一つはゴルフ場のなだらかな雪の斜面が何か活用できないかなと。小さな子供さんがそりで滑るとか、そういういい斜面もありますので、そこら辺の活用についても今後考えていきたいと思っております。
いずれにしても、日本海側、山陰も含めて冬期間雪に閉ざされて人の出入りが極端に落ちるという大変不利な面も持っておりますが、議員御提案の逆に雪を生かした取り組みを進めなきゃいけないということは私も十分認識しておりまして、可能なところから取り組んでいきたいと思います。また御支援もよろしくお願いいたします。
○副議長(福本 修君) 2番、内田君。
○議員(2番 内田 勇君) ぜひとも雪祭りについて、せっかく奥出雲に降る雪でございますので、新潟とか長野県の栄村とか2メートル、3メートル降るところはちょっと厳しいと思いますけど、ある程度交通量も確保できる。そういう来るのにもうとても大雪で来れないという状況ではないと思うし、また雪もある程度なくてそれができないということでもないという、一番いい条件でもあると思いますので、ぜひとも開催をお願いして質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。
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○副議長(福本 修君) ここで10分間休憩をいたします。休憩。
午前11時10分休憩
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午前11時22分再開
○副議長(福本 修君) それでは再開いたします。
続いて、14番、若月康男議員。
○議員(14番 若月 康男君) それでは、一般質問をさせていただきます。
前段におきましては、井上町長のこれからの町政にかける思い、そういうものを語っていただこうということでおります。後段につきましては、ちょっとかたくなりますが、財政のことにつきまして質問をさせていただきたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。
さて、井上町長、時がたつのも早いものでございまして、就任されましてから2年半、あるいは3年近くになるというような時期にかかったところでございます。これまでは、いわゆるこの2年余り、前岩田町長の施策の中でその総仕上げといいますか、そういう時期ではなかったかなというふうに思っております。
例えば、学校関係では亀嵩小学校の木造建築の新築を初め馬木小学校の屋内体育館の改築、また阿井小学校の屋体の耐震補強、そして仁多中学校の改修やら補強に着手をされているところでありますけども、これにつきましても前町長からの引き継ぎといいますか、耐震の計画の中で行われているというふうに思っておるところでございます。
そして、幼稚園整備あるいは幼児園整備につきましても、ああして馬木の幼児園がなりましてから、町内の幼稚園あるいは保育所を幼児園化をしていこうという計画のもとに、地元の要望もありましたけれども、布勢幼稚園あるいは去年からことしにかけまして八川、横田の幼児園を新築をされまして、この春からいよいよ幼児園化ということになったところでございます。
また、一方、尾原ダム関係でもいわゆる町道の新設、改修というようなもの、それから山林管理道であります岩田線の完成、あるいは自然公園の中の鬼の舌震歩道の建設等々、着実に今つり橋も含めまして完成に向かっているところでございます。
これは井上町長の熱い思いでございましたですけども、佐白温泉の開発はいよいよこの春、佐白交流館として開館が待たれるところでございますが、湯量も豊富でございますし、また水温も非常に予想したよりも高かったというようなことで、これからその利用度が増すのではないかというふうに思っておるところでございますが、そうしたことでこの2年半余りを費やされたところでございます。
そこで、そうした中で就任後の奥出雲町政に対しての今までの県政マンとしての高い経歴もございますし、県内各地のほかの町村の状況等も御理解をしていただいているというような状況の中でございますので、そうした立場から率直に奥出雲町を語っていただきたいというふうに思って、第1問の質問とさせていただきます。よろしくお願いいたします。
○副議長(福本 修君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 奥出雲町に対する率直な思いというお尋ねでございますが、30数年間、県職員として島根県の各地域を見てきた中で思いますのは、この奥出雲町は本当に自然も人情も大変豊かな土地だというふうに思っております。出雲国風土記にも、ちょうどいいまとまりのある空間というふうにも記載されておりますが、ふるさとに帰りましてまず思いましたのは、これだけの中山間地域、奥まったところでありますが、人材が非常に多いということでございました。高齢の方、若い人あるいは女性の皆さんも含めまして、これだけ多様な人材に恵まれた町は県内でも少ないではないだろうかと思ったところでございます。
それから、多様な地域資源がまさにいろいろございます。神話のふるさとでもありますし、世界唯一操業している日刀保のたたらもございます。先ほども議員おっしゃっていただきましたようないろんな取り組みもやっておりますが、さらにみんなで一緒になって協力し合って、この地域を次の世代、将来の世代に引き継いでいけるように、誠心誠意努力するのが私の務めであろうと思っておりますし、そういう思いであっという間に3年間が過ぎたという感じも持っております。よろしくお願いいたします。
○副議長(福本 修君) 14番、若月君。
○議員(14番 若月 康男君) 私ら地元におりますと、なかなか地元がわからないといいますか、いいものがあってもなかなかそれに気づかないというようなこともあるわけでございますけども、今、井上町長の率直な奥出雲町に対する気持ちを聞かせていただいたところでございます。
それで今後のことというようなことになるわけでございますけれども、これからが井上町長のいわゆる本番ということになる時期ではないかというふうに期待をしておるところでございます。
そうしたことで、笑顔と語らいで活力のある町づくりをという当初の就任のときにもお話があったところでございますが、それについては変わりはないと思いますけども、基本的な考え方についてお伺いをいたしたいというふうに思います。
○副議長(福本 修君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 町政についての基本的な考えということでございますが、おっしゃっていただきましたように笑顔と語らい、元気あふれる町を目指して、町政運営に取り組んでまいりました。短く言えば「みんな仲よく元気よく」というスローガンが好きでございますが、今後の基本的な方向につきましては、昨年度多くの町民の皆様にも参画していただきまして、総合計画も策定させていただきました。目指すべき将来像として、活力に満ちた元気な町、2つ目が心豊かに語り合える町、それから潤いにあふれ笑顔で暮らせる町、この3つの基本理念のもとに、引き続きふるさと奥出雲町の未来のために私をなくして誠心誠意努力してまいりたいと考えております。議員各位の皆様はもとより、町民の皆様の御支援、御協力をいただきますようお願い申し上げます。
○副議長(福本 修君) 14番。
○議員(14番 若月 康男君) そういたしますと、今3つのことを基本にということでございます。ひとつまたそれを信条とされまして、また町民との語らいをしていただきたいというふうに思いますが、具体的にこれからどういうような事業を中心に展開をされようとしておるのか、ちょっと今のところ井上町長のはっきりとした具体的なものがまだ見えてきませんので、その点についてお伺いをいたします。
○副議長(福本 修君) 井上町長。
○町長(井上 勝博君) 具体的な施策につきましては、議会初日の施政方針で24年度取り組むべきことにつきましてるる述べさせていただいたところでございますが、特に力を入れて取り組みたいと思っておりますのは、地域新エネルギービジョンに基づいて再生利用エネルギーの利活用を進めてまいりたいと思っております。
それから、いろんな課題がいろいろあります。幸いにトマトハウスは事業の継承者がうまく見つかりまして、この春から生産が再開されるということでございますが、産業振興についてもまだまだ取り組むべき課題はいっぱいあろうと思っております。具体の施策について、議会の皆様ともいろいろ議論をし合う中で、逐次具体化に向けて取り組んでまいりたいと思っております。
○副議長(福本 修君) 14番。
○議員(14番 若月 康男君) そういうことでこれから進まれるわけでございますので、我々も大いに期待をいたしているところでございますが、今おっしゃいましたように地域新エネルギービジョン、このことについてもう少し質問をしてみたいと思います。
この目的は、ちょうどこの冬も長い寒い冬でございましたですけれども、石油、灯油等を初めたくさんの化石燃料を行政もたきましたし、我々もたくさん家庭で使ったわけでございますけれども、それを地球に優しいエネルギーに変えようということで、地元産のものを利用ができないかというようなことから、先ほどの内田議員の質問にもありましたけれども、山林振興というようなことも含めてこの木材利用ということで、いわゆるチップボイラーの導入を決意をされたところでございます。
今、試験的にですけれども玉峰温泉の熱量をいわゆる重油から木材に変えていこう、あるいは佐白温泉の今度できます温泉のエネルギーをチップボイラーでやっていこうということから、玉峰温泉につきましては事業費は2億円ぐらい、それから佐白温泉につきましては5,500万円強ということになっておりますけれども、それをやっていこうということで、油類の消費をできるだけ抑えていこうという考えのもとで導入がされたところでございます。そういうことで、間もなくこの春から稼働するわけでございますが、これからその効果が出ますれば多分ほかの公共施設、例えば奥出雲病院や今度建設が予定されております仁多庁舎、三成庁舎等々へも導入が考えられるのではないかというふうに思っているところでございますが、問題はやはりチップの価格ということになろうと思いますし、また熱量がどのぐらいあるかということにもなるんじゃないかなというふうに思っておるところでございます。
