◆田島幸治 議員 おはようございます。
自由民主党熊本市議団の田島幸治でございます。令和2年第2回
定例会一般質問の最初の質問者として質問させていただくことに対し、先輩議員、同僚議員を初め皆様に深く感謝申し上げます。
私は、日頃から地域自治会や消防団、
まちづくり協議会を初め、様々な地域活動に積極的に参加する中で、人口減少・少子高齢化が急速に進み、地域活動の担い手不足は深刻さを増し、
地域コミュニティ機能の維持は喫緊の課題と実感しておりました。
そして、私の愛する地域、ふるさと熊本が今後10年、20年、このまま安心して生涯暮らせるまちとして持続していけるのだろうか、これは孫の世代に自信を持って受け継ぐことができるのか、そのために今自分に何ができるのか、自問自答を繰り返す中で、郷土の未来のために声を上げ、行動する決断をし、33年勤務してきた会社を退職して市議会議員に立候補しました。
そして、多くの市民の皆さんの御支援をいただき、今この場に立たせていただいております。市政発展のため、また御支援いただきました皆様の御期待に沿えるよう、全身全霊を傾け、市議としての職責を全うしてまいりますので、皆様どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、通告に沿って質問してまいります。
まずは、
新型コロナウイルス感染症に関する諸問題についてお尋ねいたします。
このたびの
新型コロナウイルス感染症により、世界で約41万人、国内では約900人、本市でも3人の方がお亡くなりになられております。この場をお借りしまして、お亡くなりになられた皆様に心から哀悼の意をささげたいと存じます。
さて、世界各地でパンデミックを引き起こした
新型コロナウイルス感染症も、県内の入院患者もゼロとなり、収束の気配を見せつつあります。しかしながら、私たちは今後も感染の第2波に備えつつ、国が示した新しい生活様式の定着を図りながら、
新型コロナウイルス感染症によって大きな影響を被った市民生活や事業活動を再生していかなければなりません。
そこで、最初にこの2つの命題についてお尋ねしたいと思います。
1点目は、感染拡大の第2波への備えについてであります。
質問の前に、今回の
新型コロナウイルス感染症の発生状況について若干振り返ってみたいと思います。
本市では、2月21日に最初の感染者が確認されて以降、5月8日までに40例、39名の感染者が確認されており、10万人当たりの感染者数は5.47人です。ほかの政令指定都市と比べると、本市より低い発生率にとどまっているのは、静岡市、浜松市、岡山市のみであり、私は熊本市のこれまでの対応にはおおむねうまくいったのではないかと評価しております。
そして、一連の対応の中で、
新型コロナウイルスの特徴も少しずつ判明してきました。多くの事例で、感染者は同居などを除き周囲の人々にはそれほど感染をさせていませんが、一方で、スーパー・スプレッダーと呼ばれる1人が多数に感染を拡大する事例も存在しており、そのような感染者は小規模な集団感染、いわゆるクラスターを引き起こします。
そこで、この
クラスター発生の初期段階でさらなる拡大を抑えていくことが重要となったわけであります。本市においても、温浴施設、飲食店、医療機関等で小規模なクラスターが発生しましたが、同居の家族や従業員以外の市民への感染の拡大には至りませんでした。
では、この最大の要因はどこであったのでしょうか。本市では、温浴施設で最初の複数感染が確認された3月27日の段階で、
感染症対策課にクラスター班を設置するなど体制強化を図るとともに、大西市長自ら深夜に記者会見を開き、週末の外出自粛を市民に呼びかけられました。私はこの迅速な対応が結果的にクラスターから感染拡大を抑える大きな要因になったのではないかと考えます。
また、各地で医療体制の危機が現実化する中で、本市の医療体制はしっかりと機能しておりました。感染症専用の外来と病棟を備える
感染症指定医療機関においては、感染症病床に加え、一般病床として使用していた病棟を感染者対応に転用するとともに、本市が対策本部を設置したと同時に感染者患者の受入れを想定した対処訓練を行うなど、感染症対応の中核を担っていただいたわけであります。万全の体制を構築された病院長を初め、対応された医師や看護師の方々など、関係各位の御努力のたまものではなかったのかと思います。
県内唯一の第
一種感染症指定医療機関としての非常に重い役割を担い続けるための最大の脅威は、院内感染であったわけであります。もし院内感染が発生すれば、即、熊本市、熊本都市圏全体の感染症医療の崩壊につながります。これを防ぐために、
指定医療機関においては万全の取組と細心の注意を払われたとのことです。毎日のことですので、その緊張感は計り知れなかったものと拝察いたします。改めて、この場をお借りしまして、関係者の皆様方に深く敬意と感謝を申し上げる次第であります。
さて、これらの取組を自分なりに分析する中で、熊本市が感染を一定程度に抑えつつ収束できた要因は、次の2つに集約できるのではないかと考えます。その一つは、将来の感染拡大を見据えた早めの対応です。そして、この早めの対応は、私たちが熊本地震から得た教訓でもあります。
先ほども申し上げましたように、大西市長が市民の皆さんに対し外出自粛を呼びかけたのは3月27日の深夜、このとき
本市感染者数はまだ7名でした。国が緊急事態宣言を発令したのは4月7日ですから、それより10日以上も前になります。やはり潜伏期間の長いこの
新型コロナウイルスの場合は、2週間先を見据えた対応が求められたわけであります。
2つには、様々な事象に細心の注意を払うことです。経済活動や社会活動を遮断することには限界があります。これから先、ワクチンが完成し、普及するまでは、我々は否応なしにウイルスと共生しながら活動しなければなりません。常にウイルスの動向に注意を払い、一たび感染が確認された場合には、その後の疫学調査などの対応を抜かりなく実施していく必要があります。早めの対応と細心の注意、これを基本に、マスク、消毒液、防護服などの資材、人工呼吸器などの医療用機材、
PCR検査体制の充実、医療体制の整備など、これまでの取組の中で準備不足であったものをそろえ、備えておけば、たとえウイルスの第2波が来ても過剰に恐れる必要はないと考えます。
まず市長にお伺いします。
これまでの
新型コロナウイルス感染症の取組を踏まえ、今後予想される第2波に備えてどのような準備をしていかれるのでしょうか。これまでの対応の検証と、第2波に備えた今後の対応について、その基本的な心構えや主な取組についてのお考えをお示しください。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長
新型コロナウイルスの
感染拡大防止に向けては、1月27日に熊本市
新型コロナウイルス感染症対策本部を設置し、外出自粛の要請や小中学校等の休校など、早い段階から先手先手の対策を講じるとともに、熊本市
新型コロナウイルス感染症対策専門家会議を立ち上げ、専門家の皆様からの御意見をいただきながら、本市独自のリスクレベルを設定し、様々な対策を行ってまいりました。
また、
新型コロナ相談センターでの電話相談や、2,600件を超える積極的なPCR検査の実施、さらに、
民間検査機関等の活用による検査体制の拡充や県と連携した
医療提供体制の確保など、市民の皆様が安心できる体制を構築してきたところです。
これらの取組や市民の皆様の御協力により、5月9日以降、本日まで新たな感染者は確認されておらず、患者発生を一定程度に抑え込むことができたと考えております。
今後も、市民の皆様とともに、密閉・密集・密接のいわゆる3密の回避など、感染拡大を予防する新しい生活様式の定着を図ってまいりたいと考えております。
さらに、感染の次なる波に備え、熊本市医師会と連携いたしました地域外来・
検査センターの設置による検査体制の強化や、
医療提供体制のさらなる拡充に向けて取り組んでまいります。
こうした取組によりまして、市民の皆様の安心や
社会経済活動の回復にもつながっていくことと考えており、着実に推進してまいりたいと考えております。
〔12番
田島幸治議員 登壇〕
◆田島幸治 議員 ありがとうございました。
新しい生活様式の定着に向け、市民の皆様の行動変容につながる啓発を、あらゆる場面を捉え行っていくとのことですが、これまでの徹底した行動制限、自粛、自粛の選択から、様々な工夫によって、いかに実質的に元の生活に近づけることができるのかが重要です。そのような物の考え方、様々な場面での具体的な工夫について、市民の方々への提案に努めていただきたいと思います。
また、地域外来・
検査センターの設置などによる検査体制の充実と、感染兆候の早期把握など、監視体制の強化に取り組むとのことですが、現在は感染症と見られる症状が発症した方だけを検査対象としていますが、今後は発症していない方の検査受入れとともに、希望する方への抗原検査、抗体検査が必要になると考えますので、再度の感染拡大を想定しての検査体制及び
医療提供体制確保へと取り組んでいただくようお願いいたします。
次に、
新型コロナウイルス感染症に関して大きな影響を被った市民生活や事業活動の再生に関連し、具体的な対策についてお尋ねします。
まずは熊本市の財政に対する影響とその対応についてお伺いします。
今般の
新型コロナウイルス感染症の拡大で、地域経済は大きな影響を被りました。特に、本市の基幹産業である飲食店や観光などの
サービス産業は壊滅的なダメージを受け、これに伴い雇用環境も悪化し、失業者も多数生まれています。外出自粛や休業による経済活動の停滞によって生活苦に陥る市民の方々も多く、本市においても生活保護の相談や申請件数が増加しているとも聞いており、事態は深刻さを増しております。
