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令和 3年第 1回定例会−03月10日-07号
令和 3年第 1回定例会−03月10日-07号

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  1. 熊本市議会 2021-03-10
    令和 3年第 1回定例会−03月10日-07号


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    最終取得日: 2022-11-22
    令和 3年第 1回定例会−03月10日-07号令和 3年第 1回定例会   令和3年3月10日(水曜) ┌─────────────────────────────────────┐ │ 議 事 日 程 第7号                         │ │ 令和3年3月10日(水曜)午前10時開議                │ │ 第  1 発言取消しの件                        │ │ 第  2 一般質問                           │ │ 第  3 議第120号 令和3年度熊本市一般会計補正予算        │ │ 第  4 議第121号 熊本市介護保険条例の一部改正について      │ └─────────────────────────────────────┘                             午前10時00分 開議 ○紫垣正仁 議長  ただいまより本日の会議を開きます。       ──────────────────────────── ○紫垣正仁 議長  日程第1「発言取消しの件」を議題といたします。  福永洋一議員より、去る4日の会議における発言について、会議規則第63条の規定により、お手元に配付のとおり取り消したい旨の申出がありました。  〔配付した書類〕 ┌─────────────────────────────────────┐ │ 熊本市議会議長 紫垣 正仁 殿                     │ │                                     │
    │                       熊本市議会議員 福永 洋一 │ │                                     │ │                                     │ │              発言取消し申出書               │ │                                     │ │  3月4日の会議における私の発言のうち、下記の部分を取り消したいので会 │ │ 議規則第63条の規定により申し出ます。                  │ │                                     │ │                                     │ │                 記                   │ │                                     │ │                                     │ │ (取消し部分記載)                           │ │                                     │ │  ────────────────────────────────── │ │ ─────────────────(51字取消し)            │ │                                     │ └─────────────────────────────────────┘ ○紫垣正仁 議長  よって、お諮りいたします。  この取消し申出を許可することに御異議ありませんか。          (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○紫垣正仁 議長  御異議なしと認めます。  よって、福永洋一議員からの発言の取消し申出を許可することに決定いたしました。       ──────────────────────────── ○紫垣正仁 議長  次に、日程第2「一般質問」を行います。  順次発言を許します。吉村健治議員。          〔14番 吉村健治議員 登壇 拍手〕 ◆吉村健治 議員  皆さん、おはようございます。市民連合、吉村健治でございます。  一般質問最終日、貴重なお時間を頂き議員の皆様、市長、執行部の皆様方に感謝申し上げます。  2年前のちょうど今頃、選挙告示を前に準備に奔走し、分からないことだらけで右往左往し、どこまでやればいいのか、何が答えかも分からない中で一日一日があっという間に過ぎていき、いつの間にか選挙カーに乗って駆けずり回り、投開票日には最後の最後まで胃が痛む思いをして何とか有権者の皆様方に貴重な議席を頂き、仲間と喜びを爆発させました。  当選からやがて2年、眠れぬ夜には初心を忘れていないか自問自答することがよくありますが、私の場合、よく忘れることが多くございます。私はそういったとき、選挙のさなか田んぼのあぜ道で出会った農家のおばちゃん、遠くから手を振ってくれた小学生、黙って応援してくれた年老いた私の両親の姿を思い浮かべるようにしています。  なぜ議員になろうと思ったか、何をしたいのか、先生と呼ばれるために議員を目指したわけではなく、立場の弱い人たち、声なき声を大事にできる議員になりたいから思い切って一歩前に、一度きりの人生、私の子供たちが誇れるおやじになりたいと思い、議員を目指しました。今、自分が他人からどう思われているかではなく自分が悔いのない人生を送るために、自分自身を見つめながら、まさに初心を忘れずに市会議員として恥ずかしくない毎日を送りたいと思っております。  昨日の一般質問を拝聴しながらいろいろ考えるところがありました。こちらにお座りの市長をはじめ市役所幹部の皆さん、市役所本庁や区役所で窓口に立つ若手職員の皆さんも、誰しも市民の幸福度向上のため、来る日も来る日も地道に仕事をされている姿を2年間見させていただきました。皆さんのお姿からは人のために働く尊さ、大切さを感じることができます。ぜひ市役所職員の皆様方には、いつものとおり何者にも臆することなく緊張感を持ちながらも私たち議員と切磋琢磨、試行錯誤しながら前に進んでまいりましょう。  前段が長くなりましたが、通告に従って質問させていただきます。  まず、核兵器禁止条約の発効についてお話させていただきます。  日本は平和憲法下において不戦の誓いを立て、アジア諸国、世界の一員として今まで平和で戦争のない日本であり続けたことは、思想信条を越え日本国民総意の喜びであると思います。しかし、戦後75年がたち、戦争の悲惨さや平和の尊さ、語り継いできた方々が年々少なくなってまいりました。また、昨年8月15日の終戦記念日においては、コロナ禍ということもあり、長崎、広島の戦没者慰霊式も規模をかなり縮小した形で開催するなど、戦争の悲惨さ、悲しさ、平和の尊さを次世代に語り継ぐ大切な時間が予想外の出来事で激減する事態となり、語り継ぐ大切さ、また、その難しさも考えさせられる1年でした。  核兵器というものは1発でも使用されれば壊滅的な被害をもたらし、地球上に1万3,000発を超えて存在すると言われています。また、公式には核開発や保有を認めていない国々もあります。そのような現状の中で、昨年10月、国連において核兵器禁止条約を批准した国、地域が50に達し、1月22日ついに核兵器禁止条約が発効されました。そのことは、核兵器そのもの国際法違反であり、違法であるという事実が法的に確認され、条約発効から核廃絶への道のりへ向けて大きな一歩を踏み出したと言えます。  バイデンアメリカ新大統領は、広島、長崎の恐怖が二度と繰り返されないために核兵器のない世界に近づくように取り組むとした立場に立ち、オバマ元大統領が掲げた核兵器なき世界の理念の継承を表明しました。一方、ロシアも核兵器なき世界を実現する課題は共有するとの立場にありますが、核保有国などは自国の安全保障を核に頼る事情があり、また、唯一の被爆国である日本も核の傘に強く依存するため、この条約に署名、批准に至っておりません。  条約発効に先立ち記者会見した菅総理は、条約に署名、批准するつもりはないと述べ、立場の異なる国々の橋渡し役を進めるなどとした従来の日本政府の考えを踏襲するにとどまり、批准した国々や地域はもとより、唯一の被爆国である日本において、いまだ後遺症などに苦しむ被爆者の方々や御遺族の方々は、国に対して諦めにも似た憤りを感じていらっしゃいます。  世界中の核兵器の9割を保有するアメリカ、ロシアをはじめとする核保有国と、日本など核の傘に強く依存する国々が今批准できていない中、2021年という年は、2月に期限を迎えた新戦略兵器削減条約の延長に関わる動きや、8月に延長になった核拡散防止条約再検討会議、また、核兵器禁止条約発効後1年以内に予定される核兵器廃棄の期限や検証方法などを話し合う核禁止条約締結国会議など、様々な核軍縮をめぐる動きがあります。  アメリカとロシアの核軍縮に向けた協議はいまだほとんど進展がない中、逆に事態を後退させるかもしれません。ロシアのプーチン大統領に至っては、昨年署名した文書、核抑止の国家政策の基本の中で、ロシアの核抑止力政策を防衛的なものとする一方、抑止はどんな状況でも敵に耐え難い損害を与える戦力と手段を持つことによって成り立つと定義づけています。  そういった中で、日本政府は既存の国際的な核軍縮メカニズムを守るとの立場から核禁止条約に参加せずとの立場に立つことは、むしろある意味核兵器の存在を大きく肯定し後押しをしている形になる可能性もあるのではないでしょうか。もちろん核兵器禁止条約が発効されたからといって、すぐに世界中から核兵器がなくなるわけではありません。これから中身に関して議論を深めていく中で保有国も非保有国も同じテーブルに着き、世界平和や核根絶の訴求をすることが唯一の被爆国としての日本の責任であり、正しい日本の立ち位置なのではないでしょうか。  2021年、私たちは人類を破滅させる核兵器に対して世界中の国々、人々が一つになって英知を結集させ取り組むべき重要な局面にあると思います。条約の法的拘束力が及ぶ批准国を増やし、今後いかに実効性が高められるかが問われています。核兵器禁止条約発効にこぎ着けた流れを核兵器を廃絶させる大きな流れとする元年とすべきであります。  そういった中、唯一の被爆国、日本の役割は非常に大切で、今後世界から日本が諸外国から尊敬される国になれるかどうか大きな分岐点として注目されることを私たちは肝に銘じなくてはなりません。被爆者の苦しみや悲しみを受け、核兵器の廃絶、根絶に向けて今回の条約の発効を絶好機と捉え、いま一度日本国民一人一人が核兵器廃絶や平和について改めて考え直し、世界中の平和な世界を求める人たちと行動を共にするべきです。  政府には来るべき締結国会議にまずはオブザーバーとして参加すべきと私は強く主張したいと思います。与党の一員である公明党も自民党に対してそのことを強く要望されております。核抑止から核兵器の根絶へと大きく流れを変える最後の年になるかもしれません。北朝鮮の核兵器開発問題に関しても、条約に批准すらできない日本の今の現状では、何一つ物言えないていたらくな姿勢だと言わざるを得ないと思います。  日米安全保障条約の下、日米関係の重要性は理解しているつもりであります。しかし、アメリカと同盟関係にある諸外国と比べると著しく不平等な日米地位協定の下、同じ九州の仲間である沖縄県、その他の都市において基地問題に苦しむ現状は長期にわたって変わっておりません。日米地位協定を抜本的に見直し新たな日米関係を模索し、構築し、あわせて東も西もない本当の意味での世界平和を目指すために日米両政府は一歩前に踏み込んでもらいたい。そのためには私たち地方議会にいる議員、首長も積極的に日本の未来、理想を語ってほしいと思います。私たち大人が核兵器の存在に目をつむり続ける限り、何かのきっかけで核兵器が使用される可能性があります。近い将来、私たちは子供たちから、あのとき大人は何をしていたんだと必ず叱責されるときが来ると思います。今のような状態で、私たちは子や孫の世代に平和な世の中を引き継ぐことができるのでしょうか。  私たち大人が核に対する明確な態度を取れない中、大学生や高校生が平和を語り継ぐ活動を種々始められ、平和について深く考え、行動されていることに深く敬意を表したいと思います。市長御存じ高校生平和大使とは、1998年、若い世代の平和活動育成も兼ねて市民の皆さん方のカンパにより高校生平和大使の国連派遣に取り組み始めました。そして、自発的に高校生1万人署名が間もなく始まり、これまで20年間にわたり延べ約209万筆の核廃絶を求める署名を国連に届けています。  熊本県の高校生平和大使の皆さん方は、平和や核兵器に関する勉強をし、繁華街等で国連に届ける街頭署名活動などをされています。核廃絶の署名を届け、関心の低い人たちに意識を変えてもらえるように頑張りたいとの思いで高校生たちが自主的に行動しています。核兵器禁止条約発効のその日、記者会見をした熊本県の第23代高校生平和大使は、条約の発効を、核兵器が悪であることが世界の認識となった、被爆者の祈りと思いが届いたと歓迎し、私たちの未来に平和を引き継ぐ責任があると決意を述べられました。そういった若者たちの動きによって様々な議論を引き起こし、核兵器は必ず廃絶しなければならない兵器だとの絶対的世論を将来導くであろうと私は確信しております。私たち大人も、高校生たちに負けないように平和を引き継いでいかなければならないと思います。  そこで、市長に2021年1月の核兵器禁止条約発効についてお尋ねいたします。  まず、国際条約発効について、政令市熊本市長としての率直な意見をお聞かせください。また、なぜ日本は現在、条約に批准、署名できないか。それと、先ほど申しました条約の締結国会議へのオブザーバー参加について、総理大臣は現在否定しておりますが、そのことに関してどのように思われるか。  また、日本の高校生平和大使をはじめ若い世代が核兵器廃絶に向け汗をかいていることに対し、市長から高校生平和大使をはじめ子供たち核兵器廃絶に対するお言葉を頂きたい。  併せて、同じ九州の仲間である沖縄県の基地負担軽減について、不公平な日米地位協定などによって今も苦しむ沖縄県の人々の基地負担についてどのように思われるかお尋ねいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  核兵器の使用や開発、実験、製造、保有等を禁止する核兵器禁止条約が発効したことは大変意義深いものであり、核兵器のない世界の実現に大きく寄与するものと考えております。条約への批准や条約締結国会議オブザーバー参加につきましては、国において判断されるものでありますが、私としては政府に対し、核兵器保有国と非保有国の橋渡し役を果たすなど、唯一の被爆国として核兵器廃絶に向けた強いリーダーシップを求めたいと考えております。  次に、高校生平和大使をはじめとする若い世代の方の核兵器廃絶に向けた活動については、これまでも直接活動報告を頂いており、とても心強く感じているところです。若い世代の方たちには、今後も継続的な活動を期待するとともに、私としても平和都市宣言を行った自治体の長として、核兵器廃絶に向けた取組の推進と恒久平和の実現に向けた努力を粘り強く行ってまいります。  最後に、米軍基地問題については、全国市長会において日米地位協定の見直しに関する要望書を提出しており、協定の抜本的見直しに向けた対応を行うよう求めておりますが、我が国の安全保障に係る重要な問題であり、国において適切に検討されるべきものであると考えております。今後も米軍基地問題に関しては、沖縄県をはじめとする基地所在地だけの問題ではなく国全体の問題と捉え動向を注視してまいります。          〔14番 吉村健治議員 登壇〕 ◆吉村健治 議員  グローバル社会の中に生きる私たち日本人は、今まで島国根性とか平和ぼけとやゆされることもあり、非難されることもあったかと思います。これまでのように旧態依然とした態度では世界でこれから生き抜いていくことはできませんし、その中で積極的に日本がリーダーシップを発揮しなければ、次世代に美しい地球を残していくことはできません。その1丁目1番地が核兵器をなくし戦争のない平和な世界を作ることであると私は思います。世論を形成し社会を動かすことができるのは、名もなき一般市民の小さな声です。このコロナ禍だからこそ、いま一度私たち一人一人が平和について考えてみることが必要です。また、平和運動を行う若者たちを大人が強く応援することが当たり前の世の中を作っていくべきだと思います。  日本は近代化以降、帝国主義の名の下で軍事力をもって海外に展開し、破滅への道のりを歩んでしまったという歴史的事実に鑑み、戦後の復興においては平和国家を標榜し、軍事力だけではなく外交交渉や国際協調を旨として自由貿易の多大なる恩恵を受け経済発展を遂げた歴史がございます。僅かここ150年くらいの間に正反対の歩み方をした経験に、日本が何を学習したのでしょうか。それは間違いなく平和でなければ日本の安定的な繁栄はあり得ないということであります。さきの大戦などで先人が流した血と汗と涙のおかげで今の私たちが生きていることを忘れてはなりません。  市長の平和に対する思い、沖縄県に対する気持ちはよく理解できましたし、心強く思います。日米地位協定に関しては、締結以来、見直しが行われていない状況です。戦後75年を経た今現在も日本国内には多くの米軍基地が存在し、そして軍人や軍属が多数駐留することで米軍関係の事故、事件が絶えません。