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  1. 熊本市議会 2022-03-07
    令和 4年第 1回定例会−03月07日-06号


    取得元: 熊本市議会公式サイト
    最終取得日: 2022-11-22
    令和 4年第 1回定例会−03月07日-06号令和 4年第 1回定例会   令和4年3月7日(月曜) ┌─────────────────────────────────────┐ │ 議 事 日 程 第6号                         │ │ 令和4年3月7日(月曜)午前10時開議                 │ │ 第  1 一般質問                           │ └─────────────────────────────────────┘                             午前10時00分 開議 ○原口亮志 議長  ただいまより本日の会議を開きます。       ──────────────────────────── ○原口亮志 議長  日程第1「一般質問」を行います。  発言の通告があっておりますので、順次発言を許します。  まず、齊藤博議員の発言を許します。齊藤博議員。          〔11番 齊藤博議員 登壇 拍手〕 ◆齊藤博 議員  おはようございます。自由民主党熊本市議団の齊藤博でございます。  冒頭に当たり、一言申し上げます。  熊本県内において、まん延防止等重点措置の期限が延期されました。いまだ新型コロナウイルス感染症は収束のめどが立ちません。お亡くなりになられた方々に哀悼の意を表しますとともに、感染されておられる皆様にお見舞いを申し上げます。また、医療現場を支えていただいている皆様に改めて感謝を申し上げます。  それでは、通告に従いまして質問してまいります。  金峰山少年自然の家の新しい施設整備運営事業についてお尋ねいたします。
     金峰山少年自然の家は、平成31年から受入れを中止し、現地建て替えを行い、令和7年の供用開始を目指しています。新しい自然の家整備基本計画においては、基本理念とともに3つの基本方針が示されています。  1つ目に、学校教育を支援し、市民や観光客等が気軽に利用できる施設であること。  2つ目に、地域住民等との連携によるプログラムの提供や地域情報の発信、交流を創出する施設であること。  3つ目に、民間のノウハウを活用した効率的な運営や新たなサービスを提供する施設であること。  以上3つの基本方針の下、新しい自然の家では、宿泊や学習、交流や野外活動、レクリエーションや情報発信機能等を導入することとしています。  そこで、今後の事業手法についてお尋ねいたします。  先般公表された金峰山少年自然の家の新しい施設整備運営等に係る事業方針では、事業方式をPFI方式としています。PFIとは、民間資金を利用して民間に施設整備と公共サービスの提供を委ねる方式です。一方、昨年、教育委員会が策定した整備基本計画では、事業手法の検討が行われ、行政が資金を調達するDBO方式民間事業者が資金を調達するPFI方式等の試算がなされました。財政負担の削減率を示す試算では、財政負担が小さいのはDBO方式でした。  ところが、結果として、事業方針では財政負担が大きいとされたPFI方式の導入が掲げられております。しかも財政負担の削減率は、僅か5.2%程度、17年の事業期間で、メリットは1億3,100万円程度となっています。  そこで、教育長にお尋ねいたします。  なぜ財政負担が軽減できるDBO方式を採用せずに、PFI方式を導入するのか、また、財政負担の削減率が5.2%程度という試算について、見解をお示しいただきたいと思います。          〔遠藤洋路教育長 登壇〕 ◎遠藤洋路 教育長  金峰山少年自然の家再建事業の事業手法については、財政負担をはじめ、サービス水準、事業の安定性など6項目の比較検討を行いました。財政負担ではDBO方式が優位であるものの、事業の安定性等ではPFI方式が優位であり、最終評価として事業の安定性を重視し、PFI方式が有効であるとしたところです。いずれの方式も、建設から運営までを一括して発注することでコストの削減が図られますが、従来の方式と比較した削減率が、PFI方式では約5.2%、DBO方式では約8.2%であり、金額にすると約7,300万円、DBO方式の財政負担が小さくなります。  一方、PFI方式は、市のモニタリングに加えて、金融機関もモニタリングを行うことで、整備運営面に対するチェック機能が充実し、事業の安定性につながると考えております。また、DBO方式は、各企業と個別に契約することから、建設企業等の業務完了後は運営業務への関与がなくなりますが、PFI方式では、設計、建設、維持管理、運営等の各企業が事業終了まで責任を持って関わることとなります。さらにPFI方式は、契約先である特別目的会社が構成企業から独立しているため、業務の継続が困難になった企業が発生した場合においても、本事業への影響は限定的となるなど、事業の安定性の面で上回っております。  これらの比較と併せて、金峰山少年自然の家整備運営審議会においても、法律により事業に関する手続等が定められているPFI方式が望ましいとの御意見もいただいております。PFI方式における財政負担削減率の試算約5.2%については、倉敷市少年自然の家等、他都市の青少年教育施設と同程度となっております。  教育施設の整備に当たっては、財政負担の軽減と併せて事業の安定性が重要だと考えております。民間の活力を生かして質の高い教育や学びの場を継続して提供していく観点から、PFI方式が最も効果的な事業手法であると判断したところです。          〔11番 齊藤博議員 登壇〕 ◆齊藤博 議員  PFI方式は法で守られており、総合的に勘案しDBO方式よりも優位性があると判断したとのことであります。一定の納得感はありますが、財政負担の削減率が5.2%程度というのは、その効果に疑問を感じます。経済合理性にたけた民間事業者のノウハウをもって、事業の継続性を担保しようとする制度がPFI方式のはずです。一定の財政負担の軽減を図ることと、質の高い教育や学びの場を継続して提供していくことは、決して矛盾しないと考えます。今後、事業スケジュールを進める中で、本市の財政負担にも十分配慮し、運営いただきたいと存じます。  今般選択された事業手法は、PFI方式BTO手法が採用されています。BTO手法とは、民間事業者が資金を調達し、施設を建築し、施設の所有権を熊本市に移転し、民間が引き続き施設の管理運営を行う方式を言います。施設の所有権を民間事業者から熊本市に移転する。それが今回の手法です。  新しい施設は、学校教育の支援とともに、市民や観光客等が利用できる施設でもあり、効率的な運営や新たなサービスを提供する施設として期待されております。民間事業者がある程度柔軟に施設の管理運営ができる体制とするには、施設の所有権は民間事業者とすべきです。  また、本市は、既に所有する公共施設の維持管理に大きなエネルギーを注いでおります。増大する保守整備事業に十分な予算を割くことが難しい現状において、なぜ15億円程度に上る施設を、市の管理が必要となる市有財産とするのでしょうか。PFI方式による事業です。建物の所有権は民間事業者とすべきです。  さらに、もう1点お尋ねいたします。  想定される事業者の運営リスクについて、どのように捉えていますでしょうか。例えば新型コロナウイルス感染拡大の局面において、施設利用が制限されたときの経営保証をどのように考えますでしょうか。  以上、施設の所有権移転及び経営保証について、財政局長に御見解を求めます。          〔田中陽礼財政局長 登壇〕 ◎田中陽礼 財政局長  2点の御質問にお答え申し上げます。  施設の所有権移転に関し、PFI方式では、建設後直ちに施設所有権を市に移すBTO方式と、事業期間中の施設所有権民間事業者とするBOT方式及びBOO方式がございます。事業期間中の施設所有権民間事業者が持つこととしました場合、議員御指摘のとおり、維持管理面において柔軟な対応が図れるなどの効果があると認識しております。  今回、金峰山少年自然の家につきましては、年間の約3分の2を小学校の集団宿泊教室の利用で占めており、学びの場を継続的に提供していく野外教育施設としまして、万一の際のイニシアチブが発揮しやすく、より安定した事業継続が可能であることなどから、市が所有権を持つこととされたところでございます。  今後も、PFI等の事業方式の選定に当たりましては、民間活力導入可能性調査等の結果や、個々の事業において設置されます審査委員会の意見等を踏まえ、財政負担削減率や施設の特性などを総合的に判断し、最も適した事業手法を選定してまいります。  次に、事業者の運営リスクの捉え方につきまして、PFI事業の実施に当たりましては、リスクが顕在化した場合の追加的支出の分担等の措置につきまして、事業契約の中で明確に規定する必要がございます。この規定は、想定される様々なリスクをできる限り明確化し、市と選定事業者との間で適切に分担することで事業費の最小化を図りながら、良好なサービスが安定して提供できるように設定するものでございます。  議員御質問の新型コロナウイルス感染症などの影響により、通常必要と認められる注意や予防方法を尽くしても事業に支障が生じると認められる場合には、事業契約に基づき、事業が安定的・継続的に運営できるよう、不可抗力による損害や増加費用の分担等について協議を行い、適切に対応しているところでございます。          〔11番 齊藤博議員 登壇〕 ◆齊藤博 議員  施設の所有権については、子供たちの学びの場を継続的に提供していく施設であるから市が所有した方がよいとの見解でした。しかし、運営をお任せする事業者です。本市に所有権を移す必要性を感じません。本市の資産総量の適正化を図るためにも、再考の余地があれば、民間事業者に建物の所有権を委ねてみてはいかがでしょうか。また、今後PFI事業を展開する場合には、そこまで踏み込んだ議論をぜひやっていただきたいと思います。経営保証について、事業を行う特別目的会社は、ほかの事業は一切行うことができません。それがPFI方法です。だからこそ不測の事態に備えた事業経営のための保証は必要と考えます。ぜひ配慮いただきたいと思います。  いずれにしても、事業者の選定については慎重に御審議いただき、できれば地元事業者にお願いできる環境を整えていただきたいと思います。  次の質問に移ります。  中心市街地におけるにぎわい創出の取組について、お尋ねいたします。  熊本市では、熊本駅前やサクラマチ、花畑公園の再開発にめどが立ちました。そのほかの市中心市街地の商店街をはじめ、地域商店街等におけるにぎわい創出をいかに図っていくのかが今後の大きな課題となります。その一つのキーワードが、人の移動です。熊本市が取り組んでいる多核連携都市づくりやMaaSという概念を取り入れたまちづくりの推進を図るためには、公共交通の結節機能の充実は欠かせません。にぎわいを創出するということと、継ぎ目のないモビリティサービスの提供を通して地域との融合を図ることは、同じことだと考えます。  本市では、昨年、バス事業者5社による共同経営が全国に先駆けて導入されました。また、公共交通の空白地域や不便地域におけるコミュニティ交通の在り方も模索中です。さらに、AIデマンドタクシーの導入やシェアサイクル事業の可能性を探ろうともしています。  そこで、まず2つの施策についてお尋ねいたします。  1つ目に、健軍地区周辺で実施されたAIデマンドタクシーの実証実験。昨年10月から11月に実施されたとのことですが、その結果と今後のAIデマンドタクシーに関する施策をお示しください。  2つ目に、来年度から予定されておりますシェアサイクルの実証事業についてお尋ねいたします。これは、上熊本駅周辺を含む中心市街地を対象地域とし、シェアサイクル事業を行うものです。その実証事業はどのようなものなのか、簡潔にお答えください。  都市建設局長、お願いいたします。          〔井芹和哉都市建設局長 登壇〕 ◎井芹和哉 都市建設局長  ただいまの2点の御質問にお答えいたします。  昨年10月に健軍地区周辺で実施いたしましたAIデマンドタクシーの実証実験は、市街地部におきまして既存の公共交通を補完する新たな移動手段としての可能性を探りますため、産学官で連携し、平日の30日間運行いたしたところでございます。現在、実施主体の熊本学園大学におかれまして、利用実態やアンケート調査等の分析を実施されておりますが、期間中、483件の利用のうち41件の相乗りがあり、アンケート調査では、ドアツードアで移動できることに評価を得ました一方、乗降エリアの拡大や予約方法などについて御意見をいただいたところでございます。  来年度は、市街地部に加えまして、公共交通空白地域等においても実証実験を予定しておりまして、市街地部、郊外部での検証を踏まえ、新たなコミュニティ交通としての可能性を検討してまいりたいと考えております。  次に、シェアサイクルの実証実験につきましては、本年4月から2年間、中心市街地に上熊本駅周辺を加えたエリアにおいて実施することとしておりまして、現在、事業予定者と事業の詳細について協議を進めているところでございます。また、シェアサイクルは、スマートフォンで自転車の貸出しから返却、料金決済などができ、時間単位での料金設定や24時間の利用、どの駐輪ポートでも返却可能など、気軽に自転車を御利用いただけるサービスでございます。本サービスは、中心市街地の回遊性向上のほか、健康増進にもつながるものであり、今回の実証実験において、利用状況や事業効果を確認いたしますとともに、運営上の課題等を把握し、本格運用につなげたいと考えております。  これらAIデマンドタクシーシェアサイクルは、移動の選択肢を広げ、行動変容を促し、鉄道駅やバス停から目的地へのラストワンマイルの移動手段としての活用も期待できますことから、導入に向け着実に検討を進めてまいります。          〔11番 齊藤博議員 登壇〕 ◆齊藤博 議員  令和3年12月の定例会において、ある陳情がなされました。バス路線新設の陳情で、その路線案は、フードパル、上熊本駅、上通の北口、浄行寺前、子飼橋を経由し、水前寺駅までの路線を想定したものでした。陳情団体は、熊本市中心商店街等連絡協議会で、想定された路線にある3つの大学、熊本保健科学大学、崇城大学、熊本学園大学の学長や理事長の同意書も添付してございました。  今般の陳情には、歴史的背景があります。昭和の時代、熊本市電の4号系統と呼ばれた上熊本駅前から、上通北口の広町、水道町、熊本市立体育館に至る市電が走っておりました。しかし、その市電は昭和45年に廃止され、その代替手段として、市電の沿線上にバス路線が新設されました。  当時の市議会でのやり取りは、以下のようなものであります。  まず議員の質問です。交通事業者はある程度の採算を度外視しても、市民の足を確保し、安い料金で奉仕すべきものと考える。電車をバスに転換しても、赤字を理由に運行回数を極端に減らすようなことはないのかとの質問に対し、当時の交通事業管理者は、バス転換後、赤字になっても、最後の市民の足であるバスを奪うということは全く考えていないし、将来ともないということを約束すると答弁しております。昭和45年、50年以上前の議会でのやり取りです。  その後、代替バス路線は、既存バス路線に組み込まれながら、平成13年に廃止。結果、上通の北口を走る路線バスはなくなってしまいました。上通の南側、通町筋は、途絶えることのない多くのバス路線が集結し、市電が行き交う市内随一の公共交通機関の要であります。一方、上通北口、並木坂の出入口には、バスも市電もなく、にぎわい創出の機会を逸しているのではないかという、地元商店街の皆さんの懸念があります。  熊本市が実施した令和3年度商店街通行量調査によりますと、1日当たり、びぷれす熊日会館前は2万4,000人、ハヤカワスポーツ前で1万9,000人、並木坂で9,000人となっています。上通北口に向かって通行量が減っていくことが数字でも明らかです。また、上通北口には、熊本電鉄の藤崎宮前駅があります。1日の乗降客数はおおよそ2,200名、いずれにしても熊本市を代表する中心商店街に、にぎわいを創出するため、また人に集っていただける環境を整えるためにも、交通の結節機能を充実させることは、必要不可欠であると考えます。  そこで、お尋ねいたします。  上通北口の新たなにぎわいを創出するため、また継ぎ目のないモビリティサービスの提供を可能とするためにも、新たな取組として、AIデマンドタクシーシェアサイクルの拠点化を上通北口にて進められないでしょうか。また、バス事業者との協議を踏まえ、フードパルから上熊本駅、上通の北口、子飼橋を経由し、水前寺駅までの新たなバス路線を検討いただきたいと存じますが、いかがでしょうか。  都市建設局長、お願いいたします。          〔井芹和哉都市建設局長 登壇〕 ◎井芹和哉 都市建設局長  ただいまの2点の御質問にお答えいたします。  まず、議員御提案のAIデマンドタクシーにつきましては、先ほど答弁いたしましたように、現在、新たなコミュニティ交通としての可能性を検討しており、その中で関係者と協議してまいりたいと考えております。また、シェアサイクルにつきましては、駐輪ポートを藤崎宮駅前へ設置する方向で、熊本電気鉄道株式会社シェアサイクル事業予定者と協議を進めているところでございます。  