まず1番目に、本庁舎の建てかえについてでございます。
今回の定例議会でも何度か質問が出ておりますが、本庁舎の建てかえ検討については、また違った観点から質問させていただきます。
9月6日の一般質問でも、庁舎整備に関する特別委員会で参考人招致されたお二人の意見を受けて、本庁舎に対する市長のお考えをお聞かせいただきました。
市長のお考えは、熊本地震を経験した本市として、本庁舎が現行の建築基準法が定める基準を満たしていないことが判明した以上、行政の責務として、想定できる最悪の事態に備え、万全な対応をとらなければならないとのことでした。耐震性が不足しているとわかった中でそのままでいいはずがないということは、私も同じ考えでございますが、本庁舎へ来庁される市民の皆様や毎日働かれる職員の皆様を危険にさらすことは、行政として責任放棄にもつながります。
また、本庁舎は老朽化も進み、大規模な施設修繕を行うにも約190億円が必要だと聞いております。もし本庁舎を建てかえるとなった場合、第1回の庁舎整備に関する特別委員会の資料では、現地建てかえで約405億円、移転新築で約336億円の事業費が必要だと聞いております。しかし、建てかえをするとなった場合、国からの
起債借り入れ額の4割について支援いただける有利な財源として
合併推進事業債があり、活用すると現地建てかえで67億円、移転新築で88億円、財政負担の軽減ができるとのことですが、期限は2024年度末ということで迫ってきております。
市民や職員の安全確保や中長期での市の財政への負担軽減を踏まえると、建てかえに関して早急に方向性を決める必要があると考えますが、いかがでしょうか。大西市長からの御答弁をよろしくお願いいたします。
〔
大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 先日、
田中誠一議員の一般質問にもお答えいたしましたが、熊本地震を経験いたしました本市としては、本庁舎の耐震性能が不足していることが判明した以上、想定できる最悪の事態に備え、大地震時における来庁者や職員の安全の確保並びに大地震後においても機能を維持し、継続して使用できるよう、行政の責務として万全の対応をとらなければならないと考えております。
また、議員御指摘のとおり、もともとこの本庁舎は、経年劣化で早急に対応が必要な設備改修に約190億円もの多額の経費を要する見込みでございまして、財政面からも中長期には建てかえにあわせて設備更新を行う方が効率的であること、また、令和6年度までの間は、議員御紹介ありました
合併推進事業債の有利な起債を活用でき、将来への建設負担の軽減が図れることから、できるだけ早く方向性を決定し、取り組んでまいりたいと考えております。
〔5番
島津哲也議員 登壇〕
◆島津哲也 議員 大西市長、御答弁ありがとうございました。
いろいろな意見が次々と出てきている中、御判断は非常に難しいものだと思います。しかし、大西市長が申された
防災機能拠点となる本庁舎の継続的な使用ができなくなることは、熊本地震の教訓から絶対あってはならないと考えます。また、本庁舎で働く職員の皆様やいろいろな用件で来庁される市民の皆様の安全で安心して利用いただける建物でなければならないと思っております。早急な判断を切にお願い申し上げます。
続きまして、2番の質問に入らせていただきます。
2番目は、
東京オリンピック・
パラリンピックについてでございます。
東京オリンピック・
パラリンピックの開催まで約1年となり、出場選手の選考や
チケット販売のニュースが多くなってまいりました。前回の1964年の
東京オリンピックが開催されたときは、私もまだ生まれておりませんが、東洋の魔女と名づけられた
女子バレーボールが金メダル、
ウルトラC連発で男子体操が団体総合で金メダル、小さな巨人の三宅義信さんが
ウエイトリフティングフェザー級で金メダルを獲得するなど、メダル数もアメリカ、
ソビエト連邦に次ぐ第3位で、金16個、銀5個、銅8個、合計29個という結果に日本全体が熱狂して、大変な盛り上がりであったと聞いたことがあります。
私も、学生時代、部活動で軟式野球やソフトテニスをやっていたこと、また、息子たちが小中学校でサッカーをしていたことから、4級審判を取得して中体連の試合などで審判をさせていただいたこともあり、スポーツは見るのもやるのも大好きです。そのときは大分スリムでしたが。
今回の
東京オリンピックでもテニスの大坂なおみさんや男子の400メートルリレー、
パラリンピックでは
車椅子バスケットや陸上競技など、魅力ある競技がたくさんあり、今から楽しみにしております。ここ最近、日本中でいいニュースが少ない中で、少しでも明るく元気が出るような話題の一つになればいいなと思っているところでございます。
東京オリンピック・
パラリンピックのニュースや記事についてもよく目にするのですが、その中でも特に気になるのが
東京オリンピック・
パラリンピックの
聖火リレーについてです。既に各県ごとのスケジュールも決定しており、熊本県内は、来年2020年5月6日、7日に予定されております。6日は人吉市から始まり、水俣市、天草市、宇土市、八代市、7日は益城町から始まり、南阿蘇村、阿蘇市、菊池市、山鹿市、和水町、玉名市、熊本市の順に開催されます。
オリンピック聖火は、平和と希望の象徴とされています。ギリシャの
古代オリンピアの太陽光から採火された
オリンピック聖火は、
オリンピック開催国においてオリンピックムーブメントの最も力強い象徴となり、
聖火ランナーがリレーによりつないでいきます。
東京オリンピックの
