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令和 元年第 3回定例会−09月06日-03号
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  1. 熊本市議会 2019-09-06
    令和 元年第 3回定例会−09月06日-03号


    取得元: 熊本市議会公式サイト
    最終取得日: 2022-11-22
    令和 元年第 3回定例会−09月06日-03号令和 元年第 3回定例会   令和元年9月6日(金曜) ┌─────────────────────────────────────┐ │ 議 事 日 程 第3号                         │ │ 令和元年9月6日(金曜)午前10時開議                 │ │ 第  1 一般質問                           │ └─────────────────────────────────────┘                             午前10時00分 開議 ○倉重徹 議長  ただいまより本日の会議を開きます。       ──────────────────────────── ○倉重徹 議長  日程第1「一般質問」を行います。  順次発言を許します。小佐井賀瑞宜議員。          〔28番 小佐井賀瑞宜議員 登壇 拍手〕 ◆小佐井賀瑞宜 議員  皆様、おはようございます。  自由民主党熊本市議団小佐井賀瑞宜でございます。改選後、初の登壇の機会を得て心弾む思いでこの日を迎えました。今般の機会を与えていただきました先輩議員並びに同僚議員の皆様方に、まずはお礼を申し上げたいと存じます。ありがとうございます。  さて、いつも前置きの長い私でございますけれども、時間の都合がございますので、きょうは冒頭の挨拶を含めローカル的な話題を掲げまして、早速質問に入ってまいりたいと存じます。  季節は夏の名残とはいえ、雨の多い日が続いておりましたけれども、この9月の第3回定例会を迎えるとともに、さわやかな気分が沸き上がってきたように感じております。そして、ことしも上半期を過ぎ、年の締めくくりが近いことを実感いたしております。そのような中で、この2019年という年は、大きな変革をもたらす印象深い年であったということを強く感じております。  本市では、熊本地震からの復興が加速する中で、4月の統一選挙での議会のさま変わりはもちろんのこと、7月の参議院選挙と慌ただしく過ごしてまいりました。そして、何よりも印象的だったのは、5月1日に平成から令和へと新しい元号が改元されたことであります。冷静に振り返ってみますと、昭和から平成へと元号が行われたときは、昭和天皇陛下の崩御によって世の中の全体は自粛ムードに包まれておりました。しかし、今回は打って変わって令和フィーバー一色で、お祭りムードで盛り上がっておりました。加えて、本市では東京ガールズコレクションを初めとして新たなイベントの創出など、このような世情の変革に寄与していたように感じます。国民県民の多くの機運は、これからの時代にかける期待感が顕著に表面化していたようです。  そして、昨年11月に閣議決定した即位10連休特別法案も、そんなポジティブに包まれた社会を後押しした一因でもありました。この特別法案の趣旨は、国民こぞって祝意を示しながら、連続して休暇をとることで、ゆとりある国民生活の実現を期待したものと伝えられております。
     ただ、身近なところで現実を直視すれば、私たち議会は選挙直後でございましたので、5月からの新しい公務の始まりを迎えておりました。ほとんどの皆様がゆとりを得ることもなく、せわしい日々を送っていらっしゃったことだと推察いたしております。また、お恥ずかしながら我が家のことを申し上げれば、14歳の娘は当然のごとく大喜びで、ヒップホップ系のダンスとスマホいじりに熱を上げておりましたし、その隣で家内は、稼がれんし、お金がないのでどこにも行かれんとぼやいておりました。まさに我が家の悲しい現実のツケが、冷たい視線となって私に注がれ、肩身の狭い思いの連休期間でございました。  一方で、私が目にするニュースは、海外旅行を初め、さまざまなレジャーに身を寄せる人々でにぎわっておりました。ゆとりと活気が混在する中で、多くの方の幸福感が醸成される様子に安堵感を抱くとともに、日本経済の振興に期待が膨らんだところでございました。このように大型連休の過ごし方は多種多様の様相を呈し、時代のリセットに思いをはせる国民にとっては、まさに好機であったと感じます。  そして、本市は観光都市でありますので、このようなときをチャンスと捉え、人の流れを呼び込むための魅力的なすべをつくり出し、官民こぞって観光戦略が展開されています。特に、歴史にちなむものを中心に、音楽や踊りや洋装など、時代を超えたテーマを掲げ、創意工夫のイベントが開催されます。当然、イベント系は天候にも左右されますことから、年間を通じた企画に携わる本市の担当部局地域振興を図る関係者の皆様の御努力、御苦労には本当に頭が下がる思いがいたします。  下支えをする地域独自の知恵と力の結集があってこそ、県内外を問わず人々の行動はイベントを催す中核的施設や観光地と流れが促進され、このまちの中ににぎわいが生じることになります。そして、市域内の経済は上昇し、まち全体に利益と繁栄をもたらします。  しかし、そのような中にあっても、今回の大型連休の中で聞こえてきたまちの声は意外なものもございました。特に、営業指数が上昇すると思っていた飲食店においては、営業日と休業日の設定に大変苦慮したという声が際立ち、さらに金融機関が長期休暇の際は、運転資金やつり銭の準備など、余計に気遣いをしなければならない。無用な損失さえ生じるとの声が印象的でございました。また、夕刻から深夜にかけての交通事業者についても同意見がございました。通常とは違う特異性のある空気の中で、それぞれが見えない期待感にあやかり、人件費などの経営コストを増大させるか否かは大変厳しい選択であったと推察いたします。  そして、私が耳を傾けた皆さんは、そのほとんどがこのまちの中心部を支える地域経済のかなめである小規模事業者の皆さんです。だからこそ、それぞれの暮らしの安定も担保されるとともに地域のにぎわいが維持されなければなりません。それゆえ、私はこのように大型連休を歓迎されるどころか、懸念される現場の声に複雑な思いを抱いたところでした。報道では目にしない現場の声を目の当たりにし、対岸の火事のように受けとめられないと痛感いたしました。そして、政治的な配慮によって生じた結果に対し、その検証の必要性を感じた次第です。  そこでお尋ねいたします。  最初に、人の流動性を促す政策誘導こそが地域経済に寄与するという観点から申し述べますが、5月、8月、年末年始等大型連休などの特定期間ターゲットとした本市の観光戦略基本的指針は存在しているのでしょうか。どのように展開が図られているのでしょうか。本市の観光戦略の基軸となるものは何でしょうか。  また、中心部及びその周辺域に所在する商店街や事業者の振興を図るためには、営業日や営業時間、個々のイベントなどまで含め、事業種別ごとの経営形態の状況把握が大切です。この観点から、情報共有を深めるための連携強化策をどのように図られていますでしょうか。  さらに、このような大型連休期間を想定した経済振興に関する研究をどの程度必要視されているのか。お考えがあれば、お示しいただきたいと存じます。  次に、今期の定例会は前年度の決算審査に当たります。これから開会を迎える委員会等では、これまでの観光戦略の総括が示されるものと思います。あわせて地域経済の動きに関する基礎的データの分析や課題も示されると思います。今後の観光戦略並びに経済政策を立案するために、データをもとにした課題と克服策に関する取りまとめが必要です。特に、ハード整備が著しく進む中心市街地には、本市の強みや弱みなど、まちの特徴にも変化の兆しがあらわれると思います。それゆえ、町並み整備や空間整備、さらに道路形態や交通状況を所管する都市建設局や交通局との情報共有などの連携強化はさらに必要になります。  今後の研究や分析を継続的に進めるためのすべと、組織内活動の方向性についてお聞かせください。経済観光局長にお尋ねいたします。          〔平井英虎経済観光局長 登壇〕 ◎平井英虎 経済観光局長  大型連休長期休暇の影響に関しまして順次お答えいたします。  まず、本市の観光戦略基本的指針でありますが、現在、本市では第7次総合計画の交流人口の増加の取り組みといたしまして、熊本城の魅力を生かした城下町や中心商店街との回遊性の向上のほか、県や他都市との連携による戦略的なプロモーションや、外国人観光客受け入れ態勢の強化などに取り組んでいるところでございます。  また、大型連休などの特定期間を見据えた取り組みといたしましては、魅力あるイベント等による集客に努めております。例えば、ことしの10連休は、熊本城二の丸広場熊本城新緑祭を開催し、前年比2倍以上の13万人を超える来場者でにぎわうなど戦略的な展開を図っているところでございます。  次に、商店街や事業者との情報共有につきましては、担当職員が定期的に各商店街の会合やイベント等に参加し、状況把握に努めており、特に中心部の9つの商店街が合同で毎月開催する定例会では、イベント事業に対する意見交換を初めインバウンド対応取り組み状況など、各種情報共有を図っているところでございます。  続きまして、大型連休期間を想定した経済振興に関する研究につきましては、ことしのゴールデンウイーク期間中の影響について、商店街等に聞き取り調査を実施したところ、観光客が多く訪れた店舗は盛況であったが、一方、平日勤務の会社員を対象としている店舗は、例年に比べ苦戦されているところもあったなど、全体的な景況把握が難しいため、データに基づく施策展開を図る上でも定期的な調査の必要性を感じたところでございます。  そのため、市内の定期的な景況把握大型商業施設開業後の入り込み客の回遊等を把握するための調査経費につきまして、今回の定例会に補正予算を計上しているところでございます。  最後に、研究のすべと組織内活動の方向性についてでございますが、今回補正予算に計上しております調査につきましては、シンクタンクや経済関係機関等の協力を得ながら、本市経済の実態把握に努めていくこととしており、調査結果につきましては関係部局とも共有してまいりたいと考えております。          〔28番 小佐井賀瑞宜議員 登壇〕 ◆小佐井賀瑞宜 議員  担当部局としては、関係者との交流も深め、情報収集にいそしんでいらっしゃることが理解できましたし、課題の分析も必要性も十分認識していらっしゃるようでございますので評価をしたいと思っております。なお、御答弁をいただきながら、改めて観光戦略に対する期待を抱いたところでございます。  特に、ことしは5月の10連休に加え、先月8月が7連休でございました。さらに4カ月後の年末年始は最大で9連休を控えております。年末年始は正月という特異性はあるものの、このような長期にわたる休暇期間を成り行き任せという空気で見過ごしては、経済の新たな振興策を見出すことは困難と感じた上での問いかけでありましたが、現状としては、随時対応を図っていらっしゃいますので、安堵感を抱いたところです。なお、今後はいち早く動向調査にも着手しようとされていますので、結果が有意義な材料になるよう、期待したいと思っております。  また、本市ではいよいよ世界大会も開幕いたします。ビッグイベントの機運や国民の祝日を基軸にもたらされる時間軸を有益に活用するためのすべを重要視願いたいと思います。  さて、角度を変えて申し述べますが、先月16日の都市政策研究会の講演会に赴いた折、まちの中の空間を魅力あふれるまちに進化させるための重要な視点について御紹介がございました。そのことをこの熊本市に重ね合わせたとき、この地域資源の豊富な本市には、中心市街地活性化事業の中で、ハードの面での新たな拠点性の創出も可能であると感じたところでございます。そして、それらの魅力を持った地区を結びつけるための新しい道路網や交通網の整備が一層注目を浴びることになると思います。このような有益な土壌を生かして、変革期にある本市を日本屈指の観光都市として世界の皆様から選ばれるまちへと導いていただきたいと願うばかりであります。  そこで、今後の観光都市づくりの要素として、特に重要視していることについて、市長に総括した御所見をいただきたいと存じます。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  本市の観光の現状は、熊本地震で大きく落ち込んだ観光入り込み客数について、海外客の増加等により回復傾向にありますものの、依然地震前の水準には戻っていないなど、厳しい状況にあると認識しております。  そのような中、本市においては、インバウンドを初めとする観光振興策に取り組んでおりまして、国際スポーツ大会の開催や熊本城の特別公開、また熊本城ホールにおける各種コンベンションイベントの開催など、今後多くの観光客が本市を訪れることが見込まれております。  そこで、今後本市がより多くの観光客誘致を進めていくに当たり、多様化する観光客の嗜好や動向を分析し、データに基づいた観光施策の基本的な指針として、熊本市観光マーケティング戦略を策定し、本市の観光客データの詳細な調査、分析とともにターゲットの明確化や、重点的に行う施策などを体系的に整理してまいりたいと考えております。  今後の具体的な施策展開においては、この戦略をもとに九州中央に位置する本市の地理的優位性も最大限に生かしながら、オール九州一体となった国内外へのプロモーションによる認知度や、魅力ある体験型コンテンツの充実等による観光客の満足度の向上を図ることにより、交流人口の増加による地域経済の活性化に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。          〔28番 小佐井賀瑞宜議員 登壇〕 ◆小佐井賀瑞宜 議員  市長の御所見を伺い、さらに期待が募りました。経済観光局を初めとする執行部の皆様には、重要な業務が重なり御苦労が多いことかとは存じますけれども、これからの本市には大きなチャンスがめぐってきていると感じます。今回の質問は、そのことをお伝えしたいがための問いかけでございましたので、何とぞ御奮闘を期待申し上げたいと思います。  なお、私自身ももっと研究を重ねて、時期を見て具体的な御提案も申し上げたいと思いますので、今後もおつき合いをいただければ幸いです。ちなみに、私も今回の研究を深めるに当たり、2つのテーマで資料を探しておりました。そのテーマとは、1つがまちのにぎわい創出、もう1つが人々の余暇の過ごし方というものでございました。その結果、国土交通省国土技術政策総合研究所では、まちのにぎわい創出を主体としたまちづくりの指針が示されておりました。他都市の研究報告にも興味深い報告も見受けられましたので、中からピックアップして政務調査に赴こうと考える次第でございます。  また、人々の余暇の過ごし方では、おもしろい再発見がございました。これは男性と女性とでは基本的に行動が違うということを改めて再認識いたしました。女性の1位は、やはりショッピングやカフェめぐりと、夢のある行動的な一面が示されていて、ここぞとばかりエンジョイしている輝く女性の姿が連想されました。その一方で、男性の1位は、昼は家でごろごろ寝ている、または、たまった家事や業務を行うということでございました。やはり男性は夕刻からの行動範囲が広がるのかなと勝手に想像したところでございますが、我が家の家庭を振り返りながら、その信憑性の高さを感じとったところでございました。  さて、それでは次の項目は、一部内容を削除、変更したいと思いますので、御容赦願いたいと存じます。  それでは、地域経済の安定と発展を願う観点で、消費税税率改定の影響についてお尋ねさせていただきます。  