こうなれば、当然これまでの堅調に推移してきた市税税収も大幅に落ち込むことが予想されます。加えて、熊本城や動植物園などを初めとした市有施設も長期間の休園、休館を余儀なくされております。利用料や使用料等も収入も大幅に減少するでしょう。その一方で、緊急融資の利子補給や家賃補助、あるいは
バス運行補助金など支出は増大します。国からの特別な交付税措置はなされるものの、これらは
新型コロナウイルス感染症対策に充当していく必要がありますので、来年度の予算編成がどうなるのか心配しております。
このような中、熊本市では、市電延伸や市庁舎建替え問題の凍結、先送りを表明されましたが、これらは本市の将来発展に大きく関係する重要なプロジェクトですから、できるだけ早期に財政の将来見通しを立て、プロジェクトの検討が再開できるような環境をつくる必要があるのではないでしょうか。
そこでお尋ねします。
まず、収入と支出の両面から今回の
新型コロナウイルス感染症による本市財政への影響額の試算をお示しください。その上で、財政運営の健全化に向けた今後の取組について具体的にお答えください。
さらに、まだ第2波の襲来も考えられる中で、仮定の話で恐縮ですが、感染症がこのまま終息するとして、以前の状況に戻せるまでに必要な期間について、その見通しも併せてお示しください。
次に、地域経済への影響とその対応についてであります。
先ほど述べましたように、
新型コロナウイルス感染症の蔓延により、
サービス産業を中心に本市経済は極めて大きな打撃を被っております。
そこで、本市においては国税の納付猶予や
雇用調整助成金など国の支援制度の案内や申請相談を行うほか、県と連携した緊急融資の利子補給や独自の家賃補助の実施など、様々な対策を講じておられますが、制度の周知不足や申請手続の煩雑さなど、課題も指摘されております。いまだ支援が行き届いていないのが現状のようです。
加えて、本市独自の
プレミアム付商品券の発行、また先日事業概要が発表された
プレミアム宿泊クーポンの販売なども実施される予定ですが、壊滅的なダメージを受けた飲食店や観光などの
サービス産業の方々の事業再生に対して、即効性があり、大きな効果額が期待できるものとなっているのだろうかとの疑問を、私は現時点では拭い去ることができません。
現在のところ、
プレミアム付商品券は実施する商店街などの団体を5月14日から募集を開始した状況でありますが、過去に幾度となく発行された同様の商品券での効果は限定的との分析もあり、ばらまきとの批判も根強くあります。
さらに、
プレミアム宿泊クーポンについては、対象者は本市の147の旅館・ホテル等のうち、参加登録された施設を利用する県内居住者に限定されており、利用期間も7月末までの一月半の短い期間となっているなど、どの程度利用促進の効果があるのか、大変心配をしております。
もともとこの
プレミアム付商品券2億4,000万円や宿泊割引1億円などは、緊急対策第3弾として感染症収束後を見据え、スピーディーな取組となるよう昨年度末の3月補正により予算化されたわけですが、このような状況であれば急ぎ予算化する必要があったのかとの念は消えません。
このような消費喚起型の事業は、時期ややり方など制度設計を間違うと効果が半減します。感染症の拡大防止に対しては効果的で早めの対策を講じていると評価しましたが、経済分野の対策は現状では万全の対応とは言えず、即効性や効果額を最大化できるさらなる努力と工夫が必要ではないかと感じております。
また、今後の観光振興策については、国においても7月末から
GoToキャンペーンを計画していますし、夏休みをにらんだ国内観光客の誘致は全国各地で同様の取組がなされ、競争になると思います。
このようなことから、宿泊割引や
プレミアム付商品券なども含め、様々な事業についてはその効果の最大化を目指し、他都市との競争にも勝てるよう、状況に応じた柔軟な見直しが必要ではないかと考えるものであります。
例えば、観光客等の誘致においては、市単独ではなく
連携中枢都市圏の構成市町村や天草などの県内市町村との連携、あるいは九州各都市との連携など、知恵を絞っていただきたいと思います。単純な競争では沖縄や北海道などの観光地が優位なのは明らかです。また、近い将来海外との交流も可能になったときに活用できるような取組も考えていただきたいと願うものであります。
そのような中に、大西市長がおとといの提案理由説明において、家賃補助制度の対象の拡充を表明されましたことは、休業要請の対象外であったものの、制限されたことでいまだ苦境に立たされたままの事業者の方々にとっては朗報であったと思います。加えて、市民生活の安心と地域経済の再建に向けた本市独自の対策について、今定例会への追加提案を検討しているとのことでありますが、今後示される支援策が、大きなダメージを受け困窮する市民の方々をより強く支えるものであることを期待しております。
そこでお尋ねいたします。
まず、
新型コロナウイルス感染症による地域経済への影響について、概算や試算で結構ですので、雇用環境を含めて業種別に分かる範囲で具体的にお答えください。
加えて、増加傾向にあると言われる生活保護の相談及び申請の直近の状況についてお示しください。
また、地域経済の再生について
プレミアム付商品券、
プレミアム宿泊クーポンの今後の展開の在り方など、今後の支援策への取組に対する考えをお聞かせください。
以上、関係局長の答弁をお願いいたします。
〔
田中陽礼財政局長 登壇〕
◎田中陽礼 財政局長 私からは、財政に関する2点のお尋ねにお答え申し上げます。
まず、本市財政への影響額の試算と財政健全化に向けた今後の取組についてでございます。
これまで、議会の御協力をいただきながら、第5次にわたり総額808億円の
新型コロナウイルス感染症に対する緊急対策に取り組み、その財源といたしまして、
新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金等の国費に加え、一般財源29億円を措置して対応してまいりました。
さらに、現在審議中の国の第2次補正予算を踏まえ、次なる対策の取りまとめや今年度当初予算に計上いたしました事業の見直し、既に実施しております制度融資に係る利子補給等の後年度負担額の把握を行っているところでございます。
議員御指摘のとおり、
新型コロナウイルス感染症対策として多額の経費が必要となる一方で、企業の収益悪化等の影響により、今後は市税等の減収も見込まれているところでございます。
これまで税制上の対策といたしまして、国において納税猶予に対する地方債の特例措置や
事業用家屋等に係る固定資産税の減免に対する
減収補填措置等が取られておりますものの、いまだに
新型コロナウイルスが収束に至らず、対策の全容や歳入への影響が確定しない現時点におきましては、財政面における影響額の算定は困難な状況であると考えております。
しかしながら、
リーマンショック時を例に取りますと、法人市民税23億円の減など、財政への影響は少なからず想定されますため、健全な財政運営が維持できますよう、今後の補正予算や
地方財政計画など、国等の動向や経済状況を踏まえ、ある程度状況が見通せる段階で、コロナ関連の影響額を踏まえた財政見通しを作成し、お示ししたいと考えております。
また、感染症がこのまま収束した場合、以前の財政状況に戻せるまでの期間の見通しはどうかとの御質問でございますが、
リーマンショックでは法人市民税が元の水準に戻るまで4年程度の期間を要したところでございます。今回は、新しい生活様式を反映しました市民生活や経済活動の再建などを踏まえました財政見通しを作成し、お示ししたいと考えております。
〔
石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕
◎石櫃仁美 健康福祉局長 私からは、生活保護の相談、申請の直近の状況についてお答えいたします。
まずは、本年3月の状況でございますが、相談が311件、申請が223件、4月は相談が271件、申請が187件、5月は相談が239件、申請が153件でございました。
前年の3月から5月と比較いたしますと、合計で相談が約15%増加、申請が約10%の増加となっております。そのうち、
新型コロナウイルスの影響によります収入の減少などを理由といたしました相談、申請は、3月は相談が8件、申請5件、4月は相談が47件、申請25件、5月は相談33件、申請17件でございました。
引き続き
新型コロナウイルスの影響も含め、生活保護の相談、申請には丁寧に対応し、生活保護が必要な方に対しましては、速やかな保護の決定など適切な実施に努めてまいります。
〔
田上聖子経済観光局長 登壇〕
◎田上聖子
経済観光局長 私からは、感染症による地域経済への影響及び
地域経済再生に向けた今後の取組に関する考えについてお答えいたします。
まず、地域経済への影響額につきましては、再流行のリスクがある中、その影響の期間や範囲を見極めた上で試算を行う必要があるため、現在策定を進めております(仮称)熊本市経済再建・
市民生活安心プランにおける現状分析の中で、様々な検討を行っているところでございます。
一部調査の概要を申し上げます。5月中旬に行った
熊本市内企業業況判断調査では、業況判断指数がマイナス60と、2月調査から36ポイント下がっており、
リーマンショックを超える落ち込みの可能性を示す厳しい結果となっております。
また、雇用環境について、業種別に示す指標でございますが、熊本労働局の示す県内における産業別の新規求人状況があり、5月のデータでは宿泊業、
飲食サービス業が対前年同月比で53.3%の減少、理容業、美容業などの
生活関連サービス業、娯楽業が同じく43.3%の減少と、特に大きな影響が出ているところでございます。
次に、
地域経済再生に向けた今後の取組に関する考えでございます。
