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  1. 彦根市議会 2018-11-01
    平成30年11月臨時会(第25号) 本文


    取得元: 彦根市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-16
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1            午前8時59分開会 ◯議長(安藤 博君) 皆さん、おはようございます。  ただいまから平成30年11月彦根市議会臨時会を開会いたします。  ただちに本日の会議を開きます。 ────────────────── 日程第1 会議録署名議員の指名 2 ◯議長(安藤 博君) 日程第1、本日の会議録署名議員の指名を行います。  会議録署名議員に、19番杉原祥浩君、および20番長崎任男君を指名いたします。 ────────────────── 日程第2 会期の決定 3 ◯議長(安藤 博君) 日程第2、会期の決定を議題といたします。  お諮りいたします。  今期臨時会の会期は、本日1日としたいと思います。これにご異議ありませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり) 4 ◯議長(安藤 博君) ご異議なしと認めます。よって、今期臨時会の会期は、本日1日と決定いたしました。 ────────────────── 日程第3 諸般の報告 5 ◯議長(安藤 博君) 日程第3、諸般の報告を行います。  市長から、地方自治第180条第2項の規定に基づき、損害賠償の額の決定についてが報告第33号から報告第46号までとして、議長宛て提出されましたので、お手元に配付しておきましたから、ご了承願います。  以上で諸般の報告を終わります。
    ────────────────── 日程第4 議案第78号および議案第79号 上程(市長提案説明) 6 ◯議長(安藤 博君) 日程第4、議案第78号および議案第79号を一括議題としたします。  職員に議案を朗読させます。   〔山口議会事務局次長朗読〕 7 ◯議長(安藤 博君) 提案者の説明を求めます。  市長。   〔市長(大久保 貴君)登壇〕 8 ◯市長(大久保 貴君) 皆様、おはようございます。本日提出いたしました議案について、その概要をご説明申し上げます。  議案第78号は、一般会計について、諸般の事情により緊急に処理すべきものの補正を行おうとするものであり、市長給与の減額および川嶋前副市長の退職手当等特別職給与費の補正を行うものです。これらの補正予算額は、411万1,000円であり、繰越金をもって賄うものでございます。  議案第79号は、新たに条例を制定するものであり、本庁舎耐震化整備事業に関して、不適正な事務処理が行われたことに対し、管理監督者としての責任を明らかにするため、平成30年12月から平成31年5月までの間、市長の給料月額を削減するため、平成30年度および平成31年度における彦根市長の給与の特例に関する条例を制定するものでございます。この件につきましては、改めて深くおわび申し上げるとともに、慎重なるご審議をお願い申し上げます。 9 ◯議長(安藤 博君) これより質疑を行います。  質疑の通告書が6名の方々から提出されておりますので、順次発言を許します。  その順位は、6番小川喜三郎君、3番北川元気君、2番獅山向洋君、11番奥野嘉己君、20番長崎任男君、17番山内善男君の順とし、順次ご登壇願います。  6番小川喜三郎君。小川君。   〔6番(小川喜三郎君)登壇〕 10 ◯6番(小川喜三郎君) 皆さん、おはようございます。市民の皆様にご理解をいただけるご答弁を期待いたしまして、以下、質疑をいたします。  それでは、大項目1、議案第79号平成30年度および平成31年度における彦根市長の給与の特例に関する条例案に関し、以下、質疑を行います。  中項目1も同様です。  まず、細項目1、市庁舎耐震補強・増築・改修工事に係る工事に関し、本市が、施工業者との契約において、地方自治施行令違反にかかわった職員に対し、彦根市職員の懲戒処分の公表基準に基づき公表されましたが、処分は戒告でありました。さらに、懲戒処分を受けた職員以外にも、訓告、厳重注意および注意の処分をなされました。本件に関しては、市長の管理監督者としての責任をとるとの考えで、市長給与の削減の条例改正案を提案されました。職員の懲戒処分と関係しての削減のお考えかどうか、まずお聞きいたします。 11 ◯議長(安藤 博君) 市長。 12 ◯市長(大久保 貴君) 今回提案させていただいております私自身の給与削減につきましては、本年11月21日に、本庁舎耐震補強・増築・改修工事に係る地方自治施行令違反に関係した職員の懲戒処分等を行ったことに伴いまして、市政の責任者である市長の管理監督者としての責任を明らかにするために提案させていただいたものでございます。 13 ◯議長(安藤 博君) 小川君。   〔6番(小川喜三郎君)登壇〕 14 ◯6番(小川喜三郎君) ということは、今回の工事請負契約の地方自治施行令違反で職員を処分したこととの関係だと理解してよろしいですか。ありがとうございます。  それでは、細項目2、今回の市長給与50%削減の提案ですが、当初の市長選では給与の30%削減を公約に掲げておられました。その公約と比較すると実質20%となりますが、見解と整合性についてお尋ねいたします。 15 ◯議長(安藤 博君) 市長。 16 ◯市長(大久保 貴君) 平成25年の市長選の際に掲げました30%の給与削減というものにつきましては、ご記憶があると思いますが、当時、東日本大震災復興に伴う日本再生のため、国家公務員において給与削減が行われておりました。内閣総理大臣にあっては30%の給与減額措置を講じられていたこと、また地方公共団体にも同様の措置をとるよう要請が行われたことを鑑みたものでした。  今回提案しております給与削減につきましては、申し上げましたとおり、本庁舎耐震化整備事業に関して不適正な事務処理が行われたことに対し、管理監督者としての責任を私自身が重く受けとめて、50%という削減率を提案してございまして、平成25年当時の市長選時の公約とは目的が異なるものでありますので、ご理解のほどお願いいたします。 17 ◯議長(安藤 博君) 小川君。   〔6番(小川喜三郎君)登壇〕 18 ◯6番(小川喜三郎君) 今回の市長給与減額の条例案とは、その原因が異なるとのご答弁でした。そうすると、国や地方での30%の給与削減とは全く関係ないとのことでよろしいですか。もう一度、お尋ねいたします。 19 ◯議長(安藤 博君) 市長。 20 ◯市長(大久保 貴君) 目的が異なるということです。 21 ◯議長(安藤 博君) 小川君。   〔6番(小川喜三郎君)登壇〕 22 ◯6番(小川喜三郎君) それでは、細項目3、給与削減の期間を6カ月とされた根拠についても、お考えをお聞かせください。 23 ◯議長(安藤 博君) 市長。 24 ◯市長(大久保 貴君) 給与の削減期間につきましては、近年の県内他市における職員不祥事に伴う首長の管理監督責任を理由とした給与削減事例を参考にしました。事例としましては、1カ月から3カ月の削減期間が多く見受けられましたが、本事案に関する私自身の管理監督者としての責任を重く受けとめ、それらを上回る6カ月としたものでございます。 25 ◯議長(安藤 博君) 小川君。   〔6番(小川喜三郎君)登壇〕 26 ◯6番(小川喜三郎君) 削減の期間ですけれども、通常1カ月が一番短いのだと思いますが、3カ月も、2カ月もあると思います。6カ月というのは、非常に重いというふうに市長はお考えなのですか。 27 ◯議長(安藤 博君) 市長。 28 ◯市長(大久保 貴君) これは弁護士相談もさせていただいたものでございますけれど、こうした事例、6カ月というのはほかに事例がないということもありますし、そうした基準から申しますと、重いものであろうと思っております。 29 ◯議長(安藤 博君) 小川君。   〔6番(小川喜三郎君)登壇〕 30 ◯6番(小川喜三郎君) 市長のお考えはわかりました。  細項目4、仮に、本条例改正案が可決された場合、市長はその責任をとったと考えておられるのか。十分でないとの判断であるとするならば、6カ月後においても、もし市長給与の減額について考えておられることがあれば、削減率とその期間をお教えいただきたいと思います。 31 ◯議長(安藤 博君) 市長。 32 ◯市長(大久保 貴君) 今回提案しております条例に関しましては、本庁舎耐震化整備事業における不適正な事務処理が行われたことについて、関係した職員の懲戒処分を行うとともに、私自身の管理監督者としての責任を明らかにするための提案ということでございます。  この責任は重大だと思ってございまして、今申しましたとおりに、他の事例と比較しますと、今回の提案は重いものだと思っておりますが、この事業はこれからさらに幾多の困難が予想されています。そうしたことを考えて、私自身としましては、少なくとも建設が完了するまで5割の削減を継続していきたいと考えております。 33 ◯議長(安藤 博君) 小川君。   〔6番(小川喜三郎君)登壇〕 34 ◯6番(小川喜三郎君) 考えはよくわかりました。ありがとうございます。  最後に、市庁舎耐震補強・増築・改修工事は、市民にとっても最も重要な事業です。市長は「報告がなかった」ということで、市長自ら経過を問いたださなかったけれども、市長自らが職員から定期的に報告を求めることや、万一報告がなされない場合は、市長自らが経過報告を求める姿勢が必要と考えております。こうした考えが、職員や市民に信頼される彦根市のトップの政治姿勢ではないでしょうか。もし、この点について市長の見解があればお伺いします。なければ、終わらせていただきます。  以上でございます。 35 ◯議長(安藤 博君) 市長。 36 ◯市長(大久保 貴君) この件につきましては、今、議員もご指摘いただきましたように、さまざまなご意見を頂戴いたしました。百条委員会でも、そうした意見を整理して、提出していただいています。そうしたことをしっかりと受けとめて、二度とこのようなことが起こらないように、さらに困難な事業ではありますが、職員一丸となって工事完成に向けて進んでまいりたいと思っておりますので、引き続きまして、ご指導、ご鞭撻をお願い申し上げたいと存じます。 37 ◯議長(安藤 博君) 小川君。   〔6番(小川喜三郎君)登壇〕 38 ◯6番(小川喜三郎君) 以上で質疑を終わります。ありがとうございました。 39 ◯議長(安藤 博君) 3番北川元気君。北川君。   〔3番(北川元気君)登壇〕 40 ◯3番(北川元気君) 無所属の北川元気でございます。質疑に入る前に、毎回お願いしていることではありますが、彦根市議会は、市民に開かれたわかりやすい議会を目指し、さまざまな取り組みを行っています。傍聴あるいはインターネット中継等でごらんになる方もおられますので、できるだけわかりやすい議論となるように質疑させていただきます。ご答弁いただく執行部の皆さんも、よろしくお願いいたします。  それでは、大項目1、議案第78号および議案第79号について。  市長給与の削減について、補正予算の概要では、本庁舎耐震化整備事業に係る不適切な事務処理が行われたことに対し、管理監督者としての責任を明らかにするため、市長の給与の減額に伴う給料および共済費の減額分を補正するものとして、市長給与月額50%カット、減額期間は平成30年12月から平成31年3月までの4カ月間。これは年度内までとなっております。  そこで、細項目1、市長給与減額の目的は。  市長給与減額の理由について、「管理監督者としての責任を明らかにするため」となっていますが、私には、市長給与を減額することによって管理監督者としての責任を明らかにするとはなかなか理解できず、よくわかりません。改めて、市長給与減額の目的についてお尋ねいたします。 41 ◯議長(安藤 博君) 市長。 42 ◯市長(大久保 貴君) 今回の私自身の給与削減につきましては、先ほどもご答弁申し上げましたが、本年11月21日に、市庁舎耐震補強・増築・改修工事に係る地方自治施行令違反に関係した職員の懲戒処分等を行ったことに伴い、市政の責任者である私自身も責任をとる必要があると判断したことから、その一つの方法として提案したものでございます。 43 ◯議長(安藤 博君) 北川君。   〔3番(北川元気君)登壇〕 44 ◯3番(北川元気君) 一つの方法として。市長給与が減額されることで管理監督者としての責任を明らかにするというのがよくわからないんですね。市長給与が減額されると、管理監督者としての責任がどう明らかになるのかというところを、再度お聞かせください。 45 ◯議長(安藤 博君) 市長。 46 ◯市長(大久保 貴君) 一般の職員でございますと、不適切な行為が行われた場合は、懲戒審査委員会で審査して、処分を行います。一般職員に関しては対応できるのですが、特別職は懲戒審査の規定がありませんので、自らが判断しなければなりません。一般職員だと、戒告、訓告、厳重注意、あるいは減給、免職までありますが、今回の事案を全体として、百条委員会でも解明に努めていただき、その原因等々も整理していただきました。そうしたことを受けまして、私自身は減給して、その責任の所在を明らかにする。管理監督者としての責任は非常に重いということをお示ししているものです。 47 ◯議長(安藤 博君) 北川君。   〔3番(北川元気君)登壇〕 48 ◯3番(北川元気君) 細項目2、管理監督者としての責任とは。  大久保市長は大変重く受けとめておられるそうですが、給与減額で明らかにしようとしている管理監督者としての責任とは具体的に何を意味するものなのか、詳細にご説明ください。 49 ◯議長(安藤 博君) 市長。 50 ◯市長(大久保 貴君) 地方自治第154条では、「普通地方公共団体の長は、その補助機関である職員を指揮監督する」と定められています。  市庁舎耐震補強・増築・改修工事における私の管理監督者としての責任は、市長として、職員を指揮監督し、市政運営に係る事務を管理・執行しなければならない立場にあったにもかかわらず、事業全体のマネジメント体制を確立できていなかったと感じております。工事契約の締結に際し地方自治施行令に違反する契約締結を未然に防ぐ体制がとれていなかったと考えております。 51 ◯議長(安藤 博君) 北川君。   〔3番(北川元気君)登壇〕 52 ◯3番(北川元気君) 百条委員会でも、驚きの証言で、市長ご自身は「知らなかった」、「報告はなかった」、「関与はしていない」。これだけの、40億円規模の耐震工事という大事業にもかかわらず、全く市長は関与すらされていなかった。こういったところが管理監督者としての責任なのではないかと思っていたのですが、そういう理解でよろしいですか。 53 ◯議長(安藤 博君) 市長。 54 ◯市長(大久保 貴君) 百条委員会でもおまとめいただきましたが、マネジメント体制の部分で欠如していたものがあると。いわゆる大きな事業であっても、それぞれが牽制をしながら、しっかりと法令を遵守し、事業を進めていかなければならないということでございます。この反省を受けて、コンプライアンス推進規程をつくり、内部通報の仕組みをつくり、入札監視委員会というものを、今回の事案を経て整備させていただきました。まず、そうした組織のマネジメント体制の確立に努めたところです。そのことについて、この事案が発覚する前の体制というものは十分でなかったということを、百条委員会でもご指摘いただいたところです。その意味において、私の監理監督責任として、組織のマネジメントについて反省すべきところが大きい、責任は重大だという意味です。 55 ◯議長(安藤 博君) 北川君。   〔3番(北川元気君)登壇〕 56 ◯3番(北川元気君) それは、それは重大な責任だと思います。  細項目3、議案の説明では、今年度末までの減額分4カ月であり、次年度にも改めて給与を減額する用意がある旨の説明をされています。その内容を含む市長給与減額の詳細についてお尋ねいたします。 57 ◯議長(安藤 博君) 市長。 58 ◯市長(大久保 貴君) 今回、議案第79号において提案しておりますとおり、平成30年12月から平成31年5月までの6カ月間について、市長給与月額を50%削減するもので、削減額は277万5,000円となります。なお、議案第78号におきましては、このうち平成30年度分である平成31年3月までの4カ月間185万円を減額補正するものとしてお願いしております。  また、平成31年6月以降の対応につきましては、小川議員にもお答えしましたが、本庁舎耐震化工事が完了するまでの間、5割削減を継続していきたいと考えております。 59 ◯議長(安藤 博君) 北川君。   〔3番(北川元気君)登壇〕 60 ◯3番(北川元気君) 細項目4、首長の給与減額については、他都市でも実施されているところがありますが、大久保市長はその状況をどのように把握されているのでしょうか。また今回の市長給与減額において、どのような事例を参考にされたのでしょうか、お尋ねします。 61 ◯議長(安藤 博君) 市長。 62 ◯市長(大久保 貴君) 今回の給与減額の提案を行うに当たり、近年の県内他市における職員不祥事に伴う首長の管理監督責任を理由とした給与減額事例を参考といたしました。具体的には、平成29年4月に大津市において市長の給料月額を30%1カ月、平成29年8月に米原市において市長の給料月額を10%1カ月、平成30年7月に甲賀市において市長の給料月額を10%3カ月、こうした減額の事例がございました。
