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  1. 彦根市議会 2010-11-01
    平成22年11月定例会(第17号) 本文


    取得元: 彦根市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-16
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1            午前8時59分開議 ◯議長(大橋和夫君) 皆さん、おはようございます。ただいまから本日の会議を開きます。 ────────────────── 日程第1 会議録署名議員の指名 2 ◯議長(大橋和夫君) 日程第1、本日の会議録署名議員の指名を行います。  会議録署名議員に、10番小川喜三郎君、および11番夏川嘉一郎君を指名いたします。 ────────────────── 日程第2 議案第78号、議案第83号から 議案第89号まで、および議案第93号から 議案第107号まで(質疑ならびに一般質 問) 3 ◯議長(大橋和夫君) 日程第2、議案第78号、議案第83号から議案第89号まで、および議案第93号から議案第107号までを一括議題とし、各議案に対する質疑ならびに一般質問を行います。  発言の通告書が17名の諸君から提出されておりますので、順次発言を許します。  その順位は、11番夏川嘉一郎君、10番小川喜三郎君、25番田島茂洋君、9番徳永ひで子さん、13番有馬裕次君、20番八木嘉之君、17番松本忠男君、22番田中滋康君、12番辻真理子さん、18番杉本君江さん、2番馬場和子さん、24番山田多津子さん、21番矢吹安子さん、19番安藤博君、27番北村收君、3番西川正義君、23番成宮祐二君の順とし、順次ご登壇願います。  11番夏川嘉一郎君。11番。   〔11番(夏川嘉一郎君)登壇〕 4 ◯11番(夏川嘉一郎君) 皆さん、おはようございます。私が1番ということで、あり得ないことが起こりまして、これは何かの前兆か、はたまた新しい時代の夜明けなのかわかりませんけど、それは皆さんに考えていただくことにしまして、本題に入ります。  大項目1番、地域内生物多様性保全策について考える。  去る10月、生物多様性条約国際会議(COP10)が名古屋で開催され、議長国としての日本は、懸案であった生物系保全の新たな国際目標である「遺伝子組み換え生物の被害補償のルール化」や「歯止め年度の設定」さらに「遺伝資源配分のルール化」等の締結を取り決め、一応の成果を得たことは周知するところであります。  改めて言うまでもありませんけども、生物多様性の原点とするところは、人類は生物生態系の一部であり、その連鎖の輪の中でしか生存が保障されない存在にもかかわらず、その原理を忘れ、連鎖の輪を断ち切り続け、とくにここ数十年間の破壊速度は長い生態系歴史スパンの中でも例を見ない最大のものであるとか。大規模な森林伐採開発や世界的規模での工業化進展等、人類は何を求め、一体どこへいこうとしているのであろうか。かの会議、COP10は、生態系が再構築不可寸前の限界段階にあることを検証し、これに歯止めをかけるとするものであります。いずれにしても、この国際会議の活動には、地球生命体の命運が託されているのでありまして、何としても前進させたいものであります。
     さて、世界の動向はともかく、今は地方が国を動かす時代である。地方自治体といえども、温暖化対策と重なるこの生物(人類も含む)多様性存続の未曽有の大危機に際し、連帯責任を共有すべき時代であると考える。既に多くの地方自治体がこの考えに沿って独自の取り組みを始めており、自治体によってはそのことを横出し活用して、ふるさとづくりや市の活性化につなげているところもある。代表的なものは兵庫県豊岡市のコウノトリ生息地環境保全拡大などですけども、当市もこの多様性危機の重要性を十分認識し、使命感を持って行動を起こすべきと考える。  以上の観点に立って、以下の質問をさせていただきます。  中項目1、生物多様性推進策について。  細項目1、学校教育面での多様性対策について。  身近な生物と接触機会を持たない子どもたちが増えている昨今である。次世代を担う子どもたちに、地球温暖化問題とともに生物多様性、すなわち生物共生の考え方の大切さを体験も交えて教えることは、我々大人の必然的責務であると考える。この問題は各学校に一任するのではなく、教育委員会として何らかの統一施策を検討すべきと考えますが、このことについての見解を伺いたいと思います。 5 ◯議長(大橋和夫君) 教育長。 6 ◯教育長(小田柿幸男君) 子どもたちは、生活科、理科、総合的な学習の時間等の中で、身近な動物や植物を探したり、育てたりしています。また、飼育等を通して生き物の成長の仕組みを学び、命の尊さについても感じ取れる学習をしております。  小学校1、2年生は生活科の学習で、身近な動物や植物などの自然と自分とのかかわり、3年生以上の理科の学習では、モンシロチョウやメダカを卵から観察し、生命の誕生や成長の様子を学びます。中学校では、理科の第2分野で生物とそれらを取り巻く自然の事物・現象について学びます。例えば教科書には、ダーウィンの進化論の島「ガラパゴス諸島」も取り上げられ、生物の多様性についても興味深く学習できるように配慮されています。  若葉小学校では、「わたしの樹」として校庭の木を子どもたちが担当し世話をしたり、荒神山のドングリから苗を育て再び山に植える活動、オニバスや被爆桜を育てる活動も行われております。このように、各学校では各教科の学習や体験を通して、生物の多様性や生物共生の考え方、特に生命を大切にする心を育てております。  教育委員会としましても、各学校が学校教育法、新学習指導要領に従って学習を展開し、生物の多様性を含めた総合的な物の見方を子どもたちに育んでいくことが肝要ととらえております。また、社会教育分野でもさまざまな教室・講座を設け、学校教育を補完する取り組みを展開しているところです。  1人でも多くの子どもたちが環境問題に関心を持ち、生物とその周辺の環境との関係について考えていけるよう、各校園に対して指導し、支援していきたいと考えております。 7 ◯議長(大橋和夫君) 11番。   〔11番(夏川嘉一郎君)登壇〕 8 ◯11番(夏川嘉一郎君) ありがとうございます。いろんな機会を持って共生の大切さを教えられているということです。質問しますけど、なぜ共生が必要か、これを統一した一つの認識のもとに、例えば市内なら市内、一歩前進して、各学校に任せるのではなしに、統一した一つの認識、教え方、こういうものが必要かと思うのですが、これはいかがでしょうか。 9 ◯議長(大橋和夫君) 教育長。 10 ◯教育長(小田柿幸男君) 先ほどもお答えさせていただきましたように、学習指導の中で教科学習、また各学校がさまざまな体験学習を実施しておりますけれども、そういう視点に触れて学習をしていくということをやっております。さらに、議員のおっしゃられましたように、統一的な、一歩踏み込んだ取り組み方について、学校ではそういう教科の時間、総合的な活動の時間等、限られた時間の中でそれぞれの学校の独自性を活かし、あるときには環境問題、ある場面では文化・芸術等々の取り組みをして、特色のある教育活動を展開しております。さらに、さまざまな課題解決のための時間も必要です。そういった中で、統一的な、一歩踏み込んだ行事を網がけすることについては非常にむずかしいことであると考えており、今のところはそういうことを考えておりませんので、ご理解をいただきたいと思います。  以上でございます。 11 ◯議長(大橋和夫君) 11番。   〔11番(夏川嘉一郎君)登壇〕 12 ◯11番(夏川嘉一郎君) ありがとうございます。  細項目2番にはいります。生物多様性の里づくりについて。  他市例を見ると、農業や観光などの地域振興を兼ね、動物の住みやすい広葉樹林帯、湿地帯をつくり、さらに周辺地帯の自然とも連携した広域連携の生態系アップ保全環境ゾーンづくりに取り組んでいるところがあります。グリーンツーリズムなどの観光地にもなり得ているとか。  当市としても、まず市域内里山を利用して、多様な生物の住めるモデル地区づくりに取り組んでみるべきではなかろうかと考えますが、このことについての見解を伺いたいと思います。 13 ◯議長(大橋和夫君) 市民環境部長。 14 ◯市民環境部長(東 幸子さん) 多様な生き物が、地域の自然的社会的条件に応じて生息していける環境を保全し創出していくことは重要な課題と考えております。次期総合計画においても、市の取り組み方向の一つとして位置づけることとしております。  本市は琵琶湖に面しており、琵琶湖に注ぐ河川や沼地、里山、山林など、生物を豊かに育む自然環境が面的に広がっております。こうした環境を保全するとともに、人と自然が共生できる環境づくりを基本に諸施策を進めていきたいと考えております。  なお、議員ご指摘の里山を利用した多様な生物が住めるモデル地区づくりにつきましては、どのような場所で、どのようなことができるのか、本市で実施しております自然環境調査の結果なども踏まえまして、今後の研究課題としてまいりたいと考えております。  以上です。 15 ◯議長(大橋和夫君) 11番。   〔11番(夏川嘉一郎君)登壇〕 16 ◯11番(夏川嘉一郎君) 今後の課題ということで、積極的に取り組んでいただけると受け取っております。2、3日前に里山などを国が支援するという法案が出ました。その内容を見て、また具体化の面でいつか質問したいと思います。ありがとうございました。  細項目3番、既存地の機能アップ策について。  現在、市内域には多様性保全地帯として機能している山林や河川、湖沼など(農地も)が多数存在している。これらの現状機能を調査し、改善の余地があればさらなる保全機能アップを図るのも全体施策の一環として有効な手法ではないかと考えます。このことについての見解を伺います。 17 ◯議長(大橋和夫君) 市民環境部長。 18 ◯市民環境部長(東 幸子さん) 琵琶湖を初めといたしまして、既存の河川や沼、山林などは、生態系を育む貴重な自然環境でございます。市ではこれまで植物や動物などの調査を行い、平成17年に「彦根市で大切にすべき野生生物―レッドデータブックひこね―」をまとめるなど、市域全体としての調査を実施してまいりました。こうした調査を基礎として、さらに具体的な場所における詳細な状況把握を行う必要がある場合はさらなる調査も行いながら、生態系保全に向けた手法等について研究していくことも必要ではないかと考えております。 19 ◯議長(大橋和夫君) 11番。   〔11番(夏川嘉一郎君)登壇〕 20 ◯11番(夏川嘉一郎君) ありがとうございます。前向きな発言をいただきましたけども、もう一つ進めて、具体的にどういう計画をたて、いつまでにやるかという、そういう具体策にもう一歩進める時期がもうすぐ来ようかと思いますけども、今回はそういう前向きな姿勢を聞かされただけでとどめておきます。  細項目4番、ビオトープ系公園の設置についてであります。  現在、市内の公園と名のつく場所は、ほとんど人間中心の広場的なタイプである。多様性危機が叫ばれ、生物共生の理念が求められている今日、ビオトープ系公園づくりも検討課題とすべきではないだろうか。そのことはまた、付帯効果としての観光対象にも活用できるものと考える。このことについての見解を伺いたい。このビオトープ系は、先ほど言いました里山という大きな範囲ではなしに、都市部あるいは平地部の公園下でのビオトープ化。例えば不耕地に水を張るとか、水鳥を寄せるとか、そういう規模の小さいものを指しておりますので、よろしくお願いします。 21 ◯議長(大橋和夫君) 市民環境部長。 22 ◯市民環境部長(東 幸子さん) ビオトープとは、野生生物の生息可能な自然生態系が機能し、生物が生物の共同体として互いにつながりを持ちながら生息・生育している空間を示す言葉でございます。  先ほどもお答えいたしましたように、本市には琵琶湖があり、琵琶湖に注ぐ河川や沼地、里山、山林など、生物を豊かに育む自然環境が面的に広がっております。市やその周辺も含めた地域を見渡すと、広域的なビオトープが形成されており、こうした自然環境を保全していくことが重要ではないかと考えております。  また、市ではこれまで、野田沼周辺などにおいて環境整備事業を行ってきており、自然資源を活かした憩いの場の創出にも力を入れてきたところでございます。今後におきましても、水辺や田畑、山あいなど、それぞれの場所にビオトープが存在することを意識しながら、自然との調和や生物を育む場所づくりに取り組んでいきたいと考えております。  なお、ビオトープ系公園づくりにつきましては、その必要性を否定するものではありませんが、場所の選定や維持管理の手法などさまざまな条件整備や市民の皆様の協力等が必要となるものであり、今後の研究課題ではないかと考えているところでございます。 23 ◯議長(大橋和夫君) 11番。   〔11番(夏川嘉一郎君)登壇〕 24 ◯11番(夏川嘉一郎君) ありがとうございました。部長が「現在も琵琶湖を中心にかなりビオトープという条件に恵まれている」と言われましたけども、これには異議があります。昭和30年から40年、琵琶湖周辺の湖沼から川が上へ上がっていました。あの当時の滋賀県のビオトープの状態というのは、到底今とは比べものにならない密度の濃いものであった。これはしっかりと頭に入れて、きちっと認識する。かなり失われたという認識を持ってもらいたいと思うのですが、この点はいかがでしょうか。 25 ◯議長(大橋和夫君) 市民環境部長。 26 ◯市民環境部長(東 幸子さん) 過去と比べますと随分変わっているとは思いますけれども、現在、滋賀県全体にビオトープが広域的に形成されていると思っておりますので、それを守っていくということが重要ではないかと思っております。 27 ◯議長(大橋和夫君) 11番。   〔11番(夏川嘉一郎君)登壇〕 28 ◯11番(夏川嘉一郎君) 次に移ります。細項目5、対市民、教育機会の提供について。  いかなる施策推進も市民の理解、協力なしには達成できないものである。生物多様性保全やそれのさらなる進展のためには、そのことを成功裏に導く市民土壌の熟成が不可欠である。具体的には、何らかの形での市民教育または教育機会の提供などの体制づくりが必要と考える。この点についての見解をお願いしたいと思います。 29 ◯議長(大橋和夫君) 市民環境部長。 30 ◯市民環境部長(東 幸子さん) 議員ご指摘のように、環境施策推進のためには市民の理解と協力が不可欠であり、多くの市民に環境に関心を持っていただけるような体制づくりが必要ではないかと考えているところでございます。  この問題につきましては、現在策定中である次期環境基本計画および地域行動計画の検討を行う中で、本市環境審議会においても活発に議論が行われたものであり、「環境に心動かすひとづくり・まちづくり」として、計画の基本方針の中に重点事項として位置づけることとしております。今後、環境教育や環境学習の推進とあわせて、市民参加の具体的な仕組みづくりについて早急に検討を行い、事業を推進してまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。 31 ◯議長(大橋和夫君) 11番。   〔11番(夏川嘉一郎君)登壇〕 32 ◯11番(夏川嘉一郎君) ありがとうございます。  中項目2番に移ります。生物多様性総合対策について。  細項目1番、多様性保全プランの作成について。  まずやるという意思が前提にあると見越しての質問です。地域内、生物多様性保全を進めるとすれば、まずそのための総合プランづくりが必要と考える。推進のための組織体系づくり、目標とすべきターゲット設定などである。このことについての見解を伺いたいし、またこれは今後の構想を含めたものでも結構である。よろしくお願いします。 33 ◯議長(大橋和夫君) 市民環境部長。 34 ◯市民環境部長(東 幸子さん) 生物多様性基本法第13条に、「都道府県及び市町村は、単独でまたは共同して生物多様性の保全及び持続可能な利用に関する基本的な計画を定めるよう努めなければならない」との規定がございます。  一般的に地方公共団体が策定する計画は、各都道府県や市町村といった地方自治体を単位に策定されますが、生物多様性に関する問題は河川の流域や山地などのように行政区域とは無関係な区域をまとまりとすることから、必ずしも自治体単位での策定が想定されたものとはなっておりません。  滋賀県においては、既に平成19年3月にふるさと滋賀の野生動植物との共生に関する基本計画が、また平成21年2月には滋賀県ビオトープネットワーク長期構想が策定されております。滋賀県において生物多様性保全を考えるときには、琵琶湖や琵琶湖に流入する河川を除くことはできないことから、広域的な観点で取り組みを進めることが有効であり、総合的な計画としては県策定の基本計画や長期構想にのっとっていきたいと考えております。 35 ◯議長(大橋和夫君) 11番。   〔11番(夏川嘉一郎君)登壇〕 36 ◯11番(夏川嘉一郎君) 次にいきます。細項目2、生物多様性特別対策委員会の設置について。  現在、温暖化対策を含む全般的な環境問題を審議検討中と推察するが、生物多様性問題はやや視点を異にするものであり、本格的取り組みのためには既存の委員会とは別の新たな委員会の設置が必要と考える。中途半端な、ついでのことではだめだということであります。このことについての見解を伺いたいと思います。 37 ◯議長(大橋和夫君) 市民環境部長。 38 ◯市民環境部長(東 幸子さん) 本市では、良好な環境の保全と創出、さらには地球環境保全に向けた長期的な目標と施策の方向を示し、施策・事業の総合的、計画的な推進を図るため、平成12年度に彦根市環境基本計画および地域行動計画を策定し、施策・事業に取り組んでまいりました。  計画期間は10年間で、平成22年度が最終年度となることから、現在、平成23年度から10年の期間での新しい環境基本計画および地域行動計画の策定に取り組んでいるところでございます。本計画の策定に当たっては、彦根市環境審議会に諮り、本審議会で総合的・専門的な観点からさまざまな検討が行われてきたところであり、生物多様性の保全につきましても基本方針の一つに位置づけられているところでございます。  今後も、本審議会を継続的に運営することを予定しており、この中で生物多様性に関する課題についても調査・検討をお願いすることも可能であると考えておりますので、ご理解をお願いいたします。 39 ◯議長(大橋和夫君) 11番。   〔11番(夏川嘉一郎君)登壇〕 40 ◯11番(夏川嘉一郎君) 市の環境審議会の中で、総合的な取り組みを主にやっていただく中で、生物多様性も少し触れているというのが今までで、それから時代が変わりまして、名古屋のCOP10がああいう形で終わりましたので、また新たな視点で取り組むべきではないか。大きな中の一部ではなしに、それだけでも大きな問題だということで取り組んでいただきたい。これは要望に代えておきます。  次に、細項目3番、あるべき保全環境のためのコンセプトづくりについて。  生物多様性等、生態系回復は温暖化対策とともにすべてに優先すべき課題となりつつある。この考えに立ったとき、地方自治体といえども、自らの領域を単位世界ととらえ、彦根市は小世界という考え方でとらえるべきではないか。地域内生態系保全拡大に取り組む責務ありと考えるが、その方向を確固たるものにするためのコンセプトづくりが必要と考えますが、このことについての見解を伺いたいと思います。 41 ◯議長(大橋和夫君) 市民環境部長。 42 ◯市民環境部長(東 幸子さん) 生物多様性の保全につきましては、次期環境基本計画おより地域行動計画の基本方針の中に重点事項として位置づけることとしております。計画の中には、具体的な行動例として、自然環境調査の継続的な実施とデータの公表、自然観察会など、身近な生物とふれあう機会の充実や特定外来生物の繁殖防止と駆除の推進などを記載しております。  計画を具体的に進めていく中で、生物多様性の重要性について啓発を行い、市民意識の向上に努めてまいりたいと思います。 43 ◯議長(大橋和夫君) 11番。   〔11番(夏川嘉一郎君)登壇〕 44 ◯11番(夏川嘉一郎君) ありがとうございます。  細項目4番に入ります。多様性にかかわる調査について。  多様性改善のためには、その時々の現状実態、生物の種や個体数、環境等を正確に把握する調査機関が必要である。正確な調査ができる体制づくりを検討すべきと考えるが、この点についての見解を伺いたいと思います。実態を正確に調査することは、対策改善に不可欠な方法であると考えますので、ひとつ調査についてよろしくお願いします。 45 ◯議長(大橋和夫君) 市民環境部長。 46 ◯市民環境部長(東 幸子さん) 生物多様性を保全するためには、現状を把握することは大変重要なことと考えております。  本市でも、平成11年度に快適環境づくりをすすめる会に彦根市の自然環境調査を委託し、数年間にわたる調査の集大成として、平成17年に「彦根市で大切にすべき野生生物―レッドデータブックひこね―」を取りまとめました。5年を経過したことから、今年度、改訂版の発刊に向け、現在、再調査を進めているところでございます。植物、哺乳類、鳥類などの専門家にお入りいただき、編集委員会を設置して、調査や改訂版の発刊作業を行っているところでございます。 47 ◯議長(大橋和夫君) 11番。   〔11番(夏川嘉一郎君)登壇〕 48 ◯11番(夏川嘉一郎君) 次に移ります。  細項目5番、多様性の経年変化把握について。  冒頭にも記したが、世界的に見ての生物多様性、大規模破壊はほとんどこの数十年間でなされたものであるとか。当市の場合もこれと全く同じ道を歩んでおり、うなずけるところであります。今後改善施策を推進していくためには、少なくとも50年ぐらい前の状態を的確に把握しておくべきと考える。データが乏しい場合、小学校区単位での古老聞き取り調査という手法もありますが、経年変化把握についての見解をお伺いしたいと思います。 49 ◯議長(大橋和夫君) 市民環境部長。 50 ◯市民環境部長(東 幸子さん) 生物多様性保全や自然環境保全の問題を考えるとき、もともとその地域がどのような植物が育ち、どのような動物が生息していたのか、あるいはその地域の気候や風土になじむ自然環境はどのような姿なのかを把握することは重要なことであると考えております。  本市では、昭和62年に、植物や土壌の状況などの自然環境調査を集約した「彦根市の自然」という文献を刊行しております。その中で、本市域の植物の潜在的な植生の姿についても研究成果として取りまとめているところでございます。  先ほど来申し上げておりますように、本市におきましては、これまでこうした自然環境調査に力を入れてまいりましたし、今後におきましてもこれまでの調査の結果を踏まえ、継続的な調査を進め、レッドデータブックの作成などにより、貴重な自然を後世に残す施策等を進めていきたいと考えております。
    51 ◯議長(大橋和夫君) 11番。   〔11番(夏川嘉一郎君)登壇〕 52 ◯11番(夏川嘉一郎君) ありがとうございます。こだわりますけど、50年前が大きな転換期であった。沼が埋められ、川が埋められ、山林が開発された。今後の前進のために、この50年をしっかりと把握することが大事ではないか。この50年はまだ古くはないので、一生懸命調査すればきちっとしたものができるのではないか。この点、よろしくお願いします。50年にこだわりますけども、大きな変化の時期であったと考えておりますので、よろしくお願いします。  余り時間がないので次へいきます。細項目6番、総合計画の見直しについて。  多様性国際会議の内容から見られるように、多様性重視の認識度はアップしつつあり、より高い改革の方向に世界が動き始めると推察する。そのあたりを勘案する中、話がありましたけども、総合計画素案を練り直すべきではと考えますが、このことについての見解を伺いたいと思います。 53 ◯議長(大橋和夫君) 市民環境部長。 54 ◯市民環境部長(東 幸子さん) 多様な生き物が地域の自然的社会的条件に応じて生息していける環境を保全し、創出していくことは重要な課題と考えており、次期総合計画においても、生物多様性の保全について市が取り組む主要な事業の一つとして位置づけることとしていることから、本市総合計画素案に含まれておりますのでご理解をお願いいたします。 55 ◯議長(大橋和夫君) 11番。   〔11番(夏川嘉一郎君)登壇〕 56 ◯11番(夏川嘉一郎君) ありがとうございます。多様性の問題はそのくらいにして、次に移ります。  大項目2番、ごみ屋敷対策について考える。  近年急速に進む少子高齢化や家族のありようの変化、それらにかかわる地域力の衰退などは、大きな社会変化を招来しつつある。そのためか、今まで余り見られなかったさまざまな社会問題を生み出しつつあり、その一つが最近マスコミで取り上げられ水面下で広がっていると言われるごみ屋敷問題である。事例の多くは、主役の大半が高齢者で、屋敷内(屋敷外もある)に大量のごみが散乱し、その中に埋もれての生活、極度の不衛生から死期の早まる場合も多々あるとか。また、ごみの中でのストーブ使用等、火災原因にもなっている場合も多いと聞く。もちろん隣近所に不快感、不安感を与えていることは言うまでもないことである。社会のひずみが生み出したこの現象は余り表に出ず、静かに進行していると言われている。当彦根市の場合も決して例外ではないと考えます。これらの事態はもはや個人の問題にあらず、新たな社会問題としてとらえ、調査し、取り組みを推進していくべきときと考える。  以上の観点に立って、下記の質問をさせていただきます。  中項目1、ごみ屋敷対応施策について。  細項目1、実態調査について。  まず、対象屋敷の実態を調査することが必要である。当人は部屋を見られるのが恥ずかしい、近所づき合いがないなど、閉鎖的な場合が多く、情報の収集が難しいのが通常の形である。小学校区ごと、または自治会ごとに、福祉事務所の関係課、学区社会福祉協議会、保健所、民生委員、自治会など、関係部署が一堂に会して対象個所を指定するために情報交換するのも一手法かと考えます。このことについての見解を伺いたいと思います。 57 ◯議長(大橋和夫君) 福祉保健部長。 58 ◯福祉保健部長(成宮博和君) 議員ご指摘の高齢者の対策という面からお答え申し上げます。  現在、地域包括支援センターにおきましては、高齢者が抱える問題に対しまして、個々のケースに合わせた適切なサービス利用につながるように、関係機関との連携を図って支援しておりますけれども、その取り組みにおいても、今のところ、近隣の方々に迷惑をかけるような、いわゆるごみ屋敷の報告は受けておりません。  また、市内7カ所の在宅介護支援センターに業務委託し、介護サービス等の利用がない75歳以上の独居高齢者を対象とした福祉ニーズの有無や健康管理指導の要否などの実態把握をしておりますが、こちらにおいても近隣の方に迷惑をかけるようなごみ屋敷という報告は受けておりません。  しかしながら、まれに、身体能力の低下や認知症状等の理由から、家の中にごみや不用品がたまり、片づけられない状態のまま放置されていたり、またふん尿の投棄により近隣へ迷惑をかけているといった事例がございますが、これはごみ屋敷とはとらえられないことから、現段階では、ごみ屋敷と言われる対象箇所もございませんので、実態調査をする状況にはないものと考えております。  なお、こうした事例が発生した場合には、関係機関との連携を図りながら対応してまいりたいと考えております。 59 ◯議長(大橋和夫君) 11番。   〔11番(夏川嘉一郎君)登壇〕 60 ◯11番(夏川嘉一郎君) 当市ではまだそういう情報もないし、表にも出ていないということでしたけども、この問題の1番のポイントは、わからないところで進行することです。ついこの間も、私が目撃した事例がございまして、警察の人に聞いたら、「わりに多くありますよ」と。世間に多くある、テレビでもやっている、このように進行しているものが彦根市に全然ないということはあり得ないと考えるのですけども、わからないものを、そういう人たちが一度寄って、情報交換をして、調査してみる。積極的に表に出ていないからないというのではなしに、一度、いろんな関係者が寄って、彦根にもあるかないか調査する必要があるのではないかと思いますがいかがでしょうか。 61 ◯議長(大橋和夫君) 福祉保健部長。 62 ◯福祉保健部長(成宮博和君) ごみ屋敷というものをどのようにとらえるかという定義の違いがあると思います。一般的に社会問題等で報道されておりますごみ屋敷と申しますのは、敷地内ではありますけれども、建物の外にまでごみが散乱して、近所の方にいろんな不安や迷惑をかけておられるという定義だと思います。例えば個人の方々が家の中でごみをいっぱいためておかれるという事例は確かにございます。ですが、これはごみととらえるのか、その方の所有物ととらえるのかというのは非常に難しい問題もございまして、一般的に社会問題化しているごみ屋敷というのはそのように中でためておかれるものではなくて、外に野積みされて迷惑をかけている状況と定義を考えておりますので、その場合の事例はないと申し上げたところでございます。当然、家の中でごみをためておかれる方というのはいろんな例があろうかと思っております。 63 ◯議長(大橋和夫君) 11番。   〔11番(夏川嘉一郎君)登壇〕 64 ◯11番(夏川嘉一郎君) ありがとうございます。ごみが表にあふれる。これは今までの形で、そういう中で埋もれて、それが孤独死につながるという新たなものが出かかっているということですので、その辺特に注意して、一度検討していただきたいと思います。これは要望にとどめておきます。  細項目2番に入ります。相談窓口の設置について。  どこに相談していいかわからず悩んでいる人も多いはず。福祉何でも相談窓口を設けてはと考えるが、小学校区ごとの方がわかりやすいと思いますが、このことについての見解を伺いたいと思います。 65 ◯議長(大橋和夫君) 福祉保健部長。 66 ◯福祉保健部長(成宮博和君) 高齢者等で生活支援を要する方々に対する地域の身近な相談窓口といたしましては、各地域に民生委員児童委員がおられます。住民の生活状態を適宜適切に把握され、相談や情報提供等の援助業務をしていただいております。また、地域住民と行政をつなぐ役割も担っていただいているところでございます。  事例によりましては、特に対象が高齢者等で支援を要する場合ですが、介護福祉課や地域包括支援センターが民生委員児童委員から引き継ぎまして各種の相談に応じるとともに、必要な助言や介護等のニーズに対応した関係機関との連絡調整も行えると考えておりますので、新たな相談窓口を設けるということは考えておりませんのでよろしくお願いいたします。 67 ◯議長(大橋和夫君) 11番。   〔11番(夏川嘉一郎君)登壇〕 68 ◯11番(夏川嘉一郎君) 細項目3番に入ります。来訪拒否家庭への対応について。  ごみ山積を人に見られるのが嫌で来訪を拒否するケースも多々あると聞く。これは上の方にもつながっていることですけども、他市例では粘り強く説得して成功したとあるが、問題解決は容易ではないと考える。この場合、説得専門家を養成するのも一法かと考えるが、このことについてはいかがでしょうか。 69 ◯議長(大橋和夫君) 福祉保健部長。 70 ◯福祉保健部長(成宮博和君) 今後、高齢者等の方々で生活支援を要する方におきまして、ごみ屋敷といった事例が生じた場合には、相談援助業務の担当職員を中心とした対応をしてまいりたいと考えておりますので、特別に説得を専門とする職員を養成するということは考えておりません。  なお、ごみ処理につきましては、原則、ご本人が自分で処理され、費用も自己負担されるものであると考えておりますが、判断能力や資力がないといった場合には行政が対応するということもあり得ますので、状況に応じた柔軟な対応をしてまいりたいと考えております。 71 ◯議長(大橋和夫君) 11番。   〔11番(夏川嘉一郎君)登壇〕 72 ◯11番(夏川嘉一郎君) ありがとうございます。  細項目4番に入ります。プロジェクトチームの設置について。  ごみ屋敷問題は本命ですが、その他にも、高齢者や障害者など社会的弱者にかかわる問題が多発傾向にある。これらの問題解決には、まず当人をその気にさせることが大切であり、そのためには公的機関と地域の連帯体制、すなわち組織横断的なプロジェクトチームの形が求められると考えますが、このことについての見解を伺いたいと思います。 73 ◯議長(大橋和夫君) 福祉保健部長。 74 ◯福祉保健部長(成宮博和君) ごみ屋敷問題や社会的弱者にかかわる問題が発生した場合には、個々の事例に沿った関係機関と連携を図りながら問題解決に当たってまいりますので、現状ではプロジェクトチームというものを立ち上げる予定はございませんのでご理解賜りたいと存じます。 75 ◯議長(大橋和夫君) 11番。   〔11番(夏川嘉一郎君)登壇〕 76 ◯11番(夏川嘉一郎君) ごみ屋敷問題の前半からずっと一貫している質問の内容は、表にあらわれないものをいかに引っ張り出すか、それを社会的問題として救援するか、言わんとすることはそこであります。プロジェクトチームをつくることはまだまだ時期尚早かと思いますけども、少なくとも公的機関、市のいろんな課ですが、あるいはそれぞれの町にある福祉協議会、民生委員、それをしっかりとネットワークする体制強化が必要と思いますけど、社会的な弱者がいろいろ出ている現状ですので、この辺はぜひやってもらいたいと思うのですがいかがでしょうか。 77 ◯議長(大橋和夫君) 福祉保健部長。 78 ◯福祉保健部長(成宮博和君) ごみ屋敷問題ということについての特別なプロジェクトチームということは考えておりませんけれども、高齢者の地域での見守りという観点をおっしゃっているのだと思いますが、そのことにつきましては、行政機関を初め、当然、地域の民生委員児童委員もおられますし、さまざまな民間のボランティアの方もおられます。高齢者の見守りという観点で、また連携を地域で持っていただくという観点でのネットワークづくりといいますか、地域づくりといいますか、そうした点については私どもとしても進めてまいらなければならないと考えておりますので、ご理解賜りたいと存じます。 79 ◯議長(大橋和夫君) 11番。   〔11番(夏川嘉一郎君)登壇〕 80 ◯11番(夏川嘉一郎君) ありがとうございます。ぜひよろしくお願いします。  それでは、大項目3番に移ります。荒神山、山内での古墳のあり方を考える。  荒神山山頂近くにある通称荒神山古墳が、去る11月19日、国の史跡に指定されることになった。今回指定されるのは、富士山、岐阜城跡、松阪城跡等、全国で15件、当彦根市では彦根城跡、井伊家墓所に次ぐ3件目である。市関係者の話では、文化財の新しい核ができたと喜ばれているとのことであるが、私は少し視点を変えて、古代歴史文化展開の拠点ができたと考えたい。この古墳を核にして、周辺地からあの卑弥呼にもかかわるであろう、近江古代史のベールがはがされていくことを期待したいものである。  いずれにしても、古墳の国指定が決まった今が諸施策の出発起点である。自然環境重視や文化度の奥深さ等の理念を常に冒頭に留意し、他市、他国に誇れる、拡張高い、古墳にかかわる諸施策を慎重に石橋をたたいて推進していきたいものと考えます。  以上の観点に立って、以下の質問をさせていただきたい。  中項目1、古墳にかかわる今後の施策方向について。  細項目1、山の自然との共存について。  古墳の活用はその母体である荒神山、すなわちこの地域唯一の自然環境を保った山、またお荒神さんとして近隣の信仰を集める山、それらのイメージを決して損なうことなく、否、むしろそれらに加わることにより山の品格をより高めることを常に留意し、諸施策を推進すべきと考える。その方向は、古代古墳としての荒神山古墳の品格、名声をより高めていくことにつながると考える。この基本方向についての見解を伺いたいと思います。 81 ◯議長(大橋和夫君) 文化財部長。 82 ◯文化財部長(谷口 徹君) 荒神山古墳につきましては、11月19日付で文化庁の諮問機関である文化審議会より、国の史跡に値する文化財であるとの答申がありました。今後、来年2月ないし3月ごろには、官報にて文化庁より指定した旨の正式な告示があるものと考えております。今回の答申に至りますまでには、地元の皆様にいろいろとご協力を賜りました。この場をお借りいたしまして、厚く感謝を申し上げたいと存じます。  さて、荒神山古墳と荒神山の自然との共存についてのご質問ですが、近年、文化庁は古墳などの文化財に対して歴史文化基本構想を提唱しております。この構想は、文化財を単体としてとらえるのではなく、周辺の文化財や環境を含めて総合的にとらえ、それらを保存し整備を図ろうとする考え方です。  荒神山古墳が国指定になりますと、今後の方針を定めて、荒神山古墳保存管理計画を策定するということになります。計画書では、荒神山古墳の保存整備の方針とともに、先ほど申し上げました文化庁の歴史文化基本構想を具体的に反映させていきたいと考えております。つまり、荒神山の山中に30基以上点在いたします古墳時代後期の群集墳、荒神山神社、稲村神社、唐崎神社、千手寺、延寿寺などの社寺、東大寺の荘園であった覇流荘ゆかりの曽根沼、在地の土豪日夏氏の城でありました日夏城跡、織田信長ゆかりの山崎山城跡、そして荒神山の南東を直進いたします巡礼街道など、多くの文化財が豊かな自然の中に共存しております。これらの有機的な連携についても検討してまいりたいと考えています。 83 ◯議長(大橋和夫君) 11番。   〔11番(夏川嘉一郎君)登壇〕 84 ◯11番(夏川嘉一郎君) ありがとうございます。国あるいは県の総合的な施策も上にかぶさってくるということで、かなり慎重な対策がこれから行使されるということであります。ただ、この中に市の裁量権はどの程度のものがあるのか、これをお聞きしたいのですがいかがでしょうか。 85 ◯議長(大橋和夫君) 文化財部長。 86 ◯文化財部長(谷口 徹君) 基本的に文化財というものは、市の指定とか、県指定、国指定というものがございますけれども、国指定は荒神山古墳が唯一でございます。後ほど申し上げようと思っておりましたけれども、それ以外につきましては、周知の埋蔵文化財の包蔵地とか、市の指定文化財といったものがございます。県あるいは国に関係するところ、例えば埋蔵文化財の包蔵地ですと県との連携というのが非常に大事になってまいります。こういった関係機関との調整を図りながら、全体として整備あるいは調査を進めていきたいと思っております。 87 ◯議長(大橋和夫君) 11番。   〔11番(夏川嘉一郎君)登壇〕 88 ◯11番(夏川嘉一郎君) ありがとうございます。久しぶりに、本で読む古代の風景ではなしに、身近にそういうものが出てきたということで、非常に期待を持って見守っているところです。ひとつよろしくお願いします。  細項目2番、古墳にかかわるコンセプト設置について。  荒神山古墳を拠点として、今後この周辺地域での古代史探索を展開していくべきと考えるが、その行動目標を明確にするため、何らかのコンセプト設定が必要と考えるが、このことについての見解を伺いたいと思います。 89 ◯議長(大橋和夫君) 文化財部長。 90 ◯文化財部長(谷口 徹君) 荒神山とその周辺には、先ほどもご答弁申し上げましたように、荒神山古墳のほかにも豊かな文化財が存在いたしております。これらの文化財の中には、荒神山山中にある群集墳や日夏城跡が周知の埋蔵文化財包蔵地となっております。また山崎山城跡は市の指定文化財であります。あるいは山中の千手寺、延寿寺の仏像の中にも市の指定文化財となっているものがあり、以前より多様な文化財の集積する重要な地域であると認識しておりました。今後、新たに国指定となりました荒神山古墳の保存管理計画の策定を進めながら、周辺の文化財を取り込んだコンセプトの設定につきましても検討してまいりたいと考えております。 91 ◯議長(大橋和夫君) 11番。   〔11番(夏川嘉一郎君)登壇〕 92 ◯11番(夏川嘉一郎君) ありがとうございます。  それでは、細項目3番に入ります。あるべき姿検討機関の設置について。  先ほどの回答と重なると思うのですが、さきの質問1、2にもかかわることであるが、古墳および荒神山の今後のあるべき姿について、高い視点(未来指向の環境や文化)から基本素案を検討する検討機関の設定が必要であると考える。具体案についてもしあればお示しいただきたい。このことについての見解を伺いたいと思います。 93 ◯議長(大橋和夫君) 文化財部長。 94 ◯文化財部長(谷口 徹君) 荒神山古墳の国指定に際しては、荒神山古墳調査検討委員会というものを立ち上げて、古墳の研究者5人の方に荒神山古墳の評価をお願いいたしました。その成果につきましては報告書という形で刊行させていただいたところですが、国指定後はこの委員会を発展的に解消し、新たに荒神山古墳保存整備委員会というものを立ち上げて、古墳研究者や地元の皆さんなどの参画を得まして、古墳の保存のあり方や整備の方針などを具体的に検討してまいりたいと考えております。 95 ◯議長(大橋和夫君) 11番。   〔11番(夏川嘉一郎君)登壇〕 96 ◯11番(夏川嘉一郎君) ありがとうございます。  それでは、最後の細項目4番に入ります。周辺地域での探索展開について。  荒神山古墳だけが単独で存在するのではない。周辺には古墳に関連する遺構が数多く眠っているとのことであります。今後の探索はより積極的に展開されるべきかと考えますが、今後の展開について考え、構想を伺いたいと思います。 97 ◯議長(大橋和夫君) 文化財部長。 98 ◯文化財部長(谷口 徹君) 荒神山には荒神山古墳以外にも、先ほどもお話しましたように、古墳時代後期になりますと、群集する小さな古墳が30基以上確認されております。これらの群集墳はその一部しかこれまで調査が実施されておらず、整備がなされないまま草木のもとに眠っているのが現状でございます。  荒神山古墳が古代の有力豪族の墓と想定されるのに対しまして、群集墳に葬られました人々は在地の有力な家族であっただろうと考えており、それらが荒神山の山中に山王谷支群や日夏山支群など複数の群を構成しておりまして、荒神山周辺の異なる地域の異なる家族が荒神山に代々古墳を継続的に築いた結果ではないかと考えております。こうした古墳群の調査と整備は、荒神山古墳とは異なる新たな成果がもたらされるものと考えておりますので、ご理解をいただきたいと思います。 99 ◯議長(大橋和夫君) 11番。   〔11番(夏川嘉一郎君)登壇〕 100 ◯11番(夏川嘉一郎君) ありがとうございます。荒神山古墳は国としても非常に数の少ない、めずらしい指定であると思います。彦根市は奈良や京都に次ぐ、日本国内の古代史の拠点を展開する核を持ったということで、今後が楽しみです。ぜひ立派なものをつくっていただきたいと考えます。  以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。 101 ◯議長(大橋和夫君) 10番小川喜三郎君。10番。
