大田市議会 2018-12-07
平成30年第 5回定例会(第3日12月 7日)
平成30年第 5回定例会(第3日12月 7日)
平成30年12月定例会
大田市議会会議録
平成30年12月7日(金曜日)
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議事日程(第3号)
平成30年12月7日(金)午前9時開議
第1
一般質問
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会議に付した事件
日程第1
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出 席 議 員 (19名)
1番 林 茂 樹 2番 亀 谷 優 子
3番 根 冝 和 之 4番 和 田 浩 司
5番 三 谷 健 6番 森 山 幸 太
7番 胡摩田 弘 孝 8番 森 山 明 弘
9番 小 川 和 也 10番 石 田 洋 治
市独自の
定住PRサイト「どかどが」への
アクセス状況につきましては、平成29年度実績で申し上げますと、閲覧件数48万件で、昨年の8月の約5万件を最大といたしまして、おおむね1カ月当たり4万件程度で推移をしているという状況であります。
また、今年度のこれまでの実績につきましても、9月の約4万6,000件を最大としまして、おおむね4万件程度で推移をしており、現在のところ、
全国版空き家・
空き地バンクへの登録前後で
アクセス数の大きな変化というものは見られている状況ではございません。以上でございます。
○副議長(林 茂樹) 8番、
森山明弘議員。
○8番(
森山明弘) 余り大きな効果が出ていないというような回答でありましたけれども、今、原田部長が言われた
LIFULLが運営するサイトでは、島根
県では松江市、出雲市、飯南町、邑南町、隠岐の島町が紹介されております。益田市もありますが、紹介物件はゼロ件となっております。
大田市は、売買物件が13件、賃貸物件が7件、
農地つき物件5件が検索できました。
農地つき物件5件は、売買13件、賃貸7件の両方にそれぞれ存在する、合計で20件です。
もう一社の
アットホーム株式会社のサイトでは、邑南町の26件以外紹介されておりませんでした。同じ日に検索した大田市の
PR定住サイト「どがどが」は、
売買希望物件は40件、
賃貸希望物件は10件、売買ないし賃貸どちらでもオーケーの物件は3件となっていました。
LIFULLで紹介されている物件数との差はなぜ生まれたのでしょうか。
○副議長(林 茂樹)
原田政策企画部長。
○
政策企画部長(原田 修) 御質問の
全国版空き家・
空き地バンクへの登録件数と
定住PRサイト「どがどが」の登録件数の差についての御質問でございました。
まず、
空き家バンクへの
問い合わせにつきましては、
定住PRサイト「どがどが」を見て興味を持たれた方が非常に多いということで、内容が外観や内観、間取り、トイレや風呂の様式のさまざまな情報が得られていることから、利用された方からわかりやすいという評価もいただいているところでございます。
一方、
全国版空き家・
空き地バンクにつきましては、先ほど御説明申し上げたとおり、2つの事業所が開設するサイトのうち、
LIFULLが開設するサイトにのみ登録をしているところですが、
全国版空き家・
空き地バンクを見たことによって問い合わされた方は、現在確認ができていないという状況であります。
全国版空き家バンクへの
登録物件につきましては、1件ずつ入力作業が必要となることで作業量も大きく、市が独自のサイトと
全国版サイトの2つのサイトを同時運用していることから、作業が進んでいない状況が現実問題として出てきています。そうはいいましても、市といたしましては引き続き空き家の活用に向けてさまざまな媒体を活用してまいりたいというふうに考えておりますので、現在のサイトともう一つのサイトへの登録をあわせて、逐次そのバンクへの
登録物件の登録作業などは進めてまいりたいと、このように考えております。以上でございます。
○副議長(林 茂樹) 8番、
森山明弘議員。
○8番(
森山明弘)
LIFULLホームズの運営する
全国版空き家・
空き地バンクに関してのこういうQ&Aが4枚物であるんですけれども、掲載物件の選択は自治体にお任せ。単に
登録物件の入力や更新作業は
モデル事業者が無償で行う予定と1月31日の段階で回答しておりますので、単に入力作業がおくれているということであれば、
問い合わせして無償で代行してもらえるようにすべきと思います。よろしくお願いします。
続いて2点目、大田市
公共施設適正化計画の第1期計画の中で
廃止対象施設となっている41施設の
解体計画について、予定を伺いました。未
利用施設や当初の目的を終えた、あるいは終えると考えられる施設について、ことし1月の
行財政改革特別委員会の中で解体を目指すというふうに確認した記憶がありまして、
廃止対象施設は解体されるものというふうに思っておりました。それで登壇しての質問をいたしました。
また、
市営住宅については、
市営住宅長寿命化計画において2021年度末をめどに現入居者の転居完了後に廃止予定とされていることは理解しております。
現段階では旧
勤労青少年ホームのみ
解体計画があり、
市営住宅6施設を除く残り30施設について具体的な解体予定は今のところなく、今後解体の財源の状況を見ながら検討していくとの答弁であったと思います。
市街地に旧
耐震基準で建設され、
耐震化工事が実施されていない旧
職業安定所や
労働福祉会館は経年劣化があると思いますが、大
規模地震等で倒壊する可能性や倒壊した場合の近隣への影響はどう考えておられるでしょうか。
○副議長(林 茂樹)
岡田総務部長。
○
総務部長(岡田 稔) 御質問の市街地におきますところでの旧
耐震基準で建設された
公共施設が大
規模地震等で倒壊する可能性があるのか、また近隣への影響についてはどうかという御質問でございますけれども、旧
耐震基準の建築物につきましては、このたびの大田市東部を震源とする地震規模、震度で申しますと5強程度でございましたけれども、この地震には耐えられる設計とはなっておりました。ただし、それ以上の大規模な地震が発生いたしますと、当然倒壊の危険性というものはあろうかというふうに考えております。したがいまして、それに伴って近隣への影響も否定はできないものとは考えております。したがいまして、今後計画的にやっぱり解体していく必要はあろうかというふうに考えております。
○副議長(林 茂樹) 8番、
森山明弘議員。
○8番(
森山明弘) 旧
勤労青少年ホームの解体の財源確保について、どのように予定されておりますか。
○副議長(林 茂樹)
岡田総務部長。
○
総務部長(岡田 稔) 解体における財源につきましては、原則一般財源となるものでございます。
なお、
公共施設総合管理計画、これを今、大田市定めているところでございますが、この定めた自治体におきましては、この計画に基づいて解体を実施する場合は起債の対象、借金をすることができる対象になるものでございまして、ただし、交付税算入はございません。充当率90%の起債対象となるものでございます。
○副議長(林 茂樹) 8番、
森山明弘議員。
○8番(
森山明弘) 旧
勤労青少年ホームや
市営住宅、
簡易水道施設を除く残り30施設については、本当にいろいろ確認しましたけれども、立地場所はさまざまで、全てを解体しなければならない状況ではないということは十分に理解しているつもりであります。とはいえ、第1期計画は平成28年度から平成33年度までの6カ年計画であって、はや3年が経過しようとしております。岡田部長おっしゃったとおり、解体したほうがよいものは解体をするということで進めていただき、建物の倒壊の危険性、あるいは近隣への影響、跡地の利活用等々、十分勘案して計画的に進めていっていただきたいと思います。
以上で私の質問を終わります。
○副議長(林 茂樹) 続いて、2番、亀谷優子議員。
[2番 亀谷優子 登壇]
○2番(亀谷優子) 皆さん、おはようございます。日本共産党の亀谷優子です。
今回の
一般質問では、1つ目に幼児教育・保育の無償化について、もう一つは
県西部地震のその後の対応について、一問一答方式にて質問いたしますので、よろしくお願いいたします。
まず、1点目の幼児教育・保育の無償化についてです。
現在、政府は2019年10月から消費税増税に伴う増収分などを活用し、3歳から5歳までの幼稚園、保育園、認定こども園の保育料無償化を実施する予定です。小規模保育や家庭的保育、居宅訪問型保育及び事業所内保育の地域型の保育も無償化の対象としています。
保育料は多くの自治体で軽減策がとられているものの、国の基準が高過ぎるため、子育て世帯の家計を圧迫しています。少子化対策の財源として子育て世帯の暮らしを直撃する消費税増税分を充てるのは、本末転倒だと言わなければなりません。現時点で市単独で保育料の減免に充てていたが、今後持ち出す必要がなくなる場合、その金額はどれぐらいになるのでしょうか伺います。
そして、保育料の無償化によりこれまでの市が負担している部分が削減できるのであれば、その部分をさらなる保育の充実へ振り向けるべきと考えますが、いかがでしょうか。
幼児教育・保育の無償化をめぐっては、給食費については今の負担方法を見直し、無償化の対象としない方針を固めました。子供1人当たりの給食費は、御飯などの主食費が月3,000円、おかずなどの副食費が月4,500円です。現在、幼稚園に通う子供の給食費は主食費も副食費も保護者の実費払いですが、保育所に通う3歳から5歳児の給食費は、主食費が実費で副食費は保育料に含まれています。内閣府は、無償化により食材費が実費負担の幼稚園と不公平が生じないようにするためという理由で、保育園の給食食材費は無償化の対象外とする方針を示しています。
子供の健やかな成長と発達を守るためにも、食事は大変重要です。給食が保育から切り離され、無償化を言いながら幼稚園に合わせる形で食材費の負担をさせるやり方は、乱暴だと批判の声が上がっています。
戦後、子供にとって食が何よりも大切だということで、児童福祉法に基づいて保育所には調理室を設置し、給食は保育の一環だとされてきました。この歴史を考えれば、当然給食費も無償化の対象とするべきです。
現在、副食費が免除となっている生活保護世帯や市町村民税非課税世帯、ひとり親世帯以外の低所得世帯では、無償化前より実質給食費の負担が増加する可能性があると考えられますが、所見を伺います。
保育施策をさらに充実させるためには、保育士の処遇改善が不可欠です。保育士の低賃金は、国の基準が低過ぎることによってもたらされています。認可保育所の運営費、いわゆる公定価格を算出する際の人件費が低過ぎることが、全ての産業の平均より月額約9万円も賃金が低い事態をつくり出し、保育士不足の最大の要因となっています。