    63 ◯議長(安藤 博君) 北川君。   〔3番(北川元気君)登壇〕 64 ◯3番(北川元気君) 県内他市ではそういう状況だということですし、それを参考にされたとのことですが、例えば名古屋市長は退職金ゼロとか、大阪府知事や市長も大幅な給与カット、退職金もカットされています。そういったことは参考にされなかったのですか。 65 ◯議長(安藤 博君) 市長。 66 ◯市長(大久保 貴君) ご指摘いただいた事例は、こうした管理監督者の責任を問うたものではないと理解しております。全国の他の不祥事の事例も一通り、人事課の方でも調査しましたが、今ご指摘いただいたものとは趣旨が異なると考えております。 67 ◯議長(安藤 博君) 北川君。   〔3番(北川元気君)登壇〕 68 ◯3番(北川元気君) 細項目5、裏合意問題で生じた損害については、9月議会の一般質問でも同様の質問をしております。そのとき、「裏合意問題で生じた損害額は幾らですか」とお聞きしましたが、「現時点では確定していないのでわからない」というご答弁でした。改めて、大久保市長は、この裏合意問題で生じた損害をどのように認識しておられるのか。概算でも結構ですので、総額をお答えください。 69 ◯議長(安藤 博君) 市長。 70 ◯市長(大久保 貴君) 恐縮ですが、前回お答えしている答えのとおりになりますが、補足してご説明させていただきますと、これから事業を完了するために必要な費用としては、工事関連経費といたしまして、当初からの仕様に係る費用のほか、既存庁舎南側外部足場の再設置費と、現在、工場に置かれている鉄骨材を仮置きするための用地の確保、仮囲いや敷鉄板等の養生費および本庁舎までの再運搬費ならびに物価や賃金の上昇による経費が考えられますが、現在、当該工事の請負契約解消および出来高精算に関する調停を申し立てているところであり、調停成立後に残工事の再積算が必要となるため、現時点では確定しておりません。なお、これらの費用には、土壌汚染が発見され土壌改良が必要となったために工事を中断せざるを得なかったことに起因すると考えられるものも含まれております。  また、事業の延長期間においては、仮庁舎、会議室、駐車場等の賃借料が月額約800万円必要となりますが、現時点では、土壌汚染対策のために必要な期間を除く市庁舎耐震補強・増築・改修工事期間および本庁舎に引っ越しするまでの期間が未定でございますので、今後事業を完了するために必要な費用の総額については算出ができていない状況でございます。  このたびの問題を大変重く受けとめており、今後、これらの時期が定まりしだい、費用の項目や金額が確定した段階で、議会に説明させていただきたいと考えております。 71 ◯議長(安藤 博君) 北川君。   〔3番(北川元気君)登壇〕 72 ◯3番(北川元気君) 市民の皆さんは、ここが一番気になっておられると思うのです。今回の裏合意問題でどれぐらい損害が出ているのかというところですが、前回同様、「現時点では確定していないのでわからない」という残念なご答弁でした。  続きまして、細項目6、市長給与減額は月額92万5,000円のうち50%カットで46万2,500円。補正予算では、減額期間は今年度末までの4カ月間となっていますので、総額が185万円の減額です。これは裏合意問題で生じた損害の総額の何%ぐらいになるのでしょうか。概算でも結構ですのでお答えください。 73 ◯議長(安藤 博君) 市長。 74 ◯市長(大久保 貴君) 恐縮ですが、今もお答え申し上げましたとおり、今回の私自身の給与削減につきましては、本年11月21日に、この事案に係る地方自治施行令違反に関係した職員の懲戒処分等を行ったことに伴い、市政の責任者である私自身の管理監督者としての責任を明らかにするために提案しているものであり、この件で損害が発生したとして提案したものではございませんので、ご理解のほどお願い申し上げたいと思います。 75 ◯議長(安藤 博君) 北川君。   〔3番(北川元気君)登壇〕 76 ◯3番(北川元気君) 理解できないので質疑しているわけですが、管理監督者としての責任を明らかにするために給与を減額しますと。その給与減額金額は出ているわけですけど、市民に与えた、あるいは彦根市がこうむった裏合意問題による損害額は認識さえも示されず、概算もわからない。どう理解すればいいのか、僕にはよくわかりません。  細項目7、市長給与減額の妥当性について、どうお考えなのか、お尋ねいたします。 77 ◯議長(安藤 博君) 市長。 78 ◯市長(大久保 貴君) 給与の削減期間および削減率につきましては、今までご答弁しておりますとおり、さまざまな事例を参考にしております。当該事例におきましては、削減期間については1カ月から3カ月、減額率については10%から30%となっておりましたが、不適正な事務対応によって事業がこのような事態になっていることを重く受けとめ、職員の処分に伴って、私自身の管理監督者としての責任を明らかにするため、それらの事例を上回る6カ月50%とさせていただいたものでございます。 79 ◯議長(安藤 博君) 北川君。   〔3番(北川元気君)登壇〕 80 ◯3番(北川元気君) 県内他市の減額率、減額期間の低いところを挙げてきて、それよりも自分は多いのだから、重大な事案として受けとめているのだ、反省しているのだというように、僕には聞こえました。完全に市長のパフォーマンスになるのではないかと危惧しております。  中項目2に移ります。川嶋前副市長の退職手当についてです。  川嶋前副市長の退職手当は600万6,000円となっておりますが、これについてお尋ねいたします。  細項目1、退職手当の金額の根拠についてお示しください。 81 ◯議長(安藤 博君) 総務部長。 82 ◯総務部長(犬井義夫君) 副市長の退職手当につきましては、彦根市長等の退職手当に関する条例の第3条の規定に基づき算定を行っています。具体的には、退職した日において受けるべき給料月額77万円に、在職した月数である平成27年12月から平成30年1月までの26カ月を乗じて得た額に100分の30を乗じて算定を行い、計算の結果、600万6,000円となります。 83 ◯議長(安藤 博君) 北川君。   〔3番(北川元気君)登壇〕 84 ◯3番(北川元気君) つまり、満額支給ということでよろしいですか。 85 ◯議長(安藤 博君) 総務部長。 86 ◯総務部長(犬井義夫君) 条例に基づく満額支給となっております。 87 ◯議長(安藤 博君) 北川君。   〔3番(北川元気君)登壇〕 88 ◯3番(北川元気君) 細項目2、本年1月24日に退職された川嶋前副市長に、なぜこの11月臨時会のタイミングで退職手当を支給されようとしているのでしょうか、お尋ねします。 89 ◯議長(安藤 博君) 市長。 90 ◯市長(大久保 貴君) 川嶋前副市長に対する退職手当の支給につきましては、彦根市長等の退職手当に関する条例等に規定する支給制限に該当する行為がなかったかを判断するため、今まで保留しておりました。本市における調査および市庁舎耐震補強・増築・改修工事にかかる工事請負契約に関する調査特別委員会、いわゆる百条委員会における調査の結果から、本事案に係る川嶋前副市長の行為が退職手当の支給制限に該当する行為でないと判断するに至ったものです。  また、本年11月21日に、市庁舎耐震補強・増築・改修工事に係る地方自治施行令違反に関係した職員の懲戒処分等を行ったことに伴い、市政の責任者である私自身の給与削減を行うこととあわせ、川嶋前副市長への退職手当の支給をお願いしたいということです。 91 ◯議長(安藤 博君) 北川君。   〔3番(北川元気君)登壇〕 92 ◯3番(北川元気君) 市長、恐れ入りますが、もう少し大きな声で答弁をしていただけるとありがたいです。  それでは細項目3、議案説明のときに、彦根市の顧問弁護士による「川嶋氏に関する退職手当支給に関する意見書」という資料を、我々にも配付していただきました。この意見書が退職手当を支給する根拠と理解していいのか、お尋ねします。 93 ◯議長(安藤 博君) 市長。 94 ◯市長(大久保 貴君) 副市長の退職手当につきましては、先ほど総務部長が答弁しましたように、彦根市長等の退職手当に関する条例を根拠として支給を行うものです。顧問弁護士からの意見書は、市の判断が法的に問題がないかどうかの確認を行うために徴したものでございます。 95 ◯議長(安藤 博君) 北川君。   〔3番(北川元気君)登壇〕 96 ◯3番(北川元気君) 顧問弁護士の意見書では、見解の趣旨として、法律的には、彦根市は川嶋氏に対して退職手当を支給しなければならないと解すると書かれています。しかし、その中には、ごく一部の裁判例において、実質的に懲戒免職相当の非違行為がある場合には、退職後であっても懲戒処分相当と解して、退職金を不支給とすることができるとの解釈をとるものも存在するとされています。大阪地裁の平成11年1月29日判決(資料2)というものが紹介されています。これも検討された上で、川嶋氏の行為は、地方自治施行令違反の認識がないまま、工事の一部の変更を了承したというものであり、これは悪質な不正行為とまでは言えないと、見解が述べられています。  私は、この点について、弁護士によっては意見が分かれるところではないかと思っております。弁護士の見解が退職手当支給の理由になるのであれば、逆の見解を持つ弁護士を見つけてくれば、退職手当を支給しなくてもいいのではないかという話にもなってきます。この点を指摘して、質疑を終わりたいと思います。 97 ◯議長(安藤 博君) 2番獅山向洋君。獅山君。   〔2番(獅山向洋君)登壇〕 98 ◯2番(獅山向洋君) それでは、大項目1、議案第78号および議案第79号に対する質疑を行います。  中項目1、大久保市長の給与を6カ月間、5割カットする条例およびその予算について質疑いたします。  まず、12月3日から彦根市議会定例会が開会されます。それなのに、11月29日に臨時会が招集されたわけです。これは議員にとっても、市民からしても、「何でこんな時期に臨時会をやるのだろう」と思うものです。定例会を目前に控えながら、なぜ臨時会を招集したのか、まず説明しておいていただきたいと思います。 99 ◯議長(安藤 博君) 市長。 100 ◯市長(大久保 貴君) 本年9月3日に市庁舎耐震補強・増築・改修工事にかかる工事請負契約に関する調査特別委員会からの報告があり、新たな事実は確認されなかったと考えております。また9月20日の市庁舎耐震補強・増築・改修工事にかかる工事請負契約解消および出来高精算に関する第1回調停および10月17日の第2回調停、11月19日の第3回調停でも、職員の懲戒処分や川嶋前副市長の退職手当の支給に影響を及ぼすような新たな事実は確認されておらず、今後の調停においても新たな事実は見込まれない状況であること、また調停の合意にはまだ時間を要する見込みであり、このまま職員の処分等の問題を先延ばしにすることはできないことから、できることからいち早く進めさせていただきたいと考え、今回の臨時会をお願いしたものです。 101 ◯議長(安藤 博君) 獅山君。   〔2番(獅山向洋君)登壇〕 102 ◯2番(獅山向洋君) 長々と読み上げられましたが、そんなことは我々も十分わかっているし、市民だって知っています。私が聞いているのは、あと4日もすれば12月定例会が開かれるのに、なぜ11月29日に突然臨時会を開いたのか。読み上げずに、端的に答えてください。なぜなのですか。 103 ◯議長(安藤 博君) 市長。 104 ◯市長(大久保 貴君) 11月21日に職員の処分を行いましたので、それに伴いまして、速やかに、できるだけ早く今回の条例をお願いして、対応していきたいという思いからです。 105 ◯議長(安藤 博君) 獅山君。   〔2番(獅山向洋君)登壇〕 106 ◯2番(獅山向洋君) その思いは市長個人の思いからなのですか。 107 ◯議長(安藤 博君) 市長。 108 ◯市長(大久保 貴君) 私どもも日々、さまざまな方々と意見交換する機会がございます。さまざまな方面から助言をいただいて、一つずつ、できることはお願いして、対応していくことが肝要だというご助言もいただいたところです。そうしたことも考えまして、私どもは自らの処分が先だと思っておりましたけれども、懲戒審査委員会からいただいた意見具申は2月でしたので、先延ばしすることも適切ではないと思っておりましたので、今回、お願いしたところです。本来でしたら、9月定例会中にお願いしたいと思っておりましたが、さまざまなご意見も頂戴して、そこは一旦、提案を見合わせたところもあり、その宿題を早く解決させていただきたいという思いでございます。 109 ◯議長(安藤 博君) 獅山君。   〔2番(獅山向洋君)登壇〕 110 ◯2番(獅山向洋君) 9月定例会も、とっくに終わっていたわけでして、だったら9月定例会が10月中ごろに終わって、すぐに出せばよかったのです。それがなぜ11月29日になったのかと聞いているのです。それならば、12月定例会に提案してもかまわなかったわけでしょう。なぜこんなときに出すのかということだけは、市長としてきちんと説明しておいてください。 111 ◯議長(安藤 博君) 市長。 112 ◯市長(大久保 貴君) 今お答えしたとおり、急いでやらせていただきたいという思いです。 113 ◯議長(安藤 博君) 獅山君。   〔2番(獅山向洋君)登壇〕 114 ◯2番(獅山向洋君) 急いでやるなら、9月定例会が終わってすぐにやればよかったのではないですか。その点を聞いているのです。どうなのですか。 115 ◯議長(安藤 博君) 市長。 116 ◯市長(大久保 貴君) 9月定例会でも、いろいろとご意見をいただきました。調停の様子も一つの要因としてありました。9月定例会が終わりまして、調停の内容等々を精査し、越年することが確実になりました。新たな判断材料が出てこない状況ですので、9月に提案すると申し上げていたのに提案に至らなかったという反省もあり、速やかに対応させていただきたいという思いが強かったということでございます。 117 ◯議長(安藤 博君) 獅山君。   〔2番(獅山向洋君)登壇〕 118 ◯2番(獅山向洋君) 全くむだな時間ばかり使うので嫌になっています。「速やかにやる」と言うのなら、なぜ9月定例会が終わって、速やかにおやりにならなかったのですか。最後もう1回だけ、確認しておきます。 119 ◯議長(安藤 博君) 市長。 120 ◯市長(大久保 貴君) 第3回の調停が11月19日でしたので、その調停を受けて、速やかに対応させていただく判断をしたものです。 121 ◯議長(安藤 博君) 獅山君。   〔2番(獅山向洋君)登壇〕 122 ◯2番(獅山向洋君) なんだか調停と言って逃げておられるけれども、こんなの単なる口実に過ぎません。既に2月に懲戒審査委員会の意見が出ていて、しかも内容は同じだとおっしゃるのですから、いつでもできたわけです。何を今ごろおっしゃっているのか。  次の質疑に移ります。本来、市長としては、できるだけ事務量を増やすまい、経費を使うまいと考えるのが当然なのに、こんなむだな臨時会を入れること自体、まさに市議会に対する侮辱である。市民をばかにしているのではないかと私は思います。こういう臨時会を開くためにどれだけの事務量が要るかということなんですよ。まず、市長部局では、提案のためにたくさんの書類をつくらないといけないのです。わざわざ予算書などは、14ページかの印刷物までつくっているのです。その上で、議会の方はいろいろと対応しないとならない。質疑の通告について事務局の方がどれだけ苦労しているのかも考えなさい。現に、臨時会は1日限りですが、これだけ多くの職員や議員が集まって、時間的なロスをしているわけです。こんなことをしていては、彦根市の財政がもたない。市長はどう思いますか。早くやるならやるで、ちゃんと理由があったと思うけれども、12月定例会の4日前にあわてて出すこと自体、大変なロスであると考えませんか。 123 ◯議長(安藤 博君) 市長。 124 ◯市長(大久保 貴君) ご指摘は重く受けとめさせていただきたいと存じます。ただ、申し上げましたように、できるだけ速やかに、一つずつ解決したいという思いです。ご批判は私自身の不徳のいたすところですので、しっかり反省しながら、ぜひご理解をお願い申し上げたいと思っております。 125 ◯議長(安藤 博君) 獅山君。   〔2番(獅山向洋君)登壇〕 126 ◯2番(獅山向洋君) 不徳のいたすところとか、何とかおっしゃっているけれども、これは不徳の問題ではないのです。市長として職務をいかに忠実に行うか、市民のために職務をいかに適正に行うか。これが一番重要なのであって、不徳とか、重く受けとめるとか、そんな問題ではないということなのです。善良なる管理者の注意義務という言葉を後でも申し上げますが、そういうお気持ちを持ってやっておられるのか、非常に疑問に思っていますのでね、いかがですか。重く受けとめるとか、不徳の問題ではないということだけは、明確にお答えください。 127 ◯議長(安藤 博君) 市長。 128 ◯市長(大久保 貴君) ご指摘いただいておりますとおり、市長として、不要な経費をかけてはならないと思っておりますが、この事案の重大性と、今までご説明申し上げたとおりの調停の成り行き等々を総合的に判断しまして、今回、臨時会をお願いしたところです。ご指摘は本当に真摯に受けとめさせていただいて、今後、そのようなことにならないように改めてまいりたいと考えております。 129 ◯議長(安藤 博君) 獅山君。   〔2番(獅山向洋君)登壇〕 130 ◯2番(獅山向洋君) 時間をつかってばかりなので、次に移ります。  今回の条例の提案者は、条例制定の趣旨として、「本庁舎耐震化整備事業に関して不適正な事務処理が行われたことに対し、管理監督者としての責任を明らかにするため、平成30年12月から平成31年5月までの間、市長の給料月額を削減するもの」と説明しております。これについては議員としては既に説明を受けておりますが、市民の皆さんとしては一体どういう条例なのか、よくおわかりにならないだろうと思いますので、あえて議案概要書の制定趣旨を読み上げました。
