ツイート シェア
  1. 彦根市議会 2013-12-01
    平成25年12月定例会(第19号) 本文


    取得元: 彦根市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-16
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1            午前9時00分開議 ◯議長谷口典隆君) 皆さん、おはようございます。  ただいまから本日の会議を開きます。 ────────────────── 日程第1 会議録署名議員の指名 2 ◯議長谷口典隆君) 日程第1、本日の会議録署名議員の指名を行います。  会議録署名議員に、14番安居正倫君、および15番赤井康彦君を指名いたします。 ────────────────── 日程第2 議案第101号から議案第130号ま で(質疑ならびに一般質問委員会付託) 3 ◯議長谷口典隆君) 日程第2、議案第101号から議案第130号までを一括議題とし、昨日に引き続き、個人からの各議案に対する質疑ならびに一般質問を行います。  この際、お諮りいたします。  北村議員から、12月10日の本会議における産業部長答弁の後の発言について、会議規則第65条の規定により、個人の特定につながる発言に関する部分を取り消したい旨の申し出がありました。この取り消し申し出を許可することにご異議ありませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり) 4 ◯議長谷口典隆君) ご異議なしと認めます。よって、北村議員からの発言取り消し申し出を許可することに決しました。  4番北川元気君。4番。   〔4番(北川元気君)登壇〕 5 ◯4番(北川元気君) 皆さん、おはようございます。北川元気です。私は今回、大項目2点について質問させていただきます。よろしくお願いいたします。  大項目の1番でございます。「はだしゲン」の学校図書室への設置についてお伺いいたします。  皆さんは「はだしゲン」を読んだことはありますでしょうか。どこの学校図書室にもある漫画で、私の通っていた中学校にもありました。これは、漫画家中沢啓司氏が自身の被爆体験をもとに、広島で被爆体験をしたゲンという主人公を描いた漫画です。この「はだしゲン」を松江市の教育委員会子どもへの心理的影響が大きいとして、学校図書室で自由に読めないようにする閉架の措置を決定しました。しかし、ことしの8月、松江市教育委員会臨時会議の結果、一転して、教育委員会学校閲覧制限を求めたことに問題がある。子どもに見せるか見せないかは現場の判断に任せるべきだという意見により、全会一致にで閉架の措置が撤回されました。
     かなり身近な漫画で多くの人が読まれているようですが、私個人ははっきり言ってこのような過激な漫画はだしゲン」を小・中学生に読ませるべきではないと考えています。読まれていない方は一体どこが問題なのかわからないと思いますので、ここで「はだしゲン」の問題となっている一部の資料をごらんいただきたいと思います。これです。  この問題は、他市の仲間の議員もそれぞれの議会で問題提起をしておりますが、「はだしゲン」を学校図書室で自由に閲覧させるのは教育上好ましくないという意見と、表現の自由や知る権利の観点から閉架の措置を非難する意見とがあるようです。ぜひ皆さんにもこの資料をごらんいただきたいと思います。  中項目の1番、「はだしゲン」の問題点についてです。  まず、日本軍残虐行為が全くもって誤った事実として非常に過激な文章と残虐な絵で描かれています。  1)をごらんください。  「首をおもしろ半分に切り落としたり」、「銃剣術の的にしたり」、「妊婦の腹を切りさいて中の赤ん坊をひっぱり出したり」、「女性の性器の中に一升ビンがどれだけ入るかたたきこんで骨盤をくだいて殺したり」、この部分です。これは、日本の先人たちを凶悪な人間として侮辱する許しがたい描写であり、これだけでも子ども教育にふさわしいかどうかは明らかだと思います。  続いて、2)、左下のところです。  「日本が三光作戦という殺しつくし奪いつくし焼きつくすでありとあらゆる残酷なことを同じアジア人にやっていた」とゲンが罵倒しています。このような事実は存在しませんし、その下の「数千万人の人間の命をとることを許した天皇をわしゃ許さんわい」、「いまだに戦争責任をとらずにふんぞりかえっとる天皇をわしゃ許さんわい」とゲンが続けております。  右上の3)をごらんください。  「あの貧相なつらをしたじいさんの天皇今上裕仁を神様とありがたがりデタラメの皇国史観を信じきった女も大バカ」といった、天皇陛下に対する侮辱が書かれていることも許せません。これは完全に学習指導要領天皇についての理解と敬愛の念を育てるとの規定に反していることは言うまでもないと思います。  4)です。次、右下をごらんください。  さらには、ここで国歌君が代の否定をしています。ゲンは、「君が代なんかだれが歌うもんかクソクラエじゃ」、「君が代なんかっ国歌じゃないわい」とも言っております。国歌を児童・生徒が歌えるように指導することを規定している学習指導要領に反している、教育上、明らかにふさわしくない内容です。  私は、これは読んでいるだけでもちょっとぞっとしますが、ここまで天皇陛下を最大限に侮辱し、うそ八百をよくぞここまで書けたなと思います。彦根市で教育を受ける子どもたちに誤解を与えないためにも、以下質問させていただきます。  細項目の1番です。まず、彦根市内公立小・中学校図書館にこの「はだしゲン」が設置されているかの状況をお聞かせください。 6 ◯議長谷口典隆君) 教育長。 7 ◯教育長前川恒廣君) 市内小・中24校のうち、19校の図書室に「はだしゲン」がございます。 8 ◯議長谷口典隆君) 4番。   〔4番(北川元気君)登壇〕 9 ◯4番(北川元気君) 24校中、19校に置いてあるということです。  細項目の2番にいきます。  全国学校図書館協議会図書選定基準に違反していないかということで、全国学校図書館協議会図書選定基準である、実在の人物については公平な視野に立ち、事実に基づき正確に扱われているかとか、特定政党の立場により宣伝および一方的批判内容としたものは対象としないという項目がありますが、これに完全に違反していると思いますが、見解をお聞かせください。 10 ◯議長谷口典隆君) 教育長。 11 ◯教育長前川恒廣君) 全国学校図書館協議会図書選定基準公益社団法人全国学校図書館協議会が定めた基準ではありますが、学校図書室にどんな本を置くかは児童・生徒の実態や地域性等を考慮して、基本的には各学校長判断で配置されていると認識しております。  議員ご懸念の特定政党の立場によりする宣伝および一方的批判内容としたものは対象としないについてですが、例えば教材としてこれを使った場合とか、これはむしろ義務教育学校における教育政治的中立の確保に関する臨時措置法、いわゆる中立法といいますが、この第3条に抵触する内容として考えた場合、この本が図書室に設置されたという事実はあるかですが、いわゆる教材として使用するとかの目的で、そういった事実は確認できておりません。  また、実在の人物について公平な視野に立ち、事実に基づき正確に扱われているかという件ですが、そもそも本書は、私も全巻読ませていただきましたが、歴史書ではございませんし、作者が主人公はだしゲン」という架空の人物、一個人の物の見方、考え方と描き方を通して作者の考えを表現した作品であると考えております。 12 ◯議長谷口典隆君) 4番。   〔4番(北川元気君)登壇〕 13 ◯4番(北川元気君) つまり、全国学校図書館協議会図書選定基準よりも現場の判断が重視されるということなんですね。そういう答弁だったかと思いますが、ここにその全国学校図書館協議会図書選定基準があるんですね。漫画の部分を読んでも、増悪な言葉を故意に使っていないかとか、学問的な心理や歴史上の事実が故意にゆがめられたり無視されていないかとか、いっぱいそういう項目があります。普通に考えて、これに絶対抵触するのであろうと私は思います。  これも再度見解を求めたいんですが、もう一点、言っていた特定政党の立場より宣伝および一方的批判内容としたものは対象としないと、この選定基準では言われています。  この「はだしゲン」の、では、どういうふうに発刊されたかということを当然教育長ご存じだと思いますが、昭和48年に週刊少年ジャンプに連載が始まって、その後に市民誌になって、その後に日本共産党論倫誌というんですかね、「文化評論」ですか、これに変わって、その後、日教組の機関紙、「教育評論」という形でこの「はだしゲン」がどんどん発刊されていったということ、多分ご存じだと思うんですが。  こういう意味からも、この図書選定基準、ここに書かれているやつに完全に違反をしていると思うんです。学校図書選定基準というのがかなり不明確になっていると思うんですが、今、教育長学校判断と言われましたが、私はそこに問題があるのかなと。こういう、ちゃんと選定基準として全国の図書選定基準というものがあるにもかかわらず、現場の学校の先生だけにその選定基準というものを、ここに違反しているのに学校判断に任せているということで、すごく学校図書選定基準が不明確で曖昧だというふうに私は思います。この点についてもう一度見解を求めたいと思います。 14 ◯議長谷口典隆君) 教育長。 15 ◯教育長前川恒廣君) 私もこの本の出版経緯は調べて承知しているところでございます。ですから、先ほど申し上げましたように、義務教育学校における教育政治的中立の確保に関する臨時措置法、いわゆる中立法の第3条の精神から言いますと、仮にこの漫画といいますか、この教材を教師が使ってある特定の政治理念、そういったものを教えると、こういう話題で使った場合というのは、やはりこれは学習指導要領等で書かれている内容とまた違った内容指導をそこでやるとなったときは問題があると思いますが、これはあくまでも図書室に置いているということですから、これは各学校長判断でよかろうと私は思います。 