松江市議会 > 2018-06-19 >
06月19日-03号

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  1. 松江市議会 2018-06-19
    06月19日-03号


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    平成30年第2回 6月定例会    平成30年第2回松江市議会定例会議 事 日 程(第3号) 平成30年6月19日(火曜日)午前10時開議 第1 一般質問     三 島   進  議 員     野 津 直 嗣  議 員     貴 谷 麻 以  議 員     篠 原   栄  議 員     田 中   肇  議 員     新 井 昌 禎  議 員────────────────────────────────────────本日の会議に付した事件 一般質問  三 島   進  議 員  野 津 直 嗣  議 員  貴 谷 麻 以  議 員  篠 原   栄  議 員  田 中   肇  議 員  新 井 昌 禎  議 員────────────────────────────────────────出 席 議 員(34名)    1 番   河  内  大  輔    2 番   出  川  桃  子    3 番   細  木  明  美    4 番   太  田     哲    5 番   田  中     肇    6 番   米  田  と き こ    7 番   三  島  伸  夫    8 番   岩  本  雅  之    9 番   新  井  昌  禎    10 番   吉  金     隆    11 番   長 谷 川  修  二    12 番   柳  原     治    13 番   吉  儀  敬  子    14 番   橘     祥  朗    15 番   野  津  直  嗣    16 番   野 々 内     誠    17 番   森  本  秀  歳    18 番   貴  谷  麻  以    19 番   野  津  照  雄    20 番   川  島  光  雅    21 番   石  倉  徳  章    22 番   田  中  明  子    23 番   畑  尾  幸  生    24 番   森  脇  幸  好    25 番   南  波     巖    26 番   津  森  良  治    27 番   宅  野  賢  治    28 番   川  井  弘  光    29 番   篠  原     栄    30 番   三  島  良  信    31 番   三  島     進    32 番   立  脇  通  也    33 番   比  良  幸  男    34 番   森  脇  勇  人───────────────────────欠 席 議 員(なし)───────────────────────欠     員(なし)───────────────────────事務局職員出席者  事務局長    樋  原  哲  也  次長      二  村     眞  議事調査課長  福  島  恵 美 子  書記      仲  田  雅  彦  書記      尾  添  和  人  書記      門  脇     保  書記      岡  田  美  穂  書記      古  川     進───────────────────────説明のため出席した者  市長      松  浦  正  敬  副市長     能  海  広  明  副市長     星  野  芳  伸  政策部長    井  田  克  己  大橋川治水事業推進部長          永  島  真  吾  総務部長    広  江  み づ ほ  総務部次長   島  根  史  明  防災安全部長  須  山  敏  之  財政部長    講  武  直  樹  産業経済部長  森  山  郁  夫  観光振興部長  錦  織  裕  司  市民部長    松  延  由  子  福祉部長    早  弓  康  雄  健康部長    小  塚     豊  子育て部長   舩  木     忠  環境保全部長  山  内  政  司  歴史まちづくり部長          藤  原  亮  彦  都市整備部長  安  達  良  三  消防長     菅  井  公  治  教育長     清  水  伸  夫  副教育長    高  橋  良  次  副教育長    古  藤  浩  夫  上下水道局長  川  原  良  一  ガス局長    渡  部  厚  志  交通局長    三  島  康  夫  市立病院事務局長吉  川  浩  二─────────────────────── 〔午前10時00分開議〕 ○議長(森脇勇人) おはようございます。これより本日の会議を開きます。─────────────────────── △日程第1 一般質問 ○議長(森脇勇人) 日程第1「一般質問」を昨日に引き続き行います。 順次発言を許します。 31番三島進議員。 ◆31番(三島進) おはようございます。松政クラブの三島進でございます。一問一答でやらせていただきますので、よろしくお願いをいたします。 まず初めに、昨年の6月、市長が就任初めての議会において表明されました地産地消についてお伺いをいたします。 農林水産業においては、もうかる農林水産業となることが重要です。そして、農林水産業を支え、野菜、魚介類などの地場産品の安定的な収入を生み出す重要な販路先には、学校給食を初めホテル、旅館、飲食店があります。松江産という安心感に支えられた農林水産物は、子どもたちの健康な成長を育むとともに、食品本来の味と第1次産業の大切さを教えてくれます。 また、加工技術の向上や生産物のブランド化など、時代のニーズに合った取り組みにもチャレンジすることで、農林水産業に従事する楽しみや充実感が高まり、若者にとって魅力ある産業の一つになると思います。今後、土地改良事業や作業道の整備、漁港や魚礁の整備などの基盤整備や機械化の促進など、従事しやすい環境を整えてまいりたいと考えております。 地産地消をどう広げていくか、生産者と消費者、企業、市などの関係者が一堂に会して、具体的な状況に応じた実効性のあるアクションプランを前向きに話し合ってつくってまいりますと述べておられます。 そこで、伺います。 もうかる農業とはどんな農業なのか、まずお聞かせをいただきたいと思います。 また、あわせまして、安定的な収入を生み出す販路先の状況等について御答弁をいただければと思います。 ○議長(森脇勇人) 松浦市長。 ◎市長(松浦正敬) 地産地消でございますけれども、もうかる農業というのはやはり安定的に収入が得られると、したがって農業を持続する産業としての農業にすることだろうと思っております。これを実現するために地産地消を柱に、生産から販売までの経営サイクルを好循環させる、松江市は大変な一大消費地でございますので、そうしたメリットを生かしてやれば、こうしたもうかる農業が実現できるのではないかと思っております。 それから、安定的な収入を生み出す販路先でございますけれども、全てにおいて地産地消でやっていくのではなくて、まずは旅館、ホテルあるいは給食、こういったところを一つのモデルとして、そこに対して契約栽培なり、そうしたもので供給をしていくことが大事であって、それを一つの成功事例として、また他のほうへ拡大をしていくことが大変大事だろうと思っておりまして、安定的な収入を生み出す販路先としましては、先ほど言いましたように給食あるいはホテル、旅館、こういったようなものをまずは考えていきたいと思っております。 ○議長(森脇勇人) 三島議員。 ◆31番(三島進) 何となく中身がちょっと薄いように感じるわけでありますけれど、それでは続いてお伺いをいたします。 そのもうかる農業については、生産品目がどのような品目なのかお伺いをいたしておきたいと思います。 また、年間を通しての生産計画、出荷計画、そしてどのくらいの数量を出すともうかるのか、そして生産地域の場所等は特定ができているのかお伺いをしておきたいと思います。 ○議長(森脇勇人) 森山産業経済部長。 ◎産業経済部長森山郁夫) もうかる生産品目でございますが、学校給食を初めとする食事を提供する施設で、安定した需要のある品目がもうかる品目だと考えており、今後品目や使用量を把握し、需要に応じた生産を推進してまいりたいと考えております。学校給食におきましては、特に使用量の多いタマネギ、ニンジン、ジャガイモの生産拡大に取り組んでおります。 それから、生産計画、出荷計画、生産の地域でございますが、現在学校給食におきましては月ごと、品目ごとの需要量に基づき、市とJAが連携して栽培計画を立てて生産に取り組んでおります。今後はこの取り組みを他の施設にも拡大するとともに、計画的に栽培する品目を選定しながら、どの時期にどれくらいどこでつくるのかを検討してまいりたいと考えております。 ○議長(森脇勇人) 三島議員。 ◆31番(三島進) 今おっしゃったような品目でどのぐらいの量かわからない、そして1年が経過したわけでありますけれど、まだ今JAと検討していると、このような状況のようでありますが、この後順次お伺いして、再度お話を聞きたいと思います。 それでは、農業従事者の状況、そして協業化を含めた等のお考えがあるのかないのか、そしてどんな組織でやっていくのかということもあわせてお伺いをしておきたいと思います。 ○議長(森脇勇人) 森山産業経済部長。 ◎産業経済部長森山郁夫) 農林業センサスにおける本市の農家戸数は、平成27年が4,545戸となっており、平成17年の5,925戸に対して1,380戸減少しております。この要因といたしましては、農業者の高齢化が進むとともに、担い手への農地の集積が進み、兼業農家が減少したことが考えられます。今後も担い手への集積を進めるとともに、集落営農組織などの相互連携を図ることで、農業機械の共同利用によるコストダウンや共同販売、また経営の多角化による収益率の向上をJAや県などと連携して進めたいと考えております。 ○議長(森脇勇人) 三島議員。 ◆31番(三島進) 続きましてお伺いいたしますが、市長、その中でブランド化を進める、そして生産品目を定めてのことだろうと思っておりますけれど、どんな生産品目ブランド化したいのか、またする考えなのかお伺いをいたします。 ○議長(森脇勇人) 森山産業経済部長。 ◎産業経済部長森山郁夫) 農産物のブランド化を進めることで他産地との差別化を図り、地元消費者に選ばれることが地産地消につながるものと考えております。ブランド化する品目は定めておりませんが、美味しまね認証地理的表示保護制度、本場の本物などの認証を取得することにより、ブランド力が高まるものと考えております。 また、これらの認証制度のブランド価値を認識してもらうためには、イベントや販売店などでPRすることが必要だと考えております。 ○議長(森脇勇人) 三島議員
    ◆31番(三島進) そこで、ちょっとお伺いいたしますが、ブランド化というのはどのくらいな量といいますか、質といいますか、消費量といいますか、単品で1つ出しておいしかったからブランド化ということでもないだろうと思っておりますし、その点どのようなお考えかお聞かせいただきたい。 ○議長(森脇勇人) 森山産業経済部長。 ◎産業経済部長森山郁夫) 先ほど申し上げましたように、美味しまね認証ですとか地理的表示制度あるいは本場の本物、こうした認証制度を活用しましてブランド化を図ってまいりたいと考えております。 今、松江市内で美味しまね認証の認定を受けている品目数が17品目ございますので、こういった品目を中心として今後の産地化、地産地消の推進に努めてまいりたいと考えております。 ○議長(森脇勇人) 三島議員。 ◆31番(三島進) ちょっとお聞きしますが、ブランド化というのは、これは松江だけのブランド化という、それとも全国的なブランド化、国内のブランド化、いろいろあろうと思っていますけれど、どの辺を捉えてのブランド化ですか。 ○議長(森脇勇人) 森山産業経済部長。 ◎産業経済部長森山郁夫) 美味しまね認証、これにつきましては県が認定するブランド化でございます。また、本場の本物、地理的保護制度については国が認定する制度でございます。こうした県あるいは国の制度を活用して、松江市内の品目を認定し、ブランド化を図ってまいりたいと考えております。 ○議長(森脇勇人) 三島議員。 ◆31番(三島進) 私もちょっと詳しいことはわからないんですけれど、今まで例えば隠岐牛がブランド化になりました。どのくらいの期間、どのくらいの数量出すとブランド化ということを認めてもらえるのか、一定のレベルの上がったものを、どのようにそういうものを認識しておられますか。 ○議長(森脇勇人) 森山産業経済部長。 ◎産業経済部長森山郁夫) 認定に当たりましては、その安全性だとか生産の工程だとかそういったことを、その認定の要件に適合することが必要でございまして、何年間とか、その生産の、あるいは数量、期間ということではございません。 ○議長(森脇勇人) 三島議員。 ◆31番(三島進) そこのところの認識ですけれど、私は隠岐牛を生産している方と大変じっこんにいたしておりますけれど、隠岐牛は1年間に最低12頭ということであります。ところが、だんだんとブランド化ということになりますと、月に10頭ぐらい出さなきゃいけないようでありますけれど、基本的には同じような品質のものをコンスタントに1年間、やっとそこで近江牛等と肩を並べるようなことでブランド化となったと、ただそれを継続することは大変だということで、3年間の間、本当私財をなげうって頑張っておられました。 私は、ブランド化というものはそのくらい価値のあるものと思っておりまして、今おっしゃったように単品的に出たようなものが、例えば17品目ということでありますけれど、年間を通してなり、その時期を通して同じような時期に同じようなものが同じような姿で出てきて、初めてブランド化ということになろうと思っておりますが、その点の認識は部長どういうふうにお考えですか。 ○議長(森脇勇人) 森山産業経済部長。 ◎産業経済部長森山郁夫) 先ほど申し上げました美味しまね認証につきましては、農産物、特に野菜でございますけれども、その生産工程、生産の、いわゆる農薬とか生産の工程の管理が重要なことでございまして、その何年間出荷しなきゃいけないとか、そういったことは要件とはなっておりません。 ○議長(森脇勇人) 三島議員。 ◆31番(三島進) それじゃあ、続いてお話を聞きたいと思っておりますが、このブランド化までを進めていくに当たって、いわゆる資金計画と、それから支援の方法等にお考えがあればお聞かせをいただきたいと思います。 ○議長(森脇勇人) 森山産業経済部長。 ◎産業経済部長森山郁夫) 農業者に対する助成につきましては、昨日野津議員にお答えをしたとおり、国、県や市において担い手や新規就農者等の育成、確保を推進するため、農業用機械等の助成制度がございます。また、認定農業者新規就農者など担い手農業者に対しては、民間金融機関日本政策金融公庫などにさまざまな融資制度がございます。条件によっては無利子や無保証人で融資を受けられるものもございますので、助成制度とあわせてこれらを活用していただき、農業用の設備や機械の取得等に努めていただきたいと考えております。 ○議長(森脇勇人) 三島議員。 ◆31番(三島進) あわせてでありますが、例えばでありますけれど、安定的に製品、商品といいますか、作物ができ上がって、一定の出荷ができるまでの間のいわゆる日常的な生活の支援等は、松江市独自で考えていることはございませんか。 ○議長(森脇勇人) 森山産業経済部長。 ◎産業経済部長森山郁夫) 新たに農業を始めた45歳未満の担い手には、国が経営が安定するまでの5年間、年間150万円を助成しております。45歳から65歳未満の担い手には、県の制度により年間75万円を2年間助成しているほか、市とJAがさらに2年間の助成を行い、制度の補完を行っております。 また、県外からUIターンして半農半X型就農を実践される方には県と市が、農業体験を希望される方については、ふるさと島根定住財団が毎月12万円を1年間助成する制度を設けております。本市といたしましても就農希望者の意向を踏まえ、これらの制度を紹介しながら対応してまいりたいと考えております。 ○議長(森脇勇人) 三島議員。 ◆31番(三島進) 今そのような支援を、松江市で何人ぐらい支援をしておられますか。お伺いをいたしたいと思います。 ○議長(森脇勇人) 森山産業経済部長。 ◎産業経済部長森山郁夫) 現在の、ちょっと支援の人数については、ちょっとここで把握しておりません。 ○議長(森脇勇人) 三島議員。 ◆31番(三島進) 大変手厚い支援制度があるようでありますけれど、実は先般新聞にも出ておりましたけれど、安来地区の記事が出ておりました。これは就農を手ぶらでどうぞという見出しであります。そして、農地や住宅パッケージという表題が出ております。これには安来市がUIターンの方に向けてということであります。 また、いわゆる収穫ができるまでといいますか、技術をきっちり習得するまでの間は技術屋をいわゆるマンツーマンでつけると、このような格好で安来市自体は取り組んでいるわけであります。このようなことを思いますと、先ほどの部長の御答弁聞きますと、制度はたくさんあると、だけれど実際に今人数もわからないということは、松江市が本当にそれ力を入れているんだろうかということ、裏を返すと市長がおっしゃっているもうかる農業に向けての取り組みが本気でできているのかと、このようなことを思うわけでありますが、その点についていかがでございますか。 ○議長(森脇勇人) 森山産業経済部長。 ◎産業経済部長森山郁夫) 安来市の就農パッケージ制度は、農業体験から技術研修、それからハウスのリースまでトータル的就農支援を行う制度で、イチゴや有機野菜に絞って支援をしているというのが特徴でございます。 一方、本市におきましては昨年度新規の就農相談が20件ございまして、農地や品目など希望する就農スタイルは多岐にわたっておりますが、可能な限りその実現が図れるような支援を行っております。また、特定の品目を希望しない相談者に対しましては、だんだん営農塾の受講やキャベツ農家のもとでの農業体験を勧めております。その結果、揖屋干拓地においてキャベツを生産する新規就農者がこの5年間に4名誕生をしております。担い手の確保に一定の成果があらわれていると考えております。 ○議長(森脇勇人) 三島議員。 ◆31番(三島進) 松江市の今状況をちょっとお話がありましたけれど、安来市はそこまで本気になっている、例えば住宅も用意しますよということであります。このように本気になって取り組んでいる姿勢が見えるわけでありますけれど、松江市の、今の部長の答弁では余り力が入ってないなという気がいたします。特に、例えばでありますけれど、松江市では以前出雲そば、これは玄丹そばということで、ソバをつくろうということで休耕田をあわせてつくったわけでありますけれども、もう既にこのソバも姿を消しております。というのは、出雲そばが消えているという意味であります。それはどういうことかといいますと、おいしいそばだけれど収穫量が少ないと、いわゆる運営ができないということであります。 また、一方では以前からあります黒田せりにしても高齢化がどんどん進んだためにやる人がいない、まさにこれは松江のブランド品であったと思っております。秋鹿ごぼうにしてもそうであります。東出雲町については、つるし柿等についてあれだけ全国でも有名になっておりますが、これもかなり財政的に厳しい状況と伺っております。厳しいときに松江市がどのような支援をしていくかということも、これからのブランド化には大切であろうと思っております。 後でお話ししようと思っておりましたが、実は先般大口町へは東出雲町からタケノコを送っておられます。一昨年が500キロ、ことしは1,000キロ以上ということでありますけれど、大変喜ばれているわけでありまして、松江市独自でどれとどれをどうするんだと、そしてどの地域でどのような計画的に生産するんだというようなことは、ここ1年かければ私はJAを含めてきっちり姿ができてなきゃいけない、かように思っているわけでありますが、今聞きますと余り形もできてないということでありまして、なかなか今市長がおっしゃるようなもうかる農業までにはかなり遠いなと思っております。 しかしながら、農業はもうかる部分もあるなというのが先般あるものに出ておりました。一部紹介を申し上げますと、これはもうかる農業の特徴という表現でありましたが、農林水産省で平成29年度、昨年でありますけれど、日本の農業生産出荷額は部長どのくらいと思いますか、日本の農業生産出荷額。 想像外でありまして、8兆7,979億円と発表されました。約9兆円であります。これは世界ランキングでいきますと10位以内と、日本はいわゆる自給率が低いと言いながらも、これだけのものをしている、中身を見ますと、各地域のブランド化ではない、一つのものをいわゆる工業生産的に、そして技術的に、さっき市長もおっしゃいました技術的に、これをいかに磨いて出荷し、いかにそのものを全国、そして世界へ出しているかということであります。 一方、この和歌山県の及川さんという方でありますけれど、43歳でありますが、飲食店の勤務をしながら、兼業農家から農業専門の研究所を開所して、そして今は60カ所からの生産者から直接物を集めて、そしてそのものを全国の700軒のマーケット、スーパーへ売っているということであります。自分でやると末端価格の30%、35%しかないものがこういうやり方でやると、いわゆる直販をすれば60%ぐらいの粗利があるということを言っているわけであります。私はこれがまさにもうかる農業の原点だなと思って、読ませていただいたわけであります。 このようなものも出ておりますので、今部長がおっしゃったこと、私は間違っているとは申し上げません。しかし、もう少し熱意を持って取り組んでいただきたい、かように思います。 次の項に移らせていただきます。 耕作地の面積の減少についてでありますけれど、これも松江市の農地面積は急激に減少いたしております。これは何かに出ておった数字だろうと思っておりますが、平成17年の農地は3,481ヘクタールあった、そして平成22年は余り減ってはおりませんけれど、3,238ヘクタールということでありました。ところが、その5年後の平成27年であります。2,850ヘクタールと大きくこの10年間で約630ヘクタールも減っているわけであります。減少率を見ますと、この放棄地の平成17年から平成22年、この間では33%、そして平成27年からでは40%、また平成29年は50%ぐらいに達しているだろうと言われております。 私が先般、持田から本庄のほうまで車で歩かせていただきましたけれど、この農道沿いはおおむね六、七十%が荒廃地になっております。また、私の地元、大庭でありますけれど、馬橋川の両端を合わせますと、おおむね50ヘクタールぐらいの農地があると思っておりますが、そのうちの60%は確実に放棄農地となっております。既に先月の初めであったと思っておりますけれど、地元で水路掃除があったとき、もうここ一、二年でおしまいだなあという声が出ておりました。 このような状況を松江市として、そして農業関係者として、農業委員会は今後の農地面積の減少の見通し、そして就農者の推移についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。 ○議長(森脇勇人) 森山産業経済部長。 ◎産業経済部長森山郁夫) 本市の農用地区域の耕地面積につきましては、平成29年度末現在、4,423.1ヘクタールでございますが、農地転用や荒廃農地の発生、さらには再生によりまして平成37年度には202.8ヘクタール減少し、4,220.3ヘクタールになると試算をしております。 一方、平成27年の農林業センサスでは、経営耕地面積が30アール以上または農産物販売金額が50万円以上の販売農家のうち、自営農業に主として従事していた農業就業人口者数は3,072人であり、10年前と比較しますと2,402人減少しております。 ○議長(森脇勇人) 三島議員。 ◆31番(三島進) 今おっしゃったような数字はまことに驚くばかりの数字だなと思っております。また、先般6月3日だったと思っておりますけれど、山陰中央新報に、新聞に掲載がされておりました。これは耕作放棄地解消進まずという見出しであります。その背景には就農者の減少、先ほどおっしゃった数字だろうと思っております。そして、島根、鳥取県両方の比較が出ておりますけれど、島根は現行の対策に手詰まりという表現であります。松江市として今おっしゃったような数字をあわせ、そして島根県もこのようなことを言っているわけでありますけれど、この現状へ向けての解消への考え方、そして今後の取り組みについてお考えをお聞きしておきたいと思います。 ○議長(森脇勇人) 森山産業経済部長。 ◎産業経済部長森山郁夫) 耕作放棄地につきましては、農業委員会と連携し荒廃農地の発生防止、解消に努めるとともに、農地中間管理機構を通じた担い手への農地集積、集約化を進めることにより、解消に結びつけてまいりたいと考えております。 担い手への集積を進めることで、農業従事者数は減っていくものと考えておりますが、本市のように中山間地域などの耕作条件の不利地を多く抱える地域では、農地の貸し手より借り手を探すことが困難な状況であるため、農地の借り手に対する支援が求められております。本市では独自の取り組みとして、農地中間管理事業によって利用権設定を受ける農業法人や集落営農組織に対して奨励金を交付することで集積を促進するとともに、耕作放棄地の発生抑制をしております。 ○議長(森脇勇人) 三島議員。 ◆31番(三島進) 今おっしゃったことは、何となく通りはよくわかりますが、実際にそのようなことができると思っておられますか。 ○議長(森脇勇人) 森山産業経済部長。 ◎産業経済部長森山郁夫) 農地中間管理事業等を使いながら、耕作放棄地も含めた利用権設定を進めることで、さらなる発生の抑制に進んでいくと思っております。