日米地位協定により基地外で発生する事件の捜査や事故の処理に日本の警察をはじめとする公的機関が排除される例は珍しくありません。また、日本政府は自衛隊の航空機には許されない住宅地や市街地での低空飛行や夜間飛行を行う米軍航空機を制限することさえできない状況です。  基地のある地元自治体は、米軍基地内で重度の環境汚染が疑われたとしても、その立入検査も米軍の同意がなければできない状況です。米軍施設、区域に起因する航空機の事故、騒音、米軍人による事故、事件等において、日本の主権が制限される治外法権の状況が続いており、これによって施設、区域住民、自治体は多大な犠牲、負担を長年にわたり強いられています。もはやこれ以上こうした状態を放置することは許されないのではないでしょうか。もし仮に熊本がそんなふるさとだったら、私たちはどう感じるでしょうか。  在日米軍は、日米安保の基盤であり安全保障の根幹であることは私も理解しています。在日米軍基地の7割が集中している沖縄県をはじめ関係自治体の抱える過重な犠牲や負担は、先ほど市長のおっしゃったとおり日本全体で受け止める必要があります。現在の日米地位協定を米国が他国と締結している内容と比較し、参考としつつ、日本政府は真摯に米国と交渉し、抜本的な見直しを行う必要性があります。  最後に、子や孫たちを絶対に戦争に送り出す事態にしてはいけないとの私の強い思いをお伝えして、核兵器禁止条約発効についての質問を終わります。  次に、ヤングケアラーと言われる問題に関して質問させていただきます。  まだまだ聞き慣れない言葉ではございますけれども、一般社団法人日本ケアラー連盟によると、家族にケアを要する人がいる場合に大人が担うようなケア責任を引き受け、家事や家族の世話、介護、感情面のサポートなどを日常的に行っている18歳未満の子供、また、そのケアの対象者としては親や祖父母、きょうだいであると定義づけています。具体的には、日常的に買物、料理、掃除、洗濯などの家事、幼いきょうだいの世話や見守り、また、目の離せない家族の見守りや声がけなどの気遣い、依存症、がんなどの難病、精神疾患など慢性的な病気の家族の看病、身の回りの世話、入浴補助、トイレ介助などがあります。そういったヤングケアラーと言われる若い世代の人数は、推計しかございませんが、全国で20万人程度いらっしゃるのではないかと言われています。  家族のお世話をするのは家族であるというのは、もしかしたら当たり前のことかもしれませんが、問題はその日常の担い手が、非常に多感な時期で心身ともに未発達の未成年者であり、遊びや学びの時間がほとんど取れないという点です。一般的に未成年者というものは、家族の中で保護者に守られ成長する存在であるというイメージでございますが、親などが病気を罹患し障がいがある場合など、また、何らかのケアが必要な場合、通常であれば大人や社会がするとされているような高いレベルでのケア責任を引き受けざるを得ず、人間関係の調整役まで担っているという状況に子供たちがいることは現代社会において健全な状態であるとは言えないのではないでしょうか。  もちろん、子供たちは家族をケアすることによって多くを経験し、学び、家族の一員であるという喜びを強く意識することができることは確かにあるかもしれません。しかし、問題はその役割や責任が心身の発達や人間関係、勉強にも大きく影響し、進学、就職など、その将来に大きな変化が生じていることであります。  日本において、子供は家族の病気や障がいについて誰かに相談するといったことに引け目を感じることも多く、その実態把握は難しいと思われます。ただし、人権意識の高い欧米諸国においては、子供であろうと独立した一人の人間であるという考えや意識が高く、介護に時間が割かれ勉強や遊びなど自由に時間を使えなくなる子供をなくすために早くからヤングケアラーに対する支援体制を整えています。政府と学校などが連携してヤングケアラーに対するヒアリングや調査を重ね、そこで得られた情報や知見を国や自治体の情報資源として蓄え、子供の人権を守ってきました。  また、経済的困窮家庭の子供がヤングケアラーである割合が高い傾向もあるそうです。そのことは今後の長い人生に大きな影を落とすかもしれません。日本や熊本市の現状はいかがでしょうか。まずは実態把握を早急に実行し、子供が相談しやすい体制作りが必要です。子供たちのために地に足をつけた施策の実行が待たれます。  そこで、質問いたします。  熊本市の実態状況把握、また、その方法、市役所の現在の体制や今後の体制はどうしていかれますでしょうか。そういった中で、専門家の育成、他都市の状況など健康福祉局長にお尋ね申し上げます。  また、熊本市としてどう向き合っていくのか、大西市長にお伺いいたします。          〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕 ◎石櫃仁美 健康福祉局長  ヤングケアラーは、家庭の状況から養育の支援が必要な要保護児童等として対応することが必要であるため、47機関で構成される熊本市要保護児童対策地域協議会に対し、その概念や対応の方法等を周知し、家事やきょうだいの世話等を行っている子供の把握に努めているところでございます。ヤングケアラーを把握した場合は、子供の気持ちに寄り添い相談に応じるとともに、家庭に対し福祉、医療のサービスが必要な場合には区役所福祉部門医療機関等につないでおります。  今後とも、関係機関が情報を共有しながら要保護児童対策地域協議会をはじめ様々な関係機関と連携するとともに、他都市の状況なども調査し、課題を抱える子供の支援を行ってまいります。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  ヤングケアラーは最近になって定義づけられ、本市でもその実態を把握し支援に努めているところでございますが、ヤングケアラーの中には周囲から気づかれないままに孤立し、本人のヤングケアラーとしての自覚がないまま問題が複雑化していくこともありまして、早期に発見し対応していくことが重要であると認識しております。  今後は、市民の皆様へも理解が深まるようさらに周知に努めますとともに、子供が生まれ育った環境によらず安心安全に暮らすことができるよう関係機関をはじめ地域全体で子供を見守り、支えてまいりたいと考えております。          〔14番 吉村健治議員 登壇〕 ◆吉村健治 議員  高齢化のスピードと核家族世帯の割合が高い自治体ほどケアラー数が多くなる傾向が高いとの指摘がございます。一番の問題は、まず当事者を見つける立場の大人でも実態把握ができていなく、認識が不十分であるという点です。様々な関係機関と連携しながら情報を共有し、子供の支援をしてまいるとの局長答弁でございましたが、熊本市のホームページを見ると、一切ヤングケアラーの文字はございません。例えば、そういった子供や気づきの社会があって熊本市に問い合わせる場合に、ホームページを見てどこに進むこともできない状況であると思います。一日も早いヤングケアラー対策を全庁横断的に計画的に早急にお願いしたいと思います。  また、お話にもありましたが、自分自身がヤングケアラーであるという自覚がない子供たちも多く、問題が周知されず、家族は家族だけで支えて当たり前という旧態依然の世間の風潮も問題を隠してきた一因でございます。行政や学校には情報の発信とともに子供の悩みを受け止める相談体制の整備を求めたいと思います。  ちなみに、埼玉県議会は昨年3月、全国で初めて家族を無償で介護する人全般を支援することを定めたケアラー支援条例を全会一致で可決しました。条例は、ケアラーのうち18歳未満をヤングケアラーと定義づけ、健やかな成長と自立が図られるように支援しなければならないと明記しました。自治体や学校、支援団体が連携してヤングケアラーを支えるとし、県に支援計画作成を義務づけました。  私は、国に対しては各自治体が支援策を打ち出しやすくするように、埼玉県などの先進地事例に学びながら明確な支援策の方針を早急に打ち出していただきたいと思います。また、熊本市にはその方針を踏まえ、アンケートや聞き取り調査などを通じて実態調査を早急に行い、相談しやすい環境や負担軽減といった支援策を熊本市がリーダーシップを持って学校など関係団体と協力しながら実行に移してほしいと思います。そういった結果、将来、ヤングケアラーと呼ばれる子供たちの未来が少しでも明るくなることを願ってやみません。  次の質問に移ります。  教員のうっかり失職問題というものを取り上げたいと思います。  教職に就くことは、かつて私の子供時代、将来の人気職業の上位を常に占めていたような気がします。今はその状況が大きく変わっています。2020年採用、国公立小学校教員試験の競争倍率は、文科省の資料によれば、都道府県によってばらつきはあるものの全国平均で過去最低の2.7倍、低減傾向はずっと続いています。時代時代によって人気職業が変遷していくことは至極当たり前のことかもしれませんが、やる気のある意欲のあふれる教員の確保が教育をつかさどる行政の最重要課題の一つになっている今、教育の重要性に鑑み、社会全体で知恵を出し合い質の高い教員の継続的な採用と育成のために試行錯誤していかなければなりません。  先ほど述べた低倍率の原因は多々あるとは思いますが、一つの原因が学校現場での厳しい労働環境であることは間違いないと思います。希望にあふれて教育学部等で学んで、教育実習などを通じて努力を積み重なれば重ねるほど過酷な現状を知り、理想と現実のギャップに悩み、当初の夢を諦め教育現場に足を踏み入れることなく社会に出る学生がかなりの数に上ることはよく知られています。  もちろん、どの職業に就くにせよ楽な仕事はありません。仕事をするということは当然楽しいことばかりではなく、つらいことも多く、そういった自らの体験を子供たちに伝えていくことも重要であることが事実ですが、教員の大切な仕事の一つは、働く喜びや尊さ、それを子供たちに伝えることです。そのために一人の労働者としてその労働環境の改善は必須ですし、国や自治体はその環境を整えてあげることは当たり前のことです。  そんな中、重要かつ貴重な戦力である優秀な教員に関する記事が昨年末、地元紙に報じられました。「うっかり失職救済なし。熊本市教育委員会、失職防止で手続管理強化へ」という見出しです。記事によれば、熊本市内の小学校に勤務する主幹教諭の男性が教員免許の更新手続をしなかったため失職した。主幹教諭は更新に必要な講習を免除されていたが、男性は熊本県教育委員会に免除の申請をしなければならないのを知らずに教員免許を失効させた。全国で失効者は毎年おり、文部科学省はうっかり失効がないように定期的な確認を促しているとの記事でした。  努力と経験を積み重ねてきた先生が制度の落とし穴から失職し、結果的に子供たちに悪い影響を与えてしまった今回の失職事件。単純に考えてもったいないと思います。そもそも教員免許更新制度とは、第1次安倍政権が法改正し2009年度から導入したもので、小中高校等の教員が免許状の有効期間10年ごとに免許状更新講習を大学等で30時間以上受講し、試験に合格しないと失職する制度でございます。現行の教員免許更新制度自体が教員の質向上のために本当に必要なのか大変疑問です。昨年度文科省で行われた中央教育審議会においても、廃止意見が続出しました。  そこで、教育長に質問いたします。  うっかり失職問題について、現在の管理体制及び再発防止策について、また、教員免許更新制度に関する文科省の動向についてお聞きいたします。          〔遠藤洋路教育長 登壇〕 ◎遠藤洋路 教育長  教員免許更新制度についてお答えいたします。  教員免許更新の管理については、県から各学校に通知された免許の修了確認期限等が記載された所有免許状確認票を基に、各学校と本人が更新手続に係る進捗管理を行っております。本市では年3回、各学校宛てに免許更新の対象者や手順等を周知し、更新漏れ等が生じないよう支援しております。今回の失職事案は、本人が免除申請の必要性を認識していなかったことによるものでありますが、今後同様の事態が生じないよう免許更新講習が免除となる場合でも申請手続は必ず必要である旨を周知徹底してまいります。          〔議長退席、副議長着席〕  また、教員免許制度については、指定都市教育委員会が教員の任命権者でありながら免許の授与や管理の権限を持っていない仕組みになっていることも問題であると考えております。例えば、免許が失効する前に本人に確認の通知等ができないか、免許管理者である県教育委員会と協議してまいりたいと考えます。  次に、文部科学省の動向についてですが、1月26日の中央教育審議会答申においても、教員免許更新制度や研修をめぐる制度に関してより包括的な検証を進めるとされており、国の動向を注視してまいりたいと考えます。併せて、先ほど述べた指定都市教育委員会の立場から、国に対し必要な制度の見直し等を要望してまいりたいと考えております。          〔14番 吉村健治議員 登壇〕 ◆吉村健治 議員  教員の皆さんの労働環境の改善は、結果として子供たちが学び、成長するための環境改善に直結します。35人学級が次年度より順次始まり、新たな教員の大幅増員が必要になるときにうっかり失職などが起き、受験者数が頭打ちになったり、ブラック職場とやゆされる状況では教員の質、量の低下は避けられません。
     新聞報道によると中教審は、全ての子供たちの可能性を引き出すために個別最適な学びと協働的な学びを進めるとの答申をしたとのことですが、個別最適な学びとは、理解が早い子供たちには情報端末などを使ってより深い課題を出して先に進ませ、理解が遅い子供たちには教員がきめ細かく指導に当たるというイメージで、協働的な学びとは、子供同士が学び合う体験活動などを指します。文科省は、2022年度から小学校高学年の理系科目を専門教員が教える教科担当制の導入を目指しているとのことですが、現在の教員の労働環境や人員で文科省が掲げる理想が実現できるとは思えません。教員の質と量の充実、意欲の向上こそが、その理想の実現にとって必要最低限であると思われます。  教室内で子供たちの学力の差などによって生じる分断を引き起こさないようにするためにも、文科省がプランニングする教員養成課程の設置要件の緩和をより促し、教員養成課程で小中学校の両方の免許の取得を両立するために履修科目の見直しや総単位数を減らすこと、現役の社会人が働きながら免許を取れる仕組みを用意することなどに加え、熊本市教育委員会も文科省にアイデアを物申してほしいと思います。  うっかり失職などが発生するのは、教員の任命権者は熊本市、免許の授与や管理は熊本県になっているような典型的な二重行政であることは間違いありません。新たな仕組み作りを構築するのはもちろん、対象教員の方々や外部の専門家、地域の人々と強力な連携を進め、ふだんの事務作業などを削減し、より働きやすい環境を作り出すことによって、将来教員になりたい、教員を目指したいという流れをぜひ作っていただきたいと思います。また、わいせつ行為による懲戒免職になった教員が、教員免許を再取得できなくなるようにすることなどはもちろん必ず必要ですが、質の高い教員の数を可能な限り増やす政策を実現していってほしいと思います。  先ほど御紹介した中教審での教員免許更新制度に関する参加者の意見では、教育委員会などが実施する研修との重複などの負担感が課題である、更新制の負担が大きい、研修の充実などと併せて更新制の廃止を検討できるのではないか、更新講習には子供に寄り添う講義をする大学教授がいる一方、学習指導要綱や校長命令への絶対服従を説く教授もいる、更新講習の受講が目的化されていないかなどの意見が出されているそうです。保護者からのヒアリングでは、ぜひ早急に検討に入り廃止してもらいたい、重ね重ね廃止を切望しますとの意見や、教員の多忙感を増大させていることは明白で直ちに廃止してほしい、徹底検証し検討する必要があるとする教職員組合の意見もあったとのことです。  質の高い教育なくして、明るい日本の未来はありません。教員や教育の質の向上は日本、熊本にとって重要であることは間違いございません。新型コロナウイルス騒動やICT教育の推進を契機に、今までの常識にとらわれず、更新制の廃止も含めて改革を断行していただきたいと思います。  次に、教育に関連して、制服に関して少し質問させていただきます。  過去の熊本市議会定例会においても、学校における校則の見直しに関する質問が多くなされてまいりました。そもそも校則とは、子供たちがより豊かな学校生活を送るために子供たち自身が自ら考え、その時代時代に合った校則を自ら制定し、約束し、実行していくものであり、決して大人から強制される類いのものではないはずです。現在の校則には時代錯誤な規則が多くあり、まるで戦時中に作られたものではないかと思われるものもいまだ現存します。  熊本市の公立小中高校、それぞれ学校独自の制服があるところが多く、子供たちは自分たちで制服を選ぶことはできません。もちろん経済性や統一性、教員が生徒たちを指導しやすいなど、様々な理由があることは分かっております。ただし、他県の学校の例を見ると、制服を自由選択制などにしたからといって学校が荒廃したとか、特に問題が生じたなどの事例はなく、LGBTQが当たり前の時代である現代社会において、児童・生徒が私服か制服か、スカートかズボンかなど選択する自由が与えられていない状況は現代社会に即していないか御理解いただけるかと思います。今、教育現場においては、制服の在り方を見直そうとする動きが日本各地で議論が行われております。  そこで再度、教育長にお尋ねいたします。  全国的な制服に関する動向、熊本市内の制服ルールは現在どのようになっていますか。2015年文科省の性的少数者の児童生徒への配慮を求める通知を受けて、熊本市教育委員会としての動きを教えてください。また、LGBTQの児童・生徒からの個別の相談がある場合、どのように対応されるかお聞かせください。          〔遠藤洋路教育長 登壇〕 ◎遠藤洋路 教育長  制服については、性の多様性のほか防寒等の機能性の課題に対応するため全国的に見直しの動きがあることは把握しております。