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平成27年第一部議案審査特別委員会−07月09日-04号
平成27年第二部議案審査特別委員会−07月09日-04号

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  1. 札幌市議会 2015-07-09
    平成27年第二部議案審査特別委員会−07月09日-04号


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    平成27年第二部議案審査特別委員会−07月09日-04号平成27年第二部議案審査特別委員会  札幌市議会第二部議案審査特別委員会記録(第4号)                 平成27年(2015年)7月9日(木曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 34名     委 員 長  小須田 悟 士      副委員長   國 安 政 典     委   員  武 市 憲 一      委   員  宮 村 素 子     委   員  こんどう 和雄      委   員  長 内 直 也     委   員  細 川 正 人      委   員  佐々木 みつこ     委   員  こじま ゆ み      委   員  阿部 ひであき     委   員  伴   良 隆      委   員  中 川 賢 一     委   員  松 井 隆 文      委   員  伊与部 年 男     委   員  小 野 正 美      委   員  大 嶋   薫     委   員  三 宅 由 美      委   員  桑 原   透     委   員  しのだ 江里子      委   員  村 上 ゆうこ     委   員  林   清 治      委   員  かんの 太 一     委   員  成 田 祐 樹      委   員  本 郷 俊 史     委   員  丸 山 秀 樹      委   員  小 口 智 久     委   員  竹 内 孝 代      委   員  坂本 きょう子
        委   員  小 形 香 織      委   員  池 田 由 美     委   員  田 中 啓 介      委   員  松 浦   忠     委   員  石 川 佐和子      委   員  中 山 真 一       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午後0時59分     ―――――――――――――― ○小須田悟士 委員長  ただいまから、第二部議案審査特別委員会を開会いたします。  報告事項は、特にございません。  それでは、議事に入ります。  最初に、議案第7号 平成27年度札幌市高速電車事業会計補正予算(第1号)の質疑を行います。 ◆松浦忠 委員  この補正予算で計上している内容について、子細に説明いただきたいと思います。 ◎菱谷 事業管理部長  今回の議案にありますとおり、私ども交通局といたしましても、札幌駅交流拠点のまちづくり整備事業に協力しながらやっていくというものでございます。まず、今回の事業の大きな考え方は、JR札幌駅と地下歩行空間の南北をつなぐ動線の歩行者は、1日当たり5万人、朝のラッシュ時のピークは1時間当たり大体8,000人になります。また、東豊線とつなぐ連絡通路も、柵の内外を合わせて1日約1万7,000人、通勤時間では毎時4,500人が通行しております。そのため、連絡通路の利用者と横断者が接触することなく安全に通行できるよう、限定的でなく、広い空間を確保するというものでございます。そこで、地下歩行空間ネットワークの充実強化や新たなにぎわい、回遊性の創出を目的としまして、東豊線通路部分におきまして通路柵の撤去や改札機等のシステム改修を行うとともに、南北線コンコースの歩行空間や案内サインの整備を行うというものでございます。  そのために、交通局の一つの大きな仕組みとして輸送管理システムというものがございまして、その輸送管理システムを改修しようとしております。これはどんなシステムかと申しますと、地下鉄、路面電車の精算、また、バス事業者等乗り継ぎ計算などを行う交通局のシステムの中でも重要かつ複雑なシステムでございまして、地下鉄の改札機とか、駅や路面電車の機器から膨大なデータを収集、集計し、精算する大規模な仕組みでございます。輸送管理システムは、乗車にかかわる全てのデータの集計と精算を担っているため、乗車のあり方が変更になった場合に改修することになりますが、特に、この事業は、乗りかえ時間の概念を新たに導入いたしまして、札幌駅の南北線と東豊線の改札機を通ってから30分以内であれば乗りかえを可能にするものでございまして、乗りかえを認めるか否かのルート判定、時間判定等によって場合分けは多岐にわたります。そのように、システム改修を中心とした私ども交通局の事業となっているものでございます。 ◆松浦忠 委員  このシステムを導入したときにかかった費用は幾らでしたか。 ◎菱谷 事業管理部長  輸送管理システムの初期の導入にかかった費用でございますが、これは、昭和63年に料金精算機能として構築した大変古いシステムでして、当時、幾らで契約したという資料が手元になく、把握していない状況でございます。 ◆松浦忠 委員  これは、事前に説明を受けましたら、3年にわたってこの仕組みを変えていって総額は1億9,000万円と私は説明を受けております。  そして、1億9,000万円のお金というのは、人件費にしたら、例えば札幌市の職員の給与が年間1人900万円だとすると、20人が1年間従事することになります。会社の経費もありますから、半分を会社の経費と見たとして、10人が1年間従事しなかったらこれを改修できないということになるわけですよ。  私は、なぜ最初に契約したときの総価が幾らだったか聞いたかというと、電気計算機の記憶装置、いわゆるシステムという言葉を使っていますけれども、日本語で言うと記憶装置ですね。これをつくった段階で、もう既に開発にかかった経費などを含めて、全部、値段として提示して回収しているのです。これらの改修は、途中でやったかどうかは知りませんが、昭和63年以来になるのですか。つまり、これらの会社は、あとは回路を変更するのにかかった手間賃だけで済むのです。それから、今の会社の手間賃に対する管理経費分が上乗せされて、これで済む話です。  それが、どういう経緯の中で1億9,000万円という予算を計上されたのか。そして、1億9,000万円を交通事業管理者が認めたことについて、どういう検証、根拠の中でこれを認めて議案として出してきたのか、この点についてお尋ねします。 ◎菱谷 事業管理部長  先ほど答弁いたしましたように、輸送管理システムは、昭和63年に料金精算機能として構築した大変古いシステムですが、その後、運賃改定とか路線の追加、変更など、また、制度の変更のたびに改修、増設と継ぎ足しでいろいろやってきたものでございます。直近で申しますと、例えば、消費税の導入で料金を改定しなければいけなくなったとか、また、SAPICAを導入したときにも改修しまして、古いシステムに専門的な工夫、改修を重ねながらいろいろ構築しているものでございます。  今回の1億9,100万円というのはトータルの経費でございまして、平成27年度は5,500万円の予算を計上してご提案を申し上げておりますが、予算額の見積もりに当たりましては、輸送管理システム開発メーカーである日立製作所に対しまして、この事業を実現するために必要となる要件を私どもから提示いたしまして、見積もりを徴収し、それを参考としているところでございます。その金額は、システム改修を所管するセクションの職員におきまして、過去の実績などによって徴収した見積もりを精査、チェックし、計上しているものでございます。 ◆松浦忠 委員  市長、実は、こういう電気計算機によって人手を省く仕組みというのは、昭和37〜38年ころ、かつての日本国有鉄道では給与計算などに既に導入されていまして、私はそのときから仕組みそのものについて熟知していました。これは、ご承知だと思いますけれども、値段があってないのです。なぜかといったら、人間の脳が考えることですから、何時間働いて、手作業で何本の線を配線して、1本当たり何分で何時間だという積算ではないのです。したがって、人によって個人差もありましょう。しかし、平均的なものがあるのです。なぜ、私はさっき総価が幾らか聞いたのかといったら、電気計算機で計算する仕組みは、最初の価格設定のときにそれが全て入っているのです。あとは部分的な改良なのです。この仕組みは、根本的にこれをこう変えることによって新しいものをつくっても安くできますとなったら提案するはずなのです。提案していないということは、既存の仕組みで対応できるから提案していないのです。  そこで、例えば、今から10年ぐらい前になりましょうか、私は委員会で西宮市に視察に行ったことがあります。私は視察地に西宮市を入れてもらいましたが、なぜかといったら、西宮市は、全国でただ1カ所、いわゆる電気計算機の仕組み、ソフトを組むのも職員、動かすのも職員、電気計算機も業者から直接購入しているのです。物すごく安くできています。  私は、直接購入だとか、そこの仕組みのことは今言いませんけれども、せめて価格交渉をやるぐらいのことは何も難しくありません。これをきちんとしないと、この程度のことをやるのに1億9,000万円、3年に分けて6,000万円余をかけていくというのは、ちょっと言いなりだと思います。  市長も記憶があるかと思いますが、かつて、広島市の水道局が電気計算機を導入するということで入札をやりました。あの当時は、最低制限価格もなく、基本的な一般競争入札でした。富士通が1円入札したのです。なぜかといったら、1回とって、これは俺の縄張りだと決めたら、あとは、今のようなことで何ぼでも高くとっていって元を回収していける、こういうことで1円入札したのです。その後、いろいろな経過があって、今のような電算機に関する入札の条件もつくられてきました。  したがって、市長、札幌市として、西宮市などに聞けばすぐわかることです。職員を派遣して調査すればすぐわかります。ですから、少なくとも製作メーカーから出てきたものについてはきちんと検証して、これはこの程度でいかがなものかという話し合いができなければいけません。先ほど資料を提出してもらいましたら、札幌市の地下鉄の1人1回の乗車運賃は平均何ぼかといったら、定期を除いて188円だそうです。200円足らずです。そうしたら、1億9,000万円を運賃で払っていくとなったらどうなるか、すぐ計算が出ますね。したがって、高速電車会計そのものは一般会計から繰り入れなければまだまだ経営が成り立っていかない状況の中で、今、電気計算機にかかわる問題というのは全くのノーチェックでざるですから、今、私が言ったようなことをきちんとしなければ交通局の会計は正常になっていきません。  私は資料を持っていますが、きょうは質疑者がたくさんいますからやめます。しかし、交通局は、開業以来、自動改札機から始まって、こういった設備改良にどれほどの金を投じてきたか。ここのところを考えたら、これはもう喫緊の課題です。こんなもの、別に難しいことを言わないから、できれば議決を保留して秋の決算議会に延ばして、そして、西宮市に行って聞いて、日立ときちんと協議して、この辺がいいところではないかという折り合いを見つけて価格を設定すべきだと思いますけれども、市長、いかがですか。 ◎秋元 市長  松浦委員がおっしゃることはよくわかります。交通局のみならず、最少限の費用で効果を出していかなければならないというのは行政の役割です。そういう意味で、今のシステム開発については、これまでも、まさに競争性をどうするのかとか、提示されているシステムの金額が現実的に妥当なのかどうか、そういうことはきっちりチェックしていかなければなりません。例えば、今、情報化推進部で行っております基幹システムは、特定の企業と随意契約していくことがないようにオープン化していくという仕組みをとりました。そのためにさまざまなシステムを改築しています。交通局のシステムについては、輸送管理システムはかなり古いシステムですから、継ぎ足し、継ぎ足しで来ているのだろうというふうに思いますので、どこか1カ所を直すためにいろいろなところを直していかなければなりません。古いシステムはそうなっています。ですから、チェックに物すごく時間がかかる、いわゆる人手がかかっているということもある程度は想像がつきます。  そこで、今、手元にあるのかどうかわかりませんが、見積もりをいただくときには、どのぐらいの工程が必要になって、どういう仕事をするのかということ、先ほど松浦委員がおっしゃったように何人工かかるかということがステップで必ず議論されています。それが妥当かどうかというのは、情報化セクションと必ず協議しているはずで、それは、交通局の職員だけではなく、札幌市としてチェックしている状況にあると私は思っています。つまり、1億9,000万円の中身の妥当性を出せとなれば、今のようなお話は、例えば、何人工かかってどうだから2年かかるというような状況があるはずですので、それはご説明できるというふうに思っております。 ◆松浦忠 委員  市長、私は、札幌市のコンピューターにかかわる専門職員だという方と今まで随分話してきました。わかっていないのです。なぜかといったら、札幌市の仕組みからいって、人事異動があるものですから、専門的にならないのです。  西宮市は、コンピューター部門に配置になったら、ずっとそこで仕事をやっています。専門的にずっといろいろなことを勉強しながらやっています。だから、西宮市の職員はわかるのです。メーカーも同じで、そのように専門的にやっていきます。1カ所の場所に4年とか5年はいて、そして、実際にシステムの設計を手がけなかったらわからないのです。そういう意味で、私は以前から札幌市に言っています。あなたが市長になる前からずっと言っています。そういう仕組みをつくっていかないといけません。これは、人事運用制度と密接にかかわるのですが、そこでずっとやって、ある程度になって、同期のみんなが課長になったら課長にしてあげるとか、専門性のある専任職として給与保障と階級保障をきちんとしてあげる、そうやっていかないとできない仕事なのです。ただ、それをやることによって、物すごいお金が節約されていきます。  西宮市は、その当時、国が指定するコンピューター部門モデル都市になりました。そこで、委員会での視察に組み入れてちょうだいと委員長に頼んで私は行ってきました。もう退職されましたが、ずっと中心になってきたヨシダさんという方に会いましたよ。  ですから、市長、私が言っているのは、ありきたりな話を聞いて、そうですかという今のような話ではなくて、私は、昭和37〜38年からコンピューターの仕組みの変遷をずっと見てきていまして、手ではいじらないけれども、理論的なことはきちんと押さえていますから、したがって、ぜひそういうことに取り組んでください。  私は、できればこの議案を保留して、職員を西宮市へ派遣して、それを持っていってちょっと点検を手伝ってもらうとか、西宮ではそんなことはすぐにできます。ですから、私は全部をやれとは言いませんが、特に交通局はにっちもさっちもいかぬぐらいの収支の状況でしょう。そういうことについてちゃんとやらないと、どこかの赤字の線は、それこそ車両ももっと短くしてどうするかとか、運行本数だとか、そういうことももっともっと考えていかなきゃいかぬ。  私が見ている限りは、かつて、伊与部議員が電車の耐用年数を延ばしなさいということを議会で提案して、それを受けて耐用年数を延ばしました。編成も少なくしました。しかし、それ以上の努力は全くしていない。したがって、私は、これについて、きちんとした対応をすべきだということを市長に申し上げたいのです。市長、これ以上の答弁はもういいです。そこで、これを受けて、決算議会までにそのことをしっかりと調べて対応できるようにしていただきたいということを求めて、終わります。 ○小須田悟士 委員長  以上で、高速電車事業会計の質疑を終了いたします。  ここで、理事者交代のため、委員会を暫時休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後1時20分       再 開 午後1時22分     ―――――――――――――― ○小須田悟士 委員長  委員会を再開いたします。  次に、第5款 労働費 第1項 労働費の質疑を行います。 ◆池田由美 委員  私は、若年層職場定着支援事業について、4点ほど質問いたします。  若者の入社後3年間での離職率は全国平均に比べて北海道が高いということで、札幌の若者の早期離職の防止と職場への定着を目的に、若手社員と企業に向けての研修や講座を開くということで、2008年から取り組まれていると聞いております。今回の予算は487万円、ことしで8年目となる事業ですが、これまで講演や講座に参加した若者がどのように企業に定着してきているのか、企業は若者の定着に向けてどのような取り組みをされているのか、最初にお聞きいたします。 ◎花田 雇用推進部長  若年層職場定着支援事業の参加者に対する定着状況の調査についてでございます。  これは、これまで行っておりませんでしたが、各年度において、事業終了後、参加者にアンケート調査を行い、いただいた意見も参考にしながら、グループ討議や意見交換をふやすなど、事業内容を改善してきたところでございます。 ◆池田由美 委員  参加された若者がどのように企業に定着されているのか、調査されてこなかったというご答弁だったと思います。  487万円という予算は多くはないかもしれませんが、市民の税金を使っての事業ですから、私は、本来やるべき追跡調査などをして検証していくことが必要だったのではないかというふうに感じています。委託者の仕事をつくってやっただけではないかというふうに市民から言われることがあっても仕方がない状況ではないかという気もしています。今後は、企業で働く人たちの処遇条件をよくしていく取り組みの調査も行っていくつもりでいるのかなというふうに思うのですが、若者の定着についてどのような形で追跡調査などを進めようとしているのか、お聞きしたいと思います。 ◎花田 雇用推進部長  今回予定している定着調査につきましては、これまで札幌市が実施してまいりました若者の就職支援事業につきまして、就職だけではなくて、就職後の職場定着状況を調査することが今後の事業構築に必要と考えて実施するものでございます。若年層職場定着支援事業につきましては、セミナーや講座の実施を通じて、若者の職場定着に向けた意識づけを主な目的とした啓発事業でございます。この事業に係る調査につきましては、企業の職場定着に資する取り組みを中心に、離職した若者がいた場合にはその離職理由なども調査することを予定しております。 ◆池田由美 委員  今後は、離職した若者に対して理由なども追跡して調査を行っていくというご答弁だったと思います。ぜひ、充実した調査を行い、今後の事業に生かしていただければということを強く求めておきたいと思います。  この事業は、札幌市の若者の早期離職の防止と企業への定着が目的であります。2点目の質問は、若者が早期に仕事をやめてしまう原因をどのように認識されているのか、伺いたいと思います。 ◎花田 雇用推進部長  若者が早期に離職する理由についてでございます。  昨年、厚生労働省が発表した調査結果によりますと、若年労働者が会社をやめた主な理由といたしましては、労働時間、休日、休暇の条件がよくなかったこと、あるいは、人間関係がよくなかったこと、そして仕事が自分に合わなかったというものが上位となっております。ただ、この中には、これまで私どもがさまざまな若年層の就職支援事業を実施してきた中で、若者や企業に対する聞き取り調査などを行ってきた経験から、仕事に対する心構えや基本的な考え方などを十分に持たずに就職した若者も内在しているのではないかというふうに考えているところでございます。 ◆池田由美 委員  労働時間などの労働条件がよくなかったことや、人間関係、仕事が合わなかったなどの理由があったということでした。また、聞き取り調査を行った中では、心構えとか基本的な考えができていなかったということも含まれているというご答弁もいただきました。私も、今、若い人たちは、自分が何をしたいのか、そういうことをしっかりと持つことができない状況もあるのではないかと、同じ思いでおります。  ただ、総務省の労働力調査の詳細結果から、今、非正規労働者の数が本当にふえてきています。非正規労働者は、2014年1月から3月の平均で1,970万人と、2,000万人に迫ろうとしていて、その割合は37.9%と4割に近づいてきています。そして、若者の半分が非正規雇用になっている実態も承知のことだと思います。それに加えて、200万円以下の給与収入の方たちが1,000万人を超えて4人に1人の割合になっていることも現実の状況ではないかと思います。長時間労働、サービス残業、休みがとれないなど、先ほどの答弁にあったことも加え、今は低賃金、不安定雇用が広がっているのではないかと思います。若者を中心に労働者を使い潰していくブラック企業の問題も本当に深刻だと思いますが、このような雇用のルールの破壊も早期離職の原因の一つではないかと考えます。  そこで、このことが共通の認識でいるのか、伺います。 ◎花田 雇用推進部長  離職の要因といたしましては、そのときの経済状況や雇用状況など、さまざまな社会情勢も影響しているものと認識しております。非正規雇用の増加が離職率にどの程度影響を与えているかは定かでありませんけれども、影響はあるものと認識しているところでございます。 ◆池田由美 委員  共通の思いでいるということだと思います。  質問の三つ目ですが、この事業は、中小企業の正社員を対象とした事業となっております。先ほどもお話ししましたが、現在、若者の半分が正社員になれない状況が広がっております。若者が札幌で正社員として働いて住み続けることができる。これは、納税者がふえて札幌市を支える力になっていくというふうに思います。少子化にも歯どめがかかり、子どもの貧困の解決にも効果が広がっていくのではないかと考えています。  そこで、質問ですが、この事業の対象を正社員だけではなくて非正規雇用の若者も参加しやすい中身にしていくお考えはないか、伺いたいと思います。 ◎花田 雇用推進部長  非正規雇用職員のこの事業への参加についてでございますけれども、これまでも非正規雇用の職員の参加も可能としてございました。今後も、非正規雇用職員であっても参加しやすいような事業内容を検討していきたいと考えております。 ◆池田由美 委員  非正規雇用の若者の皆さんも参加しやすいようにというご答弁でございました。ただ、休みの関係などで本当に難しいことでもあろうかと思います。ぜひ、そういう部分も研究していただいて、多くの若者にこの事業に参加していただけるように心を配っていただければと求めたいと思います。  今回の若年層の職場定着支援事業ですが、札幌で働く人たちの働き方というのは、人間らしく正社員が当たり前ということが基本として保障されていくことが一番大切なのではないかと考えます。働き方を整備していくための取り組みとあわせて、若者の働く意識啓発の取り組みを進めていくことが大切だと思います。そのためには、いろいろな連携が必要ではないかというふうに思うのですが、ハローワークや労働基準監督署などとの連携をとりながら情報を共有していくことが大切だと感じております。  説明を受けた中で、雇用推進懇談会というものを数回持っているとお聞きしました。この雇用推進懇談会の中身についてですが、今、経済的に本当に厳しい折、働く問題のところでもすごく厳しい状況にあると思いますけれども、どのような団体が参加して、どんなことが話題になっているのかということもお聞きしたいと思います。 ◎花田 雇用推進部長  札幌市雇用推進懇談会についてでございます。  これにつきましては、従来から、雇用推進施策の検討を行うために、学識経験者、学校関係者、経済団体、行政機関のほか、労働団体からも委員として入っていただいております。懇談会では、例年、さまざまな立場からご意見やアドバイスをいただいているところでございまして、昨年度につきましては、札幌市の雇用推進施策へのご意見のほか、離職率の高さや若年層への就職支援などについてご議論いただいて、アドバイス等をいただいたところでございます。 ◆池田由美 委員  さまざまな団体の参加者がいらっしゃって、特に、労働団体も加わっているというところでは、働く側と企業の側が同じテーブルで話されていることを確認できました。私は、札幌市が主導して定期的に懇談の場を持ち、指導力を発揮していただくことを強く求めたいと思います。  その際に、労働運動を研究されている研究者も入れてみると、ますます話が充実していくのではないかというふうに考えています。労働運動の研究者の参加は考えておられないのかと思うのですが、いかがでしょうか。 ◎花田 雇用推進部長  現在、労働団体については、二つの団体から2名に参加いただいております。労働団体は、労働者の権利を守る立場柄、さまざまな労働者からの相談等を受けて労働基準関係の法令にも知識と経験がございますので、労働団体からのご意見も尊重してまいりたいと思っております。  そのほかの専門家については、必要に応じて参加していただくことも検討させていただきたいと思います。 ◆池田由美 委員  必要に応じてということですが、これから議論をする中で、こういう研究者も必要ではないかというご意見を言わせていただく機会があればと思っていますので、その際にはお願いしたいと思います。  最後になりますが、札幌で働く人の賃金は暮らしていける賃金であること、人間らしく働ける労働環境を守っていくためには、札幌市がさまざまな形で民間に委託する事業での働き方をよくしていくことが必要ではないかと思っています。今後、企業や労働問題の研究者、ハローワーク、労働基準局など、その時々で必要な皆さんと連携をとりながら、企業の側も働く側も協働の立場で公契約条例の理解を進めていくようになればすばらしいのではないかというふうに思います。札幌市として、雇用を守る立場を明確にしながら、若者の企業への定着が進み、また、企業が若者をしっかりと受けとめて処遇の改善などが進んでいくように、改めてこの事業を充実していただくことを強く求めて、質問を終わります。 ◆村上ゆうこ 委員  私からは、女性社員の活躍応援事業についてお伺いいたします。  少子高齢社会が急速に進展する中、札幌市でも労働力人口の減少による経済規模の縮小が懸念されております。不足する労働力を補い、経済発展を持続していくために、女性が一層活躍する社会を築いていくことが不可欠とも言われております。しかし、札幌市は、全国的に見て女性の有業率が低く、政令市20市中では18番目とのことですが、特に、子育て世代にある30歳代を中心にさらに低い状況となっております。子育て期に仕事を中断してしまう要因としては、中小企業が多くて育児休業をとりにくい環境にあること、さらには、男性の労働時間が大変長く、育児などの分担が難しいことも背景にあると推測されます。女性が働き続けながら、結婚、妊娠、出産、そして子育てを円滑に両立させていくために、行政のサポートはもちろんのこと、あわせて、職場の理解と協力など、社会や職場の環境整備が今後ますます重要なポイントになってまいります。  こうした中で、本市の女性社員の活躍応援事業は、昨年度に新規事業としてスタートしましたが、子育てと仕事の両立に不安や悩みを抱えながらも働くことを望む女性に対する支援ということで、セミナーや企業への出前講座などを開催して一定の効果があったとお聞きしております。本当に、大変意義ある事業だと考えております。  そこで、質問ですが、昨年度実施した女性社員の活躍応援事業の評価と課題、それを踏まえて、これからどのように改善していくつもりか、お伺いいたします。 ◎花田 雇用推進部長  女性社員の活躍応援事業の評価と課題、それを踏まえた改善方法についてでございます。  本事業は、働き続けることを希望する女性を支援することで女性の有業率の向上につなげるものでございまして、従来の退職後の再就職支援から一歩進め、女性と企業の双方に就労継続を促す新たな取り組みでございます。昨年度は、女性向けセミナーに397名、企業向けセミナーに73社、353名がそれぞれ参加していただき、アンケート結果では総じて高い評価を得ているところでございます。本事業を通じて、女性社員には、キャリアプランの立て方や保育所の利用方法などさまざまな情報を提供し、また、企業には、女性の多様な働き方について認識を深めていただいたところであり、意義があったものと考えているところでございます。  一方で、女性向けセミナーの一部で、休日に比べ、平日、夜間の参加率が低かったことが課題となっておりますので、今年度は、開催日を休日の昼間の時間帯にするほか、参加者が受講したい内容をある程度柔軟に選択できるようにするなど、より参加しやすいものにしたいと考えております。さらに、広報についても、病院、美容室、子育てサロン会場へのポスター掲示、フェイスブック等の活用により、幅広く事業の周知に努めてまいりたいと考えております。 ◆村上ゆうこ 委員  今年度は2年目の事業となりますので、私も内容がさらに深まるものと期待しております。  次に、再質問に入りますが、今度は、出産、子育てなどにより職場を退職した後に再就職を希望する女性への支援についてお伺いしていきます。  先ほどもお話ししましたけれども、札幌市は、特に育児中に仕事を中断してしまう女性が多く、有業率が著しく低くなっております。我が会派では、今議会の代表質問で、子育て女性に対する就労支援を取り上げております。その中でも触れたように、子育て中の女性の多くは、短時間勤務で、土・日の休みを確保できる仕事を求めていますが、条件に合う求人が少ないのが現実であります。企業側の多くはフルタイムでの雇用を前提とした採用活動を行っており、子育て女性と企業との間で働き方のミスマッチが生じているのではないでしょうか。  また、就職を希望している子育て中の女性のうち、実際に求職活動をしている方々は2割弱とも言われております。仕事のブランクによる不安から、求職活動に踏み切れない方も多いと思われますが、そうした女性たちの不安を取り除くことも必要です。企業側は、これからも、一人一人のライフスタイルに応じた柔軟で多様な働き方を受け入れるなど、まさに社会全体として子育て女性の就労を支援する環境づくりや改革が求められてくるのではないかと感じているところです。  そこで、質問です。  子育て中の女性が活躍できる社会の実現に向けてどのようなことが必要と考えているのか、また、子育て女性と企業との働き方のミスマッチ解消や再就職の不安を取り除くための取り組みとして今後どのようなことを検討していくのか、お伺いいたします。 ◎花田 雇用推進部長  最初に、子育て女性が活躍できる社会の実現についてでございます。  子育て女性が活躍するためには、一人一人の状況に応じて多様な働き方ができることが重要であり、そのためには、企業側にも女性の雇用に関する十分な理解が必要だろうと考えております。このため、正社員やフルタイム勤務を前提とした働き方だけではなく、短時間勤務の正社員制度や在宅ワークの普及などにより、社会全体で子育て女性が働きやすい環境づくりを目指していくことが必要であると認識しております。  次に、ミスマッチの解消や再就職の不安を取り除くための取り組みについてでございます。  札幌市では、これまでも、就業サポートセンターを通じ、子育て女性の希望に応じた求人の開拓を行うなどの支援をしてきたところでございます。しかし、多くの企業では、子育て女性が希望する短時間勤務の正社員の採用実績がないことや、仕事や育児の両立の難しさからすぐに退職してしまうのではないか等の心配があり、まだまだ採用には消極的な状況にございます。今後は、企業が雇用する際の懸念と子育て女性が再就職する際の不安、これら双方の抵抗感を取り除くため、セミナーの開催などに加えて、企業での職場体験の実施なども検討してまいりたいと考えております。 ◆村上ゆうこ 委員  企業での職場体験の実施ということで、受け入れ企業等を見つけていかなければならないと思いますけれども、そこはよろしくお願いいたします。  子育て中であっても、社会に出てはつらつと働きたいという女性の希望に応えていただくためにも、女性社員の活躍応援事業をさらにこれからもレベルアップして、ぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思っております。  また、企業は、女性活躍推進の必要性を理解しつつも、具体的な取り組みがわからない現状なのではないでしょうか。これからも、女性向けの合同企業説明会の開催、また、実際に子育て女性を雇用した企業の事例やノウハウを広めるなど、企業が子育て女性を受け入れる土壌づくりとなる取り組みを進めることを要望します。  最後に、女性の職業生活における活躍の推進に対する法律案、女性活躍推進法案が今国会で成立していくということで、大変喜ばしいと思っておりますが、この法律を実効あるものとするためにも、地方自治体である札幌市が果たす役割は大変重要です。秋元市長は、所信表明の中で、女性の割合が高いまち札幌が一層発展していくためには、女性がその持てる能力を存分に発揮できる環境をさらに整えていくことが重要であると話されておりました。札幌市には、女性対策にかかわる部局として、ここ経済局、市民まちづくり局、子ども未来局などがございます。個別にはそれぞれしっかりと取り組まれておりますが、今後は、横断的な対応といいますか、全市一丸となって女性活躍の推進に取り組んでいただきますよう要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。 ◆竹内孝代 委員  私からも、女性社員の活躍応援事業、補正予算額1,270万円の案件についてお伺いいたします。  民間がまとめた意識調査によりますと、女性の約46%が結婚、出産後も働き続けたい、男性の約63%が妻に働いてほしいと願っておりますけれども、実際には、国の調査で第1子の出産を契機に退職する女性は約6割にも上っています。その背景には、先ほどほかの委員からもありましたが、仕事と育児の両立が難しいという現実があります。  私は、保育現場に勤務していた際、子育てをしながら働くお母さん方からさまざまな声を聞いてきました。出産、育児を契機に退職した多くの方は、子育てが一段落し、いざ再就職を考えたときには、さまざまな障壁により就職を諦めたり、また、キャリアを生かせずに他業種に再就職せざるを得ないケースが多々あります。  国では、公明党の提案で昨年設置したすべての女性が輝く社会づくり本部が、先月、政府として初めて女性政策に特化した方針をまとめ、女性活躍加速のための重点方針2015を発表いたしました。ここには、女性が仕事、育児、介護の両立を実現するワーク・ライフ・バランスを充実させる施策が盛り込まれており、本市が展開するこの事業には、まさに女性社員の仕事と子育てを両立できるように支援するという意味で期待を寄せております。  そこで、本市がこの事業を進める上では、女性が働く企業側の理解を深めることがとても重要となります。企業にとっても、出産や子育てを理由に優秀な人材を失うことはデメリットで、女性の継続雇用は企業にとっても大変大きな経営効果につながることを理解しているものの、経営面の観点、さまざまな視点からなかなか思うように環境の改善に着手できないという実態でございます。先ほどの答弁で、昨年、企業向けセミナーを開催して、女性の継続雇用の先進事例、また、活用できる助成金についても周知し、理解につながる取り組みを行ったと聞いております。  そこで、質問ですが、企業が女性を継続雇用するために取り組んだ先進事例にはどのようなものがあるのか、また、企業が継続雇用する際に活用できる助成金の概要について、あわせてお伺いいたします。
