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  1. 熊本市議会 2022-06-14
    令和 4年第 2回定例会−06月14日-02号


    取得元: 熊本市議会公式サイト
    最終取得日: 2022-11-22
    令和 4年第 2回定例会−06月14日-02号令和 4年第 2回定例会   令和4年6月14日(火曜) ┌─────────────────────────────────────┐ │ 議 事 日 程 第2号                         │ │ 令和4年6月14日(火曜)午前1時開議                │ │ 第  1 一般質問                           │ │ 第  2 議会運営委員辞任の件                     │ └─────────────────────────────────────┘                             午前100分 開議 ○原亨 議長  ただいまより本日の会議を開きます。  この際、会議規則第3条第2項の規定により、議席の一部を変更いたします。  議長の交代に伴い、本職の議席を1番に、原口亮志議員の議席を28番に、田中敦朗議員から大石浩文議員の議席をただいま御着席のとおり、それぞれ変更いたします。       ──────────────────────────── ○原亨 議長  日程第1「一般質問」を行います。  発言の通告があっておりますので、順次発言を許します。  まず、小佐井賀瑞宜議員の発言を許します。小佐井賀瑞宜議員。          〔31番 小佐井賀瑞宜議員 登壇 拍手〕 ◆小佐井賀瑞宜 議員  皆様、おはようございます。自由民主党熊本市議団小佐井賀瑞宜でございます。  本日も経済とコロナの関連性を踏まえ、多くの項目を用意いたしておりますので、失礼ながら挨拶抜きに早速、進めてまいりたいと存じます。
     デフレに苦しむ我が国の経済は、コロナ禍における急速な資源高騰によって深刻な混迷期を迎えています。  私自身は、輸入物価がもたらす弊害は、そもそも環境と産業の共生に基づく世界的な政策が根源と考えるところではありますが、一地方でこのような論争を巻き起こしても仕方ありません。今はただ、現実的な国内状況に目を向けて、社会経済に弊害が及ばないよう、最善の道を探らなければならないと感じております。  そのような意味で、まずは経済における基礎的課題として挙げられるスタグフレーションの件を掲げながら、これに対する本市の考え方についてお尋ねさせていただきます。  スタグフレーションとは、分かりやすく言えば、景気後退を促すインフレ状態のことです。我が国は20年以上にも及ぶデフレ期であり、国も地方もともにこの課題解消のすべを見いだすことこそが、経済再生への道筋として歩んでまいりました。  そこで、政府は基本的指数として、CPI、いわゆる消費者物価指数の算定によって導かれるインフレ率2%を設定し、安倍政権以来、財政出動、金融緩和、成長戦略を講じようとしていたわけです。  しかし、経済財政諮問会議の提言であるプライマリーバランスの黒字化の堅持が財政政策の足かせ要因となり、いまだにデフレ脱却に至らないというのが昨今の日本経済の実像であります。  ただ、今年に入り、インフレが加速してきたことは、皆様御承知のとおりです。ただし、このインフレ要因は、本来、政府が目指してきた生産性の向上に連動した所得向上に起因したものではありません。  世界の紛争を含むエネルギー需要の不均衡や労働市場の人手不足などが主因です。これは我が国にとっては、決して歓迎すべきことではありません。つまり、国内の生産性並びに所得の向上が図られないまま、物価上昇を迎えているわけですから、今後の消費低迷は火を見るより明らかです。それゆえ、社会コストが上昇する中においては、自治体の運営にも少なからず影響を及ぼすものと想定されます。  今般の日本の経済動向を踏まえ、自治体運営において、税制改正や市の制度に準じた負担金や使用料金などについて、改定の機運が高まることも考えられます。  今後の経済動向に連動した地方税制の展望について、市長はいかがお考えでしょうか。御所見いただきたいと存じます。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  令和4年4月の財務省九州財務局熊本県内経済情勢報告によりますと、県内経済の先行きは、感染対策に万全を期し、経済社会活動が正常化に向かう中で、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、持ち直していくことが期待されるものの、感染症による影響やウクライナ情勢等による不透明感が見られる中で、原材料価格の上昇や金融資本市場の変動、供給面での制約等による下振れリスクに十分注意する必要があるとされております。  本市においても、現下の経済情勢が及ぼす財政基盤への影響を注視しながら、各種施策を進めていく必要があると考えております。  特に、新型コロナウイルス感染症対策をはじめ、脱炭素社会の実現や少子高齢化対策、都市の活性化、社会資本の長寿命化など、緊急かつ重要な施策については、引き続き積極的に取り組む必要がございます。  そのためには、現在の経済情勢を踏まえつつ、国、都道府県、市町村の役割分担を明確にした上で、その役割分担に応じた税の配分となるよう、例えば消費税や所得税、法人税など国の基幹税からの税源移譲による税源配分の是正など、税制の見直しも必要と考えております。  経済動向に応じた自主的かつ安定的な財政運営を行うためには、税財源等、自主財源の確保は重要な課題と認識しておりまして、引き続き、国への要望等を行ってまいりたいと考えております。          〔31番 小佐井賀瑞宜議員 登壇〕 ◆小佐井賀瑞宜 議員  コロナ禍で低迷した社会経済は、なお深刻です。そして、インフレが加速することに国民は違和感を抱いているはずです。可処分所得が上昇しない中でのコストプッシュインフレは、国民感情として実質的な増税にさらされているのと同じような感覚を抱きます。  それゆえ地域経済の浮揚のためにも経済と税制の関連性をよく理解し、市民に対し過重な負担が及ばないよう御留意いただきたいと存じます。そして、現時点では市長の答弁のとおり、国の支援や税制改正の要望も必要視されます。市民負担軽減のためには、やはり今は政府の支援を探るしかないというのは現実的な道筋ではないでしょうか。  そこで、今後の政府による経済支援の動向に注視しておりましたが、新たな経済対策に即した交付金に着眼しましたので、この件を掲げさせていただきたいと思います。  現在の政府の動向に視点を置けば、現況の問題に直面する国民支援のために総合緊急対策として臨時交付金1兆円の活用が本年4月28日の閣議決定によって追加されました。この交付金は、地域経済や市民生活の支援を通じた地方創生に資する事業になるよう、例年よりも自由度が高く活用できるとの指針が示されております。  そこで、この期待の膨らむ新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の使途については、経済復興の観点を主軸に置いて、幅広く事業展開していただきたいと感じております。  例えば、これまでの支援の網から漏れた飲食店や宿泊施設への支援や、起爆剤となり得る文化・スポーツなどのイベント関連など想定できます。また、生産コストに苦しむ農業者支援なども容易に想定できます。  そして、その構想については、商工会議所や商工会や商店街組合、そしてJAなど、地域経済を支える団体において、様々な思いを抱いていらっしゃると思います。その皆さんのニーズを的確に把握し、経済復興の足がかりとなる事業を切れ目なく展開していただきたいと思いますが、交付金の活用による経済的支援について、政策局長に見解をいただきたいと思います。          〔田中俊実政策局長 登壇〕 ◎田中俊実 政策局長  地方創生臨時交付金の活用等についてお答えします。  今般の原油価格及び物価高騰は、地域経済活動に大きな影響を及ぼし、コロナ禍からの回復への歩みが大きく阻害されますことから、市民や事業者の皆様に対し、きめ細かな支援が必要であると認識しております。  そこで、地方創生臨時交付金の活用に当たっては、議員御指摘のとおり、関係団体や事業者の皆様との意見交換やヒアリング等により把握したニーズを踏まえ、本市の実情に応じた効果的な施策を講じてまいりたいと考えております。          〔31番 小佐井賀瑞宜議員 登壇〕 ◆小佐井賀瑞宜 議員  先般のコロナ禍の第6波の折、熊本では蔓延防止策の規制が激しかった分、地域経済に及ぼす影響も大きかったはずです。商工会議所の会頭や商工会連合会の会長は、熊本県に対し、蔓延防止策の早期解除を強く求めていらっしゃる姿がとても印象的でした。  この件については、夜の歓楽街をはじめ周辺域の事業所では痛ましい事案に至っている例も耳にいたしております。それゆえ、何とぞ実務把握に励んでいただき、実務的な支援が実施できますようお願い申し上げたいと存じます。  さて、ただいま提言申し上げました今回の交付金は、使途に関しては自由度の高いのが特徴であります。しかし、この予算はあくまで臨時措置でございますので、基本となる今後の国の予算編成に当たっては、経済復興、そして日本の成長戦略の強化を求め、積極的な財政出動であってほしいと期待を寄せるばかりです。  そのためにも、単年度予算執行の原理原則の緩和も含め、息の長い計画性を持った需要創出への視点を大切にしていただきたいと考える次第であります。そのような思いも含めて、この交付金の具体的使途を研究するために、102ページにも及ぶ交付要綱を確認していたところでございました。  ところが、詳細に調べが進むにつれて、新たに得心の至らない部分が浮き彫りになりましたので、この件を掲げさせていただきます。それは、この臨時交付金算定基準についてであります。実は、この交付金の取扱いについて、本年4月28日に内閣府地方創生推進室から都道府県財政課並び関係各課宛てに事務連絡が行われております。  そして、5月10日過ぎにその通達文書を確認しましたところ、大きな違和感を抱きました。その際立つ記述は、ページナンバー4〜5、項目3、交付限度額について、(1)コロナ禍における原油価格・物価高騰対応分の算定額、この部分について、本文をそのまま読み上げさせていただきます。  「交付限度額の算定に当たっては、新型コロナワクチン3回目接種者割合及びウクライナからの避難民の受入人数を考慮して算定することとしています。令和4年度コロナ対策予備費で措置された8,000億円のうち2,000億円の取扱いについては、今後のコロナ禍における原油価格・物価、感染状況や地域経済の状況等を踏まえて追加交付する予定です。追加交付に当たっては、今後の新型コロナワクチン3回目接種者割合ウクライナからの避難民の受入人数を反映して算定を行う予定です。」との記述です。  さて、この交付金の算定基準は何を意図するものであるのかニュアンス的に理解が進むかもしれません。しかし、政府の意図が見えにくい分、この通達を受けた都道府県や市町村の今後の対応は気がかりです。  そこで、基本的なことをお尋ねいたします。  1点目に、この政府通達文書にはこの臨時交付金ワクチン接種事業との関連性について、その根拠が明確に記載されていません。ここに記載してある算定基準は、一般的には交付額の増額に通じる一つのインセンティブと捉えられますが、この趣旨について熊本県や政府に確認されたことはありますでしょうか。もし確認されたのであれば、その見解も御提示ください。  2点目に、ワクチン接種率が反映される交付金であるならば、ワクチン接種に関わる推進体制に何らかの影響を及ぼさないでしょうか。この政府通達文書に記された算定基準の内容をどのように理解していらっしゃいますでしょうか。  3点目に、推進が強化されるのであれば、事業推進上の前提となる基本的な情報開示の在り方など、特視すべき留意点や課題点の見極めが必要かと存じますが、この点をどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。  1点目を財政局長、2、3点目を健康福祉局長にお尋ねいたします。          〔河野宏始財政局長職務代理者 登壇〕 ◎河野宏始 財政局長職務代理者  私からは、ワクチン接種事業との関連性についてお答えさせていただきます。  議員御指摘のワクチン接種者の割合を考慮して交付額を算定する趣旨について、内閣府に確認しております。  その内閣府の見解としましては、新型コロナワクチンの接種率については、同率が高く、経済社会活動回復を進める環境が整った地方公共団体におきまして、地域活性化のための消費喚起などの取組が積極的に実施されると見込まれ、コロナ対応に係る財政需要が高まると考えられることから、算定に当たって考慮しているとのことでございました。          〔津田善幸健康福祉局長 登壇〕 ◎津田善幸 健康福祉局長  私からは、ワクチン接種体制への影響、算定基準の内容、ワクチン接種に関する情報開示の在り方について、順次、お答えいたします。  最初に、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の算定に当たりましては、ワクチンの接種率が加味されているところでございますが、ワクチン接種はあくまで任意であり、強制されるものではないことから、このことが本市の接種体制等に直接的に影響するものではございません。接種を希望する方が円滑に接種できる体制を確保していくことが重要であると考えております。  次に、算定基準の内容でございますが、ワクチン接種の進展により感染拡大防止及び重症化予防の効果が期待されていることから、経済社会活動の回復を進める環境が整ったかどうかを判断する基準として、ワクチン接種率が用いられているものと理解しております。  最後に、ワクチン接種に関する情報開示の在り方についてでございますが、今後も引き続き、ワクチン接種に関する副反応や予防接種健康被害救済制度申請状況等、多くの市民の皆様が求める安全性に関する情報につきまして、ホームページの掲載情報を随時更新し、充実するなど、情報発信の強化を図ってまいります。          〔31番 小佐井賀瑞宜議員 登壇〕 ◆小佐井賀瑞宜 議員  交付金の算定基準として、ワクチン接種の関連性について内閣府の基礎的考え方としては、接種率の高い地域ほど社会経済復興に向けての環境が整うから、算定基準に入れているとのことでございます。  つまり、ワクチン接種の意義や有効性を明確に示していらっしゃるわけでございます。そして、本市でも政府見解を踏襲し、ワクチン接種感染拡大防止に大きく寄与していると真摯に受け止めていらっしゃいます。  ただ、ワクチン接種は周りから強要されるべきものではなく、任意であることから、交付金算定基準との関連性については、希望する方に対する円滑な推進体制の確保が重要との答弁でございました。また、その前提で、ワクチン接種に係る安全性、有益性につながる最新の情報発信が大切であるとの認識も確認させていただきました。  私としては、事業推進の過程の中で、不安視される課題や正しい情報を見極めておかなければならないということは、再三、申し述べさせていただきたいと思います。