甲賀市議会 > 2021-03-02 >
03月02日-02号

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  1. 甲賀市議会 2021-03-02
    03月02日-02号


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    最終取得日: 2023-04-19
    令和 3年  3月 定例会(第2回)        令和3年第2回甲賀市議会定例会会議録(第2号) 令和3年3月2日(火曜日)午前9時30分開議1.出席議員     1番  糸目仁樹        2番  岡田重美     3番  堀 郁子        4番  里見 淳     5番  山中修平        6番  西村 慧     7番  竹若茂國        8番  小西喜代次     9番  田中將之       10番  戎脇 浩    11番  小河文人       12番  森田久生    13番  田中喜克       14番  林田久充    15番  山中善治       16番  鵜飼 勲    17番  山岡光広       18番  白坂萬里子    19番  橋本恒典       20番  谷永兼二    21番  田中新人       22番  土山定信    23番  辻 重治       24番  橋本律子2.欠席議員         (なし)3.職務のため議場に出席した事務局職員    事務局長       森本裕之  議事課長       平岡鉄朗    議事課長補佐     田中秀樹  議事課主査      森田剛史4.説明のため出席した者    市長         岩永裕貴  教育長        西村文一    副市長        正木仙治郎 市長公室長兼危機・安全管理統括監                                清水和良    総合政策部長     野尻善樹  総合政策部理事    大橋 豊    総務部長       伴 孝史  総務部理事      山元正浩    市民環境部長     澤田いすづ 健康福祉部長兼福祉事務所長                                樫野ひかる    こども政策部長    島田俊明  産業経済部長     田中康之    建設部長       寺村 弘  教育部長       平尾忠浩    教育委員会事務局理事 奥田邦彦5.議事日程  日程第1       会議録署名議員の指名  日程第2       代表質問6.本日の会議に付した事件  日程第1       会議録署名議員の指名  日程第2       代表質問7.議事の経過     (開議 午前9時30分) ○議長(橋本恒典) ただいまの出席議員は、24名であります。 よって、これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程については、お手元に配信したとおり編成いたしましたので、御報告申し上げますとともに御了承賜りたいと存じます。 これより日程に入ります。 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。 会議録の署名議員は、会議規則第88条の規定により、  24番 橋本律子議員及び   1番 糸目仁樹議員を指名いたします。 日程第2、代表質問を行います。 質問の通告がありますので、順次発言を許します。 初めに、11番、小河議員の質問を許します。 11番、小河議員。 ◆11番(小河文人) 皆さん、おはようございます。 志誠会を代表いたしまして、質問をさせていただきます。 まず、2月13日、福島県沖を震源とするマグニチュード7.3の地震があり、最大震度6を観測いたしました。被災されました多くの皆様方に、心よりお見舞いを申し上げます。 さて、今回の代表質問は、市長の施政方針を受け会派を代表して行うものであります。 令和3年度の予算編成は、市長が2期目の初年度の年でもあります。そして、総合計画の2期目のスタートを切るわけでありますから、また私たちにとってもですね、任期4年の最終年度ということで、最後の予算審議並びに最後の代表質問となります。このことから、次代へつなぐ予算審査であることから、より丁寧に審査をしなければならないということを考えております。質問の通告のとおり論点を整理しながら進めさせていただきたいと思います。 今回の質問の多くは3点ございます。1点目は、令和3年度の予算についてであります。2点目は、新型コロナ感染症対策が今までなされてまいりましたけれども、市としての対応、そこからの課題はどうであったかということであります。3点目は、脱コロナ社会に向けての政策課題、これは総合計画ともリンクしていきます。その辺の予算の編成についても含めて質問をさせていただきたいと思います。また、市長、教育長及び担当部長には通告のとおりさせていただきたい、かように思うところでございます。 なお、答弁は正確にですね、端的にお願いをいたしたいというふうに思います。 まず最初に、令和3年度予算編成についてお伺いをいたします。 岩永市政2期目の初年度、総合計画の初年度に当たる考えについてであります。 総合計画2期目の4年間の計画が、この議会に案として総務常任委員会や厚生文教、産業建設常任委員会、丁寧に議論を進めて本議会に上程をされております。パブリック・コメントを経て、本議会での議決事項でもございます。そのことを見据えながらの予算編成であったかというふうに思います。2期目初年度の予算編成全般についての考え方を、まずお尋ねをさせていただきたいと思います。 2番目は、アフターコロナを見据えた「新しい豊かさスタートアップ予算」ということでございます。 11月の代表質問でも、志誠会として政策協定や政策要望、地域要望を踏まえ新しい豊かさの質問に対して市長のお答えを頂きました。その中でも、頭の中に残っておりますのは、北欧のようなイメージであるということもおっしゃいました。そのことを踏まえて、改めてアフターコロナを見据えた「新しい豊かさスタートアップ予算」というのはどういうものか、お伺いをいたします。 3番目、市民税の落ち込みが前年度対比13.8%、法人市民税は前年度対比44.6%と大幅に減少をいたしております。令和2年度の各企業の決算見込みも、市内企業は相当悪いというような判断ではないかと思います。令和3年度も低い水準での積算の計上ですけれども、経済規模として相当額の損失が市内経済の中にあるのではないでしょうか、それをどれぐらいの経済損失と考えておるのか、お伺いをいたします。 次に、感染症にも経済危機にも強い地域をつくるための予算編成はできたかということであります。これは、歳出面においてアフターコロナにおける新しい豊かさが実感できる予算編成ができたか、お伺いをいたします。 大きく2項目でございます。 新型コロナ感染症対策についての現状と課題について、お伺いをいたします。 まず最初に、甲賀病院、市立病院等の感染症対策についてお伺いをいたします。 特に地域の中核病院としてコロナ患者の受入れを行い、感染対策には十分留意することはごく当然のことであります。市民の期待も大きかったと思います。しかし、結果として2度のクラスターが発生し、危機管理体制の甘さが問われています。 2019年4月には独立行政法人でスタートし、中期目標を甲賀湖南医療圏域の中核病院として優秀な人材を確保・育成して、質の高い医療を提供し、市民から愛され信頼される病院であり続けることを目指す、これが基本理念であります。その信頼が、新型コロナ感染症において市民の信頼される病院と言えるのか、疑問を感じています。 先日は、組合議会としての立場から戎脇副議長が事務局の聴き取りを行っていただきました。全員協議会で報告がなされたとおりでございます。これらも甲賀病院からの申出ではなく、議会からの申入れで実現をしたことであります。市長は、管理者としてフェイスブック等にも投稿されて御心配をされておりました。市民には発信をされています。管理者としてもですね、憂慮されていたことと思います。 そこで、2点お伺いいたします。 公立病院としてのクラスターを2度も出すことに対しての危機管理の甘さが問われています。管理者としての見解をお伺いいたします。 次に、中核病院としての信頼回復にどう立ち向かおうとされているのか、お伺いをいたします。 次に、第1次・第2次の国の補正予算は、市としてどのように効果をもたらしたか、お伺いをいたします。 国は、経済の落ち込みに憂慮し、昨年来から数々の支援策が打たれてまいりました。一時しのぎではありますけれども、多くの方がその支援策を利用し、脱コロナを目指し、その後に備えるべく企業努力を重ねてこられています。しかし、年末からの第4波の感染拡大は、飲食店に絞られ緊急事態宣言を出されました。緊急事態宣言から外れた滋賀県は、大阪、京都、岐阜、愛知の近隣であるがゆえに、飲食業や観光関連の業者は同じ痛みを感じておられます。本市にも市内経済の循環、観光などが停滞し、その対策が急がれます。 第3次補正でのマスコミの報道はですね、多岐にわたっての予算があるにもかかわらず、あまり報じられません。批判ばかりが先行しているようにも感じるところではございます。しかしながら、本市にも地方創生臨時交付金がこのほど見込まれております。 そこで、5点についてお伺いをいたします。 1番目は、市内経済の落ち込みとその対策について。 2番目、第3次補正による新たな支援策は検討されているのか。 3、飲食店や観光産業に対しての現状と課題は認識されているのか。 4番目には、コロナ禍において生活保護受給者数は増えたのか、都市部ではネット難民等が報じられておりますが、市内の現状はどうか。 5番目には、コロナ禍における生活困窮者の実態を把握されているのか、今までの国の支援策に対しての生活困窮者への市としての対応、その評価についてお伺いをいたします。 3番目、教育現場においての感染症対策についてお伺いいたします。 両親が、職場等の感染、濃厚接触者として自宅療養が余儀なくされ、家族に感染するケースが本市においても報告がございました。感染者、感染疑いのある子どもへの精神的ダメージも大きいと思います。そのことが原因でのいじめ等につながる可能性もあります。また、GIGAスクール構想のさらなる加速・強化により学びの環境が進むと考えられています。 1番目には、校内通信ネットワークの整備や端末配布による密を避けるオンライン学習の検証が進んでいるのか。 2番目は、家庭内感染の対策として、保護者からの家族感染の報告体制はできているのか。 3番目には、感染、感染疑いのある子どもへの精神的なケアはされているのか、お伺いをいたします。 大きく3点目でございます。 脱コロナ社会に向けての展望について、お伺いいたします。 1番目、財政計画と組織の在り方についてでありますが、新型コロナ感染症対策で国からの支援策はあるものの、地方税の大幅減による地方の財源不足は厳しい状況にあることは、事実として捉えなければなりません。また、財政計画は市民生活に密接に関連しますし、行政サービスをしっかりと提供することが望まれます。 コロナ収束を見越し、国はデジタル化の推進、住民の安心・安全の確保、地域活性化等々、地域課題にも積極的に対応していく体制をとられていますが、本市としても計画性を持った予算執行が必要不可欠です。あわせて、組織の縦割りの弊害、年功序列等々も重要な課題であります。新しい豊かさを追求するためにも、思い切った組織の改編が必要ではないかと考えます。市長の見解をお伺いをいたします。 次に、法人個人市民税の減収による今後の見通しについてであります。 税収減収については、75%を限度に普通交付税として補填があるとは聞いておりますが、そうなりますと、今年の予算からいいますと8億円の不足、6億円になります。予算書では繰入金の8億7,000万円で補填しているかのようでございますけれども、その分を見越しての予算編成なんですね。これは積極的な予算編成であると言えるのではないかなというふうに思います。 次に、2番目には合併特例債の期限までの計画についてであります。 市長1期目から有利な合併特例債を利用し、まちづくり市民センター、各市民センターの整備、小中学校のエアコン設置、トイレの改修、小中学校の大規模改修、無線LAN整備、あいみらい保育園、水口体育館等々、多くの施設整備を積極的に行ってこられました。当初470億円とも言われた特例債の期限も、あと2年余り、今後の計画と事業規模はどうなのか、お伺いをいたします。 次に、公民連携についてお伺いいたします。 第三セクター方式の法人が、合併当初からございます。信楽高原鐵道、土山緑のふるさと振興会、有限会社グリーンサポートこうか、財団法人あいの土山文化体育振興会、社団法人あいの土山福祉会、財団法人甲賀創建文化振興事業団等々ございます。新型コロナ感染の中でですね、この経営も大変苦しくなってきています。その現状と今後の運営についてお伺いをいたします。 市の出資団体が、それで指定として施設運営を行っている現状はですね、競争意識のある本来の公民連携から見れば疑問に感じるとこはございますけれども、包括外部監査の報告書からは、指定管理を行う施設の公募や増やす努力をすべきであるということも指摘もされております。本市における公民連携の在り方について、お伺いをいたします。 次に、区・自治会と自治振興会の役割分担をどのように考えているのか、また自治振興交付金の有効活用とチェックの体制の考え方についてであります。 これも11月の代表質問では、仕組みやすみ分けの課題を明確にし、軌道修正をするとともに、人口減少や少子高齢化が進む中で持続可能な地域づくりを支援するための効果的な配分となるよう、自治振興会からの意見を十分に踏まえ適正な見直しに取り組んでいく、これは答弁の原文そのままであります。 以前から、区・自治会があるところに関しては、地方自治法による地縁団体の組織化として運営されておりますし、生産森林組合での基準管理を行われている場合もあります。しかし、人口減少、高齢化社会が現実になってきた中で、地域コミュニティの在り方は変化をしています。関係人口や企業、移住者、就労者、様々な人材交流で価値観を共有する時代であるとも認識をいたしております。 市長答弁を受けですね、2月15日開催の甲賀市市民参画協働推進検討委員会で、どのような議論がされたか、今後の方向性が議論をされたのか、お伺いをいたします。 また、自治振興会コミュニティビジネスの取組については、令和4年度を開始目標に、自治振興会を対象とした指定管理者制度の導入を含め、市事業のスライド化を進めますということが明記をされております。委員会で明記をされております。自治会と自治振興会のすみ分けがはっきりしない中、この今の自治振興会規則だけでは無理があるのではないかということを思っております。その辺について、担当部長のほうからお答えをお願いをいたします。 次に、学校再編計画と義務教育の考え方についてであります。 27年度に甲賀市幼保・小中再編計画が示され、再編検討協議会が行われました。地域からの声は、必ずしも行政が求める答えにはなっていません。6年の月日がたち、学びの形も日々変化をしています。今年に入って、中教審でございますけれども、令和の日本型学校教育の構築を目指してということで答申がなされております。2022年度より小学校の教科担任制の導入の指針が示され、具体的な取組が進んでいくことになります。 本市でも、国に先駆けて貴生川小学校が教科担任制を導入というような新聞報道がありました。義務教育の6・3制が大きく変化していくことも考えられます。本市の目指す再編計画と照らし合わせ、教科担任制のメリット・デメリットについてお伺いします。 この教科担任制度は小規模校でも進められるのか、進められないとしたら適正規模はどうなのか、今後の考えをお伺いいたします。 国が進めるICTを利用したオンライン授業やデジタル教科書の対応であります。 国が進めるGIGAスクール構想により、市教委のスピード感が求められていますが、国からの方向性や支援策のほうが早いように感じています。1人1台のタブレット、教員にもと矢継ぎ早に予算計上されましたが、結果的には入札不調、議案の再上程と、どたばた感が教育委員会にあると感じています。そのような中でもですね、モデル校を定め着実に進められていることは評価をいたしております。現在、そして今後のオンライン授業、デジタル教科書の対応についてお伺いをいたします。 次に、GIGAスクール構想で懸念しているところが学校規模であります。 学校規模により教育格差が生じるのではないか、また教科担任制導入と同時に再編計画から実施計画へと進めるべきではないか、再編検討協議会にも市内全域で開催され、最終段階であることは承知をいたします。しかし、地域それぞれの方向性を一つにまとめるのは無理かと思います。市が計画した再編計画を進めるのか、また進めるとして次のステップ、いわゆる実施検討委員会に移るのか決断をしなければならない時期になっていると思います。 今までの答弁にはですね、市内にはまだ協議会が全て設置されていませんのでということでございましたが、今後の答弁はそういうのでは通じないように思います。 次に、再編計画では、小中一貫した教育の実施とあります。今後、考察はされているのかお伺いします。 再編計画では、小中一貫の教育実施の中でですね、新しい教育システムとして施設整備、教育課程の研究を行い、全市的な取組として検討していますということで、小中一貫のほうを明記されております。つまり、小中一貫教育を理想としながら、今まで市民に対しても議会に対しても検討されてなかったことも事実であります。今後、早急に市民参加も含め検討の場を持つことが重要ではないか、早急に市民を交えての検討が必要不可欠であると考えています。 次に、文化芸術ナンバーワンを目指してということでありますが、市長は、就任時から子育てナンバーワンを目指すと言われてまいりました。県下では、甲賀市の取組に対して、まずまずの、いやそれ以上の評価がされてきているところでありますが、総合計画の10年間の2期目として、新しい豊かさをキャッチコピーに市政運営をされることは、11月の代表質問でもお答えいただきました。新しい豊かさは一体何なのか、その中でから引用させていただきますと、さきにも述べさせていただきましたように、北欧的なまちやということから連想いたしますと、文化芸術ナンバーワンの都市ではないかなということに思います。 2013年に県の提唱する「美の滋賀アール・ブリュット」が、近代・現代芸術、それと自然の調和、伝統工芸等々、本市にとっても重要な位置づけになると私は思います。文化芸術活動の継続的な支援、イベントやコンサート開催の支援、動画収録の発信など、市民が身近に親しむ環境づくりが必要かと思います。市民が文化芸術に親しむ環境づくりについてのお考えを、市長にお伺いをいたします。 次に、市内を彩るアール・ブリュット事業についてお伺いをいたします。 アール・ブリュットとは、正規の芸術教育を受けてない人が生み出すアートのことであります。アウトサイドアートと呼ばれておりますが、アール・ブリュットの芸術家の多くは、精神的知的障がいを持つ人ですが、刑務所や受刑者なども含まれております。絵画、造詣作品や民俗芸術など、多岐にわたる分野の作品があり、日本のアール・ブリュットは世界でも高い評価を得ています。 本市でも、障がい施設において、すばらしい評価の作品も生まれてきていますし、今年はパラリンピックの年でもあります。甲賀市が発信ができないものか、私は常々考えております。今、ユーチューブなどで話題になっているペイントしたストリートピアノなんかも、市内循環をしていくということも一つの方法かと思います。 次に、スカーレットレガシーを生かした岡本太郎展を契機に、文化芸術ナンバーワンを目指してはどうかということであります。 岡本太郎先生が、唯一残された文章の最後には、「まちの人ももちろんだが、ふるさとを愛する外部の人間が一緒に力を合わせて、このまちの魅力を生かしていきたいものだ」ということをつづっておられます。 スカーレットにも登場したジョージ藤川は、岡本先生をモチーフにされております。今で言う、先生は関係人口の中の一人であります。また、先生は旧信楽町の名誉町民第1号でもあり、外部からの指定は唯一でありました。今年で指定されてから50年の月日がたちます。また、生誕110年の年、節目でもあります。新たな生活様式で地域独自の文化や芸術の仕掛け、バーチャル文化を利用した発信方法を考え、文化芸術ナンバーワンを目指したらどうかと考えています。 次に、産業経済の支援についてお伺いをいたします。 来年度予算においても、法人税の落ち込みが財政に影響する中、市内の企業の新型コロナ感染症の影響は多々あると思います。その中で、市内の就労が減少することも予想されます。 市内出身の大学生への支援策として、奨学金の返済ができないか、これは志誠会から昨年緊急要望として市長にさせていただきました。3年度には、予算には就労支援策としての計上がなされています。やはり人口流出を避けるためにも、市内企業に就労の機会を見いだすことが必要不可欠であります。その地道な政策が、新たな工業団地の計画や企業誘致になると考えています。 また、先般、市長は市内の旅館組合や調理師会、商工会のサービス部会等々の業者と、市長自ら要請し直に懇談の場を持たれています。その思いは十分過ぎるほど聴き取られたことと思います。 産業経済の政策について、3点をお伺いをいたします。 観光業や飲食店の支援策についてはどうか。 次に、新たな工業団地の計画と企業誘致についてお伺いいたします。 これについては、甲賀北工業団地の一部計画区域から新たな方向性を見いだせていくのかどうか。 次に、市内の学生支援策として市内企業への就労支援策についてお伺いをいたします。 これは第3次補正及び国の3次予算に絡めての支援策であると思いますけども、お答えを頂きたいと思います。 次に、子育て・福祉政策についてお伺いをいたします。 福祉の後退は、許されないということであります。一旦政策決定をして実行に移す、これは政策として進めていかなければなりません。福祉のまち信楽で育った私には、当然のことであると認識をしています。 しかしながらですね、多くの福祉政策の中にも、やっぱり市民に寄り添い実行していきたい、その考えの気持ちは我々も同感でもありますし、市長自らも考えておられることやと思います。しかしながら、悲しいかな財源は限られています。だからこそ、より慎重に慎重に政策の決定をしていかなければならない、ごくごく当然の話であります。 12月議会では、甲賀市子育てセンター条例を改正し、令和3年度4月より、水口子育て支援センターで病後児保育に加えですね、病児保育が実施されることになります。厚生文教常任委員会では、医師との契約や、ビデオや電話によるバーチャルでの対応をするということが報告をされております。 病後児保育には看護師、病児保育には医師との連携が必須となります。市長施政方針では、市内の小児科との連携をし、きめ細かな子育て支援の充実を図ると発言をされています。 そこで、幼児保育の実施に向けての現在の体制はどうか、小児科医との医師連携契約はどうなのか、お伺いをいたします。 次に、コロナ禍による障がい者就労施設への支援策にも踏み込んだ発言を施政方針ではされております。 市内事業者では、コロナ禍において受注の減収による苦しみを訴えているのが私どもにも各施設から届いています。施設の形態から、単なる工賃保障ではなく就労の機会をとの観点から、思いは仕事が欲しいということを本当におっしゃっておられます。業務の受注に関しての支援策が望まれているところであります。市長のお考えをお伺いをいたします。 次に、デジタル化推進について、国が進めるSociety5.0についてお伺いをいたします。 いろいろインターネットで見ておりますと、SNSやMAS、OMO、D2C、そしてSociety5.0等々、舌が回らないようなことばっかりでございますけれども、日々、デジタル化が進化しているということは事実であります。それぞれの内容については省略しますが、これがこういうサービスかということが大体見られたら分かると思います。そのサービスやシステムに該当するという認識をやっぱり常に持つべきであります。 その中でも、政府が進めるSociety5.0が、少子化、人口減少による就労人口の減少を見据え、SDGs17目標の貢献を視野に入れ、今後も重要な取組であると位置づけられております。新しい豊かさの考え方も、その方向性にあるかと思います。 国は、新型コロナウイルス感染症地方創生臨時交付金を活用した新しい日常に対する政策資料集「地域未来構想20」というものがなるんでしょうか、その20の項目にはデジタル社会を見据えた政策になっています。 そこで、まず行政手続のオンライン化やキャッシュレス化を進めていこうとする意欲はよく分かります。今後、必要に応じた各分野での施策の実現のためにも、やはりここは体制づくりが必要ではないかと考えますが、どのように検討されていくのでしょうか、お伺いをいたします。 次に、行政のデジタル化の推進の中で、特に区・自治会や自治振興会に対してどのような変化をもたらすのか、課題は多くあると思います。まず、何から進められていくのか、お伺いをいたします。 次に、市内業者には愛こうかーどという事業をされております。今、飲食店等にも、この愛こうかーどが事業を広げ、地域通貨としてのキャッシュレス推進につながらないかということをお尋ねいたします。 次に、貴生川駅周辺整備の道路計画についてお伺いをいたします。 貴生川特区構想を進める中、道路整備は必要不可欠であります。中でも懸案であります水口北内貴線は、国道1号線とのアクセスの意味から大変重要であると私は認識をいたしております。また、虫生野希望ケ丘線は、1期目の市長公約でもありますし、ようやく動き出しました。 国や県の支援が必要不可欠ですが、幹線道路としての目標を持って早期の実現を目指すべきではないかと思います。虫生野希望ケ丘線、そして、水口北内貴線の市道の認定後のスケジュールはどうなっているのか、お伺いをいたします。 最後になりますが、国・県との連携についてお伺いをいたします。 国や県への要望事項については、自民党滋賀県議団を通じて毎年行っています。その中からでも7点お伺いをいたします。 1番目は、高等学校再編計画に基づく本市の対応についてお伺いをいたします。 人口減少、少子高齢化の進行やグローバル化、情報化、技術革新の進展など、急速に社会情勢が変化する中でですね、これからの県立高等学校の在り方を検討するために、滋賀県立高等学校在り方検討委員会が設置をされております。本市の信楽高等学校も5年前に対象とされまして、地域からの存続要望を受け、アート留学という形で現在も全国応募をかけています。 本県立高校に本市が支援しているというのは、県下でも特異ではないかと思います。24年には、本議会から滋賀県立信楽高校としてセラミック・デザイン等技術に特化した学校として存続することの内容の意見書が採択されております。地域と連携することの評価に県も認められていますが、存続を約束されているわけではありません。今後の市の対応をお聞かせください。 次に、高等専門学校誘致についてお伺いをいたします。 三日月知事は、県内での設置を目指すと、工業系の専門学校、高専の構想骨子を2022年の3月をめどにまとめる方針を明らかにされております。そして、3年度予算に調査費が県議会に盛り込まれました。 本市として県の動向を注視しながら、甲賀市工業会や甲賀市商工会と連携し、いち早く誘致に乗り出すべきではないかと考えています。信楽工業高校の高専への転換も含め、お伺いをいたしたいと思います。 次に、名神名阪連絡道路の進捗状況についてお伺いをいたします。 コロナ禍において、市長自ら国会の陳情活動を積極に行っていただいておりますことは承知をいたしております。国土強靭化計画が進む中での現状をお聞かせください。 次に、新名神6車線化による本市の将来性についてであります。 現在、甲賀土山インターから大津ジャンクションまでの18.9キロの6車線工事が始まっています。 この6車線工事は、災害発生時や気象変動などの対応による名神高速道路とのダブルネットワーク機能としての位置づけであります。物流の効率化等の期待が寄せられていますが、その意味合いから、名神名阪連絡道路との結節点ということでもあり、重要な位置づけになると考えています。あわせて、新名神高速道路が自動運転を見据えた整備であるとも言われています。 本市としては、3か所のインターチェンジを有するわけでありますから、物流拠点としての位置づけも含め、人・モノの交流結節地点としての考え方を進めていくべきではないかと考えますが、お考えをお伺いをいたします。 次に、紫香楽宮跡整備計画の県が凍結している負担分の復活についてであります。 2014年、紫香楽宮跡整備活用実施計画が公表されまして、周辺整備も含め、市としては予算を計上し着実に進めていただいています。しかし、滋賀県が凍結している負担分は、いまだに復活の兆しが見えません。 そんな中、史跡公園の一部となる土地取得に国の支援を受け購入することになります。市教委の考えは、あくまで県からの負担分を待つことなく一歩前に踏み出したことは、評価に値するところであります。しかしながら、いつまでも凍結ということでありますと計画が遅れてまいります。一日も早い県に凍結解除をしていくべきではないかと思いますが、市長のお考えをお伺いをいたします。 次に、大戸川計画が本市に及ぼす影響についてお伺いをいたします。 昨年度、国への意見書提出をさせていただきました。その後、市長には国への要望活動、そして国会議員への働きかけなど、精力的に粘り強く陳情を重ねていただきましたことが、ダム建設の弾みになったのではないかなというふうにも思います。 2月12日、第3回淀川水系6府県会議が開催をされまして、現在の河川整備計画に位置づけた河川整備計画の進捗、近年、頻発している豪雨災害、今後の気候変動に伴う豪雨の激甚化・頻発化を踏まえ、さらに、河川整備に向け整備計画の変更手続を進めることが確認をされております。 大戸川ダム計画凍結から建設へと進め出すことになりますが、今後、本市としてはダムの上流地域として河川改修や洪水対策が及ぼす影響を考えていかなければなりません。なぜなら、ダム上流に1万人以上の人が住んでいる事例は全国にはありません。県道12号の栗東信楽線、県道16号大津信楽線の道路改修をはじめ、河川改修、しゅんせつ、環境問題等々多岐にわたります。信楽の上流の山々の砂防計画、いろんな面も含めて考えていく必要があるのではないかと思います。将来にわたってダムの上流が本市に及ぼす影響を加味しながら、国・県への対応に臨んでいただきたいと考えます。ダム計画は、当初から下流地域に有利ということを言われてまいりました。上流にも恩恵がある形の支援策をお願いをいたしたいと思います。 最後になります。 地域医療を支える医療従事者の確保について、お伺いをいたします。 地域医療を継続していくには、医師の確保が大きな問題であります。医師不足というのは、全国的にどこでも取り合いのような状況であります。市内にも公立病院や市民病院等がある中でですね、医師の確保が大変大きな課題であることは承知をいたしております。甲賀医療圏域における医師不足にならないためにも、地域の医師会との連携や広域的な連携も重要な課題でもあります。新型コロナ感染症で多くの教訓に気づかれたと思います。今後の医療体制も含め、お伺いをいたしたいと思います。 以上、大きく3項目について質問をさせていただきます。 御答弁をよろしくお願いを申し上げます。 ○議長(橋本恒典) 11番、小河議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 市長。 ◎市長(岩永裕貴) 志誠会、小河文人議員の代表質問にお答えをいたします。 まず、市政2期目及び総合計画の初年度に当たる考え方についてであります。 2期目の市政運営に当たりましては、まずは、市民の皆様にお約束をいたしました20分野135項目から成る政策集を踏まえ、第2次甲賀市総合計画第2期基本計画(案)を策定をいたしました。 この後、就任当初から重点的に進めてまいりました「子育て・教育」、「地域経済」、「福祉・介護」の三つのテーマを軸としたオール甲賀で未来につなぐ!チャレンジプロジェクトに「新しい豊かさ」を追求する視点を盛り込み、総合計画に基づく実施計画を早い段階で策定し、計画に沿った施策や事業を着実に前進をさせてまいります。 2期目におきましても、特に教育環境の整備に引き続き重点的に取り組むとともに、本市が持つ豊かな自然環境や、県内でも情報基盤が進んでいるICT環境を活用したスマートシティによる暮らしの質の向上や、都市部へのアクセスメリットを生かした取組を一体的に進め、本市の魅力をより一層高めていくことで、選ばれるまちを目指してまいりたいと考えております。 また、新型コロナウイルス感染症の影響により、社会の仕組みや価値基準など、これまで当たり前とされてきたことが当たり前でなくなる分野が少なからず出てきており、やがて新しい常識・価値観が時代をリードする人・国・企業等よりどんどんでき上がってまいります。 この時代の転換期をただ静観するのでなく、一つでも多くの新しい価値観をこの甲賀市から発信していくことに意義があり、第2次基本計画(案)には、アフターコロナを見据えた新しい豊かさのエッセンスを全ての施策・事業に反映して取り組むことが、今後、選ばれるまちづくりには必要であると考えております。 市長としてのリーダーシップの下、甲賀市役所が一丸となり、市民、市議会の皆様との議論をはじめ専門家の方々から知見も頂き、また、敏感に情報をキャッチをしながら、アフターコロナに向け本市ならではの新しい豊かさを探求し、オール甲賀でさらなる市政の発展に向け邁進する所存であります。 次に、新しい豊かさのスタートアップ予算についてであります。 アフターコロナの時代を見据えたまちづくりを行うためには、社会情勢の変化を予測をし、様々なリスクを想定して、市民皆さんが安心して日常の生活、事業活動が続けられるよう、しっかりと対策に取り組むことが必要であります。その上で、多様な価値観や生き方が受け入れられ、人々の暮らしに幸せを感じ、心身ともに健康で豊かな人生を送っていただけることが重要であります。 令和3年度予算は、このような考えの下、市民の健康と暮らしを守ることを最優先に、新型コロナウイルス感染症の拡大防止と経済活動の両立を図るとともに、市民の皆さんの身近な課題の解決に取り組みつつ、地域や民間事業者の皆さんと公民連携を推進をしながら、引き続き、「子育て・教育」、「地域経済」、「福祉・介護」の三つのテーマに沿った事業を重点的に推進する予算となるよう編成に取り組んだものであります。 スタートアップを直訳をいたしますと「行動を開始をする」という意味でありますが、ビジネス用語としては、短期間で新たな市場の開拓を目指す動き、新規事業の立ち上げという意味で使われております。 これからの4年間は、時代が大きな局面を迎える中、市の未来を方向づける極めて重要な期間となります。こうしたことから、令和3年度予算は、これまでの4年間の取組を礎とし、さらには、アフターコロナにおける新しい価値観、新しい生き方、新しい家族の在り方などを包摂した「新しい豊かさ」を市民の皆様とともに探求をし、変革の扉の先にある新しい未来に向かってスタートを切る大変重要な予算と考えております。 次に、市民税の落ち込みマイナス13.8%に対する経済損失の額についてであります。 市民税におきましては、予算で対前年度8億1,500万円のマイナスと見込んでおり、このうち減収分が6億8,800万円、法人市民税の税率改正分が1億2,700万円であります。 なお、減収分につきましては、設備投資等を考慮せず課税所得の落ち込みを経済損失として捉えますと、個人所得の落ち込みが約69億円、法人収益の落ち込みが約53億円と試算をしており、合計で約122億円の損失と考えております。 次に、感染症にも経済危機にも強い地域をつくるための予算編成ができたかについてであります。 新型コロナウイルス感染症の拡大は、私たちの生活への脅威とともに、当たり前だと思われてきた常識が激変したことにより、これまで気づかなかった新しい社会的価値観を考える機会をもたらしました。 こうした中、令和3年度予算では、新型コロナウイルス感染症の拡大防止と経済活動の両立を図るため、市民の皆さんに寄り添った、きめ細やかな感染症対策予算を計上をしたところであります。 主なものといたしまして、国・県や医師会等と連携しワクチンの接種を円滑に実施をするとともに、公共施設をはじめ地域の避難所や介護事業所、私立保育園や放課後児童クラブにおける必要な感染予防資材の購入に係る経費を計上したほか、離職等により住居を失うおそれのある方への家賃支援、感染症の重症化リスクが高い高齢者の方を対象に、商業施設等での感染リスク軽減を目的とした移動販売モデル事業などの予算を計上いたしました。 また、地域経済の分野におきましては、市内企業・事業所に正規雇用され市内に住居される方に対し奨学金返還を支援するほか、テレワークなど新たな生活様式に対応した住環境整備や市内店舗でのキャッシュレス決済導入に係る支援、飲食事業者等への新業態の事業定着支援等を行い、また、リアル忍者館を拠点とした周辺観光ルートの整備、ロケツーリズムに取り組み、マイクロツーリズムによる観光客の誘客につなげるとともに、お茶、薬、陶器など地場産業の振興、さらにはスマート農業による農作業の省力化・効率化等、本市の豊かな地域資源を活用し新しい生活様式に対応した事業活動を促進することで、域内経済の好循環を生み出す各種施策に取り組みます。 新しい豊かさの実現には、時代の変化に合わせたイノベーションが必要であります。これらの施策を迅速かつ着実に実施することにより、感染症にも経済危機にも強い地域づくり、そして、新しい豊かさを実感できるまちづくりを推進できるものと確信をいたしております。 次に、甲賀病院、市立病院等の感染症対策についてのうち、公立甲賀病院組合管理者としての見解についてであります。 公立甲賀病院における2度のクラスター発生により、患者様、御家族様、市民の皆様、また多くの関係者の皆様にも大変な御迷惑と御心配をおかけしたことについて、組合管理者として心からおわびを申し上げます。危機管理の甘さとの御指摘を頂きましたが、私自身もそのことを痛感いたしております。 公立甲賀病院では、厚生労働省や県クラスター班、甲賀保健所などから指摘を頂いた点を踏まえ、院内の感染防止対策を見直すとともに、クラスターの早期終息と急性期医療の維持を図るため、副院長を本部長とするクラスター対策本部が設置されております。その進捗状況につきましては、私もしっかりと共有をさせていただき、適宜必要なサポートを行い、対応に当たらせていただく考えであります。 次に、中核病院としての信頼回復にどう立ち向かうかについてであります。 今回のクラスターに伴い、30数名の看護師が就業制限を受けたため、一部の病院機能を縮減せざるを得ないと報告を受けておりましたが、中核病院の責務として急性期医療は必ず維持するように要請を行ったところ、他の医療機関の御協力も頂きながら、今日に至るまで2次救急医療体制が継続されているところであります。 今後とも、感染防止対策を徹底し、甲賀圏域の中核病院としての責務を果たしていくとともに、これから始まります新型コロナウイルスワクチン接種への積極的な対応など、地域医療への貢献を積み重ねていくことで、病院を挙げて信頼の回復に努めていただきたいと考えております。また、こうした病院の取組につきましては、市民の皆様の御理解が得られるよう、市といたしましても広報に努めてまいります。 次に、第1次・2次の国の補正予算がもたらした効果のうち、市内経済の落ち込みとその対策についてであります。 本年2月に、日本銀行京都支店が発表された管内経済金融概況によりますと、京都・滋賀県の景気は、新型コロナウイルス感染症の影響により依然として厳しい状態にあるが、基調としては持ち直しの動きが続いているとされておりますが、甲賀市商工会をはじめとする関係団体からの情報等からも、依然として予断を許さない状況が続いているとのことであり、市内経済は引き続き厳しい状況にあると認識をいたしております。 その対策といたしまして、昨年5月の臨時会で議決いただきました補正予算によりまして、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により大きな影響を受けている市内事業者への支援といたしまして、個人事業主への支援金、休業要請に対応された事業者に向けた県支援金の上乗せ支援とともに、国に先駆けて家賃等の固定費支援を実施をしてまいりました。 これらの事業のうち、固定費支援につきましては、その対象を中小企業や一部の設備等にも拡充することにより、支援を必要とされる事業者へのきめ細やかな対応に努めてきたところであります。 さらに、昨年6月の定例会で議決を頂きました補正予算におきましては、緊急事態宣言後の新たな生活様式に対応した店舗や業態を促進をするため、1店舗当たり10万円の支援金を交付する支援や、飲食店がデリバリーやテイクアウトといった新たな業態に取り組んでいただくための支援を、本市商工会との連携により実施をいたしました。 あわせまして、大きく縮小をいたしました地域経済を市民の皆様の協力を得て活性化させるため、全世帯にお配りをいたしました地域経済応援クーポン券では、現時点で3億円を超える経済効果につながったところであります。 次に、第3次補正による新たな支援策の検討についてであります。 国の令和2年度第3次補正予算における新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の地方単独事業分1兆円のうち、本市には交付限度額4億1,734万7,000円が示されたところであります。 臨時交付金につきましては、令和3年度事業の財源として活用することが可能でありますことから、本定例会において提案し審議いただいております令和3年度予算(案)における新型コロナウイルス感染症対策の財源としても活用させていただきたいと考えております。 また、これらの感染症対策は、第3波と呼ばれる感染者数が急増し先行きが不透明な状況における予算編成でもありましたことから、感染拡大防止対策や感染症の影響を受けた方々への生活支援、新しい生活様式に対応した事業所のデジタル化支援などとなっておりますが、現在、国ではワクチン接種が始まり、感染症の収束や経済回復に向けての期待感が高まりつつある状況へと変わってまいりました。このことから、当初予算(案)におけるコロナ対策に加え、本臨時交付金を活用した市内経済の回復に向けた支援策を調整し、本定例会中に提案をさせていただければと考えております。 次に、飲食店や観光産業に対しての現状と課題についてであります。 飲食店の現状につきましては、昨年から実施されました一連のGoToキャンペーンにより、宿泊を伴う飲食店では一時期は持ち直しておりましたが、再度の緊急事態宣言の発令に関係する報道がなされ始めた昨年末を境に、宴席のキャンセルが相次いだことにより売上げが大幅に減少をし深刻な影響を受けておられることを、先月の3日に開催をいたしました市内の飲食・宿泊事業者の皆様との意見交換において、出席いただいた皆様方から直接状況をお伺いをいたしました。 これら市内の飲食店における課題といたしましては、売上げの多くを占める予約客の大幅な減少と、コロナ禍における新たな生活様式の定着による仕出し等の需要減少、キャッシュレス化をはじめとするデジタル化への対応が進んでいないことであると認識をいたしております。 このような課題の解消に向けましては、地域経済の好循環を生み出す大きな規模の消費喚起策の実施と、市内事業者のキャッシュレス化等のデジタル化を推進する必要があると考えております。 また、観光産業につきましては、観光庁が公表をいたしておりますGoToトラベル事業における昨年7月22日から12月28日までの全国の利用実績によりますと、金額では5,399億円で8,781万人の利用がございました。 滋賀県での利用実績は公表されておりませんので、本市での利用につきましても正確な数値は把握できておりませんが、滋賀県観光振興局によりますと、利用実績の1%となる約53億円が滋賀県での利用実績であると推計しているとのことであり、令和元年の滋賀県観光入込客数調査の結果から推計をいたしますと、本市では約3億円程度の御利用額で、単純計算をいたしますと、その倍の6億円程度の経済効果があったものと推測いたしております。 次に、コロナ禍における生活保護受給者数についてであります。 本市における令和元年度末の生活保護受給者数は256世帯322人、令和3年1月末現在では247世帯315人であり、本年度は減少傾向にあります。コロナ禍での経済的な落ち込みは、都市部のみならず地方にも大きな影響を及ぼしている状況にありますが、本市における新型コロナウイルス感染症の影響と思われる生活保護申請は、1件でありました。 