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平成29年第二部予算特別委員会−03月21日-06号
平成29年第一部予算特別委員会−03月21日-06号

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  1. 札幌市議会 2017-03-21
    平成29年第一部予算特別委員会−03月21日-06号


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    平成29年第一部予算特別委員会−03月21日-06号平成29年第一部予算特別委員会  札幌市議会第一部予算特別委員会記録(第6号)               平成29年(2017年)3月21日(火曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 31名(欠は欠席者)     委 員 長  よこやま 峰子      副委員長   中 村 たけし     委   員  武 市 憲 一      委   員  宮 村 素 子     委   員  高 橋 克 朋      委   員  五十嵐 徳 美   欠 委   員  細 川 正 人      委   員  小須田 悟 士     委   員  佐々木 みつこ      委   員  阿部 ひであき     委   員  伴   良 隆      委   員  中 川 賢 一     委   員  村 山 拓 司      委   員  福 士   勝     委   員  大 嶋   薫      委   員  ふじわら 広昭     委   員  恩 村 一 郎      委   員  三 宅 由 美   欠 委   員  長谷川   衛      委   員  村 上 ゆうこ     委   員  かんの 太 一      委   員  成 田 祐 樹     委   員  本 郷 俊 史      委   員  國 安 政 典     委   員  丸 山 秀 樹      委   員  小 口 智 久     委   員  竹 内 孝 代      委   員  伊 藤 理智子
        委   員  小 形 香 織      委   員  池 田 由 美     委   員  平 岡 大 介      委   員  堀 川 素 人     委   員  石 川 佐和子       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午前10時     ―――――――――――――― ○よこやま峰子 委員長  ただいまから、第一部予算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、細川委員からは遅参する旨、松井委員からは村山委員と交代する旨、それぞれ届け出がありました。  それでは、議事に入ります。  第2款 総務費 第2項 市民生活費中関係分の質疑を行います。 ◆村山拓司 委員  私から、トイレの洋式化についてお伺いいたします。  まず、さきの代表質問で、公共施設のトイレの洋式化を希望される地域住民の要望が多いことを指摘いたしました。答弁では、保全計画を進める中での改修が適当であり、故障時などは個別の対応も検討したいとのことでありました。しかし、万一の災害時に地域避難所としての機能をあわせ持っている公共施設が10年以上先まで改修の機会がないということですと、到底、地域住民の思いとは一致しないものになってしまいます。  そこで、質問ですが、代表質問では、西野地区センターやはっさむ地区センターを例に出して、現状でも洋式トイレよりも和式トイレのほうが多い施設があることを指摘いたしましたが、このように和式トイレのほうが多いという市の公共施設はどれほどあるのか、その数をお伺いいたします。  また、そのうち、地域避難所に指定されている施設が幾つあるのか、あわせてお伺いいたします。 ◎槙 地域振興部長  洋式のトイレよりも和式のトイレのほうが多い公共施設の数についてでございます。  地域で身近にご利用していただいております市の公共施設地域避難所にも指定されるような施設といたしましては、区民センター地区センター地区会館など206施設ございますが、このうち、現時点で洋式よりも和式のトイレのほうが多い施設は16施設となってございます。  また、この16の施設のうち、地域避難所に指定されている施設は、14施設となってございます。 ◆村山拓司 委員  続けて質問いたしますが、ただいま答弁された地域避難所に指定されている14の施設の建物名をそれぞれお伺いいたします。 ◎槙 地域振興部長  地域避難所に指定されている施設のうち、洋式よりも和式のトイレのほうが多い14施設の具体的な施設名をお答えいたします。  区民センターでは、東区民センター厚別区民センター及び豊平区民センターの3施設、地区センターでは、拓北・あいの里地区センター、苗穂・本町地区センター厚別西地区センター西野地区センター、はっさむ地区センター及び新発寒地区センターの6施設、まちづくりセンター地区会館では、新琴似まちづくりセンター地区会館の1施設、児童会館では、ひのまる児童会館伏古児童会館及び菊水やよい児童会館の3施設、最後に、複合施設といたしまして、豊平まちづくりセンター地区会館豊平児童会館の併設施設の1施設となってございます。 ◆村山拓司 委員  ただいまの答弁で、札幌市内には和式のほうが多い施設が点在していることがわかりました。14施設について、改修時期がいつなのかもお伺いしたいところではありますが、これは3月24日に行われる都市局の審査日で確認していきたいと思います。  和式トイレのほうが多い施設が16施設あり、そのうち14施設が地域避難所に指定されているのであれば、防災上の観点を踏まえますと、やはり、その14施設は洋式化に取り組んでいくべきだと考えます。  代表質問の答弁では、経費の面でも保全計画を進める中での改修が適当とのことでありましたが、トイレの洋式化はどれほどの経費がかかるのか、1基当たりの金額をお伺いいたします。 ◎槙 地域振興部長  トイレの洋式化に必要な1基当たりの費用についてでございますが、トイレ改修を単体工事として実施した事例を把握していないものですから、また、施設の状況に応じてその金額に幅があるものと思われます。地区センターなどの鉄筋コンクリート造の建物の場合につきましては、躯体の補強を行う必要がございまして、今年度に大規模保全改修を行いました西区民センターの例で試算いたしますと、1基当たり150万円程度するものと想定しているところでございます。 ◆村山拓司 委員  1基当たり150万円というのは、決して安くない金額であります。直ちに全ての公共施設和式トイレを洋式に改修するとなれば相当な金額になり、市が消極的になるのも理解できます。  一方で、先日、札幌市内にあるトイレの施工業者にお話をお伺いしたところ、鉄筋コンクリート造と木造の建物では経費が大きく異なるということは聞いておりませんが、トイレを施工しているほとんどの建物で和式から洋式トイレにする際の費用は、どんなに多く見積もっても100万円まではかからないということもお聞きしました。ただいま、西区民センターを例に挙げられましたが、西区民センターは昭和49年に建設されておりますから、今から43年近くたっていて、配管の交換や躯体の補強などで費用が高くなったのではないかと思います。  いずれにしても、交換に多額の費用がかかるわけですから、今後は、改修を行う施設に優先度をつけるなど、計画的に取り組むことを求めてきたところであります。施設にある全ての和式トイレを一気に洋式トイレにすべきというのではなく、少なくとも、洋式トイレよりも和式トイレのほうが多い施設においては早急に解消しなければならないと考えております。  私が早急に取り組むべきと考えているのは、先ほどの地域避難所に指定され、かつ、洋式トイレよりも和式トイレのほうが多い14施設ですが、市民文化局所管の施設においては何基を改修すれば洋式トイレのほうが多くなるのか、その数をお伺いします。 ◎槙 地域振興部長  洋式よりも和式が多いという状況を解消するために改修すべきトイレの数についてお答えさせていただきます。  市民文化局所管の各施設で各フロアの男女それぞれのトイレごとに見た場合に、洋式よりも和式のほうが多い状況を解消するためには、24基の改修が必要になります。 ◆村山拓司 委員  24基ということであれば、先ほど例に挙げられた西区民センターを取り上げると3,600万円ぐらいで交換が可能となりますから、単年度で全てをとまでは言いませんが、数年のうちに対応できる数ではないかなと考えます。  そこで、質問ですが、保全計画とは別に、市民文化局として計画的に対応していくことができないのか、改めてお伺いいたします。 ◎槙 地域振興部長  地区センターなどのトイレの計画的な改修についてでございます。  トイレの洋式化につきましては、基本的には施設の大規模な保全改修時に合わせて行うことが適当であると考えているところではございますが、各施設の利用の実態、あるいは、保全改修までの想定期間など、個々の施設の状況などを踏まえて改修のあり方を検討してまいりたいと考えているところでございます。 ◆村山拓司 委員  ただいま検討しますという答弁をいただいたことは、非常に大きな一歩だと解釈いたします。  防災上の観点や利用者の観点、また保全計画の観点からすると、それぞれ部局は異なりますが、それは市役所の中での話であって、市民の方々からすれば、洋式トイレに改修していただくことが全ての安心・安全につながるわけです。建物の構造によって施設ごとの状況が異なっているかもしれませんが、特に利用者の多い施設は、数年とは言わずにできる限り早く対応していただくことを要望して、次の質問に入ります。  続いて、LGBTについてお伺いしたいと思います。  1月31日の財政市民委員会において、札幌市は、電通など複数の民間調査でLGBTなど性的マイノリティーの人口割合が8%程度を占めていることを示し、こうしたことを一つの根拠としてパートナーシップ制度を創設するとしております。  先日の我が会派の佐々木みつこ議員が行った代表質問に対して、市長からは、パートナーシップ制度については、全国的にも取り組み事例が少なく、余り知られていないことなどから、市民理解を深めるための周知期間をある程度設けた上で制度をスタートさせたいという答弁がありました。  世界的にも、LGBTについての人口割合の調査がさまざま行われているようであります。ある調査では、アメリカでは1%程度という報告もあり、学術的には2から3%程度とするものが主流と聞いておりますが、本市がよりどころとしている民間調査のデータが妥当なのか、施策をスタートさせる以上、一度しっかりと検証してみる必要があると考えます。人口の8%なのか1%なのかでは、とるべき方策も、その量も違ってくるのではないかと考えます。  そこで、質問ですが、周知期間にはどのようなことをする予定なのか、また、札幌市においても性的マイノリティー当事者の実態について確認が必要だと思いますが、どのように考えているか、お伺いいたします。 ◎芝井 市民生活部長男女共同参画室長  パートナーシップ制度に係る周知の方法と性的マイノリティー当事者の実態確認についてお答えいたします。  まず、周知方法についてでありますが、今回のパートナーシップ制度について、市民理解を深めていただくために一定の周知期間を設けることとしたものでありまして、札幌市ホームページや広報さっぽろなどの広報媒体を活用して周知を図るとともに、新聞やテレビなどで取り上げてもらえますよう報道機関にも働きかけてまいります。  次に、当事者の実態確認についてでありますが、質問にもありました複数の民間企業などによる全国調査の結果は、いずれも人口の8%程度が性的マイノリティーに該当するとされておりまして、札幌市としても参考になるものと考えております。これまでに札幌市で性的マイノリティーに関する実態調査は行ってきておりませんが、昨年6月の当事者団体からの要望時や、その後に同団体が独自に行ったアンケート、さらには、このたびのパートナーシップ制度に対して寄せられた1,000通を超える市民意見からは、市内に一定数の性的マイノリティー当事者がいることや、日々の暮らしにおいて深刻な困難を抱えていること、それから、この制度に対する高いニーズがあることなどが確認できていると考えております。  今後、さらに性的マイノリティーの方への公的な支援を進める際には一定の実態調査を行うことが望ましいと考えておりますが、全国的にも公的な調査の例がほとんどなく、かつデリケートな分野でもあることから、調査の手法や有効性も含めて慎重に検討してまいりたいと考えております。 ◆村山拓司 委員  実際に、報道などでもパートナーシップ制度についてカップル認証制度というような表現をしておりますが、認証するのではなく、受理するものであり、同性カップルの宣誓書を本市が受け取り、本市が受領証を発行しますが、公的な支援が受けられるわけではありません。  今回の制度については、報道などではパートナー認証というふうになされており、市民にも誤解して伝わっていると感じますが、本市の考えや思いと市民の受けとめ方とのギャップを本市はどのように認識し、どう対応していくのか、伺います。 ◎芝井 市民生活部長男女共同参画室長  報道などに対する市の認識と対応についてお答えいたします。  札幌市のパートナーシップ制度は、性の多様性を尊重する取り組みとして、自分たちの存在を認めてほしいとする当事者の気持ちを受けとめるものでございます。具体的には、性的マイノリティーの方が一定の要件のもとでパートナーとして宣誓を行う場合に、市の職員がそこに立ち会い、宣誓書の写しとその受領証を交付するものでございます。パートナーシップ制度についての報道で、カップル認証あるいはパートナー認証というような言葉が使われたことについては、ただいま申し上げた札幌市の認識とは異なるものでありまして、私どもの制度についての説明が正確に伝わっていない、あるいは、わかりやすく報道することが難しい制度であるというふうに受けとめております。  今後は、正しい制度趣旨がより伝わるよう努めてまいりたいと考えております。 ◆村山拓司 委員  少なくとも、制度開始前までに制度の趣旨をしっかりと理解していただき、当事者や市民、報道などに誤解を生むことがないように本市は配慮しなければなりません。制度開始前にできる限り実態を把握することが望まれ、また、認証制度というような誤解をしっかりと是正し、市民に正しく理解していただくとすれば、それ相当の期間が必要と考えます。  そこで、これらを十分に担保するためにどのようなスケジュールを考えており、環境が整ったことをどう測定した上で制度をスタートさせるのか、伺います。 ◎芝井 市民生活部長男女共同参画室長  市民周知のスケジュールと環境が整ったことの測定あるいは確認ということについてお答えしたいと思います。  今回のパートナーシップ制度は、市の要綱によるものでありまして、市民の権利を制限したり新たな義務を課す内容ではなく、市民生活に直接的な影響を与えるものではないと認識しております。一方で、性的マイノリティーの方の多くが深い悩みや困難を抱えており、自殺念慮が極めて高いなど大変深刻な状況にあり、制度を求める多くの声が寄せられている状況でございます。こうしたことを踏まえ、パートナーシップ制度を一日も早くスタートさせて、札幌市が性的マイノリティーの方に開かれているまちであることを示すことは大きな意義があると考えておりまして、一定の周知期間の後、6月1日から運用を開始したいというふうに考えております。  環境が整ったことの具体的な測定や確認は難しいと考えますが、周知期間中に、最大限、効果的な周知に努めますとともに、制度を施行した後も、引き続き市民理解が得られるように努力してまいりたいと考えております。 ◆村山拓司 委員  支援の対象者はLGBTそれぞれに異なっており、当然、抱えている悩みや困り事もそれぞれに異なっているものと推定され、対応は容易ではないと思われます。また、他都市では、職員が相談を受け、当事者の悩みに寄り添う事業を実施している例もあるとお聞きしております。  そこで、質問ですが、新年度事業で予定している200万円の電話相談事業について、市職員みずからもこの相談に直接かかわる仕組みとすべきと考えますがいかがか、お伺いいたします。 ◎芝井 市民生活部長男女共同参画室長  電話相談に関しまして、市の職員が相談にかかわる仕組みについてのご質問でありました。  性的マイノリティーの方の抱える困難は、周囲の理解不足によるものが多く、誰にも相談しづらい傾向があると承知しております。こうしたことから、当事者の困難や置かれている状況をより深く理解できる相談員として、当事者を基本にしたいと考えております。したがいまして、類似の電話相談事業の実績を有している当事者団体などのノウハウを活用して行いたいと考えておりますが、例えば、市の各種制度についての知識が必要な場合など、市職員と必要な連携を図りながら進めていきたいと考えております。また、保健センターの母子・婦人相談員など、市の職員も性的マイノリティーの方からの相談に対応できるよう、研修などにも努めていく考えでございます。 ◆村上ゆうこ 委員  私は、札幌国際芸術祭、SIAF2017について、3点質問します。  2回目となる芸術祭も開催まで4カ月余りとなり、現在、開催に向けて急ピッチで準備を進めていると聞いています。前回の芸術祭では市民を巻き込んでの取り組みや市民の盛り上がりがいま一つ足りなかったのではないかと認識しており、我が会派は、これまでの質疑で芸術祭における市民参加について取り上げてきたところです。  今回の芸術祭に向けては、ゲストディレクターの大友良英氏が市民参加に力を入れており、開催前年度からさまざまなプロジェクトが動き出していると実感しております。また、大友氏は、ゲストディレクターに就任して以来、たびたび来札し、市民参加型のプロジェクトにみずから加わり、積極的に市民と直接触れ合う機会を設けているほか、メディアへの露出も大変ふえているのではないかと感じています。  そこで、質問ですが、大友氏がゲストディレクターに就任したことによるこれまでの効果について伺います。 ◎熊谷 国際芸術祭担当部長  大友氏がゲストディレクターに就任したことの効果についてのご質問でございます。  