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令和 3年第 1回定例会−03月05日-04号
令和 3年第 1回定例会−03月05日-04号

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  1. 熊本市議会 2021-03-05
    令和 3年第 1回定例会−03月05日-04号


    取得元: 熊本市議会公式サイト
    最終取得日: 2022-11-22
    令和 3年第 1回定例会−03月05日-04号令和 3年第 1回定例会   令和3年3月5日(金曜) ┌─────────────────────────────────────┐ │ 議 事 日 程 第4号                         │ │ 令和3年3月5日(金曜)午前10時開議                 │ │ 第  1 一般質問                           │ └─────────────────────────────────────┘                             午前10時00分 開議 ○紫垣正仁 議長  ただいまより本日の会議を開きます。       ──────────────────────────── ○紫垣正仁 議長  日程第1「一般質問」を行います。  順次発言を許します。田中誠一議員。          〔40番 田中誠一議員 登壇 拍手〕 ◆田中誠一 議員  おはようございます。熊本自由民主党市議団田中誠一でございます。  皆様御承知のとおり、第1回定例会は新年度当初予算を審議する極めて重要な定例会であります。そのトップバッターとして一般質問の機会を頂き、改めて議員各位に対しまして厚く感謝を申し上げます。  また、一般質問の時間と回数の見直しが行われ、次回の定例会から、答弁を含め60分に短縮して実施されることになっているようでございます。持ち時間120分の一般質問はこれで最後となるかもしれませんので、私としましては悔いを残さず、また新たな方法での実施も見据え、できるだけ簡潔に、要点を絞って質問させていただきたいと思います。大西市長をはじめ執行部の皆さん方にも明快な答弁をお願いしまして、早速質問に入らせていただきます。  さて、我が熊本自由民主党市議団では、去る1月14日、令和3年度熊本市政策及び予算に関する要望書を市長に手交いたしました。その要望書においては、本市を取り巻く社会環境や中長期的な将来を見据え、災害に負けないまちづくり新型コロナウイルス感染症対策など、最優先で取り組むべき93項目を掲げております。この要望の取扱いについて、新年度予算編成に当たっては、実際提案された予算案を拝見しますと、おおむね要望の趣旨を御理解いただいたものと考えております。  そこで、私からは新年度予算に関連し、熊本地震からの復興や新型コロナウイルス感染症への対応など、市政の最重要課題に絞ってお尋ねしたいと思います。  私たち熊本市民は、過去5年間という短い期間に、これまでの日常生活や価値観を根底から覆すような出来事を2度経験いたしました。
     その1つが、平成28年4月14日、そして16日の2度にわたって震度7クラスの大地震に見舞われるという、地震大国である我が国でさえ観測史上初となる熊本地震でございます。多くの住まいが一瞬にして崩壊して、たくさんの尊い命を奪った熊本地震から来月で5年を迎えます。  地震後には、たくさんの方が仮設住宅等に長期間の避難を余儀なくされるなど不自由な暮らしを強いられ、自然災害の恐ろしさ、日頃からの備えの重要さを、我が身をもって痛感させられました。  発災直後は誰もが茫然自失となりましたが、その後、国内外からの温かい御支援をいただきながら、被災者自らの努力に加え、大西市長を先頭に、本市では熊本市震災復興計画に基づき、被災者の住まい再建生活再建を最優先に道路や橋梁などのインフラの復旧、さらには市民病院の再建や熊本城の復旧などに全力を傾注し、執行部と議会が一丸となりオール熊本で取り組んだ結果、おおむね復興の道筋はついたところであります。  しかしながら、最優先課題である住宅再建においては、まだ仮設住宅等に入居している方がおられるなど、一部時間を要している状況にあります。加えまして、私の地元、近見地区での液状化被害については、復旧手法の検討に時間を要したため、今やっと工事が本格化している段階にあります。  震災復興計画は、昨年3月末をもって最終年度となっていましたが、新型コロナウイルスに見舞われたこともあり、やむを得ない部分はありますが、その総括が十分に行われていないように思われます。  先ほど述べたように、全体としてはおおむね順調に進捗しているものの、液状化対策をはじめ、まだ再建途上の方々もいらっしゃることから、しっかり検証を行い総括した上で、次のステップに移る必要があると思います。  そこでお尋ねいたします。  熊本地震からの復旧・復興について、これまでの総括と積み残された課題をどのように整理されているのでしょうか。特に、まだ道半ばである近見地区等液状化対策をはじめ住まいの再建に新年度どのように取り組まれるのか、以上2点、大西市長のご答弁を求めます。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  本年4月で、熊本地震から5年の節目を迎えます。改めてお亡くなりになられました全ての方々に哀悼の意を表しますとともに、被災された全ての方々にお見舞いを申し上げる次第でございます。  本市では、地震発災後、速やかに熊本市震災復興計画を策定し、被災した方々の生活再建を最優先に、インフラ等の復旧や復興を下支えする地域経済の活性化、また防災・減災のまちづくりなど、復旧・復興の加速化と未来への礎作りに全力で取り組んでまいりました。  その結果、最大で約1万2,000世帯に及んだ仮設住宅等入居世帯数は、本年2月末現在で32世帯となり、99%以上の方が恒久的住まいへ移行されたところでございます。また、令和元年10月の新市民病院の開院をはじめ、来月には復興のシンボルでもあります熊本城天守閣の内部公開を予定するなど、着実に復興が進んでいるものと考えております。  また、近見地区の宅地液状化防止事業につきましても、地元の方々の御理解、御協力によりまして順次工事に着手しておりまして、令和4年度中に完了する見込みでございます。  加えて、昨年12月に実施いたしました復興に関する意識調査では、約95%の方が熊本地震からの復興を感じていると回答されており、市民の皆様にもおおむね復興を実感いただいているものと認識しております。  一方で、これからも被災者への切れ目のない生活支援や心のケア、災害に強い安全・安心なまちづくり、さらには熊本地震での貴重な経験、教訓を国内外や後世に伝えていくことが、引き続き我々が取り組むべき責務であるというふうに考えております。  今後も、仮設住宅に入居されている方々の一日も早い住まい再建液状化防止等の宅地復旧を着実に推進し、住まい再建後においても、新たな地域で孤立せず、健やかに暮らすことができるよう、各局、各区の連携強化を図り、全庁的な体制で引き続き取り組んでまいりたいと考えております。          〔40番 田中誠一議員 登壇〕 ◆田中誠一 議員  積み残された課題として、切れ目のない生活再建、健康支援、災害に強い安全・安心なまちづくり、経験や教訓の伝承が上げられました。また、近見地区の液状化防止事業は、令和4年度中に事業完了との見込みが示されました。これらの課題解決と一日も早い住まい再建に向け、引き続き全庁一丸となって取り組んでいただきますようお願いいたします。  次に、熊本市経済再建市民生活安心プランについてお尋ねいたします。  このプランは、新型コロナウイルス感染症への対策を本市が計画的に実施するため、市民生活や経済への影響を分析し、昨年10月に策定されたものであります。  プランの中では、新たな生活スタイル経済等市民生活を再建し、安心して暮らせる熊本づくりという対策の方向性が示され、感染拡大の防止をはじめ、市民生活への影響を最小化することや地域経済の再建など、4つの基本施策が掲げられています。  また、具体的な対策が網羅的に示されており、執行部の御苦労が伝わってきますが、策定当時と現在では、対策の内容や優先順位が異なるように思われます。その要因は、感染第3波において、救える命が救えなくなる医療崩壊に近い状態を私たちが経験したことからだと考えます。改めて新規感染者数の推移を振り返ってみますと、昨年の4月がピークだった第1波では40名程度、その後8月にピークを迎えました第2波では約220名、そして昨年末から1月中旬にかけて感染が急拡大した第3波は1,560名程度の感染者が発生いたしました。  このように、第3波が本市の医療体制市民生活に与えた影響は、これまでの感染ピークとは比較にならないほど大きかったと想定されますので、従来の新型コロナウイルス対策は、部分的にも見直す時期にあると考えます。  昨年11月に策定された熊本市経済再建市民生活安心プランについては、現時点の市民生活や経済の影響を分析し、必要な対策を講じるなど、プランの見直しが必要と考えますが、大西市長のお考えを求めたいと存じます。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  新型コロナウイルス感染症という新たな危機に対応していくためには、感染状況を見極めつつ、市民生活地域経済への影響を科学的に分析しながら必要な対策を的確に講じていくことが重要であると考えております。  このような認識の下、昨年4月に経済・市民生活再建プロジェクトチームを設置いたしまして、統計データ市民ニーズ等を徹底的に分析した上で、10月に現状と課題、そして対策の方向性を示した熊本市経済再建市民生活安心プランを策定いたしました。  実施に当たりましては、計画に掲げる対策を着実に進めますとともに、プラン策定時の統計データ市民ニーズ等の指標が刻々と変化していくことを常に把握、分析し、柔軟に対応していくことといたしました。  具体的には、これまで直近の感染状況や市民、事業者のニーズを分析した上で、保健所や検査体制の強化、医療提供体制の充実、さらには店舗等に対する家賃の助成や中小企業等資金繰り支援など、第12弾にわたる緊急対策を適時的確に講じてまいりました。  そのような中、昨年12月以降の感染拡大により、プラン策定時と現状においてデータや市民ニーズ等が変化するとともに、この間、多くの対策が追加されていることを勘案し、現在、プランの改定作業を進めております。  今後とも、こうした分析に基づく対策を先手先手で講じていきますとともに、常に市民や事業者のニーズを的確に把握しながら、市民の皆様の生命と健康、暮らしを守ってまいりたいと考えております。          〔40番 田中誠一議員 登壇〕 ◆田中誠一 議員  このプランに基づき、時々刻々と変化する感染状況や深刻なダメージを受けている社会経済情勢をしっかり分析した上で、真に必要な効果的な対策を迅速に実行していただくようお願い申し上げます。  続きまして、新型コロナウイルス感染症対策に関する医療体制の強化についてお尋ねいたします。  皆様御承知のとおり、本市は、昨年12月以降の感染者の急増に伴い医療体制が逼迫し、1月10日には市長自ら熊本市医療非常事態宣言を発令され、蒲島知事に対しまして、緊急事態宣言の対象地域とするよう国への働きかけをお願いされました。  国は、九州では福岡県を対象地域にしたものの熊本県は対象地域から外れたため、蒲島知事は県独自の緊急事態宣言を発令され、1月14日から2月7日まで飲食店等へ20時までの営業時間の短縮要請を行うなど、国の緊急事態宣言対象地域と同程度の対策が講じられました。  さらには、医療体制の逼迫が解消されなかったことから、2月21日まで2週間延長し、時短要請を熊本市内の中心繁華街に絞りながら、感染防止対策を継続されました。  その結果、本市における感染状況医療非常事態宣言前の1月5日から11日までの新規感染者数が263人と過去最高を記録していましたが、2月4日から10日の週は8名に減少するなど、一定の効果が見られています。  このような状況を受け、再延長されていた熊本県の緊急事態宣言も2月17日をもって解除されたところであります。  救える命を救えるよう医療崩壊を防ぐためには、人と人との接触機会の低減により、新規感染者を減らすことが最も重要であることは言うまでもありません。  しかし、一方では、熊本・上益城医療圏の全病床数約1万4,000床のうち、新型コロナウイルス感染症対応病床数は127床にすぎず、市民病院や植木病院をはじめ、公的病院を中心に限られた病院のみで対応しているのが現状でございます。  今後は、民間医療機関の御協力をいただき、新型コロナウイルス感染症に対応した病床を拡大することが必要であると考えます。同時に、医師や看護師などの医療従事者人工呼吸器などの医療機器の確保もまた大変重要であります。しかしながら、全世界で感染症が拡大する中、医療資源の充実を図ることは一朝一夕ではありません。  このようなことから、今なすべきことは、現在の医療資源を適正に配分し、効果的に運用していくことであると思います。例えば、民間の病院内に感染症病床を設けることは様々な課題があるかもしれませんが、民間病院から医師や看護師を派遣してもらうような協力方法もあると思います。また、ホテルや自宅療養者が多くなる中で、他県ではその自宅療養中に亡くなる事例もあることから、個人病院の医師や看護師に往診してもらうなどの協力方法もあると存じます。  もとより、県や市の担当部局では様々な取組を検討され、医師会など関係機関との協議も進められているのではないかと思いますが、しかしながら、現状では医療体制の強化をどのように進めておられるのか、私たち市民にまで十分に伝わっていません。私は素人なりに、改めて大西市長医療非常事態宣言の意味を考えてみました。そこには、大きく2つの思いが込められているのではないかと考えております。  まず1つには、市民に対し、自分はもちろん他人を含め、命と健康を守るため必要な行動を促すこと。そしてもう1つは、全ての医療関係者に向け、心からの感謝の思いとともに、これまで以上に一丸となって感染症に立ち向かいましょうという呼びかけであったと感じています。  そこでお尋ねします。  改めて、本市独自の医療非常事態宣言に至った経緯とその宣言の効果をどのように捉えておられるのか、また今後の医療提供体制の強化に向けて、県や医師会との連携の下、どう取り組んでいかれるのか、以上2点について大西市長にお尋ねいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  昨年12月以降の爆発的な感染の拡大により、本市の病床がほぼ満床となるなど、極めて危機的な状況となりましたことから、これ以上の医療提供体制の崩壊を防ぎ、74万市民の命を守るため、1月10日に本市独自の医療非常事態宣言を発令し、重症化リスクのある方々の不要不急の外出の自粛など、改めて市民の皆様の御協力を強くお願い申し上げました。  その後、1月14日には、県において独自の緊急事態宣言も発出され、市民の皆様の御協力により新規感染者が減少傾向となり、病床使用率も改善したことから、専門家の皆様の御意見も踏まえ、2月18日に医療非常事態宣言を解除いたしました。  