次に、コロナ禍における生活困窮者の実態把握についてであります。 就労や収入等の生活相談が急増をした令和2年3月から、市民の皆様の困り事に対応するため、通常の相談業務に加え、市社会福祉協議会とともに別館1階にワンストップ相談窓口を設け対応しており、令和2年4月から令和3年1月末現在の新規相談件数は598件で、令和元年度1年間の新規相談件数183件を大幅に上回っております。 相談内容といたしましては、収入・生活費のことが最も多く、次いで住まいのこと、仕事のこととなっております。 住居を喪失するおそれのある方に家賃相当分を支給する国の支援策であります住居確保給付金につきましては、申請件数48件、支給決定件数は46件となっており、住まいを失われた方に宿泊場所を提供する一時生活支援事業の利用者は、延べ13名となっております。 これらの前年度の実績は、住居確保給付金1件、一時生活支援事業1名であり、今年度はそれらを大幅に上回っております。 なお、住居確保給付金につきましては、令和2年4月からの対象者拡大や、令和3年2月には3か月間の再支給の特例措置が決定されたことにより、住まいが確実に確保され、安心した就職活動や生活の安定がさらに図れたものと考えております。 また、市独自の施策といたしましては、住居確保給付金の収入要件から児童扶養手当等を除くことにより、特に独り親家庭に対して給付しやすくした緊急給付金の制度を設けました。この緊急給付金の利用は、3件となっております。 本市では、緊急事態宣言が解除された昨年5月25日以降に継続相談を行っていた方や、特に生活課題を抱えておられる方を対象に、アウトリーチによる訪問面談により、コロナ禍における困り事の聴き取りを行いました。 今後も、相談件数も高い水準で推移すると予測をいたしておりますことから、困り事を抱える相談者に必要な支援が届くよう、きめ細やかな対応を行ってまいります。 次に、新しい豊かさを追求するための組織の改編についてであります。 コロナ禍で市民の暮らしや事業活動だけではなく、行政の仕事の在り方にも大きな影響をもたらしましたが、この危機を転機として捉え、新しい豊かさを追求するまちづくりを推進していきたいと考えております。 令和3年度の組織・機構におきましても、重要視する施策を担う部署につきましては、新たな室の設置や係の再編を行うなど、部局間連携の下、進めてまいりますとともに、年功序列ではなく能力に応じた登用と適材適所の人事配置に努めてまいります。 また、スピード感をもって対応をするため、年度途中であっても人事異動による臨機応変な対策を講じてまいります。 次に、法人・個人市民税の減少による今後の見通しについてであります。 コロナ禍の厳しい状況ではありますが、本市の主要な産業である製造業におきまして、各業種におけるテレワークへの対応が進む中、半導体を含むリモート関連需要が上向いており、また、自動車の需要に持ち直しの動きが見られますが、コロナ禍からの本格的な回復には至っていないと判断をしております。 先行きは、コロナ感染拡大への懸念から不透明感が強い状況ではありますが、経済に大きく影響を受けた平成20年のリーマンショック時においては、個人市民税は収束の翌々年度、法人市民税は翌年度から回復しており、ワクチン接種等に係る新型コロナウイルス感染症が収束に向かった場合には、市としてもより早い回復を期待するものであります。 こうした税の減少分による対応といたしましては、短期的には財政調整基金及び特定目的基金の取り崩しによる対応をしてまいりたいと考えておりますが、今後ますます多様化する行政ニーズに応え、かつ持続可能な財政運営を図るためには、国庫補助金及び県補助金などの特定財源を有効に活用するとともに、さらなる地域経済の活性化と新たな財源の確保につながる施策の推進が必要と考えるところであります。 次に、合併特例事業債の期限までの計画についてであります。 合併特例事業債の発行可能期間は、合併時に策定をいたしました新市建設計画の期間である20年間であり、令和6年度までであります。平成17年度から令和2年度までの16年間で374億10万円を発行し、令和3年度では7億7,830万円を発行する予定であります。 新市建設計画に基づき実施をいたしました市庁舎や小中学校、学校給食センター、認定こども園や福祉施設の整備等、特に老朽化が進む施設整備を中心に、今日まで機を逸することなく活用してきたところであります。 今後の計画といたしましては、令和3年度予算に計上いたしました合併特例債事業のうち、令和4年度も実施を予定をいたしておりますものが、社会福祉センター改修事業、私立認定こども園整備事業、新町・貴生川幹線内貴橋道路改築事業、甲南駅周辺整備事業、土山中学校施設長寿命化改良事業であり、その他では、紫香楽宮跡整備事業や幼保・小中学校再編計画に伴う園舎及び校舎等の整備に活用する予定であります。 事業規模につきましては、概算ではありますが、起債発行額ベースで30億から40億円程度を見込んでおります。令和4年度から令和6年度の3年間での発行可能額は60億円程度でありますことから、今後、この有利な合併特例事業債を有効に活用できるように検討を進めてまいります。 次に、公民連携についてであります。 新型コロナウイルス感染症の流行により、様々な業態において減収・減益などの厳しい状況が続く中、第三セクターにつきましては、特に不特定多数の方が利用される施設の運営において影響が大きく、国の持続化給付金の支援を受けることなどで経営の継続を図っているところでございます。 今後の運営につきましても、社会経済情勢の変容や利用者ニーズの変化に対応した取組を促進するとともに、経営状況を注視していく必要がございます。 また、公の施設の管理運営につきましては、平成15年の地方自治法改正による指定管理者制度で、出資法人以外の民間事業者を含む市が指定する指定管理者が施設の管理運営を代行することが可能となりました。この制度運用においては、民間事業者を含め広く公募による提案を受け、指定管理者を指定することが効果的と言えます。 一方、市が出資をする法人等におきましては、当該公の施設を管理するために設立した経緯を踏まえ、これまでの経営実績やノウハウにより施設の設置目的を最大限に実現できる指定管理者として、非公募での指定を行っております。 行政ニーズが多様化する中、公共サービスの効果的・効率的な提供を図ることは必要不可欠なことであり、今後の公民連携におきましては、公共サービス提供の担い手を官から民へと切り替えていくという考え方をさらに前進をさせ、より多様な主体に担い手として参画いただき、技術革新を加速させ、共に新しい公共サービスを創出していくという視点が重要となってまいります。 このようなことから、現行の指定管理者施設につきましても、実績や成果の検証を進め、施設の設置目的の実現を基本としながら、さらなるサービス向上、新たなサービスの創出も視野に入れた中で、より有効な制度活用を検討してまいります。 加えて、今後の公民連携の取組につきましては、既存の枠組みにとらわれることなく、民間事業者のビジネス活動をどのように役立て、地域課題の解決につなげるかという大きな視点に立って推進してまいりたいと考えております。 次に、文化芸術ナンバーワンを目指してのうち、1点目の市民が文化芸術に親しむ環境づくりについてであります。 国の文化芸術推進基本計画では、文化芸術の本質的価値及び社会的・経済的価値を、文化芸術の継承・発展及び創造に活用・好循環させ、未来をつくることとしております。 現在、少子高齢化、グローバル化、情報通信技術の進展など社会の状況が著しく変化をする中で、観光、まちづくり、国際交流、福祉、教育、産業など、関連分野との連携を視野に入れた総合的な文化芸術政策の展開が一層求められております。 また、県におきましても、文化振興基本方針により、郷土ゆかりの作家や近代美術、多くの国宝・重要文化財を有する神と仏の美、アール・ブリュットなどの魅力を発信する「美の滋賀」に取り組まれており、そうした状況を踏まえ、本市においても、昨年3月に甲賀市文化のまちづくり計画の2次計画を策定し、その方向性を示させていただいたところであります。 一方で、現在のコロナ禍においては、文化芸術団体やアーティスト、クリエーターなど、それぞれの専門分野の方々だけではなく、市民活動の主体である市民の皆さんが思うように活動ができず、日々の生きがいとなる「すべ」が今なお制限をされております。 国・県においては、コロナ禍における文化芸術公演が継続できるように、文化芸術公演支援事業を創設するなど対策を講じられており、また、本市事業におきましても、ホールなどでイベントを開催する際、入場制限を行う必要がありますことから、多くの人に観覧いただけるよう、インターネット配信も併せて計画をするなど、文化芸術団体やアーティストが新しい生活様式の中でも活動が持続できるよう支援を行っているところであります。 今後、脱コロナを見据え、本市の文化のまちづくり計画に基づきながら、文化芸術が観光やまちづくり、国際交流、産業など関連分野における施策と連携をしつつ、これまでの文化芸術創造都市ネットワークの取組を充実をさせ、文化芸術の創造性を生かしたまちづくりに努めてまいりたいと考えております。 また、基本理念となります(仮称)文化芸術振興条例につきましては、本年度、策定に向けた研修会を本市の文化のまちづくり審議会と関係部局を対象に開催し、その必要性の共通理解を図り、機運の醸成に努めたところでもございます。 条例策定に当たりましては、広く市民の皆様方にも参画をいただきながら、文化芸術と産業経済等が融合できる体制づくりも含め議論を深めていくことといたしており、そのことが誰もが誇りや愛着の持てる甲賀市のまちづくりにつながり、市民が文化芸術に親しむ環境づくりが進んでいくものと考えております。 次に、市内を彩るアール・ブリュット事業についてであります。 議員仰せのとおり、アール・ブリュットは、専門的な美術教育を受けていない人が、伝統や流行に左右されず、湧き上がる衝動に従って作成するアート作品であり、本市においては世界的にも注目される作家が先進的に、日々、創造活動に取り組まれております。 滋賀県においても、6月にリニューアルオープンする県立美術館において、アール・ブリュット作品を収集・展示を予定されるなど、注目を集めておられます。 本市においても、魅力あるアール・ブリュットを、まずは市民の皆様に、より身近に感じていただけるように、本年度、国のオリパラ基本方針推進調査事業において、市内福祉施設の協力を頂きながら実施をいたしました作品展示会の継続実施や、信楽まちなか芸術祭や岡本太郎展などと合わせて、市内での展示などを検討しているところであります。 また、最近、駅や公共施設などに設置をされたピアノを自由に演奏をするストリートピアノが注目を集めております。家庭などで不要になったピアノに、アール・ブリュット作家による作品を描いていただいた上で、市内のホールや大型ショッピングセンターなどでの巡回演奏も検討をしており、市民に広く美術や音楽といった芸術に触れていただける機会を創出してまいりたいと考えております。 また、県が提唱する「美の滋賀」の取組に関しましても、地域の中で守り受け継がれてきた寺社仏閣、日本遺産に認定をされている日本六古窯である信楽焼や甲賀流忍者など、全ての魅力を一体的に発信ができるように、市、関係機関、企業、地域とも連携を図りながら取組を進めてまいります。そうした中で、一つの自己表現として文化芸術活動を実践する動きが世代や地域を超えて広がり、文化芸術のまちづくりが進展していくものと考えております。 次に、3点目のスカーレットレガシーを生かし、岡本太郎展を契機に文化芸術ナンバーワンを目指してはどうかについてであります。 令和3年度予算(案)において、商工費・六古窯日本遺産活用事業の中で、岡本太郎記念展開催事業補助を計上いたしております。令和3年は、岡本太郎氏の生誕110年、旧信楽町の名誉町民となられて50年という記念すべき年でもあり、地元の有志を中心とした実行委員会組織による取組を支援しようとするものであります。 岡本太郎作品は、日本遺産の構成文化財の一つともなっておりますが、岡本太郎氏は、信楽の地で信楽焼作家たちとともに大阪万博のシンボルゾーンに建設をされた太陽の塔の背面に設置をされております「黒い太陽」をはじめ、東京オリンピックのために建設をされた国立代々木競技場第一体育館の壁を飾った陶板レリーフ群など多くの作品を制作されております。そうした活動を通じて、それまで暮らしの道具が中心であった信楽焼に、芸術という新しい風を吹き込まれました。現在の産業と芸術という両面を備えた信楽焼の特徴は、岡本氏の功績と言っても過言ではありません。 また、岡本太郎氏は、焼き物づくりを通して大衆に開かれた芸術であるパブリックアートを芸術的表現の核とされていました。そうした観点からも、今回の岡本太郎記念展の開催が、甲賀市における文化芸術を高める上で重要な役割を担うものと期待をいたしております。 このように、機運が醸成された機会を逃さず、信楽焼をはじめ市内に多数存在をする誇るべき文化芸術を最大限に生かした事業展開を行うことが重要であると考えております。 今後は、新しい生活様式と文化芸術活動の両立を図るため、議員御提案のバーチャル空間などICT技術の活用を検討するなど、脱コロナを見据え、現状を打破する手法を構築をし、文化芸術ナンバーワンのまちづくりを目指してまいりたいと考えております。 次に、産業・経済の支援策についてのうち、観光業・飲食店支援策についてであります。 まず、観光業への支援策につきましては、観光産業により地域活性化を実現するためには、数十年先を見据えた長期的な戦略と継続した事業展開が必要となってまいりますことから、コロナ禍のような時期だからこそ、観光業への支援強化と新たな事業実施など、しっかりと種をまくことが重要であると考えております。 このことから、この時期をこれからの先を見据えた準備期間として捉えながら、周遊観光ルートの造成などの受入れ体制整備、マイクロツーリズムなど、新しい観光の形やニーズに対する事業を進めてまいりたいと考えております。 次に、飲食店への支援策につきましては、昨年秋から滋賀県で実施をされております「GoToイート」事業におきましては、参加されている市内145店舗のうち、電子クーポンが利用可能な店舗は51店舗で、約35%にとどまっております。 このことから、市内の飲食事業者のキャッシュレス化・デジタル化への対応が急務であると考え、アフターコロナを見据えた市内の中小事業者への支援策の一つといたしまして、令和3年度当初予算では、キャッシュレス決済設備の導入支援事業を計上させていただいたところであります。 このほかの支援策といたしましては、コロナ禍で定着が進んでおります新たな資金調達手段であるクラウドファンディングを活用した支援制度や、飲食事業者が新たな業態として取り組むテイクアウトやデリバリーの定着支援、従来からのリフォーム補助制度を拡充をしたテレワーク応援リフォーム補助のほか、市内企業・事業所の人材確保に向け、県内初めての取組となります奨学金支援事業等を計上をさせていただいたところであります。 さらに、先ほどもお答えをいたしましたが、これら当初予算に計上をさせていただいた事業に加え、国の交付金を活用した経済対策を本定例会中に提案をさせていただければと考えております。 次に、2点目の新たな工業団地の計画と企業誘致についてであります。 まず、新たな工業団地の計画につきましては、重要物流道路として要望をいたしております名神名阪連絡道路の南北軸と、新名神高速道路の東西軸の形成による本市の立地特性を生かした内陸型の国際製造拠点並びに国際物流ネットワークの形成に対応をできる工業団地の整備に向け、現在整備を進めております新名神甲賀工業団地の隣接地の拡大をはじめ、新たな工業団地整備に向けた検討を進めてまいりたいと考えております。 次に、企業誘致につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響を受けたサプライチェーン再編に伴う企業の国内回帰等の動きを踏まえ、本年度におきまして、既存工業団地の周辺等における事業用地としての活用の可能性を調査をし、立地企業の要望に応えられる土地利用を検討をしていくほか、昨年9月の定例会で改正を議決いただきました甲賀市固定資産税特別措置条例を活用することにより、従業員の増加が多く見込めます本社機能や研究開発機能を有する企業を積極的に誘致してまいりたいと考えております。 次に、3点目の市内の学生支援策と市内企業への就労支援策についてであります。 市内企業・事業所の人材確保と若者の定住促進に向けまして、県内初となる奨学金返還支援事業を令和3年度の当初予算に計上をさせていただきました。 本事業につきましては、新型コロナウイルス感染症を契機に、市内在住の学生、あるいは甲賀市出身の学生に、都市部での就職ではなく、改めて市内で操業いただいている企業・事業所に注目を頂き、地元企業への就職を促進するもので、市内に住居し市内の企業や事業所に就職された方に対し、毎月の奨学金返還額の一部を支援しようとするものであります。 さらに、本事業では、イクボス宣言などワーク・ライフ・バランスの推進に関する各種公的認証・登録をしている企業に就職された方や、後継者不足を課題としている小規模企業者に就職をされた方に対しましては、毎月の奨学金返還額の全部を支援することを考えております。 こうした支援に取り組むことで、働きやすい職場づくりやワーク・ライフ・バランスの推進による市内企業の就労環境の向上や、小規模事業者及び個人事業主における後継者等の人材確保につなげてまいりたいと考えております。 また、厚生労働省では、就職氷河期世代の就労支援を重点事業の一つとされており、就職氷河期世代支援員の配置、インターンシップ受入れ企業への補助制度の新設、求職者と企業との合同面接会の開催などの事業につきましても、当初予算に計上をさせていただきました。 新年度におきましても、市内の雇用環境は厳しい状況が続くと考えておりますが、就職氷河期世代のみならず、障がいのある方々などの就労困難者に対する就労支援にも、しっかりと取り組んでまいります。 次に、病児保育の実施に向けての体制についてであります。 本年4月から、病児・病後児保育事業を実施いたします水口子育て支援センターの職員体制につきましては、保育士資格者を6人、看護師資格者を1人の計7人の配置を予定いたしております。職員配置といたしましては、病児・病後児保育の利用人数や実施後の状況などに応じて柔軟な対応を考えてまいります。 また、センターには医師が常駐をしていないことから、利用できる児童は病状が安定していることとしており、主治医により医師連絡票に利用が可能かの指示を頂くことといたしております。 この医師連絡票につきましては、医師会との間で様式や取扱い等について、おおむね調整は済んでおります。また、保育中における医師との連携につきましては、専用タブレットなどを備え、安全な保育の実施に向けて、小児科医師との間で医師連携契約書の締結に向けて準備を進めているところでもあります。 本事業を始めるに当たりましては、事業の周知はもとより、必要書類等を市ホームページからダウンロードできるなど、市民の皆さんが少しでも利用しやすい仕組みとなるよう進めてまいります。 また、事業実施に係るトイレ、エアコン等の必要な改修につきましては、一部を除いて、ほぼ終えております。 次に、コロナ禍による障がい者就労施設の支援策についてであります。 新型コロナウイルス感染拡大防止の影響により、受注業務の減少や自主製品の販売機会の減少により、大半の障がい者就労支援施設においては、生産活動収入が大幅に減少をしており、工賃を減額せざるを得ない状況となっております。 令和3年度におきましても、障がい者の工賃保障を目的とした工賃確保事業と併せ、業務の受注に関する支援として、市内の企業や事業所等から障がい者就労支援施設へ新たに業務等を発注いただいた場合には、上限5万円の範囲内で発注額の2分の1を補助する優先調達推進事業の予算の増額も予定をいたしております。 そのほか、障がい分野における農福連携の取組を甲賀市障がい者就労支援部会と連携して進めており、農業経営者に障がい者のことを御理解いただくことで、市内障がい者就労支援施設の受注業務の拡大を図ると同時に、障がい者が栽培をした農作物の販路拡大等の取組によって、障がい者の就労支援につながるものとも考えております。 次に、行政のデジタル化推進の体制づくりについてであります。 Society5.0は、急速な少子高齢化など社会構造が大きく変化をする中、デジタル化を原動力として社会の仕組みを変え、様々な課題を迅速かつ柔軟に解決をすることで、より便利で豊かな生活を実現しようとするものであります。 国においては、デジタル庁の設置など社会全体のデジタル化を強力に推進することとしており、本市においても、将来の社会の姿を見据えスマートシティ・スマート自治体の取組を進め、行政サービスの向上と地域における様々な課題の解決を図っていく必要があります。 こうしたデジタル化推進に向けた本市における体制につきましては、現在、情報政策課内に設置をされたICT推進室が実務における中心となって部局横断の取組を推進をいたしておりますが、デジタル化の取組が各分野において求められる中、全庁的な推進が重要となってまいります。 このため、第2次甲賀市総合計画第2期基本計画の分野別計画として、ICT推進ビジョンの策定に向けた取組を進め、デジタル化の計画的かつ確実な推進を図るとともに、私が本部長を務め全部局長を構成員とするICT推進本部を今後一層活用しながら、司令塔として、その役割を発揮してまいりたいと考えております。 次に、行政のデジタル化推進、区・自治会や自治振興会に対しての変化についてであります。 新しい生活様式の実践に向けた取組が行われている中、区・自治会や自治振興会の活動は、地域住民の親睦・交流や防災防犯、安心・安全な環境づくりなど、大変重要な役割を担われていると考えております。 一方で、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から、多くの地域で活動の自粛や延期、縮小を余儀なくされ、感染予防策を徹底すればするほど活動の継続が難しいといったジレンマを感じる中で、迷いや不安を抱えながら活動を進めておられる状況にあります。 コロナ禍の中、区・自治会、自治振興会など地域にとって新しい生活様式を実践をし活動を進めていくためには、オンライン会議、SNSなどのICTを活用した取組が必要であると考えます。 これまで課題とされてきた区・自治会の担い手不足や、高齢化による自治会業務の負担などがICTにより解消できるよう、例えば、区長文書などの市からの周知文書や、地域行事・活動の出欠確認などの回覧、災害時の避難所人数の確認などをデジタル化をすることで、必要な情報が、いつでも、どこでも確認できると考えております。 一方で、デジタル化は高齢者などパソコンの利用が苦手な方にとっては大変対応が難しいこと、また、直接顔が見えないことから生じる成り済ましなどへの対策、電子会議室などで見られる誹謗中傷などの不適切行為への対応など、課題もありますことから、デジタル化を進めるに当たり、まずは新年度予算において調査業務委託費を計上したところであります。 今後は、先例地の取組なども参考にしながら、導入に当たっての費用、導入の効果について検証してまいりたいと考えております。 次に、3点目の愛こうかーど事業の利用可能店舗を拡大をし、地域通貨としてキャッシュレス推進につなげることについてであります。 愛こうかーど事業につきましては、甲賀市カード事業協議会が平成29年度に整備され運用されているポイントカードシステムであり、地域の店舗でお買い物をされた方のポイントカードにポイントを付与し、たまったポイントでさらに地域で買い物をしていただくという好循環を生み出すといった目的のほか、高齢者向けの見守り機能も付加されており、現在の登録者数は1万1,325人で、市内81店舗が加入をされております。 一方、経済産業省によりますと、日本のキャッシュレス決済比率は約20%程度となっているとともに、昨年秋から滋賀県で実施をされております「GoToイート」事業に参加をされている市内145店舗のうち、電子クーポンが利用可能な店舗は51店舗で35%にとどまっているなど、現状においては市内の商工業者のデジタル化が進んでいない状況にあると言えます。 このような状況におきまして、まずは市内の商工業者のデジタル化に向けた環境整備が必要でありますことから、本年度から甲賀市商工会とデジタル化に関する意見交換会を進めるとともに、令和3年度の当初予算におきまして、市内事業者におけるキャッシュレス決済設備の導入支援事業を計上させていただいたところであります。 次年度におきましては、本市商工会と連携をし、市内の商工業者の皆様のデジタル化に向けた環境整備を進めていくとともに、先行して「愛こうかーど」の取組を進めておられます甲賀市カード事業協議会とも、「愛こうかーど事業」が自律的な地域循環型経済のプラットホームとして、本市が実施しておりますボランティアポイントなどとの連動も含めた地域通貨の導入も視野に入れた中で、アフターコロナにおきまして、地域経済の好循環、また、社会的課題の解決が両立できるように検討を進めてまいりたいと考えております。 次に、虫生野希望ケ丘線、水口北内貴線の市道認定後のスケジュールについてであります。 虫生野希望ケ丘線につきましては、水口町虫生野地先から国道307号を経由し、甲南町希望ケ丘地先を結ぶ延長約2キロの新設道路であります。現在、ルートの中心線を決定する道路予備設計を実施をしており、今後、地質の調査、各種道路設計、用地測量及び用地買収等を経まして、令和7年度の事業着手を目標としております。 次に、水口北内貴線につきましては、水口町南林口交差点から一級河川野洲川を横断し、水口町北内貴地先を経由、その先、一級河川杣川、JRを横断をし、主要地方道草津伊賀線までを結ぶ延長約2.5キロの新設道路であります。 現在は、そのうち1期分といたしまして、水口町南林口交差点から水口町北内貴地先までの約1.2キロを優先し事業に取り組んでおります。今年度、道路概略設計を実施をしており、本路線につきましても早期工事着手を目指しておりますが、事業費が多大となりますことから、滋賀県と事業主体や整備手法について協議を行い、事業を進めてまいります。 次に、国・県との連携についてのうち、1点目の高等学校再編計画に基づく本市の対応についてであります。 滋賀県立高等学校再編計画は、平成24年12月に策定され、魅力と活力ある学校づくりを目標に、計画期間をおおむね10年として、長期的かつ全県的な視野に立った県立高等学校の基本的な考え方を示すものであります。 再編計画の中で、信楽高等学校につきましては、地域に根差した学校づくりとして、平成26年度から普通・セラミック・デザインの3系統を持つ総合学科へ改編をされ、地場産業等の地域資源を活用した教育活動の展開や近隣校との連携、県内初となる県外からの生徒を受け入れるアート留学を進めることで、学校活力の維持向上等を目指されているところであります。 その後、人口減少、少子高齢化の進行やグローバル化、情報化、技術革新の進展など急速に社会情勢が変化する中で、昨年6月に滋賀県立高等学校在り方検討委員会が設置をされました。 同委員会では、令和3年度末に(仮称)これからの滋賀の県立高校の在り方に関する基本方針を策定することとされており、その策定趣旨は、おおむね10年から15年先を見据えて、新しい時代を切り開く人づくりのため県立高校の在り方について全県的視野で基本的な考え方を示すことであり、計画期間は令和4年度から令和13年度の10年間とされております。 これまでの委員会では、滋賀県の人材としての育成、将来を見据えた指導などキャリア教育の充実を求める意見が多く、本市といたしましても、ものづくりのまちとして、電気や機械など工業系の専門知識を習得した若者技術者の育成・確保が急務であると考えております。 そうした状況も踏まえ、私も昨年7月に知事に対し、信楽高等学校における他校にない魅力ある職業系列学科の創設について直接要望を行ったほか、県立高校の在り方や人材育成については、市長会を通じて知事や関係部局長に対し要望を行ったところでもあります。 現在、同委員会では、中間まとめをたたき台として示され協議が進められているところでありますが、中間まとめの一つとして、職業系専門学科・総合学科の特色化・高度化についても議論をされております。 今後、まずは県立信楽高等学校を存続の上で、議員が12月議会で御提案を頂いた内容も含め、総合学科だけでのスタートが前提ではなく、入学時から専門性の高い工業系列学科に特化した学校への再編の要望を続けていきたいと考えております。 次に、高等専門学校誘致についてであります。 ポストコロナ、気候変動、そして人口減少の時代を乗り越えるため、AI時代を担う新たな高等専門人材の必要性が求められております。 高等専門人材とは、専門的技術を用いて価値創造ができる実践的な人材であり、このような人材の育成のために必要な教育機関として、高等専門学校がふさわしいとされております。 しかし、製造業が盛んな滋賀県であるにもかかわらず、県内には高等専門学校がなく、地元で専門的に学びたい、エンジニアとして働きたい、世界を視野に活躍したいなどの夢と希望を持つ若者が県外へと流出している状況から、滋賀県知事も本年1月26日に高等専門学校の設置を目指す方針を明らかにされました。 また、国においても新たな高等専門学校の設置についての動きもあると聞き及んでおり、県知事が方針を打ち出されて以来、本市以外に誘致希望や問合せがある県内自治体が幾つかあると伺っております。 特に、本市は県内で製造品出荷額等が13年連続1位を誇るものづくりのまちでありますが、市内事業者からも、市内から多くの若者が都市部へ流出をしてしまっていることから人材確保が困難な状況にあり、その支援についての御要望も頂いているところであります。 そうしたことからも、機を逸することのないよう県への働きかけに努めるとともに、今後、県では設置をされる外部有識者の懇話会、構想の作成に向けたニーズ調査や各課題の検討などが行われていくことから、その情報を活用しながら、市工業会、市商工会とも連携をし、高等専門学校の設置に向けて強く要望を続けてまいりたいと考えております。 次に、名神名阪連絡道路の進捗状況についてであります。 今年度は、滋賀県の調査費が大幅に増額をされるなど目に見えて前進が確認でき、これにより、昨年12月末に環境文献基礎調査、本年1月末には、最適ルート帯の選定を踏まえた道路概略検討の2件の業務を県が発注をされております。 これらの調査及び検討により、ルート帯を決定するために支障となるコントロールポイントを事前に調査するとともに、複数ケースでの道路構造検討やコストの比較、交通量推計を推し進め、事業化に向け実現可能な地域高規格道路を検討していくと聞いております。 なお、重要物流道路の追加指定につきましては、コロナ禍にあり現在もスケジュール等は未定の状況でございます。 また、次年度以降につきましては、詳細な路線案についての検討が必要となり、本道路を実現するための正念場になります。本道路の地域における需要の拡大を定量的に示すためには、将来の交通量推計値に影響を与える沿線地域のまちづくり計画が大変重要な意味をなすこととなりますので、本市として地域ビジョンを明確に示すとともに、今後とも期成同盟会の会長として地域全体で両県の取組を後押ししてまいりたいと考えております。議員各位におかれましては、ますますのお力添えを賜りますよう、改めてお願いを申し上げるものであります。 次に、新名神6車線化による本市の将来性についてであります。 新名神高速道路の6車線化につきましては、平成31年3月に亀山西ジャンクションから大津ジャンクション間の約41キロメートルについて国の事業認可を受け、現在、中日本高速道路株式会社及び西日本高速道路株式会社による地元関係者への説明会の開催などが順次実施をされている状況であります。 今回の6車線化につきましては、名神高速道路の降雪、災害発生時及びリニューアル工事の実施期間中に円滑な交通を図るための代替道路としての役割、ダブル連結トラックやトラック隊列走行の実現を見据えた物流の効率化、生産性の向上も大きな目的となっております。 本市は、多様な産業と年間1兆円を超す県内一の製造品出荷額等を誇り、近畿・東海・北陸の各国際港湾へのアクセスが可能な立地でもありますので、新名神高速道路の6車線化が進めば都市部とのアクセスメリットがさらに向上し、他の自治体とは比較にならないほどの大きな効果が期待できると考えております。 今後は、本市立地の優位性と合わせ、甲賀土山、甲南、信楽の三つのインターチェンジ周辺の利活用や、土山サービスエリア及び甲南パーキングアリアの活用策に加え、新たな工業団地の整備や住宅施策などの居住環境の整備など、地域振興にもつなげてまいりたいと考えております。 また、新名神高速道路の6車線化と名神名阪連絡道路が完成されれば、東西を走る高速道路に南北の機軸が加わり、国際物流ネットワーク網が整備されることにより、さらなる産業の発展、国際物流機能の拠点化が図れることから、両事業の早期実現・早期完成に向けて、関係機関との連携を強化をしながら、一層の推進を図っていく所存であります。 次に、紫香楽宮跡整備計画に係る県負担分についてであります。 昨年12月定例会でお答えをいたしましたとおり、国史跡紫香楽宮跡は、県内でも2例しかない古代日本の中心地であった都城として造られ、天皇家と関わりの深い国家レベルの遺跡であるため、市としては、この優位性を最大限に生かし、今後、観光振興やまちづくりに活用するために、保存から整備活用へと積極的に進めてまいりたいと考えております。 しかしながら、史跡指定面積が26.6ヘクタールと広大な史跡の整備活用を進めていくためには、市単独では人的・財政的にも限界があり、史跡管理団体である滋賀県との支援協力体制が欠かせないと考えております。 滋賀県には、これまでに3年間県職員に出向をいただき、保存管理や整備活用計画策定等の支援を頂いてきた経緯があります。今後、整備活用を進めるに当たり、滋賀県の専門的・技術的支援、補助金等の財政支援は重要であることから、繰り返し要望をいたしてきましたが、史跡整備に関する補助金は平成20年度以降凍結をされており、県の厳しい財政状況を理由に現時点での復活は困難との回答が続いています。 このような状況ではありますが、市といたしましては、引き続き管理団体として積極的に関与していただけるように、粘り強く働きかけていく考えであります。 次に、大戸川ダム計画が本市に及ぼす影響についてであります。 淀川水系関係6府県調整会議におきましては、河川整備計画を見直す場合の考え方として、大戸川ダム建設事業を含む河川整備が近畿地方整備局により提示をされ、その内容について関係府県が検討を行ってきました。 本年2月12日に開催された第3回会議において、これまでの要望活動が実を結び、淀川水系河川整備計画の変更手続を進めることが確認をされました。今後、河川整備計画を変更するため、河川法に基づく学識経験者、関係住民及び関係県知事からの意見聴取などの必要な手続が進められますことは、本市にとっても大変ありがたいことであります。 長年、河川改修を切望してきた大戸川沿川の信楽地域におきましては、県で策定をしている信楽・大津圏域河川整備計画にダムを起点とした河川整備計画が早期に位置づけられ上流域の河川改修が具体化することにより、上流域の浸水被害の大幅な軽減が可能となってまいります。 また、ダム建設の着手が決定されることで、ダム建設の準備工事として整備が進んでおります主要地方道大津信楽線に加えて、主要地方道栗東信楽線についても機能補償工事として整備されるものと考えており、これらが完成をすれば、大津市南部や栗東市へのアクセス性や安全性が向上されることから早期整備を強く要望をしてまいります。 今回のダム建設に向けた関係機関の動きは、ダム上流に位置する本市にとって、大戸川沿川の治水対策、幹線道路の機能強化をはじめ、様々な観点で地域振興に寄与できることから大いに歓迎するものであり、市が具体的な将来像を示しながら国や県に対して引き続き働きかけを行ってまいります。 次に、地域医療を支える医療従事者の確保についてであります。 医師の確保につきましては、県において総合調整されることとなっておりますが、現状におきまして大きく二つの課題があると認識をいたしております。 一つ目は、県内における医師の偏在に関する課題であります。 滋賀県は、全国的に見て医師が多い県とされており、特に大津圏域の医師数は全国トップレベルにあります。一方、甲賀圏域は県内で最下位、全国的に見ても下位のほうに位置しております。 この医師偏在について、市といたしましては、これまで要望や意見提出など、あらゆる機会を通じて県へ改善を求めているところであり、偏在の解消が進むよう繰り返し要望を重ねていきたいと考えております。 もう一つの課題は、小児科や産婦人科など全国的に医師が不足している診療科目に関するものであり、滋賀県保健医療計画においては広域連携による対応が計画されております。 高いレベルの医療体制が維持できる一方、広域化によるアクセスの問題などが新たに生じることとなってまいりますので、制度の周知や地域医療への配慮について県に対応を求めております。 なお、医師の確保に向けた独自の施策といたしまして、公立甲賀病院組合では、昨年2月に滋賀医科大学との間で地域医療教育研究拠点に関する協定書を締結しました。この春には、1年目、2年目の研修医を合わせて10名程度の研修医を受け入れる見込みとなっております。 研修の一環として、信楽中央病院での実地研修なども予定をされており、一人でも多く、将来、甲賀市で働きたいと感じていただけるよう、地域を挙げて研修医を育てていく環境づくりに努めていきたいと思っております。 また、医師が高齢化し後継者のおられない民間の診療所に関して、第三者への継承を公的に支援する仕組みなど、医師会や地域医療審議会の御意見も頂きながら、市独自の医師確保策を検討してまいりたいと考えております。 以上、答弁といたします。 ○議長(橋本恒典) 教育長。 ◎教育長(西村文一) お答えいたします。 学校再編計画と義務教育の考え方についてのうち、教科担任制導入のメリット・デメリットについてであります。 児童にとっての教科担任制のメリットについては、各教科指導の専門性を持った教員が授業を行うことから、授業が分かりやすくなること、授業への興味や関心が高まり意欲的・主体的に学べること、一つの学級に対して複数の教員が学習指導を行うことにより親しい先生が増えることなどが期待できます。 また、中学校では教科担任制であるため、中学校の授業形態へスムーズな移行が図れ、環境の変化による学校不適応などの課題、いわゆる中1ギャップの解消につながるものと考えます。 教員にとっては、授業準備・教材研究を必要とする教科が絞られ、授業改善・工夫がしやすくなることや、一般的には授業担当時間が減ることで教員の負担軽減、働き方改革が進むとともに、教員が児童と関わる時間が確保できることになります。また、一つの学級に複数の教員が指導に入ることで、児童や学級の課題の早期発見・早期対応につながるものと期待できます。 一方、デメリットについてであります。 児童にとっては、学級担任と関わる時間が減ることとなります。学級担任が担当する教科の授業、朝や帰りの会、給食の時間などに限られ、担任と親しい人間関係が構築できなかったり気軽に相談できなくなったりするということが懸念されます。学級担任にとっても、担任する児童とともに過ごす時間が少なくなることで、児童理解が不十分となることが心配されます。 学校経営上の課題としては、一般的により多くの教員配置が必要となることや、これまで学級担任の裁量により弾力的に行われてきたカリキュラムの変更が難しくなることなどが考えられます。 いずれにいたしましても、学級担任と児童との関わりを重視した学級担任制から、教科指導の専門性や複数の教員による学級への関わりを重視した教科担任制への移行の試みであり、メリット・デメリットのそれぞれが考えられるところです。 次に、教科担任制の小規模での実施と適正規模についてであります。 令和3年1月の中央教育審議会の答申において、小学校への教科担任制の導入について、小学校5・6年生での外国語・理科・算数の3教科が示されています。 実施に伴う教職員増員等については、現在のところ明らかではありませんが、専科の教員配置が若干あるとしても、中学校と同様に、学級担任がそれらの教科を分担して専門的に担当することから、5・6年生の学級担任に外国語・理科・算数を担当できる教員を配置することが必要となります。 もともと、その教科を専門とする教員が担当することが望まれますが、5・6年生の学級担任を中心に教科担任制を実施する教科を割り当て、その指導力を高めていくことになるかと考えます。 したがって、5・6年生の学級数が多いほど学級担任も多く、該当教科を担当できる教員を配置しやすいこと、また、大規模校であれば学級担任以外の教員も配置されていることからも、校内の教員配置の選択肢が多くあります。 一方、小規模校では配置教員数が少ないために、教員の大幅な増員が必要となり、小規模校での実施は難しい一面があると思われます。 したがって、教科担任制を導入していく上で、適正規模があるのではなく、学級数や教員数が多いほど、授業担当者の配置、時間割の設定など、学校経営が行いやすいと考えます。 次に、ICTを利用したオンライン授業やデジタル教科書の対応についてであります。 国において、GIGAスクール構想が前倒しされることとなったため、本市といたしましても早急に予算確保に努め、現在、児童生徒1人1台のタブレット配布など、令和3年度からのICT教育の実施に向けて環境整備に努めているところであります。 本市は、国のGIGAスクール構想に先駆け、平成29年度からICT教育の環境整備に取り組んできたことから、学校内のWi-Fi環境整備などの面においては県内他市町よりも進んでいる状況であり、オンライン授業もできる仕組みを既に構築しているところであります。 オンラインを活用した実践については、モデル校をはじめ多くの小学校で遠隔地の学校と交流を行っているほか、市内中学校と小学校との相互連携による英語の授業も進めており、その成果を踏まえ、さらなる有効な活用方法についての研究に取り組んでいるところであります。 また、緊急時に速やかに対応できるために、次年度からは通常の授業の中でも積極的に活用し、児童生徒と教職員が機器の取扱いに慣れておくことが重要であると考えています。 指導者用デジタル教科書につきましては、既に学校に配備を行い、授業において活用されています。デジタル教科書を用いた授業は有効であり、それを行うために必要な指導者用タブレットについても1人1台の配布が急を要することから、今議会において予算を認めていただき、次年度当初の早い時期に整備ができるよう、現在、手続を進めているところであります。 ICTのさらなる活用に向け、各校においてICT支援員による研修を継続しつつ、併せて、ICT教育モデル校の教員が作成した実践動画を配信するなど、指導者となる教員のスキルアップに取り組んでまいりたいと考えているところです。 次に、学校規模による教育格差についてであります。 幼保・小中学校再編検討協議会において、地域の御意向をまとめていただく上で、本再編計画が第一義としている子どもたちにとっての最適な教育環境とはどのような環境なのかについて活発な議論を頂きました。 提出いただいた報告書においても、それは一定の人数から成る集団で切磋琢磨しながら生活や学習を行い、多くの先生や友達との関わりの中で人間関係をつくっていくことができる環境なのか、あるいは、極めて少人数の中で先生や友達との関係が密接で個別指導のような授業が行われる環境なのか、最適な環境の考え方についての葛藤を含んだ内容となっています。前者が大規模校のメリットであり、また、後者が小規模校のメリットであると考えることができます。 したがって、学校規模の違いは教育格差ではなく、よさの違いであると捉えているところです。しかしながら、規模による教職員の配置数など改善が必要な場合もあり、施設、設備、備品なども含め、子どもたちにとって最適な教育環境づくりに努めているところです。 次に、教科担任制導入と同時に再編計画から実施計画へと進めるべきではないかについてであります。 先ほど答弁いたしましたように、小学校における教科担任制の導入については、大規模の学校のほうが小規模の学校より実施しやすい状況があります。したがって、学校再編によって統合が進んで大規模校になることによって、教科担任制を導入しやすくなります。 このことから、学校再編計画を進めることは、教科担任制導入の条件づくりにとって望ましいことであると言えます。しかしながら、教科担任制は教育施策の試みの一つであり、本市にとって、それだけを理由にして学校再編を加速度的に進めていくことについては十分に検討をする必要があると考えているところであります。 