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12月05日-02号

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  1. 松江市議会 2016-12-05
    12月05日-02号


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    平成28年第4回11月定例会    平成28年第4回松江市議会定例会議 事 日 程(第2号) 平成28年12月5日(月曜日)午前10時開議 第1 一般質問     森 脇 勇 人  議 員     川 島 光 雅  議 員     川 井 弘 光  議 員     篠 原   栄  議 員     片 寄 直 行  議 員────────────────────────────────────────本日の会議に付した事件 一般質問  森 脇 勇 人  議 員  川 島 光 雅  議 員  川 井 弘 光  議 員  篠 原   栄  議 員  片 寄 直 行  議 員────────────────────────────────────────出 席 議 員(33名)    1 番   岩  本  雅  之    2 番   新  井  昌  禎    3 番   長 谷 川  修  二    4 番   柳  原     治    5 番   芦  原  康  江    6 番   吉  儀  敬  子    7 番   橘     祥  朗    8 番   野 々 内     誠    9 番   森  本  秀  歳    10 番   森  脇  幸  好    12 番   貴  谷  麻  以    13 番   野  津  照  雄    14 番   川  島  光  雅    15 番   石  倉  徳  章    16 番   田  中  明  子    17 番   畑  尾  幸  生    18 番   吉  金     隆    19 番   松  蔭  嘉  夫    20 番   南  波     巖    21 番   津  森  良  治    22 番   森  脇  勇  人    23 番   宅  野  賢  治    24 番   川  井  弘  光    25 番   桂     善  夫    26 番   篠  原     栄    27 番   林     干  城    28 番   片  寄  直  行    29 番   三  島  良  信    30 番   石  倉  茂  美    31 番   三  島     進    32 番   立  脇  通  也    33 番   比  良  幸  男    34 番   山  本  勝 太 郎───────────────────────欠 席 議 員(なし)───────────────────────欠     員(1名)───────────────────────事務局職員出席者  事務局長    樋  原  哲  也  次長      門  脇     保  議事調査課長  二  村     眞  書記      田  中  孝  一  書記      尾  添  和  人  書記      岡  田  美  穂  書記      野 々 村     繁───────────────────────説明のため出席した者  市長      松  浦  正  敬  副市長     能  海  広  明  副市長     吉  山     治  政策部長    星  野  芳  伸  大橋川治水事業推進部長          古  藤  俊  光  総務部長    三  島  康  夫  総務部次長   黒  田  研  治  防災安全部長  多 久 和  正  司  財政部長    講  武  直  樹  産業観光部長  矢  野  正  紀  観光事業部長  錦  織  裕  司  市民部長    早  弓  康  雄  健康福祉部長  井  田  克  己  環境保全部長  山  内  政  司  歴史まちづくり部長          藤  原  亮  彦  都市整備部長  小  川     真  消防長     渡  部  正  夫  教育長     清  水  伸  夫  副教育長    広  江  み づ ほ  副教育長    古  藤  浩  夫  上下水道局長  渡  部  厚  志  上下水道局業務部長          山  本  哲  也  ガス局長    青  木  保  文  交通局長    川  原  良  一  市立病院院長  紀  川  純  三  市立病院事務局長安  部  裕  史─────────────────────── 〔午前10時00分開議〕 ○議長(山本勝太郎) おはようございます。これより本日の会議を開きます。─────────────────────── △日程第1 一般質問 ○議長(山本勝太郎) 日程第1「一般質問」を行います。 各会派の代表質問を行います。 順次発言を許します。 22番森脇勇人議員。 〔22番森脇勇人議員登壇〕 ◆22番(森脇勇人) おはようございます。松政クラブの森脇勇人でございます。会派を代表して質問いたしますので、御答弁のほうよろしくお願いいたします。 12月議会の代表質問であり、本来であれば、来年度予算の編成の考え方、また計画事業の考え方を問うのですが、今回は私たち議員も市長も、来年4月には改選の時期を迎え、来年度予算は骨格予算となります。そのようなことから、今回の質問は今まで私どもの会派で質問してきた内容について、改めて現在の状況についてお伺いをしたいと思います。 最初に、防災対策について伺いますが、質問に入ります前に、先般10月14日に長野県長野市で行われた第25回全国消防操法大会のポンプ車の部において、松江市消防団玉湯方面団が185点の高得点で優勝されました。松江市消防団始まって以来の快挙であり、日ごろの消防団の訓練の成果であり大変誇りに感じるとともに、敬意をあらわします。今後の消防団の活動にますますの期待をするところであります。 それでは最初に、防災対策についてお伺いをいたします。 9月の決算総括質疑の中で個人市民税について触れさせていただきました。内容は個人市民税においては、東日本大震災を契機に自治体が防災対策に係る費用の財源を確保するために、平成26年度から10年間均等割が3,000円から3,500円と500円加算されることにより、年間約5,000万円増加しており、どのようなことに使われたのかというものでした。 平成27年度は具体的には女子高の校舎耐震補強工事、大規模建築物の耐震診断、改修補助、消防団の活動服の整備、土砂災害等警戒避難対策台帳の作成などに総額6億円が使われたとのことでした。また、ことし7月には会派研修を行い、住宅・建築物耐震改修について、松江市出身で国土交通省の由木住宅局長を講師として意見交換を行いました。由木局長は数年前には歴史まちづくり法の企画をなされており、当時私たちも松江市での交付措置を目指し研究したことがあり、率直にフランクに意見交換ができました。また、同じ研修で中越地震、新潟県中越沖地震を経験した日本一災害に強い都市を目指している新潟県長岡市を訪問し研修を行いました。このことを踏まえ何点か提案したいと思います。 まず、個人市民税の均等割の500円の加算措置は時限立法であり、10年間の期限つきです。防災対策の一般事業に使うのもよいですが、東日本大震災やことし初めに起きた熊本地震、先般発生した鳥取地震など災害は突然予期せずに起こります。税収の増加分は年間約5,000万円と決して多い額ではありませんが、せっかくの財源であり、突然の災害に対する備えに基金を組む考えはないかお伺いをいたします。 また、長岡市では、地震ばかりではなく、豪雨被害、豪雪被害と近年多くの災害を経験されており、その経験から災害対応について多くの独自の取り組みをなされています。例えばケーブルテレビを使い、災害対策本部を生中継で行い、関連情報を放送されています。防災対策室では、国、県、市の設置する市内各所の定点カメラや、カメラつき携帯電話を利用したリアルタイムの現地映像が閲覧できたり、本庁と支所のテレビ会議システム緊急告知FMラジオ緊急割り込み放送などができることなど、松江市でも取り組めないかと感じました。 また、松江市では被災者調査マニュアルが西宮市でつくられたものを参考にしているとも伺いましたが、熊本の地震ではこの西宮のマニュアルが使えず大変であったとも伺います。ことし新たな国の起債制度もあると伺いましたが、新たな被災者調査マニュアルの作成とともに、災害時の対応や利用については、市の職員、部局での情報共有が必要と感じます。松江市でも対応していくべきと考えますが、所見をお伺いいたします。 次に、境港出雲道路の状況についてお伺いします。 ここ数年私たちの会派でも、境港出雲道路については、国、県に対して毎年のように要望しておりますし、松江市においても同じく毎年のように要望されています。国においては防災道路の位置づけや半島振興などの位置づけにより予算措置ができるよう取り計らいもありますが、県においては動きが一向に進捗しないように感じています。原子力災害時の防災道路として、また圏域の観光、産業振興に必要な道路と考えますが、北道路のルートが決まるまで何もしないのではなく、調査区間に早くするなど、早目の対応が必要と感じますが、現状と市長の考えをお伺いいたします。 次に、支所と公民館についてお伺いをいたします。 松江市の公民館は、市が過去に財政再建団体であったため、公設自主運営が定着し、今では多くの自治体にも研究される公民館の制度となっていますが、社会体育や社会教育ばかりでなく、福祉事業を初め市の出先の機関という一面も最近では多くなり、毎年のように各公民館からは人的支援の要望があるのが現状です。また、旧町村のように面積の広い地域での活動や、公民館区の面積は狭いが、多くの人口のある公民館などその活動状況や置かれている環境はまちまちです。そのような中、市の職員は合併後400人の削減をしたところですが、企業局などを含めまだまだ削減はできると思われます。 支所と公民館の複合施設なども進行していますが、公民館に対しての事業の委託なども年々多くなり公民館の負担となりつつあります。今まで何回か提案もしてまいりましたが、この際、公民館規模により、市役所の職員の常駐や派遣を考えてはどうかと考えます。最先端の市の状況を把握する絶好の機会であり、職員の資質の向上にもつながると思いますが、所見をお伺いいたします。 また、市長は将来は支所は要らないと発言されたこともありますが、今後支所についてどのような考えをお持ちなのかお伺いをいたします。 次に、松江市のまちづくりについてお伺いをいたします。 最初に、まちづくりに対する私たちの考えを改めて述べさせていただきます。 私たち松政クラブでは、旧松江市・玉湯町・東出雲町で昭和45年12月から適用されていた都市計画における線引き制度、平成の大合併を経て市域が572.99平方キロメートルと拡大になり、市街化区域・市街化調整区域・用途地域・白地という規制ルールの異なる区域区分から構成される市域全体の現在の状況を客観的に見たとき、各地域の特性を生かした活力あるまち全体の今後のまちづくりを進めていくためにも、現行制度を一旦白紙に戻し、松江市の現状に合った用途や規制を十分に検討した上で、全国一律のルールではなく、松江市独自で生み出した新しい松江市のルールをつくり、導入した上で、拠点連携型のまちづくりを進めるべきと考えています。あわせて、特定目的税である都市計画税の課税をやめ、市街化区域以外のエリアや旧町村など合併してインフラ整備が進んできた地域の皆様にも、今後の都市インフラ維持管理経費を平等に負担していただくためにも、固定資産税の税率の改正を提案するものです。私たちがこのような考えに至ったのは、かつて旧松江市において経済界からの働きかけで、調整区域内の地区計画による工業団地・流通団地が造成・分譲され、さらには民間や県公社による宅地開発が進められたことにより、0.2%の都市計画税が課税されていない周辺の調整区域内の地区計画による団地へ勤務先や居住地が流出していった結果、中心市街地の空洞化が進み、まちの活力が失われ、新たな投資が行われないまま、駐車場ばかりが目立つ中心市街地になっていったという事実や、開発された団地では調整区域であるがための弊害があることを踏まえてのことです。さらに、こうした流れは、合併前の周辺町村をも巻き込み、旧町村の人口が旧松江市へ流出し続け、過疎化が進んでいくという事態を引き起こしました。また、郊外の市街化区域に含まれていない団地や調整区域、合併をした周辺町村においてもインフラ整備は進み、水道、下水道の普及率も100%に近づき、社会インフラが完了しつつあるからであります。特に松江市の市税収入の45%は固定資産税でありますが、その約80%は市街化区域の方が支払われています。インフラ整備も建設時はよいのですが、維持管理となれば市民平等な負担をしていかなければなりません。今後は城下町松江のあるべき姿、中心市街地を初めとした各地域のまちづくりのあり方や拠点連携のあるべき姿など、総合計画の中で市民の皆さんとともに考え、松江市のグランドデザインを考えなくてはなりません。 このような私たちの考えを述べさせていただいた上で何点か質問します。 さて、そのような中、下東川津で民間による地区計画のもとに行われる再開発が計画されました。この計画だと開発行為はほとんどが民間が行う内容であり、松江市の出費がほとんどないことから、私たちは今こそ拠点連携型のまちづくりの足がかりとなる計画と思い、この計画が実行されるべく当時提出されていた線引き制度の廃止に伴うまちづくり計画の推進についての陳情を採択しました。改選後市長は線引き制度を維持しつつ、まちづくりを行うと表明され、また2万5,000人から成る推進の陳情も含めて、この陳情や請願の採択の状況は何もないようにしてこられました。しかしながら、市長は私たちがどうしたらできるかという観点で政務調査を行い、調査研究して提案しても、できない理由を述べて前向きに取り組むことはありませんでした。市長は都市計画審議会の報告を受けて線引き維持を判断されたものですが、下東川津の開発には農振農用区域は含まれておらず、連担した農地・調整区域であり、商業区域はさておき、住宅開発は今の松江市には要らないということで都市計画審議会では採択されず、西持田の開発は市街化区域に隣接しているということで、今まで農業振興予算が投入された農振農用区域でありながら、開発されるものです。ましてや都市計画審議会で住宅は要らないとしておきながら、開発されるのは住宅です。住宅地ができれば今後交通アクセスや渋滞などの対策、子どもの通学路の整備など、さまざまな事業も必要になります。まちづくりの進め方として何ともつり合いしませんが、市長のこの地域のまちづくりの考え方をお伺いいたします。 また、幾ら立地促進計画により開発計画を立てようが、権限が市長に移ろうが、線引き制度を維持する限りは、市長みずからが開発をしないと言っているようなもので、農水省を初めとする省庁は市長が判断しない限りは許可を出すことはないと考えますが、線引きを残しながらどのようなことができるのかお伺いをいたします。 あわせて、松江市において残すべき、守るべき農地とはどのようなものなのか、その農地を守るために農地を所有する農業者に対してどのような政策を行うのかお伺いをいたします。 次に、拠点連携のまちづくりの中での拠点には、私は地域の雇用や病院、商業施設などが求められ、町を連携する交通循環が必要と考えますが、今まで市長が考えていた拠点には何が必要で何をなされたいと考えているのかお伺いをいたします。 また、旧町村では、地域雇用のための第三セクター方式での会社が立ち上げられましたが、市は50%以上の株主でありながら手当てすることなく、解散もしくは公共施設の適正化という大義名分の中で処理されようとしています。漁業や農業で暮らせなくなっている環境の中、周辺の町の雇用対策を市長はどのように考えておられるのかお伺いをいたします。 次に、城山北公園線についてお伺いをいたします。 城山北公園線は、今から60年前の昭和33年に都市計画決定され、2車線、幅員11メートルの都市計画道路として整備され、その後さまざまな検討がなされ、平成11年には宮岡市長、平成14年には松浦市長名で県道昇格と早期事業着手について、県土木部長に要望がなされ、平成15年には県道に認定され、4車線、幅員29メートルの都市計画道路として都市計画決定され、大手前通りまちづくりを考える会、ワークショップ、大手前道づくり委員会大手前道づくり協議会などにより沿道のまちづくりや街路の整備内容について多くの市民、沿道関係者を交えた活発な議論がなされました。しかしながら、第1工区も第2工区も当初の計画どおりに進捗せず、事業期間は平成29年度末までと延期されました。いみじくも、この道路は松浦市長が就任してから取り組んでいるにもかかわらず、いまだに完成していない道路です。あと一年となったわけですが、完成に向けての見通しをお伺いいたします。 特に道路は島根県が行うことになったのですが、沿道のまちづくりは松江市が取り組まなければなりません。しかしながら、道路完成を間近に控えているにもかかわらず、この地域のまちづくりのあり方が見えてきません。殿町再開発事業で建設されたビルには、一等地と言われながら、なかなかテナントが入らない状態が続いていましたし、舟つきの松周辺の公園整備も一部市民の反対により今年度の着工は不可能な状態です。また、沿道は近隣商業地域に変更されましたが、沿道は既に商業施設は少なくなり、ほとんどが住宅となっています。本来であれば、議会でも視察し、提案もしてきた金沢や富山、輪島などで行われている景観づくりに取り組むべきと考えますが、移転補償も終わり、新築住宅が建ち、既に遅しというところです。この沿道を地域の方々は商業施設化してほしいのか、それともお城までの通りを松江らしい風情のある通りにしたいのか、また市長はどのような通りにしたいと考えているのかお伺いをいたします。 ここまで質問をしてきましたが、最後に地域創造の根本であるコミュニティーの維持再生と行政の役割について考えを提案します。 私は美保関町出身ですが、最近夜に車を運転していますと大変気になり、寂しい気持ちになります。それは家並みが続くところでは、あの町でもこの町でも、5軒のうち2軒から3軒、どうかすると1軒しか明かりがついていません。また、私の住む地区には私の息子夫婦の子どもが生まれても、同級生になる子どももいません。高齢者世帯の方々には家族はいますが、正月や盆にしか帰ってきません。 少子高齢化、過疎化、人口減が急速に進む現状から見て、今後の施策、対応について質問、提案をいたします。 質問の趣旨は、若い夫婦が安心して子育てでき、高齢者が安心して暮らせるコミュニティーが維持され続けることが、Iターン、Uターンの人々もふやすことができる根源だというところにあります。 1点目は、自治会町内会の住民負担についてです。 人口が減り続け、高齢化が進む周辺部の自治会と市街地にある自治会の住民負担の格差です。周辺部の自治会では、町内会費、社協会費、日赤社費、地区消防会費、体育協会費など合わせると年間2万5,000円から、多いところだと4万円を超える合計額になるとお伺いをいたします。翻って、市街地にある川津や乃木地区では、1世帯当たり年間7,000円から8,000円の負担金で運営できていると伺っております。 商店、大型店、ガソリンスタンド、公共施設、保育所、幼稚園などがあり、便利がよくて、その上、町内会費、自治会費が安いなら若い夫婦にとっても高齢者にも住みよいと思われます。店もなく、ガソリンスタンドもなく、へんぴな上に自治会費が高いとなれば、若い夫婦にとっても国民年金だけで暮らしている高齢者にとっても住みづらいと考えます。 そこで提案です。町内会自治会連合会公民館運営協議会、社協と市が協働で市内全自治会の住民負担金の種類、金額の調査をなされてはいかがでしょうか。その際に島根大学などの協力を得ることも有意義と考えます。その調査の結果、1世帯当たりの負担金の額の違いだけでなく、負担する経費の種類や社協の会費、日赤社費への考え方の違いなどがわかると考えられます。そこから今後のコミュニティーの維持と新たな発展のための手がかり、方策が見えてくると考えます。都市部のみならず、特に周辺部が活性化するよう、若者や若い夫婦が住んでくれるコミュニティーづくりにつなげていただきたいと思います。また、企業協賛などの協力を得て周辺のコミュニティーへは地方交付税制度のようなことも考えられます。別の角度からは、公民館活動、自治会活動、地区社協、体協、交対協、消防団などをどうしていくのかということも見えてくるものと推定されます。 2点目は、各集落、コミュニティーに密接に関係する社寺の件です。 内容に入る前に、11月6日の山陰中央新報の記事を紹介します。島根大学と寧夏大学は、10月に持続可能な農山村地域のまちづくりを考える国際学術セミナーを松江市で共催された。これにあわせて初来日された寧夏大学教授の周震氏が県内の中山間地を視察され、飯南町谷地区について次のように述べられています。「伝統文化の保護が進んでいると感じた。谷地区の神社では宮司が34代目と聞き、つながりの長さに驚いた。ちょうど祭りの時季だったが、神社という文化的な施設が周辺住民を集める地域の中心的役割を果たしていることに感心した」。このことを前提に提案したいと思います。 日本創成会議が2040年に消滅可能性都市としている896市町村に宗教法人の35.6%に当たる6万2,971法人が存在するとのことです。そのうち神道系が約3万3,000弱、仏教系が2万5,000弱であり、約6万3,000法人の9割以上を占めているとのことです。これは國學院大の宗教社会学の石井研士教授の調査結果です。 さて、人口が激減する島根県、そして松江市ではどうでしょうか。有名な社寺や氏子、檀家組織がしっかりした社寺は別として、過疎化が進み、氏子、檀家が減り、近い将来維持することができなくなるおそれのある社寺はないのでしょうか。大いに気になり心配になります。政教分離といえど、日本国の成り立ち、そして今日まで国がまとまって続いてきた根幹であり、私たちのアイデンティティーに深くかかわっているのが神道であり仏教です。今を生きる私たちの日常生活にも、人によりけりで、濃淡はありますが、切っても切れない重要なことです。私の地元の美保関町の美保関では美保神社のお祭りと地区での生活や年中行事は完全に一致しており、地域文化の継承を普通のごく日常の生活とされており、そのことは文化庁からも一定の評価をいただいております。 さて、過疎化が進む周辺地域の各集落で神社が、お寺がなくなっていけばどうなるのでしょうか。市民生活に、コミュニティーにどんな影響があるのでしょうか。そこで提案しますが、島根大学と町内会自治会の共同研究とし、経費は松江市が負担し、調査ができないものでしょうか。若者、若い夫婦、高齢者が安心して暮らせるコミュニティーの維持発展の観点からお伺いをいたします。 この項目に1つつけ加えますが、枕木山華蔵寺の修復についてであります。 松江城の国宝化がなりましたが、松江城の表鬼門は普門院であり、枕木山華蔵寺です。城の置かれている意味や文化を考えれば、お城だけでなく、鬼門もきちんと整備しないと画竜点睛を欠くというものです。文化的にも観光面からも整備が待たれます。また、華蔵寺は半島部に末寺があります。末寺がある集落、コミュニティーが維持され活力があることが枕木山華蔵寺の修復の際には大きな力となります。 3点目は、拠点、結節点(ジャンクション)づくりによる周辺部の活性化と圏域の都市との連携についてです。 中海と宍道湖に抱かれた松江市には、拠点が4カ所あると考えられます。東側中海南岸、東側中海北岸、西側宍道湖南岸、西側宍道湖北岸です。今回はこれまで全く手がつけられてこなかった松江市北東部の拠点、結節点について考えていることを述べ、市当局の見解についてお伺いをいたします。 鹿島町、島根町、持田、朝酌、本庄、八束町、美保関町と市中心部、そして隣接する他市との結節点です。観光面からは大社、佐太神社、加賀、美保神社、隠岐、境港への結節点です。出雲空港、七類港、境港、米子空港を結ぶ拠点です。大規模災害時、有事には自衛隊出雲駐屯地、島根原発、加賀港、七類港、高尾山分屯基地、境港、美保基地、米子両三柳の自衛隊の駐屯地を結ぶ拠点です。そして、日常的な生活面から見ると、各地域のコミュニティーから通勤、通学、通院、買い物のための結節点です。この結節点に各種商業施設、医療機関、保育所、教育施設を配すれば、若者が、若い夫婦が御津でも、瀬崎でも、笠浦でも、片江でも安心して住めます。津々浦々の豊かな自然、物々交換でも手に入る新鮮な海産物、地区ごとに異なる特色ある伝統行事と人間らしい暮らしができます。 高度成長期の時代は全国の地方の若者が一旗上げようと東京を、大都会を目指しましたが、現在の若者は大きく意識が変わり、地元に住み続けたいと思う人がふえています。鹿島町、島根町、美保関町にも空き家がたくさんあります。少し手を加えれば十分住める家があります。今も美保関では松江観光協会美保関町支部の元日本航空職員の住吉事務局長が定住してくれそうな若者を案内して町内を歩いています。住吉氏によれば、問題点の一つがすぐに住める空き家に仏壇が残っていることだそうです。お寺で預かれないものなら、市の遊休施設を利用して仏壇預かり所を開設するのもよいのかもしれません。