次に、新たなバス路線につきましては、本市に陳情された団体が、昨年6月にバス事業者へ直接要望されており、バス事業者において検討されたものの、深刻化する運転士不足に加え、採算性の観点から、現段階での路線の新設は難しいとの考えを伝えられたと伺っております。バス路線の新設には、整理すべき課題が多いと認識しておりますが、本市といたしましては、まずは沿線の大学や地域の皆様等の御意見をお伺いしながら、代替策を含め可能性を探ってまいりたいと考えております。          〔11番 齊藤博議員 登壇〕 ◆齊藤博 議員  AIデマンドタクシーの運行エリアについては、ぜひ上通北口を含めた地域を御検討いただきたいと思います。また、シェアサイクル事業は、上通北口を含め、対象地域の方々の御理解をいただきながら、事業としてぜひ成功に結びつけていただきたいと思います。  バス路線の新設は、整理すべき課題は多く、ニーズの把握を図っていきたいとのこと、想定のバス路線には10を超える大学や高校があり、また多くの公共施設も存在します。ニーズを把握するためにも、例えば数年程度、路線バスを走らせてみるという選択肢はないでしょうか。ぜひ前向きに検討いただきたいと思います。  次の質問に移ります。  交通局の現状を踏まえた経営形態の在り方についてお尋ねいたします。  交通局は、熊本市電の運用を通じ、持続安定的かつ効率的にサービスを提供し続ける責務があります。そのためには、現在の経営課題を的確に捉え、中長期的目線に立ち、今後の健全かつ良質な経営を目指さなければなりません。  そのため、交通局では、大きく3つの視点をもって経営課題解決に向けた検討を進めております。1つ目は、組織の安定性を図ること。2つ目が、収支の安定性を図ること。3つ目は、公益性を図ること。  ここでは、経営課題解決に向けた3つの視点のうち、組織及び収支の安定性に絞ってお尋ねしてまいります。  まず、組織の安定性について、現状の認識と今後に向けた取組をお尋ねいたします。令和3年4月1日現在で、交通局の全職員数189人のうち、非常勤職員は103名となっております。実に54%の職員の皆さんが正規職員ではないということとなります。また、運転士については、85人のうち再任用職員6名を除き、全員が非常勤職員であります。会計年度任用職員であり、1年の雇用契約となっています。  運行部門や保守部門については、長年の経験や特別な知識、技術を要することから、現在、正規職員にて対応しているものの、正規職員の高齢化に伴う計画的な人材の確保や育成、技術の承継が早急な課題となっています。公共交通機関の最前線で働き、乗客の安全を現場で支えていただいている職員の皆さん方への処遇は、改善すべきものと考えます。職員の構成や年齢の構成に、改めて違和感を覚えますし、このよう状態では、交通局の機能維持そのものに危うさを感じます。  なぜこのような、いびつとも言える人員構成となったのか。改めて、行財政改革との関連など、過去の経緯も踏まえ、お答えいただきたいと思います。また、この人員構成の改善策はあるのか。人材の確保は、交通局のみならず、全庁的に取り組むべき事案と考えることから、交通事業管理者及び総務局長にお尋ねいたします。          〔古庄修治交通事業管理者 登壇〕 ◎古庄修治 交通事業管理者  2点のお尋ねにお答え申し上げます。  1点目のこれまでの経緯についてでございますが、交通局では、過去に人件費が運賃収入を上回る年度があるなど、経営健全化に向けて、特に人件費の削減が急務となっておりました。加えて、平成21年の地方公共団体の財政の健全化に関する法律、いわゆる財政健全化法の施行に伴い、資金不足比率健全化基準を上回っていましたことから、同年度には、経営健全化計画を策定し、職員数の削減や保有地の売却など、財政健全化に向けた取組を進めてまいりました。  その結果、平成27年度に資金不足は解消したものの、このようなことから、平成18年以降は正職員の新規採用を行っておらず、加えて、平成20年度に策定された第4次熊本市行財政改革推進計画において、業務職の退職不補充の方針が示されたことを踏まえ、運転士や技工職員に欠員が生じた際には、会計年度任用職員や再任用職員で対応しており、その結果、職員の高齢化や非正規率の増加が進み、現在に至っているところでございます。  次に、改善策についてでございますが、今後、健全で持続安定的な組織運営を行っていくため、経営に見合った給与水準の下で正規職員の比率を高めていくことが不可欠でありますが、市の方針との整合を図るなど、改善に向けた取組を進めていく上では、現行体制のままでは難しいと考えております。このようなことから、本年度から経営の在り方について見直しを行っており、先般の12月議会において、市の出資による新たな法人を設立した上で、これを上物事業者とする上下分離方式が最適であるとの検討結果を御報告申し上げたところでございます。  今後は、具体的な制度設計を行い、議会はもとより幅広く御意見を賜りながら、さらに詳細に検討を進めてまいりたいと考えております。          〔宮崎裕章総務局長 登壇〕 ◎宮崎裕章 総務局長  行財政改革等に関する質問にお答え申し上げます。  本市におきましては、これまで行財政改革に取り組んできたところであり、効率的・効果的な行財政運営の観点から、民間でできることは民間に委ねるとの考えの下、直営業務の見直しに取り組み、技能労務職については、退職不補充を基本としたところであります。また、交通事業の経営健全化の推進につきましては、例えば一般会計からの繰り出しや、バス路線の民間移譲に伴う運転士の受入れなど、市役所全体で取り組んでまいりましたが、運転免許が必須の市電運転士等につきましては、直接的な人的支援は困難でございました。  現在の交通局の組織体制につきましては、運転士の非正規化や監督職、技工職の高齢化が進むなど、事業継続の面からも課題があると捉えており、今後、交通事業の経営形態の見直しの中で、関係部局との全庁的な検討が予定されていますことから、人事、給与、法制等の観点から連携して取り組んでまいります。          〔11番 齊藤博議員 登壇〕 ◆齊藤博 議員  業務職の退職不補充方針が示される中、職員の高齢化や非正規率の増加が進む運転士については、市からの直接的な人的支援は困難とのこと。公営企業法の下、一企業として交通局が成り立っていくための環境は、もはや整っていないのでないかとの印象を強く持ちます。特に職員の皆さん方の処遇改善は、早急に解決すべき課題の一つであります。全庁的な検討を行っていく用意があるとのことでありますので、ぜひ人事を含めた組織改編に向けた検討を行っていただきたいと思います。  次に、収支の安定性について、現状の認識と今後に向けた取組をお尋ねいたします。  令和2年度の決算書によりますと、営業収益は10億8,400万円で、前年比マイナス6億100万円、また、一般会計からの持ち出し分、5億2,800万円をもってしても、最終利益は、マイナス2億500万円となり、赤字計上となりました。一方で、現預金の減少も気になります。令和元年度には13億円弱の現預金がありましたが、翌年度、令和2年度には6億円弱となり、大きく減少しました。退職引当金が6億円弱であることから、自由に使える現預金はほぼない状態です。赤字により過去に積み上げてきた累積の剰余金や現預金が一気に減少したことは、今後の重大な懸念材料となります。  そこで、お尋ねいたします。  今後、交通局の収益性や経営効率性を高めるための改善策をどのように考えておられますでしょうか。当面続くであろう赤字計上体質から脱却するための改善策を交え、お答えいただきたいと思います。          〔古庄修治交通事業管理者 登壇〕 ◎古庄修治 交通事業管理者  交通事業の経営に関するお尋ねにお答え申し上げます。  一昨年の2月以降のコロナ禍による大幅な減収に関しましては、乗客数の減少に応じて減便を伴うダイヤ編成を行うなど、経費削減に取り組む一方で、用地売却益などによる留保資金を取り崩しつつ、一般会計からの緊急支援を受けながら、何とかしのいでいるところでございます。また、昨今のコロナ禍を除けば、これまで順調に増加してきた乗客数も、中長期的に見ると、人口減少や高度情報化社会の進展などに伴い、このまま手をこまねいていれば減少へ転じると捉えておりまして、これまで以上に経営の効率化を進めるとともに、乗客サービスの向上等に取り組む必要があると考えております。  そこで、新年度からは、折り返し運行の本格導入により、ラッシュ時の混雑緩和に努めるとともに、先般実施しました利用者アンケートなどを踏まえまして、利用者ニーズにきめ細かに対応するほか、接遇や運転技術の研修を強化するなど、利用者のさらなる満足度向上に取り組んでいくこととしております。また、JRやバスなどとの乗り継ぎの円滑化や、観光、商業などと連携した取組など、乗客増に向けた様々な取組を進めてまいりたいと考えております。  さらには、需要に応じた効果的なダイヤ編成のため、多両編成車両の導入を進め、輸送効率の向上を図るとともに、老朽車両の塗装経費の捻出のためのクラウドファンディングの実施や、保有車両の適正化による維持管理コストの低減等にも取り組んでいくこととしております。加えて、運賃の適正な水準についても、幅広く御意見を賜りながら検討してまいりたいと考えておりまして、このような取組を通じて、持続安定的な経営基盤を構築してまいる所存でございます。          〔11番 齊藤博議員 登壇〕 ◆齊藤博 議員  令和3年度は、一般会計からの持ち出しが5億7,000万円を超えます。それでも赤字計上となる見込みです。過去からの剰余金をさらに取り崩すこととなり、ますます経営は厳しい状況となります。コロナ禍にあって留保資金を取り崩し、一般会計からの支援を受けながら、厳しい企業運営を余儀なくされていることが御答弁からも十分伝わってまいりました。また、経営改善に向けた努力も承知いたしました。  しかし、その努力は公営企業法の下での一企業に可能でしょうか。民間企業の知見を導入することも選択肢の一つとなります。組織の改編や経営形態の在り方も含めて、早急に全庁を挙げて検討していく必要があります。上下分離等の選択肢が示されておりますが、丁寧な説明に御尽力いただき、経営改善に至る道筋を速やかにお示しいただきたいと思います。  次の質問に移ります。  東部環境工場の延命化整備事業について及びグリーンファイナンス導入の可能性についてお尋ねいたします。  東部環境工場の延命化整備を図る準備のため、令和2年度から長寿命化総合計画や、延命化整備事業計画の策定が進められてまいりました。そして、令和4年度から延命化工事が始まると聞いております。来年度、その関連と見られる延命化工事関係予算3億9,400万円、及び令和5年度から令和7年度までの債務負担行為として20億6,700万円が計上されております。  予算の審議は委員会にお任せするとして、いまだ我々には、延命化整備に係る全体の事業概要が見えておりません。トータルの延命化整備事業費に係るコストの総額は、一体幾らになるのか。当初の計画においては、90億円を上回る事業費が必要ではないかとの見解でありました。今年度中に完成する長寿命化総合計画や事業計画との整合性は図れるのでしょうか。延命化工事が来年度から始まるこの時期に、来年度予算案が計上されているにもかかわらず、いまだ事業計画が完成せず、事業の全体像や総事業費が明らかでないという現状に疑問を感じます。
     そこでお尋ねいたします。  総合計画や事業計画の策定状況をお示しいただくとともに、現状での総事業費の見込みを教えていただけますでしょうか。また、今後の予算編成を含めた事業スケジュールも併せてお答えください。  環境局長、お願いいたします。          〔三島健一環境局長 登壇〕 ◎三島健一 環境局長  東部環境工場は、令和6年度に稼働開始後30年となり耐用年数を迎えますことから、今後も安定的なごみ処理を継続的に行っていくため、さらに15年程度稼働させることを目的に、令和2年度から2か年にわたり、長寿命化総合計画及び延命化整備事業計画の策定を進めてまいりました。  計画策定前の時点では、これまでの工場の定期保守点検等から考えられる機器の状況や他都市の類似施設から、総事業費を約90億円と見込んでおりましたが、計画を策定する中で、改めて状況を精査したところ、整備が必要と見込んでいなかった廃熱ボイラー設備や蒸気タービンなど、複数の重要機器において、想定以上に老朽化が進んでいたことや近年の工事費の高騰等から、当初の見込み以上に事業費が拡大する懸念が生じました。  そこで、まず令和4年度当初予算においては、老朽化による故障等が発生し、工場が停止する事態を回避するために必要な機器の改修費用を優先的に計上いたしました。また、全体事業費やスケジュールにつきましては、改めて計画の内容を精査し、可能な限り費用の低減策を講じるとともに、脱炭酸社会の構築に向けたCO2削減効果や、今後数十年程度の準備期間を要する次期環境工場の建て替えの時期も含め、様々な観点から総合的な検討を行い、来年度中にはお示ししたいと考えております。          〔11番 齊藤博議員 登壇〕 ◆齊藤博 議員  総事業費90億円と見込んでいたが、それ以上に事業費が拡大する懸念があるとの答弁でした。そもそも事業計画が完成せず、予算編成を含め事業が進もうとしていることに、私個人的には違和感を覚えます。全体事業費やスケジュールについては、来年度中に示したいとのことでありましたが、ぜひ早い段階で明らかにしていただきたいと思います。  次に、東部環境工場延命化整備事業は、省電力化等、CO2排出量削減に資する整備を事業方針としていることから、その資金調達についてお尋ねいたします。  SDGsの考え方や脱炭素社会に向けた世界規模での取組の中で、企業や公共団体に注目されている資金調達の一つが、サステナブルファイナンスであります。気候変動による環境課題や人権問題、貧困などのグローバルな課題に対応し、社会をより持続可能な形に転換していくために、資金を活用することと定義されています。このファイナンスは、幅広い資金提供の方法を含む大きな概念です。  以下、サステナブルファイナンスの一つであり、近年国内でも認知度が高まりつつあるグリーンファイナンスについて触れてまいります。グリーンファイナンスには、グリーンプロジェクトに要する資金を調達するため、債権を発行するいわゆるボンドと、普通の借入形態であるローンとがあります。その特徴として、資金の使途がグリーンプロジェクトに限定されること、調達資金が確実に追跡調査されること、その結果がレポーティングされ、透明性が確保されることなどが上げられます。  また、このファイナンスに取り組むメリットとして、グリーンプロジェクト推進に積極的であることを対外的に訴えることができますし、地球温暖化をはじめとした環境問題の解決に高い関心を示す投資家との関係性を新たに築くこともできます。そして、何といっても環境問題に高い関心を寄せていただける熊本市民の皆さん方からも、直接資金を提供いただくことが可能となり、本市が取り組んでいる環境問題への様々な取組に関心を持っていただける大きな契機となります。  一例、福岡市の取組を御紹介します。今年の1月、初めてのグリーンボンドを公募公債として発行し、投資表明された43件の投資家などに販売、即日完売となったそうです。発行額は50億円、投資家から合計798億円もの応募が集まり、需要倍率は15.96倍を記録したそうであります。改めて、このボンドの需要の高さが伺える事例となりました。  そこで、お尋ねいたします。  東部環境工場延命化整備事業については、多額の整備費用の調達が必要です。世界的な環境改善に向けた取組の中で、熊本市民の皆さん方の理解を深めるためにも、ぜひ東部環境工場延命化整備事業等におけるグリーンファイナンス導入を速やかに進めていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。  市長にお尋ねいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  地球温暖化、生物多様性の損失など地球規模での環境問題が年々顕在化、深刻化しており、これらの新たな課題に対し、SDGsの視点も踏まえながら、行政と市民、事業者の皆様が一体となって環境保全に取り組んでいくことが必要であります。  議員御案内のグリーンファイナンスは、このような環境問題の解決に貢献する事業に要する資金を調達する手法でございます。グリーンファイナンスの意義は、環境保全に向けた市民や事業者の皆様の意識の醸成や、環境問題に取り組む発行体としてのイメージアップにつながること等が上げられ、本市といたしましても取り組むべき施策であると判断したことから、令和4年度当初予算にグリーンボンド発行に向けた検討経費を計上しているところです。  今後、先行都市への調査や、発行に当たっての条件等を整理しながら、東部環境工場整備事業を含め、グリーンボンドを活用できる事業の選定を行うなど、発行について前向きに検討を進めてまいります。          〔11番 齊藤博議員 登壇〕 ◆齊藤博 議員  令和4年度当初予算にグリーンボンド発行に向けた検討経費が計上されています。グリーンファイナンス導入に向けて、前向きに検討いただけることは、喜ばしい限りです。また、一方で、本市がグリーンプロジェクト推進に積極的であることを対外的に訴えるためには、一定のスピード感も必要です。早期にグリーンファイナンス導入を図ることができるよう、ぜひ準備をお進めいただきたいと思います。  それでは、最後の質問です。  河川及び管理用通路の適正な管理についてお尋ねいたします。  