熊本市議会 > 2021-12-02 >
令和 3年第 4回定例会−12月02日-03号

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  1. 熊本市議会 2021-12-02
    令和 3年第 4回定例会−12月02日-03号


    取得元: 熊本市議会公式サイト
    最終取得日: 2022-11-22
    令和 3年第 4回定例会−12月02日-03号令和 3年第 4回定例会   令和3年12月2日(木曜) ┌─────────────────────────────────────┐ │ 議 事 日 程 第3号                         │ │ 令和3年12月2日(木曜)午前10時開議                │ │ 第  1 一般質問                           │ └─────────────────────────────────────┘                             午前10時00分 開議 ○原口亮志 議長  ただいまより本日の会議を開きます。       ──────────────────────────── ○原口亮志 議長  日程第1「一般質問」を行います。  発言の通告があっておりますので、順次発言を許します。  まず、藤永弘議員の発言を許します。藤永弘議員。          〔27番 藤永弘議員 登壇 拍手〕 ◆藤永弘 議員  皆様おはようございます。公明党熊本市議団の藤永弘でございます。  議員になって一般質問は10回目、代表質問も含めますと11回目の登壇となります。登壇の機会をいただいた議員の皆様には、心より感謝申し上げます。本当にありがとうございます。  では、通告に従って質問していきたいと思います。  最初に、新型コロナウイルス感染症第6波対策についてお伺いいたします。  政府は先月12日、今後、懸念される新型コロナウイルスの感染第6波に備えた全体像を決定しました。対策では今年の夏、第5波の2倍となっても対応ができるように、医療提供体制の強化やワクチン接種の促進、治療薬の確保を進めることなどが柱となっています。
     医療提供体制の強化については、第5波では最大で約2万8,000人の入院が必要となり病床が逼迫し、自宅療養を余儀なくされる人が相次ぎました。こうした事態を再び招かないために、今年夏のピーク時と比べて、3割増しの3万7,000人が入院できる体制の11月末までの構築を掲げました。12月からは医療機関別病床使用率を公表します。第5波では、受入れ可能と申告しながら、実際には患者を受け入れない医療機関の存在が問題となりました。受入れ可能な病床が確実に使用できるよう、実態を把握することが重要です。  3回目のワクチン接種については、希望する全員が追加接種を受けられる体制を整備する。先月15日には、全額公費負担で12月から、3回目の接種を始めることが決まりました。治療薬は、自宅で服用できる経口治療薬、飲み薬を、今年度中に約60万回分確保する。アレルギーなどでワクチン接種ができない人のためにも、実用化を急ぐべきと考えています。重要なのは、これらの対策の実効性を確保することだと思います。とりわけ欠かせないのが、感染拡大時に医療人材を確保する体制づくりであります。  そこで、まずは医療体制の整備についてお尋ねいたします。  1点目、入院受入れ増とは入院可能人数をどれだけ増やし、何床必要なのでしょうか。  2点目、政府の方針では11月末までに体制の構築を打ち出していますが、構築はできたのでしょうか。  以上2点、大西市長にお伺いいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  第6波に向けた医療体制等の整備については、先般、熊本県の保健・医療提供体制確保計画が策定され、その中で、県全体の最大入院者数については、第5波の入院者ピーク時の約2割増となる544人、必要病床数については、最大で680床を想定されたところです。  県では、既に緊急時最大で764床を確保しておりますものの、病床が少ない圏域でのさらなる病床確保を県市連携で進めた結果、12月1日時点で、県全体の確保病床数は27床増の669床、緊急時最大で42床増の806床となったところです。  本市においても、確保病床数で14床増の220床、緊急時最大で37床増の281床に増床するなど、さらなる病床確保を着実に進めましたほか、自宅療養者等へのフォローアップ体制をはじめ、中和抗体薬の投与体制や保健所体制のさらなる強化等を図ったところであり、第6波に向けて万全の体制で臨んでまいります。          〔27番 藤永弘議員 登壇〕 ◆藤永弘 議員  第6波に向けて、万全の体制で臨んでいくとの力強い答弁をいただきました。新たな変異株ウイルスオミクロン株の感染が世界各国に広がりを見せていますので、油断なくよろしくお願いしておきます。  続けて、3回目のワクチン接種についてお伺いいたします。  新規感染者が急減した要因については、複数の要因があるとしながらも、人々の行動変容とワクチン接種が進んだことで相乗効果を生んだのではと考えられています。また、高齢者を中心に接種が進んだことで、死者が大きく抑えられました。  しかし、現時点では感染者が抑えられていますが、ワクチン接種後、時間がたつにつれて予防効果が落ちます。そこで、効果を持続させるための3回目のワクチン接種が第6波に備えて必要となります。  そこで、3回目のワクチン接種についてお尋ねいたします。  1点目、接種の場所。  2点目、接種のスケジュール。  3点目、5歳から11歳までの接種が始まったときの優先順位。  4点目、2回目までとは異なるワクチンを打ってもよい交互接種管理等の混乱対策。  5点目、2回目接種後に引っ越した人は漏れる可能性もあり、周知は大丈夫か。  以上5点、健康福祉局長にお伺いいたします。          〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕 ◎石櫃仁美 健康福祉局長  3回目のワクチン接種に関する5点の御質問に順次お答えいたします。          〔議長退席、副議長着席〕  まず、接種場所につきましては、1、2回目の接種と同様に、個別医療機関及び集団接種会場にて接種を行うこととしております。  次に、接種スケジュールにつきましては、3回目接種が2回目の接種完了から原則8か月以上間隔を空けることが国より示されております。今月より医療従事者の方を中心に接種を開始し、来年1月以降は施設に入所されている高齢者及び従事者の方、2月以降に在宅の高齢者の方に接種を行っていくこととしております。  次に、5歳から11歳までの接種、いわゆる小児接種につきましては、引き続き国において議論されているところでございますが、小児接種を行うこととされた場合にも、並行して実施できるよう準備してまいります。  次に、1、2回目と3回目に異なる種類のワクチンを接種する、いわゆる交互接種につきましても、引き続き国において議論されているところです。複数種類のワクチンを取り扱う際には、ワクチンごとに接種日時や接種場所を明確に分けることや、容器やその管理を明確に分けること、責任者、担当者を置くこととされており、実施する場合、本市におきましても必要な対応を図ってまいります。  最後に、2回目接種後に引っ越しをされた方への対応につきましては、転入先の自治体において接種履歴を確認した上で接種券を交付し、3回目接種を希望する方の接種機会を確保しているところでございます。          〔27番 藤永弘議員 登壇〕 ◆藤永弘 議員  1回目、2回目のワクチン接種については、熊本市は当初の予約の混乱を除けば、ワクチン接種対象者の約9割の方が接種する見込みと、非常に高い接種率となり比較的スムーズに行われましたが、3回目はさらに予約も混乱なくスムーズに行われ、トラブルがないように求めておきます。  続けて質問します。  政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会は、先月16日の会合で、感染拡大時でもワクチン接種証明や検査の陰性証明を用いて行動制限を緩和する、ワクチン検査パッケージの制度案を了承しました。接種証明では写真画像やコピーも利用でき、医療提供体制が逼迫しそうな場合は、制度を適用しないこともあるとしました。  山際経済再生担当相は分科会後の記者会見で、パッケージについて、新規感染者が増えている状況でも社会経済活動が続けられる工夫だと説明しました。尾身分科会長は、感染状況によっては制度の停止もあると述べました。  ワクチン接種証明の有効期限は当面設けない方針。画像、コピー利用の際は、身分証明書による本人確認も行います。検査の陰性証明に関してはPCR検査を推奨し、有効期限は検体採取日より3日以内とする。イベント会場などでの抗原定性検査の場合は検査日より1日以内。おおむね6歳未満の未就学児は、保護者が同伴すれば検査不要となります。  今後、緊急事態宣言まん延防止等重点措置が適用された場合でも、大規模イベントについては大声を出さないなどの感染防止安全計画を主催者が策定すれば、収容定員まで観客を入れることが可能となります。飲食でも都道府県が認証した店では人数制限を設けません。  そこでお伺いいたします。  1点目、接種証明はどこでどのようにして取得するのでしょうか。  2点目、マイナンバーカードの読み取りに対応していないスマートフォンの方はどうするのでしょうか。  3点目、ワクチン接種済証(臨時)をなくした人は、どのようにして取得するのでしょうか。  以上3点、健康福祉局長にお尋ねいたします。          〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕 ◎石櫃仁美 健康福祉局長  ワクチン接種証明書に関する3点の御質問にお答えいたします。  接種証明書の取得方法につきましては、12月中旬以降、スマートフォンを使用して電子の証明書を取得する方法と、郵送及び窓口での紙の証明書を取得する2つの方法を予定しております。  まず、スマートフォンを使用した電子の証明書につきましては、国が提供するアプリを活用する方法が予定されており、取得にはマイナンバーカードが必要となります。そのため、マイナンバーカードをお持ちでない方や、マイナンバーカードの読み取りに対応していないスマートフォンをお持ちの方にも対応できますよう、本市独自の電子申請、電子交付につきましても、来年1月以降の運用開始に向けて準備を進めているところでございます。  また、スマートフォン等をお持ちでない方への対応につきましては、市役所14階に臨時の窓口を設け、紙の証明書を発行することとしております。  最後に、接種済証を紛失された場合の接種証明書の取得方法につきましては、接種実績がワクチン接種記録システム等で確認できる場合、免許証等により本人確認を行い、市役所14階の臨時窓口におきまして発行いたしますので、御安心いただきたいと存じます。          〔27番 藤永弘議員 登壇〕 ◆藤永弘 議員  マイナンバーカードの読み取りに対応していないスマートフォンを持っている私にも対応できるよう、本市独自の電子申請、電子交付についても運用開始に向けて準備をしているとのこと。また、市役所14階に臨時の窓口が設置されるようで安心しました。  次は、飲酒運転根絶に向けた対策についてお伺いします。  正直、昨年の本市職員の飲酒運転はなく、質問しようかしまいかと迷ったそのときに、再任用者の飲酒による事故がありましたので、やるべしと決めて、飲酒運転根絶に向けた施策についてお尋ねいたします。  本年6月28日に千葉県八街市で、飲酒運転により児童5人が死傷するという痛ましい事故が発生しました。マスコミ報道等では通学路の整備に焦点が当たっていますが、この事故の主な要因が飲酒運転であることは明らかです。1999年に東名高速道路にて幼児2人が犠牲になる事故を契機に、飲酒運転に対する厳罰化が進みましたが、アルコール依存症に由来するものなど、根の深い問題は依然として十分に対応しているとは言えません。  2006年8月25日に福岡市東区の海の中道大橋で、市内在住の会社員の乗用車に、当時22歳の福岡市職員男性の飲酒運転乗用車が追突して博多湾に転落し、会社員の車に同乗していた3児が死亡した事故があり、福岡県は飲酒運転撲滅条例を制定し、飲酒運転は絶対にしない、させない、許さないことを生活の中に定着させ、社会全体で取組を行い飲酒運転の撲滅に取り組んでいます。  福岡県教育委員会飲酒運転防止に関する指導の手引を作成し、平成30年2月には改訂版を出しています。手引の内容は10項目あり、条例について、学校における指導、学校・家庭・地域等の連携、アドバイザー派遣の手引などが記載され、飲酒運転撲滅に取り組まれています。  そこで、今回は市職員、小・中・市立高校に対しての本市の飲酒運転撲滅への取組をお伺いいたします。  1点目、飲酒運転根絶に向けた機運を高める啓発の取組は今もされているでしょうが、さらに今後、新たな取組は考えているのでしょうか。  2点目、今回の再任用の職員はアルコール依存症ではないかと思われる点があり、アルコール依存症対策の推進が必要ではないでしょうか。そのため、アルコールに関する定期的なスクリーニングテストを行ってはと考えますが、いかがでしょうか。  3点目、福岡県教育委員会飲酒運転防止に関する指導の手引を作成し、飲酒運転撲滅に向けた取組をなされていますが、本市においても、学校等においての飲酒運転撲滅に向けた飲酒教育実施のお考えはあるのでしょうか。  1点目、2点目を大西市長に、3点目を教育長にお尋ねいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  本市ではこれまで、飲酒運転の根絶に向けた全職員の決意として、熊本市飲酒運転撲滅宣言を行うとともに、各職場の飲酒のルールをつくり朝礼や終礼等の機会を通して確認する等、飲酒運転の根絶に対する意識啓発に取り組んでまいりました。  また、階層別研修の中に倫理研修を組み込むことで、全職員が飲酒運転に対する意識を高める機会を設けるとともに、懲戒免職を基本とした厳正な処分を行うことにより、市としての決意を明確にしてきたところです。  今回の事案を受け、職員一人一人が絶対に飲酒運転をしないという意識を再度徹底させるため、現在実施しております職員倫理月間において、飲酒運転の加害者等の実体験に基づく手記を活用した研修を実施しております。  さらには、新たな取組といたしましてコンプライアンス担当監による講話を予定しておりまして、飲酒に対する自己管理とともに、市職員として自覚と責任を持った行動を取る意識づけを徹底してまいります。  