16 ◯議長谷口典隆君) 4番。   〔4番(北川元気君)登壇〕 17 ◯4番(北川元気君) もう一点だけ確認させていただきたいんです。要は「はだしゲン」は、この全国学校図書館協議会図書選定基準には反していると教育長自身は思われますかどうか、そこだけ確認させてください。 18 ◯議長谷口典隆君) 教育長。 19 ◯教育長前川恒廣君) ちょっとその点につきましては、私はそれだけこの図書選定委員、いろいろ経緯もありましょうし、熟知しているわけではございませんので、私の見解を申し述べるのは差し控えたいと思います。 20 ◯議長谷口典隆君) 4番。   〔4番(北川元気君)登壇〕 21 ◯4番(北川元気君) 発言通告書を出しているんですけど、それは答弁、これでいいんでしょうかね。 22 ◯議長谷口典隆君) 発言通告書のどこですか。   〔4番(北川元気君)登壇〕 23 ◯4番(北川元気君) 細項目の2番で、違反していないかと聞いているんですけど。 24 ◯議長谷口典隆君) 先ほど2番については答弁がありましたよね。今お尋ねなのは教育長の見解を求められたのであって、違反しているかしていないかという最初の細項目答弁は先ほどありました。   〔4番(北川元気君)登壇〕 25 ◯4番(北川元気君) それは教育委員会としてのお答えということですね。 26 ◯議長谷口典隆君) だから、違反していないかという事前通告に対する答弁です。   〔4番(北川元気君)登壇〕 27 ◯4番(北川元気君) はい。ということなので、次にいきたいと思います。  細項目の3番です。教育基本法学校教育法学習指導要領に違反していないかということです。  平成11年8月13日、法律第127号、国旗及び国歌に関する法律が施行され、教育基本法にも国と郷土を愛することが盛り込まれました。「はだしゲン」には、先ほど皆さんにも資料でごらんいただいたとおり、天皇陛下に対する侮辱、そして国歌に対する間違った解釈、そして事実無根の日本軍残虐行為が掲載されております。  さらに、原爆投下についても史実に反した描写がありまして、「原爆の破壊力と惨状がなかったら、戦争狂い天皇指導者は戦争をやめんかったわい、日本人は広島、長崎の犠牲に感謝せんといけんわい」と言っているところもございます。原爆に感謝するという言葉の意味自体もゆがんだ歴史の捉え方でございまして、和平に尽力された昭和天皇の史実にも反しています。これは教育基本法学校教育法学習指導要領に違反していると思いますが、いかがでしょうか。 28 ◯議長谷口典隆君) 教育長。 29 ◯教育長前川恒廣君) 先ほど申し上げましたとおり、市内小・中学校では「はだしゲン」を教材にした授業等は行っておりませんので、議員ご指摘の法律に違反しているとは考えておりません。 30 ◯議長谷口典隆君) 4番。   〔4番(北川元気君)登壇〕 31 ◯4番(北川元気君) 教育長は授業で取り上げていないから違反していないと。では、授業で取り上げていたとしたら、これは違反していると確認してもいいんですか。 32 ◯議長谷口典隆君) 教育長。 33 ◯教育長前川恒廣君) 先ほど申し上げましたとおり、この「はだしゲン」の作者のかなり強い思いがあらわされた内容となっておりますことから、それが先ほど申し上げた政治的中立とか学習指導要領に抵触するかどうかは、その授業内容によって判断すべきものと思います。 34 ◯議長谷口典隆君) 4番。   〔4番(北川元気君)登壇〕 35 ◯4番(北川元気君) 教育長はいつも、彦根の子どもたちにアイデンティティと、そして誇りを持った教育をということでおっしゃっておられます。私も同感で、しかし、これは法律であり、各学校での判断では図書室に何の本を置くかという基準がないのであれば、これは現場の判断で責任を押しつけることになると私は思います。これは教育基本法学校教育法に基づく選定基準というのをしっかりと市の教育委員会で持っていただきたいと思います。  次の細項目の4番に移ります。子どもたちに間違った歴史認識を植えつけることになるのではということで、このような間違った歴史認識により描かれた本が学校図書室にあるということは、彦根市の子どもたちに間違った歴史認識を植えつけ、子どもたちの国と郷土を愛する態度の涵養に悪影響を及ぼす可能性が高いと思います。いかがでしょうか。 36 ◯議長谷口典隆君) 教育長。 37 ◯教育長前川恒廣君) 第二次世界大戦時の戦時教育体制下での国民教育で育ち、被爆体験を持ち、戦後に国家に裏切られたという痛烈な意識を持つに至った主人公の言動に対し、間違った歴史認識と批判するのではなく、戦中戦後の厳しい時代の体験のない世代である私たちは、むしろそのような考えを持つに至った人間もいたのだなということを冷静に客観的に見つめることが必要ではないかと考えます。  また、民主主義を持続可能なものとする上でも表現の自由は保障されなければならず、その意味でも閲覧制限に対してはきわめて慎重であるべきだと思います。無論、主人公短絡的性格、また感情の制限を理性でコントロールし切れない性格から、すぐに暴力に走る描写が多いのは問題があると思われ、本作品を児童・生徒が読むことにさまざまな意見があるのは十分認識しております。  ただ、本作品ができて約30年も経過し、社会からも一定の評価をされているという事実は重いものであるとも思います。歴史を振り返る際に大事なことは、最初に述べましたように、その時代と現代の両方の目線で見る複眼的視野が必要ではないかと思います。また、相対的に見ることも必要ではないかなと思います。  私はこの本を見る生徒に対して言いたいのですが、当時のさまざまな主人公およびその登場人物の生き方、考え方現代目線だけでは見てはならない、見過ぎてはならないということだと思います。生徒はこれから高等教育やいろいろな人生経験で、自分の歴史に対するしっかりした考えを持てるようになる勉強、あるいは体験をしていくわけで、逆に小・中学校のころは感じるままに読むという感性を大事にする教育もまた必要ではないかなと考えております。 38 ◯議長谷口典隆君) 4番。   〔4番(北川元気君)登壇〕 39 ◯4番(北川元気君) そのとおりなんですけど、確かに戦争の悲惨さであったりとか原爆の恐ろしさ、そういうのを教育するのはすばらしいことだと思います。すばらしいことだと思いますけど、先ほど資料でも見ていただいたとおり、これは完全に誤った事実に基づいて描写で過激に描かれているわけですよね。  私の祖父の兄弟の方は戦争で亡くなっておられます。きっと身近な方を亡くされた方はこの中にもたくさんおられると思いますが、その方々がこうして侮辱されているわけです。間違った歴史を描く内容子どもたちに見せることは、祖国を愛する態度にいい影響を与えるとは私は決して思えません。ぜひこういうことを教育委員の皆様でもぜひ共通のテーマとして話し合っていただきたいと思います。  細項目の5番にいきます。先ほど教育長答弁でもありましたが、項がありますので、平和教育の参考書として「はだしゲン」を授業で取り上げているケースがあると聞きますが、本市においてその実態はどうなんでしょうか。 40 ◯議長谷口典隆君) 教育長。 41 ◯教育長前川恒廣君) 授業の中で「はだしゲン」を教材として扱っているという事例は本市にはございません。 42 ◯議長谷口典隆君) 4番。   〔4番(北川元気君)登壇〕 43 ◯4番(北川元気君) 細項目の6番、有害図書への対処の基本的な考えについてです。  有害図書は当然子どもに読ませるものではないものですが、それは誰がどの基準でどのように判断し、対応されるのか、基本的な考えをお聞かせください。 44 ◯議長谷口典隆君) 教育長。 45 ◯教育長前川恒廣君) 各小・中学校の図書は学校図書館法のもと、各学校長判断によって整備されているものと認識しております。  なお、有害図書の指定につきましては各都道府県青少年健全育成に係る条例により行われており、滋賀県につきましても滋賀県青少年の健全育成に関する条例第11条で知事が指定することになりますが、私が調べましたところ、平成24年1月から12月の間で56件がその指定を受けているようでございます。 46 ◯議長谷口典隆君) 4番。   〔4番(北川元気君)登壇〕 47 ◯4番(北川元気君) 学校長が現場で判断するということなんですが、やはり教育基本法であったりとかという法律ですから、それは現場の判断ではなくて、ちゃんと市で、教育委員会でこういう本は駄目なんだと、こういうものを図書館に置きましょうよという基準が僕は必要なのではないかと思います。その辺、見解をお聞かせください。 48 ◯議長谷口典隆君) 教育長。 49 ◯教育長前川恒廣君) 今ほど申し上げましたように、青少年健全育成条例というものがございまして、それにはっきり指定された有害図書というのは、当然これは置いてもらったら困るわけでございますので、それはそうでございます。  それ以外につきましては、基本的にはやはり表現の自由、そういったものも尊重されねばなりませんし、各学校長判断といいましても、各学校で司書教諭とかおりますし、こういう図書を図書室の方に置くという場合に、当然、学校としては校長先生以下、そういう教員の方と十分協議をしていただいて決めていただいていると思いますので、そういう意味で第一義的には現場の決定を尊重したいと思っております。 50 ◯議長谷口典隆君) 4番。   〔4番(北川元気君)登壇〕 51 ◯4番(北川元気君) この学校図書選定基準についても一度教育委員の皆さんとお話ししていただきたいと私は思います。  細項目の7番、「はだしゲン」を彦根市内公立小・中学校図書室から撤去する考えはということです。  今、答弁を聞いていたら、そんな考えはないのだなと理解をしておりますが、この「はだしゲン」は教育基本法学校教育法学習指導要領に反しています。性や暴力に関する有害図書と同様で、教育目的に反する有害図書として学校図書室から撤去していただきたいと私個人としては思います。見解をお聞かせください。 52 ◯議長谷口典隆君) 教育長。 53 ◯教育長前川恒廣君) この図書を撤去するか否かにつきましては、松江市の事例もあり、教育委員同士で話し合ったことがございますが、特に閲覧制限をした方がいいという意見はございませんでした。 54 ◯議長谷口典隆君) 4番。   〔4番(北川元気君)登壇〕 55 ◯4番(北川元気君) そういうふうに答弁が返ってくるとは思っておりましたが、確実に、皆さんも資料を見ていただいてわかるとおり、これは先人たちへの侮辱に当たることだと思いますし、私はこれを見たときすごく悲しかったです。歴史認識を彦根市の子どもたちに誤った形で持たれないことを祈りつつ、大項目1つ目を終わります。  次、大項目の2つ目、彦根市のIT活用についてに移ります。
