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06月24日-02号

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  1. 松江市議会 2019-06-24
    06月24日-02号


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    令和 元年第2回 6月定例会    令和元年第2回松江市議会定例会議 事 日 程(第2号) 令和元年6月24日(月曜日)午前10時開議 第1 一般質問     森 脇 勇 人  議 員     柳 原   治  議 員     南 波   巖  議 員     津 森 良 治  議 員     田 中 明 子  議 員     田 中   肇  議 員────────────────────────────────────────本日の会議に付した事件 一般質問  森 脇 勇 人  議 員  柳 原   治  議 員  南 波   巖  議 員  津 森 良 治  議 員  田 中 明 子  議 員  田 中   肇  議 員────────────────────────────────────────出 席 議 員(33名)    1 番   河  内  大  輔    2 番   出  川  桃  子    3 番   細  木  明  美    4 番   太  田     哲    5 番   田  中     肇    6 番   米  田  と き こ    7 番   三  島  伸  夫    8 番   岩  本  雅  之    9 番   新  井  昌  禎    10 番   野  津  照  雄    11 番   長 谷 川  修  二    12 番   柳  原     治    13 番   吉  儀  敬  子    14 番   橘     祥  朗    15 番   野  津  直  嗣    16 番   野 々 内     誠    17 番   森  本  秀  歳    18 番   貴  谷  麻  以    19 番   川  島  光  雅    20 番   石  倉  徳  章    21 番   田  中  明  子    22 番   畑  尾  幸  生    23 番   吉  金     隆    24 番   南  波     巖    25 番   津  森  良  治    26 番   森  脇  勇  人    27 番   宅  野  賢  治    28 番   川  井  弘  光    29 番   篠  原     栄    30 番   三  島  良  信    31 番   三  島     進    32 番   立  脇  通  也    34 番   森  脇  幸  好───────────────────────欠 席 議 員(1名)    33 番   比  良  幸  男───────────────────────欠     員(なし)───────────────────────事務局職員出席者  事務局長    角     清  司  次長      福  島  恵 美 子  議事調査課長  錦  織  靖  浩  書記      仲  田  雅  彦  書記      尾  添  和  人  書記      木  村  彰  宏  書記      古  川     進  書記      月  森  致  子───────────────────────説明のため出席した者  市長      松  浦  正  敬  副市長     能  海  広  明  副市長     星  野  芳  伸  政策部長    藤  原  亮  彦  地域振興事業推進部長          足  立     保  総務部長    講  武  直  樹  総務部次長   島  根  史  明  防災安全部長  永  田  明  夫  財政部長    山  内  政  司  産業経済部長  山  根  幸  二  観光振興部長  錦  織  裕  司  市民部長    松  延  由  子  福祉部長    湯  町  信  夫  健康部長    小  塚     豊  子育て部長   舩  木     忠  環境保全部長  高  橋  良  次  歴史まちづくり部長          須  山  敏  之  大橋川治水事業推進部長          永  島  真  吾  都市整備部長  安  達  良  三  消防長     金  村  保  正  教育長     清  水  伸  夫  副教育長    早  弓  康  雄  副教育長    大  谷  淳  司  上下水道局長  川  原  良  一  ガス局長    渡  部  厚  志  交通局長    三  島  康  夫  市立病院事務局長吉  川  浩  二  選挙管理委員会委員長          石  原  憲  夫─────────────────────── 〔午前10時00分開議〕 ○議長(森脇幸好) これより本日の会議を開きます。─────────────────────── △日程第1 一般質問 ○議長(森脇幸好) 日程第1「一般質問」を行います。 各会派の代表質問を行います。 順次発言を許します。 26番森脇勇人議員。 〔26番森脇勇人議員登壇〕 ◆26番(森脇勇人) おはようございます。松政クラブの森脇勇人でございます。久々の代表質問で身が引き締まる思いでございますが、先般6月18日でございますが、山形沖で震度6強を超える地震が起きました。被災されました皆様に、まずもってお見舞いを申し上げます。 いみじくも先日でございますが、松江市の第8回の消防操法大会が行われました。ポンプ車の部では東出雲方面団が優勝され、小型ポンプのほうでは玉湯方面団が優勝されました。ポンプ車のほうでは上位2チーム、そして小型ポンプのほうでは3チームが県大会に出場されることになりますが、県大会でまた健闘をしていただきますよう、また玉湯方面団に続いて全国大会に出場をしていただくように祈るものでございます。健闘をお祈りいたします。 それでは、会派を代表いたしまして質問を行いますので、よろしくお願いいたします。 最初に、先般行われました島根県知事選挙についてお伺いをいたします。 4月7日に投開票された島根県知事選挙は、昭和46年、昭和50年以来の保守分裂選挙になり、自由民主党島根県議会議員連盟の多くの議員と民主県民クラブなどの県議会議員や自治労、連合が支援した丸山氏が当選され、自民党や島根県市長会、町村長会、また私たち松政クラブの推薦をいたしました松江市出身の大庭候補が敗れ、昭和46年の伊達知事以降、県庁所在地松江市から知事が出せないという、私どもにとりましては大変残念な結果になりました。 また、昭和54年以降県民の過半数の得票をとり続けてきた知事が誕生していたわけでございますが、保守分裂ということもあり、今回の知事選では、当選した丸山知事の得票は15万338票、他の候補の得票は3人で19万4,669票と、昭和50年以来の投票の過半数がとれていない知事が誕生いたしました。 税収の少ない島根県では、国、県、市町村がさまざまな意味で協力しないと多くの事業が展開できません。それぞれが単独事業になれば、義務的経費が多くなる中、投資的経費が削減されていくばかりでございます。このことは、県全体の景気の低迷にもつながりかねません。今後の国や県との関係も含め、県知事選挙の結果について市長の率直な感想をお伺いいたします。 次に、この選挙戦で2点ほど疑問がありましたので伺います。 1つは、選挙公報についてです。 これは、2つの陣営が新聞に選挙広告を出す際に、後援団体と思われる団体が新聞紙面1面を使い、候補者と団体の応援広告をかぎ括弧で分けたというぐあいに広告が出されていました。先般、このやり方について選挙管理委員会に伺ったところ、公職選挙法に違反しないということでした。 公職選挙法第149条では、公職の候補者は同一寸法で、いずれか1つの新聞に、選挙運動の期間中、都道府県知事選挙においては4回に限り選挙広告が無料で出せるようになっておりますが、これは多くの資金を持つ者が有利にならないよう、新聞広告が公費で出せる仕組みでもあります。今回の広告は、候補者ではなく支援団体が明らかに同じ紙面の中で候補者のスローガンや公約を載せており、いかがなものと感じていました。 また新聞広告1面となると、200万円から300万円かかったと思われます。合法だとしても、モラルに欠けると感じています。これが許されることになると、多くの選挙費用を使う候補者や支援する団体が候補者の広告効果を出すことができることになりますが、広告の内容、選挙スローガンを載せることなども含めて、総務省省令に照らして再度合法なのかお伺いをいたします。 2点目は、当選された丸山知事が公約に上げておられ、街頭演説でも話されていましたが、子どもの医療費助成について県内でばらつきがあり、小学校6年生までは島根県で負担するとの選挙演説を聞かせていただいたところでございます。実際、出雲市では就学前まで、松江市では小学校6年生まで、安来市では中学校3年生までが医療費無料の政策を行っており、確かにばらつきがあります。 松江市の状況を見ますと、島根県はゼロ歳から就学前の子どもに対し、通院1,000円、入院2,000円を上限として約1億7,600万円の補助をしていますが、松江市はその補助裏として1億7,600万円、県補助上限を超える上乗せ分9,600万円、小学校1年生から6年生までの市単独負担分3億2,300万円を医療費助成しています。つまり、総負担額7億7,100万円のうち市の負担額は5億9,500万円になります。これを公約どおり県で全額見ていただくことができれば、5億9,500万円松江市の負担がなくなり、松江市ではその他の多くの事業に予算配分することができ、大変ありがたい話ではありますが、県がその財源を確保するために、ただでさえ事業進捗がおくれている多くの普通建設事業や投資的事業がおくれることになれば、それも困ります。 私どもも当然新しい県議会でも質問があると思い注目していたところ、先般県議会代表質問の回答で、丸山知事は既存事業割り当てでの負担を考えておられるようで、県の追加負担は5億4,000万円との説明があったようです。私どもが期待した全額県負担ではありませんが、この試算を松江市に当てはめると、松江市への県補助は幾らになりますでしょうかお伺いをします。 しかしながら、小学校6年生までの医療費負担を行っている市町村はよいのですが、就学前までしか負担していない市町村では、補助はいただけるが新たな負担がふえることになり、当然市町村財政を圧迫します。県が行うので、国が行うときのように市町村負担分は交付税での対応をするというものではなく、また単年度の補助金でもありません。そうなれば義務的経費として毎年計上しなくてはならなくなり、県財政もですが、新たな市町村財政への負担を強いることになり、当然、市町村の独自事業への影響もあります。 私は大変ありがたいことだとは思いますが、しっかりとした市町村長との協議が必要ではないかと考えますが、市長の所見をお伺いいたします。 いずれにしても、さまざまな問題を抱えているのに財源は少ない島根県です。選挙での戦いはありましたが、丸山知事にはしっかりと県政のかじ取りを行っていただきたいと思います。 次に、先般開催されたホーランエンヤ松江城山稲荷神社式年神幸祭についてお伺いをいたします。 5月18日から26日の9日間、370年の歴史を有す水の都松江が誇る全国最大級の船祭りホーランエンヤが10年ぶりに、五大地の約100隻の船により、大橋川と意宇川を舞台に繰り広げられました。 私も18日の渡御祭を拝見いたしましたが、威勢のいいホーランエンヤの歌声やかいさばき、また堂々とした歌舞伎風衣装の剣がいや女姿の采振りなどを拝見し、感動いたしました。ここまで大変な御苦労の中、しっかりと準備され、見事に祭りを成功裏におさめられた五大地の皆さんを初めかかわってこられた全ての皆様に、まずもって敬意と感謝を申し上げます。野津照雄副議長も大井の総代長として無事に役目を果たされ、私どももほっとしています。 神聖な神事ではありますが、松江市にとってはことし最大のイベントでもあります。今回、ホーランエンヤの経済的効果、渡御祭、中日祭、還御祭など多くの人出がありましたが、松江市にどのような効果があったのか、またどのような問題点があったのか、検証されておられればお伺いをいたします。 また、五大地の皆様も人口減少の中、後継者が不足しているように伺います。伝統文化、神事なので勝手なことは言えませんが、今後の運営や伝統文化としての保存についてさらなる検討が必要と考えますが、所見を伺います。 次に、人口減少対策と新幹線の必要についてお伺いをいたします。 日本の人口動態を見ていると、興味深い数字が出てきます。特に明治以降の人口を見ると、江戸時代から明治時代の初期は移動手段が船であり、太平洋側の都市の人口に負けないくらい日本海側の都市の人口も多いことがわかります。ことしは市制130周年になりますが、市制が施行された1889年(明治22年)の日本全体の人口は約4,000万人、全国で31市が指定され、松江の当時の人口は3万5,513人で全国22番目であったそうです。その当時、関東地方で松江より人口が多かった市は東京と横浜だけで、松江とほぼ同じ人口だったのは静岡市の3万7,681人でした。 島根県で見ると、1889年は70万282人、1920年の初めての国勢調査では71万4,712人の人口が、終戦の1945年には86万275人、1955年には92万9,066人とピークを迎えました。大阪府では、1889年は120万3,395人で、1920年には倍の258万7,847人、1940年には473万6,900人になりますが、終戦の1945年には280万958人となっています。島根県の増減と大阪府の増減の時期は、戦争もありましたが、全く反対の増減となっており、このとき既に人口移動が確認できます。 GDPで見ますと、1874年には島根県は全国30位、1909年には46位となっています。これは明らかに、産業構造や労働生産性に地域間格差が既に始まったことによるものと推察します。このことと鉄道の遍歴をあわせますと、今から150年前、1872年に新橋-横浜間で鉄道が開設され、1889年には新橋から神戸までの東海道本線が全線開通し、30年ほどで7,000キロメートルの鉄道が敷設されました。また、1894年には、5大私鉄の一つ山陽鉄道が神戸-広島間で開通されています。 第1回国勢調査が行われた1920年には、市制をしいたころの人口で上位に位置していた日本海側の各市は軒並み順位を下げ、鉄道が敷設された太平洋側の地域では軒並み人口が増加しています。このように鉄道の敷設の状況により、明治時代から島根県の人口は減少を始めていましたが、戦争による疎開、戦後の復員などにより、1945年には86万275人、1955年には92万9,066人とピークを迎えますが、高度経済成長期、まさしく新幹線の敷設を機に加速的に減少し、2018年度は67万9,170人と、47都道府県の中で唯一、1920年の国勢調査以来人口の減った県になってしまいました。 こういったことをぜひとも解消すべきであり、新幹線整備は地方創生、地域経済対策人口減少対策に欠かせない事業であると感じていますが、鉄道整備、新幹線整備と圏域の人口減少について市長の率直な感想を伺います。 3月6日に、事業化のめどが立っていない新幹線路線の整備について協議した自民党のPTが党本部で開催され、私も当時議長として、松浦市長、坂口米子商工会議所会頭とともに参加させていただきました。市長が圏域での新幹線の必要性について述べられた後、既に新幹線が開通している岡山県との関係はどうなのかとの問いに、私は意見として、国鉄時代の新幹線整備については全額国が負担しているが、平成10年の一般会計における債務の継承等に伴い、必要な財源確保に係る特別措置に関する法律により、国鉄清算事業団が抱えていた24兆98億円の国鉄時代の債務は全額国の債務となった。新規の整備計画を進めるには、地方が整備費の3分の1を関係自治体で負担することになっており、既に新幹線が開通している自治体や、財政力の弱い自治体ではなかなか前向きに取り組んでいただけない。しかし、私どもは覚悟、意気込みを持って取り組みたいと考えている。過去に整備された自治体は3分の1の地元負担はなく、全額国費で賄われた。本来であれば、過去に整備された自治体からも負担していただきたいと考えるが、今さらそうも言えない。現在新幹線整備予算は755億円、令和元年度は37億円ふえ792億円の予算措置であるが、新幹線を利用される方は平成27年度に4億人を超えふえ続けている。新幹線利用税を創設し、1人200円課税すれば800億円の予算が追加できるし、西田参議院議員が松江の総決起大会で、JR全体から上がる国の税収は3,000億円あり、それを使ってでも基本計画路線を整備すべきとの発言もありました。国会議員の皆さんには、議員立法をつくるぐらいの覚悟でこの問題に対応していただきたいと発言させていただきました。 市長もそのときのことをブログで紹介されていますが、改めて市長の所見を伺います。 次に、先般5月22日に、中国横断新幹線(伯備新幹線)の整備推進会議の設立総会が開催されました。中海・宍道湖・大山圏域沿線の12市町村と議会、14の経済団体、6つの青年会議所など賛同される団体で構成され、市長は会長に就任されました。いよいよ基本計画路線から整備計画路線格上げのための地元組織ができ上がりました。 北海道新幹線、北陸新幹線、九州新幹線などの開業後の実績は、輸送人員、入り込み客、観光施設の利用者など軒並み増加しており、長野-金沢間の開業により、開業1年間で前年比の3倍の利用者増、金沢周辺では地価が約2倍に上昇、富山県では新幹線開業を契機にYKKグループの本社機能の一部が移転、また事業所の開設がふえ、雇用創出、UIJターン、定住の促進により学生の県外流出が減少し、平成28年度には11年ぶりに転入超過、平成29年度には2年続けて転入超過となりました。周辺でも観光客が増加するなど、さまざまな効果が出ています。 しかしながら、そういった情報の少ない市民の皆様に、人口減少対策の中でなぜ新幹線が必要なのかしっかりと説明することも必要です。そして何よりも、島根県がしっかりと対応しなければならないと考えます。総会には知事の出席はなく、考えを聞くことはできませんでした。また、新幹線誘致について推進に動いていた多くの県議会議員が引退されましたが、県の動向はいかがなものか伺います。 また、この推進会議で6月12日、13日に国土交通省、関係国会議員を訪問され要望活動を行われましたが、状況と所見を伺います。 現在国においては、平成29年度から幹線鉄道ネットワーク等のあり方に関する調査が行われており、今年度は単線による新幹線整備、その他の効果的・効率的な整備手法等に係る具体的な調査が行われています。また、与党自民党でも先ほどお話ししましたようなPTが開催され、6月5日には基本計画路線を含めた新幹線の早期構築が重要だとし、整備のための国費の大幅な増額が求められました。 提言では、採算性のみで判断することなく、国、地方がしっかりと関与する必要があると指摘され、基本計画路線を初めとした新幹線ネットワークの整備は、地方創生や国土強靱化の観点からも重要なプロジェクトと強調され、地域経済、社会を支えるためには、高速輸送サービスの提供が不可欠との視点に立ち検討すべきとされています。まさしく私たちが訴えていた内容が提言された形になりましたが、整備計画路線への格上げに向けて、今後の活動と自民党PTの提言について市長の所見を伺います。 次に、先般会派役員で今年度の国の交付金の状況について研修しましたので、何点かお伺いをいたします。 最初に、地方創生推進交付金・整備交付金について伺います。 地方創生関係の交付金は、自治体の自主的、主体的な取り組みで先導的なもの、またKPIの設定とPDCAサイクルを組み込み、従来の縦割り事業を超えた取り組みを支援するものです。平成26年度補正で地方先行型交付金、平成27年度補正で地方創生加速化交付金、平成28年度から平成31年度当初予算で地方創生推進交付金が1,000億円、事業費ベースで2,000億円となっており、平成28年度補正から地方創生拠点整備交付金が900億円計上され、平成29年補正から平成30年度補正まで600億円、事業費ベースで1,200億円が計上されています。 松江市では、平成28年度の補正の地方創生拠点整備交付金を使い、水上飛行機推進事業3億円を計上し、離発着場を含めた周辺整備を行い、現在土日の運航が行われています。また、平成30年度補正予算で中海スポーツパーク事業7億8,720万円、大手前観光拠点施設事業4,500万円、八雲林間劇場整備事業4,855万円を計上しましたが、残念ながら中海スポーツパーク整備事業については国の事業採択を受けることができませんでした。 これは、地方創生拠点整備交付金は建物の整備が要件とされていることや、ハード事業の割合や広域連携のありなし等のさまざまな条件を勘案して事業計画を立案するには、事前相談の期間や募集期間が極めて短いため、国との協議がうまくいかなかったためと推察します。 また、推進交付金は建物以外のハード整備も認められているものの、ハード経費割合や交付上限額といった制約があるため、使いづらいのが現状です。 5月14日に会派役員で研修し、担当の内閣府参事官補佐に相談させていただきましたが、計画を早目に立て、なるべく早く相談に来てほしい、柔軟に対応するとのお話も伺いました。しかしながら、やはり使いにくいのが現状であり、全国での執行率も余り高くありません。特に拠点整備交付金については、交付金要綱での期間は通常2年ですが、補正で計上されるため、実質1年で事業完結しなくてはならず、小さな市町村では1億円を超える事業となると実施が難しく、松江市でも5億円を超える事業となると対応が難しくなります。 先般、会派として国と地方の協議の場で話題にしていただくよう議長にもお願いしたところでありますが、中海スポーツパーク事業の今後の取り組みと地方創生推進交付金拠点整備交付金について市長の所見を伺います。 今回、地方創生拠点整備交付金について、松江市事業ができた、できないと新聞紙上で取り上げていただきましたが、この交付金は島根県でも使える交付金です。しかしながら、県事業については余り話題になりませんが、地方創生加速化交付金のころは、山陰DMOの立ち上げや中海・宍道湖・大山圏域観光プロジェクトなど、島根県内でも毎年数事業の事業が展開がされています。県でも総合計画、総合戦略が立てられ、地域再生計画もできていると思いますが、他県では毎年のように3つから5つの事業が県事業で展開されていると伺いますが、島根県、また県内市町村の事業申請や採択の状況はどのようになっていますでしょうかお伺いをいたします。 次に、国土強靱化予算についてお伺いします。 国土強靱化基本法は、平成25年12月に議員立法で成立しています。基本理念は、東日本大震災から得られた教訓を踏まえ、事前防災・減災その他迅速な復旧・復興施策を総合的、計画的に実施、また明確な目標のもと、大規模自然災害等から国民の生命、身体、財産の保護並びに大規模自然災害等の国民生活及び国民経済に及ぼす影響の最小化に関連する分野について現状の評価を行い、当該施策を適切に策定し、これを国の計画に定め行うというものです。 国は今年度、国土強靱化基本計画の見直しを踏まえ、施策の重点化、優先順位づけ、ハード、ソフトの組み合わせ等により、府省庁横断的な国土強靱化の取り組みを重点的、効果的に推進し、平成30年7月豪雨、平成30年台風21号、平成30年北海道胆振東部地震を初めとする近年の自然災害の教訓を踏まえ、防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策を集中的に実施するため、平成30年度、平成31年度、令和2年度の3カ年、防災のための重要インフラ等の機能維持、国民経済、生活を支える重要インフラ等の機能維持など事業規模7兆円の予算を組み、平成31年度は公共事業費6.9兆円のうち国土強靱化関係予算は5兆3,056億円が計上されています。また、3か年緊急対策後も、国土強靱化基本計画に基づき国土強靱化を推進していくということです。 先般研修で、平成31年度の国土強靱化の概要について内閣官房国土強靱化室より説明を受けましたが、さまざまな予算に網羅されていることがわかりました。そして、予算獲得のためには、国土強靱化地域計画が重要ということも伺いました。5月1日現在の市町村の策定率は、30%以上が鳥取県を含む3道府県、10%以上30%未満が島根県を含む9県、1%以上10%未満が25都道府県、策定中、策定済み市町村なしが10府県となっています。島根県の市町村では、策定中が松江市と隠岐の島町だけです。 各府省庁においてさまざまな事業に対応できるようになっており、今回採択が見送られた厚生労働省枠の社会福祉施設等の耐震化予算など策定が行われていれば、採択が認められやすいものもあります。 今まで議会では、大規模施設の耐震化補助や規制、橋梁の耐震化などについての質問もありましたが、都道府県や市町村が行う国土強靱化地域計画の策定については余り質問もありませんでした。現在の国土強靱化地域計画の策定の状況と、今年度の事業予算の状況についてお伺いをいたします。 次に、政策研究会提言について伺います。 松江市議会では、議会基本条例の本旨にのっとり、政策提言、政策条例を目指すため、副議長、各会派から選出された委員により構成された松江市議会政策研究会を設置し、平成26年には議員提案による政策条例松江市自転車安全利用条例を制定し、その後も市政に関する条例及び政策に関する提言を続けてまいりました。 今回、合併し市域が広がる中、地域の行事を初めとする松江の風土、歴史に育まれ受け継がれてきた伝統文化が失われることを危倶する声が上がり、次世代へ伝えることの重要性を再確認したところです。 2021年の松江国際文化観光都市建設法70周年を迎えることから、それまでに制定を目指し政策条例の検討をしてきましたが、先般平成31年第1回松江市議会定例会の一般質問において市長から、松江が持つ歴史、文化、芸術に関する条例等について検討する旨の答弁があり、今回条例制定等を検討するに当たり議会から、歴史・伝統文化を知る、歴史・伝統文化を伝える、歴史・伝統文化を支える、歴史・伝統文化を育てるの4つの項目の提言をしたところでございます。今回質問したホーランエンヤの今後の課題検討にもなりますが、条例制定に向けどのようなスケジュールで行うのか、また今回出した議会提言をどのように反映するのか所見をお伺いいたします。 最後に、教職員の人事権移譲についてお伺いをいたします。 