この事業に期待しますのは、私たち奥出雲のたくさんの山、昔は皆さん御承知のように材木を切って木炭として、その山子さんといいますか、炭を焼く人がその地の山を大体片づけて、また次の山へ移られた。その回るのが大体20年から30年でまたもとへ帰って、またそこで炭を焼かれるというように非常に循環型の、いわゆる今で言えば非常に効率のいい山の利用をやっておったわけでございます。そういうことからしますと、このチップがぜひ地元で生産ができる体制というのが大事ではないかなと。これにはかなりの投資も必要だというふうに思いますが、地元でそのチップをつくる工場ができるかどうか、その可能性というものについて一つと、それから山を持っておる人が伐採をして、その集積場なりあるいはそのチップをつくる工場へ持っていくといったときに、これが採算に合わなければどうにも回らないわけでございますので、そのシステムというものを今後構築をしていかなければいけない。ここのところに一つ大きなかぎがあるんじゃないかなと。成功する上には、ここのところに一つの大きなかぎがあるんじゃないかというふうに思っております。ひとつぜひ成功するように我々も応援したいというふうには思っておりますが、このことについて町長の考えを聞かせていただきたいと思います。
○副議長(福本 修君) 町長。
○町長(井上 勝博君) まず、チップ工場の建設ということでございますが、チップ工場とそれから木材の集積場、これをセットで考えなければならないと思っておりますが、これの事業化についても検討を進めてまいりたいと考えております。町内のどこの場所にどういう形でというふうなことについては、森林組合さんとかいろんな関係する方々ともいろいろ協議しながら進めてまいりたいと思っております。
特に、おっしゃいましたように油から木をたいてエネルギーをとるということは、公共施設ももちろんでございますが、特に農業用ハウスに導入できないかと。例えばシイタケハウスでありますとか、大きいものではトマトハウス、トマトハウスも現在はガスで暖房しております。ガス代だけで年間何千万円もかかるようなことではあれなもんですので、そういうふうな農業用への導入の可能性についても検討を進めてまいりたいと思っておりますし、やはりそのためにもみんなが山に入って木を出さなきゃいけませんので、そういう取り組みも新年度試行的にも、木の駅プロジェクトというふうな仮称もつけておりますが、関係者と一緒になって取り組みをしてまいりたいと思っておりますが、今、一般的に全国的にやられているのは1トン2,000円とか3,000円、木を運び出せば市場価格に上乗せをして持ってきた人にお支払いをする。1トン大体3,000円ぐらいで取引されておるようですが、それにもう3,000円プラスアルファをして、みんなで山に入って木を運び出そうと、そういうふうな仕掛けづくりもぜひ検討しなきゃいけませんし、みんなで山に入って、それが経済効果としてきちんと出てくるような仕掛けもぜひ取り組みたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○副議長(福本 修君) 14番。
○議員(14番 若月 康男君) 膨大な面積を持つ奥出雲町でございますので、非常に夢のある話ではないかなというふうに思っております。ぜひこれが成功するように、私らも応援したいというふうに思います。
続いて、畜産の振興ということで掲げておりますけれども、このことにつきましてはその都度都度各議員あるいは私も質問をしたことがございます。それにつきまして、現状等々をお話をいただければというふうに考えております。
本年10月は、いわゆる長崎全共、長崎で全国の共進会が行われるという年ではございますが、一昨年の宮崎県での口蹄疫、また昨年はこうして東日本での大震災というようなことで、多くの家畜が死んだりあるいは汚染をされたりというようなことで、非常に畜産業界にとりましてはショックなことが続いたところでございます。
また、JA雲南におきましては、肥育センター、ずっとこれまでもやっておったところでございますけれども、これからも続けるわけですけれども、ちょっと最近、肉の相場も下がったというようなことで、非常に肥育経営が農協全体の経営を圧迫するというような状況になったところから、いわゆる肥育部門を縮小していこうということで、今日その計画の中にあるわけでございます。
そうした中で、また汚染わらというようなことで大変JA雲南あるいは地域の皆さん、消費者の皆さんにも御心配があったというふうに思っておりますけれども、また風評被害というようなこともあってなかなか肉相場が上昇しないというようなことから、非常に畜産はピンチに立たされておる。その中で、この奥出雲町の畜産も同じ立場にあるというふうに思っておるところでございますが、私はやはりこの奥出雲の農業というのはもう水稲、それから畜産、これは切っても切れないものだと。それを切り離せば、この奥出雲町の農業というのは成り立たないというふうに思っているところでございます。
そういう中で、雲南農業振興協議会の方でそういうような状況を踏まえて、何とかここで踏ん張らにゃいけんということで1市2町の首長さん方、あるいは農協も含めて関係者でいろいろ協議をしてもらっておるというふうに思っておりますが、今具体的にどういうような方向になっているのか。あるいは横田の肥育センターも多分ことしいっぱいで牛を全部引き揚げるというようなことになろうというふうに思っておりますが、そうなった場合の後のことについて、具体的なものがあればお聞かせをいただきたいというふうに思います。よろしくお願いします。
○副議長(福本 修君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 議員御指摘のように、水稲と畜産は切っても切れないものでありまして、畜産振興は大きな課題だろうと思っております。
JA雲南の肥育センターの縮小の問題が出ましてから、雲南1市2町でやっております、JA雲南さんも加わっておりますが、農業振興協議会の総会で振興策の方向等を確認をしておりまして、現在のところJA雲南の6つの肥育センターを仮称ではありますが奥出雲和牛センターとして、JA雲南とは別組織の新たな経営体を設立をさせる。そして、6センターのうち三刀屋、赤来の肥育センターは繁殖センターに事業転換をする。肥育センターへの肥育素牛の供給を行うとともに繁殖農家の子牛を預かり、市場出荷までの飼養管理を行うキャトルステーションの試験的な実証とか、県有の種雄牛の戦略的な活用でありますとか、効果的な肥育に向けた子牛育成技術の確立を図る役割を持たせたい。
それからまた、4つの肥育センターは奥出雲和牛肉の販売、肥育成績の実証、それから雲南地域内の繁殖農家の子牛の買い支えとか、繁殖雌牛の産肉能力の情報を農家へ還元するというふうな役割を担わせるということで、検討が進められております。
こうした構想を具体化するために、2月からは全農とか和牛登録協会など有識者を加えた専門部会を設けておりまして、経営試算を含め3月中に具体案を立案させていただきたいと思っております。
新たな経営体というのは、1市2町も出資をしようということでございますが、私は雲南広域連合の方で基金を8億円持っておりますので、そのうちの3億ぐらいはこの繁殖、畜産振興に使用してもいいではないかという気持ちではおりますが、まだ雲南市長さん、飯南町長さんとも具体的にそれでいこうというふうなところまでは至っておりませんが、基本的にはそういうふうな方向を考えております。
それから、JA雲南の方も牛の現物出資ということでぜひ参加をしていただきたい。それが唯一かどうかわかりませんが、具体的な方向性だろうなというふうに思っております。
○副議長(福本 修君) 14番。
若者の定住には何よりも職場がなくてはなりませんが、町長、これまでには本町の方では働き場はたくさんあるということを発言なさっておりますが、たくさんある働き場について、具体的にどういうことをお考えなのかお伺いいたします。
○副議長(福本 修君) 町長。
○町長(井上 勝博君) まだ昨年の国勢調査の詳細な数値が全部公表されておりませんので、前回の平成17年の国勢調査の数値を申し上げますと、本町では1次産業で1,785人、2次産業で2,599人、第3次産業で3,779人就業していらっしゃいました。工場とか事業者数も、これは2010年の農林業センサスでありますとか21年の工業統計調査の数字でございますが、事業所数が全部で52カ所ございます。町内に本社がある会社あるいは誘致企業等、相当数の雇用の場は確保されていると思っておりますが、さらに企業誘致あるいは雇用機会の創出についても、さらに努力していく必要があろうと思っております。
ただ、町内で新しい労働力がどんどん賄えるかということもございます。全体のたしか国勢調査では、昼間人口比率が100を超えております。ということは、町外から奥出雲町に働きに来てくださっとる方も相当数いらっしゃるんではないかと思っておりますが、いずれにしても安定した雇用の場の確保は議員御指摘のとおり極めて大事なことでございますので、今後とも努力をしてまいりたいと思っております。
○副議長(福本 修君) 11番。
○議員(11番 大垣 照子君) 今、町長の方から答弁をいただいておりまして、第3次産業、第2次産業合わせますと6,000人ぐらいの人口になると思いますが、ただ、高校や大学を卒業しても本町には働く場がないということをよく聞かされます。残りたいが残れなくて、やむなく町を離れていく若者が多いんですけれども、このギャップをどう考えられるかお伺いをいたします。