次に、アルコールの過剰摂取については、自身の健康障害はもとより、職務に与える影響も大きいことから、アルコール摂取に関する自覚を促すとともに実態を把握する手段としてスクリーニングテストは大変有効であると考えられるため、速やかに着手してまいります。  飲酒運転はいかなる理由があっても絶対に許されるものではなく、今後もあらゆる機会を捉え様々な対策を講じることで、飲酒運転の根絶と市政の信頼回復に職員一丸となって全力で取り組んでまいります。          〔遠藤洋路教育長 登壇〕 ◎遠藤洋路 教育長  学校における取組についてお答えいたします。  学校では、学習指導要領に基づき、小学校6年の体育科保健領域、中学校2年の保健体育科保健分野において、飲酒が身体に及ぼす影響やアルコール依存性等について学習しているほか、各学校で喫煙・飲酒・薬物乱用防止教室を開催し、学校薬剤師警察関係者等による講演を通して、飲酒等の影響や危険性、誘われたときの断り方などについて学習しております。議員御紹介の福岡県教育委員会飲酒運転防止教育も参考に、今後の取組について研究してまいりたいと考えます。          〔27番 藤永弘議員 登壇〕 ◆藤永弘 議員  新たな取組としてコンプライアンス担当監による講話を予定しており、市職員としての自覚と責任を持った行動を取る意識づけを徹底していくとのこと。また、アルコール依存症対策の推進に、スクリーニングテストも速やかに着手されるとのことですので、二度と市職員の飲酒運転がないようにしてください。社会から飲酒運転を根絶するためには、小中学校の早いうちから教育の場において、飲酒運転根絶の基盤を確立する必要があるのではと考えますので、よろしくお願いします。  次に、災害時の避難の勧めについてお伺いします。  私は、頻繁に起こる災害に対して被害を最小限にするためには、ハード面の整備と災害の危険が高い地域に住んでいる方の避難が欠かせないと思っています。その災害のリスクの高い方に避難していただくためには、どうすればいいのか考えています。  昨年9月の質問で、本市においては、避難所に避難する人は横ばいと聞いています。避難しなければいけない人の避難が少ないと考えられ、崖崩れが起こる可能性が高い場所にお住まいの方には一軒一軒お知らせしてあるので、比較的避難者が多いようで、浸水の方でも、一軒一軒浸水の可能性が高いお宅へのお知らせができないかという思いで、熊本市のハザードマップを見ても検索が丁目までしかできず、私も自分の家が最悪の場合、何メートルまで浸水するのか、はっきりとは分かりません。  また、そもそも調べることのできない人もおられます。命に危険が及ぶ地域に住んでいる認識がなく、避難指示があったとしても避難しない人がいると考えられます。その方たちに自分の家の危険性をお知らせし、レベル3で避難するのかレベル4で避難するのか、判断の情報提供が必要ではないかと思うと述べた後に、今はスマートフォンをお持ちの高齢者の方も多いので、本市のハザードマップスマートフォンから自分の家の住所で何番地何号まで検索できるようにし、実際の災害時にどのくらいの浸水が起こるのか、避難の目安など、ピンポイントで検索できるようにできないでしょうかとの質問をしました。  そして今、自分の家からピンポイントに、災害時にどのくらいの浸水が起こるのかが分かるようになりました。これは画期的前進と思い、高く評価いたします。しかし、それを有効に活用しないと何にもなりません。特に年配者の方には活用の方法が分からない人もいます。そもそもピンポイントでの浸水情報が得られることすら知らない人もおられ、有効活用が求められます。  もう一つ活用していただきたいことがあります。それは気象防災アドバイザーです。国は、地域の気象と防災業務に精通する気象防災アドバイザーの充実を推進しています。この気象防災アドバイザーは、気象台OB、OG等に国土交通省から委嘱した者であり、平常時は、防災気象情報の読み解き方法等について地方公共団体職員や住民に対し継続的に解説するとともに、災害発生が見込まれる際には、地方公共団体災害対策本部等に駐在し、幹部職員を含む防災職務を担う職員に対して地域の特性を踏まえた気象解説を実施するなど、気象台とは異なり、地方公共団体側のスタッフとして防災業務を直接支援します。  この気象防災アドバイザーになるためには、気象防災アドバイザー育成研修を受講しなければなりません。過去には平成30年2月〜3月にかけて一度行われているだけです。そこで私は、次はいつ行うかを気象庁に尋ねました。タイミングよく、来年度行うための予算要望をしているところとの回答を得ました。このタイミングを逃してはいけません。  そこでお尋ねいたします。  1点目、校区防災連絡会に調査費を出してでも調査をお願いし、スマートフォンを活用して、0.5メートル以上浸水する48校区の住宅一軒一軒に浸水リスクをお知らせし、避難行動の調査もしてはと考えますが、いかがでしょうか。  2点目、気象防災アドバイザー育成研修の申込みがある前に、気象予報士会に郷土のために働いていただけるように気象防災アドバイザーの募集をし、受講していただいたらと思いますが、いかがでしょうか。  以上2点、大西市長にお尋ねいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  災害時において自らの命を守るために最も重要なことは、素早い避難開始と迅速な避難行動であり、本市ではそれを促すための一つの方策として、各種ハザードマップを作成し、市民の皆様への周知啓発に取り組んでいるところです。  議員御提案のスマートフォン版ハザードマップを活用した、戸別訪問による浸水リスクの周知や避難行動の事前把握は、有事の際の迅速かつ着実な避難行動につながる有効な取組であると考えます。一方で、対象戸数が膨大であり相当の時間を要するなどの課題もありますことから、引き続き、リスク周知等の在り方について、校区防災連絡会避難所運営委員会と検討を行ってまいります。  次に、気象防災アドバイザー育成研修への受講促進については、現在、国においてアドバイザー制度の拡充に向けて取り組まれているところでございまして、今後、先進事例や活用効果も含め研究してまいりたいと考えております。          〔27番 藤永弘議員 登壇〕 ◆藤永弘 議員  大西市長より、スマートフォン版ハザードマップを活用した戸別訪問による浸水リスクの周知や、避難行動の事前把握は大変有効と認めていただきました。一方で、対象戸数が膨大で課題もあるとの答弁をいただきました。  確かに私の質問では、0.5メートル以上浸水する48校区の住宅、大西市長の指摘された課題があります。次回の質問では、命に危険が及ぶおそれのある住宅に対して、一軒一軒浸水リスクをお知らせと変えますので、過去の事例で命に危険が及んだ浸水の対象が、48校区中どの住宅か調べておいてください。  次は、火葬場、斎場の予約システムについてお伺いいたします。  遺族の方が葬儀社と通夜、告別式等の打合せをする際、火葬の時間が決まらず通夜、告別式等の日時が決定できず、親族等へ連絡するため早く決めたいと言われ困るときがあるとの相談を葬儀社の方より受けました。  熊本市斎場の火葬予約受付時間は、午前8時30分から午後5時15分までとなっています。火葬時間は9時、9時30分、10時、10時30分と30分ごとの予約受付で、電話またはファクスでの受付になっています。熊本市植木火葬場では火葬時間が8時30分、11時、13時30分、16時の1日4回です。  したがって、午後5時15分以後に亡くなった方の火葬の予約は次の日からになります。今どき火葬の予約を電話やファクスで受け付けるやり方をしているのかと、私はびっくりしました。午後5時15分以後と言いましたが、実際は葬儀社との打合せを亡くなってすぐにできるわけではありませんので、もっと早い時間からその日の火葬の予約ができないことになります。本市が予約システムを導入すると、家族の方や葬儀社の困り事の解決だけではなく、火葬場、斎場の運営もスムーズに行えるようになると考えられます。  人の不幸は突然訪れるため、火葬場、斎場の利用予約も、ほとんどの場合は突発的に連絡が入り、予約されます。予約から当日火葬場を利用するまで葬家側も慌ただしく過ごすため、火葬場の予約や当日の案内、管理運営を行う市や組合の業務負担も大きくなりがちです。火葬場の予約受付にホームページでの予約システムを導入し、当日の業務内容も踏まえた上で、必要な機能を持ったシステムを導入するのが重要です。火葬場、斎場の予約のために予約システムを導入すると、インターネット上で24時間365日予約受付が可能となります。突発的な予約が多い火葬場、斎場の予約も、いつでも受けられるのがメリットです。  利用者は、ウェブ上の予約システムを予約方法として選択するケースが多くなるため、電話やメール、ファクス等からの予約による業務負担の軽減にもつながります。予約情報の修正や変更も、利用者側自身予約システムを通じてできるため、火葬場スタッフが予約修正や変更の対応に追われることも少なくなると考えられます。予約システム予約受付だけでなく、火葬場、斎場の空き状況の照会もできます。葬家や葬祭業者からの空き状況の問合せへの対応による負担も減らせます。  火葬場、斎場の予約受付の手段を複数用意している場合でも、予約システムは既存の予約方法と併用しやすいメリットがあります。電話、メール、ファクス等複数の手段で予約を受け付けていた場合、二重予約や予約を受け付けたタイミングによっては、ダブルブッキングになってしまうことがあります。予約システムは、様々な手段で受けた予約情報をリアルタイムに一元管理できるため、二重予約やダブルブッキングも防げます。火葬場、斎場の予約に予約システムを導入すると、予約業務だけでなく当日の案内などの業務、火葬場利用データの統計や集計などの業務負担も減らせると考えます。  そこでお伺いします。  火葬場、斎場の予約受付への予約システムの導入を健康福祉局長にお尋ねいたします。          〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕
    ◎石櫃仁美 健康福祉局長  熊本市斎場における火葬予約の方法につきましては、電話及びファクスによる受付及び確認を行い、火葬日時の決定を行う方法となっております。しかし、夜間などの業務時間外におきましては、ファクスによる仮受付は行っているものの、火葬日時の決定はできないことから、翌日改めて確認の御連絡をいただいているところです。  議員御提案の予約システムにつきましては、市民の皆様の利便性向上や斎場運営の効率化などが期待できることから、今後、先行都市の事例を研究しながら導入に向けて取り組んでまいります。          〔27番 藤永弘議員 登壇〕 ◆藤永弘 議員  導入に向けて取り組まれていくとのことですので、利便性の高い火葬予約システムの導入を期待しておきます。  次は、人生の最終段階に受けたい医療についてお伺いいたします。  治療がない状態では生きられない、自力では生きられない人に行う延命治療。平成25年版の高齢社会白書によると、延命治療を希望しない高齢者は全体の91%にも上ることが明らかになっています。  なぜ延命治療を選択しないのか。それは、延命治療しない方が自然な死を迎えることができるためです。延命せず、穏やかに逝きたいと考えている人が増えているのではないでしょうか。難しい話題ではありますが、延命治療やどのような最期を迎えたいのかについて、親や家族ときちんと話し合っておくことは大切だと思います。  高齢の親が延命治療しないと言った場合は、延命治療する際には親の意識がないことも多いので、その親の意思を書面に残しておくと安心です。熊本市には、人生の最終段階に受けたい医療を考える人の思いに寄り添うためにつくられた、メッセージノートがあります。在宅療養患者等の救急医療等に関する検討会により作成されたものです。  一部抜粋し紹介します。誰にでも死が訪れます。亡くなることの話をすることは、「そんな縁起でもない」とか「まだまだ元気だから」と、元気な時だからこそ、人生の最期をどのように迎え、送りの儀について家族や身近な人達と話し合ったり考えてみることも大切では、事前に考えたり家族と話したりするきっかけの一つで、遺言書のように法的な拘束力があるものではありませんと初めに書いてあります。  西日本新聞本年8月11日付に、119番後に蘇生拒否、九州で357件、救急隊員、国の指針なく困惑との記事が掲載されていました。今のルールにおいては、救急隊員の使命としては全力で命を助けるしかない。しかし、家族が拒否する中での心肺蘇生の行動に、心の葛藤が生じるのは当然のことと考えます。  東京消防庁はそのことを踏まえて、心肺蘇生を望まない傷病者への対応について、新たな運用を開始しました。運用要件は次の4項目です。1、ACP、傷病者を中心とした家族や医師等との終末期の医療についての話合いが行われている成人で、心肺停止状態であること。2、傷病者が人生の最終段階にあること。3、傷病者本人が心肺蘇生の実施を望まないこと。4、傷病者本人の意思決定に際し想定された症状と、現在の症状とが合致すること。これを踏まえ救急隊員からかかりつけ医等に連絡し、これらの項目を確認できた場合、心肺蘇生を中断し、かかりつけ医等または家族等に傷病者を引き継ぐ仕組みとなっています。  そこでお伺いいたします。  1点目、家族の認識を高めるため、家族の方の同意署名、加えてかかりつけ医師の同意署名、携帯電話番号を書いていただき、メッセージノートの効力を高めることが必要ではと考えますが、いかがでしょうか。  2点目、容体が急変し慌てて救急車を呼んだとしても、このメッセージノートを家族が示し蘇生拒否した場合は、東京消防庁の運用を参考に、傷病者本人の意思決定を尊重するようなルールづくりはできないでしょうか。  以上2点、中垣内副市長にお尋ねいたします。          〔中垣内隆久副市長 登壇〕 ◎中垣内隆久 副市長  延命治療について2点お尋ねいただきました。  まず、本市のメッセージノート事業につきましては、患者本人の意思を尊重した人生の最終段階の医療に関する理解を深め、在宅医療・介護と救急医療の連携を推進することを目的といたしまして、平成28年2月から実施いたしております。その上で、各区役所の福祉課やささえりあ等の活動、あるいは出前講座の開催等を通じて普及啓発を行っているところでございます。  市民の皆様が御自身の終末期に受けたい医療につきまして、事前に御家族やかかりつけ医等と話し合い、御本人の意思を形として残しておかれる。