    ◎花田 雇用推進部長  最初に、企業が女性を継続雇用するために取り組んだ先進事例についてでございます。  札幌商工会議所では、女性が活躍できる機会を積極的に提供している企業の取り組みを広めるため、昨年度から札幌なでしこ表彰という制度を設け、市内の企業3社を表彰しております。表彰内容の主なものといたしましては、法律で定める勤務時間の短縮期間を延長し、子どもが小学校に就学するまで認めている例や、ノートパソコンを支給し、在宅勤務を大幅にふやした例、そのほか、学校行事に対応しやすいようにフレックスタイム制度を導入した事例などがございます。いずれの企業も、女性の継続雇用に取り組んだ結果、事業の業績も伸ばしていると聞いております。  次に、女性の継続雇用に活用できる助成金についてでございますが、札幌市では、初めて育児休業の取得者が出た場合、それから男性の育児休暇の取得に対して助成金を設けているところでございます。また、国においては、事業所内保育所の設置と運営のための経費や、短時間勤務制度などの導入に伴う両立支援助成金、復職後の女性の能力アップのためのキャリア形成促進助成金など、さまざまな助成金が設けられているところでございます。これらの先進事例と助成金につきましては、今後も女性社員の活躍応援事業の中で積極的に取り上げていきたいと考えております。 ◆竹内孝代 委員  働き続けたいと考える女性が一人でも多くその思いを実現するためには、今ご答弁いただきました、なでしこ表彰を受けられた先進事例や助成金について、多くの企業が理解し、実際に取り入れていくことが不可欠かと思います。そのためにも、今後は、女性の継続雇用に意識が向いていない、このようなセミナーにも参加してこない企業への啓発が特に重要な課題になるのではないでしょうか。  そこで、再質問ですが、女性の継続雇用に十分意識が向いていない企業に対し、本事業への参加をどのように促していくのか、お伺いいたします。 ◎花田 雇用推進部長  企業にこの事業への参加をどのように促していくかということでございます。  女性の継続雇用のためには、女性がしっかりとしたキャリアプランを持つことも重要でございますが、企業側の理解や、そのための社内における取り組みも重要と考えております。したがって、今後は、札幌商工会議所や中小企業家同友会など経済団体のネットワークを通じ、この事業のより一層の周知を図っていくほか、セミナーに加えまして、出前講座などを積極的に活用することで多くの企業の参加を促してまいりたいと考えております。 ◆竹内孝代 委員  事業の周知を図るとともに、今ご答弁いただきました出前講座も活用して、一つでも多くの企業に理解していただくよう取り組みをお願いいたします。  一方、女性が働き続ける上で、働き先である企業の協力のほかに、家庭での男性の理解を深めるための取り組みが必要不可欠な存在であると思います。厚生労働省の調査では、6歳未満の子どもがいるご家庭で男性の家事や育児に充てられる時間は1日1時間程度となっておりまして、これは、アメリカやドイツ等の諸外国の約3分の1という低水準であることがわかっております。  その調査の中では、女性が妊娠や出産に関して重要視していることの第1位は夫やパートナーの家事や育児への参加であり、約7割の方が求めております。札幌市の女性の有業率は、先ほどほかの委員からもありましたように、政令都市の中でも低い状況にあります。特に、20代から30代の子育て女性については、就職を希望する方が6割いるにもかかわらず、実際に働いている方は3割程度と、働きたくても働けずにいる方が3人に1人いらっしゃるのが現状です。男性の家事や育児に関する意識を高める、また、女性の継続就業を実現することは重要な課題と言えるのではないでしょうか。  そこで、質問ですが、女性が働き続ける上で不可欠な家庭での男性の理解について、本事業を通じて今後どのように促進していくつもりなのか、お伺いいたします。 ◎花田 雇用推進部長  女性が結婚や出産後も働き続けるためには、家庭や職場における男性の理解と協力が必要であるというふうに考えておりまして、これまでも、札幌市男女共同参画センターにおきましては、家事や育児に対する男性の理解を深めるためのセミナーやイベントなどを開催しているところでございます。  女性社員の活躍応援事業におきましては、女性向けセミナーに配偶者の参加も促すほか、セミナーのカリキュラムを工夫し、受講後、家庭で仕事と育児の両立について話し合えるような内容も設けていきたいと考えております。また、企業向けセミナーでは、管理職や女性だけでなく、多くの男性社員にも参加をいただいておりますので、今後は男性の理解を促すような内容も積極的に取り入れていきたいと考えております。 ◆竹内孝代 委員  早速取り組んでいただけるということで、よろしくお願いいたします。  現段階で想定される取り組みについてはわかりました。まだまだ十分とは言えない状況ですが、この事業を契機として、女性が働き続ける上で不可欠な家庭での男性の理解を深められるよう、さらに積極的に取り組んでいただくよう求めます。また、企業側の理解を深めて協力体制を整備するために、現在の助成金制度では、中小企業が直面するようなさまざま課題に対応できているとはまだまだ言いがたい状況です。多くの企業が助成金を利用できるように制度の拡充と周知の強化について国に求め、女性が仕事と子育てを両立できるよう支援するという本事業の目的を遂げられるよう力を注いでいただくことを要望して、私の質問を終わります。 ○小須田悟士 委員長  以上で、第1項 労働費の質疑を終了いたします。  次に、第6款 経済費 第1項 商工費のうち経済局関係分の質疑を行います。 ◆松井隆文 委員  私からは、商店街の支援制度について質問させていただきます。  経済局では、本年度より、これまでの商店街向けの支援事業を再構築して、新たに地域商店街支援事業を実施すると伺っております。今年度の地域商店街支援事業には、当初予算に計上されているにぎわいづくり型の補助金及びファシリテーター派遣のほか、今回の補正予算に計上されております地域課題解決型補助がございます。  そこで、質問ですが、本年度実施する地域商店街支援事業のうち、地域課題解決型補助について、これは従前の支援事業と比較してどのような内容になっているのか、お伺いいたします。 ◎小野 産業振興部長  地域課題解決型補助の内容についてでございます。  人口減少や高齢化の状況など商店街を取り巻く環境や課題はさまざまであり、これまでも、商店街から、こうした課題に対応して活性化を図るため、もっと柔軟な支援制度に変えることができないかというような声も寄せられてきたところでございます。  そこで、それぞれの商店街で異なる地域課題に幅広く対応できますよう、これまで事案ごとに細分化しておりました支援メニューを統合し、商店街が取り組む地域課題の解決を通した商店街の活性化を支援するものにしたいというふうに考えております。例えば、これまでは、商店街による空き店舗活用はコミュニティカフェに限定しておりましたけれども、新たな支援事業におきましては、空き店舗に限らず、地域の歴史ある建物を改修したレストランの運営なども支援対象となるものと考えております。  補助内容といたしましては、補助率は3分の2で補助限度額は200万円としておりますが、他の商店街のモデルとなるような先進的な取り組みで、特に地域課題解決に資する事業につきましては、補助率4分の3で補助限度額を300万円に引き上げることも考えているところでございます。 ◆松井隆文 委員  ただいまの答弁によりますと、新しい支援事業となる地域課題解決型の補助は、商店街がそれぞれの地域の課題を踏まえて、その解決に向けて考えたアイデアや課題といった企画を支援するものであります。その支援の趣旨は理解いたしましたけれども、この支援事業が多くの商店街に有効に活用されるために、さらに私から2点お伺いいたします。  一つ目は、マンパワーの問題であります。  例えば、私の地元の手稲本町商店街のように、将来に向けた計画づくりをしっかりとやっている商店街は一部にとどまっております。全ての商店街が将来ビジョンや課題解決に向けた具体的な方策を持っているわけではなくて、商店街によっては事務的な機能を果たす人材、例えば常勤の事務員などが極めて不足しているところも多く見られます。そうしますと、商店街の場合、商売をする傍らで申請書類などの手続を進めなければならず、これは作成自体がなかなか難しいということも聞いております。  また、この支援事業を有効に活用するためにも、商店街みずからが活性化に向けた企画を考えて提案するということですが、それができれば非常にいいですけれども、先ほど言いましたように人が非常に不足している状態の中では、企画を考えて提案するマンパワー自体が不足していることも実情であると私は考えております。商店街が地域課題の解決というものを通して活性化事業に取り組むには、補助金のような財政的な支援だけではなくて、そこにあわせて、そもそも企画や提案といった人的な支援も必要ではないかというふうに考えています。  そこで、1点目の質問ですが、商店街に対する支援として、札幌市として財政面以外に人的な面でどのような支援を考えているのか。  2点目は、支援期間でありますが、従前の経済局の補助制度ですと、その支援期間はほとんど3年間となっておりました。しかし、商店街が取り組む活性化事業は、千差万別でそれぞれの商店街の事情があり、一律3年間としている支援期間が商店街のニーズに合わないという声も聞いております。新しい支援事業の趣旨が商店街みずから考えて実施するものに対してということであれば、支援期間についても柔軟に設定するべきではないかと思います。  そこで、地域課題解決型の補助において、札幌市として支援期間をどのように考えているのか、2点あわせて伺います。 ◎小野 産業振興部長  1点目の商店街に対する人的な支援についてでございます。  地域商店街支援事業におきましては、商店街の企画づくりを支援するファシリテーター派遣がございます。ファシリテーターとは、ワークショップ等におきまして運営や進行を通して参加者の意見やアイデアを引き出す人材のことでございますが、本制度では、経験豊富なファシリテーターを商店街に派遣し、地域課題の共有や課題解決に向けたアイデアなどを話し合い、具体的な事業を企画することを支援するものでございます。また、経済局においても、それぞれの商店街ごとに担当者を決め、当然のことではございますが、日ごろから相談に応じたりアドバイスを行うなど、きめ細やかな支援にも努めているところでございます。  次に、2点目の支援の対象期間についてでございます。  商店街への補助は、基本的に事業のスタートアップを支援するものでございます。最終的には、自立して取り組んでいただく必要がありますことから、一定の期間を設けることが必要というふうに認識しております。  これまでの支援事業におきましては、一律3年間という期間を設けてきたところでございますが、委員のご指摘のとおり、商店街の取り組みの中には3年を超えるような支援を必要とされる場合もありますことから、地域課題解決型補助の支援期間につきましては、基本的には3年間としながらも、必要に応じて柔軟に対応してまいりたいというふうに考えているところでございます。 ◆松井隆文 委員  現在、人口減少社会を迎えまして、これからの商店街というのは、まさに地域のコミュニティーの重要な担い手の一つとして地域に深く根づいていく必要があると考えています。ただいまの答弁にありましたファシリテーターの派遣とか経済局職員による対応も非常に重要でありますけれども、地域のまちづくりを担う一員である商店街をさらに活性化させるためには、人的な支援がより一層必要であるというふうに考えています。そこで、例えば、地域において最も身近な存在であって、地域の課題などの実情を把握している区役所などにおいても、町内会を初めとする地域のまちづくり団体との連携を促進するとか、あるいは、地域全体の活性化の観点から商店街とより一層かかわっていくということも検討してはどうかというふうに私は考えております。  最後に、商店街のにぎわいづくりはとても重要であり、にぎわいづくり型の補助制度が今年度の骨格予算に盛り込まれているというのは、切れ目なく支援する必要があるという考えによるものだというふうに私も思っております。しかし、こうしたにぎわいが必ずしも商店街の加盟店舗の売り上げ、利益に結びついていないという事実も、また一方であることも懸念しております。にぎわいを売り上げに結びつけるというのは、最終的には各店舗が行うことであり、そこで行政が個別の店舗に対して直接支援するのは難しいかもしれませんが、例えば、商店街の中ににぎわいを売り上げに結びつけた店舗があるとか、札幌市として把握している優良事例があれば積極的に紹介するなど、商店街の支援においては最終的に店舗利益につなげていくといった観点も持って取り組んでもらいたいということを私の要望として述べまして、質問を終わらせていただきます。 ◆小口智久 委員  私からは、IT産業の成長促進について伺います。  札幌市に集積するIT産業を活性化して安定した成長を促すためには、他産業との異業種連携が必要でございます。IT産業以外のさまざまな産業においては、IT技術、つまり情報化技術によって、効率的な経営管理、見える化による新しいサービスの創出、また、ビッグデータの解析やシミュレーション、計算技術を駆使した新製品開発等が促されており、IT産業と他産業の両者がメリットを得ることができるといった効果が期待されております。そのため、IT産業と他産業との連携によって創出される事業が技術的に実現可能なのか、可能であっても、自己満足ではなく、他社に負けない競争力があって事業展開ができるのか、そして、中長期的にしっかりともうかるのかといった観点から、事業の可能性や効果の評価を行い、重点的に連携を図ろうとする産業分野を抽出して両者の相乗効果を生み出していく必要があります。札幌市では、IT産業と連携を進める重点分野として、バイオ産業を対象とし、2年前から連携に向けた取り組みを始めたと聞いております。  そこで、質問ですが、この事業はどのようなことを狙いとして進めているのか、また、これまでに具体的にはどのような取り組みをなさってきたのか、伺います。 ◎小野 産業振興部長  事業の狙いとこれまでの具体的な取り組みについてのお尋ねでございます。  まず、事業の狙いにつきましては、本市には、バイオクラスター形成への取り組みなどを通じてこれまでバイオ系企業が一定程度集積しており、その売上高はこの15年間で約5倍となるなど、バイオ産業は本市における成長産業の一つとなっているところでございます。また、バイオ産業においては、膨大かつ複雑なデータ処理や画像解析技術を用いた細胞観察などIT技術を活用できる部分も多く、両産業が連携することによる相乗効果は高いものというふうに想定しております。これらのことから、バイオ産業の研究開発や経営の効率化、IT産業の技術向上や販路拡大などが図られることで両産業が一層成長することを期待して、本市では両産業の連携促進に向けた取り組みを進めてきたところでございます。  次に、具体的な取り組みについてですが、平成25年度以降、IT企業のバイオ産業に対する理解を図り、両産業の関係づくりを促進するため、バイオの基本から最近のトピックスまでを学べる入門講座や、先進的な連携事例を紹介するITバイオセミナーを開催したほか、IT企業がバイオ企業の現場を視察し、互いの交流を図るマッチング交流会などを開催してきたところでございます。 ◆小口智久 委員  私自身、民間で研究開発を行ってきた経験から申しますと、異業種と連携していく上でとても大事なことは、異業種の方と切磋琢磨し合い、技術革新を行う中で、夢、希望を持つこと、また、連携による社会的・経済的メリットをイメージできることがとても重要でございます。さらに、このような連携の話を社内に持ち帰ったときによく言われる話としては、それはどのような事業計画になるのかとか、ビジネスとして採算性はあるのかとか、企業のニーズ等のさまざまな情報が外部に漏れてしまうのではないかというような不安の声も受けた経験が多々ございます。他企業と連携する上では、このようなハードルが存在いたします。このように考えますと、普及啓発セミナー等は当初の動機づけには効果的でありますけれども、連携を実行する段階になると、もう一歩踏み込んだ支援が求められるのではないかと考えております。  そこで、質問ですが、これまでの取り組みの結果をどのように評価しているか、また、それを踏まえて、今後、具体的な連携の促進に向けてどのように取り組んでいくのか、教えてください。 ◎小野 産業振興部長  まず、これまでの取り組みの評価についてでありますが、昨年度までに実施したセミナーやマッチング交流会を通じて事業化に向けた話し合いを行っている企業も出てきており、現状では、具体的な成果を上げるまでには至っていないものの、連携の土台が築かれつつあるものと考えているところでございます。  次に、今後の取り組みについてでありますが、IT、バイオ産業ともに、技術的、学術的な専門性が高いことから、相互の理解を深めるための取り組みを引き続き行う必要があるとともに、さらに、その上で、具体的な連携に向け、企業同士がパートナーとして協働できる関係を築いていくための支援が重要であると認識しているところでございます。そこで、今後は、セミナーについて、互いの言葉、言語や考え方を理解できるよう、テーマ設定、講演内容などを工夫するとともに、マッチング交流会については、企業間での対話の継続につながる人的な信頼関係を構築できる場とし、さらに、専門家による継続的なフォローにつなげるなど、具体的な連携の実現に向け、より効果的に事業を実施してまいりたいと考えているところでございます。 ◆小口智久 委員  最後に、要望になります。  今現在、異業種間の連携によるイノベーションの創出、つまり技術革新が他産業でもかなり注目されておりますけれども、産業で当たり前に使われている常識的な技術でも、ほかの産業では意外と知られていなくて、その技術が鍵となって画期的な成果、つまり価値が創造されることを期待されているところでございます。異業種間では、相互の理解が難しいからこそ連携の効果が高いとも言えて、特にIT技術との親和性が高いとされるバイオ産業に大きな可能性があると考えられますし、ほかにもそうした分野があるものと考えております。  先ほどの答弁にあったように、バイオ分野については、これまでの取り組みが少しずつ実を結んできているとのことですが、決して現状に満足することなく、両産業のさらなる成長の実現に向けて取り組んでほしいと思います。また、バイオ産業との連携促進のみならず、さらにITとの親和性のある産業の抽出に努め、IT産業と他産業との連携が広がりのある取り組みとなるように要望して、私からの質問を終わります。 ◆坂本きょう子 委員  私からは、大きく2点質問します。  企業立地促進事業にかかわって1億3,000万円が計上されており、大谷地流通業務団地高度化・効率化調査検討事業については1,000万円が計上されておりますので、それぞれ質問したいと思います。  この際、順次、質問させていただきたいので、委員長、よろしくお願いいたします。  まず、企業立地促進事業についてですけれども、今回の補正予算で1億3,000万円が計上されております。いただいた資料では、この補正予算に対して、コールセンター本社機能で3件、IT・コンテンツ・バイオの分野では9件という補助の目標を立てております。当初予算と合わせると5億6,000万円余りということですから、平年並みの金額だと思うのですけれども、今回、秋元新市長のもとでの公約である雇用を生み出す力強い街の実現の一つとして企業の誘致を進めていくということです。  私ども日本共産党としても、この間、企業誘致にかかわって、安定雇用につながるものにしていかなければならないという立場で、パンフレットの改善等、いろいろと質疑してまいりました。今年度ももう上四半期ですから、企業誘致は3件、9件とそれぞれ具体的に進んでいるというふうに思うのですが、今現在の誘致状況についてはどのようになっているのか、伺いたいと思います。 ◎小野 産業振興部長  今年度の誘致活動の進捗状況についてでございます。  本市では、コールセンターやIT・コンテンツ企業などを対象として誘致活動を継続的に行っており、今年度の状況といたしましては、現時点において、コールセンターで4件、IT・コンテンツ企業で3件の立地が見込まれる状況となっております。 ◆坂本きょう子 委員  既に動き出しているということですね。  1億3,000万円の補正予算で、平年ベースでは5億円から6億円ですが、本州から企業を誘致するに当たって、先ほども申し上げましたけれども、安定雇用ということが何よりだと思います。先ほど、私ども日本共産党の池田委員からの指摘もありました。若年層を中心とした非正規労働者の労働条件は極めて劣悪と言わなければならない、この改善には一刻の猶予もないと考えます。労働条件の改善はもちろんのこと、正社員化による安定した雇用と賃金水準の向上は、札幌、北海道のみならず、日本経済全体の好循環をつくる大変重要なキーワードになってくるというふうに考えております。札幌市として、この課題に最優先に取り組むべきだと思うわけでございます。  そして、今、コールセンターで4件、IT・コンテンツで3件の誘致の実績ということであります。この4年間に限って補助金額を見てみますと、10億円余りの補助金が支出されておりますが、その6割以上がコールセンター、バックオフィスの誘致に使われております。その一方で、どのように雇用が創出されているか。この4年間で見ますと、2010年は、1万8,000人だったコールセンターの雇用者が、今、3万人に広がっております。しかし、正社員の比率は、2010年では1,500人、2014年では3,260人で、正社員の率は8.3%からいまだ10.9%という状況になっております。  2013年、当時は上田文雄市長でしたけれども、議会に出席いただいて、そのときはパンフレットの改善を求める質問をいたしました。コストが安いということが札幌の魅力とパンフレットに書かれておりまして、オフィスの賃料などと並んで人件費が安いことが札幌市の一つの魅力、売りだということでした。しかし、そういうことではなくて、正社員、そして安定した賃金状況をしっかりつくっていくべきだということで、パンフレットも若干改善していただいたようであります。  当時、上田市長は、安定した雇用を求める方に対して正規雇用がふえるようにしていきたいと答弁されています。先ほど数字を述べましたが、誘致企業に関して正社員の雇用状況に変化があるとお考えなのか、現に改善が図られているのか、各企業の取り組みなどもあろうかと思いますが、その状況なども含めてお伺いしたいと思います。 ◎小野 産業振興部長  誘致企業における正社員の雇用状況についてのお尋ねでございます。  まず、IT・コンテンツ企業につきましては、専門技術を有する人材確保を必要とする状況を踏まえ、正社員のみを企業誘致の対象としております。その上で、全ての雇用状況を把握しているわけではございませんが、立地企業に確認できた範囲で申しますと、昨年12月現在で常用雇用者の8割以上が正社員となっているところでございます。一方、コールセンターにつきましては、勤務する時間数や曜日、時間、時間帯の希望に応じた多様な働き方の受け皿となっている面もございまして、先ほど委員からもお話がございましたが、全雇用者に占める正社員の割合は、昨年12月現在で10.9%となっているところでございます。  次に、ここ数年の改善の状況でございますが、平成24年から26年までの推移で見ますと、コールセンターの雇用者数が全体で3,300人増加したのに対しまして、正社員の増加数は雇用者増加数の3割近くとなる860人でありまして、一定程度の改善が図られていると言えると考えております。具体例で申しますと、会計ソフト大手の弥生株式会社が、有能な人材の確保と技能の蓄積を進めるために、市内のコールセンターの契約社員と派遣社員の正社員登用を平成26年度から始めているなど、近年、各社で正社員化の動きが見られるようになっているところでございます。 ◆坂本きょう子 委員  一部ですが、契約、派遣から正社員の動きもあるということでした。しかし、コールセンターで申しますと、今、部長からも答弁がありましたが、10.9%しか正社員がいない状況ですから、やはり、これは改善していく必要があるだろうと思います。本来、正規雇用となるべき労働者が契約社員あるいは派遣社員に置きかえられているという実態は、とりわけコールセンターの中では顕著にあるというふうに思います。全国や札幌市などで正規、非正規の割合がだんだんと縮まってきて半々のような状態になっていますが、コールセンターで言いますと、これが相変わらず9対1と、圧倒的に非正規の働き方をせざるを得ないということですから、ここはしっかりと打開していかなければならないと思います。  とりわけ、先ほども申し上げましたように、かなりの税金が企業誘致のために使われていますから、やはり、札幌市が正社員化するための支援を進める取り組みを積極的に行うことが求められていると思います。そして、企業に対しても正社員化の動きをもっと促進させていく、あるいは、正社員を求めて札幌に進出してくるような企業の誘致、ターゲットをつくっていくべきではないかというふうに思います。  今現在も、コールセンターなどでは常用雇用と正社員で雇用する場合の新規雇用の補助金に対して若干の差をつけている状況がございます。そういう中で、先ほど、新たな雇用が生まれた3,300人のうち、860名が正社員だったということで、4分の1から3割近くがそういうふうになってきているというお話も部長からありましたので、そこはもっとスピード感を持って加速させていかなければなりません。そのためには、企業誘致の補助金で一定割合の正社員を雇用した場合にはもっと優遇措置をするというような条件を追加するとか、あるいは、正社員に着目した補助金額の単価についても、先ほど申し上げたように若干の差がついておりますので、そこにもっとめり張りをつけるといった補助制度の改善を通じて、一定の正規雇用をしっかりと確保できるような誘致活動に変えていくべきだと思いますけれども、そこら辺はどのようにお考えになっていますでしょうか。 ◎小野 産業振興部長  正規雇用の拡大に向けた取り組みについてでございます。  企業誘致に当たっては、正社員雇用の受け皿を広げるという視点を持つことが大変重要であると認識しているところでございます。そのような視点から、現行の補助制度では正社員1人当たりの雇用補助額を高めて運用しておりますが、正社員雇用を後押しするために、補助制度でさらにどのような工夫ができるか、働く方々のニーズとか企業の動向なども見ながら引き続き検討してまいりたいと考えております。  一方、近年、社員の離職防止や勤務条件の向上を目的に正社員化を進める企業も札幌であらわれていることから、私どもとしては、こうした流れがほかのコールセンターにも波及していくような働きかけや工夫ができないか検討してまいりたいと考えております。例えば、人員確保策の参考として正社員雇用の動きを積極的に企業に情報提供することや、社員の能力向上を目的とした研修を支援し、将来の正社員化につなげることなどの取り組みがあり得ると考えております。