聖火リレーのコンセプトは、Hope Lights Our Way(希望の道をつなごう)です。支え合い、認め合い、高め合う心でつなぐ聖火の光が新しい時代の日の出となり、人々に希望の道を照らし出しますと示されています。
前回の1964年の
東京オリンピックは、日本の第二次世界大戦後の社会復帰の場と位置づけされており、今回は、いろいろな災害が続いている日本、また熊本地震から3年半となり、たくさんの方々からの御支援・御協力により、少しずつ復興に向けて歩んでいることから、今後さらなる復興へ取り組んでいる姿を日本全国及び世界各国へアピールする必要があると感じております。
そこで、2点お尋ねいたします。
熊本市における
聖火リレーのコースについては、どのようなお考えで選定されるのでしょうか。
2つ目に、
聖火リレーのゴール地点は二の丸広場となっており、
セレブレーションが開催される予定となっておりますけれども、熊本地震からの
復興アピールができるようなイベントになるのでしょうか。
経済観光局長に御答弁をお願いいたします。
〔
平井英虎経済観光局長 登壇〕
◎平井英虎
経済観光局長 東京オリンピック・
パラリンピックの
聖火リレーに関するお尋ねにお答えいたします。
まず、熊本市内における
聖火リレーのコースについてでございますが、県内の
聖火リレーは、議員述べられたように来年5月6日に人吉市をスタートし、途中11市町村を経由した上で、翌7日に
熊本城二の丸広場を最終到着地とすることが、
東京オリンピック・
パラリンピック競技大会組織委員会において決定されております。
詳細な
聖火リレーのルートの選定の基本的な考え方として、できるだけ多くの人々が見に行くことができるルート、安全かつ確実に
聖火リレーが実施できる場所、地域が国内外に誇る場所や地域の新たな一面を気づかせる場所、そして人々に新たな希望をもたらすことができる場所の4つを
組織委員会から示されており、現在、熊本県
聖火リレー実行委員会におきまして最適なルートを検討されているところでございます。
最終到着地が
熊本城二の丸広場であることから、中心市街地を通る熊本城周辺2キロメートル程度のコース設定が見込まれており、年内には
組織委員会により詳細ルートの決定がなされる予定でございます。
次に、熊本地震からの
復興アピールについてでございますが、先ほど申し上げたルート選定の基本的な考え方に、地域が国内外に誇る場所、人々に希望をもたらす場所とあることから、本県の最終到着地が
熊本城二の丸広場に決定されたものと考えております。
当日、
聖火ランナーが熊本地震からの復興のシンボルである熊本城に向かって力強く走る姿や、多くの見学客でにぎわう熊本のまちの風景を国内外に発信できることは、これ以上ない復興のアピールの機会であると捉えております。また、二の丸広場での
セレブレーションにおきましても、熊本城の雄姿や復興過程を可能な限り多くの皆様にごらんいただけるような演出を県の
実行委員会とともに考えてまいります。
〔5番
島津哲也議員 登壇〕
◆島津哲也 議員 御答弁ありがとうございました。
東京オリンピック・
パラリンピックについては、県での
実行委員会が中心となっているということでございますが、熊本全体がどんどん元気を取り戻していることをアピールする非常にいい機会だと考えます。
最終ゴール地点が二の丸広場ということで、現在改修が進んでいる熊本城や昨日からオープンしております桜町の
熊本城ホールなどをアピールできれば、とてもいいなと感じているところでございます。
ゴール地点での
セレブレーションにつきましては、熊本全体が元気になるようなイベントになること、また、熊本市のキャラクターである「ひごまる」くんの活用などの検討も強く要望いたしますので、よろしくお願いいたします。
続きまして、3点目の質問に入らせていただきます。
3点目の質問は、市立高校・
総合ビジネス専門学校の改革検討についての質問をさせていただきます。
私は、大江小、白川中、市立商業、現在の
千原台高校でございますけれども、と全く浮気をすることもなく、熊本市の学校でしっかり勉学に励み、無事に社会人となりました。既に高校を卒業してから30年くらいたちますが、振り返るとたくさんの思い出があります。
高校時代には、
商業高校ならではの珠算や簿記、マーケティングなど、すぐに社会に出ても通用するような専門的な授業を受けさせていただいたり、また、生徒会活動や部活動にも一生懸命取り組むことができました。中でも、私たちの学生時代からハンドボールと駅伝部は毎年全国大会へ出場するほどの常連校であり、今もなお後輩たちへ引き継がれております。
私にとっての学生時代の思い出は、高校2年生のときに熊本市制100周年ということで、姉妹都市のアメリカ・サンアントニオへ友好訪問するという取り組みがありました。選考対象が熊本市在住の熊本市の高校生で、特に熊本の市立の高校は4名の選出ができるということで、担任の先生の推薦もあり、行かせてもらいました。初の海外旅行ということで、語学も堪能ではなかったので非常に不安はありましたが、多くの仲間と一緒にいろいろな建物や文化の学習、また現地の高校生との交流は、とてもいい経験になりました。本当に今でも、市立商業を卒業してよかったなと感じているところでございます。
さて、その母校の話題として、本年度の入試において、初の定員割れというニュースが入ってきました。私たちの時代は入試の競争倍率が毎年2倍を超える数値だっただけに、とても衝撃を受けました。また、7月12日の新聞で、市立2高校、
総合ビジネス専門学校の改革検討についての記事があり、2000年から2001年に校名変更や学科改変を実施したが、その後の見直しを行っていないということから、今回検討するとなったという記載がされておりました。
現在の必由館高校、
千原台高校、