先般、松江市が求めてきた教職員の人事権移譲について、島根県教委は議論を打ち切る結論を出されました。松江市では小中一貫教育など独自の教育が進んでおり、中核市になってから教員研修に関する権限などが移譲されたこともあり、松浦市長が長らく求めてきたものです。 この教職員人事権の移譲については、平成17年の中央教育審議会の答申で、当面中核市を初めとする一定の自治体に人事権を移譲し、その状況や市町村合併等を踏まえつつ、その他の市町村への人事権移譲について検討することが適当と提言があったものです。 このことはちょうど合併の前のころに話があり、当時の町村ではわけもわからず反対という声が大きかったと思います。しかし今、冷静に考えてみると、松江市と出雲市以外の市町村は全て過疎認定を受け、市町村の全域が過疎指定されています。つまり人口減少が進み、若者がやりたい仕事が自分のまちで見当たらない状況が続いています。市町村や県はそのために一生懸命企業誘致を進め、そのような市や町に雇用をつくろうと頑張っています。 私はある意味、教職員の人事権も雇用の確保と見るべきと感じています。仮に自分のまちに教員が100人必要になれば、現在の教員が退職するたびにそのまちに教員という雇用が生まれます。当然、市町村の出身者を雇用するか、他市からのIターン者を雇用することになり、必然的に地域に人が残ることになります。そのことは地域のさまざまな活動に好影響をもたらすことになります。特殊な技術を要する教員については市町村で人事交流を行えばよく、人的問題はありません。つまり、県が採用するか市町村が採用するかの違いです。 それではよい人材が集まらないという考えがあるかもしれませんが、それは先ほどの人事交流で解決できます。人材ということを単純に考えれば、市町村職員も同じであり、もっと柔軟に考えればよかったのではないかと感じます。私は、今回小委員会を経ていきなり結論を出し、議論を打ち切ったのは、余りにも拙速のように感じます。 平成17年以降、松江市は平成24年に特例市になり、平成30年には中核市になり、県からは多くの権限移譲がありました。実際私どももうまくこなせるのか不安もありましたが、中核市として堂々と市政が運営されています。 国においては地方分権が進み、多くの二重行政解消のための施策も打たれてきました。大きく国、県、市町村の状況は変わってきていると考えますが、今回の結論に至った島根県教育委員会の考え方、それに対する松江市の受けとめ方、松江市が申し込んでいるワーキング会議の開催などの是非など、今後どのように進めていくのか市長の見解を伺います。 以上で質問を終わりますが、執行部におかれましては内容の濃い答弁を求めるものでございます。終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(森脇幸好) 松浦市長。 〔松浦正敬市長登壇〕 ◎市長(松浦正敬) 森脇勇人議員の代表質問に私のほうからお答えをさせていただきたいと思います。 まず第1点目でございますが、知事選挙についてでございます。 御質問の中でもございましたけれども、今回の知事選挙につきましては、私どもの島根県の市長会では、知事候補の推薦に当たりまして、やはり国との連携が必要不可欠だと、こういう判断のもとで、政権与党でございます自民党県連が推薦をいたしました、そしてまた自民党本部が推薦をいたしました候補者を推薦すると、こういう決断をいたしたところであります。 しかしながら、結果といたしまして丸山知事が当選をされたわけでございますし、この結果は当然尊重すべきものだと思っております。 今後、県との関係等々をどうしていくのかということでございますけれども、やはり今島根県の、松江市もそうでございますけれども、抱えております一番大きな問題は人口減少問題でございます。このまま放っておきますと、松江市あるいは市町村もそうでございますが、県全体も衰退をしていくと、こういうことがございますので、この問題につきましては、県と市町村が密接に連携を図って、効果的、効率的な施策の展開を図っていく必要があると思っております。 その中でも、やはり県と市あるいは市長と知事との信頼関係ということをきちっとやっていかないと、これは県民、市民にとりましてもマイナスになっていくと考えているところでございます。 こういう考え方のもとで、先般5月31日でございましたけれども、臨時の市長会を開催いたしまして、丸山新知事をお招きして、大変短い時間ではございましたけれども、初めて率直に意見交換をすることができたと思っております。これを一つの皮切りにいたしまして、今後知事と市町村長との連携を密にしていきたいと思っているところでございます。 具体的には、やはりこの人口減少対策の対応で、今後次期の総合戦略をつくっていかなければいけないわけでございます。先ほどお話がございました医療費の問題、子どもの医療費の問題も含めまして、やはり県と市町村との役割を分担しながら、これは一体感のある総合戦略となるようにしていく必要があると思っております。一緒に考えられる関係を構築していきたいと思っているところであります。 それから、選挙公報、選挙の広告の問題でございますけれども、この問題につきましては、選管の委員長のほうからお答えをさせていただきたいと思います。 3点目は、先ほど申し上げました子ども医療費の問題でございます。 知事は、今回の県議会本会議で、子ども医療費助成に関しまして、現在小学校入学前までのものを小学校の卒業まで医療費を無料化した場合に、県の追加負担は5億4,000万円になると試算を示されたところであります。この試算を松江市に当てはめてみますと、県の補助金は現在1億6,500万円余りでございますけれども、これが3億6,800万円程度となりまして、現在より約2億円程度ふえると試算をいたしているところであります。 したがいまして、松江市にとりましては極めて歓迎すべき事柄ではありますけれども、しかしながらまだ市町村の中には、子ども医療費制度の例えば対象年齢が例えば小学校入学前にとどまっているとかいろいろあるわけでございまして、これが例えば県のほうで小学校卒業までと年齢を広げることになりますと、当然その自治体にとりましては新たな負担が生じると、こういうことも出てまいるわけでございます。 現在の総合戦略の中で、私どもも大変県に対しまして要望したわけでございますが、突然保育料の県のほうの助成制度が出されたことがありました。そういう制度ができること自身は非常に歓迎すべきことではありますけれども、やはりこの保育料の減免という問題は、これは保育事業を扱っているのは市町村でございますので、この保育料の減免の制度は、以前から各市町村でそれぞれ制度ができ上がっているわけでございます。そこへ新たに県が保育料の減免という制度を持ち込んできますと、これまでの体系が崩れていくと、こういう問題があります。 同じように、今度のこの医療費を導入する場合には、やはりそういった点をぜひ十分勘案をしながら、よく市町村と協議をしながらやっていただきたいと思っているところであります。 大きな2点目は、ホーランエンヤについてでございます。 松江市にどのような効果あるいは問題点があったのかと、あるいは今後の運営あるいは伝統文化としての保存についてどのように考えていくのかと、こういうことでございます。 ホーランエンヤ、10年に一度ということで、ことしの5月に行ったわけでございますけれども、天候も大変恵まれたということでもありましたし、令和時代の幕あけの大きなイベントでありまして、大変見事な祭りとなったと思っております。改めて関係されました全ての方々に厚く御礼を申し上げますとともに、特に五大地の皆様方には、本当に心から敬意と感謝を申し上げたいと思っております。 人出でございますけれども、天候にも恵まれまして、前回を2万人上回る38万5,000人となったところでございます。このことによる有形無形の効果がもたらされたと思っております。 1つは、まずマスコミの注目度が非常にかつてないほど高いものがあったということでございます。当日の中継ももちろんでございますけれども、その前の五大地の練習などの準備の様子が盛んに報道をされて、伝統を継承する地域の結束力あるいは誇りを知っていただく機会となったものと思っております。そして、多くの皆さん方がこうした背景を知った上で観覧をされたということで、さらに強い感動を呼んで、この祭りを松江市民の誇りとして感じていただくことにつながったのではないかと思っております。 それから、こうした祭りの華麗さに加えまして、地域の力がNHKを初めといたしました民放各社、それから前回にはありませんでしたが、SNSなどの多くの全国ネット、それからさらには海外メディアにまで発信をされたということで、伝統文化が息づく松江の大きなシティプロモーションにもなったと思っております。 それから、経済波及効果も非常に大きなものがあったと思っております。宿泊関係でございますけれども、3日にわたります祭りの前後での予約がとりにくい状態、森脇議員の地元でございます美保関にもこれも波及して、喜んでいただいたと伺っております。 さらに、松江駅あるいは京店、松江城周辺、繁華街、この9日間を通しまして売り上げも伸びたところでございます。多くの来店でにぎわったと関係者から聞いております。38億2,000万円という効果が試算をされていたわけでございますが、大きな経済波及効果があったものと認識をいたしておりますし、先日商工会議所でも同じような意見がございましたけれども、こうした経済波及効果があることをもっとPRして、そうすることによって、また松江の皆様方にこのホーランエンヤに対しての御支援をやっていただく、そういうことにつながっていくものと思っております。 それから、運営面でございますけれども、急遽の熱中症対策などに追われたところもございましたけれども、臨時の駐車場対策や増車で対応されましたJR西日本などの公共交通利用も多く、スムーズな来場につながったと思っております。 それから、松江警察署等の関係機関の強力なバックアップで、大変多くの来場者の方に、全体といたしましては混乱なく観覧をいただいたと思っております。 それから、合併後、前回はまだ合併前でございましたけれども、東出雲町の皆さん方と今回は一体的に運営できたと思っておりまして、このことによりまして、私どもは祭りの全体像について改めて把握することができたと思っております。 しかしながら、今回の祭り全体を通しました改善点など早急に検証いたしまして、10年後に引き継ぐべき資料の作成を進めていきたいと思っております。 それから、何といいましても今後の人口減少を考えたときには、この櫂伝馬踊りをいかに伝承していくかが大きな課題であります。今後、五大地の連絡協議会などを通じまして、このホーランエンヤの伝承につきましては、五大地だけではなくて松江市全体で受けとめていき、考えていく所存であります。 いずれにいたしましても、全国に誇れるこの祭りが10年後も見事に行われるように、関係者の皆さん方の引き続きの御協力も得ながら、しっかりと取り組んでまいりたいと思っております。 3点目は、新幹線の整備事業の必要性ということでございます。 まず、新幹線の整備が、地方創生、人口減少対策に欠かせないものだと聞いているけれども、鉄道整備、新幹線整備と圏域の人口減少についての率直な感想をということでございます。 これまで新幹線整備が進められてまいりました地域には、人口増加、経済活性化、観光振興など大きな利益がもたらされているわけであります。その反面、この島根県を含みます新幹線がいまだ通ってない地域は、人口減少あるいは地域経済の衰退などのさまざまな問題に直面をいたしております。 この問題をわかりやすく、今京都大学の大学院の藤井先生が分析をされているわけでございますが、その中の一端を御紹介いたしますと、1つは、国内の今の政令市でございますけれども、札幌市を除く全ての都市が新幹線の沿線にあると。2点目といたしましては、明治時代の主要15都市のうち、新幹線が未開通または最近まで整備されなかった金沢、富山、鹿児島、和歌山、徳島、函館は、現在でも政令市になっていないと。3点目として、一方明治時代には一地方都市だった浜松、静岡、岡山などが、新幹線整備のインパクトのおかげで現在政令市になっていると。4点目としまして、新幹線がないまちは、かつてどれだけ栄えていた都市でも衰退していかざるを得なかったと分析をされているわけでございます。 このように、その地域の発展と新幹線整備は密接に関連があると考えておりまして、新幹線整備の早期実現に向けまして、積極的に取り組んでまいりたいと思っております。 それから、3月6日の自民党プロジェクトチームでの内容ということでございます。 3月6日に自民党の鉄道のこれからを考えるプロジェクトチームに、森脇、当時の議長と一緒に出席をいたしまして、私のほうから山陰新幹線、それから伯備新幹線両方の現状と取り組みにつきまして説明をしまして、意見交換をいたしたところであります。 プロジェクトチームでは、稲田朋美自民党鉄道調査会の会長、それから出席されました国会議員の皆様に、私どもの考え方について御理解をいただいたし、また力強い御支援の言葉もいただいたわけでありますが、一方で、四国選出の衆議院議員のほうからは、現在伯備新幹線整備のメリットを余り感じていない岡山県の同意を得る方策があるのかと、こういう極めて厳しい御指摘を頂戴いたしたところであります。 この議員は、四国新幹線の実現のために、岡山県の知事のところへ直接乗り込んで意見交換あるいは要望をされたということであります。そのときの印象をもとに、こういった御質問をされたということでございますけれども、私もどう答えていいか非常に困ったところでありますけれども、その際、先ほどお話がありましたように森脇議員のほうから、新幹線の利用税を創設するなど、国の責任において財源を確保すべきであるという熱のこもった力強い訴えをいただいたところであります。 その後、西田参議院議員あるいは青木参議院議員のほうからお話がございまして、これまで整備が進んでこなかった問題は、いわゆる地元負担金の問題があるんだと、こういうことを御指摘いただきました。森脇議員のほうからもお話がございましたけれども、東海道新幹線にしても山陽新幹線にいたしましても、これは旧国鉄時代に整備をされたものでありまして、国鉄の、いわゆる国策としてのこれは整備が行われた時代であります。したがいまして、結果としましてこれは地元負担がない形で整備をされたわけであります。しかしながら、国鉄の民営化に伴いまして、その後の整備が、やはりBバイCといいますか、収益があるのかどうかと、こういう観点から取り上げられてきたということでございます。 その結果、基本計画路線のまま取り残された地域は、その結果といたしまして、既に整備をされた地域へ人口とかいろいろな産業が集中してしまったということで、結果として非常に財政力の乏しい都市が多くなってしまったと。したがって、より地元負担がなかなか大変だと、こういうところだけが残ってしまったということであります。 そこで、西田参議院議員あるいは青木議員がおっしゃっておりましたのは、したがって今後の地元負担のあり方をこれは考えていかなければいけないと。昭和48年のいわゆる全国の新幹線ネットワーク構想、これに立ち返ってもう一度考えていく必要があると、こういう大変力強い御指摘を得まして、私どももそのとおりだと、これに向けて私どもも一生懸命やはり活動していかなければいけないと思ったところであります。 最初、このプロジェクトチームの意味は、私どものこのヒアリングを通じまして、どの路線を基本計画路線から整備計画路線へ格上げをしていくかと、それを選ぶためのプロジェクトチームだと最初は思っておりましたけれども、先ほどの西田参議院議員あるいは青木参議院議員のお話をお伺いする中で、全ての基本計画路線整備計画路線に格上げをするという運動を通じて、国土政策を実現していくと、こういう考え方、そしてそのための新幹線の予算枠を確保するためのものだと受けとめた次第であります。 それから、新幹線の必要性についての市民への周知、県の状況、それから推進会議の要望活動についてでございます。 まず、市民への周知でございますけれども、何よりも市民の支えがこれは必要でございますので、今後わかりやすい説明資料を作成いたしたいと思っております。これにつきましては、先ほど御紹介いたしました藤井先生のほうからいろいろな今分析を行っていただいておりますので、それを基礎にいたしました説明資料を作成していきたいと思っておりますし、それから出前講座を開催していきたいと思っております。 それから、ことしの10月20日に、伯備新幹線の整備推進会議の主催で、安来市におきまして総決起大会を開催することにいたしております。 それから、島根県の状況でございますけれども、既にこの山陰新幹線あるいは伯備新幹線の整備に関する期成同盟会が存在をいたしまして、それに加盟をしているわけでございますけれども、しかし現在は事実上、活動を行っていない状況でございます。 県のほうへ再三この新幹線の問題につきましてお話をするわけでございますけれども、返ってくるお答えが、現在高速道路網の整備が喫緊の課題であるということで、新幹線をやっていくということになると、国のほうからは高速道路はもういいのかと、こういうお話をされてなかなか困るんだと、こういうお話をされております。 それから、前の溝口知事のほうからは、やはり県の地元負担金が非常に大きくなること、それから新幹線が開通をいたしますと、在来線、これについては廃止をしていくと、こういうことになると、その沿線の住民の生活が非常に不便になっていくと、こういう問題があると、こういう御指摘をいただいているわけでありますけれども、高速道路の整備という中短期的な課題にあわせて、やはり長期的な視野のもとで新幹線整備を行っていくことにも、ぜひ積極的に取り組んでいただきたいと考えているところであります。 いずれにしましても、特に伯備新幹線については、鳥取県はもとよりでございますが、岡山県のこれは御理解、御協力を得なければいけないわけですし、この伯備線の沿線の大半が岡山県に含まれているということでございます。これはそういう意味でも、やはり県にこの運動を主導していただかないと、なかなかこれは難しいと考えているところであります。 それから、6月12日に石井国土交通大臣に面会をいたしたところであります。私どもの考えを国土交通大臣に率直に申し上げたところであります。これは整備新幹線への格上げ、それから新幹線整備に係る予算枠の増額、それから地元負担、並行在来線の問題、こういったことにつきまして御要望申し上げたところであります。大臣だけではなくて、関係の局長あるいは審議官、こういった方々も大臣室にお見えになってお聞きをいただいたところであります。大臣のほうからは、基本計画路線を含めた今後の新幹線整備のあり方について、引き続き調査に取り組んでいきたいというコメントがあったところであります。 それから、翌13日には、地元選出など関係する国会議員の皆様に要望内容を報告いたしまして、今後の御支援のお願いをさせていただいたところであります。 伯備線につきましては、御承知のとおりこれまでフリーゲージトレインの実現ということで行っていたわけでございまして、他の基本計画路線の取り組みに比べますと、結果的に出おくれ感は、これは否めない事実であります。このたびその推進会議を設立して、初めて国土交通大臣に直接要望できたことは、おくればせながらスタートラインに立って運動の第一歩を踏み出すことができたということで、大変意義深いものだったと考えております。 それから、今後のこの新幹線につきましての活動と自民党PT提言についての市長の所見ということでございます。 6月5日に自民党のプロジェクトチームによる提言がなされたわけでございますけれども、森脇議員のおっしゃるとおり、私たちの求める新幹線整備の考えとまさに合致しているものと受けとめたところであります。 こうしたプロジェクトチームの皆様方の活動状況を見てみますと、政府・与党内で次期整備計画決定に向けました動きが加速してきていると実感をいたしたところであります。今後こうしたプロジェクトチームの皆様の活動とも歩調を合わせて、次のあるいはその次の世代のために、何としてでもこの山陰新幹線あるいは伯備新幹線を実現しなければいけないという思いを強くしたところであります。 この新幹線の実現にはいろいろな課題もありますけれども、半世紀ぶりに整備計画が決定される見込みだということでございますので、このタイミングを逸してはならないと思っております。したがいまして、市民の皆様にもこうしたことをしっかりと説明して、十分に理解をいただき、沿線の皆様とも連携をして、一丸となって強力に推進運動を進めていきたいと考えております。松江市議会の新幹線議員連盟の皆様の今後ともの御協力を心からお願い申し上げる次第であります。 4点目は、地方創生推進交付金・整備交付金についてでございます。どのように考えているかということでございます。 まず、この中海スポーツパーク整備事業、これを地方創生拠点整備交付金の事業で申請をいたしたわけでございますけれども、今回は残念ながらこの要件に該当しないということで、事業採択を受けることができなかったところであります。 現在、この整備の必要性、目的を整理した上で、場所も含めて施設規模あるいは事業費の積算、それに対応する文部科学省等の補助メニューなどの検討をゼロベースから開始をしたところであります。 この2つの交付金の問題点でありますけれども、1つまず、いわゆるソフト事業であります地方創生推進交付金でございますが、例えば地域間連携あるいは政策間連携といった先駆的な要素が求められると、非常に複雑な条件設定が行われておりまして、なかなか地域の実情に応じた活用がしにくい状況があります。 それから、地方創生拠点整備交付金でございますが、今回スポーツパーク事業がうまくいかなかった最大の理由は、なかなか細かい条件がはっきり示されていないことであります。建設事業、いわゆるハード事業なわけでありますけれども、今回サッカーの練習場として造成をして芝生を植えると、これをメーンに申請をしたわけでありますけれども、国のほうの採択基準といたしましては、むしろそれよりも、その周りのといいますか、スタンドを、そうしたものをきちっと整備しなければいけないと、こういうことが条件になっていたわけでございます。私どもは練習場ということで出したわけでございまして、そういう意味ではなかなか私どもの考えているものと合致をしない。それよりも、そういうことが事前にきちっと示されていないところが、これは非常に問題があると私は思っております。 それから、御指摘がございましたけれども、2年間ということですが、実質年度末の補正でつく事業でございますので、単年度での事業完了が必要とされていることでございます。 それから、どうしてもこの事業の募集が年末ぐらいに急に参ります。したがって、それから慌ててどんな事業があるかということをかき集めて申請をすることになりますと、なかなか本当に対応が非常に難しい問題もあるわけでございます。 こういう問題がありますので、実は4月18日でございますけれども、内閣府の経済財政諮問会議の中の国と地方のシステムワーキンググループのヒアリングにおきまして、私は全国市長会の財政委員長という仕事をしておりますので、その立場で、先ほど申し上げました、この2つの交付金の問題点、これについて、もっと使いやすいようにしてほしいという話をしてまいったところであります。 それから、先ほどの拠点整備交付金につきまして、なかなか検討する時間がないままに急に申請をすぐしろと、こういうやり方になっておりますので、あらかじめ今どういうものがこの補助対象として考えられるのか、そういう募集が来たときにはすぐに対応できるようにということで、今から準備をしようと思っております。 そのための実は係長級以下の17名で構成いたします「人財育成ワーキンググループ」を立ち上げたところでございます。これはそうした補助メニュー等の活用を探すこと、それからそれと同時に、そういった議論を通じて「人財」の育成を図っていこうというものでございますけれども、そうしたグループの活動を通して、この拠点整備交付金・創生交付金の対象について、事前に検討する体制を整えていきたいと思っております。 それから、島根県県内市町村の事業申請、採択の状況でございますけれども、地方創生交付金につきましては、島根県はこれまでに24件の事業が採択をされております。それから、県内の市町村は141件の事業、そのうち松江市が採択を受けました事業が14件であります。それから、地方創生拠点整備交付金、ハード事業でございますけれども、島根県はこれまでに3件、それから県内市町村には13件の事業採択がございます。それから、松江市は、一昨年でございましたが、水陸両用機を核にした中海振興プロジェクトなど4件が採択をされております。 5点目は、国土強靱化予算についての御質問でございます。国土強靱化地域計画の策定状況と、今年度の事業予算の状況でございます。 御指摘がありましたように、この国土強靱化地域計画を策定することによりまして、国の補助事業の採択優先度も高くなっていくということでございます。したがいまして、この計画を早期に策定していくことが極めて重要だと思っておりまして、本年度の次期総合戦略と同じスケジュールで策定をすることにいたしております。 今後のスケジュールでございますけれども、有識者に意見を伺って、秋ごろには計画素案をお示しして、パブリックコメントあるいは防災会議等で多くの御意見を伺って、年内を目標に策定をしていく予定でございます。 それから、今年度の本市におきます防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策関連事業でございますけれども、2月補正におきまして、(仮称)玉湯統合幼稚園改築事業、それから嫁島の高架橋の改修事業など5事業で約2億6,000万円の事業費を計上いたしております。この財源といたしましては、交付税措置の起債、それから社会資本整備総合交付金などを活用いたしたところであります。 6点目の政策研究会の提言ということでございまして、先般議会のほうから私どもに、文化を知る、伝える、それから支える、育てることについての事業を展開して、そのための条例制定の御提言をいただいたわけでございます。 私どもは、今年度の当初の提案説明等々でも御説明申し上げましたけれども、私どもこれから地方創生あるいはまちづくりをやっていく上において、いろいろと国の事業であるとかといったものを活用していかなければいけないわけでありますけれども、やはり土台となるのは、その地域の歴史、伝統文化、こういったものであろうと思っております。そういうもののないまちづくりあるいは観光事業ということになりますと、それは例えばミニ東京をつくってみたり、あるいはテーマパークをつくったりということになってしまいまして、魂のこもらない事業になっていくと私は思っております。 したがいまして、今後こうした松江の歴史、伝統文化を深掘りをしていくことが大変大事だと、こう思っているところでございます。 