なぜなら、現実は事業に対し、懐疑的見方が広がっているからであります。そして、これにまつわる情報があまりにも多様化し、複雑化しているからであります。そのために事業の推進上、情報リテラシーが求められます。  医療の基本たる正しい考え方や、新しく正しい情報を付与できなければ、医療行政への不信が募りますので、情報の取扱いには特に留意しなければならないと思います。  振り返れば、当初、日本国民42万人が死亡すると言われた新型コロナウイルス感染症は、ウイルスの変異に伴い、感染力も病状も短いサイクルで変化が生じています。  感染症は、変異のスピードが速い分、人体や社会に及ぼす影響が劇的に変化するのは自然の摂理です。変異株であれば、症状そのものは弱毒化し、死亡率、重症化率が低下することは専門医の研究で証明されています。  それゆえ通常であれば、研究が進化する段階で、感染症防止策にも変化が生じます。しかし、その兆しがないことに多くの国民にも懐疑的見方が広がっています。それどころか、医科学的知見の誤りによって生じた同調圧力の拡大も懸念され、差別を助長する可能性も否めません。  現在でも、医療現場や福祉施設の中では、1年前と同じように施設管理者が職員に対し、接種を強要したり、学校では児童にマスクを強要するなど、人権を踏みにじるような空気が醸成されている実例を耳にいたしております。  そのような意味において、政府がもたらす情報の影響は、極めて大きいことに留意しなければなりません。そして、市の役割として、全ての情報の取扱いは、公平公正であることはもちろんのこと、最新のデータを用いた情報をいち早く、分かりやすく示すことが基本と心得ておかなければなりません。  ワクチン接種に関する具体的課題を申し上げれば、市のホームページ上に、国が示す概要版のチラシは記載されているものの、随時更新される重要な資料を容易に確認することはできません。情報弱者にとっては、大きなデメリットです。  そこで、健康福祉局長にお尋ねさせていただきます。  政府からの最新情報の更新について、その取扱い状況を示してください。また、重要事項の掲載の仕方やそのタイミングなど、具体的な作業について御説明ください。          〔津田善幸健康福祉局長 登壇〕 ◎津田善幸 健康福祉局長  ワクチン接種に関する情報発信につきましては、接種券に同封している手引きや市政だより、新聞、情報誌への広告といった紙媒体のほか、ホームページ等を活用しているところでございます。  このうち紙媒体につきましては、市民の皆様に広く情報をお届けすることができる一方、追加情報等をその都度すぐに更新することは困難でありますことから、最新の情報につきましては、ホームページ情報の御確認を促すなど、できる限り鮮度の高い情報の提供に努めております。  特に、ワクチン接種に関する情報は、国から随時情報が提供されますことから、国からの通知や審議会資料等が公表された際に、適宜活用できる媒体を用いて発信するほか、更新頻度が高い情報につきましては、市のホームページから国の情報に容易にアクセスできるよう工夫しているところでございます。  また、本市におけるワクチン接種後の救急搬送件数予防接種健康被害救済制度申請件数等、副反応の発生状況につきましては、ホームページに掲載している情報を毎週更新しており、今後も迅速な情報提供に努めてまいります。          〔31番 小佐井賀瑞宜議員 登壇〕 ◆小佐井賀瑞宜 議員  基本的な観点では、私と思いは共有されているとは感じたところでございますが、やはり現実に相違が見受けられます。  答弁では、国の情報に容易にアクセスできるよう工夫しているとの見解でございますけれども、IT弱者からすれば、とてもそのような感覚を抱くことはできません。本当に必要な情報に到達するまで、多大なエネルギーと時間を要するのは、容易に想像できます。際立つ表示の仕方など、もっと改良の余地があるはずです。そして、もっと掲載の必要性の高い情報もあるはずです。  そこで、市と政府や県との情報の連携強化に課題はないのか、気がかりな点がありますので、政府からの特視すべき情報を掲げてお尋ねさせていただきます。  実は、5月の中盤に熊本市在住のある現役医師から、第83回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードが示したワクチン接種歴別新規陽性者数の掲載された厚生労働省発出の最新資料を御提示いただきました。確認いたしましたところ、今後のワクチン接種事業の推進にとって、極めて重要な意味を持つ第1次資料であると認識いたしました。  具体的には、働き盛りの年代においては、2回以上接種した方の方が、未接種者よりもコロナに感染しやすくなっていることを示すグラフで、これまでの厚生労働省が発表していたワクチンの有効性に疑問を投げかけるものであります。  これは、名古屋大学の小島勢二名誉教授が厚生労働省に対し、データの集積手法の誤りを指摘され、急ぎ修正を図った経緯がございます。国会においては、5月17日の厚生労働委員会、6月7日の総務委員会で厳しい指摘を受けております。  私は、このデータのみでワクチンの有益性を全く否定するつもりはございませんけれども、官邸はこの問題が発覚するまでは第82回までのアドバイザリーボードの示したデータを積極的に用い、ワクチンの有効性をツイートしながら、接種を強く後押ししてまいりました。  しかし、エビデンスの希薄化した情報では、適切な対応はできるはずがありませんので、問題発覚後は沈黙状態です。それどころか、データの結論からは、薬剤の多用による免疫力との相関関係も無視できないとの医科学的論調も気がかりであります。  そして、ここでいま一度振り返っていただきたいのは、先ほど前項で問いかけた臨時交付金算定基準の趣旨についてであります。  市の担当部局としては、ワクチンの有効性を示す内閣府の見解に寄り添っていらっしゃいましたが、現時点においては、この厚生労働省の現実的、医科学的データと私が先ほど提示した内閣府の通達の交付金算定基準の趣旨との整合は、図られているとは言えません。ゆえに、何のためにワクチン接種事業臨時交付金算定基準に含まれるのか、いまだに理解が深まりません。  このようなことを鑑みれば、情報提供の在り方としては、容易に見過ごしていいことではありません。厚生労働省の事務作業の煩雑さが際立ち、各省庁間での連携が粗雑になっている事案で、紛れもなく行政への信頼が揺らぐ問題です。  政府自ら、基本的指針として、最初から示している情報開示の在り方にも明らかに反しています。これでは、エビデンスの確立など程遠く、感染症対策に取り組む姿勢を疑われても仕方ありません。そして、ワクチン接種実務的業務を担う基礎自治体医療関係者が大きな迷惑を被る可能性も否めません。  そこで、健康福祉局長にお尋ねいたします。  ただいま示した随時更新される政府直轄の重要資料については、感染症対策実務的基準を審議するに当たり、極めて重要で、タイムリーな基礎的資料と考えます。地域感染症対策の主軸を担う熊本県・熊本市新型コロナウイルス感染症対策専門家会議、以下、県・市合同専門家会議と呼びますが、この会議における重要な第1次資料の利活用状況について説明を求めたいと思います。          〔津田善幸健康福祉局長 登壇〕 ◎津田善幸 健康福祉局長  熊本県・熊本市新型コロナウイルス感染症対策専門家会議におきましては、新型コロナウイルス感染症の発生状況や今後の医療提供体制の整備などの議題について、熊本県及び本市で作成した資料に基づいて説明を行い、委員の皆様方の専門的なお立場から御意見や御助言をいただいているところでございまして、必要に応じまして、国からの通知や国の専門家会議の資料等を参考資料として配付しているところでございます。          〔31番 小佐井賀瑞宜議員 登壇〕 ◆小佐井賀瑞宜 議員  会議では、政府資料の活用が留意されているようでございますけれども、現時点でこのような重要な第1次資料について、本当に情報の共有が図られているのかがやや不透明な感も否めません。  なぜなら、このような情報は、現時点で市のホームページから容易にアクセスできるようにはなっておりません。それどころか、いまだに理論崩壊したような古い情報が掲載されたままです。  ただし、県・市合同専門家会議感染症対策エビデンスを確立されるのが第一義でもありますので、会議招集の前でも関係者においては、この最新情報については既に問題認識はお持ちのはずです。ゆえに、次回の会議ではワクチン接種の進め方についても、きちんと整理をしていただきたいと思う次第であります。  そこで、引き続き、コロナ対策に関与する各種会議の政策連携についてお尋ねします。  一昨年の2月、コロナ騒動発生時に、熊本市議会でもいち早く熊本市議会新型コロナウイルス感染症対策会議が立ち上がり、会議歴は既に21回に達しました。  私も当初から委員席をお預かりしていることから、市民の声と市の対策会議との情報の共有を行い、上位に位置づけられる県・市合同専門家会議との整合を図り、県域一丸となって感染症対策に臨むような実務的会議でありたいと願っていた次第です。  しかし、意見交換の中では、一方通行のような感覚を抱くのみでしたので、市議会の貴重な意見が県・市合同専門家会議の中にどのように反映されているのか、不安が残りました。その中には、感染症の動向を正しく把握するための重要ポイントに通じるものが多々あります。  例えば1つ、PCR検査の擬陽性の件。2つ、陽性者と感染者の違いが理解されながらも、いまだに表記は常に感染者数と記述されている件。3つ、医科学的判断の際、重要視される重症化率と死亡率の年代別推移が明示されない件。4つ、ワクチン接種の副反応並びに有害事象が報告されない件。5つ、ワクチン後遺症に関わる健康相談に関する件などです。  このような内容については、議会の本会議質問やコロナ対策会議においても様々、指摘がございましたけれども、現在でも不明確になっている案件もございます。  そこで2点、健康福祉局長にお尋ねいたします。  1点目に、感染症対策の指針となる最上位に当たる県・市合同専門家会議は、そもそもの出発点は、熊本市の提案によって、市議会での専決を経て誕生した経緯があります。市議会コロナ対策会議と県・市合同専門家会議との整合については、図られているのでしょうか。市議会の貴重な意見が反映される機能的なものとなっているのでしょうか。  2点目に、この会議の審議と決定が熊本県の感染症対策全般に及ぼす影響は強大です。しかしながら、この会議は全て非公開となっています。なにゆえ閉鎖的な会議となるのか、その理由について御説明ください。
             〔津田善幸健康福祉局長 登壇〕 ◎津田善幸 健康福祉局長  熊本県と本市で合同開催しております専門家会議におきましては、感染対策の基本となるリスクレベルの策定や入院基準を含めた保健医療提供体制の整備等に係る重要な議論が行われてきたところであり、専門家の皆様方の御意見を伺いながら、国の動向や感染状況等に応じた様々な対策を講じてまいりました。  また、熊本市議会新型コロナウイルス感染症対策会議におきましても、委員の皆様方から感染対策をはじめ、市民生活や経済・教育分野など、多岐にわたる貴重な御意見を賜っているところでございまして、専門家会議の御意見とともに本市の感染対策等に適宜、反映させてきたところでございます。  新型コロナウイルス感染症への対応について、専門家会議と市議会対策会議との連携は、大変重要でありますことから、今後も市議会対策会議に対しまして、速やかな情報提供を図るとともに、御意見をいただきながら本市の感染対策等を進めてまいります。  次に、会議の非公開の理由についてのお尋ねでございますが、熊本県新型コロナウイルス感染症対策専門家会議につきましては、熊本県審議会等の会議の公開に関する指針、第3、公開の基準に基づきまして、法人等に関する情報で公にすることにより利益を害するおそれのあるものについて取り扱うことから、非公開とされております。  熊本市新型コロナウイルス感染症対策専門家会議につきましても、熊本市市民参画と協働の推進条例第11条第3項第1号の規定に基づき、不開示情報が含まれるため、同様の取扱いとなっております。          〔31番 小佐井賀瑞宜議員 登壇〕 ◆小佐井賀瑞宜 議員  ただいまの答弁では、市として連携強化の必要性は理解されていらっしゃいます。しかし、感染症対策を主体的に担う県の意向は、果たしてそうでしょうか。  先般の6月7日の国会審議でも、厚生労働省大臣官房審議官でさえ、国民の信頼を得るために透明性のある議論を行うのは当然と明言されています。また、各種審議会の資料も公開されています。  しかし、熊本県の対応を見る限りでは、本当に実務的な連携が行われているのか、いまだに見えないような感覚にしか至りません。それを物語るような事例もありますので、続けてお尋ねいたします。  県・市合同専門家会議の件は、1年以上前からの懸案でございましたので、私もその連携強化の進展を見極めるために、公務による政務調査活動の趣意書を添えて、熊本県への情報開示請求を行いました。そして、ポイントとなる会議の議事録と関係資料を求めたところ、この4月に部分開示に至りました。  しかし、議事録は部分開示どころか、発言内容はもちろん、句読点の部分まで、このように100%の真っ黒塗りの状態でございました。例えは適切ではありませんけれども、戦後、GHQによって行われた焚書そのもののような感覚を抱きました。あまりの閉鎖的な空気に、県庁職員に具体的理由を求めましたが、何ら得心のいく答えを見いだすには至りません。開示内容も対応も全て不適切、不誠実、注意を促しても黙秘する始末。開示資料を受理した後、市役所で執行部に御確認いただき、再びその日の午後、県庁知事公室を訪れ、熊本県知事宛てに抗議文を提出いたしました。  ちなみに、抗議文の核心的内容は3点、1つは、開示された黒塗りの資料については、人事院の定める情報開示に関わる法令の第6条に抵触している事実、2つ目に、調査趣意書で適切に事前説明を行っていたにもかかわらず、県の資料作成に至るプロセスが適切に処理されていないことから、当方に多額のコストが発生している事実、3点目に、県庁職員のコスト意識の軽薄さに対し、議会人として注意を促したこと、以上の3点であります。  特に問題視したのは、法を理解していないことに加え、情報や業務コストの根源は県民の共有すべき財産であることを認識できていない件であります。県民一丸となって、感染症に立ち向かう機運を醸成すべき事態であるにもかかわらず、大きな壁に阻まれ、現実的課題を突きつけられたような感覚でしかありません。これでは、感染症の医科学的見解を求めることもできませんが、何より地域対策の根拠が不透明であることに違和感を抱きます。  余計な疑念を生じさせ、市民、行政、医療関係者との分断化にもつながります。行政の信頼は損なわれても致し方なしです。そして、国民の命を救済しようと真摯に向き合っている本市と医療関係者の皆様にまで迷惑が及びます。  市民と議会と行政と医療界の情報共有の必要性や透明性、そして会議の進め方について、市長は主要メンバーの1人として、いかがお考えでしょうか。御所見をいただきたいと存じます。