総合ビジネス専門学校の学科、コースを確認したのですが、必由館高校は普通科以外にも音楽や美術などの芸術系のコースがありますし、
千原台高校や
総合ビジネス専門学校も経理、会計、情報を生かしたコースがあり、それぞれ特色を生かした学科コースになっており、魅力がないようには感じないのですが、皆さん、いかがでしょうか。
そこで、2点お尋ねいたします。
今回の
検討委員会の内容と今後の方向性について教えてください。
また、7月末に検討会の初会合があったと聞いておりますが、どのような意見が出たのでしょうか。
今回、現役の生徒代表も
検討委員会のメンバーに入っているということでございますけれども、期待されていたような意見がありましたでしょうか。
教育長からの御答弁をよろしくお願いいたします。
〔
遠藤洋路教育長 登壇〕
◎遠藤洋路 教育長 市立高校・
総合ビジネス専門学校の改革検討について、2点お答えいたします。
1点目は、
検討委員会の内容及び今後の方向性についてでありますけれども、
市立高等学校等改革検討委員会は、必由館高校、
千原台高校、
総合ビジネス専門学校の抜本的な見直しについて御意見をいただくために、熊本市
附属機関設置条例に基づく教育委員会の附属機関として設置したものでございます。
急速に変化する社会にあっても、子供たちがみずからの人生をみずからで力強く切り開くための力を身につけることが一層重要となっていると考えております。また、熊本の高校は偏差値を過度に重視して選択される傾向が強く、学ぶ目的や学習内容といった観点で選ぶ生徒が多いとは言えない状況があります。さらには、
千原台高校が定員割れをしたという現状もあり、
総合ビジネス専門学校も含めて、今後このままでよいのかという認識のもとで、今回の改革に取り組むものでございます。
検討委員会への諮問事項は、市立高校と
総合ビジネス専門学校における人材育成の方向性と、そのためにどのような教育機関に改革すべきかの2点であり、今年度末までに答申をいただくこととなっております。
〔議長退席、副議長着席〕
新たな学校づくりに当たっては、例えば、生徒が主体となって学ぶ活気のある学校、自分の将来をデザインしながら学べるような学校など、これまでの熊本にない、全国から人が集まるような学校を目指してまいります。
2点目に、初会合での意見ですが、7月31日に開催した第1回目の会合においては、市立高校と
総合ビジネス専門学校における人材育成のあり方や、変化の大きい社会において身につけるべき資質・能力とはどのようなものかについて意見交換を行っていただきました。
意見交換では、社会的弱者への配慮や多様性の尊重を根底に置いた人材育成を行うこと、自己肯定感を高め、みずから探求する力や
コミュニケーション能力等を身につけることの重要性が上げられました。さらには、通信制課程の導入、
総合ビジネス専門学校における起業家育成など、改革のアイデアも出されたところです。
また、生徒の代表からは、市立高校の国際コースの充実のために、熊本市
国際交流会館を活用して、国際的なイベントの開催等を通じた学習があればよいといった意見や、どうすれば学校だけでなく、生徒一人一人を変えていけるかについて議論をしてほしいといった建設的な意見も出されたところであります。
〔5番
島津哲也議員 登壇〕
◆島津哲也 議員 御答弁ありがとうございました。
少子化問題もさらに深刻になっている昨今、私立の高校や
各種専門学校でもいろいろな専門コースが設定されたり、さまざまな工夫が講じられております。また、公立高校では、普通科にも前期選抜を導入することを検討されているという旨も記事で出てきております。
今回の委員会で、人材育成の方向性と教育機関の改革の検討を行い、生徒主体、自分の将来をデザインできるなど、新たな学校づくりを目指されているということで、非常に安心いたしました。
今後も、生徒代表の方々が伸び伸びと率先して発言できる、また、たくさんの意見、アイデアが出て、すばらしい改革につながることを期待しておりますので、よろしくお願いいたします。
続きまして、4点目の質問に入らせていただきます。
4点目は、地域と大学と行政の連携した取り組みについての質問をさせていただきます。
私の活動拠点であります池上校区では、熊本学園大学様の教授からの御要望があり、3年前から地域学習を中心した取り組みが行われております。
取り組み内容としましては、既に西区の
まちづくりセンターも連携して取り組んでおられ、また、ことしの西区フェスタで優秀賞を受賞されているということで御存じかと思いましたが、私自身すばらしい取り組みだと感じておりますので、今回、この場をかりて御紹介させていただきます。
昨年度までは、地域の活性化推進のための課題発見や解決に向けた取り組みを行ってきました。
フィールドワーク調査では、保存事業で整備された
池辺寺史跡周辺を歩き、道中にある柱石跡や
景観ポイントなどを調査され、それらを映像化し
デジタルコンテンツとして公開したほか、地域住民からの聞き取りをもとに、口述歴史を記録冊子として作成されております。そのほかにも、イノシシや鹿の肉を使った
ジビエ料理体験や学生さんたちが考える新たな取り組みを紹介し、
グループディスカッションをする懇談会など、さまざまな取り組みが行われております。
この取り組みのすばらしさは、学生さんたちだけではなく、自治会長さんを中心にたくさんの地域の皆様が一緒になって取り組んでいるというところです。
ここ最近では、5月11日に
JRウオークという行事があり、熊本駅から池辺寺史跡を折り返しとするコース設定で開催され、折り返しの池辺寺史跡では、学生さんの学習内容や観光政策課で準備された歴史の