現在、さまざまな文化活動などの現状の把握に努めながら、検討に向けた諸準備を行っているところでございます。その後に、有識者から成ります外部委員会を設置して、文化行政のあり方につきまして検討いただくことにいたしているわけでありますが、以前、開府元年まちづくり構想をつくるときに、文化の面で大変お世話になりました垣内先生という方がいらっしゃいます。この垣内先生を先日お招きをいたしまして、いろいろと意見交換をいたしたところでありますけれども、この松江市の考え方は非常にすばらしいものだというお褒めの言葉をいただいたわけでありますけれども、その際、やはりぜひ市内で現在いろいろな文化活動を実践している皆さん方と意見交換、あるいはその人たちのいろいろなお話を聞くことが非常に大事ではないかというお話をお聞きいたしました。その人たちの活動の中でどういう問題点があるのかとか、そういうものがそこに浮かび上がっていくということだろうと思っております。 もちろんそれ以外に、できるだけ多くの市民の皆さん方にかかわっていただいて、全体の機運醸成を図っていくことも必要であります。 こうした意見交換あるいは市民とのかかわりという中で、取り組みの成果をまとめていく必要があるわけでありますけれども、今後国際文化観光都市建設法70周年が令和3年4月でございます。これを目途に松江市の文化施策の方針をまとめていきたい、それを条例という形でまとまっていければいいかなと今考えているところであります。 中身はこれからになるわけでありますけれども、いきなりまちづくりとかあるいは観光事業との関連を考えていく前に、これは議会から提言をいただきました4つのキーワードですね、知る、伝える、支える、育てると、この4つのキーワードを一つの大事な視点としてまとめていきたいと思っておりますし、それに私はつけ加えまして、新たな文化を創造するという視点、そして古い文化、新たな文化も含めまして、その文化を活用するという2つの視点も加えてみたいと考えているところであります。 例えば現在文化財の維持、保存につきましては、文化庁も単に文化財を保存するだけではなくて、これをいかに活用を通して保存していくという考え方が非常に大事だと言っておりますが、まさにこの文化につきましてもそういうことではないかと思っておりますし、また新たな若い人たちを中心にして、文化が育ちつつあるのではないか、そうしたものを探しながら、そういった文化と古い文化とがまた融合していくと、こういうことも考えられると思っておりますので、そうした6つの視点で文化を考えてみたいと思っております。 最後に7点目といたしまして、教職員の人事権移譲であります。 知事のかわる直前に、突然県のほうからこの人事権移譲についての打ち切り宣言があったわけであります。私どもも非常に唐突な感じを受けたわけでありますけれども、この問題につきましては、最初県のほうに申し入れをしたときに、私どもは一番お願いをしたのは、松江市と他の市町村とが言い争いをするという形ではなくて、しっかりと島根県に対して我々要請しておりますので、しっかりと島根県がこれを受けとめて、自分の考え方をその中でまとめていただくと。それを他の市町村がそれに対してどう考えるのか、そういう形で進めていただきたいと強く申し上げてきたわけでありますけれども、最初のスタートが全市町村の中で話をしてくれという話でありました。 県はどうするんだと言ったら、県は加わらないと、最初はそういう話でございましたので、それはおかしいじゃないかと、自分の権限を人の議論に任せてしまうということではおかしいので、やはり県も入ってそれは議論をしてもらわなきゃいけないんじゃないかということで、最終的には県も入ることになったわけでありますが、今から考えてみますと、本当に主体的に県としてこの問題を受けとめるという姿勢にやや欠けたところがあったのではないかと思っております。 森脇議員も御指摘がありましたように、この人事権をめぐる情勢はいろいろな経緯がございまして、1つは平成18年度に県が立ち上げましたワーキング会議があるわけでありますけれども、この中で9つの課題があることを指摘いたしております。しかしながら、この9つの課題の検証をする前に、まだ国の動向がはっきりとしないので、国の動向を見きわめながら考えていく必要があるという結論で終わっているわけであります。 その後、御指摘がありましたように、平成27年だったと思いますが、国の閣議決定などによりまして、特に中核市に対してこの人事権移譲を積極的に推進していくという閣議決定が行われたところでありまして、そういう意味からいいますと、このワーキング会議が明らかにした国の動向も非常に大きく変わってきて、推進をしていくという方向に変わってきたわけでありますので、それを受けとめてぜひ検討してもらうことが必要だったわけでありますが、そのことについては、やはり県としての考え方はついぞ明らかにされなかったということがあります。 そこで、私どもは、これではやはりだめだと思っておりまして、やはりこれまでの閣議決定等の趣旨を踏まえまして、県が具体的なたたき台を示した上で論議をする場を設けていただきたいと考えております。 県の教育委員会におきましては、県の教育長のほうから、今後松江市のほうから協議があれば、その協議には応じると、こういうことでお話をされて、県の教育委員会もこれを了承いたしているわけでございます。そこで、5月17日でございましたけれども、松江市の教育長のほうから県の教育長に対しまして、平成17年、平成18年の検討結果の検証を含めて、再度検討する必要があるということを申し上げて、書面をもって教職員の人事権移譲に関する実務者会議、実務者協議会を設置して、改めて検討を行っていただくように申し入れをしたところであります。しかし、現在まで県のほうからは回答をいただいていないということでありますけれども、県の回答を待って、改めて今後の進め方について考えてまいりたいと思っております。 それから、あわせて現在中核市の教育長会におきましても、この問題の研究が進められていると聞いておりますので、そこでの議論にも注視してまいりたいと考えております。 ○議長(森脇幸好) 石原選挙管理委員会委員長。 ◎選挙管理委員会委員長(石原憲夫) 選挙広告についてお答えいたします。 まず、新聞広告の形態についてでありますが、候補者の新聞広告と政党その他の団体の広告とを同時に掲載する併載については、昭和44年、総務省から各都道府県の選挙管理委員会に対して、その取扱基準が示されているところであります。それに沿って今回の新聞広告の形態を判断しますと、今回の新聞広告は法令等で認められている基準内のものであると判断しております。 次に、政党その他の団体の新聞広告の内容についてでありますが、公職選挙法第146条第1項においては、何人も選挙運動の規制を免れる行為として、選挙運動期間中に公職の候補者の氏名もしくはシンボルマーク等を表示する文書図画を、選挙運動とは関係のない広告などのように装い頒布したり掲示することを制限しております。いわゆる脱法文書の禁止規定であります。 一方、公職選挙法第201条の13第1項第2号、これは選挙期間中における政党等の政治活動の規制に関する規定でありますが、これを根拠規定といたしまして、新聞広告の内容については、選挙運動に当たらない純粋な政治活動の範囲内であるものに限り、候補者の氏名または氏名類推事項に及んでも規制されないと解釈されているところであります。 このような条文に照らした上で、今回の新聞広告の内容が選挙運動に当たる違法なものか否かにつきましては、松江市選挙管理委員会としては、疑問は残るものの、直ちに合法とも違法とも断定できないものと判断しており、最終的には司法機関に委ねざるを得ないと考えているところであります。以上です。 ○議長(森脇幸好) 26番。 ◆26番(森脇勇人) 終わります。 ○議長(森脇幸好) 12番柳原治議員。 〔12番柳原治議員登壇〕 ◆12番(柳原治) 松政クラブの柳原治でございます。引き続き会派を代表して質問します。 それでは第1点目、中小企業振興策についてお伺いします。 今回、中小企業や小規模事業者に対する振興条例が本議会に提出されています。国内産業の99%を占める中小企業・小規模事業者の活躍こそが地域経済活性化のキーワードであることは、異論の余地もありません。現在、具体的な支援策に関しては、中小企業庁や島根県、そして振興財団、さらにそれを補完するように松江市の各種政策、産業支援センターなどが対応しているところでございます。 しかし、そもそもこういった制度の情報提供、また制度と事業者をつなぐコーディネート不足によって、十二分に中小企業及び小規模事業者がこういった有利な支援制度を活用されていると言い切れません。 例えば情報提供一つとっても、島根県が製作している支援ガイドブックに松江市が補完している施策を追加し、島根県と共同歩調をとり、冊子の増刷と配布の部分を松江市が負担し、市内事業者に広く情報提供し、支援措置を最大限活用してもらうことも考えるべきだと考えます。 また、本条例を制定する覚悟があるということは、中小企業を振興するに当たって、松江市が発注する業務等を市内業者でできる部分においては、入札条件等の弾力的な運用ができるための制度改善など、松江市全体の中で財政部等も本気で考えていかなければならないと考えます。 また、条例案の中では、創業・起業の促進とも書いてありますが、松江市では国の創業支援事業計画を既に持っており、本制度を十二分に活用し、国と連携したさらなる有効的な創業・起業支援に動くべきだと考えます。 また、事業の効率化や人手不足解消でのIoTでの課題解決においては、テクノロジー活用を得意とする企業からの課題解決アプローチやビジネス提案化が先行しており、地域課題や個別具体の中小企業・小規模事業者とのニーズの拾い出しを初めとした適切なマッチングが進んでいません。 こういった点を踏まえて、本条例制定に対する松江市の意気込みを伺います。 また、国、県、市の重層的な支援制度の周知について、条例の中でどう考えていくか、財政部も含めた公共事業等の入札等の弾力的な運用についてはどうか、来年度の起業・創業支援についてはどうか、IoTを活用するための地域や事業者課題や先行企業とのマッチングについてどうするのか、考えをお伺いいたします。 次に、移住・定住施策についてお伺いいたします。 先日の新聞に、島根県のUIターン者の人口が減ったという記事がありました。全国トップランナーとしてやってきた島根県としては、大きなニュースでした。その中でも最も多くの人口を抱え、島根県を牽引し、トップランナーにならなければならないはずの松江市の現状やUIターン者の評判等について、これでよいのかと考えさせられます。そこで、松江市のUIターン者を取り巻く環境を整理します。 地域おこし協力隊のスキームは、省庁や各自治体により多くの視察があるように、全国でも少ないモデル的かつ先進的なスキームで事業展開をしています。また、移住者や起業者が少ないわけではなく、都会地で魅力的な技術を持った若者がUターン、Iターンをして、松江市内でも多くの起業・創業をしています。 先般、地域おこし協力隊の1期生の壮行会があり、そこに50名を超える地域のキーマンたちが集まったと聞いております。ふるさと島根定住財団のスタッフや多くのUIターン者の話を聞きますと、こういった客観的事実が正しくイメージとして評価されてないことや、UIターン者がこちらで起業・創業を行う場合、どこに、誰に相談していいか等のプラットフォーム、人を動かすために必要な土台となる環境がなく、また市内で活躍するUIターン者のつなぎ役がいないことも浮かび上がります。さらに、それが挑戦したい若者を松江に集め切れてない、つまり拾い損ねているという現状もあります。 しかし、先般あった協力隊の1期生の壮行会のように、まさしく関係人口のプラットフォームができつつあり、こういったプラットフォームこそが、さらに多くの移住者、定住者、起業・創業者、松江を応援しようと思う人たちを引き寄せるプラットフォームになっていくと感じます。 こういった松江市の現状を鑑み、市の定住企業立地推進課がそのエンジンとプラットフォームとして現状担っているわけですが、関係人口の言葉が示すとおり、関係や人を知っていることが最も肝要な事業や部署において人事異動がある市のシステムでこれを担おうとすると、必然的にその関係や人の情報は積み重ねず、バンクされません。また、UIターン者にとって、担当者がかわり、行政と関係も連絡もなくなったという話はよく聞く話です。 そこで、多くの都道府県では定住財団を持つのですが、現状の分析の中で、定住財団も島根県全エリアをカバーしなければならず、人口の約3分の1近くを占める松江市がさらに重層的に強化していくことが必要だと思います。 国は、地域おこし協力隊を8,000人までふやすとしています。また、関係人口の創出を地方創生の最重要施策に力を入れるとしています。また、地元選出の細田博之衆議院議員が尽力し、いわゆる地域におけるマルチワーク(多業、複数の仕事にかかわる働き方)の推進と支援の法整備を国が進めています。つまり、地方創生推進交付金やその他の組み合わせにより、財源措置も優先順位も持って講じられる可能性が高いと感じます。松江市の課題と国の方向もまさしく一致しており、やらない理由はないと思います。松江市もスピード感を持って、新しい定住と移住者や地元のUIターン者をつなぐプラットフォームの検証に挑戦すべきだと思いますが、市長のお考えをお聞かせください。 次に、観光施策についてお伺いします。 昨今より松江市においては、宿泊税の導入、観光協会のあり方などが議論されております。しかし、基本的にどれもが手段論の話であり、そもそも今、松江市の観光の現況を見た上で、何が必要で、何が足りないか、また未来に向かってどういう体制がよいのか、そのために財源をどう生み出していくかという議論をしなければなりません。宿泊税の議論も、税ありき、納得してもらうことありきではなく、今、松江市の観光にどういう状況が生まれているかを、冷静に関係者全員で共有、把握しなければなりません。 出雲大社の遷宮、国宝松江城の誕生など大きなトピック、また全国最低水準とはいえ、日本全体のインバウンド観光客に牽引され、松江市が持つ観光の現況が見えにくくなる中で、今こそ20年、30年後の松江市の観光のために議論を行い、丁寧かつスピード感を持った未来展望を描くことが求められます。 そういった中で、目先のインバウンド観光も大事ですが、その前に、まず松江市が観光地として生き残るために、何が必要で、どういう体制でそれを実現していくか、そしてその議論の中では必ず必要な財源の話になります。それを広くあまねく市民の皆さんからの税金で観光体制をつくるのか、観光に来た宿泊者からのお金をいただくのか、必ずその議論は避けて通れないはずです。 全国どこの自治体も、観光といえば一つの産業の分野であるにもかかわらず、公金の出動が非常にやりやすかったのは、過去から続いてきた事実です。産業として支援をする側面、魅力的な都市としてのまちづくりとしての側面、大きな意味で松江市の観光地、そして観光産業をどうつくっていくかの大きな議論です。 財政がより厳しさを増す中で、観光産業ばかりを優位に扱うことには、将来市民の皆さんから不満が出ることも想像しておかなければなりません。宿泊税ありきの議論ではなく、またイベントを行うとか小さな話ではなく、大きな意味で松江の未来の観光について今考えることを期待します。その上で、本質問に対する松浦市長の考え方、また今後の具体的な進め方についてお伺いいたします。 次に、国体についてお伺いいたします。 島根県での2029年の国体開催が決まりました。この件に関しては、この議場でも大きく議論されてきましたが、スポーツの力によるまちづくりの重要性については、もはや言うまでもありません。 市長は、さきの2月議会において、島根県に対して、開催機運の醸成や開催に向けたスケジュール等を早急に示すよう引き続き働きかけを行うとともに、大会開催を今後のまちづくりに生かしていけるよう、県など関係機関と協議を行っていくと所信表明されましたが、この国体の開催に関連した質問を行います。 以前のくにびき国体では、松江市は総合運動公園やインフラの整備、また財団などの設立を通じ、スポーツ人材の育成など大きく松江のまちを変化させました。これからの松江市のスポーツとまちづくりについては、後日、河内議員が質問いたしますが、改めて国体に関連して、県都松江市はどのような心構えで国体に向かっていかれますか、また松江市としてどんな競技を担っていきたいとお考えですか。選手の強化対策や体制づくり、及びインフラ等の再整備など、どういう考え方で進めていきますかお伺いいたします。 次に、松江市ガス事業の民営化についてお伺いいたします。 松江市におけるガス事業は、大正元年に民間事業者により始まり、昭和5年より公営事業として、安心・安全で安定した供給に努めてこられたところです。平成17年には、行財政改革の観点から、松江市ガス事業経営検討委員会を設置し、具体的な民営化の方法、時期と財務のあり方について議論が行われ、平成18年には、施設と営業権を売却する事業譲渡が望ましいとする答申が行われておりますが、平成12年、平成17年の天然ガスへの転換作業による多額の債務がネックとなり、受け入れ企業がありませんでした。 その後、ガス局は13年間にわたり、答申に沿って経営努力を重ねられ、事業価値を高める努力を続けてこられたと思っております。平成29年度の都市ガス小売全面自由化により、料金の自由化や付加サービスなどによる競争の激化など、ガス事業を取り巻く環境が厳しさを増す中で、さまざまな経営努力により、最大75億円余りであった企業債残高は、令和元年度末には24億円程度までに圧縮される見込みと伺っているところです。 このような中、平成30年9月には、市長より民営化を進める内容の発信があり、平成31年2月にはそれを受け、島根県LPガス協会松江支部並びに松江ガス供給株式会社から事業譲渡の要望が市長及び我々議会宛てに提出されました。その後、平成31年4月には、市長よりガス事業管理者へ外部委員会の設置を指示され、令和元年5月には第1回会議を開催されたと伺っております。 つきましては、平成18年のガス事業民営化に係る答申以降、新たに市議会議員となった方々、私も含め多くおりますので、改めてお伺いいたします。 平成18年当時の民営化は、行財政改革の視点から進められていたわけですが、今回のガス事業の民営化はどのような目的で進められるのか改めてお伺いします。 さらには、松江市ガス事業経営検討委員会の進捗状況と、今後のガス事業民営化の進め方について市長にお伺いいたします。 次に、松江市のごみ袋の対策についてお伺いいたします。 松江市では、10月よりごみ袋の値段が改定されました。その後の新旧の袋の交換に伴う混乱、そしてゴールデンウイークを挟んだ袋不足の混乱と、市民生活に大きく影響を及ぼしたところでございます。 過去、指定ごみ袋の導入時、以前にあった値段改定時には大きな混乱はなく対応できたのは、自治会への説明会やごみ収集現場の皆さん方が市民対応など的確にされたと思っております。 あれから時代も大きく変わり、地域の自治会の加入率の低下、社会的な状況による取得情報の変化などにより、市民や地域の中でそれぞれ情報格差があることは十二分にわかった上で、今回の事案には相当の予見と準備対応をして臨まなければならなかったと思います。 予見の低さをもって対応したことについては、昨年から今日に至るまで環境保全部の企画立案、チェック、執行体制について反省、改善をしていただきたいと思います。 ただ、他の自治体では、長期となったゴールデンウイークではごみの収集を休む自治体も多い中で、一生懸命に市民サービスに努められようとした点については、しっかりと評価したいと思います。 そこで、お伺いいたします。 地区の説明会や市民への情報提供は万全であったか、ごみ袋の交換を環境センターのみで行い、これが混乱に拍車をかけたが、今後これを改善しなければならないが、どう考えるのか。例えばこれ、シールでも対応ができたのではないかと思うところでございます。 次に、ごみ袋の流通体制はどうだったか、今後はどうするのか。また、海外製のごみ袋は価格的に国内産に比べ製造原価が安いが、破れやすいなど品質にばらつきがあると一部評価があり、環境保全部でもその都度、品質管理に努めてきたと考えます。現在では国内製造業者の中には、ごみ処理場の、袋自体の可燃性を高めて、ごみ処分場の燃料代を低下させる国内製のごみ袋も出てきております。流通や品質、その後のトータルコストも総合的に考えて、海外製と国内製の袋をどう考えていくのか。常時の場合ならいざ知らず、こういった変化が起きるときにおいては、しっかりと組織体制の見直しが必要だと考えるがどうかお伺いいたします。 最後に、松江北道路についてお伺いします。 松江北道路は、境港出雲道路の一部として、また松江だんだん道路とともに松江市の外環状道路の一部として、山陰道へのアクセス性向上に伴う物流の効率化、市内へ流入する交通の分散化に伴う停滞の緩和等により、地域の発展に貢献することを目的とした道路として計画されました。 これまでの経過をたどれば、平成25年1月に第1回の意見交換会では、先ほど申し上げた松江市内の道路課題や松江北道路の必要性についての説明会が開催され、第2回平成25年9月には、A、B、C、3つのルート帯案が示され、それぞれの評価についての説明会が開催されました。平成25年10月には、沿道にお住まいの方々、道路利用者の方など、より多くの皆様からの意見を計画に反映させるためにアンケート調査が行われております。その後、古江地区から西への延伸ルート帯についての要望を、松浦市長から県に対して検討要請をしていただきましたが、平成29年5月、A、B、Cの3つのルート帯の中からCルート帯に選定されました。 平成30年7月、ルート、道路構造案が示され、隣接する公民館区住民、事業関係者、事業予定地及び周辺の土地建物所有者、土地改良区等に説明会が開催されました。主な意見として、盛り土構造によって町内が分断されたり景観が悪くなることから、高架構造にしてほしい、あるいは平面交差する乗りおり場所は危ないこともあって、立体交差にしてほしい、そういった道路構造に関する意見、それから家屋に影響する計画は賛成できないというルート案そのものに関する意見、振動、騒音などの対策を行ってほしいといった環境に関する意見、それから北道路は早期に整備してほしいといった意見等々、さまざまな御意見をいただいているところでございます。 こうした意見を踏まえて、さらに検討を行って、その結果を昨年の秋以降、再度説明会を開催予定と回答されていますが、いまだありません。 さて、昨年9月以降の対応と現在の状況についてお伺いいたします。 古江地区の古志大野線に松江北道路と交差する地点があり、この上側に満水時貯水量129万トンの柿原池があります。説明会では、柿原池が災害により決壊した場合の浸水範囲や最大水深などについて、松江北道路を整備する前後を比較した説明がされ、その影響については現在も調査中であり、極力影響が出ないように引き続き検討を行う、こういった県の説明がございました。 松江市といたしましても、地域の安全確保に向けた検討を十分に行っていただくよう働きかけてまいりたいと考えておりますと回答されていますが、現在の状況をお伺いします。 次に、圃場整備事業が計画されている地域においては、耕作の効率性が損なわれない区画の整備と、耕作条件の悪い区画の施設用地への利用による土地の有効利用について、県と協議するとされていますが、状況をお伺いします。 また説明会のおくれ理由と、開催予定はいつごろになるのかお伺いいたします。 以上7点の質問に対しまして、明確な御答弁をお願いいたします。ありがとうございました。(拍手) ○議長(森脇幸好) 柳原議員に対する答弁の前に、しばらく休憩をいたします。 〔午前11時51分休憩〕 ────────── 〔午後1時00分再開〕 ○議長(森脇幸好) 休憩前に引き続き会議を開き、12番柳原治議員の代表質問に対する答弁を求めます。 松浦市長。 〔松浦正敬市長登壇〕 ◎市長(松浦正敬) 柳原議員の代表質問にお答えを申し上げたいと思います。 まず1点目は、中小企業振興策についてで、今回条例案につきまして御提案申し上げておりますけれども、これについての数点の御質問に対してお答えをしたいと思います。 まず、この条例制定に対する松江市の意気込み、あるいは国、県、市の重層的な支援制度の周知ということで、条例の中でどのように考えていくのかということでございます。 まず、条例制定を機に、改めて中小企業あるいは小規模企業の果たす役割、重要性につきまして、関係者が共通認識を持ちまして、この地域経済の発展、それから雇用の創出に改めて取り組んでいく決意であります。 そこで、現在行っていることでございますけれども、まず現在は、松江市の経済構造の分析に取り組んでいるところであります。企業の中には、雇用や所得を生み出す産業、あるいは観光、製造業といった外貨の獲得産業、こういったところで生み出された所得がどういう形で展開をしているのかなどなど、本市の強みあるいは弱みを明らかにした上で、松江市の中小企業、小規模企業の振興計画を策定する予定にいたしております。 それから、今大きく社会変化が起ころうとしておりますキャッシュレス化の問題であるとか、あるいは外国人雇用、こういったことの対応についても必要性あるいは対応策について検討を進めたいと考えております。 それから、今この松江市の中小企業・小規模企業振興計画で出された方向性と、既にございますものづくりアクションプランであるとか、あるいは地産地消の行動計画など個別計画との整合性を図っていきたいと思っております。あわせて、県、商工会議所、商工会、JAなどとの役割分担についても整理をしたいと考えております。 また、議員が御指摘がございました国、県、市の支援制度を的確に事業者に提供をすることは、大変重要なことだと思っているところでございます。今後、産業別に人材育成、それから販路拡大、商品開発などのタイトルで仕分けをいたしまして、国、県、市のそうした支援制度の概要をわかりやすく一覧にしていきたいと思っているところでございます。ホームページでの掲載はもとよりでございますが、商工会議所、商工会、金融機関などと連携を図りまして、工業団地、商店街、組合などにも積極的に情報提供をしてまいりたいと思っております。 それから、財政部も含めた公共事業等の入札等の弾力的な運用について、どう考えているのかということでございます。 松江市は従来から、中小企業振興策といたしまして、可能な限り市内企業を優先して発注をしてきているところでございます。それから、調達等の対象を適切に分離発注あるいは分割発注をすると、こういう弾力的な運用も行っているわけでございます。このような形で、この条例の趣旨に資するように、地元企業の受注機会のさらなる増大に努めてまいりたいと思っております。 