     そこで細項目3ですが、「不適正な事務処理」の内容を明らかにしていただきたいと思います。なぜかといいますと、私は、不適正な事務処理ではなく、違法な事務処理だったと思っているので、あえて不適正とおっしゃるのならば、その「不適正な内容」を明確にしておいていただきたいと思います。 131 ◯議長(安藤 博君) 市長。 132 ◯市長(大久保 貴君) 市庁舎耐震補強・増築・改修工事に関して、入札が不調となり、随意契約に切り替える際に、地方自治施行令第167条の2第2項の規定に反し、入札時の条件を変更して随意契約を締結したことです。 133 ◯議長(安藤 博君) 獅山君。   〔2番(獅山向洋君)登壇〕 134 ◯2番(獅山向洋君) 「地方自治施行令の規定に反し」とおっしゃいました。これは違反ということなので、違法な行為を行ったということではないのですか。これを「不適正」とおっしゃるのは、言葉のあやで逃げておられるように思うのです。「不適正」と「違法」とは違うのです。いかがですか。不適法な事務処理ではないのですか。 135 ◯議長(安藤 博君) 市長。 136 ◯市長(大久保 貴君) 不適正な事務処理と理解しております。 137 ◯議長(安藤 博君) 獅山君。   〔2番(獅山向洋君)登壇〕 138 ◯2番(獅山向洋君) そうすると、違法の意識はないわけですね。今までの公文書には、「地方自治施行令違反の行為があった」とちゃんと書いてあります。「不適正な行為があった」なんて、そんなこと言っておられません。その点もう1回、確認しておきたい。 139 ◯議長(安藤 博君) 市長。 140 ◯市長(大久保 貴君) 百条委員会に提出した資料でも読み取っていただけると思うのですが、当時、入札して、随意契約に移行する際に、当初の条件の一部を除外して締結する行為が行われた。当事者はそれが違法な行為であるという認識はなかったけれども、後日、法律相談によって、地方自治施行令に違反するという指摘をされました。そういう意味で、不適正な事務処理が行われたと表現しているものです。 141 ◯議長(安藤 博君) 獅山君。   〔2番(獅山向洋君)登壇〕 142 ◯2番(獅山向洋君) その程度の認識しかないということは、改めてわかりました。  それでは、細項目4、「不適正な事務処理」を行ったのは一体誰だったのでしょうか。 143 ◯議長(安藤 博君) 市長。 144 ◯市長(大久保 貴君) 9月定例会でもお答えしましたが、今回の工事請負契約に関し地方自治施行令違反を招いた一番の原因は、市庁舎耐震補強・増築・改修工事にかかる工事請負契約に関する調査特別委員会による調査報告書でもご指摘いただきましたとおり、市庁舎耐震補強・増築・改修工事という本市にとって非常に重要な事業において、事業全体のマネジメント体制が確立されておらず、その結果、責任の所在が不明確となり、関係部署間でのチェック機能が働かなかったことだと考えています。ご指摘のような、特定の職員による行為が原因であったとは捉えていません。 145 ◯議長(安藤 博君) 獅山君。   〔2番(獅山向洋君)登壇〕 146 ◯2番(獅山向洋君) 恐るべきご答弁ですね。特定の職員は挙げられずに、単なるマネジメントだけで、こんな重大な違法行為が行われたとおっしゃられるわけですからね。こんなことで、市民の皆さんが「なるほど、そうなのか」と納得しますか。誰がこういう行為をした、誰がこういう行為をした、その上で、適切なマネジメントが行われていなかったと総括するのが当たり前なのに、最初から適切なマネジメントが行われていなかったと言うのなら、どんな大きな事件や事案が起きても、全てマネジメントという一つの言葉におさめられてしまうのです。市長はきちんとした学歴も持っておられるのですから、それくらいのことはおわかりになると思うのですが、いかがですか。もう1回、ちゃんと答えてください。 147 ◯議長(安藤 博君) 市長。 148 ◯市長(大久保 貴君) この問題は、私ども内部でも調査しましたし、議会においても百条委員会で詳細に検証いただいたと理解しております。その結果、いろんなご意見を頂戴しましたが、その中で最も重要であったのは、マネジメント体制が確立されていなかったことだと受けとめております。そのため、コンプライアンス推進規程や内部通報規程を整備し、入札監視委員会という組織も立ち上げ、市役所全体がきちんと機能していくように、こうした事案が再び起こらないように、手立てをしているところです。この事案が起こってしまったことを深くおわび申し上げたいと存じますが、これを機に、二度とこのようなことが起こらないように、体制整備を初め、職員意識の改革を進めてまいりたいと考えております。 149 ◯議長(安藤 博君) 獅山君。   〔2番(獅山向洋君)登壇〕 150 ◯2番(獅山向洋君) 何回も聞いているので、市長の論理はよくわかっています。例えば、誰かが交通事故を起こし、被害者に重傷を負わせ、刑事事件になったとします。過去の一つの事案に対して、こういう事故が起きて、どういう処分をするか、どういう損害を賠償させるかというのが重要であるのに、「二度とこういう交通事故は起こしません。今後は十分注意いたします」と言っても、既に起きた事故が消えてなくなるわけではありません。ところが先ほどからのお話を聞いていると、まるで市長は「これからしっかりやります」というような話ばかりです。  そこで細項目5ですが、既に百条委員会で、関係された職員のお名前も出ています。彦根市民どころか、県下にも、全国にも表明されていて、その職員の方々がどんな処分を受けるのかも関心があります。いったいその不適正な事務を行ったのは誰なのか、マネジメントだけで物事が済むのかとみんなが思っています。だったらなぜ明確に、不適正な事務処理を行ったのは誰だと発表されないのですか。それこそ、市長として無責任な態度だと思います。管理監督責任のある者が「こういうことがありました」ときちんと言わないのは、逆に言ったら今でも管理監督責任を果たしていないことになります。いかがですか。 151 ◯議長(安藤 博君) 市長。 152 ◯市長(大久保 貴君) 職員の懲戒処分の公表については、公務員倫理の保持の徹底と情報公開の観点から、職員に公務員としての自覚を喚起するとともに、不祥事の防止を図り、市行政に対する市民の理解と信頼を確保する目的として、彦根市職員の懲戒処分の公表基準を定め、各任命権者が行った懲戒処分を公表しております。その公表内容については、職員個人が特定されない内容としており、免職の場合を除き、氏名は公表しないこととなっておりますので、ご理解のほどお願い申し上げたいと存じます。 153 ◯議長(安藤 博君) 獅山君。   〔2番(獅山向洋君)登壇〕 154 ◯2番(獅山向洋君) 公表基準になるだろうと思っていたのですが、ではこの公表基準は誰が決めたのですか。 155 ◯議長(安藤 博君) 市長。 156 ◯市長(大久保 貴君) この規定は私が定めるものでございます。 157 ◯議長(安藤 博君) 獅山君。   〔2番(獅山向洋君)登壇〕 158 ◯2番(獅山向洋君) 市長が決めたのだったら、市長が変えることもできるでしょう。今回のような重大な事案について、なぜ公表しないのですか。基準を変えたらいいではないですか。変えない理由を述べてください。 159 ◯議長(安藤 博君) 市長。 160 ◯市長(大久保 貴君) 変えられたケースはあると伺っておりますが、この基準に関しましては、県内他市の方針と変わらぬものですので、これがスタンダードなものだと理解しております。 161 ◯議長(安藤 博君) 獅山君。   〔2番(獅山向洋君)登壇〕 162 ◯2番(獅山向洋君) よろしいですか。県内でこれだけ重大な事案が起きたことはないのです。彦根市始まって以来の百条委員会までやって、関係する職員の名前が出てきたのです。そういう意味で、公表基準は変えるべきです。あの中で多くの職員の名前が出てきたにもかかわらず、誰がどういう処分を受けたのかわからない。しかも軽い処分ばかりです。わからないと、誰が受けたということについて、不要な推測が出てきて、関係のない職員までが迷惑をこうむるのです。「管理監督の責任者として、今回は特別な事情であるから公表します」と考えるのが、市長ではないのですか。 163 ◯議長(安藤 博君) 市長。 164 ◯市長(大久保 貴君) ご意見としては受けとめさせていただきますが、百条委員会の整理におきましても、特定の職員が主導したという整理にはなっていなかったと理解しております。私どもは、この指針に基づいて対応させていただきましたので、ご理解のほどお願いしたいと存じます。 165 ◯議長(安藤 博君) 獅山君。   〔2番(獅山向洋君)登壇〕 166 ◯2番(獅山向洋君) 最後に「ご理解のほどお願いします」と言うのは、もうやめていただけませんか。私は仕事として質問しているのですから、「理解しろ」、「理解しろ」と言われて、「はい、わかりました」なんて答えるはずがないのです。もういい加減にしていただきたい。  マネジメント全体の問題であったとおっしゃるのなら、なぜ職員を懲戒処分されたのですか。それはおかしいと思うんですよ。マネジメント全体であるなら、職員全体を懲戒処分するか、1人も懲戒処分者が出ないか、どちらかではないのですか。その点、市長はどのように考えておられるのですか。 167 ◯議長(安藤 博君) 市長。 168 ◯市長(大久保 貴君) 今回の事案に関しましては、2月に庁内の懲戒審査委員会から意見具申をいただきました。こうした不適正な事務処理が行われた背景、事実認定、それぞれの職員の職責・行為等が、弁護士の助言もいただきながら、慎重に審査され、意見具申をいただきました。私としては、その意見具申を尊重し、対応させていただいたものです。 169 ◯議長(安藤 博君) 獅山君。   〔2番(獅山向洋君)登壇〕 170 ◯2番(獅山向洋君) ああ言えばこう言う、こう言えばああ言うで、随分矛盾したことばかりおっしゃっていると思います。市長としてのきちんとしたご意見がないようです。「皆さんの意見具申に従っております」という答弁だと思います。  次に、細項目6に移ります。管理監督者としての責任の内容を具体的に説明されたい。  これにつきましては、既に北川議員の質疑に対して答えられましたので、その答弁を読み上げていただく必要はございません。私の方の質疑の観点は違います。「具体的に」というのは、地方自治上の問題です。念のために説明しておきますと、管理監督責任者としての責任のようなことをおっしゃったけれども、民法上は善良なる管理者の注意義務です。地方自治上は、一般的に、首長の職務忠実義務ということで、とにかく職務を忠実に遂行しなければいけないという規定がきちっとあるわけでして、その点で、管理監督者としての責任をお尋ねしたいと思います。そういう意味で本当に善良なる管理者の注意義務を果たしておられたのか。具体的内容についてお答えいただきたいと思います。 171 ◯議長(安藤 博君) 市長。 172 ◯市長(大久保 貴君) 「同じ答弁を読み上げるな」とおっしゃられましたが、「具体的に」とお尋ねですので、読み上げさせていただきたいと思います。  地方自治第154条では、「普通地方公共団体の長は、その補助機関である職員を指揮監督する」と定められています。これが具体的な事務だと思っております。  今回の市庁舎耐震補強・増築・改修工事における私の管理監督者としての責任は、市長として、職員を指揮監督し、市政運営に係る事務を管理・執行しなければならない立場にあったにもかかわらず、事業全体のマネジメント体制を確立できていなかったということです。工事契約の締結に際し、地方自治施行令に違反する契約締結を未然に防ぐ体制がとれていなかったことが問題だと考えております。 173 ◯議長(安藤 博君) 獅山君。   〔2番(獅山向洋君)登壇〕 174 ◯2番(獅山向洋君) マネジメント、マネジメントとおっしゃられると、前市長である私自身もマネジメント体制を確立していなかったかのように聞こえるので、私は問題にしているのです。大久保市長のマネジメント体制が確立していなかったということなのでしょうか。その点を確認しておきたいと思います。 175 ◯議長(安藤 博君) 市長。 176 ◯市長(大久保 貴君) 例えば、入札監視委員会の設置に関しましても、工事請負契約の適正・適法な処理について、近年、全国的に深く議論され、各自治体で設置が進んでいますが、彦根市においては私が就任して5年、その整備ができていなかったことも一つの事例だと思っております。複雑多様化する行政事務ではありますが、やはり組織が大きくなってまいりますと、それなりの内部牽制も含めて、仕組みが必要だと改めて感じているところです。今回このような事案が生じてしまったことについて反省しております。その意味で、時代に対応したマネジメント体制ができていれば防げたのではないかという反省も込めて、管理監督責任を明確にしたいと考えているところです。 177 ◯議長(安藤 博君) 獅山君。   〔2番(獅山向洋君)登壇〕 178 ◯2番(獅山向洋君) つい最近、入札監視委員会をつくったような、それを新たな逃げ口上に使おうとしておられるようですけれども、あれは入札監視ではないのです。入札が終わったものについて審査するだけのことなのです。まともにやっていれば、あんなものは、本来、必要ないはずなのです。ところが、今ごろになって、あわてておつくりになって、監視、監視とおっしゃっているけれども、さっき言ったように、交通事故を起こしてから、「これからはやりません。こういうことに注意します」と言っているのと同じなのです。私どもが問題にしているのは、既に行われた重大な事案についての責任を追及しているのであって、後で何をするとか、そんなことを聞いているわけではないのです。  細項目7に移りますが、市長は、30億円も、40億円もする大事業について、しかも彦根市のランドマークである市庁舎の耐震化や増築改修について、「報告がなかった」と、まるで職員の責任であるかのようなことをおっしゃっていますが、市長は報告を求めるのが重大な職務なのです。こんな重大なことについて、「報告がなかった」とか、「知らなかった」、「関与していなかった」と言うのは、市長としての職務を果たしておられたのでしょうか。これは私は地方自治上の責任だと思っていますので、きちっと答えておいていただきたいと思います。 179 ◯議長(安藤 博君) 市長。 180 ◯市長(大久保 貴君) ご批判は真摯に受けとめさせていただきたいと思います。指揮監督者として、地方自治上の責任であると考えておりますが、こうした事案になってしまったことについて深く反省しております。現状、この工事はこうなっていますが、何とか完成に向けて努力をしていきたいという一念で、皆様方にお願いしているところをご理解いただきたいと思います。 181 ◯議長(安藤 博君) 獅山君。   〔2番(獅山向洋君)登壇〕 182 ◯2番(獅山向洋君) 理解できないから、さらに申し上げます。  先ほど、「地方自治上の責任と考えている」とお認めになったようですが、念のために確認しておきたい。これほど重要な事業について、市長として「報告がなかった」と言うのは本当に恥ずかしいことだと思うのです。なぜ報告を求めなかったのか、一体、市長室で何をしておられたのか、私は疑問なのです。なぜ報告を求めなかったのですか。 183 ◯議長(安藤 博君) 市長。 184 ◯市長(大久保 貴君) 順調に進んでいると理解していました。秋になり、不具合があるという一報をいただいて、そこから詳しく報告を求めていき、その上で、この事案が極めて深刻なものだと理解していったわけです。当初は、百条委員会でも検証していただいたように、随意契約に移行する際に、説明が果たせるという思いで、条件を変更し、事業にかかっていった。おおむね順調に進んでいると報告を受けていたのですが、秋になって、不具合があるという一報をいただいた後に、具体的なヒアリングを進めていったということでありますが、この問題は合意解約を目指すという判断に至りましたので、ご理解のほどお願いしたいと思います。 185 ◯議長(安藤 博君) 獅山君。   〔2番(獅山向洋君)登壇〕 186 ◯2番(獅山向洋君) こういう問題は本来一般質問の分野に入ってくるかもしれませんが、順調に進んでいるなんてどうして思っておられたのか。これはまた、別の機会に、詳しく聞きましょう。何も順調ではなかったのです。入札のときも随分いろいろな問題があったし、入札の結果、業者決定についても、議会であれだけいろいろな意見が出たではないですか。それを順調とお考えになる市長は異常だと思います。あれだけもめたのなら、必死になって「どうなった」と聞くのが当たり前でしょう。それを全然お聞きにならなかったというのが、大変不思議な話です。この話はその程度にしておきましょう。  次に移ります。期末手当および退職手当は、賞与的性格も持っております。公約であった給与3割カットとは、明らかに性格が異なっております。管理監督者としての責任、地方自治上の責任も認めておられるようですが、ボーナス的性格がある期末手当の支給を受けるのは矛盾しているのではないでしょうか。 187 ◯議長(安藤 博君) 市長。 188 ◯市長(大久保 貴君) 一般職員の場合においては、期末手当について、懲戒処分等により給与を減ぜられた場合でも、減ぜられない給与月額により算出を行うこととされており、今回の私の給与減額においても、この例にならったところでございます。  なお、期末手当は減額の対象としておりませんが、給料月額の削減期間および削減率については、本事案に対する私自身の管理監督責任を重く受けとめ、先ほど来、ご説明申し上げておりますように、他の事例と比較しても厳しいものになっていると考えております。 189 ◯議長(安藤 博君) 獅山君。   〔2番(獅山向洋君)登壇〕 190 ◯2番(獅山向洋君) 市長の受けとめ方を聞いているのです。こんな重大な事業について報告も求めなかったのは、市長個人の問題なのです。管理監督とかいう、職員の問題ではないのです。それを他市の事例とか、そんなことで、お茶を濁しておられること自体、市長のこの問題に対する真剣さが欠けているのではないか。自分の責任はどれだけ重いかについての認識が欠けているのではないかと思います。  次に移ります。市長が管理監督者としての責任を果たさなかった結果、彦根市民および彦根市は莫大な損害をこうむっています。しかも、市単費のような問題もあります。  細項目9については、北川議員の方でご質疑され、延々とご説明があったので、この部分はカットさせていただきます。お願いします。  お尋ねしたいのは、平和堂のアル・プラザ彦根を借りていて、月額800万円の賃料を払っています。1年間にしますと9,600万円、約1億円の損害になります。これは明らかに、こういう職務怠慢によって、はっきりと彦根市民が単費でこうむらないといけないようになったのです。損害額として、これを例として挙げますけれども、市長はどのようにお考えになっているのでしょうか。間違いなく、1年間は延びるとおっしゃっています。 191 ◯議長(安藤 博君) 今の質疑は細項目10ですか。  獅山議員。 192 ◯2番(獅山向洋君) そうですね、細項目10の内容にしておきます。 193 ◯議長(安藤 博君) 細項目10は、市および市民がこうむった損害が給与6カ月間5割カットで免責されると思っているのかという質疑の前段でおっしゃったという理解でよろしいですか。  獅山議員。 194 ◯2番(獅山向洋君) そういう意味で、市および市民がこうむった損害額が、給与6カ月間5割カットで免責されると思っておられるのでしょうか。 195 ◯議長(安藤 博君) 市長。 196 ◯市長(大久保 貴君) 先ほど来、ご答弁申し上げておりますように、この事業を完結させるためには、さまざまな再積算が必要です。現在、土壌汚染の対応をしておりますので、そうしたものも含めて、全体の経費はかかってくる。積算ができ次第、お示しさせていただくつもりです。  今回の条例提案につきましては、あくまでも11月21日に処分を行い、その管理監督責任者としての責任を明らかにするという意味ですので、よろしくお願いいたしたいと思います。 197 ◯議長(安藤 博君) 獅山君。