      〔10番(小川喜三郎君)登壇〕 102 ◯10番(小川喜三郎君) 私は、今期定例会におきまして、市立病院の1点について質問いたします。  これまで過去2年間に、常任委員会や会派の視察で全国の公立病院を視察させていただきました。いずれの病院におきましても病院改革プランを策定され、経営改善にご努力なされておりました。また、病院事業への一般会計からの繰入金については、地方公営企業法第17条の2第1項で「その性質上当該公営企業の経営に伴う収入をもって充てることが適当でない経費、当該地方公共団体の性質上能率的な経営を行ってもなお、その経営に伴う収入のみをもって充てることが客観的に困難であると認められる経費」と規定されており、金額は別といたしましても、どの自治体も繰り入れは行われておりましたし、本市も同様の対応が行われております。一部では、さらに改革プランに沿った繰り入れがなされておりました。こうした観点に立ち、視察の中で経営状態が安定し、良好な運営が行われている石巻市立病院や苫小牧市立病院および公立みつぎ総合病院では、医師や看護師の確保は十分ではないとしても、運営に大きな支障がないようでありました。  一方では、自主視察として拝見いたしました釜石市立病院におきましては、経営が困難で既に閉鎖され、診療室や病室の一部を民間診療所に貸し付けたり、庁舎として活用されていました。夕張市診療所も見せていただきましたが、診療所となったことからか、午前9時でも診察を待つ患者さんは数名でございました。  私は、視察を行いました前者の病院では、根底に地域住民で支える医療機関であることを痛切に受け取ることができました。  また、去る11月24日、厚生労働省の発表では、平成20年度の全国の医療機関に支払われた医療費の総額は34兆8,084億円で、国民1人当たりでは27万2,600円とのことであります。いずれも過去最高額で、前年度に比べていずれも2%の増加とのことであり、今後もこの傾向は続くとの発表がございました。  また、これまで病院長を初め、病院スタッフと市議会議員との意見交換会も2回開催されております。こうした状況を踏まえ、市民の皆様に彦根市立病院をご理解いただくために、運営の現状について過去にも質問が出ておりましたが、改めて以下、質問をさせていただきます。  中項目1としまして、医師および看護師等病院スタッフの確保状況についてお伺いいたします。  細項目1、これまで医師の確保に大学病院への折衝等多くの働きかけをかなりおやりと伺っておりますが、病院としてこれまでの取り組みについてお聞かせいただきたいと思います。 103 ◯議長(大橋和夫君) 病院長。 104 ◯病院長(赤松 信君) 医師確保の取り組みといたしましては、これまで京都大学、滋賀医科大学、岐阜大学あるいは関西医大、そういった大学にたびたび訪問いたしまして、医師の派遣の働きかけをしてきたところでございます。また、従来から常勤医師の当直の軽減、あるいは救急患者等主治医担当手当の新設、フレキシブルな勤務の導入などによる待遇改善を行いながら、医師の招聘に努めるとともに、病院の魅力をホームページなどいろいろな形で発信しまして、一般公募による医師の採用につなげてきているところでございます。今後も引き続き粘り強く、いろいろな方法で医師の確保に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。 105 ◯議長(大橋和夫君) 10番。   〔10番(小川喜三郎君)登壇〕 106 ◯10番(小川喜三郎君) それでは、2点目に移ります。各医師の先生方も、知人や関係機関への働きかけも独自に行われていると伺っております。これまでの対応状況はどうでしょうか、お伺いいたします。 107 ◯議長(大橋和夫君) 病院長。 108 ◯病院長(赤松 信君) 現在、医師の派遣は、やはり多くは大学医局に頼らざるを得ないという状況ですけれども、それだけでは不十分です。他方では公募や個人的なつてを頼っての募集活動にも力を入れております。特に過去に本院に在籍していた医師があちらこちらの病院におりますので、現在は若手医師を多く抱えている、いわゆるブランド病院で働いている本院のOB医師を通じまして医師の確保に努めているところでございます。 109 ◯議長(大橋和夫君) 10番。   〔10番(小川喜三郎君)登壇〕 110 ◯10番(小川喜三郎君) 大変ご努力いただいておりますが、3番目に、その成果につきましていかがでしょうか、お教えいただきたいと思います。 111 ◯議長(大橋和夫君) 病院長。 112 ◯病院長(赤松 信君) 現在、病院の常勤医師の中で、医局派遣以外で雇用いたしました医師は5名でございます。来年度には、さらに1名から2名の採用を見込んでいるところでございます。ただ、このような医局派遣以外の医師に関しましては、その医師が退職した場合に、医局派遣と違って、すぐに後の補充がきかないというところが問題でございます。 113 ◯議長(大橋和夫君) 10番。   〔10番(小川喜三郎君)登壇〕 114 ◯10番(小川喜三郎君) さまざまな連携といいますか、確保についてご努力いただいているということで、来年度も一部採用が見込めるというご答弁ですので、今後もひとつご努力をいただきたいと思います。  それでは、中項目2といたしまして、看護師確保対策についてお伺いいたします。  細項目1、看護基準として10対1から7対1に改善される病院が大変増えております。看護師の獲得も激しい現状があるように伺っておりますが、7対1になったことにより入院患者の方々からどのような評価を受けておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。 115 ◯議長(大橋和夫君) 病院事務局長。 116 ◯病院事務局長(長崎隆義君) 平成21年8月から看護体制7対1を取得し、その後、入院患者さんを対象に満足度調査を実施いたしております。その中で患者さんからの声として、「看護師の患者への対応が丁寧でわかりやすく説明してくれた」、「看護師が親切、きめ細やかに看護される姿に感心した」、「気軽にお話ができて病気も早く治るような気がします」など、全体としてよい評価をいただいております。10対1看護体制に比べ看護師1人の受け持つ患者の数が減ったことで、一人ひとりの患者にかかわる時間が増え、看護が充実してきた結果であると考えております。 117 ◯議長(大橋和夫君) 10番。   〔10番(小川喜三郎君)登壇〕 118 ◯10番(小川喜三郎君) それでは、2番目ですが、7対1による勤務条件の改善についてはどのような効果がありましたか、お教えいただきたいと思います。 119 ◯議長(大橋和夫君) 病院事務局長。 120 ◯病院事務局長(長崎隆義君) 看護体制7対1を取得し、その後の看護職員の労働環境や患者サービスの評価を行っております。その中で、「休日の看護師数を増やすことで、ゆとりを持って緊急入院の受け入れや退院準備、指導が行えるようになった」、「夜勤人員を増員したことで時間外勤務が減少した」、「休日の休憩時間が確保できるようになった」、「ゆっくりと患者さんと話せるようになった」、「日常生活援助が充実した」、「各種委員会活動が時間内に行えるようになった」などの評価があり、看護体制7対1は勤務面からも改善による効果が出てきていると考えております。 121 ◯議長(大橋和夫君) 10番。   〔10番(小川喜三郎君)登壇〕 122 ◯10番(小川喜三郎君) 少し観点を変えて申しわけございませんが、7対1の病棟看護師の話ですけど、臨床の方の看護師についての効果について、病棟の方に人数がたくさん必要になりますけれども、そのような確保は十分できていると理解してよろしいのでしょうか、お教えください。 123 ◯議長(大橋和夫君) 病院事務局長。 124 ◯病院事務局長(長崎隆義君) 7対1の基準で申し上げておりますのはあくまで病棟の看護師で、外来の方につきましては従来どおりの看護師数を確保しているということでございます。入院患者が増えてまいりますと、外来の方から病棟の方に回る看護師というのも設けまして、少しフレキシブルに対応しているといったところでございます。 125 ◯議長(大橋和夫君) 10番。   〔10番(小川喜三郎君)登壇〕 126 ◯10番(小川喜三郎君) それでは、3点目に、奨学資金制度について詳しくお聞かせいただきたいと思います。 127 ◯議長(大橋和夫君) 病院事務局長。 128 ◯病院事務局長(長崎隆義君) 本院での奨学資金制度といたしましては、平成19年度から実施しております彦根市立病院看護師等奨学金貸与制度がございます。この制度は、看護師、助産師を養成する看護専門学校、大学などに在籍する方で、卒業後本院に勤務しようとする方に月額5万円の奨学金を貸与しているもので、就職後、貸与年数を勤務していただければ奨学金の返還を免除しているというものでございます。また、本年度からは、最終学年に限定した7万円というコースも新設いたしております。 129 ◯議長(大橋和夫君) 10番。   〔10番(小川喜三郎君)登壇〕 130 ◯10番(小川喜三郎君) いろいろと制度をおつくりになり、確保のためにご努力いただいておりますが、次に、4番目で、これらによる効果についてはいかがでしょうか、お伺いいたします。 131 ◯議長(大橋和夫君) 病院事務局長。 132 ◯病院事務局長(長崎隆義君) 奨学金のこれまでの実績につきましては、平成19年度の申請者は8人でしたが、平成20年度には18人、平成21年度には28人、本年度は現在のところ24人となっております。  最終学年の申請者数は例年11人程度ですが、本年度は13人を予定しており、新設しました最終学年に限定した7万円コースの効果が出たものと思われます。また、本院の奨学金を受けている新卒者も増加の傾向にあり、奨学金制度の周知が浸透してきたものと考えております。 133 ◯議長(大橋和夫君) 10番。   〔10番(小川喜三郎君)登壇〕 134 ◯10番(小川喜三郎君) 一つ大きな成果がでているということですが、次に、5点目で、一方、実習生の受け入れも大変ご努力をいただいているということですが、これについての効果について状況をお聞かせいただきたいと思います。 135 ◯議長(大橋和夫君) 病院事務局長。 136 ◯病院事務局長(長崎隆義君) 本院では、滋賀県立大学人間看護学部と滋賀県立看護専門学校の実習を受け入れております。県立大学では、3年生を対象とした成人看護実習・ターミナル実習、4年生を対象とした総合実習を、県立看護専門学校では小児実習を受け入れております。  本年度、県立大学は延べ130人、看護専門学校は7人の実習生の受け入れを予定しております。来年度採用予定者26人のうち新卒者は20人で、そのうち県立大学は5人、県立看護専門学校は6人でございます。実習生の受け入れ実績からいいますと、県立大学からの応募者が少ない状況ですので、もっと多くの応募があるように働きかけているところでございます。 137 ◯議長(大橋和夫君) 10番。   〔10番(小川喜三郎君)登壇〕 138 ◯10番(小川喜三郎君) 大変実習にはお力をいただいているということをお聞きしているのですが、結果としては、すべて市立病院にお勤めいただくというのは無理なことですけれども、せっかく病院としてもさまざまな実習で看護師の育成を図っていただいておりますので、特段、今後、市立病院にたくさんお入りになるというか、今まで以上に改善されるような努力というのはお考えでしょうか。改めてお聞かせいただきたいと思います。 139 ◯議長(大橋和夫君) 病院事務局長。 140 ◯病院事務局長(長崎隆義君) 本年度は5人と申し上げました。具体的な働きかけといたしましては、県立大学へ出向いて、もっと応募があるようにお願いしたいということを申し上げておりますし、県の健康福祉部の方にも出かけまして、健康福祉部からも応援をしてくれということでお願いしているところでございます。昨年は5人もなかったと思っております。ことしの方が若干増えたという形で、奨学金制度の周知とともに、もっと来ていただくように、さらに働きかけをしてまいりたいと考えております。 141 ◯議長(大橋和夫君) 10番。   〔10番(小川喜三郎君)登壇〕 142 ◯10番(小川喜三郎君) それでは、次に6点目ですけれども、今後、スタッフを確保する上で、とりわけ子育て支援策として大変有効なものとして院内保育所がございます。これの現状についてお聞かせいただきたいと思います。 143 ◯議長(大橋和夫君) 病院事務局長。 144 ◯病院事務局長(長崎隆義君) 本院における保育所につきましては、昭和46年8月から「やよい園」の名称で設置いたしておりまして、病院職員互助会が現在までその運営を行っております。  この院内保育園やよい園における看護師確保のための取り組みにつきましては、7対1看護配置基準取得に向けて、平成21年5月から夜勤の看護師の乳幼児を対象に毎週火曜日と木曜日に夜間の預かりを行う24時間保育を実施しております。その実績ですが、実施した当初は3人の登録でしたが、現在は5人に増加し、利用も昨年度1年で延べ49回でしたが、今年度は半年で60回と、約2.5倍に増えております。また、同じく昨年度から、土曜日、日曜日、祝日の日勤の看護師の乳幼児を対象として保育を実施したところ、昨年度は延べ475人の利用があり、本年は半年で359人と、昨年度の1.5倍に増加しております。 145 ◯議長(大橋和夫君) 10番。   〔10番(小川喜三郎君)登壇〕 146 ◯10番(小川喜三郎君) 休日と夜間につきましては、過去よりもお子様を預けておられる人数も増えたということでございます。平日といいますか、昼間についてもたくさんの子どもが保育をされておりますけれども、この実績というのは1日大体何人ぐらいおられるのですか。 147 ◯議長(大橋和夫君) 病院事務局長。 148 ◯病院事務局長(長崎隆義君) 利用されております医師・看護師につきましては41名で、保育園を利用されているお子さんにつきましては48名でございます。 149 ◯議長(大橋和夫君) 10番。   〔10番(小川喜三郎君)登壇〕 150 ◯10番(小川喜三郎君) 病院というのは、昼も夜もございません。常に開いているといいますか、そういうような状況ですので、今後もそうした勤務についての改善策として、充実していただきたいと思います。  それでは、中項目3に移ります。多くの施設認定や施設指定を受けておられ、さらに市立病院として独自の対応もなされていますので、以下、質問をいたします。  細項目1、認定や指定を受けておられる中で、市立病院として特筆すべきものはどのようなものでしょうか、お伺いいたします。 151 ◯議長(大橋和夫君) 病院事務局長。 152 ◯病院事務局長(長崎隆義君) 本院では、合わせて50余りの施設認定や施設指定を受けておりますが、これらの中で湖東保健医療圏で本院のみが指定を受けているものを申し上げますと、臨床研修病院、災害拠点病院、エイズ診療拠点病院、地域がん診療連携拠点病院、神経難病医療拠点病院および難病医療協力病院でございます。 153 ◯議長(大橋和夫君) 10番。   〔10番(小川喜三郎君)登壇〕 154 ◯10番(小川喜三郎君) 多くの認定なり指定を受けておられ、彦根市立病院が特に指定を受けておられるのもたくさんあるということを改めて伺いました。  それでは、2点目に移りまして、災害派遣医療チーム、DMATですが、防災訓練等でもいつもお見かけしているわけですが、複数チームを設置されて、大変心強いと感じているわけですが、その内容についてお聞かせいただきたいと思います。 155 ◯議長(大橋和夫君) 病院事務局長。 156 ◯病院事務局長(長崎隆義君) 災害派遣医療チームは、災害発生後48時間以内の急性期に活動できる機動性を持った専門的な訓練を受けたチームでございます。医師2名、看護師2名および後方支援者1名の5名が一つのチームを構成しており、彦根市立病院は2チームが登録されています。現在のところ、実際に災害現場で活動した事案はありませんが、年に5回程度、大規模災害を想定した訓練に参加いたしております。  万一、大規模災害が起こった場合には、活動中の消防機関等と連携し、負傷者の優先順位を決めるトリアージ、緊急治療、がれきの下の医療等を行うとともに、多くの傷病者が来院している病院の支援および医療搬送等を担うものでございます。 157 ◯議長(大橋和夫君) 10番。   〔10番(小川喜三郎君)登壇〕 158 ◯10番(小川喜三郎君) ありがとうございます。  次に、3点目に移ります。財団法人日本医療機能評価機構認定病院でありますが、その評価につきまして具体的にお聞かせいただきたいと思います。 159 ◯議長(大橋和夫君) 病院事務局長。 160 ◯病院事務局長(長崎隆義君) 病院機能評価は、医療機関における医療の質や機能を500余りの項目にわたって第三者の立場で評価されるものでございます。その中で本院が5点満点の評価を受けたものは、「必要な連携機能が確保されている」、「患者家族の相談に応じている」、「ベッド、マットレスに配慮している」の3項目でございます。このことについては、「広報ひこね」9月1日号でもお知らせしているとおり、全国的にも高い評価をいただいたものでございます。  なお、2点以下の評価がある場合は認定保留となり、再審査を受けなければなりませんが、本院ではこれまでに受けました2回の審査においていずれも認定保留はなく、再審査なしの合格となっております。再審査なしの合格率は2割程度ですから、この点でも高い評価を得たものと考えております。 161 ◯議長(大橋和夫君) 10番。   〔10番(小川喜三郎君)登壇〕 162 ◯10番(小川喜三郎君) 大変高い評価をいただいているということですが、市民には広報活動をされましたけれども、十分にご理解をいただいているかという点におきましてはさらにいろんな工夫をしていただいて、市民の病院というような姿を市民の皆様にご理解いただくようなご努力をいただきたいと思います。  それでは、中項目4、市立病院改革プランについては、まだプランに到達するには多くの課題がございます。数字的にもそうですし、財政的にもそうですが、成果についての見解をお尋ねしたいと思います。  まず、一つ目ですが、医業収益増加対策ですけれども、主な成果について具体的にお教えいただきたいと思います。 163 ◯議長(大橋和夫君) 病院事務局長。 164 ◯病院事務局長(長崎隆義君) 病院改革プランは、増収策として、紹介率の向上による入院患者の増加と7対1看護配置基準取得およびDPCと呼ばれております診断群分類別包括支払制の導入による入院収益の向上、人間ドックの受診者対策、MRI土曜稼働による増収策を目標として掲げました。  ご承知のとおり、医療職については全国的な不足状況から想定どおり確保することができず、結果として患者の減少を招くこととなりましたが、DPCや7対1看護配置基準による患者1人1日当たりの収入増加により、前年度決算に比べ医業収益は2,600万円の微増となったものでございます。
     また、人間ドック、MRI土曜稼働については目標数値を下回り、評価委員会でも厳しい意見をいただきましたが、どちらも収益の根幹を占めるといったものではなく、増収よりは患者サービスといった要素が強いものですので、引き続き利用者が増えるように取り組んでまいりたいと考えております。 165 ◯議長(大橋和夫君) 10番。   〔10番(小川喜三郎君)登壇〕 166 ◯10番(小川喜三郎君) それでは、2点目ですが、費用削減対策も掲げておられます。まず、委託料の契約条項等仕様の見直しもされたということですが、費用の面での支出を抑えるということで、どのような内容でしょうか、お聞かせいただきたいと思います。 167 ◯議長(大橋和夫君) 病院事務局長。 168 ◯病院事務局長(長崎隆義君) 病院改革プランの策定後、委託契約の仕様につきましては次の手順で見直しを行っております。  まず、委託契約の仕様書にある個々の業務で法令に規定されている以外のものについて、病院運営にとっての必要性や効果の検証を実施いたしました。次に、経営コンサルタントを交えて、一部の委託業務については業者の見直しをプロポーザル方式で行い、また委託業務全般について仕様内容の精査を行うとともに、業務の削減および効率的な運用方法の検討を行いました。  こういった検証、検討を経て、必要性および効果の低い業務については、実際に仕様からの削除あるいは業務回数を減らすなど、効率的な運用に見直すことで、委託料の縮減を行ったものでございます。 169 ◯議長(大橋和夫君) 10番。   〔10番(小川喜三郎君)登壇〕 170 ◯10番(小川喜三郎君) 経費の節減は必要ですけれども、サービスの低下等が起こらないようにだけお願いしておきたいと思います。  次に、3点目ですが、診療材料等の納入に対する改善の内容をお聞かせいただきたいと思います。 171 ◯議長(大橋和夫君) 病院事務局長。 172 ◯病院事務局長(長崎隆義君) 診療材料等の納入につきましては、これまで年度初めに市の指名業者の見積もり合わせによる単価契約を行っておりましたが、平成21年度からは病院経営専門の経営コンサルタントと契約を締結し、その見直しに努めております。  その内容ですけれども、診療材料の納入価について経営コンサルタントの持つデータをもとに点検を行い、高価格と判断されるものについては当該経営コンサルタントとともに価格交渉を行い、より安い単価での納入に努めております。この結果、平成21年度で約2,000万円の経費の削減を図ることができました。  今後も経営コンサルタントのアドバイスを得ながら価格交渉を進め、経費の削減に努めてまいりたいと考えております。 173 ◯議長(大橋和夫君) 10番。   〔10番(小川喜三郎君)登壇〕 174 ◯10番(小川喜三郎君) では、4点目に移ります。医薬品につきましてもいろいろとお取り組みいただいているということですが、取り組み状況についてはいかがでしょうか、お伺いいたします。 175 ◯議長(大橋和夫君) 病院事務局長。 176 ◯病院事務局長(長崎隆義君) 医薬品の取り組みにつきましては、以前から薬価の値引き交渉を行っておりましたが、平成21年度からは先ほど申し上げました経営コンサルタントの持つ他の病院の薬価交渉情報を参考に、経営コンサルタントとともに薬価の値引き交渉を実施いたしました。この薬価値引き交渉で約3,000万円の薬剤費が削減できました。  また、本院では、平成21年度からDPC(診断群分類別包括支払制)を導入しておりますので、手術および麻酔で算定する以外の薬品につきましては包括評価の対象となり、薬剤費をいかに安くするかが大きな課題となってまいります。薬剤費を低く抑える方法としては、後発医薬品の使用促進がございます。本院での平成21年度の後発医薬品は97品目で、後発医薬品への切り替えにより、薬価購入費の差額として約4,000万円の支出削減ができております。 177 ◯議長(大橋和夫君) 10番。   〔10番(小川喜三郎君)登壇〕 178 ◯10番(小川喜三郎君) さまざまなご努力をいただいているということで、今後も引き続きお願いしたいと思います。  それでは、中項目5としまして、患者さんへの接遇等の改善についてお伺いいたします。  1点目に、待ち時間の改善について、最近は長蛇の列がないように理解しております。先日も2日ほど、午前と午後に分けまして、何となく見させていただきました。列も余り長くないようです。長くても10人あるいは十数人というところで、5分か10分たちますと、10時ごろでも並んでおられる方がゼロという状況もございました。そういうことで、いろいろと改善をなされたと思うのですが、その改善策についてお教えいただきたいと思います。 179 ◯議長(大橋和夫君) 病院事務局長。 180 ◯病院事務局長(長崎隆義君) 会計待ち時間の改善策としましては、外来フロアマネジャーを患者さんが混んでくる時間帯に増員し、自動精算機への案内など、ロビーでの混雑解消に努めております。また、昨年11月からは電子カルテシステムを導入したことで、外来の伝票入力が診療科で行えるようになり、さらに本年2月からは保険証の確認を1階の受付から各ブロック受付で行うようにするなど、会計待ち時間の短縮を図ってきました。  しかしながら、こういった取り組みをいたしましても会計待ち時間についてのご意見をちょうだいすることがございます。その内容は、会計窓口では、スーパーマーケットのレジに並ぶように、4列でのいわゆるレジ並びをしておりますが、1列に並んで空いた窓口へ順に行く、銀行でのATMに並ぶときのような、いわゆるフォーク並びをした方が早い、遅いという不公平感が解消されるというご意見でございます。  こういったご意見があることから、レジ並びとフォーク並びでの待ち時間を計測いたしましたが、特殊な場合を除いて、どちらも平均1分から2分の待ち時間となり、並び方での差はありませんでした。しかし、不公平感あるいは待たされ感の解消という点では、フォーク並びの方が有効と思われるため、通常はフォーク並びといたし、ロビーの混雑の程度によっては、スペースの関係からレジ並びの方式をとるように運用しているところでございます。 181 ◯議長(大橋和夫君) 10番。   〔10番(小川喜三郎君)登壇〕 182 ◯10番(小川喜三郎君) 数日前にも寄せていただきましたら、立って待っていただかないといけないので、歩行が少し困難な方には受付の方が「私が並びます」ということで、患者さんには「いすにかけてお待ちください」というお取り組みをしていただきました。こういう小さな配慮というのは、市民の皆さんあるいは患者さんにも喜ばれるのではないかと思いますので、小さな心がけといいますか、心づけをしていただくというのが愛される市立病院かということで、そのときに思わせていただきました。今後もそういうような対応を気がつくところでやっていただければありがたいと思っております。  次に、2点目で、患者(外来・入院を含む)への説明責任が問われておりますけれども、十分な説明というのはどのように対応されておるのか、基本的な点についてお教えいただきたいと思います。 183 ◯議長(大橋和夫君) 病院事務局長。 184 ◯病院事務局長(長崎隆義君) 外来患者さん、入院患者さんへの説明ということでお答えさせていただきます。  外来患者さんへの案内といたしましては、初診・再診受付窓口に置いてあります「外来受診のご案内」のチラシで説明し、さらにわかりやすい外来診療の手引きとして、外来診療予定表や受診の仕方を掲載した「受診のしおり」を全戸配布いたしたものでございます。また、入院患者さんへは、1階の入院受付で、入院されるときの持ち物や入院中の過ごし方などを掲載した「入院のご案内」をお渡しし、説明いたしております。  さらに、病棟では、看護師によるオリエンテーションを実施し、患者さんおよびご家族へ説明いたしております。 185 ◯議長(大橋和夫君) 10番。   〔10番(小川喜三郎君)登壇〕 186 ◯10番(小川喜三郎君) それでは、中項目6としまして、他病院との連携や診療所との連携は欠かすことができないと考えます。  そこで、細項目1、湖東保健医療圏の総合的医療センターとしての機能として、医療の専門性についてどのように考えておられるのかお尋ねいたします。 187 ◯議長(大橋和夫君) 病院長。 188 ◯病院長(赤松 信君) 本院は、湖東医療圏における総合的医療センターとして、高度な医療を提供するということを基本方針の第1番目に掲げております。これは、近年、疾患に対応する検査や治療の高度化、多様化によりまして、病院の診療にはより高い専門性が求められるようになったためであります。外来診療では、診療所と病院の診療内容にこれまで必ずしも明確でなかった区別化が明らかにされ、かかりつけ医を持つこと、必要な場合はかかりつけ医の紹介によって病院を受診することが全国的にも推進され、本院でも推進いたしております。また入院医療におきましても、急性期医療と慢性期あるいはリハビリ期、療養期といったものの区別が明確にされ、病院の間でも役割分担と連携が推進されてまいりました。  1人の患者をずっと一つの施設で診るということが以前に行われておりましたけれども、これは現在、機能的にも難しく、医療資源の面からもむだが多いため、病気の重さや病状によって、その時々の最も適した施設で診るということが一般的になり、その結果、医療機関の連携が格段に重要になってきたわけでございます。本院の湖東地域での役割は、急性期の高度な専門診療を提供するということですので、そのことを市民の皆様にもご理解いただきたいと思っているところでございます。 189 ◯議長(大橋和夫君) 10番。   〔10番(小川喜三郎君)登壇〕 190 ◯10番(小川喜三郎君) 高度医療といいますか、急性期ということですので、特化した医療といいますか、そのようなものかと理解させていただきました。  それでは、2点目ですが、経営改革にも大きく影響するものと考えますが、病診連携について現状を具体的にお教えください。 191 ◯議長(大橋和夫君) 病院長。 192 ◯病院長(赤松 信君) 病診連携という観点から、市民の方が外来受診や入院をされる場合に、地域連携室というものを通じて、診療所からの紹介を受け入れております。また、本院での検査や治療を終え、診療を継続される患者さんは、紹介いただいた診療所に相談し、診療を引き継いでいただくことをお願いする、いわゆる逆紹介ということをいたしております。  平成22年4月から10月までの全診療科での紹介患者数は3,847人で、前年同時期の3,648人と比較すると約200人の増加となっております。また、平成22年10月現在での紹介率は、全診療科平均して32.9%で、前年度平均29.6%を上回る水準になっておりまして、病診連携に関しましては促進されていると考えております。 193 ◯議長(大橋和夫君) 10番。   〔10番(小川喜三郎君)登壇〕 194 ◯10番(小川喜三郎君) 次に、中項目7といたしまして、市立病院の環境改善についてお尋ねいたします。  細項目1で、花を植える運動を病院スタッフや市民で行っておられますが、市民に親しまれる病院環境の改善への心配りには大変有効なものと考えます。こうした環境改善がほかにも取り組まれているようでございます。その内容等についてお教えいただきたいと思います。 195 ◯議長(大橋和夫君) 病院事務局長。 196 ◯病院事務局長(長崎隆義君) 花を植える運動のほかに取り組んでおります環境改善といたしましては、植樹活動がございます。これは彦根市民健康サポーターズ倶楽部からご寄附いただいたものを、病院ふれあいまつりにあわせて植樹したもので、本年度はハナミズキを植樹いたしました。本年の猛暑においては、職員が交替で水やりも行っております。  ほかの環境改善としましては、11月1日から病院敷地内の全域を禁煙としたことや、院内の掲示物は掲示板への掲出に限るなど、院内の美化にも取り組んでいるところでございます。 197 ◯議長(大橋和夫君) 10番。   〔10番(小川喜三郎君)登壇〕 198 ◯10番(小川喜三郎君) 今お話がございましたけど、病院ふれあいまつりというのも、やられた数日後に苫小牧市の病院へ寄せていただいたら、「彦根市はすごいことをやっておられますな」というようなお褒めの言葉を、副院長さんだと思うのですが、視察のときすぐにおっしゃられました。こうした取り組みも、環境改善とは少し異なるかもしれませんが、まつりだけではなしに他の部分でもお取り組みいただきたいと思いますし、医師の方々は大変お忙しい中を割いてそのような活動をしていただいているということも理解させていただいたところですので、今後も多くの市民のご協力もいただいて、さらに環境改善に取り組まれるようにお願いしておきたいと思います。  二つ目に、医療情報センターの目的について、どのように理解させていただいたらいいのかお尋ねいたします。 199 ◯議長(大橋和夫君) 病院事務局長。 200 ◯病院事務局長(長崎隆義君) 医療情報センターは、患者用図書館の開設、医療情報の発信、看護実習生受け入れ施設、診療記録保管庫、湖東地域リハビリセンター拠点施設として、平成18年度に取得、整備したもので、平成19年4月からその目的に沿った運営をしているものでございます。 201 ◯議長(大橋和夫君) 10番。   〔10番(小川喜三郎君)登壇〕 202 ◯10番(小川喜三郎君) 利用が少ないかとも思うのですが、その辺の対応策をお考えでしたら、お教えいただきたいと思います。 