それから、起業・創業支援あるいはIoTを活用するための先行企業とのマッチング等々について、今後どう考えていくかということでございます。 この起業・創業につきましては、まつえ産業支援センターが窓口になりまして、国の登録免許税の減免、あるいは新設をされます県の起業支援補助金等の制度説明を行って、起業に必要な手続、融資等については、支援機関あるいは金融機関へのつなぎの役を担っているところでございます。 それから、相談だけではなくて、まちのRe-project事業に取り組みまして、中心市街地で増加をしている遊休不動産と起業を目指す若者たちのマッチングといった仕組みづくりにも取り組みたいと考えております。今年度は、遊休不動産の実態調査を行いますとともに、エリアイノベーションをテーマといたしました実践講座、それからフィールドワークを実施する予定にいたしております。 それから、今年度重点的に取り組みます関係人口の創出が、まちのRe-project事業での起業につながりますように、民間活力や人的ネットワークも生かしながら進めていきたいと考えております。 それから次に、IoTなどのシステム導入につきまして、製造業はどのようなシステムを導入すればよいかなかなかわからない。一方、IT企業につきましては、現場でどういう課題があるのかよくわからないといった声を聞いておりますので、今年度から両者の意見交換あるいは交流の場を設けることにいたしているところでございます。 2番目は、移住・定住施策について、スピード感を持って、UIターン者をつなぐプラットフォームの検証に挑戦するべきだと思うけれども、市長のお考えはどうかということでございます。 現在の移住・定住施策につきましては、ふるさと島根定住財団と連携を図りながら、移住希望者の相談対応、就職、住居等の支援を行って、移住者の受け入れを行っているところでございます。しかしながら、地域おこし協力隊のケースを除きますと、松江が好きでかかわりを持ちたいと思っている人、チャレンジしたい人を呼び込む取り組みや、移住してこられた方のフォローアップは、人員や体制の面から十分ではないと認識をいたしているところでございます。 今後松江市では、関係人口の創出を積極的に行ってまいりますけれども、多様なかかわりを求める人や松江を選んで移住していただいた貴重な人材を生かすためにも、そういった人々と松江の地域課題とをマッチングして機能させるプラットフォームが必要であると考えております。 この取り組みは、継続した伴走型の支援が不可欠となるわけでありますけれども、議員御指摘のように、行政では人事異動によってどんどん人がかわってしまうと。こういうことで、なかなか実施困難なことも生じてきますので、民間の活力も入れた体制を組む必要があると思います。 そこで、まずは早期に民間の方々と一緒になって、プラットフォーム設置に向けた課題等を検証いたしまして、移住者あるいは多様な関係人口が活躍できる仕組みの構築を検討してまいりたいと思っております。 大きな3番目は、観光施策についてでございます。今、観光協会のあり方について従来から検討してきておりますけれども、今後どういう形で進めていくかと、こういうことでございます。 観光事業につきましては、行政サイドから行うべき事業と、それから民間団体のほうで行うべき事業といろいろあるわけですが、これらを連携して効果を上げていくことが必要になってくるわけでございます。したがいまして、これからの松江の観光に必要なことといたしましては、目指すべき方向性、それからそのための柱となる取り組みは何かといったことを改めて関係者の皆さん方と議論し、将来に向けたビジョンを共有していくことが一番大切ではないかと思っております。 例えば今松江の観光を一年を通して考えた場合に、どうしても冬場になりますと落ち込んでいくわけであります。そういういわゆる閑散期対策をどのようにしたらいいのかと。 昨年でございますけれども、ニューオーリンズを訪問いたしたときに、DMOを新しく立ち上げたときの立ち上げ方で非常にヒントをいただいたわけでありますけれども、漠然と何か観光事業を進めていくだけでは、観光事業者の理解を得られないということがありますので、まちの観光の共通する課題をいかにして解決をしていくかというテーマを掲げて考えていくといったところから始めたと言っておりました。 ニューオーリンズの場合は、夏場が非常にこれまで落ち込んでいたのを、いろいろな施策をやったり、あるいはイベントを誘致したりということで、そういったものを一緒になって取り組んだということを申しておりまして、松江の場合も観光協会をつくった場合に、そうした閑散期対策をどのようにしていったらいいか、行政はどういう役割を果たして、そして観光協会はどのようにやっていくかというようなことについて役割分担をはっきりしながら議論をしていくことが、やっぱり必要ではないかと私も思ったところであります。 そういう少し大きな観光の進め方ということについて、テーマといいますか、どういうものを柱を立てていくかと、それを行政と観光協会がどういう形で役割分担を果たしていくかということについて、これから立ち上げます検討委員会において十分話し合いをしていく必要があると思っております。 こうした考え方につきまして、先般ホテル・旅館組合の関係者の皆さん方等々に対しまして説明をいたしまして、御理解をいただいたところであります。そして、今後7月には、先ほど申し上げました有識者を交えた検討会議を設置することにいたしております。 関係者の皆さん方、やはり一様に心配しておられますのは、結論先にありき、あるいは宿泊税がもう先にありきという議論のための検討会議になってはつまらないと、こういう御指摘でございますので、先ほど申し上げましたようなことを中心にいろいろ議論をして、そのためにじゃあどういった財源が必要になってくるかと、こういう議論を重ねていきたいと思っております。 4点目は国体についてでございまして、どのような心構えで国体に向かっていくのかと、それから松江市としてどのような競技を担っていきたいか、あるいはインフラ整備等々をどういう考え方で進めていくのかということでございます。 2月の定例会の所信表明でも申し上げましたが、国体につきましては、県に対して開催機運の醸成並びに開催に向けましたスケジュール等を早急に示すように働きかけを行っていきたいと。それから、大会開催を今後のまちづくりに生かしていけるように、県などと関係機関と協議をしていくことにいたしているところであります。 国体の意義でありますけれども、やはり国体は国民スポーツの祭典でありまして、我々地元にとりましても競技力の強化や選手の育成、またスポーツを通じた観光振興や地域の活性化に大きく寄与するものと考えているところであります。 一方、国体の開催には多額の地元負担が伴うことが想定をされるということでございますので、今後早急に県のほうから国体開催に向けましたスケジュール、それから会場施設の選定及び整備方針、それから財政支援方針、選手の強化方針、こういったものを示していただきたいと思っておりますが、こういったものが示されましたら、議会や関係機関、市民の皆様の御意見を伺いながら、市としての方針を決定してまいりたいと思っております。 この大会を一過性のものに終わらせることなく、今後のまちづくりに生かしていくことが必要でございますので、しっかりと競技会場、選手の強化対策や体制づくり等々につきまして、県と協議をしながら取り組んでまいりたいと思っております。 5点目は、松江市のガス事業の民営化ということでございます。平成18年当時の民営化は、行財政改革の視点から進められていたけれども、今回のガス事業の民営化はどのような目的で進められるのか改めて伺うと、こういうことであります。 まず、公営のガス事業者でございますけれども、現在我が国の都市ガスの事業者は約200あるわけでございます。うち、公営ガスの事業者が約1割というウエートにすぎないわけであります。昭和50年のピーク時には75ありました公営ガスの事業者が、現在では24事業者まで減少してきている。そして、扱うガス販売量は約2%にすぎないということでございまして、今のガス事業の大半が民間が受け持っている状況があるということが、1つあるわけでございます。 松江市では、平成13年度からガス事業の民営化について議論を始めたところでありますが、市町村合併後の平成18年度に外部有識者による委員会を設置いたしまして、主に3項目のポイントをいただいたところであります。1つは、民営化が顧客に不利益を及ぼさず、松江市にメリットを生み出すものであること。それから2番目は、方式は施設及び営業権を売却する完全譲渡方式とするものである。それから3番目は、時期は、事業価値が企業債残高を上回るときと、この3点をポイントとしていただいたわけであります。 そういうことで、私はまず、この民営化を行うことを原則に、行財政改革を進めて、先ほどのポイントの中にありますように、負債の縮減と黒字化の定着化を進めていくことにいたしたところであります。結果として、黒字を維持して、負債を70億円から24億円に縮減をするという経営基盤の強化に努めてまいったところであります。 その後、一方で市民のライフスタイルにも大きな変化が生じまして、これがまた新たな課題として生じたところであります。オール電化などの他のエネルギーとの競合で、都市ガスの普及率が平成18年度の40%から平成29年度には30%に割り込むなどの低下を来しているわけであります。この結果、平成13年度には事業収益は20億円であったものが、平成29年度には16億円まで減収をしている。将来にわたる経営環境に大きな懸念が生じているということでございます。 加えて、平成29年度にガスの小売自由化が行われまして、民間を中心に競争が激化するなど、今後ますます厳しい経営環境が予想される状況になってきているところであります。 今回のガスの民営化につきましては、民営化をすることにより、1つは民間活力による都市ガスとLPガスといったガスエネルギーの集約化が図れること、2点目は、再生可能エネルギーその他のエネルギーとの連携、こういったことによりまして、エネルギーの地産地消につながって、そのことが地域内での資金循環や付加価値を高めて、地域内での分配につながっていくと考えているわけであります。そのことは、地域の労働者の賃金あるいは企業の利益を高めることになるわけであります。 例えば、先ほど御質問もございましたけれども、松江市の公共事業については、可能な限り地元建設業者に発注をすることにいたしておりますけれども、このことは地域内生産を高める取り組みになっているわけでございます。このように地域内での経済循環によりまして、雇用の創出はもとよりでございますが、地域内経済の発展に寄与するものと期待をいたしているところであります。 そして、将来的には、松江市地域のみならず、宍道湖・中海圏域など県境をまたいだ地域経済の活性化によりまして、人、物、金の地域内循環を達成できるものと考えているところでございます。 今後の民営化の進め方につきましては、松江市ガス事業経営検討委員会におきまして広く御意見をいただいて、そして議会の皆様の御意見を伺いながら、最終的な判断をしてまいりたいと思っております。 2番目の委員会の進捗状況等につきましては、ガス局長のほうからお答えをさせていただきます。 大きな6点目は、松江市のごみ袋対策につきまして数点御質問がございますが、まとめてお答えをしたいと思います。 まず、このたびのごみ袋、燃やせるごみ袋が品薄状態になった原因でございます。まず1つは、市民に対しまして、4月から古いごみ袋が使えなくなるという情報提供が不足していたことが上げられます。 2点目といたしましては、通常発注から納品まで3カ月程度かかるために、本来ならば平成30年12月までには発注手続が完了すべきところだったわけでありますが、平成31年2月にこれがずれ込んだということで、製造期間が不足をして、計画枚数を納入できなかったわけであります。この結果、4月上旬の納品数を211万8,600枚、これは例年の大体2倍相当の納品数を計画したわけでありますけれども、実際には65万1,600枚という数になってしまったということでございます。 それから3つ目の要因といたしましては、交換あるいは還付手続の準備態勢が不十分でございました。窓口を環境センターのみとして、支所での対応を怠ったために、混乱を招いたわけでございます。 4点目としましては、4月の上旬からの品薄状態が顕著になったにもかかわらず、旧の袋での排出あるいは差額シールなどの弾力的な対応を怠ったことなどが上げられるわけであります。 こうした一連の混乱は、やはり職員の危機管理意識の不足が招いたことでございまして、担当課を初め部内の情報共有、それから的確な判断に不可欠な職員間の意思の疎通を欠いた、組織としての機能不全に陥っていたことが大きな原因だと考えているところでございます。 住民サービスを担うべき職員の意識が極めて低かったと言わざるを得ないところでございまして、今後基本に立ち返り、いかなる場合においても適切な判断ができる組織の再構築に向けて、職場環境を整えてまいりたいと思っております。 今後はあらゆる手段を通じて周知徹底を図るとともに、窓口手続等、市民の利便性を考慮した対応となるように十分に対策を検討してまいりたいと思っております。 なお、御指摘がありましたごみ袋の流通体制でございますが、以上申し上げましたように、海外製か国内製かという問題ではなくて、従来からも海外生産をして安定供給をしてきたわけでございますので、このたびの件は見通しの甘さにより生じたものだと考えております。 大きな7点目の松江北道路についてでございます。 今後、柿原池が災害により決壊した場合の浸水範囲や最大水深などについて、その前後を比較した説明がされて、その影響については現在も調査中のようでございます。これについて、松江市としても県のほうに働きかけていきたいと回答されているけれども、現在の状況はどうかと、こういうことでございます。 御指摘がありましたように、柿原池が大雨等によって決壊した場合の浸水範囲など、この松江北道路の整備後の影響につきましては、整備前と比較をいたしまして、極力影響が出ないようにシミュレーションを重ねるなど、道路構造等の検討を継続して実施していると県から伺っているわけでございますが、市といたしましては、地域の安全が確保されるように、引き続き県へ働きかけていきたいと思っております。 それから、圃場整備事業が計画されている地区においては、耕作の効率性が損なわれない区画の整備、それから耕作条件の悪い区画の施設用地への利用による土地の有効利用について県と協議するとされているけれども、その状況はどうかということでございます。 現在、圃場整備事業では、農地の大区画化などによりまして、営農の効率化を目指して県、市、地元の圃場整備推進協議会において協議を進めておりまして、今年度中に基本的な計画を策定する予定といたしております。 松江の北道路のルート等によりまして不整形地として残る耕作条件の悪い区画につきましても、地元の意向を尊重しながら、農用地または施設用地として有効な土地利用ができるように、引き続き協議を進めてまいりたいと考えております。 それから、いまだ説明会の開催がないけれども、説明会がおくれている理由、原因、それから開催予定はいつごろになるのかということでございます。 松江北道路につきましては、延長が10.5キロメートルと長く、多くの地域を通過いたしますということで、昨年度開催されました地元説明会において、ルート案、それから道路構造、また環境への影響等について各地域からいろいろな要望、意見をいただいているところでございます。 県からは、こうした要望、意見等に対し丁寧に対応していくために、道路構造の検討、関係機関との協議等に時間を要していると。これらが調い次第、速やかに次の説明会を開催する予定であると伺っているところでございまして、松江市といたしましても、早期にこの説明会が開催をされて、そして地域の皆様に御理解をいただき、事業が進捗するように、引き続き県に対して要請をしていきたいと思っております。 ○議長(森脇幸好) 渡部ガス局長。 ◎ガス局長(渡部厚志) 私のほうから、5点目の松江市ガス事業民営化について、委員会の進捗状況はどうかという点についてお答えをさせていただきたいと思っております。 平成18年度に行われました答申について、13年が経過したことから、民営化に係る目的、理念及び諸条件について、現在の社会的状況及び経営状況のもとで検証を行うために、松江市ガス事業経営検討(検証)委員会を設置し、外部の委員10名にオブザーバー1名を加えまして11名で、去る5月24日に第1回を開催したところでございます。 委員会では、これまでの松江市ガス事業の経過やガス事業を取り巻く全国並びに松江市の状況、検証事項として1点目、民営化する場合の目的・理念、2点目、民営化する場合の手法、3点目、民営化する場合の時期と財務のあり方について検証いただいたところでございまして、その中で意見として、民営化は地元経済に資するものでなければならない、地域経済を継続性あるものにしていかなければならない、譲渡先を地元だけに限るのではなく、広く門戸を開くべき、地元資本には、地域外資本にまさるだけの力を発揮してほしい、それから民営化後の保安の徹底、それから今回の事業価値算定方法は妥当であるなどの御意見をいただいたところでございまして、引き続き議論を深めまして、逐次議員の皆様を初め市民の皆様に説明責任を果たしていきたいと思っております。 ○議長(森脇幸好) 12番。 ◆12番(柳原治) 終わります。
    ○議長(森脇幸好) 24番南波巖議員。 〔24番南波巖議員登壇〕 ◆24番(南波巖) 真政クラブ会長の南波巖でございます。会派を代表いたしまして質問いたしますので、御明快な答弁をよろしくお願いいたします。 まず初めに、島根県知事選挙における松浦市長の言動についてお伺いいたします。 島根県知事選挙における市長の言動をみずから明らかにしていただきたい。その上で、今後の対応を問いたいと思います。このことは、市民とよい関係を築くためにも、全力で取り組んでほしいと思います。 4月7日投開票日の県知事選挙において、松江市長のたくさんの箇所での応援演説に対し、多くの松江市民の皆さんから問題があると意見をいただいております。市民を代表する市長、また人権を尊重すべき市長の発言とは思えない、聞くにたえない、そして市長は大丈夫ですかと心配する声もたくさん聞きました。また、市長の言動によって傷ついた人もいます。怒りを覚えた人もいます。 今回の県知事選挙において、現職首長としては政権与党との関係を考慮し対応しなければならない立場にあり、自治体運営上の一定の配慮が必要な面も多々あったと思いますが、内容は明らかな誹誘中傷であります。この発言をめぐっては、各方面から批判を初め名誉毀損に当たるとの声もあります。公職選挙における現職首長の街頭演説としては、明らかに常軌を逸したものであったと思います。また、同僚市長の言い過ぎだという声もありました。 選挙戦におけるネガティブキャンペーンは、戦術として行われることはありますが、現職首長の街頭での応援演説であれば、応援する候補の人柄、そして自身の自治体政策との共通性や将来の連携強化など有権者に訴えるのが普通であり、そのことがみずからも公職選挙で選ばれた首長としての矜持であると思います。今回の選挙における一連の言動で、松江市長はみずから首長の品位をおとしめ、その見識と人格に多くの有権者が疑問を感じたことを重く自覚すべきと思います。 新時代令和がスタートし、これからも松江市民が豊かさと喜びを感じながら、活気あふれる松江市を松江市民が一丸となってつくっていくためには、市民の皆さんの理解と合意形成を得ることが必要不可欠であります。したがいまして、不信感を持っている大勢の松江市民の皆さんに対して、早急に疑念を払拭する努力を松江市長みずからがしなければならないと申し上げる次第でございます。 選挙期間中に市長が公に行った言動の事実をきちんと明らかにした上で、今後の対応ついてどうお考えなのか市長の見解をお伺いいたします。 次に、新島根県知事との連携について伺います。 このたびの島根県知事選挙は、島根をどう導くのか、いろいろな意見がある中、44年ぶりの保守分裂の戦いでありました。地元主導、県民目線の丸山達也島根県知事候補は、オール島根で人口減対策に取り組む、島根に骨を埋め、自分の仕事の成果を島根で見届けることを掲げ、家族一丸となった街頭演説、辻立ちなどなどに好感を抱く人が多い中、自民党を含め幅広い政党の支持者と無党派層に浸透し、歴代最年少の丸山達也島根県知事が誕生いたしました。 今後は、県民の皆さんの現状を聞き県政に反映させる、また親しみやすい知事を目指す、丁寧な粘り強い県政運営、現場へすぐ出かける現場主義、島根の魅力をみずから発信するトップセールスに動く、県職員との意思疎通を重視する、鳥取県と連携し山陰の2つの県の存在感を高めるなどなど、たくさんの思いを表明していらっしゃいます。若い力とともに、今までの経験を生かしてこのことを実践し、島根の発展に尽力していただきたいと思います。就任1カ月余り、慌ただしく公務に取り組まれている姿を見て、期待感が膨らむばかりでございます。 新知事誕生に一翼を担った者として、私たちも微力ながら一生懸命、丸山達也新島根県知事を支えてまいりたいと思っております。市長には、新知事と一緒になって県と連携した取り組みを今後一層推進し、松江市の発展に御尽力いただきたいと思います。市長の具体的な思いを含めた連携に対する御見解をお伺いいたします。 次に、ガス局の公営存続について伺います。 ガス事業の民営化議論は、合併以前の平成14年 〔停電発生〕 ○議長(森脇幸好) 停電のため、しばらく休憩いたします。 〔午後1時44分休憩〕 ────────── 〔午後2時45分再開〕 ○議長(森脇幸好) 休憩前に引き続き会議を開き、24番南波巖議員の代表質問を引き続き行います。 ◆24番(南波巖) 停電というハプニングがありまして、ガス局の質問の前に出てきまして、ガス局の活用策が非常に重要になってきたんじゃないかなと思っているところです。 そういたしますと、ガス局の公営存続について伺います。 ガス事業の民営化議論は、合併以前の平成14年、当時のガス局長が設置した民営化検討委員会で議論されたのが始まりであります。その委員会は提言を出していますが、結論は合併した後に再度検討するというものであり、民営化の是非については持ち越されて終わっております。その当時言われていたことは、ガス局は70億円の負債を抱え、顧客数も減少傾向にあったため、とても今後経営していくことは困難ではないかという懸念でありました。 その3年後、平成17年には再度検討委員会が立ち上げられ、民営化するかどうかの結論が持ち越されている中で、売却方法と民営化の時期などが議論されました。結論を簡単に表現しますと、売ったお金で残っている借金を返済し、余ったお金を市民に還元できるように、できるだけ高い金額で売れるように、事業の価値を上げる経営をしてくださいというものでありました。 委員会の結論が、何が何でも早く民営化するために、安くてもよいから借金を返済できる程度の価値で売ればよいというような誤った結論にならなかったことは、まことに良識ある健全な議論がなされたと思っております。 本年4月、新聞報道の市長発言では、民営化の理由の1つ目に上げておられる人口減少による顧客の減少は、松江市に限った問題ではなく、もちろんガス局に限った問題でもありません。地元のプロパン会社も共通した難しい問題であります。民営化で解決できるような簡単な課題でないことは明白であります。 また、民営化の理由の2つ目に、電気やガスのエネルギー自由化による競争の激化が上げられております。確かに東京や大阪などの大都市圏では、大手の電力会社とガス会社が熾烈な顧客争奪戦を展開していることは、報道で見ておりますけれども、松江市などの地方都市はそのような現象は起きていないように思います。 また、経営状況については、十五、六年前に民営化を議論したときには、ガス局は70億円の負債を抱え、このままで経営していくことは困難ではないかという心配がありましたが、現在のガス局の経営状況は、借金が減少し、税金での補助もなく、黒字経営となっております。ことし、松江市ガス局が作成した経営戦略プラン、10年計画から考察いたしますと、今後のガス局の収支見通しは明るい展望が開けております。 公営ガス局が今後どうなるかを実際の数字で明らかにしますと、これから発生する設備の更新投資経費をきちんと見込んでも、10年間継続して毎年1億円以上の純利益を生み出す黒字経営であることがわかりました。 そこで、令和元年と10年後の経営状況を比較いたしますと、公営ガス局の負債は5億円減少でき19億円になりますし、さらに貯金である内部留保資金は5億円以上増加し、およそ6億円となります。これは、ガス局が試算している中期財政見通しで明らかにされております。つまり、10年後には10億円以上のプラスの経営改善が図られるということであります。よって仮に10年後に民間譲渡ということになれば、現行よりも10億円以上の現金が松江市に入ってくることになるのではないかと思っております。 この状況下で、市民の財産である公的施設をすぐに民間譲渡してしまえば、市民に10億円以上の損失を与えてしまうことになり、このことは市民に不利益が及んでしまう、言葉は悪いですけれど、背任行為に当たると考える次第であります。松江市民の利益を考えますと、民間譲渡の議論を加速させるのは、少し拙速ではないかと考えます。市長の御見解を伺います。 関連して、ガス局の民間譲渡について伺います。 本年、民間譲渡の検討委員会が立ち上げられました。以下、私の思いを述べて、問題点について質問をいたしたいと思います。 民営化するに当たり、地元業者の中には随意契約の期待もあると思います。しかし、他自治体の状況を見てもわかるように、民営化は法的な問題から考えてどうだろうかということです。なぜかといいますと、譲渡価格が大幅に低い随意契約が法的に認められるだろうかということであります。したがって、民営化をするなら競争入札しかないじゃないかということであります。そうすると、結果的に大資本を持つ大手業者との競争入札に持ち込まれてしまうわけであります。 売却の相場は、業界紙を参考にして推察しますと、50億円以上になるんじゃないかと思っているところであります。そうなると、地元ガス業界に大混乱は起きないか、そして地元ガス業界で働いている方々の職場が失われないか、地域マネーが大資本を持つ大手企業に奪われないか、そういうことを考えると、地元ガス業界、そしてガス管工事業界の不安はないのか。また、市民側から見れば、民営化すればガス料金も上がる可能性があるのではないかという不安があります。 このような可能性を知りながら、市民生活に影響する民営化を拙速に進める必要があるだろうか。松江市のLP業界と公営ガス局でガスエネルギーを支えたほうが、長い歴史から考えると妥当ではないかと。御見解をお伺いいたしたいと思います。 いろいろな考え方はあると思います。