また、合併前の島根町などでは地域の方の雇用対策として縫製工場などが誘致され、地域の主婦の皆さんが歩いて仕事場に行けるような環境整備をされていました。これは若者定住を促すための条件整備の一例です。 1点目の質問、2点目の質問も、その条件整備の一例です。 この3点目は、単なる線引き問題や土地開発、不動産投機ではなく、市民、庶民が働きやすく、かつ住みやすいまちづくりを考えてのことです。 この拠点整備にあわせて、通学が不便で手狭になった県立養護学校の移転、松江刑務所の移転、またいずれ縮小せざるを得ない県立松江東高校と市立女子高の前向きで卒業生が誇れる整理、決着などを考えると、土地利用ということだけでなく、ハード、ソフトに、産業の高度利用及び教育に総合的にまちづくりが可能です。まず、市民の職、住のための拠点、そしてその拠点による中海・宍道湖圏の都市、隠岐との連携を図り、結果的に中核市以上の成果をもたらすことこそ目指すところと考えます。 県の歴博と松江市の歴史館の企画展示など比較すると松江市の歴史館の学芸員の皆様も大変頑張っておられますが、まだまだ力量の差があるように感じます。同じく極めて専門的な分野である保健所は、現在の松江市の能力ではとても手に合わないと思います。そして、多くの市民は直接には県だろうが市だろうがどうでもよいと関心の外にあることです。 上から目線、上意下達の中核市づくりではなく、市民に寄り添った住みやすい地域づくり、拠点づくりによる足元から築き上げる中海・宍道湖・大山圏域の一体化であれば、1点目、2点目の項目とともに、執行部と私たちが両輪となって推進していけるものと考えています。 以上で質問を終わりますが、今回代表質問ではありますが、私の個人的な見解も多く含まれています。まちづくりについては、橋北からどんどんお店が移転している現状、また商業施設や雇用が周辺の他市に流れている現状、県庁が松江市にいつまであるかなど、個人的には大変危惧しております。 明快な答弁を求め、質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(山本勝太郎) 松浦市長。 〔松浦正敬市長登壇〕 ◎市長(松浦正敬) 森脇勇人議員の代表質問にお答え申し上げたいと思います。 まず第1点目は、防災対策ということでございます。 平成26年度から500円、個人の市民税の均等割がプラスをされているということで、これについて基金をつくって緊急時にこれを充てたらどうかという御質問でございます。現在、いわゆる個人市民税の加算、これにつきましての使い道でございますけれども、これはいわゆる緊急に実施をする防災対策の財源を確保することが目的になっております。さらに、今回の質問でも種々出ておりますけれども、緊急防災・減災事業が平成23年からできております。これらはいずれも災害を未然に防ぐという意味での防災対策事業にこれを充てていくという位置づけになっているわけでございますので、私どもこうした税金の加算、あるいは新たな防災・減災対策事業を財源として、防災対策事業に充てていきたいと思っております。 一方で、いつ起こるかわからないこうした災害に備えるための基金づくりも私はこれは必要だと思っておりますが、実は現在の財政調整基金条例におきましては、災害により生じた経費の財源または災害により生じた減収を埋めるための財源に充てるときに取り崩しをすることができるという規定があるわけでございまして、森脇議員がおっしゃいました趣旨につきましては、財政調整基金の確保によって対応してまいりたいと思っております。 2点目は、長岡市の視察等々の結果としましての御意見でございます。 長岡市の実情につきまして、情報提供をいただきまして、私どもも長岡市に実情を確認したわけでございますけれども、議員御指摘のような形でいろいろな国とか県であるとか、諸団体からの情報がリアルタイムに映し出されるというシステムができ上がっているということでございまして、私どももこれは今後参考にしていきたいと思っております。 それから、被災者支援システムにつきましては、ことしの9月議会におきまして田中議員からも御指摘がありました。その際、申し上げましたように、防災部局だけでこの情報が収集されるということではなくて、住基の担当であるとか、税の担当であるとか、いろいろな部門において情報を共有していくことが大変大事だという御指摘を受けまして、私どもそうしたことにつきまして、今後対応していかなければいけないと思っております。 先ほどの防災・減災事業につきまして、先ほどの長岡市のようなシステムの改修、それからこうした被災者支援システムの作成といったものが、今回新たに対象となりましたので、こうしたものにつきまして今後財源を充てて検討していきたいと思っているところでございます。 2点目は、境港出雲道路でございます。 私どももこれまで言われてきております8の字ルート、それから今中海・宍道湖・大山圏域のいろいろな発展、あるいは防災避難道路といういろいろな利点がございますので、一日も早くこうした道路につきまして完成をしていただきたいということを従来から県のほうに申し出をしてきております。 現在、この路線は平成10年に計画路線という形で指定をされているわけでございますが、全長70キロメートルのうち、完成を見ておりますのが、松江だんだん道路、あるいは出雲のほうの東林木バイパス、これを合わせて13.2キロメートルが整備済みということでございます。 そこで、私どもはこれまでも知事に対しまして、境港出雲道路の整備方針、あるいは整備計画を明確にしていただきたいということ、それからその一部であります松江北道路の整備につきまして、要望を行ってきておりますし、先般も要望を行ったところでございます。 知事のほうからは、境港出雲道路は中長期的に整備していく方針であるけれども、まずは北道路の早期事業化を目指すというコメントがあったところでございます。 私どもは森脇勇人議員の御指摘がございましたように、例えばこの境港出雲道路の調査区間に早くするという形でやってほしいと言っているわけですが、県のほうの考え方は、財源を確保した上でそうした形をとっていきたいというのが基本的な考え方でございます。 したがいまして、今回県のほうに、知事に確認をしましたのは、これが今後も境港出雲道路について整備をしていくという県としての考え方を確認いたしたわけでございますので、そうしたものを前提にこれからさらに早期整備を要望していきたいと、あるいは我々のほうでも取り組んでまいりたいと思っているところでございます。 3点目は、支所と公民館の問題でございます。 公民館の規模によって市職員の常駐、派遣を考えることについて所見を伺うということでございます。 この問題につきましては、本会議でいろいろな議員のほうから御意見をいただいているわけでございますが、まず公民館がいろいろ行政からの依頼事項が最近どんどんふえてきて、本当にいわゆる負担感といいますか、そうしたものが非常に大きくなっているということがございましたので、私どもも担当課で内容を確認いたしまして、公民館長会でも精査をいただいたところでございます。このことにつきましては、本会議でも申し上げましたように、量的な問題、それから質的な問題といった両面があるわけでございますけれども、質的な問題につきましては、私どもの事業の内容をわかりやすく御説明を申し上げて、御理解をいただくということと、量的な問題につきましては、できるだけこれは削減を図っていくということで、およそ2割程度は削減が可能、あるいは削減ができていると考えております。引き続きこの負担感の軽減に努めていく必要があると思っております。 その上で、公民館職員の体制の問題につきましては、いろいろな議員方の御指摘等々も踏まえまして、来年の4月から一部変更いたしまして、人口規模による業務量の偏在を解消していきたいと思っております。具体的には、区域内の人口1万人以上の大規模館でございますけれども、川津、乃木、古志原、津田、法吉の5館につきましては、1名増員をいたしまして、職員4名体制とさせていただきたいと思っております。 なお、公民館への市職員の配置という問題につきましては、これは公民館の運営が公設自主運営方式で行われておりますし、またこの方式が非常に高く評価をいただいております。こういう趣旨から鑑みますと、適当ではないと考えております。 今後も行政と公民館、互いの強みを理解、あるいは協力し合いながら、総合力で地域の課題に取り組んでまいりたいと思っております。 それから、今後の支所についての市長の考え方ということでございます。 支所につきましては、この本会議でもたびたび申し上げておりますように、私はやはり地域におきます住民自治を今後も一層進めていく必要があると思っております。そういう意味では、支所ではなくて、これは公民館においてこうしたいろいろな住民自治をやっていくことが望ましいと私は思っております。したがいまして、松江市が今行っております公民館の自主運営方式が望ましいものと思っておりますし、また全国的にもこの自主運営方式が高い評価を受けているわけでございます。 今後、支所につきましては、公民館に統合していくことが望ましいと思っておりますが、当面、住民手続、あるいは保健・福祉といった基本的な住民サービス、それから地域の防災拠点としての安心・安全につながる業務、あるいは地域の資源などを活用いたしました地域振興の機能などは、地域の住民の方にとりまして、より身近な機能でございますので、こうしたものにつきましては、当面維持をしていきたいと思っております。 4点目は、松江市のまちづくりにつきまして、いろいろな立場から御意見をいただいたところでございます。 まず、今後の市長としてのまちづくりについてどう考えるか、そして線引きを残しながらどのようなまちづくりが可能なのかというお話でございます。後に出てまいります拠点の問題とも関連いたしますので、あわせて御答弁申し上げたいと思っております。 私はこれからの松江のまちづくりにつきましては、やはり持続可能な、もっと言いますと、何世代にもわたって住み続けることができる、そうしたまちをつくっていく必要があるだろうと思っております。そのことが森脇議員もおっしゃいましたように、例えばコミュニティーを維持するとか、あるいは神社、あるいは伝統文化、歴史、自然を保存、継承していく上において、やはり一番大事なことだと思っているわけでございます。 一方で、私どもは昭和30年から昭和40年にかけまして郊外に人工的な団地を造成いたしまして、人々の住まいを提供するということを行ってまいったわけでございます。 その結果がどういうふうになっているのかと、今申し上げましたように、持続可能な集落が形成されているのかどうかということになりますと、いささかこれは懸念材料が非常に大きい。最初のころはたくさんの子どもが生まれて、その子どもに対しての例えば学校の増設だとかという問題が出てまいりました。最近では、高齢化に対してどういうふうに対応していくかという問題が出ておりますが、これらはいずれも世代交代といいますか、そうしたものが行われていないことが一番大きな原因でございます。したがいまして、この一つの集落なりでいろいろな世代が交代で住み続けることが、持続可能なまちづくりにつながっていくだろうと私は思っておりまして、そうしたまちづくりを私どもはやはり目指していかなければいけないだろうと思っております。 そういう視点で、それではこれまでのまちづくりが、いわゆる線引きがどのように影響を与えているかということを考えてみますと、一方においては線引きがあることによって、郊外へ郊外へというあの当時のいわゆるスプロールを防いできたという面はあると思いますけれども、一方においては、例えば従来の集落、市街化調整区域の中での集落の中で、新しく住宅を建てていくとか、次男、三男の人がそこに住んで、新しく住宅を建てていくということが、これができないという制限があったということで、結局のところは集落の人たちがそちらのほうへ、新しい団地内に流れていったということがございます。 また一方、中心部の人たちも、そうした市街化区域で整備をされました団地の中へ住んでいくという流れがあって、両方の面から周辺部の集落、あるいは中心部の住宅といいますか、そうしたものが衰退をする原因をつくったと思っております。 こうしたことをいろいろ考えながら、どうしたらそれでは持続可能なまちづくりが可能なのかということを、やはりもう一度考えていく必要があるだろうと思います。 森脇議員の御質問で例えば線引きを残しながらどのようなまちづくりをするかという問題設定をされますと、非常に限定的な考え方になってしまうわけですが、私自身は線引きはちょっと少し横に置いておいて、先ほど申し上げました、例えば持続可能なまちづくりを行うためには、ではどういうことが必要なのか。しかし、野方図にやっていくというわけにいきませんので、当然一定の土地利用の規制が必要になってくるわけですけれども、そういったことを一緒になって考えていくことが必要だろうと思います。ただし、現実に線引きを今すぐ廃止してしまうことになりますと、どういう混乱が起きるかわからないということがありますので、その点については、やはり今の線引き制度は残すけれども、考え方としては、では白紙に戻したような形で一旦持続可能なまちづくりにするためにはどうしたらいいかということを考えていくことが私の基本的な考え方でございまして、森脇議員がおっしゃっているお話と食い違うところはないと思っております。 それでは、どうすれば持続可能なまちづくりが可能なのかということでありますけれども、私は、今全体として人口が減少するわけですね。松江市においてもしかり。そういう中で、例えばある地域に生活利便施設なり、そうしたものをどんと集中をさせていくことだけで、この持続可能なまちづくりはできないと思っているわけでございます。それはなぜかというと、例えばそこに生活利便施設ができますと、当然それを目指してまたたくさんの人たちがそこに住むようになっていくことになると、先ほど申し上げましたような既存の集落だとかが、また崩壊といいますか、人口減少していく、あるいは中心部がまた崩壊していくことの引き金になっていく可能性があると思っております。 したがって、それでは何をまず前提として考えていかなければいけないかというと、いかに多くの人を外からUターンだとか、Iターンだとかという形でこの市内に呼び込んでいくかという施策をやはり考えていくことが大変大事だと私は思っております。どんどん減っていく前提の中で、例えばその人口をどこかに集中させていくとかというやり方は、これは持続可能なまちづくりをしていく上においては、これはちょっと問題があるだろうというのが私の考え方でございます。 したがいまして、物をつくり出す産業、1次産業もしかりでございますけれども、2次産業、ここのところをしっかりとやはり根づかせていく、あるいは企業誘致をしていくことが大変大事だと私は思っております。しかも、例えば2次産業、1次産業もそうですけれども、単なる例えば都市部の下請では、これはやはりだめだろうと。いわゆる元請の企業がそこで注文を停止してしまえば、それで終わりになるわけでございますので、やはりものづくりの企業の例えば自社製品を一つきちっとつくり出すとか、あるいは自分独自の、ほかにはまねできない技術を磨き上げるという努力があわせて必要だということで、そのような1次産業、あるいは2次産業を育てる、あるいは誘致をしてくることが、これが大前提になってくるだろうと思っております。 さらに、そういう形で外から人を呼び寄せてくる場合に、新たに団地をつくるとか、そういうことではなくて、私はできるだけ既存の集落、あるいは既存の例えば中心部でいきますと、それを集落といえば集落なんですが、そういったところに入ってもらうことが、これが一番大事だと思っております。そのことがやはり持続可能なまちづくりをやっていく上において大変大事なことになってくると思っております。 やはり人工の団地をつくっていくことは、先ほど申し上げましたように、過去の例から見まして、これは避けていく必要があると思っております。したがって、御指摘があります拠点も、単にそういった生活利便施設をそこにそろえれば、それで拠点になるということではないと私は思っておりまして、例えば既存の集落にそういった方々が住んでもらうと、その場合に必要があれば、例えばいろいろな集落を束ねた形でのいろいろな生活利便施設をそこに設けていくことも必要になってくるだろうと思っております。したがって、拠点ということを何か一つの点のような形で、そこに集約をしていくという考え方は、これは避けていかなければいけないし、いろいろな機能をつないでいくという考え方は必要だろうと思いますが、ある程度一定の集落の連携されたものの中で、生活の利便施設を今よりもさらに利便性を高めていくことが必要だと、それを拠点といえば拠点ということになろうかと思っております。 そうしますと、やはり線引き制度もこうしたものを踏まえて、今後線引き制度の是非についても検討をあわせてしていく必要があると思っているところでございます。 それから、残すべき農地がどのようなものかということでございますけれども、今回御承知のように、10月に松江市は農地転用の許可権限を、これは今まで県、あるいは国が持っていたわけでございますけれども、これが全て松江市におりてきたということでございます。このときの条件が、国と我々との間でどれだけの農地を確保するかということを合意して、それに基づいて我々は農地転用を考えていくことになったわけでございます。 その中で、ではどれだけの農地ということになっているかといいますと、いわゆる農用地区域内の農地を確保していくということで、具体的な数字といたしましては、4,220ヘクタールとなっているわけでございます。この総量規制をきちっと我々としましては、守っていく必要があると思っております。 これらの農地に対しましては、例えばいわゆる集積を加速化していく、あるいは基盤整備を行いまして生産性を向上させていくということをやはり支援していく必要があると思っておりますし、それから集落営農の組織化、法人化も推進をしていきたいと思っております。あるいは、中山間地につきましては、直接支払交付金、あるいは多面的な機能の支払交付金といった補助事業を活用しての維持保全も図ってまいりたいと思っております。 それから、拠点につきましては、先ほど申し上げましたとおりでございます。 5点目は、漁業や農業で暮らせなくなった周辺の町の雇用対策をどのように考えていくのかということでございますけれども、これまで周辺部におきましては雇用吸収力のある大きな事業所の誘致が難しくて、そうした中で各地に設置をされました公共施設、あるいは第三セクターが地域振興、あるいは雇用の場としての機能を持ってきたということであります。しかしながら、いろいろな時代の変化、ニーズに合わせまして、その意義や役割が低下してきたものもあるわけでございまして、事業の見直し、あるいは人員の整理は避けて通れないものと思っております。 今後、それではどういう形で周辺の町の雇用対策を考えていく必要があるかということでございますけれども、今農水省あたりで進めようとしておりますけれども、いわゆる6次産業化がございます。こういった単にこれまでのようにつくり出すだけではなくて、それをもとに加工し、そしてそれを流通に乗せていくという一連の流れをつくり出していくことが必要ではないかと思っております。農水省の6次産業化は、どちらかというと、いわゆる農家が2次産業、あるいは3次産業も一緒にやるというイメージでどうも考えられているわけでございますが、これはなかなか私は現実的ではないと思っておりますので、これはやはり農家、あるいは加工業者、あるいは流通業者といった人たちが連携をして、そういったものをやっていくと。私どもが言っております商社機能をそこに働かせていく必要があるのではないかと思っております。 そういうことをやりながら、そこに雇用を生み出していくことが必要ではないかと思っております。松江市としましても、地域のほうへ出かけていって、いろいろな事例紹介、意見交換をしながら、地域の方々の意欲が高まるような支援をしていきたいと思っております。 大きな5点目は、城山北公園線でございますけれども、まずこの見通しでございますけれども、用地につきましては、100%用地契約は完了となっております。今後は建物の解体、あるいは用地の引き渡し、それから埋蔵文化財の調査が終了後、工事を実施いたしまして、予定どおり平成29年度末、平成30年3月末までに供用開始をする見込みと伺っております。 それから、沿道はどういう形で整備をしていくのかということでございますが、沿道のまちづくりにつきましては、これまで沿道の皆様方のほうからいろいろな御意見もいただきました。そして、これらを踏まえて平成19年3月に大手前通りの地区計画を行ったところでございます。この地区計画では、住宅地としての利便性、それからかつ景観等にも配慮した通りとなるように、商業・住宅系の市街地形成を目指す土地利用の方針を掲げているところでございます。 それから、建物等の整備方針といたしましては、城山周辺であるということで、落ちついたまち並みと調和をさせるということで、沿道地区を3つのゾーンに分けております。歴史・観光ゾーン、それから水と緑うるおいゾーン、それから賑わい・交流ゾーンに区分をいたしまして、そのゾーンごとに建物の高さ制限であるとか、あるいは外壁、屋根の色の制限、あるいは建築物の用途の制限、屋外広告物の設置制限を定めているところでございます。 特に歴史・観光ゾーンの北殿町の地区におきましては、外壁に木や土などの自然系の素材を用いること、それから屋根を勾配屋根とした上で、黒や灰色の日本瓦などとするように制限を行って、景観に配慮したまち並み形成を目指しているところでございます。 6点目は、コミュニティーの維持、再生と行政の役割ということでございます。 まず1つは、社寺の問題も含めてでございますけれども、今市内の全自治会の住民負担金の種類、金額の調査を例えば町自連と市が共同で島大の協力を得ながら行うことが可能かどうかということでございます。 確かに御指摘ありますように、町内会・自治会の会費につきましては、地域によっていろいろ隔たりがあると、差があることは事実でございます。それがいいか悪いかということは、なかなか私ども行政で決めるわけにはいかないわけでございますが、そういった問題意識を実は町内会自治会連合会ではお持ちでございまして、町内会等が自主・自立した活動を持続できるようにするために、役員の負担軽減、それから魅力あふれる活動の展開等々、活動の見直しを検討することになっております。そしてその際の参考資料として、各自治会の会費、徴収金、組織体制、活動内容といった実態を調査したいという方針を掲げて今活動しておられるところでございます。 この調査をより充実したものとするために、島根大学とも協働して取り組むということも考えられるところでございます。松江市といたしましては、こうした町自連の自主的な取り組みにつきまして、引き続き所要の支援をしてまいりたいと思っておりますし、社寺の維持ということ、私も集落に住んで非常によくわかっておりますけれども、こうした調査もあわせて町自連のほうでやっていただければ、それに対して同様に私どもも所要の支援をしていきたいと思っております。 6番目は、松江の北東部の拠点についてどのように考えていくかということでございます。 今の松江の北東部はいろいろな各種の学校が存在をいたします。教育のかなめとなっている地域でもありますし、それからだんだん道路、あるいは北道路の整備によりまして、交通の要衝、結節点ともなっているということでございます。 しかし一方、その中の半島部を見ますと、やはり人口が減少している。先ほど来申し上げているとおりでございます。したがいまして、コミュニティーの維持にも支障が生じる状態になっているわけでございまして、この地域をどのような形で活性化をしていくかということは、大変大事な課題だと思っております。 そこで、今後はやはり中海振興とそれから半島部の振興に力を入れていくことが大変大事だと私は思っております。いろいろなこれまでの歴史だとか文化だとか、あるいは自然といったものが詰まっている地域でございますので、そこで今私どもがやろうとしておりますのが、くにびきジオパークをやっていきたいと。これは神話を生かしたジオパークにしていきたいと思っておりますし、それからつい先般、環境省のほうのいわゆるナショナルパークにも指定をされたところでございます。今この地域をナショナルパークの中でどういう整備をしていくかということを、県とも一緒になって検討いたしているところでございます。 それから、この松江市の北東部はだんだん道路とか、そういったものはもちろんでございますけれども、境港、あるいは米子空港にも近いということがあります。したがいまして、今後観光振興、あるいはインバウンドの推進につきましても、非常に高い可能性を有したところだと思っております。中海・宍道湖・大山圏域といたしましても、とりわけ重要な地域の一つとして位置づけをしまして、まちづくりを進めていくべきということにつきましては、まことに同感であると思っておりまして、そのような立場から今後も努力してまいりたいと思っております。 ○議長(山本勝太郎) 22番。 ◆22番(森脇勇人) 支所と公民館についてでございます。財政再建団体に松江市がなって、ある意味これは仕方なしと言ってもいいぐらいな形で支所等々をやめていって、公民館ができた。それが自主運営、住民自治の、今は本当に褒められて、日本全国から注目を浴びる公民館となっているわけでございますけれども、やはりそれはお金がなかったから、当時残すこともできなかった。