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平成23年第一部決算特別委員会−10月14日-03号
平成23年第二部決算特別委員会−10月14日-03号

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  1. 札幌市議会 2011-10-14
    平成23年第二部決算特別委員会−10月14日-03号


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    平成23年第二部決算特別委員会−10月14日-03号平成23年第二部決算特別委員会  札幌市議会第二部決算特別委員会記録(第3号)               平成23年(2011年)10月14日(金曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 32人     委 員 長  芦 原   進      副委員長   小須田 悟 士     委   員  勝 木 勇 人      委   員  高 橋 克 朋     委   員  村 松 正 海      委   員  長 内 直 也     委   員  村 山 秀 哉      委   員  佐々木 みつこ     委   員  飯 島 弘 之      委   員  細 川 正 人     委   員  小 竹 知 子      委   員  伴   良 隆     委   員  伊与部 年 男      委   員  川口谷   正   欠 委   員  福 士   勝      委   員  小 野 正 美     委   員  大 嶋   薫      委   員  恩 村 一 郎     委   員  桑 原   透      委   員  峯 廻 紀 昌     委   員  しのだ 江里子      委   員  山 口 かずさ     委   員  中 村 たけし      委   員  植 松 ひろこ     委   員  涌 井 国 夫      委   員  阿知良 寛 美     委   員  福 田 浩太郎      委   員  丸 山 秀 樹
        委   員  井 上 ひさ子      委   員  坂 本 恭 子     委   員  小 倉 菜穂子      委   員  松 浦   忠     委   員  金子 やすゆき       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午後1時 ○芦原進 委員長  ただいまから、第二部決算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、福士委員からは遅参する旨、また、川田委員からは細川委員と交代する旨、それぞれ届け出がございました。  それでは、議事に入ります。  最初に、議案第6号 平成22年度札幌市水道事業会計決算認定の件について質疑を行います。 ◆阿知良寛美 委員  私からは、石狩西部広域水道企業団への参画についてと水道メーターの検針業務の民間委託について、2点お伺いいたします。  初めに、石狩西部広域水道企業団への参画についてお伺いいたします。  札幌市が企業団へ参画する必要性については、これまでもたびたび議会でも取り上げ、議論をされてきたところでございます。当別ダム及び石狩西部広域水道整備計画は、札幌市、小樽市、石狩市、当別町の3市1町に安定的な水道用水の供給を行うことを目的として、昭和45年にダム建設の予備調査を開始して以来、議論を重ね、3回の整備事業の再評価を得ております。平成20年10月にはダム本体工事、平成21年8月には石狩西部関連の第1期浄水処理施設工事に着手し、そのほかの関連工事も順調に進めば平成24年度末には第1期工事が完了する予定とお伺いしております。そして、平成25年度からは、本市を除く小樽市、石狩市、当別町の2市1町への用水の供給が開始されるところであります。  そこで、1点目の質問でありますが、札幌市の受水時期については、現計画では平成37年度となっておりますけれども、このことに変わりはないのか、また、札幌市の未受水期間が約12年間発生するわけでありますが、この経緯についてお伺いいたします。  次に、未受水期間の負担金についてであります。  平成21年の決算特別委員会では、札幌市が受水しない期間においても、企業団では建設費の企業債借り入れ分の償還が始まり、多くの運営経費が生じるためにこれらの経費を受水するほかの団体のみで負担することは非常に困難であることから、札幌市も参画団体の一員として応分の負担をするという考え方が示されたところであります。その際、具体的な負担額を含め、企業団や他の構成団体と協議を進めているとの答弁がございました。  そこで、2点目の質問でありますが、現在の協議状況と負担予定額はどのようになっているのか、また、未受水期間の負担金の効果についてお伺いいたします。 ◎酒井 給水部長  ご質問の1点目の札幌市の受水期間とその経緯につきまして、私からお答えいたします。  まず、石狩西部広域水道企業団からの受水時期につきましては、平成19年度に企業団が実施いたしました事業再評価におきまして平成37年度とされておりまして、この計画に変更はございません。  続きまして、未受水期間が発生した経緯についてでございますけれども、当別ダムを水源とする石狩西部広域水道企業団の事業は、札幌市の成長が著しく、水不足が逼迫していた昭和50年代に計画されたもので、当初の計画では、札幌市の受水期間につきましては、できるだけ早い時期に希望している石狩市、当別町、小樽市とほぼ同時期を予定しておりました。しかしながら、その後、経済社会情勢の変化とともに、水需要の動向も鈍化傾向となりまして、平成11年度、16年度、19年度と3度の事業再評価による見直しの結果、札幌市の受水が必要となる時期は、企業団が供給開始をいたします平成25年度からおくれまして37年度に変更となったことから、未受水期間が発生したものでございます。 ◎森 総務部長  引き続きまして、2点目の未受水期間における札幌市の負担についての現在の協議状況と負担額並びに負担することによる効果について、私からお答えさせていただきます。  企業団では、平成25年度の用水供給開始後からこれまで建設財源として借り入れをしてきました企業債の元利償還を行うこととなりますが、当初の札幌未受水期間12年間は、最大受水者でございます札幌市からの料金収入がないことから、そのままでは非常に厳しい財政状況が見込まれております。この元利償還のもととなる企業債は、もともと札幌市が参画することを前提とした規模の施設建設のための財源として借り入れたものでございまして、また、企業団事業に参画し、その運営を安定化させることが、将来の水源を確保するとともに、水源の分散化による札幌市水道システムの安定化につながることを考慮いたしまして、元利償還金の一部相当額を負担し、企業団運営を安定化させる方向で企業団及び他構成団体との協議を進めているところでございます。  札幌市の負担額の考え方といたしましては、他の構成団体は受水費として元利償還金を水量に応じて負担することとなりますが、札幌市は未受水期間であるため、受水費を支出することができないことから、そのままでは、将来、受水開始後に札幌市が水量に応じて負担することとなる相当額を、前もって未受水期間に負担金として支出するものでございます。具体的な金額は確定しておりませんが、現在の計画値で算定いたしました場合、この負担額は12年間で元利償還金が125億円になりますけれども、このうち総額約50億円程度の負担金になると予想しております。  なお、札幌市がこの負担を行うことによる効果についてでございますが、この負担により企業団経営の安定化が図られるとともに、札幌市が将来受水する際の費用負担の平準化を図ることができるものと考えております。 ◆阿知良寛美 委員  50億円ということで大変大きなお金でありますけれども、わかりやすく言うと、今は地デジになっておりますが、共同でそういった設備をした場合に自分は見ないからお金を出さないみたいな形になると、これは話が通らないわけです。そういう意味では、50億円という大変大きな負担になりますけれども、将来にわたって考えると必要かなというふうには思います。  ところで、近年、世界的に異常気象で、タイでも大変な洪水が発生し、日本企業も相当被害を受けているとニュースで放映されておりますが、3月11日に発生した東日本大震災では多くの水道が被害を受けたということで、非常に危機管理の重要性を再認識したところであります。私も、東北の被災地には2回行ってまいりましたが、やはり水道施設なども相当の被害を受けているわけであります。  また、札幌市では、これまでも災害に強い水道システムの構築を進めているところでありますが、水道水源の98%が豊平川に一極集中している状況は変わりません。今後、大規模な地震などの自然災害や豊平川における重大な事故等に対応できるように、非常事態に備えるために企業団事業を有効に活用すべきと考えるわけであります。  そこで、質問でありますが、水源の分散化の具体的な効果についてお伺いいたします。  また、危機管理対応を考えた場合、平成37年度よりも早く受水した方がよいと考えますが、このことについてどのようにお考えか、あわせてお伺いいたします。 ◎酒井 給水部長  まず、水源分散化の効果についてお答えいたします。  委員のご指摘のとおり、東日本大震災では多くの水道で被害が発生したことから、安全・安定給水を図るために水道システムを多重化することの重要性が再認識されたところでございます。  札幌市といたしましては、当別ダムを水源とする石狩西部広域水道企業団の事業に参画することは、将来必要となる水源の確保だけではなく、水源の分散化が可能なこと、また、西区、手稲区の拠点となっております西部配水池への送水ルートの二重化、浄水場など既存施設の大規模な改修にも有効に活用できることから、水道の安定性をより一層高めるものと考えております。また、小樽市、石狩市、当別町と水道施設が接続されることによりまして、事故災害時には他都市への相互融通を可能とするなど、将来的な広域的連携が図られまして、石狩西部地域にとっても重要な施策と考えております。  次に、受水時期の前倒しについてお答えいたします。  委員のご意見のとおり、事故、災害時などの危機管理の観点からは、より早く、2期工事に着手した方が望ましいと考えておりますけれども、一括交付金化の動向など、国庫補助に係る財源の確保や各構成団体の出資金の前倒しなど、財政的な課題等もありますことから、今後引き続き検討してまいりたい、このように考えております。 ◆阿知良寛美 委員  札幌市では、豊平川の水質改善事業が計画されております。その意味では、災害に強い施設に今後とも力を注いでいただければなと思います。  2点目は、水道メーターの検針業務の民間委託についてお伺いいたします。  札幌市の検針業務は、昭和56年から徐々に財団法人札幌水道サービス協会への委託を進めて、対象区域の拡大を図りながら、平成16年には、10区とも、市内全域の委託化を完了しております。検針業務そのものは、水道事業の経営の根幹をなす料金の調定という大変重要な業務であります。また、サービス協会以外の民間委託については、札幌市が大都市かつ積雪寒冷地ということで、こういった検針業務の受託可能な事業者の選定が困難な状況ということもありまして、水道局としては慎重に検討を進めてきたとお伺いしております。  しかしながら、全国的に検針業務における民間事業者の進出が著しくなってきております。また、札幌市の包括外部監査人からも、検針業務委託にかかわる契約方法の変更について指摘を受けたことから、局では、平成21年8月から試行的な取り組みとして検針業務を民間事業者に委託し、来年7月末をもって3年間の契約が終了すると聞いております。  そこで、質問でありますが、民間委託の試行から2年が経過した現在、どのような検証結果となっているのか、また、その評価についてお伺いいたします。  さらに、その評価を踏まえて、平成24年度の委託についてどのように考えているのか、あわせてお伺いいたします。 ◎高橋 営業担当部長  水道メーター検針業務の民間委託についてお答えいたします。  委員ご指摘のとおり、近年、検針業務への民間事業者の参入が著しくなり、これらの事業者が業務経験、実績を積む中で、政令指定都市の多くが大手民間事業者へ委託している状況となっております。こうした背景の中で、平成18年度の札幌市包括外部監査において包括外部監査人の指摘もあり、試行的な取り組みとして、平成21年8月から3年間の予定で公募型プロポーザル方式により北ガスサービス株式会社を選定し、豊平区1区分、約9万7,000件の検針業務を委託し、業務履行状況の検証を進めてきたところであります。  ご質問の1点目の民間委託の検証結果でございますが、検証項目としましては、業務体制、業務内容、研修計画、個人情報保護の4項目についてそれぞれ検証しております。特に、1年間で延べ60万件にも及ぶ検針業務につきましては、委託初年度において、メーターの読み違いや車などの障害物による検針困難件数の増加があり、民間事業者からの問い合わせや相談件数も1,000件程度になるなど、委託先及び我々水道局の双方で業務量が増加する状況となりました。しかしながら、2年目の検証時には、所管料金課の指導のもと、検針員の技術力、対応力が向上し、業務知識の習得が図られた結果、障害件数、相談件数ともに大幅に減少し、改善が確認されたところでございます。また、当初懸念しておりました雪解け後の煩雑な水量の確定業務につきましても、検針員が現地に何度も足を運んで対応しており、業務経験、実績を蓄積することで技術力、対応力の向上が図られるものと考えております。  以上のことから、検針業務は、サービス協会以外の民間事業者においてもある程度の経験を積むことで業務の遂行が可能であると判断したところであります。  次に、来年、平成24年8月からの検針業務についてでございますが、今回の検証結果を踏まえ、現行の豊平区に清田区を加えた2区と、西区と手稲区の2区をそれぞれ1単位として、この二つの地域でそれぞれ民間事業者公募型プロポーザル方式により選定し、委託したいと考えております。  なお、委託期間は3年間とし、事務所等につきましても、既存の局庁舎を有効活用させることによって委託費用等の低減化を図ってまいりたいと考えています。 ◆阿知良寛美 委員  北ガスサービス株式会社に1年間で60万件の検針業務を委託したということですね。北ガスと違って、水道のメーターはほとんどが地下式ですから、鉄ぶたをはぐって、中ぶたをはぐって、中には水没しているものもありますから、経験が相当必要だろうと思います。そういう面では、初年度は双方の業務量がふえたと。ただし、経験を積んだ2年目以降は改善があったという回答でありました。さらには、今後、4区を二つの民間事業者に委託する計画があるという答弁でありました。  先ほどの検証報告の中でも、今お話ししたとおり、初年度は経験不足から業務量がふえたと。ただ、来年の委託拡大については、さらに北ガスサービスがとるとは限りませんから、最初に戻るわけです。そして、豊平区だけではなくて、さらに3区を追加するということでありますから、業務量がまたふえるのではないかと予想されます。そういう面では、読み違いなどから通常よりも非常に多いとか少ないとか、そんな市民への負担も多少ふえるのではないかと思います。  また、民間事業者の委託拡大というのは、こういった経済状況ですから、地場の雇用について、私のところにも、また委員の方々にも相当の相談があるだろうというふうに思いますが、雇用機会の拡大につながることは確かだと思います。しかし、現在はサービス協会に委託されているわけで、私のところにも、そこで働く方々から、特に母子家庭でサービス協会の検針業務をやっている方はそれで生計を立てておりますけれども、これがどんどん進むことによって仕事がなくなることが心配だといった声も聞かれるところでございます。  そこで、再質問の1点目でありますが、来年8月から4区に民間委託を拡大するということでありますけれども、一挙に4倍になるかもしれないということで、市民生活に支障を生じさせない範囲としてなぜ4区としたのか、委託初年度の業務負担の増大に対してはどのように対応しようとしているのか、お伺いいたします。  2点目として、民間委託の拡大により影響を受けるサービス協会職員の雇用について、最終的には事業主であるサービス協会の問題ではありますが、民間委託の拡大を進めてきた水道局としてはどのように考えているのか、お伺いいたします。  3点目といたしましては、来年から3年間の民間委託が実施されるということでありまして、平成27年7月に契約期間の満了となりますが、来年の4区以降の民間委託について、現時点で水道局ではどのように考えているのか、お伺いいたします。 ◎高橋 営業担当部長  まず、1点目の委託拡大に伴う業務負担増への対応についてであります。  委員ご指摘のとおり、委託初年度においては、料金課への相談件数を含め、業務量の増加が懸念されますが、来年度に4区を委託した場合の直接の対応課は、西・手稲区が北部料金課、そして豊平・清田区が南部料金課ということで、それぞれ2課に業務負担が分散されます。また、受け持つ検針件数も1地区当たり約14万5,000件でありまして、現在の民間委託をしている豊平区の約1.5倍程度の規模であること、さらには、札幌市を初めとする大都市での十分な検針実績を有する経験者をプロポーザルの参加要件とすることなどによりまして、委託初年度業務負担増への対応は十分に可能であると考えております。  次に、2点目のサービス協会職員の雇用についてでございます。  まずは、サービス協会と十分な協議を進めながら、可能な範囲でサービス協会内部での活用をお願いするとともに、雇用の継続性の確保、促進を図るという観点から、プロポーザル民間事業者を選定する際には、職員採用計画の一環として地元採用や雇用の継続についても提案を求め、選定委員会における評価、選定の際の加点要素とするなど、民間委託拡大が地域貢献にもつながるよう取り組んでまいりたいと考えております。  次に、3点目の今後の民間委託の方向性についてでございます。  委員の最初のお話にもございましたが、検針業務は水道事業にとって大変重要な業務であり、新たな民間事業者に検針業務をお任せする場合にあっては、サービス協会同様の業務履行の安定性確保を前提として委託化を進めていく必要があるというふうに考えております。現在は、サービス協会に加え、民間事業者1社が検針業務を担っている状況にあり、今後の民間委託に当たっては、検針業務のリスク分散、異常時対応の観点から、急激な委託拡大ではなく、段階的に民間委託の拡大を図っていく考えであります。したがいまして、今後の民間委託の方向につきましては、平成24年8月から民間事業者に委託する二つの地区の業務履行状況を見きわめ、特段の問題がなければ、平成27年8月以降につきましても、段階的に民間事業者への委託地区の更新、または拡大を検討してまいりたいと考えております。 ◆阿知良寛美 委員  検針業務の民間委託の拡大というのは、民間事業者にとっては参入機会がふえるわけですから非常に好ましいと思いますし、また、競争原理が働きますので経営面でもプラスになるだろうと思いますから、決して反対するものではございません。ただ、先ほども話しましたけれども、今のところ、協会のほか、北ガスサービス1社だけでありまして、そういったところが評価された現状を踏まえると、やはり急激な移行はいかがかなと、このように思います。  また、雇用問題も発生する懸念がございます。先日、第一部決算特別委員会で公契約のことを質問させていただきましたが、例えば警備業務とか清掃業務なども考えているという説明でありました。しかし、そういったところは、ほかに行ったとしても、安い金でとると職員として勤めている人たちの給料をさらに下げることになります。同じ制服を着て同じ人かもしれないけれども、給料だけ下げられる例が非常に多いです。これは、環境局で出している雑がみの選別とかプラスチックの選別も同じであります。そういう面では、雇用の観点からも段階的に進めていただきたい、このことを要望しておきます。  また、水道局では、市内における水道の円滑な普及及び合理的な維持管理を行うためにサービス協会に随意契約で委託しております。協会の事業の内訳を見ますと、90%強が水道局からの受託業務であります。しかし、先ほどお話ししたとおり、従来、サービス協会が行ってきた委託事業の検針業務などは、民間事業者などの参入の可能性が非常に広がってきています。また一方で、出資団体に対する市の財政的・人的関与の不透明さ、委託業務の高コストなど、課題も指摘されているところであります。  この財団法人札幌水道サービス協会では、明年の4月1日から一般財団法人へ移行するということでありますが、このことは、公益財団法人にある事業活動の制約がなくなるわけで、より自由な事業活動が可能となってくるわけであります。その意味では、先ほど質問しましたが、平成25年から供給が開始される石狩西部広域水道企業団へ参画している2市1町との広域連携についても局としては視野に入れながら今後検討すべきだということを要望して、質問を終わります。 ◆坂本恭子 委員  私は、配水管の耐震化について、順次、質問いたします。  まず、水道管路の耐震性についてですけれども、今も災害に強い水道供給というお話もございました。東日本大震災を経験して、ライフラインである水道というものが、市民生活の営みはもちろんのこと、医療活動や人命救助の上でも欠かすことのできない本当に大切なものであることは共通の実感だというふうに思います。1995年の阪神・淡路大震災を契機に、水道管路や配水池などの耐震化を進めてきておりますけれども、水道管路の耐震化率は、2010年度末で17.8%という数字になっております。本市の水道管路の総延長は5,900キロメートルと膨大でありますが、2009年度の16.8%から、1年間でわずか1%しか耐震化率が引き上がっておらず、距離にしてみますと13キロしか耐震化が進んでおりません。耐震化は一刻も早く進めていくべきだと思うのですけれども、今の進捗状況をどういうふうにお考えになっているのか、伺いたいと思います。  それから、5,900キロの水道管路、正確には5,904キロですが、この水道管のうち約9割、約5,200キロがダクタイル鋳鉄管でございます。このダクタイル鋳鉄管約5,200キロの内訳は、耐震管が973キロで、非耐震管が4,224キロです。耐震管の布設がどうして進んでいかないのかと思うのですけれども、耐震化率についての考え方、これから先の耐震性ということで管路の材質、配置などについての評価を伺いたいと思います。 ◎小田 配水担当部長  まず、第1点目の配水管の耐震化率の進捗状況でございます。  配水管の耐震化につきましては、現在、配水管網の中で特に重要な役割を持つ配水幹線及び高区配水施設への流入管、また、医療機関などの災害時に重要となる施設への配水管について主に進めてございます。そして、これまで耐震管を要する地域につきましては、配水幹線などの重要管路につきましては地域全域といたしまして、また、枝線につきましては軟弱地盤地域である函館本線以北とその周辺及び豊平区と清田区の沢の埋立地など、全給水区域の約70%でございましたけれども、平成23年度からは、第3次地震被害想定に基づく管の抜け出しについて再検討したところ、枝線についても地域のほぼ全域で耐震化工事を行うことにしたところでございます。  耐震化工事につきましては、先ほど申しました配水幹線や重要管路を中心に行っていき、さらには、外面腐食管の更新、あるいは幹線の改修、ブロック管網の整備などに合わせて行うことで、効果的で有効的な耐震化を進めることでこのような耐震化率の進捗状況となってございます。先ほど委員ご指摘のとおり、年間約1.何%ということでございますが、全長5,900キロメートルに対しましては年間約60キロぐらいの整備状況でございます。  次に、2点目の耐震性の観点から見た管材質と配水管の配置状況の評価についてお答えしたいと思います。  委員ご指摘のとおり、管路延長の約9割に当たります約5,200キロメートルは、管の材質として非常に強固なダクタイル鋳鉄管でございます。これまでの被害状況を見ましても、大地震でも管自体が折損する心配はほとんどないものと考えております。この管の材質は耐震化率という指標では表現されませんが、札幌市の水道管路の大半は、管自体の耐震性が高いものと考えております。しかしながら、管自体が強くても、地盤の揺れにより継ぎ手部分が抜け出し、漏水や断水を引き起こすリスクがあることから、より地震に強い水道を目指し、耐震管に布設がえする耐震化事業を計画的に進めているところでございます。  また、市街地の配水管につきましては、網の目のように配置された管路が互いに接続する管網を形成するように整備してきており、ある管路が破損しても別な管路が補うことにより、広範囲な断水になりにくく、事故、災害に強い形状となっております。 ◆坂本恭子 委員  枝線などの耐震化工事については、これから順次行っていくということでありました。特段、重要管路などについては早急な耐震化が求められているというふうにも思いますので、最後にお話がありましたが、より地震に強い、断水をしない水道を目指すという観点で頑張っていくということでありました。住宅や事業所などへの給水ということでの耐震化の促進ということは、これからもよりスピード感を持って取り組んでいただきたいと思っています。  ダクタイル鋳鉄管については非耐震のものが多いという指摘をしましたが、ダクタイル鋳鉄管自体が強いものだから大丈夫だというようなお話もありました。しかし、やはり、私たちは、耐震化率という数字の中でいろいろと計画などを見ていきますし、どの程度の進捗なのかという確認もするわけですから、耐震継ぎ手のところだけではなくて、もっと全体的なところで耐震化率を上げていくように、そもそもの定義の問題もあろうかとは思いますが、力を入れていただきたいということを改めて申し上げておきたいと思います。  それから、もう1点は、医療機関への給水の問題です。  配水管の耐震化ということでは、私どもは、医療機関の給水ルートの耐震化の問題を繰り返し取り上げてまいりました。2010年度には、災害時基幹病院12カ所への給水ルートの耐震化が完了しております。2011年度からは、救急告示医療機関、災害時の地域拠点病院に指定されている病院と理解していいのかと思いますが、この救急告示医療機関、それから、透析を行う透析医療機関への耐震化を進めていくというふうにしておりましたが、その具体的な計画についてお示しいただきたいと思います。  また、2010年度までの基幹病院への給水ルートの耐震化では、南区と清田区での医療機関が対象となっておりません。これも議会で取り上げてまいりましたけれども、そのことについては、今後、全市的なバランスを考えて、この二つの区を最優先に整備をしていきたい旨の答弁がございましたので、今、この点についてどのように対応しているのか、伺いたいと思います。 ◎小田 配水担当部長  まず、1点目の平成23年度から実施しております医療機関への供給ルート耐震化の具体的計画についてお答えいたします。  平成23年度から26年度の期間では、災害時基幹病院1カ所、救急告示医療機関16カ所へ供給するルートについて耐震化を実施することとしており、このうち7カ所の救急告示医療機関につきましては、透析医療も兼ね備えた医療機関となっております。また、耐震化するルートにはできるだけ透析医療機関が含まれるよう設定し、26年度までに9カ所の透析医療機関についても耐震化を図る予定でございます。  