大友氏は、市民と一緒につくる芸術祭を目指しておりまして、これまで複数の市民参加型のプロジェクトを継続して実施しているところでございます。象徴的な取り組みとして実施しております大風呂敷プロジェクトでは、既に市民の皆さんから多くの布地が寄せられておりまして、これまで延べ200人以上の皆さんにご参加をいただきながら、会期中、市内を彩る大風呂敷やフラッグ、旗ですけれども、それを縫い合わせる作業を進めているところでございます。また、小学生から18歳までの子どもたちと新しいオーケストラを一緒につくり上げるさっぽろコレクティブ・オーケストラというプロジェクトがございますが、大友氏ご本人に加え、演出家の藤田貴大氏、サウンドアーティストの鈴木昭男氏など多彩な講師を迎え、これまで5回、計9日間のワークショップを実施しておりまして、参加人数は延べ400人以上に上っております。参加した子どもたちも、今後のワークショップの展開、それから、Kitara大ホールでの本番を大変楽しみにしているところでございます。  大友氏は、こうした市民参加型プロジェクトへの参加のほか、ほぼ毎月のように来札しておりまして、その折に精力的にテレビ、ラジオ、新聞、雑誌等の取材を受け、そしてみずからが出演するなど、ゲストディレクター自身が芸術祭をPRする効果は絶大なものであるというふうに考えてございます。 ◆村上ゆうこ 委員  ただいまの答弁で、さまざまな市民参加型イベントが行われている様子がわかりました。  なお、先日の雪まつりでは、大通西5丁目のトット商店街という雪像が芸術祭の企画によるものということで、私も会場に足を運びました。トットちゃんの愛称で知られる黒柳徹子さんをモチーフにした雪像と声のナレーション、そして、そこで繰り広げられるパフォーマンスを楽しませてもらったところですが、途中で入場制限がかかる時間帯があるなど、連日、大変なにぎわいを見せていたと聞いております。  そこで、質問ですが、芸術祭の半年前に当たるこの時期にこの企画を実施した経緯や考えについてお伺いいたします。 ◎熊谷 国際芸術祭担当部長  雪まつりトット商店街に関するご質問でございます。  芸術祭の効果的なPRをどうしたらいいかということで、庁内他部局との連携といったことも含めていろいろ検討してきた中で、さっぽろ雪まつりの大通西5丁目のアート大雪像を活用しまして、芸術祭の公式行事の一つとしてトット商店街を実施することになったものでございます。  この大雪像ですけれども、テレビの歴史を体現する黒柳徹子さんが巨大な街頭テレビを携えて商店街に舞いおりるという様子をイメージしたものでございます。今、お話しいただきましたとおり、黒柳徹子さんご本人もナレーションでご参加いただきまして、芸術祭への参加アーティストが、雪像を舞台に新しい技術を用い、アニメーションと懐かしい影絵などを融合させたパフォーマンスによって日本の四季の情景などを表現したほか、そのパフォーマンスの合間には、市電から見える札幌のまち並みを思い起こすような影絵をスクリーンに映し出す札幌ループラインという作品を上映したりしました。また、この会期中は私どもスタッフが総出で芸術祭のチラシを来場者に配布するなどいたしましたが、パフォーマンスを実施していた時間帯で約11万人の来場者を数えたところでございます。  夏に本番を迎える芸術祭を前にいたしまして、芸術祭参加アーティストによる非常に親しみやすい作品を多くの皆様にごらんいただいたことで、芸術祭が何かおもしろそうだというような発信をできたものと認識しておりまして、こうした国際イベントに合わせたPRにより、国内外の方々へ広く周知できたのではないかというふうに考えてございます。 ◆村上ゆうこ 委員  観光との連携、特に札幌を象徴する最大のイベントである雪まつりとのコラボによって、一定の、いや、それよりも多くの成果が出たのかな、あるいは、外国からのお客様も含めて、少なからずアピールできたのではないかなと考えます。今後も、市民だけでなく、国内外からも多くの方々に来場、参加してもらうことが大変重要です。そのためには、各マスメディアなどを活用した広報に力を入れるのはもちろん、旅行関連業界を初め、各種団体などへの積極的な働きかけを行い、連携を強めていく必要があると認識します。  そこで、質問ですが、これまでの各種団体などとの関係構築により、現時点でどんな成果があるのか、お伺いいたします。 ◎熊谷 国際芸術祭担当部長  関係団体などと関係を構築したことの成果についてのご質問でございました。  旅行関連業界等の関係団体に対しましては、道内あるいは首都圏などで開催する商談会あるいは説明会などに私どもも参加させていただいておりますほか、個別の企業に事業説明を行うなど、私ども自身が足を運んで関係構築を図るとともに、芸術祭のPR活動にも力を注いでいるところでございます。現在、航空会社の機内誌へのPR記事の掲載、それから、ゲストディレクターである大友氏出演によるPR動画の機内上映などを行っていただける予定となっているほか、ホテル業界タクシー業界にも広報協力をいただくということでお話を進めており、さらにまた、旅行代理店には市内会場をめぐるオプショナルツアーについてもご検討いただいているところでございます。より多くの皆様方に芸術祭を知ってもらい、実際に会場へ足を運んでいただけるよう、今後も精力的に働きかけを行ってまいりたいと考えております。 ◆村上ゆうこ 委員  最後に、要望でございます。  部長みずからが広告塔になって頑張っておられることが本当にわかりました。  3年前に行いました国際芸術祭2014は、初めての開催でもあり、多くの課題がございました。この間、その課題をしっかり捉えて対応してきているものと認識いたしますが、2回目の開催に向けて、引き続き各種団体との連携やPRを強化することで、市民を初め、多くの方々に芸術祭への関心が高まることを私も期待しております。  また、雪まつりでの観光部門との連携では非常に高いPR効果があったと感じていますので、引き続き観光部門との連携を進めるとともに、会場への移動手段となる地下鉄や市電を所管する交通局を初め、関係する市役所内の関係部局とも連携を進めていただきたいと思います。  私は、きのうと一昨日の2日間、大風呂敷サミットというイベントがおおどおり大風呂敷工場にて開催されていまして、一部、参加してきました。8月の芸術祭に向けて、今まさに、おおどおり大風呂敷工場ではでき上がった大風呂敷が壁にも床にも所狭しと置かれているのを目の当たりにすることもできました。大風呂敷は、芸術祭を一緒につくろうという、まさに象徴的なプロジェクトとして認知されてきているのではないかと思っております。  今回のゲストディレクターである大友さんは、ふだん、アートに接していない人も、アートに深くはまっている人も、どっちにとってもおもしろい芸術祭にしたいとおっしゃっておりますけれども、私もそのとおりだと思っています。8月6日からの開催に向けてさまざまな準備にラストスパートをかけているところかと思いますが、全庁を挙げて、そしてまちを挙げて、市民の皆様とともに盛り上がっていけるイベントとなるよう、引き続きの取り組みをよろしくお願いいたします。 ◆竹内孝代 委員  私からは、札幌市パートナーシップ制度についてと安全・安心なまちづくり推進について、2項目を質問いたします。  初めに、札幌市パートナーシップ制度についてお聞きいたします。  1月の財政市民委員会において本制度案の報告がなされましたが、それによると、多くの当事者の方々が日常生活の中で深刻な困難を抱えている現状を踏まえ、性の多様性に対応した制度を創設することで、当事者の思いを受けとめつつ、市民理解の増進及び人権尊重意識の醸成を図るものであるとのことで、これは、温かな社会構築につながる非常に大切な取り組みであると賛同しております。  周知方法と制度の開始時期について質問する予定でしたが、先ほど質疑をされたので省略させていただきますけれども、制度をスムーズに開始するに当たりまして周知の重要性は当然大切なことであります。しかし、本市に寄せられた賛成意見が1,000件を超えるなど、これまで、長年、深刻な困難を抱えてこの制度を待ち続けてきた当事者の方々を忘れてはならないことも事実であり、間を置かず、速やかな開始が必要であると考えています。  それでは、具体的なパートナーシップ宣誓の手続についてお聞きしたいと思います。  性的マイノリティーの方の中には、自分たちの存在を明らかにするため、積極的にみずから当事者であることを公表される方がいる一方、社会で十分に理解されていないことを危惧して、自分が当事者であることを伏せながら生きていらっしゃる方もいると聞いております。  2015年8月、一橋大学で悲しい事故がありました。大学院生の男性が同性の同級生に恋愛感情を告白したところ、その同級生が男性に無断で第三者に同性愛者であることを周囲に公表する、いわゆるアウティングにより、その後、その男性が自殺してしまったとのことでした。自分自身のことを公表することは本人の意思で行うものであり、プライバシーに関することはデリケートな問題であることが認識された事故でありました。  そこで、質問ですが、パートナーシップ宣誓手続に当たり、当事者のプライバシー保護については重要なものであると考えますが、どのように取り組むのか、お伺いいたします。 ◎芝井 市民生活部長男女共同参画室長  パートナーシップ宣誓手続に関するプライバシー保護についてお答えいたします。  性的マイノリティーの方に対する市民理解がまだ十分ではない現状などから、宣誓される当事者のプライバシーには十分な配慮が必要と認識しております。  手続に際しましては、担当する職員に対してプライバシー保護の重要性を徹底するとともに、書類管理などにも細心の注意を払っていきたいと考えております。また、手続の窓口は、各区役所ではなく、市役所本庁舎の男女共同参画室のみで行う方向で考えており、さらには、事前にご希望を伺って、事務室以外での宣誓手続も選択できるよう、別な部屋を用意することも検討してまいります。 ◆竹内孝代 委員  十分なプライバシー保護を考えていることがわかりました。  次に、パートナーシップ宣誓に関する受領証の交付についてお聞きします。  パートナーシップ制度案によると、パートナーシップの関係にある当事者2人から市へ宣誓書を提出し、その後、市は受領証と宣誓書の写しを交付することになっておりますが、この宣誓書提出から受領証の交付までの期間については、特に規定はありません。  この取り扱いは、市内では本庁の1カ所のみで行うため、遠方から来所する方への配慮や、先ほども当事者のプライバシー保護についてお尋ねしましたが、そうした観点からも、何度も足を運ぶのではなく、できるだけ1度の来庁で済ませることが望ましいものと考えます。  そこで、質問ですが、受領証については、宣誓書提出から即日交付が望ましいと考えますが、どのように考えているのか、お伺いいたします。 ◎芝井 市民生活部長男女共同参画室長  受領証の即日交付についてお答えいたします。
     パートナーシップ宣誓についての具体的な手続は、委員のご質問にもありましたけれども、来庁者の本人確認などを行った上で、その場で宣誓書に署名して提出してもらい、書類などに事務手続上の問題がなければ、宣誓書の受領証と宣誓書の写しを交付する流れで考えているところでございます。これらは、基本的に時間がかかる内容ではないことから、例えば、事前に連絡がなくカップルが手続に来庁されて市側の確認作業が十分にできない場合、書類に不備がある場合などを除けば、即日交付は可能と考えておりますし、そのように努めてまいりたいと考えております。 ◆竹内孝代 委員  ぜひとも、制度開始まで丁寧な準備を進めていただきたいと思います。  全国では、性的マイノリティーの方々への理解が少しずつ広がり、積極的にさまざまな施策に取り組む自治体も誕生しております。東京都世田谷区では、2015年にパートナーシップ制度を開始しましたが、昨年8月から9月にかけて性的マイノリティー支援のための暮らしと意識に関する実態調査を実施し、性的マイノリティー当事者約1,000人の方々から回答をまとめた報告がなされました。それによりますと、職場での差別があると回答した方は約30%、また、子どものころにいじめられたという回答も約30%で、自殺願望についてはトランスジェンダーの67%の方があると回答し、さらに、約3人に1人が自殺未遂を経験したという深刻な内容の報告でした。  周囲の無理解や偏見などから受ける当事者の方々の苦しい現状を少しでも改善することは、喫緊の課題であることがわかります。また、回答者の約半数が東京都外に居住していますが、もし自分の住む自治体に同様の制度があれば利用したいかという問いに対し、半数以上が利用したいと回答しています。このパートナーシップ制度の取り組みについて、全国で少しずつ広がりつつも、政令指定都市では本市が初の実施になります。転出、転入など他都市との交流人口が多い札幌市で行ったパートナーシップ制度導入の宣言は大きな意味があり、本市だけではなく、他の地域にも波及し、性的マイノリティーの方々の生きづらさの軽減につながっていくことを期待しております。  LGBTの方々が、周囲の無理解や偏見により、誰にも相談できずに悩まれ、苦しい思いをしている現実を改善するには、行政の力強い取り組みが大変重要です。今回の制度のスタートを温かく見守り、応援しようとする市民意識醸成のためにも、そして、互いに認め合い、尊重し合う温かなまち札幌市であるためにも、周知・啓発に力を尽くしてくださるよう要望して、この質問は終わります。  次に、安全・安心なまちづくりの推進と交通安全対策について質問いたします。  札幌市における平成28年の犯罪認知件数は1万5,422件で、平成13年から15年連続で減少しているものの、振り込め詐欺を初めとする特殊詐欺は後を絶たず、平成28年の札幌市内における振り込め詐欺被害件数は76件、被害額は約1億8,932万円に上ると聞いています。特に、高齢者をターゲットにした特殊詐欺の手口はますます悪質で、地域では自主的な防犯活動が活発に行われるようになり、私も顧問を務めるシニアサロンで定期的に実施する特殊詐欺の防犯活動に参加しており、こうした取り組みの重要性をますます実感しています。こうした地域の啓発活動は、所管の警察署や防犯協会などの関係機関と協力して行っていることが多いのですが、札幌市としても、安心・安全な住みやすいまちであることを目指す以上、こうした活動をより充実させていくことが必要だと考えます。  そこで、質問ですが、札幌市では、特殊詐欺被害の防止のためにどのような取り組みを行っているか、お伺いいたします。 ◎槙 地域振興部長  特殊詐欺被害の防止のための取り組みについてでございます。  札幌市では、職員が市内各地域へ赴き、北海道警察から提供された最新手口の情報を参考にしながら、被害に遭わないための知識などを学んでいただく出前講座を開催しておりまして、今年度はこれまでに74回実施したところでございます。また、北海道や北海道警察と連携した事業といたしまして、札幌駅などでの合同啓発のほか、実際に発生した事案やその対策等に関する情報を提供するといった取り組みを進めております。さらに、保健福祉局の協力をいただきまして、地域包括支援センター等の職員から特殊詐欺等の犯罪の被害に遭いやすい高齢者などに対して注意喚起を実施していただいているところでございます。 ◆竹内孝代 委員  近年、問題視されている特殊詐欺被害防止のための本市の取り組みについてはわかりました。  次に、交通安全の観点でお聞きいたします。  私の地元の清田区では、国道36号線や羊ケ丘通、札幌新道など主要幹線道路が区内を通っており、交通量が年々増加するだけでなく、住宅街においても、幹線道路の抜け道として、通学路を含む生活道路でも速度を出して運転する自動車やトラックが多く見受けられるなど、地域の皆様からは交通事故に対する不安の声が上がっております。自分たちの地域から交通事故をなくすため、交通安全運動期間中の街頭啓発活動はもちろん、通学路での見回り活動などを各地域で積極的に行っておりますが、そうした活動が交通事故防止への多大な効果につながると考えます。  しかしながら、こうした地域の活動や取り組みを行う方々からは、さまざまな苦労の声を多数いただき、札幌市としての支援の重要性を感じます。  そこで、質問ですが、地域における市民の自主的な交通安全活動に対し、札幌市としてどのような支援を行っているか、お伺いいたします。 ◎槙 地域振興部長  地域における市民の自主的な交通安全活動への支援についてでございます。  札幌市では、札幌市交通安全運動推進委員会を通じて地域の皆様と連携した交通安全運動の企画、実施をしているほか、地域で活動している交通安全実践会や交通安全母の会、スクールゾーン実行委員会が実施されている交通安全事業に対する助成を行っているところでございます。また、推進委員会では、小学生の登下校時における交通安全指導など、地域での交通安全啓発活動にボランティアで従事する交通安全指導員を委嘱しておりまして、制服や指導棒などの備品の貸与やボランティア保険への加入などといった形で日々の活動をサポートしているところでございます。 ◆竹内孝代 委員  さまざまな取り組みを支援していることがわかりました。これまで述べてまいりました相次ぐ特殊詐欺等の事件、また、交通事故の防止、取り組みを強化し、地域の治安の維持・向上を図っていくためには、警察の存在は必要不可欠です。  最後に、清田区における警察署設置についてお聞きいたします。  現在、清田区は、豊平警察署の所管となっており、区内に警察署を設置すべきとの強い住民の声を踏まえて、各町内会連合会やPTA、商工振興会などの団体で構成される清田警察署設置促進期成会が平成13年に発足、区選出の道議、市議全員が顧問として一緒に要望活動等を行ってまいりました。  札幌市では、最も古くからある中央警察署を初め、厚別警察署は分区から12年後、手稲警察署は分区から15年後に設置され、現在、九つの警察署が存在し、あとは清田区を残すのみとなりました。清田区は、国道36号線を要する交通の要衝であるとともに、住宅街の形成などにより人口も11万人を超え、さらなる発展が予想されることから、警察との一層の連携が不可欠であり、区内には五つの交番が設置されるところまで来ました。そして、平成9年の清田区誕生からことしで20年目を迎え、市民からはいよいよ清田警察署の設置を望む声が強くなっております。  警察署は、安全と安心を守る拠点であるのみならず、車庫証明や駐車許可証発行など行政サービスも提供する役割があることから、市民の利便性の観点からも身近になくてはならないものです。