熊本市議会 2019-02-26
平成31年第 1回予算決算委員会−02月26日-01号
平成31年第 1回
予算決算委員会−02月26日-01号平成31年第 1回
予算決算委員会
予算決算委員会会議録
開催年月日 平成31年2月26日(火)
開催場所
予算決算委員会室
出席委員 46名
満 永 寿 博 委員長 藤 岡 照 代 副委員長
くつき 信 哉 委員 田 辺 正 信 委員
光 永 邦 保 委員 大 塚 信 弥 委員
山 部 洋 史 委員 緒 方 夕 佳 委員
小 池 洋 恵 委員 三 森 至 加 委員
高 本 一 臣 委員 小佐井 賀瑞宜 委員
寺 本 義 勝 委員 福 永 洋 一 委員
西 岡 誠 也 委員 田 上 辰 也 委員
浜 田 大 介 委員 井 本 正 広 委員
藤 永 弘 委員 原 亨 委員
原 口 亮 志 委員 紫 垣 正 仁 委員
大 石 浩 文 委員 田 中 敦 朗 委員
那 須 円 委員 重 村 和 征 委員
〔
寺本義勝委員 登壇 拍手〕
◆寺本義勝 委員 おはようございます。
自民党市議団の寺本でございます。
平成31年第1回
定例会予算決算委員会総括質疑の
トップバッターとして登壇の機会を与えていただきました我が会派を初め、ここにおられる全ての先輩並びに同僚議員の皆様に心より感謝申し上げます。今期最後の質問登壇でありますので、気合は入っているんですが、時節柄、質問の準備が十分ではありませんので、お聞き苦しい点が多々あると思いますが、執行部及び議員各位におかれましては、何とぞ御容赦いただきたいと存じます。
それでは、早速通告に従いまして質問させていただきます。
平成31年度一般会計及び
企業会計予算について、6点の質問をさせていただきます。
1点目に、
新市基本計画の期間延長に係る予算措置と
事業計画内容についてお尋ねいたします。
まず、今回当委員会に付託されている議第102号、
新市基本計画の変更は、どのような理由で期限を延長することになったのでしょうか。
また、これまで私は毎年度、合併3町に係る
新市基本計画の進捗状況について一般質問で確認してきたところですが、計画の
事業費ベースで答弁いただいておりましたので、既に合併から10年が経過する現時点では、おおむね90%を超える進捗であったと理解しております。しかしながら、今般計画期間を5カ年延長して取り組むということは、相当量の事業が残っているものと思います。
そこで、この延長に係る各3町の残事業量または事業数と、これに要する総事業費をお示しください。
市民局長にお尋ねいたします。
〔
萱野晃市民局長 登壇〕
◎萱野晃 市民局長
新市基本計画の期間延長に関するお尋ねにお答えいたします。
今回、計画期間の延長をお願いいたします理由は、熊本地震による影響や事業内容等の協議・調整に時間を要したことなどにより、
土地区画整理事業、小中学校の改築事業、道路事業などで進捗におくれが出たためでございまして、計画期間を延長することで着実に事業を推進してまいりたいと考えております。
また、延長する計画期間内の事業数と事業費につきましては、富合地域は49事業中14事業で約58億円、城南地域は70事業中12事業で約50億円、植木地域は58事業中25事業で約49億円となっております。
〔
寺本義勝委員 登壇〕
◆寺本義勝 委員 ただいまの答弁で、3町合わせて177事業中51事業が残っており、これに要する事業費が約157億円であることがわかりました。
先般、配付、説明がありました平成31年度当初予算のポイントを確認すると、平成31年度に計上された
合併新市基本計画分は示されておりましたが、議案に添付されている財政計画には、事業費は反映されているものの、その後の年度にどのくらい予算上見込んであるのかが示されておりませんでした。
そこで、確認の意味も込めて、延長されたそれぞれの年度ごとに、合併3町の
新市基本計画事業が幾ら組み込まれているのか、お示しください。
また、これらの事業を行う上で今後の課題や問題点はないのか、そして完了の見込みをお尋ねします。
一般会計分を市民局長に、企業会計分を
上下水道事業管理者にお尋ねいたします。
〔
萱野晃市民局長 登壇〕
◎萱野晃 市民局長 私からは、所要事業費の各年度の配分と残事業の完了見込み、課題等に関するお尋ねにお答えいたします。
各地域の年度ごとの事業費につきましては、富合地域では2019年度約4億円、2020年度約6億円、2021年度約17億円、2022年度約22億円、2023年度約9億円を、また城南地域では2019年度約12億円、2020年度約9億円、2021年度約10億円、2022年度約8億円、2023年度約7億円、2024年度約4億円を、また植木地域では2019年度に約10億円、2020年度約10億円、2021年度約9億円、2022年度約8億円、2023年度約6億円、2024年度約6億円をそれぞれ見込んでおります。
未完了となっております事業のうち、一部につきましては、今後も事業内容等の協議・調整を要するといった課題も考えられますが、計画期間内での事業の完了を目指し、取り組んでまいりたいと考えております。
〔白石三千
治上下水道事業管理者 登壇〕
◎白石三千治
上下水道事業管理者 私からは、上下水道の整備についてお答えいたします。
まず初めに、上水道の整備についてでございますが、富合地域及び植木地域は平成28年度までに整備を完了しておりまして、城南地域につきましては、引き続き2023年度までの5カ年間に総額21億円を見込み、整備完了を目指すことといたしております。
次に、下水道の整備についてでございますが、これまでの進捗状況につきましては、3地域で計画総額154億円に対しまして143億円、93%の投資額となっておりますものの、整備費用の増大等から整備スピードが鈍化している状況にございまして、計画面積771ヘクタールに対して377ヘクタール、49%の整備にとどまっているところでございます。
この結果、従前の
新市基本計画において見込んでおりました整備面積のうち、3地域で約400ヘクタールの未整備区域が残っており、これらの残事業費といたしましては、約160億円を見込んでおります。このような状況のもと、今回の
新市基本計画におきましても、引き続き整備を進めることとしているところでございますが、延長期間内に全て完了することは厳しい状況にございます。
しかしながら、下水道の整備に対する住民の皆様のニーズは大変高いものと認識いたしておりまして、新年度に策定いたします経営戦略の中で整備推進のための検討を行い、可能な限り早期の完了を目指してまいります。
〔
寺本義勝委員 登壇〕
◆寺本義勝 委員 これまでの答弁で、一般会計分と企業会計分を合算すると約261億円もの事業費になりますが、個々の事業はそれぞれ所管局で十分な協議や検討を加えながら、完了を目指して努力されるものと解釈いたしました。
ただ、個々の事業の中で幾つか懸念を抱く事業がありますので、確認のため、質問させていただきます。
1つは、植木町で4校、富合町で2校の義務教育施設の整備が残事業となっております。当然、これらの施設は最優先として実施されているものと思っておりましたが、延長された計画の中に入っている原因は何なのでしょうか。また、これらは確実に延長された計画期間内に整備が完了できるのでしょうか。
もう一点は、植木町で計画されている都市計画道路についてです。詳細な内容を調べると、計画に登載された事業費や計画にはかなり無理があるとの予測もされますが、この道路に限らず、今後
新市基本計画の道路整備を行っていく中で、同様の事例も生じるかと思いますので、そうした場合、どのように対応していかれるのか、お尋ねします。
1つ目の質問につきましては教育長に、2つ目の質問につきましては
都市建設局長に御答弁願います。
〔
橋爪富二雄教育次長 登壇〕
◎橋爪富二雄 教育次長 学校施設の整備がおくれている理由と、計画を延長して確実に完了できるのかについてお答えいたします。
新市基本計画における学校施設の整備につきましては、平成30年度に完了する見込みでございました。しかしながら、計画期間中に国の施策で学校施設の耐震化や体育館等の天井落下防止の安全対策を進めることとなり、また平成27年には台風15号、平成28年には熊本地震の対応等が発生し、やむを得ず計画期間内に終了することができなかったものでございます。
今回の
新市基本計画の期間延長により、着実に事業を推進し、期間内に完了させたいと考えております。
〔
田中隆臣都市建設局長 登壇〕
◎田中隆臣
都市建設局長 私からは、
都市計画道路等の道路事業についてお答えいたします。
新市基本計画の道路事業につきましては、これまで鋭意その進捗を図ってきたところでございますが、事業を進めるにあたり個別の路線を具体的に検討する中で、計画当初より事業費や条件が大きく変わるなど、委員御案内のとおり課題があるものがあり、今回の延長期間内に全て完了することは厳しい状況にございます。
しかしながら、
新市基本計画掲載の事業につきましては、地域の皆様にとって非常に重要な道路であることは認識しており、今後計画を推進するに当たっては、地域の皆様方と十分に御相談させていただくとともに、事業の見通しもお示しするなど、丁寧な対応に努め、できる限り早期の計画完了に向け、全力で取り組んでまいります。
〔
寺本義勝委員 登壇〕
◆寺本義勝 委員 5年間の期間延長の中で全ての事業を完了するのは相当困難であり、所管の局では苦労も多いと思いますが、合併した3町の市民にとっては、今もなお重要な関心事であります。
新市基本計画は自治体と自治体との約束事であり、合併の賛否を問う住民投票まで行い、苦渋の判断をいただいた住民の皆さんに、合併は正解だった、正しい選択であったと思っていただくためにも、引き続きの努力をお願いしておきます。
次に、2点目、保育士確保と今なお実在する待機児童の解消に係る予算措置と取り組みについて3点お尋ねいたします。
先日の那須議員の一般質問と重複する部分がありますので、簡潔に質問したいと思います。
1点目に、保育士確保のために31年度予算に計上されていると思われる
保育士就職支援事業、保育士資格及び
幼稚園教諭免許状取得支援事業と、待機児童解消を図るためと思われる
利用者支援専任チーム関連経費について、その内容等を御説明ください。
また、那須議員より指摘のあった通勤・通園距離問題を含めて、地域的な需要の偏りへの対応をどのように考えておられるか。
2点目に、本年10月からの
幼児教育無償化の影響をどのように見込み、どう対応していかれるつもりか。
3点目に、これも那須議員の質問で例えられたいわゆる3歳の壁、小規模保育所からの移行問題についてですが、待機児童、保留児童の発生に大きく影響するものと考えますので、重複しますが、その所見についてお尋ねいたします。
健康福祉局長にお答えいただきます。
〔
池田泰紀健康福祉局長 登壇〕
◎池田泰紀
健康福祉局長 保育士確保と待機児童解消に係る予算措置と取り組みにつきまして、3点お答え申し上げます。
まず1点目、保育士確保のための関連経費についてでございますが、資格を持ちながら保育所等に勤務していない保育士の掘り起こしや、認定こども園で働くための資格取得の支援を行う予算を計上しているところでございます。
また、入所の際の利用者と施設とのマッチングを行います
利用者支援専任チーム関連経費につきましても、現在の5名から2名増員をしました7名の支援員を配置する予算を計上しているところでございまして、より丁寧な対応を図ってまいりたいと考えております。
また、待機児童への対応につきましては、現在2次選考を行っているところでございまして、地域的な需要の偏りにつきましても、通勤経路等を考慮いたしまして、利用者の意向に沿えるよう、きめ細かな入所あっせんに努めてまいりたいと考えております。
2点目の
幼児教育無償化の影響についてでございますが、平成31年4月分の入所の申請につきましては、1次選考の時点で昨年度より申請者数が増加している状況でございまして、本年10月より実施されます
幼児教育無償化の直接的な影響は一定程度あるものと考えているところでございます。そのため、今後も引き続き各園へ受け入れの協力を依頼いたしますとともに、さらなるきめ細かな入所あっせんを行ってまいりたいと考えております。
3点目、
小規模保育事業所からの移行によります待機児童への影響についてでございますが、
小規模保育事業所の募集に当たりましては、集団保育を体験するための機会の設定や代替保育の提供、卒園児の受け入れの連携協力を行う保育所等を確保することを条件としているところでございます。
このような中、
小規模保育事業所が締結しております連携施設への入所におきまして、連携施設にあきがない場合など、やむを得ず連携施設に卒園児が入所できない場合につきましては、利用者が不利益をこうむらないよう、保護者の希望する保育所等への優先入所扱いといたしまして、保育所等の施設に継続して入所いただいているところでございます。
現時点で、
地域型保育事業の卒園児の受け皿となります3歳児以上の定員につきましては、一部に地域的な偏在はありますものの、充足しているところでございます。平成31年4月からの入所分に関しましては、現在対応しているところでございまして、引き続き丁寧な利用あっせんを行ってまいりたいと考えております。
〔
寺本義勝委員 登壇〕
◆寺本義勝 委員 ただいまの答弁では、きめ細やかなあっせんを行って対応していくとのこと、また
小規模保育事業所からの移行については、一部の地域で偏在はあるものの、充足しているとのことですが、果たしてそうなのでしょうか。
事例を挙げれば、城南町では、4月からの入所申請に係る1次選考時点で、現存する7つの園全てで10人程度の待ちが生じております。とりあえず小規模に預けようとしても、そこさえあきがないというようなことが現実に起こっています。
少子化が見込まれる中で、新規の施設整備での定員確保は無理であると考えます。また、既存園で許容される一定の
定員オーバー分を拡大するにしても、保育士と面積の確保が必要となり、これも難しいといった状態です。要は、これらを解決するための根本的な問題は保育士の確保に尽きると思います。
そして、保育士を確保するための解決策は処遇の改善が最重要であり、これまで国からの処遇改善はあっておりますが、それでも保育士が不足するのは、まだ十分な改善には至っていないからであると思います。そのため、保育士の資格をとれる大学を卒業しながら、一般企業に就職してしまうような現象も起こっています。
そこで、例えば誘致企業に対して、地元からの雇用に係る人件費に対し一定の助成を市独自で行っているように、待機・保留児童の解消につながる保育士の確保に対して一定の助成を市独自で行うなど、処遇改善をさらに強化する取り組みを検討していただくよう要望しておきます。子ども医療費助成と同様、熊本県で一番子育てしやすい自治体を目指し、研究と検討をお願いしておきます。
次に、3点目の養護老人ホーム等管理運営経費についてお尋ねいたします。
31年度予算に雁回敬老園の指定管理委託料が計上されていますが、聞くところによると、契約した委託期間はあと数年残っている中で、31年度をもって施設自体が廃止されると伺っております。
その詳細について説明を求めるとともに、幾ら指定管理を受託している事業者の問題とはいえ、委託契約を中途で解約するわけですから、原因と責任は少なからず市当局にもあると思います。当該施設に勤務している職員にとって、生活にかかわる大きな問題であります。その処遇についてどのように考えておられるのか、
健康福祉局長にお尋ねいたします。
〔
池田泰紀健康福祉局長 登壇〕
◎池田泰紀
健康福祉局長 養護老人ホーム等管理運営経費についてお答え申し上げます。
雁回敬老園の現在の指定期間は平成28年4月から5年間でございまして、2021年3月までとしているところでございます。雁回敬老園につきましては、平成31年度末で廃止する方針でございまして、平成30年12月の厚生委員会におきまして説明いたしますとともに、入所者や御家族、地域の方々にその方針について説明を行ったところでございます。
現在の職員の処遇に係る配慮につきましても、指定管理者でございます熊本市社会福祉事業団と協議を行ってまいりたいと考えております。
〔
寺本義勝委員 登壇〕