現在、第4波を防ぐため様々な対策に取り組んでいるところでございますが、感染の再拡大の兆候が見られた場合は、第3波での経験を踏まえ、発令基準に至る前の段階において、まずは市民の皆様へ強いメッセージを発し、必要と判断した場合はちゅうちょなく発令を行うことで、感染の早期抑制に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、医療提供体制の強化につきましては、県と連携をいたしまして医療機関を訪問し、受入れ協力の働きかけを行うなど病床の確保を進め、市内においては、昨年12月1日時点の96床から、昨日の答弁では2月10日時点で127床とお答えいたしましたが、本日3月5日にさらに増床いたしまして136床となったところでございます。加えて、回復した患者の受入れを行う後方支援医療機関の確保も併せて行っておりまして、引き続き県や医師会等関係機関と連携いたしまして、受入れ病床を確保してまいりたいと考えております。  また、宿泊療養施設につきましては、県が設置をいたしまして、昨年8月5日の1棟60室から、2月20日には4棟380室を開設しておりまして、そのうち1棟につきましては、熊本市が主体となり運用を行っております。軽症者等は宿泊療養施設等で療養していただくことで病床の有効活用につなげ、今後も重症者や中等症者が確実に入院できるよう、医療提供体制の強化に努めてまいります。          〔40番 田中誠一議員 登壇〕 ◆田中誠一 議員  熊本市の感染症対策は危機管理の基本であります。最悪の事態を想定してできるだけ早く手を打つ、この原則に沿って対応されており、このことは、熊本地震の経験が生きているものではないかと思います。感染が落ち着いている今のうちに、民間医療機関との協力の下、医療提供体制のさらなる強化に取り組んでいただきますようお願い申し上げます。  次に、感染症対策の決め手となるワクチン接種についてお尋ねいたします。  4日の我が会派の藤山議員の代表質問への答弁により、医療従事者の確保を含めた実施体制や接種率向上に向けた対策が示されました。私からは、もう少し焦点を絞り、効果的かつ効率的な接種に向けて、私が懸念している事項についてお尋ねします。  これは、言わば国家の一大プロジェクトであり、地方自治体はその現場の責任を担うことになっております。昭和生まれであれば学校での集団接種を経験しておられるでしょうが、1994年の予防接種法の改正により個別接種が原則となり、近年では集団接種が実施されておらず、集団接種のノウハウが失われており、各自治体は白紙の状態から準備しなければなりません。  去る1月27日には川崎市で集団接種の訓練が行われましたが、医師の予診時間に時間がかかるなど、問題点が明らかになりました。また、会場や接種を担当する医師や看護師の確保も課題になっています。  本市では、先月20日に第2回目となる医療機関説明会が開催され、大西市長と熊本市医師会の園田会長が記者会見を行われました。その際、340を超えるかかりつけ医による個別接種を中核とすること、かかりつけ医がいない方々も対応するため集団接種も実施すること、ファイザー製ワクチンを約32万7,000回分確保し、4月から6月に高齢者への接種が完了する見込みであることが示されました。この方式は、市民の皆様から見れば、かかりつけ医であれば自分の既往症やアレルギーを把握していただいていることから、安心して接種を受けられ、まさに理想的であります。  しかしながら、この会見の翌日に、河野大臣から高齢者への接種完了が遅れる可能性が示唆され、供給量が限られる中、「少しずつ始め、ゆっくり拡大したい」との発言がありました。私はこの発言を受け、果たして、市長が言われたように32万7,000回分確保し、6月までに高齢者への接種が完了するのかどうか、とても心配になりました。  本市には、65歳以上の方が約19万人おられます。全ての高齢者の皆様が接種すると仮定した場合、2回分の38万人分のワクチンが必要になります。もちろん接種率で必要量が変わってきますが、供給量が限られたり遅れたりした場合、65歳以上の方の中から、例えば100歳以上の方からなど、さらに優先順位を決めなければ、効果的かつ効率的な接種ができなくなるのではないでしょうか。リスクマネジメントの観点から、最悪の事態を想定して接種準備を進める必要があります。  そこでお尋ねします。  ワクチンの供給量が予定より少なかったり供給時期が遅れた場合、65歳以上の方の中での優先接種はどのように行っていかれるのか、全体の接種の優先順位や実施体制、スケジュールも含めた影響について、現時点のお考えをお聞かせください。  以上、健康福祉局長の答弁を求めます。          〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕 ◎石櫃仁美 健康福祉局長  ワクチンの供給量が少ない場合や遅れた場合は、接種スケジュールへの影響はあるものの、本市におきましては、まず重症化するおそれのある65歳以上の高齢者等の接種を進めていくこととし、3か月間で完了できる体制を確保したところでございます。  しかしながら、これは、十分なワクチンの供給が行われることを前提としたものでございまして、必要な量のワクチンが安定的に供給されなければ、接種の完了の時期は遅れるものと考えております。  本市は、これまでもワクチンの安定的な供給につきまして国へ要望を行ってきたところでございますが、接種を希望する方が一日でも早く接種ができるよう、引き続き国への要望を行ってまいりますとともに、接種体制のさらなる充実に向けて全力で取り組んでまいります。          〔40番 田中誠一議員 登壇〕 ◆田中誠一 議員  国から割り当てられる高齢者向け新型コロナウイルスワクチンの数量が不透明なため尋ねました。しかし、本市のワクチン接種の優先順位については、本日の地元新聞に重症化リスクの高い透析患者を優先して接種することを決めたとの記事が掲載されております。  そこで、健康福祉局長にお尋ねします。議会への報告の前に報道機関へ情報提供された理由をお答えいただきたいと思います。          〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕 ◎石櫃仁美 健康福祉局長  ワクチンにつきましては、感染拡大を抑える切り札だというふうに思っております。議員各位、市民の皆様方の関心も非常に高いというふうに思っております。  一方、供給量など判然としない部分がございまして、また、国からの情報も変化する情報ではございます。  今後、このような状況ではございますが、適時適切に議会、市民の皆様方に情報提供できるよう努めてまいります。十分、今後留意してまいりたいと考えております。どうぞよろしくお願い申し上げます。          〔40番 田中誠一議員 登壇〕 ◆田中誠一 議員  大体分かりました。  ワクチン接種の現場を担う地方自治体の御苦労はよく分かりますが、新型コロナウイルス抗体保有率は、東京ですら1%にも満たない数字であり、感染拡大を収束させるためには、やはりワクチンの早期接種はもちろんのこと、接種率の向上も鍵となります。多くの市民が一日でも早く接種できるよう、大変ではありますが、全力で取り組んでいただきたいと存じます。よろしくお願いします。  それでは、質問項目4になりますけれども、地域経済の活性化に関し、まず、感染症の影響を踏まえた観光戦略についてお尋ねいたします。  観光庁の推計では、新型コロナウイルス感染症世界的流行に伴う渡航制限で、2020年の訪日客は前年比約87%減の約411万人となりました。この年間客数は、20年以上前の1998年の数字にまで激減しており、回復には時間がかかると見られます。  本市においても、感染症が拡大する前の2019年の外国人入り込み数は、ラグビーワールドカップ女子ハンドボール世界選手権などの開催もあり、過去最高の71万人を記録し、熊本城や商業施設で多くの外国人観光客でにぎわっていましたが、現在はほとんど目にしなくなりました。訪日観光客の回復が見込めない中、国は、GoToトラベルキャンペーンなどにより国内観光の消費喚起を進めていましたが、昨年末からの感染症再拡大に伴い、中断を余儀なくされています。  これまで、人口減少が加速する中、新たな雇用や所得を生み出す切り札として、国を上げて観光立国の実現に向けた取組が進められてきましたが、コロナ禍に見舞われ、旅行業や宿泊業、運輸業を中心に、裾野が広い産業ゆえに深刻なダメージは広範囲に波及しています。国は、ポストコロナ時代においてもインバウンドには大きな可能性があり、2030年訪日外国人旅行者数約6,000万人などの数値目標はそのまま維持することとし、この目標達成に向け、これまで誘致されていない上質な観光サービスを求める富裕層などの訪日を促進するための環境整備が急務としています。  そこで、昨年10月には、本市の復興アドバイザーでもあったデービッド・アトキンソン氏らが委員を務める上質なインバウンド観光サービス創出に向けた観光戦略対策委員会を立ち上げ、感染症収束後を見据えた今後の観光戦略が検討されています。  このような中、大西市長は、アジア、欧米、国内などの地域の特性別に、観光客の関心分野を調査し、ターゲットを明確にします、また、調査結果を基に観光マーケティングの戦略を策定するとマニフェストに掲げられています。また、熊本城、水前寺成趣園及びその周辺地域を国際観光重点地域に指定されておりますが、コロナの影響で訪日客の消費が蒸発した今、観光消費額の約8割を占める国内観光へターゲットをシフトすることを含め、本市としても戦略の見直しが必要ではないでしょうか。  加えて、本年4月には熊本城天守閣が完全復旧し、特別公開第3弾として天守閣内部の一般公開が始まります。また、陸の玄関口である熊本駅前では、アミュプラザくまもとがオープンします。秋には桜町・花畑地区オープンスペースが完成するなど、城下町熊本の新たな魅力が加わります。  まずは、これらのトピックスを活用しながら、国内観光客誘致に全力を傾注しつつ、多言語による各種案内サインなどの受入れ環境の整備や情報発信力を高めるノウハウの取得など、感染症の収束を見据え、外国人観光客から選ばれるための競争力を高めていくことが現実的な対応と考えます。  そこでお尋ねいたします。  まず、観光業におけるコロナ禍の影響をどのように捉え、分析しておられるのでしょうか。具体的な数字を含め、お答えいただきたいと思います。その上で、コロナ禍の今、必要な施策、そして収束後のインバウンド復活を見据えた施策など、感染症の影響や新たな生活様式の進展等を見据え、今後の観光戦略をどのように描いておられるのか、また、新年度以降の具体的な施策につきましても併せてお示しください。  以上、経済観光局長にお尋ねいたします。          〔田上聖子経済観光局長 登壇〕 ◎田上聖子 経済観光局長  観光振興に関する3点の質問に順次お答えいたします。  まず、観光業におけるコロナ禍の影響についてでございます。  本市の国内宿泊者数は、前年同月比で5月が81%減と大きく落ち込んでおりましたが、11月には6%増と前年を上回るまでに回復いたしました。しかし、その後の感染拡大により、12月は11%減、1月は61%減と減少が続いております。また、外国人の宿泊者数は、昨年4月以降、前年同月比マイナス99%前後で推移しているところでございます。  熊本市ホテル連絡協議会加盟27施設への聞き取りに基づき、昨年1月から12月までの本市の宿泊者数を推計したところ、令和元年の約282万人に対し、令和2年は約178万人と約100万人減少しておりまして、これに令和元年観光統計の観光消費額単価を乗じると、影響額は約236億円に上ると見込んでおります。  今後の観光戦略につきましては、コロナ禍の中、戦略策定の基礎となる調査が困難な状況にあることから、まずは、現在、紙ベースで実施している観光統計や観光客動向及び満足度調査を、クラウド上のデータベースを活用するオンラインによる手法へ変更し、リアルタイムでの状況把握やデータの蓄積に努め、感染状況が落ち着いた観光需要回復期に実施予定の観光戦略に生かしてまいりたいと考えております。  最後に、来年度以降の具体的な施策についてでございます。  当面は、現在停止しているLOOKUP Kumamotoキャンペーンの再開など、感染状況を踏まえながら、県内、九州内を対象とする近場の旅行需要喚起を図るとともに、来年春の全国都市緑化くまもとフェアや第4回アジア・太平洋水サミットの開催を見据えた観光客受入れ環境の整備を進め、コロナ収束後のインバウンド需要の速やかな回復につなげてまいりたいと考えております。          〔40番 田中誠一議員 登壇〕 ◆田中誠一 議員  先ほどの御答弁のとおり、宿泊業、観光業は今、極めて厳しい経営環境の中にあります。今後の感染状況を見極めながら、近場から旅行需要の喚起に取り組んでいただくとともに、将来、希望が持てるような観光戦略を一日も早く策定していただきますようお願い申し上げます。
     それでは、次に地域経済の活性化に関し、農業分野におけるコロナ禍での販路拡大についてお尋ねいたします。  新型コロナウイルス感染拡大により、インバウンド需要、外食需要の減少や輸出の停滞等により在庫が増加し滞留する等の影響が生じるなど、全国の農水産業に影響が広がっております。  私の知り合いのトマト農家の方からも、飲食店への納入が減少し家庭の消費だけになるなど、トマトの需要が半分になり、経営的にもきついとの声を聞いております。  このような中、国はGoToイートキャンペーンを実施し、また、本市においても、花卉や肉類をはじめ地元農水産物の消費需要を喚起するため様々な対策が講じられておりますが、緊急事態宣言の再発令により、国のキャンペーンは中断されるとともに、飲食店の時短要請などにより、再び需要は落ち込んでいます。  その一方で、自粛生活に伴い、家庭で調理するためこだわりの食材を調達したり、飲食店での食事や旅行を自粛する代わりに地域の特産品を購入するなど、インターネットを使った販売が増加しています。  本市の熊本市経済再建市民生活安心プランにおいては、通信販売の活用を支援することで、熊本産品の販路を拡大するとともに、生産者と消費者との情報連携等によって農産物直売所の利用促進を図り、地産地消を推進しますと記載されています。私も、このコロナ禍を契機とし、積極的にインターネット販売などにより新たな販路を開拓していくなど、農業分野でもデジタルトランスフォーメーションを行政が音頭を取って積極的に進めていくべきと思います。  そこでお尋ねいたします。  本年度の感染症による農業分野への影響について、品目ごとに影響額がどれぐらいに上るのかお示しください。また、それらの影響を踏まえ、新年度予算において、コロナ禍での農業分野の活性化についてどのように取り組んでいかれるおつもりなのか、特に地産地消事業(新生活様式)が計上されていますが、その具体的な内容について農水局長にお尋ねいたします。          〔西嶋英樹農水局長 登壇〕 ◎西嶋英樹 農水局長  新型コロナウイルス感染症の農業への影響とその対応について、順次お答え申し上げます。  まず、農業分野への影響でございますけれども、JA熊本経済連の令和2年販売実績から本市の農業産出額への影響額を試算したところ、スイカにつきましては約5%の単価減で影響額は約2億1,000万円、メロンにつきましては約4%の単価減で約1億5,000万円の影響額、花卉につきましては約7%の単価減で約1億円の影響額となってございます。また、牛肉及び馬肉について県が示した影響額から試算したところ、影響額はそれぞれ1億円となってございます。  次に、このような影響に対する農業分野の対策ですが、国では、野菜、花卉等の次期作に取り組む農業者を支援する高収益作物次期作支援交付金をはじめ、野菜価格安定対策事業や収入保険制度などがございまして、市としてもその活用を推進しております。  