また、交番だけでは有事の際に警察官が移動中で不在もあることから差しさわりがあるなどの懸念もあり、札幌市として清田区への警察署設置の必要性を強く認識し、北海道警察にもっと強く働きかけていくべきと考えます。  そこで、質問ですが、札幌市では、清田警察署の創設についてどのような認識を持ち、また、どのように取り組んでいるのか、お伺いいたします。 ◎槙 地域振興部長  清田警察署の創設への認識等についてでございます。  行政の大きな使命は市民の命と財産を守ることでございまして、安全で安心なまちづくりには警察との連携が不可欠であると考えているところでございます。清田区は、平成9年に誕生して以来、大型商業施設の相次ぐ立地や、幹線道路を擁して多くの車両が行き交いますことから、まちのにぎわいが拡大してきておりますけれども、その反面、交通事故や犯罪の発生リスク等に対する住民不安も高まっているのではないかというふうに懸念されているところでございます。  札幌市では、毎年、北海道警察・札幌市行政連絡会議において、北海道警察に対して清田警察署の設置要望を行っておりますほか、先ほどのお話にもございました清田警察署設置促進期成会の事務局を清田区が担ってきているところでございます。今後も、こうした取り組みを支援しながら、清田区への警察署の設置を継続的に要望してまいりたいと考えているところでございます。 ◆竹内孝代 委員  札幌市では、今後、世界的なスポーツイベントであるラグビーワールドカップが平成31年、そして、東京オリンピック・パラリンピックが平成32年に開催されます。さらに、札幌市は、冬季オリンピック・パラリンピック招致に向けた活動を力強く推進しております。いずれも札幌ドームで競技が行われることから、札幌の東の玄関口として、清田区における人や物の交流はますます盛んになると予想されておりますし、近年、大型の商業施設がふえ、市民はもとより、近郊の方々、また、観光客も多く交流している現状からも、清田区のより一層の治安対策強化が必要です。  清田警察署の早期設置は喫緊の課題であるとの認識を深めていただき、そして、北海道警察への働きをさらに強めていただき、市民の強い要請を踏まえ、安全で安心なまちづくりに取り組んでいただくことを要望して、質問を終わります。 ◆小形香織 委員  パートナーシップ制度について質問いたします。  1月に行われた財政市民委員会で、パートナーシップ制度についての報告が行われました。そこでの説明は、人口の8%程度いると言われる性的マイノリティーの方の困難を受けとめ、市民の理解の増進及び人権尊重意識の醸成を図るとして、パートナーの関係にある2人が記入したパートナーシップ宣誓書の写しと受領証を交付する制度を実施するとのことでした。  その後の2月27日、市長は、代表質問への答弁で、周知期間をある程度設けた上で制度をスタートさせたいと時期をおくらせる旨を表明され、3月6日の定例記者会見で、HBCの記者にパートナーシップ制度は当初は来月からの導入だったのではないかと問われた市長は、いつからスタートするということは今までも申し上げていなくて、新年度からこういう制度を導入したいというふうに申し上げてきたと答えております。しかし、1月31日の財政市民委員会の資料には、実施時期が平成29年4月と記載されておりますので、市長の申し上げていないというのは事実と異なると思います。  性的マイノリティーの方々は、自分がレズビアンであるとかトランスジェンダーであることをなかなかほかの人に言えないのです。思春期には、自分が何者かわからず、周りの人たちと違う恋愛観や性的指向があることを自分自身でもわからずに苦しみ、それを誰かに相談しても、社会人になれば変わるよ、彼氏ができたら変わるからなど理解してもらえない、ありのままの自分が認められない苦しさを持っております。  今回の制度導入の報道を受けて、市民から本市に1,000件の賛成の意見と151件の反対の意見が寄せられたとのことでありました。賛成する市民意見には、制度があること自体が重要なのです、私たちには居場所があるのだということを感じたいなど、みずからの体験を語りながら記したものが幾つもありました。一方、反対する意見の中には、この制度は、人権問題というより結婚制度の問題ではないか、同性婚を認めないことは差別でも人権侵害でもない、同性婚の可否は日本の歴史的文化や伝統に照らして判断すべきといったように、この制度の内容を誤解していると見られるものがありました。  そこで、伺いますけれども、結婚制度とはどのようなものか、本市のパートナーシップ制度とはどのようなものか、それぞれの内容と違いについて見解を伺いたいと思います。 ◎芝井 市民生活部長男女共同参画室長  性的マイノリティーに係るパートナーシップ制度について、結婚制度との違いについての市の見解という質問でございました。  まず、結婚につきましては、法律行為でありまして、法に定める結婚を行いますと、扶養義務や相続権などさまざまな法律上の権利や義務が発生するものと承知しております。  一方、札幌市のパートナーシップ制度につきましては、性の多様性を尊重する取り組みとして、自分たちの存在を公に認めてほしいとする当事者の気持ちを受けとめるものでありまして、具体的には、性的マイノリティーの方がパートナーとして宣誓する手続について、市の内部規定である要綱により定める制度でございます。したがいまして、法的な権利の発生や義務の付与を伴うものではなく、法律上に規定する結婚制度とは異なるものであると認識しております。 ◆小形香織 委員  法的な権利や義務は生じない、そして、宣誓書の写しを交付することでパートナーとして証明する形をとって、そうした人たちの気持ちを尊重し、受けとめるものであるということでした。そうしたことによって、住宅の賃貸契約の際や病院に入院されるときの付き添いなど、今までよりは円滑に認められる場合が少しふえてくるのかなと、日常生活が快適になることを目指したものだと思っておりますが、いずれにしても結婚制度には影響しない異なるものであるということであります。  もう一つ、反対意見として書かれておりますのは、日本の一層の少子化を招き、子どもの健全な育成を妨げると思いますといった内容のものでございます。私は、少子化の問題は、社会保障の切り下げと相まって、派遣切りなど不安定、低賃金な雇用形態がふえて貧困格差が一層広がり、子どもを産み、育てる見通しがなかなか立たない、こうした中で起きている政治的な問題だというふうに考えております。  パートナーシップ制度によって、少子化が進行するものなのでしょうか。本市の見解を伺いたいと思います。 ◎芝井 市民生活部長男女共同参画室長  パートナーシップ制度の導入により、少子化が進むとの意見に対する見解についてお答えいたします。  札幌市のパートナーシップ制度につきましては、本人の意思では選択できない性自認や性的指向に関して困難を抱えていて、現状において典型的な異性愛が難しい方が対象になるものと考えております。こうしたことから、この制度の導入により、婚姻や異性愛のありように影響を与えるものではなく、したがって少子化を進めるものではないというふうに認識しております。 ◆小形香織 委員  少子化に影響を与えるものではないということでした。  それから、同性カップルの方々への対応は個別にやってあげるべきだという声もあるとお聞きしております。  本市は、今後、電話相談窓口を開設するとのことでありますが、パートナーシップ制度がなくても個別に対応すればよいという意見についてはどのようなご見解か、お示しください。 ◎芝井 市民生活部長男女共同参画室長  個別対応をすればよいという意見についての見解に関してお答えいたします。  性的マイノリティーの方が抱える困難は日常生活の多岐にわたっておりまして、それぞれの方が置かれている状況によって困難の内容も異なることから、個別に対応することは必要であると考えております。こうしたことから新年度予算に性的マイノリティー支援事業として電話相談事業を計上しておりまして、性のありようによって深刻な困難を抱えている方の悩みを聞いて、可能な対応を行うこととしたいと考えております。  一方で、性的マイノリティーの方は、周囲の理解不足による誤解や偏見、さらには、自分たちの存在が公に認められていないように感じて、それが生きづらさにつながっているものと認識しております。そのような状況から、個別対応にとどまらず、性的マイノリティーの方も含めて、誰もが自分らしく生きるまちにしていくことが必要と考えておりまして、その第一歩として性的マイノリティーに開かれたまちのシンボルとも言えるパートナーシップ制度を創設したいと考えております。 ◆小形香織 委員  性の多様性を認め合う札幌にしよう、それは、どんな少数者も本人の意思が尊重されるような社会をつくっていく第一歩だということでございました。  40代の性的マイノリティーの方から本市に寄せられた声ですが、中学生のころにLGBTを自覚し、自分はひとりで生きてひとりで死んでいくと、毎日、不安と恐怖の中、自分を否定しながら今日まで生きてきました、この制度が導入されれば、若い性的少数者たちは自分を否定することなく生きていけます、周囲の偏見や無理解も雪が解けるように和らいでいくでしょう、こうした声が寄せられております。  この制度は、今のご答弁でも明らかになりましたが、婚姻制度を壊すものでも、少子化を招くものでも、権利や義務が発生するものでもありません。制度への誤解は実施することで理解され、実施することで周知も一層図られていくものだと思います。当事者が8%であっても、あるいはそれより少ないパーセンテージであっても、声を出せず、ひっそりと生活している人たちが一定程度いることは明らかであります。当事者の方々は、一刻も早いスタートを待ち望んでおります。先ほど、6月1日スタートとの答弁でございましたが、今度こそ確実に実施されるよう強く求めまして、質問を終わりたいと思います。 ◆阿部ひであき 委員  私からは、アイヌ住宅建築費等貸付金事業についてと(仮称)札幌博物館推進事業について、大きく2点について伺います。  まず、アイヌ住宅建築費等貸付金事業についてであります。  平成24年の決算特別委員会で、私から、アイヌ住宅建築費等貸付金事業の滞納状況等について伺いました。当時、平成23年度末現在のアイヌ住宅貸し付けの収入未済額は4億6,100万円であって、一般会計における私債権の収入未済額の総額が8億5,900万円であったことから、全体の54%も占めるという状況であり、新規貸し付けの廃止も含めた事業のあり方の見直しや滞納整理の取り組みの強化、こうしたことの必要性を指摘したところであります。早いもので、あれから5年がたちました。  そこでまず、質問ですけれども、直近の収入未済額や滞納者数などの滞納状況がどのようになっているのか、一般会計における私債権の収入未済額に占めるアイヌ住宅貸し付けの収入未済額の割合についてもあわせて伺います。  加えて、平成24年度に札幌市債権管理条例が施行されて以降、平成27年度末までのアイヌ住宅貸し付けに係る債権放棄の件数及び金額について伺います。  また、一般会計における私債権の債権放棄額に占めるアイヌ住宅貸し付けの債権放棄額の割合についても伺います。 ◎芝井 市民生活部長  アイヌ住宅貸し付けについての滞納状況と債権放棄の状況についてお答えいたします。  まず、直近の滞納状況についてでありますが、平成27年度末時点の収入未済額は4億6,673万円でありまして、平成26年度末時点と比較いたしまして2,214万円減少しております。この中には、債権放棄により不納欠損処分を行った1,623万円が含まれておりますが、この要素を除きましても収入未済額は591万円減少しておりまして、未済額が前年度より減少したのは、平成2年度以来、25年ぶりとなるものでございます。  この結果、平成27年度末の滞納者数につきましては71名、償還率は75.8%でありますが、前年度と比較すると、それぞれ2名の減少、0.7ポイントの増加と、収納の状況は改善しております。また、平成27年度の一般会計全体の私債権の収入未済額は9億881万円でありまして、これに占めるアイヌ住宅貸し付けの収入未済額の割合は51%となってございます。  次に、平成24年度以降のアイヌ住宅貸し付けに係る債権放棄の件数及び金額についてでありますが、平成25年度及び平成27年度に1件ずつの合計2件、総額では1,688万円でありまして、この間の一般会計における私債権の債権放棄額1,841万円の92%を占めている状況でございます。 ◆阿部ひであき 委員  一般会計収入未済額9億881万円中、アイヌ住宅貸し付けが4億6,673万円、割合にすると約51%ということです。当時からすると若干減ったかなというふうには思います。しかし、現在でもまだ一般会計における収入未済額の半分以上を占めている、これは紛れもない事実であります。  また、滞納者数が71人とありましたが、これは、私が事前に貸し付け人数は全部で何人いるのかと聞きましたら189人ということでしたから、189人中71人が滞納しているという状況であります。滞納状況の改善に向けていろいろと努力されている旨はわかりますけれども、まだまだ多い状況にあると言わざるを得ないと思います。さらには、債権放棄額も、2件について1,688万円で、一般会計における私債権の債権放棄額の割合でいくと92%を占めており、ほとんどがこれになっているということであります。  債権放棄に至った直接の原因というのは、債務者本人が自己破産により返済不能となったことなどがあるということです。しかし、その背景には、札幌市が金融機関のような専門的なノウハウがないにもかかわらず貸し付けを行って、今まで滞納整理の取り組みも十分になされていない状況にあったからということが言えると思います。債権放棄の手続が的確に行われていたとしても、そこに至るまでの経過が非常に問題であり、滞っているお金が市税ということを考慮すれば、市が粘り強い滞納折衝を行うなど適切な債権管理がなされることは当然のことであり、また、前提になければなりません。市によるこれらの取り組みが十分に行われないままに安易に債権放棄を行うことは、到底、許されないものと改めて申し上げておきます。  そこで、質問ですが、市は、平成27年度に専任の課長職、係長職を増員して体制強化を図って滞納縮減に取り組んできたと聞いておりますけれども、この間の取り組み内容とその成果について伺います。  また、今後の取り組み方針についてもあわせて伺います。 ◎芝井 市民生活部長  これまでの取り組み内容とその成果、それから、今後の取り組み方針についてお答えいたします。  まず、取り組み内容と成果についてでありますが、滞納者全員との面談を経て返済計画を立てることを目指して、催告書の送付や電話がけ、臨戸訪問など滞納者との折衝を強化してまいりました。この結果、平成26年度末時点の滞納者73名のうち、平成29年2月末までに約6割の42名について個々の返済計画を策定しており、さらに、そのうち6名は完済あるいは滞納の解消となっている状況でございます。  返済計画の策定に至っていない案件につきましては、継続的に折衝を行っているところでありますが、法的問題を含む案件を中心に、札幌弁護士会の協力のもとで、適宜、弁護士グループと相談、協議を行い、滞納整理の方針について助言を得ておりますほか、対応困難な案件につきましては同弁護士グループに債権回収業務を委任しております。委任ケースの中には、担保不動産の競売手続に入っているものや訴訟も視野に進めているものもありまして、全体として滞納縮減に向けてさまざまな手法で取り組んでいるところでございます。  次に、今後の取り組み方針についてでありますが、返済計画策定済みの案件につきましては、履行状況の確認を継続的に行って新たな滞納が発生しないように注視してまいります。一方、返済計画策定に至っていない案件につきましても、これまでの検討や取り組みによって滞納整理の方向性について一定の整理ができておりますことから、今後はその方向に沿って粘り強く折衝するなど、滞納整理に向けた取り組みを進めていく考えでございます。  さらに、状況に応じて、先ほどの弁護士グループへの債権回収業務委託の案件の追加、あるいは、抵当権の実行や訴訟の提起など、法的措置も含めて適正な債権管理に努めていきたいと考えております。 ◆阿部ひであき 委員  債権管理の状況については、今の答弁で明らかになったところであります。非常に地道な作業でありますので、本当に粘り強く交渉に当たっていただかなければならない、一旦、このことを指摘しておくところです。  しかしながら、この事業は、単に債権の管理ばかりではなくて、いまだに新規の事業になっている部分もあるわけです。この事業においては、国や道の要領に基づいて実施されているということですけれども、今の滞納状況等々を見ても、単に国や道から4分の1の補助金があるからという観点のみで進められるような事業ではないということはあえて言っておきます。  ましてや、4分の3は市民の税金を投入しているわけであります。そして、貸付金全体の4分の1に相当するほど返済額が滞るような本事業の継続は、現時点から見ても、また、私は前に銀行員をかじったことがあって、融資もやりましたが、こんなのはちょっとあり得ないなと思います。真剣に見直しを検討すべきであります。何より、本市にとって財政健全化に逆行しているとも言えるこの取り組みを、しばらく実績がないにもかかわらず、そのまま残していること自体、問題認識の欠落と言わざるを得ないのではないでしょうか。  そこで、改めて質問しますけれども、事業のあり方を検証し、この事業そのものを廃止して収入未済額の回収業務に専念すべきだと思いますが、本市の見解を伺います。 ◎芝井 市民生活部長  アイヌ住宅貸し付けの廃止に関する考えについてお答えいたします。  本制度は、アイヌの方の先住民族としての歴史や現状での生活格差を背景に、生活向上に関する施策の一つとして、国や北海道の制度のもとに全道的に展開している事業でありまして、札幌市もこの枠組みの中で事業を実施しているものでございます。  近年の歴史的な低金利により、アイヌ住宅貸し付けの金利2%が相対的に高金利となっていることを背景といたしまして、ここ数年、貸し付け実績はないものの、毎年、貸し付けの相談はあり、なお制度のニーズは失われていないというふうに認識しております。さらには、アイヌの若い世代が家庭を持つ場合や市外から転居してくる場合に住宅を新築する、あるいは、現在居住する住宅の老朽化に伴い、改修を行うといった需要に向けて、引き続き本制度は必要であると考えております。  