次に、2点目の南区、清田区の医療機関への供給ルートの耐震化についてお答えいたします。  今回の計画におきましては、南区については災害時基幹病院1カ所と透析医療を兼ね備えた救急告示医療機関1カ所、清田区につきましては救急告示医療機関1カ所と透析医療機関1カ所を整備の対象としております。  なお、平成23年度は、南区の災害時基幹病院と清田区の医療機関を含む7カ所の医療機関への供給ルートの耐震化に着手しております。また、救急告示医療機関につきましては、全部で58カ所と市内に広く分布していることから、全市的なバランスや応急医療の実効性などを勘案して16カ所を選定しております。 ◆坂本恭子 委員  医療機関への配水供給ルートの耐震化というのは本当に大切な事業だというふうに思います。人命、医療行為、生命、健康を守る上でも大変重要な事業でございますから、第2次新まちづくり計画に引き続いて、第3次新まちづくり計画にも位置づけられておりますけれども、これからもペースをさらに上げてぜひ取り組んでいっていただきたいと思います。とりわけ、透析なども行える救急告示病院については、58カ所あるうち16カ所の整備ですから、ここについてはすぐにでも計画を持って手をつけていただきたいということを改めて申し上げておきたいと思います。  それから、医療機関と同様に優先度を高く設定して耐震化に取り組むべきものとして、私ども共産党としても、水管橋の耐震化についても繰り返し取り上げてまいりました。川を渡る水道橋と言うとわかりやすいのでしょうか。2009年の決算特別委員会でも水管橋の耐震化の問題を取り上げまして、このときには、計画を4年前倒して2012年度までに重要度の高い32の橋の耐震化を行うということでありましたけれども、この重要度の高い32の橋の耐震化はどのような進捗状況になっているのか、お示しいただきたいと思います。  また、地域防災計画で、想定地震が震度6強から7に変更になっております。そういう意味では、今後の水管橋の耐震化の方針、あるいは、基本的な考え方も変わってきているのかなというふうに思いますので、この点についても改めてお聞かせいただきたいと思います。 ◎小田 配水担当部長  まず、1点目の水管橋の耐震化にかかわる現在の進捗状況についてお答えいたします。  耐震診断において耐震化が必要と評価された重要度の高い口径400ミリメートル以上の幹線などの水管橋32橋につきましては、平成16年度より優先度の高いものから順次対策を進めてきており、22年度末までに18橋の耐震補強が完成するとともに、配水区域の再編により2橋を廃止しております。また、24年度までには、6橋の耐震補強と4橋のかけかえを完了し、残る2橋につきましては、幹線の耐震化工事などに合わせて26年度までにかけかえを行う予定でございます。  次に、2点目の今後の水管橋の耐震化の方針や考え方についてお答えいたします。  これまでに耐震化を実施した水管橋につきましては、震度6強の地震に対応するべく整備したものであり、一定の耐震性を有しているものと判断しております。しかしながら、委員ご指摘のとおり、地域防災計画の想定地震が震度7に見直されたことから、耐震化済みのものを含めて、重要度の高い水管橋につきましては、耐震性評価やさらなる耐震補強の必要性、優先順位のあり方などについて、東日本大震災の被災状況や耐震化にかかわる新たな知見などの情報も収集しながら、再度、検討を進める予定でございます。また、これまで耐震診断を実施していない合計200から350ミリメートルまでの準幹線の水管橋128橋についても、幹線の水管橋に次ぐ重要な施設と位置づけ、耐震診断や耐震補強などの実施に向けた検討を進めていく予定でございます。 ◆坂本恭子 委員  一番最初にお話がありました地中の配水管は網の目のように張りめぐらされていて、1カ所が断絶したら次のところにバイパスしていくように補完し合う役割を持たせていて、給水については、大体、問題なく進んでいくのではないかというお話がありました。水管橋といいますのは、まさに川を渡っていく水道管の橋ですから、物理的な視点で言いますと、地上部に露出された管路となるわけです。地中に埋設されている配水管に比べて地震の影響をもろに受けていくということですから、32のうち、2010年までには18橋が終わり、これから6橋の補強と、4橋がかけかえされていくということでありましたが、これは早く対応していただきたいというふうに思います。  それから、口径200から350ミリメートルの128橋についても、これから、順次、評価のし直し、優先順位の見直しなどもしていくということでありました。しかし、近年、全国各地で起こっている地震では、水管橋の破損という被害が大変多く見受けられております。そういう意味で、代替機能が少ないということでは多くの住民にきちんとした給水ができなくなりますので、水管橋の耐震化、また耐震診断についても早急にやっていくように、一日でも早く計画を具体化して着手するように、このことを求めて、終わりたいと思います。 ◆小倉菜穂子 委員  私は、豊平川水道水源水質保全事業についてと財政基盤の強化についての2点を簡潔に質問させていただきますが、一つずつ伺わせていただきます。  初めに、豊平川水道水源水質保全事業について伺います。  本市は、水道水源が豊平川に約98%と一極集中しているため、水道水源の水質保全や水道原水の確保のため、また、災害時の水源確保、水源保全を図る目的で、豊平川水道水源水質保全事業、いわゆるバイパス事業を計画されております。2005年度より国庫補助事業として着手し、3年間にわたって事業の施行区域における環境調査や土質調査、また測量調査などを行っております。  そこでまず、1点伺います。  2007年第1回定例会予算特別委員会においてバイパス事業に取り組むことが決まってから、大分、時間が経過しております。現在の進捗状況、そして、今後の事業実施予定について伺いたいと思います。  2点目として、バイパス事業が施行される地域は、国有林、国立公園内に位置し、これまでの間に行われました調査でも、オジロワシやヒグマなど希少な生き物の生息が観測された場所です。現在、環境局においては、生物多様性さっぽろ戦略を策定中です。既に同戦略を策定済みの兵庫県においては、生物多様性に配慮した公共事業や、NPOなどの自然再生活動を推進するための河川、道路、港湾、森林、農用地、ため池を対象とした、生物多様性配慮指針を2010年に策定しております。このように、今後は公共事業など自然改変を少しでも伴う活動の中で、生物のつながりを意識した広域的視点や、事業実施前、実施中、そして維持管理下における生態系への配慮が大変強く求められております。  そこで、質問ですが、本事業に関しては、既に2006年に環境影響調査を実施済みとお聞きしております。しかし、2008年6月に生物多様性基本法が制定されていることからも、その観点から当時に調査していただいた専門家の方などに、再度、環境への影響について確認する必要があるのではないかというふうに思いますが、いかがか、この2点についてお伺いいたします。 ◎酒井 給水部長  1点目の現在の進捗状況と今後の事業の予定についてお答えします。  まず、現在の進捗状況でございますけれども、現在、各関係機関、北海道開発局、あるいは、石狩森林管理署、北海道地方環境事務所などと工事着手に必要な許認可申請書類の提出に向けた協議を行いつつ、施設設計を行っているところでございます。また、豊平川の水を使用している北海道電力と事業の実施に向けた協議、検討を継続して行っているところであります。さらに、事業用地取得に向けまして用地の測量を進めている状況にあります。  続きまして、今後の事業予定でございますけれども、許認可申請の許可がおり次第、平成24年度から準備工事に着手したいというふうに考えております。  続きまして、生物多様性のご質問でございますけれども、この事業につきましては、委員ご指摘のとおり、平成18年度までに環境影響評価法に準じまして調査を実施して、その結果について学識経験者の意見を伺っております。生物多様性の保全につきましては、本市の生物多様性保全の基本計画を現在策定中と伺っておりますので、その動向を踏まえて対応してまいりたい、このように考えております。
    ◆小倉菜穂子 委員  進捗状況等については、今、各種書類の提出の準備ということでした。そして、平成24年から準備工事に入るという話を伺いました。工事は来年となります。そして、工事に関しては、この間、お話を伺ってきたときに、前例がほとんどない工法であって、専門的な技術を要するというお話も聞いております。ぜひ、札幌や北海道内の事業者の方々がお仕事の面でもかかわれることが重要だというふうに思いますので、その点についてもあわせてご検討いただきたいと思います。  また、環境に関してですけれども、私としては、改めて確認ということで結構かと思いますので、こちらについては確認していただきたいと思います。これはとても大事なことだと思いますので、そのことを求めておきます。  そして、本市は、2005年から昨年にかけて、地元の定山渓まちづくり協議会や連合町内会、定山渓観光協会に対して当事業の説明会を実施し、また、出前講座にも出かけるなど、事業の周知を図ってこられたというふうにお聞きしております。大切な税金で大切な水を守る事業であり、事業の対象はすべての市民であることから、ぜひ多くの機会をつくって市民へ情報発信し、皆さんのご意見を伺っていただきたいと強く思います。  そこで、質問ですけれども、バイパス事業は、市民の水源の確保、水質の安全を守り、大変規模が大きい事業にもかかわらず、第3次新まちづくり計画案には掲載されておりません。札幌市水道事業5年計画、そして水道局実施プランにおいても市民への情報公開、広報を掲げておりますので、そうした意味からも、第3次新まちづくり計画に盛り込むべきと考えますが、いかがでしょうか。  また、今後どのように市民へ情報公開を進めていくおつもりか、あわせて伺います。 ◎酒井 給水部長  まず、第3次新まちづくり計画に盛り込むべきということでございますけれども、平成23年度から26年度までを計画期間とするこの計画は、事業ごとに成果指標を設定するという成果を重視したものになってございます。このバイパス事業につきましては、この計画期間内は工事が継続中ということで事業が完了せず、具体的な成果指標が設定できないことから、今回の新まちづくり計画には取り上げないことといたしまして、水道局といたしましては、本計画の重点課題の一つである市民とともに災害に備えるまちづくりに沿った事業といたしまして、水道施設耐震化事業に関連する地震対策関連の三つの事業を提出したところでございます。  一方、本バイパス事業につきましては、水道事業5年計画とか水道局実施プランのみならず、先ほど委員からもご指摘がありましたとおり、出前講座やパネル展などさまざまな手法により情報提供を行っているところでございますけれども、情報発信はやはり重要な観点であると考えておりますので、今後とも市民との情報共有に向けた取り組みに努めてまいりたい、このように考えております。 ◆小倉菜穂子 委員  第3次新まちづくり計画に盛り込まないのは、進捗状況、成果指標を重視することが適さないのだというお話だったというふうに思いますけれども、本来であれば、大きな税金を投じる事業でありますので、私はそうしたことにこだわるのではなく盛り込んでいくものではないかと思っています。これからも情報提供をしていくのだという話もありましたが、新まちづくり計画に盛り込めない事業ということであれば、市民がよくわからないうちに、なかなか情報を得られないうちに工事が進んでしまうといったことがないように、なおさら事業の目的や進捗状況などの情報発信にしっかり努めていただきたいということを申し上げます。  次に、財政基盤の強化について伺います。  都市化とともに拡大した施設を維持し、将来へ負担を先送りしない財政基盤づくりは、喫緊の課題であります。市民生活と都市活動に欠かすことのできないライフラインとして、安全で良質な水を安定して供給することを使命として、2010年度から2014年度を計画期間とする札幌市水道事業5年計画を策定し、取り組んでいるところです。そうした財政基盤づくりには、企業債の残高を計画的に減らすことはもとより、収入の大部分を占めております給水収益の将来を見通した事業運営が強く求められております。  そこで、質問ですが、最近5年間の給水収益の推移と今後の給水収益の見通しについて伺います。  また、水道事業5年計画の初年度として2010年度決算をどのように受けとめておられるのか、その点についてもあわせて伺います。 ◎森 総務部長  まず初めに、給水収益の推移と今後の見通しについてお答えさせていただきます。  給水収益につきましては、家事用におきましては、給水人口の伸びに伴いまして水需要が増加いたしまして増収基調にあるものの、家事以外用の部分におきましては、水需要に影響を与える景気が長らく低迷していることに加えまして、水道料金負担の軽減によるコスト削減を主な目的といたしまして地下水専用水道への切りかえが大口使用者を中心に拡大しておりますことから、減収が続いております。この結果、本市の給水収益全体では、平成9年度の料金改定以降、減収基調にございまして、平成22年度決算では、平成9年度決算と比較いたしまして、消費税の要素を除きますと24億8,100万円、6.1%の減収となってございます。  今後の見通しにつきましては、依然として景気の先行きが不透明でございまして、また地下水利用の動きがさらに広がることも想定されますことから、給水収益の動向については引き続き注視してまいりたいと考えております。  次に、5年計画の1年目として平成22年度決算をどのように受けとめているかということについてでございます。  平成22年度決算につきましては、収益の多くを占める給水収益は、給水人口の増に加えて、昨年の猛暑、夏季の天候を要因にいたしまして、主に家事用において水需要が増加したことにより404億円の収益となってございます。21年度決算と比較いたしますと、2億7,800万円、率にして0.7%の増となり、札幌市水道事業5年計画で見込んでおりました403億円の給水収益を確保することができております。  一方、経費につきましては、工事等の設計、契約差金や業務内容の見直しによります経費の削減によりまして、平成22年度決算においては5年計画で見込んだ支出額を約25億円下回ってございます。この結果、5年計画に比べまして企業債の借入額を抑制することが可能となるとともに、計画を上回る利益と資金残高を計上することができております。また、その資金残高の一部につきましては、将来の施設等の更新に係る負担増に備えた積み立てを開始しようとしているところでございます。  こうしたことから、平成22年度決算につきましては、5年計画の1年目として一定の目標を達成できたものと認識しているところでございます。 ◆小倉菜穂子 委員  1年目としては、大体、計画を達成できたというお話がありました。また、給水収益については、昨年は猛暑であったということが要因かと思います、0.7%増ですか、そういったお話もありました。そういった事情もありますが、徐々に給水収益というのは減少傾向にあるのだということです。2010年度決算では純利益も出ていますので、現在はほぼ計画どおりだというところに落ちつくのだというふうに思っております。しかし、企業債の償還を計画的に行っているということはわかりますけれども、依然として残高が1,332億円余りと企業債への依存度が大変高く、自己資本比率も50%を超えているといった形で、持ち直してきているとは言いましてもそのような数字です。  財政状況の硬直化が進んでいる中で、今後も、先ほど来お話がありました、耐震補強の工事であるとか老朽化した管の補修であるとか、また、環境負荷低減としての配水池水力発電の工事なども予定されております。加えて、バイパス事業は、2013年から本格化して、総事業費は約187億円、そして、その3分の2は札幌市ということでありますから、125億円を負担することになります。さらに、先ほどお話があったように、2013年にはいよいよ石狩への分水が終了して、その後は、当別ダムに関する未受水期間の負担として約50億円、2025年からは受水費の支払いなど多額の負担増は今から考えても明らかだというふうに思います。  その一方、現在、人口減少を目前にした状況だと思いますけれども、この5年間の給水量はなかなかふえない中、家事用に占める基本水量内使用者の割合は、2010年度は42.5%と徐々に増加しております。また、2009年度の水道モニターアンケートによると、節水している人は66.5%に上っているということです。また、さまざまな飲料水が販売されており、売れ行きは好調というふうに聞いております。さらに、現在わかっているだけでも約60の企業や病院、またホテルなどが地下水を利用しており、この数は近年増加しているということです。給水収益増につながる材料がますます少なくなっており、今後、財源は一層の厳しさを増すものというふうに考えます。  そこで、最後の質問ですけれども、水道局では、財政基盤の強化に向け、これまで具体的にどのようなことに取り組み、どのような効果があったのか、また、今後どのような取り組みを行おうとしているのか、その点についてお伺いします。 ◎森 総務部長  財政基盤の強化に向けた取り組みということでございます。  水道局におきましては、給水収益が景気低迷等の影響から減少傾向にある中、先ほど申し上げたような状況の中で、クレジットカード収納を平成22年度より導入するなど、お客様へのサービスの向上と収益の確保に努めてきております。  一方で、業務委託の推進や工事費の縮減などの業務の効率化による経費の削減、企業債の借り入れの抑制によります支払い利息の減少等、効率的な事業運営に努めてきているところでございます。その結果といたしまして、水道事業会計におきましては、利益を計上いたしまして企業債残高も減少してくるなど、財政状況は改善してきているところでございます。  今後につきましては、委員ご指摘のとおり、厳しい経営環境が見込まれておりますが、未利用地の売却や庁舎空きスペースの貸し出しといった資産の有効活用など、営業外収益も含めた収入の確保に努めるとともに、引き続き効率的な事業運営や企業債残高の縮減に取り組むことで、5年計画の達成に向け、財政基盤の強化を引き続き図ってまいりたいと考えております。 ◆小倉菜穂子 委員  未利用地の売却などにも力を入れていくといったお話でした。それから、先ほども業務の民間委託というお話もありました。そして、この間にもたくさんの人員削減も実施されてきています。事業の効率化ということは何度もお話がありましたし、今後の大事なテーマだと思いますけれども、すべての市民の生命や生活にかかわる事業ですから、ぜひ慎重に取り組んでいただきたいというふうに思います。  また、今後、これまで蓄積してきた水道事業にかかわるノウハウをぜひ有効に活用できるシステムとか人材の育成は欠かせないというふうに考えますので、財政基盤の強化を図りつつ、そうした点についても力を傾けていただくことを強く求めまして、私の質問を終わります。 ◆松浦忠 委員  まず、水道事業会計決算書の28ページから35ページにかけて、全部で105件の企業債の明細書がそれぞれ出ております。この中で、28、29ページにかけて、金利が5%を超えているものが10件あります。これらについて、貸す側の事情もいろいろあるでしょうけれども、今の金利水準で借りかえを図って利子の負担軽減を図るべきではないかというふうに思うのですけれども、こういうふうにして残っているというのはいかがな理由で残っているのか、まず1点、これをお尋ねします。  また、34ページから35ページにかけての企業債の中で、平成21年に8件出しております。この8件の金利を見たら、一番高いのは財務省と地方公共団体金融機構の1.9%、一番安いのは北洋銀行の0.964%です。多少の期間の違いがあったにしても、そういう金利の設定になっております。そして、22年を見ますと5件の起債を起こしております。金利1.44%が3件で、2%というのが2件あります。発行日は平成22年2月25日が3件、3月30日が2件と。この3月30日のものが2%です。引き受け団体が地方公共団体金融機構、これが2%です。市場公募は1.44%です。どうして市場公募の1.44%を使うことができなかったのか、なぜ地方公共団体金融機構のものを使わなければならなかったのか、この点についてお尋ねいたします。  2点目は、空き建物の活用についてでありますけれども、私の記憶では、札幌市の各企業会計、あるいは一般会計も含めた中で、現業職を全廃という歴史的な合理化を実施したのは、水道局が、当時、石原弘之管理者のもとで行ったものが最初ではないかというふうに私の記憶にあります。そういう中で、水道局は、その後、例えば小川管理者のときにもかなり思い切ったことをやりました。そういうことで、私は、一般会計、企業会計を含めた中で水道局は非常によくやっているというふうに思っております。  例えば、白石の営業所は、ことし、業務の統廃合で豊平に来ました。その後は、以前からも入っておりましたけれども、サービス協会が使っております。そこで、一つ例示をすると、白石の営業所の床面積が幾らあって、水道サービス協会の人員が幾らいて、札幌市の職員と同じように考えて基準面積でいったら幾らの面積があればサービス協会がそこで営業していけるのか。あそこは、たしか3階建ての建物で2階、3階が事務所になっているはずですが、以前は3階にサービス協会がいたけれども、今は2階におりています。そうすると、3階があいていますが、それはどうしているのか。こういうことについて、基準面積と空き床についてお尋ねいたします。そして、活用をどうするのか。  さらに、私は以前にも水道局か下水道河川部かで指摘したのですが、宿舎がありますね。これは、企業会計の事業費の中で建てた職員宿舎であります。この空き宿舎が解消されているかどうか。もし解消されていなくて空き宿舎があるとすれば、どの場所に何戸あって、今後はどういうふうに活用を図っていこうとしているか、お答えいただきたいと思います。  3点目に、設備更新の関係であります。  設備の中でも、管路などはお金の関係で古くなってもなかなか更新が進まないということもありますけれども、地上部分、わかりやすく言えば、ポンプやモーター、電気のケーブルや配電盤など、いろいろな地上部分の設備があります。こういう設備について、過去の使用実績などに基づいてまだ延長して使えるということで合理的な延長をして使ってきたものがあれば、何をどのように延長して使っているか、そして、それによって費用がどのぐらい節減されたかというところまでわかれば、それもあわせてお答えいただきたいと思います。  4点目に、豊平川の水源改良ということで、豊平川の定山渓の温泉付近で地下から砒素が流出してくるので、それを白川浄水場に取り込まないようにするということで、先ほども答弁がありましたけれども、来年度からかかるということです。  そこで、先般、こばやし峠トンネルが契約になりました。このトンネルは、契約して、委員会の質疑で明らかになったのですが、トンネルを掘ったときに出てくるずりという岩石とか土砂の中に重金属や砒素などを含む有害物質が含まれていると。こういうことで、じゃ、その処理はどうするのかと聞いたら、発注はしたけれども、処理方法はこれからだと、こういう考えられないような仕事の仕方をしていたということが明らかになりました。  そこで、当然、ボーリングをした段階で掘るところの物質は分析できるわけですから、私は、それらについて事前にきちっと処理方法も――これは産業廃棄物にはなっていませんけれども、水道局として、人間の体の健康を守ると。水は最も大事なものでありまして、そういうことで多額の金をかけて工事をするわけですから、そういうことについて、工事発注前にきちんと処理方法を定めて発注をすべきだと私は思いますけれども、そういうことを含めた調査が既に行われているかどうか、この4点についてお尋ねします。 ◎高橋 営業担当部長  私から、ご質問の2点目の旧白石料金センターのことについてお答えいたします。  旧白石料金センターにつきましては、昭和48年に建築しましたので、もう既に40年近くたっております。土地は約800坪、2,674平米ですが、建物は3階建てで各階は約500平米となっており、延べ1,576平米でございます。1階が500平米ですが、機械室等が大部分でありまして、現在、一部を貸している状況でございます。2階については、7月19日の機構再編によりまして、それまで3階におりましたサービス協会が、委員お話のとおり、今おりてきて、そこで検針の業務をやっております。したがいまして、もともと協会が入っていた3階は空きスペースとなってございます。  それから、2点目の1人当たりの事務室の面積ですが、現在、サービス協会の職員36名が2階におります。事務室の面積は図面で単純に見た場合には269平米ですので、割り返しますと1人当たり7.5平米でございます。ちなみに、水道局の本局と呼んでおりますが、我々の3階、4階の事務室の平均が約7.8平方メートルでございます。  また、今後の活用についてでございますが、先ほど阿知良委員の質問の中でもお答えしましたけれども、来年8月から民間委託を二つの地区で4区に拡大していきたいというふうに思っておりますので、その際の事務室として局庁舎を有効活用させようというふうに考えておりまして、今、その事務室の一つとしての活用を考えてございます。 ◎佐渡 浄水担当部長  私からは、3点目にご質問のありました設備更新についてお答えしたいと思います。  設備更新の考え方でございますが、水道は重要なライフラインでございまして、浄水場などの水道施設が機器の故障などにより機能を停止することは、極力、避けなければならないという考えでおります。このため、機器が故障してから修理、更新をする事後保全ではなく、故障する前に整備、更新していく予防保全という考え方に基づいて設備更新を行ってございます。設備機器については、常に稼働しているということで駆動部などの劣化が生じやすく、土木・建築構造物に比べて寿命が短く、一定年数を経過すると製造が中止されているものですから交換部品の入手が困難になることもございます。  ご質問の更新周期でございますが、水道局におきましては、地方公営企業法にございます法定耐用年数をベースとして、そのほかに日本水道協会やメーカーの推奨基準などを考慮し、また、実際に我々が使っている本市での故障履歴や使用実績を考慮して、おおむね法定耐用年数よりも長く更新の基本周期を策定してございます。また、この周期についても、随時見直しを行っているところでございます。具体的な事例ということでございましたが、例えば、受変電設備は法定耐用年数が20年のところ、私どもは25年から30年、自家発電設備も法定耐用年数が15年のところを25年とか、そういう使い方をしてございます。昨年度の工事などにおきましても、30年という経歴を持ったものを更新しているということでございます。  具体的な費用効果でございますが、残念ながら手持ちがございませんので、失礼したいと思います。 ◎森 総務部長  1点目の借りかえについてのご質問でございます。  企業債の繰り上げ償還につきましては、国の臨時の特例措置が平成19年から平成21年まで設けられまして、これに基づきまして一たんの繰り上げ償還を行っております。当時の基準といたしましては、6%以上のものが対象になりましたので、金利6%以上の政府債と公庫債、計228億円余りを繰り上げ償還したところでございます。その後、繰り上げ償還の措置が平成22年から24年まで3年間延長されておりますが、これは利率が5%以上という基準ではございますけれども、さらに基準がございまして、資本比が99円以上、将来負担比率が238.0以上のいずれかの条件を満たさなければいけないことになっておりまして、札幌市については、いずれも基準を満たさず、制度延長後の企業債繰り上げ償還の適用はないものとなっております。  