      〔2番(獅山向洋君)登壇〕 198 ◯2番(獅山向洋君) そうじゃないんですよ。現に提案されたこの条例案についてどういう判断をするのか、そのために聞いているのです。このような条例が通ったら、自分の責任は免責されると思っているのかということを単純に聞いているのです。だからそれはきちんと答えておいてください。今後どうする、こうするという問題ではないのです。いかがですか。 199 ◯議長(安藤 博君) 市長。 200 ◯市長(大久保 貴君) これまでもご答弁しておりますとおり、決してこれで責任を果たしたなどと思っているわけではありません。これから調停を成立させて、また予算をお願いし、入札を行って、工事を完了していかなければなりません。それぞれ非常に難しい問題だと思っております。それをしっかりやり遂げていかなければならないということ、これが最低限、私の責任だと考えております。 201 ◯議長(安藤 博君) 獅山君。   〔2番(獅山向洋君)登壇〕 202 ◯2番(獅山向洋君) 先ほどから、「これからやる」「これからやる」と言うばかりです。現に今までこれだけの大失態をやっている者が、「これからやる」「これからやる」とおっしゃっても、誰も信用しません。私も、市民から散々、いろんな電話をいただいているのです。「あんな状態で、大久保市長はまだ続けるのか」とおっしゃっているのです。「これからしっかりやらないといけない」とか、「大変な困難がある」とか、そんなことはどんな市長でも言います。むしろきちっとした責任を本当におとりになるかどうかが、市民の関心事なのです。もう1回、聞きます。50%カットで免責されると思っているのですか。 203 ◯議長(安藤 博君) 市長。 204 ◯市長(大久保 貴君) 繰り返しの答弁になって恐縮ですが、今回の条例提案は、11月21日に、この事案に関連した職員の処分を行って、その管理監督責任を明確にしたいというものです。その後の対応についても、先ほど来、述べているとおりです。給与削減はもとより、この工事は難しい状況ですが、各方面と信頼関係を醸成しながら完結させていく、できるだけ早く、この庁舎に戻ってくる、やり遂げることが、私の果たす責任ではないかと考えているところです。 205 ◯議長(安藤 博君) 獅山君。   〔2番(獅山向洋君)登壇〕 206 ◯2番(獅山向洋君) 細項目11についてもある程度ご説明があったと思いますので、カットさせていただいて、細項目12に移ります。  市長の給与を6カ月間5割カットした金額を明らかにされたい。 207 ◯議長(安藤 博君) 市長。 208 ◯市長(大久保 貴君) 一月46万2,500円の減額、6カ月間で277万5,000円でございます。 209 ◯議長(安藤 博君) 獅山君。   〔2番(獅山向洋君)登壇〕 210 ◯2番(獅山向洋君) 6カ月間カットしても、アル・プラザ彦根に支払っている賃料の半分にも満たないことを、市民は問題にします。市長は、責任がどうのこうのとか、これからしっかりやるとか、おっしゃっているけれども、これから1億円ぐらいの損害が出てくるのに、わずか半月分にもならないような金額で済まそうとしておられること自体、市民は問題にすると思います。  それでは、大項目2にいきます。議案第78号に対する質疑です。川嶋前副市長に退職金600万6,000円を支払う予算について。  細項目1につきましては、既に退職された日は先ほどの答弁の中で出ておりますので、カットさせていただきます。  それから、細項目2につきましても、既にある程度説明があったのですが、今ごろ臨時会まで招集して、予算を提案することについては、納得しがたいところがあるので、これについては理由を述べておいていただきたいと思います。 211 ◯議長(安藤 博君) 市長。 212 ◯市長(大久保 貴君) 川嶋前副市長に対する退職手当の支給については、先ほど来、ご答弁しておりますとおり、条例等に規定する支給制限に該当する行為がなかったかを判断するために保留しておりました。  しかしながら、本市における調査および百条委員会における調査の結果からも、川嶋前副市長の行為が退職手当の支給制限に該当する行為でないと判断するに至ったものです。  また、本年11月21日に、この事案に関係した職員の懲戒処分等を行ったことに伴い、私自身の給与削減をお願いして管理監督責任を明確にするとともに、川嶋前副市長への退職手当の支給をお願いすることとしたものです。 213 ◯議長(安藤 博君) 獅山君。   〔2番(獅山向洋君)登壇〕 214 ◯2番(獅山向洋君) 確認しておきたのですが、今まで市長は、地方自治施行令違反の中心は川嶋前副市長であったと言ってきたのではないのですか。ところが、今回、全額お支払いするとおっしゃっています。これは市民から見たら、議員から見てもそうですが、随分矛盾した話だと思います。どうですか。今まで、そう言ってこられたのではないのですか。 215 ◯議長(安藤 博君) 市長。 216 ◯市長(大久保 貴君) これまでご説明してきた内容は現在も変わっておりません。ただ、私自身は川嶋前副市長が詳細な工事の内容について具体的な指示を行ったとは考えていないと、繰り返し申し上げているところです。「随意契約に移行する際に、前都市建設部長に対して、できるだけ契約できるように交渉努力をしてほしいという指示をした」と、川嶋前副市長が自ら述べておられます。これはてんまつ書でも、百条委員会でも、確認されたと思っております。外構あるいは備品等の一部を別途とすることではあるけれども、後ほど説明が尽くせるという判断をしたとのことですが、この判断が地方自治施行令違反を招いてしまったのだと理解しております。ただ、退職手当の支給に当たって、支給制限の対象となる懲戒免職の処分行為には該当しないと私も判断しておりますし、弁護士からもそのような意見書をいただいております。 217 ◯議長(安藤 博君) 獅山君。   〔2番(獅山向洋君)登壇〕 218 ◯2番(獅山向洋君) つい最近の話ですが、議員各位ということで、「職員の懲戒処分について」という文書が配付されました。まさに11月21日です。この文書には明確に書いてあります。「上司(前副市長)による命令ではあったものの、違法な命令に従い、自分の部下に対して違法な命令を行った」と書いてあるのです。これは公文書だと思いますけれども、この文書の内容は間違っているのですか。上司、つまり前副市長が命令した。この違法な命令に職員が従った。しかも、自分の部下に対して違法な命令を行った。これは前副市長が違法な命令をしたと認めているのではないですか。 219 ◯議長(安藤 博君) 市長。 220 ◯市長(大久保 貴君) これは百条委員会でも検証いただいたことだと思いますが、「外構やその他を別途にして、交渉して、できるだけ契約できるように努力してほしいという指示をした」とご本人は言われています。指示を受けた職員は、指示をいただいて、そのように対応したと、部下に対してそのような努力をするように指示をしたという整理でございます。ただ、それが違法な行為であるという認識はなかったのですが、後ほど、それが地方自治施行令に違反すると指摘されたものです。 221 ◯議長(安藤 博君) 獅山君。   〔2番(獅山向洋君)登壇〕 222 ◯2番(獅山向洋君) はっきり言って、質疑に答えていません。  公文書において、「違法な命令に従った」と明確に書いてあるのです。この文書を否定するのですか。 223 ◯議長(安藤 博君) 市長。 224 ◯市長(大久保 貴君) それはそのとおりです。指示をしたけれども、その指示が違法だという認識はなかったと、ご本人はおっしゃっているわけです。後ほど説明が尽くせると。しかしその、条件変更することは地方自治施行令に違反するという指摘を、後ほどいただいたということですので、その指示自体はいわゆる法的には違法な指示だったという整理だと思っています。 225 ◯議長(安藤 博君) 獅山君。   〔2番(獅山向洋君)登壇〕 226 ◯2番(獅山向洋君) とにかく、今の彦根市役所はダブルスタンダードなのです。一方ではああ言い、他方ではこう言う。それが矛盾していることがいっぱい出てくる。今回の職員の懲戒処分でも、懲戒するときには違法と言いながら、副市長の行為は違法の認識がなかったとか、そんなおかしなことばかり言っているのです。こういう二重的な判断ばかりやっているような行政は、まさに破綻しているのです。  以上で終わります。 227 ◯議長(安藤 博君) 11番奥野嘉己君。奥野君。   〔11番(奥野嘉己君)登壇〕 228 ◯11番(奥野嘉己君) 議案第78号および議案第79号に関しまして質疑を行いたいと思います。具体的には、市長給料減額提案に関して取り上げてまいります。  今回議案提案されました内容は、市長給料を50%減額、半年間というもので、総額は277万5,000円となりますが、今臨時会には、そのうちの本年度補正予算になる12月から来年3月までの4カ月分として185万円の減額というご提案でした。  その提案理由が、本庁舎耐震化整備事業にかかわる不適切な事務処理が行われたことに対し、管理監督者としての責任を明らかにするためとされております。正直言いまして、不適切な事務処理というところに引っかかってしまい、質疑を行うべきか、討論の内容をどうするべきか、随分悩んだのですが、今回の質疑におきましては、給料削減という市長ご自身へのペナルティが、このたびの不祥事による市民の負担増に対して十分に理屈が通り、市民の納得が得られるものであるのか。さらには、最近の職員の不祥事への処罰の比較においてもバランスがとれたものであるのかというような観点で、質疑ですので、確認を行ってまいりたいと考えています。  大項目1、議案第78号および議案第79号について。  中項目1、市長給料減額提案について。  細項目1、本庁舎耐震化整備事業での問題はどのようなものであったのか、ご認識を問いたいと思います。  繰り返しになりますが、提案理由では、「不適切な事務処理が行われたことに対し」と書かれておりますが、この内容に関して、もう少し具体的に市長のご認識をお聞きしたいと思います。 229 ◯議長(安藤 博君) 市長。 230 ◯市長(大久保 貴君) この事案につきましては、既に議会でも百条委員会を設けていただいて、詳しく検証していただいたところです。百条委員会からの報告にもありますが、問題点として、業務遂行に向けた全体のマネジメント体制の確立ができていなかったことなどをご指摘いただきました。市長として、私自身の管理監督責任が十分ではなかったと反省しており、管理監督者としての責任も極めて重いと受けとめております。 231 ◯議長(安藤 博君) 奥野君。   〔11番(奥野嘉己君)登壇〕 232 ◯11番(奥野嘉己君) 少しわかりました。当初、不適切な事務処理、いわゆる地方自治施行令違反が、随意契約の事務処理だけに限定されているのか、ご答弁いただいたような全体のマネジメントも含んで言われているのかがはっきりしない。そのような提案理由の書き方でした。議案というものは、長年記録として残っていくものですので、明確に書かれるべきではないのかと思いまして、確認しました。  細項目2、本庁舎耐震化整備事業のやり直しや遅延による損害金額は幾らに上るのか。  これに関しましては、先ほど北川議員、獅山議員等で聞かれていて、現在は積算等々ができない。とは言うものの、仮庁舎の借り受け期間が延びるので、1年間でおおよそ1憶円近く。市長も1年以上は延びるだろうとおっしゃられていますので、最低1億円。そのほか、人件費や工費、資材費のアップなど、再工事に当たっての工費等を含んでいくと、間違いなく億単位でさらに上乗せになってくるだろうという中で、そういう理解をして、細項目2はここで飛ばしたいと思います。  次の細項目3にまいります。市長給料50%半年削減の理屈はどのようなものなのか。どのような提案に際しても、算出根拠、なぜそのような数字になったのかがポイントだと思っています。先ほどご答弁いただきましたが、建設工事が終わるまでの間、50%削減の継続を考えているというのであれば、一つの責任のとり方として理解できる理屈なのです。そういう理屈で、最初から書かれていればよかったと思っています。ここでの質疑としましては、50%半年削減はどういう根拠で、この数字を出されてきたのか、お聞かせ願いたいと思います。 233 ◯議長(安藤 博君) 市長。 234 ◯市長(大久保 貴君) これまでもご説明しておりますとおり、こうした不適切な対応に対する首長の削減事例を参照して、検討してきたものです。私としましては、最初、弁護士ともご相談し、2月に提案しようとしたのですが、こんなことはかつて事例としてありませんでしたので対応しなければならないと考えたところです。今回、改めてこの事案に対する職員の処分を受けまして、管理監督責任を明確にしたいという意味で、一番最初に提案しようとした規模のものを9月定例会に上程しようとしましたけれども、説明が十分ではないというご批判もありましたので、先ほど来、申し上げておりますように、一つずつの環境が整ってきて、説明させていただく時期であろうと考え、今回、前回と同様の内容で提案させていただいたものです。こんな事例は全国にありませんので、他の首長の対応と比べると重いものではありますが、今回はあくまでも職員の処分に対して、その管理監督責任を明確にする。首長として、市長の職を預からせていただいている者の責任として、建設工事完了まで同様の対応をさせていただきたいという思いは答弁として申し上げますけれど、今回はあくまで管理監督責任としてお願いしたいというものでございます。 235 ◯議長(安藤 博君) 奥野君。   〔11番(奥野嘉己君)登壇〕 236 ◯11番(奥野嘉己君) 何遍も答弁はでているのですが、一つだけ確認させていただきたいと思います。  今回の提案は、工事の遅延ややり直しなどでこうむる損害、将来的に市民が税金として負担することになる損害に対する責任ではなく、管理監督に限定している。ということは、将来的に、調停が整ったときとか、それ以降のある一定の時期には、損害金額に対しての見合いというのはまた別に考えられるということなのでしょうか。 237 ◯議長(安藤 博君) 市長。 238 ◯市長(大久保 貴君) 損害という言葉がひとり歩きしているところがあると思うのですが、私どもは、これまで本庁舎耐震化整備検討特別委員会でも十分にご議論いただいてできた仕様、新たな庁舎の姿を尊重し、それをつくり上げていくためにさまざまな経費が必要だとも思っております。昨年、契約する際に、その仕様を満たすためには、業者としてはこれだけ要りますという提示がありました。我々の見積もりが甘かったと申し上げてまいりましたが、その仕様を満たしていくためには必要な経費を再算定しなければなりませんが、それをはしょってしまったということです。私どもとしましては、調停をお願いし、その内容について、これまでの積算等々を裁判所でも明らかにしながら、整合を得て、再積算をさらに進め、仕様を尊重した新たな庁舎を建設し、現庁舎を改修していくことが目的でございます。そのために一定の費用が必要になるだろうと考えておりますが、積算をし直した段階で、ご説明させていただきたいと考えております。きちんと積算し、市民の皆さんの納得を得て、この事業を完結させていくことが、私の果たし得る責任だと考えているところです。 239 ◯議長(安藤 博君) 奥野君。   〔11番(奥野嘉己君)登壇〕 240 ◯11番(奥野嘉己君) 新しい市庁舎のプランは、議会でも一生懸命議論し、まとめ上げたものです。思い出しますと、去年の6月ですか、予算として提案されました。まさにこの場所で、当初、業者の見積もりは40億円、それが出てきたら30億円で本当に大丈夫なのかと議論しました。そのときのご答弁では「大丈夫だ」ということで、最終的に、私はその議案に賛成したわけです。なぜならば、早く新しい市庁舎をつくり上げなければならないということがあったのです。そして、今日に至っては、がらんどうの骸骨ビルになっているのです。遅れが生じ、結果的にはお金の問題が出ている。  先ほど私が再質疑を行った細項目3の給料50%半年削減の理屈の中で、他の議員に対するご答弁として、これは管理監督に対するものですと。そのほかの損害、損害ではないような言い方をされましたけれども、市民から見れば明らかに損害です。市の組織が起こした違反。僕は法律違反と思っています。これは市民には関係ないことです。市民は早く新しい市庁舎ができてほしいと思っていただけなのです。市の組織が間違いを起こした。そのお金を将来市民負担として税金で負担してくださいということになってしまっているわけで、これは損害なのです。市民から見た場合の損害。これに対して市長は、今は別だ。これはマネジメントの話。損害に対しては、将来的に数字がまとまった段階で、何らかのことを考えられるのですかという質疑をしております。いかがでしょうか。 241 ◯議長(安藤 博君) 市長。 242 ◯市長(大久保 貴君) 現時点では、申し上げることができないということです。 243 ◯議長(安藤 博君) 奥野君。   〔11番(奥野嘉己君)登壇〕 244 ◯11番(奥野嘉己君) 大変残念です。私は、ここで理屈という言葉を書いています。先ほども出ておりましたけれども、賞与、民間では生活給も含んでいるのですが、成績給という考え方もあります。これだけのことを起こしたのだから、やはり成績給はないのではないですか。そういう理屈もあり得る。先ほど市長ご自身がおっしゃられたように、建設が完了するまでの間、50%削減でやる。これも理屈なのです。その理屈をはっきり置いて、市民に対して正面から説明していただきたいと、私は提案させていただいています。先々、恐らく次の任期の議員に対してなのかもわかりませんけれども、そこらの理屈を通した説明を期待して、次の細項目4に移りたいと思います。  最近発生した職員懲戒と市長給料減額のバランスについてご見解を問う。  8月23日付で懲戒処分が下された件では、台風接近により招集されて、自家用車で仮庁舎に参集された課長級職員が、駐車場から帰宅の際、自家用車を出庫する際に駐車場券を無断使用したということで、当然、これは許されるものではない。しかしながら、市民からの電話などで「なぜか」と言われた中で、情状酌量の余地はあったのではないか。台風襲来で、参集せよということで集まられた。台風なので暴風があったことを考えますと、ご本人の上長は、何が飛んでくるかわからないような状況ですから、指示として、仮庁舎駐車場に停めろと、積極的な使用を指示するべきではなかったのかともとれるようなものでした。一方、恐らく1,000円程度の駐車場代の不正使用に対して、その処分は1カ月の停職で、1カ月間、何らの給与も支給されないというものです。公金の不正使用であり、コンプライアンス重視を率先するべき管理職で、駐車場券を管理されていたとも聞いております。ただ一方、使ったお金に対する罰則が、給与総額から見たら数百倍にも上るように見えるものでした。これらの職員処分に対して、今回の本庁舎耐震補強工事については、市民への高額の損害が見込まれている状況に対して、市長給料減額の今回の議案は果たしてバランスがとれているものか。疑問が残りましたので、ご見解を問いたいと思います。 245 ◯議長(安藤 博君) 市長。 246 ◯市長(大久保 貴君) ご質疑の最近発生した職員懲戒とのバランスについて、議員ご指摘の事案は、所属長として管理監督者の立場で、かつ車両管理者として、管理する公用車の運行管理を行う立場である職員が、公用車のために支給されている定期券を、自己の金銭的負担を免れるという私的目的で使用したというもので、このことは道徳的、倫理的に社会から強い批判を受ける行為であったと考えております。また、本事案は、本年7月17日付で彦根市コンプライアンス推進規程を制定し、市役所全体でコンプライアンスの推進に努めることを市役所の内外に向けて発信した直後に発生しており、公務内外に及ぼす影響が非常に大きいものだと判断されたものです。  