熊本なんかは、今回地震がありましたけれども、合併前に私も視察したときに、あの支所がどうなったのかなということで、昨年見たことがございますが、いまだに残っております。それはやはり面積が広い、それから距離が長い。同じ公民館でも半径2キロメートル、3キロメートルの公民館と、それから半径が15キロメートル、町全体を抱えるところが、それこそ平米数が物すごく大きい。そういったところの公民館の考え方というのは、全く違う考え方であると思いますし、やはり町に余力があれば、そういったことを考えていく。金太郎あめのように同じようなものをどんどん理屈詰めで合わせていくんじゃなくて、松江市の考え方として公設自主運営もあるが、そういったところには職員を派遣していくという考え方も、発展型として考えていくべきじゃないのかなと個人的に思っております。市長のきょうはまちづくりについても、今まで私どもが部長からお伺いをして、いや、できません、できませんという答弁を伺っていた中で、きょうは市長の生の声の答弁を、考えを聞けたところでございまして、大変有意義であったと思っております。 ただ、ちょっと考え方が違うのは、私どもの地元、美保関であったり、島根町であったり、鹿島町であったり、出ていくと約1,000円近くのバス代がかかります、実際。キャパシティーが物すごく小さいです。だから、コンビニもできない、はっきり言って。そういったところにコンビニで作業ができるからコンビニでどうぞとかと言われてもできない。それから、逆に企業を誘致したり、お店を誘致する、そこにそういったジレンマがあります。キャパシティーが小さいがためにそこの町を開発しようとしても、なかなか開発しにくい、できにくいといった状況があります。そういったところから、例えば松江市の中でも包括支援センターを5つにまとめたことがございます。昔は各集落の公民館に、自治集会所に行ってみんな面倒を見てもらっていたんですけれども、それは松江市のルールの中では、合併して、そういうことはやめましょう。それなら、どこか出先まで出てきなさい。松江市のやり方はそういうやり方に変わっているんですけれども、先ほど市長が言われたように、そういったところにも日を当てましょうと、今市長のお言葉もありました。そうすると、今までやってきた流れの中の事業と、今市長が言われました内容とそごがあります。それを私どもは解決するためには、中間拠点があれば、そこに300円、500円でバスで行くことができて、なおかつそこに病院があって、そこでいろいろなことができれば、地元の拠点は当然拠点として、小さな拠点として残すことができるんですが、雇用であったり、それから病院であったりとか、教育であったりとか、そういったものについては、例えば地域のそういった小さな拠点に持っていくことがなかなかできかねるから、そういったところで処理ができたらいいんじゃないか。それが今までは50分、1時間半かかっていた。だから、周辺部から出ざるを得なかった。そういった現状がある上での今回の質問でございましたので、同じところは8割以上あったんですけれども、少しそこのところの考え方が違う部分がございましたので、あえて発言させていただきました。終わります。 ○議長(山本勝太郎) 14番川島光雅議員。 〔14番川島光雅議員登壇〕 ◆14番(川島光雅) 真政クラブの川島光雅であります。会派を代表して質問させていただきます。よろしくお願いします。 2016年(平成28年)も師走に入りました。島根県では異常な自然現象のない比較的天候に恵まれた1年ではなかったかなと思います。 国内では、3月に北海道新幹線の開業、4月の熊本地震、夏の参議院選挙とリオデジャネイロのオリンピック、パラリンピック、10月の鳥取地震などが記憶に残りました。鳥取地震は、島根県側には大きな被害はありませんでしたが、震源地の倉吉市などにおいては、人命被害はなかったものの、建物被害など少なからずありました。被災された皆様や地域に対しましては心からお見舞いを申し上げます。 また、年の後半はアメリカ大統領選挙でドナルド・トランプ氏が次期アメリカ大統領に選ばれたことはサプライズでありました。トランプ次期大統領は就任初日にTPPを脱退すると言っておりますので、日本の国際経済戦略や安全保障問題も大きな影響を受けることになると懸念をしております。 さて、8項目の質問に入らせていただきますが、最初の項目であります。松浦市長におかれましては、9月議会に真政クラブ石倉徳章議員が次期市長選挙へのお考えをお伺いしました。そのときは関係者と相談し、熟慮して考えたいということでございましたが、10月24日に新松江市の市長選挙に4選を目指すと表明されました。中海・宍道湖・大山圏域では、近藤安来市長はこの10月の市長選挙で当選し、3期目であります。また、同じこの圏域でも長岡出雲市長が来期の出馬を表明しております。私たち議員も同じ市民の審判を仰ぐ身でありますが、やはり市長というリーダーの手腕は、今後の市政の行く末に大きな影響を与えます。市民の関心も強いと思われますので、最初に関連する質問をさせていただきます。 やはり選挙民は、今までの市長の姿勢とか実績を大きな判断材料にすると思われますので、この4年間を振り返って、まだ任期は残っておりますが、任期を迎えるに当たって総括についてお伺いいたします。 前回市長選後に掲げて所信表明を述べた3つの課題と7つの挑戦に取り組んだ実績と自己評価についてお伺いいたします。 また、2点目でございますが、次期の出馬表明に対する姿勢をお伺いいたします。 松浦市長は、新松江市では4期目の挑戦でありますが、旧松江市長時代から数えると、今まで16年の市長任期を務めたことになります。次、継続することになれば、20年間の市長任務を続けることになります。年齢がどうかとか、任期が長いとかの議論になれば、この間、4期目の当選をした速水雄一雲南市長は70歳で任期終了時には、加茂町長時代を含めて首長任期が30年になります。また、中村勝治境港市長は71歳で4期目の当選をいたしました。松浦市長は年齢的には次の選挙では69歳であり、この課題多き市政の中で、経験と実績をもとに再度挑戦することに私は違和感を持っておりません。 この8年間を私は市議会議員として身近で市長の市政運営を見させていただきました。政治家か行政マンかとの議論や見解もありましたが、私は立派な政治家になっておられると思います。住民は常に高目の要求をするところがあります。それに応えてあげたくてもできないものがあり、残念に思うことが多々あります。 家庭の家計簿に例えると、限られた財布の中で、どうしても実施しなければならないもの、ほかに回さなければならないので、家族に我慢してもらわなければならないものもあります。その判断と我慢の理解を得る努力をしなければなりません。 市政では、大盤振る舞いをして市民支持を集める方法もありますが、松浦市長がやってきたことは、持続可能な財政運営を基本に、国と県とのパイプを強くし、周辺自治体のリーダーとして辛抱強く公約実現に取り組んできたことであります。その成果が少しずつでありますが、あらわれ出しております。 堅実に取り組んできた子育て日本一、住みやすさ日本一、健康長寿日本一、そしてがんセンター建設など、市民の健康や生命を守る大切さへの挑戦などです。これこそ究極の地方自治の目的である住民の福祉の増進につながる事業を総合的にバランスを保ちながら取り組んでこられたと思っております。 どんな事業も、全ての住民が満足感と幸福感を得るとは限りません。道路をつければ、一方では立ち退く人や財産の喪失という不利益をこうむる人もいます。物理的な建設だけでなく、ソフト事業で支援しても、その予算を配分することにより、どこかの予算が削られるか、税金や負担金の増額を求められます。全てを満足させることは至難のわざであります。 そういう中で、首長は決断をして方向性を示し、市民を導いていくわけでありますから、大変な精神力と決断力と知恵と先見の明のような幾つもの資質を持ち合わせなければ務まりません。こんな場合、初心に返って取り組むとか、向かうとか、よく聞きますが、出馬表明されたのであえて厳しい審判に向かう、そのお気持ちをお聞かせ願いたいと思います。 次に、当然選挙の年は予算編成が変わってまいります。次年度の予算編成対応についてお伺いいたします。 選挙があるため、政策的な事業を外した骨格予算になると思われますが、前回、平成25年度当初予算は骨格と言いながら、約968億3,100万円で前年度予算約971億8,600万円に比べてそんなに変わらない約3億5,500万円ばかりの減でありました。実質的に政策的な補正は約6億円ほどでありました。前々回の平成21年度の市長選挙があったときの骨格予算を見ると、当初予算が約932億9,500万円で、選挙後の補正予算は緊急・専決補正など合わせて約961億6,200万円で、約28億6,700万円の補正がついております。このときの特徴を見ますと、約20億円が国の経済危機対策で出ておりまして、これがまさに政策的な予算編成と思われるほど子育て環境、教育環境の整備、健康福祉対策、産業観光振興策、都市環境の整備などが積極的に行われました。しかし、このときもこの国の経済危機対策事業がなければ、約8億円ばかりの政策的予算であります。次年度はそのような特需が見込めないということであれば、どの程度と見込んでいるのかお伺いいたします。 また、骨格予算後の補正を見ると、全体的に経常経費が膨らみ、余裕がない政策的経費になりつつありますが、それをどのようにカバーすべきかお考えがあればお伺いいたします。 3項目めでございますが、新総合計画の取り組みについてお伺いします。 平成19年度から平成28年度までの総合計画のうち、平成27年度までは総合計画検証委員会でおおむね高い評価を受けております。医療保障や老後保障が約60項目中、一番の重点改善でありました。続いて、安心・安全で、安心して歩行できる道路、雇用の場・雇用の機会が満足度が低く、重点改善分野の上位になっておりましたが、平成27年度までの評価では相当レベルアップが図られたと思います。しかしながら、万全でない課題も残ったと思われますが、それら課題についてはどのように捉えているのかお伺いします。 総合計画の2点目でございますが、総合計画では人口減少問題から第1次総合戦略にあわせた取り組みがなされると思いますが、基本目標が前回の7項目から4項目に集約され、具体的焦点がつかみにくくなっております。この10年間でも東日本大震災日本創成会議が発表した人口減少で自治体消滅論まで出て、世の情勢や国民ニーズが変わってきております。 前回の総合計画で改善の重要度が高かった医療保障や老後保障では、高齢者福祉を除く医療体制に対する満足度は上がっておりますが、歩道整備状況や雇用問題にしても依然満足度は低いままであります。公共交通、中心市街地のにぎわい、商店街の状況、企業誘致などの満足度が低いものであります。新総合計画では、重点的な改善策はどのように考えているのかお伺いします。 4項目めでございます。公共施設の適正化についてであります。公共施設の適正化は進めなければならないのでありますが、市直営から形を変えても、その地域の活性化の核となり得るものは最低限の維持支援を考えるべきではないでしょうか。また、市財政の重荷や負担になるまでの間に、施設の管理者だけでなく、市の取り組みに対する責任もあるのではないでしょうか。特に旧町村時代には、何とかそれらを活用し、地域活性化の起爆剤にしようと率先して活用したり、利用したものであります。しかしながら、どうしても時間が過ぎて古くなると見放されがちになります。松江市でも古いものを見直す機運が残っておりますし、さらに活用する意欲もうかがえます。しかし、それらはどちらかというと、観光に結びつくものや利便性があるところのものに限定されがちであります。行政側が目を向け、住民とともに参加して、本来の意義ある施設として活用する知恵を出すことによって施設の再生が図られるものもあると思いますが、御所見をお伺いいたします。 2点目に、温泉施設などでは市内一律上限料金を定めておりますが、中には入浴施設で赤字を出していても、ほかの事業で収益カバーをして、全体的に黒字を出すという努力をしている施設があります。カバーできる施設団体ならいいのでありますが、できない団体は公共施設適正化の名のもとに、収益や効率性の悪化で廃止や縮小を余儀なくされる事態があるのではないでしょうか。市民が身近に利用する施設は適正料金として料金を上げにくい実情を踏まえるべきで、その中で廃止宣告をされ、新たな事業に転換する施設には支援の手を差し伸べるべきではないでしょうか。 3点目でございますが、公共施設を抱える事業の中でも、全国的に水道事業は厳しい状況にあります。県を中心に19市町村の水道事業と斐川宍道水道企業団を含めて広域で水道事業の連携に向けた検討をすることになっております。この問題は人口が減少する中で、給水量が減り、老朽施設の更新をしなければならない問題を抱えており、松江市だけでの自己改革では限られた効果しかできないと思われます。広域連携は的を射ていると思います。広域連携や包括委託は今後の水道事業の大きな切り札であることは今まで先進事例を視察した例を挙げ提案してまいりましたが、これらは時間がかかることでもあり、また広域の利害調整も難しいと思われますが、これを契機に進めていただきたいと思います。 それは単なる値上げにつながるだけではなく、安定的な供給と適正な水道料金を維持する目的がなければならないと思います。その方向性をお伺いいたします。 5項目めでございますが、救急消防隊の外国人対応についてでございます。 金沢市は、東京オリンピックの合宿所誘致を見据えて消防隊員にフランス語研修を実施することを計画しております。また、北陸新幹線の延伸開業から増加しているフランス人観光客が安心して滞在できるように万全な救急体制を整備すると言っております。また、金沢市はフランスの水泳やウエートリフティング、トランポリン選手団の合宿誘致を目指しております。既に英語の研修は実施済みで、中国語や韓国語の研修も今後実施の検討をすると言っております。松江市の外国人対応はどうでしょうか。 市長は、以前からフランス人が訪れるまちは観光価値が上がると述べておりました。松江市消防では、救急用の日常会話の通訳の会話本や挿絵などを利用していると聞いております。今まで大きなトラブルもなかったと聞いておりますが、不便を感じていなければ、なかなか日常業務の中で外国語の勉強をする意欲は生まれないと思います。私自身、家族が台湾でけがをしたとき、英語や中国語の辞書で医師と話し合いをして大変だったことがあります。日常会話以上に救急時の会話が大切だと知りました。 国際文化観光都市の職員として外国語の習得は、国際化社会での活躍の職員自覚を促すことになると思われます。2020年東京オリンピックでは、アイルランドのチームの合宿所を目指していますが、せめて英語研修ぐらいは実施してもよいのではないでしょうか、御所見をお伺いいたします。 6項目めでございますが、マイナンバー申請の強化の必要性があるのではないかということでございます。マイナンバーの申請が始まって1年を経過しておりますが、なかなか申請登録が進まない自治体が多いと聞いております。政府はマイナンバー制度利活用推進ロードマップで国民への交付目安として、2016年3月末に1,000万枚、約8.3%、2019年に8,700万枚、約72.5%の目安としております。到底その数字に達していないと思われます。自治体の中では、出張サポート事業を取り入れておりますが、松江市においても登録申請が、この間通告するまでは約10%と伺っておりましたが、訂正がありまして8.9%と伺っております。松江市においても8.9%でありますが、待っていてもなかなか登録申請は進まないと思われます。来年1月にはコンビニ等での証明書の発行も予定されておりますが、サービスが先行して実施される中で、何らかの方策でPRし、普及推進を実施すべきと思われますが、いかがお考えかお伺いいたします。 マイナポータルへのログインは、当初平成29年1月から実施を目指しておりましたが、どうも7月に変更されているようです。当初は反対も多く、慎重な対応でありましたが、どうも法制化され実施段階になると、余り個人への支障もなく、国民の関心も薄くなってきているようであります。このシステムで各種行政手続のオンライン申請に利用できると言っておりますが、今までシステムの故障や障害などで作業工程がおくれがちでありましたが、予定どおりできるのか御所見をお伺いいたします。 7項目めの米の生産調整終了後の対応についてお伺いいたします。 平成29年度をもって米の生産調整が終了します。農業従事者の高齢化、担い手不足、耕作放棄地の拡大等の大きな問題を抱えて、国の政策に依存していた分、地域コミュニティーが衰退する不安を一方では抱えております。今後の農村の地域活力を維持するために、耕作が続けられる環境は大切であります。平成30年以降の米の生産調整終了後の松江市は米生産にどのようなかかわり方をするのか、また独自の対策や対応があればお伺いいたします。 8項目めでございます。原発の放射性廃棄物の中間貯蔵・最終処分についてお伺いします。 11月の全国原子力発電所立地議会サミットに出席いたしました。中間貯蔵・最終処分についての分科会に出席いたしましたが、その受け入れに反対する意見が多かった中で、玄海町の議員の中から、放射性廃棄物の中間貯蔵・最終処分については国が公募しても反対が多いし、世界各国で反対があることは承知している。原発立地自治体でそれを埋めるのがよいのではないかという威勢のいい受け入れの意見がありました。また、六ヶ所村では、使用済み燃料の再処理工場があるが、何十年でも受け入れするという意見があり、受け入れに前向きな自治体があることに少々認識を新たにいたしました。 国は平成28年中に科学的有望地について提示を目指すとしておりますが、いまだに示されていないこの状況をどのように受けとめておられるのかお伺いします。 また、市長はかねてから使用済み燃料の搬出を望んでおられますが、そのことに変わりはないか伺います。 また、科学的有望地に松江市が指定されたらどのような態度、対応をとられるのかお伺いいたしたいと思います。 以上、8項目について質問いたしました。よろしく答弁をお願いします。(拍手) ○議長(山本勝太郎) 松浦市長。 〔松浦正敬市長登壇〕 ◎市長(松浦正敬) 川島議員の代表質問にお答えを申し上げたいと思います。 まず第1点目でございますけれども、この任期の総括ということでございます。1つは、前回の市長選後に掲げて所信表明をした3つの課題と7つの挑戦の実績、自己評価ということでございます。 前回の市長選後の所信表明におきまして、まず当面の課題としまして、3つの問題を掲げさせていただきました。そしてまた、これから4年間挑戦をしていくものとしまして7つの挑戦を掲げたところでございます。 まず、3つの課題でございますが、1つは原発の再稼働判断ということでございます。いろいろなところでも私も申し上げておりますけれども、原発につきましては、できるだけとにかく依存度を下げていくということ、将来的にはこれをなくしていくことが適当だと申し上げておりますし、そういった立場に立っているところでございます。 しかしながら、当面日本全体の経済成長を考えた中では、エネルギーの一定確保は不可欠なものでございます。したがいまして、当面の間は原発の必要性はあるわけでございますけれども、これは何よりも市民の安心・安全が大前提であると考えております。 一方で、エネルギー転換も考えていかなければいけないだろうということで、再生可能エネルギーの活用も必要だということでございまして、これまでの太陽光発電に加えまして、民間のバイオマス発電に対しましての支援、さらに本年度からは地熱エネルギーの活用、それから水力活用の可能性についても取り組んでまいりたいと思っております。 2つ目の課題は、いわゆる合併算定がえの廃止に伴う地方交付税の減という問題でございます。この状況は、平成27年度から平成34年度まで縮減が続くことになるわけでございます。私はこれらのことは当然予想されていたわけでございますので、これに備えまして職員数の400人削減、あるいはアウトソーシングの推進、こうした行財政改革によりまして財源を生み出してまいりました。 一方で、市債の借り入れを抑制、あるいは繰り上げ償還を進めて、財政運営に努めてまいったところでございます。このことは今後も引き続き取り組んでまいる必要があると思っております。 3つ目は、高速道路の開通と広域連携でございます。 高速道路の開通につきましては、尾道松江線が実現をするということ、それからだんだん道路の開通がございました。尾道松江線の開通をにらみまして、尾道市との姉妹都市提携を行いました。そしてまた、この高速道路を使いまして、今経済界と一緒になりまして山陽方面、あるいは四国方面との連携を積極的に行っているところでございます。 それから、だんだん道路ができたわけでございますが、これは一番大きなメリットは、山陰道と北部とが直結をしたというところが非常に大きな効果だと思っております。先ほど来、お話がございましたように、半島部の活性化に私はこのだんだん道路、あるいはそれに続きます北道路がありますけれども、こうしたものを活用していかなければいけないと思っております。 それから、広域連携でございますけれども、当初中海4市で中海市長会をスタートさせたわけでございますが、その後、出雲市を加えまして中海・宍道湖・大山圏域市長会として拡大をいたしました。さらに、経済界と一体となった取り組みを行っておりまして、こうした取り組みにつきまして大変高い評価をいただいているところでございます。 そして、続いて7つの挑戦でございますが、ものづくり産業を観光と並ぶ地域経済の柱にするというのが1つでございます。ものづくり産業を地域経済の柱に据えるということで、まずまつえ産業支援センターを開設いたしました。そして、ものづくりアクションプランをつくり、実行いたしまして、人材育成、あるいは設備導入などの支援を行ってまいりました。それから、コンピューター言語のRubyの普及を進めるために、人材育成と並んで中学生のRuby教室も実施をいたしたところでございます。 それから、2番目の挑戦は、観光交流人口拡大で年間250万人の宿泊客を目指すということでございます。 松江城の国宝化が実現をしたということで、大変今観光がにぎわっているわけでございますが、昨年度観光入り込み客が1,000万人を突破することができましたし、またその勢いが現在でも続いているということでございます。 宿泊客につきましては、250万人まではいきませんでしたけれども、先般、玉造温泉が温泉の総選挙で日本一に輝きました。そしてまた、今後2018年には不昧公の200年祭を行いまして、そうした松江が持っておりますいろいろな資源に磨きをかけまして、交流人口の拡大につなげていきたいと思っております。 それから、挑戦その3が、6次産業化の推進で農林水産業の再生ということでございます。このため、まずボタンのブランド化、これも従来から取り組んでまいりましたけれども、台湾、あるいはロシアなどへの販路拡大を行ったところであります。 それから、日本海産の魚介類や、お茶の生産加工販売、それから東出雲町の柿、宍道湖のシジミのブランド化、販路拡大に努めてまいったところでございます。それから、中海のアカガイにつきましては、漁業者の皆様方の懸命な御努力によりまして、今復活、あるいは再生をさせることができたところでございます。 それから、いわゆるJR西日本等と連携をいたしまして、山陰いいものマルシェを行いました。これは従来のいろいろな産品に加えまして、埋もれている地域のいろいろな特産品を発掘して磨きをかけていくという取り組みでございますけれども、今後もこの取り組みをさらに続けてまいりたいと思っております。 それから、挑戦その4は、女性、若者、高齢者が活躍できる場の創出ということ、あるいは教育環境の整備ということでございます。 次代を担う人づくりにつきましては、サークルコネクション、あるいはウィメンズプロジェクトの発足によりまして、若者、女性の活躍が活発になってまいりました。それから、ワーク・ライフ・バランスのネットワークも設立をされまして、特に若い世代がより働きやすい環境づくりに取り組んでいるところでございます。 それから、障がいのある人もない人も共に住みよいまちづくり条例ということで、全国に先駆けてこの制定をいたしました。全ての人が活躍できるまちづくりを一層進めてまいりたいと思っております。 それから、社会教育におきましては、玉湯公民館のたまメン、これが高く評価をされまして、日本一の公民館として賞を受けたところでございます。 こういった取り組みを、他の公民館におきましても同様の取り組みが今進められようとしておりますけれども、これを全市に拡大をして、息の長い人づくりの事業に結びつけていきたいと思っております。 それから、学校教育では小中一貫教育を進めております。あわせまして、学校の耐震化工事も完了させまして、子どもたちの安心・安全な教育環境をつくり上げることができたところでございます。 またあわせまして、総合体育館を新しく開館いたしました。スポーツ振興、あるいはスポーツを通じた人づくりの拠点として今後も活用してまいりたいと思っております。 それから、挑戦その5は、子育て環境日本一と健康寿命日本一を目指すということでございます。 子育て環境につきまして、これまでさまざまな取り組みを行ってまいりまして、先般、出生率が増加に転じて1.72まで回復をいたしたところでございます。 