熊本市議会 > 2019-09-09 >
令和 元年第 3回定例会−09月09日-04号
令和 元年第 3回定例会−09月09日-04号

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  1. 熊本市議会 2019-09-09
    令和 元年第 3回定例会−09月09日-04号


    取得元: 熊本市議会公式サイト
    最終取得日: 2022-11-22
    令和 元年第 3回定例会−09月09日-04号令和 元年第 3回定例会   令和元年9月9日(月曜) ┌─────────────────────────────────────┐ │ 議 事 日 程 第4号                         │ │ 令和元年9月9日(月曜)午前10時開議                 │ │ 第  1 一般質問                           │ └─────────────────────────────────────┘                             午前10時00分 開議 ○倉重徹 議長  ただいまより本日の会議を開きます。       ──────────────────────────── ○倉重徹 議長  日程第1「一般質問」を行います。  順次発言を許します。那須円議員。          〔36番 那須円議員 登壇 拍手〕 ◆那須円 議員  皆さん、おはようございます。日本共産党熊本市議団の那須円です。  現在、日本や、そして熊本市を取り巻く課題は、少子高齢化や実質賃金の低下、そして経済の6割を占める家計消費の低迷、雇用の不安定化、東京への人口流出など、山積しています。市長が目指す誰もが憧れる生活都市熊本を実現していくためには、さまざまな課題があると実感せざるを得ません。こうした課題について、市の対応の課題や取り組むべき政策を議論していきたいと思います。  まず初めに、各種施設利用料の値上げ等についてお尋ねいたします。  今議会には、社会情勢の変化ということを理由に、富合、天明、火の君、植木文化ホールなどの文化ホール使用料や、五福小プール、すこやか交流広場農園、三山荘、東部交流センター、アクアドーム、南部スポーツセンター、総合体育館などの各種スポーツ施設、動植物園、加えて住民票や戸籍等、課税証明の発行手数料など、さまざまな分野の利用料、使用料を一斉に引き上げる条例案が提案されています。  そこでお尋ねいたしますけれども、値上げの理由の社会情勢の変化とはどういうことでしょうか。  また、受益者負担の適正化に取り組むということで、今回の値上げに当たり各種施設を第1区分から第4区分に分けて、第1区分と第4区分はコストの50%から70%、第2区分は75%から100%、第3区分は25%から50%を受益者の負担とする目安が設定されています。
     質問の2つ目は、区分や負担割合の根拠は何でしょうか。法的な根拠があるのでしょうか。  今回、値上げが提案されている施設は日常的に市民が身近に利用している施設です。非営利に利用し、心と体の健康づくりや地域における交流等を目的としています。本来、自治体はスポーツや文化活動を支援するものであり、今回のような施設の利用者負担増は利用促進に逆行するものではないでしょうか。  使用料、手数料の一斉値上げは、今議会に条例案という形で提案されましたが、スポーツ施設、文化ホール、その他施設、住民票や税の証明発行など、市民生活に欠くことのできないものであります。これだけ多くの分野にわたって利用者負担を求めるのであれば、議案として提案する前に、どのような変更を検討しているのか、その理由は何か、必要性などを説明し、市民や議会に意見を求めるべきではなかったでしょうか。こうした説明もなく議案を提案するというのは、乱暴ではないかと考えます。  10月からの消費税10%への増税実施は1カ月を切っていますけれども、多くの国民が増税への怒りや不安を持っています。8月に公表された厚生労働省社会保障審議会年金部会の報告で、30年後には3割も減るという年金の見通しもあり、減っていく年金、ふえる税負担という二重苦という点でも、国民の暮らしの不安はかつてなく大きいと言えます。  今回の手数料、使用料一斉値上げは、本来ならば国の防波堤となって市民を守るべき地方自治体が、国と一緒になって負担増を押しつけ、暮らしを追い詰めるものになっています。消費税増税にプラスとなる値上げの負担感をどのように考えられているのでしょうか。  また、国でも消費税増税対策として税金を投入し負担軽減を行っているときに、市のやっていることは全く逆行しているとは言えないでしょうか。このような時期の使用料、利用料の一斉値上げは中止し、少しでも市民の負担を軽減し暮らしを守る立場に立つべきではないかと考えますが、大西市長の答弁を求めます。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  使用料及び手数料の見直しに関するお尋ねについて、まとめてお答えさせていただきます。  議員御案内のとおり、地方自治法の規定に基づき、使用料は施設の維持管理費や減価償却費に充てるべきものとして、また手数料については、特定の者のためにする事務に係るサービスの対価として徴収することができるものでございます。その料金設定に当たりましては、施設の維持管理費や利用状況のほか、経済情勢による物価の変動や税制改正等の影響を考慮する必要がございます。  今回、15年ぶりの全体的な改定となりますが、使用料につきましては、サービスの必需性や選択性、公共性や市場性の観点から施設の運営コストに対する受益者負担の割合を設定し、また手数料については、行政コスト全額を受益者の負担と整理いたしました。その結果を踏まえ、他都市や類似施設とのバランスを図ることで、利用者への影響についても考慮させていただいたところでございます。  熊本市市民参画と協働の推進条例の規定によりパブリックコメントは実施しておりませんものの、基本的な考え方や見直しの項目等については、令和元年第2回定例会の各常任委員会において説明を行ってきたところでございます。  料金改定の趣旨につきましては、行政サービスを利用する方と利用しない方との公平性の観点から受益者負担の適正化を図るものでございまして、今後も適宜見直しを行いますとともに、市民の皆様にも、より丁寧に説明を行ってまいりたいと考えております。          〔36番 那須円議員 登壇〕 ◆那須円 議員  今、答弁で、受益者負担の割合を設定したとありました。何が根拠でこの割合が決まったのか、全く理解できないものでした。  例えば、動植物園の受益者負担の割合は50%から70%の区分に入っています。しかし御存じのとおり、動植物園は社会教育を目的とした施設であり、そのあり方を定める社会教育法では、第3条1項で、国及び地方公共団体は、この法律及び他の法令の定めるところにより、社会教育の奨励に必要な施設の設置及び運営、集会の開催、資料の作成、頒布、その他の方法により、全ての国民があらゆる機会、あらゆる場所を利用して、みずから実際生活に即する文化的教養を高め得るような環境を醸成するように努めなければならないと規定しています。  第2項では、国及び地方公共団体は、前項の任務を行うに当たっては、国民の学習に対する多様な需要を踏まえて、これを適切に対応するために必要な学習の機会の提供及びその奨励を行うことにより、生涯学習の振興に寄与することとなるように努めるものとするとうたっています。  利用する方と利用しない方との公平性の観点という答弁がありましたけれども、行政の責任は、むしろ進んでこうした施設を利用することを勧める立場であるのですから、誰もが利用しやすい施設にするためにはどうすればいいのか、ここに考え方の原点がなければならないと考えます。50%から70%の受益者負担を求めることに根拠はありません。他都市との比較や類似施設とのバランスで勝手に受益者負担の目安を出すことも誤りだと私は思います。  また、冒頭述べたように、消費税増税で市民の生活が大変なときに、一斉の利用料金、使用料金の値上げを行うべきではない、このことを申し述べ、今議会において議論が進められると思いますけれども、指摘した点をしっかりと踏まえていただきますようにお願い申し上げます。  次に、最低賃金の抜本的引き上げについてお尋ねいたします。  貧困と格差が広がる中、年収200万円以下の労働者が2017年には1,085万人に上っています。安倍政権は、最低賃金を毎年3%引き上げ、できるだけ早期に全国加重平均で1,000円を目指すと言っています。しかし実際には、現状からいけば、全国最低の県が1,000円に到達するのは10年後の2028年となります。ことしの改定で、東京都と神奈川県は初めて1,000円を超え、全国平均も901円と、初めて900円台になりました。熊本も28円引き上げられ790円となったものの、全国最低であります。  東京一極集中を解決するために地方創生戦略はスタートいたしました。熊本市においても、2017年3月に改定されたしごと・ひと・まち創生総合戦略において、社会減対策として、若い世代の多くが県外に流出している中、若い世代の転出抑制やUIJターン等による転入促進が必要であり、そのためには、雇用機会の確保や起業ができる環境整備などが必要と、仕事に重きを置いた地方創生戦略を進めようとしています。  しかし現実的には、東京都市圏への人や経済の集中傾向はいまだ解決、改善を見ておりません。先ほど述べたとおり、雇用の受け皿、賃金水準が、熊本と東京には依然大きな差がございます。地域間格差は時給で224円、年収に直すと43万200円へとさらに拡大しており、格差是正を目的とする最低賃金制のもとで格差が拡大するという異常な事態になっています。  この最低賃金を全国一律で直ちに1,000円へと引き上げること、そして人件費の割合が高い中小、小規模企業事業者には、国が責任を持ち財政的な支援を行う必要があると考えております。  そこで大西市長にお尋ねいたします。  このような全国最低の熊本の最低賃金への市長の認識をお聞かせください。  あわせて、今後働く貧困層をなくし雇用者所得が消費や地域経済に波及していくためにも、全国最低の最低賃金を抜本的に拡充し全国一律の時給1,000円へと引き上げていくことこそ求められると思いますが、見解をお伺いいたします。  また、そのことを国に対して求めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。御答弁をお願いいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  働く方にとっての低賃金は、労働意欲の低下や将来に対する不安の増長、さらには人口流出につながる懸念がありますことから、地元雇用定着のためにも、全国最下位の最低賃金を引き上げることが必要だと認識しております。  一方で、企業の収益増や生産性の向上等を伴わない急激な賃金の上昇は経営悪化を招き、結果として事業縮小や倒産など、雇用の場の喪失等にもつながるものと懸念しております。  そのため、マニフェストでも最低賃金を上げるための環境を整備すると掲げ、企業誘致のような外部からの投資を呼び込む施策や、移住・定住の促進による人口増加策、さらにインバウンド等の交流人口の増大による消費拡大策などを積極的に展開いたしまして地域経済の活性化に努めているところです。  本年6月に閣議決定されました経済財政運営と改革の基本方針2019におきまして、地域間格差にも配慮しながら、より早期に全国加重平均が1,000円になることを目指すことや、最低賃金の在り方について引き続き検討するとされていることから、本市としては、労働局など関係機関と情報共有しながら、今後とも最低賃金を引き上げるための環境整備に継続して取り組んでまいりたいと考えております。          〔36番 那須円議員 登壇〕 ◆那須円 議員  市長からは、最低賃金の引き上げについては必要との認識が示されました。  当然、市長がおっしゃったように、賃金上昇により経営悪化を招かないような対策が必要です。諸外国が実施しているように、例えば企業の社会保険料の減免や大企業との公正な取引など、中小零細企業への支援は不可欠であり、セットで進めることが必要だというふうに思います。熊本の地域経済の活性、雇用の促進のためにも、最低賃金引き上げのための環境整備を継続して取り組むとのことですので、ぜひよろしくお願いいたします。  次に、国民健康保険についてお尋ねいたします。  私たち日本共産党市議団は、熊本市の国保料についてモデル世帯、これは両親と子供2人、所得200万円世帯になりますけれども、年間保険料が40万5,015円となるなど、政令指定都市の中で最も負担の重い金額となっていることなどを示し、保険料の引き下げを求めてきました。  前回、国保加入世帯の置かれている実態も示しましたけれども、大西市長は国保料引き下げについては明言をせずに、逆に、これまで2度の料率改定、今年度からは限度額の引き上げなど、国保料の引き上げを行ってこられました。  執行部の皆さんも自分の身になって考えていただきたいのですが、所得の2割が医療保険に消えていく、この負担は生活を相当圧迫いたします。いまや国保加入者の9割弱が所得200万円以下の状況です。この200万円のうち、先ほど紹介した4人家族は40万円の国保料を払わなければならない。重い国保料は生活を圧迫し、もはや負担の限界に来ていることを行政が共有し、引き下げに踏み切るべきだと考えます。  国保料の滞納率は、全国平均15%に対して熊本市の滞納率は28%と、約2倍になっています。3世帯に1世帯が滞納せざるを得ないという状況です。後ほど触れますけれども、滞納者へのペナルティーとして、窓口負担10割の資格証明書発行件数も激増し、無保険状態が市内各地で発生しております。もはや皆保険の制度崩壊とも言えるべき緊急事態となっています。  まず最初に、端的にお尋ねいたします。  滞納率が全国平均の2倍となっている原因をどのように考えているでしょうか。政令指定都市で最も負担の重い国保料の引き下げを行うべきではありませんか。大西市長の見解をお尋ねいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  本市の国民健康保険料の滞納率が高い要因はさまざまあり、一つに特定できるものではございませんが、本市の1人当たりの医療費は指定都市の中で高く、また、さまざまな保険料収納率向上対策に取り組んできましたが、依然として収納率は低い状況にあり、その結果、保険料が高くなっていることも要因の一つと考えられます。  国民健康保険制度は、保険料収入と公費によって必要な保険給付費を賄う制度となっておりまして、平成30年度に実施されました国保制度改革に伴いまして、熊本県が示す国民健康保険事業費納付金標準保険料率を参考に本市の保険料を決定しております。  本市は、医療費が指定都市の中で高い水準にあること等から、現時点では保険料の引き下げは困難であり、引き続き医療費適正化に向けた取り組みや収納率向上対策の強化などに努めてまいりたいと考えております。          〔36番 那須円議員 登壇〕 ◆那須円 議員  今、市長からの答弁では、収納率が低く、その結果、保険料が高くなっている、こうした答弁もありました。  しかし、その考え方にとどまれば、保険料が高くなれば当然、収納率は払いたくても払えなくなるわけですから下がってくると。市長の考えで言うと、その結果、また保険料が上がると。さらに収納率が下がっていくと。最悪のサイクルを繰り返すことになるのではないかと考えます。  収納率が低いから保険料が高くなるのではなくて、保険料が高いから収納率が下がってしまう、払えない方がふえてしまう。だから、せめて払える保険料に引き下げる必要があるというふうに考えます。  国保会計を維持していくことは大切だと私自身も思います。ただ、国保会計は健全化したけれども、国保加入者の生活と健康が壊されたということでは本末転倒であると思います。保険料引き下げについては、引き続き実施を求めるものです。  国保に関する2番目の質問に移ります。  全体的な保険料引き下げについては、今、市長の答弁で、現時点で困難とありました。ならば、せめて高い保険料のしわ寄せが最も集中している世帯への減免制度を拡充していくべきであります。世帯所得に対して国保料の負担割合がどのようになっているのか、その実態を見てみますと、多人数世帯、そして就労していない子供のいる世帯が所得に占める保険料の負担割合が高い傾向にあり、負担の矛盾が顕著にあらわれております。  最大の原因は、世帯人数が1人ふえるたびに国保料に算定される均等割があるからです。子供が1人生まれれば4万4,700円、所得が変わらないにもかかわらずふえることになります。子供2人で8万9,400円、子供3人で13万5,100円の保険料が引き上げられることになります。1人当たりの均等割、一世帯当たりの平等割が算定の仕組みに組み込まれていることで、応能負担、つまり負担能力に応じて保険料を支払う仕組みがなし崩しとなって、負担能力を超える保険料がこれら世帯の生活を圧迫している状況です。  熊本県芦北町では今年度より、18歳未満の子供の均等割を全額免除する全国に先駆けた減免制度を始めました。熊本市で同制度を実施するために必要な予算は年間5億円となります。熊本市においても18歳以下の均等割の減免制度を実現するべきだと考えますが、大西市長の認識をお尋ねいたします。  なお、前回お尋ねしたところ、現行の減免制度の紹介に終始した答弁だったので、今回は、減免制度の実施に向けてどのような考えで、どのような答えなのか、端的にお答えいただければと思います。答弁をよろしくお願いいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  国民健康保険については、被保険者の年齢層が高く、医療費が高くなる一方、先ほど議員御紹介のとおり、低所得者が多いという構造上の問題があり、保険料の負担軽減が大きな課題となっております。  このようなことから、国では保険料の法定軽減の拡充等を実施しておりまして、本市では、低所得者世帯及び多子世帯を含めた子育て世帯への支援として、被保険者が3名以上で基準総所得が100万円以下の世帯につきましては、保険料を1割減免する本市独自の減免を実施しているところです。  18歳以下の均等割減免制度につきましては、子育て世帯の負担軽減を図るため、全国市長会等を通じ、子供に係る均等割保険料を軽減する支援制度の創設並びに必要な財源の確保について国に対して要望しているところでございまして、実現に向けて今後も強く要望してまいりたいと考えております。          〔36番 那須円議員 登壇〕 ◆那須円 議員  18歳以下の均等割減免制度については全国市長会を通じて要望しているとのことで、この方向性については一致していると思います。あとは国の実施待ちとなるのか、芦北町のように、地方自治体が主体的に取り組むかということだと思います。  18歳以下で均等割の減免については、全額免除で5億円、仙台市が実施しているように3割減免で行うと2億円の財源が必要となります。さきの都市整備委員会において市庁舎、最大400億円、市電は百数十億円、こうした費用をかけても、早期健全化基準を大きく下回る、財政的には大丈夫なんだ、こうした説明もあったところですので、ぜひこの減免制度の実施に向けて、市として前向きに取り組んでいただきたいというふうに思います。  次に、国保44条減免の周知と利用促進についてお尋ねいたします。  国民健康保険法には、第44条にて、所得減や貧困などを理由に、臨時的に医療費を3カ月減免する減免制度が規定されております。しかし、この制度の活用実績は昨年度4件、一昨年度3件と、ほとんど活用されていないのが実態です。  原因は2つあると考えております。1つは、市民に対し同制度が知らされていないということ。また市内医療機関関係者も、同制度について知らなかったという声も少なくありませんでした。2つ目は、この制度の適用条件に所得減ということがあり、例えば低年金でぎりぎりの生活を送られている方などが病気になった際など、もともと低所得のもとで生活されている方は、所得の減少がないということで減免の対象からはじかれてしまうということです。  熊本地震の被災者に対して医療費減免が打ち切られましたが、先月、熊本県へ減免再開の要望を行った際に、医療費減免が打ち切られた被災者はこの44条減免の活用をと、県の職員がおっしゃっておりました。しかし実績を見れば、この44条減免が被災者に対しても機能していないことは明らかではないかと考えます。  そこでお尋ねいたします。  この44条減免について、市役所、各区役所、各出張所に制度をお知らせするわかりやすいポスターなどを掲示する、市政だよりへの掲載、ホームページでのお知らせなど周知を徹底すること。また市内医療機関に協力を呼びかけ、制度の周知に市としても積極的に働きかけることが必要だと考えますが、いかがでしょうか。  さらに、減免の適用規定は市町村の裁量に委ねられております。所得減という条件を改めて、低所得状況が続いている世帯も減免の対象とするなど、運用規定の見直しを図るべきだと考えますが、いかがでしょうか。健康福祉局長の答弁をお願いいたします。          〔田端高志健康福祉局長 登壇〕 ◎田端高志 健康福祉局長  国民健康保険法第44条の減免についてお答えいたします。  国民健康保険法第44条は、災害や事業の廃止など、特別な理由がある被保険者が医療機関の窓口で支払う一部負担金、いわゆる自己負担の支払いが困難な場合に、一部負担金の徴収猶予、減額、免除の措置を定めた規定でございまして、本市では要綱を定め運用しているところでございます。  