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  新型コロナウイルス感染症につきましては、当初は未知の感染症であったことなどから、正しい情報を適切に発信していくことが何よりも重要であると考え、これまで私自身の言葉で市民の皆様に情報を発信するとともに、市議会をはじめ医療機関等とも様々な会議等を通じて情報共有を図ってまいりました。  一方で、情報を公開する際には、個人の特定や誹謗中傷、医療機関等への風評被害など、不当な差別や偏見が生じないよう最大限、配慮を行ってきたところです。  専門家会議につきましては、市内で初めて感染者が確認されて2年以上が経過し、新型コロナウイルス感染症に対する市民の皆様の認識や感染対策、医療提供体制等も変化してきているところから、今後の運営については検討を行うとともに、県とも協議を行ってまいりたいと考えております。          〔31番 小佐井賀瑞宜議員 登壇〕 ◆小佐井賀瑞宜 議員  市長は、自ら情報発信し、周囲との情報共有を図ってきたと答弁されました。その行動は理解いたします。  しかし、県・市合同専門家会議や我々市議会や市民の意見に耳を傾けた形跡は不明です。いまだ疑念は残されたままです。特に、県が示した非公開理由としては、利益を害するおそれがあるということでございますが、その前提としては、法人に関する情報と明示していらっしゃいます。  私が熊本県に開示請求し、いただいてきた議事録は、100%の真っ黒の墨塗り状態でございました。ということは、県・市合同専門家会議で話し合っていることは、全て法人に関与する内容なんでしょうか。関係資料の式次第を見れば、明らかにそうではないということが分かります。  それでもあえて、一字一句を黒塗り状態で非公開となっているわけですから、情報公開に関する法律に抵触していることを指摘したわけでございます。  市民から懐疑的な見方が広がっている事実を踏まえ、今後、この問題が及ぼす影響の大きさを御認識いただきたいと存じます。そして、詳しい理由を明示することなく、法律を立てつけて自らを正当化する県の態度に対し、市長には会議の席上で厳しく注意を促していただきたいと思います。  さて、今回はコロナ禍における経済の支援から、情報提供の在り方に至るまで、先行して調査を行っていた段階で、理解に苦しむような政府の情報提供や県の対応に戸惑いを覚えたところであります。  そこで、さらに政府と県の政策でもある、蔓延防止策の時短要請の件について、見解を求めたいと思います。  今般のコロナ禍の第6波の折、熊本では、蔓延防止策の時短要請が延長され、街中の飲食を中心としたサービス産業は大きな苦境に立たされました。このことに対し、熊本県に対する抗議の声をたくさん耳にいたしました。なぜなら、感染症拡大抑制という広域的政策であるにもかかわらず、他県の政策とは考え方にずれが生じていたからです。  特に、熊本よりも巨大都市である隣接の福岡では、熊本よりも陽性者数が多いという現状にもかかわらず、規制の延長には至らずという決断で、その地域によって医療体制の違いがあるのかもしれません。  しかし、それ以上に都道府県知事の医科学的な知見や考え方に差異が生じているものと推察いたします。そして、都道府県ごとの決定には、どのようなエビデンスやプロセスが存在しているのか、核心的な論拠が市民には十分伝わっていないようです。  ここで、理解が深まるよう政策的課題の難しさを示した具体的例を1例、掲げさせていただきます。  ある飲食店が、県が示す時短要請に応じず、裁判所から違約金支払いに関する意見聴取を求める文書が届けられたことを私は耳にいたしました。この場合、飲食店は感染拡大を招く事業所との理由で、処罰の対象になるのは致し方なしというのが一般的な社会の論調であろうと推察いたします。  しかし、行政は時短要請に応じた飲食店には、協力金として支援を実施してきたにもかかわらず、なにゆえ時短要請に背き、営業継続の道を選択されたのか疑問が残りました。そして、その動機と実態像を把握しなければ、本当の感染症対策や地域経済を守るすべは見いだせないと感じたところでした。  私も店舗の規模を確認しましたが、御夫婦2人で営む事業形態からいけば、所得補償の観点で時短要請に従った方が経済的にははるかに有益性が大きいのは間違いありません。そして、調査を進めた結果、次第に真実が明らかになりました。事業主の訴えたかったポイントは、主に4点です。  1つ、政府や都道府県が示す感染防止に関わる医学的根拠は乏しく、客観的データからしても理解できない。特に第6波のオミクロン株の流行については、家庭や職場やほかの施設と比較しても飲食店は感染率が低いと判明しているにもかかわらず、夜の飲食店を感染拡大の元凶として、集中的に規制を通告する自体、理論的に無理があり、合理性がない。  2つ、巡回して来た熊本県の職員並びに委託を受けた巡回者に対し、時短要請の核心的な理由説明を求めても、法令の定めたとおりとの見解が示されるだけで、適切で理解の深まる説明を受けたことは一度もない。  3つ、時短要請に応じて協力金の支援をいただくと、支援頻度の少ない同業者と溝が深まるおそれもあり、休業すれば妬みや冷たい視線にさらされ、コミュニティー崩壊を招くおそれもあり、安易に受け入れることは心情的に困難、支援制度としては公平性の観点で疑問が残る。  4点、お客様の事情で営業継続を願う切なる要望があり、その気持ちを裏切れない。  以上、このような理由でありました。  法令に反したことから視点をずらせば、いずれも個別事情を含む正当性を否定できない理由であったと周囲の関係者は漏らしておりました。明確に言えるのは、単に自己の利益追求のために事業継続に至ったわけではないということであります。  私自身も冷静に見つめる中で、一番着目したのは、行政が示す時短要請の合理性という部分です。この点については、すぐに理解が深まりました。なぜなら、東京都で起こっていた1つの事件が頭をよぎったからであります。  その事件とは、令和3年3月に飲食店への営業時間短縮命令を違法として、小池都政が提訴された裁判の件が重なって見えたからであります。そして、この件は、ちょうど本年5月16日の午後に東京地方裁判所で、司法判決が示されています。  その内容は、店舗の事情を個別に検討しないまま、駆け込みで命令を出した東京都の判断について合理性が認められないという結論で、原告側は実質勝訴と評価いたしております。  一方、原告が東京都に求めた賠償金104円の賠償責任は認められなかったため、原告側が即日控訴したというものであります。これまでの感染抑制と行動制限の在り方に波紋を投げかける画期的な司法判断と言えます。  この裁判において、原告側が証拠書類として東京地裁に提出した京都大学院の藤井聡教授の研究チームが示した研究レポートがありますが、この事業者の方もその資料を所持していらっしゃいました。そして、今回、熊本地方裁判所から求められた意見陳述書の参考資料としても提出されています。  この科学的検証に基づいた資料は、行政判断の合理性を欠いたことを証明する証拠書類になり得ることから、今後はこの時短要請に従わなかったこの事業者の方を、空気的なもので一概に批判できないというふうに感じた次第です。その意味で今回の東京地方裁判所の判決は、全国の都道府県の感染症対策に大きな波紋を呼び起こしたと言えるでしょう。  今後、新型コロナウイルス感染症はどのような状況に至るのか、いまだ見通しのない中、今後も同じような事案や課題に遭遇することは十分考えられるはずです。  市長や担当部局は、感染症対策の根幹につながる県・市合同専門家会議に籍を置く立場から、熊本市中心部の課せられる負担の大きさを考えれば、決して無視できない事案と心得ます。  市民に一番身近な自治体として、経済のトレードオフ解消に至らないこのような現実的な研究課題に真摯に向き合う必要があるのではないでしょうか。時短要請の在り方について、市長の御所見をいただきたいと存じます。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  飲食店等への営業時間の短縮要請につきましては、これまでまん延防止等重点措置等における必須の対策として実施されてきました。  御協力いただきました飲食店等につきましては、時短協力金の交付とともに、本市独自の家賃支援など、切れ目のない支援を行うことで、営業時間短縮による影響の最小化に努めてきたところです。  新型コロナウイルス感染症につきましては、ウイルスの変異による感染状況や感染対策、国民の認識など変化してきておりまして、現在、国において新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づくこれまでの対応や医療提供体制等について、検証が行われております。  このような中、私は指定都市市長会の新型コロナウイルス対策担当市長として、各市の意見を取りまとめ、対策の効果に係る科学的、定量的な検証をはじめ、都道府県からの権限移譲など、直接国に対して要請を行ったところです。  本市におきましては、引き続き刻々と変化する感染状況や社会経済情勢を見極めながら、必要な対策を迅速に講じることで、市民の皆様の命と健康、暮らしを守り、地域経済の再生に全力で取り組んでまいります。          〔31番 小佐井賀瑞宜議員 登壇〕 ◆小佐井賀瑞宜 議員  司法判断には触れられませんでしたけれども、市域内事業者に対し、きめ細かな対応を要するために対策の権限移譲など、直接国に働きかけたということでございますので、今後の成り行きを見守りたいというふうに思います。  そして、このような規制に関する課題については、昨年12月の本会議質問でも御紹介したとおりでございます。あの折には、緊急事態宣言の無意味さを大阪大学核物理研究センターの中野教授から指摘を受けた大阪の吉村知事の呆然とした姿を改めて思い起こしましたが、今回の件については周囲から、判決後の小池東京都知事の冷淡な姿が印象的でした、との声も聞こえてまいりました。  法令遵守は法治国家の根幹でありますが、市長には地域経済を支える事業者の皆さんの心情にも目を配り、市民に寄り添った対応に心を注いでいただきたいと切に願っております。  そして、県の時短要請等の決定の前には、科学的なエビデンスと地域事情を重んじ慎重な判断を促されるよう、熊本県にも御提言いただきたいと思います。  ここで、締めくくり前に、市長と市の職員の名誉のために一言申し添えますが、当初、熊本市でコロナ対策専門家会議が立ち上がったのは令和2年3月24日、夜7時のことでございました。そして、2回目の会議がその1週間後でした。会議の関係資料を拝察し、その時折の状況と市長以下、熊本市や市役所職員の御苦労はよく分かりました。そして、本市の初動体制の整備としては、誠に申し分なく、市民の負託に応える気概を感じました。本当に頑張られたと思います。  しかし、一方で、同会議に出席していた当時の熊本県の様子を伺う限りでは、危機管理意識の希薄な感覚を抱きました。だからこそ、今回は、情報発信元の政府や熊本県に対し、あえて厳しい指摘を行いました。全ての責任を色づけするつもりはありませんけれども、本日の質問で核心的問題が幾分か皆様方にも御理解いただけたと感じる次第であります。  締めくくりに、先般も申し上げましたが、コロナ禍においては多くの方々に情報災害をもたらし、困惑させ、国民の分断化した社会を加速させています。それゆえ市民、議会、行政、医療界、それぞれの立場は違っても決して課題をタブー視せずに責任の堂々巡りにならないよう、一緒に解決策を見いだす世の中であってほしいというふうに願っております。  そして、降壇に際し、このコロナ禍で様々な事件に遭遇し、肉体的にも精神的にも御負担をお感じになった方々の早期の復興を願いますとともに、本日の議会質問の場を与えていただき、快く押し出していただきました皆さん、そして、傍聴席並びにインターネット中継で御視聴いただき、エールを送っていただいた皆さんに感謝申し上げ、私の質問を終結いたします。お付き合いいただき、ありがとうございました。(拍手)       ──────────────────────────── ○原亨 議長  この際、議事の都合により休憩いたします。  午前11時10分に再開いたします。                             午前1時53分 休憩                             ───────────                             午前11時1分 再開 ○原亨 議長  休憩前に引き続き会議を開きます。       ──────────────────────────── ○原亨 議長  一般質問を続行いたします。  井本正広議員の発言を許します。井本正広議員。          〔26番 井本正広議員 登壇 拍手〕 ◆井本正広 議員  皆さん、おはようございます。  公明党熊本市議団の井本正広でございます。まずは、登壇の機会をいただきました先輩、同僚議員の皆様に御礼申し上げます。また、あいにくの雨の中、傍聴においでいただいた皆様、インターネットで見ていただいている皆様、大変ありがとうございます。  質問に先立ちまして、ロシアのウクライナ侵略という暴挙により亡くなられた方々と御遺族に心からお悔やみを申し上げますとともに、戦時下でまた避難先で厳しい生活を余儀なくされているウクライナ国民に心からお見舞い申し上げます。  今回の質問は、熊本地震からの創造的復興へ市民がどのように感じておられるかとの検証結果から、そして、熊本地震から続く長引くコロナ禍の中での原油価格高騰・物価上昇に直面した地元企業からの陳情や、保護者、生活者からの要望、相談等を基に自治体として最大限に寄り添った事業を行っていただきたいとの思いで質問いたします。  市長並びに執行部の皆様、どうかよろしくお願いいたします。  それでは、質問に入ります。  初めに、熊本地震創造的復興に関する検証結果について申し上げます。  未曽有の災害となった平成28年の熊本地震から丸6年が経過しました。公明党熊本県本部ではこれまで、山口代表、石井幹事長などの党幹部のほか、蒲島県知事、大西市長をはじめ、県下の被災市町村長にも御出席いただくなど、これまで8回の熊本県本部復興会議を開催してまいりました。  今年4月25日に開催した復興会議では、新たに創造的復興検証プロジェクトチームを設置し、暮らし、命、未来の3つのテーマについて検証調査活動を開始したところであります。  まずは、県民市民の創造的復興への進捗の実感や思いなどの心に焦点を当て、創造的復興を実感できているか、どのように捉えているかを調査することから始めました。  熊本地震での被害に対する県民の皆様の現在の思いをお聞きしたところ、損なわれたが、元に戻せるという前向きな考えをもった人が4割を超え、最も多くなっています。  項目的には、道路や交通機関などの県内のインフラが最も多く、次いで、熊本城、人との交流やつながり、地域の経済、仕事などと物心両面の多岐にわたって地震で損なわれはしましたが、元に戻ると前向きに捉えられています。  被害に遭って、損なわれて完全には取り戻せないとの項目では、県内の自然景観、次いで住まい、熊本城以外の様々な文化財、収入や資産など物的なものが完全には取り戻せないと挙げられています。  次に、地震前よりもよくなった、元どおりになった、完全ではないがかなり取り戻せたとの6年経過して復興の進展を実感している事柄は、道路や交通機関などの県内のインフラが最も高く、次いで、人との交流やつながり、健康、地域の町並み、仕事などが上位に挙げられています。  