203 ◯議長(大橋和夫君) 病院事務局長。 204 ◯病院事務局長(長崎隆義君) 設けております図書室の方は少しご利用が少ないと思っております。ただ、日曜日などの休みの日を中心に健康講座等も病院で開催しておりますので、今後利用が増えてくるのではないかと思っております。 205 ◯議長(大橋和夫君) 10番。   〔10番(小川喜三郎君)登壇〕 206 ◯10番(小川喜三郎君) それでは、中項目8に移らせていただきます。救急センターについてお伺いいたします。  私は、過日、救急センターを見学させていただきました。午後5時前に救急車が1台到着いたしました。それから少しずつ患者さんも増えてきたわけですが、午後7時過ぎにまた1台救急車が参りました。2、3分後だと思うのですが、さらにまた1台救急車が来まして、救急センターは大変お忙しいのかと思わせていただきました。そういう状況の中で、必要があればそのまま入院されるということもございました。  一方、この時間帯には待合室がほぼいっぱいといいますか、いすの部分ではいっぱいと表現させていただきますけれども、そのような状況でございました。これらの医師は翌日もそのまま勤務につき、診療や手術など長時間の勤務になるとの説明も受けました。勤務医の疲弊が叫ばれている現状も垣間見ることができました。また、診療待ちの患者さんにも、必要に応じて、看護師が忙しい中、診察前の患者さんの状況を待合室まで出て病状を聞かれるなど、その対応も大変親切で適切なものであると受けとめさせていただきました。当然、検査技師あるいは薬局の体制も整えての対応でしたが、救急受付の担当者にお聞きいたしますと、「今日は平日で普段と同様の患者数ですが、週末にはさらに混雑する」というお話もいただきました。こうしたことから、以下、お尋ねいたします。  1点目に、救急車の受け入れの現状はどのような状況でしょうか、お伺いいたします。 207 ◯議長(大橋和夫君) 病院長。 208 ◯病院長(赤松 信君) 小川議員には、先日、本院の救急外来を夜遅くまで視察していただきまして、ありがとうございました。  ことしの4月から10月までの上半期の救急車搬送による受け入れ件数は2,183件、1日平均にしますと約10件ということでございます。手術中・処置中などの理由により受け入れを断った件数は27件で、受け入れ率は98.8%になっております。  参考といたしまして、彦根市消防が救急搬送した今年の4月から10月までの件数は2,817名で、そのうちの1,913名、67.9%が本院に搬送されております。 209 ◯議長(大橋和夫君) 10番。   〔10番(小川喜三郎君)登壇〕 210 ◯10番(小川喜三郎君) それでは、2点目ですが、受け入れ側の負担はありませんか、お伺いいたします。 211 ◯議長(大橋和夫君) 病院長。 212 ◯病院長(赤松 信君) 救急医療は本院が最も力を入れている分野の一つですが、はっきり申し上げまして、受け入れ側の負担はございます。夜間の救急業務に従事した看護師、薬剤師、放射線技師、検査技師などは翌日の勤務を免除しておりますけれども、医師の場合はそのまま翌日の通常勤務に入る場合がほとんどでございます。医師も2交替の勤務ができるのが理想ですが、現在の医師不足の状況では難しいところですので、非常勤医師の当直医を雇用するなどして、負担の軽減に努めているところでございます。 213 ◯議長(大橋和夫君) 10番。   〔10番(小川喜三郎君)登壇〕 214 ◯10番(小川喜三郎君) それでは、3点目に、万一受け入れができない場合、市立病院としてはどのような対応をなさっているのか。わずかな件数と今伺いましたが、お尋ねいたします。 215 ◯議長(大橋和夫君) 病院長。 216 ◯病院長(赤松 信君) まず、救急車の受け入れができない場合をできるだけ少なくしようということをしております。例えば満床の場合に救急車の受け入れを断るという病院がほとんどですけれども、本院では救急車を断らずにまず受け入れ、入院が必要な場合は病院から搬送先を探しまして、医師が同乗して、その病院へ連れていくということを行っております。受け入れがどうしてもできないのは、救急車が立て続けに入り、処置や手術などでもうそれ以上受け入れる余地がない場合がほとんどで、この場合は救急隊に対してほかの病院を探すようにお願いいたしております。 217 ◯議長(大橋和夫君) 10番。   〔10番(小川喜三郎君)登壇〕 218 ◯10番(小川喜三郎君) それでは、4点目に、1日は最初から午後11時半ごろまで寄せていただいたのですが、その後、夜遅くにお邪魔するということでしたが、ほぼ毎日かどうかは私もはかり知れませんが、救急センターの人員配置はどのようになっているのか、お聞かせいただきたいと思います。 219 ◯議長(大橋和夫君) 病院長。 220 ◯病院長(赤松 信君) 救急センターの人員配置ですけれども、医師は、内科系、外科系の当直医、それに加えまして、院内で小児科、循環器科の医師が待機し、当該の患者が来た場合には診療するという形になっております。看護師は午前0時までが3名、それ以降は2名を配置しておりまして、医療技術職では、薬剤部、放射線科、臨床検査科がそれぞれ1名当直しております。受付の事務担当者を午後10時までは3名、それ以降は2名配置しております。さらに、院外待機といたしまして、麻酔科、整形外科、脳神経外科、外科、消化器科など6名の医師、手術センターなどで4名の看護師、そして1名の医療技術職を待機させております。このように、湖東地域の中核病院として、可能な限り救急車を受け入れるという態勢を確立しているところでございます。 221 ◯議長(大橋和夫君) 10番。   〔10番(小川喜三郎君)登壇〕 222 ◯10番(小川喜三郎君) ありがとうございます。先ほどもご答弁がございましたけれども、当直明けの医師について引き続き勤務されるということですが、現状の勤務時間等、大変お疲れになった上にまださらに翌日勤務ということです。その辺の現状についてお教えいただきたいと思います。 223 ◯議長(大橋和夫君) 病院長。
    224 ◯病院長(赤松 信君) 医師の勤務時間につきましては、例えば午前の外来診療、午後の手術、病棟診療に引き続いて、夕方の5時半から当直業務に従事し、2、3時間の仮眠をとれる場合もございますが、ほとんど眠れないといったこともございます。その場合は、翌日の勤務と合わせまして32時間勤務という過酷な勤務が実情として生じることはございます。翌日に関しましては、業務に支障のない限りなるべく休みはとるように指示はしておりますけれども、現実にはなかなかとれない場合が多くございます。このために、当直業務に当たる非常勤の嘱託医師、当直医を配置いたしまして、常勤医師の当直回数を月3回までに抑えるなどの過重勤務の負担軽減を図っているところでございます。 225 ◯議長(大橋和夫君) 10番。   〔10番(小川喜三郎君)登壇〕 226 ◯10番(小川喜三郎君) 先ほど、看護師も3名で、後の勤務は2名ということでした。勤務時間が長くなりますので、お聞きしたところでは、連続して勤務した方がいいという看護師と、途中で交替をという看護師の希望があるということを伺ったのですが、このような対応をなされているということでよろしいですか、確認だけさせてください。 227 ◯議長(大橋和夫君) 病院長。 228 ◯病院長(赤松 信君) 救急センターの看護師の勤務体系は、日勤、準夜、深夜勤の3交替と、日勤と16時15分から翌朝の9時15分までの16時間勤務の2交替の2種類の勤務体制をとっておりまして、基本的には病棟の勤務と同様となっております。 229 ◯議長(大橋和夫君) 10番。   〔10番(小川喜三郎君)登壇〕 230 ◯10番(小川喜三郎君) では、7点目に、最近問題になっておりますコンビニ受診ですが、市立病院の現状はいかがでしょうか、お伺いいたします。 231 ◯議長(大橋和夫君) 病院長。 232 ◯病院長(赤松 信君) いわゆるコンビニ受診、救急外来を受診する必要がそんなにないのではないか、必要性、緊急性は少ないのではないかという患者さんが夜間に受診して、医師や医療従事者の過重勤務につながるということが問題になっておりました。本院でも昨年2カ月にわたり調査いたしましたところでは、コンビニ受診と判断される方の割合は約30%ということでした。本年度は現在まだ調査しておりませんけれども、医師あるいは看護師に聞き取りを行いましたところ、以前に比べて、特に深夜帯のコンビニ受診はやや減少しているような印象であると聞いております。 233 ◯議長(大橋和夫君) 10番。   〔10番(小川喜三郎君)登壇〕 234 ◯10番(小川喜三郎君) 最後に、中項目9としまして、病院の実情に対して設置者として市長のお考えをお聞きしたいと思います。  細項目1、種々お聞きしましたが、市立病院の医療に対する市民への啓発についてどのようなお考えをお持ちでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。 235 ◯議長(大橋和夫君) 病院長。 236 ◯病院長(赤松 信君) 私の方からお答えいたします。  本院の役割は、湖東医療圏の総合的医療センターとして高度な専門医療を提供するということが中心であると、先ほども申し上げたとおりでございます。この役割を市民の皆さんにお伝えし、また正しく理解していただくことは、病院の運営上大変重要なことであると考えております。中には、どのような病気でも、どのような状態でも診るのが市立病院の役割であるという意見があることは承知いたしておりますが、高度化し、また多様化された専門医療を行う施設で、軽い疾患あるいは慢性期の疾患の診療を同時に行うということは、専門診療に支障を来すという意味で非効率ですし、市民にとっても大きな損失と言わざるを得ないと私は思います。それぞれの医療機関が役割を明らかにし、連携することによって、この地域の医療が成り立つわけですので、広報紙、FM放送、健康講座、「受診のしおり」の配布など、いろいろな手段でご理解いただくよう努力しているところでございます。 237 ◯議長(大橋和夫君) 10番。   〔10番(小川喜三郎君)登壇〕 238 ◯10番(小川喜三郎君) では、2点目に移らせていただきます。これまで多くの視察をさせていただきましたが、その市では、設置者といいますか、行政自体が病院もおやりですけれども、市民向けのキャンペーンなど、幅広く市民へのアピールをするような考えでさまざまなお取り組みをされている現状がございます。そうした病院は大変市民にも親しまれる病院であると、病院関係者もお話をされておりました。市としてそのような考えをお持ちかどうか、お聞かせいただきたいと思います。 239 ◯議長(大橋和夫君) 病院長。 240 ◯病院長(赤松 信君) 市民の皆さんが市立病院を受診されるに当たって、高度専門診療という本院の中心となる役割についてご理解いただくことは大切でありますが、他方では、本院でどのような専門診療が行われているのか、どのような分野を得意としているのか、あるいは病気と健康についてのトピックスなど、広く市民にお知らせすることも必要であると考えております。「広報ひこね」、患者向け広報紙「にじのかけはし」、エフエムひこね、市立病院健康講座、あるいはがんや心臓病に関する市民フォーラム、病院ふれあいまつりなどを通じて、幅広く市民にアピールしてまいりたいと思っております。  また、健康推進課で作成していただいております「子どもの急病対策」のチラシに掲載しているかかりつけ医を持つことや、救急外来のコンビニ受診を控えることなどのお知らせにつきましては、引き続きその取り組みを進めていただきたいと考えているところでございます。 241 ◯議長(大橋和夫君) 質問を終了します。  暫時休憩いたします。            午前10時54分休憩            午前11時07分再開 242 ◯議長(大橋和夫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  25番田島茂洋君。25番。   〔25番(田島茂洋君)登壇〕 243 ◯25番(田島茂洋君) 私は、今期定例会におきまして、先進地行政視察を含めて4点について質問いたします。誠意ある前向きなご答弁をお願い申し上げたいと思います。  まず最初に、世田谷9年教育パイロット校教育からといたしまして、質問したいと思います。  去る10月に、東京都世田谷区議会と同教育委員会、ならびに議会事務局のご協力を得まして、世田谷9年教育先進実施パイロット校への行政視察をさせていただきました。世田谷区の小・中義務教育一貫に向けての世田谷9年教育としての9年教育施策は、全国的に有名で、本市の教育委員会でも十分ご承知いただいていると思います。  世田谷区教育委員会は、平成17年3月に、今後10年間の教育の方向性を定めた世田谷区教育ビジョンを策定されました。そして、平成17年度から3年間の第1期行動計画期間を経て、平成20年度から第2期行動計画期間に入っておられます。  この教育ビジョンは五つの施策の柱を掲げ、その実現を進めておられます。一つ目の柱は地域とともに子どもを育てる教育、二つ目が未来を担う子どもを育てる教育、三つ目が信頼と誇りの持てる学校づくり、四つ目が教育環境の整備、五つ目が教育委員会の改革と策定されています。  そして、その実現のために、小学校・中学校の別なく、等しく教職員が児童・生徒一人ひとりの9年間の義務教育全体に対して責任を持つことが重要である。学習指導要領の改訂を機に、区教育委員会と小学校・中学校がともに、カリキュラム、学校運営、教職員の研修・研究や学校への支援について、小学校・中学校の教育を一体ととらえて改善を実現させることが重要であるとされています。  その方針や具体策を検討するため、区教育委員会は、平成20年2月に、保護者、地域の方、学識経験者、小学校・中学校の校長などを委員とする世田谷9年教育検討委員会を設置され、鋭意検討の上、平成22年3月に検討の結果が示されました。  世田谷9年教育検討委員会設置とともに、平成20年度から指定されている世田谷9年教育パイロット校が、区立31中学校のうちから4校を選定し、その中学校と地域連携できる小学校を2校ずつ、区立64小学校より8校を選定されています。  私は、そのうち「ようがの学び舎」として地域連携され、9年教育実施の用賀中学校、京西小学校、用賀小学校のうちの用賀小学校を視察させていただきました。ご対応、ご説明くださいました同校の内藤信校長は、その学校に10年間、小学校校長として奉職されております。そのような実績から、同校の児童・生徒の健全育成について、2時間猶予の時間をかけて、膨大な資料とパワーポイントに基づいて、熱意あるご指導をいただきました。衷心感謝を申し上げたものでございます。また、同席の副校長は、前任校は中学校で勤務されていたということで、小・中一体を考えてのことと推察させていただきました。  さて、中項目1、本市の教育ビジョンについてお伺いしたいと思います。世田谷区教育委員会では、五つの柱の教育ビジョンを策定され、児童・生徒一人ひとりの有する個性や能力を伸ばし、自立した個人として生きる基礎を培い、基本的な資質を養う区民の高い期待と信頼に応えられる、より質の高い義務教育を実現していこうなどと、その世田谷教育ビジョンは世田谷9年教育の具体的事業の基盤とされております。  そこで、お尋ねいたします。本市の教育ビジョン、教育指標というものがあればお示しいただきたいと思います。 244 ◯議長(大橋和夫君) 教育長。 245 ◯教育長(小田柿幸男君) 変化の激しいこれからの社会を生き抜くために、生きる力を子どもたちにつけていくことは教育の重要な課題であります。そこで、本市では、子どもたちの生きる力を育むため、三つの「根っこ」の育成を教育指針として挙げております。  まず第1に、「確かな学力を向上させる根っこ」の育成です。子どもたちに学ぶ意欲とともに学びの基礎基本となる学力の定着を図り、体験的学習や豊かな教育活動の充実に努めております。  第2には、「よりよく生きる人間としての根っこ」の育成です。豊かな心を育むとともに、伝え合う力を育て、豊かな人間関係が結べるように、各教科において、また道徳や特別活動等あらゆる教育活動を通して努めております。  第3には、「家庭・地域に信頼される学校の根っこ」の育成です。地域に開かれた学校を目指すとともに、地域に根差した教育活動を行っています。また、地域と連携しながら、安心・安全な教育環境づくりを図っております。  以上の三つの根っこの育成を図り、学力、人間力、社会力を育てる教育の充実を目指しております。 246 ◯議長(大橋和夫君) 25番。   〔25番(田島茂洋君)登壇〕 247 ◯25番(田島茂洋君) お伺いしておりますと、生きる力というのを基盤にしながら、三つの根っこということが指針とお答えいただいたのですけど、世田谷では教育の根幹となるビジョンというものを策定しておられます。そういうことから考えますと、彦根市は今おっしゃった生きる力がビジョンという考え方でおられるのか。今後ビジョンというものが重要ではないかということからお尋ねしたわけですので、よろしくお願いしたいと思います。  二つ目といたしまして、私はビジョンと指定したのですけども、彦根市では指針という観点ですが、具体的な振興、どういうことを大きくとらえて推進していこうとされているのかについてお尋ねしたいと思います。 248 ◯議長(大橋和夫君) 教育長。 249 ◯教育長(小田柿幸男君) さきに述べました三つの根っこの振興と実現を図るため、具体的考動目標を挙げております。考動目標の「考」をあえて「考える」という漢字を使っていますが、単なる行いではなく、子どもたちの今ある現状や課題を見据えた教育活動のありようとしての取り組みを、地域や家庭に見える化を図りながら進めようとするもので、重点的に次の八つを挙げております。  一つ目に、確かな学力の育成です。基礎基本の徹底とともに、生活習慣や学習習慣の定着を図ります。  二つ目には、中学校区のスタンダードの確立です。各中学校区の幼稚園、小学校、中学校が、共通努力目標を設定するなど、連携を図りながら教育実践を行います。  三つ目には、いじめ・不登校の課題解決に取り組みます。  四つ目には、一人ひとりのニーズに応じたきめ細かな支援を行う特別支援教育の充実です。  五つ目は、社会力の育成です。地域貢献活動を実施し、社会規範を養います。  六つ目は、学習集団の形成です。望ましい人間関係を築きます。  七つ目は、学校力の発揮です。学校が柱となって家庭や地域と連携を図りながら、子どもたちのよりよい学びや育ちをつくり上げます。  八つ目は、豊かな指導・支援の実施です。情報機器や地域の指導者の活用を図り、豊かな教育活動を展開します。  以上を具体的考動目標として掲げ、取り組みの充実を図っているところでございます。 250 ◯議長(大橋和夫君) 25番。   〔25番(田島茂洋君)登壇〕 251 ◯25番(田島茂洋君) ありがとうございました。視点といいますか、世田谷で学んできたこととはかけ離れた点もありますし、また同じような点もあるということでもございます。既に世田谷の9年教育を通じてのそういったことはお調べだと思いますけれども、実際にお話を伺っておりますと、教育長がおっしゃったような、地域に根づいた、子どもたちに密着した直接的な教育というものと、地域、家庭、社会と連携した教育をやっておられるということを強く感じたので、そういったことを通じて、今おっしゃいました三つの根っこの考動というものについては十分に考えていただいて、また機会があればお話を伺いたいと思いますけれども、子どもが育っていく中でどういうことが一番大事であるかということは十分洞察していただいて、教育の糧にしていただきたいと思います。  それでは、細項目3、今ほども若干おっしゃっていただいたと思いますけれども、終極の目標とされていることはいかがですか、どのようなことを終極の目標にされているか、その点をお願いします。 252 ◯議長(大橋和夫君) 教育長。 253 ◯教育長(小田柿幸男君) 本市教育の終極の目標は、智徳体の調和のとれた、心豊かでたくましい人間の育成であります。すなわち、確かな学力の育成、豊かな心の育成、健やかな体の育成を図り、子どもたちに生きる力、人間力を育むことにあります。  こうした人間力を育むという終極と、もう一つはそれをしっかりと支える基本的なものの力を養っていかなければならないと思っております。そういった意味では、各学校園では、あいさつや靴そろえなど、人間力の根幹となる行動目標を掲げ、一園一約束、一校一行として地域に見える形で取り組んでおります。  また、子どもの人間力育成に向けては、学校教育のみで補完できるものではありません。学校、家庭、地域、すなわち社会全体が一致団結し、それぞれの立場で役割を認識しながら互いに協働して取り組んでいくことが極めて重要なことと考えています。したがって、教育委員会からは、家庭、地域が一丸となって取り組めるよう、「ひこねっこ 学びの6か条」を目標としてとらえ、よりよい子どもを育てるための社会教育運動としておるところでございます。今後も、学校を初め社会総がかりで子どもの健全育成に取り組んでいけるよう推進していきたいと考えております。 254 ◯議長(大橋和夫君) 25番。   〔25番(田島茂洋君)登壇〕 255 ◯25番(田島茂洋君) ありがとうございました。  それでは、中項目2、本市の9年教育取り組みについてお伺いしたいと思います。  先ほども申し上げましたように、視察をいたしました用賀小学校では、用賀中学校、京西小学校と連携しての「ようがの学び舎」ということで、3校連携活動年間計画を立てておられました。それにより3部門による事業活動をされております。一つには、学び舎特別活動部会、学び舎生徒会、学び舎生活指導部会による関連活動。二つには、学び舎研究推進委員会活動。三つには、学校運営委員会を中心とした地域連携事業等であります。時間の関係で詳しく説明し議論はいたせず残念ですけれども、本市でもお取り組みいただきたいことを中心にしての願いは、教育長のお考えを後ほど伺いたいと思います。  ようがの学び舎3校連携の9年教育取り組みでの用賀小学校では、いじめ・不登校ゼロ、体罰・人権侵害ゼロ、言葉の暴力ゼロということもおっしゃっていました。また、児童の重大事故ゼロ、この三つのゼロに向かっての活動事業は、未来を担う子どもが主役の学校として、行動数値目標の三つのゼロ行動として、一人ひとりの児童の心に寄り添った指導を充実させるために、特別支援委員会の定例化を進めるとともに、教育相談機能を充実され、成果を上げられて、9年教育の一環とされているようであります。  そこで、お伺いいたします。いじめ・不登校ゼロ、体罰・人権侵害ゼロ、児童の重大事故ゼロ、この三つのゼロ活動事業の本市の教育委員会教育長の受けとめられた考え、取り組み、指導等についてはいかがでしょうか、お伺いいたします。 256 ◯議長(大橋和夫君) 教育長。 257 ◯教育長(小田柿幸男君) いじめ、不登校、体罰、人権侵害、児童の重大事故、いずれにしましても学校現場であってはならない、起こってはならない問題であります。どの学校においても、子どもたちの人権が守られ、権利が保障され、すべての子どもが楽しく健やかに学校生活が過ごせるよう努めなければなりません。それを阻害する要因が見つかった場合は全力で取り除き、一人ひとりが安心して学校生活を送れるようにしなければなりません。私としましては、校園長会議等の場で、学校を預かります校長に対し、回を重ね指導を行っております。  各学校へは、これらの重大な問題に対して緊急に対処できるよう、教育委員会より「学校問題対応マニュアル」を配布して、危機管理体制を整備するよう指導しております。各校では、年度当初に全職員で対応を共通理解し、事案に対して組織を挙げて取り組むことができるようにしております。  各校において多少の違いはありますが、以下の点についても校内で共通して取り組み、だれにとっても安心・安全な学校経営に努めています。具体的には、学級担任による児童・生徒の観察、学級担任と児童・生徒との懇談、学校生活のアンケート調査、不登校児童・生徒との連絡の継続、いじめ対応マニュアルをもとにした研修、定期的な家庭訪問の実施、教職員の体罰未然防止についての研修や人権問題研修、校内の安全点検によるけがの防止、児童会、生徒会による人権問題やマナーを守る取り組み等の具体的実践ができるよう指導しているところでございます。 258 ◯議長(大橋和夫君) 25番。   〔25番(田島茂洋君)登壇〕 259 ◯25番(田島茂洋君) ありがとうございます。  次に、移らせていただきます。細項目2番、本市小・中学校のいじめ、不登校、虐待、体罰、人権侵害、児童の重大事故等の実態の数値があればお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。 260 ◯議長(大橋和夫君) 教育長。 261 ◯教育長(小田柿幸男君) 平成21年度のいじめ認知件数は、小学校8件、中学校で1件の計9件であります。今年度につきましては、11月20日現在、小学校では6件、中学校では2件の報告を受けております。  病気欠席を除く30日以上の欠席者は、平成21年度、小学校で27人、中学校で89人です。本年度は3月末に統計処理を行います。  虐待については、関係機関へ通告があった件数は、平成21年度、小学生で36人、中学生が4人でした。今年度は11月末で、小学生22人、中学生5人です。  体罰の報告は受けておりません。  また、差別事象としての人権侵害についても報告は受けておりません。  児童の命にかかわる重大事故については、平成21年度に幼稚園で1名がけがをして重傷として報告を受けたケースがございましたが、順調に回復いたしました。それ以外はございません。ことしも、現在のところ報告はされておりません。  幼児・児童・生徒の交通事故件数は、平成21年度、幼稚園で3件、小学校で33件、中学校で38件でした。今年度は12月現在、幼稚園で2件、小学校で24件、中学校で20件となっております。 262 ◯議長(大橋和夫君) 25番。   〔25番(田島茂洋君)登壇〕 263 ◯25番(田島茂洋君) ありがとうございました。お聞きしておりますと、いじめだとか、不登校だとか、学校教育にかかわる実態というものがあるようです。先ほども申し上げましたように、私が視察をさせてもらった小学校で言われたのは、「なぜゼロにするという目標を持つかということなのです」。ゼロという目標を持つことについては、ゼロに近づくためにはどうあるべきかということを考えながら教育の指導をしているということでした。教育長がおっしゃいました実態を見ますと、やはり対応型で、こういうことが起こったらこういうことをしますというご答弁のような気がしたのですけども、そうではなくて、そういうことにならないようにするためにはどうあるべきかということを、生徒を交え、地域の方も交えてやってこられたということが、冒頭に申し上げました検討委員会の中での話であったということです。ぜひ参考にしていただいて、今後の彦根市のゼロ行動に対する熱意あるご指導をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いします。  それでは、3番目で、確かな学力の育成、社会的マナーの育成、健康・体力の育成、この三つの育成を子どもが主役の中で重要課題とされております。これらの課題についても9年教育の一環とされているようですけれども、本市教育委員会としてこれらの課題についてどのようにお取り組みされるか、教育長の考えをお伺いしたいと思います。 264 ◯議長(大橋和夫君) 教育長。
    265 ◯教育長(小田柿幸男君) 本市におきましても、智徳体の調和のとれた生きる力の育成を重点目標に挙げ、学力・人間力・社会力を育む教育の充実を進めております。本市では、小学校・中学校の9年間の教育が一貫して行われるように指導しているところです。  質問の項目について特に重点として力を入れているところについて挙げさせてもらいたいと思います。  確かな学力の育成についてですが、全国学力学習状況調査の調査結果を各学校が分析・検討し、課題と成果を明確にしながら、我が校の学力向上策を作成しております。また、言語力やコミュニケーション能力の向上は各教科共通しての指導力点であり、その一環として読書活動に力を入れております。  社会的マナーの育成については、中学校ブロックスタンダードで、生徒指導上の目標を掲げて取り組んでおります。また、一園一約束、一校一行に取り組んでおります。その例としては、あいさつをする、靴をそろえるなどを挙げて取り組んでいます。特に道徳の時間の学習では、公共のマナー、公徳心、具体的にはあいさつといった大事なことを教えております。  健康・体力の育成については、早寝・早起き・朝ごはん運動を本市でも取り組んでおります。また、子どもたちの体力低下が目立つ面においては、運動習慣、健康づくりを進め、体力の向上に努めております。  以上のことについて、昨年度の教育フォーラムでも取り上げ、広くアピールしております。また、「ひこねっこ 学びの6か条」を徹底して、その取り組みをさらに広め、深めていきたいと考えているところでございます。「彦根教育 学びの提言 ひこねっこ 学びの6か条」に示された目標が、小・中9年間だけでなく、幼・小・中12年間の指針として各校園の取り組みを支えていると考えているところでございます。 266 ◯議長(大橋和夫君) 25番。   〔25番(田島茂洋君)登壇〕 267 ◯25番(田島茂洋君) ありがとうございました。お話を伺っておりますと、彦根市も智徳体の推進における学校教育の中で、多くの課題に取り組みながら子どもの教育に携わっていただいておりますが、世田谷の中で非常に参考になると思ったのは言葉です。言葉を使うことの大切さということを基本に考えて、それがまず基準になって、そこからいろんなことを波及させていると伺いました。  ですから、今おっしゃったようなことにつきましても、言葉の暴力だとかいろんなことを言いましたけども、やはり言葉の大切さというのを考えると、読書にかかわったり、いろんな話を伺ったり、そういうことの中で自分たちが培っていくという、大変いいお話を伺いました。通告には書いておりませんけれども、多分資料を見られてご存じだと思いましたのであえて言わなかったのですが、ぜひそういったことも参考にしていただければと思いますので、よろしくお願いします。  さらに、細項目4番で、最後に今後の本市の9年教育の取り組みについてお伺いしたいと思います。このたびの用賀小学校および用賀中学校へ連携される9年教育の取り組みについての視察では、未来を担う子どもが主役の学校としての責任、教職員が高め合う信頼される学校の信頼、地域とともに育てる学校としての誇り等々のジャンルには、それぞれに要素や課題をつけられて、世田谷9年教育のもとで、まことに厳しい中で、将来を見据えてのようがの学び舎事業推進をされております。それだけに児童・生徒にとっては大切な事業と思います。今後本市の9年教育の取り組みについて伺いますが、将来を見据えて前向きな教育長の答弁を期待するものでございます。よろしくお願いします。 268 ◯議長(大橋和夫君) 教育長。 269 ◯教育長(小田柿幸男君) 小・中9年間を見通した教育には、小中一貫教育と小中連携教育がありますが、世田谷9年教育は小中連携教育ととらえております。本市におきましても以前から小中連携の重要性を認識し、さまざまな取り組みを展開しており、その内容は基本的に変わりがないものととらえております。  鳥居本小・中学校では、以前から、小中連携教育の研究を重ね、今年度からは国立教育政策研究所の研究指定校として継続した取り組みを進めております。両校が一体となって、小・中9年間を見通した生活・学習習慣の定着、学力の向上に重点を置き、手づくりの「家庭学習の手引き」を全児童・生徒・保護者に配布するなど、小中一貫した主体的な学びや基本的な生活習慣を身につける実践を進めております。  稲枝地区では、稲枝教育推進協議会を組織し、保・幼・小・中の職員が同一歩調での連携教育を進めております。地域の子どもたちの基本的な学びの習慣形成、滑らかな接続の工夫、ノーメディアデーなどのユニークな取り組みを実践しております。  ほかの地域でも、小・中が一体となって、中学校ブロックスタンダードの確立に向けたさまざまな取り組みを進めております。  学習面、生活面、いずれにしても子どもたちの育ちや学びは連続しており、一貫した指導を念頭に置き、連続、継続した取り組みが大切です。小・中9年間、さらには保・幼・小・中12年間を見通した学習指導計画や生活指導プログラムづくりが進むよう、教育委員会としても今後も指導を進めてまいりたいと考えております。 270 ◯議長(大橋和夫君) 25番。   〔25番(田島茂洋君)登壇〕 271 ◯25番(田島茂洋君) ありがとうございました。視察をいたしました世田谷区というのは、資料によりますと、この9年教育というものを小学校の新学習指導要領が実施される平成23年度には区立小学校で開始されまして、中学校の新学習指導要領が実施されます平成24年度には全区立小・中学校で試行されると伺ってまいりました。そして平成25年度からは全区立の小・中学校で実施すると言われております。  今ほど伺いますと、彦根市でも既にパイロット校を二つ設けてやっておられるようですけども、ぜひそういったことが波及して、全小・中学校に及びますように、教育長の格段のご尽力を期待したいと思いますので、よろしくお願いします。  それでは、大項目2番目、彦根屏風購入原点に関連してという標題に基づいてお伺いしたいと思います。  彦根市が国宝紙本金地著色風俗図、彦根屏風を譲り受けられて、14年が経過しようとしております。自来彦根城とともに彦根市の誇りうる貴重な宝として大切に保管されながら、いろいろ活用されておりますことに敬意と感謝を申し上げるものでございます。  このことを議論することについて自問自答をさせてもらいましたけども、今このことを申し上げておくべき時期ではないかということであえて質問を申し上げますので、よろしくお願いしたいと思います。  それでは、中項目1番、彦根屏風の保管、活用についてお伺いしたいと思います。  彦根屏風の今日までの保守管理につきましては、井伊家所蔵から本市が受け取ったとき、大変な損傷があったと思います。その後修理されたり、保管するのにいろいろとご努力いただいたと思うのですが、細項目1、彦根屏風の今日までの保守管理についてどのような実績があったかについてお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。 272 ◯議長(大橋和夫君) 文化財部長。 273 ◯文化財部長(谷口 徹君) 平成9年1月31日に彦根市が取得以来今日まで、彦根城博物館の収蔵庫で適切に保管してまいりました。また、平成18年度、平成19年度にわたりまして、国宝紙本金地著色風俗図(彦根屏風)の管理基金に基づきまして、それを活用して、経年劣化し、絵の具の接着が弱っていた箇所の修理あるいは本来の屏風形式に仕立て直すといった修理を行ってまいったところでございます。 274 ◯議長(大橋和夫君) 25番。   〔25番(田島茂洋君)登壇〕 275 ◯25番(田島茂洋君) ありがとうございます。これからもよろしくお願いしたいと思います。  それでは、細項目2番、彦根城博物館での展示や各地への出張展示等活用されていると思いますが、その実績についてお伺いしたいと思います。 276 ◯議長(大橋和夫君) 文化財部長。 277 ◯文化財部長(谷口 徹君) 国宝・重要文化財につきましては、平成8年に文化庁により制定されました国宝・重要文化財の公開に関する取扱要項におきまして、原則として、公開回数は年間2回、公開日数は延べ60日以内とされております。この規定に従いまして、彦根屏風は、基本的に毎年、来館者の多い5月のゴールデンウィークを含めた1カ月間に限って、彦根城博物館で公開しております。  ご質問の出張展示につきましては、他の博物館等への貸し出しのことと理解してお答え申し上げたいと思います。その貸し出しにつきましては、これまで年間の公開日数を見極めながら、日本文化を国外に紹介する文化庁主催の海外展への貸し出しや、国宝の作品を所蔵する岡山の林原美術館との交換展への貸し出し、彦根市の姉妹都市の高松市に所在する香川県立ミュージアムでの井伊家至宝展への貸し出しなどを行ってまいりました。さらに、彦根屏風のミニチュア等の活用に加えまして、産業振興を図るため、平成12年に商標登録を行ったところでございます。 278 ◯議長(大橋和夫君) 25番。   〔25番(田島茂洋君)登壇〕 279 ◯25番(田島茂洋君) ありがとうございました。  それでは、中項目2番目に移りたいと思います。彦根屏風購入時に関連して。  国宝彦根屏風は平成8年12月議会において、補正予算修正案可決により、彦根市が購入されたのであります。予算修正については、購入に際して高額寄附をいただいたからだと記憶しております。  そこで、細項目1番、目録記載事項について。高額寄附に際して、私も当時の藤田議長とともに立ち会いをさせていただきました。今は亡き彦根市の名誉市民故夏原平次郎様より市長に目録を渡されました。平成8年12月8日、金12億円と記憶しておりますが、失礼のなきよう、正確な目録記載事項はいかがでしたか、お伺いいたします。 280 ◯議長(大橋和夫君) 文化財部長。 281 ◯文化財部長(谷口 徹君) 目録の正確な記載事項につきましては、次のとおりでございます。  寄付目録  1.金壱十弐億円  2.国宝紙本金地著色風俗図(彦根屏風)取得費および維持管理費として、彦根市に寄付いたします。  