一つの意見に固執したり排除したりするのではなくて、寛容にいろいろなことを受けとめて結論を導き出すことが何よりも大切ではないでしょうか。このような思いから、次の点を具体的に質問させていただきます。 1点目、随意契約なのか、競争入札なのか。これは特に、先ほど申し上げましたように法的な問題も含めて考え方を伺いたいと思います。 2点目、譲渡価格はどのような根拠でどのように考えているのか、これも伺いたいと思います。 3点目、新たなインフラ整備の必要も出てくると思います。民間業者では、インフラ整備に対応できないような問題も起きてくるのではないかと思います。御見解を伺います。 4点目、民営化すれば、もちろん公営でも同じですけれども、新たなインフラ整備などの対応のため、将来ガス料金が上がる可能性があるのではないか、そこの辺を、御見解をお伺いしたいと思います。 とにかくこの問題は、売却方法、そして譲渡価格、譲渡の時期、ガス料金の値上がりに論点が絞られると思います。今後いろいろな議論が活発化することを期待しております。 次に、園児等の移動経路における交通安全の確保について伺います。 先日、信号機により交通整理の行われている交差点において、右折しようとする普通乗用車と直進しようとする普通乗用車が出会い頭に衝突し、その衝撃により、直進しようとした普通乗用車が、当該交差点の歩道上で信号待ちをしていた幼児等をはねる交通死亡事故が発生しました。 このように近時、社会的な耳目を集める車両対歩行者の交通死亡事故が続発しております。特に、次代を担う子どものかけがえのない命を社会全体で交通事故から守ることが重要であるにもかかわらず、依然として子どもが危険にさらされている現状を踏まえ、交通安全の確保に向けた道路交通環境の改善が極めて重要となっていると思います。具体的な改善方法を求めて、以下質問いたします。 1点目、保育園や幼稚園等の施設の周辺、自然との触れ合いの散歩コースの安全確保の徹底を求める指導が市として施設に対し必要と考えますが、取り組み状況についての御見解を伺います。 2点目、園児等を引率する道の安全性を市職員が点検して、迂回路を提案したり、ガードパイプ、そしてガードレール、金属のポール設置などのハード対策の計画実施が必要と考えております。御見解を伺います。 3点目、特に市道の危険箇所については、市道は市の管轄ですから、市道の危険箇所についてはハード対策を早急に実施すべきと考えます。最低限ですね、最低限、施設の周辺、そして園外活動のルートの交差点とか、下りの勾配の急な、下りの勾配もどうしてもスピードが出ますから、下りの勾配の急な曲線部の危険箇所に視点を置いて早急に実施すべきと考えます。この点の御見解を伺います。特に、私は今2点目、3点目については、国からの通知とかそういう問題じゃなくて、やはり市単独で積極的に調査をして実施する必要があるのではないかと思っているところであります。 この項の最後に、国土交通省道路局、警察庁交通局から、交通安全の確保について点検、検討、実施の通知が出されていると聞いております。その内容はどういうものかお伺いいたします。 先ほども申し上げましたように、ただ通知を受けるだけではなくて、やはり交通安全の確保に向けたハード対策の予算確保に向けて、国とか県へ強力に要望活動をすべきと考えております。御見解を伺います。 次に、環境を守る取り組みについて伺います。 環境問題として、温室効果ガスの影響のほか、最近プラスチックによる海洋汚染がクローズアップされております。海に漂うプラスチックが砕かれ、マイクロプラスチックとなり、そして海の生き物がそれを取り込み、徐々に生態系に影響を与えていく。このことは地球規模で広がっております。地球温暖化とともに、海の汚染も着実に進行しております。 環境を保全し、きれいな自然を次世代に引き継ぐことは我々の義務だと思いますが、環境を守るといっても、地球規模のエネルギー政策からコンビニのレジ袋までさまざまな取り組みがあります。そして、行政が行う環境政策も、国や県が行うものと、市民に身近な立ち位置である市が行うものでは、おのずと違ってくると思います。松江市の環境への取り組みはどのように考えておられるのかお伺いいたします。 また、島根半島でも多くのプラスチック製品を含む漂着ごみがあります。島根半島の漂着ごみは目に余る量です。状況をどのように把握していらっしゃるのか伺いたいと思います。 本当、歩けないようなところでも物すごく、大体固まってくるんですよね、ごみ自体が。普通我々が通っているところじゃなくて、通ってないところ、目に見えないところにすごくたまってくるというところを点検していらっしゃるのかどうかということをお伺いしたいと思います。それで、それをどう把握して、どういう計画で処理していくのか、実施していくのかについて御見解を伺います。 もちろん漂着ごみ対策は、県との連携も欠かせないと思います。県に対して、予算を含めてどのように要望し対策を考えていらっしゃるのか御見解を伺います。 最後の質問項目は、音楽のまち松江についてです。 「駅ピアノ」というテレビ番組があります。駅に誰でも自由に利用できるピアノが置いてある、そこに住む人や旅行客、老若男女が気軽に弾いて、自分なりに音楽を楽しむ。このように誰もが自分の思うままに音楽を楽しむ場を提供する取り組みはいかがでしょうか。市民も旅行客も誰でも自由に使える楽器を松江駅やしんじ湖温泉駅、その他の公共施設などに置いて楽しんでもらうことはできないだろうかと思います。ピアノでもギターでも何でもいいと思います。不要になった楽器を提供してもらうことで、さほど費用もかけずにできるのではないかなと思っているところであります。 楽器の管理やもろもろの規制等あるかもしれませんけれども、仕事帰りに、そして通学の途中に、バスや電車の時間待ちに、お酒を飲んだ帰りに、昔取ったきねづかの発表に、旅行の小さな思い出に、ちょっと弾いていく、そんな音楽に親しめるまちはどうでしょうか御見解を伺います。以上で質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(森脇幸好) 松浦市長。 〔松浦正敬市長登壇〕 ◎市長(松浦正敬) 南波議員の代表質問にお答えを申し上げたいと思います。 まず第1点目は、島根県知事選挙における市長の言動についてでございます。 午前中の森脇議員の御質問にもお答えを申し上げたところでありますけれども、今回保守分裂の激しい選挙の中で、私ども島根県市長会におきましては、総意で推薦をいたしました候補者を推薦するということで、街頭演説を提案し、そして各市長もそれに賛同してやったということでございます。 今回の選挙は、まさに新人同士の戦いでございました。したがいまして、有権者にとっても、今回立候補した人がどんな人なのか、どのような政策を掲げているのかということがわかりにくい選挙であったと思ったところでございます。そのため、私どもは推薦した候補者を応援しようということで、一部にはネガティブキャンペーンも交えながら積極的に応援演説を行ったということでございます。したがいまして、発言の中で一部行き過ぎた面につきましては、先般記者会見で関係の皆様におわびを申し上げた次第であります。 2点目は、島根県知事との連携の問題でございます。この問題は、森脇勇人議員にお答えしたとおりでございますが、ともかく県民、市民にとってマイナスになることのないように、しっかりと連携をしてまいりたいと思っております。 3点目は、ガス局の公営存続についてという問題でございます。 この問題につきましても、先ほど詳しく柳原議員にお答えを申し上げたところでございますが、ガス事業の民営化につきましては、この地域でのガスエネルギーの集約化等々によりまして、地域経済の活性化あるいは人、物、金の地域内循環の達成を期待するものでございます。したがいまして、将来にわたり松江市民の利益になるよう検討することが重要でありまして、そのためには適切な時期に譲渡していくことが必要であると考えております。 残余のガス局の質問につきましては、ガス局長のほうからお答えをさせていただきたいと思います。 大きな5点目といたしまして、園児等の移動経路における交通安全の確保についてという御質問で、数点御質問がございました。 ことしの5月8日でございますけれども、滋賀県の大津市におきまして、御説明がございました集団で歩道を通行中の園児らが死傷するという痛ましい交通事故が発生をいたしたところであります。将来を担う子どもたちがこのような交通事故に巻き込まれないように安全を確保することは、大変重要だと思っております。 そこで、松江市といたしましては、各施設に対しまして、改めて園外活動のルート等の危険性の有無、それから各園で作成されておりますマニュアル等の再点検、それから交通安全教室の実施など、安全管理の徹底を図るよう指導したところであります。 それから、国からの通知でございますけれども、5月13日付で国土交通省のほうから、過去5年間に子どもが当事者となった交差点での重大事故により道路交通環境の改善が図られた箇所と同様な箇所を洗い出し、点検と対策を講じるように指示があったところでありますが、島根県におきましては該当する箇所がございませんでした。 また、6月18日付で内閣府ほか関係省庁との連名によりまして、未就学児が日常的に集団で移動する経路の交通安全の確保の徹底についての通知があったところであります。内容につきましては、まず各施設において点検を実施し、交通安全の観点から危険があると認められる箇所を抽出すること。次に、抽出された危険箇所について、市、道路管理者、警察が連携して合同点検を実施する。それから、合同点検の結果、対策が必要な箇所については、関係機関と協議を行いながら対策案を作成、実施することとなっておりまして、早急に関係機関と協議を行い、実施してまいりたいと思っております。 なお、対策に必要な予算の確保につきましては、知事要望あるいは市長会要望などの機会を捉えまして、国、県に要望してまいりたいと思っております。 大きな6点目、環境の問題でございます。 まず第1点目は、松江市の環境への取り組みがどのように考えているのかということでございます。 プラスチックごみの問題等々にお触れになったわけでございますけれども、今世界的な対策が急務となっております地球温暖化あるいは海洋プラスチックごみの問題などにつきましては、これは当然世界の国々が協調して推進をしていく必要があると思っております。 我が国におきましても、法案の整備あるいは方針の策定が進められているところでありますが、そのような中で、松江市といたしましても国や県との連携を図りながら、取り組みを進めていくことが重要であると考えておりますが、松江市におきましては、こうしたものに先駆けまして、これまで市独自でレジ袋の削減、それから地球温暖化防止対策など、市民や事業者との協働で取り組んできたところでございます。 環境問題につきましては、地域あるいは市民生活に密着した問題でありますので、市民一人一人が環境に対する意識を高めながら、市民や事業者との協働によって幅広く持続可能な取り組みを行っていく必要があると思っております。 それから、島根半島の漂着ごみの状況、それから処理計画、県への要望といった御質問でございます。 島根半島の海岸漂着ごみでございますけれども、季節風などによりましてブイ、ロープ、コンテナ、アナゴかごなどの漁具、それからプラスチック製品、それから流木などの海外からの漂着ごみもありますけれども、国内のごみも相当量漂着しているところであります。 これらの漂着ごみは、松江県土整備事務所、それから松江水産事務所、市の水産振興課などが管理者として回収処理をしております。また一方では、自治会、老人クラブ、子ども会などの地域住民、それから各市民団体、企業関係、学生、スポーツクラブなど70を超える団体により自主的に回収をいただいているところでありまして、年間50トンを超える漂着ごみを松江市が運搬処理をしているところでございます。 しかしながら、これらも限られた予算の中で行うものでございますから、優先度の高い海岸から回収処理を実施せざるを得ないという状況でございます。したがいまして、なかなか計画的な回収にはなっていないところでございます。 今後は海岸漂着物等地域対策推進事業地区ブロック会議等を通じまして、実態把握、それから計画処理に向けまして連携を図っていきたいと思っております。 この漂着ごみの回収処理事業につきましての国の補助事業でございますけれども、平成26年度までは全額国の補助でございました。これが平成27年度からは地方負担が生じる制度となったところでございますし、年々地方負担の率が大きくなってきているのが実情でございます。松江市ではこの間、知事及び市長会を通じまして、国に対して、こういったものの必要な経費については全額財政措置を行うこと、あるいは発生抑制のために国際法上の法制化、外交ルートを通じた不法投棄防止対策について多国間での協議を行うことなどを強く要望しているところでございます。 最後7点目は、音楽のまち松江についてでございます。南波議員の御提案、本当にすばらしい御提案だと思っております。 これまでも松江市では、松江クラシックス音楽祭あるいは水辺の芸術祭、ニューオーリンズジャズフェスティバルなどのまちなかでの音楽イベントを支援し、音楽によるまちづくりに現在取り組んでいるところであります。 先日も京店の商店街に、商店街協同組合がピアノを設置されたところであります。誰でも自由に弾ける環境づくりに取り組んでおられるところであります。こういった取り組みがなされることは、これまで取り組んできたことが、少しずつ市民の中へ広がりを見せているのではないかと感じているところでございます。 今後引き続き、まちなかでの音楽イベントを支援していくことで、身近に音楽が楽しめる、音楽に親しめるまちづくりを進めていくとともに、他の商店街あるいは駅などにおいて、京店商店街と同様な取り組みの可能性を調査してみたいと考えております。 ○議長(森脇幸好) 渡部ガス局長。 ◎ガス局長(渡部厚志) 私のほうからは、4点目のガス局の民間譲渡についてでございまして、民間業者では対応できないインフラや、また民営化すればガス料金も上がるのではないかという点でございますけれども、議員御指摘のLPガス事業者と都市ガス事業者が別々に存在し支え合うのではなく、両者の集約化によりスケールメリットを働かせ、先ほど市長が柳原議員にお答えしたとおり、民間活力により松江市のガス事業を発展、継続させていくことが必要であり、期待するものであります。 そもそも民間によるインフラ整備や料金の値上げの問題につきましては、より厳しく対応されるものと認識しているところでございます。 それから、随意契約なのか競争入札なのかという点についてでございますが、契約方法につきましては、現段階では未決定のためお答えする段階ではないと考えておりますが、全国的には随意契約の一つでありますプロポーザル方式により、条件やよりよい提案を行われた民間事業者がパートナーとして選考されているところでございます。 それから、譲渡価格はどのような根拠かということでございまして、譲渡価格につきましては、企業買収の際でも一般的に用いられる算出法であります将来の価値を現在の価値に置きかえるDCF法、すなわちディスカウントキャッシュフロー法などを用いておりまして、デューデリジェンス(資産の適正評価手続)に基づき適正に算出される手法でありまして、最もよく使われるところでありまして、妥当性があると考えているところでございます。 それから、民間業者でのインフラ整備に対応できないような問題が起きるのではないかということでございまして、議員御承知のように、全国では196事業者により都市ガス事業が運営されておりまして、そのうち9割は民間事業者によって行われているところでございます。非常に重要な保安を確保した上で、適正なインフラ整備が行われていると認識しているところでございます。 仮に民間事業者が引き継いだとしても、国において適正に保安監督され、適切にインフラ整備が行われるものと考えているところでございます。 最後になりますが、将来ガス料金が上がる可能性があるのかという点でございますが、電気・ガス小売自由化後、各種エネルギーを選択できる中で、料金の引き上げは市民ユーザーの関心が非常に高い部分であると認識しているところでございます。したがいまして、経費の安易な転嫁に対して、ユーザーの厳しい評価がなされるものと考えておりまして、民間事業者の徹底したコストダウンの努力によりまして、可能な限り転嫁されないものと考えておりまして、一般的にはガス料金が上がることはないと認識しているところでございます。以上でございます。 ○議長(森脇幸好) 24番。 ◆24番(南波巖) 最後に、二、三点ありますけれど、1点だけ申し上げておきます。 島根県知事選挙における市長の言動についての答弁に対し、一言申し上げておきます。 新聞報道によれば、市長は選挙後の定例会見で、選挙中の発言は間違ったことを言ったとは今も思っていない、謝罪は全然考えていないと強調されておりました。そして、5月8日の会見では、唐突に、知事選で一部に行き過ぎた発言があり、関係の皆様に大変御迷惑をおかけいたしたと、おわび申し上げたいと述べておられます。 理由については、一月たっていろいろと考えたと述べるにとどめて、具体的な発言内容や謝罪相手は差し控えたい、申し上げないと明言を避けていらっしゃいましたので、公の場で反省の弁をしっかりと述べていただく機会と思いまして、それは冒頭に申し上げましたけれども、市民とのよい関係を築くためにもあえて質問させていただきました。しかし、残念ながら同じ内容の答弁になりました。 市長、個名を言われた方の心情を考えたことがありますか。市長のこの発言問題は、あなただけの社会的問題ではないんですね。今後の選挙の中で再びこういう発言があってはならない、そういう思いを含めて私は質問させていただきました。 反省の弁をしっかりと言うべきであったということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。以上です。(拍手) ○議長(森脇幸好) 25番津森良治議員。 〔25番津森良治議員登壇〕 ◆25番(津森良治) 市民クラブの津森良治でございます。会派を代表いたしまして質問をさせていただきます。 ことしの5月1日から令和の時代が始まりました。さて、令和とは、今から1,300年前の天平2年正月13日、歌人で大宰府長官であった大伴旅人の邸宅に官人たちが招かれた宴で、梅に関する和歌32首が詠まれた際に、「初春の令月にして、気よく風和らぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫らす」として寄せられた序文が典拠とされています。古き人々は梅の花を愛し、思いやりながら杯を交わして、仲間とともに花の美しさやその年の願いを込めて数々の歌を詠んだことでしょう。この令和には、人々が美しく心を寄せ合う中で文化が生まれ育つという意味が込められているとされています。 また、令和の出典は、現存する日本最古の歌集「万葉集」とされています。旅人の子息大伴家持は、この「万葉集」の代表的な歌人で、編者とされています。「万葉集」には、天皇や皇族から農民まで、実に幅広い人々が詠んだ歌がおさめられています。悠久のときを越えて、今を生きる我々の日常の中に、果たしてこのような風流でみやびやかな、奥ゆかしい品のよい歌や言葉が生まれることがどれだけあるのでしょうか。また、そうした余裕がどれだけあるのでしょうか。私が令和の幕あけに当たって感じた思いであります。 新たな元号令和については、日本の歴史上、初めて決められた元号を前もって知らせた上で歩むことになりました。 そんな令和が公表された折、本市では、県知事選挙が執行されていました。私ども市民クラブには、2カ月が経過した今になっても、多くの市民から、あのときの市長が支援なさった候補の応援のための街頭演説における発言内容には問題があるとの御意見をいただきます。 過日、私たちのところに、この問題についての録音音源と、その内容を書き起こしたペーパーが持ち込まれました。それによりますと、4月2日の市役所前での演説では、相手候補の丸山さんは特定の人に縛られてしまう、何をしたいのかはっきりしない、労働組合の連合と一緒になってしまって、全く争点がぼけてしまう、何をするんでしょうかという趣旨の発言をなさっています。 選挙戦でのネガティブキャンペーンは珍しいことではありませんが、連合島根は市長選挙における市長の推薦団体です。その連合を街頭で名指しして批判するのはいかがなものでしょうか。市民の代表たる市長が特定の候補者に過度に肩入れされた上に、街頭でマイクを握って、このような良識を疑わざるを得ない発言をされたことは残念でなりません。 また、4月4日の鹿島町での演説では、1つ、ある県職員を某県議会議員と丸山候補が仕事上の問題で攻め続け、そのことで心労が重なった職員が自死に追い込まれたと言われている。そんなことを丸山候補は行っている。2つ目、丸山候補、島根から帰ったら消防庁の室長に就任したが、1年余りで外郭団体に出た。それはセクハラ問題を起こして飛ばされたということです。3つ目、彼が知事になれば、彼の顔が見えない政治になる。全て某県議会議員が取り仕切る政治になるなどの発言をしておられます。 これらの内容の真意や信憑性については確認のしようもありませんが、明らかに誹誘中傷に当たるものと言わざるを得ません。名誉毀損であるとして訴訟も検討されている状況だともお聞きしております。 この問題に関して数々の御意見をいただく中には、選挙戦における発言であったにしても、市民の代表たる市長として、その品格、品位を疑いたくなるといった御意見もいただいております。 私自身、今日までの市長の政治姿勢として、品格と誇りを非常に大切にしてこられているものと思っておりました。一連の発言について非常に残念な思いをいたしました。 そんな思いを抱いていたやさき、5月8日の記者会見で、一月たっていろいろと考え、知事選挙で一部に行き過ぎた発言があり、関係者の皆様に御迷惑をおかけした、おわび申し上げると謝罪をなさっています。そのことは、私どもが指摘していますこれらの不適切な発言をお認めになり、謝罪されたのと認識していいのか、市民からは一体どの発言について、誰に謝罪をしているのかとの御意見も多数寄せられました。 私たちとしては、この問題は市長自身の進退にもかかわりかねない重大な事案だと認識しています。仮に告訴されるようなことがあれば、その時点で道義的責任を求められるものと思いますが、いかがですか。この際、いかなる発言をなさったのかも含め、きちんと市民に説明をなさるべきと感じます。御所見を伺います。 また、今回の市長の発言は、少なからず県知事や県当局との信頼関係を損ねてしまったのではないかと考えます。今後ともあらゆる面で、新知事を初めとする県当局との信頼関係に基づく協力によって行政運営を行っていくことが、市民のためにも重要だと考えております。そこで、新知事との信頼関係構築に向けてのお考えを伺います。 教員の人事権について、次の項目で伺います。 平成29年8月、市長が当時の溝口県知事に対し、県費負担教員の人事権を松江市に移譲する方向で県として調整してもらいたいとの要望に関して質問をします。 この要望を受け、県教委内に小委員会が設置され、3回にわたり協議が行われました。この小委員会では、各市町村教委から移譲に関する多数の質問、質疑がされ、松江市教委はそれぞれに丁寧に回答、説明をなされております。そして、人事権を移譲する方向でも検討されましたが、合意を得ることができず、議論は平行線の状態だったようです。また、文科省からは、他の自治体が少なくとも絶対反対ということがない状況が望ましいとの見解が出されています。 加えて、4月24日の全体会議では、小委員会参加者以外の市町村からも、移譲に対して賛同できないとの意見が相次ぎ、県教委は、現行制度のもとで松江市の提案を実現することは難しいと本年4月末に結論づけています。 私は、本市への移譲に対して賛同できない声が他の市町村から相次いでいる背景には、県費負担教員の趣旨、目的である、1つ、一定水準の教員の確保と教育水準の維持向上を図ること、2つ目、広く市町村を超えて人事を行うことにより、教員の適正配置と人事交流を図ること、こうした制度の趣旨、目的が損なわれることにより、大変に不利益を得ることへの懸念があると考えます。 一方で、市長の、松江で採用された教員が松江市に愛着を持って、松江の教育方針に基づき教育することが大切とする、こうした考え方に一定の理解を示すものでもあります。 しかし、この要望に対する現行制度での実現は難しいとの結論が出された以上、本市として今日までの取り組みへの検証や、今後、移譲の可否をも含め十分な研究を行うためにも、一定の時間が必要ではないかと考えます。 その点で少し触れさせていただきたいと思いますが、今回松江市が教員の人事権を構成するうち、教職員の給料等の負担を除く、1つ、教職員の任命権、2つ目、学校の種類ごとの教職員定数の決定権、3つ目、学級編制基準の決定権、この2番目と3番目は、都道府県教育委員会の果たすべき特段の役割を定めたものであり、条例による事務処理の特例を活用して市町村が処理することができないということであります。この点についても、十分私は研究する必要があろうかと思います。 そして、もう一つ触れさせていただきたいと思いますが、市長がかねてからおっしゃっております松江の教育方針に基づき教育することは大切とする、こうした考え方に一定の理解を示しますが、平成29年6月の市長所信表明では、その前段として、教育の魅力化や小中一貫教育、義務教育学校への移行など、各自治体独自の取り組みが実施されてきており、県内一律の教育方針では限界があること、その限界は何かということをきちんと研究し、説明する責任もあろうかと思うのであります。 そして何よりも、ほとんどの市町村が反対と言っている以上、ここは県庁所在地の市長としてその懐の深さをお示しになられ、県全体の子どもたちの未来をも考えて、一旦県へのこの要望を取り下げられてはいかがかとと考えます。御見解を伺います。 市教委単独での高校教員の採用について伺います。 現在、松江市立女子高には37名の教員が教鞭をとっておられるとお聞きしています。その中に、本年度より、市教委が単独で実施された採用試験に合格をした3名の教員が採用され、教鞭をとっておられるとお聞きしています。その一方で、大半の教員は、従来からの県教委の採用試験に合格をした教員で、一定のルールのもとでの異動、交流によって女子高で教鞭をとっておられます。 私は、本市には市立の高校は女子高のみですから、市教委によって採用された高校の教員は異動や交流といったものがなく、生涯にわたって女子高で教鞭をとっていくことになるのではないかと思います。そして、来年度も採用されるお考えで、現在募集を行っておられます。このまま採用し続けることは、女子高における市教委採用の教員の割合が年々ふえていくのではないかと考えます。 