それから、健康寿命日本一でございますけれども、これはやはりいわゆる地域包括ケアの体制を今後整えていくことが何よりも大切でございますので、医師会、あるいは看護協会等の関係団体の御協力のもとで進めてまいりたいと思っております。 それから、今市立病院におきましてがんセンターの建設が進んでおります。来年の春に開設ということになるわけでございますが、何よりも最大のポイントは、働きながらがん治療が受けられることが一番のポイントでございます。 こうした取り組みが評価をされまして、昨年度でございましたけれども、経済産業省が発表いたしました暮らしやすさ日本一の評価をいただいたところであります。 それから、挑戦その6では、宍道湖・中海の水環境の改善ということでございます。私のこれを掲げた思いというのは、宍道湖・中海についていま一度ここに住んでいる我々がその価値に気がついて、次の世代に引き継いでいくことが何よりも大事だということのつもりで掲げたものでございます。これまでのいろいろな下水道等の整備、市民の環境意識の高揚、一斉清掃の取り組みといったこともありまして、水質が総じて改善傾向にあるわけでございます。それから、漁業関係者の資源回復に向けました取り組みも進んでおりまして、いわゆる宍道湖のシジミの漁獲量が再び日本一に返り咲くことができたところでございます。 それから、いわゆる水辺の利活用ということで、中海レガッタの実施、あるいはサイクリングロードの整備にも取り組んでいるところであります。 それから、挑戦の7番目は、松江の基盤「安心・安全なまちづくり」の更なる強化ということでございます。原発の立地市ということでございまして、私の思いは先ほど申し上げたとおりでございますが、万が一の事故に備えて策定をいたしました広域避難計画、これはとにかく繰り返し行うことによって、実効性を高めていくことが何よりも大事だと思っております。 それから、自然災害にもこれは対応していく必要があるということで、大橋川の改修、それから建物の耐震改修への支援といったハード対策、さらには自主防災組織の立ち上げといったソフト面での対応も進めているところでございます。 それから、松江市の消防団の玉湯方面団が日本一になったわけでございますが、これは玉湯に玉造温泉という外の皆様方が泊まられる旅館がたくさんあると、この人たちの安心・安全をしっかり守っていく必要があるということで、伝統的に玉湯の消防団の皆様方の献身的な御努力のたまものだと思っております。 このことがさらに松江全体の消防団のレベルの引き上げにつながっていくものと私は思っておりまして、このことが松江市が非常に安心・安全なまちであることを全国に発信していくきっかけになるものと思っております。 この3つの課題の解決、それから7つの挑戦に誠心誠意取り組んでまいったわけでございますけれども、これら一朝一夕に解決するような簡単な課題ではございませんので、いまだ道半ばということで、心を引き締めつつ市政運営に当たっていきたいと思っております。 2点目は、次期の出馬表明に対する姿勢でございます。 平成25年4月から3期目を担当させていただいております。これまでの約4年間、皆様方の御支援を賜りながら、私の全身全霊を傾けてまいったところでございます。 今皆様方のお力添えによりまして、松江市は経済産業省の発表いたしました住みやすさ日本一に輝いたところでもございますし、また長年の悲願でございました松江城の国宝化を実現することもできたところでございます。大変今松江が全国的にも注目を集めることができているところでございます。 これからは、やはり全国そうでございますが、松江市にとりましても、人口減少にどう対処していくかということが、これが一番課題でございまして、松江市なりの対応を一生懸命やっていかなければいけないと思っております。 そのために、昨年10月に総合戦略をつくり上げて、いよいよこれから本格的なスタートを切ったということでございますが、何回も申し上げておりますように、この総合戦略、地方創生は行政だけで旗を振っていても、これはなかなか解決しない問題でございます。みずからの問題としてこれは市民の皆様方、関係団体の皆さん方が考え、一緒に行動していただくことが、これが何よりも大事でございます。そうした取り組みを推進できるような土台を一緒になってつくり上げて、軌道に乗せていくことが、これから一番大事なことでございます。 私はこの戦略を策定いたしました責任者といたしまして、先頭に立って次の4年間、もしも市民の皆様方の御信任を得られれば、頑張ってまいりたいと考えまして、出馬の決意をいたしたところでございます。 そして、これからも松江がいいまちですよということだけではなくて、全国の皆様方から選んでいただけるような、全国1,800の市町村の中で、やはり松江が一番いいと言っていただけるような、選んでいただけるまちづくりがこれから松江が進んでいくべき大きな方向だと思っております。ぜひそのためにも、ぶれることなく、攻めの姿勢で住みやすさを追求していきたいと思っております。 とりわけ、1つは安心して子どもを産み育てることができる環境、それからもう一つは、夢の持てる雇用の場の確保、それからもう一つは広域連携と、この3つを大きな柱として、今後松江のかじ取りをやらせていただければと思っております。 この安心して子どもを産み育てる環境づくりにつきましては、これまでも、先ほど申し上げましたように、一定の成果が上がってきております。しかし、今抱えております問題は、年度途中の待機児童が非常にふえてきていることが1つございます。それは同時にいわゆる育児休業を行ってこられた親御さんが安定的に職場復帰できるかどうかという問題でもあるわけでございます。これらをきちっと実現をしていくことが、これから大変これは大事でございますし、松江なりのそうした方策をこれから打ち出して、安心して子どもを産み育てていただけるような、そうした環境をつくり上げていきたいと思っております。 それから、教育の面でも、ふるさと教育に力を入れてまいりたいと思っております。 それから、夢の持てる雇用の場の確保につきましては、先ほど来申し上げておりますけれども、一方で企業誘致はどんどん行っておりますけれども、若者の流出がなかなかとまらないということがございます。一方で、いわゆる有効求人倍率が1.5近くにはね上がっている。まさにミスマッチが起こっているということでございます。 したがいまして、これからは雇用の量だけではなくて、雇用の質に着眼をしていきたい。これは言葉を変えていきますと、いわゆる職業を選ぶ人にとって、この職業が本当に自分の人生をかけることに値する職場かどうか、あるいは松江が自分の人生を過ごすことができる場所かどうかということになってこようと思っております。 したがいまして、これは行政とそれから企業、同時にこの点に力を合わせて努力をしていく必要があると思っているところでございます。 それから、広域連携につきましては、これまでも行ってまいりました。中海市長会をつくり上げましたし、そしていろいろ難産ではございましたけれども、中海・宍道湖・大山圏域の市長会をつくり上げました。そうした経験をもとにいたしまして、これからも広域連携に努力をしていきたいと思います。 この広域圏がまさに人口のダム効果をここで発揮していくことにつなげていかなければいけないと思っているところでございます。 2点目は、次年度の予算編成対応ということでございますけれども、来年度早々、これは市長選挙、議員選挙がございますので、骨格予算として編成をしておりますので、ここでは基本的な考え方を述べさせていただきたいと思っております。 まず、経済対策、これを連続して切れ目なくやっていく必要があると思っております。今議会に経済対策9億7,000万円を予算計上させていただいております。それからまた、次の2月議会にも国のほうの追加経済対策、これを受けてやっていきたいと思っております。この補正予算と当初予算の組み合わせをやりながら、景気対策に取り組んでまいりたいと思っております。 それから、地方創生につきまして推進をしていく実質2年目になるわけでございますので、今年度実施している施策について、さらに充実、発展をさせていく、あるいは検討中の施策につきまして、事業の具体化につながるように予算に反映してまいりたいと思っております。 それからまた、この戦略の中に観光産業の充実強化がございます。地域の魅力アップにつながる重要な取り組みでございますので、不昧公200年祭に向けました準備を着実に進めてまいりたい。 それから、中核市への移行に向けまして、いろいろ御懸念をされる向きもあるわけでございますが、要はいろいろな危機管理にきちっと新しい松江市が、あるいは松江市の職員が対応できるかどうかということにかかっていると私は思っております。十分に県などの関係機関と調整に努めまして、準備を進め、さらに議会の皆様方に対しましても、丁寧な説明をさせていただきたいと思っております。 それから、財政上の課題を上げられたわけでございます。合併算定がえの縮減に伴いまして、一般財源総額が減少になります。いわゆる事業の重点配分が何よりも必要になってくるわけでございますけれども、これまで一方で行財政改革をやってまいりました。先ほど申し上げたとおりでございます。こうしたことによって生まれてきました一般財源を企業誘致施策、あるいは子育て環境に振り向けることができたわけでございまして、このことが住みやすさ日本一の評価につながったと思っております。 今後でございますけれども、やはり公共施設の適正化、あるいは引き続きの公債費負担の軽減に努めて、今進みつつあります一般財源の低減に今後も的確に対処していく必要があると思っております。 大きな3点目は、新総合計画の取り組みについてでございます。 これまでの取り組み、総合計画を行った上での課題についてどのように捉えているのかということでございます。 新しい総合計画を策定するに当たりまして、昨年度アンケート調査を行いました。その結果は、おおむね全ての項目で前回調査よりも施策の満足度が高いという結果になったところであります。 とりわけ、生活環境分野、それから消防救急体制、それから医療体制の安心感につきましては、非常に高い評価をいただきました。しかしながら、御指摘がありましたように、雇用であるとか企業誘致、商店街の状況、産業振興、中心市街地の状況につきましては、前回の調査よりは数値は上がっておりますけれども、やはり満足度自体は低いという結果が出ておりまして、こうした結果は真摯に受けとめていかなければいけないと思っております。 それから、総合計画の検証委員会でいただきました御意見でございますけれども、おおむね高い評価はいただいておりますが、課題としましては、1つは成果をあらわす指標の設定が適切ではないのではないかと、客観的な評価ができない例が多く見受けられるということが1つと、それからもう一つは、せっかくいい事業をやっても、市民への広報が不足をしているものがある、この2点が指摘をいただいたところでございます。 こうした調査結果、あるいは御指摘をいただきました点を踏まえまして、PDCAサイクルを確立して、そしてさらにそれに基づく情報提供を行っていきたいと思っておりますが、そのために今年度から行政マネジメントシステムを導入いたしました。これらを活用して、今後新総合計画の策定に当たっていきたいと思っております。 それから、新総合計画で基本目標が集約をされたために、具体的な焦点がつかみにくくなったのではないかと、新総合計画で重点的な改善策をどのように考えているのかということでございます。 昨年12月議会の三島良信議員の代表質問でもお答えしておりますけれども、今回、地方自治法が改正をされまして、市町村の基本構想の策定の義務づけが廃止をされたわけでありますが、これは策定が不要になったということではなくて、むしろ市町村の自主性に基づいて、自主的な取り組みにこれは生まれ変わるということであります。そういう意味で、昨年12月議会で総合計画を独自に本市が策定をすることにつきまして、条例を制定させていただいたということでございます。 そういう意味で、今回はまさに新しい総合計画になるわけでございますので、市独自性というものをきちっと出した計画にしていかなければいけないと思っております。 先ほど来申し上げておりますように、これからの松江市の抱えております課題は、人口減少問題でございます。そこで、総合戦略は昨年策定をいたしたわけですが、それに加えまして、人口減少社会に対応した持続可能な活力ある松江市をつくっていくことが重要ということで、新しい総合計画を策定することにいたしたところであります。 まず、重要なポイントが3つあるわけでございますが、1つは計画期間を5年間にしたということでございます。非常に急速に時代が変化をしていることから、5年間に期間を縮めたところであります。 2つ目は、先ほど申し上げましたように、行政マネジメントシステムを活用して、徹底した施策評価、それから情報共有を行っていきたいと思います。 3つ目が、総合戦略を核に策定をしていく。そして、まちづくり全体の指針となるように肉づけをしていくということであります。 そして、今回の総合計画の全体の目指すべき将来像を先ほど申し上げましたように、選ばれるまち・松江の実現ということにいたしたところであります。これは先ほど申し上げましたとおり、私どもが非常にいいまちですよということを単に宣伝するだけでは、1,800ある市町村の中で、今人口減少時代でございますので、例えば都会の人たちが松江に住んでみようということで選んでもらうということが必要であります。そういう意味で、選ばれるまち・松江の実現としたわけでございます。 このために、まず4つの基本目標を掲げたところでありまして、人を大切に育てること、2点目は個性の発揮と広域連携で輝くこと、3点目は誇りと愛着を生むこと、4点目が安全に安心して暮らすこと。そして、基本目標を達成するために、社会資本の整備、産業振興、都市デザイン等々、18の基本施策を掲げたところであります。 そして、この基本施策を達成、推進するために、より具体的な主要施策を今後お示しをしていきたいと思っておりますが、年度末をめどに御提案をさせていただきたいと思っております。 4点目は、公共施設の適正化でございます。 1点目は、その地域の活性化の核となり得るものは最低限の維持支援を考えるべきではないかということでございますけれども、公共施設の適正化の考え方でございますが、これは何回も申し上げておりますように、施設の利用状況であるとか、運営コストであるとか、あるいは老朽化をやはり評価を行っていく。それから、例えば同じような機能を有したものが近くにないかどうかとかを考えて、例えば既存の施設内に機能を統合できないかとかという検討を踏まえて、地域にとって必要な施設、あるいは機能を見きわめて総合的に判断していくというふうに思っております。 このような考え方のもとで、第1期計画に掲げました施設、76あるわけでございますが、この中で支所と公民館につきましては、複合化を図っていくと、それから集会所的に利用されている施設につきましては、地元譲渡などの方向性を定めまして検討を進めていくことにいたしております。もちろん、御指摘がありましたような地域活性化の核となり得るような支所、公民館、学校といった施設につきましては、機能を維持できるように市が責任を持って対応していきたいと思っております。 また、民間の皆様方のほうから譲渡などの御要望があれば、公共施設適正化の考え方に基づき検討してまいりたいと思っております。 それから、市財政の負担になるまでに市の取り組みに対する責任もあるのではないかということで、行政、住民がともに知恵を出し合って施設の再生を図っていくものもあるのではないかという話でございます。 公共施設の管理につきましては、御承知のとおり原則指定管理を行っております。これによりまして一定のサービス向上、あるいは経費の削減が図られたところでありますけれども、公共施設は収益性のある施設ばかりではありませんので、現実的には採算性が低くても行政が担っていかなければならないという施設も当然あるわけでございます。 こうした状況を踏まえながら、最終的には統合、あるいは譲渡、廃止といった施設の方向性を判断してまいりたいと思っております。 その中で温泉施設の取り扱いということでございます。温泉を利用しました施設は多数あるわけでございますが、その利用者数、あるいは収支の状況、実態はさまざまでございます。こうした施設につきましても、地域にとって本当に必要な施設、あるいは機能を見きわめながら、市全体での必要性の検討を踏まえて方向性を総合的に判断していきたい。 また、地元組織、あるいは民間のほうからこれを有効活用したいという御提案等がございましたならば、それぞれ状況も違いますので、具体的に何が可能なのか、お互いに対応策を検討してまいりたいと思っております。 水道につきましては、水道局長のほうからお答えをいたします。 それから、救急消防隊の外国人対応につきましては、消防長のほうからお答えを申し上げたいと思います。 6点目のマイナンバー申請の強化の問題でございます。 御指摘ありましたように、松江市のマイナンバー申請の状況は、まだまだ進んでいない、あるいは全国の状況にまだ追いついていないという状況がございます。そういうことでございますので、今行っておりますのは、平日の手続が難しい方につきましては、土日開庁いたしまして、その受け付けを行っているということ、それから手続が終わっていない方で忘れてしまっている方もいらっしゃいますので、再度案内はがきを送付いたしているところでございます。 それから、今後取り組んでまいりたいと思っておりますのは、一度に多くの申請が見込まれます企業、団体等による一括申請という方法を取り入れて効率的に実施してまいりたいと思っております。 一方、支所での交付を行っていきたいと思っております。また、市民に向けましては、マイナンバーがいろいろな意味で、例えば本人確認の簡素化であるとか、全国のコンビニで各種の証明書等が取得できるといったメリットを十分御説明をしてまいりたいと思っております。 2点目は、マイナポータルへの今後のスケジュールでございますけれども、このマイナポータルは住民みずから自宅のパソコン等からインターネットを通じまして、行政機関が保有する自分の個人情報、あるいは行政機関同士で自分の個人情報がどう使われたのかを確認することができるということであります。 国におきましては、このシステムをこれだけで使うのはもったいないということもありまして、現在例えば子育て関係の事務につきまして、オンライン申請ができるようなことが検討されているところでございます。 しかし、それにつきまして、どういうスケジュールでやっていくのかということについては、まだまだはっきりしていないところがあるようでございます。それで、当初これにつきましては、来年1月の開始を予定しておりましたけれども、いろいろな事務がおくれがちということで、国の説明によりますと、本格的な運用は来年7月から開始されるということで聞いているところでございます。 7点目は、米の生産調整の終了が行われるけれども、これが農村の衰退、農業の衰退につながらないのかという御指摘でございます。 米の生産計画につきましては、長い間行ってまいったわけでございますが、平成30年産以降のものにつきまして、いわゆる生産者、あるいは集荷の業者、団体が中心になりまして、需要に応じた生産を行うことが必要になってくるわけであります。 このため、御指摘のありましたような懸念もございます。米価の下落等々もありますので、現在県とJAしまねが平成27年4月に島根米あり方検討会を設置いたしまして、これで今具体的な方針の検討がなされているところでございます。年明けにも松江市に対して意見照会がある予定になっております。ただ、これは当然全国的な立場で考えていかないと、島根県だけで対応を考えても、ほかの地域がどういう対応をするかによって、また対応の仕方も変わってくることがありますので、そうしたところの調整をどういう形で行っていくのかというところがまだはっきり見えていないところがございます。 私どものほうに意見照会がございますので、そういった点等々も含めて御意見を申し上げ、松江市としての円滑な移行に向けて取り組んでまいりたいと思っております。 それから一方で、松江市としましては、やはり売れる米づくりということを、これまでもそうですが、今後もやっていく必要があると思っておりますが、それからもう一つは、主食用米の生産調整の手段といたしまして、飼料用米、それからWCS用稲といった新規の需要米の取り組みを継続しながら、あわせて加工用米、あるいは酒米の生産拡大も推進をしてまいりたいと思っております。 それから、やはり基盤整備が大変大事になってまいりますので、農地集積等々を進めるための基盤整備、あるいは集落営農、あるいは産地での農業の効率化を進めるための基盤整備をあわせて進められるように行政として対応を検討してまいりたいと思っております。 それから最後に、原発の問題でございます。 まず1点目は、最終処分地の選定でございますけれども、国は平成28年中に科学的有望地について提示を目指すと決めております。ただ、これが果たして、あと一月足らずになりましたけれども、そういったものが行われるのかどうかですね、若干これはスケジュール的にはおくれてくるのではないかと思っておりますけれども、とにかく国の責任においてこれは取り組んでいただきたいと思います。 2点目は、使用済み核燃料をできるだけ早期に搬出をしてもらいたいと、先般の福島等での再度の地震がございまして、いわゆる燃料タンクといいますか、そうしたところの冷却装置が停止をしたという問題がありまして、非常に心配をしたわけでございますが、いずれにしても、こういった使用済みの核燃料につきましては、一定の時間が経過したものについては、外に出してもらうことが必要だろうと思っております。 この問題につきましては、まず受け入れるところの青森の六ヶ所村の再処理工場、これが稼働しないことにはいけないということでございますが、今2018年に予定をされているところでございまして、これにつきましても、ぜひ国が前面に立って取り組んでいただきたいと思っております。 それから、本市が科学的有望地として示されたらどうかということで、これは仮定の話でございまして、回答はできかねるわけでございますが、私どもは原発の発電を長年受け入れてやってまいったわけでございます。さらに、これの最終処分地を引き受けることは、到底これはできない相談だと私は思っておりまして、最終処分場の受け入れは到底考えられないと思っております。 ○議長(山本勝太郎) 渡部消防長。 ◎消防長(渡部正夫) それでは、私のほうから外国人への対応についてお答えをいたします。 救急現場における外国人への対応でございますが、現在5カ国語、英語、中国語、韓国語、ドイツ語、フランス語の5カ国語で図解をいたしました絵や文章により、痛みの部位や症状を確認して対応いたしております。詳しい症状の把握が困難な場合もありますが、同行者等の支援なども受け、現在まで問題は特に発生はいたしておりません。 それから、英語研修でございますが、今後オリンピックの開催や外国人観光客の増加等も想定をいたしまして、外国から来訪される方々がより安心して本市で過ごしていただけるよう、非常時における対応に即した実効性のある研修やタブレット等を用いた翻訳ツールの活用等を検討してまいりたいと考えております。以上です。 ○議長(山本勝太郎) 渡部上下水道局長。 ◎上下水道局長(渡部厚志) 私のほうから4点目、公共施設の適正化についての3項目め、水道事業の広域連携の方向性についてお答えしたいと思っております。 松江市の水道事業につきましては、御承知のように来年4月から上水道と簡易水道を統合した経営を開始することとしておりまして、より一層の水道事業の経営健全化が求められているところでございます。 その中で、水道事業の共同化等の広域連携、議員御指摘のとおりでございまして、経営基盤の強化や効率並びに水融通等の災害対策にも大変効果的な施策であると考えているところでございます。 国におかれましても、今年度中に都道府県で検討体制を構築し、検討結果を公表するよう、総務省からはことしの2月、それから厚労省からは3月に通達があったところでございまして、島根県におかれましても、本年10月20日に県内19市町村の担当課長を中心とした広域連携検討会が設置されたところでございます。 この広域連携検討会や作業部会におきましては、現状や課題の把握や将来分析を今年度から来年度にかけて行いまして、さらには現実的に広域連携が可能な枠組みとなる地域指定の検討等を平成30年度にかけて行われることとなっているところでございます。 松江市としましても、広域連携推進に当たっては、事業実施団体で構成する日本水道協会島根県支部や島根県市長会を通じて具体的な地域指定やそれに対する財政支援について、国、県に対する要望活動を強化するとともに、拠点都市として積極的に参加をさせていただいて、島根県の東部地域の速やかな地域指定に向けまして今後推進してまいりたいと考えております。以上です。 ○議長(山本勝太郎) 14番。 ◆14番(川島光雅) 次期の出馬表明に対しましては、市長は、新聞等で表明を聞いたわけでございますが、今回この議場にて生の声で聞きました。ぜひ選ばれるまち・松江づくりに再度挑戦していただき、頑張っていただきますように支援をしてまいりたいと、頑張ってください。以上です。 ○議長(山本勝太郎) この際、しばらく休憩いたします。 〔午後0時32分休憩〕 ────────── 〔午後1時35分再開〕
