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平成24年第二部予算特別委員会−03月21日-08号
平成24年第一部予算特別委員会−03月21日-08号

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  1. 札幌市議会 2012-03-21
    平成24年第一部予算特別委員会−03月21日-08号


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    平成24年第一部予算特別委員会−03月21日-08号平成24年第一部予算特別委員会  札幌市議会第一部予算特別委員会記録(第8号)               平成24年(2012年)3月21日(水曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 34人     委 員 長  こんどう 和雄      副委員長   小 倉 菜穂子     委   員  武 市 憲 一      委   員  宮 村 素 子     委   員  鈴 木 健 雄      委   員  山 田 一 仁     委   員  飯 島 弘 之      委   員  細 川 正 人     委   員  よこやま 峰子      委   員  宗 形 雅 俊     委   員  こじま ゆ み      委   員  北 村 光一郎     委   員  川田 ただひさ      委   員  西 村 茂 樹     委   員  猪 熊 輝 夫      委   員  畑 瀬 幸 二     委   員  ふじわら 広昭      委   員  三 宅 由 美     委   員  林家とんでん平      委   員  長谷川   衛     委   員  小 川 直 人      委   員  宝 本 英 明     委   員  村 上 ゆうこ      委   員  林   清 治     委   員  本 郷 俊 史      委   員  谷 沢 俊 一     委   員  芦 原   進      委   員  國 安 政 典
        委   員  井 上 ひさ子      委   員  坂 本 恭 子     委   員  小 形 香 織      委   員  石 川 佐和子     委   員  堀 川 素 人      委   員  木 村 彰 男       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午後1時1分 ○こんどう和雄 委員長  ただいまから、第一部予算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、五十嵐委員からは飯島委員と、阿部委員からは川田委員と交代する旨、それぞれ届け出がありました。  それでは、議事に入ります。  第2款 総務費 第2項 市民生活費中市民まちづくり局関係分、第7款 土木費 第6項 公園緑化費中市民まちづくり局関係分及び議案第33号 住居表示を実施する市街地の区域及び当該区域における住居表示の方法を定める件について、一括して質疑を行います。 ◆小形香織 委員  私からは、消費者センターについて、それから、平和都市宣言普及啓発事業について、この二つを分けて質問いたします。  まず初めに、消費者センターに関係する質問です。  消費者センターは、市民の暮らしを守るゲートキーパーの役割を果たす場所だと思いますので、市民のさまざまな相談に乗れるように相談体制の充実が必要だと思っています。昨年の決算特別委員会で、私は、消費者センターの土曜・日曜・祝日での電話での対応を行うこと、それから、メールによる相談を受け付けるようにすることを求めました。  まず、土曜・日曜・祝日の電話による相談への対応についてです。  全国消費生活相談員協会による休日の電話相談は、大阪、東京、札幌と3カ所でやっていますが、電話代が最もかからない市内通話料金で済む相談は、土曜日の午後1時から4時のみ、日曜・祝日は対応していないということを明らかにいたしました。そして、そのときの部長のご答弁では、休日の電話相談を検討したい、こういうお話でしたので、その後、この検討がどうなったのか、伺いたいと思います。  それからもう一つ、メールによる相談を受け付けることについてです。  こちらも、検討されるというご答弁でした。現在、どのような検討がなされているのか、土・日・祝日の対応とメールによる相談の対応の検討状況について、それぞれお答えください。 ◎阿部 市民生活部長  まず、1点目の土曜・日曜・祝日相談の対応状況についてでございますが、札幌市の消費者センターが相談業務を行っていない土曜・日曜・祝日の電話相談に関しまして、地元の消費者センターが開所していない場合に消費者庁が対応いたします消費者ホットラインで、直接、相談ができるよう手続を進めており、夏までには可能となる予定でございます。また、土曜・日曜・祝日におきましても、クーリングオフなど緊急を要する問い合わせや、比較的、定型的な問い合わせに対応できるよう、よくある事例と、これに対するアドバイスを、本年4月から消費者センターホームページに掲載することとしております。これらの情報につきましては、携帯電話からも手軽に入手できるよう、新たに携帯サイトからの情報提供を始める予定であり、段階的に充実強化を図ってまいりたいと考えております。  次に、メール相談についてでございますけれども、ライフスタイルの変化に伴い、消費生活の多様化が進んでおり、こうした多様化に対して柔軟に対応できるよう相談体制の充実が求められておりますことから、曜日や時間的制約にとらわれず、いつでも問い合わせができ、また、電話や来庁による相談が困難な方からの問い合わせにも対応できるよう、平成24年夏には、電子メールによる消費生活相談を実施する方向で具体的な準備を進めているところでございます。 ◆小形香織 委員  今のご答弁では、メールによる相談の受け付けというのは、ホームページか何かを改修されるという形になるのでしょうか。電子メールによる対応を進めておられるということですが、ちょっとよくわかりづらいのです。メールによる相談を受け付けられるようにしているという検討だというご答弁と理解してよろしいのかどうか、まず、ここを確認したいのです。  それから、携帯サイトも充実させるために検討しているということでしたが、これは、具体的にどのような進め方で、どんな方法でやっていく見通しなのか、ここを伺いたいというふうに思います。  それから、土曜・日曜・祝日の電話相談について、これまでは消費者庁には手続をしていなかったので、今度は、その手続をして、夏までにはホットラインでの対応ができるようにしたい、こういうことなのだろうというふうに思います。この消費者ホットラインですけれども、これは、0570で始まる電話のことだと思うのですね。これは、消費者庁が、土曜・日曜・祝日などに電話相談を行っていない消費者センターのかわりの電話の窓口として設置しているということです。0570で始まるところにかけると、ガイダンスが流れますね。流れている間は電話代はかからない。その後、いざ相談というふうになると、札幌から0570でかければ、消費者庁が受け付けるから、ガイダンスの後は東京にかけることになるのですね。結局、ガイダンスの後に相談の中身に入ると、固定電話で言えば、市内は3分で8円という料金ですけれども、札幌から東京への電話代は3分で80円というふうに10倍かかるわけです。そうすると、相談している間にお金がかかるということで、ゆっくり、じっくり相談するというふうにはならないと思うのです。ですから、やはり、ゆっくり相談できるようにしていくべきではないのかというふうに思います。  それからもう一つは、番号が三つもあってわかりづらいということもあると思うのです。そもそも消費者センターは、市内の728で始まる電話番号ですね。それから、休日になりますと、土曜だけかけようと思ったら全国消費生活相談員協会がやっているところです。ここは市内ですけれども、612で始まる電話番号です。そして、今度、日曜と祝日は0570で始まる電話番号と、三つもあって、市民はあっちに、こっちにと電話番号を探さなければならないという点でも非常にわかりづらいというふうに思うのです。  やはり、同じ電話番号で、市内でゆっくり相談できるように、札幌市の消費者センターが土曜・日曜・祝日の相談に対応できるようにするべきだというふうに思いますけれども、この点はいかがか、伺いたいと思います。 ◎阿部 市民生活部長  1点目のメール相談の具体的な対応についてでございますが、相談される方々の個人情報の取り扱いということもあり、また、相談内容の適格性を期するためにも、お問い合わせいただくときには、インターネットホームページ上にフォームを用意し、ご相談を受け、ご回答につきましては電子メールにてご回答するということを考えております。  2点目の携帯サイトの内容についてでございますけれども、先ほど申し上げました、よくあるご相談とそのアドバイス、そうしたQ&A、そして消費者センター電話番号案内等、今、開設しておりますホームページの情報を携帯サイト向けにある程度アレンジして提供してまいりたいというふうに考えているところでございます。  それから、土・日・祝日における電話相談窓口の体制整備ということでございますけれども、今、委員からお話のありましたご提案の趣旨も理解しているところではございますが、先ほど申し上げました電子メール相談ホームページの内容充実、それから、消費者庁への電話相談の接続など、まず、これらの取り組みを着実に進め、サービスの向上に努めてまいりたいというふうに考えております。 ◆小形香織 委員  メールについては、ホームページ上でのことで、ホームページ上で、フォームを用意して、メールで回答するというやり方をこれからしていくのだと。  それから、携帯ですけれども、これは、携帯電話用に情報量を凝縮した形でつくっていくと。これは、それで受け付けていくということを考えておられるのかどうか、携帯電話でのメールの受け付けです。ホームページ上のというのは、インターネットのパソコン用のものですね。携帯電話によるメールでの相談を受け付けていくことを検討されていくかどうか。ぜひ進めるべきだというふうに思いますが、この点はいかがか、伺いたいと思います。 ◎阿部 市民生活部長  今、お話のありました携帯のサイト上でのメール相談の受け付けということでございますけれども、携帯電話のサイトにつきましては、通常、ホームページとはまた別なセキュリティー等の技術的な課題もありますことから、そうしたことを含めて、まずは、可能かどうかということも含めて検討させていただきたいというふうに思います。 ◆小形香織 委員  最初のご答弁で、求められているところなのだというふうに部長は答えておられます。そして、いつでも対応できるようにしたいのだと、こういうふうに答えられているわけですから、間口はできるだけ広く――ゆっくり検討しているというふうにしない方がいいだろうなと思っているのです。つまり、今、IT環境はどんどん進んでいます。今、携帯電話もスマートフォンなどが広がってきていて、そういう技術が広がっていく中で、そういうものに応じた市民の生活を守る入り口として、できるだけ間口は広く、ゆっくり検討していたのでは、そのころには携帯電話を持っている人の方が少ないということもあるのかもしれないというふうに私は懸念を持っております。ですから、今、進んでいる技術と合わせて、市民の相談をいつでも受け入れるという姿勢で、そこに対応する形でやっていくべきだというふうに思います。そうした意味で、もう一つ求めております電話での相談も、きちんと土曜・日曜も受け付けてやっていくようにするべきだということを求めて、消費者センターに関する質問は終わりにしたいと思います。  続きまして、もう一つの平和都市宣言普及啓発事業について質問したいと思います。  本市は、1992年に平和都市宣言を行いました。「平和に対する脅威、特に核兵器の脅威から、人類は今なお自由ではありません。私たちは、戦争こそ地球環境を破壊する最大のものであり、平和にまさる市民福祉はないとの考えのもとに、人類がひとしく平和のうちに暮らせる世界が実現されることを願っています。」というふうに書かれた宣言文は、多くの市民に歓迎されたというふうに思います。  全国では、今、1,555の自治体が平和都市宣言をしており、広島県や長崎県などは県内すべての自治体が宣言をしている、つまり、平和都市宣言率で言うと100%になっています。それに比べて北海道は58.9%ですから、本市の果たす平和都市宣言普及事業というのは大変重要な役割を担っている、こう思っております。  本市が平和都市宣言をしてから、10年程度は大体年間100万円ほどの予算でしたけれども、子どもたちに平和を手渡そうとだんだん予算がふえ、原爆や平和に関する映画の上映などもスタートさせて、2008年度からは、1,000万円の予算をつけて、PMFなどのイベントなどとも重ねて平和都市宣言普及啓発事業が拡大されているというふうに感じているところです。来年度は、平和都市宣言をして20年目ということで、1,500万円の予算で、これまでの事業に加えて、20周年記念の啓発イベントや、札幌市民の戦争体験の本の刊行、ホームページ上の平和資料館などを計画していると伺っております。  まず、どうですか、この20年、続けてきた平和都市宣言普及事業を総括的に振り返ってどう評価されているのか、伺いたいと思います。 ◎野崎 地域振興部長  札幌市では、今、小形委員からご説明、ご質問がございましたとおり、これまで、順次、平和事業の拡充を図ってきたところでございます。特に、平成20年度からは、私ども市民まちづくり局に平和事業に関する専任の係を置きまして、事業内容を大幅に拡充し、現在まで取り組んでまいりました。平成20年度からは、8月を平和月間として位置づけ、原爆展の開催、また講演会、映画会など、多くの市民にご来場いただける事業を集中して実施したり、また、子どもたちに平和への思いを寄せていただく平和へのメッセージ募集事業平和訪問団派遣事業ということで、子どもたちにも平和の大切さを理解していただく事業などを継続して取り組んでまいりました。  これらの事業に参加していただく市民の方々も着実に増加してきているところでございまして、平成23年度は約9,500人と、平成20年度の7,100人と比較しますと約3割増となっているところでございます。また、PMFなど、本市の国際的なイベントと連携してコンサートも実施するなど、平和の大切さを国内外に発信するなど、これらの機会を通し、市民のみならず、多くの国民の皆様にも平和について考えていただく契機となっていると認識しているところでございます。特に、この数年は、各区において、戦争体験のある方から戦争体験談をお聞きし、子どもたちに伝えるなど、次世代継承事業に取り組んできているところでございまして、これらを含めまして、平和の心が市民に徐々に徐々に根づいてきているものというふうに考えているところでございます。 ◆小形香織 委員  20年間続けてきて、予算も少しずつふやしながら市民に広がってきたということで、私は、これは大事な事業だなというふうに思って見ています。  その中で、私は、とりわけ二つほど取り上げたいと思っていますが、子どもたちを、広島、多くは長崎だと思いますが、そこに派遣する平和訪問団ですね。参加した小学生、中学生の方の感想文を見せていただきました。小学校5年生の男の子は、戦争、原爆の犠牲になった多くの人たちは、特別な人ではなく、私たちのような普通の人で、一つの原爆でたくさんの命を奪い、同時に新たな被爆者という言葉と苦しみを生んだことを私は忘れませんと書いています。そして、ここで体験したことを決して過去のこととしてとらえず、どんなときでも、戦争以外の方法で物事は解決できるということを忘れずにいたいと思いました、こういうふうに感想を書いています。また、中学3年生の女の子は、被爆者が言っていた若い世代へと伝えることが大事だということです。私は、友達にも長崎に行って見たものや資料を見せようと思っています。命は一つしかなくて、自分を大事にすること、友達の命も大切にすること、国や人を差別しない、命の重さは同じ、何があっても話し合いで解決することを心と頭に入れておきます、こういう感想が寄せられています。大変すばらしい感想だなと思って読みました。  おっしゃっているように、次世代へ継承させる、このことが大事だと思っています。そうした視点で言いますと、私は、広島、長崎にこだわらずに、視野を広げたらどうかと思います。例えば、今、高校などで修学旅行の行き先は、広島、長崎とあわせて沖縄を選んでいるところもふえております。沖縄は、第二次世界大戦で地上戦となった場所です。集団自決だとか、土地の占領、略奪があり、終戦から沖縄が日本に返還されるまで27年かかっていて、今なお、基地問題やアメリカ兵による沖縄県民への暴行などで苦しみが続いているという固有の問題があります。  また、長野県には、第二次大戦の末期、決戦の指揮中枢部を松代に移転させる計画があって、多くの在日外国人を強制労働させて大がかりな地下壕をつくっていた跡が残っています。松代大本営と呼ばれるところです。ここは、過去の日本が犯した侵略戦争の過ちと、平和へのメッセージを地元の有志の方々の力で運営しているところです。こうした戦争の傷跡が今なおあり、語り継がれている固有の歴史を持つところに、豊かな感性を持つ小学生、中学生をぜひ送り出して、平和の大切さを実感してもらいたい。  そうした意味で、平和訪問団の訪問先を、例えば、今言った沖縄県や長野など、こうしたところも視野に入れたものにするべきではないかと思いますがいかがか、伺いたいと思います。  それから、原爆パネルについてですが、福島で原発の深刻な事故が起き、取り返しのつかない重大事故になりました。放射能を浴びると遺伝子が傷ついて、障がい児が生まれたり、がんの発症率が高いなど、被爆者本人だけではなくて、後世まで異常が起きるという恐ろしいものだということです。  日本原水爆被害者団体協議会では、被爆67年目に向けて、福島原発事故で核による被害が起きたからこそ語るものがあるとして、原爆展用に新しい原爆パネルを作成しています。被爆者の皆さんがどんな思いで今の福島原発の事故を見ているでしょうか。東京電力に対して、ここの団体は、昨年8月、私たち広島、長崎の被爆者は、世界で唯一の被爆国である日本で、社会的に責任を負う大企業・東京電力によって、住民、原発従事者に放射線被害を及ぼし、被曝者がつくられたことに強い憤りと悲しみを覚えますと述べながら、原発をなくすように要請を行っています。  私は、この新しい福島原発事故も視野に入った原爆パネルを購入して、原発事故以降の現在にふさわしい平和都市宣言20周年とするためにも、ぜひ、パネルを新しい新原爆パネルにしてはどうかというふうに思いますけれども、この点はいかがか、伺いたいと思います。 ◎野崎 地域振興部長  質問が2点ございまして、平和訪問団の派遣先といたしまして、長崎ばかりでなく、沖縄とか他都市も考えないのかということと、パネルの更新だったというふうに考えます。  まず、平和訪問団の派遣でございますが、この事業は、市内の小学校5・6年生と中学生を対象に募集する平和へのメッセージの優秀賞受賞者を、8月9日に長崎で行われる平和祈念式典に合わせて派遣をするというものでございます。本事業は、長崎が実施する青少年ピースフォーラムへの参加や、祈念式典への参加などを通して、平和のとうとさを学習し、子どもたちが平和の世界を目指す意思をはぐくむとともに、平和都市札幌の担い手となる資質を養っていただく目的で実施しております。  長崎市は、本市が幹事に就任してございます非核宣言自治体協議会の事務局を務めているところでございまして、本市も幹事市として長崎市の事業に積極的に協力していきたいというふうに考えてございます。特に、長崎市は、先ほど申し上げましたとおり、青少年ピースフォーラムということで、全国からこの時期に長崎市を訪問する子どもたちを受け入れて、学習や交流を行い、プログラムを実施し、札幌市の子どもたちもこれに参加することによって、全国から集まる同年代の子どもたちと平和について語り合い、相互に刺激を受けるよい機会として非常に有益と考えてございます。  何分にも限られた予算の中でもございまして、さまざまな取り組みを行っていることも踏まえまして、現在のところ、子どもたちの派遣先、訪問先としては、長崎市が最も適当であるというふうに考えてございます。  次に、原爆パネルの更新についてでございますが、パネルにつきましては、各区1セットずつと本庁に1セットの合計11セットございまして、希望する団体ごとに貸し出しを行っているところでございます。このパネルは、被爆50年を経た平成9年度に、日本原水爆被害者団体協議会が制作したものを購入し、順次、区にそろえてきたところでございます。ただ、制作時から年数がたっているところでもございます。そろそろ更新について検討する時期に来ているのかなというふうには考えてございます。  更新に当たりましては、ご紹介いただいたパネルもございますし、また、先ほど申しました札幌市が幹事市を務める日本非核宣言自治体協議会が作成しているパネルなどもございますので、それらも十分見せていただいて、内容、費用を精査した上で判断してまいりたいというふうに考えてございます。 ◆小形香織 委員  長崎がとても有効だということはよく承知しています。その上で、幅広く視野を持ってやってほしいということなのです。それから、パネルもそろそろ更新の時期でもあるのだということですので、今、私が紹介したようなものも含めて、ぜひ検討していただきたいと思います。  ことしは戦後67年ということで、67年たてば直接戦争を体験したという人が減ってくる、そういう中で語り継いだものを記録していく、やはり、子どもたちに残していくということが大変重要なことになっていくというふうに思いますので、ぜひ、この事業を小さくすることなく続けていただきたい。このことを求めて、質問を終わります。 ◆石川佐和子 委員  私からは、女性の社会参加の推進と次期男女共同参画プラン策定に関して、それから、学生や若者のまちづくり活動への参加について、大きく2点について伺います。  少子高齢化による労働人口の減少が進む中、我が国の経済社会の活性化にとっては、女性の社会参加を進めることが不可欠であり、本市は、2007年策定の第2次男女共同参画プランに沿って、男性の家庭責任の分担に向けた啓発事業や、子ども未来局によるワーク・ライフ・バランス事業など、女性の経済的・社会的自立の促進に向けて取り組んでおられます。しかし、女性の就業につきましては、保育所の待機児童の増加や労働条件に関する課題も指摘されているところです。  本市が2009年に実施した企業の男女共同参画に関する意識調査によりますと、女性が働きやすい職場環境の整備等に関してポジティブ・アクションを意識していないとする企業が52.2%と、半数を超えているという現状もあります。本市におかれましては、経済的・社会的自立を促進するためにも、女性の就業に関するこれらの課題解決を図るとともに、女性が多様な能力を生かして自分らしい働き方を選択することができるように、支援施策を拡充していくことが重要というふうに考えています。  そこで、質問ですが、市民ネットワークは、女性の社会参加におきまして、従来の就業形態のほかに、仕事を起こす、いわゆる起業という働き方に注目してきましたけれども、男女共同参画の視点からはどのような取り組みをされているのか、伺います。 ◎阿部 市民生活部長男女共同参画室長  男女共同参画の視点に基づいた起業支援の取り組みについてでございますけれども、近年、柔軟な働き方を可能にする起業への関心は高まっていることは実感しており、女性の経済的・社会的自立の促進や、女性のライフスタイルに合った働き方の可能性を広げるという観点からも、起業を推進していきたいと考えているところでございます。  そこで、今年度につきましては、昨年8月から9月にかけて、起業を目指す女性を対象に、「地域で!おウチで!私らしい仕事の始め方」と名づけて、きっかけづくりのためのチャレンジ支援講座を初めて実施いたしました。30名の申し込みを予定していたのに対し、42名からの申し込みがあったところでございます。また、ことし1月には、経済局と連携して、女性のためのソーシャルビジネス講座を実施いたしましたが、30名の定員を大幅に上回る80名にも上る申し込みがあり、急遽、受講枠を拡大して実施したところであります。 ◆石川佐和子 委員  今、チャレンジ支援講座とかソーシャルビジネス講座にも取り組んだという答弁がありましたが、チャレンジ支援講座の講師の方が、ご自身のブログの中で、札幌の女性の起業への関心の高さを報告されているのを拝見いたしました。私も、知り合いの子育て中の女性から、アイスクリーム屋さんを始めたいと思い、こちらに申し込んだのですが、既に定員いっぱいだというお話も直接伺いました。そうしたことからも、女性の起業意識が本当に高まっているのではないかなというふうに感じているところです。  次に、昨年、実施されました札幌市男女共同参画に関する市民意識調査を見てみますと、子どもができたら退職し、育児が一段落したら再び働く方がよいというふうに答えている女性の割合は52.1%です。そして、子どもができてもずっと働き続ける方がよいという方が27.4%と、これらを合わせますと働く方がよいというふうに考えている女性が79.5%に上っていることがわかります。  また、固定的性別役割分担意識は依然として非常に根強く、女性が働く上で支障となることは家事、育児、介護と仕事との両立と答えられた人は83%です。さらに、中小企業庁等の調査によりますと、日本における女性の起業率は諸外国に比べて非常に低く、女性の起業に関する調査や分析も大変少ないことが報告されており、女性の起業に対する社会全体としての関心や期待はまだまだ低いのではないかというふうに考えております。  そこで、質問ですが、女性が家事を担うべきという固定的性別役割分担意識が根強く、ワーク・ライフ・バランスがようやく認識され始めた時代におきましては、女性が起業する、または起業を継続するためにはまだまだ支援が必要というふうに考えておりますけれども、今後どのような取り組みをしていくおつもりか、伺います。  また、女性の起業支援に関する事業を拡充するためには、受講後、どれくらいの方が実際に起業に結びついているのかをしっかりと検証することが重要と考えますがいかがか、あわせて伺います。 ◎阿部 市民生活部長男女共同参画室長  1点目の、今後の女性への起業支援についてでございますが、女性の起業に関する講座への申し込みが多いことを見ましても、女性自身の社会参加への意欲は高まっており、起業を後押しする事業へのニーズは高いものと認識しているところでございます。  講座実施後のアンケート調査によりますと、実際に起業を始めた方の体験談を交えた話を聞くことは起業への関心をさらに強めるきっかけともなっておりますことから、今後も、起業に関する講座を継続するとともに、これから起業を始めようとしている方たちのために、専門家による経営上の相談や仲間との交流、ネットワークづくりを支援するための事業など、関係部局とも連携しながら総合的に取り組んでまいります。  次に、起業支援の成果についてでございますが、講座を受講した人のその後の状況につきましては、事業を初めてまだ日が浅いこともあり、今のところは把握しておりませんけれども、今後、起業への関心の高まりに応じて成果検証を行ってまいりたいと考えているところでございます。 ◆石川佐和子 委員  起業支援に向けての今後の取り組みについて、今、確認させていただきましたが、今後は、実際に仕事をする場の提供とか、さらには、女性起業家向けに低利な貸し付け制度なども検討することが必要ではないかというふうに考えます。今の答弁の中で、支援の成果については把握されておられないという答弁がありましたけれども、本市の男女共同参画審議会の委員から、起業家支援の効果というのはわかりにくいという意見もあることからも、事業の検証については、さらにその方法を検討するなどして、しっかり検討していくことが必要だということをここで求めておきたいと思います。  それから、先ほど、働いた方がよいという女性が約8割おられることを申し上げましたけれども、女性の再就職が困難なことは、いわゆるM字カーブという問題によっても示されているところでありますし、近年、企業の置かれた環境も大変厳しいということからも、女性の再就職を一層難しくしているというふうに考えます。そうしたことからも、女性が再就職する際の働き方の一つとして、もっと起業ということに注目するべきというふうに考えます。  しかし、現在の男女共同参画プランにおいては、女性の起業支援が本文にわずかに盛り込まれている程度でありまして、計画体系における基本施策としての位置づけが大きいとは決して言えないと思います。2010年策定の国の第3次男女共同参画基本計画におきましては、女性の活躍による経済社会の活性化が、改めて強調する視点として掲げられておりますことからも、さまざまな形態による女性の経済活動について重点化すべきというふうに考えます。  そこで、質問ですけれども、近年の社会情勢を考えますと、女性の社会参加に向けては、特に起業に注目し、次期第3次男女共同参画プランにおきましては、女性の起業をより明確に位置づけることが重要であるというふうに考えますがいかがか、伺います。 ◎阿部 市民生活部長男女共同参画室長  ただいまの起業支援の位置づけについてでございますけれども、次期の男女共同参画計画につきましては、現在、男女共同参画審議会において審議が進められており、重点事項として女性の起業についても議論されているところでございます。  本市といたしましては、家事、育児との両立や、女性の視点を生かした新しい事業展開も期待できますことから、起業への支援は重要であると考えているところでございます。今後、審議会の答申を受けて計画を策定いたしますが、起業への支援につきましても、しっかりと位置づけてまいりたいと考えております。 ◆石川佐和子 委員  女性への起業支援もしっかり位置づけていきたいというふうに伺いましたので、その点はしっかり盛り込んでいただきたいというふうに求めておきます。  女性が時代のニーズを素早く事業化するなど活躍することが、ひいては、企業のポジティブ・アクションや社会全体における男女共同参画の推進にもつながるものというふうに考えますので、ぜひ、しっかり取り組んでいただきたい、プランに位置づけていただきたいということを重ねてお伝えいたします。  ここまで起業支援について伺ってまいりましたけれども、男女共同参画は、すべての施策の根底に据えられるべきということは言うまでもないと思います。現在、次期プラン策定に向けて、さきのこの審議会におきましては活発な議論が続いており、秋ごろには市長への答申が提出されるというふうに伺っております。今後は、これまで見逃されがちであった女性の高齢者や障がい者等を取り巻く複合的な課題に対応していくことが必要であることから、2011年の第1回定例議会におきましては、次期プラン策定には多様な女性の参画のもとに取り組むことを市民ネットワークは求めてきました。  また、男女共同参画の視点はあらゆる部局にかかわることであることから、全庁的な連携が不可欠というふうにも考えます。既に、この2月には経済局と共催でソーシャルビジネス講座を実施しているように、他部局との連携で、より多様な市民ニーズにもこたえることができるというふうに考えます。また、例えば、保育所整備事業におきましても、待機児童の解消の視点で子ども未来局が保育所の定員増を提案するような場合におきましても、果たして、それが女性の社会参加を進める上で十分な数と言えるのかどうか検証することなど、一つの事業をともにつくり上げていく、そういうことが突っ込んだ連携として重要ではないかというふうに考えます。  そこで、最後の質問になりますが、次期第3次男女共同参画プランの検討におきましては、どのように多様な市民の意見を取り入れてこられたのか、また、どのように庁内の連携を図っておられるのか、あわせて伺います。 ◎阿部 市民生活部長男女共同参画室長  1点目の市民意見の取り入れ方についてでございますが、先ほど委員のご質問の中にありましたように、昨年7月、20歳以上の男女4,000人を対象に市民意識調査を実施いたしました。また、公募委員や学識経験者を含む男女共同参画審議会で審議をいただくとともに、市民との意見交換会や子ども議会の議員とのワークショップを開催して、男女共同参画活動団体、アイヌ民族の女性や、札幌に住む外国人女性、子どもなど、さまざまな立場や世代の方から幅広く意見をいただいているところでございます。  次に、庁内の連携についてですが、男女共同参画を推進するための全庁的な会議であります男女共同参画行政推進会議により、関係部局との連携を図っております。今後も、さまざまな機会を通じて市民意見を取り入れるとともに、庁内の連携を図りながら次期の計画を策定してまいります。 ◆石川佐和子 委員  最後に、要望になりますけれども、今、市民の意見交換会や、さまざまな立場の方々からの意見を伺ったというふうに伺いました。プラン案が策定できましたら、ぜひ、こうしたご意見を伺った人たちにも内容をお知らせするなど、丁寧な取り組みをしていただきたい。また、他部局の事業、プランに盛り込む際にも、どの事業も男女共同参画を推進するための取り組みということを他部局にも認識していただくよう、庁内連携を図ることを強く求めておきます。  男女共同参画社会の実現は、家族や地域社会の変化、閉塞感の高まり、貧困や格差の拡大など、社会情勢の変化や経済社会のグローバル化が引き起こす問題を解決し、だれもが対等で安心して暮らすことができるまちづくりを進めるためには必要不可欠と考えます。慣習や制度の見直しなど、取り組むべき課題は一つ一つ大変重いものがありますけれども、市民、企業、行政がこれまで以上に協働、連帯を図り、できるところから粘り強く取り組んでいただくことを強く求めて、この質問は終わります。  引き続き、学生や若者のまちづくり活動への参加について伺います。  最近は、近所の公園で遊ぶ子どもを見かけなくなったとか、あるいは、子ども会の人数が減少してきている、また、単身あるいは高齢者だけの世帯がふえているなど、札幌市における地域課題も多様化、そして複雑化してきているというふうに思います。また、昨年の東日本大震災を通しまして、地域の連携や日ごろからのコミュニケーションの必要性が再認識され、まちづくり活動へ参加することも、そうしたつながりを深めるよい機会になるのではないかというふうに考えているところです。  多くの市民が町内会などさまざまなまちづくり活動に参加し、顔の見える関係性の中で活動を活性化していくことは、大変重要なことというふうに考えています。昨年の第3回定例議会で、市民ネットワークは、子どもまちセン一日所長について質問し、子どものまちづくりへの参加の拡充を求めました。まちづくり活動団体の担い手不足や、高齢化が深刻になり、活動が困難になる中、さらに、新たなまちづくり活動の担い手を育てたり、あるいは発掘するため、学生や若者のまちづくりへの参加が重要と考えます。  そこで、質問ですが、学生や若者に対するまちづくり活動への参加を促進する取り組みとしまして、本市は、これまでどのようなことを行い、また、参加した若者たちからはどのような意見があったのか、伺います。  また、本市は、学生や若者のまちづくりへの参加を促進するために、これまでどのような工夫をされてこられたのか、あわせて伺います。 ◎高野 市民自治推進室長  学生や若者に対するまちづくり活動への参加促進について、大きく3点質問があったと思います。  まず、これまでの取り組み状況についてでございますが、学生のまちづくり参加については、各区が大学や専門学校と連携し、地域イベントにかかわる設営補助とかポスターの作成など、幅広い分野で参加する機会を提供しております。また、平成22年度からは、まちづくりセンターを仲介役としまして、北大の落語研究会や北海学園大学の法研究会など、大学の学生サークルを地域のイベントなどに派遣しており、これまでに延べ63の地域で実施しております。さらに、今年度は、まちづくり活動に参加した学生がコミュニティFMに出演し、多くの学生に参加を呼びかける番組も放送しております。  そのほか、若者の参加に関しましては、地域のまちづくりへの参加意欲を高める取り組みとしまして、昨年9月に、18歳以上29歳以下の市民約2,000人を無作為抽出し、参加承諾を得た29人を集めて若者と地域のつながりミーティングというワークショップを開催し、好評を得たところでございます。  次に、参加した若者からの意見についてでございますが、地域のイベントに参加した学生からは、自分たちの活動が役に立ってうれしいといった意見を多数いただいております。また、若者からは、地域のまちづくりを知る機会を得たことによって、参加者の9割以上が、今後、まちづくりに参加してみたいと回答しております。  最後に、学生や若者の参加促進を図る工夫についてでございますが、地域のまちづくり活動は、学生や若者にとって日常生活での接点が少ないこともありまして、何をしてよいかわからない、あるいは、一人では参加しにくいといった感想も多く聞かれます。このことから、札幌市では、学生や若者が気軽に参加できるよう、それぞれの特技を生かしながらまちづくり活動に参加できるマッチングを実施しているほか、コミュニティカフェなど、若者が気軽に参加しやすい場を活用しまして、話し合いや仲間づくりの取り組みを積極的に実施してきているところでございます。 ◆石川佐和子 委員  各区におきまして、大学や専門学校と連携しながら、イベントに学生が参加したり、若者のワークショップを開催するなど、その中から今後もまちづくりに参加したいという意見が90%以上もあったということは、非常に意義のあることだというふうに思います。  しかし、核家族化が進んでいる中、さらには兄弟が少なかったりするなど、多様な人間関係にもまれる機会が少ない傾向にある現代の学生や若者たちにとって、一人では参加しにくいという感想は当然のことだというふうに考えます。その中で、特技を生かしたマッチングなど工夫されているということですけれども、むしろ、こちら側の方が、多くの若者のニーズを酌み取って、幅広い分野の活動を周知し、参加してもらうことが重要ではないかというふうに考えます。  例えば、大学のサークル以外で、若者グループが集まる若者活動センターなど、関係機関との連携は非常に重要ではないかというふうに考えます。また、これは、私が実際にまちづくり活動としてかかわったことからの提案ですけれども、大学のゼミの学生たちの研究テーマとして緑の保全とか清掃活動があった場合に、区の土木センターなど市の部局ともかかわりができ、こうしたつながりを持った部局が、まちづくり団体や町内会等のまちづくりにかかわる中で学生とマッチングさせ、さらに新たな参加を促進していくことも重要な取り組みになるのではないかというふうに考えます。  そこで、質問ですけれども、若者の地域のまちづくり活動への参加をさらに促すために、本市と関係団体等との連携についてはどのようにお考えなのか、伺います。 ◎高野 市民自治推進室長  若者にまちづくり参加を促す関係団体との連携についてでございますが、学生や若者にとって、まちづくり活動に参加し、社会経験を積むことは大変貴重なことでございまして、大学がボランティア活動に対して単位取得を認めるなど、積極的に取り組んでいるような事例もございます。このことから、大学などと札幌市が連携して、まちづくり活動の情報提供や参加のコーディネートなどを進めることは極めて重要なことだと認識しております。また、札幌市がまちづくり活動でかかわった学生サークルや若者グループにはまちづくり活動に前向きな人材が多いので、今後は、町内会などと連携しまして、そうした人材をまちづくり活動に積極的に結びつけていくことが大事なことであると考えております。 ◆石川佐和子 委員  大学の中では、ボランティア活動に対して単位取得を認めるというようなお話も今ありましたし、一連のそうしたことはすばらしいことだなというふうに思っております。本市としても、まちづくり活動のコーディネートをこれからも積極的に進めていただきたいと思いますし、そうした情報を地域とも共有するべきだというふうに思います。  また、こうした継続した取り組みが少しずつでも進んで、まちづくり活動の人材を育成していくのではないかというふうに考えるわけです。若者がまちづくり活動に参加するきっかけは、イベントなどのように短期的なものも有効というふうに考えますが、継続的に地域の活動にかかわっていくことも非常に重要だと考えます。そうした取り組みによって、地域への愛着がだんだんと醸成され、人とのつながりも深くなっていき、学生や若者の社会経験としても大変得がたいものになっていくのではないかというふうに考えます。  そこで、最後の質問ですけれども、地域のまちづくり活動の参加を継続的に進めていくために、本市は、これまでのようなきっかけづくりのほかにも、関係機関等との連携や、学生、若者の活動のマッチングを積極的に進めるべきというふうに考えますが、今後、どのように取り組みを進めるのか、伺います。