それから、なぜ金融機構からの借り入れなのかということでございますが、市場公募の場合は、期間が10年という返済期間になりますが、これに対しまして金融機構は28年ということでございます。水道施設は耐用年数が長いものが多いということがございまして、基本的には、負担の平準化を図るという企業債の趣旨から考えて金融機構のものを多く使っている現状でございます。  もう1点は、職員住宅についてでございますが、現在、水道局に職員住宅はございません。 ◎酒井 給水部長  4点目の水道水質保全事業のトンネル部における重金属についてでございます。  既に土質調査を行っておりまして、トンネル部分から重金属が出るということは想定されております。このため、今年度から、処分方法あるいは処分する場所について、要するに重金属を置く場所について検討に着手することにしております。 ◆松浦忠 委員  最初の企業債ですけれども、6%以上というのは、貸す側というか、国側のそういう一つの決めであって、今や、金利は大体1%を基準にしてその上下が何ぼと、こういう状況にあると思うのですよ。それから、今の経済状況を見ていったら、どうしたって、お金が足りなくなって金利が上がっていくというような状況を考え得ることはできないと思うのですね。したがって、そういうことからいったら、10年で借りかえるなら借りかえて、3回借りかえてそのときはどうかということがあっていいと私は思うのですよ。したがって、きちっと金利の安いものを借りると。  私が推測するのは、やっぱりこの団体は公共の団体であります。そうすると、公共の団体ですから、おい、おまえ、借りてくれと、こんな感じの関係にあるのじゃないかと。地方自治体とそういう団体との関係からいったら、そういう関係だと思うのですよ。したがって、私は、そこはきちっと一線を画して、より金利の安いものできちっと借り入れていくということだと思うのです。それから、金利の高いものについては、きちっと現状に沿って下げてもらうということを働きかけていくべきだと思うのです。  そこで、水道の事業者でつくる企業会計のいろいろな会議がありますね、団体会議が。そういう中で、6%をさらに5%、あるいは4%になるか、もっと下まで下げて償還させてくれという働きかけをどのようにしているのか、そのことについて再質問いたします。  次に、合理化によって建物があいてくる。そこで、その活用ということですけれども、本庁舎などを含めた一般会計の面積の基準は、水道局は、率直に言って、本局も含めていろいろ合理化を進めておりますから、行ってみると、建物を建てた当時から見たら非常にゆったりとした事務室の使い方だと私は見ています。そういうことからしたら、水道局の基準ではなくて、いわゆる一般会計の庁舎の1人当たりの面積基準は一体幾らになっているのか、それと比較してどうなのかということをお聞きしたいのです。その点についてちょっと示していただきたいと思います。  次に、設備更新の延命でありますけれども、例えば、先ほど自家発電などについては10年ものを25年ぐらいなどと、事例を挙げて答弁がありました。変電所もありました。例えば、自家発電などについて言うと、一つは発電機の絶縁が低下していなければ、軸のベアリングが減らない限りは半永久的に使えるものなのです。半永久的に使えるのです。もう一つは、エンジンについても、オイル交換をして、保守点検を兼ねての切りかえで、月に1回、何時間か運転するということを繰り返していけば、金属が腐食して使えなくなるということはちょっと想定できない。相当長くもたせることができるのです。だから、大体10年と決めていること自体が、いつ決めた基準なのかなと。  そういうことからしたら、一つは、予防保全の基準は、一体、いつ、だれが、何に基づいて決めたものなのか。例えば、国の法令にありますよと。それでは、国の法令は、いつ、そういう基準が決まって、それは、本当に現場の実態と、実際に使っている全国の水道局の実態と合っているのか、合っていないのか。例えば、電線のケーブルでいったら、日本国じゅう、いろいろなところでケーブルを使っています。そうしたら、その使っているケーブルの使用実態と合っているのかどうか。こういうようなことは、それぞれの企業管理でありますから、企業の責任において収支をやるわけですから、そういうことを調べた上でどこまで使えるかということをきちんと判断していく、私はそれが本来の企業会計法に基づく企業の運営だと思うのですよ。  そこで、基準なるものは、一体、いつ、どこが、何を定めて、札幌市の水道局は何を準用しているのか。例えば、今、例示された変電所と自家発電の二つについてお答えをいただきたいと思います。 ◎森 総務部長  繰り上げ償還に係ります特例措置の延長につきましては、指定都市の会議あるいは日本水道協会を通じまして要望しているところでございます。  また、一般会計の本庁舎の1人当たりの面積は平均5平方メートル程度と聞いております。 ◎佐渡 浄水担当部長  設備更新の関係でございますが、予防保全の基準というお話でございましたけれども、これは、設備を更新していく上で、故障して壊れてから直すか、故障する前に直すかというのは一般的に考えられている概念でございまして、そういう考え方自体がどこで決まっているということではないというふうに理解しております。そこで、先ほども申し上げましたが、私どもの施設は、電気施設など、特に自家発電については停電になったらそのときにかからなければならない、そのときに故障したということでは市民に多大な迷惑をかけるということでございますので、今言ったような予防保全的な考え方でやっているところでございます。  私どもの周期でございますが、もちろん法定耐用年数以上に使うという考えを持ってございます。しかし、先ほども申しましたように、私どもが実際に使っていて故障したとか、自家発電ですと、委員のお話もありましたが、実際には周辺機器の部品がもうないとか、代替品にしてもつくり直すにはちょっと時間がかかるというお話もございますので、予防保全という考え方で事前補修、事前更新という考え方をとってございます。 ◆松浦忠 委員  企業債の関係ですが、指定都市で要望しているというのは、要望書を紙に書いて出すのはだれでも出すんですよ。問題は、どういう話をどことしているのか、そして、相手はどこで何を答えているのか、それをきちっとしないと。市民は皆さんに託しているのですよ。皆さんは、金を貸している公共団体だとか財務省だとか、そういうところとしっかりと話を、一体、財務省のどこが窓口で、あるいは厚生労働省の水道課が窓口なのか、どこを窓口にして、どういう話をだれとだれがしているのか。その事実関係があれば、あるいは、だれかに託してしてもらったというのなら、それはそれでいいです。その事実関係をきちんと答弁してください。それが大事なのです。そういうことです。  次に、合理化を一生懸命やっているのは私は高く評価するのですが、床の関係です。一般会計の方はこの本庁舎も含めて5平方メートルですね。本局が7.8平方メートル、白石が7.5平方メートルといったら5割増しなのですよ。そうしたら、やっぱり本庁舎並みで見直すと。活用の仕方はいろいろとあると私は思うのです。例えば、経済局なんかは、就業支援やいろいろなことで幾つかの小部屋を貸して、テーブルを置いて、小さな区域で10個なら10個、そして、1人、電話番がついてというような支援活動などもやっています。民間でなくても、庁舎内の経済局だとかほかの部局も含めて、もうちょっとやっている事業を調べて、そういうところに活用してもらえないかなど、いろいろなことを考えて、私は使いようがあると思うのです。そういうことをぜひやってほしいと思うのです。  それは広い方がいいですよ。私は水道局に行っていつも思うのです。いや、広くてゆったりしていていいなと思うのです。そのことは作業環境としては非常にいいと思うのだけれども、しかし一方で、本庁に来たら、みんなは決められた中で一生懸命やっておられる。この辺は、余り差がない方がいいと思うのですよ。したがって、ぜひそれをやっていただきたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。この点についてお尋ねします。  次に、設備の関係ですけれども、今の答弁は、どっちかというとPL法、いわゆる製造物責任法で、例えば、物をつくったら、物によっては10年間の部品供給義務だと、その範囲の話だと私は思うのです。しかし、家庭で使っている品物と違って、やはり高額なものでありますし、物によってはきちっと――部品の図面はメーカーが保管していますから、長く使うようだったら、場合によってはメーカーから図面をもらって、それらをつくっていた部品メーカーなどに図面をもとにと言えば、札幌市内にもつくる会社はたくさんあると思います。そういうようなことも含めて、きちっとする。  それからもう一つは、停電時の自家発電でいったら、月に1回だとか、年に何回だとか、当然、試運転をして、切りかえて、実際にちゃんと役立っていくかと負荷をかけてやっているはずなのですよ。そういうことをきちっとやっていけばどういうことになるかというと、ある日突然、それが壊れるなんていうことは、機械ですから新車だって壊れることもありますけれども、それは確率が非常に少ない。そういう面での確率は、10時間しか使っていなければ、1,000時間使ったものとの確率は、年数がたってもそう変わらぬと思うのです。  ですから、そういうような統計的な資料をきちっと持った上でそういう答弁をされるのなら、私もそうですかと納得する。しかし、私はこう思うという思い込みの発言では、そこで多額の費用を使っていくわけですから、そうですかというわけにはいかぬのですよ。したがって、その点について、今後、きちっと統計的に物を調べて、保守管理をして、やっぱりその中で更新していくことをすべきだと私は思うのですけれども、いかがでしょうか。  最後に、豊平川の水源ですけれども、これは、発注のときには、きちっとそういう処理方法も決まった中で発注していくという方向で今やっているということですから、その方向でぜひひとつ進めていただきたいということを求めておきます。  企業債の関係と設備の関係の2点についてお答えいただきます。 ◎北野 水道事業管理者  国への繰り上げ償還、借りかえに係る財政制度要望については、私も参りましたので、私から答弁させていただきます。  まず、要望の形態としては2種類ございまして、いわゆる議会でご審議をいただいている青本、大都市の税財政制度にかかわる要望につきましては、指定都市といたしまして市長、それから、指定都市議長会という形でのご要望を、関係省庁ですから、財務省を初め、総務省、青本の要望事項にかかわる関係省庁にそれぞれ割り当てというか、担当を決めて要望している実態にございます。  もう一つは、私が直接要望に参りましたのは、大都市の水道事業管理者会議、いわゆる青本のベースになっている原局会議と言われるものでございますけれども、そちらでも、大都市の水道事業体で共通の課題については要望書を別途つくってございます。その中には、金利負担の軽減という意味では、今の繰り上げ償還の制度とか借りかえの適用条件をもう少し緩和していただければ、それぞれの水道事業体の経営にとってプラスになるという形での要望、それは、大都市の事業管理者がこぞって総務省、厚労省に参りました。  ただ、言っているだけではだめではないかというご指摘もあって、そのときにわかりましたというお返事はいただけませんでしたけれども、こういった改正要望については、今後とも粘り強く続けてまいりたいというふうに考えております。 ◎佐渡 浄水担当部長  設備更新についてでございますが、私どもも、従前から、実際の点検のときに、委員おっしゃるとおり、年1回の点検とか実負荷運転などをやってございますけれども、そのときの点検結果とか、そういうものも十分に反映しながら周期を随時見直していきたいというふうに考えてございます。 ◆松浦忠 委員  設備の関係については、また後で、別途いろいろ資料をいただいて検討したいと思います。  そこで、床面積の関係ですが、もうちょっと活用と、1人当たりの面積を本庁並みにして、本局庁舎も含めて活用方法を考えた方がよろしいのではないかと思うのですけれども、これについては、考えていこうという考えがあるか、今はゆったりしているからいいねということで、そうさせてほしいというのか、どちらですか。 ◎森 総務部長  今お話のございましたオフィススペースにつきましては、ことし7月に機構改革を実施し、見直しをしたばかりではございますけれども、今後の人員の動向を見ながら庁舎の有効な活用の方策について検討してまいりたいと考えます。 ◆松浦忠 委員  私は、なぜこういうことを言うかといったら、本当に、水道局は一生懸命に合理化もしたし、効率も上げているから、ご褒美としてそのぐらいはいいかなとも思うんです。しかしですよ、水道局の職員はおよそ900人、(発言する者あり)いやいや、全部で900人ぐらいですよ。(発言する者あり)600人かい。そうすると、あとの1万3,400人が、何だ、水道局だけいいな、おれもそれなりにやっているんだよなと。みんな、やっていると思っているのですよ。したがって、職員間で不公平感が起きるから、私は、やっぱりこういうことも考慮していくことが大事だと思うのですよ。そういう意味で、ぜひひとつ進めていただくことを求めて、終わります。 ◆伴良隆 委員  理事者の皆さん方が肩の力を抜いたところで、私から、防災対策の質問をさせていただきます。  先ほど阿知良委員や坂本委員からもいい質問がありましたけれども、私からも申し上げます。  先日、東日本大震災への救助・救援活動についての展示紹介が市役所1階で行われていました。被災地に派遣された1,000名を超える市職員のうち、実に155名もの水道局の職員の方々がご苦労されて、いち早く仙台市などの応急復旧活動に従事されたとのことでございました。札幌市の後方支援活動をかいま見てとても心強く思いましたけれども、一方で、札幌市で大きな災害が起きたときはと考えると不安がよぎるところがございました。  被害に遭ったのはもちろん仙台市だけではございませんけれども、相互応援関係にある政令市として、仙台市の被害状況については一定の情報も関知されていることだと思います。仙台市の被害状況や復旧の総括ができていない中で、それについての本市水道局としての解釈は現時点では難しいものがあるとは思いますけれども、あえて確認させていただきたいと思います。そして、本委員会を通じて災害対応の情報や課題を共有できたら、この委員会の時間も大変有意義かなというふうに思っているところでございます。  そこでまず、伺いますが、東日本大震災において、仙台市ではどのような水道被害があり、仙台市はそれにどう対応したのか、わかる限りでご説明いただきたいと思います。 ◎酒井 給水部長  東日本大震災における仙台市の水道施設の被害、復旧体制、復旧時期についてお答えします。  まず、被害の状況でございますが、浄水場では水処理に影響を与えるような大きな損傷はなく、配水池等においては池本体にひび割れ等の被害を受けましたけれども、配水系統の変更で対処したと伺っております。管路につきましては、基幹配水管の破損が59カ所、給水管を含めた漏水が全体で約1,100件あったと伺っております。この被災による影響といたしましては、本市の応援隊が現地入りした3月13日に、最大で断水戸数約23万戸、断水率は50%に及んだというふうに聞いております。  次に、復旧の体制でございますけれども、仙台市は、まず、18大都市水道局による相互応援協定に基づきまして、応援のまとめ役である応援幹事都市の私ども札幌市と東京都に応援を要請しております。このほか、全国の水道事業で構成する日本水道協会の各地方支部や地元の管工事業協同組合の支援により、給水タンク車は1日最大で75台、発災から約3週間で延べ1,000台、2,800名で応急給水を行っております。管路の復旧につきましても、管工事業協同組合の応援等によりまして、1日最大33班で漏水の調査、修理を行いまして、発災から約3週間後の3月末までに復旧を終えた、このように伺っております。 ◆伴良隆 委員  予想もしない大きな被害だったということだと思います。仙台市では、水道事業体とか、あるいは関係団体との協力体制があって、初めて災害時の応急給水がなし遂げられ、応急給水に大きく貢献したということだというふうに思います。全国的な支援があった上で、復旧をほぼ終えるまでに実に20日間かかっています。この事実をかんがみますと、本市も長期の復旧活動を覚悟しなければなりません。実際、第3次地震被害想定では、水道管路被害が大幅に増大し、冬季では断水率67%、復旧に1カ月半かかるとの予想が出ております。よって、一水道事業体だけでの災害対策には限界があり、新たな応急体制構築には、他都市からの応援も前提にしていかなければならないという事実がございます。  水道局では、札幌水道長期構想を平成16年に策定しています。そのときに、もう既に、危機管理に向けた施設整備ということで、各施設、管路の耐震化と復旧機能の充実、応急給水拠点施設の充実を目標に掲げると同時に、応急給水施設を利用した市民との合同訓練を実施するとともに、他都市の水道事業体との相互応援体制の整備を進めていくことも同じく目標に掲げられています。一方で、地域防災計画の見直しに伴って、当時の災害対応策への再検証と見直しが図られている最中であります。  もともと札幌市は内陸型の都市でありまして、三方を山に囲まれて、そしてまた、大量輸送というものは小樽か苫小牧に海路で入って、陸路で札幌に入る経路が基本でございます。現在は、空路として確かに千歳もありますし、丘珠もございますけれども、大量輸送を考えると、あくまでも陸路を基本にすべきでありまして、他都市からの初動援助は道内外を問わず難しいのが現状でありましょう。まして、厳冬期ともなれば、近隣市町村ならまだしも、遠隔都市からの即効性と連続性のある大規模な救援が行われる可能性は低く見積もられるべきではないか、このように思っております。  そこで、2点伺います。  札幌市が第3次地震被害想定のような地震や同程度の被害が見込まれるような災害が起きたときに、どのような応急体制を整えているのでしょうか。  また、東日本大震災被災地への支援活動を通じて得られた貴重な教訓をどのように水道局として生かしていきたいのか、これを教えていただきたいと思います。 ◎酒井 給水部長  まず、大規模な災害等が起きた場合の体制でございます。  災害が発生した場合は、まず、復旧活動の核となる災害対策本部を本局に立ち上げまして、市内3カ所の水道センターを拠点とした応急給水、あるいは管路の応急復旧体制、浄水場等を拠点とした施設の運転や応急復旧体制を整えます。被害状況や影響度を判断した上で、応援が必要な場合は、協定を締結しております札幌市水道サービス協会や札幌市管工事業協同組合に要請するとともに、水道局OBについてもボランティアとして応援していただく体制となっております。初期活動におきましては、委員もご指摘がありましたとおり、札幌市は海を隔てている環境にありますことから、道内都市の協力が重要でありますので、日本水道協会を通じて応援していただく体制となっております。  また、道外都市からの応援ですけれども、18大都市水道局の相互応援協定に基づきまして応援幹事都市となっている仙台市が被害の把握や連絡調整の窓口となりまして、必要に応じ、他の大都市の協力が得られる体制を整えております。このほか、遠方の水道事業体からも協力が得られるよう、日本水道協会を通じまして協力体制を整備しているところでございます。  なお、今回の大震災では、日本水道協会が北海道から九州まで全国の地方支部を被害の大きい東北3県に割り振りまして約550の事業体が被災地の支援に当たっている実績を踏まえまして、本市が被災した場合にも相応の応援が期待できる、このように考えております。  次に、今回の教訓をどのように生かすかということでございますけれども、支援活動に携わった職員の意見は、私どもが被災者の側に置かれた際の貴重な教訓となると考えております。現在、これらを整理するため、応援に参加した職員のみならず、後方支援等にかかわった職員全員にアンケート調査を実施しておりまして、アンケートで示された課題の対応策について取りまとめを行っているところでございます。教訓の例といたしましては、全国から来る多数の応援水道事業体等に対しまして応急活動のマネジメントをいかに的確に行っていくか、その重要性に気づかされたことが挙げられております。今後は、合同訓練の覚書を結んでおります仙台市と、直接、意見交換等を行い、被災都市の視点も含めた教訓として整理する予定であります。
     本市といたしましては、このようにして得られた教訓を研修や訓練を通して職員の技術向上に役立てるとともに、地震災害マニュアルの再整備に反映し、より充実した応急体制の整備に生かしてまいりたい、このように考えております。 ◆伴良隆 委員  給水部長からお話がありましたが、日々、大変お忙しい中でこういった経験を生かしていこうという意気込みを感じることができるわけであります。実際に、私は、今月の5日に行われた災害・雪対策調査特別委員会にて、災害時における札幌市の応急給水体制について質問いたしました。私はあえて災害の枠で水道局の皆様方に質問いたしましたのは、給水活動が災害対策の中でも人命救助活動に次ぐ大切な業務だからです。その中で、私は、応急給水体制が比較的手薄になっている市の主要避難所への応急給水設備の必要性とその対応の緊急性を問いただしました。給水部長は、配水施設、管路耐震化とともに、さまざまな応急給水施設や移動給水を利用する上、緊急貯水槽や応急給水栓の新設をする、このようにお答えになりました。  私がそこで心配なのは、今までの事業整備に気を使い、災害のリスクよりも防災計画の見直しに伴う新たな整備そのもののリスクをおそれているのではないかということであります。加えて、緊急援助や復旧活動があたかも計画されたとおりに行われるという皮算用で札幌市の危機管理対策が成り立っているのではないかという不安がよぎるのです。さらに、本市は、企業や市民が備蓄している水などの物資も当てにしている、このように危機管理対策室の見解がございましたけれども、地域の備蓄現状を余りにも過大評価した楽観論にすぎません。地域防災計画の見直しが図られ、今までの災害対策では万全ではないということが明らかになった今、勇気を持ってその弱点を洗い出さなければいけないと思います。他都市の被災からの教訓をしっかりと生かし、今までのハード面をどう改善し、活用していくのか、あるいは、市民とどのように連携し、ソフト面からの応急体制をいかに活用していくのか、水道事業の災害対応をより確実に実施するためにも、今、立ちどまって考えてみることが大切なのではないでしょうか。  そこで、最後に伺いますが、地域防災計画の見直し、東日本大震災を踏まえて、今までの応急体制を素直に見詰め直したとき、今後の課題は、正直、何であると考えていらっしゃいますか、熱意あるお気持ちをお聞かせください。 ◎酒井 給水部長  今後の応急体制における課題についてお答えいたします。  先ほど委員からご指摘がありましたが、私どもといたしましても、新たな地域防災計画における水道施設の被害想定は大きな見直しが必要であると認識しております。このため、昨年度、これに対応した施設の耐震化と応急体制の基本的な考え方を地震対策基本計画として整理したところでございますが、その対応は緒についたばかりであり、今後、事業の計画、対策の具体化を進めていくことになります。  また、今回の仙台市では、断水が長期間に及んだため、飲料水に加え、生活用水の要求が高まり、給水車や拠点給水での応急給水ではとても間に合わない状況になったとのことです。こうした災害の状況を想定いたしますと、各家庭等における飲料水の備蓄、給水拠点から各戸までの水の運搬、災害時要援護者への支援など、これらは市民の協力に頼らざるを得ないことから、応急給水の情報を共有し、市民と行政が協働する体制を築いていくことが大きな課題と考えております。  このため、地道なことではございますけれども、引き続きホームページやパンフレット等を活用して災害対策にかかわる積極的な情報提供に努めるほか、日ごろから市民と水道事業者のコミュニケーションの機会をふやし、意見や要望を具体的な業務に反映し、市民の理解と信頼のもと、市民と協働する応急体制の確立に取り組んでまいりたい、このように考えております。 ◆伴良隆 委員  大変静かな熱い気持ちを聞いたわけであります。当たり前のことでありますが、水道局のご使命というのは、市民により安全に、いかに市民負担を少なくして水を届けるかということでございます。札幌市の日々の質の高い給水は、皆様の努力の結晶と言えると思います。ところが、たった一回の災害の初動体制の停滞によって、すべての水道事業への市民の評価はひっくり返ることになります。万が一のために仕事をしていたら確かに切りがないわけでありますが、それでも天災が多いカントリーリスクを背負った日本に私たちが住んでいる限り、そのリスク管理は通常事業とセットでなければいけません。だからこそ、例えば、応急給水体制の不確実地域への対策を急ぐべきである、このように私はずっと言い続けますし、そしてまた、仙台市の教訓を我が身のことのように検証し、吸収し、事業に生かしていくことがまさに市役所の皆さんの役割である、私はこのように思うところであります。  そのためにも、今、給水部長からお話がございましたけれども、地域の声を聞くこと、あるいは、地域に皆さん方のご努力というもの、水道局の声をしっかりと発信すること、これは、ホームページとか冊子だけではなくて、実際に地域を歩いてください。しかるべき方々がいますので、そういった方々としっかりと対話をして、住民の理解と協力を得ていただきたい。皆さん方のそういったご努力が水道の応急体制をより確実なものにしていく近道である、僣越ながら、私からこのように助言いたしまして、質問を終えたいと思います。 ◆植松ひろこ 委員  私からは、水道事業におけるエネルギーの節減と停電時の対応についてお伺いします。  ことしは、3月に東日本大震災が発生し、9月には台風による降雨災害が発生するなど、自然災害の脅威を再認識する一年となっております。このような大きな災害が起きると、電気・水道・ガスなどのライフラインも被害を受け、市民生活に大きな影響を及ぼします。特に、東日本大震災で発生した東京電力福島第一原子力発電所の事故の影響により、定期点検等で、稼働停止していた全国の原子力発電所の再開のめどが立っておらず、また、中部電力浜岡原子力発電所の停止などにより、発電量が減少し、電力需要に対応できなくなる事態が予想されました。  この電力不足に対応するため、政府は、東京電力管内及び東北電力管内の大口需要家に対し、電気使用の削減を義務づけるとともに、計画停電を実施するなど社会生活に多大な影響を及ぼしました。こういったことは、改めてライフラインの重要性を認識し、自然エネルギーの活用や消費エネルギー自体を少なくするシステムの採用などの対策がこれまで以上に重要であると痛感しているところです。  既に、札幌市水道局では、省エネルギー対策として、1984年、昭和59年から藻岩浄水場に水力発電設備を導入しており、2007年、平成19年には、より発電効果の高い設備に改修しております。さらに、昨年度には配水センターに太陽光発電設備を新設したと聞いております。水道局の環境報告書によりますと、2009年、平成21年度における水道局の電力使用量は3,066万キロワットアワーであり、年々減少傾向にあることがわかります。