また、コールセンターにおける取り組みに加えまして、多くの正社員雇用が見込まれる本社機能やIT・コンテンツ企業などの誘致に引き続き取り組むことにより、正社員雇用の受け皿拡大を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。 ◆坂本きょう子 委員  後押しのための工夫で何ができるのかということで、いろいろと具体例も挙げていただきましたし、また、スピード感を持って将来の正社員化というようなご答弁でございました。やはり、若い方たち、あるいは、女性の社会進出ということが先ほども議論になっておりましたが、こういう方たちが、自分のスキルを持ちながら、あるいはスキルアップを図りながら、きちんと安定雇用につながっていく職場環境、企業誘致を進めていっていただきたいと思います。  間違ってもブラック企業などが企業誘致の対象にはならないというふうに思いますけれども、私どもは、代表質問でブラックバイトの問題について質問いたしました。実態調査すべきという質問に対して、法令違反が疑われる企業の調査については、監督権限を持つ国が取り組んでいくものと認識しているという答弁でした。誘致企業に対しては札幌市が補助を出しているわけですから、調査・監督権限は札幌市が有していると言えると思います。そういう意味では、誘致した企業の労働実態、賃金の状態をつぶさに見きわめながら、必要な指導・助言、支援をしていっていただきたいということで、この企業立地促進事業については質問を終わりたいと思います。  引き続き、大谷地流通業務団地高度化・効率化調査検討事業について質問いたします。  大谷地流通団地ですが、1967年の開設ですから、既に50年近く経過していて、中には更新の時期を迎える施設も多くなってきています。ここは、特別な都市計画になっていて、卸、運送、倉庫、トラックターミナルという流通系の業務のみを取り扱う団地ですけれども、約70社が操業して札幌都市圏の5分の1、市内の4分の1の取扱量になっており、この50年の北海道の流通経済基地にふさわしい役割を担ってきているというふうに私は考えております。  そこで、これまで果たしてきた役割をどのように認識しているのか、改めて伺いたいと思います。  また、この検討事業費については、今回、1,000万円が計上されておりますが、昨年度は500万円が計上されて、これが執行されております。各事業所でアンケート調査を行っているということでしたが、それも踏まえて、本市として今後検討すべき課題をどのように考えていらっしゃるのか、伺いたいと思います。 ◎小野 産業振興部長  初めに、大谷地流通業務団地が果たしている役割についてでございます。  昨年度に実施した調査において、団地を起点、終点とする大型トラックの台数を検証したところ、市内を走行するトラックの約10%を占めており、次点でありました東雁来地区の3%を大きく上回って最多となっているなど、依然として重要な物流拠点としての役割を担っていると考えております。また、道路交通センサスなどのデータを分析したところ、物流の圏域が道内全体に広がっていることがわかっており、札幌都市圏のみならず、北海道全体の物流にとっても重要な拠点となっていると言えます。  次に、検討すべき課題についてでございます。  委員のご指摘にもありましたように、団地の開設から50年近くが経過し、老朽化した施設も見られますが、団地内に代替地がないため、操業を続けながらの建てかえが困難であることとか、貨物車両が増加傾向にあることによる交通環境の悪化等が挙げられます。そのほかの課題といたしましては、倉庫業、卸売業など業種別の集積を促すために設定している土地利用計画が事業の多角化の妨げになっているというような声も聞かれているところでございます。 ◆坂本きょう子 委員  団地については、まだまだ重要な役割を担っているというご認識があること、施設の老朽化とか交通環境の課題があるということでした。やはり札幌市の物流拠点として大変大きな役割を持っている、そして、多くの企業が立地していることから、先ほども企業立地のことで触れましたが、雇用の確保という役割も担っています。昨年、アンケートを行った中では、組合や業種によって、老朽化した建物は種地を用意して建てかえを検討しているとか、共同上屋のために建てかえ時には入居企業相互の合意形成が必要というようなことも言われているようです。  そういう中で、団地の協議会があるのですね。ただ、それは、年に1回、総会を行う程度のものだというふうにも聞いております。大きな企業から小規模な事業所を含めておよそ150から170社あるということですから、それぞれの企業の温度差、あるいは、業界によっては、今の景気の動向によって左右されている面などもあると思います。  そこで、今年度、大谷地流通業務団地の高度化、効率化に向けた調査検討費として1,000万円の予算が上程されておりますが、団地の現状と課題を踏まえて具体的にどのような事業を実施していこうと考えていらっしゃるのか、伺いたいと思います。 ◎小野 産業振興部長  今年度に行う事業の具体的な内容についてのお尋ねでございます。  団地の高度化、効率化に取り組んでいくに当たっては、入居企業が流通団地の課題を共有しながら、企業の創意工夫や設備投資が団地全体にとってより大きな相乗効果となるような将来ビジョンを描き、同じ方向に向かって進んでいく機運を醸成していく必要がございます。そこで、今年度は、立地企業のほか、学識経験者や関係行政機関、専門的な知識やノウハウを有するコンサルタントやデベロッパーなどを集め、団地の将来像を考えるための検討会を立ち上げていきたいと考えております。  こうした検討の場を通じまして、関係者間のネットワークを構築すると同時に、高度化に向けたビジョンの策定とその共有を図ってまいりたいというふうに考えております。 ◆坂本きょう子 委員  予算の概要ですが、18ページに事業内容、イメージ図が掲載されております。今、部長からご答弁があったように、立地企業、コンサルタント、有識者、デベロッパー、そして札幌市、行政機関が入って検討会を立ち上げていくというイメージ図があり、そこで課題、将来像の共有を図っていきたいということが載せられております。  実は、この流通団地は、札幌市の土地は一つもないということです。ですから、企業とかそれぞれの事業者によって、今後どういうふうに経営展開していくのかといったところで、すぐにでも建てかえをしたいところもあるなど、思惑もいろいろあるでしょう。先ほど、昨年行ったアンケートのお話をしましたが、なかなか全体合意がとれない中で、課題意識、将来像の共有と言っても、そこを一致させていくこと自体がまだ難しい状況にあるのかなというふうにも思っています。  そういう意味では、札幌市は、底地を持っていないけれども、例えば、改築をするときに一定条件の種地を用意するなど、建てかえ、更新に向けてさまざまな提案をしながら一定程度の役割を担っていくことがとても重要なことだと思います。そこで、本市の役割として、経済の底上げを図って雇用を維持・継続、生み出すという立場から、ここにどういうふうにかかわっていこうとしているのか、その点についてお聞かせいただきたいと思います。 ◎小野 産業振興部長  団地の高度化、効率化に向けて市が担う役割についてでございます。  市といたしましては、立地企業などの関係者が高度化、効率化に向けて協力し、検討を進めることができるよう、他地域の事例やノウハウ等を紹介したり、関係者間における人的な信頼関係の構築を行うなど、側面的な支援を行ってまいりたいというふうに考えているところでございます。  また、市が主体的に検討を進める必要のある事柄が生じた場合には、関係者の意見も聞きながら取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。 ◆坂本きょう子 委員  側面的な支援ということで、必要があればということですけれども、まちづくり戦略ビジョン<戦略編>の中で、大谷地の団地について、物流・交通拠点の高度利用の促進というところに高度化の方向性について検討を進めていくこと、それからまた、高次機能交流拠点ということで、都市機能を高める取り組みを推進するという中で活力や都市文化を高める機能の集積・高度化という項目がございます。これは、活力ある産業の育成や豊かな都市文化の醸成などのため、それらを先導する高次な都市機能が集積する拠点として次の12カ所を位置づけ、その機能集積や高度化に向けた取り組みを推進していくと書かれておりまして、12カ所のうちの一つが大谷地流通業務団地となります。「団地の機能更新や高度化などにより物流の効率化を進め、交通混雑の緩和、環境への負荷や物流コストの低減に資する拠点としての役割の向上を図ります」ということで、これは、今後10年間でやっていく戦略ビジョンの戦略編の中に書かれているものです。  今回は1,000万円のお金を使って側面的な支援をしていくということですが、このまちづくり戦略ビジョンでいきますと、かなり大規模な事業計画になるのではないかというふうに思います。それから、10年をめどで計画をつくり、検討を進めていくということですから、今後、どのようなスケジューリングでこれが進められていくのか、その点を伺いたいと思います。 ◎小野 産業振興部長  今後、どの程度まで進めるかというようなお尋ねでございます。  先ほども委員がご指摘のとおり、本市は、この団地内に市有地をほとんど保有していないことから、具体的な事業の構築につきましては土地や施設を保有する立地企業の意向などを踏まえて検討していく必要がございます。また、これから課題や将来ビジョンの共有を進めるところでございまして、現段階では具体的な検討スケジュールや事業の青写真といったものをお示しすることは難しい状況にございます。しかし、老朽化等による施設更新が喫緊の課題となっている企業もありますことから、本市としまして可能な取り組みについては優先的に検討してまいりたいと考えているところでございます。 ◆坂本きょう子 委員  過大な計画、再開発ということにならないようにしていただきたいなと思います。企業によって温度差があると思いますので、十分にヒアリングを行いながら、部長がまさにおっしゃいましたけれども、急いで個別対応しなければならないところについては必要な手当てをしていっていただくことは求めたいと思います。  先ほどは、企業誘致に関して安定雇用ということを求めました。しかし、大谷地流通業務団地というところは、一定程度の事業所、雇用がもう既に集積されているわけです。団地で言いますと北広島の輪厚や石狩湾新港などの団地がありますが、そういうところに流出、分散させずに、大谷地でその機能をしっかりと守っていく、現にある企業とか事業者、雇用をしっかりと守り、支え、そして発展させていくという立場を堅持して検討していっていただきたい、計画を立てていただきたいということを申し上げて、終わりたいと思います。
    ◆石川佐和子 委員  私からは、地域商店街支援事業について、中でも地域課題解決型支援事業の周知について、まず、伺っていきたいと思います。  商店街の支援ということですが、商店街は地域の大切な産業でもありますし、地域のコミュニティーをつくっていく上でも欠かすことができない存在であると思います。経済局は、この間、商店街を支援するために、地域連携促進事業などさまざまな事業を実施してきておりまして、たくさんの商店街がその事業効果を発揮しているというふうに認識しております。  私は北区に住んでおりますので、北24条や麻生商店街を時々拝見させていただいておりまして、特に、麻生商店街におきましては、2013年度から藤女子大学と連携したコミュニティカフェを運営しております。このコミュニティカフェでは、学生がその専門を生かして健康に配慮した素材を販売したり、ひとり親家庭の子どもたちへの食事つきの学習支援などを通し、学生たちと連携した新たな地域交流の場が生まれておりまして、そうした活動のノウハウを着実に積み上げていることは私も認識しております。  商店街からは、もう少し柔軟に支援できないかといった声を私も以前から耳にしてきたところでありまして、今回の補正予算に提案されている地域課題解決型の地域商店街支援事業によりまして、商店街がこれまで積み上げてきたノウハウをさらに生かしてレベルアップしていけるのではないかというふうに期待しているところです。  ただ、この補助については、補正予算が議決されましたら、その後、すぐに募集を始めるとしても、商店街の事業を実施する期間を十分に確保していくことも必要だと思いますし、また、周知、募集のために長い期間をかけるのも現実的ではないと思います。そうしますと、商店街が実際に事業を始めていくのは、夏祭りで忙しい7月、8月の中で検討し、早くても8月以降になるのではないかというふうに予想しております。さらに、商店街では、年度初めに決定している予算とか事業計画がございますので、そうした中をかいくぐって新しい支援事業の説明を聞いて、短期間で新たな事業計画を検討することになりますから、商店街に対する周知は速やかに、かつ丁寧に行う必要があるというふうに考えるところです。  そこでまず、今年度実施する地域商店街支援事業の周知や説明をどのように行うのか、伺います。 ◎小野 産業振興部長  支援事業の周知につきましては、例年、商店街宛てに支援内容や申請方法等の案内を送付しているほか、商店街向けの説明会を開催しており、これらの取り組みは引き続き行ってまいります。特に、今回は、これまで細分化されていた支援事業から、商店街の裁量が大きくなり、柔軟に提案できる事業へ大きく変更する最初の年度でございます。そこで、限られた周知、募集期間ではございますけれども、例えば、QアンドAや記載例などを作成したり、必要に応じて職員が直接商店街に出向いて説明するなど、きめ細やかな対応を行ってまいります。いずれにいたしましても、商店街の方に新しい支援事業の趣旨や内容を十分にご理解いただくために、機会を捉えてしっかりと周知、説明を行ってまいりたいと考えているところでございます。 ◆石川佐和子 委員  ただいまの答弁で、募集等の期間が限られていることから、QアンドAなどをつくって丁寧に周知いただけることを確認いたしましたので、その取り組みをしっかりと進めていただきたいと思います。  今回の補助金のような形での商店街の支援は、市内のさまざまな商店街の方たちがいろいろなアイデアを出して、より活性化していくための企画だと思いますので、ご説明のように、補助金の使い勝手がよくなったというふうに思われます。しかし一方で、募集期間が短いこともあって、肝心のアイデアがなかなかまとまらない場合もあるのではないかと懸念しておりますし、実際にそういった声も聞いております。例えば、先ほど一例として挙げた麻生商店街の取り組みとか、また、これまで経済局が持っておられるノウハウがあると思いますので、そうしたものを事例集として配付して参考にしていただくとか、私はそうしたことが有効な取り組みになるのではないかと考えます。せっかくの商店街のための事業ですから、いかに効果的に活用してもらえるかが今回の支援事業の大切なポイントであり、工夫すべきところではないかと考えます。  そこで、伺いますが、多くの商店街が地域課題を解決するためにより効果的な活性化事業に取り組めるように、先進的な事例やノウハウを活用すべきと考えますけれども、そうした取り組みをどのように行うのか、伺います。 ◎小野 産業振興部長  先進事例やノウハウの活用についてでございます。  委員のご指摘のとおり、ほかの商店街による取り組みは、大変参考になる事例が多く、広く商店街に紹介していく必要があると考えております。本事業におきましても、こうした考えに基づき、他の商店街の参考となるような先進的な取り組みについては、補助率等の引き上げを行い、ほかの商店街へ波及させるモデルとすることを想定しております。これまでも、支援事業を募集する際には、代表的な取り組み事例等を紹介してきたところでございますが、今後は、商店街の方からの意見なども聞きながら、例えば、商店街参加による成果報告会の開催など、先進事例やノウハウが効果的に活用される方法を検討してまいりたいというふうに考えております。 ◆石川佐和子 委員  今後の商店街の支援について、もう一つ伺いたいと思います。  今、こうした支援を受けての商店街活動について事例報告会のようなこともしていくというお考えを伺いましたので、そうしたことはしっかりと行って皆さんが共有できるように取り組んでいただきたいと思います。  最初にお話をしましたが、商店街というのは、地域コミュニティーの重要な担い手の一つであるというふうに押さえられています。そういう位置づけの中で、この間、商店街が地域の課題を解決する活動を積極的に行っていくときに、活動が複数年度にわたる場合や、新たに展開する事業計画に対して札幌市の支援事業がどこまで継続されるのか不安だという声を聞いております。  私は、商店街が地域の課題解決に向けた活動を展開していくに当たって、こうした中長期的な視点を持つことは大変重要だというふうに考えます。地域商店街支援事業自体については、基本的に支援期間が3年間であると決まっていますが、商店街支援の施策については、商店街が重要な地域コミュニティーの担い手であることを踏まえて、札幌市としても、大局的、長期的な視点から取り組むべきだと私は強く思っております。  現在、まちづくりの基本的な指針としてまちづくり戦略ビジョンがありまして、ビジョン編には、基本目標の一つとして、地域コミュニティを支える産業を大切にするまちとうたわれておりますが、具体的な支援策は戦略編などのアクションプランに明確に位置づけられていないと思います。そういう中で、札幌市は、まちづくり戦略ビジョンの推進などを目的として、12月下旬をめどに新しい中期実施計画の策定に取り組んでいるところです。  そこで、1点伺いますが、商店街への支援策を現在策定中の中期実施計画に盛り込むなど、商店街に対する札幌市の今後の展望をしっかり示すべきだというふうに私は考えますがいかがか、伺います。 ◎小野 産業振興部長  今後の商店街支援の展望についてでございますが、委員のご指摘のとおり、商店街は、地域コミュニティーにおいて大変重要な役割を果たしているというふうに認識しており、本事業については中期実施計画に盛り込むことを検討しております。商店街支援につきましては、今後も、社会経済環境の変化や商店街のニーズを踏まえ、より効果的な支援施策となるよう、適宜、見直しを行いつつ、引き続き取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。 ◆石川佐和子 委員  今、中期実施計画に商店街への支援を盛り込むお考えだということを確認できました。市長政策室がこの担当になっていると思いますので、しっかりと連携していい計画にしていただきたいと思います。  また、商店街の活性化については、(仮称)さっぽろ未来創生プランの重点分野の安定した雇用の創出の中にも盛り込まれております。人口減少への対策を検討する上でも、こうした市民力、地域力あふれる商店街の活動は、今後の地域のまちづくり活動に欠かすことができないというふうに私は強く思っております。本来の仕事の場での雇用の創出にもつながっているところです。  経済局の地域商店街支援事業は、そうした観点でも非常に重要でありますから、今後も検証しながら商店街に対して効果的な支援を継続していくことを強く求めて、私の質問を終わります。 ○小須田悟士 委員長  以上で、第1項 商工費のうち関係分の質疑を終了いたします。  ここで、理事者交代のため、委員会を暫時休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後2時56分       再 開 午後2時58分     ―――――――――――――― ○小須田悟士 委員長  委員会を再開いたします。  次に、第2款 総務費 第2項 市民生活費のうち関係分の質疑を行います。 ◆伴良隆 委員  ちょっと長くなったらごめんなさい。  私は、スポーツコミッションと札幌国際芸術祭、博物館、文化財の保護について、それぞれ補正予算に基づいて質疑してまいります。  まず、地域スポーツコミッションについてでございます。  今まで、経済局が催してきました事業には、スポーツビジネス創出事業、札幌型スポーツ産業の創出事業というものがございましたけれども、これが立ち上がるときに、私も浅はかな部分がありますけれども、民間の方々と勉強会をさせていただき、ビジネスモデルというか、スポーツのビジネスというのは成り立つのが非常に難しい、専門性が非常に必要であるということで、そこからお金を生む難しさというものを勉強させていただきました。ちょうどそのときにこの事業が経済局で立ち上がって、私もその姿勢を評価していましたが、一つ心配だったのが、成り行きと、審査ではないですけれども、横でいろいろと議論するラウンドテーブルのメンバーの方々の成り行きが非常に気になっていたわけであります。それについて心配しておりましたけれども、昨年、行政としてはこれをスクラップするということで、成功した事例もあったようですが、事業としては成り立たなかったといったことがございました。  今回は、スポーツコミッションであります。私も、当時は、ラウンドテーブルは、スポーツコミッションという形式の中で、中身をしっかりと議論していただきたいとお願いしてきたわけでありますけれども、今回、スポーツコミッションという新しい事業が立ち上がるということでございます。  スポーツコミッションは、皆さんもご承知のとおりでありますが、スポーツツーリズムと並んで国でも取り上げられているものでございまして、外向けにおいては、インバウンドでございますが、観光あるいは札幌の認知度を上げていく、内向きのほうでは、スポーツ文化の醸成であったり、あるいはまちづくりへの寄与であったり、非常に有意義でありまして、経済の活性化、コミュニティーの形成に寄与するということで進めるわけでございます。当然、国際大会等を誘致していくわけでございまして、直接、スポーツビジネスを生み出すわけではございませんけれども、宿泊や輸送といった業界にもビジネスチャンスが生まれてまいります。そこで、スポーツ施策を担う行政とビジネス感覚に富む民間がしっかりと連携していくことが非常に大切でありまして、気になるのは、当時、私が言っていたラウンドテーブル、つまりは、ここで言うところのスポーツコミッションの中身であります。  そこで、質問でありますが、スポーツコミッションには、経済界や競技団体などさまざまな団体の参画も検討しているようでありますけれども、組織を形骸化させないために、その構成のあり方についてどうすべきと考えているのか、まず、伺います。 ◎西田 スポーツ部長  地域スポーツコミッションの構成のあり方というご質問でございます。  札幌版スポーツコミッションは、国際競技大会やスポーツ合宿、さらには大規模スポーツイベントの誘致を図ることで、札幌市のスポーツ振興のみならず、集客交流産業の推進などに貢献する組織であると認識しております。そのため、その組織につきましては、札幌市のほか、競技団体、経済団体、旅行業界などさまざまな団体等に参画していただくことを想定しているところでございます。また、実際にスポーツコミッションにおいて誘致活動等に携わる人材につきましては、その分野での専門性が高く、機動力がある人材を確保するとともに、国際社会への発信力を高めるため、世界的に知名度のあるオリンピアンをスポーツコミッションの顔として活用することも検討したいと考えております。  いずれにいたしましても、集客交流産業に携わる関係団体等の意見を伺いながら、組織のあり方について今後検討してまいりたいと考えております。 ◆伴良隆 委員  スポーツコミッションの議論については、行政で言うところの諮問機関とか専門機関がありまして、それぞれの経歴をあえて言いませんけれども、言葉は悪いですが、寄せ集めみたいな形で、結局、一般的な議論で終わってしまうようではしようがないわけであります。国際的な大会とか国内の合宿を誘致していくわけですから、当然、とった、とられたというビジネスライクな非常に厳しい戦いでございます。そのためには、今おっしゃっていた専門性、機動力、発信力がある方々が必要なわけであります。私は、当然、行政の専門の方も必要だというふうに思っております。  そこで、組織の部分はわかりましたが、その裏づけするには何かというと、お金が必要でございますので、そのお金の裏づけを聞きたいと思います。  今おっしゃったように、国際大会の誘致や合宿となりますと、道内でもさまざまな団体が誘致に走り、各自治体が戦うわけでもあります。そういう中で、営業マンというか、企画マンが名刺交換したときに、私はいつでも誘致できますよと自信を持って言えるためには、財布を持っていなければいけないわけでございます。即断、即決といったことが必要でございますが、行政とはちょっと違う組織ということであれば、財源的にも柔軟な体制でなければいけないわけでございます。  そこで、質問でありますが、スポーツコミッションが財源的な機動力を確保するための仕組みについてはどのように考えているのか、伺います。 ◎西田 スポーツ部長  スポーツコミッションが財源的な機動力を確保するための仕組みについてであります。  国際競技大会は、その開催経費について、入場料や広告、協賛、放映権料など、大会に関連した収入で賄われるものばかりではなくて、行政の補助が必要となるものもございます。これまでは、今回の補正予算に計上しておりますFISスノーボードワールドカップのように、その都度、予算措置を行ってきたところであります。しかしながら、委員のご指摘のとおり、スポーツコミッションが大規模スポーツ大会等を誘致していくためには、協賛金などの民間資金の活用に加えまして、大会規模に応じた補助制度をあらかじめ整備し、札幌市の支援メニューを明らかにすることなどにより、コミッション活動を機動的に進めていくことが可能となると認識しております。  そこで、今後、スポーツコミッションの組織のあり方に加えまして、札幌市の支援制度につきましても、現在策定中の中期実施計画の中で詳細に検討してまいりたいというふうに考えております。 ◆伴良隆 委員  人の部分と組織の部分と、その体制とともにお金の部分というお話を聞かせていただいたのは、当時の経済界の方々のご苦労があったからでありまして、他都市も必ずしもうまくいっていないところがございます。今、札幌がスタートダッシュをしますので、キックオフの体制、事業については大変期待していきたいというふうに思っております。これは、オリンピック・パラリンピック招致のためにつくられる組織ではございません。それぞれ招致委員会等があると思いますけれども、オリンピック・パラリンピックが終わった後もその施設の利活用ということで、スポーツコミッションは非常に重要な組織になりますので、その役割が永続的に続くようにお願いしたいと思います。また、市職員の方々も、マネジメント能力を学んでいただいて後継の方々に引き継ぐような体制を私は期待したいところでございます。  この件につきましては、これで終えたいと思います。  次に、札幌国際芸術祭事業についてでございます。  国際芸術祭については、今までも経済委員会等でいろいろと議論され、報告もあったと思いますけれども、早速伺いたいと思います。  札幌国際芸術祭2014について、改めてどのような課題があったと認識されているのか、その課題精査のために今どのように取り組んでいるのか、伺います。 ◎熊谷 国際芸術祭担当部長  前回の芸術祭の課題についてというお尋ねでございました。  芸術祭の課題につきましては、大小多々あると認識しておりますけれども、最も重要な課題としては、芸術祭の具体的な事業内容をなかなか固めることができなくて準備がおくれてしまったということがあろうかと思っております。このことによりまして、例えばパンフレットの配布やホームページでの周知がおくれまして、開催前に芸術祭のイメージを十分に市民や関係者の皆様にお伝えすることができなかった、そして、多方面から広報、PR不足といったご指摘をいただいたところでございます。次回の芸術祭につきましては、この経験を踏まえまして計画的に準備を進め、可能な限り早期に事業内容を固めることによりまして、市民、関係者の皆様に対する効果的な広報、PRを実施してまいりたいと考えてございます。  また、前回の芸術祭をより深く、あるいは多角的に検証し、その検証結果を次回芸術祭に反映させるため、現在、外部の有識者によりまして、客観的な視点も取り入れた検証作業を進めているところでございます。この検証結果をもとに、計画、実施、評価、改善といったサイクルを確立することで、より充実した芸術祭をつくり上げてまいりたいというふうに考えてございます。 ◆伴良隆 委員  私は、その課題のほかに、市民レベルでという問題があると思っております。それは、後ほど明らかにしたいと思います。  それでは、次の質問をしたいと思いますが、国際芸術祭に行かなかった市民、興味がない市民からはどのような方法でご意見を聞いたでしょうか。どんな声があると認識されていますか。 ◎熊谷 国際芸術祭担当部長  芸術祭に行かなかった市民からの意見をどのように聞いたかということでございますが、残念ながら、興味がなかった、行かなかった市民から直接的に意見を伺うような機会はなかったというふうに考えております。 ◆伴良隆 委員  それは、これから努力していただきたいと思います。  ただ、やはり、行かなかった、行けなかった、興味がなかったと、いろいろな事情があるにせよ、来てもらいたいということであれば、そういった方々に、どうして来られなかったのですかということは当然聞かなければいけないと思いますが、それについては終えまして、次に移ります。  それでは、ゲストディレクターの件でございます。  坂本龍一氏の評価につきましては異口同音でございますけれども、ゲストディレクターについては、こういった経験を踏まえてどのよう課題があるか、次にはどのような方が望まれるかということをおっしゃってください。 ◎熊谷 国際芸術祭担当部長  ゲストディレクターをどのように選ぶかという趣旨のご質問だったかと思います。  札幌国際芸術祭は、日本におきましても後発の芸術祭でありますので、ほかの芸術祭との差別化が重要ではないかというふうに考えてございます。また、他都市に比べて芸術文化、特に現代美術に接する機会が少ない札幌市民に対しては、より広いジャンルを視野に入れて芸術祭に対する興味・関心を喚起できるような人を選びたいというふうに考えてございます。したがって、実行委員会事務局としては、今後、美術の業界にとらわれないゲストディレクターの選考を札幌国際芸術祭の一つの個性として打ち出していきたいというふうに考えてございます。 ◆伴良隆 委員  先ほど、ヒアリングの中で広く市民に聞いていただきたいということを申しましたし、今、ディレクターのお話もございました。これは、市民に興味を持ってもらわなければいけないということ、それから札幌のことをよく知っている方でなければいけないということ、やはり市民に近しい方であるべきだというふうに私は思っております。市民は、文化芸術に、あるいは芸術祭にどのようなものを望んでいるかということについて、皆さん方はアンテナを張ってぜひ知っていただきたいなと思います。そこのところはやはり行政の方々を頼るしかありませんので、私は、ぜひそこを調査して、次にふさわしい方は誰なのか、ふさわしい事業は何なのか、精査していただきたいわけでございます。  それでは、次の質問に移りたいと思います。  次に、施設の問題でございます。  