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  1. 熊本市議会 2021-06-09
    令和 3年第 2回定例会−06月09日-02号


    取得元: 熊本市議会公式サイト
    最終取得日: 2022-11-22
    令和 3年第 2回定例会−06月09日-02号令和 3年第 2回定例会   令和3年6月9日(水曜) ┌─────────────────────────────────────┐ │ 議 事 日 程 第2号                         │ │ 令和3年6月9日(水曜)午前10時開議                 │ │ 第  1 一般質問                           │ │ 第  2 常任委員の所属変更の件                    │ └─────────────────────────────────────┘                             午前10時00分 開議 ○原口亮志 議長  ただいまより本日の会議を開きます。       ──────────────────────────── ○原口亮志 議長  この際、会議規則第3条第2項の規定により、議席の一部を変更いたします。  上田芳裕議員の議席を35番に、那須円議員の議席を36番に、それぞれ変更いたします。       ──────────────────────────── ○原口亮志 議長  日程第1「一般質問」を行います。  発言の通告があっておりますので、順次発言を許します。  まず、齊藤博議員の発言を許します。齊藤博議員。          〔11番 齊藤博議員 登壇 拍手〕 ◆齊藤博 議員  おはようございます。
     自由民主党熊本市議団の齊藤博でございます。令和3年第2回定例会の一般質問に当たり、最初の質問者として登壇させていただきましたことに、まず感謝申し上げます。  本議会の一般質問より、議員の持ち時間が1時間となりました。初めての質問者ということにもなります。時間は短くなりますが、端的に丁寧に質問を行ってまいりたいと思います。執行部の皆様方にも、ぜひ御協力いただきますようにお願い申し上げます。  それでは、通告に従いまして質問してまいります。新型コロナウイルスワクチン接種に向けた体制整備についてお尋ねいたします。  まず、質問に先立ちまして、新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた全ての方々に対し、心よりお悔やみを申し上げます。また、現在、ウイルスと闘っておられる全ての感染者の皆様にお見舞いを申し上げます。  新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、まん延防止等重点措置適用中の熊本県は、6月13日に予定どおりの措置解除を目指しております。本市は、重点措置地域に指定されており、感染拡大阻止に向けた役割と責任は極めて大きいものがあります。いまだ予断を許さない状況ではありますが、新規感染者数や病床の使用率等において低減傾向となっており、市民の皆様に御協力いただいておりますまん延防止等重点措置の効果が現れているものと考えます。6月13日に、措置が滞りなく解除されることに期待するところでございます。  このような状況下に、感染拡大防止の切り札として期待されておりますのが、ワクチン接種であります。言うまでもなく、ワクチン接種は今後の感染症の拡大阻止に向け、極めて重要な施策です。緻密に緊張感を持って、そして、滞りなく進めなければなりません。しかし、ワクチン接種に期待が高まる状況下にありながら、接種に向けた準備段階以降、様々な課題や問題点が浮上してしまいました。  例えば、郵送したワクチン接種券に予約開始日を伝える文書を同封しなかったことをはじめ、年齢階層別での予約受付としなかったこと。予約受付方法の周知が遅れたこと。ワクチン数量の誤配送が相次いだこと。予約の日時相違や受付方法の相違が発生したこと。ネットを御利用いただけない方への対応が遅れてしまったこと等が挙げられます。  また、医療機関からの声として、2回目の接種予約が取りづらいことや、予約の再確認作業が必要であったことなど、システムの再構築を図ってもらいたいとの御意見も聞こえてまいりました。市民の皆様をはじめ、医療機関関係者の皆様にも大きなご負担をおかけしてしまったことは、今後の課題とすべきところでございます。  今後の接種体制の構築につながることでもあり、ワクチン接種に関する課題への総括と、改善に向けた取組をお示しいただきたいと存じます。  健康福祉局長、お願いいたします。          〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕 ◎石櫃仁美 健康福祉局長  議員御指摘の全てが反省すべき点であり、まず、多くの市民の皆様に御迷惑をおかけし、不安を抱かせてしまったことにつきまして、深くおわび申し上げます。  ワクチン接種に係る予約受付につきましては、接種券発送時に予約受付の開始時期や予約方法を十分に周知できていなかったこと、また、問合せや予約受付に対応する体制が脆弱であったため、コールセンターの電話がつながりにくかったこと、予約受付システムにおける予約枠の設定ミスとコールセンターオペレーターシステム運用上のミスなどが重なり、想定外の予約を受け付けてしまうなど、多くの課題が生じたところでございます。  こうした課題は、市民の皆様への情報の周知不足や医療機関との連携不足など、ワクチン接種を希望する皆様の立場に立った受付体制を準備できていなかったことが原因と認識しております。この反省を踏まえ、第3期の予約受付においては、利用者へのサポートの強化、医療機関との連携強化、システム不具合の解消、きめ細かで積極的な広報、運営体制の整備、コールセンターの拡充などの改善に取り組んだところでございます。  具体的に申し上げますと、利用者へのサポート強化として開設いたしましたまちづくりセンター等23か所のワクチン接種予約サポートセンターでは、約8,000名の方への受付支援を行ったところであり、加えて、土曜日から受付を開始したことで、高齢者の家族や知人、地域団体等によるインターネット予約等により、電話による予約の分散化も図れたところでございます。  次に、予約受付システムにおける医療機関の予約枠に関する設定不備につきましては、判明後すぐにシステム改修を行ったほか、ワクチン対策プロジェクトチーム医療機関対応班を設置し、全医療機関の設定情報の再確認と修正を行うとともに、医療機関と綿密な連絡調整を行っていくための体制を整備いたしました。  さらに、ワクチン対策プロジェクトチームは、集団接種班、個別接種班、残余ワクチン対応班総務事務処理班などによる総勢112名の体制で、円滑なワクチン接種に臨んでおります。  そのほか、複数回にわたる新聞紙面を活用した広報など、様々な対策を講じてきたところでございますが、今後も市民の皆様の声を聞きながら、引き続き改善を図ってまいります。          〔11番 齊藤博議員 登壇〕 ◆齊藤博 議員  今後、ステージを変えながらワクチン接種は続いてまいります。慎重な姿勢で臨んでいただき、円滑なワクチン接種にくれぐれも御尽力いただきますようにお願い申し上げます。  先般、厚労省によって、ファイザー製ワクチン下限対象年齢が16歳から12歳に引き下げられました。また、同じく厚労省によって、64歳以下の方々を対象とし、6月中にワクチンの接種券を発送するように、各自治体に要請が行われております。  新型コロナウイルス感染症拡大阻止の観点から、多くの市民の皆さん方へのワクチン接種を図り、そのスピードを加速させなければならない状況であります。  今後、ワクチン接種を幅広い年齢層の方々に、スピード感を持って円滑に進めていくためには、現在行われております優先接種の進捗状況が大きく関係してまいります。  そこでお尋ねいたします。  熊本市内における、医療従事者、高齢者施設の従事者及び65歳以上の高齢者の皆さん方の現状のワクチン接種対象者数、接種実績、接種率をお示しください。また、併せて、それぞれのワクチン接種完了見込時期もお示しください。  健康福祉局長、お願いいたします。          〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕 ◎石櫃仁美 健康福祉局長  まず、医療従事者等の接種実績についてお答えいたします。  医療従事者の接種の調整を担っている熊本県に確認いたしましたところ、対象者数は約4万4,000人で、6月1日時点で1回目接種が終わった方は約3万4,000人、接種率は77%となっており、新規採用者やこれまでの接種期間中に体調不良だった方を除き、6月中旬の接種完了を見込んでいるとのことでございました。  次に、高齢者施設の従事者及び65歳以上の高齢者の接種実績及び見込みについてでございますが、対象者数は約20万8,000人で、ワクチン接種記録システムにより、国へ報告している実績数における1回目の接種が終わった方は、6月7日時点で約4万9,000人、接種率は約24%でございます。なお、この接種率は、各医療機関から接種後に提出される予診票をシステムに入力した実績等から算出するため、実際の接種実績はさらに多いものと考えております。  今後の見込みでございますが、現時点で高齢者人口の約80%の方が接種を受けられる体制を整えているところであり、接種を希望する全ての高齢者の方などが、7月末に接種完了するよう取り組んでまいります。          〔11番 齊藤博議員 登壇〕 ◆齊藤博 議員  現状の接種率を勘案しても、医療従事者への接種完了見込時期は6月の中旬、65歳以上の方々や、高齢者施設の従事者は7月末を見込むとのこと。接種の実績は今後のスケジュールに大きく関わってくることから、慎重に丁寧に、接種率向上に向けた取組を実践いただきたいと思います。  本市は、集団接種会場の一つである熊本城ホールを独自の大規模接種会場と位置づけ、6月下旬より8月1日まで、1日2,400人対応可能となる会場設営の準備に入っております。熊本城ホールは中心市街地にあり、高齢者の皆さん方には、ワクチン接種に伴うタクシーチケットも配布されておりますことから、集団接種、大規模接種会場としては妥当であると考えます。  しかし一方で、64歳以下の方がワクチン接種の対象となるステージに移ったときに、熊本城ホールを大規模接種会場として位置づけるのはいかがでしょうか。64歳以下の市民の皆さん方の中には、かかりつけ医がいない若い世代の方々も多く含まれます。ワクチン接種会場の選択肢として、集団接種会場や大規模接種会場を選択される方が、低年齢化するほど多くなるのではと考えます。  自家用車での移動も想定しなければなりません。駐車場スペースを十分に確保し、市中心部への人の集中を避けるため、郊外型の施設を大規模接種会場として利用する方法も一案かと存じます。熊本市のみならず、県や隣接する自治体との連携を図りつつ、会場の確保を図っていくというのも選択肢に入れるべきです。  また、政府は、ワクチン接種を速やかに進めるため、職場や大学等でのワクチン接種が可能となるよう、推進を図る意向を表明しております。本市が率先して接種を行う医療チームを編成し、市内の職場や大学等を巡回できる体制を整えることも接種頻度の向上を図るには有効かと考えます。医療従事者をはじめ、打ち手の確保という課題はあるかと思いますが、ぜひ前向きに御検討いただきたいと思います。  接種会場について、もう一点申し上げます。  東区管内に集団接種会場が用意されておりません。戸惑う区民の方々も多いと感じます。集団接種会場の設営は、ワクチン接種を進めるための重要な施策です。また、不公平感を感じることがないよう配慮しなければなりません。  ぜひ、今後の接種体制に向けた取組の中で、東区管内にも集団接種会場を設営していただきたいと思います。  いずれにしても、7月以降に想定される64歳以下の方々への一般接種は、今後のウイルス感染拡大防止に向けた取組の極めて重要な施策です。接種そのものが円滑に速やかに進むよう、ぜひ御配慮いただきたいと思います。  そこで、市長にお尋ねいたします。  今後、64歳以下の方々に向けた一般接種はどのように進められるのでしょうか。その体制整備に向けた取組について、お考えをお示しください。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  今後、本格的に開始する64歳以下の市民の皆様を対象とする一般接種の取組についてお答えいたします。  7月末までに、接種を希望する全ての高齢者の接種完了が見込めることから、64歳以下の市民の皆様を対象とするワクチン接種を、7月末から開始することといたしました。  具体的には、6月18日から64歳以下の市民の皆様に対し、年齢区分に応じて順次接種券を発送いたしますとともに、7月10日から第5期分として、障がいのある方や60歳以上の方、基礎疾患のある方を対象とする予約を開始し、7月26日から接種を開始することといたしました。これ以降、順次、年齢に応じた分散予約をお願いするため、対象年齢を拡大しながら一般接種を推進してまいりたいと考えております。  また、市内の中高生の接種に関する取組といたしまして、夏休み期間を活用した学校単位による熊本城ホールでの集団接種の実施や、民間ホテルを活用した市内企業等を対象とする集団接種について、具体的な検討に着手しているところでございます。  今後も、ワクチン接種を希望する全ての市民の皆様ができるだけ早期に接種を受けることができるよう、接種体制のさらなる強化に向けて取り組んでまいります。          〔11番 齊藤博議員 登壇〕 ◆齊藤博 議員  6月18日から年齢区分に応じて順次接種券を発送すること、7月10日から障がいをお持ちの方や60歳以上の方、基礎疾患をお持ちの方を対象とし、予約を開始すること、7月26日からその方々を対象とする接種を開始すること、以降順次、年齢に応じた分散予約をお願いすることを明らかにしていただきました。  また、接種会場の運営に関しては、市内の中学生、高校生への接種に関する取組として、夏休みを利用し、学校単位による熊本城ホールでの集団接種を実施すること、市内企業等を対象とする集団接種に民間ホテルを活用することが明らかになりました。  今後のワクチン接種は、感染症拡大阻止に向けた極めて重要な施策であります。