学校再編計画は、本市における子どもたちにとっての最適な教育環境づくりが第一義ではありますが、公共施設等総合管理計画との整合性、再編に伴い閉校となる学校施設の利活用や地域コミュニティの活性化策など、課題は山積しております。 今後の進め方につきましては、総合政策的な視点が重要になってくることからも、総合教育会議などの場で議論を深め、全庁的な連携の下、部局横断的な取組によって他部局と連携強化を図りながら取り組んでまいりたいと考えています。 そのためには、まずは、市内全ての地域における再編検討協議会での地域の御意向を確認した上で、早い時期に学識経験者や市民などで構成する新たな審議会を設置してまいりたいと考えております。 審議会では、再編検討協議会から頂いた報告書を踏まえつつ、本市における課題や国から今後示される教育施策などを踏まえて慎重に協議をいただき、改めて再編計画の進め方についての市教育委員会としての方向性を早急にまとめてまいりたいと考えているところです。 次に、小中一貫した教育の実施の考察についてであります。 本市が策定しました幼保・小中学校再編計画の中では、新しい教育システムへの取組として小中一貫教育の推進が示されており、義務教育9年間を見通した中での子どもたちの確かな育ちを目指しているところであります。 小中一貫教育の手法につきましては、同じ敷地内に小学校と中学校がある施設一体型、小学校と中学校が離れた場所にある施設分離型がありますが、そのありようが今後の再編の進め方と大きく関わるものと考えています。 本市の現状では、小中連携事業として進められており、小学生による中学校の体験入学、中学校の教職員の小学校での授業、小中相互の授業参観、不登校などの課題についての情報交換、広報啓発誌の発行など、各中学校において様々な取組が実施されているところです。 今後につきましては、再編計画の進め方の見直しに併せて小中一貫教育の進め方も検討していくために、できるだけ早い時期に学識経験者や市民代表、学校関係者などで構成する新たな審議会で協議いただくとともに、先例地視察などにも取り組んでまいりたいと考えております。 以上、答弁といたします。 ○議長(橋本恒典) 教育部長。 ◎教育部長(平尾忠浩) お答えいたします。 教育現場においての感染症対策についてのうち、まず1点目の校内ネットワーク整備やオンライン学習の検証は進んでいるのかについてであります。 先ほども教育長がお答え申し上げたとおり、本市は、平成29年度からICT教育の環境整備に取り組んできたことから、学校内のWi-Fi環境整備などの面においては、県内他市町よりも進んでいる状況であり、校内通信ネットワーク整備は完了しております。 また、学校の臨時休業等の緊急事態に備え、タブレット端末を持ち帰ったオンライン授業もできるよう、導入するタブレットの全てにオンライン授業に対応したソフトウエア並びにセキュリティ対策のソフトを設定しております。 さらに、御家庭の事情によりWi-Fi環境が整っていない児童生徒のための貸出しルーターも整備しており、通信費については、市の支援策として予算計上しているところでもあります。 オンライン授業の本格実施に向けては、モデル校をはじめ多くの小学校で離れた学校との交流を行っているほか、市内中学校と市内小学校との連携による英語の授業も行いながら検証を進めております。現在は、その検証結果を踏まえ、学校現場の教員が中心となって組織する甲賀市教育情報化推進委員会において、より有効な活用方法を検討しているところであります。 次に、2点目の保護者からの家族感染の報告体制についてであります。 家庭内で感染者が確認された場合は、保健所より家庭へ感染確認の連絡の際、必ず在籍している学校への報告を指導されているところであり、その指導を受けて保護者から学校へ報告されることとなります。 保護者の連絡を受けた学校は、保護者に対し、感染確認の連絡の経緯、家族構成と家族内の感染者・濃厚接触者、児童生徒の健康状態、PCR検査を受ける場合の日程、幼稚園・保育園に通園する家族の有無、放課後児童クラブへの通所する家族の有無、部活動への参加の状況などについて確認を行い、市教育委員会が作成した統一様式によって市教育委員会に速やかに報告することとしています。 報告を受けて、教育委員会は学校に対し必要箇所の消毒の徹底などを指示するとともに、保健所と連携を行い、以降の学校の対応に支援を行っており、同時に、総合政策部や健康福祉部、子ども政策部と連携を取りながら、情報の共有や市としての対応方針を協議しているところであります。 なお、土日など休日に感染確認の連絡が保護者にあった場合には、保護者が市役所に連絡を頂くようお願いしており、日直の職員等を通じて市教育委員会の担当者に伝わった後、該当校の管理職に連絡を取り、対応を協議・指示することとしています。 次に、3点目の感染、または感染の疑いのある子どもへの精神的なケアについてであります。 これまでにも、感染が確認されたり濃厚接触者となったりして、回復後や出席停止期間後に登校している市内小中学校の児童生徒に関して、それらの児童生徒に対する誹謗中傷や、そのことが原因で児童生徒が行き渋りや不登校となっているとの報告はありません。 しかしながら、学校においては、入院されている場合を除き自宅待機中の児童生徒への電話連絡等による精神的サポートを行うとともに、特に登校後に精神的なケアを必要とする状況を想定し、スクールカウンセラー等と連携しながらの支援策を講じているところであります。 以上、答弁といたします。 ○議長(橋本恒典) 総合政策部長。 ◎総合政策部長(野尻善樹) お答えいたします。 脱コロナ社会に向けての政策課題のうち、区・自治会と自治振興会の役割についてであります。 区・自治会は、地域に密着しながら事業に取り組む組織であり、自治振興会はおおむね小学校区をエリアとして広域的な地域課題の解決向けて取り組む組織でありますが、自治振興会の設立から約10年が経過し、自治振興会と区・自治会の事業が同じような活動であったり、区・自治会の連合体である学区区長会が自治振興会の設立前から同様な活動をされていた地域もあり、いまだにそのすみ分けが整理できていないことは、小規模多機能自治を進める上で課題であると認識をいたしております。 このことから、昨年11月末から自治振興会、区・自治会の代表者会議を旧町単位において開催し、「地域の担い手が減少する中、役員の選出に困っている」、「区・自治会に加入しない世帯が増加している」、また「区・自治会の統合が必要である」など、地域の皆さんからも御意見を頂いているところであります。 市といたしましては、自治振興会、区・自治会のどちらも大切な組織でありますが、自治振興会は、スケールメリットを生かし、おおむね小学校区単位のエリア共通のテーマ、例えば、防災や福祉、人権、生涯学習などについて活動するプラットホームとしての役割を担い、区・自治会は、例えば、御近所の見守りや財産管理、伝統文化の継承など、地域に根づいた活動を行うなど、今後は自治振興会や区・自治会等との話合いを深め、その仕組みや役割を明確にしてまいりたいと考えております。 次に、自治振興交付金の有効活用とチェック体制の考え方についてであります。 自治振興交付金は、地域課題の解決に向け幅広く事業等に御活用をいただいておりますが、そのチェック体制につきましては、まずは自治振興会の内部で監査をしていただき、市へ実績報告書が提出されるものであります。 市では、自治振興会からの実績報告に基づき、各地域市民センターにおいて交付金の活用内容や使い方を適正に審査するとともに、交付金の支出につきましても適切な助言・指導を行っているところでございます。 2月15日開催の市民参画・協働推進検討委員会におきましては、自治振興会の事務局体制を充実させるため、事務局員の賃金を支援する事務加算金の見直しについて御協議いただき、市内均等ではなく、人口割など地域に応じた配分が必要などの御意見をお伺いしたところであり、まずは令和3年度の事務加算金の事業加算金からの充当割合を1割から2割へと変更する方向で進めることを確認いただきました。 今後も、交付金の有効活用につきましては、自治振興会や区・自治会との協議を進め、地域にとって使いやすい交付金となるよう見直しを進めてまいります。 次に、自治振興会におけるコミュニティビジネスにつきましては、財源確保という視点だけではなく、地域の皆さんの働く場の確保、公共施設の管理や柔軟な活用など、地域の特性に合わせた効果が期待できるものであります。 今後は、自治振興会と区・自治会と、条例・規則等も含めた役割の明確化と併せ、行政が行っている事業を洗い直し、施設管理や移動サービスなど地域が担っていただける事業については積極的に地域に移譲するなど、その支援も含めた取組につきまして、まずは実施可能な地域から見直しを進めてまいりたいと考えているところでございます。 以上、答弁といたします。 ○議長(橋本恒典) 11番、小河議員。 ◆11番(小河文人) 市長並びに教育長、担当部長には多岐にわたっての質問にお答えを頂きまして、ありがとうございました。 再質問はございませんけれども、市長におかれましては、芸術ナンバーワンを目指すという力強いお言葉も頂きましたし、その中でも国の補正予算による経済対策の追加があるのかないのか、そのことについても言及をされました。 また、教育長におかれましてはですね、今までの学校再編の在り方を前に進めるということも、教科担任制やいろんな形の中で教育が変わってきているという認識の中から進めていただくという御答弁を頂きました。 今後、会派といたしましても、一般質問、そして、予算審議に当たりまして細部については各議員のほうから質問をさせていただきたい、かように思うところでございます。 本日はどうもありがとうございました。 ○議長(橋本恒典) これをもって、小河議員の代表質問を終了いたします。 暫時休憩いたします。 再開は、12時40分といたします。     (休憩 午前11時40分)     (再開 午後0時40分) ○議長(橋本恒典) 休憩前に引き続き会議を再開いたします。 次に、15番、山中議員の質問を許します。 15番、山中議員。 ◆15番(山中善治) 15番、凛風会の山中善治です。 11番議員の小河議員も申し上げましたが、2月13日の福島県沖の地震、また間もなく10年を迎えるという東日本大震災、ただいまのコロナ禍、このようなことを考えますと、複合災害、さらにはトリプル災害、そのような言葉が現実を増しているというところを、まずもって考えなくちゃいけないなと思いますし、お亡くなりになられました方、また、今、災禍におられます方に、お悔やみとお見舞いを申し上げます。 それでは、今回、私は通告していますとおり、コロナ禍における社会の状況変化や価値観の変化に伴うまちづくりへの関連や影響についてと題して質問させていただきます。 現在の世界的パンデミックであるコロナ禍を共有している私たちが、ウイルス感染に対して、いかに無防備であったかという反省に立ち、そこからどのような教訓を得なければならないのか、雨降って地固まるの心境とともに、アフターコロナの暁には、今まで以上に安心・安全な甲賀市に誰もが住み続けたい、移住したいと思えるような甲賀市に進化し続けていることを願って質問をさせていただきます。 ピンチはチャンスとも言います。確かに大変厳しい状況であり、気の抜くことのできない状況ではありますが、そのことを、この現状を私たちは共有しています。打倒コロナ、アフターコロナを見据え、心を一つにしています。このことこそ重要であります。何物にも代え難いほどのチャンスであることを皆様とともに共有したいと考えています。今だからこそできること、今しなければならないことに対して、知恵を出し合い、市長が昨年11月の臨時会以来、3度の所信表明に込められた思いについて、さらにはオール甲賀で未来へつなぐ新しい豊かさへのスタートアップされました令和3年度当初予算につきまして、凛風会を代表して質問させていただきます。 特に、今回はコロナ禍こその具体策にも重点を置いてますので、市長とともに各部長にも答弁をお願いしておりますので、具体的かつ的確な御答弁をお願い申し上げます。また、分割でさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。 大きな1問目です。 2期目初年度を迎えての施政方針、政治姿勢についてお聞きします。 市長は、所信表明で、また、いろいろな会合で新型コロナウイルス感染症の影響により、社会の仕組みや価値基準を含めて、これまで当たり前とされてきたことが大きな変化をもたらしていると認識され、ならばこそと、アフターコロナを見据えた10の新しい豊かさを追求する視点を示されました。 このことは、私たちがアフターコロナの新しい社会へ共有するべき新しい価値基準や価値観を、この新しい豊かさで提示された10の視点で、事業や施策を精査・実行することで得ることができるということを示していると、道しるべとも私は認識しております。 市長は、本定例会の所信表明で、今年の新年のキーワードを「探求」に決められ、時代の大きな転換期をただ静観するのではなく、一つでも多くの新しい価値観をこの甲賀市から発信していくことが重要と述べられました。さらに、時代の大きな転換期において、その陰で取り残される社会的に弱い立場の方への行政の使命についても述べられました。 その上で、一つ、1期プラス4か月の総括について、2番目に、市長が感じられる甲賀市の手応えと課題について、三つ目に、それらの対策と最重点対策をお聞きします。 ○議長(橋本恒典) 15番、山中議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 市長。 ◎市長(岩永裕貴) 凛風会、山中善治議員の代表質問にお答えをいたします。 まず、1期及び4か月の総括についてであります。 1期目では、市民の声でつくる甲賀のまちづくり政策集を基に、人口減少社会が現実となった今、甲賀市が目指す将来像の実現に向けた道筋を第2次甲賀市総合計画でお示しをさせていただき、プロジェクト10を中心とした各種事業を進めてまいりました。 日本遺産の認定やスカーレットの放映、さらには全国植樹祭の主会場決定など、全国に甲賀市の魅力を発信する大きなチャンスにも恵まれ、特に注力をさせていただいた「子育て・教育」、「地域経済」、「福祉・介護」の各分野で一定の成果に結びつけることができたものと考えております。 2期目の市政を託していただいてから4か月余りがたちましたが、いまだ収束のめどが立たない新型コロナウイルス感染症に対し、市長としてのリーダーシップを発揮する中で、感染拡大防止と地域経済の回復を最優先事項として取り組むとともに、政策集に掲げました「選ばれるまちづくり」への七つのチャレンジと20分野135項目の施策・事業を反映をした第2次甲賀市総合計画第2期基本計画の年度内策定に向けた議論を重ねてきたところであります。 加えて、コロナ禍における経済の低迷により税収の大幅な減収が見込まれる厳しい状況の中で令和3年度の予算編成に取り組んできたところであり、就任2期目のスタートに当たり、アフターコロナを見据えたまちづくりの基礎固めに取り組んでおります。 次に、感じている甲賀市の手応えと課題についてであります。 市民一人一人がまちづくりの主役として、市行政と市民、市民活動団体、事業者の皆様などがつながり、それぞれの力を最大限に生かしたオール甲賀のまちづくりを進めてまいりました。 市内では、地域課題の解決を図るため、区・自治会、自治振興会の地縁型はもとより、テーマ型の市民活動団体の皆様が主体的に活動をしていただき、若者、女性、高齢者の方も含め多くの皆様が各分野で御活躍いただいており、本市の活力となっております。 また、「子育て・教育」分野では、エアコンの整備やトイレ改修、国に先駆けたICT教育など教育環境の充実をはじめ、学習支援事業を市内6教室へ拡大、また、保育園や学童保育の保育環境の充実、小学6年生までの医療費の無償化や国の制度に準じた保育料無償化と多子世帯への無償化の拡充など、子育てに係る経済的負担の軽減に加え、結婚・妊娠・出産・育児までの切れ目のない子ども・子育て支援についても推進が図れております。 「地域経済」の分野につきましては、日本遺産認定やスカーレットの効果を生かした観光振興やふるさと納税の大幅なアップ、さらに、若者や女性等の多様な働き方の推進、イクボス宣言の推進などによる女性活躍の推進、また、立命館大学をはじめとした官民連携協定の締結、地場産業と中小企業の支援強化、新たな工業団地造成と企業誘致や、名神名阪連絡道路の早期事業化に向けた調査促進などについても着実に前進させることができました。 また、「福祉・介護」の分野におきましては、高齢者の外出支援を図るコミバス無料乗車券の拡大をはじめ公共交通の利便性の向上、一般不妊治療への助成制度の創設、健康寿命の延伸、ひきこもり支援や生活困窮者支援に向けた相談体制等の充実や地域共生社会づくりに向けた足固めが図れたものとも考えております。 一方、引き続き取組が必要なものといたしましては、適正な公共施設の配置、幼保・小中学校再編を含めた教育環境の改善、若者を中心とした人口流出の抑制、インフラを生かした土地活用、地域の絆を大切にした共に支え合うまちづくり、公共交通のさらなる利便性の向上、観光産業の推進、市の政策立案機能の強化などがあると認識をいたしております。 次に、それらの対策と重点対策についてであります。 まずは、喫緊の課題であります新型コロナウイルス感染症対策を重点課題とし、これまで経験のない重要なミッションであるワクチン接種を、国・県、医師会等と連携をし、決して後れを取ることなく円滑に実施をいたしてまいります。 行政等のデジタル化推進については、滋賀県や県内市町とともに電子申請システム等を導入をし、市役所窓口へ出向くことなく各種行政手続が完了できるサービスを実現をし、市民の利便性向上や事務の効率化に取り組みます。 また、ICT等を活用した市民への情報提供や自治活動の在り方など、将来を見据えた調査・検討にも取り組んでまいります。 3本柱の一つ、「子育て・教育」分野につきましては、よりよい保育環境を提供するため、水口東・岩上統合認定こども園などの整備を進めるとともに、市内私立園におきましても、保育士の確保、保育の質向上に向けた研修支援を行ってまいります。 また、市内小児科医とも連携をし病児保育にも取り組み、多様な保育ニーズにきめ細かく対応してまいります。加えて、児童虐待防止の見守りの体制強化、生活困窮家庭では18歳までの子どもたちへの生活支援、学習支援を充実をさせてまいります。 学校関係では、小中学校施設長寿命化計画に基づいて、安全性・機能性などの確保をする長寿命化事業に着手をするとともに、小学校への教科担任制の本格導入に先駆け、貴生川小学校での実証研究を進め、市内児童の学力向上にもつなげてまいります。 「地域経済」の分野におきましては、まずは商工関係において、本市のものづくりを一層強固にするため、さらなる規制緩和などによる企業誘致の推進、女性活躍、ワーク・ライフ・バランスなどを通して多様な個々の力が最大限発揮できる職場づくり、働き方改革を推進をいたします。 また、市内店舗のキャッシュレス決済化に向けた支援等の取組により、一層のデジタル化を推進してまいります。 観光関係では、リアル忍者館を拠点とした周辺観光ルートの整備、日本六古窯サミット開催を契機に地域資源を生かしたイベントの開催、スカーレットレガシーを生かしたロケツーリズムなどの観光客の誘客やまちのにぎわいにつなげていくとともに、お茶や薬、陶器など地場産業の振興により地域経済全体への波及効果を生み出してまいります。 農林業関係では、農業と福祉の連携により、農業の担い手不足の解消、就農による社会参画の促進を図るとともに、農産物の付加価値の向上、販路拡大への展開、スマート農業の実証実験による農作業の効率化等により新規就農者の確保につなげてまいります。 また、令和4年度開催の全国植樹祭を契機として、森林保全や木材需要の拡大にもつなげてまいりたいと考えております。 最後に、「福祉・介護」の分野におきましては、誰もが住み慣れた地域の中でつながり、支える側・支えられる側の関係を超えて、地域で支え合える地域共生社会の実現に向けたセーフティネットの構築に向けて取り組みます。 また、社会保障制度のはざまに取り残される人がないように、課題を抱える市民に寄り添い、子育て、高齢、障がい、困窮などに包括的に対応できる相談体制の整備を進めてまいります。 また、障がい者就労機会を増やすとともに、(仮称)甲賀市手話言語及び情報・コミュニケーション促進条例の制定等により、情報弱者へのアクセシビリティ向上とコミュニケーション支援を図ります。さらには、健康寿命の延伸に向け、医療、健診、介護における各データの一体的な運用にも取り組んでまいります。 以上、答弁といたします。 ○議長(橋本恒典) 15番、山中議員。 ◆15番(山中善治) 網羅的に御答弁いただきまして、ありがとうございます。これらにつきましては通告しておりますが、その後にさらに部長に質問などをさせていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。 それでは、次に2番、令和3年度予算についてお聞きします。 その1番としまして、国の借金1,212兆円をどう考えるかについてであります。 財務省は、国債と借入金、政府短期証券を合計した、いわゆる国の借金が令和2年12月末時点で1,212兆4,680億円となり、過去最大を更新したと発表しました。世界的パンデミックが発生している渦中でありますので、国債の発行は容認できましても、その額の大きさに驚愕とともに日本の将来に不安を感じているのは、私一人ではないと思います。 確かに、この件につきましては今に始まったことではなく、国政の場でも、またマスコミでも取り上げられ、国の借金に対し日本の資産が十分にあるとの評価から日本は大丈夫との説明があり、私もそう頭で信じている一人でありますが、皆さん、今の日本に安心感はありますかとお聞きして、100%「はい」と答えられる国民・市民の方は、私の予想では非常に少ないと感じております。皆さんも10万円の特別定額給付金の利用状況をマスコミなどで御存じと思いますが、食費などの生活費が1位で、2位が預貯金と出ています。生活する上で24時間ずっとではないにしましても、生活の片隅に不安感やストレスを感じておられる方の多さを物語っていると思います。 ここで、ドイツの例を紹介させていただきます。 御存じのとおり、1989年11月、ベルリンの壁が崩壊し東西ドイツが統合されました。当初から想定されていましたが、東ドイツとの経済格差もあり、国の借金が増えてきました。ここで日本とドイツでは、財政再建の指標に大きな違いがあったことを私は感じております。 日本では、アベノミクスに代表されますように、金融政策、財政政策、成長戦略でした。景気の好循環による税収の増加、さらには消費税10%の導入も含めてのことですが、2020年には新たな国の借金はしませんというお話もあったように記憶しております。 一方、ドイツは、1998年から2005年に在任しました労働組合を支持母体に持つシュレーダー首相の強力な意思による社会保障改革の実現でした。例えば、ハローワークが紹介する働き口を2度断ると失業保険をストップしましたということです。また、ルフトハンザや郵政の民営化など、身内の労組にもこびを売らず、身を挺した改革姿勢がありました。 この改革をさらに推し進めたのがメルケル首相であり、リーマンショック時には財政赤字を急増させましたが、大幅な歳出削減の実施により、2015年度より黒字化を達成しました。現在は、またコロナ禍によりましてドイツでも7年ぶりの赤字国債により賄われておりますが、ドイツ連邦共和国と国民の皆様に敬意と称賛を送るものであります。 この背景には、まず中国をはじめとした各国との貿易による好調な経済による税収の伸びが一番とは分析されていますが、先ほど少し述べましたが、支持母体にこびることのない公明公正なトップの強靭なリーダーシップこそ見逃せません。 翻って、我が国を見ましたとき、国会審議に議案以外の質疑に多くを割かざるを得ない状態が毎回のごとく登場する現状などには、民度の低さを感じております。 コロナ禍にありまして、市長は今までの常識や社会の価値観にも大きな変化をもたらし、いつもの暮らしの大切さを再認識する機会になったと考えておりますと答弁されています。各国の例も示させていただきましたが、国の借金への思いにつきましてお聞かせください。 次に、2番目、合併特例債等の活用の考え方につきましてお聞きします。 2018年、再延長され、合併市町にとりまして大変有利と考えられています本特例債の令和2年度までの活用額と限度額に対する活用率、令和3年度の活用予定事業とその額、これ以降の予定事業とその額、及び有利と言えども事業に対する不足額は市の借金であります。前段の国の借金を項目同様、活用についての考え方をお聞きします。 令和2年度と3年度のそれぞれの歳出額は当初予算の説明書で頂いておりますが、確認と質疑の流れからもお聞かせください。 次に3番目、本年度の税収予想と甲賀市の特性、コロナ禍との関連についてお聞きします。 個人市民税、法人市民税、固定資産税の各現年分は対前年減と予想はできますが、それぞれの金額の分析と甲賀市ならではの産業構造等から考察できる下げ幅など、また、それぞれに及ぼしているであろうコロナ禍の関連、影響などをお聞きします。 次に、4番目、財政調整基金と住みよさと活気あふれるまちづくり基金の今後の積立てと活用の見通しについてお聞きします。 比較的自由度の高い両資金の令和2年度の活用状況と目標額をお聞きします。また、財政調整基金は標準財政規模の1割程度の積立てを目標にしていると聞いていますが、十分でしょうか。また、見直されることは考えておられませんか、お聞きします。 次に5番目、公共施設等総合管理計画に基づいた施設の最適配置について考え方をお聞きします。 この案件につきましても、過去幾度となく定例会で、また委員会で質疑が重ねられ、事業債活用の期限であります令和2年度内の策定に向け最終調整がされています。避けては通れない適正配置につきまして、その施設が存在していた地域や関係者の皆様にすれば、まだまだ重要度が高いと考えられる施設も出てくると思います。 コロナ禍にありまして、3密防止を強調するあまり、地域のつながりやコミュニティの希薄化が心配されます。いつもの暮らしを住み慣れた地元で続けていただくためにも、地域のよりどころとなる施設は今まで以上に必要度が高まると考えられます。計画の推進には、そのことに特段の配慮が求められると考えられますが、お考えをお聞きします。 次に6番目、スクラップ・アンド・ビルドから見た1期の進捗状況をお聞きします。 計画では、令和元年度から令和10年までの1期9年間に10%の縮減とあります。今までの進捗、今後想定されています課題についてお聞きします。
    ○議長(橋本恒典) 当局の答弁を求めます。 市長。 ◎市長(岩永裕貴) 凛風会、山中善治議員の代表質問にお答えをいたします。 国の借金1,212兆円をどう考えるかについてであります。 令和元年度末における国の国債及び借入金現在高は、1,114兆5,400億円であり、令和2年度末には1,212兆4,680億円と見込まれております。 高齢化の進行に伴う社会保障費を中心に歳出が一貫して伸びる一方、税収がバブル経済が崩壊をした平成2年度を境に伸び悩んでいることなどが主な要因で、令和2年度では歳入予算の約3分の1を借金に依存していることになります。また、今後も高齢化の進展に伴い社会保障費は増え続けていくため、この借金に頼る割合も増えてくることが予想されています。 これら借金の返済には、基本的に将来世代の税収等が充てられることになっていくため、将来世代への負担を先送りしているという側面もあり、こうしたことから、国では経済財政運営と改革の基本方針、いわゆる骨太の方針2020に基づき、歳出・歳入の両面からの改革を進めておられます。 市といたしましても、今後、国庫支出金、また地方交付税など市財政への影響も考えられることから、国の動向を注視をするとともに、アフターコロナを見据えた地方創生を加速をしていくため、地方一般財源の確保・充実を求めていくとともに、(仮称)甲賀北地区工業団地整備事業をはじめとする産業振興に資する施策に取り組み、自主財源を確保するための努力が大切になってくると考えております。 以上、答弁といたします。 ○議長(橋本恒典) 総務部長。 ◎総務部長(伴孝史) 御質問にお答えいたします。 合併特例事業債等の活用の考え方についてであります。 合併特例事業債は、主に老朽化の早期対策が課題となっておりました小中学校や体育館、学校給食センター、認定こども園や福祉施設の整備等において、今日まで機を逸することなく活用してきたところであります。これらの整備に一旦めどがつき、大きな山場を越えましたことから、令和2年度以降の発行額は減少をしております。 令和2年度までの活用額は、374億10万円であり、限度額に対する活用率は84.5%であります。 令和3年度の当初予算に計上しています活用予定事業は、社会福祉センター改修事業、私立認定こども園整備事業、新町・貴生川幹線内貴橋道路改築事業、甲南駅周辺整備事業、土山中学校施設長寿命化改良事業、城山中学校大規模改造事業であり、活用額は7億7,830万円であります。 令和4年度以降の計画といたしましては、令和3年度予算に計上いたしました合併特例債事業のうち令和4年度も実施を予定しているものが、社会福祉センター改修事業、私立認定こども園整備事業、新町・貴生川幹線内貴橋道路改築事業、甲南駅周辺整備事業、土山中学校施設長寿命化改良事業であり、その他では、紫香楽宮跡整備事業や幼保・小中学校再編計画に伴う園舎及び校舎等の整備に活用する予定でございます。 活用額につきましては、概算でありますが、起債発行額ベースで30億から40億円程度と見込んでおります。 活用についての考え方についてでありますが、合併特例事業債は充当率が95%であり、後年度に返済する償還額の7割が普通交付税に算入されるものであり、将来において単独事業や一般的な起債を充当して実施するよりも格段に有利な財政措置である一方、借金でありますことから後年度に財政負担が伴うことには変わりがなく、無秩序な発行は財政の硬直化を招く要因となります。 こうしたことから、今後も中長期的な財政見通しも踏まえた上で、対象事業を慎重に選定し、発行期限までに有効に活用していきたいと考えております。 なお、合併特例事業債を活用した事業の令和2年度と令和3年度の比較では、令和2年度は26億8,704万2,000円でしたが、令和3年度は16億58万4,000円となり、10億8,645万8,000円の減となっております。 主な要因は、土山と甲南の庁舎改修整備事業が皆減になったことによるものでございます。 以上、答弁といたします。 ○議長(橋本恒典) 総務部理事。 ◎総務部理事(山元正浩) お答えいたします。 令和3年度の税収予想と甲賀市の特性、コロナとの関連についてであります。 令和3年度の税収につきましては、令和2年3月以降のコロナ禍の影響を受け、市税全体で前年度より8億8,400万円マイナスの130億9,100万円と見込んでおります。 まず、個人市民税につきましては、平成20年のリーマンショック時並みの全体的な所得の下落が見込まれることから、所得の落ち込みを前年度収入見込額の95.7%と試算し、前年度より2億4,300万円マイナスの43億7,500万円と見込んでおります。 次に、法人市民税につきましては、本市に影響が大きい市内事業所35社を対象に12月から1月に聴取した結果、製造業において大幅な減収が見込まれることから、減収分を4億4,500万円、税率改正分を1億2,700万円と試算し、前年度より5億7,200万円マイナスの7億2,900万円と見込んでおります。 次に、固定資産税につきましては、3年に一度の評価替えに伴う土地家屋の下落により、前年度より7,500万円マイナスの70億7,600万円と見込んでおります。 本市の特性といたしましては、製造業の事業所数が県内で一番多く主要な産業となっており、製造業の景気動向が特に法人市民税の税収に大きく影響しております。 また、コロナとの関連につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の懸念に伴う需要低迷による生産調整や受注減から、製造業において、また、来客数の減少により飲食業や娯楽業、サービス業等各種業種において広く影響を受けており、それらを踏まえた予算編成としております。 以上、答弁といたします。 ○議長(橋本恒典) 市長。 ◎市長(岩永裕貴) お答えをいたします。 財政調整基金と住みよさと活気あふれるまちづくり基金の今後の積立てと活用の見通しについてでございます。 財政調整基金は、令和2年度では8億5,055万2,000円取り崩し、年度末残高は27億5,168万9,000円の見込みであり、令和3年度では4億341万円を取り崩し、年度末残高は23億4,911万7,000円の見込みでございます。 財政調整基金は、年度によって生じる財源の不均衡を調整するために、決算余剰金等、財源が生じたときに積み立てておくもので、経済不況等による税収の減によって収入が不足をしたり災害の発生等により多額の経費の支出が必要となるなどの不測の事態に備え活用するための基金でございます。 一般的にこの基金は、当初予算編成及び補正予算編成における財源調整のための基金として、標準財政規模の10%程度が望ましいとされております。 これは、大幅な税収減や災害等不測の事態に一時的に対応でき得る財源として一定確保していく必要はございますが、市民皆さんから頂く税や地方交付税などを財源としていることから、それを市民サービスとして還元せず、必要以上に積立金を増やすことは適切ではないという考えからくるものであります。 本市の標準財政規模は248億円でありますことから、目安となる額は約24億円程度ということになり、おおむね妥当と認識をいたしておりますが、今後の財政運営におきましても、この金額を維持できるように努めてまいりたいと考えております。 また、住みよさと活気あふれるまちづくり基金につきましては、令和2年度に2億2,386万6,000円を繰り入れ、市広報テレビ番組制作放送業務委託をはじめ全27事業に充当をしており、年度末残高は22億5,543万円の見込みであります。 この基金は、合併特例事業債を原資といたしまして、市民の連帯強化及び地域振興に資することを目的に造成した基金であり、総合計画に掲げますまちの未来像実現に向け、主に市が独自に展開をするソフト事業の財源として充当することといたしております。 令和3年度では5億円を繰り入れ、子育て応援医療給付事業、子育て応援・定住促進リフォーム事業、コミュニティバス運行事業、確かな学力向上事業など、「子育て・教育」、「地域経済」、「福祉・介護」それぞれの分野におきまして有効に活用をさせていただき、年度末残高は17億5,612万8,000円となる見込みであります。 今後も、目的に沿った財源として計画的かつ有効に活用してまいります。 なお、基金への積立てにつきましては、本基金は合併特例事業債を活用して造成したものであり、運用につきましても起債の償還と関係をしてまいりますので、個別の管理が必要であり、積立ては行っておりません。 次に、公共施設等総合管理計画に基づいた施設の最適配置についての考え方についてでございます。 市では、現在、公共施設等総合管理計画に基づきます第1期行動計画の年度内策定に向けて準備を進めており、この行動計画では、総合管理計画に掲げた長期的な縮減目標を着実に達成をしていくため、期別目標として令和10年度末までに総延べ床面積10%縮減を掲げ、施設総量の縮減を積極的に推進することといたしております。 また、各施設の方向性をお示しをする中で、地域市民センターや公民館、コミュニティセンターなど、地域拠点施設として利用されている施設につきましては、第1期計画期間においては地元譲渡も含め施設の存続を図ることといたしておりますが、昭和56年以前建築で耐震補強未実施の施設も多く、こうした施設については、原則として廃止・除却の方向で計画をいたしております。 ただし、地域の皆様方に長く御利用いただいてきた施設の廃止・除却に当たっては、地元地域、また関係団体皆様方との十分な検討・協議を尽くした上で改めて方向性を決定する必要があり、利用状況、またニーズも検証した中で、機能の存続が必要な場合には、他施設への移転、複合化・集約化により機能の確保を図ってまいりたいと考えております。 次に、スクラップ・アンド・ビルドから見た第1期の進捗についてであります。 昭和56年以前建築の施設が多く残る本市におきましては、施設の老朽化、耐震性も大きな課題であることから、第1期につきましては、現在までに土山・甲南・信楽地域において拠点施設となる旧支所の地域市民センターや開発センターの建て替え及び改修を実施をしたほか、水口西保育園の老朽化に伴うあいみらい保育園の整備、水口学校給食センター及び信楽学校給食センターの老朽化に伴う西部学校給食センターの整備、水口体育館の移転・建て替えなどを実施してきたところでございます。 なお、旧支所の地域市民センターや開発センターにつきましては、再整備に合わせて保健センターや子育て支援センターなどの機能の移転・集約化を図り、移転に伴い用途廃止した施設については、順次、解体・転用を進めているところであります。 また、既存施設をより効果的に活用するため、甲南情報交流センターホワイエ及び旧甲南中部地域市民センターの転用改修を実施をし、甲賀流リアル忍者館を整備をしたほか、新たにまちづくり活動センター、甲南駅自由通路などの整備も行いました。 一方で、保育園2施設、児童クラブ1施設につきましては、用途廃止に伴い、解体や借上げ施設の返還を進め、市施設から除外済みであります。 この結果、市施設全体の総延べ床面積につきましては、最適化の取組の基準時点である平成26年度末の面積と比較をいたしまして、令和元年度末の面積は、市役所庁舎の建て替えなどにより若干増加傾向にあり、今後においては、第1期行動計画に示しました最適化の取組を着実に実施をしていくとともに、地域単位でも検討を進め、さらなる最適化を進めていくことが必要であると考えております。 なお、施設の解体・除却や再整備に係る御提案につきましては、身近な施設での経験や思い出、愛着心を大切にする取組として、また、未来のまちづくりへの期待感を高める取組として、このまちで暮らすことへの満足感、安心感、ひいてはシビック・プライドの醸成にもつながるものでありますことから、御提案いただいたアイデアをしっかり参考に、今後において手法を検討してまいります。 以上、答弁といたします。 ○議長(橋本恒典) 15番、山中議員。 ◆15番(山中善治) ありがとうございました。 市長に一つお聞きしたいんですけども、私は前段の口述の中でドイツの例を、ざっとですけどもお伝えさせていただきましたが、このコロナ禍にありまして、国の、日本の借金が1,212兆、非常に高額になり、不安感をあおっている。これを解決する一つの手だてとしまして、国会議員の定数削減、こういうものがコロナ禍の中にありましてね、国民の中から、また議員の皆さんの中から出てくるときじゃないかなというふうに期待もしておりますし、一つの道かなと思うんですけども、市長、これも勘案いたしまして、国会議員の縮減、定員の削減、それに対する財政、国の財政に対する関連と併せまして、御所見などお持ちでしたらお聞かせください。 ○議長(橋本恒典) 市長。 ◎市長(岩永裕貴) 再質問にお答えをいたします。 まず、国の借金についてのお話でありますが、諸外国が抱える借金とは国債の発行先ということが国内に多くが限られているということで、国の財政破綻を招くかどうかという議論についてはですね、様々な経済学者等がその考え方、MMT財政理論とか言いながら発信をしていらっしゃるわけでありますけれども、基本的に財政法によりまして国債の発行、そしてまた借入金に歳入を頼ることをかなり日本の国は法的に制限をいたしておりますので、そういった部分について国の中で骨太方針等で改革を進めていらっしゃるということだと認識をいたしておりますし、また過剰な国債の発行は、最終的にはやっぱりインフレであったりとか、国の信用であります円の信用にも関わってくることでありますので、しっかりと財政規律を守っていくということは、一定必要なんだろうというふうに考えております。 そうした中で、国会議員の皆様方の定数をどう考えるかということでありますが、やはり1票の格差をできるだけ是正をしながらというような議論もある中で、私が個人的に考えておりますのは、やはり人口が多い地域、都市部で選出される議員さんが多く、地方部を占める議員さんが少ないと、割合的にということであれば、これから、今、政権が進めていただいている地方創生というような観点に立ったときに、どれぐらい私たちの声が国の施策に反映をされるのか、届くのかというところについては、しっかりときめ細やかな活動をしていただける議員さんが私たちにとっては必要でもあります。 そうした中で、全体の議席数をどういうふうに考えられるのかということにつきましては、国の中でしっかりと御議論をいただくことでもありますし、国会議員の皆様方それぞれが御判断をされるところであろうかというふうに思いますが、最終的には各諸外国の議席数なんかも参考にしながら議論が進められるべきだというふうに思います。 一時はですね、削減についてかなり活発な議論が行われていたことは承知をいたしておりますが、最近はそうした議論が少し下火になっているなあというような印象は受けております。 以上、答弁といたします。 ○議長(橋本恒典) 15番、山中議員。 ◆15番(山中善治) ありがとうございました。 それでは、次に大きな3番目、第2次総合計画第2期基本計画についてお聞きします。 令和3年4月から第2期基本計画が始まります。前段で述べましたが、コロナ禍にあってのスタートは、私はチャンスであると考えています。市民の皆様が打倒コロナに心を開き、聞き耳を立て、より的確な情報を求め、かつ行動をしていただいています。市民のベクトルが一つの方向に向いています。肝心なことは、そのベクトルの方向性であり、目的とするその内容であり、特にスピード感が求められていると考えています。 その上で、第2期基本計画の行政経営の方針として示されました1番目、徹底的な行政改革とは、2番目、スマートシティとは、3番目、多様な市民自治への分権とは、4番目、福祉・介護分野における人材育成についてお聞きします。 次に、2番でお聞きしましたスマートシティの推進には、ICTの活用なくしてできません。行政のデジタル化は国の方針であり、既に県と市町村間の行政手続の利便性向上、事務の効率化など進められています。行政が一歩も二歩も先んじることは当然でありますが、成果を上げる、結果を出すという行政の命題としましては、市民の利用・活用が伴わなければなりません。区・自治振興会の活動にICTを取り入れるとあります。また、外国人市民が安心して相談できる環境を整えるためのタブレットの活用などを示されていますが、そこで5番目、分野横断の基本姿勢におけるICTの活用と市民への周知や啓発についてどのように取り組まれようとしているのか、お聞きします。 次に、甲賀市は基本計画の2期への過渡期に、まさにコロナ禍に遭遇しているわけでありますが、1期4年間で目的を達成できた、あるいは一定の成果・効果が得られたこと、また反対に、かなわなかった事業もあろうと思いますが、そこで6番目、1期から見直したところの総括についてお聞きします。 次に、そのことと連動しまして、1期を踏まえ第2期基本計画で発展・拡大する事業、また、ポストコロナ・アフターコロナを見据え新たに取り組む事業につきまして、7番目に新規に取り組む施策の特徴や方向性について、物の見方を変え新しい価値観が必要ではないかと考えられているわけですので、施策や事業にも表れてくると思いますので、お考えをお聞きします。 ○議長(橋本恒典) 当局の答弁を求めます。 市長。 ◎市長(岩永裕貴) 凛風会、山中善治議員の代表質問にお答えをいたします。 第2次総合計画第2期基本計画における徹底的な行政改革についてであります。 本市におきましては、これまで3次にわたる行政改革大綱を継承しつつ、継続的に行政改革に取り組んでまいりましたが、市政を取り巻く状況は依然として厳しく、今まさに到来しつつある人口減少、超高齢社会を背景に毎年増加をする社会保障関係経費の影響を受けることは必至であります。また、アフターコロナにおきまして、人々が新しい豊かさを追求する中で、行政改革は、今、まさに大きな転換期を迎えております。 こうした社会状況の変化に迅速に対応し、持続可能な行政経営を行っていくため、今後の行政改革では、これまでの取組をより具体化させるとともに、限りある経営資源である「人」・「モノ」・「資金」の最適な管理・活用に努めることにより、効率性を最大限に高めてまいります。 