○副議長(福本 修君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 大学等に進学しますと、どうしてもホワイトカラー、サラリーマンの職種につきたいという希望が大体一般的でございます。そういう意味で、工場はありますが、本社機能を持ったようなところは町内には大変少のうございます。金融機関も若干はございますが、いわゆる高学歴の皆さんが就職できるような場は主に大都会が主体になっておると認識しております。
ただしかし、昨今の就職状況を見ますと、単に大学を卒業したからといってそういうふうなところに就職できるわけでもなくて、大変就職状況も厳しくなっております。そういうわけで、大学を卒業して郷里に帰ってきたいと希望される方も相当数いらっしゃると思っておりまして、学歴は学歴としてどういうところに住んで、どういう働きをして、どう家庭をつくっていくかということについては奥出雲町はそんなに条件は悪くはない、田舎ではありますけども。地域に住んでる方々もいい方ばっかりでいらっしゃいますし、自然にも恵まれておる。子育てをする環境としてはむしろ都会以上にいいところもあると思っておりまして、そういうふうな意味でも一遍町外に出られた人に帰ってきてくださいというふうな運動も、住民の皆さんと一緒になって役場としても大きな旗を振っていかなければならないと思っております。
○副議長(福本 修君) 11番、大垣君。
○議員(11番 大垣 照子君) 私も、30年近くこちらを出てから関西の方で働いておりました。こちらへ帰ってきて20年余りになりますけれども、今、私が実際ここに住んでみて、私も百姓をしながらですけれどもやっておりますが、今、町長が言われましたように華やかなというか、きらびやかなようなものはないかもしれませんが、ただ、人が人として生を受けて生きていくためには、こういう環境というのはすごくいい環境だなというふうに私自身も今は思っております。
やはり何といっても収入がないと生活がしていけない。そして、結婚もできないから子供も産めないというふうな悪循環が起こっていると思います。例えば、この町で起業しようとする方がいらっしゃったとして、起業対策に大きな支援をするというようなことは考えられないものかと。さきの議会でもトマトの関係で町の方も補助金を2,800万円でしたか出したりしておりますから、そういうふうな2,800万円というような大きな金額ですけれども、ある自治体では1,000万円程度の起業家支援策を打ち出して獲得しているというようなところも実際にありますので、起業内容の検討は必要だと思いますが、後につなげるためにこのような思い切った予算をつけたらどうかと思いますけれども、ちょうど1,000万円とかいうことじゃないにしても、そういう考えがあればお伺いをしたいと思います。
○副議長(福本 修君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 若い起業家の支援のためのファンドをという御提案でございますが、既にいろいろやっているところも出ております。それは行政のファンド100%でなくて、町民の皆様も1口10万円とかいう金額でまとまったファンドをつくりまして、それに自治体の方からも加えて出す。それでどういう起業家にどれだけの支援をするかは、別途審査会のようなものも設けまして起業家支援をやっているところも現に出ております。そういうことで大事な視点でございますので、そのファンドの原資をどうするかという問題も含めまして、十分に検討させていただきたいと思います。
○副議長(福本 修君) 大垣君。
○議員(11番 大垣 照子君) 質問項目をいろいろ上げておりますけれども、今の起業家支援についても今後検討していきたいということですので、検討だけに終わらないで実現をしていきたいというふうに思います。
4番目に少子高齢化を止めるためにはと書いておりますが、先ほど来から関連した質問をしておりますので、この点については割愛させていただきます。
若い人の意見や声を十分に生かした町づくりということは大事になってくると思います。これからも本町の未来は若い人たちで開いていっていただかなければならないというふうに思っておりますので、そちらの方に歩を向けて進めていただきたいということを申し述べておきます。
次に、さきにも述べましたように高齢者のみの世帯はこのままではもっと増加します。高齢になっても、住みなれた地域で安心して暮らすことができる人に優しい町づくりには行政として何が最も大切と考えられるか、その具体策についてお伺いをいたします。
○副議長(福本 修君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 高齢になっても安心して暮らすことができる町づくりには何が大切か、具体策はどうかということでございますが、私は住民の方々が最も大切と思われることが行政としても当然最も大切ではないかと思っております。だれでも年はとるわけでございますが、体が不自由になっても人間として尊厳を持って、生きがいを持って、できるだけ不自由なく日常生活を送るということは極めて大事だと思っております。人それぞれ価値観は違うかもわかりませんが、私も横浜市と人事交流しておりまして、横浜の旭区というところでいろんな施設を見て回る機会を持ったことがございますが、都市の高齢者の方々は本当に大変だなと思いました。図書館と福祉センターが超満員です。幸い、我が奥出雲の高齢者の方は元気であれば畑仕事ができます。これも定年がない仕事でございます。そういうことができること自体、全国レベルで考えますと町内のお年寄りは恵まれているとも思っておりますが、やはり生活の基盤的な部分は行政が担うというふうなところもございます。道路でございますとか上下水道、いろんな施設等についてもバリアフリー化や高齢の方々にも使いやすいような改修等もしていく必要もあろうと思っております。高齢になっても暮らしやすい環境整備には、皆様の意見もいろいろ拝聴しながら積極的に取り組んで参りたいと考えております。
○副議長(福本 修君) 11番。
○議員(11番 大垣 照子君) 町長も私も同年齢でございまして、あと1年2年を待たずして高齢者の仲間入りをさせていただきます。そういう中から、今提案されています奥出雲町の老人福祉計画素案というものが出されておりますけれども、この中を拝見してみますと、70歳以上の高齢者世帯の困り事の第1位は除雪でございます。そして、次に古紙回収、草取りや草刈りと続いて、支援の内容の1位がテレビ電話の修理、次いで粗大ごみの持ち出し、掃除、家具の組み立てや移動の順になっています。また、交通手段がなく、自家用車のない世帯の70歳以上の高齢者は約641人となっています。
そこで、困り事の第1位、除雪について、本町では平成22年度試行的に行った家のかど道の除雪について、499人が利用されているというふうになっておりますが、問題は大雪が降って屋根の雪おろしが必要になったとき、これは放置しておけば家がつぶれるわけでございますし、中に住んでいる人も危険ということになります。こういうところを冬場だけでもということで、高齢者の生活センターというものを横田で1カ所今建設中でございますけれども、至って入居できる人、入所できる人の人数が少ないということなので、要は自宅でやっぱり生活できるという部分について、屋根も雪おろしもできない世帯については幾らか何とかしなければならないんじゃないかというふうに思います。
実際、私自身も平成18年でしたか、大雪が降ったときにもう家の障子がみしみしと音を立てて壊れそうになったことがありまして、急遽業者の方にお願いをして雪おろしをしてもらった経験がありますけれども、飯南町では町の雪害対策本部が設置された場合に、高齢者住宅緊急除雪補助金制度を創設されました。期間は11月1日から翌年の3月31日までで、費用の半額を、上限1万5,000円ですけれども、これを2回を限度に助成をするということにされております。対象は65歳以上の高齢者のみの家庭や、それから障害者のみの世帯など6項目に限定をされていますけれども、家がつぶれると人命が失われる危険性があります。
そこで、本町でもこのような制度を設ける必要に迫られていると思いますけれども、町長の考えについてお伺いをいたします。
○副議長(福本 修君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 老人世帯等の雪おろしに対する助成ということでございますが、実は平成18年の大雪では私も母が一人で住んでおりまして、業者の方に頼んだら随分お金がかかったと何か文句言っておりましたが、かど道の助け合い除雪は制度化をしておりますが、雪おろしについては危険が伴う作業でありまして、除雪隊の確保もなかなか難しいところもありますが、先ほど御提案のありました飯南町の制度については早速資料を取り寄せまして、次の冬以降、本町における導入についても検討させたいと思います。
○副議長(福本 修君) 11番。
○議員(11番 大垣 照子君) この制度は、今回は今年はそういう町の方で雪害対策本部が設置されるほど積もらなかったということで、今年は利用がなかったということですけれども、本当に町長は検討したいということですので、これからに希望をつなげていきたいというふうに思っておりますので、前向きに進めていただきたいと思います。
それから、先ほど来同僚議員も何人か質問をされましたけれども、高齢化すればするほど行政のサービス提供ということはもちろんありがたいんですけれども、地域の中でのやっぱり支え合いと助け合いということが一番近道で、一番大事じゃないかなというふうに思います。そのためには、地域の中でお互いにやっぱりプライバシーを尊重する。そういうことをしながら、助け合いと支え合いの社会をつくっていくための施策や啓発活動がやっぱり必要だと思いますけれども、どのようにお考えされるかお伺いをいたします。
