昨年12月、政府は、
公立小学校高学年での
教科担任制を拡大するため、2022年度に教員の加配定数を950人増やすことを決定しました。当初、
文部科学省の概算要求では2,000人を掲げていたため、十分な予算を確保できず、厳しい結果となったとのことで、当面は、
専科授業によるものではなく、学校内における
授業交換、小規模校では
中学校教員の活用など、小中連携や
小学校同士の連携で
教科担任制の導入を目指すことになります。
今後も、
文部科学省は、2025年度までに3,800人の
加配定数増を目指し、4年かけて、
小学校高学年における
教科担任制を段階的に推進するとしています。しかし、厳しい財政状況の中、引き続き教員の定員数増には困難が予想されます。
それでも、
教科担任制の導入には多大なメリットがあります。
小学校高学年で
教科担任制を導入するメリットは、1、
授業交換を実施する場合を含め、授業準備の効率化につながる。2、同じ授業を複数回実施することによる
授業改善が図られる。3、教師の
担当教科の減少、
授業担当外の時間増に伴い、
教材研究の充実につながる。4、複数の教師が
教科指導に当たることを通じて、多面的な指導・支援ができ、児童の問題を学年間の教員で共有できるようになり、生活指導がしやすくなる。5、複数の学級の同一教科を指導することで、指導と評価の一体化、適正で信頼される評価について、学級間の差がなくなり、より公正・公平な評価に基づいた
授業改善ができるようになると言われています。
小学校高学年ともなると学習内容が難しくなり、教師の指導力がより求められ、教科によっても
得手不得手があります。
専科指導の加配教員による指導をはじめ、
授業交換などで自身の得意な教科を担当することで専門性の高い指導を実現できるほか、
教材研究も、教科を絞って取り組めるため、じっくりかつ効率的に行うことができることから、働き方改革につながる可能性もあると言われています。
文部科学省では、優先的に
専科指導の対象とすべき教科としては、外国語、理科、算数、体育の4教科が挙げられており、今年度から地域や学校の実情に合わせて
教科担任制の趣旨の理解、目的の実現に向けた対応が求められます。
一方、本市の状況は、
小学校高学年の一部
教科担任制の
実施状況調査報告で確認することができます。
調査対象は熊本市立の小学校92校で、令和3年11月に調査が行われています。どの小学校も何らかの形で一部
教科担任制を導入できており、その中でも、理科が84校と最も多く、続いて音楽67校、外国語53校と続きます。また、高学年では、ほとんどの学校で一部
教科担任制を導入できていて、中学年では7割近くで導入できていることになります。現在の一部
教科担任制では、
専科授業の形がほとんどで、
交換授業では約4割で採用されています。成果も8割から9割の学校で
教科担任制の目的が果たされていると感じる一方、
教科担任制の実施が
交換授業において実施している割合が高いことから、時間割の調整が難しいと感じている割合が8割近くに上ります。
教科担任制の意義が理解され、その取組は確実に拡大していると言えますが、加配がそれほど期待できないことで、そこを
交換授業などの工夫で実現しようとしているのが分かります。ここで、
教科担任制の導入への機運を高め、継続的に取り組んでいけるよう、計画性を持って実行していくことが重要と考えます。
また、
文部科学省は、人材確保のために
社会人等の多様な人材の活用を行うとしています。その内容を紹介いたしますと、1、小学校の免許状を働きながら試験により取得できるようにする。2、
特別免許状の
授与対象者の多様な経歴の評価を行い、学校現場のニーズに合った教員が活躍できるようにする。3、社会人が働きながら免許状の取得に必要な単位を修得できるよう、
教職特別課程の修業年限を弾力化する。4、企業で働く
社会人等が企業に所属しながら、学校に参画する機会を創出する
学校雇用シェアリンクを創設・運営する。5、
教員免許状保有者が
小学校現場で勤務できるようにするための
教育支援プログラムを開発し、実施するなどです。このように
民間企業との連携や
教員免許を取りやすくする取組が行われ、
社会人等の多様な人材を確保していこうとしています。
そこで、教育長に3点お尋ねいたします。
1、今後の
教科担任制へのさらなる取組の目標及びそれを達成する時期についてお示しください。
2、
民間企業との連携や
教員免許を取りやすくする取組が行われ、
社会人等の多様な人材を確保していこうとしています。これによって、
教科担任制を実施する前提条件は大きく変化していくと考えますが、
社会人等の積極的な採用をいかにお考えでしょうか。
3、
教科担任制をさらに推進していくためには、学校の規模や実情に合わせ、現場の校長が
リーダーシップを発揮しながら、指揮を執っていく必要があります。また、教師が専門性を持って高度な知識を吸収し、学びの質を高めていくことや指導力に差が生まれ、担任する学年が固定化しないよう、気を配る必要があります。よって、校長や教員に対し、
教科担任制の意義や今後の計画、その実践例などを示していく必要があると思いますが、いかがでしょうか。
〔
遠藤洋路教育長 登壇〕
◎
遠藤洋路 教育長
教科担任制について、3点お答えいたします。
まず、
教科担任制の導入は、ただいま議員から詳しく御紹介いただいたように、
教材研究の充実や多面的な
児童理解につながるなどの意義があり、
教育委員会としても積極的に推進しているところです。
〔議長退席、副議長着席〕
1点目の取組の目標及び達成時期についてですが、さらなる
教科担任制の拡充を目指し、得意な教科や専門性を生かして、
担任同士で教科を交換して実施する授業を、令和5年度までに全ての学校で実施が進むよう取り組んでまいります。
次に、
社会人等の積極的な採用についてですが、優れた知識・経験を有する民間人の採用により、学校全体の活性化や
教科担任制の充実につながると考えます。教員の成り手を安定的に確保する観点からも、小学校はもとより、他の校種での採用も進めてまいります。
3点目の、学校への示し方ですが、各学校が
教科担任制の意義やメリットを理解し、さらに工夫して取り組むよう、校長・園長会等の機会に周知してまいります。その中で、実施上の課題である時間割の調整の難しさを改善するために、学校規模に応じた具体的な
時間割モデルや好事例を示してまいります。
〔8番
伊藤和仁議員 登壇〕
◆
伊藤和仁 議員
教科担任制の今後は、令和5年度までに全ての学校で得意な教科や専門性を生かしての
担任同士の
交換授業によって、
教科担任制の実施が進むよう取り組むとのことです。当然、
専科授業による
教科担任制が理想となりますが、教室数が不足している状況下では仕方がない面があります。そのため、
文部科学省では、社会人でも
教員免許が取りやすくする環境を整えたり、民間人の採用によって、教員の成り手を確保しようとしています。ぜひ
教科担任制を今後推進するに当たって、積極的に社会人の採用の検討をお願いいたします。
また、実際、
教科担任制を導入していくのは各学校です。まずは、学校長に
教科担任制導入への
リーダーシップを発揮してもらいたいと思います。ゆえに、校長や教員への理解を進めるとともに、導入が困難と見られても、解決方法などの様々な情報を提供できるようにお願いいたします。
教科担任制の知識と実践例や
課題解決法等の情報を提供するなど、現在の教師数が不足している状況でも最大限推進できていくようお願いいたします。
次の質問に移ります。
近年、
地球温暖化の影響によると考えられる自然災害の激甚化・頻発化や、金属や化石燃料などの
天然資源の枯渇、
海洋プラスチックごみによる生態系への影響など、環境問題が深刻化する中、大量生産・大量消費・大量廃棄の
社会システムを見直し、資源の
循環的利用をより一層徹底することにより、
天然資源の消費を抑制し、環境への負荷ができる限り低減される
循環型社会への変革が求められています。
国においては、平成30年6月に第四次
循環型社会形成推進基本計画の閣議決定がなされ、
令和元年10月に
食品ロスの削減の推進に関する法律が施行され、さらには、令和3年6月に
プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律の公布などにより、
循環型社会形成に向けて、
環境的側面、
経済的側面、
社会的側面を統合的に向上させる持続可能な
社会づくりへの取組が進められています。
本市においては、平成23年3月に熊本市
一般廃棄物処理基本計画を策定し、市民・事業者・行政との協働の下、ごみの減量化や
リサイクルの推進、ごみの
適正処理などの取組を進めてきました。さらに平成27年度に同計画の
中間見直しを行うとともに、市域内のし尿及び
浄化槽汚泥の処理方法や今後の処理の在り方などを定めた
生活排水処理基本計画を策定し、
生活排水の
適正処理を実施してきました。