紹介コーナーを設置し、また地域の皆様を中心に準備されたジビエ料理やネーブルの
試食コーナー、
保健子ども課による血圧測定、
健康相談コーナーなどなど、いろいろな要素を持たせながら、約700名というたくさんの参加者の方をおもてなしすることができました。私も、炎天下の中ではございましたが、
ジビエ料理コーナーでイノシシや鹿の肉を焼いて対応しましたが、暑さを忘れるくらいに楽しく対応させていただきました。
今年度は、さらなる
取り組み拡大として、大学生さんがミカン農家でミカンの摘果や収穫作業を体験し、収穫したミカンやネーブルを利用して甘酒や焼き肉のたれをつくるという取り組みを行う予定になっておりますし、そのほかの取り組みも準備でき次第、取り組んでいきます。
私が市議会議員となり、6月中旬に西区役所との意見交換がありまして、池上校区以外にも同じような取り組みがないかとお尋ねしたところ、河内・芳野地区と東海大学様、花園地区と崇城大学様が地域連携されているとお聞きしました。私も大学で学んだことはないのですが、今から
社会人となり生活をしていく中で、自分たちがアイデアを出した取り組みがいい方向につながったりすると、相当な自信につながると思います。また何かアイデアを出してやろうという意欲が湧いてくると思います。
そこで、2点のお尋ねをいたします。
現在の西区3校区の取り組みについて、どのような認識をされており、また、このような取り組みについて、今後どのようなPRを行っていかれるのか、教えてください。
また、西区3校区以外での同じような取り組みはないのでしょうか。今後の
取り組み拡大も含めたところでお尋ねいたします。
市民局長、御答弁をよろしくお願いいたします。
〔
石櫃仁美市民局長 登壇〕
◎石櫃仁美 市民局長 地域と大学と行政の連携した取り組みに関する2点の御質問に、まとめてお答えをさせていただきます。
西区における連携の取り組みは、新たな視点や価値観からの発想が加わることにより、地域魅力の再発見や新たな手法によるイベントの実施など、
まちづくり活動の活発化につながっております。また、学生の皆さんが参加することで、まちづくりへの参画が少ない地域の若い世代の方々が刺激を受け、積極的に
まちづくり活動に取り組まれるなど、次世代の担う人材の育成に大きな効果があると考えております。
議員御紹介のほか、各区におきましても、食事や運動を通した
健康セミナー、復興に向けた
コミュニティ形成の支援、健康に関する
住民アンケートの実施など、大学等の専門性や人材を生かし、地域課題の解決に向けた取り組みが行われているところでございます。
今後もこのような取り組みにつきましては、ホームページやSNSなどを活用した情報発信や地域に向けた研修会などで、事例発表を積極的に行うとともに、大学等への連携事例を紹介することにより、それぞれが持つ強味や特色を生かした連携事業につなげ、地域力の向上に努めてまいります。
〔5番
島津哲也議員 登壇〕
◆島津哲也 議員 御答弁ありがとうございました。
西区だけではなく、その他の区でも取り組みをされているということで、非常によいことだと感じました。
大学生の学習も、机上学習だけではなく、現場での体験をしながらの学習は、記録にも記憶にもしっかり残っていくのだと考えます。
校区の自治会長さんや地域の方々にも御協力いただくことが多くありますが、ここ最近は若いお父さんの参加もふえてきていることから、地域での世代交代も念頭に置きながら取り組んでいくべきだと考えます。私も大学生の息子を持つ父親として、このような取り組みに対して積極的にお手伝いをしていく所存でございます。
まちづくりセンターの皆様には、平日休日を問わずいろいろとお世話になりますが、引き続きの御支援・御協力をよろしくお願いいたします。
続きまして、5点目の質問に入らせていただきます。
5点目につきましては、
統一地方選挙、参議院選挙の投票率についてでございます。
ことしは12年に一度の選挙イヤーということで、4月には
統一地方選挙、7月には参議院選挙がございました。私も4月7日の
統一地方選挙では、初めて候補者という立場で9日間の選挙戦を戦い、たくさんの御支援をいただきながら、無事当選させていただきました。
田尻将博先輩からバトンを引き継ぎ、令和元年5月から市議会議員として働けるといううれしい気持ちでいっぱいでしたが、1つ残念なことがあります。それは、各選挙が終わるたびにニュースとなる投票率の問題です。以前から投票率については低い低いと言われておりましたが、今回についても、
統一地方選挙の一般市議選は全国で45.57%、参議院選挙は全国で48.8%ということで、過去最低の投票率でありました。
各自治体におかれましてもいろいろな取り組みや工夫をされている中で、今回の参議院選挙の期日前投票は過去最高を記録したという記事が出ておりました。私も参議院選挙は期日前投票を行いましたが、以前よりも簡単にできたことから、たくさんの方々へ早目の投票行為をお勧めしました。私も、労働組合の役員時代に政治活動の必要性、選挙活動及び投票行為の重要性について、若年層の方を中心に強く取り組むことを伝えてきましたが、皆さん理解はしているものの、いざとなるとまだまだ行動できない状況でございます。
今回、7月の参議院選挙におきまして、イオン店舗での期日前投票の取り組みとして、全国で100店舗投票所が設置されました。市民の感覚では、交通手段がたくさんあるところでお買い物ついでに投票できるという観点から取り入れられたものと思われますが、今回のイオン店舗での期日前投票は、本市での対応店舗がなく、県内でも大津店のみでした。その他の取り組みとして、八代地区では、山間部への移動投票所へということで、車内で投票できる取り組みがされており、各自治体ごと工夫をされているなと改めて感じたところでございます。