なお、平成9年1月31日までに執行します。  平成8年12月18日  彦根市後三条町361-1  夏原 平次郎  彦根市長 中島 一 殿  以上が目録の記載事項でございます。 282 ◯議長(大橋和夫君) 25番。   〔25番(田島茂洋君)登壇〕 283 ◯25番(田島茂洋君) ありがとうございました。大分私の記憶とは違っているところもあったようで、非常によかったと思っております。  それでは、細項目2番に移りたいと思います。この高額寄附歳入後から正式購入までの経緯についてはいかがでしたでしょうか。今ほど若干おっしゃっていただきましたが、改めてお願いします。 284 ◯議長(大橋和夫君) 文化財部長。 285 ◯文化財部長(谷口 徹君) 少し長くなりますけれども、寄附の歳入後から正式購入までの経緯についてお答え申し上げます。  平成8年12月18日に夏原平次郎氏から寄付目録の贈呈がありましたことから、12月市議会定例会開催中の平成8年12月19日に、夏原氏からの寄附金12億円とあわせ、一般市民から寄せられた寄附金338万6,000円と繰越金を財源として、彦根屏風取得経費12億円および基金への積立金500万円の補正予算、および彦根市国宝紙本金地著色風俗図(彦根屏風)管理基金の設置管理および処分に関する条例案を追加提案いたしました。補正予算の議会の議決を得た後、同日、井伊家と売買仮契約を締結し、議案第102号財産の取得につき議決を求めることについてを議会に提案し、議会の議決を得て取得したものであります。  その後、平成9年1月30日に彦根屏風を、寄託先の京都国立博物館から彦根城博物館に搬入するとともに、井伊家から引き渡しの手続をいただいて、後日代金をお支払いしたところであります。  また、平成9年1月31日には、夏原平次郎氏より寄附金が市に入金され、寄附受領書、領収書を交付させていただきました。  平成9年2月4日付で所有者変更届を文化庁に提出し、同年6月に所有者変更の通知が文化庁からあり、平成9年1月30日付で所有者が彦根市に変更されました。  さらに、先ほども申し上げましたが、平成18年度、平成19年度の2カ年にわたり、彦根市国宝紙本金地著色風俗図(彦根屏風)管理基金を活用して、絵の具の接着が弱かった箇所の修理や本来の屏風形式に戻す修理等を行ったところでございます。 286 ◯議長(大橋和夫君) 25番。   〔25番(田島茂洋君)登壇〕 287 ◯25番(田島茂洋君) 大変詳しくご答弁いただきましてまことにありがとうございました。そのような経過があったということを明らかにしていただいたということについては、非常に意味があったのではないかと思っております。  次に、細項目3番に移らせていただきます。高額寄附をいただいた方の屏風購入寄附者としての氏名等の明記についてはどのようにあらわされているのか、また今後はどのようにすればいいと考えておられるのか。非常に重い意味もあると思いますので、できれば市長のお考えをお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。 288 ◯議長(大橋和夫君) 文化財部長。 289 ◯文化財部長(谷口 徹君) それでは、私の方からお答え申し上げます。  彦根屏風を本市が取得する際には、夏原平次郎氏から12億円の寄附金をちょうだいしたほか、2,350人の市民などからも寄附金が寄せられたところでございます。これらの寄附金を財源として、予算に計上の上、本市が取得し、現在の所有者は彦根市となっております。したがいまして、現行の展示に当たっては、「本館」と表示いたしております。  ご質問の高額寄附者としての氏名等の明記につきましては、彦根屏風の取得に際して夏原氏から高額の寄附金をいただいたことを非常に重く受けとめており、今後十分検討させていただきたいと考えております。 290 ◯議長(大橋和夫君) 25番。   〔25番(田島茂洋君)登壇〕 291 ◯25番(田島茂洋君) 検討ということは、明記されないこともあると受けとめられやすいと思いますけど、私自身は明記されるだろうと期待しております。先ほども申し上げましたように、何かあらわされているような考え、具体的なものは別に何もないのでしょうか、その辺はいかがでしょうか、改めてお伺いします。 292 ◯議長(大橋和夫君) 文化財部長。 293 ◯文化財部長(谷口 徹君) 先ほどお話しましたように、毎年5月のゴールデンウィーク期間、約1カ月ですけれども、博物館で展示いたします。今お話がありましたように、ご寄附の明示をするなどの手法を検討していきたいと思っております。 294 ◯議長(大橋和夫君) 25番。   〔25番(田島茂洋君)登壇〕 295 ◯25番(田島茂洋君) これ以上は申しませんので、ぜひともご配慮いただきますようによろしくお願いしたいと思います。この故人につきましては、彦根屏風だけではなく、いろんなところで彦根市に献身的なことをしていただいておりました。しかしその時々におきましても、名前は一切伏せておられます。そういったことも勘案しますと、失礼なことを申し上げているかもわかりませんけれども、何かわかるところにそういったことが示されたらと思っての質問ですので、ぜひともその辺のところのご配慮もお願いしたいと思います。  それでは、大項目3番、議案第83号一般会計補正予算についてお伺いいたします。  中項目1、東中学校校舎等整備事業補正予算についてです。  細項目1、補正予算額12億4,948万2,000円の歳入および歳出の詳細についてお示しいただきたいと思います。 296 ◯議長(大橋和夫君) 教育部長。 297 ◯教育部長(小財久仁夫君) 東中学校校舎等整備事業に係る歳出補正予算額12億4,948万2,000円の内訳についてご説明いたします。  まず、工事請負費ですが、現在工事を行っております校舎の改築工事に係る平成23年度工事分といたしまして11億3,517万8,000円、新校舎完成後に実施いたします既存校舎の解体工事費といたしまして8,767万2,000円でございます。  次に、委託料ですが、現在工事を行っております校舎改築工事の工事監理委託料に係る平成23年度分といたしまして2,108万3,000円、公共下水道接続に伴う現校舎の浄化槽設備の最終清掃委託料といたしまして550万円でございます。  そのほか、補助金申請の事務手続にかかります消耗品費等として4万9,000円でございます。  次に、東中学校校舎等整備事業に係る歳入補正予算額についてですが、まず国庫支出金といたしましては、安全・安心な学校づくり交付金2億896万1,000円、ならびに公立学校施設整備費国庫負担金8,341万3,000円、合わせまして2億9,237万4,000円でございます。  また、市債といたしまして、義務教育施設整備事業債が5億8,800万円、教育施設整備基金からの繰入金が2億円となっており、特定財源の合計といたしましては10億8,037万4,000円、一般財源といたしましては事業費から特定財源を差し引きました1億6,910万8,000円でございます。  以上です。 298 ◯議長(大橋和夫君) 25番。   〔25番(田島茂洋君)登壇〕 299 ◯25番(田島茂洋君) 順調に工事も進捗していますし、また予算面においても十分にご配慮いただいていると受けとめさせていただきました。今後ともご尽力のほどよろしくお願いしたいと思います。  それでは、細項目2番、駐車場の確保についてお伺いしたいと思います。来校者駐車場ならびに教職員の駐車場の確保についてはどのようなお考えをお持ちかをお伺いしたいと思います。このことについてはいろいろ議論があると思います。車社会ということもございますし、駐車場の最低限度の確保というものは必要であると考える方もおられますけれども、一方ではまた違った面の考えもあります。他校とのバランスとか、いろんなことをお考えいただいて、その確保について努力はいただきたいと思いますが、お考えをお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。 300 ◯議長(大橋和夫君) 市長。 301 ◯市長(獅山向洋君) 駐車場確保のご質問については、本来、教育委員会の方で答弁するべきことではないかと思いますけれども、今ご指摘のとおり、いろいろな考え方がございますので、市長としての考えを述べておきたいと思います。それともう1点、駐車場につきましては、議案第83号の補正予算には含まれておりませんので、一般質問としてお答えしておきたいと思います。  ご承知のとおり、東中学校は生徒数が非常に多い大規模校で、それに比べて運動場が狭いという状況でございます。この相反すること、つまり駐車場問題と運動場という相反する問題をいかに解決していくかということは非常に重要な問題ではないかと思っております。  まず、駐車場を必要とするという考え方につきましては、教職員の関係では、管理職員、生徒指導主事等が緊急用として自家用車を駐車している、また各種の研究会や部活動の大会、会議等に他校の教職員が来校するという理由が挙げられております。また、来校者の関係では、学校支援のためのボランティア、生徒の早退時等の迎え、教育相談の保護者のために必要であるし、夜間では体育館や柔剣道場の開放による利用者のためにも必要であると言われており、既に60台ということにつきましては厳しいご批判があったわけですが、現状では少なくとも20台分ぐらいの駐車スペースが必要であると言われているわけです。  それに対しまして、既に平成21年12月議会におきまして、田島議員から、「運動場は野球の練習や試合のために、両翼ともホームベースから80メートル程度以上の距離をとってもらいたい」というご意見もいただいているわけで、そういう関係からいいますと、いかにこの問題を解決していくかということは非常に困難な問題があると考えております。  そこで、一つ提案ですけれども、東中学校はまさに21世紀の中学校であるということをお考えいただきたい。しきりに低炭素社会あるいは車の利用をできるだけ控えようではないかというさまざまな議論がなされているわけですので、そういう中で駐車場がどれだけ必要であるか、また来校者の皆さんができる限り車を利用されなければ駐車場の面積も少なくなるわけでございます。また、教職員の方々につきましても、例として挙げますと、市長部局の職員は自分たちで駐車場をきちっと手当てして通勤しているわけですので、なぜ教職員の方々のための駐車場が必要なのか。本当に必要最少限度のことであるならば、逆に公用車という考え方を入れて、自家用車そのものは自分たちで駐車場の確保をすべきではないかということも考えられるわけです。
     そういう点で、地域の皆様が来校されるときにどうすればよいかということを、市の方で、あるいは教育委員会で考えてくれとおっしゃるのではなく、自分たちで21世紀の東中学校をどのようにしていこうかということもぜひ考えていただきたいと思っております。当然のことながら、私どもも十分検討はさせていただきますが、同時に、教職員、来校者、教育委員会、市としても十分検討すべきではないかと考えております。  以上です。 302 ◯議長(大橋和夫君) 25番。   〔25番(田島茂洋君)登壇〕 303 ◯25番(田島茂洋君) 市長、わざわざどうもありがとうございます。このことにつきましては、大変厳しくて難しい問題もあると思いますけれども、ぜひ教育委員会の方でも、一般市民の方を交えての話し合いというものが必要であるということもおっしゃっていただきました。当然そういったことも考えながら、PTAや一般市民と連携したことで解決いただければと思いますのでよろしくお願いします。  それでは、総事業費の総計を上げておりますが、これにつきましてはまた後ほど具体的にお話を伺うといたしまして、割愛させていただきます。  次に、中項目2番、商工振興費補正予算についてお伺いしたいと思います。  細項目1で、中小小売商業対策事業費の予算詳細についてということで上げさせていただきました。商店街振興対策等補助金と共同店舗事業補助金についてお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。 304 ◯議長(大橋和夫君) 産業部長。 305 ◯産業部長(志賀谷光弘君) 今回、補正予算に計上しております中小小売商業対策事業の内訳といたしましては、商店街振興対策補助金といたしまして、ひこねプレミアム商品券発行事業に1,850万円、共同店舗等設置事業補助金として、ビバシティ専門店街のリニューアル事業に1,629万3,000円をお願いしているものでございます。  彦根市中小企業振興条例のコンセプトですが、この条例は、事業共同組合など市内の中小企業団体等が行うアーケードや街路灯などの設置に係る商店街環境整備事業や、中小小売商業者等で構成する共同店舗の設置に係る共同店舗等設置事業等に対し必要な支援を行い、本市の商業の振興と発展を図ることを目的といたしております。  ビバシティ彦根は平成8年に特定商業集積の整備の促進に関する特別措置法に基づいて整備された施設で、ビバシティ専門店街は中小小売商業者が集積する商店街として中小小売商業振興法の認定に基づき国・県・市の支援を受けて整備されたものでございます。ビバシティ専門店街の現在の出店数は71店舗で、うち61店舗が彦根商業開発協同組合の組合員であり、残り10店舗は組合のテナントとなっております。  彦根商業開発協同組合が今回実施される改修事業につきましては、共用施設に当たる共用通路の床と天井をリニューアルし、施設全体のイメージアップを図り、集客力の向上と活性化を目指すもので、本市商業の振興を目的に、条例に基づき中小企業団体が行う共同店舗等設置事業として支援するものでございます。 306 ◯議長(大橋和夫君) 25番。   〔25番(田島茂洋君)登壇〕 307 ◯25番(田島茂洋君) ありがとうございました。  細項目2番につきましては割愛させていただきます。  大項目4番、道路河川整備について、お伺いしたいと思います。  中項目1、さんぽ道修景整備事業について。  細項目1、そとぼり・袋町さんぽみちについて伺いたいと思います。本事業につきましては、特に袋町さんぽみちの修景整備事業は、初めて夜専門の繁華歓楽街へ手を差し伸べられるという事業で、期待しておりますが、どのような構想のもとで事業計画を進められ、事業を進行されるのか、お伺いしたいと思います。 308 ◯議長(大橋和夫君) 都市建設部長。 309 ◯都市建設部長(寺嶋 勲君) 「そとぼり・袋町さんぽみち」につきましては、観光客や市民を、キャッスルロードや四番町スクエアなどの整備が進んでいる通りだけでなく、城下町としての町割りを残すまちなかへの誘導を図り、まち歩きの回遊性を高めることを目的といたしております。  構想といたしましては、京橋口駐車場を起点とし、本町から中央町、京町、袋町界隈への人の流れを誘導するため、彦根市指定文化財の金亀会館や旧外堀の名残をとどめる外馬場公園などの歴史的資源を活かしながら、交差点部分の石張りおよび自然色アスファルトによる修景舗装と主要な箇所に道標、案内板の設置を計画しているところでございます。  なお、今年度事業につきましては、平成22年3月議会で予算の補正をお願いいたしましたきめ細かな臨時交付金を活用し、主に中央町商店街から金亀会館までの整備を実施する予定でございます。 310 ◯議長(大橋和夫君) 25番。   〔25番(田島茂洋君)登壇〕 311 ◯25番(田島茂洋君) どうもありがとうございました。残余の質問につきましては、また後日にしたいと思います。どうもありがとうございました。 312 ◯議長(大橋和夫君) 暫時休憩いたします。            午後0時07分休憩            午後0時59分再開 313 ◯議長(大橋和夫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  9番徳永ひで子さん。9番。   〔9番(徳永ひで子さん)登壇〕 314 ◯9番(徳永ひで子さん) 大項目4点にわたりまして質問させていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。  大項目1、新たなる行財政改革についてお伺いいたします。  平成17年3月に総務省から、地方公共団体における行政改革の推進のための新たな指針が示されたことを受けて、全国の市町村で行政改革プランが策定されて5年が経過し、その総括から次の新たなる行財政改革プランの策定が急がれています。以下、質問いたします。  中項目1、経営改革プログラムの5年間の総括は。  細項目1、財政運営の健全化への取り組みの総括をお聞かせください。 315 ◯議長(大橋和夫君) 藤井副市長。 316 ◯副市長(藤井比早之君) 財政運営の健全化への取り組みについてのご質問にお答えいたします。  経営改革プログラムにつきましては、これまでの手法により行財政運営を続けた場合、中長期的な見通しでは大幅な財源不足により行財政運営が立ち行かなくなるという見通しのもと、この危機的な財政状況を克服するため、これまでの行政を管理・運営するという考え方から、もう一歩踏み込み、民間の発想に学びながら、住民志向、成果志向を基本とする、行政を経営するという視点に立ち、強い姿勢のもと改革に取り組んでまいりました。  このプログラムの中では、平成18年度から平成21年度までの間の収支の見通しをいたしました結果、4年間で162億円の収支不足が見込まれ、このままの財政運営を続けると財政再建団体に陥るという危機的な状況であったため、162億円という削減等の目標を立てておりました。  4年間の経営改革プログラムの取り組みにより、財政再建団体に陥ることなく、各年度においておおむね収支の均衡を図ることができたところでございます。これは、プログラムの実行に当たり、職員の意識改革を行い、本市が置かれた厳しい状況やサービスに係るコストについて十分理解した上で、各部局においてさまざまな取り組みを行った結果であり、一般行政経費の削減を初め、民間活力の積極的な導入によるコストの削減や職員の適正化計画の着実な実行による人件費の削減を行い、多くの事業の見直しや投資的事業の延伸を行うなど歳出の削減を行った結果です。  また、歳入の確保として、都市計画税率の見直しを行うとともに、全庁を挙げて未収金対策の強化に努めてまいりました。また、市税収入が当時の見込み額に比べて増加したことや、400年祭、150年祭実施により城山観覧料等が増加したこと、さらに国の先導的な施策に取り組むことにより国からの補助金や交付金等の財源を効果的に取り込むなど歳入の確保を図った結果であると考えております。4年間の取り組みの効果額といたしましては、約142億円と見込んでいるところでございます。  とりわけ財政健全化の判断指標の一つであります実質公債費比率の適正化につきましては、公債費負担適正化計画を定め、投資的な事業を延伸するなど、一般的な事業債の発行を極力抑制したことや、利率の高い地方債について繰上償還を行ったことから、平成18年度は23.3%と県内で最も高い数値でありましたが、平成21年度には18.5%となり、着実にその数値の改善が図れてきたところです。  なお、参考までに申し上げますと、普通会計では、計画策定前年度の平成16年度末に431億円であった地方債残高が、平成21年度末には324億円となり、107億円の縮減が図られるなど、平成21年度決算は、普通会計における市民1人当たりの地方債残高は29万6,707円であり、速報値としては1人当たりの地方債残高が県内13市の中で少ない方から3位となっております。また、平成21年度決算の歳入決算額に占める地方債収入額の割合、これは少ないほど歳入を地方債に頼っていないということになるのですが、実は少ない方から県内13市中1位となっております。  しかしながら、下水道事業会計や病院事業会計を含めたすべての会計で見ますと、平成16年度末には1,245億円であった地方債残高が、平成21年度末には1,084億円となり、161億円もの圧縮を図ることができたものの、実質公債費負担比率につきましては県内13市中高い方から2位、これは低い方が財政の健全化が確保されていることになるのですが、高い方から2位ということで、一気に逆転してしまう状況となっております。これは下水道事業会計や病院事業会計の地方債残高こそが実質公債費比率が高い主たる原因であるということを示唆しているところでございます。ただし、これらの地方債は下水道整備など市民にとって不可欠な事業を執行してきた結果であることをご理解いただきたいと思います。  今後は、地方債協議・許可制移行基準の指標であります実質公債費比率18.0%を切るために、引き続き公債費負担適正化計画を着実に実行し、財政の健全化に努めていくところでございます。  これまで多くの事業の見直しや投資的事業を延伸するなど、市民の皆さんにはご辛抱やご負担をお願いしているところですが、国・地方を通じた財政状況の悪化の中で本市の基金も非常に少なくなっているなど、本市を取り巻く財政状況は依然として非常に厳しい状況にあると考えております。したがいまして、市民に必要なサービスの提供や事業につきましては、選択と集中の徹底という考え方で実施しつつ、引き続き公債費負担適正化計画を着実に実行し、これまで取り組んできた改革のレベルを下げることなく、行財政改革に取り組んでまいりたいと考えております。  以上です。 317 ◯議長(大橋和夫君) 9番。   〔9番(徳永ひで子さん)登壇〕 318 ◯9番(徳永ひで子さん) ありがとうございました。  細項目2番、事務事業の見直しへの取り組みの総括をお聞かせください。 319 ◯議長(大橋和夫君) 企画振興部長。 320 ◯企画振興部長(堤 健郎君) 続きまして、事務事業の見直しについてですが、一般行政経費の削減や補助金等の見直し、事務事業の再編整理など、さまざまな視点により、定型的な業務の改善から事業の抜本的な見直しまで多岐にわたり実施してまいりました。  その主なものを幾つか申し上げますと、一般行政経費の削減といたしましては、「広報ひこね」等の文書配布業務について、配布手数料の見直しを行うとともに、一部の自治会において民間事業者による配布を行うことにより、約3,700万円の削減を行ったほか、事務用コンピュータ機器の更新方法を改め、可能なものについては再リースを行い、約1,500万円の経費の節減を行いました。  また、補助金の削減につきましては、路線バス維持運行費補助金について、バス路線の抜本的な見直しにより約2,800万円の削減を行うとともに、デマンドタクシーなど代替手法の導入を行ったほか、市税における前納報奨金については、現在の金利水準や税目ごとの公平性の観点を考慮し、段階的な交付率の引き下げにより約1,100万円の削減をいたしました。  さらに、事務事業の再編整理につきましては、ファミリー・サポート・センター運営事業における介護の援助活動について、民間において類似の事業があることから廃止を行い、約100万円の削減を行ったほか、敬老祝い金の支給事業につきましても、これまでの祝い金を贈呈する方法から長寿をお祝いするメッセージ等を届ける方法で高齢者への敬意を表することと見直し、約200万円の削減を図りました。  今ほど申し上げました削減額につきましては、単年度の効果額でありますので、削減額は後年度においてもその削減効果は継続されることから、事務事業の見直しの効果額といたしましては、4年間で約11億円と見込んでおります。多くの事務事業について見直しが図られたものと考えております。  今後におきましても、引き続き、市の内部評価として施策評価や事務事業評価を実施し、継続的な事業の見直しを行うとともに、平成19年度から実施しております行政評価委員会による外部評価を行うなど、PDCAマネジメントサイクルによる事業の見直しに努めていくところでございます。 321 ◯議長(大橋和夫君) 9番。   〔9番(徳永ひで子さん)登壇〕 322 ◯9番(徳永ひで子さん) ありがとうございます。  細項目3番、民間開放等の推進への取り組みの総括をお聞かせください。 323 ◯議長(大橋和夫君) 企画振興部長。 324 ◯企画振興部長(堤 健郎君) 次に、民間開放等の推進への取り組みについてですが、公の施設の維持管理を初め、定型的な業務、専門的な業務について民間活力の導入の推進を図り、サービスの質の向上とコストの削減に努めてまいりました。  まず、公の施設の維持管理につきましては、指定管理者制度を導入する方向で検討を行い、ひこね市文化プラザや各駐車場・駐輪場、ひこね燦ぱれす、各デイサービスセンター、中地区公民館などに導入した結果、現在、33施設において指定管理者による管理・運営を実施しているところでございます。  また、その他の業務について主なものを申し上げますと、水道料金の収納・窓口業務について民間委託化を行い、土・日・祝日にも窓口業務を拡大することができました。  さらに、小学校給食の調理業務につきましては、平成19年度には旭森小学校、金城小学校、平成21年度には佐和山小学校、城南小学校において民間委託化を実施したほか、ごみ収集業務や衛生処理場の管理業務の一部につきましても民間委託化を行うなど、多くの業務において民間活力の導入を行いまして、4年間で約4億4,000万円のコスト削減効果があったものと見込んでおり、民間開放等の推進が図れたものと考えております。 325 ◯議長(大橋和夫君) 9番。   〔9番(徳永ひで子さん)登壇〕 326 ◯9番(徳永ひで子さん) わかりました。ありがとうございます。  細項目4番です。定員管理の適正化による総人件費の抑制への取り組みの総括をお聞かせください。 327 ◯議長(大橋和夫君) 総務部長。 328 ◯総務部長(中嶋 修君) 定員管理の適正化につきましては、平成18年3月に策定しました5カ年の定員適正化計画に基づき、年次的に取り組んでまいりました。この結果、平成22年4月1日現在の職員数は1,370人で、平成17年4月1日現在の職員数1,455人と比較して、85人の減員となりました。市立病院における看護師等の人材確保が困難であったことなどの要因もございますが、当初の目標削減数67人を上回る結果となったところでございます。また、あわせて特別職給料や管理職手当等の独自カットにも取り組み、さらなる人件費の抑制に努めてまいりました。  経営改革プログラムの取り組み結果につきましては、毎年、「広報ひこね」等において公表しておりますが、そのうち「適正な定員管理の推進」に係る取り組みの中でお示ししておりますとおり、一般会計の人件費は、平成18年度から平成21年度までそれぞれの年度決算額との比較で、平成18年度に約2,400万円、平成19年度に約3,300万円、平成20年度に約1億7,000万円、平成21年度に約1億3,300万円の削減を図ってきたところでございます。これらを合わせた4年間の人件費抑制総額は約3億6,000万円でございます。  経営改革プログラムにおきましては、さまざまな取り組みを行う中で歳出の抑制を図ってきたところですけれども、人件費の抑制につきましても、定員適正化計画等に基づき着実に推進した結果を反映しているものと認識しております。 329 ◯議長(大橋和夫君) 9番。   〔9番(徳永ひで子さん)登壇〕 330 ◯9番(徳永ひで子さん) ありがとうございます。これは8億1,000万円が目標ではなかったのでしょうか。3億6,000万円となると、目標を達成しなかったということなのでしょうか。 331 ◯議長(大橋和夫君) 総務部長。 332 ◯総務部長(中嶋 修君) ただいま申し上げました3億6,000万円につきましては、定員の抑制によりましてどれだけ出ているかというのは計測が推計になってしまうのですけど、例えば新人の職員と置き換えた場合にどうなるかという計算ですともう少し額が大きくなるのですが、当初目的としておりました推計との違い、結果としての数字を挙げさせていただいたのですけど、計算上の仕組みとか、そういうものの影響もあろうかと考えております。 333 ◯議長(大橋和夫君) 9番。   〔9番(徳永ひで子さん)登壇〕 334 ◯9番(徳永ひで子さん) わかりました。ありがとうございます。  中項目2番、社会基盤の老朽化に伴う公有資産の有効活用は。  人口の減少と高齢化により、財政運営や年金運用が困難な状況に陥ってきています。そして都市部においては、道路や上下水道、建築物の更新財源の不足によって生ずる老朽化が、都市機能の低下といった問題に発展するおそれがあります。これらの社会基盤の多くは、1950年代後半からの高度経済成長期に一気に整備が進められたため、今後耐用年数を超えるものが急増する見通しにあります。また、これに伴って更新費も急増するため、管理する国や地方自治体の財政を圧迫することも予想され、対応が求められています。  細項目1、公共施設の50年以上経過した割合についてお聞かせください。 335 ◯議長(大橋和夫君) 総務部長。 336 ◯総務部長(中嶋 修君) ただいまご質問いただきましたのは、50年以上経過した施設の割合についてですけれども、公共施設の種類によりましては割合を出すことが困難なため、一部実数のみでお答えさせていただく部分もございますのでご了承いただきたいと思います。  まず、庁舎およびその他の施設の建築物について50年以上経過したものにつきましては、本庁舎の木造別館など10棟ございます。  次に、橋りょうについては、15メートル以上のもののうち50年以上経過しているものは5橋ございまして、その割合は10.1%となっております。  次に、市営住宅については、鷹匠引揚者住宅など59戸が50年以上経過しており、その割合は8.9%となっております。  次に、学校施設については、50年以上経過しているものは鳥居本小学校木造倉庫など7棟でございます。  次に、上水道施設については、大藪浄水場において取水施設の一部など5施設が50年以上経過しております。また、上水道の配水管等については、2,212メートルが50年以上経過しており、その割合は管路施設全体の0.3%となってございます。 337 ◯議長(大橋和夫君) 9番。   〔9番(徳永ひで子さん)登壇〕 338 ◯9番(徳永ひで子さん) ありがとうございます。
     細項目2番です。公共施設の維持・更新などにかかる費用とその確保についてお聞かせください。 339 ◯議長(大橋和夫君) 総務部長。 340 ◯総務部長(中嶋 修君) 議員ご質問のとおり、道路や橋りょう、庁舎などの公の施設は、昭和30年代から昭和40年代の高度経済成長期に建設されたものが多いため、耐用年数を考慮いたしますと、間もなく更新時期のピークを迎える見込みとなっております。  しかしながら、国や地方公共団体の財政は大変厳しい状況にあり、この維持・更新にかかる費用をどう確保するかが近年の課題として取り上げられているところでございます。  平成17年度版の国土交通白書によりますと、国全体でこうしたインフラ資産の維持管理費用や更新費用が今後も伸びていくものと想定する一方で、国や地方の財源が少子高齢化や経済状況の変化から一定割合で減少していくと想定いたしますと、平成32年度(2020年度)を超えた時点で、もはや維持・更新にかかる費用を捻出できないというシミュレーション結果が示されております。  また、ことしの7月の新聞報道によりますと、国土交通省所管のインフラにかかる更新費用は50年間で最大190兆円、さらに学校などの他省庁分を加えますと200兆円に達する見込みであり、今後50年にわたり国・地方を合わせた公共事業費の半分以上をインフラ更新費用に充てなければならないとされております。  本市におきましても、施設の老朽化による修繕や更新費用につきましては、国全体の動向と同様な状況が生じるものと考えておりますけれども、現状では国の補助金や交付金等を取り込めるものについてはその財源を活用するなど、インフラ更新のための財源の確保に努めているところでございます。 341 ◯議長(大橋和夫君) 9番。   〔9番(徳永ひで子さん)登壇〕 342 ◯9番(徳永ひで子さん) ありがとうございます。  3番です。そのような状況を踏まえて、公共施設へのアセットマネジメントの考え方についてお聞かせください。 343 ◯議長(大橋和夫君) 総務部長。 344 ◯総務部長(中嶋 修君) ご質問で取り上げられたような社会資本ストックに関するアセットマネジメントとは、ライフサイクルコストを考慮した効果的な資産管理方法の一つであると理解しております。  例えば国土交通省の資料では、道路構造物のアセットマネジメントについて、「道路を資産としてとらえ、道路構造物の状況を客観的に把握・評価し、中長期的な資産の状態を予測するとともに、予算的制約の中でいつどのような対策をどこに行うかを、最適であるかを考慮して、道路構造物を計画的かつ効率的に管理すること」と定義されており、また総務省が全国65万の橋りょうを対象に今後50年の維持・更新にかかる費用を試算したところ、橋りょうが損傷後に修繕・更新した場合には約41兆円必要ですが、損傷前に計画的に修繕・更新した場合には約23兆円と、事後対応に比べ約18兆円のコストが縮減されるとしています。  このように、最適な時期・規模による投資を行うことにより、ライフサイクルコストの縮減を図ることができると考えられますが、現在、アセットマネジメントを導入している自治体は、保有する資産が多いため導入する効果が大きくなる東京都など大規模な自治体が中心で、規模が小さな自治体では人的・財政的な制約があるため、その導入が困難なものとなっているのが現状でございます。  本市におきましても、既に策定済みの公営住宅ストック改善計画や現在策定を進めている橋りょう長寿命化修繕計画など、個々の施設につきましては計画的な修繕を行うための計画を定めているところですが、市の公共施設全体を対象としたものではございません。こうした現状を踏まえながら、アセットマネジメントについて今後も研究していく必要があると考えておりますので、ご理解賜りたいと思います。 345 ◯議長(大橋和夫君) 9番。   〔9番(徳永ひで子さん)登壇〕 346 ◯9番(徳永ひで子さん) わかりました。ありがとうございます。  中項目3、新たな時代の人材育成戦略についてお伺いいたします。  地域の活力を高めていくためには、地域力の向上が重要であり、行政は効率的な行財政運営に努めながら、自立と責任に裏打ちされた行政力の強化が必要です。地域力、行政力といっても、つまるところ人材育成にかかっています。  細項目1、ITゼネコンに頼るのではなく、これからの自治体にはむだのない真のIT改革が必要であり、そのための特にITにたけた人材の採用・育成へのお考えをお聞かせください。 347 ◯議長(大橋和夫君) 総務部長。 348 ◯総務部長(中嶋 修君) 現在、本市における情報システム運営および管理に関する総括的な業務につきましては、情報政策課がその職務を担っておりますが、所属職員につきましては、地方自治情報センター、国際文化アカデミー、IT関連企業などが実施する専門研修などへの派遣により育成を図っているところでございます。  本市の情報システムは、情報政策課で集中管理する汎用コンピュータでの運用を行ってまいりましたが、近年には業務量の増大、複雑化とコンピュータ技術の進展等に伴い、関係所属へのシステムの分散化やサーバーシステムの導入に変わりつつあります。  これまでの情報政策課の役割は、汎用コンピュータの知識や業務知識を有した上で、日々の運用やメンテナンスが中心であり、職員自らが短期間でプログラム修正等を行ってまいりましたが、今後は庁舎のシステム間連携や共通基盤などの構築・運用面の業務に加え、全庁的な情報化の企画立案が主要業務になりつつあります。  今後はサーバーシステムでの運用がますます進むことが予想され、情報政策課の職員については、システム担当課へのアドバイス、情報システム全般にわたる統括・調整機能が必要であり、さらに専門研修の充実を図ってまいりたいと考えております。また、各課の職員については、一定のコンピュータの知識と当該業務の知識・経験をあわせ持つことが必要とされるため、情報政策課の経験者等を中心として、システム導入課での職場内研修により職員のレベルアップを図ってまいりたいと考えております。  なお、ITにたけた人材に限っての採用については考えてはおりませんが、申し上げたように、本市の情報システムの現状を踏まえまして、採用後の専門研修への派遣などの充実によりまして、ITにたけた人材の育成を図ってまいりたいと考えております。 349 ◯議長(大橋和夫君) 9番。   〔9番(徳永ひで子さん)登壇〕 350 ◯9番(徳永ひで子さん) 細項目2にいきます。地域活性化を立案、実行できる人材の育成をどのようにお考えかをお聞かせください。 351 ◯議長(大橋和夫君) 総務部長。 352 ◯総務部長(中嶋 修君) 地方分権が進展する中、住民に身近な自治体である市町村の役割は今後ますます重要なものとなりますが、市民に対する本市の行政サービスを充実するため、職員は社会情勢や本市の現状、住民ニーズなどの調査・分析をもとに、行政需要に的確に対応する政策の立案や執行に当たる必要があり、そのためには職員の政策形成能力の向上を図る必要があると考えております。  本市の人材育成基本方針においても、職員に必要な能力として政策形成能力を位置づけておりまして、係長級昇任職員を対象として、大学教授の指導のもと、今日的政策課題について自ら課題を設定し、約半年をかけて、5、6名のグループにより調査・研究する政策形成能力養成研修を実施しているところでございます。今年度は湖東定住圏の職員人材育成事業として、1市4町の合同研修で実施しております。4グループに分かれまして、子育て力アップ、地域資源を活かしたまちづくり、高齢者福祉、不法投棄対策の四つのテーマを掲げ、各グループで現在、政策研究を重ねておりまして、12月には具体的な政策提言を行う予定になっております。  