令和3年度で本市のこれらの計画の期間が終了することに伴い、
少子高齢化の進展や廃棄物を取り巻く環境の変化に対応した持続可能な
循環型社会の実現に向けて、さらなるごみの減量化や
リサイクルの取組を推し進めるとともに、
生活排水の適切な処理により水環境を保全するため、熊本市
一般廃棄物処理基本計画が更新されました。今回は、この計画の中でも、
一般廃棄物、特に
家庭ごみについて質問いたします。
まず、
家庭ごみの状況を見てみると、
家庭ごみは、平成21年10月からの
家庭ごみ収集有料化や平成22年10月からの
プラスチック製容器包装の分別回収が開始したことにより大きく減少し、また、
リサイクルの取組によって減少傾向が続いていましたが、近年は、その減少傾向が鈍化し、おおむね横ばいの状況となっています。逆に、
令和元年は、
新型コロナウイルスの影響で家庭で過ごす時間が増えたことから、増加に転じています。
令和元年度の
家庭ごみの
組成分析調査結果によると、直接廃棄や食べ残しなど、いわゆる
食品ロスを含む生ごみが約32%含まれています。また、分別の誤りによる不適正排出が約19%あり、このほとんどは、
プラスチック製容器包装や紙など、正しく分別することによって資源化が可能なものです。このことから、
家庭ごみの減量は、いかに
食品ロスを減らし、紙や
プラスチック製包装容器などの分別を強化していくということで方向性は非常に明確だと考えます。
家庭ごみの組成の推移を見ると、紙類など資源化可能なものの割合が減っており、市民の協力による分別が進んでいることが分かります。しかし、ごみの排出量は近年は横ばいの状況であることから、これまでの
ごみ減量化、
リサイクルの意識では難しいと考えます。というのも、ごみの減量・
リサイクルの情報は、自分が求めないと得られない情報となっています。本市のごみの状況も、普段の生活の中でその情報を得られる機会がなかなかありません。ゆえに、
プッシュ配信の手法が非常に有効と考えます。さらに、
ごみカレンダーアプリ、LINE、
ユーチューブが連携し、
情報発信や啓発を行うことが重要となってまいります。
令和元年度の
家庭ごみの組成分析では、直接廃棄が6.2%を占めています。これは、適切に消費していければごみにはならないものです。
食品ロス削減への意識を常に持っている必要がある一方で、
フードドライブ活動を身近に実施できる場所や事業所があれば、社会貢献につながると同時に、
食品ロスを削減することができます。本市では、
熊本連携中枢都市圏で連携して
フードドライブを実施していますが、それが、もっと身近になってくること、
民間企業のさらなる協力が得られることで、
食品ロス削減の機運を高めることにつながっていくと考えます。
そこで、
環境局長に2点お尋ねいたします。
1、
ごみ減量や
リサイクルなどの
情報発信や啓発のために今後どのような取組を行っていくのでしょうか。特に
ごみカレンダーアプリ、LINE、
ユーチューブなどが連携して広報を行っていくことは有効と思いますが、いかがでしょうか。
2、
フードドライブ活動をはじめとした取組をきっかけに社会全体が
ごみ削減への意識を高めていけるように、
民間企業と協力・連携していくことは非常に大事と思いますが、いかがでしょうか。
〔
早野貴志環境局長 登壇〕
◎早野貴志
環境局長 家庭ごみの減量化について、2点の御質問にお答えします。
まず、
家庭ごみの減量に向けた
情報発信や啓発につきましては、小学生を対象とした環境学習、
エコレシピの
調理実習講座や
本市公式LINEを活用した
分別クイズ、
ごみカレンダーアプリの普及・充実などに取り組んでまいりました。
今後、さらにごみの減量を推進するため、SNS等を活用した啓発は大変有効と考えておりまして、個別に運用している
ごみカレンダーアプリと
本市公式LINE、
ユーチューブを連動させるとともに、内容の充実を図るなど、利便性の向上と情報の効果的な発信に努めてまいります。
次に、
民間企業等との連携につきましては、企業の特色を生かした
情報発信や従業員の皆様への啓発も見込まれることから、
ごみ減量の意識向上を図る上で重要な取組と考えておりまして、昨年度は、
SDGs連携協定企業と共同で
フードドライブ活動に取り組むとともに、地元高校が実施した
食品ロス削減プロジェクトへの
活動支援などを行ったところです。
今後も様々な機会を捉えまして、多様な企業・団体等と連携・協働し、
食品ロス削減など、
ごみ減量の意識啓発に努めてまいります。
〔8番
伊藤和仁議員 登壇〕
◆
伊藤和仁 議員
家庭ごみの減量は、ごみ袋の有料化や
プラスチック・紙類の分別などで着実に減少してきました。ただ、これらの取組は非常に分かりやすく、明確であります。一方で、
食品ロス削減は、これまでの自身の生活習慣との闘いで、意識を大きく変えていかなければなりません。この意識変革の困難さが近年、
家庭ごみの排出量が横ばいになっている理由の一つと考えます。
また、今回
家庭ごみの減量というテーマで様々調べていく中で、本市の
家庭ごみの状況がよく分かりました。そこで分かったことは、意識を持って、ごみの減量法などの情報を求めると、確かにその情報は得られました。
ネット社会になり、情報は幾らでもすぐそこにあると言えます。しかし、意識しなければ、普段の生活を送っていく中でごみの減量を行おうとはなかなか思えません。いかに身近なところで
ごみ減量の取組、今で言えば、SDGsの取組が行われていくかが重要と考えます。
あるスーパーが資源物を持ち込むと、重量に応じてポイントがもらえるという取組を行っていますが、ごみを持ち込むという行為が自身の目に見えた利益にもつながり、今後の新たな取組へのきっかけとしては有効と考えます。本市からの発信は目につく形で効果的に行い、一方で、社会全体の機運を底上げしていく取組をぜひ
民間企業との連携・協力でお願いいたします。
次の質問に移ります。
これから行う質問は、初日の我が会派の井本議員からの質問でもあったように、
熊本地震復興検証プロジェクトの一環として行わせていただきます。様々な検証のテーマがありますが、私からは災害時支援についてお尋ねいたします。
今から6年前の
熊本地震は、ちょうど税理士の開業の準備を行っているただ中に発生いたしました。そのため、事務所がめちゃくちゃな状態となり、そこからのスタートとなりました。また、地震発生当時、長男は1歳足らずで、避難所となった小学校では体育館が被災し、使用できなかったため、避難所として機能していませんでした。また、水道は止まり、1週間お風呂に入れずにいると、その長男が結膜炎を発症し、目やにで目が開かない状態となり、
避難生活は大変に困難を極めました。
そういった経験をしたがゆえに、災害時支援の体制は
避難弱者に行き届く体制でなければならないと痛感いたしました。そして、
市議会議員に当選し、すぐに
災害支援体制についてヒアリングをし、確認を行いました。そのような意味で、まさに
市議会議員としての原点である災害時支援の観点から、
熊本地震からの復旧・復興の検証を行いたいと思います。
まず初めに、
指定避難所の耐震性の問題です。当時、小学校などの構造体の耐震改修はほぼ終わっていたとのことで、倒壊や崩壊に至るような大きな被害はありませんでした。しかし、数多くの体育館では、非
構造部材である劣化した外壁や古い工法の窓や天井材などが落下、破損し、使用ができませんでした。本震時は深夜で、かつ非常に寒かったと記憶しており、幼子を連れているため、避難所の体育館が使用できないと分かって、そこから引き返さざるを得ませんでした。よって、
指定避難所が再び
熊本地震と同程度の規模の揺れがあった場合、耐えられる状況にあるかどうかが非常に気にかかるところです。
そこで、教育長にお尋ねいたします。
指定避難所となっている被災した体育館は、どのような改修がなされたのでしょうか。また、再び
熊本地震と同程度の規模の揺れがあった場合、被災していない体育館も含めて、間違いなく避難所として利用は可能でしょうか。
質問を続けます。
本市の
受援能力の見直しについてお尋ねいたします。
熊本地震において、他の自治体からの支援は、
被災自治体自らの対応に限界がある中にあって、
被災自治体の受援に係る負担を軽減し、その状況に応じたきめ細やかな支援を迅速に行う上では有効でありました。
しかし、
熊本地震では、
本市職員が
避難者対応等に追われていたため、
応援職員への指揮や誘導、調整等への関与が十分ではなく、
応援自治体に任せきりになる例や本市の
マネジメントが機能せず、技術職の
応援職員が
避難所運営の補助に回るなど、職員のスキル・能力を有効に活用し切れていない例が一部では見受けられたと聞いています。土地勘のない
応援自治体職員のスキル・能力を最大限発揮するためには、現場で明確な指示が行えるよう、
応援職員の支援や
マネジメントを適切に行うことのできる体制を整える必要があります。ほかの自治体からの支援を有効に活用するためには、
被災自治体と