熊本市が所管する河川は、一級河川や二級河川、準用河川や普通河川で、おおよそ100キロメートルに及び、そのほか排水路等を含めると、管理を必要とする流路はかなりの延長となります。昨今の記録的な大雨や、河川氾濫等の浸水被害が相次ぐ中、河川の適正な管理は、その重要性を増しております。広範囲にわたる管理が必要ですが、ぜひ河川管理の重要性を考慮いただき、細やかな適正管理に努めていただきたいと思います。  東区を流れる健軍川や藻器堀川の流域は、毎年2回、おおよそ夏場と秋以降に河川管理の一環で除草作業が行われてまいりました。しかし、平成28年の熊本地震以降、河川管理の除草頻度が秋以降の年に1回となり、夏場の除草が行われなくなった流域が多いと聞いています。草木の勢い盛んな夏場に除草を行わない対象流域は、その時期、河床が確認できないのはもちろん、河川の護岸からも草木が繁茂するような状況であります。管理用通路も同じく小学生の背丈ほどの雑草が生い茂ります。たまりかねた地域有志の皆さんが、ボランティアで除草作業に努めていただいておりますが、範囲が広く、とても追いつかない状況であります。  除草の必要性は言うまでもありません。雑草を野放しにしてしまうと、弊害として害虫や害獣の発生、臭気の原因、景観の阻害要因となる一方で、死角が多くなることから起因する防犯上の問題も出てきます。また、河川の機能としての流量確保にも懸念が出ます。健軍川や藻器堀川のように、住宅街を流域に持つ河川の管理については、地域の方々の声を十分に聞いていただき、その意向を酌み取っていただきたいと存じます。  そこで、質問と要望を併せていたします。  健軍川や藻器堀川をはじめ、流域に住宅街を抱え、除草作業を含む河川管理が必要な流域においては、その頻度の改善に努めていただけないでしょうか。  都市建設局長、お願いいたします。          〔井芹和哉都市建設局長 登壇〕 ◎井芹和哉 都市建設局長  ただいまの河川管理に関する御質問にお答えいたします。  健軍川や藻器堀川など市街地を流れる河川の除草につきましては、出水期前に河川巡視を行い、水の流れに重大な影響を与える箇所を重点的に除草しており、出水期明けの秋以降に全区間通して実施しているところでございます。  しかしながら、ただいま議員御指摘のように、除草の頻度や実施時期などについては、地域住民の皆様のニーズに十分に応えられていないところもありますことから、今後は、河川巡視を強化するとともに、自治会など地域の皆様方の御意見、御要望を踏まえ、緊急性など地域の皆様と情報共有しながら対応してまいります。河川の除草は、流下断面の確保や環境、景観、防犯など、市民の皆様の生活への影響が大きいことから、今後も適切な河川の維持管理に努めてまいります。          〔11番 齊藤博議員 登壇〕 ◆齊藤博 議員  住宅街を流れる河川は、地域の方々の生活に大きく影響を及ぼします。河川の維持管理は適切に行われるべきであり、くれぐれも地域の方々の御意見や御要望を踏まえ、できるだけニーズに応えていただくようにお願い申し上げます。  私からの質問は以上でございます。  真摯に御答弁いただきました大西市長はじめ、執行部の皆さん方に感謝申し上げます。また、御清聴いただきました全ての皆様にも感謝申し上げ、私からの質問を終わらせていただきます。誠にありがとうございました。(拍手)       ──────────────────────────── ○原口亮志 議長  この際、議事の都合により休憩いたします。  午前11時10分に再開いたします。                             午前10時53分 休憩                             ───────────                             午前11時10分 再開 ○原口亮志 議長  休憩前に引き続き会議を開きます。       ──────────────────────────── ○原口亮志 議長  一般質問を続行いたします。  吉田健一議員の発言を許します。吉田健一議員。          〔7番 吉田健一議員 登壇 拍手〕 ◆吉田健一 議員  皆様、こんにちは。公明党熊本市議団の吉田健一でございます。  まん延防止等重点措置が延長される中、傍聴においでいただいた皆様、また、インターネット中継で視聴していただいている皆様に感謝申し上げます。  いまだコロナ禍の続く中、ウクライナの紛争問題が勃発するなど、世界的な負の連鎖は断ち切れないでいますが、一つだけ言えるのは、命より大切なものは絶対にないということであります。特にウクライナ問題については、あらゆる外交手段を尽くし、事態の悪化が回避されることを切に願い、また、平和的解決の糸口は必ずあると信じ、平和の党、公明党の一議員として、本日の一般質問を始めさせていただきます。  今回も多くの御支援者様の様々なお声や、自身の経験を基に質問してまいります。大西市長はじめ、執行部の皆様、何とぞよろしくお願いいたします。  まず初めに、防災士について伺ってまいります。  所管委員会に関連するものになりますが、御了承いただきたいと思います。  皆様も御存じのとおり、防災士とは、自助・共助・協働を原則として、社会の様々な場で防災力を高める活動が期待され、そのための十分な意識と一定の知識、技能を習得したことを日本防災士機構が認証した人物を指しますが、2003年に認定が開始されて以来、毎年災害が多発する日本において、災害への不安、防災意識の向上から年々取得者は増え、本年2月末時点では、全国で22万6,120名の防災士が誕生しております。  私ごとで恐縮ですが、昨年11月に私も防災士の試験を受験いたしました。試験というもの自体を受けることが随分久しぶりでしたので緊張もしましたが、無事合格することができました。  そこで、実際に防災士となって気づいた点や、要望などがありましたので、本市の取組について伺ってまいります。  防災士についての質問ですが、昨年の第2回定例会一般質問において、古川智子議員からも同様の質問があっておりました。多少重複してしまうかもしれませんが、ただ、そのぐらい私も重要な点であると賛同させていただき、改めて現在の状況下での質問をさせていただきます。古川議員もおっしゃっていたとおり、まず防災士について、本市として最初に疑問を感じたのが、防災士の掌握と情報共有ができていないということです。というのも、防災対策に自主的に研さんし、災害の最前線で貢献しようとする大人材が掌握できていないというのは、まさに宝の持ち腐れであります。  まず、資格取得まで、本市在住の場合の防災士試験を受けるケースを御説明しますと、大きく2つあり、1つは、本市が開催している熊本市防災士養成講座を受講しての取得です。これは、各校区の校区防災連絡会、あるいは校区自治協議会から推薦を受けた方に限られます。2つ目は、熊本県が主催する火の国ぼうさい塾を受講するケースで、県内在住者であれば、どなたでも受講が可能であり、このどちらかの講座を受講して、最終的に、日本防災士機構の資格取得試験に合格して認定となります。  実は、私の場合、後者の県の火の国ぼうさい塾を受講して資格取得となったわけですが、昨年の答弁では、本市が開催している熊本市防災士養成講座の受講をした方でさえ、把握していないとの答弁でした。県の講座を受講した場合は、なおさら把握ができていないことになります。これだけ災害が多発する昨今、せっかくの防災士を活用するために掌握すべきだと思いますが、防災士を管理する日本防災士機構との連携は、昨年の質問以降、進捗は図られていないのでしょうか。  次に、防災士資格を持っている、ある市職員の方からのお声ですが、各校区に存在する校区避難所運営委員会に市職員として担当となっている職員がいますが、正直、災害が発生した場合は、市職員だけでは限界があり、まさに地域に点在する防災士の方を活用する方法はできないでしょうかと、地域住民と一番に触れ合っている現場の声が上がっております。  防災士の原則でも、自助・共助・協働とうたわれているとおり、公助は当然必要ですが、それには限界があり、自分たちで助け合い、乗り越える精神を改めて学びました。公助である行政の防災対策は一歩も遅れることはできませんが、実際災害時を想定した現実的対策も考慮する上で、本市在住の防災士の活用に動くべきだと考えます。  例えば、市職員以外の方にも、先ほどの校区避難所運営委員会へ参加を促すことや、平時の防災セミナー、スキルアップ研修会への案内などから始めるなど、本市の防災力の底上げにつながる取組はできないでしょうか。また、他都市ではいかがでしょうか。他都市の事例も教えてください。  続けて、伺います。  先ほども述べましたとおり、多発する災害をきっかけに防災士を取得する方々が増えておりますが、最近では、障がいをお持ちの方も活動するケースが増えていると、阪神・淡路大震災で被災した兵庫県にある神戸新聞の記事に掲載されておりました。その記事の内容から御紹介させていただきますと、災害時に支援が必要な要配慮者の立場から、多様な心身のハンデへの対応を伝えておられ、災害現場では、あらゆる目線からの準備、対応が必要であり、被災地や避難所には、多様なハンデを持った人がいる。どう情報を伝えるか、日頃から話し合っておくのが重要と、実際に聴覚障害をお持ちの防災士の方が述べられておりました。  被災した障がい者の方の声は、支援に不可欠であることが当然にして言えます。当事者、いわゆる障がい者の方による発信が欠かせず、日本防災士機構としても、障がい者自身が積極的に防災に関心を持つのは意義深い。障がいのある防災士が増えれば、自力避難が難しい人の名簿づくりや、避難支援計画の作成がスムーズになると、期待の声が添えられておりました。  以上のように、防災士の中でも、障がいを持っている方々の声が重要であり、先ほど同様、掌握し活用していくことが必要です。  そこで、お伺いしますが、健常者同様、日本防災士機構や各障がい者団体との連携により、障がい者の防災士取得者の掌握はできないでしょうか。また、今後のセミナーやスキルアップ研修会など、障がい者目線の御意見、体験を取り入れた取組をと思いますが、いかがでしょうか。本市の熊本市防災士養成講座や、県の火の国ぼうさい塾への受講を推進するなど、さらなる障がい者の方への資格取得の動き、また、取得しやすい環境整備ができないでしょうか。  以上、防災士について、政策局長に伺います。  あわせて、市職員の皆様でも防災意識向上に向け、防災士を取得されている方もいらっしゃるかと思います。資格取得を一番の目的にしている方もいると思いますが、適材適所という意味では人事配置する面でも、どういうスキル、経験、資格を有しているか重要な点かと思います。現在、市職員の資格取得やスキル、経験は、どのように把握しているのでしょうか。また、総合的判断ではありますが、適材適所と言われる人事配置に生かせているのでしょうか。そして、今回の防災士の取得は把握されているのでしょうか。  こちらについては、総務局長に伺います。          〔田中俊実政策局長 登壇〕 ◎田中俊実 政策局長  本市における防災士については、その後、認証団体である日本防災士機構に確認を行ったところ、令和4年2月末現在で約1,300名が登録されており、その名簿を市として活用できるようになったところでございます。また、防災士の活用については、熊本地震の経験を踏まえ、自助・共助・協働の観点から、地域の防災リーダーとしての活躍を期待しているところでございます。          〔議長退席、副議長着席〕  そこで、来年度から資格取得後のフォローアップ研修等の開催を予定しており、個々のスキルアップや防災士同士のネットワークづくり、さらには校区防災連絡会等との連携強化を図ることとしております。  次に、他都市の状況については、本市を除く指定都市19都市のうち、防災士を対象とした研修等を行っている都市は6市でございます。また、防災士を活用した取組を行っている都市は5市であり、その主な内容は、地域の訓練等における防災知識の普及啓発となっております。  議員お尋ねの障がい者の防災士資格取得については、把握しておりませんが、障がい者の視点に立った避難支援や避難所運営は、大変重要であると認識しておりますので、今後予定している研修の中で、そういった取組も行うこととしております。  今後も、防災士の資格取得につきましては、障がいの有無にかかわらず、誰もが受講しやすい環境整備に努めてまいります。          〔宮崎裕章総務局長 登壇〕 ◎宮崎裕章 総務局長  職員の防災士などの資格取得等に関する質問にお答えします。  職員が有する資格やスキル等につきましては、毎年度職員へ申告を求めるとともに、各所属から情報を収集するなど、様々な機会を捉え、把握に努めており、現在、38人の防災士資格を持つ職員を把握しております。また、各所属への人事ヒアリングの中で、業務上必要な資格等について調査を行っており、人事配置の参考としているところでございます。  引き続き、各所属の意見や要望を聞きながら、職員の能力や適性を踏まえました適材適所の人事配置に努めてまいります。          〔7番 吉田健一議員 登壇〕 ◆吉田健一 議員  日本防災士機構から防災士名簿の提供と活用ができることになったとのこと、防災士の活用に向けて大変大きな一歩だと感じます。今後の活用方法、展開が重要となってきますが、最終的には各地域の避難所運営委員会に属するなど、地域防災事業に参加できるような推進を、防災士並びに自治会の両面へ丁寧な支援をぜひともお願いしたいと思います。また、障がい者団体へのアンケート実施や御答弁でありましたとおり、全ての市民へ防災士取得並びに防災意識の向上に、既に計画をされている事業もあるようですので、より大きな後押しとなる取組を期待しておきます。  市職員の資格取得や人事配置については、職員一人一人の能力や、よりやりがいを感じるような配置転換を望みます。日頃の何気ない会話の中にも、その人のよさがかいま見えるはずですので、人事権をお持ちの要職の方には、そのことを念頭に置いた取組をお願いいたします。職員の防災士取得については、まずは危機管理防災総室の皆様が意識向上のため積極的に受験するなど、率先垂範の行動を見せてください。よろしくお願いいたします。  次の質問に移ります。  空き家対策について、大きく2点、空き家の活用と空き家の予防という2つの側面から触れさせていただきます。  まず、空き家の活用についてですが、本市としても従来から空き家対策について動かれてきたと思います。また、昨年1月からは、熊本市空き家バンクがスタート。空き家を貸したい・売りたい所有者から、市に提供された物件情報を空き家バンクに登録し、空き家を借りたい・買いたい利用者に提供する制度を開始されました。  後ほど、空き家バンクについて現状を教えていただきたいと思いますが、なぜ空き家について触れさせていただいたかというと、そもそも空き家というもの自体が取扱いに難があり、単純に空き家といっても様々な種類、環境、歴史が複雑に絡んでいることを改めて知り、さらなる空き家対策を進めていく必要があると感じたからであります。  そこで、今回議員となる前、国会議員の秘書時代から御指導いただいておりました全国古民家再生協会熊本支部の村田代表理事から御要望いただき、また、質問に臨むに当たり改めて御教授いただき、質問に立たせていただいております。  まず、空き家には難があると申し上げましたが、単純に根底から認識を変えないといけないことは、空き家は通常の不動産ではないということです。よく言われる中古物件と言われる建物は、不動産として市場に流通する商品となりますが、空き家は流通するまでに相当な課題があります。その課題というのは、先ほど述べましたとおり、その建物の造りや現状、周辺地域の環境、そして多くを占めているのは、所有者家族の問題であります。  空き家対策課としても、そこが一番難儀しているところかと思いますし、全国的にも今後の国家課題として取り組んでいるものであり、その中でも、空き家のさらなる活用、そして価値を見いだしている分野が古民家の再生です。言わずと知れた古民家再生ですが、古い建物に先人たちの知恵と悠久の時間が宿っている歴史ある木造建築物を再生させ、家族や地域のにぎわいにつなげようとする取組です。  国会でも、古民家再生議員連盟が存在し、古民家議連懇話会が幾度も開催され、我が公明党としても、昨年12月に、前国交大臣である赤羽衆議院議員を新会長に懇話会が開催され、政権与党としても、未来の世代のためにないがしろにできない課題だと、解決に向けて推進しております。  特に、全国古民家再生協会は、昨年度、一般財団法人日本民間公益活動連携機構から、休眠預金の資金分配団体に採択されまして、これを生かし、空き家とひとり親への偏見といった社会課題の解決に向け、空き家・古民家を活用したシングルマザー向け専用ハウス設立事業を開始され、各都道府県へのPR、周知、そして展開に向けて取り組まれているところです。  多くの空き家が発生している上天草市では、昨年6月に空き家等の適正な管理、発生抑制、利活用等を通じ、地域の生活環境の保全や地域社会の発展に寄与することを目的に、古民家再生協会熊本と協定を結ばれ、空き家の管理ノウハウを活用した空き家の保全と、地域住民のライフスタイルをつなぐワークシェアアプリを通じて、空き家の所有者が、空き家の点検や清掃を地域住民の方に依頼する仕組みを提供されております。今では、地域の方が中心となり、空き家課題に取り組む全国空き家アドバイザー協議会熊本県上天草支部も設立され、地域、行政と一体となって、古民家再生から空き家の解決に尽力されているところです。  そこで、空き家対策につながる古民家再生を本市としても進めていただきたいと懇願するものですが、既に連携している諸団体に加え、古民家再生協会との連携も深め、古民家の再生活動を促すことによる空き家活用につながる取組はできないでしょうか。他都市同様、正式に協定を結ぶなど、全国で活動する空き家対策のノウハウを提供いただき、国家課題である空き家対策を本市が牽引する取組に推し進めていかれてはいかがでしょうか。  以上のことから、1点目に、昨年1月からスタートしている熊本市空き家バンクの説明と現状について、都市建設局長に、2点目に、先ほど述べました空き家対策につながる古民家再生協会との連携または協定に向けて、大西市長に御答弁いただきたいと思います。          〔井芹和哉都市建設局長 登壇〕
