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  1. 彦根市議会 2015-11-01
    平成27年11月定例会(第20号) 本文


    取得元: 彦根市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-16
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1            午前9時00分開議 ◯議長(西川正義君) 皆さん、おはようございます。ただいまから本日の会議を開きます。 ────────────────── 日程第1 会議録署名議員の指名 2 ◯議長(西川正義君) 日程第1、本日の会議録署名議員の指名を行います。  会議録署名議員に、9番八木嘉之君、および11番和田一繁君を指名いたします。 ────────────────── 日程第2 議案第94号から議案第109号 まで、および諮問第7号、諮問第8号(質 疑ならびに一般質問) 3 ◯議長(西川正義君) 日程第2、議案第94号から議案第109号まで、および諮問第7号、諮問第8号を一括議題とし、各議案に対する質疑ならびに一般質問を行います。  発言の通告書が20名の方々から提出されておりますので、順次発言を許します。  その順位は、8番安藤博君、19番奥野嘉己君、3番北川元気君、21番安澤勝君、5番夏川嘉一郎君、14番小菅雅至君、15番上杉正敏君、18番山田多津子さん、20番長崎任男君、7番赤井康彦君、1番谷口典隆君、4番辻真理子さん、17番山内善男君、13番杉原祥浩君、9番八木嘉之君、16番中野正剛君、2番獅山向洋君、6番小川喜三郎君、11番和田一繁君、12番野村博雄君の順とし、順次ご登壇願います。  8番安藤博君。安藤君。   〔8番(安藤 博君)登壇〕 4 ◯8番(安藤 博君) 皆さん、おはようございます。  今年最後の11月定例会に当たりまして、大きく2項目について質問させていただきますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。  まず、大項目1、10月2日から彦根市の新たな教育長としてご就任いただいております善住教育長に、彦根市の教育行政に対する方針などについてお尋ねしていきたいと考えております。  教育委員会制度は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律により、本市でも関連する条例改正を行い、本年4月1日から施行しておりましたが、教育長の任期が本年10月1日であったことから、新たな教育委員会制度は実質、善住教育長からスタートしたこととなっております。  新たな教育委員会制度になっても、政治的中立性の確保、継続性・安定性の確保、地域住民の意向の反映は担保されており、これまで以上に教育委員会の役割が明確となった制度に移行したと認識しているところであります。
     そこで、以下、数項目についてお尋ねしていきます。  まず、中項目1、ずばり、善住教育長にお尋ねしていきたいと思います。  細項目1、新たな教育委員会制度となり、改めて教育長の立場と役割とは何か、お聞かせいただきたいと思います。 5 ◯議長(西川正義君) 教育長。 6 ◯教育長(善住喜太郎君) お答えいたします。  新たな教育委員会制度は、教育の政治的中立性、継続性および安定性を確保しつつ、地方教育行政の責任の明確化、迅速な危機管理体制の構築、市長との連携の強化等を図ることなどを目的としたものです。  新制度における教育長は、これまでの教育委員会の会議を主催し、教育委員会を代表していた教育委員長の役割と、教育委員会の権限に属する全ての事務をつかさどるとともに、事務局の事務を統括し、所属の職員を指揮・監督していた教育長の役割が一本化されたものとなり、教育長が教育行政の第一義的な責任者の立場に立つことが明確になったと認識しております。 7 ◯議長(西川正義君) 安藤君。   〔8番(安藤 博君)登壇〕 8 ◯8番(安藤 博君) ありがとうございます。  この部分については、既に教育委員会の条例改正のときに、当局からご説明を受けました。これまで形骸化しているとやゆされるような教育委員会について、大津のいじめ事件を契機に、新たな教育委員会制度に移行したというように認識しているところであります。  教育長として、これから発揮していただくということですので、今しがたご答弁いただきました教育委員会の立場と役割というものを踏まえた上で、次の細項目2です。既に教育長として2カ月が経過いたしましたが、学校教育、家庭教育、社会教育、そして文化財に関しての彦根市の教育行政に係る方針についてお聞かせいただきたいと思います。 9 ◯議長(西川正義君) 教育長。 10 ◯教育長(善住喜太郎君) 本市の教育行政方針について、私なりに考えたことをお話させていただく機会を与えていただき、ありがとうございます。  まず、学校教育につきましては、子どもたち一人ひとりの力を伸ばし、生きる力を育むということを柱とし、未来をつくる力、確かな学力、豊かな人間関係を育む教育を推進してまいります。  1点目は、未来をつくる力を育むことです。まず、相手の立場や多様な価値観を認め、尊重し、行動できる人間関係形成能力の育成を目指し、国際理解教育の推進、英語教育の充実、キャリア教育の推進等を図っていきたいと考えております。また、自ら課題を設定し解決するプロセスを通して、新たな価値を創造する力の育成を目指した主体的・共同的に学ぶ学習、いわゆるアクティブラーニングの推進にも取り組んでいきたいと思います。そして、これらを進めるために、これまでから取り組んでこられたESD、持続発展教育を引き続き進めていきたいと考えます。  加えて、たとえどのような未来が子どもたちを待ち構えているにせよ、それを乗り越える際に必ず必要になるのが体力、そして心身の健康です。何より元気な子どもに育てていきたいと思います。  2点目は、確かな学力を育むことです。学校はやはり勉強するところだと思っています。子どもたちが勉強し、学力をつけることは、間違いなく親や地域の願いです。学校の果たすべき役割に対しひたむきに取り組んでいきたいと考えています。また、子どもたち一人ひとりの教育的ニーズに応じた支援を進めるため、特別支援教育の充実についてもあわせて図っていきたいと思います。  3点目は、豊かな人間関係を育むことです。いじめによる自殺を初め、子どもたちをめぐる不幸な事件の記事が新聞に載っていない日はないのではないでしょうか。引き続き、いじめ、不登校、問題行動の未然防止、早期発見、適切な対応ができる体制づくりを進めたいと考えますし、その基盤となる子どもたちの豊かな人間関係と人権意識、規範意識の育成に努めたいと思います。  最後に、4点目は、以上3点を実現できるような教職員の指導力の向上と学校支援体制の充実を図ることです。家庭教育と手を携えながら、子どもたちが安心して楽しく学校生活を送り、家庭・地域から信頼される特色ある学校づくりを推進し、知・徳・体の調和のとれた心豊かでたくましい人間の育成をともに目指したいと考えております。  次に、障害学習、社会教育につきましては、学びの成果を発揮した社会総がかりでの教育支援活動による地域の教育力の向上、公民館を核とした社会教育活動の充実、および地域に根づいた科学教育環境の提供が重点であると考えており、そのためにも図書館は大切にしたいと考えております。  また、第79回国民体育大会を契機として、生涯スポーツの広がりにも取り組んでまいります。  さらに、文化芸術環境の充実、文化芸術活動を担う次世代の育成支援、市民の交流と主体的な文化芸術活動の推進など、文化芸術活動の振興を図ってまいります。  最後に、文化財につきましては、特別史跡彦根城跡を初め、彦根市内に伝わる指定登録文化財の適切な保護を図るとともに、歴史と伝統を活かし、文化の香り高いまちづくりを進めるために、文化財の効果的な活用を図りたいと考えております。また、彦根城につきましては、関連資産等を加えて世界遺産の登録を実現してまいりたいと考えております。 11 ◯議長(西川正義君) 安藤君。   〔8番(安藤 博君)登壇〕 12 ◯8番(安藤 博君) ありがとうございます。  今、彦根市の教育行政に対しまして、3点の教育長の方針についてお示しいただきました。前教育長が進めてこられましたことも踏襲しながら、新たな教育行政を担っていかれるということです。  再質問させていただきます。  まず、生きる力とおっしゃったと思います。彦根市においても、鳥居本小中一貫教育の中で、特区申請して、ネイティブな英語教育を実践しておられます。そういうことからしますと、国際競争力をつけていただくためにも、語学、特に英語力については、私たち議会の議員の皆さんも、過去、多くご質問をなさっている案件です。まずは英語教育について示されましたので、具体的にどのような方向性に結びつけようとしているのか。その方針から見出せるものについてお示しいただきたいと思います。 13 ◯議長(西川正義君) 教育長。 14 ◯教育長(善住喜太郎君) ご承知のように、小学校では既に英語活動が導入の運びとなっておりますし、本市におきましては、鳥居本で小中一貫教育を進める中で、小学校から中学校の9年間を一貫した見通しを持った系統的な教育というのが取り組むべき課題の一つになっております。特に鳥居本小中一貫教育の中で、英語を小学校から中学校の9年間を見通してどのように指導していったらいいのかということを、現在、先進的な研究を進めていただいているところで、その成果と効果あるいは手法を彦根市内の他の小・中学校にも広げていって、本市における英語教育の振興を図りたいと考えているところです。 15 ◯議長(西川正義君) 安藤君。   〔8番(安藤 博君)登壇〕 16 ◯8番(安藤 博君) また機会があるところで、具体的にお聞かせいただきたいと思います。  もう1点、方針の中で、新たな教育委員会制度ができた背景は、先ほども申し上げましたが、大津のいじめ問題に端を発していると記憶しています。豊かな人間関係をおつくりになりたいとおっしゃいました。その中で、いじめ問題に対しても適宜対応していくという方針を示していただきました。新たな教育委員会制度におきましては、旧の教育委員長と教育長の責任の所在が明らかになっていないとか、市長部局との関係に対してどうなのだろうかとか、いろいろな問題があった中で、いじめ問題が発生してしまえば、待ったなしで対応をされなければいけないし、次善の策も講じていかなければいけませんので、豊かな人間関係をつくる中で、いじめ問題についての教育長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。 17 ◯議長(西川正義君) 教育長。 18 ◯教育長(善住喜太郎君) いじめ問題につきましては、教育の課題として本当に重要な問題だと考えておりますし、場合によっては、命にかかわる重大な人権問題であると考えております。そのためには、未然防止、早期対応、そしてその対応を図るべき体制づくりが大切であると考えておりまして、いじめについては、新たな教育委員会制度のもとで教育長が危機管理体制の一環として即座の対応を可能にできるようにされていることが一つ大きな対応の動きであろうと思っておりますし、同時に、重大事案等になった場合には、本市におきましては市長部局とすぐに連携して動きをとることができるような体制が新たにとられる運びとなっておりますので、そのように的確に進めてまいりたいと考えております。 19 ◯議長(西川正義君) 安藤君。   〔8番(安藤 博君)登壇〕 20 ◯8番(安藤 博君) いじめに関しての教育長のお考えにも触れさせていただきました。  次の項目に移ります。教育長としての強い決意についてお聞かせいただきたいと思います。 21 ◯議長(西川正義君) 教育長。 22 ◯教育長(善住喜太郎君) 私は、先ほども述べさせていただきました私なりの考え方に基づきまして、彦根市の教育行政方針に掲げる「ふるさと彦根に愛着と誇りを持ち、持続可能な社会を担う人づくりに努め、歴史と伝統を活かした彦根らしい文化を育む」という基本目標の達成を目指していきたいと考えております。  このため、彦根市における教育行政の歩みを継承しつつ、彦根市の教育行政全般の責任者として、これまでの教職経験を活かしつつ、誠心誠意取り組んでまいりたいと考えております。  また、彦根市の教育委員を初め、関係機関や地域の皆様のお力も借りながら、教育委員会職員の先頭に立って、教育長の職責を全力で果たしてまいる所存でございます。 23 ◯議長(西川正義君) 安藤君。   〔8番(安藤 博君)登壇〕 24 ◯8番(安藤 博君) 教育長の決意として捉えさせていただきます。彦根市の教育行政の任を担っていただきたいと思います。  次の細項目4に移ってまいります。  教育長の任期は3年でございます。一般論から言えば、期間が短いというのが印象であります。ただ、この3年という限られた期間の中で、教育長としてのビジョンとミッションについて、先ほどの方針あるいは決意のところから導いていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。 25 ◯議長(西川正義君) 教育長。 26 ◯教育長(善住喜太郎君) 教育行政方針に掲げる「ふるさと彦根に愛着と誇りを持ち、持続可能な社会を担う人づくりに努め、歴史と伝統を活かした彦根らしい文化を育みます」という基本目標をビジョンといたしまして、3年間でそこへ一歩でも近づくべく、教育行政を着実に進めていきたいと考えておりますが、その中でも、次のような目前の課題に対しては、私のミッションとして総力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。  まず、学力の向上でございます。現在、学力向上検討推進委員会において、学力・学習状況調査の分析に基づく学力向上策の検討を行っており、ここでの検討結果に基づき、学力の向上に取り組んでまいります。  次に、平成36年に開催されます国民体育大会に向けた競技力向上などのスポーツ振興です。平成28年度以降にスポーツ推進計画を策定する中で、基本理念や方針を定め、総合的かつ計画的に進めていきたいと考えております。  いずれも目前に迫った喫緊のものでありますことから、スピード感を持って取り組んでまいりたいと考えております。 27 ◯議長(西川正義君) 安藤君。   〔8番(安藤 博君)登壇〕 28 ◯8番(安藤 博君) ありがとうございます。  10月2日から今の職におつきになられたところですので、具体的なところは質問しませんが、方針、決意、ビジョン、ミッションを含めてお聞かせいただきましたので、それぞれご答弁なされたことを忠実に遂行していただくことを望んでいきたいと思っております。  次に、細項目5、先ほども教育長自ら、これまでの教育現場での経験をもとにというようなお話もいただきました。ということで、教育現場と教育委員会の関係について見解をお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。 29 ◯議長(西川正義君) 教育長。 30 ◯教育長(善住喜太郎君) お答えいたします。  学校教育法第2条によりますと「学校は、国・地方公共団体および私立学校法第3条に規定する学校法人のみが設置することができ」、同法第5条におきまして「学校の設置者は、その設置する学校を管理し、法律に定める法律の特別な定めのある場合を除いては、その学校の経費を負担する」と定められております。そして、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の第2条において、「教育に関する事務を執行する機関として教育委員会を置く」と定められております。  そのため、地方公共団体の機関であります教育委員会は、学校の設置者が有する校舎等の施設・設備や教材・教具等の維持・修繕等の物的な管理や教職員の任免、その他身分の取り扱いや服務監督等の人事管理、学校の組織編成や教育課程、学習指導、教科書、その他教材に取り扱い等の運営管理を行います。  しかしながら、教育活動においては、学校の自主性や創意工夫を尊重する必要性がありますし、多岐にわたる学校の活動全てを教育委員会が直接管理・執行することは困難でありまして、教育委員会の職務の一部分を学校という教育機関の長である校長に処理をさせているところです。  以上のことから、基本的な方針を教育委員会が定め、学校の運営管理について指導し、学校においてはその方針を受け、それぞれの地域の特色や学校の独自性を活かした具体策に基づいて教育活動を進めるという関係であると考えております。 31 ◯議長(西川正義君) 安藤君。   〔8番(安藤 博君)登壇〕 32 ◯8番(安藤 博君) この質問の項を立てさせていただいたのは、世間一般論で申し上げるならば、教育委員会そのものが形骸化している。いじめ問題にしろ、さまざまな学力向上の問題にしろ、映画の文句ではありませんが、実際は現場で起こっていることですので、34校園全てを教育委員会で、そして教育委員会事務局で把握するというのはやはり困難である。そのために、校長先生に権限移譲されているというようなことです。  そういったことからしますと、特に校園長会議、月に1回、定期的に開催されていると思っておりますが、その校園長会議だけでは教育現場の全てを把握できるとは言いづらい部分がありますので、教育現場の声をどのように酌み取っていくのか。教育委員会と教育現場との関係、今ご答弁いただいた部分も含めて、どのように情報収集などをされようとしているのか。再質問させていただきたいと思います。 33 ◯議長(西川正義君) 教育長。 34 ◯教育長(善住喜太郎君) 10月に就任しましてから、特に小・中学校へは人事訪問で全ての学校を訪問し、校長とも面談して、各校の課題や取り組みをお聞きいたしております。私の考えも話しながら、意見交換をしてまいりました。  また、11月には、幾つかの学校で研究発表大会が開催され、私も学校を訪れ、子どもたちが一生懸命学習に向かう姿を見て、各校での確実な実践の手ごたえを感じたところでございます。  実態を把握するためには、私自身が現場に行って、成果や課題を直接確認できるに越したことはございませんが、やはり校園長会議だけでということは、当然、情報収集は十分なものであるとは思っておりませんので、タイムリーな情報収集のためには常々現場と教育委員会の連絡をいろいろなルートで密にするとともに、学校の取り組みや子どもの様子を載せた、例えば学校通信など学校が発信している情報をもっと教育委員会に入れるようにして、それをしっかり見ていくというようなことも必要ではないかと考えております。  また、情報収集にはこちらからの積極的なコミュニケーションも欠かせませんので、学校の職員だけでなく、学校の情報は学校の教員あるいは校長にだけあるものではないと思いますので、保護者や地域との連携もより深めるために、彦根市PTA連絡協議会の皆様や各団体の方々からも子どもたちの実情や教育に関するお考えを聞いていきたいと考えております。 35 ◯議長(西川正義君) 安藤君。   〔8番(安藤 博君)登壇〕 36 ◯8番(安藤 博君) 申しわけないです。僕の再質問の仕方が悪かったので、後ほどのご答弁にも触れられていると思います。わかりました。いずれにいたしましても、教育委員会と教育現場の温度差をなくす、距離を縮める、そういったことについて、教育長を先頭に努めていただきたいと思っております。  次に、6点目、教育委員会と教育現場の役割についての見解をお聞かせいただきたいと思います。今しがた、教育委員会と教育現場との関係性についてはお聞かせいただきました。それぞれ役割が異なっておりますので、明確に見解をお示しいただきたいと思います。 37 ◯議長(西川正義君) 教育長。 38 ◯教育長(善住喜太郎君) さきにもお答えいたしましたように、学校と教育委員会との関係は、大きな方向性は教育委員会が定めながらも、学校が特色を活かし、教育活動を進め、教育委員会がサポートするということが大切であります。  教育委員会の役割は、学校現場を支えるとともに、総合教育会議で市長と協議を行い、市長が定める教育・学術および文化の振興に関する総合的な施策の大綱にも基づき教育行政方針を作成するとともに、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第21条に定められております事務内容について運営管理を行うことであります。  学校におきましては、教育委員会の方針を受け、学校教育に関する内容について、学校の特色を活かし、より具体的な方策を検討し、保護者や地域と連携しながら児童・生徒の教育に当たり、彦根市の教育行政方針の基本目標の実現を図ることが役割であると考えます。  そのため、私は教育長として学校現場の実情を学校訪問やヒアリング、指導主事の派遣等により常に把握するとともに、校長の学校経営方針を尊重しながら、その教育目標の達成に必要な物的・人的支援を行うことができる環境づくりに努めるなど、学校現場を大切にし、教育委員会と学校の信頼関係を強め、学校の教育活動が成果を上げることができるように学校をサポートする。これも私と教育委員会の役割であろうと考えております。 39 ◯議長(西川正義君) 安藤君。   〔8番(安藤 博君)登壇〕 40 ◯8番(安藤 博君) ありがとうございます。  それでは、細項目7、善住教育長は、中学校、高等学校の教育現場を経験され、また滋賀県教育委員会でも経験をされています。そこで、教育現場の経験から見た課題とは何か。人・物・金の観点も含め、お聞かせいただきたいと思います。 41 ◯議長(西川正義君) 教育長。 42 ◯教育長(善住喜太郎君) 彦根市内の小・中学校は、各学年が単級で全校でも100人に満たない小規模の学校から、全校で800人を超える大規模の学校まで、学校規模も地域の状況もさまざまで、各学校の教育課題も多岐にわたっているのが現状でございます。そのような中、校長のリーダーシップのもと、その課題解決に向けて先生方が一生懸命取り組んでいただいています。  私のこれまでの教育現場の経験を踏まえ、市全体の課題と考えますのが、まず学力についてであります。彦根市では、平成27年度全国学力・学習状況調査の結果は、市のホームページで公開されておりますが、全ての教科で全国平均を下回るという大変厳しい状況であり、大きな課題と考えております。  2点目は、いじめ問題への対応です。いじめはどの学校にも、どの子にも起こり得るものではありますが、日々の子どもたちの心を育む生徒指導の一層の充実によりその深刻化を防ぎ、子ども自身が自分たちの問題として解決することができるような力を育む必要があると考えております。  3点目は、特別支援教育の充実です。特別支援学級に在籍する児童・生徒は年々増加しており、彦根市においてもここ10年で約1.6倍になっております。また、通常の学級に在籍し、発達障害等により個別の支援を必要とする子どもたちも年々増加しております。障害のあるなしにかかわらず、子どもたちがともに学ぶ環境づくりを構築していくこと。また、それぞれの児童・生徒に応じた指導・支援の充実を図っていくことが、特別支援教育における課題であると考えております。 43 ◯議長(西川正義君) 安藤君。   〔8番(安藤 博君)登壇〕 44 ◯8番(安藤 博君) 次の細項目ですが、教育現場の実態を把握する方法については、先ほどの再質問の中で触れられてわかりましたので、割愛させていただき、細項目9の問題解決に向けた方策についてに移っていきます。  現場の実態把握により課題が見えてくると考えておりますが、課題解決に向けた方策は何なのでしょうか。組織や手法などについてお尋ねいたします。 45 ◯議長(西川正義君) 教育長。 46 ◯教育長(善住喜太郎君) 先ほどのご質問でお答えしました私が考えます課題について、それぞれ解決に向けた方策を述べさせていただきます。
     まず、1点目の学力についてですが、全国学力・学習状況調査の結果から、小学校2年生から4年生の学習内容の定着が不十分であることが見えてきましたので、まずはこの部分に指導力を強化する手立てをしていきたいと考えております。また、学力をつけるためには落ち着いて学習に取り組むことができる環境や家庭学習の習慣が非常に大切だと思います。小学校1年生から子どもたちが学習規律を身につけることができるよう、外部人材の有効活用も含め、できるだけ多くの大人が子どもの教育にかかわることができるようにしてまいりたいと考えております。  2点目のいじめ問題への対応については、現在、教育委員会事務局内に学校支援室を設け、学校のいじめ問題を含む生徒指導上の諸問題に対し指導や助言を行っておりますが、引き続き関係機関とも連携を深めながら、いじめの未然防止・早期発見、適切な対応に努めてまいります。また、子どもたち自身のいじめをなくしたいという思いをサポートし、子どもたちが計画して取り組むことができる活動を積極的に支援するとともに、保護者や地域の方々とも連携し、多くの目で子どもたちを見守ることができるよう啓発を進めてまいります。  3点目の特別支援教育の充実については、どの学校でも、障害のある子も、障害のない子もともに同じように学ぶことができる環境づくりと、それぞれの障害の特性に応じた教育を進めることができるよう、教員の特別支援教育に対する研修を充実させてまいります。  もう1点、追加させていただきます。これらの基盤になりますのが教員の人材養成・育成という対応策でございます。今まで述べた三つの課題を解決するための基盤ともなると考えます。現在、市や県で教員の資質向上に向けた研究会を開催しておりますし、各学校でも校内研修を行っていますが、本市の教員年齢構成は20代から30代の山と50代ごろの山と二つの大きな字型をなしておりまして、特に若い教員が現場での実践経験が必要であり、それが何より必要でございます。各校でベテラン、中堅、若手の教員それぞれがお互いに学び合う仕組みをさらに充実させ、指導力の向上を図っていきます。  特に私が一番大切なのは、いい授業を見るということではないかと思っております。そこで、教員が学校内外のいい授業を自分の目で見て考えることができる研修体制の構築を図っていきたいと考えております。  以上、4点の対応策をお話させていただきました。 47 ◯議長(西川正義君) 安藤君。   〔8番(安藤 博君)登壇〕 48 ◯8番(安藤 博君) 時間の関係で、次の質問に移ります。  細項目10、障害のある児童・生徒の教育現場の整備についてお尋ねするものであります。  ハートビル法の観点から、学校施設は障害者に対応したものでなければならないと考えております。これまで学校の増改築や新築時に対応していただいておりますが、残念ながら全ての学校が対応していないのが実情であります。この質問については過去幾度となくしておりますけれども、積極的に計画的な施設改修をする考えがおありなのか、お聞かせいただきたいと思います。 49 ◯議長(西川正義君) 教育長。 50 ◯教育長(善住喜太郎君) 彦根市内の小・中学校全てが、障害のある方に対応した施設とはなっていないことは、議員のご指摘のとおりでございまして、教育委員会としましては、入学してくる児童・生徒一人ひとりの障害の状況に対応した最も適した施設となるよう、保護者の方と学校が十分相談した上で、その都度、学校施設の改修を行うという方針により対応しております。  彦根市内の小・中学校の現状でございますが、バリアフリートイレについては各校1カ所以上設置し、一部の洋式トイレや階段には手すりを設置しておりますし、個々の状況に応じた対応として階段手すりを両側に設置しております。また、車椅子での移動に支障を来す玄関、昇降口または体育館入り口にはスロープを設置してまいりましたし、階段を昇降できる階段昇降機は2台購入して、急な対応に備えております。さらに、近年、新築、改築および増築を行った小・中学校にはエレベーターを設置しております。  各学校施設を障害のある児童・生徒に配慮した施設に改修していくためには、多額の予算が必要となりますことから、先ほど申し上げましたとおり、入学してくる児童・生徒の状況に応じた施設改修を優先して行っていくとともに、今後必要となってきます大規模な改修や改築の際には、障害のある児童・生徒に対応した施設としてまいりたいと考えております。 51 ◯議長(西川正義君) 安藤君。   〔8番(安藤 博君)登壇〕 52 ◯8番(安藤 博君) ぜひともこの部分については、新たな教育制度に変わりまして、総合会議には首長も出席されます。予算がともなってきますので、しっかりと予算要求をしていただきながら、適時進めていただければと思います。  次に、細項目11、教育現場と教育委員会が同じベクトルであったとしても、家庭や地域に教育長の方針が理解されていないと前には進めないと考えます。  そこで、家庭や地域への周知の方法についてお聞かせいただきたいと思います。 53 ◯議長(西川正義君) 教育長。 54 ◯教育長(善住喜太郎君) 子どもたちの教育には、議員のおっしゃるとおり、家庭や地域の連携協力は欠かせません。ご指摘のように、教育委員会の方針を保護者や地域の方々に理解いただくことが確かな連携になってまいります。  そのため、本年度ですと、年度当初に、「未来のふるさと彦根を担う人づくりを目指して」というタイトルの教育委員会の方針や取り組みを紹介したリーフレット、また「彦根の子どもに確かな学力を」というタイトルで学校と家庭、地域の協力を訴えたリーフレットを、学校を通じて全保護者に配布し、市のホームページにおいても市民の皆様にお伝えしております。また、「広報ひこね」5月1日号では、教育についての巻頭特集により、広く市民の皆様に教育委員会の方針についてお知らせしたところです。  今後とも、市のホームページの充実を図り、教育委員会の方針を保護者や地域の皆さんにお伝えするなど、さまざまな媒体により教育委員会や学校教育の方針や取り組みについて情報発信を積極的に行って、教育委員会、教育現場、家庭、地域が同じベクトルで取り組んでいけるよう努めてまいりたいと考えております。 55 ◯議長(西川正義君) 安藤君。   〔8番(安藤 博君)登壇〕 56 ◯8番(安藤 博君) ぜひともよろしくお願いします。教育長の業務の中で、さまざまな会議体にご出席され、ご挨拶をされる機会があろうかと思います。その機会を通じまして、広く教育長の考えを示していただければと思っております。  次の細項目に移ります。この質問は何回もしているので、本当はやりたくないのですが、どうしてもしなければならないと思っていますので、改めて項を立てさせていただきました。6月議会から二度にわたってこの質問を行っているわけですが、教育委員会は議会として全会一致で採決した請願に対しての認識が浅い答弁であったかと思っておりますので、あえてお尋ねするものであります。  全会一致で採決した彦根市内にホッケー専用のプレイフィールドの整備を求める請願に対する教育長の考え方について、教育長の見解をお尋ねするものでございます。 57 ◯議長(西川正義君) 教育長。 58 ◯教育長(善住喜太郎君) 平成26年9月議会定例会において、ホッケー専用プレイフィールドの整備を求める請願が採択されましたことは、私も重く受けとめているところです。教育委員会としましては、ホッケーを初めとするスポーツ競技を取り巻く状況を踏まえ、将来的なスポーツ振興の方向を見据えつつ、社会体育施設の総合的・計画的な整備を図っていく必要があると考えております。  その中で、ホッケー専用プレイフィールドの整備につきまして、整備事業費等により検討した結果、現段階では市民体育センターの建設が最優先事項であることを再確認し、ただちに整備を進めることは困難であるとの考えに至りましたが、国体後の課題の一つであると認識しております。 59 ◯議長(西川正義君) 安藤君。   〔8番(安藤 博君)登壇〕 60 ◯8番(安藤 博君) 非常にお金のかかるものですので、この請願の願意、そして項目を踏まえて、教育委員会としてよろしくお願いします。  次の項目であります。今しがたもホッケーについての話をしていただきましたけれども、この細項目も前の質問と同様ですが、教育長の見解を求めたいと思っております。  この質問は、彦根南中学校ホッケー部の練習場所としてお尋ねしていますが、この問題に取り組む教育委員会の姿勢に対して質しております。彦根南中学校ホッケー部の練習場所という限定的なものではなく、このことから各中学校の部活に対する教育委員会あるいは教育長の考え方をお聞かせいただきたいと思っております。  そこで、私も初めてさせていただきます。議会事務局の方につくっていただきました。お示しいただいておりますけれども、彦根南中学校の給食配膳の部分です。ここに給食配膳車がございます。過去の質問でも申し上げましたけれども、彦根工業高等学校のご厚意によって、人口芝を提供いただきました。夏の熱い時期だったと聞いておりますが、保護者の皆さんが重機などもお使いになって、練習場所として人工芝を敷き詰めておられます。練習するときは、画面の左のところも全て人工芝が張られていたようですが、ごらんのとおり、相変わらず給食配膳車は人工芝の上を通っています。こんな状況で、せっかく彦根工業高等学校からいただいたものの使い方として本当にいいのか。ホッケーをされている競技者からすると、人口芝の上を車が通っていくというのはどういうものなのか。当該の校長先生にもお尋ねしました。ここだけでは足りないので、自転車置き場にも人工芝を敷いて、練習されています。練習の仕方にもよるのでしょうけれども、ある程度危険なことにならないかと危惧していたところです。  そんなことから、人口芝での練習について、彦根南中学校を訪れた方はご存じだと思いますが、門扉をくぐって左側に職員の駐車場がありますけれども、そこにある程度つくればいいのではないかと考えております。この質問項目は質問の仕方がまずかったのですが、移動してはいかがかと考えているということで、教育長の見解をお聞かせください。ただし、たまたまかもわかりませんが、現在はこういう形で移動もされています。職員の駐車場であったところです。右手側がプールで、これはプール側から見たところです。いずれにしましても、これだけでは練習環境としては完璧という形にはなっておりません。防球ネット等も含めてお考えいただきたいと思いますが、教育長の見解についてお聞かせいただきたいと思います。 61 ◯議長(西川正義君) 教育長。 62 ◯教育長(善住喜太郎君) 写真を見せていただいてよくわかりました。お答えをさせていただきます。  彦根市内の中学校では、限られた敷地の中で、それぞれのクラブが譲り合いながら工夫を凝らして活動しており、南中学校ホッケー部も同様の状況であります。議員ご指摘の駐車場については、西側には県道が通っておりますし、北側には地元消防分団の倉庫や民家がございます。硬いホッケーのボールが駐車場から外に出た場合、歩行者がけがをしたり、自動車や隣接する建築物を破損するおそれもあります。校門横の駐車場は生徒の動線に近く、ボールが生徒に当たる危険性もあることから、ホッケー部の練習場には余りふさわしくないと考えております。  南中学校ホッケー部の練習場所については、ハンドボール部とグラウンドを共有しながら練習しているほか、隣接する城陽小学校のグラウンドや農村環境改善センターのグラウンドを借用するなど、学校で工夫を凝らして確保に努めており、一定の練習場所は確保できているのではないかと考えております。  さらに、9月議会で教育部長がお答えしております市内の民間施設の借用につきましては、その施設から既に内諾を得ることができまして、利用に向けて調整をしているところであり、人口芝の練習環境の確保に努めております。  部活動の教育的な価値は大きなものがあると考えておりまして、教育委員会といたしましても、できる限り、それを支えていきたいと考えておりますので、ご理解いただきますようよろしくお願いいたします。 63 ◯議長(西川正義君) 安藤君。   〔8番(安藤 博君)登壇〕 64 ◯8番(安藤 博君) 教育委員会事務局からそういったレクチャーもされていると思いますので、教育部長を含めて、この件についてはしっかりと前へ進めていただきたいと思います。また、3月など、そういったときにもお伺いさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。  それでは、細項目14、社会教育関係からお尋ねしたいと思います。湖東定住自立圏構想の中でも議論されておりますが、図書館ネットワークの構築と拠点図書館の整備を行うことが総合計画でうたわれております。新たな図書館整備の考え方についてお示しいただきたいと思います。 65 ◯議長(西川正義君) 教育長。 66 ◯教育長(善住喜太郎君) 彦根市における新たな図書館の整備につきましては、これまでからご答弁申し上げておりますとおり、平成25年3月に湖東圏域内図書館整備等検討委員会がまとめられた「湖東圏域内における望ましい公共図書館整備のあり方について」の報告書等をもとに、今年度設置した図書館協議会の中でご協議いただき、議員の皆さんから頂戴したご意見等を参酌した上で、市長の任期期間中に図書館整備基本計画を策定し、続いて、次のステップへつなげていけるよう努めてまいりたいと考えております。  図書館整備を進めていくに当たっては、検討委員会の報告書を尊重しつつ、各方面の方のご意見をお聞きしながら、彦根市にとって望ましい図書館を整備していくことが肝要であると考えております。 67 ◯議長(西川正義君) 安藤君。   〔8番(安藤 博君)登壇〕 68 ◯8番(安藤 博君) ありがとうございます。  それでは、細項目15、この項の最後に移ります。教育長もご存じのとおり、彦根城は1993年の世界遺産登録の暫定リストに登録されて以降、実現に向けて取り組んでまいりました。その上で、9年後に開催されます国体の主会場整備も推進しているところでありますが、世界遺産登録にはハードルが高くなった状況であります。この件について教育委員会だけで答えが導き出せないのは承知しておりますが、教育長の国体にかかわる競技場新設と彦根城世界遺産登録の考え方についてお尋ねいたしたいと思います。 69 ◯議長(西川正義君) 教育長。 70 ◯教育長(善住喜太郎君) 彦根城の近くに大規模な施設が建設されることは、世界遺産登録の実現に少なからぬ影響を与えると認識しております。しかしながら、国体の開催に向けて競技場を新設することが決定された以上、その決定を踏まえて、国体と世界遺産登録とを両立させていく必要があります。  競技場の建設に当たっては、高さ、デザイン、容積などを工夫していただいて、彦根城のよさを引き出し、彦根ならではの歴史や文化遺産を後世に伝えていけるような施設にしていただき、彦根市での国体を成功できるようにしたいと考えております。ご理解、ご協力賜りますようよろしくお願い申し上げます。 71 ◯議長(西川正義君) 安藤君。   〔8番(安藤 博君)登壇〕 72 ◯8番(安藤 博君) 新教育長の善住教育長には、市民の方からの期待もあると思いますので、ぜひよろしくお願い申し上げます。  それでは、大項目2に移ります。  去る11月18日に彦根商工会議所正副会頭と市議会議員との懇談会が開催され、出席させていただきました。懇談内容は、まち・ひと・しごと総合戦略を踏まえて、意見交換をさせていただいたところであります。正副会頭も出席され、議員も有意義な懇談会だったと感じております。  さて、10月末日の彦根城入城者数は53万2,227人で、年度末には昨年度の74万1,246人と同様、またはそれ以上の入城者数になるのではないかと期待しております。この彦根城入城者数が彦根市内への観光客数ではありませんが、今後の彦根市の観光行政を語るには、外国人観光客の誘客は外せないと考えます。  日本政府観光局によりますと、2003年の訪日外国人の総数は521万人で、うちアジアは351万人でした。以降、東日本大震災の影響で一時減少したものの、2014年は総数1,341万人、アジアからは1,081万人となっており、この数値からもアジアにアプローチすることが求められると思います。  先日、マレーシアを訪れる機会があり、関西空港への帰国便の3分の2は外国人が搭乗されていました。日本の玄関口までは多くの外国人が来られており、その玄関口から大阪、京都を越えて、いかに彦根へ誘客するかが鍵だと考えております。  そこで、彦根のインバウンド戦略について質問させていただきます。  中項目1として、彦根商工会議所正副会頭との懇談会でも取り上げておられましたが、近江インバウンド推進協議会に関して、以下、質問させていただきます。  細項目1、彦根市も参画している近江インバウンド推進協議会の設置目的は何か、お尋ねいたしたいと思います。 73 ◯議長(西川正義君) 産業部長。 74 ◯産業部長(西川利樹君) 近江インバウンド推進協議会は、彦根商工会議所が近江八幡商工会議所や米原市、愛荘ならびに犬上4町の商工会などを構成員として9月30日に設立された民間の組織であり、同協議会の規約によりますと、その設立目的は、「圏域の歴史や伝統に裏打ちされた戦略的ストーリーを効果的に発信し、世界から選ばれる魅力ある観光地づくりを推進するため、経済団体等の主体的な連携と日本政府観光局事業の効果的活用により、訪日外国人旅行者の誘客に取り組み、圏域経済の発展に資すること」とされております。 75 ◯議長(西川正義君) 安藤君。   〔8番(安藤 博君)登壇〕 76 ◯8番(安藤 博君) 次の細項目でありますが、本協議会での行政の役割についてお尋ねしたいと思います。 77 ◯議長(西川正義君) 産業部長。 78 ◯産業部長(西川利樹君) 今ほどのご質問でもお答えしましたとおり、近江インバウンド推進協議会は、経済団体等民間での主体的な連携により取り組みを展開される組織であるため、行政は構成員には含まれておりません。しかしながら、観光振興は官民が一体となってまちづくりの一環として戦略的に推進する必要がありますことから、同協議会が取り組まれる外国人観光客の誘致事業等において、本市が策定を予定している彦根市観光振興計画との整合性が図れる事業につきましては積極的に連携してまいりたいと考えております。 79 ◯議長(西川正義君) 安藤君。   〔8番(安藤 博君)登壇〕 80 ◯8番(安藤 博君) ぜひとも積極的な連携をお願いしたいと思います。  細項目3、協議会ではDMO、つまり着地型観光のプラットホーム組織を目指しておられますが、日本は行政、観光業者、地域住民の思惑で分断される現状があるとされております。そこで、近江インバウンド推進協議会をプラットホーム組織にするための課題は何か、お尋ねいたします。 81 ◯議長(西川正義君) 産業部長。 82 ◯産業部長(西川利樹君) 国は地方の観光振興の課題として、地域の稼ぐ力を引き出す仕組みの必要性を掲げ、観光産業事業者だけでなく、農林漁業や商工業、文化、スポーツ、環境など、地域の多様な関係者や住民と協働しながら、観光地経営の視点を持って、明確なコンセプトに基づく観光振興戦略を着実に実施する調整機能を備えた法人、これをDMOとして登録し、関係省庁が連携して支援していくこととしております。  DMOとしての登録には、大きく五つの要件があり、1、DMOを中心として観光地域づくりを行うことについての多様な関係者の合意形成、2、継続的なデータ収集と戦略の策定、数値目標の設定と管理、PDCAサイクルの確立、3、関係者が実施する観光関連事業と連略との整合性に関する調整、仕組みづくり、4、組織の法人化とデータ分析に係る専門人材の確保、5、安定的な財源の確保とされています。  近江インバウンド推進協議会は、周辺地域と連携した広域に及ぶ組織であるため、関係者も多く、DMO登録の一つ目の要件である多様な関係者の合意形成が最も重要であり、各地域が策定している観光振興に関する計画や関係団体の既存事業との整合も必要になるかと考えております。また、五つ目の要件である安定的な財源確保、さらには各観光協会との役割分担や近江インバウンド推進協議会のエリアにある市町のコンセンサスを得ることが、継続した活動をされる上での課題になるのではないかと考えております。 83 ◯議長(西川正義君) 安藤君。   〔8番(安藤 博君)登壇〕 84 ◯8番(安藤 博君) 部長がご答弁されましたとおり、この協議会が9月末からスタートしております。あくまでも民間の協議会ではありますけれども、行政の役割は非常に大きいと思いますので、課題については、データ収集を含めて、行政としての分析をしっかりとやっていただきたいと強く要望しておきたいと思います。  それでは、中項目2、外国人観光客の誘客は、彦根市の観光戦略でも優先順位が高いと考えております。  そこで、以下、質問いたします。  細項目1、過去1年に彦根市にお越しになった観光客のうち外国人は何名ぐらいだったのか、お聞かせください。 85 ◯議長(西川正義君) 産業部長。 86 ◯産業部長(西川利樹君) 平成26年の本市への来訪者300万7,400人のうち外国人観光客の方々は4万416人です。 87 ◯議長(西川正義君) 安藤君。   〔8番(安藤 博君)登壇〕 88 ◯8番(安藤 博君) 4万416人ということですが、このデータはどういうところから導き出されているのか、お聞かせいただきたいと思います。 89 ◯議長(西川正義君) 産業部長。 90 ◯産業部長(西川利樹君) 外国人の方々4万416人ですけれども、平成26年1月から12月のカウントです。各施設におきまして、窓口対応といったところで、外国人であるかどうかを把握させていただき、各施設で集計しております。 91 ◯議長(西川正義君) 安藤君。   〔8番(安藤 博君)登壇〕
