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09月18日-02号

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  1. 松江市議会 2007-09-18
    09月18日-02号


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    平成19年第6回 9月定例会    平成19年第6回松江市議会定例会議 事 日 程(第2号) 平成19年9月18日(火曜日)午前10時開議 第1 一般質問────────────────────────────────────────本日の会議に付した事件 一般質問────────────────────────────────────────出 席 議 員(47名)    1 番   田  中  明  子  君    2 番   畑  尾  幸  生  君    3 番   吉  金     隆  君    4 番   森  脇  幸  好  君    5 番   松  蔭  嘉  夫  君    6 番   渡  部  美 津 子  君    8 番   南  波     巖  君    9 番   葉  山  泰  子  君    10 番   朝  倉  弘 太 郎  君    11 番   津  森  良  治  君    12 番   森  脇  勇  人  君    13 番   宅  野  賢  治  君    14 番   川  井  弘  光  君    15 番   福  間  俊  夫  君    16 番   桂     善  夫  君    17 番   斎  藤  菊  市  君    18 番   加  藤  富  章  君    19 番   小  笹  義  治  君    20 番   田  中  豊  昭  君    21 番   板  垣     亨  君    22 番   勝  部  加  代  君    23 番   福  田  安  信  君    24 番   太  田     薫  君    25 番   田  村  昌  平  君    26 番   篠  原     栄  君    27 番   角  田  正  紀  君    28 番   安  部  吉  輝  君    29 番   加  本  市  郎  君    30 番   林     干  城  君    31 番   片  寄  直  行  君    32 番   藤  田  彰  裕  君    33 番   足  立  利  人  君    34 番   森  脇  敏  信  君    35 番   三  島  良  信  君    36 番   石  倉  茂  美  君    37 番   山  本  勝 太 郎  君    38 番   三  島     進  君    39 番   飯  塚  悌  子  君    40 番   西  村  び  ん  君    41 番   立  脇  通  也  君    42 番   石  倉     幹  君    43 番   後  藤  睆  一  君    44 番   比  良  幸  男  君    45 番   出  川  修  治  君    46 番   中  村  晴  洋  君    47 番   加  藤  滋  夫  君    48 番   田  中  弘  光  君───────────────────────欠 席 議 員(なし)───────────────────────欠     員(1名)───────────────────────事務局職員出席者  事務局長    野  津  精  一  君  参事      富  田  豪  二  君  議事調査課長  桔  梗  和  夫  君  書記      高  橋  浩  三  君  書記      門  脇     保  君  書記      和 田 守  晃  三  君  書記      杉  原  加  奈  君───────────────────────説明のため出席した者  市長      松  浦  正  敬  君  副市長     伊  藤  忠  志  君  副市長     片  山  重  政  君  収入役     山  本  弘  正  君  市長室長    清  水  伸  夫  君  総務部長    川  原  良  一  君  総務部次長   吉  岡  誠  一  君  財政部長    原        厚  君  産業経済部長  能  海  広  明  君  観光振興部長  木  村  和  夫  君  市民部長    田  中  寛  美  君  健康福祉部長  松  本  修  司  君  環境保全部長  宅  和  勝  美  君  都市計画部長  森     秀  雄  君  建設部長    原     憲  二  君  消防長     柳  原  知  朗  君  監査委員    小 松 原     操  君  教育委員会委員長久 保 田  康  毅  君  教育長     福  島  律  子  君  理事      友  森     勉  君  副教育長    杉  谷  充  久  君  水道局長    小  川  正  幸  君  水道局業務部長 松  浦  俊  彦  君  水道局工務部長 吉  岡  敏  則  君  ガス局長    谷     正  次  君  交通局長    渡  部  一  雄  君  市立病院院長  錦  織     優  君  市立病院事務局長油  谷  健  一  君─────────────────────── 〔午前10時00分開議〕 ○議長(田中弘光君) おはようございます。これより本日の会議を開きます。─────────────────────── △日程第1 一般質問 ○議長(田中弘光君) 日程第1「一般質問」を行います。 順次発言を許します。 36番石倉茂美君。 〔36番石倉茂美君登壇〕 ◆36番(石倉茂美君) おはようございます。松政クラブの石倉茂美でございます。 安倍首相が12日に突然の退陣表明をされました。これから政府が都市と地方の格差の問題の解決に取り組んでいかなければならないやさきのことであり、まことに残念に思います。新首相には地方が明るい展望を切り開いていけるよう、地方格差の是正に全力で取り組まれ、ぜひ国民の期待にこたえてもらいたいと希望するものであります。 それでは、松政クラブを代表いたしまして質問いたします。 特に、財政問題、原発問題、大橋川改修にかかわる問題を中心に何点か質問いたしますので、明快な答弁をいただきますようお願いいたします。 戦後間もない昭和20年10月の国勢調査時点において7,200万人であった我が国の人口は、その後一貫して増加を続け、昭和45年に1億人を突破、平成17年には1億2,700万人余となりました。しかしながら、少子高齢化が長く続いた結果、我が国の人口は平成17年をピークに減少に転じたところであります。 平成になってからの高齢化率の推移を見てみますと、平成2年には12%、平成7年には14.5%、平成12年には17.3%、そして平成17年には20.1%となるなど着実に、しかも急激に高齢化が進展してきました。これに対して15歳未満の年少人口の比率は高齢化率と反比例し、加速度的に低減し、平成17年には13.7%にまで下がっております。 このように、我が国は世界に類を見ない超少子高齢社会に突入しているのであります。人口は地域活力の源と言われていますが、松江市においては高齢化が国よりも一歩進んだ状況にあり、これを打開するための定住人口と出生数の増加を促す施策の展開が喫緊の課題であります。 こうした状況を踏まえられ、松浦市長は平成19年度予算において「働く」「住む」「育てる」「生む」に力点を置いた定住施策の推進と、産業の振興を初めとする5本の柱を掲げられ、諸事業を果敢に展開しておられるところであります。まことに時宜を得た施策であり、深く敬意を表しているところであります。しかし、これらの施策を計画的かつ継続的に推進するためには、財政の健全性の維持が必要不可欠であります。 そこで、まず財政問題についてお伺いいたします。 本年6月、地方自治体の破綻を早い段階で食いとめることを目的とする地方自治体財政健全化法が成立し、自治体本体の収支だけをチェック対象としていた現行の財政再建団体制度が改められることとなりました。そして、平成20年度決算からは病院などの公営企業会計や第三セクターを含めた連結ベースで財政状況を把握する制度が適用されることとなり、実質赤字比率連結実質赤字比率実質公債費比率、将来負担比率の数値を議会に報告し、公表することが義務づけられたところであります。 平成18年度の決算状況を見てみますと、普通会計ベースで実質単年度収支は7億3,700万円余の黒字であります。公営企業会計への繰り出しは公債費に充てる、いわゆる償還分を含めて18億4,000万円余となっております。一方で、財政調整基金と減債基金の残高は合わせても50億円で、平成18年度公債費の決算額159億5,000万円余の31%程度、平成19年度の一般会計予算額約900億円の5.5%程度であり、現行制度のもとでもなかなか厳しいものがあると思います。 そこで、平成18年度決算を平成20年度決算から適用される新制度で評価した場合、実質赤字比率連結実質赤字比率実質公債費比率、将来負担比率の数値をどのように見込んでおられるのか、まず伺っておきたいと思います。 また、こうした中で住民ニーズにこたえるための各種施策を継続的に展開するため、どのような財政健全化策をお考えなのか、あわせて伺っておきます。 次に、定住人口の増加に直結する雇用の拡大について伺います。 平成17年10月の国勢調査によりますと、市内における製造業の就業者数は約8,400人で、就業人口総数の約8.8%を占めております。国際文化観光都市県庁所在都市、こうした都市の特性からして、この数字が高いのか低いのか、また妥当なのか、判定は容易ではありません。しかし、松浦市長は産業の振興が都市の活性化を図る上で不可欠であるとの判断から、数年前に産業経済部を新設され、その中に企業誘致推進課を配置されました。そして、原子力発電所の立地市という条件をフルに活用され、企業の誘致に積極的に取り組んでこられました。去る8月11日の山陰中央新報に、日韓の合弁企業で情報技術関連MCセキュリティソフトビジネスパークに進出するとの記事が掲載されておりました。まことに喜ばしい限りであります。 そこで、現時点においてどの程度の誘致企業数を見込んでおられるのか、今後の方針も含めて、差し支えのない範囲でお知らせいただきたいと思います。 また、本年度の新規事業として、Ruby City MATSUEプロジェクト事業情報サービス産業等立地促進補助金制度を創設されましたが、現在の状況をお知らせください。 私は、定住を促進し活力ある20万都市を目指すためには、市外からの人口流入を促すことはもちろん大切ですが、それ以上に市外への人口流出を防ぐことが肝要だと思います。そのために就職に関する情報を可能な限り早く開示し、正確に伝えることが極めて重要だと思います。 続いて、都市計画マスタープランについてでございますが、これにつきましては出川議員さんの方から内容の濃いのをやっていただくということで、私は、今回は取りやめさせていただきます。 次に、子育て支援に関連して、放課後子どもプランについて伺います。 子育て支援策としては、特に就学前の乳幼児を対象とするものとして、認可保育所の待機児童の解消や、多様なニーズにこたえるため、延長保育や一時保育などに鋭意取り組まれているところであります。 また、保護者負担の軽減を図るため、松浦市長の御英断により保育料を約33%減額するだけでなく、就学前児童の医療費の個人負担についても上限額を通院で月に1,000円、入院でも月に2,000円に設定されるなど、就学前の乳幼児を持つ家庭に対する支援はかなり進んでいると思います。就学後においては、小学校3年生までの保育に欠ける児童を対象として放課後児童クラブが各地区で運営されていますが、特に大規模小学校においてはニーズに対応し切れない状況にあると聞いています。放課後子どもプランは、基本的に各小学校の施設を利用して、保育に欠ける欠けないにかかわらず、希望する者がだれでも利用できる事業で、本年度は3つの小学校でモデル的に行われる予定となっております。 私は、今後ますます核家族化や女性の社会進出が進む中で、保護者が安心して働くためには、基本的には希望する全児童が参加できる事業として早く定着させるべきと考えます。そこで、現在までの準備の進捗状況と今後の見通しなり、お考えをお聞かせいただきたいと思います。 次に、安全な教育環境づくりという視点から、小中学校の耐震対策等について伺います。 地震列島と言われる我が国では、平成7年1月の阪神・淡路大震災、平成12年10月の鳥取西部地震、平成16年10月の新潟県中越地震、つい最近発生した新潟県柏崎刈羽地域での地震など、挙げれば切りがないほど各地で地震が頻発し、大きな被害をもたらし、ここは安全と言える場所はありません。 こうしたことを踏まえ、文部科学省の有識者会議が8月6日、大地震で倒壊する危険が高い建物を最優先に、2008年度から5カ年で耐震化を進める計画を策定し、特に震度6強以上の大地震で倒壊する危険が高い構造耐震指標0.3未満の建物は、この5年間に最優先で整備すべきとの報告をまとめた旨の記事を読みました。 報道によりますと、対象となる建物は小中学校だけで全国で1万2,000棟に上るようですが、松江市の現状、計画策定の時期、整備方針についてお知らせいただきたいと思います。 私は、将来を担う子供たちが安全で安心して勉強できる環境を保障することは当然のことだと考えますが、厳しい財政状況の中で、短期間ですべてを同時に整備することは不可能なことも理解できるところであります。したがって、耐震化が終了するまで避難訓練を含めて何らかの措置を急ぐ必要があると思いますが、どのように対応されるお考えなのか伺っておきたいと思います。 次に、橋のメンテナンス方針について伺います。 日本時間の8月2日午前、米国ミネソタ州ミネアポリス市でミシシッピ川にかかる橋梁が落下し、たくさんの人が犠牲になるという大惨事が発生しました。犠牲になられた方々が一日も早く回復されるようお祈りいたしたいと思います。 8月11日の山陰中央新報は、ミネソタ州の橋崩落事故を受けて橋の安全性がクローズアップされている。山陰両県でも高度経済成長期に集中して建設した橋の老朽化が進み、今後一斉に寿命を迎えるため、安全な維持管理が大きな課題となっていると報じています。県内には建設後60年を超える橋が118、10年後に60年を迎える橋が224あるようですが、松江市には県管理で該当する橋は幾つありますか。また、市管理の橋で60年を超えた橋が幾つあるかお尋ねしたいと思います。 特に、旧松江市の中心部は、大橋川はもとより江戸時代につくられた堀川が今も残り、松江を代表する観光資源の一つとして利用されております。このように多様な水域に恵まれた松江市は、我が国でも数少ない水の都ですが、それだけに円滑な交通を確保するため、たくさんの橋がかけられているのであります。これらの橋が仮に落下するような事態になれば、想像を絶する渋滞が発生し、経済活動はもとより市民生活に大きな影響が出ることは想像にかたくありません。したがって、財政は大変厳しい状況にあろうかと思いますが、すべての橋を対象に定期的に点検し、必要に応じて事前に補修しておくべきと考えますが、市長の見解をお聞かせいただきたいと思います。 関連して、港湾、漁港の計画的改修について伺います。 合併後、松江市には県管理港湾2港、市管理港湾16港、県管理漁港6港、市管理漁港12港、重要港湾の境港を合わせると37港の港が存在いたします。ほとんどの港湾、漁港の建設計画は終わっており、中には建設後30年近くたっているものもございます。旧町村部では形態は漁港でありながら、港湾として取り扱われているところもあり、港湾、漁港の一部は高波による砂防を目的としてなされたところもございます。この中には経年劣化をしてひび割れや損壊している場所も多く見受けられます。港湾、漁港の改修は至って工事費もかさみますが、早期改修をすれば工事費も安くすることができると思います。現在、県の海岸保全事業などの名目で、一般海岸については海岸、護岸などの工事も行われています。また、港湾、漁港についても波浪による損傷などについて随時補修等行われているところでありますが、現在港湾、漁港の改修、修繕は計画的に行われているのか伺います。 また、近年台風の大型化、高潮、地震、それと地震による津波など予期せぬ自然災害への対応が求められています。海岸線の保全改修など、そういった意味でもいま一度国、県との協議が必要であると思います。市として計画的な改修計画や保全計画を立てるべきと思います。現在、改修については産業経済部の水産振興課が対応されていますが、総合的に考えていくためには総務部や建設部で対応する方が対応しやすいのではないかと思いますが、あわせて市長の所見をお聞かせください。 次に、原発問題についてお伺いいたします。 多発する地震の状況については先ほど述べましたが、最近では去る7月16日、地震規模マグニチュード6.8という新潟県中越沖地震が発生しました。この地震により11名の方がお亡くなりになり、2,000名の方が重軽傷を負われるなど甚大な被害をもたらしました。建物被害は全壊、半壊を合わせて3,500棟近くを数え、現在も住民の皆さんが避難所生活を余儀なくされております。亡くなられました方々の御冥福を心からお祈り申し上げます。また、被災されました皆様に心からお見舞い申し上げますともに、一日も早い復興を願うものであります。 さて、新潟県中越沖地震は、我が国の原子力行政のあり方を根本から問い直さなければならない多くの課題が突きつけられました。これまでの原子力の安全神話が足元から大きな音をたてて崩れ落ちていく、そのような危機的な状況にあるのではないでしょうか。 火災発生から2時間もの間、黒煙が立ち上る映像を世界じゅうのテレビが報道しました。驚くべきことに、全国の多くの原子力発電所に化学消防車も配備されず、消防体制が全く無防備な状態であったことを初めて国民は知りました。報道によりますと、使用済み燃料プールから水があふれ、放射性物質が海に漏えいし、微量ではありますがヨウ素や放射性物質が排気塔から空中に放出され、またクレーンが損傷して炉心内部の点検も行えない状況です。水による放射能漏れの可能性を電力会社の職員は午後4時過ぎに把握していたとのことです。しかし、5時過ぎに現地を視察した安倍首相には水の漏えいについて説明はなく、国へ電力会社が報告したのは、実に発見から9時間後の午後7時過ぎでありました。まことに異常な事態です。 ダムの数値改ざんに端を発した不適切事案について国が全国一斉点検を行い、事故の報告体制の確立を電力会社に厳しく指導したのは、つい4月のことです。それにもかかわらず、9時間もの間、国と電力会社が放射能漏れなしの情報を地元の住民はもとより国民に流し続ける結果となったことは、極めて遺憾に思う次第であります。 今や、国の安全審査体制と電力会社に対する国民の信頼は地に落ち、原子力発電に対する国民の不信と不安は極限に達しているのではないかと危惧するものであります。新潟県知事が国に対してIAEA調査団早期受け入れを求める異例の要望を行い、そして柏崎市長が消防法に基づいて原発関連施設緊急停止命令を発動されたこと、これらはすべて国の審査体制が既に立地地域住民の信頼を失ってしまっていることを如実に物語っているのではないでしょうか。国の責任者には猛省を求めたいと思います。 さて、今回の地震で最も重要な問題は、これまでの世界の原発で最大の揺れを観測したことです。新聞によれば、国は2004年の中越地震の後、柏崎刈羽原発に大きな影響を及ぼす断層は存在しないとする報告を出していたと報じています。ところが、国があり得ないとしていた地震が起こり、想定していた地盤の設計値273ガルに対し、その2.5倍を超える680ガルを記録、1階の建物の設計値834ガルに対し観測値は2,058ガルにも達しました。 昨年、国は耐震指針を見直しています。それまでのように全国一律の地震規模で設計するのではなく、それぞれの原発で想定される最大の地震に耐えられる設計とする内容に指針は改定されたとのことです。国は今回の事態を招いたことを重く受けとめ、これからは厳格なる審査を行うよう強く要望するものであります。 また、プルサーマル導入の問題については、松浦市長におかれては去る8月31日、山陰中央新報の中で同社の取材に応ずる形で、導入の判断に当たっては、あくまでも国の安全審査の中で耐震について安全が確認された後にプルサーマル導入を判断するとする従来からの考え方を改めて示されたところであります。安全性の確保については最優先で、今後とも適切な判断をお願いしたいと思います。 それでは、以下2点のことについてお尋ねします。 まず、今回の地震による調査で新たな学説も示されると思いますが、それらを踏まえて、国は国民が納得できるように、もう一度耐震指針あるいは審査のあり方を見直す必要があると思いますが、市長の所見を伺います。 もう一点は、現在の島根1号機と2号機、建設中の3号機の設計値は何ガルに想定されており、何倍の何ガルまで耐えるように建設されているのか、そして早期の補強工事の必要性はないのか伺います。 また、関連して、島根原発3号機の工事が進んでいますが、当初地元発注に大きな期待を寄せていた中小企業者に対する仕事が思ったほど回ってきていないという声を聞きます。商工会議所や商工会ではいち早く受注協議会を設立され、地元業者への発注促進に向けて取り組まれているところでありますが、市としても厳しい財政情勢の中で、地元業者への一層の受注拡大について支援していくべきかと思いますが、市長の見解をお聞かせください。 次に、大橋川改修について伺います。 この問題は現在議会に陳情が出され、宍道湖・中海問題等対策特別委員会で審議しているところであります。治水の必要性についてはだれも異論はないと思いますが、計画されている大橋川改修事業はこれまでに松江市が経験したことのない大事業です。住民生活に大きな影響が出ることは避けられませんし、景観の問題もこれから意見が出てくると思います。松江市の財政問題など、いろいろな視点から慎重に検討していかなければならない大変に重要な課題であります。 市の中心部を10年以上かけて工事をする計画と聞いていますので、旅館や中心商店街など、そこで営業しておられる皆さんにとっては大変深刻な問題であります。工事期間中にお客さんが来るのだろうか、工事中に移転していて、その後帰ってきてまた商売がやっていけるだろうかといった不安の声を聞きます。市民の理解と協力がなければ事業はできません。営業と生活の補償についてきちんと住民に説明しなければ、市民の理解は得られないと思いますが、この点について十分な補償がされるか伺います。 この大橋川改修事業は、基本的には国の直轄事業であると認識していますが、中には松江市が行う事業もあると思います。しかし、松江市も極めて厳しい財政状況にあります。この治水計画が立てられた昭和54年当時とは公共事業に対する国民の意識も社会情勢も大きく変わりました。このような状況の中では限られた事業しかできないというのが現実ではないかと思います。松江市が行う事業費はどの程度になるのか、試算されているものがあれば概算の事業費を伺いたいと思います。 さて、昨年の豪雨災害では、天神川を初め、湖北地区、宍道地区、玉湯地区などで水が宍道湖から中小河川に逆流してあふれ、住宅や農地が浸水して多くの市民の皆さんが被害を受けられました。これらの河川の改修も今回の治水事業の中でなされるのかという質問を市民の方から聞きます。中小河川の改修工事が完了しませんと、幾ら宍道湖の治水事業を完成させたとしても、同じ災害が今後も繰り返されることになると思います。中小河川は県の管理だと思いますが、県ではこれらの河川の堤防や水門の設置など、どのような改修計画を立てて調査されているのか、具体的な治水事業計画の中へはどのように中小河川の改修計画が盛り込まれるのか伺います。 最後の質問になりますが、これまで大変かた苦しいような質問ばかりさせていただきましたので、少しソフトな内容について伺いたいと思います。 去る7月15日に堀川遊覧船就航10周年記念式典が、乗船客300万人達成記念式典とあわせて、松江堀川ふれあい広場において盛大に開催されましたことは御案内のとおりであります。まずもって堀川遊覧船就航事業が本市における有力観光資源として定着し、今やなくてはならないものとなるほどに確立されたことはまことに喜ばしい限りであり、就航以来今日まで御尽力されてきた松江市を初め、関係各位に敬意を表しますとともに、末永く運航されるよう一層の期待をするものであります。 ところで、私も式典に出席させていただきましたが、そのときの祝賀アトラクションとして、堀川遊覧船船頭さん方による堀川音頭が披露されました。この堀川音頭は私は初めてでしたが、大変心にしみ入るいい曲で、踊りともマッチして深く感動した次第でございます。せっかくのいい曲と踊りでありますので、この際市民の皆さんにも広く知っていただくように広めていかなければいけないのではないかと思いました。市長さんを初め、市の関係者も多数同席されていましたが、恐らくそう思われた方も多いと思います。 そこで、これの普及方法として、例えばCD化して販売していくとか、また船着き場に常設のステージを設置して、そこで乗船客に堀川音頭を披露していくような仕掛けができないのか、あわせてこのステージでは、市民の皆さんが各公民館のサークルで身につけられた地元の民謡などを披露していただく場として出演してもらうような方法も考えられると思いますが、いずれにしましても堀川遊覧船のさらなる魅力アップとPRの一助として、堀川音頭の普及拡大について市長の見解をお聞かせいただきたいと思います。 以上で私の質問は終わりますが、適切な答弁をよろしくお願いしたいと思います。(拍手) ○議長(田中弘光君) 松浦市長。 〔市長松浦正敬君登壇〕 ◎市長(松浦正敬君) 石倉茂美議員の代表質問に対しましてお答えを申し上げたいと思います。 まず第1問は、財政問題ということでございまして、財政の健全化に対してどういうふうに考えていくかということでございます。 財政健全化法が施行されまして、御指摘がございましたような4つの指標に基づいて今後この健全化というものを評価していくと、こういうことになっているわけでございます。 そこで、この4つの指標を平成18年度の決算数値をもとにして本市の場合算定してみた場合に、まず実質赤字比率ということでございますが、1.3%ということでございまして、前年度に比べまして1.2%の改善、それから実質公債費比率でございますけれども、算定方法の変更あるいは分母の標準財政規模が縮小したというふうなことによりまして23.7%ということで、前年度に比べまして2%の悪化ということになっております。 