◆寺本義勝 委員 既に所管委員会はもとより、入所者と家族、地域の方々にも説明してあるとのことですので、廃止はやむを得ないものと理解しますが、くれぐれも職員の方々の処遇については、指定管理者である社会福祉事業団と十分な協議を行い、特段の配慮がなされますよう、よろしくお願いしておきます。
次に、4点目の校区社会福祉協議会活動支援経費についてお尋ねいたします。
31年度予算に校区社会福祉協議会に対する助成が計上されていますが、その内容について説明を求めます。
健康福祉局長にお尋ねいたします。
〔
池田泰紀健康福祉局長 登壇〕
◎池田泰紀
健康福祉局長 校区社会福祉協議会活動支援経費についてお答え申し上げます。
地域共生社会の実現に向けまして、地域福祉活動の中心的な担い手でございます校区社会福祉協議会の活動を支援いたしますため、95団体に対し、それぞれ5万円の助成を行うものでございます。
〔
寺本義勝委員 登壇〕
◆寺本義勝 委員 今議会が最後である池田局長に質問を集中したようで、いささか恐縮ですが、この質問に限って言わせていただけば、私も校区社協の運営に携わっており、その活動資金の一つである香典返しが激減する一方、地域包括ケアの一端を担ういきいきサロン開催等の経費がかさむ中、今回の助成は非常にありがたいことであり、陳情活動から1年余りで決定していただきました局長に心より感謝申し上げますとともに、最終判断された大西市長にも敬意を表したいと存じます。ありがとうございました。
次に、5点目のプレミアム付商品券事業及びキャッシュレス推進事業についてお尋ねいたします。
31年度予算に計上されているこの2つの事業について、その内容と効果を経済観光局長にお尋ねいたします。
〔平井英虎経済観光局長 登壇〕
◎平井英虎 経済観光局長 まず、プレミアム付商品券事業につきましてお答えいたします。
消費税率引き上げの影響緩和と消費の喚起・下支えを目的に、2019年度の住民税非課税者及び3歳未満児の子育て世帯を対象に、例えば4,000円で購入した券で5,000円分の買い物ができるという25%のプレミアムがついた商品券を販売するものでございます。
購入上限は1人当たり券面額2万5,000円までで、販売開始の時期は、本市におきましては、消費税引き上げの時期に合わせた10月を予定しております。
その効果につきましては、増税前後の駆け込み需要とその反動減という消費の急変動をなくすことで、地域商店街等への影響が緩和されるとともに、対象者の方々にとって増税の負担感軽減が図られることで、消費の下支えにつながるものと考えております。
次に、キャッシュレス推進事業は、中小事業者のキャッシュレス導入による販売機会の拡大と消費者の利便性向上などを目的に、端末の導入に関する国の助成制度等のセミナーや中小事業者がキャッシュレス決済を実体験できるイベントなどを、国の示す推進策とも歩調を合わせて開催するものでございます。
その効果につきましては、中小事業者のキャッシュレス導入に向けた決済手法等へのさまざまな不安が解消されることで、より多くの業者のキャッシュレス導入につながり、そのことが、インバウンドを含めた地域の消費拡大と経済活性化に寄与するものと考えております。
〔
寺本義勝委員 登壇〕
◆寺本義勝 委員 プレミアム付商品券事業については、消費税増税に伴い、国が行う事業でありますが、その交付等取り扱いについては、十分な周知と、くれぐれも不正が起きないよう、よろしくお願いしておきます。
また、キャッシュレスの推進についても、国が推奨しているところではありますが、都市部と違い、周辺部、地域の店舗、事業者、さらには高齢者が多い利用者にとっては相当わかりづらく、使いにくいとの意見が多数寄せられる実態に鑑み、その周知と対策について特段の配慮がなされるよう、お願いしておきます。
最後に、6点目の有害鳥獣駆除経費及び事業についてお尋ねいたします。
最近急激に増加しているイノシシや鹿などの有害鳥獣の駆除に係る経費の計上と、これに基づく取り組みの状況についてお尋ねします。
特に、これらの駆除に当たっておられる猟友会の皆さんからは、駆除単価が引き下げられたとのクレームの声もありますので、その点についても、あわせて説明を求めます。
農水局長にお尋ねいたします。
〔西嶋英樹農水局長 登壇〕
◎西嶋英樹 農水局長 有害鳥獣駆除に関する2点の御質問に順次お答え申し上げます。
まず、有害鳥獣の駆除に係る経費と取り組みでございますけれども、有害鳥獣被害対策については、イノシシや鹿などの駆除による個体数の調整、それから農作物被害軽減のための侵入防止柵の整備、それから農村集落が鳥獣のえさ場やすみかにならないための地域ぐるみの環境整備などに取り組んでございます。
これらの対策を進めるため、平成31年度当初予算案におきまして、駆除活動を担う熊本市有害鳥獣駆除隊に対する駆除のための銃器の弾代や箱わなのえさ代、それから駆除活動に伴います傷害保険料を計上いたしますとともに、駆除の担い手の確保のためのわな免許取得補助金、捕獲に必要な箱わなや盾などの機材の購入経費など931万円を計上してございます。
また、市で計上しております予算のほか、国の鳥獣被害防止対策支援事業を活用いたしまして、駆除隊の活動を支援してございます。具体的には、鳥獣ごとに単価が定められました交付金が捕獲実績に応じて支払われてございまして、平成31年度のイノシシ成獣では900頭、630万円の交付を予定してございます。
続きまして、駆除単価の引き下げについてお答え申し上げます。
委員の御指摘につきましては、国の鳥獣被害防止対策支援事業でございまして、平成30年2月に見直しが行われまして、イノシシ、鹿の成獣では1頭当たり8,000円から7,000円と駆除の単価が引き下げられております。
捕獲実績を見てまいりますと、現状では、単価の引き下げによる大きな影響は見られないものの、引き続き影響を精査いたしますとともに、必要に応じて国の支援の強化について要望してまいります。さらに、どのような支援が効果的な駆除活動につながるのか、関係団体等の意見も伺いながら検討してまいります。
〔
寺本義勝委員 登壇〕
◆寺本義勝 委員 ただいまイノシシと鹿に関して質問し、答弁いただきましたが、実は、最近、夕方、議会棟の窓から熊本城を眺めておりますと、カラスの大群が城内の木々の方に向かって飛んでいくのをよく見かけます。せっかく天守閣が復旧されたのに、カラスのふんで汚されるのは忍びない気もします。また、市役所駐車場内や中心繁華街でも頻繁に見かけます。特に、我々議員の駐車場である6階はふんの被害がひどい状況でもありますので、これらもあわせて対策の強化をお願いしておきます。
これで私の質問は終わりであります。真摯に答弁いただきました執行部の皆さんに感謝申し上げます。
もしかすると、これが議員として最後の質問となるかもしれませんので、あえて1つだけ注文させていただくならば、今回を含め、この4年間で行った質問の答弁から感じたことは、検討するとか、研究するといった、いかにも行政的な型どおり一辺倒な答えが多かったのが、どうしても気になります。我々議員の質問の突っ込みどころが甘かった点もあるかもしれませんが、今後答弁される執行部の皆さんにおかれましては、もう少し議論が伯仲するくらい、はっきりとした答弁をぜひお願いしたいと思います。
我々は、言わずとも市民の代弁者であり、当然、市民の生の声を伝えるのが使命であります。そして、皆さんは行政のプロであり、市民に応えるのがその職務であります。そして、ともに市民のことを第一に考えるのが義務でもあります。時には見解の相違も生じるのは当たり前です。しかし、どんなに小さなことでも耳を傾け、現場を確認し、前例踏襲にこだわらず、問題から目を背けるのではなく、行政側からアクションを起こし、情報を発信し、市民協働の確立を推進していただきたいと思います。そうすることで、大西市長が目指しておられる上質な生活都市の実現に近づけるのではないかと考えております。
結びに、大西市政と熊本市のますますの発展を祈念しながら、この後に控えております、常に昼は政務活動、夜は繁華街のパトロールにいそしんでおられる我が会派きっての論客の小佐井委員にバトンを渡します。
どうもありがとうございました。(拍手)
○満永寿博 委員長
寺本義勝委員の質疑は終わりました。
次に、小佐井賀瑞宜委員の質疑を行います。
〔小佐井賀瑞宜委員 登壇 拍手〕
◆小佐井賀瑞宜 委員 改めまして、皆さん、おはようございます。パトロールに参りました
自由民主党熊本市議団、小佐井賀瑞宜でございます。
私は、議会ごとに毎回、質疑等、発言の機会をいただいておりますので、今や自民党のまめ僧というふうに呼ばれております。しばらくおつき合いをいただきますよう、お願いいたします。
では、私からは議第1号「平成31年度熊本市
一般会計予算」にかかわる記載一覧の数点についてお尋ねしたいと思います。
ただし、今回の質疑の通告後に執行部から丁寧な説明も承っていて、理解が深まっている部分も一部ございますので、通告内容の一部を変更し、最後の項目につきましては、提言を交えた要望に振りかえてまいりたいと思っております。また、答弁者の変更もお願いしておりますので、何とぞ御容赦願いたいと思います。
まず、予算に関与する条例案件、議第53号「熊本市
植木温泉福祉交流館条例を廃止する条例の制定について」の件に絡み、進めてまいります。
この質疑に当たり、問題の複雑さをわかりやすく解説するために、私の質疑の趣旨から課題の提示に至った一連の流れ、いわゆるプロセスにつきまして、冒頭説明を申し上げながら進めてまいりたいと思います。説明に少々お時間をいただくことになりますが、皆様方にも何とぞ御容赦いただきたいと思います。
この件につきましては、北区の植木温泉に所在する市民憩いの場である植木温泉福祉交流館、通称風の湯の閉館に伴い、例年の指定管理料約900万円が計上されていないという案件でございます。
植木温泉福祉交流館、通称風の湯は、以下、風の湯と申し上げてまいりたいと思います。25年ほど前の旧植木町時代に、植木温泉地区に住民の交流と福祉の増進を目的に建設されたものでございますけれども、このほど、設備・施設の老朽化、維持管理の問題、利用者の低迷などの課題を主な理由として、閉館の方向性が示されております。
当初、私がこのことを認知しましたのは昨年のことでございます。所管であります北区役所総務企画課から、この風の湯の方向性について報告がございました。当時の担当課のお話では、状況の分析やアンケートの調査を重ね、その実態像から廃止の方向性を決定したいというような説明でございました。そこで、私からは、閉館決定に至るまでのプロセスと市民の意向について改めて確認を行い、利用者の方の心情に配慮しつつ、丁寧な説明のもとに、適切な対応を行っていただくようにということで促したところでございます。
ところが、本年年明け早々から、この風の湯の閉館に対し、何とか存続をお願いできないかというような切実な要望が個々に複数件寄せられてまいりました。当然、私のところばかりでなく、原口議員、園川議員のところにも、それぞれ違う方から御意見が上がってまいりました。
その後、1月20日、正午前に風の湯で区役所担当課の説明会が開催される折、市民の要望を受けて3名の議員がその場にそろって出席いたしました。そこには何と100名以上の利用者の皆さんが集っていらっしゃいました。そして、行政からの説明の直後から、閉館に対する反対意見が相次ぎ、本来の説明会が存続のための要望会という形に変わってしまいました。その中の幾人もの訴えは、理論的かつ心情的な意見が多くを占めておりました。
私たち地元の議員3名も、担当課からの事前の説明と、利用者である市民の意向が余りにも乖離している現実に、戸惑いを覚えたのが正直なところでございます。それもそのはずであります。時期的なことを考えれば、間違いなく当初予算の計上は行われていないということは理解できますので、今後の対応の難しさをひしひしと感じたところでございました。
このようなことから、私は、これまでの担当課が廃止の決断に踏み切った経緯について、詳細な調査の必要性を感じ、つい先日まで利用者の意向を初め、類似施設等の現場状況等の政務調査にいそしみました。そして、今月18日、関係資料の開示請求を行い、その内容を確認し、あわせて分析を行ったところです。
では、そのことをもとにお尋ねいたします。
この問題で一番注視しておかなければならないのは、今日に至ったプロセスと施設の実態像の2点でございます。
担当課から提出のありました資料をもとに検証いたしますと、平成29年12月に利用者アンケートを実施されております。調査件数103件、その内容は、居住区や交通手段等の利用者情報や料金や来館頻度などの施設の感想、そして廃止した場合の影響や改善点などに関する意見聴取が主なものとなっています。総じて申せば、利用者の実態に関する調査という位置づけになると思います。
その後、役所内で平成30年8月31日付で公表されている資料によりますと、費用対効果の検証に基づき、廃止も含めた検討を行うとの方向性が示されています。その後、一月にも満たない9月半ばに、さらなる実態像把握のための利用者アンケートが実施されています。調査件数は139件、内容は前回同様に状況調査に加え、利用者の利用目的が明確化されております。また、同じように、廃止した場合の影響にも追随するなどの配慮が見受けられております。
これが担当課の業務の流れであります。2度にわたるアンケートや、担当課を初め、関係局内で検討を積み重ねている事実から、慎重に対応してきたことは明確になっております。そして、そのデータをもとに、結果が示されていることも事実であります。
そこで、まず2点お尋ねいたします。
1点目は、プロセスについてであります。
施設の検討やアンケート調査の必要性を感じたそもそもの理由は何なんでしょうか。加えて、先ほど私が説明申し上げた一連の活動履歴について、どのような意図があって進めてこられたのでしょうか。そして、その流れは適切であったと言えますでしょうか。事実関係を踏まえ、その動機を御説明ください。
2点目に、施設そのものの件です。
築25年という、一般的には比較的老朽化の進んでいないような施設であるにもかかわらず、廃止の方向性を表面化されたわけですから、特段の理由が存在していたのか、気になるところです。そのような観点から、施設の老朽化を初め、安全性や経済性や採算性等を含めた見解をお示しください。さらに、この施設に対する費用対効果の分析についてお示しください。
北区長にお尋ねいたします。
〔野口恭子北区長 登壇〕
◎野口恭子 北区長 2点の御質問にお答え申し上げます。
まず、廃止までのプロセス、その動機についてでございますが、熊本市植木温泉福祉交流館は、平成29年3月に策定されました熊本市公共施設等総合管理計画に、施設の利用状況や課題を踏まえ、今後のあり方を検討する旨、位置づけられていることから、現在の指定管理期間が満了する平成30年度に施設の方向性を決定したいと考えたところでございます。
次に、施設状況と費用対効果についてでございますが、当該施設は築後25年が経過しておりまして、一部浴室の天井めくれやタイルの劣化など、施設の老朽化が進むなど、施設修繕費の負担が生じております。
さらに、源泉の水位や湯温の低下が課題となっておりまして、平成元年の掘削時と比べまして、平成27年の測定では水位が20メートルの減少、湯温が5.5度低下している状況にありまして、これらの課題を改善するためには多額の設備費が必要となる見込みでございます。
また、年間ごとに設定しております来館者目標数を達成できていない状況から、利用料収入が十分見込まれず、運営面においても赤字であり、厳しい状態でございます。
〔小佐井賀瑞宜委員 登壇〕
◆小佐井賀瑞宜 委員 この問題の出発点は、公共施設の適正な管理運営でありますので、積極的に調査・研究が進むこと自体は決して間違っているとは思っておりません。特に、このことは全国的な課題として捉えられているということは言うまでもございませんので、市としても、今後の市政全般を健全に導くための大義であったというふうにも感じております。それで熟慮を重ねて、今回の結果を示されたんだろうというふうには思っております。
しかし、今になって利用者からの御意見が強く上がってくるのがとても不思議に感じますが、どのように考えましても、意思の疎通が図られていないことは事実でございます。そこで、この根源を解明するために、アンケート内容から酌み取ることのできる利用者の利用目的やその心情について明確化しなければならないと感じております。