また、採用1年目、5年目、8年目、12年目に、階層別研修で行政課題研究、政策形成過程、条例制定などについて、市町村職員研修センターへの派遣研修を、さらに政策形成をテーマとした国際文化アカデミーなど、外部研修機関が提供する専門研修を積極的に活用することにより、地域活性化に向けての人材育成を図っているところでございます。 353 ◯議長(大橋和夫君) 9番。   〔9番(徳永ひで子さん)登壇〕 354 ◯9番(徳永ひで子さん) ありがとうございました。  大項目2にいきます。地域福祉支援体制についてお伺いいたします。  日本は2006年から総人口が減少に転じています。そして目前には2012年問題が、その先には2025年問題が待ち構えています。団塊世代がいよいよ労働市場から引退し、高齢者に大量に突入していくのが2012年問題であり、2025年問題はその団塊の世代が75歳以上になり、総人口に占める65歳以上の高齢者の割合が30%に達し、高齢化のピークを迎えます。  日本経済新聞が2010年5月に行った「理想のついの住みかについて」の調査では、現在の自宅が50.2%、家族や親族が住む家が12.2%、高齢者向け賃貸住宅が16.1%、有料老人ホーム・特別養護老人ホームが11.9%、その他が9.6%と答えているのに、厚生労働省発表資料では、特別養護老人ホームへの入居待機者は42.1万人も発生している現実があります。在宅を支える医療・看護・介護のサポートが十分でないため、本人希望でなく、家族が不安にかられ申し込み、特別養護老人ホーム待機に流れているのが現状です。  ことしの夏大きな社会問題となった地域から孤立化する高齢者が増える中で、地域全体で高齢者を支えるネットワークづくり、在宅で安心して暮らせることができる仕組みづくりは、地域福祉の新しい要請です。以下、質問いたします。  中項目1、安心して暮らせる仕組みづくりは。  細項目1、地域包括支援センターを中心とした地域見守りネットワークの強化についてお伺いいたします。 355 ◯議長(大橋和夫君) 福祉保健部長。 356 ◯福祉保健部長(成宮博和君) 高齢者の皆さんが住み慣れた地域で健やかに生活していただけるように、地域包括支援センターにおいて、総合相談支援、権利擁護、包括的・継続的ケアマネジメント支援、介護予防ケアマネジメントの四つの事業により、介護、福祉、健康医療などのサービスが必要な方への支援を行っており、高齢者が抱える問題に応じて、個々のケースに合わせた適切なサービス利用につなげるために、関係機関との連携づくりに努めているところでございます。  一方、地域における見守り活動は、民生委員児童委員や訪問介護などの介護サービス事業者、認知症サポーターなどのボランティア、老人クラブ、近隣住民や自治会などの活動によりまして、地域住民等による見守りを行っていただいているところでもございます。こうした見守り活動を推進するためにも、地域包括支援センターとの連携も含め、地域で高齢者を支えるネットワークの構築が不可欠であると考えております。  今後、市が策定する地域福祉計画に基づいて、彦根市社会福祉協議会が地域福祉行動計画を策定されることとなりますが、この中で高齢者の地域での見守りのためのネットワークの構築もより具体的になっていくものと考えておりますので、ご理解賜りたいと思います。 357 ◯議長(大橋和夫君) 9番。   〔9番(徳永ひで子さん)登壇〕 358 ◯9番(徳永ひで子さん) 地域福祉計画はいつごろできるのか、それだけ教えていただけませんか。 359 ◯議長(大橋和夫君) 福祉保健部長。 360 ◯福祉保健部長(成宮博和君) 現在、庁内におきまして策定に向けてのワーキング作業を開始する準備をしており、来年度には地域福祉計画の具体的な検討作業に入っていきたいとは考えております。 361 ◯議長(大橋和夫君) 9番。   〔9番(徳永ひで子さん)登壇〕 362 ◯9番(徳永ひで子さん) わかりました。  細項目2番です。地域における見守り、外出、買い物などの生活支援サービスの充実についてお伺いいたします。 363 ◯議長(大橋和夫君) 福祉保健部長。 364 ◯福祉保健部長(成宮博和君) 見守り、外出、買い物などの生活支援サービスといたしましては、訪問介護の介護保険サービスとして支援しておりますし、介護保険サービスが利用できない方は、高齢者の安全・安心を確保する観点から、緊急通報システムと配食サービスを実施しているところでございます。また、民間事業者におきましては、見守りや外出支援、食材の配達、買い物代行、訪問理容等のサービスが提供されております。  このように、今日、高齢者の方が利用していただける生活支援サービスは数多く用意されてきているものと考えておりますが、特に独居高齢者の方におきましては、どのようなサービスがあるのか知らない、サービスの利用方法がわからないといった方もおられることから、こうした方を支援するためにも、実態把握を強化する中で、適切にサービスを受けていただけるようにしてまいりたいと考えております。 365 ◯議長(大橋和夫君) 9番。   〔9番(徳永ひで子さん)登壇〕 366 ◯9番(徳永ひで子さん) わかりました。  細項目3、2006年度の介護保険改正では、小規模多機能型居宅介護や小規模特養、夜間対応型訪問介護などの地域密着サービスなどの取り組み状況とその課題についてお伺いいたします。 367 ◯議長(大橋和夫君) 福祉保健部長。 368 ◯福祉保健部長(成宮博和君) 地域密着型サービスを推進するため、第3期、第4期の介護保険事業計画におきまして、小規模多機能型居宅介護7カ所、小規模特養2カ所、認知症対応型通所介護7カ所、認知症対応型共同生活介護5カ所の介護基盤整備を計画しているところです。  現在まで、小規模多機能型居宅介護につきましては、東、彦根、稲枝中学校区の3カ所、小規模特養につきましては、南、彦根中学校区の2カ所、認知症対応型通所介護につきましては、東、南、稲枝各中学校区の3カ所、認知症対応型共同生活介護につきましては、鳥居本、南、稲枝中学校区の3カ所でそれぞれ整備が進んでおりまして、そのうち認知症対応型共同生活介護につきましては、計画期間中にすべて整備できる予定でございます。  夜間対応型訪問介護につきましては、現在のところ、事業実施している事業所はありませんが、ニーズがあれば働きかけをしてまいりたいと考えております。  地域密着型サービスにつきましては、施設が小規模なために経営面の採算がとりにくいという状況もあり、事業者としては参入を見合わせるような傾向がございます。こうしたことから、計画どおり基盤整備が進みにくくなっているというようにも思われることから、採算性のとりやすい施設整備方策も検討しなければならないと考えております。 369 ◯議長(大橋和夫君) 9番。   〔9番(徳永ひで子さん)登壇〕 370 ◯9番(徳永ひで子さん) 細項目4です。地域ごとに介護・看護スタッフの長期的な需要を描き、計画的な養成に取り組むなど、高齢者が安心して地域で暮らすことができる制度設計についてお伺いいたします。 371 ◯議長(大橋和夫君) 福祉保健部長。 372 ◯福祉保健部長(成宮博和君) 介護保険事業計画により、住民ニーズ調査や将来の高齢者数、要支援・要介護認定者数などの見込みによりまして、地域で必要な介護サービス施設の整備計画を策定しているところです。現在本市にある介護サービス事業所において人材が不足する状態が続いておりまして、各事業所では人材確保が喫緊の課題となっております。  こうした人材不足を解消するため、本市では、地域福祉人材確保事業として、年2回、福祉の職場説明会を開催し、地域で介護や看護の資格を持ちながら介護現場に就職していただいていない方の掘り起こしや介護職に関するイメージアップ事業、さらに離職率の高い就職して年数の浅い方の離職防止のための定着事業に取り組み、介護人材の確保に努めているところでございます。  議員ご指摘のような、長期的な介護・看護スタッフの需給見通しにつきましては、住民ニーズを整備計画に反映することが大変難しい面もございまして、3年をスパンとする介護保険事業計画を策定する際に行う住民ニーズ調査や高齢者人口推計などによりまして、地域で必要な介護サービス施設の整備数を把握し、それにより地域で必要な人材を確保するために、地域福祉人材確保事業を行いながら介護サービスの充実を図り、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らしていただけるように努めてまいりたいと考えておりますのでよろしくお願いします。 373 ◯議長(大橋和夫君) 9番。   〔9番(徳永ひで子さん)登壇〕 374 ◯9番(徳永ひで子さん) わかりました。ありがとうございます。  大項目3、いじめ自殺根絶への取り組みについてお伺いいたします。  10月23日、「やっぱり友達っていいな!」と題した漫画をノートに残し、群馬県桐生市の小学6年の女児が命を絶ちました。それから2週間たって、彼女が通っていた学校による調査結果が明らかにされました。学校は初め、いじめの存在を認めなかった。報告では、複数の子から心ない言葉が投げかけられたこと、一人だけで給食を食べていたことから、いじめはあったと判断。ただ、自殺との関係は明らかでないとしました。小さな心の叫びをどこかでだれかが受けとめられなかったかと、痛みが胸に突き刺さります。  各地で子どもの自殺が続いています。11月22日、札幌市教育委員会などは、同市中央区の市立伏見中学2年の女子生徒が、同日朝、いじめをうかがわせる遺書を残し飛び降り自殺したと発表した。11月14日、千葉県市川市の中学2年の男子生徒が自殺しました。学校側は「原因はいじめとは特定できないが、要因の一つであるという認識は持っている」と苦渋の説明。6月には川崎市の中学3年の男子生徒が、「友人のいじめを救えなかった」などと記した遺書を残し自殺した事件も記憶に新しい。  9月に発表された文部科学省の問題行動調査では、全国の小・中学校が2009年度に把握した児童・生徒の暴力行為は、前年度比2%増の6万913件。初めて6万件を超えていることが明らかになりました。自殺した児童・生徒は前年度より29人増え、中高生165人。また、群馬県桐生市の小6女児の自殺の背景には、クラスが学級崩壊に陥っていた問題が浮き彫りになり、毎日新聞が全国の都道府県教育委員会に学級崩壊について取材したところ、継続的な実態調査をしているのは全国で4分の1に当たる13府県、マニュアルで明確な指針を示していると回答したのは16道府県にとどまっていることもわかりました。  未来ある子どもが死をもって訴えようとしたことは何だったのか。耳を澄まして必死で探らなければならないのは大人の責任であります。彦根市の子どもたちのかけがえのない未来を守るために、以下、お伺いいたします。  中項目1、子どもたちを守るための取り組みについてお伺いいたします。  細項目1、彦根市の小・中学校におけるいじめの実態についてお伺いいたします。 375 ◯議長(大橋和夫君) 教育長。 376 ◯教育長(小田柿幸男君) 彦根市の実態につきましては、平成21年度、小学校で8件、中学校では1件でした。その内容は、ひやかしやからかい、仲間外れ、たたかれる、筆箱など所有物を隠される等でありました。  本年度につきましては、11月20日現在、小学校では6件、中学校では2件の報告を受けております。前年同月に比べ2件増加しており、その内容は、悪口や暴言、仲間外れ、悪ふざけでたたく、からかい等ですが、そのうちの1件は携帯電話のメールで誹謗中傷の内容を友人に送ったケースがありました。  市教育委員会としましては、報告を受けたすべての事案について、その状況をつぶさに把握し、解決および再発防止に向けた適切な指導をしております。どのケースにつきましても、現在のところ、一定解決の方向に向かっているというものの、いついじめが再発するか、また見えていないいじめがないかなど、決して安心することなく継続してきめ細かな見守りを続けるよう、該当校に対して指導を重ねております。 377 ◯議長(大橋和夫君) 9番。   〔9番(徳永ひで子さん)登壇〕 378 ◯9番(徳永ひで子さん) 6件と2件ですが、どのようにいじめという判断をされたのか、生徒からなのか、学校の教師からなのか、その辺をお聞かせいただきたいと思います。 379 ◯議長(大橋和夫君) 教育長。 380 ◯教育長(小田柿幸男君) 例えば先生のところへ訴えに来たとか、保護者から訴えられたとか、生徒でも該当者あるいは友達が先生のところへ訴えにきたとか、そういう詳細は持っていないのですが、大体その辺で把握して、いじめの定義に合わせて取り扱っているということです。ご理解いただきたいと思います。 381 ◯議長(大橋和夫君) 9番。   〔9番(徳永ひで子さん)登壇〕 382 ◯9番(徳永ひで子さん) 文部科学省も、いじめはどの子にもどの学校にも起き得るということを前提として調査を指示したと聞いています。彦根市の実態が本当にこの数字だったらいいと思います。しかしもっといじめが隠れているのではないかという状況。この間の桐生市でもそうです。あれだけ1人で給食を食べていて、泣きながらその子どもが先生に訴えた。その子どもは家に帰って、親にも訴えた。それでその親が学校にまた訴えた。それだけの行動を起こしているにもかかわらず、亡くなったときに、「いじめはなかった」というコメントを記者会見でしているわけです。それで2週間たったら、「やはりいじめがあった。自殺の原因になったかどうかはまた別にして」というような言い方をしていますけれども、結局、実態はたくさんあるのだけれども、把握されている数字が6件と2件ということではないのかと、隠れた部分をすごく心配しています。教育長としては、隠れた部分というのを考えたときに、どのように彦根市の実態をとらえているのか。その辺を聞かせていただきたいと思います。 383 ◯議長(大橋和夫君) 教育長。 384 ◯教育長(小田柿幸男君) 今もご意見をいただいたのですけど、いじめがあって、何らかの行動をしたにもかかわらず対応をしてもらえなかったという問題、いじめられている子どもは先生や親にも恥ずかしくて言えないという現状もあります。しかも学校生活の中で大人が見ている場面ではなくて、登下校や授業との間、そういったすき間の中で深刻ないじめを受けている。そういった中で訴えでにくい。そういう隠れているいじめをどう見抜くかというのは大きな課題としてとらえております。アンケートをしたり、SOSの投書箱を用意したり、教育相談を定期的に受けて話をしたり、一定の行動に少しいぶかしさを感じた場合には保護者に電話して、いろんなことを保護者の協力を得ながらやっていくなど、本当に綿密にやっていかないとなかなか発見できないと思いますので、そういう努力をし続けていきたいと思っております。
    385 ◯議長(大橋和夫君) 9番。   〔9番(徳永ひで子さん)登壇〕 386 ◯9番(徳永ひで子さん) よろしくお願いします。  2番です。子どもたちの発するSOSにどのように反応し、いじめとどのように向き合っているのか、お聞かせください。 387 ◯議長(大橋和夫君) 教育長。 388 ◯教育長(小田柿幸男君) 子どもたちの発するSOSをキャッチする、すなわちいじめの早期発見のために、市内の小・中学校すべての学校で、定期的なアンケートと個別相談を実施しています。さらに、日記や生活ノートにより子どもたちの状況把握に努めるなど、教職員は日常の学校生活において児童・生徒の小さな変化を見逃さないよう、きめ細かに丁寧な見取りを継続しております。  各学校では、いじめについては「どこの学校、学級でも起こり得るもの」、「この対応で子どもが命を落とさないか」を柱に、常に危機意識を持って日常の教育活動に当たっております。さらに、いじめの未然防止を図るべく、子どもたちの自尊感情を育てるために、個々の適正に応じたさまざまな活動・活躍の場を設定するなど、積極的な生徒指導の推進に努めております。また、「正義の感覚に満ちた学級、学校づくり」を目指し、道徳の時間の充実や不正を許さない毅然とした指導を重ねております。  いじめを認知した場合、各学校では被害者を守り切り、ケアすることを最優先に、確実な事実確認、関係者による対策会議の開催、必要に応じて緊急職員会議ならびに警察等関係機関との連携、加害児童・生徒およびその保護者への対応、傍観者を初め学級全体への指導等、市教育委員会作成の「学校対応マニュアル」を活用し解決に当たっております。また、解決した後も、再発防止のために、本人、保護者への確認を継続的に実施しております。  さらに、市教育委員会としましては、先ほどの対応マニュアルや県が作成している「ストップいじめアクションプラン」に示されたチェックリスト等についても積極的に活用し、いじめの早期発見に努めるよう指導しているところでございます。 389 ◯議長(大橋和夫君) 9番。   〔9番(徳永ひで子さん)登壇〕 390 ◯9番(徳永ひで子さん) ありがとうございました。学校の担任の先生が忙し過ぎて、いじめのSOSに対する反応とか、いじめられている子どもさんに対して向き合う時間というのが確保できるのか、その辺が懸念されるのですけれども、担任の先生の事務量の多さといじめに対応する時間的な部分や気持ちの余裕、それはどのように考えているのでしょうか。 391 ◯議長(大橋和夫君) 教育長。 392 ◯教育長(小田柿幸男君) 今ご指摘いただいておりますように、教師は多忙です。でも、各学校でいじめ等、子どもたちの普段の生活の様子を、1週間ないし2週間ぐらいのスパンで、学年部会等を開いて情報交換をします。小学校ですと学級担任ですので、自分のところの子どもですが、中学校では各教科でつないでいきますので、教師がいろんな見取りの中での観察事項を伝えて、「ちょっと元気がないのではないか」、「ちょっとおかしいのではないか」、「こんな発言があった」というように情報交換をしています。  それと、解決の方向については、学級担任に任せないで、より拡大して、学校全体の問題として、校長を初め教務主任、生徒指導も加わって、複数で対応できるように家庭訪問もして、そういう点で薄くならないように努力していきたい、努力をしているところでございます。 393 ◯議長(大橋和夫君) 9番。   〔9番(徳永ひで子さん)登壇〕 394 ◯9番(徳永ひで子さん) 3番です。彦根市の小・中学校における学級崩壊の実態とその対策についてお伺いいたします。 395 ◯議長(大橋和夫君) 教育長。 396 ◯教育長(小田柿幸男君) いわゆる学級崩壊、学級がうまく機能しない状況について、本県・本市においては、毎月、各学校から報告を受け、実態把握に努めております。  今年度6月より、小学校の一つの学級において、数名の児童に対して指導が入りにくく、授業が騒がしくなったり、担任だけでは授業が成立しにくくなるとの報告があります。現在、課題を持つ児童の保護者との連携を密にするとともに、授業の複数指導や国語・算数における少人数指導等により、解決に向けての取り組みを重ねた結果、一定の効果があらわれております。また、毅然とした指導と並行して子どもとの信頼関係を築き、今後も教職員の共通理解のもと、組織としての取り組みを継続し、改善を図っていくとの報告を受けております。  教育委員会としましては、学級崩壊につきましても、先ほど述べました「学校問題対応マニュアル」の学級崩壊への対応をもとに適切な指導・助言をするとともに、各校への訪問時には全学級を訪問し、参観し、気になることについては重ねて指導しております。また、例年実施しておりますいじめについての市教育委員会の調査、特に今年度は相次ぐ小・中学生の痛ましい自殺の報道を受け、新たな調査項目を含めた調査を実施するなど、より高い危機管理意識を持って対応しております。  加えて、全小・中学校への特別支援教育支援員の配置、各中学校へのハートフルサポート指導員、小1すこやか支援員、ふれあい相談員等の配置など、人的な支援またその活用を図って、子どもたちへのきめ細かな指導に当たり、学級崩壊、いじめの未然防止に努めてまいりたいと思っております。 397 ◯議長(大橋和夫君) 9番。   〔9番(徳永ひで子さん)登壇〕 398 ◯9番(徳永ひで子さん) ありがとうございました。  大項目4番、市民の健康を守るために。  中項目1、うつ病対策についてお伺いいたします。  1番、メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合をお聞かせください。 399 ◯議長(大橋和夫君) 産業部長。 400 ◯産業部長(志賀谷光弘君) メンタルヘルス対策に取り組んでいる本市の事業所の割合につきましては、特に市として調査はしておりませんけれども、平成19年10月に国で実施されました労働者健康状況調査におきまして、メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合は33.6%となっております。  また、本年9月には滋賀労働局が県下の事業所規模100人以上の705事業所に対して実施されましたメンタルヘルス対策自主点検結果によりますと、県内におけるメンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合は55.9%となっております。 401 ◯議長(大橋和夫君) 9番。   〔9番(徳永ひで子さん)登壇〕 402 ◯9番(徳永ひで子さん) 2番は割愛させていただきます。  3番、認知行動療法への普及促進へのお考えをお聞かせください。 403 ◯議長(大橋和夫君) 福祉保健部長。 404 ◯福祉保健部長(成宮博和君) 認知行動療法とは、人の気分や行動が物の考え方や受け取り方など認知のあり方の影響を受けることから、その認知の偏りを修正して問題解決を手助けすることによって精神疾患を治療することを目的とした精神療法で、本年4月より保険適用されているところです。  認知行動療法の普及促進につきましては、まず医師や心理職など医療従事職員の臨床的知識や基本技能の獲得が必要であるため、国立精神・神経医療研究センターにおいて、これら職員等を対象に、うつ病や不眠症、薬物依存症などに対する認知行動療法研修が行われております。県内での周知につきましては、滋賀県が精神科医療機関等に文書通知もしているところです。  また、この療法がうつ病などの精神疾患だけでなく、家庭や職場など日常のストレス対処などにも有効であるとのことから、メンタルヘルス対策の一手法としまして、市民や事業所に対してさまざまな機会をとらえて紹介することなどもしてまいりたいと考えております。 405 ◯議長(大橋和夫君) 9番。   〔9番(徳永ひで子さん)登壇〕 406 ◯9番(徳永ひで子さん) 中項目2番、前立腺がん検診についてお伺いいたします。  細項目1、75歳以上の前立腺がん検診の無料化へのお考えをお聞かせください。 407 ◯議長(大橋和夫君) 福祉保健部長。 408 ◯福祉保健部長(成宮博和君) 前立腺がんにつきましては、近年、中高年に増加している病気で、高齢化の影響で死亡数が増加しております。  前立腺がん検診はPSA検査という血液検査で行われておりますが、早期診断のための検査としては有効性があるものの、死亡率減少効果の有無を判断する証拠が不十分ということで、公的資金を投入して行う予防対策としての検診の有効性は確立していないということですので、現在のところ、無料で実施する予定はございません。  しかし、前立腺がんは比較的進行が遅いがんで、排尿回数が多い、尿が出にくいなどの症状を加齢によるものと判断し、医療機関を受診しないことで、早期発見の機会を逃すということがございます。前立腺がんとはどういう病気か、症状、検査方法等の啓発とあわせて、症状がある方は早期に受診していただくように、「広報ひこね」や「いきいき健康ひろば」等を通して啓発してまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りたいと思います。 409 ◯議長(大橋和夫君) 9番。   〔9番(徳永ひで子さん)登壇〕 410 ◯9番(徳永ひで子さん) 中項目3、子宮頸がんワクチン、ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチン接種についてお伺いいたします。  細項目1、子宮頸がんワクチン接種の取り組みと対象年齢、開始時期をお聞かせください。 411 ◯議長(大橋和夫君) 福祉保健部長。 412 ◯福祉保健部長(成宮博和君) 子宮頸がんはヒトパピローマウイルスの感染が原因で発病する病気で、子宮頸がんワクチンを接種することで子宮頸がんを予防する効果があるということから、実施の必要性については認識していたところです。  今回、国が補正予算化されたことから、本市においても国の動きに合わせて実施するものでございます。対象年齢につきましては、国では中学1年生から高校1年生を想定しておりますが、詳細につきましては、現在国において検討中とお聞きしておりまして、厚生労働省が12月中旬に都道府県を対象とした説明会を開催する予定であり、それを受けて決定したいと考えております。開始時期につきましては、国の詳細が決まり次第、速やかに実施したいと考えております。 413 ◯議長(大橋和夫君) 9番。   〔9番(徳永ひで子さん)登壇〕 414 ◯9番(徳永ひで子さん) 2番は割愛させていただきます。  3番です。ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチンの取り組み、周知方法をお聞かせください。 415 ◯議長(大橋和夫君) 福祉保健部長。 416 ◯福祉保健部長(成宮博和君) ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチンは、乳幼児の細菌性髄膜炎の発症を予防するために効果的な予防接種でありますので、ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチンを接種することにより細菌性髄膜炎の90%を予防できると言われております。  これらのワクチン接種につきましても、子宮頸がんワクチンと同様、国の平成22年度補正予算に盛り込まれましたので、本市におきましても今年度から実施するものでございます。  実施方法につきましては、両ワクチンともに、0歳から5歳未満の乳幼児を対象に、それぞれの月齢、年齢ごとに国が示した接種回数を医療機関において接種していただきます。  市民への周知につきましては、「広報ひこね」、ホームページに掲載いたしますとともに、乳幼児健診や予防接種時にチラシを配布いたしまして、説明し周知してまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りたいと思います。 417 ◯議長(大橋和夫君) 9番。   〔9番(徳永ひで子さん)登壇〕 418 ◯9番(徳永ひで子さん) ありがとうございました。 419 ◯議長(大橋和夫君) 13番有馬裕次君。13番。   〔13番(有馬裕次君)登壇〕 420 ◯13番(有馬裕次君) 私は、本会議におきまして、医療と介護の連携についてお伺いしたいと思います。  従来は医療と福祉の連携と言われてきましたが、2012年度の介護保険制度改正に関する意見から、重度の要介護者も自宅で生活できる環境を整える地域包括ケアシステム構築に向け、介護職員らが24時間対応する巡回型訪問サービスを明記。同時に、介護職員によるたん吸引などの医療行為の法制化も盛り込まれようとしております。また、急性期の病院を退院した後、医療介護のニーズの高い利用者や高齢者の増大に伴い、地域におけるチームケアがますます求められております。  12月1日の市の広報紙によりますと、地域医療という欄に「地域医療再生計画と連携して、地域医療の充実を図ります」と書かれておりました。医療の分野については、滋賀県との地域医療再生計画と連携して進めています。地域医療再生計画の実施については、湖東・湖北医療圏地域医療再生計画推進協議会で協議されています。10月22日、同協議会で回復期リハビリテーション病棟施設整備および救急医療体制の充実について事業計画が承認されました。なお、整備費用は滋賀県地域医療再生基金を活用するということですが、回復期リハビリテーション病棟施設整備、豊郷病院ということで、湖東医療圏には回復期リハビリテーション病床がないため、急性期病院退院後の受け皿がなく、適切な回復期リハビリテーションが受けられず、入院期間が長期化するとともに、在宅医療への円滑な移行に支障を来している状況です。  患者中心の医療を実現し、病気が発症した急性期の治療を終えた後、身体機能をできるだけ元のように回復し、在宅で療養しながら生活が送れるよう、それぞれの時期に応じた適切で効率的な医療を提供するため、豊郷病院が回復期リハビリテーション病棟の整備を行います。事業内容、回復期リハビリテーション、病棟、30床新設、開設予定、平成24年6月(予定)、基金活用額3億円という記事が載っておりました。  この急性期病院を退院した後、医療・介護のニーズの高い利用者や高齢者の増大に伴い、地域におけるチームケアがますます求められてきているのに、湖東圏域内には回復期リハビリテーションの機能を担う施設がないため、退院した後の受け皿がなく、在宅医療への重要性と介護の補完性をも求められ、利用者がどんどん増えている。ヘルパーがたんの吸引や胃ろうなどの経管栄養、在宅酸素の取扱や巻き爪の処理、褥瘡の管理などをせざるを得ない場面も直面してきます。  医療行為としては今できないことも、専門性を持たせて、将来的にはできるようにするとの方向性もあり、身体介護の行為の輪も広がっていくと考えられ、地域包括医療・ケアの実践と地域包括ケアシステムの構築および住民のための病院づくりが求められているのではないでしょうか。  中項目1、市民の目線と市立病院の目標の違いというところでお聞きいたします。  外来患者、入院患者の減少については、市立病院関係者は、気持ちの中では、単に医師・看護師不足だけで済ませてはいないだろうか。それ以前に、市立病院利用者は、急性期・回復期・療養期に至るシステムが十分に理解できずにいるのではないだろうか。病院側は概念や数値にこだわり、大きな溝や風評により患者の減少になっているとしか私は考えられませんが、今後地域医療体制の強化を進めるには、退院後のケアがあってこそ、外来・入院患者の減少に歯止めがかかると考えております。  まず細項目1、基本理念に市民などへの思いが込められていないのでは。  市立病院から出ている資料には、必ず基本理念が挙げられています。基本理念は平成6年8月から10回に分けて検討されまして、平成20年7月に一部改定されておりますが、病院の果たす役割が述べられ、病院のあちらこちらに「基本理念」と書いたものがたくさん掲示されております。市民、患者、利用者への思いが込められていないのではないかと、私はそれを見ながら感じます。市民などからそのような意見をお聞きになっていないかどうかを含めて、見解をお伺いいたします。 421 ◯議長(大橋和夫君) 病院長。 422 ◯病院長(赤松 信君) 本院の基本理念のご質問ですけれども、基本理念は、「住み慣れた地域で健康を支え、安心とぬくもりのある病院」というもので、同時にこれを実現するために五つの基本方針というものを定めております。  平成12年4月の策定当初は、基本方針を含めたものを基本理念としておりましたけれども、その後、平成20年に見直しまして、一部文言の修正を行うとともに、基本理念と基本方針を分けまして、現在の形になったものであります。  市民あるいは患者さんの思いが込められていないのではないかというご指摘ですけれども、基本理念の中には「住み慣れた地域」という言葉があります。住み慣れた地域で医療を提供する。そして「安心とぬくもりのある医療を提供する」という言葉を入れております。こういうことの中に、患者さんや利用者の皆さんへの思いを込めたものでありまして、五つの基本方針の中にも、「患者の権利と満足度に配慮した患者中心の医療を提供する」と第3番目に定めております。  さらに平成15年には、「彦根市立病院患者権利章典」を策定し、その中で、患者さんの人格や価値観が尊重されること、良質な医療を公平に受ける権利があることなどを掲げております。  現在までに、ご意見箱とか懇談会の中では、基本理念にかかわる市民の方からのご質問あるいはご提案といったものは寄せられておりません。 423 ◯議長(大橋和夫君) 13番。   〔13番(有馬裕次君)登壇〕 424 ◯13番(有馬裕次君) ありがとうございました。先ほど、「基本理念に関しては市民の皆さんのご意見がない」とおっしゃいましたけども、小川議員の質問の中にもありましたが、高度医療に特化するという言葉が何度も出ていました。「住み慣れた地域で健康を支え」ということなのですけども、市民全体に医療を受けていただきたいということなのでしょうが、「高度医療に特化します。総合的医療センターとして」というのが基本方針の中にも入っております。基本方針の総合的医療センターというのと、高度医療に特化するというのは相反しているような思いを持つのですが、いかがでしょうか。 425 ◯議長(大橋和夫君) 病院長。 426 ◯病院長(赤松 信君) 基本理念を実現するためのより具体的な方針として基本方針を五つ掲げているのですが、その第1番目に、「湖東保健医療圏の総合的医療センターとして高度な医療を提供する」とあります。非常に長い文章になるといけませんから、急性期であるとか、そういう分類までは入れておりませんけど、総合的医療センターというのは、高度な急性期の専門医療を提供するということで、「総合的医療センター」と「高度な医療を提供する施設」ということは矛盾しないと考えております。 427 ◯議長(大橋和夫君) 13番。   〔13番(有馬裕次君)登壇〕 428 ◯13番(有馬裕次君) 先ほどの項目の中に説明も入れましたけども、市民は急性期であるとか、回復期であるとか、維持期であるとか、院長が先ほど総合的医療センターと高度医療に特化するというのは矛盾しないとおっしゃいましたけども、それをすべて市民の方がおわかりになっているかなのですけど、私から言いますと、市民はそのような難しいことはわからない。とにかく住み慣れた地域で、使いやすい病院で診てほしいということです。  佐賀県の多久市にあります病院の基本理念は、「市民から愛され、信頼される病院」と短い言葉で基本理念を持っています。もう一度言います。「市民から愛され、信頼される病院」、これを基本理念にしている病院がありますが、彦根市立病院の基本理念と比べまして、院長先生はどうお考えですか、お聞きします。 429 ◯議長(大橋和夫君) 病院長。 430 ◯病院長(赤松 信君) 愛され信頼される病院という理念は、本院の理念に関しましても「安心とぬくもりのある病院」ということですから、考え方としては同じと考えておりますし、愛され信頼される病院の中にも、急性期であるとか高度な専門医療という内容までは入っていないわけですから、私どもはこういう理念で我々が提供している医療を特徴づけていると考えております。 431 ◯議長(大橋和夫君) 13番。   〔13番(有馬裕次君)登壇〕 432 ◯13番(有馬裕次君) この基本理念は平成7年10月30日に10回の審議を経て発表されたわけなのですけども、そのときは基本となる理念の部分では、「まちづくりの中で病院の役割を積極的に打ち出していく」と出ています。また、「業務の効率化を追求しなければなりません」。もう一つ、「保健福祉施設と綿密に連携して、ぬくもりのあるまちづくり」ということですので、時代背景が大分変わっています。ですから、基本理念を市民にわかりやすい基本理念に変えられたらどうかと思いますけども、その点についてお聞きします。 433 ◯議長(大橋和夫君) 病院長。