また、藻岩浄水場水力発電所の平成21年度の実績は、発電電力量が297万キロワットアワーであり、そのうち消費した電力量が185万キロワットアワー、売却した電力量が112万キロワットアワーであったと報告されています。  そこで、質問ですが、直近の2010年、平成22年度において、水道局の電力使用量はどう推移したのか、自然エネルギーの導入による電力の節減効果についてお聞かせ願います。 ◎佐渡 浄水担当部長  まず、平成22年度における水道局の電力使用量の推移についてお答えいたします。  平成22年度の電力使用量は3,015万キロワットアワーであり、前年と比べ約2%の減少となっております。また、自然エネルギーの導入効果でございますが、藻岩浄水場の水力発電設備は、委員がおっしゃるとおり、昭和59年に導入し、平成19年にリニューアルしております。現在は、水力発電による電力を藻岩浄水場及び同じ敷地内にある水質管理センター、水道記念館で使用しております。年間の発電電力量は、平成22年度決算値で315万キロワットアワーであり、このうち204万キロワットアワーを場内の施設で消費し、場内で使用する電力の約96%、水道局全体でいきますと、電力使用量の約7%を賄っております。消費できなかった余剰電力111万キロワットアワーについては北海道電力に売却しており、その経済効果は平成22年度決算値で約1,250万円となっております。また、太陽光発電設備については、ことしの2月から稼働しております。発電した電力はすべて配水センターの庁舎で消費しており、稼働開始から9月末現在まで約8,800キロワットアワーを発電し、配水センター庁舎で使用している電力量の約5%を賄っております。  なお、水力発電及び太陽光発電による電力量については、水道記念館においても表示しており、市民の皆様にもPRしているところでございます。 ◆植松ひろこ 委員  水道局での電力使用状況や自然エネルギーを有効に活用していること、特に、水力発電については非常に大きな効果があるということは理解いたしました。環境報告書では、全国の水道事業の電力使用量は、国内電力使用量の0.86%を占めているのに対し、札幌市水道局の電力使用量は、札幌市全体の電力使用量の0.33%となっています。また、配水量1立方メートル当たりの電力使用量では、13大都市平均が0.3キロワットアワーなのに対し、札幌市は0.16キロワットアワーであり、ほかの都市に比べ、札幌市は少ない電力で水道事業を進められていることがわかります。これは、札幌市が扇状地である地形特性を生かし、浄水場や配水池などを川の上流や急流地に建設し、水の持つ位置エネルギーを利用した自然流下により配水することでエネルギー使用量を低減しているとあります。  そこで、お伺いいたしますが、そのような効率的なシステムが構築されている中で、近年においても行っているエネルギーの節減の仕組みなどがございましたらお聞かせ願います。 ◎佐渡 浄水担当部長  エネルギーの節減の取り組みについてお答えいたします。  委員のおっしゃるとおり、札幌市は、給水区域の4分の3を自然流化で配水していることにより、他都市と比較してエネルギー使用料が少なくなっております。これは、創設当初からむだのないシステムづくりを目指してきたことによるものでございます。  しかし、札幌市におきましても、一部の地域ではポンプを使用して水を配っているところがございます。近年の取り組みといたしましては、これらの地域へ水を送るためのエネルギーがより小さくなるように施設の配置や水を送る系統を変更することで電力使用量の抑制を図っております。例えば、西岡、福住地区に配水している羊ケ丘配水池は、以前は澄川ポンプ場から水を送っておりましたが、高低差が大きく、能力の大きなポンプが設置されておりました。そこで、澄川ポンプ場の更新時期を迎えるに当たり、より高低差の小さい西岡高台配水池の敷地内にポンプ場を新設することにより、今までより小さなポンプで水を送ることができるようになりました。この変更により、羊ケ丘配水池の送水に必要な電力量は約3割削減することができました。  こうした大規模な施設整備による取り組みに加え、例えば、ポンプ施設を更新する際には、ポンプの使用や台数を見直すことで消費電力の低減が図れないか検討するなど、さまざまな形でエネルギーの削減を進めております。 ◆植松ひろこ 委員  現在もエネルギー削減に向けてさまざまな取り組みをされているということで、今後もこのような環境に配慮した取り組みを積極的に進めていただければと思います。  今回の震災による被害は、私たちの想像をはるかに超える甚大なものでした。水道も例外ではなく、地震により多くの水道管が破損したことに加え、発電所の停止や送電網の破壊によって発生した停電の影響もありました。特に、仙台市では、地震発生後、数日間にわたって停電が続き、その間の水道水の供給に大変な苦労をされたと聞いております。  そこで、質問ですが、札幌市の水道局においては、停電に対しどのような対策をとっているのか、特に今回の震災のような長時間にわたる停電への対応についてお伺いいたします。 ◎佐渡 浄水担当部長  水道局の停電への対応についてということでお答えいたします。  まず、本市の基幹浄水場である白川浄水場、藻岩浄水場、送水・配水施設の総合管理を行っている配水センターにつきましては、北海道電力の二つの系統から受電が可能となっており、送電系統に起因する停電に対する安全性は高くなっております。また、浄水場やポンプ場の主要施設には非常用発電設備を設置しており、その運転に必要な燃料については平均して約17時間分を備蓄しております。  平成16年の台風18号の際には、強風の影響により多くの送電系統で大きな被害を受け、市内各所で長時間にわたる停電が発生しました。水道局の西野浄水場においても送電線断線により浄水場が停電になりましたが、非常用発電設備を7時間にわたって稼働することにより、浄水処理を停止することなく対応できたところでございます。  しかしながら、今回の震災で仙台市の浄水場では平均70時間、最長で98時間に及ぶ停電が発生しており、委員のご指摘の数日間にわたる停電に対しましては、燃料補給が滞った場合には現在の備蓄量では対応できない状況でございます。したがいまして、燃料の優先供給契約や燃料タンクの容量の見直しなどについて検討を進めているところでございます。 ◆植松ひろこ 委員  今回の東日本大震災のような災害は、また、いつ、どこで起こるのかわかりません。ただいまの答弁にもございましたが、長期にわたる停電時の対応については大きな課題でありますので、早急に検討を進めていただきたいと思います。  福島第一原子力発電所の事故を受け、電力はどのようなときでも十分な量が安定して供給されるとは限らないという現実を私たちは目の当たりにしています。水道局としても、ライフラインを維持するため、ほかに依存しない自前のエネルギーとして、今後も自然エネルギーを積極的に導入するよう、ぜひご検討いただきたいと思います。  また、今後、高度成長期に整備した施設が更新の時期を迎え、施設・設備の大規模な改修の機会が多くなると思いますので、その機会を活用し、エネルギーの節減をさらに意識した再構築、再整備を検討していただくことを求めまして、私からの質問を終わります。 ◆伊与部年男 委員  私から、財政問題について、数十点になるかもしれませんが、質問いたします。  水道局は、ご案内のとおり、昭和12年のうし年生まれです。委員長も副委員長もうし年生まれですが、12年でなくて、24年生まれです。そんなことで、忘れることのできない昭和12年にできた水道局でございます。  まず、冒頭、どこから質問するかなと思って今考えていました。水道局は、まさに、74年間、60年間では20回値上げしたが、その後、14年間に一回も値上げしていない。すなわち、平成9年から今日まで、14年間、一銭も料金を改定していない、値上げしていない。これは、大変な皆さんの努力、議会の努力だと思いますよ、はっきり言って。一言つけ加えておきたい。  その中でも特徴的なのは、水道局の会計決算書の51ページの決算総括表、これを見ると、商業簿記、工業簿記、銀行簿記もありますけれども、少し簿記をかじった人は、これを見ると財政状況が大体わかります。しかし、わからないところが二つある。  一つは、この決算総括表に資産維持費という名目はどこにも出ていない。資産維持費は、今、40億円あると言っている。そして、資産維持費は、平成9年の料金改定、14年前ですね。14年前から単年度5億円の資産維持費を料金原価に入れているわけですよ。そうすると計算が合わないですね。14年間のうちに40億円しか資産維持費がたまっていないということはないのであって、8年で40億円だから、あとの年数の資産維持費はどこに行ったのだ。総括表には資産維持費なんていう名前で一銭も出ていませんよ、はっきり言って。ことしの決算で言うと、純利益が46億円です。これは損益計算書を見ればわかるわけですけれども、資産維持費なんて全然出ていない。もう一つは、貸借対照表を見ると資金残高が63億円あるのです。片や、純利益が46億円、片や、63億円の資金残がある。極めて健全な財政状況で進められている、そういう状況にあるのですよ。これは、ほかの企業会計から見たら、大変すばらしい会計を行っているなという印象を持ちます、率直に言って。  そこで、わかりやすく質問しますけれども、まず、資産維持費の現在高と、それから、今使っている推移をわかりやすく答弁願いたいのと同時に、資金残の63億円、これについてもあわせて答弁してください。  委員長、これは、順次わかりやすく質問していきますから。 ◎森 総務部長  資産維持費についてのご質問でございますが、資産維持費は、平成9年度から料金原価に算入いたしまして、平成22年度におきましては、資産維持費相当額として13億8,700万円を一たん利益に計上した上で建設改良積立金として利益処分いたしまして、建設改良のための財源として活用しております。このように長期的に資産維持費を活用いたしまして、企業債依存体質の改善や建設改良の財源として使っていくことによりまして、その部分が資金残高の方に蓄積されまして、目標としておりました40億円は、その部分の資金残の中に含まれている状況になってございます。 ◆伊与部年男 委員  質問はわかりやすくしているのだけれども、わかりづらい答弁で、今、何を答弁したか、わかりませんよ。わかっている人がいたら、答弁をしてもらいたい。  委員長、わかりますか、今の答弁。私はわからない、はっきり言って。  資産維持費というのは、この総括表に載っていないけれども、総括表のどこに入っているのですかということをまずわかりやすく答弁してくれなかったら、資産維持費という名前は、言葉自身、字面自身、出てこないんだから。隠し財産みたいな、埋蔵金みたいな金を、はっきり透明性を発揮して、平成9年から今日までの資産維持費の内容、実態、そして、今はどういうふうに備蓄されているのか。資金残の中に入っているなんて、とんでもない話ですよ。資金残は資金残でしょう、これは。46億円の今回の純利益の中に入っているのですか。入っていないでしょう。入っていますか。入っているのだったら、どこにどういうふうに入っているか、きちっと答弁してくださいよ。 ◎福澤 財務課長  ただいま委員からご質問のありました件につきましてご説明いたします。  資産維持費につきましては、平成9年度から料金の原価に算入することが認められておりまして、先ほど答弁いたしましたとおり、単年度14億円を水道料金の収益の中の計算として入れております。したがいまして、資産維持費という名称自体はこの総括表には出てこないのですけれども、そこの部分につきましては、利益としまして一たん出したものを資本的支出の不足を埋めるための財源として、毎年度、予定処分をかけさせていただいて使わせていただいているものです。  それから、先ほど申しました残高の部分につきましては、資産維持費のうち5億円については、経営安定化のための資金として40億円をめどにためるようにという議会からのお話をいただきまして、平成9年度から8年間で40億円をためてきております。その部分につきましては、利益としてたまってきているものですので、資金残の中を構成する一部となっています。したがいまして、名称としては資産維持費というものはないのですけれども、今の資金残を構成している一部というふうにご理解いただきたいと思います。 ◆伊与部年男 委員  わかりました。  それでは、先に進みます。  今回、修繕引当金というものをことしから75億円確保したと出てきました。そのほかに退職給与引当金も75億円です。合計150億円の引当金を計上しております。  そこで、窪田監査委員に質問したいのですけれども、監査委員報告によりますと、この修繕引当金は見直すべきだという指摘をしております。同時に、もう一つは、修繕引当金については算定方法を変えるべきだ、こういう監査報告が出ております。これを指摘して、水道局からどういう回答があったのか、これをひとつ明らかにしていただきたいと思います。 ◆窪田 監査委員  ただいまのご質問について答弁申し上げますが、委員の指摘された箇所は、札幌市の監査報告書の27ページに出てまいりますけれども、これは指摘事項というわけではございませんで、意見としてこうした方がベターではないかという指摘をしているわけでございます。ですから、当局から直接それについての回答をいただくことにはなっておりません。  内容は、委員がお述べになったとおり、もう少し合理的な算定方法に改めるかどうか検討をいただいたらいかがでしょうかと、こういう監査委員の意見を付記したということでございます。 ◆伊与部年男 委員  そこで、水道局にお尋ねしますけれども、今、窪田監査委員が答弁したように意見として出したと。これを受けとめて、水道局はどういうふうな見直しをしようとしているのか、明らかにしていただきたいと思います。 ◎森 総務部長  修繕引当基準額については、ご指摘のあったような経緯がございまして、今回の監査委員の報告意見の中で述べられております。その中で指摘された事項につきましては、今後の予算編成等におきまして、今回の監査意見を踏まえまして引当金の設定目標額について検討していきたいと考えております。具体的には、現状では修繕対象固定資産の前年度末の帳簿原価の2%、わかりづらい表現で恐縮でございますが、こうなっておりますけれども、決算において基準額が89億円でございます。この基準額が過大あるいは過少にならないように、適宜、見直しを行っていきたいと考えてございます。 ◆伊与部年男 委員  退職給与引当金の件についてはどうなっているのでしょうか。退職給与引当金に75億円を積んでいるのですよ、ことし。例えば、職員部に尋ねましたら、退職金は1人平均して大体2,500万円だと。水道局の去年1年間の退職者は62名ですよ。そうすると、約15億円で済む。75億円を積んでいるのですけれども、これは、一体どういうふうな基準で75億円の退職給与引当金を積んでいるのか。これから引当金をどうするのか。  それから、今、森部長が答弁しましたけれども、89億円の修繕引当金は基準があるのですか。基準なんてないのでしょう。適当と言ったら怒られるかもしれないけれども、89億円の修繕引当金の基準をどこに定めて、どういうふうに計算してそういうふうになったのか。89億円ですから、そのうち75億円は引当金でたまったと。あとの14億円は今後どうなるのか。それも含めて明らかにしていただきたいと思います。 ◎森 総務部長  修繕引当金の基準額でございますけれども、先ほど大変わかりづらい表現でお話しせざるを得なかったのですが、お示ししましたように、基準額が幾らを基準とするかということについては、目標として毎年度の修繕対象固定資産の前年度末の帳簿原価の2%という計算になります。これで平成22年度決算で計算しますと約89億円という基準額が設定されるわけですけれども、実際に引当金の残高というのは、平成22年度決算では約75億円になっておりまして、まだその基準額には満たない状況になっております。  ただ、この額総体といたしまして、たびたびご指摘がありますように、これから大量の施設の更新期を迎えてまいります。札幌市の水道施設は、昭和40年代を中心に大規模な建設が行われてまいりましたので、耐用年数がだんだん近づいてくる中で一気に大量の更新需要が出てきます。そういった資金需要に対応するためには、計画的な対応が必要であるという中でこのような引き当てを行ってきた経過がございます。  しかし、75億円という残高がございますので、平成22年度の段階で将来的な修繕費の増加にも対応できる額となってきたと考えておりますので、今後は、定期監査でご指摘のあった内容を踏まえまして算定方法を検討していきたいと考えているところでございます。  それから、もう1点の退職給与引当金についてでございますが、水道局では、平成16年度から退職給与引当金の計上を開始しておりまして、引当残高は約75億円となってございます。水道局の退職給与引当金は、現在、期末要支給額を基準としておりまして、水道局の職員全員が退職することを前提にした場合は幾ら必要になるかということを基準として設定してございます。  確かに、委員ご指摘のとおり、水道局の職員全員が退職するという事態は想定しにくいところではございますけれども、平成26年度から施行される予定でございます新しい地方公営企業会計基準におきましては、退職給与引当金の計上が義務化され、その基準額は期末要支給額による、札幌市の水道局が今行っているような考え方によるということとされる見込みとなってきております。  水道局では、この新しい会計基準に沿いまして、期末要支給額を基準とした退職給与引当金の運用を今後も続けていきたいと考えておりますが、先ほど申し上げましたように、今後、施設の大量更新を迎える厳しい経営環境の中で、財政上、柔軟に対応する必要が出てくることも考えられますので、その際には議会とも十分にご相談させていただきながら考えてまいりたいと思います。 ◆伊与部年男 委員  引当金の件については、議論すればさまざまな見方、考え方がございますから、今、どういうものが正しいかというものは答弁できないと思います。そのほかに、水道局は減価償却費を120億円ぐらい積んでいるのですね。見ていますね。減価償却費だって、当年度分の損益勘定留保資金としてほかに使っていますね。これはどこに使っているかといったら、施設の整備その他に使っているわけですよ、120億円、内部留保資金として。金があるじゃないですか。それなのに修繕引当金を積んでいる。さらにですよ、さらにつけ加えていいますと、施設の更新積立金をことしから20億円積み立てている。がっぱり金があるのに、また積立金を20億円も積み立てている。これはどういうことなんですか、この積立金、20億円は。ことしから、何年間積み立てるの、何に使うために。施設の老朽化だとかなんとかと答弁するでしょう、もう決まっているのだから。しかし、優先順位を決めて、徐々に、費用の中に減価償却費も入っているし、修繕費も入っているし、さまざまなことが入っているわけだから、あえて施設更新積立金、それから修繕引当金、さらに退職給与引当金、こういうものをどんどんどんどん名目的につくって帳じりを合わせるという水道局の企業会計のあり方はいかがかというふうに私は思いますよ。  同時に、だらだらやっていたら時間も大変だけれども、まだまだあるよ。これからやっていったら1時間ぐらいかかる。腹が減ってきたからやめろという声は出ないけれども、そういうふうな目つきが私の方に向かってきているからこの辺でやめますが、いずれにしても、積立金の20億円の件については、いま一度、答弁願いたいと思います。 ◎森 総務部長  今までいろいろご指摘のありましたように、いろいろな積み立てを行っている背景には、高度経済成長期や政令指定都市への移行などを初めとしまして、先ほども申しましたけれども、本市の発展に伴い急激な整備拡張を行ってきた札幌市のまちづくりの特徴があると思います。このようなことで、水道事業は、今後、維持管理の時代へ移行する局面を迎えております。そうしますと、初期投資と同じように急激な資金投資を行わなければいけないことになるのかということになりますが、そうしますと安定した財政運営が難しくなってくるという状況がございます。そういうことを防ぐために、世代間の負担の公平も考えつつ、一つは積立金を用意して自己資金による更新を進めていくことが一方で必要であるとともに、やはり一定の額、過大になりますと財政構造を圧迫し、硬直化させますので、その点は留意する必要がありますが、企業債を活用して世代間の公平な負担の平準化を図る、そういう両方の考え方をとりながら、全体的な持続可能な維持管理の時代に即応した財務体質に変えていくことが必要ではないかと考えております。  そのために、今回、大規模な更新が必要となっておりまして、特に、札幌市のかなりの部分、90%以上の浄水を行っております白川浄水場の更新が平成30年代に出てきます。この更新につきましては、少なくとも520億円程度の金額が必要となり、非常に大きな更新費用がかかるということがございます。したがいまして、今回の施設の更新の積み立ては、この更新に対応するために平成22年度決算から計上を始め、520億円に対応するために積み立てていきたいという内容でございます。水道施設更新積み立ての目標額につきましては、この520億円の更新事業費の半分程度の積立金を確保することを目指しておりまして、残りの半分につきましては、事業の先送りなどによって確保する財源のほかに、一部、企業債の借り入れなどにより対応していきたいと考えております。  そこで、当面は、5年計画の期間でございます平成26年度までに100億円の水道施設更新積立金の確保を目標としております。このことと事業の先送り等をすることによって、資金がタイトになりますので施設の修繕がなかなか厳しくなるということも出てまいりますので、修繕の引当金を活用しながらバランスのよい維持管理の時代に即応した財務体質をつくりたい、そういう考え方でございます。 ◆伊与部年男 委員  もっとわかりやすく答弁していただきたい、本当に。  その520億円の白川の浄水場の更新だとかなんとかと言っていますけれども、一遍に520億円をどんと組んで、白川浄水場を全部新しくするわけじゃないんでしょう。そんなことをしたら、札幌市では水を飲めなくなってしまいます。順次やっていくんだ、順次。そうすると、例えば、ことしみたく46億円の純利益がある。資金残だって、63億円ある。順次やっていけば――積立金は必要かもしれない。今、520億円と言ったら、520億円が本当に必要なのかと、今すぐね。すぐというか、5年か10年後に。そういう答弁はだめですよ。やっぱり優先順位を決めて、白川浄水場だって大きい1、2、3の浄水場があるわけですから。それを端的にきちっとわかりやすく、ここには幾らの金がかかる、ここには幾らの金がかかると、そういう計画書をきちんと出して、示して財源を裏づけしていく。そういう方針を明らかにしなかったら、今、森部長がべらべらべらべら、牛のよだれみたいな答弁をしたってだめだ、はっきり言って。  さらにつけ加えて言いますと、水道局に一般会計から幾ら出ているか。水道局に一般会計から事業会計の繰出金、2,300万円は消火栓の新設65基とか、定山渓ダムの建設分等に4億4,500万円が入っています。それから、水道事業会計の出資金ですが、当別ダムに10億円です。基幹施設耐震化分が1億8,600万円です。これを含めますと、大体17億円を一般会計から水道局に持ち出し、繰り出ししている。多少、国からの交付金というか、補助金もあると思いますけれども、少なくとも半分以下は一般会計から持ち出している。片や、じゃぶじゃぶ金が余っているのに、片や、一般会計からまた引っ張っていく。こういうことはやめた方がいいんじゃないかと私は思うのですけれども、いかがですか。 ◎森 総務部長  一般会計からの繰り入れにつきましては、定山渓ダムに係ります元利償還金や子ども手当等に充てる一般会計の補助金、それから、石狩西部広域水道企業団への出資金や平岸配水池の耐震化工事に係る経費に充てる一般会計出資金、それから、消火栓の設置等に充てる負担金というものがございます。これらは、いずれも総務省の通知に基づきまして繰り入れを基準内としてそれぞれの制度の裏づけがあって行っております。一部、地方交付税等によって措置が行われるという裏づけがついているものもございますので、これを繰り入れないことになりますと、札幌市全体として交付税措置が受けられないということも出てまいりますので、全体として札幌市総体としては有利な運用になっているというふうに考えているところでございます。 ◆伊与部年男 委員  何か苦しい答弁で、聞いている方が何かむずむずします。  最後に、私は今まで段々の話をしてきましたけれども、ずばり言って、金に余裕がありますね。引当金が150億円もある、修繕引当金、退職給与引当金、さらに今年度の46億円の純利益もある、資産残高が63億円もある、さまざまなお金があるわけですよ。今話したように、ことしから20億円の積み立てもする。これを全部合わせたら、計算したら、200数十億円という現金で水道局は使える金がある。  なのにですよ、ことし25億円、去年20億円、合計45億円の借金、企業債を組んでいるのですよ。一般家庭で言うと、奥さんががっぱりへそくりしているのに、それをわからないで、おやじが銀行に走っていって金を借りるのと同じだ、これ。そういう状況なんですよ。だから、これはね、企業債の45億円、今、企業債は全部で1,330億円でしょう。これに加えて、毎年こんな金があるのに何で借金しなければならないのだと。(「そこだ」と呼ぶ者あり)そこだ、本当に。これをはっきり答弁していただきたいと思います。 ◎森 総務部長  企業債の借り入れについてでございます。  先ほども少し触れさせていただきましたけれども、水道の施設というものは、長期間、安定的に使用する性質のものでございまして、その負担を世代間で公平に負担していくという側面もございます。そういう意味合い、機能を考えますと、企業債についても一定の借り入れを行うことは必要であろうと考えているところでございます。  ただ、札幌市の水道事業に先行します他都市の水道事業の借り入れ状況を参考にしながら、過大にならないように考えておりまして、他都市の借入額の状況を見ますと、おおむね建設改良費の約3割が目安になってございますので、このあたりを目安として借り入れを行っているところでございます。  ただ、委員のご指摘のとおり、健全経営の維持のためには、企業債残高の縮減も一方で必要であるということもございますし、そういう財務体質の改善ということから考えましても、借り入れの抑制は必要でございますので、借り入れを抑制しながら残高の縮減を図るとともに、一方で、施設の大量更新に当たり、できるだけ計画的な積み立て等も行いながら、企業債に過度に依存することのないような財源の確保に努めてまいりたいと考えているところでございます。 ◆伊与部年男 委員  一般市民が聞いたら、これは怒りますよ。金があるのに何で借金をしなきゃならないのだと。借金したら金利を払わなければならない。45億円の金利を調べたら、30年間で借りていますから、1億2,000万円も金利を払わなきゃならない。金があるのに借金して金利を払うと。それを、今、部長がいみじくも平準化するというか、孫子の代まで平準化して引き延ばすと。むしろ、親が子ども、孫に負担を与えないようにする、軽減するというのが、今の口ぐせの状態でないですか、国の連中が言っているのは。子ども、孫が逆に今の親たちを恨むような、そういう状況をつくってはいけないと思いますよ。  札幌市は健全な水道の財政状況があります。例えば、安いと言っている。江別と比べたら、札幌市の水は安いと言っている。江別の人は何でこんなに高いのだろうと。札幌から水を買っているからです。そんなことを言う人も、中にはいるのです。