本市においては、御紹介いただいた文部科学省通知を受けて、児童の特性や多様性、心情等に配慮した適切な対応を行うよう各学校へ通知し、個別に対応を行っております。具体例として、男子と同じデザインの制服を女子も着用可としている中学校もあるところです。  今後の取組として、今月末に策定する校則・生徒指導のあり方の見直しに関するガイドラインの中で、制服に男女の区別を設け選択の余地がない規定等については、令和3年度に各学校で必ず改定することとしております。          〔14番 吉村健治議員 登壇〕 ◆吉村健治 議員  女子生徒の制服にスラックスを追加し、性別の縛りをなくす形で制服に選択肢を設ける都道府県立高校等は600校以上に上るそうです。トランスジェンダーの生徒への配慮は当然のことですが、防寒面からも導入する学校が全国的に増えているそうです。また、選択肢がない学校でも申出があれば個別に柔軟に対応している学校があります。性的配慮だけを強調すると子供たちがかえって選びにくい理由であることから、防寒や動きやすさなどの機能性といった利点を前面に出す学校もございます。  決められた制服のせいで仮に息苦しさを感じる子供が一人でもいる場合、学校も一くくりの対応ではなく、一人一人の個性に合わせ柔軟な対応をしなければなりません。令和3年度から選択の余地がない規定等については各学校で必ず改定することにしているとの御回答でしたので、大変な進歩だと思います。今後は各学校で実際に改定され、それが子供たちの多様性や特性、心情等に十分配慮しているかどうかの継続的な検証もしていただき、時代時代に合った校則で学校が運営されているかのチェックを教育委員会でしていただきたいと思います。  それでは、次の質問に移らせていただきます。  コロナ禍における貧困問題や自殺問題について、執行部、市長に質問をいたします。  新型コロナウイルスの蔓延は全ての人の命や暮らしに関係し、危機、危険を及ぼす世界の非常事態であります。ワクチン接種効果がどの程度なのか、収束への道のりに大きく影響するかとは思いますが、ワクチン接種自体が膨大な作業であり、いまだ道半ばの状態です。  政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身会長は日の参議院予算委員会で、コロナ感染の年内の収束は恐らく見込めないとの見込みを示しました。年内に人口の六、七割が仮にワクチン接種を受けることができたとしても、恐らく今年度冬まで感染が広がり重症者も出る、収束の定義としてはさらに1年、またさらに1年がたち、季節性インフルエンザのようにそれほど不安感がなくなれば収束となるとの考えを示されました。  コロナ禍においては時代時代に合わせて生活様式に順応することは、私たちにとって当然今までも必要なことでしたが、市民全てがそれに順応することはなかなか難しいことです。低所得者や高齢者の独り世帯、若者、シングルマザー、非正規雇用者の方々、身体的精神的障がいのある方々、闘病中の方々などに多くしわ寄せが来ていて、より厳しい状況に直面し追い込まれています。命と経済どちらを選ぶかなどと言ってもいられない状況です。  そういった厳しい状況の中で、自殺者の増加に関して心配なデータが出ました。昨日、田島議員も自殺者に関する御質問をされましたが、警察庁と厚生労働省の調査によると、数が前年比約4%の増加で2万1,077人、リーマンショック以来の増加に転じたとのことです。  新型コロナウイルス感染拡大に伴う失職などで経済的困窮、外出自粛などによる孤独のストレスなどが強く影響しています。子供や女性に関する数字でいえば、小中高生の自殺者は498人、高校生は統計上過去最多となり、また、女性の自殺者は7,025人にも上り驚かされます。孤独感、孤立感や非正規雇用で雇い止めに遭い、ひとり子育てをしながらの経済苦、家族間の不和といった様々な問題が、今回のコロナ禍による失業や外出自粛によって増加し、複数の要素が重なることによって死にたいという気持ちになるようです。第2、第3波と続き、先行きが見えなくなったことがさらに心理面に悪影響を与えました。  熊本市としてもいろいろな対策を取っていただいておりますが、さらなる対策の実行が必要です。生活保護の受給要件を市独自に時限的にでも緩和し、生活を支えるための支援制度を拡充するなど、国の動きを待つ前に積極的に対応策を考え、実行していただければと思います。  今回のコロナ禍においては、現政権のリーダーの発言と全国各地の首長がコロナ禍で行った地域住民へのメッセージの発信力に大きな力があったことは皆さんも御存じのとおりです。地域住民にとって、より身近な存在である首長からの本気のメッセージは必ずや苦しむ人々のあしたを生き抜く大きな力になるのではないでしょうか。大西市長自身が、生活経済的困窮者や自殺を考えている方々に対して、今まで以上にテレビやSNSなどを通じ、繰り返し本気で語りかけることが大切です。自殺しようとしている人が支援先を自ら探し出す、なかなかそれは難しいことです。そのためにも行政側からの積極的プッシュ型支援が必要だと思われます。その最たるものが市長の本気のメッセージだと思います。  そこで、質問いたします。  熊本市内において、今現在の経済的困窮者の現状とその支援体制、学生グループが熊本県に対して学生の生活困窮に対応する支援を要請したことがありますが、熊本市としては支援体制はどのようになっているか、健康福祉局長にお聞きします。  また、コロナ禍の中、生活に困窮している方々やあした命を絶とうとしている方々に対する議会での市長の本気のメッセージをお願いしたい。          〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕 ◎石櫃仁美 健康福祉局長  経済的困窮者の状況とその支援体制についてでございますが、市内3か所の生活自立支援センターで、生活や仕事、住まいに関することなど、様々な不安を抱える方からの相談を受けているところでございます。新型コロナウイルス感染症の拡大以降は、感染症の影響で収入が減少するなど、経済面での不安による相談が増加しております。今年度の相談は月平均900件程度で推移しており、相談が最も多かった月は令和2年5月で1,453件でございます。主な支援内容といたしましては、家賃の支払いが困難となった場合の住居確保給付金の申請案内や、総合支援資金特例貸付に伴う生活支援、助言、就労支援などを行っているところでございます。  最後に、奨学金や各種の貸付金等に関する本市の相談、申請窓口をより多くの大学生に知っていただくために、市内の大学に対しまして熊本市のホームページにつながるQRコードを表示いたしました掲示用チラシを送付し、大学生への周知を依頼したところでございます。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  私は、昨年1年間に本市で117名の方が自殺で亡くなられたという現実、また、新型コロナウイルス感染症の影響で多くの市民の皆様が感染への不安に加え、生活の変化から、今、心身に強いストレスを感じておられる現状に大変心を痛めております。自殺は多くの場合、様々な要因、例えば健康問題、過労、社会的孤立、子育ての不安、いじめ等々が重なった結果、次第に自殺以外の解決策が見えなくなり、自ら助けを求めることすら難しい心理状況の下、生きることの苦痛から逃れたいという強い衝動により引き起こされるものであります。しかし、その一方で、心の底で生きたいという強い願望も同時に存在しているものであることから、周りの方々ができるだけ早く気づいて支援することが何より重要であります。  本市では、相談から支援に確実につなげるため、ゲートキーパーなどの支援者育成や関係機関のネットワークなどにより気づき、傾聴とつなぎ、そして見守る体制の充実に取り組んでおりまして、こころの健康相談やSNSこころの悩み相談など、様々な窓口での相談の対応も行っております。市民の皆様には、近くにいる人、電話の向こうにいる人がふだんと様子が違うと感じたら、声をかけ、悩みや不安を受け止め、支援してくれる人がいることや相談先があることをぜひ伝えていただくようお願いします。悩みを抱えている方々に対しては、一人で抱え込まず、誰かに相談していただきたいということ、誰かを頼っていいということ、そして必ず誰かが力になってくれるということを、自殺者を一人でも減らすために私が自ら様々な形で強く訴えていきたいと考えております。          〔14番 吉村健治議員 登壇〕 ◆吉村健治 議員  メッセージありがとうございました。  2018年厚生労働省の国民生活調査において、子供の貧困率が、皆さん御存じのとおり子供全体の13.5%、約7人に1人が貧困状態であるという事実が発表されました。様々なファクトを考えると、コロナ禍の現在では子供たちの困窮、貧困がさらに深まっていることも明らかです。子供の貧困イコール基本的には保護者の貧困であり、高齢者や子供のいない世帯の経済的困窮者を含めるとさらに貧困の割合が高まっていることは想像に難くありません。  子育て中のひとり親家庭状況の分析によると、特に母子世帯の90%近くが苦しい生活環境の中、懸命に働いているにもかかわらず、全ての子育て世帯全体の中で平均収入がその約3分の1であり、男女の賃金格差や非正規雇用形態であることなども女性の貧困率や自殺者数の増加の主要な原因となっています。新聞報道によると、ひとり親家庭を対象にしたアンケート結果では、もともと少ない収入がこのコロナ禍においてさらに大きく減少したと答えた割合が7割を超え、生きていくために生活費を節約せざるを得ず、食事の回数や量を減らさざるを得ない状況だということです。  政府の現行の単発的な施策では、そのような家庭を本当の意味で救うことになるのでしょうか。新型コロナウイルス感染症はいつ収束するか予測が難しく、立場の弱い人たちの生活向上に着目した施策を講じていかなければならない、待ったなしの時期に来ているのです。そのために国は早期に実態を把握し、地方それぞれの実態に即した状況で何が求められているかを正確に検討し、その後、可及的速やかに支援の拡充を行うべきです。それを実行するためには、国は予算の組替えを柔軟に行い、予算の使い方も含めて権限を地方に大幅に移譲することで、一人でも多くの方に本当の意味での必要な支援が届く形に変えてほしいと思っています。  また、NPOなど子ども食堂や学習支援、貧困対策等に取り組む様々な団体に対し、必要十分な支援をしなければなりません。このコロナ禍において企業などからの寄附や感染リスクを避けるためにNPOなどの地道な活動が制約を受けたりして、活動自体が苦境に立たされている現実を政府はもっと知るべきです。  子供たちの成長と学びは、保護者だけでなく社会全体で支えるのが当たり前です。そのための費用と投資を熊本市も決して怠りためらうことはなりません。2020年に改定された子どもの貧困対策の推進に関する法律では、都道府県の努力義務だった貧困対策の計画策定が市町村にも広げられました。また、子供の貧困対策に関する大綱が見直され、貧困の現状や政策の進み具合を検証するための指標もよりきめ細かくなったことは、少しでも貧困をなくすために良かったことだと思います。子供たちの未来のためにも、弱い立場の人たちの未来のため、市長のリーダーシップの下、熊本市役所一丸となって子供の貧困対策等を進めていただければと思います。  また、コロナ禍における経済的困窮で学生生活を諦めようとしている学生さん、最後まで諦めないでほしいと強く願います。苦しい受験勉強を経て入学した大学や短大、専門学校、様々な奨学金や食糧援助、熊本市補助などを通じてぜひこの困難をくぐり抜けて、自分の興味のある分野を深めて社会に出る準備をして、今しかない青春を謳歌してほしいと思います。この困難を克服して明るい未来に進んでいってもらいたい。人や行政に対し本当に困っているときに頼ることは決して恥ずかしいことではありません。先ほど市長からの力強いメッセージもありました。一人でも多くの方にそれが届き、あしたへの希望となることを期待したいと思います。  それでは、犯罪被害者救済条例についてお聞きします。  長い間、犯罪被害者やその御家族の人権や権利は、加害者のそれに比べ、当事者にもかかわらず忘れられたものとして扱われてきました。近年において社会的に注目される犯罪事件が発生すると、被害者の声、被害者のPTSD問題といった報道がされるようになり、社会の受け止め方も大きく変化しました。  そして、何よりも被害当事者と被害者支援団体の方々の勇気と御努力のたまもので、行政もその声を受け止めてきた成果が出てきております。被害者やその御家族が受ける直接の被害はもとより、事件処理の過程で二次被害に遭い、さらにPTSDなど三次的被害に遭われるケースが、SNSの発達や一部のマスコミ報道の過熱から多く見られるようになり、被害者に寄り添った支援が必要になってきました。そして、経済的被害の補償、精神的被害のケアと実際的支援、刑事司法手続による地位の確立も必要となってまいりました。  現在、全国被害者支援ネットワークの下、全都道府県に48の犯罪被害者支援センターができ、性犯罪暴力被害者のためのワンストップ支援センターなどがあることは、大きな前進であると思います。そういった一連の動きの中で、多くの地方自治体において犯罪被害者救済条例が制定されております。  そこで、文化市民局長にお尋ねいたします。  犯罪被害者救済条例とはどんなものなのか、今までの流れ、全国的な条例の制定状況、熊本県の状況、熊本市としての取組状況、政令市として熊本市独自の条例制定に関して今の被害者対策が十分であるかどうかをお聞きします。          〔井上学文化市民局長 登壇〕 ◎井上学 文化市民局長  犯罪被害者等支援条例は、平成16年に制定された犯罪被害者等基本法に基づき、犯罪被害者等支援の基本となる事項を定め、総合的かつ計画的に推進することで、住民が安心して暮らすことができる社会を実現することを目的に地方公共団体において制定されております。現在、条例が制定されているのは38都道府県、12指定都市で、県内では昨年制定された熊本県をはじめ甲佐町、南阿蘇村、長洲町において犯罪被害者等の支援に関する条例を制定されております。  本市における犯罪被害者等に対する支援としては、文化市民局と各区役所に案内窓口を設置するとともに、市役所関係部署や公益社団法人くまもと被害者支援センター等と連携して犯罪被害者等の支援に取り組んでおります。また、今年度から新たに犯罪被害者支援週間に合わせて各区役所における啓発パネルの展示や、今年度末に策定する熊本市再犯防止推進計画の中で犯罪被害に遭われた方々への支援策を取りまとめております。  本市における条例の制定についてでございますが、県条例の制定に伴い犯罪被害者等支援に関係する関係機関及び団体と連携、協力し、犯罪に遭われた方々への支援を効果的に推進するための市町村連絡会議の設置が計画されていることもあり、まずはその中で支援に積極的に取り組みながら、引き続き条例制定についても検討してまいります。また、犯罪に遭われた方々が再び平穏な生活を過ごされることは大変重要であることから、それぞれの実情に応じて精神的、経済的負担の緩和等をできる限り図っていけるよう県をはじめ県警、各市町村、被害者支援団体等との連携をさらに深めながら、寄り添った支援ができるよう取り組んでまいります。          〔14番 吉村健治議員 登壇〕 ◆吉村健治 議員  令和元年度の12月議会でも、犯罪被害者等の救済に関しての質問を私からさせていただきました。その当時は、まだ熊本県での犯罪被害者等救済条例が制定されていない状況でしたが、昨年末の県議会で可決されたことは大変喜ばしいことと思っております。その中身の精査次第ではございますが、熊本市民が不幸にも犯罪被害に遭われた場合、犯罪被害者救済センターや支援に関係する機関及び支援団体と連携をより強化するということで、これまで以上に寄り添いが可能になったことは大いに期待ができると思います。  今後は、年度末に予定されている熊本市再犯防止推進計画の中で、犯罪被害に遭われた方々への支援策を取りまとめるとのことですので、市町村連絡会議の設置後は、熊本県の中での連携強化と支援強化の両輪で犯罪被害者の方々が平穏に生活が過ごせるよう手厚い支援に取り組み、条例制定についても検討する旨、お約束いただきました。  国の定める犯罪被害者等基本法においては、国、地方公共団体、国民の責務、施策の基本条項を規定しておりますが、なお多くの課題が残されています。DV、ストーカー、児童虐待、施設内虐待事案などの被害者の安全安心の確保、被害者等の情報の保護、民間被害者支援団体の人的、財政的基盤の確立のために、被害者に身近な地域社会において自治体単位での条例制定が、本当の意味での地域の実情に応じた被害者支援体制を整える上でとても重要なのです。  行政は、法律や条例に基づいて執行されます。条例の制定は、法的根拠を明確化することで被害者支援が自治体の行政目的の一つであることを被害者はもとより地域住民に対して、行政内部の職員に対しても明確化することにより、支援の質の保証や向上につながります。何よりも、被害者に対する地域社会としての最強のメッセージになると思いますので、住民サービスのより充実したものとなるため条例制定をぜひ行っていただきたいと思います。  コロナ禍であろうとなかろうと、犯罪事件、事故は起こり、そこに被害者の存在があります。誰しもあした何かの犯罪被害者となり得ます。今日の局長答弁は、被害者の方々により実効性のある支援をお約束いただいたということで評価させていただきますので、今後とも時代時代に合わせて地方行政府ができる被害者救済を最大限に積極的に行っていただけるようお願い申し上げます。  時間が大分早うございますが、最後の質問に移らせていただきます。  熊本市が目指す都市像、コロナ後の新しい時代に向けた北区の未来像についてお聞きいたします。  