一方、今回、私が市長の給料減額を提案させていただきました理由は、行政の事務処理上の不適正行為に関連する管理監督責任であり、これら二つの事案を一概に比較することはできないと考えております。 247 ◯議長(安藤 博君) 奥野君。   〔11番(奥野嘉己君)登壇〕 248 ◯11番(奥野嘉己君) 次の細項目5に移ります。なぜ組織全体での負担を考えなかったのか。  先ほど市長もおっしゃられていますが、百条委員会での結論として、組織的な地方自治施行令違反への関与は認められなかったのですが、事業遂行に向けての全体のマネジメント体制が確立されていなかったこと、責任の所在が不明確であり関係部署間でのチェック機能が働かなかったこと、協議においても具体的な資料等がなく、断片的・抽象的な情報のやり取りに終始し、交渉内容がその時々で市長へ報告されていなかったこと、また市長から関係部署への状況確認もされず、ガバナンス機能が働かなかったこと、議事録も作成されていないこと等々、組織全体として大きな問題があったことが百条委員会からの報告で明らかになっています。  そこで思い出したのが、甲賀市で起きました選挙の開票事務の不正の件です。甲賀市長は、そのような選挙事務不正の調査、再発防止にかかった費用約360万円を、税金で負担するのではなく、問題を起こした組織、幹部職員が自らの問題として捉えるために、管理者223人で負担するという決断をされ、市民への負担はなし。先ほどから話していますように、これは市民から見た場合の理屈が通る対応、方法だったと思います。  工事が遅れることに対する金額はまだ確定していないものの、今回の市長給料減額だけで対応するのではなく、組織としてどう考えるのか。職員の皆さんに少しずつでも負担を求める。組織の問題だから、襟を正すという意味でも、今後しっかりしていくという意味でも、なぜ全体で受けとめようという指導をされなかったのか、考えられなかったのか。その辺に関してのご見識を伺いたいと思います。 249 ◯議長(安藤 博君) 市長。 250 ◯市長(大久保 貴君) 今回の工事請負契約に関し地方自治施行令違反を招いた一番の原因は、ご指摘いただきましたとおり、事業全体のマネジメント体制が確立されておらず、その結果、責任の所在が不明確となり、関係部署間でのチェック機能が働かなかったことだと考えており、特定の職員による行為が原因ではないと考えております。  今臨時会では、管理監督者としての責任を明らかにするために市長の給料の50%減額を提案させていただいておりますが、これに先立ち、関係職員への処分等についても行ったところです。  組織全体のマネジメント体制という問題を認識し、それに対応すべく、いろんな施策をとっておりますが、今回の事案について、職員の給与減額等は考えておりません。 251 ◯議長(安藤 博君) 奥野君。   〔11番(奥野嘉己君)登壇〕 252 ◯11番(奥野嘉己君) 組織としてどう考えるのだということをお願いして、私の質疑を終わります。 253 ◯議長(安藤 博君) 暫時休憩いたします。            午前10時59分休憩
               午前11時10分再開 254 ◯議長(安藤 博君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  20番長崎任男君。長崎君。   〔20番(長崎任男君)登壇〕 255 ◯20番(長崎任男君) それでは、議案第78号と議案第79号における本庁舎耐震化整備事業の市長責任についてお伺いいたします。  今までの議員質疑によりまして答弁等をいただいている件もあるのですが、私自身としましては、会派の意向とかもありますので、通告どおり質疑をさせていただきます。  中項目1、9月定例会、公政会の代表質問を踏まえて。  9月定例会において、私の所属する公政会の代表質問で、本庁舎耐震化整備事業の裏合意、不適切な事務処理を初めとする諸問題に対し、市長ご自身が選挙で選ばれた政治家として、市民の負託に応えるため、どのような責任を考え、我々議会や市民に対し理解を求めようとされているのか、また市長自身に対しどのように厳しく律していかれるつもりなのか、市長としての政治的責任をお伺いいたしました。その代表質問に対する答弁を改めてお聞かせください。 256 ◯議長(安藤 博君) 市長。 257 ◯市長(大久保 貴君) 長崎議員のお尋ねにお答え申し上げます。  私の政治責任についての答弁としましては、「まずは、私自身が、百条委員会から報告された問題点、またご意見やご提言をしっかりと受けとめ、その上で、市政の運営に全力で取り組んでまいりたいと考えております。そのためには、市民の皆様に対して、また職員に対しても、これまで以上に誠心誠意、各種事業についてご説明させていただくことや、本年7月に制定しました彦根市コンプライアンス推進規程や彦根市職員等の内部通報に関する要綱を実効性のあるものとして運用していくこと、今議会に提案しております彦根市入札監視委員会の仕組みを整備していくことなど、しっかりと各種事業を行うための体制づくりを進めながら市政運営に全力で取り組むことが、私の市長としての政治責任であると考えています。さらに、私自身を律するものとして、またこれまでもお答えしておりますが、今議会において、市長の給与の減額について追加提案させていただきたいと考えており、準備を進めているところです。提案させていただいた際には、ご議論を頂戴したいと考えております」という答弁をいたしました。 258 ◯議長(安藤 博君) 長崎君。   〔20番(長崎任男君)登壇〕 259 ◯20番(長崎任男君) 細項目2、私たち議員の主戦場は、ここ本議会場であると、私は考えております。この本会議の議場で、自身の期待する答弁や市民の望む答弁をいかに引き出せるかが、議員としての力量であると思い、そのために試行錯誤を繰り返しているところです。執行部の皆さんもそのことは十分承知されており、答弁協議に十分な時間を要し、本会議に臨んでいただいていることは感謝するところではありますが、市長は、本会議の答弁の重み、中でも年2回の会派の代表質問の重みをどのように考えておられるのか、見解をお伺いいたします。 260 ◯議長(安藤 博君) 市長。 261 ◯市長(大久保 貴君) 大変重いものだと考えております。議員は、先ほど読み上げました私の9月定例会での答弁の後半部分、「給与の削減条例の提案をさせていただきたい」と述べた部分、その意向を果たさなかったことについて、その答弁どおりに行わなかったことについて、ご指摘をいただいているものだと思っております。私自身、提案したいと思っておりましたが、その答弁を実現できなかったことをおわび申し上げたいと存じます。熟慮の上、今般、臨時会をお願いして、提案させていただいた経緯がございますので、ぜひお酌み取りいただきたいと思っております。 262 ◯議長(安藤 博君) 長崎君。   〔20番(長崎任男君)登壇〕 263 ◯20番(長崎任男君) いただいた答弁と若干重なるところはあるのですが、細項目3です。  市長は、公政会の代表質問の答弁で、9月定例会において、「自身の給与の減額について追加提案をさせていただきたいと考えている」旨の発言をされておりますが、その提案がなぜ9月定例会ではなく、今なのか。その理由と経過を市民がわかるように説明していただきたい。 264 ◯議長(安藤 博君) 市長。 265 ◯市長(大久保 貴君) 9月定例会で答弁をさせていただいた時点では、9月3日に百条委員会からの報告があり、その内容について、私どもの内部調査と比較して新たな事実は確認されなかったこと、また9月20日の市庁舎耐震補強・増築・改修工事に係る工事請負契約解消および出来高精算に関する第1回調停でも新たな事実は確認されないと見込まれたことから、市長給与の減額について追加提案させていただきたいと考えていたものです。しかしながら、調停については、その後も第2回調停が10月17日、第3回調停が11月19日に予定されていることを考慮し、引き続き、その内容等を十分に見極める必要があると判断したため、提案を見合わせたものでございます。  これまで開催された調停では、職員の懲戒処分や川嶋前副市長の退職手当の支給に影響を及ぼすような新たな事実は確認されておらず、今後の調停においても新たな事実は見込まれない状況であること、また調停の合意にはまだ時間を要する見込みであるということがわかってきましたので、このまま職員の処分等の問題を先延ばしすることはできないと考えました。その中で、できることからいち早く進めてまいりたいと考え、今回、あえて臨時会でお願いさせていただく運びとなったものです。 266 ◯議長(安藤 博君) 長崎君。   〔20番(長崎任男君)登壇〕 267 ◯20番(長崎任男君) それでは、中項目2に移ります。  細項目1、議案第78号では、11月補正予算案として、特別職給与費、本庁舎耐震化整備事業に係る不適正な事務処理が行われたことに対し、市長が管理監督者としての責任を明らかにするため、給与の減額に伴う給料および共済費の減額分を補正するものとし、市長の給与月額の50%カット、減額期間を平成30年12月から6カ月のうち、今年度中の3月までの4カ月分を減額補正するものとされております。給与減額について、このような提案となった妥当性の根拠をお聞かせください。 268 ◯議長(安藤 博君) 市長。 269 ◯市長(大久保 貴君) 給与の削減期間および削減率につきましては、近年の県内各市で発生しました職員の不祥事などに伴う首長の管理監督責任を理由とした給与減額事例を参考にいたしました。  当該事例におきましては、削減期間については1カ月から3カ月、削減率については10%から30%となっていますが、今回の彦根市の事案については大変重く受けとめており、それらの事案を上回る6カ月50%とさせていただいたものです。 270 ◯議長(安藤 博君) 長崎君。   〔20番(長崎任男君)登壇〕 271 ◯20番(長崎任男君) 近年の他市の管理監督責任の事例を参考にしたとの答弁をいただいていますが、このような地方自治施行令違反、特に市役所全体がかかわる数多くの関係者がいるような事例はなかったと認識しています。近年の他市の例と比較して重いものであるという答弁ですが、そうではなく、市民皆さんが納得するような内容を示す方が適切ではないかと考えます。ご見解をお願いします。 272 ◯議長(安藤 博君) 市長。 273 ◯市長(大久保 貴君) 今回提案しております私自身の給与削減につきましては、本庁舎耐震化整備事業における不適正な事務処理が行われたことについて、関係した職員の懲戒処分を行うとともに、私自身の管理監督者としての責任を明らかにするために提案させていただいたものです。 274 ◯議長(安藤 博君) 市長、長崎議員は細項目1の再質疑をされております。  市長。 275 ◯市長(大久保 貴君) 私自身の管理監督責任を明らかにするものです。地方自治施行令違反という、地方自治体がとるべき規定に違反するというのは全国に事例のないことであります。したがって、その事例のないことに対して、こうした50%6カ月という事例もありません。大変重く受けとめて、こうした対応が妥当であろうと考えたところです。 276 ◯議長(安藤 博君) 長崎君。   〔20番(長崎任男君)登壇〕 277 ◯20番(長崎任男君) 市長としましては、50%6カ月ということが、この事例に対する対応としては非常に重いと認識されているという見解であることはわかりました。  細項目2です。市長は、この給与減額案で、管理監督者としての責任を果たせるとお考えなのか。市民が納得するように説明していただきたい。 278 ◯議長(安藤 博君) 市長。 279 ◯市長(大久保 貴君) 先ほど来、ご答弁申し上げておりますとおり、一連の不適切な事務処理について、職員の処分を行いました。私どもとしましては、こうしたことが二度と起こらないように体制整備を進めております。今回、管理監督責任を明確にするという意味で、こうした事例がない踏み込んだ対応をさせていただいたと考えております。これで責任が果たせたとは到底思っておりません。これから再積算し、また予算もお願いし、まずは合意解約をしなければ新たな事業に進んでいけないわけですけれども、そこでもいろいろとご議論を頂戴すると思います。さらに、入札について、入札が果たせるかどうかというのも、大きな課題だと認識しております。こうした困難を乗り越えて、しっかりとこの事業をやり遂げていく過程において、引き続き、こうした減額措置は講じていきたいと思っております。その上で、何とか完成させて、その責任を果たしてまいりたいと考えております。 280 ◯議長(安藤 博君) 長崎君。   〔20番(長崎任男君)登壇〕 281 ◯20番(長崎任男君) 細項目3、今、お答えいただいたのが、本庁舎耐震化整備事業管理監督者としての責任の取り方とするならば、市長として、市政を混乱させた政治的責任はどのようにお考えなのか、お聞かせください。 282 ◯議長(安藤 博君) 市長。 283 ◯市長(大久保 貴君) このたびの不適切な対応によって、皆様方に大変ご迷惑をおかけしてしまい、本当に申しわけなく思っております。深く反省し、おわびを申し上げたいと存じます。  申し上げましたとおり、この事業はこれから大変困難を伴う事業です。そうしたことを議会の皆様、市民の皆様にご説明させていただいて進めていく。そして、完成させることが、何より重要です。時間との戦いでもありますので、早期に物事を進めていかなければならないという思いでございます。困難な仕事ではありますが、職員の皆さんとともに、市役所が一丸となって成し遂げていく。そのことで政治責任を果たしてまいりたいと考えているところです。 284 ◯議長(安藤 博君) 長崎君。   〔20番(長崎任男君)登壇〕 285 ◯20番(長崎任男君) 先ほど他の議員にご回答いただいているとおり、給与の50%削減は工事が終わるまで継続していくというお話がありました。その金銭的な部分を含め、市長としては、続けていくことが政治的責任をとることに関連していくのか。もう一度、お聞かせ願えますか。 286 ◯議長(安藤 博君) 市長。 287 ◯市長(大久保 貴君) こうした事態に陥ってしまったことを受けて、百条委員会で課題もいろいろと明らかにしていただきました。そうしたご提言も実現していくべく体制整備を進め、同時に、いろんな課題が予想される本庁舎耐震整備・改修工事をとにかく1日も早く完成させることで私の政治責任を果たしていくことが、最低限、やらなければならないことだと思っております。市政はこの本庁舎の事業だけではありません。国体整備を初めとして、私どもが手がけたものがございます。こうしたものを並行して、しっかりとやり遂げていかなければならないという思いです。議員の皆様方のご理解、ご協力もお願いしながら、着実に進めていかなければならないと思っております。ただ、その間、少なくとも庁舎耐震化事業が完了するまでは、こうした削減措置を継続し、私自身の自戒を込めて、背負っていかなければならない部分だと思っているところです。 288 ◯議長(安藤 博君) 長崎君。   〔20番(長崎任男君)登壇〕 289 ◯20番(長崎任男君) わかりました。  細項目4、市長は、今後の本庁舎耐震化整備事業をどのように進めていくのか。市長が考える本庁舎耐震化整備事業の全うの仕方を、市民が納得するよう具体的にお聞かせください。 290 ◯議長(安藤 博君) 市長。 291 ◯市長(大久保 貴君) これまでもお答え申し上げておりますとおり、本市は、一定の工事の区切りをもって、現在の請負業者と合意の上で工事請負契約を解消することとしておりまして、出来高精算すべき金額を決めるに当たっては、市民の皆様へ説明責任を果たせるよう、また透明性を持って解決するため、大阪地方裁判所に調停を申し立て、今、第3回の調停を終えたところです。  現在、市として主張すべき点を主張するなどしており、裁判官および裁判所に任命された調停委員からなる調停委員会において、出来高精算すべき金額をご審理いただいているところです。この調停の結果が出るにはもうしばらく時間が必要となる見込みですが、調停委員会より調停条項案が示されましたら、速やかに議会にお諮りし、ご承認をいただきました後、工事契約を解消する方針でございます。その後、残りの工事に係る予算計上をお願いし、ご承認いただけましたら、改めて入札を執行し、議会の契約議決を経て、ご了解いただけましたら、工事に着手し、2020年度の事業完了へ向けて取り組んでまいりたいと考えております。  今後も本事案に関する進捗等につきましては、可能な限り情報を公開し、適宜、議会の皆様および市民の皆様にご説明、ご報告してまいりたいと考えております。  このような事態が二度と起こらないよう、全職員がしっかりと胸に刻み、既に内部規定の整備・見直し等、再発防止の取り組みを進めております。引き続き、全庁挙げてこの問題に向き合い、本庁舎耐震化整備事業だけではなく、市政への信頼を回復すべく取り組んでまいりたいと考えておりますので、ぜひご理解、ご協力、ご指導のほどお願い申し上げたいと存じます。 292 ◯議長(安藤 博君) 長崎君。   〔20番(長崎任男君)登壇〕 293 ◯20番(長崎任男君) ありがとうございます。答弁をいただきましたが、その意気込みを平成31年度の予算にしっかりと反映いただくとともに、市長、副市長、職員、全庁挙げて、心を一つにして、この問題をやり遂げるという目標に向かって気を引き締め、1日も早い工事の完成をお願いしまして、私の質疑を終わります。以上です。 294 ◯議長(安藤 博君) 17番山内善男君。山内君。   〔17番(山内善男君)登壇〕 295 ◯17番(山内善男君) それでは、議案第78号・議案第79号で市民や議会に責任のけじめとして説明できるのか、お伺いいたします。  大久保市長が市長に就任した5年前、庁舎の耐震工事の予算は前市長のもとで議会も通過し、今にも着工となっていたにもかかわらず、大久保市長の独断で県有地の取得を断り、工事の見直しを宣言されました。しかし、具体化されず、とうとう議会から全会一致で促進の決議が可決されるなど、紆余曲折を経て、ようやく昨年6月定例会に予算が提案され、工事が始まりましたが、今年1月、業者との間で裏合意が交わされていたことが発覚したと市長が発表。議会は、市政始まって以来の百条委員会が設置され、真相の解明の報告書を出し、一応の結論を出しました。  振り返ってみますと、昨年6月定例会に、工事予算29億3,500万円が提案されました。しかし、当初入札額は41億円。議会は「なぜ10億円も下げることができたのか」と質問しましたが、当局の説明が曖昧であったため、日本共産党の議員団など6人が反対しましたけれども、公政会、夢みらい、公明党彦根市議団などの会派の皆さんの賛成により通過してしまいました。  