こうしたことは、教員の異動や交流による教育水準の維持、向上への取り組みが停滞するのではないか、教員の年齢構成がアンバランスになることによる人事にも影響を来すのではないか、結果として、学校運営全般のあらゆる面で支障を来し、ひいては学校で学んでいる生徒に影響してくることを一番心配するところです。 そこで、本市単独での高校の教員の採用について、県教委との採用後の異動、交流について十分な協議がされているものなのか伺います。あわせて、研修等を含め、教員としてのキャリアアップをどう進めていく計画になっているのか伺います。 また、本市単独での高校教員の採用について、今後はいかがしていくお考えか伺います。 次の項目、ガス局の民営化についてお伺いします。 今回、この課題について、今なぜこのときなのかとの大きな疑問を持ちました。そこで、4つの視点から質問をいたします。 1つ目は、ガス局は、今後10年の黒字経営が続く見通しです。公営企業として、広く市民貢献を今後とも図るべきではないか、市民貢献を放棄することになるのではないかという点で触れさせていただきます。 市長は、ガス局について、公営企業での経営維持は難しいとの見解であります。しかし、今後のガス局の経営見通しについては、ことし3月に、ガス局自身が策定された中期財政計画において、今後10年間、平均して1億5,000万円もの黒字を生み出し、10年後には起債残高も20億円を切り、内部留保も約6億円になると見込まれています。これは、市からの税金投入もなく、人口減少に伴う需要の減少や今後の設備投資を加味した試算であり、明らかに公営でも経営の継続ができるものと考えます。 また、公営企業の役割である市民貢献については、1つ、ガス局を活用し、市の防災計画と連携させることで災害に強いまちづくりの推進ができること、2つ目、子育て世代向けのガス料金メニューの設定など、市の政策と連動した行いができること、3つ目、ガス局を市の一部署として扱うことが可能であることから、公共物件のガス設備工事の際に機器をガス局から納入させるなどの分離発注を行えば、工事の総事業費を軽減できること、4つ目、ガス料金について、低廉な都市ガス料金が地域のLPガスを含め料金相場を形成していることなどが考えられます。 そこで、現在、市長が進められようとしている民営化については、今後も健全経営が見込まれ、公営企業の役割である市民貢献を放棄することにもつながるものと考えます。御見解を伺います。 2点目でございますが、譲渡要望書を出された企業に事業譲渡することは、談合が疑われるのではないかという点で質問いたします。 市長は昨年9月に、人口減少に伴う需要の減少やガス小売の全面自由化による全国的な事業者間の競争激化などを理由に、民営化を改めて表明されました。その後、本年2月22日にLPガス協会松江支部と松江ガス供給株式会社から譲渡要望書が提出され、協会の説明では、LPガス事業だけの生き残りは厳しいとの説明に対し、市長は地元の経済活性化に役立たないと意味がないと答えられ、4月10日の定例記者会見では、地域に金が落ちて循環し、それによって地域の経済が活性化することが一番望ましい、この機運が冷めないうちに、できるだけ早く結論を出したいと述べられました。 このお考えに基づいてのことなのか、先般5月24日にガス局長の、私の見解ですが、私的な委員会と思われる第1回松江市ガス事業経営検討委員会が開催されました。どうやら、この私的な委員会、今後、2回開催され結論が出されようとしているようであります。私は、こうした最近にわかに慌ただしい物事の運び方に、あたかも計画性があるかのような違和感があります。 加えて、2月22日に松江ガス供給株式会社から提出された要請文の1文と、本年3月にガス事業管理者によって策定された松江市ガス事業経営戦略プランの中に記載されている今後の課題部分が、非常に類似していることにも疑問を感じます。 このまま民間譲渡がなされたとき、そして譲渡先が要望書を提出された民間企業であった場合、世間を騒がせた森友・加計問題のように、市民から官製談合を疑われることになりませんか。 そこで、あえてお聞きしますが、何か特定の業者と接触され、その手法(譲渡先の決定方法・譲渡額)やスケジュール(譲渡時期)等について約束されていないのか、また、ガス事業管理者に対し、特定の事業者が優位になるよう指示などされていないのか伺います。 3点目の視点でございますが、地元企業の集合体に譲渡することは、寡占化を招くことになるのではないかという点で質問いたします。 要望書を提出された松江ガス供給株式会社には、LPガス協会松江支部に加盟するほぼ全ての会社が出資しておられます。そこで、仮に松江ガス供給株式会社が民営化の譲渡先となった場合、市内のガスエネルギー供給元が寡占状態となることで、競争相手がいなくなり、都市ガスやプロパンとも料金が高どまりにつながるのではないかと心配をします。このことは、現在公営ガスを使っておられる顧客のみならず、LPガスを使っておられる顧客にも大きな影響を与えるものと考えます。 市長も民営化の目的として、ガス小売自由化について触れておられましたが、私もガス業者間で価格競争を行わせ、利用者に多様の選択肢を与えることが本来の目的であると思います。しかし、寡占化につながることは、本来の目的とは真逆になるのではないかと考えます。松江市にガスエネルギーの寡占化状態を招くおそれがあることについての御見解を伺います。 4点目の視点でございます。市民への説明責任が果たされているのか、公正公平に取り組まれているのかという点で、ガス局長の見解を伺います。 今回進められている民営化議論について、私は多くの疑念を抱いております。1つ目、エネルギーの地産地消について資料や報道がなされています。しかし、そもそも本市では燃料供給という点では、天然ガスが自噴しているわけではなく、ガスの原料は市外から調達しているわけですから、民営化になっても何ら変わらないと考えます。 2点目、経済の地域内循環ということもお聞きしますが、市外、県外の企業体に譲渡してしまえば、利益は市外に流出してしまうものと考えます。 3点目、民営化による地域経済の活性化についてもお聞きしますが、松江市民にとっては、料金の低廉化や業界の活性化によるエネルギー選択肢の増加によるサービスの拡充だと考えます。また、松江市にとっては、業界への新規参入による税収増や雇用の創出だと考えます。そして、貴重な市が所有する財産、公共サービスを処分するわけですから、市民理解を得るためにも、適正な価格での譲渡や、限りなく多額の譲渡益による歳入増を図ることも考える必要があると思います。 私は、今回の民営化の取り組みに対し、先般、足早に設置された松江市ガス事業経営検討委員会についても、その設置根拠に疑問を感じることも含め、拙速に事を進められているように強く感じています。このまま進められていることについても、委員会に責任を押しつける形で、特定の企業に優位になるような条件設定がなされ、結果として市民の貴重な財産であるガス局あるいは公共サービスを安価で譲渡してしまうことにつながるのではないのかと危惧をしています。 加えて、13年前の答申以降、電力・ガス小売自由化が施行されたことにより、今回の民営化によって県外の大手企業に譲渡されるようなことになれば、本市のガスエネルギーだけでなく、周辺の市町村へも影響を及ぼしかねない、そうした要素も含んでいる問題だろうと感じています。 今回、4月の市長の早期に民営化の方針を固めたいとの意向から、現在、ガス局長が設置された委員会で議論が進められているものと考えます。しかし私は、なぜ民営化なのか、その目的、時期等の説明が、私ども議会はもちろんのこと、何よりも市民に対して不十分であると感じます。加えて、拙速に進められようとしている感のある今回の民営化議論には、ガス局長を初め当局の方々が、松江ガス供給株式会社やそこに出資している会社へ頻繁に出入りなさっているとのお話も聞こえてきます。 そこで、市長から運営権を任されているガス局長に伺います。市民からガス局の民営化について望んでいるとの御意見は聞かないが、市民への説明責任が果たされているとの認識でおられるのか、また、コンプライアンスを遵守した公正公平にこの問題に取り組んでおられるのか御見解を伺います。以上で質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(森脇幸好) 松浦市長。 〔松浦正敬市長登壇〕 ◎市長(松浦正敬) 津森議員の代表質問にお答えを申し上げたいと思います。 まず第1点目の市長の政治姿勢についてということで、今回の島根県知事選挙における私の発言内容についていろいろとお話がございました。この点につきましては、先ほど南波議員にお答えをいたしたとおりでございます。 もちろん新しい知事との信頼関係あるいは連携につきましても、これは森脇勇人議員、南波議員にお答えをしたとおりでございます。 それから、教員の人事権の問題でございまして、この点についてもう少し、もう身を引いたらいいんじゃないかという御提案でございますけれども、そもそもこの問題については、先ほど森脇議員にお答えしたとおりでございまして、私どもは丁寧に松江市の対応策についてちゃんと示しているわけでございます。これは津森議員もきちっとお読みになっていると思いますが、その上で御質問をされていると思います。 しかし、この提案したものについて、全く具体的な議論は進んでいないという状況でございます。つまり、もう入り口のところで議論されてしまっていると。したがって、私はこういった問題については、当然県もそのメンバーの中へ入っているわけでございますので、県として私たちのこの出した案について、きちっと県としてどう考えているのか、これをやはり考え方を述べていただく必要があると思っているわけでございます。それをしないで、全ての市町村が反対をしているからやらないんだと、こういう結論を出されることにつきまして、私どもはこれは納得しがたいものがあると思っているわけでございます。 以前、県がつくられましたワーキンググループの課題設定、それからその後の国のほうの閣議決定、こういった流れを受けて私どもは出しているわけでございますので、これはまずきちっと県としてこの問題についてどう考えるのか、県として考え方をきちっと出してもらいたいと。県の教育長も、教育委員会会議で、いずれ松江市のほうから協議があればきちっと受けると、こういうお話もされておりますので、これを受けて、先ほど申し上げましたように、書面で再度県に対して申し入れをしているということでございます。 それから、市立の女子高の高校教員の採用の問題につきましては、教育長のほうからお答えをさせていただきたいと思います。 3点目は、ガス局の民営化の問題でございます。 この問題で私のほうからは津森議員にお願いをしておきたいのは、今回の譲渡要望書を出された企業に事業譲渡することは談合が疑われると、こういう発言があったわけでございます。そこに譲渡するかどうかということと談合という問題は、全く別の問題でございます。談合があるかないかという問題は、どこかでそういう話し合いが行われているかどうかということでございますので、そういった確証もないのに談合が疑われるという発言は、極めて問題だと私は思っております。 私どもは、当然この問題につきましてはコンプライアンスに基づいて、適正な手法により進めていきたいと思っておりますので、その点ぜひ御理解をいただきたいと思っております。 残余のこのガス局の問題につきましては、ガス局長のほうからお答えをさせていただきたいと思います。 ○議長(森脇幸好) 清水教育長。 ◎教育長(清水伸夫) それでは、女子高の教員の採用について数点お尋ねがありましたので、私のほうからお答えをします。 まず、県教委との採用後の異動、交流について、十分な協議がなされているかという御質問でございました。 議員御指摘のとおり、人事異動や人事交流などは、教育水準の維持や教員の資質の向上に対して重要な役割を担っていると認識はしております。女子高の教員についても、当然一定のルールを設けて行う必要があると考えております。 新しく女子高に配置いたします市採用教員につきましては、基本的には異動はございませんので、現在県立学校と人事交流が図られるよう、県の教育委員会に申し入れをしているところでございます。 将来的には、例えば中学校免許の所有者は中学校との人事交流を、また他県の市立高等学校と人事交流を行うことができないのか、研究をしてまいりたいと考えております。 それから、市採用の教員の、研修等を含めて、教員としてのキャリアアップをどう進めていくかというお尋ねが2点目にございました。 研修につきましては、松江市が実施をいたします研修や、あるいは松江市教育委員会が実施する高校対象の研修を受講ができるとともに、県立学校教員と同様に、島根県教育センターが企画をいたします高校対象の研修を受講することができるよう、県の教育委員会と委託契約を結んでいるところでございます。 また、教員としての識見を広げるために、県立高校や中学校等を経験することは重要なことであると考えておりますので、今後も県立学校や中学校との間で人事交流や異動ができるよう、県の教育委員会に申し入れをしてまいりたいと考えております。 それから、今後の高校教員の市採用の見通しということで、どうするのかというお尋ねでございました。 今後も国語、地歴公民、数学、理科、英語の5教科につきましては、順次市採用教員に置きかえていく予定にしております。その場合には、教員全体の年齢構成や県教育委員会から派遣されている教員の教科や勤務年数などを勘案しながら、採用を進めてまいりたいと考えております。以上でございます。 ○議長(森脇幸好) 渡部ガス局長。 ◎ガス局長(渡部厚志) 私のほうから、ガス局の民営化についての残余部分についてお答えをさせていただきます。 公営企業の役割である市民貢献の放棄につながるものと考えるがという点でございますが、先ほど市長が柳原議員にお答えしたとおり、民営化の目的は、地域内経済の活性化とそれに伴う雇用の拡大、さらにはエネルギーの集約化による人、物、金の地域内循環の達成にあると考えているところでございます。このことがまさに、松江市全体のガス事業の安定的な継続はもとより、市民の皆様へのさまざまな付加価値サービスの提供につながり、市民貢献が行えるものと考えているところでございます。 次に、松江市にガスエネルギーの寡占化状態を招くおそれがあるのではないかという点でございますが、地元企業の集合体に譲渡するという仮定の話にはお答えできかねますけれども、一般的に申し上げると、電気・ガスエネルギーの完全自由化後、ガス事業者が電気を売り、電気事業者がガスを売る時代になってきております。全てのガス事業者が集約されるとは限らないことや、仮に都市ガスとLPガスの集約によりガスエネルギーが集約されても、電気事業者や他エネルギー事業者との競争が生じるため、エネルギー全体を見れば寡占化の状態にはならないと考えております。 それから、説明責任を果たされているとの認識があるのか、コンプライアンス遵守、公平公正にこの問題に取り組んでいるのかという点でございますが、説明責任については、現在行っております松江市ガス事業経営検討(検証)委員会を原則公開として、ホームページなどで順次積極的に情報提供を行っているところでございます。引き続き、コンプライアンスはもとより、公正公平に進めることは当然であると考えております。以上で私の答弁を終わります。 ○議長(森脇幸好) 25番。 ◆25番(津森良治) 先ほどガスの民営化で、非常に根拠がないにもかかわらず、疑念や疑惑を誘発するような発言をすることは市長は問題だとおっしゃいました。私も確かにそうだろうと思いますが、私考えさせていただくと、公開されている部分から申し上げますと、先ほどから局長が申し上げられておりますが、第1回の松江市ガス事業経営検討委員会は、おっしゃったように原則公開だと、だったはずです。 しかし、その委員会の終盤になって、私の情報によると、譲渡価格等に関係してくる現在の事業価値などの事項については非公開事案として、傍聴者や報道機関を退席させ、内密に議論されたと聞いています。その非公開事案、要は譲渡価格にかかわる非常に大事な部分、マル秘部分の議論を、ガス局を譲渡してくださいと要望しておられる地元のLP業界の代表が入っておられると。これでは地元LP業界は他の入札希望事業者よりも、委員という立場でいち早く譲渡価格にかかわる考え方を得ることになるのではないですか。株式のインサイダー取引に似ていませんか。明らかにコンプライアンス上、問題がある委員会構成だと私は疑念を持っております。そういった点も踏まえて質疑をさせていただいております。 ですから、こうした委員会運営をなさったかどうなのか、その事実確認だけ局長答えてください。 次、それと、市長、知事選挙における街頭演説について申し上げます。 南波議員にお答えされたとおりだとおっしゃいました。その南波議員の回答でもございましたが、発言の中で一部行き過ぎた面について、記者会見で関係の皆様におわびした次第ですとおっしゃいました。関係の皆様とは、私が先ほど質問で指摘した内容にかかわる方々に謝罪されたと受けとめていいのですか、伺います。以上です。 ○議長(森脇幸好) 松浦市長。 ◎市長(松浦正敬) 関係の皆様に謝罪をしたということではない、おわびを申し上げますということを申し上げたわけでございます。あくまでも関係の皆様ということでございます。 ○議長(森脇幸好) 渡部ガス局長。 ◎ガス局長(渡部厚志) まず、委員会の一部非公開にしたことにつきましては、当然のこととして、譲渡価格等を含めて問題にかかわる部分があるので、利益相反になってはならないという視点で、一部非公開とさせていただいたということでございます。 それから、委員会の構成のメンバーの問題につきましては、当然公益性の視点から有識者として入っていただいておりまして、当然守秘義務があってしかるべきものだと私は思っています。 ○議長(森脇幸好) 25番。 ◆25番(津森良治) 今局長はそう答弁されましたけれども、私ども一般的に考えたら、明らかにおかしい状況になるんじゃないですか。 それと一連の、市長は非常に私の疑念を持った発言に対して問題があると指摘されましたけれども、そういったコンプライアンス上問題がある委員会を今お認めになられましたけれども、そういった委員会を設置したのも、私は局長の私的な委員会かと思っておりましたが、きょうの質問の中にもありましたけれども、市長が指示をされた委員会ですよ。その前にその譲渡要望を市長みずからが受け取ったという流れの中である委員会ですよ。明らかに私はおかしいと思いますが、運営の仕方が。いかがですか、局長。改めて。私も名誉がかかっています。それが、市民の皆さんに厳しく市政運営をチェックするという責務を担ってこの場で発言をしております。きちんと答えてください。 それから、市長に申し上げます。 じゃあ、関係者とは誰ですか。以上です。 ○議長(森脇幸好) 松浦市長。 ◎市長(松浦正敬) 関係者とは関係者でございます。 ○議長(森脇幸好) 渡部ガス局長。 ◎ガス局長(渡部厚志) 先ほどから申し上げているとおりでございまして、当然のこととして市長から指示を受けたという、これは当然の事実でございますし、それに基づいて委員会を設置させていただいております。 また、同じように申し上げますけれども、公正公平な形でこの委員会の運営をしていくということが、私の責務であると思っております。 ○議長(森脇幸好) 25番。 ◆25番(津森良治) わかりました。今局長の見解はそうだろうと思います。私が今このガス局の民営化の問題について議論をした中で、明らかにこうした今コンプライアンス上どうしても私は問題があると思いますが、そういう委員会運営、それも市長自身が譲渡要望書を受け取って、市長自身が指示をされて、その運営まで市長がもしかしたら指示しとられるんじゃないですか、違いますか。 ○議長(森脇幸好) 渡部ガス局長。 ◎ガス局長(渡部厚志) そういうことは一切ございません。 ○議長(森脇幸好) 25番。 ◆25番(津森良治) 終わります。 ○議長(森脇幸好) 21番田中明子議員。 〔21番田中明子議員登壇〕 ◆21番(田中明子) 公明クラブの田中明子でございます。 晴れやかに迎えた令和、英語ではビューティフルハーモニーと言うそうですが、新元号のもと、水都松江市の伝統と文化のすばらしさを余すことなく全国に示したホーランエンヤの祭典を大成功へと導いてくださった、五大地の皆様を初め関係の皆様に、最初に心から感謝を申し上げたいと思います。 それでは、会派を代表いたしまして、6項目について質問をさせていただきます。 1点目、地方政治への関心ということについて質問いたします。 亥の年の本年は、12年に一度の統一地方選挙と参議院議員選挙が行われる年です。18歳以上の国民が政治に関してみずからの意思を表明する機会が、唯一選挙でございます。しかし、その機会をみずから放棄して、選挙に行かない人たちが多いことは、非常に残念です。政治をもっと身近に感じ、ぜひ声を寄せていただきたいと思います。その一人一人の投票行動が、政治改革につながると考えます。 近年、地方議員に立候補する人が減少し、定数ぎりぎりの候補者数による無投票や、定数割れをする自治体もあり、有権者にとっては選挙の機会さえ奪われてしまいます。なぜこのような状況になったのか、定数削減や議員報酬の問題、また政治や議会に対し魅力や信頼が感じられないなど、理由はさまざまでしょう。しかし、少子高齢化という大波が押し寄せる中で、それぞれの自治体が独自の地方創生によって乗り越えようとしている大切なこのときに、この状況を放置するわけにはいきません。そこで、選挙管理委員長と市長に伺います。 まず、選挙管理委員長には、近年の松江市の選挙について、有権者の投票行動をどのように分析をされ、今後投票率を上げるためにどのような取り組みが必要であるかお考えを伺います。 また、市民、とりわけ若い世代に市政を身近に感じてもらうには何が必要か、そのためにはどんな取り組みが有効とお考えか市長の御所見を伺います。 2点目、男女共同参画の視点について伺います。 1999年に成立した男女共同参画社会基本法の施行日が6月23日であることから、6月23日から29日までを男女共同参画週間、今まさに真っただ中でございます。性別に関係なく、社会の対等な構成員として、政治的、経済的、社会的及び文化的に、あらゆる分野における参画の機会や利益の享受と、ともに責任を担うことが規定されております。 本年は、第63回女性の地位委員会(CSW)が3月11日から22日までアメリカ・ニューヨークの国連本部で開催され、過去最多となる9,000人が参加登録し、国際社会から注目を集めました。1946年に設置されたCSWは、政治や経済、教育などの分野における女性の権利促進を目指して開催され、毎年、優先テーマを中心に議論が交わされ、そこでの勧告・提案等は、国連経済社会理事会から国連総会に提出されます。会議の中で、国連史上初めて国連幹部に占める女性の数が男性を上回ったことがグテーレス国連事務総長から紹介され、平和構築や人道などあらゆる分野で、女性の参画が社会に大きく影響を与えると訴えられました。 このたび、松江市議会におきましても、4つの常任委員会のうち3つの委員会において女性委員長が誕生いたしました。女性の活躍を力強く進めるためにも、大変喜ばしいことであります。 しかし、女性の活躍のためには、男性の理解が不可欠でございますので、より一層の意識改革が必要と考えます。 初めに、男女共同参画推進条例について伺います。 この条例は、平成17年3月31日から施行されました。このたび、久しぶりに改めて条例の内容を読んでみましたが、14年が経過した今、少し見直しが必要ではないかと感じます。と申しますのは、性的マイノリティーに対する社会的な理解が進む現在、単に男性、女性の表記でなく、例えば第2条の定義の中に、「男女が社会の対等な構成員として、性別にかかわらず」という文がございますが、ここの「男女」の表記は、「全ての人」とすべきであり、そうした箇所が幾つかございます。今後、変更が必要と考えますが、見解を伺います。 次に、女性の働き方改革について伺います。 生産年齢人口が減少、人手不足が深刻化し、生産性を上げ社会の活力を維持するには、女性の能力を生かす必要があることに気づき、ようやく女性の活躍に本腰を入れるようになりました。そして、2015年に女性活躍推進法が成立。この法律によって、企業が女性の活躍について目標数を盛り込んだ計画書の策定や、どの程度進めているのか公表する義務を課したことは重要であると思います。 令和という新たな時代に、女性がさらに活躍していくには何が必要か。それは、家庭と仕事の両立だと考えます。そして、個々の女性が置かれた状況はさまざまであり、違いを尊重しながら、誰もがワーク・ライフ・バランスがとれるようにしなければなりません。 女性にとって、長時間労働や仕事における過重な負担は、晩婚化や結婚をしないことにつながると考えます。誰もが同じ時間に出勤し、時間が来れば同じ時間に退社するという画一的な働き方ではなく、育児や介護、そのほかの事情を抱える人には働きやすい環境を考えることが、効率化にもつながると考えますが、御所見を伺います。 また、働き方には当然、正規・非正規の問題がございます。2020年4月から同一労働同一賃金が実施されます。いかにも両者の差がなくなるように思われがちでございますが、そもそも正社員と非正社員は異なった基準で賃金が決められ、社会保障制度の面も差がございます。非正規で働く人たちは、期待を寄せながらも危惧を抱いています。法の実効性がどうなのか、今後についてわかる範囲内で教えていただきたいと存じます。 3点目、災害備蓄食の有効活用について伺います。 東日本大震災を初め近年の相次ぐ大規模災害を踏まえ、自治体による食料の備蓄が急増しているとの報道がございました。初めに、災害対策基本法で義務づけられているとは思いますが、松江市における主な食料の備蓄の状況について、食料の内容と量、備蓄場所を伺います。 また、賞味期限を考慮し、備蓄品の入れかえをしなければなりませんが、その際、廃棄処分をされているのでしょうか。先月5月24日に食品ロス削減推進法が成立し、備蓄食料の有効活用が求められていると考えますが、その点での取り組みを伺います。 次に、国産の液体ミルクの災害備蓄品への導入について伺います。 早くから欧米では普及していた液体ミルクですが、日本では2016年の熊本地震の際にフィンランドから寄せられた支援物資の中にあり、避難所で赤ちゃん連れのお母さんたちに大変に喜ばれたことから、国産の液体ミルクの製造・販売を求める声が大きくなりました。日本での製造・販売に向け、改正厚生労働省令が2018年8月に施行され、公的な基準が設けられ、現在では販売を開始されております。 消毒済みの哺乳瓶に移して使いますが、お湯を必要としないので、乳児にすぐに飲ませることができ、赤ちゃんの命をつなぐ貴重な栄養源といたしまして非常に手軽でございます。