ただ、その前に、施設の利用者の状況、いわゆる実態像を明確にする必要があると思いますので、さらに3点お尋ねしたいと思います。
1点目に、風の湯の設置趣旨を改めてお示しください。
2点目に、どのような方々が多く利用されているのか、利用者の年代分析も含め、お示しください。あわせて、利用者の利用の主な理由をお示しください。
3点目に、1、2点目の質問と連動して、そこから見えてくる利用者の風の湯に対する思いや、どのような場として利用されているのか、利用者の核心的な部分やその心情について担当課が分析されていることをお示しください。あわせて、行政側が考える地域での位置づけなどにかかわる認識を含め、お示しいただきたいと思います。
北区長にお尋ねいたします。
〔野口恭子北区長 登壇〕
◎野口恭子 北区長 お尋ねの3点の御質問に対しまして、順次お答え申し上げます。
まず、設置の趣旨でございますが、当該施設は温泉利用等による住民の健康の増進及び交流の促進並びに地域福祉の向上を図ることを目的としておりまして、平成5年に旧植木町が設置され、合併後は北区が所管しているものでございます。
次に、利用者の実態でございますが、昨年9月の聞き取り調査では、施設利用者の約4割が市外の居住者であること、また約9割が60歳以上の方であるとの回答を得ております。
また、利用者の声として、高齢者がゆっくり過ごせる場所である、泉質についてはとても良質であるなどの御意見を賜っているところでございます。その一方で、約8割の方が植木温泉や近隣の温泉施設も御利用されているとの回答も得ているところでございます。
最後に、地域での位置づけ等の認識でございますが、当該施設につきましては、これまで多くの方に憩いの場として御利用いただいてきたところでございますが、先ほど御説明申し上げましたように、施設の老朽化や湯温の低下等の改善には新たな費用が必要なこと、また利用者が低迷しており、厳しい運営状況であること、このようなことから、公共施設として継続するのは困難であると判断させていただいたところでございます。
〔小佐井賀瑞宜委員 登壇〕
◆小佐井賀瑞宜 委員 地域での位置づけにつきましては、必要不可欠と言っていただけるのかというふうに思いましたけれども、真逆でございました。現状として、大変厳しい回答を改めていただきました。
閉鎖の主な理由となっている今後の多額の設備投資や利用者の規模による採算性の問題については、次の質疑項目に関連づけて、後ほど見解を示したいというふうに思います。
ただいまの北区長の答弁から、皆様にも風の湯がどのような施設であるのか、その実像が見えてきているというふうに思います。この施設は、時間を気にせずにゆっくりと過ごせる高齢者の憩いの場であり、生きがい創出の場であるわけでございます。
このことは、ポイントとなる29年12月のアンケート調査の結果からも感じ取ることができます。この時点で、施設存続に対する切実な思いが多く記述されております。そして、その9カ月後には既に廃止を含めた検討の方向性が示されておりますので、この9カ月間が一番気を払っていたところではないかというふうに予想されます。
その一月後のアンケートの記述内容に、利用者に対し、別の施設の利用は可能ですかとの設問によって、一定の配慮は見受けられます。しかし、この時点でもなお、回答している利用者の意識は、設問の全体構造によって、利用者の実態調査という感を抱いて安易に回答がなされているようにも感じました。そして、その後、廃止に向けた説明会の開催を通達しているわけですから、利用者側は廃止ありきで進めてきたという違和感を抱いているわけでございます。つまり、結果として、アンケート調査の時期を初め、設問の内容や問いかけ方など、アンケート調査書の文章構成にも課題を残しております。
このような現実が、調査を実施する担当課側の考え方と利用者側の思いについて温度差を生じさせた要因ではないかと私は感じ取った次第であります。当然、担当された職員も、懸命に利用者の意識調査に携わってこられたものと思っております。しかし、早期に利用者の思いを十分酌み取ることができなかったことは、結果としては悔やまれます。皮肉にも、ボタンのかけ違いが発生したというふうに感じております。
ただ、この内容の複雑なところは、アンケート調査の件のみならず、利用者が市域内にある市が所有するほかの施設を利用して、その比較について検証されていることにも端を発しております。それでは、そのような場所は熊本市域全域にどのように点在しているかといえば、これは御承知のとおり、熊本市老人福祉センターであります。
そこで、熊本市域内にある老人福祉センターの実像について、改めてお尋ねいたします。
施設の設置趣旨を初め、利用状況から課題の分析、そして施設の老朽化に伴い、廃止などの選択肢もあり得るのかなどを含め、公共マネジメントに沿った今後の方向性について見解をいただきたいと思います。
所管の
健康福祉局長、お願いいたします。
〔
池田泰紀健康福祉局長 登壇〕
◎池田泰紀
健康福祉局長 老人福祉センターについてお答え申し上げます。
老人福祉センターは、無料または低額な料金で高齢者の相談、健康の増進、教養の向上及びレクリエーションのための機能を総合的に提供することを目的といたしました老人福祉法に規定されます老人福祉施設でございます。
本市が設置する老人福祉センターは10カ所でございまして、全ての施設で指定管理者制度を導入しております。年間延べ約10万人の高齢者に利用いただいているところでございます。
しかしながら、老朽化した建築物が多く、また高齢者の増加に伴い、そのニーズも多様化しておりますことから、熊本市公共施設等総合管理計画におきまして、施設の統廃合を含め、今後の方針を検討いたしまして、老朽化対策や施設機能の見直しに取り組むこととしているところでございます。
〔小佐井賀瑞宜委員 登壇〕
◆小佐井賀瑞宜 委員 皆様には、老人福祉センターの件について理解を深めていただくために、この詳細な資料を提示させていただきました。A3の横長の資料でございます。比較対照表のようになっておりますので、こちらの方もごらんいただければと思っております。
個別に比較してみると、よくおわかりになると思いますけれども、建築年数によって、全般的に老朽化が著しい様相が見てとれます。そして、本日、私が課題提起しております風の湯と比較すれば、この問題の奥深さが一層理解できるものと思います。風の湯よりも古い施設が多く、中でも老朽化が著しい施設が7カ所ほど存在いたしております。ここに、風の湯を利用される方の心情としての核心的部分が含まれているわけでございます。風の湯とは比較にならないほど老朽化している施設は存在しているのに、どうしてこの施設が廃止になるのか、理解に苦しむという心情が含まれているわけでございます。
ちなみに、私もほかの老人福祉センターの施設状況について、政務調査で実地視察をしてまいりました。風の湯と同じように、周辺に民間の温泉施設のあるところも参りました。施設の老朽化はもちろんのこと、管理状況に至るまで、比較にならないほど風の湯は恵まれているなと感じ取ったところです。その内容を含め、状況については、私が報告書を記させていただいておりますので、これはまた執行部の皆さん方にも後ほどお渡ししても構いません。写真も含めて、4ページにさせていただいております。
先般、利用状況を区で、採算性の問題や施設整備の問題を主に挙げていらっしゃいましたが、行革の観点や公共施設マネジメントの視点が先行するのであれば、目のつけどころの順序が間違っているよねと言いたくなるのは私だけではないと思います。つまり、利用者からは、行政の行革の視点として、公平さ、公正さが損なわれているとの指摘がなされておりますけれども、この指摘に対し、正当な理由を持って理解を求めない限り、今回の廃止条例とともに、予算の打ち切りは、市民感情としては容易に認められないのではないかなというふうにも感じております。また、このことは、熊本市にとっても禍根を残すことにならないかと危惧いたしております。
今回のこの課題に対し、市長はどのようにお感じになっていらっしゃいますでしょうか。さらに、今後の対応をどのように図られるのでしょうか、御所見を伺っておきたいと思います。
大西市長にお尋ねいたします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 本市では、公共施設等総合管理計画を策定いたしまして、公共施設等の設置目的及び市民ニーズを踏まえた施設の役割、必要性について検討を行うこととしております。
そこで、植木温泉福祉交流館につきましては、先ほど北区長が答弁を行いましたとおり、利用実態や運営状況等を総合的に判断して、今回、公共施設としての機能を廃止することとしたところでございます。
しかしながら、当該施設は本市の重要な観光資源でもある植木温泉地区に位置しておりまして、今後、民間活力を取り入れるなどして、周辺地域との一体的な魅力向上に資することが重要であると考えております。このようなことから、引き続き、地元の皆様の御意見を丁寧に伺いながら、施設や泉源の利活用について、北区と関係部局が連携し協議を進めることで、地域主義の理念に基づくまちづくりを推進してまいりたいと考えております。
〔小佐井賀瑞宜委員 登壇〕
◆小佐井賀瑞宜 委員 市長も、公共施設としては機能を廃止されると明言されておりますので、私も大変複雑な思いが渦巻いております。ただ、市民の心情を酌み取り、民間活力を取り入れるとの方向も明示されておりますので、一日も早く再活用の日が訪れますよう願うばかりであります。
冒頭から述べてまいりましたように、市民意見の聴取、他の類似施設の視察、アンケート調査票の精査など、短期間で随分時間を要しながら、私なりには真摯に対応してまいりました。そして、本日に至ったわけでございますが、心境は非常に複雑でございます。風の湯を利用されてきた方々の心情を推察すると、とても忍びないものというふうにも感じます。同時に、やり場のない怒りさえ感じるわけでございます。
そのようなことを思うと、限られた時間でこの課題の根源をどこまでも追及せざるを得ないというのが本音でございます。そして、そのような過程の中で見えてきた結果は、この問題を複雑化している要因の一つが行政内の組織上の違い、いわゆる所管の違いということを指摘申し上げておきたいと思います。
お聞きのとおり、風の湯は北区役所内の総務企画課が所管でございます。そして、老人福祉センターは本庁健康福祉局がその任を負っております。だからこそ、老人福祉センターは採算性を求めない福祉拠点であるため、公共施設等総合管理計画の検討の携わり方に明らかに差が生じているのではないかというふうにも感じ取れるところがございます。風の湯よりも慎重に検討されております。しかし、私が視察した限りでは、その設置趣旨も実像もともに、風の湯も老人福祉センターもおおむね同施設というふうに捉えられます。
所管の違いで同時に比較検討できないということは、市民からしてみれば、道理は通じません。ですから、利用者からすれば、なぜこの施設なのか、いまだ得心に至らないというのが正直なところでありましょう。現状としては、当初予算は上程されておりませんので、4月1日からは閉館を余儀なくされるわけです。しかし、この件についての陳情も上がっております。担当課には、風の湯の再開が早々に実現しますよう、新たな手続を進めていただきたいと存じます。
そして、この件の結びに加えて結論をつけて申し上げるならば、今回の問題の要点、要因は、大きくは2点でございます。プロセスや行政上の瑕疵を指摘されるということが1つ、もう一つが、行政の所管の違いは市民感情を酌み取ることができない事実があるということでございます。
本来であれば、風の湯については、設置趣旨を含め、その実像から、10年前の合併協議の中で福祉部局へ移管させるという協議の作業を進めるべきであったというふうに私は感じております。このお答えは、以前、一般質問で申し上げました学童保育の件と類似して、今も課題が存在しているわけでございます。このような事実を直視しなければ、
新市基本計画の延長を提案しても、合併協議の市民感情は救われないということを御認識いただきたいと存じます。過去に責任を追及することはできませんが、この事案の反省を真摯に受けとめ、今後の教訓としていただくことを願うばかりであります。
さて、続いては、教育予算の全体像に目を向けながらお尋ねさせていただきたいと思います。
平成31年度の教育関連予算は、一般会計中の全体構成では17.2%で、民生費に次ぐ予算規模です。昨年からの伸び率も3.4%拡大しております。
具体的施策の内容では、指定都市トップレベルのICT教育環境の推進経費のほか、外国語指導助手ALTの拡充や特別支援等も含め、ハード、ソフトともに大胆かつきめ細かな配慮のもとに予算編成が上程されたと感じます。私としましては、ICT関連を含め、以前から提言を申し上げていた施策が数多く見受けられますので、及第点をつけるにふさわしいものとして大きく期待が膨らんだところです。
ところが、つい先日、市民の方から特別支援にかかわる問題に対し御相談いただきましたので、そのことを教育委員会に文書で報告したところでございました。ただ、その後、現状を伺い、一抹の不安も抱きましたので、改めてその課題を提起し、見解を求めたいと思います。
問題の核心的部分というのは、学級支援の配置経費というところです。
この件は、御案内のとおり昨今の教育現場における特別支援教育の拡充に伴い、対象となるべき児童・生徒の安全性や学習環境を担保するため、学校に支援員を配置する制度でございます。私も長いこと学校現場を拝察し、特に低学年児童の教室内で担任教師が一人一人の児童・生徒の対応に苦慮されている厳しい現実を目の当たりにしておりますので、学級支援の先生の配置には大変期待を抱くところでございました。
そのような中、地元の小学校で病気療養中のため、車椅子を余儀なくされる女子児童の存在が気になっておりました。ところが、新年度を迎えるに当たり、新しく入学してくる児童に特別支援の対象となり得る児童が多く存在しているとの情報により、支援員の業務の分散化が懸念される旨の相談が寄せられたところでございます。学校にも確認いたしましたところ、大変苦慮されているということが判明いたしました。
そこで、その事実関係を記載した住民相談概要書の報告書を提出したところでございました。次の日には、教育長みずからが現状について丁寧な説明にお越しになりました。人員配置については、少しずつ拡充を図っていらっしゃることを伺いました。しかし、学校全体数から見て、到底追いつかない大変厳しい現実も理解したところです。結果を目の当たりにして、不安感を抱いたところであります。
今期の定例会における予算編成につきましては、教育部門について大胆な施策の展開に大変期待が高まります。しかし、他方で、現場で不安視される課題が渦巻いていることを考えれば、複雑な心境に至ったところでございます。そこで、この教育予算の編成方針とともに、このような教育現場での課題点の克服について、今後どのように考えるべきか、お尋ねしたいというふうに考えた次第です。
事業の進め方と予算編成の考え方につきましては、基本的には例年定着し、なおかつ効果の高い事業をベースに、その発展性と効果性を見込み、予算の柱ができ上がってくると思います。また、時代が求める施策の展開など、国の法律改正や関係趣旨に沿った制度の改正によって生じる予算、さらには市民の要望によるものや、新たな研究成果による実証実験などの事業展開を行うための予算等で編成されるというふうに考えます。いずれもビルド・アンド・スクラップの原則を用い、緊急性の高さや効果的な事業に焦点が当たり、その必要性が精査された中で歳入歳出のバランスを構築されるものと私は認識いたしております。
そのような精査のもとに、構築された今回の期待が膨らむ平成31年度の教育予算ではございますけれども、現場において即時対応が求められているような学級支援員の配置等については、どのように課題解消を図る方針でしょうか。特別支援教育にかかわる学級支援配置経費等の拡充と教育費全体の配置バランスの考え方、その整合性について、教育長にお尋ねいたします。
〔
橋爪富二雄教育次長 登壇〕
◎橋爪富二雄 教育次長 教育委員会における教育関連予算の計上の方針と、特別な支援を要する児童・生徒に対する支援についてお答えいたします。