この予算通過により、昨年8月から耐震工事が始まりましたが、今年1月、市長は契約書から9億4,200万円分しなくていいとする裏合意があったと説明されたため、議会はただちに百条委員会の設置と臨時会の開催を要求し、市政始まって以来、初の百条委員会が設置され、4人の証人尋問や市幹部の聞き取りを行いました。市の経過報告書では、川嶋前副市長の指示で裏合意がされたとなっていましたが、百条委員会で、同氏は「極めて作為的に市の報告書が作成されている」と指摘し、「地方自治施行令違反につながる指示はしていない」と証言。さらに、かかわっていた市の幹部の聞き取りでも、「同氏の全面的な関与とは感じなかった」との言質も確認しました。  また、総務部長、企画振興部長も、経過報告書への異論を本会議で述べられました。この経過報告書の最終校正を山根前副市長が行ったと明らかにされ、事実がゆがめられたことが公然となりました。  百条委員会は「疑惑なし」としましたが、ここで言う疑惑とは、金銭などの授受が証言ではなかったということに過ぎません。一般的な疑惑は、百条委員会での証言で深まったというのが実際です。結果は、関係者の証言を線でつなげれば一目瞭然です。9億円もの工事を口頭だけで「しなくていい」という交渉を、交渉人の責任だけで本当に行ったのか。市長が関与していたからこそできたのではなかったか。  今回、ようやく処分が明らかにされましたが、本来なら2月の彦根市一般職員分限懲戒審査委員会の報告を受けてただちに処分が明らかにされるはずが、9カ月も後になったのは、何より市長の対応の曖昧さが露呈され、市民や議会はもとより、職員からも市長への求心力低下は地に落ちているといっても過言ではありません。  今臨時会での議案は、市長が管理監督者としての責任について12月から6カ月間の給与を半額にする提案と、川嶋前副市長の退職に伴う退職手当を満額支給する議案です。これらの議案について疑問を解明するため、以下、順次質疑していきます。  中項目1、市長給与の6カ月半額で市長責任は果たされたのか、お伺いしていきます。  市政始まって以来の百条委員会設置など、今回の事案で、来年5月から新庁舎に移動するはずが、順調に経過しても再来年の8月にしか移動できないため、アル・プラザ彦根の借用料の1億円以上の追加が必至となっており、また再入札で約10億円の追加予算の措置が必要となることは自明の事実です。今回の件で、市民や議会の市当局への信頼の土台が大きく損なわれたのであり、このことへの責任は余りにも大きいと言わねばなりません。市長給与の6カ月半額で、市長責任は果たされたと思われているのでしょうか。  細項目1、市長給与の6カ月半額で、市長責任は果たされたと思っておられるのか、お伺いいたします。 296 ◯議長(安藤 博君) 市長。 297 ◯市長(大久保 貴君) 本事案に対します私自身の管理監督者としての責任は、重く受けとめ、これまでもご説明しておりますとおり、他に事例のない踏み込んだ削減率、削減期間とし、一旦、提案させていただいております。また、それ以降も、工事が完了するまでは継続したいと思っておりますが、これをもって政治責任が果たされたとは考えておりません。それと管理監督責任は別だと思っております。私の政治責任としては、こうした事案に陥ってしまったけれども、これからなお予想されるさまざまな困難を乗り越えて、この工事をまず完了させていくことが、私が果たし得る責任だと考えております。 298 ◯議長(安藤 博君) 山内君。   〔17番(山内善男君)登壇〕 299 ◯17番(山内善男君) これまでも他の議員の質疑に答えられていますが、具体的にお聞きします。これだけで責任が済まされるとは思っていないとのことですが、給与半額の延伸の可能性を含んだ責任ととらえていいのかどうか、お聞かせください。 300 ◯議長(安藤 博君) 市長。 301 ◯市長(大久保 貴君) 少なくとも工事完了まで継続したいと、これまでも申し述べさせていただいておりますので、ご理解のほどお願いしたいと思います。 302 ◯議長(安藤 博君) 山内君。   〔17番(山内善男君)登壇〕 303 ◯17番(山内善男君) 工事完了まで給与半額を考えているということでいいのでしょうか。再度、お願いいたします。 304 ◯議長(安藤 博君) 市長。 305 ◯市長(大久保 貴君) そのとおりでございます。 306 ◯議長(安藤 博君) 山内君。   〔17番(山内善男君)登壇〕 307 ◯17番(山内善男君) 市長給与の半額はこの6カ月だけではないことを確認いたしました。  続いて、細項目2、裏合意に至った核心について市長はどのように認識されているのか、お伺いいたします。 308 ◯議長(安藤 博君) 市長。 309 ◯市長(大久保 貴君) 繰り返しの答弁になってしまう部分もございまして恐縮ですが、今回の工事請負契約に関し地方自治施行令違反を招いた一番の原因は、百条委員会でも整理をいただいてご報告をいただいたものでありますが、市庁舎耐震補強・増築・改修工事という本市にとって非常に重要な事業において、事業全体のマネジメント体制が確立されておらず、その結果、責任の所在が不明確となり、関係部署間でのチェック機能が働かなかったことだと考えております。特定の職員が何らかの思惑によって招いてしまった行為ではないと認識しております。  また、川嶋前副市長は、ご本人もおっしゃっておられますが、随意契約に移行する際において、前都市建設部長に対して「できるだけ契約できるように交渉努力をしてほしい」という指示をされました。結果的に、その指示が地方自治施行令違反を招いてしまったということだと考えております。 310 ◯議長(安藤 博君) 山内君。
      〔17番(山内善男君)登壇〕 311 ◯17番(山内善男君) 百条委員会が開かれて、百条委員会の結論はかなり詳細に書かれております。それを読み込めば、どこに事の核心があったのかは読みとれるはずだと私自身は思っております。これは9月定例会で市長に質問したとおりなのですが、その核心に迫って、それにふさわしい処分がされたのかどうかという点では、非常に疑問を持っているところです。市長の給与減額は6カ月間。そして他の職員の処分も発表されましたが、そのような処分で本当によかったのか、非常に懐疑的に見ております。  市長は名前を公表しないとおっしゃいましたけれども、T新聞は、戒告処分について具体的な氏名も書かれていました。ですので、ここで言ってもいいのではないかと思うのです。百条委員会に出席され、証言もされています。百条委員会の報告書にもあります。やはり市長として核心に迫り、それにふさわしい処分をすることが必要だと思います。その核心部分から市長がお逃げになっているのではないかと思いますけれども、再度のご見解をお願いいたします。 312 ◯議長(安藤 博君) 市長。 313 ◯市長(大久保 貴君) 9月定例会でも議員にご指摘いただいたのですが、百条委員会の委員でもあられたわけで、その報告を議会として承認することに賛成されたと理解しております。百条委員会の報告は、特定の職員が主導したものではないと結ばれていたと理解しております。組織のマネジメント体制が確立されていなかったという指摘を重く受けとめて、それ以降、いろいろと対応させていただいているわけですが、私どもが2月に彦根市内部の懲戒審査委員会で事実認定した内容と大きく異なる事案は発見されませんでしたので、懲戒審査委員会でまとめられた意見具申を尊重して、今回処分をさせていただいたものです。 314 ◯議長(安藤 博君) 山内君。   〔17番(山内善男君)登壇〕 315 ◯17番(山内善男君) 私は、百条委員会の委員としても出席しておりました。百条委員会の報告書も出されております。岐建と交渉する前と後に、4人の幹部の皆さんが打ち合わせを行っておられますけれども、そこは非常に大きなポイントではないかと思います。川嶋前副市長が地方自治施行令違反につながる指示をしたとなっておりますが、川嶋前副市長は「そのような指示はしていない」という証言が百条委員会の中でもありました。川嶋前副市長は「一般的に契約が成立できるように努力をしてほしい」とおっしゃっただけで、「空調・外構・備品という具体的な指示まではしていない」という発言もありました。百条委員会の事実の積み上げを誠実にお読みになったら、事の真相がどこにあったのかというところに到達できるはずだと思います。  ある課長のてんまつ書の中では、「交渉の途中で、交渉に当たられた都市建設部長が携帯電話で連絡をとられていた。それが川嶋前副市長ではないかと思った」という記録もありました。しかし、川嶋前副市長は否定されました。それを聞いていたマスコミの皆さんや執行部の幹部の皆さんも、本当は大久保市長ではなかったのかという疑念を抱かざるを得ないような状況であったと思います。  2月に懲戒審査委員会から意見具申があり、翌日には市長から処分が発表されるはずが、9カ月も遅れて、ようやく発表された。百条委員会の証言を聞いて、「市長が知っていたからこそ、処分が非常に軽くなり、こんなに遅くに処分が発表されるという事態になったのではないか」と、マスコミの皆さんも、百条委員会に参加した私も、多くの皆さんが、そのような疑念を抱いていると思います。そのような疑念について、大久保市長はどのようにお感じになっているのか、もう一度、見解をお願いいたします。 316 ◯議長(安藤 博君) 市長。 317 ◯市長(大久保 貴君) 繰り返しになりますが、議員は百条委員会の委員としてもご出席され、百条委員会において整理された報告を承認されているというお立場で、その見解とは違うことをご指摘になっていると受けとめております。誰が主導したか判然としませんが、懲戒審査委員会の意見具申の中で、事実認定というくだりを読ませていただくと、「川嶋前副市長が、できるだけ契約交渉してほしいという指示をした。その前提として、外構・備品の一部を除外することは説明が果たせるということで進んでいった」ということです。これが結果として、地方自治施行令違反、条件変更を伴ってしまった、そういう契約に至ってしまった。川嶋前副市長がそうした努力をしてほしいという指示をしたことは事実だと、百条委員会でも証言されていたと思います。その指示を受けた職員は、その指示のもとに、担当者に指示を行ったとされています。そうしたことを総合して、懲戒審査委員会で慎重にご審議いただいた結果、意見具申をいただきました。  ただ、私どもの内部調査は任意の調査ですので、百条委員会の設置をお決めいただいたわけであります。百条委員会は強制力のある、法的拘束力のあるものであるという理解の上で、新たな事実が発覚すれば意見具申を差し戻すことも検討しなければならないことから、処分を見合わせてきたものですので、ぜひ振り返って、ご理解のほどお願い申し上げたいと思います。 318 ◯議長(安藤 博君) 山内君。   〔17番(山内善男君)登壇〕 319 ◯17番(山内善男君) 今の市長のご答弁は、百条委員会の事実を記録したものを真っすぐお読みになっていないか、目を背けるような状況にあるのではないかと申し上げておきたいと思います。報告書は誠実に、事実が淡々と描かれておりますので、点を線で結んでいけばどこに問題があったのかは明らかだと思います。事実から目を背けて、市長自身の処分も軽くなっているし、関係者の処分はそのような処分でよかったのか。これだけの大失態を犯したのに、こんな状況でよかったのかと、私自身は思っていると申し上げておきたいと思います。  細項目3、事の重大さに鑑み、市長は辞職すべきという基本的な立場でお伺いいたします。  余りにも前代未聞の事態となった市庁舎耐震工事の責任は、市長の管理監督のなさ過ぎることから起きており、市長は辞職する以外あり得ないのではないかと思います。見解をお伺いいたします。 320 ◯議長(安藤 博君) 市長。 321 ◯市長(大久保 貴君) 繰り返しのご答弁で恐縮でありますが、その前に、議員のご指摘いただいておりますようなお気持ちもよくわかります。大変重大な事案であり、大変なことになってしまったと、私自身、極めて責任が重いと感じております。ただ、工事は継続しており、さまざまな困難を乗り越えて、完成させていかなければならない。私の政治家としての責任は、まずこの困難を乗り越えて、庁舎の耐震工事をやり遂げていかなければならないと強く感じているところです。ご指摘は心に刺さる部分がございますし、私自身も深く反省し、繰り返し、おわびを申し上げたいと存じます。まことに申しわけございません。 322 ◯議長(安藤 博君) 山内君。   〔17番(山内善男君)登壇〕 323 ◯17番(山内善男君) 昨年の6月定例会に予算の議案がかかり、私は、常任委員会の中でも、本会議の討論の中でも、発言いたしました。それを誠実にお聞きになっていれば、6月定例会の後からでも、当事者に事態を問いただして、究明できたと思います。そういう点では、真摯な姿勢が欠けていたことが、このような事態を招いたと思っているところです。そのような市長の甘い姿勢が全体として蔓延し、不正を許す結果になったと指摘しておきたいと思います。  それでは、中項目2に移ります。川嶋前副市長の退職金満額支給は、事の重大性からすればあり得ないという基本的な立場に立って、お聞きいたします。  市が議会に提出した経過報告書について、最終校正を山根前副市長が行ったことが複数の市の幹部の供述で明らかになりました。川嶋前副市長は、この経過報告書を見て、「作為的に作成されている」と証言されました。当経過報告書では、空調・外構・備品の3工事を抜いて交渉するように指示したのは川嶋前副市長であると断じていましたが、証人喚問で、同氏は「地方自治施行令違反につながる指示はしていない」と供述されました。また、市の幹部も「全面的な指示があったとは感じなかった」と供述されました。  百条委員会の使命は、なぜ地方自治施行令違反につながる請負契約がされたかであり、この言明はその核心に迫る供述と言えます。真相を曲げ、責任の所在を違った方向に向けたのなら、当然、その責任は厳しく問われなければなりません。  日本共産党彦根市会議員団は、川嶋前副市長が百条委員会の証言で述べられたとおり、地方自治施行令違反につながる指示はされていないと確信しています。しかし、昨年6月定例会で、市当局の企業努力の詳細や部材の見直しで9億円も削減できたとする説明に対する議員の詰問に答え切れなかった状況から、岐建と交渉に当たった当事者等に執行部内部で検証する機会は十分あったはずで、そういった意味では、市当局の幹部の皆さんそれぞれの職階に応じた責任はあるはずです。  川嶋前副市長の直接的な責任はともかくとしても、不可解な金額の妥当性について、担当副市長として、結果として解明する責任を果たし得なかった責任は問われなければならないと考えます。裏合意の発覚で、市の信頼を失墜させ、明確に賃貸料を1億円以上もむだに出費しなければならない事態となった責任は極めて重く、退職金の満額支給は市民の皆さんに説明できないものと考えます。  細項目1、川嶋前副市長の退職金満額支給は、事の重大性からすればあり得ないと考えます。撤回すべきと考えますが、見解を伺います。 324 ◯議長(安藤 博君) 市長。 325 ◯市長(大久保 貴君) 指摘いただいているご意見は理解できるところがありますが、川嶋前副市長の退職手当の支給につきましては、これまでもご説明しておりますように、彦根市長等の退職手当に関する条例の規定に基づくこととなりますが、当該条例第8条の規定において、「懲戒免職の処分を受けたとき、または禁錮以上の刑に処せられ失職したときは、退職手当を支給しない」とされています。今回の川嶋前副市長の場合、特別職退職手当条例に定めます退職手当を支給しない要件に該当しないことから、満額支給することにしたものです。  先ほどからお話しておりますとおり、そういう指示をして、交渉努力をしてもらい、結果として、条件変更し、契約に至ってしまった。そのことが地方自治施行令違反であるという認識のないまま、後に説明が果たせるという思いで、こうした結果になってしまったものです。弁護士の意見書でも述べられておりますように、お支払いは妥当なものです。気持ちとして、おっしゃることは受けとめさせていただきますけれども、ぜひご理解を頂戴したいと思っております。 326 ◯議長(安藤 博君) 山内君。   〔17番(山内善男君)登壇〕 327 ◯17番(山内善男君) 何度も申し上げますけれども、川嶋前副市長が百条委員会で証言されたとおり、地方自治施行令違反につながる指示はされていないと確信しております。しかし、このような裏合意に至るような状況を、当事者に問い詰めて、解明することはできたはずだという観点から、川嶋前副市長の責任は果たされたのかと言えば、果たされない状況の中で、6月定例会に提案された。その点では責任があるので、満額支給については市民の皆さんから信頼を得られない。撤回すべきだと思っています。  市の方からいただいた資料でも、弁護士の見解によっては、懲戒処分を発表した後でも、支給しないことがあります。先ほど北川元気議員の質疑の中でも明らかにされましたが、市当局から二つの資料が出されております。顧問弁護士の見解と支給しないという判決、二つの資料が出ております。退職を認めた後でも、退職金を出さないことがあり得るという資料をわざわざ市当局がつけたのは、意味深いものがあると感じて、読ませていただきました。そのような事例を議員にお示しになった根拠というのは、市長、どのような観点でお示しになったのですか。私自身はそれを非常に不可解に思っているのですが、コメントをいただければと思います。 328 ◯議長(安藤 博君) 市長。 329 ◯市長(大久保 貴君) 見解書の中にも書かれておりますとおり、最終ページに、免職相当の事例が8項目ぐらいあったと思います。その項目に該当する事例、支給しなかった事例ということで示させていただいたのではないかと思っています。それには該当しない、支給は妥当であることをご理解いただくために、提出させていただいた資料だと認識しております。 330 ◯議長(安藤 博君) 山内君。   〔17番(山内善男君)登壇〕 331 ◯17番(山内善男君) 顧問弁護士の見解はありますけれども、わざわざ平成11年1月29日の大阪地裁の判決を資料としてつけていただきました。懲戒処分の後、退職金を支給しないという判例もある。このような資料をつけていただいたという市の幹部の配慮について、非常に意味深い資料だと私自身は思って、拝見しました。  事の重大さに鑑みて、川嶋前副市長の処分、あるいはその周辺の皆さんへの処分は、市民の皆さんからすればしっかりと処分されたのか、非常に疑念が強いと申し上げておきたいと思います。  もう問いませんけれども、今回の一連の処分の発表の中で、交渉に当たった交渉者の処分、それ以外に8人の処分を発表されました。その処分の中で、山根前副市長は何のおとがめもない。非常に不可解に思っております。確かに山根前副市長は担当の副市長ではありませんでしたが、昨年の6月定例会にも出ておられましたし、常任委員会にも出ておられました。