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09月09日-02号

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  1. 松江市議会 2019-09-09
    09月09日-02号


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    令和 元年第3回 9月定例会    令和元年第3回松江市議会定例会議 事 日 程(第2号) 令和元年9月9日(月曜日)午前10時開議 第1 一般質問     吉 金   隆  議 員     野 津 直 嗣  議 員     川 島 光 雅  議 員     長谷川 修 二  議 員     畑 尾 幸 生  議 員     橘   祥 朗  議 員────────────────────────────────────────本日の会議に付した事件 一般質問  吉 金   隆  議 員  野 津 直 嗣  議 員  川 島 光 雅  議 員  長谷川 修 二  議 員  畑 尾 幸 生  議 員  橘   祥 朗  議 員────────────────────────────────────────出 席 議 員(34名)    1 番   河  内  大  輔    2 番   出  川  桃  子    3 番   細  木  明  美    4 番   太  田     哲    5 番   田  中     肇    6 番   米  田  と き こ    7 番   三  島  伸  夫    8 番   岩  本  雅  之    9 番   新  井  昌  禎    10 番   野  津  照  雄    11 番   長 谷 川  修  二    12 番   柳  原     治    13 番   吉  儀  敬  子    14 番   橘     祥  朗    15 番   野  津  直  嗣    16 番   野 々 内     誠    17 番   森  本  秀  歳    18 番   貴  谷  麻  以    19 番   川  島  光  雅    20 番   石  倉  徳  章    21 番   田  中  明  子    22 番   畑  尾  幸  生    23 番   吉  金     隆    24 番   南  波     巖    25 番   津  森  良  治    26 番   森  脇  勇  人    27 番   宅  野  賢  治    28 番   川  井  弘  光    29 番   篠  原     栄    30 番   三  島  良  信    31 番   三  島     進    32 番   立  脇  通  也    33 番   比  良  幸  男    34 番   森  脇  幸  好───────────────────────欠 席 議 員(なし)───────────────────────欠     員(なし)───────────────────────事務局職員出席者  事務局長    角     清  司  次長      福  島  恵 美 子  議事調査課長  錦  織  靖  浩  書記      尾  添  和  人  書記      門  脇     保  書記      木  村  彰  宏  書記      古  川     進  書記      月  森  致  子───────────────────────説明のため出席した者  市長      松  浦  正  敬  副市長     能  海  広  明  副市長     星  野  芳  伸  政策部長    藤  原  亮  彦  地域振興事業推進部長          足  立     保  総務部長    講  武  直  樹  総務部次長   島  根  史  明  防災安全部長  永  田  明  夫  財政部長    山  内  政  司  産業経済部長  山  根  幸  二  観光振興部長  錦  織  裕  司  市民部長    松  延  由  子  福祉部長    湯  町  信  夫  健康部長    小  塚     豊  子育て部長   舩  木     忠  環境保全部長  高  橋  良  次  歴史まちづくり部長          須  山  敏  之  大橋川治水事業推進部長          永  島  真  吾  都市整備部長  安  達  良  三  消防長     金  村  保  正  教育長     清  水  伸  夫  副教育長    早  弓  康  雄  副教育長    大  谷  淳  司  上下水道局長  川  原  良  一  ガス局長    渡  部  厚  志  交通局長    三  島  康  夫  市立病院事務局長吉  川  浩  二  選挙管理委員会委員長          石  原  憲  夫─────────────────────── 〔午前10時00分開議〕 ○議長(森脇幸好) これより本日の会議を開きます。─────────────────────── △日程第1 一般質問 ○議長(森脇幸好) 日程第1「一般質問」を行います。 各会派の代表質問を行います。 順次発言を許します。 23番吉金隆議員。 〔23番吉金隆議員登壇〕 ◆23番(吉金隆) 松政クラブの吉金隆です。通告のとおり代表質問をさせていただきます。 ここのところ毎日のように、あおり運転で云々とか、幼児虐待で、もうお願い、許してくださいなど、目も耳も覆いたくなるようなニュースを突きつけられ、不快でせつない一日が始まっております。本日は、関東地方の皆様にはお見舞いを申し上げたいと思います。 みんなが中流だと信じていた1980年代に、東大助教授の佐藤何がしとかという先生が、日本にも階級が存在するが、それを見ないようにする社会であり、そのことが問題ですと言っておられ、近年になっては、早稲田の橋本健二教授は、日本には4つの階級があると考えてきたが、1990年ころから新たにアンダークラスという階級が生まれたと考えているとおっしゃっています。国民の心はささくれ立ち、慢性的にいらいらし、ささいな何かに怒るという背景が生まれ、不寛容を呈していると思います。国民の多くがささやかでも幸福感が享受できる社会にしなければ、誰もがそのすさんだ社会におびえながら生きていかなければなりません。 2010年にNHKで、マイケル・サンデル教授の「ハーバード白熱教室」が放映され、ジャスティス(正義)、公正を議論していました。このようなトレンドを好ましく思っていましたが、あっさりと消えてしまいました。今の社会を生きるとき、改めて考えてみたいと思います。ユーチューブで見ることができます。 それでは、日ごろ感じていることを述べさせていただき、質問を行いたいと思います。 最初に、参議院の合区の問題についてであります。 ことしの7月には参議院議員選挙が行われ、私どもの島根県は鳥取県と、高知県は徳島県と、ともに合区という屈辱的な選挙区となりましたが、いずれも政権側が議席を確保いたしました。 合区は、1票の格差が憲法の保障する法のもとの平等に抵触しない範囲におさめるための苦肉の策であります。そのために定数をふやし、県民に選ばれない特定枠まで設け、空白県に配慮されました。しかし、合区対象の県民にとって、参議院議員選挙は3年に1度ではなく6年に1度という感が否めないのではないでしょうか。 この件については、松江市出身で大阪大学教授吉川徹先生が、高知と徳島の数字などを交え、山陰の投票行動の変化など、郷土愛を感じさせる表現で寄稿されています。 与党は、選挙の結果は政治の安定と憲法改正に向けた議論への支持が民意であるとの見解を出しています。しかし、本当にそうでしょうか。後段でも述べますが、安定ではなく、せめて今のままでが本音ではないでしょうか。憲法改正についても、外国では何回も憲法改正が行われているということが根拠のように語られています。 国立国会図書館の「諸外国における戦後の憲法改正(第4版)」によれば、1945年以降、アメリカが6回、カナダが19回、フランスが27回、ドイツが59回、イタリアが15回、オーストラリアが5回、中国、韓国がそれぞれ9回と、確かに回数は多いように見えます。しかし、多くは、男女の機会均等、少数民族の主権確立など、統治機構に関する改正で、もとより憲法は権力の権能を縛るものです。 日本では、下位の法律で改正がなされており、憲法の3原則にかかわるほどの改正はありません。アメリカでは、この間、1万1,500件以上の憲法改正が求められ、多くが州議会で否決されているようです。すなわち、憲法改正は、シビリアン(市民)が求めるものであります。 話をもとに戻して、ここで、このたびの合区による選挙についてどのようにお考えになっているか伺います。 衆議院議員選挙も、御存じのように、1票の格差是正のための作業は、戦後間もない1947年から何度も行われています。1994年に小選挙区制が導入され、都道府県にまず議席を配分する基礎配分方式、1人別枠方式が採用されました。しかし、予測されていたとおり限界に達し、2012年には、この1人別枠方式の削除が国会で成立しています。しかし、その後も実質的には残され、選挙が行われていますので、違憲状態、または、違憲だが選挙は有効の判決が出されています。この問題こそが、過疎地の国民が望む憲法改正であると思います。このままでは、我々が選んだ代議士が憲法違反のそしりを受けなければならないのです。 やはり多くの国でも、1票の格差、投票価値の格差は問題になっており、憲法改正も含めて議論になっています。アメリカでは、州の権限が尊重されておりますので、憲法により、格差を偉大な妥協に至っております。 日本のように可住面積の少ない国土において、祖先から受け継いだ、雪が降れば孤立するような山々や厳しい海岸線を守り続けている国民も多数おられます。インフラが国策でなくても充実するような都会地で暮らす国民との格差の是正は、それぞれの自己責任なのでしょうか。 次に、投票率についてであります。 島根は、国政選挙において、昭和35年(1960年)より平成26年(2014年)の55年の間に行われた国政選挙の37回のうち、それぞれ衆議院選で昭和42年、参議院選で平成7年に2位になった以外は、35回、投票率全国一を誇っていました。投票は、民主主義を行使する手段でありますから、島根県民の行動は他の模範として評価できると思います。 ところが、平成28年の参議院選3位、平成29年の衆議院選4位、ことしの参議院選6位になっています。直近のデータから、投票率を支えているのは50代以上の有権者であり、女性の投票率が低くなったころから下降ぎみになっているように思われます。多くの県民は、政治に対してきちんとした思いを持ち、それを具現化するために投票をするわけですが、政治が裏切る、応えてくれない、こうした政治への不信が投票率を下げる根拠だと思います。 ついに投票率は50%を切ってしまいました。数理モデルを研究されている経済学者の坂井豊貴慶應大学教授は、日程は延びるが決選投票とか、例えば3位までなら1位に3ポイント、2位に2ポイントと割り振るボルダルールなど、票割れを防ぎ、より民意が反映される工夫を上げておられます。 私は、以前より、現代のようにテクノロジーが進化した時代ならば、それぞれの有する1票を、現行のプラスにしか働かない機能にマイナスの機能も加えることができれば、市民の投票行動は盛んになるに違いないと思っています。Aさんにプラスに投票してもいいし、Bさんにマイナスに投票してもよいということです。社会や技術が著しい発展をしているのにルールや制度がついていっていないことが、数々の分野で露呈しているように感じます。 人類は万能ではないが、蓄積した英知を生かし、よりよい未来を築かなければならないはずです。しかし、選ばれている人たちが制度を決めるから改善されないのでしょうか。 参議院議員選挙における合区のこと、投票率の低下とその原因と対策、国政レベルではありますが、選挙の方法やあり方についてお考えがあれば伺っておきたいと思います。 次に、観光に関して伺います。 平成の合併以降、特段地元に主要な産業のない多くの自治体は、金太郎あめのようにどこも観光観光と言ってきましたが、この間に、主に国内旅行のトレンドが変化をしてきています。景気の低迷により、個人の実質的可処分所得が減少し、デフレ傾向の長期化で、消費者の値ごろ感も低下しています。そんな中、高速道路の普及や新幹線の整備などで、日帰り旅行は伸びており、温泉、飲食、テーマパークなどが旅行商品として受け入れられています。 松江市においては、新幹線が未整備で、大量輸送もままならない中で、まず日帰り圏内にどのくらいの人口がいるのかを調査し、いつまで駅からの動線にこだわるのか、何をテーマにするのか、住みなれた市民には日常であっても訪問者には新鮮であるもの、こと、もちろん豊かな自然もそうですが、何を生かしていくかなど、果敢に対応すべき施策とそれを推し進める組織が必要であると思います。 去る2月議会で市長は、かねてより課題となっている本市の観光推進体制を再構築し、従来の行政丸抱えの状態から脱却して根本的に観光戦略を見直さなければなりません、そのかなめである観光協会のあり方を検討することはもとより、財源として考えている宿泊税についても、宿泊施設関係者の皆様の理解を得ながら一体的に議論を進めることが不可欠であります、新年度は庁内にこうした課題を検討する担当組織を置き、関係者と粘り強く協議を行ってまいりますとおっしゃいました。私も全く同感であります。そして、その宿泊税という目的税を、ただ単に財源確保の手段に終わらせてはならないと思います。後ほどお話をするDMO、そしてTIDへとつなげ、行政丸抱えの状態からの脱却の契機としなければなりません。 2014年12月に閣議決定されたまち・ひと・しごと創生総合戦略で、地方創生の主体の一つとして、初めてDMOという文言が登場してまいりました。そして、そのアクションプランで、世界に通用する観光地域づくりとマーケティングを行う官民一体の観光地経営体日本版DMO)として位置づけられました。 私は、当時から、日本版DMOは海外のそれとは似て非なるものと感じていました。なぜなら、何もそれまでと変化を感じなかったからです。昨年4月に、市長とともに、友好都市のニューオーリンズ市誕生300周年記念式典に参加した折、ニューオーリンズ市、カリフォルニア州ナパバレー、そしてサンタモニカ市を回り、それぞれのDMO事情を伺い、その違いが理解できました。 確かにアメリカで宿泊税のお話はございましたが、近大の高橋教授は、DMOの望ましいあり方として、1つ、官民共同で設立され、地域に持続的な経済効果をもたらす組織であること、2つ、観光行政との役割分担のもと、与えられた権限に伴う結果に責任を持つこと、3、プロパーで観光地経営に伴う専門性を持った人材によって経営、業務執行がなされること、4、多様で安定した財源を確保し、ステークホルダーとのよい緊張関係を保つこと、5、観光関連事業者だけでなく、農林水産業、商工業関係者など、地域づくりに参画するさまざまな担い手とかかわりを持つことの5条件を示しておられます。 そして、後ろ盾となるのは、安定的な財源であります。アメリカなどでも、初めは宿泊税を充当していたわけですが、現在は、一定のエリア内の宿泊事業者の合意のもとで、宿泊収入から一定割合の賦課金を徴収するTID(観光改善地区)制度を導入しているようです。日本版DMOが世界水準の観光地経営組織として健全に発展するためにはTIDによる安定的な財源確保が必要不可欠になるともおっしゃっています。 新年度は、庁内にこうした課題を検討する担当組織を置き、関係者と粘り強く協議を行う旨の発言がありましたが、どのような進捗状況にありますか。また、いつごろをめどにしたタイムスケジュールをお考えなのか伺います。 また、市庁舎の建築に向けて作業が進められておりますが、市内でも最優良なこの場所に建てるわけでございますから、そして1世紀近く使うことになると思いますので、中途半端なものをつくらず、観光客の皆様も行きたくなるような市庁舎、名所にしなければもったいないと思います。建設費については、市民の皆様にも御理解をいただき、立派な庁舎を願っています。あわせてその考えを伺います。 何に向かっても、それぞれに利害があり、反対は存在します。松江は、多岐にわたる観光商品を提供できる都市です。松江市の観光を持続可能な事業に育て上げるため、多くの思いを受け入れ、研究を重ね、関係事業者には当事者意識の高揚を促し、めげずに進む信念が求められます。後世の評価に耐える判断を求めます。 続いて、教育に関しての質問に入ります。 私の暮らす乃木地区は、県内でも突出して教育施設の多い地域でございます。毎日通学する児童生徒をまぶしく眺めています。部活で近所を走っている生徒もたくましそうで、頼もしく思っています。しかし、子どもたちはどんな気持ちで毎日を暮らしているのか、何のために毎日小学校に、中学校に通っているのか。学校へ行くと友達がいる、スポ少がある、それが学校と子どもたちをつないでいるのかと感じてしまいます。 私も、うんと昔ですが、ただの連続性で、子どもの仕事だなどと言われ、通っていたなあ、そんな感じがしております。ただ、私の小中学時代は、戦後10年を経て、復興に向け、社会もそれぞれの大人も貧しいながらもエネルギッシュで活気があったように記憶しています。 中学生のときに、復興の象徴の東京オリンピックが開催されました。今のように交通機関や道路事情もままならなかったのでしょう、オリンピックを見に行ったなどという人は周りにいませんでした。そんな中でも、子どもはしっかり勉学に励み、高等教育を経て有名企業に勤める、それが当時の共通した価値観ではなかったでしょうか。 今、子どもたちが学校に通い、目指すものは何でしょうか。現代は昔と違い、物事の価値観が多様化していますので、それぞれが自由に夢を抱き、希望に向けて学んでくれればよいと考えますが、保護者も教師も、そして社会も、憲法26条2項を受けた教育基本法が定める義務教育の目的、各個人の有する能力を伸ばしつつ、社会において自立的に生きる基礎を培い、また国家及び社会の形成者として必要とされる基本的な資質を養うことを目的として行われるものとするを忘れてはならないと思います。 しかし、実際はどうでしょうか。平成27年度ですが、義務教育において不登校児童生徒は12万6,000人に及び、その後もふえているようです。そして、日本の義務教育は課程主義ではなく年齢主義を採用しているので、学齢が来ると、十分に習得できていなくても形式卒業をしています。これは各学年においても同様に行われており、基本的に落第はありません。公式には原級留置というそうですが、その学年にとめ置くとあらわされています。 課程主義を採用しているフランスでは20%前後、ドイツでは10%前後、フィンランドでは3%以下、単位制を採用しているアメリカでは10%くらいが留年していると、OECDで公表されています。日本と同じ学齢制度を採用しているイギリスは、自動進級しています。 子育てについては、いろいろと施策が施されていますが、私は、子どもの育ちをどのように支援するのかを問題にしたいと思っています。アメリカなどは、州によっては幼児教育においても留年があり、児童の家庭は大慌てなどと聞きました。 今の児童は、小学校の6学年中で、基礎的な1、2学年を除いた4年間に習ったことの何割を習得しているのか、きちんと調査したわけではないので無責任のそしりを受けるかもしれませんが、私はせいぜい5割ほどの習得ではないかと案じています。この状態で中学に進学することは、生徒たちにとって大変苦痛であると思えてなりません。授業はセパレートで行われ、小学校でなかった部活を始めるのとはわけが違います。特に、積み上げていく学習などは、より厳しいものになると思われます。 日本でも、学校教育法施行規則では、小中学校の各学年の修了や卒業は児童生徒の平素の成績を評価して認定するよう定めており、児童生徒の成績不良を理由に校長の判断で原級留置させることも可能であり、学年末には、進級判定会議卒業判定会議の制度が存在しています。しかし、こうした制度があるにもかかわらず、保護者の要請を退け、逆に強制進級をさせ、問題化したこともあるようです。 今は真に子どもの育ちを考える時代ではないのかと思っているところです。人生100年時代と言われる中、若い時代の1年や2年をしっかりと修学させることのほうがその子どもの幸せにつながると思っていますが、いかがでしょうか。 また、松江市には何名ぐらい形式卒業がいるのでしょうか、あわせてお伺いします。 そして、形式卒業をした生徒が再び学びたいという思いに応えるための夜間中学が注目を集めています。かつては、既卒者の入学はできなかったのですが、学び直しが可能になっています。しかし、これは都道府県、政令指定都市に通知されたもので、島根にはありません。既に設置されているところも、希望者に都合のよい場所にあるとは限らず、通学の難儀さが問題になっているようです。 大切な教育だと思います。できる人を伸ばす、そのことも理解できますが、底上げこそが地域や社会を成長させると思うからです。公立学校で夜間にやれないのか。指導については、国費が3分の1支出されています。何とか指導体制は工夫できないものかと思います。 教職員給与の国負担を2分の1から3分の1への引き下げに反対した、当時の初等中等教育企画課長前川喜平さんは、現在、2カ所の自主夜間中学で週1回講師を務め、夜間中学は義務教育の最後のよりどころであると、拡充を訴えておられます。 島根県にはまだ夜間中学がないようですが、設置を求めるとか手を上げる考えはございませんか。 また、底上げにより全体の力を上げるという思いをどのように考えられるのか、そしてその施策としてどのようなものがあるのか伺います。 4点目に入ります。 ここのところというか、10年来、私の感ずるところについて申し上げ、数点について伺いたいと思います。 近年、人と人とのつながりが希薄になっているように思っています。それは吉金だけだよ、みんなうまくやっているよと言われればそれまででございますが、昔と違うの感がしてなりません。年月が移ろえば昔と変わってきて当たり前なのですが、よかったものも失われるというか、気になります。 さまざまな局面で人と人との生の会話がなくなり、タブレットを介して注文したり、携帯電話のメールでも端末が選ぶ文言で思いを伝えたりしています。それぞれ記録が残り、行き違いはなくなるので、確実性は増しますが、寂しく感じるのは高齢がなせることでしょうか。この程度のことは間違ってもいいじゃないか、丁寧に謝ることでその人となりが感じられ、より深い人間関係が築かれることもあるのだと思っております。 松江市を日本のどこにもあるようなまちにはしたくない。むちゃなことを言っておりますが、今のままの松江市では未来が不安でならないからです。先ほどのように、吉金にはそんなに未来がないから心配はせんでもいいよと言われれば、またこれもそれまでですが、自分の子どもだけでなく、今元気に松江に住んでいる全ての子どもたちには、未来がなければなりません。未来や夢を抱く権利があります。 自治体には、子ども未来局未来子ども部などの名称を用いているところもあります。山陰の中心にあり、人口も一番多く、ポテンシャルが高い都市なのに、活気がない。長い間、城下町、県庁所在地として栄えてきたわけですが、モータリゼーションと道路整備、通信機器の進化で、距離は短くなり、県単位であった支店、営業所がボーダーレスになり、これまでの他力による繁栄から、自力による発展が求められるときを迎えています。 30年くらい前は、大型店の出店におびえましたが、今はその閉鎖におびえる環境ではないでしょうか。大橋川沿いのゲームセンターが閉まると聞いたら、利用はしたことはございませんが、残りは1軒だけになってしまうと不安になりました。8月から他の会社によってオープンされており、ほっといたしました。若者に限らず多くの市民が休日には松江市以外のショッピングモールに通っていることは、衆人の認めるところでございます。厳しい危機感を感じています。市民の意識改革と土地制度の改革が喫緊の課題ではないかと思います。 松江市の総合計画では、「選ばれるまち 松江」の実現に向け、「松江を超える、松江をつくる」をメッセージの中で、松江の魅力をさらに磨き上げ、今の松江の優位性や特異性に誇りを持ち、松江市全体で価値観を共有し、連携して積極的に推進するとおおむね書いてあるように思います。 総合計画の進捗状況について伺っておきます。 私など、選ばれたいと思えば、心がけて笑顔をつくり、少々の意見が違っても迎合し、最後はみずからを失うことでしょう。小さな自治体ではありますが、隠岐郡の海士町は、選ばれるまちではなく、選んでまちづくりを進行させていると思います。海士町らしさ、アイデンティティーを大切にし、町民が価値観を共有しているように思います。 私は団塊の世代で、常にボリュームゾーンに生きていましたから、物心がついたころから、貧しくはありましたが右肩上がりの社会で生きてまいりました。あすへの不安は余りなく、あしたも来月も来年もきっとよくなると漠然と信じられる時代だったと思っています。いい思いをしてきたジェネレーションだと思います。だから、社会に恩返しをしなければ、ただおいしいところをつまみ食いした世代だと後ろ指を指されてもいたし方ないと思っています。 松浦市長も、2歳先輩ですから、同様です。団塊の世代は、このままフェードアウトしてはならないと思います。天下国家はともかく、みずからの地域で、まちで、地域のために、まちのために、それぞれができることを気張らずにしなやかにできたらいいと思います。心にはしっかりと恩返しをとめながら。市長の所見を伺います。 観念論に終始しているような嫌いを感じますが、市民がみんなで守ろう、育てよう、磨き上げようとする何かが必要です。それを見出さなければならないと思っております。 国際文化観光都市建設法公布70年を2年後に迎えることも意識して準備されている文化伝統にかかわる条例が、市民憲章よりもっと具体的で、松江市の指針となり、物事の選択において優先順位を導くようなものになることを願っています。その進捗状況を伺いまして、私の質問を終わらせてもらいます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(森脇幸好) 松浦市長。 〔松浦正敬市長登壇〕 ◎市長(松浦正敬) 吉金議員の代表質問にお答えを申し上げたいと思います。 まず、合区選挙、それから人口減少地域についてでございます。 平成28年の参議院議員選挙から、御承知のように、島根県と鳥取県の合区による選挙になりました。また、今回の参議院議員選挙からは、比例区におきまして特定枠制度が設けられたということでございます。 まず、今回の投票率でございますけれども、参議院選挙の選挙区の投票率は、松江市におきましては48.99%、島根県でも54.04%、これは合区前の平成25年の参議院選挙に比べまして、松江市で5.28ポイント、島根県で6.85ポイント低下をいたしております。同様に、鳥取県、それから他の合区選挙の徳島県、高知県でも、投票率はいずれも低下をいたしているということでございます。 投票率低下の要因は、一概には言えないと思いますけれども、島根、鳥取の合区のように東西に長い地形の選挙区になったということで、なかなか有権者も直接候補者の話が聞けない、それから一方、候補者におきましても、限られた選挙期間の中で政策を広く有権者に伝えることが非常に難しいということで、どうしても有権者の関心、投票行動の意欲が高まらなかったのではないかと考えているところでございます。 今後の選挙方法やあり方でございますけれども、今、最高裁におきましては、1票の格差ということが一つの基準になって、今回の合区の問題、こういったものが出てきているわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、この合区制度が投票率の低下を招く一因になったのではないかと思っているところでございます。まさに投票率が低下をする、1票の格差を守ろうということに固執いたしますとどうしても投票率が低下をしていくと。