これまで、事業と雇用を守り市民生活の安全を取り戻すため、5回にわたる
緊急経済対策を講じてまいりました。その中で、3月に予算化した2つの事業についてのお尋ねでございます。
まず、
緊急プレミアム付商品券につきましては、これまでの取組との違いといたしまして、飲食店などの同業種によるグループも対象団体としたことや、行政からの20%の上乗せ分を商品券販売時に先行して給付することで、早期の支援につなげる工夫を行ってまいりました。
また、熊本市
プレミアム宿泊クーポン券につきましては、国の
GoToキャンペーンが7月下旬を目途に実施されるまでの間、県内の観光需要の喚起と
市内宿泊事業者への支援につなげるために、県内にお住まいの方を対象に販売するものでございまして、いずれも県の休業要請期間の終了や国の外出自粛の段階的緩和の目安が示された後に、日を待たずして実施概要の公表を行い、スピーディーな取組ができたと考えております。
市長が提案理由で申し上げたとおり、現在、地域経済の再建に向けた本市独自の対策を取りまとめているところでございます。例えば、失業者に対する介護分野への就労支援や、議員御提案の県内市町村で連携した観光商品の造成なども検討し、適時的確に地域経済の再生に向けた支援を行ってまいりたいと考えております。
〔12番
田島幸治議員 登壇〕
◆田島幸治 議員 ありがとうございました。
本市の財政面での影響額、また地域経済の影響額については、現在分析の中で検討を重ねており、具体額は示さないが、
市内企業業況判断は
リーマンショック時を超える落ち込みで、厳しい結果となっているとのことでした。
本市財政においては、
リーマンショック時の法人市民税収の回復まで4年程度の期間を要しており、今回はそれを上回る5年以上の期間が必要ではないかと危惧するものであります。
さらに、本市の生活保護の相談及び申請の状況については、3月から5月の3か月間の前年比が相談は15%増、申請で10%増となっており、特に4月は相談が15%、申請が31%増加するなど、経済活動の停滞によって失業や生活苦に陥る人々の深刻な状況が浮かび上がっております。
まさに我が国のGDPは統計上において戦後最悪とも言われており、現在の経済状況については本市も決して例外ではないということを如実に表しているのではないでしょうか。
また、商品券、宿泊券の2つの事業は、これまでの商品券とは違う取組を施し、早期の支援につながる工夫をしたとのことで、何よりも多くの利用によって大きな効果となることを期待しております。
今後の支援策への取組については、具体例も示していただき、適時的確に地域経済の再生に向けた支援を行うことでしたので、今後示される事業の中身も期待しますが、あえて申し上げれば、会期末になっての追加補正による提案では、議会として十分な審議、議論の時間が確保されないわけであります。閉会中の専決処分も同様ですが、議案についての説明及び審議時間については、もちろん時間の長短だけを問うわけではありませんが、一定時間は確保されなければ、議会はその機能、その責任を果たすことができません。窮地に立つ事業者の方々にとって、即効性とともに効果を最大化できる支援策を構築するために、議会審議についてもでき得る限り配慮していただくよう改めてお願いいたします。
次に、
新型コロナウイルス感染症を踏まえた避難所運営の見直しについてお伺いします。
本市では、平成28年熊本地震の経験を踏まえ、災害の被害想定区域や危険箇所を初め、避難場所等を明記した各種ハザードマップに加え、住民自らが地域の実情に合わせて作成する地域版ハザードマップの作成に取り組んでいます。本年5月時点で914地区中393地区が策定されており、地域版ハザードマップの活用によって各地域で地域防災力の向上に努めておられます。
そのような中、今回、
新型コロナウイルス感染症の問題が発生しました。政府は、本年3月に定めた
新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針の中で、1、換気の悪い密閉空間、2、多くの人が密集する場所、3、互いに手を伸ばしたら届く距離での会話や発声が行われる3つの密を徹底的に避けることが示されております。
また、感染者、重症者及び死亡者の発生を最小限に食い止めるためには、人と人との距離の確保、マスクの着用、手洗いなどの手指衛生などの基本的な感染対策はもとより、集団感染の抑制やいわゆるオーバーシュートと呼ばれる爆発的な感染拡大の発生の防止が重要とされております。
一方、災害発生時における避難所については、特に3つの密が生まれやすく、その早急な対策が求められております。こうした問題に関し、本年4月1日と7日に、内閣府は2度にわたって避難所における
新型コロナウイルス感染症への対応についての通知を各自治体へ発出されており、この通知では、避難所対応の留意事項としては9点の内容が示されております。
主なものを御案内いたしますと、親戚や友人の家等への避難の検討、避難者の健康状態の確認、また避難所の衛生環境の確保といった内容であり、避難所開設に関わる事前の準備が重要になっております。
このような中、6月1日に開催された市議会
新型コロナウイルス感染症対策会議において、担当部署から避難所における
新型コロナウイルス感染症への対応方針が示されました。本市の対応方針では、避難者の健康状態の確認や新たに保健室の設置、また余裕のある避難スペースを確保するため、人と人との身体的距離の確保や、避難施設の追加、
新型コロナウイルス感染症等への対応など、様々な点に配慮しながら、避難所における
新型コロナウイルス感染症感染拡大防止を図っていくものとされているようであります。
市民の命を守る観点から避難所運営の見直しを行うべきとする大西市長の強い決意は、同感を覚えたところでございます。しかしながら、本市の対応案には最も重要な点で見落としがあるように思えてなりません。つまり、ほかの世帯との身体的距離に配慮しながら避難所の配置を行えば、必然的に避難所の収容人員は減少し、これに伴う避難所の増設についてもセットで見直しが必要になります。
先ほど御紹介いたしました内閣府の通知におきましても、発災した災害や被災者の状況等によっては、避難所の収容人数を考慮し、あらかじめ指定した指定避難所以外の避難所を開設するなど、通常の災害発生時よりも可能な限り多くの避難所の開設を図るとともに、ホテルや旅館等の活用等も検討することとされております。
この点について、本市の対応案では今回の運営見直しにより感染対策配置とした避難所の収容人員はほぼ半減する見込みが示されております。避難所における
感染拡大防止の取組により、新たに想定している収容人員を超える場合があることを想定されているものの、その対応については避難状況に応じて順次避難所の増設を図っていくとされております。私は、こうした対応はこれまで地域版ハザードマップの活用によって各地域で地域防災力の向上に努めてきた本市の防災体制の基本的な考え方に即しないのではないかと考えております。
分かりやすくするために具体例を交えますと、私の地元龍田校区では、平成24年7月の九州北部豪雨災害にて龍田陳内地区に甚大な被害がございましたし、熊本地震の際にも多くの被害が出た地域でもございます。このようなことから、自治会がハザードマップを策定され、龍田出張所、龍田小、龍田中の3か所が市指定緊急避難所として示されております。
地域では、この情報を基に住民への啓発活動などが行われており、いざ有事となった際には避難所へ避難を含め、住民一人一人がそれぞれ想定する避難行動を行うことになります。しかしながら、この際に避難所の容量不足で想定していた避難場所に避難した際、別の避難場所に行ってくださいというようなことになれば、これまで複数回行ってきた住民一人一人の避難行動の想定はもはや意味をなさないということになるのではないでしょうか。
今回示された対応方針はまだまだ課題が多いと見受けられますが、
新型コロナウイルス感染症対策を踏まえた避難所運営について、改めて市長の見解をお伺いします。
また、これらを踏まえた地域版ハザードマップの見直しも必要でないかと考えます。この点について、梅雨の時期となりますので、早急な対応を図るべきと考えますが、大西市長にお尋ねいたします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 本市におきましては、熊本地震等の教訓を踏まえまして、これまで地域防災計画を初めといたします防災関連計画の見直しを行いますとともに、避難所担当職員の配置や各種災害対処訓練の実施、防災井戸や避難所におけるマンホールトイレの整備など、ハード、ソフトの両面から災害に強いまちづくりを進めてまいりました。
また、校区防災連絡会や避難所運営委員会の設置促進、防災士の養成や地域版ハザードマップの作成、さらに、今年4月には洪水や土砂災害等の情報を集約いたしましたウェブ版の統合型ハザードマップを新たに公開いたしますなど、地域や市民の防災力向上にも積極的に取り組んでいるところでございます。
このような中、避難所における
新型コロナウイルス感染症への適切な対応といった新たな課題が生じましたことから、市民の避難行動や避難所の在り方について改めて検討を行い、取りまとめたところでございます。
避難所に関しましては、避難者の密集を避けるため、人と人との距離を十分に確保できるよう、避難者数の状況に応じて学校の教室や地域の市有施設等を順次開放することで、これまでどおり住民の皆様に身近な施設での受入れを行うこととしております。
また、避難される方で体調が優れない方には別室を用意し、さらに、コロナウイルス感染症の入院治療を終えた退院者の方や濃厚接触者の方など経過観察中の方には、他の避難者との接触を避けるため、新たに保健避難所を各区に設置するなど、全ての市民の皆様が安心して避難できる本市独自の体制を整えたところでございます。