新庄地区におきましては、農地中間管理事業を活用した圃場整備が予定されておりまして、この地域においては、耕作放棄地も含めた農地の基盤整備を進めることで、解消もあわせて図っていると考えております。 ○議長(森脇勇人) 三島議員。 ◆31番(三島進) 先ほど私が申し上げました、農道沿いの話をしました。行ってみられたと思っておりますが、あれは数十年前にいわゆる圃場整備をしたところであります。その圃場整備は、農地をするために田んぼをきちっと直しているわけであります。それには国、県、市町村の税金が投入をされております。それがあのような状態であって、なおかつ今おっしゃったように中間管理機構の話もなさいましたけれど、本当に集約してできるのか、私は考えられない、そして立地条件のお話をなさいましたけれど、私は立地条件は解決できると思っております。 もう一つ、先ほど大庭の話もいたしましたけれど、いわゆる農業をする人が高齢化した、そしてできないという現実が既に目の前にあるわけであります。先ほど冒頭に申し上げました年々大きい農地がふえている、ふえておっても恐らく以前から全く同じような答弁を私はなさっておったと思います。これから先、今おっしゃったようなことを、答弁を繰り返しておられる間に、私は農地はどんどんとできなくなってくる、私はこれはやむを得ない部分はあろうと思っております。 しかしながら、先ほどもうかる農業のところをちょっと抜粋したものを読ませていただきましたが、本来であれば荒廃地は荒廃地として、荒れたところは荒れたところとして産業経済部なり農業委員会なりは何をすべきか、どうしたら市長のおっしゃるようなもうかる農業ができるのか、これも先ほど申し上げましたいわゆるアイデアに頼んだり、機械化をしたり、いわゆる工場化と言ったほうがいいかもしれません。そのような発想が一つも出てこない、まずそう思いますが、今後そのようなお考えがまずあるのかないのか。 そしてもう一つは、既に圃場整備が済んだところはいわゆる税金を使っている、だけれど、そんなの国の金だから関係ないよと、そうじゃありません。これは松江市民の金が入っているわけであります。そのようなことを考えて、もう一度今言ったことに対して御答弁があればお聞かせをいただきたいと思います。 ○議長(森脇勇人) 松浦市長。 ◎市長(松浦正敬) 今、いろいろと三島議員もお話をされておりますけれども、これまでの農業につきましては、いろいろな意味で環境が厳しいとか、したがって行政がそれに対して支援をしろという形で、ある意味ではそういうことの繰り返しでございました。やはりこの農業を担う人がその気にならなければ、これは幾ら環境整備をしたり基盤整備をしても、これはなかなかうまく循環をしていかないと私は思っております。 今、私のところでも集落営農が進んでおりますけれども、この中でやはり高齢化の問題は非常に大きな問題になっております。しかし、その中でもやはりそのリーダーの人が一生懸命努力をして、若い人を今入れようとして、現実に若い人たちも入ってきつつあるということがあるわけであります。 その担い手の人たちにとっては、やはり夢のある農業でないと、なかなかそれはそこに入っていけなくなる、環境を整備したから夢があるということではなくて、やっぱりその農業をやることによってもうかると、そこが一番大きなポイントであろうと思っておりまして、一般論でいろいろな助成をすることよりも、まずは地産地消の中でホテルであるとか給食、こういったものを活用して、まず契約栽培なり、そういう形で成功事例をつくり上げていくと、このことから始めていこうと思っているわけでございます。 三島議員がおっしゃいますように、非常に、なかなかスピード感がないじゃないかということもおっしゃるとおりだと思いますけれども、それはそれで我々も反省しなければいけませんが、もう一つはやはり農業を担う人たちに夢を持ってもらうためにも、1つ2つの成功事例をつくり上げていって、それをまた全体に広げていくという手法をこれからもやっていきたいと思っております。 ○議長(森脇勇人) 三島議員。 ◆31番(三島進) 今おっしゃることよくわかりますが、大変厳しい状況だなと思っております。これはもう一つ部長にお聞きをしておきたいと思いますが、いわゆる農業の関係者ということで農業委員会を含めてと申し上げたと思っておりますが、農業委員会は基本的には農地を守るというのが基本だろうと思っております。農地を守るということはどういうことだろうかということをこのごろつくづく思うわけであります。 農地というものは、耕作ができる田畑が農地、それ以外は農地とは言わない、でも農業委員会、いわゆる農業関係者の皆さん方は農地を守ろう守ろうとしている、これは決して私は将来を考えたらいいことじゃない、であるならばもっともっといわゆる効率的な、先ほど申し上げた農業に切りかえるような施策を私はしっかりと打ち出していっていただきたい、そのことが先ほど市長がおっしゃった、いわゆる若い人にも希望なり期待感なりを持たせるということだろうと思っております。 私も個人的でありますけれど、大田市でちょうど10年ぐらい前にブルーベリーがいいということでブルーベリーを随分やりました。また、ハウスも20棟余りも建ててやりました。若い方たくさん来てくれました。結果的には共同経営でありましたけれど、倒産をいたしました。農業の厳しさは私自身は肌で感じていると思っております。いわゆる紙の上で農業は私はできない、そして担い手は大変汗をかく担い手でなければ、私は担い手ではないと思っておりますので、産業経済部の中、いわゆる農林関係の皆さん方と、ひとつ市長の思いであるもうかる農業に向けての企画立案をしっかり立てて、そして今年度の方向性をしっかり出していただきたいということを申し添えて、この題を終わらせていただきたいと思います。 続きまして、松江で働く、地産地消ということの市長の表現の中からでありますけれど、前段はちょっと省かせていただきますけれど、いわゆる人づくりのサイクルということで松江市の将来の人づくりを、これは松江市で産み育てる、そして松江に愛着を持った人で松江で働いていただく、このようなことだろうと思っております。その中において、人づくりにとって重要なことは、松江市の地域経済がきちんと循環し、雇用の受け皿が市内にあることです。せっかく育てた人材を都会にいわゆる奪われる、とられている、この地にとどめなければならないということを市長はおっしゃっております。 ここで若者が市外、県外に出ていくのは、松江に働く場所がないからだとしばしば耳にしますが、実は市内には有効求人倍率を見ると確実に雇用があり、市内の企業では人手不足に悩んでおるという実態があります。それには学生側、そして企業側とのミスマッチが起きているわけですが、その大きな理由の一つが、職を求める若者にとって魅力的な働き場がないことが上げられております。確かに都会地とは違うのが給料など待遇面、そして企業においてももろもろたくさん企業があると思っておりますが、ここで市長がおっしゃっていますのは、個性豊かな技術ある企業や、すばらしい人生の哲学を持った経営者が地元にたくさんいること、そもそも知られていないことが大きな原因だとおっしゃっております。 そこで、就職に関する情報を関係者が共有して、企業や学生、保護者などの各分野で主体的に役割を担い、アクションプランを策定して、一歩進んだ連携の仕組みをつくっていきたいと思っていると述べておられます。そして、将来を見据えた発想が松江らしい新産業の創出に結びつくよう、女性や若者の人材育成も支援し、都会の企業の下請から脱皮を図るとともに、ワーク・ライフ・バランスも積極的に推進するなど、魅力的な雇用の場を創出してまいりますと表明をなさっております。 ○議長(森脇勇人) 三島議員に申し上げます。質問時間が30分に近づいておりますので、質問を簡潔にお願いいたします。 ◆31番(三島進) ということでありますが、そこでお伺いいたしますけれど、県外へ出る、そして働く場所がない、雇用の受け皿がない、魅力的な働き場がないということでありますが、魅力的な働き場というのはどんな職場のことを考えておられますか。 また、先ほどの現状をどのように捉えておられるのか、あわせてお伺いをしておきたいと思います。 ○議長(森脇勇人) 松浦市長。 ◎市長(松浦正敬) 魅力的な職場ということになりますと、やはり自分のやりたい仕事ができるかどうかとか、安定しているかどうかというようなことが通常は考えられるわけでございますけれども、最近の傾向といたしまして、やはり働き方改革だとか、あるいは過労死の問題だとか、ワーク・ライフ・バランスの問題、こういうものがいろいろ影響していると思いますが、仕事と私生活の両立を重視するという傾向が年々強くなっていると考えております。そういう意味で、地元で働くことが非常にやはり大事になってこようと思っております。 まず、地元での交友関係が何よりの財産でもありますし、そういった地元を離れてしまうと疎遠になりがちなそれまでの関係も、地元で働けば継続できる、あるいは転勤などの環境の変化もない、こういうことが言えると思います。 それで、今人生100年時代になりますと、人生をトータルで考えて充実した人生を送ることができる基礎となる職場と、これが魅力的な職場ではないかと考えておりまして、やはり自分の生まれ育った場所にそうした魅力的な職場が存在をするんだということを、ぜひ若い人たちにも知っていただきたいと思っております。 それで、なかなか全ての職場が少ない現状をどのように捉えているかということでありますけれども、やはりミスマッチがあると思います。したがって、そうした魅力的な働き場が知られていないという現状がありますので、企業みずから積極的に情報発信をしていただく、それから我々も子どもあるいは保護者に対して、松江で働くことのよさ、あるいは松江で暮らすことの意義を今後強くまた発信していく必要があるだろうと思っております。 ○議長(森脇勇人) 三島議員。 ◆31番(三島進) もう一つは、個性豊かな技術のある企業、そしてすばらしい人生哲学を持った経営者、具体的にどんな技術の企業なのか、また人生哲学を持った経営者はどんな経営者のことなのか、あわせてお伺いをいたします。 ○議長(森脇勇人) 松浦市長。 ◎市長(松浦正敬) どういう具体的な技術の企業があるかということでありますけれども、市内の製造業の中に国内シェアの高い製品の開発、製造を行う企業、それから大手自動車メーカーのエンジン部品製造には欠かせない技術を持つ企業が立地をいたしております。また、革新的な製品開発を行う企業として、中小企業が選定いたしますがんばる中小企業・小規模事業者300社に名を連ねる企業もあるということでございます。そのほかにも地域の課題解決をビジネスとして展開する企業など、個性豊かな企業があると認識をいたしております。 それから、人生哲学を持った経営者というのはどんな経営者のことかということでありますけれど、いろいろ人生哲学はあると思いますけれども、いわゆる従業員の立場から考えてみますと、やはり人を大事にしてくれる、あるいは命、生活、こういったものを大事にしてくれることが、やはりこれは一番大事だと思っております。そういう考え方をその経営方針の中に取り入れると。例えば従業員第一の経営を行っていくことを標榜している会社もあるわけでございますが、まさにそういったことだろうと思っております。従業員がそれによってやる気を出して、それによって業績が向上していくということが、我々にとりましては望ましいことではないかと思っております。 ○議長(森脇勇人) 三島議員。 ◆31番(三島進) そして、アクションプラン、いわゆる若者人材確保のアクションプランをつくったと。そして、策定されておりますが、その後の活動状況ですが、経過についてお伺いをいたします。 ○議長(森脇勇人) 森山産業経済部長。 ◎産業経済部長森山郁夫) 若者人材確保アクションプランの実行元年となる本年は、新卒者の地元就職支援、それと若者のUⅠターン促進、これの2本柱を掲げ、実施可能なものからスピード感を持って取り組んでおります。新卒者の地元就職支援では、インターンシップマニュアルの作成や動画を中心としたウエブサイトの運営などを行い、職業観や魅力的な企業の情報発信に取り組んでおります。また、UⅠターン促進では、首都圏等の大学との縁づくり事業として、松江市内を研究フィールドとして提供することや、市役所でのインターンシップの受け入れなどの調整を行っており、潜在的なUⅠターン者の掘り起こしにつなげたいと考えております。 このほか、シティプロモーションとして、松江での働き方や暮らしぶりが伝わるリーフレットの作成を進めております。 ○議長(森脇勇人) 三島議員。 ◆31番(三島進) 関連してでありますが、先般大口町のほうへ視察へ行かせていただきました。町の職員の誘致企業の話等を聞かせていただくことができました。 平成28年6月議会でありますが、我が会派の比良議員が質問をいたしております。1つは雇用の創出と定住について、もう一つは資質のある松江市だから挑戦しないのではなく、挑戦を試みるべきと質問をされております。このときの答弁でありますけれど、大口町とは立地の条件も町の成り立ちも異なっていることと、本市の特性を生かした取り組みを進めていく必要があると述べておられます。 松江市の市街化調整区域における開発緩和条例については、地域コミュニティーの維持を目的として、一定の住宅、日用品を販売する店舗等の立地を許容しているので、大口町とは全く性質が異なっておりますという答弁であります。また、この3月には都市マスタープランができ上がりました。担当部署の藤原部長以下、大変な御苦労と知恵を絞って完成されたことに対しましては敬意を表する次第であります。 しかし、この松江市の都市マスタープランでは、残された諸課題が数多くあります。この諸課題の解決こそ松江市の将来、近未来を大きく左右するものと思っております。この解決には市民の声を十分に吸い上げるとともに、挑戦しないではなく、挑戦を試してみるべきだと思っておりますが、市長の決意と決断のほどをお聞かせいただきたいと思います。 ○議長(森脇勇人) 松浦市長。 ◎市長(松浦正敬) 三島議員にも大変お世話になりまして、このマスタープランをつくらせていただいたわけでございますが、この中でも今後3つの課題解決に向けてやっていく必要があるということを言われております。線引き問題等々ございますが、これに対しましては先般もお話をさせていただきましたが、速やかに対応できるものは即座に実行に移すと、それから継続的に議論を重ねていくことによりまして、本市が目指すまちづくりのための土地利用制度の方針を定めていく、そのような両面でやっていきたいと思っておりますけれども、ことしの4月に市街化調整区域の空き家等が有効活用できるように、開発審査会の運用基準の見直しを実施したところでございます。それから、今年度は土地利用に係る条例の改正あるいは各種制度の見直しの検討を進めてまいりたいと思っております。 それから、今後のまちづくりでございますけれども、今回、私どもが今大きな目標として掲げておりますのは、持続可能なまちづくりでございます。このために1つは既存ストックの有効活用と、それから規制ではなくて、一定の目的を持った誘導、こういったものに切りかえていくという考え方を基本といたしまして、土地利用を進めていく方針を定めたところでございます。 一方で、三島議員もおっしゃいましたように、松江には自然あるいは歴史、文化、いろいろな多様な地域資源があるわけでございますので、全国一律の基準でまちづくりを行っていくのではなくて、こうしたものにつきましては、後世にしっかりと受け継いでいかなければいけないということで、守るべきものはしっかりと守りながら、定住や企業立地を誘導すべきエリアについて考えていくと考えております。 企業立地につきましては、既存の工業団地あるいはインターチェンジ周辺のエリアに誘導することを明言いたしております。若者の雇用創出につながる企業の誘致に今後積極的に取り組んでまいりたいと思っております。 ○議長(森脇勇人) 三島議員。 ◆31番(三島進) ありがとうございます。松江らしさを残してということでありますので、課題解決に積極的に取り組んでいくということでございますので、どうかよろしくお願いをいたします。 この松江市の近隣の市町村といいますか、市でありますけれど、出雲市、雲南市、安来市、そして米子市とか境港市におきましては企業誘致に全力を注いでおられる、特に境港につきましては観光と将来の漁業をあわせての努力、そして既に出雲市等につきましても造成工事が始まっております。大口町の町長は安定した財源、いわゆる財政運営の安定した行政を行うには、一番重要なのはいわゆる財政だということを言っているわけであります。財源の確保、そして企業誘致は町の財政力と活力の源であると話しておられました。私も同感をいたすところであります。 今、地方創生の実現のため、松江市の未来に向けて何が必要なのか、思い切った施策が求められると思っております。松江市が中核市として豊かで安心して暮らせる松江市に、松浦市長の力量でつくり上げていただきたいと思いますが、その決意のほどを重ねてお聞きしたいと思います。 ○議長(森脇勇人) 松浦市長。 ◎市長(松浦正敬) 大口町の町長、先日来られまして、いろいろとお話をさせていただきましたけれども、今三島議員がおっしゃったとおりのお話をされていたところでございます。それで、私どもも企業誘致、したがいまして雇用の確保を積極的にこれからも進めていかなければいけないと思っておりますけれども、それはやはりこれによって上がりますところの固定資産税あるいは個人市民税、法人市民税、こうしたいわゆる収入を拡大していくことが、あわせてそこに実現をすることにもなるわけでございます。 先ほど申し上げましたように、松江には豊かな自然なり歴史、文化、こういった松江独自の地域資源があるわけでございますので、それらはきちっと守った上で、先ほど申し上げましたような企業誘致あるいは雇用の確保、これによる松江市の財政の確保、こういったことを全体を考えながら、きちっとこれからもまちづくりをやっていきたいと思っております。 ○議長(森脇勇人) 三島議員、質問を簡潔にお願いいたします。30分を超えておりますので、よろしくお願いします。 ◆31番(三島進) まことに申しわけございません。 もう一つでありますが、松江市には東出雲町に7.7ヘクタールの企業誘致の予定地がありますが、これにつきまして今後どのような形式で造成され、そして売却価格は幾らぐらいなのか、また希望の企業が、現在誘致企業が既に何社かあるというお話も聞いておりますが、実態はどうなのか、あわせてお伺いをいたします。 ○議長(森脇勇人) 森山産業経済部長。 ◎産業経済部長森山郁夫) 造成につきましては、立地企業において実施してもらう予定であり、購入企業が1社であれば1社での造成となりますが、複数企業で取得する場合には共同して造成してもらうことを想定しております。こうした考え方に基づきまして、売却する単価につきましては1平方メートル当たり3,200円を考えております。 それから、企業誘致の数でございますが、誘致企業の方針といたしましては、相乗効果や企業間連携が期待でき、この圏域の将来を見据えて、地域の核となり得る製造業を中心に考えております。そして、核となる企業の立地により、取引関係のある企業などの立地につなげる考えでございます。 企業数につきましては、核となる企業の面積等により変動するものと考えております。 ○議長(森脇勇人) 三島議員。 ◆31番(三島進) そうしますと、造成は松江市はしないということですか。その企業、出た者にやらせるという意味ですか。 ○議長(森脇勇人) 森山産業経済部長。 ◎産業経済部長森山郁夫) 基本的にはそのように考えております。 ○議長(森脇勇人) 三島議員。 ◆31番(三島進) そのようなことで企業が来ると思っておられますか。 ○議長(森脇勇人) 森山産業経済部長。 ◎産業経済部長森山郁夫) 先ほど申し上げましたように、この東出雲工業団地、製造業を核とした企業立地群を考えておりますので、1社も考えられますが、場合によっては複数社の企業の皆さんでその造成の仕方等は考えていただき、進出される企業のほうで造成をしていただくということを考えております。 ○議長(森脇勇人) 三島議員。 ◆31番(三島進) この問題は後はまた委員会でさせていただきたいと思っておりますので、終わらせていただきたいと思いますが、先ほど最後のところで財政の安定化と雇用について質問しようと思っておりましたが、市長先ほど答弁をいただきましたので、これをもって終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。(拍手) ○議長(森脇勇人) 15番野津直嗣議員。 ◆15番(野津直嗣) 松政クラブ、野津直嗣です。通告に従いまして質問を行います。 1点目、松江茶の湯文化とおもてなしに関する条例制定についてを御質問させていただきます。 2月議会の会派代表質問の立脇議員の質問で、不昧公200年事業を打ち上げ花火に終わらせてはならないという発言もありました。あとやはりこのまま事業の扱いだけになると、例年どおり予算額を減らされ、事業規模が縮小の一途をたどり、5年後には見る影もなくなる、そんな可能性も少し危惧しております。 この点を踏まえて、先般宇治市へ視察へ行ってまいりました。宇治市の市民環境部に御対応いただきまして、宇治市の取り組みを見に行かせていただいたところでございます。茶文化や市民のおもてなしに関する条例の制定、常時設置型の市営茶室、あと舟茶席、教育への活用、また市職員の教育等に活用、また民間の商品開発などあらゆることが参考になりました。 宇治市では非常に茶業が産業でありまして、松江市とは違うところもありますけれども、2014年に宇治茶とおもてなしの心を醸成する条例を制定しておられます。これ理念条例で余り効果がないのではという思いを一部持って視察に行きましたけれども、担当部の皆様の感想としては、やはりこの条例をつくってよかった、この条例があることでほかの部署、例えば教育委員会や観光や商工、こういったものがあらゆる戦略や計画や事業に意識的にお茶とかおもてなしというキーワードを入れてくれるようになったということを言っておりました。 この条例制定の意義を力強く答えられていたわけですけれども、この事業を1つやったからといって完璧ではないのは当然ですけれども、これをやはり250年祭、300年祭と続けていくためには、一つ一つできることから重層的に重ねていかなければならないということが大切かなと思っております。行政も市民もこの200年の事業を契機に継続的な取り組みを行い、今後茶の湯文化の振興に向けて活動の土台や根拠となる条例制定に向けて、発展的に考えるお考えはないかをまずお聞きします。 ○議長(森脇勇人) 松浦市長。 ◎市長(松浦正敬) 今、200年祭をやっておりますけれども、これは野津議員も御承知のとおり、これを一過性のもので終わらせるということではなくて、これを次の世代にまで引き継いでいくことが一番の目的でございます。 そして、先般の議会でも立脇議員のほうからもお話がございましたけれども、松江というところは不昧公という人を中心にして、いろいろなものがそこに結集するという特徴を持っているという御指摘もございました。今、200年祭をやっておりますと、実行委員会は設置をいたしておりますけれども、その中で官民のいろいろな意味での連携が本当に自然発生的にとは言いませんが、非常にうまくできているわけでございます。和菓子の不昧菓の作成であるとか、あるいは気軽にお茶が楽しめるお手軽の茶道具セット等々ございますし、それから茶道関係の皆さん方に御協力いただいて、いわゆる松江藩茶の湯の学校も実施をいただいているということがございます。 それから、今後も茶の湯の文化に触れて未来へつなげていくことを目的としまして、不昧公の命日、4月24日を茶の湯の日に制定をしたということでございます。そういう今の流れといいますか、出来事を一過性に終わらせないで、今後もつなげていくという意味では、この条例制定は非常に意味のあることではないかと思っておりまして、今後宇治市の条例を初め、ほかにもお茶に関する条例はいっぱいありますので、そうしたものを研究しながら検討してまいりたいと思っております。 ○議長(森脇勇人) 野津議員。 ◆15番(野津直嗣) ぜひ200年祭、今年度ありますけれども、できれば今年度のところでそういった条例制定に向けて進めていっていただければなと思います。 あわせてもう一点、宇治市に視察へ行ったときですけれども、宇治の皆さんも当然不昧公200年祭が行われていることも十二分に知っておられました。不昧公の御縁で京都と松江も、宇治市で中村藤吉商店という商店がこっちで分家というか営業店で中村茶舗さんという御縁もあります。宇治市、茶どころ松江としてはまだまだ知名度が低いのが松江市ではないかなと思いもしながら、かつ宇治市のほうはやっぱり観光とまちづくり、これをどう生かしていくかということを非常に今悩んでおられました。これお互いが足りないところを補い合って、いろいろなコラボレーションすることができるんではないかなということを踏まえまして、ぜひ今後宇治市とこういった連携のコラボレーション事業等ができないかなということを御質問させていただきます。 ○議長(森脇勇人) 錦織観光振興部長。 ◎観光振興部長(錦織裕司) 宇治市には不昧公が参勤交代の折に宇治の茶商宅へ立ち寄ったとの記録も残っております。それから、宇治の茶商からお茶を取り寄せていたとも言われておりまして、不昧公好みと伝えられる灯籠が宇治市内に現存するなど、歴史的なつながりも見ることができます。 加えて、松江市内には宇治市をルーツとする茶業者もございまして、茶葉に関してはビジネス上の取引も多く、特に抹茶のもとなる碾茶は、質の高い宇治産を求めて取引もされていると伺っております。 宇治市との連携につきましては、このような歴史、経済でのつながりの中で、今後の観光分野の連携についても考えてまいりたいと思っております。 ○議長(森脇勇人) 野津議員。 ◆15番(野津直嗣) ぜひよろしくお願いします。 2点目の質問に入ります。松江駅及び宍道湖までのブランディングについて質問いたします。 松江駅の観光案内所、国際観光案内所ありますけれども、松江駅改札からのアテンド、また建物自体の視認性が非常に低いかなと感じております。私も駅にいたときに何人かの観光客の方から、案内所はどこでしょうかとか、そういったことを聞かれております。今後、国際観光案内所のリデザイン及びJRの改札からのアテンドとして、路面サイン等のアイデアで改善する考えはないかという点をお聞きします。 ○議長(森脇勇人) 錦織観光振興部長。 ◎観光振興部長(錦織裕司) 松江駅の国際観光案内所は、英語を初め外国人対応が可能なスタッフが常駐する日本政府観光局が認定する県内唯一のカテゴリー2の案内所となっております。近年、外国人を初め個人旅行者の増加によりまして国際観光案内所の利用者数も年々増加をしておりまして、まさに本市の観光拠点と言える施設になっております。 これまで案内所内のレイアウトの見直しや、それから改札口付近の案内板の再配置も行っておりますけれども、御指摘のようなさまざまな利用者の方に、よりわかりやすく使いやすい場所になるようJRとの協議など進めてまいりたいと考えております。 ○議長(森脇勇人) 野津議員。 ◆15番(野津直嗣) 国際観光案内所、非常に英語の話せる方も多かったり、非常にすぐれたインフォメーション機能も持っておられますので、ぜひなるべく多くの方にわかりやすくあそこまでたどり着いてもらえるような仕掛けは大事じゃないかなと思っております。 2点目、質問します。また、松江駅のそういったわかりやすさという点ですけれども、あともう一点、よく商工会議所のプロジェクトなんかでも、駅前の再開発の計画の中でも水を感じてもらうということが一つテーマの中に上がっていると認識していますけれども、この松江駅から宍道湖まで約800メートルなんですけれども、これをサンセットロードとして観光客や初めて訪れた方々、そして市民に水を近く感じてもらう仕掛けはできないかということの御質問させてもらいます。 ○議長(森脇勇人) 錦織観光振興部長。 ◎観光振興部長(錦織裕司) 駅前から水を感じるということは、平成の開府元年まちづくり構想でも大事なコンセプトとして掲げておりますけれども、その具体策として、駅から宍道湖を感じることができる御指摘の路面標示はその一つの方法ではないかと思っております。今後、関係機関とも意見交換など行ってまいりたいと考えております。 ○議長(森脇勇人) 野津議員。