    92 ◯8番(安藤 博君) ということは、この4万416人以外にカウントできていない方々がいらっしゃる可能性があるという認識でよろしいですか。 93 ◯議長(西川正義君) 産業部長。 94 ◯産業部長(西川利樹君) 議員がおっしゃられましたとおり、それ以上になるかと思います。 95 ◯議長(西川正義君) 安藤君。   〔8番(安藤 博君)登壇〕 96 ◯8番(安藤 博君) 細項目2、日本政府観光局のデータからも読み取れるように、訪日外国人は年々増えております。特にアジアの方々を誘客する手立てを講じる必要があると考えますが、大阪や京都の壁、宿泊施設や多言語対応などの外国人観光客を誘客する課題と実情についてお尋ねいたします。 97 ◯議長(西川正義君) 産業部長。 98 ◯産業部長(西川利樹君) 外国人観光客を誘致する上での課題といたしましては、既に急増しております外国人観光客の受け入れ環境の整備を急ぐ必要があると認識しており、昨年度より設置を進めております公共施設への公衆無料Wi-Fi設備を拡充するとともに、既存の多言語観光パンフレット以外にも、例えば多言語表記されたレストランガイドのような新たな観光パンフレットの作成や、現在、日本語と英語で運用しております彦根観光協会のホームページの中国語や韓国語対応についても検討する必要があると考えております。  なお、受け入れ環境を整備する上で、民間の宿泊施設や飲食店などの協力は不可欠であることから、彦根観光協会の各部会などを通じて外国人観光客受け入れに対する理解を深めていただき、無料Wi-Fiの設置やメニューの多言語化、クレジットカードの取り扱いなどを促進してまいりたいと考えております。  また、受け入れ環境整備と並行して、積極的な誘致プロモーションも必要であることから、長浜市、米原市と連携して取り組んでおりますびわ湖・近江路観光圏活性化協議会においても、今年度、インバウンド戦略を策定し、東アジア市場を想定した海外プロモーション展開についても検討いたしております。 99 ◯議長(西川正義君) 安藤君。   〔8番(安藤 博君)登壇〕 100 ◯8番(安藤 博君) 今も触れていただきましたけれども、多言語の部分については、私たちが海外に行ったときに、やはり困るのは言葉でありますので、例えば空港やホテルなどに日本語の表記があると非常に安心しますので、その逆と考えれば、多言語対応というのは喫緊の課題であると思います。これについてはそうそう予算も要らないと思いますので、順次進めていただきたいと思います。  それと、Wi-Fi環境については、海外へ行っても、おおよその都市では整備できているのです。お金が幾らかかるのかを気にしながらの観光なんて全然おもしろくも何ともないので、彦根に来たら、フリーWi-Fi環境が整っていますというところも一つのPRだと思います。前も質問させていただきましたが、彦根市がイニシアティブをとって、Wi-Fi環境の整備を進めていくという答弁もいただいておりますので、早急に拡大していただきたいと思います。  それでは、最後の質問に移ります。外国人観光客を誘客するためには、DMO参加団体の連携なしでは進められませんが、行政としての役割についての見解をお尋ねいたします。 101 ◯議長(西川正義君) 産業部長。 102 ◯産業部長(西川利樹君) 先ほどの質問でお答えしましたとおり、外国人観光客の誘致と受け入れについては、観光産業事業者にとどまらない多様な関係者との連携・協力が不可欠であり、それらの関係者のコーディネートを行うDMOのような組織の必要性は高いと考えております。  国が示しておりますDMOの役割と関係者との連携モデルにおける行政の役割は、観光振興計画の策定、プロモーション等の観光振興事業、インフラ整備、文化財の保護・活用、観光教育、交通政策、各種支援措置となっていることから、多様な関係者がベクトルを同じくして観光振興に取り組めるよう、本市ならではの将来ビジョンと実効性のある戦略などを定めた彦根市観光振興計画を策定し、計画に沿った事業を官民一体となって推進していくことが本市の役割であると認識いたしております。 103 ◯議長(西川正義君) 安藤君。   〔8番(安藤 博君)登壇〕 104 ◯8番(安藤 博君) ありがとうございます。行政の役割として、観光イベント事業や文化財の保護と活用、Wi-Fi整備、ライトアップ事業、多言語サイン事業、集客まちなみ整備などをDMOでは取り上げておられますので、その点について行政としての役割を果たしていただくことを求めまして、11月定例会に当たりましての質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 105 ◯議長(西川正義君) 19番奥野嘉己君。奥野君。   〔19番(奥野嘉己君)登壇〕 106 ◯19番(奥野嘉己君) 今定例会におきまして、大きく4点、質問させていただきたいと思います。  議長の許可をいただきまして、お手元に資料を配っております。まず、1ページ目、写真がずらっと並んでいる方を見ていただきたいと思います。これは11月初頭に撮影しましたJR彦根駅頭の写真になっております。  大項目1、JR彦根駅頭の観光客向け掲示について質問をいたします。  この写真を、彦根市民ではなく、初めて彦根に来られた観光客の方や市外の方がJRに乗って彦根駅に着かれたという目線で見ていただきたいと思います。  写真の1から11について、順次説明してまいります。  写真1は、改札口を出て、改札口を背後に置いて、正面を見たところの状況です。この写真はよく撮れ過ぎていまして、実際は照明が暗く、サインボードが非常に見づらい状況になっております。私が思うところの問題点は、観光客として彦根城を目指して来られた方にしてみると、「彦根城」の文字が小さく、強調されていない。反対に、目的地とは思えないような「金亀公園」が掲示されている。そのほかには、滋賀県内の小学校や中学校の行事で、総合競技場などに行かれる方に対しては、その旨の表記が全くない。一番大事なのは、観光客目線でいいますと、観光案内所の表示やピクトサインが全くない。これでは、西口に行ったらいいのか、東口に行ったらいいのかがわからないと思いました。  写真2は、改札口正面にある大型掲示板なのですが、朝の通勤・通学者が多い時間帯は隠れてしまって、全く見えません。観光客にとって、「佐和山城跡徒歩20分」とは何を意味するのか。「石田三成居城跡佐和山城跡」であれば、歴史がお好きな方だとわかると思うのですけれども、佐和山城跡だけでは全国的には通っていないのではないかと思います。上部のボンネットバスの巡回バスの掲示というのは、逆に掲示が非常に細かく書き過ぎていて、よくわからない。一べつしただけではわからない。ここは単純に、「観光案内所へ行って聞いてください」というぐらいの簡単なものでいいのではないか。  次の写真3は、左手の方に曲がって正面を見たところの写真です。再度言いますが、「彦根城」の掲示が非常に小さい。我々彦根市民が徒歩で行く場合、右手の階段に降りるというのがわかっているのですけれども、ここの掲示では左手の階段に誘導しております。この改札を出て左に曲がったところでは、観光案内所がどこにあるのかという掲示が全く見えません。非常に不親切ではないのか。写真写りが非常に悪いのですが、窓の下に「彦根城、Castle view」と書かれているのですが、赤っぽい色で見にくく、人がそこに歩かれていると見えません。先ほど言いましたけど、上部の掲示では彦根城は左手へ誘導しているのですが、下の方の掲示では右手に誘導されています。統一されていません。  写真4、窓の近くまで行きますと、ようやく観光案内所の掲示が左手階段上部に見えてまいりますが、ピクトサインのクエスチョンマークが小さいです。市外の方には意味がわかりにくい。「いらっしゃいませ館」が観光案内所よりも大きくなっている。正直なことを言いますと、私も市民なのですが、「いらっしゃいませ館」を初めて見たときには、お土産屋のことかと思いました。これは市外の人に対しては何の意味もない言葉ではないのかと思います。中国の方でも、台湾の方でも、漢字の方がまだわかりやすいので、「彦根市観光案内所」と大きく書かれていた方がいいのではないかと思いました。  写真5、「いらっしゃいませ館」、彦根市観光案内所正面なのですが、ピクトサインのクエスチョンマークが非常に小さいです。例えばフランクフルトの中央駅なんかに参りますと、1メートル角ぐらいの大きなサインボードがあって、その下に観光案内所がございます。駅へ電車が入線してきたときに、観光客が「彦根市に着いたな。どちら側に彦根城があるのかな」というときに、目線に入るようにインフォメーションのクエスチョンマークがプラットホームから見える、電車の中から見えるぐらいに大きく掲示するというのも一案ではないのかと思っております。  写真6、これは観光案内所の横にあるコインロッカーなのですが、日本語の使用案内も非常に小さくて、英語・中国語等の表示もありません。また、特に海外から来られた観光客の方が、トランクケースを預けて、彦根城まで歩いていかれるケースもあるように聞いておりますので、トランクなどが入るような大きなコインロッカーの整備などもこれからの課題ではないのかと思います。  写真7、その横にある柱に宿泊案内が日本語で書かれているのですが、宿泊のピクトサインがありますので、観光案内所の方にまとめて掲示して、ご案内された方がいいのではないか。  写真8、写真3の場所に戻ったところなのですが、階段上部に彦根城、総合競技場、彦根市役所の小さな掲示がありますが、人の影に容易に隠れる高さで見えません。先ほども言いましたように、この表示は上の電光掲示板とは逆の方向に誘導しているような形になっております。  写真9、右手階段を降りたところの柱に掲示されているのですが、ここで初めて、トイレの表示等も出てまいります。外国から来られた観光客の方に理解できるのだろうか。  写真10、少し歩いていきますと、トイレの曲がり角の表示板ですが、わざわざ「厠」という文字が書かれており、日光にさらされて非常に見づらい状況になっています。まずは、奇をてらうことなく、しっかりと案内をすることが掲示板の役割ではないかと思いました。  写真11、その表示板の表示に従って右手を見ますと、その後の表示は何もありません。どこへ行けばいいのだろうという状況になっています。  長々と写真の説明をしてまいりましたが、以下、質問に入りたいと思います。  中項目1、遠来の観光客にわかりやすく、親切な掲示を求める。  細項目1、わかりやすい大きさ、わかりやすい位置に掲示されているのか。  さきの議会などで、「ユニバーサルデザインの導入も図り、掲示には留意している」というご答弁がありましたが、現在のこのような彦根駅頭の状況を踏まえ、再度のご見解を求めたいと思います。 107 ◯議長(西川正義君) 産業部長。 108 ◯産業部長(西川利樹君) まず、議員がお示しいただきましたJR彦根駅の掲示物につきましては、市の産業部以外の部局や鉄道事業者やバス会社などさまざまな団体が所管しておりますが、観光客の利便に関するご質問であることから、産業部でお答えをさせていただきます。  ご指摘のとおり、JR彦根駅構内および西口付近の掲示物につきましては、それぞれ設置された時代も違いますことから、一部の掲示物については文字の大きさやピクトサインの使い方についての統一感がなく、初めて彦根にお越しいただいた方にはわかりくいところがございます。  今後、外国人観光客の増加が見込まれることや、国体開催に向けて彦根の玄関口としての彦根駅周辺の環境整備を考えますと、ピクトサインの採用や多言語表記などによるわかりやすい表示に努め、多様な来訪者に対応できる必要があると認識しております。  ただし、彦根駅は、JR、近江鉄道、路線バスなど公共交通機関が集中するターミナル施設でありますことから、掲示物を更新する場合においては、市の関係部局や各事業者と調整いたしまして、統一性のあるサイン表示の取り組みを進めていく必要があるものと考えておりますので、ご理解いただきますようお願いいたします。 109 ◯議長(西川正義君) 奥野君。   〔19番(奥野嘉己君)登壇〕 110 ◯19番(奥野嘉己君) ご答弁ありがとうございました。各関係団体と調整していただいて、よろしくお願いしたいと思います。  細項目2、外国人向け掲示は十分なのか。  遠路来ていただいた方をお迎えするに当たり、彦根での1日を楽しんでいただくためには、観光案内所、休憩所やトイレの場所の情報、そのほかには例えばレンタサイクルやタクシー、バス乗り場の案内、先ほど言いましたボンネットバスや近江鉄道をどのように使ったらいいのか、どこでチケットを買えるのかも含めての利用案内が必要だと思います。また、コインロッカーの使用方法の説明など、外国から遠路はるばる来ていただいた観光客の皆さんの不安感を念頭に置いた対応が必要だと思います。再度のご答弁になるかとは思いますが、もう一度ご見解をお聞かせください。外国人の観光客に絞ったご答弁をお願いいたします。 111 ◯議長(西川正義君) 産業部長。 112 ◯産業部長(西川利樹君) 外国人向けの掲示が十分であるかというご質問かと思います。  外国人観光客を対象とした案内掲示につきましては、彦根駅前の観光案内所への誘導表示など一部のサインは対応しておりますが、鉄道事業者等による掲示も含め未対応のものもございます。今ほどの質問でもお答えしましたとおり、今後、関係機関と調整の上、整理・検討していく必要はありますが、まずは英語で対応できるスタッフが常駐している駅前観光案内所へ誘導し、多言語パンフレットなどの紙媒体などを用いて、市内でのバスやレンタサイクルなどの交通情報や観光施設についての情報の提供を図ってまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。 113 ◯議長(西川正義君) 奥野君。   〔19番(奥野嘉己君)登壇〕 114 ◯19番(奥野嘉己君) お願いいたします。  細項目3、路面または天井部への誘導サインの設置検討は。  大都市の一部の駅で実施されているような、床や天井部への誘導サイン(ライン)ですが、彦根駅舎の掲示場所が限定されている状況を考えますと、一つの方法ではないかと考えます。彦根城方面と観光案内所への案内を明確に掲示する方策として、当局のご見解を求めます。 115 ◯議長(西川正義君) 産業部長。 116 ◯産業部長(西川利樹君) 路面に誘導サインや誘導ラインを表示することにつきましては、混雑時に歩行者が立ちどまることによる危険やエレベーターなどへの誘導ラインとのすみ分けが難しいこともあり、表示場所が限定されることが予想されます。  天井部の誘導サイン表示については、目的施設ごとにサインに使用する色を決めて誘導表示する方法はわかりやすい表示方法の一つであり、今後、統一した標示に更新するためには、鉄道事業者や関係機関とも協議しながら、駅舎の全体的なサイン計画の中で協力を求めていきたいと考えております。 117 ◯議長(西川正義君) 奥野君。   〔19番(奥野嘉己君)登壇〕 118 ◯19番(奥野嘉己君) 今もおっしゃいましたけど、私も写真を撮っていて感じたことなのですが、彦根駅頭に関しましては、掲示板を設置する場所が非常に制約されているのは強く感じております。適当な掲示場所が少ない中で、いろいろと工夫されて掲示自体はされていると理解しております。しかしながら、一つずつを見ていきますと、個々の掲示をすることが目的化してしまっていて、利用者からどのように見られるのかというのが少ない。それから、今もおっしゃいましたように、全体としてのデザインというか、統一感が少ないように感じられます。初めて彦根駅に到着した観光客の目線というもので、再度全体の掲示について、ご検討をよろしくお願いしたい。  次の質問に移ります。  大項目2、彦根市財政の長期見通しについて。  中項目1、高齢化による扶助費等支出増の見通しについて。  細項目1、高齢化による扶助費増等の見通しは。  議長のご了解を得た上で、配付しました2枚目、グラフ、B、C、表1がついている資料です。  まず、グラフについて説明いたします。グラフは、2014年の当市人口データとそれを10年右の方にスライドさせ、適宜高齢者死亡による減少を加味したグラフです。団塊の世代の方が10年後の2024年には後期高齢者になられますが、その時点での当市の人口ピラミッドを表現してみました。これは、現在パブリック・コメントを求められている彦根市公共施設等総合管理計画、以下、管理計画と述べさせていただきますが、それも参考として修正を加えております。このグラフでわかることは、この10年で団塊の世代のピークが後期高齢者になり、病院へかかりきりになるなどでお金が必要になる人が増えるのがわかります。もう一つ、当市の特徴としまして、二つ目のピークが現在40歳から44歳のところなのですが、25年後ぐらいには高齢者の仲間入りをします。長期的には、10年と25年前後という二つのくくりを大事にしなければいけないのがわかると思います。ポイントとしましては、2014年の65歳以上人口2万5,251人がおおよそ3万人前後になり、増加率は20%ぐらいにはなるであろうということです。  グラフBは、扶助費と65歳以上の人口の推移を見たものですが、2014年までは実績値で、それを右の方に延長していきますと、このぐらいになるのではなかろうかというグラフをつくっております。2024年に20%程度高齢者人口が増加すると予想しますと、扶助費は現在の約95億円規模が114億円に増加し、管理計画では2015年の93億円が122億円と予想されています。その中で、市単独の負担を4分の1としますと、年間、約5億円増えます。  また、さきに述べましたが、当市の場合は第2の人口ピークが65歳以上になる20年から30年後の準備をどのようにやっていくのかというのがポイントになるのではないかと思っています。  管理計画における財政見通しでは、貯金である財政調整基金を取り崩し、扶助費や介護保険事業へ対応するというご計画を示されていますが、5年後の平成32年で既に財政調整基金はほとんどなくなる予想となっております。  団塊の世代の方が全員、後期高齢者となる2024年前後というタイミングが重要と思われますので、現時点における2014年から2024年の10年間での高齢者増に対する当市の人口推定、特に65歳以上人口と高齢化による扶助費増の見通しを再度お示しください。 119 ◯議長(西川正義君) 福祉保健部長。 120 ◯福祉保健部長(川嵜 孝君) 本市における今後10年間の65歳以上の高齢者数および扶助費の推計につきましては、第6期彦根市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画におきまして、団塊の世代が75歳以上となります2025年(平成37年)を見据えて、高齢者の人口推計および介護保険事業の保険給付費を推計しておりますので、これに基づいてお答えをさせていただきたいと思います。  まず、65歳以上の人口推計につきましては、平成27年の65歳以上人口は2万5,986人となっており、本計画の最終年であります平成29年には2万7,020人、平成37年(2025年)には2万8,746人となることが予想され、今後10年間では2,760人の増加が見込まれます。  また、介護保険事業に係る保険給付費につきましては、平成27年度が約73億300万円、平成29年度が約78億2,500万円、平成37年度は約99億7,400万円と見込んでおりまして、今後10年間で約26億7,100万円の増加を見込んでいるところです。 121 ◯議長(西川正義君) 奥野君。   〔19番(奥野嘉己君)登壇〕 122 ◯19番(奥野嘉己君) 26億円増加ですか、わかりました。  中項目2に移ります。2024年国体開催までの大規模案件による財政見通しについて。  細項目1、2024年国体開催までの大規模案件による財政見通しについて。  今ほどご答弁いただきましたが、さきに高齢化による扶助費増が財政へ与える影響についてお示しいただきました。当市におきましては、まさに同じタイミングとなりますが、2024年には国体が参ります。主会場および、恐らく数競技の開催運営をやっていくと思われますが、国体までの期間を念頭に置きますと、先般、特別委員会において本庁舎耐震化整備事業の議論を行いましたし、国体に関連して新市民体育センターの移転新築のご審議が、また新図書館の検討も協議会に委嘱されて議論が行われています。さらにつけ加えますと、ごみ焼却場の場所選定の議論もされています。国体までのおよそ9年の間、扶助費が増えて基金がなくなる中で、いろんな事業が同じタイミングで来ているという状況になっています。  先ほどお示ししましたグラフCに、事業費ベースで、私のおおよその想定を記載しました。本庁舎耐震は緊急防災・減災事業債の適用で31億円と書いてしまいました。市民体育センターが50億円、図書館40億円、国体関連で道路改良、開催経費等で45億円、扶助費が増えていくと、この10年をならすと年平均20億円を超えてくるのではないかと思いました。  昨年度決算では、財政健全化判断比率は一定の改善が図られたとのことですが、一方、財政の硬直性をはかる経常収支比率は平成25年度決算と比較しますと86.2%から89.8%へと悪化しています。今後、大規模案件を実施していこうと議論しているのですが、後年度の公債費比率が増加することにより財政が硬直化するのではないかと懸念されます。  先ほどの管理計画では、「限られた財源の中で公共施設を新設することは困難です。必要不可欠と判断したもののみ整備を行うようにしたいと思います」と書かれております。また、計画期間10年間に対し1.4%面積を縮小するとしています。この1.4%を数字に直しますと、5,000平方メートルを超えてくる面積になります。市庁舎は増築になりましたので、おおよそ7,000平方メートル増えます。7,000平方メートル増えて、管理計画では5,000平方メートルですから、差し引きしますと、1万平方メートルを超えてくるような面積を集約することになります。  このような考察を踏まえ、今後の10年程度の期間を念頭に置いたとき、どのように国体向け道路や河川、体育館等の整備を行い、公共施設管理を実行し、扶助費の支出対応を行い、さらには中央図書館等の整備を行っていくのか。当局の基本的な方針をお聞かせ願いたいと思います。 123 ◯議長(西川正義君) 総務部長。 124 ◯総務部長(和気豊文君) 現在、本市では、5年を超える財政見通しを策定しておりませんので、本市の公共施設等総合管理計画素案の策定時に時期を同じくして試算しました平成28年度から平成32年度までの今後5年間の財政見通しを前提にお答えいたします。  扶助費につきましては過去の実績から推計しまして、また国体関連事業などの投資事業につきましては担当部局でのシミュレーションをベースに事業費を見積もりました。中央図書館の整備につきましては、現時点では事業期間や建設規模が決まっておりませんので、見積もりの中には含んでおりません。  このような前提のもと、今後5年間の財政見通しを推計しますと、当然のことながら、収支の均衡を図るという財政運営の基本がありますので、財政調整基金からの繰入金を組み込むことが必要です。  このような財政状況における財政運営の基本は、市税を初めとする財源を効率的あるいは重点的に配分し、市の総合計画に掲げております本市が目指す将来都市像を実現しようとするもので、中・長期的な視点を持って各施策を展開していく方針としています。  また、国体までの10年間についてお尋ねですけれども、この10年間の財政運営におきましては、財源の確保が大変重要な課題であります。機に応じて国の財源措置等を有効活用するとともに、投資事業での市債の発行に当たりましては、地方交付税措置のある市債を発行するなど、後年度の財政負担を勘案して、事業を実施していかなければならないと考えております。  さらに、決算期に生じる実質収支につきましては、特定の目的基金などの財政調整基金ではない基金への積み立てや市債の繰上償還などを行いまして、将来の財政負担に柔軟に対応できるよう、軽くできるところは軽くなるように、将来の財政負担に備えた財政運営をしてまいりたいと考えております。 125 ◯議長(西川正義君) 奥野君。   〔19番(奥野嘉己君)登壇〕
    126 ◯19番(奥野嘉己君) よろしくお願いしたいとしか言いようがありません。昨年出ましたが、人口急減によって都市がなくなるというような本の中で、人口推移が一番確たるデータだというコメントがありました。人口推移に基づいた長期財政見通しもご検討願いたいと思います。  次に、細項目2、どの程度までの事業費は許容されるのか。  現時点では、さきに示したグラフCに記載された大規模案件もまだまだ議論を行い、今後、細部を詰めていく段階となっております。まずは、投資案件の議論の参考とするため、財政指標を念頭に置き、事業費としておおよそどの程度までの規模であれば財政運営が可能であるのか、国体開催までの期間において概略の金額をお示しください。 127 ◯議長(西川正義君) 総務部長。 128 ◯総務部長(和気豊文君) 今ほどお答えしましたように、中期の財政見通しでは、これまで継続的に実施しております投資事業や国体関連事業など、担当部局でのシミュレーションをベースに投資事業費を見積もっており、平成28年度から平成32年度までの5年間での事業見積もりは約292億円と見込んでおります。  それらの事業費をもとに実質公債費比率を試算いたしますと、平成26年度決算では8.7%でありました数値が、平成28年度から平成32年度にかけましては9.4%程度にまで上昇する見込みです。起債の発行に当たって県知事の許可が必要となる18.0%は下回る見込みです。  財政指標の上では財政の健全性が保たれる見込みではありますけれども、今後5年間の財政見通しを考えますと、財源不足が解決されるものではありませんので、財源不足に対応するため、財政調整基金を取り崩して収支の均衡を保っていこうとしております。平成26年度末では同基金の残高は約50億円ですが、大型のプロジェクト事業や投資事業が続きます関係上、平成32年度には約3億円程度まで減少する見込みです。  そうした状況でありますことから、本市の財政運営におきましては、一般財源を今後どのように確保していくかが重要な課題であると考えております。 129 ◯議長(西川正義君) 奥野君。   〔19番(奥野嘉己君)登壇〕 130 ◯19番(奥野嘉己君) 再質問いたします。  財政調整基金が、現在は50億円ぐらいあるものが、5年後には3億円ぐらいまで減る理由として、いろんな大規模施策を行うためとおっしゃいました。先ほど私が言った管理計画では、扶助費の増によって50億円が3億円になるとなっています。私は、高齢化によって基金がなくなるので、いろんな事業を行うためには別財源が要ると理解しておりました。そこは整合がとれないと思いますので、再度ご答弁をお願いします。 131 ◯議長(西川正義君) 総務部長。 132 ◯総務部長(和気豊文君) 財政調整基金を繰り入れる理由ですけれども、大型事業もありますが、議員ご指摘のとおり、扶助費に係る給付費の伸びなど、たくさんの要素があるわけです。ただ、そのうち投資的事業が占める割合が多い、多額であるということです。  扶助費につきましては、国庫財源等の特定財源の確保も制度としてありますので、一般財源への影響は投資的事業に比べると小さいと考えられるところです。ただ、人口構成が変わることで、今後緩やかにとは言いませんが、型の波が来るのはわかっていますので、そこら辺は楽観視できないと考えております。当然、財政運営上、留意しなければなりません。ただ、この5年間でいいますと、じわじわと伸びる扶助費より、大型事業を展開していくことで財政調整基金を取り崩さなければならないという要素が強いと申し上げているわけです。決算が終わりましたら、各種基金への積み立ても留意してまいります。使いっぱなし、消費だけを考えていては、財政運営は成り立ちませんので、そこら辺のご理解をお願いしたいと思います。 133 ◯議長(西川正義君) 奥野君。   〔19番(奥野嘉己君)登壇〕 134 ◯19番(奥野嘉己君) わかりました。目先の5年は非常に苦しいけれども、大規模案件等も頑張ってやれる範疇だと理解しております。具体論になったときに、もう1回議論をやっていきたいと思います。  細項目3、各施策の優先度への明快な方針を求める。  我々のような基礎自治体に対して、地方創生への対応プランの作成が求められており、当市においても頑張って準備されているものと信じております。その中には、地域活性化、人口減対策、少子高齢化対策と、増収対策も含めて考えられていると思っています。  さきに述べてまいりましたが、今後の施設の維持管理である管理計画も策定されています。また、昨年度には彦根市の大もとの計画である総合計画も審議されています。しかし、議論してまいりましたように、これからの5年、10年が財政的に非常に厳しくなると予想されている中、種々の案件をやっていこうとしています。  総合計画や管理計画など計画という縦糸を貫く財政面での見通しという横糸が、明確ではないのではないかと感じましたので、この質問をしております。どのようなよい施策も、ない袖は振れず、絵に描いた餅になってしまう。どの施策を重視するのか、いつのタイミングで行うのか、首長の政策判断による優先順位づけや市政運営についての基本方針がポイントになるのではないかと考えております。最新版の「広報ひこね」12月1日号で、市長が強い彦根の思いを記載されておりますが、「今こそ将来の戦略的投資の姿勢を基軸に、厳しい目で施策の選択と集中を進めていく必要がある」と述べておられます。国体開催までの10年間、余り時間がありません。財政状況を念頭に置いて、市長の具体的な方針をお聞かせ願いたいと思います。 135 ◯議長(西川正義君) 市長。 136 ◯市長(大久保 貴君) 総合計画に係る基本方針については、先ほど総務部長がご説明したとおりでございます。  今ご議論いただいておりますとおり、時間が限られておりますので、私どもは国体に向けて関連事業を優先的に取り組んでいかなければならないという認識です。  先ほどからお話していただいておりますとおり、そのためには、既存の事業等々も含め、スクラップ・アンド・ビルドを徹底していかなければなりません。行政改革という言い方かもわかりませんが、そのためにもトップマネジメントの強化が必要だと考えております。そうした不断の努力をした上で、皆様とも、そして市民の皆様とも議論を深め、選択と集中を図っていかなければならないと思っています。  国体関連事業に加えまして、新たなごみ焼却場、積み残しております私の公約でもありますが、小学校へのクーラー設置、さらには下水道事業も急いでやらなければならないと思っております。  こうしたことを踏まえて、皆様とも議論を深めつつ、投資効果等を十分勘案し、事業展開について適切に判断してまいりたいと考えております。 137 ◯議長(西川正義君) 奥野君。   〔19番(奥野嘉己君)登壇〕 138 ◯19番(奥野嘉己君) ご答弁いただきまして迷っているのですが、市長がおっしゃったことは事前の想定範囲内のご答弁でした。今回の質問で財政を取り上げたときに、本当にこのままで大丈夫なのだろうか。いろんな施策、いろんな案件が何となく積み上がってきてしまっている。やはり一度、どの事業がどうなのか、個々の事業ベースではなく、横軸が時間軸で、「市長としては、いろいろ意見はあるけれども、この事業を優先させたい。みんな、それに向かって頑張って走ろう」というような強い旗印、そういうご答弁を聞かせていただきたいと思って、この質問をしております。  先ほど言った「広報ひこね」で、「そのとおり」だと思ったところがありました。「市民の皆さんに財政的な心配をかけないこと、揺るぎない信頼を築くことが強い彦根をつくる必須条件です」とおっしゃられています。財政と時間軸、それに対する施策、全体を見たときに、これに対してコメントを言えるのは市長しかおられませんので、これからの2年、3年の短期に何をやっていこう、5年、10年の大まかな方針を教えていただきたいと思います。もう一度、お願いできませんでしょうか。 139 ◯議長(西川正義君) 市長。 140 ◯市長(大久保 貴君) 一番の基本になることは、重要な施策、やらなければならない事業について、将来の彦根市の経済の活性化に資するものにしていくという考察が必要だと思っております。例えば市民体育センターの問題につきましても、あるいは金亀公園の再整備につきましても、新たなごみ処理施設の問題にいたしましても、方向性を示していただいた庁舎の問題にいたしましても、この投資が将来の彦根市の経済活動を活性化させていく、あるいは誘客を図っていく、そうしたことに資するものになるように、今、一生懸命知恵を絞って進めていかなければならない。  他方、扶助費等に関しまして、国においてもそうですが、消費税を初めとした歳入の努力は、国民の皆様、我々も議論を深めて合意し、負担を決めていくという作業。これも困難な作業だと思います。  いずれにいたしましても、しっかりとした将来展望というものを共有し、これから進んでいかなければならない。同時に、人口が減少していく傾向にある中で、私どもの資産のサイズが適正規模であるためには、少し痛みの伴う改革というものも出てくる可能性はありますが、おっしゃったように、横軸を指して、庁内が一丸となって取り組んでいく必要があると考えております。  そのためにも、トップマネジメントの強化は必要だと考えており、どうぞご理解のほどお願いしたいと思いますし、議員のお立場からもさまざまなご意見、ご質問を頂戴したいと考えているところでございます。 141 ◯議長(西川正義君) 奥野君。   〔19番(奥野嘉己君)登壇〕 142 ◯19番(奥野嘉己君) 時間もありませんので、また委員会等々で議論してまいりたいと思います。  大項目3、小・中学校の読書活動支援員について。  中項目1、読書活動支援員の増員について。  細項目1、現在の読書活動支援員に対するご評価は。  昨年12月定例会におきまして、山内議員がご指摘されておりました学校司書、当市では読書活動支援員と呼称されておりますが、その増員につき、学校訪問し、状況を確認いたしました。  昨年度は、全24校に対して3名の配置でしたが、現在は6名体制と、倍増ということになっております。1名の方が4校を担当するという状況で、おおよそ各校に週1回の訪問をされているということでした。  現場で面会していただいた方からは、クラスを持っている司書教諭のご負担が減り、今まで閉まっていた図書室の開室頻度が上がったとか、図書室内外の読書への誘導ポスターとか、蔵書の整備、新書の購入整備が図られ、大変感謝しているというコメントが出ております。  教育委員会当局としまして、3名から6名への増員効果をどのように評価されておられますか。 143 ◯議長(西川正義君) 教育部長。 144 ◯教育部長(安居 勉君) 議員ご指摘のとおり、平成26年度までは読書活動支援員3名を市内24小・中学校に配置しておりましたが、平成27年度からは、議会で読書活動支援員増員の予算をお認めいただき、6名に増員して、市内24小・中学校に配置しているところです。  本年度は、支援員1人当たり4校、週5日間、学校の課業日に活動していますが、その内容は、学校図書室の環境整備や本の貸し出し、本の読み聞かせなど、子どもたちが読書に親しめるようにすることです。また、教科書の教材文に関連した本のコーナーを設置するなど、学校図書館を学習で活用することができるよう、読書活動支援員が手助けをしている学校もございます。  さらに、本年度は、滋賀県立図書館の学校図書館リニューアル事業に平田小学校と西中学校が応募いたしまして、学校図書館の配置替え等のリニューアルを行いましたが、6人の読書活動支援員全員がそのリニューアル作業にかかわり、そこで学んだことを参考にしながら、県の事業を受けていない学校でも学校図書館の環境整備を行い、子どもたちにとって利用しやすい学校図書館になるようにもしております。  このように、読書活動支援員が3名から6名になったことにより、昨年度までは2週間に1日の配置でしたが、本年度はどの学校にも週に1日は配置し、環境整備等の活動を進めることができるようになり、今まで以上に子どもたちが本に親しむ環境をつくることができるようになったと考えております。 145 ◯議長(西川正義君) 奥野君。   〔19番(奥野嘉己君)登壇〕 146 ◯19番(奥野嘉己君) 効果があったということだと思います。  細項目2、週1回訪問から週2回訪問への増員を求める。  現場聞き取りでは、さきに述べました評価に加え、読書活動支援員が在室されて、図書室がもう少し頻度よく開いていると、授業での活用もできるという声も聞いております。