また、デジタル化の潮流は、一気に行政サービスの在り方を変えていくことが予測をされますが、技術革新や規制緩和によりもたらされる時間や情報を可能な限り有効に活用することで、サービスの向上へと還元をしてまいります。 さらに、多様化・複雑化をする市民のニーズに応えていくため、市民の自治を育む活発な活動と多様な主体によるサービスや技術を創出する仕組みを構築をし、協働を前進させた、共に創る「共創」の機運の醸成により、オール甲賀による課題解決に取り組んでまいります。 現在、新たな指針であります第4次行政改革大綱の策定に向け準備を進めており、今後は、具体的な方策、取組項目について議員の皆様にも御意見を伺いながら議論を深めてまいります。 次に、2点目のスマートシティについてであります。 第2次甲賀市総合計画第2期基本計画におきましては、Society5.0を見据え、未来技術を活用した地域課題の解決を図るため、スマートシティの実現に取り組むことといたしております。 Society5.0で実現する社会は、AI・IoTなどの技術で全ての人・モノがつながり新たな価値を生み出していく社会の姿が想定をされており、最新技術を最大限活用して、まちの利便性・快適性を高める取組であるスマートシティは、Society5.0時代のまちづくりの基本となるものであると考えております。 本市におけるスマートシティに関するこれまでの取組といたしましては、コミュニティバスにICTを取り入れて運行状況を見える化、取得したデータをより効率的で利便性の高い路線への改善に活用していくための取組のほか、公共施設のWEB予約、AIを活用したチャットボットなどのサービスも展開しているところであり、今後はより広範な分野でICTの活用を積極的に図ることにより、スマートシティを推進してまいりたいと思います。 次に、多様な市民自治への分権についてであります。 市民自治への分権については、大きく分けて、自治体からコミュニティへの分権とNPOや市民活動団体、事業者等への分権があると考えており、私が市長就任時から申し上げてまいりました「行政にできることには限界がある」との考えの下、財源、権限、人材を効率的・効果的に委譲するものであります。 本市は482平方キロメートルの広大な面積を有しており、人口が増え続けている地域もあれば、過疎化が進展している地域もあります。また、歴史・文化、地域の営み、課題も異なっており、市内一律の制度や一極集中型のまちづくりには限界があるとも考えています。 このことから、市民の生命、財産を守るという基礎自治体の根幹的な責務をしっかりと果たした上で、市民、事業者、市民活動団体の多様な市民自治との協働を進めることが、多様な市民自治への分権であると考えております。 次に、福祉・介護分野における人材育成についてであります。 高齢化が進む中で、福祉・介護の需要は年々高まっておりますが、一方で、人口減少社会において、働き盛り世代、いわゆる生産年齢人口は減少をしていることから、福祉・介護人材は慢性的な人材不足となり、今後、地域福祉を維持する上で大きな課題であると認識をいたしております。 市といたしましては、障がい分野においては、定期的に相談支援初任者研修、相談支援従事者初任者研修におけるインターバル研修のフォローアップ、相談支援現任者研修など、障がい者基幹相談支援センターに委託をし、介護分野においては、担い手養成研修、介護支援専門員研修会などを行い、福祉・介護人材の育成に努めているところでありますが、その人材不足は大変厳しく、介護職員をはじめヘルパーや相談員、看護師等の専門職員の雇用に苦労をいたしております。 今後は、実務者研修の支援のほか、福祉・介護人材の確保に向けた取組を進めるとともに、県の関係機関とも連携をし、市内の介護事業者などで構成をしている甲賀市介護人材確保・定着促進協議会において、海外からの人材確保も含め、民間事業者の自発的な取組をサポートするなど、多方面からの確保対策について検討を進めてまいります。 次に、ICTの活用と市民への周知や啓発についてであります。 効率的で迅速な質の高い行政サービスの提供、また、新型コロナウイルス感染症対策におけるソーシャル・ディスタンスの確保などを踏まえ、行政のデジタル化は避けては通れないものであります。社会全体の急激なデジタル化の流れに対し、市民皆様の心理的な不安を取り除き、まずはお使いいただくことで、便利なものとして実感していただくことが、今後のデジタル社会の浸透に向けて重要であると考えます。 このため、親しみやすく使いやすいサービスを目指してデジタル化を進めていくことに加えて、利用者目線で分かりやすくメリットや利用方法を幅広い年代層に伝えていく取組を強化してまいります。 また、パソコン、スマートフォンなどの機器の扱いに精通していない方も含め、誰もがデジタル化の恩恵を受けることができる社会の構築に向け、国が進めるデジタル格差対策事業も活用しながら、幅広い関係の皆様の御協力を得て、地域全体で取り組んでまいりたいと考えております。 次に、第1期からの見直しの総括についてであります。 第2次甲賀市総合計画の第1期基本計画においては、4年間の重点的に進める三つのテーマ「子育て・教育」、「地域経済」、「福祉・介護」に基づく施策をプロジェクト10として位置づけ、取組を進めてまいりました。 しかし、コロナ禍という大きな時代の転換期を迎え、社会経済システムや日常生活に今まで想像しなかった変化をもたらし、今日まで進めてきたプロジェクト10を中心とする施策や事業だけでは、コロナ禍で多様化する市民・企業ニーズに対応していくことが難しくなってまいりました。 このことから、第2期基本計画におきましては、行政が進める20分野の全ての施策において、アフターコロナにおける新しい豊かさのエッセンスを取り込んでいくことで、市民、地域コミュニティ、市民活動団体、事業者等の皆さんとともに試行錯誤をしながら追求することとして見直しました。 次に、新規に取り組む施策の特徴や方向性についてであります。 今後4年間の具体的な取組につきましては、第2次甲賀市総合計画の第2期基本計画に基づく令和3年度の特徴的な取組といたしまして、市民の健康と暮らしを守るため、最優先事項である新型コロナウイルス感染症対策をはじめ、区・自治会、自治振興会の活動におけるデジタル化の推進、コミュニティビジネスの構築、市内店舗のキャッシュレス決済の導入に必要な資機材の整備や手数料を補助するキャッシュレス化決済導入補助、タブレットを活用した多言語による通訳システムを導入をする多言語通訳システム整備、アフターコロナにおけるテレワークなど、新しい生活様式に対応した住環境を応援をするテレワーク応援リフォーム補助、市内企業への就業者を対象とした奨学金返還支援制度、小学校における教科担任制度の導入、そのほかにも農福連携、スマート農業、アール・ブリュット事業などがございます。 今後は、年度ごとの段階的な行動計画や予算の可視化により、4年間で確実に成果を生み出すことができるよう、アクションプランとなる実施計画の策定を進めてまいります。 以上、答弁といたします。 ○議長(橋本恒典) 15番、山中議員。 ◆15番(山中善治) ありがとうございました。大きく1、2、3と、市長を主に答弁を頂きました。ここからは、具体的な部長及び関係各位にお聞きしたいと思います。 次に、大きな4番目、コロナ感染対策についてお聞きします。 この質問に当たりましては、まずもってコロナ医療の最前線で日夜頑張っていただいております医療関係者の皆様に感謝申し上げます。さらには、介護・教育・保育など、福祉・教育関連の現場で頑張っていただいています皆様にも厚く感謝を申し上げます。 待ちわびていましたコロナワクチンの接種が、全国では2月17日、医療従事者から始まりました。欧米に比べて2か月遅れということですが、高齢者への接種も今のところ4月12日からと発表されています。政府のワクチン到着の時期や数量などについて情報がない中、現在、準備作業に当たっておられる職員の皆さんも大変なことだと思います。御苦労さまでございます。 そこで1番目、現状と取組、対策について注意していることについてお聞きします。 2番、ワクチン接種の見解と課題についてお聞きします。 3番、甲賀病院の取組と市民の協力についてお聞きします。 ○議長(橋本恒典) 当局の答弁を求めます。 健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(樫野ひかる) 凛風会、山中善治議員の代表質問にお答えをいたします。 まず、コロナ感染症対策の現状と取組、注意していることについてでございます。 昨年1月15日に国内で初めて新型コロナウイルスの感染が確認されてから、1年余りが経過しました。感染が拡大し始めた当初は、マスクの着用・手洗い・消毒・3密の回避といった基本的な感染防止対策の周知に力を入れ、新しい生活様式の実践に関する市民啓発なども順次実施してきたところでございます。 また、アルコールやマスクが世界的に不足し入手が極めて困難となった折には、市が四方八方手を尽くして確保を図り、医療機関、福祉施設などへ提供させていただくとともに、感染防止対策支援金を通じて対策の促進を図ってまいりました。 市内でも感染が確認されるようになってからは、濃厚接触者と判定され自宅で健康観察をされている買い物にお困りの方に対して、食料や物資をお届けするなどといった生活支援に努めてきましたが、これらが市の担う主要な業務の一つとなっております。 家庭内感染の増加に伴い生活支援に対する新たなニーズも想定されますが、保健所との連携を密にとり、具体的な困り事に寄り添ったきめ細やかな支援となるように、特に注意を払いながら、引き続き感染の拡大防止に向けた取組を実施してまいります。 次に、ワクチン接種の展開と課題についてのうち、ワクチン接種の展開についてでございます。 新型コロナウイルスワクチンの接種事業については、医療従事者等、65歳以上の高齢者、基礎疾患を有する方、高齢者施設等の従事者、それ以外の16歳以上の方の順で優先順位が定められております。 市町村では、医療従事者以外の方に対しワクチン接種を行うこととされており、本市の実施するワクチン接種については、特別会場の設置による集団接種を基本として行うこととし、高齢者へのワクチン接種の開始日を当初は4月1日と定め、接種会場や医師や看護師などの医療関係者をはじめとする会場運営に係る人員、接種券の発送、接種予約を受け付けるコールセンター、また、市民からのワクチン接種に係る問合せや感染症などの相談に対応する市相談センターなどの準備を進めてまいりました。 しかしながら、去る2月24日に国から高齢者の接種開始時期を4月12日に遅らせる旨の発表があったことを受け、予定変更による調整を行いながら、国の動向を注視し臨機応変に対応していくこととしております。 ワクチンの確保状況は、世界的な供給量の逼迫のため、いまだ不透明な状況にありますが、ワクチンが確保されれば速やかに接種を開始することができるよう、引き続き準備を進めてまいります。 また、今後は、身近な診療所での個別接種や介護老人福祉施設での接種についても、実施に向けて関係者と協議を進めてまいります。 次に、ワクチン接種の課題についてでございます。 今回のワクチン接種事業における一番の課題は、一人でも多くの市民の皆様に本事業について御理解をいただき、ワクチンを接種いただくことであると考えております。 このため、広報紙等による周知だけではなく、市で設置いたします相談センターや各種の保健事業の機会なども活用し、ワクチンや副反応等についての正しい情報提供を行い、安心してワクチンを接種いただけるよう努めてまいります。 また、より多くの方に接種いただくためには、集団接種会場への移動手段がなく来場が困難な方や、病気などで家から出られない方への対応についても準備が必要であり、各地域への臨時バスの効率的な運行や往診によるワクチン接種などについても実施に向けた調整を進めてまいります。 次に、甲賀病院の取組と市民の協力についてでございます。 公立甲賀病院は、甲賀保健医療圏の感染症指定医療機関として、新型コロナウイルス感染患者の入院受入れやPCR検査センターの運営等を担っていただいております。しかし、残念ながら昨年12月以降、短期間に2度のクラスターが発生をいたしました。 クラスター発生直後から、県や厚生労働省などの指導を受け、濃厚接触者等に対する検査等の拡充や職員の就業制限措置などにより感染拡大防止措置を図るとともに、外部からウイルスを持ち込まない対策の強化として、予定入院患者全員に対するPCR検査等の実施、病院玄関の出入り口の制限、病棟の完全面会制限、手術時の患者家族の来棟制限など実施をいたしています。 病院を御利用いただく全ての方々の御協力を得ながら、可能な限り院内感染を発生させないための取組を継続するとともに、救急医療など市民に不可欠な医療サービスも保持し、これから始まります新型コロナウイルスワクチン接種への積極的な取組など、地域医療への貢献を図ることで病院の信頼回復に努めていただきたいと考えております。 市といたしましては、これら病院の取組が信頼回復の一助となるよう、広報などでの協力を行ってまいります。市民の皆様には、正しい情報を得ていただく中で、これまでどおり適切な受診をしていただきますよう、御理解をお願いいたします。 以上、答弁といたします。 ○議長(橋本恒典) 15番、山中議員。 ◆15番(山中善治) ありがとうございました。ただいま説明の中で移動手段のない方とか高齢者の方に対する手だても、往診とか、そういうところできちっと答えていただきまして、ありがとうございます。 一つですね、再問をさせていただきたいんですが、このコロナ禍にありまして、昨年のインフルエンザワクチンの接種は、例年になく早くから多くの方が受けられたと聞いています。そのことや新しい生活様式の奨励もありまして、インフルエンザ患者が減少していると聞いております。このことは大きな教訓であり、コロナ禍における一つのレガシーであり、今後、大いに推進する価値があるように考えますが、御所見をお聞きします。 ○議長(橋本恒典) 健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(樫野ひかる) お答えをさせていただきます。 昨年秋から冬にかけまして、非常に多くのコロナウイルスの陽性者の方が発生をいたしました。それによりまして、医療機関のほうの逼迫も相次いでいたというようなところを認識をしております。 そのため、国におきましては、インフルエンザワクチンの接種を行うことで、コロナの陽性患者との発熱についての区分けをするという意味におきまして、インフルエンザワクチンを推奨されたというところでございます。 それを受けまして、本市につきましても、65歳以上の方の無料でありますとか、また、それ以下の方についても一部助成をするなどで、ワクチン接種について推奨をしてきたわけでございます。 そのかいがありましてと、先ほど議員がおっしゃられたように、新しい生活様式の実践、マスクの徹底、また手洗いの徹底、それから感染対策をするために人混みを避けるなどといった取組によって、インフルエンザにかかる方が本当に少ないというような状況になっております。 今後、国のほうが、また同じような対策を取られましたらば、当然、市としてもそれに協力もしていく考えでございますし、そのような今年と同じような対策も取る必要があるかなというような思いはしております。社会全体でしっかりとコロナウイルスに感染をしないような取組をしていくことは重要なことでありますので、基本の感染対策を守りながら、しっかりとした日常生活を送っていくということにつきましても、徹底した啓発をしてまいりたいというふうに考えております。 以上、答弁といたします。 ○議長(橋本恒典) 15番、山中議員。 ◆15番(山中善治) ありがとうございました。 それでは、次に大きな5番目、アフターコロナを見据えた変化についてお聞きします。 コロナに限らず、対ウイルスを日常に想定した新しい生活様式が推奨され、ますます浸透すると思います。テレワークや時差出勤につきましても、その一つとして具体的に列記されています。必要性や有効性は以前からも論じられ、一部企業では取り入れられていますが、日本人の気質や風土も関係しているのか、それほど浸透しているようには見えません。 しかし、ここにきまして悠長なことを言っておられない外的な要件が発生しました。それが、コロナであります。市長が第2期基本計画のチャレンジ目標に掲げました新しい豊かさの中には、働き方改革の方向性が示されていると感じています。市長が示されました20分野135の具体的な施策を念頭にしながら、主に農業施策と生活困窮者に対する施策につきまして質問をさせていただきます。 なぜこれを取り上げましたかにつきましても、後ほど述べさせていただくとしまして、1番目、テレワークなど、働き方改革の展望についてお聞きします。 次に、農業施策につきまして質問をさせていただきます。 これを取り上げましたのは、甲賀市だけでなく広く日本の農業にも有効だと思いますが、第1次産業である農業の停滞が中山間地域でもある本市での農業にも当てはまり、農業離れを起こしている現実があり、そのことが本市の抱えている大きな課題の一つと考えるからであります。 御存じのとおり、甲賀市の面積は約4万8,162ヘクタール、そのうち農地は約6,028ヘクタールで約12%。総世帯数は、令和2年12月末で3万6,484世帯で、そのうち農業関係世帯数として農事改良組合構成世帯数を算出していただきましたら、6,521世帯、約17%。さらには、区・自治会が甲賀市では総数としまして203現在ございますけど、それに対しまして改良組合などに組織されている区は146、実に71%あります。これらの数字が示しますように、農業は大きなウエートを占めていると考えております。その農家の皆さんが危機に直面しています。 昨夜、JAこうかから頂きました資料の説明で、JAに生産物を出荷されておられる農家さんが、5年間で640戸減少し、令和元年では2,206戸とのことでした。高齢化、不耕作地化の拡大、収益の低下、後継者不足、人口の流出、地域コミュニティの希薄化から寸断、あたかも停滞から後退への長い下り坂を下りたくはないのに下っている感じがします。 少子化が進むので農業離れが進むとは考えていません。農業が働いた労働に見合うだけの対価を得られるなら、これほど魅力的な職業はありません。自然とともに呼吸をし、作物の生命力を感じながら汗する実感、何物にも代え難い人生の充実感を得ることができます。 第2期基本計画の中でも、地域の稼ぐ力を高めるについてで、ICTを活用したスマート農業をはじめとし、稼げる農業や農福連携を進めるとともに、移住者、若者や女性の就農等、担い手の育成に取り組むと掲げられています。 アフターコロナを見据えた新しい豊かさによるまちづくりにより、甲賀市の中山間地としてのポテンシャルは高まり、より高めることができます。そのためには、努力をしなければなりません。甲賀市は、地の利に優れていると安穏とあぐらをかいていてはいけません。そのような思いから、以下質問をさせていただきます。 2番目、甲賀市の農業以外の産業特性についてお聞きします。 3番目、農業分野につきましてイとしまして、令和元年と比較した令和2年産米の数量と価格及び、その分析と来年度予想についてお聞きします。 ロとしまして、業務用・加工用野菜の需要状況とその影響についてお聞きします。 ハとしまして、茶葉の現状と在庫量及び改善策をお聞きします。 ニとしまして、1次産業の停滞がもたらす本市への影響に対する認識をお聞きします。 ホとしまして、農家への支援策と予算に対するその執行率をお聞きします。 ヘとして、非農家の方に農業に親しむ支援策と予算に対するその執行率をお聞きします。 ト、さらなる地産地消についてお聞きします。 次に、4番目、農福連携についてお聞きします。 厚生文教常任委員会では、昨年7月15日、甲南町寺庄の働き教育センター甲賀の現地視察をし、理事長のきめ細やかで、かゆいところに手が届くような教育理念に感動しました。ここでは、障がいに関係なく、できる能力を生かし、希望就職先の業務に即した訓練を個別に進めることにより、就職して即戦略になれることを目指しておられました。福祉施策も含んでいるなと実感したところであります。 そこで、イとしまして、現状とそれぞれの財源及び市の支援をお聞きします。 ロとしまして、さらなる展開に対する課題をお聞きします。 次に、鳥インフル、この通告では私は豚コレラと書かせていただきましたけれども、2月5日から農林水産省は豚熱という名称変更をされておりますので、この場で名称変更をお許しいただきたいのですが、その上で豚熱などウイルスに対する今後の予想と対策についてお聞きします。 次に6番目、生活困窮者の負のスパイラル改善についてお聞きします。 コロナ禍にありまして、休業依頼、雇止め等々、従来でも生活に苦慮されています世帯におかれましては、ますます困窮の度合いが激しくなってきています。 厚労省の発表によりますと、昨年の自殺者は一昨年より750人増え2万919人と、11年ぶりに2万人超えを発表されました。ちなみに、1位から3位は、がん、心疾患、老衰と順位は変わっておらず、30万人から10万人超えを記録しています。その中で、交通事故による死亡者数は、別の資料でありますけども、4,596人と5,000人を切っております。インフルエンザをこじらせたりインフルエンザに誘引された方も含めて、死亡者数は約1万人、自殺された方の数の多さに今さらながら胸の締めつけられる思いがします。本市でも十分認識をされ、セーフコミュニティの重点項目に上げられ様々な活動を展開いただいているところであります。御苦労さまでございます。 いま一つ、この負のスパイラルにつきまして質問させていただきましたその思いとしましては、厚生文教常任委員会では、給食費の無償化につきまして頂きました意見書に対して、否決する決を採らせていただき、この議場でもそのようにさせていただきました。このことは、そこに提出されました、6,800人だったと思いますけども、そのような市民の皆様の大切な大きい思いを否定させていただいたことになりますので、非常に胸を締めつける思いがしております。 ただ、私も甲賀市の子育て施策は非常に高い、充実とは言いませんけど、高いレベルを維持していると思っておりますので、この行政の充実感と市民の皆さんが感じられているそのずれ、そこをやはり丁寧に説明し、そういう方々、市長が言われる一人も取り残さない、そういう説明をするべきじゃないか、そういう思いを持ちまして、今、この設問を考えさせていただいておりますので、よろしくお願い申し上げます。 次に、7番目、市民の免疫力の増強についてお聞きをします。 既に医療従事者の皆様へのワクチン接種が始まりました。ワクチンの増産も急ピッチで進められていると報道されています。いずれ希望される皆様全員にワクチン接種が完了することでしょうが、アフターコロナを見据えたとき、ワクチン頼みの生活でいいのでしょうか。昨年秋以降、例年のインフルエンザの流行が見られないとの報告も頂いています。 確かに、市民の各病院でのインフルエンザワクチン接種の実数は上がっています。甲賀市診療所、いわゆるみなくち診療所でも、昨年度が1,870回に対しまして今年度は2,103回、約1.2割アップしています。ただ、関係者で言われていますことは、ワクチン接種以上に新しい生活様式に対する国民の理解とそれを実践した効果ではないかということです。これは、先ほど健康福祉部長も述べられました。 ワクチンを早期に打つ、今まで打っていなかった方でも今年は打たれました。マスクの着用も、ほとんどの方が新しい生活様式を実践されています。自分の健康は自分で守る、これが基本であり、ワクチンはその次と考えます。自らの健康維持、そのことが自分の周りの家族や地域の安心・安全につながり、回り回って自分自身の安心・安全に直結していくことを今回痛切に、痛烈に学んだのではないでしょうか。 健康は、お金では買えません。特に望んで機敏な行動は大切ですが、ふだんからできることをしっかりと備えておくことが、もっと大切と考えます。ウイルス対策としまして、ふだんから私たちにできること、それは免疫力の増強と考えます。市民の免疫力の増強についての認識と既に取り組まれている事業や今後取り組むことが有効と考えられる事業などにつきまして、御所見をお聞きします。 次に8番目、私たちがコロナ禍を体験し、体得しなければならないもの、教訓についてお聞きします。 今回テーマにしています内容全てが、この一文に表されていると考えていますが、コロナ禍を経験したこのときだからこそできること、このときにしなければならないこと、さらには今しておかなかったことにより後世の市民の皆様からお叱りを受けることのないようにとの思いから質問させていただきます。 教訓は、一般的に失敗してしまったことや、うまく成果が出せなかったときなど、レガシーの一つにも挙げられています。ただ、教訓もレガシーもマイナスのことだけを取り上げるのではなく、プラスのことも教訓でありレガシーであることを申し添えておきます。 検証されるとき、本市の今までの政策・事業の中で、あまり成果を上げられなかったと評価される事業など、何か共通することはありませんか、壁のようなことを感じておられませんか、その課題に対して今のコロナ禍ならばこそ見えてくる方向性など考えておられませんか、市民の注目度、期待度は相当なものと感じておりますので、お聞きさせていただきます。 一つ、9番目を忘れておりましたので、ここで質問させてください。 感染症対策基金の創設についてのお考えをお聞きします。 ○議長(橋本恒典) 当局の答弁を求めます。 産業経済部長。 ◎産業経済部長(田中康之) 凛風会、山中善治議員の代表質問にお答えをいたします。 アフターコロナを見据えた変化についてのうち、市内の企業におけるテレワークなど働き方改革の展望についてであります。 今年度、市内の企業・事業所を対象に男女共同参画社会づくりに関する事業所意識調査を実施し、その中の企業や事業所での働きやすい職場づくりのための取組についての問いに対しまして、「在宅勤務やフレックスタイム制などの導入」の回答が25.0%あり、コロナ禍の影響もあり、平成27年度の6.6%から大幅に増加をいたしております。このことは、ワーク・ライフ・バランスの実現に加え、アフターコロナにおける新たな日常を踏まえた働き方として、今後も市内企業におけるテレワークをはじめとする多様な働き方の導入は加速するものと考えております。 一方、同調査におけるテレワークの導入など、新型コロナウイルスの感染防止対策を行う上での課題といたしましては、業種や職種によっては在宅勤務が不可能であるや在宅勤務によるコミュニケーション不足などの回答もあったことから、アフターコロナにおける働き方におきましては、新たな課題に直面している企業も見受けられる状況となっております。 また、ワーク・ライフ・バランスや働き方改革を進めるに当たっての課題といたしましては、人手が足りないという回答が最も多く、市内企業の人材不足が働き方改革を進める上でも課題となっていることが確認できる結果となっております。 アフターコロナを見据えますと、オンラインを中心とした企業活動に移行することは不可避な状況にありますことから、ビジネスにおけるICTの動向について本市商工会とも情報共有を図っているところであり、今後、市内の中小企業・小規模事業者が必要とするICTなどについて情報提供をするとともに、テレワークをはじめ、多様な働き方や働き方改革への市内企業の主体的な取組に対し支援をしてまいりたいと考えております。 以上、答弁といたします。 ○議長(橋本恒典) 総務部長。 ◎総務部長(伴孝史) お答えいたします。 本市職員のテレワークなど働き方改革の展望についてであります。 テレワークの導入は、職員にとって時間と場所にとらわれない多様で柔軟な働き方を可能にするものであり、今後、本市においても職員の働き方改革につながる取組として推進していくべきと考えております。 現在、地方公共団体情報システム機構が実施する自治体テレワーク推進実証実験事業を活用しテレワーク環境の構築を行い、テレワークの運用について検討をしております。令和3年度予算(案)においても、甲賀市専用の回線を利用したテレワークシステムの構築に向けた予算を計上しているところであります。 また、庁内業務のICT化やWEB会議の導入により、さらなる生産性の向上やワーク・ライフ・バランスのとれた働き方の実現を目指したいと考えております。 加えて、甲賀市役所も市内の一事業所として、令和元年10月に有志を中心とした職員19名による働き方改革プロジェクトをキックオフし、ワークショップや先進地視察などを通して市役所の働き方についての問題点を洗い出し、改善方策を検討をいたしました。このプロジェクトがきっかけとなり、今年度から新たな取組として、組織風土改革に着手したところでもございます。 市役所では、性別、職種、配偶者や子どもの有無、正規職員や再任用職員、会計年度任用職員など様々な立場の職員が働いています。今後、そうした職員が自分らしく健康で生き生きと働くことができ、持てる力・能力を最大限発揮できるような職場環境づくりに取り組み、能率を上げることで市民サービスの向上につなげてまいりたいと考えております。 以上、答弁といたします。 ○議長(橋本恒典) 産業経済部長。 ◎産業経済部長(田中康之) お答えをいたします。 農業以外の甲賀市の産業特性についてであります。 まち・ひと・しごと創成本部事務局が提供する地域経済分析システム「REASAS」によりますと、本市の全産業に占める製造業の売上高は62.1%となっており、国平均の24.4%、滋賀県平均の35.5%と比較して突出しているとともに、経済産業省の工業統計調査では、直近の平成30年における本市の製造品出荷額等は1兆934億円に上り、平成18年から13年連続で滋賀県内1位となっております。 また、甲賀公共職業安定所における求人数のうち、技能工・製造等の分野における求人数は約4割程度で推移していることからも、本市は製造業が非常に強いものづくりのまちとなっております。 このような本市の産業特性を踏まえた新型コロナウイルス感染症の影響による変化につきましては、製造業の一部企業において、サプライチェーン再編に伴う設備投資の動きが見られるとともに、雇用情勢といたしましては、直近の令和2年12月における本市の有効求人倍率は1.17となっており、昨年の3月以降続いておりました厳しい本市の雇用情勢は、昨年末を境に持ち直してきております。 また、滋賀県商工会連合会による「令和元年度 商工会の実態」によりますと、本市の商工業者数は3,519事業者とされており、このうち約8割の事業者は、地域経済のみならず、地域社会を支えている重要な担い手である小規模事業者でございます。 これらの事業所が資金繰りに活用されている保証付き融資制度であるセーフティネット保証の認定申請件数は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、本年度におきましては、現時点で例年の110倍となる1,100件以上となっており、その中でも飲食業を含むサービス業を営まれる事業者の割合が、4割を超える状況となっております。 このことは、昨年3月以降、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により予約客等が大幅に減少したことによる売上げの減少が大きな原因であり、アフターコロナを見据えた市内消費の喚起や生産性の向上に向けたデジタル化の促進等の取組が必要と考えております。 次に、農業分野についてのうち、令和元年と比較した令和2年産米の数量と価格及びその分析と来年度予測であります。 市内最大の米集荷業者であるJAこうかの状況といたしましては、令和2年産米は集荷量がおよそ20万8,000袋、6,240トンとなっており、令和元年産米と比べ約1万3,650袋、455トンの増となっております。 価格につきましては、JAこうかの買取単価で比較いたしますと、令和2年産米のコシヒカリ1等米で60キロ当たり1万4,000円ちょうどとなっており、令和元年産米と比べ、590円下落をしております。 このことから、令和2年産米につきましては、米の買取単価は下落したものの収穫量が増加したことに伴う集荷量が増えたことにより、農業者の売上高としましては、僅かではありますが、3%増加していると考えられます。 令和3年産米の見込みにつきましては、昨年に引き続きコロナ禍の影響もあり、業務用米の需要が大幅に減少しており、作付面積の減少に加え米の価格が下落し売上げが減少することが予測されます。 このため、令和3年産米の取組といたしましては、甲賀市農業再生協議会が中心となり、国の水田活用支払交付金を有効に活用しながら、主食用米から飼料用米へ、また、大豆・野菜などの高収益作物への転換を推進していきたいと考えております。 次に、業務用・加工用野菜の需要状況とその影響についてであります。 コロナウイルス感染症拡大の影響により、外食産業を中心とした業務用野菜の需要は落ち込んでいることから、野菜の市場での相場は下落している状況でございます。 本市におきましては、JAこうかが農家の収入安定のため契約栽培を進めておられ、キャベツ、タマネギなどの業務用・加工用として作付・出荷をされている野菜につきましては、前年と同程度の買取価格で取引をされている状況であると聞いております。 また、JAこうかの直売所「花野果市」では、コロナ禍における巣ごもり需要により販売額が対前年比較18%増となっているとのことでございますので、野菜類については大幅な収入減少はないと考えられます。 次に、茶葉の現状と在庫量及び改善策についてであります。 茶葉の現状につきましては、インバウンド需要の減少や飲食業者の営業自粛等による新型コロナウイルス感染症の影響を受けており、荒茶共同販売会の結果で昨年と比較してみますと、取扱い金額が約30%の減額となっており、非常に厳しい状況であると認識をしております。 在庫量につきましては、国の事業で茶の販売促進を緊急的に支援する茶販売促進緊急対策事業を、滋賀県茶業会議所、全国農業組合連合会滋賀県本部や土山町茶業協会などが活用され、各種のイベントをはじめ、県内の小学校、県内の宿泊施設や全国のJA直売所を中心に、滞留している在庫を「近江の茶」PR用試供品として、リーフ茶としてだけでなく、ティーパックや粉茶の形で配布されたことから、現在は適正在庫で推移していると伺っております。 今後についても、コロナ禍の影響により、今年度と同様に価格の低下が懸念されておりますが、今、申し上げました国の茶販売促進緊急対策事業の成果として、新規に取り扱っていただける小売業者、宿泊施設や全国のJA直売所などの開拓により売上げが増加することを期待しているところであり、先行きは不透明な状況ではありますが、こういったときだからこそ、将来のインバウンド需要や輸出の再開等にも対応できる足腰の強い生産・供給体制を維持していけるよう、しっかりと支援をしてまいりたいと考えております。 次に、1次産業の停滞がもたらす本市への影響についてであります。 本市の主要作物は、米・茶・野菜であり、これらの価格が下落すれば農業離れがさらに加速することが予想されます。また、林業におきましても、スギ・ヒノキなど素材の価格の低迷が続いており、さらに深刻な状況であります。 そのことに伴い、遊休農地や荒廃森林が増加し、洪水調整や集落機能が低下することが懸念されます。本市といたしましては、産業政策として生産体制の確立に必要な支援を継続して行いながら、地域政策として農業では国の農村まるごと保全向上対策や中山間地域等直接支払制度を活用し、また、林業では境界明確化などの事業により間伐の推進を行うことで、集落機能の維持と農地や森林の持つ多面的機能を維持していけるような取組を支援してまいりたいと考えております。 次に、農家への支援策と予算に対するその執行率についてであります。 令和3年度の農家への支援策につきましては、茶に対する生産支援といたしましては、有機肥料の購入に係る経費助成、防霜ファンの設置や茶園の改植に係る支援等、また販売支援につきましては、買手を意識し産地の特色を生かしたブランディングの取組支援など、県の特産品である近江の茶の主産地としての支援を行ってまいりたいと考えております。 野菜などの園芸作物に対しましては、水田における野菜などの栽培に転換を促すため、生産用機械の購入補助やパイプハウスなどの栽培設備設置に対する支援を行う予定であります。 また、新型コロナウイルスの感染拡大の影響などを受け売上げが減少した場合に備え、農家が収入保険制度に加入される際に、加入者の掛け捨て保険料に要する経費の支援を考えております。 令和2年度予算に対する執行率につきましては、今後執行される見込みも含め、茶等生産振興対策事業としては約80%、園芸作物振興対策事業としましては約70%、水田営農活性化対策事業として約90%、環境保全型農業直接支払交付金事業として約90%と見込んでおります。 次に、非農家の方が農業に親しむ支援策と予算に対するその執行率についてであります。 非農家の方が農業に親しむ支援策といたしましては、都市農村交流推進事業があり、現在はコロナ禍でほとんど活動はできておりませんが、アフターコロナを見据え、都市住民を対象に地域資源を活用した農業体験プログラム及び民泊家庭の育成を図ることで、中山間地域におけるにぎわいの創出による活性化を目指しております。 ほかに、世代をつなぐ農村まるごと保全向上対策事業では、水田や農業用施設が持つ多面的機能を発揮させるため、農家・非農家を含め地域が共同で行う維持管理活動に対して支援を行っております。 また、農地をお持ちでない住宅地にお住まいの方や都市部の方などに農業への入り口として気軽に始められ、収穫の喜びを味わっていただけるよう農園施設整備支援事業があり、市民農園を開設するために必要な経費に対して支援をしております。 予算規模は少ないですが、令和2年予算に対する執行率は100%となっており、3年度は予算額を倍増させ計上しておりますことから、しっかりと周知をしてまいりたいと考えております。 次に、さらなる地産地消についてであります。 今年度は、地産地消推進のための予算を増額し、地元食材を学校給食で少しでも多く提供できるよう、学校給食センターとJAとの連携を強化しており、その結果、地場産野菜などの使用量が増えております。 また、コロナの影響により家庭内での食事が増えたことから、JAの直売所である花野果市の売上げが過去最高を記録しておりますが、地元食材だけでは品目が少ないときもあり、他所からの仕入れをされているのが実態でございます。そのため、野菜や果樹等の苗や、ビニールハウス、また栽培や収穫のための機械の設備を助成することで生産拡大を図り、地産地消を推進したいと考えております。 次に、農福連携の現状とそれぞれの財源及び市の支援についてであります。 現状につきましては、市内の障がい福祉サービス事業所のうち、その約3割の6事業所が、農作業を就労訓練や活動の中に取り入れていただいております。農業経験のある方から指導を受け野菜などを栽培され、JAを通じ販売されている事業所もございます。 現在、市の事業といたしましては、障がい者の方を対象とした農福連携の補助事業はございませんが、高齢者を対象として、福祉部門では市民農園を利用する65歳以上の方を対象に、いきいき農園利用料補助として50万円を、農業部門では、市民農園を開設する経費を対象とした農園施設整備支援事業補助として50万円を計上しております。財源につきましては、いずれも市の一般財源でございます。 次に、農福連携のさらなる展開に対する課題についてでございます。 農業には年間を通しての作業が少なく、特に農閑期の作業をどうしていくのか、また、受け入れる農業者の環境整備として安全に配慮した設備が必要となり、そのための設備投資費用が課題となっております。また、福祉関係者と農業者のマッチングが重要であり、コーディネーターの人材育成が特に必要であると考えております。 現在、野菜などを栽培し販売されている障がい福祉サービス事業所もありますが、十分な賃金を保障するには至っておらず、年間を通じた作業量の確保や販路拡大などの課題を抱えておられます。 一方で、就労機会の確保だけでなく、今後、共生社会の実現の中で、子どもから高齢者まで、また、障がい者やひきこもりの方が気楽に参加でき、農作業を通じて地域の方々が交流でき、癒やしの場となることも期待されております。 このようなことから、まずは農業と福祉の双方の課題やニーズなどを把握し、解決するための方策を検討することが必要でございますので、来年度予算で調査研究業務委託費を計上し、農福連携の取組を進めてまいります。 次に、鳥インフル、豚熱などウイルスに対する今後の予想と対策についてであります。 本市には、養豚場はないものの、養鶏場は7農場あり、鶏とアイガモが合わせて11万6,000羽飼育されているところです。 鳥インフルエンザは、今年度、国内では昨年の10月より感染報告がされるようになり、かつてないほどの大きな感染状況となっております。本県におきましても、昨年12月に東近江市の養鶏場で鶏の感染が確認され、感染の拡大を防止するため全羽約1万羽が処分されました。 これを受けて、県を中心に養鶏場等へウイルス侵入防止対策の基本である防鳥ネットの再点検や鶏舎の衛生管理指導を強化するとともに、感染媒体とされる渡り鳥などの野鳥の検査も行っておられるところで、感染の終息が見えるのは渡り鳥が日本を離れる春以降になるかと考えられております。今後も、県を中心に施設の点検等をしっかりと行うことで発生防止に努めてまいります。 また、かつて「豚コレラ」と言われていた豚熱につきましては、平成30年の9月より感染報告がされるようになり、本県でも、近江八幡市の養豚場で感染が確認され、全頭約700頭が処分されました。多くは、豚熱に感染した野生イノシシからによる感染でありまして、全国的には依然として感染地域が拡大している状況にございます。 現在、養豚場では豚にワクチンを接種しており、豚が感染することはほとんどありませんが、その他の対策といたしましては、感染媒体のイノシシの捕獲を強化するとともに、ワクチンが入った餌を山で散布し、それをイノシシが食べて抗体をつくることで感染の拡大を防止しようとしているところでもございます。 いずれにいたしましても、今後も鳥インフルエンザや豚熱について県としっかりと対応し、発生防止に努めてまいりたいと考えております。 以上、答弁といたします。 ○議長(橋本恒典) 健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(樫野ひかる) お答えいたします。 生活困窮者の負のスパイラル改善についてでございます。 新型コロナウイルス感染症の影響により、就労や収入などの生活相談が急増した令和2年3月から、市民の皆様の困り事に対応するため、通常の相談業務に加え、社会福祉協議会とともに、ワンストップ窓口として別館1階に相談窓口を設けております。令和2年4月から令和3年1月末現在の新規相談件数は598件となっており、令和元年度1年間の新規相談件数183件を大幅に上回っております。 あわせて、社会福祉協議会が申請窓口となっている特例貸付件数は、令和3年1月末で、緊急小口と総合支援資金を合わせて2,069件、貸付金額は7億632万円となっております。 また、生活支援といたしまして、住居を喪失するおそれのある方に対し家賃相当分を支給する住居確保給付金につきましては、令和3年1月末までに46件の支給を決定し、うち再就職や就労収入が回復したことにより支給が終了した方は19件となっております。 また、住まいを失われた方に宿泊場所を提供する一時生活支援事業の利用者は延べ13名となっており、うち再就職により寮など次の住まいが決定した方や施設入所によって利用を終了された方は8名ございました。 この二つの制度を利用することで、住まいを確実に確保でき、安心して就職活動や生活ができるという点では、一定の効果があったと考えております。 本市では、緊急事態宣言が解除された5月25日以降に、継続相談を行っていた方や特に生活課題を抱えている方を対象に、アウトリーチによる訪問面談により、コロナ禍における困り事の聴き取りを行いました。生活困窮の負のスパイラルに陥らないよう、相談者のニーズを丁寧に酌み取り、必要な支援が必要な方に届くよう、つながり続けることを大切にし、相談支援の強化に努めてまいります。 次に、市民の免疫力の増強についてでございます。 新型コロナウイルス感染症の予防として、手洗い、マスクの着用、3密を避けること、予防接種、そして、体全体の免疫力を高め健康を保つことが大切であると言われています。 免疫力を高めるには、バランスのよい食事をとる、適度な運動をする、睡眠を十分にとる、入浴で身体を温めるなど、ストレスをためない生活習慣を送ることが重要となってまいります。 