そういう点では、大久保市長、川嶋前副市長、それに次いで、山根前副市長も、事態を解明する責任はあったと思います。山根前副市長の責任が不問に付されているのは、非常に不可解に思っているところです。  先ほど、奥野議員の質疑の中でありましたけれども、2カ月前の処分と比べて交渉者への処分が軽い。市民の皆さん、議会の皆さんも疑念を持っていると申し上げたいと思います。  以上です。 332 ◯議長(安藤 博君) 以上で通告による質疑は終わりました。  ほかに質疑はありませんか。   (「なし」と呼ぶ者あり) 333 ◯議長(安藤 博君) 質疑なしと認めます。これにて質疑を終結いたします。  ただいま議題となっております議案第78号および議案第79号については、お手元に配付しております議案付託表のとおり、所管の各常任委員会に付託します。  休憩中に各常任委員会を開き、付託議案を審査願い、再開後は、各委員長に委員会審査の結果報告を求めます。  暫時休憩いたします。            午後0時05分休憩            午後2時39分再開 334 ◯議長(安藤 博君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  お諮りいたします。  ただいま各委員長から委員会報告書が提出されましたので、この際、議案第78号および議案第79号を日程に追加し、議題といたしたいと思います。これにご異議ありませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり) 335 ◯議長(安藤 博君) ご異議なしと認めます。よって、議案第78号および議案第79号を日程に追加し、議題とすることに決しました。 ────────────────── 追加日程 議案第78号および議案第79号 (委員長報告・質疑・討論・採決) 336 ◯議長(安藤 博君) 議案第78号および議案第79号を一括議題とし、各委員長の報告を求めます。  その順位は、予算常任委員長、企画総務消防常任委員長の順とし、順次ご登壇願います。  予算常任委員長、上杉正敏君。上杉君。 〔予算常任委員長(上杉正敏君)登壇〕 337 ◯予算常任委員長(上杉正敏君) それでは、予算常任委員会委員長報告を行います。  今期臨時会において、本委員会に付託されました議案審査のため、本会議休憩中に本委員会を開き、慎重に審査いたしましたその経過ならびに結果について報告します。  本委員会に付託されました議案は、議案第78号平成30年度(2018年度)彦根市一般会計補正予算(第6号)の1件でありましたが、起立多数で原案のとおり可決すべきものと決しました。  なお、反対の立場から、減額の期間について、今後の分も含め工事終了までとされているが、市長の責任のとり方としては辞職しかないと考えることから反対する。  また、同じく反対の立場から、川嶋前副市長の退職手当の支払いは、今回示された顧問弁護士の意見書だけでは判断できないために反対するという討論がありましたので、申し添えます。  以上をもって、予算常任委員会委員長報告を終わります。  企画総務消防常任副委員長、野村博雄君。野村君。 〔企画総務消防常任副委員長(野村博雄 君)登壇〕 338 ◯企画総務消防常任副委員長(野村博雄君) それでは、企画総務消防常任委員会委員長報告を行います。  今期臨時会におきまして、本委員会に付託されました議案審査のため、本会議休憩中に本委員会を開き、慎重に審査いたしましたその経過ならびに結果について報告いたします。  本委員会に付託されました議案は、議案第79号平成30年度および平成31年度における彦根市長の給与の特例に関する条例案の1件でありましたが、起立多数で原案のとおり可決すべきものと決しました。  なお、反対の立場から、市長として責任をとるに当たり、どれだけ誠実さがあるかが重要であるけれども、それをわずか50%減6カ月で済ますのは問題であり、責任のとり方をわかっていないと思われることから反対する。  賛成の立場からは、調停が来年に持ち越しとなり、待っていては責任を果たせない。50%減6カ月間の提案は、他市と比較しても重いものである。また、今回の提案は、政治判断として出されたものであり、それはそれとして尊重する。このようなことから賛成するとの討論がありましたので、申し添えます。  以上をもって、企画総務消防常任委員会委員長報告を終わります。 339 ◯議長(安藤 博君) 以上で各委員長の報告は終わりました。  暫時休憩いたします。            午後2時43分休憩            午後3時09分再開 340 ◯議長(安藤 博君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  これより各委員長の報告に対する質疑に入ります。  ただいまのところ質疑の通告はありません。  質疑はありませんか。   (「なし」と呼ぶ者あり) 341 ◯議長(安藤 博君) 質疑なしと認めます。  これにて質疑を終結いたします。  これより討論に入ります。  討論の通告書が5名の方々から提出されておりますので、順次発言を許します。  その順位は、11番奥野嘉己君、5番夏川嘉一郎君、2番獅山向洋君、14番和田一繁君、17番山内善男君の順とし、順次ご登壇願います。  11番奥野嘉己君。奥野君。   〔11番(奥野嘉己君)登壇〕 342 ◯11番(奥野嘉己君) 議案第78号および議案第79号に関しまして、いずれも反対の立場で討論をいたします。
     午前中に行いました質疑で、幾つかの疑問点について確認を行っております。その上で、私の観点を述べたいと思います。  まず、議案の提案理由が、本庁舎耐震化整備事業に係る不適切な事務処理が行われたことに対し管理監督者としての責任を明らかにするためというものであったので、午前中の質疑におきまして、再度、市長のご認識をお伺いしておりました。なぜならば、私が認識している本庁舎耐震化整備事業での問題というのは、単純に不適切な事務処理で表現されるような軽く小さい問題ではないということです。以下、7点に上る疑問点を述べていきたいと思います。  1点目として、市長もお認めになられておりますが、本件は地方自治施行令違反という明白な法律違反であり、法律を守るべき市役所が犯してしまった問題なのです。当然、法律違反に対して市役所組織のトップである市長ご自身への処罰であるという表現がなされないといけないのではないでしょうか。  2点目に、議員として重視する点として、総額40億円規模の工事を表面上30億円程度として議会に予算提案されたことが挙げられます。そして、本会議において、結果として虚偽の説明が行われ、議会はだまされて、議決をすることになりました。結果論に対して責任をどうとるのか。その観点が挙げられるのではないかと思います。議会がだまされてしまった、そういう行為を受けてしまったという点に対しては、強く糾弾されなければいけないと思っております。そのため、この提案説明に、議会に対して何を行ってしまったのかを明記する必要があったのではないかと思っております。  3点目に、概略9億円強の差額は、別途工事や分割発注、恐らく工事費増額修正等で何とかなるのではないかという勝手な見込みのもと、議会での議決を経て内容・金額を確定し、事業を推進していくという当然の原則が無視されたことがあると思います。声を大にして言いたいのですが、担当者の独善性と議会軽視が目に余ると思います。今回が初めてやるようなことではなく、他の大規模案件でも同様の手法によって全体像が見えなくなり、議会はごまかされているのではないか、甘く見られているのではないかというような疑念を持ってしまいます。議会の監視の目線の強化というものも求められているのではないかと感じているところです。  4点目に、このような重大事件の発生、議会軽視ともとれるような事態を受けまして、議会は当市始まって以来となる百条委員会を設けました。委員長や委員各位におかれましては、たび重なる協議会、審議、調査、多大な努力を行われたことに対して敬意を表したいと思っております。その上で、百条委員会における証言において、市長ご自身が部下からの報告を聞いておらず、報告も求めなかったという実態が明らかになりました。組織運営の肝である市長ご自身に問題があったのではないでしょうか。これも不適切な事務処理というシンプルワードに含まれてしまうのでしょうか。  5点目として、百条委員会での結論として、組織的な地方自治施行令違反への関与は認められておりません。この点はよかったと思っていますが、事業遂行に向けての全体のマネジメント体制が確立されていなかったこと、責任の所在が不明確で関係部署間でのチェック機能が働かなかったこと、協議においても具体的な資料等がなく断片的・抽象的な情報のやりとりに終始し、交渉内容が逐次市長へ報告されていなかったこと、市長から関係部署への状況確認もされておらずガバナンス機能が働かなかったこと、議事録等も作成されていなかったこと等々、組織全体として大きな問題があったことが明らかとなり、百条委員会より報告されております。要は、組織風土に問題があり、改善を要する状態であると認識しておりますが、どのように改善していこうとされているのか、いま一つ、具体的な姿が私には見えてきておりません。  6点目に、6月定例会において、9月定例会でも報告できるとされておりました調停作業が越年確定となり、議会への当初の答弁よりもかなりの遅延が生じております。耐震補強の工事に関して問題が起きた。その処理において、さらに別の問題が起きているわけで、それらも含めて市長としてどのように責任を考えているのか。その点を指摘したいと思います。  最後に、7点目として、午前の質疑の中で、「不適切な事務処理ではなく不適法ではないのか」という発言が出ておりました。ご答弁では、あくまでも「不適切」というご回答でした。それを受けて感じたのは、今回は法律違反だったということを正面から受けとめて、腹の中におさめて、どう組織を立て直していくのか。言葉の遊びとは言いませんけれども、不適切、不適法、ここに端的にあらわれているのではないか。何をしたのか、何を捉えていかなければいけないのか、そこは真摯に考えていただきたいと思っております。  以上、7点述べてきましたように、議案の提案理由である「本庁舎耐震化整備事業に係る不適切な事務処理が行われた」ということに対して、それだけではないことは明らかではないでしょうか。繰り返しになりますが、問題が起きたときに矮小化するのではなく、徹底的に問題の根を掘り出さなければ再発するのではないかと、非常に危惧しているところです。  次に、午前の質疑におきまして、さらに数点の追加の質疑をしていますが、その一つとしまして、本庁舎耐震化整備事業のやり直しや遅延による損害金額は幾らになるのかを伺いました。ご答弁では、「再積算等が必要で、今日時点では金額を開示できない」とのことでした。しかしながら、仮庁舎の賃貸料だけでも1億円強の費用が見込まれます。東京オリンピック景気による資材費や工費の高騰、消費税アップの要因等がある中、現在、風雨にたなざらしになっている現場の状況を踏まえますと、本来なら不必要であった費用の追加発注も見込まれる状況です。億円単位の市民負担が見込まれる中、約280万円の処分はどのような意味合いがあるものなのか、繰り返し尋ねました。そこにどのような理屈、ストーリーがあるのかを尋ねましたが、最後まで疑問が残りました。  さらに、問題が組織風土にあるととれる中で、甲賀市の例にも言及しながら質疑を行いました。最終的なご答弁としましては、「組織としての損害に対する負担は考えていない」というようなご答弁でした。  いろいろと指摘してまいりましたが、今回提案されている処分金額は、市民が今後追加負担せざるを得ない金額に対して極めて少額であること、その算定根拠が明確でないこと、さらに提案理由が問題の根本を矮小化し直視されていないように見えることが一番大きい問題だと考えています。  以上のことから反対の討論といたしたいと思います。 343 ◯議長(安藤 博君) 5番夏川嘉一郎君。夏川君。   〔5番(夏川嘉一郎君)登壇〕 344 ◯5番(夏川嘉一郎君) 私は、今臨時会に提案された議案第78号、議案第79号である市長の給与削減、半年間、月々50%削減案に対し、夢みらいを代表して、賛成の立場で討論させていただきます。  初めに、私も百条委員会の委員でしたが、今回、新庁舎建設の不具合を検証した百条委員会の結論ポイントは、建設にかかわる体制に問題があったこと、さらに今後の課題として、組織体制を早急に改善する必要があるというものであったと記憶しております。  さて、問題ありと指摘された現状組織体制を見るに、体制は一朝一夕にできたものではなく、長年の彦根の風土ならびに歴史組織運営に携わった人々等により、何がどうこうというものではなく、自然とつくり上げたものであると考えております。これら長年の結果によるものが短期に改善しがたいものであることはわからないでもないのですが、このような市組織に関するさまざまな諸事情を勘案してもなお、市長の最高責任者、任命権者としての責任は重大であり、簡単に免除されるものではないと考えます。  いずれにしても、そのようなことを冷静に総括しますに、市長より今回提案された議案第78号、議案第79号の給与削減は、最低かつ当然のペナルティ案であり、私たちはこれに賛成するも、以後の交渉結果によっては、市長の今後の改善の責務のいかんも加えて、さらに厳しいペナルティを付加することを条件に、今回の議案に賛成するものであります。皆様のご賛意、よろしくお願い申し上げます。  私の討論を終わります。 345 ◯議長(安藤 博君) 2番獅山向洋君。獅山君。   〔2番(獅山向洋君)登壇〕 346 ◯2番(獅山向洋君) 私は、議案第78号および議案第79号に対し反対の立場で討論を行います。  大久保市長の給与を6カ月間5割カットする条例および予算と、川嶋前副市長の退職金600万6,000円を支払う予算に対して反対するものです。  最初に申し上げたいのは、12月定例会が目前に迫っているときに臨時会を開かなければいけなかったのかということです。その理由が余りはっきりしない。結局は、いつでもできたにもかかわらず、こういう時期に、いろいろな事務的経費、人的経費をむだにして、臨時会を開いた。まさに市長のリーダーシップの欠如、準備不足であると考えております。  次に、ただいま奥野議員もおっしゃいましたけれども、本庁舎耐震化整備事業に関して不適正な事務処理が行われたことに対して管理監督者としての責任を明らかにするという条例制定趣旨が書かれていました。不適正なんて、よくこんな言葉を使うものだと。はっきりと地方自治施行令違反だったわけです。法律違反を不適切な事務処理という言葉で逃げること自体、市長がいまだに現実を認識していないと思います。  いろいろと理由は言っていますが、要はマネジメントがよくなかったというようなことをおっしゃっています。マネジメントをするのは、トップマネジメントといいまして、首長が、市長がやることなのです。皆さんも思い出していただきたいのですが、トップマネジメントを強化するために川嶋前副市長を迎えたいとしきりにおっしゃっていたのです。迎えた結果、こういうことになったわけです。それに対する任命責任者たる彦根市長の責任は、どうも自覚しておられないようです。  皆さんも改めて認識していただきたいのですが、私も市長をやっていましたのである程度は認識しておりますけれども、やはり管理監督責任というのは重要です。現在でも、全国各地で職員が不祥事を起こし、それに対して市長が、管理監督責任があるということで、自戒の意味を込めて、自分に懲戒的な処分をしておられます。これはよくわかります。しかし、今回の問題は、職員の不祥事に対する自戒の意味を込めた内容ではないのです。なぜかと言いますと、百条委員会を皆さんもごらんになったと思います。インターネットでも、たくさんの方が見ておられました。市長は知らぬ存ぜぬを決め込んでおりました。30億円も、40億円もする大工事で、彦根市の中心的なこの庁舎に関して、「知りません」、「関与していない」と言っておられたのです。それと、「報告がなかった」。報告を求めなかったのです。一体、こんな市長がいるのだろうか。あきれます。それに対して地方自治は知らん顔をしているのか。そうではないのです。地方自治にもちゃんと書いてあるのです。単に職員の不祥事にとどまらず、首長は地方自治の事務に関して自分の責任と判断において誠実に管理し執行しなければならない。職務誠実義務とか、善良なる管理者の注意義務とか、いろいろ言っておりますけれども、市長として当然の責任があるわけです。これを全然果たしていないのです。  ところが、ここがずるいところで、今回は職員の管理責任にかこつけて、本来自分が責められることはほおかぶりして、6カ月間50%カットで済ませてしまおうと考えているのです。この点は、ぜひとも皆さんもよく考えてほしい。単なる職員の不祥事ではないのです。むしろ、これは市長の不祥事であるということを、私は声を大きくして申し上げておきたいと思います。  その結果が大したことないのなら、それはそれでいいのですが、彦根市民に対して大変な迷惑をかけるのです。市長は「いまだ損害額は明確でない」と言っています。今臨時会でも、何回もお聞きになりましたが、平和堂のアル・プラザ彦根をお借りしていますけれども、駐車場などを含めますと、1カ月に800万円ぐらいかかっているのです。今回の重大事件によって、本庁舎ができるのは、最低限、1年は必ず延びるのです。計算してください。アル・プラザ彦根だけではなく、ほかにもたくさん借りていますので、結局、1億円を超えてしまうのです。これだけの損害を、補助金や交付金もありませんから、彦根市民が直接これだけの損害をこうむらなければならないのです。先ほど「かこつけて」と申しましたが、かこつけた金額が6カ月間50%カットで277万5,000円なのです。平和堂をお借りしている賃料の半分にも満たない金額で、自分の責任は「こういうことでございます」ということなのです。果たして、こんなことで責任は免れるのか、免罪符になるのだろうか。これが一番重要な問題なのです。彦根市民がこれを知ったら、「とんでもないことだ。こんなにたくさん、我々の税金を使いながら、わずか277万5,000円で終わりか」。これが一番重要な問題であると思っております。  さらに、川嶋前副市長の退職金の問題まで絡んできているのです。退職金の問題については、この臨時会でも、議員の皆さんが引用されましたが、弁護士事務所の見解が示されています。見解については両論ありまして、議論は確定しておりません。悪いことをした人については、ただ単に辞職したから、それで済むわけではないという意見の方が、どちらかと言うと強いと思います。けれども、今の彦根市役所は、何かというと弁護士の見解で、しかも自分の都合のいい方ばかりとってしまう。もし、都合がよかったら、先ほど北川議員が引用された判例でもって、退職金は払わないという結論になったかもしれないのです。そういう意味で、川嶋前副市長の退職金支払いについても、「どうも払わなければならないようだ。