    ◎高野 市民自治推進室長  若者が継続的に参加する取り組みについてでございますが、学生や若者がまちづくり活動に参加する場合は、イベント運営の補助など短期間の参加にとどまることが多いところです。しかし、委員ご指摘のとおり、学生や若者が将来のまちづくり活動の担い手となってもらうようにしていくためには、継続的にまちづくり活動に参加する機会を創出して、より多くの社会経験を積むことと、地域とのつながりを深めることが重要であると考えております。  したがいまして、今後、札幌市としましては、町内会やまちづくりセンター、関係機関などと連携しまして、年間を通じて地域のさまざまな取り組みに参加することができるよう、そうした機会の創出に努めてまいりたいと考えております。 ◆石川佐和子 委員  町内会とか、まちづくりセンターを中心としたさまざまな市民団体は、年間を通してさまざまな活動をされておりますので、そうした取り組みにも参加できるようなコーディネートをぜひ検討していただきたいというふうに思います。  先ほどの答弁の中で、まちづくり活動に参加した若者の意見を伺いまして、日常生活での接点がなかったり、あるいは、何をしてよいかわからないというような感想からもわかりますように、学生や若者もいろいろなニーズを必要としている場合があると思います。ですので、コーディネート機能や、一人でも活動に参加しやすい環境を整えるなど、若者や学生とさまざまな関係性をつくり、そして、そこから醸成していくような取り組みを積極的に進めることを強く求めて、私の質問を終わります。 ◆木村彰男 委員  私は、ヒグマ対策について、真駒内緑小グラウンド跡地利用について、さぽーとほっと基金について、アイヌ住宅貸付金について、共同利用館についてお伺いします。  まず、ヒグマの駆除に関しましては、私は、昨年、決算特別委員会でも取り上げ、南区果樹園農家の方のご事情や、集団下校、集団登校を強いられ、まさに今そこにある危機に対峙していた子どもたちの訴えを代弁してきたところであります。そのような危機意識を前提として、ことしは、春からこの問題を考えようというふうに思いまして、平成24年2月18日でございましたけれども、東海大学で南沢の町内会の方々が中心になって開催されました「ヒグマはなぜ里に近づいてくるのか・都市と野生の距離感」と題するフォーラムに参加しました。土曜日でしたけれども、大変関心が高かったのか、教室はいっぱいでございました。この内容については、北海道新聞にも出されましたので、見た方もいらっしゃったかと思いますけれども、当日は、道新で記者をしていた山本 牧さんというヒグマの会の副会長の方と、それから、南区の地域安全担当係長が来てご講演されておりました。  その中で何点か取り上げられた件につきまして、ご質問させていただきたいと思います。  山本さんは、昨年の捕殺頭数が783頭で、過去3番目に多い数であったということをまず強調しました。これにもかかわらず、農業被害は減っておらないということも言っておるわけです。そこで、彼が言っておるのは、有用な武器は電気さくであると。このことを前提にして、デントコーン畑へ電気さくを設置した場合のいろいろな状況等について、カメラにおさめたものでご説明されておりました。  このことを前提として、理事者は、ことし、電気さくの導入等をお考えになっているようでございますけれども、このような電気さくについての認識と、また、今年度予算の中でどのような形で電気さくを配備していこうと考えていらっしゃるのか、まず、お聞かせください。 ◎野崎 地域振興部長  電気さくの認識とことしの配備の考えということでございますが、ヒグマ対策としての電気さくは、静電気のような電気刺激によって野生動物に警戒心を抱かせ、侵入を防止するために設置するものでございまして、適切に設置、管理された場合については、侵入防止策として有効な対策であるというふうに考えて、今回、新年度予算で計上し、導入しようとするものでございます。  今回の予算案では、電気さくの購入、そして、設置等に係る費用を計上しているところでございまして、購入設置でございますので、本市で購入し、設置するという考えでございます。購入するものとしては、予算では1.5キロの長さのものを4セット、そのほか、設置及び管理、撤去に係る委託料を計上しているものでございます。 ◆木村彰男 委員  この電気さくの契約形態といいますか、レンタル形式といいますか、それは、まずどのような対象者の方か。私が想定しておったのは、例えば、果樹園の農家の方であるとか、南区の場合、札幌育児園という施設があるのですが、そういった方なのか、それから小・中学校と幼稚園等、それから民間の方々等、いろいろ貸し出しについて、その範囲といいますか、対象といいますか、または金額、期間というようなものをある程度絞り込んでいかなければならないと思っておりますけれども、それについてはいかがお考えでございましょうか。 ◎野崎 地域振興部長  電気さくの貸し出しではなく、本市が設置、そして管理をするというふうなことを先ほど申し上げましたが、電気さくの設置の基準については、今後、具体的に新たな部局で検討していくことになります。果樹園などにつきましては、基本的に経済局の方の補助がございますので、そちらの方を活用してつけていただくということを基本に考えてございます。私どもでは、学校や公共施設周辺等で継続的にクマが出没し、痕跡が発見されるなど、人身事故が懸念される場合に緊急的に設置することを想定しているものでございます。 ◆木村彰男 委員  万が一、電気さくによって被害を受けたような方、もしくは、触れてやけどをするようなこともあるのかもしれません。そういった場合の被害について、行政として、当然、一義的には責任があるというふうに思いますけれども、それについてはどのようにお考えでございましょうか。 ◎野崎 地域振興部長  電気さくにつきましては、電気事業法によりまして、感電事故が起こらないよう感電防止のための適切な措置を講じることが求められているところでございます。電気さくを設置する場所は、そもそもヒグマ出没の可能性が高いことから、立ち入り規制を行う場合が多いと考えますが、実際に電気さくを設置する際は、感電事故が起こらないよう、重ねての事前の住民周知や感電注意などの看板設置を考えているところでございます。  ただ、設置者の管理の瑕疵、あるいは、注意喚起が不十分というふうなことで事故が起こった場合については、設置者が責任を負うことが基本になると考えてございます。 ◆木村彰男 委員  先ほど、お話を承りますと、1.5キロ4セットということで、当然、限られた範囲というか、限られた台数といいますか、そういうことになってくると思うのです。ただ、全部使ってしまった、設置してしまった、なおかつ、クマの出没が秋ごろに向けて頻発するようになった場合に、結局、品物が全部底をついて対応できないというようなこと、もしくは、業者が設置しようと思っておっても、なかなか追いつかないようなことも想定できるかと思います。  そのようなことについては、今の段階ではなかなか言えないと思いますけれども、どのようにお考えなのか、お聞かせください。 ◎野崎 地域振興部長  電気さくが不足する事態が想定できないのか、その場合の対応ということでのご質問でございます。  先ほどのご質問にもお答えしましたとおり、電気さくの設置に関しましては、継続的にヒグマが出没した際に、あくまでも緊急的かつ一時的な設置を想定しているものでございます。ただ、出没多発により複数箇所に同時期に設置する必要があるような場合につきましては、これは新年度の予算になりまして、私どもの部局ではない状況でございますが、当初予算で対応が不可能な場合については、既往予算での対応も想定されるところでございます。 ◆木村彰男 委員  来年度の話でございますのでわかりませんけれども、ぜひ、春の段階から想定し、準備していただければというふうに思います。  それから次に、先ほど申し上げましたヒグマの会の副会長の山本さんですが、この人は、よく話を聞いていると、駆逐するというのではなくて、クマとの共存を考えている方だというふうに思います。その中で、彼が言っておったのは、クマを追う犬、クマ追い犬と自分で言っていましたけれども、においの追跡と追い払いを前提とするような動物といいますか、クマ追い犬なんかを使って山の方へ追い込んでいくようなこともおっしゃっておったのですね。今回から新しく組織が一本化されてまだそんなような話にはならないのかもしれませんけれども、そういう認識もこういう専門家から提案されていると思いますが、そのようなことについてはいかがお考えなのか、お聞かせください。 ◎野崎 地域振興部長  追い払う犬、そのほか、さまざまなクマの対策につきましては、平成22年度に委託した調査でも私どもの方に提言がございますし、また、今現在、行っている緊急調査においても、課題及びその対策が提言されるというふうに考えてございます。新たな組織では、それらを含めて検討して、できるものから行っていくということになろうと思います。 ◆木村彰男 委員  クマの共存ということを考えていくのであれば、こういうことも考えていかなければならないと思います。  それから、この山本さんは、知床の例を挙げて、クマレンジャーというふうに言っていましたが、この必要性を説いております。これは、現場でクマと人との状況を判断して、適切な対応を提案する専門家だというふうにみずから定義づけております。これらの人材は、私が見た限りでは南区においてもそろっておらぬと思うのですね。講演会のときに来ておられた係長は、ちょうど赴任2年目だったそうです。今までのお仕事はクマと全く無縁なことをやっていて、こちらに来て2年間でそういうお仕事に携わったと。自分が着任してから出没数がふえたということもおっしゃっていまして、それが非常に印象的だったのですが、人材は、事務系の人であれば、事前の準備であるとか、情報の収集であるとか、広報活動、それから、現場の人であれば、調査、それから判断が求められると、この山本さんはおっしゃっていました。  そこで、最後に、渡部副市長に、このようなご意見を踏まえて、今年度から一本化するクマ対策について、特に人づくりに関してご意見を伺えればと思います。 ◎渡部 副市長  昨年度は、私の記憶ではたしか本郷委員からこのご質問がありまして、札幌市として一本化して取り組むことはないのかというようなことがございまして、先ほど部長が段々で答弁されておりましたように、まず、新組織をつくりました。提言もいろいろいただいておりますので、まず、できるところから始めていきたい、そのように思います。 ◆木村彰男 委員  対策が後手にならないように、ぜひ、よろしくお願いしたいと思います。  次に、3月16日の委員会でもお聞きしたのでございますけれども、真駒内緑小学校グラウンド跡地の利用につきまして、駐車場のグラウンドを舗装化する予算については地域振興部の方で聞くようにというお話でございましたので、ここで質問させていただきます。  南区では、区役所の横に区民センターがあり、私もよく利用させていただいておるのですが、区役所の利用者の方及びいろいろなサークル、地域団体の会合等でこの駐車場はいつもいっぱいでございます。私が目撃した中でも、何件か、自動車の接触事故が起こっておりまして、ついこの間も警察官の方が来ておって、どうしたのかなと思っていましたが、幸い、物損で済んだようでした。  このようなことを前提にして、この駐車場ですが、ここには、大体、警備員の方が常時おられて、誘導といいますか、整理されております。このたび、そのすぐ横といいますか、真駒内緑小学校のグラウンド跡地を駐車スペースとして舗装されるということですけれども、その場合、先ほど申しました誘導、整理等につきましてはどのような形で進むのでございましょうか、お聞かせください。 ◎瀬川 南区長  区役所の隣にございます、今度、閉校いたします真駒内緑小学校のグラウンドを活用した区役所の第2駐車場の整備につきましてご答弁申し上げます。  車両誘導等の整備員の配置でございますが、お話がございましたように、現在、区役所の駐車場では、整備員を配置して車両を誘導しているところでございますけれども、実は、混雑が激しくない平日の5時以降、それから、土・日・祝日の午後1時半以降については配置しておりません。しかし、今のところ、それで特に支障を生じているところはございません。  今回、緑小学校のグラウンドの一部を使って予定をしております第2駐車場でございますが、これは、既設の駐車場が満車になった場合の予備的な駐車場というようなことでもございますので、今の段階では、整備員を配置しなくても支障は生じないのではないかなというふうに思っているところでございます。ただ、開設後の利用状況の推移もしっかりと見させていただきたいと思っております。 ◆木村彰男 委員  安全面で大丈夫だというお話でございましょうけれども、事故が起こってからでは遅いので、利用状況等を勘案していただければと思います。  また、現在、駐車場には、水銀灯といいますか、街灯もありまして、夜9時ぐらいまで活動していても明るいということで、駐車場の防犯といいますか、そういう面においても非常に私は大丈夫かなと思っているのですが、今度、小学校のグラウンドがそういう形になった場合、そのような水銀灯といいますか、街灯の設備等は、グラウンドにはたしかあったように思うのですけれども、それを利用されるということなのか、その件についてもお聞かせください。 ◎瀬川 南区長  第2駐車場についても、照明灯は設置する予定でございます。 ◆木村彰男 委員  では、よろしくお願いいたします。  次に、私は、昨年の決算特別委員会でもお聞きいたしましたけれども、さぽーとほっと基金の寄附状況のその後をお聞きします。  昨年10月31日の高野室長の答弁では、寄附金が約2,500万円で、前年同期を若干上回っており、東日本大震災の被災者を支援する活動を指定した寄附が約4割、1,000万円であることと、それから、景気の冷え込み等を勘案して、これから厳しくなるので積極的にPRしたいというお話でございました。  平成23年度末を控えて、まずは、ご答弁のあった以降でございますけれども、今年度の下半期の取り組みと状況、その成果をお聞かせください。 ◎高野 市民自治推進室長  今年度の下半期の取り組み状況と成果についてでございますが、下半期は、東日本大震災の被災者を支援する市民まちづくり活動が続いておりますことから、このテーマへの募金、寄附のPRに特に力を入れてきたところでございます。  とりわけ、3月11日から4日間にわたりまして、札幌駅前通地下歩行空間で、札幌市立大学の学生の応援を得まして、学生たちがデザインした奇跡の一本松の募金箱やポストカードを活用して呼びかけを行いましたほか、市民活動団体による被災地の商品の販売や、震災ボランティア活動のPR行い、多くの市民に共感いただけるような工夫をしました。その結果、4日間の寄附と被災地商品の売り上げの合計は約100万円を超えたところでございます。  また、市役所本庁舎と幾つかの区役所食堂で、事業者の協力を得まして寄附つきメニューを実施しました。例えば、本庁舎の地下食堂では、ことし2月から、定食類のご飯を少な目にすると寄附につながるといったユニークな取り組みを開始しております。これは、健康づくりと被災者支援を両立できるということで、大変好評でございまして、これまでに700食以上の実績を上げております。  そのほか、被災者支援以外では、昨年11月に市役所1階の元気カフェで、保健・医療・福祉の増進分野への寄附つきドリップカフェを販売しまして、これまでに2万3,000パック以上を販売しました。また、同じく11月には、まちづくりパートナー企業の協力で、児童虐待防止を呼びかける自販機の売り上げの一部が子どもの健全育成分野へ寄附される取り組みを開始するなど、メッセージを発信し、理解と共感を得ながら気軽に寄附していただける取り組みもふえつつあるところでございます。 ◆木村彰男 委員  下半期におきましても、さまざまな取り組みが積極的に展開されていることがよくわかりました。私は、さきに、教育委員会関連の第一部予算特別委員会でもお話ししたのですけれども、大通高校の生徒が経済的にも大変厳しい状況の中で就職活動をされておる、着ていく背広がないというような副校長先生のお話等も紹介させていただきました。そのお話の後、ご担当が大通高校を訪問していただいて、さぽーとほっと基金の受け皿になれる後援会、大通高等学校振興会ということになっているようですが、こちらとすぐに接触していただいたようですけれども、その件についての状況をお聞かせください。 ◎高野 市民自治推進室長  大通高等学校振興会との接触状況についてでございますが、同会は、平成23年6月にさぽーとほっと基金の団体登録をしましたが、現在のところ、当該団体を指定した寄附や助成実績はないところでございます。  本年2月に、木村委員から副校長をご紹介いただきまして、すぐに担当課長と担当係長とで訪問しましてお話をお聞きしましたが、委員からのご質問にありました背広の件に加えて、就業体験や、地域住民あるいは大学生との交流体験を通じて、生徒が自分と社会との関係を考えて将来の職業イメージを育てる機会を提供したいという振興会の思いとか趣旨がよくわかりました。そこで、学校行事と振興会事業の整理方法や、助成対象となる事業及び経費について説明しまして、団体指定寄附の活用をアドバイスしたところでございます。  今後も、団体ごとの事業内容や思いをお聞きした上で、その団体に適した方法を提案するなど、きめ細やかな対応に努めてまいりたいというふうに考えております。 ◆木村彰男 委員  そのように、登録はしてあるのですけれども、なかなか団体指定のメリットを生かし切っておらぬ、寄附が集まっておらないという現状もよくわかりました。制度というものは、仏をつくっても魂が入らなければうまく進まないと私は常々思っております。私もこうやっていつもパンフレットを持って歩いてPRしているのですが、ぜひ、これからもPR活動には努めていただきたいというふうに思います。  次に、平成24年度、来年度の取り組み、特に、その中でこれはアピールしていこうとお考えの点をまずお聞かせください。 ◎高野 市民自治推進室長  来年度に向けた取り組みについてでございますが、まず、東日本大震災の被災者支援活動に関しましては、一目で寄附の使い道がわかるような呼称を設定したいと考えております。現在、大口の寄附をいただいた場合には、寄附者の名前を基金名に使用できるという冠基金の制度がありますが、これを応用して、さぽーとほっと基金の中に別枠で被災者支援専用の基金を設けることを今検討しております。それと同時に、被災者支援活動への理解と共感を広めるために、ご了解いただいた被災者の方に基金のイメージキャラクターになっていただくなど、基金の周知、PRにも力を入れていきます。また、被災者支援に限らず、基金全般については、新年度予算でPR動画制作にかかわる費用を計上しておりまして、理解や共感を呼び起こすような内容で作成したいと考えております。  いずれにいたしましても、今後も引き続き、寄附をする企業や個人にとって、気軽に、そして共感でき、さらには、メリットとなるような手法を検討していく所存でございます。 ◆木村彰男 委員  この問題についての最後の質問ですけれども、本年度、勇退される橋本局長の方から、厳しい経済情勢や東日本大震災の中で、今年度の最終寄附額の見通し、件数をお聞かせいただくとともに、この基金を、今後、後輩たちにどのように受け継いてもらいたいか、局長自身のお言葉で、よろしくお願いします。 ◎橋本 市民まちづくり局長  今年度の寄附額、件数の見通し等についてであります。  今年度は、現在、調整中の案件も含めますと、昨年度の6,450万円を上回りまして、過去最高の8,000万円台の寄附の見込みでございます。寄附の申し込み件数も、過去最高である一昨年の165件を上回りまして、今年度は200件を超える見込みでございます。  なお、件数としてカウントできませんが、募金箱への募金、または寄附つき商品の購入といった形での寄附もありまして、多くの方の参加、協力という面でも確実に広がりを見せているところであります。  当初、このさぽーとほっと基金は、1年間に3,000万円の寄附を集めて、5年間で1億5,000万円という目標で始めたところでございますが、厳しい経済状況にもかかわらず、寄附をしてくださる企業や団体、市民に恵まれまして、この4年間で約2億3,000万円の寄附をいただくことができました。これも、日ごろからPRに努めていただいている木村委員を初め、本日ご出席の委員の皆様のいろいろなPR、そして、企業、団体のご紹介をいただいた結果で、さぽーとほっと基金の浸透に本当にお力をおかしいただきまして、ありがとうございました。  委員の皆さんのお力で企業や市民の善意を引き出し、過去最高の数字に結実したことをご報告申し上げます。  また、最後になりますが、私自身、何度も企業に直接PRに出向きましたが、フェイス・ツー・フェイスでご理解を得て、信頼関係を築くことの大切さを身にしみて感じたところでございます。今後も、ご協力をいただいた、または、いただける企業、団体との信頼関係の大切さを忘れずに、市民の善意で市民の公益活動を支えるこのさぽーとほっと基金を発展させていくよう申し送りしてまいりたいと考えています。 ◆木村彰男 委員  私は、さきの委員会でも申し述べましたけれども、ぜひ、寄附文化というものを札幌市に根づかせていただきたい、非常に大切なお仕事である、私はそう考えております。ぜひ、後輩の方々にも受け継いでいっていただければというふうに考える次第でございます。  次に、私は、平成24年度も計上されておりますアイヌ住宅貸付金についてお伺いいたします。  私は、さきの会派勉強会でもお聞きしたのでありますが、かなりの件数、額が、滞納といいますか、未回収の状態になっております。これら債権は、さきに条例化されました債権管理条例の中でも、未収額の多いものとして分類されているかと思いますけれども、まず、直近に把握されておられるこれら滞納貸し付け金額とその債務者件数をお聞かせください。 ◎阿部 市民生活部長  滞納貸し付け金額とその債務者数についてでございますけれども、この貸し付け制度につきましては、昭和52年の制度開始からこれまでに、189人に対し総額17億8,404万7,000円を貸し付けているところでございます。これに対して、平成23年12月納期到来分までの償還金に係る滞納につきましては、4億4,862万8,000円、79人となっております。  なお、貸し付けに係る償還金の収納状況といたしましては、平成22年度末現在でございますけれども、74.9%となっており、札幌市全体の市債権の収納率とほぼ同様の状況でございます。 ◆木村彰男 委員  大変憂慮すべき数字と考えております。  昨年の決算特別委員会で、市民生活部長は、滞納者に対して、定期的に督促状を送付し、夜間電話による催告、面談、自宅訪問などにより折衝を行い、粘り強く納付を督励していると答弁しております。この点につき、本年度末を控え、さきに上げられた数字とこの督励活動をどのように総括されますでしょうか、お聞かせください。 ◎阿部 市民生活部長  滞納の現状と督励活動の効果についてでございますけれども、この住宅資金の貸し付け制度につきましては、アイヌ民族の居住環境の整備、改善を図ること目的としており、融資条件や金利などについてアイヌ民族の厳しい生活実態に配慮した全道的な制度であり、民間の融資が受けにくい方についても融資が可能となるよう所得要件を緩和しております。また、アイヌ民族の方々の収入につきましては、平成20年に北海道大学が実施した調査によりますと、世帯年収が北海道の平均を70万円以上、下回っており、全体として依然として厳しい生活状況にあると認識しております。  こうした中、本市といたしましては、滞納している方々と粘り強く折衝を続けており、一定程度の納付が促されておりますが、一方で、景気の低迷による低収入や失業、病気などにより生活が苦しい方が多く、新たな滞納も発生しておりますことから、全体として滞納額がなかなか減らない状況にございます。 ◆木村彰男 委員  さきの債権管理条例の中でも、払っている人と払っていない人が生ずることがないように、債権を管理して効率的に回収業務を行っていくのだという条例のときの説明があったかと思います。私は、自分が住宅の関係の仕事をしていただけに、これら債権の回収業務というものは、やはり、契約と民法に準じてきちんと処理していかなければならない、まず、それが前提だと考えておるわけでございます。そうしなければ、このような状態が続く限り、納税者の信頼を失って、住宅貸し付け予算そのものが否定されるだけでなく、アイヌ施策そのものに不信を抱く、そういう方がふえることを大変憂うものでございます。  それでは、契約、民法に準じた処理とは一体どのようなことでございましょうか。それは、保証人、連帯保証人、連帯債務者に対する催告であります。民法では、債権者が何らかの事情で滞納したり行方不明になった場合でも、これら保証人等に催告し、支払いを求めることができます。  現在把握されている債権にこれら保証人の方はついておられますでしょうか。また、その名称は、連帯保証人でございましょうか、連帯債務者でございましょうか、お聞かせください。 ◎阿部 市民生活部長  保証人についてでございますが、貸し付けを行う際、連帯保証人をつけ、契約を締結しているところでございます。 ◆木村彰男 委員  それでは、それらの貸付金を実際に管理し、管理業務、督励業務を行っている担当者は、これら連帯保証人に対してどのような督促、催促をされておられますか、お聞かせください。 ◎阿部 市民生活部長  これら保証人とのこれまでの折衝状況についてでございますが、連帯保証人に対する直接の督促は行ってきておりませんけれども、主たる債務者が行方不明になったり連絡がとれなくなった場合などに、その都度、主債務者が滞納していることを連帯保証人に伝え、主債務者の所在、連絡がとれない事情について伺うなどの折衝をしてきたところです。また、長期に滞納が続き、連絡のつかない主債務者については、今年度末から、連帯保証人への請求に向け、連帯保証人に対し、順次、文書で主債務者の滞納状況を知らせているところであります。今後、連帯保証人との協議を進めたいと考えているところでございます。 ◆木村彰男 委員  札幌市の債権は、抵当権の順位で言えば第2位であるとか第3位といった順位とお伺いしておりますので、差し押さえや強制執行をしても、その実は少ないのではないかということも考えられます。もしそうだとすると、金利だけ支払っていただくとか、これはいろいろ問題があるかもしれませんが、リスケジュールと申しますか、支払い期間を延長して、その分だけ支払い金額を下げる、そのような状況もある程度模索しなければならないというようなことも想定できるかと私は考えております。  現在、滞納中の案件の中にそのような案件がありますでしょうか、お聞かせください。 ◎阿部 市民生活部長  支払い期間の延長についてでございますけれども、この貸し付け制度につきましては、国の貸し付け事業制度要綱におきまして償還期間が最長25年以内と定められておりますことから、現在のところ、それ以上の期間の延長は困難な状況にございます。  しかしながら、委員ご指摘の点も踏まえ、国に照会をかけるなどして検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。 ◆木村彰男 委員  現在、債権管理条例に係る時効適用案件は、実際に放棄につながる案件だと私は考えておるのでございますけれども、そのような案件は、今、幾らぐらいだと把握されておりますでしょうか、お聞かせください。 ◎阿部 市民生活部長  時効などについてでございますけれども、滞納につきましては、先ほども申し上げましたとおり、粘り強く主債務者に納付を督励しているところでありますが、その滞納額の一部について消滅時効の期間が経過しているものは、9人について1,456万9,000円となっているところでございます。  なお、本市といたしましては、現在、放棄を予定している債権はございません。 ◆木村彰男 委員  先ほどから何回も申し上げますけれども、制度を維持して、施策そのものを持続的に継続・発展させていくためには、やはり、市民の方の信頼を失うことはできません。それを肝に銘じて、ぜひお仕事を進めていただければというふうに考える次第でございます。  次に、会派の勉強会でもお伺いいたしまして、実際に私も訪問させていただきました共同利用館のことについてお伺いいたします。  同利用館は大変古く、地域の方々から見れば非常に利便性のある場所ではございますが、協会の方が建てかえを望んでおるということで、この件についてはご担当とは何回もお話し合いも持たれておると伺っておりますけれども、その歴史的経緯、及び、現在、行政の方でお考えになっている施策をお聞かせください。 ◎阿部 市民生活部長  白石区にあります札幌市共同利用館につきましては、昭和53年度に、アイヌ民族の生活文化の向上及び社会福祉の増進を図る札幌市生活館として設置され、平成15年度にアイヌ文化交流センターが南区小金湯に開設されましたことから、生活館の機能移転を行い、その後、共同利用館として利用しているところでございます。  本市といたしましては、アイヌ民族の方にも委員に就任いただいた札幌市アイヌ施策推進計画検討委員会でアイヌ施策全体について検討していただき、その結果を踏まえ、共同利用館につきましては、平成22年9月に策定いたしました札幌市アイヌ施策推進計画の中で、今後実施する施策として、老朽化した共同利用館の代替施設として市街地にアイヌ民族の相談、交流の場を確保することを位置づけたところでございます。今後、代替施設につきまして、アイヌ民族の方たちとも協議をし、具体的な検討をしてまいりたいと考えております。 ◆木村彰男 委員  私は、小金湯にある施設も見せていただいておりますけれども、そこに集中させる必要はないのであって、建てかえ面の予算が厳しいということであれば、いろいろなところに機能を分離するとか、とりあえず、どこかの施設に同居するようなことも視野に入れた上で、ぜひ、アイヌの方々のご希望に沿うような形でお進めいただくことを最後に要望いたしまして、私の質問にかえます。 ◆宮村素子 委員  私から、女性の安心サポート事業について質問いたします。  まず、女性のための性暴力被害者相談についてでございます。  我が会派では、女性の性暴力被害者救済対策について以前より取り組んでおりまして、昨年の決算特別委員会ではよこやま委員が、そして、平成22年の予算特別委員会では、私は、子どもの性虐待被害に対して、子どもが助けを求めやすい環境づくりの取り組みを市に求めたところでございます。  その結果ということになりますでしょうか、子どもに関しては、児童虐待の未然防止といった観点から子ども安心ホットラインの設置が始まりました。また、身近な相談窓口として区役所に家庭児童相談室が設置されまして、私はその取り組みを大変喜んでいるところでございます。  しかし、性虐待は減ってはおりませんで、性虐待は、子どもでありますとともに、女性でもありますし、強い者から弱い者への暴力、そして人権侵害など、さまざまな側面を持っております。また、性虐待の特徴は、身体的な傷を残さない、虐待の開示までに長い年月がかかる、そうしたことからネグレクトや身体的な虐待よりも潜在化しやすい状況にあります。中には、幼児、小学校の低学年では自分に何が起きているのかさえ認識できない、そういったケースもあるというふうに聞いております。  性虐待に対する根拠法は児童虐待の防止等に関する法律でありますけれども、法律は違っても、同意のない性的行為という点においては、配偶者からの暴力、いわゆるDV被害や強姦、強制わいせつなどの女性への性犯罪と共通する部分が多いというふうに言えます。性虐待については、発覚後には、児童虐待という観点から児相で対応することになっております。しかし、私は、性被害、性虐待には女性の人権を守るという観点がしっかり据えられなければ、被害を開示しやすい状況はつくれないのではないかと考えているところでございます。  大阪府にあります性暴力救援センターSACHICOを視察してまいりまして確認できたことは、ここでの電話相談件数は、平成23年度、22年度ともに年間約1,500件ぐらいあると聞いています。そして、それとは別に、直接、来所してセンターでいろいろ支援を受ける方たちも200〜300人はいらっしゃるということです。特に、23年4月から24年2月までSACHICOに来所して診療を受けた人が168名おりまして、何と、その中で10歳未満の子どもが21名、そして、10歳から18歳までの子どもが95名と、約7割を子どもが占めております。子どもがいかに性の被害に遭っているかということが、この数字でもわかるかというふうに思います。性被害による彼女たちのこれからの人生への影響を考えると、大人としては、何とかこれを支えていかなければならない、そういうふうに思うのはここにいらっしゃるすべての方がそうだと思います。  私は、被害に遭った女性や子どもが被害を乗り越えるためにも、泣き寝入りすることなく、もっと声を上げられる、助けを求めていける、そういった環境づくり、体制を整える必要があるというふうに思っておりまして、改めて、私はそのことについて取り組んでまいりたいと思っているところです。  そこで、質問いたしますけれども、今年度行いました女性のための性暴力被害相談電話の実績はどのようになっているのか、その中に児童からの相談があったのか、伺いたいと思います。  また、来年度予定しております性暴力相談事業において、性虐待についての相談も視野に入れていらっしゃるのかどうか、お伺いしたいと思います。 ◎阿部 市民生活部長男女共同参画室長  1点目の平成23年度におけます女性のための性暴力被害相談電話の実績についてでございますが、昨年の6月から11月までの6カ月間行いました女性のための性暴力被害相談電話には28件の相談がございました。そのうち、性暴力に関するものが16件でございます。10代の女性から寄せられた相談は1件で、職場におけるセクシュアルハラスメントについてのものでございました。児童からの相談はなかったところでございます。  次に、平成24年度の事業についてでございますけれども、平成24年度におきましても、女性相談員による電話相談事業を行いますが、この事業につきましては、年齢や内容を問わず、女性に対する性暴力についての相談を行うものでございます。したがいまして、性虐待に関する相談があった場合につきましても、その内容をお聞きした上で、必要に応じて、児童相談所を初めとしまして、関係する機関へ連絡するなどの連携を図りながら対応してまいりたいと考えております。