本市では、食生活や運動についての啓発、健康づくり活動として、スマートフォンアプリを活用しながらウオーキングができるビワテクの周知や、ポイントによる景品付与、高齢者などを対象とした食育教室、地域での介護予防として100歳体操などの健康寿命を延ばそう事業の充実を図っているところでございます。 今後は、一人一人が健康づくりに取り組んでいくことができるよう、ウオーキングの取組や野菜の摂取を増やす工夫などの啓発及び支援の充実を図り、感染拡大防止にも配慮しつつ、健康を維持・増進し、免疫力を高める視点を踏まえた健康づくりを進めてまいります。特に高齢者につきましては、コロナ禍においても3密を回避しながら健康づくりや介護予防の取組を充実させていく考えであります。 以上、答弁といたします。 ○議長(橋本恒典) 総合政策部長。 ◎総合政策部長(野尻善樹) お答えをいたします。 コロナ禍の体験による体得についてでございます。 新型コロナウイルス感染症拡大の影響は、社会の仕組みや価値基準を含め、これまで当たり前とされてきた物の見方や考え方にも大きな変化がもたらされています。 本市に限らず、新型コロナウイルス感染症対策では、ブレーキとアクセルを同時に踏むと例えられるように、感染症の拡大防止と社会経済活動の回復という一面相反すると思われることも、市民の皆さんの安全・安心をしっかり確保した上で、バランスよく取組を進める必要があると考えております。 一方で、新型コロナウイルス感染症の拡大は、国においてワクチンの接種が進められておりますが、依然として収束の兆しが見えない状況であり、その影響が広範で長期にわたっていることで、地域において長年培われてきた人と人のつながりが希薄化している状況であるとお聞きしているところでもございます。 本市は、これまで地震や風水害をリスクとした危機管理体制を整えてまいりましたが、新型コロナウイルス感染症のように、急速に拡大する国難の危機においては、情報の遅れや細やかな対応が十分にできているかなど、改めて危機管理の重要性を再認識いたしました。 コロナ禍という大きな時代の転換期を迎え、これまで進めてきた施策や事業の中でも、特にスカーレットや全国植樹祭をはじめ、多くの人が一堂に集まるイベントや催事などが、感染拡大防止の観点から中止や縮小をせざるを得ない状況になりました。 コロナ禍において多様化する市民ニーズに対応することが難しくなってまいりましたので、今後は、新しい生活様式を踏まえた事業等の実施、また、会議や窓口業務等においてのICTやオンラインなどのデジタル化を進めることが必要であると考えております。 終わりの見えないコロナ禍において、市民の皆さんが真に困っているところを把握し、必要な情報の収集や提供を行いながら、国難の危機に立ち向かえる体制を整えることが必要でございます。 アフターコロナを見据えた新しい豊かさを組み込んだ施策や対策につきましては、第2次甲賀市総合計画の第2期基本計画において、その方向性を示すとともに、具体的な行動計画や予算については、今後策定する実施計画の中でお示しをしてまいりたいと考えているところでございます。 以上、答弁といたします。 ○議長(橋本恒典) 健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(樫野ひかる) お答えいたします。 感染症対策基金の創設についてでございます。 感染症対策基金は、感染症対策に必要な事業に充当する財源として活用するための基金でありますが、先進事例では、コロナ対策のために頂いた寄附金を主な財源として活用されています。 本市では、あいこうかふるさと応援寄附金の選べる使い道でコロナウイルス感染症対策も設定しており、頂いた寄附金につきましては有効に活用しているところであり、現在のところ感染症対策に特化した基金の創設は考えておりません。 以上、答弁といたします。 ○議長(橋本恒典) 15番、山中議員。 ◆15番(山中善治) ありがとうございました。御丁寧に御答弁いただきまして、産業経済部長、また健康福祉部長さんにおかれましては、特に質問を細かくさせていただきましたけども、実は今までお答えいただいた中で、やはりこのコロナ禍におきまして甲賀市として変わるべきところ、変われるところがあるのじゃないか、そういうところをこの場で共有させていただいて、一つ、二つ御指摘させていただきたいと思いますので、御答弁をお願いいたします。 まず、産業経済部長さんなんですけども、御答弁の中で何回も農村まるごと保全向上対策交付金の、そういう制度を文言として3度ほどお聞きしたと思いますが、これも私は非常に注目している交付金なんですけども、何が違いますかと、この特徴は、農業ですと田んぼを持っている、またトラクターを買うときの補助金とか、農作業する、そういうようなところで交付金、補助金が出ていたんですけども、これは地域の環境を守るための農道とかですね、排水だとか、そういうところの修繕に対しまして、やはり地域の環境を守ることにもなるんだと、農作業の環境だけじゃなくて地域の住環境を守ることになるんだということで、農家の皆さんだけではなくて、そこの地域にお住まいの非農家の方にも、そういうことに参加していただけるならば、そういう活動の補助金を使っていただいても結構ですよと、非常に今の、先ほどから甲賀市の現状を申しましたが、第1次産業がされている甲賀市の農業の皆さんが疲弊されているのに対しては、効果的な交付金ではないか、私はそういうふうに理解し、それをもっともっと甲賀市の中で活用していただくことが、少しでもコロナ禍にありまして、アフターコロナにおきまして有効ではないかと考えているわけですけども、そこで部長、先ほど私が146と申しましたかね、改良組合の組織数が、それにおきまして、この農村まるごと保全向上対策交付金を受けている、これは計画を出さないといけないんですね、5年計画、しっかりと毎年県とかチェックも来ますので、そういうしっかりした交付金なんですけど、果たしてこの甲賀市で、今現在、何団体、何区御利用なのか、お答えください。 健康福祉部長さんに質問をさせていただきます。 負のスパイラル、このことについての一つの御質問なんですけども、私は2期7年間、厚生文教常任委員会に所属し、甲賀市の扶助費も含め福祉対策事業、特に気にかけて見させていただいています。先に言います、結構充実していると私は認識していますけども、また市民の皆様も、令和2年9月、昨年9月に実施されました市民アンケートの結果では、子ども・子育て、保育、医療、学校教育、青少年の項目で注目度も高いんですけども満足度も高い、そういう評価を頂いております。 今回の負のスパイラルの改善に関するたくさんの施策の中で、一つ、学習支援事業があるわけなんですけども、ここを少しお聞かせいただきたいと思います。 これは、生活保護受給世帯を含む生活困窮世帯、独り親世帯などの小中学生及び高校生年代に対し、子どもに不足している生きる力や規則正しい生活習慣を身につけること及び居場所づくりを行い、学力不振や不登校など、負の連鎖による将来の生活困窮の解消を目的、負の連鎖ということを防ぐ目的に挙げていただくわけですけども、この実績は令和2年度では5か所6教室となり、事業の拡大が行われています。予算も拡充されています。ただ、令和元年の参加人数は76人と報告されています。一方、教育委員会事務局学校教育課で実施されています要保護・準要保護児童就学援助事業の令和元年の実績は、合わせて741人。支援の内容は全然違いますけれども、単純比較はできないかもしれませんけども、健福の事業は非常に私は重要な継続するべき事業だと考えていますので、この健福さんの事業をさらに拡大する課題、また対策についてお考えがありましたらお答えください。 もう一つは、別の健康福祉部長さんへの再問なんですけども、先ほど免疫力云々の質問をさせていただきましたときに、私はにわか勉強なんですけども、太陽光、おひさんを浴びることがウイルスに対して有効ですよということを聞きました。それで、先ほど部長はウオーキングとか言われました。市民の皆さん、グラウンドゴルフだとかゲートボールをされています。これは密になることがありますので、あまり推奨できないことがありますので、そういうことを考えますと、甲賀市にはゴルフ場が非常にたくさんあるとこやしね、それで、私、見に行きますけど、農作業、これは非常に効果的じゃないかなと思うんです。こういうところを、この感染力の拡大、これを市民の皆さん、みんな、今、共有してるわけですので、感覚、意識を。そのことを市民の皆様にさらに効果がありますよ、そういう広報をすることによって甲賀市の健康福祉が充実するんじゃないかと、そういう思いを持っているんですけども、所感をお聞かせください。 ○議長(橋本恒典) 産業経済部長。 ◎産業経済部長(田中康之) お答えをいたします。 まるごと保全向上対策に取り組まれておられる集落数でございます。92集落でございます。 以上でございます。 ○議長(橋本恒典) 健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(樫野ひかる) お答えをさせていただきます。 学習支援事業につきましてですけれども、令和2年度当初は5か所6教室で開始をしましたけれども、本1月からですけれども、甲南でももう1か所増やしまして、6か所7教室で現在行っております。これを拡大する考えでおりまして、令和3年度につきましては、もう1か所拡大をし、全ての地域において、旧町ごとですけれども、1か所以上の開催をというようなところで計画を立てております。 コロナウイルスの感染の拡大がありまして、緊急事態宣言が出た3月から5月につきまして、子どもが学校に行けなくなったというような状況がありました。その中で、やはり課題となったのは、御家庭において食事が提供されないというような児童生徒が出てきたというところが大きな課題だったというふうに思っております。 それを踏まえまして、社会福祉協議会を通じまして、食事の提供等を行いました。36回にわたって、延べ276人の方に御利用いただいたわけですけれども、そういうところから考えてみますと、例えば、そういうような何かがあったとき食事の提供が全くされない、夕方は学習支援があるんですけれども昼間の提供は無理というような方もいらっしゃいますので、その辺のところのもう少し施策が必要ではないかなという思いを持っております。 それに対しては、令和3年度では昼間の学習支援事業も行っていき、学習に参加できない子どもたちについての居場所づくりというふうなことができないかなというような考えを持っております。 また、先ほど議員がおっしゃったように、要保護・準要保護の方に対して学習支援に参加している方が本当に少ないような状況でございます。これは一つの原因としては、学習支援があるということを知らない御家庭もあるのではないかなという思いを持っておりますので、その辺のところをしっかりと啓発をしていく必要があるかというふうにも思っております。その辺も一つの私どもの課題であるというふうな認識はしております。 それと、もう1点、免疫力の関係でございます。 太陽を浴びること、本当に気持ちがよくて精神的にもリラックスもできるというようなことだと思いますので、そういうようなところは大切だというふうに感じております。 先ほど議員おっしゃったように、ウオーキング、それからゴルフ、また農作業については当然に外でやることですので、本当に気持ちもよく健康的にもいいことだなというふうに思っております。様々な健康づくり事業がある中で、そういったところも含めて、今後、啓発、また支援策について検討してまいりたいというふうに考えております。 以上、答弁といたします。 ○議長(橋本恒典) 15番、山中議員。 ◆15番(山中善治) ありがとうございました。甲賀市で即できること、そういうところを一つ一つ、このコロナを経験したことによって進めるべきだ、そのような思いでおりますので、ぜひとも進めていただきたいと思うんです。 産業経済部長さんに、再度質問させていただきます。 今、92ですか、146分の92ということなんですが、私はこの制度はもっともっと、それこそ全ての区で活用していただきたいと思うんですが、私はそれをどこが課題ですかとお聞きしたいんですけども、時間がありませんので、実は私も既に取り組んでおりますが、そこでの課題は非常に書類が細かいというかね、たくさん出さなくてはいけない、記録を残さなくちゃいけない。確かに税金を頂くわけですから、しっかりとした仕事をしなくちゃいけないんですけども、そういう書類を提出することは、高齢と言いませんけども、そこそこの熟年の農作業をされている方々にとっては不得手なところじゃないかなと。 そういうことを考えますときに、この交付金を使っていただくことは甲賀市の発展になるんだ、そのような思いで窓口ではぜひとも丁寧な、それこそ鉛筆で下書きしていただいて、こうして書いてきたらオーケーですよ、それぐらいの思いを持って窓口で対応していただくとね、これこそ農家の方はすごい力がつくんじゃないかと思うんです。そのようなことを提案したいんですけど、それに対する感想だけお聞かせください。 ○議長(橋本恒典) 産業経済部長。 ◎産業経済部長(田中康之) お答えをいたします。 確かに、議員おっしゃられたとおり、確認のための資料というようなことで書類をたくさんつくっていただくということで御不便をおかけているというふうには思います。しかし、決められた書類でございますので、窓口等で丁寧な対応をさせていただきたいというふうに思います。 以上でございます。 ○議長(橋本恒典) 15番、山中議員。 ◆15番(山中善治) ありがとうございます。よろしくお願いいたします。 それでは6番目、コロナ禍における危機管理について質問させていただきます。 発生確率が高まっています巨大地震が、近年、頻発する大雨洪水災害に備え、道路や橋梁、河川等のインフラ整備というハード整備を前に進めることはもちろんのこと、災害対応は地域との連携、役割分担によるソフト対策も大変重要です。地域における安全な避難所の指定や確保を図るとともに、感染症が蔓延する中で自然災害が発生する複合災害においても、避難所における安全の確保と集団感染の予防が両立できるよう、これまで以上に災害に備えた対策を進めなければなりません。さらに、多様化した社会において、地域や避難所の特性に合わせて的確な避難環境を提供していく必要があります。市では、早速、防災計画の修正に取りかかられ、従来の防災計画に対して新型コロナウイルス感染症等の感染予防を前提とする防災対策を反映させられています。 そこで1番目、避難所におけます感染予防についてお聞きします。 令和2年6月議会の補正予算での3密を避けるために、1人当たりおおむね4平米の避難スペースの確保、非接触型の体温計、クイックパーティション、簡易ベッド等の感染防止策、迅速に運用できる体制になっているでしょうか。また、密集を避けるため、親戚・知人宅への避難といった分散避難につきまして、ホームページや自治体の組回覧で周知を図っている状況であるということですが、現在の進捗状況をお聞きします。さらに、これ以外にも取組を考えておられることがありましたら、お聞きします。 2番目、災害時要支援者避難計画についてお聞きします。 市内の皆さんの高齢化等に伴い、より一層、地域と連携して高齢者や障がい者の方の要支援者避難計画を早急に策定する必要がありますが、その方向性をお聞きします。民生委員の方にお聞きしますと、今後よりきめ細かく家庭訪問などを行い、それぞれの方に寄り添った支援をするようになるとお聞きしましたが、内容をお聞きします。 3番目です。 防災士についてお聞きします。 常備消防等の地域各地での能力には限界があり、今後、防災士の必要性がさらに重要視されると考えられます。甲賀市でも積極的に拡充されています。そこで、避難行動や避難所運営における防災士の役割、組織的配置や今までの防災士教育に加えて感染対策講習など、どのようにお考えなのか、お聞きします。 ○議長(橋本恒典) 当局の答弁を求めます。 危機・安全管理統括監。 ◎危機・安全管理統括監(清水和良) 凛風会、山中善治議員の代表質問にお答えいたします。 コロナ禍における危機管理についてのうち、1点目の避難所における感染予防についてであります。 新型コロナ禍の中での避難所開設におきましては、まずは、避難所での三つの密--密閉・密集・密接を避けるため、収容人員を考慮することや、親戚や知人宅などあらかじめ指定した指定緊急避難場所以外の場所への分散避難の検討、また、実際に避難されてきた人に対する手洗い、せきエチケットなどの基本的な感染対策の徹底、避難所での十分な換気とスペースの確保などが必要であると考えております。 特に分散避難につきましては、感染対策も含め安全を確保する観点から大変重要であり、昨年7月発行の広報こうかをはじめ、組回覧文書やホームページで周知を図るとともに、あいコムこうかの行政情報番組やユーチューブ動画で流したり、あるいは区長・自治振興会長との意見交換会などの際にも説明をさせていただいております。 避難所における感染対策の事前準備といたしましては、消毒薬や検温のための体温計、また、感染リスクを軽減させるための隔離テントや段ボールベッドなどの備蓄についても進めているところであります。 また、これらの災害時におけるコロナ対策につきましては、自助・共助・公助におけるそれぞれの役割をしっかり確認しておくことが求められるとともに、地域において防災啓発や防災訓練などを行う際にも、新型コロナ対策を盛り込んで実施するように取り組んでまいります。 次に、2点目の災害時要支援者避難支援計画についてであります。 災害発生時においては、新型コロナウイルスに感染し重篤化のリスクの高い災害時要支援者の避難支援計画は大変重要となってまいります。 その上で、本市の災害時要支援者避難支援計画、いわゆる個別計画の作成状況は、令和3年2月末現在、市内203の区・自治会のうち45の区・自治会で作成済みとなっており、726人分の個別計画ができ上がっております。このほか、現在24の区・自治会においても、個別計画の作成を進めていただいております。 今後の方向性につきましては、特にコロナ禍でありますことから、高齢者の中でも寝た切りの方、また障がいのある方については、作成段階から、御家族はもちろんのこと、地域の方々とともに医療や介護などに携わる多職種の専門職にも関わっていただき、一人一人に応じたきめ細やかな支援計画の作成が必要であると考えております。 こうしたことから、今後も引き続き、区長・自治会長様や民生委員・児童委員の皆様をはじめ、ケアマネジャーなど専門職の方を対象に計画作成のための説明を行い、多職種によるサポート体制の構築が図られるように取組を強化してまいります。 次に、3点目の防災士についてであります。 本年2月1日現在、本市の防災士は180人おられまして、主な活動は、地域での自主防災組織等の訓練や市の防災訓練にも指導者として御活躍いただくとともに、通年の防災気象情報の研修や普通救命講習だけでなく、コロナ対策を含めた上での避難所運営訓練などにも御参加いただき、感染症対策のために変更となった心肺蘇生法の普及や避難所における感染対策用資機材の組立てなど、新たな知識や手法を身につけていただいております。 今後におきましては、区・自治会や自治振興会などの役員の方をはじめ民生委員・児童委員の皆様など、地域の方々と連携した災害福祉の視点を踏まえた避難情報の伝達や避難行動の支援、避難所運営などの仕組みづくりに御協力いただくとともに、防災に関するさらに高度な知識や技能の習得を目指していただきたいと考えております。 以上、答弁といたします。 ○議長(橋本恒典) 15番、山中議員。 ◆15番(山中善治) ありがとうございました。よろしくお願いいたします。 それでは大きな7番目、教育委員会部局の施策についてお聞きします。 コロナ禍におきまして、医療・経済界とともに、教育界におきましても大きな影響が出ています。直近では、卒園、卒業式が、これらとともに運動会、体育祭、合唱コンクールなども学年別など規模を縮小するなどして開催されました。イレギュラーな対応の連続で、現場の先生だけじゃなく教育部局全体も大変な御苦労をしていただいていることに、この場をお借りしまして感謝申し上げます。 さて、このような大変な事態でありますが、公立小学校の学級編制を35人に引き下げる、公立義務教育小学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律案が、昨年の2月2日に閣議決定されました。2021年から5年かけて、1クラス当たり35人に引き下げられます。 Society5.0時代の到来や子どもたちの多様化の一層の進展等状況も踏まえ、誰一人取り残すことなく、全ての子どもたちの可能性を引き出す教育へ転換し、個別最適な学びと協働的な学びを実現することが必要であることから、一人一人の教育的ニーズに応じたきめ細やかな指導を可能とする指導体制と安全・安心な教育環境を整備するために、公立の小学校の学級編制の標準を段階的に引き下げられます。 そこで、1番目、公立小学校の1学級定員を35人に引き下げられることにつきまして、イ、経緯とコロナとの関係、またその認識についてお聞きします。 ロ、そのことによりまして、児童、教師、学校への効果や影響についてお聞きします。 ハとしまして、具体的な展開や課題についてをお聞きします。 次に2番目、小中学校再編計画の進捗と進め方についてお聞きします。 現在、水口、土山、甲南、甲賀、信楽各町において再編検討協議会が設置され、それぞれの地域の声を集約され、再編に向けて前進されている地域もあれば、維持を決められている地域もあります。かねてより教育委員会では、計画ありきでなく地域の皆様の声を尊重させていただきますと述べられていますが、計画との整合性をどのように斟酌されていくのでしょうか、またアフターコロナを見据えアプローチなど、新たな展開などお考えでしょうか、お聞きします。 次に、3番目、コミュニティスクールについてお聞きします。 耳慣れない制度ですが、全国では既に各地で取組をされています。学校運営協議会制度により、保護者や地域住民が学校運営や教職員の任用に関して、教育委員会、または校長に意見を述べることができるとあります。 今までの地域と学校の関わり方からしましても大きな改革があるように見られますが、当市でも総合計画の第2期基本計画で上げられています。モデル校として導入し段階的に導入校数を増やしていくという方針であることや、小学校の再編の進捗状況を踏まえて目標数を設定したとありますが、詳しくお教えください。 ○議長(橋本恒典) 当局の答弁を求めます。 教育長。 ◎教育長(西村文一) 凛風会、山中善治議員の代表質問にお答えいたします。 1点目の公立小学校の1学級定員を35人以下に引き下げることについてのうち、経緯とコロナとの関係の認識についてであります。 公立小学校1学級定員の35人以下への引下げについては、令和3年1月26日の中央教育審議会答申で取りまとめられ、文部科学省において、現在、整備が進められているところであります。 答申では、新しい生活様式を踏まえた身体的距離の確保に向けて、教室等の実態に応じて少人数編成を可能とすることや、少人数によるきめ細やかな指導体制や小学校高学年からの教科担任制の在り方等の検討を進めることなど、新時代の学びを支える指導体制や必要な施設・設備の計画的な整備を図るべきであると示されています。 なお、35人学級編制につきましては、次年度から小学2年生から順に1学年ずつ拡大することを目指すとされており、このことについては、昨今の国の状況や教育課題を鑑み、児童生徒の個々の課題に応じる個別最適な学びの実現と身体的距離の確保につなげ、新型コロナウイルス感染症対策とを両立させる狙いの下、決定されたことであると認識をしております。 次に、児童、教師、学校への効果や影響についてであります。 1学級当たりの人数が少なくなることにより、児童生徒にとりましては、授業や学級活動などにおいて活躍の場面が増えることや学級担任に個別に関わってもらえる時間が増えるなどの効果が考えられます。 また、教員にとりましては、学習指導面では個別にきめ細やかな指導ができる時間が増えることや、生活指導面においては一人一人の児童生徒に関わる時間を十分に確保でき、不登校や問題行動の早期発見・早期対応につながるなど、多くの効果が期待できます。 学校にとりましては、教員の確保や教室の増築、設備の拡充など課題があると認識しており、国や県の議論の動向を注視しながら、様々な観点から総合的に準備を進めていく必要があるものと考えております。 次に、具体的な展開や課題についてであります。 今回、国の施策として40年ぶりに35人学級へ小学校の学級基準の一律引下げが決定されました。 しかしながら、滋賀県では国の措置に加え、独自に平成27年から小学2年生・3年生、及び中学校1年生で35人学級編制ができるよう教員を配置されております。 また、小学校4年生から6年生、及び中学校2・3年生につきましても、1学級が35人を超える場合には、35人学級編制か特定の教科の授業で学級を二つの集団に分けて指導する形かのどちらかを選択できるよう教員が配置されております。 そうした中で、本市の状況について申し上げますと、今年度、35人を超える学級は、小学校市内全185学級のうち2学級、中学校では全76学級のうち35人を超える学級はなく、小学校の2学級を除き35人学級編制が既に実施されている状況にあります。こうした国・県の制度の下、指導体制の充実を図ってまいりたいと考えているところであります。 次に、2点目の小中学校再編計画の進捗と進め方についてであります。 本計画を進めるに当たり、保護者や地域の皆さんの参画による協議・検討の場として、各地域で再編検討協議会を設置し、地域の思いをまとめていただいてまいりました。 これまでに提出がありました報告書では、教育委員会事務局からの説明によって再編の必要性は一定理解いただいている一方で、再編が実施された場合、地域から学校がなくなるという不安をお持ちの地域も多いと感じたところであります。 しかしながら、今後も多くの学校で少子化が急速に進み複式対象となる学級数が増えることも予想され、現在取り組んでいただいている特色ある学校経営、また、切磋琢磨による学力形成や豊かな人間関係の構築など、子どもたちの確かな育ちの観点からは、いずれ困難な状況になることは必至であります。 また、市で策定されました公共施設等総合管理計画は、次世代の市民への負担をできるだけ軽減し、効率的・効果的な公共施設の管理を目的とした計画であり、本計画では学校施設が公共施設全体の約44%の延べ床面積を占めていることを認識しておく必要があると考えております。 公共施設等総合管理計画の個別計画として策定中の小中学校施設長寿命化計画では、全ての学校を一様に改修整備するのではなく、安全対策の観点を最優先しつつ、対象校を絞って整備していくこととなります。 教育委員会といたしましては、当然のことながら、このような状況になることを見据えた対応を適切な時期に講じておく必要があり、学校再編は避けて通れないことであると認識をしております。 今後、学識経験者や市民などで構成する新たな審議会を早い時期に設置する予定をしており、審議会では、本市における教育的課題や今後示される様々な教育施策を見据えた中で慎重に協議を頂き、そのことを踏まえた上で、再編計画の進め方について市教育委員会としての方向性を早急に取りまとめてまいりたいと考えているところです。 次に、3点目のコミュニティスクールについてであります。 平成29年に、地方教育行政の組織及び運営に関する法律が改正され、学校に学校運営協議会を置くことが努力義務化されました。 コミュニティスクールとは、学校運営協議会を設置した学校であり、地域住民が学校運営に参画できるようにする仕組みや考え方を持つ学校であります。 本市では、平成29年に、よりよい子育て・教育支援の在り方について検討を始め、施策に反映するために学識経験者や社会教育有識者等を委員とする甲賀市教育支援プロジェクト会議を設置いたしました。 平成30年度のプロジェクト会議では、学校サポートチーム体制の構築に関する協議が行われ、コミュニティスクールの制度を導入することが有効であるとの示唆を頂きました。 このことを受け、その後2年間をコミュニティスクールの導入に向けた準備期間とし、昨年度からは小中学校管理職研修会を開催、さらに今年度には導入を考えていただいている学校の校長研修会を開催するとともに、規則制定など事務手続の準備を進めてまいりました。次年度より、市内でモデル校を2校指定して取組を進めることとしており、研究成果を他の学校へ広げてまいりたいと考えております。 これまでからも、学校評議員制度を活用して、校長が保護者や地域の方々の意見を幅広く聞くことによって地域や社会に開かれた学校づくりを推進し、学校が家庭や地域と連携をしながら特色ある学校づくりに取り組んでまいりました。 コミュニティスクールは、この学校評議員制度に代わるものであり、その導入により制度や組織として確立するとともに、保護者や地域の方々が学校運営に参画いただく機会が増えることが期待できます。学校再編の進捗状況をも見据えて、コミュニティスクールの導入について検討をしていきたいと考えているところです。 学校と保護者や地域の皆さんが共に知恵を出し合い、学校運営に意見を反映していただくことで、一緒に協働しながら子どもたちの豊かな成長を支え、地域とともにある学校づくりを進めてまいります。 以上、答弁といたします。 ○議長(橋本恒典) 15番、山中議員。 ◆15番(山中善治) ありがとうございました。 コミュニティスクールにつきましては、大分輪郭、そういうものを感じさせていただきました。子どもの教育とともに地域学、また地域への誇り、そういうものを地域の皆さんとともに育てていこうじゃないか、そういう一つの新たな動きにもなるのかな。 それで、先ほどから述べておりますけれども、今まさにコロナ禍であり、地域の皆さんも私たちもやはり大きな可能性というか、そういうものを期待を持っているわけですので、そのような心を一つにする、そういう思いも込めまして、このコミュニティスクールが地域の皆さんとともにあるんだと、ただ単にどなたかが代表に出ていかれてじゃなくて、地域とともにあるんだという、そのような連帯感のあるような新しい動きに、このコロナ禍を通じまして発展させていただきますことをお願い申し上げておきます。 それでは、次に大きな8番目でございます。 大戸川ダム関連の進展に対する所感と対策について、お聞きします。 これは、先ほどの午前中の議員の質問と重なるとこがあるかもしませんけども、会派を代表して質問するようになりましたので、ぜひとも御答弁をお願いしたいと思います。 前滋賀県知事の方向転換により大きく後退していましたダム建設が、岩永市長、三日月知事をはじめ関係皆様の御努力により、2月26日、国土交通省近畿地方整備局は建設を明記した河川整備計画の変更原案を公表しました。今後、先ほど市長答弁にもありましたけども、学識経験者に原案に対する意見を聴取するほか、流域6府県で住民対象の広聴会を開催し、最終的には6県知事の意見を確認し、計画を正式に変更する予定とのことです。 本件につきましては、地元の信楽町民の方々は言うに及ばず、甲賀市全体に大変な混乱と後退を招いたと認識しています。市長の所感と今後の対策などをお聞きします。 ○議長(橋本恒典) 当局の答弁を求めます。 市長。 ◎市長(岩永裕貴) 凛風会、山中善治議員の代表質問にお答えをいたします。 大戸川ダム進展に対する所感と対策についてであります。 本市にとって、大戸川ダムの推進は、ダムを起点とした大戸川上流である信楽地域の河川改修につながるものであり、治水安全度の向上に寄与するものですが、長年にわたりダム建設事業が凍結をされております。 淀川水系関係6府県調整会議におきましては、河川整備計画を見直す場合の考え方として、大戸川ダム建設事業を含む河川整備が近畿地方整備局により提示され、その内容について関係府県が検討を行ってまいりました。 本年2月12日に開催をされた第3回会議において、これまでの要望活動が実を結び、淀川水系河川整備計画の変更手続を進めることが確認をされました。今後、河川整備計画を変更するため、河川法に基づく学識経験者、関係住民及び関係県知事からの意見聴取などの必要な手続が進められることは、本市にとっても大変ありがたいことであります。 市といたしましては、大戸川ダム建設の着手が決定された後に、県で策定をしている信楽・大津圏域河川整備計画にダムを起点とした河川整備計画が早期に位置づけられ、上流域の河川改修が具体化することにより、上流域の浸水被害が大幅に軽減されることを大いに期待をいたしております。 今回のダム建設に向けた関係機関の動きは、ダム上流に位置する本市にとって大戸川沿川の治水対策、幹線道路の維持強化をはじめ、様々な観点で地域振興に寄与できることから大いに歓迎するものであり、市が具体的な将来像を示しながら、国・県に対して引き続き働きかけてまいります。 以上、答弁といたします。 ○議長(橋本恒典) 15番、山中議員。 ◆15番(山中善治) ありがとうございます。よろしくお願いいたします。 それでは、次に大きな9番目、名神名阪連絡道路関連の今年度の展開についてお聞きします。 この件につきましても、午前中にも答弁があったわけですけども、よろしくお願いいたします。 この案件につきましても、前滋賀県知事の無理解によりまして、国への働きかけはもちろん、近隣市町への呼びかけなど滞り、市政を大きく停滞させたと認識をしています。 そのような中にありまして、かねてより頑張ってこられました地元の期成同盟会の皆様の粘り強い活動のおかげをもちまして、岩永市長を先頭に6市2町がスクラムを組んだ名神名阪連絡道路整備促進期成同盟会が活発な活動を展開いただいております。さらなる物流道路指定に向けた展開について、お聞きします。 ○議長(橋本恒典) 当局の答弁を求めます。 市長。 ◎市長(岩永裕貴) 凛風会、山中善治議員の代表質問にお答えをいたします。 名神名阪連絡道路の今年度の展開と新年度の展望についてでございます。 今年度は、滋賀県の調査費が大幅に増額をされるなど、確実な前進を見せており、これにより昨年12月末に環境文献基礎調査、本年1月末には道路概略検討の2件の業務を県が発注をされております。 これらの調査及び検討により、ルート帯を決定するために支障となるコントロールポイントを事前に調査するとともに、複数ケースでの道路構造検討やコスト比較、交通量推計を推し進め、事業化に向けた実現可能な地域高規格道路を検討していくと聞いております。 なお、重要物流道路の追加指定につきましては、コロナ禍にあり、現在もスケジュール等は未定の状況でございます。 また、次年度以降につきましては、詳細な路線案についての検討が必要となり、本道路を実現するための大きな山場となることから、期成同盟会会長として関係機関と緊密な連携を図りながら、地域が一丸となって本道路の実現のため両県の取組を後押ししてまいる所存であります。 議員各位におかれましては、ますますのお力添えを賜りますよう、改めてお願いを申し上げます。 以上、答弁といたします。 ○議長(橋本恒典) 15番、山中議員。 ◆15番(山中善治) ありがとうございます。 では、次に大きな10番目、伴谷統合認定こども園整備事業についてお聞きします。 本件につきましては、昨年の5月8日に公私連携協定書を締結し、事業者の決定をされた頃までの進捗は、地域の協力も確約され順調に見えましたが、その時点頃から急に進展が見られず、ついには先月10日、指定業者様から辞退届が提出されましたとの報告を頂きました。議員の私でも驚いたぐらいですから、令和4年4月からの通園・登園を心待ちにされていました市民の皆様にすれば、驚き以上に困惑されたのではないかと心配しています。 困惑は不安に導かれ、時には失望に変化します。近隣の市町と比べましても一歩秀でている甲賀市の子育て施策の中にありまして、あいみらい保育園と水口東・岩上統合認定こども園と、さらには本園と、トリプル建設に大きな期待と可視化された甲賀市の未来像を地域の皆様とともに共有できる大きなチャンスが一歩後退したことは否めません。コロナ禍という事業者サイドの説明も全員協議会ではされましたけれども、事の重大さに鑑み、市の姿勢をお聞きします。 1番目に、今までの進捗状況をお聞きします。 2番目に、市としまして市民の皆様への説明についてお聞きします。 ○議長(橋本恒典) 当局の答弁を求めます。 こども政策部長。 ◎こども政策部長(島田俊明) 凛風会、山中善治議員の代表質問にお答えいたします。 伴谷統合認定こども園整備事業についての1点目、進捗状況についてであります。 本整備事業につきましては、民間による公私連携幼保連携型認定こども園として、令和4年4月の開園を目指し、令和元年度に設置・運営事業者選定委員会を経て選定し、昨年5月には公私連携法人として指定を行いました。 これまで、保護者や地域の代表者などで構成されました実施計画検討協議会におきまして活発に御議論いただき、協議会での情報共有をはじめ、伴谷幼稚園・伴谷保育園通園児童の保護者の方や、伴谷地区区長会、関係する地域での説明を随時行ってまいりました。 開園に向けましては、事業者や市により、国交付金に係る県との協議や開発許可等に係る庁内協議等の調整を重ねてまいりました。しかしながら、伴谷統合認定こども園の指定法人から、甲賀市の地域福祉貢献のため、やり抜く意思の下で臨んできたものの、予想もしなかった新型コロナウイルス感染拡大による人材確保の困難等に鑑み、当法人の評議員会や理事会におきまして事業の実施は困難であると判断をされ、本年2月10日付で辞退届が提出されたところでございます。 市としましては、今回の辞退届の提出を受けて、事業者選定に携わっていただきました選定委員の方からの御意見等も伺い、辞退理由の精査と検証を行っているところでありますが、応募をされた時期からの社会情勢の変化等を踏まえると、辞退の受入れについては、やむを得ないと考えているところであります。 次に、2点目の市民説明についてであります。 伴谷統合認定こども園整備事業につきましては、市にとって重要な施策であり、幼保・小中学校再編計画に基づき保護者や地域の代表者などで構成されました再編検討協議会や実施計画検討協議会におきまして、これまで活発に御協議をいただいてまいりました。 令和4年4月の開園を目指してまいりましたが、このような状況から開園時期の見直しはやむを得ないと考えるところであり、まずもって、先月25日には実施計画検討協議会において説明をしたところであります。 市としましては、今般の検証を踏まえつつ、本整備事業について今後どのようなスケジュールで、どのように取り組んでいくのか、現在、検討しているところでありますので、市の方針が一定固まりましたなら、議会はもとより、実施計画検討協議会や地域、保護者に向けまして丁寧に説明を行いながら、整備に向けて進んでまいりたいと考えております。 以上、答弁といたします。 ○議長(橋本恒典) 15番、山中議員。 ◆15番(山中善治) ありがとうございました。大変だと思いますけども、頑張っていただきたいと思います。 それでは、最後の質問です。 11番、国家公務員の地域手当の仕組みが福祉現場への運営交付金の算定方式にも影響することについてお聞きします。 前段で介護・福祉人材育成、そのような質問もさせていただきましたが、人材確保につきましてはやはり質と量、その両方が要るのではないかと思いますけども、前段の質問は質のほうですね。今回は、やはり人数というか、携わっていただく、そういう方々に対する、そういう思いを持って聞かせていただきます。 国家公務員に支給されます各種手当のうちの地域手当は、地域の民間賃金水準を適正に反映するため、支給地域・割合については人事院規則で詳細に決められているとあります。 この地域手当は、20%から0%まで8段階ありますが、地方公務員にも適用されていまして、滋賀県では大津市・草津市・栗東市が10%、彦根市・守山市・甲賀市が6%、長浜市・東近江市が3%であります。 一方、福祉現場の人であります。介護での介護報酬は、サービスの提供に要する平均的な費用の額を勘案して設定するものでありまして、地域ごとの人件費の地域差を調整するため地域区分を設定し、1単位当たりの単価を定められています。この地域区分には、地域別と人件費割合別がありますが、地域別の区分は、先ほどの地方公務員の地域手当に準拠して設定してあり、連動していることが分かります。 そこで、このような仕組みが福祉現場に及ぼす影響や課題について、さらには、どのような改善策が考えられているかをお聞きします。 ○議長(橋本恒典) 当局の答弁を求めます。 総務部長。 ◎総務部長(伴孝史) 凛風会、山中善治議員の代表質問にお答えいたします。 国家公務員の地域手当の仕組みの福祉現場への影響についてであります。 地域手当は、勤務地によって生じる民間企業との賃金格差を是正するために支給される手当であり、平成26年の人事院勧告により、国家公務員の給料表や諸手当の在り方を含めた給与制度の総合的見直しが示され、民間賃金の低い地域における官民給与の格差を適切に反映するため給料表の水準が引き下げられ、これに伴い賃金格差が生じる地域につきましては、地域の実情に合わせるため地域手当の支給割合が見直されました。 本市におきましても、国家公務員の給与法改正に準拠し、平成27年度に給料表を引き下げるとともに、地域手当を6%を超えない範囲とする条例改正を行い、地域手当の見直しを行いました。 しかしながら、地域手当は、都市部と地方との地域手当による収入格差だけでなく、隣接する自治体との収入格差が生じている点などの問題が指摘されています。 地域手当の支給割合は地域ごとに決められ、民間賃金の高い東京都23区では20%、大阪市や横浜市では16%と高い数値になり、同一の職務でありながら最大20%もの差をつけることが適当であるのか、地域間の給与差が大きくなると優秀な人材が確保できなくなるのではないか、地域手当の支給割合が高い東京に人材が集まってしまい東京一極集中になるのではないか等の意見が言われているところであります。 これらの問題は、介護報酬をはじめとする福祉現場への運営交付金の算定において影響があると考えられ、地域の人材が条件のよい都市部等へ流出をし、地方でのサービスの低下や人材不足につながることが懸念されます。 こうしたことから、現在、厚生労働省の社会保障審議会等におきまして、自治体における「級地」の見直しも議論されておりますことから、まずは市といたしましても、こうした動きを注視してまいりたいと考えています。 以上、答弁といたします。 ○議長(橋本恒典) 15番、山中議員。 ◆15番(山中善治) ありがとうございました。 今回、時間的なことを考えまして、途中少し早口になりましたけども、執行部の皆様方におかれましては、丁寧に御答弁を頂きましたことを厚く御礼申し上げます。 どうぞ、このコロナ禍に負けない新しい甲賀市をつくるんだ、そのような意気込みを、私たちも含めまして議会から発信していくことが一つの使命じゃないかなと思っておりますので、私も含めまして、どうぞよろしくお願い申し上げます。 ありがとうございました。 ○議長(橋本恒典) これをもって、山中議員の代表質問を終了いたします。 暫時休憩いたします。 再開は、15時40分といたします。     (休憩 午後3時22分)     (再開 午後3時40分) ○議長(橋本恒典) 休憩前に引き続き会議を再開いたします。 次に、9番、田中議員の質問を許します。 9番、田中議員。 ◆9番(田中將之) 議席番号9番、公明党甲賀市議団の田中將之でございます。 ただいま議長から発言のお許しを頂きましたので、公明党・甲賀市議団を代表して、市政につきまして質問をさせていただきたいというふうに思います。 84.5%の人が甲賀市に愛着がある、66.6%の人が甲賀市に住み続けたい、コロナ禍にあっても73%の人が現在の暮らしに幸せを感じる、これは昨年の9月に実施をされました甲賀市市政に関する意識調査の結果であります。 一昨年に比べまして、いずれのポイントもプラスになってきております。今回のテーマは、アフターコロナを見据えた持続可能な甲賀市をつくるためにといたしました。 2019年3月の定例会での代表質問のテーマは、持続可能な甲賀市をつくるためにでありました。昨年は、新型コロナウイルス感染症拡大というパンデミックを経験をいたしました。まだまだ収束の見通しがつかず、これからも感染症との共存ということも見据えていかなければならないのでしょうか。コロナ禍が我々の日常を大きく変化させ、これからの持続可能なまちづくりとはどういうものか、先ほどの同僚議員の代表質問でも同様な問いかけがなされました。内容が重複することもありますが、通告に従って質問を進めさせていただきます。 最初のテーマであります新型コロナウイルス感染症の教訓について、お伺いをいたします。 私たちは、今、これまで人類が経験したことがない切迫した危機に直面をしております。異常気象の増加に見られるような、年々悪化の一途をたどる気候変動の問題に加えまして、新型コロナウイルス感染症のパンデミックが襲いかかり、それに伴い社会的・経済的な混乱も続いております。