     インターネットが急激に普及し、IT環境は日々目まぐるしい変化を遂げている昨今でありますが、便利になる一方で、さまざまな事故や問題があるという実態もあります。総務省のホームページでは、平成23年度の漏えい等の事案の発生状況で、各行政機関または独立行政法人等において個人情報の漏えい、滅失、棄損が発生したと認められる事案の件数は、行政機関では723件、独立行政法人等では1,885件となっており、これらの事案を発生形態別に見ると、行政機関では誤送付・誤送信57.3%が最も多く、独立行政法人等では紛失68.8%が最も多くなっています。  BCPの観点からも、万一の災害が発生したときに重要業務が中断しないこと、また万が一事業活動が中断した場合でも、目標復旧時間内に重要な機能を再開させ、業務中断に伴うリスクを最低限にするために、平時から事業継続について戦略的に準備をしておく計画が必要だと言われております。  現在、彦根市では、セキュリティ対策のため、行政情報ネット網とインターネット網が切り離されており、庁内LANについては住民情報や税情報などの個人情報を、外部と連絡をとるインターネット網としては各課に別のPCを設置して、物理的に切り離して使用されているとお伺いしております。当然、11万市民の個人情報ですので、漏えいなんてことはあっては大変なことですし、セキュリティは万全でなくてはならないのは言うまでもありません。  しかし、物理的に切り離しておけば大丈夫だというわけでもなく、他市の事例では、学校の先生が生徒の個人情報が保存されたUSBメモリを紛失したケースが発生していたり、盗難に遭うといったことも考えられます。そもそも、データをローカルストレージ管理下に置くことこそセキュリティの面で危険性が高く、職員さんを疑っているわけではないのですが、ローカルストレージ内にあるデータを各個人のモラルやルールに任せていることに疑問を持つことも大切ではないかと考えます。  IT活用は、うまく使えば便利ですが、一方で、セキュリティが万全であるかどうか、常に進化し続ける環境に対して使う側の我々も成長し続けなければなりません。  中項目の1番、情報ネットワークにおける危機管理。彦根市の情報ネットワークを危機管理の観点から、以下お聞きいたします。  細項目1番、彦根市において個人情報の漏えい、滅失、棄損が発生したと認められる事案の件数をお示しください。 56 ◯議長谷口典隆君) 企画振興部長。 57 ◯企画振興部長(堀川英雄君) 本市では、情報資産の適正な管理・運用を行うために、彦根市情報セキュリティポリシーを策定し、その中で情報の不正使用、損失等を発見した場合には、速やかに情報セキュリティ委員会に報告することといたしております。  現在、本市において個人情報の漏えい、滅失、棄損等の事案につきましては報告を受けておりません。 58 ◯議長谷口典隆君) 4番。   〔4番(北川元気君)登壇〕 59 ◯4番(北川元気君) 細項目の2番です。  では、データの持ち出しについて、スマホやタブレット、ノートパソコン、USBメモリなどでデータ持ち出しが簡単にできるのではないかと推測しますが、いかがでしょうか。 60 ◯議長谷口典隆君) 企画振興部長。 61 ◯企画振興部長(堀川英雄君) 彦根市情報セキュリティポリシーにおいて、各職員に配付いたしております庁内LANのパソコンやUSBメモリ等の原則持ち出し禁止について定めております。さらに、USBメモリ等の外部記録媒体等につきましては、管理簿と使用簿の作成を義務づけし、定期的にチェックいたしております。  なお、スマートフォンやタブレット型端末につきましては導入いたしておりません。 62 ◯議長谷口典隆君) 4番。   〔4番(北川元気君)登壇〕 63 ◯4番(北川元気君) つまり、データを持ち出そうとすることは原則禁止をしているし、データを持ち出しするときは管理簿と使用簿で確認をとっているということですね。では、その管理簿と使用簿というのはどういう形で実施されているんですか。 64 ◯議長谷口典隆君) 企画振興部長。 65 ◯企画振興部長(堀川英雄君) 新たに外部記録媒体とかUSBメモリ等を公用として導入した場合に、まず管理簿というところに所属長がどういう目的でそれを調達したのかということで記録をいたしまして、いついっか、どういう形のもので使う目的のものに用意したということを記録し、その後、そのUSBを使って、例えば課員とかデータ交換とかいうように必要になる場合は、どういうデータを何月何日に入れて、どういう目的でどこに渡したということを追跡できるような書類をつくっております。 66 ◯議長谷口典隆君) 4番。   〔4番(北川元気君)登壇〕 67 ◯4番(北川元気君) 今、書類とおっしゃった、紙ベースで保存されているということなんですね。庁内LANでデータ保存されているということではないということですね。わかりました。  次の質問にも今のはちょっと関係すると思うんですが、では、職員による個人情報の閲覧履歴、これはどのように管理をされているのか、お伺いします。 68 ◯議長谷口典隆君) 企画振興部長。 69 ◯企画振興部長(堀川英雄君) 各業務システムにつきましては操作履歴を保存する仕組みがありますので、それにより個人情報の操作履歴を確認することができます。5年分を保存しており、さかのぼって確認することが可能となっております。 70 ◯議長谷口典隆君) 4番。   〔4番(北川元気君)登壇〕 71 ◯4番(北川元気君) これは、ちなみに企画振興部だけとかということではないですよね。当然、彦根市行政にかかわる全てのことだと、共通でそうなっていると理解していいんですね。  では、次の項目にいきます。IDやパスワードの管理です。  ID、パスワードは実際に庁内LANと、そしてまた外部に接続されているネットワーク網のPCとどのようにIDやパスワードを管理されているのか、お聞かせください。 72 ◯議長谷口典隆君) 企画振興部長。 73 ◯企画振興部長(堀川英雄君) IDやパスワードについては各業務システムで管理しており、彦根市情報セキュリティポリシーにおいて機密性の高いレベルに位置づけ、桁数や、少なくとも1年に1回変更することなどを定めております。IDにつきましては情報政策課が管理し、一定の規則性を持たせて設定しております。  また、パスワードについては、初期設定においてもIDとの関連性は一切なく、さらに業務従事者が任意に変更することといたしております。システムによっては定期的にパスワード変更の案内がされ、変更しないと使用できないものもあります。 74 ◯議長谷口典隆君) 4番。   〔4番(北川元気君)登壇〕 75 ◯4番(北川元気君) これはID、パスワードに一定の規則性を持たせていると考えた場合、1つのIDとパスワードが流出すると、多数のIDやパスワードの流出につながるおそれもあるということで、そして複数のIDでこのパスワードを管理した場合、複数のID、パスワードを管理すると、記憶に頼らずメモや付せんで記載してしまい、流出先を増やすことも考えられます。  今、年に1回パスワードの更新をされているということでしたが、1週間とか2週間とか、そういうスパンでパスワードを変更していったり、実施していったりすることも考えていただけたらなと思うんですが、いかがでしょうか。 76 ◯議長谷口典隆君) 企画振興部長。 77 ◯企画振興部長(堀川英雄君) IDの変更の期間につきましては、それぞれの業務の従事する時間と頻度等にも関係してこようかと思いますが、ちなみに、通常、全ての職員が使っております公開羅針盤の場合でありますと、3カ月に1度パスワードを変更しなさいというメッセージが流れるようにいたしております。 78 ◯議長谷口典隆君) 4番。   〔4番(北川元気君)登壇〕 79 ◯4番(北川元気君) その管理している情報によってどれぐらいの頻度でパスワードを変更するか違うということですね。わかりました。  せっかくの機会ですので、そういうセキュリティ面のことを考えると、もうちょっと早い頻度でパスワードを変更した方がより安全だと思いますので、その辺もお考えいただけたらなと思います。  そういうことも含めて、次の細項目の5番なんですが、26年度に財務会計システム等のオープン化が完了すると伺っております。あわせて、IT化の新たな計画を策定する必要があるのではないかと考えますが、見解をお聞かせください。 80 ◯議長谷口典隆君) 企画振興部長。 81 ◯企画振興部長(堀川英雄君) 平成22年3月に情報システム最適化の一環として情報システムのオープン化に焦点を絞った彦根市情報システムのオープン化に向けた基本計画を策定し、本計画に基づき、汎用コンピュータにより情報政策課で運用してきた基幹系システムについて、各業務でサーバを導入し、分散化してオープン系システムへの移行を順次進めてまいりました。財務会計システム等のオープン化により、全てのシステムのオープン化が完了することとなります。分散化、オープン化による新たな課題も発生しており、グループ化するなどの見直しを含め、最適なシステムの運営を検討することが必要であると考えております。  今後、技術革新の動向を見極めつつ、彦根市情報セキュリティポリシーを時代により合ったものに改定し、システム体系に合わせた危機管理体制としていきたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。 