支援自治体の役割分担の在り方を整理・検討しておく必要があります。
また、支援物資もプッシュ型でどんどん運び込まれてくるため、支援を受ける側の能力も非常に重要でした。
そこで、
政策局長にお尋ねいたします。
本市の
受援能力は、どのように体制が見直され、高まっていったのでしょうか。
さらに質問を続けます。
罹災証明書の
発行業務の改善についてお尋ねいたします。
地震後、復旧・復興を迅速に行っていくためには、
罹災証明書の速やかな発行が必要となってまいります。
熊本地震の際には、住民の間で
応急危険度判定と
住家被害認定調査が混同されるケースが散見され、現場で一部混乱が生じたと聞いております。また、
罹災証明書の
発行業務では、
住家被害認定調査については税務部が、
罹災証明書の受付と
発行業務は各区の福祉課が担い、組織がまたがっていたことで大変に苦慮したと聞いています。膨大な処理が必要な場面において、組織がまたがっていることは、スピードと正確性において
マイナス面しかありません。非常時には平時と違った対応が必要と考えます。
一方で、円滑な判定業務の実施のためには、知識や技術をさらに高め、より専門性の高い、現場で即戦力となる調査員の育成・確保をしていく方策が必要であり、
判定訓練等を定期的に行い、判定技術の維持・向上に努めていく必要があると考えます。
そこで、
政策局長に2点お尋ねいたします。
1、
罹災証明書の
発行業務では、組織がまたがっていたことで業務に支障を来しましたが、大規模災害の発生時には、
熊本地震の経験を基に、一連の事務を統括する組織横断的な部署を設置するなどの対策が必要と考えますが、現在の検討状況をお聞かせください。
2、また、
罹災証明の発行に関して、
住家被害認定調査などは、知識や技術をさらに高め、いざというとき、即戦力となる調査員の育成が必要と考えます。そのために本市で取り組んでいる研修の内容、頻度を教えてください。
〔
遠藤洋路教育長 登壇〕
◎
遠藤洋路 教育長 さきの
熊本地震では、24校の体育館が被災し、避難所として使用することができなくなりました。このうち22校については、平成28年度中に
改修工事を終え、残りの2校は平成30年度末までに建て替えが完了しております。
改修工事に当たっては、柱やはりなどの
構造部材については補強を行い、天井や雨戸などの非
構造部材については落下防止の措置を講じた改修を行いました。
一方、被害がなかった体育館についても同様に、
構造部材の補修や補強を行い、非
構造部材の落下防止の措置を計画的に進めております。
今後、万が一、
熊本地震以上の地震が発生し、体育館が使用できなくなった場合には、教室を開放するなど、学校施設が避難所として利用できるよう、柔軟に対応してまいります。
〔田中俊実
政策局長 登壇〕
◎田中俊実
政策局長 私からは、本市の
受援能力について、また、
罹災証明書の
発行業務の改善について、お答えさせていただきます。
熊本地震の際は、応急給水、
避難所運営、
罹災証明に係る
住家被害認定調査など、多くの
災害応急業務が生じましたが、
本市職員だけでは対応が困難であったことから、
指定都市市長会や
全国市長会をはじめ、全国の
自治体等から多数の人的支援をいただきました。しかしながら、当時は受援に関する方針や
マニュアル等が整備されておらず、他の
自治体等職員に対する的確な業務の要請や円滑な
現場マネジメントを行うことができない場面もございました。
そこで、平成30年5月に熊本市災害時受援計画を策定し、
災害対策本部に新たに受援班を設けるとともに、各対策部と連携する組織体制のほか、
受援対象業務やその要請手順などについて定めたところでございます。また、職員の
被災地支援による実務経験や
民間事業者等との災害協定による協力関係の構築などを通じまして、本市の受援力の向上を図っているところでございます。
今後も、大
規模災害発生時に迅速かつ的確な受援活動ができますよう、平時から職員の訓練に努めるとともに、国・県、他都市等とも連携を深め、本市の受援力を高めてまいります。
次に、
罹災証明書の
発行業務についてでございますが、まず、
熊本地震の際、
罹災証明書交付に関する業務につきましては、受付・交付を区役所福祉課で、
住家被害認定調査を税務部各課で担いまして、事業所向け
罹災証明書については、受付・認定調査・交付を商業金融課で行いました。そのため、住家と事業所を所有する市民の方は、それぞれの証明書の申請・交付窓口が区役所と本庁舎に分かれるなど、利便性の面で課題がございました。
そこで、関係部署によるプロジェクトチームを設置し、住家と事業所向けの
罹災証明書の交付に係る一連の業務を一元化するとともに、区役所等の窓口においてワンストップで手続ができますよう見直しを行っているところでございます。
また、
住家被害認定調査の研修等につきましては、毎年度、税務部職員約200名を中心に、被害程度の判定や調査票記入方法などの実務のほか、
被災地支援に派遣された職員の知識や経験の共有を図っているところでございます。
罹災証明書の交付は、被災者の生活再建に直結する重要な手続であることから、今後も業務改善や職員の育成に取り組んでまいります。
〔8番
伊藤和仁議員 登壇〕
◆
伊藤和仁 議員
指定避難所の耐震性については、被災した体育館などは、
構造部材だけでなく、非
構造部材の落下防止措置を取られているとのことです。また、被害がなかった体育館についても、同様の措置を計画的に進めておられます。ただし、
熊本地震のときのように、いざというときに使用できないのでは意味がありません。今後も速やかに対策を進めていただきたいと思います。それでも、念には念を入れて、学校の教室の利用など、あらゆる可能性に対処できるようにお願いいたします。
本市の
受援能力の見直しについては、
受援能力向上のために、平成30年5月に熊本市災害時受援計画を策定し、
災害対策本部に新たに受援班を設け、各対策部と連携する組織体制のほか、
受援対象業務や要請手順などを定め、また、職員の
被災地支援による実務経験や
民間事業者等との災害協定による協力関係の構築などを通じて、本市の受援力の向上を図ってきたとのことです。いざというときに対応できることが非常に重要となりますので、平時から職員の訓練等に努めるとともに、国・県、他都市との連携を深め、受援力の向上に努めていってください。
罹災証明書の発行については、関係局によるプロジェクトチームを設置し、住家と事業所向けの
罹災証明書について調査・
発行業務を一元化するとともに、区役所等の窓口において、ワンストップで手続ができるよう見直しを進めているとのことです。
罹災証明書は、被災者の早期の生活再建に不可欠なものでありますので、迅速に発行できる体制を整えていただきたいと思います。
さらに大規模災害時には膨大な業務量に対応する必要があり、人材育成と多くの職員を
マネジメントする必要がありますので、研修だけでなく、今後も今ある体制が常に機能していくかどうかの検証もお願いいたします。
続きまして、災害時ボランティアの受入れ体制についてお尋ねいたします。
熊本地震においては、
避難所運営等において、ボランティアの存在が大きな支えになるなど、改めて災害時におけるボランティア活動の重要性が再認識されました。一方で、ボランティアセンターの一部では、ボランティアの受付窓口が花畑広場の1か所であったため、ボランティアが殺到し、被災地におけるボランティアのスムーズな活動につながらなかったと聞いております。
本市のボランティアセンターの体制が充実されるとともに、災害対応・復旧において大きな役割を果たすボランティアが効果的に活動できるよう、関係機関と連携して、ボランティアの募集状況等に関する情報の迅速な収集・発信を行う必要があります。
さらに災害ボランティアセンターの運営の長期化に伴い、運営スタッフの人数が不足し、災害ボランティアセンターの電話に問合せが殺到し、電話がつながらないとの苦情が多くありました。また、ボランティア志願者への情報提供が不十分であり、ボランティアを送迎する車両と運転手の確保が困難であったなど、様々な問題がありました。
そして、何より、本市が作成した熊本市震災記録誌によると、大規模災害時には現地のニーズを把握しづらく、ボランティアを適切に派遣できなかったことから、現地のニーズを的確に把握し、マッチングできる体制が必要であるとし、地域災害ボランティアコーディネーターの養成研修の実施を検討するとあります。各地域にボランティアのコーディネーターが存在すれば、それは頼もしい限りではありますが、その養成には時間がかかると考えます。現在、地域災害ボランティアコーディネーターの取組はどのように推進されているのでしょうか。
そこで、文化市民局長にお尋ねいたします。
熊本地震のような大規模災害が起こった場合、ボランティアの受入れ体制は現在どのようになっているのでしょうか。
また、地域災害ボランティアコーディネーター養成事業は、現在どのようになっているのでしょうか。
質問を続けます。