このことは大変重要と考えておりまして、今後、議員から御提案いただきました御家族の同意署名の追加等につきましても、医療・在宅介護等の関係者で構成する、在宅療養患者等の救急医療等に関する検討会において検討を行ってまいります。  続きまして、蘇生を望まない傷病者への対応につきまして、国としての統一方針は策定されておりませんが、そもそも救急業務につきましては生命に危険があれば応急処置をし、医療機関に搬送するとされております。  このことから、本市におきましては処置を継続しながら医療機関に搬送しておりますけれども、一方で蘇生を望まない傷病者への対応につきましては、熊本市メディカルコントロール協議会におきまして協議いたしました。その中で、委員である医師の方から、本市のみではなく県全体としてのルールづくりが必要という御指摘をいただきました。これを受けまして、熊本県メディカルコントロール協議会での検討をお願いすることとなったところでございます。  人生の最終段階におけます医療の在り方は、住民一人一人の生命観あるいは倫理観に関連する大きな問題でございます。大変重要であると認識しております。今後、国の動向を注視いたしまして、熊本県メディカルコントロール協議会をはじめ関係機関と協議、連携、検討してまいりたいと思っております。          〔27番 藤永弘議員 登壇〕 ◆藤永弘 議員  家族の方の同意署名、かかりつけ医師の同意署名、携帯電話番号が加わり、メッセージノートの効力が高まり、また、救急隊員が現場で困惑することがないようなルールづくりができればと考えます。中垣内副市長は総務省におられましたので、副市長の総務省との太いパイプで国に働きかけて、ぜひとも国の指針を決めるように促していただき、地方が困惑することのないようにお願いしておきます。  最後の質問です。  ペット可災害公営住宅についてお伺いいたします。  ペット可災害公営住宅については、昨年9月に質問しました。また聞く、しつこいと思われるでしょうが、新たな検討の材料も少し用意しましたので、前向きな答弁がいただけるとの思いで質問いたします。  昨年9月の質問に対し、大西市長からは、公営住宅におけるペット飼育については、高齢者等の心のケアへの効用などから、先駆的な他の自治体での取組も見られましたが、悪臭や鳴き声等のトラブルにより廃止されるなど、一般的には入居条件として認められておりません。  熊本地震では、被災者の心のケアを含む一日も早い生活再建の観点から、発災時に飼育していたペット一代限りの入居条件の下、民間賃貸住宅の供給が少なかった南区城南地域に舞原第三団地16戸を整備いたしました。当該団地は令和元年11月の供用開始後、管理上のトラブルや苦情等は見受けられませんが、実際の飼育状況や問題が起こった場合の対処等、従来からの懸案事項を見極めている状況にございます。このため、舞原第三団地の入居条件につきましては、今後の当該団地での管理運営の状況を踏まえ、慎重に検証してまいりたいと考えておりますとの答弁をいただいたところです。  東京都のペット可住宅のモデル事業について視察をしたかったのですが、東京都は視察の受入れがなく、仕方なくリモートによる視察をいたしました。大西市長の答弁の中、先駆的な他の自治体での取組も見られましたが、悪臭や鳴き声等のトラブルにより廃止されるなどとありましたが、東京都の場合、平成14年10月から3年間のモデル事業として始められ、5年延長し、8年間ペット可住宅として都営住宅の中でモデル事業を実施されました。  しかし、鳴き声、ふんの始末、臭い等のトラブルがあり、苦情の解決ができず、アンケートを取り、廃止とルールが守れないなら廃止を合わせて7割あり、廃止を決定されました。この都営団地は30棟のマンモス団地で、ペット飼育解禁の声に応じて、30棟の中でペット飼育に比較的理解のある4棟をモデル住宅とし、飼育する人、しない人が入り混じる住宅として開始されました。  私が思うに、同じ棟の住民に飼育するお宅、しないお宅が混同したら、トラブルが起こるのは当たり前と思いました。舞原第三団地の場合とは規模も始まりも全く違います。さらに、平成23年より新しく飼育することはできないように決まりましたが、いまだに1割のお宅で飼育されているみたいです。  舞原第三団地の入居者の方に今回、浜田議員とともにアンケートによる訪問調査を行いました。そこで分かったことは、既に亡くなったペットがいるということです。その方は、しば犬とミニチュアダックスフンドの2匹を飼育していたが、屋外で飼育していた犬を部屋での飼育に変えたことでのストレスにより、病気になり死んだ。新しく飼育したいが、決まりだから我慢しているとのこと。今後の舞原第三団地については、全員が、将来もペット可の団地であってほしいとの回答でした。  また、今後、ペットを飼育されない住居者が新たに入ったときは、仲よくやれると答えた人より、ペットによるトラブルの発生が心配との回答が多くありました。このことを踏まえても、新たな入居者にペット不可を条件にすることは、わざわざ新たな悩みの種を本市が持ち込むだけと考えます。  そこで大西市長にお伺いします。  舞原第三団地については、今後新たに募集する場合も、ペット可の団地で募集してはと思いますが、いかがでしょうか。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  市営舞原第三団地については、令和元年11月の供用開始から2年が経過したところでございますが、これまでにペットに関する管理上の問題や入居者間のトラブルは発生しておりません。  そこで入居者からの要望を踏まえまして、ペットを飼育していく上での懸案事項について、入居者の方々や関係団体等との協議を通じまして、よりよい運用ルールとなるように検討してまいりたいと考えております。          〔27番 藤永弘議員 登壇〕 ◆藤永弘 議員  入居者からの要望を踏まえ、入居者の方々と協議し、よりよい運用ルールとなるよう慎重に検討されるとのこと。募集の必要性のない今のうちに、入居者の方が納得できるように、入居者の方との十分な話合いを求めておきます。  今回、私の用意した項目は以上で終了しました。全般ちょっと早口でいったので少し時間が余りました。今日、傍聴していただいた皆様、また議員の皆様、そして、インターネットを見ていただいた皆様、市長をはじめ執行部の答弁、心より感謝申し上げます。  本当にありがとうございました。(拍手)       ──────────────────────────── ○園川良二 副議長  この際、議事の都合により休憩いたします。  午前11時10分に再開いたします。                             午前10時53分 休憩                             ───────────                             午前11時10分 再開 ○原口亮志 議長  休憩前に引き続き会議を開きます。       ──────────────────────────── ○原口亮志 議長  一般質問を続行いたします。  上野美恵子議員の発言を許します。上野美恵子議員。          〔49番 上野美恵子議員 登壇 拍手〕 ◆上野美恵子 議員  日本共産党熊本市議団の上野美恵子でございます。  限られた時間でございますけれども、日頃市民の皆様にお寄せいただいております声をしっかりと届けてお尋ねしてまいります。  初めに、新型コロナウイルス感染症対策です。  第1は大規模な社会的検査です。  現在、新規感染者が減少して、本市リスクレベルは1となりましたが、世界的にはオミクロン株の拡大が新たな脅威となり、日本でも昨日、国内2例目の感染者が確認されました。世界各国で急速な対応が始まっています。ワクチン接種は進んでいますが、接種後のブレークスルー感染もあり、感染抑止のため大規模な社会的検査を行うことが必要です。しかし、1か月間の検査数の比較で日本の人口当たりのPCR検査数はイギリスの23分の1、フランスの9分の1、アメリカの8分の1です。本市でも新規感染者の減少とともに検査数は急激に減っています。  国内初の病院クラスターが発生した和歌山県では、知事を先頭に、当時の国のPCR検査抑制方針の中で徹底的な検査を行い、院内感染を封じ込め、その後の感染拡大も抑制してきました。その後、世田谷区や広島県でも、誰でもいつでも何度でもの大規模な社会的検査が行われました。  新規感染者が減り国内の移動が始まっている今こそ、追加接種を含むワクチン接種と一体に、無料での大規模な社会的検査を実施していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  第2に、コロナ危機で傷んだ暮らしと営業への支援です。  新型コロナウイルス感染症発生から2年近くがたちました。多くの人が仕事や収入が減り、困窮し、中間層でもボーナス賃金の減少で教育費、住宅ローンの重い負担に生活が悪化しています。事業者はさらに深刻で、売上げの大幅減少や借入金の増大など、再建困難な事態が広がっています。新型コロナウイルス感染症で傷んだ暮らし、営業の深刻な実態を放置すれば、新型コロナウイルス感染症の終息後は深刻な経済危機に陥ります。  しかし、国は国民の求める持続化給付金、家賃支援給付金、特別給付金を1回しか支給していません。現在、政府が打ち出している総額55兆7,000億円の新型コロナウイルス感染症の長期化を受けた過去最大規模の財政支出も、その中身が極めて不十分なことが判明しております。  本当に困った人への支援で2点伺います。  1、国の困窮者向け給付金10万円は、住民税非課税世帯を対象とするために、単身世帯で給与収入が年間96万円を超えれば対象になりません。月額8万円は生活保護基準を下回る金額で、非正規労働者や多くの困窮世帯が対象外となります。子育て世代と同様の中間層まで含めるような年収1,000万円未満を対象とするなど、要件の緩和を国へ要望するとともに、市独自に10万円への金額上乗せを実施していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。  また、文部科学省の調査では、新型コロナウイルス感染症の影響で学業を続けられず、今年度大学を退学、休学した学生が5,000人を超えていると報告されています。本市でも困窮した学生への給付金支給を実施していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。  2、事業者支援では、首相が昨年の持続化給付金並みと言ってきた事業者向け給付金は、幅広くといいながら給付額が昨年の持続化給付金と比べ半分程度です。この程度の支援では長期化した新型コロナウイルス感染症への支援として極めて不十分です。国に対し給付金の増額や対象期間の拡大などを要望していただくとともに、本市独自の給付も実施していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  以上、市長にお尋ねいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  まず、1点目の検査の実施についてのお尋ねにお答えいたします。  無症状の方の検査を行う場合は、クラスターの発生など感染拡大のリスクの高い場所等で実施することが効果的であると考えておりまして、これまでも中心市街地の飲食店従業員や高齢者等施設の従業者を対象に、重点的に実施してきたところでございまして、現在のところ、希望する全ての市民に対する大規模な検査の実施は考えておりません。  次に、給付金の実施についてでございますが、国が経済対策として閣議決定いたしました各種給付金については、これから国会での審議を経て予算化されるところでございます。本市といたしましてはその動向を注視し、速やかに対応できるよう万全の準備を行い、確実に事業を実施していくことで、長期化しているコロナ禍での市民の皆様の生活と暮らしを支援してまいりたいと考えております。  次に、新たな給付金である事業復活支援金につきましては、本年11月〜来年3月までのいずれかの売上げが、前年または前々年同月比でマイナス30%以上の企業等に対し支給されるなど、持続化給付金の売上げ基準と比べて支給要件が緩和されたことから、より多くの企業等が活用されるものと期待しております。  本市では、引き続き企業等の生の声を丁寧に伺いながら、必要に応じて、国に対しさらなる支援策の実施等を要望しますとともに、本市独自の対策についても検討してまいりたいと考えております。          〔49番 上野美恵子議員 登壇〕 ◆上野美恵子 議員  いろいろ御答弁いただきましたけれども、暮らしや営業への支援では、国の様子見の消極的な対応で市民の状況を全く分かっていないとしか思えません。私ども日本共産党熊本市議団には、コロナ禍に失業した、国保料、介護保険料や税などが払えない、給付金がもらえるでしょうかという訴えが次々に寄せられ、この窮状に何とか応えられるような対策をと思う毎日です。市長の答弁には市民に寄り添う姿勢が少しも感じられません。市民の声に耳を傾け、自治体の存在意義を発揮していただくようにお願いいたします。  検査では、先日行われた、市が出資する熊大病院の新興感染症対策寄附講座で、新型コロナウイルス感染症は発症前から感染力があることや、約6割が無症状者からの感染であること、しかもワクチン接種が進んだことで、感染しても症状が出にくくなっている点などを指摘されていました。無症状者を含めた新規感染者を早期に発見し、感染の火種を消すためには大規模な社会的検査が必要であり、新規感染者が減っている今こそ、その条件があるので実施を強く要望しておきます。  次に、石油の高騰対策です。  原油価格の高騰が止まらず、冬を迎えた今、灯油、燃油の値上がりに多くの人が頭を痛め、各家庭の暖房はもちろん、中小企業や農業、交通分野など幅広く影響を及ぼしています。熊本でも、昨年の11月には1,500円程度であった熊本県の配達灯油価格が、今年11月には2,000円台となっています。長期のコロナ禍で、厳しい市民の暮らしや事業者の営業をさらに圧迫する二重苦となっています。  過去に原油高騰が大きな問題となったとき、全国で福祉灯油などが実施され、家計や各事業者への支援が行われました。  そこでお尋ねいたします。  第1に、近年に例のない原油高騰によって影響を受けている低所得者、ひとり親、高齢者、障がい者並びに農業者、中小業者、運輸業界などの方々の声を市長はどのように聞かれているでしょうか。  第2に、生活保護世帯や低所得者世帯、ひとり親、高齢者、障がい者世帯等へ福祉灯油などの暖房費助成ができないでしょうか。  第3に、気温低下時に重油を燃やされるハウス農家などが、原油の値上がりに大変苦労しておられます。