未曽有であるというのは、危機が折り重なっていることだけに由来するのではありません。長い歴史の中で人類は様々な危機に遭ってきましたが、世界中がこれだけ一斉に打撃を受け、あらゆる国の人々が生命と尊厳と生活を急激に脅かされ、切実に助けを必要とする状況に陥ることはなかったからであります。 我が甲賀市におきましても、コロナ禍により様々な影響があったと思います。 そこで、まず最初にこの一年間で市政運営にとって、どのような影響を受けたのか、お伺いをいたします。 次に、危機の日常化に伴って懸念されるのは、各自の努力で身を守ることが求められ、社会の重心がその一点に傾いていく中で、弱い立場にある人々の窮状が見過ごされがちになるおそれについてであります。 ソーシャルディスタンスやリモート化、ステイホームの推進などによって急激な感染拡大を抑え、医療現場の逼迫を防ぐための取組が広がってきた意義は大きいと思います。その行為は、まずもって大切な家族や身近な人々を守ることに直結しておりますが、同時にそれは同じ社会に生きる知らぬ大勢の人たちを守るための気遣いを積み重ねる行為にもなってきたと思えるからであります。 しかし、一方でコロナ危機が始まる以前から弱い立場に置かれていた人や、格差や差別に苦しみながらも社会的つながりによって支えられてきた人たちの生活や尊厳に深刻な影響が生じている側面にも目を向ける必要があるのではないでしょうか。例えば、ソーシャルディスタンスが重要といっても、日常的な介助を必要とする人たちにとって周囲のサポートがふだんよりも制限されることになれば、毎日の生活に重大な支障が出ることになります。 また、仕事や教育から買い物に至るまで、オンラインによるリモートが急速に進んできたものの、経済的な理由などでインターネットに接続する環境を持つことが困難な人や、オンラインの活用に不慣れな人たちが取り残されていく状況も課題となっております。 加えて、外出制限によるステイホームが長引く中で、家庭内暴力--DVに苦しむ女性たちが急属したことが報告をされております。中には、暴力を振るう相手が家にいる時間が長くなったために、行政や支援団体に連絡を取って相談する道まで塞がれている女性も少なくないと見られているのであります。 そこで、コロナ禍の影響といたしまして、特にコミュニティ地域でありますとか家族などについての影響はどうか、お伺いをいたします。 3点目に、ニューノーマルについてお伺いをいたします。 昨年7月、コロナ禍に立ち向かおうと題する国連のオンラインセミナーが行われた席上、ニューノーマルの意味について問われた国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、世界の人々が直面する現状に対して、その一言でもって規制してしまうことに異を唱えた上で、アブノーマル--異常な事態という言葉をもって表現したいと強調をされました。 また、事務総長は、別の機会で次のような主張をしていました。コロナ危機を受けてニューノーマルの必要性を訴える声が多くありますが、新型コロナが発生する前の世界がノーマルとはほど遠い状況であったことを忘れてはなりません。拡大する不平等、蔓延する性差別、若者が様々な機会を得られない状況、上昇しない賃金、悪化していく一方の気候変動、これらは一つとしてノーマルではないのですと、こうした世界のゆがみを放置したままでは置き去りにされてしまう人々が次々と出ることは避けられず、ましてアフターコロナの社会を展望することなどできないと感じるところであります。ついては、市長にとりましてアフターコロナにおけるニューノーマルについて、どのようにお考えか、お伺いをいたします。 4点目には、危機の日常化が進む中で、孤立したまま困難を深めている人々を置き去りにしないということが必要だと考えますが、現状、どのように捉えておられるのか、お伺いをいたします。 二つ目のテーマ、SDGsを市政運営に生かすことについてお伺いをいたします。 私は、2017年の代表質問におきまして、この甲賀市議会で初めてSDGsを取り上げた質問をいたしました。また、2019年の代表質問にも、改めてその考え方をただしたところでございます。今回3回目の質問となります。 まず、1点目です。 この間、SDGsは、企業でありますとか自治体、NPO、メディアなど、様々な分野で取組がなされ、国民・市民にも浸透してきております。 この滋賀県におきましては、2017年1月に、全国に先駆け持続可能な開発目標でありますSDGsを県政に取り組むことを宣言をいたしました。今年1月には、滋賀の社会的課題の解決につながるSDGsの理念を踏まえた新ビジネスモデルの創出を目指して、県と経済界で平成30年10月に設置されました「滋賀SDGs×イノベーションハブ」、(愛称)しがハブが官民連携優良事例全国5事例に選定されるなどの取組をしておられますが、市にとっても様々なSDGsの取組をされてきているところでありますが、今までの取組についてお伺いをいたします。 2点目には、コロナ禍はSDGsを達成するための挑戦であると同時に、また大きな機会でもあると言われております。コロナ禍で解決意識が強くなったゴールと、また逆に遅延見込みになったゴールがあると言われております。 まず解決意識が強くなったゴールといたしましては、コロナ禍は全世界的にステイホームを強いることになり、結果として人が家から外に出なくなり、労働集約型産業は停止する事態になりました。その結果、くしくも社会課題解決に光明が差す結果も生まれました。ICTを活用したオンライン教育が一気に一般化し始めているレベルに達しております、到達しております。これは、ゴールの4番目、質の高い教育をみんなにというゴールに対し、リモート事業など遠隔での教育インフラ整備が前進したと言えます。 これらICTインフラの整備やデジタルテクノロジーの利活用は、働き方を大きく変えるものとなり、コロナ禍は、いわゆるデジタルトランスフォーメーションを加速させ、リモートワークを推進させ、よりワーク・ライフ・バランスを実現しやすくなり、8番目のゴールであります働きがいも経済成長もというゴールを前進させたと捉えることもできます。 また、コロナ禍は、全世界的に衛生意識を強く芽生えさせるものとなりました。具体的には、マスクの着用による飛沫感染防止や、手洗い・うがいの徹底による感染防止が挙げられ、その意味では六つ目のゴール、安全なトイレを世界中にというゴールに対し、総じて衛生観念が底上げされたことによって、早期解決への意識が強くなったと捉えることができるのではないでしょうか。 他方、コロナ禍で解決が遅延傾向にあるゴールもございます。 今回のコロナ禍によって大きな影響を受けたのは、経済と雇用であります。経済活動による資金循環が止まったことで、結果として貧困や飢餓を助長することにもなり、一つ目のゴールであります貧困をなくそう、そして二つ目のゴールであります飢餓をゼロにというゴールにおきまして、解決遅延が起きているというふうに言われております。 また、ステイホームによって家庭内暴力が深刻化していることから、16番目のゴール、平和と公正を全ての人にというゴールは、児童虐待などのリスクがさらに増加し、解決遅延している状況にあると言われています。 市として、このように、コロナ禍を踏まえ、市はSDGsをどのように捉えているのか、お伺いをいたします。 三つ目のテーマでございます。 地方創生、イノベーションについてお伺いをいたします。 地方創生とは、地方自治体が従前と違う初めてのことを実施していく、あるいは他自治体と違う初めてのことに取り組んでいくことに集約されます。すなわち、地方創生とは、自治体にイノベーションを起こす能動的な取組であるべきです。 イノベーションという概念を提起したのは、経済学者のシュンペーターであります。 同氏は、イノベーションこそ資本主義の本質と説いており、イノベーションによる変化が経済を発展させると主張しております。シュンペーターは、イノベーションを次の5パターンに分けておりまして、一つ、新しい商品・サービスの創出、二つ、新しい生産方法の開発、三つ、新しい市場の開拓、四つ、原材料の新しい供給源の獲得、五つ、新しい組織の実現であり、全てを満たすのではなく、それぞれがイノベーションになるというふうに言われております。自治体を持続的に発展させるためには、イノベーションが重要と考えます。 そこで1点目に、真の意味での公民連携についてお伺いをします。 今日、自治体間競争に勝ち抜く視点は、多々あります。この時代の中で生き残っていくためには、自治体単独だけでは難しいと思われます。そこで、自治体は自治体外の多様な主体と協力・連携して自治体間競争に対応していくことになります。その動きが、公民連携だというふうに言われております。 自治体が自治体間競争に勝ち抜こうと公民連携に取り組む結果、民間企業の思想が公的世界に入り込み、従前の自治体にはあり得なかった多くのイノベーションが創出をされております。公民連携については、私もしばしば質問をさせていただいておりましたが、市の取組について改めてお伺いをするものであります。 2点目、政策形成段階におけるオープンイノベーションの取組について問うものであります。 近年、政策づくりのキーワード、それがオープンイノベーションであります。 オープンイノベーションとは、製品開発や技術改革、研究開発や組織改革などにおいて、自社以外の組織や機関などが持つ知識や技術を取り込んで自前主義からの脱却を図るということで、2003年にハーバード大学経営大学院の教授であったヘンリーチェスブロウによって提唱されました。 自治体におけるオープンイノベーションとは、自治体単独で政策づくりなどに取り組むのではなく、地域住民や民間企業、大学など多様な主体が持つアイデアやサービス、ノウハウを組み合わせ、革新的なビジネスモデルや地域活性化につなげる活動であります。甲賀市の現状と今後について、お伺いをいたします。 3点目です。 甲賀市の移住・定住施策について、その考えをお伺いをいたします。 一つ目は、関係人口に対する取組についてお伺いをいたします。 12月の定例会で、私、そしてまた同僚議員も関係人口について質問をしたところであります。最近では、国が関係人口を重要視していることもあり、どこの自治体も関係人口を増やすという施策を行っていることから、今や関係人口市場はレッドオーシャンになっていると、このように言われてもきております。 そこで、例えば田植えを手伝ってもらうでありますとか地域の祭りのスタッフになって一緒に盛り上げるなど、関係人口で重要なのは、もう一歩近寄った地域の人との関係性だと思いますが、甲賀市の現状と取組についてお伺いをいたします。 二つ目は、移住・定住施策については、移住フェア、そしてまた移住支援金の交付など、従来から取り組んできておられますが、その実績についてお伺いをいたします。 三つ目です。 国の令和2年度3次補正で地方創生テレワークの推進がございます。 施策の目的は、新型コロナウイルス感染症の拡大を契機に、国民の意識・行動の変容が見られることを踏まえて、地方でのサテライトオフィスの開設やテレワークを活用した移住滞在の取組などを支援することにより、地方への新しい人の流れを創出し、東京圏への一極集中是正、地方分散型の活力ある地域社会の実現を図るというもので、概要はサテライトオフィスなどの施設整備・運営や民間の施設開設・運営の支援など、地方創生に資するテレワークの推進により地方への新たな人の流れを創出する地方公共団体の取組を支援、地方創生に資するテレワーク推進の実施計画を地方公共が策定、計画掲載事業の実施に対し国が交付金により支援するものでありますが、甲賀市におきまして令和3年度の予算でも一部上っておりますけども、このテレワークのサテライトオフィス化については予算が上がっておりますけども、市が所有する施設をこの国の制度を利用して活用してはいかがでしょうか。 4点目です。 今日、自助・共助・公助という流れで使われることが多くございますが、自助の次には家族の援助である家助、家の助けですね、家助があるべきではないでしょうか。例えば、児童虐待や子どもの貧困などの一原因に、家族の援助の希薄があるように思います。自助の次が共助ということが当たり前になっておりますが、本当は家助の復権が必要だと考えますが、市としての見解をお伺いをいたします。 5点目です。 ミレニアル世代、Z世代にどのように市政に関わってもらうのか。 先日、今、ちまたではやりの「Clubhouse(クラブハウス)」でZ世代のルームというのをのぞいておりましたら、結局、意思決定はX世代がするんですよという発言がございました。この発言に対しまして、私もX世代の一人として反省をしていましたが、ミレニアル世代・Z世代が意思決定をする場面も大切だなと感じた次第であります。次のデザイン思考にも通じますが、意思決定の段階で、とがったアイデアの角をどんどん削り取ることがあると思います。既に職員さんたちにも、いわゆるミレニアル世代・Z世代が多くおられる中で斬新な取組を望むところでもありますが、そのお考えをお伺いをいたします。 6点目です。 デザイン思考を行政に取り入れることについてお伺いをいたします。これも前回の代表質問で質問させていただいたところでございます。 デザイン思考とは、デザインしたサービスやプロダクトの先にあるユーザーを理解し、仮説を立て、初期の段階で明らかにならなかった第2の戦略や代替する解決策を特定するために、問題を再定義する一連の問題解決の考え方のことであります。ユーザーも気づかない本質的なニーズを見つけ、変革させるイノベーション思考のこととも言えます。デザイン制作における思考方法を用い、それをビジネスや経営に生かしていくアプローチであります。 実際にデザイン思考は、事例としてP&Gでありますとかグーグルといった外資系企業やヤフージャパンといった日本企業などでも導入が始まっております。デザイン思考とは、思考法ではなく、プロセスだと認識をしております。まず、フィールドワークで問いを見つける、その見つけた問いから問題を定義する、見つけた問題を解決するプロダクトをプロトタイピングする、そのプロトタイピングをテストし改善することを繰り返すというプロセスであります。これを行政に置き換えると、市民生活の中の問いを見つけ、問いから問題を定義する、問題を解決する施策を試し、改善するというプロセスになると思いますが、いかがでしょうか。 四つ目のテーマ、DX--デジタルトランスフォーメーション、そしてデジタル化についてお伺いをいたします。 昨年9月に発足した菅内閣の目玉政策の一つが、言うまでもなく行政のデジタル化を進めるデジタル庁の創設を伴う本格的なDXへの転換であります。 政府は、先月9日、デジタル庁の設置法案を含むデジタル改革関連6法案を閣議決定いたしました。首相をトップに、9月1日に発足すると定めました。非常勤職員を含め500人規模の組織とし、事務次官に当たる特別職のデジタル官など、全体の2割で民間の人材を採用するとのことであります。デジタル庁の役割は、行政システムの標準化を柱とし、自治体が個別に運用する行政システムも全国規模のクラウドへの移行を促すとのことであります。 甲賀市の令和3年度一般会計予算では、ICT技術を活用したデジタル化の取組を推進し、地域の課題解決につなげるとともに、行政サービスの質の向上と事務の効率化、行政手続、窓口対応、学校現場など、あらゆる場面でのICT活用を推進し、スマート自治体、スマートシティ、ICT教育に取り組むとしておりますが、市の今後のデジタル化に向けての考えを問うものであります。 まず、1点目であります。 DX--デジタルトランスフォーメーションについて、市はどのように認識をしておられるか、お尋ねをいたします。 DXの発祥は、2004年、スウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が、その概念を提唱しました。ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でよりよい方向に変化させるということですが、15年たって、昨今、DXが盛んに言われるようになってきました。民間では、既に様々に取組をされていますが、具体的に市はDXをどのように認識しておられますか。 2点目です。 甲賀市ICT推進ビジョンが、現在、策定中でありますが、これにより具体的に市民の生活はどのように利便性が上がり日々の暮らしの価値が上がるのか、お尋ねをいたします。 3点目です。 先ほどのミレニアル世代・Z世代は、デジタルパイオニア、デジタルネイティブと言われておりますが、DX政策において大変重要な世代であると思われますが、その活用などについて所見をお伺いをいたします。 4点目です。 DXやデジタル化については、誰一人取り残さないユニバーサルデザインが必要であると考えています。平井卓也デジタル改革担当大臣は、このように発言をされています。 今回、UI--ユーザーインターフェース、UX--ユーザーエクスペリエンスをシステム構築の上で最重要視しています。UI・UXなきDXはない--ローマ字ばっかりですけども--という立場に立っており、若いベンチャー企業などにも協力を頂いています。そうしたベンチャー企業にとっては、国民の利便性を図れるUI・UXの開発が、そのままビジネスに直結するかと思う。また、日本発のイノベーションを起こせる分野、ITシステムは若い人だけを対象にしているわけではない、どのような方でも利便性を享受できることを目指すということは、今後、世界で進む高齢化といった問題に対して日本が先行して取り組むということ、UI・UXがいくらよくても使いたくない人、使えない人が出てくると思っている。人に優しいデジタル化という意味では、行政の人的リソースと近いアナログの世界での住民サービスを向上させようと考えている。デジタルの中だけに閉じこもるのが、我々が目指すDXではない。足らざる部分はアナログで強化しますと、このようにおっしゃっております。 甲賀市のDXにつきましても、誰もが使いやすいUIやUXの設計が大切でありますが、認識をお伺いをいたします。 五つ目のテーマ、地域経済について質問をいたします。 緊急事態宣言の再発令に伴い、緊急事態宣言以外の地域でも、その影響は大きいものがあります。昨年の緊急事態宣言のときには、特別臨時給付金や窮状に対する支援金がございましたが、今回、宣言以外の県では大変厳しい状況になっております。先ほどの答弁でもございましたけども、市内の現状と今後についてお伺いをいたします。 1点目であります。 コロナ以前と以後の市内の地域経済への影響をどのように捉えておられるか、お伺いをいたします。 まず、一つ目は景気動向から見て、二つ目は有効求人倍率から見て、三つ目は産業分類から見て、四つ目はサプライチェーンの寸断による影響について、それぞれについてお伺いをいたします。 2点目です。 そこから見えてくる課題、取り組むべき方向性についてお伺いをいたします。 リモートなどのデジタル化、ICT化など、方向性は示されておりますが、特に小規模事業者などへの対策をどのように取っていくのか、お尋ねをいたします。 3点目です。 これも先ほどございましたけども、農業施策についてお伺いをいたします。 一つ目、コロナ禍における農業への影響についてお伺いをいたします。 全国的な新型コロナウイルス禍の農業経営に与える影響については、肉用牛繁殖、肉用牛の飼育、そして花卉、水田農業では、飲食店の営業利用自粛を受けた業務用向け利用減により影響がある、このように聞くところでございますが、甲賀市の現状をお伺いをいたします。 二つ目です。 農林水産物、食品の輸出拡大は地方の活性化を進める上で重要であり、さらなる輸出拡大に向けて、政府は農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略を策定をいたしました。この戦略の趣旨は、2025年2兆円、2030年5兆円目標の達成には、海外市場で求められるスペック--量、価格、品質、規格の産品を専門的・継続的に生産・販売するマーケットイン体制整備が不可欠であるとし、マーケットインで輸出に取り組む体制を整理するため、一つ目として速やかに実行するもの、二つ目、令和3年夏までに方向を決定し実行するものを実行戦略として取りまとめることとしております。 甲賀市におきましても、アフターコロナに向けて海外への対策を積極的に取り組むべきじゃないかと考えますが、いかがでしょうか。 4点目、地場産業振興についてお伺いをいたします。 一つ目ですが、コロナ禍における薬業、信楽焼の影響についてお伺いをいたします。 二つ目、現在、お茶、信楽焼のブランド化が進められておりますが、現状についてお伺いをいたします。 三つ目です。 薬業は、甲賀市にとりまして最大の地場産業でございますが、ブランドづくりの市の取組についてお尋ねをいたします。 続きまして六つ目のテーマ、観光振興について質問をいたします。 昨年4月に緊急事態宣言が出されるまでは、スカーレット効果もあり、市内は観光客でにぎわっておりましたが、それ以降は大変厳しい状況になっております。新型コロナウイルスの影響で、外国に旅行する人が減ったことによる世界の観光業の損失が、去年1年間で135兆円余りに上ると推計されることが、国連世界観光機関のまとめで分かったとの記事がございました。 国連世界観光機関によりますと、新型コロナウイルスの感染拡大で人の移動が世界的に制限された影響で、去年1年間に外国に旅行をした人は前の年よりおよそ10億人減り、これによる世界の観光業の損失は1兆3,000億ドル、日本円で135兆円余りと推計されるとのことです。 これは、リーマンショック後の2009年の11倍以上に上るということであります。こうした影響で、観光業に関わる人のうち、1億人から1億2,000万人が仕事を失うおそれがあり、特に中小企業への影響が深刻だということであります。 甲賀市の訪日外国人観光客は、以前からそれほど多くはなかったですが、信楽におきましては、某ミュージアムをはじめまして個人での外国からのハイエンドトラベラーが来られなくなった影響は大変大きいものがございます。また、地域の様々なイベント、お祭り、行事の中止、団体旅行の激減など、その影響は大きいものと思われます。 先ほどは地域経済の影響等について質問をいたしましたが、観光の現状と今後に絞ってお尋ねをしていきたいというふうに思います。 1点目であります。 旧町別、主な施設別、宿泊、訪日外国人など、市内観光客の入込みの実態はどのようになっているか、お伺いをいたします。 2点目、信楽町観光協会が実施したアンケート調査結果から、今後の戦略をどのように見るかということについてお伺いいたします。マイクロツーリズムを見据えた戦略、近隣府県はもとより、滋賀県内の観光客誘致に注力すべきと考えますが、いかがでしょうか。 このアンケートでは、発地としては滋賀県全域で36.4%でございました。次いで近接地の大阪府が20%、この滋賀県と大阪府だけで56%を占めております。それに加えまして、京都9.2%、三重県7.2%、兵庫県8.2%、奈良県4.6%と、ドライブで2時間以内の地域からの来訪が全体の88.4%となっております。まさに、マイクロツーリズムだというふうに言えると思います。このように、ターゲットが明確になってきており、打つべき手は明確になったというふうに考えるところでございます。 3点目です。 市内のGoToキャンペーンの効果をどのように見ているか、お伺いをいたします。先ほども答弁がございましたけど、また、よろしくお願いします。 また、GoToキャンペーンとコロナウイルス感染者の増減に対するエビデンスについて、どのように見ているか、お尋ねをいたします。 4点目、滋賀県ではビワイチサイクルツーリズムに取り組んでいるところであります。サイクルトレインは、市内の近江鉄道、信楽高原鐵道で可能でありますが、乗り継ぎとなるJRの貴生川駅が対応していないため、信楽高原鐵道では信楽駅と紫香楽宮跡駅の間のみの利用となります。貴生川駅から信楽駅までサイクルトレインが利用できると、きつい上り坂をSKRで信楽まで来て、帰りの下り坂は自転車を使うということが可能になります。貴生川駅での乗り継ぎに対して市が積極的にJRと協議してはいかがかと思いますが、その考えについてお伺いをしたいというふうに思います。 5点目であります。 令和3年度は、信楽まちなか芸術祭、また、昨年オープンしたリアル忍者館のさらなる充実など、アフターコロナを見据えた観光施策が進められます。オール甲賀にその効果が行き渡るようすべきでありますが、どのように取り組んでいくのか、お尋ねをいたします。 最後のテーマであります持続可能なまちづくりのためについて、質問をいたします。 アフターコロナのまちづくりとはどのようなものか、様々な意見が出されています。市長は「新しい豊かさ」をキーワードに、第2次総合計画第2期基本計画を提案をされました。 コロナによって市民の常識が大きく変わり、新たな価値の創造が盛り込まれた計画であると認識をしております。計画に示されていた仕組みを変えるという視点の中で、不便・過剰な規制や複雑な仕組みが民間投資やイノベーションを阻害し市民の利益を損なっていることから、真の公益性を見詰め直すとともに、原則自由型、オプトアウト型、問題発生時に規制・禁止の行政経営へと思考を転換、バックキャスト--未来起点ですね--による政策立案を進めるため政策形成過程における市民、議会との議論や専門人材の参画を進める、全国に向けて町の魅力を売り込み、市民、企業から選ばれるまちとなることで、稼ぐ力による持続可能性を高めるということが盛り込まれております。私は大変共感を得ましたが、改めて市長の思いをお伺いしたいというふうに思います。 質問は、以上であります。 ○議長(橋本恒典) 本日の会議時間は、議事の都合により、あらかじめこれを延長します。 9番、田中議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 市長。 ◎市長(岩永裕貴) 公明党・甲賀市議団、田中將之議員の代表質問にお答えをいたします。 新型コロナウイルス感染症の教訓についてのうち、この1年間で市政運営にとってコロナ禍により受けた影響についてでございます。 新型コロナウイルス感染症の拡大により、広く市民の皆様との意見交換の機会となります行事等の開催が難しい状況となったことや、また、地域に出向いて対応する現場重視の行政運営に影響を受けております。 一例を挙げますと、タウンミーティングや市長座談会をはじめ、健康診断、高齢者の健康づくりの取組、また、生活困窮者世帯の子どもたちへの支援といった社会的に弱い立場の皆様への取組なども制約を受けております。 また、全国一斉の小中学校の臨時休業や学校行事の自粛により、子どもたちにとってかけがえのない思い出づくりの機会が失われていることには大変心が痛み、また、学習機会の確保するため学校現場でも大変な御苦労をいただいております。 ほかにも、令和2年から3年度にかけて予定をされていたオリンピック・パラリンピックや全国植樹祭など、国レベルの事業が延期となったことで、スカーレットの放送を起点とした一連のシティセールス戦略が変更を余儀なくされ、観光振興などによる地域活性化へ大きな期待もしていただけに、大変残念な状況となっております。 あわせて、多くの市主催行事や観光イベントなども相次ぎ延期・中止となり、感染防止を図るための苦渋の選択ではありますが、楽しみにされていた方も多く、残念に思われていることと思います。 同様に、市内各地域で開催される地域行事も見送られることが多く、例年行われるお祭りや運動会、文化祭といった人の集まりやにぎわいが見れず、寂しさを感じるとともに、私自身も地域に出かけ市民の皆様と直接対話を重ねる機会が大幅に少なくなり、市政に対する市民皆様の声を生でお聞きする機会が少なくなったことは、人と人との絆を深めることが大切な時期だけに、残念な思いをいたしております。 次に、コミュニティについての影響はどうかについてであります。 新型コロナウイルス感染症の影響による生活相談が急増をした令和2年3月から、市民皆様の困り事に対応するため、市社会福祉協議会とともにワンストップ相談窓口を設け、相談に対応をしてまいりました。令和2年4月から令和3年1月末現在の新規相談件数は598件となっており、令和元年度1年間の新規相談件数183件を大幅に上回っております。 相談内容といたしましては、収入・生活費のことが最も多く、次いで住まいのこと、仕事のこととなっておりますが、中には収入・生活費の相談を聞いていくうちに、ひきこもっている家族がいることが判明をするなど、複合的な課題を抱え、制度のはざまにおられる家庭からの御相談もございました。 また、児童虐待による新規通告相談件数は、令和2年4月から令和3年1月末までで453件あり、前年同期の224件と比較すると倍増をいたしております。 相談経路といたしましては、市生活相談窓口や家族、医療機関からが昨年と比べると多くなっております。 配偶者からの暴力など、女性相談の件数は令和2年4月から令和3年1月末で39件あり、これも令和元年度1年間の20件と比較すると、倍増をいたしております。 地域活動につきましては、100歳体操や地元のサロン活動も開催できない状況が続き、10月現在では全体の約6割で活動を再開されるにとどまっておりました。また、ひきこもりの方を対象としたサロンにつきましては、緊急事態宣言下も通常どおり開催をしておりましたが、前年に比べ参加者が減少するなどの影響が出ております。 そのほか、障がいのある方につきましては、サマースクールが中止されたことや、短期入所事業所が一時的に受入れを停止されたことで、定期的な利用が困難となり家族が対応されるケースが発生をいたしております。 また、本人の楽しみである外出などの余暇活動が制限される中、通所事業所では感染対策に配慮しながら余暇的な活動をされておりますが、規模的には縮小となっております。 次に、アフターコロナにおけるニューノーマルの認識についてであります。 ニューノーマルとは、コロナ禍により、これまでの日常や当たり前が通用しない新しい生活習慣、新しい常識を指すものと認識をいたしております。 一方で、議員御指摘のとおり、コロナ禍以前の社会においても、不平等や性差別、経済格差、気候変動など、ノーマルとは言い難い課題が山積していたことも事実であり、このような事態を放置したままの社会が、アフターコロナにおいてニューノーマルとなってはいけないと考えております。 本市が目指すべきニューノーマルとは、基本構想に掲げたまちや人の姿であり、誰もが生きがいを持って健康で安心して暮らせる、もし誰かが不幸に苦しむことがあれば周りから温かい手が差し伸べられ、誰かが新たなチャレンジに挑むときには力強い応援が寄せられる、誰一人取り残さない持続性と包摂性のある社会であると考えております。 次に、危機の日常化が進む中で、孤立したまま困難を深めている人々を置き去りにしないことに対する現状認識についてであります。 国におきましては、孤独・孤立対策担当室が2月19日に設置をされ、新型コロナウイルス感染拡大の影響により深刻化する社会的な孤立・孤独問題対策を5月までに取りまとめる方針を明らかにされました。 コロナ禍の現在は、多くの人がソーシャルディスタンスを意識しながら日常生活を送っており、外出自粛や失業、学校の休校など、様々な要因で孤独を抱える人の増加が問題視をされ、本年度実施をいたしました市政に関する意識調査におきましても、新型コロナウイルスで受けた影響は、憂鬱感など精神面が36%と最も多くなっております。 深刻化する社会的孤立は、心身にダメージを与えるとされており、心の健康を守るためには、ストレス発散につながる運動や屋外に出て太陽の光を浴びるなど、自然と触れ合うことも効果があると言われており、また、ビデオチャットなどのインターネットを介して親しい人と連絡を取り合うことも有効であると考えております。 離職や収入減による生活困窮相談が急増をしている中において、住み慣れた地域での暮らしを守るため、昨年4月から市社会福祉協議会とともに、ワンストップの相談窓口を設けて様々な相談に対応し、その相談内容に応じ、各地域包括支援センターをはじめとする関係機関と連携し支援につなげてまいりました。 また、生活相談業務に加え、ひきこもりをはじめとする生活課題をお持ちの方に対しましては、アウトリーチによる訪問面談により困り事の聴き取りや生活状況の確認を行うなど、個々の状況に応じた支援も行っておりいます。 ほかにも、民生委員・児童委員、ご近所福祉コーディネーターや生活支援コーディネーターなど、地域のボランティアの方々が訪問や電話をするなど、様々な手段を用いて孤立しがちな方々を見守り、地域の居場所づくりにも取り組んでいただいております。 今、時代の大きな転換期にあり、こうしたときには社会的に取り残される人が出てくることが懸念をされますが、危機的な状況になる前に、体制づくり・仕組みづくりにしっかり取り組んでまいります。 今後は、国の孤独・孤立対策担当室で取りまとめられる方針や動向にも注視をしつつ、地域の多様な担い手とも連携をし、令和4年度から予定をいたしております重層的・包括的な支援体制の整備に向けて準備をしっかり進めていきたいと考えております。 次に、SDGsを市政運営に生かすことについてのうち、これまでのSDGsの取組についてであります。 誰一人取り残さないというSDGsの理念につきましては、第2次甲賀市総合計画の基本構想に定める未来像「あい甲賀いつもの暮らしに「しあわせ」を感じるまち」と通じるものであると考えております。 これまでの取組といたしまして、食品ロスの削減、生活困窮者への支援を目的としたフードバンクや、立命館大学など13名の大学生が土山町山内地域を拠点として活動された「ふるさとSDGs」、職員研修におけるSDGsについて学びのプログラム、「まるーむ」における市民活動団体による勉強会など、これらの取組は、徐々に職員をはじめ市民の皆様方にも広がりつつあると認識をいたしております。 次に、コロナ禍を踏まえ、SDGsをどのように捉えるのかについてであります。 新型コロナウイルス感染症は、社会経済システムや日常生活に今まで想像し得なかったほどの変化を起こし、これまで当たり前とされていた物の見方や考え方にも大きな変化をもたらしています。人類の生存と経済の発展に影響を与えるものでもあり、第2次甲賀市総合計画の第2期基本計画でもお示しをいたしておりますSDGsの理念である「経済、社会、環境の調和」を脅かすものであると考えております。 失業者や生活困窮者の増加や教育格差の是正、感染者に対する偏見など、コロナ禍で顕在化したこれらの課題をSDGsの課題と結びつけた上で、第2期基本計画においてお示しをしてまいります。 次に、地方創生、イノベーションについてのうち、公民連携についてであります。 コロナ禍により、市民の生命、財産を守るという行政が担うべき役割の重要性が再認識される一方で、限られた「ヒト」、「モノ」、「カネ」を投資する上で、その公共サービスは真に行政が担うべきものか見定める必要性が高まりつつあると考えております。 これまでの官と民の連携は、民間委託や指定管理など公共サービスの提供を単純に民間に依頼するものでありましたが、公民連携とは、地域住民や民間企業、NPO法人、大学等と自治体が共に活動をして新しい公共サービスを創出し、担い手としても活躍いただくものであります。 このことから、総合計画第2期基本計画において、市民、NPO、事業者の力を最大限に引き出し、官民双方の協力により切磋琢磨を積み重ねる中で成果を生み出すことを定めたところであり、行政が取り組む全ての分野において双方の利益を生み出す真の公民連携が進むよう、取組を加速してまいります。 次に、政策形成段階におけるオープンイノベーションの取組の現状と今後についてであります。 オープンイノベーションとは、行政だけではできないことを外部の知見を活用することで、技術革新を生み出し新たな価値を創造するなど、行政の自前主義からの脱却により化学反応を起こすことであると理解をいたしております。 私自身は、市長の就任当初より、行政にできることには限界があるとの考え方の下、市民、地域コミュニティ、市民活動団体、民間事業者など、多くの皆さんに御協力を頂きながら、それぞれの力が最大限に発揮できる「オール甲賀」の取組をこれまで進めてきたところでありますが、官民にこだわらないオープンイノベーションの取組は、まだまだ進んでいないと認識をいたしております。 このことから、多様化・複雑化する政策的な課題に対しまして、専門的な立場から助言等を頂くため、政策アドバイザー制度の導入を検討しているところであります。 次に、関係人口の取組についてであります。 本市の関係人口に関わる取組といたしましては、昨年度、立命館大学の学生を中心として活動された「甲賀でつながる30日」の事業があり、土山町山内地域を拠点に1か月間の生活をされるなど、地域の方との交流を深め、短期間ではありますが地域の担い手として活躍いただいたことは、関係人口の創出にも大きく貢献をしていただいたところであります。 また、ふるさと納税の取組では、信楽焼や土山茶、朝宮茶、忍者やスカーレットに関連する商品、陶芸体験やスポーツ体験など、本市の多様な魅力を返礼品として発信をすることで、全国から甲賀市を応援をしたい、甲賀市に行ってみたいといった多くの方からの御寄附を頂いているところであります。 今年度は、1月末現在で全国から1万712件の御寄附を頂いており、御寄附いただいた方とは、ふるさと納税を通じて本市との継続的なつながりが生まれ、関係人口の創出にもつながっておると考えております。 次に、定住・移住施策の実績についてであります。 本市における移住施策支援につきましては、例えば、住宅リフォーム助成事業があり、令和元年度の実績は287件、令和2年度は12月末時点での実績は296件、そのうち転入者への助成が、令和元年度は4件、令和2年度は12月末現在では3件であります。 また、結婚支援事業につきましては、令和元年度の成婚に至った実績は4件、令和2年度は1月末時点では1件となっております。 ほかにも、県や県内自治体と連携をし、大阪・東京で開催をされる移住フェアにも参加をしており、そこでの本市への移住希望者の相談数は、令和元年度は51件、令和2年度は2件となっております。 本年度の結婚支援事業、移住フェアにつきましては、新型コロナウイルス感染防止のため事業の一時中止などがあり、成婚件数、そして、移住希望者の相談件数が昨年度に比べ低くなってしまっている状況であります。 また、住民基本台帳から転入世帯を見てみますと、令和元年度は2,535世帯、令和2年度は1月末時点で1,772世帯となっており、また、転入された方、全てではありませんが、移住・定住を目的に本市へ転入された方を確認するための窓口アンケートの結果では、令和元年度は、御回答いただいた142名のうち15名、令和2年度は1月末現在で114名のうち18人の方が移住・定住を目的に本市に転入されている状況であります。 移住・定住施策につきましては、個別に事業を進めても直ちに移住・定住者の増加につながるものではありませんので、単独で事業を行うのではなく、公共交通をはじめ、仕事や住まい、結婚から子育て、教育、福祉などの施策をパッケージで発信をしていくことで、どの世代においても本市に魅力を感じていただけるよう、現在、部局横断による定住・移住プロジェクトチームの準備を進めているところであります。 次に、市の所有する施設を活用したテレワークの推進についてであります。 議員から御紹介のございました地方創生テレワークは、新型コロナウイルス感染症の拡大を契機としたテレワークの普及、地方移住への関心の高まりを受けて、地方におけるサテライトオフィスでの勤務など、地方創生に資するテレワークを推進し、地方への新たな人の流れを創出をする地方公共団体の取組を支援することを目的として、国が新たな交付金制度を設けられたところであります。 本市におきましても、新しい豊かさにつながる多様な働き方の実現や、移住・定住を促進するための働く環境が必要である一方、市内には自宅以外の場所でテレワークが可能なサテライトオフィスやコワーキングスペースが十分に、いまだ整備がされておりません。 このため、新年度予算におきまして市が整備した光ファイバーを活用してサテライトオフィス等の整備を行う民間事業者などに対し、導入費用の一部を支援することといたしております。 また、サテライトオフィスなどの開設に当たりリフォームを行う場合には、費用の一部を市が補助することといたしており、これらの経費について地方創生テレワーク交付金の活用も検討をいたしております。 なお、これらは民間保有施設を活用したサテライトオフィスなどの開設を支援する事業でありますが、議員御指摘の市の施設を活用したテレワークについても、市が所有する様々な施設を今後有効活用していく中で、活用方法の一つとして検討してまいりたいと考えます。 次に、現代社会における家助の重要性に対する市の見解についてであります。 自然災害が大規模化・激甚化するとともに、介護、子育て、障がい、困窮など、個人の課題が複雑化・深刻化する中で、最も身近な単位である家族の援助、いわゆる家助の役割は、ますます大きくなっております。 市では、三世代同居・近居定住促進リフォーム事業補助など、同居を促進する支援を行っておりますが、特にコロナ禍においては人と触れ合うことの尊さ、すばらしさ、家族と過ごす時間の大切さを改めて実感をいたしております。 一方で、独居世帯や高齢者世帯、独り親家庭など、多様な家族の在り方を前提とした、誰一人取り残さない、きめ細やかでセーフティネットの充実につながるサポートの充実が求められております。 次に、ミレニアル世代・Z世代における市政への関わりと考え方についてであります。 これらの世代は、テクノロジーやソーシャルメディアに精通した世代であり、グローバルな思考を発揮するなど、アフターコロナにおける新しい豊かさを体現する中心的な世代でもあります。 今後、社会の中核を担うこれらの世代のニーズは、本市の人口減少対策を進める上で大きな意味を持つものであり、市職員だけではなく、商工会や水口青年会議所、企業、市民活動団体など、様々な属性を持つ同世代がコミュニケーションを図り、新たな政策形成やソーシャルビジネスの構築につながることを期待をいたしております。 今後は、あらゆる機会において、これらの世代のチャレンジを応援する機会づくりを進めるなど、若者層が挑戦できるまちづくりを進めてまいりたいと考えております。 次に、デザイン思考を行政に取り入れることについてであります。 行政におけるデザイン思考とは、市民との共感による問題発見から、施策の迅速かつ反復的な見直し・検証までを繰り返す一連のプロセスであると認識をいたしております。 これまでの行政施策は、一部の市民、事業者の要望や行政職員の一方的な仮説に基づくものもあり、市民や地域の団体自らが解決できる課題にまで行政が単独で対応をしてしまうなど、役割分担が不明確な施策も大変多くあったのではないかと認識をいたしております。 また、行政が一度決定した施策は、継続性にこだわり不平等を恐れるがあまり、事業の見直しや改善に消極的となる傾向があることも事実であります。 デザイン思考につきましては、これらの課題解決や自治体のイノベーションを起こす取組であり、デザイン思考の考え方に沿った検証を行うとともに、市民目線で市民の本音を捉えられるような対話のできる職員の人材育成に向けて取り組んでいるところであります。 今後も、現場でのトライ・アンド・エラーを応援する組織風土の醸成に向けて、さらに取組を強化してまいります。 次に、DX、デジタル化についてのうち、DXの認識についてであります。 DX--デジタルトランスフォーメーションは、特に企業などにおいてデータとデジタル技術を活用してビジネスモデルを変革し、業務そのものを見直しながら競争上の優位性を確立する取組を指す言葉でございますが、AI・IoTなどの技術を単に採用するのではなく、こうした先端技術を活用しながらビジネスモデルの変革を進めていくことが、デジタルトランスフォーメーションの基本的な考え方であると認識をいたしております。 近年、企業のみならず住民サービスの向上や効率的な事務処理のため、自治体運営についても、デジタルトランスフォーメーションの必要性が高まってきております。 このため、国においては、昨年12月に総務省が自治体デジタルトランスフォーメーション推進計画を定め、国と地方が一体となって情報システムの標準化・共通化、マイナンバーなどの普及促進、行政手続のオンライン化などの取組を重点的に進めることとしております。 本市におきましても、デジタルトランスフォーメーションを進めていく中で、行政サービスを変革をし、市民の皆様にとって価値あるサービスを実現していくことが重要であります。 次に、甲賀市ICT推進ビジョンの策定と市民生活における利便性及び暮らしの価値向上についてであります。 デジタル社会の実現に向け、また、本定例会に議案として提出をいたしております第2次甲賀市総合計画第2期基本計画案に定める目標を達成するため、本市におけるデジタル化の取組を加速し、計画的な推進を図るための計画として、ICT推進ビジョンの策定を進めております。 