平成27年度にこの貸し付け制度の運用のあり方について検討を行った外部有識者による検討委員会におきましては、借り受け人や連帯保証人の要件の厳格化など、貸し付け制度の運用の見直しを行いながらも、この貸し付けが公共の福祉に寄与することなどから、今後も運用継続が望まれるとの意見をいただいたところでございます。  こうしたことから、今後も金利情勢を注視しつつ、市民理解をいただけるよう、引き続き収納対策の努力を最大限行った上で、当面は制度を維持していきたいと考えているところでございます。 ◆阿部ひであき 委員  今や、生活向上を必要としているのはアイヌの方ばかりではないと思います。また、償還率の低さに鑑みても、この事業は、市税である貸付金が滞る可能性が非常に高くても仕方がない、そういうスタンスにあるのではないかというふうにも言えます。それでも、債権回収はしっかりやるから、大したノウハウがなくても、新規の貸し付けもやりますと言っているように聞こえます。まるで、ざるで集めた水を穴のあいたバケツに注ぐような行為に等しいのではないかというふうに思います。  また、先ほどの答弁にあった平成27年度の外部有識者による検討委員会において運営継続に至った経緯ですが、私はそのときの資料も改めて拝見させていただきましたけれども、この制度のそもそもあるべき根幹、すなわち、貸し付け事業を行う上での実務レベルの見直しが非常に甘いなというふうに思うのです。また、これでよく継続になったなというのが実感であります。  制度運用を見直したという答弁でありますが、一つ一つをひもとくと、例えば、今まではなかった年齢条件ですけれども、この外部委員会でそれを設けて、80歳までにしたということであります。これは、金融機関に倣ったと言っても、実務的に考えれば、もちろん誰でも80歳までオーケーということではありません。個々のさまざまな融資要件をここまでクリアしていれば80歳までいいですよとか、そういうしっかりとした判断基準が設けられていなければならないのに、それがないということです。  そして、2点目は、抵当権の順位が1位でなくてもいいというのは、担保要件の確保もしっかりとした観点に立っていないのですね。  3点目は、申し込み人や連帯保証人の信用保証情報です。これは、全国信用保証協会連合会というものがありまして、実際に、どの金融機関も、その方の滞納状況や、あるいは、連帯保証人がブラックリストに載っていないかどうか等々の信用情報をとれるシステムになっているはずですけれども、事、この事業についてはこれがとれません。そのため、信用情報の取得が行われていないし、また、取得するための取り組みも全く行われていないのであります。さらにまた、個人の万が一の場合のために入った生命保険をどうするのか、あるいは、火事になったときのための火災保険の加入において質権設定をどうするのか、そうした細かい実務レベルの担保の確保という議論が全然なされていない。これは、言えば切りがありません。抜け穴が非常に大き過ぎて、穴のあいたバケツと言いましたが、底が抜けていると言っても本当に過言ではない状態にあるのがこの事業です。新規の貸し付けにおいてはそういう段階なのですよということであります。でも、こうしたノウハウがまるでないのにまだ続けますよと言っているということなのですね。  皆さんに、どうしてこういうふうになってしまうのかと言っても、皆さんは金融機関ではないので、恐らくそういったところには気づかないのかなと思います。しかし、そういうところをきちんと詰めて、その方に貸して本当に大丈夫なのか、そして、万が一のことがあったときにはどれぐらいの担保がきちんと確保されるのか、担保の確保のためにどれぐらいやらなければならないのかと。私は、そういうことが何もない中で継続しますと言うのはおかしいと思うわけであります。  平成27年度の有識者における検討委員会の意見を何の疑念もなく受けてしまっていますが、この検討委員会の意見の中に、本貸し付け制度の貸し付け審査基準について、本貸し付け制度の借り受け者の相当数は金融機関からもあわせて借り受けを行っており、金融機関の貸し付け審査も通過している等から大きな問題点があるとは考えられないという内容の文章があります。ほかの金融機関の貸し付け審査を通過しているから問題点が考えられないという内容でこの事業の継続が決まったというのは、何でもない文章のように聞こえます。しかし、通常、金融機関の貸し付け審査を通過するということは、それなりの貸し付けに対する審査基準を通過するからでありまして、そこには、それぞれの金融機関が抵当権順位の1位をしっかり確保しているとか、あるいは、団信などの生命保険も確保している、さらには、火災保険の質権設定もやっているし、保証会社の保証つきと、がんじがらめにしてようやく金融機関が貸し付けを行っているわけであります。個別にそれを確保しているから通過するのであって、別にこの事業の継続とは何の因果関係もないと思いますよ。大丈夫なのは担保を十分に確保しているそれぞれの金融機関であって、皆さんが行っているこの事業ではないはずであります。そうした中で、非常にきれいなという言葉を使ってしまいますが、表向きはそれによって飾られて、本来あるべき実務のレベル、実際にこういう基準ではこうやりますよといった一つ一つのノウハウが抜け落ちている、こういうレベルの事業であることを改めて申し上げておきます。  国や道の制度のもとで全道的に展開している事業であり、制度のニーズなどが失われていないことなどから廃止するつもりはないということでありますけれども、今申し上げたような意見が展開され、その中身についても何の疑いもなく事業継続を決めたと言わざるを得ません。本来ならば、そもそも、貸し付け額の4分の3もの多大な負担を占める本市が現状を判断して、逆に、私が今申し上げているやりとりやこういう議会のやりとりを国や道に一つ一つ説明して、事業の廃止を働きかけることこそ重要ではないかというふうに私は考えます。効果的かつ具体的な収入未済の問題解決策もない中で、しかも、地道に回収を図るしかない状況の中で、これ以上の未済額をふやさないためにも、新規貸し付けはせず、事業を廃止する方向で改めて見直されるのが当然であるというふうに考えます。  さらに、この実務レベルの話で大分時間を割いてしまいましたが、もう一つ重要な点は、先ほどもちらっと述べましたが、やはり、何といっても、現在ある収入未済額について安易に債権放棄に走ることは決して許されないことだと、あえてつけ加えておきます。  本市自体が本事業に対して問題意識をより高める中で、新規事業そのものの見直し、特に貸し付けにおける実務やノウハウなど、肝心なものが何もないこの新規貸し付け事業は、市税をどぶに捨てるような事業なので、廃止の方向でしっかりと前に進めるべきであります。このことは、単に強くというよりは、前に強く述べておりますので、とりわけ強く指摘して、この質問を終わります。  次に、(仮称)札幌博物館推進事業についてであります。  先日、皇太子殿下が冬季アジア札幌大会開会式出席のために来札されました。私も、市議会の総務委員長でしたので、特別奉送迎者の一人としてお迎えいたしましたが、来札の折、皇太子殿下は、開会式に先立ち、厚別区の野幌森林公園内にある道立の北海道博物館をご訪問され、マンモスの骨格標本や土偶のレプリカ、北海道の自然、文化、歴史に関する展示を熱心にごらんになられたということであります。殿下に北海道についてご関心を持っていただけたことは、一道民として大変喜ばしいことでありますけれども、札幌市が主催する一大イベントのためのご来札であっただけに、都心部近辺で本市が運営する施設にご案内申し上げることができたならばという思いもあり、少し残念な気持ちであります。  しかしながら、今回のご訪問は、自治体の運営する地域の博物館の役割、自然、歴史、文化など、その歴史のアイデンティティーや魅力を探求し、発信するという重要な役割について、改めて実感させられる出来事になったのではないかというふうに考えます。  現在計画中の札幌博物館についても、平成27年3月に策定された基本計画において、自然史の観点から、札幌の自然、歴史、文化を明らかにするとしておりますけれども、このような活動を通じて市民が郷土への愛着や誇りを育み、そして、札幌を訪れる観光客などに札幌の魅力を伝えることができる非常に重要な施設になると大いに期待するところであります。  そこで、質問ですが、現在、札幌市まちづくり戦略ビジョン・アクションプラン2015に基づいて、博物館整備に向けた展示内容や事業活動の展開方法などを定める展示・事業基本計画の策定を進めているとのことでありますけれども、これまでどのような検討を行ってきたか、また、今後の検討の見通しはどのようになっているのか、伺います。 ◎川上 文化部長  展示・事業基本計画の策定に向けてこれまでどのような検討を行ってきたのか、また、今後の検討の見通しはどうかというご質問でございます。  まず、これまでの検討状況についてでございますけれども、この展示・事業基本計画は、平成28年度、29年度の2年間で策定することとしておりまして、今年度は、博物館を取り巻く動向の分析とあわせて、他の自然史系博物館への視察や取り組み事例の検証などを行いますとともに、(仮称)札幌博物館基本計画に基づいた具体的な事業内容や展示内容の検討を行っているところでございます。  次に、今後の見通しについてでございますけれども、平成29年度は、今年度の検討内容を精査いたしますとともに、有識者などへの意見聴取などを行いまして、来年度末をめどに計画を取りまとめていきたいというふうに考えているところでございます。 ◆阿部ひであき 委員  今は具体的な事業内容や展示内容の検討を行っていて、来年度ですから、平成30年3月ぐらいをめどに計画を取りまとめていくという答弁であります。  我が会派も、かねてから、札幌博物館の整備について多大なる関心を持っておりまして、先日も、我が会派の有志で愛知県の豊橋市自然史博物館及び三重県総合博物館を視察してきたところであります。その報告書に目を通したところ、これらの施設では、資料の整理あるいは来館者の案内など、多数の市民がボランティアとして博物館の運営を支援しているほか、博物館のパートナーとして、学芸員の支援を受けながら調査活動を行ったり、体験学習やイベントなどの来館者向けのプログラムを自主企画したりしているとのことでありました。このような市民の力は、単に博物館の運営に役立つというだけにとどまらず、博物館自体の魅力をより一層高める重要な要素だと考えます。
     本市の博物館活動センターでは、開設以降、市民とのパートナーシップを基本に、ソフトを蓄積、充実させながら、成長、発展する博物館づくりを進めるとして、自然調査や化石の発掘、クリーニングなど、市民と連携したさまざまな事業や取り組みを進めてきたと伺っております。  しかしながら、博物館基本計画が策定され、札幌博物館の開館という一旦の目標地点が明確になった今、開館を見据えた事業へのさらなるレベルアップが必要ではないかと考えます。特に、博物館活動センターは、機構改革に伴い、今年度から市民自治や市民活動の推進、地域振興などに取り組む部局とともに市民文化局に統合されて、市民文化局長の指揮のもと、これらの部局と相互に連携を図ることで、博物館活動に協力してくれる市民や団体の裾野を広げる展開がより容易になっていくものと考えられ、その点から言えば、より効果的な機構改革ではなかったかというふうに考えます。  そこで、質問でありますが、今年度、博物館活動センターでは、市民との連携あるいは市民向けの事業としてどのような活動を行ったのか、伺います。 ◎川上 文化部長  博物館活動センターでは、今年度、市民との連携あるいは市民向けの事業としてどのような活動を行ってきたのかというご質問でございます。  博物館活動センターでは、従前より行ってまいりました市民向けの講座のメニューや実施回数の拡充を行ってきたほか、化石クリーニングボランティア団体の協力による鯨化石の研究など、市民との連携による事業を着実に進めてきたところでございます。また、より多くの子どもや市民の方に博物館活動に参加いただけるよう、札幌駅前通地下歩行空間で初めてイベントを開催したほか、未就学児童から楽しめるワークショップイベントを開催するなど、新たな事業にも取り組んできたところでございます。  今後、さらに多くの市民の方と連携し、参加いただけますよう、多様な事業メニューの構築を行いますとともに、関係部局とも連携しながら事業の周知も積極的に行ってまいりたいと考えているところでございます。 ◆阿部ひであき 委員  他都市の事例を見ても、この事業そのものは、本当により多くの市民に対して連携、参加を呼びかけて、それに対する協力をいただかなければならないものであります。あわせて、先ほどの三重県総合博物館では、子どもが博物館のあり方などについて話し合う子ども会議、あるいは、大学との連携などを通じて、大人だけではなく、子どもや若者が博物館の運営や活動に主体的に参加できる仕組みが整えられているとのことでありました。  そこで、質問でありますけれども、本市においても、本市の未来を担う子どもや若者が札幌の自然、歴史、文化に関心を持ち、行動していただくために、博物館の運営や活動に参画できる事業の充実が必要と考えますがいかがか、伺います。 ◎川上 文化部長  子どもや若者が博物館の運営や活動に参画できる事業の充実についてのご質問でございます。  委員がご指摘のとおり、私どもといたしましても、子どもや若者が博物館の運営や活動に参画するための多様な仕組みづくりは、大変重要であると認識しているところでございます。こうした中、博物館活動センターでは、これまでにも、体験学習会や小・中学校への出前講座など、子どもたちを対象としたさまざまな事業展開を行ってきたところでございます。今後、さらに子どもや若者が博物館活動センターの事業に主体的に参画していただけますよう、子どもや市民との協働事業や、高校や大学といった教育機関との連携事業など、来年度に向けて新たな事業の展開について検討を進めているところでございます。 ◆阿部ひであき 委員  札幌博物館についても、今後の開設に向けて市民への周知をさらに進めていただきながら、そして、札幌市全体の機運醸成を図るとともに、開館後も多くの市民や企業、団体などから幅広いご支援、ご協力が得られるように取り組みの幅をさらに広げていただきたいし、このことは重要であるというふうに考えます。  次に、立地条件についてお聞きしたいと思います。  博物館の立地場所は、展示内容と並び、最も重要な検討事項だと私は考えます。先ほど例に挙げた二つの博物館は、いずれも所在市の中心駅から電車やバスで5分から10分程度と交通の利便性が大変よい場所に立地するとともに、文化施設が集積するエリア内に整備されております。特に豊橋市の自然史博物館は、動物園や植物園と一体的に整備されており、来館者は、博物館で生命の進化の過程をたどったのち、動物園で現在の動物の生の姿を直接観察することで、自然の仕組みについてもより深く学べるようになっております。  札幌博物館の立地条件についても、市民や観光客が来訪しやすく、集客が見込めることに加えて、札幌の魅力を伝える文化・自然ゾーンと一体整備することで、博物館を訪れ、札幌の自然史やまちの成り立ちについて学んだ来館者が、そのまま札幌の現在の自然や文化に触れ、さらに札幌に対する興味や関心を高めてもらえるように検討を進めることが望ましいと考えます。  そこで、質問ですが、この点について、基本計画でも、集客性や周遊性、他の関連施設との連携などの観点から都心が候補として想定されていますが、現時点における立地場所の検討状況及び今後の見通しについて伺います。 ◎川上 文化部長  現時点におけます立地場所の検討状況及び今後の見通しについてのご質問でございます。  まず、現時点におけます立地場所の検討状況についてでございますが、立地場所につきましては、委員がご指摘のとおり、私どもも、市民や観光客の集いやすい都心部で、かつ、札幌の魅力や成り立ちを実感できる文化施設、自然環境が周辺にあることが重要な条件であると認識しておりまして、こうした考え方のもとに現在検討を進めているところでございます。  また、今後の見通しについてでございますが、現在、都心部に求められる他の行政機能も含めた土地利用について全庁的に検討を進めているところでございまして、可能な限り早期に決定してまいりたいと考えているところでございます。 ◆阿部ひであき 委員  都心部に立地することとともに、もう一つ忘れていただきたくないなという視点は、やはり、しっかりとした敷地の確保です。これは、どうしても忘れていただきたくないなと思います。どこの博物館を見ても、十分な敷地を本当に広々と使って、その上に展示物を置いております。やはり、そうしたところも視点の中に入れていただきながら、より検討を進めていただきたいと思います。  最後に、博物館の建設について今まで段々のやりとりをしてきましたけれども、長年、この取り組みに当たられながら、このたび退職されます板垣副市長に、今後、この取り組みの思いを引き継ぐという意味で、本市における博物館建設の思いについて改めて伺って、私の質疑を終わりたいと思います。 ◎板垣 副市長  博物館建設に向けましての思いということでございます。  博物館構想というのは、私は係長時代に文化部でコンサートホールの立ち上げの仕事をやっておりましたが、その段階から既にどうするかという議論をしておりまして、今ようやくここまで来たなという感じでございます。  博物館というのは、委員もご存じのとおり、単にそのまちの歴史などの資料を展示するだけではなくて、まちのアイデンティティーそのものでございます。特に、国際都市さっぽろとして、今はMICEの施設も検討しておりますが、これだけ多くのお客様がいらっしゃるまちになった札幌としては、ぜひとも必要な施設ではないかと思っているところでございます。  建設場所につきましては、先ほど文化部長からご説明申し上げたとおり、いろいろな角度から検討しておりますが、都心部の中でも、やっぱり、いかにも札幌らしい博物館がここでよかったなという場所にすべく、今、検討しているところでございます。札幌の場合、大型物件をつくるときは、大体、他都市に比べると最後発になって、一番最後につくるのが札幌市の伝統といいますか、そういうところがございます。それはなぜかといいますと、必ず他都市のいいところを見て、失敗したところをしっかり反省し、いいとこどりをして最後につくる、それでいいものができる、これが札幌市の伝統でございます。