現在の6名体制での予算は300万円弱ということですが、そもそも学校司書、当市での読書活動支援員への国からの交付金が一般財源化していることを考えますと、本来の目的を目指し、予算増は可能ではないかと考えます。特に小学校などでは集団登下校、中学校におきましても放課後にはクラブ活動等がありますので、何とか昼休みに開くタイミングが大事ではないかと思います。また、おっしゃったように、授業への取り組みもできるのではないかと思います。予算とその教育効果とのバランスを考慮の上、増員の検討について当局のご見解を求めたいと思います。 147 ◯議長(西川正義君) 教育部長。 148 ◯教育部長(安居 勉君) 先ほども申しましたように、現在、読書活動支援員は6名の体制で、支援員1人が4校を担当しております。そのため、多い学校で週2日、少ない学校でも週1日の配置となっております。  現在、本市では、学校図書館教育推進委員会を立ち上げ、学校で図書館教育に携わっている者を中心に、学校図書館教育の充実に向けて話し合いを進めておりますが、その委員会の場でも、常に学校図書館に人がいて、本の貸し出しや本に関する相談に応えることができる体制をつくることが大切だという意見も出ております。  また、現在の週1日の配置ですと、図書館の書架の整理や環境整備のみで1日の勤務が終わってしまうという意見も出ておりました。  したがいまして、教育委員会といたしましても、現在の6名の配置で十分であると考えているわけではなく、今後も学校図書館に常に人がいて、子どもたちが利用したいときに利用できる体制づくりに向けた研究を進めていく必要があると考えております。  ただ、学校図書館の有効活用に向けては、単に人数を増やすだけではなく、子どもの発達段階に応じた読書指導の支援を行ったり、教科の学習で図書館を利用する際、子どもたちに適切に本を選ぶ活動をサポートしたりすることができるなど、子どもたちに質の高い読書をさせることが大切であり、読書活動支援員の指導に期待しているところです。そのためにも、読書活動支援員の研修機会の一層の充実を図り、その質の向上により学校図書館のさらなる活性化を図ってまいりたいと考えております。 149 ◯議長(西川正義君) 奥野君。   〔19番(奥野嘉己君)登壇〕 150 ◯19番(奥野嘉己君) 資質の向上等はあるのだけれども、6名では十分ではないから、検討はやっていこうということだと理解いたしました。  次に、大項目4、学校給食について。  中項目1、残飯量調査を。  細項目1、残飯量調査を求める。  地域の方から、給食の味に関して二つのコメントが来ております。一つ目は4月はおいしかったけれども、5月から味が薄くなって、子どもが給食を食べてこない。二つ目は北の方の学校はおいしいといううわさを聞いたという話が来ております。この種のおいしかった、まずかったという感覚的な話は、数値に基づいて議論する必要があると考えております。また、摂取塩分量や摂取カロリーによる栄養管理は、あくまでも残さずに食べる、全部食べる完食が前提であり、残飯量が多いと栄養計算の前提がそもそも崩れているわけですので、味つけのことも含め、今まで以上にメニューへの工夫が求められると思います。  先般、議員そろって、給食センターを訪問し、給食をいただきました。その後入手したデータを、表1に示しております。  表の上から順に、北の鳥居本中学校からずっと来て、一番下が稲枝中学校となっています。鳥居本中学校から中央中学校まで、南中学校から稲枝中学校までと、北部平均、南部平均として右の方に平均値を書いています。残飯量が9%くらいと、13.6%くらいと、先ほどのコメントが正しいのではないかというようなデータも出ていますが、まだまだデータも不十分で、メニューに偏りもあるだろうし、データをとった日によって違いも出るので、これでもってどうのこうのは言えない。ただ、全部で120データになりますので、その平均の11.7%というのは、ある程度の確度が出ている数値ではないかと思います。要するに、10%は残っているということで、カロリー計算などをどのように見るのかと思っています。  データで話をしたいのですけれども、給食センターに事情をお聞きしますと、「現在、計量器が各中学校に配備できておらず、毎日測定しているわけでもないので、好き嫌いによる変動も酌み取れませんし、大ざっぱなデータしか出ない」というお話でした。  ちなみに、計量器の価格はおおよそ10万円弱と聞いております。今後のメニューの改善、栄養管理の目安把握のため、ひいては数字での議論をするために、各校での残飯量測定の強化をする必要があるのではないかと思います。学校によっては、作業スペースが狭い。西中学校などは非常に作業スペースが狭いと聞いております。また、委託先へお願いすることになりますので、追加作業に対する労働負荷。計量器購入等に難しさがあるとは聞いておりますが、給食というのは生徒の体をつくっていく大事なものですので、数字で把握して、メニューの見直し等にも使えるのではないかと思いますので、当局のご見解をお聞きしたいと思います。 151 ◯議長(西川正義君) 教育部長。 152 ◯教育部長(安居 勉君) 学校給食センターでは、本年4月の給食開始以降、6月から残食量調査を実施しております。現在、その調査方法につきましては、二つの中学校を選定し、その学校配膳室内で、学年ごとに主食、主菜、副菜、汁物ごとに計量しております。これは、各校から返却されてまいります食缶を、給食センター内の洗浄室において全校一斉に残食量調査をするにはスペースに余裕がないことや、洗浄時の作業能率、計量器の台数などを考慮して、この方法で計量しているものです。また、計量する中学校については、固定ということではなく、変更もしております。  当然、給食センターとしましても、全校一斉に残食量調査ができれば、生徒の給食摂取量や献立内容に対する傾向もより正確に把握でき、よりよい給食提供につながることができると考えております。  今後におきましては、配膳室のスペースが極端に狭い学校もある中、計量器を増やし現在と同様、各校内で計量するのか、または給食センター内で計量するのかといった計量の手法や、調査時期、計量する期間など、委託業者とも協議し、全校一斉の残食量調査に向け取り組んでまいりたいと考えております。 153 ◯議長(西川正義君) 奥野君。   〔19番(奥野嘉己君)登壇〕 154 ◯19番(奥野嘉己君) これで、今定例会での質問を終わります。ありがとうございました。 155 ◯議長(西川正義君) 暫時休憩いたします。            午前10時59分休憩            午前11時10分再開 156 ◯議長(西川正義君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  3番北川元気君。北川君。   〔3番(北川元気君)登壇〕 157 ◯3番(北川元気君) 皆さん、こんにちは。無所属の北川元気です。私は、今回、大項目4点について質問させていただきます。これも毎回言っているのですが、インターネット中継や傍聴に来られている方もいらっしゃいますので、できるだけわかりやすく簡潔な議論をしたいと思います。よろしくお願いいたします。  それでは、今年最後の質問を元気いっぱいやらせていただきます。  まず、大項目1点目、乳がん検診についてです。  乳がん検診を患う日本人女性は、現在、12人に1人と言われています。また、乳がんで亡くなる女性は、2013年に1万3,000人を超え、1980年の約4,000人だったときと比べて3倍以上にもなっており、厚生労働省が発表した人口動態統計では、2014年の乳がんによる死亡数(女性)は1万3,240人で、右肩上がりに増加しております。  年齢別に見た場合、胃がんや肺がん、大腸がんのように、年齢が高まるとともに増えるがんとは異なり、乳がんは30歳代から増加し始め、40歳代後半から50歳代前半にピークを迎え、比較的若い世代で多くなっているとされています。  本市では、乳がんと子宮がん検診はワンコインの500円で受診できるようになっております。しかし、乳がん検診の対象は40歳以上となっており、30歳代から増加し始める乳がんの実態とかみ合っていないのではないかと思っています。  ある30歳代後半の女性の市民の方から、「乳がん検診を受けたいのだけれども、40歳までに検診を受けると費用が高額なので、ワンコイン検診の対象となる40歳になるまで受診しないで待っている」という相談を受けました。早期発見すれば治療率が高いとされる乳がんです。ワンコイン検診の対象年齢の見直し、引き下げをぜひとも検討していただきたいという思いで、以下、質問をさせていただきます。  中項目1、乳がん検診について。  細項目1、現在、本市が行っているワンコイン検診(乳がん)の概要について伺います。 158 ◯議長(西川正義君) 福祉保健部長。 159 ◯福祉保健部長(川嵜 孝君) 乳がん検診は、40歳以上の女性市民を対象に、検診バスを利用した集団検診と医療機関での個別検診を実施しております。また、実施内容は、医師による視診および触診と乳房エックス線検査で、検診の受診間隔は2年に1回となっております。  平成26年度の受診者数は2,608人で、ワンコイン検診実施前の平成25年度の受診者数1,951人から657人増加いたしました。
     なお、実施に当たりましては、国および県のがん検診実施のための指針に基づき実施しているところです。 160 ◯議長(西川正義君) 北川君。   〔3番(北川元気君)登壇〕 161 ◯3番(北川元気君) 40歳以上が対象であるということです。ワンコイン検診になって、657人増加しているということで、一定の効果はあると考えます。  次の質問に移りたいと思います。乳がんの発生年齢について、本市の見解を伺います。 162 ◯議長(西川正義君) 福祉保健部長。 163 ◯福祉保健部長(川嵜 孝君) 乳がんの人口10万対年齢階級別罹患率は、平成27年7月30日に開催されました厚生労働省のがん検診のあり方検討会資料によりますと、20歳代後半は8.8、30歳代前半が28.5、30歳代後半は70.8ですが、40歳代前半になりますと160.5、40歳代後半には239.3と最も高くなり、以後、60歳代後半まで200を超えています。このデータから申し上げますと、乳がんの罹患者は20歳代で発生し始め、30歳代後半から増加し、40歳代から50歳代でピークになると認識しているところです。 164 ◯議長(西川正義君) 北川君。   〔3番(北川元気君)登壇〕 165 ◯3番(北川元気君) ありがとうございます。  次に、細項目3、乳がん検診を受診するときの費用について伺いたいと思います。ワンコイン検診の対象から外れる40歳未満の方が乳がん検診を受診する場合の費用はどれぐらいかかるのか、伺いたいと思います。 166 ◯議長(西川正義君) 福祉保健部長。 167 ◯福祉保健部長(川嵜 孝君) ワンコイン検診の対象から外れます40歳未満の人が乳がん検診を受診するときの費用につきましては、自由診療となるため医療機関によって異なりますけれども、市と同等の検診を行ったとしまして診療報酬単価に当てはめますと、約9,000円かかることになります。 168 ◯議長(西川正義君) 北川君。   〔3番(北川元気君)登壇〕 169 ◯3番(北川元気君) ありがとうございます。  先ほどの30歳代後半の市民の方から相談を受けたケースですが、この方のお話ですと、検診を受けようと思って彦根市に問い合わせをしたら、「大体1万円ぐらいかかる」と言われたとのことでした。先ほど9,000円ということでしたので、理解しました。  タレントで元女子プロレスラーの北斗晶さんが、乳がんになられて、それをブログで公開されたことで、テレビや新聞での報道が多くなり、国民の皆さんの関心が一気に上がったということがあると思います。余り詳しくは知りませんが、北斗晶さんは毎年検診をしていたにもかかわらず、乳がんになってしまった。それから不安になられた方もたくさんいらっしゃるのではないかと思います。私の周りでもそういう相談があったぐらいなので、こういった40歳未満の方が40歳までワンコイン検診を待たれるというケースがほかにもあるのではないかと考えられます。  そこで、細項目4、乳がん検診の対象を見直すお考えについてお聞かせいただきたいと思います。  乳がん検診の対象を現在の40歳以上からではなく、乳がんの発生年齢の実態に合った形で見直していただきたいと思います。先ほどのご答弁にもありましたが、対10万の数値でいうと、3桁になるのは40歳からと理解していますが、30歳代後半でも70.8という数字が出ておりますので、30歳代後半の方をフォローできるような形に検討していただけないでしょうか、お聞かせください。 170 ◯議長(西川正義君) 福祉保健部長。 171 ◯福祉保健部長(川嵜 孝君) 国および県の指針では、乳がん検診の対象は従来から40歳以上となっておりますが、今年9月に厚生労働省から「がん検診のあり方に関する検討会中間報告書」が出されまして、今後の乳がん検診の対象年齢につきましても40歳以上とすることが提言されております。  その理由といたしましては、乳房エックス線検査による放射線被曝の不利益を考慮し、検診開始年齢が40歳以上であれば、検診による乳がん死を防ぐという利益が検診による放射線被曝により死亡するリスクを上回る可能性を示唆した研究結果が示されました。また、乳房エックス線検査は、乳腺が発達した乳房では診断精度が低下するため、超音波検査の導入が検討されていますが、超音波検査につきましては死亡率を下げると言えるだけのデータがなく、国立がん研究センターの有効性評価に基づく乳がん検診ガイドラインでは推奨されておりません。  これらを踏まえまして、本市におきましては、現時点では乳がん検診の対象年齢の見直しは考えておりませんが、今後よりリスクの少ない検診方法やより効果的な検診方法が研究・実証され、国・県の指針の見直しがされた場合には、対象年齢の見直しも検討してまいりたいと考えているところです。 172 ◯議長(西川正義君) 北川君。   〔3番(北川元気君)登壇〕 173 ◯3番(北川元気君) 国の基準で40歳以上というところで、検討していただけないというご答弁でした。  私は32歳なんですけど、周りに30歳代後半の方がおられ、乳がんに不安を抱えていらっしゃる方が多いです。市長も福祉モデル都市日本一と言われていますように、そういう方がいらっしゃることを考えて、しかも乳がんというのは早期発見で治療率が高い代表的ながんだと思いますので、国が基準をそうしているのだから市は考えないというのではなく、しっかりと不安を取り除けるような対策をとっていただきたいと思います。再度、見解を求めます。 174 ◯議長(西川正義君) 福祉保健部長。 175 ◯福祉保健部長(川嵜 孝君) 今ほど申し上げましたように、検診の公共的な施策として、乳がんの死亡率を下げるためのがん検診と検診そのものが抱えるリスクについて国の専門機関で方針が示されておりますので、その枠を超えて市独自で年齢を下げていくということは、その意味を示していかなければなりません。現段階では、そうした国の専門機関の数値というものを根拠に施策をつくっていくしかないのではないかと思っております。 176 ◯議長(西川正義君) 北川君。   〔3番(北川元気君)登壇〕 177 ◯3番(北川元気君) 40歳から対象となるので、彦根では40歳で500円になっています。ということは、30歳代後半になるとあと数年ということで、数年間検診を受けないというケースも見られると思います。1万円ぐらいかかるということで、それぐらいの年齢の女性の方ですと、家のローンがあったり、子育て中で学費がかかったり、習い事のお金があったりして、どうしてもそちらを優先してしまう。自分が痛い思いをして病院に行くのではなく、あくまでも検診という形なのだから、家計を優先せざるを得ないという気持ちもわからないでもないわけです。  これを契機に、例えば対象年齢は下げないけれども、何か違う形でそういう方々をフォローしてあげるような温かい施策を打っていただけるよう要望したいと思いますので、よろしくお願いいたします。  次に、大項目2、認知症問題について伺います。  認知症は誰にでも起こり得る脳の病気で、我が国では高齢化の進展とともに、認知症の人数も増加しています。65歳以上の高齢者では、平成24年度時点で既に7人に1人が認知症とされており、さらに10年後の2015年には5人に1人が認知症、厚生労働省の推計では730万人に上るとされています。  本市では、認知症サポーター養成講座やキャラバンメイトの活動も積極的であり、認知症を正しく理解するための啓発活動に本当に熱心に取り組んでいただいております。また、本年10月には、民間が経営する喫茶店を借りて、認知症という病気を持つ方やその家族、医療・福祉の専門職や地域の方が立場を超えて集まり、交流を持てる場所として、「HOTカフェんde銀座」が市内にオープンし、県内初めての取り組みとしてスタートされました。  こうした積極的な取り組みは、必ず将来の彦根市のためになると、日ごろからご努力いただいている関係者の皆さんに心から感謝を申し上げます。  しかし、人口減少、超高齢社会という問題は深刻で、認知症対策についてもまだまだ十分だとは言えないのが現実であります。  そこで、本市の認知症問題への取り組みについて伺ってまいります。  中項目1、認知症対策の取り組みについて。  細項目1、彦根市における現在と10年後の認知症高齢者数について伺いたいと思います。 178 ◯議長(西川正義君) 福祉保健部長。 179 ◯福祉保健部長(川嵜 孝君) 平成27年1月に厚生労働省が示した「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)」に示されている認知症の人の将来推計の値では、平成27年の認知症の有病率は高齢者人口の16%、10年後の平成37年は高齢者人口の20.6%と推計されています。その値を参考に本市の高齢者人口の将来推計から算出しますと、認知症の有病者数は平成27年が4,158人、その10年後の平成37年には5,922人と推計されます。 180 ◯議長(西川正義君) 北川君。   〔3番(北川元気君)登壇〕 181 ◯3番(北川元気君) 現在と10年後の認知症の高齢者数について伺いましたが、彦根では平成27年では4,158人、10年後は6,000人弱の5,922人というご答弁をいただきました。この数字ですが、認知症予備軍と言われている方々や若年性アルツハイマー型認知症とか、65歳未満でも認知症になる方が4割ぐらいいると言われていると思いますが、そういう方も含めると潜在的な数はもっと多いのではないかと思うのですが、その点はどのようにお考えでしょうか。 182 ◯議長(西川正義君) 福祉保健部長。 183 ◯福祉保健部長(川嵜 孝君) ただいま申し上げた国の推計の根拠となります割合ですが、高齢者の16%なり、20.6%という数字につきましては、糖尿病の有病率の増加によって増えていくというようなことも入っておりますので、確かなことはここでは申し上げられないのですけれども、一定の予備軍は入っている数値と考えていただいても結構かと思いますが、おっしゃっているような広い意味での方がそこに含まれているかどうかについては、もう少し広い枠でいらっしゃるということも言えるのではないかと考えております。 184 ◯議長(西川正義君) 北川君。   〔3番(北川元気君)登壇〕 185 ◯3番(北川元気君) ありがとうございます。  次に、今の数字を踏まえて、今後の認知症対策についてのお考えを伺いたいと思います。 186 ◯議長(西川正義君) 福祉保健部長。 187 ◯福祉保健部長(川嵜 孝君) 今後の認知症対策ですけれども、まず理念としては、認知症という病気を持つ人を単に支えられる側として捉えるのではなく、本人の意思が尊重され、本人が認知症とともによりよく生きていくことができる環境整備が必要であると考えております。  このため、認知症に対する本市の対策としましては、脳の健康チェックの出前講座の実施、認知症ケアパスの全戸配布、認知症初期集中支援チームの設置、認知症カフェの開設、介護家族のつどいへの支援、認知症SOS安心ネットワークの構築などに取り組んでおり、今後もその充実を図っていく予定です。  さらに、認知症という病気に対する正しい理解は、認知症の施策を進めていく上で最も重要でありますことから、今年度設置しました認知症HOTサポートセンターと連携し、認知症サポーター養成講座など普及啓発をより一層強化してまいりたいと考えているところです。 188 ◯議長(西川正義君) 北川君。   〔3番(北川元気君)登壇〕 189 ◯3番(北川元気君) ありがとうございます。  次の質問ですが、認知症検診を実施するお考えについて伺いたいと思います。  私が所属する福祉病院教育常任委員会では、10月20日に草加市に行ってきました。そこで、認知症検診について視察させていただき、開始経緯から実績、課題など詳細について勉強させていただきました。彦根市でも認知症検診を実施していただきたいと思いますが、このような認知症検診をご検討いただくお考えについて伺いたいと思います。 190 ◯議長(西川正義君) 福祉保健部長。 191 ◯福祉保健部長(川嵜 孝君) 草加市における認知症検診は、対象年齢の方が医療機関で脳の健康度チェック票を記入し、検診を受けるという方法であり、平成26年度は1,695人の方が受診され、受診率は6.29%と伺っております。また、認知症検診の課題としましては、受診率向上と健診後のフォロー体制であるともお聞きしております。  本市におきましても、早期に気づいていただく機会として、今年度から脳の健康チェック付ほっとかない認知症講座を実施しております。講座では、認知症の症状や認知症予防に関する講義の後、希望者に対し、タッチパネルを使用して、物忘れの有無を確認する脳の健康チェックを実施しているところです。また、その中で、物忘れがあるという結果の場合には、地域包括支援センターが電話や訪問による支援を行い、必要時は受診勧奨を行う体制を構築しております。  さらに、本市では、彦根医師会ならびに認知症疾患医療センターの医師等にご協力いただきまして、1市4町で作成しました「認知症早期診断・早期支援マニュアル」を今年度各医療機関に配布し、かかりつけ医による早期診断体制を構築し、さらなる充実を図っているところです。  こうしたことから、本市が今年度から実施している早期気づき・早期受診の取り組みについて、まずはしっかりと検証した上で取り組みの充実を図っていくことが大切であり、現時点では認知症検診の実施につきましては導入を考えておりませんので、ご理解をいただきますようよろしくお願いいたします。 192 ◯議長(西川正義君) 北川君。   〔3番(北川元気君)登壇〕 193 ◯3番(北川元気君) 現時点では導入を考えていないということですが、検討はしていただけるということなのですか。検討もしていただけないのですか。 194 ◯議長(西川正義君) 福祉保健部長。 195 ◯福祉保健部長(川嵜 孝君) 先ほど申し上げましたように、認知症検診につきましては、草加市でも受診率の向上が課題であると述べておられます。私どもも取り組み始めたところですので、まずはそこの検証をした上で、効果を見ながら、今後の施策検討をしてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いします。 196 ◯議長(西川正義君) 北川君。   〔3番(北川元気君)登壇〕 197 ◯3番(北川元気君) 検討していただけないのかと不安になりましたけれども、ありがとうございます。  草加市では受診率が低いという課題もおっしゃっておられました。しかしながら、先ほども述べられたように、今後、5人に1人が認知症という時代に突っ込んでいくわけです。受診率が低いという課題に対しても、「低くても検診はやっていかなければいけない」ともおっしゃっておられました。「認知症の方は自分が認知症だということを認知できないわけで、そういう疑いがあると周りの人が感じて、検診を勧められるケースが多いと言われていますが、周りの方に正しい認知症の知識がなかった場合、深刻なケースになることもある」とおっしゃっておられました。「認知症検診はあくまでも認知症を発見するだけの効果ではなく、これから認知症になっても大丈夫なように、お医者さんとの顔つなぎの役割がある。そういう効果もある。支えていくご家族の準備、周りの方々が認知症に対する正しい知識を理解するという効果もおっしゃられていました。  彦根市では、認知症サポーター養成講座にかなり力を入れてやっていただいていまして、私も一度主催させていただいたことがあります。キャラバンメイトも60名ぐらいの組織になっていますし、これからもどんどん活発的に養成講座を開いていただけるというお話もありました。延べ人数が1万人を突破するように、正しい知識を彦根市民の皆さんに知っていただくことも大事だと思いますが、認知症検診の機会について考えていく必要があるのではないかと私は考えます。  もう1点つけ加えますと、草加市は、認知症検診と大々的にやると、「わしをばかにしているのか。そんな検診は受けない」という方もいらっしゃるということで、簡単チェック票というような独自のものをつくられています。「脳の健康度チェック票」というものもいただいてまいりました。平成26年度の決算では、200万円かからないぐらいの決算額で、受診者数が1,695人と伺っております。  今やられている認知症対策のデータを集めて、検証して、その結果を見てということも大事だと思いますが、あわせて認知症検診という手法も研究していただいて、来るべき超高齢社会に向けての対応をぜひとも考えていただきたいと申し上げて、次の質問に移ります。  細項目4、認知症患者による自動車暴走事故も深刻な問題となっております。警察庁によると、昨年8月までの2年間において、高速道路での逆走が447件で、約7割が65歳以上の運転者でした。そのうち認知症の人、あるいは認知症が疑われる人は約4割に上るとされています。道路交通法改正により、75歳以上の運転者が逆走や信号無視などの交通違反を犯し、認知症のおそれがあると判定された場合には、認知機能検査を義務づけることとなったとされていますが、認知症高齢者の自動車運転による事故は後を絶たず、認知症と判断されながら車の運転を続けている人は予想以上に多いと考えられます。このような問題の対策について、本市の見解を伺います。 198 ◯議長(西川正義君) 都市建設部長。 199 ◯都市建設部長(下山隆彦君) まず、議員ご質問の警察庁のデータは承知しております。  平成21年6月1日に施行された一部改正の現行の道路交通法では、75歳以上のドライバーが免許の更新をしようとした場合に、認知機能検査を受けることが義務づけられております。この検査で、記憶力や判断力が低くなっていると判断された人が、信号無視や通行禁止違反などの違反行為を過去1年間にしていた場合、医師による臨時適正検査を受けなければならず、さらにこの検査で認知症であることが判明した場合は運転免許が取り消されることとなっており、滋賀県警の免許センターに問い合わせたところ、平成26年中にこの制度による免許の取り消し件数は12件あったと聞いております。  また、本年6月17日公布の一部改正で、75歳以上のドライバーを対象とした認知症による交通事故を未然に防止するための制度が強化されており、違反のあるなしにかかわらず、認知症のおそれがある一定の基準に該当したドライバー全てが臨時適正検査を受けることが義務化され、公布から2年以内施行されます。  こうした一部改正により、今後、認知症の交通安全対策は進んでいくものと考えておりますが、本市としましては、自主的に免許を返納した方への路線バスや愛のりタクシーの回数券の交付や公共交通機関の利便性の向上などの取り組みにより、高齢者が車の運転をしなくても暮らせるまちづくりを進め、運転をやめていただける決断がしやすいよう支援してまいりたいと考えております。 200 ◯議長(西川正義君) 北川君。   〔3番(北川元気君)登壇〕 201 ◯3番(北川元気君) おっしゃるとおりだと思います。運転が危ないと思い始めても、公共交通機関が不便だったら、なかなか運転をやめられないという現状もあると思いますので、その辺はしっかりと進めていただきたいと思います。  私の祖父、祖母も認知症なんです。たまに実家に帰って、将棋を指したりするのですけれども、認知症という病気はこういうものなのだということを実際に体験するまで、認知症についての関心というか、どこか人ごとのように思っていたのではないかと反省しています。これから認知症の方が増えるということはわかっているのですから、認知症検診も含めて、まちづくりも含めて、しっかりと進めていただけるようお願いを申し上げて、次の質問に移ります。  次は、教育についてです。  さきの9月議会で、新教育長として善住氏が10月2日から就任され、彦根市の教育行政のトップとして活躍が期待されています。善住教育長は、全員協議会や就任のご挨拶などで、彦根市の教育への思いを述べられました。しかし、その中では、具体的な施策については現場の声を聞いてからということで、特にお話をされることはありませんでした。  10月23日に開催されました総合教育会議では、善住教育長の具体的な教育施策について伺えるチャンスだと思って、私も傍聴させていただきました。しかし、このときも学力向上についての見解を少しだけ述べられる程度で、具体的な教育施策までは伺えなかったように感じています。  まだ就任されて2カ月という短い期間ではありますが、彦根の教育をどのようにされるかは大変重要なことで、私もそれで議員になったと言っても過言ではないぐらい、教育については関心がございます。ぜひこの機会に、善住新教育長の教育政策を存分にご披露願いたいと思っておりましたが、先ほど安藤議員が全て、詳細に細かく、15項目に分けてお聞きされましたので、若干かぶる部分もありますが、新教育長、よろしくお願いいたします。  中項目1、善住教育長の教育施策について。  細項目1、学力向上についての考えは。  10月23日に開催されました第1回総合教育会議において、善住教育長は「まず、学力向上から考えたい」という見解を述べられました。具体的に学力向上についてどのような施策をお考えなのか。先ほどの安藤議員の質問には、「学力テストの結果から、小2から小4ぐらいの基礎学力の定着が大事。家庭での学習、多くの方がかかわっていくことが大事」と述べられたと思いますが、お聞かせください。 202 ◯議長(西川正義君) 教育長。 203 ◯教育長(善住喜太郎君) お答えいたします。重なるところがあるのをご容赦ください。  本年度の彦根市の学力・学習状況調査の結果につきましては、市のホームページでも公表しておりまして、大変厳しい状況であると認識しております。特に小学校の国語と算数では、主として知識を問う問題で全国平均正答率を4ポイント以上下回ったことは非常に憂慮すべき状態であり、早急にその改善に努めなければならないと考えております。  ここで、小学校の算数の問題を見てみますと、平成27年度は16問あり、そのうち14問は小学校2年生から4年生の学習内容に関連した問題でした。そして、この14問中の13問が彦根市は全国の平均正答率を下回っており、小学校低学年からの学習内容の定着が不十分であると考えられます。
     学力・学習状況調査で常に上位にある福井県に研修に行ったある教員の話を聞いたことがありますが、研修先で学力向上の方策の決め手を聞いたところ、「いかにして小学校低学年のうちに、家庭での学習習慣や学校での授業規律を徹底的に身につけさせるかだ」というお答えであったと聞きました。  このような小学校低学年からの学習習慣や学習規律の定着とともに、小学校2年生から4年生の指導の充実を図るという喫緊の課題を解決し、彦根の子どもたちの学力向上を目指し、大きく次の3点の方策を検討しております。  1点目は、まず子どもたちが授業に意欲的に参加できるようにするための教員の授業力の向上です。そのためには、現在、市や県でも研修を行っていますが、私は何よりもいい授業を見る、これにまさる研修はないと思っております。百聞は一見にしかずと申します。できるだけ多くの教員が直接自分の目でいい授業を見て、そこから学んだことを実践し、交流することのできる機会を確保してまいりたいと考えております。  2点目は、家庭での学習習慣の定着です。現在、学校では、家庭にも協力を求めて学習習慣の定着を図っているところですが、「仕事により帰宅が遅くなってしまうので、子どもの宿題を見てやりたいが十分に見ることができない」という保護者の方もおられます。このような家庭の教育力を補う方策を、例えば放課後児童クラブとの連携の強化等により検討してまいります。  3点目は、彦根市の学力向上にチーム彦根として、全教職員が一丸となって取り組むということです。市内には17の小学校と七つの中学校がありますが、それぞれ特色があり、独自の取り組みがあります。このような学校の特色を大切にしながら、社会から学校教育に対して子どもたちに身につけさせるよう求められている学力を確実に定着させるという共通の目標に向かい、管理職が強いリーダーシップを発揮し、教員の意識改革を進めていかなければならないと考えているところです。  現在、彦根市学力向上検討推進委員会により学力向上の方策の提言をまとめていただいております。この提言を踏まえまして、私が考えている方策の具体化を図り、市民の皆様から信頼されるよう学校教育の質の向上に取り組んでまいりたいと考えております。 204 ◯議長(西川正義君) 北川君。   〔3番(北川元気君)登壇〕 205 ◯3番(北川元気君) ありがとうございます。3点、ご紹介いただきました。教員の授業力の向上、いい授業を見せるということと、特に小学校2年生から4年生のときに、しっかりと家庭で勉強できる体制というものが、学力テストにも影響しているのだということを理解しました。例えば小学校とB小学校では学力テストの結果が違うという地域差もあるのだということを理解しました。  せっかく教育長として就任いただき、「学力向上からまずは考えたい」と言っておられたわけですから、これまでの議会で何度も学力向上を頑張りますというお話をいただいておりますので、しっかりとお願いしたいと思います。  続いて、細項目2、総合教育会議では、教育委員から学力向上以外にも具体的な提案が幾つかありました。例えば、図書館建設の早期実施やいじめ事件への対応、若手教員への研修の充実、小中一貫校の推進や幼保との連携など、教育行政において重点的に講ずべき施策についての提言がありました。そこで、このような提言を踏まえて、善住教育長の教育施策のお考えについてお伺いしたいと思います。 206 ◯議長(西川正義君) 教育長。 207 ◯教育長(善住喜太郎君) 第1回総合教育会議において、ほかの教育委員から出されました、いじめ問題への対応、保育園・幼稚園との連携や小中一貫教育の推進、若手教員への研修などは、いずれも全て大切な施策であり、さきの答弁の中でお話を幾つもさせていただきましたように、それぞれ適切に実施していくべきものと考えております。  私が学力向上を最初に申し上げたことについてですけれども、全てのことを同時進行で推進していくのではなく、教育施策を実際に具体的に推進するために、一つの大きな柱を立てていくことが大切であると考えておりまして、私がその柱として掲げたいのが学力向上でございます。落ち着いた学習環境としっかりとした計画のもとで、子どもたちが安心して意欲的に学習に取り組むことができるようにしていくことが学力向上につながると考えておりまして、学力向上をほかのあらゆる施策につながる糸口となるものと位置づけて取り組んでまいりたいと考えているところです。 208 ◯議長(西川正義君) 北川君。   〔3番(北川元気君)登壇〕 209 ◯3番(北川元気君) 学力が向上するということは、ほかのいろんな課題の改善があってこそだと思っております。ぜひともスピーディによろしくお願いしたいと思います。  続いて、細項目3、いじめ問題についてです。  報道によると、彦根市立小・中学校の平成26年度のいじめ件数が過去最多で、市立の小学校17校中10校から33件、中学校7校中5校から18件の計51件のいじめを認知したとの報告があったとされています。このように深刻ないじめ問題をどのようにお考えでしょうか。 210 ◯議長(西川正義君) 教育長。 211 ◯教育長(善住喜太郎君) 平成26年度の彦根市内のいじめ認知件数が過去最多になったのは、平成25年度から施行されたいじめ防止対策推進法で示されました新しいいじめの定義に基づいて、教員の意識が高まり、早期にいじめの疑いのある事案をいじめとして認知し、対応している結果でもあると考えております。  しかし、その一方で、スマートフォン等の普及によりいじめが潜在化し、子どもたちの実態が早期に発見しにくくなっているという今日的な課題もございます。いじめは、いじめを受けた児童・生徒の教育を受ける権利を著しく侵害するものです。子どもたちの心身の健全な成長や人格の形成に重大な影響を与えるだけでなく、時には命や身体に重大な危険を生じさせるおそれがあるものです。  各学校では、学校のいじめ防止基本方針を策定し、いじめ問題に真摯に向き合い、子どもの実態を十分把握した上で、組織的に取り組んでいます。  市教育委員会としましても、いじめは最大の人権侵害であり、命にかかわる重大な問題であると捉え、常に学校と連携して、必要な指導や支援を行っています。  私は、教育長として、いじめは、どこででも、誰にでも起こるもので、絶対に許されないことであると捉えております。いじめは、社会総がかりで取り組んでいくべき重大な問題です。全ての子どもがいじめで悩むことなく、安心・安全な学校生活が送れるように、いじめ問題に対する取り組みをさらに充実させていきたいと考えております。 212 ◯議長(西川正義君) 北川君。   〔3番(北川元気君)登壇〕 213 ◯3番(北川元気君) いじめ件数が過去最多になったのは、いじめの定義自体が変わって、多くなったということは理解するのですが、一方で、先日、市民の方から資料提供されたものがあります。これは文部科学省初等中等教育局児童生徒課生徒指導室長の平井秀一さんのご講演の中で示された資料なんですが、全国のいじめの1,000人当たりの認知件数が出ているものです。その格差は、1,000人当たりに換算して、約83倍です。お隣の京都府ですと99.8件ですが、滋賀県では7.8件。少ないからいじめがなくていいのではないかと思いがちなのですが、平井室長の考えですと、「それは違う。いじめの定義の問題。どこからどこまでをいじめとするのかは、地域間でもまだまだ格差がある」とおっしゃっておられたそうです。  いじめの件数が増えたから、学校が荒れていると安易に思いがちですが、一定しっかりと報告がされていたり、調査がされていたり、学校の先生の目が行き届いていたり、そういうことも考えられると思います。いじめ問題については、現場でも、教育委員会の方でも、いろいろと取り組みをやっていただいておりますが、いじめ問題も学力向上の第一歩だと思います。力強いご答弁をいただきましたのでこれ以上は質問しませんが、いじめ問題もしっかりと対応していただくようお願いしたいと思います。  次に、総合教育会議において策定される教育行政大綱は、年度内に作成し、その後市民に広く周知していくということですが、総合教育会議の進め方として、たった3回の会議で策定されることとなっています。しかも2月に開催予定の第3回目の総合教育会議では、教育行政大綱が2回目で決定されていたら3回目は開催しないと示されております。  私は、昨今の複雑な教育課題をどのように解決していくのか、どう考えても、たった3回の会議で教育大綱としてまとめて策定することは難しいのではないかと思いますが、総合教育会議の進め方についてどのようにお考えでしょうか。 214 ◯議長(西川正義君) 教育長。 215 ◯教育長(善住喜太郎君) 地方教育行政の組織及び運営に関する法律第1条の3に定める教育、学術及び文化の振興に関する総合的な施策の大綱、以下単に大綱と申しますが、この大綱の策定につきましては、去る10月23日に開催されました総合教育会議におきまして、市長から「総合計画をもって大綱の代わりとすることができる」との発言がございまして、教育委員からは「さらに彦根らしさを盛り込めればいいのではないか」との意見が出ておりました。  この総合計画は、教育委員会で定めている彦根市教育行政方針のもととなっているもので、方向性を同じくするものであるとともに、その策定に当たっては十分な議論がなされた上、教育委員会が必要と考える各種の施策も盛り込まれているものと考えております。  次回の総合教育会議で大綱の案についてお示しいただけるものと思いますが、「それを受け、必要があればさらに慎重に協議を進めていくべきではないか」との意見もあり、私もそのように考えております。 216 ◯議長(西川正義君) 北川君。   〔3番(北川元気君)登壇〕 217 ◯3番(北川元気君) 教育長のお考えは理解しました。ここは市長にお答えいただきたかった。なぜならば、市長が新教育長を任命する責任者であって、これまで総合教育会議を1回も開いていなかった。新しい教育長になったら総合教育会議を開く、その心はと聞くと、「現場の先生に新教育長になってもらう。