校区防災連絡会の今後についてお尋ねいたします。
今回の
熊本地震では、
避難所運営マニュアルがない、または周知されていないなど、市町村における円滑な
避難所運営についても課題となりました。また、地震当初、
本市職員が避難所対応に人手が割かれていたため、
罹災証明書の発行など、本市が担わなければならない業務に遅れが生じました。ゆえに、その教訓を踏まえ、各地域の避難所の開設・運営はその地域で行う必要があり、各校区に校区防災連絡会を設置し、自助・共助の考え方の下、地域のことは地域で行うことを明確にし、防災力向上に努めてきました。
避難所管理運営マニュアルの策定が進み、校区においても避難所開設訓練を行うなど取組が進んでいますが、校区によって、その取組の内容は様々です。地域主体で行うようになっているので、主体性がある地域は積極的に話合いが行われ、その地域の防災力は見る見る向上していきます。一方、主体性のない地域は、具体的な訓練が行われていなかったり、話合いすら行われていなかったりして、確かにこの2年間は
新型コロナウイルス感染症の影響が大きいと思われますが、それを差し引いても、校区防災連絡会は設置されたものの、実効性に疑問が残ります。
校区にはそれぞれの地域課題もあると思われますが、校区の防災力にばらつきが生じないよう、本市は見届けなければならないのではないでしょうか。各校区の防災力がある一定水準に到達できているか、確認していく必要があると考えますが、いかがでしょうか。
そこで、
政策局長にお尋ねいたします。
地域防災力のレベルアップのため、今後どのように取り組んでいかれるのでしょうか。
〔横田健一文化市民局長 登壇〕
◎横田健一 文化市民局長 災害時ボランティア受入れ体制についてお答えいたします。
本市では、大規模災害に備え、熊本市社会福祉協議会と災害ボランティアセンターの設置等に関する協定を締結しており、市は、ボランティア活動場所の提供や連絡窓口の設置、行政情報の適切な提供を、社会福祉協議会では、ボランティア運営の実務的な業務を行うという役割をそれぞれ担うことといたしております。
これまでの本市の取組といたしましては、
熊本地震の経験を踏まえ、活動拠点となるボランティアセンターの設置候補地を
熊本地震時の1か所から8か所に拡大したところです。また、実務的な運営業務を行う市社会福祉協議会においては、ボランティア志願者等への情報提供のため、ホームページやSNS等を活用し、災害時ボランティアセンターの運営やボランティア活動に関する
情報発信などを行っているところでございます。
また、議員御質問の、地域における災害ボランティアのコーディネーター養成につきましては、市社会福祉協議会において、地域の自治会等を対象とした地域防災の担い手づくりやリーダー育成に関する研修等を平成29年度から毎年実施しているところでございます。
これらの取組に加え、災害や災害ボランティアに関する情報共有を行うため、熊本県、熊本県社会福祉協議会、熊本市、熊本市社会福祉協議会及び関連するNPO法人とで構成され定期的に開催されている会議に参加するなど、有事の際に各機関が連携して対応するための体制づくりに努めているところでございます。
〔田中俊実
政策局長 登壇〕
◎田中俊実
政策局長 校区防災連絡会についてお答えします。
校区防災連絡会は、本年5月末時点で90校区4地区で設立されており、それぞれの地域の特性に応じた防災活動に取り組んでいただいているところであります。しかしながら、議員御指摘のとおり、地域によっては、訓練や会議の実施などの活動状況に差があり、その活性化に向けた取組が非常に重要であると認識しております。
そこで、今後は、各地域で取り組まれている避難行動訓練や、迅速で確実な安否確認の方法などの先進事例について紹介していくとともに、新たに防災士を活用した訓練や講座を実施するなど、地域と行政が一体となって取組を進めていくことで、市全体の防災力の向上につなげてまいりたいと考えております。
〔8番
伊藤和仁議員 登壇〕
◆
伊藤和仁 議員 災害時のボランティア受入れ体制については、ボランティアがスムーズに活動できるように、市内8か所に災害ボランティアセンターの設置、候補地を確保したとのことであり、また、現在、県、県社協、市、市社協及びNPO法人が集まり、定期的に会議を行い、災害や災害ボランティアに関する情報共有を行っており、大規模災害に備え、各機関が連携を取って対応できるよう、体制づくりを進めているとのことで、これらの点は前進しているようです。
また、ボランティアコーディネーターの養成は、平成29年度より地域の自治会等を対象に熊本市社会福祉協議会が主催し、地域災害ボランティアコーディネーターの養成を含んだ地域防災の担い手づくりに関する研修や災害ボランティアセンター設置訓練等を毎年実施しているとのことです。しかし、コーディネーターの役割からいって、専門性や経験、
リーダーシップ等が必要と考えられ、いざというときに機能しなければ意味がありません。地域の現状を見極めつつ、各局連携しながら、コーディネーターの養成に取り組んでいってください。
校区防災連絡会の今後については、各地域の災害時に備えた避難行動訓練や迅速で効率的な安否確認の方法などの先進事例の紹介や新たに防災士を活用した訓練や講座を実施するなど、地域と行政が一体となった取組を進めることで、本市全体の防災力の向上につなげていくとのことです。
しかし、校区防災連絡会などで話合いや検討がなされたとしても、それに参加していない市民にとっては、今のところ、それらの情報を知りようがありません。避難所の運営方法など、事前に知っておけば、いざというときの混乱は少なくなります。また、それらの情報は、知りたいときにいつでもアクセスできることが重要と考えます。よって、校区防災連絡会に今後
情報発信機能が必要と考えますので、それが可能となるよう、各局連携してぜひ御検討してください。
最後に、このたびの質問を作成する際に参考にした資料は、本市が作成した熊本市震災記録誌でありましたが、そのほか様々な資料を検索していく中で、実は、東京都が平成28年
熊本地震支援の記録、都の防災対策の実効性向上に向けてという冊子を作成していました。その内容を見ると、
熊本地震の際の支援を通して、そこで経験した課題を今度は東京都の場合に置き換えて、現在の都の防災体制で大丈夫なのかということを検証するものでした。東京都は、東日本大震災を経験して、さらに首都直下型の地震が起こった場合、どれほど困難があるかという危機感を非常に強く抱いていることがこの内容から伺うことができました。東京都の姿勢は、現在の体制を最善のものとは考えず、絶えず現体制の課題を検証し、その体制を更新していっています。いつ起こるか分からない災害に対して、防災体制は社会の変化等の状況に応じて、常に見直していくものであるとの姿勢で非常に重要な考え方です。
そこで、大西市長にお尋ねいたします。
現在、本市では、防災基本条例の策定に取り組んでおられ、
熊本地震の記憶の風化をとどめるとともに、本市のさらなる防災力向上を図ろうとなされています。熊本市民74万人の命と生活を守るためにも、防災力強化への大西市長の決意をお聞かせください。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 これまで本市では、
熊本地震からの復旧・復興に向けて、被災された方々の生活再建を最優先に、地域経済の活性化や防災・減災のまちづくりなどに全力で取り組んでまいりました。
しかしながら、震災から6年が経過いたしまして、市民アンケートの結果では、
熊本地震の記憶や教訓を忘れがちになっていると回答された方が6割以上となるなど、記憶の風化と防災意識の希薄化が進んでおります。
さらに
新型コロナウイルス感染症の蔓延により、地域における防災訓練や会議等の中止を余儀なくされるなど、地域活動の制限に伴う防災力の低下も懸念されております。
そこで、本年5月に市長とドンドン語ろう!防災版を開催し、私自ら各区にお伺いし、校区防災連絡会や自治協議会の皆様に対し、防災に関する本市の状況を直接お伝えしますとともに、地域が抱える課題や要望等について意見交換を行ったところです。
これらのことを踏まえまして、現在、(仮称)熊本市防災基本条例の制定に向けて検討を進めておりまして、この条例を契機として、自助・共助・公助のそれぞれの力を高め、結集することで、本市の防災力のさらなる強化を図ってまいりたいと考えております。
今後も市政をあずかる市長として、自ら先頭に立って、あらゆる災害から市民の生命、身体、財産、そして暮らしを守り抜く覚悟であります。
〔8番
伊藤和仁議員 登壇〕
◆
伊藤和仁 議員 大西市長、力強い決意、ありがとうございました。
記憶の風化もそうですが、コロナ禍で地域での防災訓練を含む行事が開催できなかった期間があり、地域のつながりも少なからず低下し、それに伴って、地域の防災力が低下しています。