今後は、地域の皆様と地域版ハザードマップの見直しや訓練を行いながら、避難所の安全性をより高めることとしておりまして、地域と一体となって万全の備えに取り組んでまいりたいと考えております。
〔12番
田島幸治議員 登壇〕
◆田島幸治 議員 熊本地震の教訓を踏まえ、ハード、ソフト両面から災害に強いまちづくりを進めてきたとのことで、今後の災害に対する備えができていることが確認できました。
また、先日の6月8日には、
新型コロナウイルス感染拡大防止を念頭に実動訓練も実施されたようですので、備えは万全かと思います。訓練の際の大西市長のコメントにも、実際の避難所の環境は訓練とは違うとありましたように、地域によって状況は様々ですので、地域版ハザードマップを地域住民とともに早急に見直す必要があると思います。
次に、多核連携都市の実現についてですが、本市では、平成21年3月に第2次熊本市都市マスタープランを策定し、人口減少・超高齢社会においても持続可能で誰もが移動しやすく、暮らしやすい都市を目指す中で、多核連携都市を将来像として掲げております。
具体的には、中心市街地と商業、医療などの生活サービスを充実した15か所の地域地点が利便性の高い公共交通で相互に連携する都市構造でございまして、市内15か所の地域拠点のうち、例えば北区のエリアで例に挙げますと、北区役所周辺、北部総合出張所周辺、楠・武蔵ヶ丘周辺地区などが地域拠点に位置づけられております。
また、住民の皆様にとって身近な生活拠点を守り、愛着の持てる地域の形成を図るために、地域拠点の周辺に立地する生活拠点については、相互に幹線道路や公共交通で結ぶことで、地域生活圏を形成することとされています。
このような都市整備の方針が示されて10年程度が経過しておりますが、現在、地元北区において生活する中で、多核連携都市の実感がなかなか湧いてこないのが正直な思いでございます。
一方、中心市街地につきましては、昨年9月のサクラマチクマモトの開業や、JR九州が熊本駅一帯で取り組む副都心づくりでは、駅ビルを中心とする商業空間だけでなく、住居系の整備も計画されています。中心市街地を地域経済の成長のエンジンとして位置づけ、交流人口の拡大や熊本都市圏の発展にも寄与されることには、私自身も大きな期待を寄せているところでございますが、今後、少子高齢化・人口減少社会が本格的に進む中で、住民の皆様にとって一番身近な生活拠点が守られるのか、懸念しているところでございます。
特に、私の地元は、菊陽町や合志市に隣接しておりますが、若い世代の方が結婚される際や家を建てるときには、菊陽町や合志市へ転出されるケースが少なくありません。住民が増えれば、スーパーや病院などの進出によって生活基盤がさらに整うことが想定されますが、逆に人口が流出すれば、地域が衰退していくことも考えられます。
そこで、大西市長へ2点お尋ねいたします。
本市が目指す多核連携都市について、その完成時期は設定されているのか、また、将来にわたって地域拠点をどのように維持されていくお考えなのか、お示しください。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 平成21年に策定いたしました都市マスタープランにおいて、中心市街地と15の地域拠点とが利便性の高い公共交通で結ばれる都市の構造を多核連携都市とし、その完成時期までは定めておりませんが、本市が将来にわたり目指す都市の将来像としてお示ししたものでございます。
この多核連携都市のまちづくりの実現に向けては、まずは中心市街地においてバスターミナルを含む桜町・花畑地区の再開発や熊本駅周辺の整備、さらにはまちなか再生プロジェクトなど災害に強く、まちの魅力を高める施策などを展開しているところでございます。
一方、地域拠点につきましては、平成28年に立地適正化計画を策定し、エリアを明確にするとともに、商業や医療など市民の暮らしを支え、維持するための機能をお示ししたところでございます。
今後、地域拠点につきましては、それぞれの地域特性に応じた施策を展開する必要があるため、本年度から都市機能の集積や交通アクセスの状況などについて、様々な観点から調査分析を行うこととしております。また、今後の新しい生活様式などを踏まえた都市の在り方も検討することとしておりまして、今後このような社会情勢の変化にも柔軟に対応し、多核連携都市の実現を目指してまいりたいと考えております。
〔12番
田島幸治議員 登壇〕
◆田島幸治 議員 多核連携都市の完成時期については、完成時期までは定めていないが、本市が将来にわたり目指す都市の将来像としてお示ししたものである、まずは中心市街地において展開するとの答弁でした。
地域拠点をどのように維持するかについては、それぞれの地域特性に応じた施策を展開する必要があることから、本年度から調査分析を行うこととしているということでした。
目標年次が2025年とのことでしたので、2025年にできるのかなという思いでしたが、この2025年、5年後には第1次ベビーブームの1947年から1950年に生まれた団塊の世代と呼ばれる最も人口の多い世代が75歳以上の後期高齢者になります。65才から74才の前期高齢者を含めますと、高齢者の人口は総人口の30%が高齢者という超高齢社会に達する見込みとのことです。
私の地元の龍田町弓削、代継宮のある三光団地など、中心市街地へのアクセスもままならぬ地域でございます。この点については、今後買物や病院への通院、移動手段の課題等が浮き彫りとなっていることから、幹線道路の整備や地域公共交通網の形成など、早急に取組をお願いいたします。この点は引き続き質問してまいります。
次に、自主自立のまちづくりについて質問いたします。
私は、冒頭に申し上げたとおり、自治会や消防団、
まちづくり協議会など地域活動に、微力ではございますが携わっておりますが、近年、全国的に地域のつながりの希薄化や地域活動の担い手不足により
地域コミュニティ機能が低下し、防犯防災、保健福祉、環境美化など地域の様々な課題に対応できなくなることが懸念されております。
本市が掲げる熊本市基本計画において、
地域コミュニティ機能の維持向上を図るためには、地域活動の後継者の育成や課題解決のための仕組みづくりが必要で、併せて、NPOやボランティアなどの市民公益活動のさらなる活性化に向けて地域との連携や支援の在り方を確立していく必要があるということから、4つの主な取組が計画されております。
まず1つ目が住民自治活動の支援、2つ目がまちづくり支援機能の強化、3つ目が地域活動拠点の整備・支援、4つ目が市民による公益活動の推進の4つの取組ですが、そこで、取組内容について文化市民局長に2点質問いたします。
1点目が、住民自治活動の支援の中に、地域の担い手育成、自治会未加入世帯の加入促進などに取り組むとありますが、具体的な取組をお示しください。
2点目に、地域活動拠点の整備・支援の中から、公設公民館、地域コミュニティセンター、地域公民館などの地域拠点の役割、機能を整理し、住民が積極的に活用できる施設としますとありますが、住民が積極的に活用できるための方策をお示しください。
〔井上学文化市民局長 登壇〕
◎井上学 文化市民局長 自主自立のまちづくりについて、2点お答えします。
まず、1点目の地域の担い手育成と自治会未加入世帯への加入促進についてでございますが、これまで若い世代をターゲットに町内自治会や地域の活動を紹介したパンフレットや冊子を活用した啓発を初め、専用ホームページやSNS等による情報提供など、幅広い世代に対する地域活動へのきっかけづくりにも取り組んでおります。
今年度は、地域情報を掲載したチラシ等の配布による自治会加入案内や不動産関連団体と連携協力した加入促進など、区役所とも連携して取り組んでいるところでございます。
2点目の地域活動拠点の活用についてでございますが、公設公民館や地域コミュニティセンター等の施設につきましては、稼働率や利用状況の偏り、管理運営手法、規模の適正化などの観点から、その在り方を検討しているところでございます。
昨年度は、各施設の現状課題を整理し、他都市の事例研究やマーケットサウンディングの実施、施設利用者や様々な世代のニーズを把握するためのアンケート調査などを実施いたしました。今後は、アンケート調査結果や利用実態を分析した結果を基に、誰もが利用しやすい自由度の高い施設となるよう検討してまいりたいと考えております。
現在は、
新型コロナウイルス感染症の影響により、外出や会合の自粛を余儀なくされるなど、地域活動が制限されている中、改めて人と人とのつながりや触れ合いがいかに大切であるかを実感しているところであります。
このように、地域に置かれましても大変厳しい状況ではありますが、むしろこの機を前向きに捉え、区役所と連携し、地域の皆様と対話を重ねながら、地域活動の解決へ向けた支援や地域活動拠点の整備・支援に取り組むことはもとより、これからのまちづくりについても改めて模索してまいりたいと考えております。
〔12番
田島幸治議員 登壇〕
◆田島幸治 議員 地域の担い手育成、自治会への加入促進については、若い世代を初め幅広い世代に対して地域活動への参加、きっかけづくりに取り組んでいるとの答弁でした。また、今年度は各区と連携した取組もされるとのことで、本日傍聴に来ていただいている各町内の自治会長さんたちも大いに期待が持てることと思われます。
地域活動拠点の整備については、昨年度実施したアンケート調査の結果を基に、誰もが利用しやすい施設づくりを検討していくとのこと。既に本年度よりコミュニティセンターの指定管理料の見直しもされましたし、各施設の現状と課題の整理ができている結果だと評価しております。
