松江市議会 > 2019-12-02 >
12月02日-02号

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  1. 松江市議会 2019-12-02
    12月02日-02号


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    令和 元年第4回11月定例会    令和元年第4回松江市議会定例会議 事 日 程(第2号) 令和元年12月2日(月曜日)午前10時開議 第1 一般質問     森 脇 勇 人  議 員     比 良 幸 男  議 員     石 倉 徳 章  議 員     森 本 秀 歳  議 員     田 中 明 子  議 員     吉 儀 敬 子  議 員────────────────────────────────────────本日の会議に付した事件 一般質問  森 脇 勇 人  議 員  比 良 幸 男  議 員  石 倉 徳 章  議 員  森 本 秀 歳  議 員  田 中 明 子  議 員  吉 儀 敬 子  議 員────────────────────────────────────────出 席 議 員(34名)    1 番   河  内  大  輔    2 番   出  川  桃  子    3 番   細  木  明  美    4 番   太  田     哲    5 番   田  中     肇    6 番   米  田  と き こ    7 番   三  島  伸  夫    8 番   岩  本  雅  之    9 番   新  井  昌  禎    10 番   野  津  照  雄    11 番   長 谷 川  修  二    12 番   柳  原     治    13 番   吉  儀  敬  子    14 番   橘     祥  朗    15 番   野  津  直  嗣    16 番   野 々 内     誠    17 番   森  本  秀  歳    18 番   貴  谷  麻  以    19 番   川  島  光  雅    20 番   石  倉  徳  章    21 番   田  中  明  子    22 番   畑  尾  幸  生    23 番   吉  金     隆    24 番   南  波     巖    25 番   津  森  良  治    26 番   森  脇  勇  人    27 番   宅  野  賢  治    28 番   川  井  弘  光    29 番   篠  原     栄    30 番   三  島  良  信    31 番   三  島     進    32 番   立  脇  通  也    33 番   比  良  幸  男    34 番   森  脇  幸  好───────────────────────欠 席 議 員(なし)───────────────────────欠     員(なし)───────────────────────事務局職員出席者  事務局長    角     清  司  次長      福  島  恵 美 子  議事調査課長  錦  織  靖  浩  書記      尾  添  和  人  書記      門  脇     保  書記      木  村  彰  宏  書記      古  川     進  書記      月  森  致  子───────────────────────説明のため出席した者  市長      松  浦  正  敬  副市長     能  海  広  明  副市長     星  野  芳  伸  政策部長    藤  原  亮  彦  地域振興事業推進部長          足  立     保  総務部長    講  武  直  樹  総務部次長   島  根  史  明  防災安全部長  永  田  明  夫  財政部長    山  内  政  司  産業経済部長  山  根  幸  二  観光振興部長  錦  織  裕  司  市民部長    松  延  由  子  福祉部長    湯  町  信  夫  健康部長    小  塚     豊  子育て部長   舩  木     忠  環境保全部長  高  橋  良  次  歴史まちづくり部長          須  山  敏  之  大橋川治水事業推進部長          永  島  真  吾  都市整備部長  安  達  良  三  消防長     金  村  保  正  教育長     清  水  伸  夫  副教育長    早  弓  康  雄  副教育長    大  谷  淳  司  上下水道局長  川  原  良  一  ガス局長    渡  部  厚  志  交通局長    三  島  康  夫  市立病院院長  紀  川  純  三  市立病院事務局長吉  川  浩  二─────────────────────── 〔午前10時00分開議〕 ○議長(森脇幸好) これより本日の会議を開きます。─────────────────────── △日程第1 一般質問 ○議長(森脇幸好) 日程第1「一般質問」を行います。 各会派の代表質問を行います。 順次発言を許します。 26番森脇勇人議員。 〔26番森脇勇人議員登壇〕 ◆26番(森脇勇人) おはようございます。松政クラブの森脇勇人でございます。 質問に入ります前に、先般、東日本を中心に台風15号、19号の甚大な被害がありました。被害に遭われました皆様にお見舞い申し上げるとともに、亡くなられた方に御冥福をお祈りいたします。一日も早い復興を願うものでございます。 また、先般、合併前の私どもの会派、明政クラブ、合併後の松政クラブに所属し、御活躍いただきました中村晴洋元議員がお亡くなりになりました。私が引き継ぎました松江市軟式野球連盟の前会長であり、松江市体育協会の副会長を長らく務められ、特に宝塚市とのスポーツ交流では大変な御尽力をいただきました。心から哀悼の意をささげます。 さて、最近は台風のルートが以前と変わって、今までは北九州から山陽、山陰にかけてが主流のようだったように思いますが、台風が大型化し、関西から関東に向けての台風が多くなり、今まで台風の経験が少ない都市部で甚大な被害が出ています。100年に一度ある災害の対策のための事業など要らない、よく私たちが、公共事業が行われようとするとき、反対される住民の皆様から伺う言葉でもあります。松江でも大橋川改修の事業を始めるに当たり、多くの住民団体から寄せられた言葉でもあります。当時私も合併をして松江市議会に来たばかりのころで、町村との感覚の違いに当惑したことがあります。治水事業の3点セットとして、尾原ダムの建設、神戸川の分水、大橋川の拡幅改修が予定されていましたが、尾原ダム、神戸川分水事業など多くの上流部の住民の皆様の協力や家屋移転などの協力をいただき、事業完成してきましたが、一番守られるはずの松江市で拡幅反対陳情があり、当時の特別委員会で苦慮した思いがあります。議会で反対陳情を否決した後に、松江でも昭和47年以来の水害があり、拡幅改修は必要という市民感覚になっていったのを記憶しています。しかし、私たちが一番苦慮するのは、国の予算や県の予算、市の予算を立てるに当たり、一度反対もしくは延期した事業にはなかなか予算がつきにくいというところです。日本全国どこでも災害対策予算は必要なため、一度それてしまうと、なかなかもとに戻せないという現実もあります。幸い大橋川改修事業は着々と進んでいますが、今回の台風がもたらした雨量が降れば災害は免れません。さらに進捗が進むよう私たちも働きかけねばと感じております。 それでは、会派を代表して通告どおり8点についてお伺いをいたします。 最初に来年度の予算編成について伺います。 松政クラブでは先般会派の来年度要望事項をまとめ、第2次総合戦略の体制整備や大胆な予算措置、山陰新幹線・伯備新幹線の整備計画格上げ境港出雲道路の事業推進や松江北道路、国道431号、432号、松江木次線、揖屋馬潟線などの早期完成、現在策定中の国土強靱化基本計画地域計画策定による災害対策、大橋川改修事業による護岸整備、職員の人材育成、教職員の資質向上とICT機器の整備と活用、高齢者の自立できる期間の延伸事業など重点要望事項8項目、一般要望事項25項目について要望させていただきました。また、各種団体、各自治会からも多くの要望も出そろったと思います。 早いもので、来年度は私たち議員も市長も任期の最終年を迎えます。また、第2次総合戦略のスタート年にもなり、将来の松江を決定づける大切な1年になりますが、来年度予算編成に向けた市長のお考えをお伺いいたします。 次に、中期財政計画について伺います。 先般、令和元年度から令和5年度までの5年間の中期財政見通しが議員にも説明がありました。当初交付税の合併算定がえによる一本算定の影響はマイナス57億円とされていましたが、合併により新たに生じた需要額が追加算入され、圧縮されたものとなりました。しかし、それでも令和元年度の影響額はマイナス25億1,000万円、令和2年度はマイナス28億4,000万円と大きな削減額となっています。松政クラブでは限りのある自主財源の配分ばかりでなく、国の補助事業、交付金事業について会派としても積極的に研修し、これまで国土強靱化事業地域計画策定による修繕事業などの採択を目指し、庁舎建設、南学校給食センター建設、小中学校へのエアコン設置補助金など、松江市で展開できる内容について、国または地元選出国会議員に対して要望活動を行い、少しでも松江市の財源確保に協力すべく活動してまいりましたが、今後は新庁舎建設予算の資材高騰による増加や多くの老朽化する施設の修繕など多くの予算が必要になります。また、令和2年度から始まる会計年度任用職員制度では、一定の条件を満たす非正規職員に対して、期末手当、退職手当など処遇改善を図ることになるため、この事案では経費総額が19億5,000万円になるものと見込まれています。そのような中、令和元年度の中期財政見通しをどのような方針で立てられたのかお伺いをいたします。 次に、松江市スポーツ・文化振興財団のあり方についてお伺いをいたします。 松江市のスポーツ・文化振興財団を含めた人材育成のあり方等については、以前、松政クラブから質問を行い、大学や実業団で活躍している郷土の選手に地元で活躍いただける場とできないかなど提案を行いました。今後議論をすることが必要ですが、スポーツの指導者、スポーツと連携したまちづくりなど、人材を育成していくことは今後必ず必要です。また、今の時代だからこそ、そして今後の島根国体や夢あるスポーツでのまちづくりを考えると、スポーツ・文化振興財団という組織は、まさしくその人材育成の受け皿として、組織の魅力化も含めた長期的な目線で活用していくことが必要だと思います。今後のスポーツ・文化振興財団のあり方や地域を元気づけるスポーツ人材育成についてお伺いをいたします。 次に、松江市職員の人材育成について伺います。 先般、私たち会派よりも提案しました国の地方創生交付金を活用し、かつ松江市職員の人材育成につながる施策を提案させていただきました。その中で、「選ばれるまち 松江」の実現に向けた人財育成ワーキンググループがスタートしております。その後、現在の進捗状況についてどのような政策が出されたのか、またそれについての今後の事業予算化をどう進めていくおつもりか、市役所の人材育成が急がれる中で、こういった若い行政マンの育成のために、ぜひ率先して事業実現化に向けて応援していただきたいと思っております。 以上、2点をまとめてお伺いをいたします。 次に、文化財施設、松江城の防災対策についてお伺いをいたします。 ことし4月には、フランス・パリのノートルダム大聖堂で火災があり、大変な被害がありました。原因はエレベーターの電気回路のショートとも、たばこの不始末とも言われていますが、大聖堂には火災報知機や消火器は整備されていましたが、スプリンクラーなどは設置されていなかったとのことです。また、10月には沖縄県那覇市の首里城で火災があり、正殿と北殿、南殿、奉神門など計6棟の4,200平方メートルが焼失しました。これも配電盤など電気系統のショートが疑われています。首里城の場合は首里城跡として世界遺産の一部として登録されていますが、建物は再建されたものであり、世界遺産にはなっていませんが、沖縄の心のよりどころ、シンボルとして県民、市民に愛されている建物でした。来年国宝5周年を迎える松江城も防火対策は大丈夫なのか、配電盤や電気系統の回路など心配なところですが、松江城を初めとする市内文化財施設の防火対策、防災安全対策の実情と今後の対応を伺います。 また、松江城の場合、出入り口が1カ所しかなく、避難用出口はありません。入り口付近の防火対策の強化が必要と考えますが、所見を伺います。 次に、災害対策について伺います。 ことしは台風15号、19号と首都圏に上陸し、東日本全体に多くの被害がありました。特に台風19号による3日間雨量は400ミリから1,000ミリを記録し、時間雨量も最大95ミリとなり、被害は死者93人、行方不明3人、71の河川が決壊し、住宅被害は全国で8万7,768棟、土砂災害も20都県で821カ所との報道もありました。12時間雨量は昨年の西日本豪雨を超え、史上1位を記録しました。いわゆる想定外雨量となり、多くの被害が出たわけですが、仮に同等の雨量が松江市周辺に降った場合、どのような被害が想定されるのかお伺いをいたします。 また、想定される状況に対し、松江市の対応を伺います。 次に、松江市周辺の県管理河川について伺います。 松江市周辺では、立地計画により平成16年までに完成した多くの団地が存在しますが、松江市管理河川はほとんどが三面補強され、修繕がなされています。そのため、そこから流れる多くの水が堀川に流れ込み、比津川、中川といった県管理河川を通り、四十間堀川に流れ込みます。この過程で大雨が降ると、中川沿いで氾濫するのが松江市の毎年起こり得る水害でした。現在、県において中川改修工事が行われていますが、県では四十間堀川から宍道湖まで排水する末次放水路新設計画があるはずですが、現在の進捗状況を伺います。このことは新庁舎建設に当たり庁舎敷地を一体に使えることもありますので、あえてお伺いをいたします。 また、先ほど話題にした堀川、宍道町の佐々布川、玉湯町の玉湯川、八雲町や東出雲町を流れる意宇川など、これらは県が管理する河川ですが、島根県は県が管理する河川の樹木や草の撤去、河川内のしゅんせつなど、環境整備について2分の1を市町村に求めているのが現状です。これは国が管理すべき一般海岸も同じで、本来県が代行管理しなくてはいけませんが、市町村ボランティアにお任せしているのが現状で、その処理費は市町村が負担しています。昨年、三島伸夫議員が指摘したように、河川環境整備費の2分の1を市町村に求めているのは中国5県では島根県だけです。これは一昨年、実は私も気づかず、鳥取県の平井知事に圏域議長会の要望を持っていったときに、鳥取県はきちんと県が負担しているからと出雲市からの要望を取り外されたときに気づいたものです。しかしながら、県が市町村に2分の1の負担を求めることにより、環境整備が早く、きれいにできればよいのですが、実際はほとんど手がつけられず変わらないのが現状です。合併当初、宍道町での議会報告会で住民からも河川管理について多くの要望をいただきましたが、県管理であることから、なかなか進まないのが現状でした。今回の台風被害など他地域ですが、河川のしゅんせつ、樹木や草の撤去など、環境整備が行われていないようにも見受けられました。災害が発生してからではなく、しないよう、しっかりとした対応が求められますが、河川環境の整備についていま一度県としっかりとした内容の交渉をすることが必要と考えますが、所見を伺います。 次に、国土強靱化地域計画について伺います。 国は3カ年で7兆円の国土強靱化における予算を編成し、災害が多発し、安心・安全な日本の強靱化のために動いております。その中で、私たちの会派で行った東京研修の中では内閣府の担当者より、3カ年7兆円の事業費については、多くの省庁の予算の中に組み込まれており、政府全体が縦割りを打破し、政府一体となり総合的に国土強靱化事業の推進を行っているとの説明がございました。 その際に、道路などの社会インフラを支える社会資本整備総合交付金から教育施設の改修支援までが、国土強靱化事業の対象事業に組み込まれていることがわかりました。 社会インフラから教育施設改修など、多くの課題を抱える松江市も、国と一体となり安心・安全な松江市をつくるために、しっかりとした、行政縦割りではない、一体となった国土強靱化地域計画をつくるべきだと感じました。それを受けて先般6月定例会の会派代表質問において、国土強靱化地域計画の策定を急ぐべきだと質問したところです。 先ほども言ったように、本計画を策定することで、社会資本整備から教育施設まで、現在松江市が各部署から各省庁へ申請を行っている、多くの国の補助事業の採択率などに対してインセンティブが働くことになります。本計画の策定をしているかしていないかで、大きな差が出ることも先般お伺いをいたしました。 簡単に言えば、松江市の全部署の国への補助申請を、全体で応援する計画策定と言えば話がわかりやすいでしょうか。地方自治体が財政的な理由から安心・安全な地域がつくれないと言われる中で、鳥取県は県がしっかりとかじをとり、鳥取県内の多くの市町村が本計画を策定している現状です。島根県の中では松江市が先んじて計画策定に挑むわけですが、こういった事例から多くの県内自治体のモデルになればと思うところです。 そこで、お伺いします。先般、お伺いした国土強靱化地域計画の現在の進捗状況についてお伺いをいたします。 次に、森林環境譲与税についてお伺いいたします。 森林環境譲与税は森林整備の地方財源のために、森林環境税1人当たり1,000円の徴収が2024年度に導入されるのに先立ち、前倒し実施の形で今年度施行されました。各自治体の配分については私有人工林面積5割、人口3割、林業就業者2割という案分基準が採用されています。 そこで、伺いますが、総務省は森林環境譲与税を全国の自治体へ今年度初めて配分し、総額は約100億円で、市単位では横浜市の7,104万円が一番多く配分されたと伺いますが、9月に松江市に配分された譲与税は幾らだったのか、また来年3月の予定配分は幾らになると考えているのかお伺いをいたします。 次に、配分された譲与税を使い森林管理、林業育成事業に使われるべきと考えますが、私有人工林の対策ばかりを対象にするのではなく、近年多発する災害対策も含め森林全体の管理を行うべきと考えますが、御所見を伺います。 また、森林全体の管理を目的とするためにも、現在の配分基準については見直していくべきと考えますが、市長の所見を伺います。 最後に、失語症者の支援についてお伺いをいたします。 失語症は脳卒中などで起こる言葉の障がいで、話す、読む、聞く、書くが困難になります。国内に50万人いるとされ、松江市でも相当数の失語症に悩む患者や御家族がおられると伺っています。国のほうでは近年まで行政的な支援の対象になっていませんでしたが、昨年、失語症向け意思疎通支援者の養成が地域生活支援事業のメニューの一つに追加され、2018年度から始まっています。今年度、鳥取県では既に支援者養成講習事業が行われていると伺いますが、全国の状況と島根県での取り組み状況をお伺いします。 また、失語症者向け意思疎通支援者支援事業の財源は、養成事業について国が2分の1、市が2分の1、派遣事業では国が2分の1、県と市が4分の1ずつとも伺いますが、この事業は都道府県のほかに中核市も養成講習が開催できることになっています。松江市が中核市となり保健所機能を持った意義として、まさしくこういったことについて先導的に支援を行うという思いもあったはずです。 今までの松江市ではできなかった内容ですが、中核市として先導的な市民に寄り添った施策であり、松江市として事業化に取り組むべきと考えますが、所見をお伺いいたします。 また、脳卒中などが原因の失語症とは違いますが、先天性の発達障がいや学習障がいを持つ子どもの御相談をよく受けることがあります。読む、書く、聞くという本来では当たり前にできることが、読むことや書くこと、おとなしく聞くこと、簡単な計算ができない子どもがふえているように伺います。特に俗に言う「どどくり」や文字が書けない、失読症ということは、学校の中ではいじめにつながり、先生や周りが理解できないと、ただ勉強ができない、積極性のないできない子と片づけられてしまい、不登校やひきこもりの原因になりかねません。発達障がいや学習障がいを持つお子さんは、片方で特殊な能力を発揮することがあり、オリンピック選手になるなど、スポーツ万能であったりするそうです。ハリウッド俳優のトム・クルーズも失読症を抱える有名人の一人で、幼少期には失読症のため12年もの間に15の学校を渡り歩き、補習クラスに入れられ、いじめに遭っていたというつらい過去があったそうです。俳優になってからは、失読症のために脚本等の文章は理解できないので、せりふを覚えるときはテープに全て録音して繰り返し聞いていたといいます。今では学習障がい児への支援活動にも取り組んでいるそうです。また、ハリウッド映画監督のスティーブン・スピルバーグ監督も失読症で、幼少期には本を読むことが人の2倍かかり、いじめに遭っていたと言われています。こういった学習障がいのことをディスレクシアというそうです。日本でも人口の10%ほどがディスレクシアであると言われるほど、実はこの症状を抱えている人たちは非常にたくさんいると言われています。しかし、これまで気づかれず、誤解されるケースが多かったようです。学習障がいにはこのほかに書くことのできないディスグラフィア、算数のできないディスカリキュアがあります。 私が相談を受けたお子さんは、書くことの障がい(ディスグラフィア)ですが、残念ながら先生にも理解されず、いじめを受け不登校になり、スポーツ万能でしたが学校をやめられたそうです。もう社会人になっておられますが、松江市の福祉課でしっかりとサポートしていただき、先般運転免許証が取れ、大変喜んでおられました。しかし、社会生活では理解されず、いまだに多くの問題で苦しんでおられます。そのような方々を理解し、サポートをすることも必要と感じますが、現在学校現場ではそういったディスレクシアディスグラフィアなどの学習障がいが疑われる児童生徒に対して言語聴覚士の意見を伺うなど、しっかりとした対応ができているのかお伺いをいたします。 以上で質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(森脇幸好) 松浦市長。 〔松浦正敬市長登壇〕 ◎市長(松浦正敬) 森脇勇人議員の代表質問にお答えを申し上げたいと思います。 まず第1点目は、来年度の予算編成についてということで、予算編成とそれから中期財政計画について2点の御質問でございます。 まず、先般ローリングを行いました中期財政見通しについて申し上げたいと思っております。 今回の見直しでございますけれども、4つのポイントがあると思っております。まず1つ目が、来年度から始まります会計年度任用職員制度でございます。限られた財源の中で、非正規職員の処遇改善を行っていくことになりますので、まず正規、非正規職員両方の職員数の適正管理を行っていく必要があると思っております。 このために、まずAIであるとかRPAの活用などを通しまして、業務の効率化、あるいは事務事業の見直しを進めていくと、それから働き方改革、あるいはワーク・ライフ・バランスの推進などによりまして、時間外勤務手当を含めた人件費の抑制を行っていく必要があると思っております。 2点目は、新しい庁舎の整備事業費、これを150億円で見込んだということでございます。 この影響も含めまして、令和元年度から5年度間の普通建設事業費が108億円平均ということで、大きく伸びることになったわけであります。それにあわせまして、やはり財政の健全化をやっていく必要があるわけでございますけれども、これまでの健全化の取り組みもありまして、将来負担比率は令和5年度には75%、それから実質公債費比率も目標としておりました10%が、1年前倒しの令和5年度に達成できる見込みとなっております。 それから、引き続き地方債残高が逓減となるといった基調をこれは守っていく必要があると思っております。 3点目が子育て支援新パッケージの枠をつくったということであります。 国が先導して始めております幼児教育・保育の無償化で負担がなくなった財源をもとにいたしまして、子育ての充実、あるいは教育環境の充実、子どもの安心・安全なまちづくりなどの施策に取り組んでまいりたいと考えております。 4点目は、御指摘ありましたが、地方交付税の合併算定がえの終了ということでございます。 削減の影響額は当初見込みより圧縮はされたわけでありますけれども、それでも令和2年度は今年度に比べまして、さらに3.3億円の減少が見込まれるわけでございまして、その後は同規模で推移をするということでございます。 一般財源が少なくなるということでございますので、公共施設の適正化につきまして、来年度に第2期の計画を策定して、行財政改革の取り組みを進めていきたいと思っております。 それから、来年度の予算編成でございます。 先ほどの中期財政見通しを指針としながら、大変厳しい財政状況の中ではありますけれども、第2次総合戦略に掲載を予定しております施策・事業、それから子育て環境の充実、定住対策など、地方創生の取り組みをより一層推進して、効果的な施策展開をやっていきたいと思っております。 特に先ほど申し上げました子育て支援新パッケージを具体化していきたいと考えております。しかしながら、現段階では国や県の制度、あるいは財源が不透明でございますので、これからしっかりと詰めていきたいと思っております。 それから、国におきましては、大型の経済対策を策定されることになったところでございます。防災機能の強化などが盛り込まれると報道されておりますけれども、松江市といたしましても、市民の安全・安心を高める事業など、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 議会の御要望等々を踏まえまして、めり張りのきいた予算編成を行ってまいりたいと思います。 3点目でございますが、松江市のスポーツ・文化振興財団、あるいは松江市職員の人材育成のあり方についてということでございます。 まず、松江市のスポーツ・文化振興財団の人材育成でございます。 現在、今年度内をめどにいたしまして、スポーツ推進計画の策定に取り組んでいるところでございます。今後のスポーツ関係の人材育成でありますけれども、御指摘がございましたように、従来の競技スポーツの振興だけを目指していた時代とは違いまして、現在のスポーツと連携いたしましたまちづくりを進めていくために求められる人材像は異なり、多様になってきているものと認識をいたしております。 例えば、大学などでスポーツに関する科学的、専門的な知識・技術を習得して、各種のスポーツ団体の技術的指導、あるいは運営指導ができる人材、それからスポーツとまちづくりを結びつけていくために関連団体をうまくコーディネートできる人材などが考えられるのではないだろうかと思っております。 