    434 ◯病院長(赤松 信君) 理念に掲げております「住み慣れた地域で健康を支え、安心とぬくもりのある病院」ということに関しましては、現時点でも通用すると申しますか、この理念で十分言いあらわせていると考えております。ただし、五つある基本方針の中身に関しましては、これは時代とともに変わっていくということはもちろんございますので、これは大体4年から5年に1回見直しておりまして、平成20年に見直しましたから、それぐらいのスパンで基本方針に関しては議論し、見直すところがあれば見直していくつもりでおります。 435 ◯議長(大橋和夫君) 13番。   〔13番(有馬裕次君)登壇〕 436 ◯13番(有馬裕次君) 平成20年から2年しかたっておりませんけども、相当変わってきているのではないかと思われます。  細項目2番にまいりまして、病院機能評価の地域医療への活かし方についてお伺いいたします。  平成22年度診療の案内や病院年報の冒頭に、病院長の言葉があります。非常に鋭意奮闘されているのが垣間見えているのですけれども、余りにも窮状を訴えておられるのが気がかりです。そうした中、平成22年9月1日の「広報ひこね」で、湖東定住自立圏で行う地域医療体制強化の取り組みの紹介とともに、病院機能評価で高い評価を受けたとの市立病院からのお知らせが掲載されていました。ご説明もありましたが、地域医療にどう活かされているのか、またどう活かそうとされているのか、お聞きいたします。 437 ◯議長(大橋和夫君) 病院長。 438 ◯病院長(赤松 信君) 病院機能評価は、医療機関における医療の質あるいは機能を500余りの項目にわたって第三者の立場で評価するものであります。その中で、地域医療に関連する項目といたしましては、「地域の保健・医療・福祉施設などとの適切な連携を促進する仕組みがある」、「紹介患者の受け入れが適切に行われている」、「地域の医療機関に対して施設や医療機器が開放されている」、「地域活動に積極的に取り組んでいる」などの四つの項目がございまして、いずれも5点満点でいいますと4点の評価をいただいております。  これらの評価を受けたことは、すなわち本院が湖東保健医療圏の中核病院として、圏域における各医療機関の間の連携推進の中心的な役割を果たしているということを評価いただいたものであると思っております。  このように病院機能評価は、それぞれの項目に取り組んだ結果が評価に反映されているもので、申し上げました地域医療に関する項目がさらに高い評価を得られるように今後取り組みを進めて、地域医療に活かしていきたいと考えているところでございます。 439 ◯議長(大橋和夫君) 13番。   〔13番(有馬裕次君)登壇〕 440 ◯13番(有馬裕次君) 市の広報紙には、今、院長がおっしゃっていただいたようなことは掲載されておりません。「患者、家族の相談に応じている」、「ベッド、マットに配慮されている」、「必要な連携機能が確保されている」、ただこの3点を短く書いてあるのです。「今後も湖東医療圏の中核病院として、地域の医療機関と連携を図りながら、水準の高い医療を提供する」とうたっているのですけども、病院のいろんなところが市民に賛意されていないというか、賛同されていないのではないかということを聞きまして、こういう評価されたところをもっと細かく市民に活かせるような具体的な施策があった方がいいのではないかと思います。  病院に掲示されております院長の言葉の中には、「現在のところ、十分には病診連携が進んでおらず」とか、「外来患者様の診察に人手が大きく割かれ、救急、入院、治療、手術などの医療が危機的なほど手薄の状態になっています」、「病院医師不足のため、十分治療ができていない」、「紹介患者様の診療、専門医療、重症の救急医療に限定していただきたい」、このような窮状を訴えられているところがたくさん目について、本当に中核を担う病院かというような、市民への不信感とは言えませんけども、信頼感が薄いのではないかと思っています。あらちらこちらにこのようなことが書いてありますと、別に目を移すところもありませんので、どうしても掲示している文書に目が行くのですけども、そのような窮状を書かれた文書を見ますと、大丈夫かと思うわけです。  3点目へまいります。かかりつけ医と市立病院の信頼関係について、病診連携についてお伺いいたします。  平成21年度はインフルエンザの流行で、内科の地域医療連携室紹介患者の増加、機器導入の放射線科でも患者の増加が見られ、小児科は平成17年度あたりから倍増しております。さまざまな地域診療のしわ寄せが公立病院にも求められている現状。しかし、かかりつけ医から市立病院への評価は決して高くなく、市外の病院紹介もあり、市立病院に勤務した医師との協力体制も十分とは考えられません。今後における地域のかかりつけ医と市立病院との信頼関係について、病診連携を今以上に充実させるにはどのような取り組みが必要とお考えでしょうか。 441 ◯議長(大橋和夫君) 病院長。 442 ◯病院長(赤松 信君) 本院の役割は、主として急性期の患者さんに専門診療を提供するということですので、地域の診療所には本院の専門診療についてのトピックスやスタッフの情報などを、「病院年報」や「診療のご案内」あるいは「病院だより」などいろいろな方法でお知らせいたしまして、連携を強めております。  また、病院や医師会で開催されるカンファレンスあるいは勉強会、医師交流会などに出かけて講演をしたり、顔の見える関係を築くようにいたしております。さらに、地域医療連携室の業務を平日は午後7時まで延長し、土曜日の午前中にも稼働するようにいたしました。このような取り組みによりまして、紹介率は昨年度平均の29.6%から、ことし10月現在では32.9%まで上昇しているところでございます。 443 ◯議長(大橋和夫君) 13番。   〔13番(有馬裕次君)登壇〕 444 ◯13番(有馬裕次君) 先ほど病院に掲示されております院長の文書を紹介させていただきましたが、「1カ月以上の間隔で受診いただいております病状の安定されている患者様には、さまざまな相談や日常の健康管理や診療に応じてくれるかかりつけ医を持っていただくことをお勧めさせていただきます」と最後の文章を閉めているのですけども、果たしてそういうことが必要なのであろうか。とりあえず、この病院に来たいと言って来たわけですから、あとの相談は福祉の方とすみ分けて、行政とか市広報にもやっていただければいいことですので、この辺は行政の方も力を入れて、かかりつけ医とか、そういうものを広報で啓発した方がいいのではないかと私は思っております。  また、診療制限の案内なのですけど、受付のところに必ずあります。神経内科とか整形外科、歯科口腔外科、心療内科で、患者さんは診られません、制限がございますという文書の案内があります。これを見ていますと、先ほど来から、「湖東の中核病院で高度な医療を」、「住民の皆さんに」というのとは少し段差があるような気がしてまいります。  4番目にまいりまして、クレームの原因の解消に向けてどのようにお考えか、お聞きいたします。  市立病院と市民病院の違いは、単に公共と民間の違いだけなのでしょうか。そうではないと考えます。市立病院と市民病院の違いは、単に言葉の違いでとどまらず、病院で働く職員等の患者に接する態度や経営に対する考え方にも影響を与えると私は考えております。例えば長浜市民の多くは、市立長浜病院を市民病院と呼んでいます。病院の案内などはあえて併記しているとのことですが、長浜市民は私たちの病院という思いが強いようであります。  彦根市立病院が彦根市民にとって私たちの病院となるには、クレームの原因の解消が必要ではないかと考えております。クレームの多くは初期対応の悪さが大きな要因です。はっきりと断定させていただきまして、病院スタッフはこの点を理解されていますか。なぜ改善できないのか。委託業者に強く指導できないのはなぜでしょうか。クレームの原因の解消に向けたお考えをお聞かせください。 445 ◯議長(大橋和夫君) 病院事務局長。 446 ◯病院事務局長(長崎隆義君) 病院に対する苦情につきましては種々あるところですが、初期対応となる医事業務に関するクレームについてお答えいたします。  医事業務に関する苦情がカウンターにあった場合は、まず患者さんをお待たせすることがないよう、複数の者での応接や丁寧な説明に努めるようにいたしております。また、そういった場面での接遇をしっかり行えるよう、委託業者独自の接遇研修を実施しているほか、院内を周回して現場チェック等を委託業者側で実施しているところでございます。  さらに、年2回、医事課窓口や診療科受付での業務をテーマに、外来満足度調査を実施しており、患者さんからの評価を日々の業務に活かせるよう努めているところでございます。ちなみに本年7月および11月にそれぞれ3日間実施いたしました調査は、客体数2,000、回収率約95%で、結果は、「あいさつや言葉づかい」、「対応や態度」、「笑顔や表情」の項目では97%から99%の方に「良い」というご回答をいただき、満足度は高いものであると思っております。  しかしながら、こうした取り組みを実施いたしましても苦情が皆無というわけではございません。このため、苦情のあったケースについて、その都度、検証や委託事業者への指示を行っております。そのほか、月に1度、現場責任者ほか、支社の責任者も交えて定例調整会議を開催し、課題の検討、指示事項の改善方法の聞き取りとともに、必要な取り組みなどについて指示をいたしているところでございます。 447 ◯議長(大橋和夫君) 13番。   〔13番(有馬裕次君)登壇〕 448 ◯13番(有馬裕次君) どの辺がクレームの対象になるのか。95%から97%は十分満足だとおっしゃっているのでしょうけども、3%あるいは5%の人がクレームの対象になっている。よく言うクレーム処理のときには、必ずブルーレターというのを参考にするのです。ブルーレターというのは、1通あれば、その10倍の人がそのようなことを思っているということですから、3%、5%といっても、そのほかにもクレームというか、気分を悪くなさっているということなのですけども、どうしてかと思います。  小川議員の質問の「待たせる」ということで、精算のときの「待たせる」はおおむねよかったということなのですけど、初診のときは3番窓口へ行きます。ここはうまくやってくれていると思います。ただ、再診なのです。自動再診機というんですか、あれは後ろの方に係が立っていまして、ベテランの方もいるのでしょうけども、大体新人の方です。「何か困ってそうだったら声をかける」と言っていました。「いかがですか」、「どうですか」とは言いません。「困ってそうだったら声をかける」と言っていました。  一番クレームが多いというか、気分を悪くするだろうと思うのは、内科です。月初め、週初めのときに、やはり並びます。自動再診機で1回受付をしているのに、また内科受付で受付するわけです。そのときに健康保険証の確認とかをするわけなのですけども、大体30分くらい待つのです。病気を診てもらいに来ているのですから、健康な人はいません。やっぱり体の調子が悪い。そんなときに30分も立って待っているのです。「真っすぐ一列に並んでください」というのが、モニターの後ろに張ってあるだけなのです。それは失礼ではないですか。8時半になったら、ドアから出てきて、「おはようございます。お待たせしました」と3人が並んで言いますけれども、それまで20分、30分並んでいるのです。それから「一列に並んでください」という紙を見て、縦にまた並ぶのです。奥の方にも行けませんし、おばあちゃんなんかは疲れて後ろのいすに座るのですけども、ああいうところが職員の感覚なのです。患者さんの立場ではないのです。何度も何度も受付で並ばせる。先ほど言った銀行とかコンビニのレジとは違って、1人ずつ、健康保険証のチェックや番号やら、時間がかかって仕方がないのです。それで何回も何回もクレームで、係に言っているということなのですけど、一度も解消されたためしがないと言っておられましたけど、ぜひそんなところも改善していただきたいと思っております。  次に、5番にまいります。患者の満足度に配慮した患者中心の医療に欠けているのではないかという質問をさせていただきます。  8階緩和ケア病棟を見学することができまして、少々納得ができずに、改めて設備を確認いたしました。余命を認め、穏やかな毎日を過ごす。しかし、病棟の浴室は欠陥だらけで、「開院以来、よくこんなところで」と思われ、残念です。スタッフに「気がついていたか」と聞きますと、「おかしい。変だと以前から気がついていました」というご返事でした。生前にゆっくりとお湯に入り、体を清めて終わりたいと願っている患者さんを、どうしてそういうことを思わなかったのか残念です。この一例からも、市立病院が患者の満足度に配慮した患者中心の医療に欠けているのではないでしょうか。公立病院だからという甘えの体質がなかったかどうかを含めて、見解をお伺いいたします。 449 ◯議長(大橋和夫君) 病院事務局長。 450 ◯病院事務局長(長崎隆義君) お答えいたします。  緩和ケア病棟の浴室につきましては、自力や少しの介助で入浴できる方、あるいは付き添いの家族の方は通常の浴室をご利用いただき、自力で入浴できない方は、同じ階にございます介護浴室を利用いただいており、大変好評でございます。通常の浴室はあくまで自力で入浴できる方のための浴室ですから、介護が必要な方の入浴は想定しておりません。しかし、自力で入浴できない方が、時に通常の浴室に入りたいという希望をされることがあり、緩和ケア病棟では例外的にこういった要望に対応いたしております。こういった場合は、通常の浴室ですから介護が必要となり、看護師が何人かがかりで介助を行うこととなります。ですから、そのことが介助する看護師の負担になるということがございます。議員がご覧になられた浴室は通常の浴室で、欠陥だらけとか、患者に配慮していないといった指摘は当たらないものと考えております。 451 ◯議長(大橋和夫君) 13番。   〔13番(有馬裕次君)登壇〕 452 ◯13番(有馬裕次君) それでは、患者さんが自力で入れる浴室は、8階緩和病棟にあるのですか。ないでしょう。それと、あそこには立位バーがあって、立位バーが遠く離れていて、使い物になりませんよね。一度も使ったことがない。お風呂に入るときは、片面しか出ない。リフトがあるわけでもなし、シャワー用チェアーで、そのまま入れる浴槽でもなし、普通の浴槽というのは、そんなに元気な入院患者さんというのはそうはいないと思うのです。先ほども私が言ったように、「それはおかしい浴室だなと気がついていた」と言うのですから、どうしてそれを認めないのですか。私がおかしい浴室だと思って担当の方に聞きますと、「これは確かにおかしいです」とのことでした。入院患者さんが1人で入れるとか、介護なしで入れるとか、「お風呂っていいな」というような浴槽ではない。さっきも、「公立だからという甘えがあるのではないですか」と言いましたけど、そのとおりの答弁ではないですか。もう一度、気がついたら、ご答弁をよろしくお願いいたします。 453 ◯議長(大橋和夫君) 病院長。 454 ◯病院長(赤松 信君) 緩和ケア病棟の入浴の件ですけど、有馬議員、多分誤解されていると思うのです。介護浴室は8階にあります。1カ所あります。だから、動けない方は、基本的にそこで入るのです。それは各階に1台ずつありまして、そこに属する病棟の入浴希望で動けない方は介護浴室に入るのです。以前の旧病院では介護浴室がなく、看護師がかがんで抱えて入れたりするという状況がありまして、非常に腰に負担がくるということがありました。新しい病院を造るときに、病院施設の見本市、ホスペックスというのですけど、看護師が何十人も行きまして、最もいい介護浴室を選んで、1台500万円ぐらいしたと思うのですけれども、各階に設置して、緩和ケア病棟の患者さんもそこに入って、「非常に気持ちがいい」と好評なのです。だけど、それはあくまで介護浴室ですから、一般の浴室は、あそこは眺めもいいものですから、たまに入りたいという方もおられる。各階はそれをやっていませんけれども、緩和ケア病棟という性格上、一度一般の浴室に入りたいという希望がある場合には、特別にみんなが抱えて入れているという状況なのです。ですから、その辺は誤解のないようにお願いいたします。 455 ◯議長(大橋和夫君) 13番。   〔13番(有馬裕次君)登壇〕 456 ◯13番(有馬裕次君) それでは、家族面会室の隣にあるのは一般浴槽ですか。   (「そうです」と呼ぶ者あり)  介護浴室というのはどこにあるのですか。 457 ◯議長(大橋和夫君) 病院長。 458 ◯病院長(赤松 信君) 介護浴室は、エレベーターホールから入った左手にございます。 459 ◯議長(大橋和夫君) 13番。   〔13番(有馬裕次君)登壇〕 460 ◯13番(有馬裕次君) それでは、一般浴槽は、立位バーが後ろの方にあって使えないし、洗うところもございませんし、一般浴槽にしてもあれは設備的に不十分ではないかと思います。 461 ◯議長(大橋和夫君) 病院長。 462 ◯病院長(赤松 信君) 一般浴室としては全く普通の浴室でありまして、一般の方あるいは少し介助が要る方が入る浴室としては何の不都合もないものと思っております。 463 ◯議長(大橋和夫君) 13番。   〔13番(有馬裕次君)登壇〕 464 ◯13番(有馬裕次君) 向こうのスタッフに説明を受けたときには、「ここです」とおっしゃいましたので、入浴する設備のところはまだ見ていませんので、もう一度見させていただきます。それでも、頭のところからお湯が出ますから、蛇口はここについていますから、そこはやはり違うのではないですか。そんなことはまたちゃんと検証してから、言うようにいたします。  6番にまいります。病院看護の専門性を高めるための介護福祉士の採用をということでご質問いたします。  2010年8月現在で、市立病院の看護師は318人とのことですが、7対1看護にすると50人も不足するのではないかということです。このような看護師不足は、湖東圏域では市立病院だけということです。入院患者が2005年から500人減少しても、看護師不足は続くということなのですけども、看護師のカウントに入らない看護助手は現在51人、メディカルヘルパー(外来)は18人もいますが、今後は多職種連携がポイントであり、いかに医療職と介護職が有機的に結びつくかが地域をつなぐ第一歩ではないでしょうか。排せつ、移乗、体位変換が看護助手の仕事であるならば、ヘルパー資格は介護福祉士が適当ではないでしょうか。アクシデント数も年間36回記録されているようですけども、専門性や患者を在宅生活につなげることにおいても、介護福祉士の採用は喫緊の課題ではないでしょうか。以上のことから、病院看護の専門性を高めるために、介護福祉士を採用することについてのお考えをお聞きいたします。 465 ◯議長(大橋和夫君) 病院事務局長。 466 ◯病院事務局長(長崎隆義君) 介護福祉士とは、日常生活に支障がある人の介護や、その介護者に対して指導を行う専門職の国家資格でございます。病院における具体的な業務は、食事、入浴、排せつの介助などですが、医療行為はできません。  介護福祉士は、療養病床のある病院、老人保健施設、特別養護老人ホームなど、介護を主とする施設が働く場となる職種です。本院は療養病床を持たない急性期病院であり、看護師と看護助手が診療報酬上も認められている職種でございます。また、このような急性期の他病院での採用実績は、調査いたしました範囲では余り例がございません。こういったことから、本院では必須の資格とは考えておらず、まずは入院患者数を増やすための看護師確保が喫緊の課題であろうととらまえているところでございます。 467 ◯議長(大橋和夫君) 13番。   〔13番(有馬裕次君)登壇〕 468 ◯13番(有馬裕次君) 私は最初のタイトルの中で、地域包括、医療と介護の連携と申しましたけれども、介護福祉士の採用というのは、いずれ在宅に戻られる方のマネジメントをする役割も担うわけなのです。先ほど申しましたように、アクシデント数も36回ということなのですけども、気管切開をしたときのたん吸引も今でも看護師や医師の見守りがあればできるということなのですが、地域医療に結びつけるのには、介護福祉士、ヘルパーの採用が必要ではないかと私は提案したものであります。  7番目にまいります。緩和ケア病棟と在宅緩和ケアの連携について。  市立病院8階の緩和ケア病棟は、病床20床、利用率66.7%、平均占床13床、平均在室日数が42.2日で、65歳から69歳の方が多く利用されております。一時退院や軽快退院も2割近く数えられ、地域・家庭に戻ります。ここで必要なことは、病院でのホスピスケアとの連携。在宅ホスピスが必要で、状態が落ち着いていれば在宅、そうでなければ緩和ケア病棟で療養していただくこともあり、その連携が重要になってくると考えております。緩和ケア病棟と在宅緩和ケアの連携についてどのようにとらえているか、お伺いいたします。 469 ◯議長(大橋和夫君) 病院事務局長。 470 ◯病院事務局長(長崎隆義君) がんを告知された患者さんやそのご家族の不安や悲しみなど、心の葛藤ははかり知れないものがあります。そこで、患者さんやご家族から聞き取りし、次にどこでどのように過ごされたいかを医師とともに面談いたします。面談の結果、緩和ケア病棟を望まれれば、専門の医師や看護師のケアを提供いたします。また、在宅緩和ケアを望まれれば、開業医のかかりつけ医での往診などをお願いするとともに、訪問看護ステーションなどと連携し、痛みのコントロールや全身管理などの医療を継続しながら、残された時間を過ごしていただけるよう支援しております。また、必要に応じて地域包括支援センターに相談し、家族の負担軽減も図っております。  このように、一人ひとりのケースに応じて必要なサービスや資源を検討しながら、医療の継続については、入院であれば本院の医師と、在宅であれば開業医のかかりつけ医、訪問看護ステーションと連携を図り、支援に努めているところでございます。当院といたしましては、入院のみならず、在宅でのケアも患者さんにとって重要であると考えております。 471 ◯議長(大橋和夫君) 13番。   〔13番(有馬裕次君)登壇〕 472 ◯13番(有馬裕次君) 重要であるということは認識されているようですけども、病院と在宅というつなぎなのです。軽快退院でもそうなのでしょうけども、退院した後の連携。病院長は病院間の連携パスということをよく言われているのですけども、在宅まで、また在宅から戻る、そういう連携パス。ずっと引き続いた見届けというのは必要ではないかと思うのですけども、ここはどなたがやるのかということも思うのですけども、やはり病院が中心となってということで構成しております。  地域包括ケアシステムによる市立病院の役割についてお伺いいたします。  地域包括ケアシステムは、ハードとソフトを含めた保健、医療、介護、福祉の連携システムであり、施設(医療・介護・福祉)ケアと在宅ケアとの連携で、本来地域で完結型が理想としておりますけども、湖東圏域内では回復期リハビリテーションの機能を担う施設がありません。冒頭に申しましたけども、急性期病院を退院した後の受け皿がなく、在宅医療への移行が課題となっております。先ほどの広報紙の中にもありましたけども、これは喫緊なる課題です。病院を核とした地域包括ケアシステムの必要性をお伺いいたします。  細項目1、市立病院には医療相談室があり、主幹のほか、医療ソーシャルワーカーが3名、ここで退院時カンファレンスをどのようなシステムで居宅介護支援につなげていくかが重要で、ケアマネジャーを呼ぶか、介護職と連携できるかが、医療と生活をつなぐかぎとなります。地域包括ケアシステムは市立病院だからこそ実現可能だと私は考えております。利用者の在宅復帰時に、サービス提供責任者やヘルパーが直接医師や看護師などの医療職と話す機会を増やすなどして現状を踏まえ、医療サポートで医療と介護の連携を図ることはどうでしょうか。デイサービスは余裕がありますけども、デイケアのリハビリサービスを提供する多職種連携というのが共同で必要とされております。今後24時間在宅ケアが2012年度の制度改正で入ってくるとなれば、理学療法士や作業療法士などのチームケアが必要になってきます。病院を核とした地域包括ケアシステムの必要性について、見解をお聞かせください。 473 ◯議長(大橋和夫君) 福祉保健部長。 474 ◯福祉保健部長(成宮博和君) 在宅での介護ケアを受ける場合に、ケアマネジャーが介護保険やそれ以外のサービスとのコーディネートや関係職種との調整を行いますが、市内には24の居宅介護支援事業所と1介護予防支援事業所がございまして、その業務を行っております。その調整に当たりましては、ご本人の病気や治療などの医療機関情報をもとに行うことは重要で、ケアマネジャーは病院や診療所の医師と連携を図っているところでございます。  入院時には、「彦愛犬在宅医療連携シート」を用いまして、入院中の看護に役立つよう、在宅でのお体の状態や介護の様子を医療機関に情報提供しております。一方、退院前には、退院前カンファレンスとして、病院の医療相談室や担当看護師の調整のもと、ケアマネジャーや訪問介護事業者など在宅介護にかかわるスタッフが病院に集まり、ケアマネジャーが医師や看護師から療養上の情報を得ながら、ご本人、ご家族とともに在宅サービスの確認・調整を行っております。  このように医療と介護の連携を含む包括的なケアは必要です。市立病院では、地域医療連携室を通じてかかりつけ医への逆紹介も含めた病診連携や地域と連携をとりながら退院援助が行われておりますし、地域での包括的なケアの調整はケアマネジャーが中心となり、病院や診療所、介護サービス提供事業者等と複合的に連携をとりながら実施しているところでございます。  現在、圏域内に回復期リハビリテーションの機能を担う病棟施設がありませんが、ご指摘のとおり、豊郷病院において回復期リハビリテーション病棟の整備が予定されており、開設されれば在宅復帰が促進され、地域連携クリティカルパス等を用いた急性期から維持期までのよりスムーズな連携体制が可能となるものと考えております。 475 ◯議長(大橋和夫君) 13番。   〔13番(有馬裕次君)登壇〕 476 ◯13番(有馬裕次君) リハビリテーション設備がない、デイケアも今は認知症の方がいっぱい入っていて余裕がないという状況で、本当に喫緊の課題なのですけども、一つ一つが単独で動くよりも、連携して包括的にやるということが重要だと思うのです。医療と介護と福祉と保健が一つになったチームをつくり、やらなければいけない、2012年に改正になりますので早急にやらなければいけないということなので、ぜひお考えいただきたいと思います。  2番目にまいりまして、保健・医療・介護の連携について。  今ほど申しましたが、今年度から脳卒中に係る連携パスが試行されており、病院長も今後さらに大腿骨頸部骨折やがんの連携パスも広がると話されております。これらの取り組みというのは、地域の医療機関が連携するという考え方だと思うのですが、医療のみならず保健や介護との連携についてはどのようにお考えか、お伺いいたします。 477 ◯議長(大橋和夫君) 福祉保健部長。 478 ◯福祉保健部長(成宮博和君) 治療やリハビリ、看護、介護が、状態に応じて、退院後も切れ目なく効果的、効率的に行われるよう、ご本人、ご家族はもとより、関係する多職種の連携や協働は重要です。湖東圏域では、医療機関、地域の開業医、ケアマネジャー、サービス提供事業所、行政等が検討を重ね、平成22年6月から「脳卒中における湖東地域連携クリティカルパス」として、市立病院の患者の皆様を対象に試行的に開始し、11月末現在で42名の方がその対象となっております。  このように、地域連携クリティカルパスは、医療機関同士の連携のみではなく、利用される方の状態に応じて、保健や介護を含めたさまざまな機関、職種と連携をとるようになっているところです。また、市立病院において大腿骨頸部骨折のパスも昨年12月から開始され、パスを活用した退院支援が行われております。件数といたしましては、月4名ほどの方が回復期リハビリ病棟へ転院されておりますし、市立病院を退院し在宅に戻られる方につきましても、多職種が連携して介護サービスにつなげているというところです。  なお、がんの連携パスにつきましては、ことしの5月から開始され、現在1名の方が利用しておられます。この様式につきましては県内で統一されており、病院と開業医の連携が主ではございますが、入退院に際し、在宅医療連携シートの活用や病院の退院調整機能によりまして、ケアマネジャーと地域との連携を図っているところでございます。  こうしたパスにつきましては、まだまだ試行、開始されたばかりですので、医療と介護の連携につきまして、定期的な関係者の会議を開催しておりますので、この中で検討をさらに加え、よりよいものにしてまいりたいと考えております。 479 ◯議長(大橋和夫君) 13番。   〔13番(有馬裕次君)登壇〕 480 ◯13番(有馬裕次君) 先ほど来からずっとご説明していただいていますけども、前に、前にと行っているように私は感じておりますので、ぜひ病院も含めてお願いしたいと思います。  ただ、これは情報の一元化というのが必要になってきます。保健と福祉の切れ目のない在宅ケアの充実というのは、地域包括ケアシステムの要となり、彦根市が行おうとする地域医療連携事業とも重ね、休日急病診療所のシステムの構築、情報の一元化ということが大切になると私は考えておりますが、いかがお考えでしょうか。 481 ◯議長(大橋和夫君) 福祉保健部長。
    482 ◯福祉保健部長(成宮博和君) 地域医療体制の充実を図るために、現在、滋賀県地域医療再生計画に基づく湖東・湖北医療圏地域医療再生計画推進協議会におきまして、休日急病診療所、訪問看護ステーション、歯科や薬剤管理を含めました在宅医療の拠点施設である地域医療支援センターの施設整備につきまして、病院、診療所、行政等の関係機関による検討や協議を重ねているところでございます。地域医療支援センターにつきましては、一元的に患者情報の管理を図り、スムーズな医療機関間の患者の転院や医療機関と介護事業者間の連携が可能になるものと考えておりますが、具体的な内容につきましては今後協議会の中でさらに検討していくこととなりますので、ご理解賜りたいと存じます。 483 ◯議長(大橋和夫君) 13番。   〔13番(有馬裕次君)登壇〕 484 ◯13番(有馬裕次君) いつも福祉保健センターの方に行って、いろいろお話をお聞きするのですけども、地域包括支援センターの中は本当に忙しい。老人介護のところで、地域包括支援センターはもう動いていないのではないかと思われるぐらいなのです。先ほど障害や虐待のことなど、あらゆる問題が地域包括支援センターではあるわけなのですけども、老人医療の方ばかりになってしまって、虐待やそういうようなことがなかなか手が回っていないのではないかと思っております。介護予防のマネジメント業務とか、総合相談支援業務とか、権利擁護業務とか、包括的継続的ケアマネジメント支援業務とか、しなければならない業務がたくさんあるのです。もう少し包括的なシステムが動き出すといいと思っております。  ここで、湖東定住自立圏における福祉分野の取り組みの実現可能性を聞いてみたいと思います。  湖東定住自立圏の具体的な取り組みで、湖東地域リハビリ推進センター事業で、障害者や高齢者、その家族が住み慣れた家庭や地域で、1市4町が共同して、維持期や予防に係るリハビリテーションを中心にきめ細かな提供体制を整備し、リハビリ機能の維持向上による介護予防や自立した在宅生活を促進することは実現可能かどうか、この取り組みについてお伺いいたします。 485 ◯議長(大橋和夫君) 福祉保健部長。 486 ◯福祉保健部長(成宮博和君) リハビリテーション従事者等の資質の向上を図るための研修や相談業務を目的に、平成19年度から平成21年度にかけて、県におきまして二次医療圏域ごとに地域におけるリハビリテーションの支援センターとして彦根市立病院を指定し、事業展開をされてきたところですが、平成22年度からは湖東定住自立圏の共生ビジョンの中で、湖東地域リハビリ推進センター事業として位置づけておりまして、既にこの事業を推進しているものでございます。  その業務といたしましては、1番目に市町が行う介護予防関連事業等地域リハビリテーション実施機関への支援、2番目にデイサービスセンター等地域リハビリテーション従事者に対する実地支援や研修の開催、3番目に福祉用具・住宅改修等の相談に対する助言や自助具開発工房への支援、4番目に管内のリハビリテーションにかかわる会議等に参加し、管内の地域リハビリの課題や解決に向けて連携強化などの検討ということがございます。これら業務を行いながら、リハビリ機能の維持向上による介護予防や自立した在宅生活の促進に向けて取り組んでいるところでございます。既に事業としては実施されているものでございます。 487 ◯議長(大橋和夫君) 13番。   〔13番(有馬裕次君)登壇〕 488 ◯13番(有馬裕次君) 実施されていると言われまして、湖東リハビリセンターへ行きましたら、開店休業状態でございました。「何日ぐらい来ますか」と言ったら、「1週間に2回ぐらい来ますでしょうね」、「先生は」、「市立病院の方へ行っています」、「来たら、だれもいないのですか」、「いない方が多いです」と言ってましたけども、本当に動いているかどうか少し疑問です。ぜひもう1回検証していただきたいと思います。1週間に2回動いているそうなのですけども、それも短時間ということですので、そのように答弁されるのは私としては不思議なくらいです。  さて、認知症対応の専科とその必要性なのですけども、日本の認知症患者は160万人から180万人おられまして、2025年、私が75歳になりますと、330万人。今後ますます増加していく患者、湖東地域でも同様です。しかし、市立病院では平成22年4月より、神経内科の常勤医がいなくなり、嘱託医のみで入院患者を診ておりますけども、外来診療も制限されています。産婦人科では全国的な問題になりましたが、このことにおいても生きる命は同じです。認知症外来の設置も喫緊の課題だと思います。行政を挙げて真剣に取り組むべきではないでしょうか、以下、お伺いいたします。  認知症患者別の支援とケアのあり方なのですけども、全体の約80%近くがアルツハイマー型関連なのですが、またほかの疾患で認知症になる方がおられます。正常圧水頭症という回復可能な認知症もありますが、回復可能な認知症であるとか、認知症疾患別にケアのあり方についても考えていくべきではないかと考えておりますが、見解をお聞きします。細項目1です。 489 ◯議長(大橋和夫君) 病院長。 490 ◯病院長(赤松 信君) 認知症疾患別による支援とケアのあり方というご質問でいいのですね。   (「はい」と呼ぶ者あり) 491 ◯病院長(赤松 信君) 認知症の中で回復可能なものといたしましては、ご質問にありました正常圧水頭症によるものがあります。それ以外に、ビタミン欠乏症によるもの、甲状腺機能低下によるもの、慢性硬膜下血腫や脳腫瘍によるものなどがあります。これらが認知症の中で占める割合は10%未満と言われておりますが、認知症の初期診断においてこれらを正確に鑑別することは重要であり、本院でも正常圧水頭症による認知症という診断がつけば、脳神経外科で治療を行っております。治療によって軽快する認知症はただちに治療し、他の認知症には病状に応じた支援やケアを提供することが必要となります。  また、本院の神経内科では、外来で認知症の診療は通常どおり行っております。 492 ◯議長(大橋和夫君) 13番。   〔13番(有馬裕次君)登壇〕 493 ◯13番(有馬裕次君) 正常圧水頭症なんかは31万人で、年間1,200人ぐらい回復しているということなのですけども、認知症専科の設置についてですが、豊郷病院にはあるそうです。市立病院での認知症の専科の設置が急務だと考えているのですけども、見解をお聞きします。 494 ◯議長(大橋和夫君) 病院長。 495 ◯病院長(赤松 信君) 社会の高齢化とともに認知症の患者が増加しているのは、ご指摘のとおりであります。本院の神経内科は、現在常勤医がおりませんので入院診療を休止しておりますけれども、外来での認知症の診断、治療は従来どおり行っております。医療相談室を通じまして、介護との連携も図っております。  一方、滋賀県では、ことし4月に認知症疾患医療センターとして4施設を認定いたしました。これはいずれも精神科の病院でございます。本院におきましても、神経内科の医師が充足されましたら、認知症の診療にさらに力を入れていきたいとは考えております。 496 ◯議長(大橋和夫君) 13番。   〔13番(有馬裕次君)登壇〕 497 ◯13番(有馬裕次君) 常勤医がいらっしゃらないということなのですけども、市民に対して不安のないように、ぜひ正常な診療体制を整えていただきたいと思います。私も団塊の世代で、いつ何時お世話になるかわかりませんので、ぜひひとつそのときにはよろしくお願いいたします。  3番目へまいります。認知症における病診連携を含めた行政の役割についてお伺いいたします。  市立病院は湖東地域の中核病院としながら、他の病院に頼らざるを得ない現状ですが、市内診療所では適切かつ正確な診療は限られております。これは意見も分かれるところなのでしょうけども、専門医がいるとなれば良とし、地域包括ケアシステムが働きますけども、市立病院が不可能であれば、診療所での診断から在宅ケアまでの病診連携を含めた行政の役割についてのお考えをお聞きいたします。 498 ◯議長(大橋和夫君) 福祉保健部長。 499 ◯福祉保健部長(成宮博和君) 認知症の診療におきましては、市立病院が他の病院に頼っているという事実はございません。毎日、神経内科で認知症の診療を行っております。市内の診療所におきましても、平成18年から滋賀県と県医師会が共同で創設された認知症相談医の資格を取得された医師が19の診療所において21人おられますので、かかりつけ医が認知症の診療、相談に応じるという体制ができつつあります。  また、地域包括支援センターにおきましては、ご家族や医療機関等から認知症に関する相談を受けておりますが、状態に応じ、主治医がおられない場合は、認知症相談医の情報などを提供して受診を勧奨し、受診後には、介護保険制度のサービスを受けていただけるように、介護サービス情報の提供や介護保険認定申請手続の代行などの支援を行っております。  一方、本人・家族、介護スタッフ等から、認知症に関する相談援助や鑑別診断、初期治療や病診連携、保健・介護スタッフとの連携、住民や医療・介護スタッフへの認知症に関する研修会の開催等を行う認知症疾患医療センター事業が、湖東医療圏域では豊郷病院が県の指定を受け、湖東圏域内の医療機関や市町担当部局、介護保険事業所等と地域の認知症医療に関する中核機関として連携をとりながら行われているところです。  認知症における医療を含めた連携のあり方につきましては、保健所と豊郷病院認知症疾患医療センターが中心となった湖東認知症疾患医療連携協議会において、現在検討を重ねているところですのでご理解賜りたいと思います。   (「ありがとうございました」と呼    ぶ者あり) 500 ◯議長(大橋和夫君) 質問を終了します。  暫時休憩いたします。            午後3時00分休憩            午後3時14分再開 501 ◯副議長(渡辺史郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  20番八木嘉之君。20番。   〔20番(八木嘉之君)登壇〕 502 ◯20番(八木嘉之君) 本定例会に際しまして、大きく2点についてお尋ねさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。  まず、第1項目めは、彦根城博物館についてお尋ねいたします。  