一方、元どおりにはなっていない、あまり取り戻せていないと回答しているものは、熊本城が最も高く、次いで、熊本城以外の様々な文化財、県内の自然景観、地域の経済、収入や資産、国への信頼感となっています。  これらのことから、暮らしの面ではインフラ、健康、コミュニケーション、町並み、仕事などの物心両面での生活基盤の回復を実感してはいますが、一方、地域経済が復興したと実感している人は3割にとどまっており、元に戻せるという希望を持つ人は多いものの、コロナ禍や令和2年7月豪雨の影響もあり、よくなったと実感するまでには至っていないと思われます。  したがって、暮らしの要である地域経済の復興が市民一人一人に行き渡るようにするために、国・県と緊密な連携を行い、地方創生臨時交付金なども十分に活用しながら、誰一人取り残さない経済対策を行い、さらに、経済の重要な支え手である中小・小規模事業者への支援を最優先に大胆に惜しみなく行うべきであると考えます。  次に、命の面では、熊本地震で失われた貴い人命という最も深刻な事柄について、心情的に一定の区切りをつけている人は4割未満であり、約6割の人はいまだに心に爪痕を残していることが分かりました。  よって、熊本市は失われた人命への慰霊の在り方を検討し、永続的に慰霊を行う機会を設け、また、県と連携し、市民が慰霊できる場所を検討していただきたいと思います。  次に、未来という観点では、熊本城の復興を願う声は強く、熊本市民以上に熊本市以外の県民の多くが熊本城の復興を願っていることが分かりました。熊本城が創造的復興の大きなよりどころとなっており、熊本城の復興する姿を県内外に示すことは、市民にとどまらず、全世界の希望の証になることは間違いないと考えます。熊本城の早期復興を国・県とより一層協力し合い、実現していただきたいと思います。  最後に、今回の調査で熊本地震での被害と復興を教訓として、自然災害やコロナ禍、また、ロシアによるウクライナ侵略などを克服するための方途とはとの問いに、平和な暮らしを守ることの大切さ、人々の間の信頼感や絆という意見が多く、克服することはできないと思うというネガティブな回答は僅かでありました。  市民がこれまでに経験したことのない事態に前向きな気持ちで復興に進んでいることが分かりました。熊本市には、さらに復興を実感できる方が増えていくよう要望いたします。  私たち公明党はこれからも、熊本地震、令和2年7月豪雨災害からの創造的復興に全力を尽くしてまいります。  なお、検証調査は今後も継続し、提言としてさらに充実した形でお示しいたします。
     熊本地震からの創造的復興について、大西市長の所感をお伺いいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  本市は、熊本地震からの復旧・復興に向けて、これまで市民力・地域力・行政力を結集し、被災された方々の生活再建を最優先に地域経済の活性化や防災・減災のまちづくりなどに全力で取り組んでまいりました。  その結果、最大約1万2,000世帯に及んだ仮設住宅等の入居世帯数は、昨年12月末でゼロになり、本年1月に実施した市民アンケートでは9割以上の方が復興が進んでいると回答されるなど、着実な復興を実感しているところであります。今後も熊本地震の影響による心のケアへの対応や熊本城の完全復旧など、引き続き、その歩みを進めてまいりたいと考えております。  一方で、熊本地震の発災から6年が経過し、6割以上の方が地震の記憶や教訓を忘れがちになっていると回答されており、改めて地震で得た経験や教訓を風化させることなく次世代へ伝えていかなければならないと強く認識したところです。  そのようなことから、現在、仮称でありますけれども、熊本市防災基本条例の制定に取り組んでいるところでありまして、この条例を通して自助・共助・公助の役割の明確化を図るなど、地域防災力のさらなる向上を目指したいと考えております。  長期化するコロナ禍により厳しい状況が続く中にあっても、被災された全ての皆様が、一日も早く日常を取り戻し、復興を実感していただけるよう、災害に強く、誰もが安心して暮らすことができる上質な生活都市の実現に向けて、全力で取り組んでまいります。          〔26番 井本正広議員 登壇〕 ◆井本正広 議員  市長、ありがとうございました。  先ほども述べましたが、暮らしの面ではインフラ、健康、コミュニケーション、町並み、仕事などの物心両面での生活基盤の回復を実感してはいますが、地域経済が復興したと実感している人は3割にとどまっています。元に戻せるという希望を持つ人は多いものの、長引くコロナ禍や豪雨の影響もあり、よくなったと実感するまでには至っておりません。暮らしの要である地域経済の復興が市民一人一人に行き渡るようにするために、誰一人取り残さない経済対策を行い、さらに経済の重要な支え手である中小・小規模事業者への支援を最優先に惜しみなく行うべきであると考えます。  また、熊本城の復興を願う声は、熊本市民以上に県民の多くがお城の復興を願っていることが分かりました。希望のあかしとして早期復興に取り組んでいただきたいと思います。  本年は、私ども公明党は活動の基盤としている大衆とともにの立党精神が示されて60年の佳節であり、市民の心に寄り添い、誰一人取り残すことなく、熊本市の明るい未来を開く視座となることを目指し、心に焦点を当て、今後も調査を継続してまいります。  次に、原油価格・物価高騰等を踏まえた総合緊急対策についてお伺いいたします。  昨年来の物価高に加えて、ウクライナ危機と円安が追い打ちをかけ、原油価格や原材料が高騰し、4月の消費者物価指数が昨年より2.1%アップするなど物価上昇が止まりません。特にガソリンや電気代、食料品など、生きていく上で欠かせない品目の値上げが顕著です。その影響を調査するため、公明党は3月に国民生活総点検緊急対策本部を設置し、全国で生活や事業経営に苦しむ方々に聞き取り調査を行い、その結果を基に政府に緊急提言をいたしました。  政府の総合緊急対策には、その内容が多く盛り込まれています。政府は令和4年4月26日、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を拡充し、コロナ禍における原油価格・物価高騰対応分を創設いたしました。これにより、地方自治体が実施する生活者支援や、運輸・交通分野をはじめとする中小企業者等の支援といった取組を後押しすることが総合緊急対策に明記されました。  熊本市として、コロナの影響とともに物価高で苦しい状況を強いられている市民の暮らしや事業者を守るため、今回拡充された地方創生臨時交付金を有効に活用し、生活現場の声に応える対策を迅速に講じるよう、公明党熊本市議団では5月27日、7項目にわたる総合緊急対策について要望書を提出いたしました。  1、学校給食費等の負担軽減に取り組むこと(保育所、幼稚園、認定こども園、認可外保育施設等の給食費や介護施設等の食事の提供も含む)。  2、生活に困窮する方々の生活支援として、住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金の対象拡大や給付額の上乗せ等に取り組むこと。  3、子育て世帯生活支援特別給付金の対象拡大や、給付額の上乗せ等、困窮する子育て世帯への支援策に取り組むこと。  4、水道料金をはじめ、公共料金の負担軽減策を図ること。  5、バス・タクシーなど公共交通事業者、トラック運送など、地域の物流の維持に向けた経営支援に取り組むこと(個人タクシー・介護タクシー・自動車運転代行等への経営支援も含む)。  6、事業者(農林水産業を含む)に対する燃料費高騰の負担軽減を図ること。  7、プレミアム付商品券の発行等生活者支援や地域活性化策を講じること。  以上、7項目の要望であります。  現時点では、地方創生臨時交付金を拡充したコロナ禍における原油価格・物価高騰対応分の活用については表明されていませんが、迅速な対策が肝要であると考えます。どのようなスケジュールで、どのような事業に活用されるのでしょうか。  大西市長にお伺いします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  本市では、これまで市民生活や地域経済の回復に向け、全国に先駆けて県の制度融資に係る利子補給や飲食店に対する家賃支援など、様々な対策を実施してきたところです。  そのような中、今般の原油価格及び物価の高騰は、コロナ禍で傷ついた市民生活や地域経済にさらなる影響を及ぼしており、私自身も強い危機感を抱いております。  そこで、地方創生臨時交付金の活用に当たりましては、先日、公明党熊本市議団からいただきました御要望も含めまして、様々な御意見に耳を傾けながら、早急に取り組むべき事業を検討しているところでございまして、整理ができ次第、本定例会に補正予算案を追加提案したいと考えております。  今後とも、市民の暮らしと地域経済を守るため、社会経済情勢の変化やニーズを踏まえながら、必要な施策を適宜的確に講じてまいりたいと考えております。          〔26番 井本正広議員 登壇〕 ◆井本正広 議員  新型コロナウイルス感染症の長期化、そして、本年2月末以降のウクライナ危機により原材料の価格が値上がりしています。4月には政府が輸入小麦の売渡価格を17.3%値上げしたところでもあり、食材費の値上がりが一層懸念されます。学校給食、保育施設での給食費、介護施設等での食事への負担軽減はぜひ取り入れていただきたいと思います。  また、水道料でありますけれども、夏場の使用はどうしても多くなり、節約しづらいものです。8月、9月の検針分が高くなります。そこにも手当てをしていただければと思います。  大阪市では原油・石炭・天然ガスの価格の世界的な高騰により、電気・ガス料金が上昇しているため、市民の生活基盤である光熱水費全体の上昇を緩和しようと、令和4年8月検針分から3か月分の水道料金の基本料金及び下水道使用料の基本額の減額を発表されています。福岡市では下水道使用料の2か月分を全額減免、給食材料費の上昇分を補填する等の方針が示され、6月議会に諮られます。  本市においても整理ができ次第、本定例会に補正予算を追加提案するとのことであり、市民の暮らしと地域経済を守るため、速やかに事業の実施を行っていただくよう、改めて要望いたします。  次に、公営住宅整備事業に関して、地元企業への優先発注についてお伺いいたします。  熊本地震の後、災害公営住宅の建築工事発注について、熊本県建具木工協同組合様より熊本市へ陳情書が提出されました。  熊本地震で甚大な被害を受けましたが、グループ補助金の認定を受け、地震前の暮らしを取り戻そうと必死に取り組んでいるところ、災害公営住宅の建設については、工期短縮や経費削減、簡略化が重視されたためか、大手の県外企業に一括発注され、県内組合所属企業への発注、契約はごく僅かなものでありました。  災害公営住宅の建設は緊急を要するため致し方なかったとしても、これからの公営住宅の建設については、地元企業の復興のためにも、大手の県外建設企業への一括発注ではなく、せめて分離発注にしていただきたいとのこと。また、内装材は、新建材や樹脂加工品ではなく、少しでも熊本の内需につながる温かみのある熊本県産材を使用することを求める。そして、室内建具や木製家具は、建材メーカーの既製品ではなく、国土交通省が示している公共建築工事標準仕様書にのっとった材料、工法で行うことを、設計の段階から仕様書に明記することを陳情されています。  国土交通省から示されている公共建築工事標準仕様書には、公共建築工事標準請負契約約款に準拠した契約書により発注される公共建築工事において使用する材料(機材)、工法等について標準的な仕様を取りまとめたものであり、当該工事の設計図書に適用する旨を記載することで請負契約における契約図書の一つとして適用されるものです。標準仕様書の適用により、建築物の品質及び性能の確保、設計図書作成の効率化並びに施工の合理化を図ることを目的としていますと明記されています。  そこで、都市建設局長にお伺いします。  1点目、陳情書の内容について、市の見解を改めて伺います。  2点目、公営住宅整備事業には、国土交通省から示されている公共建築工事標準仕様書に必ず準拠しなければならないのでしょうか。また、これまで熊本市が公営住宅整備を発注する場合に、公共建築工事標準仕様書に基づいて仕様書を作成されているのでしょうか。  3点目、3年前の公営住宅新築工事において、買取り方式を採用された物件について、仕様書と違う工事となっているとの声がありますが、調査をする必要があるのではないでしょうか。  4点目、熊本地震からの復旧過程での新型コロナウイルス感染症で、地域経済の回復はまだまだ進んでおりません。今後の市営住宅等の公営住宅整備には、分離発注等、地元企業が参入できる発注方式は取れませんでしょうか。  以上4点、都市建設局長にお伺いします。          〔井芹和哉都市建設局長 登壇〕 ◎井芹和哉 都市建設局長  ただいまの4点の御質問に順次お答えいたします。  まず、本市の市営住宅の整備につきましては、分離発注方式を原則としており、災害公営住宅につきましても大江第二団地、舞原第一団地、秋津第二団地等については、木製建具などを分離発注方式で整備しております。          〔議長退席、副議長着席〕  一方で、熊本地震発生後の入札状況は、県内の復旧事業等の増大による労働者不足や単価高騰により、平成27年度の入札不調25件に対し、平成28年度は218件と厳しい状況でありましたことから、民間事業者が整備した住宅を買い受ける買取り方式なども積極的に活用いたしますことで、早期整備を図ったものであり、当時の判断は妥当であったものと考えております。  次に、2点目、3点目につきましては、まず国の公共建築工事標準仕様書は、公共建築物の品質や性能を確保いたしますために、材料や工法等について標準的な仕様を取りまとめたものでございまして、国や地方自治体が発注する建築工事はこれに準拠いたしております。  このうち、工事に必要とされます技術的要求項目は、定型的な内容を規定したものであり、標準仕様書に記載のない工法や材料につきましては、事前にメーカー仕様書等で性能を確認するよう定められております。また、議員御指摘の案件は、本市の仕様書は基本的に県産材使用を明記しておりますが、工期等の関係から業者から提案があり、適正であることを確認し採用したものでございます。  最後に、今後の公営住宅整備につきましても、これまでのように分離発注方式が原則でございます。また、本市の公民連携手法活用指針による、施設整備費がおおむね10億円以上のPFI方式による施工の場合でも、地元企業の参入も含めた発注方式ができるよう検討してまいりたいと考えております。          〔26番 井本正広議員 登壇〕 ◆井本正広 議員  1点目の、協会から陳情書に対する市の見解は、市営住宅の整備では分離発注方式を原則としているが、地震後の災害公営住宅の整備では、3つの団地で木製建具など分離発注方式であったが、一方それ以外の団地については、公共事業の入札不調があり厳しい状況であったことから、民間買取り方式、一括発注などを活用することで早期整備を図ったものであり、当時の判断は妥当であったとのことであります。  当時の状況では、一日も早い住宅の確保が必要であった上に、資材不足も顕著化しており、復旧工事が逼迫する中、分離発注と民間買取り方式、一括発注を併用した判断は妥当であったのかもしれません。  