清潔な水の確保やお湯を沸かすことが難しい災害時において、活用を進めるべきではないかと考えます。 さらに、液体ミルクは、乳児のいる御夫婦にとって、とりわけ父親の育児への参加の手助けにもなり、実際に使っている父親からは、お湯を沸かしたり冷ましたりの手間が省けて使いやすいとの声が寄せられているようです。 そこで今後、松江市としても、液体ミルクを知ってもらうために、乳児健診やいろいろなイベントなどで試飲をしてもらうなどの取り組みができないでしょうか。また、女性の視点からの防災対策といたしまして、災害時に備え、液体ミルクを備蓄用として積極的に活用してはどうでしょうか見解を伺います。 4点目、特定健診受診率向上と糖尿病の重症化予防について伺います。 昨年の6月議会で、我が会派の篠原議員が糖尿病の重症化予防についての質問をいたしました。その際、松江市では3万9,000人の国保加入者の11.5%を占める4,500人が糖尿病患者で、医療費が全体の4.7%に当たる6億7,000万円に上るという答弁をお聞きし、余りの多さに驚いたところです。 糖尿病と診断された人に対し、重篤化しないよう早期に専門医につなげることが大切であり、特定健診受診率の向上が医療費削減の鍵を握っていると思います。こうした点から、これまで特定健診に500円の料金が必要だったのが、今年度は無料で受診できるようになり、受診率のアップにつながると期待を寄せております。 そこで伺いますが、本市が行っている内容の特定健診を、もし自費で支払うとしたら幾らかかるのかでしょうか。無料というお得感を市民に対してどう周知するかが、受診率向上のために重要でございます。市民に十分に伝わらなければ意味がありませんが、どのように周知をされるのか伺います。 さらに、1回の通知で受診できなかった方については、再通知も必要と考えますが、御所見を伺います。 松江市は、2018年から2023年までの6年間の計画といたしまして、第3期特定健診実施計画及び第2期データヘルス計画を策定し、特定健診受診率の向上や特定保健指導実施率の向上、また生活習慣病対策を初め重症化予防等の保健事業の実施を目指しております。特定健診受診率は、2017年は45.3%でした。また、特定保健指導初回実施率は、2017年に35.6%でしたが、それぞれ現状と今後の目標についてお伺いいたします。 高齢化が進む我が国において、生活習慣病と社会環境の変化に伴い、糖尿病患者数が全国で1,000万人を超え、大きな問題となっています。自覚症状がないので、診断されるまで自分では気づきませんが、糖尿病を放置すると、網膜症や腎症、心臓病、歯周病、神経障害等、合併症を引き起こします。糖尿病性腎症が進行すると、人工透析を余儀なくされます。人工透析は、1人当たり年間約500万円の医療費がかかります。そして、ほぼ一生続きますので、医療費にとって大きな課題であります。 そこで、糖尿病の重症化予防に向けた取り組みと現状について、3点お聞きいたします。 1点目に、2016年度の松江市における人工透析患者数は155人、2013年度からわずかながら減少傾向にございましたが、現状はいかがでしょうか。人数及び医療費をお示しください。 2点目に、糖尿病の重症化予防について、本市の取り組みをお聞かせください。 3点目に、特定健診で糖尿病判定値を示した方や、重症化のリスクの高い治療中断の方への受診勧奨はどのようにされるのか、対象者の抽出の基準と実施人数をお聞かせください。 島根県は、重症化のリスクの高い未受診者や治療中断者について、国保等の医療保険者が特定健診やレセプトデータ等から抽出して優先的に受診勧奨し、医療につなげるよう取り組むとしています。昨年の篠原議員への小塚部長の答弁は、レセプトデータを活用した受診勧奨の取り組みは行っていない、今後、先進地事例の調査研究を行うとのことでございましたが、レセプトデータの活用は重要であります。重症化を防ぐために実施すべきと思いますが、御所見を伺います。 5点目、ひきこもり対応について伺います。 後々、太田議員のほうが詳しく聞きますけれども、内閣府の調査によると、40歳から64歳のひきこもりの人が全国に61万3,000人いると、初めての推計値を発表いたしました。そのうち男性が76.6%、退職したことがきっかけになる人が最も多く、期間は7年以上が半数を占め、長期化・高齢化しており、15歳から39歳までの若年層のひきこもりの54万人を上回りました。 親の年金で生活をし、その親も病気や認知症を患い、亡くなった後にはひとり暮らしになってしまう人も多いようです。そうなるまでに、どこかの時点で支援ができる場面はなかったのかと悔やまれますが、4割の人が誰にも相談しないと答え、社会から孤立しやすい傾向がございます。 和歌山県田辺市では、2001年に全国に先駆けて専門の相談窓口を開設しております。注目すべきは、相談窓口に加え、ひきこもり検討会を設置し、官民で支援ネットワークを構築していることです。医療、福祉、教育、労働などの専門知識を持ち寄り、ひきこもりの段階に応じた適切な提案を行っています。実際、18年間引きこもっていた男性に支援を続け、就労につながった例もあるそうです。 早期に訪問、相談支援のできる体制を整え、就労先のあっせんや地域とのかかわりを持つことが、孤立から抜け出すことにつながると思います。また、人手不足の昨今、貴重な働き手でもあります。ここをクリアすることは、松江市の大いなる活力につながると考えますが、松江市のひきこもりの現状と支援体制を伺います。 最後6点目、認知症対応について伺います。 本年1月、認知症についての研修会に参加いたしました。そのとき、認知症は病名ではなく症状であり、4つに分類される認知症の中で、アルツハイマー型認知症という病名が認知症の約半数を占めていることを知りました。海馬を中心に脳が萎縮し、電話帳の番号を覚えて、すぐに電話をかけるときの記憶を短期記憶といいますが、この短期記憶力が低下するのが特徴でございます。 2012年に462万人だった65歳以上の認知症の人は、推計で2025年には高齢者の5人に一人に当たる約700万人に増加すると言われております。年齢を重ねれば体が動きにくくなるのと同じように、加齢により物忘れも激しくなります。年齢相応の物忘れとは別に、脳の細胞が変化を来すことによって発症し、誰にでも起こり得るのが認知症でございます。認知症がこれほど身近な存在であるにもかかわらず、偏見が持たれ、十分な社会的理解が進んでいない現状が大きな問題だと思います。 認知症になっても、地域社会に積極的に受け入れてもらおうと、認知症のリハビリ及びレクリエーション活動に仕事を取り入れている、東京都町田市を拠点に活動を展開するデイサービスDAYS BLG!では、生鮮市場での仕分け作業や保育園での清掃、自動車会社での洗車等、対価を支払っていただいています。それによって、本人も社会につながる実感や喜びが得られています。 政治や行政には、こうした意欲的な取り組みを後押ししていただきたいと思います。当事者やその家族の思いに寄り添い、ともに生きる社会こそが、これからの少子高齢化を生き抜く松江に必要なことだと考え、質問をさせていただきます。 2015年に策定されました国家戦略、新オレンジプランにおいて、認知症になったとしても、住みなれた地域で自分らしく暮らせる社会の実現を目指し、具体的には、次に掲げる7本の柱を推進しています。1、認知症への理解を深めるための普及・啓発の推進、2、認知症の容態に応じた適時・適切な医療・介護の提供、3、若年性認知症施策の強化、4、認知症の人の介護者への支援、5、認知症の人を含む高齢者に優しい地域づくり、6、認知症の予防法、診断法、治療法、リハビリテーションモデル、介護モデル等の研究開発及びその成果の普及の推進、7、認知症の人やその家族の視点の重視、以上が7つの柱でございます。 本市におきましても、この視点で施策を進められていると存じますが、それぞれの項目について伺います。 まず、1について、認知症への理解を広げるため、認知症サポーター養成講座が実施されていますが、これまでの成果を伺うとともに、量的に養成するだけでなく、今後、サポーターのさまざまな場面での活躍の場の拡大についての見解を伺います。 近年、認知症の人がさまざまな形で詐欺被害に巻き込まれる事案をよく耳にいたします。当事者とその御家族を守るためにも、サポーター自身が、やむことのない詐欺被害対処のための消費者教育を受講する必要性を感じます。今後、認知症サポーター養成講座のカリキュラムに加えてはいかがかと思いますが、見解をお聞かせください。 また、核家族化が進む中、高齢者への理解を深め、福祉を教育に取り入れる意味からも、小中学校における認知症サポーター養成講座の開催を提案します。先月、埼玉県草加市へ、認知症検診事業について会派視察をさせていただきました折に、草加市では小学生の認知症サポーターが続々と誕生しておりました。御所見を伺います。 2について、認知症の容態の変化に応じて医療・介護が適時適切に提供されなくてはなりませんが、その体制について伺います。 認知症の初期対応は非常に重要でありますが、早期に発見し医療につなげるには、家族や地域の人たちの気づきによることが大きいと考えます。地域ネットワークの構築と、気軽に相談できる体制づくりが求められますが、現状を伺います。 また、認知症初期集中支援チームの果たす役割は大きいと思いますが、現状についてお伺いいたします。 3について、若年性認知症の現状と就労に向けた支援等、今後の取り組みについて伺います。 4について、認知症の人を介護する人に対して、どんな支援ができるか伺います。 5について、認知症の人を含む高齢者に優しい地域づくりは、ますます高齢化が進む今、ソフト、ハードの両面から真剣に取り組まなければなりません。今後の取り組みを伺います。 6について、認知症疾患医療センターは、基幹型が出雲市の島根医大に、地域型が安来市の第一病院と益田市の松ヶ丘病院に置かれており、検査機器や入院設備が充実しています。松江市の場合は、かかりつけ医が認知症専門医と連携し、対応を行っていますが、県内で最も人口が多く、認知症への一層の取り組みを要すると考えると、将来松江市内にも認知症疾患医療センターの設置が必要ではないでしょうか。見解を伺います。 7について、認知症の人やその家族の人たちが出かけたり交流の場として、認知症カフェが開設されておりますが、孤立することなく医療や介護にもつながり、よい取り組みであると思います。事業内容や利用状況を伺うとともに、今後の課題があればお聞かせください。 公明党は、認知症施策を強化する基本法の早期制定を目指しております。今後、課題が多岐にわたる認知症について、さらに充実した施策が展開されることを期待しております。 冒頭に申し上げましたように、市民から信頼される市政運営を目指し、一丸となって危機管理にしっかりと努めていただきますようお願い申し上げまして、公明クラブとしての質問を終わります。前向きな御答弁をよろしくお願いいたします。ありがとうございました。(拍手) ○議長(森脇幸好) 議事の都合により、この際会議時間を延長いたします。 松浦市長。 〔松浦正敬市長登壇〕 ◎市長(松浦正敬) 田中議員の代表質問にお答えを申し上げたいと思います。 まず、選挙の有権者の投票行動についての御質問につきましては、選管の委員長のほうからお答えをさせていただきます。 2点目の若い世代に市政を身近に感じてもらうために何が必要なのかということでございます。 松江市では、御承知のように今、共創・協働のまちづくりの推進を行っておりますけれども、特に若い世代に市政の施策形成の過程に参画してもらう、そして市政を身近に感じてもらうことが必要だと思っております。そのためには、従来のような一方的な情報提供ではなくて、SNSなどの情報ツールを活用して必要な情報の把握を行って、素早くわかりやすい情報を提供する、それから、参画しやすい会議の開催などに取り組むことが必要だと思っております。 具体的な取り組みといたしまして、現在多くの若者がみずからプレーヤーとなって、カフェやゲストハウスの運営など、遊休資産である空き家を活用したまちなかの再生事業に取り組んでいただいているわけでございますけれども、このような熱い思いを持った若者がふえていくことで、まちづくりに参画しやすい機運、環境ができる、それが若者の市政への参画、地域の活性化につながっていくものと考えております。 2点目は、男女共同参画の視点で、「男女」とある表記の部分は「全ての人」に変える等々の変更が必要ではないかということでございます。 確かに議員御指摘のとおり、現在では性的少数者への理解が進んでいる状況がありますことから、市といたしましてこの視点を持って、改正について検討してまいりたいと思っております。 それから、ワーク・ライフ・バランスがとれるように、画一的な働き方ではなくて、育児や介護などに配慮した働きやすい状況をつくることがいいのではないかということでございます。 このワーク・ライフ・バランス推進の取り組みにつきましては、平成28年7月に経済界あるいは労働界、島根大学と共同で推進宣言を行って、同時に賛同する事業所で企業ネットワークを立ち上げ、松江地域全体で進めていると。毎年行いますけれども、その中でそれぞれの企業が具体的にどのようなワーク・ライフ・バランスを取り扱っているかということを発表いたして、そしてそこに参加した企業が理解を深めると、こういう活動を今までもやってきているわけでございます。 しかしながら、現在このネットワークに参加している会員はわずか122事業所でございます。市内には1万余りの事業所があるわけでございますので、まずはこのネットワークの拡大を図っていくことが大変大事だと思っております。 それから、同一労働同一賃金が実施されることによって、正規・非正規の差がどうなるのかということでございます。 この雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保につきまして、実効性があるものにしていくためには、各企業の取り組みが重要になってまいります。国におきましては、そのための同一労働同一賃金に関するガイドラインが作成をされて、いかなる待遇差が不合理であり、いかなる待遇差が不合理でないかと、原則となる考え方や具体例が示されたところでありまして、こうした各企業におきまして個別具体の事情に応じた議論が望まれるわけでございます。 ほかにも、正規労働者との待遇差の内容、理由等の説明義務が生ずることになります。それから、非正規労働者について、無料・非公開の紛争解決手続が労働局において実施をされるようになるということでありますので、市といたしましては、今後企業への啓発が非常に大事になってくると思っているところでございます。 企業の取り組みをサポートするための相談機関といたしまして、島根働き方改革推進支援センターが開設をされておりますので、さまざまな情報を国、県、商工団体等と連携して周知を図っていきたいと思っております。 大きな3点目は、災害備蓄食の有効活用ということでございます。 災害時の備蓄品でございますけれども、そのうち食料につきましては、アルファ化米、それから保存用ビスケットを備蓄しているところでございます。今年度はアルファ化米を8,000食分、それから保存用ビスケットを2,400食分新たに購入をするということでございまして、今年度の予定備蓄数は、アルファ化米が1万3,100食分、それから保存用ビスケットが1万750食分になるわけでございます。 それから、食料の主な備蓄場所でございますが、総合体育館の備蓄倉庫でございます。それから、そのほかには松江市内の21公民館と各支所に、それぞれ300食分の食料を備蓄いたしております。 それから、賞味期限が切れた備蓄品の取り扱いでございますが、原則賞味期限切れのものにつきましては廃棄処分をすることになりますけれども、その前に有効活用を図るために、期限切れ1年前ぐらいを目安に、各地区で実施されます防災訓練での炊き出し食材、自治会等が行う防災出前講座の際の試食などに活用いたしているところであります。 それから、液体ミルクを備蓄用に活用してはどうかという話でございます。 液体ミルクにつきましては、ことしの3月から国産ミルクの販売が始まりました。市といたしまして、液体ミルクはすぐ飲めるあるいはお湯が不要といった災害時におけるメリットがありますので、こういったものを広く紹介していきたいと考えておりますけれども、市では今年度備蓄用品といたしまして100本を購入する予定といたしております。 大きな4点目でございますが、特定健診の受診率向上と糖尿病の重症化予防についてでございます。 まず、本市の特定健診の検査を自費で行った場合でございますが、約1万2,000円の負担となるところであります。 それから、そこで今年度特定健診が無料で受けられるようになったけれども、その周知方法、あるいは未受診者への再度通知をするのかどうかでございます。 周知方法といたしまして、1つは、まず受診券を送付する際の封筒を大型化いたしまして、デザインも変更いたしたところでございます。 それから、周知の方法でございますけれども、市営バスへの広告掲載、それからマーブルの番組、告知放送などを活用して広く周知を行っております。 それから、国保への新規加入者に対しましては、市役所手続窓口や地区担当の保健師による受診勧奨も行っているところでございます。 それから、医師会あるいは薬剤師会に御協力をいただきまして、通院者への声かけあるいは受診勧奨パンフレットの窓口設置、健診啓発ポスター掲示など協力をいただいているところでございます。 それから、未受診者への再度通知につきましては、8月と、追加健診の案内に合わせた10月との2回予定をいたしております。 それから、特定健診の受診率、それから特定保健指導初回実施率の現状と今後の目標でございます。 2018年の特定健診受診率でございますけれども、5月27日現在の速報値では43.4%、それから特定保健指導初回実施率につきましても、同様の速報値で32%でございます。 今後の目標でございますけれども、2023年度にはそれぞれ60%を最終目標といたしているところでございます。 それから、糖尿病の重症化予防についてでございまして、人工透析患者数と医療費の現状でございます。 患者数でございますけれども、2018年度の速報値で155人、医療費は7億2,953万8,920円で、御指摘がありましたように1人当たり大体470万円程度かかっているということでございます。 それから、重症化予防の具体的取り組みでございますけれども、医師会、それから糖尿病対策会議と連携をいたしまして、糖尿病の重症化予防の普及啓発活動に取り組んでいるところでございます。いろいろな講座を行ったりいたしております。 それから、県内でもいち早く平成26年度からは特定健診結果に基づきました腎症重症化予防の取り組みを開始しておりまして、糖尿病や腎臓専門医への紹介、それから平成28年度からは管理栄養士による糖尿病性腎症保健指導事業を開始いたしております。 それから、特定健診で糖尿病と判定された方、重症化のリスクの高い人で治療中断した方への受診勧奨、それから対象者の抽出の基準と実施人数、レセプトデータの活用等についての御質問でございます。 まず、松江市では、特定健診の結果をもとに抽出した対象者に対して、かかりつけ医と連携した糖尿病性腎症のフォロー事業を実施いたしております。対象者は、国のガイドラインをベースに、松江地域糖尿病対策会議で検討を加えていただいた基準により抽出をいたしております。 平成30年度の特定健診の受診者1万2,451人のうち、この事業の対象者が147名でございます。この中から糖尿病専門医への紹介につながった人が13人、それから糖尿病性腎症保健指導につながった人が11人でございます。それから、1月末時点で未利用であった約100名に対しましては、文書による保健指導の利用勧奨を行っているところでございます。 それから、特定健診の結果から高血圧や高血糖、脂質異常などの生活習慣病のリスクの高い方で、かつレセプト情報で関連する受診が確認できない人に対しましては、受療勧奨通知を個別送付いたしまして、医療機関への受診行動を促しております。2018年度は1,172人に通知をしているところでございます。 それから、糖尿病治療の中断者へのレセプトデータを活用した受診勧奨につきましては、なかなか中断をしている原因あるいは状況の把握が難しいことで、現在実施には至っておりませんけれども、他県での活用事例も参考にしながら、今後検討してまいりたいと思っております。 また、中核市になりまして保健所を設置したことによって、健診データその他の市が持つデータを組み合わせて、より専門的なデータ分析あるいは評価ができる体制となりましたので、それらをもとにさらにきめ細かな取り組みを進めてまいりたいと思っております。 大きな5点目は、ひきこもり対策でございます。 ひきこもりの現状でございますけれども、なかなかこの実態把握は難しい状況でございます。 一方、平成25年度に島根県が実施しましたひきこもりに関する実態調査でございますけれども、松江市のひきこもりの方は約250人で、人口当たり0.12%となっており、全県平均の0.15%を下回っている状況であります。この調査を島根県は再度ことしの7月に行うということでございます。年内には結果を公表する予定となっているところでございます。 それから、本市の支援体制でございますけれども、家庭相談課及び松江保健所などを相談窓口としているところでございます。まずは家族または本人からの相談により状況を把握すると、そしてそれに基づきまして具体的な相談支援、こういったものを行っていくことになるわけでございます。 なお、今年度からは家庭相談課に公認の心理師を配置いたしまして、支援体制の強化を図ったところであります。 大きな6点目は、認知症対応ということで、新オレンジプランの7つの柱の推進についての御質問でございます。 まず、認知症サポーターの養成講座等々の成果等々の御質問でございます。 この認知症サポーターの養成講座でございますけれども、ことしの3月末で645回開催をいたしまして、延べ1万9,643人に受講いただいたところでございます。 それから、認知症サポーターの活動の場の拡大ということが、これまでもこの本会議でも指摘を受けているところでございますけれども、昨年度からボランティア活動の希望があるサポーターを登録することにいたしたところであります。そして、今年度からは、そうした活動を希望するサポーターと、それからボランティアを希望する認知症の人や家族をマッチングさせる事業を検討いたしているところでございます。 それから、認知症サポーター養成講座での消費者教育受講でございますけれども、大変有効なカリキュラムであると考えておりまして、今後詐欺被害の対処等につきまして周知してまいりたいと思います。 それから、小中学校での認知症サポーター養成講座の御提案でございますが、既にこれは松江市でも実施をいたしております。平成27年から実施をいたしておりますけれども、昨年は2つの小学校で開催をいたしたところでございます。今後とも積極的に進めてまいりたいと思っております。 それから、認知症の容態の変化に応じて、医療・介護が適時適切に提供されなければならないということで、地域ネットワークの構築と相談体制の充実が必要ではないかと、その現状はどうかと、それから認知症初期の集中支援チームの果たす役割の現状と、こういうことでございます。 地域ネットワークでございますけれども、本市では家族あるいは民生児童委員、福祉推進員などの地域ネットワークを通じまして、地域包括支援センターに相談をいただく体制になっております。しかしながら、なかなかまだこれが浸透していないのが事実でございますので、あらゆる機会を通じまして認知症の相談窓口の周知に努めてまいりたいと思っております。 それから、認知症の初期集中支援チームでございますけれども、現在松江の青葉病院、それからこなんホスピタルに設置をいたしているところでございます。この成果といたしまして、平成29年度は7件、平成30年度が10件、専門医への受診につなげているところであります。 それから、若年性認知症の現状と就労支援ということでございます。 島根県の高齢者福祉課が平成28年度に実施しました調査によりますと、松江市では40人程度の方が若年性認知症で治療を受けられているという結果でございます。こうした若年性の認知症の方々にとりまして、やはり就労であるとか生活費等の経済的な問題が大きいわけでございまして、就労の継続あるいは再就職に関する支援が重要だと言われております。 今島根県では、若年性認知症相談窓口を設置いたしまして、若年性認知症支援コーディネーターが職場との話し合いに同席する仕組みができております。それから、若年性認知症の本人や家族が利用できる相談サービスガイドブックを作成いたしているところであります。 しかしながら、これにつきましてもまだまだ周知が十分ではないということでございますので、松江市といたしましても、こうした取り組みについて事業主へ周知を図ってまいりたいと思っております。 それから、認知症の人を介護する人にどんな支援ができるかということでございます。 認知症の初期集中支援チーム等によります早期診断、早期支援のほか、認知症カフェ、それから介護者の気分転換を図る家族介護者交流会を実施しているところでございます。今後は、先ほど申し上げましたけれども、認知症サポーターとのマッチングをさせる取り組みの検討、それから介護者が一時的に介護から離れ休息できる仕組み、こういったものについても検討していきたいと思っております。 それから、認知症の人を含む高齢者に優しい地域づくりに、ソフト、ハードの面から今後の取り組みについてでございます。 この認知症の人を含む高齢者に優しい地域は、全ての個人が尊重される地域社会ではないかと思っておりまして、そのためにも子どものころからの福祉教育を通じて、地域で困っている人を助け合う環境をつくることが重要だと思っております。 特に高齢者の分野では、こうした取り組みを進めるために、高齢者などの困り事を地域で話し合って支え合う組織を、平成30年度に全ての公民館区で立ち上げたところでございます。例えば竹矢地区のちくや一心助け隊というのがありますけれども、これは高齢者や障がい者宅の草刈り、買い物の援助などにつきまして、有償ボランティアでサービスを提供されているものであります。 それから、市内各地域で課題となっております高齢者の移動手段の確保につきましても、社会福祉法人による送迎バスでの買い物支援、それから地域住民が介護タクシーを始められるなど、各地域の特性に応じた取り組みが進められているところであります。 それから、松江市内に認知症疾患医療センターの設置についての考え方でございます。 この認知症疾患医療センターでございますけれども、これは認知症に関する専門的な診断や治療、相談対応、それから地域の連携体制強化など、地域における認知症医療提供体制の拠点になっております。