発言通告票の質問順番が前後いたしますが、3点お尋ねいたします。
今回の取り組みであるイオン店舗での期日前投票での投票率はどれぐらいだったのでしょうか。
2つ目に、本市でイオン店舗での期日前投票に取り組まれなかった理由は何かあるのでしょうか。
3点目に、今後、期日前投票所の拡大や新たな取り組みなどはありますでしょうか。
以上3点につきまして、選挙管理委員会事務局長に御答弁をお願いいたします。
〔士野公史選挙管理委員会事務局長 登壇〕
◎士野公史 選挙管理委員会事務局長 3点の御質問にお答えいたします。
1点目のイオンでの期日前投票率の実績でございますが、今回の参議院議員選挙におきまして、イオン店舗に期日前投票所を設置した政令指定都市は8市であり、その8市を調査しましたところ、期日前投票をされた方のうち、イオン店舗の期日前投票率は、千葉市美浜区の56.6%が最も高く、平均で24.14%でした。また、1日当たりの投票者数は、平均で約1,500人であり、多くの方が利用されている状況でございます。
2点目のイオンへの期日前投票所設置についてでございますが、全国的にイオン店舗への期日前投票所の設置は増加傾向にあり、本市としましても、投票率向上の効果があるものと考えております。
このような現状を踏まえ、本市教育委員会は、学校改革!教員の時間創造プログラムを2018年からスタートし、私自身も、教職員が本来の能力と意欲を最大限に発揮して誇りを持って働くことができる、そんな環境づくりの実現に期待を寄せているところでした。
ここで、教職員の働き方改革、時間創造プログラムの成果に関してお尋ねします。
このプログラムの大きな3つの取り組み方針、1つ目に、ICT導入や給食費の公会計化などによる仕事の総量を減少させるという取り組み、2つ目に、外国語専科教員の配置、またスクールソーシャルワーカーの拡充、学校支援ボランティアの活用によるマンパワーを充実させる取り組み、3つ目、学校閉庁日の設定やタイムカードによる全教員の勤務時間を把握することなどで、時間を意識した働き方を徹底させる取り組み、この3つのそれぞれの成果を教育長にお尋ねします。
〔
遠藤洋路教育長 登壇〕
◎遠藤洋路 教育長 教職員の働き方改革の成果と課題についてお答えいたします。
学校改革!教員の時間創造プログラムにおいては、令和2年度までの目標を2つ設定しております。1点目は、時間外の在校時間が、いわゆる過労死ラインである1カ月80時間を超える教職員数をゼロにすること、2点目は、時間外の在校時間を平成29年度実績と比べ、全体で25%削減することであります。
この目標達成のため、議員御案内の3つの取り組み方針を定め、校務支援システムの導入やスクールソーシャルワーカーの拡充、学校閉庁日の設定、勤務時間外の留守番電話対応等を実施しております。その結果、ことし4月から7月までの実績は、平成29年度の同じ時期と比較すると、時間外の在校時間が月80時間を超える教職員は45.9%減、時間外の在校時間は全体で11.4%減と、成果が見えてきたところであります。
今後の課題として、小学校高学年や中学校の部活動を担当する教員の負担軽減や学校行事の精選等が挙げられます。引き続き、来年度の目標達成に向け、これらの課題への対応を含め、プログラムに基づく取り組みを着実に進めてまいります。
〔4番 古川智子議員 登壇〕
◆古川智子 議員 教育長も今後の課題として挙げておられましたが、中学校部活動を担当する教員負担の軽減を初め英語教育への対応、スクールソーシャルワーカーの拡充を含め、まだまだ大きな山を越えなければならないという局面にあります。しかしながら、スタートしてから1年4カ月という短期間の中で、教職員の勤務時間短縮においては、確かな成果が見られました。一つの大きな変化として捉えており、大変評価しております。ありがとうございます。
教師が本来すべき業務とほかの誰かに委ねるべき業務を適切に精査し、目標値がクリアできますよう、学校のバックアップに努めていただきますことをお願いいたします。
さて、組織でも企業でも共通する部分ではありますが、あらゆる取り組みというものはトップダウンで簡単に浸透していくものではなくて、このプログラムに関しても、教育委員会が各学校の経営方針や現状を把握して、課題解決に向けて、学校と一緒になって努力していく姿勢を示して初めて深く浸透していくものだと考えています。
そこで2点について教育長へお尋ねします。
1点目に、実際に学校と教育委員会との連携は、具体的にどのように行っていますでしょうか。
また、この時間創造プログラムを推し進めていく一方で、家庭とのつながり、地域とのつながりがますます学校に求められ、実際、勤務時間外に出向いたり、話を聞いたりする現状はやはり続くと思います。プログラムの取り組みの趣旨は理解できても、実際に運用の面では限界があり、結果的に時間外労働が減らないことが懸念されます。
そこで2点目に、時間の短縮へ向けての取り組みと教師に求められるものへの対応、これには矛盾があるように思いますが、見解はいかがでしょうか。教育長、お願いいたします。
〔
遠藤洋路教育長 登壇〕
◎遠藤洋路 教育長 教職員の働き方改革について、引き続き2点お答えいたします。
1点目は、学校と教育委員会の具体的な連携についてでありますが、先ほど申し上げた学校改革!教員の時間創造プログラムは、教職員を含めたプロジェクト会議で策定をしたものでございます。この策定に当たっては、教職員等から寄せられた時間創造の提案や、教職員の勤務実態アンケートの結果を可能な限り反映しております。策定後は、具体的取り組みの成果や改善点等について協議するため、プロジェクト会議を年5回開催しております。