    ◆宮村素子 委員  6カ月で28件ということでございますが、女性のための性暴力被害相談電話の対応は、札幌市の中では初めて開設した事業だったと思っております。残念なことに、性暴力に関する相談は6カ月でも28件あったわけですね。そのことを考えますと、11月以降今日まで、そういったことで困った人がなかなか相談するところがない、そういった状況にありまして、この事業の中途半端さに私はちょっと驚いているところでございます。  基本的なことですが、本当にこの事業をどう評価するのか。新年度も年齢に関係なく対応するということでございますけれども、そもそも札幌市の子どもの性虐待の状況は、平成21年度が13件、22年度が8件、23年度が10件と、やはり10件前後あるわけですね。そして、私は、これは氷山の一角だと思っておりますけれども、大人も子どもも、性に関して被害を受け、そのときに相談する場所として、この安心サポート事業の電話相談をそのようにしっかりと位置づけるべきではないのかなと思うのです。  平成24年度もするとは言っているのですけれども、性被害に対してしっかりと受け皿の事業にするという覚悟を伺いたいなと思っているのですが、いかがでしょうか。 ◎阿部 市民生活部長男女共同参画室長  この相談事業につきましては、先ほど申し上げましたけれども、性暴力によって大きな精神的なダメージを受け、だれにも言えないまま苦しんでいる被害者に対して、電話相談により、その苦しみや悲しみに寄り添い、心理的な支援等を行うことで、被害者の被害の軽減を図ることを目的に始めるものでございます。先ほど申し上げましたように、性虐待の案件でありましても、ご相談がありました場合には、その内容をお聞きし、対応してまいりたいと。これにつきましては、いろいろ諸条件もありますけれども、やはり、継続的な取り組みということも視野には入れてまいりたいというふうに思います。 ◆宮村素子 委員  継続的にということです。  ただ、予算で見ますと、新年度も継続するというわけですが、平成23年度は6カ月で約200万円です。これも、国からの自殺予防の700万円のうちの200万円をこの電話相談に振り向けているわけで、札幌市としては単費でやっている部分はないのですね。新年度もやりますと言いますけれども、予算額がやはり同じ仕組みで200万円ということであれば、今、部長がおっしゃったこの目的といいますか――私は、今、この事業そのものをする覚悟も伺ったところです。しかし、200万円だと、6カ月でやったことと同じようなスタイルになるのかなと。そうではなく、通年でする必要があるのではないか、少なくとも、通年、電話を受けますと。それから、今は平日なのですが、やはり土・日も受けてほしい。また、こういった問題は、やはり夜の方がタイムリーに相談しやすい。それから、小学生、中学生、高校生が被害に遭っているのですが、この子どもたちは、学校へ行っている時間帯には相談できないのですよ。  私は、相談はもっとあるというふうに思っているのですが、そんな対象の特徴ということを考えますと、やはり、予算をもっとふやすべきではないか、そして、しっかり対応して対策を練るべきではないかと思っておりますけれども、局長、これは何とかなりませんでしょうか。 ◎橋本 市民まちづくり局長  今、宮村委員のご指摘のとおり、今年度の6カ月というのは、国の資金を使って初めて実験的にやったものでございます。現在、新年度に展開するに当たって、今までのことを検証しまして、一番効果的な方法を模索しているところでございます。道内でも札幌市が初めてで、今、土・日も検討していますが、決して200万円という金額は――もちろん多い方がいいですけれども、道に比べてうちの方が多い状況にあります。いずれにいたしましても、道警を初め、既存の性暴力の相談については、市内に別の相談機関がいろいろありますので、そういうところとの連携も含めながらやっていきたい。  また、特に児童虐待につきましては、昨年の夏から24時間でホットラインを設けて児童相談所が頑張っております。あそこは、委員が日ごろ言うワンストップ的なところで、いわゆる児童福祉司、精神の心理司、そして医者もいるところですから、本当に相談よりももっと手厚いケアがされますので、そういうことで市として役割分担していきたい、そして、委員のいろいろなご提言を一つ一つクリアしていきたい、そう思っております。 ◆宮村素子 委員  今、局長から答弁をいただきました。私は、子どもは児相の電話が受け皿でそこでは手厚くできる、それから、大人はこっちが試行的だったので、ことしはもうちょっと工夫するということで、ぜひ、それはしっかりやってほしいけれども、やはり、子どもはこっちで、大人はそっちというすみ分けはできないというふうに思います。対象者にとってどっちが相談しやすいのか、そのことをもうちょっとしっかりと考えていただいて、ぜひとも、子どもの受け皿をしっかりと、私は、できれば予算の増額を求めたい、そんなふうに思っております。  それに関連しまして、もう一つ、私たちが求めております性暴力被害者のためのワンストップ支援センターの必要性については、私たちもずっと訴えてまいっておりまして、今回、行ってまいりましたSACHICOの事例でもわかりますように、かなり市民権を得ているというか、相談する場所として多くの市民がそこをしっかりと認めている、そういった状況がございます。  そこで、質問いたしますが、私たちは、市に対して、また、別な側面から道に対しても性暴力被害者のためのワンストップ支援センターの実現を求めておりますけれども、この実現に向けてどのような検討をされていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。 ◎阿部 市民生活部長男女共同参画室長  性暴力被害者のワンストップ支援につきましては、先ほど委員からご指摘がありましたように、大阪のSACHICOのような先進事例を見ましても、被害者のサポートや心身回復につながる重要なものと考えているところでございます。  北海道におきましては、来年度より性犯罪被害者相談窓口を設置するとともに、一元的な支援体制の整備について検討を進めるとのことですので、本市といたしましても、引き続きワンストップ支援センター実現に向けて連携協力するなど、道に働きかけてまいりたいと考えております。 ◆宮村素子 委員  道は道の動きがあって、相談窓口をつくる、市としても道との連携でということでございます。ワンストップ支援センターは、病院型にしようとする道の動きがあって、検討はしているようですが、なかなか予算やマンパワーなどいろいろな問題で成立がおくれている、私もそんなふうに思っております。しかし、この犯罪被害からどれだけ早く対象者を救うかということでは、その対策に関して私たちにも役割を求められているなというふうに思います。  ちょっと1例を紹介いたしますけれども、昨年秋に、道警の性虐待被害児の心のケアを行っているカウンセラーの方たちと、いろいろな性被害に対する家庭への支援、また、直接、子どもへの支援ということで、パネルディスカッションを開いて市民にいろいろな意見を求めたりしたことがございました。そのときに、カウンセラーが、性虐待を受けた子どもは、自己肯定感が非常に弱体化していく、そして、自分が生きていく、生きているということの感覚が持てるのは、やはり、遊びのそのときだけで、自分がそういうふうに求められているときだけ自分が生きていると感じると。そういった子どもが、どうやって大人になって、どうやって一人の女性として生きていけるのか、だれがどのように支援しなければならないのか、そのことを考えたら、カウンセラーも無力感に陥る、そんなことを言っておりました。もっと早くその子どもを救うことができたらと、こんなはずではなかったと。  そういったことがあって、私は、何としてもこのワンストップ支援センターを、できればSACHICOのようなワンストップ支援センターを求めますけれども、それができるまでには時間がかかる。そうでありますと、先ほど言った児童相談所で24時間やっているその電話、それだけではなくて、もっと子どもが本当に行きやすい場所はどこなのだろうと。24時間の電話の中でも虐待の相談はないのですね。子どもたちは、最終的に友達に言って、その友達が母親に言って、そして養護の先生なりに助けを求めている。それも、後手後手になって助けを求めている状況であります。まだ苦しんでいる子がいるというふうに思います。  副市長に聞いて終わりたいと思いますが、電話相談の間口や時間帯、PRの方法です。自分の体にとって嫌だと思うこと、そのときにはここに助けを求めることができるのだよということを、家庭にも、親にも、それから、子ども本人にももっとしっかりと伝えなければならない。また、この予算です。やはり、今、言っております電話相談事業の予算は少なくとも倍ぐらいにして対応する、そんなことがなければ本当に子どもたちは救われないと思います。子どもの笑顔あふれる札幌市を目指して私たちもともに頑張っているところでございますので、お考えを伺って、終わりたいと思います。 ◎渡部 副市長  この電話相談の200万円というお金でございますけれども、もともとは自殺対策の基金で、道経由で札幌市に配分されたものを、保健福祉局だけではなくて、例えば、都市局では高速のところにさくを設けるとか、その中の一環でございます。基金そのものはもう1年ぐらいありますが、終わります。その後、どうするかということについては、これでやめるということにはなりませんので、委員ご指摘のように、マルチな、これもあって、あれもあってと。言葉は悪いですけれども、やはり、どこかで子どもの訴えを拾っていくような仕組みはもちろん必要だと思いますし、これについては当然やっていかなければならないことだと。  SACHICOのお話は、委員からお話があったように大変驚くべき数で、やはり、そこまで行くには、多分、歴史といいますか、経過というものが必要なのだと思います。北海道ではどういう形がいいのか。そして、道が設置するものが札幌市内であるのだとすれば、一緒にやることもできます。特に、子どもの性的虐待は、ご存じのように、親も隠すのですね。通常は養父、継父という人からで、従前もそうでしたけれども、現在は、児童相談所はそういう情報については迅速に行動します。すぐ保護に行きなさいというふうに言っております。  しかし、そこが上がってこなければなかなか動かないというか、動けないということもありますが、おっしゃるとおり、やはり回線はマルチであった方がいいのだろうと思います。ワンストップに関しては、やはり、道と少し相談して考えていきたいというふうに思います。 ◆宝本英明 委員  私からは、地域活動の場整備支援事業について伺いたいと思います。  この事業は、市民の提案によりまして、市民集会施設や空き地、空き家などを整備、改修して、地域の状況に応じて創意工夫に富んだ活動を創出することを目的といたしまして、平成24年度から新たにスタートする事業というふうに聞いているところであります。皆さんもご承知とは思いますが、札幌市においては、他の都市と比べて少子高齢化が急速に進んでおりまして、子育て支援や単身高齢者の見守り、住民同士の交流促進など、地域における課題への取り組みは多種多様になってきているところであります。さらに、昨年3月11日に発生いたしました東日本大震災によって、住民同士の交流や防災などの地域の活動により注目が集まり、その重要性が高まっているところであります。  このような地域課題に取り組む活動を支えていくために、市は、まちづくりセンターを拠点として、まちづくり活動に関する情報提供や財政的支援などを実施し、身近な地域のまちづくり活動の活性化を進めてきているところであります。その結果といたしまして、札幌市の地域のまちづくり活動は、かつての連絡所時代には93事例であったものが、ことし1月末の時点で約10倍の943事例になるなど飛躍的に増加しておりまして、その部分は大いに評価できるのではないか、そのように思っております。  そうした背景の中で、この事業は、市民が主体となってさまざまな提案を行い、地域の資源を活用した地域活動の場づくりを進めるとともに、その整備された場で地域のまちづくり活動を進めていくという市が行う新たな支援形態ということであります。  そこで、質問ですが、これまでの支援に加えて、新たにこの事業を実施するに当たり、その内容と意義について伺わせていただきたいと思います。 ◎高野 市民自治推進室長  地域活動の場整備支援事業の実施内容とその意義についてでございますが、地域の課題がより多様化する中で、地域のまちづくり活動を活性化させていくためには、新たに市民が集い活動をする場を創出することも求められておりまして、地域で十分に活用し切れていない市民集会施設などのハード整備、改修が、地域まちづくり活動への支援策の一つとして必要であると認識しております。  この事業では、老朽化した町内会館や空き地、空き家、そういったものを整備、改修いたしまして、交流サロンやコミュニティファームとして活用するなど、さまざまな可能性が期待できるところでございます。事業は、公募提案型を予定しておりまして、いただいた提案は、審査を経て、市民集会施設の整備、改修については上限を1,000万円として2件程度、それから、空き地や空き家などの整備、改修につきましては上限を500万円として2件程度を採択し、対象経費の全額を補助することとしております。また、この補助に当たりましては、整備、改修された場で、完成後3年間、地域主体でまちづくり活動を継続することを条件とする予定でございます。  この事業によって、地域資源の活用だけでなく、施設整備などの問題で手がつけられなかった地域課題への対応、ひいては、これを契機に市民のまちづくりへの参加意識を高めることにつながるものと考えております。 ◆宝本英明 委員  私は、市民集会施設が老朽化したり、空き地、空き家などがそのまま見過ごされていってしまいますと、地域にとっての維持費がかさんでいったり、治安の面などで危険が生じていくことなど、地域の課題となることが考えられることから、活用できる資源を地域と行政が一緒になって生かしていくこの事業には注目するところであります。これまで手がつけられなかった施設の改修などで新たなまちづくり活動が生まれていく可能性もあり、また、そのような新たな分野に手が届いていくことによって、これまで地域のまちづくり活動に参加していなかった方々にも関心を持っていただけるものと期待しているところであります。  ただ、その一方で、この事業は、市民の提案を受けて、活動の場の整備、改修に対して市が財政的支援を行う、これまでにない補助制度でもあります。このことから、町内会や自治会、NPOなど地域の方々は、これまでの活動支援とは異なりまして、専門的な知識を要求され、ハード整備に関する設計や、それを活用した企画立案などを行っていかなければなりません。市が、市民から寄せられた提案を厳正に審査し、適正な運用を行っていくためには、提案する市民に書類等を提出していただくことなど、ある程度の負担はやむを得ないと思いますが、それには、まちづくり活動の意欲を損なわない、そういった十分な配慮が必要だと思います。  この事業の提案は、地域の方々にとって大きなハードルになっていく可能性もあります。そのことによってこの制度が利用されないのではないかと、そういうことも危惧されるところであります。したがって、市民がこの制度を検討しやすく参加しやすい状況になるよう、市としては、これまでの補助事業より、もう一歩踏み込んだ提案に向けた支援が必要になっていくのではないかと思います。  そこで、質問ですけれども、この事業を運用するに当たり、専門家ではない市民の方々でも自由な発想で負担感なく提案できるための支援が必要だと考えますが、お答えいただきたいと思います。 ◎高野 市民自治推進室長  市民の提案に関する市の支援についてでございますけれども、委員ご指摘のとおり、この事業は、市民主体による地域活動の場づくりが目的でございまして、事業の実施に当たりましては、施設の整備、改修などに伴う法令や、それから設計など、専門的な知識は必要不可欠なところでございます。しかし、多くの市民にはそうしたノウハウがないため、提案までに時間がかかって、そのことで意欲を損なうということもあると思われます。  したがいまして、この事業の提案に向けた準備等に際しましては、希望に応じて法令や建築の専門家を派遣するなどの支援をしていくこととしております。 ◆宝本英明 委員  こうした地域のまちづくり活動を支援する制度は、活用していただいてこそ初めて効果がありますので、ぜひ、提案段階での支援をお願いしたいと思います。  それから、先進事例だと思うのですが、横浜ではヨコハマ市民まち普請事業というのが行われております。平成17年度から実施されておりまして、評価を得ているところだと聞いておりますので、ぜひ、そういった例も参考にしていただきたいと思います。  最後に、こうした地域活動の場を創出していくに当たって懸念されるのは、将来にわたっての事業展開についてだと思います。先ほど、単年度当たりの採択件数は、町内会館など市民集会施設の整備、改修を2件程度、それから、その他の空き地、空き家などに関する整備、改修を2件程度、合わせて4件程度を想定している、そういった答弁であったかと思います。  しかし、札幌市は192万人ぐらいの大都市でありまして、10区それぞれに特色があります。また、多くの地域がさまざまな課題を抱えておりまして、大きな整備から小さな改修まで、多様な提案が寄せられてくるのではないかと思っているところであります。そのような状況が想定される中、今回採択される件数の設定では、市民のニーズに十分にこたえられないことも想定されるのではないかと感じております。財源に限りがあるということは理解するところでありますが、市民の高い問題意識と創意工夫に基づく有効なアイデアが多数寄せられた場合に、採択できないことは大変残念であると言わざるを得ません。  そこで、最後の質問ですけれども、市民の熱意や創意工夫が盛り込まれた提案には、市は件数にこだわらず柔軟にこたえていくなどの姿勢が必要だと思いますが、今後、この事業をどのように展開していくのか、伺いたいと思います。 ◎高野 市民自治推進室長  今後の事業の展開についてでございますが、平成24年度は事業の初年度ということもございまして、制度の利用につきましては、専門家である審査委員と協議の上、進めていきたいと考えております。その中で、市民から寄せられた貴重な提案は、一つ一つ審査しまして、地域のまちづくりにとって有効であると判断される場合には、件数にこだわらず、できる限り予算の範囲内で運用していく予定でございます。また、審査委員との協議などを通じまして、さらなる工夫により採択できそうな提案につきましては、審査を延長するなど、柔軟な対応を検討してまいりたいと思います。  札幌市は大都市でございますので、活用できる資源も数多くあると思われますことから、今後は、平成24年度の状況を十分検証しまして、必要に応じて事業内容を改善してまいりたい、そのように考えております。 ◆宝本英明 委員  今、答弁にありましたとおり、適正な審査とともに、予算の範囲内での柔軟な運用ができるよう、ぜひ、検討していただきたいと思います。  最後に、要望したいと思いますが、市民にとって、この事業の提案は、地域のまちづくり活動に対する熱意や創意工夫が必要なものでありまして、次に提案を検討している方々や、採択をされなかった方々への行政からのフォローや情報提供は必要だと思っております。また、施設等の整備、改修が完了しても、その場で地域の活動が継続されていかなければ意味がないと思います。こうした観点から、提案の審査や施設等の整備などが完了しても、提案者に対して側面的な支援が継続されていくよう要望して、質問を終わりたいと思います。 ○こんどう和雄 委員長  ここで、およそ20分間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後3時8分       再 開 午後3時30分     ―――――――――――――― ○こんどう和雄 委員長  委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を行います。 ◆芦原進 委員  私は、まちづくりセンターの役割ということについて質問したいと思います。  まちづくりセンターは、非常に大切なところだと私は思っています。本市の行政、まちづくりの仕組みを見ると、人間に例えれば、市役所は心臓だなと。区役所は静脈、動脈、まちづくりセンター、町内会は、まさに毛細血管です。やはり、心臓から出た血液が動脈、静脈によって全身に循環することで健康が保たれているという意味では、市役所、区役所、まちづくりセンター、町内会は、市民生活のためにはまさに血液の循環の働きをしなくてはならない、このように思います。  第3次新まちづくり計画の概要にも、目指すべきまちの姿ということですばらしいことをたくさん書いております。まちづくりの基本理念、札幌の目指すべきまちの姿勢、また、五つの政策目標、いろいろあります。どれ一つとっても大切なものです。これをいかに実現していくのか。そのために最も現場で仕事をするのがまちづくりセンターではないかな、こう思います。だから、まちづくりセンターいかんによっては、まちづくりが進むし、逆に後退もするということを私は思います。  しかし、理想と現実には相当の乖離があります。そこでまず、簡単な質問ですが、連絡所からまちづくりセンターに変更した目的は一体何だったのか、お尋ねしたいと思います。 ◎高野 市民自治推進室長  連絡所からまちづくりセンターに変更した目的についてでございますが、まちづくりセンターは、平成16年4月に、市民自治によるまちづくりや地域のまちづくり活動を推進するため、市民が気軽に集まって地域のことを話し合ったり、それらの活動を支援する身近な拠点にすることを目的として、従前の連絡所を改編して設置したものでございます。まちづくりセンターの役割としましては、連絡所が担っていた諸証明の取り次ぎや、住民活動の振興、要望集約の窓口といった機能に加えまして、まちづくり活動や住民組織のネットワーク化の支援、地域情報の収集提供など、人と人をつなぐ機能を一層充実させたところでございます。 ◆芦原進 委員  まさに、人と人をつなぐ機能を一層充実させるためということで、今、きずなが叫ばれておりますけれども、非常に大事なことだと。まちづくりセンターになって間もなく丸8年、この8年間は、予想をはるかに超えたスピードで時代が大きく変化しました。特に、頻発する自然災害、また、少子高齢化、生活環境、雇用環境など、市民や地域、町内会のニーズや果たすべき役割も大きく変化いたしております。  そこで、質問いたします。  1点目は、まちづくりセンターは、この8年間において、町内会などの住民活動の振興や地域の要望等の実現のためにどうかかわってきたのか。  2点目は、まちづくりセンターに求められている役割の変化について、どのように認識し、とらえているのか。  3点目は、このような変化にまちづくりセンターはどのように対応してきたのか、3点お尋ねしたいと思います。 ◎高野 市民自治推進室長  まちづくりセンターの取り組みについて、まず、1点目のまちづくりセンターが町内会などの住民活動の振興や地域の要望実現のためにどうかかわってきたのかということについてでございますけれども、まちづくりセンターは、地域の方々の活動がスムーズに進められるよう、さまざまなアドバイスを住民に行っており、必要となる事務手続や、他地区の事例などについて情報を収集して地域に提供したり、要望の実現に向けては関係する市の部局や他の行政機関と地域を橋渡ししたりするなど、地域のコーディネーターとして側面的な支援を行ってきたところでございます。  次に、まちづくりセンターに求められる役割の変化について、どのようにとらえ、それから、3点目として、対応をしてきたのかというご質問でございますけれども、まちづくりセンターへの改編以降、地域のまちづくり活動は、活性化が進みますとともに、その内容も多様化し、防犯や見守り、子育て、環境問題など、地域の課題解決に向けた主体的な取り組みへ変化してきております。従来、まちづくりセンターは、市民が主役のまちづくりを進めるため、地域のネットワークづくりなどの支援を行ってきたところでありますが、近年は、少子高齢化や町内会加入率の低下、まちづくり活動の担い手不足といった課題が深刻化しておりまして、さらに、それぞれの地域特有の課題解決にも取り組んでいかなければならない状況となっております。  そこで、こうした状況に対しまして、これまで、まちづくりセンターでは、それぞれの地域の実情に合わせて、きめ細やかな支援と町内会活動のPRなど、全市的に取り組むべき支援とを並行して進めているところでございます。また、まちづくりセンターにつきましては、地域住民の創意工夫を生かした市民自治によるまちづくりをさらに進められるよう、地域自主運営化の制度を平成20年度から開始したところでございます。  いずれにいたしましても、今後も、まちづくりセンターに求められる役割の変化を的確にとらえまして、地域のまちづくり活動の支援に反映できるようにしていきたいと考えてございます。 ◆芦原進 委員  コーディネーター役をやってきましたし、また、市民が主役のまちづくり等々、特に、昨今は、今ありましたように、平成20年度から地域自主運営化制度をスタートさせたということで、非常に評価できると思います。いろいろと千差万別ありますので、一概に地域自主運営化と言ってもなかなか難しい面も確かにありますが、自主性だとか地域性、また独自性等を総合的に進めておられることは大切だと私も思います。  まちづくりセンターには地域における福祉的コーディネーター――今、いろいろな問題が出ております。これは、今さら始まったことではないけれども、高齢化のお2人暮らし、おひとり暮らし、また、障がいがある方、見回り、要援護者対策等々、切りがないぐらい、まちづくりセンター、また町内会が取り組んでいることはいっぱいあります。大きな期待もされております。  そこで、質問しますけれども、まちづくりセンターは自主運営化や福祉対策等の推進力になるべきと私は考えますがいかがか、お答えいただきたいと思います。 ◎高野 市民自治推進室長  まちづくりセンターは自主運営化や福祉対策の推進力となるべきではないかというご質問ですけれども、まちづくりセンターの自主運営化や福祉のまちづくりをするに当たりましては、地域でのきずなやつながりを深め、地域のまちづくり活動への関心を高めて、多くの住民の方々に参加していただくことが必要でございまして、まちづくりセンターは、日ごろの業務の中で、こうした地域の土壌をつくっていくためのコーディネーターとしての役割を担っております。  札幌市は、少子高齢化が進行しておりまして、やがては人口減少の時代を迎えることから、まちづくりセンターにおきましては、今後、地域内の連帯を深め、多様化する地域課題に対応する役割が一層大きくなるものと考えております。そのために、市役所全体でまちづくりセンターを支える体制が必要でございまして、特に、自主運営のまちづくりセンターにつきましては、地域住民の創意工夫を生かしたまちづくりが進むよう、行政としてしっかりサポートしていきたいと考えております。 ◆芦原進 委員  やはり、市役所全体でまちづくりセンターを支える体制が必要である、私はそう思います。市役所、区も含めて、こういう体制がないといけない。  しかし、まちづくりセンターの所長というのは業務内容が大変忙しいと私は思うのです。多種多様、複雑化、地域内の町内会のニーズもまた多種多様化していますし、連合町内会とか単位町内会の日々の活動もこれまた多種多様化していますが、先ほど言ったコーディネーター的な役割は、少しだけですけれども、目的として着実に進んでいるとは思います。  しかし、現実に、町内会の人たちはどういう状況なのか、連町がどういう状況なのか、私はいろいろと聞いてきたのですね。町内会も大変なのです。どう大変かといいましたら、いろいろな財務、広報、保健福祉、防災、防犯、体育、文化、女性、さらに、まちづくりセンターと連携して社会福祉協議会だとか福まちだとか、連町と同じシステムで単町もいろいろなことをやらなければいけません。そういう状況の中で、催し物も年間を通じてびしっと決まっているのです。連町は連町、単町は単町、催し物がいっぱい入ってくる。連合祭り、町内会の新年会、夏祭り、また、パークゴルフなんかもあるみたいです。それから雪中運動会だとか、まあまあ、ありますよ。  ところが、最近、高齢者がふえてきて、参加者が減ってきているというのが現実だそうなのです。それから、コミュニティ活動支援助成金、これも見直されている。減額されるところも出てきている。花ランド事業は、最初は市が全部やると言っていたのに、最近は、足らない分は町内で出してくださいよとなっている。本当に単町、連町に負担がかかってきているのが現実なのですね。私は、こういうのを聞きますと、確かにコーディネーター役で頑張っていただいていますけれども、やはり、町内会の見方、考え方とちょっと開きがあり過ぎているのではないかと思うのです。  もう一つは、町内会長、役員は、単町、連町含めて大体70歳前後の方がやっておられます。あと10年先にはどうなるのか、20年先にどうなるのか、こういうことをしっかり見据えてこのことに取り組まなければ、町内会そのものが機能を果たさなくなるということもあり得るのです。こういうことをしっかりやっていただきたい。  ちょっと苦言ですが、まちづくりセンターを通して町内会にいろいろなものがおりてきます。町内会長の役員いわく、これは、何となく、何か知らないけれども、丸投げに近いのではないかと、こういう指摘もあるのです。丸投げではないのかと、私もそう思います。こういうところは、やっぱり見直していかなければならないと思うのですよ。  だから、私は、この10年を境として、次の10年に向かって、やはり、まちづくりセンターの本来あるべき姿、市民が安全で安心して暮らせるまちづくりをどうしていくかということで見直すべきだと。特に、課長職の人が1人だ。美園だって、2万人はいるのではないか。それで1人だから、それで面倒を見るというのは、どだい無理な話です。女性が2人おられますけれどもね。だから、機能強化というのも、やはり、市民のニーズにこたえるためには、自主運営化ということと相反するかもわからないけれども、やはり、機能強化、手足となって働けるような、そういう補佐役を1人つけていくことも考えて見直しをしていくべきだなと。そして、いずれは、市の職員がまちづくりセンターを運営しなくてもいいようなシステムにしていくべきだ、このように思いますが、これは要望して、終わりたいと思います。 ◆よこやま峰子 委員  私は、まちづくりセンター地域自主運営化について、企業によるまちづくり活動の推進について、証明書のコンビニ交付について、以上の3点ついて、順次、質問してまいります。  最初に、まちづくりセンター地域自主運営化について伺います。  ただいま、芦原委員から自主運営化を進めるべきだというお話がありましたけれども、この制度は、平成18年第2回定例市議会において、我が会派が提言し、検討が始まったものでありまして、その後、これまでに8カ所のまちづくりセンターが自主運営に移行しております。先ごろ策定の第3次まちづくり計画においては、地域自主運営化をさらに推進し、平成26年度末までに10カ所増の目標が掲げられております。  私は、これまでも、かねがね、自主運営化については、地域の状況や意思を十分に考慮し、地域住民の意向に沿った形で地域の選択に任せた柔軟な対応が望ましいということを申し上げてまいりました。ですから、箇所数を目標とすることについては、昨年の決算特別委員会において、我が会派の宗形議員が提言しましたように、自主運営化はあくまで地域の発意によるものであり、推進に当たっては、何よりも地域の意思を尊重していただくよう、再度、申し上げたいと思います。  しかし、また一方で、まちづくりセンター地域自主運営化の取り組みは、高齢化や町内会加入率の低下など地域の現状が厳しい中で、担い手を確保しながら、連携を深め、自分たちでまちづくりの体制を整えるための一つの有効な手段でもあると思います。これまでの経過を見ますと、年に2〜3カ所あった意向が今年度はゼロということであります。私は、これは、自主運営化を進めていこうという行政の意向と地域の実情がうまくかみ合っていないからではないかなと考えております。  昨年度、市は、初めてすべてのまちづくりセンターを訪問し、地域の方々からさまざまなお声をお聞きになったと伺っております。この中でいろいろな課題も見えてきたのかと思いますが、私も、地域の方々から、自主運営化に移行する段階での担い手は確保できたとしても、後に続く人がいないという不安をよく聞きます。このことからも、自主運営化を動かす原動力となるのは、やはり人材であります。人材なくして地域がまちづくりセンターを運営することは成り立たないと従来から指摘してまいりました。  そこで、質問ですが、自主運営化の推進に当たり、最も重要であるスタッフの人材確保について、市はどのように考えているのか、お伺いいたします。 ◎高野 市民自治推進室長  自主運営を行うまちづくりセンターの人材確保に関する市の考え方についてお答えいたします。  まちづくりセンターの地域自主運営は、地域のことを最もよく知る地域の方に運営をゆだねるもので、そのスタッフは、人事異動のある市の職員とは異なりまして、長くその地域のまちづくりに携わることが可能でございまして、これが自主運営化のメリットの一つでありますが、地域によって求める人材像やスタッフの構成は異なるところでございます。そのため、自主運営まちづくりセンターのスタッフの人材確保につきましては、委託料の範囲内で、雇用する人数及び雇用する方を地域で決定していただくこととしており、募集の条件や人選の方法などについては地域の裁量にゆだねております。  札幌市としましては、地域の求める人材を安定的に確保できるよう、雇用環境を整えることが重要と考えておりまして、平成24年度予算案では、人件費を1カ所当たり100万円増額しまして、年間785万円としたところでございます。また、これから自主運営化を考える地域に対しましては、検討が円滑に進むよう、これまでもさまざまな支援を行ってきたところでありますが、今後は、特に人材面についても支援を強化してまいりたい、そのように考えております。 ◆よこやま峰子 委員  まちづくりセンターのスタッフとしてどのような人材を雇用するかは、自主運営を検討する上での重大な関心事であり、自主運営化の成否を握るかぎとも言えるのではないかと思います。その意味でも、来年度からの委託料100万円増額は、人材確保の幅が広がるものと一定の評価をするものであります。人材と運営費の増額により財政的にゆとりができたとしても、高齢化が進み、役員の担い手不足に悩む地域にとり、地域が求めるような人材を地域みずからが探すのはなかなか大変ではないかなと思っております。私は、市として、もう一歩踏み込んだ支援を検討すべきではないかなと思うところであります。  さて、自主運営化の検討に当たり、地域が危惧していることに、人材確保と財政問題のほかにもう一つございます。それは、自主運営化した後で、人材面、費用面、その他もろもろの事情によって地域自主運営ができなくなった場合、地域では、一度、自主運営化をすれば、もう二度と市の運営に戻ることはできないというような認識があります。この不安から、自主運営化を検討することをためらっているという声も多く聞かれます。  そこで、質問ですが、一度自主運営化した後、何らかの理由で自主運営化の継続が困難になった場合、市としてはどのような対応をとられるのか、お聞きいたします。 ◎高野 市民自治推進室長  自主運営の継続が困難になった場合の対応についてでございますが、まちづくりセンターの地域自主運営は、区とまちづくり協議会などの地域横断的団体との間で、年度ごとに運営業務委託契約を締結することとなっておりまして、その契約期間は1年間となっております。したがいまして、一度、自主運営に移行すればもう市の運営に戻ることができないということはなくて、地域からの相談を受けまして、対応策を検討してもなお地域での運営を継続することが困難である場合には、札幌市の直営に戻すことも制度上は可能でございます。  いずれにいたしましても、札幌市としては、自主運営を円滑に継続していただけるよう、移行した地域に対しては今後ともしっかり支援を行っていきたい、そのように考えております。 ◆よこやま峰子 委員  ただいまのご答弁によりますと、自主運営化に移行したまちづくりセンターであっても、何らかの事情で運営を再び市に任せたい場合は、市の直営に戻ることも可能であるということであります。ぜひ、このことをしっかりと地域に周知していただきたいと思います。また、まちづくりセンターの自主運営化制度がスタートして間もなく3年半がたちますが、これまでは、制度の初期段階として、いかに移行がスムーズにいくか、運営を軌道に乗せるかといったことに力を注いでこられたのではないかと思います。しかし、昨年度、すべてのまちづくりセンターを回られていろいろな課題も見えてきたことと思いますので、今後は、自主運営を考え、検討しようとしている地域に関しては、自主運営化に踏み出せない問題点や、地域のニーズを正確にとらえ、しっかりと対応していくことが必要であると考えます。来年度から、委託料が685万円から785万円と100万円増額になりました。この金額が適当であるかどうかというのも、それぞれ地域差があるかと思いますが、人材の確保を初め、多くの課題に対して、今の枠組みでよしとせずに、もう一歩踏み込んだ具体的な支援策の検討を続けていただけますよう要望して、この件に関しての質問は終わります。  次に、企業によるまちづくり活動の推進について伺います。  まちづくりは、町内会など地域に頼るだけではなく、企業もそのノウハウや資源を生かし、まちづくりに参画、貢献すべきと考えます。札幌市では、企業によるまちづくり活動を進めるために、平成20年度から、札幌市と企業が連携協力してまちづくりに当たるさっぽろまちづくりパートナー協定を策定し、これまで大手9社と協定を締結したと伺っております。今後、平成26年度までにパートナー企業をふやすことを目的に、24年度予算では企業による市民活動促進事業を実施する予定とのことです。  そこで、質問ですが、さっぽろまちづくりパートナー協定について、一つ、締結先の企業をどのような方針、基準で選んでいらっしゃるのか。  次に、二つ目は、協定に基づく具体的な取り組みについて、例えば、地域課題解決というような視点でどのように取り組みがなされているのか、その重立った内容についても伺いたいと思います。  また、三つ目は、パートナー企業をふやすため平成24年度はどのような事業を予定しておられるのか、以上、3点について伺います。 ◎高野 市民自治推進室長  3点の質問ついてお答えいたします。  まず、さっぽろまちづくりパートナー協定の締結先企業の選定方針と基準についてでございますが、協定先の選定に当たりましては、一つは、札幌市の複数の施策、事業に協力できること、それから、幅広い分野で社会貢献活動の実績があること、さらには、協定締結を機に、これまで以上に社会貢献活動を進めていく体制があること、こうした三つの観点から企業と話し合いを積み重ねて合意に至ったところと提携しております。