国におきましても、スポーツコミッションの設立ということが言われているわけでありますけれども、こうしたものを運営できる人材が今後も求められるということであろうと思っております。 今後、策定いたします推進計画を着実に実施していくためにも、早期に市と財団の役割分担を整理して、財団が担うべき役割をまとめた上で専門職員の確保なども含めて、必要な取り組みを行ってまいりたいと思っております。 それから、松江市職員の人材育成の御指摘、御質問でございます。 ことしの6月に、各部局の若手職員17名で構成いたします人財育成ワーキンググループを立ち上げまして、戦略の5つの基本目標ごとに3名から4名のグループをつくって、戦略に取り込める企画立案に向けてのグループワークを初め、研修あるいは先進地視察などを行ってきたところであります。 その成果について、先月、各グループからICTあるいはAIなど、近未来の技術の活用によります課題解決、あるいは遊休地の活用などの事業提案を受けたところであります。 この事業実施に向けましては、まだまだ事業内容の精査、あるいは財源の確保など、さらに検討を進めていく必要があるわけでございます。 そのため、引き続きこの提案事業内容につきまして検討を行って、実施が可能な事業につきましては、令和2年度に予算化をしていきたいと考えております。 また、提案事業につきましては、第2次総合戦略の具体的な取り組みとして掲載をし、実施に向けて引き続き検討していきたいと思っております。 今後も本市の人財育成の基本方針のもと、中核市にふさわしい人材の育成に努めてまいりたいと思っております。 4点目は、文化財施設防災安全対策ということでございます。 御指摘がございましたパリのノートルダム大聖堂、それから首里城の火災、こうした貴重な文化遺産が一夜にして失われてしまったということでございまして、大変ショッキングな出来事でございましたし、火災の恐ろしさを改めて思い知らされたところであります。 ノートルダム大聖堂の火災以降、文化庁の指導もありまして、本市の国宝・重要文化財建造物の防火施設、あるいは防火体制の確認を行ってきたところであります。 それから、このたびの首里城の火災発生を受けまして、関係部局や指定管理者、消防本部も交えました緊急国宝・重要文化財防火対策会議を開きまして、市内に所在する文化財建造物の現在の防火対策状況の確認と、必要な対策等につきまして協議を行ったところであります。 現在、市内に所在をいたします文化財指定の建造物は、国指定が7件、それから県指定が6件、市指定が12件、合計25件あるわけでございます。このうち、国宝の松江城天守でございます。これにつきましては、屋内の各階に自動火災報知設備、消火器、それから消火栓が設置をされております。それから、最上階にはスプリンクラーが設置をされております。それから、屋外には炎感知器、それから放水銃、消火栓など、他の国宝・重要文化財の建造物と比べても遜色のない設備を設置しているわけでございます。ただ、これらの設備も設置後30年近い年数が経過をしているものもございます。操作性にまた課題があることも明らかとなっているわけでございます。 これまで天守の耐震補強工事を先行して実施する計画にしておりましたけれども、今回の火災等を踏まえまして、来年度から計画を前倒しして防火対策にも着手する予定にいたしております。 それから、もう一つの国宝でございます神魂神社本殿でございますが、これにつきましては平成23年までに操作性のよい消火栓に加えまして、高性能な炎感知器、それから自動旋回式の放水銃なども整備をされまして、万一の事態にも素早く対応できる設備となっているところでございます。 このように国の指定文化財につきましては、文化庁の補助事業によりまして整備をされておりますけれども、一方で県・市指定の文化財建造物につきましては、なかなか所有者の負担が大きいという現実もございます。防火や消火に関する設備の設置がなかなか進んでいないという状況があるところでございます。 御指摘ありましたように、文化財の指定建造物、一度火災で焼失いたしますと、再現することは不可能なわけでございます。このたびのノートルダム大聖堂及び首里城の火災後には、各所有者に対しまして改めて防火、あるいは消火対策の徹底等を速やかに依頼いたしたところでございますけれども、今後も引き続き注意喚起を行うほか、文化財防火デーの際には、全市を挙げて啓発を行うなど、防火対策に努めてまいりたいと考えております。 それから、松江城には入り口が1カ所で、避難用の出口がないということで、入り口付近の防火対策の強化が必要ではないかということでございます。 松江城天守が文化財的な価値を維持する観点から、出入り口をふやすということにつきましては、非常に困難であると考えております。出入り口が1カ所しかないことを前提としての防火対策を行うほかに、登閣者が非常時にも安全かつスムーズに避難できるような誘導方法について検討して、それから避難訓練を行うなどしていきたいと思っております。 また一方では、文化庁とも協議しながら、途中階からの避難など2方向避難の可能性につきましても研究してまいりたいと思っております。 現在、松本城でこうした試みが行われようとしておりますので、そういったものも研究しながら、対応してまいりたいと思っております。 5点目は、災害対策ということでございます。台風19号によります各地で発生いたしました災害、被害に遭われました方々に対しまして、心からお見舞いを申し上げますとともに、被災地の一日も早い復旧・復興を願っているところでございます。 台風19号によります神奈川県の箱根町での24時間降雨量が942ミリになったと、いわゆる1,000ミリ近くになったということが取り上げられたわけでありますけれども、これに限らず、昨今では局地的、あるいは短期的豪雨によりまして甚大な被害が発生をいたしているわけでございます。 こういった状況を見まして、想定し得る最大の降雨を念頭に、的確な避難行動等によって被害を低減する必要性が指摘をされております。このため、平成27年の水防法改正によりまして、想定し得る最大規模降雨による浸水想定区域をハザードマップとして公表するということになったところであります。 松江市におきましても、平成29年にこのハザードマップを修正いたしまして、想定し得る最大規模の降雨を前提にした防災ガイドブック・ハザードマップを作成しまして、ことしでございますが、市民への周知を行ったところであります。 仮に台風19号のような雨量が松江市周辺に降った場合にどのような被害が想定されるのかということでございますけれども、今回策定いたしましたハザードマップで見ますと、従来よりも浸水区域が広域化をする、あるいは浸水の深さが深くなることがわかっております。当然のことながら、浸水期間の長期化、あるいは社会経済活動への影響も極めて大きくなると考えております。 それから、雨が強いことから、土砂災害の可能性も高くなるといった被害が想定をされているところでございます。 それで、想定される状況に対して松江市の対応ということでございますけれども、こうしたことを受けまして国土交通省、それから斐伊川沿川の市と共同で、斐伊川水系大規模氾濫時の減災対策協議会、いわゆる減災対策協議会を設置いたしまして、逃げおくれゼロを目指す対策を実施してきたところであります。 具体的には、ハザードマップの周知、それからタイムラインをつくって、これを関係者と連携して避難情報を発出する。それから、リアルタイムに見られます水位計の設置、それからライブカメラによる現場の把握などをこれまで実施してきているところでございます。 今後もこの協議会におきまして進捗状況を把握しながら、継続的に実施をしていきたいと思っておりますし、同様の取り組みを中海の浸水被害、それから県管理河川でございます意宇川でも行っているところであります。 それから、四十間堀川から宍道湖まで排水する末次放水路新設計画の進捗状況でございます。 この四十間堀川の整備につきましては、平成27年3月に県において策定をされました斐伊川水系宍道湖東域河川整備計画に位置づけられているところであります。 具体的な整備内容といたしましては、千鳥町から中原町までの約350メートルにおきましては、放水路の整備を行う予定と、現在交融橋から宍道湖まで南進するルートで関係機関と調整をしていると県から伺っているところでございます。 また、こうした放水路整備が行われましても、本庁舎の西側にあります現在の四十間堀川、それからポンプ場、そのまま機能を残すと伺っているところでございます。 市街地の内水浸水対策は、市としましても早期に行っていく必要がありまして、引き続き県と連携をしながら進めてまいりたいと思っております。 それから、河川環境の整備につきまして、特に県管理の河川環境の整備について、いま一度検討、しっかりした内容の交渉をすることが必要ではないかということでございます。 この問題につきましては、以前もこの本会議場で質問があったところでございます。中国各県、島根県を除きまして、県管理河川につきましては当然県が全部負担をいたしているわけでございますが、島根県におきましては、県と市町村2分の1ずつ負担をするという形で今行ってきているところであります。 この問題につきましては、松江市だけではなくて、県内の市町村全体にかかわるものでございます。県の管理河川の浄化対策事業については、島根県の市長会を通じまして、県の責任において直接実施するか、あるいは費用の全額を負担するように要望いたしているところでございます。 今後とも、御指摘ありましたように、引き続き他の市町村と連携をして要望し、そして協議を続けてまいりたいと思っております。 大きな6点目は、国土強靱化地域計画についてでございます。 今、森脇議員が御指摘ございましたけれども、国の国土強靱化関係の補助金、交付金の取り扱いということでございますけれども、来年度(令和2年度)からは国土強靱化地域計画に基づいて実施する事業につきましては、重点配分と優先採択などに重点化をされていくことになっております。それから、令和3年度からは計画に基づいて実施することを要件化するという方向で検討されているということでございますので、この地域計画、速やかに策定をして、国からの補助採択等々を行っていく必要があると考えているわけでございます。 現在の状況でございますけれども、物流、あるいは水道、電気などのライフラインが停止をした場合、あるいは長期的な市街地等の浸水などを想定いたしまして、未然に防ぐための手段、対応など、現時点での本市の弱点を抽出して、その対応策などの検討、調整を行っているところでございます。 令和2年度の予算要求に反映をさせていくためにも、年内の策定を予定いたしているところであります。 7点目は、森林環境譲与税についてでございます。この9月の松江市への配分と3月の予定の配分が幾らになるのかという話でございます。 今年度の森林環境譲与税でございますけれども、譲与額が全体で約200億円でございます。都道府県2割、それから市町村が8割ということで、そして譲与基準、私有人工林面積、それから人口、林業従事者数で算定された額を9月と3月に半分ずつ配分をすることになっているわけでございます。 松江市の譲与額は2,370万6,000円と試算をされておりまして、9月は試算額の半分1,185万3,000円の譲与を受けております。3月には残りの額を譲与される見込みとなっているところであります。 それから、配分された譲与税は、森林管理、林業育成事業に使われるべきであるが、私有の人工林ばかりを対象にするのではなくて、近年多発する災害対策も含めた森林全体の管理を行うべきではないかという話でございます。 法的には、森林環境譲与税は私有人工林に限定されたものではないわけでございまして、私有の天然林につきましても、危険な箇所は管理をしていく必要があると考えております。 しかしながら、現実的には森林全体の現況を調査把握しまして、危険度を判断したり、それを踏まえて優先順位をつけることは極めて困難な状況でございます。 また、本市におきます天然林の約86%が広葉樹になっております。通常広葉樹は自然のサイクルによります更新が期待できるわけでございますけれども、人工林は放置することで荒廃が進んでしまうことから、人の手による管理が必要となってくるということでございます。 このような状況を踏まえまして、私有人工林以外の森林につきましては、地権者からの申し出などにより危険箇所が特定された場合に限り対応していきたいと考えております。 一方、国の方針といたしましては、私有人工林の整備に取り組むことで、今年度からスタートしました森林経営管理制度におきます林業の成長産業化と森林資源の適切な管理の両立を図ることを主眼にいたしているところでございます。 松江市におきましても、この制度の趣旨を踏まえまして、林業事業体の育成強化を図りますとともに、適時適切な伐採、再造林等により私有人工林の整備を行い、木材利用の促進と土砂災害等の発生リスクの低減につなげることで、豊かな森林保全に取り組んでまいりたいと考えております。 それから、現在の配分基準を見直ししていく必要があるんではないかということについての考え方でございます。 本譲与税の配分基準につきましては、1つは、私有人工林面積割が言われておりますけれども、これは私有人工林を中心に整備を行っていく必要があるということ、それから林業就業者数割がございますけれども、これは林業事業体の育成を図る必要があるということでございます。 それから、人口割でございますが、この人口割は人口集積地におきまして木材の需要、消費拡大を見込んで設定されたものと認識しておりまして、現在の配分基準には一定の理解をいたしているところであります。 最後に、失語症支援とディスレクシアの対応についてということでございます。 失語症向けの意思疎通支援者の養成が地域生活支援事業のメニューの一つに追加をされて、2018年度から始まっていると、既に鳥取県ではこの養成講習事業が行われているけれども、全国の状況、島根県の状況はどうかということであります。 全国の状況でございますけれども、今年度までに失語症者向けの意思疎通支援者の養成を実施している都道府県は21団体、指定都市が3団体、中核市が3団体、来年度は都道府県が38団体、指定都市は5団体、中核市は5団体が実施する見込みとなっております。 島根県でございますけれども、平成29年度から失語症者向けの意思疎通支援者を養成するための指導者の養成研修に言語聴覚士を派遣いたしまして、今年度で累計5名の指導者が育成をされているところであります。それから、平成30年度からは失語症理解の啓発を目的とした講演会も開催をされているところでございます。 島根県では、令和2年度も引き続き指導者養成と啓発事業を実施する予定でございますけれども、御指摘がありました意思疎通支援者の養成事業は実施予定がないと伺っているところであります。 そこで、中核市もこの支援者の養成事業ができることになっているので、中核市となった松江市においても、事業化に取り組む考えはないのかというお話でございます。 先般、失語症の方、あるいは失語症者を抱えている家族の皆さん方とお話をする機会があったわけであります。その方々もいろいろ程度の差もあるわけでございますけれども、非常に印象深く聞きましたのは、やはり失語症になりますと、まさに外国に放り込まれたような状況になってしまうと。全く意思表示をしようとしても言葉が出てこないということでございまして、いわゆるコミュニケーションが全くとれない状況になってしまう。それによってさらに精神的な鬱状態が引き起こされるということでございまして、大変お気の毒かなといいますか、悲惨な状況を見た思いがしたわけでございます。 現在、市内では毎年約150人程度が失語症を発症しておられますし、その半数程度が後遺症として失語症が残存すると推計をしているところでございます。とりわけ、失語症の原因の9割が脳卒中と言われているわけでございます。高齢化によりまして、脳卒中の患者数は今後もふえてくるだろうと想定をされるわけでございます。松江市におきましても、全国に比べまして、高齢者率が大変高いわけでございますので、このことは松江市におきましても、真剣に考えていく必要があると思っております。 そういったことを踏まえまして、松江市といたしましては、来年度から失語症者向けの意思疎通支援者養成事業を実施したいと考えております。議員御指摘のとおり、こうした取り組みは中核市になったことにより実現可能となったものでございますので、専門的な事業を市民に身近な自治体で実施することができるということが大変意義深いことだと考えているところであります。 それから、ディスレクシアの問題につきましては、教育委員会のほうからお答えをさせていただきたいと思います。 ○議長(森脇幸好) 清水教育長。 ◎教育長(清水伸夫) それでは、私のほうから、学習障がいを持つ子どもたちに学校現場でしっかり対応ができているかというお尋ねでございました。 現在、松江市では通常の学級に在籍をいたします小学校全1年生を対象に教員が平仮名の読みのチェックを行っております。読みの苦手な児童に早期に気づき、学校と家庭が連携して改善を図り、学習意欲を支える取り組みを進めているところでございます。 また、小学校中学年以降、学習障がいが疑われる児童生徒に対しましては、言語聴覚士や特別支援教育士の資格のあるエスコスタッフが中心となって相談や指導をすることとし、実態に基づいてタブレット端末を学校に貸し出し、音声読み上げ教材等のデジタル教材など提供をすることとしております。あわせて、使用に当たっての教育相談日を定期的に設け、効果的な学習利用についての研修も実施をしているところでございます。 今後とも、学習障がいによって学習意欲の低下や不登校等の2次的な問題につながらないように、早期に気づき、ICT機器等を活用するなど、多様な学び方に配慮していきたいと考えております。 また、中学校卒業後については、中学校までの支援が引き継がれるように中学校と高校等との連携を図ってまいりたいと考えているところでございます。以上でございます。 ○議長(森脇幸好) 26番。 ◆26番(森脇勇人) 多くの提案に答えていただきました。ありがとうございます。終わります。 ○議長(森脇幸好) 33番比良幸男議員。 〔33番比良幸男議員登壇〕 ◆33番(比良幸男) おはようございます。松政クラブの比良幸男でございます。会派を代表して質問いたします。 最初に、新幹線誘致の現状と課題、島根県知事の政治姿勢について伺います。 さて、6月定例会では、松政クラブ代表質問において鉄道敷設による人口変異などが説明され、新幹線誘致の必要性について提言がなされました。また、自民党整備新幹線等鉄道調査会の鉄道のこれからを考えるプロジェクトチーム(PT)の提言では、採算性のみで判断することなく、国、地方がしっかりと関与する必要があると指摘され、基本計画路線を初めとした新幹線ネットワークの整備は、地方創生や国土強靱化の観点からも重要なプロジェクトと強調され、地域経済、社会を支えるためには、高速輸送サービスの提供が不可欠との視点に立ち検討すべきとされています。 先般、中海・宍道湖圏域の市議会議長会の主催する要望会は、境港市、米子市、安来市、松江市、出雲市の議連約20名で青木国土交通副大臣に面会し、伯備新幹線の早期実現に向けて要望させていただき、国土交通省鉄道局より新幹線事業の見通しを伺うとともに、意見交換を行いました。その中で、今まで前向きであった鉄道局の答弁が、「予算については見通しが立たない状況であるが、現在の整備計画を着実に進めていく」という回答でもありました。12月となり自民党PT(プロジェクトチーム)の提言から6カ月が過ぎますが、改めて国の調査状況、新整備計画に向けてのスケジュール、今後の活動について伺います。 山陰新幹線については、先般、鳥取県の平井知事は大変前向きで、知事の働きかけで6年ぶりに山陰新幹線期成同盟会の活動を再開され、御法川国土交通副大臣に要望活動を行ったとの報道もありました。しかしながら、島根県知事においては、就任以来、新幹線誘致の決起集会や大会には一度も参加がありません。私も山陰新幹線・伯備新幹線整備促進松江市議会議員連盟の会長を仰せつかり、大会や決起集会に参加しておりますが、お会いしたことがありません。市長は圏域の市長や議長、経済界の方々と知事に対して要望活動を行っておられると思いますが、知事はどのような見解をお持ちなのか伺います。 次に、山陰新幹線期成同盟会の活動にも知事は参加されていなかったようですが、中国横断新幹線(伯備新幹線)について新見駅を起点にした場合、島根県53キロ、鳥取県30キロ、岡山県80キロとなるため、岡山県との協議が大変重要になります。そのため、島根県にしっかりと活動していただかなければならないと感じますが、島根県は動いてくれているのか、現在の状況を伺います。 新幹線を誘致する場合、並行在来線はそれぞれの地域が管理することになるため、そのことによる財政負担を県は懸念されているようにも伺いますが、私たちの研修では、平成30年度に調査された並行在来線等への影響では、定期外利用者は減少するが、定期利用者は横ばい、都市内交通の利用者への影響は増加しているとのことでした。また、新幹線と接続する在来線での影響は、北陸新幹線など利用者が大きく増加し、観光列車の導入により利用者が増加しているとの報告もあります。私たちも総務委員会視察で石川県、会派視察で盛岡、八戸に伺い、新幹線誘致後の状況を視察しましたが、新幹線に接続する在来線は軒並み利用者が増加しています。つまり、新幹線が出雲市まで来れば、出雲から県西部に向けての山陰本線の利用客も増加することが期待されます。そうなれば、中海・宍道湖圏域の観光客の流れが県西部にまで波及することも夢ではありません。まず、地元が覚悟を持って取り組み、その後の活動としてコストについてしっかりと国に提言していくことが肝要と考えます。改めて島根県の積極的な取り組みに期待するものです。 この項の最後に、知事の政治姿勢への所見を伺います。 丸山知事は、選挙公約にしていた小学校6年生までの子どもの医療費無料化を9月定例会の県議会質問であっさりとやめられてしまったと思っていましたら、先般の新聞報道では、地方創生計画案の中で子どもの医療費無料を小学校6年まで引き上げるとともに、目玉政策として学童保育の利用時間延長に対して支援を行うと報道されました。また、その財源確保のために今まで島根県の教育の中で全国に誇れる内容であった小中学校の少人数学級編制や図書館司書の配置内容まで基準変更し、財源を捻出しようとされているようです。 先般、県議会でも説明があったようですが、重点見直し対策事業には多くの島根県らしさ、島根県の特徴を生かした事業が含まれます。その中には今まで効果を出していた、ふるさと島根定住推進事業や商工団体人件費、活動費、木の家ですくすく子育て応援事業、しまね観光誘客推進事業なども含まれています。一般会計4,800億円余りの総事業費の中から4億円程度の予算を捻出するのに、教育関係の予算配分からスクラップ・アンド・ビルドでは余りにも芸がありません。県レベルだと国の有利な事業を1つか2つ獲得すれば、一般財源の流用で幾らでも対応ができます。 もともと全ての事業で県は支援という言葉を使われますが、実際は行う事業の3分の1から2分の1、子ども医療費については実際の負担額の2分の1も対応していないのが現状です。こういった事業を市町村と協議せず行うと必ず市町村では新たな負担を強いられることになります。間接的な補助や支援はありがたいことです。また、事業費がふえるのも喜ばしいことです。しかしながら、今まで行っていた内容のよい事業までやめてまで行うのはいかがなものかと感じます。 県議会定例会ではしっかりと議論されると思いますが、松浦市長もスクラップ・アンド・ビルドで松江市の事業を大きく改革され、多くの公約、マニフェストを実現されてきましたが、知事の手法についてどのようにお考えか所見を伺います。 次に、境港出雲道路について伺います。 境港出雲道路においては、米子市から境港市への高速道路延長、米子市から安来市への架橋の設置とともに、中海・宍道湖圏域8の字構想の中で、大変重要な島根半島を縦断する道路構想です。出雲市議会、松江市議会でも議員連盟を立ち上げ、構想実現のため活動しています。しかしながら、現在この構想の一環である松江北道路の進捗が目に見える形ではありません。現在どのような進捗状況なのかお伺いします。 次に、出雲・美保関間幹線道路整備促進期成同盟会の境港出雲道路整備促進の要望に対して、知事の反応がこれも新幹線と同じようによくないように伺いますが、知事はどのような見解を示されているのか伺います。 数年前に半島振興法が改正延長され、ソフト事業を初め境港出雲道路のような市と市をまたぐような道路は、災害避難道路としても使えるなど、有利な起債や補助金が受けられると県が示していたと思います。また、原発特措法が延長されれば、原発認定道路としてだんだん道路、大手前道路、北道路などのように国の補助、有利な起債が受けられれば、ほとんど県の手出しがなく、県財政への負担も少なくなります。まずは計画を立てて有利な条件を獲得すべく国との交渉を進めるべきだと考えますが、県の考え方、状況と市長の所見を伺います。 先般、東部4市で市議会議員の研修が安来市で行われましたが、出雲市、雲南市、松江市、安来市で県人口の66%、税収の約70%が県税として納められています。島根県においては、しっかりと我々の要望事業に応じていただきたいものです。 次に、松江城国宝5周年について伺います。 国宝松江城天守は、平成27年5月15日の国の文化審議会において国宝に指定するよう文部科学大臣に答申がなされ、同年7月8日の官報告示により、正式に国宝に指定されました。国宝松江城は、松江市民の誇りであり、近代まで数多く残る松江市の文化の中心です。国宝になって後、不昧公200周年事業や継続的に行われている松江城の改修事業や、天守閣等のライティング事業など、松江城を未来へ継承していくさまざまな事業が行われております。そして、来年にはその松江城が国宝となり5周年の記念すべき年となります。いつまでも荘厳な松江城を後世に残すためにも、さらなる検証を行い、市民の皆さんとともに祝い、松江城に訪れたことのない国内外から多くの人、そして多くの市民に松江市の財産である国宝松江城に訪れ、触れ合ってもらいたいと思います。 こういった節目の5周年事業について、松江市として国内外にしっかりと恥ずかしくないような5周年事業をやっていただきたいと考えております。来年度に向けての御所見をお伺いします。 最後に、教育問題について大きく2点伺います。 具体に入る前に、先ほど申し上げましたが、島根創生計画に関する来年度予算の見直し案が県から示されたところですが、島根県が先進的に取り組んできた少人数学級編制や学校司書の配置が大きく後退することがわかりました。これらのことが実施されますと、これから質問させていただきます特別支援教育やいじめなどを含む生徒指導の充実について、時代に逆行するのではないかと強く懸念をしております。