さらに、本市におきましては、花卉等の緊急消費拡大対策といたしまして、新聞広告やSNSなどを通じた農水産物のPRをはじめ、農協や農産物直売所の通販サイトの利用促進などに取り組んでまいりました。また、国の公共施設などにおける花卉の活用拡大支援事業を活用して公共施設などでの花装飾を行いまして、花卉の需要喚起を行いました。  さらに、令和3年度は販路拡大のため、民間の流通システムを活用した大消費地でのアンテナショップの開設や通信販売に取り組むことといたしております。また、地産地消事業といたしまして、農産物直売所において、農業者からの出荷情報の発信や消費者ニーズの収集を行うアプリを整備いたしまして、生産者と消費者を情報でつないだ新しい生活様式に対応した農産物直売所として運用できるよう取り組んでまいります。          〔40番 田中誠一議員 登壇〕 ◆田中誠一 議員  熊本市の農業産出額の影響額が約6億6,000万円に上るという試算が示されております。市は、ICT、AI等の技術を活用したスマート農業を推進されていますが、ピンチをチャンスに変え、流通や販売面でのスマート化に取り組むなど、販路拡大に努めていただきますようお願いしたいと思います。  それでは、質問項目5番目、スポーツ振興についてお尋ねいたします。  まず、コロナ禍のスポーツへの影響についてでございます。  2019年、新型コロナが猛威を振るう前のこの年の9月には、花畑広場にラグビーワールドカップのファンゾーンがオープンし、多くのファンで、連日大いににぎわいました。また、試合があった県民総合運動公園は、これまで体験したことがない熱気と歓声に包まれました。  さらに、同年11月には、世界女子ハンドボール世界選手権大会が県内5会場で開催され、各国の代表24チームが熱戦を繰り広げました。  そして、次はキャンプ地の誘致をはじめ、東京オリンピック・パラリンピックとつなげていこうとまさに市全体が大いに盛り上がり、平成11年、スポーツ都市宣言を行って以来、スポーツ振興の機運を醸成する絶好の機会が訪れようとしていました。  しかしながら、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行に見舞われ、昨年を振り返れば、プロスポーツ界では大相撲の夏場所が中止となり、野球やサッカーの開幕延期、やっと開催しても観客制限が設けられるなど、まさに感染症に翻弄され続けた1年でありました。  アマチュアスポーツでも東京オリンピックの延期に始まり、国体や甲子園大会など全国規模の大会の中止、本市においても中体連の中止、学校の体育祭や運動会の中止や延期が実施されました。また、感染が拡大するたびに身近なスポーツ施設の一時閉鎖が余儀なくされるなど、本市のスポーツ界を取り巻く環境は、一転して厳しい冬の時代を迎えています。  それぞれの競技団体においては、感染防止に心がけつつ、可能な範囲でスポーツ界の維持に努力されていますが、このまま影響が長期化し、日常生活でのスポーツ機会が減少していけば運動不足となり、子供たちの健やかな成長や高齢者の健康維持など、市民の健康維持増進への影響が大変危惧されるところでございます。  このような中、本市では、平成24年に策定した第2次熊本市生涯スポーツマスタープランに基づきスポーツ振興に取り組んでこられていますが、策定から既に10年近くが経過しております。この間、競技団体等による競技スポーツはもとより、総合型スポーツクラブや校区体協による生涯スポーツの活動が盛んに行われ、市民がスポーツに親しむ機会が着実に増えてきたことを、スポーツ推進委員協議会会長としてスポーツの振興に携わってきた私も実感しているところであります。  しかしながら、現計画は、コロナ禍がスポーツに与えた影響はもとより、2019年の国際スポーツ大会やeスポーツの盛り上がりなど、新たな動きを踏まえた計画になってはおらず、私は早急に改定する必要があると思います。  そこでお尋ねいたします。  感染症の拡大をもたらした地域スポーツへの影響、特に総合型地域スポーツクラブ及び小中学校の部活動への影響と課題についてどのように捉えていますか。小中学校などの教育現場に関しては教育長に、地域スポーツに関しては経済観光局長にお尋ねいたします。また、熊本市生涯スポーツマスタープランの改定の中で、地域スポーツの活性化に向けた今後の取組について、経済観光局長のお考えをお聞かせください。          〔遠藤洋路教育長 登壇〕 ◎遠藤洋路 教育長  私からは、コロナ禍での小中学校の部活動への影響と課題についてお答え申し上げます。  小中学校の部活動は、学校の再開後も感染拡大防止のため、リスクレベルに応じて練習方法や内容、大会参加等に制限を設けたところです。  また、活動前後の健康観察、道具の消毒など、感染症拡大防止のため、子供たちや指導者は負担が増し、それに伴い活動時間も短くなるなどの影響がありました。  そのような中、議員御案内のように、熊本市中体連大会及び小体連大会は中止や延期、代替大会として実施された種目もあったところです。開催された大会も感染リスクを考慮し、応援の生徒や保護者の数、応援の方法などを制限したところもありました。  教育委員会としては、感染症対策を行いながら、子供たちの活動をどう保障していくかが課題であると捉えております。特に、感染リスクの高い密集する運動や近距離で組み合ったりする運動が含まれる競技も可能な限り実施できるよう、学校にも活動内容や方法の工夫を求めながら、子供たちの活動を保障してまいりたいと考えております。          〔田上聖子経済観光局長 登壇〕 ◎田上聖子 経済観光局長  私からは、コロナ禍のスポーツへの影響に関する2点の質問にお答えいたします。  まずは、総合型地域スポーツクラブへの影響と課題についてでございます。  本年1月に実施した市民アンケートでは、不安、困り事に関する質問に対し、運動・スポーツの機会が減少したとの回答が36.4%を占めるなど、コロナ禍は地域スポーツ活動にも大きな影響を与えてございます。  特に、総合型地域スポーツクラブにつきましては、体育館などの施設閉鎖期間中に活動や会員募集を中断したことや感染を心配した高齢者の活動離れなどから、12月時点の会員数が前年比で全22クラブ中14クラブで減少するなどの影響が出ております。  先月末に複数のクラブ運営者にお話を伺ったところ、しっかりとコロナ対策を行い、魅力あるプログラムの安定的な実施を図りたいとの御意見と併せて、会員が集まるようなメニューの組立てや制限が続いた場合の会費の設定などについての御質問も多くあったため、今後も各クラブの意見やニーズの把握に努め、必要なサポートを行ってまいります。  熊本市生涯スポーツマスタープランの改定につきましては、東京オリンピック・パラリンピックが1年延長されたこと、コロナ禍による社会情勢や市民ニーズが変化していることなどから、今年度実施予定だったプラン策定の端緒となるスポーツ動向調査を1年先送りしたところでございます。  今後、校区体育協会や競技団体、総合型地域スポーツクラブ、スポーツ推進委員など、地域スポーツに携わる多くの関係者の皆様からも個別に御意見を伺うこととしており、コロナ感染症の収束を見据えた地域スポーツの活性化に向けた新たな取組をプランに反映させてまいります。          〔40番 田中誠一議員 登壇〕 ◆田中誠一 議員  コロナ禍の今、スポーツの存在意義が問われております。衣食住ではないスポーツは不要不急か。私は、スポーツは心身の健康を維持し、生涯を豊かにしてくれる欠かせないものだと思います。子供から大人まで、誰もが生涯にわたりスポーツを楽しめるよう、引き続き必要な支援を行っていただくとともに、社会情勢の変化を踏まえたプランの策定を進めていただきますようお願い申し上げます。  引き続き、スポーツ振興に関連し、熊本城マラソンについてお尋ねいたします。  昨年は、新型コロナウイルス感染症の影響により、江津湖花火大会などの様々なイベントやスポーツ大会が中止や延期を余儀なくされました。また、先月開催されるはずだった熊本城マラソン2021についても、参加ランナーをはじめとした熊本城マラソンに関わる全ての方々の安全安心の確保が困難であると判断され、中止となりました。  皆様御承知のとおり、政令指定都市を記念して始まりました熊本城マラソンは、熊本城をゴールとして、その間の沿線住民の温かい応援、接待、パフォーマンス等も好評で、県内外の多くのランナーが楽しみにしている一大イベントになっております。来年度の開催については、今後の感染状況ワクチンの効果に左右されると思いますが、市民はもとより、全国のマラソンファンが開催を心待ちにしております。これまでの感染症の知見を生かし、できるだけの感染対策を行いながら、来年こそは熊本地震、そして感染症を乗り越え、新たな一歩を踏み出すその記念の大会として、友好交流関係にもある国内外の都市からもランナーをお迎えし、開催できることを心から願っております。  そこでお尋ねします。  新年度当初予算として熊本城マラソン感染症対策費が計上されていますが、安全安心な開催に向け、感染対策にどのように取り組まれていくのか、開催に対する意欲を含め、経済観光局長にお尋ねいたします。          〔田上聖子経済観光局長 登壇〕 ◎田上聖子 経済観光局長  熊本城マラソンの実施につきましてお答えいたします。  熊本城マラソンは、ランナーをはじめ全ての方々が安全で安心して参加できる大会とすることを第一に考えて開催いたしております。  国は、現在、徹底した感染防止対策の下での安全なイベント開催を図っていくとしており、マラソンなどの大型イベントの開催そのものを止められているものではないことから、感染状況等に応じた対策を検討していく必要があると考えております。  お尋ねの感染対策につきましては、国のイベント等におけるガイドラインや日本陸上競技連盟のガイダンスに沿って取り組んでいくこととしており、今後も関係機関と協議しながら、考え得る万全な対策を取ってまいりたいと考えているところでございます。  開催可否につきましても、感染状況を注視しながら慎重に判断する必要がありますが、次回は10回目の節目となる記念大会でもあり、皆様が笑顔で参加できる大会として開催できるよう、感染状況も踏まえながら準備を進めてまいります。          〔40番 田中誠一議員 登壇〕 ◆田中誠一 議員  来年こそは、先ほど御答弁にありました、皆さんが笑顔で参加できる大会として開催できるよう、私も希望を失わず、全力で協力してまいりたいと思っております。  次に、アリーナ構想についてお尋ねします。  御承知のとおり、本市にはJリーグのロアッソ熊本、Bリーグの熊本ヴォルターズがあり、さらには、昨年、プロ野球独立リーグの火の国サラマンダーズも結成されました。  本市と同規模の政令市である新潟市にはJリーグのアルビレックス新潟、野球は独立リーグの新潟アルビレックス・ベースボールクラブがありますが、この2チームは、JR新潟駅の近隣に収容人数4万人を超えるスタジアムと3万人規模の野球場が同じスポーツ公園内にあり、これをホームとして利用しています。このスタジアムでは、試合があるときはサッカーや野球ファンだけでなく、屋台やマーケット目当てに人が集まり、スタジアム周辺も含めて、大いににぎわっているようでございます。  一方、本市の競技施設の現状を見ますと、藤崎台県営野球場は昭和35年の完成から60年以上が経過し、老朽化と施設面の問題が指摘されております。座席数も少なく、駐車場に至っては50台分しかありません。また、サッカー場は水前寺競技場と県民総合運動公園陸上競技場がありますが、水前寺競技場は昭和26年の完成から70年が経過し、老朽化が進み、昨年7月からは、スタンド屋根の撤去工事のため利用中止となっています。県民総合運動公園は広大な敷地に屋内、屋外の運動施設を有し、施設内容は申し分ないですが、最寄りのJR光の森駅から5キロほど距離があり、試合開催時には国体道路などが大渋滞になるなど、公共交通のアクセスの悪さが最大の課題となっています。  一昨年のラグビーワールドカップ女子ハンドボール世界選手権などの盛り上がりを見ても、熊本市には東の運動公園以外に交通アクセスが整った場所に常設のアリーナが必要であるという思いを強くしております。その際には、新潟市の事例等を見ても、鉄軌道によるアクセス確保が不可欠だと思います。  そこで提案ですが、例えば西熊本駅から富合駅の沿線近くに硬式野球場と陸上競技場、バスケットなどの屋内競技場など、多種目の競技施設を集約した新たな施設を造ることはできないでしょうか。鉄軌道で輸送すれば渋滞も発生しないですし、広大な土地に広々とした駐車場も確保できます。身近な場所でトップアスリートの高度な技術や技量、スポーツマンシップに触れることで、子供たちをはじめ市民の競技力の向上にも寄与すると思います。また、大会や試合に加え、様々なイベントやコンサートなどの催しものが行われることで新たな文化やにぎわいも生まれ、地域の活性化にもつながっていくと思います。加えて、地震などの災害時には、大規模避難所や救援物資の集約、配送拠点などとしても活用することができます。  私は、熊本市スポーツ協会会長を拝命しておりますが、多くの競技団体や関係者からも、多種目の競技施設を集約した新たな施設の整備を望む声を伺っております。これはスポーツ関係者の悲願であり、私にとっての夢でもあります。お金がないからできないのではなく、国へ支援を要請したり、あるいは県市で連携したり、あるいは民間活力を活用するなど、工夫ができると思います。最初から無理、できないではなく、せめて夢だけは失わないでほしいと思います。  そこでお尋ねします。  先ほど申し上げましたアリーナをはじめとした新たな総合運動公園の構想に対する市長のお考えをお聞かせください。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  国においては、スポーツの成長産業化を大きな柱としたスタジアム・アリーナ改革について様々な検討が進められているところでございます。  スタジアム・アリーナは地域に根差したスポーツチームを育むインフラであり、さらに、プロスポーツやコンサートなどの収益性の高いイベントを行うことができ、地域のにぎわいの創出や雇用の創出等、大きな経済効果が期待されます。  一方で、多くの資金を必要とするスタジアム・アリーナの新たな整備には、開設後の運営手法も含め、大きなリスクも想定されますため、民間活力による多様な事業方式、資金調達方式を活用していくことが必要であると考えております。  また、コロナ禍による経済の落ち込みや観戦スタイルの変化に伴う収容人数の減少など、新たな課題も出てきております。  さらに、本市には野球、サッカー、バスケットボールの集客力を有する3つのプロスポーツチームが県有施設を拠点としておりますため、県と十分に協議を行うことが必要であります。中長期的な課題として、今後、研究を進めてまいりたいと考えております。          〔40番 田中誠一議員 登壇〕 ◆田中誠一 議員  新たなスタジアム・アリーナの整備については、中長期的な課題として研究を進めていくとの答弁でありますが、先ほど質問でも述べたとおり、藤崎台県営野球場や水前寺競技場の老朽化への対応は、それほど時間的猶予はもうないのではないでしょうか。スポーツ振興はもとより、地域のにぎわいや経済の活性化の観点から民間活力の活用を含め、検討を前に進めていただくことを心より期待しております。  次に、質問項目の6番目でございます。  子供の育成支援について、まず、子供の貧困対策についてお尋ねいたします。  