    ○副議長(森脇幸好) 休憩前に引き続き会議を開き、代表質問を行います。 24番川井弘光議員。 〔24番川井弘光議員登壇〕 ◆24番(川井弘光) 市民クラブの川井弘光でございます。午前中の質問でもありましたけれども、この時期になりますと、なかなか来年度予算に直接かかわるものという質問はしづらいところもありまして、そういったことにかかわりのないものやら、あとは市長のお考えを、現時点で聞いておきたいことなどを中心に幾つか質問項目を準備しましたので、よろしくお願いしたいと思います。 最初の質問項目でございますが、自由貿易体制の進展による自治体への影響とその対策についてでございます。 その1点目といたしましては、日本政府はFTA(自由貿易協定)、あるいはEPA(経済連携協定)など、現在の貿易ルールに加えまして、TPP(環太平洋パートナーシップ)の成立・発効を目指しております。自由貿易体制の進展に向けた外交交渉の結果として、今後国内市場への開放圧力は一層高まっていくものと予想されますけれども、こうした経済環境の変化が地方自治体に及ぼす影響について、市長の見解をお聞かせいただきたいということでございます。 2つ目には、このような経済環境の変化に対応するためには、市役所が行う各種契約についてのルールづくり、地場産業の育成や地元産品の消費拡大、地産地消運動などによる地域循環型の持続可能な地方経済を実現するための施策などなどを積極的に研究して取り組むべきではないでしょうかと思っております。 特に産業振興策については、行政が何にどこまでどのような目的で関与するのか、松江市は何を目指しているのか、明確なビジョンを示すことが必要だと考えておりますが、この点についての市長の見解をお聞かせいただきたいと思います。 以下、質問の内容を補足するという意味で、質問の趣旨についてお話をいたします。 TPP協定につきましては、その内容がいまだに不明確な上に、アメリカ合衆国が後ろ向きであるということになりましたので、先行きには不透明感が漂っておりますけれども、日本政府は極めて積極的に実現に向けた動きを加速しております。この協定は、締結・発効後、直ちに松江市のような小規模、中規模の自治体に影響を及ぼすものではないとされておりますけれども、発効後3年経過した段階で協定の対象範囲を見直すことになっております。いずれ松江市も対応を迫られることになると思われます。 また、仮にアメリカ合衆国の離脱が起きまして、TPPが頓挫をしたといたしましても、日本政府が自由貿易体制の強化を目指している以上、2国間協定など、いずれ何らかの形で国内市場の開放圧力は強まっていくと考えるべきでございます。したがって、地方自治体としてもその影響を想定し、準備を進める必要があります。 こうした経済環境の変化が地方自治体にどのような影響を及ぼすのか、会派内でいろいろとお話をしてきましたが、認識を共有している主な問題についてここで御紹介をしておきます。 まずは、行政サービスの市場開放という問題です。 公共事業、公共サービス、公営事業、それから外郭団体や第三セクターに至るまで、行政サービス全般について市場開放が求められ、外資系企業を含めて広くビジネスチャンスを保障することにもなるものと思われます。こうした環境のもとでは、果たして現在の行政サービスの質は保てるのか、過疎地域や中小規模の地場産業は切り捨てられることはないのか、市民負担がふえることはないのかなどの疑問に対して、地方自治体は回答と対応策を示す必要があるのではないかと考えております。 次に、地場産業への支援策の見直しについてでございます。 各種事業の発注や物品の調達、業務委託などについては、現在のように地元の産品や事業所を優遇することが、自由な競争を妨げるものとして国際貿易ルール違反になることが想定されます。農林水産業や中小地場産業への支援など、経済活動に対する施策のあり方も見直すことになるのではないかという懸念を感じているところでございます。 さらには、公契約に関するルールの整備という課題がございます。公共事業の発注、業務委託、物品調達、指定管理者の選定などに海外企業が参入することを前提とした新たな基準が必要になるものと思われます。私たちはこれまでも、公契約条例などの必要性を指摘してまいりましたが、地方で暮らす住民の生活や地方経済を守るルールづくりについて、国の対応を待つのではなくて、地方自治体が積極的に、例えばという意味で、公契約条例の制定などの対策を打ち出すことが求められているのではないかと考えております。 そしてもう一点、まちづくりの基本戦略の見直しという問題です。 私たちが納めた税金が地域の中で循環するのではなくて、今まで以上に東京、そして海外に向かって流れていくという経済循環になるのではないかと思われます。地域循環型の持続可能な地域社会づくりを目標として取り組みを行っている自治体は全国に広がっておりますけれども、そうした多くの自治体がまちづくりについての戦略の練り直しを迫られることになるのではないかと思われます。 以上、会派内で話し合ってきたことの主なものだけ御紹介をいたしました。 私たちは自由貿易体制の構築とそのルールづくりを外交交渉として進めることを否定しているわけではありませんし、世界の潮流である自由貿易体制の充実からひとり日本だけが無縁で過ごせるとは考えられません。ただ、地方自治体と市民生活に及ぼす負の影響が非常に大きいと懸念しているわけでございまして、貿易ルールの見直しによる経済環境の変化によって市民の日々の生活や地域経済が疲弊することのないように、速やかに対応策を調査研究、検討をすべきだと思っております。 とりわけ産業振興策については、十分な議論と検討が必要です。松江市は産業振興部の創設、産業支援センターの設置、特産品開発、販路拡大に取り組むための体制づくりなどに力を注いできました。その成果に大いに期待をする反面、組織が大きくなればなるほどしっかりした羅針盤がないと全体が同じ方向を目指して進んでいくことができないのではと懸念をしております。松江市としての目標と行動指針がわかりづらくなり、対応にばらばら感があるとミスリードが発生をし、支援される側にも戸惑いが生ずることになりはしないでしょうか。 産業振興という分野に限らず、現場で奮闘している職員の皆さんが明確な目標を持って仕事ができる環境をつくるのは、この議場にいらっしゃる執行部の皆さんの重要な仕事でもございます。私たちはさきに述べたような経済環境の変化が起こり得ることも想定をした産業振興ビジョンを明らかにすべきだと考えております。 グローバル社会が進展する中で、国民生活の安心と安定を求めるためにも、地方自治体は国に対して行政サービスや生活水準を維持向上させるためには、これだけは守り抜くべきだという意思を、施策を通じて示すべきです。このことは結果として国の外交交渉を後押しする力にもなるはずでございます。 また、国と地方自治体は情報を共有し、連携を強めて、国内対策の強化充実に着手することが求められているとも考えまして、今回この問題を代表質問で取り上げたということを御理解いただきたいと思います。 次の質問項目は、介護保険事業についてでございます。 その1点目は、今後急増する高齢者への介護サービスを質、量ともに担保する上で何が最も重要な課題なのか、市長の見解をお聞かせいただきたいと思います。 また、入所施設の不足と高齢者にも広がっている所得格差の問題が今後一層深刻になるものと考えますが、特別養護老人ホームなどの施設整備の今後の展望についてお示しをいただきたいと思います。 そして3点目として、地域支援事業の実施に伴って、市町村の業務量は大幅にふえ、負担が増すものと推測しておりますけれども、サービス低下を招かないためにも体制の充実が必要だと考えますが、検討状況についてお聞かせをいただきたいと思います。 以下、質問の趣旨を若干申し上げます。 2025年問題がクローズアップされておりますが、今後介護サービスを必要とする高齢者が激増することは避けることのできない現実であり、松江市としても将来予測を行いながら対応を検討していらっしゃるものと思いますが、今後の事業展開を想定したときに、特に重要な課題は何だと認識しておられるのかお聞きしたいということでございます。 一方、松江市の高齢者入所施設の待機者は、直近の集計では300人弱とのことでございます。いつ入所できるかが不明確な状況で、その日を待ち続けている高齢者とその御家族の心情は察するに余りあるものがございます。 十分な収入を得ることができない、また家族や親族からの支援が見込めない低所得の高齢者の皆さんは、負担が大きい有料老人ホームやサービス付きの高齢者住宅などにはなかなか入居することができないために、ひたすら低料金の施設があくのを待つしかないというのが現実でございます。こうした状況を改善するためには、特別養護老人ホームの定員増が急務だと私たちは思っておりますけれども、松江市としての検討状況を確認したいということで質問項目に加えました。 また、市町村が担うことになった地域支援事業につきましては、保険者としての事務処理量だけにとどまらず、介護保険事業者への指導、助言、地域でサービスを担う団体やマンパワーの育成と、公正、優良なサービスの確保とそのための監査、指導、適正な利用者負担の担保など、業務量が大幅にふえるのではないかと推察しております。介護サービスの水準を維持し、またサービス提供者と利用者のトラブルを避けるためにも、組織、機構の整備、人員の確保、業務改善など、体制の充実が検討されていると思いますので、その状況をお聞きしたいということで質問項目に加えました。 次の質問は、女性職員の登用促進策についてでございます。 このたび男女共同参画審議会から答申をされました第2次松江市男女共同参画計画では、松江市における女性管理職の占める割合を2021年度までに20%に引き上げるとともに、職員に占める係長級以上の割合を男女同率にするという目標が掲げられました。この答申を受けて、目標達成のために今後どのような方針で取り組まれるのかお考えをお聞かせください。 以下、質問の趣旨について少し補足をさせていただきます。 女性の登用を意識的に進めるようになってから随分時が流れましたけれども、過去を振り返ってみますと、数値目標が先行、ひとり歩きをして、十分な成果を導き出せなかった現実があったとも認識をしております。その理由はいろいろあるかもしれませんけれども、その一つに女性職員がキャリアアップできるチャンスを十分に保障されないまま、男女共同参画を進めるという目的達成のために、性急に登用が行われたことにあるのではないかと考えております。女性が職場のマネジメント能力を十分養うことなしに登用されれば、壁にぶつかり限界を感じる状況になることは容易に予測できる事態だったと思います。現在はそうした問題は解消されているのでしょうか。 女性の登用を進めるのであれば、まずはその条件、環境整備に力点を置き、また女性特有の悩みや課題の解決に具体的に取り組むことも大切だということは、共有できる、共通した認識だと理解をしております。 ワーク・ライフ・バランスの実現や労働時間の短縮に本気で取り組み、女性が活躍できる環境を整えるための工夫と努力をしている民間企業は徐々にふえつつあります。松江市としても、ぜひそうした先進例も研究をし、決して数合わせに終わることのない、地元企業への波及も意識した対策を実施して、目標を達成していただきたいと思いまして代表質問に取り上げました。 次の質問項目は、総合文化センターの整備と活用についてです。 その1点目は、松江市総合文化センターオープン後30年を超えたわけでございますけれども、基幹整備の時期を迎えていると考えておりますが、今後の対応方針についてお聞かせをいただきたいと思います。 また、総合文化センターを将来的には音楽や演劇など文化活動の専用施設として改修、整備、活用する方向で検討してはどうかと考えておりますけれども、市長の御意見をお聞きしておきたいということでございます。 以下、若干質問の趣旨について補足をいたします。 総合文化センターは、オープンしてから32年目を迎えておりますが、設備の老朽化が進んでいます。私たちとしては、大きな地震への備えと空調設備の不調などを懸念しておりますけれども、改修、修繕についての検討状況を確認したいと考えまして質問をさせていただきました。 また、現状では音楽ホールとしても、いわゆる中央図書館としても、いずれも中途半端な施設になっているように感じます。その機能を抜本的に見直して再整備をする必要があるのではないでしょうか。音楽ホールとしては、演奏者の練習スペース、あるいは子どもや若者を対象にした講習、教育のスペース、楽器類の収納、保管スペースなどが確保できていません。もっと使いやすく、もっと気軽に市民が集まれる場所にすることで、利用率も上がり、文化活動の拠点として市民の皆さんに親しまれる施設になるものと思っております。 一方、中央図書館としては、子どもや学生、生徒の調べ学習のスペースが不足をしております。そして、最も基本的な機能であるはずの蔵書の保管、管理スペースが圧倒的に足りないように思います。 共通の課題としては、やはり駐車場不足が上げられます。周辺住民の理解が必要ではありますけれども、現在の駐車場を立体化するなどの方策は考えられないのか。また、バスの便もいま一つでございまして、定期路線バスの利便性向上も検討すべき課題だと思っております。 公共施設適正化計画を読んでみますと、文化ホールについては、将来的には、総合的な文化ホールは、この松江市域の中に1カ所とすると規定されております。その施設は現状では、多分総合文化センターであると理解しておりますけれども、であればこそ、財政負担を極力抑える工夫も必要ですが、将来を見越して、できるところから計画的に機能の強化を行うべきではないでしょうか。 プラバホールは、宍道湖・中海圏域の中でも秀でた音楽ホールでございまして、演奏者からの評価も高いと聞いております。また、周辺の自治体や中国地区管内からも少なからず観客が訪れているとも聞きました。そうした観点から見れば、この圏域の中核施設でもあると言えますし、あらゆるジャンルの音楽活動による国内外とのネットワークの広がりや文化活動を通じた交流人口の増、松江市の山陰の中核都市としての品格や価値を高めることに貢献する施設でもあります。八雲国際演劇祭、あるいは水辺の芸術祭、そして松江クラシックス音楽祭などのような、市民の手による文化活動が一層広がっていくための共創のまちづくりの拠点にもなり得るであろうこの施設について、広く関係者や利用者、専門家の意見も取り入れながら、機能を充実するための抜本的な整備をそろそろ検討すべきではないかと考えまして、この際市長の御意見をお伺いすることにいたしました。 そして最後の質問は、市立中央図書館の充実についてでございます。 手狭になっているこの中央図書館については、移転と機能充実に向けた検討に着手すべきではないかと考えておりますけれども、これも市長の御意見をお聞かせいただきたいと思います。 質問の趣旨でございますけれども、図書館の問題につきましては、昨年12月定例会の代表質問でも取り上げました。このときの答弁では、ソフト事業の充実策について詳しい回答をいただきましたけれども、今回はハード面について質問した次第であります。 公立図書館は、その自治体の文化レベルをあらわす顔と言われている施設だと認識しておりますけれども、さきにも述べましたとおり、調べ学習や蔵書の保管、管理スペースなどが足りないように思います。できる限り早い時期に移転について検討を始めてはいかがでしょうか。 会派内では、中心市街地活性化という視点も含めて、スティックビルなどの既存施設の活用であるとか、民間所有の空きビルの活用、またそれに加えましてホテル宍道湖跡地を活用した複合施設を考えてもよいのではないかなどなど、いろいろな意見は出されております。 私たちも、今すぐ直ちにということを考えているわけではございません。また、これもできるだけ過大な経費を必要としない方法を模索することが前提になりますけれども、利用者の意見を踏まえて計画的に進めてはどうかと考えまして、今回代表質問で取り上げまして、市長の御意見をお聞きしたいと思った次第であります。 以上、私の質問は終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。よろしくお願いします。(拍手) ○副議長(森脇幸好) 松浦市長。 〔松浦正敬市長登壇〕 ◎市長(松浦正敬) 川井議員の代表質問にお答え申し上げたいと思います。 まず第1点目は、自由貿易体制の進展による自治体への影響と対策ということでございます。 TPPが発効した場合に、いろいろな意味で国内市場への開放圧力が一層高まっていくのではないかと、こうしたものが地方自治体へどのような、及ぼす影響があるのかについての御懸念、御質問だと思っております。 まず、TPPの協定につきましては、現在の内容では現行の国内調達制度を変更したり、あるいは都道府県、それから指定都市以外の地方自治体の公共事業などの市場を新たに外国企業に開放したりするものではないとされておりますし、国会でもそのようなやりとりがあったと思っております。 しかしながら、実際に発効した場合にどういう影響が出てくるのかにつきましては、まだ農業分野を初めといたしまして十分な情報があるとは考えておりません。そういう意味で、具体的な説明、あるいは情報提供は市長会を通じて国に申し入れをしているところでございます。 この問題につきましては、国の責任において万全な対策が講じられることが大前提でございますけれども、松江市といたしましても、当然こういった市民サービス、あるいは地域経済の悪化を招くことがないように、市独自の影響、あるいは対策を調査研究して、施策に反映をさせていく必要があると考えているところでございます。 そういう中で、産業育成について明確なビジョン、特に循環、持続可能な地方経済の実現という観点から、明確なビジョンを設ける必要があるのではないかという御質問でございます。 この質問につきましては、午前中、森脇勇人議員にもお答えを申し上げたとおりでございまして、いわゆる地域経済の育成と同時に、やはり地域におきます雇用の確保という点におきましても、大変大事な観点だと思っているところでございます。 そういう中で、まず公契約条例でございますけれども、これはやはり一自治体の枠を超えて統一的な基準の設定が必要だと思っておりまして、まずは国の法律整備、これによって確保されるべきものだと考えております。 その上で、このTPP協定の適用範囲拡大などに備えていくための対応といたしましては、企業の体力強化を図っていく必要があると思っているところでございます。 いろいろな施策をこれまでも講じてきておりますが、まず製造業、あるいはIT産業に対しましては、松江市ものづくりアクションプラン2015を策定いたしまして、いろいろな企業間連携等々を進めることで、自社の受注能力を一層高めていくことを盛り込んでいるわけでございます。 先ほどの午前中の質問でもお答えをいたしておりますけれども、やはり自社の製品をきちっとつくり上げていくとか、あるいは自社の、単なる請負、下請にとどまることのないような独自の技術の開発ということが大変大事ではないかと、企業の体力強化を図っていく上においては、大変大事だと思っておりますし、そのことがその企業を選ぶことにつながっていくのではないかと、雇用の確保にもまたつながっていくのではないかと思っております。 それから、いろいろな産業分野において域内で調達できるものについては、できるだけ域内の事業者で購入する仕組み、仕掛けづくり、いわゆる地産地消が大変大事だと思っておりますし、また地元でつくったものを外で売るということ、あるいは海外への展開をしていくということで、できるだけとにかく外貨を稼いでいく事業者をふやすことも必要ではないかと思っております。 いずれにしましても、明確なビジョンにつきまして、今策定中の松江市総合計画基本構想の中でわかりやすく伝えていきたいと思っております。 2点目は、介護保険事業でございますが、今介護サービスを質、量ともに担保する上で何が最も重要な課題なのかというお話でございます。 現在の松江市の高齢化率でございますけれども、28.05%でございます。これが2025年、いわゆる団塊の世代が後期高齢者となります平成37年の高齢化率になりますと、32%と予測をいたしております。また、核家族化、あるいは独居高齢者といった方々も増加をすることになりますので、今後も一定の施設整備が必要になってくると思っているところでございます。 一方で、この施設に対応した人材の確保という点が大変今困難な状況を来しているわけでございます。例えば島根労働局の調べによりますと、松江市では介護関連の有資格者のうち、約半数しかその同じ職種を希望していない。それから、求人数に対しましては、30.2%の求職者しかいないという状況でございます。そういう資格者はいるけれども、なかなかその手を挙げられないという状況があるわけでございまして、やはり介護人材の確保は今後介護サービスの質、あるいは量を確保する上で大変重要な課題であると思っております。 どうしてなかなか手が挙がらないかということは、これはもうある程度明確でございまして、やはり処遇改善が大事だと思っております。この点につきまして、国に対しまして市長会を通じて要望いたしているところでございます。 それから一方で、介護の認定率も上昇傾向にあるわけでございますので、事前の介護予防がこれからは大変大事だと思っております。 来年度から新総合事業が始まるわけでございますけれども、なごやか寄り合い事業、あるいはからだ元気塾などの介護予防事業を着実に進めて、総合戦略にも掲げておりますような健康寿命の延伸をあわせて進めていく必要があると思っております。 それから、いわゆる特別養護老人ホームなどの施設整備について、今後の展望ということでございます。 現在、特別養護老人ホームの待機者で介護度が3から5の方が全部で287人おられるわけでございますけれども、そのうちの56.4%が市民税の非課税世帯になっているところでございます。こうしたことから、やはり特別養護老人ホームなどの必要性は依然として高い。したがいまして、今後も一定数の整備は必要であると考えております。 第6期の介護保険事業計画におきましては、小規模特養を2カ所整備いたしまして、58床増床することにいたしているところでございます。 今後、第7期の介護保険事業計画をつくっていく必要がありますが、引き続き圏域のバランスをとりながら、待機者のニーズに沿った施設整備を行ってまいりたいと思っております。 それから、来年度から始まるいわゆる総合事業、地域支援事業の実施で市町村の業務量が大幅にふえるのではないかと、体制の充実が必要だけれども、検討状況はということでございます。 現在、新しい総合事業につきまして、事業者あるいは地域への説明会を行っているところでございます。 それからまた、事業の実施に当たりましても、いろいろなサービス提供の担い手の育成確保に向けた取り組み、あるいは新たなサービス利用に関する事務処理等々、今までより業務がふえることも想定いたしております。 このため、介護サービス事業所に対する指導、助言につきましては、監査指導課、それから介護保険課によります監査、指導体制の効率化を図っていく必要があると思っておりますし、またマンパワーといたしましては、今年度から生活支援コーディネーターを1名増員いたして対応しております。今後もこの充実を図ってまいりたいと思っているところでございます。 3点目は、女性職員の登用促進ということでございます。 いろいろと川井議員も御心配をいただいているところでございます。今回の共同参画計画では、女性管理職の占める割合を従来の15%から20%に引き上げることにいたしたところでございます。 この管理職の割合、それからまた役職者の男女同率化ということも考えておりますが、これがなかなか進まない一番大きな原因は、女性が働きやすい職場環境の整備が大前提として不可欠であるということでございます。 そこで、やはり女性のキャリアアップを目指していく意欲を、これを高めていくと、特に女性の場合は出産、子育てを経験いたしますので、それによってそうした意欲が失われるようなことのないようにしていく必要があるということがございますので、若手のうちにいろいろな職場を経験していただいて、仕事のおもしろさを実感してもらうということが大変大事ではないかと思っておりまして、そういうようにしていきたいと思っております。また川島議員の質問にもお答え申し上げましたけれども、いわゆる今、年度途中の待機児童がどんどんふえている状況がございますし、そしてまた育児休業をとった方がスムーズに職場復帰ができる、そうしたシステムをやはりつくっていく必要がある。こういうことで安心して女性が子どもを産み育てられる環境をつくっていくことも、一方においては大変大事なことだと思っております。 4点目は、総合文化センターの整備と活用ということでございますけれども、この総合文化センターにつきましては、公共施設適正化計画の中でも地域の重要な文化拠点といたしまして、今後も施設の存続が必要であると判断をいたしております。 しかしながら、この文化センターが建ちまして30年を超えているわけでございますけれども、やはり近い時期での施設の大規模改修を現在検討いたしているところでございます。 この改修に当たって、現在の総合文化センターとしての機能の更新ということを基本とした改修を考えているところでございます。 そういう中で図書館、あるいは音楽ホールとしての機能の充実拡大につきましても、検討してまいりたいと思っているところでございます。 