また、昨年度から、文部科学省の学校業務改善アドバイザー派遣事業を活用し、モデル校において業務改善を図っております。モデル校の取り組みや改善状況については、年度末に事例発表会を開催し、全学校との共有を図っているところです。
加えて、今年度は、教育委員会会議において、学校の管理職から働き方改革の現状についてヒアリングを行い、自由討議を行いました。今後、働き方改革をテーマに、教育長及び教育委員が教職員と意見交換をする予定としております。引き続き、教職員の意見を聞きながら、教育委員会の責任において、着実にプログラムを推進してまいります。
2点目、時間外短縮に向けた取り組みと教職員に求められるものへの対応ということですが、働き方改革を進めるに当たっては、これまで慣習的に学校や教職員が担ってきた膨大な業務を整理し、その範囲を明らかにしながら、本務である授業の準備や子供たちに向き合う時間を確保していくことが必要だと考えております。
業務の見直しに当たっては、地域や保護者との連携のもと、協働して進めるもの、地域や保護者が担うべきものなどについて、教育委員会が主体となって役割分担を見直し、学校のみならず、地域全体で教育活動を充実させていくこととしたいと考えております。
〔4番 古川智子議員 登壇〕
◆古川智子 議員 本プログラム策定後も、アンケートやヒアリングによる現場からの声を上げ、検証と協議を進めていることなど、慎重にかつ強固な姿勢で取り組んでいることがうかがえて、ありがたく感じました。
しかし、学校によっては、地域とのつながりの密度、また不登校や発達、いじめに関する子供たちの抱える問題も違うことから、働き方改革が浸透していきやすい学校とそうでない学校があると考えます。それらの状況を把握しながら、取り組みをサポートするには、学校と教育委員会の相互の相談や報告といったものが必要不可欠となります。しかし、それには両者間の信頼関係が土台にあるということが大前提です。
引き続き、積極的に学校とのコミュニケーションを図り、連携強化をお願いいたします。
また、時間短縮へ向けての取り組みと教師に求められる対応という現状は、時間がもとになるものであるから、どうしても矛盾が生じてしまいます。取り組めと言われてもなかなか難しい、これが現場の声であることは確かです。
例えば、休日の地域イベントや時間外の家庭からの相談対応など、先生方にとっては時間外に仕事をするということから、働き方という点から言えば確かに非合理かもしれません。しかし、先生がその非合理さを超えて、地域や家庭に歩み寄る姿勢に、先生や学校への信頼や協力意識が高まるのは当然のことだと思います。
その実情を踏まえると、やはり難しい問題ではありますが、今後、この働き方改革の推進を効果的にする一つの方法としては、このプログラムの目的、それから意味を地域と家庭にしっかりと浸透させていく必要があると考えています。
働き方改革で教師の時間を創出すること、それはあくまでも目的達成のための手段であり、その先の目的は、子供への教育の向上だということ、先生が能力を最大限に発揮して、質の高い授業の実施や子供と向き合える環境を築くことは、子供の豊かな人間性を育むことにつながる、ここをもっと積極的にアピールする必要があると思います。
地域、家庭を巻き込み、相互に共通した認識を持つことで協力体制が生まれ、歯車が回り出すように思います。遠藤教育長の教育委員会の責任において着実にプログラムを推進してまいるとおっしゃった言葉を心強く感じ、引き続き尽力していただきますようお願いいたします。
さて、次に、家庭と学校、地域の連携を強める相互理解の機会創出についてお尋ねしてまいります。
今後、本市も社会に開かれた教育課程の実現を目指していく中で、先ほども述べたとおり、学校、家庭、地域とそれぞれが努力しながら、三位一体で子供の教育の質を上げることが求められます。しかしながら、家庭の実情は、核家族の進展とともに共働きがふえたこともあり、学校と積極的なかかわりを持つ時間や余裕といったものが少なくなってきています。
地域住民に関しては、これから新しく転換していく教育方針を伝えて、理解していただいた上で、知恵とマンパワーをかりていかなければなりません。
そこで教育長へお尋ねいたします。
学校、家庭、地域、この三位一体の必要性を認識の上、その連携強化のために、具体的にどのような取り組みをされているのか、お示しください。
〔
遠藤洋路教育長 登壇〕
◎遠藤洋路 教育長 家庭、学校、地域の三位一体の連携強化についてお答えいたします。
御指摘のように、家庭と学校、地域が連携しながら、社会全体で子供の教育を推進していくことは大変重要であると考えております。
各学校においては、
PTA総会や懇談会、学校だより、ホームページ等を通じ、教育目標を家庭や地域と共有するとともに、学校評議員を委嘱し、保護者や地域のニーズを迅速かつ的確に学校運営に反映させるよう努めております。
さらには、学校支援ボランティアによる活動や地域の人材を活用した授業等、新しい学習指導要領の中心となる理念、社会に開かれた教育課程の実現に向け、取り組んでいるところです。
今後も、家庭、学校、地域の連携がさらに深まるよう、機会を捉えて家庭や地域に情報を発信、共有するとともに、新たな連携方策についても検討してまいります。
〔4番 古川智子議員 登壇〕
◆古川智子 議員 熊本市は、政令指定都市の中でも自治会への参加率が高いということもあり、地域力の高さは本市の強みでもあります。学校評議員も積極的に学校経営に協力してくださる様子が私の周辺でもうかがえています。