燃料費助成が実施できないでしょうか。  第4に、タクシーやバス事業者は、燃料の高騰が新型コロナウイルス感染症の影響による減収との二重苦になっています。支援を実施していただけないでしょうか。  市長並びに関係局長にお尋ねいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  原油高騰の影響につきましては、市民団体をはじめ市民の皆様から、冬期の負担増に対する不安の声や支援についての御要望を受けており、また、バス事業者との意見交換会においても、収支悪化の要因の1つと伺っております。  このような中、国において、備蓄石油の売却など原油高対策の取組を始めたところと承知しております。原油価格の安定は、市民生活はもとより、新型コロナウイルス感染症の影響で落ち込んだ経済回復を実現していく上でも大変重要な課題でございまして、今後も市民の皆様や事業者の皆様の御意見、御要望等を伺っていきますとともに、引き続き国の動向を注視し、必要とされる支援策について国への要望等を行ってまいりたいと考えております。          〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕 ◎石櫃仁美 健康福祉局長  私からは、生活に困窮する方等に対する暖房費助成についてお答えいたします。  生活に困窮する方等に対する暖房費助成につきましては、主に寒冷地等において実施されております。本市は南に位置し温暖で、灯油の1世帯当たりの消費額につきましては、全国平均の半分以下の額となっているところでございます。現在、国におきまして原油高対策の取組を始めましたことから、その動向を注視してまいりたいと考えております。今後も生活困窮に関する相談等について丁寧に聞き取り、国の施策も踏まえ適切な支援につなげてまいります。          〔岩瀬勝二農水局長 登壇〕 ◎岩瀬勝二 農水局長  施設園芸農家への燃料費高騰に対する支援につきましては、国が平成24年度から施設園芸等燃油価格高騰対策を講じまして、この中で燃油価格が一定基準以上に上昇した場合に補填金を交付する、施設園芸セーフティネット構築事業を開始しており、現在、継続的に推進しているところでございます。  本市としましては、国の支援対策を十分に活用することにより、引き続き農業経営の安定が図られるよう努めてまいります。          〔井芹和哉都市建設局長 登壇〕 ◎井芹和哉 都市建設局長  私からは、タクシーやバス事業者への支援策等についてお答えいたします。  タクシーやバス事業者への支援策につきましては、現在、国におきまして11月19日に、コロナ克服・新時代開拓のための経済対策を閣議決定され、燃油価格高騰の影響を受ける地域公共交通事業者等への経営安定化等に向けました施策を実施されることとなっております。  本市におきましては、引き続き、公共交通事業者の状況把握に努めつつ、国等の動向を注視し、必要な支援について国への要望等を検討してまいりたいと考えております。
             〔49番 上野美恵子議員 登壇〕 ◆上野美恵子 議員  ただいまの答弁を聞いておりましても、原油の高騰対策にいたしましても、どれもこれもが国任せの対応のようです。国の対応策は元売への支援なので、それが全て末端価格の引下げに反映されるわけではありません。ハウス農家の声を聞きましたが、農水局から答弁されたセーフティネット事業は、使う重油の量が全て対象とはならず、補助対象外部分があることや、今年は早くから気温が下がって高い油を長期間使用しなければならず、農家が悲鳴を上げられておられます。困窮世帯にいたしましても、暖房費を節約せずに使えば食べる物を削ってしまうような、そんな生活をしているという窮状を訴えられております。  市長は様々な声を聞いていると答弁されましたけれども、具体的な声をどれほど聞かれているのか大変疑問です。新型コロナウイルス感染症対策でも原油高騰の対応でも国任せばかりではなく、市民の声に応え、国の支援を行う独自策を検討し、実施していかれるようにお願いしておきます。  続きまして、気候危機打開についてお尋ねいたします。  気候変動、温暖化の影響で、世界中でこれまでになかった異常気象が発生し、既に国の存亡に関わる事態に直面している国々もあります。今や気候危機は人類に迫られる、待ったなしの課題です。今年10月末から11月にかけてイギリスのグラスゴーで、国連気候変動枠組条約第26回締約国会議、COP26が開催されました。  世界の到達点を踏まえてお尋ねいたします。  第1に、2020年1月に熊本連携中枢都市圏18市町村で、2050年温室効果ガス排出実質ゼロの取組を確認し、2021年3月、熊本連携中枢都市圏地球温暖化対策実行計画を策定しております。この計画では、対応の方向性の第1に、1.5度抑制のための徹底した脱炭素を掲げています。国連気候変動に関する政府間パネルの1.5度特別報告書では、これから10年足らずの間に、全世界のCO2排出を半分近くまで削減できるかどうかに人類の未来がかかっていると指摘し、COP26のグラスゴー気候合意でも、今後10年間が決定的だとしております。  2030年までの削減目標が極めて重要です。グラスゴー気候合意では、国連気候変動に関する政府間パネルが指摘する、温暖化を1.5度に抑えるには、2030年までに、世界の二酸化炭素の排出量を2010年比で45%削減する必要がある点を再確認しました。連携中枢都市圏実行計画の目標、2013年度比で2030年度までに40%以上の削減というのは、2010年比にすれば37%の減という極めて低い目標です。グラスゴー合意は2030年目標の再検討や強化も要請しており、あまりにも低過ぎる2030年削減目標は引き上げるべきと考えますが、いかがでしょうか。  第2に、連携中枢都市圏の取組を実効性あるものにするためにも、温室効果ガス排出量が最も多い熊本市がその先頭に立ち、責任を持ち取り組むことで、計画を実践、加速させることが決定的です。これまで本市が独自に策定していた低炭素都市づくり戦略計画が計画年度を終え、市独自の計画はありません。本市の役割と責任を明確にするため、具体的な施策とそれらの目標値を定めた戦略的な計画をつくるべきと考えますが、いかがでしょうか。  第3に、気候ネットワーク事務局長の田浦健朗氏は、自治体の温暖化対策を環境部局が主担当として実施してきたため、抜本的な対策が求められる住宅・建築部門、交通分野、都市計画分野での対策が取られてこなかった。環境部局の予算も限定されることが多く、対策を進めるための財源も限られていると指摘されていました。京都市は地球温暖化対策条例を策定し、温暖化対策を全庁的、総合的に取り組む方向と内容を規定しています。自治体として温暖化に対する危機感を高め、その打開策を全庁を挙げ総合的に取り組むため、本市でも温暖化対策の総合条例を策定すべきではないでしょうか。  第4に、環境省のデータでは、CO2排出量の分野別割合で一番多いのが電力分野の39.1%で、省エネ・再エネの取組は大変重要です。2050年CO2排出ゼロを表明した自治体は、今年8月31日現在、40都道府県、268市、10特別区、126町村で、熊本連携中枢都市圏で表明した熊本市も含まれます。自治体分野での温暖化対策推進のため、自治体ゼロエミッション実現に取り組むべきです。本市でも、公共施設、公共事業、自治体業務でどれだけCO2を削減できるかなど、自治体自らの脱炭素に向けた目標と計画を策定し、全国的にはさいたま市や岡山市などが参加し、アンバサダーとなっている、再エネ100宣言RE Actionに参加を表明していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  第5に、具体的にぜひ実施してほしい取組として、1、民間住宅の断熱化、省エネ化促進のためにも、省エネルギー機器等導入推進事業補助金は希望者全てが活用できるように、節電財源にとどまらず予算を抜本的に拡充する。2、公営住宅のZEH導入を実施、検討する。3、社会資本整備の分野における環境アセスメントを一歩進めて、今後は政策立案段階における意思決定支援ツールとして、公共事業におけるライフサイクルアセスメントの実施を検討する。4、国、県とも連携しながら、住民や地元企業に対して省エネ・再エネを推進するための総合的で専門的なアドバイスを行える市としての総合支援窓口を設置する。  以上4点についてのお考えを、市長並びに関係局長にお尋ねいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  まず、私から4点お答えさせていただきます。  まず、本年3月に策定いたしました熊本連携中枢都市圏地球温暖化対策実行計画では、2030年度における温室効果ガス排出量について、2013年度比で40%以上削減と定めております。  一方、国においては本年4月、菅総理が2030年度の温室効果ガス排出削減目標を、これまでの2013年度比26%削減から46%削減を目指すことを表明し、10月に閣議決定された地球温暖化対策計画に盛り込まれたところでございます。  熊本連携中枢都市圏としては、まず実行計画に掲げる削減目標の達成に向けた施策を着実に推進しますとともに、その進捗状況を見極めながら、国の計画との整合を図るための目標の見直しについて、構成市町村と協議してまいりたいと考えております。  次に、本市独自の目標と施策を定めた戦略的計画の策定についてでございますが、地球温暖化対策は、単独の自治体で実施するよりも、社会的・経済的につながりの深い市町村が一体となって取り組むことがより効果的であることから、熊本連携中枢都市圏共同で実行計画を策定したところでございます。  計画の推進に当たりましては、各市町村が具体的施策を定め、毎年度、全体及び市町村ごとに温室効果ガス排出削減量と、施策の進捗状況を管理することとしておりまして、本市は連携中枢都市として先導的な役割を果たしてまいりたいと考えております。  3点目の、温暖化対策の総合条例の策定についてでございますが、本市では、時代に即した新たな環境課題への対応を図るため、熊本市環境基本条例を改正し、本年10月から施行しております。この中では、特に本市が取り組むべき施策として、地球温暖化の防止や気候変動による影響への適応など、地球環境の保全に関する事項を追加したところでございます。  また、具体的施策につきましては、熊本連携中枢都市圏地球温暖化対策実行計画のほか、現在策定中の第4次熊本市環境総合計画に定めることとしておりまして、これらの計画に基づき、全庁的に地球温暖化対策を推進してまいります。  4点目の、再エネ100宣言RE Actionへの参加についてでございますが、この宣言は、企業や地方自治体などが、自ら使用する電力を100%再生可能エネルギーに転換する意思と行動を示す活動でございます。  熊本連携中枢都市圏地球温暖化対策実行計画においても、共同推進事業の一つとして、公共施設等における率先した省エネ・蓄エネ・再エネを掲げていることを踏まえ、今後、研究してまいりたいと考えております。          〔三島健一環境局長 登壇〕 ◎三島健一 環境局長  私からは、具体的取組について3点お答えいたします。  まず、省エネルギー機器等導入推進事業補助金についてでございますけれども、本市では、環境工場におけるごみ発電の電力を市有施設に供給することにより削減された電気料金を財源として、省エネルギー機器等の導入に係る補助を行っております。  この補助制度につきましては、市民や事業者の皆様にとってより利用しやすい制度となるよう、これまでも対象機器や金額の見直しを行っており、今後も適宜見直しを行ってまいります。  また、ごみ発電の電力についてはまだ余剰もありますことから、供給施設の拡充に努め、温室効果ガス排出量と補助金の財源となる電気料金のさらなる削減を図ってまいります。  次に、公共事業におけるライフサイクルアセスメントの実施についてでございます。  本市では、公共事業におけるライフサイクルアセスメントは行っておりませんが、環境保全のための率先行動として公共事業環境配慮指針を策定し、本市が実施する公共事業において、事業計画から設計、施工に至るまで環境負荷を低減する配慮を行う仕組みを定め、全庁的に運用しているところです。今後も引き続き適切に運用し、環境保全を図ってまいります。  次に、省エネ・再エネの支援窓口の設置についてでございます。  本市では、現在、地球温暖化対策の推進に関する法律の規定に基づく地球温暖化防止活動推進センターとして、一般社団法人熊本環境革新センターを指定し、連携して活動を行っております。具体的には、市民、事業者向けの相談窓口を設置し、省エネ診断や機器の更新に係る支援、無料相談会等のイベントを通した普及活動などを行っております。  今後、同センターの活動についてさらに周知を行いますとともに、国をはじめとする関係機関と連携し、市民、事業者の皆様の省エネや再エネ導入への支援を行ってまいります。          〔井芹和哉都市建設局長 登壇〕 ◎井芹和哉 都市建設局長  私からは、公営住宅のZEHに関する御質問にお答えいたします。  市営住宅のZEHへの取組につきましては、本市住生活基本計画におきまして、建て替え時等に緑化の推進や住宅のLED化、ZEH等の省エネルギー性能の向上に取り組むこととしております。また、既存の市営住宅につきましても、今後、共用部分のLED化を進めていくなど、環境に配慮した整備に努めてまいります。          〔49番 上野美恵子議員 登壇〕 ◆上野美恵子 議員  今や危機と言われる気候問題の取組で重要なことは、危機をどう深刻に重大に受け止めるか、その上で対応策の基本となる目標値を設定することです。答弁にありましたように、連携中枢都市圏計画が掲げる目標値は、2030年度目標で政府目標にも及ばず、全世界が提起している、これから10年の取組の重要性の認識が弱いと思います。今のままでは、COP26で化石賞をもらった日本政府と同じか、それ以下です。指摘しました具体策とその目標値を定め、気候危機対策の飛躍的取組を要望します。そのためにも温暖化対策の総合条例は、策定に向け速やかに動き出していただきますようお願いしておきます。  続きまして、ジェンダー平等の取組についてお尋ねいたします。  コロナ禍で、低賃金の非正規雇用で働く多くの女性が仕事を失い、ステイホームでDV被害が急増、女性の自殺の増加率は男性の5倍に達しました。コロナ危機を経てジェンダー平等を求める国民の声は劇的に高まっています。1979年の女子差別撤廃条約の採択から42年、日本政府は1985年に批准しながら、男女平等の達成度を示すジェンダーギャップ指数2021が156か国中120位という異常な低位です。