ぜひ現行の制度を堅持していただくよう申し上げておきます。 そうしますと、教育問題の1点目、中学校における特別支援学級のセンター校の設置の考え方について伺います。 現在、松江市の小学校では、南は中央小学校、北は母衣小学校が小学校の特別支援学級のセンター機能を担い、その中で非常に手厚い特別支援体制が組まれています。そういった環境のよさが評価され、市内の転居はもとより、県外からも中央小や母衣小の校区内に移住されて通学される事例もあると聞いています。 中央小学校と同じ校区にある松江三中は、中学校の特別支援学級のセンター的機能を持ち、小中学校との連携を同じくしております。しかし、小学校の橋北のセンター的機能を持つ母衣小学校では松江二中がセンター機能を持たないために、結果的に教育の連続性を欠き、中学校の進学時で再び居住地とは違う進学手段を考えざるを得ない状況が生まれているようです。 親御さんの御苦労や、また通いなれた通常学級や特別支援学級の同級生の子どもたちと離れていく子どもたちを考えると、非常に不条理であると感じます。こういった特別支援教育のミッシングリンクを解消することが必要ではないかと思いますが、考えをお伺いします。 そして2点目、いじめと不登校について伺います。 報道によれば、文部科学省が10月17日に公表した2018年度の児童生徒の問題行動・不登校調査で、県内の小・中・高など認知されたいじめ件数は2,742件と過去最多となり、暴力行為990件で1,000人当たりの件数が3年連続して全国で最も多く、大変深刻な事態だと憂慮しています。 そこで、伺いますが、松江市の小中校のいじめ、暴力行為、不登校はどのような状況でしょうか。2018年度の結果と近年の傾向をお伺いします。 報道では、県教委はいじめの件数が過去最多となったことと、暴力行為が3年連続で全国1位となったことに対し、ともに細かい事案まで計上した結果という危機感のない見解を示しています。松江市の結果に対して、教育長はどのような見解をお持ちか伺います。 不登校の要因として、小中ともにいじめを除く友人関係をめぐる問題、学業不振が大きく、県教委は人間関係がうまく築けない子どもがふえていると分析していますが、この点についての教育長の見解を伺います。 県教委は、これらの対策としてスクールカウンセラーの配置を上げていますが、松江市でのスクールカウンセラーの配置状況はどうなっているのか、また配置によって期待された成果は上がっているのか伺います。 いじめ、暴力行為、不登校が毎年増加する傾向の中、スクールカウンセラーの配置という対症療法だけでは限界があると思います。 学力低下問題においても、家庭学習の不足が指摘されており、いじめ、暴力行為、不登校問題を含めて家庭教育の強化が必要と思われますが、教育長の見解を伺います。 平成18年に教育基本法が改正され、第10条の家庭教育では、「父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有するもの」、「国及び地方公共団体は、家庭教育の自主性を尊重しつつ、保護者に対する学習の機会及び情報の提供その他の家庭教育を支援するために必要な施策を講ずるよう努めなければならない」と家庭重視政策が明記されました。 そして、この趣旨の徹底を図るべく、平成25年の熊本県を皮切りに、8県6市で家庭教育支援条例が制定されています。熊本県では、親の学びプログラムの受講者が5年間で31万人となり、親の学びは当然という県民意識となり、大きな成果が上がっていると伺っています。 地方創生の基本は、人づくりであり、そのためには家庭が子どもたちの心を育み、生きる力の源泉になることが必要不可欠と考えます。松江市においても、家庭教育支援条例を制定し、家庭教育の強化が必要と考えますが、所見を伺います。 以上、さまざまな事業におきまして、国、県、市、それぞれ連携して事業を行わなくてはなりません。特に他の県や市に比べて税収の少ない島根県であり松江市であります。意思疎通をしっかり行い、県民、市民の生活を守っていただくよう提言し、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(森脇幸好) 松浦市長。 〔松浦正敬市長登壇〕 ◎市長(松浦正敬) 比良議員の代表質問にお答えを申し上げたいと思います。 まず1点目は、新幹線の誘致の現状と課題、それから島根県知事の政治姿勢についてということでございます。 今新幹線についてでございますけれども、国土交通省では平成29年度から幹線鉄道ネットワークのあり方に関する調査が毎年実施されております。これは新幹線の基本計画路線を含みます新幹線整備に係る課題の抽出、整理あるいは具体的な検討に向けました基礎資料を作成すると、このために行われているものでございます。 平成30年度は、先ほど比良議員からも御指摘がありましたけれども、自民党の新幹線のプロジェクトチームのほうからの提言を踏まえまして、新幹線の整備効果の検証、それから単線による整備など効果的・効率的な整備手法の研究、それから在来線のあり方の検討などが行われたところでございます。 特にこの整備効果につきましては、いわゆる費用対効果という従来の経済効果だけではなくて、インバウンドを含みます交流人口の増加や沿線の資産価値向上に着目をする。これと同時に、災害時の信頼性、それから都市集積効果など、従来の費用対便益には考慮されていない効果につきましても、便益として計上するための検証などが行われているということでございます。 今後の整備新幹線のスケジュールでございますけれども、ことしの6月に国への要望活動を行った際に、当時の石井国土交通大臣のほうから、現在、北陸新幹線などの整備を行っており、その後、基本計画路線をどう整備するかを検討するという話を伺ったところであります。 それから、国交省の幹部のほうからは、令和4年度ごろに現在行っている整備工事が一段落するので、その次を考えたいと伺っているところでございまして、与党、それから基本計画路線の各推進団体は、令和4年度ごろ以降に次期の整備計画が決まると捉まえまして、活動を活発化しているということでございます。 今後の我々の活動につきましては、国への要望活動はもとよりでございますけれども、ポスター、チラシの作成、あるいは出前講座の開催を初めとしまして、さらには市民にわかりやすい場所での看板掲出についても検討していきたいと考えております。 市民の皆様に新幹線整備の意義や効果を理解いただくために、こうした広報啓発活動を強化することで、先行する他の路線に負けないような取り組みを行っていきたいと思っております。 それから、丸山知事がこの新幹線についてどのような見解をお持ちと伺っているのかということでございます。 知事は、我々の市長会のほうと5月に第1回目の意見交換をいたしたところでございますが、そのときにはやはり現在の山陰道整備が先であるという見解を出されたところであります。こういうことから、大変慎重な姿勢であったわけでありまして、私どもはそういったことに対して、他の地域では県を巻き込んだいろいろな活動が進行している状況の中で考えると、もっとやはり県として姿勢をはっきりさせていただく必要があるんじゃないかと申し上げたところであります。 その後、私どものほうで知事に対しまして個別の要望活動を行ったところでありますけれども、その際、言っておられましたのは、並行在来線、それから地元負担については、制度の問題なので、これは今後制度を見直してもらうということで解決はするけれども、やはり心配なのは、新しい新幹線の駅をつくるに当たっては、駅周辺の整備にお金がかかるんじゃないかということについて、やはりきちっと考えていかなければいけないというお考えを持たれまして、従来よりは一歩前進だと考えたところであります。 その後、ことしの8月に公表されました島根の創生計画の素案にも、課題について触れながら、「関係県と連携して国に働きかける」と明記されたところであります。そういうことで、現在はかなり前向きな姿勢ではないかと考えているところであります。 それから、県がこの伯備新幹線等についてしっかりと動いてくれているのかということであります。御指摘ありましたように、やはりこの伯備新幹線につきましては、県同士の協議が大変大事になってくるわけでございます。特に伯備新幹線の場合は、3分の2近くが岡山県に所属することになりますので、岡山県の負担を考えますと、島根県のほうから、あるいは鳥取県のほうから岡山県と十分な協議をしていただくということが、これは絶対に必要になってくるわけでございます。 そういうことでございまして、現在まではまだ島根県のほうから岡山県等との協議を行ったという話は今のところ確認をしておりません。 そこで、本来、他府県との協議は県が行うべきではありますけれども、一刻も早い国への要望など、早急に対応する必要がありまして、これまで松江市の職員が鳥取県、あるいは岡山県を訪問いたしまして、新幹線整備の考え方、取り組み状況につきまして理解をするための説明、意見交換、情報共有を行ってきたところであります。 今後は、先ほど申し上げましたように、知事の考え方も徐々に変わりつつあるということでございますので、主体的、積極的に取り組んでいただけるものと大いに期待をいたしているところであります。 それから、いわゆる知事が今後の地方創生計画案の中で、財源確保のために島根県が評価されていた多くの事業を見直してまで財源確保をしようとしていると、県が全額負担するならよいけれども、市町村協議が不足すると、市町村の新たな負担がふえると、このような手法に対してどう考えているかという話でございます。 これは釈迦に説法でございますけれども、県と市町村との関係、これは原則市町村がいわゆる基礎自治体でございます。県はそれを補完すると、あるいは広域的な事業に対して対応していくというのが県と市町村との関係であるわけでございます。したがいまして、例えばこれまで市町村が行ってきた事業に対して、県が何か補助制度を行っていくと、これは当然考えられるわけでございますけれども、しかしそれまでやってきた市町村の事業のやり方であるとか、そうしたものを変えてまでその支援をすることは、これはやはり問題があると思います。したがいまして、そうしたものを行っていく場合には、十分な協議が必要になってくると思います。 それから、これまで県が全額負担していたものを、例えば2分の1にして、そして残りを市町村に負担していただくということになりますと、これは見方からすれば、新たな市町村の負担を生じさせることになるわけでございますので、こうしたことも十分協議をしてやっていただく必要があると思っているところでございます。 一例を挙げますと、これは溝口県政の時代でございますけれども、保育所の保育料の軽減策を溝口知事の時代に打ち出されたことがございました。御承知のように保育料の軽減につきましては、例えば松江市においてはもう随分昔から軽減をしてきているわけでございますけれども、あのときの軽減のやり方は、ゼロ歳から2歳までの子どもに対して県のお金を入れていくという考え方でございます。それは例えば松江市の軽減策の財源としていただけるということであれば、特に問題ないわけでありますけれども、県のやり方は、とにかく県の考え方をまず前提として実施をしてもらわなければいけない。その上で今の市町村が行っているものを、一緒にやってもらわなければいけないという、つまり県の支援措置を財源支援という形でやられては困るという考え方でございます。しかし、それを実際にやっていきますと、ゼロ歳から2歳までのときには非常に低額な保育料で済むわけですが、その子どもが3歳になった途端にばっとその部分がはね上がっていくといういびつな形になっていくわけであります。したがいまして、そういうふうなこれはある意味ではありがた迷惑な話でございますので、そういうことについては、私は十分松江市の要望を聞いてくれと、あるいはその財源を松江市にいただければ、松江市のほうで松江市に合った軽減策の財源として使わせていただくということを繰り返し申し上げましたけれども、なかなかそれは聞き入れていただけなかったということがございます。 この問題は、多分ほかの市町村においても同じ問題があったことだと思います。しかし、他の市町村も財源がいただけるのであるならば、いたし方ないというところで妥協したという経緯があるわけでございます。 それから、今回学童保育の時間延長について、県が半分負担をするということでございます。一見これはよさそうに見えるわけでございますけれども、これはそれを実施しようとしますと、新たな市町村の負担が出てくることになるわけでございますので、こうしたことについても十分これは市町村の要望を踏まえた形でやっていただく必要があると思っております。 そういうこともありますので、先般、先月ですが、市長会が開催いたしました県知事との意見交換の場におきまして、とにかく市町村が納得できるような形で進めてもらう必要があると、十分説明をしていただく必要があるということを申し上げたところでございます。 大きな2点目でございますけれども、境港出雲道路についてでございます。 現在の北道路の進捗状況でございます。北道路につきましては、昨年開催いたしました地元説明会におきまして、いろいろなルート案、あるいは道路構造等々、要望、意見が地元のほうから出されたところでございます。それから、関係する地域の自治会、あるいは町内会からもルートの変更、あるいは道路構造の変更など計画の見直しについての要望書等が県に提出をされているところであります。 こうした地元からいただきました多くの要望、意見等に対しまして、現在どのような対応ができるのかを検討しているということで、そのことで今現在時間を要していると伺っているところでございます。 こうしたことを整理した上で、関係機関との協議等を行って、これらが調い次第要望書をいただいた自治会、あるいは町内会へ丁寧に回答する、それから速やかに次の説明会を開催する予定であると伺っているところでございます。 松江市といたしましても、地域の皆様に御理解をいただいて、事業が進捗するように県と一緒になりまして取り組んでまいりたいと思っております。 それから、この北道路以外のいわゆる境港出雲道路の全線につきましての期成同盟会の要望を、先般の10月15日に、その会長でございます出雲市長初め議会、それから経済団体等の会員11名で知事に要望いたしたところでございます。 私のほうからは、中海と宍道湖を取り囲む8の字ルートの構想を昔から要望しており、境港出雲道路の全線について整備方針、整備計画を立てて、それに向かって一緒に努力していきましょうとお願いをしたところであります。 知事のほうからは、まずは現在事業化に向けて進めている松江北道路の早期事業化に努めたいと、それから残る区間の整備方法などは慎重に検討していきたいという回答がありましたので、私のほうからはさらに、新幹線の整備計画路線への格上げと同じで、今すぐに何かお金が要るということではないと。懸案であった米子と境港の間の高速道路についても、今取り組みが始められようとしているところであるので、ぜひこの境港出雲道路についての整備方針、整備計画を今立てていただきたいという話を再度お願いしたわけでありますけれども、それに対しましては、将来、今すぐお金が要らないから、いいかげんにそういう計画を立ててもいいということではないんじゃないかという反論があったわけであります。私はそんなつもりで言ったわけではないんですけれども、そう言われたと。それから、米子と境港の道路は、これはいわゆる有料道路でありますので、国が主導して行うものであると。これに対して境港出雲道路は県が事業を行うものであるので、それは全然違うんだと、県の考え方でやっていかなければいけないというお話でございまして、なかなか話がかみ合わなかったということでございます。 いずれにしましても、粘り強くこの問題については県の御理解をいただくようにやっていきたいと思っております。 それから、いわゆる境港出雲道路については、いろいろな財政等々の制度があるので、こうしたものも活用してやったらどうかというお話でございます。私も全く同じことでございます。今島根県は後進地域特例法の適用団体になっております。したがいまして、こういった地域高規格道路の整備などを行う場合には、国の補助率に対しまして25%のかさ上げが適用されることになります。 それから、原発特措法の対象になりますと、起債のうちの交付税措置、起債はもちろん100%ですが、そのうちの70%が交付税で措置をされるということになります。先ほどの後進地域の特例、それから原発特措法を合わせますと、ほぼ自主財源の持ち出しは極めて少なくなると考えているわけでございます。 もちろん、原発特措法が適用になる地域は限られてはおりますけれども、そうしたものをそこに入れ込むことによって、県の負担を最小限に抑えることが可能ではないかと思っております。そうしたことも県はもちろん十分御承知のことだと思いますけれども、お話をしながら対応していきたいと思っております。 3点目は、松江城の国宝5周年事業ということで、どういう事業を行っていくのかということでございます。 現在、この5周年記念事業につきましては、9月議会で野津直嗣議員の質問にもお答えしましたように、企画の検討を進めております。まず、松江城を後世に守り伝えていくための取り組みをやっていく必要があるということでございます。このため、新たな研究成果をもとに城と城下町の魅力、あるいは謎に迫る松江歴史館での特別展、それから国宝指定5周年記念シンポジウムといったものを開催しようと思っております。それから、この機会に松江城を守り伝える市民の組織、国宝にするときには、国宝にする市民の会をつくっていただいたわけでありますが、これの後継組織のようなものの立ち上げを行っていきたいと。これのお世話を松江市としてやっていきたいと思っているところであります。 現在、いろいろな形で市民団体が松江城の清掃であるとか、環境浄化といったことに取り組んでいただいているわけでございますので、そういった団体にまず集まっていただいて、それのまとめ役として松江市のほうでやっていくという形で出発してみたらどうかと思っております。 それから、観光客に訪れていただくための取り組みでございますけれども、これまで天守の展示改修、それから本丸の整備、それからライトアップ、AR、VRなどの整備をやってまいりました。それから、松江武者行列、水燈路など松江城を舞台にしました事業を十分に生かしながら、そこに新しい光のイベントの創出、それから城下町文化としての不昧公の茶の湯、それから小泉八雲の世界など、新たな切り口で加えていきたいと思っているところでございます。 それから、こうした事業を年間を通して展開しながら、多くの皆様方に松江城の魅力を発信していきたいと思っておりますけれども、こういった御指摘のような記念事業にふさわしい事業に仕上げていくためにも、国の事業の活用を視野に入れて現在検討を進めているところでございます。 それから、教育問題につきましては、教育長のほうからお答えをさせていただきますけれども、先ほど比良議員のほうから御指摘がございました少人数学級の編制等の県の見直しにつきまして、一言申し上げさせていただきたいと思っております。 御承知のように、先般県のほうでは小中学校の少人数学級等の見直しという考え方が打ち出されたところでありまして、現在県議会においてもいろいろと議論がされているわけであります。 しかしながら、この問題は始められまして今4年ないし5年程度が経過をしているわけでございますけれども、一方において島根県の小中学校の子どもたちの学力の低下が指摘をされているところであります。 それから、今比良議員も御指摘ありましたいじめであるとか不登校であるとかという問題も、非常に全国的にも大変高い状況にあるということになっております。こういう中で、これまでやってまいりました少人数学級をやはりやめてしまうということになりますと、きめの細かい対応がこれは当然できなくなってくるということが1つございます。 それからもう一つは、今教職員につきましても、働き方改革ということが言われているわけでございますけれども、極端なところ例えば今受け持っている子どもの倍近くのものを担当しなければいけないということにもなりかねないわけでありまして、こうした教職員に与える負担感も非常に大きなものがあるだろうと思っております。 そういうことを考えますと、現在小中学校の児童生徒、それから教職員の置かれている状況を考えますと、これは今回の措置はやはり明らかに逆行する措置ではないかと思っているわけであります。それがこういった問題についてきちっと対応していくと、今以上にこういった問題がないように対応していくものとして打ち出されたならばいいわけですが、むしろ財源を確保するための一つの手法として、こういったものが打ち出されているところに非常に問題があるだろうと私は思っているところであります。 財源を生み出していくためには、いろいろな手法があります。県民に対してのしわ寄せをしていくと、しわ寄せという言い方はおかしいのですけれども、今までの県民へのサービスを少し低下をさせていくというやり方が1つあります。それから、先ほど申し上げましたように、例えば市町村との負担割合を、市町村のほうへシフトしていくというやり方もあるでしょう。しかし、財源を見つけ出していくためのまず第一歩は、やはり自分の周りを見回すことではないかと私は思っております。つまり、人件費であるとか、物件費であるとか、いろいろな固定経費があるわけでございますので、まずそれを削減できないのかということについて、ちゃんと対応していく必要があると。それをしないで、いきなりこの少人数学級に手をつけていくことは、やはりこれは県民から見ましても納得されないのではないかと思っているところであります。 以上、申し上げましたように、非常にこの問題は時代に逆行する措置であるということ、それから財源確保としてやり方としてどうかという事柄がありますので、私どもはやはり強く再考を求めていきたいと思っているところでございます。 教育問題につきましては教育長のほうからお答えをさせていただきたいと思います。 ○議長(森脇幸好) 清水教育長。 ◎教育長(清水伸夫) そうしますと、私のほうから残余の教育関連の御質問にお答えをさせていただきたいと思います。 まず1点目でございますが、橋北地区での特別支援教育のミッシングリンク、これはすき間とか空白ですけれども、こうしたことを解消すべきではないかというお尋ねでございました。 これまで肢体不自由等により車椅子による移動が必要な子どもの教育については、エレベーターのある中央小学校及び第三中学校にセンター的機能を持たせております。校区外通学をそこでお願いしてまいったところでございます。その後、平成17年度に橋北にあります母衣小学校にもエレベーターを整備し、現在に至っているところでございます。 議員御指摘の件でございますけれども、母衣小学校と同じ校区にあります第二中学校につきましては、なるべく早い時期に拠点校化をしたいと思っておりますし、その後にバリアフリー整備化については教育委員会としても当然課題として捉えておりますので、段階的に整備をしていければと考えております。 なお、インクルーシブ教育システム推進に向け、今後も個々の教育的ニーズに応じながら、施設設備等の環境整備を進めてまいりたいと考えております。 続きまして、いじめと不登校等の問題でございますが、まず初めに、本市の小中校のいじめ、暴力行為、不登校の状況と昨年度の結果と近年の傾向というお尋ねでございます。 まず、松江市の小・中・義務教育学校における平成30年度のいじめの認知件数でございますが、小学校が前年度比1.6倍の222件、中学校が前年度比1.9倍の130件という結果となっております。 平成27年度以降、松江市においては小中学校ともにいじめの認知件数が減少傾向にありましたが、平成30年度については島根県教育委員会が年度途中に県内各学校に対しまして、一層の積極的ないじめの認知を求めたこともありまして、大きく増加をいたしたところでございます。 次に、松江市における暴力行為でございますが、平成27年度以降は増加傾向にございましたが、平成30年度は小学校が前年度比38件減の88件、中学校が前年度比4件減の160件ということでございます。 次に、不登校児童生徒数でございますが、小中学校ともに平成26年度以降は増加傾向にございます。平成30年度は小学校で前年度比13人増の120人、中学校は36人増の197人ということになっております。 続きまして、いじめや暴力行為が県全体ではかなりふえているが、松江市の結果についてはどう考えているかということでございます。 まず初めに、平成30年度の児童生徒1,000人当たりのいじめの認知件数は、小学生は全国が66件、島根県が47.8件に対して松江市は20.8件、中学生は全国が29.8件、島根県が42.4件、松江市は26.7件となっております。1,000人当たりのいじめの認知件数でございますが、全国や島根県に比べ小中学生とも低くなっておりますが、増加傾向にあるということでございます。 また、児童生徒1,000人当たりの暴力行為の発生件数でございますが、小学生は全国が5.7件、島根県が15.9件に対しまして松江市は8.3件、中学生は全国が8.9件、島根県が23件でございますが、松江市は32.8件ということでございます。 暴力行為につきましては、小学生が島根県の5割程度でございますが、中学生につきましては全国や島根県を大きく上回っているという状況にございます。 それから、いじめの認知件数が増加していることにつきましては、県のほうで細かい事案まで計上した結果ということでございますが、いじめでは隠れている水面下のいじめを見つけようとする取り組みが推進をされたということの認識でおります。もちろん、いじめの撲滅を目指して取り組みを進めているわけでございますが、基本的にはどの学校でもいじめは起こり得るということだろうと思っております。もちろん、それでいいというわけではございません。いじめの早期発見と初期対応、組織的対応、そして未然防止の取り組みを一層強力に進めていく必要があると考えております。 各学校においては、いじめや暴力行為は絶対に許さないという風土を醸成し、安全・安心な学校生活が送れるように取り組んでまいりたいと考えております。 それから、不登校の要因についての見解はどうかということでございます。 松江市におきます小学生の不登校の要因も、いじめを除く友人関係や学業の不振、不安、無気力が大きな理由の一つとなっておりますが、中学生になるとその傾向がさらに顕著になると考えております。円滑な人間関係が築けずに苦しんでいる児童生徒、学業及び進路の不安、学校の決まりをめぐる問題、入学や進級時の不適応など、課題は学年、そして個人ごとによってさまざまであると考えております。 今後もお互いが認め合う集団づくりを推進していくとともに、学校、家庭、地域、関係機関が連携して児童生徒を支えてまいりたいと考えております。 続きまして、スクールカウンセラーの配置状況とその成果ということでお尋ねがございました。 スクールカウンセラーは、大野原分校を除く市内の全小・中・義務教育学校に配置をしております。臨床心理に関して高度な専門的知識と経験を有するスクールカウンセラーの配置により、児童生徒の心の安定はもちろんでございますが、希望によっては保護者のカウンセリングも行い、家庭の支援に対しても大きく寄与していると考えております。 また、これとは別に松江市の単独事業として市内24校に配置をしておりますサポートワーカーは、不登校や問題行動の生徒指導上の課題を有する児童生徒に対しまして、自学室等での校内支援に加え、家庭訪問や関係機関との連携を行っております。 引き続き各学校における相談支援体制の充実を図るとともに、児童生徒に寄り添った支援を推進してまいりたいと考えております。 続きまして、いじめや不登校、あるいは学力低下も含め家庭教育の強化が必要ではないかというお尋ねでございます。 子どもの基本的な倫理観、自尊心、自立心などを育み、今日の教育的諸課題を解決し、子どもたちの健やかな成長を図るためには、学校と家庭とが協働して取り組むことがぜひこれは必要なことだと思っております。 しかしながら、近年、この家庭教育がなおざりにされているのではないかと思うようなケースが実は散見をされます。 少子化や核家族化の進行や共働きやひとり親家庭の増加、地域とのつながりの希薄化など、社会が変化をしている中、家庭の教育力の低下が指摘をされているとともに、育児の不安や児童虐待、またいじめなどが社会問題となってきております。 家庭教育は、本来全て家庭の責任に委ねられていることからも、各家庭が改めて責任を自覚し、自主的に取り組んでもらうために家庭の教育力の充実を支援する取り組みなど、家庭教育の強化が必要であると考えております。 それから、最後でございますが、松江市においても家庭教育支援条例を制定して、家庭教育の強化をする必要があると思うがというお尋ねでございます。 本市では、松江市子ども・子育て支援事業計画の基本目標に、子どものための保護者支援や地域や企業とともに取り組む子育て環境の向上を設定し、家庭や地域の子育て力向上の推進や子どもと子育てを地域で支える取り組みの促進を行うことといたしております。 この取り組みとして、本市では家庭教育支援を目的として御紹介をいただきました熊本県が行っております親の学びプログラムの取り組みと同様な取り組みである親楽プログラム、この親楽の「がく」は楽しむという字ですが、親楽プログラムを活用した学習機会の提供を行っているところでございます。 この学習機会の提供は、小学校、幼稚園、保育所の保護者会等の要請に基づき、親楽ファシリテーターを派遣して、参加者同士が交流しながら、親としての役割や子どもとのかかわり方について気づきを促すことを目的といたしております。 また、この親楽プログラムの進行役となる親楽ファシリテーターの養成講座兼フォローアップ研修等を開催いたしまして、このファシリテーターの養成や研修も行っており、引き続き充実をしてまいりたいと考えております。 御指摘の家庭教育支援条例の制定でございますが、家庭教育を支援するために必要な体制の整備や支援するための施策の検討を含め、御紹介をいただきました熊本県などの条例を制定しております先進自治体の調査などを行ってまいりたいと考えております。以上でございます。 ○議長(森脇幸好) 33番。 ◆33番(比良幸男) 御丁重な御答弁ありがとうございます。終わります。 ○議長(森脇幸好) この際、しばらく休憩いたします。 〔午後0時13分休憩〕 ────────── 〔午後1時15分再開〕