教育長もおっしゃっていたように、支援ボランティア、地域人材活用の必要性は今後も続きますが、限られた時間とマンパワーで最大限に機能していくためには、やはり働き方改革同様に、社会に開かれた教育課程の意味や目的をいかに家庭や地域に落とし込んで実践していただくかだと感じています。
ただ単に情報を流すのではなく、相手の行動を引き出すような伝え方、発信の仕方を工夫するなど、一つ一つの機会をより効果的で質の高いものになるように、今後も、三位一体の連携に向けて工夫を重ねていただきますようお願いいたします。
では、次の質問は、学校、家庭、地域の連携という観点から、さらに的を絞り、家庭と学校の相互理解に関して触れてまいります。
家庭と先生を含め学校側との連携がうまく図れている学校は、苦情やクレーム対応に追われることは少なく、むしろ相互に気持ちよくお互いをサポートする体制がとれてきたことをこれまでの経験として感じています。
ただ、現在は、価値観がさまざまな形で多様化していること、それから立場の違いもあり、人それぞれに学校に求めるもの、先生に求めるもの、また親としてこうあるべきだという定義が違います。言葉一つをとっても、人によって全く違う捉え方が生まれます。
この現状、傾向を踏まえると、入学する時期、新しい環境が始まる初期段階で、家庭と学校が信頼関係、連携を高められるきっかけとなる学びの場をつくる必要があると強く考えています。でも、それは、インプットする講演会というよりも、それぞれの考え方、多様な価値観をアウトプットできる参加型の研修である方がより有効性が高いと考えています。
個人的にとてもすばらしいと感じたワーク式の研修がありまして、クロスカードという阪神・淡路大震災の教訓をもとにつくられたカードゲームを御存じでしょうか。
各カードに問題が1問ずつ書いてあり、それに対して、イエスかノーかの答えをみんなで出して、その理由を共有していくという簡単なシミュレーションゲームです。
問題の一例を挙げますと、設定は災害時、あなたは食料担当の職員です。被災から数時間、避難所には3,000人が避難しているとの確かな情報が得られた。現時点で確保できた食料は2,000食。以降の見通しは、今のところなし。
まず、2,000食を配る。イエスは配るで、ノーは配らない。皆さんならどうされますでしょうか。
次に、それぞれの答えに対して理由を出し合います。
理由の例を挙げますと、イエスの配ると言った意見では、お年寄りや病気の方、子供に先に配り、体力のある人は我慢すればよいといった意見や、畑などがあるから、そこから食料を借りてきて、3,000人分にふやしてから配るなど、反対にノーの意見では、行政には常に公平性が求められるので、全員分そろうまでは配ることができない、もう一つ、食料が次回いつ届くかわからない状態で、特定の人にだけ配ることはできない、このようにシンプルな問題なんですが、どちらを選んでも何らかの犠牲を払わなければならないジレンマが多くある中で、答えを出さなければなりません。
また、答えの理由を聞くということで、他者の多くの価値観や視点、考えを知ることができるという体験型のゲームです。
私自身も昨年、娘の通う小学校で、親子で体験していただく機会をつくりまして実施したところ、保護者だけでなく子供たちにも予想外に大きな反響がありました。自分の思考の枠を超えた価値観との出会い、困難な判断を下すときの他者の苦悩、そういったところを体験することができ、相互にとって確かな発見があり、成長の機会となりました。
まさに今、家庭と学校との間に必要なものが凝縮されているというふうに感じました。想像力、判断力、コミュニケーション、そして相互理解。このお互いの立場、価値観を理解することは、信頼や歩み寄り、協力を生み出して、結果的には学校経営の好循環化、そして、それが子供に対して質の高い教育へと還元されていくものだと思っています。
このようなことを踏まえ、教育長へお尋ねします。
相互理解を深め、連携強化を図れるよう、例えば入学時に1時間程度を活用して、参加型の研修が必要だと考えていますが、御見解はいかがでしょうか。
〔
遠藤洋路教育長 登壇〕
◎遠藤洋路 教育長 参加型の研修の必要性についてお答えいたします。
家庭と学校が相互に理解し合い、密接にかかわりながら、子供の教育に取り組むことは大変重要であると認識しております。
教育委員会では、家庭教育に関する学習会に講師を派遣する家庭教育セミナー事業を実施しており、これらを活用して、ほとんどの小中学校で、入学時などの機会にあわせて学習会を開催しております。
学習会の手法としては、従来の講演会形式に加えて、教育委員会が養成している家庭教育地域リーダーによる参加体験型のワークショップ形式も実施しております。このような手法を用いることによって、参加者の主体的な学びにつながることから、今後、家庭教育地域リーダーのさらなる資質向上に努めるとともに、新たな研修プログラムについても検討してまいります。
〔4番 古川智子議員 登壇〕
◆古川智子 議員 家庭と学校の相互理解について、社会が多様化する中、教育のあり方を見つめ直す機会としても大変重要な取り組みだと思います。
学校としては、なかなか家庭が忙しいといったこともあり、わざわざ時間をつくって来てもらうのはどうかという気持ちもあるかとは思いますが、しかしながら、子供の未来がかかっていることを思えば、優先順位はおのずと上位に上がるはずです。
入学時の初期に、家庭と学校が同じ意識でベクトルを合わせる重要性を強く求め、今後、意義のある相互理解の取り組み機会を、引き続き創出してくださいますようお願いいたします。
続きまして、教職員の人材確保についてお尋ねしてまいります。