また、龍田西校区には、地域の拠点となるコミュニティセンターもなく、公民館が1か所あるだけですので、建設用地などの問題はあると思いますが、改めて整備と支援をお願いいたします。
まちづくり支援機能の強化については、まちづくりセンターのセンター長を初め地域担当職員の方が休日や昼夜を問わず相談や要望に応えながら積極的に地域の活動において支援をいただいており、非常に助かっております。大西市長の決意にもありますとおり、地域主義による新しい自治の形が機能しているものと感謝いたします。今後も、各区、本庁各課との連携を密に、さらなる支援をお願いいたします。
次に、登下校時の子供の安全確保について質問いたします。
子供の安全確保は、安全安心な社会の要です。しかしながら、登下校中の児童の未来ある尊い命が奪われるといった痛ましく許し難い事件や事故が後を絶ちません。今年2月にも千葉県鎌ケ谷市の住宅街で通学途中の小学生が石で殴られる事件が発生しております。
子供が被害に遭った犯罪では、15時から18時の下校時間帯に集中している傾向があるそうです。従来、登下校時における子供の安全確保をするための対策は、地域の子は地域で守るという観点から、地域自治会等において努力されてきました。その活動は、現在も登下校の見守りや青パトによる防犯パトロールなど、地域の安全に大きく貢献されております。
しかし、地域ボランティアの高齢化や担い手不足は全国的な課題ではないでしょうか。加えて、共働き家庭の増加に伴い保護者による見守りが困難となっている上、放課後児童クラブなど放課後の時間を自宅以外で過ごす子供が増加し、下校、帰宅の在り方が多様化していると考えられます。
したがって、従来の見守り活動に限界が生じ、地域の目が減少するに伴い、下校時に独りで歩く独り区間が増えて、見守り空白地帯が発生していることが現状です。この見守り空白地帯における子供の危険を取り除くために、登下校時における防犯対策が急務であると考えます。
手薄になった見守りの隙をつき、監視の目の届かない場所を見つけ出すのが犯罪者です。平成30年5月に新潟市において下校途中の7歳の児童が殺害された事件を受けて、関係省庁により登下校時の子供の安全確保のための対策が協議され、関係閣僚会議において登下校防犯プランが作成されております。
本市も、国が策定した登下校防犯プランを基に、警察などの関係機関と連携し、平成30年度に通学路の防犯点検を実施されております。通学路の防犯点検は、国が示す要領に沿って学校安全対策協議会等で保護者や地域住民等から寄せられた情報を基に、各学校において危険箇所を抽出し、警察や地域団体等の協力を得ながら点検を実施しているとのことですが、実施状況と危険箇所に対してどのような対策を講じておられるのか、教育長にお尋ねいたします。
〔遠藤洋路教育長 登壇〕
◎遠藤洋路 教育長 通学路の防犯点検の実施状況と危険箇所への対策についてお答えいたします。
本市における登下校防犯プランに基づく点検については、警察や道路管理者と合同で、平成30年7月から9月にかけて市内全域で148か所の点検を行いました。点検で確認された危険箇所への対策については、警察によるパトロールの強化、防犯ボランティアやPTA等による登下校時の見守りの強化、こどもひなんの家への協力依頼等を行ってまいりました。また、対策の一つである防犯カメラの設置については、関係部署と協議を重ねているところです。
加えて、昨年度からは、警察や道路管理者等と合同で実施している通学路合同安全点検の際に、防犯の視点を取り入れた点検を実施しているところです。
〔12番
田島幸治議員 登壇〕
◆田島幸治 議員 ありがとうございました。
教育委員会、学校、警察、道路管理者により、市内全域の点検が行われているとのこと。加えて、昨年度から防犯の視点を取り入れた危険箇所の点検も実施され、防犯カメラの設置も関係部署と協議が重ねられているとのことで安心しました。
今年の1月19日の地元紙の記事にもありましたが、熊本県警が昨年1年間に解決した重要犯罪の検挙率が過去最高を記録し、初めて100%を超えたそうです。大きな要因は、地域の防犯ボランティアの結成による見回り活動に加え、防犯カメラが普及したからとのことでした。最近では全国ニュースでも犯罪現場を捉えたニュース映像を数多く見ますし、防犯カメラが犯人検挙の手がかりになったとの報道は、皆さんも毎日のように耳にすることと思います。防犯カメラの設置は、犯罪の抑止に絶大な効果があり、その効果のデータは日本のみならず世界各国にあるそうです。
そこで、熊本市基本計画の安全で安心して生活できる社会の実現に、防犯灯、カメラ付き防犯灯の整備支援により、地域防犯の強化を図りますとありますが、具体的な整備の支援と今後の取組について文化市民局長にお尋ねいたします。
〔井上学文化市民局長 登壇〕
◎井上学 文化市民局長 本市では、安全で安心して生活できる社会の実現に向けて、各校区の防犯協会を初め、地域団体、熊本県警察等と連携し、防犯活動の推進を図っております。その中でも、防犯灯及びカメラ付き防犯灯の設置は、巡回パトロールと併せまして犯罪の未然防止と地域防犯の強化につながるものと考えております。
現在、各町内自治会等が新規に設置する防犯灯及びカメラ付き防犯灯の整備支援につきましては、市内4警察署管内にある各地区防犯協会を通して設置費用の一部補助を行っております。
また、防犯灯の電気代やLED灯への取替え費用につきましては、町内自治会へ補助を行っているところでございます。
今後も引き続き、各地区の設置状況と地域ニーズ等も把握しながら、整備支援を継続することとしており、地域一体となって安全で安心なまちづくりに取り組んでまいります。
〔12番
田島幸治議員 登壇〕
◆田島幸治 議員 地域ニーズ等を把握しながら整備支援を継続するとの答弁をいただきました。子供の犠牲を未然に防ぐことはもちろんのこと、女性に対する性被害も近年耳にすることが非常に多くなっております。人は防犯カメラが設置されていることを知りながら犯罪を犯そうとはしません。それは、犯行の瞬間を記録されれば、その後自分が特定され、責任を追及されることが分かっているからです。カメラ付き防犯灯の早急な整備をお願いいたします。
次に、地域福祉についてお尋ねいたします。
まず、民生委員の確保についてでございますが、承知のとおり、民生委員は市長の推薦で厚生労働大臣が委嘱する特別職の地方公務員であり、任期は3年で、児童委員も兼ねておられます。
本市では、現在1,316人が委嘱されており、1人当たり平均約220世帯から440世帯を御担当され、高齢者や障がい者への安否確認を初め、子育てや生活困窮者に関する相談、あるいは青少年の問題行動の把握など業務が非常に多岐にわたっております。
このような地域福祉の推進において中心的な役割を担う民生委員について、本市の充足率は約90%で推移しており、担い手不足が課題となっておりますが、このことは全国的な傾向でもございます。
厚生労働省によりますと、昨年12月の一斉改選時において、民生委員の充足率は全国平均で95.2%、2016年の前回改選時から1.1ポイント低下し、欠員は1万1,476人に上がったとのことです。また、都道府県、政令指定都市、中核市のうち定員に達したのは富山県と甲府市だけだったとの結果であります。
このように、民生委員の定員割れが全国的に深刻化しておりますが、国においては70歳現役社会を見据えた法整備が進み始めていますので、雇用年齢の延長等を背景にますます担い手の確保が困難になるのではと危惧しております。
そこで、健康福祉局長へお尋ねいたします。
近年、孤独死や児童虐待などの社会問題が多様化し、民生委員の業務負担が増加していること、また報酬は法律で無給と規定されていますが、交通費や通信費に相当する活動費の支給は可能となっております。民生委員の確保については、業務内容やサポート体制、財政支援の在り方など、時代に相応した抜本的な見直しに取り組むべきと考えますが、見解を御答弁お願いいたします。
〔
石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕
◎石櫃仁美 健康福祉局長 民生委員・児童委員の方の業務負担軽減につきましては、これまで熊本市民生委員児童委員協議会や市社会福祉協議会と定期的に協議を行いながら、地域における活動をサポートする取組を進めてきたところでございます。
具体的には、スキルアップを目的とした研修会を開催することで、複雑化する市民の方からの相談などに対応できるよう支援するとともに、地域団体関係者への働きかけや活動内容に関する市民向けの啓発などを行い、新たな担い手確保に努めてまいりました。併せて、民生委員の方個人に対します交通費などの活動費の支給や、民生委員児童委員協議会に対します補助金を支出するなど、財政支援を行いながら個々の委員の活動を活性化し、地域福祉の増進に努めております。
しかしながら、議員御指摘のとおり、依然として担い手確保は課題でありますことから、引き続き市社会福祉協議会とともに連携しながら活動を支援し、今後民生委員・児童委員経験者によるサポートの仕組みの検討や地域団体への継続した働きかけを行うとともに、他の自治体の取組なども参考とし、担い手確保対策に取り組んでまいります。
〔12番
田島幸治議員 登壇〕
◆田島幸治 議員 現在の民生委員制度の前身である方面委員制度を創設したのは、民生委員の父と呼ばれる林市蔵氏で、本市西区横手の出身ということは皆さん御存じのことと思いますが、昨年4月、桜町に胸像と記念碑が建立されております。その林市蔵氏の名のためにも、他の自治体に先駆けた事例となるよう、今後の取組を期待します。
引き続き校区社会福祉協議会への支援についてお尋ねいたします。