    ○議長(森脇幸好) 休憩前に引き続き会議を開き、代表質問を行います。 20番石倉徳章議員。 〔20番石倉徳章議員登壇〕 ◆20番(石倉徳章) 真政クラブの石倉徳章でございます。クラブを代表いたしまして6項目について質問をいたします。 質問の前ですが、初めに令和天皇・皇后様には即位の諸行事を世界の平和と我が国の一層の発展並びに国民の幸福を願いながら終了されました。即位の日以来、よりよき新しい時代の到来に期待するとともに、両陛下の国民の象徴としてのつつがない御活躍をお祈りいたすものでございます。 また、このたびの幾度かの台風により、関東を中心に大きな被害が発生をいたしました。被災された方々やその地域に対し衷心よりお見舞いを申し上げます。また、現在対韓国、北朝鮮や中国との経済上、あるいは安全保障上の諸問題等、国際情勢の混乱などによりまして、日本にとって困難な社会情勢もありますが、今後の国民生活や社会の総合的な発展を期待するものであります。 以上、申し上げまして質問に入ります。 まず第1項目め、自然災害と国土強靱化事業についてお伺いをいたします。 この9月、10月の15号、19号台風による大被害が発生をいたしました。特に19号の記録的な豪雨災害では、関東甲信越、東北地方までに及び、河川堤防の決壊、浸水被害、土砂災害、林地崩壊などが発生をしております。現在の避難指示や避難勧告の対象外地域、あるいは家屋まで被害の発生を見ております。 松江市では、過去幾度かの浸水被害を受けております。最大なものは、今から47年前の昭和47年、松江駅前を初め中心市街地はもとより、東本町、あるいは橋北地域の広い地域において浸水被害を受け、1週間程度市民生活や交通が麻痺をいたしました。多くの家庭で床上まで水につかるとともに、経済活動も大混乱が生じました。私の20代のときでございました。現在の大橋川改修工事の発端となった災害でもございました。今日では、松江市にありましても、高層マンション等も多くなり、都会と同様であります。地下に電気設備がありますが、ポンプの故障から水道やエレベーターが使用不可能となるなど、危険は常に潜んでおります。日常の生活様式の変化、経済活動の停止・停滞は40年、50年前とは大きく異なり、想像を絶するものであります。 また、土砂の災害は浸水被害とは異なり、一瞬にして多くの人命を奪う恐ろしい災害であります。このような災害はこれまでの常識を超え、避難対象地域外での発生もあります。一朝一夕に対策は困難ではありますが、将来に備え各地域においてまだまだハード整備が重要かつ急務と考えます。無論、行政だけではなく、住民の新たな認識、行動が重要であることは言うまでもございません。このたびの大被害の被害状況を見ての市長を初め担当部の見解をまずお尋ねいたします。 次に、国土強靱化について伺います。 平成26年閣議決定をされました「強くてしなやかな日本をつくる」として、大規模自然災害等に強い国土及び地域をつくるとされています。閣議決定以来既に5年となりますが、その間も多くの災害が発生をしております。大規模災害は忘れたころにやってくると言われます。災害の事後対策の繰り返しではなく、平時からの備えが重要であるとされます。東日本大震災の教訓を踏まえ、従来の防災の範囲を超え、国土政策、産業政策を含めた総合的な対応を行い、次の世代を担う若者たちが将来に明るい希望の持てる環境を獲得する必要があるとされています。松江市における国土強靱化によるこれまでの事業、あるいは今後の方針についてお尋ねをいたします。 次に、公共事業と関連産業についてお尋ねをいたします。 近年、公共事業、建設土木事業は予算不足等から、無駄遣いの対象ともされ、予算の縮小が続いています。関係の産業も縮小傾向の中、現在は人手不足の状況と聞き及んでおります。これは一朝有事の際には大騒動になることは明白であります。かつて、約10年前でありますが、時の政府が中止を決めました群馬県の八ツ場ダムも廃止寸前となりましたが、結局継続をされて、このたびの豪雨災害には大いに役立ったとの意見や報道を伺っております。また、特に交通ネットワークとしての道路整備が重要と考える識者もいらっしゃいます。今までは交通量が多いところの道路、鉄道整備が中心ですが、途中で寸断されたり、通行どめが発生のときには大混乱が生じます。平時から適切な公共事業の予算措置と関連産業の維持政策が必要と考えます。松江市としての見解をお尋ねいたします。 続いて2項目め、人口増加施策並びに人口減少防止対策についてお尋ねをいたします。 若者、若い女性の増加対策、逆に流出防止対策と子育て環境日本一政策の充実が重要と考えます。本市は近年、若い女性の大量の流出が続いております。最近の人口減少傾向は顕著な状況も見受けられます。この若者、若い女性の流出は今後において急速なる人口減の発生を見る兆しと考えます。第2次総合戦略でも、若者、女性に選ばれるまちに向け策定される時期でもございます。その意気込みを伺います。 次に、高校、短大、大学など各学校の入学時と卒業時点の対策とUIターンの一層の対策が重要と考え伺います。 昨年11月議会の一般質問でも同様な質問をいたしました。一度都会に出れば、島根へのUターンや松江市に帰ることは簡単ではございません。入学時に県内からの学生枠の拡大や卒業時に県内就職を促進させる件について、一層の働きかけなど、その後の対策状況についてお伺いいたします。 あわせて、若者のUIターンについて現時点での状況を伺います。 埼玉県では、若者たちの将来対策として、1994年からの就職氷河期、これは平成5年からでございますが、氷河期の学校卒業者対策で、正社員に就労させる施策が発表されました。若者の就労支援はもとより、人手不足や人口流入対策に大きく寄与すると想像をいたします。 島根県でも松江市においても、各種の対策や就職説明会は実施されていますが、埼玉でのこうした就職氷河期世代専用窓口の設置による支援も一つのアイデアと思います。以前、姉妹都市である宝塚市でも行われたと伺っております。今年初め、私の住む地域での講演会で、都会の若者は自分たちにはふるさとがない、ふるさと難民であると言う人も多いと伺いました。ぜひ若者の県内、市内就職やUIターンについて引き続き積極的に取り組んでいただきたいと考えます。御所見をお伺いいたします。 次に、関係人口についてお尋ねをいたします。 近年、関係人口を増加させる施策が全国的にも本市にも広がっていると思います。具体的な状況、目的、狙い、あるいは今後の傾向についてお尋ねをいたします。 次に、県都松江市の市長として松浦市長にこの石見部や山間部の人口減少状態や子育て環境対策等の活性化対策についてどのように見ていらっしゃるのか見解を伺います。 邑南町の中学生までの医療費無料化やこのたびの幼保園の保育料の無料化の中で、給食代も国の方針とは異なり、完全に無料にする等の子育て支援施策、また奥出雲町のホッケーでのまちづくりなどがあります。施設の整備を初め毎年のインターハイでの成績も見るものがございます。過疎、高齢化、財政難など厳しき環境の中での若者定住対策、地域の誇りの醸成などの努力を参考にすべきと考えます。石見部等の人口減少は、松江市にも将来に大きな影響をもたらすと考えます。御所見をお伺いいたします。 続いて3項目め、観光政策と地域活性化についてお尋ねをいたします。 観光入り込み客の昨今の傾向と今後の目標及びインバウンド観光の施策方針について伺います。 観光政策は、地域間競争等に左右されます。国内、国際状況の変化などのほか、当面の課題についていかにお考えであるかお尋ねをいたします。 最近、地方空港を結ぶ格安な新路線が開設されております。出雲から神戸、名古屋、静岡、仙台、札幌などの国内路線のほか、上海や台湾など海外新路線も聞き及んでおります。この地方空港を大いに活用して地域市民同士の交流や観光、関係人口の増加を目指し、特に私は東京一極集中の是正の一助として行うべきと考えますが、市当局の所見をお尋ねいたします。 4項目め、まちづくり施策と周辺地域活性化について伺います。 JR松江駅周辺整備計画が進められていると伺っております。山陰の中心都市として、玄関口の松江駅周辺が再整備されることは多くの市民や産業界などが期待していることと想定をいたします。無論、若者の定着にも貢献するものと考えます。ぜひとも早期に計画が示されること、整備が推進されることを願っております。また同時に、京都や金沢など各有名駅に見られるランドマーク的な施設が建設されることも期待をしております。松江市の玄関口が感動と記憶に残る名所となることを願っているものでございます。御所見を伺います。 周辺地域活性化政策、公共施設適正化対策についてお伺いいたします。 両政策とも重要にして早期に推進せねばならない政策でありますが、公共施設適正化による地域の施設は廃止や譲渡が進み、その中で話題が先行し、活性化対策がおくれる傾向にあります。今後、次第次第に地域住民の落胆や活性化にかける情熱は冷め、諦めの気持ちが今後一層充満する可能性もあると考えます。 周辺地域の活性化と強力に推進されている公共施設適正化政策やコンパクトシティー政策は矛盾に見えますが、いかに適合させるべきか所見を伺います。 次に、今年度当初採択されなかった中海スポーツ公園施設・サッカー場整備事業についてお伺いいたします。 スポーツ公園・サッカー場は、いずれ採択されるものと関係者は期待し続けていると想定をいたします。その後において、いかなる状況か伺います。 今年度も災害対策や経済対策とともに、地方創生拠点整備事業などの補正予算が組まれると推定される経済状況にあることは明らかでございます。国際的な経済事情と消費税アップの影響等による国内経済活動の低迷は今後一層顕著になるとの経済専門家の意見もあります。防災対策や地域活性化対策など、国の支援メニューはたくさん示されることと思います。ぜひ積極的な事業推進並びに財政運営を期待いたします。 次に、IT企業、IT個人起業者を周辺地域に受け入れる施策について伺います。 地域に活力やにぎわいを醸成することと、関係人口の増加にも結びつく施策の展開、支援を期待しております。御所見を伺います。 続いて5項目め、ガス局民営化についてお尋ねをいたします。 市長は先日の議会全員協議会において、ガス局の民営化方針を発表され、今まさに早期に具体的に進める時期だとの考えを伺いました。我々はこの民営化問題は慎重に時間をかけて考慮の上で進めるべきであると考えます。譲渡の方法や譲渡金額の決定、譲渡先の選定などがございます。さらに、地元業界の状況変化もあり、市当局の地元経済の循環、経済活性化の方針に照らして、果たして適合しているのか、また長い年月をかけて取得、継承されたガス局の総合的な技術が不安なく継承されるのか、生活インフラでございますので、災害時の対応、老朽化対策や譲渡後の料金値上げの可能性問題など、現利用者の不安の払拭があります。ガス局の将来財政見通しでも、今後十数年間は毎年1億5,000万円程度の利益が見込めるとされております。関東のある市の民営化では、市の譲渡予定価格の5倍以上の金額で落札され、資産価値の割り出しの難解さ、落札した県外企業の思惑も不明であるなどの実例もあります。また、エネルギー経済の専門家の某大学教授の中には、民営化が直ちに経営改善につながらない。特にガス事業の費用効率性は民営化後に悪化する事例が多く、注意する必要があるとしております。これらから、早期に民営化を推進する必要性の理解に苦しむものであり、慎重さが必要であると考えます。改めて見解を伺います。 続いて最後、6項目めでございますが、子どもの貧困についての認識と今後の施策推進について伺います。 この質問書を出したすぐ後でございますが、11月29日、子どもの貧困対策大綱を改定されることが5年ぶりに閣議決定をされました。大きな社会問題として国も捉えていると想定をいたします。 本市の子どもの貧困状況をどのように捉えているのかお伺いをいたします。 日本の子どもの貧困率は15.7%、これは一昨年でありますが、世界先進国OECD36カ国中で10番目に高く、ひとり親家庭の子どもの貧困率は50.8%とされております。相対的貧困率もほぼ同じ数字となっています。島根県は10%弱であり、全国的には低い県であります。生活保護や生活困窮者自立支援制度との関連がありますが、子どもの貧困は大人の貧困と言われ、子どもの貧困率は若年層の非正規率と同じ傾向であります。本市の状況、認識について、まず伺います。 次に、子どもの貧困支援の今後の展開について伺います。 子どもの貧困対策を初め、子ども政策は明石市が先進地とされております。その政策の結果とも言われますが、明石市では子育て世代の増加、出生率のアップ、人口増加を見ております。周辺の市は全部マイナスになっております。その中で、明石版こども食堂がありますが、地域を挙げて子どもを支えるという理念と伺っております。本市では一部の地域で子どもの貧困支援として立ち上がっている人たちや地域があり、物資の配布等が行われています。今後の社会は、子どもの貧困が拡大していくと推測をいたします。地域経済の疲弊も叫ばれる中、生活困窮に陥る家庭、人も増加すると考えられ、そこに相対的貧困の子どもの増加もさらに発生すると思います。本市にあっても子どもの貧困対策を展開する必要を痛感いたしております。子どもの支援は未来そのものをいかにするかということであると言われます。御所見をお伺いいたします。 以上で私の代表質問を終了いたします。御清聴まことにありがとうございました。(拍手) ○議長(森脇幸好) 松浦市長。 〔松浦正敬市長登壇〕 ◎市長(松浦正敬) 石倉議員の代表質問にお答えを申し上げたいと思います。 まず、自然災害と国土強靱化事業についてということでございまして、まず大災害被害を踏まえた市長の見解ということでございます。 この質問につきましては、先ほど森脇議員にも答弁をいたしたとおりでございまして、最近台風19号だけではなくて、局地的、あるいは短期的な豪雨により甚大な被害が各地で発生をいたしているところでございます。 先ほども申し上げましたように、こうした状況から見まして、想定し得る最大の降雨を念頭に、的確な避難行動等によって被害を低減する必要性が指摘をされております。 そこで、平成27年の水防法改正によりまして、想定し得る最大の大規模降雨による浸水想定区域をハザードマップとして公表することになったところでありまして、松江市におきましても、平成29年にハザードマップの修正をいたしたところでございます。そして、ことし防災ガイドブック・ハザードマップといたしまして、市民への周知を行ったところでございます。 一方、減災協議会におきまして、私どもはタイムラインをつくったところでございます。これは関係者がいつどこで何をするかということを、時間を追ってまとめたものでございます。こうしたものに基づいて、これを一般の皆さん方に御理解をいただいて、ハザードマップと比べて防災意識を高めていただきたいと考えておりますけれども、先般、国交省に行きましたときに、青木副大臣のほうから、今後マイ・タイムラインというようなものを考えたらどうかという御指摘もいただきました。これは昨年の岡山の倉敷が大被害を受けたということに鑑みまして、このマイ・タイムラインがつくられているということでございます。私ども早速これを調べまして、それぞれ市民の皆さん方にマイ・タイムラインをつくっていただくという取り組みも今後進めていきたいと思っております。 2つ目は、国土強靱化による事業と今後の方針ということでございます。 この国土強靱化につきましても、先ほど森脇議員にお答えしたとおりでございまして、年内に国土強靱化地域計画を策定して、来年度の予算要求に反映をするとともに、国の補助金、交付金などの重点配分、あるいは優先採択に対応していきたいと思っております。 それと同時に、この国土強靱化の3カ年緊急関連予算でございますけれども、来年度で終了することになりますが、しかしながら来年度で全てができ上がるというものではありません。私ども今行っておりますのが、道路等の長寿命化対策事業、それからため池改修に係る国・県土地改良事業負担金といったものにつきまして、これを充てているわけでございますけれども、これで全て終わりということにはならないと思っております。つまり、事前防災をしっかりとやっておくことが、いざ災害が起こったときもこれが防げるということになるわけでございますので、今後国に対しまして、この国土強靱化のための予算について延長していただくように強く要請をしていきたいと思っております。 3点目は、公共事業の推進と関連産業の今後についての見解ということでございます。 公共事業のメリットといいますか、それはこういった社会インフラを整備することによって市民の利便性、安全性が向上するというストック効果と、もう一つはやはり地域経済が活性化をするというフローの効果、この2つがあるだろうということで、そういった観点から一定規模の予算を確保して取り組んでまいったところであります。 特に今年度の社会資本整備総合交付金の道路事業費は約14億円で、対前年度比181%の増加ということになっております。来年度におきましても、引き続き国の交付金を活用しながら公共事業を積極的に実施することにいたしております。午前中にも申し上げましたように、今回策定をいたしました中期の財政見通しにおきましても、年間100億円を超える普通建設事業費を見込んでいるところでございます。 そして、この公共事業を行います、いわゆる建設業でございますけれども、これはさきにお話がありました災害対応に大変お世話になっているわけでございまして、こうした建設業が維持されていかないと、結果といたしまして災害時での対応が非常にできなくなってくるという悪循環になっていきますので、こういう点で関連産業の維持は大変大事なことだと思っているところでございます。 それで、この場合、関連事業の事業者が安定してこの地域で事業運営をしていただくことが一番必要になってくるわけですが、そのためには一定の利益と従業員の確保が必要になってまいります。このため、まず工事が適正価格で入札されるように、いわゆる最低制限価格の設定、それから地元優先発注といった取り組みをしているところであります。 それから、いわゆる担い手確保でございますけれども、今後工事現場でのICT活用、あるいは週休2日制の導入といった建設業の働き方改革が促進されるような制度を検討していきたいと思っております。 大きな2点目は、人口増加施策と減少防止対策ということでございます。 若者あるいは若い女性の増加及び流出対策、それから子育て環境日本一施策の充実が重要であると。第2次総合戦略を策定しているけれども、その意気込みということでございます。 この松江市の平成27年10月から令和元年9月までの4年間の人口の社会増減でございますが、176人の増加となっております。しかし、年代別に見ますと、やはり20代の社会増減が1,224人の減少になっているわけでございます。その落ち込みをほかの年代でカバーしているという状況でございますが、中でも20代前半の女性が555人と減少いたしまして、特に多くなっているところでございます。 こういう状況から、島根大学、県立大学、企業など、いろいろなところへ出かけまして、若者、特に多くの女性から意見を伺って、現状や課題の把握をいたしたところであります。その中で、島根大学や県立大学の地元出身者の学生は、県外出身の学生に比べまして、地元への就職率が高い傾向が判明をいたしました。したがいまして、県立大学などが取り組んでいます高大連携事業に積極的に参加をしていきたいと考えているところでございます。 それから、入学時に県内からの学生枠の拡大、それから卒業時に県内就職を促進させる件について、その一層の働きかけなど、その後の対策についてということでございます。 島根大学におきましては、山陰の高校を卒業した生徒を対象といたしました地域人材育成入試、これを平成27年度より実施いたしております。現在1学年当たり60人程度の学生が在籍をしているところであります。それから、県立大学におきましても、入学者のうち県内高校生の割合を5割以上にしようということで、令和3年度からそのための入試改革が行われようといたしているところでございます。 松江市といたしましても、いろいろな意見交換の場におきまして、地元枠のさらなる拡大に向けまして働きかけを行ってまいりたい。先日も市長会の席で島根大学、あるいは県立大学の皆さん方と意見交換をして、そのような枠をもっと拡大してほしいということもお願いをしたところであります。 それからもう一つは、入り口だけではなく、出口についてもきちっと地元に定着してもらえるような、そういったことも大学の皆さん方にもお願いをしたわけですが、この学生の県内就職促進につながる取り組みといたしまして、私どものほうでは市の職員が出かけまして、出前授業、松江市の現状、魅力を伝えていくということ、それから就職相談会、それからしまね大交流会の開催などを行っておりまして、本年度も引き続き実施をしていきたいと思っております。 それから、今年度の初めての取り組みといたしまして、高等学校を対象に県と連携して、ことしの12月、今月でございますが、「松江地区仕事発見セミナー~松江地区の企業を知ろう~」と題しまして、市内の高等学校の教職員、それから保護者、それから地元企業の交流の場を開催する予定といたしております。 それから、若者のUIターンについての現時点の状況でございます。 平成30年度のUIターン者の総数は1,195人でございます。年齢別では、20代が最も多く、330人で全体の27.6%、次に30代が258人で21.6%、次に40代が146人で12.2%となっており、20代から40代で全体の6割を占めているということでございます。先ほど申し上げましたように、20代は出ていく方も非常に多いわけですが、UIターンで入ってくる方も一番多い状況があるということでございます。 年齢別に最も多い理由は、20代では就職が97人、30代では転職・転業が74人、40代では転勤が38人になっております。 それから、就職氷河期の世代の専用窓口による支援も一つのアイデアではないかと、それから若者の県内、市内就職、UIターンについて引き続き積極的に取り組んでいくべきではないかという御指摘でございます。 今、若者の地元就職につきましては、先ほど申し上げましたいろいろな諸施策を行って、地元定住に努めていきたいと思っておりますが、さらに小学生の段階から企業の魅力を知ってもらう、まつえ「子ども夢☆未来」塾、それからふるさと教育、あるいは企業見学を行って一貫した取り組みを実施しているところであります。 今後は大学等での出張相談をふやしていきたいと思っておりますし、相談員のスキルアップを図っていくことで、地元企業の情報を一層わかりやすく伝えると、地元での働きがいを感じる仕事につけるように取り組んでまいりたいと思っております。 また、就職氷河期の世代については、現在国におきまして採用、あるいは支援に関する行動計画の策定、それから就労を促す取り組みのための基金の創設といった準備が進められようとしておりますので、国の動向を注視しながら、県とも連携を図りながら進めていきたいと考えております。 それから、一方でUIターンの相談会などでは、若いUターン希望者から「愛着のある地域で仕事や生活をしたい」という意見も多く聞かれるようになってきております。そこで、今回開発いたしました松江ファンクラブアプリで地元に就職して現在暮らしを満喫している人を紹介しまして、その地元へのUターンがより鮮明にイメージできるような情報を発信していきたいと思っております。 それから、関係人口の増加策ということでございます。 国におきましては、今回の第2次のいわゆる総合戦略の中で新たな視点といたしまして、「将来的な地方移住にもつながる関係人口の創出・拡大」ということが明記をされたところであります。 