    ◎井芹和哉 都市建設局長  ただいまの空き家バンクに関する御質問にお答えいたします。  本市では、平成31年4月に熊本市空家等対策計画を策定し、発生予防、適正管理、利活用の3つの基本方針の下、関係部署と連携して空き家対策に取り組んでいるところでございます。  その中で、空き家バンクは利活用の取組の一つとして、空き家の売却や賃貸を希望される方の空き家情報を市のホームページに掲載し、本市公式移住情報サイトや、全国版空き家バンクとリンクすることで、空き家の流通促進につなげるものでございまして、令和3年1月から運用を開始したところでございます。  これまで物件の登録申込みが21件あっており、不動産業者と媒介契約された8件がホームページに掲載されております。残りの13件のうち10件は事業者選定中、また3件は条件が合わずキャンセルされております。なお、掲載された8件のうち4件が売買成約となっております。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  空き家の活用には、物件の現況調査や不動産に関する法律等、行政だけでは対応できない専門的な知識やノウハウが必要なことから、令和2年12月に、不動産関係4団体と空き家流通の促進に関する協定書を締結し、連携して取組を進めております。  一方、空き家の流通促進や利活用を図るためには、リフォームやリノベーション等への対応も重要でありまして、建物再生のノウハウを提供されております古民家再生協会をはじめ、他の関連事業者との連携について研究してまいりたいと考えております。          〔7番 吉田健一議員 登壇〕 ◆吉田健一 議員  空き家バンクについて、ある報道では登録件数の21戸が少ないような報道もありましたが、先ほども述べましたとおり、空き家が通常の不動産ではない課題のあるものであり、21戸も活用につなぐことができたこと自体、大きな成果ですし、全国の自治体を見ても、すばらしい結果ではないかと感じております。空き家バンク、ぜひこれからも推進に尽力していただきたいと思います。  古民家再生協会との協定については、前向きな答弁として受け止めさせていただきます。個人だけの問題ではなく、地域の問題、国家課題として取り組んでいかなければなりません。古民家再生協会は、古民家に限定した知識だけでなく、全国においてこれまでも空き家を実際に活用まで導いてきた実績と手法をお持ちですので、あらゆる知見、ノウハウを取り入れていただき、今後は古民家再生協会との協働で、セミナーや研修会等の開催を検討いただき、行く行くは政令市初の協定を結び、全国を牽引する空き家対策に取り組む行政組織となりますよう、私自身も取り組み続けてまいる決意です。  続きまして、空き家対策の2点目、空き家の予防という角度から伺いたいと思います。  先ほど、空き家の取扱いの難しさについて述べましたが、その中に所有者家族の問題について触れました。その要因の一つともいうべき課題に、自宅の耐震化が減少していることについて伺っていきたいと思います。特に熊本地震では数多くの家屋が被災し、我が家の地震に対する備え、なかんずく耐震は大丈夫だろうかと、自然と心配するようになったことは言うまでもありません。現に熊本地震はもとより、平成7年に発災した阪神・淡路大震災をはじめ、平成23年東日本大震災の発災以降、住宅の耐震化率の推移は急増しており、当然ながら現在でも耐震化の意識は強いところであります。  そこで、本市としても、熊本市建築物耐震改修促進計画が策定され、今では、戸建木造住宅耐震改修事業・補助金制度が策定されております。この補助金制度については、後ほど都市建設局長にお伺いしたいと思います。  一方で、耐震化したい方は多いものの、耐震化する人が減っているのも事実であることを紹介させていただきます。その原因もやはり高齢化によるものです。そして、実際に耐震化を行える家庭は、原資を持っている家庭であり、なかなか手元にお金がない方は、負担が大きく断念しているのが現状です。先ほどの補助金制度の申請の大半が高齢者であり、また、申し込んだものの金銭面から取り下げているのも事実です。最近、持家のある高齢者家族でよくお話の出るリバースモーゲージ、自宅を担保にした融資制度で、自宅を所有しているが、現金収入が少ないという高齢者を対象とした制度です。老後の資金・収入を確保するための手段でありますが、このリバースモーゲージと、本市耐震化補助金制度を併用しても、資金不足を理由に耐震化の実現には至っていないケースがほとんどです。  結果、耐震に不安な家をそのままにし、高齢に伴い施設に入居、家族間でその持家をうまく処分、対応できればよいのですが、最悪はそのまま空き家となってしまうことや、施設も見つからず、危険な家に住み続けているといったことも考えられます。こういった現状も踏まえ、高齢者に対する補助金制度の改善が必要かと思いますが、いかがでしょうか。  もう1点は、この補助金制度が持家であることに限定されているという点です。本市の中古住宅の需要は、熊本地震後に住居確保のため、多少の伸びがあったものの、その後安定した市場となっています。現在、中古住宅の売買に関しては、耐震性の確保は特に義務化されているわけではありませんが、若い世代を中心に、中古住宅を購入し、自分なりにリノベーション等でアレンジして活用するスタイルが増加していると聞いております。  しかし、需要のある中古市場になじまないのが、現在の本市耐震化補助事業ですが、その課題は、申請時期が年一回に限られてしまっているという点です。これにより持家は既に持っているものですので、いつでもよく、タイミングを考えなくていいことから、実際に補助金利用者の大半は持家の方となっています。  簡単に言うと、5月以降に中古住宅を購入した市民の方は、次年度の申請まで待ち、耐震診断を実施し、その結果に基づき設計を行い、理想的な耐震化工事と併せてリノベーション工事を行っていくことになります。実際耐震工事には、購入してから数年もかかることになります。事実、中古物件販売業に携わる不動産業界では、本市の制度が使えない制度として有名なため、この補助事業をあえて顧客に説明していないとの声を伺いました。耐震化を希望する市民が、持家か中古購入かで平等でないことは、問題であると疑念を感じます。  そこで、1点目に、本市の戸建木造住宅耐震改修事業・補助金制度の概要と、これまでの利用状況についてお示しください。  2点目に、先ほど述べました耐震化したくてもできない高齢者の方々の現状を踏まえ、高齢者に対する補助金制度の改善や拡充、あるいは新設はできないでしょうか。  3点目に、戸建て住宅の耐震化を促進するという観点であれば、持家に限らず中古物件の購入者にも平等に機会を与えるため、予算を分けるか、あるいは申請時期を4月だけでなく複数に分け、事前に募集時期が分かるようにすることはできないでしょうか。  以上、3点を都市建設局長に伺います。          〔井芹和哉都市建設局長 登壇〕 ◎井芹和哉 都市建設局長  ただいまの3点の御質問にお答えいたします。  戸建て住宅の耐震改修事業につきましては、過去の震災において、戸建て住宅などに多くの被害が生じましたことを踏まえ、市民の皆様の生命や財産を守ることを目的に、本市では平成20年から耐震診断の助成を、平成21年度から耐震改修工事の補助金を交付し、戸建て住宅の耐震化を推進しております。これまでの実績は、耐震診断が約3,000棟、耐震改修工事におきましては約800棟に補助金を交付しており、本年度の工事実績は約100棟となっております。  一方、今後の耐震化の推進を目的といたしまして、耐震診断をされた方のうち、耐震工事をされていない方にアンケート調査を行ったところ、工事を断念される理由のトップは、高齢者世帯であられるかに限らず、資金不足でございました。  これまで、制度改善・拡充の取組といたしまして、平成30年度に、耐震シェルターや耐震ベッドを補助対象に加えるなど改善を図っておりますが、例えばリビングや寝室のみの耐震化など、より安価な安全確保策に対して支援できるよう、制度設計について検討してまいりたいと考えております。  最後に、募集時期についてでございますが、その後の改修工事期間等を考慮いたしまして、年度当初に1回のみとしておりましたが、耐震化を検討される方への助成機会を増やしますために、来年度より募集時期を複数回に分散してまいります。          〔7番 吉田健一議員 登壇〕 ◆吉田健一 議員  御答弁いただいたとおり、耐震化補助金制度の需要は、これまでの実績を見ても申請件数は多く、昨年も数多くの問合せをいただいている状況です。補助金制度の拡充も、他都市の事例を参考に検討いただけるとありました。また、補助金制度の募集時期についても、早速来年度から複数回に分けていただけるということで、利用機会を増やすことができ、感謝いたします。  これだけ需要が多く悩まれている方のためにも、よりよい改善をと触れさせていただきました。耐震化を進めることで、空き家を増やさない、空き家を発生させないという空き家の予防として、空き家対策の一つにつながると思いますので、今後とも空き家バンクの推進と耐震化補助金のさらなる改善に強く期待し、次の質問に移ってまいります。  今までも先輩議員の皆様をはじめ、議会の様々な場で触れられてきましたトイレの洋式化ですが、私も最初の一般質問から触れてまいりました。今議会でも、当初予算に洋式化の加速化として計上されておりますが、今回質問に臨むに当たり、トイレの専門家、プロであるトイレメーカー企業から御教授いただきましたので、それを参考に伺ってまいります。  今年の1月に、国内大手トイレメーカーの御協力の下、九州公明党学校トイレ洋式化セミナーと題して、公明党の九州選出国会議員をはじめ、各地方議員が一堂にリモートで会し、全国でも特に洋式化の遅れている九州の洋式化を進めようとセミナーを開催、そこでの内容を紹介してまいります。  まず、第1点に、文科省が2025年までに95%の洋式化の目標を掲げているのに対して、これまでに2016年は43%、2020年で57%と4年で14%しか進んでいない中、残り4年で95%まで、プラス38%進めなければならない大きな課題に直面しております。その中でも、九州の平均が51.4%、熊本においては、沖縄の68.4%、福岡の56%に大きく出遅れ、48.4%にとどまっているのが現状です。  第2に、このセミナーでは、衛生・健康面から医学会からの御教授もあり、前国立感染症研究所感染症疫学センター長や、北里大学記念研究所教授の先生方からは、和式トイレの床は圧倒的に菌が多く、驚くことに、洋式だと便座の菌は天日干しした衣類より少ないという実験結果も出ている。また、オフィスや病院をはじめ、あらゆる人が利用する交通施設などのパブリック和式トイレと比較しても、学校トイレの方が倍以上の菌が検出されていることも分かりました。  和式そのものの欠点として、和式便器は構造上浅く、排せつ物が飛び散りやすい。和式はノロウイルス感染症など、便にウイルスが出るタイプで怖い。最後には、和式が公共の施設にあること自体なくしていかないといけないとまで御指摘があり、現に2015年、和式便器はJIS規格から除外されているのも事実です。  また、臭気鑑定士、臭いの鑑定士が、臭いの質と強さを6段階に数値化し評価した臭気強度では、3以上が要注意となるが、和式便器周りの床で、男性トイレで3.5、女性トイレで4.0と、要注意を超える数値を感知していました。  次に、子供たちへ、トイレを我慢していないか実態を知ろうとアンケートを取ったところ、全国各地で取った結果のほとんどが、半数を超える子供たちが学校でのトイレを我慢していたことが分かり、トイレを和式から洋式化に改修した後のアンケートを取ったところ、我慢することが減ったという意見が80%を超える結果となりました。新しくなったトイレについて寄せられた意見として、「使いやすくなった」、「明るくなった」、「臭いがなくなった」とあり、その中でも、「怖くなくなった」という声も上がっており、トイレの洋式化がどれだけ子供たちへ好影響を与えるかを知ることができました。  この後も、災害時に課題となった和式トイレの事態なども触れられましたが、まさに熊本地震で我々が被災し、体験した老朽化した和式トイレの使い勝手の悪さ、洋式トイレを願望する声、避難所でも衛生面として、被災者の命を守ることにつながる重要性を伺うことができました。  最後は、トイレの洋式化がSDGsにつながる取組であるということです。17のゴールのうち、4項目に及ぶ目標に関連し、大きなものは節水とCO2の削減です。そもそも洋式と和式を比較して、節水化が進んだ現在の洋式大便器でも洗浄水量は4.8リットルに対して、和式便器は依然として洗浄時に13リットルの水を使用しています。また、節水・省エネトイレを展開することにより、使用時のCO2排出量を削減し、地球温暖化を防止する取組につながり、イコールCO2の削減となります。  トイレメーカーによる過去に蓄積した学校のトイレ使用データを基に計算した節水シミュレーションでは、おおよその数字ですが、和式から洋式に替えるだけで、使用量、水道料金ともに約72%の削減となるデータがはじき出されており、現に洋式化した学校で多数の節約実績が出ているようです。CO2削減効果も、CO2年間約1トンの削減となり、樹木で換算すると約71本分に相当するほどです。  教育委員会、財政局、そして大西市長も洋式化の重要性は大変重く受けていらっしゃると思います。しかし、今の本市洋式化の計画は、全小中学校の洋式化完成まで約10年かかる計画は変わっておらず、以前の総括質疑でも触れましたとおり、トイレの洋式化を願う声はたくさん寄せられておりますが、その願いが実現する頃には、今の子供たちは大人になっている頃です。  長期化してしまう原因の多くは、洋式化に伴う工事着工の環境と時期が限られていることだと伺いました。平時は子供たちが学ぶ場ですので、騒音となるのを防ぐため、夏休みなどの子供たちのいない長期休暇の間に着工されること。それと、トイレ1か所当たりの工期に時間がかかってしまうことなどがありますが、今回大手トイレメーカーに伺ったところ、新技術工法により、今までとは格段に日数をかけることなく洋式化ができる情報を提供いただきました。それは、和洋リモデル工法と呼ばれる、まさしく和から洋の加速化を実現できる3つの技術です。  御説明すると、1つ目に、これまではトイレ全体の床をまず全て剥がすことから工事が始まりましたが、和風便器カッター、通称、和便カッターと呼ばれる新しい武器で、和便器部分のみを切ることができるようになり、2つ目に、新しい排水管接続技術、通称、排水アジャスターを使うことで、今までそこにあった和便器の排水管をそのまま利用できることで、排水の新設をする必要がなくなりました。最後、3つ目に、洋式便器を設置するに当たり、床をモルタルで固める必要がありますが、固めるのに相当な時間を要してきましたが、新しい超速硬モルタルが誕生したことで、早くても1日かけて固めていたものが、3時間で硬化する、固まることに成功。  この3つの新技術により、従来約7日間の工事が僅か2日間で完了するまでになっております。要するに何を言いたいかというと、この新技術で夏休みなどの長期休暇だけでなく、通常の週末、土日を利用した工事が可能になるということです。コストもこれまで以上にはなりにくく、先ほど述べましたランニングコストの低減から考えると、導入すればするほどメリットは大きいものになります。そこで、一日も早い洋式化にすべく、このような新技術を取り入れることで洋式化の計画期間を大幅に短縮できると考えますが、いかがでしょうか。  1点目に、学校トイレの研究会など、トイレ事情やメーカーからの新技術について、情報提供がこれまでも教育委員会に対してなされてきたと思います。先ほどの新技術も御存じのはずです。また、国としても、文科省の令和3年度補正予算にトイレ改修の必要性、また、令和2年に決定された防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策でも、トイレの洋式化のさらなる加速化を強くうたわれておりますが、本市としても、10年と言わず、より短期間に実現する必要があり、現に短縮が実現できる可能性があります。御紹介した新技術などを都度、そして柔軟に取り入れられ、期間短縮に向けたお考えはあるのか、お示しください。  2点目に、学校の体育館や普通教室も災害の際は避難所として運用されますが、学校は教育施設ではありますが、災害対策施設でもあるという認識でよろしいでしょうか。今までは教育施設という主張が強いように感じてきましたが、国の指針としても、災害対策として学校施設の環境整備の強化が強く明示されております。