ぜひ、経験してきた課題を乗り越え、円滑で速やかなワクチン接種が可能となるよう、体制整備に万全を尽くしていただきたいと思います。  それでは、次の質問に移ります。  障害者優先調達推進に基づく取組についてお尋ねいたします。  まず、令和3年度障害福祉サービス等報酬改定について一言申し上げます。  今般の改定は、障がい者施設等に求める責務を改めて明確にした報酬改定であったという印象です。障害者の重度化・高齢化を踏まえた地域移行・地域生活の支援、質の高い相談支援、効果的な就労支援、障害児への支援、地域包括ケアシステムの推進等がその柱となっております。  その中でも特出すべきは、就労継続支援A型に適用される基本報酬の考え方です。従来は、施設利用者の1日の平均労働時間に応じて報酬を算定することとなっておりました。今般の改定では、1日の平均労働時間に加え、生産活動、多様な働き方、支援力向上、地域連携活動の5つの観点から成る総合評価型のスコア方式に大きく見直しがなされました。  そのほかにも、就労移行支援就労定着支援の質の向上に資する改定がなされるなど、就労支援への取組を積極的に推進したいとの考えが反映された改定であったと理解いたします。  ゆえに、今後、A型事業所、就労移行支援事業所等においては、利用者の就労支援をさらに進めることが求められてまいります。利用者が多様な働き方を実現できる制度の整備や、施設外就労による働く場の確保など、地域と連携した取組が必要となります。  このように、障がい者施設を取り巻く環境が改めて変わろうとする中で、その運用を再度検証すべきと思われるのが、障害者優先調達推進に基づく取組であります。  この法律は、国や地方公共団体、独立行政法人などの公的機関が物品やサービスを調達する際、障がい者就労施設等から優先的、積極的に購入することを推進するために制定されております。障がい者雇用を支援するための仕組みを整え、障がい者が就労する施設等の仕事を確保し、その経営基盤を強化する観点から整備がなされております。  熊本市においても、この法律に基づき、毎年度、熊本市における障がい者就労施設等からの物品等の調達の推進を図るための方針を掲げ、適用範囲や対象となる施設、対象品目を明示し、その運営に当たってまいりました。  そこで、本市における運営実績についてお尋ねいたします。  まず、本市には、障害者優先調達推進に基づく取組に本来参加することができる対象事業所は、全部で幾つありますでしょうか。また、そのうち、本市が参加要件としております事業登録制度を活用し、登録を済ませている事業者の数をお示しください。  続けて、令和元年度、本市の障がい者施設からの調達実績及び局や区ごとの調達実績の内訳を御紹介ください。  健康福祉局長、お願いいたします。          〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕 ◎石櫃仁美 健康福祉局長  本市における障害者優先調達推進に基づく取組の運営実績についてお答えいたします。まず、本市において調達の対象としている障がい者就労施設等は、令和3年4月1日現在で208施設あり、そのうち熊本市障がい者優先調達登録名簿に登録している事業所は18施設でございます。そのほかに、熊本市業務委託契約等競争入札参加資格者名簿に56施設の登録がございます。  次に、令和元年度の本市から障がい者就労施設等への随意契約による調達実績は、およそ2,720万3,000円となっており、その内訳として、物品が71件、173万8,000円、役務が95件、2,546万5,000円でございます。また、各局・区の令和元年度の調達状況につきましては、全26局・区のうち、調達実績があったのは、17局・区にとどまっているところでございます。          〔11番 齊藤博議員 登壇〕 ◆齊藤博 議員  障害者優先調達推進に基づく取組に参加資格がある事業所は、全部で208施設ということでありました。しかし、本市の業者登録制度を活用し登録を済ませている、いわゆる随意契約が可能となる事業所は、僅か18施設ということであります。この数字は全体の10%にも満たない登録率となります。  障がい者就労施設の皆さんへの制度の周知が本当に図られているのでしょうか。この制度は、障がいを抱えた皆さん方の就労支援を促す支援策であります。障がい者就労施設の皆さんが、この制度の概要を理解していただくためにも、しっかりと制度の周知を図っていただき、多くの施設に参加していただけるような取組が急務かと考えます。  一方、令和元年度の熊本市における調達実績は、物品調達で71件の173万8,000円とのこと。その中身を詳細に確認いたしますと、実は、受注した障がい者就労支援施設は5つの施設のみ。そのうち1つの施設の受注分が57件に上り、全体件数の80%にも及んでいる現状です。  また、役務調達実績は、95件の2,546万5,000円とのこと。これも確認いたしましたら、受注した障がい者就労施設は僅か10施設。そのうち、1つの施設の受注分が73件に上り、こちらも全体件数の77%にも及んでいる状況であります。  障がい者就労施設では、提供できる業務が限られるため、発注業務とのミスマッチが起こり、受注件数での隔たりが発生してしまうことは理解できます。ただ、そのような背景を加味しても、現状の運営には課題があり、不公平感があると言わざるを得ません。さらに、本市の調達実績を鑑みますと、障害者優先調達推進の趣旨が正確に理解されているのかと疑問を感じます。庁内において、調達実績のある組織は、26ある局・区のうち、17となっています。9つの局・区では、調達実績がなかったということにもなります。  まずは、熊本市役所の組織全体で、改めて制度の理解を深め、部署ごとの格差をなくすよう努力していただき、併せて、熊本市の外郭団体等にも積極的な制度への理解と啓蒙を図る必要があります。  このような観点を踏まえ、制度の課題を整理いたしますと、1つ目に、対象となる施設への制度の周知徹底、2つ目に、障害者優先調達推進に基づく登録制度の運用の在り方、3つ目に、全庁及び外郭団体等への調達推進体制の整備が挙げられると考えます。  そこで、改めてお尋ねいたします。  この3つの課題に対する今後の取組体制について、執行部の御見解をお示しください。健康福祉局長、お願いいたします。          〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕 ◎石櫃仁美 健康福祉局長  お尋ねの3点の課題について、順次お答えいたします。  1点目の施設への周知につきましては、これまでも個別通知や集団説明会、出前講座等を実施しているところでございますが、今後さらに、事業者にアンケート調査を実施し、その結果を踏まえ、制度の改善を図ってまいります。  2点目の登録制度の運用につきましては、優先調達登録名簿への登録希望事業所が少ないことから、簡便な手続の採用や、行政ニーズに関する詳細情報を事前に提供することなどにより改善を図りたいと考えております。  3点目の調達推進体制の整備につきましては、職員への意識調査を行ったところ、必ずしも認識が十分ではなかったことから、周知啓発を徹底し、各局・区における優先調達推進職員の選任や、局・区ごとの調達目標の設定などに取り組むとともに、外郭団体等の状況を把握し、適切な助言を行ってまいります。  今後も引き続き、物品等の調達にとどまらず、施設職員への研修の実施や販売機会の提供等、品質向上や品目拡大等に対する支援も行ってまいります。          〔11番 齊藤博議員 登壇〕 ◆齊藤博 議員  障がい者施設に対する制度の周知徹底の方法や、優先調達登録名簿の運用改善に向けた取組、庁内や外郭団体への制度の周知についても前向きな御答弁をいただきました。  就労継続支援事業所等の障がいを抱えた利用者の皆さん方にとって、仕事の受注機会の拡大は、一般就労移行訓練への大きな一助となります。整備も行われているわけですから、改めて、この制度の理解を深め、そして広く周知することができるよう、ぜひ努めていただきたいと思います。  それでは次に、児童発達支援放課後等デイサービスの現状と課題についてお尋ねいたします。  障がいを抱えたお子さん方の支援策として、障害児通所支援障害児入所支援がございます。本日は、利用されるお子さん方も多い障害児通所支援のうち、児童発達支援放課後等デイサービスについて、その現状と課題をお尋ねいたします。  障がいを抱えたお子さん方を社会全体として支援していくためには、子供の将来の自立に向けた発達支援やライフステージに応じた一環した支援、家族を含めたトータル支援、子供や家族にとって身近な地域における支援が求められてまいります。  特に、家族支援の充実を図ることは、注力すべき施策の一つと考えます。子供の発達段階に応じた早い段階における丁寧な支援が必要であるとともに、家族が子供の障がいを受け止め、前向きに捉えることができるような支援こそが重要であります。  そのような観点で捉えてみると、児童発達支援放課後等デイサービスの意義は極めて大きいものがあります。そもそも、児童発達支援とは、未就学の障がい児を対象とし、日常生活の基本的な動作の指導や集団生活への適応訓練等を行うものです。一方、放課後等デイサービスとは、小学校、中学校、高校等に通学中の障がい児に対し、放課後や夏休み等において、生活能力のための訓練を継続的に提供し、障がい児の自立を促進することを言います。  児童発達支援放課後等デイサービスが、障がいを抱えるお子さん方にとって必要な支援事業であることは明らかであります。本市においては、令和3年3月に、第2期熊本市障がい児福祉計画を策定いたしました。当然その中に、児童発達支援放課後等デイサービスについても触れられております。児童発達支援の利用者数は、2018年、一月901名の実績でありましたが、5年後の2023年の見込みでは、76%増という試算となっております。  また、放課後等デイサービスも同様に、2018年、一月1,639名の実績でありましたが、5年後の2023年の見込みでは、92%増という試算です。まさに、年を追ってニーズが増していくという現状があります。児童発達支援放課後等デイサービスが、ニーズに支えられた重要な障がい児の皆さんへの支援であることが、このような数値からも明らかであります。  そこでお尋ねいたします。  児童発達支援放課後等デイサービスを利用する児童の数が、近年増え続けている傾向をどのように分析しておられるのでしょうか。また、熊本市障がい児福祉計画における児童の見込利用者数の根拠をお示しください。そして、熊本市が期待する児童発達支援放課後等デイサービスのあるべき姿とは、どのようなものでしょうか。  健康福祉局長、お願いいたします。          〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕
    ◎石櫃仁美 健康福祉局長  まず、サービスを利用する児童数が増え続けている傾向につきましては、厚生労働省や文部科学省の調査研究によりますと、医学的な診断基準の変更、行政施策の充実、行動障害等に対する認知度の向上等により、支援を必要とする子供が増加していることが報告されております。  本市におきましても、同様の傾向があるものと考えられ、さらに認定要件緩和等の影響もあり、放課後等デイサービス児童発達支援の利用者数が年々増加しているものと考えております。  次に、第2期障がい児福祉計画における利用者数の見込みにつきましては、本市における現利用者数及び直近の伸び、平均的な1日当たりの利用量、障がい児のニーズ等を勘案して利用者数の見込みを算出しており、少なくとも計画の最終年度でございます令和5年度までは、増加傾向が継続するものと見込んでおります。  今後の児童発達支援放課後等デイサービスのあるべき姿につきましては、引き続き、より身近な地域で、適切な療育が提供可能な体制を整備してまいります。          〔11番 齊藤博議員 登壇〕 ◆齊藤博 議員  児童発達支援放課後等デイサービスの提供体制を整えることは、当面増え続ける障がいを抱えたお子さん方への重要な施策となります。また、御答弁にございましたように、身近な地域で適切な療育を提供する体制を整えることが必要であります。  ここで、児童発達支援放課後等デイサービスを利用している、または利用したいとお考えの保護者の声の一例を御紹介いたします。  支援やサービスを利用したいが、事業所でのキャンセル待ちが多く、思うように利用することができない。子供を家に1人にすることができず、自分には仕事もある。支援やサービスを利用することができない日は、子供をどうしたらよいのか。支援やサービスを利用したいと考えているが、自宅近隣では事業所はあるものの、どこも空きがない状況。また、どこの事業所でもよいというわけではない。  一方で、サービスを提供する事業者からも、声が寄せられました。  多くの利用ニーズがあるにもかかわらず、利用をお断りせざるを得ない状況が頻発する。保護者の要請にお答えすることができず、申し訳ない。  利用したいと思われるお子さん方の数と、サービスの提供量が本当に均衡しているのでしょうか。5月7日に、本市は特定障害児通所支援の指定を新たに行うことといたしました。そして3か年計画を作成する中で、初めての試みとして、区ごとに新たな事業所の指定を行うこととしております。画期的な方法であり、地域の偏在を是正したいとの思いは伝わってまいります。  その計画の趣旨に、次のような一文があります。熊本市では事業所の地域偏在の解消に向けて、サービス供給量が必要量の見込みを上回る場合に、新規の事業所の指定を行わない総量規制を実施しております。地域の偏在を解消することは極めて重要であり、今般の計画には一定の評価をいたします。しかし、その総量規制の運用の在り方には、今後も課題があると考えます。  ここ近年の児童発達支援放課後等デイサービスの事業所運営状況を鑑みますと、地域や事業所ごとの偏在がある中で、一部にサービス供給量が必要量を満たしていない、すなわちサービスがニーズに追いついていない現状があるのは事実です。  今後ぜひ、計画に基づく事業所の指定を行いながら、現場の状況を注視いただき、その実態を把握いただきたいと思います。また、成長過程で児童発達支援を終え、放課後等デイサービスへの移行が必要となる場合、保護者や障がいを抱えたお子さん方にとって、ストレスなくその移行が実現できるような工夫も重要であると考えます。  定員枠をはじめとする事業所側の都合で、保護者や障がいを抱えるお子さん方が戸惑われることがないよう努めるべきと考えます。  