それから、連結実質赤字比率でございますけれども、この算定方法につきまして、いまだ詳細な方法というものが示されておりませんが、例えば公営企業について内部留保資金額というものを合算した参考値で試算をしてみますと、6.2%の黒字でございまして、前年度に比べて3.4%の改善、それから将来負担比率でございますけれども、これにつきましては、現在算出方法は国の方から示されておりませんので、算定困難ということでございます。 今後、どういう形で財政の健全化策を考えていくのかということでございますが、この4つの財政指標というものを中心に考えていくわけでございますけど、中でも実質公債費比率の引き下げということが最も緊急かつ重要な課題だというふうに思っております。したがいまして、行財政改革というものによりまして事務事業の見直しを行って、効率的な行財政運営というものを図っていくということ、それから地方債につきまして、繰り上げ償還あるいは高い金利の地方債の借りかえ、さらには地方債の発行の縮減と、こういったことに取り組んでいきたいというふうに思っております。もちろん、その際には市民サービスの維持ということについて、きちっと中心に据えながらやっていかなければいけないというふうに思っております。 こうした取り組みによりまして、私どもは、この実質公債費比率を早期に20%台まで下げていきたいと。そして、可能な限り早い時期にいわゆる一つの基準とされております18%以下になるように改善をしていきたいと思っております。 それから、2点目は定住人口の増加に直結する雇用の拡大ということでございますけれども、1点目は、どの程度の企業誘致というものを見込んでいるのかと、あるいは今後の方針ということでございますけれども、5月に第一精工株式会社が進出を決定をいたしております。それから、7月には御指摘がございました日韓の合弁会社の株式会社MCセキュリティが立地を決定されております。それから、平成14年に誘致をしました島根CSKでは、今度事業拡大というものを行いまして、3年間で145人の雇用増というものを計画をされているということでございます。 今後の方針ということでございますが、御承知のとおり、電力使用料の半額を助成していくと、こういう企業立地支援補助制度というものを前面に打ち出して、製造業の企業立地を中心にしまして推進をしていきたいというふうに思っておりますが、11月には愛知県を中心としました鉄鋼業関連の現地視察会を島根県とタイアップして行うことにしております。また、情報サービス産業につきましては、10月に東京におきまして、情報サービス産業に特化した企業誘致セミナーを島根県とタイアップして開催をしていきたいというふうに思っておりますが、引き続き製造業、それからITの関連の企業誘致というものを中心に積極的に展開をしていきたいというふうに思っております。 それから、2点目はRuby City MATSUEプロジェクト事業等の御質問でございます。 Ruby City MATSUEプロジェクトでございますけれども、昨年テルサの別館に松江オープンソースラボというものを設置をいたしまして、Rubyを初めとしましたオープンソースソフトウエアの認知度の向上、それから普及のために産・官・学の連携によって設置をいたしましたしまねOSS協議会がここを活動の拠点にいたしているわけでございます。県内外から講師を招いて毎月オープンソースサロンというものを開いております。今、毎回多くの参加者がございまして、参加者間の交流が活発に行われているということでございます。 それから、その結果でございますけれども、大変OSSにかかわる企業、技術者、研究者から松江が注目を集めるようになっておりますし、松江と東京などのIT中心地との間で企業や研究者のさまざまな交流というものが始まっております。 それから、ことしの4月でございますけれども、このRubyを開発をしました、まつもとゆきひろ氏の業績が認められまして、4月でございますが日経BP技術大賞というものを受賞されたわけでございます。この日経BP技術大賞は、これまでは個人の受賞というのはなかったわけでございますが、初めて個人としてこの大賞を受賞されたという大変な栄誉でございます。これによりましてRubyの評価、知名度というものも格段に向上したということでございます。 それから、これまで松江のIT企業というのは下請体質だということを言われておりましたけれども、現在こうしたRubyというものを起爆剤としまして、地元企業によりますOSSの分野への新たなチャレンジというものが始まっているということでございます。 また、学の関係では、島根大学でことしの10月からRubyプログラミング講座というものを開設をしていただくと、こういうことになっております。 それから、Rubyの開発支援、それから資格認定試験、こういったものを行って、一層Rubyというものを普及、宣伝をしていこうというRubyアソシエーションという会社が、テルサの別館に設置をされるということになったわけでございます。 こうした私どもの1年間の成果によりまして、このたび日本経済新聞社等の主催によります日経地域情報化大賞2007の大賞を受賞することが決定をいたしたということでございます。 一方、私どもは、そうした情報サービス産業の立地促進を図るために、今年度から立地促進の補助金制度というものを設けております。これは、そうした情報サービス産業の家賃の助成というものを行っていくという制度でございますけれども、現在、島根デザイン専門学校、これは奥出雲町で運営されているものでございますが、この専門学校のデジタルメディア科、それからビジュアルデザイン科が松江市へサテライト教室を開設をするということを決定をされているわけでございまして、この補助制度の第1号ということになるわけでございます。引き続きこうした補助制度等も活用しながら、情報サービス産業の誘致を積極的に図っていきたいというふうに思っております。 それと、議員もおっしゃいましたように、こうした企業誘致、あるいは企業の活性化ということと並びまして、やはり、雇用の拡大ということが大事でございます。最近、とみに言われておりますのは、誘致してきた企業というものがなかなか人材というものが確保できないということが言われているわけでございまして、議員が御指摘になりましたように、早期のこちらの高校生の卒業者、卒業見込みの人たちに対しての人材確保、こうしたことをこれからも積極的にやって、企業誘致とあわせて効果を上げていきたいというふうに思っております。 それから、4点目、5点目の放課後子どもプラン、それから小中学校の耐震対策等につきましては、教育委員会の方からお答えをさせていただきたいと思います。 6点目の橋のメンテナンス方針ということでございますけれども、松江市内の橋の状況ということでございますけれども、まず県管理の橋梁でございますけれども、現在81橋ございます。そのうち架橋後60年を超えた橋梁が16、それから10年後に60年を迎える橋が28というふうに伺っております。また、市で管理をしております橋梁でございますけれども、現在大小合わせまして1,068あるわけでございますけれども、なかなかその中には小規模の橋梁でございまして、架橋年の把握が難しいもの、あるいは合併により調査中のものもございますけれども、そういう中で現在把握をしております橋梁のうち60年を超えた橋が5橋、それから10年後60年を迎える橋が20橋ということでございます。こうした橋につきまして、これから健全度の点検を行いまして、道路橋長寿命化修繕計画というものを策定をして、今後必要性の高いところから順次対応していきたいというふうに思っております。 それから、7点目は港湾、漁港の計画的な改修ということでございます。 現在、松江市では漁港が12、それから港湾が16のそれぞれ管理を行っているわけでございます。この中で国の採択を受けました整備計画に基づいて事業実施をしております漁港が多古、沖泊、野波、片江の4漁港でございまして、今後もこの計画に沿っての事業実施をしてまいりたいと思っております。 それから、港湾につきましては、国の採択を受けた整備計画はございませんけれども、中海干拓事業の中止に伴う補償事業として、八束町内の港湾施設を計画的に整備をするということにしております。 御指摘がございましたように、今後施設の老朽化が進んで修繕の必要性が認められる施設、あるいは地球の温暖化によります高潮であるとか、あるいは高波の影響を受けている施設、こういった施設につきましては整備計画の再申請も考慮しながら、計画的な事業実施に努めていきたいというふうに思っております。 さらに、海岸保全でございますけれども、これにつきましては、県がことしの3月に策定をしました沿岸海岸保全基本計画の中で、松江市におきましては11海岸について整備計画が策定をされているところでございまして、今後県に対しまして計画的な事業実施を要請していきたいと思っております。 それから、この改修についての対応する部局ということでございますが、現在、産業経済部の水産振興課の所管ということにいたしております。これは市町村合併に伴いまして港湾とか漁港もふえたこと、それから市民からもわかりやすいということで、港湾と漁港をあわせたということで水産振興課の所管にしているわけでございますけれども、現在、改修計画を立てまして、関係部署とも連携をとりながら実施をしているところでございまして、特に支障を来しているということはないと考えております。 今後、御指摘がございました自然災害等への対応も含めました海岸整備計画の策定に当たりましては、プロジェクト的な対応も含めまして、どのような体制で行うべきかも検討していきたいというふうに思っております。 それから、8点目は原発問題でございまして、中越沖地震による柏崎の刈羽原子力発電所の被害、影響、こうしたものに基づく今後の島根原発のあり方と、こういったことにつきましての御質問でございます。 今回の中越沖地震によります柏崎刈羽原子力発電所への被害、影響につきましては、現時点ではまだ全容が解明をされていないということでございます。今後、新たな知見も含めまして耐震安全性の評価に反映すべき事項が明らかにされ、そして現在進められております新耐震指針に基づく原子炉の耐震安全性の評価にこれが適切に反映されるものと考えております。 また、今回の地震におきましては、想定外の揺れが観測されたわけでございまして、その原因としまして、活断層が適切に評価、考慮されなかったということが指摘をされているところでございます。 この新耐震指針の中では、今後の新たな知見と経験の蓄積に応じてそれらを適切に反映するよう見直される必要があるというふうに述べておりますので、こうした今回の状況を受けまして、国において耐震指針等の見直し等、必要な措置がとられるものと考えているわけでございますけれども、私ども立地市町村の協議会でございますが、全原協による必要な申し入れ等々も含めて対応していきたいというふうに思っております。 それから、現在の島根1号機、2号機、3号機の設計値でございますが、設計地震動(加速度)でございますけれども、1号機が300ガル、それから2号機が398ガル、3号機が456ガルというふうに設計をされているわけでございます。 何ガルまで耐え得るかということでございますけれども、基本的にはこの設計値というものを超えることがあってはならないということは言うまでもないわけでございますが、現実問題としましては、柏崎刈羽原子力発電所におきましては、安全上重要な構造物等に重大な被害が現在まで報告されていないということでございまして、設計値を超えても相当程度の余裕はあるものと考えております。 補強工事の関係でございますけれども、現在、中国電力において中越沖地震による柏崎刈羽原子力発電所で観測した地震動に基づいて、島根原子力発電所1、2号機に与える影響の概略検討というものを行っております。その結果を踏まえて必要な対応がとられるものと考えております。 それから、原発問題の3点目は、地元業者への一層の受注拡大ということでございますけれども、今3号機につきましては、敷地の造成あるいは護岸工事などの準備工事に引き続きまして、本館の基礎掘削などの本工事が進められているわけでございます。中国電力に対しまして、引き続き一層の地元企業への受注拡大に配慮いただくように依頼をしているところでございまして、中国電力におきましては、この工事、約4,000億円かかる工事でございますが、これの約10%を地元の受注で賄いたいと、こういう目標を言っているわけでございます。また、それ以外に弁当あるいは宿泊、こういった日常的なものにつきましても、できるだけ地元のものを使っていただくように、今後とも依頼していきたいというふうに思っております。 それから、9点目は大橋川の改修問題でございます。 まず一つは、大橋川の改修事業を進める上での市民の理解と協力ということが何よりも必要だと、こういうことでございます。おっしゃるとおりでございまして、大橋川の改修事業を進めていく上で、市民の合意形成を図りながら計画的に計画策定を行っていく必要がある。その中で、特に営業補償あるいは生活再建についての基本的な考え方を示すということが、何よりも重要だというふうに考えております。 現在、一般的には収用対象となる家屋等への補償というものが原則ということでございまして、工事期間中の営業等への影響につきましては補償の対象外ということになっておりますが、今後国土交通省に対しまして、こうした営業補償等につきまして検討を行うように強く要望していきたいというふうに思っております。 それから、松江市が行う事業費でございますけれども、まず河川の拡幅あるいは築堤のほかに、現状の道路、橋、港湾施設、公園、こういったものの機能保障を含めまして、河川改修にかかわる事業というものは国土交通省が行うということになっております。それに伴いまして、背後地の整備というものが考えられるわけでございますけれども、市といたしまして必要最小限の整備を基本としましてやっていきたいと思っております。 この事業費でございますけれども、まだ河川改修計画というものが定まっておらない段階でございますので、それらの事業費につきましては算定をしておりませんが、今後速やかに河川改修計画の策定に合わせまして概算事業費を算定をしていきたいというふうに思っております。 それから、大橋川の改修に伴って、中小河川の整備というものをどのように考えていくのかということでございますが、大橋川改修に関連いたします県の管理河川といたしましては天神川、京橋川、それから朝酌川がございますけれども、天神川、京橋川につきましては、水門を設置をするという計画にいたしております。それから、朝酌川につきましては、大橋川との合流部の検討というものを行っているところでございます。 県におきましては、今後国土交通省と調整をしながら具体的な計画づくりを行いまして、大橋川と並行してこうした河川の河川整備計画を策定する予定というふうに聞いております。 また、宍道湖へ流入する中小河川につきましても整備を要望していきたいというふうに思っております。 それから、10点目でございますが、最後の御質問で、堀川遊覧船の就航10周年記念式典の際の堀川音頭の普及というお話でございます。 これまで堀川遊覧船、10周年を迎えたわけでございますけれども、これまで船頭さんによります個性豊かな案内、心のこもったおもてなしと、こういうものが遊覧船の魅力を高めて、松江の観光のエースになるまでに育てていただいたというふうに感じておりまして、船頭さんのこれまでの御努力に対しまして感謝を申し上げたいというふうに思っております。 その10周年の記念式典の中で堀川音頭、これも船頭さんたちがおつくりになったものでございますが、堀川音頭を式典で聞かせていただいたわけでございます。これは、当日は大変激しい雨の中でございましたけれども、そうした中でも歌、それから踊りに一生懸命やっていただいたわけでございまして、堀川遊覧船をもっとよくしていきたいという思いが、私どもにひしひしと伝わったわけでございます。 この堀川音頭そのものも大変テンポがよくて、堀川の風情の伝わる非常によい曲だというふうに私も思っておりまして、この歌を遊覧船で観光客に御披露申し上げたり、それから堀川でのイベント開催時に歌ってもらうと、こういうふうな形で今後船頭さんとも相談をしながら活用を図って、そして今後遊覧船の魅力というものがさらに高まるように努力をしていきたいというふうに思っております。 ○議長(田中弘光君) 福島教育長。 ◎教育長(福島律子君) それでは、放課後子どもプランについてまずお答え申し上げます。 放課後子どもプランにつきましては、今年度乃木小学校区、竹矢小学校区、古江小学校区をモデル校区に指定いたしております。この3つの校区ともに児童、保護者へのアンケートを実施いたしまして、意見集約の結果等をPTA総会や地区の保護者懇談会で報告いたしまして、事業説明を行ってまいりました。 そのうち、竹矢小学校区におきましては8月に運営委員会が発足し、今年度の事業計画に基づきまして、近日中に放課後子ども教室を週2回開設する予定となっております。また、乃木小学校区、古江小学校区におきましても、2学期中の開始を目途にそれぞれの校区で関係者による検討会を立ち上げ、地域の実情に即した運営組織や具体的な事業計画を検討していただいております。 今後の見通しにつきましては、ことし6月に設置いたしました松江市放課後子どもプラン運営委員会におきまして、放課後の総合的な児童対策事業計画でございます、仮称でございますが、松江市放課後子どもプランを今年度中に策定いたしまして、平成23年度までに全部の小学校区に放課後子ども教室を開設する、そういう計画でございます。 なお、あとの耐震計画等につきましては、友森理事の方からお答え申し上げます。 ○議長(田中弘光君) 友森理事。 ◎理事(友森勉君) 小中学校の耐震対策についてお答えします。 松江市の現状、それから計画策定の時期、整備方針についてですが、現在、松江市の小中学校の校舎、屋体、183棟あります。そして、183棟の内訳ですが、昭和57年以降の新しい耐震基準によって設計されたものが70、それから昭和56年以前、古い耐震基準により設計されたものが113棟でございます。そして、この113棟のうち69棟は平成18年度末までに耐震診断が完了しています。そして、69棟の内訳ですが、補強工事が必要がないというものが17棟、そして既に補強工事を実施したものが8棟、そして補強工事をまだ実施していないものが44棟ございます。そして、お尋ねの構造耐震指標が0.3未満のものが5棟あるというものは、この44棟の中の5棟です。 そして、問題の5棟ですが、うち1棟は既に改築に向けた設計に着手をしております。そして、残り4棟は来年度から耐震化に着手をすると、こういう予定でおります。それから、耐震診断未実施の44棟のうち24棟は、既に改築計画を予定しているために耐震診断はしないということでおります。残る20棟について平成19年度に18棟、平成20年度に2棟を実施をしようという計画でございます。 そして、抜本的な耐震化推進計画ですが、文部科学省が平成19年度に策定する耐震化推進計画の内容、これを踏まえて策定をすることになりますが、危険度が高いものから優先的に耐震化を図っていくと、こういう方針でおります。 それから、2点目のお尋ねですが、耐震化が終了するまでの避難訓練を含めての措置ということですが、まず1点目です。各学校において内壁、天井材、それから照明設備など、それから収納棚の転倒を防ぐ、こういうことによって二次的被害、人的被害が起こらないようにいたしております。 それから、今後耐震診断の結果を関係者に周知をして、定期的に実施しています地震時を想定した避難訓練、これに反映をさせていこうというふうに考えております。以上でございます。 ◆36番(石倉茂美君) 終わります。 ○議長(田中弘光君) 45番出川修治君。 〔45番出川修治君登壇〕 ◆45番(出川修治君) 松政クラブの出川でございます。今回、代表質問の機会をいただきましたので、6月議会以降、市政に関係する動きの中から、同僚議員と質問がダブらないようにして、大きく4点質問通告書を提出いたしました。しかし、世の中の流れというのはまことに早く、1週間前の通告締め切り以降もいろんな変化がございました。議会と執行部との申し合わせによりまして質問項目を変えることはいたしませんが、一部提出した原稿を手直しいたしております。数字とか事前の調査を要するものではなく、市長の基本的な考えをお聞きいたしますので、御答弁のほどよろしくお願いいたします。 最初に、広域連携について。 今期定例議会の初日でありました9月12日の午後、安倍首相が突然辞任を表明されました。いかなる事情、状況をしんしゃくしても、退陣の仕方、タイミングが余りにも唐突であり、個人的にも大きな違和感と、人間というもののもろさを感じた次第でございます。 しかしながら、後継総裁選は日本の将来の姿をより深く論じ合う一つのチャンスであります。こうしたことを通して信頼回復と政治が安定軌道に乗ることを強く願うものでございます。 さて、安倍氏が退陣を余儀なくされたこの夏の参議院選挙は、小泉構造改革の負の部分、すなわち地域、業種、個人の所得差の拡大に対する不満の広がりとともに、年金不安や閣僚の不祥事などが重なって自民党は大敗いたしました。その前には、小泉首相による郵政解散選挙の自民党の圧勝がありましたが、マスコミの取り上げ方にもよりますが、極端から極端へと走る最近の我が国の政治風土や国民の投票動向には、重厚で温和な日本人の特質も失われていくようで寂しい気持ちもいたします。 そうはいっても、現実の流れは待ってくれません。世界の総人口が65億人、そのうち60%、40億人の人は1日2ドル以下、240円ぐらいでしょうか。それくらいの生活費で暮らしていると言われております。日本の置かれている立場、財政状況、果たすべき役割など大局的に考えれば、構造改革路線の必要性も十分理解できるわけですが、偏り過ぎた国内の富や税財源の再配分はぜひ必要だと思います。 少し前の話になりますが、ことしの3月、くにびきメッセおいて中海、宍道湖、大山圏域の将来を考えるシンポジウムというものが開催され、圏域人口約66万人を擁するこの地域のポテンシャルをどう生かすかという議論を興味深く拝聴いたしました。 基調講演を受け持たれた東大の大石教授は、この地域を東アジア全体のような広い地図の中でどう見るかを考えないといけない。そして、強い日本をつくるためにもこの地域に早く高速道路を整備することが重要である。採算性のよしあしのレベルの議論に惑わされてはいけないと強調されておられました。 私も地方財政制度というものは単に市場主義で構築すべきではなく、我が国の内政安定や税財源の偏りを是正すべく、地域間、自治体間での相互扶助という視点を持たねばならないと感じております。必要な仕事に必要な財源を確保することと問題先送りのばらまき競争とは全く意味が違います。パネリストとして出席された松浦市長も、中海市長会を有機的に活動させる必要性を話しておられましたが、山陰両県の中心に位置するこの圏域のリーダーとして、今回の参議院選挙でクローズアップされた諸問題についての感想、新政権のかじ取りに対する要望、広域市長会の取り組み等について所感を伺いたいと存じます。 続きまして、国際定期航路の運航について。 去る8月20日、アシアナ航空の玄東実日本地域本部長が鳥取県の平井知事を訪ね、搭乗率低迷による採算性を理由に10月28日から米子-ソウル便を運休する方針であると伝えられたことが報じられ、山陰両県に激震が走りました。幸いにも、これを受けて新たな緊急支援策を設け、直接交渉に及ぶなど、鳥取県知事を中心とした速やかな対応により、運航は当面継続されることとなりました。 鳥取県は、2001年4月の同路線就航当初より毎年7,600万円の運航支援費を計上しており、それだけでも日本路線の中でアシアナ航空に対する最も手厚い支援額であったと言われておりますが、今回提示された鳥取県の支援策は、今後の採算目標である搭乗率70%を切った場合、1席当たりの単価の75%の9,000円を保証金として支払うという思い切ったものでありました。これによりまして、今年度の鳥取県の公費支出額は1億円を超すものと見込まれております。 ところで、問題はこうした手厚い公費支出による運航支援策も、当面の延命措置にすぎないということでございます。とにもかくにも搭乗率の安定的な向上なくしては路線の維持は見込めません。 本年8月初めに行われました日韓航空協議により、首都圏以外の乗り入れが基本的に自由化されたことによりまして、航空会社はより採算性のよい航路に機材を投入いたします。また、国内路線との競争だけではなく、中国を初めとする経済成長著しい周辺諸国との航路維持競争も、より熾烈をきわめることが予想されております。 現代は大交流時代と言われます。それでなくても経済規模の小さい、定住人口の増加が見込めにくい当地方にありまして、交流人口獲得競争におくれをとることは、まさに死命を制されることにつながります。 かつて日韓定期航路の開設をめぐり、鳥取県と競争して敗れた経緯もあり、同路線の利活用については我々の地方は一歩引いていたような感が否めませんが、時代は大きく変わっており、積極的に協調し、またよい意味での競争をしながら、圏域一体の総力を挙げてインバウンド、アウトバウンド、出る人、入る人の客の増加、開発策に取り組まなければならないと考えます。 そこで、以下の質問についてお答えをいただきたいと存じます。 1番目は、松江市としてこれまで米子-ソウル便を地域振興の大切なインフラとしてどのように位置づけ、この利活用にどのように取り組んでこられたのか、経過と現状についてお聞かせください。 2番目は、松江市が今後この路線の維持に向けてどのように取り組んでいかれるのか、お考えを聞かせていただきたいと存じます。 アシアナ航空に対する運航支援補助金に相乗りするというようなものは、ほとんど意味がないわけですから、県に支援要望するだけでなく、市独自の利用率向上策も必要と思われます。数人規模の民間交流に対する補助金等の支援、修学旅行等の交流促進、あるいはナイトステイ支援策などが考えられないのかお伺いいたします。 特に、ナイトステイについては、現在の米子-ソウル便運航時間帯の利用勝手が悪いため、岡山、広島に利用客が流れている実態もあるようです。 一方、米子-ソウル定期便を利用した民間交流の芽も育ち始めているようにも感じております。私の周りでは国際交流員として来ておられた方の関係で、ソウル近郊都市のテニス愛好者との交流が始まっており、この数年20名程度の方が同定期便を使って交互に行き来をしておられます。 つい先日聞いた話でございますが、この夏の水郷祭に来られ、松江の花火に大変感動された大邸のテニス愛好者の皆さん方が、今回の定期航路運休騒ぎを受けて、早速アシアナ航空の本社に定期便運航継続の陳情をされたそうでございます。大変うれしい話であります。 たまたま私がテニス協会のお世話をしている関係で、そうした話を申し上げましたが、いろいろな団体や個人グループでも、ちょっと耕せば交流の芽は育っていくと思います。