コンサートホールも最後発でございましたし、ドームも最後発でございますが、いずれにしろ、すばらしいものができ上がっておりまして、そういうことも含めて、博物館もすばらしいものができるものと期待しておりますので、ぜひ、委員の皆様方のご支援をいただければと思います。 ◆ふじわら広昭 委員  私は、札幌市民交流プラザ内に設置される札幌文化芸術劇場と札幌文化芸術交流センターについて質問いたします。  同交流プラザは、北1西1地区市街地再開発組合により、2015年、平成27年1月から建設が始まり、高層棟は地上28階、低層棟は地上14階、地下4階となる建物の全体の形が見えつつあります。  私は、昨年の決算特別委員会で、優先受け付けの状況、稼働率の目標、自主事業の準備体制、そして、開設準備と自主事業の作業を加速するため、管理部門と事業部門への専任部長の配置等について質問いたしました。本日の予算特別委員会では、引き続き、その進捗状況等について質問いたします。  最初の質問は、文化芸術劇場の予約状況等についてであります。  昨年の決算特別委員会における答弁では、優先受け付けがスタートしたばかりであるけれども、滑り出しとしては順調との趣旨の答弁がありました。また、設定した稼働率達成に向けて、営業活動を強化し、新規利用開拓のために効果的な広報活動を展開していくとの答弁がありました。  そこで、2点質問いたします。  質問の1点目は、札幌文化芸術劇場では昨年10月から貸し館事業における優先受け付けを開始しておりますが、直近の予約状況はどのようになっているのか、伺います。  質問の2点目は、昨年の決算特別委員会以降に行った広報・営業活動はどのような取り組みを行ってきたのか、まず、2点伺います。 ◎石川 市民交流プラザ開設担当部長  札幌文化芸術劇場における貸し館日の24カ月前から行う優先受け付けにつきましては、現在、平成30年10月分から平成31年3月分までの受け付けを行っているところでありまして、現時点で34日間、21件の申し込みがあったところです。これに主催事業分の13日間の3件を加えますと、全体で47日間、24件の利用日数で、この期間における稼働率は29.6%という状況になってございます。  次に、広報活動についてでございますけれども、これまで、ホームページ、ツイッターやフェイスブックなどでの情報発信に加えて、10回ほど開催したプレイベントにおきまして施設のPRを行ってきたほか、3月20日からは、地下鉄大通駅の大型シート広告、22日からは東西線大通駅のホーム柵広告、24日以降には新聞各紙の紙面広告も予定しておりまして、今後もさまざまな媒体を活用して周知を図っていく予定でございます。  営業活動につきましては、今年度前半にイベント会社、新聞社、放送局、コンベンション関係者など約60団体を訪問して利用に関する説明を行ってきております。このことによってさらなる人脈形成が図られ、今年度後半には具体的な問い合わせもふえまして、その際に改めて利用の呼びかけをするといったようなこと、それから、個別に再度の訪問をするなど、貸し館による利用日数の増加に向けて取り組んでまいったところでございます。 ◆ふじわら広昭 委員  今、受け付け状況や今後のPRに向けた取り組み、そしてまた、宣伝効果をさらに促進するための内容などが明らかになりました。特に、今の答弁にもありました平成30年10月から31年3月までの6カ月間は、貸し館と自主事業で24件、期間としては47日間、パーセンテージとしては約29%という数値でありました。  私は、昨年の決算特別委員会でも質問しましたが、その中での答弁としては、利用可能日数は年間で335日と想定している、そして、貸し館や市民利用あるいは営業努力、自主事業なども踏まえて、このうち270日間程度、80%の稼働率を目指していくということでありました。  しかし、今聞いたところによりますと、半年間ではありますが、29%と30%を下回る状況になっているわけであります。ニトリ文化ホールの受け付け状況なども調べてみましたら、興行する1年ぐらい前からそうした予約申し込みがふえていくということでありますけれども、私は決して楽観できない状況にあるのではないかというふうに考えておりますので、この点については、ぜひとも一層の取り組みをしていただくことを強く求めておきたいと思います。  次は、2017年度、平成29年度事業について伺います。  2018年、平成30年の開館に向けて、知名度を高め、オープンに対する機運を盛り上げていくためには、準備段階である新年度に何を行うかが非常に重要と言えます。また、劇場の稼働率を向上させるためにも、主催事業が重要になると思うわけであります。  そこで、質問ですけれども、平成30年10月の札幌文化芸術劇場のオープンに向け、新年度はどのような事業を行っていくのか、具体的に伺いたいと思います。 ◎石川 市民交流プラザ開設担当部長  札幌文化芸術劇場における平成29年度の取り組みについてでございます。  平成29年度につきましては、平成30年度以降の主催事業の企画、それから、既に決定しておりますオープニング事業の準備を行っていくこととしております。また、平成30年10月のオープンに向けて市民の機運醸成を図るために、プレイベントとして、こけら落としの指揮者であるアンドレア・バッティストーニ氏の指揮による札幌交響楽団の演奏会、それから、オペラ、バレエの入門講座のほか、今年度から行っておりますまちなかコンサートを5区で開催するなど、施設のPRを実施することとしております。 ◆ふじわら広昭 委員  ぜひとも、そういう新年度の事業にしっかり取り組んでいただいて、市民に対する周知や稼働率の向上にも役立てていただきたいと思います。  次の質問は、オープニング事業と地元文化団体との連携についてです。  平成30年10月の開館時は、今も答弁がありましたとおり、開館記念式典とこけら落としでオペラの公演が予定されております。市民交流プラザの全国的な認知度を深め、プラザの機能や可能性等を発信するためには、開館時のイベントだけではなく、一定期間、オープニング事業を続けることが重要だと思います。また、札幌市民とともにオープンを盛り上げ、市民に愛され使ってもらうためにも、地元の文化芸術団体と連携し、つくり上げていくことが極めて重要だと言えます。  そこで、4点質問いたします。  質問の1点目は、札幌文化芸術劇場のオープニング事業における地元の文化団体との連携をどのように考えているのか、伺います。  質問の2点目は、地元文化団体に対し、具体的にどのような支援策を考えているのか、伺います。  3点目の質問は、その支援策はいつ決定するのか、伺います。  4点目の質問は、どのような団体や個人が支援の対象となると考えているのか、以上の4点について伺います。 ◎石川 市民交流プラザ開設担当部長  札幌文化芸術劇場のオープニング事業につきましては、施設が最も注目される時期に行うものでありますことから、劇場の持つ魅力を広くアピールするとともに、幅広い層の市民の鑑賞機会の充実、それから、市民交流プラザの開館を市民とともに盛り上げていくための事業と考えてございます。したがいまして、劇場の持つ機能を最大限に生かした公演の実施や多様なジャンルの公演の提供、さらには、多くの市民が公演に参加できる機会の創出につなげるという観点から、地元の文化団体と連携していくことは大変重要であるというふうに考えてございます。  また、オープニング事業における地元の文化団体への支援策といたしましては、共催事業としての会場利用料金の軽減、あるいは、舞台技術者による人的支援、また、広報に関する支援などを検討しているところでございます。  その支援策の決定時期ということでございますが、各団体が劇場を利用する際の事業計画に影響を及ぼすことも考えられるとともに、公演の準備期間は少なくとも1年間は必要であるというような意見も伺っておりますことから、オープンまで1年6カ月余りとなった現在、来年度早々に決定しなければならないと考えてございます。また、支援の対象となる団体や個人についてでございますが、本格的な舞台芸術を展開できる劇場にふさわしい事業内容であることに加えまして、公演の鑑賞以外においても幅広く市民に舞台芸術に触れる機会を提供するために、市民向けのワークショップなども行っていただけることを条件にすることなどを検討しているところでございます。 ◆ふじわら広昭 委員  支援策については新年度の早い時期ということでありますが、我々が押さえている状況の中では、主催者事業、いわゆる地元の文化団体と協力した自主事業はまだ固まっていないと。まだ1年あるから大丈夫ということかもしれませんが、急ぐ余りに中途半端なものになっても困りますので、地元の皆さんとの協議を進めて、しっかりとした取り組みをしていただきたいというふうに考えております。  また、地元の文化団体は当然でありますが、さまざまな芸術文化活動に取り組んでいる個人やグループ、団体もいらっしゃいます。私ども民進党の会派には、そうした皆さんから、我々も対象になるのだろうかという問い合わせなどもあります。そちらで公表しているパンフレットなどを見ますと、メーンとなる劇場以外にも、200席前後の椅子を確保した階段教室のような練習室があって、こうした貸し出しも可能となるなどいろいろ考えていらっしゃるようでありますので、どうかパンフレットの内容をホームページなどさまざまな形で有効に活用して周知、PRをしていただきたいと思います。  次の質問は、札幌文化芸術交流センターについてです。  オープニング時には、文化芸術劇場だけではなく、文化芸術交流センターと連携して盛り上げなくてはならないと思います。同交流センターについては、いまだにコンセプト、概念や機能がわからないという声が私どもにも多く届いております。企画専門委員会、また、地元の文化芸術団体、市民などからもさまざまな意見や提言が出されていると思います。  そこで、2点質問いたします。  質問の1点目は、同交流センターの活動について、企画専門委員会等でどのような意見や提案が出されているのか、伺います。  質問の2点目は、いつまでに自主事業、オープニング事業を決めていくのか、改めて伺いたいと思います。 ◎石川 市民交流プラザ開設担当部長  札幌文化芸術交流センターにつきましては、全国的に類似事例が少ない施設であることから、オープンまでの施設の広報、PRを目的としたプレイベントを含めた自主事業のあり方、そして、主催事業の企画立案において企画専門委員としてどのようにかかわっていくべきか、こういったことを中心に企画専門委員会で議論がなされてまいりました。その結果、企画専門委員会としては、オープン以降の主催事業について、企画検討の初期の段階から委員会の事務局である札幌市芸術文化財団とともに立案に向けて議論を重ねていくこととされまして、また、PR的なプレイベントにつきましては、芸術文化財団において実施していくとの結論に至ったところでございます。  企画専門委員会から出された意見といたしましては、事務局が提示したプレイベントの事業案に対して、札幌らしさを出したものとすべきだとか、若年層への周知にはやはりソーシャルメディアの活用が重要であるとか、今年度に実施したプレイベントでのアンケート結果を詳細に分析して企画立案に生かしていくべきであるといったご助言がなされました。また、交流センターが事業の柱としている人材育成、普及・発信、相談・調査研究については、国の文化施策にのっとったもので評価できるといったご意見もいただいたところでございます。  そして、主催事業の決定時期についてでございますが、交流センターにおける貸し館の一般受け付けがことし9月に開始されることになっております。それまでには、平成30年度の主催事業について決定しなければならないと考えております。非常に限られた期間ではございますが、今後、企画専門委員会以外の場でも委員と協議を重ねまして、主催事業の内容を検討していきたいというふうに考えているところでございます。 ◆ふじわら広昭 委員  ぜひ、企画専門委員会、また、もう一つの委員会の方々の意見、また、市民からのさまざまな意見等も聞いて具体的な取り組みをしていただき、9月までに自主事業の内容をしっかりと公表できるようにしていただきたいと思います。  最後の質問は、組織体制についてです。  今回、予算特別委員会で質問し、そちらが答弁した項目を着実に具体化し、実行していくためには、札幌市民交流プラザを運営する組織を強化していく必要があると思います。  そこで、質問でありますが、昨年の決算特別委員会で指摘いたしましたように、管理部長と事業部長の2部長体制にすべきと思いますけれども、こうした取り扱いについてはどのように考えているのか、池田局長に伺いたいと思います。 ◎池田 市民文化局長  市民交流プラザの組織体制についてのご質問でございます。  市民交流プラザのオープンを1年半後に控えまして、委員にも従来からご指摘いただいておりますけれども、開設準備業務全般を統括管理する部門、それから、地元団体との連携とかオープニングシリーズを含めた自主事業を企画する部門、それぞれに専任の部長職を配置しまして、万全の体制でオープンを迎える必要があるだろうという認識については、指定管理者である札幌市芸術文化財団とも一致しているところでございます。同財団におきましては、市民交流プラザの開設準備事務を最優先課題としていただいておりまして、組織力を集中して取り組むべく、新年度から専任の管理部長、事業部長を配置することを含めて体制強化を図る考えでございます。  なお、開設準備業務を円滑に進めるために、札幌市から当財団への派遣職員の増員も予定しているところでございます。 ◆ふじわら広昭 委員  ぜひとも、2部長体制を実現していただきたいと思います。  そこで、要望を申し上げて、質問を終わりたいと思います。  1点目は、市民への周知を図っていく、あるいは、市内外に市民交流プラザ内にある札幌文化芸術劇場を広めていくためには、いろいろな手法が考えられますが、例えば、いろいろな大きなイベントのときにカウントダウンなどが企画されます。そこで、市民交流プラザにある幾つかの施設をしっかりとPRしていくためにも、私はカウントダウンを企画していくべきだと思います。ただ、この期間というのは、やはり長くても短くてもいけません。そこは、皆さん方のほうが専門家ですから、どのような期間がいいのかということはお任せしたいと思いますが、先ほどの部長の答弁にもありましたように、新年度の事業としては、札幌文化芸術劇場に関する事業、札幌文化芸術交流センターに関する事業、そして、劇場と交流センター共通の事業という大きく三つの枠で事業が組まれて、10項目前後の細かな取り組みが予定されておりますので、さらに、新年度に始まる第2回目の札幌国際芸術祭との連携なども含めながら、こうしたカウントダウンを企画していくことをまず求めておきたいと思います。  二つ目の要望は、札幌文化芸術劇場と札幌市が所有するほかの市有施設、例えば、Kitara、教育文化会館あるいは市民ホールとの関係であります。今まで、私が質問してきたり、そちらからいただいた資料を見た限りでは、劇場の機能などから判断するとどうしてもクラシック系のものが多くなりがちになるのではないかという懸念があります。決して、クラシックを否定するものではありません。こうした取り組みはKitaraや教育文化会館でも行ってきて、そのことによってKitaraや教育文化会館も自主事業を踏まえて80%後半の稼働率となっているわけであります。そういう意味では、既存の施設と公演内容がダブったり、また、同じ公演のパイを奪うようなことではいけないと思うわけでありまして、難しい要素はありますが、同劇場の特色を生かした公演をしっかりと検討していく必要があると思います。  同時に、自主事業では、地元の文化団体や個人、グループの公演を積極的に支援して、札幌市民がそれに触れる機会、鑑賞する機会が多くなるよう取り組んでいくことを求めて、質問を終わります。 ○よこやま峰子 委員長  ここで、およそ60分間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午前11時58分       再 開 午後1時     ―――――――――――――― ○中村たけし 副委員長  委員会を再開します。  休憩前に引き続き、質疑を行います。 ◆小口智久 委員  私からは、(仮称)丘珠縄文遺跡公園整備の進捗状況と市民に向けた取り組み、それから、アイヌ施策の推進について質問いたします。  まず初めに、(仮称)丘珠縄文遺跡公園整備事業について伺います。  近年、縄文社会は、豊かな自然環境の中で、1万年以上も狩猟、漁労、採集を生活の基盤としながら、本格的な農耕や牧畜を行わず定住生活を続けたことが判明してきており、世界的にも稀有な存在と高く評価されております。また、長きにわたって自然と調和し、共生しながら、平和で争いのない社会を持続してきたことは、課題が山積する現代社会に生きる我々にとって、改めて縄文時代に生きた先達に学ぶべきことが多いと考えます。  そのような中、縄文文化に関する市民向けの展示会が多く開催されることになり、先月のさっぽろ雪まつり開催期間中では、北海道庁赤れんが庁舎において縄文雪まつりと題する展示会が開催され、函館市内から発見された国宝の中空土偶のレプリカとともに、札幌市内から出土した縄文の土偶も展示され、大いに好評を博したと聞いております。こうしたことから、市民の縄文文化への関心は高まりつつあるものと考えます。  さて、平成27年4月に策定された(仮称)丘珠縄文遺跡公園整備基本計画を興味深く拝見しましたが、我がまち札幌の悠久の歴史を身近に、しかも肌で感じることができる施設が建設されるということは、市民の方々、とりわけ子どもたちの知的好奇心をかき立てるためにとても有意義なことと考えます。  基本計画では、札幌の縄文遺跡の魅力を発信していくために、市民と協働で継続的な調査研究を行い、遺跡の価値を探求、発信していくことを通じて、遺跡の整備と活用、運営を考えていくことを目指すとうたっており、平成30年度のオープンに向け、期待が膨らむところであります。  そこで、質問ですが、今年度の取り組み内容と来年度に予定している取り組みはどのようなものか、伺います。 ◎川上 文化部長  (仮称)丘珠縄文遺跡公園整備の進捗状況についてのご質問でございます。  まず、今年度の取り組みについてでございますが、市民参加による発掘調査研究や体験活動の機能を備えたガイダンス施設の建設予定地にございますレストハウスみのりの家の解体工事の実施設計を行いまして、工事に向けた準備を進めるとともに、ガイダンス施設の新築工事に関する基本及び実施設計を行ったところでございます。