未来の国を担う子供たちの育成という、大変大きな役割を担う重要な職業でありますが、教職員のなり手不足は深刻化しています。教職員採用志願倍率にその深刻さが顕著に出ており、政令指定都市になる以前の平成15年から23年までの8年間、県の小学校教諭の倍率はほぼ横ばいで10倍ほどでした。しかし、今回の令和2年度採用の志願倍率では、市の小学校教諭は3.2倍、県は2.1倍という結果でした。
確かに人口減少の影響があるとはいえ、衝撃的な倍率の低さに今後の人の育成、つまり国の存続といったところまで危機感を抱いてしまいます。喫緊かつ重要課題として、教職員の今後の定員確保とともに、質の維持向上を図っていく必要があります。
そこで教育長へ2点お尋ねします。
1点目、教職員数の不足は今後も加速していきます。あわせて、特別支援学級教諭、このニーズも今後高まっていきますが、人員の拡充を数、時期を含め、どのように取り組んでいくかについてお示し願います。
2点目、教職員の正規職員不足問題は、そこから派生して、臨時的任用教員、臨採の人材不足も生んでいます。欠員補充や産前産後休業職員の代替となる必要な人材ですが、この臨採不足に備えての人材確保の状況もお示しください。
〔
遠藤洋路教育長 登壇〕
◎遠藤洋路 教育長 教職員の人材確保について、2点お答えいたします。
1点目は、人員の拡充についてですが、本市では、令和3年度に定年退職者数がピークを迎えることや、特別な支援を要する児童・生徒が増加を続けていることから、新規採用者数をふやして計画的な対応を行っているところです。
具体的には、昨年度の新規採用者が116人であったのに対し、今年度は164人、さらに来年度は170人の採用を予定しております。また、平成25年度から新規採用者の受験区分に特別支援教育推進枠を設け、計画的な採用を行っております。
今後も、退職者数の見込み、再任用希望者の状況、特別支援学級数の状況等を踏まえ、計画的に新規採用を行うほか、特別な支援を要する児童・生徒の増加に対応できるよう適正な教職員配置に取り組みたいと考えております。
2点目の臨採不足に備えての人材確保ですが、職員の配置については、本来、正規職員で行うことが基本と考えておりますが、育児休業等の代替のほか、学級数の増加などにより必要な職員数が変動するため、一定数の臨時的任用教員の配置はやむを得ないものであると考えております。
現在、臨時的任用教員の不足は全国的な課題となっており、本市においてもその確保は年々困難な状況となってきております。そのため、採用選考試験の合否通知に臨時的任用の案内を同封するとともに、県内の大学で説明会を開催するほか、県内外の大学に募集案内を送付しております。また、今年度実施の採用選考試験からは、育児休業代替教員を併願できるようにするなど、臨時的任用教員の確保に努めているところです。
今後とも、計画的に正規職員の採用を行うことはもとより、必要な臨時的任用教員の確保にも、引き続き全力で取り組んでまいります。
〔4番 古川智子議員 登壇〕
◆古川智子 議員 1点目の人員の拡充についてですが、退職者の見込み、再任用希望者の状況また特別支援学級の状況を踏まえ、昨年からことしにかけては新規採用者を約50人増員している状況を見ると、実際には、教職員の適正な配置に真摯に取り組んでいることがうかがえて安心いたしました。
今後も引き続き、人材の確保、質の維持向上の懸念される中ですが、子供たちへの教育、学校経営がうまく機能していきますようお願いいたします。
また、教職員の働く環境のブラックなイメージを払拭し、魅力を発信していくことで、教職を目指す人がふえるような取り組みもあわせて努めていただきますようにお願いいたします。
では、次に、教職課程中に教育者としてのコミュニケーション力を高める必要性についてお尋ねします。
まず、フィンランド教育について御紹介をさせていただきます。
ここ近年、フィンランド教育、学力の高さのすばらしさが注目されていますが、フィンランドという国は、もともと学力が高い国ではありませんでした。約30年前、1991年に経済が大きく傾いた際、国を立て直す政策として、人を最大の資源と考えて教育改革が行われました。
英断の結果、12年後の2003年のOECDの学力テストで、フィンランドは世界一になりました。しかし、詰め込んで勉強させるのではなく、むしろ授業数も宿題も驚くほど少ない中で、子供たちの主体性を上手に引き出す教育手法に転換させ、同時に教職員の環境を改革したことで、世界トップレベルの学力を維持し、それだけではなく、去年2018年の調査では世界幸福度ランキング1位にもなりました。
主体性を引き出すその教育課程には、多くの視点から物事を捉えて、多様性を受容していく力が必ず育まれます。障がいのある人もそうでない人もというインクルーシブ教育ですが、フィンランド教育の現場には、当然のようにインクルーシブ教育が確立しています。
そこで、フィンランド教育の事例を踏まえて、教育長へ3点お尋ねいたします。
1点目、国際的に日本の若者の自己肯定感が顕著に低いとのことですが、現状をどう捉えておりますでしょうか。また、自己肯定感が低いというデータが出続けている要因はなぜだと考えていますでしょうか。
2点目、本市の求めるインクルーシブ教育システムの定義、あり方、ゴールをお尋ねいたします。
3点目、インクルーシブ教育システム構築と同時に、プロジェクト型の総合的な学習の時間も取り入れるに当たり、先生自身のコーチングスキルやファシリテーションスキルを磨く必要があると感じています。教育委員会と教職課程を有する大学との連携の中で、それらのスキルを向上させる取り組みは今後検討されていらっしゃいますでしょうか。お願いいたします。
〔
遠藤洋路教育長 登壇〕
◎遠藤洋路 教育長 3点のお尋ねに順次お答えいたします。少し長くなりますが、ご容赦ください。