コロナ禍の影響で、親の失業や転職、家庭内不和による離婚などの環境の変化に伴い、子供が家庭で御飯を食べられないことが増えている状況が顕在化しております。登校時に疲れて歩けない、土曜、日曜日に何も食べる物がない、平日は給食のみ1食という子もいます。「母親が夜勤しているから、朝は自分で起きて学校に行く。時々朝御飯がなくて困っている」と登校見守り隊で出会った低学年の女の子の話であります。  熊本地震による被災やコロナ禍の影響による環境の変化で、離婚や別居が懸念されます。この状況下でつらい思いをするのは子供たちです。このような現実があることを皆さん御存じでしょうか。就学援助も増加しています。これまでは1割だったものが2割に倍増、今後、さらに増加することが予想されます。  申し上げるまでもなく、子供の成長に食事は欠かせません。朝御飯を食べることで子供の学力向上にもつながります。児童・生徒への1人1台のタブレット端末の整備は完了し、今後の感染状況次第でリモート授業が行われ、学校に登校せず家庭にいることが増える可能性があります。そうなると、給食が唯一の食事となっている子供たちの命までが危うくなります。私は、このような話を地元の保護者からお伺いし、コロナ禍が高齢者やひとり親家庭、そして子供たちに深刻な影響を及ぼしていることを改めて認識しました。  現在、本市では、子どもの未来応援アクションプランに基づき、子供の貧困対策として、子ども食堂やフードバンクへの支援に取り組まれています。現状では、市内34団体、39か所で活動が行われていますが、校区または個人単位での取組が行われており、地域の格差が出てきております。また、感染拡大防止のため、多くの子ども食堂が運営を休止もしくは開催形態を変更して活動されております。  全ての子供たちが成長に必要な食事をしっかり取れるよう、子ども食堂の活動を継続できるよう支援し、市内全校区に広げていくことが必要だと思います。そのために、子ども食堂を始めたい人を発掘、支援するとともに、子ども食堂あるいはひとり親、経済状況が急変した世帯に対して、コロナ禍で影響を受けている農家や経営に苦しむ飲食店等から余った食材を提供していただき、それに対し市が協力金を支払うような仕組みをつくれないでしょうか。  そこでお尋ねします。  コロナ禍に伴う子供の貧困問題に関する現状認識と、先ほどの提案を含めた今後の対策をどのように行っていかれるのか、健康福祉局長にお尋ねいたします。          〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕 ◎石櫃仁美 健康福祉局長  新型コロナウイルス感染症の市民の皆様への影響や意見を把握するために実施いたしましたアンケート結果では、収入の減少、支出の増加、健康の悪化、学習機会の確保、交流や運動などの機会の損失などを挙げられている方もあり、子育て世帯の家計や子供の学習、生活等へも影響を及ぼしているものと認識いたしております。  子ども食堂への支援についてでございますが、現在、熊本市子どもの未来応援基金を活用し、子ども食堂の立ち上げや拡充及び運営に係る経費の助成を行うとともに、フードバンクや企業等と連携し食材や物資等を無償で御提供いただく、子ども食堂応援プロジェクトに取り組んでいるところでございます。  今後も、子ども食堂への活動支援を継続的に実施するとともに、御提案も含めまして、子ども食堂とフードバンク、企業等との連携や協働の方法につきまして関係部局と検討するとともに、子ども食堂等の関係団体の御意見を伺ってまいりたいと考えております。          〔40番 田中誠一議員 登壇〕 ◆田中誠一 議員  最近では、子ども地域食堂と言われることも多く、世代間交流の場にもなっていますが、高齢者の皆さん方のサロンなどの中止もあり、周りとのつながりが絶たれております。子ども地域食堂が全国で実施されるよう、関係団体の意見を踏まえながら取り組んでいただきたいと存じます。  次に、洋式トイレの整備についてお尋ねいたします。  前回の一般質問におきまして、私の地元の日吉東小学校のトイレの約9割が和式トイレであることを例示いたしました。子供たちが快適に学校生活を送ることができるよう、洋式トイレの整備計画についてお尋ねしました。  これに対し、教育長から、現在、小中学校における洋式トイレの割合は約36%であり、今後は、学校施設長寿命化計画に基づく施設整備と併せ、既存トイレの洋式化や多目的トイレの整備を計画的に進めていくと答弁されました。  この長寿命化計画には、確かに多目的トイレ整備や既存トイレの洋式化、ドライ化が明記されていますが、計画期間が2019年からの40年間となっており、全ての児童・生徒が使用できるようになるのは一体いつになるのか、大変不安になってきます。  昨年9月時点の文部科学省の調査では、小中学校の洋便器率は、全国平均57%に対し熊本県は48.4%と全国より8.6%低い状況にあります。  生活様式の変化に伴い、和式便器に不慣れな子供たちが増えております。前回質問の後も、入学したばかりの小学1年生の児童が、洋服を便器につけながら使用しているという話も聞きました。子供たちの中には、便秘や過敏性腸症候群の疾患を引き起こす児童も見られるということです。  これまで、学校施設の耐震化やエアコンの整備、そして1人1台のタブレット配置と、子供たちの教育環境は着実によくなっております。一方、洋便器率は、先ほど述べたとおり、全国より低い状況にあります。新年度の当初予算案として、災害時に避難所となる学校のトイレの洋式化に係る経費約1億7,400万円が計上されていますが、防災・減災の観点だけではなく、子供たちの健全育成の観点からも洋式化を加速されていく必要があると思います。  そこでお尋ねします。  小中学校における洋式トイレ化の進捗状況、そして、いつまでに整備完了を目指すのか、今後の整備目標について教育長にお尋ねいたします。          〔遠藤洋路教育長 登壇〕 ◎遠藤洋路 教育長  学校の洋式トイレの整備についてお答えいたします。
     本市の小中学校に設置している洋式トイレの割合は、昨年9月の時点で37.6%であり、前年より1.4ポイント増加しておりますが、全国平均の57%を下回る状況となっております。  このような中、教育環境の改善とともに、災害時の避難所機能の向上を図るため、議員御案内のとおり、令和3年度当初予算案に小学校16校分のトイレの洋式化に係る経費を計上したところです。  今後は、校舎の増改築等大規模な施設整備と併せてトイレの洋式化を行うとともに、その他の校舎等についても、小学校から早急に整備をしてまいります。          〔40番 田中誠一議員 登壇〕 ◆田中誠一 議員  先ほど御答弁いただいたとおり、洋式トイレの割合は全国平均から約20%下回っている状況であります。子供たちが安心・安全、そして快適に学校生活を送ることができるよう、設置割合が低い学校から優先的に整備していただくようよろしくお願い申し上げます。  では、質問項目の7であります。南区のまちづくりについてお尋ねします。  政令指定都市への移行とともに、区役所が設置されてから10年目を迎えようとしておりますが、区の果たす役割は、平成28年4月に発生した熊本地震や、その翌年4月に設置されたまちづくりセンターなどによって機能強化が図られてきたと認識しています。  そのような中、私の地元、南区の人口動態を見てみますと、この10年間で7,900人程度増加しており、その増加幅は5区の中で最も大きくなっております。また、15歳未満の年少人口比率16%でございますが、合計特殊出産率1.8人が5区の中で一番高いことは、南区が子育て世代に選ばれているんだなと感じております。  このことから、今後とも南区が有する豊富な農水産物や豊かな自然などの魅力を磨きながら、住民や事業者、そして地域団体などによる様々な参画と協働のまちづくりを推進していただきたいと強く願うものであります。  そこでお尋ねします。  南区は、目指す姿「いきいき暮らしのまち 南区」の下、様々な取組を行ってこられたと思いますが、地震後から現在までの取組についてお示しください。南区長の答弁を求めます。          〔村上誠也南区長 登壇〕 ◎村上誠也 南区長  南区のまちづくり熊本地震から現在までの取組状況についてお答えさせていただきます。  南区では、「農業と漁業を誇れるまち」「歴史・文化を育むまち」「自然と共生した住みやすいまち」「みんなが健康で元気なまち」「地域ぐるみで子どもを育てるまち」「安全・安心なまち」を取組方針といたしまして、まちづくりセンターとともに、区民、地域団体、行政が協働で地域の活性化やまちづくりの担い手育成などを進めているところでございます。  さらに、地震発生後は、重点目標といたしまして「復興するまち」を掲げ、仮設住宅や災害公営住宅の入居者が孤立しないよう、地域との交流会をはじめ、被災者一人一人に寄り添い、きめ細やかな支援の下、新たなコミュニティ形成に取り組むとともに、地域防災力強化の支援などを実施してまいりました。  このような事業を着実に行ってきたところで、地域の連携や防災・減災に向けた区民の意識の向上へとつながり、その効果は確実に現れてきているところでございます。  しかしながら、今般の新型コロナウイルス感染症の影響により集団での活動が制約され、取組に支障を来しておりますが、今後も職員一丸となり全力で取り組んでまいる所存でございます。  地域の魅力や特性を生かしながら、「いきいき暮らしのまち 南区」を実現するため、全ての区民が明るく健康的な生活を送ることができるまちづくりを推進してまいりますので、なお一層の御支援と御協力をよろしくお願い申し上げます。          〔40番 田中誠一議員 登壇〕 ◆田中誠一 議員  本市が政令指定都市へ移行し、南区が誕生してから、4月で10年目を迎えます。この間、村上区長におかれましては、地震の災害の復興から住みよいまちづくりのために一生懸命御尽力をいただいております。今回、勇退されるというお話でございますけれども、今後とも、南区のためにぜひとも、また熊本市の発展のために御貢献いただきますようよろしくお願い申し上げたいと思います。  では、次に南運動公園構想についてお尋ねいたします。  これまで、この問題については、定例会での一般質問では平成16年、平成19年、平成25年、そして令和元年と4回取り上げており、それ以外でも機会のあるごとに地域住民の要望も踏まえ、公園整備の必要性を強く訴えてまいりました。  しかしながら、この南運動公園は、平成28年3月に策定された長期未整備都市計画公園見直しガイドラインに基づき計画を精査された結果、全区域廃止という判断になりました。そこで、令和元年第3回定例会の質問では、改めて廃止するに至る経緯と整備廃止後の地元への説明や今後の方向性についてお尋ね申し上げました。  答弁に立たれた都市建設局長は、都市計画公園は、地域や市民の方々に長期にわたり新規公園建設への期待や地権者の皆様に対する私権の制限をかけておりますことから、手続を進めるに当たっては、関係者への御理解、御協力が重要との認識を示され、年内をめどとして説明会の開催を予定しており、その中で地域住民へ丁寧な説明を行いながら都市計画手続を進めていきたいとの答弁がなされました。  これに対し、私から、地権者は土地の売買あるいは開発を制限され、多大な損害を被っていることから、その補償などの検討も必要ではないかと指摘し、地域や関係者の理解を得ますよう、十分な説明を行っていただきたいと要望させていただきました。  その後、令和元年12月に説明会が開催されましたが、参加対象者が多いからという理由で、地区外の幸田公民館で開催されました。結果として、出席したのは地区外の地権者の人ばかりで、地区内の地権者は紙切れ1枚で廃止になったという印象を抱き、全く納得されていない状況の中にあります。以前、地域住民から、半分でも公園にという要望が出されておりますが、どのように取り扱われたのでしょうか。苦言は申し上げたくありませんが、残念ながらその後どうなっているのか、地元や地権者に情報が伝わっておらず、自分たちの提言はうやむやにされたと捉えられても仕方がないと思います。昭和37年決定以来、半世紀以上にわたり制約を受けてきた方々に対し、もう少し寄り添い、納得感がある進め方をしていただけないものでしょうか。  そこで改めてお尋ねいたします。  これまで、地域や地権者に対しどのように説明してきたのでしょうか。また、2つ目、その補償を含めて検討する必要があると思いますが、今後どのように対応していかれるのでしょうか。  以上、都市建設局長にお尋ねいたします。          〔田中隆臣都市建設局長 登壇〕 ◎田中隆臣 都市建設局長  都市計画公園の見直しに当たりましては、平成27年度に見直しガイドラインを策定いたしたところでございます。また、その策定段階においては各区ごとの説明会を開催し、パブリックコメントを実施した後、令和元年11月にガイドラインに基づき、廃止素案を策定したものでございます。  南運動公園につきましては、令和元年12月13日に廃止素案の地域での説明会を開催するとともに、市役所での広く市民の皆様を対象とした説明会も実施しております。開催の周知については、市政だよりやホームページへの掲載に加え、公園の計画区域がある各町内における回覧や地権者89名全員の皆様に案内状を郵送し、地域説明会には25名の方々に御出席をいただいたところでございます。説明会では、廃止に至った経緯や理由等を説明し、参加された方からは、廃止後の税金や土地利用に関する御質問等いただいたところでございます。  その後、令和2年10月の南運動公園の都市計画廃止の告示に際しましても、廃止のお知らせの回覧を各町内においてお願いしますとともに、地権者全員の方々に郵送し、周知したところでございます。  今後の対応についてでございますが、南運動公園の廃止は都市計画法の手続にのっとり行ったものであり、計画廃止に伴う補償はできませんが、通学路の安全対策など今後のまちづくりについては、地域の方々の御意見を十分伺いながら、丁寧に対応してまいりたいと考えております。          〔40番 田中誠一議員 登壇〕 ◆田中誠一 議員  先ほどの御答弁のとおり、執行部としては丁寧に対応してきたとのことですが、現実としましては、納得をしていない地権者の方々がまだたくさんいらっしゃいます。今後のまちづくりにおいては、地域の方々一人一人に寄り添い、意見を伺いながら、丁寧に対応いただきますよう改めてお願いをいたしておきます。  質問の最後に、合併後のまちづくりと都市計画線引きについてお尋ねいたします。  皆様御承知のとおり、平成24年に熊本市が政令指定都市として移行する際、富合町を含む旧3町は、市街化区域と市街化調整区域に区分する、いわゆる線引きを余儀なくされました。  その際の住民説明会では、政令指定都市においては、都市計画法の規定により、都市計画区域の見直し及び市街化区域と市街化調整区域の区域区分、いわゆる線引きが、必須となりますとの説明をされました。  しかしながら、実際には新潟市や相模原市など、実施しなくても政令指定都市に移行したところがあります。加えて、平成25年7月には都市計画法施行令が改正され、指定都市の区域で人口50万人未満の都市計画区域については、線引きの義務付けから除かれることになりました。したがいまして、相模原市では、区域区分を定める線引き都市計画区域と区域区分を定めない非線引き都市計画区域があります。  当時、住民の皆様から様々な意見、要望が寄せられ、平成23年2月の議会では、前市議のくつき議員が旧富合町の歴史や合併の経緯に触れながら、線引き延期に関する質問を繰り返し行われました。