○副議長(福本 修君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 地域における助け合い活動について、もっと啓発活動等もすべきではないかという御提案でございますが、各自治会の中でいろんなことを話し合っておられると思いますが、防災計画のときにも申し上げたかもわかりませんが、事前にどういうふうな対応の準備をするかと。特に独居老人の方あるいは後期高齢者同士の御夫婦の方等への支援、それぞれ自治会も連担地もあれば一軒一軒離れたところもあるわけでございまして、それぞれ状況が違うだろうと思っておりますが、災害弱者といいますか、そういうふうな方に対する地域での支え合いの仕掛けづくりにつきましては、福祉部門あるいは防災担当部門一緒になりまして、取り組みを促していきたいと思います。
○副議長(福本 修君) 11番。
○議員(11番 大垣 照子君) ⑥の住民が求めている安心して暮らせる町というところですけれども、住民の皆さんは本当に生活に密着したことや困ったこと、どうしても自分たちの力でできないことについての行政サービスは求められています。
24年度の当初予算に、足の確保のためのディマンド型タクシーの導入と公共交通実行計画に500万円、コミュニティーバスの導入に400万円、それぞれ計上されていますけれども、これらは町内の限られた地域のみの利用との説明を受けております。足の確保については、バスが運行されていない他の地域にも不便なところがまだまだ多くあります。導入するのであれば、町全体でこういうふうな行き届いてないところ、そういうところを公平に利用できるようにすべきではないかと思いますが、考えをお伺いいたします。
○副議長(福本 修君) 町長。
○町長(井上 勝博君) ディマンドタクシーといいますかバスといいますか、今年度は横田の稲原で試行をやってみようということでございまして、その状況を見た上で町内全域にやっていこうということで、決して不公平に取り扱ってるんでなくて、とりあえず今年1年試行させていただきまして、結果を検証した上で次年度以降、全町的な取り組みに向かって検討してまいりたいと思います。
○副議長(福本 修君) 11番、大垣君。
○議員(11番 大垣 照子君) 試行で走らされる地域の皆さんは、恐らく喜ばれると思います。いろいろ検討課題もあろうかと思いますのでいい検討をしていただいて、前へ進めていただきたいというふうに申し述べておきます。
それから、もう1点は、安全性の確保や地元住民が暮らしやすい環境を整えることが必要だと思います。そのためには、安全確保、防災対策、景観保全の面からも、狭隘な道路の整備や町道沿いの天を仰いで道路へ覆いかぶさるように大きくなった雑木や繁茂する竹の伐採等が必要です。町有地はもちろん、地権者の方の協力も必要ですが、先ほど来の木質バイオマス、チップの関係の話もございますけれども、ぜひともこういうことを進めていただきたい。住民の皆さんが本当に困っておられることですので、町長の考えをお伺いをいたします。
○副議長(福本 修君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 町道の管理については、町が責任を持ってやらなきゃいけないことでございますが、住民の皆さんの自主的な取り組みについても自分たちの住む地域をきれいにしていこうと。交通等の支障が出ないようにということは、なかなか行政だけで100%手が行き届かないところもありますので、町民だれもが共に助け合うというふうな精神で取り組んでいただけたらということも思っております。
また、竹の始末については、提案をいたしましたように竹の粉末とかチップをつくる機械も導入して、地域の皆さんに自由に使ってもらおうというふうな準備も今しておるところでございますので、町としてもどういう取り組みがいいのか、いろいろあるわけでございますが、自治会長さん方あるいは地域の皆さんとの話し合いをする中で、小さいところまで手が届くような支援を進めて参りたいと思います。
○副議長(福本 修君) 11番、大垣君。
○議員(11番 大垣 照子君) もちろん町道沿いは町がある程度責任を持っていただかないといけないと思いますが、民有地の場合は地権者の皆さんの協力は絶対的に必要になります。
ただ、住民だけでやるということにも限界がございまして、地権者の皆さんの協力が得られれば、例えば木を1本伐採するにしても、下が道路になっていますと通行にも妨げがあったり危険が伴ったりしますので、素人で地域の助け合いでやろうということになかなかならない部分もありますので、そういう部分については、やはり町の方で住民サービスとして力を出していただきたいというふうに申し添えておきます。町長は前向きに検討するということですので、その言葉に期待を込めてこの件については終わります。
次、困り事相談についての件なんですけれども、困り事相談は別途行われておりますけれども、役場の中に常時受け付けられる部署の設置をしていただきたいなというふうに思います。それはなぜかといいますと、住民の皆さんの相談内容というのは本当に多種多様であると思われますが、速やかに解決に向けた対応をしていくことが必要です。
かつて他の自治体ではすぐやる課が設置され、住民に喜ばれていました。住民の皆さんの中には、役場へ行ってもどこへ行けばいいかわからなかったり、相談しても各課をたらい回しされて困ったとの苦情も受けております。そういうことがないように、役場行政はやっぱり住民の皆さんのよりよいサービスの提供が仕事です。そのためには、すぐやる課のような対応ができる部署の設置が必要だと考えております。これは例えば相談に来られた場合に、その内容はいろいろありますから、受けた人がこのことについては何の課が担当ですからそこへ行ってくださいとか、そういうふうにして受けた課はもし自分とこでなかった場合には、きちんとここへ行ってこういうふうにということまでやっぱりしてあげないと、なかなか住民の皆さん、役場へ行くというのはかなり気を使っておられる方もありますので、そういうことについて考え方をお伺いをいたします。
○副議長(福本 修君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 困り事相談についての専門窓口をということでございますが、それぞれ担当課が常時いろんな相談を受けております。それから、私のところにも直接いらっしゃる方もあれば、電話で相談なさる方もおられます。専門窓口を設けるというよりも、役場全体がその専門窓口だという意識を持って、職員には対応するようにさらに指導もしていきたいと思っております。
また、私の方にも気軽に部屋におれば入っていただければ結構ですし、また役場まで出にくいということがあれば、町長を呼び出して電話をいただくことも結構でございますので、ぜひ活用をお願いいたします。
○副議長(福本 修君) 11番、大垣君。
○議員(11番 大垣 照子君) 今、町長が答弁されたように、本来はそうだと思います。改めてそういう課をつくらなくても、本来はそういうふうにして行って聞けば、この課へ行ってくださいと言われればそこへ行けば大体解決するとは思っておりますが、たまたまそういうことがあるようでございますので、今、町長、専門課の設置はちょっと考えておられないようですので、ならば親切に、役場の職員さんも仕事は大変忙しいとは思いますけれども、住民の皆さんが来られたときにはやっぱり親切な対応をしていただきたいということを申し添えておきます。
それから、3・11以降、各自治体での災害対策や危機管理が自治体の重要な職務となっております。本町における消防、防災や災害対策は総務課が担当しておりますが、今後それらに対応するための職務が多くなってくると思います。東日本大震災と福島第一原発事故の災害発生時の経験と教訓を生かし、他の自治体では専門課の設置を行っていますが、住民の命と財産を守るため職務の重大さにかんがみ、本町においても専門担当課の設置が求められますが、その考えについてお伺いいたします。
○副議長(福本 修君) 町長。
○町長(井上 勝博君) まず私自身が危機管理監というつもりで日々いろんな業務をやっていきたいとは思っておりますが、議員御指摘のとおり、災害発生時の対応は、やはり過去の経験とか教訓が生きてくる大事なことだと思っております。そういう点から、経験の豊富な方を危機管理担当の専門官として招聘することも検討をしたいと思います。
○副議長(福本 修君) 11番、大垣君。
○議員(11番 大垣 照子君) 本当に住民の命と財産がかかっておりますので、しっかりと対応していただきたいというふうに思います。まだこれから防災計画の見直し、国、県、引き続いて行われるわけですけれども、そういうこととも連動してやらないといけないことがたくさんございますので、ぜひともしっかりやっていただきたい、そのように思っています。行政防災計画というのは、つくったから、それで100点満点だよということではなくて、やはり災害発生時の、いわゆる発生したときの初動、動作、救助活動などのマニュアルにすぎないと思っています。ですので、訓練をすることによって行き届かない部分も出てくると思いますので、9月議会、12月議会に続いてそのことを、防災訓練についてはできるだけ早くやっていただくように申し述べておきます。
次に、奥出雲町消防団の再編についてお伺いをいたします。
まず、消防団の部数と消防車両の保有台数と耐用年数についてお伺いをいたします。
○副議長(福本 修君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 部数と消防自動車のことでございますが、奥出雲町消防団の部の数につきましては、現在9分団、48部でございます。
消防車両についてでございますが、ポンプ車が12台、普通積載車が19台、軽積載車17台の計48台でございます。
耐用年数につきましては、消防ポンプ車が5年、可搬式動力ポンプが15年となっていますが、本町では、ポンプ車、積載車はおおむね20年、軽積載車はおおむね15年で更新を行っております。
○副議長(福本 修君) 11番。
○議員(11番 大垣 照子君) 続いて、今お伺いしましたことは後にまた関連いたしますが、次に、消防団員の確保の現状についてお伺いいたします。