専門家なんだ」というご答弁がありました。そういう思いをここでお聞きしたかった。  今のお話ですと、今までの計画を煮詰めて、大綱という形にしていくというニュアンスだったかと思います。現場の専門家にそれだけこだわって、来ていただいたのであれば、こってりとした、しっかりとした新しいものを策定していくという熱意があってもよかったのではないかと思っております。  次に移りたいと思います。大項目4、行政の情報発信について。  彦根市では、現在、情報発信媒体として、「広報ひこね」や防災行政無線、彦根市ホームページ、ラジオエフエムひこね、最近ではSNS等で、これまで工夫されて広く発信しておられます。しかし、市の情報は、市民に関心がなく、なかなか読んでもらえなかったり、ホームページも何度も改善してもらっていますが、まだまだ使いづらいといった声があるのも現実です。  そこで、自治体がうまく情報発信している事例を調査するため、先日、丹波市に視察へ行ってきました。丹波市では、スマートフォンアプリLINEを使って、特に若い方向けに情報発信をされています。一方的な行政目線の情報提供に主眼を置くのではなく、「ちょっと楽しそう」と感じられる、わくわくする情報発信。また、行政らしくない活用として、体験型情報発信として、クーポンをつけて活用されていることを勉強してきました。  隣の長浜市では、LINEも活用しておられるのですが、i広報というスマートフォンのアプリで広報が見られるような取り組みもされています。  こうした取り組みも検討していただきたいと思い、以下、提案も含めた質問をさせていただきます。  細項目1、現在の本市の情報発信媒体を、市民向けと観光客向けに分けてお示しいただけますか。 218 ◯議長(西川正義君) 企画振興部長。 219 ◯企画振興部長(萩野 昇君) 現在、市民向けには、全戸配布を行っている「広報ひこね」を初めとした紙媒体、彦根市ホームページなどのインターネット媒体、防災情報などを配信する彦根市メール配信システム、エフエムひこね、エフエム滋賀、KBS京都放送のラジオ媒体、ほかにノロウイルスによる食中毒の予防啓発などを行っているNHKのデータ放送があります。  また、観光客向けには、びわ湖放送ほか2放送局で放送しておりますスポットCMと5分間の独自番組、観光パンフレット、ホームページ、フェイスブックがあります。 220 ◯議長(西川正義君) 北川君。   〔3番(北川元気君)登壇〕 221 ◯3番(北川元気君) 市民向けと観光客向けと、ターゲットを明確にした情報発信が大事なのではないかと思って、質問させていただきました。  次に、細項目2、ひこねLINE@の活用を。  丹波市では人口の1割が丹波市のLINEに登録されており、これは人口割で日本一の登録者数という事例です。クーポン機能をうまく活用し、特に無関心層と言われる若者に親近感を持ってもらえるような工夫をされたすばらしい取り組みだと感じました。ぜひ本市でも、LINEを使った情報発信を検討していただきたいと思います。見解を伺います。 222 ◯議長(西川正義君) 企画振興部長。 223 ◯企画振興部長(萩野 昇君) 丹波市公式LINE@は、広報紙の表紙を飾れるクーポンや世界最短3時間だけ市長になれるクーポンを発行するほか、市役所の職員が記事の執筆にかかわる「ツナグプロジェクト」など、新たな発想で市民参加のまちづくりに精力的に取り組まれております。  議員ご指摘のLINEは、国内に多くの利用者があり、また登録した人にダイレクトに情報を伝達できる有用なツールです。  本市においても、既存の広報媒体では情報が届きにくい層に情報を届けるための方法について、多様な媒体での情報発信が必要であると認識しております。LINEのほかにもフェイスブックやツイッターといった他のSNSもありますことから、本市ではどのような情報発信方法が最も有効であるかを見極めてまいりたいと考えております。 224 ◯議長(西川正義君) 北川君。   〔3番(北川元気君)登壇〕 225 ◯3番(北川元気君) 観光都市彦根だからと、ついつい観光客向けにPRを考えてしまいがちですが、丹波市LINEは逆で、市民向け、丹波市民に向けてのLINEという、ターゲットを明確にされていました。だから、1点目の質問をしたのですが、そういった活用もぜひご検討いただきまして、若い市民の方向けの情報発信のやり方もあるのだということをご提案申し上げておきたいと思います。  次に、細項目3、i広報の活用を。  市の広報をスマートフォンアプリで読むことができるi広報は、全国250自治体で導入されており、隣の長浜市や湖南市、東近江市でも既に取り組まれております。ぜひ本市でも検討していただきたいと思います。見解を伺います。 226 ◯議長(西川正義君) 企画振興部長。 227 ◯企画振興部長(萩野 昇君) スマートフォンなどのアプリ上で登録された自治体の広報紙が読めるi広報紙への登録は、以前から検討しているところです。このアプリは、昨年7月に公開されました。現在のところ、ダウンロード数が少なく、どれだけの市民に活用していただけるのかとの思いはございますが、「広報ひこね」をi広報紙に登録することにより、スマートフォンなどをお持ちであれば、「広報ひこね」を読む時間がなかった人でも、ほんの数分の時間を見つけて、「広報ひこね」の必要な情報を得ていただくことができるようになります。このような利点がありますことから、本市においても、できるだけ早い時期に登録するよう検討してまいりたいと考えております。 228 ◯議長(西川正義君) 北川君。   〔3番(北川元気君)登壇〕 229 ◯3番(北川元気君) 少なくとも私はダウンロードして読むので、早くお願いいたします。  細項目4、YouTubeなどの動画配信ツールの活用を。  YouTubeやニコニコ動画、USTREAMなどの動画配信ツールは、無料で多くの人に情報を動画で伝えることができ、市の情報発信の新しいツールとして効果的です。既に政府や国の省庁では、こうした動画配信ツールを活用しているところもあります。  ちなみにYouTubeで「彦根市」と検索してみると、観光振興課の動画やまちづくり振興室が作成している巡回市長室の動画、民間の方や観光客の方が作成した動画などさまざま出てきますが、彦根市のホームページと連携していなかったり、どれも再生回数が少なかったりと、まだまだ活用し切れていないように思います。まずは、観光都市彦根のイベントPRの動画からでも結構なので、積極的に動画配信ツールを活用していただきたいと思います。見解を伺います。 230 ◯議長(西川正義君) 企画振興部長。 231 ◯企画振興部長(萩野 昇君) 議員ご指摘のとおり、動画配信ツールは市の情報発信ツールとして効果的であると認識しております。  限られた所属の情報だけでなく、広く市全体の情報を発信するため、秘書広報課におきましても、YouTubeのアカウントを取得し、試験的に動画の公開を行っているところです。現在、取り組み始めたところであり、十分な状態でないことは認識しておりますが、今後、コンテンツの充実を図り、ホームページとの連携や観光イベントPRなどを含め、情報発信に有効活用したいと考えておりますので、ご理解を賜りますようお願いいたします。   (「ありがとうございました」と呼    ぶ者あり) 232 ◯議長(西川正義君) 質問を終了いたします。  暫時休憩いたします。            午後0時11分休憩            午後1時10分再開 233 ◯副議長(矢吹安子さん) 休憩前に引き続き会議を開きます。  21番安澤勝さん。安澤さん。   〔21番(安澤 勝君)登壇〕 234 ◯21番(安澤 勝君) それでは、お昼からのトップバッターということですが、大項目1番は善住教育長の教育方針を問うということで、午前中、安藤、北川の両議員からもご質問されておりましたけれども、後々の質問にも連携してきますので、通告どおり質問させていただきますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。  新教育制度のもと、教育長に就任され約1カ月半と短い期間ではございますが、彦根の教育についても一通り経験されたことと存じます。教育長の彦根での教育方針をお聞かせいただきたいと思います。 235 ◯副議長(矢吹安子さん) 教育長。 236 ◯教育長(善住喜太郎君) 先ほどの安藤議員のご質問への答弁と重なりますが、ご容赦いただきたいと思います。  まず、学校教育につきましては、子どもたち一人ひとりの力を伸ばし、生きる力を育むということを柱として、未来をつくる力、確かな学力、豊かな人間関係を育む教育を推進してまいります。  未来をつくる力を育むことにつきましては、相手の立場や多様な価値観を認め、尊重し、行動できる人間関係形成能力の育成を目指し、国際理解教育の推進、英語教育の充実、さらにはキャリア教育、アクティブラーニングおよびESD等の推進を図っていきたいと考えております。加えて、たとえどのような予期せぬ困難に子どもたちが直面することになるにせよ、それを乗り越えることができる体力のある元気な子どもを育てていきたいと思っております。  二つ目は、確かな学力を育むことです。子どもたちが勉強し、学力をつけることは、間違いなく親御さんや地域の願いですので、学校の果たすべきその役割に対しひたむきに取り組んでいきたいと考えております。また、特別支援教育の充実についても、あわせて図っていきたいと思います。  三つ目は、豊かな人間関係を育むことです。引き続き、いじめ、不登校、問題行動の未然防止、早期発見、適切な対応ができる体制づくりを進めたいと考えておりますし、その基盤となる子どもたちの豊かな人間関係と人権意識、規範意識を育んでいきたいと思います。  最後は、これらを実現できるような教職員の指導力の向上と学校支援体制の充実を図ることです。  このような方針により、家庭や地域と連携しながら知・徳・体の調和のとれた、心豊かでたくましい人間の育成を進めてまいりたいと考えております。  次に、生涯学習、社会教育につきましては、学びの成果を発揮した社会総がかりでの教育支援活動による地域の教育力の向上、公民館を核とした社会教育活動の充実、図書館の活性化、第79回国民体育大会を契機とする生涯スポーツの広がり等にも取り組んでまいります。また、文化・芸術環境の充実とそれを担う次世代の育成支援、市民の交流と主体的な文化・芸術活動の推進など、文化・芸術活動の振興も図ってまいります。  最後に、文化財につきましては、彦根市内に伝わる指定・登録文化財の適切な保護を図るとともに、歴史と伝統を活かし、文化の香り高いまちづくりを進めるために、文化財の効果的な活用を図りたいと考えております。彦根城につきましては、関連資産等も加えて、世界遺産の登録を実現してまいりたいと考えております。 237 ◯副議長(矢吹安子さん) 安澤さん。   〔21番(安澤 勝君)登壇〕 238 ◯21番(安澤 勝君) 大きな柱を幾つも持って、これから善住教育長には3年というスパンがあります。この3年の間に、今おっしゃられたこと全てとは言いませんけれども8割ぐらいは実現してほしい。方針を立てられた以上、それを実現してこそ初めて、その成果が出てくると思います。単に言うだけであれば、それは違いますので、実をつけていただけるように、しっかりと教育長の任務を果たしていただきたいと思うところです。  次に、細項目2、教育長就任以来、彦根教育の見えてきたところについて、所見を伺わせていただきたいと思います。 239 ◯副議長(矢吹安子さん) 教育長。
    240 ◯教育長(善住喜太郎君) 10月2日に就任させていただき、それ以降、各小・中学校を訪問させていただきました。各校長からいろいろとお話を聞き、また学校現場を見ている中で、私が初任者として東中学校に着任させていただいた約40年前の子どもの状況と、現在の子どもの状況との違いに大変驚いております。  彦根市内では、古きよき伝統を誇り、それを活かしている小学校、中学校がある一方で、振興住宅地が増え、そこに住むさまざまな背景を持った多様な子どもたちが集まって大規模化した学校もあり、特にこういった学校では状況がこれまでとは様変わりしていると感じております。 241 ◯副議長(矢吹安子さん) 安澤さん。   〔21番(安澤 勝君)登壇〕 242 ◯21番(安澤 勝君) 40年前との違いに驚いておられるとのことでした。  ご承知のとおり、彦根には「ひこねっこ学びの6か条」がございます。教育長は、彦根教育をどのように捉えて、今後はいかに推進していかれるのか、所見を伺いたいと思います。 243 ◯副議長(矢吹安子さん) 教育長。 244 ◯教育長(善住喜太郎君) 彦根市では、実践をキーワードとしている彦根教育の中で、その実践を促すものとして「ひこねっこ学びの6か条」を提言しております。  教職員だけでなく、子どもたちにもより身近に、より具体的に実践すべき項目を示すための手立ての一つとして、毎年、小学校1年生に「ひこねっこ学びの6か条」の記載された下敷きを配布し、彦根教育の周知と啓発を図っております。子どもたちにとっても大変人気の高いひこにゃんの写真や、「いいなおすけ」を合言葉にした6か条を親しみやすくレイアウトしたもので、子どもだけではなく保護者にも広く、彦根教育を知っていただけるものと考えます。  1点目の「いっぱい本を読もう」、2点目の「いい汗かいて役立とう」、3点目の「なぜだろう、やってみよう」、4点目の「おはよう、ありがとう」、5点目の「スポーツや外遊びをしよう」、6点目の「けじめのある生活をしよう」、いずれも自分自身と向き合うことや他者と豊かにつながること、広く未来を見据えた視点を持つことを促しております。そして、これらの実践の積み重ねが、子どもの心身を鍛え、健全な育成と確かな学力につながるものと捉えております。  このようなことから、今度も学校における教育活動や家庭、地域においても、彦根教育の視点を大いに取り入れた活動の計画や実践を促していきたいと考えております。 245 ◯副議長(矢吹安子さん) 安澤さん。   〔21番(安澤 勝君)登壇〕 246 ◯21番(安澤 勝君) 6か条を大いに推進したいとご答弁いただきました。善住教育長の頭の中に、「私だったらこのように運用したい」というような具体案というのは持ち合わせておられるのでしょうか。もしありましたら、ご答弁いただきたいと思います。 247 ◯副議長(矢吹安子さん) 教育長。 248 ◯教育長(善住喜太郎君) 正直申し上げまして、今、小学校の子どもたちにどういう言葉でこれを具体的な行動に結びつけるものとして指導していったらいいというのを、この場で申し上げることができません。そのことについては、今後、事務局に持ち帰りまして、担当指導主事等と十分吟味いたしまして、具体策をどういう形で打ち出していくか、さらに一層「ひこねっこ学びの6か条」を推進していく手段を考えさせていただきたいと思います。 249 ◯副議長(矢吹安子さん) 安澤さん。   〔21番(安澤 勝君)登壇〕 250 ◯21番(安澤 勝君) ただいまは持ち合わせておられないとのことでした。これは彦根教育の一つの大きな柱ですから、就任されて2カ月とはいうものの、自分の思いを発言いただきたいと思いますので、またいずれかの機会に、6か条を踏まえての教育長としての新たな思いをお伺いしたいと思いますので、その節にはどうぞよろしくお願いしたいと思います。  次にまいります。埼玉県八潮市では、市内全域を五つの中学校ブロックに分け、全て校舎分離型の小中一貫教育を推進され、基礎学力の定着、不登校児童・生徒の減少や非行問題行動の減少、中一ギャップの解消等に一定の成果があらわれていると話されていました。当市においても、こうした課題は共通であると思いますが、八潮市の事例を踏まえ、当市の教育課題は何があるのかについて、所見を伺いたいと思います。 251 ◯副議長(矢吹安子さん) 教育長。 252 ◯教育長(善住喜太郎君) 埼玉県八潮市においては、小・中学校間の垣根を越え、基礎的・基本的な学習内容の確実な習得と英語学習によるコミュニケーション能力の育成に主眼を置き、9年間を見通した系統的な学習指導や生徒指導を通して、学力の向上と豊かな心の育成に取り組まれているとお聞きしています。  八潮市が課題とされてきた基礎学力の不足、不登校、いじめを初めとする問題行動、中一ギャップについては、本市においても共通の課題であると認識しております。  具体的に申し上げますと、彦根市では、今年度の全国学力・学習状況調査の国語と算数では、主として知識の定着を問う問題においても全国平均回答率を4ポイント以上下回り、基礎学力の不足を否定することができません。  また、不登校につきましては、平成26年度の調査では、おおむね学年が上がるごとに人数が増加しており、小学校では不登校児童の割合も全国平均を0.1ポイント上回っております。  いじめ事案につきましては、彦根市の認知件数は、平成26年度では小学校で33件、中学校で18件あり、全国と同様に、小学校5年生から中学校2年生における件数が多くなっています。  また、小学校6年生と比較して、中学校1年生において不登校やいじめ事案が増加しており、「授業がよくわかる」と答えた生徒の割合が12ポイント減少しているなど、中一ギャップの問題もあるというのが現状でございます。 253 ◯副議長(矢吹安子さん) 安澤さん。   〔21番(安澤 勝君)登壇〕 254 ◯21番(安澤 勝君) では、細項目5、いろんな課題があるという認識を改めて示していただきましたが、それらの課題に向けての取り組みについて、ご見解をお願いしたいと思います。 255 ◯副議長(矢吹安子さん) 教育長。 256 ◯教育長(善住喜太郎君) 基礎学力の定着、不登校や問題行動の減少、中一ギャップの解消に向けては、各学年の発達特性を踏まえて、適切な指導を行うことが大切であると考えます。そのために、子どもの発達特性や指導のあり方について、小学校と中学校の教職員が、互いに情報交換や交流を行う中で、教職員が研修を深め、指導力を高めていく必要があります。  これらの課題には、それぞれの問題に対する個別の対応は必要でありますが、小中一貫型小・中学校の鳥居本学園は、この4月からスタートしたばかりでありますが、児童・生徒が学校行事や授業を通して交流したり、教員が小・中学校相互に乗り入れて授業を行ったり、また授業研究会や職員研修会を合同で実施したりするなど、さまざまな取り組みを進めており、これを期待しているところもございます。  市内の他の小・中学校におきましても、複数の小学校から一つの中学校に進学することや学校間の距離もあることから、小・中学校の教員が一緒になって9年間を見通した教育を推進することが難しいところもあります。そこで、まずは鳥居本で進めてきたこれまでの研究の足跡を踏まえ、中学校ブロックごとに学習内容や学習形態、家庭学習の方法などについて共通の実践を深め、小・中学校の連携強化を図っていくことから進めてまいりたいと考えております。 257 ◯副議長(矢吹安子さん) 安澤さん。   〔21番(安澤 勝君)登壇〕 258 ◯21番(安澤 勝君) 善住教育長のお考えはそういうことだと理解させていただきます。これはあくまでも例ですが、私たちは常任委員会で八潮市を訪問させていただきました。そのときにおっしゃっていたのは、八潮市でも10年、20年続いていた根っこの深い問題でした。先ほど安藤議員や北川議員の質問の中でも、小学校2年生から4年生の基礎的な学力を見直していかなければいけないということも思っておられました。子どもの学力を上げるのに何が一番重要だとおっしゃられたかといいますと、先生の気持ちです。善住教育長は教員の経験もおありだと思いますので、子どもが一つのことを先生から教えられて、それをしっかり自分のものに習得していく。少しずつでもその理解を深めていって、本当に自分のものにして、それが見えてきて初めて、基礎学力は上がっていく。先生も自分のやったことが子どもに伝わったという喜びがあって初めて、少しずつ学力が上がってきたとおっしゃっていました。  いじめも、基礎学力がないから、40分、50分の授業を聞いていても、わからないからおもしろくない。おもしろくないから、問題行動を起こしてしまう。そういう順番になってくるということもおっしゃっていました。  善住教育長がおっしゃるとおり、基礎学力の低下に歯止めをかけるには、先生のやりがいというのも十分にあるのではないかと、私は理解しています。善住教育長は教員としてのご経験もありますので、自らのご経験も活かされた中で、どのように基礎学力の底上げを図っていかれるのか。その辺をもう少し具体的に見解を示していただけるとありがたいと思います。 259 ◯副議長(矢吹安子さん) 教育長。 260 ◯教育長(善住喜太郎君) 議員ご指摘のように、子どもたちの学力向上を私が言う以上、やはり一番に教員の指導力の向上を第一にしたいと考えております。そのために、子どもたちが進んで勉強するようなよい授業を教員にもっと見せて、こうやれば子どもが喜んで自分から勉強するという授業を自らの目で確認させてやりたいと思っております。  それから、子どもは学校だけで勉強するものではありません。本当は家庭でももっともっと子どもたちの勉強を見てやっていただきたいのですが、先ほど申し上げましたように、彦根市のさまざまな子どもたちの状況をお聞きしておりますと、中にはお父さん、お母さんの帰りが遅く、「掛け算の九九の七の段を全部言えて、ほめてほしかったのだけれども、お父さんが帰ってきたのが遅かった」というような子どもたちもおられます。そういう子どもたちに対して、例えば放課後児童クラブには1年生から3年生までの子どもの3人に1人が行っておりますので、そういうところで一声かけていただけたら、それも子どもたちの励みにつながっていくのではないかと考えております。 261 ◯副議長(矢吹安子さん) 安澤さん。   〔21番(安澤 勝君)登壇〕 262 ◯21番(安澤 勝君) そういう思いを伝えていただくことによって、そのように考えているのだと思えます。答弁書どおり答えていただくのもなんなのですけれども、やはり思いをご答弁いただけると本当にうれしいというか、よく理解できるので、そのようにお願いしたいと思います。  次へまいります。当市では、鳥居本小中一貫教育が今年度よりスタートしております。ICTを活用したり、英語力を高める教育が始まっておりますが、鳥居本の小中一貫教育について、今後の展開をどのようにお考えになっておられるのかをお伺いしたいと思います。 263 ◯副議長(矢吹安子さん) 教育長。 264 ◯教育長(善住喜太郎君) 鳥居本学園の特色の一つである英語教育におきましては、小学校の学級担任が中学校の英語科教員とチーム・ティーチングで授業を行うことによりまして、流暢な英語で積極的にコミュニケーションをとる実践的な英語力を身につけつつあります。先月、北海道千歳市議会の方が鳥居本小学校の英語の授業を参観され、児童の英語力に感心されておりました。  また、この2学期からは、タブレットパソコンを活用した授業ができる環境が整備され、生徒一人ひとりが課題に対する考えをタブレットで書き出し、電子黒板に提示しながら互いの考えを交流する学習を進めているところです。  英語教育やICTを活用した教育は、鳥居本学園の特色ある教育活動でありますが、一方、豊かな自然と文化、歴史に囲まれた鳥居本のよさを活かし、地域に根差した特色ある教育活動についても大切にしてまいりたいと考えます。  地元の方の協力を得ながら植樹や製材などを行う男鬼森林学習の取り組みは、全日本学校緑化コンクールにおいて最優秀に選ばれ、全国植樹祭で表彰されたと伺っております。  また、10月に行われた鳥居本宿場祭りにおいては、鳥居本中学校の生徒が地域の方とともに祭りに参画し、大いに盛り上げてくれたと聞いております。  こうした特色ある教育活動を大切にしながら、9年間を見通した教育課程の研究を積み重ねてまいりたいと考えております。 265 ◯副議長(矢吹安子さん) 安澤さん。   〔21番(安澤 勝君)登壇〕 266 ◯21番(安澤 勝君) よくわかりました。  次にまいります。国体の成功は主会場が決定している当市にとって大きな責任であると同時に、彦根城世界遺産登録との連携もあり、両方を達成するには、課題は山積していると思います。他市の例を見ましても、県サイドでは市に対して金銭的にも多くの負担を期待する一方、市サイドは県に対して金銭面等条件を最大限に要望し、より大きな効果を期待しているところであり、双方の折り合いがつきづらい場面もあるようにお聞きしております。県教委におられた経験を活かし、当市にとって有利に交渉事を運んできていただきたいと期待しているところですが、国体成功に向けての意気込みをお聞かせいただきたいと思います。 267 ◯副議長(矢吹安子さん) 教育長。 268 ◯教育長(善住喜太郎君) 国民体育大会につきましては、庁内を初め、県や他市町、各種関係団体等とさまざまな場面で調整を図りつつ進めていかなければなし得ない大事業であると認識しております。  一方で、昨年5月に本市が国民体育大会の主会場に決定して以来、市民のスポーツへの関心がますます高まってきているものと感じており、国民体育大会開催の機会を最大限効果的に活用していくことが求められていると考えております。  国民体育大会の開催が本市にとって大きな成果となるすばらしい事業となりますよう、私としましても全力で取り組む決意でございます。 269 ◯副議長(矢吹安子さん) 安澤さん。   〔21番(安澤 勝君)登壇〕 270 ◯21番(安澤 勝君) 全力で取り組んでいただけるということです。金銭面では、県はどうしても「彦根市が手を挙げたのだからやってください」というようになってしまいますので、交渉事ですから、譲れるところはいいのですが、譲れない部分についてはしっかりとブロックして、彦根市での国体が有効に成功できるように、教育長もお力を存分に発揮していただきたいと思います。  次に、大項目2、災害発生時の外国人の避難誘導についてです。  平成26年度に駅前観光案内所を利用した外国人は5,186人。上位は、台湾からの観光客で987人、次いでアメリカが586人、オーストラリアが411人、フランス406人、イギリス264人となっております。また、彦根市観光客入り込み数も、外国人観光客はここ数年右肩上がりに増加し、平成25年度は3万1,088人、平成26年度は4万416人、今年度は既に昨年度を上回っているとも予測されています。同様に、宿泊人数も増加していると言われています。  こうした状況は、観光都市を目指す当市にとってはありがたいのですが、世界に目を向けますと、航空機爆破や自爆テロ、フランスのパリで起きた同時多発襲撃テロなど、物騒な事件が相次いで起こっています。また、日本は地震国です。いつ何時、大きな地震が起こり、大災害が発生するかもしれません。世界には、地震を体験したことのない地域もあるようです。そんなとき、外国人の方々には正確な情報が伝わらず、右往左往され、パニックになられるのではないでしょうか。観光資源としている地域においては、観光振興と防災対策とを共存させることが不可欠であると考え、以下、質問をいたします。  細項目1、外国人観光客の防災対策はどのようにお考えか、見解をお願いします。 271 ◯副議長(矢吹安子さん) 総務部危機管理監。 272 ◯総務部危機管理監(辰巳 清君) 近年、本市を訪れる外国人観光客は、議員ご指摘のとおり、年々増加傾向にあり、災害発生時に要配慮者となります外国人観光客への防災対策は重要であると認識いたしております。  外国人観光客に対する支援で重要なことは情報の提供ですけれども、外国人観光客には土地勘がないことや情報が理解できないなど、さまざまな問題の発生が予想されることから、正確に情報伝達を行うために、多言語による対応、易しい日本語の表現や振り仮名の使用、およびピクトサインを使用した避難所看板等の作成などが必要であると考えております。  また、本市では、本市で暮らす外国人向けに外国語版の彦根市民防災マニュアルおよびハザードマップを作成し、転入時などに配布しておりますが、今後は駅やホテルなど外国人観光客が利用する施設にも設置するなど、平時から外国人観光客に対して災害時の対応についても普及啓発が必要であると考えております。  本市では、来年度に地域防災計画の全面改定を行う予定ですが、平成26年10月に国土交通省の観光庁から、災害時の外国人旅行者の安全確保のための枠組みや各機関の役割などについて基本的な内容を定めた「訪日外国人旅行者の安全確保のための手引き」が示されております。  したがいまして、その手引きを参考としまして、地域防災計画の全面改定におきましても、要配慮者である外国人観光客への対応策を検討してまいりたいと考えております。 273 ◯副議長(矢吹安子さん) 安澤さん。   〔21番(安澤 勝君)登壇〕 274 ◯21番(安澤 勝君) では、その手引きに従って、外国人観光客等の安全確保に努めていただきたいと思います。  次に、視察に行った先のホテルでも、約款等は目にするものの、しっかりとした防災マニュアルを目にした記憶はございません。全国各地に展開する大規模なホテル等では、自社で多国語表記の外国人向けのマニュアルを作成されているかもしれませんが、中小の旅館・ホテルでは多国語表記は大変困難と思われます。こうしたことから、市として、市民の安心・安全の確保と同様に、外国人観光客の安心・安全についても万全を期する必要があると考えます。増加する外国人観光客への安心・安全対策の構築が必要と考えますけれども、ご見解をお願いしたいと思います。 275 ◯副議長(矢吹安子さん) 総務部危機管理監。 276 ◯総務部危機管理監(辰巳 清君) 今ほどの答弁でも申しましたとおり、多言語による対応、易しい日本語の表現や振り仮名の使用、ピクトサインを使用した避難所看板等の作成、および外国語版彦根市民防災マニュアルやハザードマップを活用した、平時からの外国人観光客に対する普及啓発などが必要になると考えております。  繰り返しの答弁で恐縮ですが、観光庁から示されております「訪日外国人旅行者の安全確保のための手引き」を参考としまして、来年度に実施を予定しております地域防災計画の全面改定におきましても、要配慮者である外国人観光客への対応策を検討してまいりたいと考えております。 277 ◯副議長(矢吹安子さん) 安澤さん。   〔21番(安澤 勝君)登壇〕 278 ◯21番(安澤 勝君) 確認させていただきますが、先ほど細項目1の中で、パンフレット等にも平時からというようなご答弁があったかと思います。ということは、細項目3も先ほどの細項目1の中である程度ご答弁があったと理解しますが、いかがでしょうか。 279 ◯副議長(矢吹安子さん) 総務部危機管理監。 280 ◯総務部危機管理監(辰巳 清君) 関連はありますけれども、産業部観光当局でも考えていますので、また別に答弁をさせていただくことになると思います。 281 ◯副議長(矢吹安子さん) 安澤さん。   〔21番(安澤 勝君)登壇〕 282 ◯21番(安澤 勝君) かぶってはいないとのことですので、細項目3で、外国人対応観光案内パンフレットに、災害時の対応策の追記の検討が必要ではということで、質問させていただきます。 283 ◯副議長(矢吹安子さん) 産業部長。 284 ◯産業部長(西川利樹君) 本市の観光案内所等で配布しております外国人対応の観光案内パンフレットにつきましては、現在のところ、災害発生時の対応策を掲載できておりません。  しかしながら、議員のご指摘のとおり、本市におきましても外国人観光客が増加しており、外国人観光客にも安心して観光ができる環境整備の必要性があると考えられますことから、今後作成する外国語のパンフレットにつきましては、関係機関と協議しながら、病院や消防など、災害発生時の連絡先や指定避難場所を掲載した地図等、災害時に必要となる情報の掲載について検討してまいりたいと考えております。 285 ◯副議長(矢吹安子さん) 安澤さん。   〔21番(安澤 勝君)登壇〕 286 ◯21番(安澤 勝君) ご検討のほどよろしくお願いいたします。  次に、市内全ての観光スポットで、多言語による外国人観光客対応は可能かどうか、所見をお願いいたします。 287 ◯副議長(矢吹安子さん) 産業部長。 288 ◯産業部長(西川利樹君) 市内の観光客スポットにつきましては、彦根駅前の観光案内所など、一部の観光施設において英語で対応できるスタッフがおりますが、寺社仏閣や飲食店、宿泊施設等、民間施設を含め全ての観光スポットにおいて多言語対応可能なスタッフを配置することは困難であると考えております。  そのため、市内全ての観光スポットにおいて、外国人観光客に災害発生時の情報を届けるためには、さきの質問にございました観光案内パンフレットへの情報掲載を初め、市や彦根観光協会のホームページ等への情報掲載を行う必要があり、今後対応してまいりたいと考えております。  また、防災担当部局と連携をとりながら、災害発生時における外国人の安全確保や避難誘導について、各観光施設に協力を求めてまいりたいと考えております。
    289 ◯副議長(矢吹安子さん) 安澤さん。   〔21番(安澤 勝君)登壇〕 290 ◯21番(安澤 勝君) よくわかりました。  次へまいりたいと思います。外国人同様、土地勘のない日本人観光客への情報伝達手段も忘れてはなりません。例えば箱根町では、地震直後に屋内にいる観光客への行動指示として、「ただいま大きな地震がありました。観光客の皆さん、あわてて行動しないでください。自動車の使用は状況がわかるまで控えてください」、「町では観光施設等で観光客の皆さんに対する情報を提供していますので、そこで情報を得て行動してください。また、自動車の方はラジオの情報にも注意してください」、「○○地区の避難所は○○小学校です。観光客の皆さんは、町職員、観光施設従業員の指示・誘導に従い避難してください」などと、箱根町の地域防災計画の中に表記されています。  このように、箱根町では、日本人観光客への情報伝達は電光掲示板等で位置づけられているものの、外国人観光客に対応した仕組みは整っていないのが現状であり、今後、外国人観光客を誘致するに当たっては、平時のみならず、こうした災害時に適切かつ的確に避難誘導できるような体制づくりが求められています。  課題は同じであると思いますが、当市には電光掲示板は少ないように思いますけれども、雨量を報じる電光掲示板等を利用して、日本語、英語などでこうした取り組みは可能かどうか、見解を求めたいと思います。 291 ◯副議長(矢吹安子さん) 総務部危機管理監。 292 ◯総務部危機管理監(辰巳 清君) 議員ご指摘の雨量電光掲示板は、現在、本市には滋賀県が設置した滋賀県雨量情報表示盤が彦根市立鳥居本小学校前と彦根市民会館前の2カ所に設置されており、土砂災害に対する情報として雨量等の情報が表示されています。  この表示盤は滋賀県が運用しておられますことから、県に確認しましたところ、基本的に定型文としてあらかじめ作成されたものが表示されており、現在、定型文に外国語設定がないことから、外国語表記はしていないとのことでした。また、日本語と英語を併記した場合には、文字の流れる速度が遅いため読みづらく、情報伝達が迅速に行えないなどを理由に、滋賀県としては英語で表記する予定はないとのことです。  なお、今後の雨量情報の周知につきましては、県および本市とも、FMラジオ、メール配信、ツイッター等による周知を充実させる方向で考えておりまして、独立した雨量表示盤の新設につきましては、費用面からも検討しておりませんので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。 293 ◯副議長(矢吹安子さん) 安澤さん。   〔21番(安澤 勝君)登壇〕 294 ◯21番(安澤 勝君) 雨量電光掲示板では考えていないと伺いました。  さきに述べました箱根町の防災計画の中に、3点、○○地区の避難所は○○小学校ですとか、町職員や観光施設の従業員が指示・誘導をして避難するとか申し上げましたが、市として、こういったことについて観光案内所あるいは旅館施設等の方々に周知できているのかどうかをお伺いしたいと思います。 295 ◯副議長(矢吹安子さん) 総務部危機管理監。 296 ◯総務部危機管理監(辰巳 清君) 電光掲示板につきましては、今ほども申し上げましたように、費用面の問題で難しいと思います。県に問い合わせをしましたら、1基1,000万円で、基盤となるシステム作成に2億円というようなことでした。  議員ご指摘のようなソフト面での啓発指導を行うということは可能かと思います。先ほど来申し上げております「訪日外国人旅行者の安全確保のための手引き」には、体制構築が必要であるとのことでしたが、くしくも議員がご指摘のように、一つ目に訪日外国人旅行者への初動対応の体制構築の重要性、二つ目に訪日外国人旅行者への対応のあり方、これにはいろんな宿泊施設に対する啓発も含まれていると思いますし、三つ目には具体的な支援方策が載っておりますので、手引きを活用していきたいと考えております。 297 ◯副議長(矢吹安子さん) 安澤さん。   〔21番(安澤 勝君)登壇〕 298 ◯21番(安澤 勝君) 理解いたしました。そういった手引きを十分活用して、万が一起こったときの備えにしていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。  では、大項目3、有害鳥獣対策についてです。  平成24年2月議会に、中項目1で有害鳥獣のおまけと題して、ヤマビルについて触れております。  「行動範囲の広まっているシカやサルは特に心配です。木の皮はぎや農作物を食い荒らすだけでなく、とんでもないおまけを落としていくことです。それはヤマビルです。スボンのすき間や首筋から侵入して、体が膨れ上がるまで血を吸う。無理にはがすと、出血は半日から1日ぐらいとまりません。実際、以前はいなかった場所にヤマビルが生息するようになりつつあります。こういった副産物をもたらす有害鳥獣の駆除は、今まで以上に取り組んでいただきたいと思います。これは山間部である鳥居本全体の問題です」という発言をしております。  また、新聞報道では、読売新聞に、「広がるヤマビル被害 小学生の野外学習にも影響」と題して報じられております。これは原文のまま読ませていただきます。  「ヤマビルの吸血被害が兵庫県内に広がっている。但馬、丹波、播磨地域を中心に、農林業や登山に加え、小学生の野外学習にも影響が及ぶが、決め手となる駆除方法はなく、関係者は苦慮している。」専門家は、「寒さで活動をやめるこれからの時期こそが、来年の発生を減らせる好機」と、新たな取り組みを提唱する。「山に入ればどんどん飛びついてきて、作業員が血だらけで帰ってくる。本当にひどいもんだ」、丹波市の森林組合長が嘆く。森林作業に従事する人たちにとって、ヤマビルは大敵。警戒していても、いつの間にか忍び寄って、足首や首筋に取りつき、血を吸われてしまう。被害は以前からあったが、「ここ数年は、前は食われなかった場所にもあらわれる。薬剤をまいても効果は一時的。よい駆除方法はないのか」と頭を抱える。ヤマビルはミミズの仲間で、体長1センチから8センチ。森林などに生息する。人や動物が近づくと、呼吸や体温を感じて近づき、吸血。血が固まらないようにする物質を口から出すので、なかなか血がとまらない。1匹当たり1ccら2ccの血が失われ、かゆみが長く続くこともある。朝来市和田山町の市立和田山小学校裏の幽香山。学校林として、かつては元気に遊ぶ子どもたちの声が響いていたが、今はひっそりしている。ヤマビルにかまれる児童が相次ぎ、立ち入れなくなっているのだ。同市では、小学生の自然学校を毎年開いていた施設でもヤマビルが急増し、昨年から別の場所に変更した」と記載がありました。  兵庫県の事態ではありますが、鳥居本の山でも同様のことが4年前から起こっておりました。ヤマビル対策について、見解を求めたいと思います。 299 ◯副議長(矢吹安子さん) 産業部長。 300 ◯産業部長(西川利樹君) 本市では、現在のところ、個別のヤマビル対策は講じておりませんが、一般的なヤマビル対策といたしましては、忌避剤や消毒用エタノールの噴霧、すき間のない服装や帽子の着用などが挙げられます。  また、本市におきましても、日ごろから山林の施業や狩猟で山に入られている鳥居本森林生産組合の組合員や、本市が有害鳥獣駆除を委託しております滋賀県猟友会彦根支部の会員からは、ヤマビル対策として、塩水を着衣や長靴に噴霧してから入山すると効果があると聞き及んでいます。 301 ◯副議長(矢吹安子さん) 安澤さん。   〔21番(安澤 勝君)登壇〕 302 ◯21番(安澤 勝君) 私たちも山へ入るときは、「スプレーをしておいた方がいい」と言われた覚えもあるのですが、自衛として液剤を噴霧していくことになります。早くから被害は出ていますけれども、今後拡大するおそれは4年前から言っています。いずれもっとひどい状況になってきたら、市として薬剤噴霧等も視野に入れた対策をとっていただきたいと思います。そのときが来たらしっかり対応していただきたいということで、要望としてお願いしておきたいと思います。  では、最後の細項目です。以前より述べておりますとおり、そもそもシカやイノシシ、サルの個体数の増加がこういった副産物の被害域の拡大につながっているわけです。