そうしますと、突き詰めていきますと、選挙制度そのものが崩壊をしてしまう可能性もそこには秘めているわけでございますので、今の最高裁の物の考え方につきましては若干やはり修正をしていく必要があるんじゃないかと。つまり、選挙制度というものはやはり守っていく必要があると思うわけでございまして、そのためには、1票の格差につきましても考え方を少し変えていく必要があるのではないか、例えば投票率を加味して1票の格差を考えていくということもやはり考えていく必要があるんじゃないか、そのことによって政治に対する関心を湧き起こしていくという仕掛けも必要になってくるのではないかと思っているところでございます。 もちろん、この根本には人口減少という問題があるわけでございますので、私たちもこの人口減少の問題については、国、県、市を挙げて対応していくということは当然これはベースにやっていかなければいけないわけでございますけれども、そのことをそのまま直視して1票の格差に結びつけていくことについては、やはり考え方を変えていく必要があるんではないか。私は、今の憲法の中でも、解釈によってこれは可能ではないかと思っているところであります。 2点目は、観光についてでございますけれども、御承知のとおり、松江市の観光推進体制の見直しを図るということで、4月に観光文化課内に観光推進組織検討室を設置したところでございます。もともとこの観光協会のあり方を検討するきっかけは、本会議の中で何度も御指摘をいただいたことがそのきっかけでございまして、観光協会と行政の役割分担、なかんずく観光協会の自立性をきちっと確保していくことが松江市の観光を振興していくことにつながっていくのではないかという御指摘を受けましたので、それ以来、検討を重ねているところでございます。 そういうことで、4月にその組織を、検討室を設置し、そして7月には、ホテル旅館組合関係者あるいは有識者9名から成ります松江観光の明日を創る検討会議を立ち上げたところでございます。この検討会議では、まず宿泊税ありきという議論ではなくて、松江観光の将来ビジョンの方向性につきまして認識を一致させる、それをもとに、そのビジョンを達成するためには行政と推進組織それぞれがどのような役割分担を担ったらいいかと、そしてその推進組織はどのような人員体制が望ましいかということを議論し、そして当面5年程度に取り組むべき事業、あるいはそれに必要な財源について、委員の皆様と議論を深めていくという段取りで、今始まったところでございます。 一方、私どものほうでも先進国の視察を、昨年のアメリカに続きまして、ことしは7月にはフランスの観光行政を視察いたしたところでございます。フランスでは、ボルドー、リヨン、ディジョンの3都市の状況を伺ってきたところでございますけれども、フランスの観光の特徴を申し上げますと、まず観光協会という組織が実は20世紀初頭にできているという大変古い歴史を持っているところでございます。しかも、この観光協会、今では観光局という名称になっておりますけれども、国の法律でこれを位置づけがされているということ、それから宿泊税につきましても同じく国の法律に基づいて徴収できることになっているところでございます。 それで、一番大きな関心がありましたのは、行政と観光局の役割でございますけれども、行政は主に観光の大きな目標、ビジョンを定めていくということで、観光局はこのビジョンに基づいて具体的な事業を単年度あるいは3年間くらいの年数を限って事業計画をつくるということでございます。そして、それに必要な財源を、行政のほうからは宿泊税と、それから観光局自身も自主事業によって収益を上げていくという仕組みになっているわけでございます。 例えばボルドー市でございますけれども、ビジョンといたしましては、市の魅力であるワインや文化遺産の活用というのが1つ、それから2つ目としましては、河川の活用と自然との調和、そして3つ目が、観光による地域経済の発展、その他いろいろありますけれども、全部で5つの目標を行政が定めていると。いわゆる観光のビジョンでございますけれども、こうした少し包括的なビジョンを定め、そして観光局はこの目標に基づいた活動を行っております。 具体的には、まず観光局が3年間の事業計画を立てて、それを行政との間で契約を結ぶことになっているわけであります。その契約に基づいて財源が交付されるわけでございますけれども、この契約に基づく成果の達成状況につきましては行政等でチェックをするという仕組みになっております。 それから一方で、観光局の体制でございますけれども、自主性を持った運営を行うために、専門知識を持ったプロパー職員が主体になって活動しているという状態でございます。つまり、フランスの場合は、行政と観光局との間で、観光局の独立ということを前提にして、契約という形で事業が担保されると、そしてそれに財源を付与するという形態になっております。 一方で、アメリカでは、吉金議員とも一緒に視察をさせていただきましたけれども、民間主導で観光振興が図られると。そして、財源につきましてもインセンティブが働くような仕組み、つまり宿泊客がふえればホテル税がふえていくという仕組みであったということでございます。それによって観光振興を自動的に回転させていくということが図られていたわけでありますが、一方でフランスでは、先ほど申し上げましたように、官民の役割分担といった制度、それから財源を国のほうで担保して、そして契約や計画に基づいて観光振興が進められているということでございます。 フランスにしましてもアメリカにしましても共通いたしますのは、やはり観光部門、観光協会とかDMOあるいは観光局がきちっと独立をしていると、そして一定の制約のもとではありますけれども自分たちで事業を考えていくということがきちっとあって、それに対して行政がどういう形でタッチをしていくかというものだったと思っております。フランスあるいはアメリカそれぞれに長所がございますので、今後、私どもが視察をしました内容につきましては検討会議で報告をして、議論を深めてまいりたいと思っております。 今後の進め方、スケジュールでございますけれども、先ほど申し上げましたようにビジョン、それから体制のあり方、それから事業と財源、こういった議論を行って、来年の3月までに8回程度の会議を行って、意見を取りまとめていきたいと思っております。 それから、市庁舎の進捗状況でございます。 今、新庁舎でございますけれども、ことしの10月末で基本設計を完了していきたいと思っております。そして、これを受けまして実施設計等を行って、来年の秋ごろには、さまざまな設計業務全体を完了していきたいと思っているところでございます。 これまでの間、議会の特別委員会を初め、パブリックコメントなどを通じて、市民の皆様から多数の御意見をいただいておりますことに対しまして、改めて御礼を申し上げたいと思います。 そして、吉金議員御指摘のとおり、松江市は国際文化観光都市でございますので、市民はもとより観光客も訪れたくなるような庁舎とするという視点は大変重要であると思っております。ちょっと言い忘れましたけれども、先ほどボルドーなどのビジョンをつくる場合にも必ず、観光というものは観光客のためだけではなくて市民も楽しめるものでなくてはいけないというのが必ず入っておりますので、やはり私どももこうした視点は大事にしていく必要があるだろうと思っております。 今、基本設計では、いわゆる松江のまち並み、自然景観になじむような階段状のデザインを予定いたしております。これによって、各階の屋外テラスは、日ごろからの宍道湖岸の景色あるいは夜間の星空を楽しめる場になりますし、また水郷祭などのイベント時には観覧場所とするなど、いろいろな利用方法を考えていきたいと思っております。 それから、平日夜間あるいは土曜、日曜、祝日などの閉庁時に宍道湖岸あるいは公園を訪れた方にも利用していただけますように、庁舎内にコンビニエンスストアあるいはカフェなどの利便施設の設置もあわせて検討していきたいと思っております。 それから、教育問題につきましては、教育委員会のほうからお答えをさせていただきたいと思います。 4点目の、松江市の展望ということで、1点目は、総合計画の今の進捗状況でございます。 総合計画につきましては、4つの基本目標、それから64項目の目標指標によって進捗管理を行っているところでございます。それから、この検証を行っておりますけれども、松江市総合計画・総合戦略推進会議を設置いたしまして、この進捗状況の検証を行っているところでございます。 この外部委員会におきまして、平成29年度の進捗状況の検証を行っていただいたわけでありますけれども、約9割の項目が順調に推移していると評価をいただいておりますが、約1割におきましては進捗がおくれております。こうした項目につきましては、今後、取り組み手法などを精査することが必要だという御意見をいただいているところであります。 それから、平成30年度の進捗状況の検証でございますけれども、9月末の外部委員会におきまして評価、検証を行うことにいたしているところでございます。 それから、団塊の世代の地域への貢献ということでございます。 私も団塊の世代で、大体同世代の人たちも第一線を今引退しているという方々が非常に多いわけでございますけれども、その方々に共通をしておりますのは、非常に時間がたくさんあるということもあって、何かしら体を動かしたいとか、あるいは地域貢献をしたいと言っている方が非常に多いということを感じているところでございます。つまり、生涯現役という気持ちが皆様方に非常に強いわけでございまして、こうした気持ちを私どもはやはり尊重して、活躍の場を用意してあげる必要があると思っているところでございます。例えば、町内会・自治会などの地域活動、あるいは趣味やスポーツを通じたボランティア活動、伝統芸能、工芸技術などを伝承する活動、こういったいろいろな分野において生かしていただくと、活動していただくということが、今後の松江市のまちづくりを進めていく上でも非常に重要であると認識をいたしております。 そのためには、まず健康で充実した生活を送る必要があるわけでございまして、そうしたものを支えていくための、例えばなごやか寄り合い事業、それから高齢者クラブ、あるいは市民大学といった交流の場等を私ども今提供いたしているわけでございますので、そうした場で、先ほど申し上げましたいろいろな地域活動であるとかボランティア活動等との結びつけというか、そういうことも私どもの仕事として今後やっていきたいと思っているところであります。 それから最後に、文化伝統にかかわる条例の進捗状況でございます。 ことしの施政方針でも、文化行政のあり方を検討して、それを今後のまちづくりに生かしていくと、松江の文化を深く掘り下げて、それをまちづくりに生かしていくことが、松江の特徴を生かしたまちづくりにつながっていくという思いからであります。今後、10月中に、政策研究大学院大学の垣内先生を初めといたします有識者、あるいは市内で文化活動の最前線で実践をされている方などから成ります外部委員会を設置して検討いただくことにいたしているところでございます。 それから、議会で、松江全域の歴史、伝統文化をしっかりと継承していかなければならないという思いを私どもいただいておりますので、この外部委員会の委員の皆様方にもこうした議会の皆様方の御意見もお伝えをして、御理解をいただいた上でこの議論を行っていきたいと思っております。それから、外部委員会の中だけでの議論だけではなくて、外に出かけていきまして、実際に文化活動を実践されているできるだけ多くの方々の意見を伺って、これを方針に反映させていきたいと思っております。 一つの方向性として、垣内先生等がおっしゃっておりますのは、単に文化財を保護伝承していくということではなくて、その活用につきましてももっと考えて、それによって、表現はいろいろありますけれども、もうかる活用の仕方であるとか、そういうものを一つの視点として入れていくことも大変大事ではないかという御指摘もいただいているところでございます。 今後、この検討委員会でのお話をまとめまして、御指摘がありました令和3年が国際文化観光都市建設法制定70周年、松江が国際文化観光都市に指定されまして70周年を迎えるわけでございますので、この令和3年4月をめどに、松江市の文化施策の基本的な方針をまとめていきたいと思っております。 ○議長(森脇幸好) 清水教育長。 ◎教育長(清水伸夫) それでは、私のほうから、教育に関する御質問についてお答えをいたします。 まず初めに、児童生徒の原級留置についてお尋ねがございました。 こうした時期に1年2年しっかり勉強させておくことのほうが子どもの幸せではないかという趣旨のお尋ねでございます。 松江市立小学校、中学校及び義務教育学校管理規則の第17条には、校長は、小学校、中学校または義務教育学校の各学年の課程の修了または卒業を認めることができないと判定したときは当該児童または生徒を原学年にとめ置くことができるとしております。議員御指摘のように、成績不良を理由に校長の判断で原級留置をさせることは可能であるということでございます。 かつては、病気療養等を理由とする長期欠席による原級留置が、学校判断で、ある程度見られたところでございます。これは昭和28年(1953年)に、兵庫県の教育委員会教育長の照会に対して、文部科学省の初等中等局長がこう言っております。一般的に言って、第3学年の総授業数の半分以上も欠席をした生徒については、特別の事情のない限り、卒業の認定が与えられないのが普通であろうと回答をしております。これが、各学校において出席日数をもとに進級、卒業の判断をする根拠となっていた時期もあったわけでございます。 しかし、1990年代に入って長期欠席児童生徒が急増してからは、保護者が強く希望した場合にのみ原級留置がわずかにとられる程度となっております。現在では、成績不良や出席日数の未達であっても進級、卒業させる運用が全国的に通例となっておりまして、松江市も例外ではございません。 最終決定は学校長にあるわけでございますが、大切なのは、その子の将来にとってどのような対応をとることがベターなのかを、保護者や関係者、そして何よりも本人の思いも確認した上で総合的に判断することが大事ではないかなと考えております。 また、形式卒業者がどのくらいいるのかということでございますが、不登校等により小中学校の課程の大部分を欠席し、実質的に義務教育を十分に受けていない状況で卒業したいわゆる形式卒業者の児童生徒数でございますが、小学校では、平成29年度8名、平成30年度5名でございます。それから、中学校では、平成29年度17名、平成30年度も17名ということになっております。 それから、夜間中学についてお尋ねがございました。 島根県にはまだないようであるが、設置を求めるなど、手を上げる考えはないかというお尋ねでございます。 夜間中学につきましては、平成28年12月に、義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律、これが成立をいたしまして、基本指針が策定をされております。義務教育未修了者に加え、十分な教育を受けられなかったまま中学校を卒業した者、あるいは外国籍の者、不登校となっている学齢生徒の受け入れが可能となっております。 平成30年6月には第3期教育振興基本計画が閣議決定をされ、全ての都道府県に少なくとも1つは夜間中学が設置されるよう、教育機会の確保に関する施策を総合的に推進することとなり、全国で9都道府県33校が設置をしております。島根県には夜間中学はございませんが、宍道高校では、国語入門や数学入門などの科目を選択することができ、いわゆる学び直しの場となっております。 不登校などの事情によりまして十分な義務教育を受けられないまま卒業した者もいるわけでございますが、夜間中学での学び直しの声については、現在のところ私どものところには聞こえてきておりません。 島根県の状況ですが、県内の自治体から特に要望はなく、現在、設置に向けた動きはありません。今後は、全国の動向や島根県の動向を松江市としても注視をしてまいりたいということでございます。 続きまして、学力等の底上げにより全体の力を上げるという思いをどのように考えるか、そしてその施策はどうかというお尋ねがございました。 これからの予測困難な時代に生きる全ての子どもたちにきめ細かい学びを保障し、学力を育成していくことは、ひいては、議員御指摘のように、これからの地域や社会を成長させることにつながっていくと思っております。 そのための主な施策につきましては、1つ目は、私どもが実施をしております「子ども夢☆未来」プロジェクト事業がございます。この事業は、担任の授業を支援する学力向上支援員と、時には中心となって授業を進めることができる学力向上支援講師等を配置しております。習熟度別や少人数の授業を展開しながら、子どもたちの確かな学力の育成を図ってまいっております。 2つ目でございますが、地域とすすめる「松江てらこや」事業、これを進めているわけでございます。現在、13の公民館を中心に、地域住民や保護者、そしてまた学生などの参画を得て、子どもたちに学習する機会を提供することにより、地域の中で地域の皆さんの協力を得て、子どもたちが心豊かで健やかに育まれる環境づくりを推進してまいりたいと思います。 これらさまざまな施策を通して、全ての子どもたちの力を着実に育ててまいりたいと考えております。以上でございます。 ○議長(森脇幸好) 吉金議員。 ◆23番(吉金隆) 私、30分の持ち時間がもういっぱいなもので、再質問したいこともいろいろありますが、また委員会の中でさせていただきます。以上です。 ○議長(森脇幸好) 15番野津直嗣議員。 〔15番野津直嗣議員登壇〕 ◆15番(野津直嗣) 松政クラブ、野津直嗣です。会派を代表いたしまして一般質問を行います。 1点目、令和のまちづくり施策の推進についてをお伺いいたします。 さて、大規模公共投資の時代と伴走するように、松江市も、昭和、平成最初の時代の中で、大規模な投資によるまちづくりが進められてきました。そして、令和元年になり、新幹線の誘致、殿町再開発、市役所の建てかえ、松江城の周辺の活性化、駅前の再開発、大橋川に伴うまちづくり、国体誘致に絡むスポーツ関連施設のあり方、県立プール、ホテル宍道湖の跡地利活用、中心市街地の活性化等々、さまざまなまちづくりの課題を抱えております。 まさしく松江というまちも、この1年2年で、50年後のまちを左右すると言っても過言ではない令和の大まちづくりをしなければならない時期だと感じています。昭和や平成のまちづくりを抱えながらのこのまちづくりへの挑戦は、過去にはない、まさしく異次元かつ大胆な挑戦の決意が要ることです。市長以下各部署が、この1年2年を同じ意気込みと共通認識を持って臨まなくてはなりません。その上で、以下、お聞きします。 以前から提言するように、こういった大きなまちづくりを進めるときには、松江市単体では到底できません。財政負担やまちづくりから逃避するように、計画をつくってはい終わりではなく、信念とスピード感を持って、松江市として挑戦的なまちづくりを示し、国や県や市と三位一体となってまちづくりを進めることが重要です。 異次元かつ大胆な挑戦を行うまちづくりに対して、松浦市長の意気込みをお聞きします。 2点目、産業経済部所管の事業についてお伺いします。 松江テルサの今後と活用、そしてカラコロ工房の今後と活用について、2点お聞きします。 松江テルサの1階部分は、オープンスペースの空間的認識を広げ、まず駅前の立地を最大限活用することが必要です。また、そのスペースを活用し、創業、起業、関係人口などの拠点にすることも有効的だと思います。テルサの上の部分は、駅前という立地から、企業誘致や、また誘致した企業の2段階誘致等も含めて、有効的な活用ができると思います。 抜本的な今後のテルサへの考え方をお伺いします。 2点目、カラコロ工房については、単なる耐震改修ではなく、内容も含めて、より強化されることを提案します。また、先ほども言いました観光協会の新組織の拠点をこの部分に移転することも提言いたします。 観光案内をすることも含めて、現場に近いところで働いてこそ、観光の職員は意識が変わり、人材育成につながります。カラコロ工房の抜本的な内容も含めたリノベーションを提言し、中心市街地の核となる施設となることを望みますが、考えを伺います。 3番目、観光振興部所管の事業についてお伺いします。 菅田庵、松江城国宝5周年事業、ライティングによるナイトタイムエコノミーについて、以上3点をお聞きします。 1点目、菅田庵については、秋に大きな改修を終え、いよいよスタートとなります。不昧公200年事業の本気度がいよいよ試されます。この事業にかかわっていただいた多くの人たちの力を集めることが肝要です。 松江市の活用策と今後についてお聞きします。 2点目、来年は、松江城が国宝になり5周年となります。再び市民の気持ちを集め、5周年事業で終わらすことなく、市民にもう一度松江城を愛する大きなうねりをつくらなければいけないと考えます。 松江城国宝5周年について、現在どういったことを検討されているのかをお聞きします。 3点目、松江城周辺、嫁ヶ島のライティングが随時計画され、ナイトタイムエコノミーが推進されていますが、松江市の重要な宿泊地である玉造温泉や美保関など、それぞれの地域に合ったライティングで夜の魅力化、ナイトタイムエコノミーに挑戦できる環境があると考えております。お考えをお聞きします。 4点目、歴史まちづくり部所管の事業についてお聞きします。 周辺部の人口維持対策、またその事業の優先度、殿町の再開発、公園等の遊具等の改修について、以上4点をお聞きします。 1点目、周辺部の人口維持対策について、松江市内旧周辺部、平成合併した旧町村部に特化してお聞きします。 地域や伝統ある文化ある集落を守っていくというのは、松政クラブの至上命題です。各地域の周辺部の人口維持対策について、来年度の取り組みをお聞きします。 また、先ほど言いました事業の施策の優先度については、本年2月議会で、教育民生委員会の委員長報告で、地域のあらゆる拠点である小学校をなくさないためには歴史まちづくり部の人口維持対策が必要、全会派の委員から全ての部署で対策に当たるべきという意見があった旨を議会に報告したとおりです。 その点を踏まえれば、画一的ではなく、小学校がなくなりそうな地域からしっかりと優先的に施策を進めていただくべきだと思いますが、お考えをお聞きします。 3点目、殿町の再開発についてお聞きします。 殿町の再開発については、検討委員会で課題検討すべき問題は、整理は終わっているはずです。殿町の再開発については、市の土地を有効活用し、1階、2階に土産物、飲食店などの複合施設、上層階には立体駐車場となる複合ビルなどの大胆な構想をまず描くべきだと思いますが、お考えをお伺いします。 4点目、公園等の遊具の多くが現在使用禁止になっており、子育て日本一を目指す松江市にとって非常に残念な状況です。北公園や末次公園という中心地の公園でも、その現状です。公園の遊具等について、来年度以降の計画的な修繕を望みます。 また、金額の高い既存の遊具の購入設置だけではなく、全国ではさまざまな遊具のあり方が考えられていると想像します。遊具の内容や金額の検討も、さまざまな先進地を参考に、有効に財源を使っていただきたいが、お考えをお聞きします。 5点目、大橋川治水事業推進部の所管の事業についてお伺いします。 大橋川に伴うまちづくりの業務について、大橋川改修に伴う南岸の護岸の一時的な利活用について、そして、かわまちづくり計画についての以上3点についてお聞きします。 1点目、現在、委員会や議会等の答弁でも、大橋川のとつくと大橋川治水事業推進部が答弁を行うが、中心市街地に近いまちづくりも答弁の中で担っている状況であり、明らかに所管業務の範囲を超えていると感じます。中心市街地のまちづくりを担当し、ダイナミックにまちづくりを行う責任を持つ課やプレーヤーがいないことこそ、大橋川改修に伴うまちづくりの進捗が見えづらい状況になっている原因ではないですか。 まさしく歴史まちづくり部に移管したのですから、歴史まちづくり部の中で本当に中心市街地のまちづくりに対して責任を持ち実行する課はどこなのか決めるべきだと思いますが、お考えをお聞きします。 2点目、大橋川拡幅に伴う南岸護岸の一時的な利活用について提言いたします。 南岸護岸の整備は、20年、30年の事業です。改修の間、整備または整備予定の護岸は、20年、30年、そのままですか。 10年、20年後の護岸整備完了後、スムーズに水辺の利活用につながるよう、以前、商工会議所青年部が検討された、八戸市をモデルにした横丁事業が有効だと思います。例えば水辺横丁という、ブランディングそしてデザイニングされた、10店から20店舗で簡易設置や撤去のできるデザイニングされたコンテナや軽微な出店等で、水の都松江らしいにぎわいと水辺の横丁ができれば、繁華街との利便性から必ずにぎわい創出につながり、護岸完成後のスムーズな利活用につながると思います。 ちなみに、先般、大橋川の拡幅に伴うまちづくりで講演に来ていただいた広場ニストの山下氏、そして水辺総研の岩本氏にもこの案件を少しお伺いしたところ、全国どこにもまだ水辺横丁というネーミングはなく、非常によいアイデアではないかということでした。 島根県や国交省へ、本事業の構想について、ブレストレベルで結構でございますので御提案をいただきたいと思いますが、お考えをお聞きします。 3点目、かわまちづくり計画について御質問します。 明らかに後世の水の都まちづくりに違和感を残すところで、かわまちづくり計画の設定がされています。これは修正すべきであります。 市役所前からしんじ湖温泉の終点地、そして松江宍道湖大橋から京店護岸まで、以前あった課題であった中心市街地の水辺の回遊性や回廊構想をまさしく国交省へ伝えるべきだと思いますが、お考えをお聞きします。 6点目、環境保全部所管の事業についてお伺いします。 SDGsの取り組みを活用した、環境を核としたまちづくりについてお聞きします。 SDGsが全国で叫ばれていますが、実は松江市は既に実質的に、特に環境分野においては、SDGsの先進的な取り組みを進めていたとも僕は判断しています。環境市民会議など、松江市が誇る人たちの熱量もあります。 市長も、もう一段階質の高い、環境を核とした持続可能なまちづくりへ持っていきたいと考えておられると思いますが、その旗頭にSDGsを融合させることは非常に大きく有効的だと思いますが、お考えをお聞きします。 7点目、子育て部所管の事業についてお伺いします。 (仮称)松江市子育て支援新パッケージの創設について、大きく1点お聞きします。 来年度、国の保育園無償化に伴う財源、そして県が考案中という子育て支援の交付金、総合的にこれで既存の財源が押し出される形になると考えます。財源に色はないこと、社会保障全体に充当する、また恒久財源であることは非常にわかっております。しかし、何よりも大切な考え方は、子育て支援策は単なる社会保障政策ではなく、フランスでもそうだったように、子育て支援策は人口減少対策であり、最大の成長戦略でもあり、また入り口戦略です。出生数が松江市も低迷する中で、上記した財源の一部を使って、再び、子育て世代にとってわかりやすく、松江で子どもを産んで育てたいと思ってもらえるマインドを熟成することにつながる、新しい段階の子育て支援パッケージを打ち出す時期に来ていると思います。 現在、子育て部がさまざまなニーズや情報を持っているはずです。産後ケア、多胎児の支援、第3子の保育園の無料化の拡充など、あらゆるニーズがあるはずです。細かくサービスを拡充するのでなく、あくまでもパッケージで新施策として強く打ち出すことが、子育て世代の出生数のリマインドにつながります。 市長は、今まで子育て施策に力を入れてきました。もう一段階上の新しい子育て支援の政策パッケージの検討について、市長の思いをお聞きします。 8点目、教育委員会所管の事業についてお伺いします。 ふるさと教育について、そして女子高の魅力化についての2点をお聞きします。 ふるさと教育について、前議会でも質問しましたが、四十二浦巡りや宍道湖でのエビとり、シジミとり体験などの体験学習も、大きな意味でふるさと教育であります。 そこで、お伺いします。 現状の取り組みと、今後どう進めるか、教育長にお伺いします。 2点目、女子高の魅力化についてお伺いします。 数年前から、女子高の魅力化について検討されています。