社会福祉協議会に関しては、御存じのとおり、社会福祉法に基づき全国都道府県、指定都市、市区町村にそれぞれ設置されている民間福祉団体でございます。本市では、さらに地域自らが校区単位で社会福祉協議会を設立しております。
小学校区単位で設置されている校区社会福祉協議会、いわゆる校区社協は、地域福祉の最前線とも言える位置づけで、住民に最も身近な立場で地域の福祉課題の掘り起こしと解決に向けた調整役を果たされております。
その取組を例に挙げますと、高齢者等が気軽に楽しく集える場づくりを目指して、校区社協を中心とするボランティアと地域福祉の関係団体が協力し合い、さらに当事者である高齢者等の自発的な参加を促す取組が平成25年1月末時点で79校区中399か所において定期的に行われています。
また、熊本市内に居住する高齢者や障がい児、障がい者へお弁当などを提供することによって、利用者の自立的生活を助長、社会的孤立感の解消及び心身機能の維持や向上を図ることや、地域住民がボランティアへ参加するきっかけづくりにも力を入れておられます。
一方、本市が令和元年6月に校区社協を対象にしたアンケートによりますと、担い手が不足しているという回答が約7割、財源が不足しているとの回答が約5割であり、今後とも校区社協が持続的に活動される上でも、行政支援の必要性を強く感じるところでございます。
そこで、健康福祉局長へ2点お尋ねいたします。
1点目、校区社協の構成員は、自治協議会や民生委員・児童委員、老人クラブ等と兼務しているケースが多く、特に民生委員・児童委員への負担が大きいようでございますので、人材確保に向けた取組をお示しください。
2点目、近年、自治会への加入率や社会福祉協議会への香典返しの寄附が低下していることは、校区社協の収入減少に大きく影響しております。地域住民等が主体的に地域の課題を解決するに当たっては、校区社協の財政状況を安定化させる必要がありますが、具体的な対策を答弁願います。
〔
石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕
◎石櫃仁美 健康福祉局長 校区社会福祉協議会への支援の2点の御質問にお答えいたします。
3点目、公園整備についてです。
これはバリアフリー、この前も質問しましたが、昨年9月の予算決算委員会で高齢者や障がい者に優しい公園の整備についてということで質問をし、局長からは、利用状況に応じてその整備水準を検討し、手すりやスロープの設置等必要な改修を実施との一定前向きな答弁があったところです。
しかし、私の近くの地元、武蔵校区の西公園の階段横の手すり設置はいまだなされていません。今後、バリアフリーの公園整備の具体化に向けての取組として、地域の要望の手挙げ方式だけではなくて、整備が必要な公園の調査を行って、市内全域の公園整備の計画的なバリアフリー化に向けて取り組んでいくべきと考えていますが、局長の考えはいかがでしょうか。
以上3点、よろしくお願いします。
〔田中隆臣都市建設局長 登壇〕
◎田中隆臣 都市建設局長 樹木管理や道路・公園の整備に関する3点のお尋ねにお答えいたします。
初めに、街路樹管理の方針についてでございますが、昨年度、学識者や専門家、一般公募の市民等で構成された街路樹再生計画策定委員会での議論や、地域・議会への説明を行いながら、本年3月、第1期熊本市域街路樹再生計画を策定したところでございます。
この計画では、安全・快適、景観・魅力、維持管理に係る3つの再生方針を掲げており、まずは第1期の5年間において重点路線に位置づけております主要地方道熊本高森線、通称電車通りと、同じく熊本益城大津線(第二空港線)を重点的に実施していくこととしております。
また、そのほかの路線につきましても、本計画での基準を基に、地域ニーズを踏まえた管理を行ってまいります。加えて、持続可能な管理・活用の観点から、公民連携手法についてさらなる検討を深めていくこととしております。
次に、地震後の道路の亀裂等につきまして、令和元年度9月補正後の対応状況でございますが、舗装の補修、側溝蓋の修繕や白線引き直しなど485か所の対応が完了したところでございます。
また、令和2年度当初予算におきましても、舗装・補修や地元改築要望などに係る予算を前年比約1.2倍と増額し、順次対応を進めております。
また、生活道路の舗装におきましては、路面状況調査に基づき優先度の高い路線から計画的補修を進めることとしており、さらなる適正管理に努めてまいります。
最後に、公園のバリアフリー化については、これまでお答えしておりますとおり、利用者の多い地区公園や近隣公園など比較的規模が大きいものから順次整備を行ってきたところでございます。一方で、規模が小さい街区公園などについては、箇所数も多く、出入口や園路など施設ごとのバリアフリー化を実施し切れていない状況にございます。今後は、街区公園等につきましても、公園パトロールと併せた調査を実施し、公園の立地や利用状況に応じた整備水準や優先順位の検討を行い、手すりの設置など必要なバリアフリー化について取り組んでまいります。
〔22番 福永洋一議員 登壇〕
◆福永洋一 議員 ありがとうございました。
樹木等の管理については、市として街路樹再生計画を今年度作成したということで、今後の具体的な取組を注視していきたいと思っています。
ただし、気になるのは、重点路線についてお話がありましたが、重点路線以外の対応としてはということで、計画書を読ませていただくと、本計画で策定された路線整備計画に基づき、地域の声を踏まえつつ、各土木センターにて実施を水平展開するという1行組みの記載になっています。重点路線以外は従前どおりの手法で進みはしないかということで懸念しているところです。重点路線以外の管理についても今回策定の方針に基づいて撤去、剪定、保存等、計画的に予算化含めて適正に迅速に対応を願うものです。
また、街路樹の管理について、委員会の中の議論には市民への意識の啓発や市民協働での街路樹の管理等の取組という項目も記載されていたところです。それについても力を入れていただきたいと思っています。
歩道・道路等の整備については、9月補正分の取組は終了ということで、今後、生活道路の舗装については路面状況調査に基づいてまた補修を進めるということで、地域の要望等を踏まえて計画的な取組をよろしくお願いします。
公園整備についてのバリアフリー化についても、調査に基づき整備水準、優先順位に基づき改修に取り組むということで、前向きな答弁ということで評価したいと思います。地元公園の整備も含めて、具体化に向けた取組をよろしくお願いします。
次に、2点目の(2)地域交通網の整備についてです。
今回の質問は、2020年1月27日に示されましたバス交通のあり方検討会検討成果、会派に事前配付してありますが、その内容について3点、そしてもう一つ、今回のコロナの影響によるバス・市電の収支状況等を踏まえて1点、4点質問をさせてもらいます。
先に3点質問します。その前に、公共交通の在り方については、少子高齢化社会を迎えるに当たって、熊本市としては市内中心部、どちらかというと中央、東区だけの取組ではなくて、広域、郊外部と言ってしまうと語弊があるかもしれませんが、私の住む北区も含めて西区、南区、北区を含んだところでの公共交通の在り方の議論をきちっと行っていただいて、地域交通の整備が必要だと思っています。地域によっては、もうこれまでしつこく言っていますけれども、買物、病院に行くのに不便を来しているところも私の地元にもあります。地域の公共交通網の整備は喫緊の課題と思っています。
そのような中、一昨年の市長選の際に、市長のマニフェストとしてバス事業の経営統合の方針が示されました。当初、唐突な印象を受けて、実現できるのか懸念して、一昨年12月の質問でその目的、内容、方法等をお尋ねしたところです。当時の市長の答弁は、バス事業者のトップの方々と経営統合も含め将来のバス交通事業の在り方について議論し、方向性を共有したいという答弁でした。
以後、幾度となく協議を重ねられて現在に至り、当初の懸念を払拭され、今年1月には検討会の検討成果が発表になったところです。市長を初め関係者の努力に敬意を表したいと思っています。
そこで3点質問です。
1点目、これは市長に答弁願います。バス事業者5社の共同経営に向けて、市としてのバス事業者との連携や財政支援の在り方等についての基本的な考え方と進め方をお示しください。
2点目、これは都市建設局長にお願いします。先ほど事前に配付してあります資料の中に、あるべき路線網の実現に向けた取組ということで、新規路線やニーズに沿った増便の記載があります。運転手が不足している中、実現可能なのでしょうか。
地域によっては、先ほど言いましたように病院・買物等に不便を来している実態があります。廃止、間引きされた路線も復活の路線として対象に検討すべきと考えているところですけれども、新規の路線、廃止、間引きされた路線復活が困難であれば、郊外の地域交通網の整備としての
デマンド、乗合タクシー等の整備を検討すべきと思っています。市としての基本的な考え方や具体策について今後の方針をお示しください。
3点目、利用促進策ということで記載されていまして、無料の日を実施されましたけれども、今年は秋頃にバス・電車100円の日を実施したいということでしたけれども、もしするならば、対象の区域等どこまで広げてやるのか、秋頃実施と記載されていましたが、コロナの影響もある中、本当に実現できるのかなという心配があります。このことについても答弁願います。
以上、よろしくお願いします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 バス交通は、利用者の減少や運転手不足など大変厳しい状況下にありますが、将来にわたり市民の重要な移動手段であるため、経営基盤の強化に向け、経営統合を含めたバス交通の在り方を見直すことが急務と考え、私のマニフェストに盛り込んだところです。