そこでお尋ねいたします。  一部とはいえ、サービスの供給量が需要にお応えできていない現状をどのように捉えておられるのか、総量規制の考え方とともにお答えください。また、地域や事業者ごとの偏在に対する実態調査は、どのように行われているのでしょうか。その方法もお示しください。  さらに、児童発達支援から放課後等デイサービスへの移行が必要となる場合、継ぎ目なく行うための運用をどのように考え、実践いただいているのでしょうか。  健康福祉局長、お願いいたします。          〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕 ◎石櫃仁美 健康福祉局長  現状のサービス供給量につきましては、直近4年間のデータを市域全体で見ると、利用定員枠に対する1日当たりの平均利用率は、放課後等デイサービスが約9割、児童発達支援が約5割で推移しており、市域全体ではサービス供給量は確保できているものと考えております。  しかしながら、事業所所在地の偏在や、保護者の方の特定事業所への利用希望の集中などにより、一部御要望に応えられていない状況もございます。そこで、今年度から総量規制枠を市域全体ではなく区単位で設定することとし、地域偏在の解消に取り組んでいるところでございます。  併せて、指定申請の事前相談において、申請者の関係法令や療育に対する理解度、技術等を確認し、指定後は、実地指導や集団指導、事業所巡回などにより運営状況等を確認するなど、事業所の実態把握とともに質の向上にも努めているところでございます。  今後も、サービスの適正量と質を確保するためには、総量規制は実施すべきものと考えておりますが、規制枠等については、より地域の実情を反映できるように、適宜見直すなど、柔軟な対応を行ってまいります。  最後に、児童発達支援から放課後等デイサービスへの移行につきましては、本市では、専門性を有する相談支援員等の関係者が集まり、個別ケースの検討会議を通じ、本人、家族へ適時適切な助言を行うとともに、お互いに顔の見える関係をつくるなど、ライフステージに応じた切れ目のない支援体制の確保を図っているところでございます。          〔11番 齊藤博議員 登壇〕 ◆齊藤博 議員  児童発達支援放課後等デイサービスの事業運営の実態は、今後とも実地指導や集団指導、事業所巡回により把握していくとのこと。また、総量規制については、地域の実情を反映し、適時適切に見直し、柔軟に対応する方針を示されました。  今後、ぜひこの方針にのっとり、行政としての運営を図っていただきたいと思います。  保護者や障がいを抱えたお子さん方、そして事業者の皆様方に寄り添う姿勢を今後とも明らかにしていただきますように、改めてお願い申し上げます。  石櫃局長、3つの質問に続けて答えていただきましてありがとうございました。これで、石櫃局長は終わりでございます。  次の質問に移らせていただきます。  消防用設備等点検報告制度についてお尋ねいたします。  火災時に電源が停止した場合において、屋内消火栓やスプリンクラー等の消防用設備が正常に稼働するよう、非常電源を附置することが消防施行令に示されております。そして、消防第17条の3の3には、防火対象物の関係者は、消防用設備または特殊消防用設備について、定期に点検し、その結果を消防長または消防署長に報告しなければいけないとされております。  まず、その点検は、大きく2つに分けられます。  1つ目の点検は、機器点検です。外観や簡易な操作により判別できる事項が点検の対象となり、6か月に1回実施することとされております。  2つ目の点検は、総合点検です。消防用設備を動かし、総合的な機能を確認するため、年に1回実施することとされております。  また、報告は、点検結果を、特定防火対象物は1年に1回、それ以外は3年に1回、消防長または消防署長に報告しなければならないとされております。ここで言う特定防火対象物とは、店舗やホテル、病院、飲食店等、不特定多数の人が出入りする建物となります。このような建物が年に1回の報告となるわけです。  また、工場や事務所、共同住宅、学校、駐車場等は非特定防火対象物となり、その報告は3年に1回です。  このような制度下において、消防用自家発電設備の点検や報告がなされてきたわけですが、平成30年6月にその点検基準の大きな見直しが行われました。  従来、総合点検では、発電設備に負荷をかけた状態で必要な時間の連続運転が求められておりました。しかしながら、負荷運転実施の際、物理的な要因等により、点検が実施できないという事例が散見されていたようです。そこで、このような問題を解消するために、自家発電設備の点検方法が改正されました。  その1つ目のポイントは、総合点検において従来の負荷運転に代わる方法として、内部観察が認められたことです。  内部観察とは、燃料噴射弁の動作の確認や、冷却水や潤滑油の成分分析等を行うことをいいます。  2つ目のポイントは、予防的保全策が講じられている場合は、負荷運転及び内部観察の点検周期を、従来の1年に1回から6年に1回としたことです。  そこで、令和2年度における制度運用状況について、特定防火対象物に関し、3点お尋ねいたします。  1点目、特定防火対象物は、熊本市管内に何棟あるのでしょうか。  2点目、そのうち、点検報告書が提出された件数をお示しください。  3点目、点検報告書が提出された中で、点検や保全策が適切に行われている建物は何棟でしょうか。  併せて、平成30年度から令和2年度の3年間における非特定防火対象物に関し、3点お尋ねいたします。  1点目、非特定防火対象物は、熊本市管内に何棟あるのでしょうか。  2点目、そのうち、点検報告書が提出された件数をお示しください。  3点目、点検報告書が提出された中で、点検や保全策が適切に行われている建物は何棟でしょうか。  消防局長にお尋ねいたします。          〔西岡哲弘消防局長 登壇〕 ◎西岡哲弘 消防局長  消防用設備等点検報告制度の運用実績に関する御質問にお答え申し上げます。  消防上の特定防火対象物における自家発電設備の設置数は、614棟でございます。このうち、令和2年度に点検報告されたものは492棟で、負荷運転等の点検が適切に行われたものは、この点検が不要なものを含めますと393棟となっております。  同様に、非特定防火対象物における設置数は143棟でございます。このうち、期限内に点検報告されたものは96棟で、負荷運転等の点検が行われたものなどは72棟となっているところでございます。          〔11番 齊藤博議員 登壇〕 ◆齊藤博 議員  熊本市における特定防火対象物は614棟、そのうち、点検報告されたものは492棟、点検や保全策が適切に講じられたものは393棟ということでありました。すなわち、報告率は80.1%。保全策の実施を考慮した、いわゆる点検率は全体の64.0%にすぎません。  一方で、非特定防火対象物は熊本市内に143棟、そのうち、点検報告されたものは96棟、点検や保全策が適切に講じられたものは72棟、すなわち報告率は67.1%。保全策の実施を考慮した、いわゆる点検率は、実に50.3%程度。もちろん、報告率も点検率も本来は100%であるべきであります。  防火対象物の関係者は、設置された消防用設備を定期的に点検し、その結果を報告することが義務付けされております。市民の皆様方をはじめ、多くの方々が利用する建物が対象となる極めて重要な定期点検です。いざというときに、消防用設備が確実に作動し、機能を発揮することができるよう、平時から点検しておくことは、ひいては市民の皆さんの命を守ることにもつながります。  そのような観点から、消防局における平時の指導は、極めて重要なものだと考えますし、また、そこに不公平感があってはいけません。消防用設備の点検が制度にのっとって確実に行われるよう、運営が図られるべきです。  そこで、消防局長にお尋ねいたします。  今後、消防用設備の点検が制度にのっとって確実に行われるよう、どのような運営をされていかれるのでしょうか。点検実施率や点検報告率を向上させるためにも、報告に基づく期日管理や指導方法、制度に対する啓蒙や周知について、その方針を後ほどお示しいただきたいと存じます。  あと2点、併せてお尋ねいたします。  防火対象物の関係者から報告があった関係書類一式の処遇です。  今年4月に、熊本市公文書管理条例が施行されました。この条例の中で、報告に関する書類の保存期間基準は、5年ないし10年ないし30年との規定があります。  一方で、消防局における、防火対象物の関係者から提出された報告書の保存期間基準は、熊本市消防用設備等又は特殊消防用設備等の点検結果報告事務処理規程に基づき、一般防火対象物はおおむね1年、それ以外では3年となっております。条例施行後においても、いまだ規程に基づき運用が行われているのが実態であります。条例と規程に矛盾があると考えます。  消防局長、後ほど所見をお聞かせください。  さらに、消防用設備等点検報告書は、新たな報告書が提出された後、すなわち1年程度で廃棄可能となっています。その報告された中身は、今後の検証や指導に使われるべきものであり、防火対象物の関係者への適切な指導や報告等の期日管理にも貴重な情報であると考えます。現状の運用では、点検結果の報告内容がデータベース化されることなく廃棄可能とのことであり、その運用には改善の余地があると考えますが、いかがでしょうか。  さきの2点の質問と併せて、消防局長、お答えください。          〔西岡哲弘消防局長 登壇〕 ◎西岡哲弘 消防局長  点検実施率や点検報告率の改善に向けた取組に関する御質問にお答え申し上げます。  議員御案内のとおり、点検報告制度は、消防用設備等が火災時にその機能を十分に発揮することができるよう、定期的な点検の実施とその報告を義務付ける重要な制度であると認識しております。  取組につきましては、現在、ホームページ、講習会等で制度の周知や、立入検査、文書送付などの直接の指導によりまして、実施率や報告率の向上を図っているところでございます。  今後は、SNS等による広報や関係団体と連携した制度の周知、窓口での指導を徹底するとともに、自家発電設備などの重要な設備につきましては、システムでの期日管理による個別の指導を行ってまいりたいと考えております。  次に、報告書類の管理運用につきましては、総務省消防庁の通知を踏まえ、消防局内の内部規程により定めているところでございますが、今後、本市条例との整合を図ってまいりたいと思っております。  また、点検報告内容のデータベース化につきましては、令和2年度から新しいシステムを整備し、報告日や不備事項の有無などを管理しているところでございます。  点検報告内容の管理は重要であると認識しており、自家発電設備の負荷運転など、重要な点検項目の管理につきましても、システムに項目を追加し、さらに充実させてまいりたいと考えております。          〔11番 齊藤博議員 登壇〕 ◆齊藤博 議員  点検報告制度については、防火対象物関係者への周知を改めて図ることが極めて重要になります。また一方で、消防局からの指導を適時適切に行うことができれば、報告率や点検率も大きく改善するはずです。そのためには、消防に基づき報告された膨大な資料のデータベース化が必要であるとともに、IT化への取組は欠かせないと考えます。  また一方で、提出された報告書については、熊本市公文書管理条例が施行されております。保存期間にもぜひ御配慮いただき、その貴重な情報を今後の適切な指導や報告等の期日管理にもお使いいただきたいと存じます。  私からの質問は以上でございます。  真摯に御答弁いただきました大西市長をはじめ、執行部の皆様方に感謝申し上げます。また、御清聴いただきました全ての皆様にも心より感謝を申し上げ、私からの質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)       ──────────────────────────── ○原口亮志 議長  この際、議事の都合により休憩いたします。  午前11時10分に再開いたします。                             午前10時57分 休憩                             ───────────                             午前11時10分 再開 ○原口亮志 議長  休憩前に引き続き会議を開きます。       ──────────────────────────── ○原口亮志 議長  一般質問を続行いたします。  浜田大介議員の発言を許します。浜田大介議員。          〔25番 浜田大介議員 登壇 拍手〕 ◆浜田大介 議員  皆さん、こんにちは。  公明党熊本市議団、浜田大介です。昨年12月の一般質問より半年ぶりの登壇となります。機会を与えていただいた先輩議員、同僚議員の皆様に感謝を申し上げます。  質問に入る前に、改めまして新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた方々に謹んでお悔やみを申し上げます。また、罹患された方々及びその御家族、関係者の皆様、感染拡大により日常生活に影響を受けられている全ての皆様に心よりお見舞いを申し上げます。  それでは、質問に入らせていただきます。  今年の夏の豪雨や台風に備えた体制についてお尋ねします。  昨年9月に本市を襲った台風10号は、過去最強クラスの台風であったため、本市でも大規模な予防的避難が発生しました。その上、コロナ禍でもあり、避難所では十分な感染防止、収容人数の大幅な削減を迫られ、その体制整備で様々な課題が発生しました。このことについて、私は昨年12月の一般質問で取り上げ、幾つか御提案も申し上げました。