その具体的な取り組みとして上げられておりますのは、例えば都市住民等と地域のニーズとのマッチング支援、それから地域と人材をつなぐコーディネーターの設置、副業・兼業も含めた多様な形態による地域人材支援、児童生徒、学生を対象とした農山漁村体験や地元企業へのインターンシップ促進といったものが示されているところでございます。 松江におきましても、それに呼応いたしまして、第2次総合戦略に関係人口の創出・拡大プロジェクトを設けようとしておりますが、その中での一つとしまして、松江ファンクラブづくりを上げております。それから、都市部の企業、それから首都圏大学との連携協力協定に基づく交流を明記いたしまして、関係人口の創出・拡大に努めていきたいと思っております。 いずれにしましても、まずは多くの人々に松江ファンになっていただくことが大切でございますので、ファンの方々にいろいろ松江の魅力を語って、それから自発的に松江を訪れてもらうということで関係人口の輪を広げていきたいと思っております。 それから、人口増加策としての3点目として、石見部等の人口減少と活性化対策をどのように見ているのかということでございます。 島根県の人口移動調査によりますと、10月1日現在の人口でありますけれども、石見圏域では平成27年と令和元年を比べますと、減少率が5.8%となっております。出雲圏域の1.7%、隠岐圏域の4.7%に比べましても大変高い減少率になっております。 このままこの減少が続いていくことになりますと、松江市への石見圏域からの転入者は毎年約700人弱でございますので、この人数が将来的には減っていくことが予想されるわけでございまして、これは松江市の人口へも当然の影響があると考えております。 したがいまして、今後松江市だけの人口維持を図るのではなくて、これは県全体の人口維持・向上を図っていく必要がありますが、これは当然のことながら島根県がリーダーシップを発揮してやっていただくことが大事なわけであります。その点は私も知事のほうにはよく申し上げておりますけれども、やはり島根県を47都道府県の中で選んでもらうということが大変大事だと思っております。やはり47都道府県の中での競争になるわけでありますので、そうした意味で市町村任せではなくて、島根県に住んでみたいというような施策といいますか、PR等々、今「美肌県」ということで売っておられるわけですけれども、ああしたキャッチフレーズといいますか、島根県全体をあらわすようなものを考えて積極的に島根県全体を売っていくという施策が必要になってくるのではないかと思っております。 3点目は、観光政策と地域活性化ということでございます。 観光入り込み客の昨今の傾向、それからインバウンド観光の施政方針、それから観光政策についての国内、国際状況の変化、当面の課題、観光政策全般につきましてのお話でございます。 まず、観光入り込み客数の状況でございますけれども、平成27年、これは国宝化効果がありまして、平成27年、平成28年が1,000万人を超えたわけですが、昨年は約974万人と、その後減少傾向となっております。 ことしはどうかということでございますけれども、ことしは御承知のようにホーランエンヤの効果がございました。それから、多くのメディアで全国に松江が発信をされたということがございまして、10月末現在で松江城の対前年が約10%増ということになっておりますし、多くの施設が対前年を上回って、全体でも約9%の増になっております。 それから、宿泊者数につきましても、約5%増ということで好調に推移をしているということでございます。 それから、来年以降どのような対応をしていくかということでございますけれども、来年は、比良議員にもお答えしましたように、国宝化5周年ということで、記念事業も予定をいたしております。この流れを生かしていく必要がありますので、例えば就航地がふえましたFDA路線へのプロモーション強化、それからいわゆる観光消費額増加に向けたナイトタイムエコノミーにつながる取り組みを引き続き進めていきたいと思っております。 それからもう一つは、観光協会の見直しということでございまして、今後の観光ビジョンについて取りまとめをいたしまして、それを推進する組織となります観光協会の機能と体制強化について、来年に向けまして具体化を進めていきたいと思っております。 それから、インバウンドでございますけれども、今日韓関係により韓国人の宿泊者数が8月から減少に転じたということで、この点が大きくマスコミ等でも取り上げられておりますけれども、実は私どもが今集計をいたしております中では、韓国の1月から10月までにかけましての対前年の伸び率は約3割伸びているわけでございます。これは7月までの伸びが大きいということがあるわけですが、もう既に10月時点で昨年末までの数を上回っておりますので、とにかく韓国の伸びが増加しているということはありますけれども、いわゆる韓国についての宿泊者は昨年を上回る状況があると。それ以外に、やはり台湾、香港などが増加をいたしております。このようなことで、東アジア全体といたしましては、10月末時点で対前年比約16%の伸びを示しております。それから、それ以外の欧米、それから東南アジアにつきましても、堅調に推移をしておりますので、全体では約8%増と着実に増加を今示している状況でございます。 それから、来年は東京オリンピック・パラリンピックが開催をされるということでございまして、たくさんの方々が日本を訪れるということでございます。国におきましても、インバウンドの地方分散に積極的に取り組む方針を示しておりますので、これを絶好の機会と捉えまして、1つはプロモーション策の強化と、もう一つは受け入れ環境の充実を進めていきたいと思っております。 プロモーションの強化といたしましては、1つは米子空港と結ばれます上海、それから広島空港と結ばれるタイなどの新規市場の開拓を今後やっていく必要があると思っておりますし、訪日外国人の大半が訪れております関西方面からの誘客策に新たに取り組んでまいりたいと思っております。 それから、先ごろJNTOが行います海外発信の2020年特別キャンペーンの中に、中国地方で唯一松江市が選定をしていただきました。これによりまして、いわゆる国宝指定5周年を迎えます松江城を大々的に海外に発信をしていただくことになっておりまして、こういったこととしっかりとタイアップをしていきたいと思っております。 それから、いわゆる受け入れ環境の整備ということでは、まず1つは、ニーズの高い体験型観光の推進を民間の皆さん方と連携して取り組んでいきたいと思っております。 それから、いわゆる多言語表記、多言語案内の充実、それからWi-Fiの増設、それからトイレの洋式化、それからキャッシュレス化といった来訪いたしました観光客が快適に過ごせるような環境整備にも今後努めていきたいと思っております。 それから、観光関係の2点目としましては、地方空港を活用して、特に東京一極集中是正に努めるべきではないかというお話でございます。 9月議会でも川島議員の御質問にもお答え申し上げましたけれども、地方空港間を結ぶ路線の開設が、いろいろ新しい分野におきまして、その裾野を広げて交流人口、定住人口、関係人口が拡大していくことになっていきます。それから、東京一極集中を是正して、地方創生につながっていくということも、我々としましては考えていきたいと思っております。 今、出雲空港でございますけれども、FDAが名古屋、それから静岡、仙台、そして神戸線と、この4路線が就航いたしているところでございます。今、これを活用した官民挙げた交流が進んできているところでございます。 例えば静岡空港を活用した、焼津市があるんですけれども、焼津につきましては、小泉八雲の避暑地でもございました。以前からも交流はありましたけれども、この空路ができたことによりまして、一層盛んになっております。関係人口の増につながっているということでございます。 今後もこういった地方空港同士のつながりを活用してまいりたいと思っております。 それから、松江駅周辺の整備事業計画の状況と、その際、ランドマーク的な施設の建設についてということでございます。 JR松江駅の周辺整備につきましては、これは現在大橋川の整備といいますか、改修が進んでおりますので、松江駅、そこからいわゆる大橋川周辺、そしてそこから大橋を渡りましての殿町と、このルートをきちっと整備をしていくことが、今後松江市にとりまして大変大事なまちづくりということになっていくだろうと思っております。 そういうことで、松江駅の周辺整備につきましては、これまで懇話会を設置いたしまして、ことしの5月末までに4回の会合を重ねていろいろな御意見をいただいたところでございます。今その御意見を、あるいは考え方を整理しているところでございますけれども、その一方で民間主導で開発を模索する動きがあるとも伺っております。 ランドマーク的な施設の整備も一つのアイデアではございます。これらも参考にさせていただき、そしてまた民間側からの相談がありましたら、その内容を踏まえてしっかりと検討してまいりたいと思っております。 こうした大規模な再開発といいますか、こうした事業は長年松江市として今まで取り組んでこなかった事業でございますので、なかなか経験なり知見がございませんので、国のほうのいろいろな知識とか、あるいは経験もいただきながら、これを進めてまいりたいと思っております。 それから、地域活性化施策と公共施設適正化等の政策が矛盾をしていないかということでございます。 私どもは平成30年3月に都市マスタープランを策定いたしました。その基本コンセプトは、松江市全体でいわゆる持続可能なまちづくりを行っていくということが基本のコンセプトでございます。このために公共交通、あるいは幹線道路から成ります交通ネットワークを軸にいたしまして、居住あるいは生活サービス機能等の立地を確保していくと、それから雇用の創出を図る地域も構成をしていくということで、持続可能な都市構造の実現を目指すことにいたしたところでございます。 それからさらに、都市計画区域だけではなくて、松江市全域におきまして生活維持のための中核エリアを位置づけて、持続可能なまちづくりに向けまして地域版の総合戦略の策定にも取り組んでいただいているということがあるわけでございます。 例えば八雲地域におきましても、グリーンツーリズムの事業、あるいは地域力の向上による安全・安心事業、それから住みたい、戻ってきたい地域づくり事業といったものに取り組んでいただいているところでございまして、地域の皆様方の御努力に敬意を表する次第でございます。 それから一方、公共施設の適正化計画、これが一見矛盾するんではないかというお話でございますけれども、この適正化計画の中でも、公共サービスの向上、それから市民の安全を守る、それから財政の健全化と、3つの目標を掲げまして、その結果、持続可能なまちづくりを実現していくための手法として実施をいたしているものでございます。 いわゆる地域活性化策と公共施設適正化、これらは同じ視点での取り組みということで、それぞれの計画の整合性は図られているものと考えております。 3点目は、中海スポーツ公園計画でございます。 この中海スポーツパーク整備につきましては、御案内のとおり、地方創生の拠点整備交付金の事業採択の条件を満たさないということで、交付金の交付を受けることができませんでした。そこで、再度整備の必要性、あるいは目的を整理した上で、場所も含めて施設規模、あるいは事業費の積算、それに相応する国庫補助メニューなど、引き続きあらゆる可能性について検討を行っているところでございます。 それから、国の補助金を活用した場合には、概算要望からスタートすることになりますので、整備までにかなりの年月がかかることもございます。できるだけ早期に活用が見込める既存施設の改修についても、財源も含めて検討を行っているところであります。 4点目は、IT企業・起業者を周辺地域に誘致をするということについてはどうかと、これが関係人口の増加にも結びつくんではないかということでございます。 このIT企業であるとか、起業者の誘致につきましては、松江市は平成18年度に立ち上げましたRuby City MATSUEプロジェクトを軸にいたしまして、松江駅前のテルサに設置をしたオープンソースラボを中心にして、レンタルオフィスを松江駅周辺に今集積するといった事業を進めているところでございます。 しかし一方で、駐車場が確保しやすい、あるいは自然環境に恵まれている、騒音が少ないといった理由で、市郊外の土地や建物を求める企業もあるわけでございます。 それから、サテライトオフィスの誘致推進事業などによって、例えば利用されました場所としまして、八束町内のゲストハウスがございますけれども、これが非常に自然に囲まれて静かな環境の中にあるということで、効率的な業務を進めることができたといった感想もいただいておりますので、市内だけではなくて、市内の周辺地域にもこうした需要はあるものと考えております。 5点目は、ガス局の民営化の問題でございます。慎重な対応が必要ではないかということでございます。 この問題につきましては、民営化の問題と、それからこれを進めていく手順といいますか、こういったものの両方を考えていくことがやはり必要になってこようと思っております。 まず、民営化の目的、これは繰り返し申し上げておりますように、松江市のガス事業の民営化をすることによって、行革という観点だけではなくて、松江市の都市ガスを将来にわたって持続させていくことを目的として取り組んでいくというものであります。 先月の20日に全員協議会でも御説明をさせていただきましたように、今市民のライフスタイルの変化によります都市ガスとオール電化などの他のエネルギーとの競合がございます。それから、中心市街地の空洞化などに伴います人口減少によって普及率の低下、あるいは売り上げの減少が続いておりまして、事業規模が縮小しているという状況がございます。 一方で、黒字になっているんではないかという御指摘があるわけでございますけれども、今後10年間、一定程度の黒字は確保できる見込みでございますけれども、予定をされます製造設備、導管などの大規模修繕に十分に対応し切れる黒字を獲得していると言えない経営状況であると。したがいまして、これは早晩、経営を続けていくと、やはり経営が成り立っていかなくなっていくことが考えられる状況にあるわけでございます。 そして、今後ますます人口減少、そして都市ガスのユーザーが減少するという中で、これまでのように都市ガス単体だけでやっていくというのではなくて、やはり市民生活全般を支援していく複合サービス、総合サービス産業への転換を図っていくことが必要になってまいりますし、地域内でのエネルギーを完結させるということで、地域内経済の好循環にもつなげていくことも必要であると考えておりまして、現在の経営形態にこだわることなく民営化を具体的に進めていくべきだと考えております。 現在の経営形態でいきますと、どうしても都市ガス単体を売るという事業に特化することになるわけでございますので、先ほど申し上げました縮小、再生産につながっていくことになるわけでございます。 先日の全員協議会では、民営化の是非につきまして御意見の取りまとめをお願いしたところでございます。そして、石倉議員がおっしゃっております譲渡金額、譲渡先、災害時の対応、老朽化対策といった具体的な条件につきましては、今後民営化を進めていく際の諸条件として検討すべきことだろうと思っております。 したがいまして、具体的には私どもは先日の中でも申し上げましたけれども、民営化に向けまして、まず指針をつくっております。1つは、将来にわたり安全、そして安定的に低廉なガスを供給し続けること、それから顧客サービスを向上させていくこと、それから地域経済、地域雇用へ貢献していくこと、災害時の対応をしっかりすること、それから御指摘がありましたような専門的人材を継続的に育成し、技術力向上に取り組むと、それから松江市並びに関係企業との連携を強化することを掲げまして、議員の皆様、あるいは市民の皆様から幅広く御意見を伺いながら民営化を進めてまいりたいと思っております。 最後に、子どもの貧困の問題でございます。子どもの貧困の状況、認識ということでございます。 日本の子どもの貧困率15.7%は、国民生活基礎調査によるものでございます。しかしながら、この調査ではサンプル数が非常に少なくて、松江市としてこの調査に対応する数字は持ち合わせていないということでございます。 これに関連するデータの一つといたしまして、要保護世帯、準要保護世帯に属する子どもの人数がありますけれども、その人数は2,301人でございまして、小中学生、児童生徒に対する割合は14.8%になっているところであります。 貧困によりまして、子どもたちが健全な心身の発達が阻害をされていると、あるいは正しい生活習慣が身につけられない、結果的に学力にも大きな影響が出てくるということが心配をされるところでございます。 家庭の貧困が子どもたちに与える負の連鎖の問題でございます。これは解決しなければならない大きな課題でございますので、家庭だけの問題としないで、地域社会全体でこれらの課題を解決していくことが重要だと思っております。 今後の展開でございますけれども、この子どもの貧困という中で、御指摘もございましたが、ひとり親世帯の貧困率が50.8%と全体に比べましても大変高くなっているわけでございます。 そこで、松江市では平成28年度にひとり親家庭の総合相談コーナーを設置いたしまして、子どもの貧困問題とも密接な関連のありますひとり親家庭の経済的支援などの相談につきまして、総合的に対応できるようにいたしたところでございます。 それから、今年度からは貧困の連鎖を防止していくということで、要保護、準要保護世帯の中学3年生を対象にいたしました学習支援を行っていこうという、生活困窮世帯学習支援事業を開始いたしたところでございます。 貧困、障がい、疾病、虐待などによりまして社会的な支援の必要性が高い子ども、それからその家族を含めまして全ての子どもが平等に健やかに成長することができる社会を実現していくことが重要であると考えております。 したがいまして、教育や子育て環境の充実、自立を支えていくセーフティーネットの整備を進めて、これからの未来を担う人財でございます子どもたちが夢を描いて、その実現にチャレンジできるような環境整備に取り組んでまいりたいと思っております。 ○議長(森脇幸好) 20番。 ◆20番(石倉徳章) 大変丁寧な答弁をいただきましてありがとうございました。以上で終わります。 ○議長(森脇幸好) 17番森本秀歳議員。 〔17番森本秀歳議員登壇〕 ◆17番(森本秀歳) 市民クラブ、森本秀歳です。会派を代表し大きく6つの項目について質問いたします。 最初に、第2次総合戦略策定について質問いたします。 人口減少時代に突入し、地方創生に着手するため、平成27年10月に第1次総合戦略が策定され4年が経過しました。総合戦略は長期的には2060年に約18万人を確保することを目標として、出生数年間2,000人、社会増年間270人を目指すとされました。 しかし、この間の取り組みにおいて、出生数は目標に達しておらず、平成28年は1,766人、平成29年、1,676人、平成30年、1,576人と年々減ってきております。平成17年ごろと比較すれば、出生率は高いのですが、出生数が伸びないのは、出産適齢期の女性が減少していること、また未婚率の上昇の影響があると見られています。 出産適齢期の女性の減少については、年代別・移動理由別移動者数のデータや県外転入、県外転出のデータにもあらわれているように、進学や就職をきっかけに地元を離れることが大きな要因であると思われます。地元を離れることについては、さまざまな理由があると思いますが、こうした状況についてはもっと掘り下げて分析すべきと考えます。 また、5つの基本目標、10の重点プロジェクトについて、なぜそういう結果となったのかという検証が十分でないように感じます。重点プロジェクトについては、それぞれ目標値が定められていますが、この基本目標を実現するための具体的な取り組み、施策が数多く示されています。この基本目標の達成状況がどうであったのか検証するためには、施策の実施状況や重点プロジェクトについての目標達成状況など、詳細な分析が必要と思います。この4年間の取り組みについて、人口推移等については多岐にわたるデータが詳細に示されています。肝心なのは、これらのデータから何を読み取り、どのように考察し、第2次の策定に反映させるかであると思います。 そこで1番目に、第1次の検証結果について。 第2次総合戦略を策定するに当たり、第1次の検証が不十分と感じますが、市長の見解を聞きます。 2番目に、出生数年間2,000人の目標値について。 第1次で取り組まれた施策の効果がこれからあらわれるとしても、今後出産適齢期の世代が減少していくことを考えれば、第1次と同じ目標値というのは現実的ではないと感じます。若年層の転出に歯どめをかけるか、転入者の増加に何らかの期待をするのか、いずれにしてもこれまで以上の打開策がなければ、この目標値は絵に描いた餅ではないかと思います。第1次同様の出生数年間2,000人とする目標値の根拠は何かお聞きします。 続いて3番目に、今国会で審議されている地域維持特別措置法についてです。 若い人たちが地元にとどまる、あるいは移住する施策については、全国各自治体でさまざまな取り組みが展開されています。しかし、現実は厳しく、東京一極集中に歯どめがかかっていないのが実情です。 こうした中、今国会において、人口減少が激しい中山間地域での地域社会維持に向けた特別措置法案が成立する見通しとなりました。特定地域づくり事業協同組合を設立し、地域内の各事業者の要請に応じて、都会から移住してきた若い人たちなどを派遣するという内容です。 若者の人口流出については、地元に希望する学校や働く場がなく、都会へそれを求めて転出することが主な理由です。市内の事業者の方から話を伺う機会がありました。求人を出しても人が来ない、あるいは定着しないという事業所が多いようでございます。 法案を否定するつもりはありませんが、仕事内容と人材のマッチング、都会との賃金格差など、課題もあるのではと感じます。 詳細な内容や各自治体の対応は法案成立後となりますが、この法案について松江市としてどのように受けとめておられるのかお聞きします。 次に、新庁舎整備における環境配慮型の施設整備の考えについて質問します。 基本方針を受け、具体的な基本設計の特徴が示されました。このうち、環境配慮型庁舎について、自然採光や自然換気などの採用、太陽光発電や雨水利用など上げられています。 先般、大阪にあります空調機メーカー、ダイキン工業を訪問、建屋内を視察する機会がありました。新しく設立された研究開発の拠点であるテクノロジー・イノベーションセンター建屋は、新たな価値の創出を目指すために、社内はもちろん、社外の人たちも自由に出入りできる場を備えており、各フロアは基本的にオープンスペースとなっています。とても会社社屋とは思えない斬新なつくりで、一見すると市民ホール、市民活動センターかと見まがうような施設でございました。 注目しましたのは、空調機メーカーならではの環境に配慮した構造となっており、例えば太陽光発電については太陽光追尾型となっております。また、外気と地中との温度差を利用し、夏は熱い空気を冷やし、冬は冷たい空気を暖めるクールヒートトレンチを採用するなど、さまざまな省エネ技術を導入し、標準的な建築物と比較してエネルギーの70%削減という効果を出しているそうです。 近年、公共施設や民間企業の社屋や工場などで、防災機能はもちろん、省エネタイプの構造とするため、環境に配慮した技術を積極的に導入するところがふえているようです。 本市も新庁舎整備に当たり、こうした最新の建築技術を調査研究し、効果が見込めるならば採用されてはどうかと思いますが、いかがでしょうか。 次に、校庭の芝生化について質問します。 小学校校庭の芝生化事業の取り組みから10年経過しました。校庭芝生化の目的は、子どもたちが伸び伸びと思いっきり動ける環境づくりや、維持管理を通した地域コミュニティーの醸成とのことでした。現在の状況、そして今後の取り組み等について、以下質問します。 まず初めに、子どもたちの様子について。 校庭で遊ぶ子どもたちが少ないことから、子どもたちが伸び伸びと思いっきり動ける環境づくりとして取り組みを開始されました。実施後、校庭で遊ぶ子どもたちはふえてきたのでしょうか。また、校庭で遊んでいる子どもたちの様子はどうなのでしょうかお聞きします。 次に、維持管理と地域コミュニティーについて。 維持管理については、地域の方々の協力を得ながらやっていくとのことでしたが、定着の状況はどうでしょうか。学校側に過度な負担がかかっていませんでしょうか。 地域コミュニティーの醸成について、芝生化された校庭を活用した地域交流など実施されておられるのか。実施されておられるのなら、どのような地域交流がなされているのかお聞きします。 3番目に、未実施校への対応について。 未実施校は現在何校でしょうか。実施していない学校への働きかけや、今後の対応についての考えをお聞きします。 次に、学校図書館活用教育について質問します。 最初に、現在の取り組み状況について。 東出雲町との合併を機に、学校図書館活用教育を松江市のブランドとして育て、全国に発信していくとの考えを示されました。教育委員会主要事業の一つにも掲げられ、子どもたちの読書活動や学習支援を行うとして、司書配置や本の物流システムなど取り組まれています。 しかし、ここ最近トーンダウンしたように思います。すっかり定着したためなのか、私だけがそう感じるのかわかりませんが、視察にあちらこちらから来られていたころ、全国から注目を浴びていたころと比べると、静かになったようで、全国に発信していくというには、何かしらほど遠いように感じております。 各校の取り組みはさまざまであると思いますが、現在の学校図書館活用教育の状況についてお聞きします。 次に、成果の調査について。 学校図書館活用教育の取り組みから8年経過しました。以前、小中一貫教育の検証について質問し、追跡調査は一面では意義あることで、まちづくりアンケートのような意識調査などの際に質問項目を盛り込むなどして調査研究していく考えを示されました。同様に図書館活用教育についても、その成果については調査されてはどうかと思います。 学校図書館活用教育は、単に本を読んだり調べることだけでなく、自分の考えをまとめ、人前で述べる。また、人の話を聞き、質の高い話し合いができたり、考える力を養うことにつながるなど、効果は大きいとされています。次の項の質問のプログラミング教育にも関連いたしますが、学校現場、特に小学校におきましては、英語教育、プログラミング教育など、今後さまざまな学びへの対応が迫られてくるものと思われます。しかし、新たな対応が迫られようとも、基本は読書、学校図書館をいかに活用していくかが鍵を握っているのではないかと思います。 学校図書館活用教育が単に学力向上につながるということだけでなく、どのような効果をもたらし、今後どのように取り組んでいくのかをつかむ必要があるのではないかと思います。