私も議員として何かしなければと思いまして、しばらく休眠しておりました松江市議会議員日韓親善議員同盟の再立ち上げをお願いしたところでございますが、国際文化観光都市当局といたしまして、できるだけの支援策を講じていただきたいと存じます。 3番目は、出雲空港についてであります。 前段でも申しましたが、日韓の航路開設は基本的に自由となりました。新たな日韓航路、またナイトステイの受け入れ先として出雲空港が考えられないか。また、現在関係諸団体で上海との定期航路開設に向けてチャーター便の運航等の取り組みもなされております。定期、不定期便を含めまして、ぜひ出雲空港と近隣諸国を結ぶ航路が多数開設されるよう望むものでございます。 国、県、関係機関への要望活動もさることながら、まず松江市が行動することが周辺自治体を巻き込む原動力ともなると思います。行動すれば負担も伴いますが、圏域のリーダーとして松浦市長の取り組みに期待し、お考えを伺います。 東出雲町との関係について伺います。 8月26日に投票が行われました東出雲町長選挙におきまして、新人の鞁島氏が前町長の石原氏を破って当選されました。新聞報道によりますと、鞁島新町長は、松江市との関係改善と合併を前提とした協議を申し入れたいとのことでございます。 従来の松江市と東出雲町との関係が悪かったのかどうか、私はわかりませんが、私は、4年前の東出雲町の合併の是非を問う住民投票の結果につきまして、大変残念に思っておりましたので、松江市と東出雲町が一つの自治体となる機運が高まるのは、個人的に大いに歓迎すべきと考えております。 しかしながら、前回の大変なエネルギーを要した旧松江市と7町村との合併協議の経緯、そして合併後の動向もあり、前回と同じような対等合併での協議というのは考えにくいと思っております。仮に、東出雲町が松江市と合併をしたいという意向で住民投票されることになるとすれば、その住民投票の前に松江市としての合併に対する考え方を示す必要があると思いますが、いかがでございましょうか。 また、首長同士の人間関係のよしあしで委託事業の負担額が変わるものではないと思いますが、町長が変わったことにより、従来協定していたごみ処理や消防の負担割合が変更されることがあり得るのかどうかお尋ねをしたいと思います。 いずれにいたしましても、東出雲町は松江市にとって、この圏域発展のための大切なパートナーの一員でございます。共通の利益のために大きな視点で前向きな関係を構築していただきたいと強く願うものでございます。 続きまして、2番目の項目、快適な住環境づくり。 1番目、松江市都市計画マスタープランについて伺います。 大型合併による新松江市が誕生して早くも2年が経過いたしました。大きくエリアが広がった新市全体のあるべき姿を模索し、一つの方向性を持ったまちづくりをするためにも、松江市都市計画マスタープランの作成が待たれるところでございます。 都市計画マスタープランにつきましては、おおむね10年前に都市計画法に基づきまして旧松江市、旧玉湯町、旧宍道町において作成されており、その内容は主に定住、雇用促進、観光拠点整備、都市基盤整備等を行い、定住人口、交流人口増を目指したものでございました。それから10年たち、少子高齢化、人口減少の流れは加速度を増しております。 地域が広がった新松江市は、こうした現実を見据え、旧松江市の市街化区域、市街化調整区域、旧町村の拠点区域をどのように位置づけ、それぞれ都市における機能と役割をどのように持たせるのか、めり張りのあるグランドデザインづくりが望まれます。 各地域、各市民のさまざまな要望を吸収することは非常に大切でございます。非常に大切ですが、それらすべてにこたえるために、結果として松江市全体が沈没してしまっては意味がございません。世界のグローバル化が進み、時代の流れはますます激しく、住民ニーズも多様化する中で、松江市のリーダーとして失ってはいけないもの、変えなくてはいけないものを識別し、10年先のあるべき都市像をどのように描こうとしておられるのか、現時点での市長のお考えを伺います。 続きまして、線引きの見直しや廃止について。 都市計画法に基づく線引きの大幅な見直しや廃止を求める声もよく聞くところでございます。この点について伺います。 都市計画法は約40年近く前に定められた法律ですが、線引きをして土地の利用制限をするか否かは、その都市が置かれている状況によって違うと思いますので、時代の移り変わりとともに当然見直しも必要かと思います。 市街化区域の線引きや用途地域の指定は、住居環境の保護や業務の利便性の向上など、秩序あるまちづくりに一定の効果が期待される一方で、私権を制限することにより自由な土地利用を妨げ、結果として市の活力をそぐという面があるのではないかというふうにも言われております。市長はどうお考えでございましょうか。 市街化区域は、現在2,649ヘクタールで、地域に占める割合は約12%、調整区域は1万1,721ヘクタールで、地域に占める割合は約53%となっております。松江市は、現在市街化区域内の不動産所有者に対し0.2%の都市計画税を課税しており、平成18年度の納税義務者は3万7,186人、調定額は10億7,800万円となっております。この都市計画税は、当然のことながら目的税であり、その区域内の道路、公園、上下水道、電気、ガス等の都市計画施設の整備に関する費用に充当されることとなっており、都市計画税を課するか否か、あるいは税率をどの程度にするかは、自治体が判断して条例で定めることとなっております。 前段の質問とも関連しますが、市域全体の均等な整備あるいは線引きの廃止ということになりますと、現在の都市計画税の賦課についても、そのまま賦課するというわけにはいかないと思いますが、この点についてはいかがでございましょうかお伺いいたします。 3番目は、大規模開発と住民トラブルについてでございますが、高層マンション建築等の大規模開発と住民トラブル。 つい先日、ある知人から、自宅の前に突然高層マンションが建設されることになりました。業者の説明会に出ると、法的な面はすべてクリアしているので、計画変更する気はないと言われ、突然の話で途方に暮れているとの電話をいただきました。 建築紛争とは他人のことだと思い、平和に暮らしていたある日、突然こうしたトラブルに巻き込まれ、景観も日照も一変したという話はよく聞くところでございます。特に、数年前から建築確認申請が地元の県、市窓口でなくても全国のいろんな認定機関でできることによりまして、かえって地元の自治体でも直前までこうした大規模建築の情報が入らなくなったということでございます。したがって、近隣住民にもすべての手続が終わってから知らされることも多いようでございます。 本年松江市と姉妹都市交流40周年を迎える宝塚市におきましては、事業者による住民への説明や住民からの要望の機会を確保し、良好な開発、まちづくりを進めようという趣旨で、開発における協働のまちづくり条例が一昨年秋に施行されております。また、幾つかの都市におきましても総合調整条例というようなものをつくり、市民の権利と受忍限度を明らかにし、建築紛争の泥沼化を回避しようという動きがあると聞いております。 建築基準法とか都市計画法とかは全国押しなべた基準でありまして、ローカルイニシアチブといいますか、地域の実情に合わせた取り組みも必要かと思います。先般、景観法の制定もありましたが、市当局におきましてはこうした条例の検討をされるお考えはないか伺います。 また、今議会にも法吉団地地区計画が上程されております。さきにも同じように本庄や秋鹿団地の地区計画が出されましたが、余裕を持った一戸建ての町並みを将来にわたって確保しようというものであります。これからつくる新しい団地については、こうした取り組みがしやすいわけでございますが、既存の住宅街において、ある日突然隣に高層建築物が建つことに対抗する取り組みが可能かどうか、まちづくりの一環として優良住宅街を守る手助けを行政がされるお考えはないのか伺います。 住民サイドにおきましても、自己責任におきまして自宅付近の空き地についてもっと関心を持つべきだという話もありますが、既存市街地についてもこうした地区計画のような取り組みがほかにもあれば、お知らせをいただきたいと思います。 3番目、定住対策の取り組みの状況について。 定住対策は、全国どこの地方都市においても最重要課題に位置づけられておりまして、それぞれ知恵と汗を振り絞った取り組みがなされております。一口に定住対策と言いましても、産業振興、企業誘致、出産、育児援助、住環境整備等々、それこそすべての市の施策そのものが定住対策と言っても過言ではありません。とは申しましても、先ほども話が出ておりましたが、即雇用の拡大につながる企業誘致は大きな柱の一つだと思います。 少し前の山陰経済ウイークリーで、鳥取県の企業誘致が好調だという記事を読みました。それに比べますと我が市、我が県はもう一つ成果が上がってないように見えます。企業誘致も競争ですから、他地域を超えるやり方でないと成功いたしません。石倉議員の質問にございましたが、我が地域には原発、またRuby等のその他にはない資源もたくさんございます。もっと活用すべきだと思います。 原発につきましても、先ほど工事のメリットもお話しされたわけでございますが、もっと恒常的に雇用につながる、そうした施設をまた要望していくべきじゃないかというふうに思います。 当市は、昨年4月に定住推進本部を設立されました。また、定住地域振興課を設置されるとともに、本年度予算に定住推進特別強化事業枠として2億円を組み込まれました。本年も半年が経過しようとしておりますが、本年定住推進強化事業として打ち出された中で、先ほどのお話がありました以外に特に目立った反応なり成果があらわれたりした事業があれば、お聞かせをいただきたいと思います。 また、特に昨年から取り組んでおられるUIターン対策としての市長の手紙に対する反応、あるいはアンケート結果に対する取り組み方針等についてお聞かせをください。 いずれにしても、攻めの姿勢を強化していただくようにお願いしたいと思います。 最後の4番目、市立病院について。 開院丸2年を経過いたしました市立病院について伺います。 市立病院は、精神医療、小児医療、緩和医療などの特殊な医療、そして救急、高度医療など、公的病院として地域医療の中核を果たす役割を求められておりますが、同時に健全経営を図り、継続して安定したサービスを行っていかなければなりません。 先般、平成18年度の病院事業会計決算書を拝見いたしましたが、収支差し引き23億2,000万円余りの純損失となっております。ただし、新病院としての減価償却費の大幅増や旧病院にかかわる資産の除却損の計上もあり、医業収支のみについて見れば、おおむね努力された結果が出ているのではないかというふうに評価もいたしております。 しかしながら、病院経営を取り巻く環境は、昨年春改定されました診療報酬3.16%の引き下げの影響もあり、一層厳しさを増していると言われております。特に、自治体病院は全国で約980施設のうち69%は赤字だということでございます。医療費の未収金の増嵩も大きな問題になっているとのことでございます。東京都では、病院の努力では回収困難な未収金案件を、都税徴収を担当する主税局に依頼するという新聞記事も目にしました。 また、新医師臨床研修制度により大学病院以外の一般研修病院での臨床研修が可能となり、研修医の大学離れが進んでいるようでございます。そのため、大学自体の医師不足から関連の地域病院に派遣していた医師を引き揚げ、また一方地域病院に勤務する残された医師も労働過重となり、条件のいい都会の病院に移ったり、また自分で開業したりということで、地方病院の医師不足の問題もよく耳にいたします。 そこで、病院長に3点ほど質問をいたします。 1点目は、経営状況についてでございます。 新築移転してから2年になり、その間に中期計画の見直しや定数条例の改正も行われましたが、病院長として移転後の経営状況をどう評価されておりますでしょうか。 また、多額の繰越欠損金を抱える中にあって、今後も引き続いて経営改善をするためにはどういったことが課題となるのでしょうかお伺いをいたします。 2点目は、医師及び看護師などスタッフの確保についてでございます。 隠岐の産婦人科の問題や邑南、そして石見部の病院におきましては常勤医師が確保できない診療科もあり、休診も余儀なくされているところもあるようでございます。また、看護師の確保もままならないような状況もあり、病床の縮小をされているところもあるように伺っております。市立病院の医師確保の状況と、来年からの7対1体制を目指した看護師の採用試験応募状況はいかがでございましょうか、お伺いをいたします。 3点目は、外来と救急患者についてです。 外来患者について、足腰が痛くなりまして奮発してタクシーに乗って市立病院に行ったけども、開業医さんの招待状がないので診てもらえなかったという苦情を何度か聞きました。大病院に患者が殺到する弊害を緩和するためにも、紹介状制度があるのは知っておりますが、多くの市民はせっかく新しくてきれいな病院ができたので、町の開業医に行く感覚で、初診のときから市立病院に行かれる方も多いと思います。すべてだめというのではなくて、恐らく外来患者が多過ぎて診療し切れない科について、そういった対応をされたと思いますが、市民の理解を広げるためにも、せっかくこうしてテレビ放映もされているわけでございますから、この場でどういった現状と対応をされているのか、どういった診療科が多くてそうした対応をされたのか、御説明をいただきたいというふうに思います。 次に、救急医療についてでございます。 救急医療の充実は、市民が安心して暮らすために必要不可欠のものでございます。幸い、松江市には救命救急センターや救急指定病院が開設されており、また消防との連携も良好で、奈良県であったような事例はないと信じておりますが、救急病棟、救急患者の受け入れ状況はいかがでございましょうか。 また、休日応急診療所の閉鎖に伴いまして、市立病院では年度内に小児救急についての対応を強化するとされておりますが、状況はいかがでございましょうか。 次に、市長に市立病院跡地についてお伺いいたします。 旧市立病院も取り壊し、整地も完了いたしまして、すっきりとした更地となりました。この跡地は売却して市立病院建設費の償還財源に充当を予定されているわけでございますが、市の中心部の湖畔の一等地、松江市の宝とも言える場所に位置するわけでございますから、ただ売れさえすれば相手はどこでもよいというわけにはまいらないと思います。 私が主宰する政策研究会で5年前に出版した機関紙におきましても、NHK松江支局の改築にあわせての有効利用というものを訴えましたが、その後NHKの事情により全国的に局舎の建てかえが凍結となり、この構想がストップしておりました。最近になりこの凍結が解除となり、市長もNHKの方にアプローチをされたというふうに伺っておりますが、その状況と見通しについてお聞かせをいただきたいと思います。 また、病院の財政計画では、20年度に売却予定となっていると思いますが、NHKにしろ別の構想にしろ、性急に事を進めても悔いを残すことにもなりかねません。さりとて、あの場所は非常に目につく場所でございます。少しずつ雑草も生えてきております。多くの観光客を見込む開府400年祭の期間中、現状のような姿で置いておくのもいかがなものかと存じます。 私は、現地に行ったわけではございませんが、豊中市の市立病院跡地に関する取り組み経過なるものをネットで見ました。市当局はもちろん、市民委員会や市議会特別委員会でも検討を重ねたようでございますが、跡地利用についてはなかなか難しく、事業計画の成案を得るに至らず、結局プロポーザル方式で暫定利用としてガーデニングショップとバッティングセンター等の利用が行われたようでございます。 市立病院につきましても、一たん市の方で取得して、公園あるいはその他の用途で暫定利用を講ずる必要もあるのではないかと思いますが、御所見を伺います。 以上で通告いたしました私の質問を終わりますが、御答弁のほどよろしくお願いいたします。ありがとうございました。(拍手) ○議長(田中弘光君) この際、しばらく休憩いたします。 〔午前11時44分休憩〕 ────────── 〔午後1時00分再開〕 ○副議長(田中豊昭君) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を行います。 45番出川修治君の質問に対する答弁を求めます。 松浦市長。 〔市長松浦正敬君登壇〕 ◎市長(松浦正敬君) 出川議員の代表質問に対してお答えを申し上げたいと思います。 大きく4つ質問がございましたが、まず第1点目は、広域連携についてということで数点お伺いがございました。 まず一つは、今回の参議院選挙にかんがみて、どういうふうに考えていくのかという話でございます。 参議院選挙がああした結果に終わったわけでございまして、その後安倍総理が続投ということを表明されたわけでございます。私どもは参議院選挙でいろいろ突きつけられましたいろんな課題に対して、安倍総理がそれをこれから一つずつ実行していただけるだろうというふうに期待をいたしていたわけでございますので、ああした形で急にやめられるということに対しましては、大変残念な思いをいたしているわけでございます。 今回の参議院選挙につきましては、やはり、年金問題と、それから都市と地方の格差の問題、こうしたような問題がその争点として上がったわけでございますけれども、私ども例えば格差の問題を取り上げてみましても、格差ということは主張するけれども、それを具体的にどういう形でそれを解決をしていこうとしているのかということについての表明というのが、非常に少なかったのではないかというふうに思えております。やはり、国の景気対策あるいは国の財政の健全化というふうなことが総論としては言われるわけでございますが、そしてそれによって生じたところの成果、あるいはパイを大きくしてそれを地方の方へ配分をしていくと、こういうふうな考え方というのが示されているわけでございますけれども、やはり、そこの配り方、その格差をどういうふうに是正していくのかということについての具体的なものがないと、不十分であったというふうに私も感じているところでございます。 したがいまして、今後こうした格差是正の問題ということについて、ぜひ新しい内閣において取り組んでいただきたいというふうに思っているわけでございますが、もっと中長期的に考えますと、やはり、現在の東京への一極集中というような、日本全体として見た場合に、非常に資源のアンバランスな状態、こうしたような状態というものが早急に是正をされまして、バランスのとれた経済発展、あるいは国土整備と、こういったことがやられていかなければいけないのではないかというふうに思っているところでございまして、昔の田中角栄の日本列島改造論ではないんですけれども、やはり、日本全体をとらまえた場合のこうした資源の開発だとか、資源のバランスのとれた整備、こういったようなことをもっと大胆にこれから提起をしていく必要があるのではないかというふうに思っております。 それから、今後の広域市長会の取り組みということでございますけれども、中海市長会をこのたび発足をさせたわけでございますけれども、この中海市長会は、出川議員も御指摘がございましたように、日本海側の中でも非常に大きなまとまりのある圏域でございまして、今後の道州制等を見据えまして、将来に向けまして発展できる拠点性のある地域、こういうふうに思っているわけでございます。そういうふうなことから、これまでの中海圏域の4市連絡協議会というものを再編をして、わかりやすく中海市長会という形で発足をしたということでございます。 この中海4市は、御承知のとおり、経済あるいは文化、産業、そういったいろんな機能がバランスよく配備をされていると、配置をされている、そういうふうな地域でありますし、さらに今後の環日本海時代というものを見据えた場合に、そうした環日本海諸国に向けまして窓口となる、そうした大事な地域ということでございます。今後、4市の連携によりまして、韓国、中国などの対岸諸国との経済交流についても取り組んでいきたいというふうに思っているところでございます。 今後は、4市の共同によります観光の施策などの具体的な事業を一つずつ実施をしていくと、こういうことによりまして、圏域の連携というものを強固なものにしていくと、そういうふうに考えているところでございます。今後、私は中海市長会の会長として積極的にリーダーシップを発揮をして、連携の強化、圏域の発展を図っていきたいというふうに思っているところでございます。 広域連携の2点目でございますけれども、国際定期航路の運航についてということでございます。 その中で、米子-ソウル便をどのような形で位置づけ、これまでどのようにその利活用に取り組んできたのかと、こういうことでございます。 ああして米子-ソウル便につきましての中止というふうなことが大変急な形で出て、我々も大変びっくりしたわけでございますけれども、この米子-ソウルの定期便、これは申すまでもなく山陰の中でも唯一の国際定期便ということでございます。先ほど申し上げましたように、この中海圏域、環日本海諸国に開かれたところでございますので、そうした意味からもこれは欠くことのできない貴重な路線だというふうに認識をいたしております。 これまでの取り組みでございますけれども、観光施設の料金割引、それから韓国語の表記、それから韓国語版の観光パンフレットの作成、松江国際観光案内所への韓国語対応可能職員の配置、それからソウル便利用客を米子空港まで無料送迎する宿泊施設への助成と、こういったものも実施をしてきております。それから、市民団体が友好都市を訪問する場合、あるいは迎え入れる場合に交流費の助成ということを行っているところでございます。 それから、本年度からでございますけれども、米子-ソウル国際定期便利用促進実行委員会に、この松江市を初め、島根県安来市、出雲市、東出雲町、斐川町、松江の商工会議所等々も新たに加入をいたしまして、島根、鳥取両県の官民での路線の利活用を推進する組織づくりというものができ上がっているところでございまして、利用促進への取り組みを現在行っているというところでございます。 それで、この路線について、路線の維持に向けてどのように取り組んでいくのかということでございますけれども、先ほどの利用促進実行委員会あるいは中海市長会、広域的な連携を図りながら積極的、効果的に実施をしていきたいというふうに思っているところでございます。 具体的には、これから中海市長会等も開きまして、いろいろな考え方をまとめていきたいと思っておりますが、例えば今松江市といたしまして考えておりますのは、訪韓支援ということで利用促進のPR、それから韓国の修学旅行拡大のための高等学校等への働きかけ、それから市職員の利用促進、それから米子-ソウル便を利用された外国人観光客の観光施設の大幅割引、あるいは市内の観光宿泊施設の宿泊への協力要請等々、さまざまな対策を現在検討いたしているところでございます。 それから、出雲空港の新たな、例えば日韓航路またはナイトステイの受け入れ先として出雲空港は考えられないのかということでございますけれども、一つの有力な考え方だというふうに思っております。日本でナイトステイした機材で行く方が滞在時間に余裕ができると、こういうことでございまして、今米子便で行きますと、こちらの方を15時に立って、そして向こうのソウルに16時40分に着くと、こういう日程でございますので、御承知のとおり国際便ということになりますと、2時間前に空港に行かなければいけないということでございますと、やはり、それだけでほとんどその日を使ってしまうと、こういうふうな非常にむだなといいますか、非効率なことになってまいります。御指摘のようなナイトステイということになりますと、そうした時間を有効に活用することができるのではないかというふうには思っておりますが、とりあえずとにかくまず現在の米子-ソウル便の路線維持ということに全力を傾注していきたいというふうに考えております。 それから、出雲空港からの中国・上海への国際線航路の就航、この問題につきましても先般島根県知事に対しまして、積極的な、まずとりあえずチャーター便の増便、そうしたことをお願いをいたしているところでございます。 それから、広域連携の3点目でございますが、東出雲町との関係ということでございます。 松江市としてのスタンスを住民にわかりやすくしておくことが必要ではないかと、こういうことでございまして、新しい鞁島町長さんが9月3日でございましたけれども、就任のあいさつにお見えになったわけでございまして、その際合併に関して前向きに松江市と話し合いを行っていきたい、そういう旨をお話をいただいたところでございます。東出雲町との関係は、これは出川議員も御承知のとおりでございますけれども、平成14年でございますから、今から5年前でございますが、研究会、それから平成14年4月から任意の合併協議会というものを開催いたしまして、半年ばかりいろいろな形で旧八束郡の皆さん方とお話し合いをしていたわけでございます。それがいよいよ法定の協議会に移るといった段階で東出雲町がそこから抜けられたと、こういうことで我々も大変残念に思っていたわけでございます。 したがいまして、5年たって当時の状況ともかなり状況は変わってはきておりますが、私どもといたしましては、いつでも門戸をあけて待っていると、こういうふうなスタンスでいるわけでございます。ぜひとも東出雲町におきまして民意をうまくまとめていただきたいと、こういうふうに思っているところでございます。そのためには、公式、非公式を問わず、積極的に協議あるいは意見交換というものをこれからやっていきたいというふうに思っております。 それから、町長がかわったことによって、これまで協定をしてきたごみ処理あるいは消防の負担割合が変更されるかどうかということでございますが、このごみ処理、それから消防負担金の問題につきましては、単独町政を標榜されました東出雲町と合併に入る前でございますが、議論を重ねまして、平成20年度までの負担割合を双方合意の上で締結をしたものでございます。したがいまして、現在のところこの負担割合の変更ということにつきましては考えておりません。 それから、大きな2点目でございますが、快適な住環境づくりについてということでございます。 第1点目は、都市計画マスタープラン、めり張りのあるグランドデザインをつくるべきではないかと、10年先のあるべき都市像をどのように描こうとしているのかということでございます。 今、合併をいたしまして、松江市も大変大きな市域を抱えるということになったわけでございます。したがいまして、私どもは、今都市マスタープランにおきましても、3つのゾーンといいますか、地域を分けて整備というものを考えておるわけでございますが、一つは、旧松江市の中心市街地というものをどう整備をしていくかということ、それからその外、周辺部についてどのように整備を図っていくのかと、それからさらに旧町村の部分、地域、そういったものをどういうふうに整備を図っていくのかということでございまして、それぞれの整備方針というのを定めているわけでございますが、中でもやはり旧松江市の中心市街地というものについて、これから積極的に対応していかなければいけないだろうというふうに思っております。