○副議長(福本 修君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 消防団員の確保のことでございますが、団員の定数は現在615人でございます。平成24年3月現在の実団員数は594名と、定数に達していない現状でございます。消防団、自治会等と協力して、団員確保に努めているところでございます。
○副議長(福本 修君) 大垣君。
○議員(11番 大垣 照子君) それから、火災発生時の初動体制は十分かどうかお伺いいたします。
○副議長(福本 修君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 火災発生時の連絡体制につきましては、雲南消防本部による一次放送により消防団員への予備周知をまず図り、続いて消防担当課からの出動命令の放送を行って、初動体制に混乱等が生じないよう対策を講じております。
○副議長(福本 修君) 11番、大垣君。
○議員(11番 大垣 照子君) 火災発生時の消防車両の発動には2人そろわないといけないというふうになっているようですけれども、いっときも早く消火するには間に合わないこともあります。そこで、地域内に団員の経験者であれば同乗できるようにする。災害を最小限に食いとめられるのではないかというふうに考えます。実際にそのような声もあっております。そういうことが実現できないものかどうかお伺いをいたします。
○副議長(福本 修君) 町長。
○町長(井上 勝博君) まず、常備消防の方がすぐ対応するということでございますが、地域によりましては、女性だけで地域を火事から守ろうというふうな組織化をしているようなところも県内にもあるようでございます。どういうふうな消防団のありようがいいのか、これにつきましても消防団の方とも相談しながら、対応が可能かどうかも含めまして検討して参りたいと思います。
○副議長(福本 修君) 11番、大垣君。
○議員(11番 大垣 照子君) 先ほど来、消防団の部数、それから車の所有台数、それから団員の確保の問題、初動体制ということについて伺いました。やっぱり現状に合った消防団の再編ということが必要になってくると考えます。もちろん奥出雲町消防団との相談、検討、いろいろあると思いますので、それはもちろんそれをやった上でのことですけれども、団員確保についても本当に皆さん苦労なさっているようでございます。さっき申し上げましたように、一応消防団員になってください、入ってくださいと言って、もちろん入っていただけるんですけれども、結局は何かが起こったときに勤務地が遠くてすぐに帰れない。それで非常事態発生時の出動に間に合わないということがあるようです。やっぱりよりよい、機能的に活動できる体制に再編していくことも必要だと考えますけれども、これは町長の独断ではできないでしょうから、消防団の方ともよくよく御相談なさってのことだと思いますが、今の状態でどのように考えられるかをお伺いします。
○副議長(福本 修君) 町長。
○町長(井上 勝博君) まさに議員御指摘のように、ウイークデーは団員の方が地域を離れて仕事に出ていらっしゃるというふうな実態があるわけでございまして、常備消防の守備範囲のこともございますが、現在、消防団やら自治会の皆さん等と連携を図りながら、地域内の自主防災組織といいますか、これの組織化を何としても進めていきたいと思っておりまして、地域ごとにいろいろ状況は違うと思いますが、地域にふさわしい自主防災組織の推進をぜひ図っていきたいとただいま現在は考えております。
○副議長(福本 修君) 11番。
○議員(11番 大垣 照子君) やっぱり自主防災組織も私は必要だと思います。ただ、団員確保がなかなか困難だという現実、そして部の再編、それもやっぱり考えていただきたいという声もあります。なかなかこの問題についてはだれもがちょっと言いにくいというのがあると思いましたので、私の方から質問させていただきました。奥出雲町消防団の皆さん方とも検討していただいて、どういうやり方がベストなのか、車の問題もあると思います。更新にやはりかなりお金もかかるし。一番いいのは、たくさんあって、たくさん人がおって、さっと体制が整えるというのが一番いいんですけど、そういう状況にないということがありますので、その点、相談をしていただきたいというふうに思います。
あともう一つお伺いしたいのは、現在、本町の消防団にかかわる問題点と課題があるのかどうか、あるとすればその解決に向けた対策についてお伺いをいたします。
○副議長(福本 修君) 町長。
○町長(井上 勝博君) まさに先ほど大垣議員がおっしゃってくださったようなことが課題だろうと私も認識しております。分団はともかく分団内部の部については、人員構成の問題やらいろいろあろうと思いますので、弾力的な再編ができるよう検討をするとしたら、どうかということを団の本部の方にも私の方からも提案をしてみたいと思います。
○副議長(福本 修君) 11番、大垣君。
○議員(11番 大垣 照子君) 最後の質問をさせていただきます。
消防操法大会、今年は県大会が本町であることになっておりますが、このような今まで述べましたような状況の中で、団員の皆さんにとっては大会に向けての半年間、本当に半年にわたる訓練をされるわけですけれども、家族の方も含めて大変だという声が実際にあります。実際、私たちも見ていてそのように実感をしております。消防や消防活動、災害救助や、そういうものへの訓練というのは十分にやっぱりやっていく必要があるというふうに思いますけれども、さきに述べたことから、消防操法大会出場について再検討が必要ではないかと思いますが、どのようにお考えでしょうか。
○副議長(福本 修君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 消防操法大会は、単なる競技会への参加ということでなくて、やはり日ごろの訓練のレベルを上げていただくためにも大切なことだと思っております。確かに議員おっしゃいますように、団員を支える家族の方の御苦労は大変だろうと思いますし、また、勤め先の方の御協力、理解も十分にいただかなければいけません。しかしながら、やっぱり団の士気に係ることもございますので、大変さのことはよくわかりますし、負担をできるだけ軽くするような取り組みも必要だろうと思いますが、操法大会への参加については、これまでどおり参加を続けていきたい、そういうふうに願っておるところでございます。
○副議長(福本 修君) 11番、大垣君。
○議員(11番 大垣 照子君) 操法大会は続けていきたいというふうに御答弁いただきましたが、私はやっぱり実際災害救助とか、火災の消火活動というようなことについての訓練というのは本当にちゃんとしないといけないというふうに思っております。そういう意味からも、こういう声があるということも頭のどこかに置いて考えていただきたいと思います。
以上をもちまして私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○副議長(福本 修君) 11番、大垣議員の一般質問が終わりました。
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○副議長(福本 修君) 続いて、6番、村尾明利議員。
○議員(6番 村尾 明利君) 私は、続きまして、一般質問、一問一答式によりまして、5項目にわたってお伺いをいたしたいと思います。質問も6番目ともなりますと、重複する内容もあろうかと思いますけれども、ひとつお許しをいただきたいと思います。できるだけその場面ははしょっていきたいというふうに思います。
まず初めに、東日本大震災から1年が経過しましたが、これについて伺いたいと思います。
昨年3月に発生した未曾有の東日本大震災は、日本の経済社会に大きな打撃をもたらし、また、戦後の敗戦ショックに例えられるほど、日本人の精神構造にも多大な変化をもたらしたとされます。中でもこの大震災を天罰と、こう発言した東京都の石原知事の発言は撤回と謝罪で終わりましたけれども、知事発言の真意を手繰ると、一部共感をせしめ、うなずく人々も少なくないと言われております。つまり自然、人などに対して謙虚さを失い、傲慢になっている日本人、これは被災地の人たちのことじゃありません。日本人全体ということでございますが、これらに何かを気づかせたい。自然界が我々に警告、警鐘を鳴らしたのではないか。過度の経済合理主義、あるいは市場経済至上主義、行き過ぎた個人主義、環境や他人への配慮の喪失など、それらを気づかせ、考えさせるきっかけを与えられたのではないかと、こう言ってる人々もあるわけであります。中でも福島原発事故は、現代社会の危うさを見せつけられる結果ともなりました。これまで科学の進歩が人間に幸せをもたらしてくれると信じ続けていた我々に、技術の粋を集めた原子力発電所が廃炉に至るほどの大事故発生は、原発の安全神話とともにもろくも崩れ去ったというふうに思います。
そこで、町長にこの所信をお伺いいたします。町長として、この震災から1年を振り返って、どのような所感を持たれましたでしょうか。心境の変化等もあればお伺いをいたしたいと思います。
○副議長(福本 修君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 所感ということでございますが、皆さんも御承知のように、寺田寅彦さんが、災害は忘れたころにやってくるという有名な言葉を残しておられますが、実は私も、「天災と国防」といういい本がありまして、昭和4年に室戸台風の後で書かれた有名な文章がありますので、せっかくの機会ですので御紹介しておきたいと思いますし、私もこのくだりを忘れないように、日々取り組んでいかなければと思っております。