国、県は、2次医療圏域に少なくとも1センター以上の設置を目標としているところでございまして、現在松江圏域には安来第一病院が指定をされておりますが、松江市にはないところであります。この医療センターの設置につきまして、今後島根県あるいは医師会、医療機関などの意見を踏まえて検討してまいりたいと思っております。 それから、認知症カフェの事業内容と今後の課題についてでございます。 認知症の人と家族の会に御協力いただきまして、毎月第3日曜日に松江元気が出るオレンジカフェを、これはスティックビルでございますけれども、開催をいたしております。昨年度は実人員で24人の方に御参加いただいたところであります。 この認知症カフェには、市内の医療機関、介護事業所にも参加をいただいて、歌や体操などのレクリエーション、それから参加者同士での話し合い、個別での御相談にも応じているところでございます。このほかにも、社会福祉法人などによりまして、6つの認知症カフェが開催をされているところであります。 市内にはこうした場はふえておりますけれども、当事者の方の参加が少ないことが課題でございます。より多くの方が参加いただけますように、引き続き周知を進めてまいりたいと思っております。 加えて、御家族が認知症カフェに出かけていただきやすい環境を整えるために、ボランティアの活用も検討してまいりたいと思っております。 ○議長(森脇幸好) 石原選挙管理委員会委員長。 ◎選挙管理委員会委員長(石原憲夫) 有権者の投票行動の分析と投票率の向上方策についてお答えします。 まず、投票率についてでありますが、本市の投票率は、昭和50年以降長期にわたって低落傾向にあり、平成27年の県知事選挙では53.03%にまで落ち込んだところでありますが、平成28年の参議院選挙で57%台を回復してからは、本年の統一地方選挙も含めておおむね57%台を維持し、横ばいに推移しているところであります。 年代別の投票率を見てみますと、依然として10代から30代の投票率が低い状況が続いております。 また、投票方法に関しましては、全体の投票者の中で期日前投票に行く人の割合は、小数点以下を四捨五入して申し上げますけれども、平成28年の参議院選挙33%、平成29年の市長選挙30%、平成29年の衆議院選挙41%、本年の統一地方選挙35%と増加する傾向にあり、今後も期日前投票者は増加していくものと予想しております。 こうした状況を踏まえ、投票率を向上させるために期日前投票の利便性も周知しながら、当日の投票行動にもつながる意識啓発や投票環境の向上を進めていきたいと考えております。 具体的には、これまでも成人式会場での模擬投票の実施や、高等学校などへの出前授業、選挙啓発ポスターの募集など、若年層の投票行動を促す意識啓発を行ってまいりましたが、本年の統一地方選挙では、商工会の会員の方へ啓発チラシを配布することにより、職場からも職員の皆さんに投票を呼びかけていただく活動を取り組み始めたところであります。 また、この夏の参議院選挙では、期日前投票の立会人として、初めてでございますけれども、大学生を数名選任する予定でありまして、若者が選挙にかかわることで、政治参画意識の向上や投票率の向上につながればと考えております。 このように、今後も投票率を向上させるためには、投票環境の整備に加えて、家庭、地域、学校、そして職場からも、政治参画意識の向上や投票行動を促すための継続的な取り組みを、いろいろな角度から模索しながら行っていきたいと考えているところです。以上です。 ○議長(森脇幸好) 21番。 ◆21番(田中明子) 終わります。 ○議長(森脇幸好) 5番田中肇議員。 〔5番田中肇議員登壇〕 ◆5番(田中肇) 共産党市議団の田中肇でございます。市議団を代表し、6つのテーマで質問をいたします。重なる部分もありますが、通告に従って質問いたしますので、御答弁をよろしくお願いいたします。 第1のテーマは、市長の政治姿勢についてです。 まず、憲法9条を変えることのないよう、政府に求めることについて伺います。 集団的自衛権の行使容認を閣議決定で行い、安保法制を強行した安倍政権は、自衛隊の日報隠し、森友問題での公文書改ざんなど、立憲主義に反する行動をとり続け、さらに憲法9条を変えようとしています。 世界の国々が持つ憲法で、戦争放棄を宣言している憲法は珍しくありません。しかし、戦争放棄を貫くために、戦力の放棄、すなわち軍隊を持たないとまで徹底している憲法は、日本国憲法と、あとごくわずかしかありません。 戦力・交戦権の放棄を定める9条2項の力によって、日本は軍隊を持つことはできず、自衛隊は軍隊ではないとされてきました。軍隊を持たない日本には、戦後74年間、軍事機密、軍事裁判、それを支える軍事法制が存在しません。 自衛隊美保基地の航空機からねじなどの部品が落下したという、市民の安全に直結する、あってはならないことが起こっている情報も、市民は知ることができます。市民が美保基地周辺で騒音の測定活動をしたとしても、軍事機密違反とはなりません。 しかし、安倍政権に9条2項が実質上機能しなくなった憲法を与えたら、日本社会は一挙に軍事の論理に支配されるおそれがあります。自衛隊に関する情報が市民の目から隠され、自衛隊の行動を監視する市民運動は軍事機密違反とされる、戦前のような社会に逆戻りする危険性があります。 憲法9条、とりわけ2項の存在は、戦後の日本が一度も戦争をしなかったよりどころであると同時に、市民が軍事機密や軍事裁判と無縁な生活を送るよりどころです。この松江市民の平和な生活を守るために、憲法9条を変えることがないよう、政府に求めるべきではありませんか。見解を伺います。 2つ目は、消費税増税中止を求めることについてです。 内閣府は5月13日、景気動向指数に基づく基調判断を6年2カ月ぶりに「悪化」に引き下げました。5月20日発表の2019年1月から3月期の国内総生産速報値は、前期と比較し0.5%増となりましたが、内需が冷え、輸入が輸出の減少を上回って大幅に落ち込んだため、計算上GDPがプラスになる数字のマジックにすぎません。個人消費、企業の設備投資、輸出はいずれもマイナスです。経済の指標は消費税増税の状況にはありません。 消費税導入時とこれまで2回の税率引き上げ時、政府の景気判断は「回復」でしたが、それでも消費税増税は深刻な消費不況を招きました。今回は、景気後退の局面で5兆円近い大増税を強行しようとしており、経済と生活を破壊するものと言わざるを得ません。 消費税に頼らず、労働者、中小自営業者、農林水産業者、年金生活者の暮らしを温め、消費購買意欲を高める方向に財政支出をシフトし、所得のあるところに課税することで財源を確保するという財政運営こそ、松江市民の暮らしを守る方向ではないでしょうか。松江市民の暮らしを守るために、消費税増税中止を政府に申し入れるべきと考えますが、市長の見解を伺います。 第2のテーマは、お金の心配なく医療にかかれる施策についてです。 全国1,700カ所を超える病院・診療所等で構成する全日本民主医療機関連合会が加盟する636の病院・診療所等を対象にした調査によると、2018年一年間の間に、経済的事由により医療への受診を控えたため、医療が手おくれとなり死亡したとされる事例が、全国で77事例報告されています。幸い、島根県の事例は報告されていませんが、調査対象は全国の医療機関数から見ればごく一部であり、この数字は氷山の一角とされています。 深刻なのは、資格証明書や短期保険証所有の事例だけでなく、正規の保険証を持っていながら、医療費の窓口負担が重く、未受診、治療中断の事例があることです。滞納している場合はもちろん、保険料を何とか払っていても、医療費の窓口負担のため、保険制度あって医療なしの実態があるのです。松江でこのような医療受診の手控えや手おくれ死を決して出してはなりません。そこで、伺います。 まず、国保についてです。 国保料を払えず困っている市民の中に、医療機関の受診を手控えている実態があるとすれば重大です。市民の実態をどのように把握しておられますか。 根本的な対策は、国保料を協会けんぽ並みに引き下げることしかありません。そのため、国の財政支出を抜本的にふやすよう国に申し入れを行ってこられたと思いますが、引き続き強く申し入れを行っていただきたいと考えます。見解をお伺いします。 次に、国保特別会計基金についてです。 基金残高がここ数年で急増しています。この原因は何でしょうか。また、昨年度末で総額18億円にも及ぶ基金の残高は、余りにも多過ぎる額ではないでしょうか。 今年度、国保料を据え置かれた点は評価いたしますが、医療機関への受診手控えによる手おくれ死という事態があってはなりません。市民の実態を把握し、基金を使って必要な支援を行うべきではないかと考えますが、見解を伺います。 また、国保加入者以外でも、生活に困窮し医療費負担が重くなっている場合も考えられます。生活困窮者を支援するこれまでの取り組みを評価いたします。しかし、加入する社会保険の種類にかかわらず、医療機関への受診手控えによる手おくれ死を出さないよう、生活困窮者の実態を把握し、必要な支援策をさらに進めるべきではないでしょうか、見解を伺います。 テーマの第3は、ごみ袋問題から見る市政についてです。 まず、対応のあり方と教訓についてです。 行政が行う事業や施策が見込みと異なり、中途で修正を余儀なくされることはあり得ることです。問題は、修正が必要となったとき、必要な決断を迅速に行って修正できたかどうかにあると思います。これを今回の事例で言えば、生ごみが長期間出せない生活を市民に強いることになると認識した時点で、古い袋でも期間を区切って受け付けるという意思決定をすべきではなかったでしょうか。また、今回の事態を、どのように今後の教訓として生かされるお考えでしょうか。 また、今後、同様の事態を避けるため、日常生活の必需品であるごみ袋については、海外生産ではなく、国内で調達すべきではないでしょうか。 3点目として、今回の問題に限りませんが、情報を伝える努力とともに、そもそも情報が伝わらない市民がいること、行政が期待したとおりの行動を市民全員がとるわけではないことを前提とした施策を検討する方向での努力が必要ではないでしょうか、お考えを伺います。 テーマの第4は、子ども医療費無料化の前進についてです。 丸山新知事は、選挙で公約した子ども医療費無料化の前進に踏み出そうとしていると聞いています。県が制度の前進に踏み出せば、それに伴い、市のこれまでの制度である小学校卒業までの無料化措置を義務教育終了まで、さらに18歳までにぜひ前進させていただきたいと考えます。見解を伺います。 テーマの第5は、大雨災害対策についてであります。 2017年7月25日の集中豪雨では、短時間に局所的に降雨が集中することによる被害が発生しました。それに対し、県に申し入れていただき、また市独自の施策も進めていただいて、土手のかさ上げ工事等が完了し、大変喜ばれています。 ただ、ことしも大雨のシーズンが近づいてきました。2年前は、深夜の局所的な増水だったため、自家用車を市営駐車場に避難してもよいという対応をしていただいていたにもかかわらず、気がついたときには車は既に水につかっており、中には納車3日目の車をだめにされた市民の方、一家で複数の車が廃車となった市民の方もおられると聞きました。 同様の被害を防ぐため、監視カメラを設置していただいていますが、その情報が急な増水に間に合うよう、適切に防災メールに反映されるように求める声が寄せられています。現状の体制はどのようになっておりますでしょうか伺います。 テーマの第6は、原子力発電についてです。 まず、最大被害想定地震及び島根原発1号機の災害対策重点区域の変更についてです。 市の地域防災計画の改正案において、最大被害想定地震が宍道断層による地震から鳥取県沖合F55断層による地震へと変更され、また、島根原発1号機の災害対策重点区域が変更されました。変更の経緯、今後の見通しについて伺います。 次に、原子力発電の必要性に関し、再生エネルギーの進展についてです。 市長はこれまで、再生エネルギーはまだ不安定であり、原発もしばらくの間必要としてこられました。しかし、ヨーロッパの多くの国々では、原子力発電や化石燃料火力発電で一定量の電力をベースロードとして確保するという考え方そのものを逆転させ、まず再生可能エネルギーを優先し、過不足の部分は需要供給さまざまな方法を駆使して、柔軟に需給を調整し電力を確保するフレキシビリティーという考え方に根本的に変えることで、脱原発に踏み出しています。 日本の水力、風力、地熱発電等にかかわる豊富な自然環境と高い技術力を考えれば、再生可能エネルギーによる発電量をリアルタイムで予測することや、送電、蓄電、需要側のピーク時の調整などは十分可能であり、日本でもフレキシビリティーに踏み出すことで原子力発電の必要性はなくなるのではないでしょうか見解を伺います。 最後に、原子力発電の許容性についてです。 これまでの原子力発電の規制に関する歴史は、宍道断層の距離がどんどん延びたことに象徴されるように、規制基準に最新の知見が取り入れられていない実態を、運動によって改善させてきたと言えるのではないでしょうか。 そして、福島原発事故の直前に、津波の最大高さの予測が防潮堤の高さを超える予想が出された福島の原発被害は、不幸にもその間隙を突かれたことによるのではないでしょうか。 これまで私たち共産党市議団は、地震に伴って原発付近の地形が変形すれば、基準地震動、すなわち加速度だけの問題ではないことを重要視して、地震性海岸隆起の問題を提起してきました。また、熊本地震で活断層の活動により地表断層が延び、地形が変形した点を問題視してきました。 これらが規制基準に取り入れられるべき新しい知見かどうかは、当然、長期にわたる研究を待たねばなりません。しかし、そのような研究を待つことなく結論を出そうとする規制委員会の姿勢は、新規制基準による新たな安全神話と言うべきです。しかも、過酷事故は起こるとした上で、再稼働を認めようとする稼働のための神話と言わざるを得ません。 新規制基準によって合格となっても、市民の安全は保障されません。たとえ原子力規制委員会が2号機再稼働の合格を出したとしても、松江市として、市民の命と安全を守るために2号機の再稼働は認めるべきではないと考えます。市長の見解を伺います。 質問は以上です。御答弁よろしくお願いいたします。(拍手) ○議長(森脇幸好) 松浦市長。 〔松浦正敬市長登壇〕 ◎市長(松浦正敬) 田中肇議員の代表質問にお答えを申し上げたいと思います。 まず、市長の政治姿勢ということで、憲法9条を変えることのないように政府に求めるということでございます。 この問題は、この本会議でもたびたびお答えをしておりますけれども、改憲の必要性も含めまして、今後は各政党間で国民が納得できるような議論を行っていただきたいと思っております。 2点目は、消費税増税の中止を求めるということでございます。 この消費税の増税の問題につきましても、政府の方針といたしまして、リーマン・ショック級の事態がない限り消費税を引き上げる予定とされておりまして、現在その引き上げのための準備が進められている状況でございます。 消費税率の改定につきましては、社会保障の充実と財政健全化のため欠かせない制度改正でございまして、本年10月に確実に実施されるべきものと考えております。 2点目は、お金の心配がなく医療にかかれる施策についてでございます。 まず、医療受診を控えている方の実態は把握をいたしておりませんけれども、資格証明書あるいは短期保険証を交付する際に、生活の不安を抱えておられる等の相談を受けた場合には、生活保護担当窓口や社会福祉協議会に案内する等、関係機関との連携を図って対応いたしているところであります。 それから、国保についてということで、国保料を協会けんぽ並みに引き下げるために、国の財政支出をふやすよう、こういう話でございます。 松江市は、島根県市長会の国への要望におきまして、医療保険制度の一本化等、制度の抜本的改革が実施されるまでの間は、医療保険制度間における保険料負担の格差をなくすように、国庫負担割合の引き上げなど国保財政基盤の拡充強化を図って、国の責任と負担において実効のある措置を講ずるよう、毎年要望いたしているところであります。 それから、国保の特別会計の基金でありますけれども、基金残高が急増した原因でありますけれども、これまでは医療費につきまして、直接市町村が賄わなければならない仕組みでございましたので、感染症の影響等医療費の急激な増嵩に備えて、前年度の繰越金を会計内に保有をしていたものであります。しかしながら、平成30年4月からの都道府県化に伴う会計処理の変更に伴って、平成29年度末に保有しておりました前年度繰越金のうち約9億円を基金に積み立てたことにより、増額となったものであります。 それから、昨年度末の基金残高が余りにも多過ぎると思うけれども、見解を伺うということであります。 基金につきましては、今後も医療費の増嵩あるいは不測の事態に備えることを基本にいたしておりまして、保険料あるいは公費等の収入減への補填等にも充てることといたしております。 平成30年度は都道府県化の初年度でございまして、県の決算状況もわかりませんでしたので、本年度は1人当たり保険料を前年度同額に据え置くことといたしまして、そのための財源として基金を2億6,000万円取り崩したところでありますが、今後も同じようにこれを取り崩していきますと、五、六年でこれは枯渇することになりますので、基金につきましては多過ぎる額ではないと考えております。 それから、市民の実態を把握して、基金を使って受診の手控え等による手おくれ死がないように、必要な支援を行うべきではないかということでございます。 この基金の使い方につきましては、先ほどお答え申し上げましたけれども、まず窓口業務におきまして、医療受診にお困りの方の相談を受けた場合には、専門の相談窓口へ紹介する等の対応を実施してまいりたいと思っております。 それから、本年度から国民健康保険におきましては、特定健診の自己負担額を無料といたしたところであります。病気の早期発見によりまして、医療機関での自己負担が高額ならないように、多くの方に特定健診を受けていただきたいと思っているところであります。 その他の保健事業につきましても、積極的に取り組んで、医療費の増嵩あるいは保険料の増額を招かないように、市民の健康増進を図ってまいりたいと思っております。 それから、生活困窮者の実態を把握して、必要な支援策をさらに進めるべきだということでございます。 生活困窮者の実態につきましては、市役所の各種窓口との連携のほか、地域包括支援センターあるいは民生児童委員などからの情報により把握をしているところであります。この生活困窮者の方の相談窓口といたしましては、平成27年4月から社会福祉協議会の中に松江市暮らし相談支援センターを設置いたして、相談を受け付けしております。相談の対応といたしまして、生活保護の申請、生活福祉資金の貸付制度、無料低額診療などを御案内して、医療が受けられるように支援を行っているところでございます。 それから、ごみ袋の問題についてのいろいろな御指摘がございましたが、この問題につきましては、柳原議員に詳しくお答えをいたしたとおりでございます。 4点目は、子ども医療費の無料化の前進についてでございまして、丸山新知事が選挙で公約した子ども医療費無料化の前進に踏み出そうとしていると、それに伴って、市はこれからさらに義務教育の中学校までということでしょうか、さらに18歳までに前進をさせるべきではないかというお話でございました。 子どもの医療費助成は、これは県にも国にも申し上げておりますけれども、本来全国どこに住んでもこれが等しく行われるべきだと思っておりまして、やはりこれは国が責任を持って実施をする施策だと認識をいたしております。今後も国の制度としての子ども医療費無料化に向けまして、国へ働きかけてまいりたいと思っております。 5点目は、大雨の災害対策で、監視カメラの情報が適切に防災メールに反映されるよう求めるということでございます。 昨年度でございますが、7カ所に定点カメラを設置して、リアルタイムで映像の確認ができるようになったところであります。これまではカメラがありませんでしたので、これらの河川を巡視して水門等の河川施設の現場操作を行っておりましたけれども、こうした今回カメラを設置することによりまして、同時に複数の河川の状況を確認して、より迅速に対応できるようになったということでございます。あわせて、避難情報の発信あるいは通行どめなどの交通規制を早期に行うことが可能となったところであります。 6点目は、原子力発電についてで、今回災害被害想定地震、それから島根原発1号機の災害対策重点区域の変更があったけれども、その経緯、今後の見通しということでございます。 まず、最大被害想定地震の変更についてでございますけれども、国は東日本大震災において、想定をはるかに超える巨大な地震、津波が発生したと、こういった教訓を踏まえまして、日本海において発生が想定される最大クラスの地震について検討を行うための日本海における大規模地震に関する調査検討会を設置して、平成26年に報告書を取りまとめたところであります。 島根県がこの報告書に基づき日本海における被害想定地震の再検討を行った結果、それまで想定されておりました松江市に最大の地震被害を与える宍道断層による地震が、鳥取県沖合のF55断層による地震に変更されたということで、これを本市の地域防災計画に反映をいたしたものであります。 それから、島根1号機の原子力災害対策重点区域の変更ということでございます。 これまではこのいわゆる対策重点区域でございますけれども、PAZが原子炉施設からおおむね半径5キロメートル、UPZはおおむね半径30キロメートルとしてきたわけであります。これが平成29年3月に指針が改正をされまして、廃止措置中で使用済み燃料が十分に冷却されていると国が認めた原子炉施設については、原子力災害対策重点区域の範囲をおおむね半径5キロメートルとし、その全てをUPZとすることにされましたので、その要件に該当する島根1号機の原子力災害対策重点区域を修正したものであります。 これらの地域防災計画の修正につきましては、6月18日に開催をしました松江市防災会議において承認を受けましたので、今後出前講座あるいはパンフレットの全戸配布等により周知を図ってまいりたいと思っております。 2点目は、原子力発電の必要性に関し、再生エネルギーの前進についてということで、フレキシビリティーという考え方で対応すべきではないかということであります。 フレキシビリティー、柔軟性という考え方につきましては、再生可能エネルギーを最優先し、発電量が不安定な部分については、さまざまな方法で柔軟に需給を調整していこうという考え方だと認識いたしております。 その再生可能エネルギーでございますが、我が国のエネルギー基本計画におきましては、重要な低炭素の国産エネルギーと位置づけをされておりまして、2030年のエネルギーミックスにおきます電源構成比率、これを22%から24%を目指して取り組みを進めていくものとされております。 一方で、現時点では安定供給のこと、あるいはコスト面で課題があるということでございますので、その需給のバランスを安定させ、主力電源化を図るためには、まだ時間を要するとされております。 市といたしましても、再生可能エネルギーの普及は必要と考えておりまして、これまでも太陽光発電の個人住宅への設置補助、それから民間のバイオマス発電事業支援、こういったものなどに取り組んでまいりましたけれども、現段階においては今すぐにそれのみで全ての電気を賄うことは困難であると考えております。 以前から申し上げておりますように、原発依存率につきましては、今後も低減をさせていくべきだと私は思っておりますけれども、国のエネルギー基本計画におきまして、原発については重要なベースロード電源と位置づけられておりますので、やはり当分の間、安全性を大前提とした原発の必要性はあるものと考えております。 3点目は、原子力発電の許容性ということでございます。したがって、原子力規制委員会が2号機の再稼働の合格を出したとしても、松江市として2号機の再稼働は認めるべきではないというお話でございます。 この問題はたびたび田中議員にもお答えをいたしておりますけれども、今この2号機の新規制基準適合性審査におきましては、熊本地震で確認されたような地震に伴い新たに発生する活断層、それから地形の変形を想定した審査が既に行われていると思っております。原発の再稼働につきましては、何よりも市民の安全・安心が大前提なわけでありますけれども、したがって国におきましては、安全性の確認をしっかりとしていただかなければならないわけであります。 今後、島根原発2号機の再稼働につきましては、この原子力規制委員会の審査が終了した後に、事業者や原子力規制委員会から説明を受け、市議会あるいは松江市原子力発電所環境安全対策協議会の皆様からの御意見を伺った上で、判断をすることになろうと思っております。 ○議長(森脇幸好) 5番。 ◆5番(田中肇) 3点だけ確認させてください。 ごみ袋問題ですけれども、生ごみが長期間出せなくなるとわかった時点で、何らかの、今までは予定していなかった新たな方策をとるべきではないかというような協議はあったのでしょうか、なかったのでしょうか。これが1点目。 例えばもし古い袋でも受け入れようという決断をしようとした場合に、その決裁はどのレベルまでの決断が必要な決裁となるのでしょうか。最後は市長の御決断が必要なものなのか、担当部局の決裁でいけるようなものなのか、そこについて教えてください。 それから、大雨被害の問題ですけれども、お答えをいただいたんですけれども、防災メールへの記載が可能なのかどうか。これは私も難しい面もあると思ってはおりますが、今後検討をしていただける余地があるのかどうか、そこらあたりを教えてください。以上3点です。 ○議長(森脇幸好) 松浦市長。 ◎市長(松浦正敬) ごみの関係でございますけれども、古い袋を使うことを認めるかどうかという判断でございますけれども、これは現在どういう状態にあるのかというところの認識が大前提になろうと思います。したがいまして、そうした認識が少なくとも環境保全部の中で共有されていなかったというところが、一番の問題だろうと思っております。 したがって、そういったことのないように、これからやっていかなければいけないわけでありますけれども、こうしたことについての対応は、何もこれは市長まで上げなくても、現場を預かる、少なくともその部の範囲でこれは対応し切れるものだと思っております。 防災メールの関係は、防災安全部長のほうからお答えさせていただきます。 ○議長(森脇幸好) 永田防災安全部長。 ◎防災安全部長(永田明夫) 防災メールの件についてお答えをいたします。 全ての案件につきまして防災メールに反映させることは、時間的に制約がある場合もあるとは認識してございますが、できる限りの対応をしてまいりたいと考えております。 ○議長(森脇幸好) 5番。 ◆5番(田中肇) 終わります。 ○議長(森脇幸好) 以上で本日の日程は全部終了いたしました。 本日は、これにて散会いたします。 〔午後5時34分散会〕...