災害対策という角度でもトイレの洋式化を大きく進めるため、国の財政支援制度を利用するなど、取組を早めるべきだと考えますが、いかがでしょうか。  以上、2点を大西市長にお伺いいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  学校トイレの洋式化については、議員御案内のとおり、国の防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策でもうたわれており、子供たちが安全・安心な学校生活を送る上で喫緊の課題であると認識しております。  新技術導入によります工期短縮につきましては、物理的な制約はあるものの、さらなる新技術導入の検討を進め、トイレ洋式化の早期完了を目指してまいります。また、学校施設は、非常災害時には地域住民の避難所としての役割も果たしますことから、その安全性の確保と防災機能の強化は極めて重要であると考えております。  今後は、国の財政支援制度の効果的な利用により、段差解消や車椅子使用者用トイレの設置、トイレの洋式化といったバリアフリー化を迅速に進め、安全・安心な避難所としての機能強化に努めてまいります。          〔7番 吉田健一議員 登壇〕 ◆吉田健一 議員  大西市長、心強い御答弁ありがとうございます。  多くの子供たちのため、保護者の皆様、そして災害時においては学校近隣住民のためにも、トイレの洋式化の加速化は大変に喜ばしいことです。トイレメーカーをはじめとする関係企業や教育団体、医師会からも、引き続き最先端技術や学校現場の声を取り入れていただき、具体的加速化計画案を一日も早く提示していただきますことを強く強く願っておりますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。  また、今回は触れませんでしたが、同じ学校施設、災害対策ということで何度も触れてまいりました体育館のエアコン設置ですが、先日の国会予算委員会で、末松国務大臣の発言の中に、学校施設は児童・生徒の学習、生活の場であるとともに、災害時の地域の避難場所としても役割を果たすことから、体育館への空調の設置は大変重要な課題である。これまで文部科学省では、児童・生徒が長い時間を過ごす普通教室への空調設置を優先したこともあり、体育館等への空調設置率は、令和2年9月1日現在で9.0%にとどまっている。普通教室の空調設置に一定のめどがついたことから、避難所としての機能強化を図るためにも、体育館の空調設置を進めていきたいと考えており、国庫補助金を行っている。今後も安全・安心な教育環境と快適な避難所の環境の整備が進むように、各地方公共団体と密接な連携をしながら、その取組をしっかりと支援してまいりたいとありました。  学校施設が教育並びに避難所としても、これまで以上の整備が求められております。トイレの洋式化の加速化と併せ体育館のエアコン設置についても、引き続き御協議いただきますよう切に願い、引き続き、子供たちに関する質問に移ってまいります。  未来の宝である子供たちについて触れさせていただきます。  これまでも子供の教育や子育てに関する議論がなされてきました。今回は、地域の子供を育んできた子ども会について伺ってまいります。子供会とは、地域を基盤とした異年齢の集団による遊びや様々な豊かな体験活動を通して、子供たちの健やかな成長発達を促すとともに、子供の夢と生きる力を育む活動集団と認識しております。  私が子供のときも、某乳製品企業の工場見学や博物館見学、また、バーベキューやキャンプファイヤーといった、今でも楽しかった思い出が残っております。皆様も御存じのとおり、地域の子供会で運営されており、一部の地域以外のほとんどの組織は、熊本市子ども会育成協議会、通称、市子協に属され、その市子協から支援や情報を受けるなどして動かれているものと思料します。  本市としても、熊本市子ども会育成協議会へ助成金の支援をするなど、子供会への協力に動いていることと思いますが、現在の子供会の実態を改めて確認すると、時代の流れもあり、親御さんの共働きや様々な習い事、スポーツビジネスの発展、個人情報の厳格化、生活スタイルの多様化などもあり、子供会運営の難しさや存続の厳しさに悩まれ、現に保護者をはじめ地域の方々が負担と感じるケースも多く、子供会がもう大分前からないや、去年消滅したというところも多くなってきております。  ただ、私の住んでいる地元町内では、保護者をはじめ自治会や民生委員の皆様の御協力により、昨年も夏休みのラジオ体操をはじめ、年末の火の用心など、ここでも新型コロナウイルス感染症の影響をもろに受けながらではありますが、活動を続けられております。子供会があることで、地域の活性や防犯、コミュニティの確保など、メリットは多面的にあります。  また、大西市長におかれましては、県議会議員時代に熊本県子ども会連合会理事をはじめ、先ほど触れました熊本市子ども会育成協議会の会長を歴任され、さらにはお父様も同会の会長を務められるなど、長年、親子で子供会に尽力されてこられたと伺っております。  以上のことを踏まえ、1点目に、現在の本市としての子供会への取組。2点目に、子供会の現状を受けて、これまでの御経験を踏まえた今後の理想の形、目指すべき方向性について。3点目に、子供会の実態を把握し、より支援しやすい環境や人材の育成、担当部署の新設、または既存の部署に担当係を割り当てるなどできないでしょうか。  以上3点について、大西市長の御見解を伺いたいと思います。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  本市では、毎年、市内の小学校を通じて、保護者に対し、子供会の情報提供を行い加入勧奨を行いますほか、ジュニアリーダーや子供会活動の指導者の育成に取り組みますとともに、青少年の健全育成などを行う団体へ補助金を交付することで、地域における子供の健全育成の取組を支援しているところです。  議員からも御紹介いただいたところでございますが、私自身、熊本市子ども会育成協議会の会長を長く務め、子供会活動に深く関わってまいりました、その中で、子供たちが、地域において多様な経験を積み、異なる年齢や世代との交流を通して、社会性、自主性、協調性などを身につけていく姿を実際に見てきておりまして、地域が主体となってそうした体験の場を提供し、地域の中で子供たちが成長できる環境が整うことが理想の形であると実感しているところです。  子供会を理解し支援できる体制につきましては、本市職員に対し地域活動への参加を推奨するなど、市民志向の人材育成を進めますとともに、所管の文化市民局を中心に、各小学校や熊本市子ども会育成協議会などの関係団体とも連携を密にしながら、子供会の実態の把握に努め、今後も子供たちの健やかな成長が図れるよう取り組んでまいりたいと考えております。          〔7番 吉田健一議員 登壇〕 ◆吉田健一 議員  通常、子供という言葉で、市民は、担当は教育委員会や子ども支援課かなという考えとなりますが、担当課が文化市民局、なかんずく生涯学習課だということをしっかり周知していただき、知ってもらうだけでも、子供会に関係する方々が相談を聞いてくれるんだ、そういう部署があるんだと安心感にもつながりますので、ぜひアピールから取り組んでいただき、時代に沿った子供会の在り方を強力に支援する取組をお願いいたします。  実際に地域の子供会を運営する方々から、お声をいただいたので、紹介させていただきます。子供会役員の選出について、共働きの世帯が増えており、成り手が不足している。以前は、小学校より新1年生の名簿を頂いていたが、個人情報保護の問題からもらえなくなり、把握が難しい。各町内で活動に差があり、子供会として機能していない町内もある。会費に差がある。年度初めの集団登校にしかメリットがない。子供会という組織の有効活用がなかなかできていないと、切実な声が上がっております。  また、地元ではこういったお声もいただきました。皆、それぞれふるさとがある。ただ住んでいたところが、ふるさとにはならない。特に子供の頃に、地域の皆様といろいろな活動をしたり、一緒に遊んだり、学んだりする思い出が、ふるさとという思いとなるのではないだろうか。塾は塾でいいし、否定もしない。ただ、ふるさとを感じてほしい、感じる環境をつくってほしい。そして熊本市として、そういう子供会の大切さの分かる人材や組織を大西市長につくってほしいという要望も頂戴しております。ぜひとも地域の子供たちを育てる子供会についても、長年の経験を生かした手腕を大西市長に御期待しております。何とぞよろしくお願い申し上げます。  大分時間が余りましたが、以上で、本日準備しました質問は終了いたしました。  御答弁いただいた大西市長をはじめ執行部の皆様、そして傍聴においでくださった皆様、大変ありがとうございました。  今後も痩せる思いで、必死に熊本のまちづくりに全力で取り組んでまいる決意をいたしまして、私からの質問とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)       ──────────────────────────── ○園川良二 副議長  この際、議事の都合により休憩いたします。  午後2時に再開いたします。                             午後 0時03分 休憩                             ───────────                             午後 2時00分 再開 ○原口亮志 議長  休憩前に引き続き会議を開きます。       ──────────────────────────── ○原口亮志 議長  一般質問を続行いたします。  福永洋一議員の発言を許します。福永洋一議員。          〔22番 福永洋一議員 登壇 拍手〕 ◆福永洋一 議員  市民連合の福永洋一です。  今回、大きく5点について質問したいと思っています。  コロナの話やウクライナの話もしたいのですけれども、この後会議が入っていますので、早速質問に入らせていただきます。  1点目、政令指定都市10年目を迎えてということで質問していきます。  私ごとながら、議員になって昨年の春で丸10年を過ぎました。この10年を振り返れば、私にとっては、平成24年7月12日の北部豪雨災害、そして、やがて6年前となる熊本地震、さらには今回のコロナ禍という災害の10年だったと思っています。  そのような中、今年の春には、政令指定都市として熊本市は10年目を迎えます。熊本市としてのまちづくりについては、幸山市長時代のスローガンとしては日本一暮らしやすいまち熊本、そして、大西市長になられて上質な生活都市熊本づくりに向けて、共に取り組んできたところです。  今回の質問は、政令指定都市10年目を迎えるに当たり、市民の方々にとって、暮らしやすい、上質な生活都市熊本として、実感できているのか。政令指定都市となって、市民の方々は本当によかったと感じていらっしゃるのか。この10年目での総括と今後の課題を明らかにして、市民の方々へ発信等を行っていただきたいという思いで、3点について市長に質問します。  まず1点目、上質な生活都市熊本づくりについて、2点確認させてください。  上質の定義、指標と評価について、どのように考えていらっしゃるのか、改めてお聞きしたいと思います。  2点目、その具体的な内容について、市民の方々への発信をする必要があるのではないかと思っていますが、具体の取組はありますでしょうか。  大きな2点目、政令指定都市10年目の総括と課題についてです。  1点目は、市政令指定都市10年目を迎えるに当たっての市長の見解をお聞かせください。  2点目、市民への発信についてです。10年目を迎えての総括と課題について、市民の方々へ発信が必要と考えています。その具体策についてどのように考えていらっしゃいますでしょうか。よろしくお願いします。
             〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  まず、上質な生活都市熊本づくりについてお答えいたします。  私は、指定都市として、人口が多く経済が発展しているだけでなく、人口減少社会においても地域コミュニティが維持され、災害に強く誰もが安心して生活ができる、バランスの取れた暮らしやすいまちを実現する必要があると考えております。  議員お尋ねの本市の目指すまちの姿、上質な生活都市の上質の定義については、豊かな自然や歴史文化、良質な水・食べ物などに恵まれ、安全・安心な地域の中で市民の多様な価値観を満足させることができるといった、市民一人一人が生活していく上で必要なものの質の高さと考えております。  また、その指標と評価につきましては、第7次総合計画基本計画の施策ごとに検証指標を設定しておりまして、これらを総合的に検証することで、目指すまちの姿、上質な生活都市の達成状況を評価したいと考えております。新年度から、次期総合計画の策定に向け、第7次総合計画の検証を行うこととしておりまして、改めて、本市の目指すまちの姿、これまでの取組の成果や残された課題について、市議会をはじめ市民の皆様に分かりやすく発信してまいりたいと考えております。  次に、指定都市移行10年目の総括と課題についてお答えいたします。  指定都市は、現在の地方自治制度において最も充実した権限や財源を有する基礎自治体であり、それらを最大限に生かし、これまで市民サービスの向上に努めてまいりました。例えば、指定都市移行に伴い設置した区役所においては、各種証明書発行や福祉・子育て支援など、日常生活に密着した多くのサービスをワンストップで提供するとともに、区の特性を生かしたまちづくりや地域担当職員の配置など、きめ細かな地域力の向上にも積極的に取り組んでまいりました。  今後とも、指定都市としての権限や財源を最大限に活用した市政運営を行いますとともに、各区が有する資源や特性を生かした地域主体のまちづくりを積極的に進めてまいりたいと考えております。  また、10年目を迎えての総括と課題については、現在、大都市税財政制度・都市問題等特別委員会において、議員の皆様方に、指定都市移行後の市政に関する御議論をいただいているところです。市民の皆様方とは、来年度、指定都市移行後の10年間を振り返りますとともに今後の課題などについて考える場として、記念式典やシンポジウム等を開催する予定でありまして、このような取組を通じて、節目となります10周年を迎える機運の醸成を図ってまいりたいと考えております。          〔22番 福永洋一議員 登壇〕 ◆福永洋一 議員  ありがとうございました。  今後、式典、各区住民の取組発表などの一過性のイベントの開催だけでなくて、10年目の節目に市民アンケートの実施を望むところです。  第7次総合計画に関する市民アンケートを毎年実施されています。令和3年度分については、現在集計中と聞いています。対象者は、以前は1万人だったのですけれども、現在は5,000名で回収率は毎年50%程度で推移しているところです。今後、政令指定都市10年目の節目として、市民満足度も含めて、市民の方たちにとって政令指定都市になってよかったという実感はあるのかなども含めて、市民意識の詳細な調査について、できれば1万人程度に拡大しての取組を望むところです。前向きな検討を願います。  市長に3番目、最後の質問です。  将来の人口維持に向けてということで質問させていただきます。  将来の人口減少の対策として、選ばれる都市としての魅力ある熊本づくりが望まれる中、この10年間の人口の推移についてきちんと分析して、今後の課題等を明確にした取組が必要だと思っています。  特に令和2年、2020年の国勢調査では、平成24年、2012年の調査以降、8年間ですけれども、市全体としては4,000人以上の人口増加となっています。各区の人口の推移としては、中央区が1万2,000人以上の増加に対して、北区は8,800人以上の減少となっています。なぜ北区だけが突出して人口が減少したのか。そのほかの区の増減等も含めてきちんと分析等を行って、市全体としての人口減少への対策を強化しなければならないと思っています。  そこで、3点について質問します。  1点目、10年間の熊本市の人口の推移についてお知らせください。  2点目、各区の人口の推移の分析についてです。転出・転入の実態、どこからどこへ人が動いているのでしょうか。  3点目、選ばれる都市熊本市としての今後の具体的な取組についてです。私自身は、特に子育て世代や高齢者等に対する教育や福祉等に関わる施策の充実が必要と考えているところですけれども、以上3点について、市長の答弁を願うものです。よろしくお願いします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  本市の人口は、直近10年で見ますと、平成29年を除き、熊本地震が発生した平成28年以降は人口減少が続いている状況です。また、各区の直近10年間における人口の推移を見ますと、南区は一貫して増加しておりまして、東区は平成28年を除いて増加が続いております。一方、中央区は平成30年以降減少しており、西区は令和3年に若干増加したものの、それまでは減少が続き、北区は平成28年を除き減少しております。  転出入の実態については、市全体では、特に10代後半で福岡県を除く九州圏からは転入超過となる一方で、20代前半で三大都市圏及び福岡県への転出超過が顕著となっております。また、区ごとに見ますと、北区では子育て世代の近隣市町への転出超過による社会減、南区では子育て世代の他区からの転居に加え、20代の近隣市からの転入超過による社会増という特徴があります。  