今こそ、誰もが性別にかかわらず個人の尊厳を大切にされて、自分らしく生きられるジェンダー平等社会実現へ、これまでにない取組を行うべきときだと思います。  第1に、男女の賃金格差、働く場でのジェンダー平等です。  厚生労働省の賃金構造基本統計調査によれば、正社員でも女性の賃金は男性の7割で、国税庁の民間給与実態統計調査では、非正規を含む平均給与で、女性は男性の55%しかありません。40年勤続の生涯賃金にすると1億円近い格差となります。これが女性の低年金へとつながります。賃金の平等はジェンダー平等社会を築く土台中の土台であり、国連は日本政府に対し、性別賃金格差縮小の取組強化を勧告しています。しかし、性別賃金格差の実態すら分からないのが日本の現状です。そこで格差解消の第一歩として、本市の市域における企業も含めた、職種、時間当たり、企業規模、地域ごとの男女賃金格差の実態調査はできないでしょうか。  第2に、同じく雇用の問題で、労働法制の規制緩和によって、女性の非正規化、非雇用化が進み、働く女性の56%がパート、派遣などの非正規雇用です。熊本市役所でも、正規、非正規合わせた総職員数は男女ほぼ同数ですが、正規職員で女性が35%であるのに対し、非正規雇用の会計年度任用職員になると71%が女性で、公務労働の現場ですら多くの女性が非正規の不安定な働き方をしています。雇用における女性の地位向上のためには、市役所でも非正規から正社員への流れをつくることが必要で、過渡的な措置として当面は、希望するパートタイム会計年度職員をできる限りフルタイムへと切り替えるなどの処遇改善を図るべきと考えますが、いかがでしょうか。  また、保育や介護・福祉など、女性が多く働くケア労働は、高度な専門性を持つ仕事でありながら長期間放置されています。低賃金が当たり前、平均給与は全産業平均よりも月額約10万円も低いという実態を改善しなければなりません。本市においても女性の非正規雇用解消と処遇の改善を図っていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。  加えて、民間事業者に対しましても、女性労働者の処遇改善についての啓発を行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  第3に、ジェンダー平等を前進させるには、あらゆる政策にジェンダーの視点を貫く、ジェンダー主流化の推進が必要です。世界的には1990年代以降、ジェンダー主流化を合い言葉に、根強く残る男女格差の解消が進められてきました。ジェンダー主流化の推進には、とりわけ政策意思決定の場に女性を増やすことが欠かせません。現在、熊本市役所の女性管理職の割合は10.5%です。議会でもその引上げが再三指摘されてきましたが、5年間で2%しか増えておらず、3年後の2024年までに15%という目標すら厳しい状況です。もともと低い目標値の引上げと目標実現のための取組が必要だと考えますが、いかがでしょうか。  第4に、働く場でのジェンダー平等はもちろん、選択的夫婦別姓や同性婚、LGBTなどへの理解が深まり多様性が尊重される、女性へのあらゆる暴力根絶、リプロダクティブ・ヘルス/ライツの推進、ジェンダー主流化の推進など、あらゆる分野での政策にジェンダー平等の視点を貫き、具体的な取組を全庁的、総合的に推進することが必要です。そのためにも現行の男女共同参画推進条例を一歩進めてジェンダー平等条例を策定し、同じく男女共同参画基本計画についても、ジェンダー平等基本計画へと拡充していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。  以上4点、市長並びに関係局長にお尋ねいたします。          〔横田健一文化市民局長 登壇〕 ◎横田健一 文化市民局長  私からは男女賃金格差の実態調査、それと民間事業者に対する女性労働者の処遇改善の啓発、以上2点についてお答えいたします。  まず、男女賃金格差の実態調査についてでございますが、本市では、正規雇用や賃金格差解消に役立つ女性のキャリアアップの支援に取り組みますとともに、市内の事業所を対象に女性の登用状況や活用状況、育児・介護休暇制度の整備状況等の実態を調査する、男女共同参画社会実現に向けた企業意識・実態調査を3年ごとに実施しているところでございます。この調査におきましては、男女別の賃金格差の実態が把握できる項目については未調査でございまして、次回以降の調査において、男女賃金格差が把握できるような質問項目などを検討してまいります。  また、民間事業者に対しての女性労働者の処遇改善の啓発につきましては、現在、市ホームページ等の市の広報媒体による啓発を行うとともに、先ほど述べました実態調査の対象企業に対し調査結果を送付しているところでございます。今後は実態調査の機会を捉え、対象企業に対してもジェンダー平等の意識啓発に取り組んでまいります。          〔宮崎裕章総務局長 登壇〕 ◎宮崎裕章 総務局長  私からは、会計年度任用職員に関する質問にお答え申し上げます。  本市では、多くの女性の方を会計年度任用職員として任用しており、処遇改善の観点から、これまでも期末手当の支給や新たな有給休暇の付与など、適宜改善を図ってきたところでございます。  また、勤務時間や正職員への置き換え等につきましては、業務の内容や必要性など各所属からの意見を踏まえまして、個別に判断してまいりたいと考えております。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  本市では、女性の登用を促進するため、仕事と家庭を両立できる職場づくりを進め、女性職員の昇任に対する不安解消に努めてきたところです。このような中、管理職に占める女性職員の割合は着実に上昇し、今年度初めて10%を超えましたほか、近年の課長級昇任試験における受験率がおおむね30%前後で推移する等、取組による一定の成果が現れているものと考えております。引き続き職場環境やワーク・ライフ・バランス等のさらなる改善に取り組み、より一層の登用に努めてまいりたいと考えております。  次に、熊本市男女共同参画推進条例は、全ての男女が社会の対等な構成員として社会活動に参画し、その個性と能力を十分に発揮することができる社会の実現を目的としておりまして、条例で定める基本計画であります熊本市男女共同参画基本計画において、ジェンダー平等の視点に立った事業についても取り組むこととしているところでございます。議員御案内の条例及び基本計画の名称変更については、今後の課題であると考えております。          〔49番 上野美恵子議員 登壇〕 ◆上野美恵子 議員  市長はジェンダー平等の条例制定、計画の策定につきましては、名称の変更という表現をされましたけれども、名前ではなくて中身、そしてまた、位置づけを変えるということです。名実ともにジェンダー平等の推進をよろしくお願いしておきます。  男女間の賃金格差ではEUは日本よりはるかに進んでいて、女性の賃金が男性の8割から9割です。しかし、この格差を重大な問題として、今年3月、男女の賃金格差公表を企業に義務づけ、透明化をてこに是正させるEU指令案を発表、是正しない企業への罰金、ペナルティーも含まれています。本当に是正しようとすれば、これくらいの取組が必要なのかと思います。口先ばかりでは進まないことを指摘しておきます。  続いて、市庁舎整備についてお尋ねいたします。  去る10月21日に、本庁舎等整備の在り方に関する有識者会議の耐震性能分科会が非公開で行われました。市政の重要課題である市庁舎整備の根本に関わる、耐震性能の審議が闇の中では絶対に納得できません。会議直後に行われました分科会長の記者会見メモだけは資料提供されましたので、それを踏まえてお尋ねいたします。  第1に、分科会の非公開について、分科会長は記者会見で、途中で情報発信して、それはそうではないのではないかという御意見が来たりすると、なおさら話がややこしくなるということで、中立的な議論を行う上ではクローズドで進めさせていただくと述べられました。そうではないという意見、すなわち違う見解の意見が来ると中立的な議論ができないという説明でした。分科会の議論と結論は科学的な根拠に基づく客観的なものであり、様々な意見があっても気分や感情のように変わるものではありません。なぜ様々な意見が来ると中立的な議論がややこしくなるのか見解を伺います。  第2に、議事内容も会議資料も全く非公開です。会議の公開はもちろん、公平公正な議論検証の根拠となる会議資料も併せて公開すべきではないでしょうか。  第3に、有識者会議の非公開は、運営要綱第7条に、非公開の根拠を情報公開条例第7条の規定によると定めています。条例第7条のどの項に該当するのか、どういう点がそれに当たるのか御説明ください。  第4に、分科会長の山田哲氏は現在東京大学大学院教授ですが、昨年4月に就任されており、それ以前は20年以上東京工業大学に在籍されていました。他の2名も東京工業大学所属です。公の審議会である耐震性能分科会の委員に、数ある研究者の中から同じ大学の関係者ばかりを選任されたのはなぜでしょうか。しかも山田分科会長と吉敷委員は共同研究者でもあります。このような委員の選任では、仲間うちで結論を出したとの疑念が持たれかねません。  第5に、本庁舎等整備の在り方に関する有識者会議と耐震性能分科会の開催回数や、取りまとめの時期について御説明ください。  以上、市長に伺います。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  議員お尋ねの庁舎整備について、まとめてお答えいたします。  まず、分科会の運営につきましては、分科会において決定いただくべきものでございまして、審議の資料等の公開、非公開の取扱いについては分科会の判断を尊重したいと考えております。  その上で、科学技術に関する議論であっても、会議を公開することで、委員が確信を持てないまでも意見を披露した場合に最終的な結論であるかのような誤解を与えたり、あるいは発言内容の一部を捉えた批判を受けるなど、委員の自由闊達な議論が阻害される可能性があると考えております。  なお、分科会の最終的な取りまとめ結果につきましては公表されるほか、審議が一定程度整理されたものがあれば、適宜適切に公開されるものと伺っておりまして、審議状況に応じ適切に対応されるものと承知しております。  加えて、国や他の地方公共団体及び本市の審議会においても非公開としている事例があることも踏まえ、非公開であることをもって公正公平な議論ができないとは考えておりません。  また、分科会の審議は、分科会において、その内容を公開することで率直な意見の交換や意思決定の中立性が確保されないと判断されていることから、熊本市情報公開条例第7条第5号に該当する情報が含まれると考えております。  次に、分科会委員につきましては、優れた識見を有する方々を有識者会議の会長及び分科会長において選定されたものでございまして、御指摘は当たらないものと考えております。  最後に、審議期間につきましては、先般の第1回分科会において、審議に要する期間と決定されたところであり、必要十分な御審議をお願いしたいと考えております。  いずれにしましても、委員の皆様には予断を持たず、建て替えの是非を含め、客観的かつ専門的な立場から御審議いただきたいと考えております。          〔49番 上野美恵子議員 登壇〕 ◆上野美恵子 議員  丁寧に説明しようとはとても思えない答弁でした。  一番重大なのは、分科会長が記者会見で述べられた、非公開によって違う見解の意見は退けるという分科会の姿勢です。民主的で公正な議論の土台を欠いた審議会であることを自ら表明されており、出される結果は言わずもがなです。非公開の根拠は情報公開条例第7条第5号で、公開すれば率直な意見の交換ができず、意思決定の中立性が不当に損なわれ、不当に市民の間に混乱を生じ、特定の者に不当に利益もしくは不利益を及ぼすおそれがあるという内容です。  そこでお尋ねします。  市議会の庁舎整備に関する特別委員会は、公開の下に専門家も交え、耐震性能問題について専門的な議論を行ってきました。公開された議会での議論で何の問題もなかったものが、分科会の公開ではなぜ問題が生じるのでしょうか。お尋ねします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  先ほども答弁させていただきましたとおり、この分科会での御議論ということについては、分科会の運営そのものについて分科会において決定いただくべきものでございまして、審議や資料等の公開、非公開の取扱い等についても、分科会の御判断を尊重したいと考えているところでございます。          〔49番 上野美恵子議員 登壇〕 ◆上野美恵子 議員  市長としてのお考えを聞いているんです。分科会の判断はまた分科会の判断であろうかと思います。  公開で生じる問題として考えられるのは、表に出せない内容が外に出ることぐらいです。ほかにはないと思います。非公開の開催を知った市民の方々が、私どもには、どうせ結果は決まっているんでしょうと口々に言われました。始まったばかりの分科会が既に疑念を持たれています。  ────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────(178字取消し)人はやましいときに隠し事をします。こんな市の姿勢では、分科会の出した結論に、市民の理解や信頼は得られません。  そもそも耐震性能評価は、確たるデータに基づき、科学的見地から事実と真実を明らかにしていくものです。公開すれば事実が変わるというものではありません。科学は事実や真実を明らかにしていくもので、隠蔽、隠すことは真逆です。隠蔽は真実や科学をゆがめるものであることを指摘しておきます。  続けます。  委員の選任は適切だと答弁されました。耐震性能評価は極めて専門性が高く、理論に加え高度な技術と豊富な経験、実績が重要です。分科会の3人の委員は識見の優れた研究者ではありますが、現場で経験を積まれた方ではありません。具体的な構造設計の内容が問われる耐震性能評価に、なぜ実践経験のある専門家を1人も入れなかったのでしょうか。伺います。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  お尋ねの分科会の委員についてでございますけれども、田村委員、吉敷委員におかれましては国の審議会の委員等を歴任されておりまして、それぞれ基礎構造あるいは非構造部材について、優れた識見を有する方々と承知しているところでございます。          〔49番 上野美恵子議員 登壇〕 ◆上野美恵子 議員  研究者ではおられても、実践経験のおありである方ではない点を指摘しておきます。  続けて伺います。