川井議員から御指摘ございました音楽等の専用施設として活用する方向で改修整備を検討してはどうかということでございますが、この点につきましては、ここを利用される音楽家の方々が異口同音に、大変すばらしい音楽ホールであるという評価をいただいていることは、我々にとりましても大変励みになるところでございます。したがいまして、将来的に音楽ホール専用施設にということにつきまして、議員御指摘の選択肢もあろうかと思っているところでございます。ただ、県民会館との機能分担を考えてみますと、例えば講演会などの規模によっては県民会館の補完的な役割も果たしているということですので、現状ですぐに音楽ホールだけとしていくのはなかなか困難であろうと思っております。 川井議員からも御指摘がありましたように、中長期的にはそのような方向も模索をしながら考えてまいりたいと思っております。 それからあわせまして、図書館につきましても同様でございます。大変今いろいろな意味で手狭になっていることもあると思っておりますが、これも音楽ホールと同様に現実におきましては、その施設の大規模改修を基本に進めてまいりたいと思っておりますけれども、中長期的にはこの市立中央図書館の充実につきましても、御指摘の点も踏まえながら検討してまいりたいと思っております。 ○副議長(森脇幸好) 川井議員、24番。 ◆24番(川井弘光) 御答弁ありがとうございました。認識的にはそんなに大きな違いがないということは確認できていますので、これも今後の議案の審査や、またこれからの質問などでまたこの答弁を分析して生かしていきたいと思います。ただ1つ、これは答弁は必要ございませんけれども、自由貿易体制の進展にかかわる影響の問題で、確かに十分な情報がないというのが、全国的に皆さん不満があって、市長会を通じていろいろとおっしゃっているということでございますが、ただ待っていてはなかなか前へ進めないので、できるだけ積極的に情報収集をしていただいて、先ほど来も話があるように、直ちに影響が出るとは思っていませんけれども、将来的には本当に中小都市が生きていくために、大変に厳しい荒波が待っているような気がしてならんもんですから、ぜひぜひその辺の研究検討だけは積極的に継続をしていただきたいということだけ申し上げて、終わりにしたいと思います。ありがとうございました。 ○副議長(森脇幸好) 26番篠原栄議員。 〔26番篠原栄議員登壇〕 ◆26番(篠原栄) 公明クラブの篠原栄でございます。会派を代表いたしまして質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。 午前中と多少重なるところもあるかもしれません。通告どおりさせていただきます。 さて、今から約100年ほど前に自動車が出現をいたしました。このときは、ホースレス・ビーグル、つまり馬なし車両と言われておりました。これからは、これからの将来でございますけれども、これからは自動運転(ドライバーレス・ビーグル)、つまり運転手なし車両、こう言われる時代がいずれやってまいります。AI(人工知能)が運転する車であります。 先日の報道では、秋田県の仙北市では、ハンドルのないフランス製のロボットシャトルバスが人を乗せて、短距離のコースではありましたけれども、県道を走行実験しておりました。内閣府は、自動運転実現のため、先月の3日間でありますけれども、欧米・アジア太平洋地域の専門家とともに、国際会議を都内で開催しております。専門家からは、各国の自動走行システム開発に関し進捗状況が報告をされたようであります。よく我々が見ましたSF映画のワンシーンを想定するものとなります。 ことしの8月でありますけれども、フォードは2021年まで、あと4年ぐらい先であります。レベル4、これはレベル4というのは、ドライバーが全く関与しない、完全自動運転車の量産に入ると発表しております。フォルクスワーゲン、BMWもそれぞれ2021年に完全自動運転車の実用化を目指すとしております。 完全自動運転車の普及により、まず事故が大幅に減る。昨年は交通事故死者が4,117人、ここが激減する上に、自動車工業会試算では、交通事故による経済損失が6.3兆円と推計をしております。この改善も当然見込まれます。そのうち人間が運転する車を見かけると、「何と向こうから人が運転した車が来たと、おぜことだ」と、「あいまちすうといけんけん、早いこと逃げらや」と、いずれこういう皆が避けるような時代が来るのであろうと思われます。 一方、日本ではどうですか。2016年5月の官民ITS構想2016、これではレベル4の実用化目標を限定地域で2020年までに、そして一般道路を2025年としておりますが、欧米を見れば、さらに開発スピードを上げることは要求をされるでありましょう。 いずれ車は所有からライドシェア、そして完全自動運転車とスマホがつながれば、オンデマンドサービス。スマホ利用の車を探し、自由に乗りおり、そして自家用車の9割はおおむね駐車場や車庫で眠っておりますので、駐車場の必要性も低くなるかもしれません。買い物弱者や交通弱者に関しても、問題解決に資することは間違いありません。 自動車だけではありません。ヤフーは、作業はAIや機械学習に任せて、人間は創造性の豊かなことをしていく。それにより週休3日を実現していきたいと、川邊副社長の話であります。こういうふうにし、比較的単純な仕事を中心にAIによる作業を広めていくとしております。 内閣府が発表しておりますけれども、人の活躍ワーキンググループの資料が載せてあります。この中で未来の労働の姿ということが記載されておりますけれども、アメリカの話でありますけれども、今後20年でアメリカの雇用者の47%がつく職業がコンピューター化により自動化されるというふうにしております。さほどテクノロジーの進化は時々刻々とスピードを上げております。東京オリンピック後には、第4次産業革命がどのように進んでいるのか、想像しがたいのが私の実感であります。 さてそこで、松江市総合計画に入ります。従前は10年計画で5年ごとの前期と後期で検証し、見直しをしてきたところであります。今検討中の新総合計画は5年計画で実施計画を3年とし、毎年検証するとしております。従前に比べ期間を半分の5年としたことについて、どのような意味があるのか、まず初めにお伺いをいたします。 さて、PDCAサイクル、重要であります。今年度で最終年の現総合計画は、前期を検証した上で後期計画を策定されたわけですが、昨年10月に総合計画検証委員会より提出をされた意見に関しては、一読させていただきました。最終年となりますので、後期を通じての計画の進捗状況はいかがであったでしょうか。課題なども含めてその検証を総括的にお伺いいたします。 今策定中の新総合計画については、市民が読んでもわかりやすい内容にしていただきたいと思います。現総合計画後期の冊子を改めて読んでみましたが、割と総花的で、何を目指すのかが読み取れないという感じがいたしました。策定中の総合計画では、目指すべき松江市のイメージ、どのような松江を建設していくのか、市民にどんな将来像を示していくのかをわかりやすく示していただきたいと思います。総合計画策定に対する市長の思いをお聞きいたしますとともに、計画策定の手法をどのように進めているのかお聞きをいたしたいと思います。 次の項目に入ります。極めて遺憾なことであります。立て続けにここ1カ月間で3件の不祥事。その内容も実に悪質で、松江市の信頼を失う事案であります。合併10年が過ぎ、職員の気が緩んでいると思えてなりません。大半の職員は真面目に一生懸命仕事をしているわけですが、このように頻繁に出てくると、市民も市への不信を募らせることになります。どこに問題があったのか、信頼回復の対策と対応はどうするのか、市長にお聞きをいたします。 地熱のエネルギーについてであります。 今年度、エネルギー構造転換理解促進事業の採択が内定をし、地熱エネルギー活用の可能性を調査するとされております。これは原発立地地域を対象とした経産省の資源エネルギー庁の事業で、全額補助の1,500万円。地熱発電やその他地熱の活用を想定するとありますが、事業の内容を説明していただけますでしょうか。そして、またこれを受けて今後どのような取り組みが考えられますでしょうかお伺いをいたしたいと思います。 年金制度改正についてであります。 先月の16日、改正年金機能強化法が成立をいたしました。これにより来年10月に同9月分が支給をされ、その後は偶数月に2カ月分が一括支給になります。この改正法は、公的年金の受給資格を得るのに必要な加入期間、支給資格期間と言いますけれども、これを25年から10年にするものであります。消費税率10%引き上げ時としていたものを今回前倒しをしたわけであります。国民年金で見ますと、改正法により今まで受給資格がなかった10年納めた人が、いわゆる今日までは掛け捨てだったわけでありますけれども、この人の場合は月約1万6,200円新たに受給できることになります。 全国で64万人の人が対象になるようであります。単純に計算をして、松江では、これは私の試算でありますけれども、600人から800人ぐらいじゃないかなと思っております。しかし、この請求手続が必要であります。厚労省は、家族の代理請求が可能、身寄りのいない人にはケアマネジャーなどに支援をしてもらうよう協力を要請するとしております。身近な自治体と年金事務所の連携も重要であります。今までもらえなかった人が受給資格を得るのでありますので、請求漏れや申請手続などのきめ細かな対応を図っていただきたいと要請をいたします。 あわせて大事なことは、基礎年金は40年で満額であります。受給資格は10年からと短縮はされましたが、満額は受け取れません。ここのところも改めて周知徹底をしていただきたいと思います。御所見をお伺いしたいと思います。 続きまして、公会計についてお伺いをいたします。 昨年の1月23日、総務大臣通知では、統一的な基準による財務書類等を原則として、平成27年度から平成29年度までの3年間で全ての地方公共団体において作成をし、予算編成等に積極的に活用されるようとのことであります。 新地方公会計、これは現在の単式簿記・現金主義会計では、現金収支の適正な管理に資するけれども、現金支出を伴わないコストの把握ができないことから、補完をするために複式簿記・発生主義会計の統一基準を策定し要請したものであります。 現在の公会計について、関西学院大学大学院、小西氏は著書に次のように書いております。「民主主義統制からの必要から、現在の現金主義会計が要請をされた」とし、現金会計の深みを述べておりますけれども、この新会計につきましては「開示手段の充実という意味で、時代の要請に応えていくべきもの。作成、公表はその一点にある」と書いてあります。 そこで、お伺いをいたしますけれども、改めて新地方公会計を作成することの目的と意義についてお聞きをいたします。 また、新地方公会計制度を活用し、財源を賢く使うことが求められております。セグメント分析による予算編成への活用など種々あると思いますが、どうすることが賢く使うことになるのでしょうかお伺いをいたします。 固定資産台帳の整備に最も時間がかかるものと思います。現在の松江市の進捗状況と今後のスケジュールについてお伺いをいたします。 水道管の老朽対策についてお伺いをいたします。 JR博多駅前での大規模道路陥没事故、復旧に迅速に対応し、市長みずからホームページで疑問に答えるなど、評価の報道もありましたけれども、ここは2000年6月と2014年10月にも、この地下鉄工事で道路の陥没事故が起きているわけですので、教訓が生きていたのかどうか、検証が必要な事故であります。この事故と同列には論じられませんけれども、路面の陥没は各地で頻発をしております。特に老朽化した下水道管破損事故は、2014年度だけでも全国で約3,300件。全国の水道管の12.1%が法定耐用年数を超えているようであります。島根県内の状況についても先日報道されておりました。上下水道局も計画的に対応をするとしておりますけれども、現在法定耐用年数を超えている水道管は全体の何%あるのでしょうか。また、昨年1年間の破損対応事案は幾らあったのでしょうか、まずお伺いをいたします。 臨時国会では、2016年度補正予算で耐震性のある水道管への更新支援などに400億円が確保されました。上下水道局の内部留保もかなりあるようでありますが、国の補正予算を積極的に活用し、内部留保もあわせ速やかな対応をすべきではないでしょうかと思いますけれども、お聞きをいたしたいと思います。 また、先日の報道では、県内の水道事業の広域連携について、将来の事業統合も含めた協議を始めたとあります。どのような検討がなされるのかお伺いをいたします。 教育委員会にお伺いをいたします。 文科省の調査では、2015年度のいじめ件数は22万4,540件、過去最高を記録しました。いじめ防止対策推進法、これは議員立法でありますけれども、この施行が2013年、見直しの3年目に当たります。今回、有識者会議は10月、対策強化の方向性をまとめ公表いたしました。それによりますと、学校ごとのいじめ対策組織の充実、いじめの情報共有は義務であること、SNSでのいじめ対応、自殺予防。いじめ対応は教職員業務の最優先事項である等とあります。また、先月には不登校問題を背景に教育機会確保法案が議員立法でありますけれども、修正した後22日に衆議院を通過いたしました。 その後のことについては、ちょっとまだ把握しておりません。 また、ことしの10月末でありました、文科省が問題行動調査を発表いたしました。中学生の不登校が9万8,000人、不登校の理由を調べてみますと、学校と子どもの意識の乖離があることがわかりました。不登校理由が教員との関係と答えた学校側は1.6%、ところが子どもは26.2%と大きな乖離であります。 最近、福島から横浜に自主避難した中学1年生の男子生徒のいじめに関する報道もされております。生徒の手記も公表されました。「なんかいもせんせいにいおうとするとむしされてた」、これは昨年7月の手記であります。横浜市の教育長も学校側の対応のおくれを認めております。 さて、本市でのいじめ事案の現況、その対応、課題及び先ほどの有識者会議の提言についての所見を教育長にお伺いをいたします。 学校給食についてお伺いします。 小中学校の学校給食の米飯の回数増については、さまざまな方からその要請をお聞きしております。県内のある自治体では、今年度より米飯給食の割合をふやしたところもあります。松江市内の公立の幼保園・保育所の状況を聞きますと、それぞれ違いはありますけれども、おおむね月に8割以上が御飯給食であります。11月の献立を見ますと、ある保育園では土曜日に麺類が2回出ておりますけれども、それ以外は全て御飯というところもあります。調理方法によっては違いはありますけれども、御飯と相性がいい魚料理。最近子どもたちのみならず、大人も魚離れが指摘をされておりますが、心臓病予防で鍵を握るのは、脂肪のようで、海藻や青魚に含まれるDHAやEPAの摂取量を多くとっている人は、心筋梗塞のリスクの低下が見られるとのことであります。日本食のすばらしさは世界でも認識されておりますけれども、やはり御飯であります。食材費などの課題はあるにしても、米飯給食をふやしていくべきと考えますが、小中学校での米飯給食の現状はいかがでありましょうか。また、少しでもふやすお考えはないのかお伺いをしたいと思います。 公立小中学校のトイレに関して文科省が初めて実態調査をしております。ことしの4月の時点で、洋式は全国で43.3%、和式は56.7%で、6割近くは和式との調査結果でありました。時代も変わり、家庭では洋式が主流になっていて、洋式になれた児童は、学校の和式が使えずに排便、排せつを我慢することも懸念がされます。さらに、学校は災害時の避難所としての役割もあるわけで、そうなれば高齢者の方の使用も考えられます。子どもから高齢者、地域住民まで安心して使用できる環境は必要であります。調査の中でも、島根県は洋式化は30%と低い自治体の中に位置づけられております。計画的に取り組みが必要と思いますけれども、お考えをお伺いいたします。 質問は以上で終わりますけれども、最後に私どもの機関誌でありますところに、北斗七星というコラム欄があります。11月29日の掲載文を紹介させていただき、思いを市民の皆様、また皆様方とともに共有したいと思っておりますので、紹介をさせていただきます。 心配するのが社長の仕事。松下幸之助は社長、会長時代も、一線を引いた後も、会社のことを心配した。毎日煩悶、一喜一憂の連続だった。だが、それは彼の生きがいでもあった。「何もかも都合よくいって、いいことずくめだったら、生きがいがなくなってしまう」、こう語っていた。彼が松下電気器具製作所を3人で創設をした大正7年、この年米騒動があった。物価高騰に加え、米の値段も急騰。全国で民衆の暴動が起きた。庶民は困窮していた。心を痛める大阪府知事、林市蔵はある日、幼児を背負って夕刊を売る女性を目にする。秋なのに浴衣姿。夕刊を買いながら尋ねると、2人の子も近くで夕刊を売っていた。その日の食事代を稼ぐためであった。こうした困窮者を救おうと、前年に発足した岡山県の済世顧問制度を参考に、大阪府は方面委員制度を創設した。これが全国に普及し、民生委員制度となったのである。民生委員は無報酬のボランティア。任期は3年で、この12月1日から新たな任期が始まりました。ひとり暮らしの高齢者や高齢者のみの世帯、そのほか地元の相談に応じ訪問するなど、活動は多岐にわたります。心配が続くこともあるでしょう。それでも引き受け、頑張る民生委員の皆さんに感謝しよう、そして応援をしましょうという文を皆様方に御紹介させていただきまして、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(森脇幸好) 松浦市長。 〔松浦正敬市長登壇〕 ◎市長(松浦正敬) 篠原議員の代表質問にお答えを申し上げたいと思います。 まず第1点目は、松江市の総合計画ということでございます。計画期間を5年とした意味について伺うということでございます。 今、篠原議員のほうから100年間のいろいろな意味での技術革新といいますか、そうしたことについての御指摘がございました。おっしゃるように、今現在、人、物、金の動きがすさまじい勢いであるわけでございます。産業界もこれまでのハード重視から、いわゆる御指摘あった自動運転車、あるいはIoTであるとか、AIであるとか、ロボット、こうしたソフト重視へシフトしてきているということで、より高度化する方向へ変化をしてきていると思っております。 そういう意味で、今後5年後、もう4年ちょっとになりますけれども、2020年には東京オリンピック、パラリンピックが開催をされることになるわけでございます。これを前回の1964年の東京オリンピックを振り返ってみて、その大きな変化を少し実感をしてみたいわけでございますけれども、ちょうど東京オリンピックのときに新幹線が開通をいたしております。そしてまた、高速道路が整備をされて、本格的なモータリゼーションが始まったところであります。それから、家庭生活におきましては、車、クーラー、カラーテレビという、いわゆる3Cを購入することが庶民の三種の神器と言われておりましたが、庶民の夢となったということで、人々はそれらを求めてがむしゃらに働いて、飛躍的な経済成長が遂げられたということでございます。 こうして前回の東京オリンピックは、当時の人々の想像をはるかに超える生活環境、あるいは価値観の変化をもたらしまして、時代の大きな転換点に、今から考えますと、なったのではないかと思っております。 したがいまして、次の東京オリンピックの後にも、恐らく同じような大きな社会変化が予想されることにつきましては、これは篠原議員の御指摘のとおりだと思っております。 なぜ5年にしたのかということにつきましては、篠原議員も御指摘のとおりでございまして、また川島議員の質問にもお答えしたとおりでございますけれども、こうした激動の時代にあるわけでございますので、そうした急速に変化する社会経済情勢、あるいは新たなニーズに的確にスピード感を持って対応していくために、あえて5年の計画期間とするものでございます。 そしてさらに、毎年毎年のやはり見直しといいますか、そうしたことも加えながら、時代の変化に対応してまいりたいと思っております。 それから、現在の総合計画の後期の検証、進捗状況はどうであったかということでございます。 先ほどの川島議員のお話にも申し上げたわけでございますけれども、総合計画検証委員会では、140項目に上ります主要施策の全体に対しまして、施策はほぼ順調に実行され、一定の成果が上がったという評価をいただいたところでございます。中でも消防、あるいは市バス、観光振興、子育て支援、児童福祉・医療体制の充実、こうした分野におきましては、一定の成果と同時に関係者の努力と創意工夫の跡が見えるという点を高く評価いただいたところでございます。 一方で、川島議員にもお答えいたしましたように、取り組みの成果をあらわす指標の設定が適切ではなくて、客観的な評価はできないという例が多く見受けられるということ、それからせっかくよい事業をしても、市民への広報が不足しているものがあるということの御指摘をいただいたところでございます。 こうした御指摘を踏まえまして、今後は行政マネジメントシステムを活用しながら、PDCAサイクルを確立していくと、そして取り組みの成果をあらわす指標の設定、あるいは市民の皆様への広報に工夫をいたしまして、わかりやすく情報提供できるように努めてまいりたいと思っております。 それから、総合計画の3点目は、新総合計画の策定手法と市民に示す松江の将来像でございます。 先ほどの川島議員の質問にもお答えいたしましたとおりでございますが、新しい総合計画は今回はまさに条例に基づく計画でございまして、これはいわゆる松江市独自の計画という位置づけに初めてなるものでございます。 その中で、解決をしなければならない今最大の課題は、人口減少問題ということでございます。この人口減少問題、これは午前中の森脇議員にもお答え申し上げましたように、まさにまちづくりということに大きくかかわってくる話でございますので、まず私どもは人口減少はあるけれども、持続可能な活力ある松江市をつくっていく必要があるというふうに掲げまして、これが全国からまず選ばれるまち・松江の実現を将来像として掲げたところであります。 松江を選んでいただいて、そしてそこに帰っていただく、あるいはIターンをしていただくということでございます。 この場合に、やはり一番私どもが力を入れてやっていかなければいけない問題は、1つは企業の育成であります。自立的な企業をやはり育てていくということでございまして、先ほど川井議員の御質問にもお答え申し上げましたように、地産地消であるとか、あるいは外貨を稼いでいくといった産業、企業を育てていくと。このためには、やはり自前のいろいろな商品をきちっと持っている、あるいは技術をきちっと持っていることが何よりも必要だと思います。 それから、もちろん農林水産業におきましては、地元の資源を活用した独自のいろいろな商品、製品をつくっていくことが大変大事だと思っております。それを目指して、やはり若い人たちが帰ってくる、職を求めていくという仕掛けを考えていきたいと思っております。 同時に、そのことはここに住む若い人たちにとって、暮らしやすい環境をつくっていくということでございますので、子育て環境、あるいは教育にきちっと力を尽くしていかなければいけないと思っているところでございます。 もう一つの視点が、やはり広域連携だろうと思っております。もちろん松江市の総合計画ではありますけれども、松江市だけのことを述べているだけでは、これはこれからの時代にはそぐわないだろうと、今私どもは広域連携ということでいろいろな事業を進めようとしているわけでございますが、そのことはそれぞれの市が持っているいろいろな特徴を連携させながら、全体としてこの地域を活性化して、そしてダム効果をここにあらわしていこうということでございますので、そういう意味で広域的な立場に立っての総合計画の策定ということもあわせてやっていく必要があると思っているところでございます。 2点目は、市政全般ということで、市職員の不祥事についてということでございます。 先般、市の上下水道局職員、それから市立幼稚園の講師、相次いで不祥事を起こしました。市政に対する市民の信頼を大きく失墜したことは、まことに残念でございますし、市民の皆様に対しまして大変申しわけなく思っているところでございます。 市職員は、法令遵守はもとよりでございますけれども、高い倫理観を持って市民の模範となる行動が求められているということでございますので、この間、企業局を含めまして全管理職を通じて、改めて職員にこの点を徹底いたしたところでございます。 このたびの案件、事件でございますけれども、単なる交通事故であるとかという問題ではなくて、極めて悪質な事件でございます。まさに刑法犯でございます。やはり職員の資質に起因するところが非常に大きいと思っております。やはり日ごろから上司が部下の生活態度、あるいは仕事に対する姿勢、意識をきちっと把握しておくことが大変大事だと痛感をいたしております。 したがいまして、上司と部下との間できちんと、いわゆる報・連・相(報告・連絡・相談)ができる風通しのよい職場の雰囲気づくりを進めていくことが、極めてこれは大事だと思っておりまして、そういったことにつきましても、今後徹底をしていきたいと思っているところでございます。 2点目は、地熱エネルギー調査でございます。 国におきましては、原発依存度の低減という一定の方針のもとで、エネルギー構造転換理解促進事業費補助金が今年度創設をされたところでございます。