しかし、本年5月には、各区において、市長とドンドン語ろう!防災版を開催し、校区防災連絡会や自治協議会の皆様と地域の課題等について意見交換を行われたとのことで、地域の現状や意見を把握できたことは非常によかったと思います。震災から6年がたちますが、地域の防災体制についてはまだまだこれからのように感じます。今後も防災力強化に向けて、大西市長の
リーダーシップをよろしくお願いいたします。
質問は以上となりますが、最後に要望させていただきたいと思います。
来月、参議院議員選挙が行われますが、先日の高本議員の質問でもありましたように、投票率の状況が気にかかります。それに関連して、先日ある学生の団体の方々と懇談する機会がありました。その学生さんたちは、政治に対しても関心が高く、とてもしっかりとした意見をお持ちで、現在、投票率向上のために投票に行った人にお店等で割引を受けられるようにと、企業と交渉を行っているとお聞きしました。また、その学生さんたちには、本市の学生に対する投票意識向上のための事業にも協力いただいていることも聞いております。
その学生さんたちが、若年者が投票へ行かない理由について、学校で学んできたものの、現在の政治の状況や政党がどういった政党なのかがいまいちよく分からないとのことで、どこに入れていいのかが分からないとの意見をいただきました。また、別の中学生の話にはなりますが、政治に大変興味があるが、学校での授業の内容は主に制度が中心であり、今現実に行われている政治についてなかなか学ぶ機会がないとのことで、政治を学べる時間を増やしてほしいとの意見をいただきました。
若年者の政治や選挙への意識向上に、教育の面から、また、投票率向上に向けて、具体的に動いている団体へのサポートなど、ぜひ今後力を入れていっていただきたいと思います。何とぞよろしくお願いいたします。
今回、私が用意した質問は以上となります。真摯に回答いただいた大西市長をはじめ執行部の皆様、大変ありがとうございました。また、平日の午前中という大変お忙しい中、傍聴においでいただいた皆様、そして、インターネット中継で御覧いただいた市民の皆様に心より感謝申し上げます。
本日は大変ありがとうございました。(拍手)
────────────────────────────
○園川良二 副議長 この際、議事の都合により休憩いたします。
午前11時10分に再開いたします。
午前10時54分 休憩
───────────
午前11時10分 再開
○原亨 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。
────────────────────────────
○原亨 議長
一般質問を続行いたします。
西岡誠也議員の発言を許します。西岡誠也議員。
〔23番 西岡誠也議員 登壇 拍手〕
◆西岡誠也 議員 皆さん、こんにちは。市民連合の西岡でございます。
7項目ありますから、早速質問に入らせていただきます。
第1番目、自殺防止対策についてでございます。
昨年、熊本いのちの電話の事務局長から話を聞く機会がありました。熊本市には、いのちの電話とこころの電話があり、熊本いのちの電話と同様な組織は全国にもございます。先日、芸能人の中にも、亡くなられたときにテレビの下にテロップが出る、そういうことが記憶に新しいと思います。
昨年話を聞きましたから、1年前のデータですけれども、2020年に熊本市で相談を受けた件数が7,298件ということでございました。前年よりも1,988件減少したと。しかしながら、県内の自殺者は296名で、前年と比べれば16人増えたということでございました。全国で見れば2万1,081人、前年に比べますと、912人の4.5%増加という結果であったということです。熊本市での相談、男女とも10代は少なく、20代が増えて、40代、50代が最も多い、そして、60代から減少してきているというのが相談件数でございます。
一方、自殺傾向率には男女差があると。女性は10代、それから20代が多いと。ほかの年齢層は同じような傾向となっている。そして、男性では、10代は少なく、30代から60代まで高止まり、最も多いのは70代ということでございました。相談内容につきましては、人生相談が最も多いと。続いて精神、家族、対人、そのような内容があるということでありました。
これらの相談を受ける相談員(認定者)は、94名おられるということでございますけれども、実働できる方が87名で、通常電話が2本ありますけれども、相談員が不足しているということで、1回線で受信する日も多くなっているということでございました。当番制で1人3時間から4時間、交代制で24時間受け付けておられます。
この相談員になるためには、2年程度の養成期間が必要であり、1年目は精神障害やアルコール依存症、発達障害など、そして、一番重要な相手の立場を理解することなどを座学で学んでもらい、2年目はインターンでの研修ということでございます。2年間でようやく相談を受ける体制ができるということでございます。
また、相談員は一切名前を公表してはならないと。相手の身分も問わず、相談内容は外部に一切他言してはならないということになっている。また、無報酬のボランティアで活動されております。その年齢は、一番若い方で38歳、年長者で84歳がおられるということでございました。
このいのちの電話の相談活動を維持・存続していくために、資金は全て個人サポート会員や法人サポート会員の寄附に頼っているという状況でございます。
そこで、1点目として、熊本市としてどのような自殺防止対策が行われているのか。2点目に、熊本いのちの電話との連携ができないのか。3点目に、必要な経費の支援ができないのか、お尋ねいたします。大西市長、答弁をお願いします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 自殺は、健康問題、過労、社会的孤立、子育ての不安、いじめ等々、様々な要因が複雑に重なった結果、心の視野狭窄が起こり、その状態が続くことで生きることへの希望が見いだせず、苦痛から逃れたいという強い衝動により引き起こされるものと考えられています。
しかし、その一方で、心の底で生きたいという強い願望も同時に存在し、誰かに助けを求めているものでもあることから、周りの方々ができるだけ早く気づいて支援をするということが何よりも重要であると考えております。
本市では、本人からのSOSを受け止め、相談から支援に確実につなげるため、ゲートキーパーなどの支援者育成や関係機関のネットワークなどにより自殺防止体制の充実に取り組んでおりまして、こころの健康相談やSNSこころの悩み相談など、多世代が利用しやすい様々な相談体制を取り、対応を行っております。
次に、熊本いのちの電話との連携及び必要経費の支援について、併せてお答えいたします。
社会福祉法人熊本いのちの電話においては、長年社会に貢献されておりまして、本市の自殺対策連絡協議会の委員としても御意見をいただいているところです。
また、近年は、様々な要因によるストレス、悩みが多くなっている状況の中で、電話相談員の不足が続き、その影響で電話がつながらない状況に陥っているということも伺っております。
このため、いのちの電話相談員の募集を市政だよりにて広報し、支援を行っているところです。また、今年度は、小中学校に対し、熊本いのちの電話のパンフレットを配布することとしており、必要経費を含め、どのような支援が必要なのか、御意見を伺いながら支援の在り方を検討してまいりたいと考えております。
〔23番 西岡誠也議員 登壇〕
◆西岡誠也 議員 ありがとうございました。
今の答弁で、熊本市としてもいろいろ対策が行われており、そして、連携もされているということで理解いたしました。
資金づくりの一つとして、自動販売機による寄附を進めようということで取り組まれております。市関係の公共施設にも自動販売機が設置されておりますけれども、熊本いのちの電話のための寄附式自販機にしたらどうかと考えております。自販機に、いのちの電話に寄附されますということで表示がなされます。
この方法であれば、熊本市の財政負担にもならないと思いますから、これについては、佐賀市や福岡市、この辺りでは、寄附付自販機の寄附を活動資金として活用しているという事例もございますので、ぜひ熊本市でも、その辺は対策をお願いしたいと考えております。
また、コロナ禍の中、社会のために奉仕をしている団体を市として表彰する機会があれば、対象としていただければ幸いでございます。匿名で、個人の名前は明かすことができませんので、いのちの電話に対する表彰といいますか、そういう表彰制度を設けていただきたいと考えております。
この件については、健康福祉局長に答弁をお願いいたします。
〔津田善幸健康福祉局長 登壇〕
◎津田善幸 健康福祉局長 2点の御質問にお答えいたします。
まず、御提案の寄附式自動販売機の設置についてでございますが、市有施設における自動販売機設置状況を確認いたしますとともに、効果的な方法につきましては、施設の管理部署や自動販売機の設置者等と協議してまいります。