ICT推進ビジョンの策定に当たりましては、誰もがいつもの暮らしに「しあわせ」を感じることができるデジタル社会の実現を目指し、行政のデジタル化による市民サービスの利便性向上や業務の効率化、スマートシティの実現による安心して快適に生活できるまちづくり、ICTインフラの整備、地域情報基盤の活用推進、ICT人材の育成、デジタル格差対策に取り組むことといたしております。 こうした取組を通じて、市民生活においては、市役所窓口へ足を運ぶことなく行政手続が完了でき、あらゆる地域、あらゆる人にとって移動しやすい交通手段も整備がされ、市内全域で5Gなどの高度な情報ネットワークが早期に利用でき、小中学校では高度なICT環境を生かした多様な学びが実現をし、高齢者がスマートフォンなどICT機器を便利に使いこなして様々なサービスが利用できる環境づくりなどを実現してまいりたいと考えております。 次に、ミレニアル世代・Z世代のDX政策への活用についてであります。 いわゆるミレニアル世代・Z世代につきましては、インターネットとともに育ってきておりますので、これからのデジタル社会と非常に親和性が高い世代と言われております。 近年、社会全体のデジタル化が進む中で、データサイエンスと呼ばれる統計や数学、ITなどの知識を活用した分析などを学ぶことができる大学も近年増えつつあり、こうした分野で若い世代が台頭をしております。 今後の政策立案に当たりましては、データなどのエビデンスに基づく取組がより一層重要となってくる中で、例えば大学などの研究機関と連携し共同でデータ分析に取り組むなど、若い世代の能力の活用が考えられるところであり、今後検討を進めてまいりたいと考えております。 次に、ユニバーサルデザインや誰もが使いやすいUI・UXに対する認識についてであります。 デジタル社会におきまして、UI--ユーザーインターフェースや、サービスから受ける体験であるUX--ユーザーエクスペリエンスは、人とデジタルとの接点となる非常に大事なポイントになってくると認識をいたしております。 例えば、現在検討いたしておりますデジタル化事業の中で、電子申請の前段階で利用をしていただく手続ガイドにつきましては、様々なライフイベントに対しまして、簡単な質問に答えるだけで、どこで、どのような手続が必要か分かる仕組みづくりを目指しており、まさに全てにユーザーエクスペリエンスを提供できるものであるとも考えております。 また、デジタル社会におきましては、できるだけ自分の使いやすい環境でサービスを利用できることが、その方にとっての使いやすさとなると考えており、できるだけ多くの機器から支障なくサービス利用できるよう、標準的な規格・アクセシビリティ規格に準拠するなど、柔軟性があり利用しやすいデジタル環境を提供できるように努めてまいりたいと考えております。 今後推進していくデジタル社会が、身体的制約や利用環境に関係なく、全ての皆様にとって優しい社会となるよう、さらに研究を進めてまいります。 次に、地域経済についてのうち、コロナ以前と以後の市内の地域経済への影響の1点目、景気動向から見た影響についてであります。 本年2月に日本銀行京都支店が発表されました管内経済金融概況によりますと、京都・滋賀県の景気は、新型コロナウイルス感染症の影響により依然として厳しい状態にあるが、基調としては持ち直しの動きが続いているとされておりますが、市商工会をはじめとする関係団体等からの情報などからも、依然として予断を許さない状況が続いていると認識をしております。 次に、2点目の有効求人倍率から見た影響についてであります。 昨年12月の有効求人倍率は、全国で1.06、滋賀県では0.82でありましたが、本市単独では1.17となっており、昨年の3月以降続いておりました厳しい本市の雇用情勢は、昨年末を境に持ち直してきている状況となっております。 なお、甲賀公共職業安定所によりますと、今のところ、甲賀市内の企業・事業所で新型コロナウイルス感染症の感染拡大に起因した倒産や解雇は生じていないとのことでありますが、非正規雇用者の雇止めなどにより管内の離職者が増え、窓口での相談件数や雇用保険受給者が増えている状況にあるとのことであります。 次に、3点目の産業分類から見た影響についてであります。 飲食・宿泊業におきましては、昨年から実施されました一連のGoToキャンペーンにより一時期は持ち直しておりましたが、再度の緊急事態宣言の発令に関係する報道がなされ始めた昨年末を境に、宴席・宿泊のキャンセルが相次いだことにより売上げが大幅に減少をし、深刻な影響を受けておられることを、先月の3日に開催をいたしました市内の飲食・宿泊事業者の皆様との意見交換において、御出席いただいた皆様から、直接、状況をお伺いしたところであります。 一方、主要産業である製造業におかれましては、半導体や自動車関連、建設機械等を製造する一部の事業所では、新たな設備投資を計画されるなどの前向きな動きも確認をいたしております。 最後に、4点目のサプライチェーンの寸断による地域経済への影響についてであります。 世界的に新型コロナウイルス感染症が感染拡大いたしました当初におきましては、市内製造業におきましても原材料や部品が不足することなどがあったと聞き及んでおりましたが、現時点におきましては、そういった情報は得ておりません。 次に、地域経済の影響から見えてくる課題、取り組むべき方向についてであります。 まず、深刻な影響を受けておられる飲食・宿泊事業者につきましては、大幅に減少した売上げを補うため、新型コロナウイルス感染症の影響により定着した新たな生活様式に対応をし、テイクアウト・デリバリー等の新しい業態への転換を進める必要が生じましたことから、昨年6月定例会において議決を頂きました補正予算による支援を進めてまいりました。 また、昨年秋から滋賀県で実施をされておりますGoToイート事業におきましては、参加されている市内145店舗のうち、電子クーポンが利用可能な店舗は51店舗で約35%にとどまっているなど、現状におきましては市内の商工業者のデジタル化が進んでいない状況を改めて把握をいたしましたので、市内の商工業者のデジタル化への環境整備を進めていただくために、本年度から甲賀市商工会とデジタル化に関する意見交換を進めるとともに、令和3年度の当初予算におきましては、市内事業者におけるキャッシュレス決済設備の導入支援事業を計上をさせていただいております。 次に、製造業につきましては、サプライチェーンの国内回帰の動きにより一部の市内企業において設備投資の動きが見られるものの、不足する産業用地や企業誘致における自治体間競争等の影響を受け、企業の設備投資が市外に流出する可能性が生じておりましたことから、昨年6月定例会において議決を頂いた補正予算により、産業用地の拡張可能性について調査をいたしましたほか、昨年9月の定例会におきまして一部改正を議決いただきました甲賀市固定資産税特別措置条例を活用することで、今後、本社機能や研究開発機能を伴う企業の設備投資を呼び込むべく、企業誘致に関する取組をさらに今後も進めてまいりたいと考えております。 次に、農業施策についての1点目、コロナ禍における農業への影響であります。 甲賀地域における米の販売状況につきましては、新型コロナウイルス感染拡大の影響による消費の落ち込みにより、外食・中食産業への米の取引が減少をし、業務用向けの売上高において最大で前年度に比べ約70%減少しているところであります。一方で、家庭用の需要につきましては、前年度に比べ20%から30%増加をしているため、米価につきましては僅かな落ち込みで大きな影響はなかったと認識をいたしております。 お茶に関しましては、リーフ茶需要の低迷、インバウンド観光客の減少や在庫調整等の影響により、荒茶共同販売会での結果を昨年と比較をいたしてみますと、約30%の減収となっており、さらに生産資材の高騰も重なり、茶生産者が初めて経験するような厳しい状況にあります。 次に野菜につきましては、外出自粛に伴う外食の低迷は影響したものの、巣ごもりによる家庭消費の増加などにより、JAの直売所である花野果市は過去最高の売上げを記録をされております。 以上のことから、本市特産であるお茶につきましては大変厳しい状況であり、産地として持続発展していくために、次年度も必要な支援をしっかりと行ってまいりたいと考えております。 次に、アフターコロナに向けた海外への取組についてであります。 国内の農産物につきましては、新型コロナウイルス感染拡大の影響及び少子高齢化、人口減少などにより消費の減少が見込まれます。国内の農業の生産を維持・拡大をしていくためには、ライフスタイルの変化や海外マーケットの拡大など、国内外の新たな需要の取組が不可欠であります。 こうした中で、輸出につきましては、外国との価格差に加え、生産管理や残留農薬等の問題がありますが、安全で高品質な国産農作物の輸出拡大に期待をする声もあり、特にお茶につきましては、国内市場が飽和状態となっている中、これをチャンスと捉え、輸出のためグローバルギャップの認証を取得された農業者もいらっしゃいます。 また、米や茶に限らず、農産物の残留農薬や衛生基準が相手国によって異なることが大きな非関税障壁と考えております。 こうした海外市場で求められる規制や需要に応じたグローバルな産地づくりを強化をし、特産品であるお茶を中心としながら、輸出できるようジェトロなどの関係機関とともに研究してまいりたいと考えております。 次に、地場産業振興についての1点目、コロナ禍における薬業、信楽焼の影響についてであります。 まず、薬業への影響といたしましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い患者が通院を控えられたことにより、病院等で使用される医療用医薬品の需要減少が懸念をされている一方、ジェネリック医薬品の再編に伴う事業集約化の動きやライフスタイルの変化により、一般用医薬品が需要を伸ばしているとの情報を得ております。 次に、信楽焼への影響といたしましては、多くの事業者におきまして、観光需要等の減少に伴い大幅に売上げが減少をしている一方、インターネット販売等の独自の販路を持つ一部事業者におかれては、新しい生活様式に合わせた販路拡大に取り組まれているところであります。 次に、2点目の茶と信楽焼の地場産業のブランド化の現状についてであります。 まず、甲賀の茶ブランド化につきましては、平成30年度から一般社団法人滋賀県茶業会議所に委託をし、産地の特徴を生かすため、土山茶、朝宮茶に分けてそれぞれブランド化を進めてまいりました。 その結果、土山茶について茶業協会、茶商、JAなどとブランド化に向けた方向性の合意形成が成立をいたしました。現在、商標登録を進めておりますので公表は差し控えなければなりませんが、ブランド名やロゴデザインも決定したところであります。今後は、パッケージ開発やWEBサイトの立ち上げなどを行い、ブランド確立による所得向上を図ってまいりたいと考えております。 朝宮茶につきましては、現在のところ方向性の合意形成ができておりませんので、引き続き関係団体と調整を行っております。 次に、信楽焼のブランド化につきましては、昨年10月、近畿経済産業局におきまして、2025年における関西・大阪万博の開催を見据えた伴走支援の対象となる10の地域ブランドの一つに信楽焼が選出をされており、現在、関係団体や個別事業者へのヒアリングなどが進められているところであります。 また、令和3年度におきましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により延期をいたしました六古窯サミットや信楽まちなか芸術祭のほか、生誕110年、旧信楽町名誉町民となられて50周年を迎える「岡本太郎氏の記念展」の開催などにより、ブランドの発信と磨き上げを進めてまいりたいと考えております。 次に、3点目の薬業のブランドづくりの取組についてであります。 本年度から、地域、企業、学校、行政などが連携をし、甲賀らしい「くすり」を生かしたまちづくりを進めるためのコンソーシアムの設立を目指し、関係団体とただいま準備を進めております。 コンソーシアム設立後は、昨年度から直営化いたしておりますくすり学習館を活用し、薬への関心向上と薬産業の振興を目的といたしまして、甲賀売薬の国の有形文化財登録を目指した取組を進めていくほか、薬と健康に関するビジネス支援、薬産業の人材確保や異業種交流等に取り組むことといたしております。 次に、観光振興についてのうち、市内観光客の入込み実態についてであります。 滋賀県観光入込客統計調査によりますと、令和元年の本市の入込客数は、スカーレット効果もあり361万3,200人で、合併以後の調査におきまして最高数値の入込客数でありました。 しかしながら、令和2年は新型コロナウイルス感染症の影響により、現在の速報値ではありますが、入込客数は285万2,100人であり、前年比78.9%に減少をいたしております。 令和元年と2年の入込客数を旧町域別に見てみますと、水口町域は令和元年度の82万7,000人に対しまして令和2年が56万2,600人で前年比68%、土山町域は82万900人に対しまして67万4,700人で前年比82%、甲賀町域は21万1,900人に対しまして16万6,400人で前年比79%、甲南町域は13万5,400人に対しまして11万6,400人で前年比86%、信楽町域は161万8,000人に対しまして133万2,000人で対前年比82%であり、市内全てのいずれの町域も減少となっております。 主な施設といたしましては、ゴルフ場の入込客数は、令和元年の98万3,500人に対しまして令和2年は97万300人と前年比99%と、ほぼ横ばいの数値であり、一定のソーシャルディスタンスが保てる屋外のスポーツであることから、新型コロナウイルス感染症による影響が少なかったものと考えております。 一方、観光施設では、市内で一番の入込客数である陶芸の森は、令和元年の42万1,500人に対しまして令和2年が36万2,700人と対前年比86%となるなど、観光地や観光施設の入込客数は全体的に減少をしており、ゴルフ場の利用を除いた令和2年の入込客数は、前年比71%となっております。 宿泊客数につきましては、全国一斉に緊急事態宣言が発出をされた昨年4月以降は、約半減するなど大きく減少をいたしておりましたが、GoToトラベル事業がスタートした7月以降は回復傾向となり、11月の宿泊客数だけを見ますと、令和元年度の1万8,800人に対しまして1万9,300人となるなど、前年を上回る月もございました。ただ、年間で比較をすると、令和元年の20万6,600人に対し令和2年は15万9,700人と、対前年比77%にとどまっております。 また、外国人観光入込客数につきましては、令和元年の7万1,183人に対しまして令和2年は1,815人と、対前年比2.5%と落ち込んでおり、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けた数値となっております。 次に、アンケート調査結果から見た今後の戦略についてであります。 令和元年11月から信楽町観光協会が新たに実施をしてくださいましたモバイルアンケートは、スカーレットや信楽焼など本市独自の調査項目を設けたマーケティング調査であります。 調査を始めた令和元年度と令和2年4月から10月までの7か月間を比較をいたしますと、令和2年の観光客の地域別では、滋賀県内からの来訪割合が36.4%と前年度より7.3%増加をしており、大阪府からが20%、京都からが9.2%、三重県からが7.2%、愛知県からが4.6%と、車での移動時間が2時間以内の地域からの来訪者が全体の88.4%を占めており、調査期間に違いはありますが、近くからの来訪者の割合が高くなった結果となっております。 また、同伴者では、友人同士やサークルなどの来訪者が減少している一方で、夫婦同伴比率が、令和元年度の40%から44.1%に増加をするなど、家族や個人旅行が増加の傾向にございます。 これらの調査結果から、本市におきましても新型コロナウイルスの影響により、遠方より近距離、団体旅行より個人旅行などの観光ニーズが高まっていると考えられますことから、今後の観光振興におきましては、関西圏や中部圏をターゲットとしたマイクロツーリズムの推進・強化が不可欠であると考えております。 また、特に滋賀県内からの来訪者は36.4%と全体の3分の1を占めておりますことから、身近で気軽に安心して行ける近場の観光地として、これまでPRとして弱かった県内をターゲットとした観光誘客を、リピーター増加策と併せて推進してまいりたいと考えております。 次に、市内のGoToキャンペーンの効果とGoToキャンペーンとコロナウイルス感染者の増減についてであります。 GoToキャンペーンのうち、GoToトラベル事業につきましては、観光庁が公表をいたしております利用実績推計では、利用人泊数は7月22日の開始時から12月28日までの間で、延べ約8,781万人の方が宿泊をされており、支援額といたしましては5,399億円という速報値が発表されております。 各都道府県や市町村別の利用実績は公表をされておりませんが、滋賀県観光振興局によりますと、利用実績の1%、約53億円が滋賀県での利用実績であると推計しているとのことで、令和元年の滋賀県観光入込客数調査の結果から推計をいたしますと、本市では約3億円程度の御利用額となり、単純計算をいたしますと、その倍の6億円程度の消費があったものと推測をいたしております。 しかしながら、12月のGoToトラベルの一時停止が決定をされた以降におきましては、本市の宿泊施設も全国の観光地と同様、キャンセルが相次いでいる状況であり、観光産業に関わる事業者からGoToトラベル事業の再開を期待する声が多くあることからも、GoToキャンペーン事業の効果は非常に大きなものと考えております。 また、GoToキャンペーンとコロナウイルス感染者の増減に対するエビデンスについてでありますが、国がキャンペーンを一時停止されたのは、全国の感染者数が高止まりの傾向が続き感染拡大地域が急激に増加する中、あらゆる手段を用いた感染拡大の阻止策の一つとして行われたものであると認識をいたしております。 内閣官房主催の新型コロナウイルス感染症対策分科会でも、GoToトラベル事業が感染拡大の主要な要因であるとのエビデンスは現在のところ存在しないとの見解が示されており、また、コロナウイルス感染者の増減には様々な要因が関係するものと理解をいたしております。 次に、サイクルトレインの利用についてであります。 西日本旅客鉄道株式会社では、旅客営業規則により車内に持ち込める自転車は、解体または折り畳んで袋に収納したものに限られております。 御承知のとおり、JR貴生川駅は信楽高原鐵道との共同使用駅となっており、たとえ信楽高原鐵道への自転車での乗車であっても誤って草津線に乗車されてしまうおそれがあることから、貴生川駅での自転車による乗降はできない状況になっております。しかしながら、昨今のサイクリング需要の高まりや、滋賀県が推進をしているビワイチ人気もあり、貴生川駅から自転車を積み込んで信楽高原鐵道を利用したいとの声も頂いております。 このことを実現するためには、信楽線ホームに直接入れる改札を設ける必要があり、一定の設備投資が必要となりますことから、まずはJR西日本に対しまして、草津線の利用促進にもつながるような取組の提案を行い、イベント的な取組から実施ができるよう、滋賀県や草津線複線化期成同盟会とも連携を図り、根気強く要望と提案を実施してまいりたいと考えております。 次に、アフターコロナを見据えた観光施策が、オール甲賀にその効果が行き渡るよう、どのように取り組むのかについてであります。 本市には豊かな観光資源が点在をしており、それぞれの資源をつなぎ面的な活用を促進することが相乗効果を生み、地域経済の活性化につながっていくものと考えております。 スカーレットの舞台地となったことを契機として設立をいたしました「スカーレット」で甲賀を盛り上げる推進協議会におきましては、誘客事業や受入れ体制整備を進める上で、いかにして市内全域にその効果を波及させるかを一番に、現在も市内全域を対象としたロケツーリズム事業に取り組んでいただいております。 また、観光インフォメーションセンター「甲賀流リアル忍者館」につきましては、最大の設置目的であります観光ゲートウェイ機能を促進させてまいりたいと考えており、甲賀の旅を起点として市内全域へ誘導する着地型観光コースや多様な周遊コースを造成しPRするとともに、周遊ルートの整備につきましても強化をしてまいりたいと考えております。 こうした中、信楽まちなか芸術祭をはじめとして、令和2年度は新型コロナウイルス感染症拡大の影響により多くのイベントが中止・延期となったことで、アフターコロナにおける観光への大きな期待があるものと感じております。 観光による地域活性化には、長期的な戦略と継続した事業展開が必要でありますことから、コロナ禍であるこの時期に、観光業への支援、新たな事業計画など、アフターコロナに向けた投資が重要だと考えております。 こうしたことから、忍者や信楽焼、東海道の宿場に加え、スカーレットレガシーをはじめ本市の豊かな観光資源を磨き上げ、アフターコロナを見据え、市内周遊ルートの構築、ヘルスツーリズムやグリーンツーリズムなど、健康や自然を満喫していただく新たなツーリズムにも取り組むことで、様々な観光の形を提案し、何度でも本市を訪れていただく仕組みを構築することが、オール甲賀の観光にもつながってくると考えております。 次に、総合計画第2期基本計画に対する思いについてであります。 第2次甲賀市総合計画の第2期基本計画でお示しをいたしております分野横断の基本的姿勢は、全ての分野別の施策における行政、職員の基本的な姿勢を定めさせていただいたものであります。 特に、コロナ禍におきましては、行政の根幹的な責務であります市民の生活を安定的に継続させながら、生命・財産を守ることの難しさを実感するとともに、生き方・働き方の多様化が進む中で、従来の公平、画一的な制度や支援に限界を感じたところでもあり、その対応に向けた考え方を「仕組みを変える」との項目にまとめました。 現在の過剰な規制や複雑な仕組みの中には、市民の要望に応じたものも多くあり、その時々ではベターな判断であったものが、長年の積み重ねの中で時代に合わなくなり、結果として民間投資や技術革新を阻害しているものもあると考えておりますので、行政経営をより自由度の高いものへ転換することを示したものであります。 また、政策形成過程におきましては、できる限り市民、議会などの議論を重視して進めてきたところではありますが、行政内部における「ヒト」、「モノ」、「カネ」には限界がございますので、行政の自前主義からの脱却に向けて、専門的知見を持った民間人材を活用するとともに、オープンイノベーションの取組を進めてまいるものでございます。 今後は、仕組みを変えるという視点をはじめ、「市民力を生かす」、「人を育て人をつくる」、「いつもの暮らしを守る」、「地域共生社会を築く」の五つの視点から成る分野横断の基本的姿勢を組織・職員の風土として根づかせるとともに、創造力を持った多様な人材--職員が次々とチャレンジすることができる環境を整えることが、持続可能なまちづくりにつながっていくものと考えております。 以上、答弁といたします。 ○議長(橋本恒典) 9番、田中議員。 ◆9番(田中將之) 大変広範にわたる質問でございました。御答弁のほう、ありがとうございました。 今回の代表質問につきましては、アフターコロナを見据えて新しい価値をどのように創造していくのかということが大きなテーマでございました。その一つのキーワードとして、私は今回イノベーションということが重要であるということを訴えさせていただいたつもりでございます。 市長には、御答弁にもございましたように、第2次甲賀市総合計画第2期基本計画に盛り込まれましたこのイノベーションを起こす、そしてまた仕組みを変えるという視点が、これからの持続可能な甲賀市をつくっていく上で非常に大事なポイントだというふうに認識をしております。 また、新型コロナウイルスの感染拡大とそれに伴う社会的、そして経済的な混乱に直面している状況がございまして、危機が先ほどから申しますように日常化する中で、社会の表面から埋没しがちになっている様々な困難を抱えた人たちの存在に目をしっかりと向けて苦しみを取り抜くことが大事であり、そういった行政経営を共に目指してまいりたいというふうに思います。 以上で終わります。 ありがとうございました。 ○議長(橋本恒典) これをもって、田中議員の代表質問を終了いたします。 暫時休憩いたします。 再開は、17時20分といたします。     (休憩 午後5時06分)     (再開 午後5時20分) ○議長(橋本恒典) 休憩前に引き続き会議を再開いたします。 次に、8番、小西議員の質問を許します。 8番、小西議員。 ◆8番(小西喜代次) 日本共産党の小西喜代次です。日本共産党甲賀市議員団を代表して、七つのテーマで一括方式で質問いたします。 まず最初に、市民の命と暮らしを守る立場から、国政の焦点となっている問題を伺います。 国政問題に対して市長の政治姿勢を示すことは、市政運営にとっても大事な視点ですので、以下、市長の所見を質問いたします。 一つ目は、菅政権についての認識です。 政権が発足して5か月余りになります。世論調査では、当初70%の支持率も30%台になっています。これは、コロナ対策の無為無策、右往左往、GoTo事業に見られるような逆行、こうしたものに対する国民からの信頼を失った結果であるとともに、安倍政権を上回る危険性、政権担当能力を欠く姿が露呈した結果だと言えます。さらに、今日、首相の長男が関係する総務省の接待問題など、政治のモラルハザードには歯止めがかからない状態になっています。 以下、菅政権の特徴的な点について述べます。 強権政治という点では、端的で最悪の表れとなっているのが違憲・違法の日本学術会議への人事介入です。 冷酷さという点でも、その危険性が明確になりました。菅首相は、自助・共助・公助が理念だと語り、まずは自分でやってみる自己責任の押しつけを唱えてきました。コロナ禍の下で、75歳以上の医療費窓口2割負担を導入するという血も涙もない政治を進めようとしていることは、その象徴だと言えます。 また、説明拒否とデマ、フェイクの政権の姿は、日本学術会議の問題でも、桜を見る会の問題でも、うそと答弁拒否を繰り返しています。官僚が差し出すペーパーを一枚一枚読み上げるだけという答弁は、国民に対する説明を行う意思も能力もない、自分の言葉で国民に語ることもできないという点でも、菅首相は安倍前首相を上回るものがあります。 さらに、問答無用の体質です。 沖縄の普天間基地の撤去、辺野古新基地建設の問題では、あらゆる選挙や県民投票でノーの結果が示されているにもかかわらず、軟弱地盤で技術的にも不可能とされる辺野古新基地建設のこの強硬姿勢は、この政権の本質が表されていると思います。 菅政権が、このまま続けば、市民の命、暮らし、平和にとっても重大な影響を及ぼしかねません。日本共産党は、来るべき総選挙で政権交代を実現し、コロナ危機からの命と暮らしを守る新しい政府をつくるため、全力で頑張る決意です。 そこで、こうした菅政権に対する市長の認識を伺います。 第2に、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森会長が、女性蔑視発言で辞任をし、新しく橋本聖子氏が就任しました。これで幕引きとせず、これを契機に日本社会の構造的なゆがみを正す取組を進めていく必要があります。 今回のこの問題から何を学び、何を今後に生かすか、市長の所見を求めます。 今回の森発言を巡っては、SNS上でも街頭でも女性を中心に怒りが沸き起こっています。ツイッターや街頭スタンディングなどの行動が広がり、多様な分野の女性たちが立ち上がったことは、大きな世論を作る力となりました。声を上げている人たちに共通しているのが、辞任で一件落着とはならない、こういうことです。日本社会の構造的なゆがみを正し、ジェンダー平等社会をつくる契機にしていくことが強く求められています。 日本は、ジェンダーギャップ指数で153カ国中121位、政治の分野で見ると144位と遅れています。意思決定の場で占める女性の割合の異常な低さが、日本社会の重しにもなっています。 今回の森発言は、女性蔑視とともに、いかなる差別をも禁止したオリンピック憲章にも反すると思いますが、森発言に対する市長の所見をお伺いをいたします。 第3に、1月22日に発行した核兵器禁止条約について、市長自らが日本政府に対して批准するよう働きかけることを求めます。 人類史上初めて核兵器を違法とする国際法が生まれ、歴史的な条約を力に、核兵器のない社会への道を切り開く新しい時代が始まりました。一方、唯一の戦争被爆国である日本の菅政権が、世界の流れに背を向け、核抑止力の維持・強化を持ち出し、国民多数が望む禁止条約への参加を拒否していることは恥ずべき態度で、国内外で失望を広めています。 政府は、批准しない理由に、核保有国が参加しない条約なので実効性がない、このように言っています。しかし、対人地雷禁止条約が成立したときも、米国、ロシア、中国、南北北朝鮮、インド、パキスタン、イスラエルなどは入っていませんでした。今日、対人地雷が生産・使用されているのは、世界での使用例はミャンマーだけとなっています。ロシア、中国、米国も生産はしていません。 今日、164カ国、国際社会の4分の3の国が参加し守ろうとしている条約を、大国だからといって無視できず、事実上、使えないもの、生産できないものとなっていることこそ、この実効性を証明しています。クラスター爆弾についても同じです。 また、政府は保有国と非保有国の橋渡しをすると言っています。 そもそも核抑止という考えは、いざとなれば広島・長崎のような破滅的な人道的結果を容認するものであり、許されるものではありません。橋渡しをするといって、事実上、これまで何の行動もしてこなかったのが日本政府です。国連でも、日本政府提案の核廃絶決議案が核保有国・非保有国双方から批判を受けたことは、日本の橋渡し論の破綻を示すものだと言えます。 市長は、これまで平和首長会議を通じて意思表示をするとされてきました。これまでどのような行動をとられたのか、伺います。条約が発効した今日、非核宣言都市の首長として、改めて日本政府に核兵器禁止条約の署名・批准を直接求めるべきではないでしょうか。 国政問題の最後に、75歳以上の医療費窓口負担など、社会保障制度削減政策を中止し、拡充への抜本的な転換を図ることが必要と考えます。その上で、市長の所見を伺います。 菅内閣は、5日の閣議で75歳が支払う現行1割の医療費窓口負担に2割負担を導入することを柱とした医療制度改定一括法案を今国会での成立を目指しています。高齢者は、病気になりやすく、けがもしがちです。慢性疾患を複数抱える人も少なくなく、その負担は計り知れません。細る年金収入のために、暮らしを切り詰めている高齢者が受診を我慢をして、早期発見・早期治療が遅れて症状が悪化すれば、病状回復は困難になり命にも関わります。これは、政府自身が掲げる人生百年時代の看板にも逆行をしています。 この根本問題は、高齢者の医療費の国庫負担分を減らすため、75歳以上を年齢で差別する後期高齢者医療制度を導入し、それまでの国庫負担を45%から35%に減少させた、このことにあります。 しかも、今回の負担増で370万人の高齢者の医療費負担が2倍になり、国の負担は年980億円減少することになっています。一方、現役世代の負担の減は年間で720億円、1人当たりにすると月年間平均で700円、一月で約30円減るだけです。 75歳以上の医療費窓口負担増は撤回をして、一連の社会保障削減政策を中止をし、拡充への抜本的な転換を図ることが必要だと考えます。市長として反対の意見を表明されてはどうでしょうか。 大きく2番目に、生活保護の扶養照会の対応について、健康福祉部長に質問をいたします。 生活保護が必要な世帯の2割しか利用できていない下で、いわゆる捕捉率で2割です。生活保申請をためらわせる大きな要因に扶養照会があります。 去る1月28日の参議院予算委員会で、日本共産党の小池晃議員の質問に対し、田村厚生労働大臣が、扶養照会は法律事項ではなく義務ではない、このように明言をいたしました。 本市の生活保護行政は、これまでパンフレットの改善など積極的な取組が進められてきました。そこで、改めて扶養照会の実態と今後の取組について伺います。 そもそも扶養照会とは、自治体の福祉事務所が生活保護申請者の親や配偶者だけでなく、兄弟、孫などの親族に対し生活の援助が可能かどうかを問い合わせるものです。これが申請を拒む大きな壁になっていることは、これまでから指摘をされてきました。 生活困窮者を支援する一般社団法人つくろい東京ファンドの昨年末の年末年始の調査では、生活が苦しいのに生活保護を利用したくない、このように答えたうちの3人に1人が家族に知られるのが嫌なのが理由だと回答をされています。このときの理由回答では、今の姿を娘に知られたくない、家族に知られるのが一番のハードル、このような声が寄せられています。 また、国民に植えつけられた生活保護は恥、こうした意識や一部の議員らが広げてきた生活保護のバッシングも背景に、申請をためらう事例が今でも多く見られます。 扶養照会に関しての2017年の厚労省調査では、年間で46万件の扶養照会が行われ、そのうち経済援助に至ったのは僅か1.45%で、福祉事務所の業務負担が大きく現状にそぐわない実態も明らかになっています。 甲賀市は、これまで本人が照会を拒めば扶養照会は行っていないとのことですが、改めて実態について伺います。また、扶養照会は義務ではない、このようにする国会答弁を踏まえた対応が必要だと思いますが、答弁を求めます。 大きく三つ目です。 新型コロナウイルス感染拡大防止対策について、健康福祉部長に質問いたします。 新型コロナウイルスの新規感染者は、統計上は減少傾向にありますが、全国のPCRの検査件数は、1月14日の9万766件をピークに、直近の2月26日には3万8,338件と、4割以下に減ってきています。この一年間を見ても、新規感染者数が減少したときに検査数を減らしてしまい感染抑え込みを図らなかったことが、第2波、そして今回の第3波を招いてしまったという教訓だと言えます。国内でも17日からワクチン接種が開始されましたが、ワクチン頼みになって感染対策の基本的取組がおろそかになったら、これまでの教訓が生かされないことにもなりかねません。 今日、全国で自治体独自の感染防止の取組が進められています。こうした自治体での教訓は、積極的な検査で無症状の陽性者を早期に発見し、保護・隔離によって感染拡大を防いできていることです。こうした経験に学び、国・県任せにせず、市独自の取組が必要ではないかと思います。市民の命と暮らしを守る上で最優先で取り組むべき課題として位置づけ、コロナワクチンの接種と同時に、これまでの教訓を生かし、今こそPCR検査の思い切った拡充でコロナを抑え込む、このことに力を注ぐことが必要だと思います。 そこで、2点伺います。 第1は、新型コロナウイルスに関する市内の実態と対策です。 県では、毎日資料が公表されていますが、こうした県の資料に対応して甲賀市の実態の掌握が必要だと思います。県の資料は、PCR検査総数と、そのうちの行政検査数、そして他の検査数、陽性患者累計とそのうちのPCR検査での判明分、抗原検査での判明分、そして現在の陽性者数、そのうちの入院患者数・入院数の重度・中程度・軽度、また入院予定とそのうちの自宅療養・宿泊療養、通院と死亡に分類をされています。こうした県の資料に対応して、本市の実態については市が独自に詳細を把握をして具体的な対策に生かす上でも必要だと考えています。 こうしたことから、15日に当議員団として資料提供を求めたところ、16日には資料の提供がありました。その上で、県の資料に対応する本市の実態と陽性患者数の特徴、自宅待機者への実態と対応、市内のクラスター発生の施設、事業者数とその特徴を示していただき、コロナウイルス感染拡大に対する市としての対策を課題について伺います。 第2は、市立の施設での社会的検査の実施についてです。 社会的検査は、12日段階で18都府県で高齢者施設などの社会的検査を開始し、実施計画のある7県を含めれば、28都府県に広がっています。これは、重要な成果だと言えます。高齢者施設などでの職員に限定されている、こういう問題もあります。しかし、定期的な検査に踏み込んでいるのは、まだ一部にとどまっています。 県内では、大津市、日野町、甲良町で社会的検査への補助・助成が実施をされています。本市でも市立の医療機関、介護施設、福祉施設、保育園・幼稚園、学校など、集団感染によるリスクが高い施設に勤務する職員らに定期的なPCR検査の実施が必要と考えます。 この件では、12月議会の答弁で多くの課題があることから、県において一元的・総合的に整備されることが望ましく、今後、引き続き要望を行う、こういう答弁でもありました。 そこで、その後、県に要望を行った結果について伺います。 国でも自治体の取組を推進しているのが、今日です。多くの自治体では、社会的検査の効果が報告されています。県任せにせず、市独自で上記施設での社会的検査を強く求めます。 第3は、コロナワクチンの接種についてです。 日本では、17日から接種が始まりました。ワクチン接種の安全性と有効性の十分な確認、情報公開、医師・看護師の体制の確保、ワクチン接種ができる地域の医療体制など、国の動向に左右する事業であることは理解をしています。1月27日の臨時議会で本市の取組の概要が示されましたが、今後の取組の進行状況、課題について伺います。 大きく四つ目のテーマでは、公立甲賀病院の新型コロナウイルス対策について市長に質問します。 公立甲賀病院は、感染症指定病院、また甲賀圏域の中核病院としての役割を担っています。その公立甲賀病院で2回にわたってクラスターが発生し、多くの市民から不安の声と目に見えた具体的な対策が望まれています。 そして、厳しい医療体制の下でコロナ患者の受入れ施設としても、改めて病院への機能の維持と役割が求められている下で、地方独立行政法人の管理者としての市長に質問をいたします。 第1は、実態です。 私は1月22日に病院組合事務局長と懇談し、情報の提供と感染防止のための抜本的な検査拡大を提案をしてきました。18日の本議会の全員協議会で、病院組合副議長から書面と聴き取り調査の結果が報告され、26日にも追加の報告を受けました。そこで、改めて現時点での実態並びに病院のコロナ対策についてお伺いをいたします。 第2に、市長は本議会開会挨拶で、感染防止に万全の対策を行うよう私からも病院長に強く要請したところであり、厚生労働省、甲賀保健所の指導の下、感染対策のさらなる強化に努めるとの報告を受けておりますと述べられました。要請した内容とは何か、具体的な指示はされたのか、厚生労働省の指摘は何か、詳しく御紹介をいただきたいと思います。 第3に、感染症指定病院、また甲賀圏域の中核病院としての役割を担っている公立甲賀病院での2回のクラスターの発生に対する管理者としての認識、そして今後に生かす教訓についてお伺いをいたします。 第4に、政府の新型コロナ対策本部分科会の尾身 茂会長は、14日のNHK日曜討論で、感染リスクの高い場所や集団において無症状者に焦点を当てた積極的な検査を、しかも頻回にやることが重要、このように指摘をされていました。全職員、患者への継続的頻回の検査が必要だと考えますが、病院管理者として病院における陽性者とPCR検査の実数、感染防止に対する認識をお伺いをいたします。 第5に、公立甲賀病院の医療体制についてです。 職員さんはへとへと、くたくたで毎日を過ごしている、いつまで体がもつか分からないと、現在の厳しい体制の改善を訴えておられます。病院任せにするのではなく、全市でのスタッフ支援が必要だと思います。 東京の墨田区では地域完結型、2月18日の新聞赤旗で報道されていましたが、この医療体制として、医療機関、介護施設の連携と役割分担でコロナ患者の命を守る取組が進められています。こうした取組にも学び、全市を挙げての取組が必要と思いますが、公立甲賀病院の今後の医療体制についての対策をお伺いをいたします。 大きく5番目は、幼保・小中学校再編計画について質問いたします。 甲賀市幼保・小中学校再編計画は、2015年3月に示されて以後、対象地域で再編検討協議会での議論が進められています。当議員団は、この計画が明らかにされて以後、教育的観点とともに、まちづくりの観点からも問題点や課題を指摘をしてきました。そして、この再編計画そのものの見直しを求めてきたところです。そして、今日、各地域での協議が大詰めとなっていることから、改めて再編計画の今後の方向性について質問いたします。 第1は、少人数学級について政府も足を踏み出しましたが、コロナ禍を経て少人数学級、小規模校こそ安心で安全な環境だということが改めて浮き彫りになりました。徒歩圏内に学校があるために分散登校をする必要はない、密閉されたスクールバスも必要ありません。学校の統廃合と小中一貫校を目的とする本市の再編計画について、コロナを経た今日、改めて再検討が必要だと考えます。少人数学級、小規模校に対する認識と本市の方向性と再編計画との関連について教育長に伺います。 第2は、市長に伺います。 まちづくりと学校の統廃合についてです。 小学校は、地域のコミュニティの中心的な存在としての役割を果たしてきたことから、一層その存在が今日見直されています。私は、これまでの一般質問でも、保育園がなくなれば子育て世代が住めなくなる、小学校がなくなれば過疎化が一層進むという地域の声を紹介してきました。再編計画は、周辺地域の過疎化、少子化対策、地域の活性化に逆行すると考えます。この点について、市長の所見を伺います。 第3は、再編検討協議会の結果への対応について教育長に質問いたします。 検討協議会の結果が最初に提出された甲賀町の佐山学区幼保・小中学校再編検討協議会は、2018年3月12日に、小学校、保育園とも存続させるとともに、建て替えの要望も寄せられて、併せて決定した報告書を提出されています。同年の11月13日提出の信楽町の雲井小学校についても、同内容の報告書となっています。 地域の再編検討協議会の議論を尊重する、このように繰り返し強調をされてきました。この立場からして、全ての結果が出るまでもなく、既に学校の存続の結果が示されている小学校に対しては、存続に対応する施策や方向性を示す必要があると考えますが、教育長に所見を伺います。 大きなテーマでの六つ目ですが、自治体のデジタル化は何をもたらすかについて、総合政策部理事にお伺いをいたします。 2021年度予算(案)でも、行政のデジタル化推進としてICT技術を活用したデジタル化の取組を推進し、地域の課題解決につなげるとともに、行政サービスの質の向上と事務の効率化に取り組むことが上げられています。一方、この自治体のデジタル化は膨大な市場をつくるアウトソーシングの一層の推進、職員の削減、自治体の変質をもたらす危険性があるということが指摘をされています。私は、デジタル化を一概に否定するのではありませんが、自治体が住民福祉の推進という本来の自治体の役割を変質させないための運用を図る上での課題について伺います。 そもそも菅政権は、コロナ禍を機に行政のデジタル化を加速させるとしていますが、その下にあるのは、自治体の新たな再編方向を示した自治体戦略2040構想にあります。 この狙いは、デジタル化によってマイナンバーカードの押しつけ、自治体業務システムの一元化など職員の削減、行政サービスの民営化、業務集約化で自治体の仕組みを抜本的に変質させるところにあります。 その一つが、昨年5月に成立したスーパーシティ法--改定国家戦略特区法です。人工知能AIやビックデータを活用して企業がもうける実証実験を自治体で行うものであり、個人情報保護などの規制緩和を一気に進めようとしています。マイナンバーカードを押しつけるため、保険証との一体化や各種申請の押印廃止を狙っています。効率化の名の下に、窓口業務は一層削減され、サービスの後退は必至です。 2025年末までを目標にして、住民基本台帳、固定資産税、住民税、健康保険、年金・介護保険、生活保護などの自治体業務の標準化を進めるとしています。この標準化は、これまで自治体が独自に築いてきた子どもの医療費助成制度など、住民に喜ばれる福祉サービスが失わされる危険性さえあります。 既に甲賀市では、国保の納入方法が12か月から10か月に変更されました。このことも、この標準化の一つだと言えます。窓口業務は、住民の基本的人権を守るために必要に応じて生活状況や経済状況などを聴き取り、最も適した行政サービスにつなぐ役割があります。住民のSOSを感じ取り積極的に手を差し伸べるのが、自治体本来の役割だと思います。 デジタル化は、窓口サービス低下や、災害やシステム障害で業務が機能しなくなるおそれもあります。今日、自然災害やコロナ禍で自治体職員を削減し続けてきたことが大きな問題として浮き彫りになりました。