松江市では、玉造温泉、あるいはしんじ湖温泉といった豊富な温泉資源がある地域特性に着目いたしまして、まず今年度は市内の地熱資源がどの地域にどの程度可能性があるのか、既存泉源の成分調査、あるいは過去の調査結果の収集分析をしたいと考えております。その結果をもとにしまして、来年度以降のさらなる詳細な調査、発電事業について事業方針、整備計画、スケジュールを調査検討したいと考えております。 想定される取り組みでございますけれども、温泉水による発電はもとよりでございますけれども、温泉熱を利用しました、例えば農業ハウス、水産業にこれらを活用するといった事業等も検討してまいりたいと思っております。 また、地熱に加えまして、来年度以降は水力を活用しましたエネルギー構造転換への取り組みを進めてまいりたいと思っております。 3点目は、年金制度改正に伴いまして、市民への周知徹底ということでございます。 今国民年金事業につきましては、基本的には日本年金機構が行うわけでございますけれども、市町村につきましては国民年金の第1号被保険者の資格、あるいは保険料免除申請の手続、それから第1号被保険者期間しかない方の老齢基礎年金や障害基礎年金の受給申請の受け付けといったものを法定受託事務という形で行っておりますし、あとは協力連携ということで納付相談、それから制度に係る市民への情報提供といったことも行っているところでございます。 このたびの改正によります支給対象者への周知方法や申請手続につきましては、国のほうからはまだ詳細な情報は現時点では入ってきておりません。 先般、年金事務所に問い合わせをいたしましたところ、今後基礎年金番号などの基本項目、それから年金加入記録などあらかじめ印字されました年金請求書を日本年金機構から直接対象者へ送付をすることになっているということでございますけれども、引き続き情報収集に努めていきたいと思っております。 この改正によりまして、支給対象となられる方がいるわけでございますけれども、この方が請求書の不備などによりまして不利益が生じないように窓口においてわかりやすく丁寧な説明を行ってまいりたいと思います。 それから、請求漏れを防ぐための申請勧奨、それから支給額が納付期間に応じた額となることなど、市報、あるいはホームページなどによりまして、誤解のないように制度の周知徹底を図ってまいりたいと思っております。 4点目は、新しい公会計の目的、意義、今後の進捗状況、スケジュールについてでございます。 まず、新しい公会計、地方公会計作成の目的でありますけれども、1つはいわゆる説明責任を果たすということから、市民の方々への財務情報のわかりやすい開示が上げられます。 2つ目は、今後市としまして財政運営、あるいは政策形成を行っていく上での基礎資料としていけるということでございます。その結果、資産、債務管理、あるいは予算編成、政策評価等への有効活用を行うことができるわけでございます。 それから、新地方公会計の活用でございますけれども、例を挙げますと、固定資産台帳の整備によりまして、各公共施設の耐用年数、それから取得価格等の情報が把握できます。それによりまして老朽化の度合い、これらを把握して公共施設適正化に役立てると。 それから、行政コスト計算書では、減価償却費等を含むランニングコストが明らかになりますので、各施設のフルコストと受益者負担とのバランスをつかむことが可能になると考えております。 このほか、ほかの団体、あるいは年度間での比較が可能となってまいりますので、これらを活用することによりまして、効率的な財政運営につなげ、また限られた財源を有効活用してまいりたいと考えております。 今後のスケジュール、それから進捗状況でございますけれども、まず昨年度(平成27年度)から固定資産台帳の整備を進めておりまして、平成28年度(今年度)末までに平成27年度末時点の固定資産台帳を整備するということにいたしております。 また、平成28年度中に固定資産台帳、あるいは予算執行データを財務書類に反映できるシステムの整備を行う予定でございます。 それから、こうした整備を進めまして、平成28年度の決算の財務書類を作成して、平成29年度末までに公表する予定といたしております。 それから、水道管の老朽問題につきましては、水道局長のほうからお答えをさせていただきたいと思います。 4点目の教育と教育環境につきましては、教育委員会のほうからお話をさせていただきたいと思います。 ○副議長(森脇幸好) 清水教育長。 ◎教育長(清水伸夫) それでは、答弁に先立ちまして一言申し述べさせていただきたいと思います。 このたびの市立幼稚園講師の不祥事につきましては、まことに遺憾でありまして、深くおわびを申し上げる次第でございます。今後、職員の規範意識の徹底及び法令遵守に努めさせていただきたいと思います。どうかよろしくお願い申し上げます。 それでは、教育関係数点にわたって御質問いただいております。私のほうからお答えをさせていただきます。 まず初めに、いじめ事案の現況、あるいは対応や課題、そしてこのたびの有識者会議の提言に対する所感ということでお尋ねがございました。 まず、現況でございますが、平成25年度までの本市におけるいじめの認知件数でございますが、小中ともに30件に満たない数でございます。文部科学省の再調査指示により、平成26年度以降、単年度で小学校190件前後、そして中学校80件前後と大幅に件数が増加をいたしております。これは平成25年に各校のいじめ防止基本方針が作成されたことで、このいじめ問題に対する教職員、保護者の意識が高まっております。認知する姿勢や意識に変化があらわれたことにもよると考えております。こうした中で、いじめの重大事態につきましては、平成26年度以降、小中学校で8件が報告をされているところでございます。 対応につきましては、未然防止、早期発見、早期対応を大切にし、各校のいじめ防止基本方針に沿って取り組みを進めております。多くの事案では、継続指導しながら改善に至っていますが、やはり基本的に初期対応、これの不的確さや、あるいは保護者の皆さんとのきめ細やかな連携、これが十分ではなかったということ、そして事態が長期化をし、困難化し、被害児童生徒や保護者が継続して不安や学校への不信感を訴える事案もあったと認識をしております。 今後は各校におきまして、いじめの対応を最優先とする法の趣旨に従いまして、一層の速やかな初期対応の徹底、そして被害児童生徒、保護者に寄り添った対応を進めてまいりたいと思います。教育委員会としても、困難化した事例の検証を行い、引き続き市内各校のいじめに係る状況の改善を図ってまいりたいと考えております。 それから、有識者会議の提言に対する所感ということでございました。 このいじめ防止対策推進法が施行3年目となっております。有識者会議による検証が行われたわけでございますが、この有識者会議による提言のポイントとしては、施行3年となる現状の課題と改善策の整理、そして重大事態の調査の進め方に関する国のガイドラインの作成、あるいはいじめや重大事態の定義の明確化、この3点にまとめられております。それにあわせて、市内各校においても、学校いじめ防止基本方針に基づいて取り組みの点検評価すべきときであると考えております。 これらのポイントに沿って、各校における現状のいじめ問題に対する取り組みを振り返ってみますと、やはりいじめの捉えにおける課題や、先ほど申し上げましたように初期対応のあり方、それから推進法の理解や保護者、外部関係者との連携の課題等が浮き彫りになってまいっております。 重大事態の対応につきましても、ガイドラインが定められることで被害児童生徒及びその保護者の意向を反映した調査の進め方や情報提供のあり方を確認していく必要があると考えております。 引き続き、提言を踏まえました松江市いじめ防止基本方針や各校の基本方針の改定とそれに基づいた各校におけるいじめ問題対応の推進を今後も図ってまいりたいと考えております。 続きまして、学校の米飯給食について、これをふやすことはできないかというお尋ねでございます。 本市の学校給食における米飯回数ですが、週3回から5回ですが、平均すると週3.4回ということでございます。米飯、そしてパン、麺を一定の割合で提供をしているところでございます。 学校給食では米飯に限らず、パンや麺についても食育の観点から、献立の多様性やパン食時の栄養バランスのとり方の習得など、生きた教材として活用することが必要であると考えております。 したがって、本市といたしましては、米飯給食の回数は基本的に現状維持とさせていただき、引き続き給食内容等の充実を図ってまいりたいと考えております。 それから、学校トイレの洋式化ということでお尋ねがございました。計画的に取り組む必要があると思うがということでございます。 松江市立の小中学校のトイレの洋式化でございますが、本年4月現在、洋式化率、小中合わせてですが、35.7%ということになっております。 御指摘のとおり、近年、各家庭に洋式のトイレが普及しております。そして、災害時に地域の避難所になる学校施設でございますので、高齢者の方も洋式のほうが使いやすいということもあって、まずは各小中学校の各棟各階のトイレに男女それぞれ1カ所の洋式の設置を現在鋭意行ってまいっているところでございます。 また、大規模改修時には、トイレ全体の改修にあわせまして集中的に洋式を整備しております。 今後は国の長寿命化改良事業など、有利な補助制度を活用して、計画的に進めてまいりたいと考えております。以上でございます。 ○副議長(森脇幸好) 渡部上下水道局長。 ◎上下水道局長(渡部厚志) 初めでございますけれども、先ほど市長からありましたように、上下水道局職員のたび重なる、いわゆる不祥事に対しまして、市民の皆様、議員の皆様に大変御心配、御迷惑をかけたことに対しまして、心よりおわび申し上げたいと思っております。 今後でございますけれども、職員一同、信頼回復に向けまして誠心誠意事業を進めるとともに、組織の透明化も積極的に進めていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いしたいと思っております。 3番目の水道管の老朽化問題につきまして、3点御質問でございますが、法定耐用年数を超えた水道管につきましては、平成27年度末で全体管路942キロメートルの約12%に当たります110キロメートルとなっております。平成27年度の破損修繕件数につきましては、71件で、いずれにつきましても、1日程度で対応可能な小規模なものでございます。平成23年度に136件あったものが、約50%まで減少しておりまして、大規模な事案につきましては、約4年間発生しておりません。特に水道管の老朽管更新対策につきましては、経過年数だけではなく、平成21年度から過去の漏水実績や土質による管路の腐食状況調査、管路の状況と重要度を順位づけした更新計画を策定しておりまして、優先的に老朽管の更新を実施することにより、破損修繕件数が減少しております。 2点目の水道管の老朽対策と水道施設の耐震化の取り組みにつきましては、平成24年度に策定しました第2次経営戦略プランにおいて、10年間で200億円の建設改良事業を行うこととしております。この計画に基づきまして、単年度当たり約20億円の建設改良事業を実施し、このうち老朽管の更新、耐震化においては、約50%、10億円の費用をかけて計画的に実施をしております。 なお、平成25年度には震災などに対応するため、地域防災計画に基づきまして、救急指定病院や公設避難所等へ配水する基幹管路を最優先的に実施することとし、平成34年度の100%完了を目指し、耐震化対策を積極的に実施しているところでございます。 今後、引き続きでございますが、国の補助事業はもとより、さらに効率的、効果的な単独事業を前倒ししながら、着実に事業の推進に努めてまいりたいと考えております。 もう一点でございますけれども、水道事業の広域連携の検討についてでございます。先ほど午前中、川島議員にお答えしたとおりでございますが、特に松江市としましては、拠点都市として島根県において設置された広域連携検討会に積極的に参加しまして、島根県東部地域の速やかな地域指定に向け推進してまいりたいと考えております。 ○副議長(森脇幸好) 26番篠原議員。 ◆26番(篠原栄) ありがとうございました。学校のトイレにつきましては、全国平均よりもかなり低いのが現状でございますので、これは市長部局も含めてしっかりと取り組んでいただいて、なるべく早目に全国平均にまずいくということをぜひお願いしたいと思います。 それと、総合事業につきましては、これ今具体的に議論されている内容でございますので、中身までは詳細について我々もわかりませんけれども、ただちょっとお願い、これは回答があればしていただければ結構でございますけれども、ぜひ65歳以上のいわゆる前期高齢者の皆さんを、やっぱり松江市全体で計画の中に入れながら、どのように活躍してもらうか、それぞれ地域のボランティアで動いていらっしゃるわけでございまして、実はせんだってのちょっと勉強に行ったときに、65歳以上のいわゆる高齢者という方は、生きがいとそしてやりがいを、今日本は奪ってきているという話をされた方がいらっしゃいました。65歳以上の高齢者に対しては、支援という言葉ではなくて、そういう人たちも一緒になって仕事をしていただくと、活躍をしていただくといった観点は今後必要だろうと思いますし、65歳以上といっても、前期高齢者は若いわけで、また知識も豊富ですし、それからさまざまな経験もされていますので、そういった方が宝だなと、この地の宝だなと思いますので、そういったものもあわせ持って計画の中にぜひ入れていただければなという要請、要望をお願いさせていただきたいと思います。特に御答弁よろしいですので、何かありますか。よろしいですね。ありますか。 ○副議長(森脇幸好) 松浦市長。 ◎市長(松浦正敬) 私も高齢者ということでございまして、そういう立場から見ますと、非常に今いろいろな意味での施策が、かわいそうだとか、あるいは経済的な支援をしてあげようとか、何か一定の視点に立っての考え方になっているようでございまして、それがまさに篠原議員がおっしゃるように、やる気を失っているというところがあるように思います。どうしても、今私たちの、実際に仕事をしている人たちは、高齢者ではありませんので、そういった人たちの、高齢者の気持ちがなかなかこれはわからないと思いますので、私も事あるごとにそういうことは話はしておりますけれども、ぜひおっしゃるように、かわいそうだということではなくて、高齢者がいろいろな意味で活躍できるような、今公民館でいろいろな形の事業を展開していただいておりますので、そういったものもこれからますます盛んにしていくようにやっていきたいと思っております。 ○副議長(森脇幸好) 篠原議員。 ◆26番(篠原栄) ありがとうございました。高齢者も支援側に立つという姿勢をぜひお願いしたいと思います。以上で終わります。ありがとうございました。 ○副議長(森脇幸好) この際、しばらく休憩いたします。 〔午後3時14分休憩〕 ────────── 〔午後3時30分再開〕 ○議長(山本勝太郎) 休憩前に引き続き会議を開き、代表質問を行います。 28番片寄直行議員。 〔28番片寄直行議員登壇〕 ◆28番(片寄直行) 共産党議員団の片寄直行でございます。議員団を代表して4項目について質問いたします。明快な御答弁をよろしくお願いいたします。 質問の第1は、市長の政治姿勢についてです。 11月8日のアメリカ大統領選挙では、共和党のトランプ氏が競り勝つ結果となりました。TPP(環太平洋連携協定)離脱を公約してきただけに、TPPをめぐる情勢は大変厳しい状況になっています。オバマ政権も残された任期中のTPP批准を断念いたしました。それでも、我が国こそが早期発効を主導しなければと、批准を急ぐ安倍政権の異常ぶりが際立っております。TPPは域内の国内総生産(GDP)の85%以上を占める国が批准しないと発効できません。日本が批准しても、アメリカが離脱すれば難しいでしょう。安倍政権のこのようなやり方に対し、市長はどのような所見をお持ちか伺います。 国連では、核兵器禁止条約の締結交渉を来年開始する決議案を賛成123カ国という圧倒的多数で採択しました。これによって核兵器を禁止し、全面廃絶につながるような法的拘束力のある文書の交渉が、市民社会の参加も得て開催されることが確実になりました。ところが、決議案に対する日本の政府の態度は、反対という態度でした。唯一の戦争被爆国の政府にあるまじき態度と言わなければなりません。松江市も参加する平和首長会議は遺憾の意を表明しています。これに対して市長の所見を伺います。 安倍政権は、2014年7月に集団的自衛権行使容認の閣議決定を行い、昨年9月に安保法制、戦争法を強行成立させました。立憲主義破壊の暴挙です。特定秘密保護法の強行、盗聴法の適用拡大、共謀罪の導入計画など、国民の目と耳と口を塞ぎ、自由と権利を侵害し、物が言えない監視社会をつくる動きが加速していると言えます。選挙では争点を隠し、選挙が終われば国民をだまし討ちにする政治が横行しているではありませんか。戦後レジームからの脱却を掲げ、日本国憲法のもとでつくられてきた戦後日本のあり方を根本的に変える姿勢です。その設計図が自民党改憲案にほかならないと思います。 人権保障のために、憲法によって権力を制限することが近代憲法の本来の目的です。国民が権力を縛るための命令が憲法ということになります。自民党がかざす改憲案は、天皇中心の国を継承するために、国を統治することを目的にしており、憲法の意味を180度転換するものです。 自民党改憲案は、公務員の憲法遵守義務を定めた99条から新たに元首と位置づけた天皇と摂政を削除する一方、国民の憲法尊重義務を加えました。現憲法は、公務員の憲法尊重擁護の義務を明示していますが、国民にはその義務はありません。 99条は、国民が国家に対して設ける制限、命令ですが、自民党改憲案は、天皇中心の文化と国家の維持、継承を国民に義務づけるものへと逆転しているのが特徴です。公務員の憲法遵守の観点から市長の所見を伺います。 安倍政権の経済政策、アベノミクスが始まって4年、その行き詰まりと破綻は明瞭です。世界で一番企業が活躍しやすい国を目指すというかけ声のもと、日銀の異次元金融緩和や3年間で4兆円もの企業減税によって、大企業は史上最高益を更新し、富裕層にも巨額の富がもたらされました。しかし、労働者の実質賃金は3年のうち、年額で17.5万円も減り、家計消費は実質13カ月連続で対前年比マイナスとなっています。格差と貧困の拡大が広がっています。 日本共産党は、格差と貧困を正す経済民主主義の改革として4つの改革を提案しております。 第1は、税金の集め方の改革。能力に応じて負担する公正、公平な税制です。 第2は、税金の使い方の改革。社会保障、若者、子育て中心の予算にすることです。 第3は、働き方の改革。8時間働けば普通に暮らせる社会にするため、長時間労働の規制、非正規を正規労働への流れをつくること、大企業の内部留保の一部を活用して賃上げを進めることです。 第4は、産業構造の改革。大企業と中小企業で働く労働者の賃金格差は、中規模事業所で大企業の約6割、小規模事業所では5割程度という大きな格差があります。大都市と地方との格差拡大、地域経済の疲弊も深刻で、日本社会と経済の大問題となっています。農業も深刻な事態です。中小企業の商品開発、販路開拓、技術支援などの振興策、農産物の価格保障、所得補償を抜本的に強化すること、公共建築への国産材利用促進など林業振興策、魚価安定対策の強化や資源管理型漁業など、漁業経営の支援、食料自給率向上を国の産業政策の柱に据えること、呼び込み型の地域振興策から、地域にある産業や企業など、今ある地域の力を支援し、伸ばすやり方に転換することなどを提案しています。 第4の産業振興の課題については、松江市行政としても取り組みをしておられるところですが、地方創生の課題としても重要と思います。改めて考えを伺います。 安倍政権は、沖縄県名護市辺野古の新基地建設など、全国的に基地強化を進めています。私たちの郷土では、航空自衛隊美保基地の軍事増強問題が住民の大きな関心事となっています。 米子飛行場は3つの名前があります。1つは、民間空港米子空港、2つは、航空自衛隊美保基地、3つは米軍美保飛行場。同飛行場は2007年10月31日、日米地位協定の適用のある施設、区域とされ、在日米軍との共同施設となっています。 11月4日の市議会総務委員会で私は、中国四国防衛局に対して質問をしました。米軍が美保基地を使用する場合、米軍にはどのような権限が付与されるのか、具体的には排他的管理権があるのかどうかという質問でしたが、いまだに回答がありません。改めて防衛省のコメントを聞いて御答弁をお願いいたします。 9月市議会の決算審査の結果、29項目に及ぶ議会としての意見が出されました。各会派の意見を集約してこのようなコメントをまとめたのは貴重なことです。重要な問題に対して、執行部としては次年度予算にどのように反映するつもりか所見を伺います。 5月に島根県が示したルート帯に対する住民説明会が開催されました。松江北道路の問題です。6月議会で松政クラブの柳原議員と共産党議員団の橘議員が質問しました。答弁によると、一畑電鉄と国道431号の位置関係で通すルートが朝日ヶ丘団地のすぐ横を通るルートに限られるとのことでした。朝日ヶ丘団地での住民アンケートについて、賛成が過半数に達していないと聞きますが、アンケート結果の詳報を聞かせてください。 古江地区の意見集約での問題は、集約方法が総取り方式で、住民の世論を正確に把握できていないことです。自治会や町内会単位で意見を集約して、賛成が過半数だったところは賛成とみなし、集約するやり方です。島根県が示したルートが朝日ヶ丘団地のすぐ横を通るルートに限られたのに、朝日ヶ丘団地の人たちの多数の賛同が得られなかったということは、計画をこれ以上進めることは無理ということになります。250億円もの大型公共事業でわずかな短縮にしかならない無駄な事業ではありませんか。市長の所見を伺います。 松江市議会に対しては、その後説明がありません。所轄の建設環境委員会と相談し、検討状況について説明するよう島根県に要請すべきではありませんか、所見を伺います。 質問の第2は、原発・エネルギー問題です。 熊本地震、鳥取中部地震、福島県沖地震と続いています。福島原発事故の原因も確定しない中での原発再稼働は論外です。そのほか最近の新しい知見も重大問題ばかりです。 共産党議員団は、住民と協力して地震性隆起の実態と海岸化石調査を行って、地震性隆起の年代を確かめようとしました。 ここで皆さんに配付しました資料を紹介させていただきたいと思います。共産党県議団と松江市議団が行いました地震性隆起と海岸化石調査についてです。 これは中国電力が提出した原子力規制委員会審査資料に私どもが加筆して作成したものです。 図の中央に島根原子力発電所がございます。すぐ近くを東西に走る活断層、宍道断層があります。中国電力の評価ですが、西端は魚瀬町の女島、東端は美保関町の下宇部尾東で、25キロメートルの長さと評価しています。宍道断層の東には、鳥取沖西部断層、そして鳥取沖東部断層が確認されていましたが、近年これらは連動の可能性があるとして、F55断層と命名されています。両断層の離隔距離が9キロメートルありますが、つまりひっついてはいないということですが、連動の可能性があるというのです。西側にはF56断層、F57断層と無数にあります。F56断層は3つの活断層の総称ですが、ひっついていなくても連動するとの評価になっています。 中央下の図面は、ことし4月にNHKの番組、NHKスペシャルで放映されたときの映像の一場面です。GPS測定により山陰地方は地盤が年間5ミリメートル東へ動いているとの研究結果が報道されました。全国各地の地盤の動きも調査されました。これまで西日本は一枚のユーラシアプレートに載っかっていると言われてきましたが、プレートは複雑の形態をし、まるでジクソーパズルのようです。山陰地方は、東西方向に地盤の割れ目があり、ひずみが集中しているとの報道です。4月の熊本地震の震央は、まさにこの地盤の割れ目と一致しますし、10月に起きた鳥取中部地震もこの割れ目の付近です。宍道断層と松江市を通る地盤の割れ目とは位置的には一致していません。宍道断層は表面にあらわれたひび割れであり、その真下に震源断層があるとは限りません。地下数キロメートルから20キロメートルぐらいのところの地下構造と地震動を解明してこそ、地震を起こす震源断層と表面にあらわれた活断層との関係を知ることができます。これには大変な費用がかかります。 私たちでもできる調査が、地震性隆起と海岸化石調査です。大地震によって海岸では隆起が起こることが知られています。大地震の回数によって何段にも形が変わります。私たちは県内の海岸を見て回りました。 左下は浜田市の石見畳ケ浦の掲示看板の写真です。明治5年、今から144年前に浜田地震によって隆起した海岸です。縦横に無数の断層やひび割れがあり、まるで畳を敷き詰めたようなので、畳ケ浦と呼ばれるようになったとのことです。 その上、大田市では、地震性隆起の光景が随所に見られます。かつては海中にあり、波の影響で平たんな岩となり、隆起によって平らな島が見られます。波蝕棚と言います。その上の岩のくぼみのあるところは、かつては海面付近にあった地盤です。いずれも地震によって隆起した証拠となるものです。 その上の写真は、大田市五十猛海岸の写真です。少なくとも3回の地震性隆起が確認され、論文でも紹介されています。その右下、出雲市小伊津の海岸でも波蝕棚が見られます。右の下の写真は、出雲市大社町日御碕での断層の写真です。石見畳ケ浦と同様の亀裂が確認できます。 さて、松江市ではどうでしょうか。地震性隆起を示す波蝕棚や海食窪がたくさん見られます。