政令指定都市として来年度で10年を迎えようとしております。その歩みの中で熊本地震や現在も続く新型コロナウイルスなどにより熊本市、熊本市民は多くの災禍に見舞われながらも、一歩一歩、歩みを進めてまいりました。政令市とは何なのか、熊本市が政令市を目指した目的は何だったのか、政令市になって熊本市はどう変わったのか、そして将来の政令指定都市熊本は何に向かって歩みを進めるのか考えてみたいと思います。  政令指定都市制度の定義は、大都市において人口の集中や産業の集積に伴い、通常の年に比べ多種多様な行政ニーズが生じ、これに対応するため迅速かつ高度な行政体制が求められ、一定の規模を持つ大都市に関して都道府県の権限や財源の一部を移譲することにより市民生活に関わりの深い住民サービスがよりスムーズに行えるようにするため、法令により種々の特例が与えられた大都市を政令指定都市にして事務機能などを移譲し、様々な事務行為を都道府県が法律またはこれに基づく法令の定めるところにより処理することができると定めてあります。  大西市長に対し御質問いたします。  政令指定都市移行10年を契機にその歩みを振り返っていただき、政令指定都市の意義やメリットについてお聞かせください。熊本地震や新型コロナウイルスなどの大災害や時代の移り変わりによって熊本市を取り巻く環境も大きく変わってきましたが、市長のお考えをお聞きしたいと思います。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  指定都市は、現在の地方自治制度において最も充実した権限や財源を有する基礎自治体でありまして、教育、福祉、土木等、様々な分野で権限や財源が付与されることで地域の実情に応じたまちづくりが可能であります。また、区役所を設置することで市民により身近な場所でサービス提供が図られること、さらには都市のブランド力が向上し地場産業の振興や企業誘致など拠点性が高まることなど、様々なメリットが挙げられます。  本市も指定都市に移行したことによって、北区をはじめ5つの区役所において療育手帳や各種証明発行、子育て支援など、日常生活に密着した多くのサービスをワンストップで提供できるようになりますとともに、市域内の国県道の維持補修等に迅速に対応できるようになったところです。このほかにも例えば、企業立地の年間件数について、従前の最高値の倍となる16件を記録しますとともに、アジア・太平洋水サミットといった国際的な会議の誘致に成功するなど、都市としての情報発信やブランド力も着実に向上しております。さらに、熊本地震の際には全国の指定都市とのネットワークにより、被災者支援のノウハウやマンパワーなどについて強力な支援を受けることができ、迅速な復旧・復興につながったところです。  本市は指定都市の中でも、町内自治会加入率が非常に高く、地域のつながりも保たれており、各区に設置いたしましたまちづくりセンターを中心に地域特性を生かしたまちづくりにも取り組んでおります。その結果、この10年で区を中心としたまちづくりが徐々に成熟してきたと認識しております。今後とも、指定都市としての権限や財源を最大限に活用した市政運営を行いますとともに、各区が有する資源や特色を生かした地域主体のまちづくりを積極的に進めてまいりたいと考えております。          〔14番 吉村健治議員 登壇〕 ◆吉村健治 議員  平成23年当時の九州新幹線鹿児島ルートの全線開通によって都市間競争の一層の激化が予測された中で、県都である熊本市が政令市の移行に伴う権限等の拡大を生かし都市圏の社会資本整備に向けた取組を進めることにより、九州の拠点としての機能がさらに高まり、県内の経済活性化や県全体の発展に資することが期待されていました。こうしたことに加え、当時の道州制の議論の高まり等を踏まえれば、政令都市移行は必要であったと思います。  市長のお話のとおり、住民に最も身近な基礎自治体としてより自主自立的な、総合的な行政サービスの提供を行うことができるようになり、事務処理の迅速化や熊本市の意思を直接国に伝えることができるようになったと思います。政令指定都市では、区長に市長の権限も一部分けて行わせることになっていることから、地域住民の生活により密着した便利な行政サービスや、地域の実情に応じたまちづくりをきめ細かに行うことができるようになったことは、住民サービスの大きな向上につながったと思います。  大都市の需要に見合うように地方交付税の算定上所要の措置がなされるなど、財政基盤の充実が図られ、その自主的運用による事業を展開することができるメリットもあります。個人的には、児童福祉や障がい者福祉に関する権限が県から移譲され、保健福祉分野での住民サービスのほとんどが熊本市において提供できるようになったことは大きな変化だと思います。  また、県から市への小中学校教員の人事に関する権限が移り、具体的には教員の採用、小中学校教員の人事異動、配置、子供たちの相談に乗るスクールカウンセラーの設置といったことが現在市の権限となっていますが、今後はより市民目線、子供目線での教育行政を行ってほしいと思います。移行当時の理想と現実のギャップはあるかもしれませんが、スケールメリットや特例を活用しながら上質な生活都市熊本を市民と協力しながら目指していただきたいと思います。  今回、一般質問、代表質問等で北区の議員が多かったと思います。今回は、北区長にお尋ねいたします。  北区をめぐる様々な状況を踏まえ、区長としての立場でアフターコロナも見据えたビジョンをお聞かせください。          〔小崎昭也北区長 登壇〕 ◎小崎昭也 北区長  北区における今後のビジョンについてお答えいたします。  北区は区の中でも最も面積が広く、区の南東部に都市近郊の住宅が、北西部には水田やスイカなど農産物の生産が盛んな畑作地帯が広がっており、田原坂公園や武蔵塚公園など史跡をはじめ八景水谷、立田山、梶尾温泉、そして植木温泉など豊かな自然や地域資源に恵まれております。  指定都市に移行した平成24年度に策定いたしました北区まちづくりビジョンにおいてまちづくりの方向性を示すことで、北区としての一体感の醸成や区民相互の交流促進を努めてまいりました。熊本地震後は、被災者お一人お一人に寄り添ったきめ細やかな生活再建の支援や防災・減災のまちづくりに取り組み、平成29年度のまちづくりセンターの設置を機に、区を中心としたまちづくりの中で地域の声を反映する仕組みを構築することができました。  令和元年度熊本市第7次総合計画市民アンケートによりますと、地域活動に参加した市民の割合と、自主的・自立的まちづくりが進んでいると思う市民の割合は、区の中で北区が一番高く、住民の皆様のまちづくりに対する関心の高さがうかがえます。しかしながら、今般の新型コロナウイルス感染症の影響により地域活動を自粛せざるを得なくなる中、改めて人と人とのつながりの大切さに気づかされたところでございます。  令和4年度には、北区まちづくりビジョンの最終年度を迎えますことから、次期ビジョンの策定に当たりましては、これまでのまちづくりビジョンの検証をしっかりと行い、北区住民のまちづくりへの関心の高さを生かして地域の文化を次世代に継承していくとともに、人と人とのつながりを実感できる地域主体のまちづくりの姿を示してまいりたいと考えております。また、コロナ禍においても誰もが心のつながりを実感できるよう新しい生活様式に対応した手法を取り入れながら北区のまちづくりを進めてまいります。          〔14番 吉村健治議員 登壇〕 ◆吉村健治 議員  区長、ありがとうございました。  北区の御紹介をいただきました。豊かな自然環境や多くの文化施設、温泉などの観光産業を有する我がまち北区でございますが、その特色を生かしたまちづくりを次の10年でさらに磨きをかけていただければと思います。御紹介ありましたけれども、北区は熊本市において随一の面積を誇りますが、何しろ東西に広がる町並みのため、西は植木町、東は武蔵ケ丘、弓削町などの距離的隔たりがあり、政令指定都市になってからやがて10年たちますが、それぞれ住民の皆さんは同じ北区の住民であるという意識がいまだ少し希薄であるような気がします。  これからさらに和を広げるために東西の住民同士の交流促進事業などをアフターコロナ後積極的に行うことで住民の和が広がり、今問題になっている孤独の解消にも多少つながるのではないでしょうか。これからの北区の未来は、区長言われるとおり住民同士の和の広がりが超高齢化社会を乗り切る大切な打開策の基本の「き」であり、心のつながりを実感できる温かみのある関係を築きながら、加えて、平和の「和」である和を区長のリーダーシップにより浸透させ、それを実現していってほしいと思います。そして、近い将来、子供たち、住民の皆さん、新たな移住者の方々などに北区を選んでいただき、ずっと住みたい我がまち北区実現のために、私たち議員と手を取り合って、協力し合って頑張ってまいりましょう。そして、今まで以上の情報共有などを強く要望したいと思います。  これで、通告いたしました私の質問は終わります。  最後に一言、あした3月11日で東日本大震災から10年がたちます。そして、4月で熊本地震から年を迎えます。心の復興等がまだまだ道半ばですが、この間、西日本豪雨や昨年7月の人吉市、球磨地方豪雨災害などの自然災害、相模原障害者施設における殺傷事件、京都アニメーション放火殺人事件などがあり、そして昨年からの新型コロナウイルス感染症で多くの方々が亡くなられました。また、2019年12月4日、長年にわたりアフガニスタンの復興と再生に尽くされた福岡県出身の中村哲医師が銃弾に倒れられました。全ての亡くなられた方々や御家族の無念を思い哀悼の誠を捧げます。  御清聴いただきました市民の皆様、議長をはじめ同僚議員、市長、執行部の皆様方に感謝申し上げます。そして最後に、いつも私を支えてくれる家族に感謝して終わります。本日は誠にありがとうございました。(拍手)       ──────────────────────────── ○上田芳裕 副議長  この際、議事の都合により休憩いたします。  午後2時に再開いたします。                             午前11時26分 休憩                             ───────────                             午後 2時00分 再開 ○紫垣正仁 議長  休憩前に引き続き会議を開きます。       ──────────────────────────── ○紫垣正仁 議長  一般質問を続行いたします。三森至加議員。          〔18番 三森至加議員 登壇 拍手〕 ◆三森至加 議員  皆さん、こんにちは。公明党熊本市議団の三森至加です。  今回、質問の機会をいただき、先輩、同僚議員の皆様に心より感謝申し上げます。コロナ禍の中、傍聴にお越しいただきました皆様、また、インターネット中継で御覧いただいている皆様にも心からお礼を申し上げます。
     質問に入ります前に、このたびの新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた方々や生活等に影響を受けていられる方々に、心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます。また、感染症対応で日々献身的な行動を続けてこられた医療従事者の皆様をはじめ保健所の職員の皆様、エッセンシャルワーカーの皆様には心より感謝申し上げます。  新型コロナウイルス感染症の拡大とそれに伴う社会的、経済的状況は大変深刻となっています。感染症拡大の終息を握るワクチン接種が開始され、一日も早く安心した日常生活を取り戻したいとの期待が高まっていますが、危機が日常化する中で今求められていることは、社会の正面から、埋没しがちになっている様々な困難を抱えながらも声を上げられない人たちの存在に目を向け、苦しみを取り除くことであると考えます。  3月8日は国際女性デーでした。世界各国でジェンダー平等の実現が訴えられています。全ての方が安心して希望を持って生きられる社会を目指し、取り組んでまいります。  今回で回目の質問となりますが、本議会において一般質問を2時間できるのは私で最後となりますので、しっかりと質問させていただきます。幾つか皆さんと重複する箇所もありましたので、角度を変えて質問させていただきます。今回も女性の視点で市民の皆様からいただいた内容を基に質問してまいりますので、大西市長をはじめ執行部の皆様には明快な御答弁をいただけますようお願いして質問に入らせていただきます。  医療的ケア児の支援について、点お尋ねしていきます。  1点目、まずは、支援ガイドブックについてお尋ねします。  医学の進歩を背景として、NICU等に長期入院した後、引き続き人工呼吸器や胃ろう等を使用し、たんの吸引等の医療的ケアが日常的に必要な子供を医療的ケア児と言い、その数は2万人を超えています。このような医療的ケアの必要な子供たちやその家族への支援は、医療、福祉、保健、子育て支援、教育等の多職種連携が必要不可欠です。医療的ケア児といっても、初めて出産されたお母さんにとっては、どのように対応していいか分からないと思います。こうした医療的ケアが必要なお子さんや御家族が地域で安心してサービスが受けられるような支援ガイドブックが、本市にはありません。  そこでお尋ねします。  1点目、宇都宮市に、医療的ケアが必要なお子さんと家族のための支援ガイドブックというものができています。よければこれを参考にして、各支援者の役割や相談窓口、各種制度や支援の具体的な内容などを分かりやすくまとめて、お子さんや御家族の方々が自宅で安心して暮らせるような支援ガイドブックを作成していただけないでしょうか。  2点目、続いて、人工呼吸患者の命綱でもある非常用電源の助成についてお尋ねします。  障害者総合支援法に基づき、市区町村では日常生活用具給付等事業を活用して、非常用電源の購入費を助成する動きが広がってきています。災害等による停電が生命の危機に直結する在宅人工呼吸器使用者の安全を確保するためには、予備電源を整備する必要があります。人工呼吸器への使用が想定される非常用電源の価格は、一般に発電機が万円から30万円程度、蓄電池は万円から6万円ほどかかります。九州7県では佐賀県が唯一助成しており、県内の対象者約80人のうち約20人が申請されたそうです。中核市では、佐賀市、宮崎市、鹿児島市、久留米市が実施しており、政令市ではありません。  熊本地震の際には、在宅患者が車のバッテリーを利用したり、医療機関の電源を借りたりして命をつないだ経験の方や、昨年の令和2年7月豪雨災害では、家族が呼吸器を外して抱きかかえ近所の家に逃げ、救急車が来るまでの30分間、手動式の器具で酸素を送り続けたという方がいらっしゃったそうです。このように、人工呼吸器を装着する在宅患者にとって災害時の電源確保は死活問題であり、迅速な避難ができず孤立する危険性が高く、発災直後を乗り切れるかどうかは非常用電源が鍵を握っていると九州小児在宅医療支援研究会の緒方代表は指摘されています。  そこで2点目、お尋ねします。本市では対象者が多くいらっしゃいますが、その方々へ非常用電源の助成を行っていただけないでしょうか。  関連して3点目、避難所での重度障がい者のための非常用電源整備についてお尋ねします。  福岡県久留米市では、災害時に人工呼吸器を利用している方も避難できるように、市役所の非常用電源を整備した会議室を重度障がい者のための避難所として開放する取組をされています。大きな災害のときには自宅にいることが怖い場合などもありますので、こうした方々も避難所に安心して行けるように、避難所での重度障がい者のための非常用電源整備も重要かと考えます。この点について、どのような対応を考えられていますか。  次に、コーディネーターの配置についてお尋ねします。  医療的ケア児等の医療、福祉、教育、保育等の支援をするために、熊本大学病院の小児在宅医療支援センターが熊本県全域約300件の相談対応をされていますが、大変な思いをされています。小児在宅医療支援センターでよく相談があるのが、どこの保育園もしくは幼稚園に入れるのか、受け入れてくれるところが見つからないという相談だそうです。以前、市役所に相談したときは、自分で見つけてくださいと言われたとのことでした。何件も自分で聞いて回って、やっと受け入れてくれるところが見つかったという方もいれば、とうとう見つからなかったという方もいらっしゃって、相談されている方からすると、とてもきつい思いをしたとのことです。  そこで4点目、お尋ねします。現在はどのような対応をされているのでしょうか。  次に、在宅レスパイト事業の拡充についてお尋ねします。  医療的ケアが必要な児童に対する訪問看護の拡充について、先進的な取組をされている福岡県の取組を御紹介させていただきます。  医療的ケアを必要とするお子さんを育てる御家庭は、非常に苦労されています。例えば、体重が増えにくいため母乳に加え鼻から管を通してミルク注入が必要な場合を例としますと、ミルク注入は毎日3時間置きに五、六回行う必要があるそうです。一度に多くを消化できないため、少しずつ様子を見ながら注入する必要がありますので、1回に30分から1時間かかるそうで、その際には鼻腔内の分泌物の吸引も必要となり、片時も離れられない状態になります。しかしながら、ほかに育ち盛りの子供がいれば、その子の面倒を見る必要もあります。  現行の制度上、こうした医療的ケアを要するお子さんをお持ちの方については、医療保険による訪問看護の利用ができる場合があります。しかしながら、医療保険では利用時間の上限があるため、どうしても御家庭への負担は大きく残ってしまいます。また、訪問看護の在宅縛りによる限界もあります。在宅縛りとは、医療保険での訪問看護は自宅での利用に限られ、学校や施設では利用できないということです。  そのような中福岡県は、こうした御家庭の負担軽減策として、2019年度、医療保険とは別枠で訪問看護師を長時間利用できる、在宅レスパイト事業を創設しました。