2点目、3点目の問いについて、公営住宅を整備する際は、国の公共建築工事標準仕様書に準拠しているが、標準仕様書に記載のない工法や材料については事前にメーカー仕様書等で適正な品質であることが確認できれば採用してきたとのことでありました。  ということは、国の標準仕様書に必ず準拠しなければならないのではなく、適正な品質が確認できれば、国の標準仕様書と違う工法もあり得るとのことであります。  材料についても、基本的に県産材の使用を明記しているとのことでありますが、メーカー既製品の場合は、MDF材を使用される場合が多いと聞いております。一昨年、水害の現場を視察した際に、杉、ヒノキの木製建具は洗って再利用されているものもありましたが、MDF材を使用したものは水に弱く、全て廃棄処分されており、県産材の木材とは全く別物でありました。  今後の公営住宅整備については、これまでのように分離発注方式を原則とするが、おおむね10億円以上のPFI方式による施工の場合でも、地元企業の参入を含めた発注方式ができるよう検討するとのことでありました。  長引くコロナ禍の中での原油、資材価格高騰のため、地元企業は大変疲弊しております。まずは、地域経済を守っていただくことを第一に考え、原則どおり事業に取り組んでいただきたいと思います。  都市建設局長、よろしくお願いいたします。  次に、保育施設について数点お伺いいたします。  本市の待機児童の状況は、本年4月1日現在で、待機児童数はゼロ人、保留児童数は477人との発表がありました。待機児童数の過去5年間を見ますと、令和元年度は6人ですが、それ以外の年はゼロ人で推移しています。保育施設への過去5年間の入所状況の推移を見ますと、就学前児童数は平成30年度4万793人から毎年450人〜950人ほど減少し続け、令和4年度は3万7,757人と5年前と、比べ3,000人以上減少しています。  しかし、児童数は減少しているものの、認可保育施設への入所希望申込数は、5年前と比べると約400人ほど増えており、就学前児童数に対する入所申込率は57.3%と、5%増えています。  実際に入所した児童数も約300人増えています。入所申込数から実際に入所された児童数を引いた保留児童数は、477人と5年前より増えています。  そこで伺います。  1、待機児童数、保留児童数の定義をお示しください。  2、5年前と比べて待機児童はゼロ人で変わりありませんが、保留児童数は70人ほど増えて477人であります。この状況をどのように分析されているのでしょうか。  3、幼児教育・保育の無償化の対象施設として、幼稚園、認定こども園、保育所、地域型保育事業所、その他認可外保育施設があります。昨年度の認可されている施設と認可されていない施設の施設数・入所児童数をお示しください。  以上3点、健康福祉局長にお伺いします。          〔津田善幸健康福祉局長 登壇〕 ◎津田善幸 健康福祉局長  3点の御質問に順次お答えいたします。  最初に、待機児童、保留児童の定義でございますが、入所申込みを行ったが入所できなかった児童を保留児童と言います。この保留児童から国の調査要領に基づき、特定の園を希望する者などを除いた児童が待機児童でございます。  次に、保留児童数の分析でございますが、令和4年度の保留児童477人におきましては、自宅や勤務場所から近い、園の方針がしっかりしているなどの理由により、特定の園を希望する保護者が多数いらっしゃいまして、保留児童数が減少しない傾向にございます。  3点目の令和3年度における施設数、入所児童数でございますが、認可施設292施設2万4,400人、認可外保育施設131施設2,381人でございます。          〔26番 井本正広議員 登壇〕 ◆井本正広 議員  認可施設に入所申込みを行ったが、入所できなかった児童を保留児童と言い、保留児童から国の調査要領に基づき、特定の園を希望する者等を除いた児童が待機児童とのことであります。  要するに、希望した園に入れず、他の認可施設を希望しなかった児童が保留児童であり、希望した園に入れず他の認可施設を希望したが、どこにも入れなかった児童が待機児童であります。  認可施設の定員増は毎年行われてきました。幼稚園を含めた認可保育施設数・入所児童数は5年前の292施設2万5,054人から、292施設2万4,400人と施設数は変わらず、入所児童数は減少しています。就学前児童が減少しているにもかかわらず、保留児童数が増えている要因は、自宅や勤務場所から近い、園の方針がしっかりしているなどの理由により、特定の園を希望する保護者が多数であり、保留児童数が減少しない傾向のようであります。  共働き家庭の増加、働く環境の変化に伴い、多様化する保育ニーズを提供することが求められ、認可外を選択される方も増えています。認可外保育施設は、5年前の97施設1,796人から、昨年度は131施設2,381人と大幅に増加しています。  そこで、次の質問に移ります。  認可外保育施設での指導監督基準を満たす旨の証明書の交付についてお伺いいたします。  認可外保育施設とは、乳児または幼児を保育することを目的とする施設であり、熊本市の認可を受けていない施設です。  熊本市内では昨年度131の施設に2,381名の入所者があり、本市の乳児・幼児の1割程度と大きなウエートを占めています。認可を受けていない施設ですが、政令市である熊本市は指導監督権限を有しています。  熊本市は児童福祉法に基づき、認可外保育施設について適正な保育内容及び保育環境が確保されているか否かの確認を行うため、認可外保育施設の設置者に対して運営状況の報告を求めるとともに、原則として年1回以上の立入調査を実施しています。  立入調査では、認可外保育施設指導監督基準に基づき、基準に適合しているか調査し、調査の結果、改善を求める必要がある場合は、文書による改善指導を行います。改善指導を繰り返し行っているにもかかわらず改善されず、改善の見通しがない場合は、児童福祉法第59条第3項に基づく改善勧告も行っています。指導監督基準を満たしていると認められた場合に限り、証明書が交付されます。  認可外保育施設にとって、証明書の交付を受けることにより、施設の信用度も上がり、さらに認可保育園の保育料と同様に消費税が非課税になり、大きな負担が軽減されますので、ほとんどの認可外保育施設は早期に交付されるように改善努力をしています。  しかし、施設側は指摘事項を改善し、次の立入調査を待たないといけません。以前は1年越しに調査に入ったが、軽微な指導で、すぐに是正できる項目であり、改善したと報告しても確認するためにさらに1年待たないといけない状況で、数年かけても証明書が交付されないケースもあったようであります。  熊本市の証明書の発行数は、本年1月時点で136施設中57施設、47%でしか証明書が発行されていません。熊本市以外の県内の認可外保育施設は約80%で発行されています。福岡市、鹿児島市、北九州市、宮崎市、大分市は90%超えしており、他市に比べ圧倒的に証明書発行数が少ないのが熊本市です。  証明書を発行するための検査ではありませんし、改善を受け入れない施設に証明書を発行する必要はありませんが、立入調査の目的は、適正な保育内容及び保育環境を確保するために、改善されていない施設について、児童の安全確保のため早急に改善していくことが目的ではないでしょうか。  基準に合うように積極的に改善点に対応した施設に対しては、早く確認して証明書を発行していただきたいと思います。  そこで、健康福祉局長に伺います。  1、認可外保育施設への指導監督基準を満たす証明書の交付の目的をお示しください。  2、適正な運営状況の報告が確認された場合は、証明書の発行を早急に行うべきと考えますが、いかがでしょうか。          〔津田善幸健康福祉局長 登壇〕 ◎津田善幸 健康福祉局長  2点の御質問につきましてお答えいたします。  1点目の認可外保育施設への指導監督基準を満たす証明書の交付の目的につきましては、認可外保育施設に対し保育の質を確保し、児童の安全確保を図ることでございます。
     2点目、証明書の早急な発行につきましては、認可外保育施設の運営や児童の安全確保の観点から、担当課において指導監督基準に基づき、慎重かつ厳正な立入調査を行っているところでございます。  したがいまして、調査から証明書の発行までには一定の審査期間が必要となりますが、議員御指摘のとおり、これまでは証明書発行までに時間を要していましたことから、今後は軽微な指導項目につきましては、立入調査時に改善内容をお伝えし、その場で改善を確認するなど、より迅速な証明書発行に努めてまいります。          〔26番 井本正広議員 登壇〕 ◆井本正広 議員  認可外施設での指導監督基準を満たす証明書の目的は、保育の質を確保し、児童の安全確保を図ることであります。  実際の相談の内容です。立入調査を受け、2か月後に改善指導項目が記入された通知書が届いたので、すぐに改善報告書を提出したが、改善報告書についての確認、指摘、指導はなく、年度内の証明書の交付はなし。その後、6か月後に立入調査があり、それから7か月後にその改善指導の通知書が届く。すぐに改善されたことが分かる書類と共に改善報告書の提出を行うが、改善報告書についての確認、指摘、指導はなく、その年度も証明書の交付はなし。  次の年はコロナ禍により立入調査は中止で、電話での依頼事項に従い、翌日に書類の提出。その後も電話での書類提出要請に対応するも、その年度も証明書の交付なし。書類要請等の通達方法として文書でなく電話でのやりとりで、しかも、提出期限の期間があまりにも短く、その要請が年度をまたいでいたり、長い期間連絡もない中でいきなりの要請であったりする。進捗状況を聞いてもコロナ禍や人手不足を理由にして、明確な返答がないとのことであり、結果、その都度改善報告書を提出して誠実に対応してきたが、証明書の交付を取得するのに3年半かかりましたとのことでありました。  すぐに是正できるような軽微な指導の場合は、改善の報告があっても、確認を1年待たないと調査をしない現状は、施設側にとってデメリットが大きく、結果的に保育の質の向上につながらないのではないかと考えられます。  他都市と比べて、本市は圧倒的に証明書発行数が少ないのも気になりますが、認可外施設の入所児童数は増加傾向であります。答弁にもありましたように、今後は軽微な指導項目については立入調査時に改善を求め、その場で改善を確認するなど、迅速な証明書発行に努めていただきますよう、お願い申し上げます。  次に、認可外保育所での保育料の償還払いについてお伺いいたします。  令和元年10月から幼児教育・保育の無償化が開始されました。幼稚園、認定こども園を利用する方の保育料は、満3歳から無償となります。食材料費(ごはん、おかず、おやつ等)、通園送迎費、行事費、延長保育料などは保護者負担となりますが、通常の保育料については払うことなく無償となっています。  しかし、認可外保育所の保護者の方は、毎月施設利用料(保育料)全額を支払わなければいけません。後日、無償化の上限の範囲内で保護者に戻ってくる償還払いだからです。償還払いとは、一旦保護者が支払った利用料を保護者の請求に基づき、熊本市が保護者に支給します。支給を受けるには、熊本市から事前に施設等利用給付認定を受け、保護者が施設等利用請求書に、利用した施設が発行した領収書、提供証明書と振込先口座の通帳の写しを四半期ごとに提出し、償還払いの手続をしなければ戻ってこない仕組みです。3か月分をまとめての請求になり、翌々月に振り込まれます。  例えば、市町村民税非課税世帯のゼロ歳〜2歳児が1人と、3歳〜5歳児が1人の2人の児童を認可外保育所に預けている場合に、無償化の上限額である2人分7万9,000円を4月、5月、6月分を7月に申請し、8月に振り込まれる形です。3か月分23万7,000円を立て替える必要があります。  実際には、無償化の上限額を超える金額のほか、先ほど申しました食材料費、通園送迎費、行事費、延長保育料等も支払うため、それ以上の金額が必要になります。また、保育施設側、保護者の四半期ごとの事務作業も大変であります。  そこで、健康福祉局長にお伺いします。  利用料が無償化の上限額を超えた場合は、その超えた額についてのみ保護者が施設に支払うこととして、上限内の利用料については、保護者が保育施設に支払いをせず、保育施設が保護者に代わって市に請求する法定代理受領方式を採用できないでしょうか。  以上、健康福祉局長にお伺いします。          〔津田善幸健康福祉局長 登壇〕 ◎津田善幸 健康福祉局長  認可外保育所等利用者への保育料の償還払いについては、令和元年10月から開始した幼児教育・保育無償化に伴い、施設等利用給付認定を受けた子供が認可外保育所等を利用した場合に、一旦保護者が支払った利用料を保護者からの請求に基づき、償還金として支給するものでございます。  議員御提案の法定代理受領を行うためには、施設側において、園児全ての施設等利用給付認定の確認と把握及び一時預かり事業などの複数利用者の上限額の管理が必要となります。  そのため、現在、担当課で管理等を行い、保護者へ給付しているところであり、全ての指定都市においても同様の償還払いとなっているところでございます。  このようなことから本市としましては、引き続き、償還払いを継続いたしますが、今後、保護者や施設にとって負担軽減となる、例えばオンライン申請など、デジタルを活用した支払手続などを研究してまいります。          〔26番 井本正広議員 登壇〕 ◆井本正広 議員  法定代理受領方式を行うためには、施設側において園児全ての施設等利用給付認定の確認と把握及び一時預かり事業などの複数利用者の上限額の管理が必要となり、償還払いを継続するとの答弁でありました。  法定代理受領方式になった場合に、施設側において事務負担が増えるとのことでありますが、保護者にとっては通常分の保育料の立替えが不要になり、四半期ごとの領収書、提供証明書の提出も不要になり、保護者側の金銭面、事務負担は大幅に軽くなります。  ある認可外施設の方にお話を伺いましたら、厳しい社会状況の中、保護者の負担軽減になるのであれば、施設側は対応してもいいのではないかとの御意見もありました。全ての政令市では償還払いとのことでありますが、お隣の菊陽町、合志市では法定代理受領方式が既に行われています。答弁にありましたように、デジタルを活用した支払手続が可能になれば改善されると期待いたしますが、まずは、保護者の側の視点に立って御検討いただき、法定代理受領方式導入については、施設側の意向調査をしていただければと思います。よろしくお願いいたします。  最後に、要望を1点申し上げます。  私道における上下水道の設置の承諾についてであります。  熊本市の要綱では、公共下水道の設置または維持管理について、所有権者及び占有者等全員が同意していることとあります。しかし、このような取扱いのため、承諾書を取り付けるに当たって、一部土地所有者から承諾書を要求されたり、妨害行為が行われたり、また、土地の所有者が所在不明であったり、遠方や海外にお住まいで会えない等の理由で承諾書を取り付けられなくて、上下水道工事に支障が生じる場合があります。  令和3年4月に成立した民法改正に伴い、本年6月7日、1週間前でありますが共有私道ガイドラインが改訂され、宅地所有者が他の土地に上下水道工事の設置をする以外に方法がない場合に通知を行った上で他の土地に設置することができることや、他の土地の所有者からいわゆる承諾料を求められても応ずる義務がないことが記載されています。  