     市の審議会で、委員が全て同じ大学関係者で構成されているものがありますでしょうか。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  今の御質問については通告をいただいておりませんので、後ほど詳細な点については、事務局から御説明させていただきたいと考えております。          〔49番 上野美恵子議員 登壇〕 ◆上野美恵子 議員  1つの審議会が関係者だけで構成されている、そういうのはないと思います。市の審議会が同じ大学の関係者だけで構成して、ほかのメンバーがいないような委員会があったら、誰でも即座に偏った人選だと思います。こんな審議会は日本中を探してもないのではないでしょうか。  今の人選では、耐震設計の具体的で詳細な部分の議論では、実務経験者の意見を聞かなければならなくなると思います。下請のいるような分科会になっているのは、同僚と元同僚で構成したからです。市長がどんなに適切だ、公正だと言われても、この分科会で出された結論を市民は、偏った人選によるなれ合いの産物としか評価しないでしょう。それでは庁舎整備の要である、耐震性能の検証という分科会の大切な役割は果たせません。今からでも市民に理解されるような公平公正な委員の選任をして、公開の下に審議をしていただくようにお願いしておきます。  また、耐震性能に関わる有識者会議、そしてまた分科会での検証結果は、熊本市役所本庁舎だけでなく、全国の市庁舎の必要な耐震性能にまで影響を与えることになろうかと思います。そういう意味で分科会の結論というのは極めて責任の重いものとなりますので、今後開かれていく分科会ではそれを踏まえて、慎重な審議をしていただきますように、市長から委員の皆様にもお伝えいただくようにお願いしておきます。  最後に、高齢者、障がい者等に優しいまちづくりで2点お尋ねいたします。  第1に、これからは環境の時代として公共交通の利用促進が求められます。しかし、バス事業を取り巻く状況は厳しく、運行便数の減少で多くのバス停で待ち時間が長くなっています。高齢の方から、どこのバス停にもベンチを設置してほしいと要望がありました。高齢者や障がい者に優しいまちづくりの一環として、バス事業者とも協力しながら、市内各所のバス停にベンチを設置していただけないでしょうか。  第2に、新型コロナウイルス感染症の影響で障がい者作業所もまた売上げの減少や経営難に直面し、その影響はそこで働く障がい者の賃金にも影響しています。特にB型作業所は工賃も少ないために、仕事の減少が日々の暮らしに大きく響いています。コロナ禍に苦しむ障がい者の方々への支援として、障がい者のさくらカード利用者負担1割を無料にしていただけないでしょうか。  以上2点、それぞれ関係局長にお尋ねいたします。          〔井芹和哉都市建設局長 登壇〕 ◎井芹和哉 都市建設局長  私からは、バス停のベンチ設置等の御質問にお答えいたします。  バス停のベンチにつきましては、今後の超高齢社会の進展を見据えます中、必要性は高いものと認識しております。そこで、本市ではバスを快適に待つことができる場所として、コンビニエンスストア等の御協力の下、バス停付近にある店舗内のイートインスペースなどを活用したバス待ち処の設置を進めているところでございます。引き続き、この取組を拡大いたしますとともに、ベンチの設置につきましても、バス事業者と方策等について研究してまいりたいと考えております。          〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕 ◎石櫃仁美 健康福祉局長  私からは、障がい者のさくらカード利用者負担についてお答えいたします。  障がい者の利用者負担につきましては、これまで様々な御意見をいただいているところでございます。今後も利便性向上の取組を続けるとともに、コロナ禍における公共交通機関の利用状況等を踏まえ、改めて関係団体等との意見交換により生活状況を把握するなど、様々な影響を鑑み検討してまいります。          〔49番 上野美恵子議員 登壇〕 ◆上野美恵子 議員  バス停のベンチについては必要性が高いとの御認識なので、ぜひできるところからの実施をお願いしておきます。  さくらカードの障がい者無料化は、様々な意見を聞いているにもかかわらず進みそうもない答弁です。  そこで市長に伺います。  昨年度実績で僅か3,300万円程度しかかからないのに、なぜこの障がい者無料化ができないのでしょうか。利用者である障がい者の声は、どのように受け止めていらっしゃるのかお尋ねいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  今の質問にいたしましても発言通告をいただいておりませんので、お答えを控えさせていただきます。          〔49番 上野美恵子議員 登壇〕 ◆上野美恵子 議員  申し上げておきますが、通告はいたしております。市長は私の通告を読んでいないのでしょうか。何て書いてあったかを御答弁ください。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  通告については、私への質問という形で通告をいただいておりませんでしたので、答弁を用意していないということでございます。 ○原口亮志 議長  時間を超えておりますので、質問を終了いたします。       ──────────────────────────── ○原口亮志 議長  この際、議事の都合により休憩いたします。  午後2時に再開いたします。                             午後 0時10分 休憩                             ───────────                             午後 2時00分 再開 ○原口亮志 議長  休憩前に引き続き会議を開きます。       ──────────────────────────── ○原口亮志 議長  一般質問を続行いたします。  北川哉議員の発言を許します。北川哉議員。          〔4番 北川哉議員 登壇 拍手〕 ◆北川哉 議員  皆様こんにちは。北川哉でございます。  本日は4度目の登壇の機会を与えていただき、先輩並びに同僚議員の皆様に対し、深く感謝申し上げます。  それでは早速ですが、質問に入らせていただきます。  令和2年第4回定例会の一般質問で、令和2年7月豪雨、台風10号を受けての災害対策の中で、避難行動の周知方法についての質問を行い、避難情報等の緊急情報周知の改善をお願いいたしました。  そのような中で、今回発生した災害級の豪雨の際に発信された避難情報について、市民の皆様から様々な課題や不安の声をお聞きしました。テレビのテロップでは、西区何世帯といった、住所や地域名でない避難情報や、ハザードマップのレッドゾーンやイエローゾーンという表現の避難情報が流れ、自分たちのいる地域が該当するのか分かりづらいという声や、避難指示では危険な場所から全員避難となっていますが、危険な場所はどこなのか、避難所開設の情報があっても家からは遠く、どうやって行けばいいのかなど、多くの声を寄せられました。確かに周知方法についての努力はされ、多くの方の命を救うために苦心されているのは分かります。しかしながら、情報獲得の方法により、個人差、年齢差での避難行動が変わってしまうのを感じました。  そこでお尋ねいたします。  災害時の緊急情報発信について、改善点と今後の課題をお聞かせください。  政策局長にお尋ねいたします。          〔田中俊実政策局長 登壇〕 ◎田中俊実 政策局長  災害時における緊急情報の発信については、緊急速報メールや防災行政無線、テレビのテロップ、SNS等のあらゆる媒体を活用し、周知を行っているところでございます。さらに、市のホームページで公開しているウェブ版ハザードマップについて、スマートフォンでも閲覧できるよう拡充したほか、市民の皆様により広く情報をお伝えするために、区ごとに印刷したハザードマップを全世帯に配布いたしました。このほか、避難所における新型コロナウイルス感染症の感染防止等の観点から、スマートフォンやパソコンであらかじめ避難所の混雑状況を確認できるよう、防災情報ポータルの拡充を図ったところでございます。  一方、国が定める避難情報の避難指示への一本化に合わせまして、本市においても、避難の対象地域をそれまで山沿いの地域としていたものを、ハザードマップにおける土砂災害のおそれがある地域へ見直すとともに、避難情報を区ごとにお知らせするなど、より分かりやすい情報発信に努めているところでございます。  今後も、市民の皆様の防災意識の向上に取り組むとともに、災害の種類に応じたお一人お一人の適切な避難行動につながるよう、工夫、研究をしながら、より分かりやすい情報発信に取り組んでまいります。          〔4番 北川哉議員 登壇〕 ◆北川哉 議員  緊急情報の周知に関する取組が、より分かりやすいものに改善が進んでいることは分かりました。しかし、幅広い年代に周知していくためには、まだまだ工夫が必要ではないかと感じます。  今回、質問するに当たり聞き取りを行った中で、御高齢の方々はスマートフォンやパソコンではなく、テレビのテロップやデジタル放送でのデータ放送、リモコンでいうとdボタンを押して、画面の横に出てくる情報を詳しく見て、緊急情報を得て避難所への避難等の判断をされている方が多くいらっしゃいました。いろいろな世代の方々がそれぞれに適した方法で情報を収集していく、現状を把握し活用していく工夫の必要性を感じました。  そこで次は、通常時の情報発信についての質問に移ります。  緊急情報以外にも、平常時における日常生活で必要な情報発信を市でも行っています。市民への情報発信としての代表格といえば市政だよりであり、有用な情報など、市民にとって大事な情報源になっていると思います。  昔を思い出しますと、自治会長をしていた祖父が自宅の部屋いっぱいに市政だよりを広げ、隣保ごとに配布する準備を進めていたのを不思議に思っていました。また、市からの依頼文書や町内の情報を、回覧板にて同時に回覧していたように思います。  時代が変わり、今では市政だよりは業者に配布を依頼して行っており、回覧板は自治会を中心に継続されていると思います。当時は、市政だよりの配布を担っていただく自治会長などには配布の対価として報酬があり、回覧板にしても、市からの依頼文書に対しては当然協力する体制が整っていました。しかし今では、自治会の活動を補助するための補助金が支給されており、その中で回覧板での市からの依頼文書配布の協力もお願いされると認識しております。  前回の一般質問にて、自治会加入についての質問をしました。熊本市は令和2年4月1日で自治会加入率は84.86%、しかしながら全国平均では68.84%と加入が減少傾向にあり、熊本市も例外ではないとの思いを抱きました。近頃、自治会長の皆様とお話する機会が増え、校区により回覧板に対する認識の違い、また、隣保単位では市からの依頼文書や町内情報は配らないと拒否される事例もあると聞き、びっくりしたところでした。  このように、自治会加入に関しては理解を示しても、隣保としての活動はしないという方も今後は増えていき、担い手不足が加速していくのではないかと危惧しました。回覧板も継続が危うくなり、有用な情報を提供するすべがなくなってしまうのではないかと思った次第です。  そこでお尋ねいたします。  1点目に、市政だよりや回覧板を利用した情報発信の現状における課題と、将来を見据えた発信方法の取組がありましたらお示しください。  2点目に、情報媒体を活用した発信の現状と、今後の検討項目があればお示しください。  以上2点について、市政だよりについては政策局長に、回覧板については文化市民局長にお尋ねいたします。          〔田中俊実政策局長 登壇〕 ◎田中俊実 政策局長  私からは、市政だよりによる情報発信についての御質問にお答えします。  市政だよりは発行以来、町内自治会に配布を委託しておりましたが、自治会加入者が配布の対象であったため、より多くの市民の皆様に情報が行き届きますよう、平成20年度から専門事業者に委託し、全世帯に配布しているところでございます。  現状における課題としましては、若年層の紙離れや、印刷から配布まで一定の時間を要するため、掲載した情報が最新のものではない場合があるといった点が挙げられます。紙版の市政だよりにつきましては、このような課題がありますものの、本市が行った市民アンケート調査の結果では依然として一定のニーズがあることから、引き続き内容の充実を図りながら継続してまいりたいと考えております。  一方、電子媒体を活用した情報発信につきましては、ホームページやSNSのほか、スマートフォン版の市政だよりなどでも最新かつ詳細な情報を発信しており、その利用状況は年々増加しておりますことから、今後も拡充に向けて取り組んでまいります。          〔横田健一文化市民局長 登壇〕 ◎横田健一 文化市民局長  私からは、回覧板の現状と課題、将来を見据えた発信方法につきましてお答えいたします。  回覧板は、町内自治会が地域住民への情報を発信する手段の一つとして活用されるとともに、住民同士が挨拶を交わすきっかけとなるなど、コミュニケーションを図るためのツールでもあると認識いたしております。また、本市からは、地域を限定した、市民生活に直接関わる情報を周知する手段として、文書等の回覧を依頼いたしているところでございます。  回覧板を利用した情報発信の課題といたしましては、自治会の加入率減少により回覧板の情報発信力が低下する懸念があることや、新型コロナウイルス感染リスクにより回覧板の利用が一時休止したことなどが挙げられ、地域住民に安定的に情報を提供するためには、複数の情報発信手段の組合せが必要であると考えております。  また、電子媒体での情報発信については、現在、一部の地域において電子回覧板を活用した情報発信も行われており、その効果も検証しながら、地域の特性に合った情報共有の方法を提案できるよう研究してまいります。          〔4番 北川哉議員 登壇〕 ◆北川哉 議員  緊急情報も平時での情報に関しても、提供方法について過渡期を迎えていると思います。今、考えておかなければ、時代の波に取り残されてしまうような気がしてなりません。市としては、情報発信手段の課題について認識はあるが、今すぐ取りかかり、対応しなければならないという意識を持っているようには感じることができませんでした。  先ほども少し触れましたが、年代により、電子媒体などの機器の使用能力の違いはどうしてもあります。