利用者の住む市町村が主体となり、1時間当たり上限7,500円の訪問看護料を県と市町村が半分ずつ助成し、1人当たり年間48時間までの利用を可能とする新たな福祉サービスです。医療保険とは別枠で制度化することで利用時間の上限が緩和され、また、在宅縛りはなくなります。  この福岡県の取組に基づき、2019年度は福岡県内6市町村が制度化し、うち古賀市は、2020年1月から同事業をスタートさせました。利用者からは、娘を看護師さんにお任せすれば、長男をゆっくり外へ遊びに連れ出せる。今後は長男の予防接種や幼稚園の体験入園もあるので、その都度、1回2時間から4時間ぐらい利用できればと喜びの声が上がっているようです。  厚生労働省は2月4日、障害福祉事業所に支払うサービス別の報酬単価をめぐって2021年度から3年間の改定内容を決め、たんの吸引など医療的ケアが必要な医療的ケア児を施設で受け入れた場合に特化した基準を設けることを決めました。これにより看護師配置に充てる額が手当てされることとなり、福祉事業所への看護師配置が進めば、そのような施設での負担軽減につながることになりますので、それ自体画期的な一歩であることは間違いありません。しかしながら、その他の施設で訪問看護を必要とするケースはまだまだ多く、先ほど御紹介したような自治体独自の取組も求められると思います。  そこでお尋ねします。本市でも、このような事業をぜひ実現できるよう取り組んでいただけないでしょうか。  以上点、健康福祉局長にお尋ねします。          〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕 ◎石櫃仁美 健康福祉局長  医療的ケア児の支援についてのお尋ねに順次お答えいたします。  まず、1点目の支援ガイドブックの作成についてでございますが、医療的ケアが必要な子供さんや御家族が自宅で安心して暮らせるための相談窓口や、各種制度を紹介するためのガイドブックにつきましては、発行に向けて検討を進めてまいります。  次に、2点目の非常用電源の助成につきましては、在宅での人工呼吸器使用者にとりまして、停電時の外部電源の確保は重要であると認識しており、非常用電源の助成の仕組みについて、他都市の事例などを調査研究してまいります。  3点目の避難所での非常用電源整備についてでございますが、現在、配慮を要する方が指定避難所に来られた場合には、各避難所の要配慮者等スペースに御案内しておりますが、介護等に対応できる人材や設備機器が十分な状況ではございません。今後、人工呼吸器等の使用にも対応できる避難所等の整備について、他都市の状況も調査しながら、関係部局と共に検討してまいります。  4点目のコーディネーターの配置についてでございますが、現在、本市では重症心身障がい児の切れ目のない支援の在り方を検討するため、熊本市重症心身障がい児等在宅支援ネットワーク会議におきまして課題を共有するとともに、支援策などについても定期的に意見交換を重ねております。現在策定中の障がい福祉計画におきましてコーディネーターを配置することとしており、まず本市が委託する9か所の相談支援事業所の支援員を養成し、体制を整えていきたいと考えております。  最後に、在宅レスパイト事業についてでございますが、医療的ケア児の看護や介護を担っていらっしゃる御家族の負担の軽減を図っていくことは重要であると考えております。これまでも、医療型の短期入所事業所や主に重症心身障がい児を対象といたしました児童発達支援事業所、放課後等デイサービス事業所などの新設により、御家族のレスパイトニーズに応えてきているところでございます。議員御紹介の福岡県の事業、制度につきましても、熊本県とも情報共有、連携しながら、まずはニーズの把握に取り組んでまいります。          〔18番 三森至加議員 登壇〕 ◆三森至加 議員  御答弁ありがとうございました。  支援ガイドブックについては、利用可能な制度やサービス等の支援策が一目で分かり、支援の実例等も盛り込み、家族と支援者等が生活の不安を解消できるような手引書を発行していただき、また、この手引書によって社会の理解促進にもつなげていってほしいと思いますので、なるべく早い段階での作成をお願いいたします。  非常電源の助成については、人工呼吸器用の非常用電源の助成の仕組みをしっかりと調査していただき、大規模災害が毎年のように起きている現状を踏まえ、命綱である電源の確保に向けた助成への取組をお願いいたします。  避難所での非常電源については、今後、人工呼吸器等の医療器具を使用している方などにも対応できる福祉避難所の整備について各部署と連携していただき、安心して避難できるよう個別避難支援計画をお願いいたします。  コーディネーターにつきましては、次年度から医療的ケア児支援のためのコーディネーターの配置に向けた取組を行っていただけることとなり、大変うれしく思います。熊本大学病院の小児在宅医療支援センターの小篠先生は、しっかりとコーディネーターを養成していくために統括コーディネーターをやりたいとおっしゃってくださっていますので、お母さんたちが安心して何でも相談できるコーディネーターの育成に向けて取り組んでいただきますようよろしくお願いいたします。  福岡県の事業、制度については、熊本県と情報共有し、連携しながら、まずはニーズの把握に取り組んでいくとのことでした。ニーズの声を吸い上げていただき、利用者が利用しやすくなるような柔軟な制度となるよう取組をお願いいたします。  次に、乳幼児期の子供への支援、妊産婦への支援についてお尋ねします。  京都大学大学院教育学研究科教授の明和政子先生は、感染防止のために必要だからと着用しているマスクが、子供の言葉の発達に影響を及ぼしていると指摘されています。大人のマスク着用が6歳までの子供に与える影響がどのようなものか、次のように語られています。  脳の発達には環境の影響を特に大きく受ける特別な時期があり、生後8か月頃から修学前までの環境の影響を受けて変化するそうです。乳児は、目や口がダイナミックに動く表情を目にしながら、喜びや怒りなど、相手の感情を理解する能力を発達させていきます。また、相手が口から発生する音声とそれに伴う口の動きの視覚情報を統合しながら言語を獲得していきます。相手の表情を理解し、その表情や音声をまねすることで、相手の心を想像する心、共感する心などを発達させていく時期です。マスク着用が当たり前となった今、乳児はこうした学びの機会を得にくくなっていると言われています。  このような中、乳幼児が生活する上で1日の大半を過ごすのは保育園となってきます。新しい生活様式は、新型コロナウイルス感染拡大防止のためにもちろん重要です。しかし、子供の脳の発達を考えると変えてはいけないものは何か、感染防止対策との両立を図りながら考えていくことが大切です。子供にとっても必要な新しい生活様式とはどのようなものかを考えるべきと思います。実際どのように対応されていますか。お尋ねいたします。  次に、妊産婦への支援についてお尋ねします。  このコロナ禍の中での出産は、夫との立会分娩のための両親学級も開催されず、立会分娩もできませんでした。また、里帰り出産の自粛を求められ、里帰りできずにメンタル面でのサポート体制も弱い中、1人で子育てをしていかなければなりません。出産入院中でも、密を避けるため産婦さん同士の交流もありません。お友達をつくろうにも、公園デビューをしてもなかなか話しかけることもままならず、一人も友達がいないというお母さんがいらっしゃいます。ただでさえ子育ての大変な時期に、幾つものハードルが重なって産後うつになって壊れてしまうのではないでしょうか。  前回、令和2年第4回定例会にて、我が会派の高瀬議員からの産後ケア事業の導入が必要であるとの質問に、大西市長は短期入所型の実施に向けて準備を進めているとの答弁でした。このようなお母さんたちへどのような支援が行われているのでしょうか。詳しくお聞かせください。  以上2点について、健康福祉局長にお尋ねします。          〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕 ◎石櫃仁美 健康福祉局長  まず、1点目の保育所等における感染防止対策につきましては、国の通知に基づき、職員、園児の体調管理、手洗い、施設等の消毒及び定期的な換気等を行っていただいております。また、園児のマスク着用につきましては、一律にマスク着用は求めておらず、特に2歳未満での着用は、自分で外すことが困難なことから推奨されておりません。職員につきましては、マスクを着用して保育をしていただいておりますが、距離の取れる屋外や障がい児の特性に応じて、職員の表情が園児に見えるようにフェースシールドを活用するなど、状況により対応していただいております。  子供の成長にとっては、豊かな表情を見せて触れ合い保育を行うことが望ましいことから、表情によるコミュニケーション不足を補うため、感染防止対策を図った上で、できるだけのスキンシップを行っていただくなど、健やかな園児の成長に努めてまいります。  次に、2点目の妊産婦への支援についてでございますが、コロナ禍において日常生活が制限される中、妊産婦は自身のみならず子供のことについても不安や負担感を抱えて生活されていると認識しております。  本市では、全ての妊産婦に対しまして、親子健康手帳交付時の保健師等による面接相談、産後1か月健診時の産後うつ早期発見のためのアンケートの実施、さらに支援が必要な方への保健師による訪問、生後4か月までのこんにちは赤ちゃん事業などを行っております。また、従来の産後ホームヘルプ事業に加えまして、令和2年11月から、コロナ禍で里帰り出産ができず家事支援を必要とする妊産婦の方へのヘルパー派遣を開始したところでございます。さらに、令和3年度から新たに、心身の不調や育児不安がある産婦を支援する産後ケア事業を開始することとしております。今後も妊産婦に寄り添い、きめ細かな支援を行いながら、安心して子供を産み育てられる環境づくりを図ってまいります。          〔18番 三森至加議員 登壇〕 ◆三森至加 議員  御答弁ありがとうございました。  コロナ禍となって園児への影響の詳しい結果はこれからだと思いますが、乳幼児期は愛着の絆を形成していく大事な時期となります。保育所での対応はしっかりとやっていただいていますが、子供たちの情緒が豊かに育つよう特段の配慮をお願いいたします。  妊産婦への支援については、各区に保健師さんがいらっしゃることできめ細かい支援ができています。本当にありがとうございます。さらに、次年度からは新たに心身の不調や育児不安がある産婦を支援する産後ケア事業が開始されるとのこと。事業の内容としては、お母さんに十分な休息と食事を取ってもらうこと、乳房のケアを含む適切な授乳の指導、育児での沐浴や夜泣きなどの困り事への相談、具体的な指導などを実施されるようです。これからも寄り添った支援をよろしくお願いいたします。  次に、男性の育児休業取得率向上と男性の産休の創設についてお尋ねします。  男女共同参画を進めるためには、男性の育児、家事、ワーク・ライフ・バランスが不可避です。男性の家事参加、育児参加なしでは、子育て中の女性活躍は妨げられ、男女共同参画社会は進みません。従来、男性は就職すると職場コミュニティーが生活の中心で、仕事以外の経験をする機会がほとんどありませんでした。男性が育児休業を取得することは、家庭で育児、家事を進めるだけでなく、復帰後の職場におけるイノベーティブな発想や効率的な働き方につながるとの指摘もあります。さらに、第1子の出産後に男性が育児や家事を積極的に行った家庭ほど、第2子以降が生まれる割合が高いという相関性も示されています。  公明党女性委員会では、国に対して、男性の家事、育児を進めるために全ての男性が育児休業を取得できるようにすることを目指し、配偶者の出産直後の時期の男性の産休の創設や男性トイレのベビーベッド、子供トイレ、子供用椅子の設置、父親のための育児講座の普及促進、男性の育児参加制度が充実している企業の表彰制度の促進などを進め、男性が育児、家事を積極的に行うよう強力に推進していくことを求めています。  いよいよ国も男性版産休を閣議決定しました。子供の誕生から8週の間は、夫が柔軟に育休を取得できる出生時育児休業を新設します。既存の育休制度とは別の枠組みで4週間の育休取得を可能とし、2回までの分割取得が可能、期間中は雇用保険からの給付金が通常の育休と同じ、賃金の67%分給付されます。企業に対しては、従業員への育休取得の働きかけを義務づけることとなります。  岐阜県庁では、2019年度、男性職員93人中48人と、2人に1人が育休を取得しています。全国平均16.8%を抜いて51.6%と断トツ1位です。48人中19人は取得日数日以下の短期ですが、6日以上の長期は29人となっています。その要因は、育児参加プランの提出を義務づけられており、男性職員の配偶者が出産する際、出産予定日や育休の取得予定を記載するようになっています。また、育休を取らない職員に対しては、管理職から取得できるように工夫を促されています。職員同士が情報交換し意識の変化が生まれ、職場の理解もあり、育休が定着したとのことでした。  男性育休取得の取組は、これからの時代に求められるダイバーシティーの実現をはじめとした働き方改革につながっていきます。ぜひ大西市長に積極的に取り組んでいただきたいと思いますが、男性の育児休業取得率向上と男性版産休の創設に向けて、大西市長の見解をお伺いいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  本市では、職員が安心して子育てに臨める職場環境づくりを進めるため、昨年度、特定事業主行動計画を策定し、プログラムの一つとして、男性職員の育児に伴う休暇の取得促進に努めております。具体的には、男性職員の子育てへの参画意識の醸成をはじめ、職場の理解が不可欠であるとの考えから、所属長が率先して、対象職員へ積極的な子育てへの参画を促すことを求めております。また、本市においても休暇計画表を作成させ、その取得促進を図る等、職員と所属が一体となって子育てへの参画推進に取り組んでいるところです。  加えて、先日閣議決定されました、いわゆる男性版産休につきましては、今後、国の法案整備等の状況を踏まえながら、本市においても導入に向けて準備を進めていく所存です。男性の子育てへの参画は、女性の活躍推進はもとより、少子化対策においても極めて重要な要素であると認識しており、引き続き積極的に推進してまいります。          〔18番 三森至加議員 登壇〕 ◆三森至加 議員  男性の育休取得実績は、企業イメージの向上につながっていきます。本市でも岐阜県庁のように休暇計画表を作成されていますが、育児休暇を申請される職員の方は短期休暇を取られる方が多いようです。何日も休むと迷惑をかけてしまう、雰囲気的になかなか休めないなど、負い目を感じてしまわれる方もいらっしゃるようです。職員が安心して子育てに臨める職場環境づくりが必要です。国も男性版産休を閣議決定し、いずれは職員も取らなければならなくなります。その前に本市が積極的に進めていくリーダーシップを大西市長に取ってほしいと思いますので、積極的な取組をお願いいたします。  次に、自殺対策についてお伺いします。  熊本市での自殺者数は、7月以降昨年よりも、増加傾向にあります。県障がい者支援課は自殺増加の要因を、断定できないが、コロナ禍の影響による経済的困窮などが考えられると見ています。熊本労働局が事業主の相談を通じて把握したコロナ関連の解雇、雇い止めは、見込みを含めて昨年末時点で390人いらっしゃいました。  自殺者は圧倒的に男性が多いですが、女性の割合が増えているとのこと。女性はひとり親家庭の貧困問題、非正規雇用の割合が高い女性の減収、失業問題、さらにDVなど、多くの悩みに直面しています。また、いのちを支える自殺対策推進センターは、昨年9月の有名人死去報道の影響を独自分析した結果、報道当日から10日間の自殺者が約200人増えた可能性があり、芸能人のように自分も自殺して楽になりたいなど、若年層が影響を受けやすかったと示しています。  また、子供の自殺も増えています。昨年11月の調査で、全国で自殺した小中学生と高校生は合わせて48人となっており、前年同期と比べ22人、84.6%増加し、1人で思い詰める子供が増えているとのことです。本市でも、いじめられた子供で、誰にも相談できなかったという子が約3割いるそうです。  このような自殺を防ぐため、本市でもいろいろな取組をされています。精神保健福祉室では、臨床心理士が電話や窓口での相談のほか、SNSを活用し熊本連携中枢都市圏7市町村で相談事業を実施されています。いのちの電話相談では、毎月10日、1人30分のルールでお話を聞いてくださいます。24時間体制です。SNS相談では、週3回、火曜日、木曜日は3時間、日曜日は時間、1人1時間のルールで相談に乗られています。LINEの方が気軽に相談しやすいことから、30代、40代、50代の女性の相談者が圧倒的に多く、その中で未然に防げた事例が2件あったとのことでした。  子供の相談では、SNSを活用した悩み相談事業ほっとらいんが臨床心理士と大学生等で行われています。今回、子供の相談が廃止され、これまで行われていた中高生向けの相談は精神保健福祉室で引き継がれることと聞いています。3年間試行錯誤しながら、よりよいホットラインをつくってこられたのに、その事業がなくなってしまうのは非常に残念です。相談体制がそれぞれ違うようですが、これまで教育委員会で行われていたような、中高生に寄り添った相談ができるような体制づくりはできていますでしょうか。  そこでお尋ねします。精神保健福祉室へ引き継ぐ教育委員会としての思いを教育長に、これからの体制づくりを健康福祉局長にお尋ねします。  次に、夜間のLINE相談について質問します。  他都市の取組を紹介させていただきます。  愛知県では、夜間にLINE相談窓口を開設されています。