82 ◯議長谷口典隆君) 4番。   〔4番(北川元気君)登壇〕 83 ◯4番(北川元気君) この中項目の2番のところにもありますので、しっかりとした計画を立てていただいて、早く実際に運用していただけるように、よろしくお願いいたします。  中項目の2番、行政にさらなるIT活用をということで、ITはうまく活用することで便利で効率的になることは言うまでもありません。時間、労力、お金を削減し、多岐にわたる業務を適正かつスピーディに遂行していくことが可能であり、大量の紙ベースの資料を印刷したり、大きな紙袋で持ってくる必要もなくなります。セキュリティの問題も当然ありますが、1番の危機管理は、管理ソフトではなく使う人の能力、つまりITリテラシーを育成することにあると思います。ぜひIT化の新たな計画と合わせて、活用方法やスキルアップにもご尽力いただきたいと思います。  細項目1番、ITリテラシーの育成はされているのか。  ITリテラシー育成のためには、機器から隔離された環境だけをつくるのではなく、社会環境に応じた環境の中で危機を回避する能力を身につける必要があると考えます。彦根市は庁内LANで物理的に分けており、ネットにつながっているパソコンとは物理的に分かれているから、そういうITリテラシーの育成の部分が反故にされてきていて、いきなりネットにつながっている方のパソコンをさわってみると、そういうセキュリティに弱いとかいうことになってしまうおそれがあるということです。なので、研修や情報共有などをもっと積極的にしていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。 84 ◯議長谷口典隆君) 企画振興部長。 85 ◯企画振興部長(堀川英雄君) 彦根市情報セキュリティポリシーの定めによりまして、各所属に情報担当者を設置し、年1回研修を開催しております。受講後、各所属内で伝達研修を実施し、結果報告を求めております。  業務システムのオープン化によりまして、情報政策課以外の職員にも一定程度のITに関する知識は必要であり、研修内容を拡充して情報の共有化を進め、効率的な業務体制づくりに努めてまいりたいと考えております。 86 ◯議長谷口典隆君) 4番。   〔4番(北川元気君)登壇〕 87 ◯4番(北川元気君) 企画振興部長は、IT関係の方は少し苦手だとお伺いしておりますが、確かに使ったことない人にとってはすごく難しいことに思えるんですが、実際にやってみると、実はないよりも便利だったということが多分いっぱいあると思います。その辺、現時点では彦根は庁内LANとして物理的に分けていることでセキュリティを確保しているということは、私も別にそれは否定しません。ですが、そういうところにずっと頼りっぱなしにしておくと、IT環境というのは本当に変わっていきますので、しっかりと調査・研究を進めていただいて、情報共有に努めていただきたいと思います。  あともう1点、台風18号のときに提供された情報が間違っていた、ホームページの内容が実際と違うとかいうこともいろいろお聞きしております。その辺も修正を急いでいただいて、情報をすぐに修正できる職員が多数いればこういう問題もないのかなと考えます。  次、細項目の2番にいきます。クラウド等の最新技術を導入する考えについてです。  現状、庁内の情報は物理的に切り離して管理されておりますが、BCPの観点からも、クラウド等の最新技術を導入し、両方で管理することが望ましいのではないかと考えますが、いかがでしょうか。 88 ◯議長谷口典隆君) 企画振興部長。 89 ◯企画振興部長(堀川英雄君) 本市では、湖東定住自立圏のコンピュータシステム共同利用として、平成24年12月に導入したグループウェアシステム、公開羅針盤のサーバを中央町にあるNTTデータセンターに設置し、運用しております。また、住民情報システムを含む各サーバのデータをテープに保存し、毎日業者に集配、保管を委託し、万が一の場合、ある時点に復旧できるようにしております。  システムのサーバを同じ建物に設置するのではなく、外部のデータセンターを利用するクラウドは、民間では進んでおりますが、自治体におきましてはクラウドを導入している例は余り多くはありません。導入している自治体も、グループウエア等の内部情報システムが主で、基幹系システムの導入事例はきわめてわずかであります。クラウドは災害等による危機管理面からも望ましいと考えますが、それにはオープン化の際に細かく分散化したシステムをある程度大きな単位に見直す必要があると考えておりますことから、中長期的な視野に立ち、今後検討してまいりたいと考えます。 90 ◯議長谷口典隆君) 4番。   〔4番(北川元気君)登壇〕 91 ◯4番(北川元気君) そうなんです、まだ自治体での導入というのはなかなか進んでいないんです。でも、ゼロではないので、そういうところの先進事例なんかを調査していただきたいなと思うんですけど、現状でそういうところの先進事例とかいうのは調査されているんでしょうか。 92 ◯議長谷口典隆君) 企画振興部長。 93 ◯企画振興部長(堀川英雄君) 現状では、そういった事例を調査していることはございません。 94 ◯議長谷口典隆君) 4番。   〔4番(北川元気君)登壇〕 95 ◯4番(北川元気君) ぜひしていただきたいと思います。そういう先進事例、クラウドだけにかかわらず、IT系のことについてちょうど計画もこれから立てられるという時期ですので、ぜひ前向きに調査・研究していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 96 ◯議長谷口典隆君) 企画振興部長。 97 ◯企画振興部長(堀川英雄君) 今後の技術革新等、新たな計画を検討する際に参考事例としてそういったことの調査をあわせて行いたいと思います。 98 ◯議長谷口典隆君) 4番。   〔4番(北川元気君)登壇〕 99 ◯4番(北川元気君) ありがとうございます。  次に細項目の3番、IT活用の積極的な調査・研究をする必要があるのではという、今、前向きなご答弁をいただきました。ここでは、担当者の増員とか先進の事例の調査、そして専門家の意見の聴取など、IT活用の積極的な調査・研究をする必要性についてお伺いをします。 100 ◯議長谷口典隆君) 企画振興部長。 101 ◯企画振興部長(堀川英雄君) 確かにITリテラシーの育成、クラウド等最新技術の導入には、まず常に情報の収集が大切であると考えております。それには、ご指摘のとおり先進事例の調査やシステム業者からの情報、コンサルを含めた外部の意見の聴取なども必要であり、ここで得た情報を共有することにより、スキルアップにつながると思います。また、ITを使いこなすには、知識だけでなく経験年数も必要であると考えております。  いずれにいたしましても、全庁的により効率的な情報管理を推進するため、人員配置を含め、今後とも調査・研究を重ねてまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。 102 ◯議長谷口典隆君) 4番。   〔4番(北川元気君)登壇〕 103 ◯4番(北川元気君) ありがとうございます。しっかりと予算に反映させていただいて、人員を増やして、そして先進事例や情報を集めて、彦根市は何かITは遅れているなと言われないように、しっかりと前向きにやっていただきたいと思います。  これで私の質問を終わります。どうもありがとうございました。 104 ◯議長谷口典隆君) 17番八木嘉之君。17番。   〔17番(八木嘉之君)登壇〕 105 ◯17番(八木嘉之君) 私、本定例会の中で2つお尋ねをさせていただきたいと思います。  主権者である市民は、執行機関の長である首長、それと議事機関の議会を構成する我々議員、それぞれの代表を選ぶ、これはどちらかの一存だけで自治体を動かせないという権限が分立されている制度でございます。しかしながら、市民からは一般論として首長の言動に比べて議会の言動は見えづらく、存在感が薄いと見られております。  各地方議会では、こうした現実を捉えて、議会の中でさまざまな改革が進められております。本市議会においても、地方自治における地方議会の本来のあり方を愚直に追求し、その成果を積み上げていくことが必要であると考えております。市長を初め各執行機関の長におかれましては、現在議会が検討を進めております議会基本条例は制定することだけが目的ではない、あくまでも手段であって、制定後における議会運営の見直しを絶えず行っていくということの本質を見誤ることのないようにお願いをしておきたいと思います。  そこで、市の執行機関や議会が政策を形成していく上で大切なこと、主権者である市民に対して政策形成の過程を明らかにしていくことだと私自身が考えております。そのために必要なことは、議論をする、議論を尽くすということだと思います。市民と執行機関、市民と議会、議会と執行機関、それぞれが議論するということであると思います。言い換えれば、執行機関内部での議論、すなわち首長と補助機関たる職員との議論、議会を構成する議員間同士の議論、このことの議論をせずして市民との議論は成立しないという考え方を改めて申し述べたいと思います。  そこで、大久保市長が首長に就任されて約7カ月が経過をいたしました。市長が市民に約束された政策に係る事業は平成26年度当初予算の中において提案されるものと考えております。市長の政策に期待を寄せているのは何を置いても市長を選挙で選ばれた彦根市民のほかならないということであります。そのことは市長ご自身が一番よくおわかりであると思います。しかしながら、6月と9月の定例会における議論を聞く限りでは、市長ご自身が本市の主要課題を何だと捉えていらっしゃるのか、あるいはその課題の克服のために何をされようとしているのか、あるいはどのような地域戦略を持ち、どのような自治体の運営を目指しておられるのかなどについて、もう少し市民がイメージが抱きやすいような、そういうご提案がなされるべきではなかったのかなと感じております。  