シカにおいては、平成22年度の調査結果では、県内に4万7,000頭から6万7,000頭、湖東地域には1万3,900頭から1万9,900頭が生息していると発表されています。適正数は森林面積1平方キロメートル当たり3頭から5頭と伺いました。平均4頭として、県内の森林面積は2,000平方キロメートルですので、8,000頭となります。湖東地域だけで適正数を上回っていますが、これらのことを踏まえて、当市の有害鳥獣捕獲についての見解をお示しいただきたいと思います。 303 ◯副議長(矢吹安子さん) 産業部長。 304 ◯産業部長(西川利樹君) 本市の有害鳥獣捕獲につきましては、農作物被害の防止を目的に、地元猟友会に委託して、許可の範囲内で、捕獲檻と銃器による有害鳥獣駆除を実施しているところです。また、本市では、駆除とあわせて、鳥獣追い払い用花火の支給や集落環境点検、センサーカメラの設置、侵入防止柵の資材支給を行うことで、地元自治会の皆様とともに、鳥獣を寄せつけない集落環境づくりを目指しているところです。  しかしながら、捕獲の対象としている有害鳥獣は野生獣であることから、山の環境変化や餌の状況、獣の群れの移動状況、捕獲檻に慣れるまでに時間を要することなどから、捕獲数を劇的に増やすことは難しいと考えております。  本年5月には鳥獣保護法が改正され、生物多様性を確保しながら鳥獣の生息数を適正な水準に減少させる規定が明確となり、滋賀県が策定する特定鳥獣保護管理計画の中で、個体数管理および被害防除を図っていくことになりました。  本市におきましても、森林における鳥獣の適正な個体数の管理は重要であると考えており、滋賀県特定鳥獣保護管理計画におけるシカの年間捕獲目標1万6,000頭を実現することにより、有害鳥獣の個体数管理に最大限努めてまいりたいと考えておりますので、今後ともご理解、ご協力をよろしくお願いします。 305 ◯副議長(矢吹安子さん) 安澤さん。   〔21番(安澤 勝君)登壇〕 306 ◯21番(安澤 勝君) 再三再四お願いしております。積極的に捕獲をお願いしたいと思います。  先ほどは申しませんでしたけれども、平成24年のデータですが、サルは県内に大体125の群れがいて、8,000頭ぐらいいると言われております。イノシシは、年によって増減がひどいので、把握しづらいとおっしゃっていました。個体数というのは、野生のものですので調べるのは難しいと思いますけれども、鳥居本ではきのうも会議があった中で、「サルを何とかしてほしい」と、何人かの住民の方が要望されています。適正な数を十分に把握していただきながら、サル、シカ、イノシシ、あるいはヤマビルもひっついてきますので、しっかりと対応していただきたいと最後にお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。どうぞよろしくお願いします。 307 ◯副議長(矢吹安子さん) 5番夏川嘉一郎さん。夏川さん。   〔5番(夏川嘉一郎君)登壇〕 308 ◯5番(夏川嘉一郎君) 私は、大きく大項目3点について質問をしたいと思います。この場所に立つと、いつも心臓はバクバク、頭は真っ白ですので、どうかわかりやすい、優しい回答をお願い申し上げます。  それでは、大項目1、農業・農村の活性化策について。  この質問は、今まで多くの議員の方々が質問されております。それだけ問題が大きい大事な質問であると考えます。  今、我が国の農業・農村は、有史以来の危機に直面していると言える。国政は、ここ数年来、米国主導。新自由主義路線に呼応、連動。結果、2000年来、国の礎として聖域であった農業、特に米づくりを単なる一産業と位置づけ、株式会社化も視野に入れながら、限りなき大規模化の方向へ舵を切りつつある。まさか米国やオーストラリアと競合しようと言うのだろうか。  さて、この一連の経済至上主義路線の中、地域の現場で見えてきたものは何であろうか。それは農業・農村の確実な衰退化である。もちろんそのことは、同時に、我が国の核心部を形成してきたもの、安定した食料、和の精神構造、深い伝統文化、豊かな環境、多面的機能、牧歌的景観等の衰退・崩壊を意味するものと言える。別の言い方をすれば、日の本の国、あるいは大和の国に大きな危機が迫りつつあるとも言えるのではないだろうか。新しい言い方をすれば、国本来のアイデンティティが失われようとしている。  国の施策といえども、常に完璧とは限らない。地域内でマイナス現象が生じれば、その自治体独自の熟慮政策により補完、または修正も行う。このことは、地域主権化が強く求められている今日、地方自治体に課せられたあるべき形、否、進むべき当然の方向であろうと考えます。  以上の観点に立って、以下の質問をさせていただきます。  中項目1、農業・農村の現状について。  冒頭に述べたとおり、農業・農村の衰退は多くの人の知るところであるが、今後の検討資料として、その具体的動向、すなわち数値的表示が必要と考えます。  細項目1、市域内、中小規模農家の戸数、推移について。具体的には、20年前、10年前、今年の3期点ごとの農家数の全体数に占める比率を具体的な数字を含めて伺いたい。ただし、認定農家、営農組合(法人)加入農家は除外して伺いたいと思います。お願いします。 309 ◯副議長(矢吹安子さん) 産業部長。 310 ◯産業部長(西川利樹君) ご質問がありました本市における中小規模農家の戸数と推移につきまして、国が実施しております農林業センサスの数値から試算してお答えします。ただし、認定農家および営農組合法人に加入する農業者の戸数につきましては、センサスにおける統計項目に該当がありませんので、5ヘクタール未満の販売農家を中小規模の農家にみなしてお示しさせていただきますので、ご了承をお願いいたします。  まず、20年前に当たる1995年のセンサスによりますと、販売農家2,427戸に対するみなしの中小規模農家数は2,387戸であり、全体の約98%となっております。次に、10年前に当たる2005年のセンサスによりますと、販売農家1,534戸に対するみなし中小規模農家数は1,476戸であり、全体の約96%となっております。最後に、今年に当たる2015年のセンサス速報値によりますと、販売農家800戸に対するみなし中小規模農家数は721戸であり、全体の約89%となっております。 311 ◯副議長(矢吹安子さん) 夏川さん。   〔5番(夏川嘉一郎君)登壇〕 312 ◯5番(夏川嘉一郎君) ありがとうございます。  次に、細項目2、集落と大規模農家との関係について。  現時点で、集落内に認定農家、営農組合(法人)を有していない集落の比率は全集落の何%に当たるのか。これも具体的な数字を挙げて伺いたいと思います。 313 ◯副議長(矢吹安子さん) 産業部長。 314 ◯産業部長(西川利樹君) 集落と大規模農家との関係につきまして、集落内で農業組合や改良組合などの営農活動組織がある集落数でお答えさせていただきます。  本市におきまして、営農活動組織がある集落数は125集落で、このうち認定農業者や農事組合法人を集落内に有していない集落の比率は全体の70%に当たる88集落となっております。  なお、参考としまして、農業の振興を図る区域となる農業振興地域内に限定した場合は、地域内の81集落に対して約54%に当たる44集落が認定農業者や農事組合法人を集落内に有しておりません。 315 ◯副議長(矢吹安子さん) 夏川さん。   〔5番(夏川嘉一郎君)登壇〕 316 ◯5番(夏川嘉一郎君) ありがとうございます。なかなか認定農家あるいは法人化が進んでいないことがわかりました。  細項目3、県施策の世代をつなぐ農村まるごと保全向上対策制度の未加入度について。  市域内集落のうち、農村まるごと保全向上対策制度に加入していない集落の比率は全集落の何%を占めているのか。これも具体的な数字を伺いたいと思います。 317 ◯副議長(矢吹安子さん) 産業部長。 318 ◯産業部長(西川利樹君) 本事業は、農村地域における農道や水路など、施設の保全活動および共同活動、長寿命化の活動などを対象とした交付金事業であり、一部の取り組みにおいて、農振農用地以外の農用地でも事業実施が可能ではありますが、原則として農振農用地区域内の農用地を事業対象としております。  本市におきましては、現在44組織、集落数でいいますと46集落が事業に取り組まれている状況であり、この事業の対象となる農業振興地域内に限定した集落数は、さきの答弁の中でも説明させていただきましたとおり、81集落でありますため、加入いただいていない集落は35集落となり、比率は全集落の43.2%となります。 319 ◯副議長(矢吹安子さん) 夏川さん。   〔5番(夏川嘉一郎君)登壇〕 320 ◯5番(夏川嘉一郎君) ありがとうございます。全体に行き渡るのが遅いと思っています。  それでは、中項目2、農業・農村の持続可能的活性化策について。  冒頭でも述べましたが、農業大規模化の方向は、現場を見ない机上の空論と言える。1人の優れた担い手も、周りに林立する多くの仲間がいなければ、早晩枯渇することは必至。兼業農家も、家族農家も、地域の立派な担い手である。この共生の道こそ、未来につながる持続可能性の道でもある。幸い、今は地域創生策活用のチャンスの時期であり、田園回帰の流れも味方している。この好機、今こそ高い視点に立った本市独自の活性化策を駆使していくべきではないかと考えます。  細項目1、戸別補償制度支援策について。  前述支援制度は、大小いずれの農家にも支援が行き届く優れた制度であり、その基本形態は多くの国が採用しています。ただし、現政権は農業大規模化志向のためか、この制度には熱心ではありません。平成29年度には、戸別補償制度を中止すると言っています。本市の有効な農業活性化策として、否、切り札として、この制度の取り組みを何らかの形で検討すべきではないかと考えますが、見解を伺います。 321 ◯副議長(矢吹安子さん) 産業部長。 322 ◯産業部長(西川利樹君) 農業者の戸別所得補償的な支援策につきましては、政府が主体となり、経営所得安定対策が実施されています。この施策におきましては、他の多くの国と同様に、農業者の経営の安定に資するよう、諸外国との生産条件の格差から生ずる不利を補正する、いわゆるゲタ対策と言われる交付金や、農業者の拠出を前提として農業経営のセーフティネットとなる、いわゆるナラシ対策と言われる支援策を実施しております。  本市におきましても、この施策の恩恵を受けておりまして、経営所得安定対策における平成26年度の実績は、交付申請者数1,087人で、その交付総額は約8億5,000万円となっております。  この経営所得安定対策につきましては、平成25年度から制度が大きく変更されました。このうちゲタとナラシの対象者要件につきましては、個々の農業者が対象となっていたものが、平成27年度からは地域農業の担い手となる認定農業者や集落営農組織、認定新規就農者に限定されることになりました。  ご質問にありました個々の農業者を対象とした本市独自の戸別所得補償制度を実施することにつきましては、財源確保の問題から、現在のところ考えておりませんので、ご理解をお願いいたします。 323 ◯副議長(矢吹安子さん) 夏川さん。   〔5番(夏川嘉一郎君)登壇〕 324 ◯5番(夏川嘉一郎君) 再質問です。さきの中項目2で言いましたように、一握りの農家をつくるという政府のやっている大規模化の方向を進めると、農村がつぶれる。小さな農業者が林立する中で、大きな農業者も育つ。大きな農業者が亡くなったときに、小さな農業者からまた新たな担い手が出てくる。林立の中でこそ、農業が継続すると私は思います。今までも同じような質問をしている議員がおられますけれども、彦根市はいつも政府の方針どおりの行動しかしていない。これは独自の行動をやるべき時期に来ているのではないか。もう一度、考えをしっかりと答えてください。 325 ◯副議長(矢吹安子さん) 産業部長。 326 ◯産業部長(西川利樹君) 市独自の支援はなかなか難しいものがありますと、お答えさせていただいたところです。中小規模の農家への支援策について代表的な例を幾つか申し上げますと、経営所得安定対策におきましては米の直接支払交付金に該当しているものもありますし、環境こだわり農業の生産に合わせて、環境保全の効果の高い営農に取り組む農業者には環境保全型農業直接支払交付金もあります。このように中小農業者へ何も支援していないというわけではなく、市の負担分も入っている国の支援策もありますので、ご理解をお願いしたいと思っております。 327 ◯副議長(矢吹安子さん) 夏川さん。   〔5番(夏川嘉一郎君)登壇〕 328 ◯5番(夏川嘉一郎君) 次に、細項目2、環境こだわり米支援策について。  多賀町では、こだわり米について何らかの支援策ありと聞きます。特にこの制度は、農業と環境、特に琵琶湖との共生かつ両立を考慮した未来志向型の施策と言えます。本市でも、このこだわり米支援策に積極的に取り組むべきではないかと考えます。今度はよろしくお願いします。 329 ◯副議長(矢吹安子さん) 産業部長。 330 ◯産業部長(西川利樹君) 本市におけます環境こだわり農産物の取り組み面積は、平成25年度が837ヘクタール、平成26年度は825ヘクタール、平成27年度は集計中ですが約892ヘクタールとなり、昨年度より約67ヘクタール増加となる予定です。これは大規模農家による取り組みや県・市・JA等関係機関による普及活動のほか、本市としましても、農家への周知や事務手続の支援を中心に推進を図ってきたことによるものと考えております。  このほか、平成27年度からは農業の有する多面的機能の発揮の促進に関する法律が施行され、環境保全型農業直接支払交付金が日本型直接支払制度に組み込まれることにより、交付金の申請が原則として農業者組織によるものとなりました。先ほどの取り組み面積の増加や取り組む農業者の増加にもあらわれておりますように、事務手続が簡素化され、小規模農家でも参加しやすくなっているものと考えておりますことから、引き続き、環境こだわり農産物の取り組みがより一層広がるよう推進してまいりたいと考えております。  なお、市独自の支援につきましては、環境保全型農業直接支払交付金に関し、国・県・市で一定の負担割合がありますことから、さらなる上乗せ支援は考えておりませんので、ご理解をお願いいたします。 331 ◯副議長(矢吹安子さん) 夏川さん。
      〔5番(夏川嘉一郎君)登壇〕 332 ◯5番(夏川嘉一郎君) 環境こだわり米の支援ですけれども、農薬や肥料を選別し、草も生える手間を考えると、1俵500円というのは微々たるもの。広がっていると言われましたけれども、遅々として広がらない。採算に合うもの、農家がやったら得だと思える目に見える形の支援策が必要ではないかと思うのです。県も一生懸命やっていますし、県の中に市の施策も入っていますけれども、市独自でやっているところもあります。戸別補償的な支援策、こだわり米にプラスアルファの施策を、国の施策だけではなく市独自で考えるべき時期に来ているのではないかと思うのです。今までも何回も、いろんな議員が市独自で考えてくれと期待して質問しております。何らかの前向きな回答をいただきたい。いつまでも国の方針と、オウムの繰り返しのように言わずに、よろしくお願いします。もう一度回答をお願いします。 333 ◯副議長(矢吹安子さん) 産業部長。 334 ◯産業部長(西川利樹君) 恐れ入りますが、繰り返しになりますけれども、現在のところ、近隣4町の上乗せ支援等、幾つかの市町では上乗せ支援をしておられるところもございますが、上乗せ支援をされていない市町もございます。それぞれの市町の財政事情等によるものかと思っております。環境保全型農業直接支払交付金は、国が50%、県が25%、市が25%という割合で負担しております。平成27年度における市の負担額も、このたび上げております補正予算をお認めいただきましたら、922万円、900万円余りの市の負担もありますので、このあたりをどうかご理解いただきたいと思います。よろしくお願いします。 335 ◯副議長(矢吹安子さん) 夏川さん。   〔5番(夏川嘉一郎君)登壇〕 336 ◯5番(夏川嘉一郎君) 無理だという回答をされましたので、この場で変更することは難しいと思います。また、次回にでもゆっくり検討をしてください。  次に、細項目3、集落維持機能保全対策について。  前述したとおり、市域内いずれの集落も、大小の差こそあれ、農地、川、農道等の周辺農業地帯の整備力が低下。荒廃が目立ちつつある。伝統文化もまたしかりである。県主導の施策もあるが、十分なものではない。本市でも何らかの施策を検討すべき時期に来ていると考えます。見解を伺います。 337 ◯副議長(矢吹安子さん) 産業部長。 338 ◯産業部長(西川利樹君) 農地、水路、農道等の適正管理や補修、および生態系保全や景観形成などに関する取り組みを支援する事業としまして、滋賀県世代をつなぐ農村まるごと保全向上対策交付金事業がございます。本事業は、多面的機能支払交付金事業という国の事業により県に交付された交付金を、活動面積や活動内容に応じて県内の市町に配分され、市町から市の負担分を加え、各活動組織に交付します。活動組織に対する負担割合は、国50%、県と市がそれぞれ25%であり、本市における今年度の活動に対する事業費は約6,400万円で、そのうち市は約1,600万円を負担する予定であります。  本市としましては、国、県とともにこの事業の推進を図っていることから、新たな施策を講じるのではなく、既に本事業に取り組んでいる集落に対しましては交付金を使った活動への一層の取り組みをお願いし、一方、本事業に取り組んでいない集落に対しましては普及啓発に努めるなど、本事業をより積極的に活用いただくことで、市内における集落の維持機能を保全していきたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。 339 ◯副議長(矢吹安子さん) 夏川さん。   〔5番(夏川嘉一郎君)登壇〕 340 ◯5番(夏川嘉一郎君) 県の施策の中に何%かは市の負担金が入っているという回答でした。最初の調査の質問でも言いましたように、実際は取り組んでいない集落も多い。セイタカアワダチソウなどが生えていて、なかなか取り組みにくい集落もあります。県の施策は難しい。コンピュータも使わなければいけないし、高齢化した中では取り組みにくいという事実があります。そういう施策から漏れたような集落へのシンプルな救済策も考えるべきではないかと思うのですがいかがでしょうか。ご回答をお願いします。 341 ◯副議長(矢吹安子さん) 産業部長。 342 ◯産業部長(西川利樹君) 先ほどもお答えしましたが、本市としても国・県とともにこの事業の推進を図っているところで、一定の負担もさせていただいていることから、新たな市独自の施策は考えておりませんが、本事業の一層の普及啓発を図っていきたいと思っております。今も議員がおっしゃいましたように、本事業に取り組まれない一つの理由としまして、事務の煩雑さもお聞きしております。特に交付金の少ない組織にとりましては、事務手続の方が煩雑になり過ぎることが大きな要因となっております。  その解決策の一つとしまして、例えば周辺の複数の集落がまとまって、一つの組織として事務手続を行うという組織の広域化というものがございます。広域組織に事務局を置いて、所属する各集落が交付金の一部を事務費として支払うことで、集落が各自で事務手続をしていただくことも考えられますので、またご相談いただければと思います。こういう取り組み方があることも含めまして、各集落に働きかけていくことで、本事業の普及啓発を図り、集落維持機能の保全に今後も努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 343 ◯副議長(矢吹安子さん) 夏川さん。   〔5番(夏川嘉一郎君)登壇〕 344 ◯5番(夏川嘉一郎君) ありがとうございます。  次に、細項目4、農業・農村活性化にかかわる政策検討機関の設立について。  未来を見通して、持続的発展を志向する地方自治体にとって、農業・農村の保全活性化は必要不可欠のキーワードであるはず。今その最低の保全にさえ危機が迫っているのである。本市としても、行政上の最重要課題と位置づけ、何らかの対策を講じるべきときではないだろうか。そのためには、まず政策づくりのためのプロジェクト的な機関の設立が必要かと考えます。見解を伺いたい。 345 ◯副議長(矢吹安子さん) 産業部長。 346 ◯産業部長(西川利樹君) 農業・農村の活性化につきましては、農業振興の持続的な発展が必要であると考えております。  現在、国におきましては、農業に関する政策の目標を示す「新たな食料・農業・農村基本計画」が平成27年3月に示されました。この計画では、農業の持続的な発展のほか、食料の安定供給の確保や農村の振興などが掲げられており、農政の中・長期的なビジョンとして、食料自給率の向上や農業構造の改革としての農地集積のほか、農業の持つ多面的機能の維持・発揮など、施策推進の基本的な考え方が示されています。  こうした基本計画に基づいた国や県の施策などを積極的に活用していくため、平成26年度から、本市のほか、滋賀県やJA東びわこ、彦根市農業委員会事務局の4者が連携し、月1回定例会議を継続して開催しており、こうした場でさまざまな農業振興策の活用を検討しているところです。  こういったことから、ご質問にありました政策づくりのためのプロジェクト的な検討機関の設立は今のところ考えておりませんが、引き続き、関係機関との連携会議を継続しながら、今後も農業振興による農業・農村の活性化に向けた検討を行ってまいりたいと考えております。 347 ◯副議長(矢吹安子さん) 夏川さん。   〔5番(夏川嘉一郎君)登壇〕 348 ◯5番(夏川嘉一郎君) 今後も検討するということで、前向きな姿勢が見えるとは思いますが、冒頭で言いましたように、農業を一極集中でやるという国の方向は日本の国として非常に危ない。林立する中小の農業を育ててこそ、農村は活性化するし、食料自給率は確保されると思うのです。国の政策も結構ですけど、独自の政策。過去の歴史の中でいろいろな災害や戦争が繰り返されましたが、地域の食料自給があるからこそ、その地域が生き延びた。今は、戦争はありませんが、未来は無限大ですので、彦根市の中で林立する中小の農業・農村を大事にする。こういう施策が必要ではないかと思うのですが、そのためにもしっかりした機関を立ち上げるべきではないかと思うのです。最後に、もう一度回答をお願いします。 349 ◯副議長(矢吹安子さん) 産業部長。 350 ◯産業部長(西川利樹君) 彦根市農業にとってどういった方向性が正しいのか、また新しい彦根市としての農業への取り組みも含め、先ほど申し上げました4者の連携会議を立ち上げて、定期的に検討しているところです。今後も、こういった中で、新規事業や重要な制度変更などの確認、周知方法の検討、農業者の各施策への取り組みや情報共有などについて検討を重ねていきながら、議員のおっしゃるような、彦根市農業の将来についての検討を進めていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 351 ◯副議長(矢吹安子さん) 夏川さん。   〔5番(夏川嘉一郎君)登壇〕 352 ◯5番(夏川嘉一郎君) かなり前向きな発言をしていただきました。今後、いろんな施策が出てくることを期待しております。これで、農業の方は終わります。  それでは、大項目2、市民丸ごと参加型まちづくりについて。  弘前市のまちづくり制度である市民参加型まちづくり1%システムに多くの学ぶべき点ありと考え、質問にかかわる参考資料として、同制度を取り上げさせていただきます。これはさきの9月議会で、小川議員も、理事者の方も、弘前市を十分研究されていると思うのですが、思いが違いますので、私なりに質問させていただきます。  制度の概要です。個人市民税の1%相当額を財源として、住民自らが実践するまちづくり活動に係る経費の一部、計算しますと一つの事業で大体7、8割の支援があると思いますが、その経費の一部を支援する公募型の補助金制度です。誰でも応募でき、審査委員会の審査を経て、市の助成決定という仕組みです。  制度の特徴です。市の最上位計画の市民活動としてランクづけます。これは市の総合計画で上位にランクされている施策です。テーマは自由、審査機関の第三者化。公開の場で審査するなど、公開平等性を保持などであります。そのほか、市民向け啓発紙の発行など。  概して、この制度の本旨は、全市民参加型まちづくりを通して、官民協働化のさらなる一体化の推進ではないかと検察します。  以上のことから、弘前市の全市民参加型(参加し易さ)官民協働化のさらなる前進という基本構想に基づくこの制度は、本市としても大いに参考にすべきものと考えます。この考えに基づき、以下の質問を行います。  中項目1、市民参加型まちづくり1%システム制度のありようについて。  市税の1%相当額を制度の財源とするという安定した経済的バックアップ化。また、市民5名以上のグループなら誰でもOK。さらに、7、8割の支援という安定した支援がある。テーマ自由という全員参加につながる取り組み、審査委員会の独自性、審査公開等の公平性、さらに啓発紙発行等々、市民参加を促すためのアイデアに満ちた戦略が多く駆使されている。本市も大いに参考にすべきと考えます。  以上の観点に基づいて、細項目に入ります。  細項目1、市税1%相当額財源化について。  本市の市税1%相当額とは、およそどのくらいの額になり、財源化することについての感想は。単なる思いで結構です。よろしくお願いします。 353 ◯副議長(矢吹安子さん) 企画振興部長。 354 ◯企画振興部長(萩野 昇君) 本市の個人市民税の1%相当額は、平成26年度の個人市民税の歳入決算額が57億6,117万円ですので、5,761万円となります。  なお、ご質問の弘前市は、人口規模約18万人で、個人市民税の1%相当額は平成26年度決算額ベースで6,709万円となります。また、弘前市の当該補助金の平成26年度予算額3,000万円に対し、決算額は1,681万円となっております。  現在、本市においても、予算規模100万円で、弘前市が実施されている市民参加型まちづくり1%システムと同様の趣旨で、「ひこね市民活動促進助成事業」を実施しているところです。  このように、弘前市におかれましては、市民参加型のまちづくりに対して重点的に取り組まれているものと認識しております。 355 ◯副議長(矢吹安子さん) 夏川さん。   〔5番(夏川嘉一郎君)登壇〕 356 ◯5番(夏川嘉一郎君) 本市においてもそれに近いものをやっているとのことでしたが、弘前市は1%という決まった形をつくりだしているわけです。本市の場合は、大体そのくらいということで出しているのでしょうか。 357 ◯副議長(矢吹安子さん) 企画振興部長。 358 ◯企画振興部長(萩野 昇君) 平成26年度の予算ベースで申し上げますと、先ほどご答弁しましたように、弘前市は3,000万円の予算計上をしていらっしゃいます。これに対しまして彦根市は100万円の計上と、規模も随分と違います。ネーミングとして個人市民税の1%ということで、総額を必ず予算化するという弘前市の考え方です。個人市民税ですので、もともと市の一般財源です。彦根市におきましても、金額は少ないですが、この100万円は市の一般財源を使わせていただいており、そこの部分は共通です。目安として個人市民税の1%相当額をこの予算に確保するというメッセージであると認識しております。 359 ◯副議長(矢吹安子さん) 夏川さん。   〔5番(夏川嘉一郎君)登壇〕 360 ◯5番(夏川嘉一郎君) ありがとうございます。1%と決めた方が固定化するのではないかと思うのですが、弘前市を参考にすべきではないかと思います。  細項目2、全員参加を促す施策について。  冒頭に述べたように、彼の市の全員参加を促す施策は優れた戦略が内包されていると考えます。本市としても大いに参考にすべきと考えます。少人数、誰でも入りやすい、小さくした方が一人ひとりが主役になれる、審査も公開性など、参考にすべきと思うのですが、見解をお願いしたい。 361 ◯副議長(矢吹安子さん) 企画振興部長。 362 ◯企画振興部長(萩野 昇君) 本市が実施しております「ひこね市民活動促進助成事業」は、市民活動団体が自主的・自立的に行う社会貢献活動に対しまして、5万円を限度として対象経費の2分の1を助成するもので、通算3回まで助成が受けられる制度となっております。  一方、弘前市においては、1件50万円限度で、対象経費の10分の9を助成するもので、回数に制限がなく、何度でも助成を受けることができます。また、市民5人以上の団体であれば申請でき、申請期間を年間複数回設けられるなど、さまざまな申請しやすい工夫をされております。さらに、事業完了後に実施されている活動団体の事業成果発表会の開催や、採択事業事例集を作成して、市民の皆さんの活動のきっかけづくりに活用されている点などは、本市においても参考にしていきたいと考えています。 363 ◯副議長(矢吹安子さん) 夏川さん。   〔5番(夏川嘉一郎君)登壇〕 364 ◯5番(夏川嘉一郎君) ありがとうございます。ぜひよいところは取り入れて、市の施策の糧にしていただきたいと思います。  細項目3、審査のあり方について。  本市の審査はいかなる形をとっているのだろうか。彼の市の審査委員会の独立性、第三者化、審査公開等の公開平等性は大いに参考にすべきものと考えます。また、審査対象者も質問ができると言っておりました。見解を伺いたいと思います。 365 ◯副議長(矢吹安子さん) 企画振興部長。 366 ◯企画振興部長(萩野 昇君) 本市における「ひこね市民活動促進助成事業」の採択審査は、申請書類により、助成対象団体および助成対象事業などの要件を満たしているかを、市民活動の分野にかかわりの深い企画振興部、市民環境部、福祉保健部、教育委員会事務局教育部の各次長によって構成する「ひこね市民活動促進助成金審査委員会」において、審査基準に基づき実施しております。  この事業は、市民活動団体が自主的・自立的に行われる社会貢献活動に対して、その活動に必要な経費の一部を助成することにより市民活動を支援する趣旨であることから、公益性、実現性、自立性、先駆性、発展性について、市の内部委員により選考しております。  一方、弘前市の制度は、政策として市民主体の地域づくりによる市政運営を掲げ、この事業を市民が自ら運営する事業と位置づけておられることや、補助率90%、補助限度額50万円であり、本市の制度より高率で高額であることなどから、学識経験者、団体推薦者、公募委員等で組織された審査委員会を設けられており、審査においても市民参加を図り、公開の場で審査することによって透明性や公平性等を担保されているものと考えております。 367 ◯副議長(矢吹安子さん) 夏川さん。   〔5番(夏川嘉一郎君)登壇〕 368 ◯5番(夏川嘉一郎君) 違いを述べてもらいましたが、参考になると思います。  細項目4、「全市民参加によるまちづくりで官民協働化のさらなる推進を」というコンセプトについて。  彼の市は、ニーズの多様化、高齢化、少子化など、近年の社会情勢の変化の中、行政主導の政策に限界を感じ、市民主体のまちづくりを志向したものであるとか。この「全市民参加型によるまちづくりで官民協働化のさらなる推進を」というコンセプトについては、本市としても貴重な思考事例として大いに参考にしていくべきものではないかと考えます。市民一人ひとりが小グループをつくって、市民一人ひとりが主役、入りやすい。田舎であろうが、山の方であろうが、十分しみ渡る制度です。この考え方は参考にすべきと思うのですが、見解を伺いたい。 369 ◯副議長(矢吹安子さん) 企画振興部長。 370 ◯企画振興部長(萩野 昇君) 本市におきましても、人口減少、少子高齢化などにより、地域における課題も多様化・複雑化し、行政が一律の公共サービスを提供するだけではもはや課題解決につながらない場合もあると考えております。  市民の皆さんや地域のコミュニティ、事業者、NPO等の市民活動団体や大学など多様な主体と行政が、対等な立場で、役割や責任を持って協力・連携を図っていくことは、地域課題に対応していくために大きな役割を果たしていくものと考えますので、弘前市や他市の制度を参考に、市民の地域づくりへの参画の促進、行政と市民双方向の取り組みにつながるような手法や仕組みにつきまして、研究をしてまいりたいと考えております。 371 ◯副議長(矢吹安子さん) 夏川さん。   〔5番(夏川嘉一郎君)登壇〕 372 ◯5番(夏川嘉一郎君) 他市のよいところはいろいろ勉強していただきまして、まねをするのがいいとは限りませんが、良いところは参考にして、本市がさらに飛躍するようによろしくお願い申し上げます。  それでは、大項目3、彦根城世界遺産登録への取り組みについて。  本市の世界遺産への取り組みは、外部から見る限り、停滞気味に見える。この間にもイコモスは変化を続け、その求めるものは高度化かつ複雑化していると聞く。いつまでも逡巡していては、彼我の差は開くばかりである。  いずれにしても、観光による活性化を主命題とする本市にとって、お城の世界遺産登録は、観光都市彦根の名声を内外に知らしめ、かつその地位を未来永劫にわたり不動のものとするはずである。  さて、いまだイコモス(その思考、理念)は射程距離内にあると確信しております。いまこそ乾坤一擲、総力を挙げて、実現化に向けてアクションを起こすべきと考えます。  この観点に立って、以下の質問を行いたい。  中項目1、今後の取り組むべき戦略について。  今までの課題は、イコモスの動向にかかわる情報に関してはある程度把握できているが、顕著でかつ普遍的な価値を有しているなど、バッファゾーンを含めイコモスの求めるものに確実に対応できる独自戦略策(ストーリー性に満ちた設計図案)がいまだできていないことにある。もちろんそれに基づいたコンセプトも確立されていません。まさに、彦根市の弱点はここにあると言える。今後の戦略としては、まずこの課題克服に全力を挙げるべきではないかと考えます。他の政治的施策ももちろん重要であることは言うまでもありません。  細項目1、他市(国宝の城を有する都市)との連携について。  他市との連携も視野に入れるべきと考える。今までも他市との連携という話はあったのですが、最近は聞きません。見解を伺いたいと思います。 373 ◯副議長(矢吹安子さん) 副市長。 374 ◯副市長(山根裕子さん) 国宝の城を有する都市の連携につきましては、松本市のイニシアティブもあり、国宝四城世界遺産登録推進会議準備会がワーキンググループをつくり、四つの国宝城郭の天守をまとめて世界遺産に登録することを目指す動きがあり、彦根市もその可能性を検討しました。しかし、そのような連携に姫路市が参加しない意向を示されております。  また、最近の世界遺産登録に関する世界の動向を見ますと、天守だけでは単体でも複数でも登録が難しいという専門家の意見も伺いました。  そうしたことを考慮して、彦根市では、本年度、彦根城に玄宮楽々園や旧松原下屋敷庭園などの関連資産を加え、彦根城が面する琵琶湖との関連性にも焦点を当て、世界遺産登録に向けての検討を進めることにいたしました。 375 ◯副議長(矢吹安子さん) 夏川さん。   〔5番(夏川嘉一郎君)登壇〕