保育士はハードワークの上、子供の命と直結するリスクは高く、専門職として子供の年齢に応じた発達を確保し、社会の将来を担う子供たちを育てています。現在、保育士1人当たりの配置基準は、おおむねゼロ歳児なら3人、1歳・2歳児は6人、3歳児20人、4歳・5歳児は30人です。保育園で働く方々からは、勤務時間は休む間もなく保育をしている、休憩時間を削り事務作業をして、翌日の準備や記録は子供が帰ってから行うため、毎日残業しなければならない、乳幼児期は人間の土台をつくる大切な時期であり、保育士の仕事に誇りを感じるが、給料は安く、長く働き続けられない、このような声が寄せられています。
保育士の多忙を解消するためにも、職員の配置基準を見直し、保育士1人当たりの園児の定員を減らすことが必要ではないでしょうか。
また、無償化は10月からという年度途中でのスタートとなるため、現場に混乱が起こらないようにするためにも、実際の保育料の徴収がどのように変更されるのかをお示しください。
次に、2点目の
県西部地震のその後の対応についてです。
4月9日の大田市を中心とする
県西部地震から約8カ月が経過しました。まち全体は落ちつきを取り戻してきているとは思いますが、まだ屋根にブルーシートがかかっているお宅もあり、市民の皆さんが日常生活を取り戻せていない部分も多く残されています。
今現在の罹災証明の発行件数や道路や港湾などの工事の
進捗状況はどうなっていますか、お示しください。
このたびの地震は、被災者生活再建支援制度が適用されました。全壊の場合、最大300万円、大規模半壊の場合は最大250万円が支援金として支給されますが、生きていく上で必要不可欠な住まいを失った人々は、とてもこの金額ではどうすることもできないと嘆いています。
この被災者生活再建支援制度は国の制度ではありますが、被害の回復や被災者の不安を解消するために十分な内容であるという認識を大田市としてお持ちでしょうか伺います。
そして、半壊、一部損壊、小規模破損の場合、被災者生活再建支援金の申請が平成31年3月31日までとなっています。復旧、復興が進んできたとはいえ、住宅の建設や補修が終わっていないところも残されています。この期限を延長し、被災者の実態に合わせて柔軟に対応するべきではないでしょうか。所見を伺います。
以上、登壇しての質問を終わります。
○副議長(林 茂樹) 大谷
健康福祉部長。
[
健康福祉部長 大谷 積 登壇]
○
健康福祉部長(大谷 積) 保育料無償化について、まずお答えをいたします。
御質問の1点目、国による保育料の無償化の影響額についてでございます。
新聞報道によれば、幼児教育の無償化は、3歳から5歳の全ての子供と0歳から2歳の市町村民税非課税世帯の子供の保育料を対象に、平成31年10月分の保育料から実施する予定になっております。
現在、国において教育の無償化に関する協議が進められているところでございまして、正式な通知がまだ出されておりません。このため、新聞で報道されている情報程度しか把握できていない状況でございます。少しずつ示される断片的な情報を現在市において整理している段階でございますので、御質問に対し明確かつ詳細な答弁ができる状況にありません。したがいまして、これまでに示された情報では影響額を算出することも困難な状況でございます。
なお、今回の無償化の影響については、減収となる保育料の補填が国の負担でされるのかどうかによって異なってまいります。民間保育所等の保育料の減収については国からの補填が行われると聞いておりますけれども、公立保育所分の保育料の減収の補填は不透明な状況でございます。国は基本的に補填しない方針でありまして、最近になりまして平成31年度のみ補填するという話も出ているようでございますが、恒常的な補填が行われない上、給食費が無償化の対象から外れたことなども相まって考慮すべき点が多く、全体像が明確に示されるまで影響額の算出は難しいと考えております。
また、国では年末に向けて協議が重ねられることとなっておりまして、全体像が示されるまでしばらく時間を要すると思われますので、引き続き国の検討状況を注視してまいりたいというふうに考えております。
次に、御質問の2点目、保育料無償化により削減できる市負担部分は保育の充実へ振り向けるべきではないかという点についてでございます。
先ほども申し上げましたとおり、影響額の算出が困難でございますので、明確なお答えができません。国の制度が確定した段階で総合的に判断してまいりたいと考えております。
次に、御質問の3点目、保育料無償化の対象とならないとされております給食費について、低所得者の一部では実質負担が増加する可能性がないかとの質問についてでございます。
現在の情報で可能性の有無についてお答えすることは難しい状況でございますが、軽減対象の拡充について国で検討しているという情報もあります。したがいまして、保育園、幼稚園ともに国の方針が示された段階で、市として方針を検討してまいりたいというふうに考えております。
次に、4点目、保育施設拡充のため、職員の配置基準を見直す必要があるのではないかという点についてでございます。
保育所等における保育士などの資格職の配置につきましては、厚生省令などにより基準が定められているところでございます。現在、全国に保育士が不足をしておりまして、保育士の確保が大変難しい状況が生じております。省令などで定められた基準を上回る職員の配置は、全国的に保育士が不足している状況では非常に難しいと認識しております。
保育士の確保が十分に見込めない状況の中で基準以上の保育士配置を定めた場合は、逆に待機児童が発生するということなどマイナス面の影響が生じる可能性のほうが高いのではないかというふうに考えております。
なお、市といたしましては、引き続き保育士の確保には努めてまいりたいと考えております。
次に、5点目、10月という年度途中での無償化スタートとなることによりまして、実際の保育料の徴収がどのように変更になるかという点でございます。
保育料につきましては、口座振替や市から送付いたします納付書により納めていただくというこれまでの基本的な流れが変わることはございません。ただ、無償化の対象外となる給食費について、国のほうでは10月以降は実費徴収を想定をしておりますので、このため、入所している保育所に納めていただくことになるものと考えております。
続きまして、大きな2点目でございますが、
県西部地震のその後の対応についてでございます。
被災者生活再建支援制度についてお答えをいたします。
このたびの地震におきましては、御存じのとおり、島根
県の支援をいただきまして、被害の範囲を国の制度が対象とする全壊及び大規模半壊から半壊、一部破損、小規模破損まで拡大をしたところでございます。現在、
県のほうでは、半壊から一部破損まで対象を拡大した制度の恒久化が検討されておりまして、これまでに比べ今後充実していくものと捉えております。
支援金だけでは修繕費用に足りない、もっと額をふやしてほしいといった声も実際聞いておりますけれども、行政といたしましては、個人財産の保全に公費を無制限に投入することもできないということでございまして、これにつきましては、民間の地震保険等に加入していただきまして、各人が自己防衛することも必要ではないかというふうに考えております。支援制度のさらなる拡充につきましては、全国市長会を通じまして引き続き要望してまいりたいと思います。
次に、半壊、一部破損、小規模破損の場合の生活再建支援金申請期限についてお答えをいたします。
震災後半年を経過しました10月から11月にかけまして、小規模破損を除く全壊から一部破損までの罹災証明書を発行した世帯のうち、生活再建支援金の交付申請をまだ行っていない世帯を対象にアンケートを実施したところ、支援金の申請に至っていない理由といたしまして、業者が多忙で直してもらえないため必要書類がそろわないという回答が最も多いという状況でございました。申請期間の延長につきましては、やむを得ない事情により申請ができない場合など、今後の申請の状況によりまして対応を検討してまいりたいというふうに考えております。以上でございます。
○副議長(林 茂樹)
岡田総務部長。
[
総務部長 岡田 稔 登壇]
○
総務部長(岡田 稔) 御質問の大きな2点目の1点目、島根
県西部地震における現在の被災状況についてお答えをいたします。
まず、建物被害についてでございます。罹災証明書発行件数は、11月末現在で4,540件でございます。内訳は、住家、市民の方が居住のために使用されている建物につきましては、全壊17件、大規模半壊8件、半壊52件、一部損壊571件、小規模破損3,325件、被害なし20件の合計3,993件でございます。次に、非住家、非住家とは住家以外の建物、例えば倉庫とか店舗等でございますが、この非住家につきましては、全壊21件、大規模半壊5件、半壊31件、一部損壊116件、小規模破損370件、被害なし4件の合計547件でございます。
次に、土木、農林水産関係被害についてでございます。まず、市道の被災箇所は309カ所、このうち
補助事業による災害工事箇所については9カ所でございます。次に、農林水産関係の被災箇所は、農地、農業用施設において19カ所、漁港関係においては6カ所でございます。
これらは全て発注済みでございまして、現在、復旧、復興に取り組んでいるところでございます。
○副議長(林 茂樹) 2番、亀谷優子議員。
○2番(亀谷優子) 幼児教育と保育の無償化についてですが、民間の保育園には国からの補填があるかどうかもわからない、あったとしてもいつまであるか不透明だと、今の段階では不透明だということは、自治体の負担がふえることも否定はできないということなのでしょうか。
○副議長(林 茂樹) 大谷
健康福祉部長。
○
健康福祉部長(大谷 積) 無償化によって大田市の一般財源による負担が増加するかどうかということにつきましては、減収となる保育料に対して国からの補填がどの程度で見込めるかによって変わってまいります。登壇して申し上げましたとおり、現在報道されているところでは、民間保育所等の減収分は補填が行われるということですけれども、公立保育所の減収分の補填が不透明な状況でございます。民間保育所、公立保育所それぞれの入所児童数も減収額に影響しますので、制度の全体像が示されまして入所児童数がある程度固まった段階で、その影響額については見えてくるものというふうに考えております。現段階であるかないかの答弁は大変難しい状況でございますが、大田市の負担が増加する可能性がないとは言い切れない状況だということで考えております。以上でございます。
○副議長(林 茂樹) 2番、亀谷優子議員。
○2番(亀谷優子) 無償化によって入園したいと希望する子供さんたちの数がふえるのかどうか、もしふえると試算するならば、ふえた分、保育士をどうするとか、その対応をどのように考えているのか教えてください。
○副議長(林 茂樹) 大谷
健康福祉部長。
○
健康福祉部長(大谷 積) 無償化によりまして保育所の入所希望がふえて待機児童が発生するのではないかという懸念につきましては、全国的な問題として新聞等で報道されているところでございます。しかしながら、当市の場合、女性の就業率が全国平均、また島根