相談時間を月曜から土曜の午後8時から午前零時まで、日曜の午後8時から翌朝の午前8時まで行っています。1回約50分ということです。相談内容は、家族関係、健康、勤務関連が多く、解雇されたとの声のほか、感染症への恐怖から気持ちが不安定、外出自粛などの行動制限を受けリフレッシュできないなどの訴えがあり、相談件数が多いのは働き世代だそうです。このLINE相談窓口は、自殺者が多い夜間に対応し、スマホから気軽に始められる点で大きな意味があると言われています。  そこでお尋ねします。貴い命を一人でも失わないためには、悩みを一人で抱え込まないよう、心の相談窓口の周知や気軽に相談できる体制が急務だと思います。本市でも夜間相談をお願いできないでしょうか。  次に、ゲートキーパーの普及についてお尋ねします。  自殺対策では、悩んでいる人に寄り添い、関わりを通して孤立、孤独を防ぎ、支援することが重要です。一人でも多くの方にゲートキーパーとしての意識を持っていただき、専門性の有無にかかわらず、それぞれの立場でできることから進んで行動を起こしていくことが自殺対策につながります。  前年度は、ゲートキーパー養成講座に多くの民生委員、児童委員さんも参加されたとお聞きしました。昨年はコロナの影響でなかなか養成講座も開けなかったとのこと。また、本市の福祉に関連する部署の職員で、この講座を受講しているのは355人、23.4%とお聞きしました。まだまだ少ないので、100%を目指してそれぞれの部署の職員がゲートキーパーへの意識づけをするためにも取り組んでいってほしいと思います。  そこでお尋ねします。養成講座ができなかったとならないよう、リモートなどを利用しながら取り組んでいただけないでしょうか。また、ゲートキーパーを普及するための周知をどのように行われていますでしょうか。  1点目を教育長と健康福祉局長に、2点目から3点目を健康福祉局長にお尋ねします。          〔遠藤洋路教育長 登壇〕 ◎遠藤洋路 教育長  LINEを活用した相談事業ほっとらいんでは、子供たちが相談しやすいよう相談員に大学生を活用するなどの工夫により、今年度は32日間で延べ1,249件の相談を受けております。この3年間で一定の成果を生み出すことができたと捉えておりますが、来年度、県立学校の生徒等にも対象を広げるため、健康福祉局のこころの悩み相談に統合することといたしました。これまでも健康福祉局と連携しながら効果的なLINE相談を行ってきており、今後も子供たちを含め市民の皆様が相談しやすい事業となるよう、教育委員会としても積極的に協力してまいります。          〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕 ◎石櫃仁美 健康福祉局長  1点目の中高生に寄り添った相談体制についてでございますが、市民を対象にいたしましたSNSこころの悩み相談につきましては、本市と熊本連携中枢都市圏の6市町村と共に実施しております。来年度から、これまで子供たちを対象にした教育委員会の相談事業と統合するため、相談件数が増えることも予想されますことから相談員を増員することとしており、中高生の気持ちをよく酌み取って不安や悩みが解消できるように取り組んでまいります。          〔議長退席、副議長着席〕  次に、2点目の夜間のLINE相談につきましては、午後9時から午前零時までの時間外の相談受付履歴によりますと、本年3月3日の時点におきまして、1日当たり約0.6人でございます。議員御提案の夜間帯における相談対応につきましては、相談者のニーズ調査や他都市の実施状況を調査研究してまいりたいと考えております。  3点目のゲートキーパーの養成講座の実施と周知についてでございますが、本年度のゲートキーパー養成研修会は、新型コロナウイルス感染症拡大により本市主催の養成講座は一部開催できないこともございましたが、団体等への出前講座については要請が増え、リモート研修も実施いたしました。全体といたしましては、1年間で8回の開催、164名の方が受講されました。  議員御紹介のように、自殺対策の取組におきましてゲートキーパーは重要なキーパーソンであり、多くの方々に講座を受講していただくことが重要でございます。現在は出前講座として、企業、団体や高齢者支援センターささえりあ、障がい者支援事業所等の職員にも受講していただいております。今後は、若者の支援者も必要と考えており、大学等への積極的な働きかけにより、普及促進に取り組んでいきたいと考えております。また、本市職員につきましては、福祉関連部局はもとより、全職員に受講を呼びかけてまいります。          〔18番 三森至加議員 登壇〕 ◆三森至加 議員  御答弁ありがとうございました。  SNS事業拡大については、今回、県立学校の生徒などにも対象を広げるために、こころの悩み相談に統合され、連携中枢都市圏の6市町村の子供たちも加わってきますので、相談員も増員して取り組まれるとのこと。子供たちが相談しやすい大学生の活用や市民の方々も相談しやすい事業となるよう、教育委員会も積極的に協力していくとのことでしたので、健康福祉局も遠慮せずどんどん情報を共有しながら不安や悩みが解消できるように取り組んでいってほしいと思います。  夜間のLINE相談については、もともとLINEの相談は夜9時までとなっているのに、それでも時間外受付履歴を見ると何人かいらっしゃるようですので、相談者のニーズ調査を行っていただき、夜間帯における相談対応について前向きに検討を進めていってほしいと思います。  ゲートキーパー養成研修については、既にリモート研修は8回開催され164名が受講されていたとのこと。ただ、養成講座は対面で行うものとなっているそうで、できなかったとのことでした。ゲートキーパーを今後より多くの方に普及していくために大学への案内も行っていく、また、本市職員については福祉関連部署だけでなく全ての職員へ参加を呼びかけていくと、心強い答弁をいただきました。本市職員のそれぞれの部署で悩んでいる人を見かけたら声をかけ、話を聞いて必要な支援につなげ、見守っていけるよう、ぜひゲートキーパー研修を受けていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  次に、小中学校を取り巻く環境の中で、まず初めに本市の学校改革についてお尋ねします。  公明党は、不登校やいじめ、学級崩壊といった、学校が抱える問題を解決する対策の一つとして、学級の少人数化を粘り強く主張してきました。そこで政府は昨年12月、2025年度までに、公立小学校の1学級の人数を現在の40人から35人に引き下げることを決めました。
     そこで、先行導入されている他都市の取組を御紹介します。  秋田県では、2001年4月から公立小中学校の人数を30人程度とする少人数学習推進事業が始められました。小学一、二年から順次導入し、16年には県が独自で定める基準に該当する公立小中学校で、比較的人数が多い学級の少人数化に向け、30人程度の学級編成を目標に、学級増と常勤、非常勤講師の採用を実施し、少人数学級が実現しています。  導入成果として、文部科学省の全国学力・学習状況調査を基にした県の分析によると、県内で学級規模ごとの平均正答率を比較したところ、少人数学級の方が正答率が高い傾向がありました。また、1,000人当たりの不登校の児童・生徒数も小中学校で全国平均を下回っており、児童・生徒に目が届きやすくなり、寄り添った指導がしやすくなったことが要因と見られています。  そこで、1点目にお尋ねします。きめ細やかな教育を行っていくための、本市での35人学級に向けた取組についてお示しください。  質問を続けます。  平成24年度実施の教職員採用試験は、小学校一般の受験者数269人に対して採用は23人で、11.7倍と狭き門でしたが、令和2年度実施試験は、受験者数288人に対して採用は120人で2.4倍です。受験者数は毎年280人程度を推移していますが、採用者数は大幅に増えています。その理由として、定年退職者が増えたことによる補充です。  そのような中、せっかく教職員になれたのにすぐに辞めてしまったり、担任は持ちたくないという方もいるそうです。また、臨採の先生が学習指導員に流れていて人手が不足しているとも聞いています。学習指導員は、新型コロナウイルス感染症の対応のために、教職員や学校教育活動をサポートするために配置された先生なので、担任の先生のように責任は重くありません。責任を取りたくないので担任を持ちたくないという臨採の先生が増えているということです。  またほかに、特別支援が適当と思われる児童と分かっていても、事前に把握できていないと教職員の加配が難しいとか、育児休暇で休まれている教職員の代わりがいなくてとうとう配置できなかった小学校が13校もあると聞きました。このような事例は長年蓄積されていき、教職員たちへの負担はますます大きくなり、心身の健康が損なわれる状況が続いています。  そのような中、平成29年度に、学校改革!教員の時間創造プログラムが策定され、教職員の長時間勤務の改善に取り組んでおられます。具体的には、タイムカードや留守番電話の設置のほか、校務支援システムの導入や部活動指針の遵守、学校閉庁日の設定等を実施されておりますが、プログラムに掲げた目標の達成には至っていません。教職員が心身の健康を保ちながら、ゆとりを持って本来の業務に携わる時間や自己研さんの時間が持てるような取組が必要だと思います。  そこで、2点目にお尋ねします。学校改革!教員の時間創造プログラムは、第2期プログラムへ引き継がれていきますが、第1期プログラムの効果や課題を参考に、どのように取り組まれていかれますか。  質問を続けます。  本市では、平成30年度にモデル校を指定して一部教科担任制を実施し、一部教科担任制が授業の質の向上だけでなく、児童にとっても相談する相手が増えることで安心感につながるなど、学校全体で児童を見守る体制づくりに効果があり、今年度は全小学校で取り組んでおられます。  そこで、3点目にお尋ねします。本市における一部教科担任制導入の効果をお示しください。  以上3点、教育長にお尋ねします。          〔遠藤洋路教育長 登壇〕 ◎遠藤洋路 教育長  学校改革について3点お答えいたします。  1点目の35人学級については、国において小学校1年生で実施されており、加えて小学校2年生から4年生までと中学校1年生を、本市独自で35人学級としているところです。先般、学級編成等に係る法律の改正案が閣議決定され、令和3年度に2年生が35人学級となり、その後は毎年拡大され、令和7年度には小学校の全ての学年が35人学級となる予定です。本市においては、小学校五、六年生の35人学級編成の前倒しの検討や、新たに採用する教員の質の確保も課題となることから、関係部署と協議を進め早急に方向性を決定したいと考えております。  2点目の教職員の働き方改革については、これまでの取組により、時間外の在校時間が月80時間を超える教職員は全体の19.7%から6.5%まで減少しており、一定の成果が表れてきたと考えております。しかしながら、月80時間を超える教職員の半数以上が部活動を担当する中学校教諭であることや、約2割が小中学校の教頭であるなど、職種による偏りが見られるところです。  来年度から部活動の運営体制の見直しや教頭業務の軽減等に取り組むとともに、教員と児童・生徒が1人1台のタブレット端末を持つICT環境を活用し、さらなる業務の効率化と負担軽減を進めてまいります。このような取組を推進することで、在職中の教職員のみならず、これから教職員を目指す方々にとっても、学校が希望とやりがいのある職場となるよう努めてまいります。  3点目の一部教科担任制については、今年度から全ての小学校において一部教科担任制を実施しており、昨年12月に実施したアンケート調査では教員から、教科の専門性や得意分野を生かすことができ、指導力の向上につながる、多くの教員の目で子供を育てることで児童理解が深まるといった肯定的な意見が見られたところです。また、教員の働き方改革の観点からも、授業準備の時間に余裕が生まれたや、教科の指導が計画どおり進めやすいなどの意見もあり、効果があると考えております。一方で、時間割の調整が難しいなどの課題もあったことから、今後は各学校に先進的な取組を紹介するなど、一部教科担任制をさらに充実してまいりたいと考えております。          〔18番 三森至加議員 登壇〕 ◆三森至加 議員  御答弁ありがとうございました。  35人学級については、新たに採用する教員の質の確保が重要となってきます。現在配属されている学級支援員は大学生が多く入られていますので、実際の学校支援はどうだったか等聞き取り調査などを実施していただき、人材確保へつながるようよろしくお願いいたします。  教員の働き方改革については、教員の働き方改革を着実に行っていただく中で、在職中の教職員のみならず、これから目指す方々にとっても、学校が希望とやりがいのある職場となるよう取組をお願いいたします。  一部教科担任制については、一部教科担任制を導入したことにより、授業準備の時間に余裕が生まれたや教科の指導が計画どおりに進めやすいなどの意見もあり、教員の働き方改革の点から効果があったが、時間割の調整が難しいとの課題もあったとのこと。時間割の調整には時間割作成ソフトを利用されてみてはどうでしょうか。一部教科担任制のさらなる充実をお願いいたします。  次に、GIGAスクール構想についてお尋ねします。  石川県羽咋市では、不登校で自宅にいる生徒や心理的な理由などで教室に入れず別の教室にいる生徒に授業のリモート中継を閲覧してもらい、学習支援につなげる授業を開始されたそうです。本市でも、学校が休業になったときに不登校の生徒に閲覧してもらい、その後学校に来られるようになったという好事例を聞いています。  そこで1点目に、GIGAスクール構想をどの市よりもいち早く取り入れた本市として、最大限に活用した結果、どのような効果が出ているのでしょうか。お示しください。  質問を続けます。  タブレットを自宅に持ち帰ることで家庭学習につなげていけると言われていますが、課題をクリアすることでポイントが課せられる仕組みとなっているのもあるそうで、ゲーム感覚となり、ポイントを稼ぐために夜遅くまで起きていて朝起きられなくなり、登校渋りになっている子がいると聞きました。  そこで2点目、家庭に持ち帰ったときに親御さんが把握していない家庭もあり、きちんとした使い方を教えていくこと、親御さんも巻き込んで一緒に対応していくことが大事になってくるのではないでしょうか。何か工夫されている点がございましたらお示しください。  以上2点、教育長にお尋ねします。          〔遠藤洋路教育長 登壇〕 ◎遠藤洋路 教育長  GIGAスクール構想についてお答えいたします。  本市においては、これまでも不登校の子供への学習支援等に取り組んできたところでありますが、さらに新型コロナウイルス感染症の影響で登校できない子供に対しても、多くの学校でオンラインでの授業配信や学習課題のやり取りなど、学びを止めない取組が広がってきております。また、ふだんの授業においてもタブレット端末の活用が進み、子供が主体的に学び取る授業への改善が図られているものと認識しております。  小中学校における学校評価において、ICT機器を活用して分かりやすい授業づくりに努めているかの項目に努めていると回答した割合が、令和2年度は平成30年度と比べ、教職員で92%から96%へ、児童・生徒は90%から92%へ、保護者は82%から89%へと増加しております。さらに、本年1月末に全ての小中学校で1人1台のタブレット端末の整備が完了したことで、教員にとっては子供一人一人の考えや反応を把握しやすくなり、子供にとっては学習のツールとしていつでもどこでも分からないことを調べることができるようになるため、より分かりやすい授業になっていくものと考えます。  タブレット端末の使用に当たっては、最初は使用時間を含め様々な問題が起きることもありますが、時間の経過とともに次第に落ち着いてくることが分かっております。ポイントを稼ぐためにドリルばかりやってしまうということですが、タブレットでドリルをやること自体は悪いことではありませんので、今後、子供にとってよりよい内容となるよう、業者とも協議して改善してまいります。  また、親子で一緒にタブレット端末を使う工夫としては、学級だよりの配信、親子での家庭学習、欠席等の連絡、行事の配信、学級懇談会の実施等で活用するよう各学校に対して指導してまいります。タブレット端末等、情報機器の使用については、親子で考え、子供が自らルールを決めて守っていく力をつけることが将来のためにも大切であると考えております。教育委員会が作成した同意書やパンフレットも活用し、各学校でこのような取組を進めてまいります。          〔18番 三森至加議員 登壇〕 ◆三森至加 議員  御答弁ありがとうございました。  登校できない子供に対して学びを止めない取組が広がっていること、教室でのふだんの授業においてもタブレットの活用が進み、子供が主体的に学び取る授業への改善が図られていることや、ICTの活用のアンケートでは高評価を得ているようで、より分かりやすい授業となっているとのことで安心しました。  タブレットを自宅に持ち帰った家庭での対応は、親子で考え、自らルールを決めて守っていく力をつけることが重要とのこと。保護者が関わっていくことが重要となりますので、積極的にタブレットの活用をお願いいたします。  次に、自然体験学習についてお尋ねします。  熊本地震のとき車中泊が多かった益城町では、登山家の野口健さんの協力の下、テント村をつくられました。600人もの人が生活されていましたが、緊急搬送は一人も出なかったそうです。野口さんがテント村の運営で痛感されたのは、子供の頃からの自然体験の重要さだそうです。アウトドアでは天候の急変など、小さな危機はいつでも起こります。そうした経験の中で子供たちは鍛えられ、生きる力がついてきます。