そこで、2000年、分権改革における自治法の改正からかなり年月が経過しております。機関委任事務が廃止をされました。これは国と地方の関係が事実上は対等な関係になったとされております。しかしながら、地方では財政が移譲されていない、あるいはやはり事業をやる上では国の補助金、交付金、そういったものが必要になる、人も欲しい、そういう現実は確かにございます。ただ、法律上は機関委任事務が廃止されて対等な関係になった、これは事実でございます。言い換えれば、首長は地方自治体を統括する立場として、地方の経営に関して直接的な経営責任を負うということになったわけであります。首長には、行政内部、対外活動ともに強いリーダーシップで行動するタイプ、行政事務の管理と執行については強いリーダーシップで臨み、社会的には熟議を重ねて比較的穏やかなリーダーシップを発揮する首長、内外ともに強いリーダーシップを発揮することなく、議会、これはいわゆる多数派議会と言われますが、協調して安定した地方行政を施行するタイプ、この3つのタイプに分類されると言われておりますが、大久保市長はご自身でどのタイプの首長であるとお考えでしょうか、お聞かせください。 106 ◯議長谷口典隆君) 市長。 107 ◯市長(大久保 貴君) 首長のタイプといたしまして、復唱になりますが、行政内部、対外活動ともに強いリーダーシップで行動するタイプ、行政事務の管理と執行については強いリーダーシップで臨み、社会的には熟議を重ね、比較的穏やかなリーダーシップで行動するタイプ、内外ともに強いリーダーシップを発揮することなく、多数派議会と協調して安定した地方行政を施行するタイプの3つのタイプがあるとお示しをいただきました。現時点で私がどのタイプに当てはまるかということは私もわかりません。  しかしながら、私としましては、市民の皆様に安心して自治体経営を任せていただけるようなよりよいリーダーシップを発揮してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
    108 ◯議長谷口典隆君) 17番。   〔17番(八木嘉之君)登壇〕 109 ◯17番(八木嘉之君) わからないというお答えであったので、これは想定外でございます。少なくとも、私自身、市長はこの3タイプの分類を私が提示し、これのいずれにも当てはまらないなとか、私はこういうタイプだなという、いわゆる自己の分析といいますか、自分像といいますか、何かそういうものは必ず人というのは持ち合わせているものであって、そういう答えが私自身は、このタイプのどれかを選べと言ってるのではないんです。こういうタイプに分類されると一般的に言われているんですけども、どうですかというお尋ねでしたので、ぜひここはお考えをいただいて、通告している内容でございましたので、お答えをいただきたかったなと思います。  私自身はこの3タイプで、大久保市長がどのタイプに当てはまるか、若干この3タイプとは違うのかな。どちらかといえば、行政経験というのももちろんおありでございませんし、内部の中ではやはり執行部のいわゆる基幹職員にいろいろとお任せをされることも多々ありますし、その辺に信頼を置いておられるということもありますので、対外的には、熟議かどうかわかりませんけども、いろんな方と会われて話もされ、いろんな方の意見を聞かれているということも聞き及んでおりますので、第4のタイプに今のところ分類されるのかなと私自身は考えておったんですけども、考えてないということなので、この場でそれ以上お尋ねするのはやめたいと思います。  分権改革以前であれば、国からの行政事務を管理して執行するだけの行政の長としての役回りだけで、それだけで無難にこなせたのだと思います。分権改革をまたぐ時の市長は元中島市長であったかなと思います。それ以降、中島市長、獅山市長、今の大久保市長と、こういう形で13年間、この彦根市の首長は変遷を遂げてきたと思います。  しかし、今は地域社会が首長に求めるニーズは相当高いレベルにあると考えております。本市の課題を捉え、政策を打ち出して解決の方向性を導き、優先順位をしっかりと決めて補助機関たる職員との議論を尽くして、内部の合意形成を図っていくことが求められております。さらにはそれ以外に、人、物、金を効果的に生かして地域戦略を打ち出し、地域をまたがる諸課題への対応、調整、対外的な活動ももちろん重要な責務であります。このことが地方自治法第147条の普通地方公共団体を統括するという権限にたどり着くのではないかと考えております。  今、大久保市長には、首長としてのリーダーシップを発揮してもらいたいと、これも漠然とお尋ねするわけですけども、願うんですけども、ご自身の見解をお尋ねしたいと思います。 110 ◯議長谷口典隆君) 市長。 111 ◯市長(大久保 貴君) 大変貴重なご意見をいただいて感謝を申し上げたいと思いますが、ご指摘をいただいたとおり、地方分権の時代となりまして、市長には行政内部の意見統一を図り、地域社会の抱える諸課題の解決を図るために与えられた人、物、金の資源を有効に活用していく中で、政治的なリーダーシップが求められる、あるいはそういうことをしていく中で醸成されていくと考えます。  これからは、市民のニーズに応えられるようにリーダーシップを発揮して、課題解決に向け努力をしてまいりたい、繰り返しになりますが、そうした課題解決に向けて努力をしていく中でリーダーシップがつくられていくということでなければならない、そうでなければ信任としてこの任を預かった以上、そういう形で実績を残していかなきゃならないということでございますので、今後、全身全霊を尽くして事に当たっていきたいと思っております。 112 ◯議長谷口典隆君) 17番。   〔17番(八木嘉之君)登壇〕 113 ◯17番(八木嘉之君) ちょうど大久保市長と前獅山市長との引き継ぎのときの一部の報道機関の記事で、獅山前市長は大久保市長に期待するもの、あるいはどうでしょうというような、多分そういうお尋ねであったのかなと思います。心配はしていないと。立場が人をつくるということを前市長はおっしゃったというような記事を私は拝見いたしました。そういう意味で、非常に首長としてはまだといいますか、もうといいますか、半年が経過したわけでございます。内外ともに大久保市長に寄せる期待、特にリーダーシップをしっかりと発揮していただきたいということの期待というのは大きいところがございます。この議場の場で市長が述べられましたそういう思いを達成していただいて、内外ともに強いリーダーシップをぜひ発揮していただくことを強く望むところでございます。  首長と市民や議会との議論までに、職員との議論、これがしっかりと行われていなければならないと思います。首長と職員は、ある意味異なる使命を持ち合わせながら職務を遂行する、いわゆる首長は行政、あるいは対外的なことも含めて、政治的な判断、行政の長、あるいは政治家としての長の役回りがつきまといますし、行政執行機関のいわゆる職員の皆さんには、やはり行政としての事務、いわゆる行政事務をやっていくということで、若干政治的なものを兼ね合わせる市長とは使命が異なるところも確かにあると思います。真剣な議論を通して政治と行政の間で生じます価値観の違い、こういったものを調整しながら、最終的には責任は首長が負うわけでございます。市長の腹を見せることが職員からの信頼を得ることにつながり、結果、地域社会にとってよりよい政策の実現により、市民の福祉の向上が図られるのではないかと考えます。  庁内において政策調整、あるいは決定に係る会議では十分な議論が尽くされているのでしょうか。実情も含めてお聞かせ願いたいと思います。 114 ◯議長谷口典隆君) 市長。 115 ◯市長(大久保 貴君) これは私も議員の経験がございますので、その庁内でどのように闊達に議論がされていくかということがなかなか見えにくいものでございますが、現状といたしましては、職員との協議等の場をつくるということに意を用いておりまして、総務部長、企画振興部長の両部長とは毎朝30分程度打ち合わせを行って、懸案事項についての情報共有や共通の認識の場づくりとして機能させているというこでございます。  次に、教育長を含めました各部局の部長等による部長会議を毎週定期的に開催いたしておりまして、この部長会議では各部局から協議事項や報告事項を募りまして、その議題としまして市政全般にわたる基本方針や重要な事業施策の審議に関する協議、連絡調整のほか、複数の部局にまたがる横断的な案件等についても協議を行っているところでございます。  さらに、市長協議を要する個別の案件につきましては、都度担当部局と協議を行っておりまして、職員との議論を尽くせるように努力をしております。  私としましては、役所というところが縦割り行政になってございますので、とにかくその仕事の基本となります法令等々がございますので、なかなか横断的な意思形成が難しいものが役所ではないかと思っておりますので、できるだけ各部局の長の方におかれましては、これまでそれぞれ長年培われた行政経験、いろんなところを経験されているわけでございますので、それぞれの持ち場もご理解の上で、市政にとって何が重要か、どういう判断が正しいのかということを忌憚なく発言していただいて、私が最終的には判断させていただくという仕組みをつくりたいと今努力をしているところでございます。 116 ◯議長谷口典隆君) 17番。   〔17番(八木嘉之君)登壇〕 117 ◯17番(八木嘉之君) それでは、地方公共団体を統括する首長にとって、補助機関の長とも言える立場で首長を補佐する役割を担う副市長を選任することは市長として優先すべき課題であると認識をしております。地方自治法の第161条は副市長を置くとなっております。置かない場合は条例でこれを地方自治体で定めることができる。あるいは167条1項については、いわゆる今私が申し上げました市長を補佐する機関で行政執行部を束ねるというような見解といいますか、地方自治法の中で、そういう定めがございます。その161条の意義と167条1項に対する認識について、改めて見解をお願いいたします。 