県平均に比べて高く、保育所の入所率についても同様に全ての年齢で全国平均よりも高く、島根
県平均とほぼ同じかそれ以上という状況でございます。そのため、無償化によりまして発生する新たな保育需要については、そう多くないのではないかというふうに見込んでおります。しかしながら、増加する可能性もありますので、待機児童の発生につながらないように児童の受け入れに備えてまいりたいというふうに考えております。以上です。
○副議長(林 茂樹) 2番、亀谷優子議員。
○2番(亀谷優子) 今後、児童の受け入れに必要となる保育士の確保がポイントだと思うのですが、どのように保育士の確保を進めていくべきだとお考えでしょうか、お示しください。
○副議長(林 茂樹) 大谷
健康福祉部長。
○
健康福祉部長(大谷 積) 保育士の確保をどうするのかということでございます。現在、大田市においても、保育士さんいらっしゃい事業など市独自の事業も展開をしているところでございますが、島根
県におきましても、保育士資格等取得支援事業、保育士修学資金貸付事業、就職準備金貸し付け、それから保育実習等旅費支援事業のほか、保育士養成校で学ぶための入学金と授業料が無料となる離職者等再就職訓練、こういったさまざまな支援事業が実施されております。これらの制度の活用、それから市の制度につきましても見直しを行う中で、保育士の確保に努めてまいりたいというふうに思っております。以上です。
○副議長(林 茂樹) 2番、亀谷優子議員。
○2番(亀谷優子) 登壇しても発言しましたが、保育士の確保が難しくなっている一番の要因は、やはり処遇の低さだと思います。保育士の確保に当たって保育士の処遇の改善が必要不可欠ですが、大田市としてのお考えはどのようなものでしょうか、教えてください。
○副議長(林 茂樹) 大谷
健康福祉部長。
○
健康福祉部長(大谷 積) 保育士の処遇改善でございます。これにつきましては、国におきまして平成25年度より実施しておりまして、今後も継続して実施する方針を明らかにされておりますので、今後も一定程度の改善が図られるものというふうに見ております。以上です。
○副議長(林 茂樹) 2番、亀谷優子議員。
○2番(亀谷優子) 保育園で働く方々から少しお話をお聞きしましたので、皆さんからの生の声を少し御紹介したいと思います。
給料が余りにも低過ぎる。子供はかわいいし、仕事にやりがいはあるが、この仕事をいつまで続けるか考えてしまう。保育は医療とは違うけれども、子供の命を預かっているので生半可な気持ちで仕事をすることなどできない。もっと私たちの仕事を認めてほしい。子供と遊んでおやつを食べさせ、昼寝をさせる、楽な仕事だと言われたこともあり、本当に悔しい。勤務時間の大部分が子供と接する時間であり、必要な事務作業を勤務時間外にしなければ仕事が終わらない。仕事が終わらないから家に持ち帰っている。休みの日でも家で何かしら仕事をしている。配置基準に沿って保育士がいたとしても、本当に大変。はっきり言って無理がある。ほかの職員と協力してやっているが、毎日綱渡りの状態で何とかやり過ごしている。事務作業や保護者との対応も多く、忙し過ぎる。子供たちにとって今どんな援助が必要で、保育園でどんなことができるのか、日々勉強しながら考えながら保育をしている。子供の発達段階に合わせて一人一人に合わせて、こうしてみよう、ああしてみようと毎日見きわめながらやっているが、精神的に追い詰められてやめていく人が多い。国は保育士の処遇改善を打ち出したけれども、その内容は月に6,000円の引き上げとベテラン保育士の賃金を4万円程度引き上げるというもので、全体的な底上げができているとは言えない。職場の中で4万円もらえる人ともらえない人がいて、職場の雰囲気が余りよくないときもある。保育がただの子守だと思われていることが低賃金の要因ではないか。
保育士の皆さんからたくさん御意見いただきました。こういう大変な状況でお仕事をされているという声が部長さんの耳には届いているのでしょうか。いかがですか。
○副議長(林 茂樹) 大谷
健康福祉部長。
○
健康福祉部長(大谷 積) 今議員のほうから御紹介をいただきました保育園現場からの御意見なり思いでございますけれども、それについては私ども十分承知をしている状況でございます。したがいまして、国のほうも、先ほど答弁申し上げましたように一定程度の処遇改善も努められるという状況でございますが、さらに市としてもさまざまな手法によりまして施策を組み立てながら、保育士の確保にしっかり取り組んでまいりたいというふうに思っております。以上です。
○副議長(林 茂樹) 2番、亀谷優子議員。
○2番(亀谷優子) 保育現場で働く皆さんは、毎日悩みながらも子供たちと向き合って、よりよい保育を目指して頑張っている方々がたくさんいらっしゃいますので、ぜひとも保育士の皆さん、職員の皆さんの切実な思いにどうか応えてほしいと思います。
保育料の無償化は、子育て世代の切実な願いでもあります。保育の質の低下につながりかねないような規制緩和、基準の切り下げを行わせないこと、全ての子供が等しく質の高い保育が受けられるように、よりよい保育環境の充実を図るべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○副議長(林 茂樹) 大谷
健康福祉部長。
○
健康福祉部長(大谷 積) 保育料の無償化につきましては、登壇して申し上げましたように国の方針決定を受けて市の対応を検討することとなりますので、重ねての答弁になりますけれども、引き続き国の検討状況に注視してまいりたいと考えております。
また、保育の質の向上にも努めてまいりたいと考えておりますが、そのために必要となる財源につきましては、国のほうにも求めていきたいというふうに思っております。以上です。
○副議長(林 茂樹) 2番、亀谷優子議員。
○2番(亀谷優子) 幼児教育や保育の無償化というものが打ち出されたときに、世のお父さん方、お母さん方、保護者の皆さんは、本当に喜んだと思います。しかしながら、実際無償化に充てる財源が消費税の増税分であることや給食費は実費徴収になる可能性があること、そのほかゼロ歳から2歳は無償化には当たらないことや自治体の負担がふえるかもしれないということ、いろいろ最近になって問題点もたくさん出てきていますので、全額国費で国としても子供を育てていこうという方針をぜひとも打ち出してほしいと思いますので、市行政としてもそのことを強く国に訴えてほしいと思いますが、いかがでしょうか。
○副議長(林 茂樹) 楫野市長。
○市長(楫野弘和) 今回の保育の無償化につきましても、それを実際に運用する市町村として非常に大きな問題だと受けとめて、かねてから国に対しては、特に財政負担について地方に押しつけることがないようにということで要望してまいりましたし、11月の市長会のときにも、国に対して緊急的な要望として今回のことは全て国の財源で対応するようにという緊急要望も行っております。そして今、国と地方との協議の場でどういうふうに制度設計をするのかということが議論をされ、先般、一応の案が出され、妥結に向けた動きになっていると承知していますが、私は最終的には地方財政計画の中でどう位置づけられるのか、そこがキーポイントで、きちっとした地方の財源について地方交付税などで担保されるのかどうかがキーポイントだというふうに思っております。年末になりますけれども、それに向かって我々としても市長会等を通じて強力に要請をしていかなければならないというふうに思っています。
保育の全体的なシステムにつきましても、先ほどるる議員のほうから御指摘いただきましたけれども、保育士さんの状況についても私もよく知っております。子育てした者にとってみれば、子供を育てる、子供と対応するということがいかに大変な仕事かというのは認識しているはずであります。しかしながら、その賃金についても全て国の制度の中で決まってくる話でありますし、その財源も国で用意されている話でありますので、国全体の財源をどうするかということも含めて、国の段階できちっとした対応をしていただかなければならないお話であります。我々としては、最終的な現場を預かる市として、与えられたシステムの中でしっかりとした保育をしていくということで私ども今後とも努めてまいりたいというふうに思っています。
○副議長(林 茂樹) 2番、亀谷優子議員。
○2番(亀谷優子) それでは、大きな2点目の
県西部地震のその後の対応について、再質問をしたいと思います。
地震が起きた直後に大田市独自のさまざまな対応策を考えていただいて、本当に心から敬意を表したいと思っています。市民の皆さんも本当に心強かったと感じておられると思います。
しかしながら、やはり被災者生活再建支援金だけではどうにもすることができないという声が多くあると思います。被災者の皆さんは労働者でもあり、納税者でもあり、消費者でもあり、地域の担い手でもあると思いますので、阪神・淡路大震災のときでも政府は個人資産には介入しないという考え方でしたが、それの批判を受けて今回の被災者生活再建支援法ができました。被災した人々を励まして、引き続きこの地域でずっと暮らしていってほしいというエールを送るためにも、個人資産には介入しないという考えから脱却するべきではないかなと思いますが、いかがでしょうか。
○副議長(林 茂樹)
岡田総務部長。
○
総務部長(岡田 稔) 議員さんのほうからは、このたびの被災された方々への要は支援を拡充という御意見であろうかと思います。市といたしましても、国が示している制度以上のところの支援というところで今回措置をいたしております。しかしながら、十分でないというところでございますが、これについては、基本的には大田市の今回の地震、災害救助法の適用にならなかったということも一つの要因であろうかと思います。この救助法の適用ともしなっているとするならば、赤十字の皆様方のほうから義援金を集められまして、義援金と申しますのは全て被災された方々にその被害の程度において、どういいますか、配分をされると、手に支援が行き届くという制度でございます。当市におきましてのこのたびの局地的な地震ということもあり、また被害が全壊等が見受けられない中において、なかなかそういった対象としていただけなかった、このことが本当に非常に大きな要因であったなというふうに思っております。
そういった中において、支援の拡充に向けては、地震直後におきまして、4月の末ではございますが、緊急的に国のほうにもしっかりと要請をいたしましたし、あわせましてこの10月におきましては、島根県知事また議長連名において、さらにこういった被害の支援についての要望もしっかりとされているという状況も聞いております。したがいまして、国のほうにおいてはこういった今回、ことしにおいてもいろんな災害がたくさんあったわけでございます。被災された自治体において十分被災された方々に支援が行き届くようなことは十分考えていただけるような制度をとっていただけるというふうには考えておるところでございます。