昨今の経済動向は上昇志向とはいえ、決して安定的とは言えない状態にあるのは御案内のとおりです。そのような中、いよいよ来月からは消費税の税率改定が実施され、国内に大きな変革をもたらされようとしております。このことは、御承知のとおり2014年、2016年と2度にわたって延期がなされ、政府見解としては、これまでの期間にリーマンショック級の出来事が発生しない限り、税率改定は実施予定と示されてまいりました。そして、本年6月の臨時閣議において骨太の方針として明記され、その後の参議院選挙を経て今日に至っております。  この間、政府は、景気の回復基調は維持しながら成長戦略を即時展開していくとの意向を示され、公共投資や人材育成、雇用対策など継続的な支援策が展開されています。先般示された2020年度の政府予算の概算要求も約105兆円規模にも達する見通しです。一部には、財政規律置き去りとの厳しい論評もございますが、まずは国内経済の優先を図ろうとするトップの決断には、周囲がはかり知れない並々ならぬ決意がにじんでいるように推察いたしております。  ただ、このような中、海外ではグローバル化した経済は成熟度を増す一方で、ブロック経済の一部崩壊も表面化し、各国の利害があらわになってまいりました。中でも米中貿易摩擦の過激さはおさまる兆しが見えません。中東からのエネルギー確保についても、シーレーンにかかわる我が国の死活につながる重要課題は残されたままです。  また、我が国は隣国との外交が悪化する傾向で、対外国の国民感情は複雑化の様相を呈しております。グローバル経済を視野に入れた観光戦略が進展していたこともあり、懸念材料は深まります。このような状況だからこそ、輸出入に依存度の高い我が国においては、今後の国内経済への影響は気がかりであります。  特に、経済のデフレ化によって、この20年はGDPの拡大が停滞ぎみであったことを振り返れば、外需の不透明感が先行しておりますので、今後の国内景気の動向は不安定な要素が気がかりとなるわけですが、そのような中にあっても県内の本年4月から6月期においては、復興や再開発の投資効果が功を奏し、製造業や食料品の需要も拡大傾向にあると聞き及びます。ちなみに、本市を中心に企業の投資額は、昨年対比で80%の増が見込まれ、金額ベースでは九州7県内で2番目の高さで、福岡市に次ぎ970億円程度と示されていました。なお、直近の情報によりますと、県経済の2019年度の見通しは、復興需要に若干の陰りの兆しがあらわれ、県内総生産の名目成長率はマイナス0.2%になるとの指数を地方経済総合研究所がまとめています。  このことは、平成28年9月、ちょうど3年前、地震発生から半年後に本会議の中で、熊本城ホールの整備上の進展をめぐって私が市長に対し、財源問題を絡めた整備推進の根拠についてお尋ねした折に、市長が3年先の経済動向の展望を含め、公共投資の必要性を示されたことに符合いたしております。今さら褒め殺しではございませんけれども、当時の市長の御所見は見事に的中していたと言えるでしょう。ただし、そのときに語られた整備の必要性を生かすためにも、担当部局においては官民連携のもとに引き続き、熊本城ホールに対する公共投資の有益性を高めるすべをしっかりと展開していただきたいと願っております。  このように、現在も本市においては、経済を下支えする土壌が整っているがゆえに、今後も新たな投資による地域内の需要拡大に向けた政策誘導が求められているのではと考える次第であります。  しかし、そのような中で所得の大小を問わず、全ての国民に負担を強いる消費税の税率改定が始まります。消費税創設以来の歴史を振り返れば、やはり消費の足踏みを誘発させ、需要の低下を招くことで景気の動向に大きく左右することも懸念されます。小規模事業者の多い本市の状況のみならず、本市の観光面においても課題は残ると考えます。  そこで、まずは今回の消費税の税率改定が本市の地域経済にもたらす影響についていかがお考えでしょうか。特に、産業面を主眼として、市長に御所見をいただきたいと存じます。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  消費税が8%に引き上げられました平成26年度の本県の実質県内総生産の対前年度比は1.1%減でありまして、これは増税前の駆け込み消費の反動減等と捉えております。  今回の増税に際した日銀の展望レポートによりますと、減税などの負担軽減措置分を控除した家計の正味負担の増加額は、前回が8兆円程度であったものが、今回は2兆円程度にとどまるとされております。これは国の恒久的な負担軽減措置教育無償化が予定されているためで、前回の増税時に比べますと、不確実性はありますものの、成長率の下押し効果は小幅なものになると予想されております。  また、地方経済総合研究所が6月に発表いたしました、熊本の消費予報調査におきましては、キャッシュレス決済ポイント還元などの政府の消費税増税影響緩和策により、前回の増税時に見られた駆け込み消費を抑制している可能性もあると分析されております。  これらのことから、日銀の予想同様、本市経済に及ぼす影響は前回の増税時よりも少ないものと考えております。しかしながら、本市としては消費税増税による市民負担への影響をより小さなものとするために、今月以降の桜町の大型商業施設の開業、また、ラグビー、ハンドボール等国際スポーツ大会の開催や、熊本城ホールの開業等による交流人口の増加を消費につなげてまいりたいと考えております。  さらに、国の事業でありますプレミアム付商品券ポイント還元事業等も最大限活用することで消費の下支えを行うなど、官民挙げて地域経済の活性化に取り組んでまいります。          〔28番 小佐井賀瑞宜議員 登壇〕 ◆小佐井賀瑞宜 議員  今後の動向については、市長も冷静な分析をされていらっしゃると感じたところでございます。同時に、対応についても具体的な指針を確認させていただきましたが、どうか市場の安定化が確認されるまで、継続的に注視していただきたいと願っております。  そこで、私が収集いたしている課題状況を述べさせていただき、次の質問に続けてまいりたいと思います。  昨年12月、閣議決定として報じられた政府の試算によりますと、今回の消費税税率改定によって影響が及ぶとされている家計負担は、当時約2.2兆円ほどと示されておりました。これは前回2014年度時の30%程度でございます。  それゆえ、政府は経済を下火に招かないようにする対策として、総額3兆円を計上されました。この中身は、国土強靭化対策の1.3兆円の公共事業を中心に、消費者へのポイント還元や低所得者や子育て世代へのプレミアム付商品券などを含んだ臨時特別の予算措置2兆円。ほかにも住宅ローン減税等の拡充の税制上の支援が0.3兆円、そして、現在話題沸騰の幼児教育・保育の無償化等の社会保障費充実のための0.7兆円であります。  幼児教育保育無償化は、教育の充実と子育てを支援する等の社会保障充実の側面が際立つわけでありますけれども、いずれも主たる労働力を保持する方々の家計安定化のための経済的補助政策であることは間違いございません。なお、この予算が本市にもたらす影響額は、本市の人口比率以上の伸びが見受けられ、220億円程度が先般の議会で可決しておりますことは御承知のとおりでございます。  また、今回の消費税税率改定に伴い、軽減税率等の適用も実施されますので、間接的ではありますけれども、新たに生じる業務によって一時的に生産性が高まる分野も存在いたします。その上、消費税は国民の公平な負担によって拡大傾向の扶助費を補完するという趣旨が前面に示されれば、今回の税率改定は国民にとって問題視されないまま容認されるようにも思います。ただし、一部産業種別によっては意見が分かれることも否めません。しかし、不安要素として世界経済の不安定化のほか、国内ではオリンピック需要の終了に加え、働き方改革の残業規制も少なからず影響をもたらすものと感じます。  また、税率10%という数値そのものが購買時の暗算が容易になるということから、心理的インパクトの影響が追い打ちとなり、購買意欲は低下ぎみに包まれるものと想定いたします。このようなことから、実質消費の下降は否めないと不安視されますので、政府においては、経済対策には特に配慮し、2020年度の予算編成は大胆さが増しているんであろうと分析いたしております。  また、約30年前の消費税導入とともに、政府がこれまで大企業への優遇税制を柱とした税の構造改革を進められてきたことに一定の理解は示してまいりましたが、その側面で今後の消費税の税率改定によって、国税収入に占める割合が37%になる見通しでございます。  ゆえに、国民所得の格差拡大の懸念も捨て切れずにおりますので、税率改定後も政府には極力丁寧な説明に徹していただきたいと念じる次第であります。あわせて、地方都市には法人税の優遇措置以上に各論的な課題を抱えている中小企業、小規模事業者が数多く存在している事実を直視していただきたいと願うばかりであります。  特に、今回の税率改定に伴い導入されるインボイス制度では、事業所としては軽減税率による複数税率への急速な対応が求められることが大きな悩みの種となっていることは、皆様もお聞き及びのことと存じます。価格表示はもちろんのこと、経理システムの変更を強いられるなど、関係性の深いキャッシュレス対応も急務です。  先日の共同通信社の調査では、対応完了の事業所は、いまだ40%程度との発表でございましたが、これはあくまでも大企業が対象となっている調査でございますので、中小企業、とりわけ小規模事業者においては深刻さが増しているはずです。さらには、これから複雑化した税務申告もあり、今後少なくとも半年から1年にかけて制度に翻弄される小規模事業者の御苦労が目に浮かびます。  ゆえに経済産業省は、消費税税務申告の1カ月延長などの要望を提出されていらっしゃいます。要は、これまで以上の業務量が発生することが最大の課題と示されています。元来、資金不足や人材不足にあえぐ小規模事業者では、手のつけようがないと悲痛な声もお伺いいたしました。ゆえに、危機感を抱いていた全国の商工会や会議所が昨年度から具体的な調査も実施されてこられたことも伺っております。  そこで改めてお尋ねいたしますが、本市としては税率改定に伴って生じるさまざまな課題の対応に苦慮する小規模事業者の実態をどのように把握されていらっしゃいますか。どのような支援策を展開中でしょうか。経済観光局長にお尋ねします。          〔平井英虎経済観光局長 登壇〕 ◎平井英虎 経済観光局長  消費税率改定に伴う小規模事業者への振興策についてお答えいたします。  小規模事業者におきましては消費税率引き上げに際し、軽減税率への対応やポイント還元事業など、キャッシュレス化への対応等が課題であると認識しているところでございます。  まず、軽減税率への対応には、複数税率対応のレジ導入が有効な取り組みでありますが、7月末時点での国の補助への申請件数は、全国平均で40%未満にとどまっていることから、各商工団体を通じての呼びかけや個別訪問、窓口での機器操作体験など、レジ導入の必要性につきまして、事業者へ理解を促しているところでございます。  その他にも軽減税率の導入による事務の複雑化やインボイス制度、税申告などが小規模事業者には大きな負担を与えることが懸念されているところであり、きめ細やかな相談体制が求められております。これらのことから、今後とも引き続き商工団体や国、県等の関係機関と連携を図り、制度の周知を徹底することで事業者の不安を解消できるよう取り組んでまいりたいと考えております。  次に、キャッシュレス化の推進につきましては、これまでセミナーや体験会を実施し、制度の周知に努めるとともに、アンケートや実態調査、また産業版市長とドンドン語ろうなどにおいて、事業者の意見を伺ってきたところでございます。その中で、どのような決済手段または事業者を採用すべきかわからないという声が多数寄せられたところでございます。  そのため、九州経済産業局や商工会議所と連携を図りながら、個別の相談にも対応してきた結果、キャッシュレス・ポイント還元事業に登録申請している市内事業者数は、7月末の約1,600件から8月末では約3,900件と2倍を超える増加となったところでございます。  キャッシュレス化の推進は、消費者の利便性向上のみならず、事業者の生産性向上にもつながることから、国の進めるポイント還元事業への登録事業者数の増加など、今後とも関係機関と連携して推進してまいりたいと考えております。          〔28番 小佐井賀瑞宜議員 登壇〕 ◆小佐井賀瑞宜 議員  担当局では現在の課題を的確に捉えていらっしゃると理解いたしました。また、市長みずからが現場に赴き、情報の収集に当たっていらっしゃることは、私も商工団体を通じて耳に入っておりましたので、状況を重んじ、世情の動きに機敏に反応されていると感じ取ったところでございました。  しかしながら、小規模事業者においては、いまだ混乱のおさまりのつかない状況でございますので事態は深刻です。この件は、国の制度変更に伴い発生した課題ではございますけれども、現場は時間的にもゆとりをなくされていらっしゃいますので、地域に密着する地方自治体が率先して、課題解消に取り組んでいただきたいと感じる次第であります。執行部の全部局において大変御苦労が多いことは存じますが、有益な対応が図られるよう何とぞお願い申し上げます。  さて、今回の問題に付随し、もう一つ大きな課題も生じております。それは小規模事業者のみならず、熊本市内域の8つの商工会にも大変な危機が迫っていることは皆さん御承知でしょうか。商工会は、市町村合併前から行政とともに中小企業並びに小規模事業者の経営改善普及や地域振興策を担ってきた地域の中核団体であります。そして、その中に席を持つ経営指導員が、地域の相談窓口となり、小規模事業者の経営改善普及のそのホスト役として役割を担ってまいりました。  しかし、先ほど述べたとおり地域社会の状況が激化する中で、経営指導員の業務量は増大している一方で、もともと団体の予算上、人員体制が整っていないため、課題の対応に追われ会員のニーズが反映されにくい状況に至っております。つまり商工会のマンパワー不足による機能低下が懸念されております。  そればかりでなく、9年前の合併時から予算規模が縮小していますし、その偏在性は顕著に表面化していますので、地域まちづくりのベースとなる地域振興事業が消滅しかねない状況に追い込まれる商工会も存在いたします。地域振興事業は、地域コミュニティの醸成に大きく影響を及ぼすことから、今後の地域力がそがれるのは間違いありません。まさに、現在の本市にあって決して誘発してはならない地域間格差と過疎化を進行させることになるのではと危惧いたしております。  この根底には、以前から懸念していたことではございますけれども、9年前の合併時、商工会の助成金について算定方式に違いが生じていたため、団体によってはこの数年間、交付金の大幅な減額が発生しておりました。そのツケが深刻化し、不安は現実味を帯びてきているということであります。この件は、既存の交付算定基準についても地域事情が含まれないことがそもそもの現況であるとして、会員からも問題視されております。  冒頭から申し述べたとおり、消費税税率改定によって生じている課題は、経済全般のみならず、中心部以上に周辺域の商工会や小規模事業者ほど深刻さが増している現実を直視する必要がございます。当然、そのような地域では第一次産業が主体でありますので、そこに在住する方々の暮らしにも波及し、不便さが増すことも十分考えられます。このような中期的な展望についても改めて研究を深めていただきたいと思います。  さて、国土の均衡ある発展を目指した高度経済成長期は、遠い昔のように感じておりますけれども、その時代から日本国中、中心街を問わず周辺域を含めまち全体の繁栄の先駆者的役割を担ってきたのは、まさしくものづくりの基軸にあった商工業の進展であるのは事実であります。  