若干長くなって申しわけございませんが、「日本は、その地理的の位置が極めて特殊であるために、国際的にも特殊の関係が生じ、いろいろな仮想敵国に対する特殊な防衛の必要を生じると同様に、気象学的、地球物理学的にもまた極めて特殊な環境の支配を受けているために、その結果として、特殊な天変地異に絶えず脅かされなければならない運命のもとに置かれていることを一日も忘れてはならないはずであった。我が国のように、こういう災禍の頻繁であるということは、一面から見れば、我が国の国民性の上によい影響を及ぼしていることも否定しがたいことであって、数千年来の災禍の試練によって日本国民特有のいろいろな国民性のすぐれた諸相がつくり上げられたことも事実であった。
しかし、ここで一つ考えなければならないことで、しかもいつも忘れられがちな重大なことがある。それは、文明が進めば進むほど、天然の暴威による災害がその撃鉄の度を増すという事実である。」
まさに原発事故等はこれに当てはまるのではないかなと、そう思っております。町政を預かる者として、絶えず意識を持って災害等の対応に備えていきたいと思っております。
○副議長(福本 修君) 村尾君。
○議員(6番 村尾 明利君) ありがとうございました。
それでは次に、24年度予算計画についてお伺いをいたします。これについては予算特別委員会においてまた詳細いろいろ御審議があるところでございますけれども、何点かお伺いをしておきたいというふうに思います。
まず1つ目は、先ほど大震災の所感を伺いましたが、この24年度予算において、東日本大震災の教訓を生かしたとされるものがあるのでしょうか。あるとすればどのような予算編成がこれに当たるのか、お伺いをいたしたいと思います。
○副議長(福本 修君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 防災対策予算につきましては、三成公園の防災公園整備費と防災倉庫建設を平成24年度予算から国の補正予算により23年度3億円を前倒しし、実施することとしております。また、これも国の補正予算により、屋外拡声型の防災行政無線を町内の学校や主要施設15カ所に第1次整備として設置をする予定でございます。防災無線の全町を対象とする整備は、平成25年度以降、年次的に整備してまいりたいと考えております。また、各集落における自主防災組織の推進のための助成制度や防災備品や倉庫整備のための助成制度を新設いたしております。
○副議長(福本 修君) 6番、村尾君。
○議員(6番 村尾 明利君) 重点予算として、防災関係予算、ここに充てたということでございます。ぜひこれからしっかりまた取り組んでいただきたいと思いますが、さらに、町長、24年度の重点予算の中にもバイオマスという、いわゆる自然のエネルギー活用というふうなこともいろいろ入れていただいてますが、このことについてちょっとお尋ねしたいと思います。
バイオマス利活用等の研究開発、これは過疎債ソフト事業で予算が300万円ついておりますけれども、このことにつきましては、23年度にも事業費600万円で、2分の1補助事業として予算措置がなされたところでございます。この成果がどのようになったのかお伺いをいたしたいと思います。
○副議長(福本 修君) 町長。
○町長(井上 勝博君) バイオマス利活用等の研究開発事業の成果についてのお尋ねでございますが、23年度には1法人からの申請がございまして、竹を炭素繊維化をいたしまして、コンデンサーとか蓄電池の電極材として使用することや、建設材の補強材として活用することを目標に研究開発がされております。研究開発ということでございますので、余り詳しいことまでは我々も聞かせていただいておりませんが、現在のところ、良質な炭素繊維化というところまではどうも成功しておるようでございます。今後、さらに実証試験をして、実用化に向けた研究を行う予定であると聞いております。
○副議長(福本 修君) 6番、村尾君。
○議員(6番 村尾 明利君) といいますと、今年度の事業予算300万円につきましても、これはその継続ということでとらえてよろしいでしょうか。新たなものではないということでございますね。
研究開発ということですので、中身についてすべて明らかにするというふうな内容でもございませんが、こうした新しい取り組みについての期待目標といったようなものを、町長のお考えをいただきたいと思います。
○副議長(福本 修君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 先ほどは1法人が取り組んでいるということでございますが、そのほかにも町内の豊富な木質資源を活用したいろんな取り組みを検討したいというふうな話も何点か来ておりまして、新年度以降になると思いますが、研究協議会のようなものも幾つか設立をしながら、木質バイオマスの利活用に向けて、取り組みを強化をしてまいりたいと考えております。
○副議長(福本 修君) 6番、村尾君。
○議員(6番 村尾 明利君) まだこれ以外にもいろいろそうした要望もあるのではないかというお話もいただいたところでございます。こうした小さな町ですので、そういった新しいまた起爆剤として、産業振興が一層高まればいいなというふうに思うところでございます。こうしたものについては大いに予算措置も取り組んでいただけたらなというふうに思うところでございます。
次に、森林資源の総合活用事業、これ、過疎債ソフト事業で予算400万円ということでございます。木質資源の多用途供給方法等の検討ということで示されておりますけれども、これはどのような内容で、どのようなことを目標としているのかお伺いをいたしたいと思います。
○副議長(福本 修君) 井上町長。
○町長(井上 勝博君) 来年度から森林組合とか森林の所有者、あるいは建設業者、住民代表、さらにはNPOなどの皆さんからなります森林資源総合活用事業の協議会、仮称でございますが、これを立ち上げまして、森林を総合的に活用することによって、地域振興にそれが結びついていくと、できれば新たな雇用の場につながるというふうな取り組みを強化してまいりたいと思っております。
活用の中身については、いろんなことが提案されるだろうと思っておりまして、チップの製造ラインのことも若月康男議員さんからも質問がありましたが、それだけでなくて、先ほどの炭の炭素化の話じゃありませんが、木材を、あるいは竹粉末等の炭素化によって、いろんなところに用途が広がると、そういうふうな話も出ているようでございますが、いずれにしてもこの協議会の中で皆さんが十分に議論をされながら、いろんな活用方法を探っていただけるものと考えております。
○副議長(福本 修君) 6番、村尾君。
○議員(6番 村尾 明利君) お話を伺いますと、協議会の中でこれから取り組んで、さまざまな森林資源の有効な活用方法等を検討されるというふうなことでございます。こうした新しい取り組みについてはぜひ大いに振興いただいて、特に山林資源の豊かな本町におきましては非常に大事なことではないかなというふうに思います。ぜひこの予算がむだにならない、有効な取り組みをなされますようお願いしたいと思います。
それでは、4つ目でございますけども、仁多庁舎の整備事業予算2億8,000万円について伺いたいと思います。
仁多庁舎建設計画は、今期定例会の施政方針あるいは提案理由で述べておられます。お話を伺いますと、まだまだ計画段階というふうなことだと思いますけれども、現在の進捗状況についてお伺いをいたしたいと思います。
○副議長(福本 修君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 仁多庁舎の建設計画の進捗状況でございますが、施政方針でも述べましたように、平成24年度は基本計画の策定に向けての具体的な業務スケジュールをまず固めていかなければならないと思っております。また、議会の方でも庁舎の特別委員会もやっていただいておりまして、いろいろ研究等も重ねていただいております。議会の皆さんとのすり合わせも行いながら、当面は基本計画の発注ができるよう、業務スケジュールを詰めてまいりたいと思っております。
○副議長(福本 修君) 6番、村尾君。
○議員(6番 村尾 明利君) まだ仁多庁舎整備につきましては、今まさに緒についたばかりというふうなことでございますが、そこで町長にお伺いしたいと思いますけれども、この建設計画に当たってのキーポイントといいますか、キーワードと申しますか、これはどういったものをお考えでしょうか、伺いたいと思います。
○副議長(福本 修君) 井上町長。
○町長(井上 勝博君) ポイントは、これまでも何点か答えてきておるつもりでございますが、一つは、防災機能をどう持たせるかということでございます。それから、三成の連担地のまちづくり計画とどう整合性を持たせていくかということも大きなポイントだろうと思っておりますし、さらには議員の皆さんの活動のための控室をどうするかと、議会をここを継続して活用するかどうかというふうなこと等も整理をする必要があろうと思っております。そのほか、省エネ化、あるいは維持管理費用の低減化のためのいろんな工夫等も考えていく必要があろうと思っております。ほかにもまだいろいろありますが、今、この場ではこのぐらいをお答えさせていただきます。
○副議長(福本 修君) 6番、村尾君。
○議員(6番 村尾 明利君) 建設に当たっては、計画に当たっては、大いに町民の皆さんの御意見、いろいろな中で、その工程等を順次またいろいろお示しいただきながら、我々町民にも具体的に建設がどうなるかというようなことについての広報等もぜひいただきたいなというふうに思うところでございます。
それでは次に、自然再生エネルギーの取り組みについてお伺いをいたします。
この3月の11日の大震災で、地震や津波による原発事故、またこれに伴う放射能汚染というようなことで、にわかに自然再生可能エネルギー、これの期待と注目が集まっているところでございます。太陽光発電とか、あるいは風力発電、水力発電、あるいは地熱発電、あるいはバイオマスのエネルギー、こういったものもあるわけでございますが、新年度予算にいろいろこうしたバイオマス等も含めて多様な取り組みが計画されておるところでございますけれども、ああして本町の急峻な地形と積雪を含む多雨な気候風土、これは水力発電が極めて有効ではないかなというふうに思っております。町にも幾つかの水力発電所がありますけれども、中でもああして三沢の小水力発電所は、現在、地元住民で管理運営をされて、50年以上も既に経過はしておりますけれども、しっかり発電も行っていると、大体出力90キロワットというようなことで、年間では80万キロワット、売電量も650万円ぐらいあるというふうなお話も伺っておるところでございます。