だから、本当に安い札幌市の水を、190万人の99.9%の給水人口で、100%近い給水を果たしているわけですから、そして、今、私が段々に話してきたようにお金があるわけですよ。なのに、金を借りて、さらに金利を払わなきゃならないのか。これは、だれに聞かせたって納得のいくような状況ではないと私は思いますよ。  管理者、さっきからうなずいているけれども、どうですか。 ◎北野 水道事業管理者  水道事業会計にかなり資金がたまっているというご指摘ですが、冒頭に伊与部委員からもお話がございましたように、札幌市の水道料金改定は、平成5年の段階で資金ベースから損益ベースへの変更を議会でもお認めいただきまして、それによりまして累積欠損金の解消を果たすことができました。さらには、平成9年度から料金原価に資産維持費を算入することについても議会のご承認をいただきまして、その資産維持費を活用することによりまして、先ほどもわかりづらいというようなお話がございましたけれども、建設改良費の予定処分という形で、資産維持費という表記はありませんが、利益処分の中で資産維持費相当額をお示しし、それによって建設改良の財源に充てておりますから、その分、企業債の借り入れを抑制することができて、企業債の金利軽減につながっているということでは、資産維持費は本当にありがたい限りで今日に至っているということであります。  次に、水道事業における私ども水道局の使命は、皆さんもよくご存じで、改めて言うまでもないのですが、安全で良質な水を安定的に供給することであります。そして、水道事業というのは、水源を起点にしまして、浄水場、配水池、配水管等の施設系の事業でありますことから、その施設の整備あるいは更新、維持管理については適切に行う必要があるというのが最も大事なことだと思っております。そういうことがきちんとできないと、まさに水をとめてしまうということですから、そこのところは私どもが一番肝に銘じなければいけません。  そのときに、施設の整備、更新については、先ほど伊与部委員もおっしゃいましたけれども、単年度という短いスパンの整備ではございませんので、かなり長期にわたっての整備が必要ということであれば、水道事業の経営というのは、やはり長期的な視点に立った上で事業経営を行っていかなければいけないということが非常に大事だというふうに考えております。そのためには、今、余裕があるうちに将来に向けていろいろな形で積んでおこうということが一つの考えでございます。  その中で、修繕については、その年々の予算の修繕費がなかなか賄えない場合について、修繕がおくれると、かえって施設の延命といいますか、更新時期の平準化にうまく活用できないということもございますので、一定の程度で積み立てをしておりますけれども、それが実際の決算の修繕費に比べてちょっと多いのではないかということが監査からのご指摘ですから、今それを踏まえて検討を進めているところでございます。  それから、施設の更新積立金につきましては、今回、地方公営企業法に基づく特定目的の利益処分という形で積み立てさせていただくということですから、一般的な建設改良の財源ではなくて、将来の施設更新に充てる財源として、これはほかに流用するときにはまた議会のご承認が要りますので、そういう形ではっきりと明示しておきたいということで新たにお願いするものでございます。  そして、施設更新で水をとめないために一番重要だと考えているのが白川浄水場の更新でございます。これは、平成30年代から更新に着手をしなければ施設がなかなか維持できないということがあって、そういう更新を、どういう順番で、あるいは施設規模も含めて、その計画を今まさに練っているところでございますので、これは、その計画がまとまるといいますか、途中経過も含めて、その都度、議会にもご報告させていただきたいというふうに考えてございます。 ○芦原進 委員長  以上で、水道事業会計の質疑を終了いたします。  ここで、およそ20分間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後3時49分       再 開 午後4時9分     ―――――――――――――― ○小須田悟士 副委員長  委員会を再開いたします。  次に、議案第4号 平成22年度札幌市軌道事業会計決算認定の件及び議案第5号 平成22年度札幌市高速電車事業会計決算認定の件について、一括して質疑を行います。 ◆坂本恭子 委員  私は、地下鉄の浸水対策について質問いたします。  この間も、災害にかかわって、災害に強いまちづくり、あるいは、防災、減災というようなテーマでそれぞれの部局でも質疑がありました。私は、地下鉄の浸水対策について質問したいと思いますけれども、近年の異常気象による集中豪雨あるいはゲリラ豪雨が多発している中で、本市でも、都心部などでの豪雨の対策ということに大変多くの市民の皆さんが不安を持っていらっしゃると思います。一たん地上に落ちてきた雨、水というものは、下へ下へと流れていきます。それが地上部から地下、地下鉄へという流れに変わっていくというのが大都市の特性だというふうに思いますけれども、この地上から地下鉄に流れ込む水は、最終的には地下鉄駅構内にもこれが流れ込んでいく、それからホーム、また、さらにホームの下、軌道の部分というようなところにも雨水が流れ込んでいく可能性があります。洪水ハザードマップに基づいた豊平川が決壊したときのシミュレーションがDVD等でも出回っておりますが、そこでも、都心部に限って、地下鉄駅構内に水が流れ込んでいく、瞬時に大変な状況になるというようなものが映し出されております。例えば、高圧線が水没すれば電気系統がやられますから、電車が全く動けない状態になるということも想定できるわけです。乗客がいれば、あるいは、ホームに乗降客がいればというようなことも、時間帯によっては大変大きな混乱が起きる懸念があります。  大変大きな事態が起こり得るということが容易に想定される、思い浮かぶわけですけれども、札幌市の地下鉄駅構内への浸水被害はどのように想定しているのか、浸水に対応するためのどのような施設整備がされているのか、体制を講じているのか、この点について伺いたいと思います。
    ◎田畑 高速電車部長  駅構内への浸水被害想定とか、それから、浸水対策についてお答えしたいと思います。  地下鉄駅構内への浸水につきましては、委員が先ほどおっしゃいました洪水ハザードマップに基づいて被害を想定してございます。地下鉄施設での漏水とか雨水の流入、こういった比較的規模の小さな浸水に対しましては、一たん排水槽に貯留しまして、これをポンプで下水道に排水する、そういった構造になっております。  また、地下鉄施設内に浸水が発生しまして、列車の運転継続が危険となる可能性がある場合には、速やかに運転を中止しまして、駅でお客様をおろし、避難していただくことにしております。そして、駅では、駅出入り口や周辺の状況にも留意しまして、速やかにお客様の避難誘導を行うこととしております。駅構内への浸水を防ぎ、お客様を安全に避難誘導する時間を確保するためには、浸水の可能性のある24駅すべてに土のうを配備しております。  また、今年度につきましては、近年、開発されました短時間で設置が可能な止水シートというものがございまして、これの試験導入を行いました。その効果について検証いたしましたけれども、比較的良好であったということで、今後はこれを積極的に導入していきたいというふうに考えております。  なお、土のうとか止水シートなどの浸水対策資材などの使用方法、あるいは、お客様の避難誘導につきましては、毎年、駅関係職員に対して実践的な防災訓練を実施しているところでございます。 ◆坂本恭子 委員  軽い被害状況のときにはポンプで排水する、それから、運転ができないような状況が想定されたときには、即座に運転を中止し、乗降客を駅出入り口から避難誘導するというようなことでしたけれども、乗降客、駅を利用される方に対しては、安全に避難をさせる時間を確保するために土のうを整備しているのは24駅で、それから、止水シートを実験的に一つの駅で導入したと。資料をいただきましたが、中島公園駅に止水シートが3基導入されております。  これでは、大変な状態になるのではないかなという想定があります。実際に利用されていらっしゃる方も、今、本当にいろいろな災害のことで不安になっていらっしゃる、今もしここに水が入ってきたらどうしよう、どうやってここから逃げるのだろうというようなことを、本当に皆さんは毎日考えていらっしゃると思うのですね。そういう中にあって、私は、水が入ったら逃げ場がないようなところで、土のうを整備しているから安全に避難させる時間が確保できるというようなレベルではないのではないかなと。そして、止水シートについても、まだ中島公園駅一つにしか導入されていない。実証調査も行いながら導入していくことになるのかなというふうには思いますけれども、抜本的な対応ということにはならないというふうに思います。私は、これは大変なことだと思うのですけれども、2点について改めて伺います。  まず、都心部、とりわけ大通、それからさっぽろ駅などでしょうか。地下鉄が東西線、南北線、それから東豊線と交差などをしている駅です。それから、地下街があります。新しく開通した地下歩行空間があります。こういう中で、民間ビルが建っていますから、当然、これが地下の部分と接続されている。それから、地上から地下街あるいは地下鉄に連結する直接の出入り口というものが設置されています。こういうところから水が流れ込む可能性というのは極めて高い。それが地下鉄駅の中に流れ込む可能性というのは極めて高いと思うのですが、ここら辺は、接続する地下街、民間ビルなどとの間でどのような連携をしているのか、とりわけ浸水対策についてはどのような体制になっているのかということについて伺いたいと思います。  それから、実践的な避難訓練を行ったというお話がありました。  昨年の11月30日、参加人数が20数名で、指令所、それから交通局の運輸課、また、財団の駅管理部の方たちが参加をした浸水対策訓練というものが行われております。さらに、ことしの10月4日から7日の4日間、これも、交通局運輸課の職員の方、それから財団の駅管理部門の方、4日間ですから延べで109名の方が参加していらっしゃいます。  昨年の場合は、気象情報と関連情報の入手等、それから、指令所と各駅における情報共有などが行われております。ことしは、止水対策の資材の設置訓練、これは先ほどお話があった止水シートが1カ所で導入されたということがあるのでしょう。土のう、止水シートの設置訓練、それから止水シートの実演が行われております。  そこで、避難について、直接、乗降客の誘導などに当たる駅の職員というのは財団の職員の方がすべてですね。それで、今回もこういう訓練に参加をしていらっしゃると思うのですけれども、時間帯によっては、駅の構内が無人になる時間帯があると思います。巡回しながら駅の業務を行っているというようなことがあります。ゲリラ豪雨ですから、幾ら気象情報を入手していたとしても、どこで、どういう状態で、どの程度の、それこそ想定外の水量になるか、雨量になるかわからない。こういうような状況のときに、果たして、無人の駅で、迅速かつ機敏な対応が可能なのかどうなのか。  それから指令所との役割ですけれども、先ほど、駅との間で情報共有を行うという訓練が行われた。さらには、そこから車両にも連絡が行って、必要であればそこで車両をとめてというようなこともあるのでしょう。では、この駅に車両は入ってきませんということ、それから水が来るかもしれないから避難をしてくださいと。入ってくる方と出ていく方の両方いらっしゃるわけですね。それを速やかに見きわめて、どっちの入り口から、例えば階段を使って上がってもらう、下におりようとする人を押さえるというような行動の一つ一つ、これらのことに対して今の駅員体制で可能なのかどうなのかということです。  さらには、ワンマン化の導入によって、乗員というのは、今、運転手の方お一人ですね。車内巡回の方もいらっしゃいますけれども、これも時間帯によって違うでしょうし、そもそもこういう災害が起こったときに対応するようなマニュアルをきちんと持っていらっしゃるのかどうなのか、そういう点も疑問が残ります。  乗客への連絡、誘導というのは、一体どういうふうになるのでしょうか。極度の人員減らしを行った結果、災害時に対応ができないというようなことはないのでしょうか。まず、この点について、2点お聞かせください。 ◎田畑 高速電車部長  まず、1点目の都心部の駅と接続する地下街や民間ビル等との防災の関係についてですけれども、主に都心部で地下鉄に接続している地下街、それから各ビルとは、交通局が個別に駅出入り口設置協定というものを結んでいるのですが、これに基づいた防災管理協定というものを締結しています。この防災管理協定の中では、これは主に火災が発生した場合を想定したものですけれども、直通のインターホンによる連絡とか、それから、適切な避難誘導を行うなどの対応となってございます。浸水が発生した場合も、これに準じた取り扱いをすることになっております。  それから、もう一つの、財団職員が少ない中でゲリラ豪雨等の集中豪雨があった場合に本当に避難誘導ができるのかという話でございますけれども、まず、駅が全く無人になるということはありません。最低でも2人の職員がいます。それから、集中的にどこかの特定の駅が被害に遭いそうだというような情報がもしあれば、それは直ちに指令の方に情報提供することになっておりますし、隣接の駅もしくは運輸課にも職員が常駐しておりますので、そこから直ちに応援に駆けつけることになろうかと思います。  それから、先ほどちょっと触れられました止水シートの関係ですが、これについては、土のうですと非常にたくさんの人手が必要になりますが、止水シートは1人ないし2人で十分に設置できるものでありますので、こういったものも活用しながら人員が少ない分については十分カバーしていきたいなというふうに思っております。  それから、災害発生時のマニュアルは、当然、交通局内で定めておりますし、これの指令、それから駅、運輸課、そういった展開は十分に行っているところでございます。 ◆坂本恭子 委員  マニュアルを持っているし、駅構内に2人は必ず常駐しているというお話もありました。  そういう中で、財団の職員同士の連絡というのはどういう形態で行われているのでしょうか。例えば、無線なり携帯電話なり、職務上、必要な通信機器を持ちながら、常に情報交換できるような状況になっているのか、その点について伺いたいと思います。  それから、2名は常駐をしている、また、必要であれば直ちに応援に駆けつけるということでありますが、例えば駅間の移動に関してどういう手段で移動するのか、何分かかるのか、こういうシミュレーションはお持ちなのでしょうか。そういうことも反映されたマニュアルというものを今現在おつくりになっているのか、その点について伺いたいと思います。  それから、先ほどちょっと触れましたけれども、駅構内で、おりてくる乗客、そしてそれを地上に上げるということで、これは、例えばラッシュ時など乗客の多いときを想定すれば、必要な人員数はかなり大きなものになるというふうに思うのです。ただ、すべての駅でラッシュ時間ですから、どこからどういうふうに駆けつけてくるのか、そういう時間帯ごとのマニュアルも必要だというふうに思います。そして、一人一人がどういう形で乗降客の避難、誘導あるいは整理を行っていくのか、こういう細かいマニュアルをお持ちなのかどうなのか、伺いたいと思います。  それから、防災管理協定のお話がありました。地下街等の施設管理者に対しては防災管理協定が結ばれていて、これは主に火災を中心にしたものだけれども、直接インターホンがつながったり、適切な誘導というようなことでの連携ができているということでした。  しかし、想定されるのは、地上部分から水が入ってくる、地下通路、地下歩行空間あるいは地下街というところにはそれぞれの店舗があります。あるいは、地下歩行空間であれば、物産展のような特設展示的なことがあって、商業スペースと展示スペースというようなブースに分かれていたり、あるいは、イベントが行われていたりというようなこともあると思います。それぞれの店舗ないしブースの中での連絡体制がどうなっているのか。あるいは、店舗の責任者、防災管理の責任者という人が必ずしもその時間帯にいるとは限りません。そういうときに、パート、アルバイト、いろいろな職種の方がお仕事をされていると思いますが、そういうすべての方たちにマニュアルの徹底というのが図られているのかどうなのか。  火災ということで言いますと、年に1回ぐらいは必ず地下街で防災訓練をやるというのがテレビ、ニュースなどで出ますけれども、浸水対策ということに特化した避難訓練はこれまで全くされていないというふうに思います。私はこういうことが必要なのではないかなというふうに思っているのですが、そういうような認識がおありなのかどうなのか、そのことについても伺いたいと思います。 ◎田畑 高速電車部長  まず、緊急時、浸水被害が起きたとき等の駅員同士の連絡はどうしているのかということでございますけれども、各駅に業務用の携帯電話を用意しておりますので、それを持って現場に駆けつけることになろうかと思います。  それから、先ほど答弁が漏れたような気がしますけれども、例えば、駅に入場するお客様、それから出場するお客様とか、朝夕のラッシュ時間帯とか、そういった細かいところまでマニュアルの中で考えているかということですが、これについては、現時点でそこまで細かいマニュアルを持ち合わせておりません。ただ、今考えていますのは、各駅ごとで、どこの出入り口を使ってお客様を避難誘導するかということについて、駅ごとにロケーションも含めて考えて、それをお客様にもお知らせしていく、そういったことを今考えている最中です。したがいまして、委員がおっしゃった、もっと細かい、より具体的なものもマニュアルの中にできれば反映させていきたいなというふうに考えております。  それから、もう一つの地下鉄駅に接続する施設管理者等との連携というようなことでございますけれども、まず、先ほど申しました個別の防災管理協定とは別に、例えば、札幌地下街を含む大通とか薄野のエリア、それからアピアを含む札幌駅のエリア、こういったところでそれぞれ防災に関する協議会が以前から組織されてございます。交通局も、この双方に参画しておりまして情報交換などを行っております。今年度、このうち札幌駅のエリアの方では総合消防計画に浸水を想定した対応も盛り込まれたところです。  今後につきましては、この両協議会などを通しまして浸水対策の実効性を高めていく、委員がおっしゃったような浸水に特化した合同の訓練の働きかけなどを行ってその実効性を高めていくとともに、地下鉄駅の施設と連続する施設管理者、ほかの施設管理者に対しても一層の連携強化、そういった協力を呼びかけていきたいというふうに考えております。 ◆坂本恭子 委員  まだ具体的なマニュアルは持ち合わせていないけれども、これから作成しながら利用者にも伝えていきたいというお話がありました。  やはり、今、市民の皆さんは、これだけ災害に対していろいろな関心、そして大きな不安を持っているわけですから、それにしっかりとこたえていく必要があろうかと思います。そういう意味では、具体的にシミュレーションしながらマニュアルをしっかりと持つべきだというふうに思います。  防災対策に対してこれから浸水の観点を盛り込んでいくというお話もありましたので、それは、接続する施設管理者に対しても積極的に協力を求め、交通局として連携を強化すると同時に、ちょっと話が戻りますけれども、浸水の可能性がある地下鉄の24駅に対して土のうを配置しているというお話がありました。まず、それぞれの駅で整備をきちんとしていくこと、それから、その後にお話をしたさっぽろ駅、大通、薄野というような地下で面的につながっているところの対応というのは、人の通りも違うわけですから異なると思うのですね。そういう意味では、地下鉄として、安全運行ということが大原則ですけれども、駅構内、それからホームをしっかり守っていく。それから、施設管理者などと一緒に協力しながら災害に強いまちづくりを目指していくために、交通局が、とりわけ地下鉄の部門がどういう役割を担っていくのか、こういうことも問われると思います。例えば、緊急輸送というようなことになりますと、大量輸送機関であります地下鉄の役割というのはまた違う意味で出てくるわけですから、そういうことに対しての危機管理も持たなければいけないというふうに思います。これは、改めて、今後の大変大きな課題であるということを申し上げておきたいと思います。  止水シートにつきまして、先ほど、中島公園駅で試験的に導入したということでした。そして、土のうとは違って、1人か2人で設置できるものなので有効だというお話がありました。私は、根本的には、止水板というものを設置して根本的な対策というものを講じていく必要があるだろうというふうに思っています。そういう本格的な対策を打つと同時に、この止水シートというものがいいという評価だったようですから、これについては、最低24とおっしゃるのであれば、今すぐにでもそのすべての駅に設置すべきだというふうに思いますけれども、これらについての考え方を伺って、質問を終わりたいと思います。 ◎田畑 高速電車部長  将来的に、まずは止水シートを、今、24駅とおっしゃいましたけれども、必要な駅に早急に入れていきたいと。  これの追加になりますけれども、止水シートの実証実験をしまして、土のうを積み上げたときには職員が手で運んでおおむね10分から15分ぐらいかかりましたが、止水シートを使ったときには1分ないし1分半で同じ効果が得られたということがあります。そういったことで、なるべく早くこれを入れていきたいというふうに考えております。  止水板につきましても、必要な駅と周辺状況等を勘案しながら、こちらもなるべく早く入れるように努力していきたいというふうに思います。 ◆松浦忠 委員  決算議会ですから、決算にかかわる質問を中心にしていきたいと思います。  まず、高速電車事業会計では、474億3,200万円の予算額があって、それに対する決算額が470億1,462万6,441円と、さらにまた、軌道事業会計もと。そして、ことしの第1回定例議会の質疑が終わった後に、大変立派な包括外部監査人の酒井先生の報告書が出されました。この報告書についての質疑は、本議会が初めてであります。これらに詳しくいろいろなことが指摘されて、私は、これをつらつら読んで思い起こされるのが、最初に包括外部監査人の制度が導入され、下水道局が対象になったときに、これよりももっと細かいことまで書かれていて、似ているなと、実はこれを読んでそういうことを思い起こしたわけであります。  そこで、これを全部やっていると相当時間がかかりますので、幾つか大事なことだけをやることにして、まず一つは、項目的に、決算報告と包括外部監査報告書にかかわる質疑、二つ目は、決算などを含めた路面電車の延長問題に対する質疑、それから、三つ目は、1定で議決した路面電車の台車、補正予算9,700万円の執行状況についてという3点に絞ります。  まず、一つ目ですが、いろいろなことがありますので、一つずつやっていきます。  最初に、私は、この監査報告書を読んだときに、実にわかりやすく、だれが読んでもわかるように克明に書かれていて、すばらしい監査報告書だなと思いました。  その中で、市長もおいでになっていますから、例えば17ページの補助金というところで、平成21年度は71億円と。結語として、「補助金支出金額の妥当性(過大ではないのか)については疑問が生じる」と、妥当性については疑問が生じる、いわゆる過大支出でないか、こういうことも書かれております。さらに、減価償却と債務の返済なども18ページに書かれていたり、るるいろいろあります。  この中で、一つ、37ページに共通ウィズユーカードの未使用額についてというのが出ております。ウィズユーカードを先に買って使っていないという額が、平成22年度のこの監査報告書によると64億3,335万6,000円あるのですね。あるんですよ、これ。これについて、ここにも書かれているように、22年度の決算報告書には書かれていませんけれども、これは、今後、どういうふうに予算書の中に計上してどういう処理をしていくのか。これは多額の額です。したがって、これについて、まず1点伺います。  これは、みんなが投げたという保障はまだないのですよ。持っているということで考えなければ、有価証券ですから。したがって、これについて、どういうふうに考えているか。  それから、2点目は、この監査報告書の中で、119ページから142ページぐらいまで書かれている契約内容についてであります。  この契約内容の中で、まず一つは、私は、ことしの1定の代表質問でも、以前からもずっと、いわゆる保守点検業務を含めて、一般競争入札に付するべきだということを強く主張していました。ことしの1定の代表質問での答弁は、平成23年度は駅舎の電力設備のみ随意契約から一般競争入札にするということだったのですけれども、22年度の随意契約から23年度に競争入札にした段階で、22年度は幾らの契約額で、23年度は幾らになって、実質、幾らの差益が出たか、その点について一つだけ具体例として示していただきたいと思います。  それから、報告書の中の145ページの統計資料7です。平成21年度における札幌市交通局委託契約の金額上位30件だとかと書かれていて、いわゆる随意契約が21年度は25件あるのですね。これに、例えば、エレベーターも4件あります。エレベーターだとか、時計だとか、ここに25項目がいろいろありますけれども、私は、この中で、どれ一つとっても一般競争入札にできないという確たる物理的な問題はないと思うのですよ。これについて、24年度以降、どういうふうにしようとしているのか、この点についてお尋ねしたいと思います。  まずは、決算と監査報告についての質問です。 ◎小西 事業管理部長  まず、1点目にお尋ねがございましたウィズユーカードの未使用額についてお答えいたします。  私どもは、現在、ウィズユーカードの経理処理につきましては、お客様がご購入いただいた時点で収入として計上させていただいております。したがって、収入を受けたものと、それから実際にお客様が使われた残額について、我々は退蔵と言っておりますけれども、未使用額として残っているというような形で、経理上、処理されるものでございます。  包括外部監査人からは、この処理の仕方について、まずは前受け処理という形で経理上の処理をして、実際に使用された時点で収入を計上すべきだというような指摘を受けたところでございます。私どもは、現実にそれをそのように適用するためには、買われたウィズユーカードを使用された時点と符合させるという作業が伴います。例えば、今月、使用されたウィズユーカードがいつ買われたものなのかということで適用させなければならないのですが、現在、システム上、それを符合させることが困難だということで、直ちに改善することはできない状況にあります。  いずれにいたしましても、プリペイドカードの経理処理につきまして、他都市の状況も踏まえまして、今後どのように改善できるのか、検討してまいりたいというふうに考えてございます。 ◎富澤 技術担当部長  まず、1点目に、平成23年度から入札化した案件につきまして、契約額がどう変化したかというお尋ねでございます。  今年度から、駅設備保守につきまして入札してございます。昨年度までの実績と比べまして、3件合計でございますが、平成22年度では実績が3件合計で6億500万円何がしと。これが23年度では5億9,400万円、その差は1,100万円ほどの契約額の節減に結びついたということでございます。  今後、そのほかの案件についてどのような考えかということでございます。  地下鉄施設につきましては、信号保安設備、また防災設備、そういったものを初めとしましてお客様の安全にかかわる設備が数多くございます。それらにつきましては、当然ながら万全な整備が求められます。