とりわけ、とにかく市域全体のいろいろな意味での活力の源になっていくところだというふうに思いますので、そうした意味でも中心市街地の活性化ということに取り組んでいかなければいけないというふうに思っております。それで、そのために現在、中心市街地の活性化整備計画というものの見直しについて、今国の方と協議を重ねているところでございます。 私は、これからのそういった中心市街地というものを考えていった場合に、やはり一つには、今の車社会というものに対して、今後どういうふうに考えていったらいいかという問題があるわけでございます。すなわち、今の中心市街地というものがどうして今のような衰退ということになっていったのかということの大きな原因というのは、やはり、職住を分離をしてその間を車でつなぐと、そして勤務先まで車で入っていくと、こういうふうな中で、中心部にこれまで住んでおられました皆さん方が郊外から通ってくると、こういうふうな状況になりまして、その地域というものに対する愛着だとか、そうしたものがだんだんとなくなってきたと、そういったことがやはり一番大きな原因ではないかというふうに思っております。したがいまして、これはなかなか難しい問題でございますけれども、中心部への車というものをどのような形で規制をしていくのか、そういう問題は一つの観点として考えていかなければいけないというふうに思っております。 それからもう一つは、それに伴いましてだんだんとその土地利用というものが非常に活発化しなくなってきたと。したがって、空き家が目立ったり、あるいは空き家の延長線上として駐車場というような形でくしの歯が抜けるような形になってしまっていると、こういうふうな問題がございまして、そのような土地利用というものについてどこまで認めていくのか。この車の問題とやはり土地利用の問題というものについて、一定のやはり我々としての考え方というものを出していかないと、人間で言いますと、いわばがん細胞がどんどん増殖していくような形で、いずれかはこの中心市街地というものの衰退ということを招いてしまうというふうに思っているわけでございます。 したがって、これは単に行政だけで中心市街地の活性化計画をつくってそれで事足れりということではなくて、議会の皆さん方、それから市民の皆さん方、これは総力を挙げて共通認識を持ってこの問題に取り組んでいく必要があるだろうというふうに思っているところでございます。 したがいまして、私は、今後この中心市街地の活性化のためのまちづくり条例、この名称はどうなりますか別個でございますけれども、そうしたものを議会の皆さん方と、あるいは市民の皆さん方と協議をする中でつくって、そして共通認識を持ってこれは進めていく必要があるというふうに思っているところでございます。 それから、2点目は線引きの問題でございます。 線引き制度、40年以上前からでき上がっているわけでございますけれども、線引き制度にはメリットあるいは弊害それぞれございます。メリットといたしましては、計画的な市街地というものをスプロール化から守ってきたというふうなこと、あるいは優良農地というものを保全をして良好な農村景観の形成にも役立ってきたと、こういうふうなメリットがある一方で、開発抑制への不満あるいは企業誘致に長期間を要すると、こういったことも指摘をされているわけでございます。 そこで、現在では市街化調整区域におきまして市条例におきます緩和策、こういったものをとって、いわゆる漸進的にこの整備というものを図っていこうと、こういうふうなことを行っているところでございます。こうした現状というふうなものも考慮して、今都市マスタープランのビジョン懇談会というのを設けておりますけれども、このビジョン懇談会で線引きの問題につきまして議論をしていただいているわけでございます。 御指摘ありましたように、線引きというものの廃止ということが都市計画税というものとリンクをしているわけでございまして、現在、都市計画税は御承知のとおり年間11億円という収入源になっているわけでございまして、これは松江市にとりましても大変大きな収入源になっていると、こういうことでもあるわけでございます。 したがいまして、いろいろ線引きのメリット、デメリット、あるいはそういった都市計画税の存廃の問題、こうしたものを総合的に考えながら、これは線引き制度について判断をしていきたいというふうに思っているところでございます。 それから、3点目は大規模開発と住民トラブルということでございます。 現在、中高層建築物の建築に関する指導要綱というのを定めております。そういった要綱を定めまして、住民とのトラブル防止策というものをとっているところでございます。この御質問がありましたように、急にそういったものが建つということではなくて、近隣住民への説明というのは事前に建築計画の内容を説明して了解を得るために行っていただく必要がありますので、建築確認申請の手続の前にこれは義務づけをしているところでございます。そういった、もしも誤解を招くような行為がございますれば、建築主等に指導を行っていきたいというふうに思っているところでございます。 それから、御質問の中でありました宝塚市の条例、それからその他の総合調整条例という問題でございますけれども、確かにすぐれた制度ではないかと私も思っております。現行の要綱だけでは、松江市としての中高層建築物に対してどういう姿勢で臨んでいるのかということが、市民の皆さん方にはっきりしないという面がございますので、こうした点を勘案いたしまして、現行の要綱から条例制定に向けての検討をしていきたいというふうに思っております。 また、現在高さ制限ということにつきましては、現在は都市計画法の高度地区あるいは地区計画制度、それから景観法の景観計画重点区域、景観地区と、それぞれの制度で区々に分かれているわけでございますので、市としての一つのまとまった考え方というものを示す意味でも一つの条例化をいたしまして、これはある意味では基本条例ということになるかもしれませんが、そういうふうな中で高さ制限というものについて考えていきたいというふうに思っております。 それから、既存市街地での地区計画の例はどんなものがあるかということでございますけれども、これはことしの6月議会で条例制定をしていただきました大手前通りの地区計画というのがあります。内容といたしましては、城山北公園線の街路整備とあわせて、城下町松江のシンボルロードとしてふさわしい都市景観形成のために建築物の高さ、あるいは用途制限あるいは意匠形態の制限と、こういったものも行っているところでございます。 それから、大きな3点目でございますが、定住対策の取り組みの状況ということでございます。 ことし2億円の特別枠をつくりまして、定住推進の強化事業を打ち出したわけでございますが、特に目立った成果でございますが、先ほど石倉議員へお答え申し上げましたとおりでございまして、第一精工あるいはMCセキュリティあるいはRuby City MATSUEプロジェクト、こういったものがこの1年がたちまして大変大きな成果を上げてきているということでございます。 それから、縁結び市長の手紙の反応ということでございますけれども、縁結び市長の手紙は、市民の皆さん方と一緒になって定住施策を推進していこうと、そういういわば協働事業として行っているものでございます。御承知のとおり、私のサインと、それからもう一人市民の皆さん方のサインを入れて、東京なり都会地に住んでいる皆さん方に手紙を送ると、こういう仕掛けになっているわけでございまして、単に行政が呼びかけるというだけではなくて、知り合いの方々の御協力も得ながら呼びかけていくと、そういう仕掛けになっているわけでございます。 昨年度は約4,600通、それから今年度もこれまでに1,600通発信をいたしております。昨年度でございますけれども、その手紙とあわせましてアンケート、UIターン等に関するアンケートというものを行いましたが、回答者の約4割に当たる710人がUIターンの可能性があるということでございますし、そのうちの30代以下の若い世代がその中でも52%もおられるというのは、非常に我々にとりましても大変びっくりしたものでございます。 若い世代でUIターンをしたいというふうに考えている方に対しましては、島根県の就職フェアの案内を送ったり、就職相談というものを受け付けを行っております。それから、松江市におきましても定住地域振興課を設けまして、窓口相談も行っているところでございます。これまで57人の相談を受けまして、14人のUIターンが決まっているところでございまして、家族を含めると26人が松江市民に新たになられたところでございます。 さらに、今年度は10月に東京、大阪で、それから来年1月に広島で松江市のUIターン相談コーナーを開設をしていきたいというふうに思っております。先ほどの石倉議員の答弁でもお答え申し上げましたけれども、やはり、企業誘致とあわせまして雇用対策、人員の確保ということが非常に大事なことになっております。そういう立場で見た場合に、30代以下の若い世代の方がUターン、Iターンをしたいという中の半分以上を占めているということ、我々これは非常に重要視していかなければいけない問題だろうというふうに思っております。ぜひこうした点に力を入れて、松江市の定住対策に取り組んでいきたいというふうに思っております。 それから、4点目は市立病院の問題でございまして、経営状況、医師、看護師の確保、それから外来救急患者の受け入れ等々につきましては、病院長の方からお答えをさせていただきたいと思います。 私の方からは旧病院跡地の問題でNHKとの関係ということでございます。 この旧病院跡地の利用の問題につきましては、これまでも皆さん方の方から御質問もございまして、とにかく地元と共存できる集客施設の検討を進めているところでございます。どういうふうな利用方法があるのかということについて現在検討いたしているところでございますが、その中で、御承知のとおり隣にNHKがあるわけでございます。このNHKが既に建ちまして40年以上たっているわけでございます。いずれこのNHKにつきましては建てかえということが迫られるというわけでございますが、私どもはそれと同時に、あのあたり一帯の土地利用というものをもっと有効に使えないかと。NHKの敷地とあわせて私どもの市立病院の跡地とあわせれば、いろんな道路の整備だとか、あるいは公共空間、こういったものが手広くとれるのではないかと、こういうふうな観点から、ことしに入りましてNHKの松江放送局の方にもアプローチをしてきたわけでございます。 その後、NHKの方でも国会において凍結解除というふうな方針が出たわけでございまして、それを受けて4月27日でございますけれども、NHKの橋本会長を訪れまして、松江放送局の建てかえの要望を行ったところでございます。会長からは、建てかえを検討して地域に貢献できるように努力したいという話をお伺いをしたところでございまして、今後市といたしましては、NHKの松江放送局との複合施設を含めて基本的な整備構想を定めて市民の皆さん方、地元の皆さん方を初め、市民の皆さん方の御意見を伺う予定にいたしているところでございます。 それから、着手するまでの間、暫定利用策というものを講ずる必要があるのではないかということでございますけれども、ともかく跡地利用の本計画を決定した上で、そしてさらに具体的に工事に着手するまでのスケジュールを見きわめた上で、その間の暫定利用について、御指摘ありました豊中市の例等も参考にしながら考えてみたいというふうに思っております。 ○副議長(田中豊昭君) 錦織病院長。 ◎市立病院院長(錦織優君) 出川議員の御質問にお答えいたしたいと思います。 まず、新病院の経営状況についてでございますが、病院の移転に伴い施設や医療機器が整備されたことから、より高度で最新の治療が可能となりました。そのため、新規の患者さんや紹介患者も大きくふえ、減価償却費を除いた営業面における収支では、移転前の16年度と比べ18年度は2億円余り好転しており、昨年度作成した中期経営計画を上回る結果となりました。医師や看護師の不足、医療費の抑制など医療を取り巻く環境は複雑かつ目まぐるしい変化が見受けられますが、医療の基本はしっかり守りながら医療政策の変化に柔軟に対応しつつ、地域の中核病院としての役割を果たしてまいる所存でございます。 経営改善における課題についてでございますが、来年度は診療報酬改定の年に当たりまして、厳しい状況が予想されます。当面の重点課題としましては、入院医療費について現在の出来高方式から、国の方針により全国の急性期病院で施行されてきている包括評価方式に来年度から移行することとしております。 包括評価方式に対応するためには、より一層入院患者の在院日数の短縮を図り、効率的な病床運営を行っていかなければなりません。そのために診療所や他の病院との連携を密にすることにより機能分担を図り、急性期病院としてより高度な医療を提供し、収入の確保に努めてまいりたいと思っております。また、委託費については、業務内容や必要人員の精査などを行うなど、引き続き経費の節減や業務の効率化を図っていくこととしております。 次に、スタッフの確保についてでございますが、医師を初めとする医療従事者不足の問題は、地域医療を守る者として大変憂慮しているところであります。幸い、当院は常勤医師の不足を理由に休診するという状況にはありませんが、増加する患者に対し医師が不足している診療科もございます。今後においても大学を初めとする関係機関との連携をより強化することを基本としつつ、医師の確保に万全を期したいと思います。 このような状況下で当院の地域医療を支えるための重要な役割として、研修医の育成を図るということがございます。新制度のもとでの医師臨床研修病院の指定を受けまして、体制の充実に努め、将来の医師確保につながるように現在力を注いでおるところでございます。 看護師の採用試験の応募状況ですが、来年度45名の募集に対し81名の応募があったところです。看護基準の変更に伴って都市部の大病院を中心に看護師の囲い込みが見られ、その影響を心配しておりましたが、必要数は確保できる状況となったところです。 いずれにしましても、地域の中核病院として良質な医療提供を持続していけるように、今後も診療体制、看護体制の強化に努める所存であります。 次、外来及び救急患者の受け入れについてでございますが、一部の診療科において患者さんが大変多く非常に混雑しており、午後に予定している手術や入院中の患者さんの治療にも支障が生じていることから、救急の治療が必要な場合を除いて、やむを得ず後日の診療に変更していただくようお願いする場合がございます。大変御迷惑をおかけしており、申しわけなく思っております。医師の増員を図ったり近隣の病院を紹介させていただくなどの対応をとっているところでございますが、国の施策に基づいて当院で取り組んでいる病診連携の推進について御理解をいただきたいと思っております。 病診連携とは、日常的な治療や健康相談は診療所などのかかりつけ医で行っていただき、専門的な検査や治療が必要になった場合は病院が担当し、その後症状が安定したときにはかかりつけ医での治療に移っていただくというように、かかりつけ医と病院が連携し、効率的な治療を行うことでございます。地域の診療所の皆様との連携を深めながら患者さんの治療を行っていくことが、当院の急性期病院としての機能を十分に発揮することにつながり、患者さんにとっては効率的な診療となるものでありますので、ぜひ御協力、御理解をいただきますようにお願い申し上げます。 次、救急患者でございますが、新病院では30床の救急病棟を設置して、休日や夜間でも手厚い看護を提供できる体制を整えております。この救急病棟は常時8床の空床を確保するようにいたしまして、緊急入院に備えておりますが、冬場など呼吸器疾患の患者さんが増加する時期には救急病棟に多数の重症患者を抱えたために、他院への搬送をお願いした時期もございました。関係の皆様には御迷惑をおかけいたしました。 しかしながら、この間もあらかじめ消防本部に受け入れ困難な旨をお伝えし、他の病院へ搬送していただくなど、圏域での救急患者受け入れには支障が生じていなかったものと考えております。救急病棟の患者さんをできるだけ早く一般病棟にお移りいただくなどの対策を講じまして、現在ではスムーズに患者さんの受け入れが可能となっております。 なお、当院に限らず、救急外来に多数重症患者さんがいらっしゃる場合で、さらに重症患者の受け入れを要請された場合には、救急隊と連絡をとり、やむなく他院への搬送をお願いすることがございます。これにつきましては、人命を最優先に考えた措置でありますので、御理解いただきたいと考えております。 次に、小児救急体制の充実強化につきましては、松江市立休日応急診療所の閉鎖に伴い、健康福祉部とも協議を行って、当院での体制強化に取り組んでまいりました。本年7月に小児科医1名の増員が実現いたしましたので、10月からは従来の土曜、休日に加えて、月曜日から木曜日の午後9時まで小児科医を配置して救急に対応することとしております。この場をかりて御報告させていただきます。以上でございます。 ○副議長(田中豊昭君) 45番。
    ◆45番(出川修治君) お答えしにくい質問もあったかもしれませんが、それぞれ御答弁いただきました。 まちづくり条例、市民を巻き込んだまちづくり条例とか、それから建築トラブルを調整するような総合条例、議会も立法機能があるわけでございますので、もし消極的な御答弁でしたら我々も活動しようかなと思っておりましたけど、議員もああやって市民の一番窓口になっていろんな苦情も受けるわけでございますので、議会の責務とか関与というようなことも含めて、またいい条例をつくっていけるようにしたいというふうにお願いしたいと思います。 それはそれとして、ちょっと2点ばかりあれですが、私の認識が不足しているのかもしれませんが、中高層建築の指導要綱に基づいて指導しておられる。私も質問の中で申し上げましたが、今建築確認が市の窓口以外のところでも、いろんな団体でおりるわけですね。今の松江市の、マンション等が中心ですけども、そういったもので市の窓口よりもほかで確認申請を受けるケースの方が多いんじゃないかなというふうに、前に聞いたことがあるかもしれませんけども、そういう認識をしておりまして、その指導も確認申請が市でありましたらば、計画の前に住民にそういったものを説明しなさいという指導をその要綱に従ってされると思いますが、ほかの団体で受けた場合にはそれができないんじゃないかと思いますけども、これは市長さんにその数字を聞いてもしようがないので、部長さんあたりから答弁していただければいいと思いますが、私の認識が違っておりますかどうかわかりませんけども、そういったふうに今答弁を感じたので、お答えいただきたいと思います。 それからもう一点は、病院跡地の暫定利用ですけども、本計画を立てて、そういったものをしてからしかるべき、その間にどれくらい期間があるんで暫定利用を考えようかというふうな趣旨の御答弁でなかったかと思いますが、マニフェストではないですけども、一体それまでにどれくらいのめど、期間を考えておられるのか、今のままでしばらく相当期間放置しなければいけないような事態になるんじゃないかというふうに思いますけども、目立つ場所でございますので、何かいい方法はないかなということを思いますので、改めて御質問させていただきます。期間のめどです。よろしくお願いします。 ○副議長(田中豊昭君) 松浦市長。 ◎市長(松浦正敬君) NHKともこれはこれから相談していかなければいけないものでございまして、NHKも当然資金ぐりの問題、それからほかの地域との兼ね合いというものもありますので、いましばらく時間が欲しいという話をいたしております。逆に我々が余り早くやると、ちょっとスケジュール的には困るというふうな話もいただいておりますので、そこらは十分NHKの方ともよく相談しながらやっていきたいというふうに思っております。 ○副議長(田中豊昭君) 森都市計画部長。 ◎都市計画部長(森秀雄君) 建築確認申請の件でございますが、確かに議員さん御指摘のように、市外の確認機構で確認申請を受ける業者が多うございます。そのために松江が、先ほど市長の方から答弁いたしました、中高層建築物の指導要綱に基づいて正式に確認申請をする前に地元住民に説明会をしなきゃいけないのを、自分のところで手続をやったからもう説明を省略するような、あるいはもう手続に入っているような説明をするものですから、そこについて誤解がないように今後とも指導していきたいというふうに考えているところです。 ○副議長(田中豊昭君) 45番。 ◆45番(出川修治君) 効果のあるような指導をよろしくお願いしたいと思います。 さきの選挙におきまして、私ども地域のパイプ役として期待しておりましたベテラン議員さんも議席を失ったわけでございますが、市長さん長いこと中央で地方自治に携わっておられましたので、そういった損失を補って余りあるリーダーシップをますます発揮していただくようにお願い申し上げまして、終わります。 ○副議長(田中豊昭君) 14番川井弘光君。 〔14番川井弘光君登壇〕 ◆14番(川井弘光君) 市民クラブの川井弘光でございます。会派の協議と合意に基づきまして、問題を絞って代表で質問させていただきます。 いつものことではございますけれども、既に項目が重複しておる部分もございますけれども、多少切り口の違う質問内容もございますので、御答弁の方をよろしくお願いをしたいと思います。 最初に、地域間格差問題の対応について質問をいたします。 国においては、参議院選挙の結果を受けまして、与野党ともに格差是正に向けた議論と政策提起が活発になってまいりましたが、市長は国が優先して取り組むべき政策課題が何だというふうに考えておられるのか、地方自治体として国にどのような取り組みを求めていくべきなのかというのが第1の質問でございます。 あわせて、松江市が地方自治体として特に力を入れるべき政策課題は何なのか、どのように考えておられるのかということについてもお伺いをいたします。 以下、私たち会派の問題意識について少しお話をさせていただきます。 さきの参議院選挙では、あらゆる分野で拡大をしております格差に対する不満、将来への不安が年金問題や政治と金の問題とともに民意として明確に示されたというのが一般的な見方でございます。そして、地方の反乱とも言うべき選挙結果を受けまして、国会においても地方に配慮をした政策への転換というのがにわかに政治課題になってまいりました。 安倍首相の突然の辞任騒動によって、国会では現在議論はストップしてしまいましたけれども、野党も選挙で国民に約束をした地方を元気にする政策の実行を求めて論戦に臨むという姿勢でございますし、国民の声や思いを背景にした地域間格差の是正に向けた動きが、多方面で一層活発になっていくことを期待をしておるところでございます。 私たちも、これまでも小泉政権が打ち出した骨太方針に基づく構造改革が余りにも性急で、国民が受けている痛みが許容範囲を超えている。そのことを指摘をして、地方自治体としても国に政策転換を求めるべきだと主張してまいりました。具体的な政策課題といたしましては、一つには、自立をし、持続可能な地方自治体と地方分権体制の確立がございます。広がるばかりの首都圏や一部大都市との地方との格差、特に財政格差を是正するための地方交付税交付金改革による税の再配分ルールの見直しと充実、あるいはひもつきではない一括交付金制度への転換など、補助金、交付金制度の見直し、こういった課題につきまして財政的な改革が急がれているということは明らかでございます。 現在、ふるさと納税制度が話題になっておりまして、この前の議会で同僚畑尾議員が取り上げましたけれども、見方によっては地方自治体同士の税金の奪い合いであり、小手先の対応と言われてもいたし方ないと思っております。国が責任を持って税源のアンバランス、偏在から来る税収の格差を埋める対策を行うべきですが、現状は国の財政再建が最優先をされて、地方自治体が割を食う状況にあると、このように言わざるを得ません。 午前中の御議論でも実質公債費比率などの問題が指摘をされておりましたけれども、この各種指数につきましても分子を分母で割って出すわけでございますから、分母部分の国から来る財源がこの数年間大変絞られたということで、この指数だけを見て議論するのもいかがなものかというような思いも持っております。 また一方で、島根県の主要産業でもあります農林業にかかわる政策も、地方の自立と格差解消に向けて重要な転換点に差しかかっていると認識しております。農地の集約あるいは経営規模の拡大、集団化や専業、中核農家の育成など、これまで連綿として続けられてきた政策も必要なものは続けていかなければなりませんけれども、現在では小規模、零細農家への支援の充実が急務ではないかと思っております。特に、中山間地域の田畑、里山を守り、集落を存続させていくために農政の一層の転換が求められていると、このように考えております。そのほか、地場産業や中小企業への支援など、景気回復の恩恵をなかなか実感できないでいる地方への政策的支援も求められております。 格差問題は多くの分野で指摘をされており、対策の間口も広いのですが、国にも財政的な制約がある以上、あれもこれもは望めない中で、各省庁間の綱引きなどに振り回されることのない、政治のサイドが優先順位をきちんと明らかにした対策が求められていると思います。 以上のような問題意識に基づきまして、地域間格差解消のために国が優先して取り組むべき課題は何であるのか、市長の見解を伺っているところでございます。 また一方で、松江市としては当面どのような政策課題を優先していくべきなのか、特に力を入れて取り組むべき課題について市長のお考えをお聞かせいただきたいと考えて質問をさせていただきましたので、よろしくお願いをいたします。 次に、安心して暮らせる安全なまちづくりという切り口で課題を取り上げて質問をいたします。 その1点目は、橋の安全性という問題でございます。午前中にも御指摘があった、課題にダブっておりますが、御容赦いただきたいと思います。 その第1につきましては、国、県、市それぞれが管理している橋の安全性に関する調査の進捗状況、そして対応策の検討状況についての質問でございます。 老朽化による橋のかけかえ問題は、先ほどお話もありましたように、全国的な課題として論じられております。国土交通省は、20年後には全国の橋の半数程度が寿命を迎えるとしておりますし、その数は7万橋にも及ぶと言われます。工事費は膨大な金額となり、国、地方の財政にとって重い負担がのしかかることは明白でございます。計画的な補強やかけかえが必要ですが、その対応策が今まではっきりと見えておりませんでした。国は5年に1度調査をしているようでございます。県の対応はどうなっているのか、また松江市の取り組みについて現状をお聞かせいただきたく、質問をいたしました。 また、補強やかけかえ工事の場合、相当な期間の交通規制が伴うということから、そのために発生する経済的損失についても指摘がされております。損失を最小限に抑えるためにも、橋の管理者間の調整も含めた事業計画づくり並びに日常の管理体制の充実が必要だというふうに思っておりますが、今後の対応策について検討が行われているのでしょうか。