この制度の周知につきましては、市政だよりや市ホームページへの掲載を初め、被保険者証を送付する際に同封いたします保険給付の案内に掲載し、国民健康保険加入の全世帯に送付するなど実施しているところでございまして、今後も引き続き、制度周知に努めてまいります。  次に、運用規定の見直しについてでございますが、本市の要綱は、国が示す基準よりも対象者の収入要件等を緩和いたしているところでございます。また、44条に基づく減免につきましては、被保険者に特別の事由が生じ一部負担金の支払いが困難となった場合に適用されるものとされており、一定の所得水準以下の被保険者に対しましては自己負担限度額に低所得者区分が設けられているなどの配慮がなされていますことから、現状の運用を継続してまいりたいと考えております。          〔36番 那須円議員 登壇〕 ◆那須円 議員  周知については、より積極的に行っていただきたいと思います。特に国保料の収納窓口などへの掲載や、医療機関への、例えばケースワーカーさんなどへの周知など、この制度の活用を促す取り組みをお願いいたします。  そして、この減免制度の適用規定についてですが、44条減免について、市の要綱で、震災などにより資産に重大な影響を受けたときというふうな規定があります。県の担当者が言うように、熊本地震の被災者が医療費減免打ち切り後、医療機関の受診を我慢しなくていいように、せめて全壊、半壊となった方で修繕や建てかえの返済が残っておられる方、所得の少ない方、こうした方は44条減免が活用できるように検討をお願いしたいと思います。  次に、短期保険証、資格証明書についてお尋ねいたします。  いずれも保険料滞納者に対するペナルティー的な役割を担い、発行要件については、機械的に扱えば市民の健康や命に直結する大変重要な課題としてお尋ねいたします。  短期証は、通常1年間有効期間がある従来の保険証と違い、半年間しか有効期限がない保険証です。資格証明書は、医療機関において窓口負担が10割となるなど、実質的な無保険状態となるものであります。資格証明書の発行件数は、平成29年度まで年間40件程度でありました。しかし平成30年度から発行条件が緩和され、発行件数は400件を超え、10倍以上に激増しています。  先日、この資格証明書が発行されている50代の御夫婦から相談を受けました。その御夫婦は、国保料の滞納により資格証明書が発行された後、妻が子宮から出血、資格証の解除を求め夫が相談しても、国保収納窓口では、滞納額の4分の1を支払わない限り保険証は出せないとの対応でありました。その結果、半年間、妻は受診ができない状況が続いたというものでありました。  なぜこのようなことが起こったのでしょうか。この原因は、発行条件が、本人の健康状態や滞納世帯の経済的な実態、現在の支払い能力などを詳細に把握せずに、ただ単に滞納期間、滞納額など、機械的な発行を行っていたから起こったのではないでしょうか。丁寧な納付相談、聞き取り、経済状況に応じた分納などを行い、機械的な発行をやめるべきではないかと考えますが、健康福祉局長の答弁をお願いいたします。          〔田端高志健康福祉局長 登壇〕 ◎田端高志 健康福祉局長  短期被保険者証、被保険者資格証明書についてお答え申し上げます。  短期被保険者証につきましては、納付相談の機会をふやすことを目的といたしておりまして、窓口での納付や相談等を通じまして相談いただいた被保険者の方の生活実態や事情を把握し、被保険者証の更新を実施しているところでございます。  また、被保険者資格証明書につきましては、国民健康保険法第9条の規定に基づきまして、特別の事情がなく一定期間保険料の納付がない方に対し交付するものでございます。  本市では、保険料が軽減されている低所得者世帯は対象外といたしておりまして、被保険者資格証明書を交付するに当たりましては、対象となる被保険者の方に納付できない事情に関する弁明書の提出を求めまして、特別の事情の把握に努め、個別の状況に応じた運用を行っているところでございます。  短期保険証及び被保険者資格証明書の発行につきましては機械的な対応は行っていないところでございまして、今後も滞納者一人一人の実情等を踏まえまして、丁寧な対応を行ってまいります。          〔36番 那須円議員 登壇〕 ◆那須円 議員  今、答弁では、機械的な発行は行っていないと、それぞれの特別な事情の把握に努めるというふうな答弁でありましたけれども、紹介した事例は、滞納額の4分の1を払わないと資格証明書の解除はしないということで、市側が決めた納付金額をもとに資格証の解除がなされずに、妻は長期間、医療機関にかかれないというものでありました。  お金の切れ目が命の切れ目につながっていくというような現状が皆保険制度と言われる国保の現場で起こっていることについては、重く受けとめるべきだと考えます。払わない市民へのペナルティーということよりも、払えない保険料を強いている市みずからの責任に向き合っていただくように指摘し、次の質問に移ります。  次に、差し押さえについてお尋ねいたします。  大西市政になり、国保料滞納者に対する差し押さえ件数は、2013年度271件から2017年度1,586件へと、6倍に激増しております。  その内容については、2017年度差し押さえ件数1,586件のうち、預貯金が1,438件、生命保険147件と、これらを合わせると差し押さえ件数の99.9%になります。いまや差し押さえは、家の中に踏み入り動産を差し押さえるというものから、預貯金等の差し押さえへと、差し押さえの方法についても変わってきております。  しかし、この差し押さえについては市民の方からも、生活費が入っている預貯金が丸々差し押さえられてしまった、事業の運転資金が差し押さえられてしまい、どうすることもできなくなったなどの相談の声が寄せられております。市民の生活実態を把握せずに預貯金が差し押さえられている実態があります。差し押さえについて、例えば最低限の生活費を残す、事業の運転資金などについては残すなど、明確なルールをつくるべきではないでしょうか。健康福祉局長の答弁をお願いいたします。          〔田端高志健康福祉局長 登壇〕 ◎田端高志 健康福祉局長  国民健康保険料滞納に伴う差し押さえについてお答えいたします。  差し押さえにつきましては、財産調査の結果を精査した上で、納付能力があるにもかかわらず滞納している世帯につきまして電話や訪問、催告書の発送等により折衝を試み、それでも納付や連絡等がない方に対し、国税徴収法に基づき、差し押さえ禁止財産を除く財産に対して行っているところでございます。  特に預金差し押さえにつきましては、年金や児童手当等の支給日に合わせた差し押さえは行っていないところであり、加えまして、口座の異動履歴を確認し、義援金や児童扶養手当等についても差し押さえを行わないこととしております。今後も引き続き、個別の状況に応じ適正な対応を行ってまいります。
             〔36番 那須円議員 登壇〕 ◆那須円 議員  国税徴収法に基づき差し押さえを行っているということだと思うんですけれども、国税徴収法153条には滞納処分の停止、つまりは差し押さえしてはならないケースが規定されております。その第2項には、滞納処分等をすることによってその生活を著しく窮迫させるおそれがあるときというふうに規定されております。  先ほど局長から、年金や児童手当等の支給日に合わせた差し押さえは行っておらずというふうにありましたけれども、支給日を過ぎて年金を差し押さえるということは、その方にとっての生活費そのものをなくしてしまう、市に差し押さえられてしまうということになりかねません。  熊本市が今、行っている預金の差し押さえは、こうした生活費を残すとか、そういったものではなく、まず預金そのもの、全額を差し押さえるというやり方です。預貯金の差し押さえ件数は、先ほど示したとおり1,438件。そのうち充当したものが910件と、6割。残り4割は充当できずに返還等が行われている状況です。つまり返還しないと生活が成り立たないケースが、この4割には相当数、含まれていると思われます。生活を著しく窮迫させる場合は差し押さえできない、この国税徴収法に基づく対応を行っていただくように強く求めて、次の質問に移りたいと思います。  各種滞納者の生活再建に向けたワンストップ支援についてお尋ねいたします。  私にとっては二度目のお尋ねになりますけれども、滋賀県野洲市は、市税や国保料などの滞納を生活困窮者からのシグナルと捉えて、縦割りではなくて、関係所管課が連携し、市民の生活再建に取り組んでいる自治体です。  その主体となっている市民生活相談課は、平成11年から消費生活相談をベースにワンストップで市民の相談を受けつけ、相談者からの話を聞き、生活再建のプランを立てて支援調整会議を毎月開いてプラン内容を検討。現在では、市民相談、消費生活相談、法律相談、税務相談、行政相談、就労相談、生活困窮相談、自立支援相談、家計相談支援、学習支援の各事業など、広範囲の仕事を他部署、地域の弁護士、そして司法書士、ハローワーク等と連携を図りながら取り組んでおられます。市民の抱える幾つもの問題を一つ一つ解決するために各課を市民に回らせるのではなくて、職員が市民相談課に集まって対応する姿勢を貫いておられます。  多重債務の相談から弁護士につなぎ過払い金の返還が行われ、そして市税が納入されるなどの事例もあることから、納付相談から困窮者を発見すれば市民生活相談課につないで生活支援をする仕組みが整っているというふうにお聞きしております。  野洲市納税推進課の説明資料によりますと、ようこそ滞納いただきましたとの記載があります。この精神で、税の滞納という市民の状態から、どれだけの問題を抱えているのだろうか、市役所には命と暮らしを守り支える制度が整っているんだと、相談者に優しく寄り添い、おせっかい精神を持ちながら、抱えている問題や悩みを引き出してトータルで解決していくための各部局と連携をとるなど、取り組みを進めております。本市においても大いに学ぶべきものがあると考えております。  そこでお尋ねいたしますけれども、野洲市の取り組みを参考に、滞納を市民の生活再建の糸口とするワンストップの相談体制を確立し、市民の悩みや生活苦に対する役所内の連携を図っていく必要があると思いますが、大西市長の答弁を求めます。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  市税や国民健康保険料などを滞納する方の中には、経済的な問題のほか、就労や健康面など複合的な問題を抱えておられる方もおりまして、包括的に支援していくことが必要であると考えております。  このため、本市では生活自立支援センターを設置いたしまして、さまざまな課題に対して専門の相談員が寄り添いながら適切な支援機関につなぐなどの包括的な支援を実施しているところです。  例えば80代のお父さんと40代の男性のお子さんの二人暮らし世帯で収入がお父さんの年金のみであったケースにおいて、お子さんの就労について、NPOとの連携によりまして就労先を見つけることができました。そして住宅については、市営住宅家賃の分納相談によって退去等の心配の解消を図ったところです。また医療につきましては、国民健康保険料の減免相談で保険の使用を可能にすることになったなど、さまざまな関係機関との連携によって生活困窮の状態が解消できた事例もございます。  今後も、議員御指摘のとおり、関係機関が相互に情報を共有し、さらなる連携強化により支援を必要とする方を早い段階で発見し、早期に相談につなぎ、そして生活再建ができるよう、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。          〔36番 那須円議員 登壇〕 ◆那須円 議員  生活自立センターについては先日の一般質問でも取り上げられましたけれども、貧困が大きな社会問題となる中で、その役割はますます大きくなっていると思います。1つの滞納を市民のSOSと捉え、市役所各部署や外部団体との連携をさらに強めていただきたいと思います。  市税や国民健康保険料、水道料金、各種貸し付けなど、支払いや返済の際に、各窓口担当者が常に生活自立センターとの連携を意識しながら対応するように、周知や相談に対する向き合い方などをしっかりと指導していただくように求めて、次の質問に移ります。  次に、保育についてお尋ねいたします。  ことしの5月、幼児教育・保育の一部を無償化する改定子ども・子育て支援法が成立し、10月から無償化がスタートすることになりました。  しかし法律が成立した翌日、新聞各紙は批判的な論調で報じておりました。毎日は、「子育て支援 見切り発車」との見出しをとり、認可外保育施設指導監督基準を満たさない施設も5年間、公的給付の対象としたことなどを取り上げ、大きな課題が保育の質の確保だと問題視しました。朝日も、「幼保無償化 遅れる安全」として、認可外保育施設の指導監督強化の実効性が不透明なことを指摘しております。東京新聞は、「保育士不足に拍車 懸念」とし、保育士の処遇改善が進んでいない点や自治体の事務負担がふえることへの懸念を挙げておられます。読売は、子育て世帯の経済的な負担が軽減される一方、ニーズの増加で教育・保育の質低下や保育士不足の深刻化を懸念する声もあると指摘。産経は、「安全確保 拭えぬ不安」として、社会面で認可外保育施設での事故で子供を亡くした当事者の不安を紹介しました。  また、無償化財源が低所得世帯ほど負担の重い逆進性を持つ消費税の増税頼みであること、無償化のための費用の多くは比較的所得の高い世帯に偏り、低所得世帯への恩恵は少ないことなど、制度のたてつけの矛盾も指摘されております。  保育、幼児教育無償化について、10月からの制度実施を前に数点、お尋いたします。  まずは保護者の負担についてでありますが、今回の制度で、10月からの無償化の対象年齢、3歳から5歳は原則、全世帯無償化になります。ゼロから2歳は住民税非課税世帯というふうになっております。対象となる施設は、認可保育所、幼稚園、認定こども園が中心で、認可外保育施設などは上限をつけて補助するというものです。しかし、保育や幼児教育の無償化とは言いつつも、食材費の負担など、年収360万円以上の世帯は実費負担となるなど、保護者への負担は残った形になります。  こうした中で、子育て支援の強化策として、保育料やこの食材費へ独自の軽減策を講じている自治体もあります。兵庫県高砂市は、無料化の対象から外れた世帯に対して副食費を無料化する独自の軽減策を講じました。市独自の保育料負担が無償化に伴い減少する分を財源としています。  また、栃木県大田原市は、制度の対象外となる0歳から2歳の課税世帯の保育料についても3割補助する独自の軽減策を講じるほか、年収360万円以上の世帯の副食費を負担する世帯に2,000円の補助を行う独自の制度を創設しています。  熊本市においても完全無償化に向けた市独自の取り組みを進める必要があると考えますが、いかがでしょうか。大西市長にお尋ねいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  幼児教育・保育の無償化の実施に伴う副食費免除の取り扱いにつきましては、国においては、年収360万円未満の世帯や多子世帯への支援として、保育所等に同時に在園している第3子以降の児童などを副食費免除の対象としているところでございます。  本市独自の取り組みとしましては、保育所や認定こども園及び幼稚園に在園する児童のうち、所得制限はありますものの、国の副食費免除の対象とならない同一世帯で18歳未満の第3子以降の児童まで対象を拡充する方針としておりまして、その費用について、本議会に補正予算として合計4,470万円を計上しているところです。  今後とも引き続き、子育て世代が安心して子供を産み育てられる環境づくりに取り組んでまいりたいと考えております。          〔36番 那須円議員 登壇〕 ◆那須円 議員  これまで実施していた第2子、第3子の減免については、10月以降も実施するための補正予算が提案されていることについては大いに評価いたします。  ただ、幼児期の食育など、大変大切な取り組みであり、これまでは、副食費については保育料に含まれる形で財政措置されておりました。保育・幼児教育の無償化というのならば、こうした食育に関する費用についても無償化に向けた取り組みが各自治体の取り組みで行われておりますので、引き続き御検討いただきますようにお願いいたします。  次に、保育や幼児教育を提供する園側の問題についてお尋ねいたします。  内閣府が先月22日に各自治体に送付した10月からの特定教育・保育の費用告示案では、副食費の実費徴収に伴い公定価格を5,090円引き下げるとしております。  つまり園としては、これまで支給されていた5,090円の収入を失い、新たに副食費4,500円を徴収するということになるものの、差し引き約600円のマイナスというふうになります。標準的な定員90人の保育園で計算すると、年間60万円以上の減収というふうになります。こうした減収が原因となり、例えば園で提供する食事へマイナスの影響が起こるのではないか、さらには職員の非正規化が進んでしまうのではないか、こうした保育士の待遇の低下、保育の質の低下が懸念されております。  また、園にとっては副食費の徴収業務について新たな事務作業が増加するにもかかわらず、何ら財政的な支援もない状況です。  そこでお尋ねいたしますけれども、公定価格引き下げによる園の減収に対する対応、そして副食費徴収業務への支援など、市としてどのように取り組むのでしょうか。健康福祉局長にお尋ねいたします。          〔田端高志健康福祉局長 登壇〕 ◎田端高志 健康福祉局長  公定価格引き下げへの対応についてお答えいたします。  幼児教育・保育の無償化の実施に伴いまして、本年10月から2号認定子供の副食費は、保育料の一部として、市町村が徴収する形から施設等による直接の徴収に変更され、公定価格における副食費につきましては、減額する一方で栄養管理加算などを拡充し、公定価格全体としては影響がないとする改正案が国から示されているところでございます。  また、副食費の徴収事務につきましては、国からはこれまでも主食費や行事費等の実費徴収を認めていることから、施設による徴収事務の中で実施するものとの考えが示されており、今後、各施設の運営状況等について注視してまいりたいと考えております。          〔36番 那須円議員 登壇〕 ◆那須円 議員  今、局長から、副食費の減額分は栄養管理加算などを充てれば大丈夫という国の考え方が示されました。  ただ、栄養士を配置することによる栄養管理加算はあくまで栄養士の配置を促すための予算措置であり、栄養士を配置していない園は、例えば新たに栄養士の人件費にこの加算分を充てることになります。  そもそも、ある目的を果たすための加算金を副食費に関する減額の穴埋めに使えばいいというふうな考え方は、制度設計そのものに熟度が足りず、その場しのぎと言わざるを得ません。副食費徴収業務とあわせて、しっかり現場の声を聞きながら課題を整理して、国に対して改善を求めていただくようにお願いいたします。  次に、保育の質についてお尋ねいたします。  保育、幼児教育の無償化方針は、保育のあり方を根本からゆがめると指摘もされております。保育士の配置数や保育室の面積などで国の基準を満たさない認可外施設の利用者も補助の対象になるため、保育の質が保てない施設に国がお墨つきを与えることになるとの懸念の声が上がっています。  小規模保育事業所ではA型、B型、C型と、規模によって保育士の配置についてはさまざまな基準がありますけれども、本市においては、設置認可の際、保育士の配置をふやせば配点が高くなるなど、保育士の配置の重要性を市としても認識しながら100%の保育士が配置されています。  一方で、認可外保育施設では保育士の資格保有者の配置を3分の1以上、企業主導型保育施設については2分の1以上で運営を可能とするなど、ここでも保育の質の低下が懸念されています。もちろん、認可外においても、こうした保育士配置の緩和に甘んじることなく、100%保育士を配置し、保育の質を落とさない努力をされている園もあります。  ことし4月、4年ぶりに待機児童が発生する事態となり、今、保育の受け皿をふやすための取り組みが進められていますが、新規参入には企業主導型保育がふえている状況です。  そこでお尋ねいたしますけれども、認可園と同等の保育の質を確保するためにも、保育士配置比率の引き上げ等を促すなど市として取り組む必要があると思いますが、いかがでしょうか。健康福祉局長にお尋ねいたします。          〔田端高志健康福祉局長 登壇〕 ◎田端高志 健康福祉局長  認可外・企業主導型保育施設についてお答えいたします。  企業主導型保育事業は、設置した企業の従業員の児童や地域での保育の必要な児童を預かる事業であり、国が運営費の助成を行っております。また事業実施に当たりましては、児童福祉法に基づきまして認可外保育施設として本市への届け出が必要となり、本年9月1日現在で33の施設から届け出の提出をいただいているところでございます。  企業主導型保育事業の質の確保につきましては、他の認可外保育施設と同様に年1回以上の立ち入り調査を行っており、認可外保育施設指導監督基準に基づきまして、適正な保育が実施されているかなどを確認いたしております。  また、保育士の配置につきましては、企業主導型保育事業費補助金要綱によりまして、保育に従事する者のうち半数以上を保育士とするよう定められているところではございますが、保育士の比率が上がることに伴いまして補助単価が上がる仕組みとなっていることもありますことから、当該施設に対しましては、保育士の雇用について助言を行いながら保育の質の確保に努めてまいります。          〔36番 那須円議員 登壇〕 ◆那須円 議員  監査による指導、さらには保育士比率に伴う補助単価増加などを助言していくとの答弁でありました。  