しかし、経済のグローバル化とともに規制緩和の流れの中で誕生した新たなまちづくりの法律が、周辺域の商店街の消滅を促し、それとともに都市中心部のドーナツ現象を生み出し、中心市街地の活性化の障壁となった歴史を認識している方は、行政関係者の中にどの程度おいでになるでしょうか。そして、今や事業承継の問題にまで波及し、地域の活力を損なおうとしております。それゆえ、地域事業者や商工団体は、この10年をかけてその転換を図ってまいりました。その結果、小規模企業振興基本法という特質的な法律が制定してきたわけです。この事実を重く受けとめていただきたいと感じる次第です。そして、本市においてもその理念を踏まえて条例化が実現したわけです。このことによって具体的な救いの手を伸ばすすべは得られたことを御理解いただきたいと存じます。  それでは、今までの見解を踏まえて2点お尋ねいたします。  1点目に条例の制定を受け、現実的で即効性のある支援策の具現化が急がれます。支援事業の考え方や方向性を条例に基づく基本計画にどのように定めるのか、その基本計画の策定状況をお示しいただきたいと思います。  2点目に、これまで中心部並びにこれに類似する地域の商店街に対しては、産業政策の中で商店街振興事業など、幾つかの支援メニューが創設してありましたが、市域内の8つの商工会の地域に適応するような支援制度になっていなかったのが事実でございます。今回の条例制定の背景を鑑みた場合、商工会の所在する地域において、商工会が実施する地域振興事業に対する支援制度の創設が有効的と考えられますが、この点についてはいかがお考えでしょうか。例えば、地域振興事業助成制度の創設や商工会加入促進のための支援措置など、全国の先進例をもとに検討するに値すると考えますが、経済観光局長の御所見をいただきたいと存じます。          〔平井英虎経済観光局長 登壇〕 ◎平井英虎 経済観光局長  条例に基づく計画の策定状況と商工会に関するお尋ねについてお答えいたします。  まず、条例に基づく基本計画は、各種振興策を計画的かつ効果的に実施するために策定するものでございます。策定に当たりましては、ことし2月に行われました中小企業・小規模事業実態調査を初め、政策条例検討会や中小企業活性化会議、また復興アドバイザー等の意見から判明した課題をもとに、5つの施策の方向性と、その方向性に沿った10の取り組みを設定することとしております。  今後は、産業版市長とドンドン語ろうなど、事業者や市民の皆様から寄せられる声を踏まえつつ、議会を初め中小企業活性化会議、その他関係機関と連携しながら、今年度中の策定に向けて準備を進めてまいります。  続きまして、地域振興事業に関する支援制度の創設についてでありますが、商業の振興を目的として組織された団体が行う地域振興事業につきましては、これまで商店街を対象にイベントや研修等の事業への助成を行ってまいりました。しかし、近年商店街が減少を続ける中、商工会が実施される地域のにぎわいやコミュニティの醸成に向けた取り組みにつきましても、既存の商店街振興事業の運用を見直すことでの支援について検討してまいりたいと考えております。  また、商工会加入促進のための支援につきましては、これまでも商工会が担っている経営支援や行政情報の発信など、加入するメリットについて商工会と連携を図りながら事業者への周知に努めているところでございます。加えて、新たに出店する事業者に対しましても、商工会への加入や地域貢献策への取り組みを促してきたところでございますが、今後もこのような取り組みを通じて加入促進に努めてまいりたいと考えております。          〔28番 小佐井賀瑞宜議員 登壇〕 ◆小佐井賀瑞宜 議員  支援のベースとなる基本計画は策定中とのことでございますので、スピード感を持った対応を望みたいと思います。なお、小規模事業者の皆さんを中心に、市域内に所在する8つの商工会の声がしっかりと反映された計画が提示されますよう願っております。また、商工会から地域振興事業の具体的な御提案がある場合には、丁寧な御指導を賜りますよう改めてお願い申し上げます。  さて、今となっては時代の流れを押し戻すことは容易ではございませんし、失われて取り戻すことのできなかった地域力を悔やんでいても仕方ございませんが、今般制定されている小規模企業振興基本法は、ある意味、地域の特性を生かすことや事業への再チャレンジを促すために制定された特化した法律であります。ゆえに小規模事業者の皆さんと商工会の声を受けとめていただき、その基盤づくりの糧を創出していただきますよう要望申し上げたいと存じます。  執行部におかれては、地域の違いを見越した法律をもとに、独自の制度の具現化を図ることはとても高度な行政能力が求められると感じますが、私の思いは冒頭述べたとおりでございます。重ねて申し上げますが、研究が深まり、早期に実現化しますよう念じております。  さて、次は地方行政のあり方についてお尋ねさせていただきます。  前項においては、観光と地域経済と消費税に焦点を当てて、さまざまに波及する問題について掲げてまいりましたが、関連性の深い今後の地方財政の指針について、2点お尋ねさせていただきます。  昨年度末に地方税法と地方交付税法の改正が成立しました折、総務省では全国都道府県財政課長・市町村担当課長合同会議の中で、自治財政局長でありました黒田武一郎氏から今後の地方財政にかかわる指針が示されております。
     余談ではございますけれども、黒田氏は、本県にとって大変なじみ深い人物で、本県の副知事をお務めになった経歴については、皆様も御承知のとおりでございます。また、先般の熊本地震の折にも、我が自民党としても関係支援策の要望として陳情に赴いた経緯もあり、本県の復興に際し大変御尽力いただいた人物のお一人でもございます。  さて、その黒田氏から示された指針は、経済財政諮問会議の議論を踏まえて、次のように聞き及んでおります。地方は、歳出についての国の取り組みと基調を合わせながら、経済の再生と地方財政の健全化を推進して、国と地方、あわせてプライマリーバランス黒字化につなげていく。そのためにも今後の地方自治体運営については、予見可能性を高めた計画的な財政運営を確保することが重要であり、交付税総額を適切に確保し、臨時財政対策債に頼らないような財務体質を目指していくことを基本として対応していくとの内容であったようでございます。このことは、政府の負債が地方の財政運営にも大きくかかわりがあることを指摘し、国と地方が一体的な意識の共有を図ることを求められたものと考えられております。  そして、今後の地方財政運営における基本的な考え方のもとに、地方が問題意識を高めて携わらなければならない留意点も8項目ほど明示されました。その留意点を概略的に申し述べますと、その1つ目に、公共施設の適正管理の推進として、令和2年度までに個別の施設計画を策定することにあわせ財政拡充を実施するとのこと。特に役所庁舎については、緊急防災減災事業の観点から計画的な推進が求められています。2つ目に、各自治体が所有する基金については増加傾向にあることから、設置趣旨に即した適正管理とその公開に配慮すること。つまり、基金の見える化の推進を図ることです。3つ目に、資産管理や予算編成に当たっては、公会計の積極的活用を促してあります。4つ目に、第3セクターの経営改革として、公営企業の厳しい経営環境に鑑み、抜本的改革の検討と経営戦略の策定の必要はあるが、そのための経営の透明化が必須となっていること。そして、上下水道等の大型事業については、経営の持続化に向けて国としても指針を明示されるということでございました。5つ目に、医療と介護等の社会保障は、地方財政に大きく影響していることから、個々の制度変革に加え、所管の部局のみならず組織全般的で注視していくとともに取り組みが進むよう促されています。6つ目に、東日本が主となる震災復興の特別交付税の確保に確実な事業推進が望まれること。7つ目に、熊本地震の相次ぐ大規模災害や全国的な建設需要の増大を踏まえ、合併にかかわる特例債の期間を延伸、確保していることから、新市基本計画等の確実な推進と必要に応じた活用に留意することが示されています。最後の8つ目に、地方税の偏在是正について、地域間の財政力格差が拡大傾向にあることから、新たな税制改正の中でその措置を検討することが示されていました。この点については特に注意していただきたい旨の発言でございます。  以上、地方財政にかかわる8つの留意点について概要を申し述べたところですが、本市の財政局では国の指針と本市の現状を完備しながら、地域事情に応じた適正な財政指針を持って歩んでこられたものと推察いたしております。  そこでお尋ねいたしますが、1点目に、政府が示した地方財政にかかわる指針の核心的部分については、その背景を含めどのように理解されていらっしゃいますでしょうか。また、国の財政と地方自治体の財政について、その関連性を含めた違いや地方財政の課題、今後の目指すべき姿をどのようにお考えでしょうか。  2点目に、ただいま申し述べた国の指針にかかわる8つの留意点も含め、本市としては現在も今後も、地方財政運営のどのような留意点を最も重要視しながら財政運営を行うべきとお考えでしょうか。その理由もお示しください。  財政局長の御所見をいただきたいと存じます。          〔田中陽礼財政局長 登壇〕 ◎田中陽礼 財政局長  国と地方自治体の違い、地方財政の課題や今後の目指すべき姿につきまして、まず地方財政の視点、方向性についてお答えいたします。  人口減少や少子高齢化の進行、社会保障費の増加などの諸課題は、国、地方ともに直面する喫緊の課題でございます。今後、地方は歳出について国と基調を合わせ経済の再生と財政の健全化に向けた取り組みが必要であるとの国の方針については理解するところでございます。  また、地方財政の課題や今後の目指すべき姿についてとのお尋ねでございますが、本年6月、国の地方財政審議会は、時代を超えて多様な地域を支えるための地方税財政改革についてと題する意見を取りまとめられております。この中では、今後目指すべき地方財政の姿として、持続可能な地方税財政基盤の構築と地方財政の健全化の2つが掲げられ、具体的には一般財源総額の確保や税源の偏在是正、特例的な地方債の依存を早急に改善し、債務残高を計画的に引き下げることなどが必要であると示されたところでございます。  本市といたしましては、同審議会の意見にも十分留意しつつ、今後とも中長期にわたり国、県等の有利な財源を最大限に活用しながら、自主財源の涵養や官民連携の推進などの取り組みを進めることによりまして、健全な財政運営に努めてまいりたいと考えております。  次に、財政運営の留意点についてお答えいたします。  本市におきましては、現在熊本地震からの復旧・復興について最優先で取り組んでいるところでございまして、今後は復興事業が落ち着いた後の地域経済の動向や税収の変動にも十分留意する必要があると認識しております。  そのため、市役所改革に伴います生産性の向上に加え、歳入面におきましては、市税等の徴収率の向上を初めといたしました自主財源の確保や受益者負担の適正化、歳出面におきましては、公共施設マネジメントによる総コストの見直し等に取り組みつつ、新たな需要を喚起する施策に財源を投入するなど、財政の持続可能性を高めていく取り組みが必要不可欠であると考えているところでございます。          〔28番 小佐井賀瑞宜議員 登壇〕 ◆小佐井賀瑞宜 議員  政府の指針に沿って、債務残高の引き下げや将来負担という点について留意されている部分は、共通認識が図られているということを改めて確認させていただきました。ただし、若干の違いとして、本市は基本的に災害からの復興途中という特質的事情を有しておりますので、その途中経過に配慮した財政運営に留意されていることに安堵感を得ております。特に、復興事業に陰りが生じた場合の地域経済の動向に注視し、新たな需要を喚起する施策に財源を投入される決意については、私も共感を得たところでございます。それゆえ、今後は経済を基軸として、必要性の高いもの、事業の大小かかわらず市民から求められるもの、時期的にも優位性があると判断されるものについては、決して臆することなく取り組まれますよう願いたいと存じます。  総じて申せば、賢明な御判断と本市のロジックはしっかり保持されていらっしゃると感じたところでございます。しかしながら、世情の注目は政府と中央の負債一点に集中していることから、過去の例を見てもプライマリーバランスの健全化と緊縮財政が先行する機運が高いように感じざるを得ません。このことがセオリーのように周知されていますが、肝心の負の部分が示されていないことは違和感を抱いております。収支均等に固執する余り、緊縮財政をたどった20年間で我が国の生産性が損なわれた事実は置き去りになっております。このような現実を冷静に受けとめると世情に氾濫する情報は混乱を招きかねないと危惧いたしております。  現に近年の海外諸国の中には、国内GDPの低迷する中で財政規律を重んじ、プライマリーバランスの黒字化を目指して、増税や厳粛な緊縮財政の道を選択した国では、急速な景気変動と財政悪化が生じ、デフォルト、いわゆる財政破綻が生じた史実がございます。ゆえに、財政には少なくとも経済との緊密な関係性が潜むことから、単なるプラス、マイナスの計算で成り立つものではないとの見識は深めるべきと考える次第であります。  そのような意味からすれば、政府と地方において十分に情報共有が図られない中で、行財政改革や緊縮財政の色合いが強くにじみ出た場合には、誤解を招く可能性さえ否めないため、政府の地方財政審議会そのものに対し、懐疑的な見方が広がる危険性は否めないと感じたところでございました。  いずれにしても、現在の我が国の政権の目指すところは、長期デフレの脱却を命題とし、安定的な税収の確保を目指していることは明確でございます。そのためには、まずは国民所得の上昇と安定化です。それこそが財政健全化のロジックであろうと考えます。ゆえに、そこに地方自治体も歩調を合わせることを基本に、地域の特性が完備された財政運営がなされることを願っております。  さて、そこで引き続き地方財政のキーポイントとなります地方交付税交付金について見解を求めたいと思います。  地方交付税のあり方についても、政府の財政と緊密につながっておりますので、私たちももっと研究を重ねる必要があると感じる次第です。基本的に地方交付税は、国の考え方にも左右されがちではありますが、やはり地方の思いが主体的に反映されるものであってほしいと願っております。  まず、本市の予算や今回示されている決算の歳入構造に着目すれば、際立つのは市債を除き税収と地方交付税と国庫補助金です。社会経済の状況によっては、柱となる地方税の変動幅も左右しますので、やはり調整機能を発揮する地方交付税の役割は大きいものがございます。そして、地方交付税は臨時財政対策債を含め、本市の歳入の12%ほどを占めておりますので、この数字は決して少ないものではありません。ゆえにその変動や臨時財政対策債によって補う分のその推移に注目してしまいます。  臨時財政対策債は、翌年度交付税措置と決定づけられておりますので、すぐに気に病む必要はないとは思いますが、それではなぜ創設された制度で地方にとって取り組み上どのような有益性を発揮するのかなどと、懐疑的な見方が膨らみます。  さらに、本市の歳入構造は相変わらず臨時財政対策債に大きく依存していることは例年見受けられますので、以前、市長が示されていた国への要望の一つとして、臨時財政対策債の廃止と地方交付税の拡充復活に移行されれば、地方自治体にとっては大変望ましいことでしょう。  しかし、もともと地方交付税の原資の不足が国債の伸びにつながった背景もある中で、臨時財政対策債が創設された経緯を鑑みますと、交付税そのものをどのように改善するのかは、やはり最大の課題のように感じます。当然、地方が直接的に税制の構造改革に着手できるわけではありませんが、例えば、交付税の原資の割合を引き上げることに妥当性があるのか、平成26年度の改正時のようにたばこ税を除外し、地方法人税を充当するなど、原資の項目変更を容易に行えるのかなどと考えてしまします。  