改正法の施行は令和5年4月ですので、これから市の要綱も見直しがなされるのではないかと思います。それまでの工事については、既にガイドラインが改訂されましたので、個別に丁寧に対応していただきたいと思います。どうかよろしくお願い申し上げます。  以上で、今回準備した私の質問は全て終わりました。長引くコロナ禍での原油・資材価格高騰、物価高騰は、これからますます地域経済、市民生活に直撃してまいります。新型コロナウイルス感染症拡大防止に取り組んでいくとともに、市民の命を守り、暮らしに安全と安心を取り戻すため、これからも全力で取り組んでまいることをお誓いし、一般質問を終わります。  本日はお忙しい中、傍聴に来ていただいた皆様、オンラインで視聴していただいた皆様、そして、議場の皆様、御清聴大変ありがとうございました。以上で終わります。(拍手)       ──────────────────────────── ○園川良二 副議長  この際、議事の都合により休憩いたします。  午後2時に再開いたします。                             午後 4分 休憩                             ───────────                             午後 2時00分 再開 ○原亨 議長  休憩前に引き続き会議を開きます。       ──────────────────────────── ○原亨 議長  一般質問を続行いたします。  山内勝志議員の発言を許します。山内勝志議員。          〔15番 山内勝志議員 登壇 拍手〕 ◆山内勝志 議員  皆様、こんにちは。市民連合の山内勝志でございます。  今回も医療の課題を中心に質問をさせていただきます。  少々多めの質問となりますので、早速ではありますが通告に従って質問に入らせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。  最初に、ウィズコロナ期における保健・衛生体制についてお聞きします。  新型コロナウイルス感染症の第6波は1月下旬をピークに徐々に減少傾向になりましたが、昨年の第5波と比べると減少のスピードが穏やかで新規感染者数は高止まりに近い状況が続いておりました。ただ、オミクロン株の特徴としては、軽症者が多かったことや患者数が減少傾向にあったこともあり、3月中にはまん延防止等重点措置も全て解除され、今後はこれまでのコロナ禍での経験と知恵を生かしながら経済活動の回復や子供たちの教育の機会を元に戻していく時期に来ているであろうと思います。とは言っても、オミクロンB.2は感染力が強く、最近では新たなB.4、B.5の変異型も確認されており、今後、夏以降の第7波の到来も懸念されています。加えて、海外旅行者の入国制限が緩和されることもあり、到底油断はできません。  私たちはこれまでどおり、3回目や4回目のワクチン接種、密の回避、換気、手洗い、また必要に応じたマスクの着用を続けて、自らの身を守ることが求められます。一方、治療薬も2種類の飲み薬が投与開始され、加えて国内産の飲み薬も承認のめどがついたようです。  また、熊本市発の、実績があり、安全性が高い不活化ワクチンも来年には使えるようになりそうです。これらの新しいアイテムを使い、これまでの経験や知見を検証し、生かすことによって、医療と経済と教育とをバランスよく保ちながら、全ての人々が健康や生活に大きなダメージを受けないようにしていく必要があります。  ただし、感染対策の緩和についてあまり前のめりになり過ぎることなく、感染症を恐れるということも忘れずに、新型コロナウイルスと共生するウィズコロナ期、あるいはアフターコロナ期を迎えていくことになります。  また、新型コロナウイルス対策が新たなフェーズに入っていくに当たっては、医療や保健・衛生体制について、いま一度検証が必要だと思います。特に、保健所を中心とした初動体制と健康観察等の医療の補完体制においては、ウィズコロナ期の従事者の体制をいかにすべきか、再検証が必須となります。重症者の減少に反して、軽症・無症状者が増加し、高止まりの状態が長く続いています。全国の保健所の職員にとっては、新型コロナウイルス対策が質から量に変わったことで、過重な業務が延々と続いていると感じていると思います。  本市においても、各区役所の保健子ども課や福祉課に所属する保健師が新型コロナウイルス対策のために召集されています。その現場でも大変な苦労をされていますが、召集されたため、2人、3人と抜けた市役所、区役所等の現場においても、人員不足から通常業務に大きな支障が起きております。特に、緊急の対応が発生し得る、児童相談所につながるような児童福祉の案件や、コロナ禍で不安な状態が続く妊産婦へのフォロー、外出制限による抑うつや、病気への不安等でコロナうつとなった人々への対策など地域で行うべき業務も山積しています。それなのに、人手不足で手が回らないという状態ではないでしょうか。  そこでお尋ねいたします。  1点目、ウィズコロナ期を迎えての保健所等の業務体制と人的配置について、現状と今後の方針を教えてください。特に保健師の体制については、増員が図られているとはいえ、限られた人員でやりくりするには限界だと思います。病状の急変が予想されるようなコアな事例を除いた業務に、一線を退かれた保健師や看護師の方々に御支援いただくように、関係職能団体との支援協定などを行ってはいかがでしょうか。  2点目、保健師の召集やその他の事務職等の応援は感染症による災害対策として有効ですし、実際に大きな貢献であったと思います。しかし、いつまで召集が続くのか、これは本人にとっても送り出す職場にとっても、その期間をある程度知っておきたいところだと思います。新型コロナウイルス感染症の流行レベルに合わせるような召集・応援体制の規模や期間を定めた一定の基準づくりと全庁的な共有が必要だと思いますが、いかがでしょうか。  3点目、先ほど地域の児童相談にも影響が出ているとの話をしましたが、連携と受入先となる児童相談所の体制は大丈夫でしょうか。そもそも人員不足が解消されていない部門だと思いますが、専門職員がコロナ応援によりさらなる人員不足になっていることはないのでしょうか。児童相談所の人員体制の課題と今後の体制整備方針についてお尋ねいたします。  以上、3点について健康福祉局長のお考えをお聞かせください。          〔津田善幸健康福祉局長 登壇〕 ◎津田善幸 健康福祉局長  3点のご質問に順次お答えいたします。  最初に、保健所等の業務体制等でございますが、新型コロナウイルス感染症対策課におきましては、現在194名体制で積極的疫学調査や患者の療養支援等を行っており、そのうち保健師は37名でございます。  保健師等の業務といたしましては、高齢者や基礎疾患をお持ちの方など重症化リスクの高い方への聞き取りや、療養先の調整等を行っており、会計年度任用職員に加え、外部の専門職を派遣する仕組みであるI HEATなども積極的に活用し、対応に当たっているところでございます。  オミクロン株の流行により、長期的な対応を求められていることから、今後は関係団体等との連携を強化するなど、外部人材による支援体制のさらなる確保についても検討を行ってまいります。  次に、召集・応援体制でございますが、第6波に向け、第5波での感染状況を基に人口10万人当たりの1週間の新規陽性者数を移行基準として、3つのフェーズに分類し、感染状況に応じて保健所体制を強化することとしておりましたが、オミクロン株による想定を超えた感染拡大により、保健所業務が逼迫し、厳しい状況となりました。このような状況を踏まえ、保健所職員でなければ対応困難な業務以外は外部委託を推進することとし、5月からは、これまで保健所職員が行っていたパルスオキシメーターや生活支援物資の配送など業務委託を行ったところであり、現在もさらなる外部委託について検討を進めているところでございます。  今後の流行の予測につきましては、ウイルスの変異など難しい状況がございますが、保健所業務の効率化はもとより、引き続き外部委託の推進に取り組むことで可能な限り全庁からの支援体制の規模を縮小し、区役所等における業務への影響が最小限となるよう努めてまいります。  最後に、児童相談所の体制等についてでございますが、児童相談所の専門職につきましては夜間・休日の当番勤務や緊急を要する事案への対応が必要な業務であるため、長期間の新型コロナウイルス感染症対策に従事する職員の対象としておりません。  児童相談所の人員体制につきましては、令和3年度に弁護士を、令和4年度は医師を常勤で配置するなど体制の強化を進めてきたところでございます。一方、定数が人口割や虐待対応件数に比例する児童福祉司や児童心理司につきましては、対応件数の増加に伴って国の配置基準を下回る状況にあり、今後も関係部局と協議の上、適正な体制整備に努めてまいりたいと考えております。          〔15番 山内勝志議員 登壇〕 ◆山内勝志 議員  これまで変異を繰り返すウイルスへの対応は困難を極め、走りながらの災害対策であったろうと思います。新型コロナウイルス感染症対策が新たなフェーズに変わりつつあるとはいえ、新型コロナウイルス以外の感染症、サル痘やデング熱、ポリオ、日本脳炎などの旧来の感染症が世界各地で再流行の兆しがあることも大変心配な材料です。改めて公衆衛生体制の強化が必要な時代に入っていると思います。  また、山積する児童福祉等の地域課題についても業務が滞ることがないように、マンパワーの増強及び再配置についての工夫をお願いいたします。児童相談所については徐々に体制の強化が目に見えてきたと思いますが、あくまで配置基準を満たすことが必須であり、引き続きの御検討をお願いいたします。  それでは、次の質問に移らせていただきます。  次は、市民病院の今後の病院運営・経営体制等の方針について、病院事業管理者として2回目の任期に入られます水田事業管理者にお聞きしたいと思います。  ここ2年間は、市民病院では熊本医療圏での新型コロナウイルス感染症治療の中心的な役割を担われ、これまでに治療を行った患者数は1,350人を超えたそうです。改めて医療従事者の皆さんの貢献に敬意を表します。  そして、あまり表に出ていないことなのですが、もう一つ特筆すべきは病床稼働率です。市民病院の2021年の稼働率は89.1%だそうです。新型コロナウイルス感染症病床を除いた一般病床だけ見れば、恐らく95%を超えるのではないかと私は推測しています。一般的な急性期型の病院が80%程度と言われているので、新型コロナウイルス感染症治療を担いながら一般的な病気の治療においても相当な稼働率を維持していたこととなります。特に新型コロナウイルス感染症病棟に看護師を集中させ、専用病棟をつくるために各診療科の入院ベッドの移動を行うなど、平常時と比べて療養環境を維持することが困難だった状況下では、この稼働率は驚くべき数字だと言ってよいと思います。  新病院開設早々で全ての病床をオープンさせる前に新型コロナウイルス感染症の流行が襲ってきました。それでも事業管理者のリーダーシップと職員の頑張りで地域医療にも貢献し、結果を残して来られました。しかし、今後、ウィズコロナ期を迎えるに当たって、現在の状況がどのように転じるかは不透明です。  また、熊本地震の影響で生じた約130億円の減収対策企業債の償還も経営上の大きな重しとなります。このような厳しい状況も踏まえた上で、これからの新しい任期に当たっての病院運営・経営方針についてお尋ねいたします。  1点目、救急医療体制についてお聞きします。  新病院開設当初は救急診療医の不足等もあり、二次救急医療機関としての役割を担われてきましたが、今後は三次救急体制を目指すのでしょうか。現在の体制を含め、今後の方針をお聞かせください。  2点目、看護体制についてお聞きします。  震災前は1人の看護師が7人の患者を受け持つ7対1看護体制を取られていました。しかし、震災後の病棟閉鎖期間中の人員抑制を経て、現在の看護体制は1人の看護師が10人の患者を受け持つ10対1看護体制です。看護体制は診療報酬基準にも直結する病院経営上の重要な指針ですが、ここで考えるべきはまず医療の質と安全の担保です。10対1体制が7対1体制に劣るとは言えませんが、少なくとも目指すべき医療を無理なく、安全に行うには看護体制が手厚い方がよいということは間違いがありません。ちなみに、熊本市内の大学病院や地域医療の拠点となるほかの公的病院は、現状全ての病院が7対1看護体制のようです。  また、女性が圧倒的に多い職場でもあり、出産、子育てで一定期間夜勤に入ることができない方々がいます。近年は介護を担う方も増えており、夜勤者の確保も難しいと聞いています。任用上の職員数だけでなく、夜勤ができる看護師が何人いるのかということを、人員体制を考える際の基本に置いていただきたいと思います。今後の看護体制の在り方について方針をお聞かせください。  3点目、地域医療の公的な役割を担うための2つのライセンスについてお尋ねします。  まず、地域医療支援病院ですが、これは地域の病院、診療所の医師から紹介された患者さんに適切な医療を提供できる拠点病院であるとして知事の承認を受けた病院のことです。市民病院では、昨年、再度承認を受けたと聞いています。今後の活動方針と地域連携を担当する職員の役割別の人員配置方針について教えてください。  もう一つは、がん診療連携拠点病院です。この指定においては、震災前には国の指定を持たれていましたが、現在は県の指定にとどまっておられます。がん治療は急性期を担う病院が積極的に取り組むべき医療です。再び国の指定を目指す意向であるのか、また、今後市民病院が注力するがんの種別についてもお聞かせください。  4点目、電子カルテを中心とした医療情報システムを運用している市民病院のデジタルデータは大変貴重な宝物だと思います。データを収集し、分析し、活用することで医療の質を向上し、市民病院の強み、弱みを正しく理解した上で効率的で安定的な医療活動を行うための武器になります。今後の医療情報の分析体制と人員の確保・育成についてお考えをお聞かせください。  最後5点目に、植木病院を含めた病院局としての経営方針についてお考えをお聞かせください。          〔水田博志病院事業管理者 登壇〕 ◎水田博志 病院事業管理者  5点の御質問に順次お答えさせていただきます。  まず最初の救急医療体制につきましては、当院は入院手術が必要な重症患者を24時間体制で受け入れる二次救急医療機関としての役割を担っています。昨年度の救急車搬送の受入れ実績は4,675件で、既に熊本地震前の平成27年度を上回る実績となっております。  熊本市内には、3つの救命救急センターを含めて4つの三次救急医療機関があり、三次救急に関しては既に十分な医療体制が確保されていることから、当院は引き続き二次救急医療機関としての役割を果たしてまいります。  次に、看護体制についてのお尋ねですが、新病院開院後の一般病棟における看護体制については、急性期医療の基本とされている10対1配置を継続してきたところです。当然のことながら、NICU、MFICUなど高度急性期医療を提供する病棟や小児病棟においては、3対1や7対1など法的に定められた看護配置を行っており、一般病棟を含めて医療の質と安全については職員の不断の努力により担保されているものと考えています。  