平成31年度当初予算案における教育委員会が所管する教育費には、第7次総合計画に掲げられた上質な生活都市の実現に向け、誰もが安心して子育てできる環境を整えるために必要な経費を計上しております。委員御指摘の点も含め、取り組むべき課題は山積しており、まだまだ不十分な点はあると思っております。
今回は、これまで特におくれていたICT教育環境の整備に取り組むことで、子供たちの学習意欲と学力の向上に重点を置いております。また、一人一人へのきめ細かい指導という点では、学校改革、教員の時間創造プログラムに基づき、教員の働き方改革を推進することで、教員がゆとりを持って子供たちと向き合う時間の確保につながるものと考えております。
プログラムの3つの取り組み方針の一つには、マンパワーの充実も掲げており、現場の状況把握に努めながら、特別な支援を要する児童・生徒の支援体制の強化にも取り組んでまいります。
〔小佐井賀瑞宜委員 登壇〕
◆小佐井賀瑞宜 委員 学校現場の業務や求められているものは、ハード面、ソフト面ともに短時間の間に著しく変化していることを痛切に感じております。私もICT教育環境の整備に向けた取り組みなどについては、お示しのあったとおり、子供たちの学習意欲の向上とともに、習熟度の効率的、効果的な向上に寄与することにつながるというふうに受けとめておりますので、まさに市長並びに教育長の英断だというふうに思っております。
ただし、一方では、新たな事業展開は、学校現場にとっては時間的、労力的にもさらなる負担が生じることも不安視されます。ただ、そのことも踏まえて、教育委員会としては、教師の働き方の改革にも寄与するプログラムにも視点を置いていらっしゃることは評価させていただきたいと思います。
ここ数日間、執行部の皆さんと意見交換を行う中で、得たものもございます。それは、今後新たな環境を整えることが、ひいては特別支援の対象となる児童が落ち着いて学習を行っていけるような環境が整い、そのことでおのずと学級支援員配置の軽減にもつながるのではないかと、勝手ながらに期待を抱いたところでございました。ぜひ教育現場の好循環を生み出していただきたいと願っております。
そのような意味からすれば、個々の課題解消のための予算措置は基本ではありますけれども、さまざまなプログラムの構築によって得られる効果が、予算の有効活用という点から見えたように感じます。やはり予算措置については、トータルの視点も欠いてはならないということを改めて私自身が感じたところでございます。
さて、私の結びの項目につきましては、執行部との意見交換の中で目指すべき大きな方向性は1つであるということを確認させていただきましたので、冒頭述べましたとおり、提言並びに要望にかえさせていただきたいというふうに思っております。
今回、LGBT等啓発経費が上程されていた件でございます。
私は、日ごろから過度の干渉や偏見が闘いや騒乱の根源の一つであるという思いを抱いておりましたので、人権を大切にする世界観については大いに賛同したいと思っております。とは申せ、認識の浅い私でございましたので、以前から担当課の皆さんに今後の熊本市の具体的活動について御教示をいただき、意見の交換を進めさせていただいたところでした。啓発のための概要の記載されたパンフレットなどもいただき、目を通しました。それゆえ、今回上程されていたLGBTの啓発経費については、興味深く注視した次第でございます。
結果を申せば、啓発はぜひ進めていただきたい。でも、皆様、御承知のとおり、このLGBTの件については大変ナイーブな面を含んでおりますので、表現にとても気を払わなければならないような機運も現実には存在いたしております。だからといって、課題の根源を置き去りにし、社会的問題の断片的なものだけが先行するようなことになれば、意見が二極化するおそれも否めません。それでは本当の理念は反映されません。本当に願いを込めて、救いを求めている方を救うことはできません。私個人の知人にもこの対象となる方は複数いらっしゃいます。皆さん、とても優しい心根をお持ちの方ばかりであります。このような方々が悲しむような事態になってはならないという思いを私自身が抱いております。
ゆえに、今後の啓発の手法やその取り組み方については、正しい論拠のもとに慎重に丁寧に進めていただき、そして人権の理念と理解が円滑に社会に浸透してまいりますよう、そのように取り組んでいただくことを要望申し上げたいと思っております。
それでは、私の用意いたしました質疑は、これにて終結いたします。
それでは、次に、私以上に夜間パトロールにいそしんでいらっしゃる盟友の高本委員にバトンを委ねてまいりたいと思います。
以上でございます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○満永寿博 委員長 小佐井賀瑞宜委員の質疑は終わりました。
次に、高本一臣委員の質疑を行います。
〔高本一臣委員 登壇 拍手〕
◆高本一臣 委員 パトロール隊長の自民党市議団、高本一臣です。
早速、来年度の当初予算につきましての質疑を行いたいと思います。
まず1点目、一般会計の歳入歳出予算の内訳についてお尋ねしたいと思います。
平成31年度当初予算案のポイントにより、一般会計歳入予算の内訳において、市債は539億円となっております。これは、前年の548億円から減ったものの、震災前と比較すれば増加しております。
一方で、歳出予算の内訳を見ますと、市債を返還するための公債費は、ここ5年間で300億円弱で推移しております。そのため、市債残高は4,720億円と過去最高となっております。これは震災関連費、それから臨時財政対策債も含めて、そういう金額となっております。この借金は次世代へのツケ回しになるのではと危惧いたしますが、市債額及び市債残高に対しての現状の見解と今後の見通しをお尋ねいたします。
もう一点、また歳出予算の目的別を見ますと、民生費が全体の約4割を占めております。これは前年度から41億円の増加であり、10年前と比較すれば1.7倍の額となっております。2025年、2040年問題を考えると、さらにふえることが懸念されますが、民生費の将来の見通しをお示しください。
財政局長にお尋ねいたします。
〔田中陽礼財政局長 登壇〕
◎田中陽礼 財政局長 一般会計歳入歳出予算の内訳に係るお尋ねについて順次お答えいたします。
委員御指摘の市債発行額につきまして、熊本地震発生前の平成28年度当初予算と今回の平成31年度当初予算案を比較いたしました場合、臨時財政対策債及び熊本地震分を除きます通常分の市債発行額は同程度となっております。一方、臨時財政対策債の発行額が15億円増加いたしますとともに、平成31年度におきましても、引き続き熊本地震分の市債を68億円発行いたしますため、市債発行額全体といたしましては増加しているところでございます。また、市債残高につきましては、臨時財政対策債及び熊本地震分を除きます通常分の残高は近年横ばいで推移してきたところでございます。
今回お示しいたしました財政の中期見通しにおきまして、そうした通常分の市債の将来的な見通しにつきましては、中心市街地整備や仮置きで算入いたしました本庁舎整備等の影響によりまして、発行額が膨らむ年度もございます。その残高は一定期間増加するものの、2026年度をピークに減少いたしまして、2,500億円程度の水準におさまっていくものと見込んでいるところでございます。
加えて、こうした市債の残高や償還の状況につきまして、財政の健全性を示す各種の財政指標の今後10年間の推移を推計いたしますと、著しい悪化は招かないものと見込んでいるところでございます。
しかしながら、一時的な市債残高の増加でありましても、健全な財政運営を続けるに当たりましては、留意すべきものでございまして、将来の公債費負担につながることから、将来を見据え、引き続き歳入歳出両面から収支改善に向けた取り組みを継続強化していく必要があると考えているところでございます。
次に、民生費の今後の見通しでございます。
委員お尋ねの民生費につきまして、今回お示しいたしました財政の中期見通しの中では、平成31年度当初予算案の1,360億円を基礎に、保育関連を初めとする扶助費等の近年の推移や今後の高齢化の進展等を踏まえ、年平均1から2%ずつ増加していくものと推計しておりまして、2023年度には約1,440億円になると見込んでおります。民生費の約7割を占める扶助費は義務的経費でございまして、その増加は財政の硬直化にもつながりますことから、将来にわたって、その推移には留意すべきものと考えておりまして、先ほども申し上げましたが、今後とも歳入歳出両面から収支改善に向けた取り組みを継続してまいりたいと考えております。
〔高本一臣委員 登壇〕
◆高本一臣 委員 答弁によりますと、市債の残高は2026年度をピークに減少するとのことでした。しかし、御承知のとおり団塊の世代が2025年ごろまでに後期高齢者、75歳以上に達することにより、介護、医療費などの社会保障費の急増が懸念されております。
昨年9月の一般質問で私は、社会保障給付費の長期推計と市財政計画との整合性について、国、政府は長期的な視野に立った費用抑制策や税、保険料負担のあり方を検討していくこととなり、本市としても高齢者がピークとなる2040年を見据えた長期の財政計画に着手すべき時期だとお尋ねいたしました。
今回の代表質問でも我が会派の津田団長が質問されておりますが、将来にわたって計画的な財政運営を行っていくためには、議論を深める時期にあることを再度申し上げまして、次の質問に移ります。
続きまして、予算案のポイント、7ページに掲載されております震災復興計画の着実な推進の災害公営住宅整備事業についてお尋ねいたします。
災害公営住宅整備事業について、12億7,790万円の予算が組まれており、全8カ所326戸の年内完成を目指すとしてありますが、うち大江、秋津、白藤については建設工事がおくれていると伺っております。
その点について3点お尋ねいたします。1つ目、そのおくれている原因、2つ目、おくれている工期に対しての今後の契約手法、3つ目、完成までの今後のスケジュール、以上3点を
都市建設局長にお尋ねいたします。
〔
田中隆臣都市建設局長 登壇〕
◎田中隆臣
都市建設局長 災害公営住宅の工事のおくれについてでございますが、団地ごとの個別の事情もございますが、熊本地震後の復旧等の本格化に伴い、人手や資材等の不足、機材の調達などが主な要因でございます。これまで受注者と工程調整等を重ねてきましたものの、結果として完成予定が、白藤、秋津については本年8月末、大江については同5月末となったところでございます。
次に、契約に関するお尋ねでございますが、白藤、大江につきましては、早期事業着手のため、平成28年度補正予算を活用し、平成29年度当初に契約を行い、工事を進めてまいりましたが、財政法による事業の期限が事故繰越の平成30年度までとなっていることから、今回の延長予定工期である平成31年度まで繰り越すことができない状況でございます。そこで、国・県と協議を行った結果、平成28年度補正予算の期限であります平成30年度までに完了する分、前工事と平成31年度に施工する分、後工事に分け、さらに後工事の契約につきましては、早期に完成させなければならないことから、前工事の施工者が引き続き工事を行う必要があり、随意契約を予定しております。
また、秋津につきましては、平成29年度予算で執行しておりますことから、改めて契約締結する必要はない状況でございます。
その他の災害公営住宅のスケジュールにつきましても、3団地以外の塚原は御案内のとおり1月末に完成し、舞原第一・第二については本年3月末、南熊本は同11月末、舞原第三につきましては同12月末の当初予定工期完成に向け、順調に工事が進んでおり、今後とも予定工期内の完成に向け、工事の進捗管理を行ってまいります。
〔高本一臣委員 登壇〕
◆高本一臣 委員 白藤の災害公営住宅につきましては、5億円を超える随意契約が今回の議案で上程されております。これは当然議会の議決が必要な額であり、本来ならば、このような工事額の随意契約はあり得ないことであることを指摘しておきます。
また、工事のおくれは震災復旧のおくれでもあります。被災者の方々が一日も早く災害公営住宅に住めるよう努めていただきたいと思います。
続きまして、第7次総合計画の推進について、主に新規事業についてお尋ねいたします。
予算決算委員会説明資料74ページ、本庁舎のあり方調査検討経費についてお尋ねいたします。
本庁舎のあり方調査検討経費について、庁舎は昭和56年に建てかえられましたが、平成29年度に耐震性能の評価を行い、結果、基準を満たさないことが報告されております。そこで、公共施設マネジメント調査特別委員会において調査並びに議論が始められたところであります。現時点では議会の見解は決定していませんが、市長は市民の生命と財産を守るための拠点として、本庁舎の建てかえを前提に、市民の皆様にあらゆる情報を公開しながら慎重かつスピーディーに対応してまいりますとマニフェストでも述べられております。
今回の調査検討経費は、マニフェストからすると、本庁舎の建てかえに対しての始まりの始まり的な予算とも推察されますが、この3,240万円で一体何を調査されるのか、大西市長にお尋ねいたします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 平成29年度に実施いたしました耐震性能評価の結果、本庁舎は、防災拠点はもとより、一般施設としても現行の建築基準法における耐震基準を満たしていないことが判明いたしまして、さらには耐震改修が実現困難でありますことから、現在、建てかえを前提に検討を深めているところでございます。
新年度は、市民の御意見や議会での御議論などを踏まえ、平成30年第4回定例会の公共施設マネジメント調査特別委員会にて御提示させていただきましたとおり、平成31年度中に本庁舎建てかえに関する方向性を決定したいと考えております。
そこで、議論を深めるために必要な市民説明会の開催や市民意向把握のためのアンケート調査、また公民連携による整備手法の可能性調査、さらには交通解析調査などの予算を計上したところでございます。熊本地震を経験いたしました本市といたしましては、防災拠点施設である本庁舎の耐震性確保は決して先送りできない重要な課題でありますことから、慎重かつスピーディーに調査検討を進めていきたいと考えております。
〔高本一臣委員 登壇〕
◆高本一臣 委員 この経費につきましては、市長の答弁によりますと、議論を深めるための調査経費と理解いたしました。
御承知のとおり現庁舎は昭和56年に完成しておりますが、当時の星子市長が新庁舎建設表明されたのはその8年前の昭和48年、それから慌てず急がず市民の意見、議会の意向をじっくり聞いて、6年後の昭和54年に着工されました。また、第45代内閣総理大臣吉田茂は、こういうことを述べられています。五箇条の御誓文は日本の民主主義の原理である。つまり、この五箇条の御誓文の第1条にある言葉が、万機公論に決すべし、つまり天下の政治は世論に従って決定すべきであるという意味でもあります。今後は市庁舎のあり方については、市民はもとより、議会とも十分な議論を深めていただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
続きまして、75ページに掲載されております災害対策本部機能強化経費についてお尋ねいたします。
この経費2億2,100万円強について、災害対策本部機能強化基本計画策定業務委託等と記載されておりますが、この予算の中身について詳細をお尋ねいたします。
政策局長にお尋ねいたします。
〔古庄修治政策局長 登壇〕
◎古庄修治 政策局長 災害対策本部機能強化経費についてお答え申し上げます。
大型台風や記録的な大雨などによる風水害から市民の生命、財産を守るためには、刻々と変わる気象情報や河川の水位情報等を正確かつ迅速に収集・分析して、被害の発生等を予測した上で避難勧告、指示などの情報を適切かつタイムリーに市民に伝えることが最も重要であると考えています。このようなことから、新年度予算案において災害時の迅速かつ効率的な情報収集・共有体制の構築に向けて、最新の防災システムへの移行に必要な経費を計上しているものでございます。