     次に、協定に基づく地域課題解決の主な取り組みについてでございますが、事例を挙げれば、例えば、イオン北海道では、市内8店舗で、地域で多発している自転車による交通事故を軽減するため、主に子どもたちを対象とした自転車の安全教室を開催しております。また、セイコーマートにおいては、市内各店舗への配送車両に不法投棄を監視するステッカーを掲示しておりますし、そのほか、コープさっぽろでは、宅配時に地域の高齢者の見守り活動などの取り組みを実施しております。  最後に、締結先企業をふやすための平成24年度の事業についてでございますけれども、平成24年度は、地域課題の解決に向けた活動を紹介したリーフレットの配布やパネル展などを行い、まちづくりパートナー協定企業が果たしている役割や意義などを、他の企業や市民に広く周知していく予定でございます。また、平成20年度に、企業の社会貢献活動促進を目的に、企業市民活動研究会というものを立ち上げておりまして、この研究会の参加企業から多くのまちづくりパートナー企業が生まれておりますので、今後は、こうした研究会参加企業との協定締結も視野に入れながら、パートナー企業をふやしてまいりたいと考えております。 ◆よこやま峰子 委員  今後も、大手企業の持つノウハウや資源を最大限に生かし、活力あるまちづくりへの協力のための連携を深めていっていただきたいと思っております。  また、そんな大きな企業でなくても、中小企業においても、地道に社会貢献活動を続けていらっしゃるところもあります。私のよく行く美容室では、美容師が2カ月に一度、定休日に特別養護老人ホームを訪問して、お年寄りの髪のセットとか散髪をするボランティアを30年以上も続けておられます。このような中小企業の社会貢献活動はなかなか市民に知られておりませんが、本来の業務を生かしながらのこうした活動は、まちづくりにおいて非常に大切であると考えます。  地域とのつながりの希薄さが叫ばれている中、白石区での姉妹の孤立死や、埼玉県でも一家3人が餓死するなどの痛ましい事件が相次いで起きております。このような事件は、行政や町内会の縦軸、横軸だけで対応し切れない課題があり、地域に根差した中小企業なども加えた、あらゆるセーフティネットを駆使して、密度の濃い対応が必要であると思います。例えば、宅配業者などが、社会活動の一環として見守り活動を実施し、異変に気づいた場合、関係機関に連絡、通報するというような仕組みづくりができれば、セーフティネットとして生かせるのではないかと考えます。その意味でも、これからは中小企業による地道な活動が地域社会を支える一助になると考えます。  しかしながら、中小企業というのは、社会貢献活動をしたいという気持ちはあっても、日々の業務に忙殺され、活動に踏み出すきっかけがなかなかつかめないでおられます。あるいは、何から始めたらいいのかわからない企業も多いのではないかと思います。  そこで、質問ですが、このような中小企業の地域活動に対して、札幌市はどのように対応してきたのか、また、今後どのような取り組みをしていくおつもりなのか、お伺いをいたします。 ◎高野 市民自治推進室長  中小企業の地域活動に対する取り組みについてでございますが、これまでの取り組みとしましては、平成22年度に、市内に事業所のある従業員5名以上の企業に対しまして社会貢献活動に関する調査をし、約2,300社から回答を得て課題把握を行いました。またあわせて、活動を始める際の参考となるように、要点をまとめた事例集を約1万部発行しまして、公共施設や札幌商工会議所、さらには、社会貢献活動について相談に来られた企業などに配付しております。また、先ほど説明しました企業市民活動研究会をこれまで10回開催し、延べ88社が参加して、情報提供や意見交換、企業による事例発表などを行い、自社での取り組みに生かしてもらうよう工夫したところでございます。  今後の取り組みにつきましては、主に中小企業を対象としまして、既に社会貢献活動に取り組んでいる企業との情報交換会や、社会貢献活動を実際に体験し、ノウハウを学ぶ機会を実施する、そのほか、日ごろから、地域が課題解決のために企業の協力を求めている事柄について情報収集し、企業市民活動研究会の場を活用しながら企業へ情報提供するなどの取り組みを実施する予定でございます。 ◆よこやま峰子 委員  社会貢献活動に参画したいけれども、どこへ行けばいいのかわからないと悩んでいる企業もあるかと思います。札幌市に企業の社会貢献を応援している部署があることを広く企業に周知する必要があるのではないかと考えます。相談があった場合には、丁寧に説明し、参考事例なども紹介し、地域につないでいく、このように企業が具体的な行動に踏み出せるように支援がなされることを要望して、この質問を終わりたいと思います。  最後に、証明書のコンビニ交付について伺いたいと思います。  住民票などの証明書をコンビニエンスストアのキオスク端末を利用して受け取れるコンビニ交付が全国的に広がりを見せております。平成22年2月に、全国で初めて東京都渋谷区、三鷹市、千葉県市川市でコンビニ交付を実施してから、これまでに全国で43の自治体で導入されております。先日の新聞報道にありましたとおり、ことしの8月には、政令指定都市で初めて福岡市が実施する予定とのことであります。福岡市では、市内にコンビニ交付を行うセブン−イレブンの店舗が180以上もあり、市民が身近なコンビニで住民票や印鑑証明、戸籍の証明をも受け取ることができる。しかも、手数料については、区役所では住民票1通300円のところ、コンビニでは50円割り引いて250円で受け取ることができるというふうにするようでございます。また、コンビニ証明書を受け取るには、住民基本台帳カード、いわゆる住基カードが必要となりますが、福岡市では、発行枚数がまだまだ少ないため、コンビニ交付の実施に合わせて、半年間は通常500円のカード発行手数料を無料にするという取り組みも行うとのことであります。現在のところ、全国43の自治体で実施しているコンビニ発行は、時代の流れであり、今後、さらに全国に広まっていくものと思われます。  そこで、質問ですが、市民が身近なコンビニで証明書を受け取れるようにすれば、サービスアップに大きな効果が期待できると思いますが、札幌市ではコンビニ交付の導入についてどのように考えておられるのか、まず、お伺いいたします。 ◎野崎 地域振興部長  コンビニ交付の導入の本市における考え方でございますが、コンビニで証明書を受け取るためには、ご質問にもございましたように、住民基本台帳カードが必要となりますけれども、平成24年2月末時点の札幌市におけるカードの発行枚数は、人口比で約4.5%と発行率が低くなってございます。住民票などの証明書を受け取ることができるコンビニエンスストアはセブン−イレブンに限られておりまして、また、証明書1件当たり120円の委託手数料が差し引かれることから、市の歳入が減少する一方、コンビニ交付におきましても、システムの改修経費や多額のランニングコストがかかるというふうに聞いてございます。住基カードの普及が進んでいない中、コンビニ交付を導入しても多くの利用が見込めないと考えてございます。さらに、本市では、平成25年度後半にはすべてのまちづくりセンターで即日交付を実施する計画でもあり、コンビニ交付を導入することは考えておりません。 ◆よこやま峰子 委員  まちセンにおける即日交付が平成25年度後半にはすべてできるということで、まちづくりセンターというのもいいですけれども、市民にとってはコンビニの方が証明書を受け取りやすいのではないかと考えます。そして、全国的にコンビニ交付が広まっていくものと思われますが、そうすれば、今、まちづくりセンターで即日交付を実施するのではなく、コンビニ交付を進めるべきではないかと私は思います。  そこで、質問ですが、まず、1点目は、コンビニ交付を導入するのではなく、まちづくりセンターでの即日交付を拡大する理由についてお伺いいたします。  2点目として、これから進めようとしている全まちセンでの即日交付の実施について、事業費はどのくらいを想定しているのか、お伺いいたします。 ◎野崎 地域振興部長  全まちづくりセンターに即日交付を拡大する理由と事業費についてでございます。  拡大する理由についてでございますが、コンビニ交付は、住民基本台帳カードを所持している市民本人が、あらかじめ証明書を受け取るためのパスワードを設定する必要がございます。一方、まちづくりセンターでは、住民基本台帳カードを持っていない市民も、また、本人以外でも、同居の家族が本人に頼まれて請求する場合なども利用が可能となってございます。さらに、コンビニで交付できる証明書は、現在のところ、住民票、印鑑証明、戸籍証明に限られ、手数料が無料となる証明書は対応できませんが、まちづくりセンターでは、手数料無料の証明書のほか、もちろん区役所で発行できる証明書のほとんどを取り扱っているということで利便性が高いところでございます。これまでの実績でも、即日交付に移行したまちづくりセンターでは、移行前と比べて証明書の発行枚数が大幅に増加していることもございまして、全まちづくりセンターへの即日交付の拡大は市民サービスの向上に資すると考え、導入することとしたものでございます。  事業費についてでございますが、新まちづくり計画では事業費を1億4,500万円としてございますけれども、今後、ネットワーク回線の統合やプリンターなど使用する機器の見直しなどによりまして、可能な限り事業費を圧縮したいというふうに考えてございます。 ◆よこやま峰子 委員  即日交付の拡大に1億4,500万円かかるということですが、私は、やはりこれはどうしても納得できないのです。  福岡市で、今、180カ所のセブン−イレブンでコンビニ交付するのに設備投資は5,300万円と聞いているのですね。そうしますと、今、まちづくりセンターでの即日交付のために1億4,500万円をかけるというのは、どう考えてもちょっと高過ぎるのではないかなと思います。それが恒久的になって、それで終わるのでしたらいいのですけれども、今の時代の趨勢といいますか、流れがコンビニ交付へいっているのですから、間に合わせと言ったら非常におかしいですが、一時的な便利さのために1億4,500万円というこの金額は非常に納得できませんし、私にはちょっとその辺がわからないのです。  それから、区役所に近い場所とか、証明発行件数の少ないところも含めて、すべてのまちづくりセンターを対象にしていますが、その必要性もちょっといかがなものかなと思います。私は鉄西地区に住んでいますが、ここのまちセンはすごく小さいのですね。ですから、例えば、即日交付で行っても、お年寄りなんかは待つところもない。即日交付ですから何分かかるかわかりませんけれども、立ったままでそこで待っていなくてはいけないのかと。そうしますと、それが果たして本当に便利なのかどうかということも考えます。それから、先ほど自主運営化の話がありましたけれども、3月とか4月の非常に忙しい繁忙期といいますか、証明書発行で窓口に殺到するような時期に、多くの方が交付を受けに来られたときの対応はちゃんとできるのかなということも非常に不安であります。ですから、全まちセンに即日交付するという意味が私にはちょっとわからないのです。  今、各区役所とか大通の証明サービスセンターでもとれるわけですから、1日待てばできる話なのに、即日交付に1億5,000万円をかけて何が何でもしなければならないというのは、費用対効果に非常に疑問を感じますが、札幌市のご見解を伺います。 ◎野崎 地域振興部長  即日交付拡大をすることの本市の見解ということでございますが、札幌市では、ほかの政令指定都市と異なる特徴といたしまして、市内に87カ所のまちづくりセンターがございまして、このうち、2出張所以外に現在5カ所のまちづくりセンターで証明書の即日交付を、その他のまちづくりセンターで翌日交付を行っているところでございます。  平成22年度に行いましたまちづくりセンターに関するアンケート調査では、約6割の市民の方が証明書の発行サービスの利用を希望してございました。既に即日交付を行っている、出張所を除くまちづくりセンターでは、年間8,000件から2万件の証明書を発行するなど、全まちづくりセンターの7割強を占めてございまして、これらのことから、即日交付は市民ニーズが高いと判断し、また、移行した場合の効果は非常に高いと考えてございます。  また、全まちづくりセンターへ即日交付を拡大することは、市民にとってはわかりやすく効果的な広報も可能であり、さらに、証明書を受け取るためにまちづくりセンターを訪れる市民が増加することにより、まちづくりセンター及び地域活動のさらなる活性化にもつながるというふうに考えてございます。  さらに、スペースの関係につきましては、まちづくりセンター、地区会館の改築やリフレッシュ改修の対応などで可能な限り拡大してまいりたいと考えてございます。まちづくりセンターごとにさまざまな課題があろうと思いますが、その課題につきましては、まちづくりセンターのご意見を聞きながら進めてまいりたいというふうに考えてございます。 ◆よこやま峰子 委員  確かに、少しでも近くで交付を受けられるということは望ましいわけですが、約6割の市民が希望しているという数字が出ていますけれども、この方たちが、そのために1億4,500万円もの市税が投じられていると知れば、必ずしも、より近いまちセンで即日交付をと思うかどうかというのは、私は非常に疑問であると思います。  また、今、部長は、まちづくりセンターへの来訪者の増加にもつながるとおっしゃいましたけれども、私は、これは本末転倒ではないかなと思うのです。まちづくりの活性化のために証明書の即日発行にこんなにお金をかけるというのは、話が違うのではないかなと思います。先ほどから住基ネットに非常にお金がかかるとか、進んでいないということでしたけれども、これだけの金額があれば、そちらの拡充のために使った方がよほど今の時代に合っているのではないかなと私は思います。  そこで、質問ですけれども、まちづくりセンターの即日交付のために1億4,500万円を投じるよりも、コンビニ交付への一日でも早い対応、あるいは、住基ネットの普及のために充てるべきと考えますがいかがか、札幌市のご見解を局長にお伺いいたします。 ◎橋本 市民まちづくり局長  即日交付拡大に対する認識でございます。  これまで、コンビニ交付を導入した他の自治体の例では、コンビニ交付の利用率はまだ低い状況にあります。一方、札幌市では、即日交付を実施しているまちづくりセンターでは、高い利用実績があり、コンビニへの委託手数料やランニングコストの面でも、コンビニ交付よりも効果が高いと判断しているところでございます。  札幌市では、まちづくりセンターを市民自治によるまちづくりを推進するための地域の拠点として位置づけているところであります。即日交付のサービスの拡大により、多くの市民に利用していただくことで、まちづくりセンターをさらに身近に感じていただくとともに、さまざまな相談や地域活動への参加のきっかけとなり、まちづくりの活性化にもつながることを期待しているところであります。 ◆よこやま峰子 委員  要望ですが、現時点では、住基カードの普及率も低く、コンビニ交付の実施に課題があるとのことですけれども、今後、市民ニーズは、まちセンにおける即日交付ではなく、コンビニ交付の方へ確実にシフトしていくものと思います。福岡市がこれからコンビニ交付を始める状況なども参考にして、札幌市においても、現時点の間に合わせといいますか、要は、一時的なもののために市民の貴重な税金である1億4,500万円を投じるのはやめて、コンビニ交付の実施に向けて引き続き検討していただくよう要望して、私の質問を終わります。 ◆三宅由美 委員  私からは、被災者を支援する市民まちづくり活動と女性への暴力に関する対策についての2点にわたって質問いたします。  最初に、被災者を支援する市民まちづくり活動についてですが、東日本大震災発生から1年が経過しました。被災された方々は、私たちがはかり知れないほどのさまざまなつらい思いを抱えながら暮らしていらっしゃるのだと思います。改めて、被災された方々にお見舞いを申し上げたいと思います。  この1年、被災地への支援については、阪神・淡路大震災のときと同様、全国各地から個人やボランティア団体、NPOなどがいち早く現地に入り、さまざまなボランティア活動が展開され、その数は延べ100万人を超え、国内外から日本赤十字社などに寄せられた義援金は5,000億円を超えたとのことです。しかし、今、ボランティアの数がだんだん減ってきたということも聞いております。被災地の公共インフラなどの復旧については、国において、復興庁を発足し、今後、本格的に取り組んでいくことになりますが、放射能被曝を恐れ、自主的に非難されている方も含め、まだまだ被災された方々が以前の生活に戻る、前の住んでいた場所に戻るなどには長い期間がかかると思います。  札幌市でもたくさんの方が避難されておられます。避難者数を見てみますと、被災3県を中心に、約34万人もの方々が仮設住宅や他都道府県へ避難しており、このうち、道内には約3,000人、札幌市への避難はこの半数に当たる1,500人に近い状況であります。こうした方々に対して、行政を初めとして、NPOや町内会などによるさまざまな支援が行われてきましたが、この1年、市民活動を所管する市民自治推進室としてはどのような支援を行ってきたのか、まずはお伺いいたします。 ◎高野 市民自治推進室長  市民自治推進室によるこの1年間の被災者支援の取り組みについてでございますが、この1年は、NPOや町内会などが、その機動力や柔軟性等を生かし、被災者支援ができるよう、活動の場の提供、それから財政的支援、そして避難者への情報提供という三つの柱を立て、支援を展開してまいりました。  まず、活動の場の提供としましては、昨年4月に、旧豊水小学校3階に被災者支援市民活動センターを開設し、被災者支援を行う五つの団体に貸与したところでございます。  次に、財政的支援に関しましては、さぽーとほっと基金に「被災者を支援する市民まちづくり活動」というテーマを新たに設けまして、これまでに約1,800万円もの寄附をいただき、被災地や市内の避難者への支援を行う団体の14の活動に対して助成したところでございます。団体の活動内容としましては、例えば、不要になった本を被災地に送る活動や、個人ボランティアを被災地に派遣する活動、また、市内での活動例としましては、夏休み等に福島の子どもたちを招き、野外活動を行う活動や、避難者へリサイクル品を提供する活動などがございます。  最後に、避難者への情報提供としましては、昨年5月から、国の緊急雇用創出推進事業を活用しまして、避難者から寄せられる相談への対応とかイベント招待など、企業や個人からの支援の申し出等を掲載した情報誌を毎週発行し、避難者が札幌市内で充実した生活を送れるよう支援しているところでございます。この情報誌をきっかけにしまして、福島からの避難者が、豊平区西岡の歯科診療所の跡施設を借り受けまして、地元の町内会の方々が室内の改装を手伝い、家庭内の不要物品を持ち寄って、リサイクルショップ兼地域のたまり場となるサロンを開いたような事例もございます。 ◆三宅由美 委員  NPOや町内会など、札幌市民の力を生かしたさまざまな支援が展開されているとお聞きしました。大変心強く感じると同時に、札幌市の市民力の高さを、今、実感しているところです。また、この情報誌の果たす役割は、非常に大きいと思います。被災者同士をつなぐ、また、支援するNPOなどの団体をつなぎながら、自分たちが次にどんなところで支援していったらいいのかということを探るいい情報の収集にもなると感じております。  被災者の方々から、避難先として札幌を選ぶ理由の一つに、札幌市や北海道が民間団体などと連携し、心が通う対応をしてくれるからという多くの声を聞いております。先日は、テレビで、九州から札幌に来ると決心をした方のインタビューがありましたが、やはり、本当に心が通う対応で、特に民間団体の人がしっかりと支援してくれる、温かい支援をしてくれるからということを理由に挙げておられました。  今後も、心が通う支援を展開していただきたいと思っておりますが、避難者のニーズや抱えている悩みは、震災発生当初のころとはまた違ってきていると思います。家族が長く離れ離れに暮らしている、また、貯金も底をついてしまったなど、支援の方法も当時とは異なると思われます。そしてまた、避難者の中には、復興をせず逃げていったというようなことまで言われている方もいて、いつも心に痛みを感じながら札幌で暮らしているという方もいらっしゃいました。知り合いが少なく、家族以外に悩みを打ち明ける人がそばにいないなど、今後、気持ちの面を支えるような支援も大切になってくるのではないかと思っております。阪神・淡路大震災のときは、仮設住宅での孤独死、それから、自殺が相次いだことから、今回、被災地では被災者の見守りに力を入れていると聞いております。本市においても、こうしたきめ細やかな支援にも目を向けていくことが重要ではないかと思います。  そこで、質問ですが、今後も札幌市への避難者がふえてくると予想されております。特に、このごろは新婚の方々がいらっしゃるということも聞きました。やはり、これから子どもを産む、そして育てることに、福島では不安だという方々がいらっしゃっていると思います。減るどころか、避難者は1,500人近くなって、ふえているということがあります。  平成24年度以降、市民力を生かし、どのような支援を展開していく予定なのか、お伺いいたします。 ◎高野 市民自治推進室長  平成24年度以降の被災者支援についてでございますが、まず、活動の場の提供としましては、4月以降、被災者支援市民活動センターとして利用している旧豊水小学校が利用できなくなるため、入居団体は、隣接する市民活動プラザ星園の方に移ることで現在準備を進めているところでございます。  次に、財政的支援に関しましては、引き続き、さぽーとほっと基金での寄附募集と活動団体への助成を行う予定でございます。  そして、避難者への情報提供につきましては、平成24年度も、緊急雇用創出推進事業を活用しまして、被災された求職者3名を雇用する予定でございまして、引き続きNPOに委託して情報誌の発行などを行うほか、避難者の方々が抱える悩みを打ち明け、気軽に話し合える場や、避難者と地域が子育てや健康づくりなどをテーマに交流できる機会を提供していくこととしております。また、避難者のニーズに合ったよりよい支援ができるように、支援を行う団体同士が情報交換できる場を設けまして、避難者が孤立することなく安心して生活できるよう、関係者のネットワークを強化していく予定でございます。 ◆三宅由美 委員  月日が経過するとともに、市民の関心が薄れるのではないかと懸念しておりますが、このような支援が必要だと思っております。また、薄れるどころか、自分にできることは何なのだろうというふうにいろいろ聞いてくる市民の方もたくさんいらっしゃいます。今後も市民による支援が継続できるようサポートをお願いするとともに、市民に対して継続的な支援を呼びかけるといった点もお願いしたいと思います。  また、本市の避難者のうち、福島県からの避難者が約7割であると聞いておりますが、今後も、放射能被曝を恐れて避難してくる方々や、夏休みや冬休み期間に一時避難する子どもたちがふえてくるのではないかと思います。春休みも、今、定山渓の渓流荘に、きょうからでしたか、福島県から来るということも聞いております。夏休みもたくさんのお母さん、子どもたち、赤ちゃんが定山渓にも来ておりました。特に、子どもの受け入れについては、ボランティアやNPOのネットワーク、それからフットワークに任せるだけではなく、行政としてもできることを実施し、協力しながら受け入れていただくことを要望して、この質問は終わります。  次に、女性への暴力に関する対策についてです。  我が会派では、女性への暴力は女性に対する人権侵害の最たるものとして、従前より、その根絶に向け、さまざまな取り組みを行ってきました。その一つに、DV問題に取り組んできたということがあります。DVは、被害者の人権を侵害するものであり、ほとんどの被害者は女性であり、強い者から弱い者への一方的な暴力です。平成13年にDV防止法が施行されてから、警察庁での配偶者間の暴力相談の認知件数は増加し続けております。平成22年には過去最高の3万3,852件に上りました。  札幌市では、現在の男女共同参画さっぽろプランの重点事項の一つに、夫、パートナーからの女性への暴力の防止と被害者への支援が掲げられており、また、男女共同参画の総合的な計画とは別に、DV基本計画を策定して、積極的に、また、日本全国でも先進的に札幌市は取り組んできました。このたびの第3次札幌新まちづくり計画の中に盛り込まれております女性の安心サポート事業においては、配偶者暴力相談センターの相談事業の拡充など、女性への暴力に着目した取り組みが盛り込まれていることに期待しているところです。  相談センターでの相談件数ですが、年間1,200件ほどあり、件数の多さに加え、困難なケースへの対応や、付き添いなど、被害者に寄り添った支援をしなければならないといったことが課題となっております。相談センターでは、今年度から面接が可能な時間をふやし、相談体制の充実を図ったと聞いておりますが、面談をした後に、保護命令のための手続や日常生活に必要な手続を行うために、裁判所や区役所などに行かなければならない事案も少なくないと思われます。DV被害者は、長年、配偶者からの暴力を受け続け、健康への影響も大きく、何の落ち度もないのに、危険なので逃げて生活をしていかなければならないという現実があります。DVがきっかけとなって、精神的に不安定な状態となって、日常生活にも悪影響を及ぼし、なかなか自分で何かすることができないような人も多いのが現実です。さまざまな手続を一人で行うことができない人がいると聞いてきました。  そこで、質問ですけれども、私は、DV被害者への支援として、今までの相談体制に加え、被害者に寄り添い、必要なときに相談員が付き添う支援、いわゆる同行支援のための体制づくりが急務と考えますがいかがか、伺います。 ◎阿部 市民生活部長男女共同参画室長  女性への暴力に関する対策についてでございますが、DV被害者への同行支援につきましては、心身ともに大きなダメージを受けているDV被害者が自立して新たに生活していけるようになるために、相談から自立までの切れ目のない継続的なサポートが必要であると認識しているところでございます。  DV被害に遭われた方につきましては、加害者から保護するため、委員ご指摘のとおり、相談証明の発行や保護命令に必要な法的手続を行っておりますが、平成23年度からは、面接などの相談体制を充実させ、必要な情報の提供や助言、関係機関との連絡調整を行っているところでございます。  来年度からは、被害者が自立して安心できる日常生活を取り戻せるよう支援していく過程で、各種手続を円滑にできるよう、相談員が同行することが重要と考え、被害者の意思を尊重しながら、状況に応じて官公庁など関係機関への同行支援を行えるよう相談体制を強化してまいります。 ◆三宅由美 委員  支援が手厚くなるそうで、大変喜んでいるところです。  次に、もう一つの女性への暴力ですが、性暴力被害者支援の関心が高まっております。ことし2月には、東京で、性暴力被害に遭った人を支援するため、電話相談のほか、警察、裁判所への付き添い、法律的な助言など、さまざまなサポートをする被害者支援のためのセンターが開設されました。性暴力被害者の対策は、私も重要な課題と考え、今定例会の代表質問でも、私どもの会派の村上議員が取り上げたところですが、副市長から前向きなご答弁をいただいたところです。  平成23年度第2回市民アンケートの結果によりますと、最近1年間に自宅やその周辺で犯罪被害に遭ったり危険を感じたりしたことがあると答えた市民が16.4%でした。そのうち、痴漢や性犯罪に関するものは20.2%にも上り、被害者の年齢では、20代から70歳以上まで幅広い世代の方が被害に遭っていることがわかりました。被害の内容や状況から、警察に届けて事件にはせず、一人で悩みを抱える場合も少なくありません。  昨年11月には、性犯罪被害者支援のための研修会が札幌市内でも開かれました。性犯罪に巻き込まれた被害者の方が自身の体験を語り、被害に遭うということがどういうことなのか、参加した方々は改めて重く受けとめたところです。このように、性暴力被害をなくそうということで自分がカミングアウトして訴える方は非常に少ないのですが、これも、この方がこれから生きていく上でのこのような共感とか、それから、根絶していくという使命感とか、きっとそういうことが強い力になっているのだなというふうに感じているところです。  被害者にとっては、事件のときだけにとどまらず、その後の生活においても大きな支障を来すこととなり、私は、札幌市民の中にも声を上げられずに長いこと苦しんでいる被害者がどれだけいるかということに思いをはせております。先ほどの宮村委員の質問でも、子どものころに受けた性被害のことはなかなか言えないというようなこともありました。女性への暴力根絶、女性が安心して暮らせるまちという観点からも、性暴力被害者支援にも積極的に取り組まなければならないと考えております。  そこで、質問ですが、市では、具体的な性暴力被害者支援として、今後どのような取り組みをしようとお考えなのか、伺います。  また、どこに相談してよいか悩んでいる被害者に必要な支援の情報を提供するための方策が必要と考えておりますがいかがか、伺います。 ◎阿部 市民生活部長男女共同参画室長  1点目の性暴力被害者への支援の取り組みについてでございますが、昨年、試行的に行いました女性のための性暴力被害相談電話に寄せられた相談の中には、犯罪に係るもの、過去の被害についての悩みなど、さまざまな内容のものが寄せられておりまして、関係行政機関や専門的機関との連携が必要であると認識しているところでございます。平成24年度におきましても電話相談事業を行う予定でありますが、被害者の個々の事情に応じた支援が適切に行われることが大切でありますことから、被害者の状況に応じて、専門機関などの紹介や付き添いの実施などを検討しているところでございます。  次に、情報提供の方策についてでございますが、被害に遭って悩み困っている女性がいつでも相談先を探せるように、携帯サイトなどでの案内を行うほか、相談電話の存在を広く知っていただくために、例えば、映画館での広告上映や、化粧室など女性の目にとまりやすい場所での相談カードの設置、あるいは、医師会などの関係団体を通じた情報提供などを行いまして、効果的な周知に努めてまいります。 ◆三宅由美 委員  携帯サイトにそういう情報を載せる、あるいは、相談カードを置くということです。私は、単に相談を受ける窓口だけではなく、先ほどおっしゃったように、個々のケースに合わせて、例えば、心理カウンセラーに見ていただく必要がある、あるいは、レイプクライシスセンターなどのように、看護師のところとか病院に連れていかなければならない、あるいは、裁判所、司法面接、そういうことにも付き添わなければならない、そういう人材がたくさん必要だと思っております。  神奈川県では、性暴力の被害者が自分の暮らす地域で安心して心身のケアを受けられるように、神奈川県立保健福祉大学と神奈川県が、性暴力被害に対応できる保健・医療・福祉の専門職を養成するプログラムを開発するということです。被害の特性を理解した看護師や保健師、助産師、医師、ソーシャルワーカーらを育てて、地域全体の支援の底上げを図る考えだということです。今年度からこの養成プログラムをつくる事業が始まるのですけれども、やはりさまざまな工夫が必要だと思います。市民団体の中にも、お医者さん、あるいは心理カウンセラー、弁護士などで性暴力の根絶に向けて頑張っている団体がありますので、ぜひ、行政は、連携をとりながら、女性にとって安心なまちづくりを進めていただきたいと思います。終わります。 ◆本郷俊史 委員  私からも、札幌市におけるクマ対策について、市民の安全確保と適正な共存というような視点から質問させていただきます。  平成24年度予算に、クマ等対策費2,640万円、それから、環境局みどりの推進部に専門組織を設置するということでございますので、市民まちづくり局地域振興部長への質問はきょうが最後ということになります。今度、24年度以降は環境局での質問になるということでございますので、ぜひ、これからのクマ対策に生かせるような前向きなやりとりができるように期待しながら、質問させていただきたいと思います。  平成10年、私は、初めてこの問題を取り上げました。大都市札幌においても、将来、市街地にクマが出没する可能性があること、そして、その対策を講じておくべきという趣旨で、その後も何回か質問させていただいてまいりました。今回、予算が計上され、対応する専門部署が設置されたということは、今後も続くと予想されるヒグマ出没に対する本市の対策の第一歩が始まるということで、大変感慨深いものがございます。  そこで、最初に、3点質問いたします。  クマの出没については、全国的に増加傾向です。本州はツキノワグマですけれども、平成21年は4,025頭、平成22年は何と1万7,505頭、そして、出没件数に比例して人身事故も増加しております。  そこで、1点目は、平成23年度はまだ終わっていませんけれども、今年度の札幌市の出没件数は257件と、平成22年度、前年度の127件の実に倍であります。10年前は大体50から60件ぐらいで推移してきておりましたので、そういう増加で、何といっても、特筆すべきは、中央区などの中心市街地に出没したということです。全国的に大変有名になりました。  そこで、市としては、これらのことから、昨年の事例をどのように分析し、今後の対応に生かそうとしているのか、お伺いいたします。  2点目は、平成24年度も同様の傾向となった場合にどのような対応を考えているかということです。  平成16年度にも、その当時は大体50〜60件だったのが107件と、100件を超えました。翌年、平成17年度、この年度も実は123件と同じような傾向でございました。特に、昨年秋に捕獲されたクマの胃を調べたところ、ほとんど胃が空っぽで、通常、2センチから3センチある皮下脂肪もほとんどついていなかった。ということは、そのまま、えさ不足の中で冬眠したクマが、この春先、市街地に出てくることの危険を指摘する専門家の方もいらっしゃいます。そのことも含めて、当面、どのような対応を考えていらっしゃるのか。  3点目は、新年度発足する組織体制と新年度の取り組みについてお伺いいたします。 ◎野崎 地域振興部長  質問は3点ございまして、まず、昨年のヒグマの出没件数が増加した状況を踏まえ、課題をどのように整理し、今後の対策にどのように生かしていこうとしているかということでございます。  昨年のヒグマ出没に関しましては、ご質問にございましたが、中心市街地にも出没したというふうなこともございます。また、継続して出没するというふうなこともございまして、その際、市街地での出没対応や捕獲の判断の困難さ、さらには、長期間、施設閉鎖をするようなことや、また、通学時の見守りなどの市民生活への影響など、さまざまな課題があったというふうに考えてございます。こうした課題を踏まえまして、平成24年度は、緊急時の人身被害を防ぐため、電気さくを含む出没対策費を計上するとともに、出没しにくい環境づくりに努めることが何よりも重要と考え、みどりの推進部に野生生物対応の統括部門を整備したところでございます。  ことしも同様の傾向となった場合ということでございますが、これまでと同様、出没があった場合については、市民への普及啓発などを真っ先に行いつつ、人身被害がないよう、新年度予算案で計上した電気さくなどを活用しながら、その時点で有効と思われる方策を可能な限り講じていく考えでございます。  3点目は、新年度の取り組みということになりますでしょうか。先ほどもお答えいたしましたが、平成24年度では、新規施策としてヒグマが継続的に出没した場合の人身被害を防ぐための電気さくの購入設置ということを新たに盛り込んだところでございます。そのほか、2,600万円の予算の中で、市民へ普及啓発するためのヒグマに関する市民講座や、対応職員の知識向上のための専門家の職員研修、また、ヒグマ出没時には、痕跡調査を行うために専門的な見地から現場確認を行う業者を委託しているところでございまして、そのための業務委託費を計上してございます。  それらの方策によって、人身被害が起きることのないように取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。 ◆本郷俊史 委員  これまでのクマの出没の対応は、市民まちづくり局の地域振興部が担ってきました。実際の現場対応は、各区の市民部の職員が大変苦労して対応されていました。出没注意の看板設置、ふんなどの痕跡調査、マスコミ対応、市民への広報、場合によっては泊まり込みで、あるいは土・日も出勤してと。本来、地域安全担当係、交通安全とか防犯・災害対応を担っている。申しわけないけれども、クマの知識がない中で、本当に苦労して対応されていました。板垣中央区長もうなずいております。クマが出るところの各区の区長はそうだと思います。そんな中で、今回、この組織ができたわけです。4月からスタートということなので、今まで、地域振興部は、槙課長も、この1年間、大変苦労をされて、相当に情報、ノウハウというものも蓄積されているのだろうと思います。  そこで、新しくできる部署に対して、そこから用意ドンではなく、やはり、今までの札幌市の持っている情報から対策をスタートすべきだと思うので、バックアップについて、地域振興部としてどのようなことを考えられているか、1点伺います。  今後、対策を進めていく上で、電気さくのお話をされておりますけれども、実際のところ、山林との境界全域をカバーするのは物理的に無理であります。あくまで緊急避難的応急対策としての取り組みだと思います。  そこで、長期的な対応、例えば、山のえさ、要するにドングリですが、この豊作、凶作の情報を知ることで出没の事前対策ができるようなシステム、こういうことに取り組んでいる先進事例もあります。あるいは、モニタリングで生息数の調査など、あるいは、一番の課題だと思っていますけれども、猟友会、ハンターの方たちの減少、高齢化、技術の伝承、こういったこと。短期的な取り組みとしては、今の防護さくを含めて、誘引物の除去だとか、連絡体制の一元化だとかがあると思うのですけれども、こうした長期的対策、短期的対策についてどのように考えているか、伺います。 ◎野崎 地域振興部長  質問が2点ございまして、地域振興部としてのバックアップ体制というようなことと、中長期的、また短期的な取り組みというふうなことだったと存じます。  新たに設置される組織につきましては、私どもはヒグマ対策委員会を所管してございますが、ともに取り組んできた環境局のみどりの推進部に設置されるということで、もちろん、みどりの推進部が所管をしている部分について一定程度のノウハウがあるということではございますけれども、出没時対応に当たるヒグマ対策委員会の所管がそちらに移るということを考えてございますので、そちらに対して円滑な移行をするように、当然、引き継ぎをするとともに、これから、我々は区役所を所管する立場として地域振興部区政課もともに必要な支援を行ってまいりたいというふうに考えてございます。  また、中長期的な取り組みの中で、えさだとか個体数調査とかいろいろあると思います。実際、クマの出没がふえた原因というのは、専門家の中でも見解がいろいろ分かれており、明確にはなっているわけではございませんが、ただ、ヒグマについては、当然、生息域が札幌市域にとどまるものではなく、広域的に生息するということから、やはり、道レベルでの対応も必要になってくるというふうに考えてございます。  新年度には北海道に設置される予定と聞いております石狩地域ヒグマ対策連絡協議会などの場で管内市町村との連携や、また、道に対しても、石狩西部地域の保護管理計画の策定なども働きかけてまいりたいと考えてございます。短期的につきましては、従前取り組んできたものの延長線上ということになりますけれども、ヒグマが市街地に出没しないよう、ごみ出しルールなど、市民に必要というか、注意すべきことの普及啓発や、対応する職員個々のスキルアップなどに努めるとともに、その職員の負担の軽減のためには、やはり、専門家に痕跡調査業務を委託するところでございますので、そちらを活用しながら、人身事故が起きないように対応してまいりたいというふうに考えてございます。 ◆本郷俊史 委員  今、道レベルの対応ということで、道にも求めていくということです。  道の保護管理計画については、私はここの場で何回も質問してきました。全道五つの生息域のうち、保護管理計画をやっているのは渡島半島地域、これは、10年やって、農業被害だとか、出没件数だとか、減ってきている、効果がある。平成22年度から第2期の計画がスタートしている。なかなか道が腰を上げない。しかし、昨年の札幌を初め、恵庭、千歳、苫小牧など都市部での出没件数の増加によって、新年度は、全道を対象に新しいヒグマ管理計画の策定に着手することが報道されておりますけれども、その内容について情報が得られていれば、1点お伺いしたいと思います。  そして、札幌は、全国的に見ても、190万の大都市ですから、かなり特殊な事情、事例、ですから、道がつくるこの計画策定に当たって、札幌市もしっかり参画できるようなことが必要だというふうに考えておりますけれども、その点ついてお伺いします。 ◎野崎 地域振興部長  策定するとすれば、北海道で策定することになりますヒグマの保護管理計画についての情報ということでございますが、私どもも、現時点では新聞報道のレベルしか承知してございません。  ただ、先ほど答弁で申し上げましたとおり、北海道では、石狩西部地域のヒグマに関する連絡調整会議を設置するというふうに聞いてございますので、一歩進み始めたのかなと考えているところでございます。私どもも、粘り強く北海道市長会とかというふうな要望の中で、保護管理計画の策定については要望してまいりたいというふうに考えてございます。