    376 ◯5番(夏川嘉一郎君) それはそれなりにわかりました。  次に、細項目2、上部団体との連携について。  成功例を見ると、文部科学省や県とのコミュニケーションを密にして成功している例が多い。特に県とは常時連携を行うべきと考えるが、見解を伺いたいと思います。 377 ◯副議長(矢吹安子さん) 副市長。 378 ◯副市長(山根裕子さん) 世界遺産登録を実現するためには、市民、県、文化庁や外務省など国の機関だけでなく、イコモスや世界遺産条約加盟国および委員会など、重層的で複雑に絡み合う多くの機関の方々からの支援が必要です。したがいまして、複雑なプロセスをたどりながら、市民を初めとする広い支持を受け、文化庁や県と密接に連携することが必須です。  かつては、文化庁が世界遺産登録を主導されていましたが、世界遺産登録ルールが大変複雑になり、委員会において登録数を制限する動きもあり、昔のような作業では到底登録まで運ぶことが難しくなってきたことは、先回の報告会でお話したとおりです。  日本におきましては、平成19年ごろから、文化庁は自ら準備作業には携わらなくなってまいりました。現在では、地元自治体が主体となり、まちづくりに関連させながら実質的な作業に当たることが必要です。  滋賀県は、今年度から、彦根城の世界遺産登録を重点事業の一つにしておられます。昨年以来、彦根城の保存管理計画の改定作業等に携わっていただくため、県の文化財担当者を1人、市の予算で派遣していただいており、今年度からは、彦根市の作業グループの会合に県から3人の担当者にご参加いただき、彦根市の作業に対するコメントをいただいております。  今後の協力内容につきましては、彦根市が主体性を持って協議すべきと思っております。こうした協力は、単に推薦書案を作成するにとどまらず、彦根市の道路や公共施設、景観など、世界遺産登録ルールにのっとった幅広いまちづくりを内容とすべきですし、また海外専門家等の意見も聞きながらのプロセスであることから、やはり彦根市が中心となって長期的な戦略を立て、県にご協力いただきたいと考えております。  国内の他の事例を見ても、世界遺産登録については、県の担当者が市や町に赴き、実質的に資料作成に加わり、都市計画などの規制やまちづくりにもかかわるなど、登録ルールに基づき積極的に仕事をなされておられるようです。今後、国体主会場の景観等、まちづくりの課題を含め、これまで以上の協力をいただきたいというのが私たちの願いです。 379 ◯副議長(矢吹安子さん) 夏川さん。   〔5番(夏川嘉一郎君)登壇〕 380 ◯5番(夏川嘉一郎君) わかりました。県との提携もしっかりとやっておられ、その中でも大事なのは自分のところで立案していくという姿勢だということを伺いました。よろしくお願いします。  次に、細項目3、海外の知識利用について。  副市長は、世界遺産に詳しい人脈、特にヨーロッパに通じておられると聞く。彼らの知識、ノウハウを引き出し、何らかの形で役に立てられないものか。見解を伺います。端的にお願いします。 381 ◯副議長(矢吹安子さん) 副市長。 382 ◯副市長(山根裕子さん) 最近の世界遺産登録の動向を見ますと、委員会やイコモスの動き、登録候補資産に普遍的な価値があるか否かについての検証作業に対するイコモスの評価を最初から十分に把握しておくことの必要性を知りました。  そこで、国際イコモスの動向の確認に努めるとともに、昨年度から今年度にかけて、3人の外国の専門家に彦根市においでいたき、市の世界遺産登録作業の内容についてご意見を伺いました。今後も、外国の専門家や関係者の方々からご指導いただき、彦根市の主体的な取り組みが世界から見た感覚と評価を見通したものにしたいと思っております。 383 ◯副議長(矢吹安子さん) 夏川さん。   〔5番(夏川嘉一郎君)登壇〕 384 ◯5番(夏川嘉一郎君) よくわかりました。できるだけいろんな勢力を利用して、引き出せるものは引き出す。糧にしていただければありがたいと考えます。  細項目4、検討組織の再編について。  変化する事態に対応するため、推進組織の見直し・強化、再編が必要と考える。特にイコモスの意向に応じた設計案(顕著で普遍的、ストーリー性に満ちたもの)づくりは、別途専門家集団で構成すべきではないか。今までもしっかりやっていただいたとは思うのですけれども、新たな出発のために、専門家で再編すべきだと思いますが、いかがでしょうか。 385 ◯副議長(矢吹安子さん) 副市長。 386 ◯副市長(山根裕子さん) 彦根市は、文化庁から長年示されていた三つの検討課題のうち、今年度前半に一つ目の課題、姫路城との差別化に取り組み、その結果について文化庁から高く評価していただきました。  現在は、文化庁から示された二つ目の課題、国内の近世城郭との比較研究に取り組んでおります。今後も作業グループの作業を継続し、来年度までには三つ目の課題、城下町部分をいかにして構成資産とするかを含め、文化庁から示された三つの課題の検証を終えたいと思います。  世界遺産登録の実現に向けた構成資産やコンセプトの検証作業は、現在、彦根市が組織した作業グループにおいて進めております。世界遺産登録を実現するためには、資産が有する普遍的な価値を探究するだけでなく、資産によりその価値を証明しなければなりません。また、その資産をどのように保護し、規制を設けるかも考えなければなりません。現在のところ、「彦根城‐湖国の自然および文化との共生」というコンセプトで前に進み、国内外の専門家の意見を聞き、イコモスの感触も得ていくつもりです。  文化庁は、世界遺産登録を進める上で、専門家によって構成される検討委員会を設置することを指示されています。戦略的な意味からも、彦根市の準備が整い次第、国内外の専門家による検討委員会を組織したいと考えております。 387 ◯副議長(矢吹安子さん) 夏川さん。   〔5番(夏川嘉一郎君)登壇〕 388 ◯5番(夏川嘉一郎君) ぜひそうした国内外の優秀な専門家で最高の設計図ができることを期待しております。  細項目5、バッファゾーン域の拡大という手法について。  バッファゾーン域拡大により新たなストーリー性、例えば琵琶湖も含めるとか、山城を含めるとか、いろんなことが構築できると考えますが、拡大についての見解をよろしくお願いします。 389 ◯副議長(矢吹安子さん) 副市長。 390 ◯副市長(山根裕子さん) 先ほど申し上げましたとおり、普遍的価値の証明ができるか否か、規制にかかっています。バッファゾーンは、構成資産の価値を将来的に維持・強化するため、法的・慣習的制限によって構成資産を開発行為などから補足的に保護する資産の周辺をなす緩衝地帯のことですので、バッファゾーン自体が世界遺産のストーリーを構成するわけではありません。コンセプトおよびストーリーが固まった段階で、適切な範囲のバッファゾーンを定めるようにしたいと考えております。 391 ◯副議長(矢吹安子さん) 夏川さん。   〔5番(夏川嘉一郎君)登壇〕 392 ◯5番(夏川嘉一郎君) 先ほどは海外からも知識を集めて設計図をつくると言われましたので、もう一遍お聞きしたい。  市内3大学との協働化について。  細項目4でもお聞きしたように、イコモスの意向に沿った設計案づくりは、広く衆知を集める必要あり。その一案として、市内3大学それぞれに、本部・検討資料用として大学独自素案の提出を依頼するのも一法かと思います。見解をお願いしたい。 393 ◯副議長(矢吹安子さん) 副市長。 394 ◯副市長(山根裕子さん) 市内には、世界遺産に専門的に取り組んでおられる大学がなく、独自案の作成をお願いすることは難しいと思われます。実際、世界遺産ルールの現状を把握し、これまで登録されてきた1,031件の案件と異なるコンセプトに基づくストーリーを構築し、国内外の類似資産と比較して彦根にしかない価値を見出し、資産によってそれを証明するという作業は、非常に専門的で、また多大な時間と労力を要します。一つの戦略のもとに市の職員が結束して作業し、専門家の意見を聞きながら、登録ルールに対応していかなければなりません。  市内3大学に対しましては、これまでどおり、それぞれの専門分野の先生に作業グループにご出席いただいて、特定分野においてご指導を賜ることにしたいと思います。 395 ◯副議長(矢吹安子さん) 夏川さん。   〔5番(夏川嘉一郎君)登壇〕 396 ◯5番(夏川嘉一郎君) 学校に頼み、そこの専門の教授を招集して、その中で検討するというのも、これに代わる案かと思います。  細項目7、推進組織のありよう改善について。  曖昧な組織体制では、またもとのもくあみに戻ることが必至である。今こそ組織自らが動く仕組み、システム化づくりが必要なときと考える。すなわち、動く組織システム体制化であります。責任体制の明確にし、行動体制の明確化。誰がどの仕事をやるか。いつまでにやる。できればそういうことも組み込んで、常にその範囲の中でPDCAサイクル運用を義務づける。できれば第三者評価も組み込んでおく。こういう動く組織づくりが必要ではないか。今までは曖昧なままで流れてきた。もう猶予がない。しっかりとした動く組織をつくって、ある程度一つの案ができたら、それに向かって組織もつくり直して進めるべきだと思いますが、見解をお願いしたい。 397 ◯副議長(矢吹安子さん) 副市長。 398 ◯副市長(山根裕子さん) 昨年度は、世界遺産登録を担当する部署が企画振興部と文化財部に分かれていましたが、今年度におきまして組織の一本化を図り、文化財部の彦根城世界遺産登録推進課が業務を担当することになりました。  登録を目指した作業は、学術的・実証的な証明を必要としております。主体的に作業を行い、具体的な成果物をまとめ上げる能動的な動く組織になってきたと認識しております。当面は、現在の体制で進めてまいりたいと思いますので、ご理解をよろしくお願いいたします。 399 ◯副議長(矢吹安子さん) 夏川さん。   〔5番(夏川嘉一郎君)登壇〕 400 ◯5番(夏川嘉一郎君) 外から見た感じですけれども、今までは長い間眠ったようでした。今度こそしっかりと動く組織をつくって、確実に名乗りを上げてもらう。期待しておりますので、ひとつよろしくお願い申し上げます。長いことありがとうございました。終わります。 401 ◯副議長(矢吹安子さん) 暫時休憩します。            午後3時00分休憩            午後3時10分再開 402 ◯議長(西川正義君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  14番小菅雅至君。小菅君。   〔14番(小菅雅至君)登壇〕 403 ◯14番(小菅雅至君) 私は、今定例会に当たりまして、二つ、質問をさせていただきたいと思います。  まず、大項目1、彦根市のIT戦略についてです。  今の時代、IT、インフォメーション・テクノロジーは欠かせないものとなっています。個人もほとんどスマートフォンを使っておりますし、企業もワークスタイルは変わってきております。国もマイナンバー制度の導入もありまして、どんどんIT活用が進んでおります。  そうした中、彦根市のIT戦略がどんなものなのか、いろいろと質問をさせていただきたいと思います。  これまでの彦根市のIT戦略について確認させていただきたいと思います。  中項目1、彦根市のIT戦略の変遷について。  細項目1、これまでの彦根市のIT戦略の概要について。  過去に、彦根市は、全国に先駆けて、教育委員会を中心に、最新のシステムを導入した経緯があります。それから現在まで、彦根市のIT戦略はどのように進められてきたのか。ご説明をお願いいたします。 404 ◯議長(西川正義君) 企画振興部長。 405 ◯企画振興部長(萩野 昇君) 彦根市では、昭和48年1月に中型電子計算機を導入し、市・県民税賦課や国民健康保険税など、市民の要請に即応した窓口事務や情報処理体制の確立、さらには全庁的な事務改善実施の促進を図りながら、業務量の増大に伴い、コンピュータのレベルアップを重ね、約36年にわたり汎用システムの運用に努めてまいりました。  また、平成9年には、ITを活用した生涯学習情報の発信や、ネットワークを利用した学校教育を実現するため、全国的にも先進的な取り組みである学習情報提供システム「ひこねっと」を構築いたしました。  さらに、平成23年度以降は、各業務システムの個別最適化を図るため、汎用コンピュータによる集中管理型からサーバーによる分散処理化を進めてまいりました。  しかしながら、セキュリティの脆弱性、災害時のBCP対策、庁内LANとインターネットなどのネットワーク構成のあり方、各業務システムの最適化、市全体のIT費用削減対策など、さまざまな課題が生じてきました。  現在は、これらの課題に対し、市長を本部長とする彦根市情報化戦略本部を立ち上げるとともに、職員により構成されたプロジェクトチームによる各分科会が中心となり、平成29年度中の導入を目標として、基幹業務システムの再構築およびネットワークなどの情報基盤の再整備、さらにはIT活用によるワークスタイルの見直し、市民サービスの向上など、さまざまな分野で最新のIT化を目指して取り組んでいるところです。 406 ◯議長(西川正義君) 小菅君。   〔14番(小菅雅至君)登壇〕 407 ◯14番(小菅雅至君) 今答弁がありましたように、これから彦根市も新しくシステムを導入していく予定です。この前も20億円ぐらいの予算が通りましたが、基幹システムであるネットワークについてお聞きしたい。  中項目2、ネットワークシステムについて。  細項目1、現在のネットワークシステムは。  現在のネットワークシステムはどのような状況になっているのか。ご説明をお願いいたします。 408 ◯議長(西川正義君) 企画振興部長。 409 ◯企画振興部長(萩野 昇君) 現在の彦根市のネットワークシステムは、平成21年度に入れ替えを行いましたが、それ以前から使用している回線や機器が一部残っているため、障害が発生した場合には、障害箇所の発見がしにくく、復旧までに多大の時間がかかっております。昨年の12月16日に、誤って通信ケーブルを接続したことによりネットワークに障害が発生し、各業務システムが停止してしまい、住民票や保険証などの発行ができず、市民の方に多大なご迷惑をおかけすることとなりました。  また、庁内のシステムを利用するネットワークとインターネットを利用するネットワークが物理的に分かれていることから、インターネットから庁内のシステムに攻撃されるおそれがなく、比較的安全なネットワーク構造になっていますが、反面、ネットワークが別になっているため、インターネットを見る端末が所属に1台程度しかなく、職員のインターネットによる情報収集や活用がしにくいという問題がございます。 410 ◯議長(西川正義君) 小菅君。   〔14番(小菅雅至君)登壇〕 411 ◯14番(小菅雅至君) ご答弁にもありましたとおり、今のシステムで、職員がインターネットを使おうと思うと、違う座席へ行って、インターネットを使うということで、使い勝手が余りよくない。そういったことをこれから改善されていくと聞いています。  細項目2、今後のネットワークシステムは。  システムを変えていくとのことですが、これからはどのようなネットワークシステムを構築される予定でしょうか。 412 ◯議長(西川正義君) 企画振興部長。 413 ◯企画振興部長(萩野 昇君) 今後のネットワークシステムにつきましては、最新技術を用いて、ネットワークの二重化や無線化、異常箇所を発見するためのネットワーク監視機器の導入などを平成28年度中に整備する予定です。  また、インターネットが普及している現在の状況を鑑み、職員が自席で安全にインターネットにアクセスできる環境を構築してまいりたいと考えております。 414 ◯議長(西川正義君) 小菅君。   〔14番(小菅雅至君)登壇〕 415 ◯14番(小菅雅至君) ありがとうございます。これでネットワークはだんだんと新しくなり、使い勝手はよくなると思います。  細項目3、他施設とのリンクについて。  市のホームページなどを見ていますと、観光協会はリンクされていますが、図書館などはリンクされておりません。ほかにもいろんな施設がありますが、連携がとれていないように感じています。その辺はどのようにお考えでしょうか。 416 ◯議長(西川正義君) 企画振興部長。 417 ◯企画振興部長(萩野 昇君) 彦根市公式ホームページのトップページ内にあるリンク集は、市の施設以外で本市とかかわりが深い団体等のページを掲載し、彦根市公式ホームページ以外に独自にホームページを持っている図書館や市立病院などの市の施設は、彦根市公式ホームページ内の施設情報のページからリンクするような構成となっておりました。つまり、市の施設であるか否かで区分をしていたものですが、今回ご指摘を受けて、トップページ内のリンク集から市の施設情報ページへのリンクを新設したところです。このことによって、図書館、市立病院等、他の市の施設にトップページから早くリンクしていただくことができるようになると思います。  今後も、利用者にとってより使いやすいホームページとするため、引き続き改善を行ってまいりたいと考えております。
    418 ◯議長(西川正義君) 小菅君。   〔14番(小菅雅至君)登壇〕 419 ◯14番(小菅雅至君) ご答弁いただきましたように、ホームページから入ってこられる市民の方も結構おられると思いますので、使い勝手がいいようにしていただけたらと思います。  いろんなところとリンクしていきますと、ほかのところから攻撃されることもあります。  中項目3、IT戦略のセキュリティについて。  細項目1、セキュリティの重要性について。  私が思うに、セキュリティというのは全てについて最優先すべきと考えます。いいシステムができて、職員の使い勝手のいい環境が整ったとしても、セキュリティが脆弱だと、攻撃されたり、機能が麻痺してしまいます。セキュリティについてどのようにお考えなのか、ご答弁をよろしくお願いします。 420 ◯議長(西川正義君) 企画振興部長。 421 ◯企画振興部長(萩野 昇君) 彦根市が取り扱う情報には、市民の個人情報のみならず、行政運営上重要な情報など、部外に漏えいした場合や改ざんされた場合などには、極めて重大な結果を招く情報が多数含まれているため、常にこの情報の重要性を認識し、情報資産の的確な管理・運用を行うため、彦根市情報セキュリティポリシーを策定し、市民の利便性の向上と情報資産の保護を高次元で両立させ、高度情報化社会に対応した効率的かつ効果的なIT化を進めてまいりました。  まず、システム面としましては、昨年度から、職員によるIT課題検討会の情報基盤検討グループにおいて、ネットワークの二重化や無線化、異常箇所を発見するためのネットワーク監視機器の導入などについて検討を重ね、現在、その検討内容をもとに情報基盤の再構築を進めており、平成28年度中の稼働を目指しております。  また、推進体制としましては、彦根市情報化戦略本部において情報セキュリティ分科会を設置し、内部監査や情報漏えい事故発生時のセキュリティ訓練の実施など、平成28年度から本格的に活動していく予定となっております。 422 ◯議長(西川正義君) 小菅君。   〔14番(小菅雅至君)登壇〕 423 ◯14番(小菅雅至君) 今のご答弁と重なるかもしれませんが、細項目2、現在のセキュリティ状況は。  この前も、職員がシステムを利用したカラ残業の不祥事がありました。現在のセキュリティは大分前につくられたものもあるのではないか。現況のセキュリティシステムについて詳しくご説明をお願いいたします。 424 ◯議長(西川正義君) 企画振興部長。 425 ◯企画振興部長(萩野 昇君) 現在、本市のネットワークは、物理的にインターネットとはつながっていないため、庁内の業務パソコンは直接インターネットから攻撃を受けることはありません。  しかし、本市のセキュリティ対策は、ウイルス対策ソフトと職員のモラルに委ねている面がありまして、内部からの攻撃に対するセキュリティは十分対策がなされていないのが現状です。 426 ◯議長(西川正義君) 小菅君。   〔14番(小菅雅至君)登壇〕 427 ◯14番(小菅雅至君) 今のセキュリティシステムはそんなに強くない状況の中で、予算を組んで、ネットワークシステムをつくりますので、今後のことについてお聞きしたいと思います。  細項目3、今後の外部に対するセキュリティは。  新システムになるとネットワーク環境も変わってきますが、外部からの侵入や攻撃に対してどういったセキュリティ対策をとられるのか。ご回答をよろしくお願いいたします。 428 ◯議長(西川正義君) 企画振興部長。 429 ◯企画振興部長(萩野 昇君) 現在、外部からの不正侵入検知については実施しておりますが、その対策に加え、次世代型のウイルス検知やネットワーク内での不正な通信を監視するシステムを導入し、より高度な攻撃に対応できるセキュリティシステムを構築する予定です。これにより、日本年金機構で問題となった特定の団体を狙った標的型攻撃などへの対策も可能となると考えております。 430 ◯議長(西川正義君) 小菅君。   〔14番(小菅雅至君)登壇〕 431 ◯14番(小菅雅至君) マイナンバー制度も始まりますし、個人情報漏えい問題もありますので、外部に対してはかなり強いセキュリティをお願いいたしまして、次の質問に移ります。  細項目4、今度は内部に対するセキュリティです。  あってはならないのですが、不祥事に対するセキュリティについて質問します。新システムになりますが、指紋認証システムや電子決済システム等、ITを駆使した最新のシステムを導入される予定なのかどうかをお願いいたします。 432 ◯議長(西川正義君) 企画振興部長。 433 ◯企画振興部長(萩野 昇君) 今後の内部に対するセキュリティに関しましては、システム面と運用面の二つの大きな対応が必要だと考えております。  まず、システム面では、指紋認証などの生体認証システムを導入いたします。さらに、職員がどのような用途で端末を使用しているか、不正なデータの持ち出しはしていないかなど、職員が行う不正な動きを監視するためのシステムの導入も行います。  次に、運用面では、情報化戦略本部に位置づける情報セキュリティ分科会が中心となって、セキュリティ対策のための職員研修を実施し、理解を深めるとともに、セキュリティ訓練や内部監査の実施によりルール違反の是正を行うなど、運用ルールの徹底を図ってまいりたいと考えております。 434 ◯議長(西川正義君) 小菅君。   〔14番(小菅雅至君)登壇〕 435 ◯14番(小菅雅至君) ありがとうございます。セキュリティは本当に重要で、1回でも情報漏えいなどの不祥事がありますと、一気に信頼が崩れてしまいます。市民の皆さんの不安をあおることになりますので、セキュリティに関しては最重要課題として取り組んでいただきたいと思っております。  セキュリティとともに重要なのが、バックアップシステムです。  中項目4、彦根市のIT戦略のバックアップについて。  細項目1、現在のバックアップシステムは。  この本庁舎内にバックアップシステムがあると聞いておりますが、現在のバックアップシステムについてご説明をよろしくお願いいたします。 436 ◯議長(西川正義君) 企画振興部長。 437 ◯企画振興部長(萩野 昇君) 現在は、保有している業務サーバー内のデータを、毎日、業務終了後、テープ媒体に保存し、翌日、専門の保管業者に集配してもらい、セキュリティ面や災害面に優れた専門業者の施設に預けております。災害等で本庁舎が倒壊した場合、サーバー内のデータはなくなる可能性がありますが、前日のデータは安全な場所に保管されております。 438 ◯議長(西川正義君) 小菅君。   〔14番(小菅雅至君)登壇〕 439 ◯14番(小菅雅至君) ご回答がありましたように、1カ所だけでなく、ほかのところにもバックアップがとられているということで、安心していますが、ネットワークはどんどん変わっていきますので、これからのIT戦略において、バックアップはどのように考えておられるでしょうか。よろしくお願いします。 440 ◯議長(西川正義君) 企画振興部長。 441 ◯企画振興部長(萩野 昇君) 現在、平成29年度の稼働を目指した基幹業務システムの再構築事業を進めておりますが、その中で新たなバックアップシステムを予定しております。  その内容としましては、第1に、本庁舎にあるサーバーを災害に強い堅牢な外部のデータセンターに置くことです。これにより、万が一本庁舎が倒壊した場合でも、情報が消滅することはありません。  第2に、そのデータセンターと本庁舎を結ぶ通信回線やデータの二重化を行うことです。これにより、片方の通信回線やサーバーがダウンしても、継続して業務を行うことができます。  第3に、データセンターの情報を他の遠隔地のデータセンターにバックアップすることです。これにより、通常のデータセンターが使用できなくなった場合でも、復旧が可能となります。  さらに第4に、万が一、データセンターとの通信ができなくなった場合には、本庁舎に前日時点の情報をバックアップシステムで保存することにより、照会や証明書発行業務を継続することが可能となります。  このように、3重、4重のBCP対策やバックアップシステムを導入することにより、大規模災害時においても窓口業務が継続できる環境を整えてまいりたいと考えております。 442 ◯議長(西川正義君) 小菅君。   〔14番(小菅雅至君)登壇〕 443 ◯14番(小菅雅至君) 今のお話の中で、3重、4重にバックアップをしていただけるということで、今と比べたらかなり安心できるということなので感心しています。  中項目5、彦根市のIT戦略と仮設庁舎移転時期について。  耐震の問題があって、いつごろになるかわかりませんが、彦根駅東口の方の仮設庁舎へ移転し、その後戻ってくることになると思います。  細項目1、仮設庁舎移転時期に大きな影響を受けないのか。  これからネットワークやWi-Fiなどを導入されますが、仮設庁舎移転の際にどのような影響を受けるのか、ご回答をお願いいたします。 444 ◯議長(西川正義君) 企画振興部長。 445 ◯企画振興部長(萩野 昇君) 現在進めております情報基盤整備事業のうち、本庁舎の無線LAN化や本庁舎のネットワーク工事については、庁舎耐震化整備事業とあわせて整備を進めていく必要がありますが、現時点で、庁舎耐震化整備事業の詳細が定まっていないことから、IT戦略に与える影響をはかりかねる面がございます。  また、情報セキュリティの強化、BCP対策、基幹業務システムの再構築など、その他の業務につきましては、庁舎耐震化整備事業とは直接関連がないことから、仮設庁舎移転時期に大きな影響は受けないものと考えております。  したがいまして、今後の情報基盤整備の一部が庁舎耐震化整備事業の進捗によるところがあるものの、総じてIT施策全般に大きな影響を与えるものではないと考えております。 446 ◯議長(西川正義君) 小菅君。   〔14番(小菅雅至君)登壇〕 447 ◯14番(小菅雅至君) 大きな影響は受けないとのことでしたが、多少は影響があるとのことですので、庁舎耐震の問題も速やかに解決していく方向でよろしくお願いします。IT戦略は全ての業務にかかわってくる問題ですので、大小にかかわらず影響を考えながら、いろいろと決断していただけると非常にありがたいと思います。  仮設庁舎にもいろんな什器を購入すると思いますけれども、見せていただきますと、今の時代に合ったような最新の什器だと思います。将来的にワークスタイルが変わっていくことを見越して、什器を購入されているのではないかと思いました。  中項目6、彦根市のIT戦略とワークスタイルについて。  細項目1、これからのIT戦略のワークスタイルについて。  民間のワークスタイルというのはどんどん変わってきています。行政として、これからのIT戦略のワークスタイルについてどうお考えなのか。ご回答をお願いいたします。 448 ◯議長(西川正義君) 企画振興部長。 449 ◯企画振興部長(萩野 昇君) 情報化戦略本部に位置づける政策課題へのIT活用分科会におきまして、彦根市のワークスタイルの課題を抽出し、解決策に対する議論を重ねてまいりました。  ワークスタイルについては、事務処理の迅速化が緊急の課題と捉えています。そのためには、電子決済により決裁を効率的に行える環境整備が必要であり、電子決済が実現できる文書管理システム導入に向けた検討を進めております。文書管理システムによる文書の電子化を進めることで、ペーパーレス化にも一定の効果があると考えております。  そのほかにも、今後整備を予定しているネットワークの無線化に合わせて、タブレット端末の導入と運用について検討を進めるなど、ワークスタイルの変革に向けIT活用の面から柔軟に対応してまいりたいと考えております。 450 ◯議長(西川正義君) 小菅君。   〔14番(小菅雅至君)登壇〕 451 ◯14番(小菅雅至君) 今ご答弁のありましたワークスタイルの変化については、文書管理システムによるペーパーレス化をもっと進めていただけたらと思っております。今の時代、民間の方では紙ベースというのは少なくなってきていますので、市役所もなるべくITを利用した形で進めていただけたらと思います。  細項目2、ペーパーレス化と仮設庁舎移転について。  今回、耐震により仮設庁舎へ移転し、ここは一旦空になります。どれくらいかかるかわかりませんけれども、行政の全てが移転して、またこちらへ戻ってきます。向こうへ行って、こちらへ帰ってくるという単純な引っ越しだけを考えるのではなく、一旦空になるわけですから、その間にペーパーレス化も含めた文書管理、ワークスタイルも含め、これからのIT戦略に沿うような形で進めていかれたらいいのではないかと思います。今回はたまたま耐震の問題でこちらから向こうへ移動し、物が戻ってくることになりますが、ITの面から見ますと、引っ越しをしてまた戻ってくるということはまずありません。この際、いろいろと利用するのがいいのではないかと思いますので、なるべく早急に進めていただけたらと思っています。  細項目2、ペーパーレス化と仮設庁舎移転についてどのようにお考えなのかをお願いします。 452 ◯議長(西川正義君) 企画振興部長。 453 ◯企画振興部長(萩野 昇君) 仮設庁舎に移転している期間につきましても、本庁舎の書庫に公文書を保管しておく予定をしております。本庁舎の書庫は文書箱で3,000箱以上の公文書を保管しており、永年保存の公文書だけでなく、保存期間が定められた公文書も多く、電子化してもすぐに保存期間が満了する公文書も多い状況です。また、市で保管している文書には歴史的文書となるものもあり、電子化した公文書の廃棄についても検討が必要です。さらに、電子化の費用だけでなく、電子化した膨大なデータを管理するシステムの導入に多大な費用がかかることから、書庫内全ての文書の電子化は非常に困難であり、電子化を行うことは考えておりません。  しかしながら、現在においても、本庁舎の書庫の保管スペースが不足してきており、公文書の適切な管理や保管スペースの確保とあわせて、ペーパーレス化に向けた取り組みが急務であると考えており、さきに申し上げましたとおり、電子決済機能を有した文書管理システムの導入によりペーパーレス化を推進してまいりたいと考えております。 454 ◯議長(西川正義君) 小菅君。   〔14番(小菅雅至君)登壇〕 455 ◯14番(小菅雅至君) ペーパーレス化は早急に進めていただきたいと思います。  ITというのは全職員に関係することです。IT戦略を進めていくに当たり、各部署の動向を知るには、お金の流れを見るとわかると思います。  中項目7、彦根市のIT戦略の予算について。  細項目1、全組織にわたるIT関係の予算は。  財政課へ各部署の予算が上がってきて、それをもとに予算特別委員会、決算特別委員会が開かれています。しかし、ITは全部署にわたりますので、ITから見た項目に分けて予算を把握していただきたいと思います。全組織にわたるIT関係の予算は算出できるのか。ご答弁をお願いします。 456 ◯議長(西川正義君) 企画振興部長。 457 ◯企画振興部長(萩野 昇君) 現在は、税、保険料、医療などの各業務システムは、各所属で個別で調達・契約を行っていることから、予算書としては科目別に計上されており、市全体でIT関連予算を素早く確認することは難しい状況にあります。今後は、例えば当初予算発表時に、IT関連予算を一覧表にするなどして、見やすくわかりやすい資料を作成してまいりたいと考えております。 458 ◯議長(西川正義君) 小菅君。   〔14番(小菅雅至君)登壇〕 459 ◯14番(小菅雅至君) ありがとうございます。これからは項目別、IT関連別に予算を出して、把握していただきたいと思います。部署ごとのバランスもありますし、項目によって多いとか、少ないとかも出てくると思います。  細項目2、IT関係の予算の内容について。  IT関係の予算は多岐にわたるため、量が多くなってくると思います。項目ごとに把握して、IT戦略を考えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 460 ◯議長(西川正義君) 企画振興部長。 461 ◯企画振興部長(萩野 昇君) 先ほどご答弁申し上げましたように、今後は情報政策課においてIT関連予算の一覧を作成するとともに、さきの9月市議会の補正予算でお認めいただきました情報基盤整備事業と基幹業務再構築事業により、本市の抜本的な情報システムの見直しを行う中で、市全体のIT関連予算の一元的な把握なども含め、ITガバナンスの強化に努めてまいりたいと考えております。
    462 ◯議長(西川正義君) 小菅君。   〔14番(小菅雅至君)登壇〕 463 ◯14番(小菅雅至君) ありがとうございます。ぜひそのようにIT予算を見ていただいて、バランスを考えて予算を組んでいくような形にしていただけたらと思います。  今までいろいろとペーパーレス化も含めましてIT関連について質問しましたが、インフォメーションテクノロジーはこれからもどんどん進化していくと思います。今はITの始まりです。家電もITによって操作できたりして、個人のライフスタイルまでも変わっていくように感じます。そういった中で、ITの果たす役割は大きくなってきます。予算だけでなく、ITにかかわる職員も増やした方がいいのではないかと思っています。  中項目8、彦根市のIT戦略の情報管理組織について。  細項目1、ここ数年のIT戦略の組織についてお聞きしたいと思います。 464 ◯議長(西川正義君) 企画振興部長。 465 ◯企画振興部長(萩野 昇君) 本市の情報化担当部署の変遷につきまして、ここ数年ということですが、当初から説明をさせていただきたいと思います。まず、昭和47年11月の本庁舎竣工と同時に、総務部に電算課を設置したことに始まります。その後、昭和55年度に総務部電算課から総務部総務課情報管理係に、また平成13年度には企画振興部情報政策課として組織変更を行っております。これは、本市の情報化施策が単に情報の管理業務にとどまらず、市の政策として位置づけられたものと考えております。  さらに、昨年度まで情報政策課では広報業務も所管しておりましたが、今年度からはIT戦略や情報化推進に特化することによりIT部門の組織強化を図ってきたところです。 466 ◯議長(西川正義君) 小菅君。   〔14番(小菅雅至君)登壇〕 467 ◯14番(小菅雅至君) お話にありましたように、管理業務だけでなく、IT戦略ということで組織もどんどん変化していくと思います。先ほども述べましたように、今がITの始まりですので、彦根市が発展していくためには、組織を強くしていく必要があるのではないかと思っています。  細項目2、IT戦略全般に特化した部署設置について。  今の体制よりも、IT戦略部や市長直轄の戦略室など、人数を増やしてもっと強化していった方がいいのではないかと思います。ホームページやフェイスブックもそうですが、ITに関しては一つの部署で全て把握するという形でないと、これからは追いついていけませんし、ほかの市に後れをとってしまいます。例えば大津市では、議会システムが入って、議員にもタブレットと言っていますが、個人的な意見ですが、大津市がこうしたから、長浜市がこうしたから、彦根市も取り入れてやっていこうというよりも、彦根市が先頭に立つといいますか、滋賀県の中でトップクラスになり、全国的にもトップの方に位置して、率先してシステムなどをやっていく。ほかの市が「彦根市はそんなにいいシステムをやって、いろんな市民サービスをしている」ということで模範になっていく方がいいと思っています。これから先、もっとITに特化してやっていただきたい。  これからシステムを替えるということですが、ITというのは後から導入した方がいいものができます。パソコンもそうなのですが、今買うよりも、少し後で買った方がいいものが購入できます。Windows8が、後で買ったらWindows10になっているとか、ある意味、後追いの方がいいような状況になっています。既に導入されている市もあるのですけれども、今回かなり予算をつけて新システムを導入されますので、これを契機に彦根市のIT戦略が、滋賀県の中だけでなく、全国のこのぐらいの規模の都市の中ではすごいと思われるように、IT戦略に特化した部署の設置についてどう思われているのか。ご回答をお願いします。 468 ◯議長(西川正義君) 総務部長。 469 ◯総務部長(和気豊文君) 組織の関係ですので、総務部の方からお答えをさせていただきます。  本市の情報化施策は、さきの市議会9月定例会において補正予算をお認めいただきました情報基盤整備事業と基幹業務再構築事業により、本市の全ての情報システムを刷新、ネットワーク環境の再整備、情報セキュリティの強化、BCP対策など、情報インフラの見直し作業が緒に就いたばかりです。企画振興部情報政策課が担当しておりますのは、今までの答弁のとおりです。  ご指摘いただきましたIT戦略全般に特化した部署につきましては、大変重要だとは思っております。今ほど述べました事業の進捗状況や必要性、これから出てくる課題なども見据えて、組織再編の見直しの中で注目しつつ、今後検討してまいたいと考えております。 470 ◯議長(西川正義君) 小菅君。   〔14番(小菅雅至君)登壇〕 471 ◯14番(小菅雅至君) ありがとうございます。ITは全ての部署に必要になってきます。何をするにしても、IT環境がない状況になってきております。  彦根市経済活性化委員会に参加させてもらったときも、ある方が言っていましたが、外に情報を発信するにしても、ITが強くないと攻めることができない。そういう設備があって、広報を打ち出していくという時代になってきています。ちょうど基盤ができつつありますので、次は攻めに転じることになると思います。いろんなサービスを考えていって、最終的には市民によりよいサービスを提供することになりますので、組織づくりをよろしくお願いいたします。  中項目9、彦根市のIT戦略と市民サービスについて。  細項目1、彦根市のIT戦略と市民サービスについて。  今までIT戦略についてお話をさせてもらったのですが、最終的には市民に対していいサービスを提供するためのIT戦略です。IT戦略と市民サービスについてどのようにお考えなのか。ご回答をよろしくお願いいたします。 472 ◯議長(西川正義君) 企画振興部長。 473 ◯企画振興部長(萩野 昇君) 議員ご指摘のとおり、本市はIT戦略を充実させることが市民サービス向上につながるものと考えております。  本市は、市民サービスにおけるIT戦略の重要性について従前から認識しており、平成27年4月から市長を本部長とする情報化戦略本部の分科会の一つとして政策課題へのIT活用分科会を立ち上げ、その中に市民サービス検討サブグループを組織しております。本サブグループにおきまして、ITを活用した市民サービスを向上させるための施策を全庁横断的に研究・検討しており、検討結果の一部は平成28年度の予算化に向けて、その内容を現在精査しております。  最近のITの進展は非常に早く、一過性のIT施策では継続性のある市民サービス向上には寄与できないものと考えておりまして、本サブグループを今後とも継続し、情報政策課との連携のもと、本市の継続的な市民サービス向上を図ってまいりたいと考えております。 474 ◯議長(西川正義君) 小菅君。   〔14番(小菅雅至君)登壇〕 475 ◯14番(小菅雅至君) これからも市民サービスに関していろいろな提案をしていくことになると思いますけれども、市民サービスに直結するような形で質問をさせていただきたいと思います。IT戦略につきましては、これで質問を終わらせていただきたいと思います。  続きまして、大項目2、彦根市の野良猫対策についてです。  彦根市は、いろんなところに動物がいます。私のいる野田山町も、山からサルやイノシシなどがおりてきて、うろうろしています。サルやイノシシは獣害対策ということで把握され、いろいろな施策がされています。しかし、野良猫はまちなかで悪さをして、苦情も来ております。  中項目1、野良猫の現状について。  細項目1、野良猫の数の把握は。  犬は狂犬病もありまして、市の方で数や持ち主を管理している状況になっています。ところが、猫は餌をやればなついてきて、飼い主と認定されるような形になっています。そもそも野良猫の数の把握はどのようにされているのか、教えていただきたい。 476 ◯議長(西川正義君) 市民環境部長。 477 ◯市民環境部長(大倉 浩君) ご質問の野良猫の数については、市としては把握しておりません。  これは、先ほどおっしゃったように、同じ愛玩動物でも、犬は狂犬病予防法に基づき飼い主による畜犬登録が義務づけられておりますことから、飼い犬の数の把握が可能となります。加えて、野犬につきましても、狂犬病予防法において、捕まえて連れていくことですが、これを抑留しなければならないと定められておりますことから、発見次第抑留しており、野犬の数の把握もほぼ可能となっています。  一方、猫につきましては、犬のような法律に基づいた登録制度がありません。また、野良猫だからという理由で抑留するという規定がないため、飼い猫、野良猫の数についてともに確認することができません。  動物の愛護及び管理に関する法律に基づいて猫を保護しております滋賀県動物保護管理センターに問い合わせましたところ、県の統計のため若干対象エリアは広いですが、彦根市、犬上郡、愛知郡の1市4町の彦根保健所管内における負傷した猫やそのままでは生きていけない子猫等の回収数は、平成26年度が63匹、平成25年度では91匹となっております。ちなみに、野良猫のうち、自ら獲物を捕らえ生活することが可能な猫、親猫が育てている子猫等については、動物保護管理センターの回収の対象とされていないことから、同センターとしても個体数の把握はできないとの回答をいただいております。 478 ◯議長(西川正義君) 小菅君。   〔14番(小菅雅至君)登壇〕 479 ◯14番(小菅雅至君) 確かに野良猫の数の把握はなかなか難しいと思います。  細項目2、野良猫の数は増えているのか。  猫については、好きな人は好きですし、嫌いな人は嫌いということで、結構分かれるとは思います。苦情が増えていると聞いているのですけれども、それは地域のつながり、人とのつながりが薄れてきて、昔みたいに誰が何をしているのかわかりにくいという状況で、猫ばかりが動いているということで苦情が来ているのではないかという気がしないでもないのですが、もしわかれば、野良猫の数が増えているのか、ご回答をよろしくお願いします。 480 ◯議長(西川正義君) 市民環境部長。 481 ◯市民環境部長(大倉 浩君) 先ほどの滋賀県動物保護管理センターによりますと、彦根保健所管内における平成26年度の猫の回収実績は、平成18年度から平成26年度までの統計によりますと、過去9年間で最も多く回収された平成22年度の約27%となっておりますことから、回収されていない猫の存在を考慮したとしても、野良猫が全体的に減少しているものと推察しております。  また、滋賀県全体でも、平成26年度の猫の回収数は、先ほどの同様のスパンの平成18年度から平成26年度までの統計で最も多く回収されました平成20年度の約43%となっておりまして、同様に最近は減少傾向にあると推察しております。 482 ◯議長(西川正義君) 小菅君。   〔14番(小菅雅至君)登壇〕 483 ◯14番(小菅雅至君) 野良猫の数は減少傾向にあるとのことですが、苦情などをいろいろ聞いております。猫のオシッコは臭いと聞きます。駐車場の車のところに猫がいて、温かいときなどはボンネットの上に乗って、車に傷をつけたりしています。昔に比べて人とのつながりが薄くなってきていますので、ちょっとしたことで猫に対する苦情が増えているのではないかと思っています。  中項目2、地域猫について。  細項目1、地域猫について。  犬の場合は飼い主がはっきりしているのですが、猫の場合は餌を与えた人が飼い主のようになっていくと思いますので、飼い主という概念がありません。そのかわり、地域で飼っているという考え方があります。この地域猫について、行政はどうお考えになるでしょうか。地域の方でお願いするのか、行政の方も対策などについて相談に乗るなど住民と一緒に考えようとされるのか、ご答弁をお願いします。 484 ◯議長(西川正義君) 市民環境部長。 485 ◯市民環境部長(大倉 浩君) 地域猫につきましては、環境省が策定しております「住宅密集地における犬・猫の適正飼養ガイドライン」によりますと、「地域猫とは、地域の理解と協力を得て、地域住民の認知と合意が得られている特定の飼い主のいない猫で、その地域に合った方法で飼育管理者を明確にし、飼育する対象の猫を把握するとともに、餌やふん尿の管理、不妊去勢手術の徹底、周辺美化などの地域のルールに基づいて適切に飼育管理し、これ以上数を増やさず、一代限りの生を全うさせる猫」としております。  ご質問の地域猫の取り組みにつきましては、先ほどから申し上げています動物保護管理センターは、動物の保護及び管理に関する法律に基づいて動物の愛護や管理に関する施策を推進している県の機関ですが、この動物保護管理センターが取り組みを紹介しておりますけれども、自治会等の地域で飼育することについては、地域住民の総意を得ることが難しいこともあり、県内では独自で動物愛護センターを持っております大津市を除いては実施されていないのが現状です。  県内で唯一、地域猫に取り組んでいる大津市におきましても、「他の地域の住民から野良猫にエサを与えているとの苦情があった」、「世話をするメンバーが減り、今後の活動の継続が不安である」、「活動未実施地域から流れてくる猫が多く、減らない」との声が寄せられているとのことでした。  市といたしましては、住民の皆様が独自で行われる地域猫への取り組みについて否定するものではありませんが、地域住民の総意を得ることが難しいことなどを考えますと、市が地域猫への取り組みを促進することは、現状では難しいものと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。 486 ◯議長(西川正義君) 小菅君。   〔14番(小菅雅至君)登壇〕 487 ◯14番(小菅雅至君) 市の方は難しいとの答弁でした。  細項目2、地域猫の去勢について。  なかなか難しいとは思いますけれども、猫を増やさないという観点から、去勢する費用などについて彦根市の方でもっていただけたらという声も聞かれています。これは非常に難しい問題だと思います。冒頭でも申し上げましたように、猫を好きな人と嫌いな人の差が非常に大きいので、地域でという考えもまとまるのが非常に難しい。その中で、せめて去勢ぐらいはしていただけたらという意見が出ておりますので、去勢についてのご答弁をよろしくお願いします。 488 ◯議長(西川正義君) 市民環境部長。 489 ◯市民環境部長(大倉 浩君) 野良猫の去勢につきましては、県内では独自で動物愛護センターを持っている大津市が直営手術を行っているのみで、その他の市町を所管する県の動物保護管理センターにおいては実施しておりません。  仮に彦根市が去勢や不妊手術を行う場合、市内の獣医に委託することになりますが、去勢や不妊に関する手術は1個体1万円から3万円の費用が必要です。全ての野良猫に対して行うには、大きな予算が必要になるものと考えております。  県外の他の自治体の地域猫の取り組み状況を見ておりましても、これに取り組む自治体がある一方で、地域住民の理解が得られない、以前と変わらずふん尿の苦情が寄せられる、高額な手術費用について地域に負担をお願いするのは困難なことで仮に補助金等の制度を創設しても希望が多く追いつかない、などの課題がございまして、自治体の負担も大きいことから、取り組みを見直す自治体も出てきております。  野良猫の繁殖につきましては、餌の有無が大きな要因を占めると考えております。餌づけをしないことや、餌となる生ごみの適切な排出について「広報ひこね」等で周知・啓発を行っております。野良猫の相談があった場合はパンフレットを配布し、注意を喚起するなど、市民の皆さんにお願いをしているところです。無責任に餌を与えることをやめる、餌となる生ごみを放置しないことなどによって、猫が食べる餌がなくなることが個体数の減少につながるものと考えております。今後も、市民の皆様には、啓発を通じて、自然減少が進むようにご協力いただきたいと考えております。 490 ◯議長(西川正義君) 小菅君。   〔14番(小菅雅至君)登壇〕 491 ◯14番(小菅雅至君) 市の方でもいろいろとやっていただいているようですので、これからも野良猫対策をよろしくお願いいたします。  ひこにゃんは彦根市の代名詞です。ひこにゃんのイメージがよくなると、彦根もいいイメージになりますので、彦根市の方で猫の対策をとっていただきたいと思います。お願いいたしまして、今定例会におけます私の質問を終わります。ご答弁、ありがとうございました。 492 ◯議長(西川正義君) 暫時休憩いたします。            午後4時09分休憩            午後4時20分再開 493 ◯議長(西川正義君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  本日の会議時間は、議事の都合によりあらかじめこれを延長いたします。  15番上杉正敏君。上杉君。   〔15番(上杉正敏君)登壇〕 494 ◯15番(上杉正敏君) 私は、今定例会におきまして、大きく3点、質問させていただきます。  まず、大項目1、福祉施設の充実を。  障害者を取り巻く環境、制度、法律の変化は、近年、めまぐるしく変化しております。それにあわせて、障害者の捉え方も大きく変化しています。日本の福祉制度や福祉関係法は戦後半世紀ほどが経過し、行政が主体となって福祉財源・資源を誰に供給するかを行政の職権によって決定し、社会的弱者に対して補完的にサービスを提供するといった措置制度から、福祉を利用する主体が福祉サービス提供者との間で対等な立場に立って、サービスを自己選択・自己決定し、契約によってサービスを利用する利用契約制度に変わりました。  私は、議員になって間もなく、重症心身障害児を持つお母さんより、子どもさんが利用されている施設のことや将来についての市民相談を受けました。  そこで、今回は、重症心身障害者を抱える家族の方が持たれている悩みや思いについて、以下の質問をします。  中項目1、重症心身障害者施設の充実を。  細項目1、彦根市内における重症心身障害者施設の実態は。  平成27年度現在における彦根市内にある重症心身障害者施設の実態についてお聞かせください。 495 ◯議長(西川正義君) 福祉保健部長。 496 ◯福祉保健部長(川嵜 孝君) 施設の実態ということですが、彦根市内において、重症心身障害のある人専用の通所事業所は、重症心身障害者彦愛犬通園施設「せいふう」があるのみとなっております。  「せいふう」開所以前は、豊郷町にあります「ステップあップ21」の2階1室を借用し、通称彦根通園と呼ばれる事業を、在宅重度障害者通所生活訓練事業として社会福祉法人びわこ学園に委託し、実施しておりました。  その後、同園の利用者が増え、新規利用者の受け入れも困難な上、将来的な利用者数もさらに増加する見込みであったため、新たな施設の整備が必要となったことから、彦根愛知犬上1市4町の共同支援のもと、本市高宮町の社会福祉法人青い鳥会が、同法人敷地内に重症心身障害者彦愛犬通園施設「せいふう」として平成21年度に新築整備され、翌年平成22年4月に開所されたものです。この施設「せいふう」は、障害者総合支援法の指定生活介護事業所として、彦根通園の事業を引き継ぐ形で現在に至っております。  平成27年11月末現在、彦根市から12名、総数20名の方が常に利用しておられ、その方々の態様は一人ひとり異なっております。高い医療的ケアが必要でマンツーマンでの対応が必要な方、常時ベッドで過ごされている方、車椅子で過ごされている方、かろうじて自力歩行ができる方など、「せいふう」では利用者の障害特性に応じたきめ細かな配慮をしながら、機能訓練や創作的作業、医療的ケアなどの療育活動を初め、入浴サービス、送迎サービス等を実施されているところです。 497 ◯議長(西川正義君) 上杉君。   〔15番(上杉正敏君)登壇〕 498 ◯15番(上杉正敏君) ありがとうございます。彦根市内における「せいふう」の施設概要はよくわかりました。