その後、昨年1月からバス事業者トップの方々と将来のバス交通について意見を交わし、昨年3月には県にも参画いただきまして、バス交通のあり方検討会を設置し、利便性の高いバス路線網と運行体制などについて検討を重ねてまいりました。そして、本年1月に検討成果を公表いたしまして、国の独占禁止法特例法案成立を前提に、バス事業者5社が共同経営型の事業形態に移行し、会社間の垣根を超えてバス路線網の再編や利用促進策に取り組んでいくことを確認したところでございます。
本年4月には、共同経営準備室が設置されまして、また、5月に成立いたしました独占禁止法特例法が11月に施行されることなど、共同経営に向け着実に進んでいると考えております。
この取組は全国初の事例でございまして、持続可能なバス交通の在り方として大変注目をされております。今後、具体的な取組の進展に伴いまして公共交通の利便性が高まることは、利用者の増加や経営の安定化につながり、さらには本市のまちづくりにも大きな効果をもたらすと考えております。
このようなことから、本市としては法執行後の速やかな共同経営事業の実現に向け、バス事業者や県と十分連携いたしまして取り組んでまいりますとともに、財政支援や人的支援についても積極的に講じてまいりたいと考えております。
〔田中隆臣都市建設局長 登壇〕
◎田中隆臣 都市建設局長 公共交通に関する2点のお尋ねにお答えいたします。
初めに、あるべきバス路線網の実現に向けた取組についてでございますが、熊本地震発生後の運転手不足が深刻化する中で、バス事業者5社におかれましては、今後10年間でさらに約150人が減少するという厳しい状況を予測されているなど、新規路線の運行やニーズに沿った増便については現時点において非常に難しいものと認識しております。
しかしながら、今回、共同経営準備室が設置され、バス事業者5社が同じテーブルに着かれることで、重複区間の最適化や経営資源の最適配置が進み、効率的なバス路線網の再編が進んでいくものと考えております。
本市といたしましては、この動きと連携しながら、これまで実施しております
デマンドタクシーなどのコミュニティ交通を組み合わせ、公共交通全体を支えることが重要と考えております。
その際、新たなモビリティーサービスの活用も含め、関係者と協力しながら取組を進めてまいります。
次に、利用促進策についてでございますが、昨年9月のサクラマチクマモトの開業に併せて実施されたバス・電車無料の日におきましては、通常の2.5倍に当たる約25万人が公共交通を利用されており、また約5億円の経済波及効果があったことなどが報告されております。
この取組については、公共交通の利用者数の増加のみならず、まちのにぎわいの創出にも寄与するなど、大きな効果があったと全国的にも注目を集めたところでございます。特にバス交通におきましては、減少に歯止めがかからなかった利用者数が9月から微増傾向に転じるなど、明るい兆しが見えておりました。しかしながら、2月以降、
新型コロナウイルス感染症の拡大により、一転減少傾向に陥っている状況にございます。
今年度は、無料の日の第2弾に当たるバス・電車100円の日が昨年度と同規模で計画されており、当初は秋頃に実施する予定とのことでございました。しかしながら、感染症拡大により状況が一変しましたため、現時点においてはその状況を見極めた上で実施時期を判断されると伺っているところでございます。
〔22番 福永洋一議員 登壇〕
◆福永洋一 議員 バス事業者5社の共同経営に向けては、4月に共同経営準備室が設置されたということで、11月の法施行を見据えて共同経営事業の実現に向けて取り組むということで、実現に当たっては財政支援、人的支援含め、取り組むということですけれども、今後の取組に期待しながらも、コロナの影響で各事業者非常に厳しい状況です。市としてもより一層の支援が必要だと思っています。
あるべき路線網の実現に向けた取組についてですが、運転手の確保等を含めてですけれども、厳しいということで、新規路線の運行・増便は困難というお話です。
モビリティーサービスの活用等、
デマンドタクシーの社会実験もそうですけれども、今回の予算の見直しで新モビリティーサービス検討経費700万円がゼロになっています。
デマンドタクシーの社会実験も予算も組まれていましたけれども、コロナの影響で今、足踏みの状態です。今後、収束後にはきちんとした取組ができるよう予算確保等を含めてよろしくお願いしたいと思っています。
利用促進策、秋の日のバス・電車100円の日は、実施時期も不透明ということで、これもコロナ収束後の取組に期待したいところです。
最後の4点目の質問に入ります。
コロナの影響によって、バス・市電の乗客数が大幅に減少しています。その対策についてもお聞きしたいと思っています。2点についてです。
利用状況の実態はこの2月以降どうでしょうか。それに対する見解、今後の収支改善策としてどのような対策を打っていかれるのでしょうか。答弁をバス事業については都市建設局長、市電については交通事業管理者に答弁を願います。
もう1点、財政補填等の支援策について、これは市長に答弁を求めます。市としての対策、国への要望等の必要性を感じています。バスも市電も今後の経営について危機的な状況にならないか懸念しています。今回、国の2次補正で地域のバス・鉄道など交通事業者向けの補助として138億円が計上されました。しかし、この対象はバス事業者、中小私鉄等であり、支援内容、今後の運行維持に関わってのコロナの感染防止の経費等というふうに表現されています。これまでの赤字補填とはなっていないような予算です。バス事業者、市交通局に対しての市としての今後の財政補填に加えて、国への要望として地域交通を維持するための財政補填を市長会などを通して求めていただきたいと思っています。答弁をよろしくお願いします。
〔田中隆臣都市建設局長 登壇〕
◎田中隆臣 都市建設局長 私からは、バス事業者における
新型コロナウイルス感染症の影響等についてお答えいたします。
公共交通につきましては、緊急事態宣言下においても事業継続が求められ、一定のサービスが維持されてまいりました。その結果、バス利用者は4月の1か月間で約5割減少するなど、大変厳しい経営環境にあると認識しております。
また、感染拡大に伴う利用者減少に加え、
新型コロナウイルス感染症の収束期が見えない中で、新しい生活様式への対応に迫られるなど、今後の経営に見通しが立たず、先行きを不安視するバス事業者の声を聞いてございます。
本市としましては、
バス運行補助金の概算払いなどを実施し、運行を継続するための支援を行いますとともに、感染症予防や新しい生活様式への対応等につきましてもバス事業者と十分連携しながら検討を進めてまいりたいと考えております。
〔古庄修治交通事業管理者 登壇〕
◎古庄修治 交通事業管理者 私からは、市電に関してお答え申し上げます。
まず、影響についてでございますが、バス事業同様、市電につきましても感染症拡大防止のため、不要不急の外出自粛が求められている中で、本年3月から5月までの3か月間で対前年度比乗車人員で約55%、運賃収入で約53%、それぞれ減少しております。
一方で、需要が大幅に減少する中においても、交通局では
社会経済活動を支える基盤としての責任を果たすために、運行本数等のサービスについて従前の水準をおおむね維持してまいりましたことから、今年度の収支は大幅に悪化するものと認識しております。
そこで、その対策についてでありますが、今後速やかに事業の見直し等によるさらなる経費削減や国の支援制度等の効果的な活用を図り、収支悪化の抑制に努めてまいります。加えて、感染症拡大防止のための新しい生活様式への対応や、少子高齢化や人口減少などを見据え、ダイヤや運行体制の再編など従前の枠組みにとらわれない大胆な改革に取り組み、将来にわたる経営基盤を強化してまいりたいと考えております。
さらには、都市圏公共交通の基幹軸を担う交通事業者として、バス事業者などと連携の下、利便性が高く持続可能な公共交通網の再編にも積極的な役割を果たしてまいりたいと、そのように考えております。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 ただいま都市建設局長と交通事業管理者から答弁がございましたとおり、感染リスクがある中で市民の移動手段を確保するために公共交通を維持していただいております関係者の皆様に、改めてこの場をお借りしまして敬意を表したいというふうに思います。
また、この間の利用者の大幅な減少と経営環境の悪化につきましては、私自身も強い危機感を持っております。このようなことから、本市といたしましては、交通事業者に対しまして国の補助事業の積極的な活用を促しますとともに、バス運行補助制度を弾力的に運用するなど、様々な支援策や対応策をスピード感を持って実施いたしまして、この難局をともに乗り越えてまいりたいと考えております。
また、国に対しましては、本市が様々な支援策を講ずるに当たり、財政的な支援を十分に行っていただきますよう指定都市市長会による要望や県選出の国会議員の方々に御協力をいただくなど、様々な機会やルートを通じ、積極的に働きかけをしてまいりたいと考えております。
将来にわたり公共交通を維持するということは、市民生活やまちづくりにおいて極めて重要でございます。そのため、バス事業者による共同経営の実施に向けた準備が始まるこの機をチャンスと捉えまして、本市といたしましてもバス事業者と十分に連携し、公共交通の抜本的な改革に取り組んでまいりたいと考えております。
〔22番 福永洋一議員 登壇〕