保育士の配置基準を定めているのは、企業主導型は内閣府、認可外保育施設については厚労省であります。これらの施設も、10月からは公費で運営される保育施設となります。認可園に保障されている保育と同等の質が求められますし、そのために保育士の配置基準は決して緩和されるものではないと考えております。国に対しても配置基準の改善を求めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  保育に関する最後の質問で、保育士確保に向けた課題についてお尋ねいたします。  保育の現場では、保育士が足りない、見つからないといった人材の確保に対する声が上がっておられます。保育士が確保できれば子供たちをもっと受け入れることができるという園も少なくありません。ただ、保育士は介護職と並び離職率の高い職種です。それは、当たり前の生活を送り、家庭を持ち、将来にわたって安心した生活が保障されるとは言いがたい低賃金や処遇の低さが大きな原因と考えられます。  保育士の賃金の引き上げや処遇改善に向けて、市としてどのように取り組んでいかれるのでしょうか。また国に対して要望すべきだと考えますが、いかがでしょうか。この問題は保育の根幹にかかわる問題ですので、大西市長にお尋ねいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  年々増加しております保育所等への入所申請や10月から実施されます幼児教育・保育の無償化の影響によりまして、保育需要がなお一層、高まることが想定されますことから、保育の担い手である保育士の確保は大変重要であると認識しております。  保育士の処遇改善といたしましては、国が実施する保育士への技能・経験に応じた処遇改善を着実に実施してきたところでございますが、さらに保育士の職場への定着につながるよう、対象となる経験年数に係る要件の緩和などについて、国に対して、本年6月に本市単独での要望に加えまして、7月には指定都市市長会による要望を行っておりまして、今後とも保育士の処遇改善に努めてまいりたいと考えております。          〔36番 那須円議員 登壇〕 ◆那須円 議員  保育士確保は大変重要との認識が示されました。そこは共通しているものと思います。  処遇の改善は待ったなしの課題だというふうに思います。かつて、介護職については賃金の引き上げのための介護報酬の加算などが行われました。行政側が主導してこうした待遇改善に一歩踏み出す、こうした対応も保育の現場、特に無償化に伴う需要の拡大が見込まれる時期ですから、検討いただきたいというふうに思います。  また、認可保育所に子供が入れない待機児童、保留児童の問題はことしも深刻であります。無償化で希望者の増加も想定される中、子供がいたから保育・幼児教育を受けられる体制を整えることと一体で無償化を進めていくことを求め、次の質問に移ります。  次に、エアコン設置に関する制度についてお尋ねいたします。  近年、これまででは考えられないような猛暑が日本各地を襲っております。総務省消防庁のまとめでは、昨年の夏季、5月から9月に熱中症で救急搬送された人の数は全国で9万2,710人とされており、緊急搬送された人を年齢別で見ると、48.1%が65歳以上の高齢者となっています。また、熱中症を発症した場所では、敷地内全ての場所を含む住居が40.3%で最も多く、2位の仕事場10.8%を大きく引き離しております。  こうした中で、厚生労働省は昨年6月、一定の条件を満たす生活保護利用世帯に対しクーラー購入費支給、上限5万円を認める通知を出しました。しかし条件の中に、昨年度以降引っ越しをした世帯とか健康状態や住環境等を総合的に勘案するなど、こうした条件があるために助成が受けられない世帯が発生しております。  国のエアコン設置補助の対象外になっている世帯も含めて、現時点では125世帯の御家庭にエアコンがついていないというふうな状況です。熱中症で命を失うという事例も多々発生しております。猛暑から市民の命を守る立場で、国の助成制度から漏れてしまった世帯に対して独自のエアコン設置に向けた助成を創設すべきだと考えますが、いかがでしょうか。  また、東京都荒川区では、高齢者世帯、障がい者、要介護者、乳幼児のいる世帯に対してエアコン購入の際に5万円を上限に助成する制度を創設しておられます。特に暑い熊本市においてもこうした補助制度を創設し、猛暑から市民の健康と命を守る取り組みを進めるべきだと考えますが、いかがでしょうか。お尋ねいたします。          〔田端高志健康福祉局長 登壇〕 ◎田端高志 健康福祉局長  生活保護受給者、高齢者世帯等へのエアコン設置助成に関する2点のお尋ねにお答えいたします。  まず、生活保護受給者に対する助成制度の創設についてお答えいたします。  生活保護業務は国からの法定受託事務でございまして、生活保護法による保護の実施要領に沿って実施いたしております。  エアコン購入費の支給につきましては、生活保護実施要領の要件に該当しない場合には、購入費用を保護費で賄うことができるよう家計管理の助言を行いますほか、熊本市社会福祉協議会の生活福祉資金貸し付けの利用を紹介するなどの手続の支援を行っているところでございまして、引き続き、熱中症による健康被害が起こることがないよう支援に努めてまいります。          〔議長退席、副議長着席〕  次に、高齢者世帯等への助成制度の創設についてお答えいたします。  議員御提案の高齢者世帯や障がい者世帯等へのエアコン購入費助成につきましては、生活費のやりくりにより購入している世帯との公平性や均衡性を十分考慮する必要があると考えているところでございます。          〔36番 那須円議員 登壇〕 ◆那須円 議員  この問題は、市民の健康、命に直接かかわる問題であります。国が示している、エアコンがないと健康状態に影響するという要件は、特定の病気をお持ちの方に限らず、全ての人に当てはまります。それは、健康な人であっても熱中症の被害に遭っている現状を見ても明らかです。  また、答弁では、国の要件に合わない人は社会福祉協議会の貸し付けを紹介しているとありました。そもそも、貸し付けを受けた場合は、その返済については最低限度の生活を保障する生活費から支払わなければなりません。貸付金を返せば下回る最低限度の生活を送ることを前提としたもので、これまでは原則、禁止されてきたものです。こうした最低限の生活を犠牲にしなければエアコンも設置できない現行制度については改善するように国に対して求めていただきたいと思いますし、市として独自の助成制度を求めたいというふうに思います。  高齢者世帯等へのエアコンの設置助成については、生活費のやりくりにより購入している世帯との公平性というふうに答弁でありましたけれども、私が求めているのは、やりくりしてもなおエアコンが購入できないような、こうした世帯への対応を求めているものであり、ここは細かな制度設計を行い、実施するように求めたいというふうに思います。  次に、教育の課題についてお尋ねいたします。  先月22日、学校現場で働く先生方とともに、教育委員会に対して働く環境の改善を求める要請、懇談を行わせていただきました。現場で働く教員の方の生の声を聞く貴重な時間となりました。教員の働き方の問題は教員自身の問題にとどまらず、この教員の下で学ぶ子供たちの発達や教育に大きく影響いたします。  現在、教育委員会では教員の時間創造プログラムを策定し、鋭意、教員の負担軽減等に取り組みが行われております。しかしなお、現場では、人が足りない、多忙で子供に向き合う時間が十分にとれないなど、深刻な声が上がっています。  教育現場で直面している課題について具体的に聞いてまいりますが、1点目は、小学校への英語教育の導入についての人材確保についてです。  来年度から本格実施に向け、現場は、「小学校の学級担任は基本的に英語教育の免許を持っていない。ALTに丸投げするしかない先生も多い」、こうした意見や、「多くの先生が免許も知識もない中で、見切り発車で英語が導入されたことで現場は混乱している」、こうした声。「英語の授業がかなりのストレスとなっている」。さらには、「教科として教えるのならば、英語の楽しさ、正しい発音など、質の高い指導力が求められる」など、困惑の声とともに、何とか子供たちに質の高い授業を行いたいとの思いで人的な体制整備を求めておられます。  そこでお尋ねいたしますけれども、現在13名の英語専科の教員が各学校を持ち回りながら英語の授業を行っております。現場の先生方は、この英語専科の先生の授業を実際に見て、どのように英語の授業を進めていけばいいのか試行錯誤している状況です。  小学校での英語教育において質の高い教育を保障していくためには、実際に英語専科の教員による授業を研修する機会をふやすこと、そのためには英語専科の先生を一定度はふやしていくこと、そして英語の教材の研究、指導力強化のために先生方に十分な研修時間の保障していくこと、この研修時間を保障していくために必要な教員の加配を講じることなどが必要だと考えますが、いかがでしょうか。教育長の答弁を求めます。          〔遠藤洋路教育長 登壇〕 ◎遠藤洋路 教育長  英語教育についてお答えいたします。  本市では、質の高い英語教育を提供するために、平成27年度から各小中学校の代表を対象に、夏期休業期間等に3回の英語教育推進研修会を開催し、英語での授業の実践方法や教材活用の手法等、実践研修に取り組み、小学校からはこれまでに282名が参加しております。  また、ALTの配置拡大を進め、学級担任とチームティーチングを行うことで英語授業への不安や負担感の解消に努めております。  英語専科教員については今年度14名を配置し、兼務する小学校の英語授業の半分程度を実施するとともに、ALTを活用した授業づくりのアドバイスや放課後研修会の開催等、英語授業にふなれな教員のサポートに努めており、来年度も配置できるよう国へ要望してまいりたいと考えております。
     今後も、研修等を通して教員の英語力、授業力の向上に努めながら、本市の英語教育の推進に取り組んでまいります。          〔36番 那須円議員 登壇〕 ◆那須円 議員  ALTの充実とともに、英語授業に不安を持っておられる先生方への支援を実施していただくようにお願いいたします。  次に、教員の抜本的な増員についてお尋ねいたします。  教員の多忙化は大変深刻な状況です。国は昭和33年の義務標準法制定の折、1時間の授業については1時間程度の準備の必要がある、つまり授業時間と同等の時間を要するとの考えのもとに教員の定数を定めてまいりました。熊本市の教育現場の実態はどうなっているのか、小学校の授業時間3時間48分に対して授業準備は1時間17分、わずか3分の1しかありません。  1時間の授業に対し1時間程度の準備時間が必要との認識は、遠藤教育長も昨年の一般質問の中で、質の高いきめ細かな指導を行う上で授業準備は重要であり、その時間を確保することは不可欠との認識を示されました。授業に向けた教材研究や準備時間が十分に確保できないということは子供に対する教育への準備不足であり、子供の健全な発達や可能性を義務教育の段階で阻害することになりかねません。だからこそ、教員の方々はみずからの時間や体を削りながら必死に教育と向き合っておられます。  また、いじめなどの深刻なケースへの対応、保護者との意思疎通など多面的な対応に追われ、子供との対話ができない、同僚や先輩の先生に相談する時間すらも確保できないなど、時間と心の余裕が教育現場から失われております。精神疾患による休職者数も、厚生労働省資料によりますと、1989年には1,037名だったものに対し2015年には5,009名と、ここ30年間で5倍に激増しています。  現在、教員の時間創造プログラムが進められていますが、質の高い教育、きめ細やかな指導を保障するために、抜本的な解決は教員の数をふやすこと以外にありません。教育に最も力を入れている都市と言えるように教員の増員を抜本的に図る必要があると思いますが、いかがでしょうか。教育長にお尋ねいたします。          〔遠藤洋路教育長 登壇〕 ◎遠藤洋路 教育長  教員の増員についてお答えいたします。  教員の多忙化の解消については、平成30年3月に策定した学校改革!教員の時間創造プログラムに基づき、仕事の総量の減少、マンパワーの充実、時間を意識した働き方の徹底の3つの方針に沿って取り組んでおります。  マンパワーの充実については、再任用短時間教員や英語専科教員、部活動指導員の配置、ALTの増員等を行い、その充実を図っております。  議員御指摘の教員の抜本的な増員については、現状では人材や財源の確保が困難であることから、国に対して教職員定数や給与の改善について要望を続けてまいりたいと考えております。          〔36番 那須円議員 登壇〕 ◆那須円 議員  人材や財源の確保が困難という理由で、国に教員定数や給与の改善について要望したいという答弁でありました。  この教員の数をふやすという問題は、熊本市の教育の水準を引き上げていく上で喫緊の課題だと考えております。現場の先生が、子供と向き合う時間がとれないとか、授業の準備すらもできない、同僚の先生などに相談すらもできない、そして精神的な疾患になってしまうと。この課題を解決するために、数そのものをふやす以外に方法はありません。  人材の課題に触れた答弁がありましたが、その背景には、ブラックな教員の労働環境が大きく関係しております。教員をふやして、やりがいや誇りが持てる環境に改善していけば、この人材の課題は解決できるものと考えます。  また、財源の課題がありましたけれども、教育委員会として教員増員を望んでも、別の予算を削るなど、教育委員会内での予算のやりくりをしなければならず、教員をふやしてほしいという最も切実な要望すらもなかなか上げることができないような環境があります。教育は人を育て、本市のみならずこの国の将来を担う、人という何ものにもかえがたいものを育てるものです。教員確保のための財源確保を最優先課題の一つとして、全庁の取り組みの中で何を優先するのか、こうした視点で教員確保の財源、しっかりと確保していただくように、これは大西市長に強く求めたいというふうに思います。  次に、35人学級についてお尋ねいたします。  現在、熊本市では、小学校4年まで、中学校1年まで35人学級を実施しています。子供の顔が見える、一人一人に向き合えるなど、教育に欠かすことができない子供との信頼関係の構築に向け、この35人学級の取り組みは現場の先生方からも歓迎されています。  しかし一方で、小学校5年になった際に学級数は減って、1学級の児童数が大きくふえる場合に、例えば特別な支援を要する児童への対応が十分にできなくなる、子供と向き合える時間が減少したなど、教員にとっても子供にとっても、4年と5年の境、そして中学1年と2年との境でさまざまな弊害が生まれております。  教員を加配して少人数指導という形で対応されていることは承知していますけれども、現場から強く望まれている35人学級を全ての学年において実施するべきだと考えますが、いかがでしょうか。教育長にお尋ねいたします。          〔遠藤洋路教育長 登壇〕 ◎遠藤洋路 教育長  35人学級についてお答えいたします。  子供一人一人の個性に応じたきめ細かく丁寧な指導のための取り組みの一つとして、本市では少人数学級を、国や県の基準である小学校1、2年生のほか、独自で小学校3、4年生及び中学校1年生でも実施しております。  少人数学級のさらなる拡充には、学級増に伴い教員及び教室が新たに必要となり、人件費やプレハブ経費の財源確保に加えて新たに採用する教員の質の確保も課題となることから、現在のところ、これ以上の拡充は考えていないところです。          〔36番 那須円議員 登壇〕 ◆那須円 議員  教員や教室が新たに必要になるとのことでありました。  35人学級と40人学級の切りかわりの際にさまざまな問題が教育現場では起こっております。行き届いた教育を進めるためにも、35人学級について引き続き、実現に向けて検討していただくようにお願いしておきます。  次に、人事考課制度についてお尋ねいたします。  人事考課制度とは、校長が教員個人の能力を評価し、それを昇給などに反映させる仕組みであります。教員の資質向上や学校組織の活性化等を目的として他都市では行われていますけれども、実際にはさまざまな弊害が生まれております。  大きな弊害の一つが、学校現場のチームワークに亀裂を与え、教育の質の低下につながるという点であります。  明治大学教授の諸富氏は、著書教師の資質にて、教師のチームワークの弱体化にはさまざまな要因が影響しているとし、その原因の一つに教師の人事考課制度を挙げておられます。  多くの方は、教員の評価をすれば力量がアップする、士気が高まると思われているかもしれませんが、諸富氏は、実際に人事考課を熱心に行い給与に反映させている自治体、主には東京都や大阪府など大都市圏で行われていますけれども、こうした自治体においては教師同士のチームワークにひびが入りつつあるのが実情であると述べ、この人事考課制度によって職員室のチームワークが壊されていると指摘しています。  実際にこの人事考課制度を導入している熊本県の教育現場の先生方からは、教材研究の教師同士の交流が減った、授業実践の共有などチームとしての協同に影響を与えているとの指摘が挙がっています。  島根県の教育委員会は、2016年8月23日に、人事評価を用いた給与への処遇反映は行わない旨の方針を教育長名で出しました。その理由として次の3点を挙げておられます。  1つ目は、多種多様な校種や職種のある学校において、給与に反映させる目的のもと、一律の評価項目、着眼点、評価基準等を用いた人事評価制度の設計を行うことは困難。  2点目は、学校現場における業績等の評価に際して、教育活動の成果は、最終的には児童・生徒の変容に帰着すると言える。しかしながら、教育活動そのものは各学校の教職員のチームワークで遂行され、また児童・生徒の保護者との信頼関係にも大きく依存するものであり、教職員個人の業績のみと関連づけて捉えることはなじまない。  3つ目に、各学校の教職員が一体となって児童・生徒の変容を目指した教育活動に取り組む学校現場にあっては、人事評価を個人の給与に反映させることは学校現場のチームワークを阻害することにもなるとの理由で、教育に人事考課制度による給与への処遇反映は教育になじまないとして導入をやめております。  そこでお尋ねいたしますけれども、教育委員会における人事考課制度については導入するべきではないと考えますが、教育長の御認識をお尋ねいたします。          〔遠藤洋路教育長 登壇〕 ◎遠藤洋路 教育長  人事考課制度についてお答えいたします。  平成28年4月に施行された地方公務員法の改正において、職員がその職務を遂行するに当たり発揮した能力及び挙げた業績を把握した上で行われる人事評価制度を導入し、これを任用、給与、分限、その他の人事管理の基礎とするものとされております。  そこで、本市の教職員においても平成28年度から新人事評価制度に移行し、職員一人一人の資質を向上させ、学校組織の活性化を図ることを目的として人材育成や昇任等に活用しております。  人事評価に基づく給与への反映については、熊本県教育委員会を初め既に導入している自治体の効果や課題を見きわめながら、導入の可否について判断してまいります。          〔36番 那須円議員 登壇〕 ◆那須円 議員  導入の可否については、既に導入している自治体の効果や課題を見きわめるとの答弁でありました。  今、紹介したように、必ずしもこの人事考課制度は教員の士気や能力の向上にはつながっておりません。むしろ、個々の評価をすることが、例えば学年単位、学校単位で連携を深めなければならない学校現場にマイナスの影響を及ぼしていることも報告されています。総務省からの圧力に負けずに、教育現場を第一に判断いただくようにお願いいたします。  次に、熊本地震からの復興や被災者の生活再建に関してお尋ねいたします。  1点目は、被災者の生活実態に即した住宅再建や住宅確保ができているかという点です。  最大時、約1万世帯が入居していた仮設住宅から、自宅の再建や恒久的な住宅の確保などが進み、現在では随分の方がみなし仮設を退去されて生活を送られております。  しかし、以前にも指摘していたとおり、仮設からの退去イコール生活の再建、住まいの確保と安易に考えることはできません。ことし4月以降、入居期限を迎える被災者に対しては、より延長条件が制限されて、災害公営住宅待ちであったり、自宅を再建しているけれども業者の関係で工事がおくれているとの条件を満たす方のみが延長を認められている状況です。今年度の数でありますが、入居延長を希望する方793世帯のうち35世帯の方が延長を認められず、退去せざるを得ないという状況になっています。  私は、先月8月末をもってみなし仮設住宅の入居期限を迎え、9月からは大家さんとの二者間協定契約となった高齢者御夫婦の話を聞く機会がありました。  地震前は東区の分譲マンションにお住まいで、全壊判定の中で今のみなし仮設に入居しておられました。この間、できるだけ早く住まいの確保をと物件を探していましたけれども、ペットと同居可、家賃の水準、希望の居住地域での物件は見つけることができずに期限を迎え、やむなく二者契約に至ったとのことでありました。できれば延長をと思ったけれども、自分たちだけがわがままを言うことはできないと、入居延長の申請も諦めたとのことでした。  この御夫婦の年金は、合わせて月10万円程度であります。その中から6万円の家賃負担をしなければならず、70代の夫が仕事に出るようになったとのことです。本来ならば、やがて住宅ローンも支払い終わり老後の暮らしを送るはずだったものが、毎月の家賃の支払いや生活費の負担に耐えながら、もし夫が働けなくなればどうなるのだろうかと不安な日々を送っておられました。  