    ◆15番(野津直嗣) ぜひこれもスピード感を持って実施していただきたいなと思います。 それで、今話は駅から宍道湖のほうまで来たわけですけれども、宍道湖の夕日のブランディングについて御質問いたします。 今後、やはり宍道湖の夕日のブランド化は、やはり松江市が必ず磨かなければならない地域資源であると思っております。夕日のブランディングについて今後力を入れていくお考えはないかをお聞きします。 ○議長(森脇勇人) 錦織観光振興部長。 ◎観光振興部長(錦織裕司) 宍道湖の夕日につきましては、これまで全国的にもユニークな夕日予報や、それからハード的には夕日スポットの整備によりまして、多くの観光客が訪れる人気スポットになっております。さらにこの魅力を高めるためにも、今後ミズベリング松江協議会で議論されておりますサンセットカフェなど、夕日スポットでの滞在がより快適に楽しめるサービスを提供し、観光客の消費にもつながるような観光商品づくりはブランディングの一つではないかと考えております。今後、ミズベリング松江協議会や国交省出雲河川事務所などとも意見交換しながら検討してまいりたいと考えております。 ○議長(森脇勇人) 野津議員。 ◆15番(野津直嗣) 小泉八雲が文学的に夕日を美しいという表現をされたのが日本で初めてだったと記憶しています。それまでは当時夕日というのは、日が落つるというところで、余り日本人の心にとっては美しいという表現を用いなかったということですけれども、小泉八雲が初めて宍道湖の夕日を見て、この夕日は美しいという文学的表現をされたのが日本で初めてだと聞いております。ぜひそういった背景も含めてこの夕日のブランド化は、サンセットカフェ等の事業もありますけれども、進めていただきたいと思います。 あわせて、宍道湖のランニング等、走っておられる方、市民の方、観光客の方おられますけれども、こういった宍道湖のランニング等の風景自体が、それ自体が既に松江の地域資源であります。この風景自体をデザイニングし、宍道湖湖岸等の案内標識や、こちらも路面サインなど松江らしい水辺空間の創出を行う考えはないかをお聞きします。 ○議長(森脇勇人) 錦織観光振興部長。 ◎観光振興部長(錦織裕司) レディースマラソン、それからえびすだいこくウルトラマラソン、それからグルメリレーマラソン、さらに国宝松江城マラソンなど大会のラインナップの充実とともに、湖畔でジョギングを楽しむランナーは増加をし、朝夕に非常にいい光景がつくられていると感じております。さらに、御提案のようなランニングコースとして一工夫を加え、楽しみを提供することで、最近旅ランと言われる旅行をしながらランニングも楽しむような層にもアプローチできるのではないかとも考えております。今後、松江のランニング大会の国内外へのPRとともに、こうした取り組みもスポーツツーリズムの一環としても考えてまいりたいと考えております。 ○議長(森脇勇人) 野津議員。 ◆15番(野津直嗣) 先般、国へ、スポーツ庁の皆さんとちょっとお話をさせていただきましたけれども、そのスポーツ庁の参事官の方も宍道湖の夕日のランニングというのは非常に価値があることじゃないかということもおっしゃっていましたので、ぜひこういうのを進めていただければなと思います。 あわせて、大橋川のほうでは、先ほどお話がありました、かわまちづくり計画ができてくるんだろうと思っています。かわまちづくり計画、ハード事業のないかわまちづくり計画は、なかなか全国、多分ないと思います。ソフト事業だけではなかなかかわまちづくり計画になり得ないところもあるのではないかなと思っておりますので、こういったところの路面整備等は確かなハード整備の中の一個に入ってくるかなと思っておりますので、ぜひこういったのもかわまちづくり計画のハード事業の計画の中に入れてもらえるように、どうぞよろしくお願いいたします。 次、質問いたします。松江城山の大手前の乗船場の改修についてをお聞きします。 大手前の乗船場は松江城の入り口であり、視認性も高く、松江城山観光の視認的拠点であります。観光案内所機能の強化、乗船待合の空間や質の向上、販売店の魅力化、トイレ等の増設など松江城美観地区周辺ににぎわいをつなげる拠点として改修すべきで、今後そういった考えはないか、そしてそれを契機に松江城の大手前乗船場と二の丸下の段などにある建物などのあり方など、観光的なゾーニングも一体的に考えるおつもりはないかをお聞きします。 ○議長(森脇勇人) 錦織観光振興部長。 ◎観光振興部長(錦織裕司) 堀川遊覧船事業の運航開始当時と比べまして、個人型に大きく変化をした旅行スタイルやインバウンドの進展、松江城の国宝化などによりまして、大手前乗船場の利用者数は年々増加し、このエリアの観光拠点とも言える場所になってきております。ピーク時には待合所から観光客があふれる状況など、物理的な課題と同時に、大手前駐車場利用者やレイクライン利用者も含めたまちあるきの起点としての観光案内機能の強化など、課題が出てきていると認識しております。 ボランティアガイドの受け付けや二の丸下の段の観光案内や手荷物預かり機能など、ゾーニングの面での観光客の動線を考えた最適な形も検討課題と認識しておりまして、今後の殿町周辺再整備構想の進展との整合も図りながら考えてまいりたいと思っております。 ○議長(森脇勇人) 野津議員。 ◆15番(野津直嗣) ここの大手前の乗船場、建物は交通局、使用しているのは観光公社、下の土地は市、観光の全体の役目を負っているのは観光部ということで、非常にいろいろな関係者の方々が交わっておられます。この議場に皆さんおられますので、ぜひさっき言ったこと、認識を統一していただきまして、こういった国のほうに地方創生拠点整備交付金が、昨年の2月補正でオープンソースラボを直した拠点整備交付金ですけれども、これが11月下旬、2分の1ですけれども、交付されるというものの中に書いてありますのが、観光地づくりに効果的な観光施設の改修等や、地域全体としてのブランディング戦略の確立に関する収益施設等が交付金の対象でございます。これも前々から言いますけれども、国の交付金が急に出てきて急に事業をつくっていくということではなくて、やはりこういった大手前の改修等、必要とされるものについては今からでもしっかりと準備をしまして、ぜひこういった交付金等の活用に向かっていただきたいなと思います。 あと、あわせて殿町の開発の計画のほうも、やはりやれるものからやっていくというのが非常に大事だと思っていますので、ぜひそこら辺もよろしくお願いします。 続きまして、観光政策部への移行についてを御質問いたします。 これも以前から言っておりますけれども、本来観光行政が担うべきは、魅力的な観光地づくりが第一であって、公共性の高いハード事業及び観光インフラの整備、看板やガイダンス機能等、あわせて歴まちやさまざまな庁内部署と連携し、効果的に総合の司令塔となること、あわせて観光客のニーズをしっかりとヒアリングできる体制をつくること、ああして観光客のニーズ、民間、公的な観光業者、行政ほかの部署と政策と情報を組み立てる、また国や県や市などの産業支援とをつなぐ役目、いわゆる今の産業経済部の中にある産業支援センターモデルですけれども、こういったものを担って、まさしく観光政策や観光地づくりを行う司令塔になるものが私は今の松江市の観光の行政に必要な要素ではないかなと思っております。 今、協会の民営化等、DMO等のモデルもありますけれども、現場で収益を上げていくこと、物品等の流通による民間の司令塔はこういうところに任せておいて、そういったところをやっぱりしっかりと行政しかできないバックアップの仕方でやっていく、観光行政が信念と政策を落としていくことが基礎的に必要だと思っています。現在の観光振興部では、やはり名実ともに過去から流れを引き継いだ、やはりこういったニーズ調査も含めて政策調整ができる体制にはないのではないかなと思っております。 そういったことから、振興という非常に抽象的な活動になってしまっているのではないかと私は感じております。名前を変えればいいというものでは当然ありませんけれども、名は体をあらわすとも言います。観光を総合的かつ政策的に考えることのできる観光政策部の創設、そして体制づくりを望みます。 先般市長はアメリカに行かれて、民間の観光の取り組み等を見られているということもありますので、そういうところも含めてお考えをお聞かせください。 ○議長(森脇勇人) 松浦市長。 ◎市長(松浦正敬) このたびアメリカを視察いたしまして、観光に対する考え方が日本と全く違うということは痛感して帰ってきたところであります。いわゆるアメリカの場合は観光に対する行政の関与は極めて小さい、特に姉妹都市でありますニューオーリンズでは観光セクションは全くないわけでございます。これはどうしてかというと、やはり観光はいわゆる産業の一つだという考え方があって、産業振興という観点でそれは行政がやることはあるけれども、それは観光だけを何か優遇するとか、そういう考え方はないということであります。 それで、観光を何なのかとアメリカは考えているかというと、やはり宿泊客をいかにたくさん確保するかに尽きると考えている節があるわけであります。したがいまして、それに関連した民間の観光関係者が中心になってDMOをつくって、宿泊客をふやすにはどうしたらいいかということをいろいろと議論し、そして行動しているということになっております。この点は何から何まで行政がやっている日本とは随分違いがあると感じたところであります。 一方、ヨーロッパの場合は、どちらかといいますと日本とアメリカの中間的なものがあります。これはやはりアメリカはどうしても国の成り立ちが非常に歴史が浅いこともありまして、歴史とか文化とか、そういったものに対してやはりヨーロッパは大事にするところがあって、そういったところは行政がかかわっていく余地があるのではないかと思っております。 それじゃあ、要するに行政はこれから松江においてどういうことをやったらいいかということでありますけれども、こうしたアメリカとかヨーロッパの考え方を踏まえていきますと、やはり例えば地域全体の観光のプラットホームの役割を果たしていく必要があるんじゃないかと、つまり一つのプラットホームの中へいろいろな民間の関係者もそこに集まって、そして例えば観光のための計画をつくるとか、いわゆる共創の考え方でやっていくということで考えていったらいいんじゃないかと。 それから、特に宿泊がもたらす経済効果、こういったものがどういうものがあるか、だから宿泊者をふやすべきじゃないかという議論ができるような分析、こういったようなことを行政としてやっていく必要があるんじゃないかと思います。 あわせて、やはり観光関係のインフラの整備、それから二次交通の問題、それから広域連携、人材育成、それから先ほど申し上げました観光統計の高度化、こういったことはやはり行政でなくてはできないことだろうと思っておりまして、そういった分野の強化をこれからもやっていきたいと思っております。 名称をどうするかという問題はありますけれども、今後松江の観光行政におきましては、先ほど申し上げましたような観点で対応していきたいと思っております。 ○議長(森脇勇人) 野津議員。 ◆15番(野津直嗣) プラットホームができ上がりつつある中で、さっき言ったように行政が本当に何をしなければならないかというところが明確になってくると思います。プラットホームづくりと同時に、あわせて行政が何をしなければならないかということも、もう一度ちょっと一から考えていただければなと思っております。 次の質問に移ります。学生版地域おこし協力隊制度の設立についてを御質問いたします。 過去からずっと多くの大学や専門学校がこの松江市にありながら、学生の力を活用できるような有効的な取り組みが進んでいないというのは事実かなと思っています。これは松江市だけではなくて、やはり大学を抱える多くの自治体が同じ悩みを抱えていることだと思っています。 先般金沢市に行ったときも、金沢のまちづくりでは、なかなかやっぱり厳しいということもちょっとお話をされていました。ただ、今までの経験から、既に学生のニーズ等の課題は整理済みであり、今後それに関してどう対策を打つかであるかなと考えております。 過去と現在で状況が変わっている点に着目しています。まず、関係する人口をふやして、地域の幸せをふやそうとする関係人口という概念が今生まれております。また、あわせて近年の若者の中にも地域貢献やいわゆるソーシャルワークやネットワークという概念が根づきつつあること、地域も高齢化がさらに進み、いわゆる風の人の活躍が急がれること、この前まで職員派遣をしておりました陸前高田市等では、全国では学生インターンシップという事業が多く進んでいるということ、こういった現状を踏まえ、全国初の学生版地域おこし協力隊とも言える制度の創設を提言します。 通常の地域おこし協力隊、これはソーシャルビジネスを起こすことを核とした手法でありますが、この提言させていただく制度は、学生の性質を鑑み、関係人口、地域一体となった学生教育の魅力化、学生と子どもの教育接点などの推進が核です。現に、今松江市の国屋町の一部地域でモデル実践的にこういったアクションが自主的に行われており、今後こういった事業をモデル事業として松江市は将来的に20人から30人の学生や島根大学、県大、専門学校などと連携し、全国初となるような地域と学生が連携する学生版地域おこし協力隊制度とも呼べるような制度が必ずできると私は考えております。 この国屋町の事業をモデル事業として、今年度しっかりと見ていただいて調査してもらって、来年度ぜひ全国にも先駆けてこの事業の実施について検討を開始していただきたいと思いますが、考えをお聞かせください。 ○議長(森脇勇人) 森山産業経済部長。 ◎産業経済部長森山郁夫) 議員御提案の事例に類似したもので、学生に自治会加入を条件に安価な家賃で地域に居住させることで、経済的負担の軽減と地域の活性化を図ることを目的とした施策が他の自治体でも実施されておりますが、地域活動への参加が障壁となり効果が上がらないという現状がございます。実効性のある取り組みとするためにも、保護者や学校も巻き込みながら、自治会の受け入れ体制の整備をしていく必要があると考えております。 とりわけ保護者は子どもが安全に暮らせるか、学業をおろそかにしないかなど多くの心配事を抱えており、その不安を自治会が見守ることで軽減し、さらには地域での活動を通じて社会や人とのかかわり方まで学ぶ機会を得ることができるとすれば、学校から離れた地域でも住まわせたいと思う保護者や、住んでみたいと思う学生はふえることが期待されると思います。 いずれにいたしましても、持続可能な地域づくりと若者定住は喫緊の課題でございますので、今後研究してまいりたいと考えます。 ○議長(森脇勇人) 野津議員。 ◆15番(野津直嗣) 先ほど部長から答弁があったわけですけれども、こういった地域貢献をしたいという学生の数は、正直そんなに多くはないと思っております。しかし、松江には何千人という学生がおりまして、こういった中には当然20人から30人程度、地域に住んでもいいよとか、地域の皆さんと関係を持ちながら学生生活を送りたいと思っているニーズは必ずあります。そこをどうやっぱりキャッチしていって、地域とつなげていくかというところが大事な役目かなと思っております。まず、今年度そういったところのニーズも含めてぜひやっていただければなと思っております。 あわせて、次の質問に入ります。関係人口の創出の今後についてを御質問いたします。 松江には居住していなくても、松江のことを応援してくれる人たちはたくさんいます。そういった方々との関係人口の構築に向けて動き出さなければなりません。この関係人口のポイントは、当然システムも大事ですけれども、あくまでもやっぱり人のプラットホームがあることや、その魅力化が関係人口の増加の土台になると考えます。こういった点を踏まえて、今後の松江の関係人口の構築に向けて基本的な考え方や施策についてお聞きします。 ○議長(森脇勇人) 森山産業経済部長。 ◎産業経済部長森山郁夫) 関係人口づくりは、選ばれる地域をつくるという住民の内発的エネルギーが生まれることと、都市部の人々の発想や能力で地域課題を解決できる点において有効であると考えております。そして、かかわりを深めていく中で移住に結びつけていくことも可能であり、重点的に取り組むべき施策として今年度から展開を図っております。この施策を効果的に実施するためには、かかわりたいと思う人と地域を的確につなぐこと、そして移住に結びつくまでのステップを確実に上ることができるよう、きめ細かな対応をすることが必要でございます。 そこで、産業連携専門監を中心に、都市部在住の松江市出身者やゆかりのある大学等との縁づくりを通じたネットワークの形成に動き出しました。また、7月から東出雲町上意東地域において首都圏の人材を招き入れ、フィールドワークや交流を行いながら地域課題解決のプランを作成してまいります。このほか首都圏企業との関係づくりとして、10月に大手ネット企業ヤフージャパンなどのIT企業からの技術者を迎え、リモートワークやIT技術を活用した地域課題解決といった実践的な取り組みを行うこととしております。 ○議長(森脇勇人) 野津議員。 ◆15番(野津直嗣) 先ほども言いましたけれども、大切なのはやっぱり人のプラットホームです。これは定住財団も定住企業立地課も公的な皆さんは何年か単位で当然人事異動があるわけでして、その人事異動とともにその人が培ったような東京への人脈だとか関係人口のコネクションみたいなものがなくなっていっているのが今現状です。こういったことをやっぱりどういうふうにして、行政機関がそのプラットホームになり過ぎると、人事異動とともにそのコネクションはなくなるわけですから、そういったところをしっかり考えていただければと思っています。 次の質問に入ります。スタートアップ事業について御質問いたします。 ことし2月、会派の有志の皆さん方で福岡市役所にスタートアップ事業、つまり起業家をふやして地域を元気にするという事業を視察してきました。これは今では実は全国どこでもやっている事業なんですけれども、この中でもポイントとなっているのは、次のデザインクリエーティブ事業のところでも触れますけれども、大切なことはこの場づくり、空間づくりが非常に大切であること、昨年の9月議会でも質問した廃校等の既存ストックを利活用するための体制整備を市のほうでしっかりするべきだと言いましたが、福岡市ではこのスタートアップ事業はやはり廃校の利活用を行っております。このスタートアップ事業が地域活性化の手法のスタンダードになっていることは間違いないですが、そういった点も踏まえて、松江市でもスタートアップ事業の場づくりを始めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。 また、そのためにはぜひ福岡市に職員を派遣していただきまして、見てもらって事業等の大事さを感じてもらうことが大事と思いますけれども、お考えをお聞かせください。 ○議長(森脇勇人) 森山産業経済部長。 ◎産業経済部長森山郁夫) まつえ産業支援センターは、平成26年度に国から起業、創業の相談総合窓口の認定を受け、会社の設立、資金調達など相談内容に応じて専門機関につなげております。また、オープンソースラボではIT企業や学生が新商品開発などをテーマに、ワークショップやアプリの開発を行っており、今年度実施する改修工事によりこれらの活動をさらに充実させていきたいと考えております。 さらに、地域おこし協力隊は、中心市街地の古民家を活用したレンタルオフィスやチャレンジカフェなどを兼ね備えた施設のオープンを予定しており、既存ストックを活用して起業家の育成と地域の活性化を図ってまいりたいと考えております。今後も起業、創業については先進地の視察を行い、島根県や商工会議所、商工会等とも連携を図りながら取り組みを進めてまいります。 ○議長(森脇勇人) 野津議員。 ◆15番(野津直嗣) これはもう全国でもですけれども、スタートアップをする支援をする仕組みというか、メニューはもうあるわけです。また、それをスタートアップ、起業する環境というか、起業しやすくて支援をされやすいという環境の場づくりが大事で、部長おっしゃるとおり、そういった場づくりがつくられているということで、ぜひともそういった場づくりと連携してこのスタートアップ事業、取り組んでいただきたいなと思います。 次の質問に移ります。デザインクリエーティブ事業について御質問いたします。 これも先般神戸まで視察に行ってまいりました。神戸では紙面デザインではなく、まちや人をデザインするという大きなコンセプトのもと、デザイナーやクリエーターの皆さん方と市民が関係する場づくりを行うことによって、神戸市の地域課題を少しずつ解決していくさまざまな取り組みが生まれていました。松江にも若いクリエーターや作家と呼ばれる人たちがたくさんいますが、そういった人たちと地域の元気づくりを連携させる取り組みが行えないか、また将来的にそういったいわゆるクリエーターや作家と呼ばれる人たちが集い、地域課題の解決に結びつくような知の拠点ならぬ創造の拠点となるような場づくりなど、松江市でも今後まちにデザインやクリエーティブの力をしっかり落とし込んでいくという大きな方向性を真剣に考える気はないかお聞きいたします。 以前、開府元年まちづくり構想のときにはデザインが非常に着目されて、まちにデザインをということが幾つか出ておりました。あれから時間がたって、こういったまちにデザインやクリエーティブをという発想が少しずつなくなってきたのかなと思っておりまして、こういった点を踏まえてお聞きします。 ○議長(森脇勇人) 松浦市長。 ◎市長(松浦正敬) 先日、野津議員のお計らいもありまして、こうした若い芸術家の皆さん方と意見交換をさせていただきまして、本当に地域を元気にしたいという意気込みをひしひしと感じたところであります。 それで、ただ感じましたのは、その人たちが、何というんでしょうかね、個々に活動しているということがあって、本当のところは私たちも先ほど野津議員からもお話がありましたように、まちのデザインだとか、あるいは文化度を上げていくときに、こういった芸術家の皆さん方の作品だとか、そういったものを活用させてもらうということが大変大事ではないかと思っておりますけれども、いざそういった人たちと何かそういうものを話をすることがなかなか難しい。というのはそれぞれの人たちが個別に活動しておりますので、そういう点がちょっと私は気になったものですから。本人たちも言っておりましたように、人とのコミュニケーションがそんなにうまいほうではないというようなことを言っておりましたが、それを補う意味で、そういった人たちが集まる場といいますか、そういうものをぜひつくっていただきたいということと、何といいますか、あの人たちと話をしておりましたら、余り生活感覚が感じられないところがあって、しかし本当はそういったものを通じて、やはり収入を得るというような生活を多分されておりますし、そうしていきたいと思っておられると思います。 したがって、やっぱりそういったことの例えばまずは行政との間で仕事をそこでコラボしていくとか、そういうことから始めたらいいんじゃないかと私も思っておりまして、そういう意味で芸術家の皆さん方の集まる場といいますか、組織といいますか、そういったものをぜひまずは検討してもらいたいと思っております。 ○議長(森脇勇人) 野津議員。 ◆15番(野津直嗣) まだ僕もこれは具体的な事業イメージとか政策イメージがまだまだ湧いていないというか、足りないところもあるかなと思っております。今回質問したのは、そういうところから、ゼロベースからぜひ一緒にいろいろなことやっていきたいという思いもあって質問させてもらって、意向を確認させてもらったところでした。 最後の質問に入ります。若者とまちづくりについてです。 もう42になりまして、若者と自分が言えなくなりまして、この質問を若者とつなげるのはどうなのかなとちょっと自分では迷いましたけれども、最近いろいろな場所に出ると、若い人たちに元気がない、若い人たちが夢や希望を持ったり、このまちを誇りに思い愛着も出る、なかなか市の事業がないと聞くようになりました。施政方針の中でも若者という言葉はたくさん出ますが、前から言いますように、なかなか若者がじゃあこのまちに夢を持ったり希望を持ったり、このまち頑張って活性化させてやろうとか、そういった思えるきっかけとなるような事業はなかなか見当たらないんじゃないかなと思っています。