こうした観点からも、追跡調査すべきと考えますが、見解をお聞きします。 次に、小学校プログラミング教育について、松江市の準備状況と取り組みの考え方を質問します。 来年度(2020年度)から小学校プログラミング教育が実施されます。小学校でのプログラミング教育の目的は、プログラミング言語の使い方を覚えることではなく、問題解決のために物事を順序立てて考え、結論を導き出し、実行させることとしています。文部科学省では、プログラミング教育を通じて育成すべき資質・能力をプログラミング的思考という言葉で表現しています。新たな教科として設けるのではなく、算数や理科、総合的な学習の時間など、既にある教科の中で実践されることになっており、必ずしもパソコンを使って授業するものではありません。 このプログラミング教育を実施する背景には、インターネットの普及やビッグデータ、IoTなどの新しい技術やサービスの登場により、今後ますますIT利活用の高度化、多様化が進展することが予想されます。そして、AI(人工知能)の台頭によって現在の仕事の半数がなくなると言われる中、情報やICTに対し受け身の姿勢ではなく、みずから考え行動し、新しい仕事を生み出していく人材の育成が必要なことからと言われております。 しかしながら、このプログラミング教育を進めるに当たり、幾つか課題もあるようです。プログラミングと聞いて、プログラミング言語の使い方を覚えたり、プログラミング言語をコンピューターに打ち込んでいくと思われる方も多く、全国的にも保護者の皆さん方へ周知が進んでいないと聞いております。教える環境も整っていないところも多く、既存の教科の中で実践するとあっても、どれくらいの時間が割けるのか、専門的な知識も十分でなく、指導に当たる教員の多くが不安を感じているとも聞いております。 先般、経済委員会で金沢市を視察した際に、金沢市でのプログラミング教育について伺うことができました。金沢市はSociety5.0時代を生きる人材育成に向けて、デジタル情報に対する情報活用能力や理解力を育み、汎用的能力を磨くことが重要であるとして、ICT教育とプログラミング教育に力を入れるとして、プログラミング活用人材育成検討委員会を設置し取り組んでおられます。文科省が進めるプログラミング教育よりもやや専門性のある中身ではありますが、民間企業や大学を巻き込んだ取り組みは、大いに参考にすべきと感じたところであります。 プログラミング教育について、松江市の準備状況はどうでしょうか。また、松江市も金沢市を初め先進地を参考に早い段階で対応を考えるべきと思いますが、見解をお聞きします。 最後に、ガス局民営化、民間企業への完全譲渡以外の選択肢の検討について質問します。 市民クラブでは、ガス局民営化について調査研究するため、大津市を訪ね、企業局から民営化への対応についてお聞きしました。 大津市を選んだ理由は、民営化実施から間がなく、直近の社会経済情勢を反映した検討がなされているものと思われること、先例となる自治体の中では異例の経営形態を選択していることから、訪問することとしました。今回の視察でとりわけ着目したのは、検討結果だけではなく、その検討プロセスで大変丁寧かつ慎重なものでありました。 大津市企業局では、都市ガス事業が電力事業者の攻勢により需要家を多数奪われる事態を受けて、これまでの経営形態では太刀打ちできないとの危機感から、当時、黒字基調の安定した経営実態ではありましたが、民営化に向けた議論をスタートしておられます。 ガス小売全面自由化することが決まって以降、今後のあり方検討委員会を設置されました。検討開始するに当たり、基本的な考え方として、安心・安全で快適な暮らしを届けることとする「お客様よし」、市民にとって最善な手法とする「官よし」、地元企業を通じ地域経済の発展につながる「地域よし」の三方よしを目指す理念を掲げられました。 平成28年4月から検討開始されましたが、完全譲渡も含め、今後のガス事業がどうあるべきか、新たな事業スキームを検討するとして、事業運営形態の9つのパターンを洗い出し、比較検討を実施されてこられました。そして、この間、検討状況を都度議会へ説明し、意見聴取も行ってこられました。また、市民の皆さんへの説明も開催し、周知に努めてこられました。 この検討内容で特に注目しましたのは、課題解決のために事業運営形態の9つのパターンをマトリックス表で示し検討を進められたことで、これは本市でも参考にすべきと感じたところです。 一方、松江市ではこの間、市民の代表である市議会に対する経過と状況の説明や意見聴取が十分に行われたとは言いがたいと思います。検証委員会が示した民間企業への完全譲渡が望ましいという選択肢のみが示されており、大津市と比べれば、極めて不十分な対応だと言わざるを得ません。 今回の経営検討委員会は、平成18年の経営検討委員会答申と同様に、民営化するならばという前提で議論されたもので、一つの選択肢を示したものです。しかし、都市ガス事業への民間参入のあり方には、さまざまな選択肢があるのではないでしょうか。 完全譲渡以外の選択肢についても、そのメリットとデメリットについて検討し、松江市に適した運営方式を探る努力なしに説得力のあるプランは描けないのではないでしょうか。 完全譲渡以外の選択肢についても検討し、その結果を議会や市民の皆さんに提示し、説明すべきと考えます。より慎重な検討と丁寧な説明並びに意見聴取を求めますが、市長の見解をお聞きします。 以上、6つの項目について質問しました。御答弁よろしくお願いいたします。(拍手) ○議長(森脇幸好) 森本秀歳議員の質問に対する答弁の前ですが、この際、しばらく休憩いたします。 〔午後2時53分休憩〕 ────────── 〔午後3時10分再開〕 ○議長(森脇幸好) 休憩前に引き続き会議を開き、17番森本秀歳議員の代表質問に対する答弁を求めます。 松浦市長。 〔松浦正敬市長登壇〕 ◎市長(松浦正敬) 森本議員の代表質問にお答えを申し上げたいと思います。 まず、第2次の総合戦略策定につきましての御質問でございます。 その中で、第1次の総合戦略の検証が不十分ではないかというお話でございます。 9月議会で吉金議員にもお答え申し上げたとおりでございますけれども、進捗状況の検証につきましては、外部委員会の松江市総合計画・総合戦略推進会議において実施をいたしているところでございます。 平成30年度の検証につきましては、9月に開催をいたしました推進会議にお諮りをして、評価の低い項目を中心に議論していただいたところでございますが、厳しい御意見をいただいたところでございます。しかし、全体の評価につきましては、総合戦略の全体では6割以上の目標指標が順調に推移をしていることから、推進会議で御了承いただいたところであります。 2点目は、出生数2,000人、毎年の目標値、この根拠は何かということでございます。これは森本議員も先刻御承知のとおりだと思いますけれども、第1次総合戦略では2060年に人口18万人の確保を目標に掲げたところでございます。今のまま何もしないでいきますと、13万人になるというところを、18万人の維持をしようということで、そのために年平均出生数が2,000人、それから社会増が270人という目標設定をいたしたところでございます。 この目標につきましては、まだ4年間しか経過をしておりません。この短い期間で挑戦目標を達成できるものとは考えておりません。そのために、2060年に人口18万人を確保するために、第1次総合戦略で掲げました挑戦目標の年平均出生数2,000人、社会増270人は必要でございますので、引き続きその目標に向かって取り組んでいきたいと思っております。 それから、今回できました地域人口の急減に対処するための特定地域づくり事業の推進に関する法律でございます。 地域維持特別措置法と言われておりますが、これをどう受けとめているかということでございます。 この施策の対象になる地域でございますけれども、全国で旧市町村単位の過疎地域約1,500あるわけですが、その25%となる400地域と想定をされております。松江市がこの対象地域に入るのかどうかなど、制度の詳細は今後示される予定となっております。 施策の内容でございますけれども、都会から移住してくる人、あるいは地元の若者に対して多様な働き方や働く場所を提供することができ、また地元企業の労働力不足解消につながるという点で有効な施策であると考えております。 さらに、関係人口の取り組みを進めていく上で、都会地の人に対して地域とのかかわりしろを提供するということが重要であると考えておりまして、本施策を通じて関係人口の創出、定住促進につながることも期待しているところであります。 一方で、派遣を受け入れる企業が求める資格、それから技術を持った人材を果たして提供することが可能であるのかどうか、あるいは地域づくり事業協同組合をつくって、そこが派遣会社になるわけでありますけれども、その運営を誰が担うのかといった課題も想定をされるところでございます。 今後、施策の詳細が明らかになり次第、地域の企業、商工会議所、商工会、農業協同組合、森林組合、漁業協同組合などと一緒に検討してまいりたいと考えております。 2番目は、新庁舎整備でございます。環境に配慮した庁舎整備に当たって、最新の建築技術を調査研究して効果が見込めるならば採用されてはどうかという話でございます。 新庁舎に導入を検討している再生可能エネルギー設備のうち、太陽光発電設備につきましては、一般的な固定式のほか、議員御指摘のように、太陽光追尾型のタイプがあることは承知をいたしているところでございます。 こうしたさまざまな機器の導入につきましては、常に技術革新が行われていくといった分野でございますので、最新の知見も取り入れながら、今後実施設計を進める上で導入経費やランニングコストなどを総合的に精査し、検討していきたいと。ただし、森本議員が御指摘になりました特定の企業の技術を採用するということには直接はつながらないと思っております。 3点目は、校庭の芝生化の問題でございますが、これにつきましては教育委員会のほうからお答えをさせていただきたいと思います。 4点目、5点目、学校図書館司書、それから小学校のプログラミング教育につきましても、教育委員会のほうからお答えをさせていただきたいと思います。 6点目のガス局の民営化の問題でございます。 検討が不十分ではないか、あるいは議会との協議が不十分ではないかという御指摘でございます。 これまでの市議会におきます経過と状況の説明、あるいは意見聴取等につきましては、民営化の議論が本格化をいたしました平成17年から数えますと、本会議を初めとして常任委員会等で数多くの議論を積み重ねてきたところでございます。 また、改めて申し上げますと、平成15年の検討委員会では、本市のガス事業のあり方、方向性について検討して、今後民営化の方向で検討すべきであるとされております。それから、市町村合併後の平成18年の検討委員会では、本市ガス事業を民営化する必要性に関しさまざまな調査分析をした上で、本市のガス事業を民営化すべきである、それから民営化を実現されたいとされたところであります。また、今回の令和元年の検討委員会では、平成18年答申で付された民営化を実現するに当たっての3つの条件がクリアをしたとされたところであります。 したがいまして、議員が言われるように、今回の検討委員会は民営化をするならばという前提で議論されたものではなくて、民営化をする上で3つの条件について熱心に議論が重ねられ、民営化に向けての方向性が導き出されたと考えているところでございます。 それから、完全譲渡以外の選択肢を示していないんではないかというお話でございますけれども、これにつきましても、先般の検討委員会で検討が行われました。その際、事業譲渡、それからコンセッション方式、公営、それぞれのメリット・デメリットについても検討されたところでございます。 その結果、事業運営時の責任の所在の明確化が図れること、それから投資計画における負債の増大などのリスク、それから全国の自治体での民営化の実績などを踏まえて十分な議論をした上で、完全事業譲渡方式との結論が出され、市としてもこれが最良であると判断をいたしたところでございます。以上でございます。 ○議長(森脇幸好) 清水教育長。 ◎教育長(清水伸夫) そうしますと、私のほうからは教育に関する御質問3点にわたってお答えをさせていただきたいと思います。 まず初めに、校庭の芝生化についてのお尋ねがございました。まず、校庭で遊ぶ子どもたちはふえてきたのかと、その様子はどうかというお尋ねでございます。 この校庭の芝生化事業でございますが、平成20年度から事業開始をいたしまして、現在小学校34校あるわけですが、22校が芝生化をしております。芝生化をした学校からは、休み時間になると子どもたちは、芝生の校庭で楽しそうに遊んでいる。転んでもけがをしにくいことも活発に外遊びをすることにつながっている。あるいは、児童クラブで運動しながら遊ぶことがふえたなどの報告を受けております。 また、児童会の委員会が芝生遊びを企画し、全学年が芝生の感触を楽しみながら、クイズやゲームを行う学校もあると聞いております。芝生に親しむ活動となっていると伺っているところでございます。 続きまして、この芝生化ですが、地域の方々による維持管理の定着状況についてはどうかというお尋ねでございます。 地域の方々の芝生の維持管理へのかかわり方については、地域ごとに異なっているわけでございますが、地域と学校がお互いに過度な負担がかからないよう工夫をしながら連携して維持管理をしていただいていると伺っています。 教育委員会としては、管理組織と学校を対象とした意見交換会を毎年度開催いたしております。管理組織と学校との作業の分担などの話し合いを行ったり、要望により集草機、草を集めるという機械などの備品の購入、芝刈り機の修繕、肥料散布機の更新を行っているところでございます。 また、一部の地域では排水対策について、地元企業の協力も得ながら整備を行っていただいているところでございます。 続きまして、この芝生化に関して学校側の負担はどうかというお尋ねでございました。 先ほども申し上げましたように、地域の方々の芝生の維持管理へのかかわり方については、地域ごとに異なっているため、学校では教員や校務技師が散水や芝刈りを分担するなど、地域と学校とがお互いに連携し、負担軽減ができるよう工夫をしながら維持管理をしているところでございます。 続きまして、芝生化された校庭を活用した地域交流の実態はどうかというお尋ねでございます。 補植作業などの機会にも、児童とともに作業をしていただくことや、児童へのグラウンドゴルフの指導をしていただくなど、地域と学校との交流を深める場として活用されていると伺っております。 それから、この芝生の最後ですが、未実施校は現在何校あるのか、それから実施をしていない学校への今後の対応についてはどうするのかということでございますが、校庭の芝生化については、現在未実施校が12校ございます。未実施の理由としては、水はけの悪化が懸念をされる、学校の近くに芝生化された公園があり、児童に開放していただいているためなどが上げられております。 芝生化の未実施校につきましては、毎年度学校訪問を行い、芝生化の実施に向け地域での協議を行っていただくよう依頼をしているところでございます。 芝生化事業については、子どもたちの体力向上や地域と学校が協働で芝生化を実施することによりまして、地域コミュニティーの醸成や新たな地域連携を深める大切な事業と認識をしております。今後も継続して協議をお願いしていく考えでございます。 続きまして、学校図書館の活用教育のことについてお尋ねがございました。 現在の学校の図書館活用教育の状況はどうかということで、少しトーンダウンしたんじゃないかというお尋ねでございました。 現在、本市では全ての小中あるいは義務教育学校に学校司書を配置し、物流システムを活用しながら、安定した児童生徒の読書支援や図書館資料等を利活用した学習支援が行われていると認識をしております。 各学校では教科指導者と学校司書が連携をとり、複数体制で授業を進めることにより、児童生徒はこれからの時代、求められている資質、能力を身につけることができるとともに、学習の質を一層高める授業改善の取り組みを行うことができるようになってきていると考えております。 また、来年度からの新学習指導要領全面実施に向け、学校図書館を活用した探求的な学習をさらに進めていくために指導主事による学校訪問指導や、あるいは各校の有効な取り組みの情報提供、司書教諭や学校司書を対象とした研修会の実施等の取り組みを進めているところでございます。 その成果として、全国学力・学習状況調査の学力調査では、小学校6年の国語で読解力が求められる発展的問題、B問題ですが、全国平均値を近年上回る状況が続いております。また、意識調査では、学校図書館を利用した授業を行ったと回答した本市の児童生徒の割合は、全国平均を大きく上回る結果となっております。 こういった松江市の取り組みは、帝京大学の鎌田先生を初め全国の著名な先生方に、松江市は学校図書館活用の先進地であると高く評価され、昨年度も全国から13件の視察を受けたところでございます。また先月、悠光堂出版から発行されました「「学校図書館ガイドライン」活用ハンドブック」でも、松江市の取り組みが紹介をされているところでございます。 これからもさらに推進をしてまいりたいと考えております。 続きまして、学校図書館活用教育がどのような効果をもたらし、今後どのように取り組んでいくのかという観点から、追跡調査をすべきではないかというお尋ねでございます。 議員御指摘の追跡調査でございますが、現在国が実施いたします全国学力・学習状況調査、これは小6と中3ですが、これと県が実施します県学力調査において、読書や学校図書館に関する調査項目がございます。これらの調査から図書館活用教育の状況を把握し、事業の検証、改善を進め、今後の取り組みの参考にしてまいりたいと思っております。 また、市内の各校から毎月の本の貸出状況や授業に学校司書がかかわった時間数、校内における学校図書館を活用した取り組み等の報告を受け、今後の学校図書館活用教育の取り組みや研修に生かしているところでございます。 この学校図書館活用教育を進めていくために重要な役割を担っているのが市内の全校に配置をしております学校司書でございます。 学校からの報告につきましては、学校司書が中心となってまとめているところですが、先日、県が示しました学校司書等配置事業の見直し案は、学校司書が担ってきた読書センターと学習センター、情報センターを分断し、児童生徒と教員の学習支援を、新設されます学びのサポーターが学習支援を行うというものでございます。これでは今まで学校司書が積み上げてきた資質、能力や経験が全く生かされず、今後の図書館活用教育のあり方について大変危惧をしているところでございます。 学校図書館にかかわる調査につきましては、今後もこの学力調査の結果と各校からの報告書等を活用し、学校図書館活用教育をさらに前へ進めてまいりたいと考えております。 それから最後に、小学校でのプログラミング教育のことについてお尋ねがございました。 来年度からこのプログラミング教育が新学習指導要領のもとで実施をされるわけですが、松江市の準備状況はどうかということと、それからもう一点は金沢市等先進地を参考に早い段階で対応を考えるべきじゃないかという御質問でございます。 まず、準備状況についてお答えをしたいと思います。 松江市では、2008年よりまつえ産業支援センターが中心となって小中学生向けのプログラミング教室を開催しているところでございます。一方、教育委員会では2018年度より新学習指導要領の全面実施に向け、小学校教員を対象としたプログラミング教育研修を年間3回実施しているところでございます。 これまで各校1名以上、延べ40名の教員が受講し、その教員が各校で研修した内容を広めることで、教員の不安感を払拭するようにしているところでございます。 この研修では、プログラミング教育の専門家を講師として招き、プログラミング教育の目的がパソコンを操作することだけでなく、児童に論理的な思考力を育成することや、あるいはすぐれた授業実践等について研修を深めているところでございます。さらに、実際の授業場面を想定した演習を行ったり、まつえ産業支援センターの職員からRubyを活用した松江市の事例についてしっかり学んでいるところでございます。 受講者同士が作成した授業案の検討会を行い、各校で授業案を使って実践を行ったり、授業実践の成果や課題についての発表会を開いて意見を交流したりしながら実践的な研修を深めているところでございます。 先進地を参考にした取り組みの件でございますが、議員の御指摘を参考にしながら、今後本市でこれまで取り組んできた内容を踏まえながら、先進地の取り組み状況、金沢市等のこういった状況を積極的に取り入れることで、来年度の小学校学習指導要領全面実施に向け、プログラミング教育についての調査を行ってまいりたいと考えております。以上でございます。 ○議長(森脇幸好) 17番。 ◆17番(森本秀歳) 御答弁ありがとうございました。 まず、ガス局のほうは、これまでも丁寧にしてきたということでございますが、引き続き丁寧な進め方でお願いしたいと思っております。 それから、教育の関係では、先ほど来ちょっといろいろと県の取り組みのところで、少し懸念があるような話が出ておりますけれども、いずれにしても、松江市が全国に発信していくといった特色ある取り組みをお願いしたいと思っておりますし、プログラミング教育についても、これに限らず、産業支援センターのほうでいろいろな取り組みを教育委員会と連携しながら取り組んできておられますので、引き続きいろいろな多様な、そういった取り組みをこれから実施していただければなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。以上で終わります。 ○議長(森脇幸好) 21番田中明子議員。 〔21番田中明子議員登壇〕 ◆21番(田中明子) 公明クラブの田中明子でございます。会派を代表して4項目質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。 初めに、創生総合戦略について伺います。 1つ、人口減少問題に歯どめ、2つ、東京圏への人口の過度の集中を是正、3つ、それぞれの地域で住みよい環境を確保、これらを目的といたしまして2014年11月28日にまち・ひと・しごと創生法が公布されてから5年が経過いたしました。松江市におきましても、2015年10月30日に松江市まち・ひと・しごと創生人口ビジョン第1次総合戦略を策定し、2つの挑戦、5つの基本目標、10の重点プロジェクトを定め、5カ年計画で取り組んでまいりました。それぞれのプロジェクトにおいて細かく目標値を設定し、進捗状況を重要業績評価指数(KPI)を用いて検証し、PDCAサイクルにより改善につなげるという手法で目標の達成を目指しました。しかし、出生数年間2,000人と年間平均270人の社会増を目指すという2つの挑戦は、残念ながら達成することができませんでした。2020年から第2次総合戦略がスタートいたしますが、これまでの5年間の取り組みを検証した上で、次の5年を目指さなければならないと考えます。 そこで、第1次総合戦略について5つの基本目標に沿ってどう評価されるのか伺います。 基本目標1、「地域資源を活用し、個性豊かで強靱な産業を創り上げ、安定した雇用を創出する」について、この5年間の本市の各産業分野における雇用状況と事業の進展について目標値に対して達成度はどうだったのか、また課題があればお聞かせ願います。 基本目標2、「松江の魅力に磨きを掛け、新しい人の流れをつくる」について、今さらではございますが、市長の磨きをかけるべき松江の魅力に対するお考えをお聞かせください。また、掲げた事業の実施状況について伺います。 基本目標3、「まちを挙げて結婚・出産・子育てを応援し、若い世代の希望をかなえる」について、結婚に向け出会いの場づくり事業等、さまざまな施策が掲げられましたが、その成果を伺います。 また、若い女性が東京圏を初め他市に移り住んで戻らないことが少子化に拍車をかけております。15歳から39歳の女性の本市からの転出者の人数と転出理由を伺います。 基本目標4、「時代に合ったまちをつくり、安心な暮らしを守るとともに、地域と地域を連携する」について、本市は合併後、DIDの面積は3.8倍に拡大し、拠点連携型の都市構造を目指しております。この項で掲げた事業の進捗状況を伺います。 基本目標5、「中海・宍道湖・大山圏域の連携強化により、日本海側の拠点をつくる」について、圏域が連携することでさまざまな分野での促進が図れると思いますが、計画の実施状況を伺います。 引き続き、人口問題を克服し、松江市の豊かな歴史や文化、自然を未来に引き継ぐために、第2次総合戦略に向かいますが、市長が9月議会で2つの重要視点といたしまして、若者の流出を食いとめるための施策と若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえるということを上げられましたが、どのような施策をお考えなのかお聞かせください。 先日、「島根に生まれ、島根に生き、そして島根の土になる」という言葉を友人から聞き、非常に感動いたしました。将来にわたりふるさとの持続発展のために、さらにみずからがふるさとが花開くための土壌になるという、ふるさとに我が身を挺する気概が感じられたからです。郷土愛が市民に根づくとき、地方創生は確実に前進すると思います。人口問題に対して、市民が危機感を持って取り組めば、絶対に目標は達成できます。市として市民に対して意識を共有するためにどのように働きかけるのか伺います。 地方創生は、本来人口の自然増の回復を目指すべきであり、短絡的に社会増を狙い、人口の奪い合いをすることや、地方創生交付金目当ての事業であってはならないと考えます。市長の決定したリーダーシップのもと、今やるべきことをしっかりと取り組みながら、地方創生が前進することを願い、この質問は終わります。 2点目は、子ども発達相談についての質問でございます。 まず、10月に教育民生委員会の視察で、愛知県岡崎市のこども発達センターすくもにお邪魔いたしました。1980年に高齢者や障がい児者を対象とする施設を整備するために、市の福祉基盤の中心的な役割を担う岡崎市福祉の村の一部としてスタート、その後40年を経て発達障がいに対する支援要望の急増やパソコン普及によるコンセント不足や間取りの狭さ等、社会情勢の変化の中で、施設規模や施設配置などが利用者ニーズに合わなくなり、PFI方式により新築部分と既存の建物の廃止や統合により、段階的に整備され現在に至っております。福祉部直営のこども発達相談センター、市立病院直営の子ども発達医療センター、指定を受けた岡崎市福祉事業団が管理する子ども発達支援センターと、この3つのセンターが一つの建物でそれぞれの機能を担い連携することで、全ての障がい児者を対象とした複合施設として運営されております。6歳の未就学児までが対象で、1歳6カ月児健診など早い段階で障がいを発見、支援をすることができます。 さらに、11月には仙台市の障害福祉部が所管する北部発達相談支援センター北部アーチルに会派で視察をさせていただきました。