大西市長は震災後の9月議会に、私の一般質問において生活再建とはどういうことかとの問いに、「被災者の生活再建が達成できた状態というのは、被災者の方が震災前の安心な暮らしを取り戻し、あすへの希望を抱いて生活できるようになる状態であると考えております。それを目指して、現在、熊本市では、被災者一人一人の状況に応じ、きめ細やかな支援に全力を挙げて取り組んでいるところでございます。」と答弁されました。  あのときの答弁に立ち返っていただきながら大西市長にお尋ねいたしますけれども、今紹介した御世帯は、市長の言われるような、震災前の安心な暮らしを取り戻し、あすへの希望を抱いている生活を送られていると思われますか。また、一人一人の状況に応じというふうに市長は答弁されましたけれども、仮設住宅の入居期限を行政の側で決め退去を迫るというのは、一人一人の状況を無視した対応ではないでしょうか。  まずは、この入居条件については一人一人の生活実態に応じて延長を柔軟に認めることが必要だと考えますが、いかがでしょうか。  また、退去せざるを得ない方については、今紹介したようにみなし仮設の上限の家賃を払っている方も少なくありません。せめて、ペットや希望居住地域などを理由に公営住宅に入れなかった世帯に対してその差額分の家賃補助を行う制度など、市独自に創設するべきだと考えますが、いかがでしょうか。答弁を求めます。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  被災者の生活再建について順次、お答えいたします。  住まいを再建され新たな歩みを始められた方々も数多くいらっしゃる一方で、なれない地域での生活に不安を抱えている世帯があるということも認識しております。  このような世帯に対しましては、住まい再建後も地域支え合いセンターにおいて継続的なフォローを行いますとともに、各区保健師や地域包括支援センター、民生委員による見守りなど、地域包括ケアシステムにおける支援の枠組み等へつなぎ、孤立化の防止や相談対応に当たることとしております。  次に、仮設住宅の供与期間の延長についてでございますが、これまで答弁してきておりますとおり、県と国との協議の中で、住宅の建設工期や公共工事の状況、災害公営住宅の提供状況等を理由に再建ができない被災者の状況を踏まえ、柔軟に判断されたものと考えております。  もとより、仮設住宅等は被災後の一時的な居住の安定を図る目的で提供しております仮の住まいでありますため、一日も早く恒久的な住まいを確保いただくことが望ましく、今後とも被災者に寄り添いながら、住まい再建を目指して支援してまいりたいと考えております。  また、ペットなどの問題により公営住宅に入れなかった世帯につきましては、個別に経済状況や希望地域等、具体的な状況をお伺いしまして御希望に沿った民間賃貸住宅の紹介を行うなど、被災者個々の状況に応じた支援を行っておりますとともに、民間賃貸住宅入居支援助成事業(20万円)や転居費用助成事業(10万円)による財政支援も行っているところです。  このようなことから、新たな家賃補助制度の創設については現在、考えてはおりませんものの、今後とも引き続き、一人一人に寄り添った支援に努めることで、全ての被災者の方々が一日も早く震災前の安心な暮らしを取り戻すことができるよう、全力を傾注してまいりたいと考えております。          〔36番 那須円議員 登壇〕 ◆那須円 議員  延長要件の改善は行わないと、家賃補助についても行わないという答弁でありました。  もちろん私も、一日も早く恒久的な住宅の確保を進めることは大事だというふうに思っております。しかし今、家賃の相場等々を考えると、もう少し待てば家賃がだんだんと落ちついていきながら自分の収入に見合った物件が見つかる可能性もあると、こうした要件なんかもしっかりと考えながら、本当に期限を切って仮設住宅から出てしまうことを目的とするのではなくて、安心した生活が継続できるようにきめ細やかな支援が必要だというふうに思います。  さっき市長は、御希望に沿った民間賃貸住宅の紹介を行うというふうに、被災者の個々の状況に応じた支援を行ってきたというふうにおっしゃいましたけれども、紹介したこの御世帯は、もちろん市の職員が熱心に物件の紹介とかをしていただきましたけれども、結局、ペット住まい可の物件が見つからずに、とうとう6万円の家賃の物件に、みなし仮設の期限が切れた翌月から入居せざるを得ないというふうな状況になっております。  この問題は本当に、今までの支援制度で救えなかった、救うことができていない被災者にどう手を差し伸べるかという点で大変大事な問題だと思いますので、再度お尋ねしますけれども、私は何も、全ての被災者に家賃補助をするようにということを求めているわけではありません。仮設入居の期限を迎えて、災害公営住宅にも入居ができなかったと。今回の世帯で言うと、年金10万円で6万円の家賃を負担しなくてはいけないと。こうしたこれまでの支援の網でもまだまだ救済できない方々に、よりきめ細やかな支援が必要というふうに思います。  例えば、この家賃補助制度も所得要件、例えばこの所得以下であれば利用できるとか、所得に占める家賃の割合が幾ら以上、家賃の負担が重い方には制度が適用できるとか、細かな制度設計がさまざま検討されてもいいのではないかというふうに思っております。  真に困っている方に向けて本当にこうした新たな支援制度が必要ないのか、せめて実情を把握して、必要な制度かどうかという検討をしてほしい。一線を引いて、家賃補助しませんという答弁ではなくて、一歩踏み込んだ被災者支援を行ってほしいと思いますけれども、大西市長の答弁を再度求めたいと思います。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  議員御質問ございましたとおり、これまでも私たちは、仮設住宅等にお住まいの方々に対しましては丁寧に対応し、また個別に経済状況、それから希望地域、また具体的な家庭の状況、世帯の状況等を把握しまして、御希望に沿った例えば民間賃貸住宅の御紹介を行うなど、そういったことを進めてきたところでございます。  よって、先ほどもお答えしましたとおり、新たな家賃補助制度の創設は考えておりませんけれども、今、それぞれの財政的な支援も行っている、こういう事業も活用していただいて、そして、それぞれの皆さん方ができるだけ、一日も早く仮設住宅等から恒久的な住まいに移行できるように全力で支援していくこと、このことが大変重要だというふうに考えておりますので、この点、御理解いただきたいというふうに思っております。よろしくお願いいたします。          〔36番 那須円議員 登壇〕 ◆那須円 議員  市長から答弁がありましたけれども、物件の紹介や見守りだけでは救えない方が中にはやはりいらっしゃるということをしっかり認識していただきたいというふうに思います。  こうした家賃の差額の補助制度なども、現場、実際に聞けば、やはり家賃の負担が大変だというふうな思いで必死な思いをして生活されている方から聞いた結果、きょうお聞きしておりますので、さらなる実態把握に努めて、きめ細やかな支援に取り組んでいただきたいというふうに思います。  次に、仮設退去後の被災者の見守り支援についてお尋ねしたいと思います。  ことし5月、益城町のみなしも含む仮設住宅入居者への見守り支援を行っているNPO法人みのりに、被災者の実態と仮設退去後の課題など、取り組みの状況について聞き取りを行いました。仮設退去後に、健康面、経済面で何らかの支援が必要な方が14%いらっしゃるとのことでありました。今年度、仮設退去後の被災者に対して見守りを行うための予算も熊本市においては確保されているところであります。  地域の行事等への案内とか民生・児童委員との連携など、取り組みが行われようとしていますけれども、こうした地域からの呼びかけに応じることができない、地域にかかわることができない被災者に対してどのようにアクションを起こしていくのかが大変大事になってきます。引き続く定期的な見守りや、より親身になった地域との被災者をつなぐサポート体制の構築、きめ細やかな体制をつくる必要があると思います。  そこでお尋ねいたしますけれども、仮設退去後の被災者の実態について、今、どのようにつかんでおられるのでしょうか。また、地域と被災者をつなぐ体制を地域の実情に応じて講じていく必要があるかと思いますが、いかがでしょうか。政策局長の答弁をお願いいたします。          〔古庄修治政策局長 登壇〕 ◎古庄修治 政策局長  仮設退去後の見守りについてお答え申し上げます。  本市では、仮設住宅等を退去された被災者についても継続的な見守り、相談、対応に努めているところでございまして、中でも高齢者や障がい者など、特に支援が必要な約3,000世帯に対し、住まい再建後の孤立防止や健康維持に取り組んでいるところでございます。  具体的には、地域支え合いセンターにおいて退去後もフォローを継続し、健康状態等に応じて各区の保健師による専門的な支援や地域の民生委員やささえりあによる既存の地域包括ケアシステムの枠組みへのつなぎを行っているところでございます。  加えて、各区において復興自治推進経費を活用し、自治会等が行うコミュニティ形成や地域交流事業への支援などを行うことで、地域の実情に応じた新たな地域における良好なコミュニティ形成にも努めているところでございます。          〔36番 那須円議員 登壇〕 ◆那須円 議員  今、答弁で、保健師による専門的な支援を行う等々ありました。  例えば各区の保健師さんが対応されますけれども、通常業務に加えてこうした見守りをしなくてはいけないということですので、体制の強化等々、しっかり行って取り組んでいっていただきたいというふうに思います。  次に、被災者への医療費減免についてお尋ねいたします。  震災から1年半後の9月末をもって打ち切られた医療費減免について、これまでもその再開を訴えてまいりました。  それは被災者への聞き取りやアンケートをもとに、少なくない被災者が減免打ち切り後に受診を我慢する、控えるなどで受診抑制が発生し、重大な健康被害につながる危機感があったからです。  大西市長は、受診抑制はないとの理由で再開については背を向けられましたが、実際には、医療費減免後、受診を控え、病気の重篤化となった方がいらっしゃいます。  この方の状況を御紹介しますけれども、この方は中央区の賃貸マンションにお住いのときに熊本地震に遭った68歳の男性の方であります。マンションの被災度判定は全壊、公費解体後には仮設住宅に転居、生活再建支援金などを生活費として使いながら暮らしをつないでおられました。もともと肝硬変を患っておられ、震災後も、医療費の減免制度を活用し治療を継続しておられました。仮設を出た後の生活を考え、できるだけ節約していたそうですが、貯金がだんだんと減少してく中で不安な生活を送られていたとのことです。  しかし、2017年9月に医療費減免が打ち切られたことをきっかけに治療を中断し、体調がよくない日も仕事に出ておられたそうです。そしてことしの6月、肝硬変の悪化によって腹水の症状が出た段階で私どもの生活相談に来られ、即入院となりました。現在は生活保護を受給し、西区の市営住宅で在宅療養中であります。  住宅を失った被災者の思いはさまざまでありますけれども、先の生活の見通しが立たずに、できるだけ支出、これは医療費を含みますけれども、我慢するという方が少なくありません。こうした受診抑制の実態をしっかりと把握することが重要ですし、健康と命を守る手だてをとるべきだと考えます。  そこで大西市長にお尋ねいたします。
     市長はこれまで、受診抑制はないとの認識に立ってこられました。しかし今紹介したように、実際には受診抑制が発生しています。この実態を認めるべきではないでしょうか。そして医療費減免の再開を行うべきだと思いますが、いかがでしょうか。御答弁をよろしくお願いいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  第1回定例会においても答弁させていただきましたが、一部負担金免除対象者の方の受診回数調査や月平均1人当たりのレセプト件数の推移では、全体的に見ますと、受診抑制に至っているとまでは言えないと考えております。  医療費の一部負担金免除措置につきましては、国、県及び熊本県後期高齢者医療広域連合からも特別な財政支援が終了いたしましたことから、県内全市町村保険者と同様に、平成29年9月をもって終了としたものでございます。  本市独自の一部負担金免除措置等の実施は、国民健康保険料率の引き上げや一般会計からの繰り入れが必要となり、一部負担金免除要件に該当しない国保被保険者や国保被保険者以外の市民も含めて広く負担していただくこととなりますため、一部負担金免除措置の実施は困難であると考えております。          〔36番 那須円議員 登壇〕 ◆那須円 議員  今、市長からは、全体的に見ると受診抑制に至っているとまでは言えないというふうに答弁がありましたけれども、そもそも受診抑制が起こっているかどうかというのは、一人一人の被災者の実態を見て判断されるべきものであります。全体的というのは一体、どのような物差しで言っておられるのでしょうか。何割の被災者が受診抑制となっていないから大丈夫というふうなラインを引くことはできません。  レセプト件数を引き合いに出しますけれども、医療費減免の打ち切りの月を境に受診件数、市長が今示されたようなレセプト件数が4割減少していることには一切触れずに抑制が発生していないというのは、余りにも無責任だというふうに思います。  例えば、先ほど紹介した国保44条減免の運用規定の見直し、そして、例えばこれも全ての半壊、全壊の方に医療費減免を再開というふうなことにはさまざまな課題もあるかもしれませんが、例えば治療が継続な病気を抱えている方、所得の低い方、こうした要件なんかをしっかりと考えていきながら、これならば医療費減免なんかが再開できるんじゃないかというふうな、受診の抑制がやはり一人でも起こらないような対応を強く求めて、次の質問に移りたいと思います。  次に、庁舎建てかえ問題について質問いたします。  今年度になって始まった市議会・庁舎整備に関する特別委員会では、8月2日、23日の2回にわたって参考人の意見聴取が行われ、構造建築士2人が意見を述べられました。  一方の参考人は建てかえの必要はない、もう一人の参考人はアスベスト使用とコスト比較の面から建てかえは妥当であるとの意見を述べられました。  議会の検討も始まったばかりで意見もまとまっていないときに、建てかえ先にありきで市民説明を行ってきた市のやり方は、余りにも一方的だと指摘せざるを得ません。  そこでお尋ねいたしますけれども、市民に対して、専門家の意見も分かれていること、建てかえが必要なのか、必要でないのか現在検討中であること、この2点を市民にきちんと伝えるべきではないでしょうか。  また、市のホームページに掲載されている建てかえ先にありきの動画は削除するべきだと考えますが、いかがでしょうか。  さらに、建てかえとなれば300億円、400億円という莫大な費用が必要になります。今後の市政運営にも大きく影響してくる重大な問題です。議会はもちろん、市民合意で進めるべきだと考えますが、いかがでしょうか。大西市長に答弁を求めます。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  市庁舎建てかえについてお答えいたします。  平成29年度に実施いたしました本庁舎整備計画作成業務委託におきましては、庁舎の長寿命化の検討とあわせまして耐震性能評価を行いました。その結果として、本庁舎が現行の建築基準法の耐震基準を満たしておらず、耐震改修も現実的に困難であるということが判明いたしました。  このようなことから、昨年度より市議会においてこの調査結果を報告しますとともに、今後の対応について御議論いただいてきたところです。報告してまいりました内容につきましては随時、ホームページや市政だより、マスコミ等を通じまして市民の皆様に発信しますとともに、ことし6月からまちづくりセンターや校区自治協議会などで説明会を開催いたしまして、積極的に情報公開に努めてきたところでございます。  本庁舎は防災拠点として、大地震後においても使用し続けることができるよう、想定されるリスクに備えることが大変重要でございまして、熊本地震を経験した本市といたしましては、現行の建築基準法の耐震基準を満たしていないということが判明した以上、行政の責務として、最悪の事態に備え万全の対応をとらなければならないと考えているところでございます。  今後とも、市議会での議論はもとより、市民の皆様に御理解いただけますよう、市ホームページでの広報や市民説明会の開催、またアンケートの実施など、積極的な情報公開に努めますとともに、幅広い意見聴取を行いながら、丁寧かつ迅速に進めてまいりたいと考えております。          〔36番 那須円議員 登壇〕 ◆那須円 議員  今、市長は、例えば平成29年度に実施した調査をもとに、現時点でも現行の耐震基準を満たしていないこと、耐震改修も現実的に困難であることが判明したというふうにおっしゃいました。  この特別委員会で齋藤氏が述べられた例えば告示波を除く9波の応答反応から、耐震性に問題がないとした意見が出されました。さらには大口径の場所打ちコンクリートくいが多数打設されていることから、入力損失より構造物への地震力が低減されているとして、この影響を考慮した耐震性能の検討が必要であるというふうな意見も出されました。そして齋藤氏は、コアボーリングという手法があって、比較的簡単に調査が可能であるというふうに述べられております。  また齋藤氏は、市庁舎の周辺に地下土留壁、この土留壁が厚さ60センチ、深さ19メートルに設置されており、壁の剛性が極めて高く、ほとんど変形しないことから、くいの中間層での損傷を受ける可能性はなくなると指摘しておられます。  市長は、耐震改修は現実的に困難というふうな答弁もありましたけれども、この齋藤氏が指摘した課題を検証した上で今答弁されたのか、課題の検証を行ったかどうなのか、この点について市長に再度、お尋ねいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  現在お尋ねいただきました点については通告いただいておりませんので、答弁は、ぜひ通告制度をお使いいただきたいというふうに思います。          〔36番 那須円議員 登壇〕 ◆那須円 議員  通告は、市役所建てかえについてということでちゃんと質問通告は出しています。  今、齋藤さんの指摘に対して検討したのかどうかは、これは市長、今の時点で、したかどうかの答弁はできるんじゃないでしょうか。わかっていることじゃないでしょうか。しっかり答弁をしていただきたいと思います。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  先ほどから答弁を申し上げておりますとおり、これまで平成29年度に実施した本庁舎整備計画作成業務委託で、この庁舎の長寿命化の検討と、あわせて耐震性能評価を行いました。その結果として今の、現行の建築基準法の耐震基準を満たしておらず、また耐震改修も現実的に困難であるということが判明した。このことから、昨年度より市議会において調査結果を御報告して、その点について今、御議論いただいているところでございます。  ですので、今、齋藤氏の御意見といいますか、検証結果についてお触れになりましたが、一方では高橋氏の方も参考人としてお触れいただいておりまして、そういったことについては今、我々も執行部の中で精査させていただいているところでございますが、本庁舎は、先ほどから申し上げますとおり、防災拠点として大地震後においても使用し続けることができるように、想定されるリスクに備えることが大変重要であるというふうに考えておりますので、今後も行政の責務として、最悪の事態に備えられるよう万全の対応をとらなければならない、このように考えているところでございます。          〔36番 那須円議員 登壇〕 ◆那須円 議員  賛否両論の意見が出て、一方で、齋藤氏については先ほど紹介したような指摘があったわけです。  先ほど実際に検証したのかという質問に対して、高橋氏の言い分も含めて今、庁内で検証を進めているというふうな答弁が市長からありました。  検証を進めている途中で、結論を建てかえが必要というふうに断言することというのは絶対に間違っているというふうに思いますし、今、特別委員会で議論が進められているわけですから、齋藤さんの意見をしっかり検証しながら、市民にしても、議会にしても、わかるような説明をしっかりとしていただきたいというふうに思っております。  現行の耐震基準を満たしていないことで建てかえが必要というふうな答弁もありましたけれども、ならば耐震基準が変わるたびに現行の耐震基準が変わっていくわけですから、市庁舎を建てかえなければならないということになります。財政が破綻してしまいます。  大切なことは、現行の市役所が、なぜあの熊本地震によっても大きな被害を受けずに建つことができていたのか。齋藤氏の提言のように、まずは現行市庁舎の地震に耐え得る客観的な検証を行っていくことと、そしてこうした情報を市民にもわかりやすく提供して、住民合意で進めることが何よりも大事だというふうに思います。  また、防災拠点として大地震後に使用し続けることができるようにとの答弁がありましたけれども、防災拠点についての議論はまだ十分になされておりません。本庁に一極集中すべきなのか、震災のリスクに備えて分散させるべきなのか、こうした議論も熟していない現段階で防災拠点を理由に建てかえありきとの結論づけは、強引なやり方と言わざるを得ません。  市庁舎の建てかえについては、住民投票によって結論を導いた自治体も少なくありません。構造建築の理論というのは非常にわかりにくくて、市民にとっては、現時点では判断できる情報が示されていないという、こうした状況だと思います。