そこでお尋ねしますが、先般いただいた通称白本の内容も確認はさせていただきましたが、地方自治体の要望を確立するために、地方のニーズが反映される地方交付税の適正な仕組みづくりについて、市長会や全国主管課長会議などでは、これまでどのような議論が展開され、国に対してどのような提言が行われてきたのか、改めて市長にお尋ねいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  地方交付税に関するお尋ねについてお答えいたします。  まず、全国市長会におきましては、ことし7月に地方交付税の総額の確保に関する提言をまとめ、地方の安定的な財政運営に必要な一般財源総額を確保することや、地方交付税の法定率引き上げを含めた抜本的改革などの要望を行いました。  また、指定都市市長会におきましては、同じくことし7月に、国の施策及び予算に関する提案として、臨時財政対策債の廃止に加えまして、社会保障費や特例事務など、大都市特有の財政需要を適切に反映することなどを要望したところでございます。  今後とも地方財政の安定的運用に資するよう、引き続き国に対する要望を行ってまいります。          〔28番 小佐井賀瑞宜議員 登壇〕 ◆小佐井賀瑞宜 議員  今般いただきました通称白本、政令指定都市市長会の政策に関する要望においては、例年同様の記述を確認したことは、先ほど述べたとおりでございますが、中でも大都市特有の財政需要を適切に算定ということについては、市長の思いと意を同じくするところでございます。  政府に対しては、基本的に地方交付税の算定基準は理想と現実の大幅な乖離が生じないよう願いたいと思います。また、特に留意いただきたいのは、指定都市市長会の意思は一枚岩であっても、都市の状況に違いがあることも考慮していただきたいということでございます。  近年の政令指定都市の特性が多様化したことは、以前、私も本会議で都市政策を議題として提示させていただきました。本市は、守るべき貴重な地域資源を保持し、静岡、浜松、岡山、新潟と同じように、市域面積も大きく山林や田畑を含み、一部地域においては過疎化の進展さえ危惧される状況下に置かれております。  先行した五大都市との比較では、税源の涵養にもおのずと形態に違いがありますし、自然や環境を保持するための規制もあり、行政コストでさえ効率性では課題が残ります。3階層に合う指定都市の都市構造のその特徴を重んじた財政需要も補正係数の一つとして算定基準に含まれるよう考慮していただきたいと思いますし、そのことは市町村合併を推進してきた政府の責務として果たしていただきたいと感じる次第であります。このことは、ぜひ市長にもご留意いただき、指定都市市長会議の中でも積極的に御審議いただければ幸いに存じます。  さて、続いて、地方行政のあり方として、今後の都市圏構想の件をお尋ねいたします。  今後の人口減少社会における自治体のあり方について議論を行っている政府の地方制度調査会の専門小委員会が、先般6月に開催されたことを地元報道紙面によって確認させていただきました。その中で示されていた指針として、20年後の国内の人手不足は、行政職員についても影響を及ぼすことが見込まれ、そのため住民サービスの質、量ともに懸念されることから、その維持向上策として自治体連携強化の必要性が明示されているとの内容でございました。  自治体連携の象徴的施策については、本市においては2015年に連携中枢都市宣言が行われ、近隣の市町村との連携に基づき、都市圏域全体の将来像を描き、本市がリーダー的役割を担い都市圏全体の暮らしを支えることが力強く明言されてまいりました。その計画の方向性として、圏域全体の経済成長の牽引、高次の都市機能の集積・強化、生活関連機能の向上、この3つの取り組みが示され、その翌年には周辺16市町村との連携協約書を締結いたしました。そして、その締結も今や本市を含み18市町村にまで広がりを見せているのは御案内のとおりでございます。  現在の具体的活動としては、熊本地震からの復旧・復興を一体的に早急に進展が図られるよう、毎年国に対し要望活動が展開されています。また、昨今では都市圏の課題や、その解決策を小まめに研究するなど、これからの方向性についても模索されているとも聞き及びます。そのほか、実務的にはくまもと地下水財団などの設置によって、良質な水資源の確保も展開中であり、今後、ますます期待が高まるところです。  また、ほかの一般的な自治体連携としては、観光振興の一面として、玉東町との相互協力を得て、田原坂を中心とした西南戦争史跡群にかかわる文化振興も存在いたしますし、それ以上に密接な関係が保たれているものと言えば、現在も山鹿植木広域行政事務組合が存在し、環境衛生に関する事業が継続中であります。中でも植木町域においては、現在も資源ごみのリサイクルについて、地域コミュニティを生かした先進的取り組みが展開され、地域の自立という観点ではバーゼル条約に大きく寄与し、社会の潮流との整合性は高いと評価されています。ちなみに、バーゼル条約とは、環境にかかわる国際会議で、有機廃棄物や廃プラ等の輸出入の規制強化の観点で結ばれた条約でございます。要は、国内または地域の環境政策の自立を促したものであります。  さて、このように自治体間の交流と研究活動、あるいは相互支援など具体的施策が展開されるわけですが、今回報道が示した資料によりますと、自治体を超えて人員配置を行うことや、産業振興や教育に至るまで広域連携を示唆し、これまでの圏域構想よりもはるかに大きく踏み込んだ内容となっているようです。  その背景には、人口減による小規模自治体の行政運営の低下を連想されているようでございますが、要は、令和時代における市町村合併の推進を連想させるものとして、それぞれの自治体で懸念される旨の予測が出ております。  当然、全国町村会では、住民自治に基づく自己決定権が制限されるおそれありとの指摘がなされるほか、全国市長会においても地方の空洞化を懸念し、慎重論が相次いでいるようであります。  現時点では、正式な提言は示されておりませんので、約10年前に平成の合併を経て、政令指定都市へと移行した本市としては、今回の地方制度調査会の議論をどこまで受けとめてよいのか困惑いたします。しかし、今後5年後、あるいは10年後の広域連携のあり方については、やはり周辺自治体との交流を深める中で、丁寧に研究を深めなければならないのではと感じた次第です。  そこでお尋ねいたしますが、今回示された圏域構想の背景や都市行政に絡む広域連携の展望を、本市としてはどのように捉えているのでしょうか。また、政令指定都市市長会としての見解はあるのでしょうか。この件については、中村副市長に御所見をいただきたいと存じます。          〔中村賢副市長 登壇〕 ◎中村賢 副市長  広域連携についての御質問にお答えいたします。  地方制度調査会の中間報告は、人口減少が深刻化し、高齢人口がピークを迎える2040年ごろから逆算し、顕在化する諸課題とその対応方針について、分野横断的に取りまとめ、その中で地域の枠を超えた連携の必要性を指摘しておるところでございます。  本市は、熊本都市圏全体の成長の牽引や生活関連機能サービスの向上等のため、近隣の自治体との連携に積極的に取り組んでいるところでございます。人口減少が本格化する中、住民サービスの持続可能性を保つため、連携を進めていくべき旨の指摘は、方向性としては理解できるところでございます。ただし、連携に当たりましては、おのおのの地方自治体が主体性を発揮しながら、地域全体で魅力向上を図ることが必要であり、本市としても連携する市町村の主体性を尊重しつつ熊本都市圏全体の活性化を図ってまいります。  次に、指定都市市長会につきましては、人口減少・超高齢社会では近隣の地方自治体とのさらなる連携の推進が必要との認識のもと、従来から国に対し必要な提言を行っております。本年7月末に開催されました指定都市市長会議におきましても、広域連携の取り組みを進めている地方自治体に対する財政面等の支援など、圏域行政のさらなる充実に向けた提言が採択されたところでございます。本市としても圏域全体の活性化、発展の牽引役としての役割を果たしていくことができますよう、指定都市市長会を通じた提言など、必要な取り組みを行ってまいります。          〔28番 小佐井賀瑞宜議員 登壇〕 ◆小佐井賀瑞宜 議員  私としては、熊本市の現状を考えますと、拠点性が高いとはいえ、いまだ成熟段階に達してはいない状況下で、国の意向をどのように受けとめてよいのか困惑いたしておりましたけれども、しかし、ただいまの中村副市長の御所見では、地方制度調査会の中間報告は、基本的に方向性は理解を示される中で、各地方自治体の主体性が反映されることが大切というポイントも示していらっしゃいますので、やはりこのことが一番の基軸であろうと改めて感じたところでございました。なお、広域連携の必要性については、ほとんどの方が認めていらっしゃるとは思います。ただし、その推進を図る上で目指す姿や手法に誤解が生じれば、理想は現実へとはつながらないのは世の中の常でございます。本市は、近隣の自治体と目線と歩調を合わせ、それぞれの自治体のお考えを尊重しながら、しっかりと足元を見た行政を展開していただきたいと感じております。  昨今において、経済の低迷や不透明な外交、そして地域間格差の拡大の懸念など、課題が顕著に表面化している国内情勢においては、今や地方分権の代名詞とも言える道州制という言葉を聞く機会も乏しくなりました。それゆえ、これからの道筋を求めて地方制度調査会が変革の基本方針策定に向けて動き出したものと理解しておりますけれども、願わくば、その議論がそれぞれの地域事情を熟知した上で理想と現実の板挟みで、机上の空論と化すことがないように念じる次第であります。  さて、続けて地方行政のあり方として、公務員数の展望と職場環境の変化についてお尋ねさせていただきます。  この件も前項とかかわりの深い件として捉えていただければ結構かと思います。  先般、財務省が地方財政改革案を議論する審議会の分科会において、将来の人口減少を考慮し、2025年までに警官、消防、教師を除く地方自治体の一般職員3万人の削減を可能として示されました。このことに対し、熊本県の蒲島知事は、就職先の減少や災害対応を理由に地方の疲弊を誘発するおそれがあるとして、この試算に対する懸念を指摘されました。  ただし、これからの世情の流れとして、仕事そのものが職種によっては、機械やコンピューター、とりわけ人工知能などがその補完をなすと言われ、業務の効率化の波が著しいことも予測されております。また、ICTを生かしたまちづくりや教育については、テレビコマーシャルでもよく目にすることがあり、時間の凝縮や労働力の補完をなす業務形態の実用化が間近にあることを実感いたしております。  ほかにも物や設備のIoT化が進展すれば、遠隔操作の管理体制が増大し、業務によっては人手不足解消につながるとの期待も膨らんでいます。このように社会の新たな状況が生み出されようとしている中で、今や行政職においてはシステムの利活用は不可欠であり、現在の各セクションにおける予算規模も大きく、さらにその更新も著しいのは御案内のとおりです。技術革新による進展によって業務の効率化が図られるのは、現実性に乏しいとは断言できないような気配です。  ただ、私としては、政府がこのような世情の変革と、前項で申し述べた広域連携、あるいは市町村合併による自治体再編等によって、自治体の効率化を目指すものではないかと考える次第です。しかし、今般示された人員削減の指針は、本当に社会にとって望ましいことであるのかは判断に苦しむところです。例えば、具体的な課題としては、示された人員削減数値について、その試算の背景が見えにくいことや、5年間という期間で高度な技術革新が進展しても、職員や市民がその技術を円滑に受け入れられるほど、それぞれのスキルが定着し、実用化が図られるのかという点は、極めて不可解であります。また、増加傾向の自治体業務も含み、市民サービス全体の補完体制が整うかという疑問や、経済に及ぼす影響は分析されているのかという点も気がかりであります。  現時点では、私の安易な予測でありますので、一概に結論めいたものは断言できませんが、今般、政府が具体的に示された2025年までに、地方自治体職員3万人削減可能との判断は、余りにも拙速すぎる感が否めません。財務省が地方財政改革を旗印として示されている指針内容のその背景と数値の根拠や実現性について、本市としてはどのようにお考えになりますでしょうか。  また、この件が現実味を帯びた場合には、本市としても行財政改革プランの変更とともに、そこに付随するさまざまな計画の変更を強いられることになると予測されますが、本市としてはどのようなプロセスを持って、どの時期に計画策定に取り組まなければならないというふうにお考えになりますでしょうか。この件についても中村副市長の御所見をいただきたいと思います。          〔中村賢副市長 登壇〕 ◎中村賢 副市長  財務省の地方公務員数の試算についての御質問にお答えいたします。  財務省は、一般行政部門の職員数につきまして、人口当たりの職員数を一定にした場合、令和7年までに約3万人の効率化を図ることができる旨の試算を財政制度等審議会で示したところでございます。  地方自治体は、事務の効率化や職員体制のスリム化など、行財政改革に不断に取り組むべきである一方、増加する児童虐待や待機児童対策への対応、防災対策など、新たな行政需要に的確に対応していく責務がございます。  このような観点からいたしますと、財務省の試算は、地方自治体を取り巻く実情を考慮していない、非常に単純で乱暴な議論である旨、市長が記者会見で発言をされたところでございます。  財務省の試算につきましては、指定都市市長会におきましても、本市の提案により政府が地方財政計画等を策定する際、地方自治体の実情を十分に踏まえ、適切な職員数を計上し、地方の安定的な財政運営に必要な財源を確保するよう国に強く要請することが決まったところでございます。また、指定都市市長会を代表して大西市長みずから関係省庁に要請される予定でございます。  したがいまして、財務省の職員削減にかかる試算を踏まえて、関連する本市の計画を変更することは考えていないところでございます。          〔28番 小佐井賀瑞宜議員 登壇〕 ◆小佐井賀瑞宜 議員  中村副市長には、政府が関与する件について次々に御答弁いただいて恐縮いたしておりますけれども、同じ思いを確認させていただき安堵感を抱いております。そして、副市長には、今や熊本市の応援団であるということが皆様にもお伝えできたと感じております。  今回のエビデンスの欠如した指針をプレスリリースされることで、皮肉にも財務省並びに財政制度等審議会においては、地方の実情を把握されていないということが改めて表面化したものと感じております。政府に対しては、失礼かとは存じますが、仮に人員数や期限を抜きにして告知されたことでも、根拠が明確でなければ説得力を欠くばかりで、世情に混乱を招くだけであります。それゆえ、本市としても先の計画は現時点で表面化させる必要はないとの御判断であろうと推察いたします。この件は、私も全く同調いたします。これに関しては、市長も憤りを抱かれたものと察しておりますけれども、一方で、執行部の皆さん方には、技術革新の波による業務の効率化や有益性については、今後も冷静に研究を深めていただきたいと感じる次第であります。  さて、結びになりますけれども、今回の登壇に際しては、経済の行方と行政のかかわり合いを主眼において、その振興の障壁となるものについて見解を求めてまいりました。経済と税の関係、そして、それに付随する産業界の課題、そして、税財政や政府が示す地方自治体の組織の方向性に至るまで、最後は財務省に対し、辛口の部分もございましたが、これも地方の立場を重んじるものとして、この機会に乗じたということを皆様方にも御理解いただきたいと存じます。  