これまでは多岐にわたる災害情報を個別に収集していたため、これらを整理・分析して判断する作業は手作業の上、複雑でありまして、経験者に頼るところが多かったものでございますが、新防災情報システムに移行することで、災害情報、気象情報、被災地の状況等が整理され、地図上に可視化されるようになります。また、映像インターフェイスも実装されておりまして、誰でも避難情報等を迅速かつ的確に判断できることとなりまして、本市における災害情報の正確かつ迅速な分析、そして発信力の強化・向上が図られるものと考えております。
〔高本一臣委員 登壇〕
◆高本一臣 委員 答弁によりますと、最新の防災システムに移行すれば、正確かつ迅速な分析、発信力の向上が図られるということでありましたので、その情報が災害時において正確に伝わり、避難が確実に行われるよう期待しております。
続きまして、同じく99ページ、市税情報システム改修経費についてお尋ねいたします。
市税情報システム改修経費6,920万円のうち、1,295万円のクレジットカードによる市税収納対策経費についてお尋ねいたします。
この予算は、初期投資のみの費用なのか、それとも毎年必要な費用なのか、お尋ねいたします。
また、この事業の導入により市税収納率向上にもたらす効果はどれくらいなのか、数値で示していただくことができれば、お示しください。
財政局長にお尋ねいたします。
〔田中陽礼財政局長 登壇〕
◎田中陽礼 財政局長 市税情報システム改修経費についてお答え申し上げます。
平成31年10月から導入予定の市税のクレジットカード納付のコストにつきましては、導入に伴う市税情報システム改修に要する単年度経費が約1,250万円、維持管理に係る費用が平成31年度は半年間で約33万円でございます。
効果につきましては、収納率への影響を数値で示すことは困難でございますが、納期内の自主納付が促進され、滞納件数が減少することで督促や催告等の事務の効率化が図られ、ひいては収納率向上につながることも期待できると考えております。
本導入の最も大きな目的は、納税者が場所や時間を選ばずに自由に納付できる環境を整えることによる納税者の利便性向上であると考えているところでございます。
〔高本一臣委員 登壇〕
◆高本一臣 委員 予算のうち、ほとんどが初期投資費、ランニングコストは半年で33万円だから、年間66万円ということが判明しました。わかりました。
ただ、残念ながら、収納率の影響を数値で示すことは困難との答弁でした。本市は、御承知のとおり市税収納率が政令市において最低クラスであります。システム改修に1,250万円もの額を費やすのでありますから、せめて収納率をこれぐらい上げますというような費用対効果を具体的な数値で示していただければよかったんですけれども、そのことはお願いしておきたいと思います。
続きまして、189ページ、子どもの未来応援基金関係経費についてお尋ねいたします。
子どもの未来応援基金関係経費440万円のうち、子ども食堂に199万円の予算が計上されております。この予算は、どのような助成を考えていらっしゃるのか、また、この助成金において何カ所程度の支援を想定されているのか、
健康福祉局長にお尋ねいたします。
〔
池田泰紀健康福祉局長 登壇〕
◎池田泰紀
健康福祉局長 子どもの未来応援基金関係経費についてお答え申し上げます。
これまでエンゼル基金といたしまして、子育て支援に取り組む団体等を市として助成を行ってきたところでございますが、それに加えまして、子どもたちに対する支援を拡充いたしますため、子ども食堂を運営されます団体に対しまして新たに助成を行うものでございます。具体的には、子ども食堂の立ち上げや運営等に係る経費の助成を行うものでございまして、運営団体からの要望に応えまして、現行では助成対象外の食料費に対し助成を行うものでございます。
平成31年度は、立ち上げ等に係る助成といたしまして、7団体を想定いたしまして計35万円を、運営に係る助成として18団体を想定いたしまして、子ども食堂の開催回数に応じて計164万円を計上するものでございまして、子ども食堂の安定的かつ持続的な運営に資するものと考えているところでございます。
〔高本一臣委員 登壇〕
◆高本一臣 委員 この事業に関しては、ただいまの答弁をお伺いしますと、利用者のニーズに応えてくれる事業だと認識いたしました。今後は、食事の提供だけではなく、この事業を行うに当たり、幅広い視野に立っての支援ができるよう要望しておきます。
続きまして、5番目と6番目はまとめてお尋ねしたいと思います。
まず、移住促進雇用対策事業につきましてお尋ねいたします。
302ページに載せてありますけれども、4,800万円の事業内容と、その対象年齢層についてお尋ねいたします。
続いて、6番目、地方創生移住支援事業には5,000万円の予算が組まれておりますが、その事業内容と1人当たりの助成額、どのような職業をターゲットとしているのか。
以上、経済観光局長にお尋ねいたします。
〔平井英虎経済観光局長 登壇〕
◎平井英虎 経済観光局長 まず、移住促進雇用対策事業についてお答えいたします。
熊本連携中枢都市圏域の労働力人口の増加と移住促進を図るため、東京圏等からの幅広い年齢層における移住希望者を対象としました国内最大規模の移住ツアー型合同就職面談会として開催するものでございます。
対象者は東京圏200名、関西圏60名、福岡県40名の計300名の県外在住者を想定し、本市が参加旅費の一部を負担することで本市へ招待し、連携中枢都市を含めた移住ツアーと地場企業等120社との合同就職面談会や移住セミナーなどを2泊3日の行程で実施するもので、移住者の目標は30名を見込んでおります。
次に、地方創生移住支援事業については、東京一極集中の是正及び地方の担い手不足対策のため、国の地方創生推進交付金を活用し、移住者に対する支援金として国が2分の1、県と市がそれぞれ4分の1の負担割合で上限100万円の支給を行うものでございます。
支給対象者につきましては、移住直前に連続して5年以上東京23区内に住んでいる方または通勤されている方が熊本市に移住し、熊本県が選定しました中小企業等に就業された方であります。
〔高本一臣委員 登壇〕
◆高本一臣 委員 移住促進雇用対策事業に関しましては、国内最大規模の移住ツアーということでしたが、その割には移住者の目標が30名と、随分控え目な目標に感じました。
また、地方創生移住支援事業に関しましては、支援支給対象者が県が選定した中小企業に就業された方とのことでしたので、できるだけ多くの企業が選定されるよう県に働きかけていただきたいと思います。
この2つの事業は、移住促進雇用対策事業が復興基金、それから地方創生移住支援事業は国の支援事業と、それぞれ異なっておりますが、目的は一緒だと思いますので、お互い相乗効果を持って多くの方が熊本市に移住されてこられることを期待しております。
続きまして、7番目、361ページの都市デザイン推進経費と、それから8番目のバス事業運行効率化支援経費については、まとめてお尋ねしたいと思います。
まず、都市デザイン推進経費についてお尋ねいたします。
この事業費には4,200万円が計上されております。内容を読んでみますと、中心市街地の創造に向けた各種調査経費と記載されておりますが、その詳細な事業内容と先進地調査研究に800万円というふうに計上されています。一体どの国、どの地方を想定されているのか、お尋ねいたします。
また、バス事業運行効率化支援経費につきまして、バス事業運行効率化支援経費500万円の基礎調査経費補助の事業内容と、どこにその補助金を補助するのか。
以上、
都市建設局長にお尋ねいたします。
〔
田中隆臣都市建設局長 登壇〕
◎田中隆臣
都市建設局長 まず、都市デザイン経費についてお答えいたします。
現在、中心市街地では、桜町・花畑地区や熊本駅周辺地区におきまして、交通拠点機能の向上や魅力ある都市空間の創造が進んでおり、今後はこの効果を中心市街地全体に波及させていくことが重要となります。そのため、利便性の高い公共交通等により気軽にお出かけしやすく、歩いて楽しい、昼も夜も魅力あるまちとなるよう取り組みを進めていくことが必要と考えております。このようなことから、来年度は既存建築物の建てかえと一体的に公共空間を確保するとともに、駐車場の適正配置や魅力的な景観形成を図るため、既存建築物や駐車場の実態調査・分析等を行うものでございます。また、中心市街地をこれまで以上に発展させるためには、既成概念にとらわれない大胆な施策展開を図ることが必要と考えております。
このようなことから、交通や景観で先進的なまちづくりが行われているヨーロッパの都市を訪れ、現地の担当者等から直に見聞きをし、また肌で感じることで新たな施策展開に向けた調査・研究を進めてまいりたいと考えております。
次に、バス事業運行効率化支援経費についてでございますが、将来にわたって持続可能なバス交通のあり方について、バス事業者と県・市が連携して検討するための調査経費でございます。具体的には、バス事業者ごとに設定している路線網について、事業者の枠を超え、利用者にとってわかりやすく利便性の高いバス路線網を検討し、あわせて効率的な運行体制についても調査・研究するものでございます。
この費用につきましては、総額で1,500万円を見込んでおり、バス事業者、県・市がそれぞれ3分の1、500万円を負担することとなっております。また、本経費につきましては、バス事業者の代表である熊本都市バスへの補助として支出を予定しております。
〔高本一臣委員 登壇〕
◆高本一臣 委員 都市デザイン推進経費につきましては、中心市街地を既成概念にとらわれない大胆な施策を展開していくことが必要との答弁でした。一方で、きょう、パルコが撤退するという衝撃的な、寂しいニュースが、新聞の1面に出ていました。ただいまの答弁では、まだ事業内容が全体的に抽象的で少々わかりづらい感がしました。これから委員会等において具体的に説明されていかれると思いますので、この調査の結果、どのような中心市街地に発展されていかれるのか、今後に注目したいと思います。
また、バス事業運行効率化支援経費につきましては、実は、3月から私が利用するバスも、また便数が減るようなお知らせがバス停に張ってありました。便数が減れば、やはり利用者も減っていくと、負のサイクルが心配されます。答弁にもありましたように、利用者にとってわかりやすい、利便性の高いバス路線網になり、それがひいては利用者増につながりますよう期待を申し上げます。
続きまして、ちょっと戻りまして160ページ、児童育成クラブについてお尋ねいたします。
児童育成クラブ管理運営経費7億7,380万円、施設整備経費5,490万円が計上されております。この事業費の対前年比をお示しください。
また、県は来年度運営助成金を増額して、全市町村のクラブにおいて預かり時間の延長と対象学年の引き上げを目指す方向であります。本市としても、県同様に時間延長、6年生までの利用の期待が膨らみますが、その対応をお聞かせください。
教育長にお尋ねいたします。
〔
橋爪富二雄教育次長 登壇〕
◎橋爪富二雄 教育次長 児童育成クラブの予算はどのぐらいふえているのかということと、サービス拡充への今後の取り組みについてお答えいたします。
本市の児童育成クラブは、希望者のうち、要件を満たす全ての児童を受け入れておりますことから、施設の狭隘さの解消が最も重要な課題となっております。高学年の受け入れにつきましては、クラブの狭隘さの解消が必須であることから、現在、学校施設の利活用を第一に進めており、特に児童育成クラブの所管が教育委員会に移管された平成28年度以降、20カ所で学校施設を活用し、国の面積基準の充足を目指して改善を図っているところでございます。
平成31年度当初予算案における児童育成クラブ施設整備経費は、平成30年度の6,240万円から5,490万円に減少しておりますが、これは高額のプレハブ施設建設ではなく、多くの学校施設の利用による整備によって、より多くのクラブ環境の改善を図るものでございます。
高学年の受け入れにつきましては、受け入れが可能なクラブから対応を図ることとしておりまして、現在、4校での受け入れを実施しているところでございます。
時間延長につきましては、施設環境の改善はもとより、児童育成クラブ支援員の確保が最も重要な問題となっております。そのために、働きやすい環境を整えるため、今年度から保険制度の整備や月給制の主任支援員や短時間勤務の補助支援員制度を設けて、人員不足の改善を図っております。これによりまして、平成31年度当初予算案における児童育成クラブ管理運営経費は2,080万円の増額となっております。
これらの取り組みを進めてまいりますとともに、今後、利用者のニーズを見ながら方向性を検討してまいります。
〔高本一臣委員 登壇〕
◆高本一臣 委員 実は、私も子供が小学校に通っていたころは利用者の保護者でありました。学年の引き上げはもとより、利用時間の特に時間延長については、私だけでなく、やはりほかの利用していらっしゃった保護者の方からも、その当時から多くのお話、意見、要望を聞いております。今の答弁によりますと、対象学年の引き上げについては、可能なクラブから対応していきますということでありました。また、時間延長に関しては、さまざまな課題を改善していくと、いずれも実現に向けて前向きな答弁と捉えました。利用者のニーズに応えられるよう、しっかりと頑張っていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、最後に、361ページ、市電路線の延伸についてお尋ねいたします。
市電路線延伸調査設計経費6,100万円が計上されておりますが、3点についてお尋ねいたします。
1点目、事業主体者について、まず改めて確認させていただきますが、今回の路線延伸に関しては、交通局が実施されるのか、それとも本市が一般会計の中で実施される計画なのか、大西市長にお尋ねいたします。
続けてお尋ねします。
2つ目、市民意向調査についてお尋ねいたします。
自衛隊ルート沿線の居住者や従業員の意向調査に関しては、昨年の1月26日から2月19日の間に実施されており、その結果、8割が必要と回答された旨が報告されております。一方、よくよく資料を見ますと、沿線の居住者の回答は1,352名で、回答率は53.8%、従業員に至っては313人で回答率は32.4%にとどまっております。
そこで、
都市建設局長にお尋ねいたします。
自衛隊ルート沿線の居住者や従業員の意向調査だけを取り上げましても、より多くの意見を拝聴すべきだと考えますが、全市的な市民意向調査等についてお示しください。
3番目、事業効果についてお尋ねいたします。
自衛隊ルートの路線が延伸されると、年間約45万人が自動車交通から市電利用に転換し、年に1.7億円の費用便益を試算されております。しかし、ルート沿線の方々から伺った意向調査によると、これまでの利用頻度は月に1回から半年に1回程度利用する人の割合が約6割を占めております。また、この延伸効果は一定の範囲に限定されており、周辺地域にまで波及することには少々疑問がありますので、そこで
都市建設局長にお尋ねいたします。延伸に伴う新規利用者数45万人の利用見込みについて、その根拠をお示しください。
以上3点、1点目は大西市長、2点目、3点目は
都市建設局長にお尋ねいたします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 市電延伸につきましては、新年度、基本設計等に取り組みながら、検討の熟度を高めてまいりたいと考えております。この検討に当たりましては、基幹公共交通軸の機能強化という観点から、現在、都市建設局が主体で取り組んでいる状況でございます。実際の工事に当たりましては、軌道施設については交通事業会計、道路改良については一般会計での対応を想定しております。これは、近年、市電の延伸に取り組んだ札幌市においても同様でございまして、交通事業会計に対しては一定の繰り出しが行われております。
市電延伸の財源スキームにつきましては、新年度、基本設計を進める中で事業費の精査とあわせ、市電を延伸する場合に活用できる国庫補助金や交付税措置のある地方債など、本市にとって有利な財源を最大限活用できるよう検討してまいりたいと考えております。
〔
田中隆臣都市建設局長 登壇〕
◎田中隆臣
都市建設局長 私からは、市民意向調査等についてのお尋ねにお答えいたします。