だからこそ、市議会で出された専門家の意見や議論の内容については、再度、住民説明会を開いて市民にも伝えるべきであるというふうに考えます。答弁では、市民説明会の開催についても市長は触れられましたので、早急に実施するように求めてまいります。  すみません、ちょっと時間がなくなりましたので、残り2点については、立野ダムについては要望にさせていただきます。  動植物園の問題について最後、お尋ねしたいと思いますが、立野ダムについてはこれまでもいろいろ議論を行ってまいりました。  例えば、大量の降雨によって立野ダム周辺の流木、岩石が流れ込むことによって穴が閉塞してしまうのではないかとか、ダム津波の問題、そしてダムを前提とした河川改修を行っていれば、ダムの治水機能が発揮できない場合にかえって最大受益地の熊本市が最大の災害を受ける危険性があるのではないか。  市長はダムを推進する立場で今、動いておられますので、建設を推進した市長の例えばダムの機能が発揮できなかった場合の責任はぜひ重くやはり受けとめるべきだというふうに思いますし、住民に十分な説明をしていないまま、国交省は今、どんどん工事を進めていますので、一旦工事をとめて必要な情報提供を行っていただくように求めたいというふうに思います。  動植物園について、最後に端的に質問いたします。  動植物園は社会教育の施設でもあります。多くの子供たちが訪れております。トイレについて早急に洋式化に対応すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。  さらに入園料については現在、市内の小中学生は無料というふうになっていますけれども、多くの自治体からの交流人口をふやしていく、動植物園の利用をふやしていくために、市外の小中学生も無料とするべきではないでしょうか。経済観光局長にお尋ねいたします。          〔平井英虎経済観光局長 登壇〕 ◎平井英虎 経済観光局長  動植物園に関する2点のお尋ねについてお答えいたします。  まず、動植物園のトイレにつきましてはこれまでも多くの改善要望をいただいていることから、今後、計画的に洋式化を含め改修を行うこととしており、本年度の当初予算に設計経費を計上いたしております。  今後のスケジュールとしては、来年度から改修工事を行い、できるだけ早期に終了したいと考えております。  次に、全ての小中学生の入園料無料化についてでございますが、現在の動植物園の収支状況は、入園料など、自主財源で賄える比率が全経費の3割程度であります。このことから、適正な受益者負担の確保のため、本議会において高校生以上の入園料の…… ○上田芳裕 副議長  経済観光局長に申し上げます。  一般質問の時間を超えておりますので、答弁を終了願います。       ──────────────────────────── ○上田芳裕 副議長  この際、議事の都合により休憩いたします。  午後2時に再開いたします。                             午後 0時02分 休憩                             ───────────                             午後 2時00分 再開 ○倉重徹 議長  休憩前に引き続き会議を開きます。       ──────────────────────────── ○倉重徹 議長  一般質問を続行いたします。伊藤和仁議員。          〔8番 伊藤和仁議員 登壇 拍手〕 ◆伊藤和仁 議員  皆さん、こんにちは。公明党熊本市議団の伊藤和仁です。  4月の熊本市議会議員選挙で初当選させていただきました。御支援をいただきました皆様には心より感謝申し上げます。新人ではありますが、市民の皆様のため市議会議員としての役割を全力で努めてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)  また、今回の9月議会で初質問の機会をいただき、先輩・同僚議員に心より感謝申し上げます。  さて、私は人のために役立ちたいと税理士なることを決意し、熊本学園大学大学院で学び、卒業後税理士事務所に勤めながら平成27年に晴れて税理士試験に合格することができました。その後、独立開業のための準備を行っているときに熊本地震が起きました。地震発生から1週間後、事務所開業の許可が下りましたが、自宅はひどい状態の中でのスタートとなり、税理士としての最初の仕事が、仕事先の安否・被害状況の確認と震災からの復旧・復興相談となりました。  これから行う質問は、税理士としての経験と震災での経験、さらには現在子育て真っただ中においての体験に基づいて行います。  私は税理士ですので、特に、地方公会計制度、中小企業支援は自身のライフワークと考えており、この度、それら施策の先進都市である東京都、横浜市、浜松市へ視察に行ってまいりました。何分初めての質問であり、不手際なところもあると思いますが、しっかりと努めてまいりますので何とぞよろしくお願い申し上げます。  それでは、通告順に従い質問してまいります。市長並びに執行部の皆様、明快な答弁をよろしくお願いいたします。  初めに、地方公会計制度についてお尋ねいたします。  国では平成27年に、地方公会計制度について、それまで統一されていなかった財務書類について統一的基準での地方公会計マニュアルを公表し、平成30年3月までに全ての自治体で作成するよう要請いたしました。  これまで、自治体の公会計制度は現金収支に着目した単式簿記で処理されていました。これはこれで、毎年編成される予算で、市税や手数料、地方交付税などといった詳細な収入と、その収入を使って行われる詳細な事業を明らかにするというメリットがある一方で、企業が採用している発生主義の複式簿記と比べ、資産・負債などが把握できないというデメリットがありました。  このため国では、平成18年の行政改革の推進に関する法律の制定を受け、制度研究会を設置し、同年8月には指針をまとめ、簡易な手法である総務省方式改訂モデルと基準モデルの2つを示し、企業等が公表している貸借対照表や行政コスト計算書といった財務書類の作成と公表を求めました。これを受け、各県・市町村がどちらかの方法で財務書類の公表を始めましたが、先進的な取り組みをしていた東京方式や大阪方式など、複数の財務書類があることで都市同士の比較ができないなどの問題が発生し、さきに述べたとおり、改めて統一的な地方公会計マニュアルが公表されました。これにより他都市との比較ができ、大きな前進と言えます。  本市でも、平成29年度より、統一的な基準による財務諸表等の作成がなされ、さらなる本市の財政の見える化、予算編成時の財務情報の利用が進んでいると思います。スタートしたばかりですので、課題もあるのではと考えています。  そこで、公会計制度の利用が進んでいる、浜松市と東京都の2都市の紹介をいたします。  まず、浜松市ですが、本市とほぼ同じぐらいの人口規模の都市です。浜松市の公会計改革は、市の財政状況を市民、議会、投資家等に開示する重要な財務書類と位置づけ、複式簿記・発生主義会計と現金主義・単式簿記会計を並列的に処理できる新財務会計システムを導入しています。この結果、前年度決算の財務書類の概要は9月議会の決算審査の資料として提出がなされています。本市では、残念ながら9月議会に間に合わず、翌年の3月となっているのが現状です。  次に、東京都ですが、際立った特徴は、正確・迅速に財務諸表を作成していくために、日々仕訳を実践している点です。先ほど紹介した浜松市でも本市でも、財務諸表作成のために、期末に一括して仕訳を行う期末一括仕訳を採用していますので、その点が大きく異なっています。  その方法は、従来の官庁会計処理に連動させて、複式仕訳を発生させる仕組みを構築していることです。具体的には、職員の事務的負担を回避するため、従来の処理に2から3の追加のコード入力だけで済み、さらに、予算執行・歳入歳出・物品管理を行う財務会計システムに個別の債権管理等と公有財産情報システム、予算計数システムが連動されており、利用しやすい仕組みとなっていました。  これら2都市の視察を踏まえお尋ねいたします。  1、本市での公会計の活用状況をお示しください。  2、浜松市や東京都のように統一的な基準による財務書類を9月議会の決算審査の資料として提出できるようにすべきと考えますが、いかかでしょうか。  特に、議会審議において重要な資料となりますし、迅速な財務説明資料の開示はより一層の説明責任の遂行につながります。  今後の見通しも含め、お考えをお示しください。  3、東京都では、現行のシステムに2から3項目の入力を追加するだけで、日々仕訳の体制が実現できております。また、民間で採用されている会計システムでは、証憑類をスキャナーで読み込ませ、AIがそれを判断し自動で仕訳がなされています。今後、さらにそのAIの技術が進歩していくと思いますので、本市においても、日々仕訳に向けて研究を進めていくべきだと思いますが、見解をお示しください。  4、これまでも公会計について大西市長には答弁をいただいておりますが、さらなる利活用について所見をお示しください。  1、2、3の質問については財政局長に、4の質問については大西市長にお尋ねいたします。          〔田中陽礼財政局長 登壇〕 ◎田中陽礼 財政局長  地方公会計制度に関する御質問について順次お答えいたします。  まず、本市の公会計の活用状況でございますが、議員御案内のとおり、本市では平成28年度決算分から統一的な基準による財務諸表を整備し、公表することによりまして、現金の動きに加え、発生主義的なコストや資産・負債のストック情報及びそれらに基づいた新たな指標を把握することが可能となったところでございます。  本市におきましては、財務諸表の公表に合わせ各種指標を分析いたしますとともに、他の政令指定都市と比較することにより、本市の置かれている状況を見える化し、外部へのわかりやすい財務情報の開示を行っているところでございます。  また、固定資産台帳の整備により、減価償却費を加えた施設別の行政コストや運営状況等の把握が可能となり、これらの情報を施設白書に反映させるなど、公共施設マネジメントの分野にも活用いたしますとともに、今定例会に提案しております使用料の改定案におきましても、施設別の行政コストを改定額の検討に活用しているところでございます。  次に、財務書類を9月議会の決算審査に合わせて提出すべきという御指摘でございますが、本市では、8月末に総務省へ提出する決算統計をベースに財務書類の作成を行っている関係上、現在の方式では9月議会に提出することは困難であると考えております。  しかしながら、発生主義的なコストや資産と負債のストック情報がわかる財務書類につきましては、速やかな情報開示を行うことが望ましいと考えており、他都市の作業手順、システムや人員体制等を研究し、可能な限り早期の財務書類の作成、公表に努めてまいりたいと考えております。  次に、日々仕訳の導入についてでございますが、本市では期末一括仕訳により統一的な基準による財務書類を作成しておりますが、日々仕訳でありましても作成される財務書類自体は同じものと認識しております。  日々仕訳は、現在、政令指定都市でも1団体しか行っていない状況でございます。まずは、日々仕訳の作業手順やシステム対応等について研究してまいりたいと考えております。
             〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  複式簿記・発生主義に基づく地方公会計の整備は、単式簿記・現金主義会計を補完するものとして、財務情報のわかりやすい開示による財政運営に関する説明責任の履行と、財政運営の基礎資料として重要であると認識をしております。  私自身も、公会計制度は県議会議員時代に、大変関心を持っていたことでもございまして、東京都に実際視察に赴きまして、議員御案内の財務会計システムによる対応等について勉強した経緯もございます。  今後も、国の研究会で検討されております事業単位で資産や負債、コストの状況を把握し比較をいたします、いわゆるセグメント分析手法などを含め、さらなる公会計の活用について研究いたしますとともに、引き続き、わかりやすい財務情報の開示及び公共施設マネジメント等への活用を通じて、健全な財政運営に取り組んでまいりたいと考えております。          〔8番 伊藤和仁議員 登壇〕 ◆伊藤和仁 議員  大西市長を初め、答弁ありがとうございました。  大西市長からは、東京都へ視察へ行かれた経験もあり公会計の利活用についてその重要性とわかりやすい財務情報の開示、公共施設への適切な管理、経営等への活用を通じて健全な財政運営に取り組むとの答弁がありました。  私たち議員、市民にとっても、財政の見える化が進むことが望まれます。  統一的な基準に基づく財務書類の9月議会の提出については、仕訳の方法や、他都市の調査・研究を行い、可能な限り早期の財務書類の作成、公表に努めるとのことです。そうなれば、一層決算の議論が深まると思われます。  また、仕訳方法の変更については、いかに正確、迅速、そして軽い負担で財務書類を作成するか、その方法を探るため、2都市の先行事例を紹介しましたが、現在のやり方を変えてしまう点で初めは大変な苦労を伴い、職員への教育も必要と思いますが、今後、AI技術のさらなる発展が予想される中、仕訳方法の変更も含め、財務書類の9月議会提出ができるよう改めて求めておきます。期待しております。  続いて、中小企業支援策についてお尋ねいたします。  私は税理士をしていることは、先ほどお話ししましたが、担当していた企業は全て中小企業です。また、相談内容は税務相談のほか、経営相談、さらには新規企業の立ち上げにも関わらせていただきました。しかし、税理士の職務の中心は、税務・財務相談であり、企業を成功に導くための経営戦略などのアドバイスを行うには限界があります。  企業が成長していくためには、税務・財務の知識はもちろんのこと、企業自身が置かれている環境を適切に把握し、課題を克服していくことが必要になります。そのときに有効な方法として、税理士だけでなく、数々の経験を積んできた企業経験者などが支援する伴走型企業支援事業があります。  今回、私は、その伴走型支援事業を行っている先進都市、横浜市へ視察に行き、中小企業支援の取り組みを見てきました。  横浜市の視察調査では、伴走型の中小企業支援事業である横浜アクセラレーションプログラムとソーシャルビジネス創業支援事業の2つについて伺ってきました。  まず、横浜アクセラレーションプログラムについてですが、既存の中小企業がその企業の特性、課題に応じて600人の企業経験者の中から最適な人材を選定し、伴走支援者となってもらい、約半年間で20回のミーティングを行い、企業の課題の解決を行うプログラムです。  次に、ソーシャルビジネス創業支援事業は、子育て、福祉、環境等の社会的課題をビジネス手法で解決するソーシャルビジネスの創業に特化したものです。その内容は、創業に関する相談窓口を設置し、ソーシャルビジネススタートアップ講座を開催し、経営、財務、人材育成、販路開拓の創業に関する知識を提供し、ビジネスプランの作成の支援を行います。また、ソーシャルビジネス事業者らとの交流会を持つことにより事業の持続化に向け、事業者の新たなネットワークづくりを支援いたします。  さて、本市では、これまでも地場中小企業の経営基盤の強化を初め、人材育成事業や創業者支援など、実に多くの取り組みを、くまもと森都心プラザ内にあるビジネス支援センターを中心に取り組まれています。  さらに、平成26年からは、国の産業競争力強化法に基づく、熊本市創業支援等事業計画が国の認定を受け、本市を初め、商工会議所などの経済界、金融機関、大学関係等の機関と連携した、さまざまな創業支援の取り組みが展開されています。  そのような中、昨年の4月、熊本の未来を担う若手人材の育成やネットワーク構築の場として、くまもと未来人材育成塾が設立され、10回のプレセミナーが行われ、ことし5月から熊本未来人材チャレンジステージがスタートし、現在まで4回開催されています。また、本年4月から、熊本市創業支援等事業計画に基づく特定創業支援等事業による支援を受け、創業者、またはこれから受ける方を対象に、創業ステップアップ支援助成が始まりました。  このように、本市でも、少子高齢化社会という時代の波を迎える中、新たな経済基盤づくりに動き出しました。  そこで、視察で得た知見も含め、経済観光局長にお尋ねいたします。  1、横浜市で行われている伴走型支援事業はとても有効であると思われます。そこで、本市の伴走型支援事業である、創業ステップアップ支援助成についてお聞きいたします。  助成事業の対象予定は、これまでの創業者数や本市の制度融資である創業サポート資金の利用者の実績をもとに、個人、法人合わせて42件分の予算が計上されていますが、現時点での現在の利用状況と、また、今後の利用促進に向けた対策と見込みをお示しください。  2、横浜市で行われている伴走型支援事業は、経営安定期から拡大期へさらに発展していくためにとられた政策ですが、今後、本市でも中小企業のさらなる発展のため、有効であると考えられます。本市における伴走型支援事業の今後の予定、計画をお聞かせください。  3、熊本県よろず支援拠点との連携についてお尋ねいたします。  よろず支援拠点とは、経済産業省・中小企業庁が全国に設置する経営相談所です。その説明には、中小企業、小規模事業者、NPO法人、一般社団法人、社会福祉法人などの中小企業・小規模事業者に類する方、また創業予定の皆様の売上拡大、経営改善など、経営上のあらゆる悩みの相談に対応とあり、本市のこともそのホームページに載せていただいております。決して本市が行っている中小企業支援事業とその目的が違っているわけではなく、それぞれ連携をとることで、さらなる中小企業支援策が強化されると考えますが、連携をとられているのであればその状況を、とられていないのであれば連携についてのお考えをお示しください。  4、ホームページの充実についてお伺いいたします。  本市の中小企業支援策を調べる場合、本市のホームページの構造上、中小企業関連の更新記事一覧から中小企業向け支援制度という項目を探しクリックするほかなく、瞬間的に中小企業支援策の項目を見つけることが難しいと思われます。  その中で、創業ステップアップ支援事業は、本市の中小企業支援策の中でも目玉であると思われますが、そのほかの政策と並列されており、もっと強調して目立たせるといった工夫が必要であると思われます。その点は、ホームページの中小企業支援のページを見直し、見やすく使いやすいページへ改編を求めておきたいと思います。将来的には、中小企業支援のための独立したページを運用していくことで、本市の中小企業支援への意欲を示すことにつながっていくと思われますが、いかがでしょうか。見解をお示しください。  以上4点を、経済観光局長にお尋ねいたします。          〔平井英虎経済観光局長 登壇〕 ◎平井英虎 経済観光局長  中小企業支援等に関するお尋ねに順次お答えいたします。  まず、創業ステップアップ支援助成につきましては、これまで50件を超える問い合わせはあるものの、申請件数はいまだ少ない状況でございます。これは、申請要件としている創業に関する研修受講が8月までに終了していないことが要因であると考えられます。今月以降、多くの民間等の研修が終了するため、まずは、その受講修了者に制度の周知を行い、多くの方に利用いただきたいと考えております。  次に、伴走型支援事業の今後の予定、計画についてでございますが、本市では、経営ノウハウ等を必要とする創業3年までの方を対象に、中小企業診断士を派遣するなどの伴走型支援を行っているところであります。また、本市ビジネス支援センターへ相談に来られた方で、特に経営上のアドバイスを希望される方には、専門家を派遣し、課題解決に当たっているところでございます。  議員御案内の横浜市の取り組みは、創業からおおむね5年から10年の成長発展期にある企業に対して、実践経験豊富な経営者等を派遣する事業であり、本市とは支援対象期間が異なることから、今後、その導入効果やニーズ等につきまして調査・研究してまいりたいと考えております。  次に、熊本県よろず支援拠点との連携についてでございますが、現在、熊本県よろず支援拠点を初め、商工団体、金融機関等32団体で構成される熊本市中小企業支援機関連絡会議におきまして、互いの業務情報についての意見交換をするなど連携を図っているところでございます。同拠点は、ものづくりやITの分野で多様な専門的コーディネーターを配置しており、本市ビジネス支援センター利用者の相談内容に応じて同拠点をつなぐこととしております。  今後も互いの強みを生かし、中小企業等へのさらなる支援強化に努めてまいります。  最後に、本市ホームページ上におけます中小企業支援メニューの案内につきましては、本市の制度の項目を1カ所に集約するなど、これまでも改善に努めてきたところでございます。しかし、目的の情報を探すまでに時間がかかるという声もあるため、項目の見出しを新着情報の上に固定し、早い段階で目的の情報にアクセスできるように改善を行うなど、今後ともわかりやすい情報発信に努めてまいりたいと考えております。  また、中小企業支援の独立したサイトの構築につきましては、情報の量と探しやすさ、経済性の観点も含め、今後研究してまいります。          〔8番 伊藤和仁議員 登壇〕 ◆伊藤和仁 議員  御答弁ありがとうございました。  創業ステップアップ支援助成制度は、これから創業しようとする方にとって、とても有効な制度と思いますので、その利用状況は今後も注視してまいります。  また、横浜アクセラレーションプログラムを企画しているのは、民間会社であり、今後、本市のビジネス支援センターを拡充することが重要と考えます。  さらに、よろず支援拠点とのさらなる連携も求めておきます。  