災害に強いまちづくりと災害に強い人づくりも大切であると言われています。  また、親の経済格差が子供の学歴格差に通じ、裕福な家庭に生まれた子供は何でも体験させてもらえるが、その体験格差が将来の学歴格差につながるのではないかと危惧されています。公立校でアウトドアを必修にすれば、この体験格差を埋められるのではないかと言われています。  そこでお尋ねします。  1点目、ICTを活用した授業参観の実施について考えはございますでしょうか。  2点目、本市では2019年より、熊本地震の影響もあり、金峰山少年自然の家での宿泊体験が施設の不具合により中止となっています。ICTを活用しながら事前学習を行い、校舎内などで試してみられてはどうでしょうか。  続けて、シトラスリボン運動の啓発についてお尋ねします。  新型コロナウイルス感染症にかかったことで、治ってもみんなに何を言われるか怖くて学校に行けなくなった子供さんがいるとお聞きしました。シトラスリボン運動を御存じでしょうか。シトラスリボンプロジェクトは昨年4月、愛媛県松山市の市民グループから始まったものです。緊急事態宣言が出た頃、感染者の身元を特定しようとデマ混じりの情報がネットに流れるようになりました。感染しても過剰に怖がったり差別したりせず、地域の中で笑顔の暮らしを取り戻せるよう、ただいま、おかえりと迎えられる地域でありたいというメッセージを発信するため、愛媛の名物ミカン、かんきつ類、シトラスの色を使ったリボンを目印に、3つの輪は地域、家庭、職場や学校を表し、活動に賛同した人は思い思いにシトラスリボンを作って身につける運動です。  福岡県古賀市花見小学校の取組を紹介させていただきます。  この小学校では、児童が休み時間にリボンを作り、家族や来校者にも配っています。校長先生も、コロナが怖いと見えないものにおびえる子供や、校門での挨拶もマスクで表情が見えにくく目を伏せたまま通り過ぎる子供がいることを危惧されていました。そんなときシトラスリボンの記事を見て、児童がリボンを作ることで、自分は感染者や医療関係者を差別しないという心が育ってくれればと、教員たちと試作して子供たちに一緒に作ろうと呼びかけ、お友達が感染してもおかえりと言える心づくりをしていこうと取り組んだそうです。  そこでお尋ねします。本市でもこのような取組をされてみてはどうでしょうか。  続けて、子供の文化活動への支援についてお尋ねします。  現在子供たちは、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、友人をはじめ他者との接触も限られており、生活、学習リズム、心身バランスの崩れ等が懸念されています。子供たちの健全な心身の成長のためにも、芸術文化の力で夢と感動を与え子供たちの心を揺さぶり、人の力のすばらしさ、信頼、絆を再び取り戻す必要があります。このため、学校における文化芸術体験の充実に加え、新たに、劇場、音楽堂等における文化芸術公演の鑑賞機会の充実を図っていただきたいと思いますが、本市ではどのように取り組まれていますでしょうか。  以上、まとめて3点、教育長にお尋ねします。          〔遠藤洋路教育長 登壇〕 ◎遠藤洋路 教育長  自然体験学習等についての質問にお答えいたします。  まず授業参観についてですが、今年度は、新型コロナウイルス感染症防止のために教室での授業参観等を行えなかった学校がありました。そのような中、多くの学校でICTを活用して、授業の様子を動画配信する形での授業参観や学校行事の様子を配信するなどの工夫を行ったところです。一方で、教室に来て行う授業参観は、児童・生徒の表情や学級の雰囲気が伝わるなど、動画にはないよさもあるところです。そのため、各学校の効果的な事例を共有しながら、授業参観や学校行事等におけるICTの活用を工夫してまいりたいと考えます。  次に、自然体験学習についてですが、現在、金峰山少年自然の家が利用できないことから、県や国の施設において宿泊体験学習を行っております。今年度、新型コロナウイルス感染症の影響で施設を利用できなかった学校においては、校内で集団宿泊教室を実施し、バーチャルリアリティー、VRによる消火体験や災害時の模擬体験等を実施した学校もあったということです。このように、実際の体験とICTの活用を組み合わせながら、今後も児童・生徒の生きる力を育むよう体験活動の充実に努めてまいります。  次に、シトラスリボン運動の実施についてです。  教育委員会では、新型コロナウイルス感染症の感染者やその御家族、医療従事者等への差別を生まないため、教職員、児童・生徒、保護者への啓発活動に取り組んでまいりました。また、学校に感染者が確認された際には、感染者の人権に関する個別の対応や学校での人権教育の支援を行ってまいりました。感染者や医療従事者への差別をなくし、思いやりのある社会にしていこうというシトラスリボン運動の趣旨は、こうした教育委員会の取組とも一致しており、賛同するものであります。今後も各学校への啓発活動を継続するとともに、シトラスリボン運動の自発性、共感性を尊重しながら、学校へも紹介してまいります。  次に、子供の文化活動についてですが、児童・生徒が生の芸術に触れる機会として、感性をみがく教育の推進事業を実施しており、小中学校に熊本市内在住のピアニストやソプラノ歌手、ミュージカル俳優等を講師として招聘しております。また、劇場での鑑賞機会としては、劇団四季によるこころの劇場を実施してきましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、今年度と来年度は中止となっております。このような中、県立劇場のコンサートホールと教室とをオンラインで結んで配信したり、オンデマンド学習教材を提供したりするなどの新たな取組も行っております。  今後は、文化芸術を実際に体験したり鑑賞したりするとともに、ICTの活用も取り入れることにより、これまで以上に子供の文化芸術体験の充実を図ってまいります。          〔18番 三森至加議員 登壇〕 ◆三森至加 議員  御答弁ありがとうございました。  ICTを活用した授業参観を工夫して行われていました。各学校に差があるようですので、差がないようにお願いいたします。  自然体験は今年度、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で施設を利用できなかった学校においては、校内で集団宿泊教室を実施し、VRによる消火体験や災害時の模擬体験などを実施した学校もあったとのこと。ICTなどの活用も行いながら自然体験をお願いいたします。  シトラスリボン運動については、教育委員会の方でも新型コロナに関する絵本などを紹介するなどして、子供や保護者に分かりやすく啓発されているとお聞きし、私も見せていただきました。コロナの影響による心の不安や恐怖が誰かを攻撃しそうになる心に優しく寄り添い、気持ちを話すことで不安を和らげ温かい気持ちになっていくというエピソードです。現在熊本市のホームページで公開されています。心温まりますので、皆さんもぜひ御覧ください。  また、担任の先生は、職員や保護者や児童が陽性となったときは、その経過を逐一保護者全員へ電話で報告し、教室や教室の机や椅子を全部1人で消毒され、子供たちが元気になって登校してくれるよう一生懸命に頑張っておられたそうです。このコロナ禍を通してお互いの思いやる心、差別をしない優しい心は、きっと子供たちの心の中に宿っていくはずです。このコロナ禍だからこそ経験できたのかもしれません。このような啓発活動をしっかりと継続していってくださるようお願いします。  文化活動への支援につきましては、本物に触れることが子供たちの感性を育んでいけると思いますので、しっかり取り組んでいってください。また、地元にいらっしゃる郷土芸能の方などにも御協力いただけるような声かけなどをお願いいたします。  次に、避難行動要支援者の個別支援計画への今後の取組についてお尋ねします。  初めに、我が会派の吉田議員は、尾ノ上校区の社会福祉協議会の会長をされており、災害時要援護者名簿を活用した電話運動を実施されました。そこでいろいろな気づきや課題が出てきたとのことでしたので、御紹介させていただきます。  尾ノ上校区では、コロナ禍によってイベント等も延期、中止となり直接訪問ができなかったため、名簿登録者へ安否確認も兼ねた電話運動を民生委員さんが中心となって実施されました。結果として、昨年の更新から1年たっていることもあり、施設に入所された方やお亡くなりになられた方、転居された方など、名簿記載の内容と実態に違いはあったそうですが、コロナ禍で人と接する機会が減ったこともあり、電話をしてくれたことを喜ばれる声も頂戴したということです。一方で、緊急連絡先の変更や連絡先の電話が使われていないなど、変更届が必要な相談も多く、1年間のタイムラグでは理由にならないような、名簿そのものの正確性に課題があったことも分かりました。  以上のことから、全ての電話を終了した1月、民生委員さんの定例会で改めて実施してみての感想や課題を伺ったところ、やはり多くの課題や声が上がったということでした。そこで、こうして実際に活動された方々から出していただいた声の紹介も兼ねてお伺いしたいと思います。実際に出てきた声としては、1、実際の有事が起きた場合の対応について明確な支援策がない。2、名簿者数の厳密化、条件の変更。3、名簿の細分化に伴う課題の大きく3つがあったそうです。  それぞれ声の内容を紹介しますと、1つ目は、有事が起きた際、民生委員が名簿記載者の支援を全て行うことは不可能で負担が重過ぎる。民生委員1人に対する担当人数が、校区をはじめ町内でもあまりに比率に差があるといったものです。  また、2つ目には、もともとこの要支援者名簿事業のスタートに当たって目標が設定されていたことが要因と考えますが、名簿記載者が本当に支援の必要な方なのか疑問が多い。登録者数の目標達成のため必要ない方まで登録されていると言わざるを得ない。毎日のようにグラウンドゴルフやジョギングをされている方、地域行事にいつも元気に参加されているような方も入られている。今後もこの要支援者名簿事業を継続するならば、削除、取下げのお願いは難しいかもしれませんが、新規登録をする際は条件の徹底や厳密化など、実態に合った名簿に移行していくことが必須ではないかという声が出ています。  最後に、3つ目については、当初11月に名簿の更新が予定されていましたが、ぎりぎりになって民生委員ごとに記載された名簿の細分化を実施することになり、更新時期が約1か月遅くなりました。これは、毎年のように民生委員さんが保管している名簿紛失に伴い変更を行ったものと考えますが、今まで町内ごとの名簿で、町内に複数人の民生委員さんがいらっしゃる場合は、共通しつつ担当の振り分けをしていました。  しかし、今回の名簿の細分化により民生委員さんごとに分けられた名簿となって更新されたため、1人の民生委員さんが被災し動けなくなった際は、同じ町内でもほかの民生委員さんとで情報共有されず、対応できなくなってしまいます。名簿紛失による個人情報流出を防ぐことは分かりますが、民生委員さんの動きを妨げるようならば、そもそもの目的である有事が起きたときの支援として使用する目的は逆行しているのではないでしょうか。併せて、民生委員さんの名簿紛失を大きく取り上げられたことにより、その責任の重大さや現状でも負担が多いことも含め、なり手がいない状況に陥っている現状です。  以上を踏まえてお尋ねします。こうした3点の課題について、本市としてどのように対応されていくのでしょうか。  健康福祉局長にお尋ねします。          〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕 ◎石櫃仁美 健康福祉局長  要支援者名簿に関しますお尋ねに順次お答えいたします。  まず、1点目の有事の際の支援についてでございますが、災害時要援護者登録者制度では、本人の申請に基づいて要援護者名簿を作成いたしますとともに、名簿登録者につきましては、地域の支援者と協力して個別避難支援プランを作成しており、地域の関係者や市の関係機関で共有し、災害時の対応や平常時の見守りに活用しております。しかしながら、支援策が具体的でないなどの運用面における課題もあることから、今後、関係部局とも連携を図りながら、地域の関係者の皆様方に制度の目的や名簿の活用方法を丁寧に周知していくとともに、より実効性のあるプラン作成の方法について検討してまいります。  次に、2点目の名簿登録条件についてでございますが、この制度は、高齢者や障がい者、妊産婦等を対象としております。災害時に避難支援までは必要ない方、例えば健康な独り暮らしの高齢者等にも、必要に応じて避難情報の提供や安否確認などを行うことは重要であり、今後も要援護者の身体や生活の状況に応じたプランを作成してまいります。  3点目の名簿の細分化に伴う課題についてでございますが、民生委員への名簿の配布方法につきましては、熊本市民生委員・児童委員協議会と協議を行いながら変更してきたところであり、引き続き協議しながら、民生委員の負担軽減も含めて改善に向けた取組を進めてまいります。          〔18番 三森至加議員 登壇〕 ◆三森至加 議員  御答弁ありがとうございました。  現場の生の声を聴いていただき、プランの作成をしていただくとのこと、本当にありがとうございます。民生委員さんの負担については、民生委員さんには現状の課題や問題点についてアンケートを取っていただくようですので、具体的に上がってきた課題を整理して改善に向けた取組をお願いいたします。  では次に、災害時に自力で避難することが困難な高齢者等の個別避難計画の作成についてお尋ねします。  今国会に提出される予定の災害対策基本法等の改正案に、個別支援計画の努力義務化が盛り込まれる方向となりました。成立した場合には、自ら避難することが困難な高齢者や障がい者等の避難行動要支援者の避難の実効性確保に向け、個別避難計画の作成について取組の充実が求められることとなります。災害時に一人一人に合った個別支援計画を作成することにより、災害時のみならず平常時の地域福祉の強化につながります。在宅の方々が増える中、この取組は不可欠だと思います。  兵庫県では、ケアマネジャーや相談支援専門員が平常時のサービス等利用計画を作成する際に、地域の自主防災組織や自治会等と共に、避難のための個別支援計画を作成されています。要配慮者の心身状況等を熟知したケアマネジャーや相談支援専門員が積極的に関わることにより、実効性の高い個別支援計画を作成することができます。また、地域とケアマネジャー等の福祉専門職、医療関係者等が日常的な接点を持つことにより、平常時、災害時の支援を一体的に捉えた地域包括システムの構築につながることが期待されます。  本市でも、具体的な避難経路や施設まで詰められていない例も多く、完成度には濃淡があるとの課題も見えているようです。今までの災害時要援護者名簿と個別避難計画を統一化するなど、きちんと整理するべきではないでしょうか。今後、個別避難計画策定に当たり、総合的なよりよい形に策定していくために、まずは各区や複数校区など特区制をしいて試験的実施を行ってみてはどうでしょうか。  東日本大震災よりちょうど10年となる節目を前に、震度6強の地震が発生しました。熊本も熊本地震を経験し年が経過しようとしています。災害対策の模範となるべき本市としても、最重要課題として取り組み続けていかなければならないと思いますので、どのように取り組まれていくのか、健康福祉局長にお尋ねします。          〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕 ◎石櫃仁美 健康福祉局長  個別避難計画は、実際に災害が発生した際にどのように避難支援を行うかを具体的に記載したものであるため、要援護者一人一人の身体状況等に応じた個別の計画作成が必要でございます。本市におきましては、災害時要援護者避難支援制度に基づき個別避難支援プランの作成を進めており、この取組を推進することで個別避難計画の拡充を図ってまいりたいと考えております。  議員御案内のとおり、国におきまして災害対策基本法の一部改正が予定されておりますことから、その動向を注視しながら関係部局とも連携して、より実効性の高い個別避難計画策定に向けた検討を続けてまいります。          〔18番 三森至加議員 登壇〕 ◆三森至加 議員  御答弁ありがとうございました。  国の動向を注視しながら関係部局とも連携して、より実効性の高い個別避難計画策定に向けた検討を続けてまいるとの答弁でした。平常時、災害時の支援を一体的に捉えた地域包括システムの構築につながるような個別避難計画の策定を、試験的実施も視野に入れながらお願いいたします。