施設につきましては、当時、各施設をいろいろ利用しておりました。特に今も利用している施設について挙げますと、まず、さっぽろ天神山アートスタジオでございます。それから、SIAFラボ、札幌市資料館でございます。これは、報道があったとおり、市長もいらっしゃったということでございます。それから、市民ギャラリーは、一般的な部分で、これはまだ市ですが、市にもこうした作品発表や鑑賞の場もあります。それから、芸術の森があります。これは、札幌の美術、文化振興の中心的役割を担う美術館ということであるわけであって、また、その他、民間のギャラリーや各地区の公民館等もあるわけでございます。  まず、天神山アートスタジオにつきましては、使用率を確かめさせていただきました。使用率は、当然、国際芸術祭ですから、平成26年7月中旬ぐらいからでしたけれども、天神山アートスタジオは5月31日からオープンしました。7月、8月、9月の国際芸術祭の時期は、滞在のスタジオは7〜8割まで来ているということでございます。ただ、国際芸術祭が終わりましたら、あっという間に右肩下がりで、10月から3月にかけて数字が落ちていくわけであります。最後の3月の年度末は3割を切って29.3%ということでございます。  それから、もう一つ、交流スタジオというものがあります。先ほどは滞在型の部屋でありますけれども、広くて、いろいろな作業もできたり、交流もできるというスペースでございますが、国際芸術祭の時期は、8月、9月の使用率は2.5%とか2.7%ということでございます。それから、3月の年度末は5.1%でございます。  ただ、先ほどの滞在スタジオも交流スタジオも、こういった状況もあるというふうににらんだのか、行政の方も努力されまして、ことし2月に雪の関係のプログラムを設けて、より利用率を上げていただいているという努力は評価したいというふうに思っております。ただ、問題は、空き率でございます。こういったことを考えたときに、果たして市民レベルというものにどれだけ近づいているのかということになるわけであります。  もう一つは、細かくは調べていないようでありますけれども、実際に来ている方の属性は何なのかということであります。これは、札幌外の方々が非常に多いというふうに聞いております。それが悪いと言うわけではありませんけれども、市民レベルでどう考えるのかといったときに、私は、これは課題があるというふうに思っております。そういう意味では、札幌国際芸術祭が、これから市民向けに、市民とともに、そしてまた市民力を使ってということになっていくとすれば、やはり、今の利用率という意味では実態とかけ離れているのではないかというふうに思っております。  それから、天神山アートスタジオのことでございますけれども、実際に行われている事業も、余り細かく言うとどうかなと思いますが、二つの事業を挙げたいと思います。  アーティストワークショップということで、冬のきれいな雪景色にとって、ちょっと不快に感じてしまう犬のおしっこの黄色い跡に雪でつくった犬のしょんべん小僧を置いてほほえましい風景につくりかえる、アーティストが制作した犬のしょんべん小僧の肩に雪を詰めて立体像を参加者とともに制作、でき上がった立体像を緑地内に設置します。そのしょんべん小僧のお菓子も製作し、みんなで食します。それから、もう一つは、生活や命を守るための除雪を、体力づくりやスポーツ、札幌独自の芸能文化として捉え、道具や体の使い方を学ぶ身体ワークショップ、多様な除雪道具を使い比べてもらうことで自分にとって最適な道具を見つけます。こういう事業があるのですけれども、事業の中身のいい悪いは別としても、ちょっとわかりにくいのですね。なぜ天神山でやらなければいけないのか、ちょっとわかりにくいような気がします。  それから、SIAFラボ、札幌資料館につきましては、坂本龍一氏があそこをカフェにしようということでいろいろと話があったみたいですけれども、前回、私が質問させていただいて、市民としっかり議論して、一つのアイデアとして取り上げるということでおさまったわけでございます。  資料館の目の前にも、いろいろな議論があって、大きな岩が置いてありますけれども、私は、資料館のSIAFラボを見せていただくと、SIAFラウンジは、芸術文化に関するさまざまな情報を共有、発信するスペース、芸術文化に関心のある人々が集う交流の場と書いてあります。それから、プロジェクトルーム、ワークショップやレクチャーなど、ものづくりや学びの場として機能していくことはもちろんのこと、展示空間としても活用されますと。この文章はどこかで聞いたことがあるのです。  当時、林部長が答弁に立たれたわけでありますけれども、市民交流複合施設、仮称アートセンターでございます。私は、あそこは、アートセンターもよろしい、ただ、誤解を受けないように、市民レベルでいろいろな交流も深められるようにするのはどうですかと質問すると、フレックスなタイプで行きますという答弁が出たわけであります。そのアートセンターは、やはり、アーティストの人材を担う育成とか支援とか市民の活動とか情報発信の拠点ということになっているのですね。これは、国際芸術祭に特化したものがSIAFラボだとすれば、それは違うではないかということもあるかもしれませんけれども、中身として、どこが拠点で、天神山もあり、北1西1もあり、SIAFラボもあり、どこで何をしようとしているのか、いまいちわかりにくいというふうに私は思っております。  そこで、伺いたいと思います。  いろいろな数字も申しましたし、いろいろな価値観があってもいいと思います。ただ、やはり行政が使う施設としてどのようにやっていくのかという意味では非常に重要な視点ですので、私は質問したいと思います。こういった各施設の運営と実施事業の課題は何でしょうか。国際芸術祭開催時とその後の現時点まで、その課題についてのお考えをお伺いします。 ◎熊谷 国際芸術祭担当部長  各施設の運営の課題といったようなご質問でございました。  今お話があった中では、資料館と天神山アートスタジオという二つを私のほうで所管しております。  資料館につきましては、その機能、内容、あるいは、そこで行われていることは逆に委員からお話があったところでございますけれども、課題としましては、冒頭にありましたように、より広く市民に来ていただくというのが最大の課題あるいは狙いでありますので、そのあたりの周知、皆さんへのプロモーションというものをどのように広く展開していくかということが最大の課題であり、かつ目的だと思っております。  それから、天神山アートスタジオにつきましては、アーティストが滞在しながら、札幌らしさみたいなものを見つけていただき、そして、市民と交流しながら作業して市民の創造性を喚起したり、あるいは、市民の自発的な活動につなげるといったような目的で事業を展開しているつもりでございます。ただ、利用率については、ご指摘いただきましたとおり、まだまだ周知不足、宣伝不足といったようなことがございますので、ここで起きていること、あるいは、ここで展開しようとしている事業については、いろいろな手段を使って、関係者、あるいは、今まで関心がなかった市民も含めて周知を図って盛り上げていきたいというふうに考えてございます。  それから、アートセンターとのすみ分けに関しましては、これも委員からお話がありましたとおり、私どもが所管している資料館あるいは天神山ートスタジオというのは、どちらかといえば芸術祭に特化した施設でございます。アートセンターは、直接、私のほうの所管ではございませんけれども、もう少し広い意味で文化芸術全般を守備範囲としているものというふうに認識しております。こちらも、これから具体的にどういう機能を持っていくのか、あるいは、どういうふうに周知を図っていくのかということも確かに課題であると考えておりますので、そこは、またいろいろご議論いただきながら頑張ってまいりたいと思っております。 ◆伴良隆 委員  施設のことはこれ以上申しませんけれども、しっかりと議論していただきたいというふうに思います。よろしくお願いします。  実は、私は、今のご答弁で一つだけ気になる点がございます。これは、秋元市長もおっしゃるように、市民力ということです。実は、サッポロ・シティ・ジャズの件は、前回、川上部長に申し上げて、答弁をいただきました。事件があったからというのではなくて、その前から問い合わせをしていて、サッポロ・シティ・ジャズというものは興行性が強いのではないかと。たしか市が800万円を出していたと思いますが、果たして、それが今の時代に本当にいいのだろうかという疑問を呈したわけであります。一度立ちどまって、なぜ、市民のシティー・ジャズ、サッポロ・シティ・ジャズが起きたのかという原点に立ち返ってはどうかということにしましたら、一度立ちどまって、市民活動レベルを充実して、親しみや近さというものを充実させて、市民の皆さんが興味を持つことに努力されている、今、もう既にやっていらっしゃるのですね。私は、国際芸術祭については、まだ始まったばかりということと、職員の方々のご苦労も察してはおります。  ただ、やはり、課題が幾つかある。その課題とともに、今、なかなか答弁では少しまだ触れられていないような気がしますが、市民の近さというところ、私も、各種団体とともに、美育、美しさを育てるという意味ですけれども、美育の活動とか芸術活動に参加しています。理解はあるのですけれども、市がそこにどこまでかかわるのかという部分について、プロから、アマから、そしてまた市民レベルまで、この国際芸術祭がどうあるべきなのかということに対して、私も幾つかの課題があるのではないかというふうに思っております。  最後にお伺いします。  私は、さまざまな文化芸術振興の取り組みが場当たり的に展開しているような印象を持っておりますけれども、その中で、文化行政として芸術祭の存在意義とはどのようなものか、課題意識を含めて改めて伺います。 ◎熊谷 国際芸術祭担当部長  芸術祭の存在意義と課題の認識という質問でございました。  現在、大規模な芸術祭が幾つもの都市で多発している状況でございますけれども、芸術祭の存在意義ということについては、これまでの文化行政の大きな流れの中で考える必要があるというふうに思っております。従前は、上から教え諭す教育文化というようなことがございました。その後、文化芸術を市民の手にといった運動がございまして、市民文化という発想で文化事業に取り組んできたところでございます。さらに、都市間競争が激しくなる中で、具体的な都市の魅力アップに貢献するものの一つとして文化芸術が位置づけられて今日に至っているところでございます。  そして、さらに、今日において、高齢化や人口減少といったような非常に厳しい社会の課題に対処すべく、創造都市という考え方が生まれてきたものと考えておりまして、この創造都市の象徴的な事業と位置づけられているのが芸術祭ではないか、このように考えてございます。アーティストたちのアイデアに基づき、さまざまな展示やプロジェクトが展開される中で、私どもの既存の価値観が揺さぶられたり、あるいは問題提起がなされたり、さらに新たな価値が再発見、再構築されたりすることこそが、社会の難しい課題の解決にもつながる芸術祭の存在意義であるというふうに考えてございます。  また、課題についてでございますけれども、今申し上げたような社会状況の変化というのは、極めてスピードが速くなってございます。芸術祭あるいは創造都市といった動きの中で新たに見出してきた価値観というものも刻々と変化しているのではないかというふうに考えてございます。したがいまして、芸術祭という仕事に関しても評価あるいは検証を着実に行いながら、常に社会状況や市民ニーズの変化を踏まえたものにしていかなければいけない、そして、きちんと継続していかなければならない、こういうことこそが今後に向けた課題というふうに認識してございます。 ◆伴良隆 委員  熊谷部長のご答弁のとおりかというように思います。応援しております。頑張ってください。  それでは、次に移りたいと思います。  次は、札幌博物館基本計画推進事業と歴史的資産活用推進事業について、連続して質問していたきいと思います。  私は、歴史が浅いという言葉を札幌でよく耳にしますが、人が住んでから、1.8万年から2万年ぐらい前から札幌に人がいると言われていまして、この辺のところは埋蔵文化財センターに行けばわかるわけであります。歴史上の記録からすると350年ぐらい前から、札幌の創建は約150年前からということで、決して歴史は浅くないというふうに私は思っております。  先週末、私は、丘珠から直行便で北九州市に視察に行きまして、北九州市立博物館を見てまいりました。当時、私が最初に博物館の質問をしたときに、この博物館を取り上げました。いのちのたび博物館と申します。そこに行ってまいりまして、私は、当時の職員と議論して、問題点として挙がったものを全部聞いてきました。そして、私もやはりなと思いました。  まず、博物館の広さですが、1万7,000平米でございます。北九州市立博物館は、事情でビルの一室にありました。失敗して移ったのですね。やはり、大きいところで成功したと。私たちが行った前日に500万人達成、年間約30万人から35万人の来館者ということです。九州でもトップレベルでございます。  それから、この広さで収蔵施設が不足していますとおっしゃっていました。収蔵施設も見たのですが、これについては不足しているそうです。減ることはなくて、ふえることばかりですということで、実際に展示しているのはその全ての1%にもならないそうです。
     それから、レプリカとかモバイルということです。レプリカでいいのではないかとか、今の時代ですからモバイルでいいのではないかという議論が当時あったのです。私は、それは違うと言っていたのですけれども、やはり違いました。この職員は、そういうやり方はプラスアルファとして一つあるけれども、実際に味わってみて、子どもたちに本物だよと言うと目を輝かせるというのですね。これは本物なんだよ、ああ、そうなんですかとなるのだそうです。ただ、管理する側からすると、どきどきもするのだそうですけれども、そこはせめぎ合いで、やっぱり本物を見せることに意義があるということだそうであります。そのためにお孫さんを連れて来るおじいちゃん、おばあちゃんのおかげで、実際に利用率も上がっているということだそうであります。  それから、小・中学校の授業にも非常に積極的に活用しているようであります。それから、スタッフの数ですが、人類文学とか生物とか各部門がありますけれども、分類ごとにそれぞれ1名の専門員がついています。それから、連携についてでございますけれども、リレーションということで博物館を使っておりますが、リレーションがあっても拠点がなければいけないという考えだそうです。大きな拠点がなければ、それは連携にはならないと。  それから、収蔵物について、札幌には余り歴史物がないのではないかというふうなことがあるのですけれども、どうですかと言ったら、いや、そんなことはありませんよ、見てください、アンモナイトはみんな北海道から持って来たのですよと言われてしまいました。それは別にしても、実際は、歴史物というものは拠点ができたら集まってくるものなのですと言うのですね。スタッフがありますかと言えば、市民からもありますよということで、実際、北九州市立博物館という立派な施設も、たった一つの化石の発見からあれだけのすばらしい施設ができ上がったということでございまして、我々が生まれるずっと前から近代まで、民俗学も含めた一連のコースをつくっている非常にわかりやすい施設だったわけであります。  質問します。  今回の博物館の基本計画の推進事業でありますけれども、私は心配しているわけでございます。この基本スキームは、3年前か4年前、当時、私もいろいろな議論をさせていただいて、場所の部分もある、いろいろな事業がその土地に入ってくる可能性もあるといったことで、基本的なスキームというものがしっかりと確立されなければいけないわけであります。  伺いますが、今回の基本スキームは、今後、博物館整備を進めるに当たってどのような役割を持つものなのでしょうか。 ◎川上 文化部長  今回のスキームは、これからの博物館整備を進めるに当たってどのような役割を持っているかというご質問でございます。  (仮称)札幌博物館基本計画は、本年3月に策定したところでございます。この計画の中におきましては、博物館整備の具体化に向けて、展示事業基本計画を初めとしたもろもろの計画を策定することを考えているところでございます。今回の補正予算案に計上いたしました(仮称)札幌博物館基本計画推進事業費に関しては、博物館整備において最も重要となる展示内容や事業活動につきまして、より詳細な情報収集と検討を進めることによりまして、展示事業基本計画のベースとなる今回の博物館事業活動基本スキームを取りまとめていきたいというふうに考えているところでございます。  そして、このスキームに基づきまして、(仮称)札幌博物館基本計画において示されている人と人がつながり、活動が札幌のまち全体に広がるネットワーク型博物館、こういうコンセプトをしっかりと反映させまして、先ほど申し上げた展示事業基本計画を初めといたしまして、施設整備及び管理運営の諸計画の策定に結びつけることによって、札幌の地と誇り、そして創造の拠点となるような博物館にするべく、今後、着実に検討を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。 ◆伴良隆 委員  スキームというのは枠組みのことでありまして、基本中の基本ということで、事業のスタートダッシュのために皆さん方の根本になる部分でもございます。この博物館は、もう何十年とずっと悔しい思いをしてきているわけであります。ぜひ、このスキームを貫いて頑張っていただきたいと思います。頑張ってください。  それでは、博物館については終わりますけれども、次に、歴史的資産活用推進事業でございます。  この事業につきましては、先ほど博物館でも枠組み、スキームのお話がございました。私は、平成26年の3定の決算特別委員会で、文化財の保護については、本市においては不足があって、やはり基本的なスキームをつくる必要があるということを主張しまして、当時の市長も担当局長も、それはそのとおりだとご答弁いただきました。これについては、文化振興基本計画の中の市内文化遺産の把握、調査ということに反映されていると思うのですが、やはり、私が心配なのは枠組み、スキームでございます。  私もまだ経験不足でありますが、さまざまな事業をいろいろと見ていると、ぶれてしまうときもあるわけであります。私は、まず、歴史的資産活用推進事業というものがありますけれども、この肉づけ予算の内容では、顕在化していない歴史的資産を調査することになっているようであります。  そこでまず、調査を実施する前に調査全体のスキーム、枠組みを整理すると伺っていますが、具体的にどのようなことを考えているのか、伺います。 ◎川上 文化部長  調査全体の枠組みの整理について、具体的にどのようなことを考えているかというご質問でございます。  まず、歴史的資産の調査に当たりましては、歴史的資産と一口に申し上げても、非常にジャンルが多うございます。そこでまず、どのようなものが歴史的資産としての調査の対象になるかということを検討していく必要があるものと考えております。その検討の上で、調査の手法、歴史的資産が持つ価値評価の視点、あるいは全体スケジュールなど、今、調査全体の枠組みを整理することを考えておりまして、現時点では、建造物と歴史資料、構造物を一旦の調査の対象としたいと考えているところでございます。 ◆伴良隆 委員  この事業については、目的に、その地域に存在する歴史的資産、建造物、歴史資料、構造物等を的確に把握し、総合的な保存、活用に向けた方針を策定し、地域の活性化及び魅力あるまちづくりを推進することとうたっていて、今おっしゃったものがある主の根拠になってくるということでございます。  そこで、価値評価の視点ということですが、立ち返って国の文化財保護法に非常に注目すべきところがあります。無形文化財もございますが、有形の文化所産については、建造物、絵画、彫刻、工芸物、書跡、典籍、古文書といろいろありまして、この中に、これらのものと一体となしてその価値を形成している土地、その他の物件も含む、このように書いております。その中に、周囲の環境と一体をなして歴史的風致を形成している伝統的な建造物群で価値の高いもの、これを伝統的建造物群と言うと。この前、私は八幡に行ってまいりましたけれども、景観というものを非常に大切にしております。  今度は、北海道の条例があって、市の条例がありますけれども、市の条例は、国が指定しているもの、道が指定しているものを除きといったところで市の条例の網がかかってきまして、皆さん方がそこで活躍されるわけであります。そこのところで、先ほど言った一体となったものという国の法令がありますが、この一体になったものが遵守されるのかどうかということが非常に気になるわけでございます。つまり、例えば、ある建物があって、その建物の中に文書やいろいろなものがあったとする、その周りに竹林があったとする、そういう建物が幾つもあったとする、どこが文化財なのかという議論を札幌市はしっかりと遵守していただけるのかどうかということが非常に気になるわけでもございます。  そこで、伺いたいと思いますけれども、建物そのものが持つ価値のみならず、建物がそこに存在する場所性や一体性に由来する価値も大変重要であると考えますが、そのことについてどのように考えていますでしょうか。  また、価値の評価に当たっては、学識経験者などによる専門的な視点での評価も必要でありますけれども、例えば、地域で大切にしているものについては、その地域のことをよく知る方々、あるいは、郷土史をよく知っている方々の思いという視点も欠かせないと考えますが、いかがでしょうか。 ◎川上 文化部長  歴史的資産の価値の評価につきましては、さまざまな視点がございます。今、伴委員からもご指摘がありましたけれども、例えば、歴史的価値とか文化的価値、あるいは技術的価値、学術的価値というさまざまな視点がございます。そういった中でも、所在する場所に着目した評価も大変重要であるというふうに考えているところでございます。  例えば、有名でございますが、国指定重要文化財である時計台につきましても、時計台の建物そのものが持つ価値ということは当然ですけれども、創建時と変わらず、旧札幌市農学校の敷地に現存していることが、さらに価値を高めて、札幌のシンボルとして市民に広く親しまれている要因の一つではないかと私どもは考えております。また、例えば、歴史的建造物の中に学術的価値の高い歴史書があるとした場合、それぞれの建物と歴史書が持つ価値を評価することは当然ですけれども、それに加えて、建物と文書の関連性についても評価し、最終的には一体的に取り扱うことも考えていかなければいけないかなというふうに考えているところでございます。  また、2番目に地域の方の思いといったご質問がございましたが、まず、地域の思いというものを価値判断の基準として評価することはかなり難しいものではないかなというふうに考えております。しかしながら、これからの調査に当たりましては、専門家による調査・分析に加えまして、地域の方々の思い、あるいは、郷土史家のご意見などを踏まえながら、地域的価値の視点を取り入れて歴史的資産としての評価を行うことも検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。 ◆伴良隆 委員  文化財的な資産ということで、保護法に基づくものと、そうではないものもあるかもしれませんけれども、場所があって、土地があって、建物があって、その建物の中に文書があったり、そしてまた、その人たちの思いがあったり、周辺の環境があったりということは、一体でなければならず、セパレートであってはならないわけであります。つまり、書物はこちらで私が研究します、建物は私がやりますとか、そういうふうにてんでんばらばらではいけないわけであります。一体として札幌市がそこをきちんと調査していく、何の価値があるのか、長い歴史の時間軸の中で連動性というものを明らかにして後世に引き継いでいくことが非常に重要であります。ご答弁、まことにありがとうございます。  最後に、局長に伺ってまいりたいと思います。  先ほど来、スポーツから芸術祭、芸術祭から博物館、博物館から文化財と移ってきました。私の思いというのは、自分のルーツを知っていくこと、これは地域の人たちの成り立ちということもございますが、そこに誇りを感じていく、自己を確立していくということであって、それが、自分を見詰め直して、芸術祭のお話もありましたけれども、さまざまなきっかけによって、もう一度、自分たちのまちをどうやって創造していくかということにつながっていくわけであります。ですから、始まりが大事だということでございます。私は、これを博物館で言うところの背骨と申すわけでありますけれども、私たちのバックボーンを私たちがどうやって守り抜くのかということであり、それを知るために、また、それを愛するためにも、文化財という視点をどうやって保護するかということは非常に大切だと思っています。  ただ、こういった教育的、あるいは、市民意識レベルのボトムアップの作業というのは非常に大変なこともございまして、費用対効果ではなかなかはかり知れないところがございます。局長は財政部長ご出身ですからいろいろなお考えがあると思いますけれども、このように非常に難しい文化行政ということがございます。一方で、抽象的な分野ですから、価値観が多様な分、定まらないところもあります。つまり、知らないうちに市民の文化財が切り離されたり、移転されたり、壊されたり、あるいは、若干よくわからないアートの分野で事業や興行が始まってしまったり、気づかないうちにそういうことが起こってしまうわけでもございます。気づいたときには私たちの大切な札幌の財産というものが失われている、そういう状況があってはならないわけであります。  先ほど、かなり経済性が求められるスポーツといったものや、芸術性、あるいは文化といったものがありますけれども、幅広い分野の中で、これぞ札幌らしさというものを大切に行政運営していただきたいわけであります。そして、私は、そのために市職員にはより多くの時間と労力を使っていただきたいわけでございます。  それでは、責任者である小西局長に伺いたいと思いますが、今後、観光文化の行政運営を担っていく方として、何を大切にしてどのように行っていくつもりか、基本的な姿勢と抱負を伺いたいと思います。 ◎小西 観光文化局長  ただいま、伴委員から、スポーツコミッション、芸術祭、博物館、そして歴史的資産の活用という幅広いご意見、ご指摘、ご提案がございました。このように観光文化局の守備範囲は非常に広いこともございますので、謙虚に皆さんのご意見を頂戴しながら、施策の企画、立案、実施につなげていきたいと思っております。  そこで、局長として何を大切にというところでございます。まず、時代認識及び課題ということを申し述べますと、ご承知のように、現在、少子高齢化が急速に進行しており、人口の右肩上がりが終えんしようとしているところでございます。また、生産年齢人口は既に減少しております。こういった厳しい環境にあるという危機感を市民の皆様と共有するとともに、そういった中で、例えば、スポーツの分野では冬季オリンピックの誘致に向けて市民が心を一つにできるか、文化の面では札幌市民が心豊かに生活できるか、観光の面ではまちの活力をいかに向上させられるか、そういったことが私どもに与えられた課題というふうに考えております。  例えば、文化の面でございますが、国民誰しもが物的な豊かさを追い求めた急成長時代が既に終わりをつげて久しく、今や、日々の生活に精神的な充足を求める時代に入ったかと思います。そういった市民要望に的確に応えられるよう努力いたしたいと思います。また、文化に限らず、スポーツの分野におきましても、札幌には、集客力の高い魅力的な資源が多くございます。文化やスポーツの分野におきましても、これを観光振興に資するといった視点からも捉まえていきたいというふうに思います。また、観光の分野におきましては、雇用を含め、経済波及効果は非常に広範囲にわたるものでございますので、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。  観光文化局は、非常に少数の職員で構成されておりますが、すぐれたスタッフにめぐまれておりますことから、皆様の期待に応えられますよう、局を挙げてこれからの日々を精進したいと思います。 ○小須田悟士 委員長  ここで、およそ20分間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後3時45分       再 開 午後4時04分     ―――――――――――――― ○小須田悟士 委員長  委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を行います。 ◆桑原透 委員  それでは、私から、冬季オリンピック・パラリンピックの招致に向けた取り組みについて質問したいと思います。  ことし7月31日、もう間もなくですが、クアラルンプールで開催されるIOC総会において、2022年冬季オリンピック・パラリンピック大会の開催地が決定いたします。2022年の開催地が決まると、いよいよ札幌が目指している2026年大会の招致レースが始まります。2年前の9月、IOCのロゲ会長が「東京」と読み上げて、2020年の夏季オリンピック・パラリンピックが決まった瞬間の感動は記憶に新しいですが、ぜひ、あの感動を再びと願うばかりであります。  東京のオリンピック開催計画は、メーンスタジアムである国立競技場の建設について当初案が変更され、建設負担が見直されるなど調整が難航しているようでありますが、今年度いっぱいかけて作成していく札幌の開催概要計画は、市民が共有できる計画をしっかりとつくっていかなくてはいけません。2026年大会の開催地を決定するのは2019年と聞いていますが、オリンピック開催の栄誉をつかみとるためには、これからの2019年までの4年間、官民一体となり、計画的、戦略的な招致活動が必要であります。  そこで、質問ですが、今年度作成予定の開催概要計画に盛り込む内容と計画作成のスケジュールについて、また、計画作成後の開催決定までのプロセスについてお伺いいたします。 ◎梅田 招致推進担当部長  冬季オリンピック・パラリンピックの招致に向けた2点のご質問でございます。  まず、1点目の開催概要計画に盛り込む内容とスケジュールについてでございます。  開催概要計画には、開催の意義、基本理念、大会コンセプトを定めた上で、各競技会場や選手村、メディアセンター等の施設配置計画に加えて、競技プログラムや財政計画等を盛り込むことを予定しております。開催の意義や大会コンセプトにつきましては、学識経験者や競技関係者、経済界などから成る有識者会議を設置いたしまして、さまざまな分野の専門的見地からご意見をいただきながらまとめていく予定であります。また、競技会場等の配置計画につきましては、開催後の市民利用など、後利用を見据えて競技団体、関係自治体などと協議しながら検討を進めていく予定でございます。これらの計画作成のスケジュールといたしましては、おおむね9月ごろまでに大会コンセプトを固めた上で、年内をめどに具体的な施設配置計画を作成し、これをもとに競技プログラムとか財政計画をまとめて、最終的には年度内に開催概要計画案としてまとめる予定でございます。  計画の策定に当たりましては、適宜、議会の皆様にも御報告させていただきながら、議会議論を踏まえて進めてまいりたいと考えております。  次に、2点目の開催決定までのプロセスについてでございます。  