これは別に執行部や市長が悪いわけじゃなくて、こういったことも事業提案をしてこなかった自分自身の責任も痛感しているところでございます。 しかし、やはりもっと若者と行政の両者の接着面、こういったふやすことが必要ではないかとやはり今考えています。5年前、市長に水辺の芸術祭という事業を提案させてもらいました。あの宍道湖の水辺に約2万人ぐらい若い人たちが来て、宍道湖の夕日をバックにいろいろな思いを持って若者たちが事業を行いました。そのときに会場に来ていたお客さんの中には、今市の職員になったりいろいろな事業に取り組んでいたり、あのときの事業があってまちに興味を持つようになったという若い人たちも何人かやっぱりいました。こういったやはり元気ある夢を生む事業を実施していくことは、若い人たちにこのまちでやっていこうというエネルギーを生むきっかけになるかなと思います。これこそが人づくりじゃないかなと思います。 そういった中で、先般の松江クラシックスもそうですが、やはり松江は水や城下町でも音楽や芸術というキーワードが非常によく似合う、また有名ゲストやイベントを誘致する事業手法よりも、市民が市民の手でつくり上げ、その熱量や文化度をつくり上げることこそ松江にはやはりふさわしいと思っています。こういった経緯を踏まえて松江クラシックス、過去の水辺の芸術祭、また既に市民が行っている音楽事業なども連携させて、例えば水の都音楽祭というように大きく銘打つことにより、若い人はもちろん多世代や老若男女が参加し、行政と関係が持てる若者がこのまちで夢を持ち挑戦したい、そう思える心に灯をともすような事業を生み出すことも大事だと思うが、お考えをお聞かせください。 ○議長(森脇勇人) 松浦市長。 ◎市長(松浦正敬) これからのまちづくりを担っていくのは若い人たちでなければいけない、当然そういうことになると思います。そういう意味でこれからの若い人たちの思いとか、そういったものをぜひ大事にしていきたいと思っておりますが、そういう意味で野津議員が中心になって行われました水辺の芸術祭は、本当に若者たちの顔あるいは考え方をじかに感じることができる契機になったと思いますし、またあれに参加した若い人たちも非常に何か思いとか、そういったものを何かやっぱり感じて、その後の活動に生かされているのではないかと。例えば水燈路などもその後かかわる若者グループがふえるということで、非常に大きな効果があったものと思っております。 今、松江クラシックス等々、音楽のまちづくりをこれから私どももやっていきたいと。新しい文化を松江の中に根差していきたいと思っているわけでございまして、そういった中にぜひ若い人たちの力を入れていただきたい。例えばそういった水辺の芸術祭、音楽祭というような中へ松江クラシックスのものを取り入れていくとか、そういうことで一緒にいろいろなことができることがあると思います。ぜひ何か今御提案がございました水辺の音楽祭といいますか、そうしたものについてのまた具体的なお話をお聞かせいただいて、私どもの行政としてぜひ御支援をさせていただきたいと思っております。 ○議長(森脇勇人) 野津議員。 ◆15番(野津直嗣) 全般の質問において、これから始まるというか、課題の認識をもう一回スタートさせるという意味で、この質問で終わりだとは認識しておりません。あえてこの6月議会でさせていただきまして、9月、10月、またそういったところの予算編成に向けて協議を重ねていかせていただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。以上で質問を終わります。(拍手) ○議長(森脇勇人) この際、しばらく休憩いたします。 〔午前11時49分休憩〕 ────────── 〔午後1時00分再開〕 ○副議長(吉金隆) 休憩前に引き続き、一般質問を行います。 18番貴谷麻以議員。 ◆18番(貴谷麻以) 真政クラブ、貴谷麻以でございます。 まず、昨日の大阪の地震、そして先日の島根県大田市周辺で起こった地震につきまして、被災された方に心からお見舞いを申し上げます。一日も早い復興をお祈りいたします。 大田市の後にも北海道、長野、北関東、群馬、そして大阪などほぼ毎日のように各地で起きている大きな地震のお見舞いを申し上げます。 日本は戦後の地震が少なかった特別の時期を過ぎて、活発な時期に入ったと言われています。南海トラフもそうでありますが、日ごろの備えの必要性を実感いたしました。ぜひ市民の皆様方におかれましても巨大地震や災害の御準備をいただき、そして市長におかれましては市民の方の安全ももちろん、そして市役所職員とその御家族の安全についてもぜひ考えていただきますようにお願いいたします。 では、1項目め、保育園の待機児童問題についてお伺いいたします。 生きることに直結するということでございます。 まず、保育園の重要性、特に今の保育園の重要性を述べます。数日前にも、給食だけで生きていたというお子さんのお話をお聞きいたしました。ひとり親家庭で親さんも体調を崩され大変だったようです。各地域の子ども食堂やなないろ食堂は本当に必要とされているようです。 総務省のデータをもとにした生活ガイドのデータでは、島根県では300万円以下が一番多い世帯の所得で34%です。年配の方のおひとり暮らしも含め、生活は決して楽ではない、これは実態だと思います。若い世代のお母さん方も非常に上手にやりくりしておられます。やっと教育費を捻出しておられます。このような状況でありますので、保育園の整備は生きることに直結するということを強く申し上げたいと思っております。 今、保育園が不足しております。保育園の入園が今回も無理だった、去年もだったが今回もという声を何人からもお聞きいたしました。生活が難しければ子どもを産むことを諦める人も多いです。このところ松江市には保育園を各地につくっていただきました、この10年ほどで。おかげで子どもを育てられるという話を聞いてまいりました。ところが、途中3年ほどほとんど整備しなかったときがあります。法律改正があったり、見かけの待機児童がゼロになったときです。そのツケが今来ているのではと思っております。もちろん、私もそのときにもっとしておけばよかったと本当に後悔、反省するところでございます。 今の社会情勢では、ゼロ歳から子どもを預けて働かなくてはやっていけません。それが保育園の受け入れはゼロというのが今の一般的な状況です。現在、松江市は県内周辺市町村に比べてもおくれをとっていると言われております。働けなければ転出いたします。一層積極的な対応をお願いしたいんですが、方針を伺います。ゼロ歳、1歳の待機している児童数と改善方法についても伺います。 ○副議長(吉金隆) 舩木子育て部長。 ◎子育て部長(舩木忠) 保育園整備の方針についてお答えいたします。 まず、先ほど貴谷議員のほうから質問の中で、松江市は県内周辺市町村に比べても保育園整備状況がおくれをとっていると言われているという御指摘がございました。松江市におきましては平成29年度は206名の入所可能枠を確保するための保育所整備を行っております。これは県に確認したところ、県内でトップの数字であるということでございました。 また、就学前人口に対する保育所利用者の割合で見ますと、全国平均の約1.5倍の子どもが保育所を利用できる環境を整えているというところでございます。ただ、実際にはまだ待機児童は発生をしておりまして、その対策は喫緊の課題であると考えております。今後も保育ニーズの動向や企業主導型保育施設の整備状況等を踏まえながら、必要な入所可能枠の確保に努めていきたいと考えております。 また、ゼロ歳、1歳の不承諾者数でございますけれども、平成30年6月時点でそれぞれゼロ歳が20名、1歳が101名となっております。年度当初は1歳児の不承諾者が多く、年度中途からゼロ歳児の不承諾者が増加をいたしまして、年度末ではゼロ歳児、1歳児で不承諾者数の8割以上を占めているのが現状でございます。そういった状況を踏まえまして、平成30年度の施設整備では不承諾者数の多いゼロ歳から2歳までの定員増を中心に行う予定でございます。また、緊急一時預かり事業の拡充、企業主導型保育施設の推進なども含めまして、受け入れ枠の確保に取り組んでまいりたいと考えております。以上です。 ○副議長(吉金隆) 貴谷議員。 ◆18番(貴谷麻以) 予想どおりのお答えでありがとうございました。申し上げましたとおり、保育園は本当に生きるために必要なものでございまして、整備数の話ではないんですね、この申し上げているのは。例えば保育園の待機児童数と出生数には強い関連がございます。平成21年に62名の待機児童数、公的にですね。保育園はもうつくらないという方針でしたから、翌年の出生数は落ち込みました。しかし、方針転換をしていただいて不断の努力の保育所整備により、平成25年、平成26年、平成27年には年度当初の待機児童数ゼロになりました。 そこで、出生数はといいますと、平成22年には1,655名を底に落ち込みましたが、平成27年には年間1,862名、また平成29年は1,870名、その他上がってきております。ところが、ことしは明らかに減少傾向でございます。その理由は、待機児童数が平成28年度当初で22名、平成29年度当初で30名いるからです。4月1日に保育園に待機している児童があるということは、いつまで待っても働けない人、特に女性がいることを意味しております。これは松江市として間違ったメッセージを伝えられるということになります。つまり、保育園に入らないでいいということは、ほかに出ていいよ、働かなくていいよということになるわけですね。ですが、女性は妊娠、出産の間に少なくとも1年以上の非常にハンディキャップを持った状態を続けます。その中でやはり女性にきちんと働いてもらう、若い人たちにちゃんと松江市に定住してもらうことは非常に大事なことだと思うんです。 私の若いころもですが、斐川町が保育園を整備したというと、みんながそこに移り住んだわけです。本当にそういうことが起こっております。もちろん人口が減るというのは、要因はこれだけではございません。女性たちが生きることのできる社会、生活、精神的、人間的な環境を日本社会がまだ整えてないということだと思っております。まだちょっとぐらいいいだろう、そのうち何とかなるだろう、女性に我慢させようではなく、もちろん松江市はそう思ってはおられないと思います。 しかし、今しかないですね。今現在どうするか、あと一年は生活がもたない、そういうときに松江市がどんなメッセージを送るか、これが重要なんです。女性に我慢させようではなく、真剣にしていただいているというところを見せるために、社会にはそんな傾向がございます。女性に我慢してもらおう、いいじゃないか、でもそうではない松江市なんだということを、メッセージを送るために、ぜひ本気に向かい合っていただきたいと思います。 私も本当にどんどんやっていただいたときには、週に2回でも3回でも御連絡をさせていただいておりました。これからもさせていただきますし、もちろん松江市だけにやれというのではなく、議会の皆様もぜひ応援していただけると思いますので、ぜひ松江市にはこれをやっていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 では、次の質問をいたします。 2項目め、学校と地域の連携、ふるさと教育の周知についてお伺いいたします。 田和山サポートクラブでは、山の自然の教育や授業を乃木小学校の生徒を対象にして行っておられます。また、実地公開講座も始められました。竹矢小学校では、真名井神社の真名井の実地講習やホーランエンヤの授業もあります。もっとたくさんございますが、松江市内では各学校の地域の特徴を生かしたふるさと教育が盛んに行われているようです。その中には大人が知らないことも数多くございます。いい教育を続けておられるようですので、松江市内にもっと周知してはいかがでしょうか。それが大人のふるさと教育にもなると思います。新聞やテレビなど各メディアの方と協働で地域の文化や教育の発信をしてはいかがでしょうか。そのことによって学校と地域の連携もより深まると思いますが、伺います。 ○副議長(吉金隆) 古藤副教育長。 ◎副教育長(古藤浩夫) ふるさと教育につきましては、各校で地域の教育資源、いわゆる物、人、事でございますが、これを生かした特徴ある取り組みが実践されておりまして、その取り組みの様子につきましては、各学校の学校だより等を通じて発信されているところでございます。秋鹿にありますおもっつあんという行事など、ニュースなどマスコミで取り上げられる事例もございますが、各校のふるさと教育における取り組みを広く市民の方々へ周知することにつきましては、御指摘のとおり十分に行われていないのが現状であろうと思います。 御提案いただきましたように、各校の特徴的なふるさと教育の取り組みを紹介する機会や場につきまして、例えば定期的に市報で紹介しますとか、松江市のホームページ上に掲載したりするなど前向きに考えてまいりたいと思います。 あわせまして、町内会や自治会、また報道機関や企業などと企画段階から一緒になって知恵を出し合って、それをもとに実行するといった共創、協働の取り組みにつきましても今後検討を進めてまいりたいと考えております。以上でございます。 ○副議長(吉金隆) 貴谷議員。 ◆18番(貴谷麻以) ぜひ広くもちろんメディアの方々と御一緒に、本当に共創、協働で連携を深めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 次に、先ほども出ておりましたが、観光、アメリカDMOについて伺います。 松江の人も文化も資源もすばらしいものがあります。こんなに豊かな土地はございません。今の松江を国際文化観光都市として世界に比するものにするには、また発信力と新しい手法の取り入れ、また知見と飽くなき努力が必要であると思っております。観光業の創出、発展について、またその他市長がアメリカで得られた知見と展望についてぜひお聞かせください。よろしくお願いいたします。 ○副議長(吉金隆) 松浦市長。 ◎市長(松浦正敬) 先ほど野津直嗣議員にお答え申し上げたとおりでございますけれども、4月にニューオーリンズ、サンフランシスコのナパバレー、それからロサンゼルスのサンタモニカの3市のDMOを視察したところでございます。この日本とアメリカの一番の違いは、先ほど言いましたように観光を進める主体の違いが一番大きいわけでございます。日本では行政主導でございますし、観光協会も実態は市の職員が行っていると。お金も市の税金の中から出ているという状況でございます。 一方、アメリカではDMOが組織されておりますが、これらは全て民間の皆さん方が主体になって組織され運営をされているということでございます。これはなぜそういうことになっているかというと、観光に対しての違いがあると思っております。先ほど貴谷議員もおっしゃいましたように、日本で観光というと何か美しいところを磨いたり、すばらしいところですよというようなことを言ってやると、するとどうしても行政が主体になっていくということになるわけですが、アメリカの場合は明確に観光の指標として宿泊客をいかにふやすかと、これに、1点に集中をしているということであります。したがって、そのための財源をホテルからホテル税という形で行政が取って、それをDMOに出していく、しかし実態はホテルが財源を捻出してDMOに出しているということでございます。 このDMOは、それを受けていろいろプロモーションをやったり、それからいろいろなイベントの誘致のための営業活動をやったりということをやっているわけでございます。したがって、そのDMOの活動が盛んになればなるほど、そこにまた宿泊客がふえていくという好循環が生まれているということで、いろいろな意味で非常にいい関係が生まれてきているのだろうと思います。 一方、日本の場合はそういう意味では全てが行政でやっておりますので、いわゆる観光のホテルであるとか旅館の皆さん方が観光に対して、例えば観光協会に対していろいろな形で参画をしていくことが、そのインセンティブがなかなか働かないというところが一番大きな問題ではないかと思っております。したがいまして、こういった話を実はホテルとか旅館の皆さん方にもしておりますと、非常に関心を持っていただいておりますので、今後アメリカのこうした制度の一部を我々も入れながら、この松江の観光振興をぜひ考えていきたいと思っております。 ○副議長(吉金隆) 貴谷議員。 ◆18番(貴谷麻以) ありがとうございます。私も本当にそのとおりに思っております。インセンティブが働かないこと、それから波及効果が出ないことは、やはりコンサルも含めまして、いかにどのように波及させていくかということを先に考えていかないと、観光という産業が発展しないのではないかなと思っております。それからまた、宿泊が非常に大事だと思っております。ですので、ぜひその方向で進めたり、押したり引いたり市長にしていただきたいと思っております。 次に、関連でございますが、4項目め、民泊と車の中で寝る状況について伺います。 私も本当に宿泊はふやす、また宿泊していただくにはどうしたらいいかということについても考えております。昨今は狭い自家用車の中で宿泊する観光客がふえているとお聞きしております。若い人はネットカフェやその他でも泊まられますが、観光客層の中で、年配者の方で従来の旅館のくくりにも入らない方々もふえていると思っております。また、全国大会を、先ほどのことですが誘致しても、宿泊できない人が多いのです。また、出雲ではホテルが雨後のタケノコのようにふえているとも聞きました。 松江市全体の宿泊のキャパシティーをふやし、底上げする必要があると思っております。そうでないと、ほかの産業全体への波及効果も薄れます。客数が落ち込む2月等にはこれがいつも問題になっているんですが、2月とかどうするんだということですけれども、やはり2月等にはインバウンドが有効です。旧暦のお正月などに対する観光客誘致などは本当に必要だと思っております。 宿泊施設にはホテルもですが、ゲストハウスや民泊について非常に必要性を感じております。いわゆる民泊法ができ、島根町、鹿島町、美保関町、八束町、本庄、東出雲、竹矢、八雲、宍道等々、アグリツーリズムやすばらしい社寺、ジオパークの自然等の活用が必要だと思いますが、お考えを伺います。 ○副議長(吉金隆) 錦織観光振興部長。 ◎観光振興部長(錦織裕司) ゲストハウスなどオーナーや宿泊者同士の交流が促進されたり、地域の生活、伝統文化を感じることができる特徴的な宿泊施設は観光客、特に外国人の多様なニーズに応えるものであり、観光資源の一つでもあると考えております。本市におきましても中心部や郊外にこうしたゲストハウスの動きが出始めており、八束町内にもサイクリングや地元野菜の収穫調理体験ができるゲストハウスも先ごろオープンしたところでございます。 こうした新しいスタイルの宿泊施設の開業は、観光客の選択肢をふやすとともに、既存の宿泊施設との組み合わせによる連泊も期待できまして、滞在時間の増加、ひいては観光消費の拡大につながるものと考えております。以上でございます。 ○副議長(吉金隆) 貴谷議員。 ◆18番(貴谷麻以) 本当にそのように考えます。 それから、商店街振興にも非常にゲストハウスは有効で、私も全国各地の中心市街地の中でも周辺部にもゲストハウスが有効だと思っております。京都の本当に廃れてしまった東山三条の商店街の振興や周辺の飲食店の振興にも役立ち始めております。旅館業との兼ね合いも出てくると思いますが、調整をとっていく必要があるのではないでしょうか。そのあたりのお考えを伺います。 ○副議長(吉金隆) 錦織観光振興部長。 ◎観光振興部長(錦織裕司) 御指摘のように、本市においても中心市街地にホテルやゲストハウス開業の動きがあり、商店街や飲食店の振興につながるものと期待をいたしております。 一方で、既存の宿泊施設との関係で言えば、新たに開業されるゲストハウスや民泊が受け入れ環境の質の向上や松江の魅力発信、観光振興に、既存の宿泊施設とともに一体となって取り組んでいただけるかどうかが今後の課題の一つではないかと考えております。 ○副議長(吉金隆) 貴谷議員。 ◆18番(貴谷麻以) そうですね。ゲストハウスも既存の宿泊施設と一体化して協力してやっていくという考えが必要だと。まさにそうしていかないと、狭い地域ですから確かにそうであるなと思います。私もまたそのように伝えていこうと思っております。 もう一つですけれども、これはお願いですが、今180日まで民泊、1年のうちに可能であるというようなことが出ているんですけれども、大体ヨーロッパ、先ほど市長が言われましたように、ヨーロッパ等の歴史、文化を楽しむようなやり方ですと、長期滞在型になります。そうすると、180日ではちょっと営業は少ないんではないかなと思っておりますので、また国や県へのいろいろな研究と働きかけをよろしくお願いしたいと思っております。 では、次に5項目め、農業の発展と家族経営協定について伺います。 農産物の自給率が7%というのは地方都市においてまた早急に解消すべきところだと思いますし、いろいろなところから指摘されております。ところが、農業においては御存じのとおり種子法の廃止、また種子をとってまくことの原則廃止の方向性など、国のほうでは全くの逆風のようにも感じられます。国会議員連盟もできて、農業のほうを振興しようという話もあるようですが、農業は人が生きるために必要なものです。子ども食堂やなないろ食堂でもまず食べることを基本に考えておられます。松江においても、より強い農業振興策と首長のメッセージが求められていると農政会議等でも感じました。 農業についての御意見を伺わせてください。メッセージをくださいという感じですね。地産地消に対する市長のお気持ちはいかがでしょうかお聞かせください。 ○副議長(吉金隆) 松浦市長。 ◎市長(松浦正敬) 午前中、三島進議員にもお答え申し上げたとおりでございまして、単につくればいいということではなくて、やはりそれによって生活ができる、安定した収入が得られることが何よりも大事だと思っております。そこに地産地消という要素を入れてやっていきたいと思っているところでございます。 ○副議長(吉金隆) 貴谷議員。 ◆18番(貴谷麻以) ありがとうございます。先日来、本当に農家の皆様方とたくさんお話しする中で、農業の後継者問題には親子での農業の方法の違いが原因の一つだということもわかってまいりました。農業を勉強してみよう、後継してみようとかして研修を受ければ受けるほど、柿の木の枝の剪定方法一つとってみても、習ってきたことと自分の親がいろいろ考えてやってきたことと全く違うと、そこで話が合わない、現場で話が合わなければ後を継ぐことができない、そういうような状況が非常にたくさん出ているということです。 それで、しかもまたこのようなときには家族経営協定が非常に有効であるとこれも農家さんに教えていただきました。ここの畑は、例えば自分が責任を持ってやるよ、出荷はグリーンにとか、こちらはJAにとか分担を分けて振り込み口座も分けるといった経営のやり方です。男女共同参画の中でも家族経営協定が必要と言われて久しいのですが、現在の状況を教えてください。 また、女性の参画状況も男女共同参画の視点からもお聞かせください。 ○副議長(吉金隆) 森山産業経済部長。 ◎産業経済部長森山郁夫) 家族経営協定の締結の促進は、松江市男女共同参画計画においても進めるべき施策に位置づけられており、昨年度は親子間で経営を継承する農家1件において新たに協定が締結されるなど、市内で13件の協定が締結されております。家族間で協定を締結することは、家族内での役割を明確にし、女性の経営の参画を促すとともに、就業時間や休日の取り決めをすることでめり張りのある働き方を行うきっかけとなっております。 それから、女性の状況でございますが、家族経営協定を行った13件につきましては全て女性の参画があり、協定者37名のうち15名が女性となっております。 ○副議長(吉金隆) 貴谷議員。 ◆18番(貴谷麻以) ありがとうございます。非常に行政としても県とかでも市とかでもセンターとかでも協力的に支援していただいているということはお聞きしております。これはある意味、非常に大事なポイントではないかという話になっておりまして、一層広げていただきますようによろしくお願いしたいと思います。 次に、最後の項目です。防災、避難所運営と男女共同参画、簡易HUGの研修についてお伺いいたします。 男女共同参画課と防災安全部との簡易版避難所運営ゲーム(HUG)の松江版に参加いたしました。意宇川の避難勧告や避難所設営のときの経験をいたしましたので、より一層の避難に関する研修の必要性と、日ごろからの地域の男女共同参画意識の向上の重要性を感じました。避難所運営は、避難してきた人が運営すること、行政の方ではなくて、避難してきた方が実際に自分たちで運営することになるんだよと、現実は、またそれから妊婦さんの対応や障がいを持つ方、またペット、また女性枠やプライバシーのとり方の必要性など、実際に学ばなくてはわからないものばかりでした。避難所運営の決定に際して、そして女性の視点がなければよりよい避難所運営ができないとも感じました。DV対応なども含めてですね。 この研修やゲームを広めていく必要があると思います。とてもいいゲームでした。とてもいいように簡易に編集されておりました。どうでしょうか。 また、今ですと二、三十人程度の規模しか実施できないというような話もあったのですが、それでは地区でなかなかできません。定員数もふやしていただきたいのですが、いかがでしょうか、伺います。 ○副議長(吉金隆) 松延市民部長。 ◎市民部長(松延由子) この避難所運営ゲームは、阪神・淡路大震災や中越地震などで、実際に避難所生活において授乳や着がえをする場所がなかったなどという課題が報告されており、これを受けて、避難所で起こり得るさまざまな出来事にどのように対応していくかを模擬体験するゲームです。避難所で起き得る状況の理解と、要配慮者など個人の特性に応じた適切な対応を学ぶことを目的としております。 昨年度は自治会や公民館など17カ所で実施してまいりましたが、参加者の方からは、円滑に避難所を運営するために男女共同参画の視点を持たなければならないことがよくわかったというような御意見をいただき、好評を得ております。 昨日も近畿地方で大きな地震がありましたけれども、松江市もいつ何どき避難所を設営する状況に陥るかもわかりません。