     それから、もう1点、札幌市としては、先ほども申し上げましたが、北海道で設置されると聞いている石狩西部地域のヒグマの連絡調整会議の場でしっかりと発言してまいりたいというふうに考えてございます。 ◆本郷俊史 委員  最後ですけれども、提案をさせていただきたいと思います。  昨年の12月16日、岡山県で第1回全国クマサミットというものが開催されました。岡山県の北部、鳥取県との境、いわゆる中国山地、鳥取市も含めてですが、15市町村から成る実行委員会で主催いたしました。全国100市町村、東北から九州まで、関係者約400人が出席して、生態学者とかツキノワグマの生態に詳しい方とかを講師に招いて開かれました。なぜ、このサミットが開かれたかといいますと、平成21年、岡山県でのツキノワグマの出没が22頭だったものが、平成22年は199頭になった。権限は都道府県ですから。捕獲、放獣、殺処分。しかし、住民からの苦情は市役所だったり町役場なのですね。全国からは、クマを殺さないでという電話やメールが市役所に届いて、中には、ドングリを植樹してくださいというえさ代まで寄附が来たと。実は、役所に言っても抜本的な対策をやってくれないということで、目撃情報も町役場とかには連絡が来なくなる。唯一、クマの生態がわかる情報、こういう危機感で、実はこのクマサミットが開催されました。  岡山県でのレッドデータブックで言う絶滅危惧種、中国山地となっていますから、構想は、生息数10数頭前後と、岡山県ですよ。ところが、捕獲数、年間61頭捕獲している。出没件数199件。これはどう解釈するか。本当に、自治体の首長たちが、県に言ってもなかなか動かない。そこでこのサミットを開きましたところ、NHKを初め、マスコミは大変な反響でございまして、岡山県もついに保護管理計画を今策定中で、今までの保護優先から、住民の安全優先に方向転換の動きと。殺処分について、今、検討、それぞれの市町村とのヒアリングをやっております。  そういった趣旨から、札幌市において、ぜひ、隣の小樽、恵庭、千歳など、近隣の都市と共同してクマサミットを開催してはいかがでしょうか。こういうことについて、最後に、渡部副市長に答弁を求めたいと思います。 ◎渡部 副市長  クマサミットですね。札幌市でも、昨年、ああいうことがありましたけれども、他都市と同じように、札幌市民からいろいろな電話とかメールをいただきましたが、せん滅せよという話はほとんどありませんでした、ありがたいことに。やはり、市民も共生ということで考えていただいているというふうに思います。  サミットの件につきましては、我々は内容の詳細を知らないものですから、調査をちょっとさせていただいて、可能かどうか、経済効果もあるというお話でございますので、必要性についてちょっと考えさせていただきたいというふうに思います。 ◆こじまゆみ 委員  私からは、まちづくりセンター、地区会館の整備について伺わせていただきます。  札幌市は、昭和47年に政令指定都市となりまして40年の年月が経過しておりますが、そのころに建てられた多くの施設は既に老朽化し、場合によっては建てかえが望まれるものもあります。地域の活動拠点であるまちづくりセンター、地区会館についても、そうした着実な建てかえが望まれる施設の一つでございます。  このたび、平成24年度予算では、地域活動を豊かにする拠点の整備として、まちづくりセンター・地区会館改築事業として、改築工事費、改築設計費等を合わせて2億5,320万円が計上されています。第3次札幌新まちづくり計画では、いずれも平成22年度から平成26年度までの達成目標として、これにはまちづくりセンター、地区会館の更新事業は10館の更新が予定されています。また、老朽化した施設の建てかえ、長寿命化のため、建築費に対する補助金も拡充され、11館という目標数値が上げられています。そのほかに、地域活動の場整備支援事業としてソフト事業を活性化させる軽微なハード整備に対する支援についても8件、地区会館のバリアフリー化・施設延命化工事等のリフレッシュ事業は対象5館となっています。特に、24年度以降の設計施設については、地域活動のさらなる活性化のために、地域ニーズに合わせて、談話、子育て支援など、一定の基準を満たす場所をサロン等の加算として50平方メートルを上限に面積を拡大されております。地域活動の場の確保のために積極的に取り組まれるとのことで、地域活動の活発化は、市民の活気を生み出し、札幌市のさらなる発展につながるものですから、そうした姿勢については評価したいと思っております。  そこで、私から質問ですが、まちづくりセンター、地区会館は地域活動の活発化に非常に重要な施設でありますが、建てかえについては、来年度以降、どういった施設が対象となり、具体的にどのように取り組んでいかれるのか、伺わせていただきます。 ◎野崎 地域振興部長  まちづくりセンター、地区会館の建てかえの今後の考え方ということでございますけれども、委員ご指摘のとおり、指定都市以降に建てられた施設が多く、老朽化が進んでおるということで、第3次新まちづくり計画では、更新時期を迎える10施設程度の整備を進めていく考えとなってございます。  平成24年度には、苗穂東、厚別中央、西町の三つのまちづくりセンター、地区会館の設計に取り組んでいくこととしてございまして、今後、地域要望を聞きながら設計を進め、既存施設を解体後、平成25年度に工事を実施する予定としてございます。平成25年度以降に整備、設計工事をする施設につきましても、建築年次や老朽化の程度、さらには、地域の要望などを踏まえて選定していくこととしてございます。 ◆こじまゆみ 委員  老朽化している施設も多く、平成25年度以降に、建築年次等を考慮して建てかえを進めていきたいということでございました。  地区会館の整備に当たっては、地域の皆さんはさまざまな意見をお持ちであり、地区会館を地域に根づいた施設として大切に使っていただく上でも、地域要望、ニーズの聴取は非常に重要であると考えています。地域のニーズを踏まえた上で弾力的に施設整備をしていただくよう求めておきたいと思います。  ところで、先ほど来お話がございますが、東北地方を中心に甚大な被害をもたらしました東日本大震災からおよそ1年が経過したところでございますけれども、市民の皆さんの防災に対する関心も非常に高くなっているところであります。このため、老朽化施設の更新はもちろん、地域の方々の避難も想定される収容施設であることからも、更新する場合の整備内容を決定していく際には、防災の観点も考慮する必要があると思います。新築、改築に対しては、耐震化やバリアフリー化等の基準は満たされ、安全な会館になりますけれども、避難収容施設として安心や快適性を十分に考慮され整備を進めていただくべきであると考えます。  そこで、質問させていただきますが、まちづくりセンター、地区会館更新の際に、防災の観点から、災害時に備えた備蓄スペースなども含めて、今回、サロン等の50平米の拡大を検討していただきましたけれども、さらに、備蓄スペースなども含めて、地域の意見やニーズをどのように反映していただけるのか、伺います。 ◎野崎 地域振興部長  まちづくりセンター、地区会館の更新に際して、地域防災の観点を踏まえてなどの地域からの要望をどう反映させるかということでございます。  まず、更新に当たりましては、地域からの建てかえ要望を踏まえまして、地域に出向き、整備に当たる市の考え方を提示し、その後、設計に当たりましては、地域住民の参加によるワークショップなどを実施するなど、地域の皆さんの意見反映のための取り組みを行っており、今後とも同様に行ってまいりたいというふうに考えてございます。  災害時に備えた備蓄庫につきましては、土地や建築面積など所与の条件の中で、会館に求められる他の機能とのバランス、さらには、備蓄物資の量に応じた規模や形態などについてワークショップなどでもご議論いただき、ご要望がまとまった際には設計に反映することは可能だと考えてございます。 ◆こじまゆみ 委員  ワークショップ等の中で地域の皆様の意見を反映していただけるということですので、最大限、可能な限り対応していただけるよう求めておきたいと思います。  昨年の代表質問の中でも、特別委員会でも、我が会派から質問してまいりました町内会館、福祉会館等の地域会館の民間収容避難場所について問わせていただきましたところ、民間建築物耐震化を支援し、耐震化診断、耐震化設計等の費用の一部を補助する制度の活用促進を図りたいと、また、町内会館や福祉会館等の地域の課題については、改築、改修に係る建築費を補助する制度を設けていますけれども、第3次札幌新まちづくり計画においても、その補助内容を拡充して、その活用促進を図りたいという答弁をいただいておりました。今回の予算の中で、取り組みが推進されている様子がうかがわれ、一歩前進していると私自身は感じております。  しかし、先ほどからございますように、老朽化したり耐震化等でいまだ問題の残る会館もたくさんありますので、地域の活動拠点となっております観点からも、少しでも早くこれら会館の安心・安全、そして快適な整備のために、鋭意取り組んでいただくことを求めておきたいと思います。  きょうは区長たちがたくさん来られているのですが、ご存じのとおり、町内会、自治会の方たちは、それぞれの地域の特色を生かしつつ、福祉や環境美化、防犯、防災から、先ほど芦原委員からもお話がございましたけれども、スポーツ・文化活動に至るまで、市民の生活に密着した広範囲にわたるさまざまな分野にわたって活動しています。子育て支援のための活動、お年寄り、福まち等、社協の方たちとのボランティア活動、そして、ごみステーションや街路灯の管理、除排雪、町内の清掃、花いっぱい運動など緑化活動、古紙等のリサイクル運動など、計画的に実施されています。健康づくりやお祭り、盆踊り等の伝統文化を継承する活動など、地域が主体となって本当にさまざまな活動が行われています。私自身、単身のときには余り興味のなかった町内会活動ではございますが、さまざまな活動に参加させていただく機会が多くなるにつれ、本当に地域の皆さんのご尽力には敬服しております。特に、震災以降、子どもの見守り活動や自主防災・防犯活動、そして、交通安全運動など、防犯、防災の取り組みがより一層強化推進を図るべき課題となってきております。  そこで、最後に、一つ質問させていただきたいと思いますが、厚別区長にお越しいただいておりますので、お伺いしたいと思います。  まちづくりセンター、地区会館の整備については、町内会の活動の様子をよくご存じだと思いますので、これからの会館整備についてどのようなご見解でいらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。 ◎荒井 厚別区長  せっかくご質問をいただきましたので、厚別区の実態を踏まえてお答えさせていただきたいと思います。  今、委員お話しのとおり、町内会を中心とした地域の皆様は、本当に子どもからお年寄りまで、さまざまな事業を展開しております。そして、それは、地に足のついた継続的な事業の連続でございます。その拠点となります地区会館を初め、それぞれの施設の整備ということは非常に重要な課題でございます。そのためには、地域の皆さんと、区役所の職員も、まちセンの所長もそうですが、本当にひざを交えて一つ一つ丁寧にその要望を組み立てて、そして、それを地区会館の設計なりに生かしていくということがすごく大事だというふうに思っております。そのためにも、区役所としても全力でご支援していきたいというふうに思っております。 ◆こじまゆみ 委員  会館整備には、区役所も一丸となって地域とともに努力していただけるということで、よろしくお願いいたします。  先ほどどなたかのお話にもございましたが、町内会が生き生きした地域活動をすることにより、さまざまなつながりやきずなを守っていることは言うまでもありません。少なくとも、安心・安全、そして快適な地域活動の拠点整備については、やはり、札幌市がしっかりと支援することが必要だと思います。ほかの環境局や都市局の部局における、例えば、札幌・エネルギーecoプロジェクトとか次世代型住宅の技術など、さまざまな補助、助成との連携も含めて、これから整備するものに関しては、よりよい整備としていただければありがたいなと思っております。  地域ニーズを踏まえ、安心で安全なまちづくりのために尽力されておられる町内会の皆様の活動拠点の整備については、柔軟に、そして弾力的に対応していただくよう求めて、私の質問を終わります。 ◆宗形雅俊 委員  私は、地域の安心・安全にかかわって、管理放置された空き家対策について質問いたします。  昨年の第3回定例議会の中で、私から、この件について代表質問をさせていただきました。地域の安心・安全に関連して、札幌市犯罪のない安全で安心なまちづくり等に関する条例並びにそれを推進するための札幌市犯罪のない安全で安心なまちづくり等基本計画に基づいて、管理が放置されている空き家対策について質問したところでもあります。その際の答弁は、私有財産等々の法律の課題等があるものの、プロジェクトチームをつくり検討していきたいと、一歩前進の答弁をいただいたところであります。これは、私の思いを橋本局長が受けてくれたと思っておりますので、これについては感謝したいなと思っています。  この間、ヒグマ対策等々もありまして、これがなかなか進んでいないというようなこともちらっと耳に入っていましたけれども、ことしの冬は、ご存じのとおり、大雪で家屋または廃校の校舎が倒壊するとか、また、空き家からの落雪事故などが相次いだことは記憶に新しいところでもあります。このような状況を踏まえ、この原稿をつくっていますと、先週、17日、政府は、管理されていない空き家が豪雪や台風で倒壊したり犯罪の場になったりするのを防ぐため、条例制定をする自治体が相次いでいることを受け、全国的な取り組みを支援し、対策を強化することを決めたとの報道もございました。  既に条例を制定しているところについては、所有者に管理を指導・監督する目的の条例であったり、活用していく条例であったり、おのおのの自治体の考え方は違うものの、本市においても、これからの少子高齢化や都市経営の観点から対応すべき喫緊の課題であると私は思っております。さきの第二部予算特別委員会の都市局において、公明党の福田委員からも空き家対策の質問があったと聞いております。党を超え、その課題を共有していると思っているところです。  空き家に対するさまざまな対応や検討をしていく上で、空き家の状況の把握と整理をしていき、対策として法律や条例を整備していかなければその取り組みが進まないと考えます。昨年のこの答弁から半年が過ぎました。そこで、質問でありますけれども、空き家対策プロジェクトの概要と、その中で検討された内容や課題等について、まず、お示しいただきたいと思います。 ◎野崎 地域振興部長  空き家対策プロジェクトの概要と検討内容、課題についてのご質問でございました。  このプロジェクトにつきましては、昨年末に、管理が放置されている空き家、いわゆる問題空き家の相談を受けるなど関連が深いと思われる区や都市局、消防局など、関係部署の課長職による廃屋・空き家問題対策検討会を開催したところでございます。そして、市民や地域からの問題となっている空き家の相談内容や、その際の対応について報告し、議論しました。課題として挙げられたものは、各部署とも、対応に当たっての法的権限が明確でない中、放火や防犯、衛生、建物の構造など、問題が多岐にわたっていることや、管理責任を負う建物の所有者や管理者の特定が困難であり、管理者が特定された場合でも改善措置に至るまで容易ではないということなどが挙げられたところでございます。 ◆宗形雅俊 委員  空き家を原因とする問題は多岐に及んでいること、それから、統一した窓口がなく、相談を受けた部署がそれぞれ異なった対応をする可能性も考えられます。先日の都市局においても、情報共有について前向きな答弁があったとは聞いておりますので、まずは、特に問題になっている管理放置されている空き家の状況の把握、さらに、その問題に対して本市がどのように対応したのかを含めて、しっかり情報を把握することが重要ではないかと考えております。  そこでまた、質問ですけれども、管理放置された空き家に関する情報の把握方法や関係機関の情報共有について、どのように進めていこうとされるのか、この点についてお伺いいたします。 ◎野崎 地域振興部長  管理放置空き家、いわゆる問題空き家の情報の把握と関係する部局での情報共有をどのように進めていくのかというご質問でございます。  さきに行いましたプロジェクトの検討会の中でも、問題となっている空き家の情報や各部局での対応方法につきまして、情報共有をする必要性が議論されたところでございます。そこで、現在、都市局や保健福祉局、消防局、区役所など関係部署に対し、各部局で把握している個々の空き家について、どのような問題があり、どのような対応を行っているのかといったような情報提供を依頼しているところでございまして、年度内の取りまとめを予定しているところでございます。 ◆宗形雅俊 委員  当然、検討していく上ではそのような対応が必要かと思います。スピード感を持って進めていただきたいなと思っています。  ただ、先に述べました大雪での倒壊の件は、一歩間違えば大きな事故につながる危険性もあったわけですから、年度内にまとめるとは言っていますが、ここで、共有した情報をもとにしてさらに一歩進める対策が必要と考えます。  そこで、空き家に関する情報を集約、共有することによって、今後、どのような取り組みを考えているのか、安心・安全の視点による取り組みを含めてお伺いしたいと思います。 ◎野崎 地域振興部長  空き家に関する情報を集約して、安心・安全の観点も含めて、どんな取り組みを考えているのかというご質問でございますが、問題となっている空き家に関する情報や各部局での対応状況を収集、整理し、関係部局で共有を行うことによりまして、個々の空き家について行政として対応可能なこと、また、その対応部署がある程度整理できるというふうに考えてございます。今後、空き家に関して相談があった場合については、今回収集したリストや、各部局での対応情報を活用し、相談内容に応じて適切な部署につなげたり、関係部局相互で連携した取り組みも可能になると考えてございます。  市民まちづくり局としては、市民の安全・安心な暮らしを守るという観点から、防犯対策をより効果的に進めるため、問題となっている空き家周辺の地域に対して情報を提供し、注意喚起を行ったり、地域が行っている防犯パトロール団体に対して、空き家を見守る際の注意点、留意点や、問題に応じた対応部局をお知らせするといった取り組みなどを進めていきたいと考えてございます。 ◆宗形雅俊 委員  一応、各部署が連携していくというようなお話でした。今回、私の課題提起により、プロジェクトチームを立ち上げて、情報集約、共有を進めることによって空き家問題に取り組もうとする姿勢はわかりました。  この問題は、空き家周辺の環境を改善するだけでなく、空き家そのものも減らしていくことに重点を置いた対策が求められております。こうした観点から、国におきましても、空き家再生等推進事業により、これらの問題の改善を図るために除却と活用の2本立ての対策を進めていると聞いております。除却に関しては、現行の建築基準法でも建築物に関する行政措置の規定が盛り込まれておりますけれども、適用の基準が不明瞭であったり、実際に適用された事例がないとも聞いております。また、活用に関しても、そもそも所有者などがわからなければ、その先に進めない課題もあるということです。  私は、空き家所有者がしっかり管理しているものはそれなりの対応ができると思いますけれども、その管理を放置していたり、所有者が不明であったりした場合には、行政が関与できる法律や条例が必要と考えられます。これは、国に働きかけることも必要ですが、当面、まず、本市が何をできるか、しっかり整理し、取り組めることから始めることが大切ではないかと思っております。  これまでの議論でたびたび問題になっているように、当初、放置された空き家の問題について、関係すると思われる部署に問い合わせましたけれども、担当の窓口でないということが去年の代表質問のときにありました。先ほども、部長から、プロジェクトチームでさまざまかかわる部署と連携していくという話もございましたが、改めて、空き家という問題はさまざまあると思いますけれども、やはり、主体的に取り組む体制づくりということが必要ではないかなと私は思っているところです。これに限らず、今回の委員会においても、いわゆる行政の壁、こっちではなくてあっちということはこれに限らずあるということで、時代の課題と行政の体制が少しずつ合わなくなっている部分もあるのではないかなと思います。  これついては、体制ということですから、きょうの空き家の議論ではないので、副市長でないとなかなか――空き家問題は、市民まちづくり局だけでなく、関係する部局が連携して対応することが必要という野崎部長の答弁がありました。そのかなめを担い、進める主管はどこがふさわしいのか。これは、市全体の体制の問題でございますので、渡部副市長にご答弁をいただきたいなと思っているところです。  また、もう一つ、最終的に管理放置された空き家の除却と活用の両方ができる条例というのですか、除却と活用という条例、私自身は、そのような条例ができていく方向であればいいのかなと思っています。今、さまざまな情報収集等がありますけれども、そちらの方針、その認識をお伺いしたいなと思っております。 ◎渡部 副市長  お尋ねの件の、まず、どこが所管かよくわからないということは、さきのクマの問題もそうでしたし、DVの問題も本当を言うと市民まちづくり局だけではなかなかいかない、保健福祉局も関与しなければならないのですけれども、そういう問題は幾つもあります。この問題もそのとおりだというふうに思います。  人口減少時代に入りまして、空き家問題というのは全国共通の問題でございますし、当然、札幌市も空き家がふえていくのは目に見えたことであります。委員は防犯の観点で最初にご指摘されましたけれども、これもあります。ただ、利活用という問題に関しても、そんなに古くない家が空き家になった場合、例えば、ケアつき住宅はどうだとか、そんなことも考えていかなければならないだろう、10年先を見て、札幌のまちづくりの観点から取り組んでいかなければならないのだろうというふうに思います。  除却の問題と活用の問題は、ある程度、権限がないとなかなかできません。国もこれに取り組んでいるのは、先ほど私が申し上げましたように、人口減少で、これはどこでも起きる問題だろうということだと思います。それにつきましては、国がありますので、まず国の動向も見きわめながら、条例の制定についても考えていかなければならない時期だろうと私自身は思っています。また、どこか統括するところがないのかということについても、これも改めて考えていきたい、そのように思います。 ◆宗形雅俊 委員  今、副市長から、体制という面でありました。条例と活用の方向性については、副市長はそれを含めて答えたのかもしれませんが、もう一度、はっきりと、まだ検討中で、どういう方向ということは難しいでしょうけれども、私は、二つかなえたものを基本に置いて進めていただきたいと思っているので、その認識はどうなのかということで、改めてお願いします。 ◎野崎 地域振興部長  副市長が答弁された部分と若干重なるかもしれませんけれども、除却と活用の両方ができる条例の取り組みにつきましては、国においても、関係省庁連絡会議を設置し、その中で建築基準法など既存の法律による運用なども検討するとお聞きしておりますので、こうした動向も注視してまいりたいというふうにまずは考えてございます。 ◆宗形雅俊 委員  それでは、最後にしますけれども、これは、本当に多岐にわたるし、大変難しいハードル、高いハードルがあるかと思います。ただ、皆さんもご存じのとおり、特にこういった札幌市の都市が、高齢者がふえて、空き家のふえる回数が多いですし、また、失礼ですけれども、地方都市といったところでいなくなるよりも、中には、空き家を何とか地域のために、シニアサロンみたいなのだとか、いろいろなことだとか、そんな要望もあります。(発言する者あり)今、後ろの人から声が出ましたが、それも大変大きな課題があります。(発言する者あり) ○こんどう和雄 委員長  静かに。 ◆宗形雅俊 委員  (続)やはり、いろいろな課題等々もあると思いますけれども、そういった声もいろいろ聞くところでございます。そういったことも含めて、課題を整理しながら、いろいろな状況になるような検討と、それから、いわゆる主管となる部署ですね。これからということですけれども、なるべく早く決めてこの問題を解決していくよう望んで、終わりたいと思います。 ◆川田ただひさ 委員  私からは、アイヌ政策について、大きく2点、今現在、道議会で追及されております平成21年度緊急雇用創出事業、また、札幌市のさまざまな委託事業について、アイヌ協会札幌支部への委託事業について指摘されている部分と、そして、アイヌ政策を受けるについて何をもってアイヌとするか、そういった大きく2点に分けてそれぞれ質問したいと思います。  まず、早速、質問でございますけれども、現在、道議会で、平成21年度の緊急雇用創出事業、また、札幌市の委託事業などについて、非常に疑問を呈するという追及もあって、それに呼応して道も調査するということでございました。もうそろそろ道から調査の依頼がいろいろ来ていることと思いますけれども、場合によっては調査を徹底していくという回答だったとお聞きしておりますので、道からどのような調査項目の依頼が来ているのか、まず、これについてお伺いしたい。  そして、この調査依頼が来ていることについて、札幌市としてはどのような調査を行って道に対して結果を報告するのか、この2点についてお伺いしたいと思います。 ◎阿部 市民生活部長  ただいまご質問がありました道からの調査等についてでございますが、札幌市から社団法人北海道アイヌ協会札幌支部への委託事業である平成20年度第15回インカルシペアイヌ民族文化祭につきまして、同支部では、財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構の助成金を受けていることから、委託費と助成金の関係について道から照会が来ているところでございます。また、平成21年度の緊急雇用創出推進事業として行いましたアイヌ民族の伝統文化伝承事業につきまして、事業執行時の事実関係の調査確認について依頼が来ているところでございます。  このうち、さきに申し上げました平成20年度第15回インカルシペアイヌ民族文化祭につきましては、事業終了時に完了検査を行っているところではございますが、今回、道からの照会がありましたことから、札幌支部の支出帳票などを確認したところ、不適切なものはなく、道に対して、財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構助成金と重複している経費はない旨の回答を既にしているところでございます。  また、もう1点、平成21年度アイヌ民族の伝統文化伝承事業つきましては、事業終了時に道の検査を受けているところでございますが、今回、道から調査依頼がありましたことから、近々、実施内容などにつきまして調査確認を行い、その結果について道に報告を行う予定でございます。 ◆川田ただひさ 委員  先ほどのお話でありますと、インカルシペの問題だけということなのですね。あと、伝承事業ということでの緊急雇用対策とか、そういった部分についての詳細は来てないということで、これは再確認してよろしいのでしょうか。 ◎阿部 市民生活部長  ただいま申し上げましたアイヌ民族の伝統文化伝承事業につきましては、先に申し上げました緊急雇用創出事業として行ったものでございます。 ◆川田ただひさ 委員  私も、昨年の決算特別委員会でお聞きしたわけでございますが、チセというものがあるわけでございます。ここが、原因はわからないわけですが、焼失して、そして、修復したというこの経緯について、いろいろと疑問の部分があるわけでございます。このチセは、結果として修復されたわけでございますが、当初、緊急雇用創出事業でやるということでございました。これは、道議会で、出火責任が明らかになっていないのにだめではないかということで、道費は使わずにやったわけでございます。そして、今、建っておりますが、これを建てたときに、札幌支部の方はどなたに修復を委託されたのでしょうか。多分、出火責任のある方と同じ方にはお願いしていないとは思うのですけれども、そのことについてちょっと確認したいと思います。 ◎阿部 市民生活部長  一部、火災に遭いましたポンチセの修復事業につきましては、これは、アイヌ民族の伝統文化の技術を要して修復をする必要がありますことから、北海道アイヌ協会札幌支部に委託し、実施したものございます。 ◆川田ただひさ 委員  札幌支部の方が、どなたに――支部の方がつくったというよりも、業者の方がつくったのか、そのほかの方がつくったのか、わからないのですけれども、その部分についてお聞きしたいと思っております。 ◎阿部 市民生活部長  この委託につきましては、支部そのものとの間で委託契約を結び、支部において実施したものでございます。 ◆川田ただひさ 委員  ちょっと言い方が悪かったのかもしれませんが、支部から、またさらに、委託というよりも、支部が委託するわけでございますけれども、支部の人が実際にチセをつくるわけではないと思うのですね。出火責任との関係で、例えば、業者であるのか、またはアイヌの方々が皆さんでつくったのか、その部分についてお尋ねしたいと思っているのです。 ◎阿部 市民生活部長  支部の方々の力により修復されたものというふうに理解しているところでございます。 ○こんどう和雄 委員長  部長、その話で言えば、今、川田委員は、どこで建築を、また、それを受けて、支部が受けてやっているということをお聞きしたいということですね、質問は。(発言する者あり) ◎阿部 市民生活部長  支部におきまして会員を募るなどして実施したものというふうに理解しているところでございます。 ◆川田ただひさ 委員  そういうことであれば、わかりました。このことについては、また、いろいろお尋ねしたいと思いますが、今、道議会等でもいろいろと指摘されているところでもございます。  私も、さっき木村委員がお話ししていましたが、文化の継承としてこの方々がやるということについては、私は応援する人間の一人でございます。ただ、やっぱり、そういった不正と思われかねないような、非常に疑問を呈されるようないろいろな出来事ということで指摘されているわけでございます。これは、今、道議会で調査中ということでもありますし、道で調査を依頼して、調査先では不正はないというお話でございましたけれども、チセが焼失したその出火責任について、どなたが責任をとられるのか、その部分をお尋ねしたいと思います。 ◎阿部 市民生活部長  チセの修復に要した経費でございますが、ポンチセの薫蒸業務につきまして、アイヌ協会札幌支部に委託し、その業務の中において発生しましたことから、ポンチセの修復にかかりました経費を札幌支部に賠償請求しているところでございます。 ◆川田ただひさ 委員  ということは、去年の決算特別委員会の段階でも、賠償請求しているけれども、まだ返ってきてないということで、明らかにアイヌ協会札幌支部に責任はあるのだと思いますが、この点については、まだ来ていないということですね。賠償については返ってきていないということでよろしいかと思いますけれども、その点について、しっかりとしていただきたいと思っております。  また、ちょっと話は変わりますが、そもそもアイヌ政策はアイヌの方に特定された政策でございます。その視点で、アイヌ施策費以外で、アイヌであることで受けられる助成金や融資、補助はどのようなものがあるのか、お尋ねしたいと思います。 ◎阿部 市民生活部長  アイヌ民族の方が個人として受けられる本市の施策についてでございますが、札幌市における融資などにつきましては、アイヌ住宅新築資金等貸し付けのみとなっているところでございます ◆川田ただひさ 委員  わかりました。このことについては、またいろいろとお聞きすることがあるかと思います。  これは、アイヌであることが条件となっている特例でございます。札幌市としては、例えば、先ほど住宅貸付金の話も出ておりましたが、アイヌであることをどのように証明して貸し付けているのか。これは非常に重要な部分かと思いますので、この点についてお伺いしたいと思います。 ◎阿部 市民生活部長  住宅資金貸し付けの対象者としての確認でございますが、財団法人北海道アイヌ協会札幌支部からの推薦書により確認し、貸し付けているところでございます。  なお、この住宅資金貸し付けは、道内の他市町村においても行っているものであり、それぞれ地域の支部からの書面等により確認を行っていると聞いているところでございます。 ◆川田ただひさ 委員  アイヌ協会の各支部、札幌であれば札幌支部の方の推薦書により貸し付けをしているというお話でございました。  そこで、私自身、先ほど戸籍の担当の方にお聞きしたのですけれども、戸籍上では、当然、アイヌであることはわからない形でございます。ということは、何をもってアイヌとするのか。私は支部会員規則というものをいただきましたが、これによれば、アイヌの血を引き、なおかつ、アイヌ民族であるとの自発的意思を持つ北海道在住の個人、これは、当然、そうかと思います。次は、アイヌの血を引かないが、アイヌの家庭でアイヌとして育てられ、アイヌ民族であるとの自発的意思を持つ北海道在住の個人と。これはどういうことかなと思いましたら、歴史的いわれがあって、かつて北海道開拓に来たけれども、苦しくて、内地というか、本州に戻るときに、小さな子どもをアイヌの方に預けていったという経緯もあるみたいでございます。  次に、3項は、先ほど言った2点の方々と婚姻関係にある者、また次に、4項は理事会の決議を経て理事長の承認を得た方、1項、2項、3項に該当して、理事会にかけて、そして理事長が承認された方です。5項は、この定款変更というのがちょっとよくわかりませんが、現行の世帯会員制のもとで世帯構成をなしている者と。会員規則第2条というのは支部会員資格のことでございますけれども、1項、2項、3項のいずれにも該当しない者については、これは規則前の話だから、暫定措置として、本人により希望があった場合のみ、理事会の承認を得て、本人1代限りにおいて会員資格を有する者とみなすことができる、こういった形でございます。  実際、今、アイヌの方々がどれだけいるのか。これは、道で、古く昭和47年から生活実態調査をされているということでございまして、最新で言うと平成18年であります。平成18年現在では全道に2万3,782人でありまして、石狩支庁管内では2,744人といった結果が出ております。これも、電話で聞けと言われたら困りますので、先に聞いたら、札幌ではわからないというお話をお聞きいたしました。でも、石狩支庁管内というのはほとんど札幌の方が多いのではないかなとは思います。  これはどういったふうにして調査したのかといったら、この調査は、地域社会でアイヌの血を受け継いでいると思われる方、または婚姻、養子縁組等により、それらの方と同一の生計を営んでいる方としたそうですが、ただ、アイヌであることを否定している場合は調査の対象とならない、そういう方もいらっしゃるのだと思います。ただ、お話を聞くと、私は確かにアイヌの血を引いているけれども、調査に来たことがないというご意見もお伺いしているわけでございます。だから、これは、ほとんど支部なり組織に入った方々を中心にやった数字、データなのだと思っています。  こういった一つ一つのことを考えたときに、はっきり言って、そうしたら、我々とはまた違うこの特例なり、または、この協会に対してはいろいろな委託事業ということで伝承していくわけでございますけれども、このアイヌ協会札幌支部、またほかの支部も含めて入会している方と、アイヌの方々でも入会していない方がいらっしゃる可能性もあるわけでございます。今ある既存のさまざまな政策、先ほど言っていただいた政策については、協会の支部に入っている方とそうではない方がいる中で、先ほど住宅貸付金は支部の推薦によりということになっていると言いますが、協会に入っていない人については対象とはならないのでしょうか。その点についてお尋ねしたいと思います。 ◎阿部 市民生活部長  住宅資金貸し付けについてのお尋ねかと思いますが、札幌支部への入会によるか否かで差はございません。推薦以外につきましては、ご本人から貸し付けを受けたい旨がありました場合につきましては、アイヌ民族の関係者からの証言やご本人からの申し立て等により確認させていただきたいというふうに考えております。 ◆川田ただひさ 委員  確認でありますが、例えば、協会の支部に入っていないけれども、そういった特例を受けたいときには、支部長なりに言って、いろいろな証言で立証してもらい、そして、先ほど推薦状が前提だということでございますから、推薦状をもらって貸し付けを受けると。  そういうことで言うと、先ほどの前段のお話でございますが、アイヌ協会札幌支部の方々、特に、役員の方々の責任というものはいろいろな意味で非常に重要かと思っている次第でございます。私としては、アイヌの政策について、文化継承といった部分については非常に興味もありますし、勉強もしたいと小さいときから思っているわけでございます。しかし、先ほど言いましたように、アイヌの定義が非常に不確かである。そして、アイヌであることを証明することによって受けられる特例もある。こういった中において、この関係というものは、市としてもよくよく厳密にやっていかないと、先ほど木村委員からもございましたが、一般の違う方からすると、やはり、何なのだろうと思われてしまう危険性もあるのではないかと思います。  そこで、要望でございますけれども、改めて、経理の部分でありますとか、または、いろいろな委託事業についても、しっかりとした監査をしながら、適正な委託業務なり――また、住宅貸付金についても、先ほど木村委員が言いましたので割愛いたしましたが、正直言いまして、まだまだいろいろなことがございます。これについては、今後、私も機会あるたびにいろいろお伺いしたいと思いますが、適正な業務に努めていただきたいと思いますので、そのことを申し述べまして、とりあえず、今回については、(発言する者あり)優しいなという話でございましたが、終わりたいと思います。 ◎阿部 市民生活部長  先ほどの質問にご答弁させていただいた際に、ちょっと説明に不備がありました。  先ほど推薦と言いましたが、推薦のない方につきましては、推薦以外の方法でアイヌ民族であることの認定をする必要があるということにつきまして、関係者からの証言等が考えられるということでございます。  失礼いたしました。