○副議長(林 茂樹) 2番、亀谷優子議員。
○2番(亀谷優子) それでは、罹災証明の申請の期限、今月の20日までということになっていますが、この日に設定した理由はあるのでしょうか、教えてください。
○副議長(林 茂樹)
岡田総務部長。
○
総務部長(岡田 稔) 罹災証明の受け付け期限を12月20日とした理由についてでございます。
まず、被災された市民の方につきましては、この罹災証明書を交付することによりまして生活再建の支援というものにつながっていくものでございます。その生活支援の申請期限を、現在大田市では平成31年3月31日といたしているところでございます。この日にちから逆算いたしまして、罹災証明に係る手続につきましては、申請がありましてから1次調査に出向きます。それによって市民の被災された方に罹災証明書を交付するわけですが、ただ、市民の方においてはその内容に疑義があるというようなこともあります。その期間というのを3カ月設ける必要もございまして、逆算して12月いっぱいということになろうかと思います。
あわせまして、発災から7カ月が経過している今日において、罹災証明の申請件数、これも月に数件程度というふうに減少していることも踏まえまして、12月20日と判断をさせていただいたものであります。
なお、現在その申請期限についての広報を今しっかりと行っているところでございます。以上です。
○副議長(林 茂樹) 2番、亀谷優子議員。
○2番(亀谷優子) 被災者生活再建支援金の申請、3月31日までをもし延長していただけるのであれば、それに伴って罹災証明の期限ももう少し延ばしていただくことはできないものでしょうか。いかがですか。
○副議長(林 茂樹)
岡田総務部長。
○
総務部長(岡田 稔) 罹災証明の受け付け期限、さらに延ばすべきではないかということではございます。これにつきましては、今年度大阪のほうで北部地震ございました。そこで高槻市さんにおいても、この期間というものは6月から12月の18日までと、約6カ月間。そして、2年前、鳥取中部地震がございました。その際に、倉吉市さんも7カ月程度という受け付け期間を設けておられます。したがいまして、そういった意味を含めますと、やっぱり期間が余りに長くなりますと、実際に被害というものが地震によるものなのか、また老朽化によるものなのか、これをちょっとなかなか判断もしにくくなってくる、そういったことも考慮する中で、やはりある程度一定のところで期限を設けさせていただくべきかなというふうに思っておりますので、市としては12月20日というものを基本として締め切り期限を設けさせていただきたいというふうに考えております。
○副議長(林 茂樹) 2番、亀谷優子議員。
○2番(亀谷優子) まだまだ行政に声の届かない暮らしをされている方々がきっとおられると思いますので、期限を過ぎたとしても引き続き柔軟な対応をしていただきたいとお願いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○副議長(林 茂樹) ここで10分間休憩いたします。
午前10時17分 休憩
午前10時27分 再開
○副議長(林 茂樹) 休憩前に続き会議を開催します。
一般質問を続行いたします。
続いて、4番、和田浩司議員。
[4番 和田浩司 登壇]
○4番(和田浩司) 4番、和田浩司でございます。
最近、よわいを重ねたせいなのか、はたまた何かの病のせいなのか、確実に滑舌が悪くなっておりまして、本日ちょっとお聞き苦しいところもあろうかと思いますが、あらかじめ御了承ください。
では、事前通告の内容に基づきまして、一括質問答弁方式にて、ゆっくりと横文字なしでお話しさせていただこうと思いますので、よろしくお願いをします。
通告文においては大田市総合計画の実施計画についてと題しておりますけれども、今回の内容につきましては、今後の
まちづくりに関する各種の施策を策定するに当たってただ1点、具体的な基本コンセプトを明確に示していただきたいという要望に尽きます。
ことしの6月の議会での提案内容とかぶるところであり、全くしつこいなというふうに思われるかもしれません。第2次大田市新総合計画の実施計画の策定に当たりましてぜひとも織り込んでいただきたいと願っておりますので、改めて質問をさせていただくことといたしました。
もう師走に入りましたのでね、すっきりとこの1年終わらせていきたいと思いますので、しばらくお時間を頂戴したいと思います。
突然ですけれども、誰かから、外部の方から大田市はどんなところと聞かれて、一言でこんなところと言い返すことができる方はどれだけいらっしゃいますかね。どうでしょうね。多分世界遺産があって、海も山もあって、景観がきれいで温泉があって、そんなまちという長文で説明するほかないのかなというふうに思うんですけれども、要はこれはまちのキャッチフレーズがないということに尽きるのかなと。それが現在策定中の総合計画の中の将来像として掲げられています「子どもたちの笑顔があふれ、みんなが夢を抱けるまち‘おおだ’」という、このちょっと抽象的な言葉につながっているんではないのかなというふうに感じています。
本来、長期的な視野を持って策定する総合計画にもかかわらず、市民として目指すべきまちのイメージが示されていないというのが今ではないでしょうかね。将来像と言うなれば、具体的な目標となる文言でイメージできなければいけない。「子どもたちの笑顔があふれ」とはどういう情景を指すのか。また「みんなが夢を抱けるまち」とはどんな状況になれば実感できるのか。多分この言葉で多くの人が具体的に自分たちの情景を想像するということは無理なのではないのかなと思うし、僕自身は無理です。やはり将来像として定義するならば、具体性のある想像可能な単純な文言、こういうものを使っていただかないと、まさに意味がないというふうに言わざるを得ません。
前回の大田市の総合計画の検証レポート、これを見ますと、実施の評価がほぼ全て3、大抵3でしたね。3というのは、言いかえれば可もなく不可もなくという結果になったわけですけれども、これはこれからつくっていく総合計画、要は具体的な将来像が見えない計画にも反映されているんではないのかなということで、ちょっと悲しい結果が見えてしまっているというふうに理解をしています。
この将来像の描き方だけではなくて、付随して基本計画は記載されていますけれども、これに関しても、国とか
県等が推奨といいますか、目指しましょうという文言がほぼコピペ状態で集合化されているというふうに映ってしようがないのですね。ですので、これを策定する姿勢という部分を考えますと、巷間言われますね、結果にコミットするという姿勢がこれ薄いんではないのかなというふうに感じる次第です。
では、今後少しでもまちが前に向いている状況、これを市民の皆さんに感じていただけるようにするためには具体的にどうしたらいいのか。これは本当に単純に大田市の目指すべき方向性を一言で明確に示して、その上で本来ならばこの言葉に基づいて地域がボトムアップでつくっていくということが必要になってくるわけですけれども、もしそれができないのであれば、いわゆる外圧ですよね、他市の方から大田市ってこういうまちなんだってと言われて逆輸入して、だったらそれに合わせた
まちづくりせないかんなというふうに市民が思っていただいてもいいんですけれども、いずれにしてもそういう空気感をつくっていくということが特に今の状況ですと重要なことなんではないのかなというふうに思います。
ではどんな言葉といいますと、先ほど申し上げた6月にお話をしましたベリースペシャルワンパターンですけれども、もう一度言いますと心と身体の健康都市おおだと。これも抽象的ではあるんですけれども、心と体を健康にするという明確なメッセージがありますので、この言葉で十分だと思います。この言葉を大田市のトップのコンセプトとして言い切ること。言い切ること自体がとても重要だと思います。言い切ると、今は世界遺産、世界遺産とかとずっと言ってこの10年間きましたけれども、世界遺産である石見銀山については、この大コンセプト、心と身体の健康都市という大きいコンセプトの下に石見銀山を表現するとすれば、心のふるさと、世界遺産で癒やされるというような、例えばですけれども、こういったコピーをつけた上で大きいコンセプトの中にぶら下がっている石見銀山があるという位置づけ、これは誰が見ても見えてくるわけですね。そういうふうに位置づけていきますと、世界遺産で集客をしていた状況からちょっと角度の変わった、アングルの変わったお客さんがお見えになるという機会も若干ではあるかもしれませんがふえていくというふうに思いますし、こういったコンセプトで三瓶山とか温泉津とか仁摩とか、そういったところもこの大コンセプトのもとにイメージを落とし込んでいく、訴求していくと。そうすると、観光関係の表現自体も変わってくるんではないのかなというふうに思います。
では、なぜ単一のテーマに絞る必要があるのかというところなんですけれども、御説明するのに一番わかりやすいのが観光事業ですので、観光事業を例にとってお話をしたいと思うんですが、例えば東京とか大阪、こういう大都会はいろんな観光スポットを持っているわけですね。いわゆるキラーコンテンツと言われるようなものを無数に持っているんで、こういう大都会においてはそれぞれの観光スポットで単発でばんばんばんばん宣伝していけば集客できていく。つまり、情報発信の量、力、これが勝負を分けるわけですけれども、大都会はこういうメリットがありますけれども、地方都市ですとキラーコンテンツというようなもの……。横文字ですね。観光スポットですね。有力な観光スポットをいっぱい持っているわけですけれども、地方都市になりますとなかなかないと。島根でいいますと、全国的に知られているのは出雲大社ですよね。最近何か東京でも神楽が見たいというふうに僕のほうに電話してきた女性がいましたけれども、神楽も何か有名になっているようではあるんですけれども、それにしても乏しいというような状況かと思います。
ですから、イメージの薄い観光スポットを量的にどんどんどんどん発信しても、目にしたお客さんがでは行ってみようというようなところまでは気持ちが盛り上がってこないというような状況にあるんではないかなと思います。
例えば最近、一言で有名になったところというのは数ありますけれども、香川
県ですとうどん
県。ユーチューブか何かでばんばんばんばん出ていましたけれども、うどん
県とか、広島なんかはおしい!広島。最近は鳥取
県で空港の蛇口をひねればカニのだし汁が出る。それが結構動画で再生されていますけれども、そうやってちょっとそういうことで有名にした上でその下のぶら下がってくる事業というものを拡大されているというようなところは多く見受けられます。
それなりにイメージ戦略というものが功を奏しているんだなと思うんですけれども、ここで文言、言葉、キーワードで観光振興を実現したちょっと事例を一つだけ御紹介しますと、長崎