◆福永洋一 議員 バス・電車ともに収入が大幅に減少ということ、あるバス事業者では夏のボーナスが支給されないのではとささやかれています。今後の経営等についても心配する声が聞こえてきています。バス・電車ともに市民の移動を保障するための公共交通機関として、なくてはならないものです。少しずつ乗客数は増加しているものの、今後、事業者単位での経営努力、市の支援だけではバスも市電も経営自体が成り立たなくなるのではと懸念しています。市長会でも財政支援について国に対して要望されたということですけれども、今後も具体化に向けて引き続き取組をよろしくお願いいたします。
2点目の(3)です。各担当局長の答弁をいただきたいと思っています。
災害時の地域の対応力強化の取組についてということで、ちょっと長くなりますが、質問の前に地域の状況等を報告して問題提起もしながら質問に入っていきたいと思いっています。
地震から4年が経過しました。各校区に防災連絡会の設置も呼びかけて、半分以上がもうできています。ただ、各校区で避難訓練等も実施されていますけれども、地域によっては防災連絡会の設置がない、連絡会があっても訓練が実施されていないという地域もあります。訓練が実施されていても、その内容は規模等も含めて様々です。格差がどんどん広がっていると思っています。新たな課題としては、午前中にも今日提起がありましたが、新型コロナ感染の拡大によって、感染症対策としての市民の避難や小中学校等避難所運営等の在り方を見直す必要があります。
そのような中、先日政策局から避難所における
新型コロナウイルス感染症への対応の概要が示されました。今後、地域でどのように具体的に運営していくのか、指針や具体的なマニュアル等を作成し、市民への啓発や地域での訓練の実施が必要だと考えています。これまでの取組の事例を幾つか紹介させてください。
楠中央公園には、大規模の防災倉庫、そして地下に貯水槽があります。これは市内に9か所ぐらいあるんですけれども、この楠校区の防災倉庫の中に入っているいろいろな備蓄物品は、楠校区だけのものではありません。水も含めて近隣の校区の2万人規模の人たちのための備蓄倉庫です。この倉庫なり水を利用して、震災前までは毎年校区での避難炊き出し訓練があっていましたが、震災後はこの訓練は全くあっていません。
震災時は、前も述べましたが、倉庫は消防の職員が開けたものの、その後の管理は市民のボランティアの人たちで、そして楠校区の人たちだけにその備品、物品が配られていたというのが実態です。その後の管理は地域任せで全くの不備があったということで、これまで問題提起をしてきたところです。
あと、私の校区、武蔵校区、そして近隣の麻生田校区の取組です。特に頑張って、人、組織、仕組み、場所づくりで一生懸命頑張っています。地震後から毎年春と秋の2回は必ず訓練をやっています。避難訓練、炊き出し訓練、防災講座等を実施しているところです。ただし、課題として地震から4年が経過して全体的に災害への備えの意識が低下しています。訓練参加者はほとんど60代以上の高齢者です。固定化してきているところです。子供や子育て世代の参加がほとんどありません。自治会の役員の交代でなかなか人が育たないという課題もあります。
そして、一番は、災害時に支援を必要とする人の避難の在り方、名簿はあるんですけれども、それをどういうふうに活用するのか。その避難者の安否確認を誰がどういうふうに行うのか。どこかに連れて避難させなければいけませんが、その輸送計画なり施設整備も含め、施設への振り分け等、誰がどのように行うのか、全く手つかずの状況です。
今後、武蔵校区では秋の訓練、できるかどうか分かりませんが、災害時に感染症対策も含めてですけれども支援を要する人たちをきちっとやはり把握して、そのニーズ等を把握して、どこに誰がどういうふうに避難させるのかという訓練もしていきたいなと思っています。
現在、コロナの影響により、熊本地震などの地震があった場合、当時のような避難者が何百人という受入れは、はっきり言ってもう困難です。避難所の受入れについても、今後は一定制限して、本当に支援が必要な人のすみ分けが必要だと思っています。校区としては、災害があったときに支援を望む人の数とどんな支援が必要ですかというのをきちんと把握して、安否確認、避難先の選定と振り分け、支援内容、輸送体制等を含めて整備していきたいと思っています。
避難先は自宅や公園や小中学校やコミセンや福祉避難所、そして今回市が指定します保健避難所もあるかと思っています。そこで質問3点です。
現在の各地域の備蓄状況はいかがでしょうか。箇所数、備蓄内容等、政策局長に答弁願います。
2点目、先ほど楠の防災倉庫の話をしましたが、その防災倉庫の管理と飲料水等の物資の供給体制について、これも政策局長に答弁願いますが、現在大規模な公園が9か所あります。耐震性貯水槽もあります。プラス、災害用貯水施設が1か所、計10か所あるんですけれども、またあのような地震があったときに誰が鍵を開けてどのように管理するのか、避難所等に誰が物資を供給するのか、これについて地域任せでなく行政としてのきちんとした責務があると思っています。そのための組織づくりはできていますでしょうか。管理と物資の供給の在り方のマニュアルはあるんでしょうか。今後行政と地域が連携した実動訓練が必要と考えていますが、いかがでしょうか。防災倉庫の管理を地域の防災連絡会に任せても、防災連絡会は近隣の小中学校の避難者の対応に追われて、防災倉庫の管理まではできないのというのが実態だと思っています。
3点目、災害時要支援者名簿の新たな作成と活用ということです。これについては、私も勘違いしておったんですけれども、1つが、一昨年、平成30年9月7日に上田市議が質問された中身に災害時要援護者避難支援制度というのがあります。これは、私は地震なり水害があったときに助けてくださいという手挙げをして同意をもらった人たちの名簿です。支援制度です。これについて上田市議が質問されて、どういうふうに使っていきますかという質問に対して、局長は、支援制度の手引、名簿の配布法について見直し中、地域の民生委員や自治会等の地域団体の日頃からの連携を促進し、本制度の有効な運用が図られるよう取り組むという回答があっています。これについて、その後の具体の取組内容について答弁を願うものです。
もう一つの質問です。
今、災害行動要支援者名簿というのがあるんですね。先ほど言いました災害時要援護者避難支援制度ではない、これがごっちゃになってしまうんですが、手挙げ方式の人の名簿も含めてできている名簿があります。これは、要介護3から5、身障の方、療育手帳のお持ちの方、精神関連の人も含めて、これはもう本人の同意なく名簿登載ができます。そして、先ほど手を挙げた人たちのことも含めて載っている災害行動要支援者名簿という名簿があるんです。
ところが、4年前、地域の民生委員の方たちは、この名簿を活用して安否確認にも行かれました。ところが手を挙げて助けてくださいという人たちを助けたシステムができているかというと、できていなかったんですね。だから、上田市議も、実際地震が来たときにこの手を挙げている人たちの、同意した人達をきちんと助けるシステムをきちんとしないといかんよという話があったんですが、私は、もう全ての人、要介護3から5と書いてありますが、要介護1・2の人でも私は避難所に行かなければ、福祉避難所に行かなければ、自宅では生活できませんよ、避難生活送れませんという人がいます。
だから、対象を限定せずに、災害時に支援を要する人を行政としてやはりきちんと把握すべきではないかということで、新たな名簿の作成を要望しているところです。地域できちんとそういった情報を共有化して、同意をもらって、例えば上田さんは、西岡さんは、誰々が助けに行きますよ、あなたは福祉避難所ですよ、あなたはコミセンですよと、そういったのをやはり決めておかないと、実際地震があって、来た人たちをさあどうしようといっても大変なことになるということで、市としての新名簿の活用策の具体化や災害時に支援を要する人の避難や輸送等のマニュアル作成と訓練等が必要ではないでしょうかという質問です。
以上3点についてよろしくお願いします。
〔田中俊実政策局長 登壇〕
◎田中俊実 政策局長 私からは、各地域の備蓄状況の確認、防災倉庫の管理と物資の供給体制についてお答え申し上げます。
まず、各地域における備蓄状況につきましては、中央区白川公園を初めとする都市公園10か所に設置した防災倉庫、まちづくりセンター等14か所に設置した備蓄倉庫、小中学校等の指定避難所180か所に設置した分散備蓄倉庫におきまして、災害発生時に必要となる飲料水、アルファ米などの物資、発電機やリヤカーなどの資機材を備蓄、保管しております。
このうち、防災倉庫は設置している倉庫の中でも最も規模が大きく、食糧等の物資や資機材が大量に備蓄・保管されておりますことから、その維持管理につきましては、熊本市防災倉庫に関する維持管理規程に基づきまして、市が直接行っているところでございます。
また、大規模災害時などの緊急対応に備えまして、地元消防団や自治会も利用できますよう共同で防災倉庫の鍵の管理を行っておりますが、熊本地震の際は、地元の方が併設している耐震性貯水槽の使用方法が分からず、迅速な対応ができなかったところもございました。
議員御指摘のとおり、災害時における備蓄物資の活用や防災倉庫の運用体制が十分ではなかったことから、今後は、現行の行政主導の維持管理体制の下で、避難所運営マニュアルの見直しや備蓄物資を活用した震災対処実動訓練を実施するなど、地域との連携を図りながら防災倉庫等の適切な運用に取り組んでまいりたいと考えております。
〔
石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕
◎石櫃仁美 健康福祉局長 災害発生時には、要援護者を安全かつ確実に避難誘導することが大変重要であると考えております。
事務局長 富 永 健 之 事務局次長 和 田 仁
議事課長 池 福 史 弘 調査課長 下錦田 英 夫...