次に、団体の表彰についてでございますが、昼夜を問わず、献身的に活動いただいている電話相談員の方のモチベーション向上にもつながると考えられますことから、今後、表彰制度の在り方を検討してまいります。
〔23番 西岡誠也議員 登壇〕
◆西岡誠也 議員 自販機についても他都市で実現しているわけでありますので、ぜひ熊本市としても実現できるように検討をお願いしたいと考えていますし、それから、表彰についてもぜひ検討をお願いしたいと考えております。
次に、会計年度任用職員の一時金の関係についてお尋ねいたします。
以前は、臨時・非常勤として雇用されておりましたけれども、今現在は会計年度任用職員ということで雇用形態が変更になっております。そして、一時金も支給されるという状況でございますけれども、これまでは、職員と同様の仕事をしながらも、臨時・非常勤の職員については、官製型ワーキングプアということで、厳しい労働条件が続いてまいりました。この制度については、総務省として、臨時・非常勤の雇用の安定、処遇改善に向けて、自治体で雇用する臨時・非常勤に対して、賃金の改善、費用弁償としての通勤手当の実費支給や期末手当を支給すべきとして、会計年度任用職員制度がスタートいたしました。職員の一時金については、期末手当と勤勉手当、両方で合算して支給されますけれども、会計年度任用職員については期末手当のみということになっております。昨年の12月、期末手当の支給が削減されました。したがいまして、会計年度任用職員についても当然削減になるということになります。
ただ、問題なのは、これまで職員の一時金が削減されてきたのは期末手当でございます。増額されるときは勤勉手当が増額されると、この流れがずっと続いてきております。したがって、今回民間の景気がよくなって、一時金が増額される場合には、期末手当でなく、勤勉手当が増額されると。そうした場合、会計年度任用職員については引上げがないという可能性がございます。したがいまして、これらの問題について、他都市については何らかの努力をされているということも伺っております。これについて把握されているかお尋ねします。
そしてまた、2点目に、熊本市として、会計年度任用職員の一時金に対する考え方をお尋ねします。
それから、3点目に、この間進めてきた会計年度任用職員の処遇改善について、どのようにお考えなのかお尋ねしたいと思います。総務局長に答弁を求めます。
〔宮崎裕章総務局長 登壇〕
◎宮崎裕章 総務局長 会計年度任用職員の期末手当についてお答え申し上げます。
会計年度任用職員の制度は、自治体ごとに異なっていた臨時・非常勤職員の任用や勤務条件に関しまして、統一的な取扱いとする目的で、令和2年度に地方自治法及び地方公務員法に定められ、その中で期末手当の支給が可能となったものでございます。
本市におきましては、制度導入当初から期末手当を常勤職員と同じ支給月数としておりまして、その後も常勤職員に準じて改定しているところでございます。
そのような中で、指定都市のうち7市が常勤職員とは異なる支給月数としていることは承知しておりまして、会計年度任用職員の処遇の見直しにつきましては、国の動向を注視いたしますとともに、他都市の運用状況も参考にしながら、検討を行っていきたいと考えております。
〔23番 西岡誠也議員 登壇〕
◆西岡誠也 議員 総務局長の答弁の中で一番最後の行が一番重要でございまして、他都市の状況を参考にしながらということで、ぜひ取組をお願いしたいということを申し上げておきたいと思います。
次に、調整池の有効活用についてお尋ねいたします。
大規模開発を行う場合、公園や調整池を設ける必要がございます。その中で、調整池についてお尋ねいたします。
私の自宅の近くに流通団地がありますけれども、規模も大きく、その調整池についてもかなり広い面積となっております。ただ、そこは、雑草が多く、東バイパスの歩道にその草がのしかかるという状況も実はございます。また、土砂の堆積もあるために、数年、あるいは十数年に一度はしゅんせつをするということになっております。
そこで、このような調整池の上を何らかの形で利用できないかと考えております。確かに土砂のしゅんせつとか、それから放流する際の堰の問題、このあたりは考えなければなりませんけれども、全面を利用するのでなく、一部を利用したり、当然重機を入れてしゅんせつするわけですから、そのクリアランスも考えなければなりませんけれども、ぜひそのような課題を少しずつ解消することによって、有効活用ができないかと考えております。
この流通団地については一例でありますけれども、今後このような大規模開発が出た場合に、当初からそういう計画がなされないか、ぜひ検討願いたいと考えております。都市建設局長の答弁をお願いしたいと思います。
〔井芹和哉都市建設局長 登壇〕
◎井芹和哉 都市建設局長 ただいまの調整池に関する質問にお答えいたします。
本市の大規模開発につきましては、雨水の流出抑制を目的として、申請者に対しまして調整池の設置を指導しておりますけれども、市が引き受ける調整池は、公共施設として管理いたしますため、維持管理上の観点等から原則として掘り込み式とし、公園等の他の用途との併用は認めていない状況でございます。
しかしながら、近年の技術革新により地下貯留の新技術が開発されておりますことに加え、民間商業施設の駐車場等の地下に設置されている事例も見受けられますことから、維持管理や構造上の課題等と併せ、調整池上部の多目的利用について検討してまいりたいと考えております。
〔23番 西岡誠也議員 登壇〕
◆西岡誠也 議員 先進的な事例もあるようでございますから、ぜひそのあたりも参考にしながら、検討いただきたいと考えております。
次の、職員定数条例の見直しと定員管理についてお尋ねいたします。
自然災害や
新型コロナウイルス感染症対策など、通常業務以外の突発的な状況の中で、通常業務を担っている職員や併任事例で
新型コロナウイルス感染症対策を行っている職員も、いずれも厳しい職場実態となっております。少ない人数で最大限の行政サービスを行うため、業務の在り方や定数管理を行い、職員の削減が行われてきました。しかし、現在の状況は、慢性的に人員が不足している状況が生じています。例えるなら、乾いた雑巾を絞るような状況になっているんではないかと考えております。
令和4年度の教職員を除いた職員数は6,223名と伺っており、政令指定都市へ移行した平成24年度に比べて、232名減少となっております。また、定数条例に着目すると、市長部局においては、定数の余裕が僅か1.4%、上限まで52名ということになっております。さらに採用後3年以内の退職者が、
令和元年度は6名、令和2年度は15名、令和3年度は18名となるなど、増加傾向にあることも注目すべきであります。良質な市民の暮らしを保証するためには、それを提供する職員の確保が求められているのではないかと思います。
そこで、1点目に、自然災害や
新型コロナウイルス感染症対策など、通常業務以外の突発的な状況でも定数条例の関係で採用できなくなることがあると思います。緊急事態に備えて、余裕を持った定数条例にすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
2点目に、若年層の早期退職の関係で、どのような理由で退職するのか把握する必要があると思いますが、把握されているのでしょうか。把握していれば、どのような対策が行われてきたかお尋ねいたします。
1点目は深水副市長に、2点目は総務局長にお尋ねいたします。
〔深水政彦副市長 登壇〕
◎深水政彦 副市長
新型コロナウイルス感染症や災害等への対応に当たりましては、これまで全ての事務事業の積極的かつ抜本的な見直しを徹底し、業務の縮小・延期及び執行体制の見直し等により生み出してきた人員を関係業務にシフトすることで対応を図ってまいりました。
一方、
新型コロナウイルス感染症への対応が長期化する中で、緊急事態や多様化する市民ニーズへ機動的に対応する必要がありますことから、新たに第7次熊本市定員管理計画を策定し、人員体制の拡充を図ることといたしております。
また、災害等の非常時に機動的に対応できるよう、一定の余裕を持たせるために定数条例を見直すことも検討しているところでございまして、今後適正な職員数を確保してまいりたいと考えております。
〔宮崎裕章総務局長 登壇〕
◎宮崎裕章 総務局長 採用後3年以内の退職理由の多くは、
民間企業、または他の行政機関等への転職や家庭の事情、病気療養等でございます。
また、若年層職員の離職対策といたしまして、採用後の研修や配属先の職場指導員によりますサポート体制の充実など、職員の成長を支援し、意欲を持って働き続けることができるよう取り組んでいるところでございます。
今後、さらに詳細な退職理由の調査・分析を行いまして、職員が働きがいを感じ、長きにわたり持てる力を最大限発揮できるような職員満足度の高い職場環境の整備に努めてまいります。
〔23番 西岡誠也議員 登壇〕