今の子供たちはICT教育やゲーム等の電子機器の発達により、情報収集能力は我々より格段に高いものを持っております。そして、それはこれからの時代、よりタイムリーな情報提供を求められることになります。行政はその時代の変化に早急に気づき、対応するために早めの準備が必要と思います。そして、今はまだ年代による差がありますので、全ての市民に平等に正確な情報を届ける方法も必要です。  緊急情報の質問で、御高齢の方の情報収集がテレビのデータ放送であったことをお話ししました。このデータ放送を生かす方法を模索することはできないでしょうか。データ放送の利用についての取決めもあるかと思いますが、緊急情報を得る手段として有効なことを鑑み、ぜひとも前向きに御検討をお願いいたします。  今はスマートフォンやパソコンを使った、ホームページやSNSによる情報提供を行っているとの答弁もありました。これは電子媒体を使える方が得られる情報であって、それ以外の方は置き去りにされていってしまうかもしれません。決して置き去りにしないよう検討されていることも分かります。しかし、今の取組では情報を得られない方が悪いといった世の中になってしまいます。  私は今回の質問で、先ほど申しましたテレビのデータ放送のdボタンを押してそこから情報を得ることが、スマートフォンやパソコンを使うことよりハードルが低いのではないかと感じました。テレビは、今はそうでもない世代がありますが、まだまだ世の中では必須のものであり、各家庭1台あるものと思います。そのテレビでデータ放送を使うだけでなく、インターネットに接続し、リモコン操作で商品が注文できる。配送をお願いできる。さらには市からの行政サービスを利用できるといったような取組が今後進んでいけば、スマートフォンを使用できなくても新しい情報収集手段の活用が見いだされ、世代間の格差を埋めることができるのではないかという希望的観測を抱きました。  確かにテレビは災害時、電源が確保されている必要がありますが、現在の状況であればこの電源の確保ということも、災害が起こる前にテレビで情報を得れば大丈夫かと思っております。今後も、市民の皆様に平等に、有効な情報、サービスを提供していただくことをお願い申し上げ、次の質問に移ります。  食の流通、安定供給について質問いたします。  熊本は多くの農畜産物及び水産物が全国上位を占める、農林水産業の盛んな地域です。令和元年のデータになりますが、全国生産上位を占める主な農水産物として、トマト、ミニトマト、スイカが全国1位。ナス、メロンが全国2位。イチゴが全国3位。ミカン、ノリの養殖は全国4位と、熊本の農水産業は日本の食を支えています。  また、熊本地方卸売市場、田崎市場での青果の取扱額についても、令和元年度の475億4,032万7,000円から、令和2年度には521億1,481万9,000円と、45億7,449万2,000円、約45億円増となっており、食の流通拠点として大きな役割を担っています。  このように生産や流通が伸びている成長産業に対して、熊本市としては生産者と消費者をつなぐ販路拡大の政策を取っておりますが、これからもっと踏み込んだ形で、食の流通に関して将来を考えなければいけないところに来ていると思います。成長段階であるところの支援を拡大し、将来の食の安定供給を担保できる企業成長を促す政策を求める声があります。  熊本市にある卸売市場に関しては、食の流通を担う大きな役割を持っておりますが、卸売市場法等に基づき県知事が認定している地方卸売市場であり、熊本県農林水産部流通アグリビジネス課の事務分掌で県の管轄になります。また、地方卸売市場は開設者が民間となっているため、市場内のことは民間の事業となり、熊本市としては入りにくいとの認識もおありかと思います。  しかしながら、行政として食の安定供給を考えることは重要であり、政令指定都市熊本市としては本腰を入れてできることを協議する、熊本県と連携してお願いしていくことも必要と考えます。成長産業への支援についてのお話をしましたが、水産に関しては田崎市場でも取扱量、取扱額ともに減少しております。新型コロナウイルス感染症の影響で、青果、水産ともに卸売業者、仲卸業者など関連事業者でも事業継続に苦慮され、インフラの整備の遅れや周辺の交通状況の悪化、安全性に関する不安を持っておられます。  そこでお尋ねいたします。  熊本市として、食の流通についての取組や、今後の食の安定供給についての見解をお聞かせください。  農水局長にお尋ねいたします。          〔岩瀬勝二農水局長 登壇〕 ◎岩瀬勝二 農水局長  本市は、全国屈指の農水産物の産地として、市内外の消費者へ、野菜、果樹等の園芸作物やノリなどの水産加工品を安定的に供給しております。農産物の流通につきましては、地元の地方卸売市場へ出荷されるほか、特に生産量の多いナス、スイカ、ミカン等の主要品目は農協の共同販売を利用し、大消費地の市場へ出荷されるなど、品目や生産量に応じた出荷先がそれぞれ選定されております。  このような中、本市としましては、これら市場や農協を通じた流通に加え、多様な販路の開拓や拡大を求める農業者等に対し、利便性の高い物流システムを持つ民間企業と連携し、首都圏での期間限定のアンテナショップの開設や、継続取引につながるバイヤー等へのプロモーション、新しい生活様式に対応した通信販売活用などへの支援を行っているところでございます。  地方卸売市場につきましては、私たちの日常生活に欠くことのできない生鮮食料品などを消費者へ安定して供給するという、重要な役割を担っているものと認識しており、今後の食の安定供給に関しましては、関係者の方々の御意見を聞きながら、市場を所管する県と連携してまいります。          〔4番 北川哉議員 登壇〕 ◆北川哉 議員  販路拡大等の政策を行っているということについては、過去の質問で熊本の名物をどう販売していくのかと問わせていただき、お答えいただいておりましたので理解はしておりました。今回の質問では、成長段階であるところの支援を拡大し、将来の食の安定供給を担保できる企業成長を促すことや、今後の食の安定供給を行っていくためには、市場に関することも含め本市としてのお考えを明確にお答えいただき、踏み込んだ答弁をいただきたかったので残念に思います。  現状としては管轄外のこととして、どうすることもできないこともあるかと思いますが、今般の感染症による社会の窮状で、食の流通、安定供給の足元は揺らいできているのも事実です。市長をはじめ局長の皆様には、全庁的に、将来の食の安定供給のための政策、市場に関するインフラの整備や交通状況の改善、国に対しての支援のお願いや、県との連携を取っていただきますようお願い申し上げます。  続きまして、地域経済活性化に向けた大規模催事や、市街地のにぎわい創出のためのイベントに特化した官民連携について質問いたします。  新型コロナウイルス感染症は、観光業や各種イベントの開催にも大きな影響を与えており、観光政策をはじめとした地域経済の活性化に対しても大きな打撃を与えています。先日、政府が実施しているワクチン検査パッケージの実証実験として、結婚式場では全国初となる技術実証が熊本市で行われました。今後、政府は課題を検証し、この事業を含めた経済活性化を進めていくと思います。感染予防と経済活動を両立させた、新しい生活様式のスタートが切られました。新型コロナウイルス感染症により落ち込んだ経済を再び盛り上げていくため、熊本市としてこの波に乗り遅れないための新しい取組、思い切った政策に着手することが必要であると考えられます。
     しかし、取組を始めるには、今までの取組を精査し、変化させていかなければなりません。課題も山積していくのではないのでしょうか。そこで私は、熊本市としていいものをつくっていくために、他都市の取組等からいいところを学ぶことも重要と考え、大規模催事やイベントに関係する方々や、他県で起業されている方から効果的な取組方法について聞いてきました。  そこでお尋ねいたします。  他都市では、官民連携、特に民間からのアプローチに対する行政の柔軟な対応や、行政から民間へ託すことに対する柔軟性を感じました。その点についての認識と、官民連携について熊本市が留意していることがあればお聞かせください。  経済観光局長にお尋ねいたします。          〔田上聖子経済観光局長 登壇〕 ◎田上聖子 経済観光局長  官民連携についてお答えいたします。  市が運営に関わっております火の国まつりや、江津湖花火大会などの大規模イベントにつきましては、雑踏警備等の安全対策を市が、広報や盛り上げ事業は民間が担うなど、それぞれが役割を分担し、官民双方の創意工夫や強みを生かしながら、連携して取り組んでいるところでございます。また、春と秋には官民の大規模イベント主催者が一堂に会し、日程調整や効果的な実施に向けた連携を協議するなど、民間との情報共有にも努めております。  今後は、官民の役割分担や連携の手法を全庁的に共有することで、官民連携の意識を高めますとともに、民間からの提案や新たな取組の相談等に対しましてもしっかりと耳を傾け、実現に向けてさらにスピード感を持って柔軟に対応できるよう、取り組んでまいりたいと考えております。          〔4番 北川哉議員 登壇〕 ◆北川哉 議員  新型コロナウイルス感染症はいまだ終息を見ておりません。過去の質問でも感染症終息後の質問を行ってきました。新型コロナウイルス感染症により落ち込んだ経済を再び盛り上げていくためには、今回質問したように、行政だけでなく、官民ががっちりと手を取り合い、連携していく必要があると思います。局長の御答弁にありましたように、官民が柔軟に連携を取っているところも多くあります。しかし、全庁的に熊本市として考えた場合には疑問が残ります。  経済観光局内、特に今回お答えいただいた大規模イベントを所管するイベント推進課のような、官民連携が柔軟に、そして有効に機能している、民間とのよいつながりを持っているスペシャリスト集団の取組や能力を全庁的に周知して、それを生かすことも必要と思います。お答えいただいたこと、官民の役割分担や情報共有の取組を全庁的に共有すること。官民連携の意識を高め、民間からの提案や新たな取組の相談等に対してもしっかりと耳を傾ける。実現に向けてさらにスピード感を持って、柔軟に対応できるように取り組むとのお言葉を信じて、次の質問に移ります。  過去3回の一般質問でも必ず教育についての質問をしてきました。またかと思われるかもしれませんが、教育は国家をつくる根幹との思いもありますので、これからも質問していきます。御容赦ください。  今回はまず、熊本市教育委員会発行の啓発資料について質問いたします。  先日、息子が通う小学校経由で「おとなの責任 みんなで育てよう 熊本の子どもたち」との題で、伸ばそう子供のよさ。自分のよさを知り、自分を好きな子供に。身につけさせよう基本的生活習慣。教えよう社会のルールと真の友情。育もう生命の尊さと奉仕の心などの子供へのメッセージと、大人へのメッセージとして、大人が子供のよさを知り、もっと褒めよう。友達のよさも教えよう。大人がまず手本を示そう。一緒にやってしっかり褒めよう。大人がルールやマナーを守り、守れていない子供をきちっと叱ろうなどの、保護者としても考えさせられる啓発文でした。  大変いいものではありますが、一部の保護者では、学校でしてもらうことを親に押しつけている、保護者が悪いと言われているような気がするなどの意見もありました。保護者の学校に対する思いが時代とともに変わってきているのかな、学校へ求めるものが大きくなっているのかなと感じました。  そこでお尋ねいたします。  1点目に、今回の資料の意図するところや思いをお聞かせください。  2点目に、現代の保護者からの義務教育に対する要求や考え方に関し、教育委員会や学校ができることの明示方法や、家庭教育へのお願い内容をどのように考えていくのかお聞かせください。  以上2点について、教育長にお尋ねいたします。          〔遠藤洋路教育長 登壇〕 ◎遠藤洋路 教育長  教育委員会作成の資料についての2点のお尋ねにお答えいたします。  1点目、資料の意図などについてですが、この啓発資料は道徳教育の充実を図るため、毎年11月に行っている心かがやけ月間に合わせ、学校とともに取り組んでいただきたいことについて、家庭や地域にお知らせするものです。この啓発資料を通して、一人一人がそれぞれの役割を振り返ったり、できることを考えたりするきっかけとするとともに、学校、家庭、地域が一体となり、社会全体で心豊かな子供たちを育てようという機運を高めていきたいと考えております。  2点目の家庭に対する伝え方といったことですが、子供の豊かな心を育てたり、基本的な生活習慣等を身につけさせたりすることは、学校だけでできるものではなく、子の教育について第一義的責任を有する家庭の役割は大きいものと考えております。特に幼児期や小学校低学年の時期に、挨拶や整理整頓等の基本的な生活習慣を家庭でしっかりと身につけていくことは大切なことであり、学校生活や社会生活の基本となるものと考えております。今後も教育委員会としては、家庭と学校の役割及び連携や協力の在り方が適切に伝わるよう、家庭への説明やお願いの仕方を検討してまいります。          〔4番 北川哉議員 登壇〕 ◆北川哉 議員  教育基本法第2章は、家庭教育の項として第10条、父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有するものであって、生活のために必要な習慣を身に付けさせるとともに、自立心を育成し、心身の調和のとれた発達を図るよう努めるものとする。2、国及び地方公共団体は、家庭教育の自主性を尊重しつつ、保護者に対する学習の機会及び情報の提供その他の家庭教育を支援するために必要な施策を講ずるよう努めなければならないとしています。  このように教育基本法では、家庭教育における役割を明示しております。しかしながら、今の教育現場には先ほども述べましたように、保護者の皆様が学校に求めるものが大きくなっているように感じることもあり、このような家庭教育に対するお願いをしにくくなっているように感じます。また、それは学校が子供を家庭環境から守るために行っていると感じることもあります。今回の啓発資料は、私自身、考えを見直す気づきとなりました。ありがとうございました。今後も教育基本法を基に、家庭教育を支援するための必要な施策を講じていただきますようお願い申し上げます。  日本の教育は、民主的で文化的な国家をさらに発展させるとともに、世界の平和と人類の福祉の向上に貢献することを願い、個人の尊厳を重んじ、真理と正義を希求し、公共の精神を尊び、豊かな人間性と創造性を備えた人間育成を期するとともに、伝統を継承し、新しい文化の創造を目指す教育を推進する。