     言うまでもありませんが、毎年のように異常気象による被害が発生しており、今年の夏も巨大台風や大規模豪雨災害のリスクは高いと言えます。また、新型コロナウイルス感染対策として、5月より65歳以上のワクチン接種も行われていますが、十分な集団免疫を得るには時間がかかります。それまでは、避難所受入れについても再び人数制限が必要となります。  そこで、今年の夏の豪雨や台風に備えて、これまでどのような検討、協議をされてきたのか確認をさせていただきます。  昨年の質問で取り上げた中で、避難所の混雑状況などを伝える仕組みについては、先日、本市防災情報ポータルに混雑状況が確認できる機能などが追加されました。ありがとうございました。今後、災害時に市民が避難所探しで混乱しないよう、広報の周知をお願いします。  また、ペット同伴避難ができる体制整備をお願いしていたところでしたが、先日、地元紙に、ペット同伴避難所で協定との記事がありました。関係者の皆様に感謝いたします。  今後は、既存の指定避難所とは別の施設数か所を、ペット同伴専用の避難所として開設する計画も進めているとのことで期待いたします。そこで、そのほかの点についてお尋ねいたします。  1点目は、地域と連携した避難所運営について。  昨年の台風10号では、市職員だけでの避難所運営であったことから、職員の負担軽減のためにも、地域と連携した避難所運営を提案させていただきましたが、その後の取組状況をお聞かせください。  2点目に、大規模な予防的避難時における夏場の避難について。エアコンがある教室が使えず、体育館だけを使用した学校があったとのことでしたが、その後の検討状況をお聞かせください。  併せて、12月の高瀬議員の一般質問で、障がい者など要支援者のために、学校の教室を福祉避難スペースとすることについての検討状況もお聞かせください。  3点目に、避難所の新型コロナウイルス感染対策として、昨年以降新たに検討されたものはありますでしょうか。  以上3点、政策局長にお尋ねします。          〔田中俊実政策局長 登壇〕 ◎田中俊実 政策局長  豪雨や台風に備えた体制についての御質問に順次お答えいたします。  まず、地域と連携した避難所運営については、令和3年4月の震災対処実動訓練におきまして、地域や避難所担当職員、施設管理者で組織する避難所運営委員会主体の避難所開設訓練を実施したところでございます。          〔議長退席、副議長着席〕  次に、夏場における避難所としての教室利用については、避難者の熱中症対策等としまして、必要に応じてエアコンが設置してある教室を利用できるよう、教育委員会と調整を行っております。また、教室の福祉避難スペースとしての利用についても、要配慮者が安心して避難できるよう協議を行っているところでございます。  さらに、避難所における新型コロナウイルス感染症対策として、基本避難所20か所に加え、新たに178か所の指定避難所に約2,800区画のパーティションを配備し、避難者の感染防止とプライバシーの確保に取り組むこととしております。  今後も、市民の皆様が安心して避難できる環境の整備に取り組んでまいります。          〔25番 浜田大介議員 登壇〕 ◆浜田大介 議員  地域と連携した避難所運営については、昨年の台風10号のときのような大規模避難時は全ての避難所で地域と連携できるよう、推進をお願いします。夏場の教室避難については、教育委員会と調整されており、また、福祉避難スペースについても協議を行っているとのことでした。教室避難が必要な全ての方が、安心して避難できるようお願いいたします。  避難所における新型コロナウイルス感染対策については、基本避難所20か所に加え、新たに178か所の指定避難所に約2,800区画のパーティションを配備するとのことでした。1か所当たり約16区画分になります。コロナ禍で市民が安心して避難できるようになると思います。ありがとうございます。  次に、本市行政のデジタルトランスフォーメーションの取組についてお尋ねします。  DX、デジタルトランスフォーメーションとは、IT情報技術の浸透によって、人々の生活をあらゆる面でよりよい方向に変化させるという概念であります。  政府では、昨年12月25日にデジタル・ガバメント実行計画が閣議決定されました。この計画の趣旨、目指す姿は、「デジタルの活用により、一人ひとりのニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会〜誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化〜」となっております。誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化、誰もがそうなってほしいと思う、すばらしい姿です。近い将来、誰一人取り残さない、人に優しいデジタル社会が実現することを大いに期待しています。  そこで、現在政府が目指しているデジタル社会がどのようなものなのか、昨年閣議決定されたデジタル・ガバメント実行計画や、デジタル改革関連法案ワーキンググループ作業部会が昨年取りまとめた内容などを通して、具体的に議論したいと思います。  さて、令和2年11月に熊本市行政サービスDXアクションプランがつくられました。このプランが目指す熊本市の姿は、「いつでも、どこでも、手軽に、手続きやコミュニケーションが可能な、市民にとって付加価値の高い市役所の実現」となっています。ぜひ、そのような市役所の実現を期待します。  また、具体的な取組として、押印、書面、対面主義の見直しや、行政手続オンライン化など示されており、それぞれに目標値が設定されています。特に、市民目線で本市のDXがどの程度進んでいるのかを見える化することで、本市の取組状況を示すことは重要であると思います。  そこでお尋ねいたします。  アクションプランの取組に、具体的に、オンライン化に向けた行政手続の現状調査及び課題整理とありますが、本市にある膨大な行政手続について、例えば、市民からの申請や届出の数など、調査の結果及び課題整理の結果をお示しください。また、オンライン申請への検討はどの程度進んでいますでしょうか。  大西市長にお尋ねいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  まず、オンライン化に向けた現状調査、課題についてでございますが、令和2年度に実施いたしました申請や届出などに関する全庁的な調査の結果、手続総数は約4,500種類、年間件数にして約400万件に上り、そのうち、オンライン化実施済みの手続は約230種類、5%程度にとどまっており、取組強化の必要性を再確認したところでございます。  次に、検討状況についてでございますが、今回の調査、分析結果を基に、市民の皆様の利便性向上が特に期待できる手続として、まずは、子育てやまちづくり補助金関連の手続を先行モデルに定め、簡単で使いやすい申請システムの導入に向けて準備を進めております。  さらには、介護関連や各種証明書発行手続などの業務プロセスの見直しにも着手しておりまして、いつでもどこでも、必要な行政手続をオンライン上で完結することができるよう、スピード感を持って取り組んでおります。  今後も、徹底した利用者目線の下、マイナンバーカードの活用を基本として、オンライン化の対象手続を順次拡大し、市民の皆様お一人お一人のニーズに応じた上質なサービスを提供してまいりたいと考えております。          〔25番 浜田大介議員 登壇〕 ◆浜田大介 議員  現状調査の結果として、申請や届出などに関する行政手続の総数は約4,500種類、年間件数にして約400万件、オンライン化率は手続ベースで5%であるとのことでした。また、子育てやまちづくり補助金関連の手続を先行モデルとして申請システムの導入に向けて準備を進めているとのことです。  さらに、介護関連や各種証明書発行手続などの業務プロセスの見直しにも着手されているとのことです。本市のDXアクションプランが目指す姿に着々と近づいていることが市民に実感していただけるよう、よろしくお願いいたします。  次に、高齢者などに配慮したユーザーインターフェースについてお尋ねします。  高齢者のインターネット利用は、年々増えています。国立研究開発法人情報通信研究機構の調査によると、インターネット利用率は、2014年と2019年の5年間で比較した場合、65歳以上で48.4%から72.4%と約1.5倍に増えています。また、80歳以上では、21.2%から57.5%と約2.7倍に増えています。  しかし、いまだ多くのウェブ画面やアプリの設計において、高齢利用者への対応はないがしろにされています。ウェブ画面やアプリのユーザーインターフェース、以下UIと呼ばせていただきますが、UIの設計者が高齢利用者を考慮しないと、高齢者全体をサービスから遠ざけて、オンライン体験から突き放していることになり、サービス向上になりません。  高齢利用者にとって使いやすいUIを提供するためには、認知的、身体的特徴や、ICT機器の操作経験が一般的に少ないことなど、様々な特性を踏まえた上で設計を行う必要があります。  誰でも、年齢を重ねると、視力の低下や物事を覚えにくく忘れやすいといった記憶力の低下など、様々な身体能力が変化します。加えて、長年にわたる生活経験の中で培った理解の仕方や考え方を持っており、時として、ICT機器の操作に必要な概念の理解を妨げる場合があります。したがって、高齢利用者が現在のUIに慣れるのではなく、利用者の認知的、身体的特徴に合わせたUIを作らなければなりません。  そこで、富山県でユーザビリティテストを実施してUI設計を行った事例がありましたので御紹介します。  これは、UIを設計するに当たり、高齢者が既存のアプリケーションをどのように利用するのか、その特性を綿密に調査、把握した上で設計を行うものです。このユーザビリティテストで出てきた課題への解決策がよい参考となりますので、一部紹介します。  1、文字のサイズを16ポイントにする。2、ボタンのデザインを統一し、意味を文字で説明する。3、戻るボタンを常に同じ位置に表示させる。4、現在の画面で何ができるのかを文字で説明する。5、IT固有の理解が難しい情報は表示せず、日常生活で利用する用語や項目名を表示する。6、画面を指で触れて、上下左右に移動するスライドやフリックをできるだけ使わず、ボタンを押すなどの一般的に広く使われている操作方法のみを利用するなど、以上のような、高齢利用者の認知的、身体的特徴に合わせたUI設計が、今後重要になります。  例えば、本市が作成した健康アプリ、げんき!アップくまもとを見てみますと、これは高齢利用者も操作しやすいように意識して作られているように見受けられます。しかしそれでも、文字サイズをもっと大きくしてもいいのではないか、また、戻るボタンがないなど改善すべき点もあると思います。  そこでお尋ねいたします。  私は、本市が市民に提供するウェブ画面やアプリについて、もっと高齢利用者、障がい者への配慮をしていただきたいと思っています。そのための設計基準をつくり、確実にその基準が遵守できるようチェックする部署をつくるなど、さらには、富山県で行われたようなユーザビリティテストの導入を提案いたしますが、いかがでしょうか。  大西市長にお尋ねいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  市政に関する様々な情報を発信する上で、ホームページやアプリは大変有効なツールでありまして、高齢者や障がい者の方を含め、全ての市民が使いやすいウェブサイトやアプリにすることは、大変重要であると認識しております。  本市においては、平成30年12月に、国が定めるウェブアクセシビリティの基準に基づき、ホームページの見直しを行いましたほか、掲載情報等の総点検や職員研修を行うなど、操作性の向上と職員の意識の醸成に努めてまいりました。  一方で、操作に不慣れな高齢者等も多く存在いたしますことから、今般のワクチン接種においては、予約サポートセンターを設置し、職員等による人的な支援も行ったところです。  デジタル社会が進展を続ける中、誰もが利用しやすい情報環境の整備が一層求められておりまして、今後も高齢者や障がい者の方への配慮について、工夫、研究を行っていくとともに、議員御紹介の事例も参考にしながら、利用環境の向上に取り組んでまいります。          〔25番 浜田大介議員 登壇〕 ◆浜田大介 議員  ありがとうございました。  高齢者や障がい者への配慮について、私の方で紹介をした事例も参考にしていただけるとのことで、よろしくお願いいたします。  今後は、健康アプリ、げんき!アップくまもとの戻るボタンの追加や、ホームページがより高齢者などに配慮され使いやすくなることを期待いたします。  政府のデジタル・ガバメント実行計画には、国、地方の行政が利用者目線に立って新たな価値を創出するデジタルトランスフォーメーションを実現し、あらゆる手続が役所に行かずにできるといった手続面はもちろん、ニーズに即したプッシュ型のサービスを実現するなど、利用者目線の改革を進めていくことが必要云々と書いてあります。つまり、市民はあらゆる行政手続が市役所に行かなくても自宅のパソコンやスマホから誰でも簡単にできる。また、自分に関係のある通知や情報だけを選択して届けてくれる。このようになると期待しております。  市民にとって、大変便利になります。では、そのような時代がいつ来るのか。作業部会の取りまとめによりますと、基幹系情報システムについて、2025年度末までに各地方公共団体が標準準拠システムに移行するよう対応してまいるとあります。私は、遅くとも2030年までにはこのような時代が来るのではないかと思っています。  そして、仮に、あらゆる行政手続が自宅のパソコンやスマホから簡単にできるようになったとします。しかし、それでもパソコンやスマホを持たない方、どうしても操作ができない方など、取り残される方が一定数存在することが予想されます。では、そのような方をどのようにサポートすればいいのか。政府ではデジタル活用支援員などを推進するとしています。しかし、私は、それでも取り残されてしまう市民に対して、本市職員によるきめ細やかな支援を充実すべきと考えます。  多くの市民が自宅で手続ができれば、職員は直接地域に出向いて、デジタル弱者の方々の支援に回ることができます。端末を持って直接自宅に出向き、一緒に手続をしてあげることが可能になると考えます。  誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化を実現するため、そのようなデジタル化による将来の本市の行政の目指す姿を描き、市民に示すことが重要ではないかと思います。  今年3月、熊本城ホールで本市の交通政策についての大西市長の基調講演を拝見いたしました。そこで市長は、本市公共交通のおおむね10年後や20年後の姿を示されました。参加された方は、本市公共交通の将来に希望を持たれたのではないかと思います。大西市長には、政府のデジタル政策が今後具体化する中で、ぜひそのような青写真を描いて、市民にアピールしていただきたいと思います。よろしくお願いします。  次に、新型コロナウイルスワクチン接種体制についてお尋ねします。  ワクチン接種については、5月28日に厚生委員会閉会中審査でも、委員の皆様より様々な意見、要望がありました。  