江戸時代までに彦根藩の政庁をつかさどっていた表御殿を、本市の市制50周年を記念して1987年2月に開館されました彦根城博物館でありますが、開館から既に25年という年月が経過いたします。一帯が国の特別史跡に指定されていることから、建設に当たっては関係者の皆さん方の大変なご苦労とご努力があり、今日を迎えていると伺っております。折しも、来年度は市制75周年を迎えることから、以下、お尋ねいたします。  まず、展示室の展示ケースですが、展示室には4万5,000件にも及ぶお宝の資料が展示されております。しかし、それら展示品が置かれておりますケースの中をよく見てみますと、クロスにしみのようなものがあらわれ、若干の傷みも発生しておりました。また、展示品を照らす照明も発熱量の多い蛍光灯が使われております。お客様の側に立ったディスプレーの改修、展示品に配慮を施した照明器具の改修が必要と考えますがいかがでしょうか、お聞かせください。 503 ◯副議長(渡辺史郎君) 文化財部長。 504 ◯文化財部長(谷口 徹君) 展示ケースにつきましては、ご指摘のように、経年による劣化等が見られます。しかしながら、照明器具の一つをとりましてもコストの面、あるいは新しい器具との交換とか、展示資料の紫外線による退色等の問題、いろいろございまして、今後、展示室の設備に関していろんな視点から調査を進めて考えていきたいと思っています。 505 ◯副議長(渡辺史郎君) 20番。   〔20番(八木嘉之君)登壇〕 506 ◯20番(八木嘉之君) 次に、能舞台から展示室への動線の観点でお尋ねしたいと思います。  彦根城博物館でも能舞台は大変見ごたえのある場所として、来館者の心をぐっと引き寄せる空間の一つであると思っております。しかし、能舞台から展示室への動線を見ておりますと、能舞台使用の際、外気がそのまま展示室の方へ流れ込むなどの問題がないのかどうか。作品保護の観点から、温度、湿度の環境を保つことが大切だと考えます。外気が展示室に容易に流れ込まないように、エアカーテンの設置など工夫を施す必要性についてはいかがでしょうか、見解をお聞かせください。 507 ◯副議長(渡辺史郎君) 文化財部長。 508 ◯文化財部長(谷口 徹君) 能などの鑑賞や発表に際しましては、正面見所や脇見所の壁を開放いたしますので、外気の影響を最小限にとどめるために、展示室と見所との間にスライディングウォール、いわゆる移動壁ですけれども、これを設置するなどの措置をとっております。しかしながら、現状のスライディングウォールにつきましては劣化等がありまして、外気の影響を完全に遮断できる状況ではないと思われますので、まずは現況において外気がどのように流入するのか、あるいは展示品への影響はどうなのか、さらには遮断の方法等についても調査をしてまいりたいと考えております。 509 ◯副議長(渡辺史郎君) 20番。   〔20番(八木嘉之君)登壇〕 510 ◯20番(八木嘉之君) 次に、木造棟に入らせていただきますと、壁、畳、障子などの建具にも、ところどころ傷みが目につくようになってきたとお見受けしましたがいかがでしょうか。これもあわせて見解をお聞かせください。 511 ◯議長(大橋和夫君) 文化財部長。 512 ◯文化財部長(谷口 徹君) 博物館の木造棟は、藩政時代の表御殿の配置図あるいは起こし絵などをもとに、表御殿の奥向きを木造で復元した建物でございます。彦根城博物館を特徴づける重要な施設の一つで、観覧されるお客様に展示品とともに鑑賞していただいている建物でございます。建築後23年余を経過したことによりまして、木造建築の特徴でもございます趣といったようなものがようやくあらわれてきたというようにも感じております。ただ、その反面で、毎日の雨戸の開け閉めなどによりまして、雨戸の敷居等が摩耗してきておりますし、経年等によりまして壁や畳の傷み、汚れといったものも見受けられるようになってきたと感じております。 513 ◯副議長(渡辺史郎君) 20番。   〔20番(八木嘉之君)登壇〕 514 ◯20番(八木嘉之君) 展示室あるいは能舞台から展示室への動線、さらには木造棟ということで、すべてがすぐさま修繕を図らなければならないというような大きな傷みではないにしても、やはり経年とともに改善を要するようなところもあるという認識をさせていただいたところです。  次に、収蔵品の管理状態についてお尋ねしたいと思います。  彦根城博物館には、展示資料に加えて、8万件を超える資料が保管されていると伺っております。博物館にとって、こうした資料はまさに命でもあります。その命を生かし続けるためには、温湿度の管理が極めて大切であり、その源泉が空調設備であると考えます。展示室の温湿度もさることながら、収蔵室の温湿度管理にも万全を期しておられることと思います。開館から25年経過した今、空調設備の状態というのはどのような形で稼働しているのでしょうか、お聞かせください。 515 ◯副議長(渡辺史郎君) 文化財部長。 516 ◯文化財部長(谷口 徹君) 博物館にとりまして、資料を後世に良好な状態で伝えていくということは大切なことで、常に適切な保存管理を行っていくことが最も重要な使命であると考えております。  ご質問にもありますように、その中心的な役割を担っている設備が空調施設であると思っておりますし、実は建築時に、空調の風が直接収蔵品に当たらないようなつつみ空調という方式を採用するなど、空調設備には非常に力を入れてまいりました。  現在、博物館では収蔵品の適切な保存管理を行うため、収蔵庫などの温湿度データを把握し、こうしたデータなどをもとに空調設備を稼働させているところでございます。特に今年度からは、気候による影響の少ない春・秋の時期を除きまして、24時間稼働を行って、収蔵品の保存管理に努めております。また、空調設備を良好な状態で稼働させるために、毎年定期的な保守点検を実施し、その結果などに基づいて必要な修理を行い、空調設備の維持管理に努めているところでございます。  ちなみに、平成20年度と平成21年度の空調設備の修理に要しました費用は、154万円と125万円ということで、近年は毎年のように修理を行い、保全に努めているところでございます。 517 ◯副議長(渡辺史郎君) 20番。   〔20番(八木嘉之君)登壇〕 518 ◯20番(八木嘉之君) つつみ空調というものがどういうものなのか、私は初めて聞きますので、教えていただきたいと思います。 519 ◯副議長(渡辺史郎君) 文化財部長。 520 ◯文化財部長(谷口 徹君) コンクリートの部屋があります。その中に一回り小さい木でできた部屋をつくるわけです。空調の風はその間だけを流れるわけです。そうしますと、木でできておりまして、ちょうど校倉造のような構造になるわけですが、木の間を通って空調の風がゆっくり部屋に入ってくるわけです。ですから、作品に空調の風がダイレクトに当たらないということと、空調の調整をするのがコンクリートと木造の間だけで済むというコスト的な問題もございます。非常に優れた空調設備だと思っております。 521 ◯副議長(渡辺史郎君) 20番。   〔20番(八木嘉之君)登壇〕 522 ◯20番(八木嘉之君) それでは、中項目2番に移りたいと思います。市制75周年を契機に、これからも彦根城博物館に多くのお客様をお迎えして、博物館本来の目的を達成し続けることが大切であると考えることから、以下、お尋ねいたします。  博物館法の第2条に博物館の定義、第12条には登録要件の審査、第14条には登録の取り消しに関することがそれぞれ記されております。第2条の博物館の定義とは、「さまざまな資料を収集し、保管し、展示して」という内容のものであります。保管とは、物品を預かって、傷つけたり失ったりしないように保存管理すること。保存とは、そのままの状態を保ちながらとっておくこと。管理とは、全体を管轄し一定の基準を保つように処理すること、望ましい状態を維持するために全体にわたって取り仕切ることという内容であると理解しております。言い換えれば、何らかの事由で資料の保存管理に問題が生じ、保管できていないと判断された場合は、登録から取り消されるような事態も起こり得るのかどうか、お聞かせください。 523 ◯副議長(渡辺史郎君) 文化財部長。 524 ◯文化財部長(谷口 徹君) 彦根城博物館は、博物館法に定めます登録博物館で、登録博物館の登録取り消しになる要件ですが、博物館資料を有すること、学芸員を配置すること、建物・土地を有すること、開館日数を150日以上にすること、これに反した場合ということになります。したがいまして、現時点では博物館資料の保存あるいは管理状態に関する理由では登録の取り消しには至らないということでございます。今後とも、展示環境および保管環境等の維持あるいは管理に努めてまいりたいと考えております。 525 ◯副議長(渡辺史郎君) 20番。   〔20番(八木嘉之君)登壇〕 526 ◯20番(八木嘉之君) ありがとうございます。  現在、博物館法に定められた基準を満たし、資料の保存・保管・管理といったものによらずとも登録博物館から取り消されることは現状ではないというご答弁であったと思いますが、登録博物館として認定を受けている博物館というのは国内で15%程度です。その認定を受けているうちの1館が彦根城博物館ということで、税制上の優遇措置が受けられ、補助金を受けることができるというメリットがあると思うのですけども、登録博物館である彦根城博物館が直面する諸課題についてはいかがお考えですか、見解をお聞かせください。 527 ◯副議長(渡辺史郎君) 文化財部長。 528 ◯文化財部長(谷口 徹君) 博物館法の第2条の定義に基づく資料の保管あるいは展示は、博物館の果たすべき使命であり、資料の保管、展示環境の悪化というものは、博物館そのものの存在意義が問われる根本的な問題だと考えております。したがいまして、これらの環境悪化につながるような事態になることは避けねばならないと考えておりまして、資料の永年保存を目的とした保管・展示環境のまずは調査を進めていきたいと考えております。 529 ◯副議長(渡辺史郎君) 20番。   〔20番(八木嘉之君)登壇〕 530 ◯20番(八木嘉之君) 建物設備や電気・空調設備などの経年化がさらに進み、結果として、今後多くの資料の品質そのものに影響を及ぼすことがないように、すぐにでも抜本的なリニューアルに向けた実施設計のための予算措置を講じるべきと考えますがいかがお考えですか、お聞かせください。 531 ◯副議長(渡辺史郎君) 文化財部長。 532 ◯文化財部長(谷口 徹君) 彦根城博物館は、先ほども申し上げましたように、建築後既に23年が経過しておりますことから、施設や設備等に劣化が進んでいる箇所が見受けられます。加えて、今日的な需要に即していない面もあると思われます。したがいまして、専門的な観点から、建物や設備等の現況を十分把握する必要があると思われますことから、まずは現況の綿密な調査を実施してまいりたいと考えておりますのでご理解願います。 533 ◯副議長(渡辺史郎君) 20番。   〔20番(八木嘉之君)登壇〕 534 ◯20番(八木嘉之君) 現状の綿密な調査というものが、もしお答えいただけるようでしたら、いつぐらいの時期からそういった調査にとりかかるのか、あるいはもう既に箇所箇所で現状をつぶさに把握しているということなのか、今より一歩踏み込んで現状の調査を進めていくという考えなのか、いずれかをお聞かせいただければありがたいと思います。 535 ◯副議長(渡辺史郎君) 文化財部長。 536 ◯文化財部長(谷口 徹君) 具体的に予算をそう使わないで済むような処置というものは随時やっているわけです。それと当時に、例えば電気あるいは水回りの問題、いろんな専門のスタッフに見ていただかないとなかなか困難だという部分がございます。こういうものを対処療法的な形でやるのではなくて、総合的に調査をして、それに基づいて全体計画をやっていきたいということで、早急にやらせていただきたいと考えております。 537 ◯副議長(渡辺史郎君) 20番。
      〔20番(八木嘉之君)登壇〕 538 ◯20番(八木嘉之君) 「あ、しまった。あのときに」というようにならないように。彦根城を訪れてくださるお客様というのは博物館というのも一つの楽しみにして来られると思います。私も友の会に入っておりまして、友の会主催の勉強会や研修会になかなか行かせていただくこともできないのですけども、行ったときには、能舞台等の雰囲気あるいは木造棟の雰囲気というのは、私自身も心が落ち着くといいますか、安らぐ一つのスペースでもありますので、展示室の資料の保存管理につきましては万全を期していただきたいと思います。今ご答弁いただきました内容でもって、現状認識を十分にしていただいていると理解いたしましたし、今後の改修に向けた考え方についても十分理解いたしましたので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。  次に、男女共同参画計画の策定についてお尋ねしたいと思います。  これはどちらの方を向いてしゃべればいいのか私も悩んでしまうわけです。平成13年に男女共同参画ひこねかがやきプランというものが策定されました。平成19年に1度改定されたプランも、今年度で計画期間が終了ということで、新たに次年度以降の計画策定を手掛けられたところで、議員の我々にも12月から1カ月間の意見公募、パブリック・コメントというものを実施されるということで、その素案について配付いただきました。これからパブリック・コメントをされるわけですから、その内容について、現在策定された素案はあくまでも素案ということで、審議会あるいは協議会といった中で協議がされたものということを十分に踏まえて、以下、お尋ねしたいと思います。  まず、12ページに書かれております「学校と保育の場における男女共同参画教育の推進」よりということで、そこにはこう書かれております。「道徳教育、性教育、技術、家庭科などにジェンダーに気づく視点を取り入れた教育活動の推進」や「保育所、幼稚園、小・中学校の教材や絵本を購入するとき、ジェンダーに気づく視点で選定」とありますが、どのようなものをイメージすればいいのですか、お聞かせください。 539 ◯副議長(渡辺史郎君) 教育長。 540 ◯教育長(小田柿幸男君) まず、ジェンダーについての定義を申し述べさせていただきます。  人間には、生まれついての生物学的性別(セックス)があります。一方、社会通念や習慣の中には、社会によってつくり上げられた男性像、女性像があり、このような男性、女性の別を社会的性別(ジェンダー)と言います。この社会的性別は、それ自体によい・悪いという価値を含むのではなく、国際的にも使われています。社会的性別が性差別、性別による固定的役割分担、偏見等につながっている場合もあり、これらが社会的につくられたものであることを意識していくことが必要です。  続いて、ご質問にお答えします。  学校や保育の場では、お互いの性や個性を尊重し、協力し合う子どもを育てることや、「男だから」や「女だから」といった性別による指導や言動を改める教育を進めているところでございます。  学校保育について幾つかの例を挙げさせていただきます。市内の学校や園では、男女混合名簿の使用や、体操服や上靴、教材等の持ち物について、男子が青色、女子が赤色などというような指定をなくし、自由に選択できるようになっています。また、道徳や性教育等の学習の中で、県が作成した「男女共同参画社会づくり副読本」の活用などを図りながら、男女が互いに対等なパートナーとして、そのきずなを深めていけるよう指導の充実に取り組んでいるところです。また、将来の夢について考える進路学習等では、男の仕事、女の仕事という意識が強かった消防士や看護師なども、性別に関係のない仕事であることに気づかせる指導をしております。また、家事・育児・介護などの仕事は家族全員で協力して担っていくことが大切であるという視点から、中学校の技術・家庭科では、男女ともに木工金工や調理実習を偏りなく学習しております。  また、教材の購入においても、大人自らが性別による偏見や思い込みのない心情で選定を行っています。例えば、教材や絵本においては、内容をよく吟味して、性別による固定的役割分担等が描かれていない内容のものを選定するなどの配慮をしているところでございます。  以上でございます。 541 ◯副議長(渡辺史郎君) 20番。   〔20番(八木嘉之君)登壇〕 542 ◯20番(八木嘉之君) ありがとうございます。私にも息子がおりまして、中学校の教科書を見せていただきました。保健体育ですか、性教育に関する教科書ですけれども、すぐさま彦根市の中でどうのこうのということはないのですけども、自分たちが中学生であったころに性教育の教科書がどうであったのかということを鮮明に思い起こすことができずに申し上げるのもなんなのですが、見ていて、物のような性に対する表現といいますか、私だけが感じるのかもわかりませんけども、見るものによってその感じ方は違うのかもわかりませんけども、そういう中に人間が持つ感情であるとか、理性であるとか、宗教心であるとか、道徳心であるとか、そういったものが教科書だけを見る限りでは伝わってこなかった。人間の性教育というものをそれだけで済まされているのかどうかということは別にして、教科書だけを見ていては、そういったものが自分の中にはイメージとして伝わってこなかったという観点で聞かせていただいた次第です。  また素案でこれから先、平成23年度以降も男女共同参画のかがやきプランの中で、教育の場であるとか、教材や絵本の中にジェンダーに気づく視点という要素が、ほかにもあるのだと思いますけども、どのようにイメージすればいいのかということで聞かせていただいた次第でございます。  次に、「互いの性を尊重し男女の心と体の健康に気づくための取り組み」よりということで、13ページに載っているわけですけども、「性と生殖の健康・権利に関する啓発」や「社会的性別(ジェンダー)の視点から男女の心の健康に気づくための取り組み」とは、具体的にどのようなものですか、お聞かせください。 543 ◯副議長(渡辺史郎君) 市民環境部長。 544 ◯市民環境部長(東 幸子さん) 計画素案の「互いの性を尊重し男女の心と体の健康に気づくための取り組み」における施策の方向として、「性と生殖に関する健康・権利に関する啓発」および「社会的性別(ジェンダー)の視点から男女の心の健康に気づくための取り組み」を掲げております。  性と生殖に関する健康・権利とは、1994年に国際人口・開発会議で提唱された考え方で、人権と性の視点から、妊娠、出産、避妊、その他について、男女の身体的・精神的・社会的なよりよい状態を保障し、子どもを産むかどうか、いつ何人産むかについて、女性が自らの意思で選択できる自己決定権を尊重する考え方であり、このことをしっかりと認識していただくとともに、社会全体に浸透させていこうとするもので、学校における発達段階に応じた性教育の充実や市民への情報提供を行ってまいります。  また、社会的性別の視点から男女の心の健康に気づくための取り組みですが、男は仕事、女は家事・育児に代表される固定的な性別役割分業意識やそれに基づく慣行が依然としてあり、これら男性像、女性像にとらわれることによるストレス等から、心の健康を害したり、自殺に追い込まれたりするケースも生じています。特に自殺者は女性に比べ男性の割合が非常に高い状況となっており、過度の責任や義務を負わされストレスにさらされて、心の健康を害することも関係していると考えられております。このことから、性別役割分業意識にとらわれることなく、多様な生き方や働き方などができるよう、心の健康に関する啓発、情報の提供などを行っていくものでございます。 545 ◯副議長(渡辺史郎君) 20番。   〔20番(八木嘉之君)登壇〕 546 ◯20番(八木嘉之君) 「ジェンダーにとらわれない」という表現がされております。16ページに記載されています。「ジェンダーにとらわれない柔軟な考え方の子どもに育てましょう」や「教育や保育に積極的に参加し、ジェンダーにとらわれない学校や社会にしましょう」とは何を意味するのでしょうか、お聞かせください。 547 ◯副議長(渡辺史郎君) 市民環境部長。 548 ◯市民環境部長(東 幸子さん) 「ジェンダーにとらわれない柔軟な考え方の子どもに育てましょう」につきましては、子どもとのかかわりの中で、「男だから(女だから)こうしなければならない」または「こうしてはいけない」といった、男らしさ、女らしさへのはめ込みではなく、一人ひとりの個性と能力が発揮され、性別にとらわれることなく多様な生き方ができるように育てていこうということです。  また、「教育や保育に積極的に参加しジェンダーにとらわれない学校や社会にしましょう」につきましては、学校や地域の子どもへのかかわり方について、母親だけでなく父親も、また地域全体で積極的に子育てに参加していただくことを期待したものです。  私たち一人ひとりが、身近な家庭や地域からジェンダーにとらわれない柔軟な考え方で物事を見直していくことが、本計画素案に掲げる目指す将来像である「性別にかかわりなく、多様な生き方が認められ、一人ひとりが輝いて生きられるまち彦根」の実現につながっていくと考えております。 549 ◯副議長(渡辺史郎君) 20番。   〔20番(八木嘉之君)登壇〕 550 ◯20番(八木嘉之君) ジェンダーにとらわれないというのは、ジェンダーフリーという意味ではないのでしょうか。この辺が一番大切なところなので、お聞かせいただきたいと思います。 551 ◯副議長(渡辺史郎君) 市民環境部長。 552 ◯市民環境部長(東 幸子さん) 例えば男らしさは、強い、たくましい、積極的、判断力があることなど、また女らしさと言われております素直、優しい、よく気がつく、感情的、そういうものがありますが、人間が社会生活を営む中で、こうあるべき、こうあってほしい、期待されたものであると考えています。それらの社会的性別にとらわれることなく、一人ひとりが自分は自分らしく生きていける社会を目指すためにジェンダーを意識するということで、ジェンダーとジェンダーフリーというのは別の考え方でございます。 553 ◯副議長(渡辺史郎君) 20番。   〔20番(八木嘉之君)登壇〕 554 ◯20番(八木嘉之君) ジェンダーとジェンダーフリーの違いはわかります。ジェンダーフリーとジェンダーにとらわれないというのは、一緒かどうかということをお尋ねしております。 555 ◯議長(大橋和夫君) 市民環境部長。 556 ◯市民環境部長(東 幸子さん) ジェンダーが違うという実態はありますけれども、それは平等であるという考え方でございます。 557 ◯副議長(渡辺史郎君) 20番。   〔20番(八木嘉之君)登壇〕 558 ◯20番(八木嘉之君) 今までの男女共同参画のプランの中でも、社会的性別(ジェンダー)という言葉は目にしておりますし、記載されております。しかしながら、今回の素案の中には、これまで以上に社会的性別(ジェンダー)というものがめちゃくちゃたくさん記されております。これはどのような意図からなのでしょうか、お聞かせください。 559 ◯副議長(渡辺史郎君) 市民環境部長。 560 ◯市民環境部長(東 幸子さん) 平成19年3月に、現在の男女共同参画計画「男女共同参画ひこねかがやきプラン(改定版)」を策定しておりますが、この計画においても、男女平等に係る教育・学習の推進や、男女平等意識の啓発、情報提供等の項目の中で、社会的性別(ジェンダー)の視点に立った取り組みについて記載しているところでございます。  今回の新しい計画素案では、これまでの計画の体系を再整理し、これまで主に2番目、3番目の柱の中に位置づけられていた男女共同参画意識の醸成に係る項目を、「男女共同参画意識の一人ひとりの気づきを広める」とする1番目の基本目標の中にまとめたもので、社会的性別(ジェンダー)が社会的につくられたものであるということを意識して男女共同参画を推進していこうとする考え方については、現在の計画と変わりはございません。  本計画につきましては、彦根市男女共同参画審議会において計画案の検討が行われてきましたが、審議会の議論の中におきましても、社会的性別(ジェンダー)の重要性についての議論はありましたが、その考え方や位置づけ等を変えるものではございませんでしたし、意識的に多用したものでもございません。  なお、さきのご質問にありました「社会的性別(ジェンダー)の視点から男女の健康に気づくための取り組み」につきましては、新たな項目として今回の計画素案の中に追加したものでございます。 561 ◯副議長(渡辺史郎君) 20番。   〔20番(八木嘉之君)登壇〕 562 ◯20番(八木嘉之君) 今回の審議会は、私はホームページで議事録を見せていただきましたが、素案作成までに2回行われているわけです。その議事録の中で、ジェンダーに関しては少し議論がされておりました。「先ほどもジェンダーのこととか意見が出ていましたが、コンセプトと同じく、用語の問題も大変大事だと思います。ジェンダーの視点からでは市民にわかりにくい場合もあります。市民の方には伝わりやすいように日本語を先に示して、ジェンダーとするなどの工夫も必要かと思います」、あるいは、「この中でジェンダーという言葉が使われておりますが、教育現場では国で少し検討があったとかで、取り扱いが明確になっていないように思います。そのあたりは今後方針が出てくればそれに従っていくことになるのかなと思っています」。議事録として記されているのは、ジェンダーに関してはこれだけなのです。  もちろん議論の中でジェンダーというもの、あるいは社会的性別に関してもっともっと深く議論がされたのかもわかりませんけども、私が申し上げたいのは、ジェンダーそのものを否定するものでもございませんし、ジェンダーが国際的に普通に使われている、その意味が何かというのも私なりによく理解しております。ただ、2回の議論の中で、しかもこのメンバーを見ておりますと、ジェンダーというものをややもすれば違った方向に導く運動をされている中心の方とつながりのある委員もいらっしゃるようで、その方は2回とも休まれておりますけども、その方にわざわざ会長がメールで相談されて、そのメールの内容までは議事録からは読み取れませんけども、議事録にも「メールで意見などをお伺いしまして」ということできっちりと記されているわけです。  私が申し上げたいのは、ジェンダーというのは非常に奥が深い。平成17年なんかには男女共同参画の国の基本委員会で、ジェンダーの表現等についての整理ということで、多くの方の意見が出されて、ジェンダーというものに対して整理がされているわけです。国際的にもジェンダーというのはどういう使われ方が正しいのかということで、多くのホームページ、使用例等も記されているわけです。そういう非常に難しい言葉で、市民の方に「ジェンダーという言葉がわかりますか」ということでアンケートをとられたら、「ジェンダーについてはよくわからない」という方が大勢いらっしゃったわけです。にもかかわらず、2回の会議の中で踏まえて、第1回目の計画よりも多く使われているところにすごく違和感を感じたわけです。そこをどのように考えればいいのかということでお尋ねしたところですので、見解があればお聞かせいただきたいと思います。 563 ◯副議長(渡辺史郎君) 市民環境部長。 564 ◯市民環境部長(東 幸子さん) 男女共同参画審議会は、2回ではなく数回開催されておりまして、いろいろな議論がされてきたところでございます。ジェンダーの扱いについても話が出ました。しかし、男らしさや男性役割の重圧、女性らしさや女性役割の開放、そういうものから開放されて自分らしく生きるためには、日常生活の中からジェンダーを意識する必要があるというように考えをまとめてきたところでございます。性別、性差の全面的な否定ではなくて、男女二分法という制約をなくすことというご意見も出ておりました。 565 ◯副議長(渡辺史郎君) 20番。   〔20番(八木嘉之君)登壇〕 566 ◯20番(八木嘉之君) ジェンダーの考え方によって変化があらわれた。これはいい方の変化ですけども、それは今後の変化が期待される。より男女共同参画というものが真に理解されて、正しくそのことが運動として進むということを、ジェンダーの考え方に基づいてその変化があらわれてきているということもあるわけですけども、私は2回と申し上げましたが、数回やられているということで、その点につきましてはおわびを申し上げたいと思います。ホームページの二つの議事録でしか読み取ることができませんでしたので申し上げた次第でございます。ご理解をいただきたいと思います。  では、教育現場は社会的性別(ジェンダー)というものを正しく理解されているのでしょうか。  家庭教育や親教育の原点において、母性や父性のかかわり抜きにして語ることはできないように思います。南中学校ブロックの研修会に行かせていただきまして、小林清八郎先生の講演をちょうだいいたしました。母性・父性はどうあるべきなのか、らしさというものも必要であるというお話でした。そういうことを親として片方で聞く中で、教職員としてジェンダーというものを正しく理解して子どもたちに教育をされているのかどうかという点でお尋ねしたいと思います。 567 ◯副議長(渡辺史郎君) 教育長。 568 ◯教育長(小田柿幸男君) 平成21年10月に内閣府が、全国の20歳以上の男女5,000人を対象に実施した「男女共同参画社会に関する世論調査」では、次のような結果が出ております。男女が平等と答えたものの割合は、学校教育の場で68.1%、自治会やNPOなどの地域活動の場で51.0%、法律や制度の上で44.4%、家庭生活で43.1%、職場で24.4%、政治の場で21.0%、社会通念・習慣・しきたりなどで20.6%となっています。学校教育の場での平等感は高いものになっているという認識をしております。  今なお大人の社会には、性別によって生き方、考え方、役割などを決めてしまう意識や習慣、慣行が存在しております。そしてそれらは知らず知らずのうちに子どもたちの生活習慣、考え方に大きく影響しているのが現状です。男女共同参画社会を実現していく上では、この社会的性別(ジェンダー)の視点で社会制度や慣行を見直していくことが大切であります。  教育現場では、「女だからこうあるべき」、「男だからこうしないといけない」ではなく、その人らしさや人として持つべきよい特質を大切にしようとする気持ちを育て、それを実践に活かせるよう指導しています。また、教職員においては、子どもたちへの指導ともう一つは職場というその両面について研修をしているところでございます。 569 ◯副議長(渡辺史郎君) 20番。   〔20番(八木嘉之君)登壇〕 570 ◯20番(八木嘉之君) 教育長がおっしゃることもよくわかりますし、間違いでも何でもないと思いますけど、このかがやきプランIIの素案を見ていますと、先ほど市民環境部長にもご答弁いただきましたし、そのことはよくわかるのですけども、社会に正しくといいますか、きっちりと浸透していない社会的性別(ジェンダー)、知っている方はもちろん知っておられますけども、そうでない言葉までも教育というところに、「ジェンダーにとらわれない」とか、そういう文言が多く記されておりまして、男だからではなしに、男らしさとか、女らしさとか、すべてのものまでが教育の中で全否定されていくことは許されないという思いで、そういう懸念を持っておりまして、聞かせていただいたわけです。  ジェンダーを取り巻く教育上の問題点というのが、過去から非常に多く取り上げられておりますし、議論もされてきております。この審議会の中にも学校の先生にお入りいただき、十分に議論を見守っていただいているとは思うのですけども、素案が完成して、ジェンダーという言葉がよくわからないままに現場等にも流れて、ややもすれば間違えた教育というものが行われるようでは、非常に危惧される点があるという思いを申し述べまして、若干大声を張り上げて申しわけありませんでしたが、私の質問を終わらせていただきたいと思います。  以上でございます。 571 ◯副議長(渡辺史郎君) 暫時休憩いたします。            午後3時59分休憩            午後4時14分再開 572 ◯議長(大橋和夫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  本日の会議時間は、議事の都合によりあらかじめこれを延長いたします。  17番松本忠男君。17番。   〔17番(松本忠男君)登壇〕 573 ◯17番(松本忠男君) 私は、11月定例会に当たりまして、大きく2項目について一般質問をさせていただきます。市長ならびに理事者の誠意あるご答弁をよろしくお願い申し上げます。  まず、一つ目に、最近の企業の倒産、リストラ、収入が減少するケースが増えております。雇用や収入が不安定化する中、福祉・医療・介護の負担は重くないか。負担というのは経済的な負担もありますし、精神的な負担を含めての負担ということでご理解いただきたいと思います。  中項目一つ目、官民格差、正規・非正規社員、身分保障のない派遣社員等、貧富の差が開く社会に移行してしまいました。福祉という字は、「福」も「祉」も幸せという字でございます。みんなの幸せは昔のことでしょうか。だれもが地域で必要な支援を受け、自立した生活を営む環境を整備することが必要だと思います。その中で、格差社会で福祉はどこへ行ったかについてお伺いいたします。  細項目一つ目、経済状態が厳しく、労働環境が好転せず、失業者増、新規学卒者の就職難、収入源の途絶えた人々が増えております。健康保険に加入しているのか、加入していないのか、わからなくなっております。失業者等の国民健康保険の加入の現状と収納対策についてお伺いいたします。 574 ◯議長(大橋和夫君) 市民環境部長。 575 ◯市民環境部長(東 幸子さん) 我が国では、国民皆保険制度のもと、すべての人がいずれかの医療保険に加入することになっておりますので、会社などを退職され失業した場合、国民健康保険に加入される方や、引き続き退職した職場の健康保険等の任意継続に加入される方、他の保険の扶養家族になられる方もあります。  国民健康保険に加入された正確な失業者数は把握しておりませんが、定年による退職者も含めまして、本年4月から10月までの間で社会保険を離脱されて国民健康保険に加入された方は延べ2,531人おられ、前年同時期と比べて3%増となっております。  また、保険料は前年所得をもとに算定されますので、一般的には失業後の保険料が高額となることから、被保険者の負担を軽減する目的で、本年4月から、倒産・解雇などの非自発的な理由により離職された失業者については、離職日の翌日からその翌年度末までの間、国民健康保険料を軽減する制度が始まりました。  なお、収納対策につきましては、失業等の収入減により保険料の納付が困難な方の場合は、分納等の納付相談に応じております。  以上です。 576 ◯議長(大橋和夫君) 17番。   〔17番(松本忠男君)登壇〕 577 ◯17番(松本忠男君) 前年度の所得によって保険料が決定されますので、収入が途絶えた方の減免措置をよろしくお願いしたいと思います。  次に、2番目に入ります。ここ数年の不況による雇用環境の悪化で、失業による生活保護受給が増加中だとは存じますが、増加中の動向と自立助長の雇用支援についてお伺いいたします。 578 ◯議長(大橋和夫君) 福祉保健部長。 579 ◯福祉保健部長(成宮博和君) 県が最新の基礎データとして出しております本年8月現在におきましては、715世帯、1,161人が生活保護を受給しており、保護率は10.43パーミルで、昨年同月に比べますと、59世帯、69人の増加となっております。世帯類型別の割合では、65歳以上のみの高齢者世帯33%、障害者世帯10%、傷病世帯28%、母子世帯15%、その他世帯14%となっております。  派遣切りや雇用どめ等により収入がなくなり、生活困窮を理由に生活保護を適用した方には求職活動をしていただきますが、自力での求職活動が難しい方につきましては、就労支援員が就労支援プログラムを策定し、本人を初め、公共職業安定所職員、ケースワーカー等を交えた選定会議におきまして、本人の職歴や適正等を聞き取りながら、適合する職業をあっせんする支援を行っております。この就労支援プログラム期限は6カ月間で、就労された場合、終了するわけですが、この間に就職できない場合、さらに就労意欲を確認し、希望に応じプログラムを延長し、就労に向けた支援をしているところでございます。 580 ◯議長(大橋和夫君) 17番。   〔17番(松本忠男君)登壇〕 581 ◯17番(松本忠男君) 生活保護を受けておられても働きたい意欲のある方に、一般の方でも大変雇用環境が厳しい中ですけれども、ぜひともご援助を賜りますようよろしくお願いしたいと思います。  続きまして、3番目、ことしになっていろんな事件が起こっているのですけど、特に悲惨なニュースと言えば、増加し続ける児童と幼児に対する虐待事件です。特にショッキングだったのは、実母が幼児2名を食事も与えず部屋に閉じ込め死亡させた事件だと思っております。ことしは大変猛暑で、閉め切った部屋では地獄絵だったと思われます。なんと悲しくやり切れなく、その虐待に対する怒り、児童の苦しみと絶望を考えますと、涙がとまりません。このような虐待事件を起こさない社会にしなければならないと思っております。幼児と児童の虐待対策についてお伺いいたします。 582 ◯議長(大橋和夫君) 福祉保健部長。 583 ◯福祉保健部長(成宮博和君) 児童虐待の現状ですが、通告件数は平成21年度で60件、今年度におきましては10月末時点で既に41件の通告が入っております。通告内容といたしましては、身体的虐待が18件、心理的虐待が15件、ネグレクトが7件、性的虐待が1件で、特に今年度は近隣住民からの通告が多く、大阪などで虐待死亡事件以降、地域住民の意識が高くなってきていると思われます。  次に、虐待通告が入ってからの対応ですが、受理会議を速やかに開催し、緊急度に応じた処遇検討を行うとともに、児童の安全確認を行っております。特に緊急度が高いケースは、通告受理と当時に子ども家庭相談センターに送致し、児童の一時保護や施設措置を行うなど、初期段階から処遇面において連携し対応しているところでございます。