本町でさらに水力発電を、さまざま場所も考えられますけれども、私は一つ提案をしてみたいなと思いますのは、坂根ダムの水利の利用、これが考えられるのではないかなと。ああしてダムでございますので、安定的な流量が確保できるのではないかと。加えて、現実的には11月から3月、この5カ月間におきましては、ほとんど水利を利用することもないというようなことでございます。開発農地の水もその間はまず活用することがございません。また、一部、稲原地区では水田にも利用されておりますけれども、これも同様な期間ということでございます。全国のこうした小水力発電を見ますと、土地改良区等がかなり運営して、その運営によってさまざまな収益を得て活動をされているというようなところも見受けられるところでございます。本町においてもこうした試行する考えはないのかお伺いをしたいと思います。
○副議長(福本 修君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 小水力のことで、特に坂根ダムについての具体的な御提案がございました。実はこの坂根ダムの見積もりを一昨年度、平成22年度でございますが、県の土地改良事業団体の連合会、水土里ネット島根ですか、そこが農水省のお金だったと思いますが引っ張ってきまして、坂根ダムの放流水を利用した発電計画の概略設計までやってもらっております。発電量が最大で18.6キロワットということで、利用可能とされておりますが、事業費が高額となっておりまして、今後、事業費の試算内容の精査を行うとともに、有利な補助事業について関係機関と調整をしてまいりたいと、それからまた、農政局等との水利権の調整の問題もありますので、すぐ来年度事業化ができるかどうかというふうな、25年度ですね、そういうふうなことはなかなかはっきりと言えませんが、この坂根ダム活用はぜひとも具体化を進めてまいりたいと思っております。
それから、議員御提案のように、土地改良区等で小水力発電を熱心にやっているところが全国的には結構ございます。特に有名なのが栃木県の那須野が原の土地改良区でございますが、そこも私も視察に行きましたし、向こうからも奥出雲町を視察に来てくださいましたが、年間6,000万円ぐらい小水力で稼いでおるところもあります。やはり安定的なものとしては小水力が一番可能性が高いと思っておりますので、坂根ダムに限らず、可能性調査、町内全域で図っていきたいと思っております。
○副議長(福本 修君) 6番、村尾君。
○議員(6番 村尾 明利君) ただいま前向きなお話があったところでございます。ただ、なかなか大きな事業にもなるわけでございますので、小さいとこからでもぜひ始めていただきたいなというふうに思うところでございます。
次に、地域内資源循環型経済システムとしての地域通貨の取り組みについてお伺いをいたしたいと思います。
ああして地産地消に代表されますように、地域内での循環型経済システム、これが注目されております。中でも持続可能な地域社会の構築には、食糧と、それからエネルギー、つまり発電燃料と、この自給システムの構築がかなめと言われておるところでございます。これを地域内で有機的に循環するのに地域通貨の活用が上げられると思います。
一昨年ですか、私の委員会の方で鳥取県の智頭町へ視察に参りましたときに、間伐材の回収と、それからチップ業者への販売及び地域通貨ということで、杉小判というふうな地域通貨をつくりまして、試行をするところだというふうに伺ったところでございます。この地域通貨の利用促進で、地域の活性化、具体的には間伐材の集荷と地域通貨で町内のさまざまな消費、経済循環システムというようなものを試行されておったところでございます。
本町におきましても、先ほど前の方の質問にもございましたように、木質チップの取り組みもあるわけでございます。まさにこのようなものを本町においても一つの試行として取り組んでいただければなというふうに思うところでございますが、町長のお考えをいただきたいと思います。
○副議長(福本 修君) 井上町長。
○町長(井上 勝博君) 地域通貨についてのお尋ねですが、確かに鳥取の智頭町は杉小判といっておりますし、四国の方ではモリ券といったり、いろんな呼び方があるようでございますが、若月議員の質問に若干答えた中にも入っていたと思いますが、奥出雲町版のモリ券のようなことをぜひ取り組みたいとは思っておりますが、地域通貨、どういうふうな形がいいのか、お金に換金できるというふうな形態のものもございますが、奥出雲町では商工会とも長らく商工会の商品券、飲食店でも使えるようなものをずっとやってきておりますので、そういうふうなものを拡充するというふうな格好でやった方がよりいいのではないかなとは思っておりますが、いずれにしても地域循環型の経済システムの構築は、いろんな方法があろうと思いますが、森林環境の保全との関係で、24年度、新年度は新たにぜひ実現をしたいと思っております。検討の結果、どういうふうなことになるかはまだ具体的に決めたわけではございませんが、先ほど言いましたような商工会の商品券が一番適当ではなかろうかなと私自身は思っております。
○副議長(福本 修君) 村尾君。
○議員(6番 村尾 明利君) 地域通貨よりもむしろ、今現在やっている町内の商工会発行の商品券というような話がございました。私も確かに町内においてのお買い物その他、いろんな面でこの商品券の活用というのは非常にいいことだなというふうに思ってもおります。それにかかわらず、こうした地域通貨というようなものをまた検討をしてみていただいたらなというふうに思うところでございます。
それでは、最後に、牛ふんの汚染堆肥のてんまつと供給再開のめどについてお伺いをいたしたいと思います。
ああして福島原発事故を発端といたしまして、JAの雲南の和牛肥育センターの堆肥汚染、これはもう既に1年を迎えようとしておるところでございます。その後どういった進展状況なのか、また、1年もたちますと、堆肥の供給の再開、こういったことがどうなのか、お伺いをしたいと思います。たまたまけさちょっと農業公社のお知らせも聞いたところでございますけれど、本年も10アール当たり650キログラム散布ということで取りまとめをしたいというふうなこともお知らせがございました。ということは余りその後、進展、解決がないのかなというふうにも思うところでございますけれども、お伺いをしたいと思います。
加えて、そうした問題について、国等の補償の問題、あるいは電力会社の問題、こういったこともどのようになされているのかお伺いをしたいと思います。
○副議長(福本 修君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 放射能汚染による堆肥の問題についてでございますが、昨年、頓原と横田の肥育センターから出たものが国の暫定規制値の400ベクレルを超えるというふうなことで、8月11日には県から堆肥の出荷停止及び自粛の指導がなされております。そこから始まったわけでございますが、町では風評被害を防止するために、昨年ですが、8月17日に仁多米振興協議会を開催をいたしまして、国の基準値以下の堆肥であっても使用しないということを決定をしておりますし、同日、雲南農業振興協議会でも同様の決定をいたしました。
その後、10月の11日になりまして、島根県において再度セシウム濃度の調査が実施されております。この結果、新たに排出されるふん尿からは検出されなくなり、10月の28日、堆肥の移動自粛が解除されましたので、放射能数値の検出されない堆肥については県有施設等で使用していただくとともに、10月29日以降、新たに排せつされるふん尿について、堆肥の製造販売を行うことを雲南農業振興協議会で確認をしております。
その後の町内施設の状況でございますが、横田堆肥センターの400ベクレルを超える堆肥は、大型土嚢454袋へ袋詰めが完了いたしております。また、400ベクレル未満の堆肥約200トンにつきましても袋詰めをいたしまして、堆肥センター内で一時保管をすることとしております。製造再開に向けた準備を急ぎまして、今年の秋には供給を再開したいと考えております。また、400ベクレルを超える堆肥の保管場所の整備も検討しなければなりません。
JAの横田肥育センターにつきましては、放射能不検出のものについては開発農地で利用し、放射能検出堆肥については空き牛舎への搬入やフレコン詰めにより一時保管を進めております。仁多肥育センターでは、500袋余りのフレコン詰めが完了し、あと320袋程度フレコン詰めが必要となっておりますが、堆肥を攪拌する施設からは汚染堆肥が取り除かれましたので、10月29日以降に排出されたふん尿により、堆肥製造が再開されております。
400ベクレル未満の堆肥をどのように処理していくのかが大きな課題となる中で、昨年10月から今年1月にかけて、島根県農業技術センターにおいて200ベクレル弱の堆肥を施用したコマツナの栽培試験が実施されております。汚染堆肥を大量に施用しても土壌のセシウム濃度は極めて低く、コマツナへの移行もほとんどなく、また、浸透水からはセシウムは検出されておりません。平成21年度に島根県保健環境研究所が行った環境調査結果と比較しても同等レベルの結果となっております。
今後、住民の皆さんの理解を得て、利用による処分も検討しなければならない課題だと考えております。
また、400ベクレルを超えるものについての処分あるいは保管経費につきましては、必要経費、そのまま東京電力の方に請求をすると、東京電力の方が経費負担をするということになっております。以上でございます。
○副議長(福本 修君) 村尾君。