    ◆川田ただひさ 委員  ということは、札幌市の皆さんが、いろいろな方法でこの方がアイヌであるということを証明しなければならない責任を負っているわけでございます。このことは、非常に重要だと思っております。また、一連のいろいろな事業についても、一般の方の誤解がないように皆さんも適切にやっていただきたいと思います。  ほかにいろいろとございますが、今回は、この点について聞いて、終わりたいと思います。 ○こんどう和雄 委員長  以上で、第2項 市民生活費中市民まちづくり局関係分等の質疑を終了いたしました。  ここで、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後5時47分       再 開 午後6時54分     ―――――――――――――― ○こんどう和雄 委員長  委員会を再開いたします。  次に、第2款 総務費 第1項 総務管理費中議案第27号関係分及び議案第27号 札幌市公契約条例案について、質疑に先立ち、理事者より補足説明を受けます。 ◎新谷 財政局理事  本日、改めて、公契約条例に係るご報告の機会をいただきましたことに、まず、お礼を申し上げたいと思います。  公契約条例につきましては、先月29日の予算特別委員会におきましてご審議いただいたところでございますが、公契約条例による地域経済への効果や入札契約制度に関する関係業界との協議内容につきまして報告させていただきたいと存じますので、管財部長からご説明をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。 ◎上野 管財部長  私から、お手元にお配りした資料につきましてご説明させていただきます。  説明させていただきます項目といたしましては、表紙にございます公契約条例制定による効果額試算、最低制限価格の引き上げによる影響額、平成24年度業務委託に係る落札状況、関係3団体との入札契約制度に係る協議概要の4項目でございます。  まず、一つ目の公契約条例制定による効果額試算についてでございます。  条例の対象になる契約等の区分といたしまして、工事、業務委託、指定管理者の三つがございますので、順に条例制定による効果額試算についてご説明させていただきます。  まず、1ページ目の工事についての効果額試算でございます。  右上の罫線で囲まれた部分でございますが、1億4,300万円を効果額として試算しております。その内訳といたしましては、直接効果、これは条例制定による対象労働者の賃金の増加額でございますが、これが8,500万円、そして、この賃金増による波及効果、これは、労働者の所得がふえることにより消費支出がふえ、このことにより、新たに誘発される生産物の発生額を札幌市産業連関表を用いて算定したものでございますけれども、5,800万円となっております。  この試算に当たっての前提条件でございますが、条例の対象となる予定価格5億円以上、プラント工事については2億円以上の工事に従事する労働者の作業報酬下限額につきまして、基準とする公共工事設計労務単価、いわゆる2省単価の90%と仮定しているところでございます。これは、条例の先行制定市のうち、3市が工事の作業報酬下限額を2省単価の90%に設定していることを参考にしているところでございます。また、賃金の分布データにつきましては、平成22年度公共事業労務費調査結果の札幌市工事の調査対象分を独自集計、分析したものを使用しております。  次に、計算方法でございます。  平成22年度の対象工事実績額に工事費に対する労務費の占める割合を乗じて労務費相当額を推計しております。この割合につきましては、本市で低入札価格調査を実施した際の提出資料から労務費の平均割合を算出し、一般工事においては21%、プラント工事につきましては8%としているところでございます。また、作業報酬下限額未満の労働者、つまり、賃金が2省単価の90%未満の労働者の比率でございますが、データからは35%となっております。また、その平均労務単価、いわゆる2省単価の90%未満の労働者の平均労務単価でございますが、2省単価に対して約80%でありますことから、作業報酬下限額の90%との差、つまり10%分が増加分であることから、これらの比率を乗じることで労務費の上昇率を算定しております。これらの数値のすべてを乗じた結果、賃金の増加分といたしましては、一般工事では7,137万円、プラント工事では1,313万円、計8,450万円と試算しているところでございます。  この結果、3番目のまとめの部分でございますが、賃金の増加分である直接効果として8,500万円、このほか、先ほどご説明いたしました直接効果から生ずる波及効果として5,800万円、これらを合計した1億4,300万円を経済波及効果として試算しているところでございます。  次に、2ページの業務委託についてでございます。  効果額につきましては、右上の罫線で囲まれた部分でございますが、1億5,200万円でございます。内訳といたしましては、直接効果9,000万円、波及効果6,200万円となっております。  まず、試算の前提条件でございますが、条例の対象となる予定価格1,000万円以上の庁舎等清掃、庁舎等警備及び設備運転監視に従事する労働者の作業報酬下限額を建築保全業務労務単価の90%と仮定しております。これにつきましても、工事と同様に作業報酬下限額の基準とする労務単価の90%に設定しているところでございます。  ただし、清掃につきましては、90%とした場合、実質的に最低賃金を下回ること、具体的には、1時間当たりの労務単価は800円でございますが、この90%が720円となります。この建築保全業務労務単価は交通費込みでございますので、その720円に通勤手当が含まれることを踏まえますと、平成23年度当初の最低賃金額691円を下回ることから、労務単価の100%として試算しているところでございます。また、賃金の分布データにつきましては、平成23年度の市発注業務を対象とした独自調査のデータを使用しているところでございます。  次に、計算方法でございます。  まず、平成22年度実績ベースによる対象となる件数は、清掃で51件、警備で36件、設備運転監視で26件でございます。これに1契約当たりの年平均延べ従事時間数を乗じ、対象となる契約の延べ従事時間数を計算しまして、それに実績データから算出した作業報酬下限額90%未満の労働者の割合、具体的には、清掃で70.2%、警備で56.3%、設備運転監視では72.5%ですが、それぞれ乗じて対象となる時間数を求めたところでございまして、さらに、その時間数に作業報酬下限額と作業報酬下限額の90%未満の労働者の平均賃金額との差額を乗じて労働者の賃金増加分を計算しているところでございます。この計算方法によりまして、3業務についておのおの計算いたしましたところ、賃金の増加分につきましては、清掃で1,852万円、警備で約2,795万円、設備運転監視で約4,403万円となっているところでございます。  この結果、3番目のまとめの部分でございますけれども、労働者の賃金として増加する直接効果として、3業務合計で9,000万円、このほか、直接効果から生ずる波及効果として6,200万円、合わせて1億5,200万円の経済波及効果があるというふうに試算しております。  続いて、3ページ目の指定管理者でございます。  効果額につきましては、右上の罫線で囲まれた部分でございますが、4,400万円であります。  一つ目の試算の前提条件でございますが、条例の対象となる指定管理施設の指定管理業務に従事する労働者の作業報酬下限額を市業務職員の高卒初任給相当額の90%と仮定して設定しております。この割合につきましても、工事、業務委託において労務単価の9割に設定しておりますことから、同様に90%として試算したものでございます。  なお、条例の対象となる指定管理施設につきましては、すべての施設が対象とはなりますけれども、多種多様な施設のため、従事内容、労働形態などが一様ではなく、個々の賃金実態把握やその類型化が困難でありますことから、試算においては代表的な施設として区民センター、地区センター、児童会館、体育館等の施設約160施設を対象とさせていただいているところでございます。また、賃金につきましては、収支決算書等で得たデータを使用しているところでございます。  次に、計算方法でございます。  作業報酬下限額は796円になりますが、これからデータにより推計した作業報酬下限額未満の労働者の平均賃金745円を引いた差額51円に、作業報酬下限額未満の推計人数とその方々の平均年間労働時間数を乗じて、労働者の賃金増加分を計算しているところでございます。  この結果、3番目のまとめの部分でございますが、労働者の賃金として増加する直接効果として2,600万円、このほか、直接効果から生ずる波及効果として1,800万円、合わせて4,400万円の経済波及効果があると試算しております。  以上が、公契約条例制定による効果額試算でございます。  続きまして、2番目の最低制限価格の引き上げによる影響額の説明に移らせていただきます。  4ページをごらんいただきたいと思います。  まず、工事についてでございます。  工事全体の影響額ですが、18億5,000万円となっております。最低制限価格の引き上げにつきましては、来月4月発注分からの工事を対象に準備を進めておりますが、現行基準に対しまして現場管理費を5%加算して85%に、一般管理費を25%加算して65%にそれぞれ引き上げを行ったものでございまして、改定後の最低制限価格率は平均で90%となる見込みでございます。現在の平均落札率につきましては、最低制限価格率の平均とほぼ同率でありますことを踏まえまして、改定後の平均落札率についても9割で試算をしているところでございます。  これらを前提に平成22年度契約金額ベースで試算した結果、改定後の契約金額総額の推計は約649億3,200万円であり、22年度契約金額総額の約630億8,500万円を差し引いた約18億4,700万円を最低制限価格の引き上げによる影響額として試算しているところでございます。  次に、5ページの業務委託についてでございます。  最低制限価格の引き上げにつきましては、本年1月に改定を行い、平成24年度当初履行分の清掃、警備、設備運転監視を対象に、従来の予定価格に対し、一律70%であった最低制限価格率を積算項目ごとの積み上げ方式に変更しており、これによって、最低制限価格率は平均で84%から85%になる見込みでございます。また、改定後の平均落札率については、改定後の契約金額総額を推計した結果、おおむね87%となっております。  これらを前提に平成23年度契約金額ベースで試算した結果、改定後の契約金額総額につきましては、清掃で約7億4,500万円、警備で約9億800万円、設備運転監視で約5億9,400万円であり、それぞれの金額から23年度契約金額総額を差し引いた8,700万円、約1億3,500万円、約8,000万円、3業務の合計である3億円が最低制限価格の引き上げによる影響額の試算となっております。  以上が、最低制限価格の引き上げによる影響額でございます。  次に、6ページでございます。  これは、ただいまご説明いたしました公契約条例制定による効果額と最低制限価格の引き上げによる影響額をまとめた総括表でございます。公契約条例制定による効果額として、工事、業務委託、指定管理者を合わせて3億3,900万円、最低制限価格の引き上げによる影響額は、工事と業務委託を合わせて21億5,000万円となっております。  続きまして、7ページでございます。  平成24年度業務委託に係る落札状況でございます。  これは、最低制限価格制度の引き上げの適用対象となる3業務について、まだ入札途中のものもありますが、平成24年度の今現在の落札状況でございます。いずれも3月16日時点での集計結果でございますので、まだ入札手続を終えていない業務もございますが、最低制限価格の引き上げ後の今現在の状況となっております。  まず、上の表の庁舎等清掃につきましては、102件の入札の結果でございますが、平成24年度の平均落札率は90.5%、契約金額は約4億7,800万円で、平成23年度の平均落札率77.8%から12.7ポイント上昇しております。  なお、清掃につきましては、下の米印にありますように、平成24年度の労務単価が前年度に比べて単純平均で10%程度減少しているため、予定価格金額の合計については24年度の方が減少しているのですが、落札率の上昇の関係で契約金額は上昇しているということをあらわしているものでございます。  また、庁舎等警備につきましては、52件の入札の結果でございますが、平成24年度の平均落札率は89%、契約金額は約5億6,100万円で、平成23年度の平均落札率80.0%から9ポイント上昇しているところでございます。  なお、一番下の設備運転監視業務につきましては、入札時期が、今月末、平成24年3月末を予定しておりますことから、今時点での実績はございません。  以上が平成24年度の業務委託に係る落札状況であり、最低制限価格率の引き上げの結果、落札率が大幅に上昇しているところでございます。  最後になりますが、4項目めといたしまして、関係3団体との入札契約制度に係る協議概要についてご報告を申し上げます。  3月2日、5日の両日にわたりまして、関係3団体、北海道警備業協会、札幌建設業協会、北海道ビルメンテナンス協会の3団体と実施いたしました協議内容の概要でございます。いずれも、各団体からの要望事項及びその他入札契約制度について協議させていただいたものでございます。  まず、8ページでございますが、北海道警備業協会との主な意見交換内容をまとめさせていただいております。  一つ目の予定価格の決定方法についてでございますが、協会からは、予定価格の積算を適正に行うよう要望を受けているところでございまして、本市においては、これを受けて、積算方法の周知徹底や事務説明会を実施したことをご説明させていただきまして、取り組みについて一定のご理解をちょうだいしたところでございます。  次に、最低制限価格の引き上げについてでございますが、先ほどご説明申し上げましたように、1月から実施しておりまして、この3月2日時点におきましても昨年より落札金額が大きく上昇しているという協会からの評価を得られたところでございます。  次に、道内企業育成のための要件設定についてでございますが、私どもが地域要件を設けるとすれば市内企業が前提になることをお伝え申し上げましたところ、賛同をちょうだいしたところでございます。これは、要望は道内企業にしてほしいということでございましたので、私どもはそう対応したということでございます。  次に、業務実施計画書等の提出義務化についてでございますが、これは、清掃業務についてはこれまで行っているところでございますけれども、警備業務につきましても、既に平成24年度発注分から関係書類の提出を求めておりますということを本市からお伝え申し上げ、理解をちょうだいしたところでございます。  次に、3年以上の複数年契約の実施についてでございますが、協会からは、入札参加機会の減少はあるものの、雇用の安定など複数年契約を行うメリットが大きいとの要望を改めてちょうだいしたところでございます。  最後に、交通誘導警備業務の分割発注についてでございますが、これについては、本市から、すべての工事において警備部分のみを取り出して分離発注することは難しい旨をご説明させていただいたところでございます。  次に、9ページをごらんください。  札幌建設業協会でございます。  まず、最低制限価格、これは調査基準価格でもありますが、これと失格判断基準の引き上げについてでございますけれども、私どもから平成24年4月にこれらの引き上げを実施することをご説明申し上げ、協会から一定の評価をちょうだいしたところでございます。  次に、入札制度についてでございますが、まず、受注実績がない業者を対象とした入札の実施につきましては、入札の競争性、公平性の観点から、対応はなかなか難しいけれども、受注機会の確保については幅広く研究することをご説明させていただいたところでございます。  二つ目の入札参加要件を市内業者にすることにつきましては、現行におきましても95%が市内業者への発注となっていることをお伝えするとともに、特定JVの代表者要件につきましては可能なものから実施することをご説明申し上げ、理解をちょうだいしたところでございます。  次に、総合評価落札方式についてでございますが、まず、総合評価のうち、技術評価重視型の施工技術に係る項目の配点を、昨年4月、平成23年度から引き上げておりますけれども、これに対し、協会からは評価をちょうだいしたところであります。また、総合評価落札方式におきまして、落札者の固定化や入札参加者が少ないことなどにつきましては、札幌市としても課題と認識していることから、今後も業界のご意見をお聞きしながら検討していく旨をご説明させていただいたところでございます。  最後に、積算全般についてでございますが、まず、共通仮設費につきましては、現場との乖離がある場合、監督員との協議により設計変更は可能なことを申し上げましたし、また、積算誤りの防止につきましては、チェックリストにより二重チェックをし、ミスの内容については関係部局と情報共有を図り、体制強化していることをご説明させていただいたところでございます。  続きまして、10ページをごらんください。  最後になりますが、北海道ビルメンテナンス協会でございます。  まず、予定価格の決定方法についてでございますが、予定価格の積算を適正に行うことにつきましては、私どもの取り組みとして、積算方法の周知徹底や事務説明会を実施したことをご説明申し上げ、協会から一定のご理解をちょうだいしたところでございます。また、協会より、規模や仕様が類似するものについて積算がばらつくことがないよう、今後も、より一層、適正な積算の徹底を図るよう要望をちょうだいしたことから、私どもとしては、入札が全部終了した後、各発注部局から積算調書を取り寄せ、確認し、不備があれば指導を重ねていく旨、お伝え申し上げたところでございます。  次に、最低制限価格率の引き上げについてでございますが、協会より、平成24年度発注分の入札において最低制限価格の引き上げ効果が出ていると、一定の評価をちょうだいしたところでございます。  次に、履行要件、参加要件の徹底についてでございますが、協会より、不良・不適格業者の排除に係る必要最低限の入札参加要件の要望であることのご説明をいただき、本市といたしましては、そのうち、健康診断実施の確認については、2年に1度行う入札参加資格申請の中で行うことを検討することをお約束し、それ以外については、現在の指名競争入札方式では幾つかの課題があることをご説明させていただいたところでございます。また、地場企業育成や税の地域循環の観点から、入札参加者の地域要件につきましては、これも道内というご要望でございましたけれども、私どもは市内企業を前提に前向きに検討することをお伝え申し上げ、協会から賛同をちょうだいしたところでございます。  最後に、3年以上の複数年契約の実施についてでございますが、私どもより、建物清掃はWTO適用業務でありますことから、複数年契約を導入することにより、WTO適用案件がふえ、そのことによって、最低制限価格制度が適用とならないといったようなデメリットについてもご説明申し上げたところ、協会として、今後対応を考えるというお話があったところでございます。また、協会では、今回、私どもがこれから精査すると申し上げました入札状況でございますが、協会としても精査し、改善してほしい点があれば要望していきたいとのお話がございました。  以上が3団体との協議における主な意見等の内容でございます。  今回の協議におきましては、入札契約制度の要望項目等について、すべてではございませんけれども、お互いに一定の理解や共通認識が得られたものと考えており、今後ともこのような場において入札契約制度の協議を引き続き行ってまいりたい、このように考えております。  以上が、今回のご報告でございます。 ○こんどう和雄 委員長  それでは、第2款 総務費 第1項 総務管理費中議案第27号関係分及び議案第27号 札幌市公契約条例案について、一括して質疑を行います。 ◆石川佐和子 委員  市民ネットワーク北海道は、公契約条例が、労働者の適正な労働環境の確保を通じて、だれもが安心して働き、暮らすことができる社会の実現を目的としていることからも、公契約条例の早期制定を求め、この間、代表質問においても取り上げてきたところであります。ただいま補足説明をいただいた中で、最低制限価格の引き上げにつきましては、昨年の第4回定例市議会において、公契約条例の施行を視野に入れ、2012年度の当初事業から反映できるよう検討を進めるという市長答弁がありました。それを受けて、清掃や警備などの業務委託におきましては本年1月に、工事においては4月の公告分から最低制限価格の引き上げを行ったものというふうに認識しているところであります。  今回、最低制限価格の引き上げによる影響額につきましては、工事では18億5,000万円、また、業務委託では3億円と示されたのと同時に、公契約条例制定の影響額が示され、そのうち、直接効果額につきましては、工事においては8,500万円、そして、業務委託におきましては9,000万円というふうになっております。関係業界におかれましては、条例制定に伴って労働者の賃金が上昇する分の負担、今回のこの資料で言いますと、直接効果額の部分が負担になるのではないかという懸念があります。  そこで、質問ですが、条例制定が経営者側の負担とならないように、今回、最低制限価格の引き上げを行ったというふうに考えておりますけれども、公契約条例の適用契約分、工事では8,500万円、業務委託では9,000万円に係る契約分において、仮に引き上げ後の最低制限価格を適用した場合、適用前と適用した後の落札額についてはどの程度上昇するのか、これが試算できるのであれば、その金額をまず伺います。 ◎上野 管財部長  ただいま、公契約条例の対象契約において、仮に引き上げ後の最低制限価格を適用した場合に、適用前と適用後の落札額についてどの程度上昇するのかというご質問でございますが、私どもが試算しましたところ、工事では、条例制定の直接効果額8,500万円に係る契約分において、平成22年度実績ベースで試算いたしましたところ、最低制限引き上げによる落札額の上昇分は約3億5,000万円という結果になったところでございます。また、業務では、同じく条例制定の効果額9,000万円に係る契約分について、これは、23年度実績ベースで試算いたしましたところ、引き上げによる落札額につきましては約2億1,000万円上昇するという試算結果を得ているところでございます。 ◆石川佐和子 委員  8,500万円に係る契約においては3億5,000万円、また、9,000万円に係る分においては2億1,000万円の上昇になるということで、ただいまの答弁におきまして、公契約条例の対象となる工事、また業務委託におきましては、今回の最低制限価格の引き上げによりまして、条例制定に伴って賃金が上昇する分以上に落札額が上昇することがわかりました。こういったことからも、私ども市民ネットワークとしましては、労働環境の改善を目指す公契約条例の一日も早い制定を強く求めておきます。  続きまして、指定管理者について伺います。  本市は、民間活力の導入という観点から、公共サービス等の外部委託として指定管理者制度を積極的に進めてきたところです。この間、本市は、指定管理者の選定の際に雇用継続の取り組みについても提案してもらうなど、雇用問題に対する一定の配慮を行っているというふうに認識しています。しかし、実際の現場では、職員の臨時化、非正規化が進み、しかも、価格競争の中で賃金、労働条件が低下し、労働者の賃金は、最低基準が確保されていない状況もあるというふうに聞いているところであり、課題があると考えます。  そこで、質問ですが、条例の制定後、指定管理者制度をとる施設について条例を適用していくためには、条例の内容に沿った賃金を支払うことを明記することとか、支払った賃金の報告を盛り込むなど、協定を見直す必要があるというふうに考えますけれども、これについては、いつ、どのような形で行うことを想定されておられるのか、伺います。 ◎上野 管財部長  条例案におきましては、施行日以後に申し込みを求める指定管理者の指定に係る公の施設の管理に関する協定について適用することといたしております。したがいまして、現在締結している協定書の見直しが必要になるというものではございません。また、条例施行後におきまして新たに協定を締結する場合におきましては、賃金報告書の作成や労働者が作業報酬下限額以上の賃金を受け取れるようにすることなど、条例の実効性の確保を図るための事項を盛り込んでまいりたい、このように考えております。 ◆石川佐和子 委員  指定管理者におきましても、この条例の実効性を確保するという協定の見直しを、今後、しっかり行っていただきたいと思います。  続いて、市長にお伺いいたします。  昨日の新聞報道によりますと、北海道ビルメンテナンス協会に市長みずから訪問されて、条例の制定についての理解を求められたということがありました。記事の見出しとしましては、「なお平行線」というふうに書かれておりましたけれども、そこでの話し合いの内容、また、どのような対応であったのか。それから、その新聞の中には、22日には札幌建設業協会、23日には北海道警備業協会を訪問される予定ということもあわせて報じられておりましたが、どのように臨まれるのか、お考えについてあわせて伺います。 ◎上田 市長  昨日、ご指摘のように、北海道ビルメン協会の会長、副会長3名にお目にかかりまして、公契約条例が意図するものは何なのかということのご説明を直接させていただいたところでございます。その趣旨については、もう既に議会でも申し上げているとおりでございまして、今の経済状況の中で札幌市が行い得る経済対策、これは、多くの税金を投入して公契約という名によって多くの方々に働いていただく、そして生計を立てていただく、そして消費に使っていただく、こういう地域の経済循環を促進するためには、それを底上げすることが、働いておられる方々の生活をアップすることだけでなくて、地域社会の経済の循環に極めて有効な施策になるのだと、そういうふうなお話を申し上げてきたところでございます。  これに対しまして、やはり、業界の皆様方にとりましては、今、大変な経済状況、経営状況にあるという現状認識といったものを述べられまして、特に、今、即、この条例案になかなか賛成しがたいという点は、まさに、具体的には、公契約に従事されるビルメン協会の労働者は業界全体の3%くらいだろう、その3%の方々だけの賃金が、公契約条例の最低賃金保障といいますか、その価格でとられますと、ほかの労働者といいますか、雇用されておられる方々とのバランスが悪くなる、そこが問題なのだということが、いろいろなことを議論した中で、事業者の皆さん方にとってどうも一番厳しい問題状況になるというふうなことを述べられたように思います。平行線というのはここだけでございます。  その余は、さまざまな入札方法の改善等につきまして、20年来、いろいろ要望してきたけれども、なかなか取り上げられなかったと、そのことに対する苦情はございました。しかし、今、動こうとしていること、そのことについてはそれなりのご評価をちょうだいしていたところでございます。そういう中で、一番肝心な、事業者の皆さん方が一番ご苦労されている部分については、少し時間をかけてお話ししなければならないですねというのが、山田会長の発言でもございました。そのような形で帰ってきたところでございます。  また、建設業協会と警備業協会は、あす以降にお目にかかりまして、しっかりと、私どもの意図するところ、それから、業界でさまざまな困難な事態を持っておられることにつきまして真摯にお聞き取りをさせていただきまして、意見交換できればありがたい、こんなふうに考えているところでございます。 ◆石川佐和子 委員  入札制度の要望等については、最初に説明がありましたとおり、一定の理解があるということ、それから、働く場所が市か民間かという場所によって生ずる賃金の格差があり、バランスが悪いということで、そういったところは悩んでいるというようなお話を今伺いました。また、22日、23日に訪問されるということでありますから、そういったところも市長みずからが丁寧に説明されて、条例制定に向けての理解が進むよう取り組まれることを強く要望いたします。  最後の質問になりますけれども、公契約条例につきましては、業界団体のみならず、市民に対しても広く周知するとともに、理解を深めるための取り組みが重要というふうに考えますが、今後どのように進めるのか、改めて伺います。