結果的に、集落内開発制度の導入等の対応とともに線引きがなされ、旧富合町においては、市街化調整区域となった地域のうち約3割をこの集落内開発制度地域として指定し、運用が開始されました。  あれから9年が経過しましたが、やはり市街化調整区域においてはいろいろな制約があり、住宅等の開発が困難となり、地域の発展を阻害している事例も見受けられます。例えば近見交差点から西の熊本線や富合町の国道3号線沿いの沿線では、準工業地帯だったのに線引きにより市街化調整区域となり、開発の制限に加え、土地の評価額も下がるなど、市民の財産にも大きな影響を及ぼしております。  そこで提案ですが、主要道路の周辺100メートルは市街化調整区域に編入するなど、集落内開発制度のように特例で開発を認めるなど、見直しはできないでしょうか。平成27年の都市計画区域の定期見直しの際には線引きの見直しが見送られましたが、本年4月に政令指定都市移行10年目を迎えるに当たり、これまでを振り返り、地域振興の観点から、改めて線引きの見直しを検討する絶好の機会であると考えます。  そこでお尋ねいたします。  旧富合町や南区の他の市街化調整区域の見直し等の考え方や今後の計画等について、市長のお考えをお聞かせください。また、先ほど申し上げましたように、政令指定都市移行後に施行令も改正されておりますので、そのことも踏まえて、見直しを行う考えはないのか、大西市長の御答弁を求めます。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  本市と合併いたしました富合町、城南町、植木町は、地形、通勤通学等の日常生活圏、経済的区域などのつながりから、一体的かつ計画的なまちづくりを進めるため、政令指定都市移行に併せ、熊本都市計画区域に編入いたしました。  合併後、富合地区におきましては、国道3号やJR富合駅などの交通利便性を生かし民間開発などによるまちづくりが進み、人口の増加が見られております。さらに、南区役所周辺においては、土地区画整理事業も計画をされているなど、計画的な市街地整備が進んでおります。  都市計画については、市民の皆様の関心が高く、議員からも様々な御提案をいただいたところでございます。令和7年に予定しております区域区分の変更に際しては、社会情勢の変化や土地利用の動向、また、近年頻発、激甚化する自然災害への対応など総合的に勘案し、適切に見直しをしてまいりたいと考えております。          〔40番 田中誠一議員 登壇〕 ◆田中誠一 議員  地域の皆様が、合併してよかった、政令指定都市になってよかったと子や孫の世代に誇れるよう、令和7年の区域区分の見直しの中で改めて検討していただきますようお願い申し上げたいと存じます。  私の用意してきた質問項目は以上となります。議員各位、そして傍聴席、あるいはインターネットで御高覧いただいた皆様に、本当に長時間にわたり御清聴いただき、誠にありがとうございました。市長をはじめ執行部の皆様には真摯に御答弁をいただき、感謝申し上げたいと存じます。  これをもちまして、私の質問を終了させていただきます。ありがとうございました。(拍手)       ──────────────────────────── ○紫垣正仁 議長  この際、議事の都合により休憩いたします。  午後2時に再開いたします。                             午前11時48分 休憩                             ───────────                             午後 2時00分 再開 ○紫垣正仁 議長  休憩前に引き続き会議を開きます。       ──────────────────────────── ○紫垣正仁 議長  一般質問を続行いたします。小佐井賀瑞宜議員。          〔30番 小佐井賀瑞宜議員 登壇 拍手〕 ◆小佐井賀瑞宜 議員  皆様、改めましてこんにちは。自由民主党熊本市議団の小佐井賀瑞宜でございます。  令和元年9月の登壇から約1年半ぶりの質問の機会を頂きました。ちょうどその折は、経済の動向と地方財政と地方行政の行方に焦点を当てて質問を行いましたが、今回も社会基盤の根底をなす経済を念頭に置いて、国や地方の財政との関係性や今後の在り方、そして市場経済における経営と政府の財政との違いなどについて議論を深めてまいりたいと思います。  また、質問の締めくくりには、時間的制約のある地元の案件について課題提起を行い、併せて地域社会の行方を探ってまいりますので、午後の一番お疲れの生じやすい時間帯ではございますけれども、皆様方にはしばしお付き合いいただきますようよろしくお願い申し上げます。  それでは、早速、コロナ禍における経済の行方や影響と中央政府の動向と自治体の取組方との基本観点をベースに6項目について、順次進めてまいりたいと思います。  では、1項目めの人事委員会勧告による公務員人件費と経済への影響の件についてお尋ねいたします。  地方で公務に携わる者への人件費の支給基本は、例年、政府の人事院勧告を踏まえた地方自治体における人事委員会の勧告によって、その方向が決定されます。そして本市では、その勧告書を昨年10月末に作成済みで、私も昨年末に確認させていただきました。  報告のポイントについては後ほどお尋ねいたしますが、このプロセスと決定については、地方公務員法の規定に基づき、厳粛かつ誠実に実施されるものであります。それゆえ、問題視するわけではありませんので、通常であれば、誰もが違和感なく、真摯に受け入れるべきものと心得る次第です。また、勧告は社会性を逸脱したものではなく、可能な限りに社会の公平性や労働基本権などの憲法の理念や法律まで含めるものですので、適切に発せられているものと受け止められるべきと考えるところです。  ただし、今回、世情にはかつてないほど人々の暮らしを震撼させる課題が生じる中で、この勧告は、公務に準じる方々の生存権を担保するに直結する規定との認識もございますので、今後の動きが波乱含みにならないよう気がかりになるところです。それゆえ、人事委員会の責任の重さと、そこから発せられる勧告の根拠や適正さは尊重するものですが、この機会に改めてお示しいただく必要も高いのではと感じたところでした。  そこで、まずは勧告のポイントを明確にするためにも、3つの点についてお尋ねいたします。  1点目に、地方公務員法に定められている情勢適応の原則及び均衡の原則とはいかなるものなのでしょうか。また、比較対象となる民間企業の給与水準との比較はどのようにして算出されるのでしょうか。民間企業の定義まで含めてお示しください。  2点目に、昨年末に提示された人事委員会の勧告には、一昨年末から急激に衰退している国の経済状況を含め、デフレが定着している市場経済やマクロ経済論などの経済事情の観点や経済振興に資する経済成長の観点などは含まれているのでしょうか。  3点目に、公務に携わる者の人件費は、民間人の給与と違いGDPに直結していますので、景気拡大につながりやすい傾向にあることに留意すれば、日本の公務員の業務状況や人件費との関係性を見た場合、どのような水準にあるのか気がかりです。例えばOECD先進加盟国中、労働人口に対する公務員数の割合はどの位置にあり、人件費の対GDP比率はどのようなものなのでしょうか。  以上3点、人事委員会委員長にお尋ねいたします。          〔内田光也人事委員会委員長 登壇〕 ◎内田光也 人事委員会委員長  人事委員会が行う給与勧告制度等についてお答えいたします。  まず、地方公務員法が定める給与決定の原則のうち情勢適応の原則とは、職員の勤務条件が社会一般の情勢に適応するよう適当な措置を講じることであり、また、均衡の原則とは、民間給与や国及び他の地方公共団体との均衡を考慮して職員の給与を定めることでございます。  これらの原則に基づき、職員と民間従業員との給与を比較検討するため、毎年、人事院等と共同で民間給与の支給状況等を調査しており、その調査の対象は、市内民間企業のうち企業規模50人以上かつ事業所規模50人以上の事業所でございます。  給与は、一般的に職種、役職段階、学歴や年齢等の要素に応じて決定されますことから、これらの給与決定要素を同じくする職員と民間従業員同士の給与を直接対比させる方法で格差を算出し、その格差を解消することを基本に勧告を行っております。  人事委員会の給与勧告は、職員の労働基本権制約の代償措置として行うものであり、その時々の経済、雇用情勢等を反映した民間給与への準拠を基本としておりますことから、その性格上、経済への影響等を考慮するものとはなっていないところでございます。  最後に、国際比較で見た日本の公務員数や人件費について、OECD加盟国のうち、ドイツ、アメリカ、イギリス、フランス、日本の主要5か国の比較となりますが、昨年7月に財務省が公表したデータによりますと、人口1,000人当たりの公務員等の数は約37人、また人件費の対GDP比は5.4%で、いずれも最も低い水準となっております。  公務員を取り巻く環境は、相次ぐ自然災害や新型コロナウイルス感染症等への対応等で厳しさが増しているものと考えます。引き続き人事委員会の機能を発揮し、民主的かつ能率的な行政運営に資するための人事制度の確立に取り組んでまいります。          〔30番 小佐井賀瑞宜議員 登壇〕 ◆小佐井賀瑞宜 議員  丁寧な御説明をいただき、ありがとうございました。  コロナ禍にあっては、GDPは下降し、個々の業務によっては経済格差が拡大傾向に進みますので、国民同士に余分な緊張感が生じやすくなります。それゆえ、あらかじめ不要な感情論争を招かないようにとの思いからのお尋ねでありました。そして、ただいまの答弁を踏まえながら、私たちが留意しなければならないポイントは3つ浮上したと考えます。  ポイントの1つ目は、給与勧告に通じる民間企業の実体経済に関わることです。  お尋ねした企業の定義によるとその規模は大きいようですが、実は大変興味深い指数がございます。それは、一昨年の10月、衆議院の内閣委員会で安藤裕衆議院議員が質問の際に示された財務省出典の法人企業統計です。これには、1990年代後半から昨今までの20年間で、大企業の業務指標の推移を示してありました。  その概要によると、企業収益は微増、設備投資は相対的に変化なし、従業員平均給与は上昇せず、役員平均給与は1.3倍の増、そして経常利益は3.2倍の増、株式配当金は6.2倍の増大です。つまり、GDPに含まれない株式は好調で、業務状況は決して悪化傾向ではないものの、企業内部では投資促進や社員昇給などのトリプルダウンが生じておらず、企業内の富の配分に格差が生じていることが理解できると思います。まさに2001年から賃金主導型ではなく、利潤主導型の成長戦略にかじを切っています。  このような背景を考察すれば、適正さを誇る公務員給与の決定前の民間企業の給与は、企業収益の実情が反映されにくい個々の事情があるとの懐疑的な見方も一部では論じられているようです。ただし、民間企業の給与の在り方に外部が干渉するのも好ましいものではないとだけ一言は申し添えておきたいと思います。  2つ目のポイントは、公務員の人件費と経済との関係性です。  行政サービスは営利事業ではございませんので、人件費に露骨に採算性を求めていくのは好ましいとは思いませんが、経済への有益性を念頭に置くことは重視すべきと心得ます。  公的支出は、実体経済の第2エンジンの役割を担うのは紛れもない事実です。第1エンジンである民間投資を主体とした市場経済が下落したときほど公的事業の拡大を実施し、経済の下支えを行うのがセオリーな選択です。過大な投資は避けるべきとは思いますが、不況の折に公的事業や人件費まで縮減されれば、当然経済の流動性を損ない、鈍化する可能性が高いという点に留意する必要があります。  最後に、ポイントの3つ目は、日本の公務員の世界レベルでの視点ですが、御答弁のとおり、主要先進国の人口1,000人当たりの公務員数は37名で3.7%です。そして、最も重要視される人件費の対GDP比率は5.4%で、世界でも極めて低い位置にあります。公務対象となる業種や所得配分に偏りがあるのは課題視されるはずです。  つまり、コロナをはじめ、各地で多発している災害対応まで直接従事している現状を踏まえると、国、地方を問わず日本の公務員は、先進国の中でも最も効率的、効果的な業務の推進を求められている大変厳しい環境にあります。そういう総評が得られると思います。公正な視点で見れば、世界でも大変有能視されていると考えられます。  以上、3つのポイントは重要な視点と思いますが、ただいまのことを前提として、次の質問を重ねてまいりたいと思います。引き続き、皆様方には少々お時間をいただきますが、何とぞお許しください。  さて、令和3年度の本市の予算編成の基本は、地震、コロナ、総合計画の3本柱です。その上で、不要となる既存事業の見直しを行い、全体的なマイナスシーリングではなく、ビルドアンドスクラップによる新規を含む効果的事業の構築を考案しながら取り組んでこられたことを確認させていただきました。当然、コロナ禍の影響による税収や収納率などの推移も気がかりですが、歳入面のポイントの前提は標準的な財政需要に応じることですので、中央政府の地方交付税の総額確保が気がかりな点です。しかし、この件は政府の当初予算のポイント17.4兆円を確認済みです。例年並みには総額確保されているようです。  また、中央政府の予算は骨太の方針に沿い、コロナ対応をはじめとし、経済構造改革による成長戦略や地方創生関連予算などの予算方針が昨年度末から示されてまいりました。そして、令和2年度第3次補正予算の中にも先行計上されておりましたので、新たな時代を見越した政権の決意と昨年の経済財政諮問会議並びに第41回未来投資会議の意向がかなり色濃く反映されていると感じ取ったところです。  中央政府の政策に対する論調は様々ですが、本市としては、推進の機運が強い未来先行投資型の事業の方向性を見極め、改めて本市の総合計画をはじめ実施計画との整合を図り、積極的かつタイムリーな国の交付金の活用を視野に入れていただきたいと願います。