今、再び深く考えますと、今のプランだと、いわゆる英語等を強化するとはいえ、このプランで松江市立女子高の特質性を出し人材を育てていく魅力化につながるのかと、会派の多くの議員も考えるようになりました。当然、今後多額の費用も必要になります。お金をかけるのであれば、やはりしっかりとしたものにお金をかけたい。そして、魅力化というのは、例えばこの学校や地域にしかできないことを掘り下げ、社会や地域のニーズにマッチングさせていくことだと思います。 例えば一つの事例として、プログラミング教育が国全体で広範囲に広がることが確実視される中で、松江市がRubyに特化した例えばRuby科をつくり、全国から人材を集め、卒業後は、人材不足に悩まされる誘致企業及び地元IT企業につなぐとか、また、5年制にしてしっかりと松江の社会課題を解決する人材を育成するということもできます。地域の伝統文化を学び、卒業後の就職には直接関係なくとも、細木議員が後日質問するように、文化を学ぶということも大切な松江の個性だと思います。このままだと、単なる普通高校になりかねない。市で高校生を育てていく意味が非常に希薄になる気がしております。 いま一度、女子高の魅力化について再構築のお考えはないかをお聞きします。 最後になります。ガス局の民営化についてお伺いします。 現在、ガス局の民営化について議論されていますが、議論を整理して質問をいたします。 松浦市長の就任後の翌年、平成13年、民間でできるものは民間でという視点のもと、議論がスタート。ところがその直後、平成16年に、多額の投資が必要となる熱量変更事業(天然ガス化)が公営のままで行われ、結果、70億円以上の借金を負いました。そのときに返済のお金として計画されていた60%に及ぶ普及率向上計画、ガスの売上増収、そして資産売却の利益も実現せず、多額の借金で、譲渡を希望する民間の会社が存在しない状況でした。その後、平成18年には、外部委員会により、民営化のための目的、理念、手法、時期と財務が提示され、これに基づき、結果、70億円あった借金は令和元年度末で24億円まで縮減見込みで、現在に至ります。 平成18年以降、約13年間、議会でもたびたびガス局の民営化について本会議や委員会等で意見が出され、議会としては当然、継続課題として認識していなければなりません。ただその後、議会や世論として、松江市民に対して開かれ、情報提供へ至るまでの議論であったかといえば、平成18年以降この13年間、議会全体でも、民間でできるものは民間で、ガス局の民営化の大まかな流れは既定路線という空気感が議会全体を覆い、目的、理念、手法、時期、財務について細微にわたる議論や検証がタイミングを逸し、議論欠如していたこともまた事実です。また、議会だけではなく、ガス局や執行部のほうからも、粛々と財務については借金を返していく中で、目的、理念、手法、時期について議論をする機会が少なかったのも事実です。 今回の検証委員会では、平成18年の3つの課題について検証すべきということで検証委員会を設置したことは理解できます。ただ、双方ともに、積極的に細微にわたる以下のような議論をしてこなかったのは事実です。 そこで、改めてお伺いいたします。 1点目、17%の普及率のために、市の会計からガス局、いわゆるエネルギー施策について、市全体でさまざまな形で公金を出動し補填をしていたことについての議論は十二分にされてきたと思いますかお聞きします。 また、それも含めて、民間になったときに17%の市民のガス料金自体の値上げの可能性は本当にないのですか。契約をした民間企業と、そういう契約や確約はできるのですか。いま一度、その部分について正確なところをお聞きします。 また、6月議会で一部、癒着や談合についての質疑があり、事実無根という答弁がありましたが、いずれにせよ、そういう疑義がないように丁寧かつ適切に対処していく必要があると思いますが、お聞きします。 4点目、今後の費用の大きな部分を占める資産の更新計画と費用、ガスの原料調達費の見込み、経営実態は本当にどうなっていくのかをお聞きします。 そして、最後です。ガスユーザーである松江市民に対し、今後、説明責任を十二分に果たす必要があり、我が会派としては、その点について市民が納得できる丁寧な議論が必要だと考えています。これまでの経緯を改めてお聞きし、また今後の方向性についてどのように周知されるのかをお聞きします。 平成18年以降のガス局の民営化の方針については、会派として大筋で異論はございません。また、民営化に進むことになれば、当然、事業を継続していただく民間企業がいればこそ民営化は成り立つことであるから、しっかりと社会情勢も時期も見据えながら、時間の区切りもつけながら、民営化の議論については会派として責任を持って臨まなくてはいけないことは事実です。 またそれと同時に、市民17%が使うエネルギー施策の一つを民間経済というフィールドに投げ込むわけですから、私たちは、地域経済にとってどれだけ影響があるか、また、市民にとって、地域にとって、市全体にとって三方よしを最大限ゴールとして、議論を踏まえて考えていなければいけません。まさしくガス局の民営化議論だけではなく、エネルギーを外に出す、民営化に出す目的や理念、手法、時期や財務を、令和の時代において丁寧かつ市民にしっかりと十二分に理解していただくように、会派としては議論していきたいと考えております。 以上、御答弁をよろしくお願いします。(拍手) ○議長(森脇幸好) 松浦市長。 〔松浦正敬市長登壇〕 ◎市長(松浦正敬) 野津直嗣議員の代表質問にお答えを申し上げたいと思います。 まず、大きな1点目は、令和のまちづくり施策の推進についてということで、1つ目は、大胆なまちづくりへの挑戦が必要と思うけれども市長の意気込みを伺うということでございます。 松江市にとりまして、今、いろいろな事業を行っていく必要があると思っております。ハード、ソフトを含めてですね。その中で、これから人口減少社会の中できちっと対応していかなければならないという点で、松江市の中でのハード事業をきちっと進めていく必要があると思っております。 現在、例えば中心市街地の再開発、殿町であるとか、あるいは松江駅前、それから大橋川に関連いたしましたまちづくり、それから新幹線の推進、あるいは新幹線の整備に伴いまして再開発なり、そうしたことが出てくるということでございまして、いずれも非常に大きな、もちろんお金も要りますけれども、いろいろな知識なり経験なり、そうしたものが必要になってまいります。今、したがいまして、国や県の専門的な知識であるとか、あるいは財源であるとか機能であるとか、こういったものを十二分にこれは活用していく必要があると思っております。 その中で、やはりこうした大規模ないろいろな再開発、まちづくりにつきましては、一番大きなのは利害関係の調整、こうしたようなことが、あるいは関係者への説得なり、こうしたことが一番大事になってくるわけであります。そのためには、そうした事業に対しましての深い知識あるいは経験、こうしたものがやはりきちっと裏づけられていないと関係者の納得が得られないということがあるわけでございます。 今、山陰中央新報で定期的に連載をされておりますけれども、かつて京都市の副市長をやっておられまして最後は国交省の次官まで務められました松江市出身の毛利さんという方がいらっしゃいます。この方の文章を読んでみますと、自分のいろいろな経験なり知識を生かしていかにその関係者の説得を行ったかということが非常に生き生きと生々しく書かれているということでございまして、やはり大きな事業を行っていく上においてはそうした方面の専門的な知識、経験、こうしたものを活用していかないとなかなか難しいかなとも思っているところでございまして、いずれにしましても、今後こうしたプロジェクトを進めていく上においてどのような体制で臨んでいくのか、今後、議会とも十分議論しながら考えていきたいと思っております。 2点目は、産業経済部所管の事業についてでございまして、松江テルサの今後と活用ということでございます。 私は、この松江テルサでございますけれども、まさに松江駅前の中心部にあるわけでございますので、今後、松江駅前の周辺再整備構想を見据えて、このテルサの活用を考えていく必要があると思っております。その際、みんななかなか議論をしておりませんけれども、このテルサにしましても、あるいはスティックビル等々にしましてもそうでございますけれども、全ていわゆる行政財産になっているわけでございます。行政財産で、しかも縦割りのそれぞれの関係部署が所管をしているということでございますので、ともするとその利活用が非常にそういった縦割りの中でしかなかなか考えられないということがございます。今後、広く例えば松江テルサの利活用を考えていく場合には、そうしたしがらみを一回取っ払ってみる必要があると思っているところでございます。 もちろん補助金等々の縛りがありまして、自由に絵を描いても実行できないということももちろんあるわけでございますが、やはりそうした縦割りのしがらみを一回取り除いて、このテルサについてはどういう活用が望ましいのか、こういったことをそういうゼロベースで考えていく必要があると思っております。今後、市民の皆様方等、あるいは議会の皆様方、いろいろな御意見を伺いながら、そうした立場で広くこのテルサにつきましても利活用を考えていきたいと思っております。 それから、カラコロ工房でございます。 カラコロ工房につきましても、先ほど申し上げましたように、産業経済部の所管ではありますけれども、そうしたものを取っ払って考えていく必要があると思っております。 その前に、このカラコロ工房でございますけれども、実は本館が築80年を超えて老朽化が進んでおりますので、そのための耐震診断あるいは耐震設計あるいは改修、こういったことを今後進めていく必要があると思っております。 それから、その中で、幅広い視点で今後の活用やあり方につきまして検討を進めていきたいと思っておりますが、その中で、御指摘がございました観光協会をこの中に設けたらどうかという御指摘でございまして、突然の御指摘でございますので、今ここでどうこうということは申し上げかねますが、先ほどの吉金議員の御質問の中でもお答え申し上げましたように、今後の観光協会の一番のポイントは、いかに観光協会が独立性を持つかということ、主体的に事業を行っていくことが一番大事でございますので、そういう意味では、これまでは観光協会というのは観光部局内に設けられてきたわけでございまして、そういう意味では、ここから離して独立した事務所を設けていくことは、そうした観光協会の自主性、自立性を高めていく上において極めて有効ではないかとも思っているところでございます。 3番目は、観光振興部の所管の事業でございまして、菅田庵の問題でございます。 今、菅田庵につきましては、この秋に改修工事が竣工いたします。そして、これを受けまして、11月の中旬にお披露目の記念茶会を開催していただく運びにもなっているところでございます。そして、続く来年の春から一般公開が始まる予定でございまして、見学はもとよりでございますけれども、抹茶や和菓子を松江にしかない空間で楽しむことができるものとなるように、現在準備が進められているところでございます。 それから、重要文化財という日本を代表する茶室での特別感のある茶会の開催、あるいはそれを盛り込んだ旅行商品の企画など、活用面での検討を進めておりますけれども、いずれにしましても、不昧公200年祭で培いました市内外の多様なネットワークを生かして、菅田庵を守り立てながら、国内外へと幅広くPRを今後もしていきたいと思っております。 2点目は、松江城国宝5周年事業でございます。 5年前の7月8日に松江城天守が国宝に指定をされて、来年で5周年になるわけでございます。したがいまして、これを記念した記念事業を今後展開していきたいと思っております。 今考えておりますのは、1つは、国宝指定5周年の記念シンポジウムを行って、天守の文化的価値の再確認、それから、今進めておりますけれども、世界文化遺産登録に向けましての盛り上がりへのきっかけづくりにしたいと考えております。それから、歴史館では、市史編さんの調査研究成果で明らかになりました松江城と城下町の魅力あるいは謎に迫る展示を、特別展として企画をいたしているところでございます。 それから一方で、登閣者数、一時は50万人を超えたわけでございますが、現在は約43万人になっておりまして、今後改めて観光誘客につなげる好機としてこの5周年というものを取り組んでいきたいと思っております。 PRの面では、国宝化以来進めてまいりました本丸の整備、それから松江城天守の展示リニューアル、それから今年度、AR、VRソフトの導入など、そうした新たな見どころも含めまして、その魅力を国内外に対しましてプロモーション、こういったものを強化してまいりたいと思っております。 それから、記念イベントにつきましても、松江武者行列なども5周年を意識した工夫を加えていきたいと思っておりますし、国宝化の年以来となります松江城城攻め、それから常設化を進めてきましたライトアップと相乗効果ができるような新たな夜間イベントなどにつきまして、現在、官民で検討をいたしているところでございます。 今後、5周年だけを取り出して何か考えていくということではなくて、この5周年を契機といたしまして、永続的な、何かたくさんの皆様方に楽しんでいただけるような事業、こうしたものをやはり考えていく必要があると思っておりまして、例えば京都の二条城につきましては、御承知のように非常にたくさんの方々がここに今来場されているということでございまして、1つはいろいろな整備を行ったということ、それからPRも多言語で行っていること、それから、そこで出されますいわゆるおもてなしのいろいろなお茶であるとか、そうしたもののもてなし事業、こういったようなものが功を奏していると聞いておりますので、今後、松江城をどのような形で利活用していくかということについて、少し大胆なことも含めて、いろいろな方々、市民ももちろん含めて、アイデアをいただいて、今後考えていきたいと思っております。 3点目は、ライティングによるナイトタイムエコノミーということでございます。 特に、玉造温泉、美保関といった、今、お城だけではなくて、そうした地域についてもナイトタイムエコノミーに挑戦できる環境があるのではないかということでございます。 玉造温泉では、かねてから夜のまちあるきのイベント、それから一部オブジェ、それから橋のライトアップなどが進められております。それから、今年度からはキャッシュレスの導入も進められているということでございます。 それから、今後、温泉街の夜間照明の演出の充実について検討していきたいと考えておりますけれども、今年度から2カ年かけまして、温泉街の街灯のリプレースについてもその一環といたしまして、神話にまつわる影絵を歩道に映すなどの工夫を加えることにいたしているところであります。 それから、美保関でございますけれども、美保神社の参拝者数が増加をしている中で、古民家を改装したゲストハウス、飲食施設がオープンをするなど、インバウンドの受け入れにつきまして積極的に進められているところであります。これまで、青石畳通りの灯籠の設置というようなものをイベントの際には行ってきたわけでありますけれども、さらにまち並みあるいは神社周辺のライトアップ、こうしたものを検討してまいりたいと思っております。 いずれにいたしましても、両エリアとも、地元関係者の皆さん方と意見交換をしながら考えていきたいと思っております。 4点目は、歴史まちづくり部の所管の事業ということで、周辺部の人口維持対策でございます。 市内の周辺部、それから旧町村部の人口維持対策でございます。 御承知のように、昨年の3月に都市マスタープランを策定いたしました。市域全域に定住の中核、それから雇用の中核を配置して、将来にわたっていろいろな世代が住み続けることができる土地利用を図るという考え方を定めたわけであります。 そのうち、定住促進の中核につきましては、居住や生活サービス機能を確保するエリアといたしまして、小中学校あるいは鉄道駅の周辺500メートル圏を生活維持の中核として位置づけをいたしているところでございます。現在、この考え方のもとで、市内の旧周辺部の市街化調整区域におきまして土地利用の規制緩和を進めるということで、制度の見直しに取り組んでおりますし、実際に具体的な地域でその対応を行っているところでございます。 それから、旧町村部におきましては、これは規制が全くないわけでございますので、いろいろな視点からのアプローチが必要だと思っております。例えば、まちなか居住団地の整備事業補助金は、これまで中心市街地に限定をしておりましたけれども、周辺部のこうした生活維持の中核へも拡大をしていくということで、小規模な住宅団地開発を支援していくということを今後も検討していきたいと思っております。 それから、周辺部の維持対策について、画一的ではなくて、小学校がなくなりそうな地域から優先的に施策を実施すべきであると。 先ほど申し上げましたように、小中学校の周辺を規制緩和の地域として考えているわけでございますけれども、重要なことは、やはり小学校の統廃合などの問題がもう既に起きてしまってから対策を考えていてはなかなか追いつかないということでございます。したがいまして、今後は教育委員会などと、問題が起きるまでに戦略的に手だてを打っていくことにいたしたいと思っております。 それから、先ほど御紹介を申し上げました土地利用規制の緩和制度の見直し、それからまちなか住宅の団地整備事業補助金の対象エリアの拡大といったことにつきましても、人口減少が続いていることも念頭に置きながら検討いたしております。しかしながら、こうした制度あるいは補助制度をそこに適用していくだけで、これがすぐに人口維持にはつながらないと思っております。やはり民間の皆様方のお力をおかりして、人口維持の受け皿となる、例えば宅地をつくっていかなければなりませんし、どこを選ぶかということにつきましては、やはり地域の皆様方の思いというのがいろいろあるわけでございますので、そうしたものについて積極的に地域としての考え方を提案していただきたいと思っております。 現在、地域版のまちづくり総合戦略の取り組みをやっていただいておりますので、そうした人口減少対策として何が必要なのか、地域の皆様方にもお考えをいただいて、一緒になって考えていきたいと思っているところでございます。 それから、殿町の再開発ということで、これまで懇話会を設置いたしまして議論を行ってきたところでございます。いろいろな御意見がある中で、先ほど野津直嗣議員御指摘がありましたように、現在、市と県が所有いたします県民会館の有料駐車場用地に、物販機能を備えた、殿町周辺の核となる集客施設を立地することが望ましいのではないかという意見も今出されているところであります。 当然、これにつきまして、所有者あるいは関係者がたくさんいらっしゃるわけでございますので、御指摘がございましたように、市としましてこの問題について調整役をぜひ汗をかいて務めていきたいと思っております。そういう意味で、今後、関係者間で、今御指摘がありました問題につきまして協議を進めていきたいと思っております。 4点目は、公園等の遊具等の改修でございます。 現在、松江市が管理いたします公園は387公園ありまして、そのうちの220公園に746基の遊具がございます。これらの遊具につきましては、毎年、公園施設製品安全管理士によります点検の実施が進められているところでございます。また、松江市では、この点検に加えまして、職員による点検も実施をいたしているところでございますが、現在、この点検によりまして、37公園において、安全性の確保ができないと判断した43基の遊具を使用禁止措置といたしているところでございます。それから、このほかにも、使用禁止まで至らないけれども簡易な改修が必要な遊具が42基あるわけでございます。 そこで、現在、遊具の使用禁止措置の解消を最優先といたしまして、更新あるいは修繕をしていきたいと考えております。今年度の当初予算では、国の社交金を活用いたしまして、5つの都市公園で6基の遊具の更新をすることにいたしておりましたけれども、これに加えまして、今議会におきまして、この交付金の対象とならない16基の遊具の修繕費を計上させていただいているところでございます。 今後おおむね3年間で、市内の遊具の使用禁止措置が解消できるように努めてまいりたいと思っております。 それから、この遊具の改修につきまして、財源を有効に使っていただきたいということでございます。 御指摘がございましたような先進的な取り組みを行っている事例を参考にいたしまして、どのような財源が活用できるのかいろいろ考慮しながら、効果的な整備を行っていきたいと思っております。 5点目は、大橋川の治水事業部門の所管の事業ということでございます。 歴まち部の中で中心市街地のまちづくりに対して責任を持って実行する課を決めるべきだということでございます。 御承知のとおり、大橋川改修の部門を、今年度から、まちづくりを所管いたします歴史まちづくり部へ移管をいたしたところでございます。現在、今年度策定予定の白潟地区の都市再生整備計画の中では、歴まち部になったということで、まちのRe-project事業の反映、それから立地適正化計画との調整が一層図られるようになったということがメリットとして上げられるわけであります。 こうした大橋川改修に伴います今後もいろいろな調整等々が出てくるわけでございますけれども、当面、都市政策課がこれを担っていくことになるわけでございますけれども、今後、大きなプロジェクトが本格化していくことになりますと、やはり御指摘のように中心市街地全体のまちづくりを一体的に推進することが重要になってまいりますので、調整機能の強化等を図っていきたいと思っております。 それから、大橋川の南岸護岸の一時的な利活用についてでございます。 今、この南岸につきましては、島根県の港湾緑地ということになっております。御指摘がありましたように、10年ほど前に、商工会議所の青年部におきまして、この港湾緑地を活用して横丁事業を行いたいということで検討されましたけれども、なかなか規制が厳しくて、これは実施に至らなかったという経緯があるわけでございます。 しかしながら、近年は規制緩和が進んでおりまして、例えば今月ですけれども、商工会議所の水縁プロジェクトにおきましても、水辺の利活用をテーマとしました社会実験が港湾緑地で実施をされることになっております。水辺であわこいヤバイフェス2019と名づけて、まさにいろいろなものをここに並べるというものでございまして、そういう意味では、現在、利活用のハードルが下がってきているということが言えようと思っております。 そういうことで、護岸改修までは10年以上かかりますので、完成までの水辺の一時的な利活用として、横丁事業は有効なアイデアであると考えております。今後、事業主体や実現性につきまして整理をした上で、国、県への提案につきまして検討してまいりたいと思っております。 それから、かわまちづくり計画について御提案がございました。 このかわまちづくりの対象地域でございますけれども、これまで宍道湖の大橋北詰から千鳥南公園までのエリアを考えておりましたけれども、その先のしんじ湖温泉街の端までのエリアの利活用につながる整備につきましても、今後、国と協議してまいりたいと思っております。 それから、大橋川周辺の水辺の回遊性でございますけれども、この点につきましては、平成21年に、国、県、市の3者で策定いたしました大橋川周辺まちづくり基本計画に登載をされております。したがいまして、この計画に基づいて、水辺の回遊性の向上につながる護岸整備に取り組んでいるところであります。 それからもう一つ、茶町から京店付近の護岸をどうするかという話でございますけれども、先ほど申し上げました大橋川周辺まちづくり基本計画に基づきまして、地元の御意見も取り入れながら、大橋川改修に合わせました動線の連続性の確保について国で検討されますように、今後働きかけてまいりたいと思っております。 6点目は、環境保全部の所管の事業ということで、SDGsと連動した環境を核としたまちづくりでございます。 御指摘がございましたように、松江市はこれまで、リサイクル都市日本一を目指しまして、市民との共創・協働によりまして環境保全活動に取り組んでまいったところでございます。特に、循環型社会の構築に向けました4R運動の推進、それから地球温暖化対策、それから水環境の改善などにつきましては、まつえ環境市民会議それから生活環境保全推進員との連携といった官民挙げての推進体制を構築しまして、まさにSDGsの理念に沿って、持続可能なまちづくりの視点で取り組んでいるところであります。 そして、SDGsは、御指摘がありましたように、単に環境分野にとどまらず行政分野全般にわたる一つの大きな考え方でございますので、私どもは今、松江市の環境基本計画に掲げる施策を横断的にSDGsへの取り組みとして発展させていきたいと思っております。今年度、環境部門に新たに環境政策課を設けたわけでありますけれども、これはまさにその調整役を行っていく任務を果たさせようということでございます。 環境型社会の産業創出、それから再生可能エネルギーの活用研究、それからエネルギーの地産地消など、こうした新たな時代の環境施策に横断的に取り組んでまいりたいと思っております。 それから、子育て部所管の事業ということで、松江市子育て新応援パッケージを創設したらどうかということでございます。 御指摘がありましたように、今回のいわゆる子育て支援のための無償化の施策が行われるようになったということでございまして、それからまた、県は小学生の子ども医療費の負担軽減を実施することになります。そうなりますと、交付税あるいは松江市の負担軽減といたしまして、およそ6億円程度の財源が新たに発生するものと試算をいたしております。 ただし、この地方交付税の算定方法の詳細、それから県の制度がいつ実施をするかということにつきまして、まだ明確化されておりません。したがいまして、実際にどれほど単年度で財源確保できるかということにつきましては不明なところもありますけれども、新たに確保できる財源につきましては、御指摘がありました子育て支援新パッケージの創設、こういうものを含めまして積極的に活用してまいりたいと思っております。 このパッケージでございますが、これまでやってきたものをそのままパッケージにするだけではなくて、新たな視点での子育て支援もその中に盛り込んでいきたいと思っております。 それから、教育委員会の所管事業につきましては教育委員会のほうからお答えをさせていただきたいと思いますが、このうち、女子高の魅力化という問題につきまして、私の思いを一つ述べさせていただきたいと思っております。 人口減少社会にありまして、今後、女性の知識なりそうしたものの活用、逆に言いますと、女性の活躍する舞台が今後大きくなっていくということを考えまして、今、島根県では県立高校の学区制の廃止が行われているわけでございますけれども、女子高につきましては、やはりそういう視点で存続をさせていくべきだと私は考えました。そのために、それでは女子高の魅力化をどういう形でやっていったらいいのかということで、平成28年に魅力化検討プロジェクトを立ち上げたところであります。これは、外部の有識者の皆さん方、10名の委員の皆さん方で構成をされたものでありまして、翌年平成29年3月に御提言をいただいたわけであります。 この提言の中では、魅力化の柱としまして、高大連携(高校と大学の連携)、それから学科再編、特色ある学校運営、情報発信の4つの項目が盛り込まれたところであります。全て重要な項目でありますけれども、私としては次の2点に特に力を入れて進めていきたいと思っております。 まず1つは、やはり今後女性が活躍していく場合に、国際的な方面でもぜひ自信を持って活躍をしてもらいたいということで、実践的な英語のコミュニケーション能力を身につけること、それから、これまで女子高が培ってきました英語を中心とします語学教育をより一層強化するために、国際コミュニケーション科を設置したいと考えております。 一方で、アンケート調査の結果、女子中学生は進学への関心が非常に高かったという状況を踏まえまして、例えば女子高に入学しますとこうした国際コミュニケーション能力が鍛えられて、大学進学に向けて非常に有利な環境が得られるという状況をつくり出していきたいと思っているところでございます。 2点目といたしましては、高大連携でございます。