開催概要計画策定後につきましては、冬季オリンピック・パラリンピックは国家的事業でありますことから、来年度以降、日本としての立候補の可否につきまして、日本オリンピック委員会であるJOCあるいは国と協議を進めていくことになります。その上で、JOCにおきまして国内立候補都市として承認されますと、閣議了解を経て、2017年に国際オリンピック委員会であるIOCに対しての申請手続が開始されます。これ以降は、世界の各都市との本格的な招致に向けての競争となりまして、最終的には大会7年前の2019年のIOC総会の場で、2026年冬季オリンピック・パラリンピックの開催地が決定する予定となってございます。 ◆桑原透 委員  ここまでに至った経緯は、今、答弁があったとおりだというふうに思っています。  先日、コンペをして、一つの企業が出したものに対して、これからいろいろ議論されていくと思っています。ちょっと大変だなと思うのは、先ほども言いましたが、東京オリンピック開催に向けた建設費の高騰です。これは、やはり札幌ではしてはいけないことだというふうに思いますし、昨年のアンケート調査にも、開催費用や維持費などについて財政面で危惧しているということがございますから、このあたりはぜひ慎重に検討していただきたいと思っています。  今後は、9月ごろに大会のコンセプトを固めるということでございますし、有識者を初め、いろいろな方から専門的見地でのご意見をいただくことにもなると思います。9月を待たずともいろいろなところに漏れて出ていくのかなと思っておりますが、議会議論をきちんとすることが大切だと思いますので、余りおくれないうちにきちんとした議論をしていく、そして、市民にもきちんとお知らせする、そういった取り組みがまずは必要だと思いますので、3定以降も質問しながら議論させていただきたいと思っています。開催まで、これからいろいろやらなくてはならないことがあります。札幌だけではできませんので、いろいろな方と意見交換しながら進めていっていただければと思っています。  次に、札幌は、オリンピック・パラリンピックで大きく成長した都市であります。1972年の冬季オリンピックなしに札幌の歴史は語れないと思います。「虹と雪のバラード」を聞くと、今でも当時のことが鮮明に思い出されます。昨年実施したアンケートによると、今の20代の2割以上は札幌オリンピックを開催したことを知らないとの結果が出ています。1972年の札幌オリンピックから既に40年以上が経過し、札幌オリンピックを知らない世代がふえてきている中で、2回目のオリンピックの招致を成功させるためには、世代にかかわらず、市民、道民全体の盛り上げが必要不可欠だというふうに考えます。  昨年、上田市長がオリンピック招致を表明した際、招致から開催までの取り組みは、市民・企業・行政が一体となるまちづくり運動そのものであるというふうに述べています。まさにそのとおりであり、招致活動を通じ、世代を超えて市民が一つになり、鍛え抜かれた市民力を結集させ、招致機運を高めていかなければ招致は実現できないというふうに考えております。  今回の補正予算を見ると、冬季オリンピック・パラリンピックの招致について、市民への情報提供、広報活動の事業費として1,000万円が計上されており、招致機運の醸成を図ろうとしているところでございます。  そこで、再質問ですが、オリンピック・パラリンピック招致について、市民への周知や機運醸成、特に若い世代への周知について具体的にどのように取り組みを進めていくのか、お伺いいたします。 ◎梅田 招致推進担当部長  冬季オリンピック・パラリンピックの招致に向けた機運醸成の取り組みについてお答えいたします。  冬季オリンピック・パラリンピックの招致につきましては、世代を超えて市民が一つとなり、熱意を持って招致活動が展開され、北海道全体に招致機運が盛り上がっていくことが何よりも重要と認識しております。  そこで、今年度におきましては、ウインタースポーツ都市札幌をアピールするPR動画の作成に加えまして、各種スポーツイベントにおけるPRブースの設置、さらには、オリンピアンを招いたシンポジウムの開催などを予定しており、北海道や地元経済界、競技団体とも連携しながら、官民一体となって招致機運の醸成を図ってまいりたいと考えております。  特に、1972年札幌冬季オリンピックを知らない若い世代に向けましては、ホームページによる動画の配信やソーシャル・ネットワーキング・サービスの活用など、効果的な発信方法について検討いたしますとともに、大学生を対象としたセミナーの開催などを行ってまいりたいと考えております。また、次代を担う子どもたちに対しましては、さきの代表質問におきまして、平和でよりよい世界の構築というオリンピックの意義を踏まえ、人間尊重の教育や国際理解教育について一層充実させるとともに、オリンピック・パラリンピックの理解促進を図ると教育長から答弁させていただいているところでありまして、スポーツ部といたしましても、教育委員会と連携しながら、こうしたオリンピック・パラリンピック教育の環境整備を行うことで若い世代への招致機運の醸成を図ってまいりたいと考えております。 ◆桑原透 委員  いろいろなことに取り組みながら機運を醸成するということです。  去年行ったアンケートでは、オリンピックについて、子どもたちに夢と希望を与えるのがオリンピックだというアンケート結果が出ております。私から一つ提案ですが、この札幌にもオリンピックを経験した方がたくさんいます。私が知っている先輩もオリンピックのアイスホッケーに出ております。私も、釧路でアイスホッケーをやっておりましたので、テレビを見て、行けるかどうかわからないけれども、確かに挑戦しようかという気が起きたなと今思っております。十何年後にオリンピックが開催されれば、今の小学生、中学生が、もしかしたらそのオリンピックに自分も出られるという機運が高まっていくことはすばらしいものだというふうに私は思います。  冬のスポーツ人口がだんだん少なくなっている中にあって、オリンピックを開催するということは、この札幌にとってもいい機運になるのではないかと私は信じております。冬のスポーツはお金がかかるものもあることは事実だと私は思っていますが、この北海道における冬のスポーツというものは、必ずなくてはならない一つだと思っていますし、オリンピックを経験した選手がたくさんおりますので、その方を招いたシンポジウムなどもやりながら、子どもを交えてオリンピックについて語り合えるような場所をつくっていただきたいというふうに思っております。  最後に、要望としますが、札幌のまちとしては1972年の冬季オリンピックで大きく発展することができました。もう一度、オリンピックを契機にまちを盛り上げていきたい、そのためにも、招致を実現するには、IOCへの立候補前ではありますが、今から招致機運を盛り上げていく必要があると考えているところでございます。オリンピックを知る世代だけではなく、知らない世代に対してもオリンピックのすばらしさを周知していくなど、招致機運を盛り上げていく取り組みを進めていただくことを求めまして、私の質問を終わらせていただきます。 ◆松浦忠 委員  私は、総務費、市民生活費のうち、目では6番目のスポーツ費のところで、まずは中央体育館改築事業費の追加の13億3,000万円、それから、冬季オリンピック・パラリンピック招致費追加1,000万円にかかわって質問いたします。  さて、中央体育館ですけれども、民間が再開発する、そして、つくったものを買い取るということで、大型施設では札幌市として初めての試みかなと私は思っていますが、今、それに取り組まれております。  そこで、体育館の利用実態を見てみますと、夜間とか休日は申し込んでから抽せんになるなど、非常によく使われています。ところが、平日の日中の利用率がどうもよくないと思っているのですが、平日の日中の中央体育館の利用率は何%ありますか。 ◎西田 スポーツ部長  中央体育館の平日の利用率ということでございます。  平成26年度で年間14万8,000人ほど利用されているという実態でございます。平日の区分だとか時間帯による数値はとっておりませんけれども、稼働率という意味ではほぼ100%になるのではないかというふうに考えております。 ◆松浦忠 委員  稼働率ということになったら、例えば、1人で行って借りてバスケットの練習をしても稼働率は100%なのです。しかし、私は、どれだけたくさんの人に使っていただくかということが大事な問題だと思うのです。稼働率の中身をどう上げるか。実は、私の家内は免許を持っていませんから、1週間に1回、スーパーに連れていってと言われて、私は必ず1時間ほど行きます。そうすると、私が行っているスーパーには大きな貸しホールがありまして、そこで女性の人が何とかダンスというものを一生懸命やっています。体形が美しくなるために体を一生懸命に動かして、英語で言うとビューティフルになるようなことをやっているわけですよ。  それはそれでいいけれども、やっているところを見ていたら、あれは結構激しい運動なので、私はちょっとそこには行きかねるのです。日本国内の標準からいったら、女性でもちょっと外れているような方が結構いらっしゃいます。でも、聞いてみると、そういう方もやっぱり運動をしたいと言っているのです。そうすると、中央体育館あたりで、そういう方が行ってその機能に合わせた運動ができるような講座を持つとか、そして、講座を持って運動したらその成果をきちんと計測できるようにする。あら、私が娘のときに買ったスカートをはけるようになったとか、そういう計測が……(「あり得ない」と呼ぶ者あり)また、大嶋会長、あり得ないなんて言ったら奥さんに失礼でしょう。(「あり得ない、あり得ない」と呼ぶ者あり)今、いろいろな計測器がありますから、そういうものなども置いて励みになるようにして、そしてまた中央体育館が健康増進に使われていくように考えたらどうかなと思うのです。  そこで、スポーツ部長は、この体育館の建築に当たり、利用率なども考慮してどんな秘策を考えているか、明かしていただきたいと思います。 ◎西田 スポーツ部長  まず、中央体育館の機能としまして、大規模な競技大会が開催できる場という面と、今、委員がお話しされたとおり、市民の健康づくりや体力づくりでスポーツをできる場としての役割を担うことも目的にして整備するところでございます。そこで、平日の日中につきましては、新中央体育館の特徴を生かして、各競技団体と協力した教室を開催するなど利用者をふやす取り組みを検討してまいりたいと考えております。  秘策になるかどうかはわかりませんが、計測器というお話もございましたので、今後、どのような健康づくり教室を行うかなど、ソフト事業を検討する中で必要となる備品について検討してまいりたいというふうに考えております。 ◆松浦忠 委員  お金を払ってスーパーの貸し部屋でやっている元気のいい奥様方ではなくて、ちょっとそれに対応できない奥様方に使っていただいて、そして計測器で計測したら、あら、今週は何百グラム痩せたわ、何センチ細くなったわというようなことで、楽しみにしていけるように、体育館を楽しんで利用できて健康増進につながるという機能もぜひ持たせていただきたいということを求めて、終わります。  さて、次に、オリンピックの関係です。  市長、今、2020年の東京オリンピック・パラリンピックについて、ついここ数日の新聞で、新国立競技場に二千五百何十億円というお金がかかる、それでもまだどこだかの部分が足りなくて後から追加だと出ていますよね。  大きなものはいいことだというのはいいのだけれども、札幌市もこれから冬季オリンピック・パラリンピックの招致に向かいますので、まずは、東京オリンピック・パラリンピックの開会式を行う中心会場の予算の組み方について、市長はどんな考え方を持っているか、まず率直に聞かせてください。 ◎秋元 市長  2020年の東京オリンピック・パラリンピックのメーンスタジアムになるところについて、当初の計画で1,300億円と言われていたものが途中で3,000億円になって、最終的には今二千五百数十億円という形になっています。国の方針も含めて、世界に誇れる施設をつくるという思いの中でいろいろなことを検討されているのだろうというふうに思いますけれども、一方で、お金の増減について、一般の庶民感覚からすると、プロセスも含めてなかなか納得できない方も多いのではないかというふうに思います。デザインに凝るとお金もかかることになりますが、これは、国民の理解がしっかり得られるような形で今後も物事を決めていっていただきたいとは思います。  翻って、札幌でもし施設をつくることを考えていったときには、将来に残すということはありますけれども、必要なものを効率的につくっていくことが必要だと思いますので、将来の維持を考えていくことも含めて、余りデザイン性を重視することがないような施設を考えていかなければと思います。これからいろいろな検討をしていかなければいけないと思いますが、率直に言うと、大きなお金をかけないで施設をつくっていくようなことをしっかり考えていかなければいけないというふうに思っています。  ですから、これから開・閉会式をどういうふうにするかということもありますけれども、メーンスタジアムは、できるだけ既存の施設を使えないのか、あるいは、本当に必要最小限の施設としてどうつくっていくのか、しっかりと検討していきたいというふうに思います。 ◆松浦忠 委員  前回のオリンピックのときに、特別な許可のもとに恵庭岳に滑降コースをつくって、そしてまた復元したということもありましたが、私は、今、市長が言われたようなことでいいと思うのです。特に北海道一円にいろいろな施設がありますから、今、市長は道ともいろいろな協議をされていますが、北海道内にある施設はそこを使うようにして、開会式、閉会式はメーン会場でやり、競技は分散してできるだけ札幌市に負担がかからないような形にすることが大事だと思うのです。  ですから、もし決まったとすれば、今度は北海道と協議していろいろなことを具体にされていくと思うのですが、北海道も5兆円を超える借金を抱えて、職員の給与も削減しているという状況にありますから、余りお金をかけることもできないでしょう。札幌市だって、これから、高齢化の問題だとか、地下鉄もだんだん乗る人が少なくなっていく、さあ、どうしようという問題もこれありで、いろいろなことを考えると、いっときのお祭りにそうそう多額の金をかけることができないということは多くの市民が言っております。したがって、今後は、ぜひそういうことを考えていっていただきたいと思います。  それから、施設の整備をするに当たっては、先ほど桑原委員も言われましたが、市長の側で北海道と話したりして、こう決めたからあとは議会も市民も了解してくださいというやり方ではなくて、まず第一に事前に議会に諮っていただいて、議会とも十分に相談した上で道との協議に臨む、こういう手順をぜひ大事にしていただきたい。これは、今の地方自治法にのっとった当然の手順ですが、今までは、ともすれば行政側のペースで物を進めて、議会が事後承認に終わる傾向にありましたから、この点を改めて市長に求めておきたいと思いますけれども、いかがでございましょうか。 ◎秋元 市長  議会にもしっかりとご相談しながら進めていきたいと思います。 ◆こじまゆみ 委員  私からは、今回の補正予算で計上されております国際スポーツイベント開催の推進1億1,800万円と、それに伴う2,900万円のFISスノーボードワールドカップ等の国際イベントの大きく2点について伺わせていただきたいと思います。  まず最初に、ラグビーワールドカップ2019日本大会について伺います。  ラグビーワールドカップは、夏季オリンピック、FIFAサッカーワールドカップに次ぐ世界三大スポーツイベントに数えられており、2007年のフランス大会では225万人の観客を動員し、全世界で約42億人が視聴するなど、ラグビー界最大のスポーツイベントと言われております。アジアで初めての開催となるラグビーワールドカップ2019日本大会、略してRWC2019と言いますけれども、これは、1都市開催ではなく、開催地が全国に分散されることから、札幌市としても積極的に招致に向けて取り組んできたところ、本年3月に全国12都市での開催が発表され、札幌市では札幌ドームを会場として開催することが決定いたしました。  北海道選出の前衆議院議長でラガーマンであった町村信孝代議士は、超党派のラグビーワールドカップ2019日本大会成功議員連盟の会長として、この大会の成功を目指すとともに、札幌市が開催地となるよう多大な尽力をされてこられ、本当に大いなるお力添えをいただきました。ラグビーは、本気でぶつかるからこそ生まれる人と人とのつながり、恐れずに前に進み続ける姿勢、まさにラグビー精神そのものを政治活動の中で表現されておりました。町村先生のラグビー精神を引き継ぐ意味でも、4年後の大会開催に向け、札幌のみならず、日本全国で世界中から集まるラグビーファンをおもてなしできるよう、12の開催都市はもちろんのこと、日本全体で一丸となって世界に誇れるすばらしい大会にしていかなければならないと考えております。  ラグビーの競技人口は、日本国内で11万人、札幌市では1,500人であり、サッカーがそれぞれ90万人、1万6,000人という競技人口と比べると、まだまだマイナースポーツであります。世界最高峰のラグビー選手たちによるわざと闘志あふれるプレーを間近で見ることで、子どもから大人までが興奮や感動を共有することができる競技人口の拡大に絶好のよい機会となります。何よりも、ラグビーワールドカップの成功に向けては、まずは市民の関心を高め、多くの方々に来場してもらうことが必要であり、さまざまな機会を捉えて大会のPRが必要ではないかと考えます。また、大会開催時には、海外から多くの方が訪れることから、札幌の経済の活性化のためにこれを生かさない手はなく、その効果を最大限にすべく取り組んでいく必要があります。  そこで、質問ですが、多くの市民に大会の関心を高めるための取り組みと多くの外国人来訪者を取り込むための取り組みについて今後どのように進めていかれるのか、伺います。 ◎西田 スポーツ部長  ラグビーワールドカップ2019日本大会の関心を高める取り組みと外国人来訪者を取り込む取り組みについてであります。  先日、札幌で開催されました北海道ラグビーフットボール協会が主催した招待試合の早慶戦におきまして、来場者へ2019年大会に向けたメッセージを募集するイベントを実施したところであります。今年度は、2015年イングランド大会が開催されますため、北海道ラグビーフットボール協会等とともに日本戦のパブリックビューイングを札幌市内で実施するなど、今後もラグビーに関連したイベントに合わせて市民の関心を高める取り組みを行っていく考えであります。さらに、小学校の授業におきましても、タグラグビーを導入している学校がありますことから、子ども向けのラグビー普及施策について教育委員会と連携して取り組むことで、子どもたちへの普及を進めてまいりたいと考えております。  また、ラグビーワールドカップ2019組織委員会からは、外国人来訪者の特徴としまして、富裕層が多く、長期滞在し、観光をしつつ開催地をめぐって観戦するケースが多いというふうに聞いております。そこで、札幌で行われる試合の対戦カードが決まった後、札幌で試合のある国と地域に対して重点的に札幌や北海道での周遊の魅力をPRするなど、外国人来訪者の取り込みについて取り組んでまいりたいと考えております。 ◆こじまゆみ 委員  先日の早慶戦はかなり盛り上がったと伺っておりましたが、そういった試合が開催されることによって地元が盛り上がり、機運の醸成が図られるのだと思っております。  また、開催地の分散化により、それぞれのまちや都市の特徴が表現されることとなりますが、大会の成功は何かといえば、やはり、一般の人たちも含めて多くの人々が大会に参加することだと考えます。多くの市民が主体的に参加し、世界中の人々と交流しながら、大いに楽しんでいただきたいと願っています。試合終了を意味するノーサイド、この試合が終われば敵味方なく友情を育むラグビー精神、ラグビー文化を全世界に発信し、RWCを単なるスポーツイベントとせず、さまざまな垣根を取り払う好機として最大限に生かしていただきたいと思います。  翌年には東京オリンピック・パラリンピックもあり、スポーツイベントの盛り上がりを日本全体で一丸となってつくり上げていくときに、札幌市も他都市におくれをとることなく、しっかりと取り組んでいただくことを求めておきます。そのことが、必ずや冬季五輪招致につながるものと思っております。  次に、国際競技大会やスポーツ合宿の誘致について伺わせていただきます。
     札幌市が目指している冬季オリンピック・パラリンピックの招致に向けては、先ほどのラグビーワールドカップもそうですが、2017年の冬季アジア大会など、多くの国際競技大会の実績を積み重ねていくことが重要であります。大会のみならず、スポーツ合宿についても、特にウインタースポーツに関しては、国内の候補地となり得る青森や長野ではなく札幌を選択してもらえるような取り組みを展開しなくてはなりません。国際競技大会やスポーツ合宿を誘致、開催することは、競技団体関係者など多くの方が札幌に来るきっかけとなり、札幌の魅力をじかに体感してもらうことは、自国に戻った際に、SNSや口コミ等で札幌の魅力を発信するなど、広報費をかけずとも効果的な札幌PRにつながります。  しかしながら、札幌をPRしてもらうためには、当然、また札幌に来たいと思っていただくことが必要であります。そのためには、宿泊施設や競技施設などのハード面の環境整備も重要ではありますが、私は、特にソフトと言われる選手や役員、観客へのおもてなし、つまり、ハードではなく、ハートが重要であると考えています。今後も、冬季国際競技大会やスポーツ合宿を積み重ね、高い評価を獲得していくことが、札幌の魅力を世界に効果的にPRしていくとともに、ウインタースポーツシティーとしての地位を確固たるものにしていくことにつながると考えます。  そこで、質問ですが、冬季国際競技大会やスポーツ合宿誘致の獲得に向け、何を重要と考え、どのように取り組んでいくのか、伺わせていただきます。 ◎西田 スポーツ部長  国際競技大会やスポーツ合宿の誘致に当たりまして重要なことと取り組みの内容についてであります。  ことし3月に札幌で開催しました世界女子カーリング選手権大会は、世界カーリング連盟から、しっかりとした大会運営に加えて、市民ボランティアの方々が笑顔で選手や観客をお迎えするなど受け入れ体制が十分整っていた、また、近い将来、札幌で世界選手権を開催したいとの高い評価をいただいたところでございます。このことから、国際競技大会やスポーツ合宿を誘致するためには、大会運営の実績を積み重ねることに加えまして、市民ボランティアを含めて、おもてなしの心を持った受け入れ体制を整えることが非常に重要であると考えております。  そこで、今後、国際競技大会やスポーツ合宿の誘致を進めるに当たりましては、1972年の冬季オリンピックを初め、これまでさまざまな国際競技大会を成功に導いた実績とあわせまして、きめ細やかな支援ができる体制が整っていることを積極的に発信するとともに、市民ボランティアのおもてなしの心の醸成に向けた活動に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆こじまゆみ 委員  やはり、何としても合宿を誘致していただきたいと存じます。例えば、札幌、北海道であれば、得意種目が何であるかということを明確にして、今回、地域スポーツコミッションの設立を準備しておりますから、ぜひともスポーツコミッションを有意義に活用していただき、頑張っていただきたいと思います。さらに、この札幌にある都市のすばらしさをしっかりと表現すること、そして、リピーターとなるようにしていかなければならないと思っております。いかによく見せていくか、そしてアイデアを出していくか、そういう都市にならなければ長野や青森等のほかの都市に負けてしまうのではないかと思いますので、鋭意、札幌のよさを表現できるように努力していただきたいと思います。  そして、もう一つは、くれぐれもスポーツが経済面でのお荷物に思われないように、財政面でも英知を結集し、スポーツの価値を高めていただきたいと思います。  私は、さきの質問の中でも、恵まれていない国のカメルーンが大分県中津江村を選択して、毎年、合宿を重ねていることをお話ししました。これは、ハードではなく、ハートの部分で、皆さんがどうしてもその村を訪れたいと思わせる機運があるからだと思います。宿泊所でどれだけ地元が支えてくれるのか、大事なのはやはり印象であります。この札幌市に行くとどんなものがあるのかといったときには食や観光です。そのようにして、この札幌市を選択していただけるような準備をしていただきたいと思います。ただでPRしてくれる人をいかにしてふやすか、そして、印象づけだけは何としてもよくしていただきたいということを求めて、私の質問を終わります。 ◆かんの太一 委員  私からは、国際芸術祭関連事業費について、何点か質問させていただきたいと思います。  テーマを都市と自然とし、これからの都市と自然の共生のあり方を考える芸術祭として、国際的に活躍する現代アーティストたちが参加した札幌国際芸術祭2014は、当初の予定来場者数の30万人を超え、札幌市内、道内外、海外からの来場者が48万人に上りました。また、アンケート調査による芸術祭全体への評価においては、「とてもよい」「よい」を合わせて75.9%と、肯定的な意見が多く、一定の評価を得たと言えると思います。私も、芸術の森などの各会場を回り、アートに触れる喜びを体感でき、非常に貴重な経験をさせていただきました。しかしながら、初回の開催ということもあり、特に市民への周知と地元の文化芸術分野の関係者の取り込みという点に課題があったと私は考えています。  先日、秋元市長が札幌国際芸術祭2017の開催を明言していましたが、前衛的な現代アート作品を展示し、国際的なレベルを維持していくとともに、地元関係者や多様な文化を引き込んでいき、市民が、より一層、主体的に参加できるものになっていくことが望ましいと私は考えます。  そこで、質問ですが、今回の補正予算において国際芸術祭事業費を計上していますけれども、どのような事業を行うのか、その具体的な内容についてお伺いしたいと思います。 ◎熊谷 国際芸術祭担当部長  国際芸術祭に関しまして、補正予算において実施する事業内容についてのご質問でございました。  まず、次回芸術祭の開催に向けまして、芸術祭の活動拠点として札幌市資料館に開設したSIAFラウンジ、SIAFプロジェクトルーム、改めまして、SIAFといいますのは札幌国際芸術祭の英文の頭文字をとったものでございますが、この2部屋においてさまざまな事業を実施してまいりたいというふうに考えております。この2部屋、そして、ここを中心に展開するプロジェクトを総称しまして、実験室あるいは研究室という意味のSIAFラボと呼ぶこととしております。  今年度は、SIAFラボにおきまして、札幌らしさということについて市民の皆さんとともに考えたり、展覧会の裏側について専門家の話を聞いたりする講座や、小学生なども対象にして簡単なコンピュータープログラミングを使って音づくりを体験できるようなワークショップなど、こうした八つのプログラムを実施してまいりたいと考えてございます。また、このほかにも、市民参加型のアートイベントや広報プロモーションを実施することとしておりまして、芸術祭の市民への一層の浸透や機運醸成、地元関係者との連携の強化を図ってまいりたいと考えております。 ◆かんの太一 委員  事業の内容について理解いたしました。ぜひ、継続的な取り組みをしていただきたいと思います。  実は、私は、先日、7月4日、5日に札幌市資料館内のSIAFラボで開催されたSIAFパブリックミーティングを見に行きまして、新しいレシピを提案してくれるシェフ・ワトソンという認知型のコンピューターを使ったワークショップに参加してきました。その際には、2014年の開催時にボランティアをされた方も参加していらっしゃいました。前回の芸術祭では、約1,300人という大変多くの方々にボランティア登録をしていただき、開催を機にアートボランティアネットワークというつながりも生まれたと聞いています。こうしたボランティアの方々との関係性を維持し、発展させることが、次回の芸術祭をさらに盛り上げるために重要であると考えています。  そこで、質問ですが、次の芸術祭開催に向けて、前回芸術祭において活躍したボランティアの方々をどのようにつなげていくのか、お伺いしたいと思います。 ◎熊谷 国際芸術祭担当部長  お話がございましたワークショップにつきましては、大変長時間にわたり、ありがとうございました。  ボランティアの皆様とのつながりというご質問でございました。  前回の芸術祭では、ボランティアの皆様方には、各会場のホスピタリティーの担い手として大変ご活躍いただいたものと考えております。こうした皆様とのつながりということにつきましては、まず、何よりも、さきのご答弁で触れましたとおり、前回の芸術祭で市民の皆様の集まる拠点と一つとなっていた札幌市資料館に常時立ち寄ってコミュニケーションを図ることができるSIAFラウンジ、SIAFプロジェクトルームという二つのスペースを設けたことが、ボランティアの皆さん同士や関係者との連携を維持・発展させる上で大きな意味を持つものというふうに考えてございます。また、ここで展開される各種プロジェクトの中にも、ボランティアの皆様方に芸術祭についてより関心を深めてもらったり、また、連携を横に広げてもらったりできるような内容も盛り込んでいるところでございます。  このように、ともに考え、学び合う場を創出し、次回芸術祭に向けてのボランティアの方々を初めとした活動の担い手となる人々のつながりを強め、また、その輪を広げてまいりたいというふうに考えてございます。 ◆かんの太一 委員  ボランティアの方々との連携については理解いたしました。次回の国際芸術祭がより一層の盛り上がりを見せるためにも、今後ともボランティアの方々との継続的なコミュニケーションと人材育成に努めていただきたいと思います。  次に、国際芸術祭の海外プロモーションについてお伺いしたいと思います。  私は、開催報告書を拝見いたしましたが、海外からの来場者数は、全体の2.6%、約1万2,000人という数値になっており、国際芸術祭という性格を考えたときに、単に来場者数では評価できないものの、少々物足りない印象がございます。また、1万2,000人の内訳ですが、たまたま札幌に訪れた観光客の方々が一定数含まれているのではないかと思われ、国際芸術祭を目的に札幌を訪れたという海外からの来客をふやすため、取り組みを強化すべきと考えます。  海外観光客の誘致については、庁内の観光セクションにおいても積極的な取り組みが行われており、旅行代理店を初めとした民間事業者も魅力的な商品開発を進めています。庁内の観光セクションと民間事業者が札幌の魅力を発信できる新しい観光コンテンツとなり得る国際芸術祭との連携を深め、海外プロモーションを展開していくことで相乗効果が期待できると私は考えております。  そこで、質問ですけれども、札幌国際芸術祭の海外プロモーションの取り組みについて、庁内や民間と連携し、相乗的な効果を図りながら展開していくべきと考えますが、今後どのように取り組んでいくのか、お伺いしたいと思います。 ◎熊谷 国際芸術祭担当部長  芸術祭に関する海外プロモーションの展開についてお答えいたします。  私どもといたしましても、国際芸術祭というものを開催する以上、海外からの来場者は重要なターゲットであると考えてございます。また、芸術祭ということに限らず、いわゆるインバウンドの誘致というのは札幌市の重点施策でもございます。