国、県、市による調整作業が行われているかどうかも含めて、現在の状況をお伺いをしておきたいと思います。 2つ目の質問事項は、宍道湖大橋を除きまして、大橋川沿いの市街地にかかっております3つの橋、松江大橋、新大橋、くにびき大橋の安全性についてです。 これも午前中お話に出ましたけれども、アメリカで発生をいたしました橋の崩落事故、これは橋の構造上の問題が浮き彫りになりまして、私たち日本国民にとっても大きな衝撃でございました。橋の安全性は、日常の安心・安全な生活はもとより、一たび災害が発生したときの防災並びに復旧にとっても大きな課題であり、今回取り上げた橋は松江市の都市機能の維持にとって大切な存在でございます。 松江大橋と新大橋につきましては、大橋川改修問題の中で耐震安全性を含めて老朽化による問題があるとは聞いておりますけれども、この3つの橋に構造上の問題はないのかということをお聞きしておきたいと思います。 あわせまして、水の都松江には多数の橋があるわけですが、同じく構造上の問題から何らかの対応を迫られている橋があるのかどうかをお聞かせいただきたいと存じます。 3つ目の質問事項は、大橋川改修計画に伴う松江大橋のかけかえにかかわる問題でございます。 松江大橋のかけかえにつきましては賛否両論ありまして、現状どおり保存をして景観を維持するべきとする市民の皆さんの活動も始まっております。仮にかけかえをせず保存をするという場合でも、老朽化に対する何らかの対策が必要だというふうに認識をしているわけですが、現在の風情あるいは景観を保ったままで耐震補強など施すことが可能かどうか、私たちは素人で至ってこのイメージがわきませんもんですから、その点につきまして、その方法や技術的な課題についての研究、検討が行われているのかどうかということをお聞きしたいと存じます。 私たちのもとに市民の皆さんからさまざまな意見が寄せられているところでございまして、その疑問や不安などにきちんと答えを出すのも大切な市民サービスだと思っております。この問題についても何ができて何ができないのか、またメリットやデメリット、財政負担の問題など、可能な限り情報提供を行って市民の皆さんの理解を深め、判断を仰ぐべきだという思いから質問をさせていただいておりますので、よろしくお願いをいたします。 この項目の2点目は、原子力発電所の安全運転についての質問でございます。これも一部重複しておりますが、お許しをいただきたいと思います。 柏崎刈羽原子力発電所の新潟県中越沖地震による被災を契機といたしまして、国並びに各電力事業者の皆さんなどは相次いで今後の対応方針を発表されました。現在までの動きや経過についての市長の見解、そして松江市としての今後の対応方針について伺っておきたいと思います。 その第1は、電力事業者の活断層調査に対する審査方法についてでございます。 これも午前中の質問と答弁の中で取り上げられたわけですが、私たちが特に申し上げたいのは、国に対しては、今まで以上に慎重かつ的確な指導を求めると同時に、電力事業者による調査結果については、その信頼性を高めるためにも第三者による評価が行われるべきであると、このように考えているところでございます。 柏崎刈羽原発での地震災害によって、これまでの活断層調査の内容や方法に加えまして、国の指導と審査に対してもその信頼が大きく揺らいでしまったと、こういう結果になっております。市民の皆さんの信頼を取り戻すためにも、審査体制を一層充実する必要があるのではないかと、こういう考え方を持っておりまして、今回の質問をさせていただきました。 この第三者機関による評価という問題について、市長はどのような見解をお持ちなのかお聞かせをいただきたいと思います。 2つ目の項目は、原子力発電所で火災が発生した場合の対応についてでございます。 柏崎刈羽原発の消火体制は、私たちの予想に反して貧弱であったというのが今回の事故、火災への対応が報道されたときの率直な感想でございます。今回の問題を受けて、中国電力でも消火体制の点検が行われまして、化学消防車の配備を含めた改善計画がまとめられて、松江市にも報告がされました。このたびの改善内容は十分なものなのかどうか、市長はどう評価しておられるのかということについて伺っておきます。 また一方で、原子力発電所と消防署との連携強化も表明をされましたけれども、今回の地震被害の状況と、その後の一連の動きを受けて松江市としては消防体制の充実あるいは見直しを考えなければならないのかどうかという点についてもお伺いをいたします。 あわせまして、松江市が求めています中国電力の原子力発電所管理部門の松江市への移転要請について、何かその後動きがあったかどうかについてお伺いをいたします。 原子力発電所の安全対策を考えるときに、この問題は連携強化、あるいは迅速な対応を実現するために大切な要素だと思っておりまして、私たちも関心を持って見守っておりますので、その後の状況についてお聞かせいただきたいと考えての質問でございます。 3点目は、自主防災体制などについての質問でございます。 第1の質問事項は、自主防災組織整備の進捗状況と活動の充実に向けた対応方針についてでございます。 自主防災組織の整備につきましては、当初の予定どおり順調に進んでおりますでしょうか。もしおくれがあるとすれば何が原因で、どう対応していく計画なのかということを伺っておきたいと思います。 また、でき上がった組織につきましては、組織を構成する市民の皆さんの防災意識を一定程度保つ努力をしておかないと、災害時にうまく機能しないということは皆さん共通の認識でございます。そのためにリーダー研修会などが行われておりますけれども、でき上がった組織が災害時に有効に機能するための日常的な指導、支援、いわゆるメンテナンスやアフターケアについてはどのように行われているのかお聞かせをいただきたいと存じます。 第2の質問事項は、災害時に各地区に設置することになりました災害対策本部への市職員の配置に関する問題でございます。 昨年の水害時の経験からいたしまして、公民館など現地に配置をされる市職員の皆さんの役割が大変大切であるということを痛感をいたしました。現場の状況によっては全市横並びの対応ということにはなりませんで、即断即決を求められるケースも多かったように感じております。そういう中で、配置される職員の皆さんの責任や権限について、どのように規定をされているのかということを質問させていただきました。 また、対応能力を高めるためには、日ごろから準備が必要でございますが、特別な研修や訓練が行われているのかという点についてもあわせて伺っておきたいと存じます。 これらの問題につきましては、身近でありますし、また全国的にも注目されている取り組みだというふうに認識しておりまして、ぜひ成功をさせたいという思いが私たちの中にもありますので、質問をさせていただきました。どうぞよろしくお願いをしたいと思います。 最後の質問は、中心市街地の都市計画に関する課題でございます。 まず、城下町松江の景観形成を考える上で大切な旧松江市中心市街地での景観政策の充実、とりわけ建築物の高さ制限の必要性についてということで通告をさせていただきましたが、先ほどの質問並びに答弁の中で関係条例の制定に言及をされたということでございますから、必要性そのものについては認識を同じくしているというふうに受けとめさせていただきました。 そこで、できるだけ早く世論喚起、そして市民議論をお願いをしたいということで、私たちの考え方を少しお話をさせていただいて要望させていただきたいと思います。 今春、京都市では新しい景観政策を実施するための関連条例が制定をされ、広い対象範囲に厳しい規制が設けられたということで大きな話題になりました。松江市におきましても先ほどもお話がありましたように、景観条例を制定をし、来月には全面施行となる一方で、大手前通りの地区計画区域内では建築物の高さ制限などが実現をしました。景観形成の配慮が具体的に提起をされたことは、今後のまちづくりの指針となるものだと受けとめております。 しかし、観光を産業の柱としている松江市としては、やはり50年、100年先の町並みのありように思いをはせながら、城下町松江全体の景観形成についてしっかりした基本方針をより明確に打ち出すべきであり、その中心はやはり旧松江市中心市街地での建物の高さ制限区域の拡大だと、このように思っているところでございます。 入り込み観光客の大幅な増加や滞在型観光による宿泊客の獲得を目指す松江市にとって、見どころとなる町並みを守り生かしていくことは、観光都市としての死活問題に直結する課題だと思います。また、中心部の生活環境を向上させ、まちなか居住を促進するためにも、ルールがない状況を放置していけないということを考えたところでございます。 京都市における新景観政策づくりの過程をホームページなどで地元の新聞のスクラップなどをずっと日を追って詳しく見てまいりますと、賛否両論渦巻いておりまして、市民を巻き込んだ大変な議論が繰り返されておりました。議会でも同一会派の議員さん方が意見が分かれるというような状況もあって、大変に難航したように読み取りました。 もとより高さ制限というのは、市民や企業などの財産権にも影響を及ぼすものでございますので、行政側が一方的に押しつけるべきものでもないことは当然のことでございます。世論を喚起し、広く議論をする必要があるということでございますので、できる限り速やかに問題を提起をして議論を始めていただければと思っておりますので、要望として申し上げてこの項目を終わりたいと思います。 次に、コンパクトなまちづくりについて質問をさせていただきます。 この問題につきましては、これまでも複数の議員の皆さん方がたびたび一般質問で取り上げてこられました。市民クラブとしては特別委員会での総合計画案に対する意見として、コンパクトシティー構想を加えるべきだという主張をさせていただきましたが、市当局からの御回答は、今後の課題とさせていただきますというものでございました。私たちは、今後具体的な施策を展開していく上で、コンパクトなまちづくりは意識すべき大切な要素だと考えております。今後の課題ではなく、まちづくりの基本の一つに据えるべきだという思いから、代表質問で取り上げることにいたしました。 市民クラブでは、先月富山市を訪問いたしまして、中心市街地活性化策を中心に政務調査を行いました。富山市では、まちづくりの基本をコンパクトシティーの形成と明確に定めて、もろもろの施策を計画をし、順次実行に移しております。特に注目した点は、市街地がこれまでどおりの傾向で拡散していった場合に発生する行政費用、いわゆるコストを推計をして、その金額を明らかにして市民の皆さんに問題提起をしているというところでございます。日本全体が人口減少の時代に突入をいたしまして、これまでのように拡散型、開発型の都市計画に疑問符がつけられる傾向が強まる中で、松江市としてもコンパクトなまちづくりによって行政コストを抑えていくことが求められているのではないでしょうか。 私たちは、富山市でもそうでありましたが、合併によって市域が大きく広がったことに配慮をして、郊外、周辺部でのそれぞれの地域にも中心となる区域を設定をして、それらの区域を公共交通機関によってつないでいくという形で、利便性の高い分散型のコンパクトシティーづくりを行うことが有効な策であり、検討に値するとこれまでも考えてまいりました。このたびまとめられました松江市総合計画には、まちなか居住、旧7町村各地域のまちづくりの中心となる拠点整備、放射道路、環状道路、循環道路の整備、バス交通の維持、充実など、コンパクトなまちづくりにつながるであろう項目が個別には盛り込まれておりますけれども、全体的なイメージが表現されていないということが残念だったということでございます。市民にわかりやすくまちづくりの方向性を示すためにも、今後個別具体的なまちづくり計画をつくる際には、ぜひコンパクトシティー構想を打ち出すべきだと思うのですが、この際改めて市長のお考えを伺っておきたいと思います。 先ほどの御答弁でもありましたように、まちづくり条例などをこれから考えていかれる場合にも、この課題というのは一つの要素になるのではないかと思っておりますので、ぜひ御検討いただきたいという思いで質問させていただきましたので、どうぞよろしくお願いいたします。 以上で私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(田中豊昭君) 松浦市長。 〔市長松浦正敬君登壇〕 ◎市長(松浦正敬君) 川井議員の代表質問に対しましてお答えを申し上げたいと思います。 まず第1点目は、地域間格差への対応策ということでございます。 先ほども出川議員の御質問でもお答え申し上げましたように、格差の問題というのが今回の参議院の選挙の争点ということだったわけでございます。要は、これから具体的にどのようなそうした格差是正の策を出していくのかということが問われていくというふうに思っているわけでございますけれども、まず第1点目としまして、国が優先して取り組むべき政策課題、地域間格差の解消のために取り組むべき政策課題は何であるのかということでございます。 先ほども出川議員の御質問にもお答え申し上げましたけれども、やはり、短期的には国全体としましての経済の活性化、それによって全体のパイを拡大をして地方へ再配分をしていくと、そういうことが求められてくるだろうというふうに思っております。 その際、我々としましてぜひとも考えてもらわなければいけない問題というのは、ああして2年前に合併をしたわけでございますけれども、合併をした際には、合併をしたところに対して合併特例債あるいはいろんな補助金制度、財政的な支援というものがいろいろと並べ立てられたわけでございます。ところが、合併をいたしました直後から、例の三位一体の改革というものが始まったわけでございまして、私どもはこの三位一体の改革というものに大変な期待を抱いていたわけでございますが、結果としては、御承知のとおり国の財政再建ということに利用されてしまったと。松江市の場合も、結果として地方交付税が3年間で30億円の減額というふうな結果になってしまったわけでございます。 そのことが先ほど申し上げました公債費比率の増大ということにも結びついてくるわけでございまして、さらにその公債費比率がどんどん高くなってまいりますと、我々が期待しておりましたところの合併特例債というふうなものも、これを発行できなくなってくると、こういうふうな問題が出てまいりまして、後から振り返ってまいりますと、何のために合併をしたのかというふうなことが問われかねないという状況があるわけでございます。 したがって、私どもはぜひともそうした経済の活性化、そういったことを行って、地方への再配分というものをぜひともこれはやってもらわなければいけない。あるいは先ほどの公債費比率というふうな問題についても、やはり、合併をした団体に対しては合併特例債の発行なり、そうしたものについては経過措置を設けるなり、そうした措置というものは当然きちっとやってもらう必要があるだろうというふうに思っております。 それから、中長期的には、先ほども申し上げましたけれども、国土政策というものをとっていく必要があると。今のように東京への一極集中ということが行われ、そしてますます都市の中での投資というものが行われると、その一極集中というのをますます助長しかねないと、そういうふうな今政策というのがとられているように思います。経済の活性化と言いながら、東京というものを活性化をするということによって経済というものが保たれるという状況というのは、やはり、大変危うい状態だというふうに私も思っています。したがって、国土全体にバランスのとれた資源開発、そうしたことをやることによって経済の活性化ということを図っていかなければいけないだろうと。いわば地方の経済的な自立、そうしたことを促すようなそうした施策をとって、対外的にも信頼が得られるような国土づくりということを行っていく必要があるだろうというふうに思っております。 それから、地方自治体としての対応策、松江市として今後どのような政策課題を優先していくのかということでございますけれども、当面はやはり定住化対策ということに全力を挙げてやっていく必要があるというふうに思っておりますし、さらに交流人口の拡大を目指します松江開府400年祭事業の取り組みを成功させたいというふうに思っているところでございます。 それから、中長期的には、先ほども申し上げました中心市街地の活性化のための施策ということを行っていく必要があるというふうに思っておりまして、まちづくり条例等々によって市民の合意を得ながら、この政策をとっていかなければいけないというふうに思っております。 それから、2点目は安心して暮らせる安全なまちづくりということでございまして、1点目は橋の安全性ということでございます。 国、県、市がそれぞれ管理している橋について、その安全性に関する調査、それから対応策ということでございますが、この点につきましては、石倉議員にもお答えしたとおりでございまして、県につきましては16年度、17年度に橋梁点検を実施をいたしまして、修繕の必要な橋梁については順次対策を進めております。道路橋定期点検要領というものに基づきまして、本年度から職員による定期点検が実施をされまして、この点検結果をもとに橋梁長寿命化修繕計画というものを策定して、計画的な維持管理を行っていくというふうに伺っております。 それから、松江市の管理の橋でございますけれども、これは先ほど石倉議員にお答えしたとおりでございまして、やはり、県に準じました計画を策定をして、必要性の高いところから順次修繕等対応していきたいと思っております。 それから、橋でございますので、市民の生活に大きな影響を与えるということでございまして、国、県、市による調整作業がもちろん必要だということでございます。市民生活に支障を来さないように、国、県等々の調整作業を行いながら進めていかなければならないと思っております。 それから、橋の安全性ということにつきましての松江の3つの橋についての安全性の問題でございます。 この橋の管理者は島根県でございますので、この大橋、新大橋、くにびき大橋についての構造上の問題、あるいは特に松江大橋のかけかえの場合に、現在の風情を保ったままで補強することが可能なのかどうかと、そういったことについて問い合わせをしたわけでございますけれども、島根県は平成16年度、17年度に実施をした橋梁点検において、大橋、新大橋、くにびき大橋については構造的に問題となるような損傷は発見されていないけれども、今年度新大橋は橋脚の軽微なひび割れの補修、くにびき大橋は耐震補強及び下部工の軽微なひび割れ補修を実施する予定、それから大橋につきましては大橋川改修に伴い新しい橋にかけかえることとしているために、現状保存を前提とした補強方法についての具体的な検討は行っていないという回答を得ているところでございます。 それから、それ以外の、3つの橋以外の橋について構造上の問題はないかということでございますが、これも石倉議員にお答えしたとおりでございまして、すべての橋について点検を行っているわけではございませんけれども、先ほどの県の計画に準じた修繕計画というものを策定して、構造上の問題がある橋梁から順次対応していきたいというふうに思っております。 それから、安心して暮らせる安全なまちづくりの2点目でございまして、原子力発電所の安全運転ということでございます。 電力事業者の活断層調査についての国の審査については、第三者による評価が行われるべきではないかということでございます。国の安全審査の妥当性につきまして議論されているということは承知をいたしているところでございます。現在、御承知のとおり、この審査につきましてはダブルチェックが行われているわけでございまして、まず原子力安全・保安院が評価をいたしまして、さらにその上で原子力安全委員会が2次審査を行うと、こういう仕組みになっているところでございます。 その際、まず第一義的な原子力安全・保安院の審査でございますけれども、先般この保安院の審議官が参りましたので、その際に、審査前の調査、評価をすべて事業者にゆだねるのではなくて、保安院みずからも事業者の評価を補強、補完するような調査を行ってもらいたいということを申し入れたところでございます。そうした調査を行った上で原子力安全委員会が行います2次審査において、今度はいかに多方面の専門家の意見を聞いて評価するかということが肝要でありまして、そうした対策をとることによって評価の信頼性というものが高まっていくのではないかというふうに思っております。 それから、さらに大事なことは、その評価の結果について、だれにでもわかるわかりやすい言葉で説明をしてもらう必要があると。専門的なもちろんチェックはしなければいけませんが、その結果についてはだれにでもわかる言葉で説明をして、市民の理解が深まるように、そういった努力をお願い申し上げたいと思っております。 それから、原子力発電所の安全運転の2点目でございますけれども、原子力発電所の消火体制の改善計画でございます。 これは経済産業大臣の指示に従って出された改善計画でございますが、自衛消防隊員の確保、化学消防車の配置、それから専用通信回線の確保、訓練などの強化について示されているところでございます。これらの中電の改善計画の内容でございますけども、いずれも体制強化に向けました改善内容ということでございまして、同時に暫定的な対応も図られておりますので、今回の柏崎刈羽原子力発電所の事例を想定した場合でも、対応が可能だというふうに考えております。 それから、訓練指導につきましては、十分協議をしながら体制強化に向けて指導していきたいというふうに思っております。 それから、原子力発電所におきます一般火災でございますが、これは消防法の規定に基づきまして、電力事業者がつくる消防計画によって設置をされました自衛消防隊が初動対応すべきものということになっているわけでございます。不測の事態におきましては、同時に常備消防も対応すると、こういうことになるわけでございます。現在、常備消防といたしましては、既に化学車を更新をいたしておりますほかに、油火災に対応できるように鹿島、それから島根出張所に化学消火薬剤等を配備をいたしまして、体制強化を図っているところでございます。 それから、原子力発電所の3点目でございますが、中国電力の原子力発電所管理部門の松江への移転要請の問題でございます。 今回の一連の不正報告等々を受けまして、私どもは中国電力に対して原子力発電所の部門を松江へ移転をしてほしいという要請をしております。その後、中国電力におきましても検討していただいているわけでございますが、その後中越沖地震を受けました諸対応等々もありまして、まだ成案としてまとまってないというふうに聞いておりますが、市といたしまして早急に検討案を示すように要請をしているところでございます。 それから、安心・安全なまちづくりの3点目、自主防災体制ということでございます。 まず、自主防災組織の整備の状況ということでございますが、自主防災組織は現在177組織が結成をされておりまして、世帯単位での結成率が約29%ということでございます。この結成につきましては、自主的な結成ということが基本でございますので、年次計画等を立てているわけではないわけですが、平成17年度が年間で8組織、18年度が年間で11組織の結成であったのに対して、本年度が半年で新規に15組織が結成をされておりまして、昨年の7月豪雨災害などによって市民の防災意識が着実に高まっているというふうに考えております。 本市といたしましては、全市的に拡充する方向で進めているわけでございますけれども、従来未結成の地域でございました旧八束郡での結成に力を入れまして、宍道町で7組織が結成をされ、さらに玉湯町、八雲町にも結成の動きが出ているということでございます。 今後は、各公民館単位あるいは支所単位の地区災害対策本部の組織、これを設立をしてもらうということにしておりますので、そういったところと連携を図りながら、結成促進に向けて働きかけていきたいと思っております。 それから、でき上がった組織に対する指導、支援ということでございますけれども、現在行っておりますのは、自主防災組織が結成されている地域に対しまして訓練、講習会における講師派遣、それから防災啓発用のパンフレット、資機材の提供、こういったことを行っております。 それから、平成16年度から開催をいたしております自主防災リーダー研修につきましては、例年は大体延べ約170人程度の参加でございますけれども、今年度は2倍以上の約400名が参加をする予定というふうになっております。 それから、災害時に各地区に災害対策本部などを設置をするということになっているわけですが、そこに配置される市の職員の責任と権限、こういったもの、それから担当職員の日ごろの研修、訓練と、こういったことについての御質問でございます。 この各地区の災害対策本部でございますけれども、松江市地域防災計画に基づいて旧八束郡の場合は支所に、それから旧松江市の場合は各公民館区ごとに地元が主体となって設置をいただくものでございます。その設置を受けまして、従来の避難所開設時の派遣要員に加えて、地元出身者2名を連絡調整員として派遣することにいたしたところでございます。これらの職員は、それぞれの地区における災害情報の収集、それから市の災害対策本部との連絡調整、こういったことを任務といたしております。 これらの職員の研修ということでございますが、この6月に該当職員84名を対象といたしました研修会を開催をいたしまして、具体的な任務あるいは無線の取扱方法などの研修を行っております。それから、各地区で開催されております地区の災害対策本部の設立総会等には可能な限り職員も参加をして、意思疎通あるいは日常的な連携というものを図るようにいたしております。それから、今年度中に公民館への職員の参集訓練を実施をしていきたいというふうに思っております。 それから、3点目は中心市街地の都市計画ということでございまして、建築物の高さ制限の問題でございます。この問題につきましては、先ほどの出川議員の御質問に対しましてお答え申し上げましたように、その基本となりますような条例をつくりまして、対応していかなければいけないというふうに思っているところでございます。ともかく今景観条例あるいは都市計画法、それから建築基準法、こういったところでそれぞれに高さの規制というものをやっておりますので、これらをまとめた基本条例というものをつくっていきたいというふうに思っております。 それから、コンパクトシティーということでございます。 コンパクトシティーという問題につきまして、私ども当初大変な少し違和感のようなものを持っておりました。それは今までの都市計画というのが、どちらかといいますと市街化区域があって、そしてそれの外に市街化調整区域ということをやり、できるだけ外への分散といいますか、そういった政策というものがこれまで行われてきたわけでございますが、今回一転してコンパクトシティーと。したがって、市の郊外でのいろんな公共施設なり、そういったものを原則禁止をしていくと、こういういわば180度方針転換ということになったわけでございまして、これまでの都市計画というものの取り組みを全く変えていくという制度になるわけでございます。 