    ◎上野 管財部長  公契約条例につきましては、その制定後におきましても、引き続き、条例の趣旨やその内容について、ホームページの活用、パンフレットの作成、配布、それから、関係業界の方々に対する説明会の開催等、さまざまな手段によって広く周知し、理解をいただくよう努めてまいりたい、このように考えております。 ◆石川佐和子 委員  業界団体への説明は当然のことですけれども、ホームページとあわせて、広く市民にも情報が伝わるような努力をぜひしていただきたいと思います。  本市としましては、引き続き、公的なサービスの品質を確保することと、下請を含めて、働く方々のきちんとした労働条件が確保される、そういう環境を整えていくことが、今後、重要だというふうに思います。雇用不安が広がる中、働く場の確保は喫緊の課題であり、だれもが安心して自分らしく生活できる働き方の確保が重要であることは言うまでもないことだと思います。公契約条例につきましては、官製ワーキングプアを解消するだけではなく、具体的に社会貢献や環境への配慮を行っていたり、また、障がい者や女性の雇用を進める企業や事業者を評価するとともに、公正な労働環境を誘導するという役割も期待できますことから、公契約を政策実現の手段としても活用していくべきというふうに考えます。そうしたことからも、重ねて申し上げますが、公契約条例を早期に制定することを強く求め、私の質問を終わります。 ◆堀川素人 委員  僕から、質問いたします。  僕は、公契約条例と最低制限価格を一緒にして議論するということが、大変異常です。この公契約条例を通したいと思えば、ある意味では、業者が今まで望んでいることを通してあげなければならぬ、こういうことでもって議論してはならぬことだと僕は思います。要するに、労働者が大変厳しい賃金で働いていて、それは官が発注した仕事の中でも大変厳しい状態にある。とするならば、それは、それでいいと言う人はだれもいないと思うのです。ですから、少しでもそういうことがないようにと思って、公契約条例というものを制定してやっていきたいという気持ちはわからぬわけではない。でも、現実にはこの影響というのは極めて小さい。何が大きいかといったら、発注金額がふえるということです。これでいきますと、直接的な影響の部分は2億円ちょっとですよ、指定管理者も入れてですね。直接的影響がそれだけなのに、21億円、22億円にならんとするような出費がある。これは、市民にとっては、おかしいのではないかと。人件費を上げろと言うならば、その分だけ上げて、何でほかの部分も一緒になって上げなければならないのですかと。例えば、工事の請負の方に行きましたら、8,500万円ぐらいのもので18億円の出費ですよ。  このことを考えたら、僕は、公契約にある理念というものをきちっと議論すること、一つは。それからもう一つは、なぜ最低制限価格を上げなければならないのか。平成22年の2月と聞きましたけれども、それ以前は84%が理論的最低制限価格であった。それが、22年2月になったら87%になった。87%の最低制限価格の上へ行ったらだめなのではなくて、上へ行かなければならぬということは100%まであるわけですよ。どこに入れるかということは、基本的に札幌市の責任ではない。業界の責任ですよ。競争があるからといって、工事を発注すればみんなでもって最低制限価格と、そして談合もする。こういうような体質が残っていてですよ、こうやって工事の価格を上げて理念を通そうとするのは、市民にとって大変不愉快な話である。  つまり、何を言わんとするかといったら、僕は、やっぱり、公契約条例にある精神、これを札幌市民がしっかりと理解すべきである。特に、工事を受注する業界にもそのことについてはっきり理解を求める。これは、ある意味では当たり前のことですよ。それと最低制限価格を上げるということは別な問題である。とするならば、はっきりと区別すべきです。今、公契約条例が通ったら4月1日から90%にしますということは、僕は、基本的におかしい、市民の納得は得られないのではないか、こう考えています。 ○こんどう和雄 委員長  堀川委員、質問に入って。 ◆堀川素人 委員  (続)それについてどう思うのか、お答えをいただきたい。 ◎上野 管財部長  最低制限価格の引き上げにつきましては、長引く不況や公共事業の減少により、業者間の競争が一層激しくなって経営環境が非常に厳しい状況にあること、また、公契約条例におきまして、受託者に対して一定水準の賃金の支払いを義務づけることから、適正な労務費を反映した金額により受注することが大前提となりますので、適正価格での入札を推進し、労働者の適正な賃金の確保と企業の安定経営化を図るために行ったものでございます。 ◆堀川素人 委員  働く人の賃金、こう言うならば、工事で言うならば8,500万円、業務委託で言うならば9,000万円、それから、指定管理者の方で言うならば2,600万円、これが上がれば、今の労働者は、ある意味ではそれしか助からぬのですよ。これをきちっと保証して、これだけは守りなさいよとやるならば、21億円のお金を出さなくても済むではないですか。そういうことでしょう。それを一緒にするから、この2億円ぐらいの影響なのに、21億円も出さなければならぬ。これは、やっぱりなかなか納得がいかないですねと、こういうふうになるのです。  例えば、18億円、21億円を出すとするならば、これは、長い間、景気が悪くて、お金を回すことも公共事業の役割であると。これは、ピラミッドをつくったときに、あれも公共事業の一つだと言われているのですよ。そうするならば、今の時代について言うならば、この分を上げて、建設業界、土木業界に――土木業界ばかりではないですが、今回の対象工事、これにお金を回すのだ、それは、公共事業を発注する札幌市とすれば大事なことでありますよということでもって納得するならば、市民がどう考えるか。でも、公契約条例とセットで、これを通したいから、では、工事費を90%に上げますよというのはおかしい。  これは、もうこれだけの議論をして、僕は、もう正直言って、議論をしたくない。本当に、本当に、本当にそうですよ。そうですよ。みんなわかって言っているのかなと本当に思う。わかっていないでもって、簡単に業者がこうだと。苦しいことはわかっていますよ。だから、業者だけの話を聞けばいいというものではない。札幌市も、理念はこうだとしても、安易にそれを受け入れて市民の税金を使う、このことについて安易にやってはならぬ。二つをセットにしたら、どう考えていいのかわからぬ問題になってしまうということを言って、終わりにいたします。 ◆木村彰男 委員  この問題については、ここで既に何度も議論してまいりました。ご担当より今回の追加資料をいただいておりますので、その点についてだけ、何点かお聞きします。  まず、最低制限価格の引き上げによる影響額ということにつきまして、資料5ページをごらんください。  業務委託の改定後の最低制限価格率は清掃で84%、同じく、改定後の落札率は清掃で87%という形で見ていらっしゃる資料があるかと思います。これにつきましては、私は、さきにビルメンテナンス協会の方とお話し合いをしておりまして、90%以上にしてほしいということをかねがねご主張されていると思うのでございますが、これを試算したときに90%としなかったことについては何か理由があるかと思うのですけれども、その点が一つです。  そしてまた、90%とした場合においては、現行の影響額9,000万円に対してどのくらい上乗せになるものでございましょうか、お聞かせください。 ◎上野 管財部長  まず、なぜ90%にしなかったかということでございますが、私どもは、この業務委託につきましては、ことしの1月まで一律に70%という最低制限価格を設けておりました。これについては、業界から引き上げてほしいというお話がございました。そして、私どもがこの最低制限価格を改正していくに当たってどういうふうに考えていくべきかということを検討したときに、直接人件費、管理費等、いろいろな費目について、項目についてそれぞれ積み上げていくと。工事と同じようにでございますが、そういうふうに積み上げ方式にしていくことが妥当ではないかという考えに至ったわけでございます。その際に、北海道では私どもより1年前から積み上げ方式に変更しておりまして、その率を借用してといいますか、まず、道庁並みに引き上げるということで改正したものでございます。  それからもう一つは、90%にした場合の試算額でございますが、申しわけございませんけれども、手持ちの数字はございません。 ◆木村彰男 委員  では、それは、後でまた聞きます。  次に、工事の方ですけれども、最低制限価格引き上げによる影響額ということで、4ページをちょっと見ていただきたいと思います。  これは、改定後の最低制限価格率は90%、それから、改定後の平均落札率90%という形で試算されております。しかし、本市が先行事例としておりますところの野田市におきましては、私がお伺いしている限りは、条例を制定する前から、これらの数値については、9割以上といいますか、かなり高い水準を維持していたということも聞いておりますけれども、その点についてお聞かせください。 ◎上野 管財部長  私どもが先行他都市の落札率について把握しているかということでございますが、工事で申し上げますと、札幌市は、引き上げ前は理論値で87%、実際の落札率もそれに張りつくかのように約87%でございました。野田市は、これはちょっと古い数字になりますが、平成21年度で95%前後と聞いております。それから、川崎市は、平成22年度でございますが、89%、多摩市が93%、相模原市が85%と伺っているところでございます。 ◆木村彰男 委員  ただいま答弁されたように、これは、関東ということでしょうか、本州ということでしょうか、北海道よりもかなり高い数値が維持されていたという背景がございまして、北海道のような低入札といいますか、ダンピングのような状態にはなっていなかったという一つの認識を前提にできると思うわけでございます。そういう前提に立った上で、野田市などは、最低水準を上げる必要なくして公契約条例を制定していったという過程があると思います。  そのときに、私がいただいております日弁連が作成したパンフレットがありますが、これにおいても、公契約の制定を機に、業務委託という言葉を使っておりますけれども、野田市の場合で賃金が上がったのは時給100円ぐらいだということです。川崎市でも、事務の臨時職員の賃金で約30円アップしたということが、この日弁連の資料に書かれてございます。市長もごらんになったと思います。  私は、ダンピング入札を阻止するために基準を上げた上で、90%、95%に上げた上で、この後、どのような賃金アップが民民の間にやられるかということを検証するような時間、それから、公契約条例に先立っての効果測定といったことなど、規制を伴う条例の制定の前に、議論する前に、ある程度時間をかけて、民民の間の賃金上昇というものを検証していくようなご用意がないか、お聞かせください。 ◎上野 管財部長  私どもは、今回、公契約条例案を提出させていただきましたのは、現在、低落札や低賃金をもたらしております価格競争一辺倒の状況を是正することが求められており、こうした負のスパイラルを断ち切るという思いで提出させていただいております。最低制限価格の引き上げにつきましては、先ほどからご説明し、お話し申し上げているとおり、適正な労務費が大前提となりますので、その受注価格を促すために最低制限価格を上げたということでございます。 ◆木村彰男 委員  上田市長は、本委員会に先立つ3月19日、北海道ビルメンテナンス協会に出向かれ、条例制定に向けてみずから説得、理解を求めたと報道されております。当協会の清掃従業員1万6,000人のうち、条例対象者は3%にすぎないということを先ほど市長は言われました。  条例による規制によって残り97%の賃金も上げなければいけない、それが義務づけられているのが条例であるが、企業側にはそのような体力、原資はないということで、十分に時間をかけて検証し、その上で制定について議論すべきではないかと、現時点での制定に反対という明確な意思表示を表明されております。私が代表質問の中でお尋ねしたとき、敵はいないという市長のフレーズの一方の当事者である山田春雄会長のさきの意見表明に対しまして、上田市長のご見解をお聞かせください。 ◎上田 市長  理念として、公契約条例というのは、それ自体は大変理解できるというふうにビルメンの協会の皆様方はおっしゃっておりました。協会からはこういう発言がございました。本来、低賃金を競う業界ではないとの思いから、自分たちの業界が誇りを持った業界であるようにということでいろいろな提言をさせていただいたというようなフレーズの中で、それを正していこう、公契約条例はその役に立つと、そういう認識は共有できているということは確認させていただいているところであります。  しかし、現実の今々の経営状況からいって、公契約以外で働かれるほかの方々を公契約で縛るというわけではないですし、もちろん義務づけているわけではありませんが、ただ、現実の問題として、同じ会社で、同じ労働者がというくくりで、事実上、配慮しなければならないこともたくさんある、そのことがきついのだよねというふうなお話でございました。私は、やはり、それは企業内努力というのが必要なこともありますよねというお話はさせていただいているのでありますが、その余力がないというくくりでお話があったわけでございまして、この点についてはもう少し議論させていただきたい、こんなふうに思っているところであります。 ◆木村彰男 委員  私は、企業側に賃金支払いの義務を課す、そういう規制をかける条例である以上、その制度の趣旨に対して、協会を初め、そのような企業が協力体制をとるといいますか、やはり、そういうことがまず前提になるのではないかというふうに考えます。私は、今回の市長の説得行脚と申しますか、注目して見ておりますが、あと2団体を回られるということで、そのレポートも私は拝見したいと思いますけれども、我が会派につきましては、そのような協会の具体的な支持もしくはサポートが得られないような状態においては重ねて慎重であるべきだということを最後に申し上げまして、私の質問にかえさせていただきます。 ◆飯島弘之 委員  先月の29日に引き続きまして大変恐縮でありますが、改めて質問させていただきたいと思います。  先月の予特の質問で、私から、条例制定により、条例対象の従業員の人件費を上乗せすることによって、今回、市が制定しようとしている条例の理念、目的とします地域経済活性化が本当にもたらされるのですかと、その実効性ということを問題といたしまして、その具体的な効果額等をお示しくださいということで、今回、このような効果額をお示しいただいたところでありまして、その点については、心から感謝を申し上げる次第であります。  私は、最低制限引き上げについての影響額までは求めていなかったのですけれども、あわせてそれもお示しいただきました。これは、冒頭に申し上げますけれども、私も、先ほどの堀川委員と同様でありまして、最低制限価格を引き上げることとこの条例制定については全く別物であります。お気持ちはわかるのですが、あえて引き上げに対してこれだけの大きな効果が出て、そして、この公契約条例がこれだけだと、これだけの大きな影響で、はっきり言って業界の方に金額が行くのだからできるでしょうと言わんばかりの説明の仕方というのは、これまでに何回も申し上げておりますけれども、いかがなものかなと。堀川委員と同様の意見になりますからこれ以上は言いませんが、まず、申し上げてから質問に入らせていただきたいと思います。  市側の説明によりますと、効果額というのは、工事、業務委託、それから指定管理者合計で、直接効果、波及効果を合わせて3億3,900万円ということであります。果たしてそれだけの効果が実際に札幌市の経済に波及効果としてもたらされるかということについては、改めて疑問であります。といいますのは、この計算においては、市の都合のいい部分だけが計算にインプットされておりまして、都合の悪いものについてはインプットされていないというふうに、今ざっとご説明をお聞きして、まずそう思います。  また、条例による副作用です。先ほど来も、ビルメンテナンス業界の事例が出ておりましたけれども、そういった副作用、いわゆるマイナス効果というものが市が計算して出された効果額に反映されていないところがあるのだというふうに思います。それぞれ、順次、質問させていただきたいと思います。  まず、市側の計算そのものは間違っていないと思います。その計算に基づいて議論させていただきたいと思いますが、効果がもたらされるためには、いわゆる効果ということがある以上、何らかの費用がかかります。それがインプットされて効果というものが出るのだと思います。つまり、費用便益比であります。  そこで、確認の質問でありますが、これも先ほどの堀川委員の質問と重なる部分がありますけれども、一体全体、この費用、これが幾らと考えられているのか。費用対効果、いわゆるビー・バイ・シーと言われますが、それが幾らになるのか。コストというのは、最低制限価格引き上げの21億5,000万円も含めて費用と言っているのか、それとも、実際の引き上げ分の直接効果とイコールだと思いますけれども、その部分を費用と見ているのか、その点をまず確認させていただきたいと思います。  それから、その費用、コストには、今回、市の予算800万円と、あと、1名増員分の人件費が計上されているという説明を前回の29日の委員会で既にいただいていますが、そういった部分も含まれているのかどうか。  それから、巷間よく言われておりますが、賃金台帳です。これだけのボリュームの工事、業務委託、指定管理者等の業務発注に際して、賃金の台帳、実際に払われているかどうかといったことです。これは、前回、上野部長は、各原局の方でチェックしていくのだという答弁をいただいておりますけれども、間違いありませんね。業務に関してです。原局でチェックしていくと。原局でそれぞれチェックして、払われていないというならば、それは現場に入っていろいろな調査もするのだと思います。そういったもろもろのコストといったものも、当然、含まれていかなければいけないのではないかなと思います。しかし、ざっと見ますと、それは入っていないのではないかと思いますけれども、その点について改めて確認させてください。 ◎上野 管財部長  一般的に、経済波及効果と言ったときに、その計測については産業連関表を用いて計算しているところでございまして、私どもも、今回の試算につきましても札幌市産業連関表に基づいて計算したところでございます。先ほど来申し上げておりますが、具体的には、労務単価の90%を前提とした直接効果と、それにより誘発される生産額の波及効果を推計して合計したものでございまして、そういった意味では、産業連関表を使った経済波及効果の試算というのは、私どもとしては妥当性があるというふうに考えております。  具体的には、先ほど説明したとおりでございます。例えば、工事につきましては、8,500万円の雇用者所得の増加を実現すれば、その経済波及効果はおよそ1.7倍の1億4,300万円になるという試算でございます。これは、経済効果としての試算でございます。  それから、今、委員がおっしゃったビー・バイ・シーの話ですが、これにつきましては、私どもは、これも先ほど来申し上げていますけれども、今あるところから工事で言えば8,500万円を導くということではなくて、私どもは、代表質問でも、最低制限価格と公契約条例のどちらも必要なのだというふうに答弁させていただいております。  そこで、このビー・バイ・シー、ベネフィット・バイ・コストはどうかということですけれども、それは、先ほど来申し上げております最低制限価格の引き上げ、先ほど石川委員にもお答えしましたが、8,500万円に関して、平成22年度のいわゆる契約の実績ベースで試算しますと、引き上げたことによって落札額が約3億5,000万円上がるという試算を得ています。ですから、あくまで試算ですが、最低制限価格を上げることによって、その3億5,000万円が、いわゆる公契約条例の工事分につきまして業界に落札金額、契約金額として上乗せされることになります。それが原資となって8,500万円につながっていくものだ、私どもはこういうふうに理解しております。 ◆飯島弘之 委員  ちょっと確認ですが、今お聞きした工事の話ですね。今、具体例で3億5,000万円のインプットに対して8,500万円の効果が出た、プラス、それによる波及効果が5,800万円だから1億4,300万円と、要するに引くということではないのですね。ちょっとわかりづらいので、再度、説明を願います。 ◎上野 管財部長  8,500万円のいわゆるコストというものは、今申し上げた3億5,000万円の一部であるというふうに申し上げております。 ◆飯島弘之 委員  それから、市の職員の方々のコストですが、その辺はコストに入っているのかどうかということについてご答弁をいただいていますか。 ◎上野 管財部長  申しわけございません。  この経済波及効果をあらわす試算をするに当たっては、その部分については考慮してございません。 ◆飯島弘之 委員  統計学とか経済学等の話になるので、ちょっと難しい話ですが、ただ、一般的に、通常の市民、納税者からすると、先ほどの堀川委員の話ともかぶりますけれども、これだけの税金を投入してこれだけの波及効果だと、果たしてそれだけで意味があるのだろうかと。しかも、ほんの一部の人たちの給料が上がることに対してこれだけの税金を投入するということが、果たして合理性があるのかどうかということで、費用対効果という意味においては、私は、さほど、民間の事業者の方々にさまざまなペナルティーを付与するような条例等々も含めて考えますと、そういったことも総合的に考えたベネフィット・バイ・コストということを考えますと、余り見合わないのではないかというふうに思います。  また、先ほど、都合のいい部分だけを計上しているのではないかということについては、そこまでの事務経費等もきちんと入ると。通常、こういう直接波及効果についてよく出てくるのは、イベントか何かを開いて、それに対してこれだけの消費があって、役所の方も費用をかけて、それに対してこれだけの効果があったと、インターネットを調べますとよく出てきますけれども、役所の方の実際にかかった事務経費だとか、そういった費用も必ず入ってきていますね。やり方としてそういうものが入ってないというのは、私は、やはり――――なのだろうなと。(発言する者あり)  ――――というのは、取り消しをさせていただいて、不十分だろうというふうに言い直させていただきます。  そういうことでありまして、ここについてはここまでにしておきまして、次の質問をさせていただきます。  現在、実際上、公共事業に携わる多くの事業者の方々は、かなりの借り入れ負担にあえいでいると思います。借り入れの返済、そして、設備も、なかなか利益を上げられないで、老朽化し、その更新等も本当にしなければいけないような状況であろうかとも思います。とにもかくにも、事業継続のために課題が山積しているというのが現実であろうかというふうに思います。  その意味で、企業側からすると、条例対象従業員の時給を上げて、それに伴い、総人件費が対象業務に関して増大すると仮定した場合、その対策として、例えば、当然、その分の人件費が上がるわけですから、仕入れ等の経費を削減するとか、どこかに仮住まいをしていればその賃貸物件のテナント料を下げてもらうようにお願いするとか、あとは、外注をしていれば外注の費用を削減する、そういったことを外注先にお願いするとか、そういった対策を講じることによって総体としての企業の支出を削減していかなければ、今はなかなかやっていけないような状況なのだろうというふうに思います。  そういった意味では、企業総体としては、条例を制定したとしても、企業の支出がふえることにはならないわけでありまして、実際、業者はそのような調整をしなければ経営が成り立っていかないわけであります。実際に、この関連の対象業者の方々に聞きますと、そういうふうに証言をされているところでもあります。  そこで、質問でありますが、市の示された効果額は、今ほど例示した経費削減により発生するマイナスの効果によって相殺されてしまい、結果、市の見積もる効果額は相当減額されてしまうのではないかと思いますけれども、その点についてのご見解をお伺いいたします。 ○こんどう和雄 委員長  ただいま、飯島委員から発言の一部を取り消したい旨の申し出がありました。  委員長としても、不穏当な発言があったと判断いたしますので、発言の取り消しを命じます。 ◎上野 管財部長  先ほど来申し上げていますが、経済波及効果の計測を行う場合に、一般的に産業連関表を用いて計算しており、今回もそれを用いているということです。  飯島委員がおっしゃるのは、労働者の賃金の増加によって別の部分でコスト削減をすることになるのではないかという懸念があるということでございますが、そういう意味で、私どもは、過度なコスト削減などで経営環境が厳しくならないように最低制限価格の引き上げを行ったところでありまして、今回の経済波及効果を試算するに当たっては、そこの部分については考慮しておりません。 ◆飯島弘之 委員  そのようなお話をされるのだろうというふうに思います。ただ、何度も申し上げておりますけれども、それとこれとはまた話が別だと。これは、私が言っているだけではなくて、ほかの委員の多くが言っているわけでありまして、私はその答弁を受け入れることはできません。  そこで、そこまで言われるのであれば、この公契約条例案というものの中に、必ず企業が利益を担保できるといった文言が少しでも入っているのですか。例えば、公契約条例に伴って最低制限価格を上げるとかですね。最低制限価格というものは、今回は上がるでしょうけれども、さまざまな状況によって、もしかしたら、今後、その条件が変わるかもしれませんね。札幌市が財政健全化団体になりそうになって、また下がってしまうような状況に変わったりするなど、入札の改善が必ずしも企業にとってプラスになるような額に変わるような保証はないわけですよ。ですから、今回、一時的に最低制限価格を上げるから、その分の利益が出るのだから、人件費も上げられるでしょう、仕入れだとか、ほかのさまざまな経費を削減しなくてもできるでしょうというのは、それは口では言えるかもしれませんけれども、それどころではない。先ほども申し上げましたが、そんな余裕がないような企業もいっぱいあるわけですよ。続々とつぶれているじゃないですか、毎日のように、建設業者が。  私は、社会人の振り出しは銀行員でありまして融資マンからスタートしましたけれども、まず、朝、銀行に行ってやることは、貸したお金を返してくださいという延滞債権の電話で始まるわけですよ。役所が考えるようなそういう甘い状況ではない。市長も先ほどおっしゃっていましたが、経済状況は相当に疲弊している。厳しい状況になっている。給料を上げる前に、まず、目の前の返済をしなければ、その次の日には融資が打ち切られてしまうような企業もいっぱいあるわけですよ。  そういうわけでありまして、私は、今の答弁についてはちょっと素直に受け入れることができないということをお話し申し上げたいと思います。  先ほど来、例示としてお話が出ておりますけれども、私も、直接、きのう、ビルメン業界の方からお話をお伺いいたしました。何度も話が出ていますが、3%弱の方々のお給料を上げる、そのために97%の方々が税金を払って、日々、一生懸命働いていらっしゃると思うのですけれども、97%の方々にとってみれば、我々の払った税金で、同じ仕事をやっている仲間の3%の人の給料が上がって、我々97%の人は給料が上がらない、これは不公平なのではないかというお声が出ているわけであります。(発言する者あり) ○こんどう和雄 委員長  静粛に。 ◆飯島弘之 委員  (続)これは、私が言っているのではなくて、従業員の方々が言っているというお話でして、市長もそのお話をお聞きになったのだと思いますが、私は、このお話はもっともなのだろうなというふうに思います。そして、こういうことをやっていると、結局、企業内の労使間、そして従業員同士のいわゆる不和が引き起こされてくるのだろうというふうに思います。数値化はなかなかできませんけれども、そういったマイナスの効果も、やはり、市が単純にここで示している効果額から、当然、相殺されるべきなのだろうし、されてしまう、そういうマイナスのデメリットだというふうに思います。  そこで、今述べましたこのような従業員がいることも踏まえまして、この条例案が本当に働く労働者にとってメリットがあるのかという観点から、この効果額についてちょっと質問させていただきたいと思います。  そこで、具体的にお聞きしますけれども、今回の条例によって時給を上げれば、給料を上げますから、当然、それに付随する法定福利費等の経費圧縮のため、従業員のパートへの切りかえ、そして、労働時間の短縮、高齢者従業員――当然、時給を高くするわけですから、ご高齢の方よりも少し馬力のある若い人をというふうに考える企業もあるでしょうと、業界の方はそういうふうにおっしゃっております。そういったことによって、ご高齢の方々が解雇されてしまうような懸念もある、そういったマイナス効果もあるだろうというふうに言われております。想像ではなくて、実際にそういうことがある。  事実、今回、最低賃金が705円に引き上がっておりますけれども、このような事態が、最低賃金が上がったことによって実際にそういう動きが出ているというふうに業界の方々からお伺いしておりまして、この条例が仮に制定されたならば、こういった状況が一層加速するだろうというふうに言われているところでもあります。私は、このことは、決して想像の世界でも何でもなくて、現実に起こり得る。実際に起こっているわけでありますから、このことについては真摯に耳を傾けねばならない事象であるし、ご意見だろうなというふうに思います。  そして、つけ加えてさらに言うならば、今回、対象業界の会長のお一人は、はっきりと、対象従業員の時給が上がったとしても、その人たちの所得が上がることはない、それだけ業界は疲弊し切っているのだと。先ほどの話の繰り返しになりますからこれ以上は申し上げませんが、そういうふうに業界の会長も断言しておられます。  そこで、質問でありますが、この条例案によって労働者、労働者世帯にとっての所得の向上は期待できないのではないか、本条例案の根本的な目的であるワーキングプア解消にこの条例案は資することがないのではないかと思うのですけれどもいかがか、お伺いさせていただきます。  また、ワーキングプアの増大、雇用の喪失等の負の効果の発生により、本市の試算されたこの効果額は、予定どおりの額は見込めないのではないかと思いますがいかがか、お伺いいたします。 ◎上野 管財部長  条例施行により雇用の悪化につながるとのご懸念でございますけれども、私どもは、条例で受注者に対して一定水準以上の賃金の支払いを義務づけますことから、先ほど来申し上げていますとおり、適正価格での入札を促進することによって適正な労務費の確保と経営の安定化にも資することが必要だというふうに考えております。  そこで、最低制限価格の話になりますが、また、引き上げたところでございますけれども、委員が先ほどおっしゃっていた法定福利費についてもすべて見込んで最低制限を上げているものでございます。したがいまして、公契約条例が施行された場合には、先ほど試算されたこのぐらいのものが、所得がふえるのかということでございますが、基本的には90%、清掃であれば100%ですけれども、そのように作業報酬審議会で決定づけられて、市長がそれを最終的に告示するわけですから、そうなればそれぐらいの効果があると、私どもはそう思っております。 ◆飯島弘之 委員  私どもはそう思っているというお話ですが、私は、少なくともそうは思わないということであります。  そこで、平行線でありますのでこれ以上は申しませんが、2009年に政権交代がなされまして、民主党のマニフェストで、時給1,000円という最低賃金を目指すと、勢いのいい、夢のようなお話がありました。中小企業を支援し、時給1,000円の最低賃金を目指しますという話でありますが、今の市のおっしゃる効果というものが見込めるのであれば、何でやらないのだろうと。今、これだけ日本の経済が疲弊しているのに、1,000円をやったらいいじゃないかというふうになりますが、やられておりません。この公契約条例と同様に、これまで論じてきたようなさまざまな問題点、ハードルが、これは、民主党内部にも同様の意見、懸念をする声があるやに聞いておりますが、そういったことで実現できないでいるのであろうというふうに思います。  そしてまた、民主党への政権交代によってこのような時給1,000円という政策が出されたのだろうという説が専らでありますけれども、最近、2009年以降、最低賃金額を引き上げることが有効な貧困対策なのかどうかということが、多くの大学もしくはシンクタンク等で研究がなされ始めたということであります。その中で、このような国の動きを見据えて、経済産業省の所管であります独立行政法人経済産業研究所の川口さんというファカルティーフェローと一橋大学の森さんという方により、正式に言わなければいけませんが、「Is Minimum Wage an Effective Anti-Poverty Policy in Japan?」という、最低賃金の引き上げは日本にとって有効な貧困対策かという論文が出されております。かいつまんで内容を申し上げますと、最低賃金の水準が生活保護支給額を下回るような現象がある中、最低賃金の引き上げが貧困対策として効果があるのかという問題意識から研究がなされ、そして、次の二つの論点から議論されております。一つは、最低賃金水準で労働している人たちは、所得の少ない貧困層に属しているのかどうか、そして、二つ目に、最低賃金を引き上げても、最低賃金水準の労働者は雇用を失うことなく収入の増加を享受できるのかという論点であります。大変分厚い論文であります。  結論だけ申し上げますと、最低賃金水準の労働者の中で、貧困世帯の世帯主である割合はごく一部にとどまっていること、そして、どのような人が最低賃金水準の労働者なのかといえば、最も多かったのは年収500万円以上の世帯の世帯員であること、また、最低賃金が引き上げられると雇用が失われる可能性がある、特に10代の男性と中年の女性の既婚者に対して就業率を下げる効果を生んでいるということがこの論文で論じられております。結論としては、最低賃金の引き上げは、貧困対策として全く意味のないものではないが、必ずしも期待された効果をもたらすものではないという結論であります。  私は、働く方々の所得、給与が上がることは大変いいことであると思いますし、そうなるように、企業も、そして我々政治に携わる者も常に努力をしていかなければならないというふうに思っております。しかし、そのためには、まず、経済を立て直すこと、景気をよくすること、そして、企業に対しては、さまざまな政策、例えば、より付加価値の高い製品、成果を生み出す体質への支援、効率性を高めるための支援、また減税策など、企業振興政策をたゆまず、あきらめず進めるということが何より大事なのだろうと考えます。そして、そうすることによって生み出された果実を、労働者にしっかりと分配していくのが基本なのだろうというふうに思います。つまり、高い賃金を実現するためには、技術進歩率を高めること、ないしは、技術進歩率が高い産業に特化していくこと、これは、もう経済学の基本であります。しかし、今回の条例政策は、そういった基本を踏み外した議論であり、本末転倒の議論と言っていいと思います。  また、現在、本市は、経済活性化のために企業誘致を懸命に行っております。今議会において、周辺都市に進出する企業にも補助金を出すというまでの政策を市長は打ち出されております。今回は、この対象業界3団体以外にも商工会議所も反対しておりますが、一般的に、経済界、企業というものは、そもそも企業経営に行政が介入する性質の政策には強い抵抗感があります。その意味で、今後の本市への企業誘致、投資促進に対して、この条例案は札幌進出を検討する企業に対して大きなマイナスのイメージをもたらし、結果、本条例案が理念、目的としている本市経済の活性化に対して致命的なマイナス効果をもたらすのではないかと、私は大変心配しております。  改めて、この条例案に対しては、市の示された効果は、これまでの議論によってお示しした大きなマイナス効果によって相殺され、市の見込む効果は見込めない、よって、経済活性化には寄与しないということが明らかになったのではないかというふうに思います。  最後に、本議会の代表質問で小須田議員からも申し上げておりますけれども、まずは業界、この業界の理解、協力なくしては進まない話でありますので、今、市長が精力的に各業界を回ってお話しされていらっしゃると思いますが、丁寧に説明、説得していただいてご理解いただくように、そのことをお願い申し上げて、質問を終わります。 ◆ふじわら広昭 委員  私からも、公契約条例に関して何点か質問いたしますけれども、具体的な質問に入る前に、本日のこの審査日程を実現していただきました、こんどう、小倉第一部正副委員長、そして、各会派の理事の皆様を初め、各会派の皆様のご判断とご尽力に心から敬意と感謝を申し上げたいと思います。  まず、1点目の質問としては、この間の確認と、それから、先ほどどなたの委員かちょっと失念いたしましたけれども、市長とのやりとりの中に3%の清掃業務のかかわりの話がありました。  1点目としては、先日も、私は、この委員会で、業務委託契約の業界団体では複数年契約の実施を求めているという状況の中で、3月2日と5日に既存の入札制度の説明に行ったという経過が先ほども説明されておりますけれども、とりわけ、業務委託にかかわる関係業界の中で、複数年契約に対しては年間625万円以上の業務がWTOの対象になっていく、そういうことについて確認して、業界の皆さんにもしっかり説明していただきたいというふうにお話をしました。言うまでもなく、業務契約の中でも、警備は該当しませんが、清掃の中でこうした問題がありますけれども、どのような説明をされて、業界の反応や認識はどうだったのか、改めて伺いたいと思います。  2点目については、先ほどのやりとりの中でも、3%の人しか公契約の恩恵にはあずかれないということであります。改めて言うまでもなく、札幌市は、新年度から、業務も公共工事においても道並みに最低制限価格を上げますけれども、それは、発注金額に関係なく、すべてをこの対象としていくわけであります。経営者の判断にもよりますけれども、幾らかでも労働環境の改善ということを考えれば、できないこともないだろうし、また、多くの人が言われているように、難しい状況もあるのだろうと思います。しかし、例えば業務の実質的な費用は75%が人件費だと言われておりますけれども、それでは、1,000万円以上だけではなくて、公契約をスタートさせる段階で、もし業界の皆さんが1,000万円以下もこれをできないでしょうかとなった場合には、札幌市としてどういった判断に立つのか、この2点について伺いたいと思います。 ◎上野 管財部長  まず、複数年契約のお話でございますが、複数年契約の実施につきましては、北海道ビルメンテナンス協会及び北海道警備業協会ともに、いわゆる対象施設の習熟における品質の向上や労働者の雇用安定化から、以前より要望がなされていたところでございます。委員がおっしゃったとおり、先日、各関係業界団体との協議におきまして、複数年契約の実施によるメリットは私どもとしても認識しておりますものの、入札参加機会の減少などのデメリットがあることもあわせてご説明させていただきました。  これにつきましては、北海道警備業協会では、警備業の最大の目的は安全であることであり、いわゆる入札の参加機会は減少しても、それよりも施設の習熟や雇用安定などのメリットが大きいことから複数年契約を希望するとのお話でございましたので、私どもとして、今後、その方向で詳細を詰めてまいりたい、このように考えております。  一方、北海道ビルメンテナンス協会では、先ほど少し触れましたが、建物清掃においてはWTOが適用されるものですから、複数年契約によってWTO適用案件となり、ひいては、そのことによって最低制限価格制度が適用されないことになりますし、それから、WTOでは地域要件も設けられないということもございます。ですから、かえって過度な競争を招くことになるのではないかというふうなことが共通認識としてございまして、したがって、ビルメン協会におきましても、今後、協会で対応を考えていきたいということでございました。これについては、継続的に協議してまいりたいというふうに思います。  それから、例えば、今、業務については、1,000万円以上を条例対象契約というふうに位置づけておりますけれども、それ以下についても適用する考えがあるのかということでございます。  私どもは、今、条例を提出するに当たって、私どもでいろいろ検討している中で、ほかの都市も参考にしまして、1,000万円が適当だということで提出しているところでございます。したがいまして、私どもとしては、まずこれで条例をスタートさせていただきたいというふうに思っておりますけれども、今後、そういう中でいろいろ検証して、また業界の意見を聞く中で、検討する余地はあるのかなというふうには考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  WTOの関係は一定の理解をいたしましたけれども、2番目の清掃の1,000万円以下については、業界の考え方もあると思います。議会で一方的にこうあるべきだということも言えませんので、今後の協議の中でそうしたものが出た場合には、やはり、しっかりと前向きにそれをとらえていかなければいけないのではないか、このことをまず申し上げておきたいと思います。  2番目の質問については、適正な賃金を確保する経済的な意義ということで、先ほど産業連関表について報告を受けました。これは、産業構造を物の流れから見る統計だというふうに私どもも受けとめておりまして、物をつくったり、工事をすることによってどういった状況になるのかということであります。前段の委員の方からも、経済政策の波及効果とか、札幌市の出されたさまざまなことが報告され、上野部長の答弁でも、工事で見ますと、約1億4,300万円というのは8,500万円に対して1.7倍の経済効果があるというようなことも明らかにされたわけであります。  そういう状況の中で、改めて、札幌市のこうした取り組みの中で、賃金の上昇が消費をもたらすことはこの間のさまざまな統計でも一定程度言えるわけでありますけれども、市民の個人消費は札幌市内の総生産額にどのような影響を与えていくのか、この点について、大きな2点目として伺いたいと思います。 ◎上野 管財部長  公契約条例による経済効果は、労働者の賃金の増加分を試算いたしまして、その増加額に、家計調査による平均消費性向を乗じたものを消費の増加額というふうに私どもは一たんは計算しております。そして、これによって誘発される生産額について、産業連関表を用いて試算したところでございます。したがいまして、賃金の上昇により、消費が増加し、市内の総生産額の増加にもつながっていくものと、このように考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  札幌市の統計表には、いわゆる札幌市のGDPとも言われます市内総生産勘定という資料があります。札幌市内は、さまざまな民間企業、また官公庁にかかわる仕事もありますが、平成20年度で約6兆3,000億円のいわゆる市内総生産があります。その中で、約3兆3,000億円が市内雇用者の報酬として支払われておりますけれども、詳細についていろいろ分析していきますと、市内雇用者報酬3兆3,000億円のうちの約3,000億円は社会保障費などとしてこれを支出していきますので、実際には3兆円というものが手元に残るわけであります。そして、いろいろな角度からの統計を調べていきますと、その約70%、最低でも60%が消費に回るということから、札幌市内でも、雇用されている皆さんの消費購買力の中で2兆円近くは消費されているということが言えるのではないかと思うわけであります。確かに、先ほどの資料の中では公契約条例を制定することによって3億3,900万円という額ではありますけれども、やはり、これを継続していくことによって、札幌市内に新たな企業が生まれたり、また既存の企業での消費購買力、そしてさまざまな企業にこれが連鎖反応していくわけであります。ですから、額を見ると小さいか、大きいかというのはさまざまな見解がありますが、3億円という額は、私ども民主党としては、中長期的に見てもやはり波及をしていく大きな効果があるだろうというふうに思うわけであります。  私どもとしては、ぜひ、そういうことを早くやるべきだと思っているわけでありますが、そのためには、業界の皆さんとのさまざまな調整というか、意見交換もしながら共通認識を図っていかなければならないわけであります。今までも、十分とは言えないまでも、関係業界との意見交換をしてきましたが、今後どのようにこれを生かしていくのかということで質問したいと思うわけであります。