県の小値賀町。御存じですか、小値賀町。島なんですけれども、長崎の離れ島。平成の大合併を避けて単独で生き残っていこうとした人口2,600人の小さな島なんですけれども、では島としては何の産業もないと、どうやって生きていこうということを考えたときに、古民家を再生して宿泊施設につくったんですね。そこまではよくある話なんですけれども、そこの古民家を見つけた外国人の方が来島されてお泊まりになった。お泊まりになって、その外国人の方がSNSに投稿した。どういう投稿をしたかというと、暮らしながら旅をする、このキーワードでSNSに流したんですね。そうしたら、あれよあれよという間に、このキーワードがみんな心にひっかかって、ぜひ行ってみたいというようなことで、今この2,600人のまちに年間2万人の観光客がいらっしゃるようになった。古民家の宿泊施設はたしか6カ所ぐらいまでふえています。飲食店は、観光客の方が行くような飲食店は多分大田よりも多いと思います。そのように充実はしてきていると。たかだか2万人ではありますけれども、2,600人のまちからすると成功した例ではないかなというふうに思います。
何といっても日本でいわゆるコンセプトで観光……。
○副議長(林 茂樹) 和田議員に申し上げます。質問の趣旨を明確にされますよう、お願いを申し上げます。
○4番(和田浩司) ですか。では、はしょります。
ちょっと京都のJR東海のキャンペーンの話をしたくて、要はJR東海というのがずっと「そうだ京都、行こう。」キャンペーンというのを25年以上やっていますけれども、「そうだ京都、行こう。」という一つの言葉で、京都イコール古都、古都イコール癒やし、そういうイメージで集客をしてお客さんがふえて、それから町並みもそのコンセプトに合わせてつくって、景観条例も直して、どんどんどんどんお客さんもふえていった。最近はオーバーバウンドということでお客さんは金沢に流れていますけれども、そういう状況がつくられてきたというところになります。
今回質問というか、御提案をしたかったというのは、要はそういうところですね。島根
県、
県下では松江市は観光の部分でいうと水の都、出雲市は人の御縁も旅のつながり、益田市は懐かしのまちなどと、まちのイメージを絞った上で訴求をしていますけれども、そういった大田市のいわゆる訴求キーワードですね、そういったものをつくってはいかがかということで、結論的に心と身体の健康都市、これがコストもかけずに観光、あるいはいろんな施策に対して波及効果を持つんではないかということで改めて提案をさせていただくところです。
このキーワードを使えば、例えば健康にかかわるスローフードとかスーパーフルーツ、食文化や食材の開発、あるいは宿泊施設におけるおもてなしのあり方や温泉活用の表現手法の模索と、あるいは健康に絡めたアウトドアスポーツの推進などですが、そのあたり、波及効果は幅広く見られて、最終的に道の駅で販売する商品開発にもつながっていくのではないかというふうに思います。
それから、別のシナジー効果として、教育という部分もあるんですね。今、効果はちょっと、数字等々は御紹介しませんけれども、今、障がい者関係の人数はふえている。いろんな研究開発が行われて、結果として対象となる人数がふえているという、そういう側面もありますけれども、精神障がいに関しては360万人というどんどんどんどんふえている状態で、要は全てがそうとは言いませんけれども、閉塞的な社会がどんどん押し寄せて、スマホ1個あれば何もしないでも1日過ごせるような社会環境ができてしまった。つまり、生活における心と体のバランスが崩れたような状況がどんどん進んでいるという部分もあります。
ですので、そういった部分で考えると、心と健康をうたう
まちづくりという部分でいうと、そういった心を病んだ方々、子供も高齢者も含めてですけれども、大田に集まってくる可能性というものは可能性としては広がっていくと思います。
○副議長(林 茂樹) 和田議員に申し上げますけれども、質問の趣旨を明確にして説明していただきますよう、よろしくお願いをいたします。
○4番(和田浩司) はい、わかりました。
そうしましたら、お伝えしたいことは御理解いただいていると思いますんで、もうこのあたりまでにしておきますけれども、大田市が山村留学センターとか青少年交流の家等々もあるし、自然環境もあるし温泉もあるしということで、こういったコンセプトに基づいた観光資源は既にあります。ですので、単一のコンセプト、心と身体の健康都市おおだというこのコンセプトに基づいて、これをトップコンセプトにしていただいて
まちづくりの推進を図っていただきたいと思います。
総合計画にこの文言を反映していただきたいとは思いませんけれども、せめて事業の策定、具体的な施策の策定をする際には、これを念頭に置いた策定業務というものを推進していただきたいと思います。
ですので、一応質問としては、こういったコンセプトに基づいて、市長のほうで、ではそういう方向性、一部でもいいからそういう方向性でやってみようかというようなお考えはあるのかどうなのかというところをお尋ねしたいと思います。
では、登壇における質問は以上となります。ありがとうございました。
○副議長(林 茂樹) 楫野市長。
[市長 楫野弘和 登壇]
○市長(楫野弘和) 和田議員の御質問にお答えをしたいと思います。
総合計画の絡みでありますので、少しお時間をいただいて総合計画がどういうものかということと、それから今回の私どもが将来像に上げた言葉がどういう形で生まれてきたかということを少し御説明をさせていただきたいなと思います。
御提案ありました心と身体の健康都市おおだというのは、私も嫌いなコンセプトではありませんし、これは目指すべき一つの形であろうというふうに思っております。
しかしながら、大前提として申し上げますけれども、言葉は人によって受け取り方が異なっておりますので、何事も一つの言葉だけで全て終わらすことは困難であるということをまず大前提としてお話をさせていただきたいと思います。
まず、今回の総合計画の基本構想の将来像に上げました「子どもたちの笑顔があふれ、みんなが夢を抱けるまち‘おおだ’」という言葉でございますけれども、なかなかこれだけでイメージはできないではないかという御指摘もありますけれども、この言葉が生み出されたのは、今回若い方々や女性の方々を中心に構成されました大田市総合計画審議会でさまざまな観点から御議論いただき、答申をいただきました。その中で、大田市には世界遺産と国立公園を初め、他の地域にはない世界にも誇れる歴史、文化、自然がある。そして、挨拶をしてくれる子供たちがいる。一つには、こうした大田の宝を生かした
まちづくりを地域みんなで話し合い、みんなで協力して誇りを持って進めていこうということであります。もう一つには、誰もが前向きに笑顔でチャレンジできる明るい雰囲気をつくっていこうということが将来像を描く根底にございます。地域全体がそうした雰囲気になれば、大人の方々の表情はおのずと生き生きといたしますし、その姿を見る子供たちは自然と笑顔になります。そして、みんなで一緒になって一つ一つ成功事例をつくっていくことでみんなが夢を描けるような大田市になる、そういう思いが込められたものであり、私も共感をいたしました。そうした形で将来像として掲げてまいったところでございます。
行政はさまざまな方々がチャレンジできる環境を整えていくこと、そして市民に寄り添うことが求められてまいります。そうした中で全ての事柄の上段に来るのが総合計画ということになるわけでありますけれども、御承知のとおり、現行の総合計画の期限が今年度で終了となります。来年度から8年間を期間といたします第2次総合計画の策定で今回がなっていると、こういうことでございます。9月市議会の定例会では、総合計画での取り組み方や方向性の指針などとなります基本構想を承認いただいたところでございます。
総合計画というのは、市のあらゆる施策を総合的、計画的に進めていくための計画でございます。計画に掲げる施策は、その全てが住民の福祉の増進に欠くことのできない大事な取り組みでございます。その中には、福祉施策など法律に基づいて行う事務もあれば、道路や下水道など市民生活に直結する社会基盤を整備するもの、産業振興のように市の活力を生み出すなど、性格の異なる施策がさまざまに含まれております。これらを全て一つの限定されたコンセプトに沿って取り組むことは少し難しいなというふうに考えております。それぞれの分野において、当市の実情に合わせたコンセプトを持って取り組んでいくことが現実的ではないかなということで思っております。
先ほども少し触れましたけれども、議員御提案の心と身体の健康都市というコンセプトは、平成28年度に策定いたしました市民の健康づくりとその環境づくり、あるいは健康と観光を組み合わせた保養地づくりを一体的に推進します健康
まちづくり推進方針の考え方と合致するものでございますので、このことは念頭に入れながら、これからそれぞれの分野において取り組んでまいりたいというふうに考えております。
いずれにいたしましても、掲げました将来像の実現に向けまして、各種施策の構築並びに実施計画の策定に取り組んで、来年度以降の予算に反映していきたいというふうに考えております。
○副議長(林 茂樹) 和田浩司議員。
○4番(和田浩司) 再質問はございませんので、これで終了したいと思います。ありがとうございました。
○副議長(林 茂樹) 続いて9番、小川和也議員。
[9番 小川和也 登壇]
○9番(小川和也) 9番議員の小川でございます。本議会最後の質問者ということで、皆様にはいましばらくおつき合いをいただきたいというふうに思っております。
私は、さきに通告をいたしました大きく1点、大田市の人権行政について、一問一答方式で質問をいたします。市長を初め執行部の皆様の前向きな御答弁をよろしくお願いをいたします。
我が国においては、法務省と全国人権擁護委員連合会が世界人権宣言を採択したのを記念をして、昭和24年から毎年12月4日から10日までを人権週間と定めており、大田市内全ての皆様に人権とは何かを改めて考えていただく絶好の機会だと捉えております。
さて、人権行政につきましては、人権行政は総合行政であるとの認識のもと、人権尊重都市宣言、大田市人権施策推進基本方針が策定をされ、平成26年6月議会において県内で初めてとなる人権条例、大田市人権尊重の
まちづくり条例が制定されたところであります。そして、ことしは国際連合が世界人権宣言を採択してから70周年の節目の年でもあります。ユネスコは、あらゆる差別なく人権及び基本的自由を尊重とする営みを通して、平和及び安全に貢献することを目的としております。また、平成28年4月には、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律、6月に本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律、12月には部落差別の解消の推進に関する法律という差別を解消するための3つの法律が施行され、全国的にも取り組みが推進されております。
大田市人権尊重の