しかし、政府と地方の財政にまで立ち入りながら、改めてその難しさと研究の多さと、先を読み取る知識や知恵の必要性を感じたところでございました。そして、10年以上に議会活動に携わる者でさえ、細かく分析ができるようなものではない、容易なものではないと痛感した次第であります。なお、経営と経済には違いがあり、仕組み上、同じ感覚で見つめられるものではないと、そのように悟ったのは大きな収穫であったというふうに感じております。  ちょうど1年前の前々回の本会議質問の折、オリンピック2020を控える我が国においては、イベント終了後の国の中期的展望は極めて重大であり、文化、経済の振興策や外交などの社会の流れを注視する中で、各自治体には独自に地域を支える戦略性が求められる。持続可能な社会を構築していくために国の方向性を見通し、本市の方向性を模索しておくことが必要であることは間違いありませんとの、その旨の意見を申し述べたことを今思い出しております。  本市もいよいよ来週は桜町の再開発事業が節目を迎え起動いたします。そして、国際スポーツ大会の幕あけです。祭りのにぎわいに甘んじることなく、次のハード、ソフト両面の財政投資の有益性を見出していただきたいと思います。もちろん財政健全は基本ですが、慎重さが先行し、研究のみに時間を費やし、大切なタイミングを損ねては経済の流動性に適応することはできません。その結果は、にぎわい創出ばかりでなく、得られるべき税収にも多大な影響を及ぼします。都市間競争を勝ち抜いていけるような夢のある都市づくり、空間づくり、地域づくり、そして人づくりにいそしんでいただきますよう願っております。大西市長以下、執行部の皆さんのさらなる御奮闘に期待を申し上げ、あわせて長時間おつき合いいただきました皆様に感謝を申し上げ、私の質問を終結いたします。  御清聴まことにありがとうございました。(拍手)       ──────────────────────────── ○倉重徹 議長  この際、議事の都合により休憩いたします。  午後2時に再開いたします。                             午前11時25分 休憩                             ───────────                             午後 2時00分 再開 ○倉重徹 議長  休憩前に引き続き会議を開きます。       ──────────────────────────── ○倉重徹 議長  一般質問を続行いたします。山内勝志議員。          〔15番 山内勝志議員 登壇 拍手〕 ◆山内勝志 議員  市民連合の山内勝志でございます。  初めての一般質問を行うに当たり、この機会をいただきました先輩、同僚議員の皆様に感謝申し上げます。また、本日は大変多くの支援者の皆様にもおいでいただいております。何分初めての質問でございます。要領を得ない質問や偏りのある質問もあろうかとは思いますが、執行部の皆様方もどうぞよろしくお願いいたします。  まず最初に、10月1日に開院を迎えます新市民病院について3点お尋ねいたします。  熊本地震の前震、本震の際、私は市民病院の職員として病院内の対策本部で走り回っておりました。老朽化した市民病院では震度6強の揺れに耐えることはできず、壁や天井は崩落し、あちらこちらから水が噴き出し、柱にも大きな亀裂が入っておりました。電気は非常電源の後に復旧いたしましたが、水、ガス等のライフラインは使用不能となり、エレベーターも医療機械も使えず、診療の継続どころか、たび重なる余震の中で入院患者さん方を避難させなければならない大変危険な状況でした。  当時入院中の312人の患者さん方は、病状が軽かった患者さんは退院していただき、そうでない重症の患者さん方にはほかの病院に転院していただき避難を終えましたが、長く地域の拠点病院として活躍した市民病院は、患者さんのいない空の病院になってしまいました。九州各地から応援に駆けつけていただいた救急隊や医療チームに助けられ、また、転院先の医療機関にも大変な御協力をいただきましたが、何といっても多くの患者さんに大きな負担をおかけしました。  再建に当たっては、大西市長、熊本市議会の皆様を初め多くの方々の御努力のおかげで、スピーディーな復活ができることとなりました。  また、職員の皆さん方もこの3年間多くの苦労をされました。医師の多くはほかの病院に異動し、看護師などの医療職のうち200人以上が遠くは沖縄など九州各地の34の公立病院等に派遣となりました。中には、小さな子供さんを御主人と実家に預けて、単身赴任で県外の病院に行かれたお母さん看護師さんもいらっしゃいました。そのほかにも市役所や区役所の復興業務でなれない仕事を行ってきた医療者もいます。多くの人々の大変な苦労と頑張りで市民病院は復活を果たすことになります。  一方、この間の大幅な収益の減少により約130億円もの負債を抱えるなど、大きな課題があるのも現実です。新病院では、持続可能な経営を考えるに当たって収支は重要な問題です。しかし、病院である以上、収支と同様に最も重要な使命は、医療の安全と医療の質の維持向上にあります。経営の合理化だけが優先され、医療者の削減や厳しい業務環境を生んでしまっては、医療安全や質の維持向上が脅かされます。  また、患者さん中心の視点で運営を考えなければ、療養環境や患者サービスも決してよいものとはなりません。市民のため、患者さんのための病院として復活するのですから、職員の気持ちを一つにして再スタートしていただきたいと思います。  熊本地震からの復興の1つのシンボルである市民病院の復活に当たって、最も大切にすべきことについて大西市長の想いをお聞かせください。          〔大西一史市長 登壇〕
    大西一史 市長  熊本市民病院は、地域の基幹病院としての役割を担い、特に周産期母子医療の分野においては、新生児の命を守る拠点として熊本県下はもとより九州の総合周産期母子医療の中核を担ってまいりました。しかし、議員御紹介のとおり、平成28年の熊本地震におきまして医療機能のほとんどを失い、診療の制限を余儀なくされたことにより市民の皆様には大変御迷惑をおかけすることとなりました。  このため、一日も早い復旧を目指し震災復興計画の重点プロジェクトの1つとして取り組み、議員各位を初めとする多くの皆様からの御支援をいただきながら、来月開院を迎える運びとなりました。改めて、これまでの御支援に対しこの場をお借りいたしまして感謝申し上げる次第です。本当にありがとうございました。  再建に当たっては、高い耐震性を確保し、災害時においても継続して医療活動が行える災害に強い病院として、また、今まで担ってきた小児・周産期母子医療や救急、感染症などの政策医療にも取り組み、さらには地域の医療機関との連携も強化し、地域の基幹病院としての役割を果たしてまいります。  また、再建に当たり最も大切にすべきことは、新病院の新たな理念である市民の生命と健康を守るために、安全で良質な医療を提供することであると考えます。医療安全は医療における最優先事項であり、インシデント報告の徹底を初めとする医療安全体制の充実を図り、医療の安全と質の向上に努めてまいる所存です。  そのためには、御指摘のように、患者さんの視点に立った医療サービスの提供が基本であり、新病院では新たに外来予約から入退院支援、各種相談等を一体的に行う患者サポートセンター、小児系外来を1つにまとめたこども外来、感染の恐れがある場合にも面会できる小児病棟のガラス越しの面会室、また、遠方より長期入院を余儀なくされるお子さんの御家族が宿泊できるファミリーハウスなどを新たに設置するとともに、外来の順番をお知らせするプッシュ通知を取り入れた待ち時間対策なども講じることによりまして、患者さん中心の運営を行っていくこととしております。  一方で、公的病院においても自立した経営が強く求められておりまして、特に多額の債務返還が課せられた市民病院におきましては、健全な経営の確立が重要な課題でもございます。そのためには、昨年策定いたしました熊本市病院改革プランに従って改善を図り、安定し持続可能な経営に向け全力で取り組んでまいります。          〔15番 山内勝志議員 登壇〕 ◆山内勝志 議員  大西市長、御答弁ありがとうございました。市長がお答えになったように、安全で良質な医療を追求することが医療機関としての最優先課題だと私も思います。また、患者サポートセンターやファミリーハウス等の設置が、患者目線での取り組みのあらわれであることもわかりました。経営環境としては厳しいスタートとなりますが、病院本来の使命を全うできるように、病院職員はもとより市一丸となって取り組んでいただきますようお願いいたします。  2点目は、新病院の特色について幾つかお尋ねします。  新市民病院は災害を乗り越えて復活した病院として全国から注目されています。単に以前の状態へ戻すだけでなく、新しい取り組みを期待したいところです。  現在、運営の基本的な方針として病院の理念を定められています。「市民の生命と健康を守るために、安全で良質な医療を提供します」とのことです。医療機関として大変重要な事柄を示されていると思います。ですが、せっかくの再出発なので、もっと新市民病院がどんな病院になろうとしているのか、市民の皆さんにわかりやすく伝わるように、病院のキャッチフレーズを決めてはいかがでしょうか。市民の方々と病院職員が率直に意見を出し合い、患者さんの期待や職員の意気込みが反映されるものを掲げていただきたいと思います。  新市民病院は災害に強い病院というテーマで設計されており、構造としては免振機能や地下水利用などライフラインの強化を考えておられます。地震での損傷が大きかったことを踏まえ、病院自体は随分と強く生まれ変わるようです。建物が完成した後は、新病院には災害医療への役割が期待されます。熊本地震の際に機能不全となり十分な貢献ができなかった反省を踏まえた上で、新病院では災害被災者の受け入れ体制をどのように行う方針でしょうか。  また、大きな病院でよく聞かれるのは待ち時間の長さです。以前の市民病院でも朝の混雑解消と待ち時間の短縮は大きなテーマでしたが、なかなか解消できませんでした。朝の時間帯に外来患者さんが一気に集中するため、医師も看護師も検査技師等も一気に繁忙状態になっておりました。効率的な業務の進め方を内部で検討しても、翌日にはまた次々に予約が入ってくる状況では、抜本的な取り組みが困難だとは思います。  しかし、外来の効率的な運用や待ち時間の解消は、医療資源の有効活用や患者サービスの向上にも直結し、今後の病院運営での大きなテーマになると思います。そこで、経過観察や定期的な検査などで最も多く来られる再診の患者さんを午後の部に予約受け付けし、地域のクリニック等からの紹介患者さんや新規の患者さん、あるいは急患の方を午前の部に受け付けるようにしてはいかがでしょうか。この取り組みが進めば、業務の平準化による人員不足対策のほか、連携病院との関係強化や交通渋滞の解消にも効果があると思います。また、朝の貴重な時間を入院患者さんの回診にも振り向けることができ、医療の質向上にも貢献します。新しい病院で再スタートする、このときだからこそチャレンジできることだと思います。新病院での外来の運営方法について方針をお聞かせください。  最後に、救急体制についてですが、震災前は年間4,000台を超える救急車の受け入れを行い、熊本医療圏の中でしっかりと役割を果たしていました。再スタート後も、前にも増して役割を期待されると思います。今回、新市民病院の隣接地には東消防署があります。市が開設し救急医療に携わる機関が隣同士になるのですから、そのメリットを積極的に生かすべきだと思います。そこで、救急ワークステーションを設置してはどうかと考えます。市民病院に救急隊が常駐すれば、事例によってはドクター同乗での対応も可能になり、熊本医療圏の救急体制に一層厚みが出ると思います。また、救急センターと救急隊との相互研修などの連携も強まり、お互いのスキルアップにもつながります。  以上、4点について病院事業管理者にお尋ねします。          〔水田博志病院事業管理者 登壇〕 ◎水田博志 病院事業管理者  まず、新病院のキャッチフレーズについてのお尋ねでございますが、新病院では病院運営のあるべき姿を示す理念としまして、御紹介いただきましたように「市民の生命と健康を守るために、安全で良質な医療を提供します」ということを掲げております。  この理念のもと、本院の目指す姿として女性と子どもに優しい病院、専門性と総合力を活かした病院、患者さんと誠実に向き合う病院、地域の医療機関とともに歩む病院、災害に強い病院の5つを掲げており、これがキャッチフレーズになると考えております。  中でも女性と子どもに優しい病院につきましては、さまざまな機会を捉えて情報発信をしており、既に一定程度浸透しているものと考えております。新病院ではこれらのキャッチフレーズのもとに、患者さん、地域の医療機関、そして医療者から選ばれる病院となるよう取り組んでまいる所存でございます。  次に、災害時の新病院の受け入れ態勢についてのお尋ねでございますが、新病院では、熊本地震の経験を教訓に災害に強い病院として災害発生後も診療が継続できる機能を整備しており、既に策定しておりますBCP計画に基づいて、傷病者の受け入れと治療に当たりたいと考えております。  このため、屋外やエントランスホールに十分なスペースを確保し、災害発生時にはトリアージ及び患者治療スペースとして使用いたします。エントランスホールには非常電源、医療ガス、電子カルテのアウトレットなどを設置し、災害備蓄倉庫を隣接して配置しております。また、屋上にはヘリポートを整備し、傷病者の広域搬送、あるいは他都市からの傷病者の受け入れの態勢を整えております。  続いて、外来の運用等についてのお尋ねでございますが、外来につきましては、診察室のフリーアドレス化や各外来で行っていた処置の中央処置室への集約化などにより、効率的に運用することとしております。また、外来予約制の導入、さらに一部診療科では初診と再診を午前、午後に振り分けることなどにより、患者さんの集中を避け診察までの待ち時間の短縮に努めてまいります。  また、診察呼び出しのメール配信サービスの導入とともに、患者用フリーWi−Fiの設置や、従来は現金のみの取り扱いでございました自動精算機のキャッシュレス対応などにより、利便性の向上にも取り組んでまいります。  外来の効率的な運用や待ち時間対策は、患者サービスの上で非常に重要な課題と認識しており、今後とも常に患者さんの声に耳を傾け、その改善に積極的に取り組んでまいる所存でございます。  最後に、救急ワークステーションについてのお尋ねでございますが、病院に救急車が常駐し救急救命士や医師を乗せて出動する救急ワークステーションは、素早い救急医療の提供や救急救命士の技術向上に有用と考えられています。本市におきましても、平成25年4月に熊本市救急ワークステーションが開設され、三次救急に当たる救命救急センターを持つ3つの病院に救急小隊が派遣されているところでございます。  一方、本院では二次救急を担うこととしており、また医師の現場への出動が人員的に困難であるため、現時点での救急ワークステーションの設置は考えておりませんが、議員御提案のとおり、東消防署救急隊との相互研修など連携を深めることはお互いのスキルアップにつながり有意義でございますので、新病院開院を機にさらなる連携を図っていく所存でございます。          〔15番 山内勝志議員 登壇〕 ◆山内勝志 議員  病院事業管理者、御答弁ありがとうございました。  キャッチフレーズについては、職員の皆さんが常に同じ方向に向かうには有効なことだと思います。職員みんなが常に共有できるように掲げていただきたいと思います。  災害対策については、災害で機能不全となり診療を断念せざるを得なかった経験を前進的に捉え、策定されたBCP事業継続計画に基づいて、万全な災害対策を準備していただきたいと思います。  