     ただし、自治体においては、いまだ収まる気配のない感染症対策を講じる中で、今後急激に経済構造の転換を図ろうとする政府の方針に沿った施策に乗じるとなれば、働き方改革のはざまで各担当部局の業務負担は想像以上に倍加するのではと不安視するのも確かです。  その中で、地方自治体は、常に財政健全化の関係法令に沿った行政運営が求められますので、場合によってはAIやIoTの進展を盾に行財政改革の呼び声も高まるのではとの考えにも至ります。特に、不確定要素の強い社会の流れにあっては、業務の円滑な推進以前に、自治体運営の安定化という名目の下、財政健全化を旗印とした行財政改革や緊縮財政が当然のように受け止められます。そして、市民目線に沿っているかのような機運に包まれ、その推進を強行に図ることこそが主権者である国民、市民の意向に沿った適切な判断であるような論調が飛び交うことも度々です。いわゆるポリティカルコネクトネスです。  民主政治は民の総意を酌み取った議会の議論が柱ですので、主権者の意向を損なった議論は議員の使命を欠いた行為とは存じます。しかし、これまで私自身は、先ほど述べた行財政改革という錦の御旗に寄り添ってきたことに対し、議会人として状況指数を冷静にひもとき、正しい経済観念の下に適切な判断を行ってきたのかと振り返ってみれば、いささか疑念が残るのは確かです。そして、最終的にそれぞれの生存権や地域経済の振興につながる道筋を選択してきたのかなどと問われれば、複雑な経済構造と財政の関係性が見え出した今、議論不足の感は否めません。なぜなら、その具体的理由は3つです。  1つは、これまで公務に従じる者の人件費や時間や就業人員の一つを取っても、検証が不明瞭なままに、あたかも全て民間以上に優遇されているかのようなルサンチマン・プロパガンダが先行する姿に幾度も遭遇してまいりました。そして、核心的な議論を損ない、国民同士の分断化につながるような機運が醸成される中で、正当な対価をタブー視する絵が生じていたと感じるのは私だけでしょうか。もし、正しい知識が欠如していたなら、このような事例は行政運営ばかりでなく、経済に弊害をもたらす可能性は否めません。このことは、前項の議論にも含まれていたとおりです。  また、2つ目の特視すべき理由として、近年、人的整理、非正規雇用の増加など、厳しい行財政改革を実施してきた自治体ほど県民所得が低迷状態にあるという特徴も見受けられると経世論研究所の三橋貴明氏や政治経済評論家の池戸万作氏から学びました。経済成長率は公的支出の伸び率で決まることは、経済評論家で経済理論学会の第一人者である島倉原氏が示した相関図からも読み取れます。現に、関西中部圏のある複数の都市では、財政健全化の進捗が全国ワースト内に位置づけされたため、懸命に取り組んだ行財政改革によって健全化の指数は飛躍的に改善されましたが、その一方で、圏域内所得成長率は15年以上も大きく低迷し続けているようです。この件に関し、私も内閣府の統計表、県民経済計算資料で確認をさせていただきました。そしてこのことは、対象となる圏域内の税の成長率や経済成長の障壁になることは言うまでもありません。  3つ目の理由は、現在のコロナ禍で、公的医療機関の病床数の件や保健所の組織体制の件が問題視されましたが、元をたどれば、中央政府の諮問会議の指針に沿った行財政改革がその要因にあることは紛れもない事実です。この件は、昨年の5月の臨時会で一部触れたとおりです。現在の地方自治体内では、年々業務が激増し、多様化する中で、常に中短期的なPDCAサイクルを実施し、有益で持続可能な基盤づくりに励んでいます。それにもかかわらず、この国の柱づくりを行う経済財政諮問会議に至っては、議事録を拝見する限りではEBPM(エビデンスに基づく政策立案)やワイズ・スペンディング(賢い支出)などの革新的言葉が並ぶものの、過去の反省の議論は見受けられず、その機運さえ醸成されない現実に、現場で働く者、誰もが困惑するのではと疑念が生じます。  ただいまの3点を冷静に受け止めて、そうして申し上げるならば、純粋な思いを抱き、自ら正論として選択してきた行革の道が、公務従事者の成長ばかりでなく、経済全体の成長を阻害していたという皮肉な現実を直視するならば、聞こえのよいポピュリズムに乗じることなく、直ちに軌道修正を図るのは政治の使命です。  そこで、2点お尋ねいたします。  1点目は、令和3年度の当初予算の審議に当たり、コロナ禍だからこそ問われがちとなる行財政改革の経済全般への影響について、市長はどのようなお考えをお持ちでしょうか。投資的経費や人件費の在り方を含み、御教授ください。  2点目に、市中の経済が縮減される中にあっては、経済成長なくして財政健全化なしとの言葉どおり、今後の財政運営の方向性は、コロナ禍の対応はもちろんのこと、可能な限り投資拡大型を目指すべきと考えますが、市長の御所見をお聞かせください。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  2点のお尋ねについて、まとめてお答えいたします。  まず、行政運営に当たりましては、社会経済情勢の変化などの状況を的確に捉えますとともに、常に行政改革と財政改革に意を用いながら行っていくことが肝要であります。  また、公務員の人件費は給与勧告制度があり、経済対策に活用できるものではないものの、公務員の人件費が地域経済活動に影響を与える側面があることも事実であります。  これらのことも踏まえながら、今般の新型コロナウイルス感染症拡大の影響による経済の減少局面においては、投資的経費の追加などの必要な経済対策を実施することによって、地域経済への影響を最小限に食い止める必要があると考えております。  2点目の財政運営について、本市では、新型コロナウイルス感染症から市民の命と暮らしを守り抜くことを最優先と考え、この1年間で1,000億円を超える事業費を計上してまいりました。  その結果、6,000件を超える中小零細企業への約1,000億円の融資に対する利子補給などによって、地域経済の下支え等に一定の効果を上げられたと認識しております。  これらの対策の財源につきましては、国等に対して財政支援を要望してきたところでございますが、それらを活用してもなお不足する分につきましては、財政調整基金の取崩しや既存事業の見直しなどにより捻出してきたところです。  現段階では、新型コロナウイルス感染症の収束を目指し、国県市が連携して必要な対策を講じていくことが極めて重要であります。  今後も、財政の持続可能性に留意しつつ、感染拡大防止に全力を尽くしますとともに、コロナ禍で影響を受けた市民生活地域経済の回復につながる施策を機動的に、時期を逸することなく実行してまいりたいと考えております。          〔30番 小佐井賀瑞宜議員 登壇〕 ◆小佐井賀瑞宜 議員  市長の冷静な判断を改めて確認させていただきました。  なお、行革と経済の関連性、そして財政運営の方向性について留意されていることは理解できましたが、本来、計画上にあった既存の事業については、決して萎縮することなく、経済の好循環を得られるように、積極的に推進いただきたいと感じる次第です。市としては、財政健全化を重んじる立場は察しますが、成果指数のみに気を取られ過ぎて市民に負担を強いるようでは市民の生活も経済の安定性も図れず、まちの成長を損なってしまいます。健全化という耳障りのよい言葉だけに惑わされぬよう、何とぞ御留意いただきたいと思います。  今回は、特に経済視点を重んじる身として厳しく指摘せざるを得ませんが、現在のコロナ禍という特異な空気に包まれる社会では、行政においてはスクラップアンドスクラップが先行し、人的経費の一部にまで視野を入れた緊縮財政にかじを取ろうとする空気の存在は懸念せざるを得ません。現に、国内の幾つかの自治体でも実例が生じています。  しかし、この日本国家の30年史、あるいは各国の各自治体の20年史を踏まえれば、デフレという最悪のシナリオが加速してきたことは明らかで、社会にとって有益性をもたらしたと言い難いのは事実です。このことは、中央政府、各省庁が示した統計表が物語るとおりです。やはり1990年代から蔓延し続けている新自由主義的発想は、国から地方に至るまで、政治の究極的な目的達成のすべをどこかに置き去りにしているような気がしてなりません。  これまで、本市をはじめ多くのまちも大きな災害に遭遇し、今はコロナという世界的な大災害の渦中です。だからこそ、これを機会として、度の過ぎる行革や緊縮財政からの方向転換を図るときが来ているのではないでしょうか。そして、国も地方も足並みをそろえる必要があるのではと考えます。現に、令和2年度に政府が発行した国債発行総額は112.6兆円にも達し、例年の2倍以上となり、財政健全化の流れから大きく路線を外れています。しかし、主流派経済学の定説となっていたインフレ率上昇や財政破綻の兆しも感じることはありません。  そのような中で、驚いたことに、この20年間、財政健全化、すなわちプライマリーバランス黒字化に固執し、増税を容認し、緊縮財政を旨としていた元閣僚の経済学者T氏は、昨年末の朝まで生テレビで、財政均衡論は間違いだったと自らの持論を否定する姿に国民は困惑し、違和感を抱いたのではないでしょうか。  また、他方では、国民的人気のあるニュース解説者I氏は、テレビの中で、次世代への付け回しで借金はなどと相変わらずの論調で国民の不安をあおる姿が際立ちます。  さらに、財務省の記者クラブの財政研究会経由で発せられる各種の社説では、財政規律、財政膨張、財政悪化といった抽象用語のオンパレードです。中央政府並びに地方自治体の予算は、最終的にまちの持続的な安寧とともに市民の繁栄や幸せの目的達成のためにつながるものです。しかし、経済への正当性を欠いた見識が定着ぎみでは、これからの国づくり、地域づくりに繁栄がもたらされません。  そこで、地方自治体の運営と税制をはじめとする国家財政は密接不可分であり、また、自治体政策は国の経済政策によってその後の進路が左右される観点から、財政と経済の基本的な認識について、2点確認させていただきたいと思います。  1点目は、中央政府と地方自治体の財政の違いや特徴について、そして歳入の柱となる税の持つ本質的役割と経済との関係について、財政局長に見解をいただきたいと存じます。  2点目に、過去30年間の経済動向を振り返りながら、国内の経済力の基本であるGDPの成長率の推移や、海外との比較から確認される経済状況の特徴やその傾向についてどのような認識をお持ちでしょうか。また、国内雇用状況、特に正規、非正規労働者の割合などと実質賃金指数などの労働環境の推移などから見える特徴について、経済観光局長に見解を求めたいと存じます。          〔田中陽礼財政局長 登壇〕 ◎田中陽礼 財政局長  財政の基本的視点に係る2点のお尋ねに、まとめてお答えさせていただきます。  国と地方自治体の違いにつきまして、収入面から見た場合、両者とも徴税権を有しますほか、投資的経費の財源として国債または地方債による資金調達が認められておりますが、国には、特例法により、いわゆる赤字国債の発行が認められております。  また、国においては、中央銀行である日本銀行が、物価の安定を目的とした貨幣の供給調整を行っているところでございます。  次に、税の役割等につきまして、国や地方自治体は、民間市場のみでは供給が困難な公共サービス等を提供するため、受益者の皆様から税金を納めていただいております。  税は、個人の所得や企業の利益等に対して賦課されるため、税収は経済活動と連動いたします。具体的には、好景気のときは収入や利益が増える結果、税負担が増えますため、投資や消費に回る資金が減ることで、景気の過熱に対して一定の抑止力となります。不景気のときはこの逆となり、このような景気動向に対する税の自動調整機能は、税が持つ役割の一つと認識しているものでございます。          〔田上聖子経済観光局長 登壇〕 ◎田上聖子 経済観光局長  お尋ねのGDP成長率や雇用状況等の特徴や傾向につきまして、全て国や国連のデータを基にお答えいたします。  まず、名目GDPの成長率は、1990年にピークのプラス8%に達したものの、バブル経済崩壊をはじめとする様々な要因が影響し、1998年にはマイナス成長に転じてしまいました。その後、リーマンショックや構造改革等の影響もあり、日本の経済成長は停滞し、1990年と2019年を比較するとプラス62.2%にとどまっており、これは世界210か国中203位と最下位クラスに位置しております。  次に、国内の雇用状況につきましては、現在の統計手法が導入された2004年以降、非正規の雇用者数が16年間で500万人以上増え、雇用者に占める非正規雇用者の割合も5.8ポイント増えております。このため、雇用者1人当たりの平均的な賃金の水準を示す実質賃金指数は減少傾向にあり、2020年は1990年以降の最低値である98.6となっております。  このように、数十年間における経済指標の推移を総合的に見ますと、日本の経済成長や賃金水準は長期にわたって停滞しており、また、新型コロナウイルス感染症の影響によりさらなる悪化が懸念されることから、引き続き国内の経済情勢を注視していくことが必要であると考えております。          〔30番 小佐井賀瑞宜議員 登壇〕 ◆小佐井賀瑞宜 議員  まずは、経済観光局長には一番分かりやすい経済指標を2点御紹介いただきましたが、我が国の一番の問題は、中央政府自身が指摘しているように、デフレ脱却という20年以上にわたる生産性の低迷と賃金の下落にあることは明らかです。  そして、それと同時に、本日の冒頭の質問で述べてきた企業内状況の指数と併せて拝察すれば、1990年代から賃金の引下げに伴う利潤拡大型で、株価の安定と配当金の最大化という資本主義の局地である弱肉強食型、格差拡大型が顕著に進行しつつあります。まさにグローバリズムにのっとった構造改革路線を明確に反映していることが理解できます。つまり、現況の経済不調は、災害の発生や世界の経済危機よりも、国内の経済、財政政策や行財政改革路線が主因となっていることが推察できます。他の経済指数と政策主観を併せて見ればさらに明確になるはずです。  しかしながら、この件は大部分が中央政府の政治の範疇ですから、ここで、この改善策を論じるつもりはありませんが、願わくば、この弊害がこれ以上地方に及ばないように御留意いただきたいと念じるばかりであります。  経済観光局長には状況を分かりやすく御提示いただき、ありがとうございました。  また、財政局長からは、大変重要な視点を改めてお示しいただいたと感じております。ありがとうございました。  端的に申し上げれば、国と自治体には徴税権があり、そして、国には通貨発行の権利を基に国債や政府短期証券の発行権を有しているという事実に留意しなければなりません。しかし、この意味合いを深く読み解かなければ、経済発展のプロセスと財政との関係性ばかりでなく、経済指標の動向をひもとき経済発展の方向性を導き出すためには、困難を来すことは間違いありません。  特に、御答弁のとおり、国の財政において税の持つ役割の第一義は、景気の安定化装置として経済のコントロールをつかさどる機能を有しているということがとても重要なポイントであると私も思います。加えて申せば、税は通貨の流動性に寄与し、その所得再配分や信認強化を促すものです。単に行政サービスの原資とだけ勘違いしてしまうと、経済政策の方向性を見誤る可能性が極めて大きいものです。  しかし、先ほど述べたとおり、高名な解説者でさえ公共性の高い電波上で事実と異なる見解を堂々と発信しているわけですから、世情では、明らかに家計や地方自治体の財政を混同し、国家財政との違いについて誤認されている方々が多いのは当然のことと感じます。  ちなみに、私の尊敬する経済に見識の深い現国会議員の先生からは、デフレ下における国の財政は、供給能力に応じ、一定のインフレ率に留意し拡大することが望ましく、今は税制の改正と同時に需要喚起を促すべし。ましてや、コロナ収束後も増税などと考える識者は、金本位制の商品貨幣論者で、思考が400年前で止まっているとの厳しい御教授をいただきました。  このようなことから、所得創出のプロセスと税の役割と信用、創造という貨幣の本質を見失うことが、どれほど経済成長の足かせになっているのか、重く受け止める必要性を感じた次第です。  ただし、ここで留意しなければならないのは、私たちが主体的に見る地方自治体の財政には、切り札となる通貨発行権はありません。そのため、法律上、制度上、財政拡大は、政府の財政措置や地域経済の動向に留意しながら可能な限りの対応にとどめ、常に安全性も担保しなければならないということだろうと考えます。それゆえ、この問題を補完するすべとして、地方自治体の財政強化に通じる一つの手段として、地方債の在り方について提言を交え、見解を求めたいと思います。  地方債については、地方自治法や地方財政法の規定に準じ運用が行われているのは御案内のとおりです。この貴重な財源について、令和2年4月6日の衆議院決算行政監視委員会第2分科会において、地方債の円滑な運用と償還軽減策について議論が交わされました。  内容を要約すると、日本銀行の資産に着目し、昨今の国債買入れの増大の現状を踏まえ、地方債についても日銀が引き受けることは可能ではないのか、また、そのための制度設計を行ってはいかがかとのお尋ねでありました。  日銀の国債直接取引については、昭和47年に施行された財政法第5条で厳しく規制がなされていますが、昨今の経済事情を鑑みた金融政策において、日銀の金融緩和政策並びに法律の規定に抵触しないことに留意しながら買入れが進み、資金需要が拡大されております。