まず、全市的な市民意向調査としまして、昨年度、熊本市のホームページを用いたウエブアンケートや全区役所オープンハウスでのアンケート調査を実施し、市政だより等で積極的な周知を行ったこともあり、2,014名の方々から回答をいただきました。この結果についてでございますが、市全体で75%の方が自衛隊ルートの延伸は必要と回答し、区ごとで見ますと、東区で約8割、その他の区で約7割の方が延伸は必要との回答であり、全市的にも延伸への理解があるものと考えております。
次に、事業効果についてでございますが、国が示します将来交通需要推計手法により、利用見込みを試算しております。これは、新たな鉄軌道や道路の新設により、人の移動がどのように変化するか、定量的に解析するものでございます。今回の市電延伸においては、平成24年度に実施しました熊本都市圏パーソントリップ調査のデータを用いて解析を行いました。その結果、新たな市電利用者数が年間約58万人、このうち自家用車からの転換が約45万人という解析でございました。
先日の一般質問における市長答弁のとおり、今後の都市交通においては、自家用車から公共交通への転換を進めていくことが不可欠でございまして、公共交通と自家用車のベストミックスの構築において、市電延伸は大きな取り組みの一つと考えております。さらに、市電延伸の効果を最大化し、日常生活の移動手段として、より多くの方に御利用いただけるよう、パークアンドライドやサイクルアンドライドの促進、市電とバスの結節強化といった取り組みも行ってまいりたいと考えております。
〔高本一臣委員 登壇〕
◆高本一臣 委員 市電延伸の事業主体者については、要は、私は交通事業を独立採算で行うのか、それとも市民の税金を使う一般会計で行うかを確認したかったものであります。今後また、そこのところを明確にしていただきたいと思います。
アンケートにおきましても、例えば独立採算で市民の税金は一切使わない、もしくは一般会計からの税金を使うか、そういうものを前提に置いてアンケートしておれば、回答の結果が違ったのではないかと考えます。
市電延伸に関しては、代表質問においても、我が会派の津田団長から、反対ではないが、財政上、優先順位をつけて交通体系を整えるべき、最優先は基幹道路網の整備や生活道路の安全確保の整備と質問されております。今回の答弁を踏まえて、我が会派では、さらに議論を深めていきたいと思います。
以上をもちまして自民党市議団の質疑を終わりたいと思います。
ありがとうございました。(拍手)
○満永寿博 委員長 高本一臣委員の質疑は終わりました。
以上で、
自由民主党熊本市議団の質疑は終わりました。
質疑の途中でありますが、この際、議事の都合により休憩いたします。
午後1時より再開いたします。
午前11時57分 休憩
───────────
午後 1時00分 再開
○満永寿博 委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
総括質疑を行います。
これより、公明党市議団の質疑を行います。
持ち時間は45分となっております。
まず、井本正広委員の質疑を行います。
〔井本正広委員 登壇 拍手〕
◆井本正広 委員 皆さん、こんにちは。
公明党熊本市議団の井本正広でございます。
今回は、藤永委員と2人で総括質疑を行います。よろしくお願い申し上げます。
平成31年度は震災復興計画の最終年度となり、復旧・復興の歩みをさらに加速させるとともに、新たな元号となる次の時代の幕開けであると同時に、市制施行130周年を迎え、未来への礎づくりを進める予算となります。
そこで、お伺いいたします。
平成31年度当初予算案の一般会計歳入予算の内訳についてお伺いいたします。
市税についてでありますが、当初予算案の概要5ページによりますと、市税は昨年度比較で伸び率5.5%、約60億円増の1,163億円を見込んでいます。内訳を見ますと、個人市民税は約47億円増の509億円、法人市民税は約2.9億円増の99.6億円、固定資産税は約10億円増の409.6億円、軽自動車税は約1億円増の18.5億円、市たばこ税は約1.2億円減の49.8億円となっております。
また、当初予算案のポイント3ページによりますと、県費負担教職員の権限移譲の影響で16億円の増加、緩やかな景気の拡大や復興需要を背景に、個人・法人市民税の増収が見込まれることから、前年度から60億円増になるとのことであります。その他、国・県支出金は幼児教育の無償化等に伴い増額となる一方で、地震からの復旧事業の進捗等に伴い23億円減の1,079億円になっています。
そこで、財政局長にお伺いいたします。
市税の各税目の増減理由をお示しください。
〔田中陽礼財政局長 登壇〕
◎田中陽礼 財政局長 市税の各税目の増減理由についてお答え申し上げます。
まず、個人市民税でございますが、熊本地震からの復興需要を背景といたしました景気の拡大によりまして、納税義務者の総所得金額が増加しておりますこと、また県費負担教職員の給与等の負担事務が道府県から政令市へ移譲されたことに伴いまして、本年度から個人住民税所得割の2%の税源移譲がなされたことなどにより、約47億円の増収を見込んでいるところでございます。税源移譲分につきましては、個人住民税の特別徴収が6月から翌年の5月までとなっておりまして、4・5月分は翌年度の収入となりますことから、平成31年度に約16億円の増収を見込んでいるところでございます。
次に、法人市民税でございますが、熊本地震からの復興需要を背景といたしました景気の拡大で企業収益が伸びておりますことから、約2億9,000万円の増収を見込んでいるところでございます。
次に、固定資産税でございますが、熊本地震に伴う家屋の解体や損耗減価の減収影響が縮小いたしまして、家屋の新増築が好調であることに加えまして、税制改正の影響を加味いたしまして約10億円の増収を見込んでおります。
次に、軽自動車税でございますが、税制改正によりまして、新たに環境性能割が創設されたことなどによりまして約1億円の増収を見込んでいるところでございます。
最後に、市たばこ税でございますが、税制改正によりまして税率は引き上げられましたものの、消費本数が減少いたしましたことにより約1億2,000万円の減収を見込んでいるところでございます。
〔井本正広委員 登壇〕
◆井本正広 委員 個人市民税、法人市民税ともに復興需要を背景とした景気の拡大により増加を見込んでいます。固定資産税については、熊本地震による減収影響が縮小し、家屋の新増築が好調であることと、税制改正の影響を見込まれております。軽自動車税は、新たな環境性能割の創設での増額を見込んでいますが、市たばこ税は消費本数が減少したことによる減収を見込んでいるとのことであります。
県費負担教職員の権限移譲の影響は31年度で終わります。復興需要を背景とした景気の拡大は一時的なものであり、続くわけではありませんし、熊本パルコさんが営業終了を検討しているとの報道も飛び込んできております。今後、特に個人市民税、法人市民税、そして固定資産税の増収対策につながる施策の展開が求められていることを指摘しておきます。
次に、歳出についてお伺いいたします。
一般会計のうち、熊本地震関連経費は前年度より60億円減少の239億円ですが、歳出総額は前年度と比べ49億円増額され、3,702億円です。
そこで、一般会計歳出予算、目的別の内訳についてお伺いいたします。
当初予算案の概要2ページ、目的別集計表によりますと、伸び率で商工費、消防費、総務費、教育費、民生費の順で伸びています。増額された要因をそれぞれお示しください。
逆に、減額されたものは諸支出金、災害復旧費、土木費、議会費、公債費の順で減額されています。主に熊本地震からの復旧事業の進捗に伴うとのことでありますが、減額の理由をお示しください。
財政局長にお伺いします。
〔田中陽礼財政局長 登壇〕
◎田中陽礼 財政局長 一般会計の目的別歳出予算の増減の内容についてお答え申し上げます。
委員御案内の目的別歳出につきまして、増額の主な要因を申し上げますと、商工費につきましては、最終年度となる熊本城ホール整備事業の増やプレミアム付商品券の発行に係る経費の計上でございます。消防費につきましては、新消防司令管制システムの整備経費の増、総務費につきましては、辛島地下駐車場改修経費の増や庁内ネットワーク整備経費の増、教育費につきましては、ICT教育環境の整備、外国語教育の推進、特別支援学校の整備に係る経費の増や国際スポーツ大会の開催経費の増、民生費につきましては、障害者自立支援給付費の増や幼児教育の無償化等に伴う保育関連給付費の増でございます。
次に、減額の主な理由について申し上げますと、諸支出金につきましては、交通事業会計への繰出金の減、災害復旧費につきましては、災害復旧の進捗に伴います災害廃棄物処理経費の皆減や学校施設等の公共施設の復旧経費の減、土木費につきましては、被災者の恒久的な住まいへの移行に伴いますみなし応急仮設住宅の借り上げ経費の減や災害公営住宅の整備経費の減、議会費につきましては、議会映像配信システムの改修経費の皆減、公債費につきましては、過去に借り入れました市債の定時償還額の減となってございます。
〔井本正広委員 登壇〕
◆井本正広 委員 目的別歳出予算で増額になったもののうち、商工費のプレミアム付商品券の発行、民生費の幼児教育の無償化等に伴う保育関連給付費等、それらの増加は国の施策に伴うもので、本市独自の施策による増加ではありません。また、減額について見ると、交通事業会計への繰出金の減少は、外部監査の指摘に基づくものであり、さらにはその他の減額は災害復旧関連経費の減少であります。このように見ると、目的別歳出予算の内訳については、本市の独自策によって大きく変化しているものではないと言えます。
その上で、熊本城ホール関連経費が最終年度になることや、災害関連経費も今後減少していくことが考えられ、目的別歳出予算の内訳は、今後、通常規模になると推測されることから、今後、本市として強化すべき目的別費目をどのような構成にしていくのか。第7次総合計画の中間見直しとあわせ、明確にしていくことを求めておきます。
次に、一般会計歳出予算性質別の内訳についてお伺いいたします。
当初予算案の概要3ページ、性質別集計表によりますと、伸び率で積立金、普通建設単独、補助費と扶助費の順で伸びていますが、逆に、貸付金、普通建設補助、災害復旧費、公債費、繰出金、物件費の順で減額されています。結果、義務的経費の伸び率2%、投資的経費は3.2%の減、その他経費は2.9%増です。投資的経費が減額された要因をお伺いいたします。
また、ポイント5ページによりますと、扶助費は障害者自立支援給付費や幼児教育の無償化等に伴う施設型・地域型保育給付費等の増加により、42億円増の996億円と説明していますが、扶助費への認識をお示しください。
財政局長にお伺いします。
〔田中陽礼財政局長 登壇〕
◎田中陽礼 財政局長 性質別歳出予算の内訳についてお答え申し上げます。
投資的経費につきまして、主な減額の要因を申し上げますと、災害復旧の進捗に伴います災害廃棄物処理経費の皆減や、学校施設等の公共施設の復旧経費の減によりまして、災害復旧費が20億円の減額となったものでございます。
次に、委員御指摘の扶助費でございますが、義務的経費でありますことから、その増加は財政の硬直化につながるものであり、将来にわたりまして、その推移は留意すべきものと考えておりまして、今後とも歳入歳出両面から収支改善に向けた取り組みを継続、強化してまいります。
〔井本正広委員 登壇〕
◆井本正広 委員 義務的経費の増加は、財政の硬直化につながるものとの認識でありました。そのとおりではありますけれども、一方、視点を変えますと、人件費の削減は行政機能の低下を招くリスクがあり、扶助費は社会保障制度の一環として住民福祉を支えるための経費であり、安易な削減は住民福祉を減少させるというリスクがあることを認識する必要があります。その上で、投資的経費を十分に賄える歳入構造にしていくことが重要であると指摘しておきます。
次に、
一般会計予算における市長マニフェストの実現状況についてお伺いいたします。
今回、多くの新規事業が盛り込まれました。昨年の市長選でマニフェストを掲げ、今回、その実現に向け、予算編成されたわけですが、全てを31年度に進めるのは現実として難しく、当然、優先順位を決めて予算化されたと思いますが、平成31年度でマニフェスト実現に向け、どこに重点を置かれたのか。その上で、平成31年度当初予算案が可決された場合の市長マニフェストの実現に向けた着手状況を市長にお伺いいたします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 さきの市長選で掲げましたマニフェスト2018は、第32代熊本市長としての4年間の経験を踏まえ、市政の最優先課題であります熊本地震からの復旧・復興を前に進め、そして、その先の未来をつくるための政策集として作成したものでございます。昨年12月の市長就任後、この中に掲げました10の決意や120項目の取り組みにつきましては、速やかに検討に着手し、中でも緊急性や優先度の高いものにつきましては、平成31年度予算案に必要経費を計上したところでございます。
具体的には、被災された全ての皆様の一日も早い住まい・生活の再建を最優先にさせていただきました。また、ICT教育の環境整備や外国語教育等への対応、バス、市電等の公共交通の機能強化に向けた施策、また健康ポイントの導入やがん検診の支援拡充などの健康づくりのための施策などに重点的に取り組んでいきたいと考えております。
私は、4年間の任期の中で、それぞれ優先順位を勘案しながら、マニフェストの実現に向け、全力で取り組んでまいりたいと考えております。
〔井本正広委員 登壇〕
◆井本正広 委員 緊急性、優先度の高いものを盛り込んだとのことであります。具体的には、住まい再建、教育、公共交通、そして健康などのことです。こうした方向には賛同いたしますが、4年間でどのような施策を展開するのか明確に示すため、第7次総合計画の中間見直しで明らかにするよう、改めて求めておきます。
次に、ポイントの28ページに主な廃止事業、見直し事業が掲載されています。昨年度の主な見直し事業の掲載数に対して、今年度は見直し事業の掲載数が約半数になっていますが、このことは適切にスクラップ・アンド・ビルド、事業の見直しはできているのでしょうか。また、廃止・見直しをする手法はどのような方式で行われるのでしょうか。
財政局長にお伺いします。
〔田中陽礼財政局長 登壇〕
◎田中陽礼 財政局長 事務事業の廃止・見直しについてお答え申し上げます。
当初予算の編成におきましては、これまでも各局長主導のもと、事業の必要性、緊急性、費用対効果などの観点に基づきまして、事業の新設や拡充、廃止や見直しを行いました上で、必要な予算の要求を受け、その後の予算査定におきましては、歳入歳出のバランス等を図りながら査定を行ってきたところでございます。
平成31年度当初予算編成におきましても、同様の手法で予算編成を行いましたが、結果として、昨年度と比べますと、主な見直し事業に掲載する事業の数が減ったものでございます。
〔井本正広委員 登壇〕
◆井本正広 委員 一時期華やかでした事業仕分けの手法は、採用されていないようであります。一方、各局長主導のもと、各局による見直しは、状況をよく御存じの反面、透明性の確保が重要であります。今後もさらなる情報公開に努めていただきたいというふうに思っております。
次に、財政の中期見通しについてお伺いいたします。
今回示された中期見通しについて、昨年3月示された財政の中期見通しから、前提においてどのような修正を行ったのでしょうか。大型事業、例えば市電延伸、本庁舎建てかえ等、決定はしておりませんが、中期の見通しには必要な費用はどのような形で反映されているのでしょうか。
財政局長にお伺いします。
〔田中陽礼財政局長 登壇〕
◎田中陽礼 財政局長 財政の中期見通しについてお答え申し上げます。
財政の中期見通しにおきましては、既に予算化しております継続事業に加えまして、計画段階にある事業につきましても、所要額を積み上げるなどして、今後5年間の費用及び財源等を推計しておりまして、毎年度当初予算時点でローリングし、お示ししているものでございます。
具体的には、委員御指摘の市電の延伸に係る経費につきましては、直近でお示しいたしました総額を今回の見通しから新たに織り込むとともに、本庁舎整備につきましては、昨年度想定しておりました老朽化に伴う大規模改修経費を控除した上で、平成29年度の調査結果における工事イニシャルコストの最大値をもとに仮置きで算入したところでございます。