また、万一、事故が起きたときの影響を考慮しますと、すべての保守業務を入札化していくことにつきましては、私どもとしては極めて慎重な対応が必要だというふうに考えてございます。  設備によって必要な技術は異なりますが、地下鉄の施設というのは……(「もうわかっているからいいから」と呼ぶ者あり) ◆松浦忠 委員  私は、毎回毎回、いわゆる必要だという能書きを聞く必要はないのですよ。そんなのは何十回も聞いている。きょうは時間がかなり押していますから、私は簡潔にやろうと思っています。  そこで、ウィズユーカードについて言えば、他都市をどうするとか、こうするとかでないのです。他都市は、札幌市の交通局の会計を助けてくれないのです。災害と違うんです。災害は助けがあるけれども、通常の経営の金銭上の問題は、他都市は助けてくれないのです。ヨーロッパのどこかの国のあの問題とは違うのだから、これ。  したがって、出されている64億3,335万6,000円というこの金額がいつ使われても経営に影響がないように、きちっとしておかなければだめでしょうと、私が言っているのは。そういうことでしょう。だから、監査人の指摘も前受けでと。これは、わかりやすく言うと、いつも出し入れする財布でなくて、家庭の中にある金庫の中に入れておきなさい、そして、来たときにその分を出していきなさい、わかりやすく言えばこういう金なんですよ。したがって、これについて、やっぱりきちんとどういうふうにするか。ここでいきなり回答しろと言ったって無理でしょうから、これはまた1定までの宿題にして、これで終わりにします。これは宿題です。  それから、いわゆる随意契約の関係ですが、管理者は経営者ですから。今、技術部長は部長としての心配事を、毎回、るる述べます。管理者は、経営的に見てその心配はここで割り切らなきゃいかぬというのが経営者であります。したがって、私は、経営者として、特に指摘されている25件、これについて、具体的に――例えばエレベーターです。市役所の本庁舎のエレベーターは、もともとを言えば、八王子市で、会計検査院か、監査委員か、どっちかから指摘を受けて、全国の自治体で初めて八王子市がエレベーターの競争入札をやったと。私の記憶では、そこに端を発して、ずっと今、来ているのですよ。(発言する者あり)それはずっと後の話なのです。始まりは八王子市なのですよ。  したがって、エレベーターで事故が起きてなんて言ったって、そのためにちゃんと高いお金を出して安全なものをつけておるし、保守点検もそれなりに技術のある人にやってもらっているのですよ。ですから、エレベーターなんかについては、いつでもできるのです。やれば下がるのです。さっきの話は、6億500万円のやつが1,100万円も下がったと。これだってまだ下がる可能性がある。そういうことからしたら、やっぱり、交通局の経営をどうするかという問題を皆さんはもう少し深刻に考えなければだめじゃないですか。何ぼ赤字になっても、市長に頼んだら一般会計で市長が埋めてくれるわと。そして、監査報告書の中で触れられていますけれども、例えば、皆さんの勤勉手当なんかも扶養手当も含めて勤勉手当が支払われている。これは、国家公務員もしていないよということを指摘しています。こういうものなんかは率先して交通局がやめますと、ほかの会計がやっていたとしてもですね。私は、そのぐらいの企業会計としてのあるべき姿があってしかるべきだなと私は思うのです。  その勤勉手当のことは横に置いて、管理者、来年以降、これをどうしようと考えているか、答えて。 ◎下村 交通事業管理者  ただいまの平成24年度以降の特命随契の見直しにつきましては、私どもは、当然、交通事業者でありますから、最大の使命は旅客の安全輸送、施設の安全な利用ということにかかわっていきます。しかしながら、そういったことを恒久的に今後も続けていくためには、不断の経営努力ということもこれまた重要になってきますので、特命随契の見直しをさまざまな角度から精力的に検証して、できることをどんどん進めてまいりたいというふうに考えております。 ◆松浦忠 委員  1定に向けて、来年度の契約に向けて、私も、随時、情報提供をいただきながら点検をしてまいりたいというふうに思います。  それから次に、二つ目の路面電車であります。  まず、きょうは、4月から新しく担当ができた市民まちづくり局路面電車担当部長の佐藤部長においでいただいていますから、南1条と南4条をつなぐ路面電車の費用が18億円と言われております。一言で言うと、結論は、つないで乗車人員が一体ふえるのか、ふえないのか、ふえるとしたらどの部分でどういうふうにふえるのか、その根拠は何なのか、お尋ねします。 ◎佐藤 市民まちづくり局路面電車担当部長  ただいまの南1条と南4条をつなぐループ化について、一体、つなぐとどれぐらい乗客がふえるか、その根拠はというご質問です。  まず、ループ化についてでございますが、西4丁目とすすきのの電停が接続されていないということで、東側の山鼻沿線の利用者が、札幌駅、大通方面に接続する西4丁目電停とか、官公庁のある西11丁目、医療機関が集積している西15丁目に向かう場合に、今は遠回りの西線経由となり不便でございます。これをループ化にすることで、どの電停間においても最短で移動できる手段が確保され、利用者が使いやすく乗客も増加する、利用促進につながるということがあるかと思っております。  また、路面電車は、人や環境に優しい移動手段であり、にぎわいのある都市空間を創出し、まちの魅力を高めるとともに、高齢者や観光客を含め、だれにとっても利用しやすい都心の重要な移動手段であるということで、現在、既設線のループ化に合わせ、デザイン性にすぐれた低床車両の導入、電停を初めとした街路空間の整備、さらには、地元商業者と沿線のまちづくりに取り組むということで、こうしたさまざまな施策をあわせて講じることで、多くの市民や札幌を訪れる人にとって利便性、快適性が向上するとともに、都心のにぎわいを高めることでまち全体の魅力と価値が高まり、それに伴って乗客もふえるのではないかということを期待しているところでございます。 ◆松浦忠 委員  抽象的な話ばかりであります。根拠がない。私は、その根拠と言ったのですよ。根拠が示されていない。根拠を示してください。数字ですよ。私が言っているのは、問題は、市民はこれ以上負担は嫌だよと言っているのです。したがって、負担をなくして、利用者負担で値上げして、こうやってやるから、これで収支が合うのだと言うのなら、それは一つの考え方ですから、それはそれとして聞きます。しかし、今のは、ただ抽象的な話だけで根拠がないから、根拠を示してください。 ◎佐藤 市民まちづくり局路面電車担当部長  根拠ということでございますが、今ループ化の計画の中身を検討しているところでございます。それにあわせて、どれぐらい需要がふえるか、乗客数、あとは工事費、その他を検討しているところでございまして、これをあわせて、今、整理しているところでございます。 ◆松浦忠 委員  多く寄せられている市民からの意見の中に、例えば、商業者はこういう意見があるのです。スーパーから始まって、デパートから、小売店から、コンビニからといういろいろな商業者の意見が市長に出されます。そういう中で、今まで皆さんが金をかけてよくやってきたのは、都心ににぎわいをつくり出すということで、バスを走らせてみたり、いろいろなことに金をかけてやってきました。今言われているのは、南1条の三越・丸井ゾーンに人がいない。駅前の大丸、東急、あの辺にずっと人が集まっていると。いわゆる駅前ゾーンと南1条ゾーンという言い方をしていますけれども、これは、札幌市が何の電車を走らせたって人は来ないのです。何かといったら、わかりやすく一つ言うと、お年寄りの人はこうやって私に言うのです。かつて、丸井でも三越でも階段の踊り場のところに長いすが置いてあった、行って、あそこに腰かけて一服できた、ところが、全部なくした、大丸はといったら、至るところにある、そうしたら、大丸へ行って、一服しながら、弁当を持っていって時間を過ごして、何か食材でも買って帰ってくると。あそこにはほかの商店もありますからね。一つとれば、そういう基本的な商業者の商売の仕方に起因しているのですよ。  そして、例えば、小売商店とスーパーを比べたら、スーパーへ行ったら何でもあって、小売商店よりもどっちかというと品物が安い。そして、今では、イオンなんかは、私の住んでいるところの周りを含めて、北郷を含めて、1時間に1本、無料の買い物バスを出すのです。着いて1時間たったら、また乗って帰ってくるのです。買い物する人も、しない人も行くのです。こういうふうにして、商業者が取り組んでいるのですよ。それを、何を今まで勘違いしてきているのか、やったってだめだよといろいろ話をしても、性懲りもなくやってきているのですよ。したがって、私は、そういうようなことで都心のにぎわいが出せるとかどうとかという問題ではないと思う。  これから検討するということですから、それだったら、沿線住民に、今あなたが言われたようなことを含めてきちっとアンケートをつくって、本当に利用してくれるのですか、今は利用していますか、こうやったら利用しますかというアンケートをとって、その上で、いわゆる意識調査の結果ではこのぐらいふえるようになりました、この乗客増による収入増はこれだけです、足りぬ分はこれだけ値上げをして、これで収支を合わせて交通局に引き継ぎますと。こう言うのならいいけれども、赤字のものを交通局が引き継いで、そしてまた、こうやって予・決算の議会で経営をもっとしっかりやれ、しっかりやれと叱咤激励される。これでは交通局の職員も精神的にかなりきつい。今までいなくなった人もいるけれども、やっぱりそうなる人だって出てくる。  したがって、そういう点について、きちっと調査を徹底的にやるべきだと思うけれども、部長、どうですか。 ◎佐藤 市民まちづくり局路面電車担当部長  ただいまの質問は、まず市民に対していろいろアンケートをしながら、経営を含めてトータルできちっと整理して問うべきではないかというご質問かと思います。  路面電車の延伸につきましては、まず、平成22年3月にその考え方を札幌市路面電車活用方針としてまとめまして、昨年1年間かけてさまざまな手法を用いて市民の意向把握に努めてまいりました。市内全区において、パネル展及びアンケート調査の実施、フォーラムの開催、無作為抽出により選ばれた市民による大規模な市民会議などを開催してまいりました。これらの市民意向を踏まえまして、まずは既設線のループ化に向けて、今年度、本格的な検討を進めることとしております。現在、交通局と連携をしながら、経営の収支や需要推計、延伸に係る事業費などの精査を進めておりまして、これらを路面電車活用計画としてまとめ、議会はもちろんのこと、市民の皆様の意見をお聞きしながらループ化を実現してまいりたいと考えております。 ◆松浦忠 委員  今まであなた方がやった調査というのは、いわゆる設問項目も含めて、都合のいいように答えが出るような調査なのですよ。いいですか、スーパーだとかコンビニが出店するときにどういう調査をやるか、どの区域でどういう調査をやるか、それを参考にしなさい。そうやってきちっと調査して、そして、やっぱり投資をしたら投資を回収できるようにやっているわけですよ。したがって、今までみたいな、いわゆる市の意向に沿うような説明をしたり、そして、こう言うと悪いけれども、アリバイ的にやっているようなことではだめなのですよ。  私は古いことを言いたくないけれども、市長が初当選したときに、いわゆる今の地下歩行空間をやるか、やらないかで、1,000人を集めて、今、ヤマダ電機になったSTVのホールに500人ずつ集めてやりました。私も市民公募で手を挙げたら、1,000人に足らなかったからみんな当選したのです。私は初日に行きました。10人のテーブルがあって、説明員がいて、そして、最初、何も説明なしでやったら建設反対は37%でした。1時間説明を受けて、各テーブルで10人ずつ討論して、その結果は49%に上がりました。もう1時間やって理解を深めたらもっと上がったと私は思う。  やっぱり、きちっとした資料を提供して、そしてきちっと意見を聞く。それから、本当に電車を利用する範囲のところで一定の区画を決めて、そこに徹底的に調査をかける、こういうことをやった上で投資をしていかないと。18億円のお金といったら、今、電車は170円ですか。この運賃でいったら、1,000万人の人が乗らなかったら、30年の償却としても年間30万人の人が乗らなかったら、今、電車に乗っている人はおよそ100万人でしょう。そんなもんでしょう。もっといるか、1,000万人いるか。100万でしょう。そうしたら3割ぐらい……(「700万です」と呼ぶ者あり)700万人、そうしたら、700万人だとしても、それにしても30万人ぐらいがふえなかったら30年でそうなっていかぬわけですよ。そうしたら、30年間のそんな予測ができるのですか。やっぱり、そういうことをもうちょっときちっとやった上でやらなかったら、私は、この4月の選挙も含めて、その後もいろいろなところを歩いたときに、いろいろなことを、中央区の人にも言われます。(「交通局の質疑でしょう」と呼ぶ者あり) ○小須田悟士 副委員長  松浦委員、路面電車の延伸は市民まちづくり局…… ◆松浦忠 委員  (続)これは電車の話だから、私は、路面電車の経営にかかわる問題だから言っているのですよ。 ○小須田悟士 副委員長  現在、交通局です。 ◆松浦忠 委員  (続)路面電車を委託するときに、一般会計でつくって、そして、施設の維持管理はやります、運営だけ委託するという方式にするのなら何も言いませんよ。関連しているから言っているのですよ。路面電車はどうですか。昭和49年ですか、48年ですか、この路面電車を今の8.5キロにしてから、市からの補助金がなくて、単年度で黒字になったのは本当に何回かしかないのですよ。ずっと赤字で来ているのですよ、いろんなことをやったって。  そうしたら、こういう議論はここでひとつ置いて、下村管理者に聞くけれども、あなたは、補助金をもらわなくて路面電車を黒字にできる方法を考えていますかどうか、教えてください。 ◎下村 交通事業管理者  路面電車を一般会計からの繰り入れを一切なしで黒字にできるかということでございますが、路面電車というのは都市基盤でもございます。さまざまな意味で使われていることでもございますし、それから、他都市と比較しても、積雪寒冷の中で同じような運賃で走っているということもございまして、これまで議会のさまざまな議論の中で一般会計からの繰り入れを受けて事業を行ってきておりますので、今後とも、できるだけ一般会計からの繰り入れを多く受けないでも頑張っていけるように努力をしてまいりたいというふうに考えております。 ◆松浦忠 委員  少なくとも、路面電車とバスと地下鉄の利用人員、これに対する一般会計からの金の投入、この投入の均衡を保たなければだめですよ、均衡を。バスの方は少ないですよ、地下鉄はうんと入れますよ、路面電車は少ないですよと、あるいは、バスよりももっと多いですよとか、年間利用人数に対する1人当たりの投入額です。細かいことは時間がないから言いませんけれども、ここのところをしっかり考えていかなかったらだめなのですよ。それが、いわゆる公平性の保てる政策なのですよ。それは、過疎地のところでどうしてもバスが走らせなけりゃならぬというようなところについては、こういう最低限のところは別問題ですよ。そういうような比較などもした上で、どうするのかという判断が求められているわけですよ。  したがって、私が市長に求めたいのは、市長、もっと、そういう緻密な計画をきちっと練り上げた上で、電車の建設についてどうかという判断を議会にも市民にも求めなければだめだと私は思うのです。ただ、お題目的な、標語的な選挙公約で、それで市民がわかった、上田さんを選んだから、上田さん、全部やっていいぞということではないと私は思うのです。そこのところを、個別の事案で大事なものについては、20年、30年の長期的なものについては、きちっとそのことをしなきゃだめだと私は思うのです。  そういうことを考えて、市長は、例えば、清田方面の地下鉄は反対の意思表示をしています。私は、あれは賛成です。そういうようなことにしないとだめなので、市長はそこのところをきちっと調査して示す意思があるかどうか、お答えください。 ◎上田 市長  これまでも、相当の回数といいますか、かなり長期間かけまして議論をしてきたつもりでございます。私は平成15年の就任でございますけれども、それ以降、直ちに市電の問題が議論になりましたし、そこで、17年の2月でしたか、まず存続させるという結論を出させていただいたところであります。これは、輸送力の問題があるということと、それから、今後、使っていって観光的な側面からもかなりの貢献ができるものだというふうな判断があったからだと思います。また、それを存続させるためにはどういうふうなことが必要なのかという議論もそこで行われて、藻岩山との関係だとか、あるいは、JRの駅との結節点をちゃんと設けるべきだというふうなことだとか、あるいは、新幹線が札幌延伸になったときに輸送力が向上していないと困るのではないかとか、いろいろな議論がなされているわけでございます。この間、一応、存続させるという意思決定をさせていただいた上で、市民の皆さん方にもできる限りの資料を提供させていただきまして、さまざまな議論をさせていただいているところであります。  松浦委員が出席されたという平成15年の1000人ワークショップ、あれと同じような規模でやるかどうかは別にいたしまして、細かにかなりの程度させていただいて、かなりの時間、7年ほどかけておりますので、この議論は、相当の部分、市民の皆さん方に正確な知識を持っていただきながら、現在のところ、松浦委員がおっしゃるように反対の方もいらっしゃることはもちろん承知しておりますが、その全体の割合は、多分、7割ぐらいの方はよろしいのではないかというふうな議論になっていると私は理解いたしております。そんな意味で、これからももちろん理解を深めていただくために、我々が持てる資料はなるべく詳しく説明を重ねていきながら事業を遂行させていただきたい、このように考えております。  また、反対論の多くは、経営に対する見通しの問題で、ご心配なされているとおりのことがあるというふうに思います。これは、経営形態の問題もありますけれども、まちづくりとして、需要を喚起していく全体の沿線の利用の仕方、あるいは、市電を利用することが便利な公共的でたくさんの人が集まるような施設、多くの方々が定期的に利用するような施設、こういったものが設けられるようなまちづくりをしていかなければ、やはりご心配のような赤字という問題は必ず出てくるというふうに思います。ですから、長期的に、残すからには利用してもらえるような、あるいは、確定的に常に継続的に利用していただけるようなまちづくりをやっていかなければならない、こんなふうに考えているところであります。 ◆松浦忠 委員  市長、今までに出された資料で言うと、例えば、10%値上げして、利用者が10%ふえればの話なのですよ。このぐらいの本を出しましたね。じゃ、その10%――値上げはいいですよ。値上げは、いわゆる市長が提案して議会が同意すればできるでしょうけれども、問題は、利用者が10%ふえるとか、15%ふえるという根拠が何もないのですよ。例えばの話なのですよ。私は、何も難しい話をしているのではないのです。コンビニだとかスーパーが出店するときに、その調査は極めて綿密にやっていますよ。税金の投入というのは、やっぱりこういうような調査をやった上でしていくべきだと。  私は、今までみたいに役所が大ざっぱなものを出して、皆さん、任せておいてと、こんな感じの集約ではいかぬと思うのです。したがって、市長が7割と言うなら、それでは、私も1定までに全区で一定の数の調査をしましょう。そして、その調査でいわゆる反対の意見が5割を超えたら、市の調査ももう一回やり直すというようなことでいかがですか、市長。私がやるときには、市側にもきちっと設問項目を提示します。市長は市長の側でやったものもある。私の方は、一方的になんかやりません。やるときには、そちら側にもきちっと提示して、私はこういうことをやるけれども、これについて何かあったら、どうも公平性に欠ける問い方だということだったら指摘してもらって、私は客観的にやりたいと思います。  どうでしょうか。 ◎上田 市長  委員が自主的にアンケート調査をされるのは全く異論のないところでありますが、それに市の執行部がご協力するというのはいかがなものかというふうに思います。要するに、設問項目を調整しようというわけでしょう。おっしゃっていることは。(「いわゆる公平性に」と呼ぶ者あり)ですから、それは議員の活動としてやっていただきたいというふうに考えます。我々は、私どもの立場で市民の意見を集約するということで、市電の問題につきましては、これまで広報さっぽろにも何度かにわたりまして情報提供させていただいた上でアンケートをとらせていただいているところであります。また、7年間、8年にわたります検討結果を踏まえて、とりあえずループ化ということだけは私の今任期中に実現させていただきたいということを公約で申し上げて、いろいろなところでお話を申し上げ、そして今日に至っているということでございますのでご理解をいただきたい、このように思います。 ◆松浦忠 委員  市長、私はこういうことを言いたくないのだけれども、厚別、白石のバス問題のときにも、市長と65人の議員は賛成した、私と堀川議員が反対した。しかし、広く市民にその実態を知らせたら、わずか1週間で市民は多くの人が反対意見を申し出て、これは撤回せざるを得なかった。  やっぱり、私は、別に反対するために言っているのではないのです。本当に必要なことはやらなければいかぬ。しかし、やるに当たっては、きちんと市民に理解が得られる、そして、我々議員も、本当に自信と確信を持って、先々まで我々はこういうことできちっとした根拠のもとに賛成したのだと言って、市民に説明ができるものでなければならぬのですよ。そういう点からいったら、向井さんが前に交通担当の部長をやっていましたね。前任者は何て言ったか、向井さんっておっしゃったかな、交通計画をやっていまして、彼とも随分話をしたけれども、この話というのは最終的に話が詰まってしまうのですよ。
     私は、この問題について、市長は市長で公約だと言って頑張るでしょうけれども、お互いに頑張るのはいいのです。ただ、お金に関すること、税金の負担に関することですから、お互いの頑張りとは別なところで、客観的に合理的にできるだけいろいろなことをした方がいいのではないですかと。だから、設問項目についても、例えば、私がつくって、市側にも、私の考えはこうだけれども、市側から見てもし誘導的な部分があるというのだったら指摘してもらって直して、私は客観的にやりたいなと提案したのですが、市長の方は先ほどそういうお答えですから、それはそれでかみ合わぬから仕方がないでしょう。  これ以上、この質疑をしてもあれですから、私は、ぜひ市長に最後に求めておきたいのは、私の方もやります。そして、市長に、もう一つ、これはいわゆる例示として示しておきますけれども、例えば、白石区役所の建てかえの問題も委員会をつくってやったと。そうしたら、お金が何ぼかかってどうするかということは二の次で、全く示さないで、何をつくってほしいか、要望ばっかり聞いたというのですよ。資料ももらって見た。そうしたら、要望を聞かれたら、みんな、いわゆるご飯にみそ汁に漬け物だけなんて言わぬですよ。サンマも、今、しゅんだから食べたいとか、場合によってはマグロも食べたいと言うでしょう。それで市民の意見を聞いた。一例を例示して、終わります。 ◆金子やすゆき 委員  引き続き、市電の話で大変恐縮でございますけれども、軌道事業会計の決算の内容につきまして総括、それから経営改善の方策につきまして、幾つか、若干のご提案も含めてご質問させていただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。  まず、軌道事業会計の決算の内容でございますけれども、損益の計算書を拝見いたしますと、予算は一定の経営節減の努力をうかがうことができるわけでございます。しかしながら、一般会計から2億円弱の繰出金を受けつつも、残念ながら、ことしも赤字という結果が出ております。  赤字の要因として、乗車料収入に占める人件費率が約7割と構造的に高いことが指摘されておりますけれども、やはり、平成22年度も人件費率が77.4%という数字となっております。これは、平成21年度の76%から比べますと人件費率が1.4%上がっておりまして、つまり悪化しているということであります。22年度の人件費が上がった理由を交通局にお尋ねいたしましたところ、定年退職者の退職金約2,300万円が発生したためだというご説明をいただきました。  この定年退職者でございますが、平成23年度以降も、毎年、1名から10数名の退職者が見込まれております。最も多い年では、1年当たり3億円近い退職金の支給が見込まれているということでございます。22年度の数字で申しますと、乗車料収入の9億3,000万円の約3分の1が退職金で消えてしまう年もある、そういう状況でございますが、そもそも一般企業で考えますと、売り上げの7割以上が人件費というのはなかなか考えがたい状態ではないかというふうに思っております。ここから人件費や設備投資を引いて、経費を引いて、果たして利益が出るのだろうかという疑問が残るわけでございます。平成22年度の総人件費7億3,400万円を軌道事業の職員数62名で割り算いたしますと、1人当たり約1,100万円の人件費がかかっております。赤字の割に随分高いなという印象を受けております。  今後、沿線住民の数が大幅にふえるという見込みは出ておりませんし、運賃収入の大幅な増加も見込めないということになる以上、路線を維持するために、あるいは、市長の公約どおり路線を拡大するのであれば、まず、徹底した経費の節減、人件費の削減は避けて通ることはできないと思っております。  ここでお尋ねいたしますが、まず、1点目、平成22年度決算において人件費率が上がったことをどのようにお考えになっているか。  2点目は、平成23年度以降の定年退職者の発生見込みに対して、そのたびに人件費率が上昇したり、あるいは赤字が拡大したり、要は決算がぶれることが予想されるわけですけれども、これを抑制する手段を考えておられるかどうか。  3点目には、経費節減に向けて平成22年度はどのような努力をなさったか。例えば、職員の福利費の見直し、手当の削減、定期昇給の停止、退職金の引き下げなど、人件費にメスを入れる取り組みをなさったかどうか、教えてください。  そして、4点目は、経費節減とともに、運賃収入を伸ばすために、ふだん乗っている人だけでなく、ふだん乗っていない人にも乗ってもらうという営業努力が必要だと思いますけれども、何かそのような増収施策をなさったかどうか、具体的にお答えいただきたいと思います。 ◎小西 事業管理部長  私から、今、金子委員からございました4点につきましてお答えさせていただきます。  まず、平成22年度の人件費及び人件費率がなぜ高いか、あるいは、その要因はというお尋ねでございます。  先ほど委員からご指摘がございましたように、22年度の乗車料収入に占める人件費率は77.4%、21年度は76.0%ということで、比率が1.4%上がったわけでございますが、これは、先ほどのお話の中にもございましたけれども、軌道事業会計そのものの会計規模が全体で約10億円という規模からして、非常に退職金の影響を受けやすいという構造的な問題がございます。22年度の決算で約2,400万円の退職金の決算額が出たということで、仮にこれらを除きますと人件費率は21年度を1.1%下回る74.9%というようなことでございます。  それから、人件費の抑制手段ということでございます。  軌道事業につきましては、これまでもあらゆる経費の節減、事業にかかわる節減努力を行ってまいったところでございます。