したがいまして、効果的に次回芸術祭の情報を海外に発信するため、庁内の関係部局が有する固有のネットワークを活用した情報発信などの取り組みを進めているところでございます。また、前回の経験を踏まえ、庁内関係部局と連携しながら、早い段階から旅行会社と旅行商品の造成ができないかといったことも検討しているところでございます。このような海外プロモーションの取り組みを進めることで、芸術祭の観光資源としての国際的な存在感の向上を図り、海外からも注目を集める芸術祭としてまいりたいというふうに考えてございます。 ◆かんの太一 委員  海外プロモーションの取り組みについては理解いたしました。札幌国際芸術祭は、札幌の新たな魅力を発信する強力なコンテンツとなる可能性を秘めていると思います。国際的な文化都市、創造都市としての札幌の存在感を高めることにも寄与すると思うので、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。  また、冒頭にも申し上げましたが、次回の開催には、市民への芸術祭開催の一層の周知と、地元芸術関係者を巻き込む仕組みづくりが不可欠であると思います。国際芸術祭と銘打つイベントは全国、世界で開催されており、札幌の独自性をアピールしていくためにも、残された準備期間の2年間が非常に大切であると考えますので、庁内や民間事業者と連携を深め、さらに魅力ある国際芸術祭を実現していくように頑張っていただくことを要望して、私の質問を終了いたします。 ○國安政典 副委員長  以上で、第2項 市民生活費のうち関係分の質疑を終了いたします。  次に、議案第12号 札幌市民交流プラザ条例案中関係分の質疑を行います。 ◆中川賢一 委員  私からは、平成30年度のオープンに向けて建設中の札幌市民交流プラザの条例案に関連して、何点か質問させていただきたいと思います。  この条例は、北1条西1丁目街区の市街地再開発事業の一環として建設中の(仮称)市民交流複合施設の運営を目的といたしまして、本年3月に策定された市民交流複合施設管理運営基本計画に基づきまして、今般、制定するものと認識しております。市内中心部における大型のプロジェクトでございまして、文化芸術の振興、地域のにぎわい創出を担うといった意味からも、多くの市民が大きな期待感を持って、どのような施設ができるのだろうかと注目していることと思われます。そこで、今回上程された条例案に施設の利用料について示されておりましたので、今後運営していくに当たっての収支に関連して、何点かお伺いしたいと思います。  条例で提示されている利用料金については、当然、施設運営の収支等を勘案して設定されていると考えますけれども、平成27年3月に策定された運営基本計画によりますと、平年時における総事業費が約15億円となっておりまして、それに対して、それを賄う収入内訳は、貸し館事業による利用料金や主催事業などの入場料収入などが約4億円、差額の約11億円は札幌市の負担となってございます。他都市や市内の類似施設などを参考にして概算したとされておりますが、これから人口減少社会を迎えることや本市の厳しい財政状況等を踏まえますと、このように事業収入が支出の約4分の1しか賄えない、そんな赤字の垂れ流しを事業のスタート前から前提とする計画というものが果たして適正なのかどうか、そういった部分では甚だ疑問を感じるわけでございます。  もちろん、本施設のような文化施設の単体収支というものは一定程度合わないこと、また、興行されるイベントによる経済波及効果があることは理解しておりますけれども、それでも、200万都市の中心部という通常であれば事業の期待収益が本来大きく見込めるエリアでありながら、初めから事業の収支は4分の3が赤字であります。これは、恐らく減価償却等は考慮されていない数字ではないかと推察しますが、4分の3の赤字でも当たり前ということは、通常の市民感覚、経済感覚からは、はい、そうですかと簡単に言えるものではないのではないかというふうに考えるわけでございます。  そこでまず、収入に関しましてお伺いしますが、管理運営基本計画で想定している使用料、入場料収入等の4億円の内訳と算出根拠についてお伺いいたします。  あわせまして、主要な収入はホールの利用料金であると考えますが、他都市の類似施設と比較して料金設定がどうであるのか、そういった面についてもお伺いしたいと思います。  それから、支出に関してですが、施設管理の支出の内訳とその根拠のほか、現時点で想定している事業がどのようなものであるのか、この3点につきましてお伺いしたいと思います。 ◎林 市民交流複合施設担当部長  まず、1点目の使用料、入場料収入等の内訳と算出根拠につきましてお答えいたします。  まずは、貸し館事業の利用料金収入として約3億円を見込んでいるところでございます。算出根拠についてですが、ホールは、ニトリ文化ホールの利用料金を基本といたしまして、都心に立地することや施設を高度化することなどから利用料金を1.1倍に設定しております。また、平成26年度のニトリ文化ホールの稼働率は58.2%でございますが、貸し館事業のほか、主催事業も含めて稼働率を80%に向上させるような設定をして計算しております。さらに、練習室やオープンスタジオなどの利用料金につきましても、類似施設の料金に加算するなど収入増が図られるよう算出しております。一方、市民利用に配慮した料金設定もしておりまして、この場合は利用料を減額した積算としているところでございます。  次に、主要事業の入場料収入につきましては、約1億円を見込んでおります。これは、想定した事業計画から入場料金を設定して算出しております。想定している収入を合計いたしますと、約4億円を見込んでいるところでございます。  続きまして、第2点目の他都市の類似施設との比較についてお答えいたします。  他都市で多面舞台を持つ施設は、札幌市も含めると8施設ございますけれども、営利団体が休日に全日利用した場合を比較いたしますと、8施設中2番目に高い利用料金となっております。そのため、これ以上高い料金を設定いたしますと、稼働率の低下を招きまして市民の鑑賞機会の減少や利用料金収入の減少を招くおそれがあることから、難しいと判断したところでございます。  3点目の施設運営の支出内訳とその根拠につきましてお答えいたします。  まず、人件費についてですが、Kitaraや類似施設の実績、地区図書館の実績を利用した推計では合計で約3億2,000万円でございます。施設の維持管理費については、Kitara実績や業者見積り、再開発組合の積算額、地区図書館の実績を利用いたしまして、合計約9億1,000万円でございます。  また、現時点で想定している主催事業の内容と事業費につきましてですが、ホールでは、多面舞台にふさわしい本格的なバレエやオペラなどの鑑賞事業のほか、子ども向け舞台芸術の鑑賞機会の提供、他都市のホールと連携して舞台作品を共同制作する事業などを考えているところでございます。また、アートセンターでは、相談や活動支援、アウトリーチ事業、調査研究など幅広い事業を考えておりまして、図書館での図書購入費なども含めまして、事業費の合計は約2億5,000万円となります。  なお、施設運営の支出額の合計額は、委員のご指摘のとおり約15億円を見込んでおりますけれども、支出の削減を図るため、複合ビルのスケールメリットを生かした警備や清掃、照明をLED電球とするなど、設備面でランニングコストを抑えていくよう引き続き検討してまいりたいと考えているところでございます。 ◆中川賢一 委員  今のご説明ですが、施設の利用料金や支出面、また事業といった部分の考え方についてはある程度わかりました。  先ほども申し上げましたとおり、この施設の建設場所というのは何といっても札幌の一等地でございますので、言葉はちょっと悪いかもしれませんけれども、単純にホールの使用料金のみを収入源として赤字事業を組み立てていくのは、余りにも芸がないのではないかというような印象を持っております。  条例案を拝見しますと、施設の設置目的として、地域のにぎわいの創出に寄与するという目的が立派に明示されておりますが、ここににぎわいができるための動機が単に文化や芸術に触れるということだけですと、現実的に実際に芸術文化という分野に強い関心を持っている人口などを考えますと、正直、心もとなく思われまして、人が集まる動機としてはかなり一面的過ぎないかというような印象を持っております。  そこで、伺いますが、地域のにぎわい創出という目的に資することができる手段というのは、普通に考えても決して文化や芸術だけではないと思います。そのため、この目的を効果的に実現していくためには、文化芸術に限らず、幅広い視点でアプローチしていくべきではないかと考えますが、お考えをお伺いしたいと思います。 ◎林 市民交流複合施設担当部長  にぎわいの創出についてお答えいたします。  市民交流複合施設は、市民の視点に立った幅広い事業を展開し、市民にとって魅力的であり、気軽に立ち寄れる施設となることが重要であると考えております。そのため、施設の機能を最大限生かし、多様な利用をすることによりまして、条例の設置目的にも記載したとおり、地域のにぎわいの創出にもつなげていくよう検討してまいりたいと考えているところでございます。 ◆中川賢一 委員  ただいまご答弁いただいたように、地域のにぎわい創出にはいろいろな幅広いアプローチがあり得るということはご理解いただけたと思います。  そういった意味では、飲食店などの商業施設などを通じて、まずはにぎわいを取り込む、そして、本来、文化芸術にそれほど関心のなかった人たちも自然に触れていただく機会を提供する、こういう方法もこれからこのまちに文化芸術の振興を図る順番としてはむしろ現実的なのではないかと考えるところでございます。先ほど、芸術祭についてのご答弁で、担当部長から、札幌は芸術に触れる機会が少ない、まずは来ていただくことが重要だというようなお話もありましたので、これからはそういったアプローチも進めていくべきではないかと考える次第でございます。そういう視点でいきますと、例えば、今回の計画の中にあるクリエーティブモールなどと呼ばれる動線部分などにも、飲食テナントとか食のマルシェみたいなイベントを積極的に取り入れてまずは人のにぎわいを創出する、そういった事業部分で少しでも収支改善を図るようなことも検討できるのではないかと思います。  また、この施設には、隣接して民間開発部分の高層棟がございまして、恐らく、それだけでも数千人の人の流れが創出されることが予想されております。また、テレビ塔や大通公園といったエリアには、近年、外国人を中心に多くの観光客が集まってきております。こういった層をターゲットに、まずは施設に入るための多様な動機づけを提供し、それをきっかけに文化や芸術に誘導していく、同時に、そういった取り組みから少しでも収益を確保していく、そういう姿勢こそ本来の目的達成の近道だと考えます。  いずれにしましても、現時点はまだ概算の想定であると思いますが、きょうは方向性で若干共有するものがあったと感じましたので、これから事業を具体化していく中では、しっかりと収支バランスを意識していただき、にぎわいを創出する事業などによって収入を得る取り組みを柔軟な視点で検討していくべきことをご指摘させていただきたいと思います。  次に、主に支出の部分と関連しますが、運営団体に関して質問させていただきたいと思います。  このホールとアートセンターの運営主体は、文化芸術の高い専門性が求められるとして、札幌コンサートホールKitaraや他の文化施設と同様に指定管理者制度を導入することとなっております。さらには、市の考えを的確に反映でき、長期的な視点に立った事業展開が可能でなくてはならないとして、非公募で札幌市芸術文化財団を指定管理者とするとしておられます。  私は、この財団が最適かどうかという点につきまして、それほど判断材料を持っているわけではございませんので、この団体が妥当かどうかということには余り言及するつもりはございません。ただ、昨今の時代の流れとして、こういった事業選定において、民間事業者なども含めた幅広い団体を検討対象として、費用の縮小、同時に事業の適正遂行の両方のバランスを考えながら受託事業者を検討するという姿勢があってもよかったのではないかと考えるところでございます。こういった検討なしに、ぽんと12億円かかりますよ、そして一括で契約しますと言われても、市民の理解はなかなか得られないのかなと思います。  先ほど、別の委員の質問の中で北九州市の博物館の話もありましたが、私もそちらの施設を拝見しました。箱の大きさはここと一緒ではなく、かなり大きな施設でしたけれども、大体3億2,000万円ぐらいの運営費だというふうにも聞いておりまして、単純比較はできませんが、それと比べてどうなのかというような印象も持っております。  ちょっと脱線しましたけれども、場合によっては、こういった結果ありきの選考方法が経済感覚に欠けているとか不透明であるとか、そんなような形で市民の厳しい視線にさらされかねないという懸念もされるところでございます。  そこで、質問でございますけれども、この運営主体について、どのような理由で芸術文化財団を非公募で選定すると判断したのか、改めてお伺いしたいと思います。  また、類似の他の都市ではどのような団体が運営しており、その選定方法はどのようになっているのか、その点についてもあわせてお伺いしたいと思います。 ◎林 市民交流複合施設担当部長  1点目の運営団体の選定についてお答えいたします。  ホールとアートセンターの運営主体は、札幌市の文化芸術の中心的な拠点といたしまして、美術や音楽、舞台芸術など、多様な文化芸術の振興を図る役割が求められているところでございます。また、文化施設の事業展開は、企画立案から事業実施まで長い準備期間が必要であるとともに、長期的な視点に立った展開も必要であります。さらに、市内における他の既存文化芸術施設と連携した取り組みや、文化施策を推進する上で、施設を管理する指定管理者と札幌市が一体となって事業に取り組み、検証しながら進めていく必要もございます。そのため、文化芸術に精通した人材やノウハウ等が蓄積され、市内の文化芸術施設の一体的管理や継続的な事業執行が期待でき、あわせまして、札幌市が人的、財政的に関与しながら運営することができる団体というのは公益財団法人札幌市芸術文化財団だけであると判断していることから、非公募とするものでございます。  それから、2点目の他都市の類似施設についてお答えいたします。  多面舞台を有する他都市の施設は札幌市のほかに7施設ございますが、設置する地方団体が関与する団体が全て運営しております。また、その選定方法につきましては、7施設中、6施設が非公募で、1施設が公募となっている状況でございます。 ◆中川賢一 委員  とりあえず、選定された理屈についてはわかりました。また、他の国内の類似施設も、把握している限りにおいては、ほとんどが同様に財団への非公募での委託ということもわかりました。ただ、他の自治体がそうだからといって、それが最適な方法だということには、このご時世ですから、単純にはそうならないのではないかと思います。また、文化施設だから不採算や一定規模の税の投入は当たり前であるという考え方もどうなのかという気もいたします。こういうことで、これまでの事業組み立ての常識から離れられないことが事業費の高どまりを招いている可能性も否定できないのではないかという印象も持っております。実際に、どこの自治体も基本的に財政は厳しい現実にあると思われますし、これからは、従来は当たり前だと思っているような行政手法であっても、先入観を持たずに検証し、最適な手段を模索するという姿勢がこれまで以上に求められると思います。  繰り返しになりますが、とにかく札幌中心部の大型再開発プロジェクトであり、市民はもとより、市の内外からも大いに注目される事業になると思われますので、新しい札幌の顔として地域のにぎわいをつくり出す魅力的な施設としていくためにも、有効な事業のあり方や適切な運営に役立つ英知を幅広いところから模索していくことの必要性を強く指摘させていただきますとともに、今後も事業の進捗の過程でもろもろ確認させていただきたいことをお伝えして、私の質問を終了いたします。 ◆中山真一 委員  私からも、市民交流プラザ条例案につきまして質問させていただきます。  中川委員からも質問がありましたので、重複を避けまして、それ以外の観点で2〜3質問させていただきます。  今お話を聞いていましても、運営者の力量が物すごく問われる施設だなというふうに感じております。私からは、指定管理者の選定の過程における市民への情報公開及び市民理解の醸成について質問させていただきます。  札幌市のさまざまな事業を推進していくに当たりましては、市民目線に立って丁寧に市民に説明するのと同時に、しっかりと市民の意見を聞いて、取り組み内容については経過も含めて最大限公開していくなど、市民を巻き込んだ展開が重要であると考えております。この点は、職員の皆様におかれても考えを一にすることと認識しております。  先ほど、市民交流プラザの運営主体につきましては、さまざまな理由により非公募で札幌市芸術文化財団とするというお話がありました。ご案内のとおり、指定管理者制度の趣旨は公募が原則であるというふうに認識しております。先ほど、多面舞台に関しては7施設のうち1施設が公募だというお話でしたが、平成24年度の総務省の調査では、文教施設全体でいくと48.5%、約半数が候補者を公募しております。  さらに、札幌市芸術文化財団は、本市からの派遣職員やOBの方々が少なからず所属されておりまして、本市と大変関係の深い出資団体でございます。また、昨年10月、職員の服務規程違反が判明したことは市民の皆さんの記憶にまだ新しいところであり、職員の皆様は、再発防止と信頼回復に向けて、日々、努力をされていることと思います。そのような中、市民交流プラザの運営主体を非公募で当財団とするということです。  私も、これまで、札幌市民の一人として、サッポロ・シティ・ジャズやPMFを鑑賞させていただいており、札幌市の芸術文化の向上に対して当財団の果たしてきた役割については一定の評価をしているところでございます。ですから、適切な理由によって管理者として指定されること自体を否定するものではありませんが、非公募だからこそ、公募以上に説明責任が求められるというふうに考えております。  特に、当事業は、市民の皆さんの期待も関心も大変大きいものがあり、同時に、市民の皆様の信頼や支援がなければうまくいかないプロジェクトでもあります。準備期間においても、今後の事業の円滑な遂行及び機運の醸成のために、市民の理解と信頼を積み重ねていくことが不可欠であると考えます。そのために、指定管理者の選定過程においても広く情報を公開し、透明性を確保した上で、可能な限り、市民の声を反映できる仕組みにすることが重要であると考えます。例えば、岩手県の盛岡市では、非公募に当たって説明責任を果たすために、広く市民から意見を聞く場として市民公聴会を開催し、100名を超える市民の方々が参加して議論の内容は情報誌やインターネットで公開されましたが、このような事例もございます。  そこで、質問でありますが、管理運営基本計画の策定の段階では市民意見が反映されているというふうに認識しておりますけれども、このたびの指定管理者の選定過程においては意見を取り入れる仕組みになっているのか、お伺いいたします。  また、選定過程において、選定基準や評価及び選定委員会の議事録の公開など、市民の理解を得るための情報公開、透明性の確保はどのように担保されているのか、あわせてお伺いいたします。 ◎林 市民交流複合施設担当部長  1点目の指定管理者の選考過程における市民意見を取り入れる仕組みについてお答えいたします。  運営団体を選定する指定管理者選定委員会の委員には、札幌市が定めるガイドラインにおきまして、可能な限り利用者の代表も加えることとなってございます。当施設の選定委員会の設置に当たりましても、利用者の代表として市民の方にも加わっていただくことを考えているところでございます。また、指定管理者を選考するに当たりまして、その基礎となります募集要項及び仕様書につきましては、利用者の代表等で構成する検討会議での議論やパブリックコメントなどを経て、本年3月に選定いたしました管理運営基本計画を踏まえて作成することを考えているところでございます。  2点目の市民への情報公開についてお答えいたします。  指定管理者の選定過程につきましては、透明性や公平性を図るため、ホームページなどで公開いたします。具体的には、募集要項や仕様書、選定基準のほか、候補者の選定理由や選定結果などをホームページで公表することを考えているところでございます。また、選定委員会の議事録につきましては、情報公開条例に基づき、請求に応じて公開することとなっているところでございます。 ◆中山真一 委員  ただいまのご答弁で、情報公開条例に基づいて情報公開されるということでした。今回のプロジェクトは、市民の皆様の関心も大変大きいプロジェクトでございます。先ほどもほかの委員からもありましたが、最近では新国立競技場の問題がクローズアップされております。この市民交流プラザについても、管理者の選考過程、そして、その後の準備期間においても、前例にとらわれず、最大限、情報公開に努め、市民の皆さんを巻き込んだ展開を期待しております。  次に、本条例案の第16条第2項に関連しまして、将来の他団体の参入機会についてお伺いいたします。  改めて申すまでもございませんが、今後、人口減少時代に入り、税収増がなかなか見通せない中、行政の力だけではなく、広く市民や民間の力を結集し、協働して課題の解決や事業の推進に当たっていくことがこれまで以上に求められていると思います。文化施設においても、既に千葉市や鎌倉市など、多くの自治体で民間企業による管理運営が行われているところでございます。施設の特性上も、民間も含めた幅広い分野の創造やアイデア、人的ネットワーク等が活用されることで、より質の高いサービスが提供され得ると考えます。管理者がサービス向上と経費削減の両立に努め、緊張感のある管理運営を行うために、先ほど別な委員からもお話がありましたが、次回の指定時においては民間も含めた他団体の参入の機会を十分に担保していくことが重要であると考えます。  そこで、本条例案の第16条第2項に関してお伺いしたいと思います。  この項の趣旨は、当該管理が良好に行われている場合に限り、期間満了後も公募によることなく引き続き指定できるということと認識しております。次回の指定時の公正・公平な判断を担保するためにも、また、この条項が新規団体の参入のハードルとならないためにも、あらかじめこの「良好に行われているかどうか」の評価基準が事前に明確に示されていることが重要だと考えます。  この「良好に行われているかどうか」の評価はどのような基準でなされるのか、お伺いいたします。  また、その基準はどのタイミングで決定、公開されるのか、お伺いいたします。 ◎林 市民交流複合施設担当部長  次回選定時の評価基準についてお答えいたします。  評価につきましては、指定管理者と締結する協定書及び仕様書に基づいた運営が行われてきたかどうかを判断基準にしてまいります。また、この協定書及び仕様書は、指定期間開始前に締結した後、公開の準備が整い次第、市政刊行物コーナーに配架することにより公開いたしてまいります。 ◆中山真一 委員  協定書と仕様書は準備が整い次第公開されるというご答弁をいただきました。次回の指定に向けて、明確で透明な評価基準のもと、公正で公平な判断がなされる仕組みが担保されるなど、他団体も参入しやすい仕組みがより一層確立されることを求めます。  最後に、管理者の指定期間についてお伺いします。  市民交流プラザのような文化施設では、長期的な視点に立った事業展開を図っていくため、一定の準備期間が必要であると思います。私も以前に製作者側の仕事をしておりましたが、特に主催事業や、先ほどお話がありました本格的なバレエやオペラなど大型の招聘公演等には大変長い準備期間を要します。そのためにも、指定管理期間をある程度長期間で設定することにより、市民に対して魅力的な事業を展開していけるのではないかと考えます。  今回は、指定期間が4年、そのうち準備期間が2年半、開業から1年半となっており、運営団体が長期的な視点に立った事業展開を構築できないのではないかと危惧しております。また、開業から1年も経過しないうちに次回の選定ということになり、次回指定に向けての評価が大変難しくなると考えます。この評価の難しさが新規団体の参入の障害にもなりかねないとも懸念しております。
     そこで、質問ですけれども、このような理由から、指定管理期間の4年は短過ぎると思いますが、お考えをお伺いいたします。 ◎林 市民交流複合施設担当部長  指定期間についてお答えいたします。  指定管理期間につきましては、札幌市の事務処理要綱におきまして原則4年間となってございます。これは、適切な事業が構築されないまま長期の指定期間とした場合、その間の社会経済情勢の変動によりまして管理運営を継続できなくなるおそれもあることから、長期間の指定を行うことは適切ではないとの考えによるものでございます。  なお、市民交流複合施設が実施していく多様な文化芸術の事業展開は、事業実施まで相当な準備期間も必要であることから、事業の企画立案などの業務を施設の供用開始前から指定管理者に行わせることを考えているところでございます。 ◆中山真一 委員  今の札幌市の考えについては一定の理解をいたしますが、一律に4年と決めつけるのではなく、各施設の目的や性質、状況を十分考慮して指定期間を設定すべきと考えます。市の要綱では、原則4年、ただし、施設の性質、目的等からこれによりがたい施設についてはこの限りではないという表記もあります。当施設については、少なくとも5年から7年の指定期間とすることが望ましいと考えております。民間の調査によると、近年は文化施設の5割以上が5年以上の指定期間を採用しているというデータもございます。今後、指定管理者制度の所管部局を含めて、ある程度柔軟な指定期間の設定について検討していただくことを要望しまして、私の質問は終了します。 ○國安政典 副委員長  以上で、議案第12号中関係分の質疑を終了いたします。  次に、議案第13号 札幌市豊平館条例の一部を改正する条例案の質疑を行いますが、通告がありませんので、質疑を終了いたします。  最後に、第6款 経済費 第1項 商工費のうち観光文化局関係分の質疑を行います。 ◆小口智久 委員  私からは、定山渓地区魅力アップ事業について質問させていただきます。  定山渓は、札幌市の奥座敷とも言われ、市民にとっては大切な癒やしの場所であり、国内外からも多くの観光客が訪れる地域です。札幌市にとっては大切な観光資源の一つでありますので、今までも定山渓地区のさらなる発展について多くの議論が交わされ、昨年3月には、定山渓観光魅力アップ構想が策定されましたが、来年はいよいよ定山渓温泉開湯150周年ということもあり、地域からはさらなる計画の推進が求められております。  札幌市の観光入り込み客数は、近年、やや増加してきており、中でも、外国人宿泊者数は急増しております。平成24年度の外国人宿泊者数は68万人でしたが、平成25年度には105万人と急激に増加しました。定山渓においても、平成24年度の7万6,000人から平成25年度は12万7,000人と同様に急増していて、平成26年度は外国人宿泊者数の比率が8%から10%に上がっています。温泉や雪は、特に台湾や東南アジアからの観光客にとって非常に魅力的なコンテンツであり、今後もますますニーズがふえていくと考えられます。  一方で、平成23年に観光庁が実施した外国人旅行者アンケート調査によると、日本で旅行中に困ったこと部門で第1位がWi−Fi環境となっており、札幌市でも、平成25年12月より、外国人観光客に向けて一部のエリアで無料Wi−Fiサービスが開始されましたが、まだまだサービスが行き届いているとは思えず、環境整備は喫緊の課題でございます。今回の補正予算の中に、MICE・観光客受入環境整備事業としてWi−Fi環境の拡大とあり、計画エリアに定山渓温泉が上がっています。  そこで、質問です。  今回計画されている定山渓温泉でのWi−Fi整備はどのようなエリアでの実施を考えているのか、伺います。 ◎大島 観光コンベンション部長  定山渓温泉地域のWi−Fi整備のエリアについてのご質問でございますが、本年、定山渓温泉街にある足湯や手湯、二見公園、まちづくりセンターなど公共施設9カ所にWi−Fiのアクセスポイントを設置する予定であり、これによりまして定山渓温泉の中心部についてはほぼ網羅することができると考えております。 ◆小口智久 委員  平成25年度に総務省が外国人観光客に日本のWi−Fi環境の評価を尋ねた調査では、利用可能場所は自国と遜色がないものの、利用手続の簡便性の面で評価が低いという結果が出ています。つまり、Wi−Fiはエリアごとに規格がばらばらだと、そのエリアに入るたびに一々登録し直したり、パスワードを打ち込んだりしなければならず、利用者の観点からすると大変不便なものになってしまいます。  そこで、質問です。  今回の定山渓での整備ではどのような規格になっているのか、伺います。 ◎大島 観光コンベンション部長  Wi−Fiの規格についてでございますが、定山渓温泉エリアにおいても、市内の中心部や観光スポットなどと同様の統一規格によってWi−Fiを整備する予定でございます。このため、エリアが変わるごとに接続手続のための初期設定をし直す必要はないということで、定山渓を利用する外国人観光客の利便性であるとか満足度の向上が図られるものと考えております。 ◆小口智久 委員  外国人の誘致は重要ですが、一方で、自然災害や国際政治の情勢、為替相場の変化などで観光客数の推移が変化しやすいリスクがあります。安定した客数を見込むには国内の誘客にも力を入れていく必要があります。  定山渓地域の日本人宿泊者数は、平成14年度で150万人を超えていたのが、ここ数年は110万人前後を推移しています。そのうち、札幌市民が6割、道内客2割、道外客2割となっていることから、特に大きな割合を占めている市民から、より魅力的で愛される温泉地となることが重要です。他の温泉地同様、客層の多くは市民の中でも中高年というイメージがありましたが、昨今は、旅行雑誌や宿泊施設などが女性客をターゲットにしたプロモーションの効果もあり、客層の幅を広げています。  そういう中で、定山渓のこれからの未来を考えますと、これからの時代を担う若い世代にもっと定山渓のよさを知っていただき、ファンになってもらい、足を運んでもらうことが大事だと考えます。若い世代が定山渓のサポーターになってくれれば、友人や海外の知人を連れて一緒に遊びに来てくれ、食事をしたり、宿泊をすることにもつながります。定山渓観光魅力アップ構想の基本方針にも、市内の児童生徒、教員を対象にした体験学習の推進や、市内の高校生や大学生などによるイベント協力の体制づくりなどがあります。  札幌市の観光企画課、定山渓観光協会、札幌開成中等教育学校の共同で、若者目線で定山渓の魅力を発掘するプロジェクトを開始し、今週の6日には、第1弾として1年生160名が定山渓温泉でさまざまな体験やインタビューを行い、今週末の11日には学校祭で発表いたします。この模様は新聞にも掲載され、世間からの注目を集め、定山渓温泉のPRとなり、若者世代の関心を高め、今回参加してくれた生徒が将来にわたって定山渓のファンになってくれる可能性があり、とてもいい取り組みだと思います。  そこで、質問です。  今後、定山渓地区の魅力をアップしていく事業を進めていく中で、若者の取り組みについてどう考えているのか、伺います。 ◎大島 観光コンベンション部長  定山渓魅力アップの取り組みにおける若者の取り込みということについてお答えいたします。  委員がご指摘の札幌開成中等教育学校との取り組みのほかにも、昨年冬に開催した雪遊びイベントで定山渓雪三舞というものがございますが、この開催に当たりましては札幌国際大学の学生の皆さんに会場設営や運営にご協力をいただきましたが、そういった取り組みもございます。このようにさまざまな機会を捉えて若い世代を魅力向上に取り組むサポーターとして育てていくことを通じ、定山渓の活性化を図ってまいりたいと考えております。 ◆小口智久 委員  最後に、要望です。  今後の事業として環境整備は必須ですが、取り組みが一過性の集客で終わるような内容ではなく、地域の方の声や観光専門家の話を伺い、さまざまな統計データをもとに次世代に引き継ぐことができ、現在生活されている住民の皆様が誇りに思えるまちづくりになるように、そして、今後の札幌市の観光財産として大きな力となるように要望し、質問を終わります。 ◆坂本きょう子 委員  私は、観光バス路上駐車対策事業費2,900万円が計上されておりますので、それにかかわって質問したいと思います。  予算の概要の中にも出ておりますが、中心市街地における観光バスの乗降場、待機場の利便性向上等の推進ということが記載されています。観光産業が本市経済の大変大きな柱にも位置づけられており、そしてまた、先ほどもお話がありましたが、海外からの観光客数が相当な勢いでふえています。2014年度上期では、前年度比28.1%増の59万9,000人、およそ60万人と上期では過去最多の入り込み数になっております。それに伴って、中心市街地に乗り入れる観光バスも増加しております。飲食店とか土産店などが立ち並んでいる狸小路、薄野、また大通周辺では、一般車両の通行の妨げにもなるくらい、昼夜を問わず、バスが乗り入れている状況になっています。  現在、これら観光バスの待機場が南8条西2丁目にありますが、午後6時で閉鎖されてしまいます。実際には、お土産を買って、その後、食事をするために一旦乗客をおろして、そしてまた、夕食後にホテルまで観光客を送りますから、午後6時に待機場が閉鎖してしまうと、その後、バスは一体どこで観光客、乗客を待っていたらいいのかということになります。結局、路上駐車をするようになり、これらは、車両はもとより、自転車の走行などの妨げにもなるということで、私自身もいろいろと問題提起を受けているところです。待機場の夜間延長はぜひともやっていただきたいと思っておりますが、今どのように検討されているのか、伺いたいと思います。 ◎大島 観光コンベンション部長  観光バス待機場の夜間延長についてお答えいたします。  この冬、観光バスの運転手などにヒアリングを行ったところ、外国人の団体旅行の場合、夕方から夜にかけて食事をとり、その後、ホテルまで送るという行程が多く、ご指摘のように、夜9時頃まで待機場を利用できることを望む声が多かった状況にございます。このようなニーズを考慮いたしまして、現在管理運営している北海道バス協会とも協議した上で、今後、南8条西2丁目の観光バス待機場についてはこの夏から夜9時までの利用延長を試行してまいりたいと考えております。 ◆坂本きょう子 委員  北海道バス協会と一緒に検討した結果、この夏から21時までやるということですね。夏場に限らず、冬も観光客は多いですし、まして、雪が降ると路肩で待機することもできなくなりますので、夜9時までやっていただけるということはぜひ推し進めていただきたいと思いますが、期間の延長等もぜひやっていただきたいと思います。  今お話があったように、2013年度に観光バスの実態調査を行っていて、路上駐車が多い場所も把握していて、待機場への利用促進とか長時間の駐車をしないでくれという防止の周知など、対策を講じているということでした。そのときは、赤れんが前、テレビ塔、それから狸小路西5丁目、薄野3丁目あたりの市内4カ所で路上駐車が多かったということで、待機場に誘導するということを聞いておりますが、ただ、やっぱり待機場も足りない状況にあります。  例えば、ここ大通、市役所前もそうですが、時間帯によっては、数台にわたって連なって路上駐車している状況などを見ることができます。冬は暖房が欠かせないので、アイドリングはしたまま、夏は冷房が必要でエンジンはかけっ放しということで、排気ガスなども問題になっています。とりわけ冬場は、駐車している観光バスの排気ガスが階段とかエスカレーターなど地下街の開口部に充満して、非常ににおいが気になるとか、せき込んでしまうような苦情が実際にあったり、あるいは、歩行を妨げるような迷惑な停車もあるようです。  そこで、今は南8西2ということですが、新たな待機場の設置、それからまた、迷惑・危険停車の抑制策をしっかりと講じていくべきだと思いますが、これについてはどのように対処なさるのか、伺いたいと思います。 ◎大島 観光コンベンション部長  臨時待機場の設置と迷惑な駐停車の抑制についてでございます。  まず、札幌観光のハイシーズンにおけるバス待機場の不足を補うために、夏場の間は北1条西9丁目に観光バスを10台程度待機させることができる臨時の待機場を設置することを今予定しております。また、冬場に向けても確保すべしというご指摘でございますが、公有地、民有地の中で都心に近いところで使えるところがないか、鋭意、探しているところでございます。また、アイドリングストップや危険、迷惑な停車につきましては、乗降場に看板を設置して改めて注意を促すほか、巡回指導の試行や観光バス事業者に対する通知文の発出により抑制に努めてまいりたいと考えております。 ◆坂本きょう子 委員  夏場の臨時の待機場については、北1西9に新たに10台程度手当てをするということです。10台で足りるのかという問題もありますし、先ほど夏場と言われておりましたが、やはり冬場の対応も求められると思います。都心に近いところで公有地、民有地を含めて探しているし、できるだけ早く手だてを講じていきたいというお話でしたが、これはやはり早急に手を打つべきだと思います。とりわけ、秋から冬にかけて観光客の入り込み数はふえてまいります。雪まつりなども含めて、イベントについては海外に向けての発信ということが大きくなってくるのだろうと思いますので、冬場の対応はできるだけ速やかにやっていただきたいと思います。  最後に、海外からのお客様のマナーの問題を伺って終わりたいと思います。  来ていただくのは大変ありがたいことですが、やはり、観光バスの乗降場付近では、バスが来るのを待ったり、おりたりするとき、多分、バスの中ではたばこを吸えないだろうと思いますので、おりたら、早速、たばこを吸う人、あるいはバスに乗る前にたばこを吸っている光景などもよく見ます。吸い殻をポイ捨てしてしまったり、あるいは、ペットボトルや紙コップ、テイクアウトの商品などの食べ殻というのですか、そういうごみなどをその場に置いていくようなことがあります。これは国外のお客様に限ったことではありませんが、やはり、観光客のマナーについては問題だと思います。  実際、私も薄野周辺で飲食店を営んでいる方を存じ上げていて、何人かのそうした方から、お店の前が汚れてしまうとか、雪が解けるとごみがいっぱい出てきて本当に大変だということ、それから、店先で乗降待ちをするということで、若干の営業の妨げにもなっているというようなことも聞いています。札幌のまちの美しさが観光の一つの売りといいますか、いいところだと思いますが、これでは他の観光客にとって札幌観光の満足度を下げる原因にもなろうかと思います。  そういう意味では、海外からのお客様も含めて、札幌のまちを訪れる観光客に対して、みずからもマナーを守りながら、観光スポットめぐり、あるいはまち歩きを存分に楽しんでいただくことが本当に大事だろうと思いますので、マナーの周知、ルールの徹底と言ったらいいのでしょうか、こういうところに細心の注意、対策をとっていくべきだというふうに思います。これらについて具体的な対策があれば、そのことについてお聞かせいただいて、私の質問を終わりたいと思います。 ◎大島 観光コンベンション部長  バス乗降場付近における主に外国人観光客のマナーについてということでございますが、そうしたマナーにつきましては、これまでも、外国人向けの観光情報アプリの札幌いんふぉにおきましてマナーブックや動画を掲載するなどして啓発に努めてきたところでございます。ただ、なかなかそれらが守られていない状況の中で、今後は、民間事業者と協力し合って吸い殻やごみのポイ捨て禁止も含めたマナー啓発用冊子をつくり、さらに、その冊子を市内のホテルで配布するだけではなく、例えば誘致プロモーションで現地に行った際に当地の旅行会社に配布して、観光客が旅行前にその冊子を一読することができるような工夫もして徹底を図ってまいりたいと考えております。 ◆松浦忠 委員  補正予算の項目としてここにたくさんの事業が盛られておりまして、いろいろ説明も聞きましたが、もう午後6時にならんとしていますから、これを全部やったら私だけでまた1時間ぐらいかかろうかと思うので、そんなふうにならないようにちょっと質問の内容を変えて、簡潔に二つだけにします。一つは、外国語、それから、日本で皆さんが新しくつくった言葉、日本というよりも観光文化局で新しくつくった言葉と言ったほうがいいかもしれませんが、そして、日本語ということになろうかと思いますけれども、これについて1点、それから、もう一つは、観光という言葉の意味について、二つお尋ねします。  まず最初に、観光コンベンション部長としてこの4月から仕事をされている大島部長のことです。札幌市は、アメリカ側の要請によってアメリカのポートランド市と第1号の姉妹都市提携を結んでいましたが、今から10年くらい前かと思いますけれども、姉妹都市の5年ごとの交流ということで、私は交流団の一員としてポートランドに行きました。実は、大島部長は、当時、議会事務局の議事課長でして、英語に堪能だということで我々のお世話役をしていただきました。そのときに、私は、ホテルに入って鼻をかんだのですが、ごみ箱がありません。そこで、電話をかけて聞いてみました。ボーイが来たので、日本ではごみのことをダストと言うから、ダストボックスと言ったのですが、変な顔をしているんですね。意味が通じないらしくて、それはそれで終わったんですが、大島課長に、「私は日本で使っているダストボックスがないかと聞いたんだけど、全然通じなかった」と言ったら、「それはアメリカでは通じる言葉ではないのだ」と言って、ごみ箱の英語の言い方を教えてくれました。それが何だったか、今はもう忘れてしまいましたが、日本だけで解釈できる外来語というのがあるんだなと思いました。つまり、日本でつくった日本流の外来語ですね。  さらに、大島部長も英語に堪能かもしれないけれども、最近、私が調査してわかったのは、もっと堪能な方があなたの部下にいらっしゃいます。誰だと思いますか。佐藤課長です。この方は何を担当されているかといったら、観光振興担当課長で外務省に出向してNASAに行っていました。宇宙に行くところです。ヒューストンに行っていた。何をしに行っていらしたかとお尋ねしたら、日本に観光に来ていただきたいということでやっておられたそうです。  実は、日本では、平成15年からビジット・ジャパン・キャンペーンというのをやっていて、今回もこれに関する予算も盛られています。そこで、佐藤課長にお尋ねしたいのですが、このビジットという言葉です。私の英語はさっき言ったダストボックス程度ですから、英語がわかりません。ジャパンが日本ということはわかります。キャンペーンも何だか宣伝ではないかなというのはわかりますが、ビジットです。びしっとしろとか、ばしっとしろと言うのは聞きますけれども、ビジットというのは何ですか。 ◎大島 観光コンベンション部長  余り英語が堪能ではない大島でございますが、とりあえずお答えさせていただきます。  ビジットというのは訪問するという動詞でございまして、要は、日本を訪問してくださいということで観光庁の事業名称になってございますので、そういう形でご理解いただければと思います。 ◆松浦忠 委員  実は、例えば英語でも日本で日常的に使われている英語ならば、こうやって議案に書かれても、我々も、ちょっとわからなければ何だろうなと聞いてわかるのですよ。ふだん、テレビでその言葉が出たり新聞に載ったりしてなじみのある言葉ならいいけれども、余り使われていない英語、日本語として使われるような状況ではない英語がありますね。実は、私みたいに全く英語ができない人間がこの68人の中で1人いるんですよ。あとの人はみんなできると思うんですけれどもね。したがって、なるべく落ちこぼれなく議案審議ができるように、まず横のほうにスペルを書いて、上にルビを振って、そして日本語ではこう訳すと、こういうのをつけてくれると大したありがたい。観光文化局と経済局は、私にとっては極めて難解な片仮名英語が多いんです。したがって、ぜひ、なるべくわかりやすい言葉にしてください。どうしても使わなければならないのだったら、さっき言ったようにしてください。日本語で間に合うのなら、日本語で間に合わせていただきたい。このことを求めて、ここは終わります。  そこで、今度は、次の観光という言葉の意味についてです。私はハワイには行ったことがありません。部長と一緒に行ったアメリカのポートランドしかありません。みんな、よくハワイに観光に行くと言うけれども、どこに行ってきたのと聞いたら、ワイキキというところに浜辺があるそうで、私は行ったことがないからわかりませんが、そこで海水浴をして帰ってきたというのですよ。これを観光と言うのですか。ちょっとお尋ねします。 ◎大島 観光コンベンション部長  観光の厳密な定義について資料を持ち合わせているわけではございませんが、一般的な観光の定義といたしましては、いわゆる景勝地を見るとか、今、委員がご指摘になられたように、ビーチ、浜での水泳であるとか、アクティビティー、アトラクション――英語で済みません。そうした娯楽を楽しむ、あるいは、北海道のようなところであればスキーを楽しむとか、さらには、最近の流れとしては都市部でのショッピングもひっくるめて、そういったものを総称して観光という形で理解しているところだと考えております。 ◆松浦忠 委員  ところどころわからなかったけれども、よくわかりました。  そこで、市長、実は、私は、もう孫もいますが、子どもを2人育てました。夏になると、子どもを海水浴に連れていきました。一番、海水浴に行ったのが小樽の大浜なんです。大浜は全体が砂浜ですから、よく大浜に行きました。浜益に行くと、どっちかというと石ころがたくさんあって、小さい子はなかなか大変なのですよ。  私が選挙に出たころの32年前は、札幌市は、教育委員会が所管しまして、協定を結んで浜益に海水浴場を開設していたのです。それから、海の家も札幌市が経費を持って開設していました。そこで、私は、ことし、小樽市で、建築基準法の問題で大浜海水浴場が閉鎖になりました。そのことについて、私は、なぜ観光コンベンションのところで聞いたかといったら、以前の札幌市は海の家も含めて教育委員会でやっていました。それは何かといったら、昔から、ずっと戦前から、日本の小学校では、あるいは、高等科と言うと今で言えば中学ですね。高等2年までありました。私の田舎は江部乙村と言いましたが、そこから、蘭島の海水浴まで、2泊3日ぐらいで米を持って臨時列車で行っていました。私も、中学校のとき、当時は健康づくりと言うことでしたが、昭和27年、28年と2年間、まだ米が配給制のときに、2泊3日で増毛まで臨時列車で海水浴に行きました。  ところが、大島部長が言われたように、今は、海水浴に行くということは、健康づくりではなく、一家のレクリエーションです。レクリエーションも含めて、観光も含めて、いろいろな意味合いで幅広く海水浴場を使うということになっています。  今回、小樽市議会で、新市長が海水浴場を開設すべく補正予算を出しました。すると、議会の議論がどういうことになったかといったら、ほとんど札幌の市民が来て使っている、何でこの金のない小樽がしなきゃいけないと言って、議会で否決してあそこは閉鎖となったんですよ。  そこで、私は、ぜひ市長に求めたいのは、子どもも大人も含めた多くの札幌市の家族連れが大浜に行くわけですから、今はまだ10日ですから間に合いますので、すぐ小樽市と協議して、かつて浜益でやっていたように協定を結んで、札幌市があそこに海水浴場の施設を開設する。売店なんか、なくたっていいです。着がえるところとシャワーぐらいをつけて、事故防止の見張り員なども札幌市がちゃんと配置する。(「飲酒運転はだめだ」と呼ぶ者あり)酒の持ち込みは禁止です。伊与部さんは小樽出身ですから、取り締まりのほうは伊与部先輩にお願いします。そういうことで、ぜひやっていただきたいなというふうに思うのです。これは、札幌市民の多くの人から意見を聞いています。ぜひ、これをやるべきだと思うのです。間に合いますから、市長、ぜひひとつやってください。いかがでしょうか。 ◎秋元 市長  松浦議員の気持ちはよくわかります。小樽でもいろいろな議論があり、これから、例えば札幌がどうかかわるかという議論も出てくるかもしれません。しかしながら、ことしの夏の運営というのは難しいだろうというふうに思います。 ◆松浦忠 委員  シャワーをつけなくてもいいよ。嫌だと言うのなら、つけなくてもいいよ。見張り員ぐらい、ちょっと配置してやったらどうですか。できることをやって、その範囲の中で、皆さん、あとは自己責任で行ってくださいと。あそこは私も含めて本当にたくさんの人が思い出のあるところだし、これからも行くところだと思うのです。ですから、そういうことで、今ここで、そうつれない返事をしないで、持ち帰ってぜひ検討してください。(「検討の余地はない」と呼ぶ者あり)  こっちの大嶋さんは検討の余地がないと言っているけれども、向こうの大島さんなら観光で検討の余地ありだ、さっきの話からいったら。市長ね、検討してください、本当に。私はこれだけを求めて、終わります。  今、1回、ちょっとと言ったのに、またすぐに前言を翻すわけにもいかないでしょうから、持ち帰ってよくよく検討して、そして、札幌市民の期待に応えてください。小樽市には使用料をちゃんと払う。小樽はお金に困っているからね。ひとつ、そういうことでよろしくお願いいたします。 ◆中川賢一 委員  ただいま、先輩から観光の根本にかかわる非常に深い議論があった後で、大変僣越ではございますけれども、奥の深い観光に関しまして私からも何点かお伺いしたいと思います。  今回、秋元市長が一つの大きな目玉として観光事業を位置づけておられますので、我が会派でもほかの多くの委員が大変な関心を示されておりましたが、審査時間も限られているということで、私がまとめてお伺いさせていただきますので、若干長くなるかもしれませんけれども、ご容赦をいただきたいと思います。  まず、第1点目でございますが、今回、観光予算をほぼ倍増させるとして大幅な補正を要求されている点について、何点かお伺いしたいと思います。  市では、札幌のこれからの成長分野として観光を位置づけておられますが、そもそもの話として、どのような現状を踏まえた上でのこういう判断であり、また、観光でどのような将来の姿を目指そうとするのか、このあたりについてお伺いしたいと思います。  また、そういった方向性のもとで、現状はどのような課題があり、その解決や効果を目指して今回の事業を組み立てたのか、これについてもあわせてお伺いしたいと思います。 ◎大島 観光コンベンション部長  まず、現状把握と目指す姿についてということでございます。  札幌あるいは北海道における観光というのは、夏の冷涼な気候であったり、あるいは冬の魅力的なアクティビティーなど、他の観光都市にはない優位性を持っていると認識いたしております。さらに、昨今の状況といたしましては、円安やビザの緩和などを背景に日本を訪れる外国人が急増しておりますが、同時に、国内の都市間競争も激化している状況にございます。そのような中で、札幌市といたしましても、外国人観光客の誘致に向けた取り組みを積極的に行う必要があると認識いたしております。また、このように札幌の観光産業が飛躍的に拡大していく絶好の機会を迎えている中で、札幌市としましては、アジア有数の観光都市を目指し、国内外から多くの観光客を引きつける魅力的なまちづくりをしてまいりたいと考えているところでございます。  さらに、課題認識を反映させた事業の組み立てがどうなっているかというご質問でございます。  札幌の観光をさらに発展させるためには、さまざまな課題があると認識いたしておりますが、特に繁忙期と閑散期の観光客の入り込み数の差であるとか、急増する外国人観光客に対する受け入れ環境の整備などが主な課題として掲げられると思っております。これらの課題を解決するために、今後、優先的に取り組むべき分野といたしましては、観光イベントの魅力アップ、集客交流拠点の魅力アップ、外国人観光客誘致の推進、さらにはMICE誘致の推進といた四つの重点分野を設定しまして、今回、これらに対して重点的な予算措置を行っているところでございます。 ◆中川賢一 委員  今が観光にとって非常にチャンスの時期であり、そういった視点から、外国人などの取り込みに向けて四つの重点分野を想定してやっているということでございました。  そのような中で、今回の補正では、約5億8,150万円という大型の予算要求を行いまして、当初と合わせますと昨年度の2倍近い予算計上になります。これだけはっきりした行動を起こすということですと、当然、それ相当の説得のある具体的な目標、経済効果も同時に想定されているのではないかと思われますが、そういった具体的な目標等を想定しておられるのであればお示しいただければと思います。 ◎大島 観光コンベンション部長  具体的な目標の想定についてということでございます。  まず、平成34年度までの札幌観光の基本的な方向性を定めた札幌市観光まちづくりプランにおきまして、幾つかの数値目標を設定いたしております。具体的には、来札観光客数を平成24年度の1,304万人から平成34年度には1,500万人にまで増加させることや、観光消費額については、平成22年度の3,689億円を平成34年度には4,700億円まで拡大することなどを掲げております。これらの数値目標を確実にかつ早期に達成するために、今後、今回提出させていただいた補正予算に基づく取り組みを積極的に推進してまいりたいと考えております。 ◆中川賢一 委員  そういう大きな目標に沿った今回のお考えだということは、ある程度理解させていただきました。  ただ、今回、かなりの増額でございます。ただ、観光というビジネスは、お金をつければどんどん成果が出るというほど簡単なものではございません。客観的な環境分析とか自己分析、それに基づく戦略検討など、合理的なマーケティング等に基づいて、目標とするマーケットからどうやって今の目標に向けて的確に経済効果を上げていくのかということを考えていく必要があると思います。本来であれば、そういった視点からそれぞれの予算、事業について議論したいところでございますが、時間が限られておりますので、幾つかの事業についてのみお伺いしたいと思います。  まずは、イベントの魅力向上の事業についてお伺いしたいと思います。  今回の補正では、イベントの魅力向上として、雪まつりやオータムフェストの期間延長、また、ホワイトイルミネーションの一新といった予算が組まれておりますが、それぞれ三つの各イベントのターゲットや効果を具体的にどのように考えて事業を組み立てられたのか、まず、この点についてご説明いただきたいと思います。  また、その中でも特にホワイトイルミネーションに関しては、これは、もともと札幌が元祖と言えるようなイベントでございましたけれども、ご承知のように、昨今は全国各地でイルミネーションが数多くつくられていく中で、ある意味で札幌のイルミネーションの差別化がかなり難しくなってきたのではないかというようなことも言われております。そのような環境変化の中で、また新たにイルミネーションに投資していこうということですが、これによってどのように他と差別化し、札幌において持続的な効果を上げていこうとされておられるのか、このあたりについてお伺いしたいと思います。 ◎大島 観光コンベンション部長  まず、1点目の各イベントのターゲットや効果を考えた事業の組み立てということについてでございます。  もちろん、私どものイベントの魅力向上というのは、道内外からの観光客を増加させ、経済の波及効果を向上させること、これを目的に各イベントの魅力をさらに向上させるものでございます。特に、来場者数が既に200万人を超えている雪まつりやオータムフェストについては、雪まつりは大通会場のほかに東区のつどーむ会場もございますが、会場の収容人員が限界となっていることを考え、会期を延長することによって観光客を増加させ、経済波及効果を図ることを考えております。  2点目のホワイトイルミネーションにつきましては、実は、今年度は、新たな魅力を創出するため、会場展開に関する公募を実施して、将来に向かった設計図になるようなもの、それは、当然、大通公園全体としてというものでございますが、そういったものをつくることをまず第一に考えております。その上で、具体的には、昨今、いろいろなところで活用しているメディアアートの活用とか、あるいは、来場者参加型のイベントなどによるにぎわいを創出すること、あるいは、物販や飲食などのサービスを強化することによって一定の経済効果が期待できるようなイベントを目指していくことを考えてございます。 ◆中川賢一 委員  イベントにつきましても、本当にいろいろ検討され、計画されているというお話でございます。イベントというものは、結果的にそれでどのような効果が上がるのかというところが問題になってくると思います。札幌は、この三つのイベントのほかにも、YOSAKOIは札幌市のお祭りではありませんが、非常に知名度の高いイベント、特徴のあるイベントが多くございます。それはそれでいいのですが、とかく、イベントの問題としては、とにかく人が多く集まるとそれだけでかかわっている人が何か評価されたようなことでうれしくなってしまうことがございますけれども、その結果として果たしてどのような効果を生み出していくのかといったきちんとした目的とか成果を明確にして取り組まなければ、単なる自己満足のお祭り騒ぎに終わってしまうおそれがございます。一口に観光、イベントと言っても、得られる効果はさまざまでございまして、単純な来場者数とか、また、そこから得られる一時的な収益、また、近隣エリアでの販売増などの空間的な波及収益、さらには、そのイベントのプロモーション効果とか、設備投資効果としてイベント後に得られる時間的な波及収益、こういったものをしっかり考えていかなくてはならないかなと思っております。  その中でも、特にイルミネーションに関しては、今、るる説明がございましたけれども、今回拡充する三つのイベントの中でも、他地域との競争という意味では一番効果が気になるところでございます。実際、神戸や仙台など他の都市の民間の施設でも、札幌のものとはゼロが一つ違うような予算をかけたイルミネーションが出てきておりまして、そういった意味では、今回、単にエリアを拡大したり、ゴージャスにすれば競争力が高まるというふうにも到底思えないわけであります。  そんな意味では、先ほど部長のご説明にもありましたが、周辺のいろいろな事業者とのタイアップイベントとか、いろいろな販売促進といった相乗効果を積極的に生み出していくことも大変重要ではないかと思っております。今回、公募で事業者を選定されるということですので、今おっしゃられたようなことが実現できるような事業者をこれまでの先入観にとらわれない視点で選定し、民間のアイデアや協力を最大限引き出していけるように取り組んでいただきたいと思います。  次に、観光というと、最近、大変ブームになっております外国人観光、国際観光につきまして何点か伺いたいと思います。  先ほどのご答弁の中でも、外国人の誘客が一つの大きな契機だということでございまして、それもあって予算を大幅に増額計上しておられますけれども、まず、札幌における外国人誘客を推進していく上での課題をどうお考えになっておられるのか、また、その課題は、どういう取り組みやプロセスから課題だと考えるに至ったのか、こういったところについてお考えを伺いたいと思います。  また、今回の予算、事業を見ますと、私の勘違いかもしれませんが、どうしてもプロモーションやイベントなど呼び込むための取り組みばかりが目立つように思われます。一方で、実際に外国人が利用するホテルとか交通手段といったインフラ面の問題意識は、正直に言って、今回の事業の組み立てからは余り感じられないという印象を持っておりますので、このあたりの考え方、見解についてもお考えをお聞かせいただければと思います。 ◎大島 観光コンベンション部長  外国人観光客を誘客する上での課題とそれをどのような取り組みやプロセスから課題であると把握したのか、ここはまとめて答えさせていただきます。  私どもとしては、まず、さまざまな統計資料に基づいていろいろな判断をしておりますが、日本政策投資銀行の平成26年度の訪日外国人旅行者の意向調査によれば、台湾や香港、シンガポールといったところでの札幌の認知度は一定程度あるものの、インドネシアであるとかマレーシアにおける認知度はまだまだ2割台程度でありまして、認知度が不足している状況にございます。そうした国々に対しては、まず、幅広く札幌の認知度や訪問意欲を高めていくようなプロモーションを行うとともに、それらの国々も含めて、アジア各国の旅行会社に北海道旅行を促進する旅行商品の造成について一層働きかけていかなければならないものと考えております。さらに、受け入れ環境につきましても、観光施設はもとより、ホテルや飲食店などの民間事業者の外国語対応力の向上などを図っていく必要があるものと考えております。  ご質問の2点目のホテルや交通などインフラ面について問題意識を持っていないのかというお尋ねでございます。  当然、インフラ面における課題も認識しております。特に、夏場のピーク時におけるホテルの客室数の不足、さらには、観光バスやドライバーの不足、さらに、これは札幌市域以外の話にはなりますけれども、新千歳空港の国際ターミナルのキャパシティーなどインフラ面についても幾つかの重要な課題があるものと認識いたしております。 ◆中川賢一 委員  プロモーションに関しても、これからまだまだやっていかなければならないエリアもあるのだということでございました。当然、世界中に札幌のことが十分知られているというわけではありませんが、そんな中でも、このところ、アジアを中心とした市場での北海道の知名度、イメージは、各方面の調査や報道等を見ても実際のところはかなりのものではないかと思いますし、同時に札幌の知名度も高まっているのではないかと思われます。また、札幌の場合は、札幌単体を海外で改めてさらに売り込まなくても、北海道の知名度が上がって来道客がふえますと、ある意味で連動して自然的に訪問客がふえるというのは札幌の恵まれた点でもございます。実際、今の統計でも札幌の外国人入り込み数は、道全体と比較して数字的にはそれほど遜色がないものだと認識しております。  今後も、アジアを中心に札幌に来たいという客をふやしていく努力は私も否定いたしませんが、今お話ししたような部分を考えますと、実際に来たくなっている人がアジアにいるとして、むしろ、その人たちが実際に来やすくなるような取り組みもこれからはもっと力を入れていく段階に来ているのではないかと考えております。今回の予算、事業でもアジアを中心としたいろいろな市場にプロモーションに行かれるということなので、そうした際には、PRというプロモーションも当然必要でございますが、今言ったように、実際に来たくなった方が来られるようなことに向けての課題を現地でしっかり調査、把握してくるほうが今のステージでは重要ではないかと思います。せっかくの事業でございますので、そういった点も踏まえて最大限に事業効果を上げてほしいと思います。  また、ホテルやインフラにつきましても、ピーク時と変動があったり、バスの問題、また、札幌ではどうしようもない空港の問題等があるのは私も重々承知しております。ですから、今回は個別の部分には余り深入りいたしません。しかし、札幌市単体で考えられることに関して、例えば、観光産業に力を入れると言いながら、企業誘致推進分野に観光産業が入っていないようなこともございますし、産業政策全体としての整合性、連携といったことも十分に考えていただきたいなと思います。こういった点については、また別の機会に、必要な部局も踏まえていろいろお伺いしたいと思います。  最後に、MICE関連の事業について、何点か伺いたいと思います。