     それでは、細項目2、滋賀県下における重症心身障害者施設の実態は。  滋賀県下における重症心身障害者施設で、通所、入所を合わせての規模や施設数、利用実態をお聞かせください。 499 ◯議長(西川正義君) 福祉保健部長。 500 ◯福祉保健部長(川嵜 孝君) 滋賀県内の重症心身障害のある人を主な利用対象とする通所施設は、滋賀県に確認しましたところ、県下七つのブロックに分けた福祉圏域におおむね1カ所から数カ所が整備されており、平成26年度末現在、9カ所となっております。その運営は、全て障害者総合支援法に基づく生活介護事業で、社会福祉法人がサービス提供しており、定員はそれぞれ10名から20名となっております。  また、重症心身障害のある人や子どもを利用対象とする入所施設は、びわこ学園医療福祉センター野洲および同草津、独立行政法人国立病院機構紫香楽病院がございます。定員は、医療福祉センター野洲が130名、同草津が105名、紫香楽病院が90名となっておりますが、ほぼ入所定員に空きがない状態と聞き及んでいます。  なお、彦根市からは、医療福祉センター野洲に7名、同草津に6名、紫香楽病院に2名の方が入所されています。 501 ◯議長(西川正義君) 上杉君。   〔15番(上杉正敏君)登壇〕 502 ◯15番(上杉正敏君) 現在、彦根市内には入所できる場所がないので、草津や紫香楽に行かれている現状がわかりました。  それでは、細項目3、重症心身障害者施設の拡充を。  重症心身障害者通園施設「せいふう」の利用者からの相談では、施設が手狭になってきている中で、行動障害の障害特性を持たれている方と重症心身障害者と混在利用している点において、医療にかかわる事故、例えばチューブの抜去の発生を心配されています。そこで、施設の改善を強く望まれている利用者の方々に、彦根市としてできる施策をお聞かせください。 503 ◯議長(西川正義君) 福祉保健部長。 504 ◯福祉保健部長(川嵜 孝君) 重症心身障害のある方々には、車椅子で移動される方、ベッドでほとんどの時間を過ごされる方、医療的ケアが常に必要な方、こだわりが強い方など、一人ひとり違った特性がございます。  重症心身障害者彦愛犬通園施設「せいふう」においても、さまざまな特性のある利用者がおられることを本市としても把握しており、一人ひとりが穏やかに安心・安全に過ごしていただく環境づくりの一つとして、十分な活動スペースを確保することは大変大切であると考えております。  また、彦根愛知犬上の1市4町では、重症心身障害のある人や子どもの人数等の把握に努め、将来的な利用者数や利用形態の予測を行いながら、関係機関や法人等と協議・検討を重ねており、このことを踏まえた具体的な対応策として、行政の支援のもと、「せいふう」が増築される予定です。 505 ◯議長(西川正義君) 上杉君。   〔15番(上杉正敏君)登壇〕 506 ◯15番(上杉正敏君) 答弁にありましたように、1市4町で利用されているとのことですが、施設の拡充を計画されているとのことでした。具体的な施工規模と時期がわかれば教えていただけますか。 507 ◯議長(西川正義君) 福祉保健部長。 508 ◯福祉保健部長(川嵜 孝君) 増築に関して、現在の面積は655平方メートルですが、これに260平方メートル程度の増築をして、915平方メートル超の計画をされています。そのうち、現在の活動スペースは218平方メートルで、ここに180平方メートルほど増築され、398平方メートルになるという計画をお聞きしております。  また、定員につきましては、現在利用されている方が20名で、10名増やすとお聞きしております。  今年度予算におきまして、増築に係る設計費の補助金を計上しておりますが、国・県の予算状況、県内の他の施設の建築状況などを勘案し、県下の優先順位などもありまして、現時点での具体的な見込みは立っていないところです。今後、国・県の支援の動向によって、1市4町での単独支援も視野に入れ、施設の意向等もありますので明確な時期はお答えできませんが、タイムリミットもありますので、見極めながら早い時期に増築ができるようい協議を進めてまいりたいと考えております。 509 ◯議長(西川正義君) 上杉君。   〔15番(上杉正敏君)登壇〕 510 ◯15番(上杉正敏君) このような重症心身障害者を抱える方の相談の中で、行動障害を持つ方と重症心身障害者が一緒に施設に入られている中、事故があってからでは遅いと思います。強く望まれていますので、1市4町が一丸となって、施設の拡充が一日でも早く実現することを要望したいと思います。  続きまして、細項目4、重症心身障害児の日中一時支援について。  学校の放課後、長期休暇の期間中、日中一時支援を利用しようとしても、重症心身障害児対応のところは少なく、すぐに定員オーバーとなり、利用が難しい現状と聞いております。また、重症心身障害児対応のスタッフが不足することから、保護者がつかなければならないときもあるとのことです。このような問題を彦根市としてどのように考えているのか、お聞かせください。 511 ◯議長(西川正義君) 福祉保健部長。 512 ◯福祉保健部長(川嵜 孝君) ご指摘いただきましたとおり、現在、重症心身障害のある子どもの利用可能な日中一時支援の事業所は多くはございません。  このため、重症心身障害など重度の障害のある子どもを受け入れる事業所数や受け入れ人数が拡大されるよう、日中一時支援事業委託料の事業所体制加算の見直しを検討しているところです。また、医療的ケアの必要な障害のある子どもの放課後や長期休暇中の過ごし場所を確保するため、当該障害のある子どもに対して医療的ケアを行う看護師を配置する放課後等デイサービス事業所に対し補助金を交付する制度を、平成27年度から実施したところです。  今後も、事業所に対して重症心身障害のある子どもの受け入れに向けた働きかけを行うとともに、安定した事業の運営ができるよう、制度の新設や変更等の検討も行ってまいりたいと考えているところです。 513 ◯議長(西川正義君) 上杉君。   〔15番(上杉正敏君)登壇〕 514 ◯15番(上杉正敏君) 今の答弁では、補助金や制度の見直しについても検討されるとのことですけれども、彦根市だけの取り組みで十分なのでしょうか。再度お願いします。 515 ◯議長(西川正義君) 福祉保健部長。 516 ◯福祉保健部長(川嵜 孝君) 彦根市だけの取り組みで十分なのかということですけれども、この事業につきましては、地域の特性や利用者の状況に応じて柔軟な事業形態をとるのが第一ですので、市町が実施する地域生活支援事業の中の任意事業として位置づけているところです。この事業が圏域の共通事業にはなっていません。本市は加算の見直し等を行っておりますが、圏域内としてはそれぞれでやっておられますので、彦根市と同じような状況ではありません。しかしながら、圏域内で事業の乖離とならないよう、4町への情報提供を行う予定です。また、常に圏域では自立支援協議会等を通じて情報交換を行っていますので、そういった中での事業実施の検討も行ってまいりたいと考えております。 517 ◯議長(西川正義君) 上杉君。   〔15番(上杉正敏君)登壇〕 518 ◯15番(上杉正敏君) 圏域での取り組みとして、先ほどの重症心身障害者施設の拡充とともに、制度の見直し等も含めて取り組んでいただきたいと思います。  それでは、細項目5、重症心身障害児を持つ保護者の相談窓口を。  現在、施設利用者の方々が、相談支援を「彦根学園」「ステップあップ21」で利用されているそうですが、利用者としてなかなか相談しづらいと聞いております。彦根市としての対応ができないのか、お聞かせください。 519 ◯議長(西川正義君) 福祉保健部長。 520 ◯福祉保健部長(川嵜 孝君) 現在、彦根愛知犬上の湖東福祉圏域1市4町には、「彦根学園」や「ステップあップ21」「ぽぽ相談室」「かいぜ寮」など、9カ所の特定相談支援事業所等がございます。事業所によって得意とされる障害種別があり、議員ご指摘の「彦根学園」や「ステップあップ21」は、重症心身障害のある方やそのご家族の方の相談をよく受けられている事業所となっております。  しかしながら、「彦根学園」や「ステップあップ21」以外の相談支援事業所に相談されることも可能ですし、ご質問のように、相談しづらいことがあれば、遠慮なく市町の障害福祉担当課でもご相談を受けることができますので、申し出をいただきますようよろしくお願いいたします。 521 ◯議長(西川正義君) 上杉君。   〔15番(上杉正敏君)登壇〕 522 ◯15番(上杉正敏君) 私が市民相談を受けたときは、多分、利用されているところでは本音で相談しづらいところがあったのだろうと認識するのですが、福祉保健部長がおっしゃったように、我が彦根市の福祉保健部でも相談を受けられるということで、それを相談者にも伝えていきたいと思います。  では、細項目6、重症心身障害者の老後について。  保護者の方がだんだん高齢になっていくにつれ、将来の不安を抱えておられます。入所施設となると、湖東・湖北圏域にはなく、先ほど言われましたびわこ学園しか受け入れ先がないと聞いております。すぐには無理かもしれませんが、湖東・湖北圏域で何とか入所施設をと考えますが、彦根市としての考えをお聞かせください。 523 ◯議長(西川正義君) 福祉保健部長。 524 ◯福祉保健部長(川嵜 孝君) びわこ学園医療福祉センターのような重症心身障害のある人や子どもの短期から長期まで入所できる施設について、新たに整備することは大変厳しいものがございます。  しかしながら、重症心身障害のある人や子どもの入所対応可能な施設が県南部地域に偏って所在していることや、市内で生活する重症心身障害のある人や子どもが、びわこ学園医療福祉センターの短期入所等を利用している実態があることから、県北部地域でも同様の施設が開設されるよう、これまでから国・県へ強く要望しており、今後も継続していく予定です。  また、市町の第4期障害福祉計画策定における国の指針において、グループホームや障害者支援施設の居住支援機能と生活介護等の地域支援機能を兼ね備えた地域生活支援拠点等を、計画期間の平成29年度までに各圏域に1カ所以上整備することを目標とするよう示されており、本市の第4期計画でも、この目標値を1カ所としているところです。  このため、本圏域におきましても、重症心身障害のある方にも対応できる拠点の整備ができないか、湖東地域障害者自立支援協議会等で検討してまいりたいと考えておりますので、ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。 525 ◯議長(西川正義君) 上杉君。   〔15番(上杉正敏君)登壇〕 526 ◯15番(上杉正敏君) ありがとうございます。重症心身障害者施設というのは、お金があれば簡単に施設ができるというものでもありません。携わられる介護者や医師等の数が多いので、この湖東・湖北地域にはないのが実情です。平成29年度までに第4期の計画の中で何とかという話もございましたが、湖東地域障害者自立支援協議会での検討に全力を注いでいただき、一日も早く実現できることを要望とさせていただきます。  本日は、彦根市内の中学生の皆さんが傍聴に来ておられますけれども、重症心身障害者の方の思いを少しでも理解していただきまして、これからの福祉行政について理解をより深めていただきたいと思います。  続きまして、大項目2、彦根市公共下水道事業について。  彦根市の公共下水道は、昭和56年度から事業に着手し、平成3年4月に一部供用を開始し、河川や琵琶湖の良好な水環境の回復保全と、市民の快適な生活環境の創造を目指してきたと思います。  その結果、平成26年度末現在の人口普及率は79.4%、水洗化率は89.5%となっていますが、普及率に関しては滋賀県平均より低い状態であります。現在の第4期経営計画の期間が平成27年度で終了すると認識していますが、平成28年度からの次期計画、第5期経営計画についてどのように考えておられるのか、以下の質問をさせていただきます。  中項目1、彦根市公共下水道事業第5期経営計画は。  細項目1、彦根市公共下水道事業第5期経営計画の基本的な考え方は。  平成28年度からの彦根市公共下水道事業第5期経営計画の基本的な考え方をお聞かせください。 527 ◯議長(西川正義君) 上下水道部長。 528 ◯上下水道部長(疋田武美君) 現在、彦根市公共下水道事業審議会においてご意見を伺っております第5期経営計画の基本的な考え方につきましては、まず公共下水道の整備では、計画期間内で225ヘクタールの整備を目標とし、これにより平成32年度末での整備面積を2,364ヘクタールとするとともに、人口普及率を平成26年度末現在の79.4%より7.6ポイント高い87%とするものです。整備に係る建設事業費につきましては、社会資本総合整備計画の事業費を基本とし、事業費予算の確保を図りながら、未整備地域の整備を着実に進めることといたします。  次に、水洗化の普及促進の基本的な考え方につきましては、水洗化は水質改善や環境保全だけではなく、下水道事業経営のために必要な使用料収入に直結することから、平成26年度末現在で89.5%の水洗化率を90.4%となるように普及促進に努めることといたします。  最後に、収支計画の基本的な考え方につきましては、下水道整備事業を平成42年度末に完了させることを目標とし、今後の財政事情にもよりますが、第5期経営計画、第6期経営計画において一般的な整備を終え、第7期経営計画において農業集落排水施設の接続を行うこととしておりますことから、第5期経営計画期間中の建設事業費を63億600万円と見込んでおり、この事業費を確保するために、国または県に対して社会資本整備総合交付金等の要望を行うことといたします。 529 ◯議長(西川正義君) 上杉君。   〔15番(上杉正敏君)登壇〕 530 ◯15番(上杉正敏君) 平成26年度の普及率が79.4%で、平成32年度には普及率が87%、水洗化率が90.4%と答弁がありました。平成26年度現在では滋賀県の平均より低い状態ですが、滋賀県の平均よりどの程度アップするのか、わかればお答え願いたいと思います。 531 ◯議長(西川正義君) 上下水道部長。 532 ◯上下水道部長(疋田武美君) 現在の整備状況につきましては、県下で下位の方に位置しており、整備を進めているのは彦根だけです。その他の市町は農業排水事業などいろいろな施策をされて、既に事業を終えている状況です。彦根市が進んでいないから滋賀県は遅れていると、国からも言われておりますので、汚名返上のために頑張っているところです。これによりまして、県下の水準にはなってくるということです。 533 ◯議長(西川正義君) 上杉君。   〔15番(上杉正敏君)登壇〕 534 ◯15番(上杉正敏君) 南部地域では早くから流域下水が整っておりますが、北部地域にある彦根市は遅れていたということが改めてわかりました。平成32年度末には目標が達成できるように、財源を確保していただきたいと思います。  それでは、細項目2、国の財源確保は。  滋賀県下における下水道事業の中で、冒頭でも述べましたように、彦根市は他市町に比べ遅れをとっているのが現状です。こうした中で、国は下水道事業に対する補助金を削減しようとしています。彦根市として、今後残された下水道事業における財源確保をどのようにしようと考えているのか、お聞かせください。 535 ◯議長(西川正義君) 上下水道部長。 536 ◯上下水道部長(疋田武美君) 下水道事業の整備には巨額の予算を必要とし、その財源は国庫補助である社会資本整備総合交付金と下水道事業債であります。整備を進めていくには、いかに多くの社会資本整備総合交付金を受けられるかが最大の懸案事項となっております。  国におきましては、下水道事業予算が未普及地の整備から浸水対策に軸足が移動しており、また国土交通省、農林水産省、環境省の3省合意によります汚水処理施設整備の10年概成の方針によりまして、補助額と補助期間が限定されてきそうな状況です。  このため、社会資本整備総合交付金確保に向けた今までにない取り組みとしまして、去る10月29日には近畿地方整備局へ、また11月5日には市長とともに、東京で地元選出国会議員の皆さんや国土交通省下水道部長宛てに社会資本整備総合交付金の満額確保に向けた要望活動を行っております。この要望活動については、今後とも継続して行いたいと考えております。  今後10年間で下水道事業の一般整備を完了できるよう取り組んでまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りますようお願いいたします。 537 ◯議長(西川正義君) 上杉君。   〔15番(上杉正敏君)登壇〕 538 ◯15番(上杉正敏君) 上下水道部長の答弁にありましたように、10月29日に近畿地方整備局、また国土交通省へも市長とともに陳情されたとのことですが、2年前の国道1号バイパスの早期実現の陳情等も行っておられますので、下水道事業につきましても、途切れることなく、きめ細かなアタックをやっていただきたいと思います。  続きまして、細項目3、今後の下水道使用料金は。  今後の下水道事業経営には、かなりの経営努力や創意工夫が求められます。利用者である彦根市民にとっては、下水道使用料金が気になるところですが、今後の下水道使用料金についての考えをお聞かせください。 539 ◯議長(西川正義君) 上下水道部長。 540 ◯上下水道部長(疋田武美君) 今後の下水道使用料につきましては、下水道施設のストックを適切に管理し、下水道サービスの質を維持していくために必要な財源であり、下水道事業についてより一層の健全で持続的な運営に努めるとともに、経営状況の透明化を図ることにより、使用者の負担増を極力避けるよう配慮してまいりたいと考えております。  このようなことから、本市下水道事業に地方公営企業法の適用をし、財政状況、経営状況を明らかにするとともに、効率的な資産管理・経営を目指すことが必要であります。下水道事業に地方公営企業法の適用を行った時点で、経営状況や下水道使用料などについて他都市との比較を行い、強み弱みを分析することで財政マネジメントに取り組むことができ、その一環として、適正な下水道使用料の検討を始めることができると考えておりますので、ご理解賜りますようお願いいたします。 541 ◯議長(西川正義君) 上杉君。   〔15番(上杉正敏君)登壇〕 542 ◯15番(上杉正敏君) 上下水道部長のお話によりますと、地方公営企業法の適用により、努力によって下水道料金についてはある程度維持できるという強いお言葉もいただきましたので、今後さらに努力を重ねていただきたいと思います。  それでは、細項目4、国の公営企業会計適用の推進について。  現在、彦根市の下水道事業は公営企業会計を適用しておりませんが、平成27年1月に出されました総務大臣通知において、地方公営企業法の財務規定等を適用していない公営企業については、平成27年度から平成31年度までの5年間で、同法の全部または一部を適用し、公営企業会計へ移行するよう要請されていますが、この件についての考え方をお聞かせください。 543 ◯議長(西川正義君) 上下水道部長。 544 ◯上下水道部長(疋田武美君) 議員ご指摘のとおり、今年1月に国から「公営企業会計の適用について」の通知が出され、地方公営企業法の財務規定を適用していない人口3万人以上の市町村が運営する下水道事業については、平成32年4月までに公営企業会計に移行するよう要請がありました。  現在、本市の下水道事業においては、さきに策定しました公営企業会計移行基本計画に基づき、下水道管渠やマンホール等の資産についての調査を実施しているところです。  また、公営企業会計移行については公共下水道事業審議会のご意見を伺いながら進めてまいりますが、現在のところ、平成32年4月に本市水道事業と同様の地方公営企業法の全部適用を行う方向で考えておりますので、ご理解賜りますようお願いいたします。
    545 ◯議長(西川正義君) 上杉君。   〔15番(上杉正敏君)登壇〕 546 ◯15番(上杉正敏君) 平成32年4月を目指して公営企業会計へ移行することを目標とされていることを確認しました。皆さんご存知のように、市立病院も全部適用に取り組んでおられますので、下水道事業におきましても、遅れることなく計画的に進むことを要望とさせていただきます。  それでは、細項目5、彦根市としての進め方は。  今後の彦根市における下水道事業の進め方についてお聞かせください。 547 ◯議長(西川正義君) 上下水道部長。 548 ◯上下水道部長(疋田武美君) 国においては、国土交通省、農林水産省、環境省の合意による汚水処理施設整備の10年概成を目標とする通知が出されており、今後10年をめどに、未整備地区における汚水処理の整備を完了することとされています。本市においても、今後10年での未整備地域の整備を最大の課題として取り組んでまいりたいと考えております。  整備に当たっては、未整備地域全体のバランスを考慮しながら、市街化区域での未整備地域の整備を重点的に進めていく方針であり、公共下水道による一般的な整備を平成37年度に終わりたいと考えております。その後、平成42年度までには農業集落排水施設を公共下水道に接続し、整備事業が完了できるよう努めてまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りますようお願いいたします。 549 ◯議長(西川正義君) 上杉君。   〔15番(上杉正敏君)登壇〕 550 ◯15番(上杉正敏君) 10年をめどに平成37年には未整備地域での下水道供給を目指したいとのお話でしたが、来年の平成28年度はどの地域で、どれぐらいの世帯を計画されているのか、わかればお答えください。 551 ◯議長(西川正義君) 上下水道部長。 552 ◯上下水道部長(疋田武美君) 来年度予算にかかわるもので、国の社会資本整備総合交付金がどれだけ確保できるかによりましても変わってきますけれども、現在考えておりますのは、来年度の整備箇所だけですが、継続地区としまして地蔵町、高宮町、大堀町、小野町、開出今の蔵の町、犬方町、彦富町、三津町を、新規地区としましては正法寺町を予定しているところです。 553 ◯議長(西川正義君) 上杉君。   〔15番(上杉正敏君)登壇〕 554 ◯15番(上杉正敏君) 野田山はないのですかという声がありましたが、野田山は入っていないのですか。 555 ◯議長(西川正義君) 上下水道部長。 556 ◯上下水道部長(疋田武美君) 順次、下の方から整備させていただきますので、地蔵、正法寺といきまして、最終的には野田山という計画をしております。 557 ◯議長(西川正義君) 上杉君。   〔15番(上杉正敏君)登壇〕 558 ◯15番(上杉正敏君) ありがとうございました。私も旧多景学区ですが、開出今、蔵の町にお住まいの方は一日も早く持ってきていただきたいという要望もございます。平成27年度からは設計等もされていますので、一日も早く公共下水が通じることを願いまして、私の要望とさせていただきます。  それでは、大項目3、地方創生戦略の推進について。  私は、3月議会で、地方創生戦略の推進について質問をさせていただきました。平成27年度中に戦略についてのまとめを国から求められていますが、そろそろまとめに入っていると考えますので、以下の質問をさせていただきます。  中項目1、地方創生戦略のまとめは。  細項目1、彦根市まち・ひと・しごと創生本部の成果は。  彦根市においては、今年度に入る前の2月26日に彦根市まち・ひと・しごと創生本部を立ち上げられました。現時点における成果をお聞かせください。 559 ◯議長(西川正義君) 企画振興部長。 560 ◯企画振興部長(萩野 昇君) これまでのところ、若手職員を中心とするワーキングチームやパンプアップチームを置き、産・官・学・金・労・言といった外部関係団体にも参画いただきながら、総合戦略策定に係る具体的な施策を検討してきたところです。  現段階での成果としましては、若手や外部関係団体に参画いただいたことにより、行政のみで検討するのに比べ、より幅広い視点からのアイデアを得ることができました。また、官民協働で作成段階から事業案を協議し、試行錯誤しながらそれぞれの分野で協力できる部分を取り込むことで、より充実したアイデアに鍛え上げられていることも成果と考えております。  戦略の大きなテーマの一つである官民協働に特に力を入れて取り組むことにより、外部関係団体との結びつきが強まっていることを実感しており、このことは来年度以降に戦略を実施する際においても活きてくるものと考えております。 561 ◯議長(西川正義君) 上杉君。   〔15番(上杉正敏君)登壇〕 562 ◯15番(上杉正敏君) この取り組みは、今年やったからといって、すぐに成果が出るとは思えませんけれども、こうしたしっかりとした彦根市の取り組みにより羅針盤を明確に立てていただいて、彦根市のまち・ひと・しごとの創生が実現できるように取り組んでいただきたい。  また、この件につきましてはこれからも質問させていただきますので、力を抜くことなく取り組んでいただきたいと思います。  それでは、細項目2、彦根市総合戦略策定は。  彦根市総合戦略策定についての進捗をお聞かせください。 563 ◯議長(西川正義君) 企画振興部長。 564 ◯企画振興部長(萩野 昇君) 本市におけるまち・ひと・しごと創生総合戦略の策定方法につきましては、若手中心のワーキングチームでは斬新なアイデア出しを行い、上位であるパンプアップチームがそのアイデアを鍛え上げ、創生本部において最終調整を図るという手法で作業を進めているところです。  ワーキングチームは、8月末までに全7回の協議を終え、46本のアイデアをパンプアップチームに提出いたしました。そして、パンプアップチームは、現在までに5回の協議を行っており、今は施策や事業案の具体化について検討しているところです。  現段階で、人口ビジョンについては素案、総合戦略については骨子案までを作成しており、来年3月末までの策定に向けて取り組んでいるところです。 565 ◯議長(西川正義君) 上杉君。   〔15番(上杉正敏君)登壇〕 566 ◯15番(上杉正敏君) 一つ聞き逃したのですが、人口ビジョンともう1点は何ですか。 567 ◯議長(西川正義君) 企画振興部長。 568 ◯企画振興部長(萩野 昇君) 現段階で、人口ビジョンについては素案、総合戦略については骨子案までを作成しており、来年3月までの策定に向けて取り組んでいるところです。 569 ◯議長(西川正義君) 上杉君。   〔15番(上杉正敏君)登壇〕 570 ◯15番(上杉正敏君) ありがとうございます。ワーキングチーム、パンプアップチームによる複数回の協議で、人口ビジョンと総合戦略について、3月までにできるめどがついているような答弁をいただきました。きちんと計画を立てて実施していただきたいと思います。  それでは、細項目3、企業誘致取り組みへの結果は。  3月議会で、産業の競争力強化や企業誘致への取り組みについて聞いた中で、「専門調査会社により3,000社を選定の上、電話による意向調査を実施する」と答弁されましたが、その結果等をお聞かせください。 571 ◯議長(西川正義君) 産業部長。 572 ◯産業部長(西川利樹君) 今後の企業誘致の基礎資料とするための企業立地意向調査につきましては、公募型プロポーザル方式で募集を行いましたところ、2社からの応募があり、審査の結果、株式会社東京商工リサーチ滋賀支店と6月12日に委託業務契約を行いました。  その後、同社により調査対象企業を7,000社抽出の上、去る7月8日から7月29日までの期間、テレコール、いわゆる電話により意向調査を実施しました。  その具体的な調査項目としまして、本社等の新設・増設または移設の計画の有無やその時期、立地決定から着工までの期間、検討している地域や施設、立地を検討する際に重視する条件、必要な敷地面積などを設定いたしました。  結果を申し上げますと、架電先7,000件のうち、有効回答件数は4,789件、回収率は68.4%、実際に新設・増設または移設の計画をお持ちの企業は198件でありまして、その中でも本市への立地を検討している企業は1社、滋賀県北部へ立地を検討している企業は2社、滋賀県南部への立地を検討している企業は2社、滋賀県以外の近畿地方への立地を検討している企業は18社でございました。  この調査結果を踏まえまして、本市、滋賀県北部および滋賀県南部に関心を示されている5社に対して企業訪問を依頼しましたところ、うち3社について承諾を得られましたので、10月中旬から11月上旬にかけて、地域経済振興課職員2名または3名で対象企業を訪問いたしました。  その結果、本市への立地を検討されている企業については、すぐさま施設立地の検討というわけではなく、たちまちは本市の空き店舗を活用して会社事業に付随する小売店舗を展開したいということでした。また、ほかの2社につきましては、既存工場のある県内他市町への立地を決定している企業が1社、既存施設の老朽化への対応は必要であるが、その検討はもっと先の話という企業が1社でした。 573 ◯議長(西川正義君) 上杉君。   〔15番(上杉正敏君)登壇〕 574 ◯15番(上杉正敏君) 当初は3,000社の選定が7,000社と、目標の倍以上のリサーチをされ、新設などを計画されているのが198社で、5社が滋賀県内を検討しているとのことでした。海のものとも山のものともわからない中から、ある程度的を絞れたというのは、成果であると思います。  そこで、細項目4、今後への取り組みは。  今回実施された意向調査を踏まえ、今後の企業誘致に対する取り組みをどのようにされるのか、お聞かせください。 575 ◯議長(西川正義君) 産業部長。 576 ◯産業部長(西川利樹君) 残念ながら、今回の調査対象企業がすぐに本市に立地する意向があるという結果ではありませんでしたが、今後は、少しでも企業が本市に立地しやすくなるような環境を整えていく必要があります。  そこで、今年度、この企業立地意向調査と並行して、彦根市総合戦略策定の一環で、彦根市まち・ひと・しごと総合戦略策定支援業務追加調査としまして、工場等の適地空閑地等の調査を民間会社に委託し、実施する予定をしております。  その内容は、市内の工業系の地域において、企業立地が可能と思われる空閑地を初め、空き工場、空きビル等、再利用が可能な建物の抽出を行うとともに、それらの詳細な現況調査を行うことが主な業務です。規模の大小にかかわらず、企業立地に適した一団の土地や建物の確保は必要不可欠であると認識しておりますので、結果が出ましたら有効に活用してまいりたいと考えております。  今後におきましては、今回の企業立地意向調査および追加の工場等適地空閑地等の調査の結果を踏まえまして、民間の開発事業者による用地造成を促進できるような施策の検討を行ってまいりたいと考えております。  本市といたしましては、地域経済の活性化と雇用の拡大のため、引き続き、工夫を凝らしながら企業立地の促進に取り組んでまいりたいと考えております。 577 ◯議長(西川正義君) 上杉君。   〔15番(上杉正敏君)登壇〕 578 ◯15番(上杉正敏君) ありがとうございます。市民産業建設常任委員会でも、昨年度、山口県宇部市に視察に行かせていただきましたが、市独自で開発業務をされています。彦根市におきましては、財政と面積、場所を考えますと、そういったことはできないかもしれませんが、空き工場等を利用して、少しでも外部から彦根の地に産業を持ってきていただけるよう、民間の開発事業者を大いにバックアップし、行政でできるところは行政で行い、できるだけ手厚く協力し、企業が誘致される結果になればいいと思います。そういう取り組みをこれからも続けていただくことを強く要望しまして、私の質問にさせていただきます。ありがとうございました。 579 ◯議長(西川正義君) 暫時休憩いたします。            午後5時14分休憩            午後5時25分再開 580 ◯議長(西川正義君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  18番山田多津子さん。山田さん。   〔18番(山田多津子さん)登壇〕 581 ◯18番(山田多津子さん) 本日、最後の質問となります。どうぞよろしくお願いいたします。  それでは、今期定例会におきまして、大きく3点について質問いたします。  まず、大項目1、マイナンバー制度の危険性に対して、問われる自治体の対応策について。  マイナンバーは、赤ちゃんからお年寄りまで、外国人も含め、日本に住民登録をしている人に1人残らず番号をつけて、納税や社会保障の行政手続などで利用させる仕組みとなっています。戸籍、収入など大量の個人情報を結びつけることが可能なマイナンバーには、情報の漏えい、国による国民監視の強化など、国民の疑念は消えていない中、11月よりマイナンバーの通知カードが各家庭に届き始めています。彦根ではもう終わったとお聞きしています。  9月議会で、情報管理の問題について質問しましたけれども、引き続き、制度の危険性と市民への対応について、以下、質問を進めていきます。  中項目1、マイナンバーの危険性と市民周知の徹底と対応策について。  細項目1、市はマイナンバーの事務に当たるわけですが、個人情報の流出には今まで以上の細心の注意が必要となります。どのように対応されますか。また、システム開発運用に委託業者も介在しますが、情報流出等が起こった場合、どのように対応されるのでしょうか。 582 ◯議長(西川正義君) 企画振興部長。 583 ◯企画振興部長(萩野 昇君) マイナンバーは、法律や条例で定められた事務以外で利用してはならないとされています。その具体的な運用方法としましては、マイナンバーを利用した事務については、所属の中でも限られた職員しか利用できないよう制限したり、利用端末を分けることなどにより情報漏えいが起こりにくい環境整備が必要であると考えております。  また、国においては、日本年金機構の問題を受けて、自治体情報セキュリティ緊急強化対策として情報セキュリティ推進体制を構築することを示しております。本市におきましても、情報化戦略本部に情報セキュリティ分科会を設置するとともに、情報セキュリティポリシーの見直しを図っているところです。  しかしながら、万が一、個人情報漏えいといった事故が発生した場合は、情報漏えいの原因となった端末やネットワークの切り離しを行うなど、初期対応を迅速に行うとともに、国や県と連携した対応を行っていきたいと考えております。  また、システム開発や運用にかかわる委託業者については、委託業務契約時に個人情報の保護に関する条件を付し、厳格な運用を求めるとともに、それに違反した場合は、契約の解除、損害賠償の請求、場合によっては入札参加停止措置など、厳正な対応を行ってまいりたいと考えております。 584 ◯議長(西川正義君) 山田さん。   〔18番(山田多津子さん)登壇〕 585 ◯18番(山田多津子さん) 日本年金機構の情報流出があったときに、危機感を持ち、セキュリティ対応が必要だという方針を出したと思うのですが、今回のマイナンバーについては、「本当に大丈夫だろうか」と、今でも多くの方からの心配の声があります。そういった中で、情報流出事件が既に相次いでいます。万全な対策をとるとおっしゃったのですけれども、人間がつくって運用する以上、100%の安全は絶対にあり得ないと思うのです。その点について、再度見解を求めます。 586 ◯議長(西川正義君) 企画振興部長。 587 ◯企画振興部長(萩野 昇君) 議員おっしゃるように、絶対ということは軽はずみに言うことはできないかもしれませんけど、一方で、我々自治体としては、法律によって定められたルールに基づいて、この事務を法定受託事務として遂行していくという任務もございます。  ご心配の向きは重々理解しておりますが、そういったことが起こらないような体制整備、万が一、起こったときには次にどういうことをしていくのか、そういった趣旨でご答弁を申し上げたつもりですので、よろしくお願いいたします。 588 ◯議長(西川正義君) 山田さん。   〔18番(山田多津子さん)登壇〕 589 ◯18番(山田多津子さん) 今の答弁でも、100%安全だとは言い切れないと私は受けとめました。  それでは、細項目2、10月中旬より通知カードの発送が始まっています。11月18日の時点で郵便局にとめ置きされているカードが全国で223万通、期間が過ぎて自治体に返還されているのが84万通に上ると発表されています。11月30日では290万通がとめ置きになっていると聞いています。彦根市の配布状況はどのようになっているのでしょうか。