今後の看護体制につきましては、現在、新型コロナウイルス感染症対応のため、一般病棟として使用できていない2つの病棟が稼働開始した後に、病棟の稼働状況や看護師の勤務状況を把握した上で、減収対策企業債などの債務償還を含めた経営への影響も踏まえて検討してまいります。  次に、地域医療支援病院については、地域医療機関との連携、医療機器の共同利用、地域の医療従事者に対する研修などが求められており、当院では従来よりこれらの活動に積極的に取り組んできたところです。この中で地域医療機関との連携については、患者サポートセンターが中心的な役割を担い、看護師15名、社会福祉士4名、事務職員1名で前方・後方連携や医療機関との連絡調整に当たっています。地域医療機関との連携の強化は当院の診療発展の要となりますので、引き続き患者サポートセンターの体制の充実を含めて連携の強化に努めてまいります。  次に、がん診療につきましては、当院では5大がんはもちろんのこと、悪性腫瘍全般に対応可能な診療体制を取っているところです。がん診療連携拠点病院については県の指定を受けていますが、国の指定については要件である常勤の放射線治療医が現時点で確保できておらず、申請ができない状況です。放射線治療医は全国的にも少ない状況にございますが、引き続き放射線治療医の確保に努め、国指定の要件を満たすべく取り組んでまいります。  次に、医療のデジタル情報についてのお尋ねですが、御指摘のように医療情報データの収集、分析は、診療動向の解析や経営戦略の策定の上で極めて重要であり、当院では令和元年度に独自採用した医療情報技師の資格を持つ事務職員がデータの収集・分析業務に当たっております。医療情報データの重要性は、今後ますます高まることから、引き続き専門的な知識や資格を有する事務職員の採用や育成に努めてまいります。  最後に、病院局の経営方針についてのお尋ねですが、急激な高齢化と人口減少の進行などを背景として、我が国の医療は大きな変革期を迎えており、持続可能な医療提供体制の構築を目指して、機能の分化と連携の強化を軸とした種々の施策が進められているところです。  病院局としましては、国の医療施策を基本として、地域の医療ニーズを踏まえた医療提供体制を構築するとともに、公立病院に強く求められている経営の強化に取り組んでまいります。          〔15番 山内勝志議員 登壇〕 ◆山内勝志 議員  事業管理者には幅広い内容について御答弁をいただきました。  コロナ禍にありながら救急搬送受入れが年4,675件で震災前の実績を上回ったとのことです。医療現場の働き方改革の課題もあり、救急医療体制の維持は大変だと思いますが、引き続き地域の救急体制の重要な役割を担っていただきたいと思います。
     看護体制については、経営への影響もあり、簡単に増員ができないことは理解できますが、医療の質と安全が最優先であることは間違いのないことです。今後、看護現場の状況については、常に精査していただき、必要な措置を取っていただくようお願いします。  地域医療支援病院とがん診療連携拠点病院の指定は、地域医療の拠点となる病院にとって大変重要な指標であると思います。また、医療データの活用も同様ですが、いずれも従事者の確保が肝要となります。引き続きの取組をお願いいたします。  今後、医療機関の運営、経営は、ウィズコロナ期に入り、ますます混迷を深めていく恐れもあります。そのような中にあっても、市民病院は地域医療の中核病院としての役割を担う使命があります。事業管理者には、今後とも病院局職員の皆さんの声に耳を傾けながら、引き続きリーダーシップを発揮していただきますようよろしくお願いいたします。  次に、地域医療連携推進法人制度の活用についてお聞きします。  コロナ禍を経験し、改めて考えさせられた事柄の一つに、医師や看護師等の人的医療資源の確保の必要性があります。熊本市のように潤沢な医療資源を持つ地域ですら想定をはるかに超える感染症の爆発的流行に危機感が生じました。有限であるこうした医療資源をどう守っていくのか、今回、地域医療連携推進法人制度という聞き慣れない仕組みを御紹介した上で、本市の医療政策としてのお考えをお聞きしたいと思います。  我が国の医療提供体制は、病院の数は多いがその施設規模は小さいという特徴を持ち、そのため利便性は高いが経営効率において負の要素が大きいという指摘がありました。そこで、社会保障制度改革国民会議において、法人制度の見直しについて言及され、2017年に医療社会福祉法人等の複数の法人や個人が参画する地域医療連携推進法人制度が施行されました。  この連携推進法人に参加できるのは、非営利を目的とした病院や診療所、介護施設等を開設する法人、医療者養成機関、地方独立行政法人や地方自治体です。参加した法人は社員となり、1票の議決権が与えられ、連携法人に関する事項の決議は社員総会で行われます。認定に当たっては、都道府県医療審議会での意見聴取を経て決められます。昨年7月の時点で、全国で28の連携推進法人が認定されています。  この制度のメリットは法人の合併や買収ではなく、参加する法人がおのおの独立性を保ちながら医師、看護師等の人的交流、医療従事者の共同研修、参加法人間の病床の融通、CTやMRI等の高額医療機器の共同利用、医薬品の共同購入など、グループ化の利点を最大限利用できる点にあります。中でも、医師、看護師の人的交流は、災害や感染症の蔓延時に機動性が高く、非常に有効であるだけでなく、産科、麻酔科、小児科、救急診療科などの人材不足や地域間の偏重といった現在生じている課題解決の一助にもなります。  一方、現状では、主に医療の領域の人・物の連携が中心となっており、老人保健施設や特別養護老人ホームなどを巻き込んだ介護との連携においては、全ての連携推進法人で行われているわけではありません。今後は、介護の領域に活動の幅を広げることで、高齢者が退院した後の医療と介護の連携強化にも期待され、地域包括ケアシステムの実現を円滑に進めるツールになるとも思います。  そこで、お尋ねいたします。  地域医療連携推進法人制度は、これからの熊本市の医療資源を維持していくために有効な制度であると思いますが、いかがでしょうか。  また、熊本地震により、上益城医療圏へのダメージが大きかったこともあり、現在は熊本市だけで構成されていた熊本医療圏と上益城医療圏は一体化し、熊本・上益城医療圏を構成しています。この機に熊本市東部の医療機関と上益城郡域の医療機関とで連携推進法人をつくることについて、この医療圏の医療政策を担当する機関として、前向きに推進すべきだと思います。  健康福祉局長にお考えをお聞きします。          〔津田善幸健康福祉局長 登壇〕 ◎津田善幸 健康福祉局長  地域医療連携推進法人制度につきましては、議員御紹介のとおり、質が高く、効率的な医療提供体制の確保を目的として、複数の医療法人等が参画し、病床の再編や人材派遣をはじめ、医師等の共同研修や医薬品等の共同購入を行うなど、地域の医療機能等の分担及び業務の連携等を図るものであり、地域医療構想を推進するための一つの有効な選択肢であると認識しております。  他方、当該制度は、参画法人等が事業計画等の重要事項を決定する際に地域医療連携推進法人の意見を求めることとされており、参画法人等の事業活動や経営に大きな影響を及ぼす可能性がありますことから、活用に当たっては関係者の自主的な取組が基本になるものと考えております。  本市としましては、今後も県と連携しながら地域医療構想の推進に向けた当該制度の周知を図るとともに、活用を検討する医療法人等に対しまして制度の詳細や認定事例等について情報提供を行うなど、必要に応じて助言を行ってまいります。          〔15番 山内勝志議員 登壇〕 ◆山内勝志 議員  地域医療連携推進法人制度については、地域医療構想を推進するために有効な制度であるとの御認識でありました。御答弁にありましたように、連携推進法人をつくることは、医療法人関係者等の自主的な取組ではありますが、今後の感染症の蔓延や災害の発生などを考えれば、医療を取り巻く環境は不確定な要素が多いと感じます。この制度のメリットを平常時から広く周知していただき、強固な地域医療の形成の一助にしていただきたいと思います。  それでは、次に、民法改正と共有私道ガイドライン改訂に伴う私道整備等の方針についてお尋ねいたします。  以降、私道はわたくし道のことだと御理解いただきたいと思います。  従前より、市街地でよく見られます複数の者が共有する私道、いわゆる共有私道においては、必要とされる補修工事を行おうとする場合に、法律上の共有物の保存や管理などの解釈が必ずしも明確でなかったために、事実上、共有者全員の同意を得るというような運用がなされておりました。そのため、必要な補修工事等の実施に支障が生じているのではないかとの指摘もございました。  私道も通常の交通に使われる公共性があり、道路が陥没するなどして通行に支障が出たり、危険が伴ったりした場合に、自治体としては住民の安全のためにもすぐに応急的な工事を行いたいところです。しかし、私道の所有者全員の同意が得られない状況では、法律上の解釈によっては緊急工事等の実施に当たってもその判断にちゅうちょすることが多いと思います。  そのような背景を受け、法務省は共有私道の保存、管理等に関する事例研究会を平成29年に設置し、検討を進めてきました。その結果、私道が一般の通行に供されたり、各種ライフラインを設置したりする公共的な性質を有しているため、自治体やライフライン事業者にとって、補助金の支給や工事の実施において支障となっていることが明らかと、事例研究会で報告をしています。  そのうち、令和3年4月には民法等の一部を改正する法律が成立し、その中で共有物の変更や共有物の管理についても改正が行われました。特に、民法第251条では、各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更を加えることができないとされていたところを、新民法では、その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除くと新たな考えが追加され、変更行為にさえ管理行為と同じように持分の価格の過半数で決定することができるよう改正され、全員同意の考え方が緩和されたものとなっています。  法務省が発行した、民法改正と共有私道ガイドラインの改訂について、ここにも共有物に変更を加える行為でもいわゆる軽微変更については持分価格の過半数で決定することができると示されております。また、その中に軽微な変更の具体例として、砂利道をアスファルト舗装にすることなどが挙げられています。  このように、これまで明確でなかった法律上の解釈について、一定の線引きがなされることになり、その後、先ほど御紹介した法務省の事例研究会では、共有私道ガイドラインが民法の改正に沿ったものとなるよう引き続き検討が再開されています。  そこで、本市が行っておられる2つの事業、都市建設局が所管されている私道整備補助金交付制度と上下水道局が所管されている私道の公共下水道公費布設についてお尋ねいたします。  1点目、これらの事業申請の条件には、いずれも所有者の同意が条件とされています。私道整備補助金については、土地所有者の承諾書提出に一部省略ができる場合がありますが、基本的には全員同意と解釈されているようです。下水道公費布設についても全員同意と表されています。公金を支出する補助事業であるので、所有者の同意を求めることは当然ですが、民法改正のきっかけにもなった一部の所有者から同意が得られていない事情により、道路が危険な状態のまま未整備で放置されていたり、あるいは下水道の整備が整わずに生活環境が前時代のままになっていたりする事例があるのではないでしょうか。  法務省の研究会の報告や民法改正に伴い同意の考え方が緩和の方向に変わっていく中で、どのような検討をされ、今後、どのような方針を持たれているのかをお聞きします。  2点目、私道上の事故防止のための緊急的な道路補修や地元自治会への補修資材の購入補助についてです。  私たちは熊本地震や豪雨災害を経験して、危険除去のスピード感がいかに重要であるかを経験しました。日々の生活の中で著しい不便や危険が生じた場合にその改善を求めるのは市民の権利であり、またそれを速やかに実行することは行政の責務でもあります。安全上必要とされる場合の私道への関与について、現状と今後の方針についてお尋ねいたします。  3点目、現行の私道整備事業の補助率は、250万円を上限に75%とされています。補助率は決して低いものではないと思いますが、熊本市道に編入されず、私道のままとなっているところは古くに造成、販売され、高齢者の方が住まわれていることが多いように感じます。となれば、75%の補助があったとしても自身の支出が必要となれば、整備工事への賛同を得にくいということも想像できます。補助率の引上げ、あるいは申請方法の緩和などを行う必要があるのではないでしょうか。  1点目については都市建設局長と上下水道事業管理者に、2点目と3点目は都市建設局長にお尋ねいたします。          〔田中陽礼上下水道事業管理者 登壇〕 ◎田中陽礼 上下水道事業管理者  私からは、下水道公費布設における同意の考え方についてお答えいたします。  本市の私道に対する公共下水道布設取扱要綱におきましては、複数の者が共有する私道等に公共下水道管等を布設する場合、長期間にわたる維持管理などが必要となりますことから、地権者全員の同意を条件としております。  また、運用におきましては、共有者の一部が所在不明の場合には、不明者を除く地権者全員の同意かつ所有権持分の過半数の同意をもって、公費布設対象とする対応を行っております。しかしながら、必要とする地権者の同意が得られず、公共下水道管等の布設に支障が生じることがあります。令和3年の改正民法や共有私道ガイドライン改訂におきましては、一定の条件の下、このようなケースにも対応することが可能となりますことから、本市におきましても改訂を踏まえ要綱の見直しを検討してまいります。          〔井芹和哉都市建設局長 登壇〕 ◎井芹和哉 都市建設局長  私からは、民法改正による補助金の同意の考え方、緊急的な道路補修、また補助金の補助率や申請等につきまして、以上3点についてお答えいたします。  まず、本市の私道整備補助金につきましては、平成26年度に交付規則を改正し、所有者全員の同意が必要としつつも反対者や態度保留者がいないこと、共有者の一部が所在不明でも所有権持分の過半数の承諾がある場合等は補助対象といたしております。  一方、令和3年の民法改正では、管理の賛否を明らかにしない所有者や所在等不明の共有者がいる場合の手続が示され、一定の条件により全員の同意がなくても整備可能となりましたことから、本市の交付要件については改正民法と整合するよう検討してまいりたいと考えております。  次に、私道の維持管理において、災害による陥没や土砂崩れ等による緊急対応以外の通常の維持管理につきましては、あくまでも個人の財産であり、その所有者に対応していただいているところでございます。  一方で、高齢化や所有者不明土地などの課題もありますことから、今後の取組について検討してまいりたいと考えております。  最後に、補助率につきましては、過去に2分の1補助でありましたものを現行の4分の3補助に引き上げておりまして、他都市と比較いたしまして遜色のない補助率と考えております。  