中小企業支援のホームページは、支援策だけではなく、企業の税務や届け出等の情報書式を含めた企業の総合的なサイトがあれば便利であると思いますので、今後、これも求めておきます。  続けて、災害対策と地域力のさらなる強化についてお尋ねいたします。  最近は、以前にもましてゲリラ豪雨といわれる時間雨量100ミリを超える大雨や、線状降水帯が発生し、長時間にわたり大雨を降らすなどの事象が頻発するようになり、各市町村では、その対応に苦慮しております。今般も、佐賀県や福岡県を中心に大雨となり、被害が出ております。お亡くなりになられた方々の御冥福を衷心より御祈り申し上げますとともに、被災された多くの皆様方に対して、謹んで御見舞い申し上げます。  本市でも、平成24年7月の九州北部豪雨災害では、白川流域で観測史上最大の時間雨量を観測し、白川が氾濫、川沿いで多数の家屋が浸水し、甚大な被害が発生したことは記憶に新しいところです。  これら地球温暖化の影響と考えられる大雨は、近年、全国各地で発生しており、豪雨による災害が各地で多発しております。  ことしも、7月3日から九州南部で降り続いた記録的な大雨で、鹿児島市で市内全域の約60万人に避難指示が出されました。実際に60万人の市民が公的避難所へ行けば、市民全員を収容できないのではと考えられることから、これまでの危機管理の考え方や体制でよいのか、一石を投じる事態となりました。  また、内閣府、防災担当では、平成最大の200名を超える死者・行方不明者を出した、平成30年7月の西日本を中心とする北海道や中部地方などを含む全国的な平成30年7月豪雨災害の発生を踏まえ、水害、土砂災害からの避難のあり方をまとめた避難勧告等に関するガイドラインを本年3月に発表いたしました。  このガイドラインでは、住民は自らの命は自らが守るとの意識を持ち、みずからの判断で避難行動をとるとの方針が示され、この方針に沿って自治体や気象庁等から発表される防災情報を用いて、住民がとるべき行動を直観的に理解しやすく、主体的な避難を支援するため、5段階の警戒レベルを明記して防災情報を提供するとしています。  この5段階の警戒レベルで重要となるのが、レベル3とレベル4です。  警戒レベル3は、高齢者等の避難が必要とされ、災害が想定されている区域等では、自治体からの避難準備・高齢者等避難開始の発令に留意し、危険度分布や河川の水位情報等を用いて高齢者等の方はみずから避難の判断をする必要があります。  次に、警戒レベル4は、避難が必要とされる段階であり、災害が想定されている区域等では、自治体からの避難勧告の発令に留意するとともに、避難勧告が発令されていなくても危険度分布や河川の水位情報等を用いてみずから避難の判断をして避難する必要があります。  このように、レベル3、レベル4ともに、みずから避難の判断をして避難するように求めており、市町村には、一人一人が適切な避難行動をとることができるように、平時から防災知識の普及を図ることと、災害時には住民の主体的な避難行動を支援する情報を提供する責務があるとしています。  このため市町村は、避難勧告等がどのような考え方に基づいているのか、居住地等にどのようなリスクがあるか、どのようなときに、どのような行動をとるべきかなどについて、住民一人一人や、要配慮者利用施設などが理解し、災害の恐れがある場合に適時的確な避難行動を判断できるように、ハザードマップ等を活用した実践的な訓練等を通じて平時から周知徹底を図る必要があります。  そこでお尋ねいたします。  1、本市では、鹿児島市のように74万市民全員に避難指示を出すことがあるのか、その場合の避難場所をどのように考えるのかお示しください。  2、災害の恐れがある場合に、適時的確な避難行動を判断できるように、ハザードマップ等を活用した実践的な訓練等を通じて、平時から周知徹底を図る必要があると思いますが、いかがでしょうか。  以上2点を政策局長にお尋ねいたします。          〔古庄修治政策局長 登壇〕 ◎古庄修治 政策局長  災害対策と地域力のさらなる強化について、2点のお尋ねにお答え申し上げます。  まず、市民への避難指示についてでございますが、昨年、西日本を襲った平成30年7月豪雨では、さまざまな防災情報が発信されていたものの、多様かつ難解であり、多くの住民が活用できない状況でございました。  これを踏まえて、先ほど議員御案内のとおり、本年度から国においては住民が情報の意味を直観的に理解できるよう、防災情報を5段階の警戒レベルにより提供し、避難行動を支援するよう避難勧告等のガイドラインを改定されたところであり、熊本市においてもこのガイドラインに沿った運用を行っております。  鹿児島市の事例のように、全市に避難指示等を出すことがあるのかというお尋ねでございますが、浸水想定区域や土砂災害警戒区域といった場所、あるいは時間帯によって災害の情報が異なるため、本市では、災害の状況に応じて対象エリアを絞って避難勧告等を発令しておりまして、また、浸水想定区域にも土砂災害警戒区域にも該当しない地区も多いことから、大雨により全市域で避難指示等を発令する可能性は低いと考えております。  しかし、仮に全市避難となった場合には、自らの命は自らが守る避難行動は各々の状況に応じて異なるため、必ずしも避難所への避難を促すものだけではなく、例えば移動そのものがかえって危険と判断される場合は、頑丈な建物の2階以上に垂直避難するなど、安全な避難行動について広く市民の皆様へ周知してまいります。  次に、2点目のハザードマップ等を活用した実践的な訓練の実施についてでございますが、平成30年7月豪雨では、被災地のハザードマップに表記された浸水想定区域や土砂災害警戒区域等と実際の被害区域がほぼ一致しており、情報の正確性が証明された一方で、住民のハザードマップについての認知度が低く、被害軽減への効果が十分でなかったところでございます。  現在、本市では、年度内の完成を目指して、洪水や土砂災害等のハザード情報を集約した統合型ハザードマップの作成を行っておりまして、完成後には全戸配布等により周知を図る予定としております。その際に、マップ上に実際の避難行動例を表記するなどの工夫を行い、いざというときのマップの活用についても合わせて周知を図るとともに、マップを活用しました訓練の実施等にも、今後、取り組んでまいりたいと考えております。          〔8番 伊藤和仁議員 登壇〕 ◆伊藤和仁 議員  答弁ありがとうございました。  近年の頻発する豪雨災害などを受け、新たに示された5段階の防災情報の市民の理解はこれからだと思います。改定主旨や内容の理解をあらゆる機会を活用してしっかりと周知してください。今回のガイドラインの改定は、自らの命は自らが守るという考え方が導入され、自主的な行動を促進する狙いがあるようです。本市からレベル4の勧告や指示といった情報が示されたときに、そのときの市民の状況、例えば、仕事で訪問先のビルにいる、車で移動中などさまざまな状況の中で、よりよい行動がとれるよう、どのように情報を迅速に伝えるかが重要であり、現在、洪水や土砂災害などのハザード情報を集約した統合型ハザードマップを作成予定とのことですが、自主的な判断には欠かせない情報となります。  今後のハザードマップ等の活用を含めた訓練、市民への周知を求めておきます。  その上で、ICTの進歩でスマートフォンのグーグルアースを活用したハザードマップの開発もなされているとも聞き及んでいますので、調査研究を求めておきます。  災害対策に関連しまして、本市における地域力のさらなる強化に関する質問に移ります。  熊本地震をきっかけに、校区防災連絡会、避難所運営委員会等が設置され、地域の防災力の強化が進められていますが、ふだんから地域活動に参加している人には地域の防災計画など当たり前の情報である一方、地域活動に参加されていない方にとって日常では触れることのない情報となっています。  地域内で情報格差が生じれば、災害の際に全員が避難行動に移ることができるかが懸念されますし、平時においては、さまざまな地域活動に参加できない方々も出てくるかもしれません。  このような中、平成29年度から設置されたまちづくり支援センターの役割は、ますます重要となると考えています。  まちづくりセンターは、地域に関するさまざまな要望・相談等の総合窓口となって、地域の頼られる存在になってきており、行政情報の発信、地域情報の集約、現状課題の整理、地域コミュニティづくりの支援、地域の防災防犯活動などさまざまな課題解決に向けた取り組みへの支援など、単なる相談だけではなく、未来の提案をより積極的に進めていくべきだと思いますが、いかがでしょうか。  大西市長にお考えをお尋ねいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  まちづくりセンターは、地域支援の拠点として、地域情報の収集、行政情報の発信、地域コミュニティ活動の支援などを行い、地域課題の解決に取り組んでおります。  例えば、これまで長年の課題でありましたごみ屋敷問題の解決や、クラウドファンディングを活用した桜の植樹活動、また最近では、地域が主体となりました地区防災計画の作成、あるいは地域ぐるみによりますイノシシ対策など、担当部局とまちづくりセンターが連携するとともに、地域の方々と協力し課題解決を行う、新たな取り組みが進んでおります。  このような活動を通して、課題解決はもとより、地域の自主的な活動や取り組みも着実に進んでいるものと認識をしております。  今後も、地域主義の理念のもと、地域担当職員を初め、職員が積極的に地域に出向き、意見交換や対話を行い、地域の皆様が主体的に地域づくりに取り組む、そのような自主・自立のまちづくりを推進してまいりたいと考えております。          〔8番 伊藤和仁議員 登壇〕 ◆伊藤和仁 議員  大西市長、答弁ありがとうございました。  まちづくりセンターの皆様には、平日の夜だろうが、土曜日曜祝日だろうが、地域の行事にいつも参加されており大変に頭が下がります。それだけ地域に根差していて地域の状況や問題点をよく把握されていると思いますので、今後の地域の発展へ積極的な提案を行っていただきたいと思います。  特に、地域情報を地域の隅々まで行き渡るように、情報発信については求めておきます。  次に、午前に引き続き幼児教育・保育の無償化についてお尋ねいたします。  本年10月より、幼児教育・保育の無償化がスタートいたします。  幼児教育無償化は、公明党としても全世代型社会保障制度の重要な一端を担い、高校教育無償化、大学無償化と合わせ、今後の教育制度を形づくる重要な制度と考えています。  さて、今回の幼児教育・保育の無償化の対象は、3歳から5歳児クラスと住民税非課税世帯のゼロ歳児から2歳児クラスであること。そして3歳児において、幼稚園については、満3歳になる前日から無償化の対象になるなどスタートが分かれること。また、幼稚園、保育所、認定こども園、幼稚園の預かり保育、企業主導型保育事業、認可外保育施設等のそれぞれを利用する子供の違いによって、その手続きが必要となるところがあります。そのため、利用者と市民への周知が心配されます。  いずれにしろ、今回の幼児教育の無償化への期待は大きく、最近になって保護者の方から保育園が見つからない等の声もよく聞くようになり、保育のニーズはさらに高まり、待機児童や保留児童の増加が予想されます。  この件についての議会答弁でも、本年4月の入所申請数の増加は、幼児教育無償化の直接的な影響は一定程度あるとありました。  この問題にどのように対応していくのか、ここで重要になるのが保育士などの確保です。厚生労働省では、この保育士確保のための施策の基本として、4本の柱を掲げています。この4本の柱を紹介すると、1つ目は人材育成、2つ目は就業支援、3つ目は再就職支援、そして4つ目は働く職場の環境改善です。  このうち、3つ目の再就職支援では、熊本市の保育の担い手の確保策として、潜在保育士を対象として、再就職支援コーディネーターを熊本県社会福祉協議会に配置し、潜在保育士の掘り起こしがなされてきましたが、現状がどのようになっているかが気になるところです。  さて、今回の無償化では、多くの議論を経て認可外保育施設も対象になりました。国によると、無償化の対象となる認可外保育施設は、届け出がなされ、かつ、指導監督の基準を満たすことが必要ですが、待機児童問題によりやむを得ず指導監督基準を満たさない施設を利用する児童が存在することを踏まえ、基準を満たしていない場合でも無償化の対象とする、5年間の猶予期間を設けることになりました。  その上で、待機児童数の状況など、地域の実情は大きく異なり、指導監督基準を満たさない施設を利用する状況も異なるため、5年間の経過措置期間中は、市町村が特に必要と認める場合には、条例に定めた基準を満たす施設に無償化の対象を限定できる旨の特例を、子ども・子育て支援法の一部改正法案の附則に設けているとなっています。
     そこで、改めて幼児教育・保育の無償化について健康福祉局長にお尋ねいたします。  1、利用者や市民への周知方法を教えてください。  2、保育士確保の一つ、潜在保育士の掘り起こしの現状と、そこから見えてきた問題を教えてください。  3、保育所等に保育補助者として従事できる子育て支援員の養成数や、平成29年より新たな制度として導入された保育所等における、中堅リーダー的な役割を担う技能・経験を積んだ職員への追加的な人件費の加算給付など、労働環境の改善の状況を教えてください。  4、本市では、条例で無償化の対象となる施設を限定する基準を定められますか。仮に定められない場合、経過措置期間中の保育の質の確保をどのようにされるのか、御見解をお示しください。  以上、4点、健康福祉局長にお聞きいたします。          〔田端高志健康福祉局長 登壇〕 ◎田端高志 健康福祉局長  幼児教育・保育の無償化に関する4点のお尋ねに順次お答え申し上げます。  まず、1点目の利用者や市民への周知方法についてお答え申し上げます。  周知方法につきましては、市ホームページや市政だよりの活用はもとより、本市が作成いたしました保護者向けのリーフレットを施設を通じて保護者の皆様に配布をしていただくなど、その周知に積極的に努めているところでございます。  次に、2点目の潜在保育士の掘り起こしの現状と課題についてお答えいたします。  本市では、平成25年度から再就職支援コーディネーターを熊本県社会福祉協議会に配置をいたしまして、保育の担い手の確保を積極的に行っているところでございます。また、ブランクがある保育士につきましては、現在の保育業務に対応できるか不安があるなどの課題もありますことから、就職支援研修会や保育現場での体験会など、現場復帰への不安を軽減し、再就職につながるような取り組みを進めております。  続きまして、3点目の保育所等における労働環境の改善状況についてお答えいたします。          〔議長退席、副議長着席〕  本市では、子育て支援員を養成するため研修を実施いたしまして、平成30年度までに約540人を養成いたしております。また、保育士の処遇改善といたしまして、昨年度、国において処遇改善加算の要件が見直されましたことで、副主任保育士のほか職務分野別リーダーへも加算できるようになり、より多くのリーダーを配置することが可能となったことから、職務分野別リーダーを目指す職員がキャリアアップをしやすくなる環境が整備されたところでございます。  最後に、4点目の認可外保育施設についてお答えいたします。  幼児教育・保育の無償化の対象施設として、認可外保育施設を条例で限定する基準を設けることにつきましては、国において5年間は設置の届け出のみで足りる経過措置を設けていることや、認可保育施設を利用できず認可外保育施設を利用されている児童もいることから、条例で制限する基準を定めず無償化の対象施設としたところでございます。  また、保育の質の確保につきましては、認可外保育施設への年1回以上の立ち入り調査によりまして、国の認可外保育施設指導監督基準に基づき、適正な保育内容及び保育環境が確保されているかなどの確認を行っているところでございます。  今後、認可外保育施設指導監督基準を満たしていない施設に対しましては、できるだけ早く国の基準を満たすよう丁寧に指導をいたしてまいります。          〔8番 伊藤和仁議員 登壇〕 ◆伊藤和仁 議員  答弁ありがとうございました。  幼児教育・保育の無償化へ向け、保育士確保のため、潜在保育士の掘り起こし、子育て支援員の養成はさらに必要と思われます。潜在保育士を取り巻く環境をしっかりと分析していただき、再就職へつなげていっていただきたいと思います。また、今後、問題が起こらないよう、認可外保育施設の保育の質の確保をよろしくお願いいたします。  次に、子ども発達支援センターについてお尋ねいたします。  ある市民の方からの相談で、子ども発達支援センターを利用しようと思い電話相談をしたところ、初回の来所相談まで2カ月はかかり、そこからサービス利用が決定するまで長期間かかったということでした。  当事者である親からすると、すぐにでも相談に乗ってほしいと思うのが親心であります。特に、核家族化の進行や、SNS等を中心としたネットでのやり取りでますます人間関係が希薄化している中、子ども発達支援センターのような、面談で相談できることは、とても需要になってきています。  本市の子ども発達支援センターは、平成20年4月の障がい、または障がいの疑いのある児童に関する相談、診察、検査、初期の療育、その他の事業を行うことにより、障がい児、その他の障がい者の発達を支援し、もってその福祉の増進を図るために、熊本市総合保健福祉センターウェルパルくまもとの2階に開設されました。  その相談件数は、平成30年度では1万107件で、前2年でも1万件前後と大変多くなっています。その内訳は、電話相談が5,202件、来所相談が3,825件とお聞きしました。また、平成30年度の新規相談件数では、1,013件でその内訳は乳幼児が一番多く、新規相談件数の65.6%を占め、ついで小学生が29.2%で年齢が高くなるにつれ少なくなっています。  こうした中、近年、発達障がいと発達障がいと疑われる子供は増加傾向にあり、それに伴い相談件数も増加傾向にあります。相談時間の目安は1時間半から2時間ほどかかると聞いています。個別の丁寧な対応が求められる相談であり、相談時間を減らすことはできません。職員数も含め拡充が求められます。  話す角度は少し変わりますが、福祉サービスの決定という面で、標準処理期間が規定されています。この標準処理期間とは、行政手続法に規定されており、行政庁は、申請がその事務所から到達してから当該申請に対する処分をするまでに、通常要すべき標準的な期間を定めるよう努めるとともに、これを定めたときは、これらの当該申請の提出先とされている期間の事務所における備え付けその他の適当な方法により公にしておかなければならないとあります。  この法律にあるように、努力義務ではあり、このことが直接福祉サービスの決定までの速さに関わっているとは思いませんが、標準処理期間を定め市民の皆様に明らかにしていくことは重要と思われます。  また、発達障がい児について、保育園から発達障がい等の可能性のある児童の件で、市と連携が取れないかとの相談もいただいています。相談の内容は、特に3歳半の検診時に、園から本市へ保護者の了解のもと、児童の状況を伝えることがある一方、検診後には、保護者の了解のもとで、検診情報が本市から園側に伝えられる制度はあるようですが、その検診内容の公表を希望しない保護者は少なくないこと、また個人情報保護の観点から、検診の内容が本市から園側へ伝えられることは、余りないとのことでした。  こうした中、子ども発達支援センターでは、発達支援コーディネーターの養成に取り組まれています。この発達支援コーディネーターとは、地域の療育・保育の拠点である幼稚園、保育園、認定こども園で、園内での発達障がい、またはその疑いがある児童や保護者への適切な対応や、支援機関とのスムーズな連携を図る中心的な人材のことで、現在、発達支援コーディネーター養成基礎研修参加状況は220園中212園で96.4%に上っているとのことでした。  この発達支援コーディネーターの活用が求められます。  そこで、健康福祉局長にお尋ねいたします。  1、電話相談から初回来所相談までの直近の平均日数を教えてください。また、子ども発達支援センターへの相談に関して、電話相談から最終的に個々人に応じた支援を受けられるまでの期間を含めて、一般的に要する期間を定めて公表すべきだと思いますがいかがでしょうか。  2、1時間半から2時間という相談時間の目安からいうと、相談員の人数、来所相談件数から見て、初回来所相談までの待ち日数を短くするために、人員を含め拡充が必要と思いますがいかかでしょうか。  3、子ども発達支援センターの職員配置状況を見ると、正職員にも嘱託員にも保健師が配置されていません。障がいの早期発見と早期療養のためにも、保健師の役割は大きいと思いますが、いかがでしょうか。  4、子ども発達支援センターが積極的に推進している、発達支援コーディネーターの役割をさらにはっきりとさせ、その養成に努めていくと同時に、どこに相談を持ちかければいいのかということをなくすため、子ども発達支援センターを含めた行政側の支援機関の役割を明確にし、発達支援コーディネーターを通し、その連携体制を強化していく必要があると思いますが、いかがでしょうか。  以上4点、健康福祉局長にお伺いいたします。          〔田端高志健康福祉局長 登壇〕 ◎田端高志 健康福祉局長  子ども発達支援センターに関する4点のお尋ねに順次お答えいたします。  まず、1点目の子ども発達支援センターの電話相談から初回来所相談までの平均日数及び相談から支援までに必要とする期間の公表についてお答えいたします。  電話相談から初回来所相談までの待機期間につきましては、統計のある3月期を見てみますと、過去3年の平均が2.18カ月となっております。  