    590 ◯議長(西川正義君) 市民環境部長。 591 ◯市民環境部長(大倉 浩君) 通知カードにつきましては、全国の市町村がカードの作成を委託しております地方公共団体情報システム機構から、転送不要の簡易書留で世帯ごとに送付しております。  状況を申し上げますと、彦根市分の4万5,851通の通知カードが管内の郵便局に納品されましたのが11月9日で、その後順次、彦根市内の各地域の配達を開始しました。12月1日に市内の状況を総括されている彦根郵便局に確認しましたところ、11月末までに彦根市内の全ての地域を回り終えているとの回答がございました。しかし、配達方法が転送不要の簡易書留のため、宛所に尋ねあたらないもの、郵便局での保管期限を過ぎたものについては、本市の市民課に戻ってきており、先週末の12月4日現在で4,273通となっております。  なお、同時点でも、一部の地域の配達分につきましては、不在に伴う郵便局での保管期限が過ぎておりませんので、局にとめ置きの状況となっているとのことでした。  市に戻ってきました通知カードにつきましては、市民課等の窓口に受け取りに来ていただくよう、該当者に案内文書の送付をしているところで、通知カードができるだけ早く皆さんの手元に届くよう努めてまいりたいと考えております。  なお、世帯全体の転出や死亡などの理由によって該当者に届けることができないものについては、復元不可能な手段で廃棄することとなっておりますが、本市においては焼却により廃棄処分することになっております。 592 ◯議長(西川正義君) 山田さん。   〔18番(山田多津子さん)登壇〕 593 ◯18番(山田多津子さん) 現在は4,273通とお聞きしました。  それでは、細項目3、郵便局より返還された通知カードの窓口受け取りや、来年1月から個人番号カードの交付作業が始まり、年度末を迎える窓口業務は煩雑さを増します。先日の埋葬手続のようなミスが二度と起こらないための適正な人員配置が必要と考えますけれども、見解を求めたいと思います。 594 ◯議長(西川正義君) 市民環境部長。 595 ◯市民環境部長(大倉 浩君) 埋葬手続の際のミスにつきましては、改めておわびを申し上げたいと思います。  個人番号制度の対応につきましては、市民課職員全員に作業を割り振って準備を進めておりましたが、ご質問のとおり、郵便局から市民課へ返還されていた通知カードの枚数が多くなっております。整理作業や受け取りなどの業務量が増えてきております。  現在、そうした業務に対応する臨時職員を2人雇用しておりますが、年明けから個人番号カードの交付を行うため、平成28年1月からは市民課に4人、2月からは稲枝支所に1人、新たに臨時職員により配置し対応していく予定としております。  ただし、今後の業務量については不確定な部分もございます。窓口においてさらに大きな業務量が生じる可能性がある場合には、臨時職員の補充等により体制を確保できるよう、早い段階で人事課と調整を図ってまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。 596 ◯議長(西川正義君) 山田さん。   〔18番(山田多津子さん)登壇〕 597 ◯18番(山田多津子さん) 早い対応をしていくというご答弁をいただいたのですが、現在、毎日100人ほどが市の方に返還されてきたものを取りに来られているとのことで、窓口業務は大変な状況になっています。今でさえ、そんな状況だとお聞きしました。  自治体の窓口でマイナンバーを間違って発行したケースというのは、19市区町村あると聞いています。第三者の手に渡った事例もあり、ちょっとした操作ミスによって容易に他人に番号を知られるリスクと一体であることが浮き彫りになっています。この制度は、国民が願ってつくられた制度ではありません。そういった点では、自治体が大変苦労しています。特に担当の職員にはご苦労していただいていることは重々承知しています。おっしゃったように、十分な対応をするために、早急な判断をよろしくお願いしたいと思います。  それでは、細項目4、どんなときにマイナンバーが必要になるのか、お示しください。 598 ◯議長(西川正義君) 企画振興部長。 599 ◯企画振興部長(萩野 昇君) 平成28年1月以降、税や保険、福祉分野などで申請や届け出手続をされる場合、書類の内容によりマイナンバーの記入が必要になる場合があります。市役所で受け付ける申請書や届け出書のうちマイナンバーの記載が必要となるものは、それぞれの法律の規定や国からの通知等で定められており、その主なものとして、納税証明書交付時の証明書交付申請書、国民健康保険被保険者資格得喪届、児童手当・特例給付認定請求書、要介護認定等申請書などがございます。市全体で合わせて100種類程度の書類が対象となります。 600 ◯議長(西川正義君) 山田さん。   〔18番(山田多津子さん)登壇〕 601 ◯18番(山田多津子さん) どのときにどの場面で必要かをお示しいただきました。  それでは、細項目5、政府は、ICチップが内蔵された写真つきの個人番号カードの普及を推し進めていますけれども、皆さんのお手元に届いている紙製の通知カード以上に危険性を伴うものであり、申請は強制されるものではありません。市の見解を伺いたいと思います。 602 ◯議長(西川正義君) 企画振興部長。 603 ◯企画振興部長(萩野 昇君) マイナンバーカードは、マイナンバーを証明する書類として提示したり、本人確認の公的な身分証明書として利用したり、電子申告などの行政手続のオンライン申請に利用したりと、カードを利用するメリットは多くあるため、国としてはカードの普及を推進しているところです。しかしながら、マイナンバーカードの所有は、強制ではなく、あくまで個人の申請によるものです。 604 ◯議長(西川正義君) 山田さん。   〔18番(山田多津子さん)登壇〕 605 ◯18番(山田多津子さん) 強制ではないとおっしゃいましたが、市民課の窓口で政府がつくったビデオが流れています。その中で「四つの大切」、「個人番号カードを申請しましょう」と流れているのです。個人番号カードをつくることが非常にいいというような宣伝をされているのですが、見解を求めたいと思います。 606 ◯議長(西川正義君) 企画振興部長。 607 ◯企画振興部長(萩野 昇君) 先ほどご答弁申し上げましたとおり、マイナンバーを証明する書類として提示できること、本人確認の公的な身分証明書としても使えること、電子申告などの行政手続のオンライン申請に利用できることなど、カードを利用することによって幾つものメリットがありますので、国としてはマイナンバーカードの普及を推進する立場にある。そういった趣旨から啓発をしていらっしゃるわけです。ただ、先ほど申し上げましたように、その所有は強制ではなく、あくまで個人の申請によるものです。 608 ◯議長(西川正義君) 山田さん。   〔18番(山田多津子さん)登壇〕 609 ◯18番(山田多津子さん) 個人番号カードというのは非常に危険性の高いものです。一度漏えいしてしまうと、大変な負担を強いられることになります。国は情報を全て管理してしまおう、一本化してしまおうというのが狙いなのです。そういうことに行政が乗ってしまい、個人番号カードが必要だと推し進めていくのはいかがなものかと思うのです。皆さんのもとにも届いた通知カードの中にも、個人番号カードの交付申請もついています。そういったことを行政が進めていくこと自体、いかがなものかと思います。  そこで、細項目6、個人番号カードを持たない場合の本人確認方法は何が必要か。どうして本人確認が必要なのか。それで済むのかどうかをお示しいただきたいと思います。 610 ◯議長(西川正義君) 企画振興部長。 611 ◯企画振興部長(萩野 昇君) 法令で定められている本人確認措置の方法は、対面や郵送で個人番号の提供を受ける場合、番号確認として個人番号カード、通知カード、個人番号が記載された住民票の写しのいずれかの提示が、また身元確認として個人番号カード、運転免許証、パスポートのいずれかの提示により、本人確認措置を行うものとされています。  したがいまして、申請時に個人番号カードをお持ちでない場合は、通知カードや住民票の写しなど個人番号がわかる書類と運転免許証やパスポートなど公的機関が発行する顔写真が確認できる書類の両方が原則必要となります。 612 ◯議長(西川正義君) 山田さん。   〔18番(山田多津子さん)登壇〕 613 ◯18番(山田多津子さん) 自分の番号がわかるものと顔写真が載ったものがあれば本人確認ができて、全ての手続はそれで済むのです。危険な個人番号カードを持つ必要はないということを、もっと市民の皆さんに知らせていただく必要があると思うのです。  10月1日の「広報ひこね」で、「通知カードは本人確認の書類として使えませんのでご注意ください」と書いてありました。これは逆行していると思うのですがいかがでしょうか。 614 ◯議長(西川正義君) 企画振興部長。 615 ◯企画振興部長(萩野 昇君) 幾つか前のご質問の答弁になりますが、個人番号カードはいろんな使い道がありまして、その際、手続関係の簡素化などが図られます。今回、通知カードを送付させていただいて、その中に個人番号カードの交付申請用紙が入っていますが、そうした事務手続につきましては問題ないものと考えております。ただし、個人番号カードは強制ではなく、あくまでご本人の申請に基づくものです。  そうした整理になろうかと思います。 616 ◯議長(西川正義君) 山田さん。   〔18番(山田多津子さん)登壇〕 617 ◯18番(山田多津子さん) 簡素化ですけれども、これは全く国の方針に乗っていると言わざるを得ない。市民の安全を守る上では、行政が国の制度から皆さんを守るという点では、自治体がきちんとした対応をしていただくことが必要だと思います。  それから、顔写真のついた証明書をお持ちでない方も、二つ以上の証明があれば十分手続ができることをもっと皆さんに知らせていただきたいと思います。例えば健康保険証、介護保険の被保険者証、医療受給者証、年金証書、学生証、住民名義の預金通帳、そういったものが二つ揃えば、顔写真の入った証明書は要らないのです。そういったことももっと市民の皆さんにお示しいただいて、個人番号カードをつくる必要がないことをきちんと示していただくことを強く求めておきたいと思います。  では、細項目7、市民、法人、自治体への負担が大きく、プライバシーを守れなくなるマイナンバー制度です。国へ中止を求めていただきたいと思いますが、見解を求めます。 618 ◯議長(西川正義君) 企画振興部長。 619 ◯企画振興部長(萩野 昇君) マイナンバー制度につきましては、国において平成25年5月に社会保障・税番号関連4法が公布され、平成27年10月に個人番号の付番、平成28年1月から個人番号カードの交付と窓口事務での個人番号の利用が順次開始されることが法制化されたものです。  中でも、通知カードやマイナンバーカードの交付事務は法定受託事務になっておりまして、法令によってその事務処理が市町村に義務づけられているものです。  また、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の第5条では、地方公共団体の責務として、「地方公共団体は、基本理念にのっとり、個人番号その他の特定個人情報の取り扱いの適性を確保するために必要な措置を講ずるとともに、個人番号及び法人番号の利用に関し、国との連携を図りながら、自主的かつ主体的に、その地域の特性に応じた施策を実施するものとする」とされておりますことから、本市としましては、この法律の趣旨にのっとり、必要な措置と施策を実施すべきものと認識しておりますので、国にマイナンバー制度の中止を求めることは考えておりません。 620 ◯議長(西川正義君) 山田さん。   〔18番(山田多津子さん)登壇〕 621 ◯18番(山田多津子さん) マイナンバー制度の導入のために、内閣官房は2011年、技術面について検討する情報連携基盤技術ワーキンググループを設けました。委員が21人、そのうち大手電機企業の幹部ら民間企業関係が13人加わっています。そして、政府機関発注のマイナンバー関連事業は、新たに判明した43事業を加えて計70件、合計で862億円が収賄であるという問題が起こっているのです。  東京葛飾区白鳥で、5,000世帯分の通知カードの作成漏れがありました。国は万全を期していると言いながら、対応が十分でない。こんな制度に彦根市も乗っかっていくこと自体、問題だと思うのです。総務省は、全国各地の郵便局へ通知カードの差し出しを完了したと発表しましたけれども、実際は終わっていないのです。  情報漏えいの問題では、セキュリティには万全の対応をすると言っていますけれども、こんな初歩的なミスを見過ごしている状況のもとでは、マイナンバーの使用は中止させるべきだと思うのです。もう一度お願いします。 622 ◯議長(西川正義君) 企画振興部長。 623 ◯企画振興部長(萩野 昇君) 先ほどご答弁申し上げましたように、通知カードあるいはマイナンバーカードの交付事務は法定受託事務となっておりまして、法令によってその事務処理が市町村に義務づけられているものです。  また、先ほども申し上げましたので繰り返しませんが、番号法の趣旨にのっとりまして、必要な措置と施策を実施すべきもの。これが地方自治体の立ち位置であると認識しておりますので、国にマイナンバー制度の中止を求めることは考えておりません。 624 ◯議長(西川正義君) 山田さん。   〔18番(山田多津子さん)登壇〕 625 ◯18番(山田多津子さん) 医療保険とマイナンバーの一体にかかわる事件で、システム構築に伴う発注の見返りにわいろを受け取ったマイナンバー汚職。収賄容疑で逮捕されたのは、厚生労働省の情報政策担当参事官室長補佐です。数十回にわたって現金100万円を受け取り、ほかにも受け取っているという事実がこの前報道されました。政府の中枢の人間がやっている。そういうところでマイナンバー制度がつくられているということを、市がきっちりと押さえておく必要がある。このことを強く求めておきたいと思います。  では、大項目2、高齢者の命と暮らしを守る介護保険制度の充実を求めて。  介護保険制度がスタートして15年が経過しました。「みんなで支える老後の安心」を合言葉に、介護保険料を支払って、いざとなったときには、公的介護保険制度で十分な介護が受けられるはずでした。  しかし、その実態はどうでしょうか。相次ぐ介護保険制度の改悪で、スタート時の方針はどこかへ消え、「保険料を死ぬまで払い続けても、なかなか必要なサービスが受けられない」というのが国民や市民の声ではないでしょうか。そして、本年8月から開始された、さらなる改悪によって、介護保険制度発足以来、何とか守られてきた定率1割負担の原則までも崩されてしまいました。  日本共産党は、大きな痛みを伴うこの改悪にはきっぱり反対し、誰もが安心して暮らせる仕組みをつくるべきだと主張しているところです。  今回の介護保険見直しの最大の焦点は、要支援の介護保険外しと言われています。これまでの全国統一の介護保険給付から、市町村事業、新しい総合事業へ移行させ、要支援1・2の認定者のサービスを介護保険サービスの予防給付から外し、地域支援事業に移します。また、厚生労働省が示した新しい総合事業のガイドラインは、介護給付の抑制を図るよう市町村に要求しています。  介護保険の保険者である彦根市は、2015年度から2017年度の3カ年にわたる第6期介護保険事業計画案を出されています。介護保険がスタートして15年。介護サービスの総量は増えましたけれども、介護現場の人材不足。その一方で、保険料だけ取り立てて介護なしと言われるように、家族介護の負担は非常に重くなってきており、憲法第25条が定める生存権を全ての高齢者に保障する立場に立って、介護する人もされる人も安心できる介護保険事業になることを願って、以下、質問します。  中項目1、特別養護老人ホームの待機問題について。  細項目1、特別養護老人ホームの待機者は何人でしょうか。介護別にお示しください。 626 ◯議長(西川正義君) 福祉保健部長。 627 ◯福祉保健部長(川嵜 孝君) 本市の特別養護老人ホームの入所申込者につきましては、滋賀県が取りまとめております老人福祉施設入所状況調査結果によりますと、直近では平成26年6月1日現在で582人となっております。  介護度別では、要介護1の方が53人、要介護2の方が112人、要介護3の方が169人、要介護4の方が144人、要介護5の方が104人となっております。 628 ◯議長(西川正義君) 山田さん。   〔18番(山田多津子さん)登壇〕 629 ◯18番(山田多津子さん) よく新聞なんかで見ますと、特別養護老人ホームの待機は昨年6月1日現在で、全体では1,131人という報道がされています。今言われた数は名寄せ、実数として挙げられている県の調査された数でいいのでしょうか、確認します。 630 ◯議長(西川正義君) 福祉保健部長。 631 ◯福祉保健部長(川嵜 孝君) 議員ご指摘のとおり、582人という数字は、県の方で各施設から上げられた延べ数を名寄せした後の実数と考えていただいて結構です。 632 ◯議長(西川正義君) 山田さん。   〔18番(山田多津子さん)登壇〕 633 ◯18番(山田多津子さん) それでは、細項目2、今年4月から、特別養護老人ホームへの新規入所は、原則要介護3以上に限定されました。  国は、要介護1・2でも入れる特例を設けましたけれども、原則入所させないという方針は変わっていません。要介護1・2の方々は原則入れなくなりましたが、市はその代わりになる受け皿をどのようにお考えでしょうか。また、市の独自基準を設けて、必要な人が入所すべきと考えますが、見解をお願いします。 634 ◯議長(西川正義君) 福祉保健部長。 635 ◯福祉保健部長(川嵜 孝君) 特別養護老人ホームの入所につきましては、さきにお答えしましたとおり、要介護1・2にかかわらず待機者がいる状況となっているところです。  介護保険制度の改正を受けまして、本市としましても、団塊の世代が75歳以上となる2025年(平成37年)を見据えて、医療、介護、予防、住まい、生活支援の五つのサービスを一体的に提供できる地域包括ケアシステムの構築を推進し、介護や支援を必要とする状態となっても、できる限り高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう取り組んでまいりたいと考えております。  次に、入所判定に係る市の独自基準につきましては、国の通知である「指定介護老人福祉施設等の入所に関する指針について」の留意事項において、「特別養護老人ホームについて中重度者を支える施設としての機能に重点化するために介護保険法の改正がなされ、要介護1または2である場合については、居宅において日常生活を営むことが困難なことについてやむを得ない事情がある場合に限ることした制度改正の趣旨を踏まえ、各自治体の判断で全く新たな要件を追加することは不適当であると考えている」と示されておりますことから、本市において新たな独自基準を追加することは考えておりませんので、ご理解賜りますようお願いいたします。 636 ◯議長(西川正義君) 山田さん。   〔18番(山田多津子さん)登壇〕 637 ◯18番(山田多津子さん) 特別養護老人ホームの建設ですけれども、第6期介護計画では155床です。ぜひとも計画どおり進めていただきたいと思います。  市独自の基準ですが、特例入所の判断主体は各施設ですけれども、特例入所の申し込みがあった場合、施設は市町村に報告しなければなりません。市町村は施設から求めがなくても意見表明が可能となっています。厚生労働省は、市町村が意見書を作成する、市町村の職員が入所検討委員会に出席するなど、実質的には市町村の承諾がない特例入所はあり得ないので、きちんとした行政の判断が必要だということが示されていると思うのですが、見解をお願いします。 638 ◯議長(西川正義君) 福祉保健部長。 639 ◯福祉保健部長(川嵜 孝君) 要介護1・2で現在入所されている方につきましては、特例として継続が認められることになっておりますので、この点についてはそのまま移行すると考えていただいたら結構だと思います。  特例に関してですが、一つ目に認知症で日常生活に支障を来すような症状が頻繁に見られること、二つ目に知的障害・精神障害等を伴って日常生活に支障を来すような症状が頻繁に見られること、三つ目に深刻な虐待が疑われること等により心身の安全・安心の確保が困難な状態、四つ目に単身世帯等家族の支援が期待できず地域での介護サービス等の供給も不十分であること、この4点について、特別養護老人ホーム以外での生活が困難な事情があると判断した場合、特例と認められることになっておりますので、慎重に判断していかなければならないと思っております。 640 ◯議長(西川正義君) 山田さん。   〔18番(山田多津子さん)登壇〕
    641 ◯18番(山田多津子さん) ありがとうございます。要介護1・2の方でも165人が待機されていることをしっかりと踏まえていただきたい。このことを強く申し上げておきたいと思います。  それでは、中項目2、介護予防・日常生活支援総合事業について。  細項目1、介護予防・日常生活総合支援事業は、自治体が地域の特性に応じてつくり上げなければならない計画となっており、先行する自治体と遅れる自治体が考えられ、地域によりサービスの違いが出てきます。彦根市では、平成29年度から全市域で実施予定の介護予防・日常生活支援総合事業を、今年10月から市内2地区をモデル地区に選定し、先行実施されています。その実施状況はどうなっているのでしょうか。 642 ◯議長(西川正義君) 福祉保健部長。 643 ◯福祉保健部長(川嵜 孝君) 介護予防・日常生活支援総合事業のモデル事業につきましては、国から提示されたガイドラインにも例示のある、現行の通所介護サービスの基準が緩和された通所型サービスを2カ所、サービス提供者が住民主体である訪問型サービスBを2カ所整備いたしました。  具体的には、通所型サービスのサービス提供主体は介護保険の事業所であり、人員基準等の緩和はありますが、介護予防に資するメニューを取り入れていただくようお願いし、コツコツ続ける金亀(根気)体操の実施を必須としております。訪問型サービスのサービス内容は、掃除や洗濯等の家事援助です。なお、訪問型サービスBを実施するに当たり、サービス提供者には介護予防・日常生活支援総合事業の概要やサービス提供時に必要なマナー等、従事者研修を今年9月に実施したところです。  モデル事業の対象者は、モデル地区である城西小学校区と稲枝中学校区にお住まいの方で、本年10月1日以降、新規に介護認定の申請をされ、認定の結果が要支援の方、または認定の結果が非該当であっても基本チェックリストにより総合事業の対象者に該当する方です。その後、モデル事業の内容について説明し、利用を希望された場合は、地域包括支援センターがケアプランを作成し、サービス利用までの調整を実施しております。  平成27年12月1日現在、通所型サービスの利用が確定している方が1名、利用調整中の方は4名となっております。また、訪問型サービスBは、利用調整中の方が1名という状況になっているところです。 644 ◯議長(西川正義君) 山田さん。   〔18番(山田多津子さん)登壇〕 645 ◯18番(山田多津子さん) 細項目2、介護予防・日常生活支援総合事業のサービスの提供事業者の確保や申請手続、運用基準などを決定した上で、運用基準は現行のサービスを下回らない計画内容で検討されているのでしょうか、お伺いします。 646 ◯議長(西川正義君) 福祉保健部長。 647 ◯福祉保健部長(川嵜 孝君) 現行の介護予防通所介護および介護予防訪問介護は、平成29年度の全面移行後は地域支援事業に位置づけられます。現在利用しておられる方へのサービス水準やサービスの確保等を考慮し、現行サービスと同等の運用基準を維持する必要があると考えております。  また、その他の通所サービス、通所サービスB、訪問サービス、訪問サービスB等の運用基準につきましては、モデル事業や他市の状況等を検証し、平成28年度中に人員配置基準、利用料、サービス内容等を決定していく予定です。 648 ◯議長(西川正義君) 山田さん。   〔18番(山田多津子さん)登壇〕 649 ◯18番(山田多津子さん) サービス内容や価格、利用者の負担というのは、市町村の裁量で決めるものになっています。総合事業が始まって、現在利用されている方も含め、サービス内容が低下しないのかが非常に懸念されるところですがいかがでしょうか。 650 ◯議長(西川正義君) 福祉保健部長。 651 ◯福祉保健部長(川嵜 孝君) その点につきましては、今回の新総合事業の組み立ての中で、要支援1・2の方が現在利用されている通所介護や訪問介護のサービスは、移行して残していくことを考えております。ただ、緩和されたサービスや住民が主体となって進めていく取り組みであるBなどを付加的につくり上げて、要支援1・2あるいは非該当の方においても、早目にサービス提供をしていくという組み立てを考えております。制度の組み立ての中で、現在受けているサービスが、移行したために、受けるべき方が受けられなくなるというサービス低下にはつながらないと考えております。 652 ◯議長(西川正義君) 山田さん。   〔18番(山田多津子さん)登壇〕 653 ◯18番(山田多津子さん) 先ほども申し上げましたけれども、サービス内容や価格、利用者負担というのは、市の裁量で決められます。需要量が増えれば、現在のサービスを見直していかなければならないのではないかと思うのです。国もサービス需要が増えていっても、現行支給されている補助金はそれ以上増やさないという方針を示されているように聞いています。そうなってくると、独自の施策、サービスを提供する計画をしていかなければならないので、サービスの低下が起こってくると懸念されるのです。  要支援1・2の方々は、要介護の予備軍だと思うのです。そこできちんと対応していくことが求められていると思うのです。厚生労働省のガイドラインに従って一律に多様なサービスに移行していくのではなく、本人の意向を尊重し、利用者の同意を形骸化させない。このことが総合事業に求められていると思うのです。そして、現行のサービスを低下させない。このことが求められているということを強く申し上げておきたいと思います。  それでは、細項目3、今年の4月の介護報酬改定により、介護予防訪問介護の基本報酬は月1,226単位から1,168単位と58単位削減され、通所介護では要支援1で月2,115単位から1,647単位へと468単位、要支援2では859単位も削減されました。1単位10円と換算されるのですが、4,680円、8,590円もの削減です。事業所へ入るお金が減らされているということなんです。これらの大幅削減によって、介護事業所などの経営難やさらなる職員の処遇悪化、人手不足が深刻化する懸念が広がっています。  このような介護報酬の中、さらに総合事業によって現行相当サービスの介護報酬単価が引き下がるようなことになれば、事業所は報酬単価の高い重度者にシフトせざるを得なくなります。ゆくゆくは要支援者は必要なサービスも受けられなくなってくるのではないかと心配するところです。見解を伺います。 654 ◯議長(西川正義君) 福祉保健部長。 655 ◯福祉保健部長(川嵜 孝君) 平成29年4月の総合事業の全面移行の際には、モデル事業の検証や現在の利用者の状況を分析し、現行相当サービス、基準が緩和されたサービス、住民主体で実施するサービスの必要量を算定した上で、必要量に見合うサービス提供体制が維持できるよう、提供事業所等との調整が必要であると考えております。  今年4月の介護報酬改定により、介護予防訪問介護、介護予防通所介護の基本報酬額が削減されたところです。総合事業に移行した場合に、特に現行相当サービスにつきましては、サービスの水準維持や事業所運営等を考慮し、現在の介護報酬と同等となるよう調整するとともに、要支援の方への必要なサービス確保に努めてまいりたいと考えているところです。 656 ◯議長(西川正義君) 山田さん。   〔18番(山田多津子さん)登壇〕 657 ◯18番(山田多津子さん) 総合事業の問題は、介護保険の給付の範囲内で実施されているサービスは一律化されているのですが、それぞれの自治体が事業を行う、地域支援事業の中でやるということは、各地でサービス内容が変わるということなのです。  細項目4、市は効率的な総合事業の実施に努めることとして、住民主体の多様なサービスの充実を図り、要支援者の選択できるサービス・支援を充実し、状態等に応じた住民主体のサービス利用の促進を図るとしていますが、あくまで自治体が責任を持つ事業となっています。見解を求めます。 658 ◯議長(西川正義君) 福祉保健部長。 659 ◯福祉保健部長(川嵜 孝君) 介護保険法第5条第3項で、地方公共団体の責務が規定されております。具体的には、被保険者が可能な限り住み慣れた地域でその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、医療、介護、予防、住まい、生活支援の五つのサービスを包括的に推進するよう努めなければならないというものです。  したがいまして、本市はその責任において、事業者などの関係機関や市民と協働し、高齢者に対する総合的な支援体制、すなわち地域包括ケアシステムの構築を進めてまいりたいと考えております。 660 ◯議長(西川正義君) 山田さん。   〔18番(山田多津子さん)登壇〕 661 ◯18番(山田多津子さん) ある市の事例なんですが、事業所では、利用者の1日の利用料金は軽食を含めて300円、送迎を利用している方は100円を上乗せした額。B事業所では、入浴と昼食代で2,000円。8カ所の利用時間もまちまち、日曜日だけ利用できる施設もある。これが国が示している多様なサービスなんです。これだけの格差が生まれているのです。  地方自治体が責任を持たなければならないというのは、現行相当サービスを基本とした、中心とした制度をきちんと構築していく。モデル事業でやっている内容で、このことをしっかりとやる。事業所に対する事業費の支給は、現行の予防給付の額以上の単価を保障していくことなんです。先ほども申し上げましたけれども、需要が増えていくと国が補助金を下げてくる可能性があります。そういったときに、行政が上乗せなのか、横出しなのか、そうやって総合事業をやっていかなければならない。緩和した基準によるサービスを導入してはならないと思うのです。もう一度、市の見解を求めたいと思います。 662 ◯議長(西川正義君) 福祉保健部長。 663 ◯福祉保健部長(川嵜 孝君) 根本的に、2025年を見据えて、今後、介護保険事業をどう構築していくかという中で、国の示している方向性に合致したもので地域包括支援システムの構築を目指している。まず、ここが基本です。  議員のおっしゃるように、現在の給付体系を今後も続けていくことが、市の特別会計でもありますので、保険料に跳ね返ってくるという部分もあります。2025年を見据えたときに、総合支援事業を地域包括ケアシステムの中で構築していくことによって、早目に元気高齢者にも支える側に回っていただくという地域のシステムをつくっていくことが念頭にあるわけです。全てそのままがいいということでは決してないと思います。サービス提供側がその方の健康度に応じていろいろなサービスを提供されていくことが、多様なサービスを地域でつくっていくことになりますので、切り捨てではなく、選択肢であるとか、その方に適応した、最もその方に合ったサービスを地域でつくっていただくことを目指しております。市の考え方としてはそういうことです。 664 ◯議長(西川正義君) 山田さん。   〔18番(山田多津子さん)登壇〕 665 ◯18番(山田多津子さん) 国が多様なサービス、訪問型、通所型サービス、これは基準を緩和しています。無資格者でも大丈夫。設置基準も緩和しています。個別サービス計画がなくても大丈夫。報酬は予防給付よりも大幅に低い、7割から5割。このように示しているのです。市が地域支援事業の計画をしっかり立てていく。要支援者を要介護に引き上げていくような制度は絶対に認められないと思います。  厚生労働省は、国が定める額を上限として市町村が定めるとしていますけれども、既に今年は報酬の改定で要支援者のデイサービスは20%以上も引き下げられている。総合事業によって、市町村でさらなる単価の引き下げが行われてくれば、現行サービスの事業者はサービス提供どころか、事業の継続が困難にならざるを得ないと言われているのです。今請けている事業所がそのまま請けていただけるようなことをおっしゃいますけれども、報酬単価を事業所に保障していくことがそれぞれの行政に求められているのです。このことを強く申し上げておきたいと思います。  それでは、大項目3、農業振興地域の整備計画について。  農業振興地域整備計画は、優良な農地を確保・保全するとともに、農業振興のための各種施策を計画的かつ集中的に実施するために市町村が定める総合的な農業振興の計画であり、市町村は、1)農振整備基本方針の変更、2)農振地域の区域の変更、3)おおむね5年ごとに実施する農業振興地域整備計画に関する基礎調査の結果、4)経済事情の変動その他の情勢の推移により必要が生じたときは農業振興地域整備計画を変更するとされています。  近年、農村地域の人口減少は深刻な状況となっており、農地周辺の土地利用の変化も伴って、農業振興地域整備計画を2年間かけて見直す計画を示されました。そのことを踏まえて、以下、質問を進めていきます。  中項目1、農業振興地域整備計画の見直しについて。  細項目1、農業振興地域の見直しについて、今年度と来年度の2年間、見直しをかけると言っておられますが、具体的にはどのような手順で行われるのでしょうか、お示しください。 666 ◯議長(西川正義君) 産業部長。 667 ◯産業部長(西川利樹君) 農業振興地域の見直しを行うための手順といたしまして、今年度に基礎調査で、彦根農業振興地域整備計画書基礎資料を作成いたします。  次に、平成28年度の当初には、作成した基礎資料をもとに、関係機関の意見を聞き、彦根農業振興地域整備計画書の変更案を作成します。そして、滋賀県と事前協議し、適当と認められましたら、年度の中ごろには変更案の公告を行い、異議申し立て等がなければ、変更案について再度滋賀県と今度は法定協議を行い、滋賀県知事の同意を得ます。その後、滋賀県知事の同意を得た彦根農業振興地域整備計画を公告し、施行します。  現時点での進捗状況としましては、今年度の彦根農業振興地域整備計画書基礎資料作成の見直し作業の中で、農地の筆ごとのデータを反映した農業振興地域の地図情報システムを構築するため、現在は委託業務先にて基礎資料や彦根農業振興地域整備計画書の変更案の作成に必要な農地情報データの突合作業を行っているところであります。  また、今後の農業の方向性や農業の諸問題に対する意向・ニーズを把握し、新たな社会情勢の変化に対応したより効率的な施策を策定するための農業従事者へのアンケート調査につきまして、現在実施の準備をしているところです。 668 ◯議長(西川正義君) 山田さん。   〔18番(山田多津子さん)登壇〕 669 ◯18番(山田多津子さん) それでは、細項目2、地域への周知方法として、いつから開始して、実施期間はどれくらいを予定されているのでしょうか。 670 ◯議長(西川正義君) 産業部長。 671 ◯産業部長(西川利樹君) 平成27年度におきましては、農業従事者へのアンケート調査を実施することから、対象となる集落の農業組合長への説明会を年明けの1月には開催できるよう準備をしております。その説明会の中で、基礎調査の趣旨や彦根農業振興地域整備計画の見直しについて説明しながら、ご理解いただけるよう周知し、協力をお願いすることを考えております。  また、平成28年度においては、彦根農業振興地域整備計画書の変更案を公告するに際しては、その変更案を縦覧する場所や期間を彦根市の広報やホームページを活用し、広く周知することを考えております。  そして、滋賀県との法定協議の結果、滋賀県知事の同意を得た彦根農業振興地域整備計画を公告するときにも、同様の方法で周知することを考えております。 672 ◯議長(西川正義君) 山田さん。   〔18番(山田多津子さん)登壇〕 673 ◯18番(山田多津子さん) 手順をおっしゃったのですけれども、当該地域で相談していく期間も必要だと思うのです。計画が一旦上がってきても、県の承認をもらうために県にもう一度戻さなければなりません。来年度中に見直しができるのか。心配するところですが、いかがでしょうか。 674 ◯議長(西川正義君) 産業部長。 675 ◯産業部長(西川利樹君) 滋賀県の方へ変更案等の公告を出すのは平成28年度中を予定しております。アンケートの時期も若干遅れてはいるのですけれども、1月早々に各集落へアンケートのお願いをいたしまして、年度内にご意見、ご要望等の取りまとめはしていきたいと考えておりますので、ご理解いただきたいと思います。 676 ◯議長(西川正義君) 山田さん。   〔18番(山田多津子さん)登壇〕 677 ◯18番(山田多津子さん) 平成28年度中とおっしゃったのですが、大体どれぐらいの期間が必要なのか。農村地域の人口減少というのは本当に深刻な状況になっています。本来5年で見直さなければならなかったものが、実際は20年近く見直されていなかったということにも大きな原因があると思うのです。見直し期間はどれぐらいの見通しを持っておられるのか、お示しください。 678 ◯議長(西川正義君) 産業部長。 679 ◯産業部長(西川利樹君) 詳しく何月とは申し上げられないのですが、先ほど答えしましたように、平成28年度当初には基礎資料をもとに関係機関の意見を聞くという場面を設定したいと思っております。その後、滋賀県と事前協議し、変更案の公告を行います。変更案に対して異議申し立て等がなければ、滋賀県知事の法定協議を行うということで、一連の流れの中で進めていきたいと思っております。最終的に平成28年度中には完成したいと思っておりますので、ご理解をよろしくお願いします。 680 ◯議長(西川正義君) 山田さん。   〔18番(山田多津子さん)登壇〕 681 ◯18番(山田多津子さん) 細項目3、各集落に対して基礎調査を秋に行って意向を把握する予定で進められていると聞きますけれども、実施状況はどのようになっているのでしょうか。 682 ◯議長(西川正義君) 産業部長。 683 ◯産業部長(西川利樹君) 今ほどご答弁させていただいた内容とかぶってしまいますが、今年度に基礎調査で彦根農業振興地域整備計画書基礎資料を作成します。そして、資料作成には、各種農業施策の実施状況や統計調査の結果から、基礎資料の内容更新を行います。  また、農業従事者へのアンケート調査では、農業経営や耕作している農地、農業振興地域等の意向を調査・分析し、基礎資料とします。  現在の実施状況ですけれども、アンケート調査の項目や調査対象者について委託業務先と最終調整に入っておりますので、年明けの1月には集落の農業組合長への説明会を行った後に、農業従事者へのアンケート調査を実施する予定ですので、ご理解をお願いいたします。 684 ◯議長(西川正義君) 質問を終了いたします。  お諮りします。  本日の会議はこの程度にとどめ、延会したいと思います。これにご異議ありませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり) 685 ◯議長(西川正義君) ご異議なしと認めます。よって、本日は延会することに決しました。  明日は、定刻から本会議を開き、本日に引き続き、各議案に対する個人からの質疑ならびに一般質問を行います。  本日はこれをもって延会いたします。  お疲れさまでございました。            午後6時27分延会 Copyright © Hikone City, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...