◆西岡誠也 議員 必要な職員数については確保してまいりたいということ、それから、条例改正についても検討するという回答がございました。
そして、ちょっと気になったのが、若年層の退職の関係で、市にいて、ほかの公共自治体というか、公共的な職に転職するとか、その辺がちょっと気になったわけでありまして、ずっと働きたいという職場をつくるのが本来必要ではないかと思いますから、ぜひそのあたりも分析していただいて、検討いただきますようにお願いしておきます。
次に、中心後退部分の指導と寄附申請についてお尋ねいたします。
この中心後退については、
令和元年第2回定例会でも私、質問させていただきました。そして、今年の第1回定例会でも、熊本自民の藤山議員も質問されました。狭隘道路の通行、避難の安全等の確保、良好な市街地形成のために建築基準法第42条第2項の道路については、昭和61年に熊本市建築行為等に係る狭あい道路指導要綱というのを策定されておりまして、判定要領による道路判定を行い、その結果に基づき、建築確認が行われているというのが今の流れでございます。
質問については、建築後、有効幅員が確保されているのか。また、後退部の熊本市への寄附を進めるべきではないかというものだったわけでありますけれども、これに対する答弁は、後退した敷地を道路管理者へ寄附するかについては、法的に義務づけることはできない状況にあると。代理人の協力を得ながら、建築主への周知徹底を行うという回答でございました。
また、建物完成後の指導については、後退した土地を引き続き建築主等が所有する場合、後退した土地に樹木を植えたり、構造物を設置しないよう、チラシにて注意喚起を行っているという回答でございました。
今後は、年間を通じて定期的に実施している違反建築パトロールや違反建築防止週間等の機会を捉えて、指導強化にも努めるという回答でございましたが、いろいろ聞いてみますと、通常業務がかなり忙しいということもございまして、そのパトロールは月に1回程度ということでございます。そうしますと、かなり多くの建築確認申請が行われている、中心後退部分が出てきていると。その中にあって、月に1回では、なかなか指導もできないんではないかと考えております。
したがいまして、提案をしたいと思うんですが、市役所職員OBとか、シルバー人材センターとか、この辺をきちっと研修して、常時何班かに分けて、エリアを設定しながら、そして巡回をし、指導すると。それから、そういう寄附申請のお願い、こういうことをしないと、狭隘道路対策にならないんではないかと考えておりますので、ぜひそのような対策をお願いしたいと考えています。都市建設局長の答弁を求めます。
〔井芹和哉都市建設局長 登壇〕
◎井芹和哉 都市建設局長 道路後退の指導と寄附要請につきましては、これまではチラシによる注意喚起を行っておりましたが、寄附率の向上を目的に、建築確認申請時に、建築主に対する寄附制度の周知徹底と寄附の意思を確認する取組を新たに始めているところでございます。
また、既に工事完了、または工事中の物件に対する取組といたしまして、まずは、令和2年度に建築確認申請がありました約4,000件のうち、道路後退を要する約500件について追跡調査を実施し、後退がなされていない場合の指導や寄附の依頼を行っていくこととしております。
その結果を基に、議員御提案の手法なども検証し、狭隘道路の解消に努めてまいりたいと考えております。
〔23番 西岡誠也議員 登壇〕
◆西岡誠也 議員 今答弁がありましたように、年間4,000件、そのうち、中心後退の部分が500件ということでございます。これは1年間でありますから、過去に遡りますと、かなりの件数があるということでございます。今いろいろ検討されて、そして、令和2年度の分について精査するということでございますけれども、これを調査する上で、まず、今現在確認申請した部分の中でその500件を洗い出す。その中で、地域割りをするとか、いろいろ準備が必要です。そして、調査するグループが必要。そして、帰ってきたら、それをまた記録する、こういう作業が必要になってきますから、まずは、先ほど答弁がありましたけれども、職員でそれをやってみるということでありますから、その結果、どれだけの必要な人員が必要なのか、それから、今後どのような班体制をつくって、回せばいいのか、それを具体的に検討いただいて、できるだけ早くその辺の対策が取られるようにお願いしておきたいと思います。
次の質問です。
中高年のひきこもり問題についてお尋ねいたします。
ひきこもりは、社会問題として認知された1980年〜1990年代、若者の不登校との関係で注目されました。当時厚生省が1991年に始めたひきこもり・不登校児童福祉対策モデル事業で支援したのは18歳未満でした。1990年代半ば〜2000年代半ばまでの就職氷河期を経て、背景が就労のつまずきと複雑になり、中高年で引き籠もり始める人が目立ってまいりました。
しかし、国の事業は若者限定が多く、2006年度から続く就労支援の地域若者サポートステーションの利用対象も30歳までを基本にされてきました。国が年齢制限のないひきこもり対策推進事業に乗り出したのは2009年度でございます。都道府県・政令指定都市が設置するひきこもり支援センターはその中核で、2,000万円を基本とする運営費の半額を国が自治体に補助するということになっています。センターは、相談から適切な関係機関につなぐ役割を担うということになっています。ただ、自治体によっては、最近まで一定の支援で年齢制限を残していたという実態がございます。さらに国は、市町村主体のひきこもりサポートセンター派遣事業の補助を2013年度に創設いたしました。
情報発信や居場所の提供などを含めたひきこもりサポート事業に発展させ、補助を続けているところであります。また、2015年度施行の生活困窮者自立支援法に基づく就労準備支援などもひきこもり対策と連動させて進めているところでございます。
そこで、熊本市として、どのような対策が行われているのか。また、その対策により、成果が上がっていればお答えいただきたいと思います。健康福祉局長の答弁をお願いします。
〔津田善幸健康福祉局長 登壇〕
◎津田善幸 健康福祉局長 中高年のひきこもり問題につきまして、対策とその成果をお答えいたします。
本市におきましては、ひきこもりは若者特有の問題ではなく、中高年を含む社会問題であると認識しております。ひきこもりの専門相談機関として、平成26年10月に熊本市ひきこもり支援センターりんくを開設いたしまして、中高年を含めた相談支援を行っているところでございます。昨年度、新規相談件数139件のうち、ひきこもり状態にある中高年者の相談件数は、本人からが6件、その家族等からが26件、合計32件でございました。
このうち、関係支援機関へつないだ件数は15件で、具体的成果といたしましては、医療機関にかかられていない方が受診されたこと、就労支援によりアルバイトを開始されたこと、また、発達に特性が疑われる方が検査を受けられたことなどがございます。
今後もひきこもり支援センターりんくの周知により、相談できる場所があることを多くの市民の皆様に知っていただき、関係機関と連携しながら、ひきこもりの状態にある御本人やその御家族の支援に努めてまいります。
〔23番 西岡誠也議員 登壇〕
◆西岡誠也 議員 家族になかなかそういう相談がある場所が分からないというようなところもかなりあると思います。ぜひその辺の相談を行うことができるということをお知らせいただきたいと考えております。
それでは、中心市街地における点字ブロックの増設についてお尋ねいたします。
市内の高校に通う学生さんからメールをいただきました。それは、先日、熊本市中心地のアーケードを歩いていますと、目が不自由な方が点字ブロックのないアーケードで人とぶつかってしまったり、壁にぶつかってしまったりと、大変な危険な状況で歩いていらっしゃいましたと、このようなメールでございました。
私も白杖を持った方が歩いておられるのを見かけます。それで、下通、上通、銀座通りを歩いてみました。ところが、アーケードの中には点字ブロックは全くありません。そして、アーケードから銀座通りに出るところ、ここについても点字ブロックがありませんでした。ですから、そういう意味では、高校生が気づいてメールをしてくれましたから、そのあたりについて、これまで検討されてきたのか、ちょっと疑問でございます。
ですから、そういう意味では、人に優しいまちづくり、これを考えるときに早急に対応する必要があるんではないかと考えておりますけれども、都市建設局長の答弁をお願いいたします。
〔井芹和哉都市建設局長 登壇〕
◎井芹和哉 都市建設局長 本市中心部における点字ブロックにつきましては、
令和元年度にバリアフリー法に基づく特定道路として指定された整備延長6.3キロメートルのうち、約4.9キロメートルの整備を完了しているところでございます。
一方で、アーケードや銀座通り等の点字ブロック設置につきましては、道路と建築物等との連続性の課題や、車道と歩道の区分がないアーケードにおいて、歩行者を安全に誘導するための設置場所の確保などの課題もございます。