     やはり、上田市長が掲げております市民自治が息づくまちづくりにも、こうした議論を深めていくことは意義深いものがあると思うわけであります。こうしたこれまでの協議経過を踏まえて、今後、既存の入札制度にこの間の取り組みをどのように生かしていこうとしているのか、改めてお伺いしたいと思います。 ◎上野 管財部長  条例の適用対象契約に関連する関係業界の皆さんからは、これまでもさまざまな要望をいただいてきているところでございますが、今回、公契約条例案の議論の中で、入札制度のあり方についても関係団体の皆さんとこれまで以上に本当に率直に意見交換を行うことができ、相互理解が深まったと認識しているところでございます。今後におきましても、協議を継続的に行い、共通認識に立てたものについては、順次、改善を行ってまいりたい、このように考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  既存の入札制度については、ぜひ精力的に協議を進めながら改善にしっかりと取り組んでいただきたいと思います。  そこで、関係団体から私どもの会派にも以前に要請があった項目について、まず最初に、2点質問したいと思います。  例えば、北海道ビルメンテナンス協会からは、特に積算の厳格化と完成検査の実施が強く求められていたわけであります。札幌市としては、今後、これらについてどのように対応しようとしているのか、まず、1点目に伺いたいと思います。  2点目には、札幌商工会議所から出された要請書の中には、最低制限価格の段階的引き上げについてありましたけれども、これらについてはどのように考えているのか、この2点について伺いたいと思います。 ◎上野 管財部長  まず、北海道ビルメンテナンス協会との協議の内容についてでございます。  私どもは、いわゆる積算の厳格化につきましては、清掃等業務でございますが、まずは、発注課から仕様書及び積算調書を取り寄せ、適正な積算がなされているかを確認し、不備があれば発注課に対して指導を行っているところでございますし、これからもそうしてまいりたいというふうに考えております。  その中で、話題にも出たのですが、建築保全業務積算基準に定めのないもの、例えば、見積もりによるものといったような場合がございますが、そういう場合における積算方法の標準化についてもぜひ検討してほしいというお話がございましたので、これについては私どもも検討を行ってまいりたいというふうに考えております。  また、完成検査でございますが、これまでも、履行完了時におきましては、履行場所における目視による検査や提出書類に基づく検査を行ってきたところでございます。しかしながら、協会から綿密な検査を実施してほしいとの要望もございますことから、技術・技能面における検査評価につきましては専門的な知識を必要とするといった課題ももちろんございますが、今後、関係業界団体からの意見なども参考にしながら、その検査方法について研究を行ってまいりたい、このように考えております。  次に、工事に係る最低制限価格につきましては、委員がおっしゃったとおり、札幌商工会議所からは段階的に引き上げて95%以上とすること、そしてまた、関係する札幌建設業協会からは最低でも90%以上になるようにと、それぞれご要望をちょうだいしていたところでございます。こうした要望も十分考慮いたしまして、このたび、4月1日以後の告示分について、平均ではございますが、90%に引き上げることとしたものでございます。  したがいまして、まずは、4月以降の落札率の推移を注視してまいりますとともに、業界としての実感といいますか、評価というものについてもお聞きしてまいりたい、このように今は考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  最後に、今後、公契約条例が実施された場合に、それぞれ落札した企業の皆さんが作成していく賃金台帳などに関する資料というものが出されておりますけれども、この点について、3点質問したいと思います。  1点目は、現在もそうですが、市が発注する工事等の場合に、積算書の中に人工数を書いております。例えば、仮に100人工と見ていた仕事を、元請の企業がこれまでのさまざまな経験、ノウハウ、技術力によってこれを80人工で済ませることができた場合に、残りの20人工の扱いですが、台帳に記入するのは80人工でいいのか、どうなるのかということと、抑制できた20人工というのは元請企業の利益として理解していいのかということが1点目です。  2点目は、逆に、工事が進んでいく中で、例えば、昼間の工事が夜間に変更せざるを得なかったとか、地質が変わったという場合に、人工数が変わってきたり単価が変わってくるわけですけれども、こうした場合には、いわゆる設計変更というような取り扱いで処理をしていくことでよろしいのか、2点目に伺いたい。  3点目は、賃金台帳の資料の10ページを見ますと、これは、他都市の例を参考にして、現在、様式は検討中ということですが、3回、それぞれ台帳の提出時期というものを想定しているようであります。厳格にするのも一理ありますが、もう少しそれを整理して、帳簿づけをしていく側の立場に立って、他都市の事例に固執することなく、もっと柔軟に工夫していく必要もあるかと思うのですけれども、この点についてどうなのか、3点伺いたいと思います。 ◎上野 管財部長  3点ご質問がございましたが、私からは、1点目と3点目についてお答え申し上げます。  まず、1点目の、例えば100人工の設計のものを80人工でやった場合、どういう報告をするかということでございますが、公契約条例の対象労働者につきましては、いわゆる対象工事において、51職種に従事する労働者で実際に雇用された労働者の賃金を確認することになりますので、実際に働いた労働者について台帳に記載して報告いただくことになります。すなわち、先ほどの事例では80人分ということになります。  なお、人工の20人分の差額につきましては利益かというご質問でございますが、それは、利益にするか、企業の努力によるものですから、企業側の判断で使われるものだというふうに考えております。  それから、3点目の賃金台帳の提出回数についてでございますが、公契約条例の対象となる工事は、工事で5億円、プラントで2億円という大規模なものです。したがって、工期も長く、従事する労働者は途中でいろいろ入れかわることが多いというふうに想定されております。このようなことから、条例の実効性をきちっと確保していくためには、工期中に少なくとも3回の提出が必要であると私どもは今考えておりますので、ご理解をいただきたいと思います。  ただし、賃金台帳の様式につきましては、記入や提出する際の負担というものができるだけ小さくなるように、いわゆる業界団体のご意見もお聞きしながらできるだけの工夫をしてまいりたい、このように考えております。 ◎本多 工事管理室長  設計変更のお話がございました。委員のご質問の中にもありましたように、現場に入って設計時と条件が違った場合、例えば、ご質問の中にもありましたように、昼に工事をやろうとしたけれども、現場に入ってみると夜しかできなかったとか、それから、いざ、土を掘ってみたら、普通の土だと思ったところに転石まじりの石があったとか、設計時に想定していなかった部分が出た場合については、業者と協議簿を交わした上で設計変更で対応することとしております。 ◆ふじわら広昭 委員  質問は以上でありますけれども、こうした詳細について、行政側と協会の方でまだ十分な議論がされていないこともあって、業界の皆さんの中にも心配をしている面もあります。やはり、今後はこうした面をしっかりと解消していくような取り組みをしていただきたいというふうに思います。  先ほどは、公契約と最低制限価格がセットとか取引というようなことを言われていた方もいらっしゃいました。確かに、説明の仕方や相手の受け取り方によっても違うと思いますけれども、私ども民主党としては、やはり、札幌の景気、経済というのは国内外のさまざまな要因というものをはらんでいるわけでありまして、そういう状況だからこそ、札幌市においては、公契約と最低制限価格というものを同時並行的にやって、その相乗効果、波及効果というものを高めていかなければいけない段階にあるのではないかと思います。札幌市の平成20年度の資料統計を見ますと、市民1人当たりの所得は230万円ぐらいですが、現在、23年度では、国の統計などによりますと200万円以下の人が雇用人口の25%程度だというふうに言われております。そういう状況から、私ども民主党としては、公契約だけではなくて、札幌市ができ得る総合的な対策というものをとっていかなければなりませんけれども、その一環として、これにしっかりと早期に取り組んでいかなければいけないというふうにまず申し上げておきたいと思います。  そして、私どもは、公契約を目指す一つの根拠としては、2009年5月に、当時の国会を構成するすべての政党、会派が公共サービス基本法に賛成したわけであります。この趣旨を十分に踏まえるのであれば、自治体としての責務というものもこの中に書かれているわけでありますので、ぜひとも、そうした視点で、行政の側も、残り少ない時間ではありますけれども、協会の皆さんにしっかりとした説明責任を果たしていただきたい、このことを申し上げまして、私の質問を終わります。 ◆芦原進 委員  私は、これまで、代表質問は別として、委員会で市長に質問するというのは3期目で初めてですので、大変緊張して質問させていただきますので、よろしくお願いしたいと思います。  さて、札幌市発注の中で、公契約条例に該当する公共事業が適正な価格で受注され、適正な労働賃金が支払われ、働く人の生活が改善され、企業経営の安定化や健全化が図られるなど、両者ともに喜びを分かち合える環境が創出できるなら、私としては、反対する理由を見出せません。  しかし――ここが問題です。しかし、現状の進行状況からかんがみますと、今は決してそういう状況下ではないと思われます。さきの2月29日の第一部予算特別委員会で、我が会派の阿知良委員から、財政局関連で公契約条例について質疑を行いました。その骨子は、大きく分けて2点ありました。公契約条例と直接的な関係が生じる企業や業界団体への説明が遅く、余りに拙速であると。これは、道新の記事に載っております。それから、二つ目は、条例案には、発注者の権限や受注者の責務、そして働く側の権利の条項はしっかりと明記されているが、経営基盤の健全化や安定化など大切な条項が盛り込まれていないことは配慮が足りない、このようにも申し上げたところであります。  ここに、札幌市産業振興ビジョンという、平成23年度から32年度までのすばらしいビジョンが手元にあります。これは立派なものです。この中に、このように書いています。中小企業で支えられている札幌市経済、札幌市内の民営事業所数計7万2,900事業所のうち、35%は個人事業所で占められています、また、札幌市内の会社、企業、本社、本店のみ計2万3,157社のうち、従業員が50人未満の企業が93%、資本金5,000万円未満の企業が95%を占めています、このように、札幌市の企業の多くは、個人事業所を含む中小企業であり、札幌の経済は中小企業によって支えられていると言うことができます、こういうことを書いています。  その中で、産業振興の意義というのがあります。産業振興とは何ですかというところに、産業の主役は企業です、元気な企業がふえることで産業が活性化します、企業の事業活動をサポートし、力強い産業をつくることが産業振興です。次にもう一つ、ちょっと紹介させてください。その中に、産業が活性化するというのはどういうことですかと書いてあります。これには、私たちが生活する上で欠かせないものの一つに働くことがあります、産業は働く場所そのものと言えます、産業が元気になると働く場所もふえます、このように立派なことをばっとたくさん書いています。しかし、この札幌市産業振興ビジョンが、この条例案の中の理念に、私は、この趣旨がのっていないと。これは、整合性がとれないのではないか。市の目指すものと理念の整合性がとれないのではないかということを指摘しておきたいと思います。  阿知良委員が質問した後、その後、関連企業・団体との意見交換を開催されました。そして、今日の委員会の開催の運びとなりました。  そこで、阿知良委員が2点質問したことについて、改めて、その後、どのように取り組まれたのか、また、さらなる検討がなされたのか、まず、お聞きいたしたいと思います。 ◎上野 管財部長  関係業界に対しましては、1月24日に、3団体から入札制度改善なしでの条例制定には反対である旨の要望をちょうだいしていましたことから、今回のご報告にもございますとおり、3月2日、5日に、その要望事項について、意見交換、協議を行わせていただいたところでございます。その内容については、先ほど申し上げたとおりです。  また、先ほど来申し上げておりますが、経営安定化の視点から、公契約に係る施策の一環として、工事についてでございますけれども、過日、最低制限価格の引き上げを行ったことを初めとして、入札制度の改善に取り組んでいるところでございます。  あと、私からは何とも申し上げにくいのですが、先ほどのお話にもあったとおり、3月19日に市長がビルメンテナンス協会を訪問いたしましたし、この後、3月22日、23日にも札幌建設業協会、さらには北海道警備業協会とお会いすることになっている、こういうことでございます。 ◆芦原進 委員  今、段々の経緯をお聞きしましたし、きょうは説明もいただきました。時間的に大変厳しかったと思うのですね。29日から今日まで約20日間、しかし、よく、きょう、ここまでこぎつけたなと。この努力には、私は敬意を表したいと思いますよ。中身はまた別としましても、こぎつけたことは、私は立派だと思いますよ。そのことを申し上げておきます。数字的なことは、さっき自民党の飯島委員からすばらしい質問がありました。だから、このことについては、私は触れません。3団体との協議の概要について質問したいと思います。  ご報告の資料では、ほとんどが入札制度に係る協議であり、3団体ともおおむね賛同を得たとの内容であったのではないかと認識しました。入札制度はこのようによりよい方向で実施するとの協議内容に、3団体としてあえて反対することにはならないと私は思いますし、私が関係団体の立場であれば、私もあえて反対するには至らないと思います。  そこで、四つ質問いたします。  この協議概要のとおりがすべてとすれば、ご報告があったことがすべてとすれば、公契約条例の中身に対する意見交換はなかったのか。  2点目は、もしあったとしたら、関係団体から寄せられた意見はどのような内容であったのか。  3点目は、そのことを理事者側はどのように判断されているのか。  4点目は、さらに、協議終了時に、意見交換の内容について、お互いにどういう意見交換をしたかということについて再確認の手順が踏まれたのか、この4点をお聞きしたいと思います。 ◎上野 管財部長  まず、3月2日、5日に条例に関して協議をしたのかということでございますが、これについては、先ほど少し申し上げましたけれども、入札制度改善なしでの条例制定には反対だというお話が前段にございましたので、この日、3月2日、5日につきましては、いわゆる入札制度に関しての協議にとどまっております。  したがいまして、2点目、3点目についてはそのようにご理解をいただきたいと思います。  4点目についてですが、今回、3団体との協議につきましては、関係団体の実情をしっかり考慮して取り組む必要があるものについては取り組むといったような意見交換を行い、一層の意思疎通が図られたと思っております。  そこで、この協議の概要について3団体と確認をとったかということでございますけれども、私どもは、きょうお配りした資料について事前にお知らせ申し上げ、3団体からは承知をいただいているということでございます。 ◆芦原進 委員  わかりました。なかなか進んでいないなと、正直、そんな感想であります。  公契約条例の制定によって、労務単価が非常に下がっているということなのですが、特にCというものです。それがワーキングプアの一因になっているのではないかと、そういう見解から、最低賃金以上が確保されることを目的として、働く人の生活改善につながるなどの影響をかんがみて公契約条例を制定する、こういう目的に至ったのではないかと思います。  説明の中で、2省単価、それから効果額の説明がありました。私は非常に心配性なものですから、こういうことはどうなのだと心配していることがあるのです。その心配することを2点質問したいと思います。  1点目ですが、労務単価の基準となる2省単価、これが下落しているというか、下がっているが、この要因はどの辺にあるのか、これをどう認識されているのかということを1点聞きます。  2点目ですが、入札条件に、公契約条例適用該当工事、もしくは業務等仕様書に示されるとのことです。仕様書に載せられるということでありますけれども、そうなると条件を受け入れやすい経営基盤や従業員の確保がしっかりした企業と、その逆に、経営基盤が脆弱で従業員の少ない比較的小さな企業では人材確保も難しくなるなど、公契約条例適用の発注案件にはなかなか参画できないような状況が起こることが私は懸念されますが、いかがでしょうか。  さらに、そのような事態が発生するとしたら、入札制度の平等性、競争性が担保されないのではないか、また、市発注の受注機会が多い企業と、そうではない企業は公共事業より単価が安いとされる民間発注の仕事が主体となり、その結果、働く人たちの中で賃金に格差がさらに発生しないのか、ワーキングプアの拡大にならないのか、お尋ねしたいと思います。 ◎上野 管財部長  まず、2省単価が下がり続けている要因についてどう考えているかということでございますが、ご承知のとおり、公共事業の減少により業者間の競争の激化による低価格入札が多く見られているところでございます。低価格による受注により、受注者は人件費についても削減を迫られ、その結果、賃金が低下傾向にあり、その実態が反映されているものというふうに私どもは認識しております。  次に、小規模業者が入札に参加できないのではないかというご懸念でございますが、公契約条例につきましては、労働者に一定水準以上の賃金を支払うことを義務づけるものでありますことから、適正な労務費の確保と経営安定化の観点から最低制限価格を引き上げたところであり、したがいまして、受注金額の増加が図られますことから、そうした懸念はまずは払拭されていくものというふうに考えております。  なお、公契約条例では、工事、業務とも、対象契約を大規模な契約としておりますことから、まずは一定規模以上の企業が対象になるのかなというふうに考えております。  最後に、市発注の受注機会が多い企業とそうではない企業で賃金格差が生ずるのではないかということですが、労働者の賃金につきましては、現状においても差異が生じている部分がございます。したがって、公契約条例の施行が企業間における賃金格差には直ちにつながるものではないというふうに考えております。 ◆芦原進 委員  なぜ下がったのかというのは、今、部長がおっしゃったみたいに、やっぱり需要と供給のバランスがとれていないのですよ。需要といったら働く人、供給といったら企業、このバランスが崩れている。それはなぜかといったら、やっぱり公共事業の激減ですね。激減ということで、働く人口に見合った仕事量がないということだと思うのです。だから、どうしても働く人の競争が激化するから、当然、そこで賃金が安くなっていく傾向にあるというのは理の当然だと思います。  さらに、もう一つは、やはりデフレ経済ですね。物価が下がり、そのためにどこかを切り詰めていかなければならない。そうすると、やっぱり人件費が一番先に来てしまうのですね。そういうことで人件費節減が余儀なくされている。当然、さっき言ったみたいに働く人の賃金が低下していく。こういうことが2省単価の低下につながっていると。私も同感であります。そういう意味では、後で要望しますけれども、その辺をしっかりやっていかなければいかぬなと思います。  再々質問ですが、これからちょっと市長の方にお尋ねします。申しわけありませんが、細かく区切って聞きます。  上田市長ご自身は、これまで、各関係企業や団体との合意形成のために、誠意を尽くして協議や意見交換にみずから出席されていないようですね。今までですよ。ここへ来て、公契約条例制定には懸念を表明する関係団体の姿勢に危機感を抱かれ、3月19日に、ビルメンテナンス協会の会長以下、幹部の方と意見交換をされたということで新聞報道がございました。さっきもありましたが、「公契約条例 なお平行線 慎重姿勢崩さぬ業界」と、見出しは非常に厳しくなっておりますけれども、さらに他の関係団体とも、日程も決まっていますが、近々に意見交換されると聞いております。  でも、やはり、私は遅いと思います。市長は公務多忙とは理解をいたしております。しかし、なぜ、もっと早く、胸襟を開き、誠意と熱意を尽くし、公契約条例制定の意義の重要性を市長みずから乗り出して取り組まれなかったのか、残念でなりません。そのことが、今日、双方の溝がなかなか埋まらない閉鎖的な状況に至っているのではないかと懸念を抱いております。  そこで、市長にお尋ねいたします。  公契約条例は大切な条例と思っておられるでしょう。私も、働く人、経営者の両者が納得でき、両者が条例による益を享受できることこそ最も肝要であると思います。どちらか一方に偏る条例にしては絶対にいけないと思います。  そこで、市長にお尋ねしますが、市長は、今申し上げたことをどのようにお考えになりますか、お答えをいただきたいと思います。 ◎上田 市長  もっと早く直接に話をすべきだっただろうというご指摘につきましては、私の方ではそのことを希望しておりましたけれども、残念ながら、その機会が今日までずれたということでございます。  経営者と労働者双方にとっていい制度にするというのは、当然、そうだというふうに思っております。  条文の中にそれがないではないかというふうなご指摘がございますけれども、私どもは、中小企業振興条例というものを持っておりまして、その中には、まさに中小企業こそ札幌の経済の中心なのだという認識をうたい上げ、そこが本当に立派に活性的な仕事をしていただけることが、札幌の経済を回していくといいますか、発展を遂げる最大のポイントなのだという認識をうたい上げているのが中小企業振興条例であります。これは、全面改定をしております。一昨年でしたでしょうか、中小企業憲章というものが国会で決議されましたけれども、それを先取りするといいますか、そういう認識から、数年前に、皆様方のご同意を得て中小企業振興条例を全面改定して産業振興に当たっていこうということを示したところでございます。  今回の公契約条例というのは、我々は、そういうふうに中小企業の皆さん方に本当にさまざまな形で元気になっていただこうという施策の一環であるというふうにお考えいただきたいなと思って、業界の皆様方にも、お話をさせていただく際、そういう考え方ですよということはしっかり申し上げているつもりでございます。それは、一つは、賃金ということで札幌市がとり得る最大の政策というのは、まさに、我々が、直接、契約している、そういう条件の中で、どの部分が実際に働いておられる方に賃金として回るのかということを確保することによって私どもの政策目標を達成することができる、そういう非常に限られたチャンスといいますか、方法としてこれがあるのだということをお示しさせていただいたわけであります。  もちろん、公契約自体だけで生活をされている企業にとっては全く問題がないというふうになると思います。ですから、ほかの圧倒的に多い民間の事業も一緒にされているところで非常に疲弊した状況になっているということが、この間、お話をちょうだいしている中でも明らかになっているわけでありまして、3月19日、ビルメン協会の皆様方とお話をさせていただいているときにもこういうお話がございました。法令遵守もできないような低価格は、発注者――これは、札幌市のことを言っているわけではなくて、発注者にも責任があるという考え方から、北海道労働局に対して、発注者責任といったものを法的に整備してほしい、こういうことを10数年前からずっと要望しているのだというふうにおっしゃっておりました。そして、札幌市にもそれに協力してほしいというお話でございます。  要するに、競争激化の中で、本当に疲弊していると。原価が取れないような仕事もせざるを得ない、そういう状況が今の社会全体の中にあるのだということを、悲痛な叫びとでもいいましょうか、お聞きして、私は、そこは本当に問題だろうというふうに認識しつつ、そういう競争、競争でどんどんやせ細っていくときに、その仕事というものの価値をしっかり示していくことが公契約の役割ではないかと。ただ、今々の状況を完全に前提にするのであれば、かなり厳しいと、この公契約をやることがですね。そういうことはお声として十分お聞きしながら、私どもの究極の目的というものは、適正な労働に対して適正な賃金が保障される社会、そういったものを目指していきたいということをお話しさせていただいたところでございます。 ◆芦原進 委員  そうであるがゆえに、やはり、業界団体とのしっかりした取り組みというか、理解していただくまでの取り組みがやっぱり大事ではないかと。確かに、企業は、競争激化で原価を割るような状況でも仕事をしていって、少しでも従業員の生活を守っていかなければならないと。社長は給料がないとか、役員も給料がないという状況の中でも必死になって頑張っている企業がたくさんあるということを、この間、阿知良委員も指摘しておりました。  そのことはおきまして、2点目ですが、この間、19日に協会の方と意見交換されたときに、市長は次のような要旨の発言をなさったと漏れ聞こえてきております。これは事実か、事実でないか、ちょっとお聞きしたいと思います。  それは、厳しい経済状況の中で、行政の責任として公契約条例を制定し、札幌市の経済の循環を図るとともに、業界全体をよくする手段として、全国3,000の自治体に働きかける運動として進めていきたい、こういう趣旨の内容だったと伺っておりますが、このことは事実でしょうか。もしこれが違えば次の質問ができませんので、ここだけをまず確認したいと思います。 ◎上田 市長  80分ほど話をしておりましたので、話の行きがかりの中で、公契約条例の持つ意味、札幌でそれを成立させることの意味合いにおいて、3,000というのはちょっと間違った認識でありまして、今は1,700の自治体でございます。合併で少なくなっておりますが、勢い余って3,000というふうに言ったかもわかりません。全国にたくさん公契約がありますので、そういうふうな広がりを持った運動になっていかなければ、国はなかなか全体で労働者の賃金というものを確保できない状況が続くのではないかと。労働者の賃金が厳しいということは、企業の経営も厳しくなる、業界の人材育成だとか、定着率だとか、作業のクオリティー、こういったものも含めて、決していい方向にはならないはずだというふうな思いを語ったくだりで、そのようなお話をさせていただいたことがございます。 ◆芦原進 委員  そのように決意を述べられたということでよろしいかと思います。  しかし、なかなか、現実は、市長もご存じのように、川崎市でできて、野田市でできて、今、多摩市もできたりしていますが、これがなかなか広がらない。1,700まで広げたら大変な努力です。根気と時間と努力が要るなと。でも、市長が、全国3,000の自治体に働きかける運動として進めてまいりたいと、この決意、この発言というのは、私は大変重たいものがあるな、こう思います。全国は1,700ですから、訂正します。  ただ、私は、1,700の自治体に働きかける崇高な目的であればあるほど、賛成、反対を問い、賛成多数での可決では1,700の自治体のよき手本、見本にはなり得ないのではないかと思います。関係者側が理解と共感に至るまで努力をし続ける過程、すなわち、その間のプロセスが最も問われ、最も大事なことであると考えます。そのプロセスが1,700の自治体に波及していくのであります。ゆえに、お互いに信頼のきずなを深め、誠意と情熱を尽くし、対話に対話を重ね、ともに条例制定への道筋を開いていくことが肝要ではないかと思います。  そこで、上田市長に質問します。  全国の1,700の自治体に働きかけるために、企業経営者や市民とどのような協力関係の構築を目指すのか、そのための市長のご見解についてお伺いいたします。 ◎上田 市長  ご質問をありがとうございます。  まさに、これは、一業界の問題でもなければ、一札幌市の問題でもない、全国的な問題を、自分たちの自治体の中でできることを足元からどうやっていくか、そういう合意形成の非常に大変な問題状況だというふうに思っておりますので、ご指摘のように十分な議論を尽くさせていただきたい。そのためには、直接関係がある業界の皆様方はもとより、ほかの労働団体、あるいは議員の皆様方、各会派の皆様方にも私の考えを十分に述べさせていただき、またご意見もちょうだいしながら、成立をいただきますように努力をしていきたい、このように思います。 ◆芦原進 委員  もういよいよ終わりに近づいてきましたが、今、きずなという言葉がよく使われていますね。やはり、信頼のきずなというのは、私は大事だと思うのですよ。信頼というのは、信じて頼る、または頼られる、これは信が先なのですね。最近見ると、頼りにしていますよ、よろしくと、何か頼りが先に来て、どうも信が後に来ているのではないか、今は何かこういう状況になっているのではないかという気がするのですね。やはり、厚い信頼関係を築かなければいけない。  今回の公契約条例の主体者はだれなのか。聞けば、それはやはり札幌市なのですよ。札幌市であるならば、上田市長がみずから先頭に立って意義ある対話を積み重ね、努力に努力に努力を重ねて、信頼と固いきずなを結ばれること、その意味合いからも、19日にビルメンテナンス協会との対話、そしてまた、これから予定されている他団体との対話は有意義であるのではないか、前に一歩進むのではないかという期待はいたします。  要望を申し上げます。  公契約条例制定は、市民生活に直結する大切な条例であると私は認識いたしております。ゆえに、慎重に慎重さを重ねる姿勢と取り組みが大事である。いまだ、機熟さずです。カキの実が、太陽の恵みを受け、少しずつ熟してから枝からぽたりと落ちるように、行政、企業経営者、働く従業員、市民、議会が誇れる公契約条例でなくてはなりません。議会に賛成、反対の可否を問うのではなく、全会一致を目指すべきことを強く要望いたします。  さらに、ワーキングプアの要因はデフレ経済にあると、多くの識者は異口同音に指摘いたしております。上田市長は、先頭に立って、市民の生活を守るため、2省単価の見直しや、デフレ経済脱却への景気・経済・雇用対策を政府に訴える行動を速やかに起こしていただきたいことをあわせて要望し、質問を終わります。 ◆井上ひさ子 委員  私からも質問を行いますが、最後になりましたので、原点に立ち返って簡潔に質問します。  公契約は、ワーキングプア解消のために期待も大きいが、先ほど来の議論を見ますと、ごく一部の業界には懸念する声も強いと聞いています。経営者にとって、利益を確保して生き延びるためには、やはりコスト削減に真剣に取り組むのは当然であります。そういう点で、人件費にしわ寄せが来ることがあると思いますが、わずかであっても人件費の増加につながる公契約条例に慎重な見方をすることもあり得ると思います。しかし、先ほどの公契約条例制定に関する効果額の試算の中でも、業務委託の清掃は作業報酬の下限額90%の場合、実質的に最低賃金額を下回るため、労務単価の100%にした、こういう報告がありました。  実は、本市の水再生プラザの業務委託会社で長年働いてきた人が、自分の賃金は最低賃金以下でないかと会社に言ったところ、雇いどめになったと言っています。本市にかかわるところでもこのようなことが起こっています。ですから、基本的にはワーキングプア解消が深刻であり、その解消を目指すことは、私は緊急な重要課題だと思います。  そこで、本市の仕事をしても、最低賃金で働いても働いても生活できない、このようなワーキングプアの実態をどのように認識しておられるのか、改めてこの質問をしたいと思います。 ◎上野 管財部長  厳しい経済情勢というものを背景といたしまして、賃金が下落傾向にあること、さらには、公共事業が非常に少なくなってきていると先ほど来申し上げていますが、そのことによって、競争激化を招き、連動して労働者の賃金が低く抑えられている状況にありますことは、いわゆる負のスパイラルとして、本市も含めて全国的な傾向の問題であるというふうに認識しているところでございます。この解消に向けての取り組みの一つとして、札幌市が発注する工事や業務委託などについて一定水準の賃金の支払いを義務づける公契約条例を、そういう意図をもって提案させていただいているということでございます。 ◆井上ひさ子 委員  ワーキングプアの解消は、市民の消費購買力を高め、地域経済の活性化につながります。私は、前回の質問でも、これは経済界にとっても喜ばしいことだと申し上げました。経済は、やっぱり、小さく見るのではなく、大きな流れでとらえることが今は大切になっているというふうに思います。一部業界の懸念を払拭するためにも、最低制限価格の引き上げを行うことは妥当な対応だと思います。また、入札に当たり、過剰な低価格競争を抑制して適正価格を維持することは、品質の確保とともに、労働者や下請へのしわ寄せを防ぎ、受注企業の安定経営にも寄与すると私は思います。  そこで、最低制限価格を引き上げる効果についてどのようにお考えでしょうか。  もう一つ、市長にお聞きします。  関係3団体との入札契約制度に係る協議の報告が先ほどもされました。業界団体の要望にこたえることで、私は信頼を深めることができると思いますが、いかがですか。  信頼関係に基づいて、一層、市と業界団体とのさまざまな問題での対話、それは、地域経済や労働環境も含めて対話と共通認識が深まると思いますがいかがですか、伺います。 ◎上野 管財部長  まず、私から、最低制限価格の引き上げによる効果についてでございますが、最低制限価格は、ご案内のとおり、一定水準に満たない低価格での受注を防止するためのものでございますので、最低制限価格の引き上げは、その品質確保、そして適正な労務費を反映した適正金額での競争を促すとともに、企業の経営安定化にも寄与するもの、このように考えております。 ◎上田 市長  対話というのは非常に大事なことだと思いますし、信頼関係なくして、幾ら理念がすばらしくても、それを聞いていただけることにはならない、また、一緒に足らざる部分を補完していただくという友好的なといいますか、建設的な関係にも至らないというふうに考えます。したがいまして、当然のことながら、私どもの考えていることは我々が考えて最もいい制度だというふうに思っていること、それはだれかにとって利益ということではなくて、社会全体の中で、今、この政策は妥当性を持つのだということをわかっていただけるように努力をしていきたいな、こんなふうに考えます。  先ほど、芦原委員からも、信というところがなくなってきているのではないかというふうなお言葉もちょうだいいたしました。また、過日、飯島委員からは、今までの札幌市の無策がこういう状態になったのではないかというふうな厳しいご指摘もございました。私どもは、無策と言われてもちろん反論をしたいところはあります。しかし、そういう状況、全体的な日本の状況の中で、今、この政策が、その無策と批判をされたことに対して、そうではないですよ、こういうことでやっていきましょうということの一つとして提案させていただいておりますので、ぜひ前向きにご検討いただきたいというふうに考えるところでございます。  ありがとうございました。
    ◆井上ひさ子 委員  政令市の中で、やはり、所得水準がとても低く、経済の落ち込みが激しい本市が公契約条例を制定することは、低過ぎる最低賃金の底上げなど、私は、国政を動かす大きな力につながっていくというふうに思います。2009年に、全会派一致で決まり、全国に先駆けて公契約条例を制定した野田市のことが報道されていました。最低賃金は728円でしたが、ぎりぎりの730円で働いていた地下1階の床のお掃除をしていた清掃員は、条例施行で清掃業務の最低基準が829円になり、時給で100円アップしました。働いていた人は、こう言っています。たまにぜいたくして豪華な弁当を食べられるようになった、やっと自分の仕事が認められる気がしたと。働きがいを見つけたのです。私は、そういう中で公契約条例を制定して、ぜひ、本市のワーキングプアを解消させるその第一歩になるように、そのことを求めたいと思います。終わります。 ○こんどう和雄 委員長  以上で、第1項 総務管理費中議案第27号関係分等の質疑を終了いたします。  以上で、本日の質疑を終了いたします。  夜も更けてまいりました。真っすぐお家にお帰りいただきたいと思います。  次回の委員会ですが、3月23日金曜日午後1時から、子ども未来局関係の質疑を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       散 会 午後9時37分...