そんなに急に本当に変えていいのかという思いが一つと、それからもう一つは、合併しまして直後だったわけでございますので、私どもは合併して大きくなった、2.5倍になりましたその地域のバランスのとれた整備ということをやっていくということが何よりも大事でございますので、そうした点からいいまして、このコンパクトシティーというものだけに特化していくということについては、私は、やはりどうだろうかというふうに思っております。 しかし、先ほど申し上げましたように、この大きくなった松江市の中でも特に市内の中心部の中心市街地というのが、やっぱり、これが空洞化してしまうということになりますと、新市全体のやはりこれは衰退につながっていくという思いを持っておりますので、こうしたものについて、ぜひともこれは立て直していかなければいけないという思いでまちづくり条例というものをつくって、市民の皆さん方と認識を共通にしてやっていきたいと思っております。 それから、きょう川井議員の方から御指摘ありましたような、それぞれの地域の中でのまたコンパクトシティーと、例えば旧八束郡の地域の中でのコンパクトな地域整備ということについては、大変これは傾聴に値する議論だというふうに思っておりまして、そうした点はぜひこれからも参考にさせていただきたいというふうに思っております。 ◆14番(川井弘光君) 終わります。 ○副議長(田中豊昭君) 29番加本市郎君。 〔29番加本市郎君登壇〕 ◆29番(加本市郎君) 公明クラブの加本市郎でございます。会派を代表して質問いたしますので、御答弁よろしくお願いいたします。 災害は忘れたころにやってくるといいますが、最近は忘れる暇もなく次々とやってまいります。最近では、先ほど来話題になっております7月16日に新潟県中越沖地震、我が島根県では8月31日の隠岐島集中豪雨、また台風9号と続きました。被災された皆様にお見舞いを申し上げるとともに、一日も早い復興を念願するものでございます。 特に、7月16日に発生した新潟県中越沖地震では、マグニチュード6.8という大地震でした。死者11名、重軽傷者1,960人、全壊993棟、半壊、一部損壊が3万7,000棟余りとなっております。この地震がこれまでの地震と違うのは、全国55基ある原発のうち7基の原発を有する柏崎刈羽原発が、震源地からわずか16キロの位置にあることであります。しかも、今回の地震の震源が予想外の海底活断層であったことです。これまでの活断層調査では大きな地震を起こす可能性は低いと見られておりました。それが外れたわけです。7基の原発のうち1号機、5号機、6号機は定期検査のため停止していましたが、運転中の残る4基は自動停止しました。 東京電力は、今月1日に中越沖地震により発生したトラブル件数は、軽微なものまで含めると、先月26日までに1,263件に上ると発表しております。原発の耐震設計は大きくA、B、Cの3級に分かれ、A級は原子炉本体がある建物やその中の設備で、通常建物の3倍以上の耐震強度が求められ、B級は発電用タービンがある施設で、通常の施設の1.5倍以上の強度が必要であり、C級は事務棟や消火設備などで通常の建物と同じ強度でよいとされております。 しかし、今回の地震はこうした単純なA、B、Cの分類ではほとんど意味をなさないことを証明する結果となりました。第1に、トラブルの多くは事務所や変圧器、消火設備など、C級の設備や機械に集中しましたが、これらのトラブルはそのままA、B級の設備にも重大な影響を及ぼすことが証明されました。初期消火がほとんどできなかったのは消火設備が損傷したためだったし、使用済み核燃料プールの水漏れについて連絡がおくれたのも、事務棟の機能がダウンしたことにあります。 第2に、強度の地震に耐える構造になっているはずのA、B級の設備でも想定をはるかに超える激しい揺れで深刻な被害が出ております。例えば、6号機では原子炉の天井に取りつけてあるクレーンの車軸が折れていることがわかりました。このクレーは、核燃料を運んだり原子炉のふたをあけたりするもので、核燃料搭載時に落下していたら大惨事になっていたかもしれません。 また、テレビでは黒煙を上げて燃えている施設の状況が何回も放映されておりました。消火までに2時間以上かかっておりました。通常の火災ですらすぐ消火されるのにと不思議な思いでごらんになっていたと思います。 そこで、島根原発の安全性について質問をいたします。 全国で唯一県庁所在地で原発のある松江市民の皆さんは、他人事とは思えない不安な気持ちでこの報道を見ておられたと思います。そこで、柏崎刈羽原発被害の教訓を島根原発にどう生かしていくのか、以下3点について質問をいたします。 松浦市長は、いち早く7月24日付で経済産業大臣に対し島根原子力発電所の耐震安全性についての要望をされております。まず、今回の地震で消火体制の整備、強化が課題であります。原発内の変圧器で火災が発生しましたが、鎮火までに2時間もかかっていることです。電話がつながらず、自衛消防隊を招集できなかった上、油火災を消火できる化学消防車や消火専従員が配備されていなかったことが消火がおくれた原因と言われております。全国17カ所、55基ある原発で消火専従要員が365日24時間体制で配備されている原発は1カ所もありません。化学消防車を配備しているのはごく一部のようであります。どこの原発も自前の消火体制が十分でないのが実情のようです。島根原発での消火訓練の様子がテレビで報じられておりましたが、機材は油火災にはとても対応できるものではないように見受けました。化学消防車の配備となると、対応できる要員の確保も必要になってくると思います。 そこで、島根原発における自衛消防体制について、中国電力はどのような対応をいつまでにとると報告があったのかお伺いをいたします。 次に、先ほど述べました消火がおくれた原因に通信手段の不備がありました。放射性物質の漏えいなど、災害対策本部への連絡はいっときを争うものであります。災害時には通信手段が寸断される可能性が十分あります。今回連絡がおくれ対応が後手に回ったことは、危機管理体制の甘さにあると思います。当然、二重三重の対応策をとっておかなければなりません。 そこで、島根原発における事故報告体制について、中国電力はどのような体制をいつまでにとられるのかお伺いをいたします。 次に、今回の地震の震源となった新潟県中越沖の断層については、以前からさまざまな論議があり、専門家の意見も分かれていたようです。しかし、東京電力の海底調査により、断層はあるが大地震を引き起こす活断層ではないとの評価で定着していたようです。ところが、今回の地震は原発設計の際には評価していなかった断層が動いたことによって起こったことが明らかになりつつあるようです。言うまでもなく、原発は活断層のない安定した場所につくるとされております。我が島根原発近くにも10キロとも20キロとも言われる宍道断層があります。 そこで、島根原発における耐震安全性の確認について、中国電力はどのような対応をされるのかお伺いをいたします。 次に、先ほども質問がありましたが、市長は中電本社の原子力部門を本社と分離して島根原発内に設置するよう要望されているようですが、どのような進捗状況でしょうかお伺いいたします。 いずれにしても、市民の皆さんの島根原発に対する不安を解消するために、情報を公開しながら安全確保に努めることが不可欠であると思いますので、よろしくお願いをして、原発に関する質問を終わります。 次に、公共施設避難所の耐震化について質問をいたします。 先ほど述べました中越沖地震の際も、多くの方が学校を中心とした公共施設に避難されました。地震発生の7月16日から2日後に文部科学省は技術者らを派遣して、市内39小中学校のうち目立った被害が報告された15校の安全点検を実施しました。調査結果によると、5校が使用禁止に、このうち3校の体育館は床の損傷や天井材の落下の危険性が指摘され、避難所として被災者を受け入れることができませんでした。また、避難所として使用していながら途中閉鎖を余儀なくされる学校も出てきました。学校施設を強固にしていくことが子供たちや地域の住民の安全を守る上で最重要課題ですとの校長先生のコメントも報じられておりました。 柏崎市ではこうした声を背景に、現在耐震診断実施率56.3%、耐震化率66.7%を早急に100%にすると教育委員会は表明しております。文部科学省は、8月6日に耐震性が低い施設を優先的に改修していく計画の概要を公表、年度内に詳細をまとめる方針のようです。また、全国の小中学校施設のうち約35%が震度6強に耐え得る耐震基準を満たしていないとも報告されております。 本市においては、8月発行の「暮らしの便利帳」で、地震災害、風水害、津波災害、土砂災害、要援護に分けて避難所となる施設名が明記されております。そこで、本市の学校施設の耐震診断の現状と今後の見通しについてお伺いする予定でしたけれども、午前中の質問に対して答弁がありましたので省きますが、避難所となる公共施設の耐震診断の現状と今後の見通しについてお伺いをいたします。 次に、大橋川改修事業について伺います。 大橋川周辺まちづくり検討委員会では、これまで8回の委員会を開催され、大橋川周辺まちづくり基本方針委員会案を提示され、市民意見交換会を開催しながら、市民の皆様から提案された代替案についても検討されているところであります。今後のスケジュールとしては、大橋川周辺まちづくり基本計画の策定を受けて、まちづくりと一体となった大橋川改修計画の策定と、大橋川改修と一体となった背後地整備計画の策定となってくると思います。 そこで、現在市民の皆様から貴重な提案をいただいている中で、上流のダムの完成あるいは神戸川放水路の完成など、タイムリミットは迫っているように感じますが、基本計画の策定はいつごろまでにと考えておられるのかお伺いいたします。 大橋川周辺まちづくり基本方針の中で、計画段階から設計、コスト、スケジュールの管理、施工と品質管理、評価、維持管理に至るまで、松江市民及び斐伊川水系流域に暮らす人々、その他松江のまちづくりに関心を持つすべての人々が適切かつ十分な情報を手に入れることができ、また意見を述べることができるような仕組みを整備し活用します。また、市民と行政、河川管理者は相互のパートナーシップを高め、この地域で培われた繊細な感覚、感性をまちづくりに生かしますとあります。十分な市民合意を得ての基本計画策定になるようお願いをいたします。 次に、河川事業は国直轄事業であると考えますが、この大橋川改修事業は単に大橋川を拡幅するだけの事業ではなく、それに伴う背後地のまちづくり事業があります。市民の皆様も松江市の置かれている厳しい財政状況はよく御存じのことと思います。松江市民を水害から守ることは、行政としては当然やらなければなりません。しかし、そこに莫大な投資をしたことによって、これまで積み上げてきた福祉などの市民サービスが低下すれば、市民全体が痛手を受けることにもなります。市長さんも平成20年度の島根県に対する重点要望事項7項目めのトップに大橋川改修事業について、計画策定に当たっては事業の負担割合を明確にしてと要望されております。 そこで、改めてお伺いいたしますが、これまで背後地のまちづくりの部分は市が行う事業と認識しておりますが、国がやる事業、県がやる事業、松江市がやらなければならない事業がありますが、それぞれの事業内容を具体的にお伺いいたします。 また、国、県、市の負担割合についてはどのような状況でしょうかお伺いいたします。 市民意見交換会を通じてさまざまな疑問や意見、提案がなされております。陳情という形で松江大橋、新大橋のかけかえをしないで大橋川の拡幅もせず、築堤をしないパラペット方式も提案されております。この陳情は、現在宍道湖・中海問題等対策特別委員会で審査されているところです。市民の皆様の疑問や提案に対してきちんと説明していくことが、市民合意を得るためには不可欠であると思います。8月11日に市民意見交換会が開催されておりますが、意見速報を見るとさまざまな意見が出されております。これらの貴重な意見や疑問に対してどのように対応されるのかお伺いをいたします。 次に、陳情にありました築堤によらずHP2.5メートルのパラペット方式に対する国土交通省の見解はいかがでしょうか。あくまでも築堤が前提なのでしょうか。また、他のところで築堤によらないパラペットだけの事例はあるでしょうかお伺いをいたします。 次に、東出雲町に対する今後の考え方について質問いたします。 8月26日に施行された東出雲町町長選挙において鞁島新町長が誕生いたしました。選挙戦を通じて合併問題が再浮上したようであります。新聞報道によりますと、町長は合併問題について合併の長所、短所の検証と松江市との協議を並行して進める。松江市とは合併を前提に消防業務やごみ処理など個々の問題を話し合いたいとし、松江市と合併した旧7町村の実態、合併単独の場合の財政シミュレーションをし、任期中の09年か10年度をめどに住民投票を行うとの考えが示されておりました。 市長さんも直接会われたようでありますが、新町長の方針に対する市長の率直な思いをお伺いいたします。 最後に、学習指導要領の改訂案についてお伺いいたします。 8月30日に文部科学省は、学習指導要領改訂の基本的な考え方と小学校の教育課程の枠組み素案を中央教育審議会に提案されております。内容は、小学校では主要教科の授業時間を約1割増し、高学年で英語活動を週一こま程度設け、現在の指導要領から導入された総合的な学習の時間は、週一こま程度減らすという内容です。 総合的な学習の時間の導入など、ゆとり教育を掲げた現行の指導要領は、小学校では02年度、中学校では03年度から導入され、5年が経過しております。平成8年7月19日の中央教育審議会答申、21世紀を展望した我が国の教育のあり方についての中に、これからの学校の目指す教育としては生きる力の育成を基本とし、知識を一方的に教え込むことになりがちであった教育から、子供たちがみずから学びみずから考える教育への転換を目指す。そうした教育を実現するために、学校はゆとりのある教育環境でゆとりのある教育活動を展開する。そして子供たち一人一人が大切にされ、教員や仲間と楽しく学び合い活動する中で、存在感や自己実現の喜びを実感しつつ、生きる力を身につけていくとあります。 ゆとり教育は、基礎学力を応用するという観点で生まれ、ゆとりを持って基礎、基本を徹底し、自分で考える力を育てる教育であると理解しております。そうした背景の中、近年不登校、いじめ、未履修問題、学力低下など、さまざまな問題がクローズアップされております。 そこで、まずこのたびの改訂案に対する教育委員会の感想をお伺いいたします。 次に、02年、03年から始まった総合的な学習の時間が見直されなければならない背景、また要因となったのはどのような理由によるものとお考えでしょうかお伺いいたします。 全く素朴な疑問ですが、このまま次々と授業時間の拡大によって、またもとのゆとりのない教育になってしまうのではないでしょうか。個人的にはこの総合的な学習とは大変魅力あるものだと思っております。 そこで、この改訂案が実施されたときに、総合的な学習時間の減少に伴う影響についてはどのようにお考えでしょうかお伺いいたします。 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(田中豊昭君) この際、しばらくの間休憩をいたします。 〔午後3時00分休憩〕 ────────── 〔午後3時17分再開〕 ○議長(田中弘光君) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を行います。 29番加本市郎君の質問に対する答弁を求めます。 松浦市長。 〔市長松浦正敬君登壇〕 ◎市長(松浦正敬君) 加本議員の代表質問に対しましてお答えを申し上げたいと思います。 まず第1点目は、島根原発の安全性についてということで数点の御質問がございました。 7月26日でございますけれども、この柏崎刈羽原発の事故等に伴いまして、経済産業大臣の方から3項目につきまして指示が出ているわけでございますが、その指示に従った話でございます。一つは、自衛消防体制ということの強化、それから2点目は迅速かつ厳格な事故報告体制の強化、それから3点目が国民の安全を第一とした耐震安全性の確認と、この3つが出たわけでございますが、加本議員の御質問はそれぞれの3点について、どのようにこの教訓を生かしていくのかという御質問でございます。 まず一つは、自衛消防体制ということでございます。島根県の島根原子力発電所におきましては、自衛消防体制の強化につきまして4項目検討されております。一つは、人員の確保ということでございますけれども、今後常時10名以上の隊員を確保する、そういう中で常駐者を5名程度配置をするという計画になっております。それから、化学消防車でございますけれども、年度内配備に向けて現在仕様等について検討中ということでございます。それから、3点目は消防との専用通信回線の確保ということでございます。現状はNTT回線の電話、それからファクスだけということでございますので、今後は専用回線の確保と無線設備の活用ということが検討されております。それから、4点目は訓練の強化ということでございますけれども、現在も連携して訓練を行っておりますけれども、これを引き続き継続するとともに、消防署における訓練などの教育カリキュラムについて検討されているところでございます。 それから、2点目は事故の報告体制ということでございます。この事故報告体制の改善計画でございますけれども、災害が発生したときに放射性物質の漏えいなどの事実関係を確認するための有資格の人員を確保するということと、それから衛星携帯電話、それから無線の導入をして、災害時における要員確保、要員への連絡方法というものを改善をしていくということが1点目でございます。それから、2点目は災害発生時であっても発電所内及び発電所と本社間で確実に機能する無線等の通信手段を整備をすると。それから、3点目は万一の放射性物質の漏えいなどに備えて、その可能性に接した時点で直ちに国や県、市、社長に報告するように保安規定、通報マニュアル類に定めるということでございまして、これはいずれも遅くとも今年度内に実施をするという計画になっております。 それから、これらの実施状況につきましては、毎月報告を求めておりまして、立入調査も行いながら確認をしていきたいと思っております。 それから、3点目は島根原発における耐震安全性の確認ということでございますけれども、昨年の9月の新耐震指針に照らしまして、既設炉の耐震安全性の評価作業というものが続けられているところでございます。このたびの中越沖地震から得られる新たな知見というものを適切に反映するとともに、可能な限り早期にこの評価をするように、大臣の方から指示がなされております。 そこで、中国電力におきましては、これまでやってきております計画の見直しを行いまして、宍道断層にかかわるトレンチ調査を初めとした調査内容の充実、それから海域におきます音波探査というものを追加をするということにいたしたところであります。 それから、中越沖地震によります柏崎刈羽原子力発電所の地震観測データに基づいて、1、2号機に与える影響の概略検討を行うということにいたしておりまして、さらに今年度末時点での調査結果に基づいて、1号機の耐震安全性について中間報告を行う予定ということになっております。 それから、原発安全性の2点目は、中電本社の原子力部門の分離ということでございまして、その進捗状況、これにつきましては川井議員にお答えをしたとおりでございまして、まだ成案としてまとまってないわけでございますが、早急に検討案を出すように要請をしているところでございます。 それから、大きな2点目は公共施設の耐震化ということでございまして、避難所となる公共施設の耐震診断の現状と今後の見通しということでございます。 188カ所指定避難所がございますけれども、そのうち地震災害があったときの避難所として指定しておりますものが120施設あるわけでございます。これはすべて新耐震施設もしくは旧耐震設計であっても耐震性のある施設ということになっております。残りの68施設については、風水害等の避難所として指定をしているところでございます。 それから、収容能力ということでございますけれども、震災時の避難所につきましては比較的大規模な施設を指定をいたしておりますので、阪神大震災のピーク時の避難者数から見ましても十分な収容能力ということになっております。今後も引き続き学校施設の耐震化を進めてまいりますとともに、公民館などの小規模な施設についても耐震化を進めていきたいというふうに思っております。 それから、3点目は大橋川の改修事業でございまして、1点目は基本計画の策定時期ということでございます。 この大橋川の周辺まちづくり基本計画の策定作業を現在行っているところでございますが、今年度末を目途として行っているわけでございます。策定に当たりましては、議員御指摘がありましたように、住民の意見を反映させて市民合意を得るということが前提でございまして、しっかりと説明、議論した上で、期限にとらわれずに策定をしていきたいというふうに思っております。 それから、国、県、市の事業内容の明確化と負担割合ということでございますが、これは石倉議員にもお答えしたとおりということでございます。 それから、基本計画を策定するに当たって、市民から提案があったこと、あるいは疑問についての説明を行うべきではないかと、こういうことでございますけれども、8月11日に意見交換会を行いましたけれども、その際いろいろな意見、提案、疑問といったものが出されたわけでございます。これらの意見、提案につきましては、この基本計画の策定にできるだけ反映をさせていきたいと思っておりますし、疑問点については説明会等あらゆる機会でお答えをしていきたいと思っております。 それから、4点目は市民提案の築堤によらないHP2.5メートルのパラペット方式に対する国土交通省の見解、それからこのような事例があるのかということでございますけれども、築堤によらないパラペット方式ということにつきましては、国土交通省は築堤については耐震性が高いこと、それから構造物としての劣化現象が起きにくいこと、それから修復が容易であること、基礎地盤と一体としてなじむことなどから、計画高水位までは土により施工することというふうにしているところでございます。 それから、ほかの箇所で築堤によらないパラペットだけの事例があるのかどうかということでございますが、治水施設というのは歴史を重ねて整備をされてきておりますので、過去の整備においてパラペット方式による措置が行われたところもあるわけでございますが、現在の基準には適合しない事例もあるというふうに聞いております。 それから、4点目は東出雲町に対する今後の考え方ということでございますけれども、この点につきましては先ほど出川議員にお答えしたとおりということでございまして、我々はいつでも門戸を開いて待っていると、こういうことでございます。東出雲町の方で民意をどのようにまとめていただけるのかと、こういうことにかかっているというふうに思っております。 学習指導要領の改訂につきましては、教育委員会の方からお答えをさせていただきたいと思います。 ○議長(田中弘光君) 福島教育長。 ◎教育長(福島律子君) それでは、学習指導要領関係のことについてお答え申し上げます。 まず、改訂案に対する教育委員会の感想はということでございますが、この授業時数の増加、総合的な学習時間の見直しなど、今までの流れを転換するとの印象が確かにございますが、これはOECDが実施いたしております生徒の学習到達度調査、いわゆるPISAでございます、の結果や教育再生会議の意見を受けての改訂であると、そのように考えております。 授業時数の増加は、学力向上の一つの方策としてはこれは評価できると考えておりますが、またその一方で児童生徒の負担感がふえることなどがまた懸念されるところもございます。 このようなさまざまな情勢の変化を受けての改訂であると考えておりますが、義務教育についての基本方針が短期間で大きなととらえるのか、小さいととらえるか、いろいろそのとらえ方があろうかと思います。こういうふうに変わっていきますと、教育現場や児童生徒へ影響が出ないように私たちはそれをきちっとやっていかなきゃいけないというふうに考えております。 松江市教育委員会といたしましては、これらの改訂を踏まえつつ、平成19年3月に、ことしの3月でございますが、策定いたしました学校教育プランをもとにいたしまして、松江の実態に即した、いわゆる松江らしい教育の実現を私たちは努力していきたいと、そのように考えております。 それから、続きまして、総合的な学習の時間の見直しの背景とか要因となったものは、どのような理由によると考えているかということでございますが、この総合的な学習の時間につきましては、思考力、表現力、知的好奇心などを育成する上で大きな効果を上げているという、そういう評価がある一方で、読解力の育成や知識、技能の習得など基礎、基本の充実や小学校での英語学習の導入、こういうものに伴いまして見直しがなされていったのではないかと、そのように考えております。 また、総合的な学習の時間の減少に対する影響はどうであるかという御質問でございますが、これまで各学校におきましては総合的な学習の時間を活用いたしまして、地域の実態等を生かした特色ある教育を展開してまいりましたけれども、時数の削減に伴いまして年間指導計画などを見直す必要が出てまいります。しかしながら、週当たり1時間程度削減されましても、各学校の創意工夫で特色ある活動はできるものと私どもは判断いたしております。以上でございます。 ○議長(田中弘光君) 29番。 ◆29番(加本市郎君) 1点は、避難所となる公共施設の耐震化ということでございますけれども、残る68施設は風水害の避難所として使用すると。これについても耐震化を順次進めていくということでございますけれども、特に地震災害の場合には、なかなか想定しにくい道路の寸断ですとか、がけ崩れですとか、予定されている避難所が、地震の避難所として予定しているところが利用できないというような状況も発生してくるのではないかと思いますので、なかなか予算的な問題もあって大変かと思いますけれども、残る68施設についても前向きで耐震化を進めていただくよう要望しておきたいと思います。 それともう一点、大橋川改修事業について、国、県、市の事業内容の明確化と負担割合という項でございますけれども、私がお聞きしたかったのは、全体の大橋川改修事業の中で、国がやる事業は具体的にこういう事業で、県がやる事業はこういう事業、松江市がやらなければならない事業、背後地という先ほどの答弁もございましたけれども、その辺の国、県、市の事業内容の明確化と負担割合といいますか、その辺についてもう少し詳しく御答弁いただければと思います。 ○議長(田中弘光君) 松浦市長。 ◎市長(松浦正敬君) この点につきましては、午前中の石倉議員の御質問に対しましてお答えしたとおりでございますが、国がやります事業というのは、もちろん河川の拡幅だとか、それから築堤ということがメーンになるわけですが、それ以外に現状の道路、橋、それから港湾施設、公園、そういったものの機能保障、こういったものも含めまして、河川改修にかかわる事業というのは国土交通省が行うということになっております。 