ちょっとさかのぼりますけれども、平成11年度、車両ですとか施設の整備業務の委託化に着手した直前の年度でございますが、この年度と昨年度、平成22年度を比較いたしますと、正職員の数が、当時は108人おりましたものが22年度は46人減じた62人ということで、これまで約11年間で人件費の抑制努力を最大限図ってまいったところでございます。それから、22年度ということでございますけれども、人件費の部分、22年度は増減はございませんでした。  それから、今後の増収にかかわる努力という部分でございますけれども、電車は地下鉄と異なりまして、施設の性格上、地下鉄ですとコンコースとかホームなどで資産の有効活用や広告展開をする余地がございますが、電車の場合はそういう部分が非常に限られるような要素がございます。したがって、電車の場合は地道に乗車人員をふやすことこそが増収につながる、いわゆる附帯事業にはなかなか頼れないような構造的な要素があるかと思います。  そのため、我々が行っております利用促進策につきまして幾つか例を挙げさせていただきますと、その主なものといたしましては、例えば、市電フェスティバルということで、土・日・祝日に1枚300円の乗車券で大人1名と子ども1名が乗れるというお得などサンこパスを販売しておりますほか、人形劇電車とかカフェ電車、クリスマス電車といったような企画電車を運行しております。さらには、約1,000件でございますが、交通局の職員みずからが沿線の企業とか住民を直接訪問し、利用促進を訴えかけるというような汗をかく努力も行っているところでございます。また、ことしの雪まつり期間中から3月にかけてでございますが、札幌発のバーチャルアイドルでございます初音ミクの冬バージョンの雪ミク電車というものを走らせて非常に好評を得たところでございます。平成22年度からは、中央区のまちの魅力再発見事業との連携によりまして、電車内に沿線町内会の活動の様子をお知らせするポスターを張りましたところ、それを見るために多くの方にお乗りいただいたというようなことも聞いてございます。  具体的に増収額の一例を申しますと、市電フェスティバルでございます。集客数自体は1万人あったイベントでございますが、そのうち、電車の乗車人員に対する寄与度を調査いたしましたところ、日曜日の開催でございましたけれども、このイベント開催日は通常の乗車人員に比べて24.5%ほど伸びたということで、額にして18万円ほどの増収効果があったのかなというふうに思っております。  それから、どサンこパスでございますが、約10万枚を販売したところでございますけれども、平成17年度にアンケート調査しましたところ、どサンこパスがなければ乗らなかったというようなご回答をいただいた方が2割いたことから、販売してお乗りいただいた方のうち2割は新規需要の効果があったかと思われます。10万枚の乗車料収入は3,000万円でございますので、このうちの約2割といたしますと600万円の増収効果があったかと思ってございます。  それから、現在は退職金の引き当てということを計上してございません。そのため、財務諸表上、退職金の増減に伴いましてその年度の経営成績が左右されるような現状になってございます。退職給与引当金の計上についてでございますが、現在は、地方公営企業におきまして明確な定めがございませんことから、義務化されておりません。それから、行政実例によりますと、私ども交通局のように欠損金がある場合は引当金を計上することは逆に不適当だというような国の見解もありますことから、これまで計上してこなかったところでございます。  しかしながら、現在、国におきまして地方公営企業の会計制度の見直しが行われております。その中で、退職引き当てにつきましては義務化していく方向にございますので、この制度の変更に合わせて私どもも退職給与引当金を計上する方向で現在検討しているところでございます。 ◆金子やすゆき 委員  これから退職給与引当金を積んでいく予定はあるものの、今は国の指導があって積んでいないというお話がございました。これは、当然なのです。なぜかというと、赤字の企業ですから、普通、民間企業だったら満額の退職金が出るはずがないのです。ですから、積んでいないのですよ。にもかかわらず、こうやって満額の退職金を毎年払っていく。これは交通局からいただいた数字ですけれども、先ほどお話ししたことと若干繰り返しになりますが、一番多い年は年間3億円も退職金が出るのですよね。これでは、公営企業会計法の法改正を待って、そこから積み立てするので間に合うのですか。僕は、間に合わないのではないかなと思っているのです。  それから、今、部長から、増収策をいろいろなさっているというご説明をいただきました。大変、経営努力、営業努力をなさっていることもご説明を伺っておりますし、実際に輸送人員の数字を前年と比べると、6,000人ほど減ってはいるものの、ほぼ横ばいということで頑張っておられるという事実はわかります。しかしながら、人件費にメスを入れることが全く進んでいないのではないかというふうな気がするのです。  上田市長のご公約の中でも、市電ループ化は、本来であれば、一層の経営効率化をするとともに、運賃値上げをすると。市民のご理解をいただいて初めて進めるという前提は、まず、経営効率化だと思いますので、ここをなさっていないというのは、やっぱり問題なのかなというふうに思っております。  ちなみに、人件費率が77.4%ということでございますけれども、他都市の事例を参考までに申し上げますと、例えば年間の運行キロ数が札幌とほぼ同一である函館市におきましては人件費率が約66%ということでございまして、札幌市より低い数字となっております。そして、平成22年度は、前年度に比べて黒字転換を達成したというふうに聞いております。  それから、この軌道事業会計がもし独立採算の企業であったとするならば、普通は、先ほど申し上げたように退職金、ボーナスが満額出ることはないと思うのですね。一般企業であれば、人件費は、当然、聖域ではなく、経費節減の対象になってくると思いますし、企業あるいは組織あるいは業務を守っていくためには、社長以下、経営者以下、社員一丸となって経費節減に努力すべきではないかと思います。しかしながら、今申し上げたように、人件費のカットには全く手がつかず、決算の数字を見ますと、なかなか真剣みに欠ける決算でなかったのかなというふうに私は受けとめております。  市電というのは、交通局の職員のためにあるものではなく、市民の財産であるわけでございますから、職員の給与を払うために、職員の雇用を守るためにいつまでも赤字を続けているのは間違いだと思っております。  そこで、再質問させていただきますけれども、まず、路面電車活用方針では、路線延伸に当たりまして10%から15%の経費節減をするということが前提となっておりますが、これは人件費の削減を意味するものではないのでしょうか。もしそうだとすると、今のご説明からは、人件費削減の見通しは立っていないのではないかという印象を受けますけれども、そうなりますとループ化の前提は崩れるのではありませんか。  続いて、人件費から話は少しそれますけれども、経費節減のいろいろな方法があると思います。例えば、物品の調達あるいは更新に当たりまして、一般競争入札を用いまして調達価格の引き下げに努めておられると思いますが、その一つである動力源の電力につきまして、これまで軌道事業会計におきましては北海道電力の電力を使われているというふうに伺っております。  しかし、電力の自由化以降、特定規模電気事業者が道内にも進出しております。こういう北電以外の特定規模電気事業者に門戸を開いて電力料金の引き下げを図るお考えがあるかどうか、お聞きしたいと思います。  最後に、今の経営形態では人件費も含めた抜本的な経営改革はなかなか難しいということになるのであれば、例えば、いっそのこと、市電を上下分離化して民営化する、要は経営形態の変更によって抜本的な経営改善を行うつもりがあるかどうか、その点につきましてお尋ねしたいと思います。 ◎小西 事業管理部長  私から、1点目の人件費をどういうふうにして削減していくのか、15%というようなお話もございましたけれども、その1点目と、それから、3点目の上下分離についてどう考えるのかという2点についてお答えしたいと思います。  1点目の今後の内部効率化の具体案につきましては、現在、事業運営のあり方、あるいは、総人件費の抑制を含めた経営の効率化につきまして、幅広く内部検討を進めているところでございます。  なお、ループ化を含めた路線延伸の特許の取得に当たりましては、国の条件として将来の収支の黒字化が条件となってまいります。そういうことから、人件費を含めた経費全般の見直しを図りまして経営の効率化を進め、持続可能で安定的な経営体質を構築したいというふうに考えてございます。内容、手段につきましては、今申したとおり、現在検討中ということでございます。  それから、上下分離というお話がございました。さらなる経営の効率化に向けましては、経営基盤強化の観点から、近年の他都市での事例等も研究、参考にしつつ、事業運営のあり方、あるいは、先ほど申しましたけれども、総人件費をどうやって抑制していくのかといったような経営の効率化につきまして、委員からご指摘がありました上下分離という選択肢も含めまして、幅広く検討させていただきたいというふうに思っております。 ◎富澤 技術担当部長  電力料金の削減策としての電力の入札化ということでございます。  軌道事業の中では、電力料金は確かに年間6,000万円ほどかかっておりまして、その節減というのが大きな課題というふうに考えてございます。日常的な削減努力、節電といったようなものは当然しているところでございますが、さらに、競争入札で削減効果が出るのかということでございます。  これにつきましては、平成16年度に電力の自由化がございまして、その際に競争入札を検討してございます。ただ、その時点では、供給可能な複数の供給事業者が実際にはなかったということで、現在まで北海道電力に対する特命随意契約ということでございます。ただ、平成16年当時、北海道電力の電力供給規定が改正されまして、利用状況に応じて料金が安くなるような契約方法の選択ができるようになったということがございまして、従来より低廉な契約ができるようになってございます。  現状では、電力供給事業者がまだ多くないということで、入札による費用の削減効果がまだ確認できない状態でございます。そういうことから、今後とも電力供給事業者の動向を注視してまいりたいというふうに考えてございます。 ◆金子やすゆき 委員  長くなっておりますので、最後に再質問させていただいて終わりたいと思いますけれども、今の電力の話でございます。  今のご説明ですと、結局、このまま北電と随契を続けるのだ、こういう話のように聞こえてくるわけでございます。また、今の部長のご説明ですと、ほかに供給する業者がないのだという話でございますが、私がヒアリングしたところでは、とある特定規模電気事業者の中で興味を示している会社がございますので、もし必要があればご紹介させていただきたいと思います。  それから、昨今のこういう電力事情でございまして、場合によっては冬場におきまして計画停電という状況もあるかと思います。電力の安定供給により運行の安全確保を図るという観点からもぜひご検討いただきたいと思いますので、質問ではなく、要望をさせていただきまして、終わりたいと思います。 ◆小竹知子 委員  私からは、大きく3点、質問させていただきます。  まず、1点目ですが、地下鉄での万が一の火災事故に対する安全対策についてお伺いいたします。  ことしの5月27日に起きましたJR石勝線脱線火災事故ですが、これにつきましては、地下鉄とは燃料系統が異なりますので同様の火災事故は起きないということを承知した上での質問になりますけれども、列車事故としてテレビなどで映し出されました映像は、トンネルから引き出された黒焦げになった車両、そして、脱出した乗客がすすだらけの顔で「死ぬかと思った」とインタビューに答えている様子などは、今も大変鮮烈な印象を残しております。また、2003年、韓国の大邱で起きた地下鉄事故ですが、自殺願望の男が飲料用のペットボトルに入れたガソリンをまいて放火して火災となり、あの甚大な被害をもたらした事故であります。大前提としては、車内に危険物は持ち込ませないということが言えますけれども、この場合、大量輸送が使命でもある札幌市交通局においてそれも限界があるかと思います。ほとんどがトンネル内を走行していると言える地下鉄で、そういった事故や不測の事態に対して、とにかく想定外をつくらないということが安全対策の強化に反映されていくものと思います。  そこで、質問ですが、万が一、地下鉄で火災事故が発生した場合、どのような対応をすることになっているのか、また、今回の事故からどのようなことを教訓として学び、どのような対策を講じたのか、お聞きいたします。 ◎田畑 高速電車部長  札幌の地下鉄に関しましては、まず、駅間が2分ないし3分ということで短いため、基本的には次の駅まで走行することを基本としております。したがって、JRのように隧道内で長くとまるということは極めてまれだという前提がございます。それでも、万が一、駅間で列車が停車した場合でございますけれども、まずは、乗客を安全な車両に誘導するということがあります。すぐに車外に避難させると附帯事故の原因にもなりますので、これは避ける。それから、周辺の状況を確認した上で車外の安全な場所に誘導して、駅からの救援隊が到着後、直ちに安全な駅まで誘導する、そういうことになっております。  なお、隧道内には、強制換気ができる排煙装置を完備しておりますし、また、非常照明や区間電話などの照明とか通信手段、こういったものも設備をしているところです。  それから、今回のJRの事故を受けました教訓と対応ということですけれども、まず第一には、現場からの正確な情報収集、それから、これに基づいた指令の的確な判断、そういった重要性を再認識したところでございます。特に、東西線はワンマンで運転しておりますので、ワンマン運転時における迅速かつ適切な避難誘導が重要であるというふうな認識をしているところです。  今回のJRの事故を踏まえました対応といたしましては、まずは、直ちに車両の一斉点検を実施いたしました。このほか、現場と指令のマニュアルを精査しまして、これらの整合性がとれていることの確認をいたしました。次に、これまでも列車が駅間に停車するといった状況での列車火災訓練を実施しておりますけれども、今回は、より規模の大きい火災を想定しまして、迅速、適切な避難誘導ができるように訓練に反映いたしたところです。さらには、運行に直接かかわらない職員であっても、たまたま地下鉄に乗り合わせることがございます。そういった場合に車内で事故が発生したことを想定しまして、乗務員に支援、協力できるように、非常通報装置の取り扱いとか、それから緊急避難の誘導方法などを習得する研修を本局庁舎の全職員に対して実施したところでございます。 ◆小竹知子 委員  職員の教育訓練はもちろん、今後もさまざまな想定を踏まえた実践的な教育訓練の積み重ねが重要だと思いますし、職員だけではなく、乗客の方々にも協力していただかなければならない最悪の事態も想定しなければいけないと思います。ですが、訓練も職員だけで実施されているということで、それらの情報や実態が市民に十分周知されているとは言えないのではないか、それが現状ではないでしようか。  そこで、質問ですが、決して不安をあおるということではございませんが、一連の火災対策や異常対策など、市民に対しましてより積極的にPRを行うべきではないのかと感じております。また、訓練の様子を市民やマスコミなどにも公開しまして、見学した市民の意見や評価を取り入れるなど、より効果的な取り組みを検討すべきだと考えますが、いかがでしょうか。 ◎田畑 高速電車部長  市民に対しての積極的なPRとか、訓練状況を公開し、意見や評価を取り入れてはどうかというご質問ですけれども、言うまでもなく輸送の安全というのが我々の最大の使命というふうに思っております。そのためには、市民の理解とかご協力をいただく、そういったことが安全性をより確かなものにしていくことにつながるというふうに考えております。そのためにも、積極的な情報発信は重要な視点だと思っておりますので、今、委員がご指摘の安全対策に関するPRの充実とか、それから、市民、マスコミへの訓練の公開、こういったものについても今後の安全対策に取り入れていきたいというふうに考えております。 ◆小竹知子 委員  利用者の一人としても、今後さらなる安全対策の充実に取り組まれますよう要望いたします。  次に、2点目の質問になりますが、地下鉄駅の有効活用と広告事業の拡充による増収策についてお聞きします。  地下鉄事業におきましては、経営健全化に向けてさまざまな取り組みをされていますが、札幌駅前通地下歩行空間の開通の影響などによりまして、乗車料収入の大幅な落ち込みとか、また、バス、電車との乗り継ぎ割引の見直しによる地下鉄の負担拡大、さらには、東日本大震災後の広告自粛による広告料収入の減少など、地下鉄の営業収入は昨年度と比較して大きく落ち込んでいると思われます。それらの減少を少しでも補うためにも、需要喚起策に加えて、地下鉄駅の有効活用や広告事業の附帯事業に力を入れてより積極的な増収策を打つべきだと考えております。  本年の第1回定例市議会におきまして、我が会派の川田議員が、駅舎の余剰空間の活用について、ホームページや広報さっぽろによる待ちの姿勢だけではなく、関係業界に直接働きかけるなどの外に打って出る営業活動も必要ではないかと指摘しております。これについては、私も同意見でありまして、より積極的、直接的な営業活動をすべきと考えております。  そこで、質問ですが、先日、新聞で地下鉄駅構内の空きスペースの公募を行っているとの記事を目にしました。今回の公募において、具体的にどのように取り組まれたのか、また、その結果はどうであったのか、お伺いいたします。 ◎小西 事業管理部長  先ほどの金子委員とのやりとりの中でもちょっと触れさせていただきましたけれども、地下鉄事業の場合は、コンコースとか駅舎など、いわゆる資産活用の余地がありますことから、私どもとしても、今、力を入れている部分でございます。今回で3回目となります地下鉄駅の空きスペースの公募につきましては、現在、四つの駅、6カ所について募集を行っているところでございます。  これまで過去2回の公募におけますPR方法につきましては、ホームページあるいは広報さっぽろへの掲載、報道機関への投げ込み、あるいは、公募している場所でのポスター掲出などを行っておりましたけれども、今回は、それらに加えまして、新たに地下鉄車内の広告スペースやその他の駅スペースに内容を掲出しているほか、新聞に広告を2回ほど打たせていただいたところでございます。さらには、過去、交通局に種々の問い合わせのございました民間事業者が16社ございましたけれども、そこにつきましては、直接、我々から出向いて情報を提供し、PRしたところでございます。この結果、今回の公募箇所数は前回と同じ6カ所でありますけれども、ポスターあるいは新聞の広告を見たという問い合わせも多く、現在のところ、50件程度の問い合わせをいただいているところでございます。  また、先月末でございますけれども、3日間にわたりまして、現地の見学会を行ったところでございます。この見学会には19の事業者に集まっていただきました。前回も見学会を行ったのですが、13事業者ということで、約1.5倍の方に興味を持っていただき、PRという面では一定の効果があったものというふうに考えてございます。  今後、11月8日まで申し込みを受け付けているところでございまして、11月下旬ごろには出店者を決定したいと考えているところでございます。 ◆小竹知子 委員  出店に関しまして問い合わせがあった業者や出店が予想される業者に対しまして積極的な営業活動をされたことは理解いたしました。大通駅にありますコンビニエンスストアのように売上高が道内一といった好事例もあるとお聞きしましたので、今後は、一カ所でも多く出店がなされることを期待しております。  次に、広告についてでございますが、リーマンショック以降の景気低迷、さらには東日本大震災による広告自粛ムードなど、広告業界を取り巻く環境は非常に厳しいものであることは承知しております。そのような中でも、交通局としては、やはり増収策に積極的に取り組む必要があるのではないでしょうか。例えば、事故防止のために設置されたホームさくを活用した広告など、可能性はかなり追求できるのではないかと思っております。  そこで、質問ですが、広告料収入をふやすためにどのような取り組みを行っているのか、そして、今後、新規媒体を開発される考えがあるのか、お伺いいたします。 ◎小西 事業管理部長  お答えいたします。  委員ご指摘のように、東日本大震災直後、地下鉄車内の中づり広告を中心に広告の掲出が激減いたしました。掲出率は、昨年4月は76%でございましたが、ことしの4月は36%ということで大きく落ち込んだところでございます。このため、昨年度から行っております額面広告、窓の上にある広告でございますが、これらにつきましては、1カ月以上掲出いただいた場合は割り引くという制度をやっております。これらに加えまして、中づりの広告、天井から下がっている広告でございますが、これらについても、11月末までの期間限定ですけれども、1週間以上掲出していただいた場合は長期割引ということで掲出率の向上を図ってきたところでございます。この結果、制度の浸透が進むにつれまして徐々に掲出がふえてまいったところで、7月段階では、わずかではありますけれども、昨年を上回るまで回復することができました。9月も昨年並みを維持したところでございます。  このほか、券売機の横に設置しておりますパンフレット置き場の媒体価値を高めるため、視認性の向上を図るとともに、大通駅の柱に巻く広告、アドピラーと言っておりますけれども、その本数の拡大を行ったところでございます。具体的には、従来は75本の柱を広告スペースとしておりましたが、9本ふやして84本にしております。  次に、新たな新規媒体の開発についてでございます。  現在、ホームさくの広告を東西線の大通駅の一部で試験的に発売し、これまでHACや劇団四季からの申し込みがあるなど、一定の実績が得られましたことから、これをホーム全体に拡大するとともに、ホームさくが設置されております東西線全駅での販売を予定しているところでございます。  また、札幌駅前通地下歩行空間の開通に伴いまして撤去いたしました南北線大通コンコースの自立型のガラスでできたショーケースの跡に、申し込みの都度、設置する移動可能な広告ボードを新たに導入し、柱巻き広告との一体的な展開によって広告効果を高めることで掲出率の向上及び増収につなげていきたいというふうに考えてございます。 ◆小竹知子 委員  それでは、最後になりますが、路面電車の利用促進につきまして、先ほどの金子委員とは重複しない部分でお尋ねいたします。  路面電車の沿線の主要施設として、藻岩山のロープウエーがあるかと思います。ロープウエーは平成22年4月から休止しておりましたが、ことし12月にいよいよリニューアルオープンという運びになりました。ロープウエーを利用される方の多くが路面電車を利用されているかと思いますので、この休止に伴いまして路面電車の乗車人員に相当な影響があったのではと考えております。藻岩山は多くの市民、観光客が訪れる人気の観光スポットでありますから、リニューアルオープン後は今まで以上に大勢の方が訪れると見込まれますので、ロープウエーと連携した効果的な利用促進策を打つことでロープウエーと路面電車双方の事業にとって経営的にプラスになるのではと考えております。  そこで、質問ですが、ロープウエーの休止によって路面電車の乗車人員にどれだけの影響があったのか、また、リニューアルに合わせて交通局としてはどのような取り組みを行おうとしているのか、何かお考えがあるのか、お聞きいたします。 ◎小西 事業管理部長  ロープウエーの休止に伴います路面電車の乗車人員の影響と今後の乗車人員拡大に向けた取り組みについてお答えいたします。  現在、路面電車の1日平均の乗車人員は約2万人でございますが、ロープウエー休止前の平成21年度に、電車の車内にあります割引券などを持参してロープウエーをご利用された方が1日平均で約130人おりましたことから、この1日130人がロープウエー休止による影響というふうに考えているところでございます。  次に、今後のロープウエーのリニューアルオープンに合わせました取り組みでございますが、路面電車の1日乗車券とロープウエーの往復乗車券をセットにしたリニューアル記念共通乗車券を期間限定で発売することとしております。また、藻岩山山頂から見る初日の出に合わせました電車の早朝運行を現在検討しておりますほか、電車に乗りながら芸術作品を鑑賞することができるアトリエ電車の運行も予定しているところでございます。さらには、ロープウエーをPRいたしますラッピング電車の運行とか地下鉄駅にロープウエーと電車のPRボードを新たに掲出するなど、リニューアルオープンを機にロープウエーとの連携強化を緊密に図り、お互いの相乗効果を高めていきたいというふうに考えております。 ◆小竹知子 委員  今後も、さまざまな増収策に知恵を絞り、工夫を凝らし、手を尽くして取り組んでいただくことを要望いたしまして、私の質問を終わります。 ◆しのだ江里子 委員  私は、地下鉄駅施設のバリアフリー化について伺います。  先月、札幌市主催の障がい福祉に関する市民との意見交換会がありまして、私も参加させていただきました。その際、障がいのある方などから健常者では気づかないような意見や要望が出され、私も改めて考える機会をいただきました。  その中で、視覚障がい者から、地下鉄東西線にホームドアができたことで安全に利用でき、助かっている、東西線以外の駅にも早くつけてほしいとの評価の声がありました。一方、地下鉄エレベーターの押しボタンの位置や配列が異なるために行き先がわかりにくく、間違えて非常呼び出しボタンを押してしまうことがあるとか、エスカレーターに近づいて上りだと思ったら下りのエスカレーターで、ブザーが鳴ってびっくりすることもあるなど、さまざまな意見がありました。  東西線のホームドアについては、稼働を開始した2009年、平成21年以降、投身事故や走行路面への転落事故の大幅な減少に大きく効果を発揮しています。南北線でも、2012年度、平成24年度末まで16駅の整備に向け、現在、準備が進められているところですが、早期の整備を望む利用者の期待も大きく、東豊線についても、2018年度、平成30年度と言わず、早期の整備ができるよう、より一層の検討、努力をしていかなければなりません。  一方、改善を求める意見として上がっていた地下鉄エレベーターの階数指定の押しボタンの位置や配列については、駅やメーカーによりましてばらつきが見られ、視覚障がい者にとっては確かに使いづらい面があると思われます。そして、駅の出入り口や改札口については、現在、ピンポンという音による案内装置が設置されているのですが、コンコースのエスカレーターについては、行き先や上り下りを音声案内している駅もふえてはまいりましたけれども、まだすべての駅には設置されていない状況です。JR駅のホームでは、階段の場所を鳥の鳴き声の音声で誘導案内している駅がありますが、地下鉄のホームからの階段については、その位置を知らせる音響案内は未整備となっています。地下鉄駅においても、ホームの階段やエスカレーターの場所を音声や音響で案内できるよう充実を図るべきではないかと考えます。  地下鉄駅施設については、これまでも、国土交通省の公共交通機関の旅客施設に関する移動等円滑化整備ガイドラインに沿い、さまざまな整備を進めてきたとは思いますが、障がいのある方でも健常者と同様に円滑な利用ができるよう、よりきめ細かなバリアフリー化を進めていかなければならないと考えます。  