〔井本正広委員 登壇〕
◆井本正広 委員 今回の中期見通しから市電の延伸に係る経費については織り込んであり、本庁舎整備については、工事イニシャルコストの最大値をもとに、仮置きで算入したとのことであります。今後、検討がなされる中で詳細がわかってきますので、その段階ごとの見直しを求めておきます。
次に、主要財政指標についてお伺いいたします。
昨年示された中期見通しと今回の中期見通しを比べますと、将来負担比率は平成31年度の143.8から138.1に減っておりますが、平成39年度の見通しでは140.3から146.8にふえております。経常収支比率は、平成31年度の90から90.5にふえておりますが、平成34年度の見通しでは90.6から92.3にふえております。実質公債費比率は、平成31年度の7.4は同じでありますが、平成39年度の見通しでは11.0から11.3にふえております。
このことから、主要財政指標の修正についてどのように捉えておられますでしょうか。
財政局長にお伺いします。
〔田中陽礼財政局長 登壇〕
◎田中陽礼 財政局長 主要財政指標についてお答え申し上げます。
先ほどお答えいたしましたとおり、今回の財政の中期見通しの作成におきましては、既に予算化しております継続事業に加えまして、計画段階にある事業に係る所要額や財源等をローリングいたしますとともに、平成29年度の決算の確定を反映させたこと等により、御指摘の財政指標の基礎となります市債残高や、その償還額、経常的経費の額などの推計値も変更したところでございます。今後10年間の推計につきましては、昨年度時点の推計と同様、いずれの指標も著しい悪化は招かないものと見込んでいるところでございます。
〔井本正広委員 登壇〕
◆井本正広 委員 今後10年間の推計については、いずれの指標も著しい悪化は招かないと見込んでいるとのことでありました。問題は、歳入歳出で述べたように、震災復興需要後の対策が果実を生み出していくのかが重要となってきます。大変なかじ取りであることは十分理解していますが、平成31年度からの3年間、どのような対策を進めていくのか、今後提案を含めて議論していきたいというふうに思います。
最後に、市債残高、臨時財政対策債残高、財政調整基金残高についてお伺いいたします。
昨年示された中期見通しと今回の中期見通しを比べますと、市債残高は平成31年度、3,053億円から2,953億円に減っておりますが、平成39年度の見通しでは2,924億円から3,081億円にふえております。臨時財政対策債残高は、平成31年度の1,977億円から1,922億円に減っておりますが、平成34年度の見通しでは2,318億円から2,155億円に減っております。
このことから、市債残高、臨時財政対策債残高の見通しの修正についてどのように捉えておられますでしょうか。
財政局長にお伺いいたします。
また、財政調整基金残高48億円の据え置きで、試算期間中の実質的な取り消しは想定していないとのことであるが、財政調整基金の目的と本市の都市規模に合った額をどのように考えておられますでしょうか。
市長にお伺いいたします。
〔田中陽礼財政局長 登壇〕
◎田中陽礼 財政局長 市債残高、財政調整基金残高についてお答え申し上げます。
先ほどお答えいたしましたとおり、既に予算化しております継続事業に加え、計画段階にある事業に係る所要額や財源等をローリングいたしますとともに、平成29年度決算の確定に伴う市債借入額の減少を反映させたこと等によりまして、市債残高につきましても、推計値を変更したところでございます。
その結果といたしまして、臨時財政対策債及び熊本地震分を除きます通常分の市債残高の状況につきましては、近年、横ばいで推移してきておりますものの、今後は中心市街地整備や本庁舎整備等の影響によりまして、一定期間残高の増加が見込まれるところでございますが、財政の健全性を示す、いずれの財政指標にも著しい悪化を招くことはなく、将来的な残高は2026年度をピークに減少いたしまして、2,500億円程度の水準におさまっていくものと見込んでおります。
しかしながら、一時的な市債残高の増加でありましても、健全な財政運営を続けるに当たりましては、留意すべきものでございまして、将来の公債費負担につながりますことから、将来を見据え、引き続き歳入歳出両面から収支改善に向けた取り組みを継続、強化していく必要があると考えております。
また、臨時財政対策債につきましては、直近の市税の増収や国における地方交付税総額の確保と臨時財政対策債の発行額の縮減に係る取り組みを反映したこと等により、残高が減少したものでございます。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 財政調整基金につきましては、不測の災害により生じた経費の財源として充てる場合や、経済事情の著しい変動により財源が不足する場合など、年度間の財源不足に備え、一定額を積み立てているものでございます。
財政調整基金の規模につきましては、市債管理基金も含めた特定目的以外の基金の積立額で見ますと、市民1人当たりの残高は政令指定都市の中で中位にありますが、積立額の適正規模等は特に定められたものではございません。今後も新たな災害の発生や経済事情の変動に対する備えは必要であることから、一定額を確保しておくべきと考えております。
〔井本正広委員 登壇〕
◆井本正広 委員 一時的な市債残高の増加であっても、健全な財政運営を続けるに当たっては留意すべきものであり、将来の公債費負担につながることから、収支改善に向けた取り組みを継続、強化していく必要があるとのことであります。しっかり取り組んでいただきたいというふうに思います。
財政調整基金残高につきましては、熊本地震前は100億円以上ありました。現在の日本では、いつ大きな災害が発生するか予断を許しません。適正規模は定められないかもしれませんが、十分な備えは必要であります。今後の検討に期待しておきます。よろしくお願いいたします。
以上で、私の質疑を終わります。藤永委員にかわります。
○藤岡照代 副委員長 井本正広委員の質疑は終わりました。
次に、藤永弘委員の質疑を行います。
〔藤永弘委員 登壇 拍手〕
◆藤永弘 委員 公明党市議団の藤永弘です。
では、早速質疑に入ります。
恒久住宅への移行に向けた支援についてお尋ねします。
平成31年度当初予算案のポイント7ページに、復興重点プロジェクト、一人ひとりの暮らしを支えるプロジェクトで全ての仮設住宅等入居者の方々が一日も早く恒久的な住まいを確保できるよう住まいの再建の最優先に取り組むとともに、その後の見守りや新たな地域でのコミュニティづくりなど、日常的な生活の再建に向け、きめ細やかな支援に全力で取り組みますとあり、昨年の12月末現在で仮設住宅等入居戸数4,978戸、恒久住宅への移行率58.5%と示されていますが、少し細かく現状をお聞きし、今後の対策をお聞きしたいと思います。
1点目、これまでの仮設住宅等から恒久住宅へ移行ができた世帯数を、復興住宅、自宅再建、公営住宅、民間賃貸別に示してください。また、移行できていない世帯と移行希望別世帯数をお示しください。
2点目、平成31年度予算案で検討している移行できない世帯への支援策をお示しください。また、これら支援策でどこまで移行が進むと推測しているのかをお示しください。
3点目、特に生活困窮者、高齢者、障がい者など、移行が困難と思われる世帯数と対策をお示しください。
以上3点を政策局長にお尋ねいたします。
〔古庄修治政策局長 登壇〕
◎古庄修治 政策局長 住まい再建に関するお尋ねに順次お答え申し上げます。
まず1点目の、これまで仮設住宅等を退去され、恒久住宅へ移行された世帯数についてですが、本年1月末で7,298世帯でございまして、内訳は自宅再建が3,441世帯、民間賃貸住宅が2,396世帯、公営住宅が894世帯、その他として親族宅や施設等が567世帯となっております。
また、本年1月末時点での仮設住宅等に入居されている4,690世帯の再建希望先についてでございますが、自宅再建が1,890世帯、民間賃貸住宅が1,774世帯、公営住宅が921世帯、その他が105世帯となっております。
次に、2点目と3点目のお尋ねについては一括してお答えしたいと存じますが、仮設住宅等入居者の恒久的な住まいの確保支援につきましては、これまで各区地域支え合いセンターや伴走型住まい確保支援事業等を中心に取り組んできたところでございまして、新年度以降、さらに住まい再建が本格化する見通しでございます。
一方で、先日の藤岡議員に対する市長の答弁のとおり、生活に困窮する世帯や障がい者世帯等、再建が困難な世帯も存在しておりまして、その数は約150世帯と推計しております。これらの世帯につきましては、昨年12月から開始しました生活再建困難者支援事業等を通じまして、福祉的知識やノウハウを有する者による専門的かつ重点的な支援を丁寧に行うことで、公的扶助や施設入所等、既存の福祉制度の適用も視野に、再建に向けた支援を進めてまいりたいと考えております。
〔藤永弘委員 登壇〕
◆藤永弘 委員 答弁で、恒久住宅に既に移行できた世帯と、これから移行する世帯の再建先別内訳が明らかになりました。これを整理すると、仮設住宅等に住まわれていた全世帯1万1,988世帯のうち、見込みも含めると、自宅再建が5,331世帯、民間賃貸住宅が4,170世帯、公営住宅が1,815世帯、そのほかが672世帯になるようです。これら世帯のうち、自宅再建以外の民間賃貸住宅、公営住宅、そして、そのほかを合わせた6,657世帯、55.5%は、基本的には地震前のもといた場所には戻れず、新たな場所でのスタートとなり、これまでの震災で指摘されてきた恒久住宅への移行後の環境変化などによる心身の変調など、ケアの対象となる世帯が多いことがわかります。
こうした状況に対応するため、31年度予算では各区復興支援自治推進経費などが新たに計上されているようです。
そこで、お尋ねいたします。
1、平成31年度予算案での恒久住宅移行後の被災者支援対策をお示しください。
2、各区復興支援自治推進経費5,000万円の各区への配分をお示しください。
3、各区ごとにどのような事業がなされるのかをお示しください。
以上3点、政策局長にお尋ねいたします。
〔古庄修治政策局長 登壇〕
◎古庄修治 政策局長 恒久住宅移行後の支援についてお答え申し上げます。
過去の災害の事例から、仮設住宅等に入居されている方々が住まいの再建後もなれない地域での孤立や健康状態の悪化に陥ることがないように、重点的に支援する必要があると考えております。このため、各区を中心に、地域ニーズ等を踏まえ、地域の実情に応じた取り組みを進めていくことが重要かつ効果的であると考えておりまして、そこで新年度予算案におきまして本市復興基金を活用し、各区復興支援自治推進経費として、区ごとにおおむね1,000万円を配分し、各区において、それぞれの地域ニーズ等を踏まえ、メニュー化された事業の実施を予定しているところでございます。
具体的には、区ごとに異なりますものの、主なものとしましては、被災者の孤立防止支援や新たなコミュニティ形成のための地域団体等への助成支援、見守り担い手育成の支援、健康・子育て支援、地域交流事業支援等が計画されているところでございます。
〔藤永弘委員 登壇〕
◆藤永弘 委員 恒久的な住まいの確保が最優先ですが、その後の安定した日常生活ができるか、重要になってきます。より手厚く手を差し伸べるべき課題への的確な対応が求められると考えられますが、恒久住宅移行後の心のケアなど、今後どのように進めていくのか、お示しください。
大西市長にお尋ねいたします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 ただいま政策局長の答弁のとおり、新たな地域で住まいを再建された方々がなれない地域で孤立することなく、健やかで生きがいを持って暮らし続けることができるよう取り組みを進めることが重要であると認識しております。このため、地域包括ケアシステムにおけるさまざまな既存の福祉施策の枠組み等の中で、各区の保健師によります専門的支援や民生委員の方々やささえりあ、障がい者相談支援センター等による見守りやフォローを着実に行って、孤立化、健康状態の悪化を未然に防いでまいりたいと考えております。あわせて、特に心のケアという観点におきましては、被災者の方々が新たな地域において、他の住民と密接につながりを持てるよう、良好なコミュニティ形成支援に努めてまいりたいと考えております。
具体的には、各区におきまして、復興支援自治推進経費等を活用いたしまして、地域における住民相互の見守りの仕組みや地域交流の機会づくり等を進めますことで、被災者の新たなコミュニティ形成を図ってまいりたいと考えております。
〔藤永弘委員 登壇〕
◆藤永弘 委員 まずは、今年度行う住まい再建後のケア事業をしっかりと行っていただいた上で、しっかり分析を加え、必要であれば、さらなる施策を行うなど、被災者一人一人の状況に応じたケアを大西市長には最後までお願いしておきます。
次に、上質な生活都市の実現に向けてのうち、安心して暮らせるまちづくりについてお尋ねします。
同じく平成31年度当初予算案のポイント13ページのまちづくりの重点的取り組み中、安心して暮らせるまちづくりで、誰もが安心して子育てできる環境を整えますと記載があります。
そこで、お伺いします。
子どもの未来応援基金関係経費440万円の目的と効果をお示しください。
健康福祉局長にお尋ねいたします。
〔
池田泰紀健康福祉局長 登壇〕
◎池田泰紀
健康福祉局長 子どもの未来応援基金関係経費についてお答え申し上げます。
これまでエンゼル基金は、子育て支援に取り組む団体等に対しまして助成を行ってきたところでございますが、子供たちがその生まれ育った環境によって左右されることのない社会を実現し、子供たちの未来の応援につなげますため、子どもの未来応援基金へ名称及び目的を変更いたしまして、子ども食堂を運営されます団体に対しまして新たに助成を行うものでございます。この助成を通じまして、共働き世帯の子供の孤食防止や居場所づくり、多世代交流等を図ることといたしておりまして、地域や社会とのつながりが促進されるものと考えているところでございます。
〔藤永弘委員 登壇〕
◆藤永弘 委員 名称をこれまでのエンゼル基金から子どもの未来応援基金に変え、助成内容も食堂立ち上げ経費や開催回数に応じた運営費も一部助成対象となると聞いています。子ども食堂運営安定化の一助になればと期待します。
続いて、病児・病後児保育事業の小6までの充実による対象者数と効果をお示しください。
健康福祉局長にお尋ねします。
〔
池田泰紀健康福祉局長 登壇〕
◎池田泰紀
健康福祉局長 病児・病後児保育事業についてお答え申し上げます。
この事業につきましては、現在、ゼロ歳から小学校3年生までを対象といたしておりますが、利用者からの要望を踏まえまして、今回、対象年齢を小学校6年生までに拡充するものでございます。現在の対象者は約7万人でございますが、対象年齢を拡充することによりまして、小学校4年生から6年生までの約2万1,000人が新たに利用可能となるものでございます。
現在、年間延べ6,500人程度の利用をいただいておりますが、他の指定都市における利用状況から、今回の拡充によります増加は延べ70人程度を見込んでおりまして、さらに保護者の安心感につながるものと考えているところでございます。
〔藤永弘委員 登壇〕
◆藤永弘 委員 同じ小学生でありながら、3年生から4年生になると対象とならなかったのが、小学校に通わせている間は対象となるとの答弁でした。保護者の安心感にもつながるようです。さらに、3年間の延長でも利用数全体の約1%、70人程度が想定されており、財政負担もさほど大きくなく、効果的な事業と評価します。しっかり取り組みを求めておきます。
続けてお伺いします。
私立幼稚園等特別支援教育助成の目的、内容、効果をお示しください。
健康福祉局長にお尋ねいたします。
〔
池田泰紀健康福祉局長 登壇〕
◎池田泰紀
健康福祉局長 私立幼稚園等特別支援教育助成事業についてお答え申し上げます。
この事業は、障がいのある子供たちが将来にわたり、より豊かな生活を送れますよう、障がいの種類や程度に応じた支援を行うことを目的としているところでございます。幼稚園等を対象としました障がい児受け入れに関します研修経費に対しまして助成を行い、幼稚園等における障がい児の受け入れを促しますことで、特別支援教育の充実を図ってまいりたいと考えております。