このゲームを活用して出前講座などを実施してまいりますが、より多くの方に参加していただけるように対応していきたいと思っております。現在、松江市は20セット持っておりますので、1回150名程度の御参加はいただけると思っております。以上です。 ○副議長(吉金隆) 貴谷議員。 ◆18番(貴谷麻以) ありがとうございます。申し上げてもいろいろとお話をしている中で、そういうテーブル、ワークショップの一つ一つのテーブルでお世話をする人が少ないのではないか、少ないとゲームにならないというお話もあったんですけれども、本当に市長も御存じのとおりに、プリエールねっとですとか今までの女性団体のいろいろな研修、そして育ちの中でたくさんのそういうキーパーソンがおられますので、そういう団体やキーパーソンにぜひ協力を、一緒にしながら、この研修やゲームを広めていただきたいと思います。ありがとうございます。 これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(吉金隆) 29番篠原栄議員。 ◆29番(篠原栄) 公明クラブの篠原栄でございます。今回は3項目につきまして一問一答で質問させていただきます。どうかよろしくお願いをいたします。 初めに、消費者問題についてお伺いをいたします。 ことしの2月に策定をされましたけれども、松江市消費者教育推進計画、私も読ませていただきました。読みやすくわかりやすい内容にできておりました。自立した消費者の育成、そして消費者市民社会の形成と、これに向けまして4つの柱を立てて取り組んでいきますとされております。 昨年の2月でしたけれども、このための基調講演を実は柿野さんという方でございますが、この方は消費者教育支援センターの総括主任研究員をされております。基調講演をしていただいておりました。先月でしたけれども、お会いすることがございまして、松江のほうに来られましたので、ちょっとお話をさせていただきましたけれども、この方のフェイスブックで、本計画につきまして力強い計画という評価をされておりました。この推進計画なども含めまして、今回は消費者問題、さらには改正民法が成立をいたしておりますので、成年年齢の引き下げ等に関しまして少し質問をさせていただきます。 まず初めに、ちょっと確認をしておきたいんですけれども、消費者トラブル、これはさまざまあります。社会生活上のトラブルですけれども、4兆円とも5兆円ともトラブルの被害額がということですけれども、言われております。その中でも極めて悪質でありますけれども、いわゆる特殊詐欺でありますが、これは金銭や、そして精神的な面でも極めてダメージが大きい事案であります。先日ですけれども、昨年の1年間の全国の認知件数が公表されておりました。全国で1万8,212件、被害額は394.7億円、ただしこれはまさに氷山の一角でありまして、認知をされた金額であります。さらに被害は大きいと思われます。 そこで、松江市もしくはこの松江署管内で平成29年はどうだったでしょうか。被害額、そして被害の状況、特徴があればお聞かせを願いたいと思います。 ○副議長(吉金隆) 松延市民部長。 ◎市民部長(松延由子) 松江市におけます特殊詐欺の被害状況でございますが、平成29年1月から12月まで、この1年間で17件、被害額が約4,500万円でございます。前年と比較いたしますと、件数にして4件、額にして1,200万円の減となっております。 特殊詐欺被害の特徴でございますが、被害者の平均年齢は58歳でございます。全体の被害者の約6割が60歳以上となっております。被害17件のうち女性が12件でございます。 主な手口でございますが、架空請求詐欺が9件、そのほかに還付金等の詐欺、おれおれ詐欺などがございます。 ○副議長(吉金隆) 篠原議員。 ◆29番(篠原栄) 松江署管内で今までで一番被害が大きかったのが、実は平成27年でありました。これ34件のうち25件が高齢者という、この当時は8割高齢者でございまして、被害総額が松江署管内ですけれども1億8,600万円、それに比べれば随分さまざまな形で周知されてきているかなという感じがいたします。 そうしますと、次ですけれども、消費者契約法の改正法が今月、6月8日に成立をいたしました。後でこの質問をしますけれども、成年年齢の引き下げが実は改正の動機でありますけれども、この改正法では1つは不当勧誘行為の追加、今まであった分にさらに追加をしたということであります。それから2つ目には、無効となる不当な条項の追加、条文の中に、契約条項の中にある不当なものについての追加をした、それと3番目には事業者の努力義務のこれは明示をされたということであります。特に不安をあおる告知や恋愛感情等に乗じた人間関係の濫用、デート商法などこれに当たるわけでありますけれども、そういったものや、それから契約の締結前に債務の内容を実施する、具体的に言うと物干しざおを売りに来て、先に切ってしまっちゃうという、切ったから買ってくれという、こういったことも実は取り消しの内容に今後なっていくということであります。こういった取り消しができる契約類型に追加をしたものであります。 さらに、衆議院ではこれに加えまして、加齢または心身の故障による著しく判断能力低下による不安をあおる告知や霊感等により不安をあおる告知が、これが衆議院の中で追加を実はされました。この追加をされたという理由は、最も被害が多い高齢者が実は改正案の対象にならないのではないかという疑念があったことによったものでありまして、社会生活上の経験が乏しいというのが今回のこの消費者契約法の改正の大きな論点だったんですが、しかしこの年齢の定めはないと、答弁ではこういうふうに言われておりますので、高齢者にもしっかり適用できるということになってはおりますけれども、極めて解釈の幅があるという指摘があります。 先ほどもありましたように、昨年は6割の方が高齢者、最大では8割近くの方が高齢者ということの被害状況でありますけれども、高齢者の被害防止は非常に重要な施策になっております。松江市の消費者教育推進計画の中でも、地域において消費者教育の推進を設けておったり、それから消費者教育の体系のイメージマップというのが消費者庁でありますけれども、この中でも特に高齢者に契約トラブルに遭遇しない知恵を伝えるとも明記をしているところであります。 そこで、消費者契約法の立法趣旨も踏まえまして、あらゆる機会を活用し、本市の消費者教育推進計画に基づいて、特に高齢者に賢い消費者になるための教育機会の拡大や啓発の徹底を求めるものでありますけれども、市の取り組みについてお伺いをいたします。 ○副議長(吉金隆) 松延市民部長。 ◎市民部長(松延由子) 消費者契約法の一部の改正ですが、この6月8日に可決成立しております。2019年6月から施行されます。今回の改正は若者や高齢者を悪質商法から救済することが目的となっておりますが、松江市では先ほど申し上げましたとおり、特殊詐欺被害に遭った方の60歳以上の割合が6割ということで高くなっておりますので、松江市で実際に行っております出前講座でも被害に遭いやすい高齢者はもとより、福祉推進員など高齢者の身近な皆様方にもこのトラブルの現状や対策をお伝えしているところです。今後は高齢者クラブなど連携を図りながら、より一層の啓発に努めてまいりたいと思っております。 ○副議長(吉金隆) 篠原議員。 ◆29番(篠原栄) よろしくお願いをしたいと思います。特に高齢者の皆様、実は被害に遭ってもなかなか言い出せない、家族にも言えないという方々からも私も相談を受けたことがございますけれども、やっぱり消費者が賢くなれば悪質商法もお手上げとなるわけでございますので、ぜひ回を重ねてお願いをしたいと思います。 次に、2007年5月の成立、国民投票法、これに実は端を発したと思います。この附則3条1項に入っておりますけれども、実は1896年以来、今日まで成年年齢を20歳と定めてまいりました。6月13日ですけれども、ことし、つい先日の話ですけれども、18歳に引き下げる等の改正民法が成立をしたところであります。 実は2009年10月28日でございますが、国民投票法の当時にさまざまな議論がございまして、法制審議会がさまざま議論をしておりましたけれども、最終報告では年齢の引き下げ、つまり18歳に引き下げる際には、1つには施策の充実、つまり被害の拡大を防止する法律を整備すること、それから2つ目には、施策の奏功、つまり効果が十分それが発揮されたかどうかの確認という意味ですね。それから3番目には、国民の意識としてはっきりあらわれると、国民の皆さんから18歳に引き下げることがいいねという声が出てくるということなんでしょうけれども、この3つのハードルを実は設けたわけであります。 実は、強力な未成年者取り消し権、これが喪失をするという問題、それからいわゆる養育費の支払いの終期の問題、18歳になると成年になる、ただしまだ高校生という状況ですね。そういった課題の解決を実は求めていたわけであります。特にこの未成年取り消し権の喪失は、極めて悪質商法の業者にとっては好機であります。18歳まで少しずつ引きとめておく、18歳になったらば契約をしてしまう、ここでもう取り消しがとれないという、つまり年齢の立証をすれば契約の取り消しができるという極めて強力なものでありますけれども、これが実はなくなるという状況が出てまいります。 そこで、今回2月に策定をしました松江市の消費者教育推進計画、いかに重要かというのが、これをやっぱり認識を共有したいと思います。 そこで、まず成年年齢の引き下げ、民法の改正について伺いますけれども、私個人としての私見では、課題が先ほど申し上げたようにたくさんある。それから、消費者契約法が改正されましたけれども、それでは未成年者取り消し権には対応できない、不十分である、そういったこと、それから極めて今回の成年年齢の引き下げは国の都合が大きかったなという意識、こういったものも含めまして、いささか拙速であったし、もう少し慎重に議論を進める必要があったんじゃないかなという私の思いであります。 しかしながら、結果として4年後に、2022年でありますけれども、18歳成人が施行されます。成年年齢の引き下げについて、決まったことではございますけれども、市長にお考えをお伺いいたしますけれども、いかがお考えでしょうか。 また、引き下げに伴う課題に関して何か御意見があればお伺いをしたいと思います。 ○副議長(吉金隆) 松浦市長。 ◎市長(松浦正敬) もう篠原議員がおっしゃったとおりでございますので、私のほうからもう特に言うことはありませんが、今回の民法改正でございますけれども、いわゆる国民投票法による選挙権といいますか、それの引き下げに端を発して、今回成人の年齢の引き下げが行われて、これは広い意味でのいわゆる何というんでしょうか、若者の社会参加といいますか、政治参加、こうしたものを促していこうということが一番の目的ではないかと思っておりまして、120年ぶりの改正でございますが、その間にいろいろな制度とか、そういったものがそこにくっついてきておりますので、なかなか一遍にいろいろなものを変えていくということはなかなか大変だし、意識を変えていくということは非常に大変だと思いますけれども、世界の情勢を見てみますと、ほとんどの先進国が18歳に、大体戦後みんな改正をされているということを見ますと、これは大きな流れの中ではないかとは思っております。 ただ、これは成人の定義が引き下げられるということでございますけれども、一方でギャンブルとか酒、たばこの年齢につきましては、これは20歳未満はそのまま残るということがあります。それから、先ほど御指摘がありました未成年者取り消し権が18歳から行使できなくなるということがございますので、ある意味成人の定義、これは成人にいろいろな法律効果がぶら下がっていますので、成人の定義で今回片づけていくという考え方だと思いますけれども、例えばこの未成年者取り消し権が、成人の定義が引き下げられることによって一緒に引き下げられてしまうということが果たしてよかったのかどうか、ここらはもう少し議論をする余地があったのではないかと思っています。先ほどのたばこだとか酒だとかは20歳ということでそのままになっているわけですので、それはできないことはなかったんじゃないかと思っております。 それほどこの未成年者の取り消し権は、御指摘ありましたように与える影響は非常に大きいと思います。今後いろいろな意味でトラブルなりが広がる可能性があると思っておりますので、御指摘ありましたように、若者への消費者教育をさらに進めていく必要があると思っております。 ○副議長(吉金隆) 篠原議員。 ◆29番(篠原栄) ありがとうございます。まさにそのとおりであります。今、未成年者取り消し権が18歳になってしまったということで、例えば高校3年生のときに莫大なローンを組むことができる、これは現実にできる、親が知らないうちにできるわけでありまして、現在では親の同意がなければできないということになっておりますので、ここのところはこれからの本当に大きな課題になるのかなと思っております。 誰しも成人に達したからといって、完璧な大人になったわけではありません。私も成人を過ぎてから四十数年たちますけれど、まだ完璧ではございませんので、随分長く完璧がまだまだですけれども、いわゆる人、それから社会がしっかり応援していくという環境づくりを我々がやっぱりしていかなくちゃいけないかなということも、あわせて私も決意をしたところであります。 積み残された課題がまだたくさん実はあります。あと4年間、2022年まで4年間あります。国、そして例えば松江市でも成人式の問題はどうするかという具体的な問題が出てくると思います。それから、高校生で成人になった人と成人じゃない人が混合しているという非常に複雑な状況、高校3年生ですが、ありますので、こういったものについても着実に解決の取り組みをそれぞれの分野でしていただくようお願いをしたいと思います。 先ほどありました4年間取り組みが非常に重要なタイミングとなります。今の14歳、15歳ですが、中学2、3年生の子どもたち、生徒たちが4年後には成年年齢になるわけであります。現在は小学校では買い物や金銭の使い方、中学校では市場の働きと経済に関すること、または消費者の権利と責任などを学んでいるようであります。もちろん被害に遭わないだけでなく、いわゆるSDGsの理念や、それからエシカル消費、エシカル消費というのは倫理的消費と言いますけれども、こういった機運の高まりも含めて、学校教育は消費者市民社会のいわゆる構築のスタートになるところであります。松江市の消費者教育推進計画のかなめであると考えております。 現状でありますけれども、小・中・高等学校では他の優先課題があり取り組めないと、現状課題として先ほどありました推進計画の中に入っております。衆議院の法務委員会の中でも消費生活専門相談員の岡田さんという方が話をしておいででございましたけれども、消費者教育を進める上で教育現場の理解が課題であると、今の授業時間や教員の意識が極めてネックであるという発言をしております。小学校、中学校での今後の取り組みについて教育委員会にお伺いをいたします。 ○副議長(吉金隆) 古藤副教育長。 ◎副教育長(古藤浩夫) 消費者教育でございますが、これまでも小中学校の社会科でありますとか家庭科の授業を中心に取り組まれておりましたが、近年インターネットや携帯電話が急速に普及したことなどによるトラブルもふえておりまして、これまで以上に必要性が高まっていると我々も考えております。 こうした実態を踏まえまして、松江市ではことし2月に松江市消費者教育推進計画を策定いたしましたことは御案内のとおりでございます。その中では課題は課題として認識しておりますけれども、推進の柱の一つをライフステージに応じた教育の場の充実と置いておりまして、発達段階に応じたさまざまな取り組みを計画しているところでございます。 また、各校でこの消費者教育を進めていくために、今年度から松江市が主体となって行います教員研修の中に消費者教育研修を新たに計画いたしました。この研修では各小中、また義務教育学校から必ず1名は参加していただくこととしておりまして、当面は教職員の意識をまず高めていくということから始め、その上で全市的取り組みとして子どもたちに消費者教育を進めてまいりたいと考えております。 将来、賢い消費者あるいは社会のよい担い手となる児童生徒の育成を目指しまして、今後もさらに消費者教育については力を入れて進めてまいりたいと考えております。以上でございます。 ○副議長(吉金隆) 篠原議員。 ◆29番(篠原栄) よろしくお願いしたいと思います。 それでは、次に行きますけれども、短大や大学、高専、これを抱えている松江では、対象となる18歳、19歳、県内他市よりは多いのであります。高等教育機関との連携、協働は欠かせません。マルチ商法がはやるのも実はこの年代であります。ローンを組ませていわゆる連鎖販売ですけれども、この被害が拡大する事例、実は数年前も大きくありました。あるところでありました。そういう意味では、高校生への消費者教育は極めて重要であると思っております。 徳島県、これはモデル事業が入りましたけれども、「社会への扉」、クイズ形式、ネットで見ればわかりますけれども、こういったものを使いまして、実は徳島県では高校教育をやっております。松江市の推進計画の中でも体系的にも策定はされておりますけれども、いわゆる教える側がしっかりと理解と知識を持っていないと、なかなかこれ中途半端に終わってしまうというケースがあります、やっただけという。消費・生活相談室の専門相談員、さらには弁護士や消費者問題の専門家団体もあります。そのような外部講師を活用するのも実に効果があるわけでありまして、高等教育機関での取り組みについてはいかがあるべきかとお考えでしょうかお伺いをいたします。 ○副議長(吉金隆) 松延市民部長。 ◎市民部長(松延由子) 高等教育機関での消費者教育の取り組みについてでございますが、現在は島根大学と連携をいたしまして、授業の中に出前講座を取り入れていただきまして、実際に起きている消費者トラブルの事例を紹介することにあわせ、トラブルに遭ったときの対処法を学ぶ消費者教育を行っております。実際に大学生から架空請求についての相談がありますし、また成人年齢の引き下げによりまして契約行為における未成年者取り消し権がなくなったことから、今後もトラブルが拡大する可能性があると考えております。 このようなことから、高等教育機関においてもライフステージに応じた消費者教育が必要だと考えており、今後は島根大学や島根県立大学と連携をいたしまして、より効果的な教材や教育手法の研究などに取り組む必要があると考えております。 ○副議長(吉金隆) 篠原議員。 ◆29番(篠原栄) ありがとうございます。消費者教育の担い手、これが実は一番大事であります。担い手育成がやっぱりかなめでありまして、ただそれぞれ専門家団体や企業の専門相談窓口、行政機関などもあります。このネットワークを構築するというのが極めて有効であります。今、県もそういうネットワークの構築をしようとして昨年度から頑張っているところでありますけれども、この担い手の育成やネットワークについて松江市としてはどう取り組んでいかれるおつもりか、ちょっとお伺いをしたいと思います。 ○副議長(吉金隆) 松延市民部長。 ◎市民部長(松延由子) 消費者教育の担い手は、消費者自身も含め、学校の教職員や消費者団体、NPO法人、行政などさまざまでございます。それらが情報共有し連携することで、効果的な消費者教育を行うことができるのではないかと考えております。 現在は、教職員、PTAを対象とした消費者教育の研修会や地域住民を対象とした消費者教育推進計画の説明会を開催し、消費者教育の内容を理解していただく段階にありますが、このような機会を通して広く担い手としての人材を発掘していきたいと考えております。 今後は消費者問題研究会、商工会議所、小中学校長会、島根県弁護士会、消費生活アドバイザー島根の会などで構成されております消費者教育推進地域協議会の委員の皆様を含めた専門家と連携をして、担い手の育成やネットワーク形成に取り組んでいきたいと考えております。 ○副議長(吉金隆) 篠原議員。 ◆29番(篠原栄) 私どももしっかりと御協力をしていきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。いずれにいたしましても、まだ4年あります。施行までに4年ありますので、さまざまな取り組みをお願いしたいと思います。 続きまして、中小企業の設備投資を促す制度についてお伺いをいたします。 国では、今国会で生産性向上特別措置法を5月17日に成立をさせました。今後3年間で中小企業の設備投資を促し、生産性向上を図ることを目指すこととなりました。ただ、これは条件があるということであります。 1つは、市内の中小企業が年率3%以上の労働生産性の向上を見込む新規の設備投資をするときは、新規取得設備の固定資産税を3年間ゼロにするということを盛り込んだ導入促進基本計画を、これは松江市がつくるというのがその一つであります。それは経済産業大臣の同意を得るということでありますけれども、これは松江市もやります、4月3日にそういう公表されておりますですね。中小企業庁のホームページで公表されております。 2番目には、市内にある中小企業が年率3%以上の労働生産性の向上を見込む先端設備等導入計画をつくり、これは松江市に出す、松江市の認定を受けるという条件があります。こういう条件を満たした場合には、ものづくり・サービス補助金、持続化補助金、サポイン補助金、そしてIT導入補助金、この4つの補助金が優先的に受けられるという制度になっております。 松江市では、今議会で1番目の設備投資による固定資産税をゼロにする松江市税賦課徴収条例の改正案を本議会に上程をされております。 伺います。固定資産税をゼロにした場合、想定する企業数とその影響額をお聞きいたします。 ○副議長(吉金隆) 森山産業経済部長。 ◎産業経済部長森山郁夫) 国の生産性向上特別措置法が本年6月6日に施行され、今議会において固定資産税をゼロにする議案を上程いたしております。今議会で議決をいただいた後、松江市では導入促進基本計画の策定について、国へ基本計画の協議書を提出していきたいと考えております。国からの同意が得られれば、設備投資を行う企業からの申請受け付けを開始する予定でありますので、現時点ではその企業数や導入設備の価格が不明であり、影響額が幾らになるのかは把握が難しいと考えております。
    ○副議長(吉金隆) 篠原議員。 ◆29番(篠原栄) これからということであると思います。 そこで、それぞれ各企業から1次だと思いますけれど、ものづくり・サービス補助金、これは4月27日が締め切りだったそうであります。申請ですね。持続化補助金は5月18日、サポイン補助金はちょっとわかりませんけれども、IT導入補助金、6月4日が第1次の申請の締め切りとなっておったようであります。その申請をされていると思いますけれども、この申請状況が把握はできるでしょうかお伺いをいたします。 ○副議長(吉金隆) 森山産業経済部長。 ◎産業経済部長森山郁夫) 平成30年度の申請状況につきましては、企業が直接国に申請をされるため、把握はできませんが、昨年度の採択件数はものづくり補助金が9件、IT補助金が24件、小規模事業者持続化補助金が92件、サポイン補助金は実績なしとなっております。 ○副議長(吉金隆) 篠原議員。 ◆29番(篠原栄) わかりました。ことしはまだわかっておらんということであります。 先ほど申し上げましたように、松江市が極めて絡んでいるわけであります。つまり国の制度がそういった形になっておりますけれども、まず1つには固定資産税をゼロにするという、こういうことですね。松江市の懐に手を突っ込んでいるということであります。かついろいろなものがまだ全然松江市としては情報が入ってきていないということでございまして、これは私はこの制度を否定するわけではありません。現実問題としてそういった生産性向上をして設備投資をして、生産性が向上されれば当然企業の利益にもなるだろうし、従業員、社員の皆さんの給与にも影響してくるだろう、反映してくるだろうし、ひいては個人住民税、法人住民税なんかも最終的には返ってくるだろうと、風が吹けばおけ屋がもうかるという、この論理かもしれませんが、いずれそうはなるだろうと思いますけれども、しかしそうはいっても直接松江市としては、ただ固定資産税をゼロにしたことと交付税措置されると言っていますけれども、最大75%、最大ですからわからんわけですよね、現実問題として。そういったことを、もう少しプロセスが松江市にとってもうちょっと丁寧にしていただかなくてはいけない、いわゆる基礎的自治体に丁寧にしていただかなくてはいけないんじゃないかなという気がしてならんのですけれども、市長はどう考えられるかお伺いをします。 ○副議長(吉金隆) 松浦市長。 ◎市長(松浦正敬) 大変御理解のある御発言をいただきまして、私も大変ありがたい思いでございますけれども、この固定資産税の特例措置でございますけれども、これは通常の場合はいわゆる均一課税で、法律で例えばゼロにすることが決まって、それに対して例えば交付税措置をするとか、そういうことが決まっているわけですが、今回の場合はあくまで市町村の自主的判断に委ねられると、減免するかしないかということですね、そこが一つのポイントになっているわけでございますけれども、それはそれとして、問題は経産省の補助金と、固定資産税をゼロにするということがいわゆる絡められて行われていると、つまりもっと言いますと、固定資産税をゼロにすると優先的な補助金の採択が受けられますよという、いわば誘い水のような仕掛けになっているわけでございます。これはこういうことをやりますと、多分ほかの全市町村が全てゼロにしてしまうということになりますので、結果としてはこれは、ゼロにする意味がほとんどなくなってしまうということに一つはなるということでございます。 もともと、ですから補助金を採択するかどうかにつきましては、これは申請内容を見て国で判断をするという話でございますので、それをいわゆる固定資産税の減免に絡めて判断するというのは、やはりこれはおかしいと。我々は、固定資産税は非常に市町村のまさに基幹税目でありますので、そうしたものが補助金の採択に絡められることにつきましては、極めて遺憾なやり方だったと思っております。 それと、これは非常に私も心苦しい話だったんですけれども、国のほうから言ってきましたのがいつごろでしたか、3月ごろだったと思います。