また、申請方法等についても、適正な公金支出の観点から現在の手続は妥当なものと考えております。          〔15番 山内勝志議員 登壇〕 ◆山内勝志 議員  下水道公費布設においても、私道整備補助においても、民法の改正に沿った形で今後、検討を行っていくとのことでした。今回、改めて法律の改正の流れと公費を扱う行政の考え方が少し異なっていると感じております。  共有私道の課題は大変難しく、繊細な内容が多いことから行政としても悩ましい問題だとは思いますが、午前中の井本議員の要望にもありましたように、毎日の生活の中で自分たちの生活周辺だけが時間が止まっていると感じている方々がいらっしゃるのも事実です。今後、法務省のガイドラインの改訂等に注視していただき、ぜひとも前向きに御検討いただきたいと思います。  また、私道の維持管理については、災害時等の緊急対応の事例もあるとのことです。御答弁にあったように高齢化の問題もありますので、今後も前向きに取り組んでいただきたいと思います。  補助率については、現状ではやむを得ないとは思いますが、手続の簡素化については添付書類等の提出など、簡略化について時代に応じた緩和策を考えていただきたいと思います。  それでは、最後の質問となります。  高齢ドライバーによる交通事故防止対策についてお聞きします。  今年5月13日に改正道路交通法が施行されました。改正の内容は、一定の違反をした75歳以上のドライバーに対して、運転試験を行う運転技能検査の導入と安全運転サポートカー限定免許の運用開始というものです。  新たな対策を進める背景には、高齢ドライバーの車による深刻な死傷事故が近年、全国各地で相次いでいることにあります。警察庁の統計では、2020年に起こった75歳以上のドライバーによる車やバイクの死亡事故は346件あり、特にアクセルとブレーキの踏み間違い等の操作ミスが目立っています。  今回の改正点を簡単に御紹介すると、まず運転技能検査の実車試験の対象となる人は過去3年間で信号無視、逆走、速度オーバー、横断歩行者妨害等11種類の違反のうち、一つでも違反のあった75歳以上のドライバーです。運転免許証の更新時に運転技能検査を受けることになります。免許の有効期限の6か月前から繰り返し受検はできますが、期限までに合格できないと運転免許の更新はできなくなります。警察庁の試算では、年間約15万人が検査の対象となり、そのうち2割強の約3万人が免許失効する見込みだそうです。  次に、安全運転サポートカー限定免許ですが、この限定免許で運転できる車は自動ブレーキやペダル踏み間違い防止装置がついた国の保安基準や性能認定を満たした車です。免許証には、普通車はサポートカーに限ると記載されます。なお、ペダル踏み間違い防止装置を後付けした車は今回、対象外となりました。  この限定免許制度は運転に不安はあるが、生活する上で車が必要で免許返納をためらう人を想定してつくられた制度ではありますが、限定免許に切り替えるかどうかはあくまで本人の意思であり、特に強制力もありません。また、サポートカーに乗り換えるにしても、買換えとなるとお金がかかり、簡単ではありません。  これまでの高齢者事故対策を見ると運転免許の自主返納や認知機能検査の強化といった取組が中心でした。特に免許返納については、平成10年に制度化されて24年がたちますが、生活の移動手段として車を活用している高齢者は多く、簡単に返納に応じられない事情もあるようです。  しかし、実際には高齢ドライバーの運転操作ミスによる交通事故は後を絶たず、2019年4月には東京池袋で高齢運転者の暴走により、母親と幼い娘が亡くなった、そういった事故もありました。この悲惨な事故を契機に免許返納者が増えたと言われており、2021年には51万人以上の方が免許を返納されています。これは、もし自分が事故を起こしたら、もし自分の親や祖父母が事故を起こしたら、そのように誰もが問題意識を持っていたからだと思います。  免許返納が進む一方、買物や送り迎えなど生活の移動手段として車が必要な地域や人がいます。そのためにも、免許返納を推奨することと同時進行で車の代替手段や高齢者の移動支援といった交通政策や福祉政策の拡充など、地域の実情に合わせた対策を考える必要があります。  熊本市では、令和3年度から5年間の第11次熊本市交通安全計画を策定しています。その中には、運転免許証の自主返納の促進と支援、サポカー、サポカーSの普及を挙げておられます。ぜひとも実効性のある施策の展開をお願いしたいと思います。  そこで、3点お尋ねします。  1点目、高齢ドライバーによるペダル踏み間違い等による事故はどれぐらい起きているのでしょうか。また、免許返納に応じた方はどれぐらいいらっしゃるのでしょうか。返納後のバスやタクシー利用の補助等の支援策はあるのでしょうか。現在、取り組んでおられる高齢ドライバーによる交通事故対策と併せて教えてください。  2点目、今回の安全運転サポートカー限定免許制度の導入に伴い、該当するサポートカーを購入する場合の補助制度が望まれます。後付けの踏み間違い急発進抑制装置の購入補助とともに検討してはいかがでしょうか。  3点目、事故防止だけを考えれば免許返納が最も効果がある方法です。しかし、悲惨な事故を減らすためとはいっても、高齢者だけに負担を強いるのであればこの問題は解決しないと思います。高齢ドライバーには、なぜ免許返納を推奨せざるを得ないかを丁寧に説明し、市の施策として返納の推奨を進めると同時に高齢者の生活の移動手段を確保するための交通政策や福祉政策等の必要性について、それが行政の大きな責務であることを一層自覚しなければなりません。  今回の改正道路交通法の施行を契機として、高齢者の事故を防止するために、市民と地域、行政のそれぞれの役割を盛り込んだ高齢者の事故を防止する条例の制定を考えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  以上、1点目と2点目は文化市民局長に、3点目は大西市長にお尋ねいたします。          〔横田健一文化市民局長 登壇〕 ◎横田健一 文化市民局長  1点目の免許返納者への移動支援と交通事故防止対策についてでございますが、県警の調べでは令和2年における県内での高齢運転者の操作不適による人身事故は68件と、高齢者の人身事故全体の約8.5%となっており、令和3年の高齢者の免許返納者数は5,690人となっております。  高齢者の免許返納後の支援につきましては、県内全域の一般路線バス、熊本電気鉄道と市交通局が普通旅客運賃の半額で乗車できるほか、一部のタクシー事業者が運賃割引を実施しているところでございます。  また、本市における高齢運転者の交通事故対策といたしましては、コロナ禍で休止していました高齢者の安全運転教室の再開のほか、チラシによる安全運転や免許返納の呼びかけなどの周知啓発に引き続き努めてまいります。  次に、安全運転サポートカー限定免許制度の導入に伴う購入助成制度についてでございますが、安全運転サポートカー限定免許制度については5月13日から施行され、制度が開始されて間もないこともありますことから、現時点におきましては、議員御提案の助成制度を含め、今後の国等の動向を注視するとともに、引き続き高齢運転者による交通事故の防止対策に努めてまいります。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  本年3月に策定いたしました第11次熊本市交通安全計画では、対策の重点として高齢者及び子供の交通安全の確保を掲げており、特に高齢運転者が主な原因となる交通死亡事故の割合が増加傾向にありますことから、対策の充実を図ることとしております。  また、高齢者の移動手段の確保につながる取組につきましては、おでかけICカードによるバス・市電等の運賃割引や、地域団体が主体的に通院や買物への送迎を行う地域支え合い型移動支援サービスへの支援を行っております。  加えて、高齢者はもとより市民の皆様が日常生活において必要かつ快適な移動手段を確保するため、電停や車両のバリアフリー化、さらには公共交通空白地域等におけるコミュニティー交通の導入、Iデマンドタクシーの社会実験など、様々な取組を進めております。  本市といたしましては、現時点において議員御提案の高齢者の事故を防止する条例の制定は考えておりませんが、今後、ますます高齢化が進展する中で高齢運転者に対する教育等の充実や将来にわたり日常生活に必要な移動手段の確保に努めてまいりたいと考えております。          〔15番 山内勝志議員 登壇〕 ◆山内勝志 議員  高齢ドライバーの事故と高齢者の移動支援の課題は密接に関わっていますが、それぞれの対応策にこれといった打開策がないのが現状だと思います。それでも、何か現状を改善する施策は必要です。ペダル踏み間違いを物理的に制御できるサポートカーや後付けの防止装置の購入助成や免許返納者への割引制度など、引き続き具体策の導入には前向きに御検討いただきたいと思います。  また、現状では条例化は考えていないとのことですが、まずは第11次熊本市交通安全計画の確実な進捗を図っていただきますとともに、交通政策や福祉政策も含め、全庁的な視点で高齢者の事故を防止するための施策の展開をお願いいたします。  以上で、私が用意した質問は終わりました。真摯に御答弁をいただきました執行部の皆様にお礼を申し上げます。  また、傍聴においでいただいた皆様、インターネット中継を御覧になっていただいた皆様に感謝し、私の質問を終了いたします。ありがとうございました。(拍手)       ──────────────────────────── ○原亨 議長  都合により、副議長と議長席を交代いたします。          〔議長退席、副議長着席〕       ──────────────────────────── ○園川良二 副議長  それでは、「議会運営委員辞任の件」を議題といたします。  本日、原亨議員より、議会運営委員を辞任したい旨の申出がありました。  よって、お諮りいたします。  原亨議員の議会運営委員の辞任を許可することに御異議ありませんか。          (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○園川良二 副議長  御異議なしと認めます。  よって、原亨議員の議会運営委員の辞任を許可することに決定いたしました。          〔副議長退席、議長着席〕       ──────────────────────────── ○原亨 議長  それでは、欠員となりました議会運営委員の補充を行うため、この際、「議会運営委員選任の件」を本日の日程に追加することに御異議ありませんか。          (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○原亨 議長  御異議なしと認めます。  よって、日程は追加されました。
          ──────────────────────────── ○原亨 議長  それでは、「議会運営委員選任の件」を議題といたします。  お諮りいたします。  議会運営委員に大石浩文議員を選任することに御異議ありませんか。          (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○原亨 議長  御異議なしと認めます。  よって、大石浩文議員を議会運営委員に選任することに決定いたしました。       ──────────────────────────── ○原亨 議長  本日の日程は、これをもって終了いたしました。  次会は、明15日(水曜日)定刻に開きます。       ──────────────────────────── ○原亨 議長  では、本日はこれをもって散会いたします。                             午後 2時57分 散会 〇本日の会議に付した事件 一、日程第1 一、日程第2 一、議会運営委員選任の件 令和4年6月14日 出席議員 47名       1番   原     亨        2番   園 川 良 二       3番   山 本 浩 之        4番   北 川   哉       5番   古 川 智 子        6番   島 津 哲 也       7番   吉 田 健 一        8番   伊 藤 和 仁       9番   平 江   透       1番   荒 川 慎太郎      11番   齊 藤   博       12番   田 島 幸 治      13番   日 隈   忍       14番   吉 村 健 治      15番   山 内 勝 志       16番   緒 方 夕 佳      17番   高 瀬 千鶴子       18番   三 森 至 加      19番   大 嶌 澄 雄       2番   光 永 邦 保      21番   高 本 一 臣       22番   福 永 洋 一      23番   西 岡 誠 也       24番   田 上 辰 也      25番   浜 田 大 介       26番   井 本 正 広      27番   藤 永   弘       28番   原 口 亮 志      29番   田 中 敦 朗       3番   紫 垣 正 仁      31番   小佐井 賀瑞宜       32番   寺 本 義 勝      33番   大 石 浩 文       35番   上 田 芳 裕      36番   那 須   円       37番   澤 田 昌 作      38番   田 尻 善 裕       39番   満 永 寿 博      4番   田 中 誠 一       41番   津 田 征士郎      43番   藤 山 英 美       44番   落 水 清 弘      45番   倉 重   徹       46番   三 島 良 之      47番   坂 田 誠 二       48番   白河部 貞 志      49番   上 野 美恵子 欠席議員  1名      34番   村 上   博 説明のため出席した者   市長       大 西 一 史    副市長      深 水 政 彦   副市長      中垣内 隆 久    政策局長     田 中 俊 実   総務局長     宮 崎 裕 章    財政局長職務代理者河 野 宏 始   文化市民局長   横 田 健 一    健康福祉局長   津 田 善 幸   環境局長     早 野 貴 志    経済観光局長   田 上 聖 子   農水局長     大 塚 裕 一    都市建設局長   井 芹 和 哉   消防局長     福 田 和 幸    交通事業管理者  古 庄 修 治   上下水道事業管理者田 中 陽 礼    教育長      遠 藤 洋 路   中央区長     岡 村 公 輝    東区長      本 田 昌 浩   西区長      河 本 英 典    南区長      江   幸 博   北区長      小 崎 昭 也    病院事業管理者  水 田 博 志 職務のため出席した議会局職員   局長       富 永 健 之    次長       潮 永   誠   議事課長     池 福 史 弘    政策調査課長   上 野 公 一...