また、平成27年度から継続して市民ボランティア養成のためのワークショップを実施しておりまして、今年度は19名の市民の方がワークショップに参加し、4回、6日間の開催で延べ83名の方が勾玉づくりや土器づくり、土器の野焼きを体験しました。さらに、秋にさとらんどで開催した丘珠縄文遺跡秋まつりでは、実際に出前展示の開設や火おこし体験指導などのボランティアガイドの体験をしていただいたところでございます。  次に、来年度の取り組みについてでございますが、まず、ハード面におきましては、レストハウスみのりの家の解体工事を初め、ガイダンス施設の新築工事、また、さとらんどセンター内に丘珠縄文遺跡の出土品を公開する展示室や、出土品の整理作業や収蔵のためのスペースを整備する予定でございます。また、ソフト面では、今年度に引き続きまして、遺跡公園の運営にかかわっていただくボランティア養成のための市民ワークショップを開催し、その中で、縄文文化や遺跡公園に関する知識や理解を深めていただく勉強会、また、ボランティア活動のマニュアル作成など、オープンに向けた具体的な準備を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。 ◆小口智久 委員  ただいまご答弁がございまして、来年度に本格化するレストハウスの整備工事、あるいは実施設計などの準備が進んでおり、また、ボランティア養成のためのワークショップを行っていること、さらに、来年度は、みのりの家の解体、各種の出展が行われるほか、ソフト面としてはボランティア養成のための勉強会を行っていくということで、その進捗状況もわかりましたので、次に、市民に向けた取り組みについて伺います。  本整備の特徴は、基本計画にありますように、「市民が育てる成長する遺跡公園」ということです。これは、貴重な遺産を未来へつないでいくという意味も含まれていると思われますが、他の自治体にはこのような施設は見当たらず、初めての試みです。ついては、ハード面の整備の大切さは言うまでもありませんが、何より大切なことは多くの市民の方々に遺跡公園に来ていただくことだと考えます。  そこで、質問ですが、オープン後の遺跡公園にたくさんの市民の方に来ていただくためには、遺跡公園の存在を広く知ってもらうことが必要だと考えますが、今後、市民に向けた取り組みとしてはどのようなことを考えているのか、伺います。 ◎川上 文化部長  委員がご指摘のとおり、まず、遺跡公園の存在を広く知ってもらうことが重要であると私どもも考えているところでございます。  そこで、市民に対する広報、PRについてでございます。これまで、さとらんどで開催されているイベントに合わせまして、遺跡公園の出前展示を初め、火おこしや土器の復元パズルといった縄文体験ラリーを実施いたしましたほか、埋蔵文化財センター展示室の企画展、また、丘珠縄文遺跡の調査成果等を市民向けに発表いたしますフォーラムを開催してきたところでございます。  今後も、こうした取り組みを継続していくことはもとより、市内部の関連部局を初め、北海道など関係機関とも連携を図りながら、例えば、関係機関による各種イベントでの出土品やパネル展示、近隣小・中学校と連携した出前授業や体験学習、丘珠縄文遺跡の出前講座、ウェブや広報誌での情報配信など、さまざまな機会や媒体を活用して、遺跡公園のオープンに向けた広報、PRに力を入れてまいりたいというふうに考えているところでございます。 ◆小口智久 委員  ただいまの答弁で、イベントでの展示や出前講座、また、市の内部などとの連携を行い、ウェブも活用するなど、さまざま取り組んでいっていただけるということがわかりました。我が会派は、これまで、市民が地域の歴史に親しめるように、北の縄文文化の魅力を発信する事業を広く支援してまいりました。1万年以上の長きにわたり、自然と共生することによって、争いのない持続的な社会を築いてきた縄文文化の高い精神性と深い英知を肌感覚で体験し、考えをめぐらせることができる遺跡公園は、札幌の財産になるものと思います。
     今後、遺跡公園のオープンに向けてしっかりとした準備を進め、多くの市民に周知し、縄文文化の魅力を体験してもらえるよう、充実した環境を整えるとともに、お年寄りから子どもまで幅広い市民が参加し、体験できるような活動を継続することを要望して、次の質問に移ります。  次に、アイヌ施策の推進について質問いたします。  まず、アイヌ文化が注目されていることに対し、本市がどのように受けとめられているかについてお伺いいたします。  アイヌ文化振興法が施行されて20年、節目とも言われる意義深い本年を飾る出来事をさきの冬季アジア札幌大会で見ることができました。2月19日に、世界32カ国・地域から約2,000名の選手、役員が参加し、冬季アジア札幌大会が開催されました。その聖火の採火式という重要なセレモニーにアイヌ民族の伝統的な火おこしの方法が用いられ、その炎は札幌ドームで行われた開会式の聖火台に点火されました。さらに、大会組織委員会が北海道アイヌ協会に対して開会式に出演を依頼し、同協会はアイヌ民族の文化を多くの人に見てもらうよい機会と快諾され、全道10の地域から総勢約70名の方々に出演いただくことができました。第2部の歓迎パフォーマンスでは、「自然と共に生きるチカラ」をテーマに伝統舞踊が披露され、アイヌの文化がアジアに向けて発信されました。  北海道アイヌ協会によると、今回のような国際スポーツ大会の式典への出演は初めてとのことで、出演を快諾していただいた背景には、長い間培ってきた本市との信頼関係が間違いなく奥底にあったものと推察されます。私も、当日、開会式に参加させていただき、荘厳な歓迎の舞を見せていただきましたが、若い方から年配の方まで総勢70名による国の重要無形文化財に指定されている古式舞踊は、アイヌの伝統文化が今もなお受け継がれていることを強く実感いたしました。  国は、2020年の東京オリンピック開催に合わせて、白老町に国立のアイヌ民族博物館を含む民族共生象徴空間を整備し、年間の来場者を100万人と見込んでおり、さらに、東京オリンピックの開会式においても、アイヌの伝統舞踊を冬季アジア札幌大会よりもさらに大きな規模で披露する計画もあるのではないかとも聞いております。  そこで、質問ですが、このようにアイヌの文化が国内外において広く注目されていることは、さまざまなアイヌ施策を展開してきた札幌市においてもチャンスとして捉えるべきであり、このような流れを札幌市としてどのように受けとめているのか、伺います。 ◎芝井 市民生活部長  アイヌ文化が国内外に注目されることの受けとめについてお答えいたします。  札幌市では、平成22年度に策定いたしましたアイヌ施策推進計画において、アイヌ民族の誇りが尊重されるまちの実現を目標としておりまして、そのためにアイヌ民族に対する市民理解の促進を重要な施策と位置づけておりますが、まだ十分な市民理解が得られているとは言えない状況と認識してございます。  そのような中、冬季アジア大会の開会式におけるアイヌ伝統舞踊の披露や国による民族共生象徴空間の整備などの動きは、現代に生きるアイヌ民族やその伝統的な文化を、国内だけではなく、世界に向けて広くアピールできる機会と考えております。このように、さまざまな場面でアイヌの文化が注目されることは、アイヌ民族に対する理解の促進に大きく寄与するものでありまして、大変歓迎しているところでございます。 ◆小口智久 委員  大きな追い風でもございますので、しっかりとこれを機会として、また、市民が認識できるようにしていただきたいと思います。  次に、アイヌ文化交流センターの魅力と来館者増に向けた取り組みについて伺います。  札幌市のアイヌ施策は、主に、アイヌ文化交流センター、サッポロピリカコタンを拠点として各種事業を展開しております。サッポロピリカコタンは、札幌の美しい村という意味で、展示室には伝統衣服や民具などが数多く展示されており、昨年度の来館者数は約5万人と聞いておりますが、ぜひとも、さらに多くの人々にこの施設を訪れていただきたいと思うところです。  そこで、質問ですが、この施設の特徴や魅力について伺います。  また、来館者をふやすためにどのような取り組みに力を入れているのか、あわせてお伺いいたします。 ◎芝井 市民生活部長  アイヌ文化交流センターの特徴や魅力、それから、来館者増に向けた取り組みについてお答えいたします。  まず、アイヌ文化交流センターの特徴や魅力についてでありますが、この施設は、アイヌ民族の生活や歴史、文化を見て、触れて、体験できることをテーマとしておりまして、民具や衣服などの展示物に、直接、手で触れることができます。また、ステージを有する交流ホールがあり、イベントの開催やアイヌ文化を通じた市民交流などに活用しているところでございます。このように、来館者がアイヌの方々と交流し、その伝統的な暮らしや文化を身近に感じることができることがこの施設の特徴であり、魅力であると認識しております。  次に、来館者の増に向けた取り組みでありますが、その方策の一つとして、今年度より小中高校生団体体験プログラム事業を拡充しております。これは、学校の児童生徒がアイヌの方々と舞踊や遊びなどの体験交流を行ったり、館内や屋外の展示物を見学する事業でありまして、今年度は前年度より13校増の64校に参加いただいております。今後も参加コースを拡大して、平成31年度までに80校の参加を目指しているところでございます。また、交流センターでは、広く市民を対象として交流イベントを年に6回開催しておりまして、その広報に当たりましては、広報さっぽろや札幌市ホームページのほか、アイヌ文化情報を発信するフェイスブックにお知らせを投稿するなど、若い方や市外に住む方々への周知にも努めているところでございます。 ◆小口智久 委員  ただいま、答弁をいただきましたが、まず、特徴としては、アイヌ文化を見て、触れて、直接、肌感覚で学ぶことができる、また、来館者増については、小中高校生団体体験プログラムにのっとって、今後は80校の参加を目指していくということでございました。  次に、アイヌ文化を発信する空間の整備に対する意気込みについて伺います。  私は、常々、全国の大きな都市ほど、まちの中心部の象徴空間が画一化しているように感じております。そういった中、札幌市では、平成30年度に地下鉄南北線さっぽろ駅コンコース部にアイヌ文化発信空間を整備することとし、準備を進めていると伺っております。札幌市には、毎年、数多くの観光客が道外やアジアを初めとする諸外国から訪れており、札幌駅に観光客がおり立ったとき、北海道に来たな、札幌に来たなと心から実感し、感動していただける象徴空間は、おもてなしの心にもつながるものと思っております。  ついては、アイヌ文化発信空間を整備することは、そこを往来する多くの市民や観光客に、アイヌの文化や自然観はもとより、アイヌの方々の誇りや生きる姿勢を強くアピールすることができるとともに、都心における北海道らしさや札幌らしさを感じてもらえる場所になると、我が会派としても大いに期待するところでございます。  そこで、質問ですが、札幌市は、この重要な場所にどのような空間を整備するのか、その意気込みや決意についてお伺いいたします。 ◎芝井 市民生活部長  アイヌ文化を発信する空間の整備内容と整備に対する意気込みについてお答えいたします。  この空間の整備を予定しております地下鉄南北線さっぽろ駅のコンコース部は、北はアピアやJR札幌駅、南は札幌駅前通地下歩行空間、いわゆるチ・カ・ホや大通・薄野方面に通じておりまして、世界都市さっぽろの玄関口と言える場所と考えております。この場所にアイヌ文化に係るステーションミュージアムをコンセプトとした質の高い空間を整備し、市民や観光客がアイヌ文化に触れるきっかけとなる魅力的な展示をしていきたいと考えています。加えまして、市内あるいは道内のアイヌ関連施設の情報や魅力を発信するサテライト的な拠点にすることによりまして、アイヌ文化交流センターや、国が平成32年度に白老町に整備する予定の民族共生象徴空間の来館・来場者数の増加にも寄与していきたいと考えております。  近年、各地で空港やJRの駅施設などで地域の文化を発信する取り組みがふえてきておりますが、地下鉄駅での大規模な文化発信は国内でも例がないというふうに思われますことから、国内はもとより、世界にもアピールできる文化空間にしたいと考えているところでございます。 ◆小口智久 委員  最後に、要望でございます。  ただいまの答弁で示されましたように、アイヌ文化の発信空間ができることによって、アイヌ民族がこれまで育んできた共生、共存の豊かな知恵が世代を超えて受け継がれていることが多くの方の目に触れ、市民にも広がるとともに、札幌を訪れる多くの観光客が北海道に、そして札幌に来ていることを実感していただけるものと思います。ぜひとも、アイヌ文化の自然を大切にする心、イランカラプテという、他者をとうとび、命を慈しむメッセージが多くの市民や観光客の心に刻まれるようなすばらしい空間になるよう整備を進めていただくことを熱望し、私の質問を終わります。 ◆中川賢一 委員  私からは、現在建設中の札幌市民交流プラザについて、何点かお伺いしたいと思います。  市民交流プラザにつきましては、今、窓の外からも見えますけれども、建設もかなり順調に進んでいるようでございまして、ご担当の方は平成30年秋のオープンに向けて何かと準備にお忙しい毎日とは思いますが、本日は、改めて現状を確認させていただいた上で、今後の目指すべき方向性について議論させていただきたいと考えております。  まず、市民交流プラザでございますが、平成25年5月の施設整備基本計画策定に続いて、平成27年3月に管理運営基本計画を策定しまして、平成27年7月の第2回定例会で設置条例を制定したところでございます。  そこで、改めて確認からさせていただきますが、市民交流プラザは条例においてどのような目的で設置されることになっているのか、お伺いします。 ◎石川 市民交流プラザ開設担当部長  市民交流プラザの設置目的でございますけれども、条例第1条におきまして、文化芸術活動及び生涯学習の振興並びに人々の来訪及び交流の促進を図り、もって市民の創造性を育むとともに、市民生活の質の向上を実現するほか、地域のにぎわいの創出に寄与するものとされているところでございます。 ◆中川賢一 委員  ただいまのご答弁の最後のところにありましたとおり、地域のにぎわいの創出に寄与することが大切な設置目的の一つになっていると理解させていただきます。  私は、これまでも、市民交流プラザに係る整備費が約300億円にも上る極めて巨額のプロジェクトであることを踏まえまして、文化芸術で人を集めていくことはもとより、多様な形で人の往来を取り込み、200万都市の一等地にふさわしいにぎわいを創出し、本市経済の活性化にも資する施設としていく努力が不可欠であると指摘してきたところでございます。文化芸術の振興と夢を見ましても、このプラザに多様な目的で人が集まってくることにより、自然に文化芸術に触れる機会が創造され、結果、文化芸術への関心が市民の中でも深まっていく、そういったことにつながっていくと主張させていただいてきたところでございます。  そこで、質問ですが、市民交流プラザがオープンし、どのような姿が実現すればにぎわいが創出されている状態だと言えると考えているのか、お伺いします。 ◎石川 市民交流プラザ開設担当部長  市民交流プラザのにぎわいの状況の認識でございます。  札幌市民交流プラザのにぎわいにつきましては、3階から上に配置される劇場で多様なジャンルの催し物を多くの方に鑑賞していただくことに加えまして、劇場で催し物が開催されていない場合でも、1階、2階の交流センターと図書・情報館では、常に文化に触れ、人々の交流が促進されている状況ではないかというふうに認識しているところでございます。  具体的には、管理運営基本計画において掲げている目標でございますが、市民交流プラザ全体の年間来場者数100万人が達成された状況であると認識しております。その100万人の内訳といたしましては、劇場が60万人、交流センターが10万人、図書・情報館が30万人としているところでございます。 ◆中川賢一 委員  にぎわい創出の認識としまして、市民交流プラザ全体で目標としておられる年間来場者数の100万人を達成することでにぎわいが創出されたとみなすということでございまして、その内訳は、劇場に60万人、交流センターに10万人、図書・情報館で30万人ということでした。  劇場につきましては、2,300席という規模がございまして、入場者数に限界がありますことから、この60万人という設定は数字的には仕方がないのかなというふうに思いますけれども、その他の施設、例えば交流センターは年間利用者10万人が目標ということでございました。10万人が多いとお感じになるのかどうかはわかりませんが、1日に換算しますと273名で、300人にも満たないという数でございまして、昼飯どきのコンビニよりも人数が少ないのではないかなというふうにも思えまして、それでにぎわいが創出されたと言えるのかどうか、甚だ疑問を感じる部分もございます。  そこで、次の質問ですが、年間来場者数の目標が100万人というのは、都心の一等地のにぎわい創出の姿として本当に妥当な目標値だと認識しておられるのか、お伺いしたいと思います。 ◎石川 市民交流プラザ開設担当部長  年間来場者数の目標100万人が妥当かどうかということについてお答え申し上げます。  年間来場者数100万人の目標につきましては、管理運営基本計画の策定時点におきまして、それぞれの施設に目的を持って来場される方を対象として、劇場についてはニトリ文化ホールの実績、交流センターにつきましては他都市の類似施設の実績、図書・情報館につきましては市内の既存図書館の実績を踏まえて算出したものでございますので、まずはこの目標を達成することが重要であると考えているところでございます。  また、市民交流プラザは、その立地条件などから、今年度に行いました新聞社や放送局などの公演主催者への貸し館に係る営業におきまして、1階と2階のスペースは大変魅力的な空間であるというような評価もいただいたところでございます。  したがいまして、非常に可能性を持っている施設として、その魅力を最大限に発揮いたしまして、さらなるにぎわい創出に向けて努めていきたいというふうに考えているところでございます。 ◆中川賢一 委員  この数値は、目的を持って来られた方の数値だということで、これまでの市で持っておられるいろいろな類似施設の実績値等から妥当な数字だというお話でした。