例えば、女子高の中に保育関係のコースを設けまして、そこと大学とをつないでいく。特に県立大学におきましては、今回、4年制学部で人間文化学部の中に保育教育学科が設けられております。それから、短期大学部の中では保育学科が設けられておりますので、そうしたものとの連携をつけてあげることで、女子高に入学した子どもたちがそうした部門に進学をしていくと、それによって地元にとどまって貢献をしていただくという体制をつくっていきたいと思っております。 このために、先般、知事との意見交換の場の中でも、県立大学で地域枠をもっと拡大してほしいという話を私のほうからやらせていただきまして、この点について、知事のほうからは非常に前向きな御意見があったということでございまして、今後、この地域枠を拡大して、そこへ女子高との間での連携をやっていきたいと思っているところでございます。 9点目は、ガス局の民営化ということでございます。 まず1点目は、市の会計のほうからガス当局へさまざまな形で公金を出動して補填をしていたといったことについて、どういう状況になっているのかということでございます。 これまでの経緯といいますか流れでございますけれども、松江市のガス事業、これは大正元年に民間企業により開始をされましたけれども、その後、昭和5年に松江市がガス事業を引き継ぐことになって、長年にわたりまして都市ガスの安定供給を続けてきたということでございます。しかし、その後、ライフスタイルの変化によるオール電化住宅の普及、それから市の中心部の空洞化等によりまして、普及率の低下と、それから販売量の減少が続いているわけでございます。 例えば普及率を見ますと、平成18年には供給区域内で38%ありました普及率が、平成30年度末には供給区域内で29%と大きく減少いたしております。それから、販売量も、平成18年度では360万立米が、平成30年度には25%減の約270万立米になっているところでございます。 近年頻発いたします大規模災害、それから平成28年、平成29年のエネルギー自由化によります競争激化、こういったものに対応できる分散型エネルギーとして、松江市におきますガス事業の存在意義は、市民に継続的かつ安定的にガスを供給していくことが市としての責務であると考えておりまして、このような責務を踏まえまして、1つは、基礎年金拠出金に対する公的負担金を初めといたしました人件費、これが10年間で1億2,000万円、それから経年管対策といたしまして6,000万円、合わせて1億8,000万円を繰り出しているわけであります。これは直接的な赤字補填ではないわけでありますけれども、間接的に黒字要因として寄与しているものであります。 それから、ガス料金の値上げの可能性でございます。 まず、民間譲渡されました先行事例を調べてみましたが、県庁所在地または人口15万人以上の都市でございます新潟市、長岡市、宇部市、佐賀市、それと松江市の都市ガス料金の推移を調査した結果、いずれの自治体におきましても、事業譲渡が料金の上昇につながるような事例は確認できませんでした。それから、民間譲渡を行いましたその他の自治体につきましても、現時点におきましては料金値上げを行った事実は伺っておりません。 今後、民営化の方針が決定をいたしますとすれば、先行事例を参考に、譲渡条件の中に現行料金の維持などを盛り込んで、料金水準の抑制を図る必要があると考えております。 それから、6月議会でも南波議員にお答えを申し上げておりますけれども、現在、エネルギー事業者間の競争は非常に激化をいたしているわけであります。そうした中で、安易な経費の料金への転嫁ということになりますと、ユーザーからの厳しい評価というよりも、ガス離れにつながっていくわけでございますので、一般的に言いましても、事業譲渡後に料金値上げというものはないものと認識をいたしております。 それから、癒着や談合についての疑義がないように丁寧かつ適切に対処していく必要があるということでございます。 6月議会での癒着、談合との質疑につきまして改めてお答えいたしたいと思いますが、談合という質疑につきましては、事業譲渡がまだ決定もしていない段階でそのような行為があるはずもないわけでありまして、そのような指摘をいただいたことはまことに遺憾だと思っております。 今後、松江市のガス事業経営検討(検証)委員会から近日中にガス局長に対しまして報告がある予定になっております。その後、局長のほうから議員の皆様方に、報告書について十分に説明をいたしました後、報告書と、そしてまた議員の皆様方の御意見を合わせて、ガス局長から私が説明を受ける予定にいたしております。その後、松江市ガス事業の改廃にかかわることでございますので、松江市全体の問題として、将来のまちづくりの視点を踏まえて最終判断をして、議員、市民の皆様方に御説明を申し上げたいと思っております。 それから、今後の経営実態ということでございますけれども、これにつきましてはガス局長のほうからお答えをさせていただきたいと思います。 それから、これまでの経緯について改めて伺いたいという話でございます。 先ほど野津議員の御質問にありましたように、松江市では平成13年度からガス事業の民営化について議論を始めたところでありまして、平成15年2月に、民営化の方向で検討すべきであるとされたところであります。さらに、市町村合併後の平成17年2月に、民営化すべきとの前回の提言を再確認した上で、1つ、民営化する場合の目的、理念、2つ目、民営化する場合の手法、3つ、民営化する場合の時期と財務のあり方の3項目について答申をいただいたところであります。 その後、答申にのっとりまして、市民サービスの向上も図りながら経営改善を進め、負債の縮減と黒字の定着を図ってまいりました。その結果、負債が70億円から24億円に縮減をいたしまして、経営基盤の改善を行うことができたところであります。このことにつきまして、平成13年から行革の視点で議論を始め、その後、エネルギー自由化の問題が起き、行革だけではなくて地域経済の活性化やエネルギー改革等のまちづくりの視点で検討すべきであると考えたところでありまして、本年の4月に、ガス局長に、広く意見を聞くための外部委員会の設置を指示いたしたところであります。 今後の方向性についてどのように周知をするのかということであります。 今後の進め方につきましては、先ほど申し上げたところでございまして、最終的に私のほうで判断をさせていただいて、その結果について、議会の皆様方に対して、松江市のガス事業の方向性を説明させていただきたいと考えているところであります。あわせて、ホームページ、かわら版、公民館などを通じまして、市民の皆様に丁寧に説明してまいりたいと思っております。 ○議長(森脇幸好) 清水教育長。 ◎教育長(清水伸夫) それでは、私のほうから、ふるさと教育についてお答えをいたしたいと思います。 御承知のとおり、ふるさと教育につきましては、各学校が地域の実態を踏まえまして、自然環境や伝統文化等を体験的に学び、ふるさと松江に対する誇りと愛情を育む取り組みを行っているところでございます。 議員御指摘のシジミ漁体験等につきましても、およそ15校程度の小学校が、宍道湖漁協と連携をして、実際に漁船に乗っての体験を予定しているところでございます。また、島根半島の海岸では、島根大学と連携をいたしまして、理科の地層の学習などを行っている学校もありますし、それ以外にも、各河川で水質調査を行ったり、堀川めぐりの乗船体験を行っている学校もございます。 今後も、島根半島・宍道湖中海ジオパークなどの水資源に恵まれた松江市におきまして、この貴重な環境資源等を生かしたふるさと教育をさらに充実させていきたいと考えております。以上でございます。 ○議長(森脇幸好) 渡部ガス局長。 ◎ガス局長(渡部厚志) 私のほうから、ガス局の民営化についての第4点、今後の経営実態についてに対しましてお答え申し上げたいと思っております。 本年3月に作成しました松江市ガス事業経営戦略プランでは、人口減少の影響からガス売り上げの減収はありますけれども、資産の更新計画は、平成31年度から10年間で経年管対策、製造設備の更新等を計画しておりまして、費用全体で18億5,000万円を見込んでいるところでございます。さらに、原料調達費として10年間で総額70億円を見込んでおり、向こう10年間の収支はおおむね1億5,000万円の黒字を見込めることとなっているところでございます。 しかしながら、松江市ガス事業の会計のストック状態をあらわす貸借対照表では著しく資産と負債のバランスを欠いておりまして、債務超過の状態にあるということでございます。この状況の主な原因でございますが、平成12年、平成16年に行われた多額の経費を要した熱量変更事業でございまして、投資経費の回収計画が達成できなかったことにあると考えております。具体的には、先ほど野津議員の質問にもありましたとおりでございまして、普及率40%から60%への向上に伴う増収や資産売却による特別利益であり、普及率は御承知のように減少の一途をたどり、資産売却益も思うように実現しなかったのが実情でございます。 その後、収入確保のため、職員も積極的に営業を行ってまいりましたけれども、価格やサービスなどの民間とのエネルギー間競争に対しまして十分な対応ができるとは言えず、毎年の黒字が負債の償還に回らない状況があったわけでございます。今後、経営の観点では、予定される製造設備、導管などの大規模修繕に十分に対応し切れる黒字を、事業規模が縮小する中で獲得しているとは言えない経営実態であるというふうにこちらのほうでは分析をさせていただいております。 ○議長(森脇幸好) 野津直嗣議員。
    ◆15番(野津直嗣) 提言につきましては、ほぼ前向きな形で御検討いただきまして、心強く思います。本当にこの1年2年が勝負でございますので、どうか市長以下ここにおられる執行部の皆様はしっかりと来年度事業等に反映させていただきながら、一歩でも前に実現していくように努力していただきたいと思います。 また、丁寧に議論をしていかなければならないと伝えたことに関しては、しっかりと議会等と丁寧に議論していただきまして、市民にしっかりそれが伝わるように御丁寧によろしくお願いいたします。以上です。 ○議長(森脇幸好) この際、しばらく休憩いたします。 〔午後0時18分休憩〕 ────────── 〔午後1時15分再開〕 ○議長(森脇幸好) 休憩前に引き続き会議を開き、代表質問を行います。 19番川島光雅議員。 〔19番川島光雅議員登壇〕 ◆19番(川島光雅) 真政クラブの川島光雅でございます。7項目の質問について通告させていただいておりますので、質問させていただきます。 まず最初に、市長の政治姿勢について質問いたします。 さきの島根県知事選挙において、松浦市長は、現丸山知事と競うことになった対立候補を支援されました。このときの応援演説では、市長はネガティブキャンペーンとして、激しい丸山知事候補の人格批判をされました。このときの発言等が一部テレビ報道され、被選挙権を持ち合わせた候補者に対して政策批判ではなく根拠のない人格批判を伴う発言は、市民からも、聞き苦しいとの声がありました。 私ども真政クラブの南波巖会長や市民クラブの津森良治代表が、6月議会の質問で、市長の発言での真意や説明責任を求めました。しかしながら、私どもの期待している答弁は得られませんでした。 今回あえて質問させていただいたのは、先般、五百川純寿島根県議会議員が、この応援演説の中で、五百川県議自身にも関係する内容を捉えて、松浦市長を名誉毀損で告訴されました。ここまで行ったということは、残念なことであります。 市長と五百川県議は、郷土のためにお互いが連携を図り、御尽力されてこられた実績があります。そのお二人がこのような形でたもとを分かつことは、郷土にとって大きな損失であります。 この告訴報道がなされても、松浦市長はノーコメントを貫いておられますが、市長として説明責任を果たされる必要があると思い、再度質問するものであります。 市長は、この問題発言があった当初の定例記者会見の中で、関係者の方々におわびを申し上げると述べておられます。関係者が誰なのかも不明確であります。五百川県議におかれましては、しっかりとした謝罪があれば告訴は取り下げるとおっしゃっています。 今後の裁判や事情聴取を考えてノーコメントを貫いておられるようですけれども、私どもはぜひ納得のいく説明責任を果たされるべきと思いますが、御所見を伺います。 次に、4年任期も折り返しを過ぎてきました。市長が今まで、松江市のあり方が変わる事業であるとともに松江市のまちづくりの活力になるとおっしゃっていた3つの事業についてお伺いいたします。 松江市地域公共交通総合連携計画、次世代型路面電車(LRT)とバス高速輸送システム(BRT)問題はどうなったのか。 平成29年2月議会で、共産党の片寄直行議員が、次世代型の路面電車への最終結論を出すべきではないかとの質問に、既存の道路に軌道を通すこと、多額の経費がかかること、市民の理解を得ることが難しいことから、発想を転換して、橋北部の一畑電車、橋南部のJR山陰線をLRTと捉えて、各駅からの二次交通としてバスを接続させるという公共交通網を検討していけないだろうかと考えているところだとおっしゃっていました。 いつからLRTやBRTは断念したのか、また、その後の転換も余り明確さがないように思います。その後の転換から、バスの接続計画はどのように続いていますか。 高齢者の免許証返納で、さらに特典もなくなり、返納者からは不満と交通利用の不安が募っております。二次交通が納得いけるような仕組みづくりと計画を明確にすべきではありませんか。 旧市立病院跡に都市型ホテルの誘致はどうなったのか。 多目的でいろいろな引き合いがあった中で、市長は、旧市立病院跡地については都市型ホテルの誘致にこだわっておられましたが、結果的にはNHKに売却するという決定になりました。都市型ホテルの誘致はおやめになったのですか。 旧ホテル宍道湖の跡地利用について。 平成30年6月議会の三島良信議員の質問で、土地の活用に関して県から松江市の協力を求められた、国の10分の10の補助で、交通結節拠点の創出に関する事業手法の創出に関する調査を行うこととし、交通の利便性や風光明媚な立地、地元特産品の購入や飲食機能の配置、パーク・アンド・ライド機能など、利点を述べられています。 以前、市長は、平成28年2月の所信表明で、産直市場づくりに触れております。この跡地は、市長が魅力的な立地条件の地元特産品の購入や飲食機能の配置として、産直市場の立地条件の一つに符合します。また、もともとホテルであったことを考えれば、風光明媚な風景を前にした宿泊施設としてもまことに好条件と思われます。また、この地にある乃木駅は、松江駅、出雲市駅、安来駅に次いで山陰本線で県内4番目に多い、乗降客数1日当たり約1,700人を誇る駅であります。その駅を中心とした周辺整備計画にもつながる事業で、大いに期待される計画になる可能性があると思います。 やはり有言実行に期待したいところでありますが、二次交通計画、都市型ホテル誘致、産直市場など、これらの目標に対する行動力は健在ですか。あるなら意気込みをお聞かせくださいませ。 続きまして、日韓関係悪化問題の影響とインバウンドの受け入れについてお伺いします。 島根県では、韓国金浦空港から連続国際チャーター便を週3往復運航して定期便化を目指していましたが、日韓関係悪化の問題のあおりで、6月6日に第1便が到着し、16往復で402人、50.3%の搭乗率を上げながら、7月13日から運航は休止状態であります。 日韓関係悪化は、インバウンドの減少で観光業や輸出入関連企業にどの程度の影響を及ぼしているのか伺います。 また、1999年から続いている韓国慶尚南道晋州市との市民交流で、中学生の相互派遣交流事業やら職員間交流、地域経済団体職員などの交流などを行ってきました。今まで、日韓関係の悪化などで何度か交流が中断したり滞ってきた経緯がありますが、復活し、最近まで継続になっておりました。しかし、ことしの中学生の相互交流事業は見合わせになったと伺っています。 鳥取県などは、大学生の交流を、このような状況の中でも実施しています。民間では、交流を維持しようとする動きがあります。 松浦市長はどのようなお考えなのか伺います。 また、韓国がこのような状況なら、最近多くなってきた香港や台湾などの他の国からのさらなる観光客の誘致も考えられますが、どのような戦略をお持ちかお伺いいたします。 次いで、出雲空港の施設整備について。 昨年に続き、空港の運用時間の延長や国際航空路線の開設などを島根県に要望を重ねていらっしゃいますが、これらが空港利用の拡大やインバウンドの誘致に大きな効果を及ぼすのは明白であります。この要望の実現性についてお伺いします。 出雲空港の滑走路について、現状は、中型旅客機が離発着できる滑走路延長2,000メートル、幅45メートルの滑走路が1本ですが、米子空港や羽田空港は、大型旅客機が離発着できる滑走路幅は45メートルと同じでありますが、延長は2,500メートルであります。 現在、飛行機の発着は、乗客200席を若干超える中型機までは可能という見解を示しています。やはり国際線の利用が進めば、滑走路の延長2,500メートルの長さも必要と思われます。 要望活動に滑走路の延長を含める必要もあると思いますが、お考えをお聞かせくださいませ。 またあわせて、出雲空港を活用した松江市の利用戦略があるならばお伺いいたします。 ガス局の民営化問題についてお伺いします。 8月2日、鳥取ガス株式会社が市長に要望に出向かれたそうですが、その対応はどうだったのか伺います。 地元LPガス協会要望には市長が面接し、鳥取ガス株式会社については面接に応じなかったとありますが、理由がありますでしょうか。 他の自治体の例を見ますと、公正な入札制度やプロポーザル方式、コンセッション方式を取り入れているところが多いようです。ガス局は、公営ガス事業民営化手法の比較を、6つの経営形態ごとに資料を出しております。事業譲渡は、都市ガス会社やフランチャイズ方式では入札またはプロポーザル方式があることや、株式会社化や地方独立法人では、市が新たな会社や法人を設立し既存事業を移行するというやり方を示しています。 よほどの理由がないと随意契約となり得る地元企業にのみ参加の特典を与えることはできないのではないかと思われます。また、そうした場合、公平性を担保できるのかお伺いいたします。 6月議会でも質問にあったように、現在の松江市のガス事業は、経営戦略プランにもあるように利益を生み出し、計画的に負債額を減らしていく経営案がなされています。熱量変更事業投資により生じた現在の欠損金も、平成29年には約12億8,000万円あったものが、平成30年には約10億6,500万円に減っています。経営戦略プランから見ると、6年後の令和6年には欠損金累計も解消され、起債残高も減ってくると思われます。そのような事業の中で、ガス局事業評価を、民営化と地元地域経済循環の名のもとに、資産評価の低いことで譲渡することは、慎重でなければならないと思います。 売り手と買い手の思惑が同調しなければ商談は成立しないことは理解していますが、市民の資産でありますので、できるだけ高い評価であることが重要と思われます。高い評価を得たいとお思いなのかお伺いいたします。 民営化後も地元LPガス協会の会員が出資する会社に運営権を譲渡していただきたいとの要望も出ておりましたが、その出資会社にLPガス協会会員がどのような形で増資するのか。その出資額は、平等均等出資なのか。その出資額に格差があれば、当然、配当や権限に序列が生じてきます。共同運営に亀裂が生じかねません。 地元優先ということで、逆に利益誘導に加担するようなことにつながらないのか懸念をいたします。そのようなことにならないのかお伺いいたします。 民営化は完全譲渡方式と言っておられますが、譲渡後の運営に不安はないのか。 この10月から水道法が改正され、民間でも、厚生労働大臣等の許可を受けて、運営権を民間事業者に設定できるようになります。これは、地方公共団体が水道事業者等としての位置づけを維持しながら官民連携を進めるものであります。 しかしながら、水道事業で民間運営しているヨーロッパなどの国では、料金が高く、市民には不人気と聞いています。やはり安全・安心な水を低廉な価格で供給することが第一で、水道法が改正されても、民間業者が参入するところは少ないのではないかと思われます。 市民生活にかかわるインフラサービスの提供は、慎重でなければなりません。水とガスとでは、代替できるものも違い、一概に比較はできないかもしれませんが、これらに至る課題は、人口減少による需要の減少、施設の老朽化、技術人材の不足など、水道事業もガス事業も同じような課題を抱えております。その中での今回の水道法改正は、基盤強化と継続的な事業維持であります。ガス事業においても、基盤強化と継続的な事業維持の要件が同じように満たされないと、安易に民間譲渡していいものではないと考えます。 売却方法、譲渡時期、安定的低廉なガス料金の維持などの論点を明確にしながら議論を積み重ねていく必要があると思います。拙速な決断は、将来的に市民の不利益につながりかねない側面もあわせ持っております。 慎重に進めていく必要があると思いますが、御見解を伺います。 消費税増税への備えについてお伺いします。 政府は、キャッシュレス化を進め、10月1日から来年の6月まで、キャッシュレス決済することで5%などの還元ポイントを出し、促進を図っていきます。これらは国に登録申請しなければならず、一般小売業に至っては登録が低調のように思われます。利用者にとっても事業者にとっても複雑な制度であり、戸惑いがあります。 このままさらにキャッシュレス化が進行すると思われますが、このような社会に進展していくことに対してどのようなお考えをお持ちか伺います。 また、メリット、デメリットについて、市長の所感を伺います。 キャッシュレス時代の詐欺予防策について伺います。 ことしの7月に開始したセブンペイに登録した約900人が、クレジットカードを不正利用され、5,500万円以上の被害が発生しました。その後、セブンペイは廃止となりましたが、キャッシュレス化で、スマホ決済や電子マネーやクレジット決済の利用もふえてくることは確実であります。今でも発生するおれおれ詐欺に代表されるように、キャッシュレス化で不正アクセスによる被害もふえてくると思われることから、その予防策も考えておかねばなりません。 消費者保護行政の観点から、市はどのような対策を講じるのか、計画があればお伺いいたします。 事業者にとって、キャッシュレス・消費者還元事業は登録申請をしなければなりませんが、まだその利点が浸透しておらず、周辺地域では至って低調なように思います。地域の商工会などに聞きますと、国のほうから周知を促され、キャッシュレス化への対応に備えて会員企業に働きかけを行っているものの、浸透ぐあいは読み取れていないというのが現状のようです。 キャッシュレス化に対応している商工指導団体との連携はどのような形で進められたのかお伺いいたします。 キャッシュレス化で、小規模の商店が進展についていけずに、店じまいするところも出かねないと危惧しております。複雑な手続と時間を要することで、マイナンバー登録のように登録が進まないという現状も想定されますが、負の部分も考慮に入れて、いかに進められるのかお伺いいたします。 プレミアム商品券の普及状態は、今回は、限定された人に対しての生活支援の側面が強く、前回の不特定多数を対象とした消費増税対策と異なります。プレミアム商品券購入引きかえ店は、8事業所20店であり、交通弱者には行きにくいところがあるのがネックであると思われます。 参加店の状況はどのようになっていますか。 対象が前回と違い、福祉支援が必要な人たちと縮小されているので、出足に影響している面もあると思われます。購入に余裕があれば、期間内なら引きかえも可能ということでありますが、引きかえに行った先の店舗では品切れの場合は、ごみ袋不足のような事態を招くことはありませんか。さまざまな事態を想定して取り組む必要があると思われます。 また、経済効果や消費者の利便性を考えれば、参加店の参加拡充や利用促進に力を注ぐ必要があるのではないかとお伺いいたします。 次に、子どものスポーツ障害と予防についてお伺いします。 熱戦のすばらしい夏の高校野球が終わりました。大船渡高校の佐々木朗希投手の登板回避問題で、選手の故障を避けるために、期待された試合で登板させなかったことで、予選大会決勝戦に負けて甲子園に出れなかったチームの監督の選手の采配に、賛否両論の議論を巻き起こしました。9月7日に終了したU-18野球ワールドカップで、佐々木投手が明るい笑顔で活躍している姿を見ると、別に甲子園出場にこだわることはないのかなあと思ってきました。 現在、子どもたちは、部活動以外でも、学校以外でのスポーツクラブなどを通じて、成長期にスポーツにいそしむ姿が格段にふえてまいりました。そのため、社会に出るまでのところで、多くの子どもたちが故障に悩まされる事例が多くなってきております。 夢を追うのはよいことですが、逆に、故障のために挫折に追い込まれるケースもあります。学業とスポーツを両立する文武両道と言われた時代を通り越し、逆にそのような負のケースも目立ってきました。疲労によるけが、激しい運動による骨折、筋肉痛など、スポーツ障害が問題であります。多くの場合、練習時間や練習量、練習内容、練習頻度などさまざまな要素が絡んでくるので、指導者の指導管理や家族の理解、そして定期的なメディカルチェックが重要であると思われます。 市においては、スポーツをまちづくりや健康増進につなげていこうと、市長部局にスポーツ課を移行されましたが、スポーツに対する成長期のかかわり方はどうあるべきかお考えを伺います。 また、教育委員会としては、学校教育で行うところの学問とスポーツの兼ね合いについて、また指導方法はどうあるべきかをお伺いいたします。 続きまして、2029年島根国体に向けて、体育館施設の改修、リニューアルについてお伺いします。 10年後に国体が開催されますが、現松江市の中の体育館14施設の中で、老朽化している施設があります。昭和57年、島根県のくにびき国体のときにリニューアルや改装がなされた施設も、40年から45年がたっています。鉄筋コンクリートづくりが3件、鉄骨づくりが2件ありますが、耐用年数が過ぎたものやそれに近くなっているものもあります。 鉄筋コンクリートと鉄骨づくりでは耐用年数や耐震強度が異なりますし、一概に年数だけでは評価できないと思われます。しかしながら、見た目にも老朽化は進んでいます。スポーツ熱の高まりや、災害時の指定避難所にもなっており、順次整備が必要と思います。 市民スポーツの向上の中で、2029年島根国体に向けて、体育館の老朽化対策は計画的になされなければならないと思いますが、御所見をお伺いいたします。 最後の質問になりますが、行政に人工知能(AI)を活用し、業務の軽減や事務処理の迅速化についてお伺いします。 松江市は、Rubyの活用にも力を入れると同時にIT企業の誘致にも力を入れてきましたITの先進自治体であります。また、平成の合併により、職員定数400人の削減にも取り組んでこられましたし、全国自治体の中でも、業務の効率化を目指し、行政サービス改革では高い評価を得てきております。 このような中にあっても、さらに業務の負担を軽減し、職員の能力を引き出すために、最近、自治体では、AI導入に取り組むところが出てきております。 松江市において、人工知能(AI)を導入して取り組んでいる事業があればお伺いいたします。 また、AIを取り入れて業務を実施している自治体では、住民からのサービスについての問い合わせに自動回答するプログラムを入れたり、まちのキャラクターが対話形式で回答したり、担当職員が不在でも業務時間外でも対応でき、問い合わせ窓口が担当部署ごとに分かれていた情報を1つにまとめることができたと、成果を述べています。また、保育所の入所選考作業にAIを導入し、230時間かかっていた作業が数秒でできたり、業務の軽減やサービス拡充に大いに活用されています。ほかに、外国人の対応で音声翻訳システムが役に立ったりと、当然、インバウンド対策にもなり得ます。 AIを駆使してさまざまな業務の質の向上を図っている自治体がふえてまいりました。ことしの8月24日の産経新聞の朝刊に、「AI導入自治体広がる」というタイトル記事の中で、AIを活用した新システムについてのアンケート結果が出ていましたが、作業削減の見込みでは、4割から6割程度削減できそうが37%、7割以上は削減できそうであるが22%となっていました。