外来の効率的な運用については、全ての病院が抱える悩みだと思います。この問題を改善できれば、待ち時間対策だけでなく経営上のメリットや医療の質の向上にもつながります。ぜひ検討を進めていただきたいと思います。  救急ワークステーションの開設については、人員的な問題もあり現時点では考えていないとのお答えでしたが、消防署に隣接する地の利を生かして、救急隊との相互研修などさらなる関係強化については積極的に取り組んでいただきたいと思います。  引き続き、病院人事の弾力的運用と病院経営専門職の育成についてお尋ねします。  市民病院は、企業局として、本来人事の採用と採用手続を独自に行うことが可能です。しかし実際としては、看護職等の採用や事務職の任用など、市の人事委員会や総務局との連携が優先され、なかなか機動的な人事が行えていないように思います。看護師の採用など、他の医療機関と競合しながら優秀な人材を確保していくためには、そのときの状況に応じて、採用時期や採用人数など柔軟に決めていく必要があります。そこで、病院局単独で職員の採用手続が進められるよう、採用部門を設けるなど事務局体制を強化すべきだと考えます。  現在、経営の柱を担う事務職員は、市役所内の異動の一環として配置が行われます。病院の事務職場では専門用語が飛び交い、初めての職員にとってはなじみがないため、力を発揮するまでに時間がかかります。そして数年後には、また異動で新しい職員に入れかわってしまいます。民間病院と同じ医療圏で競合する中で、経営に携わる事務職員が短期的にかわる人事体制は、公立病院のウイークポイントと言われています。長期的に病院経営に携わる病院経営専門職を育成していく必要があると考えますが、事業管理者のお考えをお聞かせください。          〔水田博志病院事業管理者 登壇〕 ◎水田博志 病院事業管理者  人事の弾力的運用等についてお答えをさせていただきます。  急速な医療技術の進歩や医療制度の変革にタイムリーに対応していくためには、他院におくれることなく優秀な看護師や薬剤師等の医療技術職を迅速に採用していくことが必要なことは、論をまたないところでございます。  本市におきましては、職員の任用に関しましては人事委員会が一元的に実施しており、看護師及び医療技術職の採用においても同様でございます。  医療職の迅速な採用のためには、人事委員会からの事務委任を受け病院局において採用手続事務を行うことが考えられますが、そのための制度設計や事務局内の専門的な体制を整える必要があることなどから、今後、関係部局と慎重に協議してまいります。  また、病院の円滑な運営に果たす事務局の役割は極めて大きく、特に複雑な診療報酬や施設基準などの制度の中で健全な病院経営を企画し実施していくためには、これらの制度に精通した事務職員が不可欠であることは議員御指摘のとおりでございます。  しかしながら、市民病院の事務職員の数は他の公的病院等と比較して少なく、また配置期間も数年程度と短いため、専門的知識を持つ職員の育成が困難な状況です。  そこで、本年4月からは熊大病院から医事や経営企画に精通した専門職員を派遣いただくとともに、病院局で随時行う臨時専門職員の採用に加え、専門的知識を持つ正職員を採用するなど、病院事務専門職の確保に努めているところでございます。  今後も必要に応じて専門事務職の採用を行うとともに、人事異動による人材確保については関係部局と協議しながら病院事務職の確保、育成に努めてまいる所存でございます。          〔15番 山内勝志議員 登壇〕 ◆山内勝志 議員  病院事業管理者、御答弁ありがとうございました。  職員採用の機動力確保は、地方公営企業法の全部適用の最大メリットと言われてきました。しかし、採用試験事務にはそれなりの労力も必要となります。経営メリットを最大限生かすためにも、事務局の体制強化を前向きに御検討ください。  また、他の民間または公的病院と比較すると、長い期間医療経営に携わる事務職と数年で交代する事務職では、経験と知識の差はどうしても出てきます。複数名の病院経営専門職チームの育成は公立病院にも必要です。取り組みを進めていただきますようお願いいたします。  次は、在宅医療、介護の強化について質問させていただきます。  先日、日本人の平均寿命が発表されましたが、男性81歳、女性87歳を超え、いずれも過去最長となりました。一方、日常生活を健康的に送ることができる健康寿命は、男性72歳、女性75歳なので、平均寿命との差はそれぞれ9年間と12年間もあります。この期間は、高齢者が何らかの病気やけがで療養していることになります。  超高齢化社会に突入し、人生100年時代の到来が語られる中、受け入れ先となる医療環境も変化しています。将来の人口動態や受療行動をもとに各都道府県が策定した地域医療構想を見ると、病院の入院ベッド数は過剰とされ、今後一定数削減されることが予想されます。療養する高齢者はふえるが受け入れの入院ベッド数は少なくなる、おのずと療養先は自宅を中心にした在宅がふえていくでしょう。これまでは病院で完結していた医療が、これからは在宅へ広がっていきます。  このような状況で、在宅医療の現場では訪問診療、訪問看護、訪問介護など多くの専門家が頑張っていらっしゃいます。しかし、24時間365日の対応は相当の負担がかかります。職業倫理や精神論だけで乗り越えられるものではありません。厳しい労働環境で、働く人の確保も困難を極めています。在宅医療、介護の環境を改善し人生100年時代に備えるには、まずはそこで働く人々をサポートする施策を幾重にも打ち出していく必要があると思います。  そこで、在宅医療、介護の強化に当たっての行政の支援策についてお尋ねします。  1点目は、従事者の確保対策と24時間対応事業所の支援についてです。  在宅医療の従事者不足の問題は、将来に向かっての大きな不安材料です。国においては、従事者の賃金引き上げ等の処遇改善や、外国人就労者の門戸拡大などの施策に取り組んでいます。熊本県でも基金を活用した新規雇用や、離職防止をテーマにした取り組みが行われています。  そこで、本市においてはどのような就労支援策をとられているのかお尋ねします。  また、介護の専門的スキルが身につくまでに訪問時の介護ケアに対する不安感が募り、離職する方も多いと聞きます。専門的技量のスキルアップ研修などに補助を行うことは、介護の質を向上させるとともに、不安による離職の防止にも効果があると思います。  また、24時間体制での在宅医療の提供は、1人の在宅医師や単独の訪問看護、介護事業所だけでは十分な人手が足りず継続が難しくなります。在宅医や事業所のネットワークをさらに充実させ、お互いに応援し合えるような仕組みづくりに、行政が中に入り取りまとめることが必要だと考えます。  2点目は、介護従事者向けの相談窓口の設置についてです。  介護従事者の方々からは、医療的ケアの経験やノウハウが足りずにケアの実施に不安がある、あるいはケアプランを作成する際の医療的な相談をしたい、毎年のように介護制度が変わり介護報酬制度に追いついていけない、などの声を聞きます。医療と介護の連携は大変重要なテーマですが、実際にはそれぞれの仕事が忙しく、時間調整もままならず、直接アドバイスを受ける余裕もないようです。また、報酬制度の理解に関しても、医療制度においては厚生労働省の出先機関があり質問もできますが、介護制度ではそのような相談場所はあるのでしょうか。  そこで、ケアマネジャーなどの介護の従事者から医療的ケアや介護報酬制度等についての相談を受ける窓口をつくり、少しでも従事者の負担軽減を行ってはどうでしょうか。  3点目は、介護に係る書類や手続等の簡略化と介護支援専門員の採用についてです。  介護制度の複雑化に伴って、介護現場では、報告や申請時の文書作成など手続の負担が大きくなり、本来やるべき業務にも影響が出ているようです。厚生労働省でも、負担軽減策の一環として、介護分野の文書に係る負担軽減に関する専門委員会を設けての検討が始まりました。本市においても、介護従事者の方たちの意見を踏まえて、文書作成や報告、あるいは手続等の簡略化に取り組む必要があるのではないでしょうか。  また、各区の所管課の取り扱いに差があると感じる従事者もいるようです。取り扱いがより均一化するように、全区共通の基準書やQA集の作成などに取り組み、負担軽減を図っていくべきだと思います。さらに、行政組織内に介護の現場を熟知する専門家がいれば、行政と介護現場の意思疎通がより改善し、お互いの負担が軽減されると思います。介護支援専門員の採用を検討していただきたいと思います。  以上3点について健康福祉局長にお尋ねします。          〔田端高志健康福祉局長 登壇〕 ◎田端高志 健康福祉局長  在宅医療、介護の強化に関する3点のお尋ねに順次お答えいたします。  まず、1点目の従事者の確保対策と24時間対応事業所の支援についてお答えいたします。  本市では、就労促進の取り組みといたしまして、介護職の魅力ややりがいを啓発するイベントの県市共同開催や、生活援助型ヘルパー養成講座を開催しておりまして、これまでに108名を養成してまいりました。  また、離職防止、定着促進につきましては、事業者に対しまして介護従事者の処遇改善加算の適正実施を促すほか、介護従事者向けの認知症介護実践者研修を実施し、専門的スキルアップを図ることで仕事への不安の解消につながるような取り組みを実施しているところでございます。  さらに、今年度は新たに、単独では人材確保等が厳しい小規模法人等が集まり就労相談会や資質向上のための研修会などを共同で開催する取り組みに対しまして、補助を行うことといたしております。  また、24時間対応事業所の支援につきましては、医療介護関係者で構成いたします熊本地域在宅医療介護連携体制検討会を設置いたしまして、在宅医療と介護の連携に関する課題を検討し、関係者の協力を得ながら解決に取り組んでいるところでございます。  具体的には、24時間対応の中心となる医師に向けた在宅医養成研修会の開催や、ベテラン在宅医によるサポート体制づくりに取り組みますほか、在宅医療、介護に携わる全職種を対象とした多職種連携研修会を開催いたしまして、顔が見える関係づくりを行っているところでございます。  今後も引き続き、在宅医療と介護に携わる関係者が職種の垣根を超え、相互に応援ができるようネットワークの充実を図ってまいります。  次に、2点目の介護従事者向けの相談窓口の設置についてお答えいたします。  現在、医療的ケアが必要なケースにおきましては、かかりつけ医と介護支援専門員や介護福祉士等が連携しながら、適切なサービスの提供に努めております。  また、介護保険制度に係る相談につきましては、介護保険課におきまして随時対応いたしますとともに、制度改正の内容や留意点等につきまして、介護支援専門員協会との共同での研修会や集団指導の機会などを捉えまして、周知を行っているところでございます。  議員御提案の介護従事者向けの相談窓口につきましては、介護従事者の負担軽減につながりますよう、関係団体の御意見をお聞きしながら、今後研究してまいりたいと考えております。  続きまして、3点目の介護に係る書類や手続等の簡略化と介護支援専門員の採用についてお答えいたします。  介護に係る書類の簡素化につきましては、国において様式が示されているところではございますが、本市独自に改善できる点につきまして、関係団体の御意見をお聞きしながら負担の軽減に取り組んでまいりたいと考えております。また、各区役所での介護保険に係る申請手続につきましても、事業者の手続の負担軽減につながるよう、必要に応じマニュアルの見直しなどを行ってまいります。  最後に、介護支援専門員につきましては、現在、介護保険課に介護支援専門員の有資格職員を配置しておりますが、今年度から各区役所に介護支援専門員の資格を有する嘱託職員を新たに採用し配置することとしております。引き続き、必要な人材の確保に努めてまいりたいと考えております。          〔15番 山内勝志議員 登壇〕 ◆山内勝志 議員  健康福祉局長、御答弁ありがとうございました。  介護従事者の確保は、国を挙げての大きな課題です。賃金制度のあり方や外国人雇用の問題等は、国政に委ねることが多いとは思いますが、現場に近い自治体だからこそできる、きめ細やかな事業があると思います。知恵と工夫とコミュニケーションで、一歩でも前に進むように取り組みを期待いたします。  また、従事者が離職する背景にはいろいろな原因がありますが、知識、経験不足による専門的スキルに対する不安感も大きな要因であると思います。事業者の経営負担にもなる研修の機会を行政が提供することは、大きな効果があると思います。  介護従事者向けの相談窓口については、行政側のスピーディーな判断が問題の解決につながることも多いと思います。また、介護認定審査会資料の速やかな開示など、従事者と行政の情報連携を緊密にすることで、より機動的な展開が可能になると感じます。相談窓口について他都市の取り組み事例などもあると思いますので、情報収集の上、他の機関とも協議しながら検討していただければと思います。  書類作成や報告、あるいは手続の簡略化は、最も費用がかからない改善の取り組みです。従事者と行政が意見を出し合い、お互いが負担軽減になるように調整していただきたいと思います。また、介護支援専門員の配置は、多くの課題を改善する鍵になると思います。ぜひ検討をお願いいたします。  次に、その他の福祉、医療の課題について何点かお尋ねします。  1点目は、震災後に各区役所に設置されました地域支え合いセンターについてです。  各センターには、市民病院の看護師などで編成された10名から20名程度の職員が、被災された方の日常生活の見守りや健康相談などを担っています。きめ細やかな対応で、市民の方からも助かっているというお話もお聞きします。  今回の市民病院の再開で、多くの看護師が病院に戻っていくようですが、今後の支え合いセンターの活動がどのようになるのかをお尋ねします。  高齢化の背景もあり、地域支え合いセンターの担ってきた役割はこれからもますます必要になると思います。復興の役割を担う部署としても、市民の方にもよくわかるような形で残していくべきだと思います。  2点目は、熊本市立の保育園や小中学校での医療ケアの確保についてです。  保育園や小中学校には、医療的ケアが必要な子供たちが通っています。胃ろうや呼吸器の必要な子供たちには、一定の時間ごとのケアや容体が悪くなったときの緊急対応など、専門的な医療ケアが必要になります。現在は、臨時職員や嘱託の看護師12人の方が雇用されていますが、とても十分とは言えません。各所管課で看護師の募集、採用を行っていますが、採用困難職種でもあり、欠員補充もままならないようです。  そこで、本市の病院局の看護師が定年退職した後の再任用先や、病院局からの出向異動先として、教育委員会やこども未来部へ配置転換し、厚みのある体制をつくっていただきたいと思います。  もちろん、ケアのための特別な研修も必要とは思いますが、もともと市民病院は重度の小児患者を診てきた病院ですので、十分なノウハウも持っています。あわせて、全ての保育園へ看護師の配置ができれば、健康管理や急な発熱時の対応にも大変有効だと思われ、疲弊する保育現場の大きな助けになると思います。ぜひ、早急に検討の上、実現していただきたいと思います。  3点目は、救急医療についてです。  高齢化が進んだことで、救急現場では、誤嚥性肺炎、心不全、骨折などの繰り返し起きる高齢者特有の救急症例がふえています。交通事故や労働災害等の極めて救急度が高い症例と一緒に対応する場合には、救命救急センターなどの医療現場もパンク状態になってしまいます。そのような状況を改善するために、高齢者特有の救急医療にある程度特化した救急体制の再検討が急務であると考えますので、今後の方針等についてお尋ねします。  また、救急医療の現場が直面する困難事例には、蘇生処置や人工呼吸器の装着などを自分の意思として望んでいない場合に、救急現場にその意思が伝わらずに、結果として御家族の方とトラブルになるケースがふえております。救急隊としては、救急要請があれば一刻も早く救急病院に搬送しますし、受け入れた救急病院では、命を救うことを使命として最善を尽くします。結果として家族との間にトラブルが生じてしまうのは大変残念です。