オープンが近づいて、いろいろな方々の評価、メディア等の評価も高まっているということでございましたので、ぜひ、大きなにぎわいを目指していただきたいと思うところでございます。  話は少しそれますけれども、函館にあります蔦屋書店をご存じでしょうか。平成25年12月に函館にオープンした蔦屋書店は、レジ利用の実績ベースで平日は約6,000人、土・日・休日は約1万2,000人に上りまして、年間の利用者数は300万人を超えていると聞いております。これは民間の商業施設でありまして、施設規模の違いもございますから、こちらの市民交流プラザと単純に比較することはできないとは思います。ただ、このお店のコンセプトですが、単純な商業施設というよりは、これまでのツタヤの店舗と異なりまして、単なる物販と飲食の売り上げのみを目標としているのではなくて、生活の価値を提案する公共性のある空間を目指したということでございます。ゆっくりと時間を過ごせる雰囲気の中で誰かに会える、そういった機会を創出することで、訪れる理由をきちんと提供してコミュニティーをつなぐ場として機能し、実際に、今、函館では多くの人がそこに集まっている状況がつくられております。高級家具をしつらえた空間とか、子どもを遊ばせながら本を読めるような空間、女性の目を引くような美容品や小物の空間など、いろいろ演出しながら、それぞれのエリアの周辺では関連の書籍やグッズ、商品が実際に購入できる環境をつくっているということでございます。  また、中央には吹き抜けマルシェというものが位置しておりまして、そこでは常に各種のイベントが催されており、店が目指している「マチ・ヒト・コト・モノすべてが交差する場所」として、多くの市民が訪れる空間を根づかせることに成功しているようでございます。ここに蔦屋書店を特集したpeepsという函館のタウン誌がありますが、実際に訪れた人の声から、文化的な情報発信基地として、また、くつろぎの空間、家族の憩いの空間として高い満足感を提供していることをうかがうことができます。  幾つか、実際の声をご紹介させていただければと思います。46歳の主婦は、何も用事がなくてもここに来ると新しい発見がある、時間があるとついつい来てしまう、休日の過ごし方が変わりました、41歳のショップオーナーの男性は、月7〜8回は来るということですけれども、子どもたちが室内公園で平和に遊んでいる風景を見て、いい気持ちになる機会がふえました、43歳の男性は、函館がより文化的になったような気がします、そんな評価もございます。それから、26歳の女性は、月10回ぐらい来られるということですが、来るたびにさまざまなイベントがあったり、商品展開が早くてたくさんの情報に触れることができるのが魅力です、外に出る機会が多くなったり、人と話す機会がふえましたということです。最後に、もう一点だけ、これは63歳の男性会社員ですけれども、基地的な要素を感じる、若い人から元気な老年層までの遊び場、大人のメリーゴーラウンドのようなところだ、道内外の友人、知人に自慢できることがふえました、そういった声がうかがわれます。  人口が27万人程度の函館で、公共的な要素を提供する空間として年間300万人もの人が集うというのは、ある意味で驚異的だなというふうに感じますが、民間の公共施設というような評価で、今、全国から高い注目を集めているようでございます。  そういう中で、先ほども板垣副市長からグローバル都市というようなコメントがございましたが、人口200万人に近い札幌市のど真ん中に、300億円もの建設費、そして、公会計が変わりましたから、減価償却費を考慮すると年間20億円以上のランニングコストをかけてスタートしていく市民交流プラザは、年間計100万人の利用を目指すということであります。60万人を目指すというホールばかりが注目されますが、こちらは恐らく夕方以降の稼働が大半であると思われますので、昼間のにぎわい創出の核となる交流センター及び図書・情報館に限れば40万人と、今紹介した函館の市民交流の場と比較すると8分の1程度の水準でございます。一概に比較できないとは思いますけれども、このような状態でにぎわい創出だというのは若干寂しい感じがするところでございます。さらに、午前中に今後の公演状況についての質疑がございましたけれども、これらがうまくいっても収入の見込みはたった4億円程度でございまして、年間20億円のコストと収入見込みから考えますと、これは寂しいどころでは済まないのではないかなという気もするところでございます。  そこで、改めて伺いますが、函館の蔦屋書店など民間の施設において、公共的な施設としての役割を提供しながら、市民交流プラザの目標来場者数をはるかに上回るようなにぎわいを実現していることなどを踏まえまして、こういった取り組みについてどのように考えられるか、ご認識をお伺いしたいと思います。 ◎石川 市民交流プラザ開設担当部長  新たな施設の運営に当たりましては、他の類似施設の取り組みを参考にすることは非常に重要であるというふうに考えております。  委員がご質問の中でご紹介されました施設は、民間の商業施設ということで性格は公の施設と若干異なるとは思いますが、にぎわい創出という観点においては大いに参考になるものだというふうに考えております。したがって、にぎわい創出につなげていくため、図書・情報館を所管する教育委員会と連携しながら、先進的な取り組みにつきましては、官民を問わず、積極的に取り入れてまいりたいというふうに考えております。 ◆中川賢一 委員  これだけの施設ですから、注目もされるでしょうし、いろいろな意見なり、こうしたほうがいいという希望もこれから出てくるのではないかと思います。  これは率直な印象ですが、恐らく、ご担当の皆さんはこの施設が利用されて人がにぎわっている姿を頭の中に描いておられると思いますけれども、そういったイメージと実際に目標として算出している数字がかみ合っていないような感じも正直いたします。100万人と言ったら大したにぎわいに聞こえるのかもしれませんけれども、冷静に割り返すとそれほどの数字ではございません。数字だけで見ますと、ホールの興行のない時間なんかはかなり寂しい状態ではないかとも想定されます。100万人という数字は高い数字で、建設費の300億円とかランニングコストの15億円もしくは20億円という数字は余り高くないとお感じになるのであれば、若干問題なのかなと思うところもございます。  事業がスタートする前ですから、目標設定等は直接いじれないのかもしれませんけれども、この事業の成否を左右するのは、まず、明確かつ的確な目標でございます。都心のにぎわいの姿と、そこから芸術文化が発信されていく姿、これらをきちんと具体的にイメージして、利用者数なのか、そこから出てくる波及効果なのか、それとも文化が創造されたまちの姿であるのか、何でありましても、今後は観念的ではないしっかりとした指標設定を検討し、それらに基づく事業成果を明確に市民に説明していく必要がございますし、これだけの費用をかける以上、そうする責任があると重ねて指摘しておきたいと思います。  さて、巨額の経費をかけて行う施設の運営ですが、既に札幌市芸術文化財団が指定管理者ということで協定が結ばれております。私は、かねてから指摘させていただいているとおり、この財団に芸術や文化といった事業に関して実績やスキルがあることは評価させていただきたいと思いますが、人や企業の幅広い生活や事業の場面、それらに伴う欲求などを的確に捉えて、多様で高いレベルのにぎわいを創出し、巨額の財政資金の投入にふさわしい成果を上げていくという使命にどう対処していくのか、このあたりは若干の不安を拭えないところでございます。ましてや、その選定方法ですけれども、他の選択肢を排除して非公募で指定するということですが、果たしてオンリーワンの存在なのかどうか、その検討プロセスには若干安易さを禁じ得ないところでございます。  他の文化施設も同様でございますが、施設の維持管理費などの支出を収入のみで賄っていくことは難しいわけでございまして、文化芸術を担う施設については一定の公費で負担していくことが必要であることは理解しておりますけれども、そのコストは、それにふさわしい成果を市民の暮らしや経済にもたらして初めて正当化されるものでございます。改めて申し上げますが、建設費300億円、ランニングコスト15億円もしくは20億円の事業でございますので、本当に正当化できるかどうかというあたりはしっかりとお考えいただきたいと思います。  そこで、質問でございますが、市民に説明できるしっかりとしたコスト意識を持った上で高いレベルでのにぎわい創出を実現していくために、今後、札幌市と芸術文化財団はどのような意識を持って運営に取り組んでいかれるのか、お伺いしたいと思います。 ◎石川 市民交流プラザ開設担当部長  市民交流プラザの運営に当たりましては、その施設整備、運営管理に相当額の税が投入されておりますことから、その効果を最大限に発揮するため、文化芸術の振興のみならず、にぎわい創出にもしっかりと取り組んでいかなければならないことについては十分認識しているところでございます。そのためには、道内外からの集客により、人々の来訪や交流の促進が図られるような事業を展開し、経済効果をもたらすような施設となるよう、常に意識していくことが重要であると考えております。  したがいまして、札幌市と芸術文化財団が共通認識のもとに、お互いの連携を緊密にして運営に取り組んでいくことが必要であると考えております。あわせて、にぎわい創出の効果につきまして、適正な検証ができるような手法の検討も必要であるというふうに考えているところでございます。 ◆中川賢一 委員  意識を持ってということでございますが、その中にコスト意識をしっかり持っていただいて、コストにふわさしい成果を具体的に説明できる形で実現していっていただきたいと思います。  近年、地域の人口構造が大きく変貌しまして、公共セクターの財政は悪化の一途をたどっているのが一般でございます。一方で、人々のライフスタイルやニーズは物すごい速さで変化しておりまして、固定的な観念に基づく行政の取り組みではそのスピードや多様さについていけなくなってきている部分もございます。そんなような中で、民間の事業者でも、そういった社会の動きなどを機敏に捉えまして、人を魅了する公共性の高い物や事、また場所といったものを持続的に担保できるコストの中で模索し始めているようでございまして、先ほど紹介した函館蔦屋書店のように既に高い評価を得ている事例もございます。  今回の市民交流プラザのプロジェクトにおいて、巨額の財政投資と市民の期待、満足感の間にそごが生じることがないよう、行政の自己満足のシンボルとして非難や嘲笑の対象となってしまわないよう、そして、後世への負の遺産とは決してしないために、本市も指定管理者も、ともにしっかりとした経営感覚と共通認識を持って、経営的な視点からも市民に胸を張れる適切な水準の目標を設定し、真剣に投資効果を上げていっていただく使命と責任があるということを、くどいようですが、改めて強く指摘しておきたいと思います。  開業前にこんなことを申し上げるのは何ですが、事業が走ってみてこういった使命や責任がなかなか果たせないような状況であれば、速やかに対応策を講じていく、場合によっては、思い込みを捨てて事業の方向や運営の体制をしっかりと見直すという柔軟性も今後は必要になるかもしれないということを申し上げまして、私からの質問を終わらせていただきたいと思います。 ◆丸山秀樹 委員  私からは、賃貸アパートに関する消費生活相談について、なるべく簡潔にお伺いしてまいります。  昨今の新聞やテレビでは、架空請求や、先ほどの我が党の竹内委員からの質問にもありましたように、特殊詐欺といった消費者被害に関するニュースが頻繁に取り上げられております。平成28年度版消費者白書によると、全国の消費生活センターに寄せられた消費生活相談は、平成16年度、2004年度の192万件をピークに減少傾向にありましたが、近年の高齢化や情報化といった環境下に次々と発生する新手の悪質商法や詐欺の発生により、平成27年度、2015年度におきましては92万7,000件と、ここ数年、依然として相談件数は高水準となっております。また、札幌市消費者センターにおける相談件数についても、ここ数年は1万2,000件台で横ばいに推移しておりますが、平成27年度は、特に、いわゆる不当請求による相談が2,000件と全体の約16%を占め、前年度より増加しており、手口の巧妙化などにより相談内容が複雑化、多様化、高度化しているとあります。  平成27年度の札幌市における商品・役務別の相談件数では、平成26年度に第1位だったアダルト情報サイトにかわりまして賃貸アパートが1位となり、全相談件数の約8.7%を占めております。さらには、今年度は、上半期だけでも対前年度比で9.1%も増加しており、昨年度をさらに上回る状況となっておりますことから、これは大変深刻な問題ではないかと考えます。  そこで、質問ですが、札幌市において、昨年は第1位となっており、常に上位にある賃貸アパートの相談はどのような内容となっているのか、また、トラブルとなった際の金額などもわかればお伺いしたいと思います。 ◎芝井 市民生活部長  賃貸アパートに係る相談内容と金額についてお答え申し上げます。  まず、賃貸アパートに係る相談の状況についてでありますが、平成27年度は1,109件で、委員のご質問にもありましたけれども、商品・役務別では第1位となってございます。年代別に見ますと、20代から70代までの各年代において上位となっておりますが、特に20代から40代の相談が多くなっている状況でございます。相談の内容につきましては、修理代に関するものが多く、平成27年度では465件で約4割強を占めておりまして、さらに、その多くは退去時の原状回復に関する修繕費用などとなっております。このほか、カビや傷、結露、水漏れといった賃貸アパートの品質などに関する相談も多く寄せられているところでございます。  次に、トラブルとなった際の金額についてでありますが、相談時において金額が判明している分といたしましては、主に修理代として1件当たり20万円未満が全体の約86%を占めており、平均額で申し上げますと、1件当たり約15万円となっている状況でございます。 ◆丸山秀樹 委員  賃貸アパートに関する相談の多くは、賃借人が賃貸住宅を退去する際の原状回復をめぐるトラブルであったということでした。  国土交通省では、賃貸住宅に係るトラブルの未然防止と円滑な解決を目的として、原状回復をめぐるトラブルとガイドラインを策定し、公表しておりますが、私のところにも、ハウスクリーニングや原状回復などの費用が敷金や保証金として納めた額より多額の請求をされたり、原状回復の具体的な内容にそもそも当事者間のずれがあったりしてもめているといった相談なども寄せられております。私は、例えば、契約の際、事業者から賃借人に対して、退去時に想定される原状回復に係る費用について十分な説明をするなど契約のあり方、また、退去の際の原状回復についてもガイドラインに沿った話し合いが行われれば、そのようなトラブルも減少するのではないかと考えます。ついては、札幌市消費者センターでは、相談してきた消費者に適切なアドバイスをして自力解決を促すことを基本としておりますが、場合によっては、トラブルを未然に防止するような、より踏み込んだ取り組みも必要ではないかと考えます。  そこで、質問ですが、札幌市では、賃貸住宅の問題に対し、これまでどのような対策を行ってきたのか、また、現状を踏まえて今後どのような対応をしていくお考えなのか、お伺いいたします。 ◎芝井 市民生活部長  賃貸住宅あるいはアパートに係る対応についてお答えいたします。  まず、賃貸アパートに係るこれまでの取り組みについてでありますが、札幌市消費者センターへの相談に対しまして、国土交通省のガイドラインなどに沿った助言や関係機関の紹介を行いましたほか、消費生活講座やみまもり通信などの広報物、また、大学におけるパネル展示など、若年層から高齢者まで幅広い年齢層に対して賃貸借契約のトラブルに関する注意喚起を行ってきております。  次に、今後の対応についてでありますが、賃貸アパートに関するトラブルの未然防止に向けて、転居が多い3月を中心に、広報さっぽろや特別展示など効果的な媒体を用いて、退去時の原状回復に関する考え方や契約時における確認事項など、さらなる周知徹底を図ってまいります。さらには、賃貸アパートに係る事業者団体との意見交換などを通じて、市に寄せられる相談内容等について、業界団体と情報共有を図るような環境づくりに一層努めていきたいと考えております。 ◆丸山秀樹 委員  賃貸アパートに関するトラブルにつきましては、退去時の原状回復をめぐるトラブルのほか、入居者のごみの出し方や飼っているペットの問題、騒音や異臭といった問題は、最近の報道などでも大きく取り上げられているところでございますが、築45年の西区西町の賃貸マンションに見られるように、持ち主の管理責任による建物の老朽化対策がなされなかったために起きた問題や、ほかにも、持ち主の方が近くにおらず、地方や道外に住んでいることで、何か起きても反応が鈍く、管理会社の対応も迅速性を欠くなど、さまざまな問題や課題が山積していると考えます。  特に、今後は、札幌市においても賃貸住宅の老朽化問題がますます深刻化し、それに伴うトラブルも増加が懸念されるところであります。ついては、ただいまの答弁にありましたように、事業者団体との連携強化は非常に重要であり、対策もしっかりと行っていただきたいというふうに思います。  さらに、入居者と地域のかかわりにおいても、その関係性が希薄となりがちで、さきの質問でもありましたように、高齢者をターゲットとした特殊詐欺の悪質な手口についても言及したとおり、特に高齢者においてはひきこもりなどの孤立しやすい傾向にあることから、そのような高齢者がトラブルに遭ってもその被害が表面化しづらく、ついては、未然防止の対策はもちろん、被害の早期発見・救済、被害の拡大を防ぐ対策が大変重要であると考えます。  本市では、高齢者や障がい者などの消費者被害の未然防止、早期発見・救済の目的から、全国自治体に先駆けて、平成19年度から消費者被害防止ネットワーク事業を実施しております。この取り組みとして、市内各区に本市が委嘱した消費生活相談員を配置し、消費生活推進員が町内会や老人クラブなどと連携して、潜在化しやすい高齢者等の消費者トラブルを早期に探知して、実態調査を行い、簡易な相談やアドバイスを行うほか、出前講座や寸劇などの啓発活動も行っていることは承知いたしております。  