     今般、MICE関連の誘致強化に向けて、施設整備の検討事業を実施されるということでございますが、この調査研究における調査の視点と方法について、まず、ご説明をいただければと思います。  そして、その調査研究を実施していく上では、どのような専門的なスキルが必要になってくるのかということについても、あわせてお伺いしたいと思います。  そして、MICE関連ではコンベンションビューローの体制を強化するということでございますが、MICEの誘致戦略にたけた人材としてどういう能力が求められるとお考えになって、今回、プロパー職員の増強という結論に至ったのか、この点についてお伺いしたいと思います。 ◎大島 観光コンベンション部長  まず、施設整備計画における調査研究の視点と方法についてお答えいたします。  今回の調査は、主にニトリ文化ホール閉館後の札幌のMICE環境について、国内外のMICE都市との競争に打ち勝っていくために必要な施設の機能、規模、施設の候補地、設置後の管理運営手法などを検討するために実施するもので、当然、専門知識を有する事業者に委託調査の形で実施することを考えております。  2点目に、調査研究に必要なスキル、あるいは能力ということでございますが、受託者には、MICEの運営や戦略、国内外の誘致開催の実情について一定の知見を有し、かつ、学会、国際会議等の主催者や参加者のニーズ等を的確に把握し、分析できる能力が必要とされるものと考えております。  次に、MICE誘致戦略にたけた人材に求められる能力とプロパー職員の増強という判断についてのご質問でございます。  MICE誘致を担う人材には、まず、例えば国内外の学会であるとか、そういったキーパーソンと幅広く、かつ継続的に接触して、業界や人物に関する情報、それから、最新の学会の開催情報などを収集し、分析できる能力、あるいは、主催者のニーズを的確に把握して、これに応える支援を行っていく能力、そういったかなり専門性の高い能力が求められると考えております。  実は、札幌国際プラザのコンベンションビューローにおきましては、これまでも、MICEの誘致のための専門組織として活動してきており、その機能を高めると同時に、そういう専門的な能力を有する人材を増強することによって、より確実にMICE総合戦略で設定した目標を達成していくべきである、このように考えた次第でございます。 ◆中川賢一 委員  MICEの誘致を推進していくに当たって、どういった能力、また人材が必要かということで、私も今ご説明いただいた部分が必要であると考えておりまして、方向性としてはおおむね共有するところでございます。  しかし、MICEというものは、今、部長のご答弁にもございましたとおり、国内外の競争が非常に激化しておりまして、現実問題として、こういう人間が必要だと言うのは簡単でございますけれども、実際にそれを得ることは、これまた極めて競争の激しいことではないかなと認識しております。そういう意味もございますので、これからの委託期間、また、人材の選定に当たりましては、身近なところで簡単に結論を出すのではなく、幅広くいろいろな方面からそれに適した人材、機関を検討していただくことをお願いいたしまして、大変長くなりましたが、私からの質問を終わらせていただきたいと思います。 ◆成田祐樹 委員  先ほど大浜海水浴場の話がございましたが、昨年末まで小樽市会議員をしていた者として、現地は非常に複雑な問題があること、また、侵食によって常にセットバックを強いられている地域であること、そもそも違法な建物が建っていることなど、さまざまな点がありますので、非常に慎重に扱わなければならないということを一言申し添えておきたいと思います。詳しいことは、こっそり聞きに来てください。  それでは、オータムフェストについて質問させていただきたいと思います。  初めての開催から7回を経まして、おととしは164万人、昨年は200万人の来場者数となり、秋の一大イベントとなったオータムフェストですが、観光資源として大きく成長したことで札幌への集客効果が高くなっており、今では、札幌市の秋には欠かせないイベントになるまでに成長したと思っております。これは、観光協会や市を初めとした関係各所の大きなご努力によるものだと認識しておりますが、短期間でこれだけ大きく規模が拡大すればするほど、イベントの運営に対して市民や事業者からさまざまな意見が寄せられて、大通でのイベント期間が長くなることによって、オータムフェストをもっと楽しめるといった喜びの声も聞こえる一方で、イベントのめり張りが見えにくくなるという声も聞こえてまいります。私自身もオータムフェストを楽しみにしている一人ですが、よりすばらしいイベントになっていってほしいという期待を持った中で質問させていただければと思います。  そこでまず、お伺いしますが、今回、オータムフェストの開催期間延長や会場を拡大した意図をお聞かせください。  また、拡大された部分は、どのようなコンセプトのもとで運営されるのか、方向性をお聞かせください。 ◎大島 観光コンベンション部長  まず、開催期間の延長や会場を拡大した意図についてでございます。  開催期間の延長につきましては、昨年のオータムフェスト会場で実施したアンケート調査がございまして、その中で会期延長の設問に対しまして、賛成またはやや賛成と回答した方が81.9%の数字になっております。そういった形で多くの方々が会期の延長を希望していたこと、それから、先ほど委員からご指摘いただきましたように、初めて200万人という大台に乗りまして来場者も非常に急増していること、さらに、10月は実は札幌の観光にとりましては閑散期となってまいりますので、閑散期対策にも有効と考えて開催期間を1週間延長するという判断をいたしているところでございます。  また、会場の拡大につきましては、昨年度は、実は大通の西4丁目が大通交流拠点工事によって使用できなかったのですが、工事が終わりましたので今年度は西4丁目も会場として使うという考え方をしております。拡大する4丁目会場について、コンセプトというほどのお話ではなく、使い方についてでございますが、基本的に、他の会場と同様に札幌や北海道を代表する秋の味覚を幅広く提供していくほか、総合案内所を設置いたしまして会場や観光情報の案内、お勧めグルメの紹介などを提供する情報スポットとして使ってまいりたいと考えております。 ◆成田祐樹 委員  本題に入っていきたいと思いますが、会場の運営に関して広告代理店が入っているということは、出店者の選考や会場の運営を広告代理店に任せられるというメリットもありますし、また、会場全体の運営を考えると、ここはやっぱり民の力でやることが理にかなっているとは思います。  ただ一方で、代理店が入ることによって一つの課題も浮かびます。昨年の1定の予算特別委員会で我が会派の桑原議員が、そして、決算特別委員会では宝本議員が、オータムフェストへの出店について公平性や透明性の確保が課題になるのではないかという点を主張されておりました。それだけオータムフェストがにぎわいを見せるイベントになったわけですから、こういう声はどうしても少しずつ出てきてしまうと思います。  また、広告代理店の設定するロイヤリティーも、全国の他市のイベントと比べて高いと言われております。全国的に有名な食を軸としたイベントの多くにおいてロイヤリティーは10%と聞いています。また、出店料に関しては大体の場合は数万円程度で、とらないケースも多くあって、つまり、ロイヤリティーの10%だけか、もしくは10%プラス数万円が標準的なパターンだと聞いております。当然ながら、ロイヤリティーが高い、出店料が高いということであれば、出店者にとっては、利益を出すために他のイベントや実際の店舗での提供と比べて高い価格で提供する、もしくは、原材料費を落として質が低いものを出すか、2パターンになってしまうわけです。訪れた市民や観光客からは、本来得られる対価として考えた場合、他のイベントなどと比べると相対的に低くなっているのではないかという声も聞こえてくるわけです。  確かに、運営に関しては、ロイヤリティーや出店料といった収入が必要だということは重々承知しております。しかしながら、商業化が過ぎる部分で、本来のイベントの目的を少し失っている感じがするかなと思うのです。公園という公共の場を利用して、かつ市税が投入されていることを考えれば、市民や観光客にとって得られる利益が高くなったほうがいいですし、また、市内の事業者が利益を得られることが優先順位として高くなるべきであると思うのです。しかし、代理店が一番利益を得る形になってしまうのであれば、本来のイベント目的とは少し趣旨が違うのではないかなというふうな声も聞こえてきます。  かといって、運営側である各代理店にも利益が入らなければ運営自体が困難になるわけですから、このバランスは非常に難しいと思うのですが、そこで、こういった会場を担当する広告代理店に対して、選考方法やロイヤリティー、また出店料に関してどのように指導を促しているのか、お答えいただければと思います。 ◎大島 観光コンベンション部長  会場を担当する代理店の選考方法やロイヤリティー、出店料に関する指導についてのご質問かと思います。  まず、会場を担当する会場管理者の選考方法につきましては、公平性を確保するための工夫として、実行委員会で提示する各会場のコンセプトに基づいて代理店を公募して、その中から優秀な者を選定しております。その管理者を決定する審査会におきましても、提出された計画書に基づいて、ロイヤリティーや出店料を含め、当然、出店者募集方法の妥当性を評価に入れた上で選定手続を行っているところでございます。 ◆成田祐樹 委員  ロイヤリティーの数字はお答えいただけませんでしたが、こういった形で通常の2倍ぐらいに設定しているところもあると聞いておりますので、ここの部分は代理店側が余りに強くならないように配慮していただきたいと思います。  全国の他市の例を見ますと、食をPRするイベントにおいて出店者を選考する場合、1事業者に出店させるのではなく、観光協会や漁協、農協、またはご当地グルメなどをPRする市民ボランティア団体が出ている場合が多いと聞いております。とりわけ公園といった市内の公共施設などを利用する場合には、なおさらその傾向が強いというふうに聞いております。  例えば、全国的に有名になりました八戸せんべい汁を挙げますと、ここでは、八戸せんべい汁研究所といった市民ボランティア団体をつくって、全国各地のイベントでご当地グルメを提供しながら、観光パンフを配り、八戸に来てください、おらがまちに来てくださいという仕掛けをしているそうです。そこには事業者は入らず、せんべい汁が売れても、自分の懐に何も入らない、全く利害関係のない人だけでPRを行い、販売した利益は次のイベントでPRする旅費にしているそうです。  こういったまちおこし団体は、政令市も含めて全国には70団体近くあると聞いております。北海道内でも釧路や名寄、北見、小樽などにあるそうです。また、東北新幹線の沿線地域にも多くあると聞いています。こういった公共性の高い団体に出店してもらえれば、特定の事業者だけが利益を得るというような疑念も払拭できますし、また、逆に相手側の土地のイベントに招待されて、札幌に来てくださいというPRをしに行ける機会をいただけるパターンがあるとも聞いています。来年は函館まで新幹線が延伸されて、いずれ札幌まで来るわけですから、食を起点にして相互にご当地を訪れていただく、早くからこういった仕掛けをしていくほうが札幌の将来的な観光振興に寄与するのではないでしょうか。  オータムフェストの開催日の拡大の理由は一定程度理解できますし、より大きなイベントとして根づいてもらいたいとは思うのですが、単に販売を促すだけではなく、訪れるきっかけを提供するという本来の部分を尊重しながらオータムフェストを盛り上げていってほしいと思いますけれども、今後のオータムフェストの展開についてどのようにやっていくのか、お聞かせ願えればと思います。 ◎大島 観光コンベンション部長  本来の訪れるきっかけをつくるということを踏まえた上で、今後の展開についてというご質問でございます。  まず、オータムフェストは、秋の札幌を代表するイベントとして観光客を集客するということが大きな目標の一つとしてあります。ただ同時に、委員がご指摘のとおり、来場者に道内各地域の食に出会う機会を設けて、ある意味では札幌がアンテナショップの役割を果たすことでそういった地域を訪れるきっかけづくりにする、これももう一つの目的としております。このため、会場管理運営業務の仕様書の中では、食の提供にとどまらず、出店地域を訪れるきっかけとなるようなPRを盛り込むことにしておりまして、具体的には、各市町村のゆるキャラによるプロモーション、あるいはステージを使ったPRイベントなど、そうしたメニューも実施しているところでありまして、当然、これらについては引き続き継続していく考え方でおります。 ◆成田祐樹 委員  最後に、お伺いしますが、こういったご当地グルメなどを販売する際に、実際にはそのご当地に店舗も会社も工場もないのに、著名なご当地グルメを名乗って販売する事業者が出ているケースがあるというふうに聞いております。いわゆるブランドのただ乗りというものです。これは、商標法、もしくは不正競争防止法に抵触してしまう場合もあり、こういったケースはご当地グルメが脚光を浴びるとともにさまざまなイベントで散見されるようになってまいりました。そこで、昨年、特許庁においても、地域団体商標の取得要件の緩和などを行って地域ブランドを守る方向を示してきました。  しかしながら、札幌市内を見ますと、オータムフェストと同時期に大手の代理店が市内中心部で開催された食のイベントにおいて、東北復興をメーンとしたブースを展開していたのですが、その地域において全く販売実績がない出店者がご当地グルメのブランドを利用して販売したケースが見られました。こういったことに関して、ご当地グルメのブランドをただ乗りする出店者がないように運営側にしっかりと指導を促していただきたいと思うのですが、見解をお聞かせ願えればと思います。 ◎大島 観光コンベンション部長  ご当地グルメのブランドにただ乗りするような出店者がないよう指導を徹底するということについてお答えいたします。  まず、オータムフェストのような食のイベントにおきまして産地偽装などがあった場合には、そもそもイベントのイメージを大きく損ねる、あるいは、来場者の信用を著しく損ねる危険性があることは認識いたしております。このため、会場管理運営業務の仕様書におきまして、産地表示に虚偽がないようメニューを管理すること、悪質な産地偽装があった場合、出店者に対して出店停止等の措置をとることがあることなどを明記いたしておりまして、今後も引き続きそのような悪質な違反がないように会場管理者に指導していくこととしております。 ◆成田祐樹 委員  今、産地に関してご答弁がございましたけれども、産地だけに限らず、ブランドにただ乗りするというのは、当地の食材を使わなくてもそのブランドだけで、要は何だか焼きそばみたいな話だけで販売するケースがあるのです。そこの事業者から麺を買ったとしても、そもそもご当地で提供していなければ、当然ながら味も全然違いますし、一部分だけ地元商品を使ったからといって本当に当地のブランド化した焼きそばだったりご当地グルメになるかというと、これは違うと言っているのですよ。特許庁もそういう見解を出していますし、日本弁理士会もこういったことに関して警告を発しております。産地偽装もそうですが、それだけではありません。ご当地ということでブランド化するために、団体もしくは行政もかかわって地域で一生懸命になって取り組んでいる場合があります。そういう中で、ご当地のものを一部使っていたとしても、実際はその地域に縁もゆかりも全くないところが名前をかたっておいしくないものを提供して、かえってブランド力を落とすケースが見られますので、ぜひこういった部分も見ていただきたいなと思います。  何でこんな質問しているかといいますと、売らんがためのイベントになってしまうと、こういう大事な部分は、えてして見落としがちになって、せっかくの本来の地域のPRという部分がずれてしまうおそれがあるのですね。先ほど、部長も、地域のアンテナショップになってほしいとおっしゃっていただきました。今、こういうふうに大きく成功しているオータムフェストですから、ほかの地域のPRにもより一層協力していく、そして、札幌を起点として北海道内を回ってもらい、また札幌に戻ってもらうような、オータムフェストはそんなイベントとしてどんどん飛躍していってほしいと思っております。こういった部分で皆様がご努力されていることは重々承知しておりますので、ことしも、より一層、オータムフェストが成功することを願いまして、また要望いたしまして、私からの質問とさせていただきます。 ◆しのだ江里子 委員  私は、国際観光促進事業の中で、富裕層の外国人観光客の誘致について質問させていただきます。  先ほどの質疑の中でも出ておりましたが、札幌市の2014年度の上期の外国人宿泊者数は前年度比28.1%増の59万9,000人で、上期の過去最多を記録しています。中でも、中国からの観光客が前年に比べて9割増、そして、タイからの観光客も対前年同期比3割増と依然として好調でありました。このように、アジアの国々から札幌を訪れる観光客の数が衰えることを知らず、増加しているのは、それぞれの国々にとって、札幌、北海道の自然や食、そして、札幌という都市そのものが魅力的であり、満足度が高いことをあらわしており、引き続き、今後もそうした国々に積極的に魅力を発信して、何度でも札幌を訪れていただけるように誘客していただく必要があります。  一方で、これからは、札幌を訪れている外国人観光客に、より高品質な札幌の魅力を体験し、味わっていただくことを通じて、札幌に滞在する間の消費を拡大していくことについても取り組んでいかなければなりません。まさに、消費意欲の高い外国人観光客が地域にもたらす経済効果は非常に大きなものであり、交通や宿泊にとどまらず、幅広い分野に及ぶと考えます。札幌市が今後もこうした外国人観光客がもたらす経済効果を得ていくためには、リピーターの確保も含めた外国人観光客の増も重要でありますが、同時に、旅行にお金をかけることを惜しまない富裕層の誘客を図ることも重要であると考えます。  ちなみに、2018年までに、中国の富裕層と言われる個人純資産100万ドル、約1億円を超えるミリオネアは4,700万人を超えると言われておりまして、彼らの1回の旅行で消費する金額は平均120万円と言われています。一方で、JNTO、日本政府観光局によりますと、今、日本を訪れている中国人観光客の消費金額は平均して20万円ですから、伸びは十分期待できると思います。民間事業者の話では、北海道は宝の島であり、豊かな自然、四季、食はもちろんのこと、夏のゴルフや冬のスキーなど富裕層に訴求する素材が山ほどある、高い潜在能力を持った旅行地であると言われております。富裕層の誘客を図るためには、こうした北海道、札幌の持つ優位な素材を彼ら富裕層の旅行ニーズに応える観光資源として改めて魅力づけをしていくことが必要であると考えます。  そこで、質問ですが、富裕層の外国人観光客の旅行ニーズについてどのような傾向があるとお考えなのか、また、そうした旅行ニーズに応える観光資源として、札幌にはどのような資源があると考えていらっしゃるのか、伺えます。 ◎大島 観光コンベンション部長  富裕層の旅行ニーズについてお答えいたします。  中国やASEANの旅行会社からヒアリングをしたところでは、特に富裕層の外国人観光客は、いわゆる団体旅行よりも家族やグループといった少人数での旅行をする傾向が強く、旅行先ではそれぞれのニーズに応じたオーダーメードによる旅行プランを求める傾向があると聞いております。また、そういったニーズに合う札幌の観光資源といたしまして、例えば、近郊のスキー場でのスキー体験、あるいはカーリング場でのカーリング体験、豊平川上流でのラフティングやカヌーの体験など、旅行のオプションとして富裕層に喜ばれる観光資源があり、実際にセールスプロモーションの場におきましても現地の旅行会社の関心の高いところであったというふうに理解いたしております。 ◆しのだ江里子 委員  富裕層の旅行は、家族やグループなどの少人数で訪れて、そして、特別な体験に期待する傾向があるということで、そうしたニーズに応える観光資源を提供し続けるということは、次も札幌、北海道を訪れたいという気持ちにさせるものだと思います。引き続き、富裕層が魅力と感じる観光資源の発掘に力を注いでいっていただきたいと思います。  同時に、富裕層の外国人観光客に札幌へ確実に来ていただくためには、そうした特別な体験を提供できる観光資源が札幌にあることを知っていただき、興味を持っていただかなければいけないと思います。市内の民間事業者の中には、最高の北海道を富裕層に届けようと、中国を中心としたインターネットユーザーを対象にネットのウェブサイトをつくり、富裕層の受け入れ体制を強化しているところもあります。そうした事業者は、北海道のさまざまな魅力と旅行を組み合わせて、まさにプレミアムな商品に仕立てて最高の札幌、北海道を富裕層に届けるためのプロモーションにも非常に積極的であると聞いています。アジアの富裕層の訪日旅行の目的地として札幌、北海道が選ばれるためには、こうした民間事業者とも連携して、さまざまなチャンネルから確実に札幌、北海道の魅力を伝えていくことが重要であると考えます。  そこで、質問ですが、アジアの富裕層に対して具体的にどのようなプロモーションを考えていらっしゃるのか、また、こうした民間事業者との連携についてどのようにお考えなのか、伺います。 ◎大島 観光コンベンション部長  富裕層に向けたプロモーションと民間事業者との連携につきましてお答えいたします。  まず、アジアの富裕層に札幌観光の魅力を確実に伝えようとした場合には、どのような媒体を使って情報を発信していくかということが非常に重要になると考えております。そうした観点からは、例えば富裕層が定期購読する雑誌等への広告の出稿や、彼らの利用の多いウェブサイトやソーシャルネットワークを活用した情報発信を行うことも有効ではないかと考えております。  また、民間企業との連携でございますが、これまでも、現地の旅行会社に対し、富裕層向けの観光商品の紹介を行ってきたところでございますが、今後は、より一層、富裕層の観光客取り込みに積極的な市内事業者などとの連携を深めながら、彼らが提供する質の高い観光商品を紹介するなど、共同での誘致の取り組みを進めてまいりたいと考えております。 ◆しのだ江里子 委員  要望です。  先ほど例に挙げた中国人の2014年の海外旅行者数は延べ1億1,500万人だったということで、その中で、日本を訪れたのは約241万人、さらに北海道を訪れたのは約25万人、札幌を訪れた中国人観光客数はおおむね9割と言われているので約23万人ぐらいだったのかなと思います。民間事業者は、北海道のよさは自然を丸ごと体験できる大きさであると言っています。その中心である札幌、また北海道には可能性がまだまだ残されておりまして、発掘されていないところが多々ございます。民間事業者は、日本語、英語、中国語の3カ国語対応のウェブサイトを立ち上げまして、さらに、毎年カンヌで行われている富裕層旅行専門の商談会に足を運ぶなどしてプレミアムな商品を営業すると聞いています。先ほどの答弁にもありましたように、今の時期ならば、札幌に滞在し、インドアでカーリングをしたり、豊平川でのラフティングとかカヌー遊びとか、まさに自然に親しみ、そしてまたPMFコンサートを聞くなど、まさに札幌ならではの特別な体験ができると思います。さまざまに提案できる取り組みに対して、持てる力を遺憾なく発揮していただいて、民間事業者とも連携をしつつ進めていただきたいと思います。そしてまた、中国市場においては、北京事務所とともにしっかりと進めていただくことを求めて、私の質問を終わります。 ◆中山真一 委員  私からも、国際観光誘致につきまして質問させていただきます。  これまで、各委員からも質問がございました。それ以外の観点で、できる限り端的に2〜3の質問をさせていただきます。  まず、実際に誘客につなげる国際観光誘致のあり方について質問させていただきます。  私が市内の国際観光にかかわる民間企業や団体の方々、道内自治体関係者の方々とお話をすると、これまでの本市の国際観光誘致の取り組み、特に近年の取り組みに対して評価する声が大変多く聞かれます。実際に外国人宿泊者数も観光客数も急増しております。平成26年度の新千歳空港の直接入国者数で見ると、前年比が135%となっています。一方、例えば、関西空港では前年比141%、沖縄空港では前年比171%に上っております。さまざまな要素がありますので一概に申し上げることはできませんが、もっともっと伸ばせる可能性もあるというふうに私は考えております。  このように、市の内外で国際観光誘致への期待がますます高まる中、昨年度の事業報告も見せていただきましたが、今後は、これまでの旅行博出展、商談会、キーパーソンの招請等による情報提供や魅力の発信にとどまることなく、実際の商品造成につながる取り組みや実施後のフォローアップ等に今まで以上に注力すべきだと考えますが、どう思われるか、伺います。 ◎大島 観光コンベンション部長  商品造成につながる取り組みやフォローアップ等の考え方についてというご質問だと思います。  海外への観光プロモーションにおきましては、単に札幌の観光資源や魅力を発信するだけではなく、現地の人々の札幌への訪問意欲を高め、かつ、旅行会社の商品造成につなげていくことが肝要であると考えております。こうした観点から、これまでも、旅行会社との商談会や招請時においてイベントやアクティビティー、食の魅力を紹介し、現地の旅行会社に対する商品造成を働きかけてきたところでございます。今後は、さらに、一定程度、札幌に対する認知度や訪問意欲が高まった国の商談会に民間事業者とともに参加し、現地の旅行会社の商品造成をより一層促進していくことなどについても検討してまいりたいと考えております。 ◆中山真一 委員  限られたマンパワーだと思いますが、実施後のフォローアップや商品造成の状況のモニタリングなど、めり張りをつけて実際に商品造成につなげる取り組みに今まで以上に注力をお願いしたいと思います。  次に、これまで以上に効果的な国際観光誘致の取り組みを進めるための体制について伺います。  本市では、国際観光誘致事業実行委員会を組織し、そこでは札幌商工会議所や札幌観光協会と連携した誘致プロモーションが展開されております。委員会には、旅行業協会やホテル、エアラインなどの業界団体や民間企業も参加されておりまして、官民一体で誘致に取り組んでいける体制は整っていると思われます。  そこで、質問ですが、これまでこの委員会においてどのように連携し、どのような事業を実施してきたのか、お伺いいたします。  また、本年度の事業実施に当たり、委員会の持つポテンシャルをしっかりと発揮するため、どのような方向を見据えて、どのように連携を強化していくことを考えているのか、お伺いいたします。 ◎大島 観光コンベンション部長  国際観光誘致事業実行委員会の取り組み実績と今後の取り組みについてお答えいたします。  国際観光誘致事業実行委員会では、これまで、委員会メンバーが連携いたしまして、中国、台湾といった東アジアやタイ、シンガポールといった東南アジアの10カ国地域で旅行博への出展や広告事業、旅行会社のキーパーソンの招請事業等を実施してきました。今後は、委員会メンバーの有するネットワークをさらに活用いたしまして、より多くの民間事業者を巻き込み、現地での旅行意欲を高めるためのプロモーションや質の高い商談会の実施に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆中山真一 委員  官民一体となった戦略構築や情報やノウハウの共有など、この委員会が果たすことのできる役割はまだまだ大きいと考えます。さらなる活用に向けた取り組みに期待しております。  最後に、北海道や道内自治体との連携についてお伺いいたします。  北海道の観光の魅力は、雄大な自然や冬の雪を初めとした四季の魅力、食、自然と一体となったアクティビティーなどさまざまございます。北海道も、道内自治体においても、国際観光誘致を大変評価しております。そのような中、限られたマンパワーや財源を有効に活用していくことが不可欠であると考えます。  札幌市として、そうしたさまざまな魅力を有する道内の自治体や北海道との連携についてどのように考え、具体的にどのような取り組みを実施してきたか、お伺いいたします。  また、さらなる連携強化のための仕組みや体制も含めた取り組みについてどのようにお考えか、伺います。 ◎大島 観光コンベンション部長  北海道や道内自治体との連携についてでございます。  北海道の有する四季やさまざまなアクティビティー、食といった魅力を幅広く紹介し、多様化している外国人観光客のニーズに応えていくためにも、北海道や道内の自治体との連携は欠かせないものと認識いたしております。札幌市は、これまで、例えば小樽市やニセコ町、倶知安町と連絡会議を設置して、海外の旅行会社招請事業などにおいて協力して受け入れを行ってきたところでございます。今後は、こうした近隣自治体との連携に加えまして、外国人観光客の道内周遊旅行をより一層促進していく観点から、北海道はもちろん、道内の主要都市との関係を強化し、旅行博出展などのプロモーションや観光資源の開発などの面でも連携を強めてまいりたいと考えております。 ◆中山真一 委員  さまざまな場面での連携を強化するというお話をいただきました。  北海道や道内の他の市町村としっかりと連携し、北海道の魅力を高めていく、そのために、札幌がどういう役割を果たしていくのか、何ができるかという視点が大変大切だと考えております。特に、国際観光誘致は、札幌単体だけで取り組むのではなく、道内自治体とより一層連携して、それぞれの魅力を高め、一体となってそれを発信していくことが、札幌市にとっても、札幌市民にとっても大変利益になることだと考えます。今後、冬季オリンピック・パラリンピック招致を初め、スポーツコミッション設立など、本市と北海道のさらなる連携が求められるプロジェクトが数多く予定されております。この国際観光誘致事業がさまざまな分野での北海道との連携強化のモデルとなり、その先導役を果たすことを要望して、私の質問を終わります。 ○小須田悟士 委員長  以上で、第1項 商工費のうち、関係分の質疑を終了いたします。  以上で、本日の質疑を終了いたします。  次回は、次週7月14日火曜日午後1時から、本委員会に付託されました全案件に対する討論及び採決を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       散 会 午後7時2分...