このような中、本市の人口動態について、さらに詳細な検証を行うため、令和3年10月に開催いたしました熊本市しごと・ひと・まち創生総合戦略検証委員会において、他都市や周辺市町村との比較を含めて分析を行ったところです。  今後さらに検証を深め、令和5年度中に本市の人口ビジョンの改訂を行うこととしておりまして、それらの分析に基づき、人口減少克服に向けて地域特性を生かした対策を充実させ、選ばれる都市の実現に取り組んでまいりたいと考えております。          〔22番 福永洋一議員 登壇〕 ◆福永洋一 議員  ありがとうございました。  10年前、幸山市長時代に、日本一暮らしやすい熊本づくりについて、今回と同じような内容で質問しました。その中で、私からは、選ばれる都市としての取組を強化すべきということで、特に子育て世代が近隣の市や町へ流出しないように様々な施策を充実してくださいということを述べたところです。  あれから10年を経過して、今回答弁にあったように、北区については、子育て世代の近隣の市や町へ転出という答弁がありました。北区のスローガンを御存じでしょうか。皮肉にもず〜っと住みたい“わがまち北区”です。自分自身、北区選出の議員として、市民の方々にとって政令市になってよかったと言われるようにという思いで、これまで取り組んできた中、とてもショックを受けているところです。  答弁にあった令和5年度策定予定の人口ビジョンの改訂に当たっては、減少の詳細な分析と検証を行って、人口減少の歯止め策としての具体的な施策についても検討し、実行していただきたいと思っています。  いずれにしても、日本全体が人口減少社会を迎えるに当たって、選ばれる都市熊本市としての施策の充実を望み、次の質問に入ります。  2点目、政令指定都市中、下位レベルにある施策の推進についてです。  熊本市として政令指定都市中、下位レベルにある施策、子育て関連の2点について、さらなる推進に取り組み、下位レベルから上位レベルに向かうことができるようにするために、今後どのように取り組んでいくのか、具体策について質問します。  まず、1点目です。幼児の虫歯罹患率の改善に向けてということで、答弁は健康福祉局長に求めます。  令和2年の春、熊本市として、歯と口腔の健康づくり推進条例が制定されました。市民のライフステージに合わせた歯と口腔の健康に向けて、市としての取組を一層推進していくことになっています。具体的な取組についても提起され、現在実施されているところです。  幼児・児童の虫歯対策について、昨年12月に高本議員の質問があり、具体的な取組についても局長から前向きな答弁があったところです。高本議員の質問の翌日の地方紙には「虫歯あり熊本市の小学生44% 2020年度政令指定都市でワースト2位」という報道があっています。  熊本市としては、幼児・児童の虫歯対策について、他都市と同じような取組を行っていても、下位レベルから上位に行くのは非常に困難と思っています。今後、特定時期に特定の対象者に対しての、より具体的な取組を強化すべきということで、3点について質問したいと思います。  1点目、出産前の妊婦に対しての取組が一つです。母体の食事などが胎児に与える影響がとても大きいということで、そういう中身の啓発をすべきだと思っています。  2点目、出産後の母親、父親、家族等を含めて、乳幼児の虫歯予防の啓発が必要だと思っています。内容は、特に食育をはじめ離乳食の内容や与え方、そして適切な口腔内の歯磨き等の具体的な啓発が必要だと思っています。  3点目、歯科医師会等、関係団体との連携のさらなる強化の取組が必要と考えているところです。  以上3点について、どのように考え取り組むのか、局長の答弁をお願いします。          〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕 ◎石櫃仁美 健康福祉局長  初めに、議員御案内のとおり、妊婦の食事等が胎児の発育に影響を与えますことから、妊娠中の食事等は非常に重要であると認識しており、本市では、母子健康手帳交付時に、妊娠中から産後の食事等について、管理栄養士による指導や相談を行っているところでございます。  次に、乳幼児の家庭内におけます虫歯予防につきましては、妊婦歯科健診や乳児健診の場を活用した多職種連携による指導や相談に加え、正しい仕上げ磨きの動画などによる啓発を実施しているところでございます。  今後は、妊娠中の望ましい食事等につきまして新たに動画を作成するほか、仕上げ磨き動画につきましても、母子健康手帳にQRコードを掲載するなど工夫を行いながら、妊産婦やその御家族等へ広く啓発を行ってまいります。  最後に、本市の歯と口腔の健康づくりに対する取組体制を強化するため、令和4年度、健康づくり推進課内に、口腔保健支援センターを設置することとしており、より専門的な立場からの課題分析と施策立案が可能になると考えております。熊本市歯科医師会とは定期的に意見交換をさせていただいており、今後は同センターが中心となり関係機関等との連携を深め、歯と口腔の健康づくりの強化に取り組んでまいります。          〔22番 福永洋一議員 登壇〕 ◆福永洋一 議員  ありがとうございました。  前向きな答弁として評価したいと思います。新たな取組として、妊産婦等対象の啓発の動画を作成されるということ、口腔保健支援センターを設置ということで、今後様々な取組を通して虫歯ありの子供たちが減少し、数年後には政令市の中での下位レベルからの脱却が図られることを期待するところです。担当部署は大変でしょうが、頑張っていただきたいと思います。  2点目の質問に入ります。総務局長に答弁をお願いします。  内容は、男性職員の育児休業の取得率についてです。この後は、育休という言葉で話をさせてください。  男性職員の育休取得率についてですけれども、総務省発表のデータに基づいて、今年1月中旬に地元紙で報道がありました。見出しは「男性育休 熊本は全国最低3.9%」、内容は、育児休業の取得期間は全国で1か月以下の取得率が54.6%、都道府県別では、熊本県が3.9%で最低、政令市では、千葉市が90%台で断トツ1位です。次に、福岡市が30%台、さいたま市は25%程度、そして熊本市は、政令市20市の中で、4.9%という数字で最下位というものです。この記事だけを読むと、熊本の男性は、全国で一番育児への参加が低いというものです。本当にそうなのか、私は疑問を持っています。  育休の取得率については、取得できる対象者が100人いた場合、100人の人が1日でも育休を取得したら100%になるという数字です。一つの指標としては参考になりますが、男性の育児への参加のための休暇は、育児休業だけではなくて、育児時間や配偶者の出産のための休暇等、幾つもあります。男性の育児への参加促進については、育休の取得率だけではなく、男性の育児参加のためのその他の休暇の取得率等もきちんと見ていく必要があるのではないでしょうか。  私自身の経験の話をさせてください。40年前、息子が生まれるときに、県には出産補助休暇というものがあります。熊本市は配偶者分娩休暇という休暇なのですけれども、これはもともと子供が生まれた後の休暇だったのですが、私が勘違いして、あした生まれるだろうということで、出産補助休暇を職場に申請しました。  当時、知的障がい児の施設で働いていたのですが、その日に園長から呼び出しされて言われた言葉で今でも忘れられないのは、あんたが生むわけじゃなかろうもんと、だから休むなということではないのですけれども、あんたが生むわけじゃなかとに、何で休むとやと言われて、いや、あした僕は仕事に出てきても、もう心配で仕事が手につかんけん、休ませてくださいと言って休みました。  後から年休に振り替えたのですけれども、当時は、出産から10日以内のうちに2日間取れる休暇でした。現在は、出産のための入院からということで、県と市とではちょっと違うのですけれども、1か月以上のうち3日間取れるようになっています。  時代とともに男性の育児への参加は、イクメンという言葉どおり当たり前の時代になってきました。今後、熊本市のより一層の具体の取組に期待するものとして、2点質問します。  1点目、他都市との比較と分析についてです。今回の新聞記事に対する見解、分析がありましたらお伝えください。育児休業を取得しにくい環境や職員の意識等があるのでしょうか。先ほど話したような所属長は、もういないと思いますけれども。それと、育児時間休暇等、そのほかの休暇制度の取得状況と、他都市との比較はきちんとされていますでしょうか。  2点目、具体の取組の必要性について提言させてください。育休の取得率向上だけではなくて、その他の休暇制度の取得しやすい環境づくりが必要だと思っています。  3点目、対象職員へきちんと育児休業取得促進の呼びかけをしていただきたいと思っています。千葉市は相当頑張って、ほとんどの職員が取っているということですので、1日から2日、そして長期にという育児休業の取得ができるような取組を頑張っていただきたいと思っています。  そして、休暇を取りやすい環境の整備ということで、休んで当たり前の環境づくりが必要だと思っています。管理職や対象職員への意識づけ、人員体制等の環境改善も必要かと思っています。  もう1点、育児時間というものがあるのです。これ、一定の時間を取れるのですけれども、取得要件の制限があるのです。配偶者のどちらかが育児時間休暇なり育児休業を取っていたときには、一定の制限がかかってしまうのです。そういったものが設けられているのですけれども、育児時間は、もともとは保育園の送り迎え等で設けられた休暇の制度なのですけれども、今後、取得要件の撤廃を図って、男女が共に日常的に育児に関わることができるようにすべきだと考えているところです。  以上、大きく2点について、どのように考え、実行していかれるのか。市としての独自の制度の改善等を含めて、前向きな答弁を期待するものです。よろしくお願いします。          〔宮崎裕章総務局長 登壇〕 ◎宮崎裕章 総務局長  男性職員の育休取得に関します質問に、順不同になりますが、お答え申し上げます。  本市では、総務省調査の結果を踏まえまして、男性職員の育休取得促進について、庁議の議題として取り上げまして、所属長による対象職員への積極的な働きかけや、業務分担や体制の見直し、周囲の職員への理解促進など、適切なマネジメントの徹底につきまして改めて周知を図ったところでありまして、今年度の取得率は、現時点で昨年度を上回る見込みでございます。  また、男性の子育て参画には、育児休業のほかにも出産に伴う配偶者分娩休暇や育児参加休暇、子の看護休暇等様々なものがあり、対象者の大半が関連の休暇を取得している状況にございます。  これらの男性職員の育児に伴う休暇・休業につきましては、令和6年度までに、年間15日以上の取得率を70%とするよう目標を掲げ、取り組んでいるところでありまして、令和2年度の実績は63.6%となっております。引き続き目標達成に向け、取得を促進してまいります。また、他都市の休暇制度や取得状況につきましては、今後調査を行い、参考としてまいりたいと考えております。  最後に、育児時間の取得要件の見直しにつきましては、国公準拠の観点から、本市独自での要件緩和は難しいと考えておりますが、今後も国の動きを注視しながら、必要な見直しを行ってまいります。          〔22番 福永洋一議員 登壇〕 ◆福永洋一 議員  ありがとうございました。  男性の育児への参加については、子育てを女性だけに任せるのではなくて、男性が日常的に育児に関わる時間を増加させる取組が重要だと思っています。今後他都市の状況との比較検討を行い、より一層の取組を願うところです。  特に、今答弁にありましたように、熊本市の令和2年の年間15日以上の取得率が63.3%の数値、これが他都市と比較したときに低いのか高いのか。きちんと調査して、下位レベルにあるのであれば、目標設定70%はもっと上げて、なお一層の取組を強化していただきたいと思っています。  大きな質問の3点目に入ります。  教育長に、それぞれ答弁を願いたいと思っています。  子供たちを取り巻く環境は、私たち大人がきちんとその実態を把握して、問題があれば、早急に改善しなければならないものだと思っています。  今回の3点の質問は、多くの保護者の方々や子供たち、校長先生等をはじめ先生等からも寄せられた疑問や意見を基に行うものです。教育委員会として、きちんと実態を把握し課題を明確にして、先送りすることなく改善に向けて取り組んでいただきたいという思いで質問します。  まず、1点目、小中学校の部活動についてです。  近年、教育委員会として、小中学生の部活動の在り方についての議論を経て、令和元年、2019年10月に、それまでの運動部の活動指針に新たに文化部の指針を統合して、部活動の指針が策定され、翌年、2020年4月に施行されたところです。  それから2年が経過したのですけれども、指針の内容については、子供たちにとってスポーツや文化・芸術に親しむことの意義があるものの、練習時間の長時間化、休日の活動回数の増加等の過熱化する傾向、教員への業務や学校運営への影響等、様々な課題が指摘されたということで、以後その改善に向けて取り組んできたものです。  しかしながら、指針の中には、具体的に練習について一定の原則の日数や時間等が示されているのですけれども、ある中学校の運動部では、全く指針が守られていないという実態がありました。保護者の方からは、子供が塾に行く時間がないために、部活動をやめさせた、部活動で疲れ果てて帰り、宿題をする時間が少なく、子供の負担になっているなど、数多くの声がありました。現在は改善されたと聞いていますが、コロナ禍で部活動の練習時間が減少し、それを取り戻すために指針を無視した実態だったのかなと、私は思っています。  市教育委員会としては、小中学校の現在の部活動の実態をきちんと把握して、指針に沿った運営ができるように願って、2点について質問します。  1点目、部活動の現状の実態把握についてです。指針に沿ってきちんと運営されているのか。現状の部活動の実態を把握すべきだと思っています。  2点目、部活動指針の徹底についてです。職員、保護者、子供たちに対して、指針の内容をきちんと知らせ、指針を遵守する取組を徹底すべきだと思っています。  2点について、教育長の答弁を求めます。          〔遠藤洋路教育長 登壇〕 ◎遠藤洋路 教育長  部活動の現状の把握については、毎年、中学校に対し、部活動の指針に沿った規約の作成、その規約等の保護者への配布や説明等について調査しており、併せて、活動日や活動時間についても調査を行っております。今後はさらに内容等を検討し、調査してまいります。  次に、部活動の指針の徹底については、これまで指針の遵守に関し、通知や部活動研修会での周知を行っております。今後も、職員、保護者、児童・生徒に対して、指針を確実に周知するとともに、指針が遵守されていない実態があれば、指導してまいります。          〔22番 福永洋一議員 登壇〕 ◆福永洋一 議員  答弁では、指針が守られていない実態があれば、指導していくということですけれども、教育長は実態を御存じでしょうか。市の職員組合が昨年夏に、小中学校の職員へのアンケート調査を実施しています。職員の方、2,000名以上いらっしゃるのですけれども、500名から回収しました。その中に、部活動の指針は守れていますかという問いがあります。その中の500名中、部活動の担当者が290名、290名の回答の中身をお知らせします。  14名が指針を守っていないと回答されているのです。なぜ守れていないのか、ちょっと分からないのですけれども、指針の遵守に関して、通知や部活動研修会で周知しているということですけれども、14名の人が、指針があることを知っていながら、守っていない。なおかつ4名の方が、部活動の担当者ですが指針の内容を知らないと回答されているのです。指針自体を知らない4名を含めて、18名の部活動担当の職員が指針を守っていないという実態です。  子供たちに、校則等きちんとルールを守るようにという指導をする先生たち自体が、指針を守っていないということになるのです。実態は、多くの子供たち、この18名、もうちょっと調べればもっといらっしゃると思いますね。少なくとも200名以上の子供たちが、指針に示された部活動の時間以外に部活動の練習に参加していることになります。非常に問題だと、私は思っています。  今日から、また部活動が再開します。教育委員会としては、通知文を出して終わりではなくて、職員や保護者や児童・生徒などの聞き取りなどをきちんと行っていただいて、きちんと実態を把握し、改善すべきだと思っています。現状で、毎月の練習時間、この日にこれだけしますというのは計画書が出ているのですけれども、そのとおりには行われていない実態があっているのです。早急なる対応を望むところです。今後どのような具体的な取組をされるのか、注目していきたいと思っています。  教育長に、2点目の質問です。  教科書等の教材の取扱いについてです。  皆さん、御存じでしょうか。小中学生のランドセルやリュックに入れる教科書や教材等の重さ、どれだけあるか御存じでしょうか。私の調査では、現状、小学生は5キログラム前後、重いときは6キログラム、7キログラムの荷物を担いで学校に行っています。中学生は10キログラム前後、それだけの重さを毎日抱えて登下校している実態があります。子供たちにとって通学時の身体的な負担となっていないのか、軽量化に向けてより一層取り組む必要があるのではないかと思って、今日、質問します。  ちなみに小学校1年生の平均体重は20キログラムです。それ以下の子供もいます。体重15キログラムの子供が、5キログラムの荷物をしょって歩いているということです。中学1年生の平均体重は45キログラムです。もっと軽い子もいます。三十数キログラムの子供が10キログラムぐらいの荷物を抱えて、登下校にも頑張っているということです。大人で言えば体重60キログラムの大人が15キログラムから20キログラムの荷物を担いで、毎日学校に行っているということになります。  4年前、この問題は全国規模で問題になりまして、2018年9月にですけれども、文科省の通知文があります。児童・生徒の携行品に係る配慮についてということで、文科省としては、全国の様々な小中学校の置き勉だけではないのですけれども、きちんと宿題の出し方の在り方とか、いろいろな取組を紹介して、熊本市にも、子供たちの負担軽減を求めるということで、全国の教育委員会に通知文が下りてきました。  その後、熊本市としても、置き勉の実施等に取り組まれてきたところですけれども、私の聞き取りの置き勉の実態としては、保護者の方たちの声ですけれども、学校や学年、クラスにより取組の格差、温度差があります。もう1点、児童・生徒の自主性に任せっ放し。置き勉については周知等の不足があって、先生や子供たち、保護者の理解はとても低いなどの声が寄せられ、問題があるのではないかと思っています。