まちづくり条例の条文2条では「市政における全ての分野において、人権尊重の視点に立脚しそれぞれの施策に取り組むとともに、様々な差別撤廃、市民の人権意識高揚のための各種施策を積極的に推進する責務を有する」と明記をされており、今後各セクションにおいてより施策が具体化し、より一層推進していくものと思っております。
以下3点について質問をいたします。
1点目、人権課題に対する各計画策定について、2点目、具体的な政策及び取り組みについて、3点目、大田市人権センター設置、運営についてであります。
以上、登壇しての質問を終わります。
○副議長(林 茂樹)
岡田総務部長。
[
総務部長 岡田 稔 登壇]
○
総務部長(岡田 稔) 御質問の1点目、人権課題に対する各計画策定についてお答えいたします。
議員御指摘のとおり、市では全ての人の人権が守られ、安心して暮らせる共生社会を目指して、平成26年6月に大田市人権尊重の
まちづくり条例を制定し、第4条において人権施策を総合的かつ計画的に推進するための基本方針を定めることを明記いたしております。また、市行政の運営に当たっては、市政における全ての分野において人権尊重の視点に立脚した施策を推進することといたしております。
国においては、平成28年に障害者差別解消法、ヘイトスピーチ解消法、部落差別解消推進法など人権課題に関する法整備が行われ、当市においても人権施策の総合的な基本計画であります大田市人権施策推進基本方針の改定作業を行っているところであります。
これまで各所管課においてさまざまな計画を策定しておりますが、策定に当たっては、人権行政は総合行政であるとの認識のもと、各種計画の策定に努めているところであります。
また、このたびの第2次大田市総合計画基本構想におきましても、ユネスコの平和と人権尊重の精神に基づき、人権尊重の視点を根底に置き、基本理念を定めたところでございます。
今後、外国人の人権に関する施策等、新たな計画を策定する際においても、人権を視点に据え、取り組んでまいりたいと考えております。
次に、御質問の2点目、具体的な政策及び取り組みについてでございますが、現代の社会にはさまざまな人権課題が存在している状況にあります。この個別の人権課題を解決するための取り組みとして、現在改定作業を行っております大田市人権施策推進基本方針の中に新たに行動計画を盛り込み、各部署での具体的な取り組み内容を明記し、取り組むことといたしております。
また、これまで各所管課で策定しております男女共同参画計画や障がい者計画、高齢者福祉計画など個別計画の中にも人権を視点に据えた施策を位置づけ、誰もが安心して暮らせる地域づくりに取り組んでいるところでございます。
次に、御質問の3点目、大田市人権センター設置、運営についてでございますが、市では、昭和52年に大田市隣保館を設置し、隣保館設置運営要綱に基づき、日常生活における相談事業や人権に関する教育・啓発活動などを行い、人権課題を解決するための拠点施設として各種事業に取り組んでおります。
しかしながら、この隣保館も建設から41年が経過しており、施設の老朽化が進んでおります。平成14年には玄関や調理室など一部改修工事を行っておりますが、平成25年度に実施いたしました耐震調査では、耐震補強工事が必要であると診断をされております。
また、現在の施設にはエレベーターが設置されておらず、障害者差別解消法にある合理的配慮の観点からも施設の整備が求められています。
このような中、本年3月に策定いたしました大田市
公共施設適正化計画に基づき、隣保館おおだふれあい会館の移転を含めた施設整備を検討しております。
なお、現時点で移転先など詳細は決まっておりませんが、まずは隣保館事業が継続して実施できる代替施設の確保に努める必要があると考えております。
また、人権センター設置に関しましては、現在人権センターとして運営されておられます益田市や雲南市を参考としながら、今後人権センターが担うべき機能を整理し、運営方法等も含めてセンターのあり方を検討することが必要であると考えております。以上でございます。
○副議長(林 茂樹) 小川和也議員。
○9番(小川和也) それでは、2点目、3点目について一問一答方式で再質問をさせていただきますので、よろしくお願いをいたします。
それでは、大田市の職員の皆さんが人権の視点を持って業務を行うということは、周囲の皆さんと接することは非常に大切なことであります。今後さらにコミュニケーション能力を高めていく必要があるというふうに考えております。
しかしながら、さまざまな場面で知らず知らずのうちに人権侵害に当たる行動や人を傷つけるといった行為が起きる可能性があります。また、人権侵害につながる電話等での
問い合わせ事案にも適切に対応しなくてはなりません。
大田市として、人権の視点を入れた接遇対応マニュアル、あるいは電話対応マニュアル、コンプライアンスハンドブック等を作成してはどうかと考えますが、お伺いをいたします。
○副議長(林 茂樹)
岡田総務部長。
○
総務部長(岡田 稔) まず、接遇についてでございますけれども、本年10月にも接遇研修を実施するなど、定期的に研修会を開催をいたしているところでありまして、接遇の向上には努めてまいりたいというふうに考えております。
御質問の人権の視点を取り入れたマニュアル、ハンドブック等につきましては、人権侵害につながる電話等への対応には特に重要、必要であると認識をいたしております。
現在、電話対応マニュアルは既に活用はいたしておりますけれども、今後そのマニュアルを状況とか必要に応じまして見直しを図るとともに、その都度関係職員に周知を徹底してまいりたいというふうに考えております。
○副議長(林 茂樹) 小川和也議員。
○9番(小川和也) ありがとうございました。
現に大田市でも、同和地区がどこかというような
問い合わせ事案も実際に起きておりますので、その
問い合わせた方が何を目的としたかというところまで対応がなるように、難しい事案ではあろうかと思いますが、努力をしていただきたいというふうに思っております。
次であります。4月9日未明、大田市東部を震源とする地震が発生をいたしました。市内では各所避難所等が設置をされました。今後、より大きな地震や災害が発生した場合、避難所生活が長期にわたる場合、人権侵害に遭うのは社会的弱者の方であります。大田市として、災害時の人権課題に対する考え方をお伺いをいたします。
○副議長(林 茂樹)
岡田総務部長。
○
総務部長(岡田 稔) 災害時の人権についてでございます。長期間にわたる避難所運営に当たっての弱者対策につきましては、大田市地域防災計画定めております、その中におきまして、プライバシーの確保、避難行動要支援者等のための福祉避難所の開設、また年齢、性別によるニーズの相違への配慮、男女双方の視点を取り入れた自主運営体制の確立などについてを規定をいたしております。
避難所運営につきましては、当然のこととして人権に配慮した運営に努めることが必要であるというふうに考えております。今後におきましても、避難所運営に当たることとなる職員、また自主防災組織などのリーダーを対象といたしまして研修なども計画をいたし、災害時の避難所開設の際など、人権に配慮した運営に努めてまいります。
○副議長(林 茂樹) 9番、小川和也議員。
○9番(小川和也) よろしくお願いをしたいと思います。
それでは、セクハラ、パワハラ等についてお伺いをいたします。
近年、全国的にもセクハラ、あるいはパワハラの報道が多くなってきているように感じております。大田市において、庁内や教育現場、市内企業、福祉施設でのセクハラやパワハラ等の防止対策、または体制はどうなっているのか、お伺いをいたします。
○副議長(林 茂樹)
岡田総務部長。
○
総務部長(岡田 稔) まず、私のほうから市の庁舎内でのセクハラ、パワハラ等の防止対策、また体制についてでございますけれども、大田市職員のハラスメントの防止に関する規程、これに従いまして、まずは管理職が日ごろから職員が能力を十分に発揮できるような環境整備に努めるということとともに、ハラスメントの防止及び排除について、必要な措置を講じることといたしております。
また、定期的にハラスメントに関する職員研修も実施いたしておるところでございまして、引き続きハラスメント防止意識の啓発に努めてまいります。
○副議長(林 茂樹) 川島教育部長。
○教育部長(川島穂士輝) 次に、教育現場の教職員についてでございます。
学校につきましては、学校ごとに危機管理マニュアル、これを定めております。それに基づきまして、相談窓口を定めて体制を整えております。具体的には、教頭、あるいは養護教諭さんになっておりますけれども、そういった場合が起きますと原則2人体制で聴取を行うとか、あるいはセクハラについては同性を同席させるとかいうようなことで対応をいたしております。
また、さらに研修も計画的に実施をいたして、防止に努めておるところでございます。
また、教育委員会におきましては、管理職から教職員、これへのハラスメントにつきましては、対応するために窓口を学校教育室ということにしまして、これを周知するとともに対応いたしておるというところでございます。以上でございます。
○副議長(林 茂樹) 尾田
産業振興部長。
○
産業振興部長(尾田英夫) 私のほうからは、市内企業における状況についてお答えしたいと思います。
石見大田公共
職業安定所と大田市におきましては、毎年企業さん向けに公正採用選考推進セミナーというセミナーを行っております。この中でハラスメント防止に向けた啓発等も行っておりまして、改めてそういった影響、どのような影響があるかということを企業側の皆様方にしっかりとお伝えするということをしております。
また、あわせまして島根労働局、こちらのほうではハラスメント対応特別相談窓口ということで、本年の4月1日から今月、12月の28日まで特別の窓口を設けておられます。こちらのほうで対応をしておられるという状況でございまして、年明けにつきましては、その対応についてはまだ決まっていない面はございますけれども、窓口の設置にかかわらず、島根労働局、そして石見大田公共
職業安定所というところできちっと相談の体制は整えておられるということでございますので、引き続き連携を図りながらハラスメント対策、防止については進めてまいりたいというふうに思っております。以上でございます。
○副議長(林 茂樹) 大谷
健康福祉部長。
○
健康福祉部長(大谷 積) 私のほうからは、市内の福祉施設についてお答えをいたしたいと思います。
健康福祉部といたしましては、現在特に対応をしておりませんという状況でございますが、一部の社会福祉施設では、先ほど
産業振興部長が答弁申し上げました公正採用選考推進セミナー、ここへ自主的に参加をされているようでございます。
今後、健康福祉部といたしましても、産業振興部と同様な対応に努めてまいりたいというふうに考えております。以上です。
○副議長(林 茂樹) 小川和也議員。
○9番(小川和也) このセクハラ、パワハラについても、なかなか声が上げにくい状況にもあろうかと思いますので、そこら辺のところも考慮いただきながら推進していただきたいというふうに思っております。