日本国憲法の精神にのっとり、我が国の未来を切り開く教育の基本を確立し、その振興を図るための法律として教育基本法を制定しています。この中にあります、伝統を継承し、新しい文化の創造を目指す教育を推進するとの一文を注視し、次の質問に移ります。  学校や教育委員会などの教育現場と、保護者との関係性について質問いたしましたが、次は、教育委員会、教育長と教育現場との関係について質問いたします。  熊本市ではICT教育の推進の下に教育改革が行われ、全国からも評価される取組となりました。また、今般の感染症に伴う臨時休業や分散登校、そして不登校に対しても先進的な取組となり、学びを止めない教育としてすばらしい成果を出してきていると思います。私も保護者として、熊本市の教育環境で子供が学ばせていただいていることに日々感謝しております。  過去の一般質問では、改革を進めていくことに対して一定の理解はできますが、立ち止まり、見直すことの必要性や、改革を急ぎ過ぎることにより、そのスピードについていけないことによる問題が発生しているのではないかと指摘させていただきました。しかし、その後の新型コロナウイルス感染症対策への対応は、熊本市のICT教育が進んでいたことにより達成できたことが多くあり、私が指摘してきたことは間違いだったのかなと思ったこともあり、反省したこともありました。  しかしながら、現場や教育関係者からの不安の声、熊本市の教育を危ぶむ声は、今もなお事実として私の耳に届いています。  そこで教育長にお尋ねいたします。  今回の感染症に伴う対応の成果と教育改革に伴う課題の認識、改善策や今後の対応についてお聞かせください。          〔遠藤洋路教育長 登壇〕 ◎遠藤洋路 教育長  教育委員会では、学習指導要領の理念に基づいてICT環境の整備をはじめ、児童・生徒一人一人の状況に応じた支援等に取り組んでまいりました。今般の新型コロナウイルス感染症による臨時休業や分散登校での対応においても、オンライン授業等の実施により、子供同士がオンラインでつながることができたことや生活リズムが乱れなかったこと、また、子供が自分のペースで学習することができたといった成果が見られております。  熊本市が進める学校改革によって、子供たちの教育環境は着実に改善されている一方で、改革の方向性や進め方に対する共通理解が十分でなかったことが課題であると考えております。私の至らぬ点も多々あるかと思っております。  課題の解消に向けては、学校と教育委員会の信頼関係を強化していくことが重要であると認識しており、私を含めた教育委員会の管理職と小中学校長の代表が協議する機会を毎月設けているほか、全ての校長、園長と私が直接意見を交換する機会を設け、連携を深めているところです。今後も、学校関係者から出される様々な声に対して積極的に耳を傾けながら、子供や保護者の視点に立った対応に努めてまいります。          〔4番 北川哉議員 登壇〕 ◆北川哉 議員  改革には痛みを伴う。よく耳にする言葉ですが、私は、この痛みは決してあつれきを生んでまでも、突き進むほどの残酷さが必要なものではないと思います。あつれきではなく、議論の中に意見や意思の相違はあっても、その改革に対する信念を分かってもらうまで話合いを重ね、それぞれの考えをまとめていくことが、改革をする場合には必要な最大要素ではないかと思います。そこまで慎重に取り組むと改革が遅れてしまうのではないかとも思われますが、改革の旗手1人の考えで強引に推し進めた改革は、旗手が替わればものは残りますが、思想は改変されて、いずれ違ったもの、もしくは元に戻ってしまうと思われます。  確かに結果が出れば、それは是となります。私も今回の熊本市が進める学校改革を否定するものではありません。むしろ助けられた1人ですので、全力で応援していきたいと思います。答弁にありましたように、意見交換をする機会を設け、連携を深め、相互の意見を踏まえながら子供や保護者の目線に立つこと、そして、一緒に熊本の教育を、日本の教育を担う教育関係者とも協力し、共にすばらしい教育環境をつくっていただきたいと思います。  次の質問に移ります。  市議会議員は市民の皆様の声を常日頃から拝聴し、課題や質問に対し、回答、解決する責務があります。特に選挙の時期になると、いつも以上に幅広く市政についての御質問や、課題についてのお話を拝聴することになります。  最近伺った中で多かったのが、これからの熊本市はどうなるのか、そのような声でした。特に私と同世代、また、若い世代から質問が多かったです。それは財政的なものから政策的なものと多岐にわたっておりましたが、町並みや生活環境といった外観的な未来像に関する質問が多かったような印象を受けました。ストレートで素直な質問ではありますが、市民の皆様にとって、これから熊本市に住んでいく、住み続けていく、また、熊本市にいつか住みたいと思える基準になるからこそ、このような質問が多くなるのだと思いました。  私も懸命に答えを考えましたが、大西市長のマニフェストを熟読してもお考えに到達するには及ばず、「誰もが憧れる上質な生活都市くまもと」と説明することしかできませんでした。当然、政令指定都市としては、時代に沿った近代的発展も必要と思います。また、環境に配慮した自然を生かすことも必要です。そして、熊本らしさ、歴史が物語る熊本市を維持していくことも重要になってきます。実用性を重視した都市づくりも必要です。市議会議員として、熊本市の未来像を的確に、端的に答えることができず、二元代表制を担う1人としてまだまだ未熟であると痛感しました。  自分で考えて答えを導けと言われても仕方ないところですが、ここは大西市長にお尋ねいたします。  政令指定都市として、今後20年、30年後を考えた場合の都市像を具体的にお聞かせください。例えば福岡市のように近代的な都市づくりとなるのか、熊本の自然を生かした都市づくりとなるのか、また、実用性を重視した都市づくりとなるのかなど、思いも含めてお聞かせ願います。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  政令指定都市熊本市が今後目指す未来像というお尋ねにお答えいたします。  私は、政令指定都市として、人口が多く、経済が発展しているというだけではなくて、人口減少社会においても地域コミュニティが維持され、また、災害に強く誰もが安心して生活ができる、暮らしやすいまちを実現する必要があると考えております。  そこで、指定都市移行5年目を迎えた平成28年に、地域主義を基本理念とした熊本市第7次総合計画を策定し、基本構想の目指すまちの姿として上質な生活都市を掲げたところです。具体的には、豊かな自然と歴史・文化に恵まれ、温かい触れ合いに満ちた地域の中で、お互いに支え合いながら心豊かで幸せな暮らしが営まれているまち、そして、市民一人一人が夢や希望を抱いて、生き生きと多様な生活を楽しんでいるまちと定義しております。  この都市像は、熊本地震、そして、コロナ禍を経験した今も変わることのない目標であり、将来においてもまちづくりの根幹となるものであると考えております。来るべき新年度につきましては、政令指定都市移行後10年を迎えます。今後も、豊かな自然と歴史・文化、九州中央の交流拠点といった魅力や特性をさらに磨き上げ、市民一人一人の多様な価値観を満足させることができるバランスの取れたまち、上質な生活都市を実現し、これを次の世代に引き継いでいきたいと考えております。          〔4番 北川哉議員 登壇〕 ◆北川哉 議員  地域主義を基本理念とし、豊かな自然と歴史・文化、九州中央の交流拠点といった魅力や特性を磨き上げ、市民一人一人の多様な価値観を満足させることができる、バランスの取れた上質生活都市くまもと。次に市民の皆様から質問があった場合は、大西市長のお考えをすぐにお伝えできるように覚えておきます。  政令指定都市である熊本市の未来像といっても、答弁でありましたとおり多様な生活を営む方々がおられますので、バランスを取る必要があることも重々承知ですが、やはりそこは市長のお考えが重要視されます。我々市議会議員はそのお考えに対して、市民の皆様の御意見やお考えをお聞きし、伝え、そして、それを政策につなげていかなければなりません。  地域主義を基本とするとのことですが、私の住む西区では高齢化が進み、次代でその地域を維持できるのか不安を持っています。また、市政に対しては、熊本市全域が平等に行政サービスを受けられていないように感じることもあります。市内中心部は一部で開発が進み、時代に沿った近代的な発展が見られますが、その恩恵は一部しか受けられないものになっているように思います。このように、住む地域によっての多様な価値観に対し、市民一人一人が満足できる、バランスの取れた都市づくりとなるよう何とぞお願い申し上げます。  財政的には決してあれもこれもできるというわけではないですし、市民の皆様や国や県からの支出金等があったとしても、それは税金です。そのことを常に考え、政令指定都市移行後10年の節目の年に、今後20年目、30年目、そして、それ以後も熊本市が魅力ある都市としてあり続けるために、大きな指針を示すことのできる年になればと思っています。私も市民の皆様から御質問がありましたら、熊本市の未来像をすぐ答えられる市議会議員となれるように頑張ります。  今回、準備した質問は以上になります。時間ぎりぎりがちょっと怖くてすごく早く終わりましたが、最後に1点要望を述べさせていただきます。  令和2年第4回定例会一般質問で、命を守る政策として、慈恵病院が熊本市に要望されている内密出産の対応について質問させていただきました。今回その対象となり得る事例があり、慈恵病院、そして熊本市としても対応を回答されたところです。大西市長におかれましては、妊婦の安全な出産を最優先に支援を検討とのコメントを出されておりました。  また、熊本市の見解としては、法令に抵触する可能性があるため、内密出産は控えてほしい旨の回答をされておられます。そして、厚生労働省からも回答がありました。前回の質問答弁での市長、健康福祉局長からの、妊娠・出産・子育てまで切れ目ない支援、未来を創る全ての子供たちの最善の利益と健やかな成長を支援するための施策を講じるとのお言葉を信じ、今後も引き続き内密出産についての理解と御支援、国へ対する要望などをよろしくお願いいたします。  市長をはじめ執行部の皆様、丁寧な御答弁ありがとうございました。質問をするに当たって御支援いただいた先輩議員、同僚議員の皆様、そして、丁寧にサポートしていただきました議会局の皆様に、心より感謝申し上げます。傍聴してくださった皆様、そして、インターネットにて御視聴いただいた皆様にも重ねてお礼申し上げます。  今後も皆様からの御指導や叱咤激励を力に変え、熊本市議会議員としての責務を果たしてまいります。御清聴ありがとうございました。(拍手)       ──────────────────────────── ○原口亮志 議長  本日の日程は、これをもって終了いたしました。  次会は、明3日(金曜日)定刻に開きます。       ──────────────────────────── ○原口亮志 議長  では、本日はこれをもって散会いたします。                             午後 2時51分 散会 〇本日の会議に付した事件 一、議事日程のとおり 令和3年12月2日 出席議員 48名       1番   原 口 亮 志        2番   園 川 良 二       3番   山 本 浩 之        4番   北 川   哉       5番   古 川 智 子        6番   島 津 哲 也       7番   吉 田 健 一        8番   伊 藤 和 仁       9番   平 江   透       10番   荒 川 慎太郎      11番   齊 藤   博       12番   田 島 幸 治      13番   日 隈   忍       14番   吉 村 健 治      15番   山 内 勝 志       16番   緒 方 夕 佳      17番   高 瀬 千鶴子       18番   三 森 至 加      19番   大 嶌 澄 雄       20番   光 永 邦 保      21番   高 本 一 臣       22番   福 永 洋 一      23番   西 岡 誠 也       24番   田 上 辰 也      25番   浜 田 大 介       26番   井 本 正 広      27番   藤 永   弘       28番   田 中 敦 朗      29番   紫 垣 正 仁       30番   小佐井 賀瑞宜      31番   寺 本 義 勝       32番   原     亨      33番   大 石 浩 文       34番   村 上   博      35番   上 田 芳 裕       36番   那 須   円      37番   澤 田 昌 作       38番   田 尻 善 裕      39番   満 永 寿 博       40番   田 中 誠 一      41番   津 田 征士郎       43番   藤 山 英 美      44番   落 水 清 弘       45番   倉 重   徹
         46番   三 島 良 之       47番   坂 田 誠 二      48番   白河部 貞 志       49番   上 野 美恵子 説明のため出席した者   市長       大 西 一 史    副市長      深 水 政 彦   副市長      中垣内 隆 久    政策局長     田 中 俊 実   総務局長     宮 崎 裕 章    財政局長     田 中 陽 礼   文化市民局長   横 田 健 一    健康福祉局長   石 櫃 仁 美   環境局長     三 島 健 一    経済観光局長   田 上 聖 子   農水局長     岩 瀬 勝 二    都市建設局長   井 芹 和 哉   消防局長     西 岡 哲 弘    交通事業管理者  古 庄 修 治   上下水道事業管理者萱 野   晃    教育長      遠 藤 洋 路   中央区長     星 子 和 徳    東区長      津 田 善 幸   西区長      甲 斐 嗣 敏    南区長      江   幸 博   北区長      小 崎 昭 也 職務のため出席した議会局職員   局長       富 永 健 之    次長       和 田   仁   議事課長     池 福 史 弘    政策調査課長   上 野 公 一...