私も、当委員会の委員長という立場ではありますが、本市行政の最優先事項である上、我が会派でも市長への2度の緊急要望を行い、市民の皆様より様々な御意見もいただいています。  そこで、会派として最初に一般質問に登壇しますことから、お尋ねさせていただきます。  ワクチンの接種体制については、使用するファイザー社のワクチンが、マイナス75度の超低温保存が必要であること、希釈後6時間以内に接種しなければならないこと、また、3週間後に2回目の接種が必要であることなど、その管理の難しさがあります。  また、本市が計画を立てる段階で、肝腎の本市へのワクチン供給状況が見えておりませんでした。さらに、当初8月中旬頃を想定していた65歳以上の接種完了期限も、7月までに終えるようにと、急遽前倒しとなりました。  このようなことから、状況が日々変化する中で、本市の接種計画を立てなければならず、大変御苦労されたのではないかと推測します。改めて、石櫃健康福祉局長をはじめ、関係する職員の皆様に感謝申し上げます。  さて、ゴールデンウイーク期間中の5月2日、市民の方から、私の家に郵便が届きました。それには、新型コロナウイルス感染症に関する他都市の事例などが入っていました。参考として御活用くださいとのことで、早速お礼の電話をしました。  その中には、4月16日、人口約17万人、65歳以上約4万4,000人の栃木県小山市で、975人分のワクチン接種枠が受付開始から僅か5分で埋まり、終日電話をかけ続けた市民から苦情が殺到した記事がありました。  また、人口約16万人、65歳以上約5万4,000人の宮崎県都城市で、1,620人分のワクチン接種枠が受付開始から電話もインターネットもつながりにくく、多くの市民が市役所に詰めかけたとの記事もありました。  私はこれらの記事を読んで、5月6日より始まる本市の1期目の予約開始について、大いに不安を感じました。しかし、5月5日まで市役所は休みであったため、市に確認することは控えていました。  実際、予約が始まってみると、電話がつながらない、予約が取れないなど、大混乱となってしまいました。そこで、本市も急遽計画を変更し、5月17日に、年齢制限を設けて予約を受けるようにしました。  私は、本市が5月6日の第1期の予約で、予約枠が4,200人分しかないにもかかわらず、65歳以上全員を対象者にしてしまったことについて、4月の中頃から他都市でも問題となっていたことが分かっていなかったのか。分かっていたのなら、なぜ変更できなかったのか疑問に思っております。  我が公明党会派としても、本年2月9日にウェルパルくまもとにて、本市のワクチン接種計画について担当課と意見交換をする中で、高瀬議員より、ワクチンの数が限られるので、65歳以上だけのくくりではなく、接種数に合わせた年齢区分を設けるなどの段階的な取組を要望しておりました。しかし、結果的にそのようになっておらず、もっと強くお願いすべきだったと反省し、また、残念でなりませんでした。  本市が既に65歳以上全員に接種券を配っており、年齢を区分せず機会の公平性を優先させたことや、急な変更があった場合、それによる混乱が発生するおそれがあったことも十分理解はします。  しかし、今回の事例では、変更による混乱を憂慮するよりも、変更しなかったときの大混乱を避けることを優先すべきではなかったかと思います。今回のような大規模かつ先例がない取組においては、日々変化する状況によって対応を変えることができる、すなわち、臨機応変な意思決定ができる体制づくりが求められると思いますが、いかがでしょうか。  大西市長にお尋ねいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  予約受付における混乱を招いた要因と対応については、先ほど健康福祉局長から答弁させていただいたとおりでございますが、改めて、当初の対応の不備を検証した上で、現在、円滑なワクチン接種に向け、総力を挙げて取り組んでいるところでございます。  具体的には、ワクチン統括監として局長級職員を配置するとともに、随時、必要な人員をワクチン対策プロジェクトチームに投入する等、大幅な人員体制の強化を図ったところです。  もとより、人員を増やすだけで解決するものではなく、新型コロナウイルスワクチン接種に関する先例がない事態や、日々刻々と変化する状況に迅速に対応するため、これまでの反省を踏まえまして、私まで即時に情報が届き、直ちに必要な指示を発出するなど、即応体制を整えております。  今後もより一層、市民の皆様のニーズを的確に捉えながら、臨機応変な対応ができるように努めてまいりたいと考えております。          〔25番 浜田大介議員 登壇〕 ◆浜田大介 議員  5月6日の混乱については、ワクチン統括監の配置など、人員体制が十分でなかったことも一因であると受け止めました。御答弁いただいたように、市長に即時に情報が届き、直ちに必要な指示が発出できる即応体制を整えていただくようお願いいたします。  昨年の台風10号のとき、市長は、ペット同伴ができないとの多くの市民の声に対し、直前でペット同伴の避難所を決断されました。すばらしい判断だと思いました。今回は、昨年のような市民の混乱の声は直接はなかったものの、先ほど紹介したような4月中旬頃からの他都市での混乱の様子は知り得たと思います。  今後は、直接市民の声はなくとも、先行実施の他都市の取組状況など、積極的に情報収集をしていただき、臨機応変な対応に努めていただくようお願いいたします。  次に、今後の取組について2点お尋ねします。  先ほどの齊藤議員の質問で、65歳未満の接種体制について答弁がありました。  65歳未満の対象者は、約44万6,000人と、これまでの2倍以上になります。検討するに当たっては、当然、これまでの予約実績や接種実績を参考に検討されるかと思います。また、政府は、職場や大学等での接種も今月21日から始めるとしています。今後は、多くの市民がスマホやパソコンでの予約ができることや、行きつけの病院が特にないなど、予約や接種における行動が大きく違ってくると予想されます。  そこで、1点目として、65歳未満の市民に対して年齢ごとに、接種の意思や接種場所、予約方法などの意向を事前にアンケートで調査することで、より実態に合った計画を立てることができると考えますが、本市のお考えをお尋ねします。  次に、ある程度ワクチン接種が進んだ時点にはなりますが、電話がつながりにくく、予約を諦めた方や、接種会場への移動が難しい方など、取り残される方への対応が必要となります。  したがって、予約をしていない市民に対して、適切な時期に接種の意向確認が必要となり、特に予約を諦めた方については、職員が予約を取ってあげることなどが必要になると考えます。また、接種会場への移動が難しい方には、訪問接種を行うなど、接種を希望する人を一人も取り残さない取組が必要と思います。  特に、訪問接種について、厚生労働省は移動が困難な高齢者の自宅に医師や看護師が出向いて行うことを認めています。  ただ、課題もあります。一つは、医師や看護師の確保でありますが、これについては、医師会の協力や離職中の潜在看護師の活用などを進めることも必要かと思います。また、希釈後6時間以内に使い切らなければならないファイザー社のワクチンの特性も課題であり、訪問による移動のため時間切れで無駄になってしまうおそれがあるため、連続訪問接種を避けるなどの工夫も必要かと思います。  そこで、2点目として、本市としても、接種を希望する方を一人も取り残さないために、ただいま述べた提案を検討していただくとともに、他の先行事例がないかなど、積極的な情報収集をしていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
     以上2点、健康福祉局長にお尋ねいたします。          〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕 ◎石櫃仁美 健康福祉局長  今後のワクチン接種に関する御質問にお答えさせていただきます。  まず、64歳以下の方に対しましては、6月18日から順次、接種券を発送し、7月10日以降、年齢ごとに段階的に受付を開始する予定といたしております。  御質問のアンケートにつきましては、既に先週末からインターネットによる調査を開始しており、6月6日現在約8,200名の方から回答をいただいているところでございます。質問内容は、接種を希望するかしないかや、希望する接種会場など、今後の予約枠の調整や、最終的な接種率の推計に生かせるものと考えております。  議員お尋ねの、接種または予約をされていない方への意向確認につきましては、このアンケートの結果を参考にした上で、有効な手法について検討してまいります。  また、接種会場への移動が難しい方に関しては、一部訪問診療医による在宅での接種も行われているところでございますが、今後も、他都市の先行事例等も参考にしながら、接種を希望する方を取り残すことがないよう、様々な対策を講じてまいりたいと考えております。          〔25番 浜田大介議員 登壇〕 ◆浜田大介 議員  アンケートについては、先週末よりインターネット調査を開始しているとのことで、6月6日時点で約8,200名から回答があったとのことです。  私のLINEにもアンケートが来ていたことを月曜日に確認し、回答いたしました。アンケートの結果の詳細については、今後、御報告いただくようお願いいたします。また、予約ができていない方や接種会場への移動が困難な方へのきめ細やかな対応をしていただき、接種を望む全ての方が取り残されることがないよう、よろしくお願いいたします。  次に、農福連携の推進についてお尋ねします。  農林水産省によると、農福連携とは、障がい者などが農業分野で活躍することを通じ、自信や生きがいを持って社会参画を実現していく取組です。農福連携に取り組むことで、障がい者などの就労や生きがいづくりの場を生み出すだけでなく、担い手不足や高齢化が進む農業分野において、新たな働き手の確保につながる可能性もあり、近年、全国各地において様々な形での取組が行われており、農福連携は確実に広がりを見せているとのことです。  農福連携を実施する農家や福祉施設は、全国で約5,000か所と聞いております。主なケースは、農家や農業法人などが障がい者を労働者として雇うケース、就労継続支援事業所自らが農業に参入するケース、就労継続支援事業所が農家から農作業を請け負い、その作業に障がい者が従事するケースなどがあるようです。  福祉分野では、農作業が障がい者1人に応じた仕事をつくりやすいことから、就労先の選択肢が増えるといった利点があり、高齢化や後継者不足で悩む農家にとっては、不足する労働力を補うという利点があります。  また、農業の生産性向上につながる事例や、障がい者の賃金アップにもつながる事例も多いようです。このほか、障がい者にとっては、土に触れながら米や野菜などを育てる作業に携わることで、心身の健康増進にもつながり、前向きに生きていく気持ちが高まると効果があるとする専門家もいます。  農家側も、障がい者と触れ合うことで理解が深まることや、労働力に余裕ができたことにより、耕作面積を拡大できたり、収穫量が増え、収入も増えたりと、よい影響をもたらしているとの報告も多く上がっているようです。  このようなことから、政府は、昨年6月に農福連携等推進ビジョンを取りまとめ、2024年までに新たに3,000か所増やす方針を示しました。また、一昨年3月に、農福連携で生産された農林水産物や加工食品について、生産方法及び表示の基準を規格化した、ノウフクJASが制定されました。同11月には、登録認証機関より、第1号のノウフクJAS認証事業者として、長野県のリンゴの農業法人や京都のお茶やエビイモなどの生産加工をする就労支援事業所など4事業者が認証されました。  ノウフクJASは、障がい者が携わった食品であることを示すことで、人や社会、環境に配慮した消費行動を望むエシカル消費者への購買意欲に働きかけるなど、農福連携の普及を後押しするものであります。  これらの取組は、都道府県が主体となるケースが多いようですが、本市は、全国と比較しても農産物の産出額は政令市3位、全国市町村で8位を誇り、特色ある農産物が盛んに生産されており、農福連携を推進するには適しているところであります。  そこで、本市としても積極的に県と連携し、農福連携を推進していただきたいと期待しますことから、農福連携における本市の取組状況について、農水局長にお尋ねいたします。          〔岩瀬勝二農水局長 登壇〕 ◎岩瀬勝二 農水局長  農福連携の取組についてお答えいたします。  農業の生産現場や選果場等では、農業従事者や雇用労働者の高齢化等に伴い、労働力不足が大きな課題となっており、担い手の確保、育成と併せ、農福連携を含めた多様な人材を安定的に確保することが重要と認識しております。  このような中、平成31年4月に、県と市の農業及び福祉担当者合同による農福連携推進会議を設置し、農福連携の取組を開始したところでございます。  具体的には、市内における農業者の先進事例の情報を共有するとともに、県の農福連携コーディネーターとも連携して、農業者と福祉施設のマッチングをこれまで延べ40件行い、うち18件について契約が成立しております。  また、認定農業者や農業後継者等に対し、熊本市農業者大会等において、農福連携に関する講演等を通じ啓発周知を行うなど、認知度の向上に努めてきているところでございます。  加えて、議員御案内のノウフクJASについても、今年度から農業者等の多様な取組に対し支援する、夢と活力ある農業推進事業において、ノウフクJAS認証審査に係る経費を補助メニューに新設したところでございます。  引き続き県と連携し、他都市において先進的に取り組まれている成功事例等を参考に、農福連携に取り組んでまいります。          〔25番 浜田大介議員 登壇〕 ◆浜田大介 議員  農福連携については、県と市の農業福祉担当者による農福連携推進会議が行われており、現在18件について契約成立とのことです。また、ノウフクJASについても、今年度から取り組まれるようで期待いたします。  一度にはなかなか進まないと思いますので、地道に着実に広げていくことが大事だと思います。まずは、できるだけ多くの農業関係者の方々に農福連携について理解していただくよう、市としても取り組んでいただきたいと思います。  また一方で、福祉部門としても、農福連携の様々な成功事例を紹介し、障がい者などが農作業を実体験することによって農業に興味を持ってもらい、マッチングの輪が広がっていくような取組をお願いいたします。  