     本市では、メッセージノートという、人生の最期をどのように迎えたいかを本人と家族で話し合い書面に残す取り組みを進めておられます。このような事前指定の取り組みは、本人、家族、救急医療に従事する人々のためにも必要なことだと思います。そこで、現在の取り組み状況と今後の方針についてお尋ねします。  また、救急隊が到着したときにメッセージノートが傍らにあるとは限りません。救急隊が駆けつけたときにすぐ目につくように、緊急連絡先、かかりつけ医、持病の種類、メッセージノートの有無などの必要最小限の情報を記入するマグネットシート状の緊急連絡シートを作成し、独居の高齢者世帯などの冷蔵庫に張れるようにしてはいかがでしょうか。スムーズな救急搬送に少しでも役立つのではないでしょうか。  以上3点について、それぞれの担当局長にお尋ねします。          〔古庄修治政策局長 登壇〕 ◎古庄修治 政策局長  私からは、1点目の地域支え合いセンターに関するお尋ねにお答え申し上げます。  平成28年11月に開設しました各区の地域支え合いセンターは、市民病院の看護師さんを中心に、主に仮設住宅等の入居者に対し、見守りや生活、健康相談、住まい再建等、総合的な支援を実施しているところでございます。  現在、仮設住宅等の入居世帯数はピーク時の5分の1以下となるなど、被災者の住まい再建は概ね順調に進んでいることから、今後、被災者支援は住まい再建後の支援へとシフトしていくこととなります。  そこで、今の地域支え合いセンターは、仮設住宅等の入居者への支援はもとよりでございますが、住まい再建後の孤立防止や健康維持にも積極的に取り組んでいるところでございます。          〔議長退席、副議長着席〕  具体的には、仮設住宅等の退去後もフォローを継続しますとともに、健康状態などに応じまして、各区の保健師による専門的な支援や、民生委員やささえりあによる既存の地域包括ケアシステムの枠組みへのつなぎなどを行っております。  このように、地域支え合いセンターは、今後とも被災者お一人お一人に寄り添った支援を担ってまいりますが、次年度以降の体制等につきましては、先ほど申し上げた業務内容や業務量の変化等を見据えながら、関係部局等で協議を行っているところでございます。          〔萱野晃総務局長 登壇〕 ◎萱野晃 総務局長  私からは、保育園、学校における看護師の配置についてお答えいたします。  市長事務部局に勤務する看護師は、保健所や各区役所の福祉課、保健子ども課等において専門知識を生かしながら業務に当たっていますが、看護師資格が必要な大部分の職場においては、臨時職員または嘱託職員で対応しており、昨今の看護師不足の中、その確保に苦慮している状況でございます。  そのため、病院局の看護師を人事異動や再任用職員として受け入れ必要な部署への配置を進めることは、業務の安定的な遂行のためにも有効であると考えております。  特に保育園への配置につきましては、児童が病気の場合など専門性を生かした支援が可能となりますとともに、保育士の負担軽減にもつながりますことから、本人の適性を踏まえながら、正職員の段階的な配置について、検討してまいりたいと考えております。          〔田端高志健康福祉局長 登壇〕 ◎田端高志 健康福祉局長  私からは、高齢者の救急医療体制と事前指定の啓発についてお答えいたします。  高齢者の救急搬送の増加への対応につきましては、これまでも熊本市救急災害医療協議会において検討し、重症度に応じた医療機関への搬送を行っているところでございます。また、高齢者特有の救急症例に関しましても、効率的な救急搬送の手段など、関係機関で協議を行っているところでございます。  この中でメッセージノートの必要性が議論され、患者本人の意思を尊重した人生の最終段階の医療に関する考え方の普及や、在宅医療、介護と救急医療の連携の推進を目的として、メッセージノート事業を平成28年2月から実施しているところでございます。  このメッセージノートにつきましては、これまでに各区福祉課や各ささえりあ等におきまして約3万4,000部を配付いたしております。  また、現在までに、メッセージノートの普及啓発のため128回の出前講座を行っており、延べ4,050名の方が受講されております。出前講座には地域のサロンや老人会等からの申し込みも多く、市民の皆様の関心度の高さを示しているものと考えているところでございます。  今後も、出前講座に限らず、各ささえりあや医療機関、高齢者施設とも連携し、さらなる啓発を進めてまいります。  次に、マグネットシート状の救急連絡シートの作成についてお答え申し上げます。  本市のメッセージノートには、あらかじめ人生の最終段階に受けたい医療と称したシートを添付しておりまして、記入後は自分の思いを家族などに伝える方法の一つとして、わかりやすい場所での保管を推奨しているところでございます。  このシートには延命治療の希望やかかりつけ医、緊急時の連絡先などの項目を設けておりまして、議員御提案の救急連絡シートとしての活用が可能であると考えておりますことから、今後もより使いやすいシートとなるよう工夫してまいりますとともに、活用に当たりましては、緊急時に家族や救急隊の目にとまるような保管についても周知を行ってまいります。          〔15番 山内勝志議員 登壇〕 ◆山内勝志 議員  政策局長、総務局長、健康福祉局長、それぞれの御答弁ありがとうございました。  地域支え合いセンターが担ってきた業務は、大変よい取り組みだと思います。ぜひ、今後も目に見える形で継続していただきたいと思います。  保育園や学校への看護師の配置について、前向きな御答弁ありがとうございました。実現すれば、医療的ケアが必要な児童・生徒も、また御家族も安心感がふえることだと思います。段階的な配置からスタートし、将来的には、学校にも保育園にも、実情に応じた適切な看護師の配置がなされるよう取り組みをお願いいたします。  救急医療の課題は、熊本市だけで解決できる問題ではありません。しかし、高齢化が待ったなしに進む現在の環境では、少しでも前進した改善策をひねり出す必要があります。引き続き関係機関との協議をお願いいたします。  また、メッセージノートの取り組みは、市民の皆さんにとっても大変興味がある事柄のようです。今後も積極的な周知活動への取り組みをお願いいたします。  次に、観光政策について質問させていただきます。  今月は、国際スポーツのビッグイベントであるラグビーワールドカップが日本で開催され、ここ熊本でも2試合が行われます。私も熊本市役所ラグビー部に所属しておりましたので、一生に一度のことと大変楽しみにしております。また、11月末には女子ハンドボール世界選手権大会も県内各地で開催され、まさに来年の東京オリンピックの前哨戦のようなスポーツの国際大会を私たちは体験することができます。  熊本市役所でも、おもてなしやリスク対応等について各職場の準備が進んでいるところだと思います。今回の国際大会を契機に、さらに外国人観光客が増加することが望まれます。  そこで、外国人観光客へのおもてなしの考え方や、もしもの際のリスク対応についてお聞きします。  やさしい日本語を活用した取り組みが各地で進んでいます。熊本市でもやさしい日本語講座として、市役所の窓口職員や救急隊員を対象にした研修会が行われているようです。外国人観光客へのおもてなしには、通訳や翻訳機、看板のサイン等の充実は当然必要ですが、私たちが日ごろ使っている日本語をちょっと工夫して、外国人の方にもわかるような使い方を広めるのも有効だと思います。先の研修は行政向けのものですが、商店街や一般の市民の方向けにもセミナーなどを通じてやさしい日本語の活動を広めてはいかがでしょうか。外国人旅行者の方も日本語でコミュニケーションがとれたらうれしいでしょうし、何よりも市民の方も肩の力を抜いておもてなしができるのではないでしょうか。そうすれば、例えば浴衣を着て夜市体験をするような体験型観光の発掘にもつながると思います。  リスク対応は観光政策には大変重要な課題です。リスクには、テロ対策など大きいものから、観光客の病気など身近なものまであります。  今回のような国際スポーツ大会にサポーターとして来日される方は、試合日程の都合から比較的滞在期間が長いと聞きます。当然、滞在中に具合が悪くなったり、けがをされることもあります。その際に受診する医療機関での医療通訳者の体制はいかがでしょうか。病状を伝える、あるいは緊急手術が必要なときの同意書を書くなど、想定される場面への準備はできているのかをお聞きします。また、このことは、今後ふえることが予想される外国人就労者の方にも当てはまることだと思います。  そのほかにも、外国人旅行者の診療費の未払い問題や感染症の対策など、全国的にも課題になっています。  旅行保険に未加入の方が手術入院するとなれば、状況によっては相当高額の治療費を請求されることになります。場合によっては数百万円もの治療費となることもあるようです。旅行客が帰国してしまうと、医療機関としては手の打ちようもなく、多くが未払いのままとなっています。国でもこの問題を受け、近々実態調査を行うようです。この問題の解決方法は、外国人観光客に旅行保険に加入してもらうしかありません。熊本に来られてからでも、旅行保険の必要性と加入を勧めるチラシなどを配付することや、保険加入の手続を案内することは可能だと思います。  感染対策では、日本人が帰国して発熱や下痢等の症状が出た場合の感染対策があります。帰国時、入国前の健康相談のほか、医療機関では渡航歴や滞在期間の聞き取りを行い、必要な場合は専門の感染症指定病院へ引き継ぐことなどがあらかじめ決められています。国際大会では、日本とは感染症の予防策が異なる国々から来られることもあります。必要以上に警戒することはありませんが、万が一のことを考えると、外国人観光客を対象にした感染対策マニュアル等を作成し、観光施設や医療機関に配付するなど、事前の準備を行うことは観光政策としても必要なことではないでしょうか。  多くの国から来られる外国人観光客の皆さんに安心して楽しく過ごしていただくには、受け入れ側のリスク対応の準備はしっかりとする必要があります。  以上4点について、経済観光局長にお尋ねします。          〔平井英虎経済観光局長 登壇〕 ◎平井英虎 経済観光局長  観光政策につきまして、特に外国人観光客への対応に関する質問に順次お答えいたします。  まず、やさしい日本語の活用でございますが、外国人観光客の満足度の向上を図るためコミュニケーションの円滑化は重要な課題であり、本市では県が作成した観光施設や飲食店向けのインバウンドガイドブックや指差し確認シートの周知により、外国人の母国語で行うコミュニケーションの円滑化に努めているところでございます。  このような中、議員御提案のやさしい日本語の活用につきましては、日本語を使いたい外国人とのコミュニケーション手法の一つとして有効と考えられることから、今後商店街や市民向けのインバウンドセミナーの中で紹介できるよう検討してまいりたいと考えております。  次に、医療通訳の体制についてでありますが、本市では、国際交流会館におきまして、旅行者を含む外国人に対し、医療を含めさまざまな情報提供や相談対応などを行っているところでございます。  また、県が運用する24時間多言語コールセンターにおきまして、本年度より登録した医療機関の利用が可能となっており、電話を通じて医療従事者と外国人患者のコミュニケーションが図られているところでございます。  次に、外国人旅行者の診療費未払い対策につきましては、観光庁が平成30年に行った訪日外国人旅行者の医療に関する実態調査によりますと、訪日外国人の約3割は旅行保険に未加入であることから、本市におきましては、観光案内所で啓発チラシを配付するなど、加入を促してまいりたいと考えております。  最後に、感染症対策につきましては、外国人観光客が例えば高熱を発症した場合の確認事項や受け入れ可能な医療機関などの情報を、文書により観光施設や宿泊施設に向け早期に通知する予定でございます。  また、医療機関に対しましても、厚生労働省が作成した外国人患者の受け入れのための医療機関向けマニュアルを本市の関係部署から配付したところであり、これらの取り組みを通じ、外国人患者の受け入れが円滑に行われるよう対処してまいります。          〔15番 山内勝志議員 登壇〕 ◆山内勝志 議員  経済観光局長、御答弁ありがとうございました。  やさしい日本語を観光政策に活用することで、市民レベルのおもてなしが広がるのではないかと思います。ほかの観光地と少し違った特色を出すためにも、積極的に取り組んでいただきたいと思います。  医療通訳の問題は、医療政策の上でも現実的かつ重要な課題だと思います。当面は、外国人旅行者への診療がスムーズにできるよう、電話医療通訳サービスの活用についての周知と、診察から支払い、薬の受け渡しまでを多言語で記載した説明書等を観光施設や医療機関などに置くなど、対応を検討していただきたいと思います。  医療費未払い対策や感染対策についても、関係部署との緊密な連携を図り、外国人観光客の皆さんがよい思い出を残していただけるよう、最大限の準備をお願いしたいと思います。  熊本地震から3年5カ月がたとうとしています。まだまだ復興の道は続きますが、災害を経験した熊本市だからこそ考えるべきことについてお聞きします。  まず、今後の熊本市の職員体制についてです。  熊本地震では、避難所の運営、ライフライン等の復旧維持、支援物資の展開など、多くの場面で熊本市の職員を初め多くの公務員の貢献が復旧を支えました。近年の公務員削減方針の中でぎりぎりの体制で頑張っていた姿は、市民の皆さんからも評価されたと感じています。一方、震災後に市役所の各部署を訪問すると、職員がきりきりと余裕なく働く姿が見られ、職場の雰囲気には以前のようなアットホームな様子は感じられませんでした。近年、熊本市の採用試験でも合格後の辞退者や、採用後数年での若手職員の退職がふえているようです。このことは職場環境がよくない方向に向かっている兆候ではないかと心配になります。  最近、人口減少で働き手不足が問題となる中で、いろいろなところでAIの活用が検討されています。公務職場も例外ではなく真剣に論議する必要があります。しかし、過度にAIに依存しようとすると、必要以上の人員削減を招く恐れがあり、いつの間にか、担わなければならない災害対策も十分できないようになってしまっては本末転倒です。AIの活用に当たっては、業務範囲や優先順位を間違えることがないよう、十分な議論が必要だと考えます。  今後の熊本市の職員体制のあり方とAIの活用方針について、市長のお考えをお聞きします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  人口減少社会の進展に伴い労働力不足が見込まれる中、人工知能いわゆるAIは、業務効率化や市民の利便性を向上させるとともに、働き方改革につながる有効なツールと認識しております。  そのようなことから、本市においても、昨年度AIによる道路補修箇所の把握についての実証実験を行ったところでございまして、さらに現在、窓口手続や簡易な生活相談などさまざまな分野での導入に向けた検討を進めているところです。  今後のAIを初めとしたさまざまな新技術の活用に当たっては、人員削減のツールとしてではなく、職員がこれまで以上に市民に寄り添った相談業務や、あるいは創造的な施策立案などに注力できる環境づくりを念頭に進めてまいりたいと考えております。          〔15番 山内勝志議員 登壇〕 ◆山内勝志 議員  大西市長、御答弁ありがとうございました。  市長のお考えを聞いて大変安心いたしました。