2019年末時点では、日本国債、財投債の所有者別内訳では、日銀の国債保有率は48%にも及んでおります。直近では、コロナ禍の影響によって急速な財政出動が求められましたので、さらに進みつつあるものと推察できます。  これによって、統合政府のバランスシート上、現実的には、政府の一般会計債務残高は実質700兆円ほどであろうとの見解が学識者から示されております。さらには、日本政府の債務は、厳密に申せば、政府の貸借対照の通貨発行の残高の記録であり、国民それぞれが負わなければならない債務というには大きな無理が生じます。まさに、この件は財務省や日本銀行がタブー視したいウルトラC級の案件の一つであろうと思います。  この現実を踏まえ、日銀の地方債買入れは、結果的に地方に債務負担を生じさせない最大級のメリットが可能になるのではないかとの判断から寄せられた国会質問でありました。これに対し、当時の高市総務大臣は、地方公共団体や関係省とも意見交換を行っている。ベストな方向を打ち出したい旨の見解でした。やはり財源に関しては直近の財務省や日銀がその任を負いますので、総務省としては実質的なゼロ回答であったと思います。  しかし、その後、6月の参議院財政金融委員会では、委員から、4月の総務大臣の答弁を踏まえ、同趣旨の進捗について議論があり、日銀の加藤企画局長は、業務上の規定においては、日銀法第33条の規定に沿い、債権方式等の形であれば買入れは可能という容認発言がなされました。つまり、日銀の業務範疇に属し、制度的な縛りは存在していないため、一定の条件整備が整えば、現行の法律上では可能との見解です。  しかし、日銀法第33条内には地方債との固有の名称は存在しておりませんので、財務省も日本銀行も、現在の日本経済の資金需要を背景に、この提言に消極的な姿勢を示していらっしゃいます。  地方自治体における地方債の発行制限は地方財政法第5条で示してあるとおりですが、この規定中第4項においては、災害応急事業費、災害復旧事業費及び災害救助事業費の財源とする場合と明記してあります。地方債の原則は、ハード的な投資的経費への充当でありますが、コロナ禍でもこれに該当する通信網の整備をはじめ特定医療機関や検査機関などの創設など、幾重にも需要を創出すれば、実務的な緊急支援策の道も開けます。  今回の世界レベルの大惨事の発生を踏まえれば、地方自治体に円滑で潤沢な資金供給が可能となれば、基礎自治体の対応は迅速化が図られます。予算の組替えや流用などの火急な事務的作業を経ずとも、また政府の交付金の決定を待つことなく、生命の危機にさらされている市民に対する支援の手が行き届きやすくなるのではとの期待が膨らみます。  そこで、総務省出身の中村副市長にお尋ねいたします。国家レベルの緊急時における地方債の発行並びに日銀買入権について、先ほど御紹介申し上げた国会議論を踏まえ、指定都市会議等を通じて議論を行い、地方から総務省に働きかけ、中央政府全体に適切な制度設計を促すことは一案と考えますが、この件に関し、いかがお考えになられますでしょうか。御所見を頂きたいと思います。          〔中村賢副市長 登壇〕 ◎中村賢 副市長  お答えいたします。  地方債につきましては、地方財政法等に基づき政府機関などから調達を行っておりますほか、広く投資家に購入を募る市場公募地方債の仕組みもあり、本市も平成24年度から発行を行っているところでございます。  また、災害や景況が悪化した際の経済対策では、財政措置の手厚い地方債を発行することが可能でございます。  このように、多様な調達手段や国の財政措置等を活用することで、現時点では地方債による資金調達は安定的に実施できているものと認識しております。  しかしながら、いざというときに迅速に資金を調達できる手段を確保するという視点は極めて重要であるというふうに考えております。  このため、引き続き関連する情報の収集を行いますとともに、国の動向等にも注意してまいります。          〔30番 小佐井賀瑞宜議員 登壇〕 ◆小佐井賀瑞宜 議員  副市長におかれては、おおむね日銀に寄り添う御回答であったかとは思いますが、緊急時における迅速な資金調達の手段との捉え方をされている点では、日銀より、より踏み込んだ評価すべき御答弁だったと感じました。なお、一つの研究課題ということでありましょうが、執行部としては一概に否定はされていませんので、一抹の期待を抱いております。しかし、地方自治法をはじめとする関係法令の整備が必要になるということは私も理解できておりますので、今後は国会への要望も視野に入れて、執行部と一緒になって情報収集と研究を重ねていきたいと感じた次第です。  さて、このお時間まで経済と財政健全化の関係性をテーマとして、特に行革の影の部分をクローズアップして議論を重ねさせていただきました。近年の政治は、政府の財政を盾に、国会、地方を問わず社会全体の身を切る改革という美談が定着ぎみです。それぞれの純粋な心意気は評価されるべきとは心得ます。しかし、100%とは申しませんが、これまでもたらされてきた経済への負の影響は甚大で、決してタブー視すべきでないと考えます。  我が国は、約50年近く前のオイルショック以降、35年以上前のプラザ合意、30年前のバブル崩壊など重要な起点を経て、小さな政府を目指すという理念の下に、地方も一丸となって大きな行財政改革が本格化しました。その流れに乗じて構造改革や規制改革が始まり、その折、多くの方とともに、一般人であった私でさえも手を挙げて賛同した者の一人です。  しかし、今、私たちが目の当たりにしている現況は、世界でもまれな生産性の低迷と格差拡大型の社会が明らかに進行中です。先の見えない不安感が蔓延し、国民が分断化されるような機運が高まりつつあるような気がいたします。歴史の事実はデータの示すとおりです。  そのことを踏まえ、当初抱いていた私たちの純粋な願いが反映されていないということを真摯に受け止めれば、これからの正しい未来は切り開けないと感じる次第です。だからこそ、政府の財政と貨幣論などの経済史観に関する誤認が蔓延していることを改めて自覚しなければならないと思います。そして、そこに留意されている日本の未来を考える勉強会に所属されている国会議員をはじめとする100名以上の議員の皆様は、昨年の3月11日、全て政府の責任において早々に国債発行で財源を補い、経済の崩壊と国民の生命の危機を防止すべきとの具体的内容の提言を行いました。  しかし、中央政府が慎重な対応を要する間に、全国で、コロナ禍の影響で失業や将来目標を見失った方々は数知れないほど報告されています。特に、自殺に至った人数の割合や特徴を拝察すれば女性が多く、非正規労働者などの明らかに経済弱者に偏りが見られ、本来の経済の理念である経世済民、いわゆる世を治めて民を救うという大義が果たされないまま今日に至りました。大変痛ましいことです。このような悲劇が二度と生じない社会を目指して、国家の在り方、地方の目指すべき道、そして経済と財政の関係性について、皆様とともにさらに研究を深めてまいりたいと心から願う次第です。  それでは、引き続き経済をベースに政府の示す成長戦略を掲げて、次の質問を行います。  新年度を控え、気がかりとなる重要課題の一つとして、コロナ対策と並び、国民、市民の雇用の確保とその拡大の必要性を感じております。その意味で、私たちの会派もその内容を盛り込んだ令和3年度施策及び予算に関する要望大綱を本年1月27日に市長に提出させていただきました。  特視すべき項目の一つとして、財政問題に通じる経済成長戦略も提言申し上げたところです。その中で、市税の涵養につながる市民所得向上への取組の大切さから地域企業の育成に着目し、ベンチャー企業やスタートアップ企業などへの創業支援事業の展開を促しているところです。  また、この事項に関し、昨年、一昨年と、我が会派の齊藤議員をはじめ他会派の伊藤議員、山内議員など、多くの若手の議員の皆様が、この本会議場においてすばらしい御提言を交えて議論を進められました。自席で拝聴しながら、議員各位の調査能力の高さに感銘したところであります。  ただ、社会の現状を拝察すると、この1年は、感染症を契機として、もともと鈍化していた人や物やお金の流れに大きな変化が生じてまいりました。そして、社会の発展性が損なわれ、多くの企業においては失業や就労形態の変化を余儀なくされ、人々のライフワークにまで大きく影響が及んでおります。また、これまで様々な支援を経て、期待に乗じて創業開始に至った貴重なベンチャー企業の事業所継続なども気がかりです。さらには、新進気鋭の学生諸君においては、就職氷河期と呼ばれるほど就職環境は厳しさが増した状態です。  そして、本市においては、創業支援の拠点を担っていた森都心プラザの施設内状況も随分変化しようとしています。駅前整備、駅前ビルの開業という大きな利点要素は存在していますが、施設全体そのものの利用頻度はもちろんのこと、その機能についても懐疑的な見方があるのは確かです。このような不安要素が漂うだけに、支援事業の有益性が損なわれてはならないと一抹の不安を抱いたところでした。  しかし、コロナ禍という極めて複雑な転換期を迎えているからこそ、災い転じて福となすとの言葉どおり、デジタルトランスフォーメンションを主軸とした経済構造の変化やカーボンニュートラルの実現を見通した取組に着目すれば、その中で需要創出の機会を得る可能性もあり得ます。そして、新たな活躍の場を求めて、創業支援事業に対するニーズが高まることも想定できます。  そこで、経済観光局長にお尋ねいたします。  現在の本市の創業支援事業の進捗状況や課題、そして、その課題解消のすべをお尋ねいたします。また、政府の政策の方向性や社会動向を推察すれば、国の支援メニューの創設によって本市の業務量も増加するものと推察いたします。業務を円滑に進めるための体制作りについていかがお考えでしょうか。見解を伺いたいと思います。          〔田上聖子経済観光局長 登壇〕 ◎田上聖子 経済観光局長  本市の起業家支援につきましてお答えいたします。  創業支援の進捗状況につきましては、平成26年3月に国の認定を受けた熊本市創業支援等事業計画に基づき、関係機関と連携を図りながら、創業の発展段階に応じた様々な支援策を講じておりまして、これまでに延べ約5,000名が創業したところでございます。  一方、課題として、コロナ禍における社会環境の変化を踏まえ、新たなビジネスモデルの創出や本市経済を牽引するスタートアップ等の発掘、育成が必要と捉えており、そのためには、起業家を取り巻く関係者のコミュニティ形成を図ることが重要であると認識しております。  このようなことから、くまもと森都心プラザにおきましては、スタートアップ等の成長を後押しするためのインキュベーション施設や起業家が気軽に集えるようなコミュニティスペースを新たに設置し、令和4年度からの供用開始を目指してまいります。  また、民間コワーキング事業者とも連携を図り、先輩起業家などメンター等が中心となり、様々な分野の関係者と共同したビジネスプラン形成やブラッシュアップ等の起業家支援等を行うとともに、起業家を取り巻くコミュニティ形成に取り組んでまいります。  最後に、業務を円滑に進めるための体制についてでございますが、国の施策や社会動向を的確に捉え、時代の変革期における起業家の発掘、育成や新産業の創出支援を機動的かつ一体的に行うため、令和3年度から新たに起業・新産業支援室を設置し、強化を図ってまいります。          〔30番 小佐井賀瑞宜議員 登壇〕 ◆小佐井賀瑞宜 議員  御答弁を伺い、市役所のランクアップした取組に大変期待を抱きました。  しかしながら、現在の経済は需要ギャップの大きな長引くデフレである以上、創業から安定的な事業運営に至るまで、その目的達成率が懸念されます。創業者の精神論だけでは乗り切れないという厳しいリスクが存在いたします。市民に身近な基礎自治体としては、現況と対策の見極めがとても大切かと思います。受皿的役割を担う森都心プラザには重大な責務が課せられますので、社会状況ばかりでなく、支援の体制まで強化し、チャレンジャーの皆さんに寄り添った事業展開がなされますよう願っております。  それでは、前項に関連し、リカレント教育についてお尋ねいたします。  リカレント教育とは、学び直しとの意味を含み、新たな再教育や生涯的な学習の機会について示す言葉としてよく使われております。長い人生の中で、新たな就業転換や知恵や技能の習得をサポートする実務的な学習機会などの場合に使われる言葉として理解いただければ幸いです。
     また、この議会では、我が会派の倉重議員が2年前の定例会において、人生100年時代の教育を踏まえて触れられていたことを思い起こします。ただし、今回、私は経済に寄与するリカレント教育との観点から質問を行いたいと存じます。  さて、中央政府が昨年開催した20回にも及ぶ令和2年度経済財政諮問会議においてメインとなっていたのは、ウィズコロナをベースとして経済構造の一大転換期を視野に入れた政策議論でした。  その中で、現在の日本経済の抱える課題に向き合い、長引く生産性の低迷を打破し、コロナの影響によって生じた就労転換を円滑に進め、東京一極集中の是正を促すという大胆な構想の実現化に向けて、時の政府は本格的に走り出したと理解しております。  ただし、大企業に集積する有能な人材の分散化を見越した多地域住居や地方移転、あるいは産業構造や雇用形態の変革を促す中で、それぞれが自らのキャリアアッププランの見直しを進めることは決して容易なことではありません。  また、政府の中小企業や地方銀行の再編整備が進むにつれて、ケースによっては、支援の網の目から漏れた就労者に対するセーフティーネットも必要視されることも想定しなければなりません。  そこで、中央政府が強固なサポートを行い、個々のビジネスと生活再建が円滑に進むすべとして予算化を進めたのが、前項で触れた起業家支援や雇用対策に乗じたリカレント教育の推進であると理解いたしております。そして、成長分野への円滑な労働移動などの雇用対策パッケージの盛り込まれた政府の第3次補正予算も成立していることから、本市もリカレント教育を円滑に進めるための土壌づくりが急務ではないかと考えます。  それゆえ、庁舎内では中央政府の動向に的確に対応できる準備を整え、これからの成長戦略のための情報の一元化はもちろんのこと、業務整理を行い、支援のためのフレームづくりが求められると感じたところでした。  そこで、経済観光局長にお尋ねいたします。  新しい雇用創出や経済振興に結びつくための人材育成となるリカレント教育に対する本市の抱く基本的な考え方について見解をいただきたいと思います。          〔田上聖子経済観光局長 登壇〕 ◎田上聖子 経済観光局長  経済の推進力となり得るリカレント教育の推進につきましてお答えいたします。  リカレント教育は、幅広く収入の増加や正社員への転換、あるいはセカンドキャリアの実現にも効果があることから、誰もが学び直しに取り組みやすい環境づくりが必要であるというふうに認識しております。  また、今後のデジタル時代に求められる新たな産業構造を念頭に置いた人材育成を進めていくため、成長分野への円滑な労働移動や生産性向上の観点からも、リカレント教育は重要だと認識しております。  国では、一人一人が能力を最大限に引き出しながら働きがいを持って活躍できるようリカレント教育の強化などに取り組むとされており、本市においても、職業訓練センターでの資格取得訓練や働きながら学ぶ認定職業訓練への支援をはじめ、在籍型の出向、副業の推進等に取り組んでいるところでございます。  