現在、本市では、バリアフリーのまちづくりの基本理念となりますバリアフリーマスタープランの策定に取り組んでおり、その中で、高齢者、障がい者、施設管理者等の皆様の御参画を積極的に促し、連携を図りながら、点字ブロック整備を含む、面的・一体的なバリアフリー化を検討してまいります。
〔23番 西岡誠也議員 登壇〕
◆西岡誠也 議員 マスタープランを策定しながら検討していくということでありますけれども、ぜひマスタープラン策定を前に、並行して、そういう対策については行っていただきたいと考えております。
確かに下通、上通、新市街アーケードについては、地元商店街で道路の表面は施工しておりますから、そちらとの協議とか、そして、上通については真ん中に板がありますから、そういう関連とか、それから、店から近いところについては商品を前に出すとか、いろいろそういう課題もあることは理解しておりますけれども、ぜひ人に優しいまちづくりという意味では、そのあたりの課題も克服しながら、対応いただきますようにお願いしておきたいと思います。
以上で、私の質問は終わりました。いろいろ執行部の皆さん、前進ある回答もいただきました。ぜひよろしくお願いしておきたいと思います。
傍聴の皆さん、それからインターネットで御視聴の皆さん、全ての方に感謝申し上げ、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
────────────────────────────
○原亨 議長 この際、議事の都合により休憩いたします。
午後2時に再開いたします。
午前11時52分 休憩
───────────
午後 2時00分 再開
○原亨 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。
────────────────────────────
○原亨 議長
一般質問を続行いたします。
落水清弘議員の発言を許します。落水清弘議員。
〔44番 落水清弘議員 登壇 拍手〕
◆落水清弘 議員 今議会でのしんがりの質問役を務めさせていただきます、熊本自由民主党市議団落水でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
本日の質問は私がこの2年半のコロナ騒動の間に得た真相と疑問から、市民の命と健康を守る、及び人権とポリティカルコレクトネス思想がテーマです。ぜひ、市民の皆様にも耳を傾けていただければ幸いです。
では、順次。
通告1、新型コロナ騒動から市民の命と健康を守る新しい政策について。
(1)水の安全こそが、市民の命と健康を守る。
本市の上水道は、世界50万人以上の都市で、まれな、良質な地下水です。さて、先々月、厚労省は上水道中の農薬残留基準等を緩めました。しかし、なぜか報道では目にしません。今、日本の農薬使用量は世界でも多い方と耳にします。国連、FAOの調査でのOECDプラス大国の中国を加えた39か国中のワースト5をお答えください。
また、各農薬メーカーが安全試験をしておりますが、それを農水省は再実証試験をして安全を確認しているのでしょうか。お答えください。
また、これらのことを、私が質問通告をする前に、市職員の方々は御存じでしたでしょうか。
3点、大西市長、お答えください。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 国連食糧農業機関、いわゆるFAOが公表しております2018年の統計データベースによりますと、経済協力開発機構、いわゆるOECDの加盟国に中国を加えました39か国中、単位面積当たりの農薬使用量の多い5か国は、中国、イスラエル、日本、韓国、オランダの順となっております。
農薬の登録に当たりましては、農薬取締法に基づき、国は毒性や作物への残留、環境への影響など、90種類以上の試験成績の提出を申請者に求めますとともに、その成績の信頼性を確保するため、試験施設や機器、手順など、試験機関が守らなければならない内容を詳細に規定しております。また、審査に当たっては、農林水産省は内閣府食品安全委員会、厚生労働省、環境省と連携して、消費者や農薬を使用する農業者の健康への影響等を、提出されたデータに基づいて評価した上で、使用基準を定めて登録しているということでございます。
本市職員の認知状況についてでございますが、農薬登録に係る手続等は国の事務として行われておりまして、かつ国内外の農薬使用量の状況についても専門的な内容であるため、知らない職員も多いと考えます。
いずれにいたしましても、市民の皆様の命と健康に関わる情報は、本市としても重要でありますことから、今後、様々な情報について収集や研究に努めてまいりたいと考えております。
〔44番 落水清弘議員 登壇〕
◆落水清弘 議員 ワースト1が中国、ワースト2がイスラエル、3位が日本、4位が韓国、5位がオランダ、日本ワースト3というのは、気持ちがいいものではないです。
また、農水省は独自の毒性試験はしていない。しかし、このことで即農薬が悪だというつもりではありません。農薬があるために収穫量は拡大します。病害虫からも作物を守れます。全ての事象にメリットとリスクが混在するわけです。
次に、昨今はマイクロ・ナノ
プラスチックの環境汚染が注視されています。本市において、河川、海水、水道水及び大気中の汚染状況、調査されているなら
環境局長、お答えください。
〔
早野貴志環境局長 登壇〕
◎早野貴志
環境局長 マイクロ
プラスチック、ナノ
プラスチックの環境汚染についてお答えいたします。
河川中のマイクロ
プラスチックにつきましては、令和3年3月に加勢川で行った独自調査では確認されなかったものの、生態系や健康への影響も懸念されていることから、河川に加えこれまで調査を実施していない海域についても、定期に実施している水質調査の検体を活用して確認してまいります。
また、今年度中には、環境省の河川マイクロ
プラスチック調査ガイドラインに基づく調査を実施し、その結果を公表してまいります。
次に、大気中のナノ
プラスチックについては、現在、本市が行っている調査では特定が困難であり、また、国においても研究が進められているものの、いまだ知見が少なく調査方法も確立されていないことから、引き続き国や大学等による調査研究の動向を注視してまいります。
なお、水道水中のマイクロ
プラスチックについては、これまで上下水道局が実施している定期検査では混入は認められず、引き続き、確認を行っていくと聞いております。
〔44番 落水清弘議員 登壇〕
◆落水清弘 議員 海外のデータによりますと、人間の血液の中にもナノ
プラスチックが混じっているそうでありますし、子供の尿からもナノ
プラスチックが検出されているデータが多数ございます。これらは熊本市にとっては法令義務では全くありません。しかし、大西市長、これで本市の地下水やアサリ貝、または大気が汚染されてもいいのかを、やはり考えなければならないと思います。
通告2、食の安全こそが市民の命と健康を守るから、輸入農作物の危険性と国産農作物の安全性調査について。
先ほどの農薬使用量ワースト1と5の中国、韓国などからの輸入農作物の不安は、日本人誰もが持っているでしょう。また、ワースト3が日本と聞くと、誰もが、おい、大丈夫かとつい心配になるのが普通の感情です。
本市では、市域での食品の残留農薬調査はされておりますでしょうか。健康福祉局長、お答えください。
次に、人工甘味料をはじめとする新たな食品添加物の不安について。
カロリーゼロ、こういう名の飲料水が20年ほど前から世に蔓延しています。これらに使用されている人工甘味料の多くはリスクのある食品添加物です。中には砂糖の1万倍、4万倍というものもあります。ネオテームというものはモンサント社が開発し、その特許は、かのファイザー社の所有です。ファイザー社です。
昨今は食品添加物が発達障害の原因だとか、アレルギーの原因などという書籍をよく目にします。それと食品添加物の種類や使用量は日本はとても多いとの話も聞きます。また、EU各国では日本よりはるかに厳しい基準を設けています。本市において市域での食品添加物の調査はされておりますでしょうか。健康福祉局長、お答えください。
3点目、小麦高騰と小麦グルテンアレルギーからの米飯給食推進について。
このグルテンのことは、国内でコロナ騒動後始まった2年前のオーストラリア現地の情報です。オーストラリアではレストランのメニューが一つは普通のメニュー、もう一つはベジタリアン・グルテンフリーメニューとなっています。私が行った14店全てです。
オーストラリア人の間では小麦は腸内環境を乱し、免疫力を低下させると考える人が多数いるあかしです。今、小中学校では、米飯給食が週3日だそうですが、小麦高騰を機会に、グルテンアレルギー、ポストハーベストなど、子供たちの健康を配慮してもっと米飯給食を増やすことを検討いただけないものでしょうか。教育長、お答えください。