     なお、緊急性が低いケースにつきましては、月に1度の要保護児童対策地域協議会の実務者会議のほかに、必要に応じ個別ケース会議を開催し、地域の主任児童委員および民生委員児童委員も含めた関係機関が情報を共有し連携をとりながら、保育園や小学校等への児童の見守り依頼、保健師や家庭児童相談室職員による保護者へのアプローチ等の家庭支援を行っているところでございます。  また、これらの対応に加え、虐待防止に向けた取り組みといたしましては、子育ての孤立化を防止するという観点から、子育てひろば事業や虐待防止シンポジウムの開催などにより、虐待防止への理解および通告への協力を広く市民の皆さんに周知しているところですので、ご理解賜りたいと存じます。 584 ◯議長(大橋和夫君) 17番。   〔17番(松本忠男君)登壇〕 585 ◯17番(松本忠男君) いろいろとご努力ありがとうございます。発見することがまず一番だと思います。先ほど言いました地域の方々の目、保育園・幼稚園・小学校など児童と幼児とのかかわりの部門で早く発見され、そういうようなことでご指導いただければありがたいと思います。また対応につきましても善処していただくようお願い申し上げます。  続きまして、4番目で、老人クラブへの加入者の減少、老人連合会からの脱会が進んでおります。価値観の多様化、地域のきずなの希薄化等、原因は多々あると思いますが、長年の体験を活かし、後進の指導を行う中、社会貢献をされております。特に健康・友愛・奉仕の理念を持って、生きがいのある高齢化社会の構築は大切なことです。老人クラブの発展は活気ある社会をつくる一翼を担っておられると思います。老人クラブの弱体化を防止するため、行政の老人会の組織率低下対策と支援についてお伺いいたします。 586 ◯議長(大橋和夫君) 福祉保健部長。 587 ◯福祉保健部長(成宮博和君) 地域を基盤とする老人クラブは、健康・友愛・奉仕の三大理念のもとに幅広い活動をしておられますが、本市といたしましては、高齢者が健康で生きがいのある生活をしていただける活動やボランティア活動等の地域へ貢献される活動を支援するために、補助金交付やさまざまな情報提供の支援をしているところでございます。  一方、近年、全国的に会員の高齢化や会員数の減少による活動の停滞といった課題に直面されているということも認識しております。これには、役員の担い手不足や老人クラブ以外にも活動できる組織が増加したこと等によりまして、若手高齢者の方が加入されないといったことが原因としてあると考えております。  しかしながら、高齢者の方が望む地域社会は、安全で住みよい地域、孤立しない人間関係の豊かな地域でもあることから、高齢者相互の連携や生きがい活動の活性化につながる場として、老人クラブが魅力ある事業展開や弾力的な組織運営に努めていただく必要があると考えており、そうした活動に対する支援をしてまいりたいと考えております。 588 ◯議長(大橋和夫君) 17番。   〔17番(松本忠男君)登壇〕 589 ◯17番(松本忠男君) ますます高齢化社会が進んでくると思います。そういう中で、老人クラブや連合会からの脱会ということが進まないようなご支援をよろしくお願いしたいと思います。  次に、2項目めに入ります。病院関係に入るのですけど、病院関係は9月の代表質問もありましたし、私の前にも2人の方がご質問されています。どうしてこんなにたくさん出てくるのかと心配しつつも、別の観点から質問をさせていただきたいと思います。  平成21年度の病院事業会計に、市民の血税である一般会計から約12億円が繰り入れられております。12億円の多寡は問題といたしません。例えば株式会社ならば株主がおり、株主は投資者であるので優遇されております。市立病院の会計に一般会計が入っているということは、市民が投資しているので、市民が優待されるべきだと私は考えております。そういうような立場から院長の話を聞いておりますと、短絡的に物事をとらえれば、高度医療以外の簡単な病気というのでしょうか、軽い病気というのでしょうか、それを診るということは市民の損失という言葉で表現されておりますし、医師は外来より手術の方を重点的にすべきだと。一応理解はできるのですけど、市民の方にとってみれば、どのようなとり方をされるのか、その辺に疑問を感じますので、彦根市立病院の医療は市民ニーズに合っているかという問題点についてお伺いいたします。  改革プランの実施に取り組まれ、粛々と努力されていることに敬意を表するとともに、感謝は申します。経常収支比率は97.5%で、平成21年度の純損失は約2億円です。平成21年度末未処理欠損金額は約92億円と多額になっております。増収対策、費用削減対策に取り組まれておりますが、どうすれば単年度収支が黒字になるのか。市立病院経営の損益分岐点についてお伺いいたします。 590 ◯議長(大橋和夫君) 病院事務局長。 591 ◯病院事務局長(長崎隆義君) 損益分岐点は収益と費用の均衡点であり、その算出に当たっては、費用を変動費と固定費に分けて計算いたします。平成21年度決算に基づき算出した当院の損益分岐点は約92億円で、経常収益がこの額になれば経常収支の均衡がとれることとなります。平成21年度の経常収益は86億円8,000万円でしたので、あと5億2,000万円の収益が必要ということになります。 592 ◯議長(大橋和夫君) 17番。   〔17番(松本忠男君)登壇〕 593 ◯17番(松本忠男君) 先ほども説明しましたとおり、増収対策もとっておられますし、費用の削減も平成21年度に取り組まれて、経常収支比率が97.5%に上昇して、努力されていることには感謝しているわけですけど、今、5億円という金額をお示しになったのですけど、どのような処理をされたらその分岐点に到達されるのですか、お伺いいたします。 594 ◯議長(大橋和夫君) 病院事務局長。 595 ◯病院事務局長(長崎隆義君) 現在実施いたしております病院経営改革プランを着実に実行していくということです。ちなみに試算いたしますと、5億2,000万円を単純に入院収益だけで補おうという形で申し上げますと、平成21年度の入院収益の決算額をベースに考えますと、前より10人ぐらい1日当たりの患者数が増えると大体損益が均衡するという形になるということです。 596 ◯議長(大橋和夫君) 17番。   〔17番(松本忠男君)登壇〕 597 ◯17番(松本忠男君) 私の記憶によりますと、入院単価は1日4万3,000円で、入院者数は平成21年度が322人。そうしますと、1日平均が27、28人だと思います。そこに10人加えますと38人で、38人に1日単価の4万3,000円を掛ければ5億2,000万円が出るということですか、そのように判断してよろしいのでしょうか、お伺いいたします。 598 ◯議長(大橋和夫君) 病院事務局長。 599 ◯病院事務局長(長崎隆義君) この試算で、先ほど10人と申し上げた場合の単価につきましては、昨年度は4万3,000円でしたけれども、診療報酬の改定等がございまして、10月までの単価の4万6,500円で計算いたしております。それで大体320人でした。それを330人まで1人当たりの入院患者を上げれば、損益が均衡点を迎えるという試算でございます。 600 ◯議長(大橋和夫君) 17番。   〔17番(松本忠男君)登壇〕 601 ◯17番(松本忠男君) では、入院患者の方でご努力いただきますよう、よろしくお願いしたいと思います。  続く項目に入りたいと思います。医療保険制度の混合診療禁止のルールがあります。保険のきかない治療費が増大しております。また、そのルールの例外が、差額ベッド代、高度先進医療、紹介状のない初診料の選定療養費で、混合診療で認められています。しかし、保険制度の枠外の保険のきかない部分がありますので、市民の立場で考えれば、患者の負担が高くついています。保険外の治療は貧しい方には受診できないのでしょうか、お伺いいたします。 602 ◯議長(大橋和夫君) 病院事務局長。 603 ◯病院事務局長(長崎隆義君) 保険適用されない治療といたしましては、インプラントと呼ばれる人工の歯をあごの骨に埋め込む治療、美容のためのレーザー治療などがございますが、これらは患者さんからのご希望により実施するものであり、治療に際しては保険適用がされず、全額自費となることを説明の上実施いたしております。したがいまして、患者さん側にその治療を受けるかどうかの選択権がありますので、そのときには経済的な負担を考えられて希望されるものと思っております。  歯の治療の場合であれば保険適用がされる診療もあるわけで、当院は保険診療指定医療機関でありますから、患者さんには保険診療か自費診療かの選択をしていただくことができるわけです。このように、患者さんは経済的な負担をお考えになって受診されているものと判断しておりますので、ご理解をお願いいたします。 604 ◯議長(大橋和夫君) 17番。   〔17番(松本忠男君)登壇〕 605 ◯17番(松本忠男君) 市民の公平性の面から見れば、個人の私費の医療費の増大は避けなければならないと思います。  1点だけお聞かせ願いたいのは、高度先進医療の保険適用外はどのような部分があるのか、お教え願えればと思います。 606 ◯議長(大橋和夫君) 病院長。 607 ◯病院長(赤松 信君) 保険適用外の高度先進医療ということになりますと、例えばロボット手術とか、そういうことになると思いますけど、本院では高度先進医療の中で保険適用外の診療は行っておりません。 608 ◯議長(大橋和夫君) 17番。   〔17番(松本忠男君)登壇〕 609 ◯17番(松本忠男君) ありがとうございます。やっていないということですので、次の問題に入っていきたいと思います。  次は、DPCで医療の行為はほとんどが包括され、1日当たりの定額制になります。従来の出来高方式の費用より高額になっています。DPCの採用は病院の収入にはプラスですが、DPC、診断群分類別包括評価医療費請求は患者負担増になっていないかということについてお伺いいたします。 610 ◯議長(大橋和夫君) 病院事務局長。 611 ◯病院事務局長(長崎隆義君) 当院では、平成21年4月の診療分からDPCを導入いたしております。DPCとは、ご質問にもございましたように、診断群分類別包括支払制のことで、入院だけに適用されるものでございます。診療報酬は、従来、診療行為ごとに積み上げる出来高払い制でしたが、平成15年から制度が始まりましたDPCは、病名や診療内容に応じた1日当たりの定額の診療費を基本として計算する方法でございます。ただし、手術やリハビリなどは出来高払い制が適用されます。  患者さんにとっては過剰な検査や投薬が行われない、また診療が標準化され、医療の質が担保されるなどの効果があると言われておりまして、病名により異なりますが、DPCは必ずしも患者さんの負担増につながるものとは言えないと思っております。 612 ◯議長(大橋和夫君) 17番。   〔17番(松本忠男君)登壇〕 613 ◯17番(松本忠男君) DPCの理解力について、私は病院関係者ではないので詳しいことはわからないのですけど、私の持っている知識だけで言えば、入院した場合、DPCと出来高制というのは病院によって選択できるものなのかということを疑問に思っています。出来高制というのは、自分に治療されたものに対して費用を支払うものですけど、DPCは1日の定額制ですので、されていないことについても定額ですので、その辺にものすごく疑問を持っておりますし、薬品の件につきましても、後発医薬品を使えれば薬品を安く入手でき、逆に高く患者さんに売れる。一般の商売ですと、仕入れは安くて、高く売れれば、立派な商売だと思っています。ただ、病院の経営において道徳的な面から考えれば、安い医薬品を仕入れて、入院患者に高く売るということについて疑問がありますので、その点、ご意見がありましたらよろしくお願いいたします。 614 ◯議長(大橋和夫君) 病院長。 615 ◯病院長(赤松 信君) DPCというのは1日当たりの包括です。手術やリハビリ、処置などは包括に出来高としてプラスされるわけなのです。投薬とか、検査とか、レントゲンとか、そういうものがひとまとめになっておりますので、高い検査をやりましても定額、高い薬を投与する必要があっても定額、そしてもちろん安い薬を投与する場合も定額ということで、プラスになる場合も、マイナスになる場合もございます。現在は調整係数ということで、出来高払いによる収入を保障する制度がついておりますけれども、これは数年のうちに廃止されることになりますので、必ずしもDPCがプラスになる、すなわち患者負担が多くなるということではございません。  例えばよく行われております白内障の手術なんかは、出来高払いに比べるとDPCは収入としては減額になりました。高度な医療、手術などを行う場合には比較的プラスになっているということが多いです。 616 ◯議長(大橋和夫君) 17番。   〔17番(松本忠男君)登壇〕 617 ◯17番(松本忠男君) 今日の院長のお話は一応理解しておきます。  次に、4番へいきます。看護体制7対1の場合、入院患者の抑制にならないか、負担は増えないかということなのです。看護師不足ですので、病院の運営が大変厳しいことは存じております。その中で看護師の労働環境の改善、患者対応の充実などで看護体制7対1をとられたと思いますけど、病院も増収になり、患者もその体制で大変ありがたく思っておられると思いますけど、反面、それで入院患者が抑制されたり、負担増になっていないかということに気づきましたので、その点についてお伺いします。 618 ◯議長(大橋和夫君) 病院事務局長。 619 ◯病院事務局長(長崎隆義君) 看護体制7対1で入院患者が少なくなるか、患者さんの負担増にならないかというご質問でございます。看護師数によって受け入れられる患者さんの人数というのが、7対1の基準によって決まってまいりますので、看護師が不足いたしますと、入院に制限を加える必要があるということです。また、入院患者1人当たりの診療報酬のアップによりまして、患者負担は確実に増加いたしますけれども、同時に、提供する看護サービスというのは手厚くなってくると考えております。 620 ◯議長(大橋和夫君) 17番。   〔17番(松本忠男君)登壇〕 621 ◯17番(松本忠男君) おっしゃったとおり、7対1になりますと、入院患者数が制限されてくると思います。今年度も330人という患者を受け入れるということですので、7対1で進みますと、看護師を何人募集すればということも決定されてきますので、ぜひともその辺の努力をされることをお願いするとともに、患者にもメリットはあるのですけど、患者負担が上がるということもありますので、上がった分だけの効果、費用対効果があるようによろしくお願いしたいと思います。  次に、中項目3番に入ります。介護保険の素案ができまして、保険料は全国平均で5,000円を超えるという試算がされております。それを超えないように、利用者負担増と給付の削減方法が提示されております。家族は介護から開放されるのが幸せなのですけど、なかなか開放されませんし、住み慣れた地域で暮らせるかどうか大変不安で、介護サービスの不公平化がないかについてお伺いいたします。  一つ目、介護の総費用がこの10年間で約2倍に増えましたが、サービスを利用していない人が見受けられます。介護保険を使いやすいものにするために、介護を必要な人が利用していない原因と対策についてお伺いいたします。 622 ◯議長(大橋和夫君) 福祉保健部長。 623 ◯福祉保健部長(成宮博和君) 地域包括支援センターや在宅介護支援センター職員が、高齢者の健康状態のチェックや総合相談のために訪問した際、介護サービスが必要であると思われる方でサービスを利用されていない方もおられます。利用されない原因はさまざまで、主なものは、介護保険制度について理解しておられない場合、経済的な理由の場合、さらにヘルパーなどの他人の方に家の中に入ってほしくないといった方や、デイサービス等で大勢の方と接したくない方、本人の性格やうつなどの精神的な病気でサービスを拒否されるといった場合がございます。  介護保険制度について理解していただいていない場合につきましては、詳しく制度の説明をさせていただいて介護サービスの利用につなげたり、経済的な理由の場合には生活保護の相談をするなどによりまして介護サービスを利用していただいているところでございます。一方、サービスの拒否をされる場合には、地域包括支援センターや在宅介護支援センターの職員が訪問を重ねて、説明や説得をしたり、介護サービス事業所での体験をしていただいたりするなどにより、ケースに応じて関係機関の職員と一緒に説得するなど、必要な方に必要な介護サービスが受けられるように取り組んでおります。今後とも関係機関との連携を図り、努力してまいりたいと考えております。 624 ◯議長(大橋和夫君) 17番。   〔17番(松本忠男君)登壇〕 625 ◯17番(松本忠男君) 原因についてお聞かせいただいた中で、理解をされていない方は理解するようにということでしたし、経済的なことで受けられないという方もおられますけど、保険料は支払っておられますので、何とか経済的な援助で介護を受けていただくとありがたいと思いますので、その辺よろしくお願いしたいと思います。  2番目、介護施設が満杯で、特に認知症の方は簡単に受け入れられておりません。長く生きていてはいけないのかと考えられる老人が増えているように思われます。家族に迷惑をかけるばかりで、介護保険の理念はどうなっているのでしょうか。特に精神病院で一生を送られる認知症の方がおられるということですので、精神病院で一生を終わるのは気の毒だと感じておりますので、認知症のお年寄りの行き場所についてお伺いいたします。 626 ◯議長(大橋和夫君) 福祉保健部長。 627 ◯福祉保健部長(成宮博和君) 認知症の方は住み慣れた家庭や地域で日常生活を営んでいただくことが大切であることから、生活の支援が必要な方には、介護保険のホームヘルプサービス等の在宅サービスを利用いただいているところでございます。また、地域において、認知症について正しく理解し、認知症の方やその家族を温かく支えていただける多くの応援者の力があれば、安心して暮らしていただくことができることから、全国各地で取り組まれておりますように、認知症の方とその家族の応援者となる認知症サポーターの養成にも力を入れているところでございます。  あわせて、認知症状の有無にかかわらず、高齢者の方が気軽に過ごしていただける施設として、老人福祉センターや宅老所などのご利用をいただいているところでございます。特に介護保険の要介護認定を受けておられる場合には、デイサービスセンターや小規模多機能型居宅介護支援事業所などの施設が利用できますし、その中でも認知症の診断を受けた方については、認知症対応型のデイサービスセンターやグループホーム等の利用もしていただけるところです。  今後も引き続き、行政や介護サービス事業者、医療機関等が連携を図り、認知症高齢者の方の在宅生活をさらに支援してまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りたいと思います。 628 ◯議長(大橋和夫君) 17番。   〔17番(松本忠男君)登壇〕 629 ◯17番(松本忠男君) どうか部長さん、認知症の方が健やかに住み慣れた地域で一生を終えるような施設で、ご協力賜りますようよろしくお願いしたいと思います。  続きまして、大項目2、公共物の多目的化についてお伺いいたします。公共物をいろんな角度から見直して、老若男女、多くの市民が利用される施設をということでお伺いしたいと思います。  一つ目、高齢者向け多目的公園にしよう。公園がたくさんあるのですけど、それを高齢者用にしたらどうかという簡単な質問です。  公園の遊具は子どもが遊ぶものばかりでしたが、最近、高齢者向けの健康遊具が広がってきたように聞き及んでおります。背もたれがそっているベンチや柱にバーがついたものが設置され、筋力トレーニングや柔軟体操に使われているようなことです。遊ぶだけではなく、背を伸ばしたり、ぶら下がったり、体を鍛え、バランス感覚の維持・向上や転倒防止の公園施設があるとのことですけど、彦根市内の健康遊具の推進についてお伺いいたします。 630 ◯議長(大橋和夫君) 都市建設部長。 631 ◯都市建設部長(寺嶋 勲君) これからの高齢化社会に向け、都市公園の整備におきましても、長寿福祉社会への対応ということで、高齢者の健康増進を考慮した施設整備が求められております。現在、市内のどこの公園の多目的広場におきましても、平日、休日を問わず、グラウンドゴルフなどで多くの高齢者の方々に利用していただいているところでございます。  ご提案の健康遊具につきましては、現在、金亀公園のふれんどりーの里にトリムコースとして数基の健康遊具を設置しているほか、庄堺公園や千鳥ヶ丘公園にも設置しております。このような健康遊具は、特に高齢者が手軽に各種の運動が行え、楽しめる施設であることから、今後の新たな公園整備や既存施設の更新時の参考にしたいと考えておりますので、ご理解をよろしくお願いいたします。 632 ◯議長(大橋和夫君) 17番。   〔17番(松本忠男君)登壇〕 633 ◯17番(松本忠男君) ありがとうございます。先進的に市内の2公園に設置されているということですので、各所、たくさんの公園がございますし、都市公園もたくさんありますので、身近な公園まで進んでいけばありがたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  2番目、少子高齢化で高齢者の利用が増えております。バリアフリー、手すり、洋式トイレ、身障用トイレなどを弱者用に改修することについてお伺いいたします。 634 ◯議長(大橋和夫君) 都市建設部長。 635 ◯都市建設部長(寺嶋 勲君) 公園施設の整備につきましては、平成18年のバリアフリー新法の施行に伴い、平成20年にバリアフリー化の基準である都市公園の移動等円滑化整備ガイドラインが定められたところでございます。市内の公園のトイレには、この基準に適合していないものがありますが、現在、老朽化や水洗化の改修にあわせ、基準に適合するよう整備を順次図っているところでございます。今後も高齢者や障害を持った方々が安全に利用していただけるよう、順次改修を図ってまいりますので、ご理解をよろしくお願いいたします。 636 ◯議長(大橋和夫君) 17番。   〔17番(松本忠男君)登壇〕 637 ◯17番(松本忠男君) 昔から、果報は寝て待てということでしたけど、私もあせっていたのですが、お願いしたいことがあります。長年待っていました地域の願いですし、待望の下水道もその周りに完成しました。稲枝のふれあい広場の便所も完成待ちであり、旭森公園は順番待ちということで、楽しみにしております。中山道を訪れる人々のためにも、旭森公園の便所の水洗化の次年度実現についてお伺いいたします。 638 ◯議長(大橋和夫君) 都市建設部長。 639 ◯都市建設部長(寺嶋 勲君) 旭森公園のトイレの水洗化の時期につきましては、本年3月の産業建設常任委員会でもお答えいたしましたとおり、稲枝ふれあい広場のトイレの水洗化に続く順位として位置づけております。また、旭森公園のトイレは建物自体が老朽化し建て替えを予定しておりますが、中山道を訪れる方々にも配慮し、中山道に面した位置に建て替えたいと考えているところでございます。限られた予算の中での整備となりますが、国の支援策などに注視しながら、できるだけ早い時期に予算化を図っていきたいと考えておりますので、ご理解をよろしくお願いいたします。 640 ◯議長(大橋和夫君) 17番。   〔17番(松本忠男君)登壇〕 641 ◯17番(松本忠男君) 経済情勢が大変厳しいことは認識していますが、ぜひともよろしくお願いします。ありがとうございます。  続きまして、2項目としまして、人・車・自転車道路環境の多目的整備についてお伺いします。
     道といいますと、車を主にされてきたように思われますが、歩行者、運転者ともに高齢化の波が押し寄せてきました。いかんせん、年齢とともに運動神経も衰えます。歩行者、運転者、自転車がともに安全第一の道路整備が必要だと思いますので、いま一度道路環境を見直そうという点でお伺いいたします。  国は、歩行者や自転車などの環境に優しい通勤をされている会社や自治体をエコ通勤優良事業所として認める制度をつくっております。本市は低炭素社会構築都市宣言をされております。通勤時にかかわるCO2の排出削減、環境意識の高揚の啓発に役立つと思いますので、エコ通勤の認定制度の推進と啓発についてお伺いいたします。 642 ◯議長(大橋和夫君) 市民環境部長。 643 ◯市民環境部長(東 幸子さん) 車による通勤は、地球温暖化や渋滞問題等、さまざまな問題の原因となっており、自転車通勤などのエコ通勤の推進は、低炭素社会構築のための有効な手法の一つに挙げられます。  エコ通勤認証制度については、既に交通エコロジー・モビリティ財団により全国を対象に実施されており、現在全国で300弱の事業所が認証登録されているところです。しかし、市域の事業所の認証登録はないことから、本制度の啓発を行い、参加を呼びかけてまいります。あわせて、市でも既にISO14001の取り組みの一つとして、毎月第4金曜日をノーマイカーデーとしていることから、一つの事業所として認証登録に向けた準備を進めてまいりたいと考えております。 644 ◯議長(大橋和夫君) 17番。   〔17番(松本忠男君)登壇〕 645 ◯17番(松本忠男君) 市役所もそうですし、一般の事業所においても推進され、啓発されるようによろしくお願いしたいと思います。  2番に入ります。道路照明のことなのですけど、現在は水銀灯とか、ナトリウム灯とかいうことですけど、LED照明はエコの代表格になってきました。現在使用されているものよりも消費電力が少なく、寿命も長く、管理が簡単だということです。また、LEDの製造ということで、地域産業の活性化にも寄与すると思われますので、道路灯のLED化の推進についてお伺いいたします。 646 ◯議長(大橋和夫君) 都市建設部長。 647 ◯都市建設部長(寺嶋 勲君) 本市の道路照明灯の整備につきましては、道路照明施設設置基準に基づき、水銀灯やナトリウム灯を採用しているところでございます。  ご質問の発光ダイオードを使用したLED照明は、エネルギー効率が高く、長寿命、高い視認性など、優れた性質を有していることから、各メーカーも開発に取り組み、実用化されてきておりますが、光源寿命時間の表示など、道路灯としての規格が統一されておらず、かつ高価格であるため、現在のところ本市においては採用には至っておりません。今後の道路照明のLED化の推進につきましては、日々技術革新が進んでいる状況であり、統一された技術基準などが定められれば採用について検討してまいりたいと考えております。 648 ◯議長(大橋和夫君) 17番。   〔17番(松本忠男君)登壇〕 649 ◯17番(松本忠男君) 取りかかった事業のことですので、技術基準とか、全国的な統一規格というのができてくると思いますけど、先進的に低炭素社会構築都市宣言された本市ですので、先進的に取り組んでいただくとありがたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  3番目に、交差点の安全と交通を円滑化するために、市内に信号機が新たに設置されていますが、設置後も事故が多発しているということを警察の方からお聞きしました。人間は習慣に弱いもので、ないところに信号機がついて、気がつかずに突っ込んでしまうということで、事故も起こっているということなのです。事故防止のために、新設信号機設置の予告看板の啓発についてお伺いいたします。 650 ◯議長(大橋和夫君) 都市建設部長。 651 ◯都市建設部長(寺嶋 勲君) 交通規制となる信号機の設置につきましては、所轄である彦根警察署が交通量、事故発生状況などを調査した後、必要性があると判断される箇所を県警本部に上申いたします。その後、県公安委員会で調整され、最終的には県警本部が設置されるという手順が踏まれます。  ご指摘にあります設置工事終了後の啓発につきましては、彦根警察署に確認いたしましたところ、交番による回覧広報や供用を開始するまでの一定期間、調整中の表示をすることにより周知・啓発を図っているとのことでしたので、ご理解をよろしくお願いいたします。 652 ◯議長(大橋和夫君) 17番。   〔17番(松本忠男君)登壇〕 653 ◯17番(松本忠男君) 予告啓発されているということですので、できれば目につく方法でよろしくお願いしたいと思います。  続きまして、中項目最後の3項目め、地区公民館を総合多目的複合センターに脱皮させようということについてお伺いいたします。  「さまざまな学習機会の提供、自発的な学習支援、学習情報の提供、相談活動、さらに地域活動の拠点を果たすとともに、特に最近の高齢者問題や児童虐待等を憂慮する点から、地域活動の拠点、とりわけ地域コミュニティの拠点として、公民館の設置が重視されてきており、自治会や各種団体との連携を一層深めていかなければならない」と、小財教育部長は公民館の役割について述べられております。私もそうだと思っています。地区公民館でも、地域によって、市役所の出張所と一緒になっているところもありますし、高宮のように文化会館ということで出張所とともにあるところもあります。ないところもあるのですけど、その辺のことを含めた中でお聞かせ願いたいと思います。  一つ目が、子どもを持つ親の悩み、相談、居場所づくり等の支援として、公民館、また別館でもいいのですけど、子どもの支援、幼児・児童の専用室の設置についてお伺いいたします。 654 ◯議長(大橋和夫君) 教育部長。 655 ◯教育部長(小財久仁夫君) お答えいたします。  地区公民館につきましては、社会教育法に定められた設置目的に沿いまして、地域住民へのさまざまな学習機会の提供や学習活動の支援、また住民相互の交流や地域コミュニティの活性化を図るなど、地域活動の拠点施設としての役割を果たすべく努めているところで、議員ご質問の設置目的以上の総合的また多目的な施設としての位置づけは、現在のところ考えておりません。こうしたことから、子ども支援、幼児・児童の専用室の設置についても考えておりませんので、ご理解をお願いします。  なお、現在、福祉所管の家庭教育支援事業として、地域の子育て支援グループに委託するなどし、すくすく教室やのびのび教室、わいわいひろばをそれぞれ年10回程度、地区公民館で実施されています。  乳幼児の子育て支援のニーズに関する地域の実情にもよりますが、開催回数や参加人数を考えますと、地区公民館を活用することの有効性は十分あるものの、常時フルタイムで専用できるスペースを確保する必要性はないものと福祉保健部からもお聞きしておりますので、ご理解をお願いします。 656 ◯議長(大橋和夫君) 17番。   〔17番(松本忠男君)登壇〕 657 ◯17番(松本忠男君) 公民館で随時開かれておりますすくすく教室、のびのび教室、わいわいひろばについては、立ち上げのときからいろいろと相談がありましたので、相談に乗っていたのでやっておられることは大体理解しているのですけど、そこから何とか脱皮してもらいたいということでお伺いしているわけです。悩みを持って、どこかへ行きたいということになった場合、地区公民館にそういうものがあればわかりやすいし、地域の中心的な拠点としての考えを地域の方が持っておられる地域もあるわけです。そこへ行けば、そんなことも聞いていただけるということで、虐待にしても、子育ての悩みにしても、簡単には解決できませんけど、一助になる居場所づくりが必要だと思いますので、考えていただきたいと思っております。  2番目、そういうことを考えていないということですので、福祉・介護部門支援室の設置については聞かないでおこうと思っております。聞いてもむだなことは聞きません。  3番目についてお伺いさせていただきます。自治会、青少年育成協議会、これも教育委員会と関係があるので聞かせていただきます。人権推進協議会についても、教育委員会に関係があるので聞かせていただきます。地域の子どもの安全・安心協議会、社会福祉協議会、健康推進連絡協議会等、地域にはさまざまな各種団体があり、今後とも連携を図っていくということですけど、常にだれかが公民館を訪ねておられるのですが、仲間づくり、いろんな部分で、横の連絡をする部屋がないのです。各種団体の中に教育部門にも関係する協議会がありますので、連絡室の設置についてお聞かせください。 658 ◯議長(大橋和夫君) 教育部長。 659 ◯教育部長(小財久仁夫君) 地区公民館につきましては、現在、地域住民のサークル活動のほか、自治会を初めとした各種地域団体の会議や研修などにご利用いただいておりまして、また講座等を開催する中で、住民相互の交流を図り、地域コミュニティの活性化を図るなど、地域活動の拠点としての役割を果たせるよう努めているところでございます。こうしたことから、新たな連絡室の設置については考えておらず、現状の施設において専用室を確保することは極めて困難ではないかと考えておりますので、ご理解をお願いします。 660 ◯議長(大橋和夫君) 17番。   〔17番(松本忠男君)登壇〕 661 ◯17番(松本忠男君) 公民館につきましては、指定管理者制度によって、1館は地域の方で運営管理されています。そういう経過を踏まえた中で、地域の方との懇親や連絡調整、いろんな事業の協力体制、連携について話す場所というものがぜひとも必要だと思っております。今後もNPOなどに任せる指定管理者制度を導入するのであれば、早い目にそういう連絡室の設置を進めていくのが当然だと思いますので、もう一度ご見解をお伺いしたいと思います。 662 ◯議長(大橋和夫君) 教育部長。 663 ◯教育部長(小財久仁夫君) 確かに松本議員からご質問いただきましたように、地域における公民館ですので、地域の方がいろんな形で地域ぐるみの活動をされる、情報交換をされる、そういった場であることは承知いたしております。また、そういう場でないとだめだということもわかっております。ただ、連絡室の設置という部分につきましては、旭森公民館も例外ではありませんが、かなりの利用者の中でフル回転しているような現状ですので、そういった中で連絡室を設置するということは難しいかと考えておりますので、ご理解をお願いします。 664 ◯議長(大橋和夫君) 17番。   〔17番(松本忠男君)登壇〕 665 ◯17番(松本忠男君) 現状の手狭な中で、このような専用室を設けるということは言っておりません。増設したり、土地の許す限りで別館を建てるなり、いろんなことで、土地内にそういうものが複合施設としてあればいいのではないか。稲枝支所に行きますと、稲枝支所の周りに文化会館や公民館、ふれあい広場があるわけです。そこへ行けば大体相談でき、実行できます。そういうものが各施設にあればいいのではないかということで質問させていただきましたので、よろしくお願いしたいと思います。  最後に、また旭森のことを言っているとお叱りを受けるかもわかりませんけど、老朽化もしておりますし、耐震性の問題もありますし、規模的にも手狭な地区公民館です。第八分団の車庫の移転の問題も地域で出ております。そういうものを含めた中で、旭森地区公民館の周りの1カ所に、地域住民が訪ねれば、福祉などすべてのものができるような複合施設をつくっていただけるとありがたいと思います。これは願望でもありますけど、それの設計企画予定について、お話があればお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。 666 ◯議長(大橋和夫君) 教育部長。 667 ◯教育部長(小財久仁夫君) 旭森地区公民館の整備につきましては、6月議会でもお答えさせていただきました。現在、教育委員会におきましては、所管する教育施設全体を見据えながら、施設の老朽度や耐震性、各施設のニーズや利用度合いなどを総合的に勘案し、改修や改築の必要性等を検討しているところでございます。  こうした中で、旭森地区公民館につきましては、他の地区公民館と比較いたしましても狭隘なこと、また調理室がないことなどの課題は認識しているところでございます。こうした課題を受けとめて、十分検討を進めてまいりたいと考えておりますので、ご理解の方よろしくお願いします。 668 ◯議長(大橋和夫君) 17番。   〔17番(松本忠男君)登壇〕 669 ◯17番(松本忠男君) 6月議会、11月議会ということで、何回も確認をとってまことに申しわけないと思っていますけど、それだけ地域住民の思いというか、待望というのは強いものがございますので、ぜひとも十分検討していただきまして、早期に実現するようよろしくお願いいたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。 670 ◯議長(大橋和夫君) お諮りいたします。  本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり) 671 ◯議長(大橋和夫君) ご異議なしと認めます。よって、本日は延会することに決しました。  明日は、定刻から本会議を開き、本日に引き続き、各議案に対する個人からの質疑ならびに一般質問を行います。  本日はこれをもって延会いたします。  ご苦労さまでした。            午後5時12分延会 Copyright © Hikone City, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...