それに対してゼロにするのかしないのかということを返事をしろという話でございます。しかし、これは固定資産税の税率をどうするかということにつきましては、これは条例で議会の皆様方に諮らなければこれは決断できないわけでございますので、そうした意味では議会軽視と言われても仕方がないわけでございます。こういうやり方をやってまでこの制度を通そうとすることが、私にとりましては非常に、これはまさに遺憾なことだと思っているところでございます。 それともう一つは、こうしたやり方がまかり通るということになると、ほかの分野にも同じような補助金と固定資産税とを絡めてやられることになってしまいまして、まさに地方自治への侵害と言ってもよろしかろうと思っているところでございます。 しかし、篠原議員おっしゃいましたように、この制度そのものに対して補助金を交付する、それからもう一つはそういった設備に対して固定資産税を免除すると、これは我々としましても理解できるものだと。ただし、前々からこの固定資産税の問題につきましては、全国市長会を通しまして実は反対をしてきた経緯がございます。それを国のほうとの間では時限的なものとして折り合ったという経緯がございますので、そういう範囲の中で我々としましては認めているものでございますので、そういう考え方に至っていることを御理解いただきたいと思います。 ○副議長(吉金隆) 篠原議員。 ◆29番(篠原栄) 大体同じ思いでございますけれども、結果として生産性が向上して税のほうにはね返ってくれればという淡い期待を持ちながら、この話は終わらせていただきます。 今現在ですけれども、公明党の議員が実は訪問調査のアンケートをしております。中小企業へのアンケート調査もあります。その中で、まだ現在は集計して全てが終わっているわけじゃありませんけれども、私が調査してみた中では、さまざまな支援策、中小企業庁のホームページなんかでもさまざまな支援策がありますけれども、大半が利用したことない、それからそもそも制度を知らない、それから制度を知る機会がないと、こういった意見が極めて多いんであります。企業の99.7%、労働者の7割を占める中小企業、ここが元気にならないといかんわけでありまして、そういったアンケートの調査がございますので、ぜひこういった支援策につきましてはさらに親切丁寧に、また経営に関する支援をしなければならないなという実感を持ったわけでありますが、現状の取り組みと今後についてお伺いをしたいと思います。 ○副議長(吉金隆) 森山産業経済部長。 ◎産業経済部長森山郁夫) この制度につきましては、市のホームページへの掲載等を行うとともに、商工会議所、3商工会とも連携を図りながら、広く周知に努めてまいりたいと考えております。 ○副議長(吉金隆) 篠原議員。 ◆29番(篠原栄) よろしくお願いをいたしたいと思います。 3番目の最後の項目であります。糖尿病の重症化予防についてお伺いをいたします。 国内の糖尿病が強く疑われる成人の推計が初めて1,000万人を超えたそうであります。昨年の9月に発表されました平成28年度国民健康・栄養調査の結果でわかったようであります。この糖尿病は放置をすると網膜症、腎症、神経障害などの合併症を引き起こすということで、患者の生活や、さらには医療経済にも大きな負担を強いることになります。糖尿病の医療費、これは約1.2兆円、全国であります。さらに、人工透析には1人平均だそうですけれども、月額40万円、年間1.57兆円と言われておりまして、医療費全体から見ても大きな課題に実はなっております。 国は平成28年4月に糖尿病性腎症重症化予防プログラムを策定しました。このリスクの高い未受診者、まだ受けてない人ですね、受診をしていない人、リスクは高いけれども受診をしていない人、または受診をしておったけれども途中でやめてしまったような人、こういった方々に受診勧奨や保健指導を行うことで治療に結びつけ、人工透析への移行を防止するとしております。また、保険者努力支援制度においても糖尿病等の重症化予防の取り組みには配点が最も高い項目となっております。 そこで、伺います。 松江市の糖尿病患者の状況はいかがでしょうかお聞かせください。 ○副議長(吉金隆) 小塚健康部長。 ◎健康部長(小塚豊) 松江市全体の糖尿病患者数及び医療費につきましては把握をしておりませんので、国民健康保険加入者の状況についてお答えをいたします。 合併症を含めました糖尿病の患者数は4,500人程度と推計をしております。 医療費につきましては、平成28年度で約6億7,000万円でございます。本市国保医療費の4.7%を占めております。以上でございます。 ○副議長(吉金隆) 篠原議員。 ◆29番(篠原栄) ちょっともう一回済みません。数字の確認です。国保加入している人で糖尿病に罹患している人が4,500人。 ○副議長(吉金隆) 小塚健康部長。 ◎健康部長(小塚豊) 国保全体の加入者が約3万9,000人程度でございますので、そのうち合併症を含めた糖尿病の患者数、これが4,500人程度、大体率にして11.5%程度でございます。 ○副議長(吉金隆) 篠原議員。 ◆29番(篠原栄) 極めてやっぱり占める割合が多いということですね。わかりました。金額も6億7,000万円という数字が出ておりますけれど、かなりやっぱりそういう意味でも大きな部分を占めているなというのがわかりました。 この糖尿病は初期段階では自覚症状があらわれない場合が多くて、気がつかないままに重症化してしまうというケースがあるわけであります。 そこで、健診結果で糖尿病の判定値以上の方については、幅広く受診勧奨を行うことが必要と考えております。もちろんこの松江市でも腎症重症化予防で診療フォロー、保健指導を実施しておられるようでありますけれども、現在、現状の取り組みについて教えてください。 ○副議長(吉金隆) 小塚健康部長。 ◎健康部長(小塚豊) 松江市では県内でもいち早く平成26年度から松江市医師会及び松江地域糖尿病対策会議と連携いたしまして、国民健康保険の腎症重症化予防事業を行っております。この事業では、特定健診結果に基づきまして糖尿病専門医への紹介を行っているところでございます。加えまして、平成28年度から管理栄養士によります栄養指導を始めたところでございます。 ○副議長(吉金隆) 篠原議員。 ◆29番(篠原栄) ありがとうございます。 そこで、中には受診したけれども途中でやめたような人、それから判定値以上という指摘をされましたけれども、実はまだ受診をしていない人もおいでであります。このような方への受診勧奨は非常に必要であります。平成29年7月公表の重症化予防ワーキンググループによりますと、保険者保有データの未活用が指摘をされております。レセプトデータにより医療機関の受診の有無、それから中断などの把握が可能とされておりますけれども、レセプトデータを活用した受診勧奨を行うことを提案いたしますけれども、現状と今後の取り組みについてお伺いをいたします。 ○副議長(吉金隆) 小塚健康部長。 ◎健康部長(小塚豊) 国民健康保険の特定健診の結果、医療機関の受診が必要とされた方につきましては、市が把握できておりまして、未受診の方には担当保健師が早期の受診勧奨を行っております。しかしながら、医療機関受診後、治療を途中でやめた方に対してのレセプトデータを活用した受診勧奨につきましては取り組んでおりません。今後、レセプトデータを活用いたしました効果的で効率的な受診勧奨の方法につきまして、先進地事例の調査研究などを行ってまいりたいと考えております。 ○副議長(吉金隆) 篠原議員。 ◆29番(篠原栄) ぜひ取り組みをしていただきたい、そういった指摘もされているところでございますので、さまざまなところで研究されまして、ぜひ取り組みをしていただければなと思います。 以上で終わります。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(吉金隆) 5番田中肇議員。 ◆5番(田中肇) 日本共産党の田中肇でございます。通告のとおり5つのテーマで質問いたします。御答弁をお願いいたします。 まず、第1のテーマは、マルクス生誕200年と松江市政についてです。 ことしは不昧公没後200年、松江市ではさまざまな記念行事が行われますが、実は私たち科学的社会主義者にとって理論的な支柱であるカール・マルクスの生誕200年の年でもあります。そこで、ことしの一般質問はマルクスの資本論から見た松江市政を取り上げます。 私は、資本論のところどころに昔からの日本のことわざと共通する点を感じ、興味深く思っています。例えば、貨幣の総量は諸商品の価格総額をその流通回数で割ったものであるとあります。まさに金は天下の回りものです。今、日銀が幾らお金を印刷しても、私たち庶民に回る実感がありません。誰かが貨幣を回さないためです。お金がその本来の働きどおり回っているかどうか、これは松江市にとっても重要です。 以前、市の支出がどの程度市内で回っているか調べるべきだと質問しましたが、その際、難しいというお答えでした。しかし、この難しい課題に挑戦することが必要ではないでしょうか。実際に挑戦している方がおられます。東京都市大学の枝廣淳子教授です。著書「地元経済を創りなおす」の中で地域経済をバケツに例え、幾ら外部から水を注いでもすぐに漏れ出てしまうバケツでは強い地域経済とはならないと指摘し、どこから漏れているかを検証し、漏れにくいバケツに変える取り組みを提唱しておられます。また、地産地消ではなく、地消地産を提唱しておられます。地元に消費需要のあるものを地元で生産できているかをチェックし、生産に向かう取り組みです。この枝廣教授は隠岐島前の海士町と深くかかわっておられ、10年ほど前には松江市でも講演をしておられるようです。 そこで、お尋ねします。 市が財政支出したお金が市内で回っているのかどうかをチェックする仕組みを研究すべきではないでしょうか。医療、社会福祉、生活保護、生活困窮者支援等の分野への支出こそ最も消費に回り、市内でお金が回る支出と考えます。国民健康保険料を1世帯1万円引き下げるために基金を取り崩し、あるいは一般会計から繰り出しをした場合、その支出が税収となって一般会計、さらに基金へ還元される仕組みを追求すべきではないでしょうか。 マルクスは、人間の労働力までもが商品となる社会が資本主義社会の本質であることを究明するために、まず商品の本質を明らかにしました。そして、労働力までもが商品となる社会が人間の歴史の一時期にあらわれ、そして発展的に消えていく過程全体を明らかにしたのが資本論全3部です。この機会に今一般的に使われています資本主義という用語もマルクスが造語したものであることも紹介しておきたいと思います。 以上につきまして、市長の御感想、また御回答をいただきたいと思います。 ○副議長(吉金隆) 講武財政部長。 ◎財政部長(講武直樹) 現在、松江市におきましては「選ばれるまち 松江」を目指しまして、地産地消を柱とする地域経済が循環する施策を展開しているところでございます。昨年の11月議会でもお答えをいたしましたけれども、事業が効果的に実施されるためには、事業効果の検証が欠かせないと考えております。このために行政マネジメントシステムを活用いたしまして、PDCAサイクルを回していくことといたしているところでございます。 なお、市内で流通するお金の動きでございますけれども、これを分析するツールといたしましては、国のまち・ひと・しごと創生本部が提供しております地域経済分析システム(RESAS)がございます。このシステムでは、地域の行政機関を含む事業所が生産した付加価値が、地域内の労働者や事業所の所得としてどのぐらい分配され、また地域内への消費や投資としてどれくらい支出されているか、自治体単位で把握することができます。この分析によりますと、2013年、松江市の所得7,239億円のうち市内で消費されるのは6,459億円でございます。そうしますと、この差の780億円は市外に流出したことになります。 一方で、市外から流れ込むお金ですね。松江市のほうに流れ込むお金は123億円でございますので、これを比べますと圧倒的に流出が多くなっている状況がございます。さまざまな分野で地産地消を進めております。今後も一層力を傾注するとともに、地産外消で地域外からのお金を呼び込む取り組みも強化していく必要があるのではないかと考えているところでございます。 ○副議長(吉金隆) 松延市民部長。 ◎市民部長(松延由子) 国民健康保険の財政調整基金につきましては、急激な医療費の増嵩などに柔軟に対応するために保有、活用する必要があると考えております。基金を取り崩しての保険料の引き下げは考えておりません。 また、一般会計繰入金につきましては、総務省が定めております繰り出し基準を上回る繰入金を使っての保険料の引き下げについては、市民全体の理解が得られないと考えております。議員がおっしゃいますように、可処分所得がふえたとしてもその所得が消費につながる確証はなく、税収増にはつながりにくいと認識しているところでございます。 ○副議長(吉金隆) 田中議員。 ◆5番(田中肇) もし市長に御感想でもいただければ、中央委員会にでも報告しようかなと思っておりましたが、市長いかがでしょうか。 ○副議長(吉金隆) 松浦市長。 ◎市長(松浦正敬) 毎回国保の基金取り崩しというお話をされますけれども、大事なことは、そのときはもちろんその財源で引き下げることはできたとしても、翌年度以降、同じ財源を用意しなければいけないわけであります。ということは、基金をずっと永久に取り崩しをしていかなければいけないと、結局のところは赤字にこれは転落をしていかざるを得ない、したがってこれはどこかの時点でやっぱり値上げをしていかないと対応はできないということでありまして、基金とか、あるいは一般会計からの繰り入れは、やはりこれは好ましくないと私は思っております。 それから、以前地域商品券でしたか、ちょっと正確な名前は忘れましたが、地域振興券でしたか、これが出まして、これのいわゆる効果がどういうのがあったかということで調べたことがあるんですけれども、我々が期待していたのは、通常買えないものをそのときに何か買うことができて、消費が拡大するんじゃないかということを期待していたわけでありますけれども、最終的に結論としては、結局本来買うべき生活用品を、結局少し時間を置きながら買うとか、本来はずっと時間を置きながら買っているものを、そのお金があることで最初に買うということですので、全体としての消費額はほとんど変わらないという結論が出ておりますので、やはり今議員が御指摘のあったやり方につきましては、やはり効果はもう一つではないかと思っております。 ○副議長(吉金隆) 田中議員。 ◆5番(田中肇) 私たちの考え方は、使ってしまったお金が消えてなくなるのではなくて、それを回して働かせようという、難しいことではあるとは思いますけれども、そういうふうに御理解いただくとありがたいと思います。 それでは、第2のテーマは、島根原子力発電所についてです。 私たちは核燃サイクルを含まない1号機の廃止措置、2号機の廃炉、3号機の中止を求めています。これは松江市民の過半数の意思であると考えています。 まず、原発の問題をめぐる松江市民の意思をどう認識しておられるかについてですが、以前の質問で、プルサーマル了解について、福島原発事故後に改めて市民の意思の確認はされていないということについては御答弁をいただきました。 そこで、お尋ねします。 執行部として、福島原発事故後の市民の原発問題に関する世論の調査を行われたことがあるでしょうか。あるいは他団体が行った世論調査の結果を認識しておられるでしょうか伺います。 ○副議長(吉金隆) 井田政策部長。 ◎政策部長(井田克己) 執行部としまして、原発に関する世論調査、これは行ったことはございません。また、他団体が行っている世論調査につきましては、一つ一つ詳細に存じ上げているところではございませんが、原発に関しまして賛否両論あることについては十分承知をしております。 ○副議長(吉金隆) 田中議員。 ◆5番(田中肇) 私も島根大学等で2つほどの、どうも調査があるようだということまでは調べましたけれども、それで次に行きますが、原発3号機に核燃料を入れるということは、2号機の再稼働とも異なる新たな将来への危険を市民に背負わせることになります。市民の世論を確認すべきではないでしょうか。原発問題に絞った世論の集約をどのような方法で行われますか、見解を伺います。 ○副議長(吉金隆) 井田政策部長。 ◎政策部長(井田克己) 昨日、三島良信議員の代表質問でも、今後の手順について市長がお答えしたところでございますが、原発に関しましては、市民の安全・安心の確保を最優先に、市民の代表であります市議会の皆様や地域の各団体から推薦いただいております委員で構成します安対協の皆様からの御意見をしっかりと伺いながら、丁寧に対応していきたいと考えておりまして、世論調査等を実施する予定はございません。以上です。 ○副議長(吉金隆) 田中議員。 ◆5番(田中肇) 首長や議員は自由委任が原則です。ただ、自由委任の原則といえども無条件ではないと思います。それを超える事情がある場合は適切な配慮がなされるべきだと思っています。 昨年、2017年の市長選挙では、原発ゼロを主張した候補が約3万票を得票いたしました。また、松浦市長に投票された有権者の中にも、原発問題に限れば原発ゼロを願う有権者が一定の割合でおられたと思います。この事実を重く受けとめ、自由委任を補完するために適切な配慮をすべきではないでしょうか。市長のお考えを伺います。 ○副議長(吉金隆) 松浦市長。 ◎市長(松浦正敬) 選挙の結果は、単に原発だけが争点になって、住民の皆様方が、有権者の皆様方が選挙をされたということではないわけでございますので、その結果だけをもって原発云々ということは、それはいささかどうかなと思っております。 それで、私は原発賛成ということを正面切って言ったというつもりはないわけでございます。相手候補は原発即ゼロと言われましたが、私の場合は原発のウエートを下げていくということで、しかしなかなかそれのかわりのものがなかなかすぐにはできないということがあるので、やはり現時点においては必要性はあるんじゃないかということを申し上げたところでございまして、この点についてのやはり比較をして、市民の皆様方には御理解をいただいたのではないかと思っております。 ○副議長(吉金隆) 田中議員。 ◆5番(田中肇) この点についてはまた今後も議論をさせてください。 次へ行きます。日本学術会議の東日本大震災復興支援委員会、エネルギー供給問題検討分科会が昨年の9月26日に発表された報告、再生可能エネルギー利用の長期展望という報告がございますが、これを見ますと、我が国には全電力需要だけでなくエネルギー消費量全体にも匹敵する量の再生可能エネルギーが存在すると書いてあります。ところが、政府が原発をベースロード電源とし、電源のベストミックスに原発を含める政策をとったことが再生可能エネルギー開発の推進力を弱め、同時に温暖化対策も不十分なものにしていると考えます。 政治が原発ゼロと温暖化防止の決意を示すことで、民間に対し再生エネルギー開発の推進力を与え、地球温暖化も原発の危険もともに防ぐべきではないでしょうか。市民は地球温暖化による異常気象の危険と原発災害の危険をはかりにかけることなど求めてはおりません。まず、松江市が原発ゼロの立場に立つことによって、地球温暖化と原発災害の危険をどちらも防ぐことこそ、松江市民が市の政治に求めていることではないでしょうか。見解をお尋ねいたします。 ○副議長(吉金隆) 井田政策部長。 ◎政策部長(井田克己) 昨日、津森議員、それから吉儀議員の代表質問でもお答えしましたとおりでございますが、原発依存度につきましては、今後低減させていくべきであると考えているところでございますが、現状では再生可能エネルギーのみで全ての電気を賄うことは難しいと考えておりますので、やはり当分の間、安全性の確保が大前提でありますが、温暖化防止のためにも原発の必要性はあると考えております。以上です。 ○副議長(吉金隆) 田中議員。 ◆5番(田中肇) この問題も民間を主導してほしいというこちらのあれなんですけれども、これも引き続き討論させてください。 次に、3号機をこのまま中止すれば、放射能を帯びていない原発として普通の服装で原子炉内部を見学できる観光資源、原発廃止を全国、全世界に発信するモニュメントにもなり得るという意見をある市民の方から聞きました。そのアイデアを伝えた方は、誰もがそれはいい、命がけで電気をつくらなくても観光名所にするほうがよっぽどいいとおっしゃいます。もちろん共産党として具体的な将来像を主張するわけではありませんが、原発をベースロード電源とする国策のままの松江の未来ではなく、市民の発想でつくる原発ゼロの松江の未来を目指すべきではありませんか。市長のお考えを伺います。 ○副議長(吉金隆) 井田政策部長。 ◎政策部長(井田克己) 昨日、津森議員の代表質問でお答えしましたとおりでございます。原発依存度を低減させていき、将来的に原発がなくなればそれにこしたことはないと考えておりますが、今すぐにそれを実現することは非常に難しいと考えております。以上です。 ○副議長(吉金隆) 田中議員。 ◆5番(田中肇) 次は、地震による影響の問題です。 熊本地震の教訓に学んで、地震による島根原発への影響を見直すべきだと考えます。熊本地震では既に知られた活断層から枝分かれが生じました。名古屋大学の鈴木教授ほかが書かれた「2016年熊本地震を教訓とする活断層防災の課題と提言」には、震源となった活断層の存在があらかじめ住民に周知されていたことの意義は大きい、しかしながら実際の被害軽減にどれほど結びついたかは疑問であると述べておられます。そして、局所的かつ甚大な被害は、改めて活断層の脅威を再認識させるものであり、従来の予測の問題点や限界を確認して今後の地震防災に生かすべきであるとしています。 さらに、その上で、今回出現した枝分かれ断層が原子力安全規制のレベルでの調査を行っていれば、事前に正しく評価できたか否かについて、事業者ではなく原子力規制庁による検証結果が示されるべきであると提言しておられます。 そこで、伺います。 中国電力の820ガルという基準地震動は、宍道断層がどれぐらいずれることを想定しているのでしょうか。市としてはどのように認識しておられますか伺います。 ○副議長(吉金隆) 須山防災安全部長。 ◎防災安全部長(須山敏之) 宍道断層のずれの認識でございます。 中国電力は宍道断層による地震動評価を行うに当たりまして、断層モデル手法というシミュレーションを使用して行っております。そのシミュレーションにおいて、地中で断層がずれる量をすべり量として算出をしておりますが、断層面全体の平均すべり量を約120センチ、強い地震動を出しますアスペリティという領域における平均すべり量を約260センチとして算出しております。 ○副議長(吉金隆) 田中議員。 ◆5番(田中肇) 熊本地震で起こったような宍道断層から枝分かれが生じることを想定しているのでしょうか。この点は市としてはどのように認識しておられますか。 ○副議長(吉金隆) 須山防災安全部長。 ◎防災安全部長(須山敏之) 熊本地震におきましては、地震に伴い新たに生じた活断層が確認されております。島根原子力発電所におきましては、宍道断層など敷地周辺の活断層について詳細な調査を行い、活動性が認められる範囲だけでなく、現在の知見において活動性の有無がわからない範囲も含めて、活断層の長さを幅広に評価しております。 また、そうした詳細な調査で活断層がないとされた場所でも、一定の規模の地震が起こり得るという前提のもと、震源を特定せず策定する地震動として設定いたしまして、発電所敷地直下でその地震が発生したときの耐震安全性としても評価をしております。 以上のように、おっしゃいます分岐のような活断層があり得るという考えのもと、原子力発電所の耐震設計がなされているものと考えております。 ○副議長(吉金隆) 田中議員。 ◆5番(田中肇) 市としてやっぱり熊本地震の教訓に学ぶことが必要だと考えますけれども、この点についてはいかがでしょうか。 ○副議長(吉金隆) 須山防災安全部長。 ◎防災安全部長(須山敏之) 原子力発電所の安全確保のためには、反映すべき新しい知見が得られれば、適切に対応されるべきと考えます。熊本地震については、昨年原子力規制委員会が調査・分析に着手されたところであります。今後、活断層の大きさの事前評価にかかわる手法の高度化について検討する予定とされております。 市としては、原子力規制委員会に対し、最新の知見を踏まえ、厳格な審査を行っていただくように既に要請を行っているところでございます。今後も原子力規制委員会の取り組みを引き続き注視していくことが必要であると考えております。 ○副議長(吉金隆) 田中議員。 ◆5番(田中肇) 原発に関する3つ目は、市消防本部周辺の橋の耐震性についてです。 2月議会で市消防本部周辺の橋梁の耐震補強の状況をお尋ねしたところ、耐震対策の対象橋梁となっていないが、5年ごとの法定点検に基づき必要な措置を講ずるとの御答弁をいただきました。これは市民にとって大変不安な状況です。 そこで、地震が発生し、災害救助に出動しなければならないときに周辺の橋梁が大丈夫なのかどうか、まず市消防本部としてどのように認識しておられますか。また、これまでの対応、今後の対応計画を伺います。 ○副議長(吉金隆) 菅井消防長。 ◎消防長(菅井公治) 消防本部周辺の橋梁につきましては、いずれも道路管理者により適正に管理されていることを確認しております。これまで大規模地震や大規模災害に対応するため、消防力整備実施計画を策定いたしまして、橋北、橋南地区の拠点となる北消防署及び南消防署を中心とした消防署所の再編、整備を進めてきているところでございます。今後、平成31年度に鹿島町及び湖北地区を管轄する北部分署を整備し、一層の消防体制の充実強化を図り、不測の事態に対応してまいります。 ○副議長(吉金隆) 田中議員。 ◆5番(田中肇) 続けてお聞きしますが、2月議会で答弁された5年ごとの法定点検は、次はいつになるのでしょうか。また、どのような項目の点検ですか。必要な措置について、現在具体策は決まっていますか。市長部局全体としての現状と今後の見通しを伺います。 ○副議長(吉金隆) 安達都市整備部長。 ◎都市整備部長(安達良三) 橋梁の定期点検につきましては、島根県道路橋定期点検要領に基づきまして、橋桁、床版、橋台橋脚、支承、それから高欄や路面等の全ての部材を近接目視や触れてたたくといった方法によりまして、腐食、ひび割れ、機能障害、それから鉄筋露出等の変状を調査いたします。点検後、橋梁の健全性について診断しまして、4段階に判定いたします。 まず、判定区分Ⅰが、構造物の機能に支障が出ていない状態、それから判定区分Ⅱが、構造物の機能に支障が生じていないが、予防保全の観点から措置を講ずることが望ましい状態、判定区分Ⅲが、構造物の機能に支障が生じる可能性があり、早期に措置を講ずべき状態、判定区分Ⅳが、構造部の機能に支障が生じている、または生じる可能性が著しく高く、緊急に措置を講ずべき状態でございます。 消防本部周辺にあります市管理の道路橋は、希望橋と麦島橋の2橋となっておりますが、希望橋は平成27年度に点検し、判定区分Ⅱ、麦島橋は平成29年度に点検し、判定区分はⅠでありまして、両橋とも機能に支障はなく、これから直ちに措置をする段階には至っておりません。 次回の定期点検は法律で5年に1回の点検が義務づけられておりますので、希望橋が平成32年度、麦島橋は平成34年度に行います。今後も長寿命化の観点から、平成29年3月に策定した松江市橋梁長寿命化修繕計画に基づき必要な措置を講じてまいります。 ○副議長(吉金隆) 田中議員。 ◆5番(田中肇) きょういただいた御答弁で、また今後議論させてください。 それでは、次のテーマに移ります。第3のテーマは保育園、児童クラブの待機児童についてです。 まず、現状と課題について伺います。 年度途中で保護者が育休から職場に復帰し、保育所に入園希望すると思われる子どもの数は、平成30年度の場合どれくらいの人数と把握しておられるか伺います。 ○副議長(吉金隆) 舩木子育て部長。 ◎子育て部長(舩木忠) 平成30年5月時点で申し上げますと、その人数は392人でございます。 ○副議長(吉金隆) 田中議員。 ◆5番(田中肇) 今度は児童クラブのほうです。児童クラブの待機児童の現状と見通しを伺います。 ○副議長(吉金隆) 高橋副教育長。 ◎副教育長(高橋良次) 児童クラブの待機児童数ですが、5月1日基準日時点ですけれども、公設が10人、民設クラブが3人の計13人でございます。 今後の見通しでございますけれども、年度内に徐々に解消されていく傾向にあるところでございまして、これまで公設クラブにおける施設整備あるいは民設クラブの増設などによりまして、近年待機児童は減少傾向にあります。今後とも公設の場合には校区制もございますので、学校ごとの児童推計等を参考に必要な量を見きわめながら、引き続き待機児童解消に取り組んでまいりたいと考えております。 ○副議長(吉金隆) 田中議員。 ◆5番(田中肇) 次のお子さんが誕生されて、保護者が育休に入った場合、保育園に入園中の上の子どもはそのまま通園することも可能な制度になっているはずですが、児童クラブに通う上の子どもの場合は、保護者が入院するなど特別の場合以外は通所できなくなり、保育所と児童クラブで現在扱いが異なっていると思われます。その現状と根拠を伺います。 ○副議長(吉金隆) 高橋副教育長。 ◎副教育長(高橋良次) 保育所においては、子ども・子育て支援法及び同法施行規則によりまして、育児休業する場合であっても必要と認められる場合は保育所を利用できるとされておりまして、生まれた子が満1歳になる翌年の3月まで上の子の受け入れを行っております。 児童クラブにおいては、児童福祉法におきまして保護者が労働等により昼間家庭にいない児童と定義をしてございまして、育児休業中は保護者が家庭にいるということから原則対象外としておりますけれども、保護者の体調や療育上配慮が必要な場合には認めるという対応をしているところでございます。 ○副議長(吉金隆) 田中議員。 ◆5番(田中肇) ぜひそういう柔軟な対応をよろしくお願いしたいと思います。 一応聞かせてください。児童クラブもやはり保育園と同様の扱いと改善していくべきではないでしょうか。見解を伺います。 ○副議長(吉金隆) 高橋副教育長。 ◎副教育長(高橋良次) 乳幼児期から児童期への発達段階の違い、また学校生活を営んだ上での放課後の限られた時間、こういった違いがあることから考えると、必ずしも保育所と同様の扱いになるとは限らないと思っておりますけれども、今後児童クラブのあり方について検討する場を設けていきますので、このことについても意見を伺ってまいりたいと考えております。 ○副議長(吉金隆) 田中議員。 ◆5番(田中肇) この問題について、最後に現在の法規、制度にこだわらない、松江の子育てのあるべき姿について私なりの考えを述べさせていただきます。 現在の制度では、児童福祉法第24条が保護者の労働または疾病その他の事由により──途中略しますが──保育を必要とする場合という要件をつけているため、いわゆる保育に欠ける場合が原則とされています。この児童福祉法24条の保育に欠ける場合という要件を超えて、全ての子どもの発達を保障するための保育を松江モデルとして創造してはどうでしょうか。 子どもは保護者の育みとともに、異年齢集団の中で生活することで育ちます。私が子どものころ、3世代同居、大家族、地域の異年齢集団で遊ぶ生活の中で身につけたさまざまな生きる力を今の子どもたちは身につける機会が乏しくなっています。それが小・中・高等学校でのさまざまな問題となってあらわれているのではないかと、私は長年の教員生活の中で痛感してまいりました。 子どもには保護者の愛情が大切ですが、核家族の中で主に母親が1人で育児を行うことだけが愛情を注ぐ方法ではありません。日中は異年齢の集団の中で過ごすことで、集団生活での生きる力を身につけ、夜は家に帰って保護者からの愛情を受ける中で子どもは愛情欲求を満たすとともに、社会の中で生きていく力を身につけることができるのではないでしょうか。そのために保育を保護者の保育が欠ける場合に限定せず、子どもの発達を保障するため全ての子どもに行う施策と位置づける松江の子育てモデルを創造してはどうでしょうか。 児童福祉法24条の全国標準を超えた松江の子育てモデルを創造していくことは、必ず松江の人づくりに大きく寄与すると考えます。これはすぐには実現が難しい問題ですが、市長の御感想を伺います。 ○副議長(吉金隆) 松浦市長。 ◎市長(松浦正敬) この児童福祉法では、いわゆる保育に欠ける場合など、保育所や放課後児童クラブの利用の要件を定めているわけでございます。この要件を規定を超えて利用するということは、これはやはり今の財源的な制約等々もございますので、なかなか困難ではないかと思っております。ただ、現在でも例えば一時預かりであるとか、あるいは子育て支援センター等ではそのような要件を外しておりますので、そういったものの御利用をいただければと思っております。
    ○副議長(吉金隆) 田中議員。 ◆5番(田中肇) ありがとうございました。できるところから少しでも進むと大変うれしく思います。 第4のテーマは、学校教育についてです。今回は教育内容に関して、キャリア教育として行われている自衛隊職場体験の現状認識を伺います。また、中止を求めます。 市内の中学生で、昨年自衛隊の職場体験に参加された生徒の感想文を紹介します。鉄が入った防弾チョッキを着て、膝当てとヘルメットをつけて歩くのも大変でした。銃も持たせてもらいました。装甲車にも乗って最高でしたという感想です。 防弾チョッキを着て銃を持ち装甲車に乗る、これが事実なら余りにも行き過ぎではないでしょうか。市教委としてこのような事例を把握しておられるでしょうか、まず伺います。 ○副議長(吉金隆) 清水教育長。 ◎教育長(清水伸夫) 平成29年度に自衛隊での職場体験を実施した市立中学校は9校でございますが、具体的な体験内容は、基地、駐屯地の概要説明や見学、AEDの使い方等の救急法の指導、ロープワークの学習等が実施をされていると把握をしております。 もとより自衛隊は国の防衛や災害派遣、国際協力等、国家の根幹を支える重要な機関でございます。職場体験を通して装備を見せていただくことはあると思いますが、生徒たちが将来の進路選択や働くことの意義を考えることができるように、適切にプログラムを組んでいただくよう、各校でも事前打ち合わせ等をしており、問題はないものと認識をしております。以上でございます。 ○副議長(吉金隆) 田中議員。 ◆5番(田中肇) 学校名までは申しませんけれど、これは職場体験の発表コーナーみたいなところに張ってあり、生徒はもちろん保護者も見れる状態で張ってあった感想なんですね。ですから、それを見られてびっくりされた保護者の方から聞いた話なので、こういう感想があったこと自体は間違いないと思っております。 今、自衛隊の活動は、市民が抱く災害のときに救助してくれるイメージだけではなくなっています。自衛隊の現実を報道した我が党の赤旗日曜版6月3日号のスクープを紹介します。 この記事は、2004年5月から8月、自衛隊イラク派兵の際、自衛隊が雇用した民間警備会社の車列が米軍から重機関銃で威嚇射撃を受けた。次は本当に撃ってくると、自衛隊の車両が間に割り込んで米軍をとめたという衝撃的な事件を明らかにしています。記事の中で、この部隊の元幹部は、米軍は住民と敵を区別できず、撃たないと撃たれると思い恐怖に駆られ、やたら撃つと語っています。そして、この中隊の責任者は帰国後、原因不明の自殺をされています。我が党の志位委員長の国会質問に対する2015年5月27日の答弁によれば、イラクからの帰還後、元隊員の自殺者は29人に上っています。イラクに送り込まれた自衛隊員は延べ5,500名、元隊員で医師でもある方のコメントによれば、通常の精神状態にうまく戻れない体験をした者も多いという状態です。 日本の国を守ろうと真摯に考えて自衛隊に入った大切な若者が武器を持たされ、海外へ送られ、殺されるかもしれず、殺してしまうかもしれない状況の中で精神を病み、自殺者まで出ているのです。このこと自体も許せません。そして、これが海外派遣が当たり前になってからの自衛隊の姿なのです。中学生をこのような状態の自衛隊に職場体験に行かせてよいのでしょうか。防弾チョッキを着て銃を持ち、装甲車に乗る体験を許してはなりません。 教育長に再び伺います。この感想文のとおりの事実が本当にあったとすれば、学校教育としては許してはならない事例ではありませんか。自衛隊での職場体験は中止すべきではありませんか。伺います。 ○副議長(吉金隆) 清水教育長。 ◎教育長(清水伸夫) 基本的に、職場体験の体験先につきましては、各校において適切に判断すべきことであると考えております。教育委員会といたしましては、先ほども申し上げましたように、自衛隊は国の防衛や災害派遣、国際協力等、国家の根幹を支える重要な機関であるという認識に変わりはございません。したがいまして、自衛隊における職場体験につきましては、教育委員会として学校側に中止を要請することは考えておりません。以上でございます。 ○副議長(吉金隆) 田中議員。 ◆5番(田中肇) 大変残念ですけれども、次に行きます。 教育に関しての2つ目の質問は、教職員の現状についてです。 まず、昨年度に実施された超過勤務調査の結果の概要、特に過労死ライン以上働いている教職員がどれくらいいるかを伺います。 ○副議長(吉金隆) 古藤副教育長。 ◎副教育長(古藤浩夫) 昨年の11月に行いました勤務実態調査によりますと、超過勤務の一月当たりの平均時間数を校種別に申し上げますと、小学校で51.0時間、中学校では66.9時間、その他の学校、これは義務教育学校になりました八束学園あるいは大野原分校でございますが、この2校では45.0時間、全てを平均しますと56.8時間という結果でございました。 なお、この超過勤務時間に行った主な業務でございますが、小学校では教材研究、校務分掌上の業務、校務分掌、御存じだと思いますけれども、教務とか研究部とかああいった役割分担でございます。それから、採点処理の順に多く、中学校では部活動指導、校務分掌上の業務、そして教材研究、この順番で多いという結果でございました。その他の学校、先ほどの2校では教材研究、校務分掌上の業務、部活動指導の順で上位に上げられておりました。 小中、その他の学校全体として平均をとりますと、教材研究、校務分掌上の業務、部活動指導の順に多いという結果でございました。 また、昨年度文部科学省が公表いたしました調査結果の速報値によりますと、過労死ラインを月80時間の超過勤務と想定した場合、これを超える教職員の割合は小学校で33.5%、中学校で57.7%となっております。これに対しまして昨年11月に行いました本市独自の調査によりますと、月80時間以上の超過勤務を行った教職員の数は、小学校で67人、これは割合にすると11.2%でございました。中学校では137人、同じく割合に直すと36.5%、その他の学校で5人、17.9%、全体をまとめますと209人で20.8%でございました。これは先ほどの文部科学省の速報値と比べますと下回っているという状況でございました。以上でございます。 ○副議長(吉金隆) 田中議員。 ◆5番(田中肇) 教育職員が担当している授業の平均持ち時数と、その平均持ち時数を超えて授業を担当している教育職員の数を伺います。 ○副議長(吉金隆) 古藤副教育長。 ◎副教育長(古藤浩夫) 小中学校で授業を担当している教員の週当たりの平均授業時間数でございますが、教諭と常勤講師を対象に調べたものでございます。授業を持っている教諭と常勤講師でございます。本年度5月1日現在でございますが、小学校では25.1時間、中学校では19.0時間、義務教育学校で21.1時間、全体を平均しますと22.9時間でございました。 また、この平均授業時数を超えて授業を担当している教員の数でございますが、小学校では314名、割合に直しますと53.4%、中学校では197名、同じく割合に直しますと59.0%、義務教育学校では11名、52.4%、全体を平均しますと522名で55.4%という結果でございました。以上でございます。 ○副議長(吉金隆) 田中議員。 ◆5番(田中肇) やはり実態は深刻だと思うんです。超過勤務の縮減に向けた今後の目標と達成スケジュールについて、2月議会で質問させていただいたところ、基本的には学校以外が担う業務として、1、登下校に対する対応、2、放課後から夜間における見回り、児童生徒が補導されたときの対応、3、学校徴収金の徴収、管理、4、地域ボランティアとの連絡調整を上げられ、まずこうした業務から削減するよう取り組むと答弁されました。これらの業務の現状と削減の取り組みについてお伺いいたします。 ○副議長(吉金隆) 古藤副教育長。 ◎副教育長(古藤浩夫) まず1つ目、登下校に対する対応でございますが、地域の公民館や交対協──交通安全対策協議会ですが──の方々が毎日登下校路の安全確保に努めていらっしゃいますほかに、教員や保護者の方々が協力をして定期的に行っているというのが現状でございます。今後についてでございますが、働き方改革の趣旨に沿った中で、各校の実態に合わせた対応を検討していきたいと考えております。 2番目、夜間の見回りや補導時の対応についてでございます。地域の方々や警察の要請等によって必要に応じて対応しているというのがこれも現状でございますが、見回りと補導時の対応を同一に論じることはできないかと思いますけれども、これにつきましても何が改善できるかについて、校長会でありますとか、あるいはPTAの方々等と相談してまいりたいと考えております。 3番目の学校徴収金の徴収、管理につきましては、口座引き落としによって現在集金はしておりますが、引き落としが不能だった場合等は担任や担当が直接行っているという現状がございます。これらの集金事務についても極力今後も減らしていきたいと考えております。 最後、4点目の地域ボランティアとの連絡調整についてでございますが、これにつきましては現在、各学園に1名から3名の学校支援地域コーディネーターを既に配置しておりまして、教員の負担軽減につながっているものと捉えております。今後も引き続き学校支援地域コーディネーターを中心にこのようなことには対応してまいりたいと考えております。以上でございます。 ○副議長(吉金隆) 田中議員。 ◆5番(田中肇) 地域コーディネーターに本当にお世話になって感謝しておりました。 同じく2月議会で超過勤務削減の見通しをお尋ねしたのに対して、やっぱり4項目、部活動の休養日を設ける、月に2日から4日定時退庁日を設ける、ICTを活用した勤怠管理を行う、夏季休業中に学校閉庁日を設ける等を、学校と連携しながらできることからやっていくと御答弁があったんですけれども、この4項目についての現状と見通しを伺います。 ○副議長(吉金隆) 古藤副教育長。 ◎副教育長(古藤浩夫) まず、1番目の部活動の休養日でございます。現在、中学校の部活動ガイドラインを策定するために、スポーツ庁がことし3月に示したガイドラインも参考にしながら、中学校長会や、あるいは市P連との協議を進めているところでございます。新チームの始動、これはいわゆるスタートという意味の始動でございますが、新チームの始動に合わせまして、2学期に間に合うように各学校に周知したいと考えております。 2番目の定時退庁日のことでございます。既に定時退庁日を設けて教職員が早く帰宅できるように努めている学校もございますが、部活動のガイドラインにあわせまして、これも2学期に間に合うように各校に周知をしていきたいと考えているところでございます。 3番目のICTを活用した勤怠管理でございます。本年度の5月から先生方が職場の自分のパソコンで入力できるようにしておりまして、既に勤務時間管理をICT活用の上で始めております。各学校で集約できるようになっておりまして、必要に応じて管理職が指導できる体制も整えているところでございます。 最後、夏季休業中に学校閉庁日を設けることについてでございます。今年度、8月13日から15日までの3日間とその前後2日間ずつ程度を、学校に日直を置かない日とするように現在準備を進めているところでございます。 いずれの課題におきましても、一定のルールを定めることになりますが、それが遵守していただけるかどうかは教員の意識にもかかっていると思います。今後、教員の働き方改革を強力に進めていきますためにも、学校と連携を図り、地域やPTAの皆様の御協力もいただきながら進めてまいりたいと考えているところでございます。以上でございます。 ○副議長(吉金隆) 田中議員。 ◆5番(田中肇) 御答弁ありがとうございました。よろしくお願いいたします。 それでは、最後のテーマに移ります。大雨災害対策についてです。 北田川と桜川氾濫対策につきまして、昨年8月には市として県に対する緊急の申し入れを行っていただき、またことしの雨季に間に合うようなさまざまな取り組みをしていただきました。この間の取り組みの概要についてお伺いいたします。 ○副議長(吉金隆) 安達都市整備部長。 ◎都市整備部長(安達良三) 北田川、桜川の氾濫対策につきましては、昨年度から島根県とともに北田川、桜川の護岸のかさ上げと、逆流防止装置の工事及び両方の河川の堆積土砂のしゅんせつを実施しております。また、当該地区を含む松江堀川水域内の浸水対策強化のため、雨量計、水位計、監視カメラ等の情報施設設置に向けた作業を島根県とともに今年度実施する予定でございます。 ○副議長(吉金隆) 田中議員。 ◆5番(田中肇) 関係の皆様のこの間の御努力に感謝申し上げます。地元からも大変喜びの声が上がっております。 同時に、根本対策の早期実施もやはり重要だと思っております。上追子ポンプ場のポンプ増設及び中川拡幅の進捗状況、北田川と中川の接続の見通しについてお伺いいたします。 ○副議長(吉金隆) 安達都市整備部長。 ◎都市整備部長(安達良三) 上追子ポンプ場のポンプ増設につきましては、大橋川改修事業に合わせて国、県、市が連携し、平成33年度の完成を目標に工事を進めております。現在は、ポンプ場の基礎部分の工事を実施しております。また、施設関連の上追子川水門新設工事で、水門本体の工事を国のほうで実施されているところでございます。 中川の拡幅につきましては、早期に治水効果を発揮させるため、平成18年7月豪雨規模の浸水被害の軽減を目標とし、現在黒田町の西原橋から市道菅田比津線、北循環とも呼ばれている市道でございますが、その付近の市街化区域内において、平成30年代後半の完成を目標に下流から順次整備が進められております。また、中川から北田川への接続につきましては、中川の拡幅工事完了後に引き続き実施することと聞いております。 ○副議長(吉金隆) 田中議員。 ◆5番(田中肇) 最後に、提案ですけれども、最近の異常気象による局所的、一時的な豪雨による市街地の浸水被害対策として、地下貯水空間を検討してはどうでしょうか。調整池の地下に一時的に雨をためる空間をつくり、雨をそこに落としてはどうでしょうか。松江市全体が水につかるような水害では効果はありませんが、昨年のような災害には有効ではないでしょうか。研究をしてみるお考えはありませんか。見解を伺います。 ○副議長(吉金隆) 安達都市整備部長。 ◎都市整備部長(安達良三) 雨水貯留施設は、降雨時に市街地から河川への急激な流入を抑制するため、一時的に雨水を貯留する施設でありまして、主に都市部において地下空間を利用した地下貯留施設が設置されている事例がございます。 現在、市街地の浸水対策につきましては、河川工学などの有識者から成る検討委員会を経て策定された松江市街地治水計画に基づき、中川改修や上追子ポンプ場の改修が進められているところでございます。貯留施設としては、既存のため池や松江北高グラウンドなどの地上の平たん地を活用し、洪水調整池を整備する計画もあるところでございます。 今後は、さらに四十間堀川放水路の整備など、この計画に基づき着実に事業を進めていくことが重要であると考えているところでございます。松江市としましても中長期的な河川改修等の整備に加えまして、地域特性に即した緊急的な対策についても、昨年度に引き続き島根県と協議しながら進めてまいりたいと考えております。 ○副議長(吉金隆) 田中議員。 ◆5番(田中肇) ぜひ引き続きよろしくお願いいたします。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(吉金隆) この際、しばらく休憩をいたします。 〔午後3時09分休憩〕 ────────── 〔午後3時30分再開〕 ○議長(森脇勇人) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を行います。 9番新井昌禎議員。 ◆9番(新井昌禎) 友愛クラブの新井昌禎でございます。本日最後の質問者になります。よろしくお願いしたいと思います。 これまでの質問と重複したところもございますけれども、早速ではございますが、通告書に従い、大きく3点について質問させていただきますので、よろしくお願いします。 4月9日月曜日1時32分、島根県西部を震源としたマグニチュード6.1の地震が発生しました。この地震により負傷された方が9名確認されているほか、住宅被害が432棟確認されています。被害に遭われました皆様に心からお見舞い申し上げます。 また、昨日、大阪北部を震源とした同じくマグニチュード6.1の地震が発生しております。あわせてお見舞い申し上げたいと思います。 この島根県西部地震によりまして、大田市では震度5強を観測し、松江市では震度4を記録しました。久しぶりに大きな揺れを感じる地震で、1時32分という深夜に発生したこともあり、驚いて目を覚まされた方も多かったと思います。その後も継続的に余震が発生したことから、不安な朝を迎えられた方も多かったと思います。幸い、松江市では大きな被害は発生しませんでしたが、市報松江の6月号の巻頭にもあるとおり、もし松江市で大地震が発生したらということをふだんから考えておく必要があると改めて感じました。 私は、先般セミナーに参加し、東京都の防災に対する取り組みについて研修しました。御承知のとおり、東京は日本の首都であり、人口1,300万人を超える大都市ですが、30年以内に首都直下地震が70%の確率で発生すると予測されています。また、2020年には東京オリンピック・パラリンピックの開催を控え、地震だけでなく風水害、火山噴火などの自然災害に対する防災・減災の取り組みをスピード感を持って推進する必要があります。 そのため、東京都は計画期間を2018年から2020年の3カ年とする事業計画、セーフ シティ東京防災プランをことし3月に策定しています。首都直下地震等が発生した際、防災・減災を図るための予防対策として、課題をマグニチュード7.3程度の大地震等に伴う甚大な火災や建物倒壊被害への対応、震災時等の避難や救出・救助活動、延焼遮断帯としての道路等の整備、集中豪雨や高潮、津波に対する備え、自助、共助は災害のときに都民の命を守るために不可欠の4項目に設定し、自助、共助の推進による地域防災力の向上と、災害に強い安全な都市づくりの実現という2項目の対応策を実施することとしています。特に、災害発生直後の救出・救助活動等は、警察、消防職員等だけでは対応に限界があることから、都民の理解と共感に基づく自助、共助の推進による地域防災力の向上が必要であることを強調しています。 そのための取り組みとして、防災対策の見える化等によるわかりやすさを追求するとともに、各家庭における防災への備えを万全にするため、冊子「東京防災」を作成し、郵便配達員の協力により全戸に配布しています。さらに、いつもの暮らしに焦点を当てながら、日常生活のちょっとした工夫でできる防災対策、避難生活でのさまざまな課題への対処法などを女性の視点で掲載した冊子「東京くらし防災」も作成、配布しました。この2冊は、東京都の基本計画であるセーフ シティ東京防災プランと連携しており、わかりやすいイラスト等を多用することによって、見るだけで何を準備しておいたらいいのか、また世帯別や場所別にインデックスを設け、さまざまな状況に応じて具体的にどうしたらいいのかなど、関心のある内容を効率的に学ぶことができるようになっております。 当然、松江市においても災害時に市民の命を守るため、自助、共助を中心とした地域防災力の向上は不可欠であり、そのためには日ごろからの市民の理解と共感の推進にあると考えます。東京都の取り組みは、とかく絵に描いた餅になりやすい防災・減災への備えを実行するための具体的な方策がたくさん示されています。 