お答えのように、行政現場にもAI等の技術を取り入れるなどの方策を考えなければ、働き手不足となる中で持続的によい市民サービスを維持していくことは難しくなります。その上で、どのような分野にどこまで深く取り入れていくかについて、市民の目線で慎重に検討を行っていただきたいと思います。  そのほかに3点お聞きします。  1点目は、学校現場の防災管理体制についてです。  災害を受けた都市としては、当時の対応ノウハウをよりよいものに変えて将来につなげていく必要があります。例えば、学校が避難所として地域の受け入れ拠点となりましたし、これからもその役割は変わらないと思います。そうであれば、災害を想定した学校施設の管理能力を日常的に高める必要があります。教職員の方々に担わせるには、負担が増加します。そこで、学校主事等の施設維持を担当する職員による防災体制等の強化を行うべきと思います。  2点目は、災害対応ノウハウの維持についてです。  熊本市が経験して身につけた災害対応ノウハウは、西日本水害等での他都市への職員派遣という形で生かされています。先日の、佐賀県や福岡県を中心に起きた九州北部豪雨でも、本市消防局等からの派遣が行われました。災害大国である我が国にあって、災害を乗り越えた熊本市の使命として、これからも災害派遣を続けていく必要があると思います。また、万が一、本市に再び大災害が起こった時も即時対応することが求められます。  そこで、災害医療チーム、災害ごみ処理チーム、土木復旧チーム、給水活動チームなどを各職場において複数のチーム編成で常時名簿管理し、即応できる体制を組むべきではないかと思います。そのためには、日常的な情報収集や定期的な訓練等を実施できる組織、体制づくりが必要と考えます。  3点目は、保健師の体制についてです。  熊本地震では、被災者の方々への長期の寄り添いときめ細やかな対応が必要となりました。多くの職員がその仕事を担ってきましたが、特に保健師の役割はこれからも重要になってくると思います。少子高齢化の影響はもとより、核家族化でひとりで出産に不安を抱える妊婦さんのサポートなども必要となります。保健師の業務範囲はますます広がっていますが、絶対数が不足しているのではないでしょうか。今後の採用計画などをお聞かせください。  以上の3点について担当局長にお尋ねします。          〔遠藤洋路教育長 登壇〕 ◎遠藤洋路 教育長  私からは、学校の防災体制の強化についてお答えいたします。  現在、学校避難所の運営は、それぞれの避難所担当職員と教育委員会の事務職員が担っており、学校避難所の設置が長期にわたる場合は、それぞれの組織で担当者を交代しながら運営しております。  これらの担当者は、避難所開設・運営マニュアルに従い避難所を安定的に運営できるものの、学校設備の取り扱いや備品等の管理については不案内な面もあります。  議員御提案の、学校全体を熟知した学校主事等の人材の活用による非常時に備えた避難所運営体制の充実は、有効であると考えております。  今後、大規模災害における長期に及ぶ避難所運営を想定し、避難所担当者と学校職員が連携した取り組みについて検討してまいります。          〔古庄修治政策局長 登壇〕 ◎古庄修治 政策局長  私からは、2点目の災害対応ノウハウの維持についてお答え申し上げます。  現在、本市では、熊本地震の経験を生かした被災自治体に対する支援活動に力を入れておりまして、他地域で大規模災害が発生した場合には、速やかに情報収集活動を行うとともに、被災地や各省庁からの支援要請に応じ、政策局長を本部長とする熊本市応援本部を設置しまして、支援活動を展開することといたしております。  その際、本市では、避難所運営、家屋被害認定調査、罹災証明発行、医療・保健福祉活動などの支援活動ごとに従事する職員の名簿をあらかじめ作成しておりまして、災害発生時にはこの名簿に基づきまして、派遣チームを編成し、迅速な支援活動につなげているところでございます。  次に、日常的な情報収集や定期的な訓練等を実施できる組織、体制づくりについてお答え申し上げます。  本市では、今年度から防災減災の新たな取り組みとしまして、各局長、区長を防災・減災責任者に任命し、対策本部ごとにマニュアル整備や訓練、研修等の自主的な実施を促すなど、平常時から災害時に備える体制づくりを進めているところでございます。  今後も、本市の災害対応力の強化はもとよりでございますが、全国各地で多発する自然災害に対する迅速な被災地支援に備え、平常時からの組織体制の整備や、定期的な訓練等に積極的に取り組んでまいります。          〔萱野晃総務局長 登壇〕 ◎萱野晃 総務局長  私からは、保健師の採用計画についてお答えいたします。  保健師には、これまでの保健指導に加え生活習慣病予防やメンタルヘルスケア対策、地域包括ケアシステムなど幅広い分野で重要な役割を果たすことが期待されており、本市におきましても一定数を確保していくことが必要であると考えております。  そのような中、今年度の職員配置では必要数が確保できない状況でありましたことから、来年度の採用数を大幅に増員したところであり、今後もさまざまな行政ニーズに適切に対応するため、採用計画に基づき保健師の確保に努めてまいりたいと考えております。          〔15番 山内勝志議員 登壇〕 ◆山内勝志 議員  教育長、政策局長、総務局長、それぞれの御答弁ありがとうございました。  災害の記憶も時がたてばたつほど自然と薄れていきます。私たちは、後世にしっかりとそのときの記憶を残していくことが使命であると思います。特に、災害時の対応ノウハウは、そのときの反省を糧によりよいものに変化させ、将来に備える必要があります。たび重なる災害を経て、全国の防災体制も本市の危機管理体制も確実に強化されているようです。しかし、実際に現場に入る職員については、人事異動や退職等の要因でノウハウを持つ職員が減少したり分散したりしていきます。今後も、現場レベルの災害対応スキルを保つために、より積極的な方策に取り組んでいただきたいと思います。  最後に、冠水対策に関して2点質問させていただきます。
     熊本市の治水対策は、熊本市治水総合計画をもとに河川整備や下水道の内水対策を進めておられますが、依然として集中的な豪雨で冠水する地域があります。  1点目の質問は、東部浄化センターの造成工事による影響等についてです。  この夏、6月と7月にも東部浄化センター北側の一帯が冠水し、住宅地の道路の一部が封鎖される状況となりました。この一帯では、隣接する東部浄化センターの拡張工事により、冠水箇所の一部で敷地の造成が行われます。造成により一帯の冠水がさらに悪化するようなことはないのかお尋ねします。あわせて、周辺住宅地への臭気対策についてもお聞かせください。  2点目は、冠水時における通学路の安全対策についてです。  先ほどお話ししました冠水地域の真ん中には、秋津レークタウンから若葉小学校に向かう通学路が通っております。冠水すると田んぼと通学路の境がわからなくなり、少しでも方向を間違えると道路から転落する危険もあります。7月の冠水時に、私が付近を見て回っていたときも、自転車に乗った中学生ぐらいの若い方が一気に通り抜けようとしましたが、膝まで上がってきた水で危険を感じてか、途中で引き返す姿が見られました。  近年の異常気象でゲリラ豪雨が各地で被害を出しています。ほんのわずかな時間で急激に水位が上がり、何事もなかった道路や住宅地が一気に危険な状態になることがあります。大人でも危険を感じる状況では、ましてや小学生などでは命の危険さえあると思います。当然、水位が上がってきたら通学路を通らないことが一番だとは思いますが、急激に水位が上がれば、通行止めの措置や迂回を知らせる連絡網も間に合いません。冠水する箇所に掲示板を立てるなどのソフト対策も重要ではありますが、少なくとも、転落防止柵や水位を一目で見てわかるような構造物を設置するようなハード対策も、重ねて進める必要があると思います。  本市の通学路の安全対策の一環として、ゲリラ豪雨等で冠水する可能性のある通学路の把握状況と、道路の安全対策方針についてお聞きします。  以上2点について、それぞれ担当局長にお尋ねします。          〔白石三千治上下水道事業管理者 登壇〕 ◎白石三千治 上下水道事業管理者  私からは、東部浄化センターの拡張工事による影響等についてお答えいたします。  まず、拡張工事による周辺地域への冠水の影響についてでございますが、現在、東部浄化センターでは汚水流入量の増加に伴いまして、敷地東側に約3ヘクタールの用地を拡張し、水処理施設の増設工事を実施しているところでございます。  この拡張した用地につきましては、盛り土による敷地内からの雨水の流出を抑制するため、県の調節池設置基準に準じ、約2,300立方メートルの雨水調整池を整備することとしております。  また、東部浄化センター用地拡張の計画段階におきまして、過去の降雨の実績値をもとに、周辺地域のおける拡張前後での冠水の範囲や深さにつきまして、浸水解析モデルを用いた比較検証を行い、拡張による影響がほとんどないことを確認しているところでございます。  次に、臭気対策につきましては、東部浄化センターの敷地境界におきまして臭気強度の24時間測定を年に4回、汚泥処理棟や最初沈殿池等、各施設の脱臭能力の確認を月に1回実施いたしまして、臭気の状況を把握しているところでございます。  今後も引き続き臭気の状況把握に努めますとともに、施設の増設や改築にあわせましてより脱臭能力の高い設備を導入するなど、臭気対策に取り組んでまいります。          〔田中隆臣都市建設局長 登壇〕 ◎田中隆臣 都市建設局長  私からは、ゲリラ豪雨を想定した通学路の安全対策等についてお答えいたします。  近年の異常気象やゲリラ豪雨により、道路冠水の発生する地域が、市内にはお尋ねの箇所を含め数多くあります。  これらの冠水状況については、住民や学校などからの情報提供や水防活動での確認を行いますとともに、毎年開催する本市関係部署で構成します連絡会議において、冠水箇所の範囲、水深、頻度などの情報共有に努めております。  それらの情報をもとに、各学校におかれましては、児童の安全確保のための安全マップを作成され、道路冠水箇所などの危険箇所の確認や大雨時に通行させないなどの指導が行われているところです。  また、通行者への周知看板や転落防止、視線誘導標の設置など、通学路の安全対策も行っており、今後とも地元や学校、区役所などと連携しながら、地域の状況に応じた対策を講じてまいります。          〔15番 山内勝志議員 登壇〕 ◆山内勝志 議員  上下水道事業管理者、都市建設局長、御答弁ありがとうございました。  東部浄化センターの拡張工事につきましては、周辺が冠水することがある場所ということに御留意いただき、工事の進捗の中で、必要なときは、住民の方々への情報提供をお願いいたします。  通学路の冠水対策については、最近の気象状況やゲリラ豪雨による災害発生の状況を見れば、ハード、ソフトを合わせた対策で子供たちを守っていく必要があります。教育委員会など関係部署と連携の上、しっかりとした対策を行っていただきたいと思います。  以上をもちまして私の質問は終わらせていただきます。長時間にわたってお付き合いいただきました議員の皆様、真剣に御答弁いただきました執行部の皆様、そして傍聴席においでいただきました皆様、インターネットを通じて応援いただいた皆様、本当に感謝申し上げます。ありがとうございました。(拍手)       ──────────────────────────── ○上田芳裕 副議長  本日の日程は、これをもって終了いたしました。  この際、お諮りいたします。  9月7日、8日の両日は、休日のため休会いたしたいと思いますが、御異議ございませんでしょうか。          (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○上田芳裕 副議長  御異議なしと認めます。  よって、9月7日、8日の両日は休会することに決定いたしました。  次会は、9月9日(月曜日)定刻に開きます。       ──────────────────────────── ○上田芳裕 副議長  では、本日はこれをもって散会いたします。                             午後 3時23分 散会 〇本日の会議に付した事件 一、議事日程のとおり 令和元年9月6日 出席議員 48名       1番   倉 重   徹        2番   上 田 芳 裕       3番   山 本 浩 之        4番   古 川 智 子       5番   島 津 哲 也        6番   北 川   哉       7番   吉 田 健 一        8番   伊 藤 和 仁       9番   荒 川 慎太郎       10番   齊 藤   博      11番   田 島 幸 治       12番   平 江   透      13番   日 隈   忍       14番   吉 村 健 治      15番   山 内 勝 志       16番   緒 方 夕 佳      17番   高 瀬 千鶴子       18番   三 森 至 加      19番   大 嶌 澄 雄       20番   光 永 邦 保      21番   高 本 一 臣       22番   福 永 洋 一      23番   西 岡 誠 也       24番   田 上 辰 也      25番   浜 田 大 介       26番   井 本 正 広      27番   藤 永   弘       28番   小佐井 賀瑞宜      29番   寺 本 義 勝       30番   原     亨      31番   原 口 亮 志       32番   紫 垣 正 仁      33番   大 石 浩 文       34番   田 中 敦 朗      35番   村 上   博       36番   那 須   円      37番   園 川 良 二       38番   澤 田 昌 作      39番   満 永 寿 博       40番   三 島 良 之      41番   津 田 征士郎       43番   坂 田 誠 二      44番   白河部 貞 志       45番   田 中 誠 一      46番   藤 山 英 美       47番   落 水 清 弘      48番   田 尻 善 裕       49番   上 野 美恵子 説明のため出席した者   市長       大 西 一 史    副市長      多 野 春 光   副市長      中 村   賢    政策局長     古 庄 修 治   総務局長     萱 野   晃    財政局長     田 中 陽 礼   市民局長     石 櫃 仁 美    健康福祉局長   田 端 高 志   環境局長     勝 谷 仁 雄    経済観光局長   平 井 英 虎   農水局長     西 嶋 英 樹    都市建設局長   田 中 隆 臣   消防局長     西 岡 哲 弘    交通事業管理者  肝 付 幸 治   上下水道事業管理者白 石 三千治    教育長      遠 藤 洋 路   中央区長     井 上   学    東区長      宮 崎 裕 章   西区長      深 水 政 彦    南区長      村 上 誠 也   北区長      野 口 恭 子    病院事業管理者  水 田 博 志 職務のため出席した事務局職員   事務局長     大 島 直 也    総括審議員兼事務局次長                                富 永 健 之   議事課長     本 田 正 文    調査課長     下錦田 英 夫...