これらを合わせて、できると答えたのは実に60%近く、それに対する満足度は、68%が満足と答えています。 業務を軽減することによって、AIで読み取れない市民の苦痛や感情を、職員の現場主義により、さらに民意を行政に反映することも可能ではないかと思います。IT先進自治体である松江市での取り組みと考えをお聞かせ願いたいと思います。 以上で7項目の質問をさせていただきました。御答弁のほどよろしくお願い申し上げます。(拍手) ○議長(森脇幸好) 松浦市長。 〔松浦正敬市長登壇〕 ◎市長(松浦正敬) 川島議員の代表質問にお答えを申し上げたいと思います。 まず、市長の政治姿勢ということで数点御質問がございます。 まず、さきの島根県知事選挙においての私の発言についての御質問でございます。 さきの知事選挙の応援演説での私の発言内容につきましては、自分なりに情報を収集したものであります。したがいまして、全く根拠なく発言したものではありません。 しかしながら、公の場での発言としては一部適切さを欠いていて、反省すべき点があったものと考えております。そういうことから、5月の記者会見の場で、関係の皆様に御迷惑をおかけしたことを謝罪したところでありますが、改めまして、この場をおかりして関係の皆様におわびを申し上げたいと思います。 これ以上のことはこの場では申し上げられませんけれども、捜査当局からお尋ねがあれば全てお話をする考えでおります。 2点目は、LRTそれからBRTの問題がどうなったか、あるいはその後の転換からのバスの接続計画がどのように続いているかという話でございます。 これまでも議会でお答えしておりますけれども、LRTにつきましては、既存の道路に軌道を通すこと、それから整備に多額のお金がかかることにつきまして、市民の皆様にその必要性を十分に説明をして理解を得ることが非常に難しいのではないかと考えておりまして、この考え方につきましては今でも変わっておりません。 また、いわゆる他地域で導入されております連節バス、あるいは専用道路を利用したBRTにつきましては、走行できる道路が限られること、あるいは新たな走路の整備が必要となることから、慎重に検討する必要があると思っております。 一方で、バス優先レーンの道路整備であるとか、バスの接近に合わせて青信号、赤信号の切りかえを調整するPTPS(公共車両優先システム)の手法によるBRT化につきましては、既に実施をしておりまして、さらなる拡大を目指しております。 それから、一畑電車やJRをLRTと置きかえるという考え方についてでありますけれども、一畑電車は、一畑電車沿線地域対策協議会の支援によりまして、1両単独で運行可能な新車4両を、平成28年度、平成29年度に導入をしたわけでございます。このことで、乗り心地が改善し、快適性が向上するとともに、新たな柔軟なダイヤの編成が可能になったところであります。 それから、平成29年4月には、松江しんじ湖温泉駅におきまして、全ての一畑電車を松江駅方面の路線バスに接続するなど、利便性が大幅に向上しております。さらに、一畑電車のその他の駅やJRの各駅で路線バスやコミュニティバスに乗り継ぐことができるように、必要に応じてダイヤの改正を行っているところであります。 それから、二次交通の納得できるような仕組みづくりと計画を明確にすべきではないかということでございます。 御指摘がありましたように、高齢化社会の進展に伴いまして、通院、買い物などの日常生活におきます公共交通の必要性は今後も変わらないと思っております。しかしながら一方で、公共交通の担い手でございます運転手が人手不足に加えまして高齢化が進んでいること、それから、公共交通であります路線バス、コミュニティバスによりまして利用者の移動に対する個別のニーズ全てに対応することは、公共という性格上、困難であると考えております。 そこで、今後の本市の公共交通のあり方につきましては、平成28年度に策定をいたしました松江市公共交通網の形成計画で示したとおりであります。すなわち、鉄道それから路線バスが市街地中心部から近郊地域及び郊外の生活拠点への移動を受け持つ、それから、コミュニティバスがフィーダー路線として各郊外地域内の移動を担う現在の交通網を踏襲する、このことを基本にいたしまして、利用実態や今後進展する人口減少も踏まえまして、路線それから交通結節点を整理していく必要があると考えております。 具体的には、まず今後、市民あるいはバス事業者も参画いたします松江市公共交通利用促進市民会議において議論を進めてまいります。そしてまた、コミュニティバスの運行地域では、各地区に設置をされております利用促進協議会において議論を進めてまいりたいと思っております。 また、バス路線を幹線として維持をしながらその幹線にアクセスするための手段といたしまして、デマンドタクシー、それから自治会輸送、それから間もなく実用化されるであろうところの自動運転など、新たな交通手段の導入につきましても引き続き検討してまいりたいと思っております。 それから、まちづくりにつきまして、3つの事業について、今後も取り組みの意欲があるのかどうかという話でございます。 まず、旧市立病院跡地に都市型ホテルを誘致したいと言っていた事業はどうなったのかということでございます。 松江市は国際文化観光都市であるわけでありまして、都市型ホテルというのは、都市機能として不足しているものの一つだと思っております。これまで、経済界からの強い要請もあったために、積極的に誘致活動に取り組んでまいりましたが、現時点で誘致実現には至っておりません。ホテルの立地には、西向きでないこと、それから都市型ホテルとして十分な敷地面積が必要などのさまざまな条件がありまして、旧市立病院跡地はその条件に合わなかったために、この場所での立地については諦めたところであります。 しかしながら、だからといって、都市型ホテルの立地そのものを断念したということではありません。本市の都市としてグレードアップを図っていくためにも、引き続き、都市型ホテルの誘致については検討してまいりたいと思っております。 それから、旧ホテル宍道湖跡地の跡地利用について、例えば産直市場等々についてどう考えているかという話でございます。 まず、産直市場につきましては、私どもは、行政が直営というのは、なかなかこれは営業としては難しいだろうということから、民間主導でやっていく必要があるという考え方を打ち出したところであります。これに基づきまして、JAであるとかJFあたりを中心にしましていろいろと検討をお願いいたしたところでありますけれども、いまだそれに対しましてのJAなりJFのほうからのこれを進めていこうというお考えはいただいていないところでございます。 したがいまして、この産直市場の問題につきましては、どこに建てるという問題以前に、そうした体制という問題についてきちっとまとめていく必要があると思っております。 このホテル宍道湖跡地につきましては、あくまでもこれは県の事業でございます。以前、このホテル宍道湖の営業を廃止する段階で、県のほうから、市のほうでこれを買収する意図はないかという打診があったわけでありますけれども、いろいろな観点で検討した結果、市としてこれを買収する意思はないという考えを伝えたところでありますが、当時の溝口知事のほうから、それじゃあ松江市もまちづくりという視点からどのような利用目的が考えられるのか、それを提案してもらいたいという申し出があったわけであります。 そこで、国の、国交省の10分の10の補助金を活用いたしまして調査をいたした結果、いわゆる市内への交通結節点としての活用、あるいは駐車場、あるいは集客施設、集客能力のあるような施設、こういうものについて可能性があるのではないかという提案を県のほうにいたしたところであります。したがいまして、県におきましてはこれを受けて、じゃあどのようなところにこれを売却していくのか、これは今、県のほうで当然検討を、我々の提案をもとにして検討していただきたいと思っているわけでございます。 2点目は、日韓関係悪化問題の影響とインバウンドの受け入れについてでございます。 まず、インバウンドや観光業にどの程度の、日韓関係の悪化が影響を及ぼしているかということでございます。 観光面でいきますと、7月までは大体前年同月比が増加となるなど順調に推移をしておりましたけれども、8月から影響が出始めまして、主な観光施設では、8月の韓国人の入り込み客数が前年同月比で5割から7割の減となったところもあるわけであります。それから、韓国人団体客の利用が多い宿泊施設でございますけれども、10月ごろまでの予約の取り消しなども出てきているということでございます。宿泊客数は、台湾に次いで韓国が2番目に多いところでございます。したがいまして、松江市の観光業にも少なからず影響が出るものと懸念をいたしております。 また、輸出入の関連企業にどの程度の影響を及ぼしているかということでございますが、関係者のヒアリングをいたしました中では、現在、輸出入への影響は聞いていないところであります。 2点目は、晋州との間の交流事業の見合わせにつきまして市長はどのような考えなのかということでございます。 松江市と韓国の晋州市との交流事業でございますが、1999年から始まりまして、ことしでちょうど20年を迎えるわけでございます。そして、以前も長らく晋州との間の交流が途絶えていたわけでございますけれども、一昨年、晋州市長と、私が訪問いたしまして会談をして、両市の交流を促進するということで合意して以来、市の職員の派遣、それから中学生交流など、順調に進んでいたところでございます。そして、ことしの8月に中学生の相互訪問、相互派遣も予定していたわけでございますが、晋州市のほうから、大変残念ではあるが日韓関係の悪化により見合わせたいとの連絡がありまして、やむを得ず見送ったということでございます。 しかし、国家間の関係が悪化する中でも、自治体間の交流、あるいは人と人の草の根交流は極めて意義あるものと考えているところでございます。 そこで、実は8月末に韓国の仁川で日中韓文化・観光大臣会合が開かれまして、これにあわせまして地域観光連携行事が行われ、これに参加をいたしました。晋州市のほうから松江市に御指名がありまして、松江市のほうでも参加してほしいということがございまして、晋州市と松江市とそして西安、この3市が一組になって、いろいろなブースを設けてPR等々を行ったということであります。 その際に、松江市、晋州市の両副市長、私どもからは能海副市長に参加していただいたわけでありますけれども、この両副市長が会談を行いまして、能海副市長のほうから、私からの晋州市長宛ての親書を手渡して、意見を交わしたところであります。その際、両市の交流の継続、それから若い世代の交流の意義につきまして認識を共有したところであります。 今後、これらをもとにいたしまして、綿密に連絡をとり合って、交流事業の早期再開に向けて努力していきたいと思っております。 それから、香港、台湾など他の国からのさらなる観光客の誘致についてどのような戦略を持っているかということでございます。 観光客の誘致につきましては、重点市場として台湾、香港、フランスを位置づけいたしておりまして、順調な伸びを示しているところでございます。そして、それに加えまして、今、新たな市場の開拓も始めておりまして、今年度は、香港に隣接する深センにも営業活動を拡大したところであります。 それから、シンガポールにつきましては、東南アジアのハブとしての存在がございますので、私は一昨年、昨年と2年続けてトップセールスで訪問いたしたわけでございますけれども、この成果として、外国人向けに城下町あるいは漁村の伝統文化体験などを行っている城北地区それから美保関に旅行会社を招いて実際に交流や体験をしていただくというアイデアを、実はシンガポールの旅行会社のほうからいただいたわけでございまして、こういったものをもとにしてそうした体験事業を今やっているわけでございます。こういったものを、今後、新たな旅行商品造成につなげていきたいと思っております。 それから、出雲空港の活用につきまして数点御質問がございました。 出雲空港の運用時間延長の要望の実現性ということでございます。 出雲縁結び空港は、民家に近接をしているということでございますので、空港周辺の住民の方々の安心・安全で穏やかな生活をきちっと保護してあげなければいけないということがあります。したがいまして、運用時間の延長は、あくまでも周辺住民の理解を前提として、その実現に向けまして、引き続き県に要望してまいりたいと思っております。 それから、国際航空路線の開設の要望の実現性ということでございます。 私ども、かねてから台湾に対して国際定期便の開設を、台湾を訪れるたびにお願いをしてきたわけでありますが、今回、7月に知事がトップセールスを行って、今、県におかれまして本格的な誘致活動が展開をされているということでございます。 それから、今後、こうした国際航空路線の開設につきましては、何と申しましてもインバウンドが飛躍的に伸びていくきっかけにそれぞれ各地なっておりますので、何としても国際航空路線の開設を実現していきたいと思っておりますので、今後も島根県それから周辺自治体と連携を強化して取り組んでまいりたいと思っております。 それから、滑走路の延長という必要があるのではないかということでございますけれども、現在のところ、国内外の航空会社あるいは旅行会社等からも、滑走路延長が必要であるという意見はございません。したがって、現在のところ、島根県には滑走路延長の予定はないと。また、利用促進協議会におきましても、そうした議論はありません。 それから、出雲空港を活用した松江市の利用戦略でございます。 先ほど申し上げましたように、まず国際航空路線の就航というのはインバウンドにとりまして飛躍的な効果をもたらすということで、今後、関係者と一緒になりまして誘致に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 また、国内線でございますけれども、フジドリームエアラインズによりまして出雲空港と他の地方空港とが結ばれて、こうした地方空港をつなぐ地域間連携が実現しつつございます。具体的には、大口町の名古屋空港、それから小泉八雲との縁が深い静岡空港、それから不昧公の奥方の御出身でもございます仙台国際空港、さらにこの10月には神戸空港にも路線が開設をされることになっているところであります。こうした地方都市と空路で結ばれることによりまして、これまでそういった交流がなかった地域との新しいつながりができてくる、あるいは拡大をしてくるということで、これはまた地方創生につながっていくものと考えております。 3点目は、ガス局の民営化問題でございます。 LPガス協会要望には市長が面接をして、鳥取ガスについては面会に応じなかった、何か理由があるのかということでございます。 ことしの2月に、島根県LPガス協会から、地域貢献あるいは地域経済の活性化に資するとして、本市ガス事業の民営化につきまして要望があったところであります。その際、仮に民営化をするとすれば地元企業として協力したいとのお話があったところであります。 それから、鳥取ガスが面会を求められた時期は、まさに本市のガス事業の検討、検証を行っている状況にございました。その最中に利害関係者とお会いをすることは公平公正な判断に影響を及ぼしかねないと考えまして、委員会の事務局担当でありますガス局で対応するように指示をしたところであります。 2点目で、譲渡に当たり公平性が担保できるのかということでございます。 一般的に、ガス事業の民営化が決定をした後の譲渡の進め方につきましては、先行事例を見ますと、事業譲渡選定委員会を立ち上げて、その中で詳細を定めることになっております。その際、譲渡先の選定には、議員御指摘のプロポーザル方式を採用している自治体が多いと伺っております。 したがいまして、地元企業にのみ参加の特典を与えるということではなくて、広く公募を募って、あくまでも事業譲渡選定委員会で決定した条件に基づく、松江市それから松江市民に最大限メリットのある提案内容によりまして、公平公正に選定されるものと考えております。 それから、譲渡に当たって高い評価を得たいと思っているのかということでございますけれども、議員御指摘のとおり、本市のガス事業につきましては、長年にわたって築いてきました技術力、ノウハウがございますので、これらを十分に加味した上で、高い評価をいただきたいと希望いたしております。さらに、安全・安心で安定した供給はもとよりでございますけれども、ガス料金の低廉化や長期的な事業継続といった視点を踏まえて、適正な価格で譲渡することも重要であると考えております。 それから、民営化に当たって、地元優先ということで利益誘導に加担することにつながらないかと。 議員が質問されている利益誘導に加担するということは、あり得ないところであります。それからまた、応募、提案する側の内容につきまして市のほうがお答えをすることもできないものと認識をいたしております。 いずれにしても、本市のガス事業が将来にわたって安定的にガスを継続できる経営基盤、経営能力、技術的能力を十分に有している事業者に譲渡しようと考えております。 それから、この判断に当たっては慎重に進めていく必要があるという御意見でございます。 先ほどの野津議員にもお答えいたしましたように、松江市ガス事業の改廃にかかわることでございますので、松江市全体の問題として、将来のまちづくりの視点を踏まえて最終判断をしてまいりたいと思っております。 議員御指摘の民営化に際しての売却方法、譲渡時期、安定的低廉なガス料金の維持などにつきましては、今後、民営化の方針が決まれば、事業譲渡に関する詳細な項目を決めていく委員会を立ち上げまして、その中で、本市にとって最良の条件を決めていきたいと思っております。 4点目は、消費税増税への備えということで、まずキャッシュレスについてどう考えているのか、あるいはメリット、デメリットということでございます。 今、世界各国でキャッシュレス化が進んでおります。また、国内では、人口減少に伴いまして、生産性の向上が喫緊の課題となっておりますので、キャッシュレス決済の推進はやはり必要であると考えております。 キャッシュレスによるメリット、デメリットでございますけれども、事業者にとりましては、訪日外国人を初めとする新たな消費者の獲得、それから現金管理コストの削減などの業務効率化というメリットがある反面で、決済事業者への手数料の支払い、それから手元資金の減少といったデメリットがあると考えております。また、利用者にとっては、現金を持ち歩く必要がない、あるいは購入履歴の管理がしやすいというメリットがある一方で、個人情報の流出などのセキュリティー面の不安、それから災害時に弱いというデメリットがあると考えております。 それから、消費者保護という観点から、このキャッシュレス化についてどのような対策を講じるのかということでございます。 今後、消費者教育といたしまして、消費者問題出前講座におきまして、キャッシュレス化についてのメリット、デメリット、あるいは使い過ぎにならないようなカードの利用方法、こういったものを説明してまいりたいと思っております。 議員御指摘のように、キャッシュレス化で、カードあるいは電子マネー等の電子決済を悪用した消費者被害も増加すると思われますので、今後、警察等とも連携しながら、速やかに対応してまいりたいと思っております。 それから、今後キャッシュレス化について、どのような進捗状況なのかということでございます。 キャッシュレス消費者還元事業、ポイント還元事業でございますけれども、ことしの5月の中旬から加盟店の登録申請の受け付けが開始をされております。全国の申請状況は、9月5日現在で58万件でございまして、小売、飲食、その他サービス業200万件のうちの約3割にとどまっております。松江市の申請件数は公表されておりませんが、島根県の申請件数が全国とほぼ同様の割合でありますことから、松江市も少なくとも3割は申請済みと推測をいたしております。 なお、報道によりますと、現在急速に申請件数は増加している状況だと聞いているところであります。 それから、これまでのキャッシュレス化の対応でございますけれども、ことしの3月に、松江商工会議所が主体となりまして、産業界、商店街、金融機関、松江市などを構成員とするキャッシュレス推進協議会を設立いたしまして、キャッシュレス化の環境整備に取り組んできたところであります。これまで、全ての該当事業所を対象に訪問指導を行うとともに、説明会、セミナーの開催、パンフレット送付等によります周知を行ってきておりまして、今後も訪問指導を継続する予定といたしております。松江市におきましても、市報への掲載、窓口へのチラシの設置、ホームページや告知放送などによりまして周知を行っているところでございます。 4点目は、プレミアム付商品券の普及状況、参加商店の状況でございます。 商品券の使用可能店舗でございますけれども、9月4日時点で838店舗から参加登録をいただいているところでございます。平成27年度に実施をしましたまつえプレミアム商品券事業での商品券利用店舗も、同時期では今回とほぼ同じ件数でしたけれども、最終登録は1,043店舗となっているところであります。 それから、引きかえに行った先の店舗で品切れの場合、こういったことがないのかということでありますけれども、商品券は、対象者となる全ての方が入手できるように準備をいたしております。購入引きかえに当たっても、店舗との情報共有を密にしまして、在庫管理を徹底することで、品切れになることがないように努めてまいります。 それから、参加店の拡充や利用促進に力を注ぐ必要があるのではないかということでありますけれども、商品券の購入引きかえ、それから店舗での使用につきましては、利便性を考慮して、代理の方でも可能だというふうにいたしております。また、使用期間も、国の定める制度の範囲内で最長期間の半年に設定をしておりまして、今回は医療機関も新たに加えたところであります。 それから、子どものスポーツ障害と予防につきましては、これは教育委員会のほうからお答えをさせていただきます。 それから、体育館の老朽化対策と国体に向けての対応でございます。 まず、市内の各体育館につきましては、松江市の公共施設適正化計画に基づきまして、地域をブロックに分けて、必要な施設を絞り込んで統廃合を行う方針にしているわけでございます。今後、国体開催に向けまして、令和3年度中に、県からスケジュール、それから会場施設の選定それから整備、財政支援、選手強化の方針などが示される予定でございますので、これらも踏まえまして計画的に再整備を行ってまいりたいと思っております。 7点目、AIの活用という話でございます。 まず、松江市におきましては、現段階でAIを本格導入しているものはございませんけれども、昨年度は、AIを活用した観光マーケティングの実証実験も行ったり、それから待機児童の1次判定、こういったものにつきましても試験的に行ったりということも行っているところでございます。今後、全庁的な体制としてプロジェクトチームをつくって情報交換をしながら、活用できるものがないか検討を行ってまいりたいと思っております。 それから、ITの先進自治体である松江市でのAIの取り組みと考えということでございますけれども、AIの導入によりまして事務の効率化あるいは市民サービスの向上を図る上で、AIは今後有効な方法となると考えております。これによって時間が浮けば、おっしゃるように現場主義なりそうしたものが徹底をされるということでございまして、私どもも今、いろいろな施策を立てていく上において、共創の精神を推進しておりまして、こうした時間が浮くことによりまして、現場主義あるいは共創の事業がさらに徹底をしていくことにつながるものと思っているわけでございます。 そういう観点から、AIの導入でこうした共創の取り組みを充実させることにつきまして、本年度策定する次期行財政改革大綱の取り組み項目に取り入れて検討していきたいと思っております。 ○議長(森脇幸好) 清水教育長。 ◎教育長(清水伸夫) それでは、私のほうから、子どものスポーツ障害と予防についてのお尋ねがございました。子どもの成長ということでございますので、教育委員会から一括してお答えをさせていただきます。 本市では、確かな学力と豊かな人間性、健やかな体を持つ児童生徒の育成を目指した教育を推進してまいったところでございます。そこでは、学問とスポーツを偏ることなくバランスよく行うべきであるとまず考えております。 議員御指摘のとおり、成長期の過度な運動により、スポーツ障害等の発生率が高くなることが指摘をされております。そこで、市では、子どもの発達段階や健康に配慮した練習日、休養日、あるいは活動時間などをまとめた「小学生のスポーツ活動の手引き」、そして中学校では「松江市中学校部活動ガイドライン」、これを策定して活用してまいっております。また、高等学校では、「県の部活動の在り方に関する方針」をスポーツ活動の指針としているところでございます。 その中には、指導に当たって重視する事項として、長期的な視野に立った過程を大切にした指導や、あるいは発達段階、健康状態に配慮した指導、そして保護者、競技団体との連携などについて明記がしてあります。学校、保護者、関係するスポーツ団体に周知して、全市で取り組んでいるところでございます。 特に、指導者の考え方がスポーツ活動に大きく影響するということがございます。過度な指導に陥らないよう、引き続き、学校、地域のスポーツクラブ、競技団体等と連携して、指導者の資質向上を図り、成長期にある子どもたちの健全なスポーツ活動を支えてまいりたいと考えております。以上でございます。 ○議長(森脇幸好) 川島議員。 ◆19番(川島光雅) 先ほどの、再質問でございますが、市長が応援演説で言われたときのことなんですが、かねてから、松江市は品格あるまちづくりをやっていきたいということをおっしゃっております。そういうことを考えれば、裁判とかこういう係争中ということになれば、長くなる可能性があります。大変グレーな状態で長引かせるということは、市民に対しても私は説明責任があるんじゃないかなと思いますけれど、その辺についてお伺いしたいと思います。 もう一点、ガス局についてですが、いわゆる電気だとかガスの自由化ということで、自由競争はいいんですけれど、それによって、小さな商店、小さな小売、大型店ばかりが闊歩して、小さいところが消滅する可能性があります。このガス供給株式会社についても、小さな事業者がたくさんいらっしゃるわけですが、大きいものに取り込まれてしまう懸念もあります。そういうことも1つ頭へ入れておかなきゃ、自由ばかりがいいってわけじゃないんですね。そういうことで弱者が淘汰されるということもあります。 それから、先ほど市長は、利害関係があるような時期に業者と会うことはできなかったということなんですけれど、プロパン・ブタンニュースというプロパンガス関係の業界新聞があるんです。この業界新聞の中で、5月22日に渡部局長は島根県LPガス協会の松江支部の会合に出ていらっしゃるんですね。それから、一議員もこの席に出て、こういうことを言っているんですよ。奥田支部長はガス事業経営検討委員にもなっていただく、24日に1回目の会議がある、地元事業体への譲渡は地域経済の活性化につながる、積極的に意見を出して話を進めてほしいと。この一議員の方は、もちろんガス供給株式会社の出資者でもあります。そういう議員の方がそういう発言をされている、これを利害関係と言わずして何と言うんでしょうか。 ○議長(森脇幸好) 松浦市長。 ◎市長(松浦正敬) 私の発言につきましては、先ほど申し上げましたように、私自身、全く事実無根のことをしゃべったわけではないということは申し上げておきたいと思います。ただし、今こういう告訴が行われているわけでございますので、この事実の問題につきましては、内容の問題につきましては、捜査当局に対しまして取り調べ等々があれば全てお話をさせていただきたいと思っております。 ○議長(森脇幸好) 渡部ガス局長。 ◎ガス局長(渡部厚志) 5月22日の件でございますが、当然、ガス局でございますが、まず申し上げておきますのは、県のLP協会松江支部の会員として総会に出席をさせていただいたと、いう立場で出させていただいておりますので、まず誤解のないようにお願いしたいと思っております。 