それから、それに伴いまして背後地の整備というものが考えられるわけでございますけれども、その際は市が行うということですが、市としましては必要最小限の整備を基本的に行っていくというふうに考えているところでございます。まだそういう点で具体的な河川の改修計画というのが定まっておりませんので、現段階につきましてはその事業費というのが算定できない、算定をしていないという状況でございますので、御理解いただきたいと思います。 ◆29番(加本市郎君) 終わります。 ○議長(田中弘光君) 39番飯塚悌子君。 〔39番飯塚悌子君登壇〕 ◆39番(飯塚悌子君) 日本共産党議員団を代表いたしまして質問いたします。飯塚悌子でございます。通告に従いまして質問いたしますので、お疲れのことと思いますが、御答弁どうぞよろしくお願いいたします。 まず最初は、参議院選挙結果についての市長の見解についてお伺いいたします。 参議院選挙の結果は、安倍政権に対して国民は厳しい審判を下しました。さらに、突然安倍首相が臨時国会で所信表明演説までしてから辞任するという事態になりました。こうした背景には、第1に、年金、閣僚の失言、政治と金の問題にとどまらず、庶民への重税、医療や介護、福祉の相次ぐ改悪によって松江市でも就学援助制度や生活保護受給世帯の増加、また国保資格証明書発行の増加に見られるように、貧困と格差を拡大した弱肉強食の構造改革路線に対する国民の審判が下されたこと。第2に、こうした国民の暮らしや雇用など深刻な問題解決は放置して、戦後60年余り国民の中に根づいてきた平和憲法を変えることを最優先課題にして国民に押しつけようとしたことです。今、「九条の会」は全国で6,000を超え、島根県でも地域、職場、学園に66の「九条の会」がつくられ、まさに草の根からの戦争反対、憲法を守れの声が広がったことです。第3に、三位一体改革の推進で、東京など都市部への税収の一極集中、地方との経済格差を引き起こし、地域社会の疲弊を深刻なものにしたことです。 9月7日付の山陰中央新報の1面トップ記事によりますと、法人事業税、法人住民税の2税の人口当たりの税収額は、2005年度決算ベースで、全国平均を100とした場合の指数が東京は266.8と、最高で最も少ない長崎県が40.9で、実に6.5倍の格差であると報じています。ちなみに、島根県は58.6で、東京都の格差は4.6倍という事態です。私も一会員ですが、しまね地域自治研究所が主催した第2回夏の学校で島根大学の保母武彦名誉教授は、三位一体の改革で地方から削減された補助金、地方交付税は税源移譲によって東京に集められ、その増加分だけで5,000億円に達する、それは島根県の年間予算に匹敵すると指摘しています。今度の選挙が地方からの反乱と表現されたように、小泉、安倍政権によって進められてきた地方切り捨ての構造改革路線に対する審判がこの島根県でもはっきりと下されたということではないでしょうか。市長の御所見を伺います。 2つ目に、格差と貧困から暮らしを守るために、まず第1点目は後期高齢者医療制度、これは凍結、全面見直しを政府に求められたいことです。 後期高齢者医療制度が2008年4月から発足予定で、島根県後期高齢者医療広域連合で準備が進められています。この制度は、75歳以上の高齢者は強制加入で、保険料の徴収方法が世帯ごとから個人に変わるため、被扶養者からも保険料徴収となることなど、高齢者の負担が大幅にふえます。保険料は、年金月1万5,000円以上は既に天引きされている介護保険料と合わせてさらに天引き、保険料が払えない人には4カ月で短期保険証、1年で資格証明書、1年6カ月で給付停止となります。その上、医療機関に払われる診療報酬は75歳以上別建てで、治療内容が下げられることになりそうです。 島根県広域連合事務局によりますと、保険料の試算はまだのようですが、先日東京都広域連合が出した幾つかの試算によりますと、平均保険料は最高で年額15万円、最低でも6万9,000円となることが明らかにされていました。国保料より高くなることは確実で、年金受給者によっては国保料の2倍を超す場合もあることが試算で出されていました。こんな負担が高齢者にできるでしょうか。 昨年10月、島根県民主医療機関連合会が行った高齢者の生活実態調査が明らかにされました。職員が個々面接によって行った松江、出雲の392人の高齢者の聞き取り調査で明らかになったことは、高齢者の貧困と健康、将来不安への深刻さです。自分の収入がゼロという人が4%、10万円以下の人が37%という実態です。負担増の中で切り詰めているもののトップは被服費、次が食費、3位が水光熱費です。収入が5万円以下の人の6割が週に一度も外出しないというのです。昨年からの医療、介護の負担増で支払い額の負担感について、とても負担、やや負担合わせると45%になり、通院、通所を減らしたと回答している人もあります。わずかな年金で文字どおりつめに火をともすような生活、高齢者は金持ちという宣伝が全く空虚なものであることを示す調査結果です。 こんな高齢者の生活実態の中で、すべての高齢者からの保険料徴収は人間らしい生活を奪うものの何物でもありません。保険料の取り立て、滞納者への資格証明書の発行など、市町村の窓口の仕事となります。こんな制度は中止、撤回するしかありません。 私がこの質問通告を出しました間もなく、福田康夫総理総裁候補もこの後期高齢者医療保険制度を見直さなければならないと、こう言いました。市長さん、市長さんは保険者である広域連合の会長ですので、ぜひ後期高齢者医療制度の来年4月からの実施の凍結、制度の全面見直しを政府に強く求めていただきたいと思います。市長の見解を求めます。 次に、介護保険にかかわる問題ですが、去年の見直しで保険料も利用料負担もふえ、加えて税制改定による増税の負担増が高齢者、家族を襲っています。松江市では、市民の要望にこたえて要介護認定者の障害者控除認定基準を設けられ、制度の利用がふえています。これをすべての要介護者に個別の案内または広報でわかりやすく知らせ、制度の活用で負担軽減に役立つように一層の努力を求めます。見解を伺います。 次に、子育て世代の住宅難の問題ですが、今住宅難は本当に深刻です。収入の少ない母子、父子家庭は一層深刻です。市営アパートの空き住宅への入居競争率は、担当課によりますと最近のところで10.73倍、その前が7.67倍で、市営住宅に入居することは至難のわざという状況です。市営アパートの建設、老朽市営住宅の建てかえを促進し、子育て世代の住まいの確保を進めることは定住施策上からも急がれると考えますが、いかがでしょうか。 家賃が高くて入り手がなく、52戸中14戸も空きのある小浜の特定公共賃貸住宅について、家賃補助制度を設けて入居を促進すること、民間アパートの借り上げ、今40戸ということですが、さらに積極的に推進して子育て世帯や母子、父子世帯、こういう人たちの市営住宅入居希望者の要望を解決すべきですが、見解を伺います。 次は、市税減免制度の問題です。 今、市民の暮らしが大変な中で、市県民税の減免制度を初め、今ある制度を最大限に利用して市民の暮らしを守ることが求められます。私が調べてもらったところ、市県民税を初め松江市には13項目の減免制度がありますが、そのうち申請書が窓口に置かれているのは軽自動車税と児童クラブ使用料のみです。あと11項目については相談があれば渡すという扱いになっています。特に、税制改定で負担がふえた市民税については、減免制度がありながら市民に知らされていません。私がかかわった事例でも、所得が皆無となったため、松江市の減免要綱によって市税の減免が実現しましたが、職員も市民の立場に立ってこうした制度を活用していく努力が求められます。 市民税の減免実績は平成18年度でたしかわずか26件と聞いておりますが、市民の暮らしを守るために今ある制度を最大限に活用していくこと、そのために職員もこうした制度に精通すること、申請書を窓口に設置して市民が利用しやすいようにすること、ぜひともそのことを求めたいと思います。見解を伺います。 大きな2点目は、地球環境保全と平和都市宣言の問題です。 昨年の9月議会で、議員提案によって地球環境保全と平和都市宣言が全員一致で決議されました。市長は、この宣言の決議に当たって、悲惨な戦争を再び世界の人々が経験することがないように、核兵器の廃絶あるいは恒久平和を世界に訴えるという非常にとうとい意義深いものだと受けとめている。私どもにとりまして平和な社会を次代へ引き継いでいくということが大変重要な課題であると思っている。特に、松江市は観光立市であるので、観光が成り立つには世の中が平和でないといけないと思うと、こう同僚の片寄直行議員に対し御答弁いただきました。今後の平和行政のこうした決意を述べられましたが、しかし地球環境保全と平和都市宣言は決議されて1年、市民への普及啓発については、ほとんど何もされてないと言っていいほどおくれているのではないでしょうか。 合併前の松江市は、向島にあったガス局の施設に、市民に見えるように宣言を掲げていましたが、ガス局の移転で撤去されました。旧町村では、合併前に宣言したものが今もそのまま掲げられているというところもあります。新しい宣言は、読み返してみると議員の英知を集めてつくられたものだけあってなかなかのもので、時宜にかなった内容です。 市長に伺います。新しく決議した地球環境保全と平和都市宣言を市役所と各支所、公民館に掲げるよう求めますが、いかがでしょうか。 3点目は、全国一斉学力テストに関係してお伺いします。 安倍前首相が設置した教育再生会議は、学力向上のためにゆとり教育の見直し、反復学習の強調による基礎学力の徹底という学力論で全国一斉学力テストを実施しました。文部科学省は、4月24日に行った学力テストの結果公表を近く行うと報道されています。文科省は、結果の取り扱いについては実施要領に基づいて行うとし、その実施要領では市町村教育委員会は域内の学校の状況について、個々の学校名を明らかにした公表は行わないことを定めていると述べ、学校ごとの公表は行わないことを求めています。以上の点を踏まえれば、松江市教育委員会として全国一斉学力テストの結果の学校ごとの公表は行わないことは当然であると考えます。 しかし、昨年大阪地裁は、枚方市が行った学力テストの結果について学校ごとの公表を求めた住民の訴訟に対し、市教委は公開すべきという判決を下しており、住民から学校ごとの結果公表を求める情報開示請求が出された場合、幾ら市町村教育委員会が学校ごとの結果公表を行わないという決定を行っていたとしても、市町村教育委員会がそのデータを保有している限り、公表せざるを得なくなるのではないでしょうか。したがって、学校ごとの結果公表を行わないためには、文科省から都道府県を経由して送られてくるデータを受理しない、あるいは受理しても即座に廃棄するしか方法はないと考えます。 いずれにせよ、市町村教育委員会に対してこうした苦痛を伴う判断を迫られているのも、全国一斉学力テストが悉皆で行われているということに原因があります。学力実態調査を行うならば、全員参加型で行う必要は全くなく、抽出調査で十分です。 以上の点から次のことを求めます。 まず第1に、全国学力・学習状況調査の学校ごとの結果公表は行わないこと、このことを前回の御答弁でこういう方向がありましたが、重ねて求めたいと思います。 2つ目に、そのため文部科学省、都道府県教育委員会から送られてくるデータを受理しないこと、受理した場合は即座にそのデータを廃棄処分にすること。 3点目に、文科省に対し全員参加型の学力・学習状況調査の廃止を求めるとともに、仮に今後も悉皆で行われる場合には参加しないことも含め、市教委の自主的判断を行うことを求めます。 以上の点について教育長の見解を伺います。 次に、5月9日、10日に行われました県の学力調査結果に対する補充テストについて伺います。 松江市は、各学校において県の学力調査結果に基づく独自の指導方法の改善工夫が進められ、教育委員会では学力対策委員会を設置し、松江の子供たちの学力向上のための教科ごとのアクションプランが作成され、学校と連携した取り組みが進められているところです。アクションプランは、私も読ませていただきましたが、結果の分析から指導のポイントを明らかにし、プランが立てられています。ところが、学校現場では学期末の多忙なときに県の学力調査結果の返却に際し、児童生徒一人一人に対し調査結果に記載された学習プリント、これは県がベネッセと契約したプリント配信システムからダウンロードして、学校で印刷して配布するという大変な労力を要するもので、現場は突然のプリントの印刷配布に大変混乱したようです。 この前、私が指摘したように、学力を調査するテストが、逆にテストのための対応を学校に強いるという事態を招いているということではありませんか。この学習プリント配信システムで1,500万円以上の費用が使われていると聞きます。学力調査の名で県、市予算を使い、授業時間を割いてベネッセのプリント配布をさせる。こんなことは学校現場の合意の上で行われたことでしょうか、教育長にお伺いいたします。 プリントの印刷、配布費用はどこが幾ら負担されたでしょうか。ベネッセのプリント活用などではなく、アクションプランを生かした、どの子にもわかる授業の工夫、学力向上の取り組みこそ大切ではないでしょうか。教育長にお伺いし、質問を終わります。(拍手) ○議長(田中弘光君) 松浦市長。 〔市長松浦正敬君登壇〕 ◎市長(松浦正敬君) 飯塚議員の代表質問にお答え申し上げたいと思います。 まず第1点目は、参議院の選挙結果についてということでございますが、これにつきましては先ほど出川議員にお答えしたとおりでございます。 それから、2点目でございますけれども、格差と貧困から暮らしを守るということで、後期高齢者医療制度の凍結、全面見直しという御主張でございます。 御承知のとおり、後期高齢者医療制度でございますけれども、国民皆保険を堅持をして、医療制度を将来にわたって持続可能なものにしていくということで、現行の老人保健制度を廃止をして新たな制度を創設をしていこうと、こういうものでございます。現行の老人保健制度につきましては、幾つかの問題点があるわけでございますけれども、一つは、保険者からの拠出金の中で現役世代の保険料と高齢者の保険料が区分をされていないということで、費用負担関係が不明確ということ、それから保険者が保険料の決定や給付を行う国保あるいは被用者保険と比較して、老人保健制度の医療給付は市町村が行う一方で、その財源は公費と保険者からの拠出金によって賄われているということで、財政運営の責任が不明確になっていると、そういうことでございますので、現行制度を発展的に継承した独立制度として、一つは、給付については高齢者の保険料を1割、現役世代からの支援金を約4割、公費を約5割という負担割合によって賄うこととしまして、高齢者の保険料と現役世代の負担の明確化を図ったということが第1点でございます。 それから、第2点目は、都道府県単位ですべての市町村が加入する広域連合を運営主体とするということによりまして、財政運営の責任の明確化を図ったということでございます。 それから、低所得者対策といたしましても、国保と同様に保険料の減額賦課、減免制度というものが設けられることになっております。 今、島根県におきましても既にことしの2月1日に広域連合が設立をされまして、現在電算システムの開発だとか、あるいは保険料の条例の制定に向けまして準備が進んでいるところでございます。平成20年4月が事業開始ということになっておりますので、着実に諸準備を進めていかなければならないと、そういう状況にあるわけでございまして、実施の凍結、制度の全面的な見直しということを政府に求めることは全く考えておりません。 それから、すべての要介護認定者への障害者控除の周知徹底ということでございますけれども、この制度の周知につきましては、年末調整あるいは税の申告時期に合わせまして市の広報、それからホームページでわかりやすく周知をしていきたいというふうに思っております。 それから、3点目は母子、父子世帯への市営住宅入居のための住宅の建設、家賃補助ということでございますけれども、一つは、市営アパートの建設、それから老朽市営住宅の建てかえ等促進をすべきではないかと、こういう御質問でございます。 まず、現在母子世帯等々の入居につきましては、優先的な入居ということを行ってまいっております。それから、ことしの7月に住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律、略称しまして住宅セーフティーネット法というふうに言っておりますけれども、これが制定をされまして、住宅確保要配慮者に対して、より一層の配慮が求められているということでございますので、松江市におきましても、この法律の趣旨に基づいて空き家住宅募集時などに優先入居を図るとともに、民間事業者に対しましても配慮するように要請してまいりたいと思っております。 それから、市営住宅の建てかえ等につきましては、今後住宅マスタープランに基づきまして、財政見通しとの整合性を図りながら進めていきたいと思っております。 それから、小浜の特定公共賃貸住宅でございますけれども、これは中堅所得者向けの住宅ということでございまして、制度的に月額所得が20万円から60万円というふうに定められております。したがいまして、その範囲でないと入居できないということになっておりまして、御指摘のような特定公共賃貸住宅の利用は難しいものと思っております。 それから、4点目は市税の減免制度の周知徹底ということでございますけれども、こうした公共料金、使用料等々につきましては、まず公平に負担をいただくということが大前提でございますが、やむを得ず負担が困難といった場合には、生活状況に応じて分割納付、減免制度を適用するということにいたして、プライバシーに配慮して慎重に実情の把握ということを行っております。したがいまして、まずは窓口で御相談をいただいて、その上で実情に応じた対応を行っているところでございます。 それから、減免を含めました納税等の相談につきましては、ホームページ等でお知らせをしていきたいというふうに思っております。 それから、3点目は平和行政についてということで、地球環境保全と平和都市宣言の周知、啓発ということでございます。 先般、この平和都市宣言ということを宣言をいたしたわけでございますけれども、この宣言につきましては大変格調のある文書で表現をされているということでございます。したがって、小学生でも理解できるような簡明な条文ということが、そういう点についてはどうかという点もございますので、市民への周知をこれから図っていきたいと思っておりますけれども、こうした宣言の特徴を踏まえまして、それにふさわしい周知方法を今後検討していきたいというふうに思っております。 教育問題につきましては、教育委員会の方からお答えをさせていただきたいと思います。 ○議長(田中弘光君) 福島教育長。 ◎教育長(福島律子君) それでは、教育問題についてお答え申し上げます。 まず、全国学力・学習状況調査の件でございますけれども、この学校ごとの結果公表はということでございますが、これは先ほど議員さんおっしゃいましたように、実施要領に基づきまして結果公表は行わないことといたしております。 次に、文科省や県教委からのデータの廃棄等についての御提案でございますけど、このことにつきましては、本調査の目的は実施要領にございますように、市全体の学力・学習状況を把握することだけでなくて、調査結果に基づきまして児童生徒個々の学習状況を把握いたしまして、個に応じた指導を行うとともに、各学校の指導改善に生かすことにあると、そのように考えております。したがいまして、データを受理しないことや廃棄処分にすることは考えておりません。 そしてまた、学力調査の中止を求められたいということでございますけれども、学力調査につきましては、その結果の経年比較が必要でございますし、当面中止する考えはございません。 また、先ほども述べましたように、この調査の目的は、市全体の学力・学習状況を把握することだけでなく、児童生徒個々の学習状況を把握いたしまして、個に応じた指導を行うとともに、各学校の指導改善に生かすことにあると考えておりますので、全員参加型の調査が必要だと、そのように考えております。 それから次に、島根県教育委員会が今年度実施いたしました、しまね学習プリントシステムについてでございますけれども、これは平成19年、今年4月4日に県教育委員会が主催いたしました島根県学力調査説明会におきまして、松江教育事務所管内すべての小中学校の担当者を集めて詳しい説明があり、またその後も、5月の松江教育事務所主管の小中校長研修会並びに教頭研修会等で県教育委員会から説明が行われていたと、そのように私どもは承知いたしております。 次に、費用負担等の件でございますけれども、その負担等も含めまして、このプリント配信システムのあり方等につきましては、県教委ともまたいろいろと相談等いたしまして、必要に応じて県に対して要望もしてまいりたいと、そのように考えております。以上でございます。 ○議長(田中弘光君) 39番。 ◆39番(飯塚悌子君) ベネッセの補充テストの問題についてちょっとお尋ねしたいと思います。 これは県教委によりますと、このプリント配信システムを導入した県教委の動機というのが、現場の負担を軽減するということがどうも導入の動機だったというふうに聞いていますけども、実際にこの配信システムの利用で現場の負担が軽減されたのか、そしてまた、このシステムの利用によって児童生徒への指導に有効だと現場教師が判断しているのかどうか。そこら辺もしおわかりだったら、まずお尋ねしたいことの第1点です。 それから、この印刷費用などの負担については、今後県教委とも相談していくということですが、学校現場の負担になるということはあり得ないということなのかどうなのか。その点ちょっと確認しておきたいと思います。 それから、この配信システムがその子その子の苦手な箇所を補うという意味で、一々プリント番号を指定しているんですが、本当に一人一人の児童生徒に指導するためには、教師にじっくり教材研究する時間、わからない、あるいはできないという子供に向き合う、そういう時間が勤務時間内に教師にどれほどとれるのか、それがとれるということはとても大切なことではないかと思うんです。本当に現場教師にそれができる状態にあるというふうに認識しておられるのか。もし不十分であるとするならば、どういうことが必要だというふうに判断しておられるのか。このテスト用紙1枚で現場に大変負担を加えるような、こういうことに対して、その点ちょっとお尋ねしておきたいと思います。 ○議長(田中弘光君) 福島教育長。 ◎教育長(福島律子君) まず、このプリント配信システムをどのように活用されているかということでございますけれども、これを非常に有効に活用してやっている、そういう学校等の実例も承知いたしております。全部の学校ですべてがたくさん使っているという状況ではございませんけれども、これはそれぞれのところで実情に応じて、特に中学校等におきまして非常にたくさん使われている、そういう学校もあるというふうに伺っております。ですから、これは活用の仕方だろうと思っております。 それから、印刷等の費用でございますけれども、私どもの方ではことしは特別な予算措置を行っておりませんので、各学校の配算予算で対応していただくことにいたしております。 それから、先ほど議員さんがおっしゃいました学力テストのそれぞれ個人に返ってきた分の、それぞれだれだれさんはこういうところの力がやや不足しているから、こういう問題をやってみたらどうですかということが個票について返ってきたということだろうと思います。それを踏まえて、学校におきましてはそのプリントを使ってやった方がよろしいと判断された学校ではそういうふうに配っていらっしゃいますし、それをさらにまた2学期、これから考えた方がよろしいというところはこれからというところもございますし、それから学校でそれぞれの教員が自分たちでこうやる。ですから、これは各学校が子供たちの実態を踏まえ、そしてこの県のそのシステムを使ったり、いろいろとその実態に即して行っていくようにという指導をいたしておるところでございます。以上でございます。 ○議長(田中弘光君) 39番。 ◆39番(飯塚悌子君) 最後に、ちょっと先ほどの教育長の答弁を踏まえて言っておきたいことなんですが、実際に現場が教育長が言われるような実態なのかどうなのか。本当に現場の合意が得られているのか、あるいはこのシステムが本当に現場で有効に生かされているのかどうかという点について、しっかりと現場の実態を把握していただきたいと、現場の声を十分に酌み尽くしていただきたいということをまず第1点です。 それから、費用の点ですが、本当にこの費用が学校現場の負担になって一体どういう事態が起きているのか、そのことについても十分に把握していただきたい。そのことを要望して終わります。 ○議長(田中弘光君) 17番斎藤菊市君。 〔17番斎藤菊市君登壇〕 ◆17番(斎藤菊市君) 友愛クラブの斎藤菊市でございます。一般質問を行います。 質問に先立ちまして、さきの新潟を中心に未曾有の地震に見舞われた中越地方は、隔年の大惨事が続いておりまして、今回は新潟中越沖を震源とする規模の大きい直下型地震で、柏崎刈羽原子力発電所の緊急停止や火災事故の発生、液状化による地盤沈下など、想像を絶する被害規模となりました。電力の需要の多い夏期ピークを控えて、関東地区の電力不足が懸念されてきましたが、発電の総稼働、電力融通、需給シフト、お客様の御理解などできょう時点まで何とか乗り切ることができて、パニックまで至らなかったことに胸をなでおろしております。 また、関東圏を久々に縦断した台風9号の被害、8月31日未明の隠岐島の集中豪雨など、局地的な規模の大型災害が続いて発生し、日々の防災の備えや住民の安全・安心確保に向けて気持ちを新たにいたしました。被災された多くの皆様にお見舞いを申し上げ、一日も早い復興を祈念申し上げたいと思います。 質問最初に、参議院選挙の結果についてであります。 けさほど来から続いておりますが、さきで述べました激震と言うべき参議院選挙で政界の大きな変化があり、参議院選挙による自民党の過半数割れによって国会運営はねじれを起こし、法案成立の是非に大きな影響があると思われます。既に与野党の駆け引きが俎上に上り、また政局に発展しかねないきな臭さを漂わせておりますが、政争の一面だけに偏らず、国民生活の安定に寄与してもらいたいと願っております。このような国会のねじれ現象、政治情勢は地方にも少なからず影響を及ぼすものと思っておりますが、自治体の首長としてこの事態をどのように受けとめられ、地方行政における影響をどのように考えておられるか伺います。 2つ目に、東出雲町の町長選挙の結果についてでございます。 8月26日の選挙で東出雲町長に鞁島氏が当選をされました。4月の統一地方選挙で斐川町も勝部新町長の誕生となり、松江市を挟む形で合併を望まず単独町政を志向した町が大きく変わろうとしています。合併の是非を最大の争点とするものはなかったようでもありますが、単独か合併かの住民意思の反映はあったと思われます。 