次に、いじめの関係がありますが、先日、清水議員さんの御質問もあったところでございますので、これは割愛をさせていただきたいというふうに思います。
次に、市内の福祉施設におけるいじめや虐待等についての状況の対応方についてお伺いをいたします。
○副議長(林 茂樹) 大谷
健康福祉部長。
○
健康福祉部長(大谷 積) 御質問の市内の福祉施設における虐待の状況と対応策でございます。
保育所、障がい者、高齢者の福祉施設における昨年度の虐待の発生件数について申し上げますと、保育所につきましては、公立保育所において昨年、体罰事件が1件発生をいたしました。しかし、そのほかの障がい者及び高齢者の福祉施設については、虐待の事案は発生しておりません。
一方、在宅についてでございますけれども、在宅におきましては、児童虐待は7件、障がい者虐待は1件、高齢者虐待は6件発生をいたしております。
また、虐待の通報につきましては、主に児童の場合は学校から、障がい者については通所事業所、障がい者の事業所のほうから、高齢者については介護支援専門員、いわゆるケアマネジャーから通報が主にあるという状況でございます。
虐待の通報を受けましたそれぞれの所管の部署におきましては、関係部署並びに児童相談所や大田警察署など関係機関と連携をしながら対応しておりまして、今後も虐待の早期発見、早期対応の体制整備に努めてまいりたいと考えております。以上です。
○副議長(林 茂樹) 9番、小川和也議員。
○9番(小川和也) 早期発見、これが大事であると思いますので、今後さらに取り組みを推進していただきたいというふうに思っております。
次でありますけれども、入札関係についてであります。
大田市の入札参加資格審査申請の主観的事項に、主観点数に人権の視点を拡充すべきだというふうに考えております。例えば人権研修でありますとか、先ほど障がい者のこともありましたけれどもバリアフリー化でありますとか、こういったところの取り組みの主観点数、また総合評価方式の加点や計算方式、指定管理者制度の選定審査表の中に人権の視点を加えるべきと考えますが、お伺いをいたします。
○副議長(林 茂樹)
岡田総務部長。
○
総務部長(岡田 稔) まず、入札参加資格審査申請における主観的事項についてでございますけれども、現在でございますけれども、障がい者雇用、また子育て支援、女性の活躍促進などの項目は設けております。議員御指摘の人権研修会の参加実績、これらについては今後さまざまな角度から人権的視点での評価項目を追加することはできるかどうか、これを含めて検討していきたいというふうに考えております。
また、総合評価方式の審査項目につきましても、同様に評価の点で加点できる項目を検討してまいりたいと考えております。
次に、指定管理者制度、これにつきましては、現在仕様書におきまして人権に配慮した管理運営を行うことを定義しております。今後申請書の中へ人権に対する取り組み状況等の記載を求めることについては、今後検討してまいりたいというふうに考えております。
○副議長(林 茂樹) 9番、小川和也議員。
○9番(小川和也) 研修をして、やっぱりはね返りといいますか、こういった点数を課せることで研修イコール入札制度応募したことでランクづけもなるとか、さまざまにメリットも出てくるというふうに思いますので、ぜひ取り組みをお願いをしたいというふうに思います。
続いてでありますが、厚生労働省では、採用選考の基本的な考え方として、応募者の基本的人権を尊重すること、応募者の適性能力のみを基準として行うことを基本としております。島根県内でも毎年数件、企業の面接時に就職差別につながるおそれのある質問をしているケースがあるというふうにお伺いをしております。大田市内の企業、あるいは福祉施設等、庁内の状況及び取り組みについてお伺いをいたします。
○副議長(林 茂樹)
産業振興部長。
○
産業振興部長(尾田英夫) 私のほうから、市内企業様の状況ということでお答えしたいと思います。
先ほどハラスメント防止対策のところで御紹介いたしました公正採用選考セミナーの中で、同じように求職者の適性と能力に基づかない不合理な採用選考が行われないようにと、こういうことで島根
県、島根労働局、そして公共
職業安定所3者で作成しているパンフレットと、それとチラシというものがございます。こういったものを利用いたしまして啓発をし、そして市内企業さん等へ内容をしっかりとお伝えしているという状況でございます。
なかなか一朝一夕では浸透しにくいということも十分私どもとしても心得まして、引き続き継続的なこういった研修を毎年行っていきたいというふうに思っておりますので、石見大田公共
職業安定所としっかりと連携しながら、市内企業さんへ内容を伝えていくよう努めてまいりたいというふうに考えております。以上でございます。
○副議長(林 茂樹) 大谷
健康福祉部長。
○
健康福祉部長(大谷 積) 福祉施設についてでございます。
この点につきましても健康福祉部として特に対応しておりませんけれども、状況を申し上げますと、これにつきましても公正採用選考推進セミナーのほうへ施設のほうも自主的に参加をされまして、公平な採用選考の方法について認識を深めておられるという状況でございます。今後、より多くの施設が参加されるように、呼びかけをさせていただきたいと思っております。以上です。
○副議長(林 茂樹)
岡田総務部長。
○
総務部長(岡田 稔) 大田市の職員採用試験におきましての状況でございますけれども、厚生労働省から示されております採用選考の基本的な考え方、これを基本とする中で取り組んでいるところでありまして、あわせまして公正採用選考セミナー、これにも出席をし、研修を受ける中で適切な実施に努めているところでございます。
面接時の質問、これにつきましては、事前に面接官が打ち合わせを行いまして、応募者本人に責任のない事項、また本来自由であるべき思想信条にかかわることについては尋ねないこと、これらを共通認識として確認をし、行っているところでございます。
引き続き公正な採用選考に努めてまいります。
○副議長(林 茂樹) 9番、小川和也議員。
○9番(小川和也) 先ほど申しましたように、県内でも28年度が12件、平成29年度が15件ということで、県内起きております。こうした取り組み、県内でもされておられるようでありますけれども、実際にはこうして島根
県の教育委員会に上がってくる数字というものが出ております。その内容についても、家族に関すること、あるいは尊敬する人などを聞いているという状況であります。昔と違って、家族に関することも人口減少の中で人手不足の関係でどうも聞かれるようにも伺っておりますので、差別的な質問ではないとはいうふうに思いますけれども、実際厚生労働省もこうして出しているわけでありますから、そこら辺も企業の皆さんにもしっかり把握をしていただきたいというふうに思いますし、今後参加者の会社の方をどうふやしていくかというところもあわせて考えていただきたいなというふうに思っております。
続いてであります。採用選考について、教育の観点から、特に中学3年生の教育において取り入れていくべきではないかと考えておりますが、お伺いをいたします。
○副議長(林 茂樹) 川島教育部長。
○教育部長(川島穂士輝) 採用選考の基本的な考え方につきましては、現在でも中学校3年生、就職試験や、一部、それから高校の推薦入試等がございますので、そういったことからも面接の試験を受けることが想定されますので、面接指導の中でそういった指導をいたしております。
今後それをさらに広める中で、中学校の進路指導においても指導に努めていきたいと思っております。以上でございます。
○副議長(林 茂樹) 9番、小川和也議員。
○9番(小川和也) よろしくお願いいたします。
続いて、外国人の関係であります。大田市では、多文化共生社会を目指しておられます。今後さらに外国人の方が増加していくと考えております。外国人の方々にとって言葉や識字、買い物等、さまざまなことが壁になってくるのではないかなというふうに考えております。
外国人の方々が生活していく上で、環境整備等が必要であります。また、外国人の増加に伴って、ヘイトスピーチの事案が発生する可能性が考えられます。大田市の現状の取り組みや課題について、また今後の取り組みについてお伺いをいたします。
○副議長(林 茂樹)
岡田総務部長。
○
総務部長(岡田 稔) 御質問の外国人の方々が生活していく上で必要な環境整備につきましては、現在、市においては救急搬送時における翻訳機器の配備、また市立病院では翻訳ソフトを活用できるタブレットの配置などを行ってきているところでございます。
しかしながら、行政サービスにおいて対応が十分追いついていないのが現状であるというふうに認識はいたしております。
今後、各種団体等とも連携する中で、日常生活をする上で必要な情報提供に努めるとともに、外国の方にも理解しやすい易しい日本語の普及、また国際交流員、これについても今後配置するなど、多文化共生に係る取り組みを行ってまいりたいと考えております。
次に、ヘイトスピーチ等への対応につきましては、現在、当地域においては人権侵害に当たる事象は発生していないとは認識はいたしております。しかしながら、その対応につきましては、松江地方法務局との連携を密にする中で、必要な対応に努めてまいりたいと考えております。
○副議長(林 茂樹) 9番、小川和也議員。
○9番(小川和也) よろしくお願いいたします。
次に、生活困窮者自立支援制度の現状と課題、今後の取り組みについてお伺いをいたします。
○副議長(林 茂樹) 大谷
健康福祉部長。
○
健康福祉部長(大谷 積) 生活困窮者の自立相談支援につきましては、大田市社会福祉協議会のほうに委託をしておりまして、社会福祉協議会の中に設置をされました生活サポートセンターおおだ、ここを中心といたしまして、自立相談、家計相談、就労準備等の支援事業を展開している状況でございます。昨年度は33件、今年度は11月末現在で12件の新規の相談があったということで、それぞれの状況に応じまして助言や関係機関へのつなぎを行っております。
ことし10月、生活困窮自立支援制度が強化をされまして、行政による制度の周知、それから行政内の各部局における制度利用の勧奨が、これが努力義務ということにされました。また、社会福祉法の改正によりまして、さまざまな地域生活課題の解決に資する支援が包括的に提供できるような体制の整備も求められているところでございまして、こうした状況の中で分野を横断した連携体制を構築するということで、現在、庁内連絡会議及び支援関係機関のネットワークづくりを進めているところでございます。
人権相談の中心的な窓口としてのおおだふれあい会館、この会館についてもこのネットワーク構成員として予定をしておりまして、人権尊重の観点からも踏まえながら、社会的弱者である生活困窮者の支援及び地域生活課題解決の支援を推進してまいりたいと考えております。以上です。