そうしたら、その機会に自分のことも終わってしまおう」というようなことで、いろいろな問題を重ね合わせて、この臨時会になってきたのではないかと思っております。  それでは、川嶋前副市長は、本当に責任はなかったのか。皆さんもいろいろと述べられましたように、川嶋前副市長についてはいろんな話が出ておりましたけれども、最終的な彦根市の見解として、今回の職員の処分に関して、公文書として出されているものを紹介しておきたいと思います。11月21日に、議員各位ということで、職員の懲戒処分について、我々に配られた文書です。これは新聞各紙にも報道された内容です。ここでははっきりと川嶋前副市長の違法性を述べているのです。市民の方々は内容をご存じないかもしれませんので、一応、読み上げておきます。これは処分を受けた職員のことですが、被処分者は、市庁舎耐震補強・増築・改修工事において、前副市長の「できるだけ契約できるよう交渉努力してほしい」との指示のもと、地方自治施行令第167条の2第1項第8号の規定に反する随意契約の締結にかかわった。職員がかかわった。逆に言うと、指示した前副市長は、規定に反する指示をしたとちゃんと認めているわけです。また、上司(前副市長)による命令であったもののと、前副市長が命令したと認めているのです。しかも、「違法な命令に従い」と、これは職員が違法な命令に従いということは、違法な命令をしたのは前副市長であると公文書で認めているのです。その職員も、自身の部下に対して違法な命令を行ったと書いてあるのです。ですから、公文書においては、前副市長である川嶋氏が、地方自治施行令の規定に反する随意契約について、「できる限り交渉努力をしろ」と指示した、違法な命令を行ったと認めているのです。公文書では認めながら、他方では、全額退職金を払いますと言っているのです。そういう観点から言うと、今の彦根市役所はダブルスタンダードです。都合のいときにはこちらを選び、都合の悪いときはこちらを選ぶ。こういうことばかりやっていて、首尾一貫性が全くない。  このようなことで、トップマネジメントが行われているのか。入札のときに行われていなかったのははっきりしています。これは市長自身が認めていますが、現在もトップマネジメントなんて全然できていない。両方の文書をちゃんと読んでおられるかどうかもわからないと思っています。  私が申し上げたいのは、このようなトップマネジメントのもとで、現在は、調停、調停と、何かと言えば調停の問題に持っていかれるのですが、調停はどこがやっているのか。地方自治施行令に違反した彦根市役所と、その違反に応じた岐建がやっているのです。こんな調停に本当に効力があるのか。言うなれば慣れ合い。悪いことをした者同士が調停をやっているのですから、重大で大変なことだとか言っていますが、重大でも、大変なことでもないのです。おかしなことなのです。それで、自分は「本庁舎が完成するまで頑張りたい」とおっしゃっていますが、今までの市長のやり方から考えたら、本当にやっていけるのか、我々はきちんと問わなければいけないと思います。  そういう意味で、今回の予算や条例の問題と同時に、政治的責任の問題があると思うのです。市長は盛んに、「政治的責任を果たすために最後までやる」というようなことをおっしゃっていますが、それはおかしいです。これだけ重大なことをやっていながら、まだこれからもやりますというような市長は、普通はいないです。普通の市長は、ここまで重大なことをやってしまったなら、どこかの市長は刑事事件までかかりましたが居座らなかったのです。市民に信を問うということで選挙をやって、それでも当選しました。残念ながら有罪になってしまいましたけれども、それは別です。こんな重大な、トップマネジメントに反したことをやってきたから、自分は一度、市民に信を問おう。こういうことを言うのが政治責任なのです。このままいつまでもやろうというような、そんなものは政治責任なんて言葉そのものの使い方が間違っているということをしっかりとお考えいただきたいと思います。  以上、いろいろと申し上げましたけれども、市長自身が政治責任なり、トップマネジメントというものを自覚しておられないから、こんな事件が起きたのだと考えておりますので、今回のご提案については絶対に反対いたします。  以上です。 347 ◯議長(安藤 博君) 14番和田一繁君。和田君。   〔14番(和田一繁君)登壇〕 348 ◯14番(和田一繁君) 議案第78号平成30年度(2018年度)彦根市一般会計補正予算(第6号)、ならびに議案第79号平成30年度および平成31年度における彦根市長の給与の特例に関する条例案に対し、公政会を代表いたしまして、賛成の立場で討論を行います。  今期臨時会で上程されております補正予算の概要は、本庁舎耐震化整備事業に関して、不適正というお話がありますけれども、違法な事務処理が行われたことに対して管理監督者としての市長の責任を明確にするための市長給料減額案に関する条例案です。  本庁舎耐震化整備事業に関して、違法な事務処理を初めとする諸問題に対して、市議会初の百条委員会が設置されるなど、市政運営の混乱を招きました。百条委員会の最終報告書にもあるように、事業遂行に向けた全体のマネジメント体制が全く確立されておらず、市長の管理監督者としての責任は極めて重いと報告もされています。  さきの9月定例会の野村議員の会派代表質問におきましても、公政会として、「市政を停滞させることなく前に進め、どのような判断が市民のために必要なのかを考え、大久保市政に対しては、何でも反対ではなく、是々非々で対応してまいります」と発言させていただいております。市長ご自身がその責任を重く受けとめ、市民が信頼できる職員との連携を図るべく市政を取り戻すために、今は事業を進めるように取り組んでいただきたいと思っております。  現在、支給が保留されております川嶋前副市長の退職手当支給分600万6,000円に関しましては、今回、弁護士による意見書が市長に対し提出されており、議会にも意見書の写しを提供いただきました。その中でも、形式的な法令の適用面から検討しても、実質的な懲戒免職、該当性の面から検討しても、退職手当を支払わないとすることはできない、法律的には退職手当を支給しなければならないと解するとの見解が示されているところです。したがいまして、今回の川嶋前副市長の行為は、随意契約に移行するときに地方自治施行令違反の認識がないまま、結果的に条件変更となる工事内容の一部の変更を了承したもので、懲戒免職の処分に科すことは相当であるとは言えないとされていることから、退職手当の支払いは相当と考えます。  また、議案第79号平成30年度および平成31年度における彦根市長の給与の特例に関する条例案につきましては、裏合意等、不祥事が発覚した後、管理監督者として、彦根市コンプライアンス推進規程や彦根市職員等の内部通報に関する要綱の運用、彦根市入札監視委員会の立ち上げ、それぞれ事業を行うための体制づくり、職員との信頼関係やガバナンスの強化の取り組みが始まったばかりだと思います。ただ、本庁舎耐震化整備事業に関しまして、地方自治施行令違反に関係した川嶋前副市長は既に退職されており、関係した職員につきましても懲戒処分等が実施されています。あくまでも職員の処分が先に行われております。  現在、民事調停に関しましても、既に1月までの日程も確定しており、今年中に解決されると思われた結論は持ち越されており、今年度中に結審するかも現在は未定です。このまま民事調停の結審を待っていては、来年度の改正も控える中、市長としての管理監督責任に至りましては、何も果たされないまま時だけが過ぎていくことになります。  今回の議案では、給料月額92万5,000円の50%減、46万2,500円、6カ月間の削減を提案されております。先ほど本会議場におきまして、他市との事例と比較しても重いものとされております。また、「建設工事が完了するまで」との発言も踏まえまして、今回の提案に反対する理由はないと考えます。  本庁舎耐震化整備事業に関しては、執行部には、市長を先頭に、民事調停など現在山積している問題を早期に解決していただき、当初の仕様書を尊重し、速やかに工事をやり遂げていただき、市政を停滞させることなく前に進めることが、今は何よりも大切だと思います。一層のガバナンス強化に取り組んでもらいたい。合意に関しましては、市長自らが難しい道のりを選択されたわけですから、政治的判断・責任も踏まえて、全力で民事調停解決に向けて努力していただきたいと苦言を申しまして、今回提案されました議案第78号および議案第79号を可決することにつきましては、賛成の立場から公政会を代表して討論とさせていただきます。各議員のご理解とご賛同をよろしくお願いいたします。  以上でございます。 349 ◯議長(安藤 博君) 17番山内善男君。山内君。   〔17番(山内善男君)登壇〕 350 ◯17番(山内善男君) それでは、日本共産党彦根市会議員団を代表して、議案第78号、議案第79号について、反対の討論を行います。  大久保市長が市長に就任した5年前、庁舎の耐震工事の予算は前市長のもとで議会も通過し、今にも着工となっていたにもかかわらず、大久保市長の独断で県有地の取得を断り、工事の見直しを宣言しました。しかし、具体化されず、とうとう議会から全会一致で促進の決議が可決されるなど、紆余曲折を経て、ようやく昨年6月定例会に予算が提案され、工事が始まりましたが、今年の1月、「業者との間で裏合意が交わされていたことが発覚した」と市長が発表。議会は市政始まって以来の百条委員会が設置され、真相解明の報告を出し、一応の結論を出しました。  振り返ってみますと、昨年6月定例会に工事予算29億3,500万円が提案されました。しかし、当初入札額は41億円。議会はなぜ10億円も下げることができたのか質問しましたが、当局の説明が曖昧であったため、日本共産党彦根議員団など6人が反対しました。公政会、夢みらい、公明党彦根市議団などの会派の皆さんの賛成により通過してしまいました。この予算通過により、昨年8月から耐震工事が始まりましたが、今年1月、市長は「契約書から9億4,200万円分しなくていいとする裏合意があった」と説明されたため、議会はただちに百条委員会の設置と臨時会の開催を要求し、市政始まって以来、初の百条委員会が設置され、4人の証人尋問や市幹部の聞き取りを行い、市の経過報告書では、川嶋前副市長の指示で裏合意がされたとされていましたが、百条委員会での証言で、同氏は「極めて作為的に市の報告書が作成されている」と指摘し、「地方自治施行令違反につながる指示はしていない」と証言しました。さらに、かかわっていた市の幹部の聞き取りでも「同氏の全面的な関与とは感じなかった」との言質も確認しました。また、総務部長、企画振興部長も、経過報告書の異論を本会議で述べられました。この経過報告書の最終校正を山根前副市長が行ったと明らかにされ、事実がゆがめられたことが公然となりました。  百条委員会は疑惑なしとしましたが、ここで言う疑惑とは、金銭などの授受が証言ではなかったということに過ぎません。一般的な疑惑は百条委員会での証言で深まったというのが実際です。結果は、関係者の証言や言質で一目瞭然です。9億円もの工事を口頭だけでしなくていいという交渉を、交渉人の責任だけで本当に行ったのか。市長が関与していたからこそできたのではないか。  今回ようやく処分が明らかにされましたが、本来なら2月に彦根市一般職員分限懲戒審査委員会の報告を受けて、ただちに処分が明らかにされるはずが、9カ月も後になったのは、何より市長の対応の曖昧さが露呈され、市民や議会はもとより、職員からも市長への求心力の低下は地に落ちていると言っても過言ではありません。  今臨時会での議案は、市長が管理監督者としての責任について12月から6カ月間の給与を半額にする提案と、川嶋前副市長の退職に伴う退職手当を満額支給する議案です。市政始まって以来の百条委員会設置などの今回の事案で、来年5月から新庁舎に移動するはずが、順調に経過しても再来年の8月にしか移動できないため、アル・プラザ彦根の借用料の1億円以上の追加が必至となっており、再入札で約10億円の追加予算の措置が必要となることも自明の事実です。  今回の件で、市民や議会の市当局への信頼の度合いが大きく損なわれたのであり、このことへの責任は余りにも大きいと言わねばなりません。市長給与の6カ月半額、「さらに工事終了後まで」と市長は答弁されましたけれども、余りにも前代未聞の事態となった市庁舎耐震工事の責任は、市長の管理監督のなさ過ぎることから起きており、市長は辞職する以外、責任のとり方はないと考えます。  次に、川嶋前副市長の退職金満額支給について述べます。  市が議会に提出した経過報告書について、最終校正を山根前副市長が行ったことが複数の市の幹部の供述で明らかになりましたが、川嶋前副市長はこの経過報告書を見て、「作為的に作成されている」と証言していました。当経過報告書では、空調・外構・備品の3工事を抜いて交渉するように指示したのは川嶋前副市長であると断じていましたが、証人喚問で同氏は「地方自治施行令違反につながる指示はしていない」と供述しました。また、市の幹部も「全面的な指示があったとは感じなかった」と供述しました。百条委員会の使命は、なぜ地方自治施行令違反につながる請負契約がされたかであり、この言明はその核心に迫る供述と言えます。  日本共産党彦根市会議員団は、川嶋前副市長が百条委員会の証言で述べられたとおり、地方自治施行令違反につながる指示はされていないと確信しています。しかし、昨年6月定例会で、市当局の企業努力の詳細や部材の見直しで9億円も削減できたとする説明に、議員の詰問に答え切れなかった状況から、岐建と交渉に当たった当事者等に執行部内部で検証する機会はあったはずで、そういった意味では、市当局の幹部の皆さんそれぞれの職階に応じた責任はあるはずです。川嶋前副市長の直接的な責任はともかくとしても、不可解な金額の妥当性について、担当副市長として結果として解明する責任を果たし得なかった責任は問われなければならないと考えます。裏合意の発覚で、市の信頼失墜と明確に賃貸料の1億円以上もむだに出費しなければならない事態となった責任は極めて重く、退職金の満額支給は市民の皆さんに説明できないものと考えます。  一連の処分についての市長の責任について述べます。  山根前副市長は、副市長として担当ではなかったものの、やはり副市長としての責任の重さから、大久保市長、川嶋前副市長に次いで責任を問われなければならないのではないでしょうか。ましてや経過報告書に事実を歪曲した関与の責任は追及も必要です。なぜ不問に付されるのか。市民や議会に説明できないことは明確です。場合によっては、百条委員会の山根前副市長に関した報告を読み込めば、退職金の満額支給が妥当であったのか問われなければなりません。  また、一連の処分の中で、百条委員会の証言を線でつなげば、裏合意を主導したと思われる岐建と交渉した当事者の責任は、懲戒処分の中でも最も軽い戒告処分でした。これに対して、8月に産業部の課長級の停職1カ月を発表しましたが、これは台風の接近に伴い、自家用車でアル・プラザ彦根に駐車し、800円の駐車料金を公用車のチケットで支払ったものです。懲戒処分は、免職、停職、減給、戒告とありますが、なぜ今回の耐震工事の裏合意という前代未聞の大失態にもかかわらず、台風被害で呼び出され、800円のチケットを使った処分の方が重いというのは、余りにバランスに欠けているのではないかと考えます。裏合意を主導した担当部長への責任追及が、2カ月前の処分と比較しても余りにも妥当性を欠いていると言わざるを得ません。  しかも、中期財政計画では、このまま大久保市政を続ければ、毎年20億円から30億円の赤字となることを財政当局は発表しました。それなのに、たった2週間の国体に100億円もの市財政を聖域にして、市民の生活にしわ寄せを行おうとする大久保市政をこのまま継続させることはできません。市庁舎耐震工事で市政を混乱させ、市民に莫大な費用負担を余儀なくさせた市長の責任は重大です。  繰り返しますが、余りにも前代未聞の事態となった市庁舎耐震工事の責任は、市長の管理監督のなさ過ぎることから起きており、市長は辞職する以外にあり得ないということを再度申し上げ、反対の討論といたします。 351 ◯議長(安藤 博君) 以上で、通告による討論は終わりました。  ほかに討論はありませんか。   (「なし」と呼ぶ者あり) 352 ◯議長(安藤 博君) 討論なしと認めます。  これにて討論を終結いたします。  これより採決を行います。  議案第78号平成30年度(2018年度)彦根市一般会計補正予算(第6号)を採決いたします。  本案に対する委員長報告は、可決であります。  お諮りいたします。  本案を原案のとおり決することにご異議がありますので、起立により採決いたします。  本案を原案のとおり決することに賛成の方々の起立を求めます。   〔賛成者起立〕 353 ◯議長(安藤 博君) ご着席願います。  起立多数であります。よって、本案は、原案のとおり可決されました。  次に、議案第79号平成30年度および平成31年度における彦根市長の給与の特例に関する条例案を採決いたします。  本案に対する委員長報告は、可決であります。  お諮りいたします。  本案を原案のとおり決することにご異議がありますので、起立により採決いたします。  本案を原案のとおり決することに賛成の方々の起立を求めます。   〔賛成者起立〕 354 ◯議長(安藤 博君) ご着席願います。  起立多数であります。よって、本案は、原案のとおり可決されました。  続けて、お諮りいたします。  企画総務消防常任委員長、市民産業建設常任委員長、福祉病院教育常任委員長および議会運営委員長ならびに議会改革特別委員長から、会議規則第103条の規定に基づき、お手元に配付しております閉会中の継続審査(調査)の件のとおり、閉会中もなお審査および調査を継続する必要がある旨の申し出がありました。  各委員長の申し出のとおり、閉会中の継続審査ならびに継続調査に付することにご異議ありませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり) 355 ◯議長(安藤 博君) ご異議なしと認めます。よって、企画総務消防常任委員長、市民産業建設常任委員長、福祉病院教育常任委員長および議会運営委員長ならびに議会改革特別委員長からの申し出のとおり、閉会中の継続審査ならびに継続調査に付することに決しました。  以上で今期臨時会に付議されました案件は全て議了いたしました。  これにて平成30年11月彦根市議会臨時会を閉会いたします。  お疲れさまでした。            午後4時01分閉会 会議録署名議員  議 長  安 藤   博 君
     議 員  杉 原 祥 浩 君  議 員  長 崎 任 男 君 Copyright © Hikone City, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...