118 ◯議長谷口典隆君) 市長。 119 ◯市長(大久保 貴君) 地方自治法第161条では、副市長の設置およびその定数に関すること、また167条第1項では副市長の職務の内容が掲げられております。地方自治法の趣旨については承知をいたしておりますが、本市におきましては平成23年8月以降、2年4カ月にわたり副市長が不在の状況が続いております。この状況は、ある意味において憂慮すべきものと認識しておりまして、これまでも議会でもお答えをしてまいりましたとおり、副市長の人選に取り組んでいるところでございます。できる限り早期に副市長をお迎えして、本来あるべき体制のもと市政を進めてまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いしたいと存じます。  また、副市長をお迎えするに当たっても、どういう政策で何を求めるのかということを明確に示す必要があると思っておりますので、そのことも含め準備をしていきたいと思っております。 120 ◯議長谷口典隆君) 17番。   〔17番(八木嘉之君)登壇〕 121 ◯17番(八木嘉之君) 言われたように、副市長が空白の期間というのがもちろん今に続いています。前市長のときからですね。前市長のときにも副市長が空席、前松田副市長が体調不良を理由にやめられたときから、私自身もこの議場の場で獅山前市長に対して副市長を置くことの是非といいますか、なぜ置かないんですかということで議論なり質問をさせていただいたときがございます。  そのときに獅山前市長は、いいか悪いかは別にして、決裁が早く進むことがあったりとか、今のところ、そんなに副市長を置く必要性が強く感じられないということもおっしゃっておられました。ただ、やはり地方自治法でしっかりと置く、置かない場合は条例で決めなさいと。どちらかといえば必置義務的な扱いで副市長という存在が今法律上あるわけですから、やはりしっかりと置いていただきたいという思いでお尋ねしたわけでございます。  大久保現市長におかれましても、これで当選されて2回の定例会を経て今回3回目、正直私自身は、今回の定例会においては副市長のお名前が、実際に同意が議会に諮られるのかなということで期待をしておりました。もちろん公約であるとか、今、若干今までの考えと新たな見解を示されたのかと思いますけど、女性に限らずということから、福祉政策に精通をしたというような言葉も本議場ではお伺いしたようにも記憶をしております。そういうこだわりも必要か思いますけども、本市にとって本当に今、市長の女房役というものが必要である、もちろんご自身が一番そのことは痛切に感じておられるんですけども、やはりきっちりと、もうそれ以上は言いませんけれども、いろんな手を尽くしてしっかりと置いていただく、そのことをぜひお願いしておきたいと思います。  いつまでもいつまでもずるずると同じ答弁で議会として納得をしているというわけでは決してございませんので、そのことだけは強くお願いしておきたいと思います。  次に、庁舎の耐震化についてです。通告のときにはゼロクリアという市長の見解も認識を新たにしたということで通告しておったんですけども、それ以上の認識も昨日までの耐震工事に係る議論で認識を新たにしたところでございますが、もう一度整理の意味で、くどいようでご回答なり答弁は一貫して変わらないと思うんですけども、今の実施設計に基づく耐震工法で本当にいいのかということをゼロクリアにするということと、耐震工事が本当に必要なのかどうか、そのことの是非も含めてゼロクリアにすると、ゼロから検討するということなのか、あるいは現庁舎の移転新築も含めてゼロから検討すると、このいずれかに帰結すると私自身はずっと考えておりました。  ところが、市長はまた違ったお答えを新たにされましたのであれなんですけども、あえて、私がゼロクリアにすると考えていたこの3つのいずれの考え方に至ったのか、やはりエビデンスをしっかりと示していただきたいと思うんです。そういう考え方に至ったエビデンス、そのことをちょっとお尋ねしたいと思います。 122 ◯議長谷口典隆君) 市長。 123 ◯市長(大久保 貴君) 庁舎の耐震工事の考え方でございますが、今お示しをいただいた3点でお答えを申し上げますと、1点目の、今の実施設計に基づく耐震工法で本当にいいかどうかをゼロクリアにする、さらに3点目の、現庁舎の移転新築も含めてゼロから検討する、この2点に沿った考えであると言えます。  大規模災害に備えまして、本庁舎は災害対策の拠点でございますので、市民の生命と財産を守る重要な施設であり、その必要性を認識しておりますことから、2点目の耐震工事が本当に必要かどうか、その是非をゼロから検討するということは当たらないと思います。  この考えに沿ったエビデンスでございますが、まず、9月定例会で答弁申し上げました実施設計の見直しの結果についてでございますけれども、執務スペースの確保を引き換えに、最も多くの市民の皆さんが訪れていただく1階窓口業務部分におきまして、大型の耐震ブレースを複数配置する必要があることから、かなりその業務に制限を受けるということになろうと思われます。今のままの使用形態を続けることが困難でございまして、市民をお迎えする窓口としてはふさわしくない形状となると思われます。当該工法による見直しは適切ではないという結論に至っております。  こうしたことを踏まえまして、本庁舎の耐震化につきましては、近い将来に向けて山積しております本市の大型公共事業や本市を取り巻く現在の社会状況なども勘案しながら、私なりに種々検討をいたしております。  稲枝駅周辺整備事業や給食センターの整備事業、紫雲苑の改築、また小・中学校の空調設備整備や彦根駅大藪線、こうした大きな公共事業が予定されております中で、本庁舎の耐震化も考えていかねばならないという状況にございます。  庁舎の整備につきましては、耐震化が必要な、どの自治体においても大きな課題でございまして、大津市や守山市や近江八幡市や、彦根市役所よりも先に建てた自治体の皆さんも同様の課題を持っておられて検討されている状況でございます。県内に限って申し上げてもそういう状況であると。  そういう中で、庁舎の整備についてはこの庁舎、例えば耐震化を行いましても、将来的には本格的な建て替えの議論が必要となるということも、もう10年余しますと俎上に上ってくるということを考え合わせますと、長期的な展望に立てば建て替える方が得であるという考え方も一方ではあると思われます。  さらには、ある市では、周辺整備、再開発や防災拠点といった大きな意味合いをそこに持たせて、また多額の事業費がかかるわけでございますが、市民公募債という形で手当てをしまして、市民の協力を仰いだという事例もございます。市民を巻き込んでこのものを進めていくという手法をとっておられる自治体もあると。新しく建て替えてワンストップ等の市民サービス向上に十分配慮した方策をとるところもございます。  こうしたことを全て合わせ考えますと、市民の皆さんにもご参加をしていただいた上で、本庁舎のあり方について現行の実施設計案も含め検討することが必要ではないかと考えておりますので、ご理解のほどお願い申し上げたいと存じます。 124 ◯議長谷口典隆君) 17番。   〔17番(八木嘉之君)登壇〕 125 ◯17番(八木嘉之君) 市民を巻き込んでという考え方は全て否定をするものではございませんが、やはり昨日から議論されていますし、出尽くしていますけども、あえてこれは質問ではございませんけども、やはり東南海・南海地震で6弱の地震がある、あるいは鈴鹿西縁断層で7の地震が予測されている、そういう中で、実際にこの庁舎、この議場の天井を見ても、つり天井にひびが入っているのが非常に私、議場に入るたびに見て気にしているわけですけれども、そういうことも含めての根拠でありますとか、あるいはやはりこの本庁舎については既に空調の改修工事に取りかかって、終わりました。  そういう事実もありますし、では、財政がどうなんだという、厳しい、厳しいとおっしゃいますけれども、実際に財政の健全化の指標である4指標がどういう形で今後影響が出てくるのかということでありますとか、今市長が申されました事業というのはこれまでからも既に計画し、それでもって実質公債費比率も議会の中では、耐震工事をしても大丈夫である、スペースの拡幅をもって、5階まで上げて裏の駐車場に立体駐車場をつくって、仮庁舎も借りて、プレハブもつくって、それでも実質公債費比率、本市の財政状況には大きな影響を与えることはないということがあって我々議会として実施設計の予算を議決したという経過は、これは紛れもない事実でございますので、そのことも含めて、もし市民の皆さんとそのことを議論されるのであれば、その辺の経過、根拠、そういったものをしっかりとお示ししていただいた上で適切な処置、判断が必要になってくると思いますし、我々議会としてもそのことを含めて財政のコスト、将来の負担の見通しもきっちりお尋ねすることになると思いますので、よろしくそのことはお考えをいただいておきたいと思います。  だらだらとしゃべりましたが、次にまいりたいと思います。市の職員は市民の皆さんに信頼されているのかどうかについて議論をさせていただきたいと思います。  市民の皆さんは、地域の課題について大変よく知っておられます。しかし、それを解決するための具体的かつ専門的な手だてまではご存じではございません。一方、職員の方は問題を解決するためのすべを知っておられます。国・県・市の法律でありますとか技術的、専門的な知識などを持ち合わせておられます。  市民が職員に対して信頼を寄せるというのは、問題が解決をしたときだけではないと思います。結果的に市民が訴える窮状が解決できないとしても、問題を解決に導くまでの知恵を出して、選択肢をお示しいただいて、結果を導くまでのプロセスを市民の皆さんに明らかにすることで、市民の皆さんはその結果を受けとめて納得されると思います。全ての方ではありません。多くの市民の方はそうであろうと思います。それが職員に対する信頼につながるのではないかと考えますが、そこでお尋ねをします。  