市の南部にも北部と同じ機能を有する施設、南部アーチルがあります。アーチルは、子どもから大人まで発達に問題を抱えた方を支援しております。昨年アーチルに寄せられた発達相談件数は1万1,985件、そのうち乳幼児相談は32.8%、学齢児相談は37.1%、18歳以上の成人相談は30.1%となっております。仙台市において通級指導や特別支援学級、特別支援学校など特別支援教育を必要とする児童生徒は年々ふえており、全児童生徒数に占める特別な教育の場を活用している児童生徒の割合は、10年前の1.4%から2.08%にふえております。また、小中学校の通常学級に在籍していても、発達障がい及びその可能性のある児童生徒の数も、10年前の2,000人から4,000人へと倍増しております。その多くは保護者から支援の申し出はありませんが、学校側が配慮を必要と判断したものでございます。長い間、障がいのある子どもたちは、教育の機会が与えられていませんでした。1979年に養護学校が義務化され、ようやく全ての子どもたちが教育を受ける仕組みができました。2006年に学校教育法の一部改正により、2007年から特別支援教育が実施されました。 さて、視察先で松江市の発達・教育相談支援センターは、教育委員会が担っていると申しますと、大概驚かれておりましたので伺いますが、本市において発達に心配がある子どもの相談・支援を福祉部門ではなく、教育部門で所管されたのはなぜでしょうか伺います。 次に、発達障がいと診断またはその可能性が否定できない子どもの数は増加傾向にありますが、本市の実態はどうでしょうか。早期に発見し、医療や支援につなげなくてはなりませんが、1歳6カ月児、3歳児、5歳児健診時における気づき、発見の状況はいかがでしょうか。 また、早期から発達に不安がある子どもの相談・医療・支援を受けられるようにし、さらに教育など関連機関が連携して切れ目なく支援されなければなりませんが、連携の体制について、本市の取り組みの状況を伺います。また、大人の発達障がいに対する支援体制についてもお伺いいたします。 次に、小・中・高の特別支援学級と通級指導教室の現状と今後の取り組みについても伺います。 この項の最後に、障がいがあってもなくても、ともに教育を受けるというインクルーシブ教育についての本市の考え方と現状を伺います。 3点目に、高齢者の見守りについて伺います。 独居高齢者の方に生活をする上で困っていることを聞いてみました。通院や買い物に行くための移動手段がないこと、持病があり体調が悪いと家事労働が大変であること、人と会話する機会がなく、生きがいが持てない。そして、孤独死が心配と話されておりました。2025年には団塊世代が一斉に75歳以上になり、深刻さが一層増します。認知症が進み、御近所とトラブルになったという話もよくお聞きいたします。また、いつ襲ってくるかわからない災害時の配慮も必要になります。この際、丁寧な実態調査を行い、しっかりと課題を把握し、一人一人に寄り添える支援を整えるべきです。その推進のために平成29年からふくしなんでも相談所を開設、今後29公民館区に設置を目指す計画でありますが、今後ますます大切な事業だと考えます。身近な場所で何でも相談できることは、住民にとってどれほど心強いかしれません。この事業の現時点での進捗状況はいかがでしょうか。また、寄せられた相談内容と件数、今後の取り組みや課題をお伺いいたします。 また、高齢者や障がいのある方など要配慮者が住みなれた地域で安心・安全に暮らすために、各地域において要配慮者支援組織の立ち上げを推進、令和5年度には70%のカバー率を目指しておりますが、地域によって自治会の加入率や支え手の高齢化など状況はさまざまであり、御苦労も多いかと思います。近年は個人情報保護の名のもとに、要配慮者の実態がつかみ切れないという声も聞かれます。この事業の今後の取り組みと課題をお伺いいたします。 先日の新聞に、鳥取県が共助交通に試験的に取り組んでいるという記事が載っておりました。交通事業者が配車を管理し、住民が運転業務のみ行うというもので、バスの利用者の減少や深刻な運転手不足に対応しており、目を引きました。また、住民が住民を運ぶことで、地域コミュニティーが促進できるというのもよい点だと思います。さらに、運転できる人が自己所有の車で目的地に連れていってあげることも共助につながります。ただ、課題といたしましては、いずれも事故したときの責任の所在です。でも、交通弱者の救済のための施策であり、検討の余地があると思います。本市でも導入できないかと考えますが、御所見をお伺いいたします。 最後に、松江市立病院における女性診療の体制についてお伺いいたします。 女性が利用しやすい診療体制の確立を目指し、平成30年1月、全国で初めて女性のための専用エリアを設けた病院、石川県立中央病院が開設されました。電話予約から診察まで女性医師やスタッフが担当し、同じエリアにマンモグラフィー検査室とエコー検査室が診察室と一体として配置され、検査着着用でも男性患者の目を気にすることもありません。開設当時の女性内科から現在は女性診療科として稼働しております。女性診療科は、女性の身体的症状や精神的不安などについて総合的に診療を行い、必要ならそれぞれの専門医に紹介し、適切な治療への支援を行います。女性がいつでも受診する気持ちになれる病院の姿だと感じました。 つい先日、私の友人が女性特有のがんにより60歳で亡くなりました。もっと早く受診していたらと悔やまれますが、痛みどめを飲みながら仕事を続け、病院に行ったときには手おくれで、入院から5カ月で亡くなってしまいました。 女性が更年期障がいや女性特有の病気を抵抗なく受診できるよう、女性医師に診てもらいたいという要望が多いことから、女性専門外来設置につきまして、平成28年6月議会で質問いたしました。その際に、紀川院長から、女性の一生にかかわる診療科である産婦人科には、当時は5名のうち3名が女性医師であり、全ての女性のライフステージに合わせた外来診療ができ、全ての外来診療日に女性医師を配置しており、既に女性専門外来として機能している。その上で、あえて診療科名を変更する必要はなく、今後は市民の皆さんにその内容を周知したいと前向きな御答弁をいただきました。それまでは、女性医師がいないからできないと言われ続けてきましたので、本当にうれしく思いました。しかし、知人から女性専門外来を受診しようと市立病院に尋ねたら、「そんな科はありません」と言われたそうです。せっかく機能があるなら、病院内外に広く周知され対応してほしいと思います。女性医師の確保が困難になるときもあるかもしれませんが、できる限り女性が気軽に受診できるよう女性専門外来として体制を整えていただきたく、次の3点について伺います。 まず1点目ですが、現在女性専門外来を意識して市民に向けた啓発がされているのかお伺いいたします。 2点目に、実際に女性医師に診てもらいたいと言って受診される方はどのぐらいいらっしゃるのか伺います。 3点目に、診療科名は女性専門科でも女性診療科でも何でも構いませんが、女性医師に診ていただける部署があるということは、女性にとって非常に安心感につながると思います。今後の体制について御所見を伺います。 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(森脇幸好) 松浦市長。 〔松浦正敬市長登壇〕 ◎市長(松浦正敬) 田中明子議員の代表質問にお答え申し上げたいと思います。 まず第1点目は、総合戦略についてでございます。 第1次総合戦略について、5つの基本目標に沿ってどう評価するのかということでございます。 まず、総括としてお答えをさせていただいて、次に個別の質問に対してお答えをさせていただきたいと思います。 先ほど森本議員にお答えをいたしたとおりでございますが、第1次総合戦略の進捗管理、それから評価検証につきましては、外部委員会の松江市総合計画・総合戦略推進会議において行っているところでございます。 その評価検証方法でございますけれども、総合戦略の5つの基本目標のうち、中海・宍道湖・大山圏域市長会で検証します基本目標を除く4つの基本目標、40項目ございますが、40項目の目標指標の達成率によりましてAからDまでの4段階の評価で行っているところでございます。 平成30年度の実績につきましては、A評価が12項目、B評価が12項目、C評価が4項目、D評価が5項目、それから隔年で数値を把握するため評価できないものが7項目となっておりまして、評価できない項目を除くA及びB評価の項目は7割以上であり、順調に推移をしてきていると考えております。 また、外部委員会では、評価の低いC及びD評価の項目につきまして議論をしていただいたところであります。 その中でも、3つ目の基本目標の「まちを挙げて結婚・出産・子育てを応援し、若い世代の希望をかなえる」の目標指標では、A及びB評価がありませんでした。この要因といたしましては、7項目のうち隔年で把握する項目が5項目あったこと、それから年度途中の待機児童数のゼロ人を目標指標としており、評価が低かったということでございます。 このうち、待機児童でございますけれども、平成29年度の419人に対しまして平成30年度は337人に減少しており、改善が進んでいると考えているところでございます。 それから、圏域市長会で検証します5つ目の基本目標の「中海・宍道湖・大山圏域の連携強化により、日本海側の拠点をつくる」の目標指標のうち、圏域での外国人宿泊客数及びビジネスマッチングの商談件数につきましては、順調に増加をしており、観光、産業分野の連携促進が図られているものと考えております。 2点目は、若者の流出を食いとめるための施策と若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえることについて、どのような施策を考えているのかということでございます。 平成27年10月から令和元年9月末までの4年間の15歳から39歳の女性の転出者は7,543人でございます。この間の転出者の45.6%となっております。 転出の主な理由は、就職や結婚、転勤、就学・卒業などとなっております。 また、先ほど石倉議員にお答えいたしましたとおり、転入転出の開きが大きい世代は20代、転出者が1,224人上回っているわけでございますが、そのうち555人が20代前半の女性でございます。 一方で、30代は転入者が転出者を509人上回っておりまして、この世代は未就学児と一緒に転入する人が多く含まれているということでございます。 こうした状況から、若者の流出を食いとめる取り組みと、若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる取り組みを重点視点としたところであります。 具体的な施策につきましては、現在検討を行っておりますが、例えばUIターン者や第1次の産業就業者の増加を図るために魅力ある産業、雇用、地域、生活環境の創出を分野横断的、重点的に取り組むことといたしております。 それから、人口問題に対して市民が危機意識を持って取り組まなければ実現できないということだけれども、市として市民にどのように意識を共有するための働きかけをするかということでございます。 第1次総合戦略でも、市民運動による取り組みを掲げているわけでございます。ただ、それまでもそうですが、この4年間、どの分野におきましても、人手不足が進んできております。また、その点がどの分野におきましても提起され、また実感をされているということを私は身をもって感じているところでございます。 したがいまして、このままではそれぞれの分野の維持が困難になるんではないかという危機感があるわけでございまして、御指摘がありました市民が危機意識を持っているということについては、この4年間でもかなり危機意識が進んできているのではないかと思っているところでございます。 したがいまして、そうした分野の皆さん方から今回いろいろなまた御意見をいただいて、第2次総合戦略を立てていきたいとも思っているところでございます。 また、地域別での危機感という点では、現在市内29地域で地域版のまちづくり総合戦略、あるいは共創・協働マーケットなどによる意見交換を行っておりまして、この点でも市民の皆さん方の危機意識が地域の中でも共有されていることを感じているところでございます。 先ほど申し上げましたように、第2次総合戦略も市民の皆様方と危機意識を共有して、ともに地方創生に取り組んでまいりたいと思っております。 2番目の子どもの発達相談につきましては、教育委員会のほうからお答えをさせていただきたいと思います。 続きまして、3番目の高齢者の見守りについてでございます。 まず、ふくしなんでも相談所の事業の現時点での進捗状況でございます。 少子高齢化、あるいは核家族化の進行、人口減少、地域のつながりの希薄化と、地域社会を取り巻く環境が変化をいたしまして、福祉課題は多様化、複雑化してきているわけでございます。そこで、こうした問題に総合的に対応するために、平成29年度からふくしなんでも相談所を開設しておりまして、現在市内15カ所に設置をいたしているところでございます。 それから、寄せられた相談内容と件数、今後の取り組み、課題でございますけれども、平成30年度は相談件数の中では、例えば孤立、それから経済的困難、近隣住民とのトラブル、精神障がいに関することなど177件の相談があったところでございます。今年度の相談は、10月末現在で140件でございますので、昨年度を超える件数となる見込みとなっております。 これまでの相談内容におきまして、さまざまな課題の背景に社会的な孤立があることから、そうした課題解決の事例を紹介したパンフレットの作成や、公開シンポジウムを行うなどの孤立予防プロジェクトを重点施策として実施をしたところでございます。 今後も個別相談の対応はもとよりでございますが、新たに浮き彫りになりました課題等に対しても、関係機関と連携を図って解決に向けた取り組みを推進してまいりたいと思っております。 それから、より身近な地域で相談できる体制を整えるために、ふくしなんでも相談所のサテライトを29公民館区それぞれに設置することを目標に取り組んでいるところでございます。今年度は5カ所の窓口設置を目指しているところでございます。 それから、各地域において要配慮者支援組織の立ち上げを推進しているけれども、この事業の今後の取り組みと課題ということでございます。 今各地域におきまして要配慮者支援組織の立ち上げを推進しておりますけれども、自治会の加入率や組織の担い手となる人の高齢化、それから自主防災組織設置の有無など各地域で状況が異なっております。それからまた、個人情報の管理に不安や負担があると、これが結構大きいわけでございますけれども、こうしたことなどによって設置が進んでいない地域もあるわけでございます。 そういうことで、地域に出向いて各地域の状況を把握して、実情に応じた組織の立ち上げを支援しているところでございますが、特に個人情報の取り扱いの問題では、昨年度「町内会・自治会向け個人情報取扱い手引き」、それから「避難行動要支援者名簿活用の手引」を活用いたしまして、関係者などへ丁寧に説明をすることで、不安や負担を払拭しているところでございます。 要配慮者支援組織は、これまでも申し上げておりますように、町内会・自治会あるいは自主防災組織などとも関係が深いわけでございます。必ずしも要配慮者支援組織という名前をつけなくても、実際にやっていることは町内会でやっていたり、あるいは自主防災組織でやっていたりということがあるわけでございますので、今後とも関係部が連携をしまして、そうした組織の立ち上げを初めとした体制づくりを進めてまいりたいと思っているところでございます。 それから、共助交通、住民が住民を運ぶ共助交通が今後の地域コミュニティーの構築と交通弱者対策によい施策と考えるけれども、どうかという話でございます。 持続可能な公共交通を形成していくために、交通事業者の運転手不足も相まって全国的に共助による移動手段の取り組みが始まっているところでございます。 松江市では、法吉地区におきまして地域共助型輸送の実証実験が行われてきたところでございます。この取り組みに対しまして、松江市といたしましても、支援・協力をやってまいりましたけれども、このほど松江市地域公共交通会議での合意が得られたことなどから、令和2年4月からの有償運行に向けまして現在手続が進められているところでございます。そしてまた、こうした事例をモデルといたしまして、市内の他の地域でも導入できないか検討を行っているところであります。 ただ、共助によります移動手段につきましては、いろいろ課題もございます。安全管理、それから万一の事故の場合の責任の所在といったこともあります。それから、そのほかにも運転手、あるいは運営担当者の確保などの課題もあるわけでございますので、そうした課題を解決して実現していくためには、何よりもその地域のコミュニティーの力、熱意が必要でございます。松江市といたしましては、そうした先進事例の研究、情報収集を行って、いろいろ検討したいと考えておられる自治会、あるいは社会福祉協議会などとも情報を共有して、導入に向けて連携して取り組んでまいりたいと考えております。 病院事業につきましての御質問につきましては、市立病院のほうからお答えをさせていただきたいと思います。 ○議長(森脇幸好) 清水教育長。 ◎教育長(清水伸夫) それでは、私のほうから子どもの発達相談支援の関係についてお答えをさせていただきます。 まず、第1点目ですけれども、発達に心配のある子どもの相談支援を福祉ではなくて、なぜ教育部門かというお尋ねでございます。 平成22年5月、松江市特別支援教育の在り方検討委員会からの答申において、今後の松江市の特別支援教育を推進するに当たっては、教育・保健・福祉・医療等が一体となって早期からの気づきと支援体制を一層充実させるとともに、義務教育である小学校への丁寧な就学支援とつなぎ、そして日々子どもたちが過ごしている保育所や幼稚園、小学校、中学校における支援体制の充実が強く提言をされたところでございます。 そこで、義務教育を所管いたします教育委員会の当時の特別支援教育課が主体となり、これまでの特別支援教育の成果を生かしながら、さらに教育・保健・福祉・医療等が連携した松江らしい早期からの相談支援体制を構築するため、平成23年度でございますが、保健福祉総合センター内に発達・教育相談支援センター、エスコを開設し、現在に至っているところでございます。 続きまして、発達障がいと診断またはその可能性が否定できない子どもたちの本市の実態ということでございます。 全国的にはふえているということでございますが、本市においても増加傾向にあります。具体的な状況といたしましては、小中学校の教員に実施した今年度調査によりますと、通常の学級に在籍している児童生徒のうち、何らかの特別な支援を必要とする児童生徒は11.1%と、過去最も多い割合となっております。その中で、発達障がい等の診断のある、または診断の可能性のある児童生徒の数は6.6%という状況でございます。 また、発達障がい等のある児童生徒が在籍する自閉症・情緒障がい特別支援学級の在籍人数も215名と過去最も多い人数となっているところでございます。 続きまして、早期に発見してこうした障がいを医療や支援につなげなくてはならないが、1歳6カ月児、あるいは3歳児、そして5歳児健診時においての気づきや発見の状況はどうかというお尋ねでございます。 子育て部の子育て支援センターが主管しております乳幼児健診におきましては、医師や臨床心理士、保健師などによりまして、体の発育状況や言語や行動発達の診察、子育てに関する相談等を行っているところでございます。 乳幼児健診におきましては、要経過観察や要精密検査となった割合は、20から30%という状況でございます。そういう意味で、早期からの相談支援につなげているところでございます。 また、3歳児健診と5歳児健診には、エスコのスタッフも参加をしており、相談や支援へと速やかにつなげていくように連携を図っているところでございます。 平成30年度の5歳児健診を例に挙げてみますと、発達上の課題ありと診察されました幼児のうち、約75%の幼児がその後の相談や療育につながったという状況にございます。 続きまして、発達に不安がある子どもの相談・医療・支援・教育など関連する機関が連携して切れ目なく支援をする連携体制や、大人の発達障がいに対する支援体制はどうかというお尋ねでございます。 この連携体制について本市の取り組みですが、まず幼児につきましては、3歳児健診や5歳児健診のほかに、所属所・園と保護者が一緒になって相談をエスコに上げるシステムがあります。相談から特別支援幼児教室やエスコ療育などの支援につながっていく流れになっているところでございます。また、子どもの所属所・園が主催する就学先の小学校との移行支援会議には、幼児教室や療育のスタッフも参加し、丁寧なつなぎに努めているところでございます。 また、学齢期につきましても、学校から相談をエスコに上げるシステムとなっております。日々の支援に関する助言や特別支援学級への入級などにつながる流れになっているところでございます。小学校から中学校へのつなぎにつきましては、小中一貫教育の中で情報共有等が図られているところでございます。 医療との連携につきましては、初診の段階から学校での状況と家庭での状況が適切に医師に伝わるように、医療連携シートとしてエスコで様式を作成しております。これの活用の拡充を図ってまいっているところでございます。 続きまして、大人の発達障がいに対する支援でございますが、発達障がいは障害者総合支援法の対象の障がいに位置づけられておりますので、たとえ障がい者手帳を持っていなくても、福祉サービスを利用することができます。また、相談支援についても、県の発達障害者支援センターウィッシュと連携をして、サポートステーション絆や各相談支援事業所で行っているところでございます。 続きまして、小・中・高の特別支援学級と通級指導教室の現状と今後の取り組みというお尋ねでございます。 令和元年度におきます松江市内の小中学校の特別支援学級数と児童生徒数の現状は、小学校が91学級268名、中学校が45学級133名となっております。通級指導教室は、小学校4校163名、中学校は3校76名の児童生徒が指導を受けているところでございます。いずれも児童生徒数は増加をしております。 市立女子高には特別支援学級、通級指導教室は設置をされておりません。 また、取り組みにつきましては、現在エスコが中心となりまして、訪問指導や教育相談、介助員の配置、特別支援学級の教員等を対象とした研修を実施しております。特別支援学級、通級指導教室の支援の充実を今後も図ってまいりたいと考えております。 今後も保育所、幼稚園、小学校、中学校、高校までの一貫した支援体制を整備し、それぞれのステージにおきます支援のさらなる充実を図ってまいりたいと考えております。 最後に、インクルーシブ教育についての本市の考え方を伺うということでございます。 インクルーシブ教育につきましては、個々の教育的ニーズに応じた適切な指導と必要な支援を受けられるようにすることが重要であると考えております。 特別な支援の必要な児童生徒は、先ほど申し上げましたように年々増加をしております。障がいも重度化、多様化をしており、教職員等の特別支援教育に対する理解と適切な対応が必要であると考えております。 特別な支援の必要な幼児、児童生徒の自立と社会参加を促進するために、今後もエスコが中心となって早期からの気づきと支援のもと、各ライフステージにおける支援の充実を図ってまいりたいと考えております。 また、乳幼児期からの一貫した支援をつなぐことが大切であることから、エスコを拠点とし教育・保育・福祉・医療、これらが一体となって相談支援を進めてまいりたいと考えております。以上でございます。 ○議長(森脇幸好) 紀川市立病院院長。 ◎市立病院院長(紀川純三) 市立病院の女性診療体制についての御質問でございます。 まず第1点は、女性専門外来を意識して啓発されているかという話であります。 地域医療構想に基づいて、病院の機能分化と役割分担が進んでおります。高度急性期を担う当院では、80%以上が紹介となっております。紹介元となる連携施設には、女性医師の診療日等をお知らせしております。 一方、女性専門外来の名称についてでありますが、慎重な対応をしております。その理由としては、女性専門外来という名称は、女性特有の病気を診る診療科なのか、女性医師が診療を行う科なのか、混乱を招くおそれがあるためであります。 実際、女性医師に診てもらいたいといって受診される方の頻度でございますが、産婦人科では月に1件前後であり、全体の0.1%であります。 今後の体制についてでございますが、産婦人科につきましては、従来どおり全ての外来診療日に女性医師を配置して、安心な受診につながるように配慮しており、今後もこの体制を維持していきたいと考えております。 さらに、思春期並びに若年成人のAYA世代の女性に関しては、妊娠を含むさまざまな悩みを抱えていることから、医師会や関連施設とも連携して適切に対応してまいりたいと考えております。以上でございます。 ○議長(森脇幸好) 21番。 ◆21番(田中明子) 発達相談についてですけれども、2つの県外の施設に行く前に、会派としてエスコに視察に行きまして、本当に丁寧に対応してくださって、医療、また福祉、学校、全てが連携されておりまして、本当にそれはすばらしいなと思っておりますので、ぜひこれからも、今重度化、また多様化している、ふえてきているというこの対応、大変ですけれども、よろしくお願い申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(森脇幸好) 13番吉儀敬子議員。 〔13番吉儀敬子議員登壇〕 ◆13番(吉儀敬子) 共産党市議団の吉儀敬子でございます。日本共産党を代表して質問いたします。4点について質問いたしますので、よろしくお願いいたします。 まず最初は、市長の政治姿勢についてです。 1点目が平和・憲法問題について。全国首長九条の会について伺います。 安倍首相は日本会議とともに、改憲に執念を燃やす中、自治体の首長とその経験者による全国首長九条の会が11月17日に結成されました。17日現在で現職13人を含む131人が賛同・呼びかけ人に名を連ねています。全国の首長が所属や立場、信条の違いを超えて9条を守れの一点で力を合わせる画期的な動きです。全国首長九条の会は、草の根の運動と連携し、憲法9条擁護の運動、世論づくりを進めるとしています。 現職13人の首長の中に、松江市と姉妹都市の関係にある宝塚市の中川智子市長も名を連ね、発言をされています。中川市長は「私は2015年、安保法制は絶対反対だと表明しました。戦争が起きれば市民の日々の暮らしを失います。憲法をなし崩しにし、平和を脅かすことに対して声を出すことは譲れません。市民の命を守るために首長がやれることを、仲間をつくって勇気を出して声を上げていきたい」との発言です。 市長、この中川市長の発言を市長はどのように受けとめられましたか。中川市長の発言は、まさに宝塚市の市民の命を守るためには、憲法を守り抜かねばならないという首長としての並々ならぬ決意があらわれているのではないでしょうか。