次に、最後の質問になります。  水道スマートメーターについてお尋ねします。  水道スマートメーターとは、通信機能を備えた水道メーターのことです。一定時間ごとに水の使用量などのデータを水道事業者へ送信することができます。  従来のアナログ式メーターでは、2か月に1回程度、目視による検針作業を行う必要がありますが、スマートメーターはその手間やコストが省け、ほぼリアルタイムで使用状況を把握することができます。また、効率的な配水運用もでき、漏水の早期発見もしやすいというメリットもあります。  市民にとっては、住民向けに使用状況をスマートフォンなどで確認できるように設定すれば、使用状況の見える化により、蛇口の閉め忘れや節水にも役に立ちます。また、高齢者の見守り支援にも活用できます。  多くの利点があることから、欧米諸国では早くから導入が進んでいるようです。我が国でも、東京都が大規模な導入に率先して動き出しており、2022年度から2024年度にかけて約13万個のスマートメーターを、霞が関周辺や住宅街、都営住宅などの建て替え時に合わせて取り付けるほか、公園や学校を含む公共施設などにも導入する方針です。また、導入による住民負担は発生しないとのことです。  課題として、メーターが従来品と比べ、6倍から12倍も高いことが挙げられていますが、今後、低コストの製品開発に着手するようです。  東京都水道局は、将来的な水需要の減少や設備の老朽化対策など、水道事業の環境が大きく変化する中、業務の効率化とサービス向上の有効な手段の一つとして取り組み、2030年代には都内全戸への普及を目指すとしています。  東京都以外の自治体でも一部で導入は進んでいるようですが、数十、数百個程度の単位がほとんどのようです。長野県坂城町は、2017年から高齢者らの見守りシステムに活用しています。これは、高齢者の水の使用状況に応じ、離れて暮らす親族らへメールを送る仕組みで、毎朝起床して水道を使い始めた場合には元気メールが、8時間以上の不使用や2時間以上の連続使用の場合には異変メールが、それぞれ配信されるようになっています。  また、九州電力では、鹿児島市や福岡県糟屋郡志免町において、本年度より、電力スマートメーター通信システムを活用した、電力とガスや水道との共同検針の実証実験を行っているようです。これは、電力会社のスマートメーター通信システムに接続可能な無線通信端末をガスや水道メーターに取り付けることで、ガスや水道の検針データを自動収集することが可能となっています。  このように、水道スマートメーターは、老朽化対策や業務の効率化に資する上に、高齢者らの見守りなどにも活用できることから、本市としても導入に向けて検討すべきではないかと考えます。本市のお考えを上下水道事業管理者にお尋ねいたします。          〔萱野晃上下水道事業管理者 登壇〕 ◎萱野晃 上下水道事業管理者  水道スマートメーターにつきましては、自動検針や漏水情報収集等への活用が期待されますことから、東京都をはじめとする大都市を中心に実証実験が実施されるなど、実用化に向けた取組が進められております。  本市におきましても、平成30年に西日本電信電話株式会社との間で、令和元年度には西部ガス株式会社も参加いただき、実証実験を行っておりまして、様々な課題の抽出を行ったところでございます。  本市水道事業への導入につきましては、既に導入が進んでおります電力スマートメーターを活用しました共同検針が有力な手法の一つであると考えております。  そこで現在、電力会社と定期的に情報交換等を実施しておりまして、引き続き導入に伴うコストや技術面での課題など、研究してまいりたいと考えております。          〔25番 浜田大介議員 登壇〕 ◆浜田大介 議員  この質問に至った経緯は、以前、ある方からの市民相談で、水道メーターが家の中にあるため、メーター検針員さんが検針に来る日は家にいなければならず外出できない。近々、自宅前の歩道工事に伴う水道管の配管工事があるので、ついでに我が家の水道メーターを屋外に移動することができないかとの相談があったことがきっかけです。なぜ家の中に水道メーターがあるのか尋ねたところ、昔はお店をしていたので問題なかったとのことでした。  上下水道局に相談したところ、水道管から水道メーターへの配管工事の費用は個人持ちになるとのことで、相談された方は自費で移動されました。また、市内にはほかにも水道メーターが建物の中にあるケースや、検針しにくい場所に設置されているケースがあるとのことでした。  水道スマートメーター導入については、実証実験や電力会社との情報交換を行っているということで、導入に向けて前向きに検討されていると受け取りました。今後は、建物の中や検針しにくい場所のメーターからでも先に導入を始めていただきたいと思います。  本日、用意しました質問は以上となります。  御答弁いただいた市長並びに執行部の皆様、長時間お付き合いいただいた議員各位の皆様に感謝を申し上げます。また、リモート等で傍聴いただいた全ての皆様に心から感謝を申し上げます。  以上で質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)       ──────────────────────────── ○園川良二 副議長  この際、議事の都合により休憩いたします。  午後2時に再開いたします。                             午後 0時01分 休憩                             ───────────                             午後 2時00分 再開 ○原口亮志 議長  休憩前に引き続き会議を開きます。       ──────────────────────────── ○原口亮志 議長  休憩中開催の予算決算委員会において、欠員となりました副委員長互選の結果、上田芳裕議員が当選されました。  以上、御報告いたします。       ──────────────────────────── ○原口亮志 議長  一般質問を続行します。  山内勝志議員の発言を許します。山内勝志議員。          〔15番 山内勝志議員 登壇 拍手〕 ◆山内勝志 議員  市民連合の山内勝志でございます。  今回、私の一般質問は、新型コロナウイルス感染症への対応のうち、特に医療面の対応を中心にお聞きしたいと思います。  5月16日に熊本県に発出されました、まん延防止等重点措置は今も宣言下にあります。第4波の到来は、イギリス型変異株への置き換わりと同時に、新たなインド型変異株への警戒も必要となり、これまでとは少し違う恐怖感に近い感覚があります。  振り返ってみれば、今回の第4波は、第1波から第2波とは比べようもなく深刻です。年末年始の第3波と比べましても、変異ウイルスの感染力の強さや若年層への重症化など、格段にリスクが大きくなっております。これまでの対策についても改めて戦略を練り直す必要性も感じました。  一方で、先般の報道では、ファイザー社のワクチンを接種した日本人の9割を超える人がイギリス型、インド型の変異ウイルスにも中和抗体を持っていたという、横浜市立大学の研究結果が発表されております。久しぶりに大変心強く希望の持てる話です。これからワクチン接種が高齢者から一般の方に、また16歳未満の若年層にも広がっていくことで、以前の生活を取り戻すことに希望が持てます。  しかし、全ての人々へのワクチン接種が終わるまでにはまだまだ時間がかかります。それまでの間は、何とかこの厳しい第4波のステージを乗り越えていかなければなりません。  今回の私の質問では、医療、介護、教育のそれぞれの場面を捉えて、これまでに経験したことから見えてきた課題をいま一度検証し、第4波のみならず新たな変異型コロナウイルス、またその先に襲来するかもしれない新興感染症との闘いに立ち向かうための方針などについてお聞きしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。  まず、新型コロナウイルス感染症治療における医療連携の重要性についてお聞きします。  熊本県での新型コロナウイルス感染者の治療に当たっては、発生の当初から、感染症指定医療機関が一手に受入れを行ってきておりました。その後、協力医療機関を増やすことで病床の拡大を図ってきました。しかし、第1波から第3波までを見ると、決してスムーズな受入体制ができていたようには感じませんでした。日本中が手探りの状態で始まった対応ですので、やむを得ないことではありますが、どうも医療が目詰まりを起こしていたように思います。  本来、医療には高度急性期、急性期、回復期、慢性期という4つのステージがあります。患者の症状に適応したこれらの医療のステージを、おのおのの病院が持つ医療資源を使って役割を分担することを基本としています。そこに地域に根づいたクリニック等の診療所や介護施設、訪問診療所等が担う在宅医療が連続してつながることで、医療の負荷を分散し安定的な医療を提供する環境を保っております。  新型コロナウイルス感染症の治療においても、このような医療のステージのつながりの中で対応することがベストであったと思います。しかし、これまでの動きを見ていると、大きな混乱の中で本来の医療連携の流れに乗れなかったのではないかと感じております。  今回のコロナ禍における医療連携での重要な役割に入院調整があります。この役割は、保健所の医師や保健師の方々を中心に担っていただいております。入院調整に当たっては、患者さんの症状はもとより、年齢、基礎疾患の有無、本人、家族の家庭環境等々を聞き取った上で、受入先病院との協議を行っておられます。また、患者の年齢や症状等によっては入院に至らず、療養施設である指定のホテルや自宅での療養を選択することもあります。  最初の入院決定のときだけでなく、入院中に症状が急変し重症化した場合は速やかに重症専用病院へ、逆に症状が軽減したら軽症専用の病院へ転院させるという調整も必要です。加えて、自宅療養者等への健康観察や急変時の対応も担っております。大変な労力が入院調整の現場に負荷をかけていると思います。  しかし、この入院調整の作業が滞ってしまうと、一気に医療現場が混乱してまいります。しっかりとした体制を取っていただくことを望まざるを得ません。  そこで、現在の医療連携の要となる入院調整について、基本的な調整方針についてお聞かせください。  また、ウイルスの主体が、感染力がより強く、重症化リスクも懸念される変異株へ置き換わっている現状を踏まえれば、重症、中等症の病床をしっかりと確保することがますます重要になります。そのためには、中等症や軽症から回復はしたものの、基礎疾患があるというような理由でしばらくの間入院療養が必要な患者さんを引き継ぐような後方支援病院の拡充は必須となります。医療の目詰まりを防ぐための後方支援病院の拡充について、現在のお考えをお聞かせください。  また、入院調整時には、多くの医療情報がそれぞれの現場であふれ返っていることと思います。その中で、医療機関同士の情報の共有は、合理的に、かつスムーズに行われていますでしょうか。事前に現場の様子をお聞きした限りでは、主に電話による問合せをマンパワーで行っていらっしゃるように認識いたしました。  医療連携においては、各ステージの治療を担当する病院同士の情報の共有が重要となります。どの病院が重症度に応じた病床を何床保有して、そのうちの何床が埋まっているのか。また、透析が必要な患者さんや妊娠中の患者さんなど、新型コロナウイルス感染症の治療に加えて特別な医療を提供できる病床がお互い何床使えるのか。重点医療機関や協力病院がお互いの医療資源の状況をしっかりと把握していることが、医療崩壊のリスクを少しでも小さくすることにつながると思います。  国は、感染症医療機関の情報支援システム、通称G−MISと呼ばれる情報支援システムを拡充する方針です。しかし、このシステムを実際に現場では活用できているのでしょうか。もし活用できていないのであれば、今後は独自の手法を考える必要もあります。  もっとも、今すぐにシステムや手法を変更しますと現場が混乱しますので、今後これまでの取組を検証するときが来たときには、医療情報連携システムの導入について検討いただきたいと思いますが、お考えをお聞かせください。  以上、健康福祉局長にお尋ねいたします。          〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕 ◎石櫃仁美 健康福祉局長  入院調整の基本的方針、後方支援病院の拡充、医療情報連携システムの導入についてお答えいたします。  最初に、入院調整につきましては、患者の年齢や現在の症状、既往歴等に応じて県が示す入院等の基準に基づき保健所の医師が判断し、重症や中等症など入院が必要な患者につきましては確実に入院治療につなげるほか、軽症や無症状の方については宿泊療養や自宅療養を行うなど、適切にトリアージを行っております。  次に、新型コロナウイルス感染症から回復した後も、基礎疾患等により継続的な入院が必要な患者を受け入れる後方支援医療機関につきましては、6月1日時点で市内に37医療機関を確保し、病院間で受入転院調整が行われているところでございまして、引き続き後方支援医療機関の確保に取り組んでまいります。  最後に、国の情報支援システムG−MIS等を活用した感染患者の受入医療機関相互の情報共有につきましては、今後、受入医療機関における現在の活用状況や医療機関の活用意向、他都市の事例等を踏まえて研究してまいります。          〔15番 山内勝志議員 登壇〕 ◆山内勝志 議員  御答弁ありがとうございました。  今回のコロナ禍において、発熱外来やワクチン接種を担っていただいているクリニック、重症、中等症、軽症のそれぞれの治療を担っていただいている重点医療機関や協力病院、また、回復後の入院医療を担う後方支援病院、これらの医療機関の関連性がスムーズにつながることこそが、まさに地域医療が目指す姿に合致するものです。このつながりをコロナ対策に有効に生かしていくためにも、本市の医療政策は重要な役割を担っていると思います。大変な状況ではありますが、今後も引き続き積極的な医療連携のマネジメントをお願いしたいと思います。  また、医療情報を共有できる連携システムは、最前線の医療者にとっても大変有効なアイテムだと思います。今後、救急現場での搬送先病院の検索にも活用できます。コロナ禍の一定の収束後に様々な改善策を洗い出す際には、前向きに御検討いただきたいと思います。  次に、自宅療養等への医療面の対応についてお聞きいたします。
     緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発令されている都道府県や都市においては、医療の逼迫により、本来なら病院に入院すべき症状であるにもかかわらず、ホテル宿泊療養や自宅療養にならざるを得ない患者が急激に増加しました。そのような状況下で、症状が急変し、最悪死に至ってしまうことが大きな問題となっています。  新聞報道によりますと、今年1月以降に緊急事態宣言が発令された14の都道府県を対象に、自宅や宿泊施設で療養中や入院待機中に症状が悪化して死亡した人を集計したところ、78人に上っていたそうです。この集計には、救急車で搬送後に死亡が確認された場合は医療の管理下にあったとして、集計には含まれていないということですので、実際にはもっと多かったと思われます。最も死亡例が多いのは大阪府の20人で、ほとんどがここ一、二か月の間に発生しているようです。こうなると、既に医療は崩壊していると言っていいのかもしれません。  病院以外で療養する方やその家族の方が最も恐れるのが症状の急変です。診察を経て薬の処方箋が出ているかもしれませんが、インフルエンザのように特効薬が手元にあるわけではありません。また、酸素飽和度を測るパルスオキシメーターを借りていても、実際に呼吸が苦しくなっても自宅で酸素投与を受けることもできません。保健所からの定時連絡だけが自分自身の様子を訴えられる唯一の機会と感じてしまい、大変不安な日々を送ることになります。  熊本県でも5月22日の時点では、入院が304人に対して宿泊療養が170人、自宅療養が入院数を上回る309人という状況がありました。現状では一時期と比べると療養者数も少なくはなってきておりますが、今後の変異ウイルスの感染動向によっては、再び医療が逼迫し、宿泊療養や自宅療養の数が一気に増えることも考えられます。  変異型ウイルスの特徴には、宿泊療養や自宅療養が選ばれやすい若年層に対しての重症化リスクが高いということがあります。そのことを考えると、症状が急変してからの医療の介入ではなくて、療養中にも何らかの医療の提供ができるように新たな方策が必要です。  他の自治体においては、地域のクリニックの医師の協力で、急変の可能性のある自宅療養中の患者への電話確認や、患者が異常を感じたときの電話での診察や往診などを、医師会を通じて委託した事例もあるようです。また私としては、在宅医療を担っている訪問看護の事業所に委託し、定期的な自宅療養先の巡回も有効であると思っております。様々な可能性の下で前例にとらわれない策を考えていただきたいと思います。  健康福祉局長にお尋ねいたします。          〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕 ◎石櫃仁美 健康福祉局長  患者の急変につきましては、宿泊療養施設では看護師が常駐し、オンコール体制の医師と連携して対応を行っております。また、自宅療養や入院等調整中の方につきましては、パルスオキシメーターを配布し、毎日保健師等により丁寧に健康観察を行っているところでございます。  自宅療養や入院調整中の方につきましては、急変後からの医療介入を行うのではなく、毎日の健康観察において症状の変化を早期に捉え、適切に外来での診療につなげているところでございまして、救急患者の発生に備え、医療機関と連携し、緊急時対応用の病床の確保にも取り組んでいるところでございます。  さらに、熊本市医師会の御協力の下、地域の医療機関による自宅療養者等に対する訪問診療も開始したところであり、議員御提案の委託契約に基づく訪問診療等につきましても、他都市の事例等を参考に検討してまいります。  今後とも、感染者数の大幅な増加を想定した緊急時の対応として、入院病床の確保をはじめ、宿泊療養や自宅療養体制における健康管理体制の強化について、引き続き県と連携して取り組んでまいります。          〔15番 山内勝志議員 登壇〕 ◆山内勝志 議員  御答弁ありがとうございました。  大阪、東京で起こったことは、熊本でも起きると想定しての対策プランをあらかじめ準備していただきたいと思います。御答弁もいただきましたが、引き続き地域のクリニックや訪問看護事業所への委託についても、導入に向けて検討していただくようお願いいたします。  また、療養先を決める際には、困難ケースも生じてくると思います。例えば、重度の障がいで在宅療養中の患者さんの受入れはどうするのか、あるいは、高齢で人工呼吸器をつけるなど、積極的な治療を本人や家族が望まない場合はどうするのか、小さな子供が陽性となり親の看護から離れる場合や、逆に保護者が感染し子の面倒を見る者がいない場合はどうするのか、こういった様々な困難ケースが考えられます。さらには、熊本市に住む留学生や外国人居住者への情報の伝達や、医師の問診や診察時の通訳の問題、あるいはワクチンの接種の問題、こういったことも気になるところです。初動時に混乱しないよう、あらかじめ市役所内の担当部署間で積極的な課題の洗い出しをよろしくお願いいたします。  次に、介護現場でのクラスター対策についてお尋ねします。  居住型の介護施設でクラスターが発生した場合、高齢であり基礎疾患を持つ方も多いため、ほとんどが病院への入院が必要になると思います。しかし、医療が逼迫するとスムーズに入院ができず、そのまま施設での療養となるケースが多いと思います。結果として、1つの施設の中に陽性者と陰性者が同居する事態となります。また、感染が職員に広がれば、仕事に就ける人も少なくなり、残された少数の職員が陽性者の療養と介護、それと同時に陰性者の通常の介護を、感染対策を取りながら行うことになります。  その結果、絶対的なマンパワー不足に陥り、万全の感染対策も取れず、施設内でさらにクラスターが拡大するおそれがあります。そのため、過去の介護施設でのクラスターでは、最終的に医師や看護師の医療チームを施設に派遣して、何とか療養体制を確保したという事例が報道されております。  介護施設側には、感染エリアを禁止区域に区分するゾーニングや、最も感染しやすい防護服の着脱など、クラスターに十分に対応できる感染対策スキルがあるわけではありません。そうであれば、あらかじめ派遣医療チームを送り込む前提で体制づくりをした方が有効だと思います。  災害が発生したときには、DMATと呼ばれる医療チームが、被災地の現場や被災者の治療を行う病院に派遣され、医療支援を行ってくださいます。災害拠点病院などには、平常時からあらかじめ派遣チームを編成し、訓練を行いながら、いつでも出動できるよう準備されています。熊本地震のときも多くのDMATのチームが発災直後から熊本入りし、災害時の初期医療を支えてくださいました。私自身も、被災した市民病院の災害本部で患者さんの避難に追われているとき、DMATの方々の到着にどんなに安堵感を持ったか鮮明に覚えております。  そこで、このDMAT派遣の取組を参考に、介護施設等のクラスター時に派遣していただけるような、感染対策派遣チームの編成を検討できないでしょうか。既に、新型コロナウイルス感染症の治療を行っている病院や、ワクチン接種を担っていただいているクリニックには重ねての協力依頼となるかもしれませんが、それ以外の医療機関やDMATを運営される団体との協議をぜひお願いしたいと思います。  もう1点は、在宅医療や訪問介護の現場でのクラスター対応についてお聞きします。  本市においても、在宅患者への訪問診療事業所で、従事者の方の感染がありました。幸い訪問先の患者さんへの感染はなく、訪問診療を休止していた期間も関係のある事業所の応援でカバーができたとのことです。感染者の拡大も、在宅で診療を受けていた方への影響も、今回は何とか最小限で沈静化したようですが、今後同じような事案が発生したときのためにも、訪問診療、訪問看護、訪問介護の現場で感染が発生したときの対処方法を決めておく必要があります。  まずは、熊本県が行っている居住型施設への応援職員の派遣制度を参考に、在宅医療、介護の現場へのクラスター対策を検討していただきたいと思います。  以上2点について、現在のお考えを健康福祉局長にお尋ねいたします。          〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕 ◎石櫃仁美 健康福祉局長  まず、感染対策医療チームの派遣についてでございますが、本市におきましても、昨年末から複数の入所系介護施設におきましてクラスターが発生しており、本市の医療提供体制に深刻な影響を及ぼしてまいりました。  クラスターが発生した際の初期対応といたしましては、保健所の医師や保健師、感染管理認定看護師等が速やかに現場に入り、施設内のゾーニングや感染防止対策等の指導を徹底するとともに、施設職員へのフォローも行っております。  その後も保健所や事業担当課等の職員が連携しながら施設に入り、必要に応じて厚生労働省のクラスター対策班や熊本県感染管理ネットワーク等とも連携を図りながら、継続的な支援を行っているところでございますが、議員御提案のDMAT等を参考としたさらなる支援体制の構築について、まずは関係機関と協議を行ってまいりたいと考えております。  次に、在宅医療や介護現場でのクラスター対応につきましては、在宅の高齢者が利用する介護事業所でクラスターが発生し、サービスの提供を休止または縮小せざるを得なくなった場合に備え、利用者の引継先を事前に確保していただくよう事業所に対して繰り返し周知を行っているところでございます。  現在、各事業所の現状や課題の把握を進めており、必要なサービスを安定的、継続的に提供できる体制の構築に向けて、事業所とともに対応を検討してまいります。          〔15番 山内勝志議員 登壇〕 ◆山内勝志 議員  御答弁ありがとうございました。  全国的に医療の逼迫が顕著となり、課題解決の重点が医療サイドに集中していますが、福祉や介護現場の課題解決にはまだまだ追いついていないように思います。高齢者のワクチン接種が十分に行き渡るまでは、いましばらく時間がかかりそうです。行政も民間の方と協働し、積極的に課題に対処していただきたいと思います。  次に、介護事業所等に対する経営支援と人材不足への抜本的対策についてお尋ねいたします。  担当課にお聞きしたところ、令和2年度中に介護事業所等を廃止する届出を出した60事業所のうち、新型コロナウイルス感染症が原因となる経営不振により廃止したところが4施設、同じく新型コロナウイルス感染症が原因で人員不足に陥り運営がままならず事業を廃止したところが1施設あるということでした。これは昨年度の数ですので、現在の第4波の状況を考えれば、この先この数字が増えていくことも十分考えられます。  高齢者の重症化リスクがほかの世代と比べても高いことから、介護の現場が受けるコロナ禍の影響もより深刻です。感染者が増えていくと、デイサービスを楽しみに通われていた方も利用を控えられます。在宅での看護や介護を受けられている方でも訪問を断るような事例があったようです。結果として、介護サービスを利用する高齢者の身体状況も悪化しますし、携わる事業所の経営も悪化します。  また、介護従事者も医療従事者と同じように二重三重の感染対策に気を遣いながら、常に緊張を強いられながら高齢者と接しておられます。コロナ禍が長引くことで心身にわたる負担感が積み上がり離職される方も多いようです。そもそも介護現場での人材不足が続いている中でのコロナウイルス蔓延ですので、事業所の経営者の方も従事者を確保することに多くの労力をかけていると思います。  医療の現場も同様に、新型コロナウイルス感染症治療を行っている病院を中心に、診療の縮小や患者の受診控えなどで多くの医療機関が経営に苦しんでいます。看護師など医療従事者の離職も大きな問題となっています。  医療も介護も同じように苦しい経営環境ですが、医療にはコロナ患者の受入れに対する病床確保補助金や新型コロナウイルス感染症治療の診療報酬の増額、従事者への慰労金が支給され、完全ではないものの一定の支援が行われています。しかし介護には、従事者慰労金は支給されていたようですが、運営に対する支援が目に見える形で行われてはいないように思います。  超高齢社会となり、介護と医療は切り離せない一体関係にあります。国が進める地域包括ケアシステムをしっかりと形づくるためにも、コロナ禍で経営難により廃業する介護事業所が増え、介護の現場が弱体化するようなことは避けなければなりません。  また、介護従事者の不足はコロナ禍に始まったものではありませんが、コロナ禍を契機として、何か抜本的な施策を立てなければ状況は悪くなる一方です。熊本市ではコロナ対策の一環として、人材難が続く介護を含む4分野に就職した方に就職奨励金を支給する、特定分野緊急就職促進事業などを経済雇用対策として行ってきました。しかし、介護分野の人材不足は深刻です。熊本市の介護の現場が弱ってしまわないよう、介護、福祉のサイドからももっと大きな戦略が必要だと感じます。  人生の中で、就職を考える大きな機会が何度か訪れます。学校を卒業して迎える初めての就職のとき、新たなやりがいを探す転職のとき、退職してセカンドキャリアを選択するとき、これらの機会を捉えて人材確保の対策を立てられないでしょうか。また、若い世代から介護を理解し触れ合う教育の機会をつくり出すような、時間をかけて取り組む方針も必要だと思います。  コロナ禍における介護事業所への経営支援策及び介護従事者不足に対する抜本的な施策の展開について、国への要請も含め、本市の考え方をお聞かせいただきたいと思います。  大西市長に御答弁をお願いいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  介護事業所への経営支援についてでございますが、令和3年度の介護報酬改定において、感染症等への対応として、通所介護の利用者が前年度と比較し減少した場合の加算等が創設されまして、また、本年9月までの間については、基本報酬を上乗せする特例措置が設けられました。  今後は、これらの報酬改定の効果や感染状況を見ながら、さらなる対策が必要と判断される場合には、改めて国に対して要望してまいりたいと考えております。  次に、介護の人材不足に対する施策についてでございますが、高齢化の進展に伴いまして、要介護高齢者の増加が見込まれる一方、少子化により介護の担い手となる生産年齢人口が減少する中、介護人材の確保は重要な課題であります。