そこで、質問ですが、札幌市では、平成28年度からアクションプラン2015に沿ってこの事業の拡充を行っていると伺っておりますが、今年度の取り組み内容、そして新年度以降の取り組みの予定についてお伺いいたします。 ◎芝井 市民生活部長  消費者被害防止ネットワーク事業の拡充についてお答えいたします。  高齢者などを狙った悪質商法が後を絶たないことなどから、地域で孤立しがちな高齢者などの消費者トラブルにかかわる見守り体制を充実するために、今年度より消費生活サポーター制度を導入したところでございます。この制度は、地域で活動する個人や企業あるいは団体の方に消費生活サポーターに登録していただき、日々の活動の中で気づきや発見などがあれば、消費者センター相談窓口の案内や、できる範囲内での啓発などの活動を行っていただく内容でございます。  今年度は、制度設計を行いましたほか、団体サポーターとして札幌市老人クラブ連合会などと包括的な覚書を締結し、さらには、企業サポーターとして市内大手スーパーに登録いただくなど、順調なスタートができていると考えております。新年度以降は、市のホームページや広報さっぽろなどさまざまな広報媒体を通じて、地域や学校などで活動しているボランティアなど個人のサポーターの登録を働きかけるとともに、引き続き、コンビニや金融機関などといった企業サポーターの登録も進めていきたいと考えております。こうした見守りの裾野を重層的に広げることによって、消費者被害の未然防止を図るとともに、消費者トラブルの減少につなげていきたいと考えているところでございます。 ◆丸山秀樹 委員  高齢者は、被害に遭ったことに気づきにくい、また、被害に遭ってもなかなか周囲に相談できないなど、被害が潜在化している可能性があることから、先ほどの答弁にもございましたように、サポーター制度を導入されて見守りの裾野を広げていく取り組みには大いに期待するところであります。  一方、消費者被害に遭われるのは、何も高齢者ばかりではなく、携帯やスマホが普及した高度情報社会では若者による消費者トラブルも多く、また、これからの時期は、先ほどから取り上げております賃貸アパートにおいても、進学とともにひとり暮らしを始める学生が、十分な知識もなく、経験も浅いことなどから、遭遇した消費者トラブルで泣き寝入りするケースも決して少なくないのではないかと推察するところです。  ついては、サポーター制度を運用するに当たっては、そのような若年者の課題なども念頭に置いて、年代に応じたきめ細やかな取り組みを進めていただくよう要望し、私の質問を終わります。 ◆本郷俊史 委員  私からは、防犯カメラの設置に対する支援について質問いたします。  昨年の第3回定例市議会で、町内会等が防犯カメラを設置する場合の助成制度の導入について質問いたしました。市長からは、前回の市民アンケートから10年が経過していることから、改めて市民の防犯意識に関する調査を行い、町内会による防犯カメラの設置に対する支援の必要性を含め、今後の施策のあり方について検討したいとの答弁がございました。  今回公表された平成28年度第4回市民意識調査の結果を見ますと、防犯カメラの必要性については、必要が65.7%、どちらかといえば必要が31.6%、合わせると、実に97.3%もの方が必要と回答されております。  ちなみに、必要ないは0.3%、どちらかといえば必要ないが1.1%、必要ないとの回答は合わせても1.4%という結果でございました。  また、安全・安心して暮らせるまち実現のため札幌市に取り組んでほしいこととの設問に対して、公共空間等における防犯カメラ設置への支援と回答された方は、街路灯設置等の環境整備、子ども、女性、高齢者等犯罪弱者への配慮に次いで、9項目中第3位、38%、4割弱となっております。  そこで、質問ですが、この市民意識調査の結果と防犯カメラ設置に対する支援の必要性について札幌市としてどのように認識されているか、最初にお伺いいたします。 ◎槙 地域振興部長  市民意識調査の結果と防犯カメラ設置支援の必要性の認識についてでございます。  昨年12月に実施いたしました市民意識調査では、防犯カメラの設置をふやしていくことに肯定的な意見が多いことが確認できたところでございます。その一方で、防犯カメラは、設置やその後の維持管理などのために設置者に経済的な負担が生じますことから、防犯カメラを設置する費用の補助制度が必要かどうかについて地域の声を聞く必要があると認識しておりまして、現在、市内各町内会長等を対象としたアンケート調査を実施しているところでございます。 ◆本郷俊史 委員  今回の市民意識調査では、防犯カメラ設置について賛同する意見が多数を占めていると思います。
     先ほどの設問以外でも、例えば、防犯カメラの数に対する意向では、現状よりもふやしたほうがよい、どちらかといえばふやしたほうがよいと回答されている方が66.5%、減らしたほうがよい、どちらかといえば減らしたほうがよいと回答されている方は合わせて1%と、大きな差がございます。また、防犯カメラで撮影されていることに対する不安感という設問では、不安は感じない、余り感じないとの回答を合わせると81.3%、強い不安を感じる、若干の不安を感じるとの回答が合わせて13.6%です。また、防犯とプライバシー保護の優先度を聞いている設問では、防犯を重視すべき、どちらかといえば防犯を重視すべきとの回答が63.1%、プライバシー保護を重視すべき、どちらかといえば重視すべきとの回答が合わせて4.1%という結果でございます。  以上の結果から、防犯カメラに対する意識は、この10年間で大きく変わっていることがうかがえます。背景には、防犯意識の高まりや、カメラの映像が事件の容疑者の逮捕につながるケースが相次いでいることなどが挙げられます。防犯カメラ設置推進に賛同する意見が多数を占める一方で、一部とはいえ、プライバシー保護ということに関心のある方もいらっしゃいまして、防犯とプライバシーのどちらも同じぐらい重視すべきとの意見が28%ございました。また、防犯カメラで撮影されることに対して、記録映像の利用や誰に見られているかわからないといったことなどから不安を抱く方が多いこともわかっております。防犯カメラを普及していくためには、プライバシー保護や不安を抱く方たちへの配慮と、その方たちの理解も必要であるというふうに考えます。  そこで、質問ですけれども、プライバシー保護に関する市民意識調査の結果についての認識とプライバシー保護の取り組みについてお伺いいたします。 ◎槙 地域振興部長  プライバシー保護に関する市民意識調査の結果とプライバシー保護に関する取り組みについてお答えいたします。  札幌市では、防犯カメラの設置及び運用の適正化を促進するため、平成20年1月に防犯カメラの設置及び運用に関するガイドラインを策定したところでございます。  昨年12月に実施いたしました市民意識調査でございますが、防犯カメラに対して不安を抱く市民の割合が13.6%という結果でございまして、ガイドライン策定前の平成18年度に実施した市民アンケートでは3割近くを占めていたことと比較いたしますと、ある程度、不安感が軽減されてきているのではないかと考えているところでございます。その一方で、先ほどのお話にございましたように、防犯カメラに対して不安を感じる方にその理由をお聞きした設問の中では、記録映像がどのように利用されているかわからない、あるいは、誰がどこで撮影しているかわからないということを理由とされている方が多いという結果になってございます。  ガイドラインでは、記録映像を設置目的以外に利用しないこと、あるいは、カメラを見やすい場所に設置して表示を行うことなどを規定しておりまして、引き続きガイドラインの周知を行うことが防犯カメラに対する不安の解消とプライバシーの保護につながるものと考えているところでございます。 ◆本郷俊史 委員  平成24年から先行実施している京都市では、保管期間や画像の利用、提供の制限など、撮影された画像の適正管理について細かなガイドラインを定めておりますので、ぜひ、それらも参考にしてプライバシー保護に努めていただきたいと思います。  次に、先ほどの答弁では、防犯カメラの設置補助制度の創設に対する要望を確認するために全町内会長等に調査を実施しているとのことでございますが、この調査の具体的な内容と調査スケジュールについてお伺いいたします。 ◎槙 地域振興部長  町内会長等を対象といたしましたアンケート調査についてでございます。  この調査は、ことし1月下旬から、連合町内会長等の皆様が集まります各区での会議に伺いまして、その趣旨や防犯カメラに関する基本的な事項を説明させていただいた上で、市内の全単位町内会長等へアンケートを送付したところでございます。アンケートの具体的な内容は、補助制度があった場合に、それを利用して防犯カメラを設置したいかどうか、設置する場合は何台設置したいのか、また、設置を希望しない場合にはその理由を答えていただくほか、安全・安心のための札幌市の取り組みに関する意見を伺うものとなってございます。  このアンケートは、今月末を回答期限としておりまして、集計、分析等を経て、4月中には地域の考え方が把握できるようになるのではないかというふうに考えているところでございます。 ◆本郷俊史 委員  防犯カメラの設置に対する行政の支援の取り組みは、全国的に拡大しております。前回も言いましたが、政令市20市中、実に17市でもう実施されております。  昨年に視察した京都市では、まず、地域の設置希望に関する情報をもとに、四つの学区に限定したモデル事業から開始されました。この四つの地域というのは、京都市内で刑法犯件数が多い地域ということで実施されております。地域団体、区役所、警察署と連携しながら、円滑な実施に努め、その過程で判明した状況をもとに設置台数の上限や補助率等を見直しながら、翌年度以降の補助制度へつなげていったわけであります。  本市においても、今答弁がありましたが、4月中にも明らかになる町内会長等を対象にした意識調査の結果を踏まえて、まずはモデル地区を設定し、平成29年4月から試行実施を始めるべきと考えますけれども、いかがでしょうか。 ◎槙 地域振興部長  防犯カメラ設置に対する支援につきまして、モデル地区を設定して来年度から実施したらいかがかというご提案でございますけれども、新規事業を立ち上げるに当たりましては、一定期間、ある地域で試行的に展開してその効用を確かめるという手法は一般的に行われておりますので、この制度の検討を進める際には制度設計に向けた効果的な手法の一つとして参考にさせていただきたいと考えております。 ◆本郷俊史 委員  京都市では、モデル4地区において防犯カメラの設置から6カ月間の犯罪認知件数を検証したところ、刑法犯は平均で約3割、多い地域では5割減少しており、犯罪抑止効果の高さを立証した形になっております。  事故や事件、犯罪が絶えず発生している昨今、安全・安心な地域づくりのためにも、補助制度の創設が望まれます。また、2026年冬季オリンピック・パラリンピック招致を目指す本市にとっても安心・安全は大事なキーワードであり、その意味からも早期の制度創設が必要と考えます。  最後に、池田市民文化局長に、町内会等の防犯カメラ設置に対する補助制度の本格実施に向けての考えをお伺いいたします。 ◎池田 市民文化局長  補助制度の本格実施に向けた考え方についてのご質問でございます。  まずは、現在、町内会長を対象に実施しております防犯カメラの設置補助制度への意向調査結果を分析しまして、地域の声をしっかり把握したいと思います。先ほど答弁しましたように、来月中にはその結果が把握できるというふうに思いますので、それらの結果を踏まえまして、他都市の状況も参考にしながら、補助のあり方やプライバシーへの配慮など、実施する場合の課題について整理して検討してまいりたいと考えております。 ◆石川佐和子 委員  私からは、市民団体等が公共施設に持ち込むチラシなどの配架について伺います。  札幌市におきましては、自治基本条例、市民まちづくり活動促進条例のもと、福祉の推進、まちづくりや環境保全など、さまざまな市民活動が積極的に活発に行われていると思います。まちづくり活動促進条例では、市の責務として、市民まちづくり活動の促進に関する総合的な施策を実施し、市民まちづくり活動の促進のための環境づくりに努めるものと規定しております。また、こうした市民活動をより活発に行うために、行事をお知らせするチラシの役割は大変大きいというふうに思います。  しかし、市民団体等の行事などをお知らせするチラシは後援がなくても置けることになっているはずですが、市民団体等が施設の窓口にチラシを持って置いてくださいとお願いに行きますと、札幌市の後援がないと置けないと断られる場合が多いと聞いております。  そこで、2点伺いますが、区民センター地区センター等においては、市民からチラシを置いてほしいとお願いされたとき、どのような考え、あるいはルールに基づいて市民に対応しているのか、改めて伺います。  2点目に、市有施設によってチラシを置ける、置けないに違いがあるように思いますが、現状をどのように認識されているのか、伺います。 ◎槙 地域振興部長  2点のご質問がございました。  まず、チラシを置く場合のルールについてでございますが、チラシの配架ルールについては、地域振興部で所管している区民センター地区センターなどでは、札幌市から指定管理者へ運営業務を委託する際の仕様書にチラシ等を置く際の優先度を明記しております。これらの施設は、札幌市の公共施設という性質上、官公庁の主催、共催、後援事業であること、あるいは、その施設を利用して行う事業についてはそれ以外のものよりも優先度を高くしているところでございます。各施設では、こうしたルールに基づいてチラシを配架しておりますけれども、実際には、配架用のスペースに置き切れない数の希望が寄せられるため、残念ながら、その全てに応じることができない状況になっていると認識しているところでございます。  それから、2点目の施設によって置ける、置けないの違いの現状認識についてでございます。  地域振興部が所管している区民センター地区センター等につきましては、先ほどご説明させていただきました仕様書が同一でございますので、チラシ等を置く際の優先度も同じになっております。しかし、施設によってチラシを置くためのスペースの広さあるいは形状が異なってございまして、実際に置けるかどうかという点では取り扱いが異なることがあるものと認識しているところでございます。一方で、地域振興部以外が所管している市有施設につきましては、その設置目的がそれぞれ異なりますことから、その設置目的に応じて施設ごとにチラシを置く優先度も異なることがあることは認識しているところでございます。 ◆石川佐和子 委員  配架コーナーに置くに当たってのルールとして、官公庁の主催、共催、後援事業は優先順位が高い中で、実際に持ち込まれるチラシが多いという実態のお話がありました。  今、事業後援のことがありましたけれども、札幌市の名義後援という仕組みは、個人や団体などの主催する事業が市政の推進または市民福祉の向上に寄与することが明らかな場合に、札幌市の名義を承認することでその活動を支援するということでありますから、本当に意義のあることだというふうに思います。この名義後援の取り扱いにつきましては、さきに行われた総務局での質疑のやりとりの中で、現在、関係部局による庁内会議を開催し、運用について共通の認識を固めるために後援の意義、目的など、あり方についての論点整理などを行っていると確認しておりますので、この点については報告を待つこととしたいと思います。  一方で、2016年度中に札幌市が取り扱った事業後援は1月31日時点で2,400件ですが、市民文化局所管のものはそのうち1,070件と1番で、2番目のスポーツ局の309件と比較しても非常に多くなっております。市民と一番接する局として、まず、チラシの置き方に関して市民が混乱しないように、また、なるべくチラシを置くことができるように工夫するべきだというふうに考えるところです。  そこで、質問ですが、市民活動の場、また、チラシを置くスペースの多くを所管している市民文化局としては、市民活動をさらに推進するために、チラシ配架のルールづくりを庁内に先駆けて実践していくべきと考えますがいかがか、伺います。 ◎槙 地域振興部長  市民活動を促進する市民文化局といたしまして、他に先駆けてチラシ配架のルールづくりをしていくべきではないかというご質問でございました。  先ほどお答えいたしましたように、どのようなチラシを優先的に置くかということにつきましては、施設ごとにその設置目的がございますので、それに従いましてチラシの配架についてもそれぞれ違いがあるという状況になっております。  市民文化局所管区民センター地区センターあるいはエルプラザなどの施設は、その設置目的に市民活動を支援するという観点も含まれておりますので、市民文化局ではチラシの配架ルールにつきましても既にそうした観点を踏まえたものになっているというふうに考えているところでございます。例えばですが、市民活動サポートセンターにおきましては、センターに登録している団体等が主催する市民活動にかかわる事業のチラシ、ポスターに関して、センター内や地下歩行空間の情報コーナーに配架スペースを設ける取り組みを行っているところでございます。  今後も、市民活動の支援により寄与できるようなチラシの配架ルールとその運用について検討してまいりたいと考えております。 ◆石川佐和子 委員  最後に、要望ですが、チラシを置く部局がいろいろある中で、今、地域振興部としてのお答えと、また、ほかの部局でチラシを置く対応について答弁があったと思いますけれども、今後は、名義後援がないということでチラシが置けないというような断り方はしていただきたくないと思いますので、その辺は徹底していただきたいと思います。今の答弁の中にもありましたが、市民活動を促進する立場に立った考え方が指定管理者の方々にも波及するよう求めるとともに、チラシの置き方のルールについて、地域振興部が中心になって積極的に考え方をまとめていただくことを強く求めて、私の質問を終わります。 ○よこやま峰子 委員長  以上で、第2項 市民生活費中関係分の質疑を終了いたします。  以上で、本日の質疑を終了いたします。  次回の委員会ですが、明日3月22日水曜日午後1時から、まちづくり政策局関係の質疑を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       散 会 午後2時18分...