○副議長(林 茂樹) 9番、小川和也議員。
○9番(小川和也) ネットワークづくりを進めているということでありますので、大いに期待をしたいと思いますし、しっかりと進めていただきたいなというふうに思っております。
次であります。本人通知制度にかかわる質問をさせていただきます。
平成23年度に導入をされました第三者交付に係る本人通知制度については、現在市民の皆様の周知などをされ、市民の皆さん、市長を初めとする職員の皆さんにも制度の趣旨を御理解をいただきまして、年々増加傾向であると感じております。
県内でも登録者数は多い状況であると認識しております。また、他市においてもこの制度の導入に向け動きが出てきております。大田市の役割は非常に大きいものと考えております。今後さらに登録者増を目指し、数値目標、あるいは取り組みの見直し、関係部署の連携等が必要と考えておりますが、お考えをお伺いいたします。
○副議長(林 茂樹) 水田生活環境部長。
○
環境生活部長(水田雄二) 住民票の写し等の第三者交付に係る本人通知制度の取り組みの見直しと数値目標についてお答えをいたします。
本市では、先ほどありましたように平成23年3月1日から、住民票の写し等の第三者交付に係る本人通知制度を施行いたしております。
本市では事前登録型を導入しながらしておりまして、この事前登録型は、登録者数をふやすことにより不正取得、不正請求の抑止効果につながると考えておりまして、本制度を継続的に周知していくことが必要と考えておるところでございます。
職員向けには、人権研修においてPRをするとともに、未登録者の職員に対し積極的に登録を働きかけてまいります。
また、市民向けには、引き続き大田市ホームページ、広報への掲載、ぎんざんテレビを活用しながら啓発を努めるとともに、関係課と連携を図りながら登録者の拡大に努めてまいるところでございます。
本人通知制度を導入して間もなく8年が経過をしようとしておりますけれども、この間208名の方に登録をいただいておりまして、年間平均で約27名となっているところでございます。これらを踏まえ、さらなる登録者数の増加を図るため、申請をしやすくなるよう、同一の世帯であれば連記式の様式としたり、
まちづくりセンターなどで受け付けができるよう、申請方法等の見直しについて検討してまいりたいと考えております。
また、今後の数値目標につきましては、当面年間50名程度の拡大を目指してまいりたいと思っております。
○副議長(林 茂樹) 9番、小川和也議員。
○9番(小川和也) さらなる登録者増に向けて、努力をしていただきたいというふうに思います。
次に、DVの関係であります。全国的にDV被害者やストーカー被害者の住所等を教えるなど、業務上のミスが多発をしております。大田市において、どのような防止策を実施されているのかお伺いをいたします。
○副議長(林 茂樹)
岡田総務部長。
○
総務部長(岡田 稔) 御質問のDV被害者やストーカー被害への業務上の防止策についてでございます。
平成20年度に大田市女性・児童・高齢者に対する暴力・虐待対策に係る庁内連絡会というものを庁内に設けておるところでございます。そして、その庁内におきまして情報共有を図るとともに、具体の事例が発生した際には防止対策を整えているところでございます。
また、住民基本台帳事務における支援措置の対象者につきましては、住民基本台帳システムにおいて支援対象者の個人情報が漏れないよう、システム上に警告表示機能を取り入れ、住民票の写し等の交付制限を行っているところでございます。そして、住民基本台帳システムを利用する窓口職場の職員につきましては、システムの取り扱いについて、マニュアルに基づき、支援対象者の個人情報が漏れることがないよう、事務処理の周知徹底を図っているところでございます。
○副議長(林 茂樹) 9番、小川和也議員。
○9番(小川和也) お隣の鳥取
県境港市でありますとか
愛知県等々にもこうした事案が発生をしておりますので、しっかりと取り組んでいただきたいというふうに思います。
次、選挙関係であります。選挙公報や宣伝活動、今議会にも上程されております選挙用ビラなどに差別的政見の記載、表現をした場合に、大田市としてどのような対応をされるのかお伺いをいたします。
○副議長(林 茂樹)
岡田総務部長。
○
総務部長(岡田 稔) 御質問の選挙公報等に差別的政見の記載、表現をした場合の対応についてでございます。
公職選挙法におきまして、選挙公報などにおいて他人の名誉を傷つけたり善良な風俗を害するなど品位を損なう行為をしてはならないというふうに規定をされていることから、大田市選挙管理委員会におきましても、候補者の事前説明会において、その旨の周知、啓発に努めてまいります。
また、選挙の候補者が行う宣伝活動において、ヘイトスピーチの事案や選挙公報などに差別的な表現があった場合には、関係機関と連携しながら、差別を誘発したり助長することのないよう、それぞれの事案に応じて適切に対処してまいります。
○副議長(林 茂樹) 9番、小川和也議員。
○9番(小川和也) 実際2015年4月におきまして、香川
県議会議員選挙において、許しがたい政見、差別的な公報に載せたという事案も発生しておりますので、これは裁判沙汰にもなっております。また、この地区内でありますけれども、1万1,050世帯の皆様に差別的政見の広告が配られたということで、ある2町の町長名で啓発のチラシを配るなど、さまざまに対応されております。こうしたことが起きないように大田市としてもしっかり取り組みをしていただきたいというふうに思いますし、先ほど法律で明記をされているということでありましたが、この香川
県の公報にかかわる条例においては、申請のところでもう一項目加えて記載をしている、条文として載せているような状況もありますので、ここら辺も含めて検討をしていただきたいというふうに思います。
次であります。全国的に人権問題は時代とともに多様化をし、新たな問題も発生しており、特にインターネット上での確信犯的差別行為が多くなっております。三田市や福山市など他市においては、部落差別解消推進法を踏まえ、情報化の進展に伴い深刻化しているインターネットにおける掲示板などへの悪質な差別書き込みに対し、早期発見及び拡散防止を図ることを目的として、監視事業、いわゆるモニタリング事業を実施しております。大田市においても、実際インターネット上での不適切な書き込みが発生しております。必要な知識を身につけながら的確に対応していくことが行政の責務であると考えております。
今後、大田市でもモニタリング事業の実施をするべきと考えておりますが、いかがお考えかお伺いをいたします。
○副議長(林 茂樹)
岡田総務部長。
○
総務部長(岡田 稔) 御質問のインターネットでの差別書き込みに対するモニタリングについてでございます。
情報化の進展に伴いまして、インターネットやスマートフォンの普及が急速に進んでいる中、利便性は高まっているというふうに感じておりますが、その一方で、匿名性を悪用して掲示板に他人を誹謗中傷する記事や身元調査につながる記事が掲載されるなど、人権侵害に当たる事例も発生いたしているところでございます。
議員さん御指摘のモニタリングにつきましては、既に他市でも実施されている自治体がございますので、その手法等について情報収集を行いまして、今後実施に向け取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○副議長(林 茂樹) 9番、小川和也議員。
○9番(小川和也) よろしくお願いします。予算的にもそんなにかからないというふうにお伺いをしておりますので、調査をしていただいて実施をしていただきたいというふうに思っております。
次に、人権センター設置、運営について質問をさせていただきます。
現在、大田市の人権相談や教育啓発など大きな役割を担っているのが、大田市隣保館・ふれあい会館であります。しかしながら、身体的障がい者の方や高齢者にとっては大変不便な施設でもあります。先ほど登壇して申されたとおり、耐震化問題でエレベーターの設置や2階のトイレ設置も断念しており、また、この施設も老朽化を迎えております。大田市所有または島根
県所有の施設を有効活用しながら施設整備を行っていくことが必要であると考えております。また、こうした時期に大田市人権センターとして名称を変更し、運営方法も検討していかなければならないと思っております。
現在、厚生労働省の考え方では、隣保館運営補助金は公設公営が原則であります。整備も市所有の施設でないと対象外になるというふうにお聞きをしております。財源問題や
公共施設のあり方など、各都道府県、各市町村においてさまざまであり、それぞれの実態に応じた補助金が活用できるよう、島根
県とともに、また全国隣保館連絡協議会等と足並みをそろえて国に対し声を出していただきたいというふうに思いますが、いかがお考えかお伺いをいたします。
○副議長(林 茂樹) 楫野市長。
○市長(楫野弘和) 御質問の大田市人権センター設置、運営についてでございますが、全国隣保館連絡協議会の調査によりますと、全国には約800の隣保館が設置されております。建設以来相当な期間を経過した施設が多く、老朽化と施設構造の不備などで建物の改築や大規模修繕を必要としている施設はおおむね4割近くに上っていると報告されています。全国的にも隣保館の整備が大きな課題となっております。
こうした中、当市の大田市隣保館・おおだふれあい会館におきましても、現行のまま使用することは耐震性もなく、また老朽化が進んでいる状況にもございます。先ほど部長が登壇して申し上げましたように、今後の隣保館のあり方につきましては、現在代替施設の確保について検討しているところでございます。
また、御提案の人権センターへの変更につきまして、大田市としてのセンターのあり方を検討する必要があると考えております。
議員御指摘のとおり、厚生労働省では隣保館運営費補助金を利用するには公設公営が原則であり、市が所有する施設以外で隣保館事業を行うことは補助対象外であるとの見解が示されております。
当市では、これまで隣保館事業の運営に当たりましては、国の隣保館運営費等補助金を有効活用し、人権にかかわる相談事業や教育啓発事業を実施してきた経過がございます。今後もこの補助金を有効に活用することが必要であると考えております。
県施設や民間施設等、市以外が所有する施設で隣保館事業を行う場合にも運営費補助金が活用できるよう、
県等と連携しながら国に対して要望を行いたいと考えております。
○副議長(林 茂樹) 9番、小川和也議員。
○9番(小川和也) ありがとうございました。しっかり連携をしていただきまして、大田市の人権行政を進めていただきたいというふうに思います。
以上で
一般質問を終わります。ありがとうございました。
○副議長(林 茂樹) 以上で通告のありました質問は全て終了しました。
これをもって
一般質問を終結いたします。
10日は定刻に会議を開きます。
本日はこれにて散会をいたします。
午前11時35分 散会...