電話相談から具体的な支援を受けられるまでの標準的な期間の公表につきましては、相談の内容がさまざまであり、必要な検査や支援もそれぞれ異なってまいりますため、難しいものと考えております。  現状では、電話相談の段階でその後の必要な期間の見通しについて個々にお伝えしているところではございますが、今後は、相談される方が支援の見通しがよりわかりやすくなるよう、支援のフロー図などを新たに作成し周知してまいります。  次に、2点目の相談待ち日数の短縮のための人員等の拡充についてお答えいたします。  平成30年度の新規相談1,013件のうち、来所相談に至った件数は762件であり、開設時である平成20年度の523件から5割ほど増加いたしております。  そこで、これまで相談枠をふやすことやキャンセル枠を有効利用することなどで、相談件数の増加に対応してまいりましたが、さらに、今年度は体制を見直し相談に特化した班をつくることによりまして、週当たりの相談枠を2枠ふやしたところでございます。今後も引き続き、待機期間の短縮に向けた取り組みを進めてまいります。  続きまして、3点目の保健師の配置についてお答えいたします。  本市では、各区役所における幼児健診におきまして、発達障がいの早期発見を含めたさまざまな検査を行っております。健診の結果によりましては、保健師が心理相談につなぎ、さらに専門的な相談が必要な場合は、子ども発達支援センターを案内しており、発達障がいの早期発見には区の保健師との連携が重要であると考えております。  子ども発達支援センターへの保健師の配置につきましては、各区の保健師とのさらなる連携を図る中で検討してまいります。  最後に、4点目の発達支援コーディネーターの役割の明確化と行政との連携体制の強化についてお答えいたします。  発達支援コーディネーターには、他の保育士に対して特に支援が必要な児童の保育につきまして具体的なアドバイスを行うなど、児童が安心して保育を受けられるよう園内の調整を図る役割を担っていただいているところでございます。  そこで、コーディネーターがさらにスキルアップし、その役割を十分発揮できますよう、子ども発達支援センターでは追加研修や専門の職員による保育所等への訪問、好事例の紹介などのサポートを行っておりますほか、コーディネーターの活用につきましても園長に対し研修を行っているところでございます。  今後も、支援が必要な児童に対し適切な保育ができるよう、園との連携を強化してまいりますとともに、発達支援コーディネーターにつきましてもさらに周知を図ってまいります。          〔8番 伊藤和仁議員 登壇〕 ◆伊藤和仁 議員  答弁ありがとうございました。  電話相談から初回来所相談までの日数は、平成28年度から平成30年度までの平均が2.18カ月でさまざまな取り組みにより待機期間の短縮に努められていますが、今後も、来所相談が増加していく傾向が続くのであれば人員の増員の検討も必要と思います。また、保健師の配置も同じく必要であると思いますので、今後、要望をしておきます。  本市では、保育所等において発達障がい、またはその疑いのある児童の支援の中心的役割を果たす、発達支援コーディネーターの養成に力を入れられております。その役割が十分発揮できるように、今後の運用をお願いいたします。  続いて、本市のホームページの充実について、全体的な点からお尋ねいたします。  現在では、何かを調べようと思った場合、まずインターネットやスマートフォンを使用して調べます。調べ方には、大別して2つあり、1つは、調べたい内容を検索エンジンや検索アプリを使って検索し調べる方法。そして2つ目が、インターネットで直接ホームページ、例えば、本市のホームページを開いてから、サイト内検索やカテゴリーごとに分類されているページにアクセスし情報を得る方法です。  この2つの調べ方のうち、ホームページに直接つないで調べようとする人は、例えば、本市の具体的な政策や告知などを調べたいという積極的な意思を持ってアクセスします。このため、直接ホームページにつないだ人にとって、調べたいことにどれだけ手間をかけずにたどり着けるか、また、調べたいことが十分に説明されているか、さらに調べたいことの関連情報が関連づけられているかが重要になります。これらが迅速に調べられるのが、よいホームページと言えると思います。  現在の本市のホームページはどうでしょうか。  トップページを開くと、まず右上のキーワード検索があり、グーグルカスタム検索が利用されています。また、トップページの一番上に、くらし・環境などのカテゴリーが6つに分類され、自身が調べたいカテゴリーにマウスを合わせると詳しい一覧が表示され、目当ての項目をクリックすればそのページに飛んでいくようになっています。ここまではよくできていると思います。  しかし、ここからが問題だと思います。  この6つのカテゴリーは、中項目と詳細項目から構成されており、詳細項目にアクセスするとどのページも共通して新着情報が先頭にきており、その後に関連記事が掲載され、新しく更新された記事から順に掲載されています。  このため、更新回数が多いページになると、ずらっと更新内容が並び、そこから目当ての記事を探すのにはとても苦労いたします。  ホームページにアクセスする人は、調べたいことが具体的にある積極的な方が多いと指摘しました。例えば、本市に新たに転入してきた人が、転入届け出を出したいと思ったときに一番に必要なのは手続きできる場所などの説明です。  こうした情報にすぐ到達できるようになっているのがよいホームページではないでしょうか。もちろん、更新された情報もあれば役には立ちますが、それ以上に、例えば、証明書の発行手続きの項目であれば証明証の一覧がまず表示され、必要な項目をクリックするだけで十分な情報が表示されるというつくりが必要と思われます。  このように、手続きなどは固定化してアクセスしやすくし、一方、災害情報・避難情報などは最新の情報を表示することが重要となります。  また、各課独自のページへのリンクも有効と思います。各課で運用されているページの方がはるかに詳しく、使いやすいページとなっていますので、本市のホームページから、それぞれの詳しいページへ移動できるようにしてはいかがでしょうか。  以上、現在のホームページが利用者にとって使用しやすく、わかりやすくなっているかといった視点で課題点を指摘しました。  そこで、お伺いします。  1、よいホームページとはどのようなホームページとお考えでしょうか。  2、私の視点で課題も指摘しました。指摘した事項に対する見解と、今のホームページのシステムの中での変更は可能かどうかお示しください。  以上、政策局長にお尋ねいたします。          〔古庄修治政策局長 登壇〕 ◎古庄修治 政策局長  ホームページの充実に関するお尋ねにお答え申し上げます。  本市のホームページの最大の目的は、市民の皆様に日常生活に役立つ情報や、市政関する幅広い情報を正確にわかりやすく、かつタイムリーに提供することであります。  そこで、お尋ねのよいホームページとは、一言で言えば、必要な情報を必要なときにスムーズに得られるホームページであると考えています。そのためには、各課が所管するさまざまな情報をわかりやすく整理し、的確かつスピーディーに提供することや、高齢者や障がい者はもとより、外国人などを含め誰もが必要とする情報を容易に得られるように整備しておくことが重要でございます。  加えて、スマートフォンやタブレットなど、市民の皆様の情報入手手段が多様化する中、どの端末を使っても見やすく整備することが必要であると考えております。  本市のホームページにつきましては、平成9年に開設以来、市民ニーズの変化や技術の進展などに合わせて改善を加えておりまして、現在のホームページシステムは、検索機能の向上や障がいのある方や高齢者などに対する利便性の向上、そして、災害時の情報提供の安定化などを目指して、平成25年12月に大幅にリニューアルしたものでございます。  今後とも、市民が利用しやすいホームページとなりますよう、改善に努めていくこととしておりまして、各種手続きに関する項目の見出しを新着情報の前に固定し、アクセスしやすくすること、災害時はトップ画面のフラッシュバナーを災害情報のリンクに差し替えること、各課で独自に運用されているページへリンクを張ることなど、ただいま議員から御指摘いただいた課題について、現行のシステムでも対応可能なものについては、早急に検討してまいります。          〔8番 伊藤和仁議員 登壇〕 ◆伊藤和仁 議員  答弁ありがとうございました。  指摘した課題については、各種手続きの関する項目の見出しを新着情報の前に固定するなど、まずは、現行のシステムでも対応可能なものについては改善されるとのことです。本市ホームページは、本市の情報発信の要です。誰もが必要とする情報を容易に得られるように、市民の目線に立ったホームページに改善されるよう期待をしております。  次に、全国都市緑化くまもとフェアについてお尋ねいたします。  本市が開催を表明した全国都市緑化くまもとフェアは、いよいよ2022年春に開催されます。この全国都市緑化フェアは、国土交通省の同意が必要で、本年3月に同意書が国土交通省から手渡され開催が決定いたしました。  本市では、熊本県と共同で昭和61年、1986年に第4回熊本グリーンピック86を開催し、今回が2度目の開催となります。開催期間は、2022年の3月から5月までの2カ月程度で、メーン会場として熊本城公園及びシンボルプロムナード一帯、水前寺江津湖公園一帯、立田山とし、パートナー会場として、本市周辺の連携中枢都市圏の市町村との連携会場、さらには、託麻三山、金峰山、雁回山、八景水谷公園など各区の自然資源となっています。大変大きなイベントで、熊本地震からの復興の姿を国内外に示す絶好の機会にすべきと考えています。  さて、この全国都市緑化フェアは、緑豊かな潤いのある都市づくりを目指して開催するものとあります。この緑豊かな潤いのある都市づくりを下支えするものとして、本市の緑化事業があります。  本市の緑化事業は、平成6年に都市緑地保全法が改正されたことを受け、平成7年に本市が環境保全都市を宣言、さらには都市における緑地の保全と緑化の推進を総合的かつ計画的に行うため、平成17年に本市の生命線である水と緑の保全や新たな緑とオープンスペースの確保の指針となるものとして、緑の基本計画が定められました。その原点は、昭和47年の熊本市議会の森の都宣言の決議にさかのぼります。  これまでの本市の緑化事業を見ると、戦後の急激な緑の減少に対処するために、周辺町村の森林の保全支援、都市公園の整備、街路樹の植栽に努めてきました。  その一方で、近年の頻発する自然災害の発生を受け、防災・減災、さらには安心して暮らせるまちづくりに関心が非常に高まっています。  このような中、現在、当初予算にも計上され、15年ぶりに緑の基本計画の改正に向けた検討がなされています。持続可能な都市づくり、安心安全な都市づくりに向け、緑の基本計画を見直す必要があると思いますので、今後、しっかりと議論を交わしていきたいと思います。  さて、大西市長は平成30年第1回定例会の答弁で、2021年度の開催を目指す緑化フェアは、熊本地震から5年という節目の年に当たりまして、市民、企業関係団体等の力を結集し、都市の緑の再生を図る契機にするとともに、地域産業や観光産業の振興、さらには国内外の方々に熊本地震からの力強い復興を発信する機会と捉えておりますとありました。  また、全国都市緑化フェアを全体的にコーディネートする広報・演出アドバイザーとして、小山薫堂さんに決定されたとの報道もありました。  そこで、大西市長にお尋ねいたします。  全国都市緑化くまもとフェアの構想が具体的にまとまってきていると思いますので、その内容、このフェアに望むもの、思いを教えてください。  続けてお尋ねいたします。  街路樹についてですが、高木が植わっている歩道では、街路樹の根が歩道を破損しているほか、信号機や道路から各施設に車で入る際、葉が生い茂りよく見えないところがあります。また、落ち葉の処理や剪定作業を何度もしなければならないような街路樹も多くあります。歩道の破損や葉が多く茂る樹木は歩行者の安全を損ない、高齢者が多くなっている今、落ち葉の処理は大きな負担となっています。
     こうした中、本市では、道路除草等基本計画を策定し、安全性や快適性を向上させる植栽帯となるよう、効率的・効果的な道路除草等を定めるようにしています。  そして、平成30年第4回定例会で、都市建設局長は、街路樹管理の方針について検討を進めていると答弁しています。  そこで、都市建設局長にお尋ねいたします。  どのような方針で街路樹を剪定していくか、街路樹の今後のあり方を含め、現在の検討状況をお聞かせください。  続けて、関連してお尋ねいたします。  全国都市緑化くまもとフェアのメーン会場の一つ、立田山についてですが、現在、イノシシが頻繁に出没し、農作物に被害が出ております。また、立田山は周りが住宅地となっており、たびたびイノシシが目撃され、今のところ人的被害は出ていませんが、今後もイノシシが増加していくとみられ、人的被害が出る危険性は高まっています。  そこで、農水局長にお尋ねいたします。  現在、立田山のイノシシ対策の内容とその目的及び効果を教えてください。また、わなについてですが、イノシシの生態上、幼獣は好奇心が強く、成獣はとても慎重に行動をするということで、家族ごとイノシシをとる大型のわなも有効と思いますが、今後、効果的な防除法を含めた新たな対策を講じられますか。  大西市長初め、各担当局長の答弁をお願いいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  全国都市緑化くまもとフェアについてでございますが、ことし3月に国土交通大臣の同意を得て、2022年春の開催が正式に決定したところであり、現在、学識経験者や経済界などの関連団体で構成いたします検討委員会を組織して議論を進めているところでございます。  去る、8月開催の委員会では、メーン会場の1つである立田山において、エリアの強みと特色を生かした自然観察会や子供向けの木育教室、また、動植物園においては、市民との協働による花壇づくりなど、将来にもつながるような活動とすることが重要である等の御意見をいただいております。  このフェアは、国内最大級の花と緑のイベントであり、さらに、市民とともにつくり、磨き上げていくことによって、継続した緑化活動につながっていくよう進めなければならないと考えております。  また、県内全ての市町村がフェアへの参画意向を示されており、県内一丸となって元気で魅力ある熊本を国内外に発信していくことが、熊本地震からの復興のメッセージにつながるものと考えております。          〔田中隆臣都市建設局長 登壇〕 ◎田中隆臣 都市建設局長  私からは、街路樹管理のお尋ねにお答えいたします。  議員御案内のように、本市は平成31年4月に熊本市道路除草等基本計画を策定し、選択と集中による道路除草のほか、交差点部等の視認性確保や防草処理などを基本方針にのっとり実施しております。  一方で街路樹については、大木化により根上がりや枝葉による視認性の低下、さらには植生環境の影響から、良好な街路樹並木が形成されていない箇所が見られており、これらに対する市民からの御要望も増加傾向にございます。  このようなことから、早急に抜本的な街路樹のあり方を検討する必要があると考え、今年度、街路樹再生計画策定委員会を設置したところございます。  今後は、委員会における審議や、国県との調整を踏まえつつ、剪定等の管理規定、安全で快適な街路樹空間の形成はもとより、市域全体の都市緑化に資する計画となるよう、議会や市民の皆様からの御意見を伺いながら策定を進めてまいります。          〔西嶋英樹農水局長 登壇〕 ◎西嶋英樹 農水局長  私からは、立田山のイノシシ対策に関する2つの御質問にお答え申し上げます。  まず、1点目、これまでの対策の内容と効果でございます。  立田山は住宅地に囲まれ、市民の憩いの場であるが、イノシシによる農作物被害や住宅地での目撃事例が増加していることから、イノシシ対策の重点地域として、対策に、今、取り組んでいるところでございます。  具体的には、地域の農業者と話し合いを重ねまして、昨年度、約9ヘクタールの農地に国の事業を活用いたしまして電気柵を設置し、農作物の被害は大きく軽減いたしております。  また、立田山に箱わなを増設いたしまして、昨年度は43頭、本年度は4月からの4カ月間に41頭のイノシシを捕獲しております。さらに、昨年度から、地元自治体や学校、まちづくりセンターと連携いたしまして、対策会議や勉強会、イノシシのすみかになっているやぶの撤去作業などに取り組んでございます。  このような地域活動を通じまして、地域ぐるみのイノシシ対策の重要性について意識が高まっておりまして、地域と行政が一体となったイノシシ対策が動き始めているところでございます。  続きまして、2点目、新たな対策でございます。  立田山は市民の憩いの場であるとともに、全国都市緑化くまもとフェアのメーン会場の一つになることから、住民や来場者の安全確保が課題でございます。捕獲数の増加や成獣を含めた捕獲を進める必要があると考えております。  このため、立田山イノシシ対策について庁内関係課によるプロジェクトチームを立ち上げ、学識経験者の助言のもと、地域と連携した取り組みを強化することといたしております。  具体的には、ドローンを活用したイノシシの生息状況調査に基づきましてICT等を活用した大型箱わなによる効果的な捕獲、それから、ハザードマップの作成や餌場やすみかの除去などの環境整備、これら両面からの対策を検討してまいります。          〔8番 伊藤和仁議員 登壇〕 ◆伊藤和仁 議員  答弁ありがとうございました。  全国都市緑化くまもとフェアは、市民とともにつくり上げていくことがキーワードであるように思います。また、熊本地震からの復興のメッセージを県内一丸となって発していけるイベントとなるよう、私自身も頑張ってまいりたいと思います。  今後の街路樹のあり方は、街路樹再生策定委員会が設置され検討されるとありました。本市の都市緑化にもつながってくる問題と思いますので、しっかりと議論をしていただき、計画の策定をお願いいたします。  立田山のイノシシ対策は、地域と行政が一体となって取り組んでいるところに大きな特徴があります。今後、この対策が成果を収め、鳥獣対策の模範的な取り組みとなるよう期待し、鳥獣被害に強いまちづくりを推し進めてまいりたいと思います。  また、立田山は、全国都市緑化くまもとフェアのメーン会場ともなっていますので、効果的な防除策を含めた新たな対策もよろしくお願いいたします。  続けて、通学路等の安全対策と生活道路の保全対策についてお尋ねいたします。  私の子供は、ことし4月から小学校へ通うようになり、否が応でも通学路の安全は大変に関心があるところであり、市民相談でも多くの要望を受けています。  特に、生活道路では狭い道路がたくさんあり、渋滞をよけるための抜け道となっているものもあり、通学路として車両の進入禁止等の規制が設けられていないところもあります。  日本の交通事故死者数は、警視庁の発表によると、2018年は3,532人で、ピーク時の1970年の1万6,765人と比べると約4分の1まで減少しています。  特に自動車乗車中の死者数は、先進国G7の中で最も少なくなっている一方で、歩行中・自転車乗車中の死者数は、G7の中で最下位となっており歩行中・自転車乗車中の死者数は、全交通事故死者数の約半数に上り、そのうちの約半数は、自宅から500メートル以内の身近な道路、生活道路で発生しているとの結果が出ているそうです。  通学路・生活道路の安全確保は、地域住民の大きな関心事であり、地域の最重要な喫緊の課題となっています。  こうした状況を改善するため、本市では平成26年度から、熊本市通学路交通安全プログラムに基づき、警察や道路管理者といった関係機関等と連携して通学路の合同安全点検を行っています。  また、今年度は、各学校での安全指導と事故を防ぐ対策を実施しながら、今後、警察、道路管理者等により計画的に対応予定とあり、通学路等での安全対策が進められています。  さて、交通事故を抑止する方法として、事故が発生するかもしれないという、潜在的危険箇所がわかるシステムがあります。このシステムはETC2.0を利用したビッグデータの活用によるものです。このETC2.0は、これまでのETCの機能に、道路情報や新サービスを追加した次世代ETCのことを言い、このETC2.0によるビッグデータには、走行速度、走行経路、急挙動や急ハンドル等の危険挙動が把握できるため、実際の交通事故は発生していませんが、道路利用者がふだん危険と感じている潜在的危険箇所を特定できること、さらには対策直後の整備効果を検証する上でもビッグデータにより明らかになります。  現在、本市でも、熊本県警と連携し、交通事故データ等から候補区域を抽出し、国土交通省からビッグデータの分析結果を受け、通学路ヒヤリマップ等と重ね合わせ、さまざまな対策を講じ、その対策の効果はビッグデータによって簡単に検証が可能となります。  本市の具体的な取り組み事例として黒髪地区があり、抜け道が多い小学校付近の区間を対象に、速度抑制対策としてグリーンベルト等を配置することで、時速30キロメートル超過の割合は、約1割減少し、平均速度も低下いたしました。  このように、ビッグデータを併用して交通事故対策を実施していくことは、特に生活道路や通学路に対して活用する効果が高く、交通事故を未然に防ぎ、交通事故を根絶するという究極の目的に大きく貢献するものと考えられます。  次に、道路政策についてお尋ねしていきます。  御案内の通り、平成28年4月に熊本地震が発生したことから、道路・橋梁の被災箇所の復旧を最優先に実施してこられました。