○議員(6番 村尾 明利君) 1年を経過いたしまして、何とかめどが立ちそうだというふうなお話もただいま聞いたところでございます。これからまた24年、新しい営農が始まるわけでございます。ぜひ速やかなまた再開、10月29日以降は既に堆肥の製造も始まっているというふうなことも伺ったところでございます。一刻も早い、また順調な稼働ができますようにお願いをしたいと思います。
以上で終わります。ありがとうございました。
○副議長(福本 修君) これで村尾議員の一般質問を終わりました。
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○副議長(福本 修君) 次、3番、内田精彦君。
○議員(3番 内田 精彦君) それでは、一般質問をさせていただきます。
私は、今回は3点についてお伺いしたいと思います。
まず、仁多庁舎改築についてでございます。
最初にお断りしておきますが、私、議会の庁舎建設特別委員会のメンバーではございますが、各町民の皆様からいろんなお問い合わせ、また心配等しておられます。そのことにつきまして今回質問をさせていただきます。
まず、この庁舎改築計画を整理してみたいと思っております。
旧仁多町、旧横田町が平成17年3月31日に合併をいたしました。心豊かで潤いと活力あるまちづくりを目指して新町建設計画が立案され、スタートをしたわけでございます。合併時問題でありました新庁舎建設につきましては、新町の庁舎については、旧町役場を有効に利用し、それぞれ仁多庁舎、横田庁舎とする。事務所の位置は、暫定措置として仁多庁舎、仁多町三成358番地の1とする。住民の利便性に直結する窓口部門と町長室は両庁舎に置き、当面、仁多庁舎に管理部門、横田庁舎に事業部門と議会を配置する。新町建設計画においては、新たな庁舎建設や庁舎の建ち坪を拡充するような造成、あるいはこれらに関連する新たな土地の取得は、厳しい財政状況でその余力が認められないことから行わないという、この形でスタートしたところでございます。そして平成22年3月議会におきまして、町長施政方針並びに提案理由において、合併後5年が経過する中で、来年度は住民参加の専門委員会での話し合いなどを行い、町民協働によるまちづくりを目指すということで、総合計画の策定を行うとされました。これにより、平成22年7月23日に第1回奥出雲町総合計画審議会が開催、そして町長より奥出雲町総合計画審議会会長に諮問されたところであります。審議会委員長には、井上島根大学教授、副会長には岩佐自治会長会連合会会長とし、委員が22名、また専門委員会48名による委員会も設けられました。平成23年2月21日に奥出雲町総合計画審議会会長より奥出雲町総合計画書を町長に答申されました。平成23年3月18日に平成23年第1回奥出雲町議会定例会において議決したところでございます。
この奥出雲町総合計画書の中には、公共施設の耐震化、防災拠点の整備の現状と課題について次のように述べてあります。公共施設の耐震化を進める目的は、災害対策活動の拠点や避難所となる施設、ライフライン関連施設、多数の住民が利用する施設等の耐震化を図ることにより、災害時に人命への重大被害や住民の生活への影響を阻止できることが上げられます。これにより地震における被害を最小限にすることができ、災害対策活動を速やかに行うことが可能となります。このため、公共施設が災害時においてどのような役割を果たすのか検討し、耐震化を行っていく必要があります。役場庁舎については、旧町役場、仁多庁舎、横田庁舎それぞれ庁舎規模では本庁機能の集約は困難なため、本庁舎の整備は新町建設の課題でありましたが、一定の条件のもとで推計された財政計画では、厳しい財政状況でその余力が認められないという予測から、当面、庁舎建設を行わず、旧町役場を有効に利用した分庁方式により行政運営を行うこととしました。
しかし、旧町役場のうち昭和40年建設の仁多庁舎は、耐震化基準の建物、現行の建築基準法に適合しない既存不適格の建造物で、地震の規模によっては住民情報の損壊や行政機構そのものの損壊による災害対策機能の不全も懸念され、早急な耐震補強が必要となっています。
しかし、多額の費用を要する耐震補強工事や老朽化に伴う施設整備の大規模改修工事を行っても、法定耐用年数50年を今後5年で経過していくので、いずれ改築は避けられず、費用対効果に乏しいこと、窓口の散在、待合スペース、駐車場の不足、相談スペースの不足による個人情報やプライバシーの保護の問題など、来庁者に対して狭隘による不便を強いる状況が生じていること、エレベーターや多目的トイレなどが不整備なため、高齢者や体が不自由な人の円滑な利用を妨げていること、来庁者の要件が複数にまたがる場合に庁舎間の移動を伴うことや、内部調整が必要なニーズへの対応に時間を要すること、集中豪雨、豪雪、地震など災害発生時における即応体制を確立するため、被害情報の収集、応急活動や災害復旧活動などの指揮命令機能を集約し、防災拠点を早急に整備する必要があることなど、仁多庁舎の早期整備が課題となっていると、こう述べてございます。
そして基本方針といたしまして、昭和56年の建築基準法改正以前に建設された公共施設について、機能の集約や有効利用の検討などを進めながら、年次的な耐震化に取り組んでいきます。
役場庁舎については、集中改革プランを踏まえた行財政改革に積極的に取り組んだことにより、将来の健全な財政運営に一定の道筋がつきましたので、仁多庁舎を改築整備することとします。両庁舎の機能連携による防災体制充実のため、仁多庁舎の改築整備に当たっては、これまでの分庁舎方式の継続を基本に検討を進め、この結果を踏まえて仁多庁舎を改築しますと、こういうふうに総合計画にのっておるわけでございます。
今回、平成24年度の当初予算に、先ほども同僚議員からの質問がございましたが、仁多庁舎改築整備事業、新規として2億8,000万円が計上されております。そこで、整備計画について伺うわけでございますが、このことにつきましては、昨年の、ちょうど1年前の3月にも同僚議員からの質問があっておるわけでございますが、今年度、24年度にいよいよ2億8,000万円という予算が計上されたことに伴いまして、現時点での庁舎改築の総費用、またスケジュール、それから執行体制について、どのようなものなのか伺いたいと思います。
○副議長(福本 修君) 井上町長。
○町長(井上 勝博君) 庁舎改築についてのお尋ねでございますが、現在のところ、総事業費としては約25億円程度を見込んでおります。これは建物の建築費のほか敷地造成、あるいは駐車場の整備、倉庫などの附帯施設、さらには用地取得費や建物補償費など一切合財含めまして、約25億円程度を見込んでおります。
今後のスケジュールでございますが、24年度に基本計画、実施設計あるいは用地買収及び補償に着手しまして、平成25年度に庁舎建設工事に着手、平成26年度中の完成を予定しております。
財源としましては、合併特例債の利用が26年までということでございますので、合併特例債を主な財源に予定しております。
また、執行体制につきましては、新年度から専任職員を配置した上で、関係する部署がプロジェクトチームを組みまして、連携を図りながら事業を進めていく考えでございます。
○副議長(福本 修君) 3番、内田君。
○議員(3番 内田 精彦君) 町長より答弁いただきましたが、総費用は25億円ということで、これまでの答弁と同じ数字が出てきたというふうに思っております。24年度が基本設計、25年、26年で工事を完了すると、こういうことでございました。
庁舎改築の執行体制について、今、専任チームですか、つくって対応していくというふうに言われましたですが、これはちょっと後のことにも、3番目のとこにもひっかかると思いますけれども、これはちょっと後回しにじゃあさせていただきます。
次に、庁舎改築の内容、どういうような内容でされるのか、わかれば教えていただきたいと思います。
○副議長(福本 修君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 庁舎改築のポイントとなるような概要についてということでございますが、これは先ほども村尾議員の質問にもお答えいたしましたが、町民のだれもが利用しやすいことでございますとか、防災拠点としての機能がしっかりと果たせること、それから循環型社会につながるような自然エネルギー等の積極的な活用を図ることとか、さらに外観でありますとか庁舎周辺の環境等、三成のまちづくりの中で、最適な計画ができればと思っておりますが、当然住民の皆さんのいろんな御意見も十分お聞きしながら、具体的な計画を詰めていきたいと思っております。
○副議長(福本 修君) 3番、内田君。
○議員(3番 内田 精彦君) 中身につきましては、防災とかいろいろ答弁されました。住民の皆様の意見も聞くというふうなことでございましたが、先ほどの話でいきますと、24年度、今年につきましては基本設計を行うということでございます。基本設計を出して、基本設計が成果品として上がってきてから住民の皆様の意見を聞かれるような感じにとれるわけでございますが、基本設計ができてから住民の皆さん等の意見を聞いても、なかなか取り入れてもらえんのが今までの現状ではないかというふうに思っております。
昨年の3月議会の同僚議員の質問の中で、町長、このように答弁されております。ちょっと途中からでございますが、今年度の取り組みにつきましては、総合計画について議会の議決も賜りますれば、仁多庁舎の建築の検討委員会のような組織を、これは議会の中がいいのか、議会も町民の皆さんも一緒になって、あるいは執行部一緒になって組織したがいいか、そこら辺、皆さんの意見を聞きながら取り組みをしてみたいと思うというふうなことを言っておられます。どういう庁舎がいいのか、1年間かけてみんなで十分検討すると、研究する、そういうふうな取り組みを新年度、要するに23年度にはしてみたいというふうな答弁をしておられます。
このことについて、今の絡みについてどう思っておられるのか、答弁願います。
午後5時41分散会
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