市の職員の要諦について見解を求めます。 126 ◯議長谷口典隆君) 総務部長。 127 ◯総務部長(萩野 昇君) 地方公務員法では、「すべての職員は、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当たっては、全力を挙げてこれ専念しなければならない」と規定をしております。また、地方自治法におきましても、「地方公共団体は、その事務を処理するに当たっては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最小の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない」と規定され、私たち地方公務員は住民の福祉の増進を第一義的な目的として業務に取り組むことが必要であると考えております。  このような法律の規定がある中、とりわけ私たち市の職員は、国や県の職員と違って現場が身近にあり、市民との距離も大変近く、その関係も密接なものとなっております。つまり、市民の中に入っていきやすく、対話を通してその生活実態や地域の課題をじかに知ることができるということが言えると思います。  また、市民の皆さんと協働してまちづくりを進めるためには、行政自らが積極的に情報提供することも必要と考えておりまして、これによって市民との信頼関係や協力関係も築けるのではないかと思います。  つまり、市職員の要諦は、自らが進んで必要な行政情報を提供しながら、市民の中に入っていき、市民と対話し、市民との信頼関係、協力関係を築くことにあります。このような過程を通じまして、問題点を明らかにし、課題解決のため、市民の意見や要望を把握し、政策立案から具体的な施策の推進につなげていくことが大切であると、このように考えております。 128 ◯議長谷口典隆君) 17番。   〔17番(八木嘉之君)登壇〕 129 ◯17番(八木嘉之君) まさに総務部長がお答えいただいた、そのとおりであると思います。市民の信託にいかに応えていくのか、市の職員の皆さんもそうでありますし、私、議員としても、議会としても、市民の立場からすれば我々は従僕の立場であると考えておりますし、過去のような、役所の上に「お」をつけてお役所というような、そういう時代はもちろんないわけでございまして、市民が主権者であるということを考えれば、今の萩野部長がおっしゃったことはまさにそのとおりであると考えております。  市民が地域の課題について相談される場合、庁舎の窓口に直接足を運ばれるケース、電話で相談されるケース、メールや手紙を送られるケースなどがあると思いますし、サイレント・マジョリティ、いわゆる声なき多数派、沈黙の大衆、潜在的な市民、そういった存在ももちろんあるわけですけれども、23年度の市政への意見提言285件、うち行政サービスに対する意見、提言が65件、最も多かったとホームページで私は拝見をいたしました。  行政サービスに関する市民の声とはどのようなものがあり、こうした声は市政運営に生かされているのかどうか、お尋ねをしたいと思います。 130 ◯議長谷口典隆君) 企画振興部長。 131 ◯企画振興部長(堀川英雄君) 手紙やメールで送られてまいります市政への意見・提言の大部分についてはいわゆる行政サービスに関するものですが、その中で、福祉や生活環境、土木関係、教育関係等、内容が明確な場合はそれぞれの分野で区分をしているところであります。それ以外の窓口での職員の対応や施設管理など、行政サービスの拡大や改革を求める意見等を行政サービスと区分しております。  こうした市政への意見・提言で寄せられました市民の声につきましては、まちづくり推進室で取りまとめ、全て市長まで回付するとともに、担当部署にも回付し、可能な限り各所属において市民の声を市政に反映することができるかなどについて検討しております。  そうした中で、行政サービスとして区分した中では、木曜日の窓口延長時の市庁舎正面玄関はあけるべきとのご意見により、施錠せず、来庁される市民の利便に対応するようになったことは、すぐに対応できた例の一つであります。また、市職員の窓口対応に対するご批判等も寄せられておりますが、各所属や各職員が内容を真摯を受けとめ、反省を促すとともに、今後の参考とさせていただいているところであります。 132 ◯議長谷口典隆君) 17番。   〔17番(八木嘉之君)登壇〕 133 ◯17番(八木嘉之君) それでは、年間を通じて職員の皆さんが貴重な時間を割いて職場外研修、派遣研修、職場研修に臨まれております。大変意義ある研修機会であるとも思います。当然、費用対効果の検証もしっかりと行われていると思いますが、どのような成果を生んでいるのか、見解をお聞かせください。 134 ◯議長谷口典隆君) 総務部長。 135 ◯総務部長(萩野 昇君) 平成25年度の職員研修経費は904万9,000円を予算計上しております。研修の成果はすぐにあらわれるものや少し時間を要するものもございまして、限られた期間で費用対効果を検証することは難しいものと考えております。まずは職員に気づきを与え、そこから日々の行動や意識の変革を促すことが研修の大きな目的であると認識をしております。  成果の検証といたしましては、職場外研修や派遣研修におきまして、効果測定の最初の段階であります研修終了後のアンケートでは、おおむね受講者の理解度や満足度も高く、その中でも例規担当職員研修や公債権等徴収事務担当職員研修などの職務に即した実践的な研修では、受講後ただちに研修の成果を職務に生かせているものと考えております。  また、研修終了後に行動が変化した例といたしましては、平成17年度から実施をしておりますCS向上運動、市民満足度の向上運動でございますが、これにつきましては電話応対を中心に大きく改善を図ることができました。また、今年度初めて実施をいたしました新規採用職員向けの就職説明会におきまして、本市への就職希望者に対して若手職員による職務内容の説明を行いましたが、参加者からは大変わかりやすかったと、こういった評価をいただいております。これは、これまでからプレゼンテーション能力、あるいは企画力の向上を目的とした研修を実施してきておりまして、これらの研修の積み重ねが成果として発揮されたものではないかと、このように考えております。  こうした研修の内容につきましては、情勢の変化や時代の要請などに応じまして見直しを行っているところであり、今後もより効果のある研修が実施できるよう努めてまいりたいと考えております。 136 ◯議長谷口典隆君) 17番。   〔17番(八木嘉之君)登壇〕 137 ◯17番(八木嘉之君) 行政は人なりと言われております。その人たる職員の皆さんは市民の皆さんとどういうふうに向き合い、市民の皆さんの声をどのように受けとめておられるのかというのを、今ほど部長は成果が上がり、CS、電話応対等も十分にお客様満足度も向上してきているというようなお話ではございましたが、私自身は実際に疑問に感じるところがございます。  市民、あるいは自治会などから相談を持ちかけられたときの市の対応において、事案の捉え方、その結果を導くまでの対処など、誠実さを欠くケースが見受けられると思います。機関委任事務が廃止になり、地域の自主性、あるいは自立性をこれまで以上に高めていく上でも、高度で専門的な知識をお持ちの職員の力というのは絶大であります。  しかしながら、今の職場風土、職場環境のままでは、本来発揮してもらうべき職員の力を十分に発揮できないのではと危惧もしております。市民の側に寄り添った、これは市民の要求に何でも応じるといった意味でもございませんし、無理難題を言われる市民の皆さんの要求に応じるとか、そういうことではもちろんないということはご理解いただいていると思いますけども、市民の側に寄り添った職場の人づくりであるとか環境づくり、あるいは組織づくりというものを全庁挙げて取り組むべきではないかと考えますが、見解をお聞かせください。 138 ◯議長谷口典隆君) 総務部長。 139 ◯総務部長(萩野 昇君) 平成12年4月に地方分権一括法が施行され、国や県からの権限移譲が進む中、行政ニーズの多様化により、私たち職員にはより高度で専門的な知識が求められているところでございます。議員ご指摘のとおり、行政は人によって支えられておりまして、職場風土や職場環境の整備は大変重要であると考えております。  現在行っております人材育成基本方針の見直し作業の中で、職員を対象にアンケートを行いました結果、今後の彦根市職員に求められる職員像について、社会の変化に的確に対応できる柔軟性を持つこと、前例にとらわれず、常に改革・改善に取り組むこと、親切かつ丁寧に相手の立場に立って対応することといったものを思い描いておりまして、状況に応じ柔軟かつ誠実な対応が求められていることを認識しているという結果が出ております。  しかしながら、現状では業務が繁忙であるとか、OJTのノウハウが少ないことなどの理由から、職場内研修が十分ではないと感じている職員もおりまして、市民の実情を親身になって受けとめるという姿勢をしっかりと教育していく体制を整備することが必要であると考えております。  現在、このようなさまざまな課題に対応するため、まちづくり、職場づくり、人づくりをキーワードに、新しい人材育成基本方針を策定しているところでありまして、この中で全ての職員は全体の奉仕者であることを十分認識し、市役所内で横の連携を密にしながら、市民の皆様の期待に応えられる職員を育成してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 140 ◯議長谷口典隆君) 17番。   〔17番(八木嘉之君)登壇〕 141 ◯17番(八木嘉之君) ぜひその基本計画ができ上がり、職員の皆さんがその計画に基づいてしっかりと職務を遂行していただけるように期待するところであります。  それでは次に、15分しかございませんので少し残念ではございますが、残された時間、しっかりと議論をしたいと思います。  市内において幅員が狭い道路というのは、特定の地域だけに限らず存在をいたします。