中央より上の写真は、鹿島町御津の海岸の写真です。島根原発の至近距離にあります。 その右の写真は、島根町の写真です。島根原発の東側、島根町でも数段の波蝕棚や海食窪が見られます。その上の写真は、島根町加賀の桂島で発見した生物の化石です。松江市、出雲市、大田市の各地で発見いたしました。これは海水面付近に生息するゴカイの仲間、ヤッコカンザシという生物の化石です。炭素年代測定で地震性隆起と化石化の関係を特定しようとしましたが、検査の結果、この化石はごく最近のもので、地震性隆起との関係をつかむことには至っていません。 島根半島では、数千年から数万年前以降、少なくとも3回の地震性隆起があるとの専門家の分析です。地震性隆起の年代の特定までには至りませんでしたが、本来、中国電力がしなければならない調査ではありませんか。原子力規制委員会や中国電力に対して、この調査を要請すべきと考えますが、所見を伺います。 11月11日の原子力規制委員会の審査会合で、中国電力は宍道断層の長さを25キロメートルとしつつも、基準地震動の策定に当たっては63キロメートルモデルを示しました。そして、基準地震動を800ガルに設定したいとしています。 大変小さいですが、このパネルは、その際の資料の一部です。 宍道断層は25キロメートルとしていますが、基準地震動の策定に当たっては、不確かさを考慮するとして、東端の東方、それから美保湾まで15キロメートル、西端の西方、十六島まで23キロメートルそれぞれ延ばし、合計で63キロメートルのモデルを設定しています。 規制委員会はことしの2月に宍道断層の東端を確認しましたが、文部科学省からの指摘もあり、宍道断層の東端の再評価をすると述べました。委員からは、中国電力が宍道断層の東端を下宇部尾東としていることに対して、もっと東にあるのではないかとの懸念が出され、次回、中国電力は根拠となるデータを整理すると表明しました。 島根県議会では、共産党の尾村利成県議が2日、質問に立ち、島根県当局の姿勢をただしました。島根県側は、島根半島北海岸の隆起に関する調査報告、宍道断層と鳥取沖西部、東部断層との連続、連動可能性に関する意見、山陰地方のひずみ集中帯に関する研究などを規制委員会に情報提供し、規制委員会には引き続き島根原発2号機の基準地震動の設定に関し、断層の調査方法なども含めて厳格に審査していただきたいとの所見を述べておられます。 また、中国電力は規制委員会の指摘に対して、適切に対処していただきたいとの所見も述べておられます。松江市としても、島根県と連携して境水道、美保湾東方沖の再調査、そして鳥取沖西部断層との連動性の検討の要請をすべきではないでしょうか、所見を伺います。 11月14日と19日に、原子力防災訓練がありました。松江市は初めて放射性物質の汚染検査・スクリーニングをしたり、緊急速報メールなどの送信を行ったようですが、教訓は何かあったのか伺いたいと思います。 関連して伺います。避難車両の確保対策、道路、橋梁の耐震性確保対策について、計画と到達点はいかがでしょうか。 今議会に提案されている補正予算の事業で、エネルギー構造転換理解促進事業費が上がっています。市内の地熱資源の利活用についての調査分析です。 先般、私どもは市民からしんじ湖温泉第2泉源の利活用について提言を受けたところです。第2泉源は第1泉源の補充としての活用、温泉スタンドとしての販売に充てられていますが、大半のお湯が廃棄されていることに疑問を持っての提案でした。 この場所は、今後新庁舎建設との絡みも出てくることですし、地熱発電などに結びつけば有効な活用になることも考えられます。住民からの積極的な提案の受け入れや議員との協議を進めていただきたいですが、所見を伺います。 質問の第3は、人権施策と教育についてです。 松江市は2007年に人権施策推進基本方針を策定し、2012年に第1次改定をしました。同和問題を初めとするという表現がなくなったり、同和地区という言葉について、かつて同和措置法があった時代に指定されていた地区という注釈をつけたりと、前進したことは評価します。 来年は5年経過します。人権に関する市民意識調査を新たに実施されるならば、その基本スタンスを伺います。 2012年9月に策定された調査報告書の問い12で、同和問題に関して特にどのようなことが人権上の問題だと思いますかという設問がありました。このことについて、私は問題意識を持っています。思うかと聞けば、過去の認識や人から聞いた話などが反映され、最近の認識や自分の体験として聞いたことがない集約になることから、設問の仕方として、実際に見聞きしたことを集計すべきという意見があちらこちらで上がっています。大田市では、設問を変えました。大田市の昨年11月の調査報告書を見ますと、「あなたは、同和問題に関して現在どのような人権上の問題が起きていると思いますか。また、具体的に差別の実態を見たり、聞いたりしたことがあれば記入してください」という設問になっています。具体的な記入は一切なかったとのことです。 このような問題が起こるのは、内閣府が行う意識調査の設問がそうなっているからではないでしょうか。全国地域人権運動総連合がことし2月に政府と交渉し、設問が科学的集計にたえられるように変更するよう要望したところ、検討するとの回答でした。いずれにしても、大田市のように具体的事実があったかどうかの項目を追加しておけばよいのではないでしょうか。松江市でも次期の意識調査設定に当たってどのように改善されるのか所見を伺います。 松江市の松尾会館の展示物として松江市立第三中学校の人権教育の取り組みが紹介されていました。その一つとして、学習会の取り組みというのがありました。紹介いたしますと、松尾地区在籍の中学生が毎年減少する中、本年度も学習会を開催することになった。生徒は1名。昨年と同様、中間テスト、期末テスト前に行い、年間10回を予定していると言います。参加者の学習したい内容に合わせて三中の教員2名が指導に当たるようです。小学生を対象とした学習会では、学力向上と集団づくりを主な目的に、なかよし会という学習会が開催されているようです。 かつては同和加配という制度がありました。今は名称としてはなくなりましたが、実質は生きているように思います。そのことを含め、小中学校の児童生徒支援加配教員の学校別配置数を伺います。 以前、松江市では学力促進学級というのがありました。特別措置法の時代から同和関係地区周辺の子どもを対象に学力促進と差別をなくす実践力を培う目的で行われていたと思います。 学力促進学級が廃止された理由を伺います。また、現在三中で行われている学習会は、学力促進学級と教育上の位置づけでどこが違うのか伺います。雑賀小学校のなかよし会についても、同様の質問をいたします。 人権団体の中でも、同和団体への補助金が特段に多いことは何度も述べてきました。部落に関する差別意識も差別事象も少なくなり、松江市内の同和会支部は、今年度末に発展的に解散する状況です。格差や差別の解消が一定進んだ段階での差別をなくす道は、特別扱いをしないことです。松江市の団体補助金は、同和団体は独自の補助要綱がつくられていますが、他の人権団体と同様にするよう見直すべきではありませんか。 大田市では、人権啓発事業補助金交付要綱をつくっています。女性、子ども、高齢者、障がい者、同和問題、外国人、患者、感染者等の人権問題の意識啓発事業及び研修事業で、どの団体も同じ基準です。 統一要綱の作成で、補助金の公平化、適正化の決意を伺います。 質問の第4は、国民健康保険についてです。 松江市革新懇が10月15日に、国保問題のシンポジウムを開催しました。そこで出された市民の状況は、高過ぎる保険料のため正規の保険証が取り上げられ、受診後、死亡したケースが報告されました。国保加入者の8割以上がワーキングプアと無職者という構造上の問題があります。市町村国保が抱える構造的課題とは何か、何が原因と考えるか伺います。 安倍内閣の進める医療保険改悪は、医療費適正化計画による給付費削減、地域医療構想による病床削減などの権限を全て都道府県に集中し、強権的に進めるものだという指摘もありました。国保運営の都道府県化の狙いは、適正化という名の医療費削減にあると思いますが、所見を伺います。 11月20日の新聞紙上に、国保への国の支援を減額するという記事を見ました。2017年度分の支援3,400億円のうち、数百億円を減額すると伝えられています。財政支援は都道府県化の前提条件だったはず。国に対して削減は約束が違うと主張し、反対することを求めたいと思いますが、決意はいかがでしょうか。 10月の国保問題のシンポジウムで強く意見が出されたのは、5億8,000万円余に及ぶ国保基金を取り崩そうとしていないことへの不満でした。これまで松江市は赤字になりそうだからという理由で値上げをしてきました。黒字になって基金がたまったら、今度は将来不安に備えて基金をためておくという理由です。これでは市民をばかにしています。地方自治体の仕事は住民の命と財産を守ることです。国の政治がひどいときだからこそ、悪政から市民の防波堤にならなければなりません。その一つの対策が国保料の引き下げです。基金を取り崩して1世帯1万円の保険料引き下げを求める、その決意を伺って私の質問を終わります。(拍手) ○議長(山本勝太郎) 松浦市長。 〔松浦正敬市長登壇〕 ◎市長(松浦正敬) 片寄議員の代表質問にお答えを申し上げたいと思います。 まず、市長の政治姿勢ということで数点お伺いがございました。 1つは、TPP問題でございます。このTPP協定につきましては、自由主義経済の中で経済のグローバル化による成長を期待するということでございます。このアジア太平洋地域の12カ国の間で政府が協議を重ねてやっとまとまったというものでございますので、首相の発効に向けた意欲は私もよくわかるところでございます。 その一方で、特に農林水産業におきましては、不安、懸念がございますので、この本会議でもたびたび申し上げておりますように、全国市長会におきまして、ことし6月に農林水産分野におけるTPP対策に関する重要提言といたしまして、6項目を国会議員、それから関係府省に提出をした経緯がございます。TPP協定の承認案と関連法案につきましては、現在参議院に送付されております。アメリカ大統領選挙の結果もありまして、TPP協定の発効は現在不透明な状況でございますけれども、今後の動向を注視して状況を見守っていきたいと思っております。 2点目は、核兵器禁止条約の締結交渉と平和首長会議ということでございます。 御指摘がありましたように、政府が核兵器禁止条約の交渉開始の決議に反対をしたことは大変残念なことだと思っております。しかしながら、交渉に参加をして、唯一の被爆国として主張すべきことはしっかり主張していくということでございますので、今後の経過を見守ってまいりたいと思っております。 3点目は、自民党の改憲案ということでございますが、この問題につきましては、かねてからお答えを申し上げておりますとおり、今のところはまだ政党の草案でございます。今後これにつきまして、各政党間で議論が行われていくものと考えております。 4点目でございますけれども、アベノミクスの行き詰まりと地方の疲弊改善についてということで、日本共産党のほうで産業振興につきまして提言をいただいております。私も地方創生を進めるためにも、それから第1次総合戦略にも掲げておりますように、地域資源を活用してもうかる産業を創出していくと、そして事業者の経営力の向上を図っていくことが松江市の産業振興の一番の課題であると考えております。このことが松江市の今後のまちづくりにも極めて大きな影響を与えてくるということは、けさ方の森脇議員の御質問にもお答えを申し上げたとおりでございます。 企業力を高めるためには、産業人材の育成などを支援するとともに、ものづくり産業の活性化、あるいはIT産業の振興、農林水産業の成長産業化などを一層進めていく必要があろうと思っております。 それからあわせて、地域経済の柱でございます観光産業、これにつきましても、国宝松江城を中心といたしました歴史的なまち並み、それから茶の湯文化など、観光資源に磨きをかけまして、観光客の誘客拡大を図って外貨を稼いでいく必要があると思っております。 それから、先日ふるさと名物応援宣言を行ったところでございますけれども、この宣言を生かして地域の特色ある歴史や文化、農林水産品、観光資源などといった地域のすぐれた産品を掘り起こして、その地域資源を強みとした商品開発、あるいは販路拡大などの取り組みを商工会議所、商工会、関係団体と連携を図りながら支援していく仕組みを構築して、地場産品の消費拡大を図ってまいりたいと思っております。 5点目は、自衛隊の軍事機能増強問題でございますけれども、御指摘ありましたような、議員からの総務委員会での御質問に対しましては、現在中国四国防衛局に対しまして回答いただくように、既に求めているところでございます。 6点目でございますが、市議会の決算審査の意見を新年度予算にどう生かすのかということでございます。 この平成29年度の予算編成に当たりましては、平成28年度の決算特別委員会においていただいた審査意見、これを十分に踏まえてつくり上げていくことといたし、また予算編成方針におきましても、その旨を庁内全体に徹底をいたしたところであります。 今後、編成作業を進めていく上で限られた財源の中ではありますけれども、御指摘をいただきました事項につきましては、予算における措置、あるいは執行方法について創意工夫をしながら、可能な限り実現できるように、実施できるように努めてまいりたいと考えております。 7点目でございますが、松江北道路問題でございます。 まず、これまでの経過でございますけれども、県が示しました古江案の検討状況につきまして、ことし1月から3月にかけて特に影響が大きいと考えられる朝日ヶ丘団地と灘東地区で、また5月には古江地区全体を対象に島根県とともに説明会を開催いたしたところでございます。そして、欠席された方も含めましてアンケートも実施をいたしたところでございます。 そのアンケートで、古江案で進めたほうがいいと思うかという設問に対しまして、朝日ヶ丘団地では否定的な意見が一番多くありましたけれども、これは過半数には達していないと、つまり意見が分かれている状況になっているということでございます。 なお、全体といたしまして、古江地区全体のアンケート結果でいきますと、この古江案が半数を超えているという状況になっております。 この松江北道路につきましては、圏域の観光振興、あるいは産業発展にも大きな効果を期待できる重要な道路であるということでございますので、島根県には検討された結果、あるいは古江地区の意見、アンケート結果も十分考慮いただいた上でルート帯を早期に決定していただきたいと考えているところでございます。 市議会の皆様への状況説明、あるいは報告につきましては、適切な時期にいたしたいと考えております。 2点目は、原発・エネルギー問題でございます。 地震性隆起の調査を規制委員会、中国電力に求めるべきだと、それから宍道断層の再調査、連動性の検討が必要と思うけれども、所見はいかにということでございます。 かねてから原子力規制委員会に対しましては、最新の知見を踏まえて厳格な審査を行ってほしいということを要請してきたところでございます。地震性の隆起の問題につきましても、これが今後新たな知見として認められるかどうか、そこらも踏まえて、これは規制委員会のほうで十分検討されるものと思っております。 それから、宍道断層の東端につきましては、議員が指摘されましたように、原子力規制委員会の審査官から再整理の指示がされるなど、大変規制委員会も厳しい姿勢で審査をされていると聞いているところでございます。 いずれにしましても、地震性の隆起の問題も含めて耐震安全性評価に反映すべき新しい知見が認められれば、審査にこれは反映されていくものと考えておりますので、引き続き注視をしてまいりたいと思っております。 それから、原子力防災訓練の教訓でございますけれども、今回の原子力防災訓練では、11月14日に初動対応訓練、それとPAZの鹿島地区住民の一時集結所への参集訓練、これを行いました。それからまた、19日にはUPZの法吉、城北、城東、朝日地区住民の浜田市への広域避難訓練を実施いたしたところでございます。 原子力防災訓練におきましては、毎年度スクリーニング訓練を実施してきておりますが、19日の訓練では島根県が検査箇所に選定いたしました湖陵総合公園で実施をいたしました。 さらに、今回緊急速報、いわゆるエリアメール、これを初めて活用いたしたところでございます。 この訓練を行って感じましたことは、スクリーニングポイントでございますけれども、大きなバスを何台も入れますので、会場のレイアウト、あるいは車両の誘導などにもう少し工夫の余地があるのではないかと、少し時間がかかったという感じを受けました。 それから、緊急速報、エリアメールにつきましては、災害時の情報入手のツールとして周知が図られたことは一定の成果があったと思っております。 私も避難されました住民の皆様方にエリアメールをごらんいただいたかどうかということの確認をいたしましたけれども、ほとんど全ての方が御存じだったということでございます。 今この訓練の参加者へのアンケート、それから第三者機関の評価等につきまして、取りまとめを行っているところでございまして、今後県、それから関係機関と連携して課題の検証を行って、今後の訓練等にも生かしてまいりたいと思っております。 それから、関連して避難車両の確保対策、道路、橋梁の耐震性の確保対策についての計画と到達点ということでございますが、まず避難車両の確保対策でございますけれども、これは島根県広域避難計画におきまして、県が国、関係機関の協力を得て確保することになっております。現在、中国地方各県のバス協会、それからタクシー協会を通じまして、各事業者に対して避難住民等の輸送に協力していただくように依頼をしているところと聞いております。 それから、バスによる搬送ができない場合などは、自衛隊や消防などによります広域的な支援体制づくりにつきまして、国と2県6市などで構成いたします島根地域原子力防災協議会の作業部会において検討が進められているところであります。 それから、道路、橋梁の耐震性確保対策でございますけれども、市内の幹線道路、それから防災拠点を結ぶ道路を緊急輸送道路ネットワークとして設定をしております。これに定めました国道、県道、市道の橋につきましては、各道路管理者が耐震対策を行っているところでございます。松江市におきましては、耐震補強が必要な10橋につきまして、平成27年度までに落橋防止対策を完了いたしたところでございます。 それから、県におきましては、緊急輸送道路上にあります15メートル以上の橋梁の耐震化について、平成30年代半ばの完了を目指して推進されているところと聞いております。 それから、温泉水利用と地熱発電でございますが、片寄議員のほうからしんじ湖温泉の第2泉源の利活用の御提言をいただいたわけでございます。御指摘をいただきました松江しんじ湖温泉については、市内で最も有望な温泉資源の一つなわけでございます。この地域で取り組める新たな事業展開につきましても、あわせて検討していきたいと思っております。 3番目の人権施策と教育につきましては、担当の部局長のほうから答弁をさせたいと思います。 4点目の国民健康保険でございます。 まず、都道府県化に伴う問題ということで、市町村国保が抱える構造的課題とは何か、そしてまた国保運営の都道府県化の狙いはということでございます。 この国保制度でございますけれども、この本会議でもたびたび申し上げておりますが、農林水産業者、あるいは自営業者を中心とします制度として創設をされたところでございますが、他の公的医療保険に属さない人全てを被保険者にしているために、人口の高齢化、あるいは産業構造の変化等に影響を受けやすく、制度発足当時と比べまして、現在は高齢者の割合が増加をしている、それからさらに無職者の割合が増加をしていることが構造的な問題であると捉まえているわけでございます。 都道府県化は、県が財政運営の責任主体となって安定的な財政運営や効率的な事業運営の確保等において中心的な役割を担うものでございまして、御指摘がありましたような医療費の削減を目的としたものではないと考えております。 2点目は、国の財政支援削減に反対をすべきではないかということで、御指摘のとおり我々は国保への国の財政支援、合わせて3,400億円があるわけですが、この減額につきましては、既に6月、それから11月、国に要請をいたしております。 また、このたびの報道を受けまして、11月24日に全国知事会長、全国市長会長、全国町村会長の連名によりまして、財政支援の拡充を確実に実行するように要請をいたしたところでございます。 3点目は、基金を取り崩して保険料の引き下げをすべきではないかということでございますが、この点につきましても、たびたびお答えを申し上げておりますように、急激な医療費の増加等に柔軟に対応するためには、基金を残した状態で都道府県化に移行することが望ましいと考えております。 基金を取り崩しての保険料の引き下げということは考えてはおりません。 ○議長(山本勝太郎) 三島総務部長。 ◎総務部長(三島康夫) それでは、人権施策と教育の部分の人権意識調査について、まずお答えさせていただきたいと思います。 前回、平成24年度に人権に関する市民意識調査、これを実施しております。これから5年が経過をしております。その間に顕在化いたしました新たな人権課題、例えばヘイトスピーチとか、いろいろな問題がございます。社会情勢の変化もあることから、さまざまな人権に関する市民意識の現状を把握し、今後の施策の参考とするとともに、松江市人権施策推進基本方針改定の基礎資料とするために、平成29年度に市民意識調査を実施する予定でございます。 インターネット上の人権侵害など、人権課題は多様化、悪質化する傾向にございます。次期の意識調査に当たりましては、御質問ございました設問の設定も含めまして、島根県、あるいはお話がございました大田市、国、他自治体の事例等も参考にしながら、市民意識の現状を的確に把握できるように改善を図る検討をしてまいりたいと考えております。 それと2点目は、団体補助金の統一要綱の策定でございます。 松江市の補助金につきましては、松江市補助金等交付規則に基づきまして、補助金の目的、あるいは対象事業の内容等によりまして、それぞれに交付要綱を定めることとしております。現在、人権問題解決に向けた団体補助といたしましては、ほかに松江人権擁護委員協議会、あるいは松江市企業等同和問題研修推進連絡協議会等がございますが、それぞれの事業内容等を勘案し、それぞれに交付要綱を策定しております。同和問題の早期解決に向けた取り組みを行う運動団体の交付要綱が特別だとは考えていないところでございます。 運動団体に対します補助金につきましては、同和問題を一日も早く解決するためには、行政だけの取り組みでは限界もございます。地区の方々の思いを的確に把握するとともに、運動団体の協力を得ながら施策を推進していく必要があることから行っているものでございます。 今後、人権に関します新規の要望等がございますれば、その際に公益性、必要性等を鑑みて要綱を制定してまいりたいと考えております。 9月議会でもお答えしておりますが、運動団体に対します補助金につきましては、松江市の補助金に関する基本方針等に基づきまして、引き続き事業の公益性、効果等を見きわめながら適正化に努めてまいりたいと考えております。 ○議長(山本勝太郎) 古藤副教育長。 ◎副教育長(古藤浩夫) それでは、教育に関しまして学習会に係る2件の御質問につきまして、私からお答えをいたします。 まず、小中学校の児童生徒支援加配教員の学校別配置数でございますが、今年度の学校別配置数は雑賀小学校が1、古志原小学校が2、川津小学校が2、乃木小学校が1、大庭小学校が1、持田小学校が1、一中が1、二中が2、三中が2、四中が1、湖南中学校が1、湖東中学校が1、東出雲中学校が1、以上合計13校に17名を配置しております。 この経緯でございますが、同和対策の根拠として、昭和62年に施行されました地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律、これは大変長い名前でございましたので、縮めまして地対財特法とよく呼ばれておりましたが、これが平成14年3月で失効したことに伴いまして、同和加配教員は廃止されたものでございます。その後、同年4月から国の措置としまして、不登校やいじめ、問題行動等に対応するものとして、新たに児童生徒支援加配教員が配置されて現在に至っているものでございます。 続きまして、学習会、なかよし会等についてでございます。 学力促進学級は、昭和57年から同和対策事業の一環として実施されてまいりました。その後、松江市では、平成22年度に小中一貫教育を市内全域において実施することにあわせ、全ての子どもたちを対象にして学力保障の取り組みを推進することに伴い廃止したものでございます。 お尋ねの学習会もなかよし会も、子どもたちの学力保障を目的にしている点では同じものでございますが、これらの取り組みは各学園で子どもたちの実情に応じて希望する児童生徒を対象に行っていることや、会場も学校であったり近隣の施設であったりと、子どもたちが集まりやすい場所に設定していることなど、同和問題に特化しない観点で実施している点におきまして、教育上の位置づけに違いがございます。以上でございます。 ○議長(山本勝太郎) 28番。 ◆28番(片寄直行) 終わります。 ○議長(山本勝太郎) 以上で本日の日程は全部終了しました。 本日は、これにて散会いたします。 〔午後4時28分散会〕...