こうした優先的な対策で、道路・橋梁などの復旧は進み、今では、ほぼ100%が復旧しています。  こうした中、通常の生活道路の整備については復旧を優先したことから、舗装のひび割れ、側溝蓋の修繕、さらには道路の白線が消えるなどの問題が残りました。  特に、市民の皆さんからの要望が多いのが、道路の白線が消えかかり、見えなくなっている問題です。最近では、雨が降ると、生活道路だけでなく幹線道路も含め、消えかかった白線は見えなくなり交通事故を引き起こす要因となることが危惧されている中、9月議会で保全対策費が計上されることになりました。  そこで、通学路等の安全対策と生活道路等の保全対策についてお尋ねいたします。  1、現在の国土交通省からのビッグデータの提供のされ方と、生活道路対策エリアの候補エリアの抽出・登録の仕方、また、今後の市内の小学校区への展開は通学路の安全対策に有効な手段と思われますが、見解をお示しください。  2、生活道路等の保全対策については、要望未完了分485件については9月補正で、今年度で対応完了予定とありました。道路の白線についてどのように対応していくのか、お示しください。  また、生活道路の舗装について、年度内に2次調査を実施し、実施計画を地域と共有しつつ、次年度から生活道路の計画的修繕を図るとありましたが、具体的な内容をお示しください。  以上2点、都市建設局長にお伺いいたします。          〔田中隆臣都市建設局長 登壇〕 ◎田中隆臣 都市建設局長  通学路等の安全対策と道路政策についてのお尋ねに順次お答えいたします。  通学路等の安全対策におけるビッグデータの活用についてでございますが、生活道路の交通安全対策エリアは、警察が指定しますゾーン30エリアと連携し、死傷事故件数や国の技術的支援に基づき提供を受けましたビッグデータの分析結果等を活用することで、課題の抽出や優先順位などを検討し、これまで黒髪地区など7地区を国土交通省へ申請し、その後、路面標示等の安全対策工事を進めております。  今後、ETC2.0の普及がさらに進み活用効果が高いと見込まれますことから、引き続き、ビッグデータについては国・警察と十分連携し、通学路等の安全対策に活用してまいりたいと考えております。  2点目の、生活道路等の保全対策に関し、まず、区画線の復旧について、9月補正予算で計上しております生活道路舗装等修繕経費での対応についてでございますが、対象の要望未完了箇所485件のうち区画線に関するものが70件あり、今年度中に完了することとしております。また、別途、国際スポーツ大会の開催に伴います関連予算により、幹線道路においての区画線の復旧は既に実施したところでございます。  最後に、生活道路の舗装についてでございますが、熊本市が管理している約3,700キロメートルのうち、補修が必要と判断しております約1,400キロメートルについて、現在、調査を進めており、今後、調査結果をもとに劣化の度合い等により補修区間の確認、また、優先順位や総事業費などの算出を行い、生活道路舗装補修計画を策定することとしております。  今後は、この計画に基づき、劣化状況に応じた計画的な舗装補修へと転換を図り、補修箇所や補修時期を地元と共有するとともに、区画線などについても道路パトロールの強化や市民の方々からの情報を得ながら、適切な管理を行うことで、安全・安心な道路環境の保全に努めてまいります。          〔8番 伊藤和仁議員 登壇〕 ◆伊藤和仁 議員  答弁ありがとうございました。  ETC2.0を利用した通学路への安全対策はその効果が十分に期待できるため、いち早く取り組んでいただきたいと思います。  生活道路等の保全対策では、まずは今年度にしっかりと実施していただき、市民の安心・安全のため、着実に進めていっていただきたいと思います。  次に、空き家対策についてお尋ねします。  空き家対策については、平成29年の当初予算を審議する予算決算委員会で当時の鈴木団長が公明党市議団を代表して総括的に都市建設局長と大西市長に質疑を行い、新たな動きが始まりました。  この時に、予算決算委員会の総括質疑で会派として取り上げた背景は、1つに、平成28年の熊本地震の発生を受けて喫緊の課題となった倒壊危険家屋の除去、2つ目に毎年行っている公明党市議団の政策要望で、平成27年5月に施行された国の法律、空家等対策の推進に関する特別措置法、いわゆる空家特措法を活用した対策の強化を求めたためと聞いています。  以来、熊本地震で発生した空き家の老朽危険家屋は、不在者財産管理人制度を活用した公費解体のさらなる推進、住宅部に専管組織として空家対策課の設置、空家特措法に基づく熊本市空家等対策協議会の開催、法定の空家等対策計画の策定、空家特措法の基づく、老朽危険家屋の略式代執行県内第1号の実施、空家等実態調査がことし7月にホームページに公開されるなど、着実に事業が推進されています。  改めて、大西市長の英断と都市建設局に感謝いたします。  今回は、この空家等実態調査の内容をもとにお伺いしていきます。  この空家等実態調査のうち、現地調査報告書の結果では、老朽度判定をAランクからEランクまでの5段階に分類、Aランク「目立った損傷は認められない」は2,718家屋、Bランク「危険な損傷は認められない」は658家屋、Cランク「部分的に危険な損傷が認められる」は217家屋、Dランク「そのまま放置すれば、近く倒壊の危険が高まる」は46家屋、Eランク「危険な損傷が著しく、倒壊の危険があると思われる」は59家屋としています。  この調査で明らかなように、AとBのランクの家屋を合わせると3,376棟あり、利活用が求められています。また、所有者意向調査結果報告書を見ると、今後、建物の取り扱いについては、建物を売却したい、解体して土地を利用したい、賃貸として運用したい等が約60%を占めていることから、手放したいと考えている所有者、利用したいと考えている所有者、双方に対応できる相談窓口が対策に効果があると分析しています。  これら調査で明らかなように、危険性が高い建物は、いち早く解体へ誘導し、利活用可能な建物については利活用を促進していく、さらに、今後空き家になる可能性を未然に防いでいくことが、今後の空き家等対策に求められます。  また、国では、空き家の発生を抑制するための特例措置として、空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除を設けています。該当する空き家を相続された方にとってはとても有利になります。また、空き家の発生を未然に防ぐためにも有効な制度です。  このために、いかにこの制度が周知されるかが重要になります。特に、その制度を利用できるのは相続発生時ですので、相続に関する手続きの一覧等の配布資料の中に、空き家対策の項目を入れることで、空き家の発生を未然に防ぐことができると思われます。  神戸市では、おくやみ手続きの御案内パンフレットの最後のページに、市内の空き家・空き地を相続される方へという項目で、空き家対策を盛り込んでいます。  また、専門家団体との連携も必要と考えます。空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除は、空き家対策を進める上で非常に有効な制度ですが、一方でその制度を利用するためには所得税の確定申告が必要で、かなりの手間がかかります。  また、税理士はクライアントの状況を把握しており、相続の相談時にも税理士からこの制度を紹介していただくことで、空き家対策が効果的に進んでいくと思います。  税理士会に協力をもらい、制度の紹介や相談窓口となっていただければよいと思いますがいかがでしょうか。  また、周辺に悪影響を及ぼしている危険な空き家等は、所有者が行う危険な空き家等の解体に対する時限的な助成制度が本年8月から始まりましたが、解体費の助成は、今すぐに危険の可能性がない空き家への解体にも有効と思われますが、今後の拡充へはどのようにお考えでしょうか。  そこでお尋ねいたします。  1、利活用が可能と考えられる空き家の相談窓口の設置について。  2、国の空き家の発生を抑制するための税の特例措置の活用と周知、そして専門団体との連携について。  3、本年8月から始まった所有者が行う危険家屋の解体助成制度の対象範囲と、今後の拡充についてお示しください。  4、今後、老朽度判定AからCの空き家の活用が議論されていくと思いますが、この点に関する見解をお示しください。  1、2、3の質問は都市建設局長に、4の質問は大西市長にお尋ねいたします。          〔田中隆臣都市建設局長 登壇〕 ◎田中隆臣 都市建設局長  空き家対策についてのお尋ねに順次お答えいたします。  本市の空き家対策につきましては、本年3月に策定しました熊本市空家等対策計画に基づき、空家対策課が相談窓口となり、空き家に関するさまざまな相談を受けながら、その発生予防、適正管理、利活用の取り組みを推進しております。  その中で、利活用については、空き家の提供希望者と利活用希望者をうまく結びつけることが重要と考えており、現在、宅建業等団体と連携し、双方を橋渡しする仕組みを検討しております。  次に、所得税の確定申告時の特別控除についてですが、制度開始の平成28年度から今年8月までの間に被相続人居住用家屋等確認書を約200件交付しております。また、制度の周知につきましては、本市ホームページに掲載しており、本年度からは確定申告に合わせ、市政だよりや出前講座での事前周知も行うこととしております。  これまでも、空き家の問題につきましては、宅建業、司法書士等の団体への紹介など連携しておりますが、税の特例措置については多様な専門的知識が必要であり、今後、さらに関係団体との連携を進めてまいります。  次に、安全・安心な住環境の確保を目的に、本年8月から施行しました解体費助成制度については、建物の基礎の破損や傾斜など不良度が高い倒壊の恐れのある危険な空き家がその対象となります。  このように、本制度は周囲に悪影響を与えるなど危険な空き家を措置するための、令和6年3月までの期間限定のものであり、健全な状態の空き家への拡充の予定は考えておりません。  しかし、健全な空き家も経年により危険な空き家となることから、予防や利活用を促進し、危険な空き家の発生を未然に防ぐことで、今後とも良好な住環境の保全に努めてまいります。
             〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  空き家の活用につきましては、全国においてグループホーム、地域住民交流施設、シェアハウスなどの用途としての活用事例が多数あるなど、利活用を進めることで、定住促進はもとより地域活性化の推進など、今後のまちづくりに効果が高いものと捉えております。  そのためには、利用者のニーズと所有者の意向をいかにマッチングしていくかが重要でございまして、先ほどの都市建設局長の答弁にございました、橋渡しをする仕組みづくり、例えば空き家バンクのようなものを早急に検討する必要があると考えております。  また、利活用が促進されれば、危険な空き家の発生予防にもつながりますことから、今後も、市民、事業者、関係団体と連携を図りまして、安全・安心で住みやすいまちづくりを目指し、空き家対策を全力で進めてまいりたいと考えております。          〔8番 伊藤和仁議員 登壇〕 ◆伊藤和仁 議員  大西市長を初め、答弁ありがとうございます。  空き家の相談窓口の設置については、宅建業等専門団体と連携した仕組みを検討されているとのこと、また、税の特例措置についてはさらに関係団体との連携を含め進めるとのことです。期待いたします。  令和6年3月までの解体費の助成制度は、健全な状態の空き家への適用拡大ではなく、時間が経ち危険な状態にならないよう、予防・利活用を促進していくとのことです。  大西市長からは、一例として空き家バンクを早急に検討していくとの答弁もありました。今後の、市長の空き家の利活用を推進していくための具体的な政策に期待いたします。  次に、市営住宅についてお尋ねいたします。  市営住宅に関しては、市議会議員になる前からも、たくさんの要望を受けていました。市営住宅の老朽化の問題、空き室の問題、除草の問題、ハトのふんの被害など、さまざまな相談を受け、行政につないできました。  市営住宅の老朽化の問題については、本市でも高度経済成長期に整備された住宅も多く、老朽化が進んでおり、多額の修繕及び更新費用がかかってくる状況であるため、市民の皆様からも当然起こっている相談です。  そのような中、本市では市営住宅長寿命化計画を策定し、計画的な修繕にも取り組んでいます。また、家賃収納率の向上による財源確保にも取り組んでいます。  したがって、当面、市営住宅の長寿命化が進められる中、私が相談を受けた内容は避けて通れない問題であり、住みやすい住環境を構築し入居を促進していくためにも重要なことであります。  特に、除草の問題は、市営住宅全体のイメージを左右する重要な点であり、うっそうと茂る雑草を放置していては、せっかく市営住宅の長寿命化計画に沿って修繕しても入居しようと思われなくなります。  いま一度、除草の問題を整理する必要があります。  この除草の問題は、住民側が管理する部分と指定管理者側が管理する部分とに分かれており、ある箇所については、以前は本市で対応していた部分が、その後、しばらく放置された結果、人の背丈に迫る長さに成長しその後も引き続き放置されているという状況が生まれています。除草の問題は、管理に関するルールを明確化し、住民と指定管理者が共同して住環境の保全に臨む必要があります。  また、いつごろ除草作業などが行われるかがわからず、住民の不満につながっていることから、指定管理者の除草作業等の年間計画を明らかにできれば、住民の方々も安心して暮らせていけます。  このように、除草作業などの住環境保全作業は、住民と指定管理者との作業を明確にした上で、除草作業等の年間計画を住民にわかるようにすることが求められています。  また、ハトのふん害については、個別の部屋にネット等を張る対策などは入居者の負担となっています。問題なのは特に最上階に空き室があった場合、その部屋からの人の気配が感じられないため、ハトのすみかとなり、ハトのふんの被害、その空き部屋を中心にハトが住みつく状況が生まれ、その被害は建物全体へと波及し、ひどい状況になっています。こうなっては、個人による個別の対策では間に合わず、建物全体で対策を行っていく必要があります。こうしたふんの被害がひどいところは、窓が一切開けられず、生活に支障をきたすなど、健康被害を起こす恐れもあり大きな問題となっています。  そこで、お尋ねいたします。  1、除草の問題の解決のためには、住民と指定管理者の管理に関するルールを明確化し、指定管理者の除草作業等の年間計画を明らかにして、住民の安心につなげてはいかがでしょうか。お考えをお示しください。  2、空き部屋のハトのふんの被害については、建物全体でハトの対策、ふんの除去作業が必要と思われますがいかがでしょうか。お考えをお示しください。  以上2点、都市建設局長にお聞きいたします。          〔田中隆臣都市建設局長 登壇〕 ◎田中隆臣 都市建設局長  市営住宅の管理に関する2点のお尋ねに順次お答えいたします。  まず、除草などの管理ルールの明確化などについてでございますが、除草や低木の剪定等の管理につきましては、入居者による管理を基本とし、入居者での管理が困難な場合のみ例外的に、指定管理者が除草等の作業を行っております。  各団地の管理等のルールについては、入居時に配布しますすまいのしおりに記載し、入居手続き時にも説明を行っております。今後は、さらに定期発行誌を活用するなど、入居者への管理ルールの理解を促してまいります。  また、除草作業等の年間計画につきましても、作業の時期や入居者への周知方法等について指定管理者と各管理人とで十分な協議を行い、団地のニーズに即した効率的な住環境管理に努めてまいります。  次に、ハトのふん被害への対策でございますが、現在、ハト等の鳥害対策については、共用部は団地管理組合、専有部は各入居者、空室になっている住戸については、指定管理者で対応しております。  特に、空室のベランダについては、ハトが安全な場所と認識し住み着く可能性が高いことから、定期的な清掃や必要に応じハトよけネットを張るなどの対策も行っております。  今後とも、ハトが住みつかないよう、空室への対応を行いますとともに、入居者の協力も得て、団地全体での対応にも努めてまいります。          〔8番 伊藤和仁議員 登壇〕 ◆伊藤和仁 議員  答弁ありがとうございました。  住民のニーズは各団地によってさまざまであると思いますので、各管理人との十分な協議を行っていただき、対応のほどお願いいたします。  ハトの対策として、団地の空き室に対してはしっかりとした管理をお願いいたします。  立田山のイノシシ対策のように、行政と住民が協力をして対策を講じていくことも重要と思われますので、管理人との協議の際にはその点もしっかりと話をしていただきたいと思います。  以上をもちまして一般質問で準備した初めての質問は終わりました。ふなれな中、真摯に答弁いただいた大西市長を初め執行部の皆様、そして先輩・同僚議員の皆様に感謝いたします。また、平日の午後という大変にお忙しい中傍聴においでいただいた皆様、そしてインターネットで見ていた市民の皆様に心より感謝申し上げます。  これからも、市民の皆様のため全力で頑張ってまいりますので、本当にありがとうございました。(拍手)       ──────────────────────────── ○上田芳裕 副議長  本日の日程は、これをもって終了いたしました。  この際、お諮りいたします。  明10日は、議事の都合により休会したいと思いますが、御異議ありませんか。          (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○上田芳裕 副議長  御異議なしと認めます。  よって、明10日は、休会することに決定しました。  次会は、9月11日(水曜日)定刻に開きます。       ──────────────────────────── ○上田芳裕 副議長  では、本日はこれをもって散会いたします。                             午後 3時49分 散会 〇本日の会議に付した事件 一、議事日程のとおり 令和元年9月9日 出席議員 48名       1番   倉 重   徹        2番   上 田 芳 裕       3番   山 本 浩 之        4番   古 川 智 子       5番   島 津 哲 也        6番   北 川   哉       7番   吉 田 健 一        8番   伊 藤 和 仁       9番   荒 川 慎太郎       10番   齊 藤   博      11番   田 島 幸 治       12番   平 江   透      13番   日 隈   忍       14番   吉 村 健 治      15番   山 内 勝 志       16番   緒 方 夕 佳      17番   高 瀬 千鶴子       18番   三 森 至 加      19番   大 嶌 澄 雄       20番   光 永 邦 保      21番   高 本 一 臣       22番   福 永 洋 一      23番   西 岡 誠 也       24番   田 上 辰 也      25番   浜 田 大 介       26番   井 本 正 広      27番   藤 永   弘       28番   小佐井 賀瑞宜      29番   寺 本 義 勝       30番   原     亨      31番   原 口 亮 志       32番   紫 垣 正 仁      33番   大 石 浩 文       34番   田 中 敦 朗      35番   村 上   博       36番   那 須   円      37番   園 川 良 二       38番   澤 田 昌 作      39番   満 永 寿 博       40番   三 島 良 之      41番   津 田 征士郎       43番   坂 田 誠 二      44番   白河部 貞 志       45番   田 中 誠 一      46番   藤 山 英 美       47番   落 水 清 弘      48番   田 尻 善 裕       49番   上 野 美恵子 説明のため出席した者   市長       大 西 一 史    副市長      多 野 春 光   副市長      中 村   賢    政策局長     古 庄 修 治   総務局長     萱 野   晃    財政局長     田 中 陽 礼   市民局長     石 櫃 仁 美    健康福祉局長   田 端 高 志   環境局長     勝 谷 仁 雄    経済観光局長   平 井 英 虎   農水局長     西 嶋 英 樹    都市建設局長   田 中 隆 臣   消防局長     西 岡 哲 弘    交通事業管理者  肝 付 幸 治   上下水道事業管理者白 石 三千治    教育長      遠 藤 洋 路   中央区長     井 上   学    東区長      宮 崎 裕 章   西区長      深 水 政 彦    南区長      村 上 誠 也   北区長      野 口 恭 子 職務のため出席した事務局職員
      事務局長     大 島 直 也    総括審議員兼事務局次長                                富 永 健 之   議事課長     本 田 正 文    調査課長     下錦田 英 夫...