介護人材の確保に向け、多様な人材の参入促進に加えまして、働きやすい職場環境づくりを進めることによる定着の促進や処遇改善といった多角的な取組をさらに推進していく必要があると認識しております。  そこで、今年度からは、新たに介護事業者のほか、熊本県介護福祉士会や介護人材の養成機関等も含めた、熊本市介護人材確保に関する懇談会の開催に向け準備を進めているところでございまして、皆様からの御意見、御助言を踏まえ、より効果的な介護人材の確保策を検討してまいりたいと考えております。          〔15番 山内勝志議員 登壇〕 ◆山内勝志 議員  御答弁ありがとうございました。  介護の現場は、中小の事業所が多く、コロナ禍にかかわらず経営についても、人材確保についても、もともと厳しい環境にありました。しかし、これ以上の負担は事業所の廃業の連鎖も懸念されます。熊本市の介護の力が弱ってしまうことがないよう、ぜひ柱となるような施策を立てていただきたいと思います。特に、人材確保の問題は、これまでも多くの事業を実施されているとは思いますが、年次で目標数値を掲げて取り組むような総合的な計画の策定をぜひお願いしたいと思います。  最後に、教育現場の対応についてお聞きしたいと思います。  コロナ禍の影響は、教育の現場にも深刻な影響を与えていますが、ここでは、コロナ禍で医療面の原因などで学校を自主的に欠席している子供たちについてお聞きします。  医療的ケア児や呼吸器疾患等の基礎疾患を持つ子供、また本人ではなくても兄弟、家族が同様の疾患を持っている場合は、感染を避けるために学校を欠席せざるを得ません。また、ぜんそくでせき込むと周りの友達が怖がるという理由で休む子供たちもいるようです。  このような理由で学校に行けない場合、出席なのか、欠席なのかという取扱いについては、何らかの配慮が必要だと思います。新型コロナウイルス感染症の陽性または濃厚接触の場合は、いわゆる学校側からの出席停止として欠席扱いにはならないと思いますが、自主欠席中の扱いは現在どのようになっているのでしょうか。  また、基礎疾患がなくても、毎日毎日ニュースに流れる感染の状況を見聞きしていれば、学校に行くこと自体が怖くなる子供たちもいると思います。不安が積み重なり、学校に行くことに大きな負担を感じたら、無理に登校することが正しいとは言い切れません。  また、課題はその扱いだけでなく、学習の遅れにもあります。学習プリントを家で自習しても、学力差がどんどんついていくことに、本人だけでなく保護者の方も心配が募ります。  このような問題に対して教育委員会では、新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえた学習サポートとして、授業のライブ配信を行うことを決定されました。もともと熊本市は、他の自治体に先駆け、児童・生徒への1人1台のタブレット貸与が行われています。昨年の一斉休校の際も、いち早くオンライン授業に取り組んでいらっしゃいます。このようなよい環境であることを利用した今回の取組に、少し安心される保護者の方も多いと思います。  また、自主欠席の取扱いについても、対象となる理由を幅広く広げ、身体症状だけでなく、不安を感じて登校できない子供たちも対象となるようです。  一方、授業のライブ配信には運用上の問題や技術的な課題もあると思います。昨年のオンライン授業でも映像がフリーズしたり、不鮮明だったりしたこともあったようです。通信回線の課題や機材の調達は大丈夫でしょうか。また、国語や算数、数学など黒板を使う授業のライブ配信はイメージができますが、図工、音楽や体育の授業などについて実施は可能なのでしょうか。  特に気になるのは、情報の保護、管理です。教室内を撮影するわけですから、不必要な情報が映り込まないように配慮する必要があります。また、配信された教室の様子がインターネット上に流れるようなことがないように、学校側と家庭側でしっかりとしたルールを定め、お互いに十分確認しておく必要があります。この課題は他の自治体でも、オンライン配信をする上での重要な注意点と捉えていますので、抜かりのないようにお願いしたいと思います。  そして重要なことは、実際に授業を行う教師の方々に過度の業務負担がかからないようにすることです。ライブ配信のための準備や機器の操作などに時間を取られ、配信することに注意を向けるあまり、本来の授業そのものに力を注げなくなったりしては困ります。教師の方の負担を最大限軽減するようなサポートが必要です。配信する学校にICT支援員を配置するなど、教育委員会全体で取り組んでいただきたいと思います。  また、このようなオンライン上での授業の実施は、コロナ禍だけの対応策ではなく、様々な理由で学校に行けない子供たちへの学習の手助けにもなるように思います。例えば、学校に行けない子供たちを同じ学年のオンライン上のクラスとして編制し、同じように生じている学習の格差を一緒に埋めていくことも可能であるように思います。  今回の新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえた学習サポートの実施に当たって、4点お尋ねいたします。  1点目、授業のライブ配信を受ける対象となる子供たちの想定人数について教えてください。  2点目、今回のサポートによって出席停止、欠席、出席の扱いはどのように変わるのでしょうか。  3点目、安定した通信回線や必要な機材についての確保は十分でしょうか。また、情報の保護、管理については、どのように配慮されているのでしょうか。  4点目、授業を受け持つ現場の教師の業務負担に対して、教育委員会としてはどのような対策を考えておられるのでしょうか。  以上の点につきまして、教育長にお尋ねいたします。          〔遠藤洋路教育長 登壇〕 ◎遠藤洋路 教育長  コロナ禍での学習サポートの実施につきまして、4点お答えいたします。  まず、1点目のライブ配信の想定人数ですが、本市では新型コロナウイルス感染症について、濃厚接触者となったり、登校に不安を感じたりして登校できない児童・生徒の学びを止めないため、また、保護者の方にも安心していただけるために、5月20日から、授業のライブ配信を中心に学習サポートを実施しております。  5月26日から6月4日までの実施状況は、平日8日間の集計ですが、感染の不安から休んでいる児童・生徒は192人であり、そのうち学習サポートを受けたのは80人となっております。今後の感染状況によって、学習サポートを受ける児童・生徒数は変化すると思われますが、人数が増加しても対応できると考えております。  2点目、出欠の扱いについてですが、新型コロナウイルス感染症に関連して登校できない児童・生徒は、欠席ではなく、出席や出席停止等の扱いとなります。  その中で出席となるのは、医療的ケアが必要な児童・生徒や基礎疾患のある児童・生徒、感染の不安から休んでいる児童・生徒が今回の学習サポートを受けた場合となっております。  3点目に、通信回線や機材についてですが、現在、パソコン及びタブレット端末を状況に応じて使い分けてライブ配信を行っております。図工、音楽、体育の授業についても、授業内容によってはライブ配信が可能となっております。  パソコンは、全ての教室に配布しているウェブカメラを使用すると鮮明な配信ができますが、回線の容量が限られるため、同時に使う台数が制限されるという課題があります。教員のLTEタブレット端末を配信用に使うと、配信台数の制限はありませんが、切替えが煩雑になって、授業では使いにくいという課題もあります。  個人情報の保護、管理については、同意書で家庭と確認を取っており、ライブ配信では、児童・生徒が映り込まないように配慮しております。  最後、4点目の教師の業務負担についてですが、今回の学習サポートでは、固定したカメラで通常の授業を撮影して、教員が授業中に操作することなくライブ配信を行っております。加えて、22名に増員したICT支援員が担当の学校を定期的に訪問し、ICT機器やアプリ等の操作についてもサポートしております。  また、今回の学習サポートとは別に、現在、不登校など、学校に行けない児童・生徒の学習サポートと居場所づくりを目的に、教育ICTを活用した不登校支援校の開設準備を進めております。  これは、不登校支援校となる小中学校の同学年の児童・生徒とオンラインを通しての交流や学習ができる場の設定や教育相談も行えるように計画しており、不登校児童・生徒を受け持つ教員の負担軽減にもつながるものと考えております。          〔15番 山内勝志議員 登壇〕 ◆山内勝志 議員  御答弁ありがとうございました。  今回の取組は、登校できない子供たちの取り残されるような不安感を軽減するものだと思います。また、このような対面授業とオンラインでの授業を並行運用するハイブリッド型の授業は、様々な個別の問題を解決するだけでなく、将来の新しい生活様式の一つにもなる可能性があります。この取組が持続できるよう、実施に当たり生じる課題にはしっかりと対応していただきたいと思います。特に、個人情報の保護、管理と現場の教師の負担軽減には、十分な対処をお願いいたします。  これで、私が準備しました質問は終わりました。コロナ対応で奔走されている状況の中で丁寧に質問にお答えいただきました大西市長はじめ健康福祉局長、教育長には改めてお礼を申し上げます。  新規患者数も減り、医療逼迫度を表す数字も改善してきてはおりますが、ワクチン接種が各世代に終了するまで、相当の時間がまだかかります。執行部の皆様には、緊迫した中での業務を引き続き担っていただくことになりますが、どうぞよろしくお願いいたします。  また、医療現場やコロナ対策部門、また新設されたワクチン専任チームの皆さんは、心身ともに疲労がたまっていることと思います。総務局におかれましては、職員の体調管理やメンタルヘルス対策にも十分留意していただくことを加えてお願いいたします。  最後に、本日、傍聴においでいただいた皆様、インターネット中継を御覧いただいた皆様方に感謝し、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)       ──────────────────────────── ○原口亮志 議長  次に、日程第2「常任委員の所属変更の件」を議題といたします。  お諮りいたします。  環境水道委員の高本一臣議員を都市整備委員に、都市整備委員の本職を環境水道委員に、それぞれ委員会の所属を変更することに御異議ありませんか。          (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○原口亮志 議長  御異議なしと認めます。  よって、それぞれ委員会の所属を変更することに決定いたしました。       ──────────────────────────── ○原口亮志 議長  本日の日程は、これをもって終了いたしました。
     次会は、明10日(木曜日)定刻に開きます。       ──────────────────────────── ○原口亮志 議長  では、本日はこれをもって散会いたします。                             午後 2時51分 散会 〇本日の会議に付した事件 一、議事日程のとおり 令和3年6月9日 出席議員 48名       1番   原 口 亮 志        2番   園 川 良 二       3番   山 本 浩 之        4番   北 川   哉       5番   古 川 智 子        6番   島 津 哲 也       7番   吉 田 健 一        8番   伊 藤 和 仁       9番   平 江   透       10番   荒 川 慎太郎      11番   齊 藤   博       12番   田 島 幸 治      13番   日 隈   忍       14番   吉 村 健 治      15番   山 内 勝 志       16番   緒 方 夕 佳      17番   高 瀬 千鶴子       18番   三 森 至 加      19番   大 嶌 澄 雄       20番   光 永 邦 保      21番   高 本 一 臣       22番   福 永 洋 一      23番   西 岡 誠 也       24番   田 上 辰 也      25番   浜 田 大 介       26番   井 本 正 広      27番   藤 永   弘       28番   田 中 敦 朗      29番   紫 垣 正 仁       30番   小佐井 賀瑞宜      31番   寺 本 義 勝       32番   原     亨      33番   大 石 浩 文       34番   村 上   博      35番   上 田 芳 裕       36番   那 須   円      37番   澤 田 昌 作       38番   田 尻 善 裕      39番   満 永 寿 博       40番   田 中 誠 一      41番   津 田 征士郎       43番   藤 山 英 美      44番   落 水 清 弘       45番   倉 重   徹      46番   三 島 良 之       47番   坂 田 誠 二      48番   白河部 貞 志       49番   上 野 美恵子 説明のため出席した者   市長       大 西 一 史    副市長      深 水 政 彦   副市長      中 村   賢    政策局長     田 中 俊 実   総務局長     宮 崎 裕 章    財政局長     田 中 陽 礼   文化市民局長   横 田 健 一    健康福祉局長   石 櫃 仁 美   環境局長     三 島 健 一    経済観光局長   田 上 聖 子   農水局長     岩 瀬 勝 二    都市建設局長   井 芹 和 哉   消防局長     西 岡 哲 弘    交通事業管理者  古 庄 修 治   上下水道事業管理者萱 野   晃    教育長      遠 藤 洋 路   中央区長     星 子 和 徳    東区長      津 田 善 幸   西区長      甲 斐 嗣 敏    南区長      江   幸 博   北区長      小 崎 昭 也 職務のため出席した議会局職員   局長       富 永 健 之    次長       和 田   仁   議事課長     池 福 史 弘    政策調査課長   上 野 公 一...