松浦市長も松江市民の平和と安全を守る責任者として、全国首長九条の会に所属して、憲法改悪の動きに歯どめをかけるべきではないかと考えますが、市長の見解をお聞かせください。 2つ目に、空中給油機の事故についてです。 昨年12月、高知県沖でアメリカ海兵隊岩国基地所属の空中給油機と戦闘機が夜間空中給油中に墜落する事故がありました。事故報告書には、海兵隊員の手放し操縦、飛行中の読書、スマホの自撮り、薬物乱用やアルコールの過剰摂取などの驚くべき規律違反が明らかにされ、信じがたいことが起きていることに唖然としました。 そして、何よりもこの空中給油機は、機種は違いますけれども、来年以降、航空自衛隊美保基地に3機が配備を予定されております。空中給油機の給油訓練は、身近な上空での訓練だから危険というだけではなく、高知県沖での墜落事故のように、米軍の給油訓練を行うことを否定していないという問題を指摘しなければなりません。 2016年当時、「米軍への給油は否定しない」と美保防衛事務所の所長が答弁しています。なぜ米軍への給油を否定しないのか。それは2007年、日米地位協定第2条第4項bの適用ある施設として美保飛行場が米軍共同施設に新規に提供されたといういきさつがあるからです。米軍が美保基地を使用することについて、関係自治体の意向を反映することなく、一方的に共同使用できる不平等な日米地位協定を野放しにしておいて、市民の安全が守れるでしょうか。 市長は国に対して空中給油機配備の中止を求めるとともに、米軍が日本の空を勝手放題に使うことができるシステムに対して見直しを求めるべきではないでしょうか。米軍はイタリアやドイツでは協定を改定しているのに、日本は国内法が通用しないアメリカ優位の協定となっています。対等に日本の国内法が適用されるよう、日米地位協定の見直しを国に働きかけるべきではないでしょうか。市民の命と暮らしを守るために事故が起きてから後悔するのではなく、起こさないために発言し行動することが必要ではないでしょうか。 2つ目に、地域医療の充実についてです。 厚生労働省が公立・公的病院の再編統合に向けた議論を促すとして、全国424の病院名を一方的に公表しました。県内では4病院の病院名が公表され、そのうちの半数を占める2病院は松江市内の病院です。2病院はそれぞれに整形外科や呼吸器専門の診療科など特色ある病院であり、松江市民にとってなくてはならない病院です。 国の公表基準は、1つに、診療実績が少ない、2つ目に、診療実績が似ており近くにあるとして、車で20分以内の距離に競合する病院があるというものですが、このような一律の基準で医療体制を壊していいのでしょうか。診療報酬を引き下げて病院経営を苦しくしていることには無反省で、病院のベッド削減のみを目的とする国の姿勢はますます地域医療を疲弊させることになるのではないでしょうか。名前を公表された病院で働く職員は、病院の将来がどうなるのか、働き続けることができるのか、動揺しています。 市長は、公表した病院名リストの撤回を国に求めるべきではないでしょうか。 2点目は、原発避難訓練についてです。 1点目に、11月8日から3日間にわたった原発避難訓練について、計画策定時と計画に基づき実施した時点での課題と教訓について伺います。 2つ目に、原発施設に放射性物質が存在する限り、被曝事故を想定した訓練は膨大な準備時間をかけ、要員や物資を投入しながら実施しなければなりません。自然災害が大規模化し、本来そちらに力を注がなければならないときに、原発が10キロ圏内に存在するために、事故を想定してふるさとを捨てる訓練をする。このような訓練をいつまで続けなければならないのでしょうか。 再稼働すれば、より事故のリスクが高まるにもかかわらず、再稼働を判断する規制委員会は避難訓練を含む避難計画については、評価の対象としないという極めて無責任な対応です。原発立地自治体の松江市として、市民の命を守る立場を貫くなら、原発は動かさないと決断した上で、実効ある避難訓練を実施するという立場に立つべきではないでしょうか。 3点目に、災害対策について伺います。 箱根町のように24時間940ミリという、降雨量が1日1,000ミリという事態が起きるようになり、市として現在策定済みの防災計画は実態と合わなくなり、見直しが必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。 2点目に、内閣府が策定した避難所運営ガイドラインについて伺います。 まず、ガイドラインでは、平時より災害対策本部・避難所支援班を設置し、避難所を立ち上げる訓練が必要であるとの指摘があります。 市として防災部のみでなく、トイレの設置、汚水処理はどこの部署が担当するのか、物資を届ける体制の担当部署はどこがするのか、温かい食事はどのように提供するのか、避難所におけるスマホの充電器を初めとする情報を得る手段はどこの部署が整備するのかなど、複数の担当課が事前に役割分担を明らかにした連携の体制を構築しておくことについて、現状はどのように対応されているのか伺います。 次に、発電機の使用方法の訓練などを日ごろから行うことの必要性も、ガイドラインで指摘されておりますが、市立体育館など実際に定期的に発電機を動かす訓練が行われているのでしょうか。 そして、避難所の基準には、国際的なスフィア基準があり、内閣府も今後の我が国の避難所の質の向上を考える場合、参考にすべき国際基準となるとコメントしています。スフィア基準は、被災者も尊厳のある生活をする権利があるという視点が貫かれており、要するに日本国憲法第25条を初めとする生存権、幸福追求権、財産権の保障に通じるものです。避難所基準の質の向上についてどのように考えていらっしゃるのか、市の見解を伺います。 そして、避難者の範囲は指定避難所に避難している人だけではなく、自宅避難者、福祉施設の避難者など、全ての避難者の人間の尊厳を守ることを貫き、女性が避難所設置基準の政策決定にかかわるべきです。女性がどの程度政策決定にかかわり、避難所開設の設備面で女性の視点、避難所運営において男女共同参画の視点が貫かれるようになっているのか、松江市の現状はどのようになっているのか伺います。 最後に、つい立て、段ボールベッド、トイレなどどれだけの数が必要であるのかを積算し備蓄されているのでしょうか。松江市の簡易トイレや薬剤の数は十分でしょうか。スフィア基準によると、トイレの数は地域社会では短期間の避難では50人に1基ですが、中長期の避難では20人に1基、さらに1家族に1基という基準を示しています。人間の尊厳を守る避難生活にするための視点を持つことが、資機材の準備をする上で必要ではないでしょうか。市としての避難生活に必要なものを独自で幾ら準備するのか、準備できないものは民間や県と協定を結んで確保する体制を構築する必要があると考えますが、いかがでしょうか。 最後に、東出雲公民館と複合施設の建設について伺います。 市長が昨年11月に複合施設の場所を保健相談エリアとすることを明らかにしたことで、自治会連合会などが市の意向どおりに進めようと一方的に決議を上げたことに対する反発が、東出雲町民の間に広がっています。 4つの公民館を一つにするのですから、どこに建てるのか、町民にはさまざまな思いがあります。町民が十分に論議を尽くして納得の上で心を一つにして建設に向かっていく必要があります。 ところが、論議をする上で、場所は保健相談エリアと一方的に決められ、しかも一体どれくらいの予算で建てるのか全く町民に示すこともなく進めようとする市の姿勢は異常ではないでしょうか。 市民の税金を投入するのですから、施設建設の建設費が幾らかかるのか、少なくとも保健相談エリアなら道路拡幅や駐車場の確保の予算も含む費用の積算が必要です。さらに、町民から出されている相談センターはそのまま残し、不足する施設を支所エリアに建設する案と、ふれあい会館を残し、耐震工事を施して使うという意見もあります。少なくともこの3案について、建設費の試算を行い、町民に示して論議をするという姿勢が必要ではないでしょうか。 そして、複合施設建設に向けて、公民館運営協議会準備会と複合施設建設検討委員会の2つの組織が立ち上げられ、活動が開始されています。準備会の論議の中では、現在ふれあい会館で行われている中学生のコンサートや東出雲太鼓の演奏ができる舞台のある施設は必要であり、防音設備のある300名は収容できる施設は必要との声が出されています。 公民館運営協議会準備会と建設検討委員会の関係は、同時並行ではなく、どのような公民館として活動したいのか、準備会が十分論議し、予算の問題も明らかにし、町民に論議の情報を流し、町民からの意見も取り入れるという活動を十分に行った上で、最終的にまとまった活動を保障するためにはどの程度の広さが必要であり、その広さを確保するためには場所をどこにするという流れに持っていくべきであり、活動内容をこれから論議しようというときに保健相談センターの場所を先行させるべきではないと考えますが、市長の見解を伺います。 以上、御答弁よろしくお願いいたします。(拍手) ○議長(森脇幸好) 議事の都合により、この際会議時間を延長いたします。 松浦市長。 〔松浦正敬市長登壇〕 ◎市長(松浦正敬) 吉儀議員の代表質問にお答えを申し上げたいと思います。 まず第1点目は、市長の政治姿勢についてということでお伺いがあるわけでございますが、まず平和・憲法問題についてでございます。 この憲法第9条の改憲の問題で、市長も全国首長九条の会に所属して憲法改悪の動きに歯どめをかけるべきではないかというお話でございますが、これは本会議でもたびたびお答えを申し上げておりますけれども、憲法第9条の改憲につきましては、必要性も含めまして、各政党間で国民が納得できるように議論を行っていただきたいと首長の立場からは申し上げたいと思います。 それから次は、空中給油機の配備の中止を求めるべきではないか、それから日米地位協定の見直しを要請すべきではないかという話でございますが、この航空自衛隊の美保基地への空中給油・輸送機の配備につきましては、国全体の防衛計画に基づき、国から協議がなされたものでありまして、これに対して本市が同意をいたしたものでございます。 それから、日米地位協定につきましては、これは日米安保条約に基づくものでございます。我が国の安全保障にかかわる大変重要な事項でありますので、政府において当然適切に対応されるべき課題であると考えております。 それから、厚労省のほうから公立・公的病院の再編統合に向けた議論を促すということで、病院名を一方的に公表したと、このことについてどう考えるかということでございます。 今回の国によります病院名の公表は、大変唐突でございました。そしてまた、説明も不十分なものだったと考えております。これは市民に誤解を与えて、また混乱を招きかねなかったという点において、適切ではなかったと考えております。 このことにつきましては、全国市長会として国に対し意見具申をいたしたところでございます。 これに対して国は、一連の対応により不安を招いたことを陳謝するとともに、一律機械的ではなくて、地域の実情を勘案した検証を進めるよう説明をいたしているところでございます。 2点目は、原発の避難訓練についてでございます。 原発の避難訓練を終えて、計画策定時点と訓練実施後に見えてきた課題と教訓は何かということでございます。 まず、今回の原子力防災訓練でございますけれども、1つは大規模な地震の発生と原子力発電所事故の発生との複合災害が想定をされていること。それから、国の原子力総合防災訓練との合同訓練として、全国初となります3日間の日程で実施をいたしたものであります。 まず、訓練では国、県、市が連携して災害対応の方針を決定する災害対策本部設置運営訓練が行われました。さらに、段階的避難を理解していただくために、9日にPAZの避難訓練、それから10日にUPZの避難訓練を日程を分けて実施されたのが特徴でございます。 今回の広域避難訓練に御協力いただきました鹿島、島根、生馬、古江、持田、本庄、美保関地区の皆様、それから大田市、奥出雲町、倉敷市におかれましては、本訓練に対して真摯に御対応いただいたことに対して、この場をかりて深く感謝を申し上げる次第でございます。 訓練で得られた課題、教訓につきまして、今これは県のほうがアンケート等々、それから外部専門家の評価結果などを取りまとめているところでございますので、後日そういった課題等々が明らかになってくると思いますが、私自身で考えたことは、1つはいわゆる段階的避難につきまして、今回一応段階的な避難が行われたわけでありますけれども、どういう場合に、まずPAZが避難を行う、それからUPZは原則屋内退避でございますけれども、どういう場合にUPZがいわゆる屋外避難になっていくのかと、なぜそうしなければいけないかということについて、もっとやはり住民の皆様方に御理解をいただく必要があると思っております。 UPZの屋内退避は、何もPAZの皆様方の避難をスムーズに行うためということではなくて、そのことがUPZの皆様方にとりましても、安全を確保することにつながるということでございますので、その点もぜひ御理解をいただきたいと思っているところでございます。 2点目は、今回は広域の避難訓練につきましては、バスを活用いたしたわけでございます。しかしながら、アンケート等をとってみますと、約9割の方が自家用車を利用するという答えになっておりますので、やはり自家用車の避難を想定した訓練を検討する必要が今後あるのではないかと思いました。 3点目は、昨年の災害対策本部の設置に関しまして、私のほうから提案をしました。それは現在の状況に対して各部がどういう対応を今やっているかということについて報告をすることになっているわけですが、大変こうしたことに時間を費やしてしまっているということでございます。一般的に一定の災害が起こった場合には、各部、大体どういうことをやったらいいかというのをあらかじめリストをつくっておいて、それをチェックすると、実際に今やっているかどうかについて確認のチェックをして、今実際にこれをやっておりますという説明で事足りると思います。 むしろそれよりも、現実の災害はそうした一般的なチェック項目以外に考えなければいけないような状況があるわけでございますので、そうしたことについて実際その場で報告をして対応するという形にしようということで申し合わせをしたところでございます。 したがいまして、今回チェックシートをつくって効率的な会議運営を図ることはできたわけでございますけれども、もう少し想定外の事案を含めまして、より実践的な本部訓練をしていくことが必要だと感じたところであります。 2点目は、原発については避難訓練、原発は動かさないと決断した上で実効ある避難訓練をするという立場に立つべきではないかということでございます。 災対法に基づきまして、原発が再稼働するか否かにかかわらず、市は地域防災計画や避難計画を策定する責務を有しているわけでございます。 そして、市民の生命、身体、財産を守る責務を有する立場といたしましては、原子力防災訓練の実施などによる検証等を通じて、これらの計画の実効性を常に高め続けていくことが必要だと考えております。 よく避難計画は実効性がないということで、そういったものが完璧にでき上がらないと、やっぱり原発は動かすべきではないんじゃないかという議論があるわけでありますけれども、やはり現実問題としまして、100%完璧な計画はまずでき上がらない、難しいと思います。それはやはりいろいろな事態に対応しなければいけないわけでございますので、したがってやはり訓練を通して実効性のある避難計画、避難訓練をやって高めていくという努力が必要ではないかと。その上で再稼働について考えていく必要があるのではないかと私は思っております。 この島根原発の稼働の問題につきましては、何度も申し上げておりますけれども、今原子力規制委員会におきまして審査が行われている段階でございます。今後この委員会の審査が終了した後に、事業者、あるいは原子力規制委員会から説明を受けまして、市議会、それから松江市の安対協の皆様方から御意見を伺った上で最終的に判断することになるものと考えております。 3点目は、災害対策ということで、1日の降雨量が1,000ミリを超える事態が起きるようになったと、市として策定済みの防災計画の見直しが必要ではないかということであります。 防災基本計画の修正でございますけれども、国の防災基本計画の修正に合わせて松江市の地域防災計画も見直しを行っているところでございます。 御指摘のように、ことしは台風19号による豪雨災害など、いろいろ全国各地でさまざまな被害をもたらした災害が発生したところでございます。特に広域的に河川の氾濫が発生をしたということから、今後国におきまして検証が行われ、課題が明らかになり、課題解決に向けた対策が進められていくものと考えております。 市といたしましては、その結果を受けて適切に松江市の地域防災計画の見直しに取り組んでまいりたいと思っております。 それから、避難所の運営ガイドラインについてでございます。 担当部の事前の役割分担を明らかにしていく必要があるんじゃないかと、部局横断的な連携の体制を構築していくことについてどのように対応しているのかということでございます。 まず、松江市の防災体制につきましては、災害が発生するおそれのある注意体制の段階から各部局、各課の役割を松江市地域防災計画で定めて対応することにいたしております。 その中で、御指摘がありました避難所でございますけれども、まず福祉関連部局を中心に開設、運営をすることになっているわけでございますけれども、その開設から閉鎖までの段階的な運営を避難所運営マニュアルで定めているところでございます。これについては、庁内の役割分担、それから地域の皆さんとの連携も含め、体制を整えて対応することとこのマニュアルの中で定めているわけでございます。 それから、発電機の使用訓練などを日ごろから行うことの必要性も指摘されていると、市立体育館など実際に定期的に訓練が行われているのかどうかということでございます。 指定避難所でございます松江市の総合体育館の非常用の発電設備の操作訓練でございますけれども、業者の指導を受けながら職員が定期的に行っているところでございます。 また、総合体育館で備蓄をしております2基の発電機についても、年1回の定期点検を実施して、緊急時の使用に支障がないことを確認いたしております。 その他、本市では発電機を69基備蓄しておりまして、そのうち旧市の21公民館、それから8支所に44基が配備をされております。発電機は、各地区の防災訓練の際、あるいは地域のイベントの際にも使用されておりまして、使用方法についての習熟度を高めているところでございます。 残る25基につきましては、市役所、それから忌部小学校に備蓄をして、総合体育館の2基と同様に年1回の定期点検を実施して、緊急時の使用に支障がないことを確認いたしているところであります。 それから、スフィア基準が避難所、避難をしてきた人の質の向上、あるいはその被災者の尊厳のある生活をする権利を保障することになるのではないか。避難所基準の質の向上について市としての見解はどうかということでございます。 松江市の避難所運営マニュアル、先ほど来言っております避難所マニュアルでございますが、平成22年3月に策定をいたしました。その後、内閣府が避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針の改定を行い、また避難所運営ガイドラインの策定、これは平成28年4月でございますが、これを受けて、その内容を反映させた改定を平成31年2月に行ったところでございます。 改定に当たりまして考慮した国のガイドラインには、スフィア・ハンドブックが示されて、自治体の判断で参考にすべきものと位置づけられているところでございます。 松江市の避難所運営に当たりましては、各避難所で一律の基準を設けるのではなくて、避難者の人数、それから年齢構成に応じて柔軟に対応し、健康で衛生的な避難所生活が維持できるように、必要な物資の供給を行うなど、適切な避難所運営に努めてまいりたいと考えております。 それから、避難所の設置に女性がどの程度かかわっているのかということでございます。 吉儀議員は御存じだと思いますけれども、平成20年に女性の視点による防災対策検討委員会を設置いたしまして、女性の視点から見た防災対応の見直しを行ったところでございます。 この委員会におきまして、女性や乳幼児に配慮した避難所機能の確保について議論がなされまして、それまで備蓄していなかった生理用品、紙おむつ、哺乳瓶等を備蓄するなど、女性の意見を取り入れた防災対策を行ってきたところであります。 それから、避難所運営マニュアルも女性の視点による防災対策検討委員会の意見を反映させまして、女性相談窓口の設置、それから性別に偏らない作業分担などを盛り込んでいるところでございます。 それから、人間の尊厳を守る避難生活にするための視点を持つことが資機材の準備をする上で必要ではないかということでございます。 当然のことながら、避難所は避難をされてきた皆さんが共有スペースで生活をするものでございますので、プライバシーの確保、それから衛生環境の保全が大変重要になってくるわけでございます。 プライバシーを確保するための資機材は、いろいろなものがありまして、被災地の避難所で使用されておりますが、本市の備蓄はまだまだ十分ではありません。今後対応していく必要があると考えているところでございます。 なお、トイレでございますけれども、災害の形態によりましては、食料や水などの確保以上に深刻な問題となることが考えられますので、簡易トイレや薬剤を年次的に備蓄をしまして、避難所の衛生環境が保全できるように対策を進めているところであります。 それから、全て行政が避難所生活に必要なものを確保すると、用意するということは不可能なので、民間や県と協定を結んで確保する体制を構築する必要があるんじゃないかということでございます。 本市で備蓄をしております物資で災害時に必要量を確保できないものも、御指摘のようにあるわけでございますので、市内の民間企業と災害時における物資供給に関する応援協定を13の団体等と締結をいたしているところであります。 また、県との間では災害時の相互応援に関する協定書を締結しまして、松江市にある広域防災拠点倉庫の物資を災害時に提供してもらえる体制を構築しているところでございます。 また、市内企業も被災する可能性もあるわけでございますので、今後は全国規模の企業、それから組合との協定の締結などによりまして、災害時に必要な物資を確保する体制を拡充してまいりたいと思っております。 4点目の東出雲の公民館と複合施設建設につきましては、教育委員会のほうからお答えをさせていただきます。 ○議長(森脇幸好) 清水教育長。 ◎教育長(清水伸夫) それでは、私のほうから複合施設建設についてお答えをさせていただきます。 この案件につきましては、私は9月議会で吉儀議員にお答えをしておりますが、きょうはおさらいの意味も含めまして、もう一度お答えをさせていただきます。 この東出雲複合施設の建設でございますが、平成29年11月に公民館検討委員会を地元で立ち上げられ、いろいろ議論を重ねていただいた上で、地域協議会、自治会連合会、地区社会福祉協議会の3者連名による要望書を市長宛てに提出いただいております。これは平成29年11月。 市では、提出いただきました要望書にある5つの機能を有する複合施設を実現するに当たって、候補地として要望いただいた東出雲支所周辺エリアと保健相談センターエリアの2カ所のうち、保健相談センターエリアでの整備が適当と判断し、方針を回答させていただきました。 昨年12月には、市の回答について3団体の皆様にもお諮りをされたということで、それを説明の上、3団体とも御了承をいただいており、この了承をもって地域の御了解をいただいたと考えております。場所についての件については、そういう経緯があるということでございます。 それからもう一点、建設費の試算を行いということでございます。町民に示して論議する姿勢が必要ではないかというお尋ねでございます。 この予算、建設費につきましては、引き続き地元で立ち上げていただきました建設委員会で整備内容を検討していただいているわけでございますが、この整備内容が決まらないと具体的な数字をお示しすることは難しいと考えております。こうした正確でない数字がひとり歩きすることは、余り好ましいことではない。また、地元の皆さんの判断もそれによって迷うというようなこともございますので、もう少し内容が決まりましたら、当然そうしたことも試算をしていくことになると思います。以上でございます。 ○議長(森脇幸好) 13番。 ◆13番(吉儀敬子) 市長の政治姿勢については、同じ答弁しかいただけないから、あえて市長に答えていただくとは思いませんけれども、やはり中川市長の言葉をきちんとかみしめていただきたいと思うんですね。本当に自治体の首長としての責任をどう考えるか、その点についてしっかりと、やはり国任せではなくって、ちゃんと市民の平和と安全を守るという点で考えておいていただきたいと思います。 それから、原発の避難訓練ですけれども、やはり一般の自然災害とは全く原発の訓練とは違うという、そのあたりのところをしっかりと踏まえていただいて、本当に福島の事故が実際に起こったという中での訓練、それはもう本当にやめるという決断しかないと思うんですね。そういう点で、ぜひ考えていただきたいということです。 それから、災害対策ですけれども、マニュアルはつくったと、でも実際にそのマニュアルに従って訓練がされているかどうか、そこの点を聞いておきたいと思います。 あと公民館と複合施設は、私はだからあくまでも市長の名前で保健相談エリアとすると昨年11月に回答されたもんですから、市長にこれはきちんと伺っておきたいと思うんですね。 本当にもうそれで町民は納得したと先ほど教育長はおっしゃいましたけれども、現実に8月2日の場に教育長もいらっしゃって、あれだけ町民は反対の意見も言いました。ですから、納得をしていないということは、教育長も重々あの時点でわかっておられると思うんですけれども、それをあくまでも進めようという形でどんどん進めていかれようとしているということで、町民は異議を申し立てているということですから、そういう点でまず市長が市長名で保健相談エリアと判断をされた、その理由を市長の口から伺いたいです。 ○議長(森脇幸好) 松浦市長。 ◎市長(松浦正敬) 先ほど教育長のほうからお答えをいたしましたとおりでございます。私のほうからつけ加えることはございません。 ○議長(森脇幸好) 永田防災安全部長。 ◎防災安全部長(永田明夫) 避難所の訓練についての再質問でございます。 避難所の訓練につきましては、市が主催する訓練につきましては、支所並びに公民館参集職員というところで、福祉部の職員の皆さんにも動員をいただいて、避難所運営訓練も同時にあわせて実施しているところでございます。以上でございます。 ○議長(森脇幸好) 13番。 ◆13番(吉儀敬子) 終わります。 ○議長(森脇幸好) 以上で本日の日程は全部終了いたしました。 本日は、これにて散会いたします。 〔午後5時04分散会〕...