デジタル化は、住民福祉の増進と職員の長時間労働是正など負担軽減のために活用するのは当然ですが、導入後も職員による機能検証やシステム障害等に対応できる職員体制の保障が必要であるということは言うまでもありません。 このように、デジタル化には以上のような問題点が多くあります。本市のデジタル化で、こうした問題・課題について総合政策部理事に所見を伺います。 最後、七つ目のテーマである2021年度予算について市長に質問します。 市長は、本会議の開会挨拶で、国の予算編成のポイントとして新型コロナ関連以外では、デジタル社会や脱炭素化社会の実践、少子化対策など、全世代型の社会保障制度構築、防災・減災のための国土強靭化、活力ある地方づくりなど、中長期的な課題に対応する予算となっている、このように評価をされています。 しかし、国の予算は最重要課題であるコロナ対策のための財政支出で、コロナの感染拡大という危機に対してPCR検査や医療機関への支援、雇用や事業維持のための支援は全く不十分であり、多くの国民の願いである消費税減税にも背を向けています。そして、コロナ禍の下で、ケア労働などを軽視してきた構造的な問題など、日本社会の脆弱性を克服する方向も示されてはいません。また、社会保障費の自然増削減は継続し、大企業の優遇、中小企業の淘汰に足を踏み出しています。その一方で、軍事費は7年連続で過去最高を更新しているという、コロナ禍の下での予算編成としては、極めて不十分な内容となっています。こうした国の予算であるからこそ、改めて本市の新年度予算がコロナ禍の下で、市民の命、暮らし、地域経済の活性化などにつながる予算となっているかが問われています。 以下、予算編成の基本姿勢について市長に質問いたします。 第1に、新年度予算の位置づけとして、アフターコロナを見据えた新しい豊かさを追求するまちづくりを推進する予算とされています。しかし、今日、コロナの収束の見通しは立っていません。地域経済も暮らしも追い詰められているのが、現状です。コロナ禍の下、救済と予防の視点での予算編成が必要と考えますが、予算編成の基本的な考え方の基となるコロナの感染状況、市民の暮らし、地域経済の現状認識について伺います。 また、アフターコロナではなく、今、最大の力を発揮しなければならないのは、感染防止です。ワクチン接種事業だけでなく、市独自施策としてPCR検査の社会的検査を実施するなど、予備費対応ではなく、予算上にもきちんと盛り込むべきではないかと考えます。コロナ感染防止対策についてお伺いをいたします。 第2に、岩永市政2期目のスタートとなる予算で、オール甲賀で未来につなぐ!新しい豊かさへのスタートアップ予算とされています。新年度の具体的な事業・施策のポイントは何かについて伺います。 第3は、市内経済対策です。 新しい生活様式に対応した事業活動による市内経済の活性化を図るとされていますが、コロナ禍で事業が立ち行かなくなっている中小・零細事業者に、直接的な財政支援、持続可能な事業体に向けて、国の支援待ちではなく市独自の施策が必要だと考えますが、所見を伺います。 最後に、市民の願い・要望に応えた予算になっているかです。 日本共産党甲賀市議員団は、昨年の11月30日に、新年度予算に市民の切実な要望・願いを織り込むよう七つのテーマ、67項目の予算要望を市長に提出いたしました。しかし、今回の予算(案)には、この要望書にも含まれていた小中学校の給食費の負担軽減・無償化、中学卒業までの医療費の完全無料化など、長年にわたる市民の願いが反映されていません。こうした市民の切実な要望に応え、予算に生かすべきだと考えますが、所見を伺います。 以上、大きく七つのテーマで質問しました。明確な答弁を求めて代表質問といたします。 ○議長(橋本恒典) 8番、小西議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 市長。 ◎市長(岩永裕貴) 日本共産党甲賀市議員団、小西喜代次議員の代表質問にお答えをいたします。 国政の焦点となっている課題についてのうち、菅政権に対する認識であります。 国政に対して地方自治体の首長が評価を申し上げるべき立場ではないと考えておりますが、あえて申し上げますと、菅総理は総務大臣時代に提唱をされたふるさと納税制度の実績もあり、人口減少や少子高齢化が進行する地方の実情も熟知をされておられます。 このことから、菅政権が打ち出された新型コロナウイルス対策と経済の両立、デジタル社会の実現と規制緩和、グリーン社会の実現、活力ある地方創生などの政策は、どれも本市の地方創生の推進につながるものであると期待をいたしているところであり、戦後最大の国難と言われる今日において、国と地方が一丸となった取組が強力に推進されることを強く望むものでございます。 次に、森発言に対する所見についてであります。 オリンピック精神は、「スポーツを通して心身を向上させ、さらには文化・国籍などさまざまな差異を超え、友情、連帯感、フェアプレーの精神をもって理解し合うことで、平和でよりよい世界の実現に貢献する」というものであります。 また、IOCが定めるオリンピック憲章においても「男女平等の原則の完全実施を目指す」などの項目が掲げられており、今回、オリンピック・パラリンピック組織委員会の会長として新たに就任をされた橋本会長の下、性別にかかわらず全ての方々に御活躍いただけるオリンピック・パラリンピックとなるよう望むところであります。 今回の森前会長の発言につきましては、国内外からも様々な意見が寄せられ、オリンピック・パラリンピックを目前に重要なポストを辞されたことは、開催国として非常に残念な結果になったと思います。 本市といたしましても、男女が共に活躍できる社会の実現に向け、平成30年6月に男女共同参画を推進する条例を制定をし取り組んでいるところであります。今回のオリンピック・パラリンピックが、そうした社会の実現に大きく寄与することを期待しています。 次に、日本政府に核兵器禁止条約の署名・批准を求めることについてであります。 恒久的な平和を願う者の一人として、全国で1,700を超える自治体が加盟をしている平和首長会議に加盟をし、昨年11月20日には、私も一員である平和首長会議国内加盟都市会議を通じ、内閣総理大臣に対して一刻も早く核兵器禁止条約に署名・批准するよう強く要請をしたところであります。 また、核兵器のない世界を実現することを目指す「ヒバクシャ国際署名」に署名したことが、核兵器禁止条約の署名・批准を求める私自身の意思表示でもあります。一首長が直接要請をするよりも、恒久平和の実現と同じ思いを持つ者が集まり、共に要請をしていくことが効果的であると考えており、今後も平和首長会議を通じて、実質的な核軍縮の進展と、さらにその先にある核兵器廃絶に向け継続した要請を行っていきたいと考えております。 次に、75歳以上の医療費窓口負担など社会保障削減政策の中止についてであります。 後期高齢者の窓口負担割合の見直しにつきましては、令和4年度以降、団塊の世代が後期高齢者となり始めることで、現役世代が負担する後期高齢者支援金の急増が見込まれていることに対応したものと理解をいたしております。 特に若い世代においては、貯蓄もなく住居費や教育費など他の支出の負担も大きいという現状から、負担能力のある方に可能な範囲で御負担を頂くことにより、若い世代の方の負担上昇を抑えながら、全ての世代の方が安心して医療受診ができる制度の構築が必要であると考えます。 今回の改正においては、低所得者に配慮した制度の見直しをされ、2割負担となる対象者につきましては所得基準を設けるとともに、外来受診が長期にわたる場合には、急激な負担増とならないよう負担の上限を設けられたものでもあります。少子化が急速に進む中とは言え、後期高齢者の方にも一定の御負担を頂くこととなっておりますが、世界に誇れる医療保険制度を次の世代へ引き継いでいくために必要な措置を講じられたのではないかと認識をいたしております。 次に、公立甲賀病院の新型コロナウイルス対策についてのうち、1点目の現時点での実態と病院のコロナ対策についてであります。 今回のクラスターに伴い、30数名の看護師が就業制限を受けたため、一部の病院機能を縮減をしながら急性期医療体制は維持していただきましたが、2月末までに多くの職員が復帰したことにより、現在、医療機能を徐々に通常体制に戻していると報告を受けております。 病院の対策といたしましては、クラスター発生直後から県や厚生労働省などの指導を受け、濃厚接触者などに対する検査の拡充や職員の就業制限措置等により感染拡大防止措置を図るとともに、外部からウイルスを持ち込まない対策の強化として、予定入院患者全員に対するPCR検査などの実施、病院玄関の出入り口の制限、病棟の完全面会制限、手術時の患者家族の来棟制限などが実施をされております。 患者さんや御家族にも大変な御不自由をおかけすることとなっておりますが、新型コロナウイルスが市中拡大し疑似症の患者さんも多数来院される中で、クラスターの封じ込めを行うための措置として御理解いただけるようお願いをされております。 次に、2点目の市長から病院への要請、指示及び厚生労働省の指摘についてであります。 公立甲賀病院に対しましては、全職員が危機感を共有し、中核病院の責務として急性期医療は必ず継続をするよう求めました。感染の抑え込みだけを考えれば、病院を一時的に閉鎖することが最も有効な対策となり得たわけでもありますが、急性期医療の継続とクラスターの早期終息を両立させるため、県や厚生労働省の専門的な知見に基づいて感染対策を徹底するように要請を行いました。 また、併せて、市民・職員の心配事や経営に対しての不信感を払拭をしていく必要性、中長期的な視点での信頼回復への取組、コロナ鎮静後の経営課題への事前対応などについても要請をしたところであります。 厚生労働省の調査では、院内において基本的な感染症対策はしっかり行われていたものの、患者との接触による感染リスクが高い医療現場特有の事情により、結果として感染経路が不明な中で感染が広まってしまったとの可能性が指摘されました。 その上で、外部からのウイルス持ち込み対策を強化することやスタッフのケアが必要なこと、周辺医療機関との連携や応援体制について平時に決めておく必要があること、どこに感染リスクがあるか分からないことへの対応などについて助言があったと報告を頂いており、病院において早期に実施できるものから順に対策に反映されているところでございます。 次に、3点目の2回目のクラスターに対する管理者としての認識と今後の教訓についてであります。 公立甲賀病院における2度にわたるクラスターの発生により、患者様、御家族様、市民の皆様、また多くの関係者の皆様にも大変な御迷惑と御心配をおかけしたことについて、組合管理者として心からおわびを申し上げるものであります。 県クラスター班や甲賀保健所などから御指摘を頂いた点を踏まえ、院内の感染対策を見直すとともに、クラスターの早期終息と急性期医療の維持を図るため、副院長を本部長とするクラスター対策本部を設置をし、現場の総括に尽力をいただいておりますが、その進捗状況につきましては私も共有をさせていただき、適宜必要なサポートを行い、対応に当たらせていただく考えでございます。 今後の教訓といたしましては、クラスターが完全に終息した後に改めて検証、総括を行った上でのこととなりますが、圏域の医療機関や施設などにも共有を図るよう要請してまいりたいと考えております。  次に、病院における陽性者とPCR検査の実数、感染抑止への認識についてであります。 公立甲賀病院における陽性者につきまして、2回目のクラスター関連で、2月13日時点からの陽性者は23人となっております。PCR検査の実施数につきましては、県から公表がされておりません。 なお、今回のクラスター発生時には、PCR検査で陰性となった方が、後日、再検査で陽性となる事例があり、対策に混乱を来したという例も発生をいたしております。 感染抑止につきましては、どこにでも感染リスクが潜んでいることを前提に、院内の対策が見直しされたところでもあります。感染を完全に防いでいくことは大変難しく、クラスターを発生させない、医療従事者による媒介を防ぐことが非常に重要であると認識をいたしております。 次に、5点目の公立甲賀病院の医療体制についてであります。 新型コロナウイルス感染症病床では、原則として、入院治療が必要な状態の感染者を受け入れていただいており、国の基準を満たせば退院、または転院となりますが、高齢者や他の疾患があり、すぐに退院できない方について転院の調整に時間を要し、長期間ベッドを占有する事例、あるいは新型コロナウイルス感染者ではない場合でも、転院に伴う感染リスクなどを理由に受入れ先が見つからないといった問題が生じているとのことでございます。 議員御紹介の墨田区の取組につきましては、患者の転院先となる後方病床の確保を進め、転院の調整に係る負担軽減や新型コロナウイルス病床の有効活用を図ろうとするものであると承知をいたしております。 この地域完結型の取組を参考に、公立甲賀病院の医療体制を改善すべきとの御提案を頂いているところでございますが、滋賀県の場合は感染者の入院先は県が一元管理をされており、甲賀市の感染者であっても公立甲賀病院に入院されるとは限りません。本市として墨田区のような調整を図ることは、大変難しいという実情がございます。 しかしながら、これまでから市立信楽中央病院は公立甲賀病院と連携協議を行っており、また新型コロナウイルス感染症に係る協力医療機関でもございますので、患者の受入れなどで協力をさせていただくこととなっております。 公立甲賀病院の職員の皆様には、大変な御苦労をいただいておりますことは十分に承知をいたしておりますので、市立機関において可能な限り後方支援に努めてまいりたいと考えております。 次に、幼保・小中学校再編計画についてのうち、2点目の周辺地域の過疎化、少子化対策、活性化に対する所見についてであります。 市教育委員会が策定をいたしました再編計画は、市内でも少子化が進む中にあって、次代を担う子どもたちにとってよりよい保育・教育環境を提供することを最優先に、子どもたちの生きる力を育む保育・教育環境を着実に整備するために策定されたものであると認識をいたしております。 再編計画を進めるに当たりましては、再編検討協議会を設置をし、保護者及び地域の代表を委員として委嘱をした上で、諸課題について協議を進めていただいたところであります。 年度内には、全ての地域から報告書が提出される予定であると教育委員会から報告を受けておりますが、既に提出されている各地域からの報告書では、再編により地域から学校がなくなることで地域活性化に不安をお持ちの地域もあると伺っております。 再編計画を進めていく上では、義務教育9年間を見通した指導体制の構築、小中一貫教育など新しい教育システムの導入、公共施設等総合管理計画との整合性、再編計画に伴い閉校となる学校施設の利活用や地域コミュニティの活性化策など、様々な解決すべき課題があると考えております。 今後は、さきに再編に御理解をいただいた山内、鮎河における小学校・保育園跡地活用検討協議会も先例事例とするなど、総合政策的な観点から、庁内の部局連携は当然のことながら、総合教育会議などの場で議論を深め、一体となって全市的な取組を進めることが必要であると考えております。 次に、2021年度予算についてのうち、1点目のコロナの感染状況、市民の暮らし、地域経済の現状認識、コロナ感染防止対策についてであります。 本市の感染状況につきましては、公立医療機関などにおけるクラスターの発生などにより、一時的に感染者が増加をした時期もございましたが、関係者の御協力をはじめ、市民の皆様にも常日頃から感染防止対策を講じていただいていることから、現在のところ感染拡大の状況ではなく、散発的に感染者が発生している状況であると認識をいたしております。 市民の暮らしにつきましては、マスクの着用、手洗いの徹底、3密の回避など、新しい生活様式の定着が進んでいると考えておりますが、「コロナ疲れ」という言葉が生まれるなど、生活の自由が大きく制限されてしまうことにストレスを感じる人も多い状況であり、ワクチン接種による感染症の収束への期待は大きいものであると考えております。 地域経済の状況といたしましては、セーフティーネット保証の認定件数の大幅な増加など、地域経済状況は極めて厳しい状況にあり、特に飲食業など接客サービスを行っておられる事業者の方への影響は、依然として予断を許さない状況が続いていると認識をいたしております。 これらの状況を踏まえ、令和3年度予算(案)におきまして、市民の暮らしを守ることを最優先事項とし、新しい生活様式を踏まえた市民、事業者等に寄り添う、きめ細やかな新型コロナウイルス感染症対策を実施をしていくため、想定できるものはしっかりと予算計上をさせていただきました。 今後、新たに感染症対策として市単独施策などを実施いたします場合には、臨時議会の招集をお願いしてでも補正予算(案)として提案し、御審議をいただいた中で執行させていただきたいと考えておりますが、予期せず、かつ緊急に進めなければならない事態が発生した場合には予備費での対応をさせていただくことがございます。御理解賜りますよう、お願いを申し上げます。 次に、新年度予算の具体的な事業・施策のポイントについてであります。 令和3年度当初予算は、市民の健康と暮らしを守ることを最優先に、新型コロナウイルス感染症の拡大防止と経済活動の両立を図るとともに、引き続き、「子育て・教育」、「地域経済」、「福祉・介護」の三つのテーマに沿った事業を重点的に推進する予算となるよう編成に取り組んでまいりました。 また、新型コロナウイルス感染症対策を実施をするとともに、加速度的に変化するライフスタイルに対応するため、一人一人のニーズに合った行政サービスを提供し、市民の利便性向上を図るため、行政のデジタル化を推進する予算を計上いたしました。 具体的な事業といたしましては、新型コロナウイルス感染症対策では、感染防止を図るため、国・県や医師会等と連携しワクチンの接種を円滑に実施をするとともに、公共施設等における感染予防資材の購入、加えて、私立保育園や放課後児童クラブにおける必要な感染予防資材の購入経費に対して補助を行ってまいります。 また、離職等により住居を失うおそれのある方への家賃支援、感染時に重症化率が高くなる御高齢の方の商業施設等での感染リスクの軽減を目的とした移動販売モデル事業など、きめ細やかな感染症対策に取り組んでまいります。 また、テレワークなど新たな生活様式に対応した住環境整備への支援や市内店舗でのキャッシュレス決済導入に係る支援を行うほか、周辺観光ルートの整備やマイクロツーリズムによる観光客の誘客につなげるとともに、地場産業の振興、さらにはスマート農業による農作業の省力化や効率化等、本市の豊かな地域資源を活用し新しい生活様式に対応した事業活動を促進することで、域内経済の好循環を生み出す各種施策に取り組みます。 行政のデジタル化推進につきましては、ICT技術を活用したデジタル化の取組を推進をし、地域の課題解決につなげるとともに、時代に対応した行政サービスの提供と事務の効率化に取り組みます。 主な事業として、スマートシティ推進事業では、県及び県内市町と共同で電子申請システムを導入をするほか、ICTを活用した市民サービスの向上に取り組んでまいります。 また、多言語通訳システム整備では、タブレットを活用した多言語による通訳システムを導入をし、外国人市民が安心して相談できる環境を整備をしてまいります。 さらに、地域コミュニティICT促進事業では、地域コミュニティのデジタル化を推進をしていくため最適なシステム構築を行うための調査などを行います。 また、「子育て・教育」分野につきましては、多様な保育・幼児教育ニーズに応え、よりよい保育・教育環境を提供できるように、水口東・岩上統合認定こども園などの整備を進めるとともに、市内私立園の保育士確保や保育の質を向上するための研修への支援も行います。 また、現在実施をしております病後児保育に併せて、市内小児科医と連携をし病児保育にも取り組み、きめ細やかな子育て支援の充実を図ってまいります。 さらに、子どもたちによりよい教育環境を提供するため、教科担任制の導入やICT教育指導員の配置を実施をいたします。 「地域経済」の分野では、就職氷河期世代の就労支援などにより市内企業等の人材確保を図るとともに、女性の活躍やワーク・ライフ・バランス、働き方改革など多様な個々の力が最大限発揮できる職場づくりや働き方を推進をしてまいります。 さらに、農福連携による障がい者等の就農に向けた支援に係る調査・研究などに着手をするほか、地産地消のニーズが高まる中、農業施設設備の新設、または増設に係る経費を計上いたしました。 また、2022年春に鹿深夢の森を主会場として開催される全国植樹祭に向けて、主会場周辺の環境整備を進めるとともに、開催地としての情報発信も行ってまいります。 「福祉・介護」分野では、農福連携による農産物の付加価値向上や障がい者等の就農を支援していくほか、信楽まちなか芸術祭の開催に合わせ、市内全域を文化芸術で彩るアール・ブリュット事業にも取り組んでまいります。 このほかにも、これまで取り組んでまいりました新町・貴生川幹線内貴橋道路改築事業や甲南駅周辺整備事業などのインフラ整備を継続して実施をしていくほか、土山中学校施設長寿命化改良事業に着手をしてまいります。 これら施策を実施することにより、これからの4年間は、アフターコロナにおける新しい価値観、新しい生き方、新しい家族の在り方を包摂をした「新しい豊かさ」を市民の皆さんとともに探求してまいりたいと考えております。 次に、3点目の中小・零細事業者への直接的な財政支援についてであります。 昨年4月の緊急事態宣言の発令後直ちに、本年度におきましては、新型コロナウイルスの感染拡大により甚大な影響を受けている中小・小規模事業者に対し、国県に先駆け、きめ細やかな市独自の経済対策を実施をしてまいりました。 令和3年度の当初予算におきましては、昨年の感染拡大直後とは異なり、国や県における事業者への支援制度が整備されておりますので、本市の事業者への支援策といたしましては、短期的な視点での経済対策ではなく、アフターコロナを見据えた地域経済の好循環の実現につながる効果的な施策に取り組むことといたしております。 事業者への本市独自の支援策といたしましては、飲食事業者が新たな業態として取り組むテイクアウトやデリバリーの定着支援、キャッシュレス決済の導入支援、従来からのリフォーム補助制度を拡充したテレワーク応援リフォーム補助のほか、市内企業・事業所の人材確保に向け、県内初めての取組となります奨学金支援事業などを計上させていただきました。 さらに、これら当初予算に計上させていただいた事業に加え、国の交付金を活用した経済対策を本定例会中に提案させていただければと考えております。 次に、4点目の市民の切実な要望に応え、予算化することについてであります。 ライフスタイルの変化や少子高齢化の進展など、市民生活を取り巻く環境の変化に伴い、社会情勢は複雑化し、市民ニーズや地域が抱える課題も多様化・複雑化してきています。一方、地方分権のさらなる進展に伴い、自治体では自己決定と自己責任による自主自立の行政運営が求められております。 こうした中、将来の世代に負担を残さないまちづくりを進めるためには、持続可能な堅実な財政運営が求められますことから、選択と集中の理念の下、限られた財源を最大限に有効活用することが肝要になってくると考えます。 令和3年度予算につきましても、新型コロナウイルス感染症の影響により財政面へ及ぼす影響が大きい中、限られた財源を有効に活用する観点から、必要な施策を予算計上したところであり、これら市民サービスの費用対効果の最大化と健全な財政運営の両立を図ることこそが、真の市民の要望に応えることであると認識をいたしております。 なお、給食費の負担軽減・無償化につきましては、学校給食の本来の果たすべき役割は、学校で昼食をとるということだけではく、栄養バランスのとれた豊かな食事で成長期にある子どもたちの健康の増進、たくましい体づくりを図ることはもちろん、将来にわたって健康な生活を送ってくれるように、食に関する正しい知識、望ましい食習慣を身につけるものであり、質にこだわった食事内容にしたいと考えております。 こうしたことから、令和3年度は、前年度に続き地産地消の促進のため2,000万円、さらに内容を充実するため1,000万円、計3,000万円の給食材料費予算で計上をし、食育と栄養価の両面で学校給食の質の向上と保護者の負担軽減を図ったところであります。 また、医療費の完全無料化につきましては、市の財政状況、制度拡充による医療費の増加など、将来的な展望に加え、他制度への影響も考慮し、制度維持のための総合的な検討が必要になると考えております。 現段階では、厳しい財政状況の中にあって、小学生は完全無料、中学生は入院無料、通院は非課税世帯及び住民税均等割のみ課税世帯の子どもを対象に無料とする現行制度を安定的に継続して行うことが大切になってくると考えております。 以上、答弁といたします。 ○議長(橋本恒典) 教育長。 ◎教育長(西村文一) お答えいたします。 幼保・小中学校再編計画についてのうち、1点目の少人数学級、小規模校に対する認識と本市の方向性と再編計画との関連についてであります。 このほど、文部科学省において、少人数学級編制として、現在の1学級40人を35人に見直す方針が示されたところであります。一方、既に滋賀県では独自に35人学級編制の取組が進められており、市内小中学校でも、35人を超える学級は小学校の2学級だけとなっております。 少人数学級については、児童生徒一人一人の理解度や興味・関心に合わせた学習指導が可能になり、発言や発表機会が増えることで、授業への参加がより積極的になることが期待できます。また、教員と児童生徒との関係が密接になり、子どもたちの抱えている悩みや生徒指導上の課題等に対して、きめ細やかな指導が行き届くものと認識しています。 また、新型コロナウイルス感染症拡大防止のためには、教室内でも距離をあけることが望ましいとされていることからも、少人数学級は基本的には望ましいと考えているところであります。 しかし、一方でグループ学習やチームスポーツなど、様々な教育活動を行う際や、集団生活によって多様な友達との人間関係を築き、社会性を身につけたり子ども同士が切磋琢磨し高め合ったりしていくためにも、一つの学級に一定規模の人数は必要であると考えています。 また、各学年が1学級である学校については、行事や集団活動の活性化が難しかったり学級編制替えができないことによって、子ども同士の人間関係が固定化されたりします。このことにより、多くの友達から多様な見方や考え方の刺激を受け切磋琢磨して高め合うという機会を、大切な成長期に経験できないことになります。 市の再編計画は、35人学級を1学年の複数の学級で編制できることを目指したものであり、文部科学省が示しますICT教育の推進、教科担任制の導入、さらには義務教育9年間を見通した指導体制の構築など、様々な施策と合致するものであると認識をしております。 次に、既に存続の結果が示された小学校に対する施策や方向性についてであります。 再編検討協議会からこれまでに提出がありました報告書では、再編の必要性は一定理解いただいている一方で、再編が実施された場合、様々な不安や心配をお持ちの地域も多いと感じたところであります。 しかしながら、今後も多くの学校で少子化が急速に進み複式対象となる学級数が増えることも予想され、切磋琢磨による子ども同士の高め合いや豊かな人間関係の構築など、子どもたちの確かな育ちを保障していくという観点からは、いずれ困難な状況になることは必至であります。 また、市で策定しました公共施設等総合管理計画は、次世代の市民への負担をできる限り軽減し、効率的・効果的な公共施設の管理を目的とした計画であります。本計画では、学校施設が公共施設全体の約44%の延べ床面積を占めていることを認識しておく必要があると考えております。教育委員会といたしましては、そのような状況になることを見据えた対応を適切な時期に講じておく必要があり、学校再編は避けて通れないことであると認識をしております。 今後、学識経験者や市民などで構成する新たな審議会を早い時期に設置する予定としており、審議会では、本市における教育的課題や今後示される様々な教育施策を見据えた中で慎重に協議をいただき、再編計画の今後の進め方についての教育委員会としての方向性をまとめたいと考えております。 さらに、先ほども市長がお答え申し上げたとおり、総合政策的な視点が重要になってくることからも、総合教育会議などの場で議論を深め、全庁的な連携の下、部局横断的な取組によって他部局と連携強化を図りながら取り組んでまいりたいと考えているところです。 以上、答弁といたします。 ○議長(橋本恒典) 健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(樫野ひかる) お答えいたします。 生活保護の扶養照会への対応についてでございます。 生活保護法におきましては、「民法に定める扶養義務者の扶養は保護より優先して行われるものとする」とあり、申請者からの申出により扶養義務の履行が期待できると判断された者に対して扶養照会を行うこととしております。 本市におきましては、従来から扶養照会を理由とした申請権の侵害は行わないことや保護の決定に際しても扶養照会の回答結果を待たずとも保護決定を行うなど、適切な対応に努めてまいりました。 また、明らかに扶養の履行が期待できない場合や、照会することにより申請者に何らかの危害が及ぶおそれがある場合などについては、扶養照会を行わないなど、状況に応じた臨機応変な対応を行っております。 扶養照会が生活保護の申請をためらう心理的なハードルになっていると指摘されていることからも、従来からの対応を踏まえた上で、これまで以上に弾力的な運用が必要であると考えております。 厚生労働省が生活保護制度上の扶養照会の手続を緩和する方針を示したことは、今般の新型コロナウイルス感染拡大の影響を一つの契機とした一定の必要な見直しであると考えており、国・県などからの情報に基づき、相談者に寄り添った適切な対応を行ってまいります。 次に、新型コロナウイルスに関する市内の実態と対策についてでございます。 県の資料に対応する市の実態の掌握が必要であるとのことでありますが、本市は保健所機能を有しておりませんので、県が公表されている情報以上の内容について調査をする権限はございません。したがいまして、市独自の分析には限界があり、あくまでも非公式かつ内部資料としての活用が前提であることを御理解いただきたいと存じます。 2月16日に提供させていただいた資料も、内部資料として調製したものでありますことから詳細に触れることについては控えさせていただきますが、大きな傾向といたしまして、1月から2月にかけて複数のクラスターが続けて発生したことにより、市内の感染者は一時的に大きく増加しましたが、それらを除く感染傾向は県内の状況と大きく変わりはないと見ているところであり、甲賀保健所とも見解を共有しております。 本市における陽性患者の特徴としましては、若年層から高齢者まで年代に大きな偏りがなく、施設内感染に次いで家庭内感染が多くなっております。 感染者の増加により家族の方などが濃厚接触者と判定され、健康観察のために自宅待機されるケースも増えました。保健所を通じて御希望があった御家庭に対しては、市から食料品の提供などの生活支援をさせていただいております。 これまで市内でクラスターの発生が確認された施設等は、延べ6か所と承知をしております。その特徴については、県から特に発表されておらず、また全国の事例と照らしましても特筆する点はないと認識をしております。 感染拡大に対する市の対策としましては、どこにでも感染リスクが潜んでいることを念頭に、基本的な感染防止対策の徹底と感染者に対する人権的な配慮について繰り返し啓発を行うことが重要であると考えております。いわゆるコロナ疲れなど、事態の長期化に伴う慣れや対策の緩み、また啓発内容のマンネリ化などが課題であると考えております。 次に、市立施設での社会的検査の実施についてでございます。 これまでの議会答弁と同様、検査体制は県において一元的・総合的に整備されることが望ましいとの考えに変わりはございません。また、12月議会以降、特に県へ要望する機会はありませんでしたが、これまでに検査体制の増強が順次進められてきたことは承知をいたしております。 市独自の社会的検査を行う前提として、これに対応できる検査体制の確保が必要となり、既存の検査体制に負荷をかける形での実施となれば、真に検査を必要とされる方への検査が遅れてしまう可能性もありますことから、市が独自に検査を実施する考えはございません。 次に、取組の進行状況についてであります。 本市の実施するワクチン接種については、特別会場の設置による集団接種を基本として行うこととし、高齢者へのワクチン接種の開始日を4月1日と定め準備を進めてまいりましたが、2月24日に国から高齢者の接種開始時期を4月12日に遅らせる旨の発表があったことを受け、現時点では国の動向を注視しながら、接種会場や人員の確保、相談センター設置などの体制整備などを行っております。 集団接種の会場といたしましては、水口体育館、忍の里・プララ、信楽開発センターの3か所を確保しているところです。 人員確保においては、接種の実施に係る医療関係者等は、市立の医療機関を中心に医師会の協力を得ながら確保を進めております。 また、会場の運営や相談体制につきましては、健康福祉部の職員をはじめ、他部局の職員の協力を得ながら全庁で対応してまいります。 接種券の発送準備や接種の予約を受け付けるコールセンター、また市民からのワクチン接種に係る問合せや感染症などの相談に対応する市相談センターの開設についても、併せて準備を進めております。 ワクチンの確保状況は、世界的な供給量の逼迫のため、いまだ不透明な状況にありますが、ワクチンが確保されれば速やかに接種を開始することができるよう、引き続き準備を進めてまいります。 次に、ワクチン接種の課題についてでございます。 今回のワクチン接種事業における一番の課題は、一人でも多くの市民の皆様に本事業について御理解をいただき、ワクチンを接種いただくことであると考えております。このため、広報紙等による周知だけではなく、市で設置いたします相談センターや各種の保健事業の機会なども活用し、ワクチンや副反応についての正しい情報提供を行ってまいります。 また、より多くの方に接種いただくためには、集団接種会場への移動手段がなく来場が困難な方や、病気などで家から出られない方への対応についても準備が必要でありますので、各地域への臨時バスの効率的な運行や往診によるワクチン接種について調整を進めるとともに、身近にある病院や診療所での個別接種についても実施に向け関係者と協議を進めてまいります。 以上、答弁といたします。 ○議長(橋本恒典) 総合政策部理事。 ◎総合政策部理事(大橋豊) お答えいたします。 自治体のデジタル化による問題点や課題についてであります。 社会における情報化の歩みを振り返りますと、端末やネットワークの性能が向上し利用場面が広がるにつれて仕事や生活が便利になった反面、技術を悪用した犯罪、情報セキュリティ、情報格差などに代表される課題も生じました。そして、時代によって課題の内容は異なるものの、ICTを活用することによるメリットを最大化しながら、課題に対処していく取組が一貫して進められてきたと考えております。 自治体のデジタル化を進める上でも、AIなど新たな技術の活用、クラウド化、システムの標準化、業務の自動化などに伴うメリットが多数ある反面、必然的に課題も生じてくるものと認識しております。 課題の例といたしましては、クラウドサービスへ移行することによりサービス開始までの期間短縮が可能となるほか、システム管理やコスト面、災害時のリスク分散でメリットがある反面、ひとたびシステム障害が生じた場合には大規模化することなどが課題として挙げられます。 本市におきましては、県内8市で構成されるおうみ自治体クラウド協議会に加入をし、特別定額給付金の支給やワクチン接種の準備をはじめとする様々な施策への対応を効率的かつ迅速に実施できているところであり、障害発生時の応急対応については、事業者とバックアップ体制を確保するなどの対策を講じております。 また、システムの標準化は制度改正に伴うシステム改修を速やかに実施できることなどによる効率化や情報セキュリティの向上につながる反面、各自治体が実施してきたカスタマイズが抑制されれば、部分的な事務効率の低下も考えられるところです。 このほかにも、AIが判断したことや自動運転などに起因した事故について誰が責任を負うのかといった問題も今後生じてくるものと思います。これらは法的な整備によって解決される課題もありますが、まずは使う側がリスクを正しく認識した上で、リスクを最小化していく取組が求められると考えます。 議員御指摘のデジタル化による効率化が行政サービスの低下を招くのではないかという御懸念については、デジタル化自体の課題というよりは、むしろデジタル化に伴う合理化が極端に進められた場合に生じる課題に属するものと考えられますが、デジタル技術を活用して効率的で質の高いサービスを導入する上で、既存の業務の見直しを行い時代に合った行政サービスを提供していくこと自体は、デジタル化の取組にとって重要な要素であると考えております。 その際、デジタル化の目的を単にコスト削減の手段として捉えるのではなく、効率化と行政サービスの質の向上の両立を図るものであるとする考え方を庁内で共通認識として持ちながら推進していくことが重要であると考えます。 以上、答弁といたします。 ○議長(橋本恒典) 8番、小西議員。 ◆8番(小西喜代次) 三つ質問します。 扶養照会について、しないということであれば、広く市民の皆さんにメッセージとして周知する必要があるのではないかというふうに思いますが、どうでしょう。 甲賀病院の件ですけども、全職員の社会的検査というのはどうしても必要だと思うんですが、その点の全職員の検査の認識について伺います。 教育長に伺います。 再編検討協議会の結果を尊重するというのは従来の立場、それから公共施設の総合管理計画とはリンクさせないというのが従来の立場でしたから、その点、もう一度考えについて、矛盾するのではないかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。 ○議長(橋本恒典) 健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(樫野ひかる) お答えをさせていただきます。 2月26日に、厚生労働省のほうから扶養義務照会のほうの判断基準についてというような通知がされております。それに基づいて扶養義務照会をしない場合というようなのが出されておりますので、それに基づいて対応してまいりたいというふうに考えております。 そこで判断基準として示されていることにつきましては、まず扶養義務者の方が、例えば生活保護を受給をしている方であったりとか70歳以上の高齢者の方であったり、また未成年の方であったりという場合については、扶養義務履行が期待ができないものとして分類をされているところでございます。 また、例えばそういう要保護の方が、その扶養義務者の方から借金を重ねておられる方についても扶養義務の履行ができない方というところで分類がされておられます。 それから、10年以上音信不通である方とか、もう既に縁を切られている方についても扶養義務照会はできない方というようなところになっておりますし、例えばDVとかで、そのところに照会をすると、どうしてもかえって危険が及ぶというような方についても扶養義務照会は期待ができないというようなところで判断をするというふうなところが示されております。 その辺のところについては、しっかりと担当課はもちろんのこと、包括支援センター等々にも周知をしながら対応を進めてまいりたいというふうに考えております。 以上、答弁といたします。 ○議長(橋本恒典) 市長。 ◎市長(岩永裕貴) 再質問にお答えをいたします。 甲賀病院の職員全員に対する社会的検査の実施についてであります。 まだクラスターの終息がされてない状況でありますので、こうしたクラスターが終息した際には、どれぐらいの範囲に検査を実施したのかということも改めて報告を受けようというふうに考えておりますが、かなり広範にわたって検査がされているということについては承知をいたしておりますが、全職員にということになりますと、甲賀病院のほうも感染症の専門家の、そしてまた保健所の指示も仰ぎながら必要な検査を着実に実施をしていただいているということでありますので、まずはそういった指示にしっかり従って、プロの医療的なアドバイスをもって終息に向かっていくというのが必要であろうというふうに考えております。 以上、答弁といたします。 ○議長(橋本恒典) 教育長。 ◎教育長(西村文一) 再質問にお答えいたします。 小中学校再編計画は、子どもたちの最適な教育環境を第一義として考えたものでありますけれども、それを進めることによって公共施設等総合管理計画に結果としてリンクするものであると認識をしております。 以上、答弁といたします。
    ○議長(橋本恒典) 8番、小西議員。 ◆8番(小西喜代次) 健康福祉部長に伺います。 この2月26日付の厚労省の通知は、承知しています。問題は、義務ではないとした、この厚労省答弁に沿ってない不十分なものなんですよ。ですから、義務ではないということに沿った対応ということが基本になるというふうに思うんですけど、だからそういう点では、この26日通知というのは、かなり不十分だと、むしろ甲賀市が進めていることのほうが進んでいるというふうに思うんですけども、その点でメッセージを市民に送る必要があるかというふうに思います。 それから、教育長にお伺いしますが、いわゆる廃校が決まったところは対応するんだけれども、しかし存続を決めたところを対応しないというのは、これはおかしいんじゃないかというふうに思うんですけど、その点では総合管理計画とはリンクしないというのは当然だというふうに思うんですけど、もう一度確認したいと思います。 ○議長(橋本恒典) 健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(樫野ひかる) お答えをさせていただきます。 厚生労働省からのこの事務の連絡通知に基づいて、しっかりと進めてまいりたいというのが基本のところでございますが、これまで行ってきました扶養義務照会への考えについては、それを踏襲をしていくというのは思っております。 また、相談がありましたら一人一人にしっかりと丁寧な対応をするということは当然のことでありますので、状況をしっかりと聴き取りながら、扶養義務照会の履行が期待できるかできないかについても判断をしていきたいというふうに思っております。 以上、答弁といたします。 ○議長(橋本恒典) 教育長。 ◎教育長(西村文一) 再質問にお答えいたします。 現時点で、ほとんどの再編協議会から報告を頂いておりますが、それを読ませていただきますと、地域としての意見としてまとめていただいているものの、その中に、やはり最適な教育環境とは何かという点について様々な葛藤があることが読み取れます。 例えば、現時点では存続を希望するけれども、近い将来、再編が必要であるとか、あるいは存続を希望するけれども条件によっては再編も考えるとか、逆に再編はやむを得ないとしながらも、例えば吸収合併的な再編は望まないとか、様々な思いがございます。 したがって、この今の結論だけをそのまま受け止めるのではなくて、その辺の地域の思いをしっかり受け止めるという点で、今後、先ほど答弁でも申しましたが、審議会等などでも今後の方向性であるとか、あるいは一つのグループの中でも意見が違うところも当然ありますので、その辺りはまた連絡の話合いをするなど、慎重に進めてまいりたいと考えております。 以上、答弁とします。 ○議長(橋本恒典) 8番、小西議員。 ◆8番(小西喜代次) 今の教育長の御答弁については、少し納得し難い中身ですが、一般質問でまた引き続き議論したいと思います。 扶養照会については、また改めて議論したいと思います。 ありがとうございました。 終わります。 ○議長(橋本恒典) これをもって、小西議員の質問を終了し、代表質問を終了いたします。 お諮りいたします。 議事の都合により、3月3日は休会といたしたいと思います。 これに御異議ありませんか。     (「異議なし」の声あり) ○議長(橋本恒典) 御異議なしと認めます。 よって、3月3日は休会とすることに決定いたしました。 以上をもって、本日の日程は全部終了しました。 なお、次回は、3月4日午前9時30分より会議を開きますので、御参集願います。 本日は、これをもって散会いたします。     (散会 午後6時51分)  この会議録の内容が正確であることを証するため、地方自治法第123条第2項の規定により署名する。            甲賀市議会  議長  橋本恒典              同    議員  糸目仁樹              同    議員  橋本律子...