そこで、3点質問ですが、地下鉄のエレベーターについては、階数指定のボタンの位置や配列などの仕様を統一すべきと考えますが、どのようにお考えなのか。  また、エスカレーターについては、行き先、上り下りを誘導する音声案内の整備を充実するとともに、ホーム階段にもその場所を知らせる音響案内を整備すべきと思いますがいかがか、伺います。 ◎田畑 高速電車部長  委員がご指摘のとおり、施設のバリアフリー化につきましては、国からのガイドラインが示されておりまして、この中で、エレベーター操作部の点字表示を初め、エスカレーターや階段の音声・音響案内について整備内容の目安が示されてございます。基本的に、このガイドラインにつきましては、整備が義務づけられているというような性格のものではございませんけれども、お客様にとっては非常に利用しやすく望ましい整備内容が示されておりますので、交通局といたしましても、新設や改良の際には可能な限り実施するよう努めているところでございます。  そこでまず、1点目の地下鉄駅のエレベーター操作ボタンの配列などの統一化についてお答えしたいと思います。  エレベーターの操作部のボタン配列は、ガイドラインで示されているものではございませんで、各メーカーで仕様がまちまちとなっております。交通局では、従前より一般競争入札によりエレベーターを導入している経過がございますので、現在の状況になっております。そこで、ボタンの位置や配列そのものを同一仕様とすることは、現状ではかなり困難かなというふうに考えております。  なお、操作部の点字表示につきましては、ガイドラインで示されておりますけれども、ガイドラインに載った配列に表示を統一したところでございます。  次に、2点目のエスカレーターの音声案内についてでございますけれども、実は、平成19年にガイドラインが改正されまして、交通局では、これを踏まえまして、駅施設の大規模な改修に合わせる形で行き先や上り下りの音声案内装置の整備を進めました。エスカレーターの設備は全39駅にございまして、平成22年度までにこのうち19駅、115基の整備が実施済みとなっております。残り20駅、121基ございまして、これが未整備となっていますが、今後、財源措置の問題とか更新改修計画も考慮しながら計画的な整備に努めてまいりたいと思います。  次に、ホーム上の階段の位置を誘導する音響案内についてでございますけれども、これは、既に委員ご指摘のとおり、他事業者のJRなどでも導入実績がございます。JRと地下鉄の駅舎構造の違いもありまして、こうした構造の違いや特殊性も考慮しながら、また、地下鉄ではほかの案内放送もありますので、こういったことへの影響にも配慮しながら、JRや他事業者の整備状況、さらには導入効果についても参考とさせていただきながら、設置に向けて検討していきたいというふうに考えております。 ◆しのだ江里子 委員  このガイドラインはあくまでも義務ではないということですが、やはり、私たちもきちんとこれに対応していかなければならないと思います。  まず、1点目のエレベーターのボタン配列ですけれども、本当にまちまちなのです。一般競争入札で安いエレベーターを入れることになるのかと思うのですけれども、これに関しては、札幌市としてはこういう形でやってほしいと指示することはできると思いますので、ぜひともそういった形で進めていただきたいと思います。  2点目のエスカレーターについては、残りの121基がまだということで、これについてもできるだけ早急に進めていただきたいと思います。  それから、ホーム階段の音声案内についてですが、目の見えない方たちは、ホームにおり立ったときに、どこに、何があるかということがわからないということが大変不安だとおっしゃっています。そして、ホームドアがついている東西線のようなところは、たとえ方向を間違えても安心ですけれども、ホームドアのないところは、ホーム階段を探すことによって方向を間違えて転落というようなことが起きないとも限らないのですね。ですから、やはり、JRがつけている音響案内のようなものを私たちも早急につけるべきだと思います。  札幌市では、2003年、平成15年以来、障がいのある方の政策提言サポーターからもご意見をいただいて市政に反映させていますが、今回の意見交換会には、身体・知的・精神障がいの方で、ふだん、組織とか団体に入っていらっしゃらない方たちが参加しておりまして、健常者ではわからない不都合がたくさんあることが語られました。  そもそも、障がい福祉とは、普通の生活を送るために足りない部分を埋めることだと考えます。私は、改めて、障がい福祉事業を進める上で当事者の声を受けとめていくことが重要だと認識させていただきました。地下鉄駅の整備に関しては、公共交通機関の旅客施設に関する移動等円滑化整備ガイドラインに基づき早急に整備を進めていただくことを求めます。  そしてまた、東豊線のホームドアについては、第3次新まちづくり計画の中でも、この4年間で設置に向けた検討に着手するとなっておりまして、1988年、昭和63年開通以来、既に23年が経過していることから、車両更新の計画もあって、2013年、平成25年からの長期計画で検討されるということです。ホームドアについては、当然、この中での検討になるかと思いますが、私たちは東豊線は直近についているものという思いがありますので、何とか車両の更新を待たずにホームドアの設置ができるように尽力していただくことを強く望みまして、私の質問を終わります。
    ◆丸山秀樹 委員  私からは、札幌駅前通地下歩行空間開通による地下鉄乗車人員への影響と需要喚起策についてお伺いしたいと思います。  札幌駅前通地下歩行空間は、平成17年の工事着手から6年の歳月をかけ、ことしの3月12日に供用開始となりました。都心のまちづくりにつきましては、さきの代表質問で我が会派の國安議員が質問いたしましたが、札幌駅周辺地区から大通、薄野地区までが地下歩行空間になることによって、回遊性が高まり、市民の憩いとにぎわいの空間が創出されております。この歩行空間ではさまざまなイベントが開催されており、その利用については今後より一層進化させていくものと予想されます。  一方、地下鉄においては、さっぽろ−大通間が最も乗車人数の多いいわゆるドル箱区間と聞いておりましたが、地下歩行空間の開通によって地下鉄の乗車人員が大きく減少しているとの新聞報道があったように、地下鉄事業に少なからず影響を与えているものと思います。  そこで、質問ですが、さっぽろ−大通間の地下鉄乗車人員の減少について、これまでどのような状況なのか、また、今後の推移をどのように見込んでいるのか、お伺いいたします。 ◎小西 事業管理部長  私から、札幌駅前通地下歩行空間の開通に伴います地下鉄乗車人員への影響についてお答えさせていただきます。  駅前通地下歩行空間の開通によります地下鉄の乗車人員への影響でございますけれども、平成23年度予算の乗車人員では1日平均約4,000人減少、率にして24.6%減、収入面では年間2億4,900万円の減少というふうに見込んでいたところでございます。開通当初は、前日の3月11日に発生いたしました東日本大震災によりますイベント等の自粛や出控えなどの影響も受けまして、4月のさっぽろ駅と大通駅の間の1日平均の乗車人員は9,673人と、前年同月1万6,700人と比べまして、その減少数は7,027人、減少率は42.1%と当初の見込みを大きく上回ったところでございます。  しかしながら、その後、減少数は徐々に少なくなってきておりまして、直近の9月でございますが、前年の9月と比較いたしますと、3,805人減、26.6%の減少というところまでになってございます。  次に、今後の乗車人員の推移見込みでございますが、直近の2カ月、すなわち8月と9月の1日平均乗車人員は、当初予算見込みのときとほぼ同じ約4,000人の減少となっております。このことから、10月以降から年度末まで当初の見込みどおりに推移すると試算しましたところ、年間を通じました1日平均の乗車人員の減少は、当初見込みの4,000人からさらに1,400人ほど減少した5,400人程度の減少になると見込んでいるところでございます。これにつきましては、東日本大震災の影響などによりまして、年度当初の4月から6月にかけて見込みよりも大きく減少になったことが原因であるというふうに考えているところでございます。 ◆丸山秀樹 委員  今お話がありましたように、平成23年度の予算で、乗車人数は1日平均約4,000人の減、率にして24.6%の減、収入は2億4,900万円の減収となる予測であったことは伺いましたが、ただいまの答弁によると、4月で42.1%の減、9月で26.6%の減となっていることなど、地下鉄にとっては大変厳しい状況であると考えます。交通局としては、こうした状況をただ静観しているだけではなく、地下鉄の乗車人数をふやすために具体的な行動を起こしていくことが大事だと考えます。  そこで、質問ですが、地下鉄の需要喚起策についてどのように取り組んでいるのか、お伺いいたします。 ◎小西 事業管理部長  需要喚起策につきましてお答えいたします。  交通局では、平成21年9月からスタートさせました乗ってコ!プロジェクトという需要喚起の取り組みを実施しているところでございます。これまで取り組んでまいりましたプロスポーツチームや映画とのタイアップに加えまして、ことしの12月には南北線が地下鉄開業40周年を迎える節目の年ということもございまして、同じく40周年を迎えます札幌地下街と連携いたしまして、地下街でSAPICAを提示してお買い物いただいた方を対象に、抽せんで貸し切り電車の使用券とか、あるいは地下街のお買い物券が当たるキャンペーンを実施いたしました。また、ことし60周年を迎えました円山動物園の協力を得まして、夏休み期間中に園内にお子様向けの遊具を設置しまして、お子様たちが楽しめるイベントとか、あるいは、地下鉄、電車に乗る際のマナー啓発の教室などを実施したところでございまして、以上のような地下鉄沿線の施設とか公共施設との連携を図ってきたところでございます。  さらに、今年度からは、従来に比べまして、札幌国際短編映画祭あるいはオータムフェストといった都心部で行われる集客イベントと連携いたしまして、イベントPRのための記念の共通ウィズユーカードの発行とか、あるいは、地下鉄に乗っていただけるような仕掛けとして、キーワードクイズやスタンプラリーなどの集客イベントを企画実施したところでございます。こうした都心部でのイベントとの連携を図ることで、イベントの来場者の増加に比例して地下鉄利用者も増加するという相乗効果が生じるというふうに考えておりますので、今後も、沿線で行われますイベントとの連携強化をより一層図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。 ◆丸山秀樹 委員  ただいまの答弁で、21年9月からの乗ってコ!プロジェクトなどに基づいてさまざまな取り組みをしていることは理解いたしました。しかし、これだけではやはり不十分ではないかという印象を受けます。横ばいから、さらには減少に転じている乗客数を新規にふやすには、大胆な試みも検討すべきではないかと思います。乗っていただける方がふえないと、やはり事業の活性化にはつながりません。  そこで、例えば、他の都市の取り組み事例を申し上げます。福岡市の地下鉄では、おとなりきっぷという1駅100円の乗車料金を設定して、導入から3年で乗車人員を2倍にしたという成功事例があります。また、最近では、大阪市の地下鉄でも、地下鉄1駅ポイントバックキャンペーンとして、ICカードの利用で1駅乗車の場合に実質半額となるポイントを付与するというキャンペーンを、この10月1日から3カ月間、進めております。本市も地下鉄ICカードSAPICAが導入されていることから、先行事例として大変に参考になるのではと思うところです。本市におきましても、乗車人員の増加のカンフル剤となるような、例えば、1駅100円キャンペーンなどの導入を見据えたシミュレーションも検討していただくことを要望、提案したいと思います。  また、市内のデパート、商店街では、マイカーでの買い物客の駐車料金を負担することが行われております。ちょっと調べてみましたら、パルコや三越、大丸でも1時間360円から380円です。でも、2,000円以上買うと1時間から2時間の無料というサービスを行っているようですけれども、そうしたことに対し、例えば、交通機関を利用してきた方にSAPICAポイントを付与できるような仕組みや、お店で割引サービスを受けられるようにするなど、これまでマイカー利用者に行ってきたサービスを公共交通利用者へのサービスに転換してもらえるような仕組みを考え、商店街などに働きかけてみるのはどうでしょうか。  公共交通機関への転換が図られることは、都心の交通渋滞や駐車場待ちの緩和にもつながり、エコにもつながります。また、SAPICAカードというのは、ウィズユーカードと違いまして交通局独自のカードではございません。市民カードとしての役割を担っているということで総務局が所管しておりますが、総務局からもいろいろとお話を伺いました。そこで、市民カードとしての利点を逆に生かして市営交通の利用につなげると。SAPICAカードの利用は多様化していまして、例えば、公共施設では円山動物園でも使えるようになりましたし、市内67店舗も加盟してきているという広がりを見せていることを考えると、交通局としてこのSAPICAカードを利用拡大、集客にいかに結びつけるかということも大事な視点であるように思います。都心で行われるイベントなどと連携強化を進めるのはもちろんのこと、地下鉄利用に転換させるような仕掛けづくりを行っていくことなど、これまで以上に需要喚起に積極的に取り組まれることを要望し、私からの質問を終わります。 ◆伊与部年男 委員  私は、最後に、路面電車について質問したいと思います。  下村管理者、あなたは、そこへ座る前に、中央区役所の区長だったのですね。だから、中央区のことについては大変詳しく知っている。また、その隣に座っている生島さんにしても中央区にいたのですね。だから、中央区のことについてはよく知っているんだ。  そこで、管理者にお聞きしたいのですけれども、私は、路面電車は、今のままじゃ、とてもじゃないけれども、乗客が減りっ放し、ふえるという可能性は一つもない、率直に言って。例えば、私が調べましたら、学校で言いますと、教育大学は大学生が1,600人いましたよ。附属の小・中学校生が500人いた。経済高校も約700人いた。札幌工業高校も500人いた。静修高校も1,500人いた。札幌南高校も約半数ぐらいに減っているのですね。こういう通学の若い人たちは、車を持っていませんから、当然、路面電車を活用して当時は満杯だったのだ。積み残しも出るぐらいの状況だったのですよ。これは、やっぱり、路面電車を継続して、市民感覚として、札幌市民全体が札幌市の路面電車は札幌の文化だ、文化財だと、そういう一人一人の感覚を植えつけさせないと、そこに住む人だけ、そこで乗る人だけ、そういう人たちだけに責任を負わせたって、路面電車の経営なんていうのはなかなか完全に黒字にはならない。  私は、全国、いろんな路面電車を視察に行って乗せてもらいました。それこそ長崎にしても岡山にしても、広島ですか、富山ですか、みんな乗ってきましたけれども、例えば外国に行ってミュンヘンでも乗った、サンフランシスコでも乗った。おのおの、その地域地域の人たちが何としても路面電車を守ろうと、そういう気概を全体に意識的に持っている。この気概ですよ。札幌市民にはちょっと乏しいんじゃないかというふうに感ずる、率直に言って。だから、ここが基本なんですね。乗客がいなかったら黒字になんてなりませんよ。いかに客を乗せるかと。それは、最低限そこに住む人たちの利用、それから今言った通勤・通学、これが基本ですね。さらに観光客の誘致と。観光客が札幌に来て路面電車に乗る、そういう一つのパターンというか、ものをつくっていかないと、路面電車というのは継続されないのじゃないでしょうか。  ところが、平成17年2月に路面電車の存続を決定したのですね。決定した。そして、22年3月に活用方針を出した。さらに、23年度中には路面電車の活用計画をつくると言っている。23年度といったら、もう、あと半年しかないですからね。方針と、今度は計画だ。今、そういう流れの中で来ているわけですが、この辺は、交通局だけでは、とてもじゃないけれども、何ぼ頭をひねったって何ともできない。  交通局と市民まちづくり局は、この辺について、今までどういうふうに具体的に協議をしてきたのか、まず、そこから質問いたします。 ◎下村 交通事業管理者  実は、平成17年2月に路面電車存続の決議をしてから、当時、私は、その2カ月後の4月に市民まちづくり局長になりまして、総合交通計画部等を中心に、いかに路面電車の活性化を図るかということに着手したわけでございます。それ以降、路面電車の実際の利用のされ方とか、それから観光行政とも連携したようなまち歩きの取り組みとか、さまざまに行ってきたつもりではございますけれども、まだまだ、路面電車の利用の仕方というのは、沿線だけでなく、観光、それから北海道遺産としても指定されている、そういうさまざまな側面を持った貴重な財産でございますので、立場は変わったとは言え、今度は事業者として、もっともっと必死な思いで注目していただけるように取り組んでまいりたいなというふうに考えております。 ◆伊与部年男 委員  管理者、基本的には、そういう管理者の思い、それはわかりますよ。しかしね、これは先ほども言いましたように、現在の既存の周辺のまち並みの配置だけでは、とてもじゃないけれども、乗客はふえない。やっぱり、不特定多数がどんどん出入りするような、電車を使って不特定多数が沿線に行くような、そういう配置といいますか、公共施設だけでなしに、民間の施設も含めて配置をしなければ、とてもじゃないけれども、路面電車は継続できないと私は思います。  そこで、公共施設の配置ですけれども、ほとんどなされていないですよ。先ほども松浦委員から佐藤部長に質問がありましたが、佐藤部長、あなたのところで方針をつくったんだね、方針を。この中には、ループ化の話は一字も載っていないですよ。ループ化の話は一字も載っていない、ずっと読んだら。  そこで、先ほどあなたがちょっとわけのわからない答弁をしたけれども、ループ化、薄野から4丁目まで約400メートルから600メートルあると言われている。その間に停留所をつくるのですか。まともに条客は来るんですか。そうすると、乗客は実際に何人ふえるんだとあなたの頭で計算しているんですか。  それと、400メートルから600メートルと言われているのだけれども、この方針の中にはその具体的な数字は何も出ていませんよ。一般会計から金を20数億円持ってくるって、設備整備に58億円かかると、こんなことしか書いていない。ループには、私は賛成です、はっきり言って。個人的にはループは賛成です。しかし、ループをやる条件として、聞くところによると、管理者、これは職員たちの間に風評として伝わっているのだけれども、条件は二つある、内部努力と、もう一つは値上げだと、これが交通局の職員の中に伝わっているのです。あなたたちは、具体的にループ化を進めるためには、今私が言ったようなそういう条件と、具体的な金、それから目標、目的、計画、これをどういうふうに受けとめているのか、明らかにしてください。 ◎佐藤 市民まちづくり局路面電車担当部長  ループ化で乗客がどれぐらいふえるか、あと、停留所、その他、具体的な計画としてどういうことを考えているのかというご質問かと思います。  ループ化にかかわる新規需要については、今年度、ループ化に関しては検討を本格化しているところでありまして、現在、路線の選定を含めて需要推計の解析を進めているところでございます。ループ化に係る事業費につきましても、測量や各種調査を実施した上で事業費を算出する予定となっておりまして、今年度策定予定の、先ほど委員もおっしゃいましたが、路面電車活用計画の中でまとめていきたいと考えております。 ◆伊与部年男 委員  ループ化にしても何にしても、これは、交通局なり札幌市が単独で勝手にできるわけでない。許認可が必要でしょう。国土交通省の許認可をもらってこなかったら、勝手に延ばすわけにいかぬわけですね。そのためには、しっかりとした計画を提示しなきゃならない。計画には、今言っているように数字が必要なんですよ。どんな地下鉄だって、どこだって、全部、乗客人数と金を含めて、全部その数字を提出しなかったら許認可なんて出してくれないですよ。今、平成23年度で計画を決定して、国土交通省に持っていって許認可をもらう、そしてループ化したいと、この基本方針は変わっていないのでしょう。そうであれば、計画の中に具体的な数字が出てきても当たり前じゃないですか。もう雪が降ってくるんだよ。11月になるんですよ。  どういう計画をつくろうとしているのか、いま一度、答弁してください。 ◎佐藤 市民まちづくり局路面電車担当部長  ループ化につきましては、先ほども申しましたが、まず、需要推計、路線も含めて計画をつくり、その事業費を算定します。一方、そのほかに、当然、どういう経営の効率化が図られるべきか、その他を含めて、すべてまとめてループ化編として活用計画を一たん整理する予定でございます。 ◆伊与部年男 委員  物はしゃべっているけれども、何もしゃべっていないのと同じ、すくってみれば何もなし、これは、ずばり言ってね。これは議論できないですよ、はっきり言って。  きょう、秋元市長政策室長が来ていますけれども、路面電車の周辺に公共施設を誘致して、設置して、そこに不特定多数が出入りして路面電車を活用してと、そういうのがここでは集客の大きな糧になるのではなかろうかと。これなくして、路面電車の発展というか、財政的にも発展なんていうのはあり得ない。  そこで、秋元室長にお尋ねいたしますけれども、実は、旧教育委員会の庁舎の跡地、これは公募提案型の売却をしたのです。南1条西14丁目、ここは教育委員会の前は交通局の施設だったのですけれども、これを平成18年7月に公募した。公募は8社が出てきた。あなたは、その公募委員会の委員になっていた。そして、北大の大学院の先生が委員長になって、そして決めたのがライフコートという東京の会社です。残念ながら、この会社はつぶれちゃった。そして、上田市長とライフコートの社長と幾らで契約を交わしたかというと、これは、平成19年3月26日に11億4,500万円、契約締結前の納付が500万円ありますから、11億5,000万円で契約した。ところが、つぶれちゃって、今、何もできていない。  それで、これは、交通局の路面電車の集客をふやすための一つの大きな施設だったのです。11億5,000万円で契約しました。契約の第9条ですか、そこには竣工期限と書いてある。竣工期限は平成22年3月31日までに竣工することと。もう完全に期限が経過しましたね。どうすればいいのか。  ところで、6月15日に、北海道建設新聞には、ライフコートがつぶれたものだから、跡地を日本レーベンという会社が買ったと出ました。(発言する者あり)これは、路面電車の集客をどうやって高めるかというところにつながっていっているわけだから。だから、私は、秋元室長に来てもらった、秋元室長が当事者だったから。まとめますけれども、これは、今どういうふうな形になっているのですか、ちょっと明らかにしてください。 ◎秋元 市長政策室長  今ご質問のございました旧教育庁舎跡地、南1条西14丁目にある土地の関連のご質問でございますが、若干、質問の中でも触れた部分もありますけれども、経過をきちっと説明した方がよろしいかと思いますので、若干お話しさせていただきます。  南1条西14丁目という都心周辺の土地でございますし、ここは、地下鉄東西線、それから路面電車の停留所のすぐそばということでございまして、こういう交通利便性にすぐれた貴重な大規模用地ということで、委員ご質問のとおり、公募提案型で売却をしたところでございます。この当時、耐震偽装問題を契機として建築基準法の改正の影響を受けて建築確認に時間を要して着工がおくれるということで、平成19年3月に、今ご質問にありました竣工期限を、当初の平成22年3月末から平成22年9月末に延長を認めた経緯がまずございます。その後、平成20年4月に建築確認の取得をしましたが、今ご質問にありましたように、金融危機を端緒とする経済不況という中で、ライフコート社が破産決定を受けたところでございます。  しかし、ライフコート社の事業計画は、当初の計画から、特定目的会社、いわゆるSPCを設立してここが事業継承することになってございます。法律上は、ライフコートの破産に影響することなく、特定目的会社が事業を継続できることになっておりましたので、この目的会社に、竣工といいますか、早期の実現ということを申し入れてきた経緯がございます。そういった中で、本年5月になりますけれども、この特定目的会社から、債権者である、この特定目的会社は北洋銀行から融資を受けて事業を進めることになっておりまして、この債権者である北洋銀行を協力会社として新たな事業者への権利譲渡を含めた事業変更の提案というものがなされたわけでございます。  私ども札幌市としては、ここは、単純に金額だけで売却するということではなくて、さまざまなまちづくりへの貢献といったような複数の視点から事業者を選定した経緯がありますので、そういった当初選定をした機能が十分実現できるかどうかということで、早期実現というものを見据えつつ、これまでの経緯もございますので、改めてこの事業計画の変更を認めるかどうかということで、当初、立ち上げた審査委員会と同じように、外部委員を含めた審査委員会を設置いたしました。そして、この周辺というのは医療機関も多うございますし、それから、交通利便性が非常に高い土地であることを生かした当初提案の目的を満たしているかどうか、こういったものを審査してきたわけでありますけれども、提案の内容については、当初の提案に大幅な変更というようなものはないということ、それから、今ご質問にありましたが、これは日本レーベンという会社への事業譲渡といいますか、権利譲渡も含めた変更提案でございましたので、これらも含めて審査をお願いいたしまして、ことしの6月に、新たな事業会社としての日本レーベンへの権利譲渡と、それから、竣工期限の延長、これは平成27年3月までの延長を承認したところでございます。その後、この特定目的会社から日本レーベンが当該土地を取得して、今ご質問にあった6月の複合施設計画の発表に至ったものでございます。  現在、一度、平成27年3月までの竣工に延長を承認しておりますので、ここまでに竣工ができるよう、同社において基本計画の策定をしてございます。札幌市としても、早期の事業化ということが大きな目的でございますので、今、同社を含めた関係者と協議を継続しているところでございます。 ◆伊与部年男 委員  最後に申し上げますけれども、11億5,000万円のお金を札幌市はもらったわけですね。ライフコートが払った。そのライフコートは、レーベンに13億円で売っていますよ。具体的に書いています。だから、不動産屋に何か力をかすような、そういう雰囲気では、これはいかがなものかというふうに思います。  もう一つは、岩田地崎が確認申請を出して確認をとっています。きのうも確認しましたけれども、都市局の確認、担当部長いわく、その出した確認申請はいまだに生きています。そういう状態であるということをお話しして、時間も時間ですから、やめます。 ○芦原進 委員長  以上で、軌道事業会計及び高速電車事業会計の質疑を終了いたします。  以上で、本日の質疑を終了いたします。  次回は、次週18日火曜日午後1時から、病院局及び保健福祉局関係の審査を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       散 会 午後6時43分...