     次に、プラスチックごみ問題についてお尋ねします。  プラスチックは軽量であり加工性に優れているなどの特徴から、容器や包装が様々なものに使用され、私たちの日常生活に不可欠なものとなっていますが、プラスチックごみが大量に海洋へ流出していることや、それらが劣化して発生するマイクロプラスチックの生態系への影響などが懸念されています。  国においては2019年5月にプラスチック資源循環戦略を策定し、対策の強化が図られる中で、国際的には同年6月の20において、2050年までに海へのプラスチックごみ流出ゼロを目標とすることに参加国が合意するなど、プラスチックごみ問題は世界共通の喫緊の課題として早急な対策の必要性が叫ばれています。  そのような中、新型コロナウイルスの影響で、外食を控えてデリバリーやテークアウトを利用することで使い捨て弁当容器が増えたり、いつも以上に自宅で調理する機会が増えたためプラスチックを大量消費することとなりました。私自身もプラスチックごみの選別時に45リットルの袋に入れていますが、最近特に増えたことを実感しています。  マイクロプラスチック汚染の研究者である東京農工大学の高田教授は、新型コロナウイルスの重症化と化学物質が関係している。また、石油ベースのプラスチックの利用は気候変動を加速させ、パリ協定に基づき2050年以降は石油を燃やせない時代に入り、日本政府も2050年までにカーボンニュートラルにすると宣言しているので、これまでのように石油ベースのプラスチック製品を使い、焼却処理することはできなくなる。そのため、緊急避難的対策を恒久化してプラスチックを多用することは悪循環となり、なるべく使わなくて済む方法を考えていく必要があると主張されています。まずは、プラスチックの使用量を減らしていくことが大事であると私は思います。  そのような中全国で、昨年7月からプラスチック製レジ袋の有料化が義務化されていますが、民間事業者においても、容器や包装の代替素材への転換やプラスチックに代わる素材の新規開発など、独自の取組が進められています。  紹介しますと、セブンイレブンはリユースカップでコーヒーなどの飲物を、ファミリーマートはお弁当をリユース容器で販売しています。どちらの容器も、使った後は洗わずにそのまま返却ボックスに入れ、あとは業者側で回収、洗浄、そしてまた店舗に戻して再利用されています。またほかに、Loopプロジェクトでは、使い捨てされていた一般消費財や食品の容器を、繰り返し利用可能な耐久性の高いステンレスやガラスに変え、使用後は消費者の自宅から容器を回収し、洗浄、補充した上でリユースするというシステムの実証実験が、今年3月から東京で開始されます。私たちが目指すべき社会とは、使い捨てない社会です。  そこで、本市の対策に目を向けてみると、以前からプラスチック製容器包装の分別収集、リサイクルが行われているほか、国に先駆けて小売業者等との協定に基づくレジ袋有料化などが実施されていますが、現状を改善すべく即効性のある施策がない中で、市民の憩いの場である江津湖の底にマイクロプラスチックが蓄積しているなど、私たちの身近な場所にまで汚染が広がっています。私自身、このことに驚きを覚え、本市においてもさらなるプラスチックごみ対策を推進する必要があると常日頃認識していましたが、平成31年第1回定例会本会議において、江津湖におけるマイクロプラスチックの影響調査などのプラスチック対策に取り組んでいきたいとの答弁に期待していたところです。  そこで1点目、お尋ねします。江津湖におけるマイクロプラスチックの実態調査について、どのような結果が出たのか環境局長にお尋ねします。  他都市の取組を紹介させていただきます。  京都府亀岡市では、今年の1月1日から、全国初のプラスチック製レジ袋の禁止条例を施行されました。小売店でのプラスチック製レジ袋の提供について、有償無償を問わず禁止し、代用の紙袋などの有料化を義務づけられました。さらに6月からは、違反した事業者名を公表する罰則も施行されるようになります。  亀岡市では平成30年に、令和12年までに使い捨てプラスチックからの脱却を目指すかめおかプラスチックごみゼロ宣言を掲げ、一昨年8月、全国に先駆けレジ袋の有料化を実施し、その結果、市内で使われたレジ袋は有料化前の74万枚から8万枚に減少し、54%だったエコバッグの普及率も昨年10月には88%に達成しています。ここに至るまで、行政と事業者、市民の協力がなければ成り立ちませんでした。このような大胆な取組に否定的な見方をする意見もあるようですが、どこでも取り組めるわけではありません。  そこで2点目、お尋ねします。本市の今後のプラスチックごみ削減に向けた取組の具体的な内容についてお尋ねします。  以上2点、環境局長にお尋ねします。          〔三島健一環境局長 登壇〕 ◎三島健一 環境局長  プラスチックごみ問題は、海洋汚染にもつながる世界的規模での課題となっていることから、本年度、江津湖におけるプラスチックごみの状況を把握するため、浮遊ごみ回収装置を上江津湖と下江津湖に各1か所、3か月間設置し実態調査を行いました。その結果、河川から流入したと考えられるお菓子の袋やペットボトル、たばこのフィルター等が多く確認されたほか、湖面の浮遊物からマイクロプラスチックが確認されました。  そこで今後、江津湖の水中に含まれるマイクロプラスチックについて、熊本大学と連携し調査を進めるとともに、上流域からの流入状況などについて、熊本連携中枢都市圏の各市町村とも情報の共有に努めてまいりたいと考えております。  次に、2点目の今後のプラスチックごみ削減に向けた取組についてでございます。  現在本市では、一部のスーパーにおいてレジ袋の代用品として燃やすごみの指定収集袋を販売していただいておりますが、ごみ袋に商品を入れることに抵抗があるとの御意見がありますことから、新たなデザインのごみ袋を作成し、これまでと異なる利用者層をターゲットに、来年度、コンビニエンスストアのローソンで販売する実証実験を行う予定でございます。  また、県内のプロスポーツチームやNGOと連携し、試合会場やイベント会場でバイオマスプラスチック製のリユースカップを販売し、これを再使用していただくことで使い捨てプラスチックを削減するモデル事業を行うこととしています。さらには、若い世代にも課題認識を共有してもらえるよう熊本県立大学に御協力いただき、来年度の地域連携型卒業研究のテーマに取り上げていただくこととしております。  今後もこれらの取組を通じ、プラスチックごみの削減について市民の皆様に関心を持っていただけるよう、周知、啓発に努めてまいります。          〔18番 三森至加議員 登壇〕 ◆三森至加 議員  御答弁ありがとうございました。  マイクロプラスチックから剥がれ落ちるナノプラスチックは、ちりよりも小さく粒子となって人体に影響を及ぼすと言われ、リスクの研究が世界中で始まっており、2030年までに人類の未来を決めると言っても過言ではないという状況になっています。  政府は、昨日9日、プラスチック資源循環促進法案を閣議決定しました。使い捨てのストローやスプーンを多く提供する飲食店などに、提供方法の見直しによる削減策づくりを義務づけることとなります。今朝のニュースでコンビニの経営者は、マイナスと捉えるのでなくマイスプーン運動を展開していくと言われていました。一人一人がごみという概念をなくし、持続可能な使い捨てない社会をつくっていくためにも、市民の皆様への周知、啓発をより一層お願いいたします。  次に、ワクチン接種についてお尋ねします。  1月20日に公明党では、新型コロナウイルスワクチン接種対策本部を立ち上げ、政府においてもワクチン担当大臣を新たに設置し、コロナワクチン接種体制を全国的に整備することとなり、新型コロナウイルス感染症による死亡者や重症者の発生をできる限り減らし、蔓延防止を図っていくことになりました。  そこで、コロナワクチン接種対策について、皆さんが質問されている項目は割愛させていただきますが、市民の皆様にもワクチンの有効性や安全性、接種までの手順などの情報を分かりやすく御理解いただけるようお伺いしていきます。皆さんと3点ほど重複しましたので、抜粋してお尋ねします。  まず1番目に、予防接種法では、新型コロナワクチン接種の対象者には、原則接種を受ける努力義務が適用されると聞いていますが、接種をしないと意思表示される方、認知症や障がいをお持ちで本人の意思確認が難しい方の場合はどうなるのでしょうか。  2番目、居住地以外での接種はスムーズにできるのでしょうか。  3点目、予防接種済証について伺います。  海外渡航をする場合または勤務先等から様々な理由で予防接種済証を求められることがあると考えますが、済証の発行は全ての方にされるのでしょうか。  4点目、ワクチン接種記録システムについて伺います。  国はタブレットを用意して全国統一の接種記録システムを勧めていると聞いております。本市はどう対応されているのでしょうか。  点目、ワクチンの供給量が定かでない中、大変な御苦労をされていることでしょうが、予想される問題点はどのようなことが想定されているのでしょうか。市民の皆様が安心安全に接種できるように万全な体制でお願いいたします。  以上点、健康福祉局長にお尋ねします。          〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕 ◎石櫃仁美 健康福祉局長  ワクチン接種についてのお尋ねに順次お答えいたします。  まず、1点目の接種を受ける努力義務についてでございますが、ワクチンの接種は同意がある場合に行われるため、接種を行わないと意思表示される方に対し接種が強制されることはございません。また、認知症等により本人の意思確認が困難な場合は、御家族やかかりつけ医などの協力を得て意思確認を行っていただくこととなります。          〔副議長退席、議長着席〕  次に、2点目の居住地以外での接種についてでございますが、出産のために里帰りしている妊産婦や単身赴任者等、やむを得ない事情がある場合につきましては、接種を希望する医療機関等が所在する市町村に対し事前に届出を行うことで、接種を受けることができます。また、入院や入所、災害による被害を受けた方など、やむを得ない事情により市町村への届出ができない場合は、接種を受ける際に医師に申告を行うなどにより届出を省略することができることとなっております。  3点目の予防接種済証につきましては、接種券と同じ台紙になっており、接種後にワクチンシールを貼り全ての人に交付することとなります。  4点目のワクチン接種記録システムにつきましては、現在、情報収集に努めながらシステムの対応に向けた準備を進めているところであり、市民の皆様の円滑なワクチン接種に向けて万全を期してまいります。  最後に、現時点において想定される主な問題点といたしましては、5月以降のワクチンの供給量や時期が明らかになっておらず、接種を希望する市民の皆様に対して明確に接種の時期等をお知らせできないことと考えております。          〔18番 三森至加議員 登壇〕 ◆三森至加 議員  御答弁ありがとうございました。  職域接種に関しては居住地以外の方も考えられますので手続が簡素化できるよう、また、予防接種済証については全ての人に交付されますので周知をお願いいたします。  結びに、ワクチン接種は現在の最重要課題であります。接種に対する期待と不安が交錯しています。ワクチンの有効性、安全性、副反応など、必要な情報を分かりやすく発信し、混乱のないよう接種できる体制を整えていただくようお願いいたします。  これで私が用意した質問は終わりました。長時間お付き合いいただき、先輩、同僚議員の皆様、傍聴に来ていただいた皆様、また、インターネットで拝聴いただきました皆様、また、明快な答弁をいただいた大西市長をはじめ執行部の皆様には深く感謝申し上げます。これからも市民の声に耳を傾けしっかりと寄り添い、問題解決へと取り組んでまいります。  これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)       ──────────────────────────── ○紫垣正仁 議長  次に、日程第3、日程第4を一括議題といたします。  市長の提案理由の説明を求めます。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  ただいま上程されました議第120号及び議第121号につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。  まず、議第120号については、食品交流会館の特定天井改修工事に係る経費であります。これは、東日本大震災においてつり天井等の落下が多数発生したことを受け、建築基準法施行令が改正されたものであり、本市においては対象となる施設の特定天井改修を計画的に進めております。  食品交流会館特定天井改修工事等については、令和2年第4回定例会において、当該年度分の工事費に加え、令和3年度までの期間、5,790万円を限度額とした債務負担行為を議決いただきましたが、令和3年度分の予算を計上していなかったため、今定例会に令和3年度一般会計補正予算案を追加提案するものであります。  以上が補正予算の歳出の説明でありますが、これを賄う財源は全て市債を充当しております。この結果、一般会計において5,790万円の増額、補正後の予算額は3,750億6,590万円となり、補正後の予算を前年同期と比較いたしますと、特別会計や企業会計も含めた全体の合計額では2.0%の増となっております。  今回の事案は、議決済みの債務負担行為について予算を要求し上程するまでの間、それをチェックする基本的な仕組みが不十分であったため発生したものであります。このような理由で追加提案をお願いすることとなりましたことは、極めて遺憾であり、議員各位をはじめ市民の皆様に対しまして、市長として深くおわび申し上げます。今後、このような事案が二度と発生しないよう、内部のチェック体制を強化するなど、再発防止策を徹底してまいります。  次に、議第121号でありますが、熊本市介護保険条例の一部改正についてを提案するものであります。  これは、介護保険法施行規則の一部改正に伴い、本市もこれに準じ、第一号被保険者の所得段階の判定に用いる合計所得金額の改定を行うものであります。  以上で説明を終わりますが、何とぞ慎重に御審議の上、御賛同いただきますようお願い申し上げます。 ○紫垣正仁 議長  市長の提案理由の説明は終わりました。  それでは議案を付託いたします。  議第120号、議第121号、以上2件については、いずれも「予算決算委員会」に付託いたします。       ──────────────────────────── ○紫垣正仁 議長  本日の日程は、これをもって終了いたしました。  この際、お諮りいたします。  明11日から3月23日まで13日間は、休日並びに委員会開催のため休会いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。          (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○紫垣正仁 議長  御異議なしと認めます。  よって、明11日から3月23日まで13日間は、休会することに決定いたしました。  次会は、3月24日(水曜日)定刻に開きます。       ──────────────────────────── ○紫垣正仁 議長  では、本日はこれをもって散会いたします。                             午後 3時4分 散会 〇本日の会議に付した事件 一、議事日程のとおり 令和3年3月10日 出席議員 48名       1番   紫 垣 正 仁        2番   上 田 芳 裕       3番   山 本 浩 之        4番   北 川   哉       番   古 川 智 子        6番   島 津 哲 也       7番   吉 田 健 一        8番   伊 藤 和 仁       9番   平 江   透       10番   荒 川 慎太郎      11番   齊 藤   博       12番   田 島 幸 治      13番   日 隈   忍       14番   吉 村 健 治      1番   山 内 勝 志       16番   緒 方 夕 佳      17番   高 瀬 千鶴子       18番   三 森 至 加      19番   大 嶌 澄 雄       20番   光 永 邦 保      21番   高 本 一 臣       22番   福 永 洋 一      23番   西 岡 誠 也       24番   田 上 辰 也      2番   浜 田 大 介       26番   井 本 正 広
         27番   藤 永   弘       28番   原 口 亮 志      29番   田 中 敦 朗       30番   小佐井 賀瑞宜      31番   寺 本 義 勝       32番   原     亨      33番   大 石 浩 文       34番   村 上   博      3番   那 須   円       36番   園 川 良 二      37番   澤 田 昌 作       38番   田 尻 善 裕      39番   満 永 寿 博       40番   田 中 誠 一      41番   津 田 征士郎       43番   藤 山 英 美      44番   落 水 清 弘       4番   倉 重   徹      46番   三 島 良 之       47番   坂 田 誠 二      48番   白河部 貞 志       49番   上 野 美恵子 説明のため出席した者   市長       大 西 一 史    副市長      多 野 春 光   副市長      中 村   賢    政策局長     田 中 俊 実   総務局長     深 水 政 彦    財政局長     田 中 陽 礼   文化市民局長   井 上   学    健康福祉局長   石 櫃 仁 美   環境局長     三 島 健 一    経済観光局長   田 上 聖 子   農水局長     西 嶋 英 樹    都市建設局長   田 中 隆 臣   消防局長     西 岡 哲 弘    交通事業管理者  古 庄 修 治   上下水道事業管理者萱 野   晃    教育長      遠 藤 洋 路   中央区長     横 田 健 一    東区長      宮 崎 裕 章   西区長      甲 斐 嗣 敏    南区長      村 上 誠 也   北区長      小 崎 昭 也 職務のため出席した事務局職員   事務局長     富 永 健 之    事務局次長    和 田   仁   議事課長     池 福 史 弘    調査課長     下錦田 英 夫...