     今後、置き勉等の取組を確実に実施していただきたいと思います。ただし、置き勉の徹底だけでは一、二キログラムしか軽くならないのですね。子供たちの負担軽減にはつながらないということで、改善に向けて早期により一層の取組を求めるということでお願いしたいと思っています。  一つ、ICT教育の先進地、もう熊本市よりも前に、ICT教育の先進地ということで高森町が頑張っています。先日、高森町の教育委員会に聞き取りをしました。子供たちのかばんを軽くするために、何かされていますかと聞いたら、2年前、校長会で、児童・生徒のかばんが、もうあまりにも重過ぎるから、どうにかしようという話が出て、以後、教育委員会、そして、町長も以前からやはりおかしいという発想があったそうです。議会も一緒になって取り組みました。  1点は、発想の転換で、全ての教材は学校に置いて、必要な教材を自宅に持ち帰ることとすることになりました。それと、デジタル教科書の導入を促進したということで、国の予算措置を待たずに、町単費で小中学生の教科書を全てデジタル化されたというところです。  そこで、3点について質問です。  1点目、実態把握と認識についてです。小中学生の教材等の重さの実態について、教育長はきちんと把握していらっしゃるのでしょうか。日常的に体重の4分の1前後の重い荷物を抱えて、長時間の通学を強いられている児童・生徒の実態について、早急に改善すべきものと私は考えますが、どのように認識していらっしゃるでしょうか。  2点目、置き勉の実態と徹底についてです。置き勉の取組については、各学校は、教室に置いていいもの、持って帰るもののリストをつくって、児童・生徒の負担軽減に努めていますが、先ほど言いましたように、学校、学年、クラスごとに取組の格差、温度差があっています。実態をきちんと把握して、児童・生徒に対する置き勉の徹底を願うところです。さらには、宿題の出し方、内容等の改善が必要だと思っています。多くの教科の宿題を片づけるために、週末にほとんどの教科書を持ち帰る。週の初めにまた学校に持参するという実態があります。宿題の出し方や内容等の改善を望むところです。  3点目、デジタル教科書等の推進についてです。置き勉の徹底ができても、教材等の重量は僅かな軽減効果しかありません。高森町の先駆的な取組を参考に、熊本市としても、発想の転換、教材等は学校に置くを図り、デジタル教科書の導入について、予算化等を含めて早急に取り組むべきではないかと思っています。ただし、課題としては導入のための環境整備、費用対効果等の検証が必要だと思っています。さらには、市単独の予算措置等も必要だと思っています。  以上3点について、市の教育委員会として、子供たちの負担軽減に向けて、今後どのように取り組まれるのか、見解を明らかにしていただきたいと思います。          〔遠藤洋路教育長 登壇〕 ◎遠藤洋路 教育長  小中学生の通学時の携行品の重さについては、教育委員会として個々の学校の実態把握はしておりませんが、児童・生徒にとって過度な負担とならないよう配慮すべきであると考えております。  置き勉については、ほとんどの学校で持ち帰らなくてよいものを明示しております。また、学校によっては、全てを学校に置いてよいこととし、生徒自身が考えて必要なものを持ち帰る取組も行っております。一方で、学校の取組や保護者、児童・生徒への周知に差があるということも承知しております。  デジタル教科書については、令和3年度には、小学校70校、中学校38校で、希望した1教科を導入しております。令和4年度には、全ての小学校5年生及び6年生と中学校に英語を、また、8割の小中学校には希望する2教科目を導入し、携行品の軽減の視点も含めて検証を行います。  今後、通学時の携行品については、保護者、児童・生徒への周知を徹底するとともに、各学校に対し宿題の出し方も含め、参考となるような取組を紹介するなど、児童・生徒の過度な負担とならない取組を推進してまいります。          〔22番 福永洋一議員 登壇〕 ◆福永洋一 議員  全国規模で腰痛や肩こりを訴える子供たちが増加傾向と聞いています。また、通学途中の歩道への車の飛び込み、巻き込まれなどがあって、車による子供たちの死亡事故も増えています。重い教材を抱えて、とっさに逃げることができず、危険を回避できにくい実態もあります。現状は、子供たちの健康のみならず安全を損なうものであり、早急なる改善が必要だと思っています。  答弁では改善に向けて取り組むとありましたけれども、児童・生徒がどれだけの重さの教材等を抱えて毎日登校しているのか、その実態について、答弁では具体的に把握していないということでした。また、置き勉については、周知に差があることを承知しているとのこと。この教育長の答弁は、子供たちに寄り添っていないような内容であって、非常に問題意識が低いというふうに言わざるを得ません。  心も体もともに成長途上にある子供たちが、登下校時にどれだけの重さの教材を毎日抱えて通学しているのか、今後きちんと実態を把握していただきたいと思っています。さらには置き勉の実態についても、周知の差だけではなくて、取組自体に格差があるのです。その実態もきちんと把握すべきだと思っています。  2点、要望させてください。  ランドセル自体の見直しが僕は必要だと思っています。ランドセルの重さは1.2キログラムから1.5キログラムです。タブレットも1キログラム以上です。タブレットとランドセルだけで、もう2.5キログラムあるのですよ。それに教科書です。4年前から、小学生はランドセルでなくてもいいとなっているのですけれども、新1年生に対する保護者に対しての周知がきちんとされていなくて、ランドセルが一般的です。それもいいのでしょうけれども、子供たちの負担軽減、安全対策のために、ランドセルから軽いバッグに変えていくべきという、発想の転換を図る必要があるのではないかと思っています。  他都市の事例を紹介させてください。雪の多い北海道小樽市では、学校の先生方、保護者により地域の業者に依頼して、ランドセルに代わるものをつくってもらったということで、小樽市の小学生7割以上がランドセルから、軽いその1万円以下の教材入れを使っているそうです。この動きは、京都、大阪、埼玉等の一部の小学校でも、ランドセルから軽量なものに変えているそうです。  もう1点、東京都世田谷区の私立の昭和女子医大附属昭和小学校、ここはもう40年前から、1・2年生の負担軽減策として、ノートと筆記具とプリントのみ持ち帰るということで、3年生から少しずつ荷物は増えていくようですけれども、そうした取組も行われているそうです。  もう一つ、教科書、教材のデジタル化について一層の取組をお願いします。皆さん、御存じでしょうか。中学1年生の社会科の教科書が680グラムぐらいあります。それに教材を加えると、社会科だけで2キログラムなんですよ。幅7センチ。11教科があります。5教科、国・数・英・理・社の5教科だけでも10キログラム近くの重さになります。教科書は、この10年ほどで総重量は2倍近くになっています。教科書だけではなくて、教材を含めてのデジタル化に向けて、予算化等含めて早急に取り組んでほしいと願うところです。  持ってくるのを忘れましたけれども、1冊の本があります。熊本市の近年のICT教育の推進について、教育委員会が本気出したらスゴかったという本が出ています。皆さんは読まれたでしょうか。市長大西はとか、教育長遠藤はというふうに、何かドキュメンタリータッチで表現されているのですけれども、教育長をはじめ、市長も含めて、もう一度本気を出して、小中学校に通う6万人以上の子供たちの負担軽減と安全のために、子供たちに寄り添って、ランドセルやリュックの重さが少しでも軽くなるように、総合的な改革に取り組んでほしいと思っています。  3点目の質問に入ります。  不登校の児童・生徒への対策についてです。  これは、小学校4年生の不登校児童の保護者の声です。小学校1年生から不登校となりました。3・4年生になり、週に一、二回登校するようになりました。しかし、保護者の私と一緒に登校しても、教室に入れないときがある。そのようなときに、学校の受け入れとしては、子供の居場所が保健室であったり空き教室など決まっていない。また、担当の先生は、日によって、養護教諭や心の相談員や教頭など不特定の先生となっている。専任の先生の支援ができない現状がありますという声でした。頑張って登校している子供たちのための環境改善として、居場所づくりと支援体制の充実が望まれます。  そこで、質問は2点です。  現状の実態と具体の取組について伺います。特に時々登校する児童に対しての現状の取組は、どのようにされていらっしゃいますでしょうか。  2点目、不登校の児童・生徒を登校につなげるための取組についてです。対象の児童・生徒の学校内での子供の居場所づくりと支援体制について、マンパワーの充実等が必要と思われますけれども、教育長の見解はいかがでしょうか。  以上2点について、よろしくお願いします。          〔遠藤洋路教育長 登壇〕 ◎遠藤洋路 教育長  不登校の児童・生徒には、欠席が週1日程度の児童・生徒から、ほとんど登校できない児童・生徒までおり、登校した場合にも教室に入れる、入れないなど状況は様々です。多くの学校では、常時支援できる人材がいないという課題があるため、議員御案内のような対応を取りながら支援に当たっております。  学校によっては、不登校の児童・生徒のための居場所となるサポートルーム等を設置し、安心して支援が受けられるようにしたり、心のサポート相談員や大学生のユア・フレンド等を活用したりしながら、不登校の児童・生徒の個に応じた支援に取り組んでいるところです。不登校の児童・生徒が多い小中学校に配置している、別室登校の児童・生徒を支援する不登校対策サポーターの取組では、教室に入れなくても常時同じ場所で担当の教員が支援することで、安心して登校できている児童・生徒も増えております。  また、今年度、教育委員会がモデル的に実施しているオンライン学習支援、通称、フレンドリーオンラインにおいては、オンラインでの学習に継続して参加できたことで自信を持ち、登校日数が増えた児童・生徒もおります。学校内に不登校の児童・生徒の居場所やマンパワーも含めた支援体制を整えていくことは、登校につなげるために重要であると考えております。  今後も、登校しても教室に入れない児童・生徒の居場所づくりや支援方法、人材活用等について検討してまいります。          〔22番 福永洋一議員 登壇〕 ◆福永洋一 議員  ありがとうございました。  不登校の児童・生徒の定義ですけれども、御存じのように、年間30日以上の欠席の児童・生徒を不登校児と言うそうです。今1,500人ほどいるというお話ですけれども、月に平均二、三日休んだだけでも、不登校児童・生徒という定義になっています。年間を通して、ほとんど学校に行けていない子供たちというのは100人程度だそうです。不登校と言われる児童・生徒のほとんどが、毎日ではないにしても登校の実績があるというところです。  今後とも、長期間の不登校とならないようにするための対策は重要だと思っています。答弁では、登校しても教室に入れない児童・生徒に対して、サポートルームの設置や心のサポート相談員やユア・フレンドの活用、不登校対策サポーター等の紹介があったところですけれども、これらの取組については、不登校児童・生徒の多い小中学校等の一部の取組ではないかと思っています。少数の小中学校でも、教室に入れない子供たちなど個々の児童・生徒の実態に応じて、同じ場所で同じ先生が対応できるようにマンパワーの充実等含めて、より一層の居場所と支援体制づくりに向けての取組をお願いしたいと思っています。  大きな4番目の質問に入ります。  市行政を担う職員の人材確保と育成についてです。総務局長に答弁を願います。  全国レベルで、自治体職員の中途退職者が増加傾向で、熊本市の受験者も、合格後にほかの職種を選択する人も増えているというふうに聞こえてきているのですけれども、今後、労働力不足が懸念される中、市行政を担う職員の確保と育成は喫緊の課題だと思っています。  4点について質問します。  1点目、市職員の採用試験受験者数と合格後の採用状況等の推移についてお知らせください。  2点目、新規採用の離職率についてです。他業種との比較はどうなっていますでしょうか。近年の動向はいかがでしょうか。地震やコロナ禍の業務増の影響はないのでしょうか。  3点目、中途退職者の意識調査等の実施と分析についてです。なぜ途中で仕事を辞めていくのか。その理由等の意識調査等を実施し、課題を明確にしての対策が必要だと思っています。  4点目、職員の人材確保と育成について、課題を明確にして具体の取組が必要だと思っています。現状と今後の取組についてお知らせください。          〔宮崎裕章総務局長 登壇〕 ◎宮崎裕章 総務局長  本市における近年の採用試験の受験者数は、200人から300人程度の募集に対し、2,000人前後の受験者数で推移しており、合格者の1割程度が採用を辞退している状況でございます。  次に、採用後の離職率につきましては、厚生労働省が公表している令和2年度における新規学卒就職者の就職後3年以内の離職率と比較しますと、全国の民間企業等で大卒者の離職率が31.2%、高卒者が36.9%であったのに対し、本市では、大卒者が7%、高卒者が0.9%でありました。  また、中途退職者数については、毎年度100人程度で推移しておりまして、退職理由の多くは、他の行政機関等への転職や家庭の事情、病気療養等であり、熊本地震や新型コロナウイルス感染症との関連性は不明でございます。  最後に、人材確保と育成の取組についてですが、人材確保につきましては、民間企業、国や自治体間での競争が激化する中、今年度、新たに採用プロモーション動画を制作し、本年1月からホームページ等で発信するなど、広報活動の充実に取り組んでいるところであり、今後は、大学や高校への訪問等を通じた求人活動や先輩職員との意見交換会の開催などについても計画しているところでございます。また、採用後は、熊本市職員成長・育成方針に基づき、職員の主体的な成長と組織等による育成支援を積極的に推進しているところであります。  今後も、人事委員会や関係部局と連携を図りながら、多様化・複雑化する行政課題に対応できる人材の確保と育成に、引き続き取り組んでまいります。 ○原口亮志 議長  この際、申し上げます。  残り時間が少なくなりましたので、発言を簡潔にお願いいたします。          〔22番 福永洋一議員 登壇〕 ◆福永洋一 議員  答弁にあった採用プロモーションビデオを視聴しました。きちんと表現された内容として、評価したいと思っています。  1点、市職員組合の聞き取りの、3年目で退職されるある20代の女性の方の声を伝えます。3年目で辞められたということで、なぜ辞めるのかという問いに対して、もう時間外が当たり前の現場でずっと働いてきて、忙し過ぎてゆとりのない暮らしだったということで、想像と違った市職員の仕事だったということです。  市としても、昨年から中途退職者へのアンケートを実施していると聞いています。実態としては、他業種に比べて離職率は低いのですけれども、人材は市の貴重な財産だということで、中途で辞めていく人たちの声を聞いて、課題を明確にした取組を望むところです。  最後の質問をしたいのですけれども、多分私の出番が回ってこないということで、これは要望に代えさせてもらいます。  身近な避難所の設置についてということで、答弁を政策局長に求めたのですけれども、内容は、熊本地震の際に、小中学校以外の地域の避難所として、私の現場でいくとコミュニティセンターや公園や老人憩の家や公民館等が利用されました。ほかの地域でも、公園内の老人憩の家を開設して、また地震があったら、ここも開いて頑張るぞという地域の方たちの声も聞こえてきているところですが、この地域指定の避難所、これが地域任せになってリストアップされていないのです。有事の際には、やはり行政としても、きちんとリストもそろえて、そして対象の避難場所への支援や情報提供等をきちんとしてほしいという要望です。  これについては前向きな答弁がある予定でしたけれども、時間がありませんので、要望に代えたいと思います。  