それから、意見交換でございますが、いろいろな話は出たというふうに、私も中におって、あったわけでございますけれども、一方的にそういう、記者のほうからあったということでございますけれども、我々としては当たり前に平等な形で意見交換をさせていただいたと、そういう会員の立場でさせていただいたと認識しております。以上です。 ○議長(森脇幸好) 川島議員。 ◆19番(川島光雅) 癒着だとか談合はないということをおっしゃっていました。ぜひそういうことがないように、公明正大にこの議論は進めていただきたいと思います。 ○議長(森脇幸好) 11番長谷川修二議員。 〔11番長谷川修二議員登壇〕 ◆11番(長谷川修二) 公明クラブの長谷川修二でございます。会派を代表いたしまして質問させていただきます。よろしくお願いいたします。 1点目でございますが、総合戦略についてお伺いをいたします。 全国の消滅可能性都市を掲載しショッキングな内容であった増田レポートが発表され、国内の地方自治体がこぞって大騒ぎをし、将来の我がまちの存続を願い、人口減少対策として国の方針や予算に従い策定したものが、第1次総合戦略であります。本年で、第1次総合戦略を策定してから5年が経過しようとしておりますが、今年度中に第2次総合戦略を策定し、次代における人口減少対策を執行していかなければなりません。 そこでまず、第1次総合戦略の評価はいかがであったかをお伺いいたします。 先般、ある会議で、ビリギャルの作者で有名な、塾の経営者である坪田さんのお話をお伺いいたしました。 坪田氏は、現在の日本では戦略という意味を取り違えている例が大変多いと。つまり、戦術と戦略とを取り違えて使っていると。戦略とは、読んで字のごとく、戦いを省略するという意味であり、少ない労力で多くの効果をもたらすための作戦であったり、戦国の世になぞらえるならば、目標に対して効果的な作戦で無駄死にを省くこととも言えると。例えるならば、圧倒的少数の手勢であった織田信長勢と圧倒的多数の手勢であった今川義元勢が戦った桶狭間の戦いがそのような例であると言えますと。 このことから申し上げますと、総合戦略とは、人口減少をいかにして食いとめるか、人口増加へ転じさせるかという点に目標を定め、できるだけ少ない労力で最大の効果をもたらすことが肝要と言えるのではないでしょうか。第1次総合戦略では、全国他都市でも言えることでありますが、初めてのことから手探り状態であったため、人口減少対策に関連する、より多くの政策を動員し、総合的な効果を狙った形となったと思えます。 そこで、第2次総合戦略を策定するに当たっての基本的な考えはいかがかお伺いをいたします。 先日、兵庫県明石市へ行ってまいりました。明石市は、この人口減少社会の中にあって人口増加をなし遂げている中核市であり、教育と子育て政策に注力をしております。教育と子育て政策を充実させることで、兵庫県内はもとより全国他都市から移住してくる方が急増しております。その世帯に子どもが複数人生まれ、育てていけるような政策を充実させれば、まちの発展はおのずとついてくる、常に教育と子育てを中心に考えれば人口減少社会を乗り切っていけるとの戦略を立てておりました。 我が松江市も、教育や子育て政策では負けておりません。全国評価はトップランクにあると思います。今後策定される人口の減少を食いとめるための第2次総合戦略では、全国他都市がまねできないくらいの思い切った教育や子育て政策が必要かと思います。それも、労力と資源を集中させることが、つまり選択と集中が必要であると思われます。 そこでお伺いいたしますが、第2次総合戦略の中で選択と集中をするとすれば何をもってなすべきとお考えになられていますかお伺いをいたします。 次に、教室のICT化についてお伺いをいたします。 新学習指導要領の実施とともにクローズアップされてきております教室のICT化でありますが、学校教育の基本となります教科用図書につきましては、既に各教科書会社で、QRコードやバーコードを読み取っての動画再生機能や、英語のネーティブスピーキングなどを聞くことができるなど、イノベーションが進展してきております。 本年3月の質問でもお伺いいたしましたが、国は、2018年度より2022年度まで、単年度1,805億円の財政措置を講じており、地方交付税として松江市にも配分されております。中村文部科学大臣政務官は、教室のICT化についても、来年度予算における概算要求で積極的に取り組んでいただけるよう財務省へ要求しているところであると発言しておられます。 今やらないと、乗りおくれてしまうどころか、松江市はプログラミング言語発祥のまちであり、IT産業、技術の育成を看板にしているまちであります。お膝元のまちの教室では全国の他都市がうらやむぐらいICT化が図られていることは、決して間違いではないのではないかと思われます。 そこでまず、総合教育会議を主催する立場の市長のお考えはいかがかお伺いをいたします。 6月25日、文部科学省から発表されました「新時代の学びを支える先端技術活用推進方策」──最終取りまとめでございますが──という報告書によると、もはや学校のICT環境は、その導入が学習に効果的であるかどうかを議論する段階ではなく、鉛筆やノート等の文房具と同様に教育現場において不可欠なものになっていることを強く認識する必要があると。教育現場でICT環境を基盤とした先端技術・教育ビッグデータを活用することの意義については、学校でICT環境を基盤とした先端技術や教育ビッグデータを活用することは、これまで得られなかった学びの効果が生まれるなど、学びを変革していく大きな可能性があるとあります。 来年度から本格導入される新学習指導要領の実施に当たり、求められる教育環境はいかがなものかお伺いをいたします。 新しい学びを支える基盤となるICT環境の整備については、先端技術や教育データの活用には大前提としてICTの基盤が整っている必要があり、現在の学校現場におけるICTの活用は必須のものとなりつつあるとした上で、OECDの国際教員指導環境調査2018で、日本の中学校の教員のICT活用の割合が17.9%と、参加国48カ国・地域の中で2番目に少ない、参加国の平均は51.3%であるということですが、2番目に少ないことが明らかになるなど、日本のICT活用状況は世界から大きく後塵を拝しており、危機的な状況だと指摘しております。 松江市の教室におけるICT化の現状はいかがかお伺いをいたします。 とにかく今、教育にかかわる全ての人が認識しなければならないのは、日本のICT活用教育は危機的状況にあるということであり、つべこべ言わず実行するレベルだということです。何が何でもICT環境は整備しなければならないと思われます。 AIなどの技術革新が進むSociety5.0という新たな時代に対応するためには、不断の取り組みとして、学校教育も変化していかなければならないと思われます。そのためには、ICTを基盤とした先端技術やそこから得られる教育ビッグデータを効果的に活用することで、子どもの力を最大限に引き出し、公正に個別最適化された学びを実現させていくことが求められると言えます。 松江市におけるタブレット端末、電子黒板、Wi-Fi環境の導入に対する方針はいかがかお伺いをいたします。 3点目でございます。コミュニティ・スクールについてお伺いをいたします。 昨年12月の代表質問でもお聞きしましたが、地方教育行政法第47条の6にありますとおり、平成29年4月に改正された折に努力義務になっておりましたコミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)ですが、改正法の附則にもあるとおり、政府は令和4年4月には5年間の成果や評価をもとに所要の措置を講じると思われます。 先般行われました日本PTA全国研究大会で、中村文部科学大臣政務官は、学校教育や家庭教育の充実、そして社会教育的な観点から、また、まちの中心に学校を据えてまちづくりをしていくことの重要性も鑑み、地域と学校、保護者が緊密な連携をとっていくことが重要である、また生徒指導面では、地域の方々の協力をいただいて改善された実績も多々あることから、今後はコミュニティ・スクール、いわゆる学校運営協議会制度を中心とした形になるとの発言がありました。 そこで、コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)とはそもそも何なのか、まずお伺いをいたします。 地域が学校に参画し、我が地域の子どもたちの教育に責任を持ってかかわることで、地域全体が活性化する。地域の子どもたちであり、地域の学校であることが、コミュニティ・スクール、いわゆる学校運営協議会制度の最大の目的であると思います。また、まちづくりや地域活性化の中核になり得るシステムであり、松江市の教育行政やまちづくりに大きな影響を与える学校のあり方や教育制度であるのが、コミュニティ・スクールであると思います。 一方、現場において丁寧な対応が求められることとして、これまで松江市で長い間培ってきた小中一貫教育制度並びに小中一貫教育地域推進協議会や地域推進コーディネーターと、コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)の融合一体化をいかに図っていくかということがございます。 昨年の12月の代表質問でも御提案を申し上げましたが、松江らしいコミュニティ・スクールのあり方として、各中学校区並びに小学校、中学校単位でのコミュニティ・スクールの設立をし、その中で小中一貫教育を推進していくことも一つの方策ではないかと思います。 松江市としてのコミュニティ・スクール、いわゆる学校運営協議会制度に対して、今後どのように対応していく予定であるかお伺いをいたします。 続いて、少人数学級制度の見直しについてお伺いをいたします。 報道によれば、先般、県が主導してきた小中学校の少人数学級制度の見直しを検討していることが明らかになりました。 少子高齢化が進み、ふるさとを担う子どもがこれまで以上に宝の存在になってきている時代です。さらに、さまざまな社会的な環境の変化があり、より一層丁寧な対応が求められる教室での教育であります。児童生徒も、ようやく定着した少人数学級制度になれてきたところでもあります。学校の学級編制にも少なからず影響が及び、子どもたちの学校生活にもかなりの影響が予想されます。なぜ今この時代に少人数学級制度の見直しなのでしょうかと、保護者の一人として大変に困惑しております。 県が少人数学級制度の見直しを検討するとあるが、松江市としての見解はいかがかお伺いをいたします。 次に、防災井戸についてお伺いをいたします。 本年も、北九州地方で豪雨災害が発災いたしました。昨日からきょうの朝に至っては、関東地方を台風15号が襲い、大変な被害が発生しております。犠牲になられた方々には心から御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された方々には心からお見舞いを申し上げます。 今なお避難所等で不自由な生活を強いられていることに、一日も早くもとどおりの生活を取り戻していただけるよう祈るばかりでございます。議会が閉会しましたら、できる限りの支援をしてまいる所存であります。 今回の佐賀県でもそうであると思いますが、被災地で一番困ったことの一つで、熊本地震の災害ボランティアに行った際も昨年の真備町に災害ボランティアに行った際にも大変困ったことは、水道が途絶していたことでございました。飲み水は、松江市を初めとする全国の各地方都市から派遣される水道局や自衛隊の飲料水用タンクローリー車で配給されることで何とかしのげますが、シャワー用やトイレに流す水は使えません。特に、トイレが満足に使えないことは、肉体的にも精神的にも大変な苦痛でありました。防災用の簡易トイレはありましたが、衛生的ではなく、建物内のトイレは流す水がなくて使えない状態でした。 私どもは、数日のことでありましたので我慢はできましたが、被災者の皆さんはそうはいきません。毎日の生活の中でトイレを我慢することが人体にどれほど悪影響があるかということは、私が申し上げるまでもなく、想像にかたくないことと思われます。熱中症はもとより、心筋梗塞、脳血管障害など、さまざまな疾病を引き起こす原因となります。 飲むことにも匹敵する、トイレで流す水です。命の水でございます。 そこで提案ですが、防災井戸用に民地内井戸と協力提携することや、民間防災井戸新規整備への補助金制度を創設すること、松江市の公共施設内に防災井戸を整備してはいかがかと思われますが、松江市のお考えをお伺いいたします。 最後、6点目でございます。松江市並びに市内の企業の知的財産権の保護についてお伺いいたします。 昨今、さまざまなところで問題になってきていることに、知的財産権の保護があります。知的財産権制度とは、知的創造活動によって生み出されたものを、創作した人の財産として保護するための制度でございます。 知的財産及び知的財産権は、知的財産基本法において定められ、知的財産とは、発明、考案、植物の新品種、意匠、それから著作物、その他人間の創造的活動により生み出されるもの、発見または解明がなされた自然の法則または現象であって、産業上の利用可能性があるものを含むとあり、また商標や商号、その他事業活動に用いられる商品または役務を表示するもの及び営業秘密その他の事業活動に有用な技術上または営業上の情報をいい、また知的財産権とは、特許権、実用新案権、育成者権、意匠権、著作権、商標権、その地の知的財産に関して、法令により定められた権利または法律上保護される利益にかかわる権利をいいます。 知的財産の特徴の一つとして、物とは異なり、財産的価値を有する情報であること、情報は容易に模倣される特質があり、利用されることにより消費されることがないため、多くの方が同時に利用することができます。こうしたことから、知的財産権制度は、創作者の権利を保護するため、元来自由利用できる情報を、社会が必要とする限度で自由を制限する制度ということができます。 近年、知的財産権の保護に対する解釈の違いから、国家間でも摩擦も起きております。実際に、アメリカと中国の間においては、貿易における大きな障害に発展しております。 時代が進むにつれて、発明に対する特許権ばかりではなく、文字や形、色、姿などにも権利が発生してくるようになりました。国内においては、つくった方が知らないうちに他人が権利を登録して、使えなくすることや、使用料を取るなど、理不尽な事案も多数発生しております。 特許庁にお聞きしましたところ、現在、国内においては、商標権については、特許庁において、ルールを守って申請をしていただくことや使用したりすることを指導しているとのことでありますが、国際的にはそれぞれの国別に事情が異なっていることから、その国別のルールにのっとることが基本であるとのこと。例えば、松江市や市内の企業が海外へ行き、松江という文字や、松江城、宍道湖、宍道湖七珍、不昧公、千鳥城といった文字を使って商売をしようとしたとき、行った先の企業が行った先の国内においていち早く登録していた場合、使用権料を払うか使用ができなくなるといったことは現実に起こっている事案であります。 大変に残念なことでもあります。悔しいことで、何とも言えない気にさせられます。地元の企業活動にも多大な影響があると思います。近年では、愛媛県今治市の今治、そして今治タオルが大変な影響を受けた事例でございます。 そこで、現在、知的財産権の保護に対する国内外の現状と、松江市並びに市内企業の取り組み状況はいかがかお伺いをいたします。 今後、松江市においても、行政並びに市内企業への知的財産権の保護に対しては積極的に対応することが求められると思いますが、国内では既に、申請に対しましての補助金を設けているところや、使われなくなった特許権を複数の都市間で連携し企業向けにマッチングさせるイベントを開催したり、弁理士と提携した相談を受け付けたり、都道府県単位や地方都市自体が商標を開発して登録したりしております。 松江市並びに市内企業の知的財産権の保護に対しての今後の取り組み方針はいかがか御所見をお伺いいたします。 以上で公明クラブを代表しての質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○議長(森脇幸好) 松浦市長。 〔松浦正敬市長登壇〕 ◎市長(松浦正敬) 長谷川議員の代表質問にお答えを申し上げたいと思います。 まず、大きな1点目は、総合戦略について、その評価、あるいは第2次総合戦略の基本的な考え方等々の御質問でございます。 現在、第2次総合戦略の策定に向けまして、第1次総合戦略の評価、検証を行っているところであります。この中で、戦略の2つの目標、人口につきましてですが、出生数が1年間で2,000人、それから人口の社会増が270人という目標を立てたわけでございますけれども、平成30年度の実績は、出生数が1,597人、社会増は29人プラスになっております。 このうち、出生数が伸び悩んでいる要因等でございますけれども、やはり出産の適齢期にある女性の人口が減少していること、それから女性の社会進出の進展等によりまして、婚姻意識の変化に伴う未婚化あるいは晩婚化等によるものではないかと考えております。 それから、社会増につきましては、求人倍率の上昇傾向が続くなど雇用環境の安定、それから外国人の増加などが要因となりまして、目標数値には及んでおりませんけれども、平成28年度から3年間、社会増で推移をしてきているところであります。 一方、20歳から24歳の年代では、毎年1,000人余りが県外へ転出していると。社会増減の中でも、若年層の県外転出に歯どめがかからない状況になっているところであります。 したがいまして、第2次総合戦略の基本的な考え方といたしまして、2つの重点視点、1つは若者の人口流出を食いとめるための取り組みと、それからもう1つが、若い世代の結婚、出産、子育ての希望をかなえる取り組みの検討、この2つの視点を上げまして、これを実際の施策につなげていきたいと思っております。 それからまた、5つの新たな視点といたしまして、関係人口の創出・拡大、それから誰もが活躍できる社会の実現、文化・スポーツによるまちづくり、未来技術の活用などによる地域課題の解決、国土強靱化の取り組みを検討していきたいと思っております。 2点目は、教室のICT化でございます。教室のICT化について、総合教育会議を主催する立場の市長の考えはいかがかと。 年に何回か総合教育会議を開いて、こうしたICT化につきましても、現場の声等々もお伺いをしております。この中で、実は以前、総合教育会議で現場の先生方のICT化についてのお声を聞いたときには、3点セット、プロジェクター、それからカメラ、それからスクリーンと、この3つを早急に整備をしてもらいたいということがございまして、私ども、じゃあそれをぜひやっていこうということで考えていたわけでございますが、先般、教育委員会のほうからいろいろお話をお聞きしますと、状況がその後急変をいたしたところであります。 急変というのはおかしいんですけれども、実は先ほどお話がございましたように、2020年度からいわゆる教育の、教科書等々が大きく変わってくるわけでございます。その教科書をちょっと私も見せていただきましたけれども、基本的には、いわゆる電子黒板のような形で、いわば例えば外部からのUSBをそこに入れることによって黒板に全部映し出すとか、あるいは黒板で手書きができるとか、そういうことが1つ中心になっているということと、何よりも、私もこれは考えなきゃいけないと思ったのは、先ほどお話がありました、各教科書にQRコードがついているわけでございます。そのQRコードを読み取ると、それが例えばタブレットとか何かに、より教科書よりも詳しく中身の解説が出てくるということになっておりまして、つまりタブレットとか電子黒板、それからもう1つはいわゆる無線LANでございますね、こういったWi-Fiが大きく前提になっている、今後の指導要領になっているということがわかりまして、これは早急にこれまでの考え方を改めて、先ほどの新たな3点セットというのかわかりませんけれども、電子黒板と、それからWi-Fiと、それからタブレットと、これをやはり早急に整備をしていかないと、松江の子どもたちが本当に教育の中でおくれをとってしまうということを本当に私は懸念をいたしたところであります。 それからもう1つは、学校の先生方の働き方にも大きく影響してくると思いますので、私は、これは財源の問題もいろいろありますけれども、早急にこのICT化3点セットについて整備をしていきたいと思っているところでございます。 あとの教室のICT化につきましては、教育委員会のほうからお答えをさせていただきたいと思います。 5点目の、防災用井戸についてでございます。 松江市の地域防災計画では、災害時の生活用水の確保として、河川水、プールの水、井戸水を活用することにしておりますけれども、災害時に活用する防災井戸としての基準は特に定めていないところでございます。 現在の市内の井戸水の利用状況でございますけれども、上下水道局のデータによりますと、約1,800件の御家庭、事業所が井戸を利用していると。しかし、松江市全体の井戸の位置であるとか数の把握は、現在のところ行っていないところであります。 まずそこで、議員は、民地内の井戸との協力提携という御提言がございました。今、他の自治体では防災井戸登録制度というものをつくってやっているわけでございますので、こういったものを参考にしながら、民間の井戸との連携の仕組みを検討していきたいと思っております。 それから、そういった井戸を新たにつくるための補助金をやるべきではないかということでございますけれども、まずは今ある井戸につきまして、そこに手動ポンプを設置したり、あるいは修繕に対する補助金、こういったものから始めていきたいと思っております。 それから、公共施設内への防災井戸の整備につきましても、まずは近隣の既存の井戸の利活用を検討して、井戸の新設につきましては、国の補助制度等々があるかどうか、そうしたことの調査研究から始めたいと思っております。 6点目は、松江市並びに市内企業の知的財産権の保護ということでございます。 国内外の知的財産権の保護の現状、それから松江市の取り組みと、それから今後の取り組み方針といったことのお尋ねでございますけれども、知的財産権の保護につきましては、国におきまして平成14年に知的財産基本法が制定をされて、翌年には知的財産の戦略本部が設置をされ、今、知的財産につきまして集中的、計画的な推進が取り組まれているということでございます。具体的には、外務省と日本貿易振興機構(ジェトロ)が連携をしまして、海外におきます日本企業への支援、あるいは権利侵害への対応等々、迅速な対応が行われているという状況がございます。 それから、松江市の取り組み状況でございますけれども、松江市が特許庁に登録をしております知的財産としましては、レイクライン、それからぐるっと松江堀川めぐり、ドリームピオニ、ウンパくん、それから縁の水、それからPRiMO、これは市立病院の運動療法の健康指導のことをいっておりますけれども、こういったものがございます。市が権利者であるということで、市内の業者に幅広く活用してもらえるほか、その乱用を防ぐ効果があるわけでございます。 したがって、地方公共団体が知的財産権を保護活用することにつきましては、政策広報機能、あるいは名産の普及機能、それから地名の保護機能を保有することになり、重要と考えますので、引き続き取り組んでまいりたいと思っております。 それから、市内企業への取り組み状況、それから今後の取り組み方針でございます。 企業の皆様方は、テクノアークしまねの中に島根県知財総合支援窓口を設けて、ここで弁理士などの専門家による相談が行われているところでございます。平成30年度の相談実績としましては、県内1,327件で、うち松江市の企業が445件となっております。企業訪問時、我々が企業訪問をした際に知的財産権について相談等をいただきましたら、これをその島根県の知財総合支援窓口におつなぎをすることで対応いたしているところでございます。 それから、今後、市内企業への具体的な保護支援ということでございますけれども、いろいろな海外向けの商品開発・販売促進事業補助金等々の中で、国内だけではなく海外への特許権の申請費用、こういったものも補助対象といたしているところでございます。 それからあと、国のほうで経産省あるいはジェトロなどの関係機関におきましても、セミナーの開催を行ったり、それから特許等の申請に係る経費支援、それから知的財産活用のマッチングなどに取り組まれておりますので、そうした関係機関と情報共有あるいは事業連携に努めまして、企業の皆様方のそうした知的財産が保護活用されますように今後も努めてまいりたいと思っております。 ○議長(森脇幸好) 清水教育長。 ◎教育長(清水伸夫) それでは、教育に関する残余の御質問に対してお答えをしたいと思います。 まず、新学習指導要領の実施に当たって求められる教育環境はどんなものかということでお尋ねがございました。 やはり基本的には、ICT環境の整備が最も重要な事項の一つであると考えております。現在、文部科学省から、今後のICT環境整備のステップとして4つの段階が示されている状況でございます。第4ステージといいますか、最終的には、各教室に電子黒板等の大型提示装置が設置をされ、1人1台の可動式パソコン、タブレットを持たせることが望ましいとされておりますが、2020年度の新学習指導要領に向けて、まずは、第3ステージに当たる電子黒板等の大型提示装置、あるいは3クラスに1クラス分の1人1台の可動式パソコン、タブレットです、それから無線LANの環境整備、これが必要であるとされているところでございます。 それから、ICT化の現状でございますが、先ほど市長がお答えをしたとおりでございます。プロジェクター、書画カメラ、簡易スクリーン、2学年分のこの3点セットが配備を終了しております。 それから、タブレット、電子黒板、Wi-Fi環境の導入に対する方針、これも市長がお答えを申し上げたとおりでございますが、先ほども言いましたように、第3ステージに向けて、全教室のネット環境整備と教師用タブレット並びに普通教室への電子黒板の配備等が必要と考えております。順次、整備を進めていければと思います。 それから、コミュニティ・スクールとはそもそも何なのかというお尋ねがございました。 これは学校運営協議会制度といいますけれども、平成16年に初めて法律上に規定をされました。学校運営に関して協議する機関、この学校運営の中身ですけれども、校長が作成する学校運営の基本方針を承認したり、あるいは学校運営について教育委員会または校長に意見を述べる、そういった内容でございます。学校運営に関して協議する機関として、各学校において、地域の住民、保護者等により構成をされます学校運営協議会、この設置を可能とした制度でございます。 議員御指摘のとおり、国では平成29年に法改正が行われております。この協議会の役割として、従来の学校運営に関する協議に加え、学校運営への必要な支援についても協議を行うものとされたところでございます。また、その際の主な改正点の一つとして、学校運営協議会の設置が教育委員会の努力義務となったことも上げられます。 具体的に、この制度は、学校と保護者、地域の住民がともに知恵を出し合い、学校運営に意見を反映させることで、子どもたちの豊かな成長を支え、地域とともにある学校づくり、これを進めていくための法律に基づいた仕組みであります。学校と地域住民等が力を合わせて学校の運営に取り組んでいくということでございます。 それから、このコミュニティ・スクールに対して今後どういうふうに対応していくかというお尋ねでございました。 近年のこうした国の法改正を受けまして、本市においても、今年度から学校運営協議会制度の導入に向けて、小中校長会への説明等を通して、少し具体的な検討を進めてまいったところでございます。本市において、この学校運営協議会制度を導入することは、従来から各学校や地域で取り組まれてきた地域とともにある学校づくりをより効果的に進めることができ、さらには、新学習指導要領で求められている社会に開かれた教育課程、これの実現に向け、連携協働の取り組みを進めることができると、可能になると考えているところでございます。 よって今後、各学校における学校運営の改善並びに児童生徒の健全育成をさらに進めることを目指し、本市小中学校、義務教育学校において学校運営協議会制度の導入の検討をしてまいりたいと思っております。