執行機関におかれても、消防車や救急車が現場に接近できない、活動のリスクになっているということは十分にご認識をいただいております。また、総合計画の中でも都市基盤の整備として狭隘道路の拡幅に係る検討を行っていくということがうたわれております。その必要性についても認識されているところでございます。  平成24年の彦根市の統計書によると、市道の実延長距離は約625キロ、舗装率が93%とされております。本市の市道における幅員4メートル未満の狭隘道路の延長は何キロございますでしょうか。お伺いします。 142 ◯議長谷口典隆君) 都市建設部長。 143 ◯都市建設部長(山田静男君) 狭隘道路の総延長につきましては、平成25年3月末時点で市道実延長627キロのうち、4メートル未満の狭隘道路は182キロとなっております。 144 ◯議長谷口典隆君) 17番。   〔17番(八木嘉之君)登壇〕 145 ◯17番(八木嘉之君) 182キロ、相当数の距離が市道で狭隘道路になっているという認識をいたしました。  それでは、狭隘道路の環境改善に向けた整備というのは、現在は市の方で国からのいわゆる交付金の動向を見極めながら検討を進めるという考え方をお持ちだと事前に伺っておるわけですけども、よその自治体の状況を調べますと、国からの交付金の有無にかかわらず、狭隘道路の拡幅整備に関する目標をしっかりと定めて、計画的にその生活環境の改善をされている自治体もございます。多くと言いますと語弊がございますので、自治体がございます。県内にもございます。  本市で検討を現在されている狭隘道路の拡幅整備に係る事業の内容についてお尋ねをいたします。 146 ◯議長谷口典隆君) 都市建設部長。 147 ◯都市建設部長(山田静男君) 幅員4メートル未満の道路、いわゆる狭隘道路では、日照や通風といった生活環境や消防・救急活動に支障を来すなど、さまざまな問題が生じております。このような問題を解決するためには、狭隘道路に関する土地所有者等の協力を得まして、幅員4メートルに拡幅することで狭隘道路が抱える問題の解決やリスクの低減を図り、安心・安全なまちづくりを目指すもので、狭隘道路の拡幅整備は必要不可欠であると考えております。  その中で本市が取り組んできた経過につきましては、平成21年度に国の社会資本整備総合交付金の中で狭あい道路整備等促進事業が創設されたことを受けまして、平成22年度に道路調査を行い、道路種別がわかる道路図を作成しました。その後、平成23年度には庁内関係課によります狭あい道路整備事業検討会議を立ち上げまして、これまで計9回を開催し、平成26年4月からの施行に向けまして、現在、最終調整を行っているところでございます。
     その内容につきましては、狭隘道路に接する土地所有者が住居の増改築時に道路の中心から2メートル後退し、その用地を市へ寄附していただくことによりまして、4メートルの道路に拡幅するための検討のほか、国による狭隘道路拡幅整備に係るガイドラインに基づく事業の進め方、事業体制の構築および土地所有者等と市の役割分担などを検討しているところでございます。 148 ◯議長谷口典隆君) 17番。   〔17番(八木嘉之君)登壇〕 149 ◯17番(八木嘉之君) 本件に係る課題というのは長い年月を要して成就できるものであると。今日あした、1年、2年でできるものではございません。182キロという総延長距離がございます。市が拡幅整備を進める上で、これまでから議論をしている中で実際に懸念されているのは、整備に要する費用の問題、今ほど部長の方からご答弁がございましたように、地権者の方から土地を寄附、いわゆる譲っていただくことで拡幅に係るものが進むというようなニュアンスで受けとめましたが、実際にはその拡幅をする上では、土地の提供ももちろんでございますけども、測量調査、分筆、あるいは構造物があればその除去、移設、あるいは道路舗装の工事費用ということで、費用が大変多くかかるのが実情でございます。  しかし、市内の広い範囲で存在する課題でありますし、既存のいわゆる建築基準法とか法律だけでは解決できない、それゆえにガイドラインをつくって今後彦根市としても解決していこうということでございますけども、これはやはり市民の理解がなければならないということは、市民が狭隘道路の拡幅に係る事業についてしっかりと知らなければならない。そういう上では、庁内だけの要綱でありますとかガイドライン、今、部長がおっしゃった整備だけでは不十分ではないかと考えます。  そこで、やはり先進地でもされている条例というもので、市民の皆さんに広くかかわる条例、いわゆる市の法律を制定して、制度化を図って息の長い取り組みを進めるべきと考えますが、見解をお聞かせください。 150 ◯議長谷口典隆君) 都市建設部長。 151 ◯都市建設部長(山田静男君) 狭隘道路の拡幅整備には民民境界の確定や建築物を含め門、塀等の除去や移設が伴うものであり、住民自らが生活道路の安全確保について考えていただき、拡幅整備に対する理解と協力が必要不可欠でございます。  また、狭隘道路が拡幅整備されることによりまして、通行、災害時や緊急時の消火、避難、救急活動の場が確保され、住民の生活環境の改善につながるものでございますが、法律の範囲では公共用地とならないため、拡幅整備に至っていないのが現状でございます。  中には、条例により個々の建築計画に伴い、狭隘道路の拡幅整備について協議することを義務づけし、事業を推進されている自治体もありますが、1路線として拡幅整備するには至っていないということを聞き及んでおります。  議員ご指摘のとおり、難しい課題だからこそ条例を制定して、制度化を図ることが求められると認識しておりますが、住民説明会等を開催しまして、話し合いの中で住民の皆様と協働し、拡幅整備について合意形成が諮られたところから、従来になかった測量、分筆費用などを市が負担することや、門、塀などの移設に伴う助成金を市が支払うことが望ましいと考えております。  なお、この事業につきましては、182キロにも及ぶ狭隘道路の拡幅には長い年月と膨大な費用が要することから、本市の大変厳しい財政事情の中、国の社会資本整備総合交付金を活用しまして事業を推進していきたいと考えますおりますので、ご理解賜りますようよろしくお願いいたします。 152 ◯議長谷口典隆君) 17番。   〔17番(八木嘉之君)登壇〕 153 ◯17番(八木嘉之君) 自治会に対して、特に上下水道の関係とか、工事の状況で地元の方にお出ましをいただいて話す機会というのを持ってだおります。  ぜひ、今、都市建設部長がおっしゃったように、今回の事象を捉えて、自治会の皆さん方にもきめ細かな出向いてのご説明といいますか、考え方、そういったものをぜひお願いしたいと思いますし、1路線で考えるとこれはなかなか進まないので、よその市では路線ということでなしに、その箇所、点であってもこれから事業をやっていくということは検討していかんとあかんなと。そうでなかったらこの事業はなかなか進まないなということもおっしゃっていますし、費用は何も市が全部持ってくれということでなく、自治会も出します。そのかわり、彦根市としても何らかの交付金のこともありますけども、財政が厳しいですけども、助成として補助をしていただきたい、そういうルール化も含めて今後前向きに検討していただけることを望みまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 154 ◯議長谷口典隆君) 以上で、通告による質疑ならびに一般質問は終わりました。  ほかに質疑はありませんか。   (「なし」と呼ぶ者あり) 155 ◯議長谷口典隆君) 質疑なしと認めます。  これにて質疑ならびに一般質問を終結いたします。  お諮りします。  ただいま議題となっております議案のうち、議案第101号から議案第107号までについては、会議規則第37条第1項の規定に基づき、予算特別委員会に付託の上、審査することにしたいと思います。これにご異議ありませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり) 156 ◯議長谷口典隆君) ご異議なしと認めます。よって、議案第101号から議案第107号までについては、予算特別委員会に付託の上、審査することに決しました。  なお、議案第108号から議案第130号までについては、お手元に配付しております議案付託表のとおり、所管の各常任委員会に付託いたします。  次に、今期定例会において、本日までに受理しました請願については、お手元に配付しております請願文書表のとおり、所管の常任委員会に付託いたします。  なお、請願第11号特定秘密の保護に関する法律案について国に対し慎重な審議と廃案について意見書の提出を求める請願については、9日付で紹介議員を経て請願者から請願の取り下げ願いが提出され、議長においてこれを許可いたしましたので、報告いたします。 ────────────────── 157 ◯議長谷口典隆君) お諮りいたします。  明12日および13日まで、ならびに16日および17日の4日間は、議事の都合により休会いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり) 158 ◯議長谷口典隆君) ご異議なしと認めます。よって、明12日および13日まで、ならびに16日および17日の4日間は休会することに決しました。  なお、14日および15日は、市の休日のため休会であります。  来る18日は定刻から本議会を開き、各委員長に委員会審査の結果報告を求め、質疑、討論ならびに採決を行います。  以上で本日の日程は全て終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。  お疲れさまでございました。            午前10時50分散会 Copyright © Hikone City, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...