最後になりましたけれども、今回、特にやはりいろいろな実態というのは、私も含めてですけれども、なかなか聞こえてきにくいのです。アンケート調査の数字や文言だけではなくて、市長もですし、教育長もそうですし、局長さん方もそうですけれども、やはり部下の声だけを聞いたり、アンケートの文言なり数字だけではなくて、やはり生の声を聞いて、今現場はどのようになっているのであろうか、子供たちはどういう状況なのだろうかということを把握した上で、改善の必要があるなら、改善に向けて取り組んでいただきたいと思っています。  先ほど、本を持っていくのを今も忘れたのですけれども、教育長は、教育委員会が本気出したらスゴかった、あの中には、もう本当、呼び捨てで書いてあるのですけれども、特に市長と教育長、教育センターもそうですけれども、熊本弁で言うなら、はっかみだしてですね、ICT教育の先進市になりました。  そういう意味では、子供たちのランドセルやリュックはどれだけ重いのか、もうちょっと実態を把握していただいて、軽くするためにはどうしたらいいのだろうかという、本気になって検討していただきたいなと思っていますので、今後ともよろしくお願いします。どうもありがとうございました。(拍手)       ──────────────────────────── ○原口亮志 議長  この際、日程についてお諮りいたします。  発議第1号「ロシア連邦のウクライナ侵攻に抗議する決議について」を本日の日程に追加することに御異議ありませんか。          (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○原口亮志 議長  御異議なしと認めます。  よって、日程は追加されました。  それでは、発議第1号「ロシア連邦のウクライナ侵攻に抗議する決議について」を議題といたします。  〔議題となった案件〕 ┌─────────────────────────────────────┐ │ 発議第1号                               │ │    ロシア連邦のウクライナ侵攻に抗議する決議について         │ │  本議会は、次のとおり決議するものとする。               │ │   令和4年3月7日提出                        │ │            熊本市議会議員 大 嶌 澄 雄          │ │            同       井 本 正 広          │ │            同       津 田 征士郎          │ │            同       田 中 誠 一          │ │            同       澤 田 昌 作          │ │            同       高 本 一 臣          │ │            同       坂 田 誠 二          │ │            同       三 島 良 之          │ │            同       原     亨          │ │            同       小佐井 賀瑞宜          │ │            同       藤 永   弘          │ │            同       西 岡 誠 也          │ │            同       福 永 洋 一          │ │  熊本市議会議長 原 口 亮 志 様                  │ │              決  議 (案)               │ │  去る2月24日、ロシア連邦は、国際社会の懸命な外交努力を踏みにじり、ウク│ │ ライナへの軍事侵攻を開始した。さらにその後も首都キエフを始めとしたウクラ│ │ イナ全土へ激しい攻撃を続け、民間人を含め多くの犠牲者を出し続けている。 │ │  このような力による一方的な現状変更の試みは、ウクライナの主権と領土の一│ │ 体性を侵害する明白な国際法違反であり、国際秩序の根幹を揺るがす行為として│ │ 断じて容認できない暴挙である。                     │ │  今こそ世界各国が結束して、恒久平和を希求する声を上げていかなければなら│
    │ ない。                                 │ │  よって、本市議会は、今回のロシア連邦によるウクライナへの軍事侵攻に対 │ │ し、抗議と非難の意を表明するとともに、即時の攻撃停止と無条件での完全撤退│ │ を強く求めるものである。                        │ │                                     │ │  以上、決議する。                           │ │   令和  年  月  日                       │ │                           熊 本 市 議 会 │ └─────────────────────────────────────┘ ○原口亮志 議長  提案者の説明を求めます。          〔19番 大嶌澄雄議員 登壇〕 ◎大嶌澄雄 議員  熊本自民党市議団の大嶌澄雄でございます。  提案理由に先立ちまして、今回のロシア連邦のウクライナへの軍事侵攻により犠牲となられた方々に対し、衷心より哀悼の意を表する次第であります。  それでは、ただいま上程されました発議第1号「ロシア連邦のウクライナ侵攻に抗議する決議について」提案者を代表いたしまして、提案理由を申し上げます。  去る2月24日、ロシア軍がウクライナへの軍事侵攻を開始しました。現地では今も戦闘が続いています。  このことは、力による一方的な現状変更の試みで、明白な国際法違反であります。また、平穏に暮らす罪のない多くの人々に多大の辛苦と犠牲をもたらし、同時に平和を願う多くの国々の意思を踏みにじり、国際社会の不安と憤りを助長するものであります。  本市は、戦後50年の大きな節目の平成7年、再び戦争の惨禍を繰り返さないことを誓うとともに、人類共通の願いであります世界の恒久平和の達成を強く願い、平和都市を宣言しています。  我が国においては、今でも日常的に領空・領海侵犯が繰り返されていることから、他人事ではなく、安全保障の観点からも、今回のロシアの軍事侵攻は決して看過できるものではありません。  よって、政府においては、現地の邦人保護はもとより、国際社会と連携し、ロシアに対する制裁を含め事態に迅速かつ厳格な対応を行うとともに、プーチン大統領には、ロシア軍の無条件での即時完全撤退を求め、ウクライナの領土、主権保全に全力を尽くし、世界の恒久平和の実現に向けた国際法に基づく誠意を持った対応を強く求めるべきであります。  ここに熊本市議会として、ロシアに対し、一連のウクライナ軍事侵攻を厳重に抗議するものであります。  議員各位におかれましては、提案理由の趣旨を御理解の上、何とぞ御賛同賜りますようお願い申し上げまして、提案理由の説明とさせていただきます。 ○原口亮志 議長  提案者の説明は終わりました。  別に質疑の通告がありませんので、これより討論を行います。  上野美恵子議員より討論の通告が提出されておりますので、発言を許します。上野美恵子議員。          〔49番 上野美恵子議員 登壇〕 ◆上野美恵子 議員  日本共産党熊本市議団の上野美恵子でございます。  発議第1号「ロシア連邦のウクライナ侵攻に抗議する決議案」に対し、賛成の理由を述べ討論を行います。  初めに、ロシアによるウクライナ侵略で犠牲になられた方々に哀悼の意を表するとともに、爆撃によって被害を受けられました全ての皆様に心からのお見舞いを申し上げます。  2月24日から始まったロシア連邦のウクライナへの侵攻は、紛れもない侵略行為であり、絶対に許されるものではなく、厳しく糾弾されなければなりません。侵略はウクライナ全土に及び、首都キエフも攻撃され、軍事施設にとどまらず一般の施設も攻撃していますが、3月4日には、ウクライナ南部ザポロジエにあるウクライナ最大の原発関連施設への砲撃も行われ、一部が破壊されました。  万が一にも原子炉が破壊されれば、福島原発やウクライナのチェルノブイリ原発の重大事故をはるかに超える放射能による世界規模の大惨事につながる危険もあり、まさに人類全体の生存を脅かす犯罪行為となります。こうした危険極まりない攻撃もまた厳しく糾弾されなければならないとともに、直ちに中止するよう求めるべきです。  これらの攻撃によって、民間人を含む多数の人々が犠牲になる痛ましい状況が日々繰り広げられています。そして、多くの難民を生む現状もあります。  3月3日に、スイスのジュネーブにある国連欧州本部で開かれた国連人権理事会では、バチェレ国連人権高等弁務官が、数千万人のウクライナ人が潜在的に死の危険にさらされていると警告しています。  第1に、今回のロシアによるウクライナ侵略は、独立国であるウクライナの主権と領土を犯し、主権の尊重、領土の保全、武力行使の禁止を定めた国連憲章及び国際法を踏みにじる紛れもない侵略行為であり、明確な違法行為です。  プーチン大統領は、2月24日の演説で、今回の軍事行動は、ウクライナ東部地域の要請を受けたもので、国連憲章51条の集団的自衛だと主張しました。しかし、ウクライナ東部地域は、ロシアが一方的に独立を承認した地域であり、一方的に独立を認めた地域・集団との集団的自衛権などあり得ず、国際法上全く根拠がない暴論であると言わなければなりません。  プーチン大統領は、また、ウクライナの脱軍事化、脱ナチス化を進めるとも述べましたが、東部にとどまらずウクライナ全土でロシア軍による軍事侵略を展開している状況を見るならば、ロシアの行為は、ウクライナを独立国、主権国家と認めない態度であり、厳しく非難されるべきものです。いずれにしても、プーチン大統領の主張には、一片の道理もなく、侵略戦争を合理化しようとする考えは、国際的に全く通用しないものです。  第2に、プーチン大統領は、この侵略行為に当たって、ロシアが核兵器大国であることを誇示し、欧米の批判や制裁の動きに対抗する姿勢を見せ、演説で攻撃されれば核兵器で応えると述べていましたが、これは、核兵器の先制使用を公言するものです。さらに2月27日には、ロシアの核抑止部隊に特別警戒態勢も発令されました。このように核兵器で世界の諸国を威嚇し、核兵器の使用すらも辞さない態度は、今日の国際社会において、決して許されるものではありません。  昨年、2021年1月には、核兵器禁止条約が50か国の批准を得て発効しました。現在59か国が批准し、国際法上も核兵器の違法性が確定しています。ロシアの核兵器による威嚇に対し、核兵器禁止条約の成立に尽力してきたアイルランドやメキシコなどの13か国が、3月1日に共同声明を発表し、核兵器禁止条約は核兵器のいかなる使用も威嚇も明確に禁じていると、ロシアを強く非難しました。  また、広島、長崎を体験した日本は、世界で唯一の戦争被爆国です。被爆者はじめ多くの国民がロシアに対し、核兵器による威嚇は絶対に許さないという声を上げているのは、当然のことであり、国や自治体もまたロシアの核による威嚇に対し、厳しく抗議をすべきであります。  同時に、核による威嚇が公然と行われる、その大本には、核兵器の存在、保有があるからにほかなりません。長年にわたり、被爆者の皆さんが身をもって訴えてこられた人類と核兵器は共存できない。その実現のためには、人類を破滅へと追い込む核兵器を地球上からなくしていくこと。核兵器禁止条約への世界各国の参加を広げていくことが必要です。このこともロシアのウクライナ侵略から明らかになったと思います。実現に向け、取り組む決意です。  第3に、ロシアのウクライナ侵略をやめさせるためには、何が必要か。効果的な経済制裁と同時に世界の世論が、ウクライナ侵略をやめよ、国連憲章を守れの声でロシアを包囲することです。今、侵略国であるロシア国内でも、戦争反対、撤退の声が広がっています。世界中の国々の政府、国民が声を上げています。  現地時間の3月2日に、ニューヨークの国連本部でウクライナ情勢に関する国連総会特別緊急会合が開かれ、ロシアによるウクライナ侵略を国連憲章違反と断定し、ウクライナでの武力行使の禁止、軍の即時完全無条件撤退をロシアに求める非難決議を圧倒的多数で採決しました。  決議の提案国は日本を含む96か国に上り、賛成したのは、国連加盟国193か国の7割を超える141か国でした。2014年のウクライナ南部クリミア半島のロシア併合を無効とする国連総会決議での賛成は100か国であり、それを大きく上回る賛成となった今回の決議は、大変画期的なものであり、ウクライナへの一方的な軍事侵略は許さないという国際社会の確固たる意思を表明するものとなりました。  そして、国連憲章こそが大事ということが世界の声となったことは、極めて重要であると考えます。ロシアが侵略行為をやめて、ウクライナから直ちに撤退するとともに、こうした流れをさらに進めていくためにも、それぞれの国の政府、国民、そして議会でも様々な手段によって、より一層、侵略やめよ、国連憲章を守れの声を急ぎ広げていかなければなりません。  そういう意味で、今回熊本市議会において、ロシア連邦のウクライナ侵攻に抗議する決議を可決することは、意義あることと考えます。  国会では、3月1日の衆議院本会議で、翌2日の参議院本会議で、それぞれロシアによるウクライナ侵略を非難する決議が議決されました。  国際社会の世論の包囲によって、一刻も早くロシアがウクライナ侵略をやめ、世界の平和秩序が回復することを願い、賛成討論といたします。 ○原口亮志 議長  以上で討論は終わりました。  それでは、採決いたします。  本案に対し御異議ありませんか。          (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○原口亮志 議長  御異議なしと認めます。  よって、本案は「可決」されました。       ──────────────────────────── ○原口亮志 議長  本日の日程は、これをもって終了いたしました。  次会は、明8日(火曜日)定刻に開きます。       ──────────────────────────── ○原口亮志 議長  では、本日はこれをもって散会いたします。                             午後 3時14分 散会 〇本日の会議に付した事件 一、日程第1 一、発議第1号 ロシア連邦のウクライナ侵攻に抗議する決議について 令和4年3月7日 出席議員 47名       1番   原 口 亮 志        2番   園 川 良 二       3番   山 本 浩 之        4番   北 川   哉       5番   古 川 智 子        6番   島 津 哲 也       7番   吉 田 健 一        8番   伊 藤 和 仁       9番   平 江   透       10番   荒 川 慎太郎      11番   齊 藤   博       12番   田 島 幸 治      13番   日 隈   忍       14番   吉 村 健 治      15番   山 内 勝 志       17番   高 瀬 千鶴子      18番   三 森 至 加       19番   大 嶌 澄 雄      20番   光 永 邦 保       21番   高 本 一 臣      22番   福 永 洋 一       23番   西 岡 誠 也      24番   田 上 辰 也       25番   浜 田 大 介      26番   井 本 正 広       27番   藤 永   弘      28番   田 中 敦 朗       29番   紫 垣 正 仁      30番   小佐井 賀瑞宜       31番   寺 本 義 勝      32番   原     亨       33番   大 石 浩 文      34番   村 上   博       35番   上 田 芳 裕      36番   那 須   円       37番   澤 田 昌 作      38番   田 尻 善 裕       39番   満 永 寿 博      40番   田 中 誠 一       41番   津 田 征士郎      43番   藤 山 英 美       44番   落 水 清 弘      45番   倉 重   徹       46番   三 島 良 之      47番   坂 田 誠 二       48番   白河部 貞 志      49番   上 野 美恵子 欠席議員  1名      16番   緒 方 夕 佳 説明のため出席した者   市長       大 西 一 史    副市長      深 水 政 彦
      副市長      中垣内 隆 久    政策局長     田 中 俊 実   総務局長     宮 崎 裕 章    財政局長     田 中 陽 礼   健康福祉局長   石 櫃 仁 美    環境局長     三 島 健 一   都市建設局長   井 芹 和 哉    交通事業管理者  古 庄 修 治   教育長      遠 藤 洋 路 職務のため出席した議会局職員   局長       富 永 健 之    次長       和 田   仁   議事課長     池 福 史 弘    政策調査課長   上 野 公 一...