具体的には、令和2年度より、指定モデル学校・学園において本制度の導入を段階的に進め、令和4年度を目途に、全ての小中、義務教育学校において導入をしていきたいと考えております。 なお、制度の導入によりまして、従来の地域推進協議会等の組織については、役割等の見直しを行って、統合等を含めて再編をしてまいりたいと考えております。 それから、最後の質問になりますが、県は少人数学級の見直しを検討するとあるが、松江市としての見解はどうかというお尋ねでございました。 現在、小中学校の1学級の児童生徒の人数は、義務教育標準法によって、小学校1年生は35人以下、それ以外は40人以下と定められております。島根県では、小学校1、2年生を30人以下、そしてそれ以外は35人以下と定め、少人数学級編制を実施しております。全国より、そういった意味では進んだ制度でございます。 報道内容は、県で定めた少人数学級編制を見直すことも含めて財政上の検討を行う必要があるという趣旨であったと思っておりますが、現段階では県教育委員会からの情報提供もなく、本市教育委員会としても情報が非常に少ない状況でございます。しかしながら、現行制度は、児童生徒一人一人に応じたきめ細かな指導を行うことができるなど、現場からのニーズは非常に高いと思っておりますし、今後もこの制度を堅持していただきたいと考えております。今後の県の動向について注視をしてまいりたいと考えております。以上でございます。 ○議長(森脇幸好) 長谷川議員。 ◆11番(長谷川修二) さまざまお答えいただきましてありがとうございました。 ICT化、またコミュニティ・スクール、少人数学級制度等、問題はたくさんございますが、松江市の教育がよりよくなり、また子どもたちも喜んでもらえるような立案、執行をお願いしたいと思います。以上で終わります。 ○議長(森脇幸好) この際、しばらく休憩いたします。 〔午後3時13分休憩〕 ────────── 〔午後3時30分再開〕 ○副議長(野津照雄) 休憩前に引き続き会議を開き、代表質問を行います。 22番畑尾幸生議員。 〔22番畑尾幸生議員登壇〕 ◆22番(畑尾幸生) 市民クラブの畑尾でございます。野津副議長の記念すべき議長登壇に発言させていただき、大変光栄に思います。 早速、質問に入らせていただきます。市民クラブを代表して、いろいろ議論をした結果でございます。 最初に、市長の政治姿勢についてお伺いします。 先ほどもございましたが、知事選挙における市長の発言の責任についてお伺いします。 市長は、20万松江市民の代表であるばかりでなく、市職員の代表でもあります。さきの知事選挙の発言は、こういった公人(公の人)として逸脱していたために、批判の対象となったわけです。みずからの発言の重さを感じなければならないと思います。 今回、市長の知事選挙時の発言は名誉毀損ではないかと告発されました。発言問題は司法の判断の場に移りましたが、これからどのように対応されるのか伺います。 2番目には、県との関係についてです。 知事選挙のことはともかく、市民はやはり県と市が協調して課題に取り組んでほしいと願っています。今後、県との協調についてどのように臨むか伺います。 3番目は、市政運営に緊張感を持って臨んでほしいということであります。 最近の例では、スポーツ施設について、補助要件に合わないため補助が認められなかった、その結果、事業及び予算を取り消した問題。ごみ袋の調達の不手際から、市内のスーパー等からごみ袋がなくなる。袋の交換を1カ所のみでやったために、そういった問題を含めて、ごみ袋問題で市民に不信感を与えました。これらの問題に対し、市長は6月議会で、担当職員の研修や部局の連携の強化などに取り組んでいきたいと答えられましたが、やはり──厳しい言い方ですが──遠因には、市政全般に長期政権の緩みがあるのではないかとの市民の声があります。 職員は定期異動等で部署もかわるため、ある県の知事が、俺が一番詳しくなったと言っておられるのを聞いたことがございます。このように、自治体の課題を一番理解しているのは、異動しない知事なり市長になりがちです。長期政権では、自然にそうなるようです。市長自身はそう思っておられないでしょうが、緊張感の欠如、市民からすると、そう映りかねません。 緊張感を持って市政運営に当たってもらいたいとの市民の声をどう受けとめられているか伺います。 2番目に、内部統制についてお伺いします。 内部統制の意義と取り組みについてでございますが、平成29年6月の地方自治法改正により、都道府県知事並びに政令市の市長には行政の内部統制について定めることが必要になりました。施行日は、来年4月1日であります。都道府県及び政令市以外の市町村長には、努力義務となりました。 本市では、これを機会に内部統制の意義について改めて見直すことについてどう考えておられるのか、また何らかの取り組みに着手されているのか伺います。 官民を問わず、最近は特に説明責任が問われる事例が多くなり、民間のコンプライアンスを役所にも求める時代であります。このたびの内部統制の主な内容は会計処理等でありますが、会計処理等のリスク管理をどう行うか、これからどうするかについて伺います。 3番目は、事務の可視化という問題です。 可視化とは、見るべきと書く可視化です。会計分野については、新たな審査等マニュアルの策定、段階的なチェックの責任者の選定など、見える化(可視化)が必要とされます。 本市では、担当者だけがわかるレベルでなく、共通のリスク管理を考えられているか伺います。 4番目は、責任体制、チェック体制です。 さきに触れた補助事業の問題では、国や県への補助事業等の申請に当たり、補助事業の要綱や採択要件など内容を理解してする必要があったと思いますが、内部の責任体制、チェック体制などでリスク管理を厳重に行えば防げたのではないか、市の管理体制に具体的に責任者を定めるなどの責任体制、チェック体制を取り入れる必要があると思いますが、ぜひ取り組んでいただきたいのでお伺いします。 3番目は、市立病院の跡地処分です。 NHKに対し市立病院跡地を売却した件については、経過は折に触れて執行部から我々議員も説明を受けています。決算で全体を改めて眺めてみますと、会計年度、会計区分がまたがり複雑であると、改めて認識しました。 まず最初は、平成29年度に病院会計で、旧病院用地内の地下埋設物撤去費1億8,900万円余を支出し、これで跡地は更地になりました。普通、この状態で買い主と協議し、面積、単価を決め、売買契約となります。森友問題は、この除却費の計算について過大であるとかということが話題になったわけです。 その後、基金が病院に4億8,000万円を払い、市の土地開発基金に移転しました。このお金は、市の内部のお金の動きです。NHKへの売却に当たり、基金会計から一般会計へ移すため、市の管理費3億6,000万円を支出して、これを一般会計の財産に移しました。NHKへの売却額は3億6,000万円ですから、相殺されて、市の金庫には何も入っていないということになります。もちろんそれは適正な処理なので、適切とか適正という論点で言えば正しい。 過去には、跡地は市立病院建設費の財源として12億円相当の財産と見込まれていましたが、なかなかうまくいかなかった経過はわかります。基金管理の現在の残地には、幾らかまとまった立体駐車場跡地などはあるにはあります。はぎれ化し、土地利用の面でも無駄が多く、いかがかと思います。 執行部としても、この際、市民にわかるように説明をしてほしいと思いますが、見解を伺います。 4番目は、包括外部監査の結果を受けてでございます。 初めて、中核市になったので、包括外部監査を受けました。報告書を読ませていただいて、幾つか提言について取り上げていただきたいなというものがございました。ちなみに、平成30年度の監査は、債権管理が対象となっております。 今、決算で見ますと、本市の市税を初め各種の収入については努力されており、基本的には評価しております。今回の外部監査の報告では、指摘、意見がいろいろございまして、各種債権ごとにそれぞれ記載されております。それぞれを取り上げるのは大変な時間がかかりますので、総括的な提言等について対応を伺います。 1つは、消滅時効期間が経過した私債権に関し、債権管理を適切に行うため、債権管理条例の制定を検討せよとの提言について伺います。 2番目は、訴えの提起、和解、調停に関する専決処分の導入について伺います。 3番目は、事務の重複を避け、一体的な滞納整理を行う観点から、条例を整備した上で、各滞納者、税から始まって国保とか、情報を共有できないかとの提言をしております。 以上のような提言にどういうふうに当たっていかれるのかお伺いします。 2番目は、松江市税等滞納整理対策本部のあり方について。 市の監査報告などでは、高く評価されています。市税等滞納整理対策本部は、各担当部局で集まって協議をなさると。ただ、今度の包括外部監査では、それぞれの部局がこんなことをしましたという報告だけにとどまって、その先の改善はどうしたらいいかという議論に進んでいないという指摘を受けています。 この点に関して、実情と改善点についてお伺いします。 これを受けて、2番目には、市全体の会議のあり方へどうやって波及するかという問題です。 私も似たような職場で会議はいろいろ出ましたけれども、おおむね各部局が報告事項でとどまって、どうして何してこうしてにはなかなかならない。市の全体でいろいろな会議がございますが、単なる報告会とならないようにすべきであります。 会議を活性化するために、ぜひ市長にリーダーシップを発揮していただきたいのですが、いかがでしょうかお伺いします。 5番目は、指定管理者制度についてです。 指定管理者制度の功罪についてですが、指定管理者制度が導入されて15年以上経過しました。財政的効果はもちろんあったでしょう。地域の雇用、市民サービスなどの見地からは、検証される必要があるんではないでしょうか。 今申し上げました財政的効果、地域の雇用、市民サービス、その他いろいろな見地から、改めて指定管理者制度の検証を行っていただきたいとお願いをし、お伺いをします。 2番目は、事業者に努力すれば報われるインセンティブ、もちろん達しないとペナルティーがあるということになるんですけれども、各施設で入場者数、使用者等についての目標値を市で示していますが、天候や交通の状況、一過性のブーム、言ってみれば天守閣の国宝化とか出雲大社の遷宮だとか、こういう一過性のブームでたくさん来ていただくことがありますが、終われば減るというのは世間の常識です。これにあわせ、伯備線がとまったとか、飛行機がしばらく飛ばないとか、台風が多いとか、いろいろな状況があるんで、一過性のブームや天候や交通の状況を考慮して、適正な水準、つまり客観的な指標を持たねばいけないと思います。過大な目標では、事業者にかえって不信感を抱かせかねません。 決める際の基準はどうなっているのかお伺いします。 目標数値等の見直しもあります。先ほど申し上げましたが、例えば極端に少ない年、多い年がありますけれども、平均値を算出するときに、体操の採点ではないけれど、一番上と一番下を切って、中で大勢をとる、こういうことで平均値を出すのが合理的な設定ではないかと私は思いますが、いずれにしましても、合理的な設定を検討されませんかお伺いします。 最後に、川島議員もおっしゃったんで、概略的にお願いしますけれど、旧ホテル宍道湖跡地について。 調査報告書、大変長い報告書で、私も見させていただきましたけれども、そもそも核となる施設の種類や交通のあり方、用途区域の問題や進入路の確保など、クリアすべき課題が多いと思います。まず、県と市で速やかに協議し、これは県、これは市、主体を決め、取り組んでもらいたいと思います。 これからどのように進めていかれようとしているのか、改めて申しわけありませんが、重複しておりますが、お伺いします。 以上で私の代表質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(野津照雄) 松浦市長。 〔松浦正敬市長登壇〕 ◎市長(松浦正敬) 畑尾議員の代表質問にお答えを申し上げたいと思います。 まず第1点目、市長の政治姿勢についてということで、知事選挙における市長の発言の責任についてという御質問でございます。 この問題につきましては、川島議員にお答えいたしましたとおりでございまして、捜査当局のほうからお尋ねがあれば全てお話をするつもりでございます。 2点目は、県との関係を、県との協調をどのように考えているかと。 この点につきましては、6月議会で森脇勇人議員にお答えいたしましたとおり、県と市との連携を行わないとなりますと、市民にとりまして大きなマイナスになるわけでございます。したがいまして、当然のことながら、県と市と連携をとって市政を進めていく必要があると思っております。 直近では、人口減少問題、これは共通の課題でございますので、役割を分担して取り組むということで、知事に対しまして積極的に提案をさせていただいております。具体的には、島根創生計画につきまして、市長と知事との意見交換がこれまで2回行われたところでございまして、私のほうからは、新幹線の整備の促進につきまして、それからもう1つは、先ほどもちょっと話がありましたけれども、県立大学の地域枠の拡大といったことにつきまして要望したわけでございますけれども、いずれも、新幹線整備の話、それから県立大学の話につきまして、計画に反映をしていただいているということでございます。 また、子ども医療費の助成の対象年齢の拡大、小学校6年生までということでございますが、この問題につきましては、4年前の第1次の総合戦略を県がつくる場合にも私ども市長会として強く要望してきたものでございますけれども、今の丸山知事になりまして今回これを取り上げられたということで、私ども大変歓迎できる事業だと思っております。 今後、島根創生計画のアクションプランが策定をされますので、また今後もそれに対しての意見交換を行いながら、県との協調をして取り組んでまいりたいと思っております。 3点目は、緊張感を持ってやるべきではないかということでございます。 緊張感を持って市政運営に臨むことは当然のことだと思っておりまして、先般のごみ袋問題におきましては、市民の皆様に大変御迷惑をおかけいたしたところでございます。引き続き、緊張感を持って市政運営に取り組んでまいりたいと思っております。 2点目は、内部統制についてでございます。 まず、内部統制の意義と取り組みということでございます。 御質問の中にもございましたけれども、内部統制の方針を定めることにつきましては、平成29年の地方自治法の一部改正で、都道府県と指定都市に義務化をされたものでございまして、令和2年の施行とされているものでございます。 松江市におきましては、法令遵守あるいは不正の防止等々につきましては個別にそれぞれの規定等で定めまして取り組んでいるわけでございますが、今回のこの内部統制制度というのは、こうした個々に行っているものを一つの仕組みとして構築をしていくと、そしてそれを評価、公表、見直しと、いわゆるPDCAサイクルも取り入れて実施をしていくというところに特徴があるわけでございます。そういう点からいいますと、松江市におきましては既に行政マネジメントシステムCAMNAVI(かんなび)を導入いたしまして、事業の計画、評価、公表、見直しのサイクルを行う仕組みを独自に構築をいたしているところでございます。 今後、都道府県、指定都市におきまして整備がされてくると思いますので、こうした状況を研究してまいりたいと思っております。 それから、特に会計処理等につきましてリスク管理、それから事務の可視化についてどのように考えているのかということでございます。 今、会計処理その他の各事務処理におきます不正防止、法令遵守等々につきましては、それぞれの事務処理マニュアル等を内部情報システムに掲載しております。そのほか、注意喚起の通知、それから毎年度行う研修などによりまして、職員に啓発を行っているところでございます。これは、先ほど申し上げたそれぞれの事務について行っているものでございます。 それから、決裁につきましては、内容、金額に応じまして決裁区分、決裁権者を定めまして、それぞれ責任を持って決裁を行う。それから、重要なものあるいは金額の大きいものなど、内容に応じまして合議と、他の部局への合議を義務づけまして、複数の部署でチェックする体制をとっております。 それから、中海スポーツパークの整備事業の補助金申請につきまして、チェック体制がしっかりしていれば不採択となることを防げたのではないかという御指摘でございますけれども、この補助金は、申請いたしまして、これは受理をされているものであります。全くでたらめなものを申請したということではないわけでございます。しかし、審査の結果、今回は不採択となったものでございまして、議員が御指摘になるような内部統制の問題ではないものと考えております。 大きな3点目は、旧市立病院跡地処分、何か会計区分、年度が入り組んでわかりづらいので、わかりやすく説明をしてもらいたいということでございます。 この旧市立病院跡地でございますけれども、まず平成28年2月の議会で、NHKに売却する方針を表明いたしたところでございます。そして、翌平成29年度から、売却に向けて、まず現地を調べましたところ、非常に頑丈なくい等々がたくさんあるということで、NHKのほうからも、これは松江市のほうで撤去してもらいたいという要請がございましたので、その現地のくいの撤去工事を市立病院が行うと。市立病院のこれは財産でございますので、市立病院が行ってもらうと。 そして一方で、NHKとの売却交渉は政策部を窓口にして行うことにしたわけでございます。したがいまして、財産を所管する市立病院と、土地売却に向けた協議をまず開始したところでございます。 この場合、この土地が市立病院にとりましては低利用地、何も使っておりませんでしたので、売却先のめどが立った時点で早期に売却をし、売却益を病院会計に繰り入れるべきだという方針で取り組みましたので、そこでまず土地開発基金で旧市立病院跡地を先行取得することにしたと。したがいまして、先行取得した結果、病院会計にはその売却益が市立病院のほうに入ることになったところであります。この方針に基づきまして、平成29年度は、病院事業会計から土地開発基金会計への会計がえを行ったところでございます。 それから、平成30年度には、売却する土地の鑑定評価等を行った上で、土地開発基金会計から一般会計でこの病院跡地を再取得して、再取得をした土地のうち一部をNHKに売却をしたところであります。平成30年度に一般会計で再取得をいたしました病院跡地のうち約7割を売却した結果、土地再取得費用の総額と土地売払収入の総額がたまたま同程度になったということでございます。 なお、今回売却した土地は病院跡地の一部でありまして、その残地として約2,144平米が残っております。取得をした面積よりも少ない面積を売却いたしましたけれども、売却に当たって分筆をしたことで、土地の形状などの条件がよくなったために、平米単価は少し上昇いたしまして、高目に売却することができたと考えているところであります。 現在、病院跡地の売却残地と、基金財産として継続管理をしております立体駐車場跡地の活用方法あるいは処分方法等について検討を進めているところでございまして、引き続き地元とも協議をしながら検討を進めてまいりたいと。この残余の土地の売却ができますれば、市の差し引きの収入はプラスになるものと推計をいたしております。 4点目は、包括外部監査の結果でございます。その後の条例制定、あるいは専決処分の導入等々の御質問でございます。 まず、条例の問題でございますけれども、現在、各課で有しております私債権の実態を確認いたしまして、課題を整理いたす中で、条例案を作成いたしております。今後、市民へのパブリックコメントなどを行った上で、今年度中に条例案を議会に提案をさせていただく予定といたしております。 それから、いわゆる専決処分という問題でございますけれども、この問題は、何を専決処分事項として指定をするかということにつきましては議会の専権事項でございまして、条例制定にあわせて検討いたしまして、議会に相談をさせていただきたいと思っております。 それから、各所管課で収集した債務者に係る情報のうち法的に共有できるものにつきましては、あらかじめ松江市個人情報保護審議会に諮問した上で、現在検討している条例案に、それぞれの債権管理に必要な範囲内において情報共有できるように規定をする予定といたしております。 それから、包括外部監査の中で、松江市市税等滞納整理対策本部が各担当部局の報告にとどまっているのでは本部を設置した意味がないという御指摘を受けているところであります。 これにつきましては、少し御説明をする必要があると思いますし、少し外部監査人にも誤解があるのではないかと、我々の説明が少し足りなかった点もあると思っております。 もともと、この滞納整理の対策本部につきましては、平成14年度に松江市で独自に設置をいたしたものでございます。これは、それまでが、それぞれの例えば市税なら市税、あるいは国保なら国保、それから保育料なら保育料、こういったものをそれぞれの部局がばらばらといいますか縦割りで徴収をしていたものでございます。これを、情報を全て持ち寄って、そして例えば同じ債務者がいる場合に、それをどういうふうにじゃあ処理をしていくかという作戦を立てたり、それから当時、例えば国保料につきましては非常にまだ徴収率が低かったわけでございます。それで、じゃあ、市税につきましてはその当時から99%の徴収率であったわけですが、それをどういうふうにしたら引き上げることができるかということについて、市税のほうのノウハウのようなものをそこで聞くとか、そういうことを目的といたしまして、まずその当時あった滞納額、これを私は宝の山だというふうに表現をいたしまして、少しずつこれを崩していけばそれが当然市の財源になるわけでございますので、みんなそのつもりでこれは徴収をやってくれということで、そういうことからこの対策本部を、当時の助役を本部長といたしまして行ったものでございます。 その結果、滞納額、例えば平成17年の合併当初は約30億円、最大の額になっているわけですが、これが昨年度末には約14億円、半分以下に削減をされたところであります。それから、収納率につきましては、市税初め国民健康保険料、それから介護保険料、非常に高い収納率を維持しておりまして、全国的にも進んだ取り組みだと自負をいたしております。 この本部会議だけで全てのことを行っているわけではなくて、本部会議を一つの核にしまして、各債権の滞納整理の進捗管理、それから徴収事務のノウハウに関する研修、意見交換、情報共有といったものを行っているわけでございまして、その点の説明をきちっと事務局のほうから包括外部監査人にしていなかった嫌いがありますので、これはそういう点は正直にきちっと言わないと、包括外部監査人の方々も我々の内部の事務について、そう詳しいわけではないわけですので、そういった意見交換をやっぱりきちっとやらないといけないと。何か包括外部監査から指摘を受けたらもうそれを受けるだけという感じで対応していたように思いますので、今後はやはりそういう点は意見交換をきちっとやって、このような誤解のないようにしていきたいと思っております。 それから、会議というものも単なる報告会とならないように活性化をする必要があるんじゃないかということでございます。 会議と呼んでいるものの中には、いろいろ課題に対する解決策を考えるものであるとか、特定の事項の協議検討を行うもの、あるいは情報共有を行うためのもの、あるいは説明会的なもの、いろいろ目的があるわけでございまして、それぞれの会議の目的を明確にして、実効性のあるものにする必要があると思っております。 また、職員に対しましては、会議の開催に当たって、資料は要点をまとめたものにすると、あるいは資料の事前送付を行うと、それから文書配付だけで済むものはそもそも開催をしないといったことなどの意識づけを行って、会議の意義と効率を上げるように取り組んでいるところでございます。 5点目は、指定管理者制度でございます。 この指定管理者制度について、財政的な効果、地域の雇用、市民サービスなどの見地から検証すべきと考えるがどうかということでございます。 まず、指定管理者制度の導入につきましては、松江市の行財政改革大綱実施計画の項目として取り組んでおります。そして、この財政的な効果につきましては効果額として集計をいたしているところでございまして、平成17年から昨年度までで51施設の公募を実施して、年度当たり2億8,136万7,000円の効果額を上げているところでございます。 それから、地域の雇用につきましては、指定管理者の公募に際しまして、市民の雇用について配慮するように仕様に記載をして、選定の際の採点項目にも入れて評価をいたしております。 それから、市民サービスの向上や施設の利用促進などを含めました指定管理の実施状況につきましては、毎年度評価を行って、結果をホームページに公表いたしているところでございます。その結果でございますけれども、平成30年度は、全240施設中、すぐれた管理がされているというA評価以上が137施設、57%、適切な管理がB評価で102施設、42%でありまして、全体的に適切な管理がなされており、指定管理者制度導入の効果が上がっているものと考えております。 それから、目標値をどのように決めているのかというお話でございます。 この指定管理者制度ガイドラインにおきまして、目標値は、指定管理者の公募の際に、施設の設置目的を達成するために最低限達成すべき目標として募集要項で示しまして、申請団体にはその数値以上の提案を求めることにいたしております。その市が設定いたします目標数値でございますけれども、これは施設に応じまして設定する項目自体も異なっておりまして、一律の算定基準は定めていないところでございます。公募の仕様書を作成する際に、過去3年から5年程度の実績を参考にして、合理的な目標となるように検討し、設定をいたしているところでございます。また、指定期間の更新に際しましても見直しを行い、適切な目標となるように努めております。 最後の6点目は、旧ホテル宍道湖跡地利用の問題でございますけれども、この問題につきましては先ほど川島議員にもお答えしたとおりでございまして、県から依頼のありました調査につきましては県のほうに報告をいたしております。今後、活用策、これを受けてどのような活用をしていくかということにつきましては、跡地の所有者でございます県で判断をいただくべきものと考えております。 ○副議長(野津照雄) 畑尾議員。 ◆22番(畑尾幸生) ありがとうございました。終わります。 ○副議長(野津照雄) 14番橘祥朗議員。 〔14番橘祥朗議員登壇〕 ◆14番(橘祥朗) 共産党市議団の橘祥朗です。会派を代表し、通告に従って質問いたします。御答弁よろしくお願いいたします。 質問に入る前に、一言、会派として申し上げたいと思います。 現職市長が現職県議によって、その発言に対して告訴されるという事態が起こりました。本日も、2会派が代表質問で市長に見解を求めました。どうであれ、市民は、県と市の関係はどうなるのか、特に県知事と市長の関係はどうかなど、心配をしたり、また不安な気持ちでいるということは間違いありません。 市長の発言は、大きな影響があります。特に、公の発言というものは、やはり節度を持って行われるべきと考えます。市長に一言申し上げておいて、質問に入りたいと思います。 初めに、2点について、市長の政治姿勢について伺います。 1つは、さきの参議院選挙の結果について3点お伺いします。 さきの参議院選挙結果について、マスコミの大方の論評は、結果の1つは、改憲勢力が3分の2を割ったこと、特に自民党が議席を減らしたこと、2つには、劣勢を伝えられた1人区での野党が10選挙区で勝利し、市民と野党の共闘の力が示されたこと、3つ目が、れいわ等の新勢力の進出などあります。また、鳥取・島根選挙区では、市民と野党の統一候補が健闘したと私たちは考えています。 市長は選挙結果をどのように考えておられるか見解を伺います。 安倍首相は、この結果でも、憲法9条改正、自衛隊を9条に明記し、9条の1項、2項を空文化することに執念を燃やしています。しかし、共同通信による出口調査では、安倍政権のもとでの改憲に47.5%が反対をし、賛成の40.8%を上回り、選挙後の緊急調査では56%が反対で、賛成の32.2%を大きく上回っています。 