今後も、国・県や経済団体等の関係機関や教育委員会とも連携を図りながら、多くの方々が学び直しに取り組みやすい環境づくりを推進することによって、地域経済の下支えとなり得る産業振興の担い手づくりに取り組んでまいります。          〔30番 小佐井賀瑞宜議員 登壇〕 ◆小佐井賀瑞宜 議員  ありがとうございました。  方向性や事業の有益性についても御留意いただいていると思います。人材の育成については、いつの時代も取り沙汰されて注目も大変大きいのですが、過去には、時の政権の退陣や急激な社会状況の変化に惑わされて、具体的支援にまでは至らなかった例も生じております。しかし、今回は社会全体が一大転換期を迎えておりますので、ピンチをチャンスに変換する絶好の機会との考え方も広がりつつあると感じております。  このたびは、国の積極的な予算化で様々なメニューが提示されていますので、既存の産業分野において、人材不足の補完や新しい分野への人材創出に向けて各関係機関との連携の下に、的確でスピーディーな事業展開をお願いしたいと思います。そして、1人でも多くの有益な地域の人材が育まれますよう願っております。  さて、それでは、最終項目の都市計画の行方について質問に移ります。  本年春を目途に、旧植木町時代から進められてきた植木町域の中心市街地に当たる植木土地区画整理事業90.8ヘクタールのうち、未着手区域73.3ヘクタールの事業廃止が昨年末から話題となっております。本事業決定は1969年で、半世紀を経て、いよいよ大きな起点を迎えたと感じております。  思い起こせば、事業決定当時のちょうどそのときの私は、誰が見ても、目に入れても痛くないような純粋無垢な汚れなき児童でございました。開通間近の国道沿いの畑で思いっきり遊んでいたことを思い出します。当時の旧国道沿いの商店街は繁栄をたどり、現在、慢性的な大渋滞で問題視されている国道3号線の整備が進み、九州循環道路熊本植木インター間が開通間近という絶好の機会に、植木地域の将来像を描いた一大プロジェクトが立ち上がりました。  しかし、町にとって有益な関係法令の期限が迫っていたこともあり、事業の進捗が煩雑となり、行政の説明不足、住民の理解不足、議会の議論不足が要因となり、それぞれの役割が適切に果たされないまま、事業推進に向けての合意形成には至りませんでした。そして、政争の渦中に巻き込まれ、その5年後に植木町議会は廃止条例を決定してしまいました。  このことで、基本的な道路整備、上下水道をはじめとする安全で快適なインフラ整備並びに住環境の整備が棚上げ状態となり、30年もの間放置され、植木地域の発展性が大きく損なわれました。事業認可は存続しながら、町の条例で廃止するという大胆な措置を講じたわけですから、当然、国や県との関係悪化も進んでいたと聞き及びます。  ところが、その後、対象地区内での大火事などの災害に遭遇したことがきっかけとなり、町の安全性を担保するために、今から22年前に、商店街や金融機関などの公共性の高い施設が集積した南部の現植木1丁目から3丁目までの17.5ヘクタールを対象とした植木中央地区土地区画整理事業が新たな事業認可を得て整備が進められました。そして、現在は先行区域の工事もほぼ全面的に終了するに至っています。全体計画区域の20%の区域は確かに安全で快適で、まちの顔としてその居住空間は大きな改善が図られました。  これまでの経緯を考えますと、まさに住民間の感情論争や裁判にまで進展した激動の50年でありました。その間、手つかずとなっていた中心部周辺域の計画区域には個々のミニ開発が進行し、現行の都市計画道路の計画ライン上にも次々と新しい住居が建設されました。結果として、狭い道路がまばらな網の目のように張りつき、将来にわたる都市計画全体像そのものが不透明な状況に至りました。現在は、当初描いていた都市計画の理念が希薄化する状態が続いています。  このような背景があるからこそ、執行部としては、今回の事業廃止との決断に至ったものと考えるところです。また、同事業の継続は、特定の区域に長時間を要していることや、これまで要した莫大な財源のことから、税の負担と受益の公平性から問題視されてもおかしくないと事業対象区域外の市民から意見が寄せられていたのも事実です。そして何よりも、残された80%の計画区域に網かけされた建設の規制などを考えれば、土地の利活用をはじめとする開発行為が不効率であることから、定住促進の障壁となることも考えられます。  そこで、都市建設局長にお尋ねいたします。  今後、事業廃止が決定された場合のこの地域に及ぼす影響や発展性についてどのようにお考えでいらっしゃいますでしょうか。なお、具体的な分析があればお示しいただきたいと思います。          〔田中隆臣都市建設局長 登壇〕 ◎田中隆臣 都市建設局長  植木土地区画整理事業につきましては、現在事業中の植木中央地区を除いた約73.3ヘクタールの区域において、昭和44年の都市計画決定から現在に至るまで、未着手の状態となっております。  本土地区画整理事業は、健全な市街地の造成を目的に都市計画決定されたものですが、当時、施工区域の約8割を占めていた農地等が令和元年度末時点では約2割となるなど市街地の形成が進んだことで、当初の目的や事業の必要性が低下しております。  また、住民への意向調査においても、個別事業による基盤整備を望む声も出てきているところであり、今回の都市計画の変更に至ったものでございます。  このことは、地域のまちづくりを阻害するものではなく、都市計画法第53条による建築の制限がなくなることにより、土地所有者の土地利用の自由度が高まるものと考えております。          〔30番 小佐井賀瑞宜議員 登壇〕 ◆小佐井賀瑞宜 議員  事業廃止による有益性について見解を頂きましたが、課題分析については、恐らくこれから研究を進められることだろうと推察いたしております。  そこで、25年以上、この問題を間近に見つめてきた者として、見解を添えて、今一度お尋ねしたいと思います。  このたびの方向性については、全く理解できないわけではありませんが、やはり一番の気がかりは今後の課題です。例えば、整備が施された事業完了区域とそれ以外の地域との環境格差は顕著に表面化しておりますので、環境、景観、交通、防犯などの安全性や産業振興などの経済や利便性などについて問題視される可能性は高いと思います。それゆえ、今後、建設規制などの縛りが取り除かれ、民間需要が拡大し、開発が促進されても、全ての課題が解消されるのかは不安が残ります。また、当該地区の歴史を振り返れば、ビジョンのない乱開発が進むことも否めません。それでは良好な都市計画が望めないことも想定されます。  今般の定例会の冒頭、市長の提案理由の説明の中にも、15か所の拠点整備に向けた機運の上昇を図りたい旨の発言もありましたが、その流れに沿うことができなくなる可能性が極めて高いと言えます。  都市整備と並ぶ北区役所周辺地域の拠点性の件は、これまで幾度も議会で質問してまいりました。そしてその折、市長からも、この植木地域の中心部については、人や物の流れが促進され、環境はさらに向上し、居住地として選択されることはもとより、新たな企業の立地が見込まれるなど、高い将来性を有しているとの見解も頂きました。熊本都市圏の北域の要として、地政学的にも発展性を秘めているという優位性があるにもかかわらず、今後の将来像が見えない状況では中心部の空洞化も懸念され、植木地域の発展性が損なわれる可能性は大きいと思われます。希望の持てるビジョンが必要と思います。  そこでお尋ねいたしますが、今後、都市区画整理事業の廃止によって表面化する課題と都市マスタープランの主軸となるコンパクトシティ、立地適正化計画との整合をどのように図る予定でしょうか。市長にお尋ねいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  本市では、第2次熊本市都市マスタープランや熊本市立地適正化計画において、持続可能で、誰もが移動しやすく暮らしやすい多核連携都市を都市構造の将来像として掲げております。  その中で、植木土地区画整理事業を含むエリアは地域拠点の一つとして、北区の総合的な行政、コミュニティの中心地と位置づけております。  当該地域拠点周辺については、来年完了予定の植木中央土地区画整理事業や整備が進みます国道3号植木バイパスの効果を生かし、地域の拠点性をさらに高めていかなければならないと考えております。  そのために、今後、市民と行政が目標や課題を共有し、地区のまちづくりビジョンを共に描き、その実現に向け、着実に取り組んでまいりたいと考えております。          〔30番 小佐井賀瑞宜議員 登壇〕 ◆小佐井賀瑞宜 議員  今回申し上げましたこの都市計画の件については、実は、私が旧植木町の議会に在籍しておりました折から幾度も触れてきた問題であります。それゆえ、市長にも執行部にも課題意識を持っていただきたいという願いからのお尋ねでありましたので、今後も、何とぞ御留意いただきたいと思います。そして、皆さんのお言葉を信じて、理想郷の実現まで見守りたいというふうに思います。  なお、今後の進捗を注視しつつも、再度お尋ねの機会を得ることになるかもしれませんので、その折には、都市建設局の皆様には、何とぞお付き合いくださいますようよろしくお願い申し上げたいと思います。  さて、本日準備しました質問は以上でございます。締めくくりに1点だけ、身近な思いを述べさせていただきたいと思います。  本日、雇用の支援や人材育成などの成長戦略の一端に触れさせていただきましたが、特に願ったのは、女性の皆様に対する支援の強化に留意いただきたいと感じたことです。現実は、いまだ女性の立場は不利な状況に置かれているということは、今回のコロナ禍の中で生じた問題がまざまざと物語っております。特段の配慮とは申しませんが、決して忘れてはならない基本的視点の存在を改めて感じましたので、市長をはじめ執行部の皆様方にも、何とぞ御留意いただきますようよろしくお願い申し上げます。  さて、令和2年度を振り返り、ちょうど1年前、コロナによって生じた課題は、既存の社会の仕組みが崩壊するような心持ちさえ抱きました。そして、いつの時代も見えない難敵の不安に包まれながら、人類存亡の闘いが展開されていると感じたところでした。  1年を経て、そのことを改めて痛感する今、日本政府が打ち出した指針は、まさに世界経済フォーラム、通称ダボス会議の指し示すグレートリセットへと導かれているような気がいたします。このことの賛否を問いかけるわけではありませんけれども、私は、常識化しつつあるグローバリズムの是非を冷静に考える機会を得たと同時に、地域や国民の命やこれまで培われた日本文化を守るナショナリズムの精神を改めて考えることができる良い機会となりました。  そのことを念頭に置いて、これからも世界の動きを見つめるとともに、国家や地方自治体の役割とその在り方に関する情報を先取りする努力が求められていると感じた次第です。併せて、今後も国民、市民の生活を守る経済の在り方について、引き続き研究してまいりたいと思います。  それでは、長い時間お付き合いいただきましたことに感謝申し上げ、そしてさらには遅くなりましたが、本日の機会を頂きましたことに感謝申し上げまして、これにて私の質問を終結いたします。御清聴、誠にありがとうございました。(拍手)       ──────────────────────────── ○紫垣正仁 議長  本日の日程は、これをもって終了いたしました。  この際、お諮りいたします。  3月6日、7日の両日は、休日のため休会いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。          (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○紫垣正仁 議長  御異議なしと認めます。  よって、3月6日、7日の両日は、休会することに決定いたしました。  次会は、3月8日(月曜日)定刻に開きます。       ──────────────────────────── ○紫垣正仁 議長  では、本日はこれをもって散会いたします。                             午後 3時16分 散会 〇本日の会議に付した事件 一、議事日程のとおり 令和3年3月5日 出席議員 47名       1番   紫 垣 正 仁        2番   上 田 芳 裕       3番   山 本 浩 之        4番   北 川   哉       5番   古 川 智 子        6番   島 津 哲 也       7番   吉 田 健 一        8番   伊 藤 和 仁       9番   平 江   透       10番   荒 川 慎太郎      11番   齊 藤   博       12番   田 島 幸 治      13番   日 隈   忍       14番   吉 村 健 治      15番   山 内 勝 志       16番   緒 方 夕 佳      17番   高 瀬 千鶴子       18番   三 森 至 加      19番   大 嶌 澄 雄       20番   光 永 邦 保      21番   高 本 一 臣       22番   福 永 洋 一      23番   西 岡 誠 也       24番   田 上 辰 也      25番   浜 田 大 介       26番   井 本 正 広      27番   藤 永   弘       28番   原 口 亮 志      29番   田 中 敦 朗       30番   小佐井 賀瑞宜      31番   寺 本 義 勝       32番   原     亨      33番   大 石 浩 文       34番   村 上   博      35番   那 須   円       36番   園 川 良 二      37番   澤 田 昌 作       38番   田 尻 善 裕      39番   満 永 寿 博       40番   田 中 誠 一      41番   津 田 征士郎       43番   藤 山 英 美      44番   落 水 清 弘       45番   倉 重   徹      46番   三 島 良 之       47番   坂 田 誠 二
         49番   上 野 美恵子 欠席議員  1名      48番   白河部 貞 志 説明のため出席した者   市長       大 西 一 史    副市長      多 野 春 光   副市長      中 村   賢    政策局長     田 中 俊 実   総務局長     深 水 政 彦    財政局長     田 中 陽 礼   文化市民局長   井 上   学    健康福祉局長   石 櫃 仁 美   環境局長     三 島 健 一    経済観光局長   田 上 聖 子   農水局長     西 嶋 英 樹    都市建設局長   田 中 隆 臣   消防局長     西 岡 哲 弘    交通事業管理者  古 庄 修 治   上下水道事業管理者萱 野   晃    教育長      遠 藤 洋 路   中央区長     横 田 健 一    東区長      宮 崎 裕 章   西区長      甲 斐 嗣 敏    南区長      村 上 誠 也   北区長      小 崎 昭 也    人事委員会委員長 内 田 光 也 職務のため出席した事務局職員   事務局長     富 永 健 之    事務局次長    和 田   仁   議事課長     池 福 史 弘    調査課長     下錦田 英 夫...