9月3日に松江市長を訪問されたときの会見では、今後住民投票を実施をする考えと松江市との信頼関係を構築すること、合併の検証を行うことなどが述べられていますが、松浦市長自身がこれまでの関係をどう改善し、信頼関係につなげていこうとされるのか伺います。 3つ目、松江市の総合計画中の基本計画についてでございます。 松江市の総合計画策定につきましては、6月議会で提案され、議会に特別委員会を設置をして集中的な審議を行ってまいりました。既にさきの本会議で委員長報告を是とする基本構想部分の採決が行われておりますが、委員会での会派意見として基本計画分に触れておりませんでしたので、現時点で重複、差し戻し論義とする気持ちはございませんが、数点についてお考えを伺います。 1つ目は、循環型社会の構築に関するごみ減量への基本スタンスでございます。 当然のことながら、自治体は消費構造の最終処分段階の責任を担うことになり、市民、事業者、行政の協働が求められますが、ごみ発生のもとを断つこと、製造者へ何らかの改善施策を求めること等の必要性が盛り込めないものか、一律に何もかもがごみというふうに表現をされますが、人間の飽くなき欲望を満たした果てのごみと、その種別で整理をして別の呼び名としてのものはないか、ごみ収集車の愛称をつけるなど、このようなことができないものか、松江から新しい発信はできないものかというふうに思います。お考えを伺います。 さらに、環境面を考えると、経済と環境の両立は避けて通れませんが、ぜいたくと文化的生活のけじめのつかない大量消費が続く社会構造から脱皮しようとすれば、経済を無視することはできなくても、環境優先の行政スタンスを持ったビジョン、構想に裏打ちされた計画策定が望まれ、目先のコスト論を優先すると大きな禍根を残す結果になるのではないかと思います。市長の見解を伺います。 2つ目、生涯学習、青少年の育成に関することについてでございます。 計画中の表現では、困難を抱えている若者たちの存在が社会問題とのくくりで表現、提起されておりますが、もっとこの困難の個別問題を分析した計画反映を願うものであり、所管の教育委員会任せのくくりではなく、青少年問題を単独項として起こして、大きな社会問題として対応する姿勢が必要ではないかと思います。子供にも大人にもいや応なしに降り注がれるあふれる情報、有害な情報類などから子供を守ること、子育てに手を抜く者に毅然とした態度をとるとか、見えにくい部分に踏み込むことと、書きづらいがあえて活字に表現することで取り組みの姿勢がうかがえ、この問題への課題推進力となる運動の起点が見えるのではないかと思います。見解をお伺いします。 国際文化観光都市ということで、会派の意見は申し上げましたが、もちろん、観光が柱ではありますが、文化都市として松江市は教育に特化する姿勢をもう少し鮮明にしたらいかがでしょうか、お考えを伺います。 3つ目、スポーツ振興について、私はくどいかもしれませんが、今日までスポーツ振興計画の策定を促してまいりましたが、旧松江市では今日まで振興計画はなしであります。私の思い違いかもしれませんが、有無を確認をさせていただきます。 今さらなぜとは申しません。また、その必要性をあえて語りませんが、基本計画のない事業は、思いつくまま予算がついた範囲で粛々とであります。こうした状況下では旧町村の方が施設の整備を含めて具体策を持って臨んでいたのではないでしょうか。合併新市としてのビジョンを持って、これこそ早急に振興計画をつくっていくべきと思いますが、お考えを伺います。 4つ目、効率的な行政運営についてでございます。 中でも、外郭団体の経営健全化や存廃や統合を含めた組織機構の見直しに触れられています。法的なしがらみもありますが、民間がやらないもの、できないものを公の事業として担うという事業の大義を盾にしてきた部分もあり、今計画では抜本的な見直しとストレートに切り込んでおられます。今日まで健全経営の基準や指標を明らかにするとの答弁がありますので、計画性は理解をいたしますが、計画の他項でほかにも積極的にと表現されているもの等もあり、それだけの意気込みで臨むなら、せめておのおの具体的な指標と目標値を示されるべきと思いますが、いかがでしょうか。 5つ目、財政運営についてでございます。 松江市は実質公債費比率を改善すべく、順次年度において市債の繰り上げ償還を図られてきました。中期財政見通しでは平成18年度の22.7%をピークに、22年度の21.3%と見込まれてきましたが、国が示す新たな基準によって、きょう現在の速報値として23.7%というショッキングレポートでございます。県内では、江津市を除くすべての自治体が20.1から26.9%ですから、軒並み20%超でございます。新聞報道でも全国最悪の水準に陥っているようでございます。既に、県市長会として、島根県に健全化への要請を行われていますが、県としての財政支援面でのキャパといいますか、受け皿があるのか、そのほか支援策としてどのような形態の支援ができると思われるのか伺います。 松江市の計画で示されている数値はきょう現在のものに修正されるのか、22年度の目標値はどうなるのか伺います。 財政の健全性は18%、全国の中でも長崎県と大分県では18%を超えた市町村がゼロであり、平均で28%の値からすると、島根県の場合、全市町村21市町村でございますが、100%、全員がこれを超えております。どんな事情が考えられるのか、全国で同じような経済対策に取り組んだ結果として、突出したこの島根の特異性をどう理解すればよいのか伺います。 公債費比率は単年度で急転解決はできない課題で、慢性疾患であり、計画には危険ライン付近にあって厳しい判断がされると記載されています。さきの議会でも例えばと注釈をされて、健全化には普通建設事業費を半減すると言われましたが、それはまさに起債許可団体になる以前の緊急事態であると思います。松江市は生命線には届かず、まだ大丈夫なのかお伺いをいたします。 6番目、計画推進のための基本姿勢についてでございます。 今までいろいろ申し上げましたが、推進の基本姿勢として特別委員会等の設置を促すこと。これは議会のことでありますが、他市では産業振興などの課題で特別委員会が設置をされております。大規模プロジェクトなどに対する取り組みは必要でありますが、みずからが市政や議会のテーマとして取り組む姿勢が必要ではないか、最優先課題である雇用、観光、定住の産業振興、行財政改革、議会の中でも議会改革での特別職の報酬や議員定数問題など、見える形でテーマを明らかにする、このことが必要ではないかと思います。 また、課題に対してタイムリーに対応できにくい仕組みがネックで、今日の行政が行き詰まっている問題もそこにあると感じています。もちろん、部局の調整もされていると思いますが、他の部局に口出しするとしっぺ返しがあるかのようなさめた雰囲気を排除をしてもらわなければなりませんし、主要優先課題には関係する箇所がスクラムを組むミニプロジェクト方式、今日までの検討委員会とか対策委員会という形ではない、異なる形での課題に取り組む形を変える、オープンで見える形の論議と、そういう視点での基本姿勢はいかがでしょうか。 また、自立した地域づくりについて、市役所対住民という構図を和らげ、地域別の討論会やシンポジウム開催などを通じて、地域主体のあり方について住民合意を得る方向を持つべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。 次に、テーマが変わりますが、指定管理者制度について伺います。 最近、指定管理者制度を行っている施設での事故が多発をしており、プールでの死亡事故を初め、人命に影響する事態が続いております。昨年も市の施設について、安全管理体制について質疑がありましたが、入場者の安全を確保する監視を必要とする施設と人的な配置及び事業者や従業員の資格要件、これは経験年数や業務研修、国家資格の要否などがどのようになっているのか、また安全管理、利用者のトラブル防止、業務実態の把握など管理責任上での指導や指示をどのように行っているのか伺います。 指定管理者制度を3年前から一律、一斉に導入してきましたが、指定管理制度になじまないもの、例えば身近な施設等では児童クラブがあると思いますが、事務手続の複雑化、責任体制の不明確さ、住民との距離感、サービスレベルの低下が感じられるもの、いろいろな声が出ています。さきの議会でも指定管理者制度の検証について質疑が交わされ、公募施設については選定審査会の審査委員の評価を取りまとめて公表するとの見解を示されました。制度発足間もないときですので、指定事業者側からなかなか本音の意見を出しにくいこと、指定管理期限と次期契約更改の事業性のこと、情報や管理ノウハウなどが漏れるおそれがあることなど、すべての公開が難しいことがある中での評価検証であります。 評価の基準としての運営実績、労働基準、安全性、サービス、コストなど課題を整理して、より公正な検証を行うことが求められます。コストだけがどうしても優先され、無理な状態で維持されているものもあり、制度の方向性、あり方といいますか、そういうものを検証する意味では公募、非公募を問わず、基本条例を持つ総務委員会で集中的に審議する形などが望ましいのではないかと思います。以上について見解を伺います。 次に、教育問題についてでございます。 私は、3月議会で、松江女子高の志願状況や学校としての検討課題などを質問しました。その中で学校の現状分析を行い、教育委員会と女子高が一体となって検討し、幅広く意見を伺うとの答弁がございました。来年の志願を受ける時期が迫っておりますが、検討事項についての進展、中間的な取りまとめなどがあるのかお伺いをいたします。 また、ことしも県への重点要望事項で継続し、地方分権の推進に関して教職員の人事権移譲問題を取り上げられました。知事の慎重な姿勢は報じられていますが、市教育委員会として県教委に対して何か行動を起こされたのか、ここ1年の進捗はどうであったかお伺いをいたします。 新しいことに消極的な姿勢、できない理由を並べることから脱皮をして、合併したまちづくり元年としての位置づけを確かなものにすべく、市教委挙げての組織合意と支援体制を築かれたいと思います。 質問の最後ですが、18年度決算が既に提案をされております。20年度の予算方針についてどのような方針で編成されるのか、基本的なお考えをお伺いをして質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手) ○議長(田中弘光君) 松浦市長。 〔市長松浦正敬君登壇〕 ◎市長(松浦正敬君) 斎藤議員の御質問にお答えを申し上げたいと思います。 まず第1点目は、参議院選挙でございますが、この点につきましては、きょう出川議員にお答えしたとおりでございますが、ねじれ現象というお言葉がございました。したがいまして、当然合意に達するまで、今まで以上にこれは協議を行ってもらいたいというふうに思っております。 幸い、今回の参議院選挙におきまして、地方に対しましての配慮というか、そういったものが足らなかったんじゃないかと、こういうふうなことも指摘をされているところでございまして、私どもといたしましては交付税の問題、いろいろ地方と都市との格差の問題、こういった問題につきまして、きめ細かく与党、野党で議論をして、我々に対しまして一歩でも二歩でも前進した施策で対応していただきたいというふうに思っているところでございます。 それから、東出雲町の選挙結果の問題につきましては、出川議員にお答えをしたとおりでございます。 3点目は、総合計画の問題につきまして数点御質問をいただきました。 一つは、循環型社会の構築ということでございます。 ごみ減量への基本スタンスということでございますが、一つは、製造者へ何らかの改善施策を求めることの必要性が盛り込めないかということでございますが、ごみのやはり排出抑制というためには、まず生産者がごみにならない商品づくりということを行っていく必要があると思います。それから、ごみを出さない流通システム、あるいはごみを出さない人づくりと、こういうふうなことが基本でございまして、基本計画の中で4Rの取り組みとして盛り込んでいるところでございます。中でも、製造者の責務につきましては、全国市長会を通じまして、生産者責任ということを明確にすべきだということを主張しているところでございます。 それから、今後の環境優先の行政のスタンスというものを持つべきではないかということでございまして、おっしゃるとおりでございます。 なお、今平成21年度から新ごみ処理施設の稼働ということを控えているわけでございますが、いま一つこれからの課題として考えておりますのは、いわゆる家庭のごみと、それから事業系のごみということにおいて取り扱いが異なっている面がございます。家庭系のごみにつきましては当然一定の税金で収集し処理をすると、こういう仕組みになっておりますが、事業系のごみにつきましては事業者の負担でそれを収集し処理をすると、こういうことになっているわけでございます。この家庭系のごみにつきましては、そういうことで一般の家庭に対してごみの分別、リサイクルと、こういったことをお願いをいたしているわけでございますが、事業系のごみにつきましては、そんなことでそこまで我々徹底をしていないと。もしもごみの分別リサイクルをお願いするということになりますと、事業者の負担でやってもらうと、こういうことになりますので、そこまで私どもも踏み込んでいなかったわけでございますが、今回の新しい新ごみ処理施設につきましては、原則すべて焼却処理をすると、こういうことになっておりますので、例えばペットボトル、事業系の会社から出てくるペットボトルというものも、今のままでいきますと焼却施設に搬入されて焼却されてしまうと、こういうことになってしまうわけでございますので、私どもとしましては、それではやはりごみの減量化と、あるいは焼却施設に対します負荷ということについて、大きな問題が残るというふうに思っているところでございまして、今後新ごみ処理施設の稼働を控えて、家庭系のごみと同様に事業系のごみの分別リサイクルについても取り組んでいきたいというふうに思っているところでございます。 それから、ごみの呼称、呼び方あるいは愛称につきましては、分別啓発の観点から研究をしてみたいと思っております。 それから、総合計画、基本計画の2点目でございますけれども、生涯学習の推進と青少年の育成ということでございます。 青少年問題を単独の項目として起こして、市としての姿勢というものを打ち出すべきではないかと、こういうことでございます。総合計画では、別項としてこれを起こしておりませんけれども、現在、青少年問題につきましては青少年支援センターを中心にして、そしてそこへ警察、児童相談所、ハローワーク、こういったものとの連携をとりながら、相談業務、学習支援、またさまざまな事業主に就業体験、就業への協力をお願いするなど、問題を抱えた青少年の立ち直りを今支援をしているところでございます。 今後、市の各部局におきましても連携を一層深めまして、この問題に取り組んでいきたいというふうに思っております。 それから、3点目はスポーツの振興ということでございまして、旧松江市の振興計画の有無ということでございますが、旧松江市におきましては文書化されたものはございませんでした。ただ、スポーツ都市宣言というものを受けまして、生涯教育の一環といたしまして、あるいは福祉の観点から、公民館の対抗の市民体育祭の実施、それからニュースポーツ大会の開催、こういったことによりましてスポーツの普及というものを図ってきておりますし、またいわゆる市民健康大学というふうなことで、鈴木大地あるいは沢松直子さんといった著名な講師を学長に招きまして、スポーツ健康大学というものの開講を行ったというふうなこと等々通しまして、スポーツ振興というものを実施をしてきたということでございます。 現在、松江市スポーツ振興審議会に対しまして競技スポーツの強化、生涯スポーツの振興、施設の活用、スポーツを通したまちづくりの4点につきまして諮問をしているところでございまして、本年度末の答申を受けて、その後松江市のスポーツ振興計画を作成をしていきたいというふうに思っております。 それから、4点目は効率的な行政運営ということでございまして、それぞれ外郭団体などの経営健全化、抜本的な見直しということで、具体的な指標と目標値を提示すべきではないかということでございますけれども、総合計画の基本計画におきましては、基本目標の達成をするために取り組む主要施策の展開方針に沿いまして、体系的に指標を設定して5年間の目標値を定めているということでございます。その上で、具体的な個別の事務事業の成果につきましては、行政評価制度の事務事業評価の中で、活動指標あるいは成果指標を設定いたしまして、検証するということにいたしております。 それから、総合計画の中の5点目は財政運営ということでございまして、特に財政健全化、実質公債費比率の改善ということにつきまして御質問がございまして、この点につきましては、石倉議員に対しましてお答えをしたとおりでございますけれども、まず一つは、県市長会として、島根県に健全化の要請を行っているけれども、県としてどのような支援策ができるのかということでございます。 この合併して間もない時期に、全国一律の財政指標によって健全度を判断されるということになりますと、先ほども申しましたように、合併特例債の発行というものも規制をされるということになりまして、合併後のまちづくりが進まなくなってしまうということになります。何のための合併だったのかというふうなことにもなりますので、合併した団体への財政健全化法の適用につきましては、一定の猶予期間あるいは新たな指標、こういったものを設けるように国に対して県ともども要望していきたいというふうに思っているところでございまして、そのような要請を県に対しましても行っているところでございます。 それから、計画で示されている数値は、きょう現在のものに修正するのかということでございますけれども、総合計画の数値は平成18年の中期財政見通しの数値を記載をしているものでございます。もちろん、今後中期財政見通しのローリングを行いますので、その際に当然新しい数値に置きかえていくということでございます。 それから、3点目は、実質公債費比率を超えた市町村が全国平均でいくと28%なのに、島根県の場合100%になったと、この原因は何かと、こういうことでございますけれども、やはり、おくれていた都市基盤整備事業などに急速に取り組んだということが第1番に上げられるのではないかというふうに思っているところでございます。今後まだまだ、特に西部を中心にいたしまして公共下水道あるいはほかの下水道事業、そうしたものがたくさんまだまだ抱えている団体がたくさんあるわけでございまして、そのような中でこの事実公債費比率をどういうふうに改善をしていくかということについて、市長会といたしましても当然考えていかなければいけませんし、県ともどもこの対策をこれから考えていかなければいけないというふうに思っております。 今後の、松江市の場合は幸いなことにと言うと語弊があるかもしれませんが、下水道事業等につきましてはほぼ終えん、終息を迎えつつあるということでございますので、今後は財政の健全化ということに一生懸命取り組んでいかなければいけないというふうに思っております。そういう意味で、実質公債費比率を落とすために繰り上げ償還あるいは高利の地方債の借りかえ、あるいは地方債の発行の縮減、こういったことを通して、早い時期に18%まで下げていきたいというふうに思っているところでございます。 それから、6点目は計画推進のための基本姿勢ということで、政策実行のための推進体制をどのようにしていくのかということでございます。この点につきましては、現在、基本構想、それから基本計画というのができ上がったわけでございまして、さらにこれからこれに基づいて実施計画をつくっていかなければいけないというふうに思っております。したがって、我々といたしましては、この実施計画に基づいて、着実な総合計画の進展というものを図っていかなければいけないというふうに思っております。 現在、行政改革につきましては、行政改革の推進会議というものを設けて、外部の皆さん方のチェックを受けているわけでございますけれども、せっかくこの松江市総合計画につきましてもたくさんの皆さん方の御意見をいただいてつくったものでございますので、その実施計画の推進状況というものをチェックをしていく、そういう第三者的な機関というものをこれからつくっていきたいというふうに思っております。 それから、自立した地域づくりということで、市役所対住民という構図を和らげて地域別の討論会、シンポジウムを開催をして住民合意を得るという方向を持つべきではないかということでございますが、もちろん、地域の皆さん方とともに事業を実施をしていくと、協働の取り組みをしていくということが大変重要だというふうに思っております。現在、地域ごとに座談会を開いたり、そういうふうな形で意見交換を行っているところでございまして、こうした形で地域の皆さん方との十分な相互理解を図っていきたいというふうに思っております。 それから、大きな4点目は指定管理者制度でございます。 1点目は、施設の安全管理、監視体制がどうなっているかと、こういうことでございますけれども、御指摘ありましたプールでございますけれども、指定管理者が管理しておりますプールは5施設あるわけでございます。いずれも文部科学省、それから国土交通省が示しておりますプールの安全標準指針に基づきまして監視員を1名以上配置をしておりますし、休日などの利用者の多い時期の監視体制については増員をいたしております。 それから、監視員でございますが、3施設につきましては日本赤十字社の認定資格者、それから1施設は厚生労働省の認定資格者、1施設は救命講習受講者を配置をしております。さらに、有資格者も含めまして職員、アルバイトに対して、救命講習を初めとしました安全研修を定期的に実施をいたしているところでございます。 また、プール以外の施設につきましても、各施設に有資格者がおりまして、利用団体に指導者がいない場合は、用具の準備の際などに立ち会い協力をしているという状況でございます。 それから、利用者の安全管理、利用者のトラブル防止、業務実態把握など、市としての指導、指示がどのように行われているかということでございますが、こうした指定管理者の業務実態の把握につきましては、日報、月報等を提出をさせております。それから、スポーツ施設につきましては、月1回以上施設に出向いて適宜指導を行っているところでございます。それから、利用者アンケートによりまして、管理実態、要望などの把握に努めているところでございます。 大変利用者の安全確保というのは大事な項目でございます。指定管理者との連携をとりながら適切な管理体制を指導していきたいというふうに思っております。 それから、指定管理者制度の検証と公募施設管理者の評価ということでございますけれども、18年度の公募施設の評価につきましては、公の施設指定管理者選定審議会によります評価を行いまして、ホームページに掲載をいたしております。この評価は運営実績、安全対策、サービス、コスト、人的能力、労働安全、日常業務遂行などの項目を対象といたしまして、全施設を同じ視点と基準で行ったところでございます。しかしながら、各施設の目的や内容によりまして重視をする部分というものも異なるわけでございますので、今後は評価項目のウエートづけなどの評価方法につきましても改善をしていきたいというふうに思っております。 この検証で、議会においては基本条例を持つ所管委員会で集中的に審議をすべきではないかという話でございますが、議会の中で十分協議をしていただきたいというふうに思っております。 それから、教育問題につきましては、教育委員会の方からお答えをさせていただきたいと思います。 それから、最後に6点目の来年度の予算編成方針ということでございます。 まだ来年度の予算編成方針というのは定めておりません。ただ、来年度の決算から、けさ方からお話がございます連結決算の概念というものが入ってくるわけでございますので、今回予算を編成する場合も、そうした連結決算の概念を取り入れた予算編成としていかなければいけないだろうというふうに思っております。 それから、現在提案をしております総合計画、中期財政見通し、こうしたものとの整合性を図りながら、定住対策、産業振興、子育て対策、こういった諸課題に取り組んでいくということと、それからもちろん引き続き行財政改革を進めていく、そういう方針の中で、これから来年度の予算編成方針を詰めていきたいというふうに思っております。 ○議長(田中弘光君) 福島教育長。 ◎教育長(福島律子君) それでは、教育問題についてお答え申し上げます。 まず最初に、松江女子高校の件についてでございますけれども、国際文化観光科の大幅な定員割れにつきましては、保護者及び中学校に調査いたしましたところ、観光コースの設置によって英語及び国際文化に関する学科としてのイメージがやや薄れまして、就職に直結した学科として理解されているということが判明いたしました。そこで、今年度は校長、教頭、教員が学校を挙げまして中学校を訪問し、本来の国際文化観光科のカリキュラム等を説明し、来年度の志願者をふやそうと今努力をしているところでございます。私ども教育委員会といたしましてもそれを応援していきたいと、私どもも動きたいと、そのように思っております。 今後、魅力ある女子高とする方策につきましては、引き続き検討しているところでございます。 それから、県への重点要望である小中学校の教職員の人事権と財源の移譲等について、市教委として県教委に対して何か行動を起こしたのかという件でございますけれども、私ども市教委といたしましても、人事権の移譲につきましては、要望書の提出等、県教育委員会に対しまして要望をし続けているところでございます。 島根県におきましては、昨年度に人事権を移譲した場合の問題点や解決すべき課題等について実務者レベルでのワーキング会議を立ち上げて、1年かけて検討がなされました。このワーキング会議におきましてのその中間報告におきましては、現行の制度を前提に、拙速に結論を出すのは避けるべきであるとし、中央教育審議会の言う広域で一定水準の人材が確保されるような仕組みや給与負担のあり方、あるいは教育再生会議の言う教育委員会の統廃合などについて、今後の国の制度改正の状況を踏まえた上で再度調査研究を行うこととしたいと、このようにこのワーキング会議の中間報告では結論づけております。 このように現段階におきまして、島根県におきましては課題が多いとして結論を先送りしている、そういう状況でございますが、私どもとしましては、人事権移譲についての要望の強い本市や出雲市に対しては、人事権や財源も含めて移譲し、他の市町村については当分の間県が補完するような前向きな取り組みをしていくように、そのように今求めているところでございまして、今後とも強く要望し続けていきたいと、そのように考えております。以上でございます。 ○議長(田中弘光君) 17番。 ◆17番(斎藤菊市君) 終わります。 ○議長(田中弘光君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。 本日は、これにて散会いたします。 〔午後4時55分散会〕...