市長は安倍首相の9条改憲やこの世論調査結果をどのように受けとめておられるか見解を伺います。 投票率が、全国で5割を割り込みました。5割に満たない投票で、そこで過半数の支持を得たとしても、有権者の4分の1足らずの支持で国政が動かされることになります。民主主義の危機と訴える有識者の声も多々伝えられています。有権者の動向が、政治への期待感のなさや無関心などあるでしょうし、もちろん、政治をつかさどる側や政党などが有権者に対して、1票を行使することで政治を変えることができるということや未来に希望が持てる確かさをしっかり示すという責任を負っていることは言うまでもありません。 投票率向上のための手だてについては、田中議員が後で取り上げる予定ですので、私は、今回の低投票率に対して市長はどのように考えておられるか、また、松江市も5割を割りました。市長は、投票率向上のためにも、市民が日常ふだんに政治に関心を持つように、さまざまな形での政治参加を訴える必要があると考えます。見解を伺います。 市長の政治姿勢を伺う大きな2点目は、日韓関係の改善について3点伺います。 元徴用工問題に端を発して、日本は対抗措置として、貿易にかかわって、優遇対象国から韓国を外す、韓国もまた同様の対抗措置をとるなど、報復の連鎖によって日韓関係が悪化をし、経済、観光、民間交流にも大きな影響が出ています。 7月23日には、竹島上空で、ロシア機に対して韓国戦闘機による威嚇射撃が行われたと報道されています。このときは、中国機もロシア機と共同行動しており、日本からも戦闘機がスクランブル発進するなど、緊迫した状態であったとも報じられました。 日韓両国間には、過去の歴史問題、現在の竹島問題など、解決しなければならない重要な課題もあります。しかし、隣接する両国が対立を深めて、よくなることは何もありません。極東地域では、米朝関係の改善、米中、日露間の関係改善なども、差し迫った課題です。平和の関係を築いていかなければならないときだけに、両国政府は、非難合戦に陥るのではなく、冷静な外交の場で話し合いによる解決を図るべきです。 国家間の外交問題ではありますが、松江にとっても島根県にとっても関係の深い韓国との問題です。極東地域の現状や現在の日韓関係をどう見るか、市長の見解を伺います。 緊迫した政治情勢打開のために、政府に対して、市長は、悪循環を断ち切り、外交での冷静な話し合いによる解決を図るよう申し入れるべきと考えます。見解を伺います。 松江市は、韓国との関係をこれまで重視し、晋州市と友好都市提携をしてきました。しかし、ことしは、相手側の都合ということではありますが、中学生の相互派遣事業が中止となってしまいました。関係悪化に伴い、飛行便の削減など、韓国との観光面でも大きな影響が出始めています。国家間の関係が悪化しているときだからこそ、民間交流を重視して、国民相互の理解を通じて国家間の関係復活のために、民間から声を上げていく努力をすべきと考えます。 松江市の今後の取り組みを含めて、市長の見解を伺います。 次の項目は、原発についてです。4点伺います。 参議院選挙の争点の一つとしてエネルギー問題が報道される中で、福島原発の現状がさまざまなマスコミなどによって取り上げられ、一度過酷事故が起こればどうなるのか、現状を改めて突きつけられた思いがしました。一部避難解除はあっても、生活できる地域として再生はまだまだの状態です。また、特に福島原発は、汚染水のタンクが満杯状態であり、今後の対応でも行き詰まりを見せています。 福島第一原発では、廃炉の工程の中で、溶け落ちた燃料(核燃料デブリ)の取り出しが、デブリの全容が未解明の上、高い放射線により、作業にも制約があること、取り出せたとしても、保管場所として最適とされる周辺の高台は汚染水の貯蔵タンクで占められており、保管場所も全く未定であるなど、廃炉の作業の具体的な工程は白紙状態と言われています。 市長は福島第一原発の現状をどのように考えておられるか伺います。 使用済み核燃料の保管について、中電は、燃料プールは余裕があるとしていますが、受け入れ先の六ヶ所村はほぼ満杯、再処理工場の稼働も2021年末とされていますが、未定のままです。また、核のごみの最終処分場は、候補地すらありません。 選挙中の世論調査も、島根では、稼働、新規稼働どちらも反対が38.2%で、どちらも賛成は19%、松江市では、どちらも反対が42.9%、わからないも3割近くありますが、稼働を市民が容認しているとはとても考えられないと思います。 使用済み核燃料の処分をめぐる現状やこうした世論調査をどのようにお考えですか、見解を伺います。 前段で述べたように、福島原発の現状、使用済み核燃料の処分をめぐる現状や世論調査から見ても、原発の稼働ができる条件はないと考えます。見解を伺います。 この項の最後に、いずれは原発をなくすべきと主張する市長は、ポスト原発についてはどう考えておられますか、見解を伺っておきたいと思います。 次に、大きな項目の3項目めは、子どもの交通安全対策について2点伺います。 6月議会でも取り上げさせていただきましたが、大津の保育園児の散歩コースの交差点での死亡事故や、児童生徒の登下校中での交通事故対策など、子どもの命を守るための取り組みの強化について6月議会でも取り上げ、伺いました。 国からの指示を受けて、全国で実態の調査が行われ、結果についての報告も一部報道されています。大津の事故を受けて、子どもが通行する道路の安全状況を自治体などが点検した結果、34都道府県で、対策が必要とされる箇所が4,522カ所あり、対策が検討されていること、国も自治体に対する財政支援を強化することや、具体的には、鳥取県では交差点39カ所に防護パイプを取りつけるなど報道されています。また、バスが交差点や横断歩道の死角になり乗降客が事故に遭う危険箇所対策を求める報道などもありました。 さまざまなケースを含めて、島根県や松江市でも、登下校にかかわる児童の危険箇所調査や幼稚園児の散歩コースの再点検など、調査が進められたと思います。結果はどうだったのか、また今後の具体的な取り組みについて伺います。 先日、八束町内の一地域の保護者会の役員から、児童の通学路の危険箇所ウオッチングへの協力が呼びかけられ、県からは県土整備部、そして八束支所、駐在、地域の交通安全協会の代表の方、そして県議と、市議の私、それに保護者会の役員など、11人が参加をし、通学路を歩きました。交差点や学校前でもかなりのスピードで車が通ること、スクールゾーンの道路上の標示が学校から離れた場所で、効果が少ないのではないか、またバスも通る道路で歩道もない路肩を子どもが登下校に利用している実態、歩いて渡っている県道や市道に横断歩道の標示がないなど、地元を中心に関係者が現場を確認するよい機会となりました。 交通安全対策の窓口は、地域のPTAや学校からは教育委員会、自治会等からの要望は公民館の交通安全協会を通じて総務部となります。実施は公安委員会であったり、道路や歩道であれば県や市の担当課ということとなると思います。学校関係は5月に、自治会等は8月に要望が届けられ、その後、関係機関による現地の調査等も行われ、結果は翌年の3月に報告をされます。 6月議会で申したとおり、自治会やPTAは役員も1年交代が多く、引き継ぎや仕組みの理解も十分伝わっているとは言えない場合も多々あります。保護者や地域からは、自分たちの思いが十分伝わっているのかどうか疑問視する声も寄せられています。 関係機関の連携はどうか、その上で、現場の思いを取り入れる体制づくりについて見解を伺います。 続いて、中海の地域振興と水質改善について5点伺います。 水陸両用飛行機の本格運航の現状はどうでしょうか。 中海における漁業の現状についてもお尋ねをいたします。 中海の水質改善は進んでいるのでしょうか。国や県、松江市の取り組みの現状をお尋ねします。 また、国土交通省より浅場造成や覆砂事業の現状が報告をされて、その資料によると、米子湾でのハイビーズの覆砂による栄養塩類の溶出抑制の効果が確認されたとあります。私は、ハイビーズによる覆砂の効果はあると考えていますが、一方、中海の漁業関係者の一部からは、ハイビーズがヘドロ化するのではないか、宍道湖には宍道湖の事情があると思いますけれども、宍道湖にはハイビーズが活用されていないではないかなど、ハイビーズの覆砂事業への利用に懸念をする声も寄せられています。 中海地域での覆砂事業は今後も継続をされていくわけですから、漁業者に対して、効果についての検証結果や事業の進め方について理解を得る必要があると考えます。国や県がかかわることですが、市としての対応を求めたいと思います。見解を伺います。 あわせて、本格的な水質改善には、中海全体で反時計回りの水の流れを取り戻す必要がある、大海崎や森山堤防の本格的な開削が必要との声が、今も強く寄せられています。見解を伺います。 この項の最後ですが、上宇部尾地区での中海スポーツパーク、スポーツ広場は白紙となりましたが、水産、観光、地域おこしなど、市長は中海地域についてどう考えているのか、総合的な見解を伺いたいと思います。 大きな5番目です。大橋川改修事業について。 大橋川改修事業に伴う沿川のまちづくりについて、松江市は平成25年4月に、大橋川周辺白潟地区水辺空間とまちづくりの基本計画を策定しました。本計画は、大橋川改修により拡幅が計画をされている大橋川上流部南岸の白潟地区、魚町、白潟本町、八軒屋、和多見が対象とされ、住民の中には、移転等が必要な方や商売などにも影響を受ける方々が含まれています。 移転や立ち退きの話し合いの進みぐあいはどうなっているのでしょうか。 また、移転や立ち退き等に当たっては、長年愛着を持ってこの地に住んでこられた地権者の意見や要望をよく聴取し、希望に沿った代替地をあっせんするなど、地権者の思いや意向に沿ったきめ細やかな対応を図るべきと考えます。見解を伺います。 6つ目の項目です。ヌートリアの捕獲対策についてお伺いします。 有害鳥獣のヌートリアの被害に遭い、急いで個人的に対応せざるを得なかった被害者から話を聞く機会がありました。わざわざ申し出て登録して許可を受けてから捕獲せよ、こういうことで、なかなか対応がすぐにはできない場合もある。そしてまた、登録して許可を受けてということになるならば、出雲市では捕獲1匹当たりの奨励金もある。松江市での箱わなの貸し出しだけではなくて、松江市でも出雲と同様の制度をつくるべきだ、こういう声が寄せられました。 全国では、対策の強化で、絶滅に近い状態となった地域もあると紹介をされています。現在の松江市を中心としたヌートリアの生態系、被害や捕獲の現状、奨励金制度を含めて、対策強化について見解を伺います。 最後に、閉鎖された施設の活用について伺います。 八束保健福祉総合センターは、特別養護老人ホームへの転用が行き詰まり、閉め切ったままとなっています。活用についてどのように検討されているか伺います。 また、地域からは、恒常的な活用が決まらないからといってこのまま閉め切っているだけでよいのかとの疑問の声も多く寄せられています。また、市内でも、使用可能でも閉鎖された施設もあると考えます。 八束保健福祉総合センターは、学園に隣接しており、町内の中心部に位置しています。閉鎖が続くならば、子どもの居場所づくりや手ごろな規模の集会など活用できないのかとの要望も寄せられています。 閉鎖されていても使用可能な施設については、地域住民の要望があれば、不定期や臨時的にも使用を考えるべきではないかと考えます。見解を伺います。 市民の声に応えた答弁を期待して、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(野津照雄) 松浦市長。 〔松浦正敬市長登壇〕 ◎市長(松浦正敬) 橘議員の代表質問にお答えを申し上げたいと思います。 まず、市長の政治姿勢ということで、参議院選挙につきまして数点、それから日韓関係の改善についてということで御質問が来ております。 まず、参議院選挙について、今回の結果についてどう考えるかということでございますが、今回の参議院選挙の結果について私のほうから特に申し上げることはございません。 また、安倍首相の改憲の発言、世論調査についてということでございますけれども、改憲につきましては、6月議会でもお答えをいたしましたとおり、必要性も含めて各政党間で国民が納得できるような議論を行っていただきたいと思っているところであります。 それから、今回の低投票率に対しての市長の見解、それから投票率の向上のためにも市民の政治参加を訴える必要があるという御指摘でございます。 今回の低投票率につきましては、吉金議員にもお答えを申し上げたとおりでありますけれども、まず全国的に低投票率であったのは、政治への関心の低さがやはり大きな要因であったと、これは選挙後の世論調査の結果でもあらわれておりますけれども、また選挙区選挙が鳥取県と島根県の合区の選挙であったこと、それから比例の特定枠の候補者が制度上直接政策を訴えることができなかったことなどが、この選挙への関心が高まらなかった要因であると考えております。 それから、投票率の向上のためには、やはり投票のしやすい環境の整備、あるいは投票行動につながる啓発活動を進めていくことが大事でありますけれども、とりわけ、私どもが進めております共創・協働のまちづくりということで、市政の施策形成の過程に最初から参画をしていただいて、その意見を反映していくこと、これによって地域の活動、政治に対して身近に感じてもらうことで関心が高まっていくものと考えております。 2点目は、日韓関係の改善ということでございますけれども、極東地域の現状、日韓関係についてどう考えるかということでございますけれども、極東地域の現状あるいは日韓関係につきましては、外交により、平和的に解決されるべきものだと思っております。 それから、緊迫した政治情勢の打開のために外交での冷静な話し合いによる解決を政府に申し入れるべきではないかと。我が国の安全保障にかかわることでございまして、大変重要な問題であると考えており、政府において適切に対応されるべき課題だと思っております。 そうした中で、民間交流がやはり大事ではないかというお話でございます。 そのとおりだと私も思っておりまして、民間同士による観光交流あるいは文化交流などを通しましてお互いに理解をしていくことが極めて大事だと思っております。特に、国家間の関係が悪化している中にあって、その意義が一層増していくものと考えております。 川島議員の御質問にもお答え申し上げましたけれども、友好都市である晋州市とは、先般、両副市長の会談を行いまして、今後も協力して市民レベルの交流、特に若い世代の交流を促進していくことで認識を共有したところであります。今後も晋州市と連絡を密にとり合って、早い段階での交流事業の再開を目指していきたいと考えております。 大きな2点目は、原発問題の現状についての御質問でございます。 福島原発の現状をどういうふうに考えているのかということでございます。 現在、福島第一原子力発電所では、廃炉・汚染水対策関係閣僚等会議が策定をいたしました廃止措置等に向けた中長期ロードマップに基づいて、東京電力によりまして、廃炉に向けた作業が進められているところであります。大変過去に前例のない困難なプロジェクトではございますけれども、これまでも、汚染水発生量の低減、それから使用済み燃料プールからの燃料取り出し、1号機から3号機の燃料デブリの取り出しに向けた調査、工法の検討など、少しずつ作業が進んできております。 福島の復興のためには、福島第一原子力発電所の廃炉は必ずなし遂げなければならないものでありますので、引き続き、国内外の英知を結集して、着実に進めていただきたいと思っております。 それから、燃料プールについて、中電は余裕があるということだけれども、いわゆる再処理工場がなかなか、2021年末とされていて未定であると、あるいは最終処分場は候補地すらないと、そして選挙中の世論調査でも稼働反対が42.9%を占めたということについて市長はどう考えているかと、そして、原発の稼働ができる条件はないと考えるけれどもどうかというお話でございます。 まず、この山陰中央新報社が7月に実施をしました世論調査の結果でございますけれども、承知をいたしておりますが、国や事業者におきましてはこれまで以上に原子力発電について国民の理解を深めていく努力が必要であるということだと思っております。 それから、六ヶ所村の再処理工場でございますけれども、2021年の竣工を目標として設定をされておりますので、これにつきましても、国、事業者においてしっかりと取り組んでいただきたいと思っております。 また、高レベルの放射性廃棄物の最終処分でございますけれども、現在、国において、科学的特性マップについて全国で説明会を開催しているところと伺っております。 国のエネルギー基本計画におきましても、使用済み燃料問題の解決に向けた取り組みを着実に推進するとされておりますので、この問題については引き続き国が責任を持ってしっかりと取り組んでいただきますように、これからも全原協等を通じまして要望していきたいと思っております。 なお、島根原発の稼働の問題でございますけれども、毎回申し上げておりますが、現在、原子力規制委員会において審査が行われている段階でございますので、今後、この審査が終了した後に、事業者あるいは原子力規制委員会から説明を受けて、市議会それから原子力環境安全対策協議会の皆様方から御意見を伺った上で判断をしてまいりたいと考えております。 それから、ポスト原発についてどう考えているかということでございます。 以前から、原発依存度については今後低減させていくべきであると申し上げておりますし、原発はないにこしたことはないということも申し上げておりますけれども、しかしながら現実には、再生可能エネルギーは安定供給が非常に難しいものでございます。それから、火力発電に頼るということになりますと、やはり地球環境の問題が出てまいります。それから、まさにエネルギー自給率の低下などの問題を伴ってくるということでございますので、したがいまして、今すぐ原発にかわってベースロード電源となり得るものは見出し得ないということですので、当分の間は原発の必要性はあるものと考えております。 やはり将来の電源構成を考えますと、再生可能エネルギーの安定供給の実現が不可欠だと考えておりますので、技術革新によりましてそれが実現することを期待いたしているところであります。 3点目は、子どもの交通安全対策についてでございます。 松江市での児童の登下校にかかわる危険箇所調査等々についての点検結果、今後の対応、それから関係機関の連携の状況、その上での現場の思いを取り入れる体制づくりというお話でございます。 今年度、市内の小中、義務教育学校から提出されました通学路における危険箇所は205件、それから幼稚園、保育所等の散歩コースの点検に係る危険箇所は337件でありました。 小中、義務教育学校につきましては、既に7月と8月に関係機関等と危険箇所の合同点検を行っております。幼稚園、保育所等の散歩コースの合同点検につきましては、9月から実施予定といたしております。また、総務課では現在、各地区の交通安全対策協議会からヒアリングを実施しながら、交通安全施設要望の受け付けを行っているところでございます。 この最終的な点検結果は、各学校、幼稚園、保育所等には来年の2月、それから各地区交通安全対策協議会には3月に通知をいたすことにいたしております。今後、危険箇所の改善及び整備につきましては、道路管理者それから警察が、緊急性の高いものから順次行ってまいるわけであります。 それから、関係機関の連携でございますけれども、道路管理者、警察、松江市それから教育委員会等で構成いたします松江市通学路安全推進会議において情報共有をいたしまして、必要な安全対策の検討を進めているところでございます。学校、地域等の要望を正確に道路管理者や警察に対してお伝え申し上げますとともに、引き続き緊密に連携をして、一層の通学路の安全対策の充実に努めてまいりたいと考えております。 4点目は、中海地域の課題でございます。 まず、水陸両用飛行機の運航開始後の運航状況でございますけれども、4月21日から本格運航を開始することができたところであります。 9月1日までの間の運航状況でございますが、運航率が45.5%、搭乗率が73.1%、それから185名の方に御搭乗いただいたわけでございます。運航率が低い原因でございますが、有視界飛行が基本であり、気象条件に大きく左右されること、それから水陸両用飛行機が常駐していないことなどが上げられますので、これらの要因によりツアー造成ができにくい環境であることなどが考えられます。 運航最終日となる10月14日までの予約状況は、9月2日現在で48席分の予約、それ以外にも40名以上の団体利用が見込まれていると運航会社からは伺っておりますので、今後、利用者増加に向けて、松江市といたしましても運航会社と協力し、支援をしてまいりたいと考えております。 2点目は、中海における漁業の現状でございます。 中海漁業につきましては、スズキ、ボラ、ハゼ、コノシロなどが多く漁獲をされておりますけれども、高齢化あるいは後継者不足が課題であります。平成30年の中海漁協の正組合員数は212人、5年前と比較いたしましてマイナス76人、約3割の減少、それから総漁獲量につきましても、平成30年の総漁獲量が83トンで、5年前と比較してマイナス58トン、約4割の減少でございます。 本市の中海漁業の振興策といたしましては、いわゆる出雲ウナギの放流事業、それから稚魚の保護礁の設置と調査を行っているところであります。それから、中海産養殖アカガイについては、種苗採取と養殖施設の支援を行っているところでございます。それから、新規漁業者の支援につきましても、設備投資に係る補助、あるいは定着資金の貸し付け、こういう形で支援を行っているところでございます。 それから、中海の水質改善の現状ということでございます。 中海の水質につきましては、長期的に見ると改善傾向にあり、おおむね良好に推移をしているということでございます。そして、水質改善に向けまして、中海会議において、浅場造成、覆砂事業による中海の自然浄化機能の回復を目指して取り組んでいるところでございます。 浅場造成、覆砂事業につきましては、平成16年以降、7カ所で実施をされ、この実施箇所についてモニタリングが行われておりますけれども、水質改善、それから二枚貝の生育効果などが確認をされております。 そして、漁業者への説明でございますけれども、これは出雲河川事務所が説明、周知を行ってきているところでございますけれども、松江市といたしましても連携をとりながら対応してまいりたいと考えております。 それから、大海崎の堤防の開削の問題でございますけれども、昨年の9月議会でもお答え申し上げておりますように、平成21年の森山堤防の開削の前後で、水質の大きな変化は見られていない状況でございます。モニタリング調査の結果を見ながら、長期的な水質の状況を注視しているところであります。 一方で、水質改善について議論すると同時に、水産資源の面からのアプローチも必要だと考えておりまして、このことにつきましては、先般の中海会議の場で私のほうから意見として申し上げ、今後調査をしていくという発言をいただいたところであります。 それから、中海地域について今後どういうふうに考えていくのかということでございます。 中海地域は、景観あるいは観光資源等にもすぐれた地域でございます。そしてまた、最寄りの空港、港湾もあることから、インバウンド効果も期待をされるということで、一層恵まれた地域資源を連携させて有効に活用していかなければならないと考えております。 それから、市といたしましては、中海北西岸に水陸両用飛行機の発着場とサイクリングの休憩所機能を兼ね備えました中海スカイポートを整備いたしましたし、八束町内には大根島産直市立ち上げ支援事業への補助なども行ってきているところであります。それから、いろいろなイベントといたしまして、中海・宍道湖レガッタ、それから中海オープンウォータースイム、それからなかうみマラソン、国宝松江城マラソンなども開催をされているところでございます。 引き続き、中海会議などの広域的な取り組み等々、中海の振興に取り組んでまいりたいと思っております。 5点目は、大橋川の改修事業で、移転、立ち退きの状況、地権者へのきめ細かな対応をというお話でございます。 現在、大橋川改修の国の用地取得状況でございますけれども、令和元年6月末現在での取得予定面積に対する取得済み面積の割合は、下流拡幅部、竹矢の矢田地区が約95%、それから朝酌の矢田地区が約80%、それから上流の白潟地区が約50%となっております。また、福富それから東津田地区におきましては、用地取得は完了いたしております。 白潟地区におきましては、国の用地交渉にあわせまして、移転対象者の皆様の御意向を伺って、地区内で移転を希望される皆様には周辺の代替地についての情報収集と提供などなど、きめ細やかな対応に努めているところでございます。 大きな6点目、ヌートリア対策でございます。 ヌートリア対策についての強化についてどう考えるかということでございます。 ヌートリアにつきましては、生態系への影響あるいは農作物被害が近年報告をされておりまして、本市の被害額でございますけれども、平成28年度が46万1,000円、それから平成29年度が98万3,000円、平成30年度が1万6,000円になっております。 以前は、ヌートリアも、狩猟免許を持った猟友会へ捕獲をお願いして捕獲奨励金を払っておりましたけれども、平成17年6月の外来生物法の施行を受けまして、平成18年3月に松江市ヌートリア防除実施計画書を策定して、農家の方々など狩猟免許を持たない方でも自己所有地であれば捕獲駆除を行っていただくことが可能となって、効果的な対策が実施できるようになったところであります。現在は、261人の方がこの許可を受けておられまして、平成30年度の捕獲頭数は210頭に上っております。 なお、この捕獲奨励金でございますけれども、これは自己防衛対策としての捕獲でございますので、補助対象とはいたしておりませんけれども、防護柵の補助あるいは捕獲機の貸し出し、こういったものを行っているところでございます。 今後は、地域での研修会を通じまして、捕獲とあわせて、水際の草刈りによる環境整備や、侵入防止柵などの設置による防除などを周知して、地域ぐるみの総合的な対策を行ってまいりたいと考えております。 最後に7点目は、閉鎖されました施設の活用、八束保健福祉総合センターの問題でございます。 この旧八束保健福祉総合センターにつきましては、昨年度12月から2月にかけて、地域密着型特別養護老人ホームということで公募を行ったところでありますけれども、公募に応じる事業者がないという状況でございます。現在は、地域密着型の特別養護老人ホーム以外の活用も含めて検討を行っている状況でございます。 当該施設は、大変大型の施設でございますので、新たな利活用を行うためには、改修費用はもとよりでございますけれども、ランニングコストも課題であると認識しております。こうした課題を踏まえて、市全体で進める公共施設適正化計画の中で、施設の今後のあり方について検討してまいりたいと考えております。 なお、光熱水費等のランニングコストの課題があるものと認識しておりますので、住民の一時利用につきましては現時点では困難だと考えております。 ○副議長(野津照雄) 橘議員。 ◆14番(橘祥朗) 質問というわけではありませんけれど、要望しておきたいと思います。 それぞれの問題で、特に住民のサイドから出ているさまざまな要望、十分それがまだかなえられているとはなかなか感じられていません。地域には地域からの声がいろいろあろうかと思いますので、どの問題でも、子どもの交通安全対策についても、それからまた今のヌートリアの関係についても、それぞれやっぱり地域の事情、地域の皆さんがそのことで困っておられるというのは実情としてはあろうかと思います。八束の保健福祉センターの活用についてもそうです。地域の皆さんの声を何としても聞いていただいて、地域の皆さんの要望に応えると。大橋川の関係者の移転等々もかかわるわけですけれども、要は地域の皆さんの声にしっかり耳を傾けて対応していただくということが、すぐにできるできないはあろうかと思いますけれども、そこにやっぱり努力をしていただきたいということを要望して、終わります。ありがとうございました。 ○副議長(野津照雄) 以上で本日の日程は全部終了いたしました。 本日は、これにて散会いたします。 〔午後4時57分散会〕...