松江市は、平成22年8月から9月に全国の10万人以上の市区を対象に行われた防災行政における市民との連携調査において、東京都の渋谷区に次ぐ第2位にランクインした実績がありますが、その後時間も経過し、各自治体の取り組みも随分進んでいると思います。ぜひ各地の好事例を参考に継続的な見直しを行うことにより、さらに安心・安全のまちづくりを進めていただきたいと考えますが、御所見をお伺いします。 ○議長(森脇勇人) 松浦市長。 ◎市長(松浦正敬) 2018年版の防災白書によりますと、国民の防災意識につきまして、自分の身や家族をみずから守る自助を重視する人の割合が、平成14年の18.6%から平成29年には39.8%と倍以上の増加を見ております。それから、地域住民みずからで助け合う共助を重視する人の割合が、14.0%から24.5%に大きく増加をいたしております。相次ぐ大災害を経験して、国民の中にも国や自治体による援助、公助には限界があって、自助や共助が重要だという意識が浸透してきたからではないかと分析をされているところであります。 現在、市内各地域で結成をされております自主防災組織におきましても、年々訓練内容が充実をしてきておりますし、またその訓練に取り組まれる姿勢を通して、共助に対する理解が浸透してきていることがうかがえるわけであります。災害を人ごとではなくて我が事として捉えて、日ごろから家族や身近な人と話し合いを持つことが地域防災力の向上につながるものであり、松江市といたしましてもさらに助言や技術的支援を行い、共助の浸透に力を入れてまいりたいと思っております。 ○議長(森脇勇人) 新井議員。 ◆9番(新井昌禎) ぜひ自助、共助というところの強調も引き続きよろしくお願いしたいと思います。 また、セーフ シティ東京防災プランでは、大規模災害発生時の都民の命を守るための応急復旧対策として課題を、発災後72時間が生死を分ける、交通機関が停止し、行き場を失う帰宅困難者が大量発生、被災者の避難生活等を支えつつ、早期の生活再建が必要の3項目に設定し、初動体制の強化と情報通信の確保、帰宅困難者対策、生活再建の迅速化、災害時の医療機能の確保及び避難生活を支える物資の供給という5つの項目の対応策を実施することとしています。 特に、災害発生時から72時間は、公助である警察、消防職員等は救命・救助活動に専念する必要があることから、帰宅困難者対策は重要となります。帰宅困難者が一斉に帰宅しようとすると、大渋滞により救急車などが到着できず、救命・救助活動の阻害になってしまいます。また、帰宅困難者が二次災害に遭う危険もあります。つまり、大規模災害発生時には帰宅困難者はむやみに移動を開始せず、職場や安全な場所にとどまることが重要になるということです。このため、東京都は平成25年4月に東京都帰宅困難者対策条例を施行し、事業所に対して従業員向けに3日分の水、食料等の備蓄を求めるとともに、買い物客や行楽客など行き場のない帰宅困難者については、行政のみならず民間事業者の協力を得て、原則3日間受け入れる一時滞在施設を確保しています。 松江市においても松江市外から通勤し、市内の事業所等で働いている方もたくさんいらっしゃいます。また、国際文化観光都市・松江でもありますから、連日大変多くの観光客が訪れていらっしゃいます。こうした方々、大規模災害発生時には当然行き場のない帰宅困難者となることが想定されます。東京都と比較するのは規模の違いはあると思いますけれども、安心・安全のまちづくりの一つとして、こうした帰宅困難者に対する事前の備えについて、行政のみならず民間事業者の協力、連携を含めて検討しておく必要があると思いますが、所見をお伺いします。 ○議長(森脇勇人) 松浦市長。 ◎市長(松浦正敬) 松江市におきましても大災害が発生いたしますと、通勤者あるいは観光客などが帰宅困難者となることが想定されるわけでございます。民間事業者に期待をしていることにつきましては、議員もおっしゃいますように、災害発生時には従業員に対してすぐに帰宅のための行動をとらず、しばらくは事業所にとどまることで混乱を避けること、あるいは従業員用の食料や飲料水などの備蓄についても検討いただいて、事業者の避難体制を構築していただくということであります。 また、従業員以外の帰宅困難者に対しても、事業所の会議室やロビーを開放いただくなど、一時的な滞在場所として利用することへの協力もお願いをしたいと考えております。既に島根銀行からは、松江駅通りの本社ビルを帰宅困難者の一時滞在施設として提供いただける旨の申し出をいただきましたので、早速協定を結ばせていただき、活用させていただくことといたしたところであります。今後も民間事業者の方におかれましても、地域の一員として帰宅困難者の対応について協力、連携いただけるように、さらに働きかけをしてまいりたいと思っております。 ○議長(森脇勇人) 新井議員。 ◆9番(新井昌禎) 具体的に1社ともう既に協定を結ばれたということでございますが、こうした取り組みが広がるようにぜひよろしくお願いしたいと思います。 次に、東京都防災アプリについて紹介いたします。このアプリは、平成30年3月1日に既にスタートしておりますが、遊ぶ、学ぶ、使うの3つのコンセプトでつくられています。楽しみながら防災に関する備えを学ぶとともに、先ほど紹介した冊子「東京防災」、「東京くらし防災」の閲覧や検索、また地域危険度マップなどを確認することや、災害発生時には安否登録・確認、防災マップや災害情報の配信などに利用できるようになっています。松江市でも災害発生時にはさまざまな媒体を通じて周知が行われることになっていますが、こうした防災アプリの活用もぜひ御検討いただきたいと考えますが、所見をお伺いします。 ○議長(森脇勇人) 須山防災安全部長。 ◎防災安全部長(須山敏之) 災害時には気象や災害などの情報をいち早く正確に入手することが大事だと思っております。当市におきましては先ほどお話がありましたように、防災行政無線や防災メール、屋内告知端末、ホームページなど多様な手段で市民の皆様に情報を提供しているところでございます。そして、今の時代ですので、こういった防災アプリもそういった情報を入手する手段の一つとして非常に有用であることは十分認識をしているところでございます。 防災アプリについては、議員おっしゃいます東京都の防災アプリを初め、官民いろいろなところから同様のものが提供されており、多くの市民がもう既に活用していらっしゃるとも聞いております。 当市におきましては、縁むすびスマートナビという観光アプリを開発して、普及に努めているところなんですけれども、このアプリは観光アプリである一方で、実は防災情報や災害時の避難所情報、こういったものを提供する機能もあわせ持っているところでございます。今後も観光客に限らず、広く市民の皆さんに御利用いただくように努めてまいりたいと思っております。 ○議長(森脇勇人) 新井議員。 ◆9番(新井昌禎) 既に縁むすびスマートナビ、私も入れておりますけれども、ぜひ災害時に有効に働くようにお願いしたいと思います。 6月5日の火曜日ですけれども、いよいよ中国地方も梅雨入りした模様であるという発表があっております。この梅雨に先駆け、5月23日、中央防災会議会長、内閣総理大臣から梅雨期及び台風期における防災態勢の強化についての通知がありました。この中では人命の保護を第一義として、防災態勢の一層の強化を図ることが求められています。昨年、松江市でも集中豪雨による災害等が発生しております。こうした被害の発生状況を踏まえて、今年度改善された防災・減災の取り組みについてお伺いします。 ○議長(森脇勇人) 須山防災安全部長。 ◎防災安全部長(須山敏之) 昨年7月、局地的豪雨によりまして黒田地区で浸水被害が発生いたしました。それから、9月には意宇川の増水によりまして避難勧告を発令したところでございます。その後、黒田地区におきましては関係の皆様と浸水対策の計画や被害状況、それから災害対応などについて意見交換をいたしました。今年度から河川護岸を高くするかさ上げ工事などに着手をしたところでございます。また、新たに一般社団法人松江建設業協会の御協力を得まして、土のうの運搬、設置など水防活動を迅速に行える対応を構築したところでございます。 意宇川におきましては、昨年の避難勧告発令の際に、沿川地区の皆様からさまざまな御意見をいただいたところでございます。その後、特に増水の状況と避難行動のタイミングについて、早目の避難行動が重要であるということについて御説明をさせていただいたところでございます。さらに、今年度から梅雨入り前に地元消防団や警察などと合同で危険箇所の現地点検を行い、万が一の際に関係機関が速やかに連携して対応できる体制をつくったところでございます。 なお、本市も加盟いたします斐伊川水系大規模氾濫減災対策協議会や松江圏域管理河川に関する減災協議会におきまして、防災行動に着目した事前の行動計画、いわゆるタイムラインを作成することとしております。各関係機関と連携しながら、本年度中に完成する予定でございます。以上でございます。 ○議長(森脇勇人) 新井議員。 ◆9番(新井昌禎) ぜひそういった取り組みを進めることによって、市民の安心・安全を確保していただきたいと思います。 最後になりますけれど、本当に実際に災害が発生したときの備えについてお伺いいたします。 市民にとってやっぱり最後に頼りになるのは、公助である警察であったり消防組織だということは当然だと思います。松江市消防本部の定員と現在の充足率及び今後の採用計画についてお伺いします。 あわせて、消防団員の充足率についてもお伺いします。 ○議長(森脇勇人) 菅井消防長。 ◎消防長(菅井公治) 消防職員の定数260人に対し、現在の職員数は249人であり、充足率は95.8%でございます。消防職員の採用につきましては、火災や救急など災害対応に必要な人員の確保はもとより、新規採用職員の養成や救急救命士の資格取得を目的とした研修が十分行えるよう、採用計画を立てているところでございます。今後、地震を初めとする大規模災害の応急対策や救急需要の増加への対応など、さらなる消防力の強化に向け取り組んでまいります。 消防団員につきましては、定員2,255人に対し、現在の団員数2,108名でございます。充足率は93.5%でございます。引き続き消防団員の確保については積極的に取り組んでまいります。以上でございます。 ○議長(森脇勇人) 新井議員。 ◆9番(新井昌禎) ともに充足率が100%でないということがわかりましたけれども、ぜひ早期の充足といいますか、達成をお願いしたいと思います。 私はこれまでも6月の定例会、この時期の定例会におきまして、安心・安全のまちづくりについて何度か質問させていただきました。この取り組みについては終わりがないものと考えておりまして、減災・防災の取り組みが最優先の取り組み課題として継続的に充実することを望んで、次の質問に移りたいと思います。 現在の日本の経済規模を示すGDP(国内総生産)は、約535兆円で世界3位になっています。また、人口ランキングで見ますと、日本の人口は1億2,600万人で世界第10位になっており、経済規模、人口ともに大国と言われる地位を占めていると思いますけれども、しかし一般的に経済的な豊かさを国際的に比較するときに用いられる国民1人当たりのGDPランキングを見ると424万円で、OECD主要先進35カ国中第17位となります。さらに、より効率的に経済的な成果を生み出す指標の一つである労働生産性を就労者1人当たりで見ると、約834万円で第21位、就業1時間当たりで見ると約4,694円で第20位になってしまいます。 日本では少子高齢化がこれまでに類を見ないスピードで進行しており、この少子高齢化の影響が顕著にあらわれるのが労働可能人口──これは15歳から64歳までの人口ですけれども──の減少で、今後20年間で世界で最も労働可能人口が減るのが日本だと言われております。それに伴いまして、日本の国内の経済規模も確実に縮小してしまいます。引き続き日本が国際競争力を維持するためには、生産性や行政サービスの効率を飛躍的に向上させることが必要であると言われています。 こうした中、5月16日、中小企業が新たに導入する設備に係る固定資産税を、自治体の判断で3年間最大ゼロにできる特別措置を含む生産性向上特別措置法が成立しました。同法は、中小企業の積極的な設備投資を後押しすることで、生産性の飛躍的な向上を進めることを目的としていますが、この法律が実際に効力を発揮するためには、全国の自治体が促進基本計画の策定や、固定資産税を2分の1に減額するための条例を制定することが必要になります。 市長は3月14日付の自身のオフィシャルウエブサイトで、固定資産税への思いということで、今回の施策に対する考えを述べておられますし、先ほど篠原議員の質問に対しても答えておられます。これを読みますと、やや否定的な考えを述べておられるようにも感じますけれども、固定資産税ゼロの措置に取り組む自治体に対しては、ものづくり補助金やIT導入補助金、小規模事業者持続化補助金などが優先的に受けられることにもなっておりまして、今回の施策には地方自治体にとってよい面も悪い面もあると思いますが、さきに述べたとおり、日本の国際競争力を維持していくためには、生産性の飛躍的な向上は不可欠で、国内企業の大半を占める中小企業が新たな設備の導入に積極的に取り組む必要があると思います。そして、行政はこれを積極的に支援しなければならないと思います。 地方にとってのさまざまな意見はあると思いますが、労働可能人口が急速に減る日本の生産性革命にはスピードが大切であり、一時的なリスクをとってもやる必要があると考えます。この3年間が日本の中小企業の生産性革命にとって大きなターニングポイントとなるように取り組まなければならないと思いますが、今後の松江市としての対応方針をお伺いします。 ○議長(森脇勇人) 森山産業経済部長。 ◎産業経済部長森山郁夫) 篠原議員にお答えをしたとおり、固定資産税をゼロにする議案を今議会で議決をいただいた後、導入促進基本計画の策定について、国へ基本計画の協議書を提出していきたいと考えております。今後、商工会議所や商工会と連携を図りながら、生産性向上につながる設備投資の促進に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えています。 ○議長(森脇勇人) 新井議員。 ◆9番(新井昌禎) ぜひよろしくお願いしたいと思います。スピード感を持っての取り組みをよろしくお願いしたいと思います。 一方で、深刻な人手不足による倒産が増加しています。景気回復で仕事がふえているにもかかわらず、働き手が足りないことから仕事を受けられず、事業継続の断念を余儀なくされる、そんな矛盾した現象が全国各地で相次いでいるようでございます。 2017年度の人手不足倒産は114件、4年連続で前年度を上回り、年度計で初めて100件を超えたとなっています。業種別を見ると建設業が最大の31件、このほか製造業、小売業、運輸・通信業などでも増加が目立ち、幅広い業種で倒産が増加傾向となっているようです。 人手の確保が経営のボトルネックとなり、とりわけ人件費の上昇を製品やサービス価格に転嫁しづらい中小企業を中心に、今後の人手不足倒産の増加が懸念されています。今回の施策によって、企業が新たな設備導入を積極的に取り組んでも、それを動かす人がいなければ元も子もありません。松江市は平成30年1月に若手人材確保アクションプランを策定し、地元企業が人材を確保できるよう積極的に取り組んでいますが、これまでの具体的な実施内容と成果についてお伺いします。 ○議長(森脇勇人) 森山産業経済部長。 ◎産業経済部長森山郁夫) 三島進議員にお答えをしたとおり、新卒者の地元就職支援と若者のUIターン促進の2本柱を掲げ、実施可能なものからスピード感を持って取り組んでいるところでございます。 ○議長(森脇勇人) 新井議員。 ◆9番(新井昌禎) ありがとうございます。ぜひスピード感を持った取り組みを行っていただきたいということと、就労対象者は新卒者だけではないということも念頭に対応をお願いしたいと思います。 深刻な人手不足を克服するための方策として、外国人労働者の活用が欠かせないという意見もあります。6月5日、安倍首相は経済財政諮問会議で、外国人労働者の受け入れ拡大を表明されています。人手不足が深刻な建設や農業、介護など5業種を対象に平成31年4月に新たな在留資格を設け、原則認めていなかった単純労働に門戸を開き、今後50万人超の就業を目指すとしています。既に島根県内でも約3,800人の方が就業されているということです。 中小企業が技能実習生などの受け入れをふやしているのがその要因となっていると言われていますけれども、これまでは外国人労働者に対して、人権侵害や労働関連法違反が後を絶たないと指摘されてきましたが、今や国内の経済活動は外国人労働者なしでは成り立たなくなっており、安い賃金で外国人労働者を使い倒すというこれまでの発想では、日本は外国人労働者に選ばれる国とはなり得ません。つまり、外国人労働者にとっても暮らしやすいまちづくりを進めていかなければならないということだと思います。 今後増加すると見込まれる外国人労働者を松江市に受け入れるに当たり、どのような課題があるのか、またそれをどのように解決していこうと考えておられるのかお伺いします。 ○議長(森脇勇人) 森山産業経済部長。 ◎産業経済部長森山郁夫) 暮らしの面での課題といたしまして、本人の日本語能力が十分でないことから、日本人との意思疎通が十分にできないことや、生活習慣や文化の違いから日本での生活に支障が出てくるといったことが上げられると思います。 今後、外国人労働者を初めとする在住外国人が増加するにつれて、子ども世代に係る教育環境の問題や、地域になじめないことによる問題の発生が想定されます。したがいまして、外国語による生活情報の提供や、関係機関やボランティアと連携した日本語教育など、相談サポート体制の充実を図る必要があると考えております。 ○議長(森脇勇人) 新井議員。 ◆9番(新井昌禎) 既に都会地の学校等では、学校の通知文書等が数カ国語で出されるという現状もあるようでございますし、日本語を覚えてもらうことも必要でしょうけれども、それまでの措置として、母国語になるだけ対応してもらうことも大切だろうと思っていますので、生活環境の改善あるいは教育環境の保障もぜひよろしくお願いしたいと思います。 人材の確保と生産性の向上は、スピード感を持って同時に取り組まなければならないとても重要な課題だと考えます。PDCAサイクルを回しながら確実に進めることにこだわらず、まずはやってみて確認と修正をしていくことも大切だと思いますので、ぜひ積極的な取り組みとなるようよろしくお願いします。 次の質問に入ります。 日本における超高齢化社会の到来は、厚生労働省の人口動態統計からも明らかになっています。しかし、それによってどのような問題が発生するのかについて、具体的なイメージができていないと思います。ジャーナリスト河合雅司氏の著書「未来の年表」では、2020年、女性の半数が50歳超え、2024年、3人に1人が65歳以上、2033年、3戸に1戸が空き家、2039年、火葬場が不足、2040年、自治体の半数が消滅、2042年、高齢者人口がピークを迎えるなど、超高齢化社会で発生するさまざまな問題が具体的に指摘されています。 第1次ベビーブームを含む1945年から1950年ごろ、日本の世帯別出生率は4から5とされており、1949年には最多の約270万人の方が生まれていました。そのころに生まれた方が2010年から2015年には65歳、2020年から2025年には75歳になります。一方、2016年の合計特殊出生率は1.44で、年間の出生者数は98万人、2017年は1.43で約95万人となり、2年連続で100万人を切ってしまいました。 現在、さまざまな人口減少対策により、出生率は2005年に記録した最低の1.26から少し上昇はしていますが、出生者数は減少し続けています。その結果、日本の人口構成において65歳以上の比率が急速に上昇し、年金を初めとする社会保障費が急速に増大することになります。また、いわゆる就職氷河期に社会人になり、正規雇用になることができず、収入が不安定で低賃金な非正規雇用となった方々、いわゆる貧困層の高齢化も問題になっています。 こうした方々の一部には未婚のまま親と同居し、生活を親の年金等の収入に依存していることがあります。将来、親が死亡することなどで年金収入がなくなると、たちまち生活が破綻し、生活保護対象者になってしまいます。その全てを生活保護で負担すれば、約20兆円にもなると言われており、超高齢化社会の到来に伴い、増加するこうした社会保障費の財源を確実に確保することが大きな課題となります。 この課題を克服するためには、先ほど質問した生産性革命による国際競争力の確保は必須のものであり、加えて日本全体の経済規模を拡大させ、税収をふやしていく必要があります。少子高齢化社会の中で経済規模を拡大させていくためには、世界経済の成長とともに日本経済を同期的に成長させることが必要になります。 先日、世界銀行が世界の経済見通しを発表しました。世界全体で見ると、2018年の成長率は3.1%で、2019年も3.0%とされています。2018年の日本の実質経済成長率は1.0%で、1月時点から0.3ポイント引き下げられました。その要因は、原油価格の上昇に伴うガソリンの値上がりなどにより家計の所得が実質的に減り、景気の足を引っ張るとされています。 その一方で、現在日本の個人金融資産は約1,880兆円あると言われており、その額は過去最高で、前年と比較しても3.9%の増となっています。その内訳は、現金、預金が961兆円で51%を占めており、株式や投資信託などいわゆる元本毀損リスクの高いリスク資産の割合は17%となっています。なお、外貨資産は55兆円で3%しかありません。 また、高齢化社会の進展により、2030年には個人金融資産の70%程度を65歳以上が保有すると推定されています。これまで日本人が資産をふやす、運用する、使うよりも働く、ためる、残すということを選択してきた結果だと思います。さらに、金融に対して何となく怪しいとか、何となく危険なものとされており、経済や商売の成立のための資金を融通するという本来の意味が余り理解されてきませんでした。 「未来の年表」が指摘している2024年に3人に1人が65歳以上となる超高齢化社会への備えとして、これまでは公的な社会保障制度によって支えられる側とされてきた資産を持つ高齢者が、これまで蓄えてきた金融資産をうまく将来の生活に生かして、格差や貧困に苦しむ支える側、いわゆる現役世代の負担を軽減していく必要があると思います。そのためには高齢者に対する資産運用を含めた金融教育を行っていかなければならないと思います。 また、近年資産を持つ高齢者が高額の特殊詐欺被害に遭う事例が多発し、社会問題化しています。現在、公民館等で実施されている生涯教育の一環として金融教育を取り扱う必要があると考えますが、所見をお伺いします。 また、こうした正しい金融教育については、子どものころから学ぶ必要があると思います。学校教育における金融教育の必要性についてもお伺いしたいと思います。 ○議長(森脇勇人) 高橋副教育長。 ◎副教育長(高橋良次) まず、生涯学習の一環としての金融教育を扱うことについてでございますけれども、広い意味におきまして消費者教育に金融教育も含まれているものと考えております。議員御指摘のとおり、超高齢社会の到来という時代背景を受けまして、社会的にその教育の重要性は高まっていると思っております。 そのような中、平成30年2月に策定いたしました松江市消費者教育推進計画におきまして、金融知識あるいは被害防止にかかわる出前講座などございますし、広報活動を通じて公民館においても実施することを施策として掲げているところでございます。 また、計画策定時に行った市民アンケートにおきましても、必要における教育の場として、やはり地域で講習会が受けられるようにという要望もあるようでございまして、各地域で身近な消費者教育の機会を得られるよう、公民館と連携を図ってまいりたいと考えております。 また、学校教育における金融教育の必要性についての所見でございますけれども、学校教育におきましてもやはり金融教育の必要性を感じているところでございまして、発達段階に応じて年間指導計画に位置づけて指導すべきものと考えております。以上です。 ○議長(森脇勇人) 新井議員に申し上げます。質問は簡潔明瞭にお願いいたします。 新井議員。 ◆9番(新井昌禎) 今言ったように金融教育はぜひよろしくお願いしたいと思います。 個人資産のみならず、各自治体が保有する公金についてもふやす、運用する、使うといった考え方は大切だと思います。東京都では既に安定運用と元本保証を前提に、海外の金融機関との連携についても検討されているようでございます。一地方自治体が単年度の財政運営を行いながら、超高齢化社会への備えを行っていくことは大変難しいことだとは思いますが、将来の自主財源の一つとして考えておく必要があると考えます。御所見をお願いします。 ○議長(森脇勇人) 講武財政部長。 ◎財政部長(講武直樹) 公金の運用につきましては、従来定期預金による運用を行ってまいりましたが、低金利の状況が続いておりましたので、平成27年度から基金の一部について債券による運用を開始しております。さらに、平成29年度からはスケールメリットを生かした効率的な運用と事務の軽減を目的に、個々の基金ごとに運用、管理をしておりましたけれども、複数の基金を一括して運用する方式に変更しております。 それによりまして、昨年度の実績でございますが、基金全体160億円余りのうち10億円を債券で運用し、残りの150億円余りは定期預金で運用いたしました。これにより債券運用で1,000万円、定期預金等で1,300万円と合計で2,300万円の運用益を生み出したところでございます。今後も安全性、流動性を確保することを大前提といたしまして、効率的な運用を図ってまいります。 ○議長(森脇勇人) 新井議員。 ◆9番(新井昌禎) ありがとうございました。ぜひこれからも効率的な運用を検討いただきたいと思います。 最近話題になっておりますブロックチェーン技術を活用した電子地域通貨も話題になっておりまして、地方創生の新しい可能性としてぜひ御検討をよろしくお願いしたいと思います。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(森脇勇人) 以上で本日の日程は全部終了しました。 本日は、これにて散会いたします。 〔午後4時12分散会〕...