〔藤永弘委員 登壇〕
◆藤永弘 委員 政令指定都市に移行したこともあり、現在、私立幼稚園等では発達障がいなど特別支援教室の充実について、PTAを含め、意識が高くなってきていると伺っています。これまで議会でも支援の充実を求めてきたところですが、第一歩が始まったと思います。事業の効果などを検証しながら、十分に意見交換し、未来の子供たちのために対策を求めておきます。
続いてお伺いします。
放課後学習教室開催経費の目的、内容、効果をお示しください。
健康福祉局長にお尋ねいたします。
〔
池田泰紀健康福祉局長 登壇〕
◎池田泰紀
健康福祉局長 放課後学習教室開催経費についてお答え申し上げます。
平成29年度に実施いたしました熊本市子どもの生活等実態調査の結果からは、所得が低い世帯やひとり親世帯で学習時間が短い傾向にございまして、また保護者が勉強を見る頻度や学習塾に通う割合も低いなど、家庭の経済状況が子供の学習機会の差となってあらわれることがわかったところでございます。
そこで、本年1月に策定いたしました熊本市子どもの未来応援アクションプランにおきましては、子供の将来が家庭環境で左右されることなく、世代を超えて連鎖することがないよう、中学生を対象に、退職教員等によりますあき教室を活用した放課後学習教室を行うことといたしておりまして、学習機会の確保と充実が図られるものと考えているところでございます。
平成31年度は、モデルケースといたしまして1校で実施を予定いたしておりまして、週3回程度で生徒からの質問に各教科の指導者が答える形を考えているところでございます。また、開始時期につきましては、6月ごろからの開始を目指しまして準備を進めているところでございます。
〔藤永弘委員 登壇〕
◆藤永弘 委員 今年度はモデル事業として1校でのスタートです。週3回程度で教科ごとに指導者がかわるようです。これまで生活保護世帯を対象とした高校受験のための学習支援とあわせ、家庭環境などに左右されない子供のための支援事業となるよう、しっかりとした検証を求めておきます。
続いてお伺いします。
発達障がい地域支援体制サポート予算の目的、目標、効果をお示しください。
健康福祉局長にお尋ねいたします。
〔
池田泰紀健康福祉局長 登壇〕
◎池田泰紀
健康福祉局長 発達障がい地域支援体制サポート事業についてお答え申し上げます。
この事業は、障害者総合支援法に基づく発達障害者支援体制整備事業といたしまして、国の助成を受けて実施します事業でございまして、ウェルパルに開設いたしております発達障がい者支援センター、通称みなわでございますが、これまで配置しておりました相談担当の職員とは別に、発達障がい地域支援マネジャー1名を配置いたしまして、学校や企業等におきまして発達障がいの特性理解や支援方法の助言等、専門的な研修、啓発を行いまして、当事者の身近な場所に新たに支援者を育成していくものでございます。
また、地域支援マネジャーが関係機関と連携しながら、発達障がい児者の生活の場でございます企業、学校等に対するアウトリーチでの支援や地域での理解を促進するための啓発活動を行いますとともに、特に生活における困り度が高く、相談件数が多い相談者に対しましては、個別的な支援を行うことといたしております。
このことによりまして、発達障がい児者が身近な場所で適切な支援を受けながら、地域で安心して生活できる環境づくりができるものと考えているところでございます。これに伴いまして、増加の一途をたどっております、みなわへの相談件数も減少することで、相談者へのきめ細かな対応にもつながっていくものと考えているところでございます。
〔藤永弘委員 登壇〕
◆藤永弘 委員 新しく発達障がい地域支援マネジャーを配置し、学校や企業にも訪問し、発達障がいの特性、理解や支援方法の助言等を行い、地域で安心して生活できる環境づくりをよろしくお願いします。また、支援センターの相談件数を減らせるようです。きめ細やかな対応を求めておきます。
続けて、いのちを守る教育推進経費の目的、内容、効果をお示しください。
教育長にお尋ねいたします。
〔
橋爪富二雄教育次長 登壇〕
◎橋爪富二雄 教育次長 いのちを守る教育推進経費の目的、内容、経費についてお答えいたします。
この事業は、未成年の人工妊娠中絶率がいまだに高水準にある熊本の現状等を踏まえまして、自分や他者を大切にする心を養い、性に関する正しい判断と行動をとることができる子供の育成を目的としております。
内容といたしましては、医師会等の関係機関、庁内関係部署と連携し、市立の中学校、高等学校、特別支援学校に医師や助産師等を派遣し、命の大切さや望まない妊娠、性感染症等のテーマで命のとうとさを学ぶ講演会の開催を検討しております。各学校におきましても、これまで保健体育の授業等で行ってきた取り組みに加え、この事業を実施することにより、子供が自分自身を大切にし、他者を思いやり、命を大切にする心が育まれるものと考えております。
〔藤永弘委員 登壇〕
◆藤永弘 委員 将来親になる生徒に命のとうとさを学ばせることは、大変に重要と考えます。新たな取り組みに期待します。
では、次の質疑に移ります。
昨日までの代表質問、一般質問と重複する部分もあるかと思いますが、特に重要と考えており、改めて平成31年度当初予算案の13ページ、健康ポイントとがん検診経費についてお尋ねします。
1、健康ポイント事業でのインセンティブ制度の内容をお示しください。
2、対象年齢と利用者目標をお示しください。
3、アプリが利用できない方へ対応をお示しください。
以上3点、
健康福祉局長にお尋ねいたします。
〔
池田泰紀健康福祉局長 登壇〕
◎池田泰紀
健康福祉局長 健康ポイント事業についてお答え申し上げます。
まず、1点目のインセンティブ制度の内容についてでございますが、市民の皆様に気軽に楽しく、また継続的に健康づくりに取り組んでいただくために、スマートフォン専用アプリを用いました健康ポイント事業を構築するものでございます。
具体的には、1つ目、特定健診やがん検診を受診することによる健診ポイント、2つ目、ウォーキングなどによる毎日ポイント、3つ目、健康に関するイベント参加等のお出かけポイントの3つのカテゴリーにおきまして一定以上のポイントをためることでインセンティブを付与する仕組みでございます。日々の健康行動を見える化いたしますことで、市民の皆様の健康行動の動機づけや意欲の向上につなげてまいりたいと考えております。
2点目の対象年齢と利用者目標についてでございますが、本事業の対象年齢は18歳以上の市民を想定しているところでございます。また、アプリの利用者目標でございますが、他都市の健康ポイントの利用者数を参考にいたしまして、本格稼働から3カ年で約2万人を目標といたしているところでございます。
3点目、アプリが利用できない方への対応についてでございますが、校区単位の健康まちづくりを通しまして、さまざまな保健医療関係組織や地域の皆様とともに、健康づくりの機運を高めますことで、アプリを利用できない方も含めまして、今後も幅広く市民の健康づくりに取り組んでまいりたいと考えております。
〔藤永弘委員 登壇〕
◆藤永弘 委員 スマホ専用アプリの対象は18歳以上で、利用者数は3カ年で2万人を目標にするとのこと、若い世代や現役世代から健康を考えることは、長い目で効果的と思います。ただし、現在の高齢者の中にはスマホは苦手という方も多いと思われ、どのように高齢者の健康づくりをつくっていくのか、課題も残るのがわかりました。今後の対策に期待します。
続けてお伺いします。
がん検診経費、70歳以上無料化の目的、目標、効果をお示しください。
健康福祉局長にお尋ねします。
〔
池田泰紀健康福祉局長 登壇〕
◎池田泰紀
健康福祉局長 がん検診経費についてお答え申し上げます。
本市におきましては、国が推奨します5つのがん検診の受診率は指定都市の中でも低い状況にございます。また、受診勧奨などの受診率向上に向けて取り組んでおりますものの、受診率は70歳以上で急速に低下し、罹患率は70歳代前半でピークを迎え、その後も高いまま推移しているところでございます。そこで、無料化によりまして、早期発見・早期治療につなげますことで元気な高齢者の増加を目指してまいりたいと考えております。
受診率の目標につきましては、第7次総合計画の検証値を目標値に設定いたしまして、受診率向上に向けた取り組みを強化いたしますため、乳がん、子宮頸がん検診の無料クーポン事業の再勧奨、冬期における大腸がん検診の郵送検診、個別受診勧奨の拡充などを進めているところでございます。このような中、これらの取り組みに加えまして、事業効果が高いと見込まれます70歳以上のがん検診無料化に取り組みますことで70歳以上の対象世代だけでなく、がん検診受診率全体の底上げを目指すことといたしております。
〔藤永弘委員 登壇〕
◆藤永弘 委員 まずは、70歳以上の無料化を歓迎いたしたいと思います。ただ、本市のがん検診は企業などの勧奨による現役世代の健診を補完するものとなっており、65歳からの無料化が必要ではないかと考えています。まずは、効果など、しっかりとした検証を求めておきます。
ここまで担当局長に健康ポイントとがん検診についてお伺いしました。
改めて、健康ポイントを導入しようとした経緯とがん検診の重要性について、大西市長の見解を求めます。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 超高齢社会に向かっている中、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間、いわゆる健康寿命の延伸は大変重要であると認識しております。そこで、これまで取り組んできた健康寿命の延伸に向けたさまざまな施策に加え、来年度からはがん検診における70歳以上の自己負担金の無料化と健康ポイント事業の2本の新規事業を柱に取り組みを強化したいと考えております。
がん検診につきましては、受診率向上によりまして早期発見・早期治療による生活の質の向上、ひいては医療費削減に寄与できるものであり、重要性が高いものと考えております。これまでの健康増進に向けたさまざまな施策に加えまして、新たな施策に取り組みながら、生涯を通じて健やかで生き生きと暮らせるよう、一層の健康づくりを推進してまいりたいと考えております。
〔藤永弘委員 登壇〕
◆藤永弘 委員 大西市長からは、改めて健康寿命の重要性とがん検診による早期発見・早期治療の重要性が述べられました。かつて不治の病と言われたがんも、医療技術は速いスピードで進歩・発展しています。早期発見することにより、早期治療につながり、十分回復できることがわかってきています。この春からは、がんゲノム医療という遺伝子レベルの画期的な治療の保険適用が検討されています。がん治療の入り口となる検診率の向上に期待しています。
次の質疑に入ります。
同じく、上質な生活都市の実現に向けて、31年度当初予算案の14ページ、ずっと住みたいまちづくり中、雇用機会を創出し、熊本に住み、働ける環境整備についてお尋ねいたします。
移住促進策の新規事業として、地方創生移住支援事業、移住促進雇用対策事業が打ち出されましたが、その具体的な効果をお示しください。
経済観光局長にお尋ねいたします。
〔平井英虎経済観光局長 登壇〕
◎平井英虎 経済観光局長 お尋ねの2つの事業の内容等につきましては、本日午前の自民党、高本委員にお答えしたとおりでございますが、1つは国・県の交付金を財源とした移住支援金であり、もう一つは就職面談会と移住相談会をツアー形式で実施することで連携中枢都市を含めた熊本を実際に体感してもらおうというものでございます。
その効果といたしましては、国の移住支援金創設を契機といたしまして、本市みずからが熊本に興味をお持ちの方々へ積極的にさまざまな情報を発信することで、より多くの移住者が生まれ、本市のみならず、熊本連携中枢都市圏域内の労働力人口の増加に寄与するとともに、中小企業等の人材確保や地域経済の活性化につながるものと考えております。
〔藤永弘委員 登壇〕
◆藤永弘 委員 ツアー形式での移住促進策が始まるようです。移住対策の次につながる事業となるよう求めておきます。
続けてお伺いします。
1点目、ビジネス支援拠点整備事業のワンストップ化の内容と体制をお示しください。
2点目、創業ステップアップ支援助成、創業から3年間の継続的な支援の事業内容と対象予定企業数をお示しください。
以上2点、経済観光局長にお尋ねいたします。
〔平井英虎経済観光局長 登壇〕
◎平井英虎 経済観光局長 お尋ねの2点についてお答えいたします。
ビジネス支援拠点整備事業のワンストップ化につきましては、これまで行政や中小企業支援機関が各所で行っております相談業務や就労支援等の機能をくまもと森都心プラザのビジネス支援センターへ集約いたしますとともに、フロアを拡充し、新たに異業者交流の開催も可能となるコワーキングスペースを新設することなどで事業承継や創業などのさまざまな中小企業者からの相談にワンストップで応えようというものでございます。
体制につきましては、引き続き指定管理者による運営を考えておりますが、今後、次期指定管理の更新となる2021年4月の稼働に向けて、商工団体や金融機関等々の意見や他都市の事例を参考に、具体的な内容を固めていきたいと考えております。
次に、創業ステップアップ支援助成につきましては、経営が不安定な創業後の3年間を対象期間とし、創業時には店舗等借入費や設備費等の助成を、また創業2年目、3年目には本制度利用事業者へ必須として派遣する中小企業診断士などの専門家により指摘された課題に対処する経費の助成を行うものでございます。
対象予定は、これまでの創業者数や本市の制度融資である創業サポート資金の利用者の実績をもとに、個人、法人合わせて42件分の予算を計上しているところでございます。
〔藤永弘委員 登壇〕
◆藤永弘 委員 2021年春の指定管理の更新にあわせ、体制について検討されるとのこと、これまで大阪市のあきない・えーどなどの取り組みも紹介してきました。フロアを拡充されるとのこと、ワンストップ化が進むよう期待していますので、熊本らしいビジネス支援拠点の整備を求めておきます。
また、創業ステップアップ支援助成は42件を想定しているようです。これら対象者が自立・発展するような支援を期待しておきます。
続けてお伺いします。
夢と活力ある農業推進事業で、日本一の園芸産地を目指すとありますが、その事業の内容と効果、出荷量などをお示しください。
農水局長にお尋ねいたします。
〔西嶋英樹農水局長 登壇〕
◎西嶋英樹 農水局長 夢と活力ある農業推進事業についてお答え申し上げます。
本市は、ナスとスイカにつきましては作付面積が日本一、温州ミカンにつきましては熊本市農協の柑橘部会が部会当たりの販売額が全国で第2位と、園芸作物の大産地となってございます。夢と活力ある農業推進事業につきましては、国や県の事業では対象とならない取り組みなどをきめ細かく支援いたしておりまして、農業経営の発展を後押しする市独自の補助事業でございまして、これまで農業者から高い評価を得ているところでございます。
平成31年度予算案におきましては、もうかる農業を実現するため、農業者みずからが取り組むICTやAIなどの技術を活用した農業機械・施設、農作業の負荷を軽減する機械の導入に対して重点的に支援することといたしておりまして、昨年度より500万円増額いたしまして5,000万円計上させていただいているところでございます。今後とも国や県の各種事業、それから夢と活力ある農業推進事業を精力的に推進することで、本市の農業の潜在能力を引き出し、日本一の園芸産地を目指して努力してまいります。
〔藤永弘委員 登壇〕
◆藤永弘 委員 新たに500万円の増額がなされたとのことです。市独自の対策が充実することを歓迎します。真に日本一の園芸産地となることを求めておきます。
次に、同じく上質な生活都市の実現に向けて、31年度当初予算案の15ページ、訪れてみたいまちづくりのうち、伝統文化とエンターテインメントが共鳴するにぎわいを生み出しますとうたっています。
そこで、お伺いします。
まず、坪井川舟運検討経費ですが、平成21年にも同様の坪井川の調査を行ったと聞いていますが、改めて再調査を行う目的と調査後の対応をお示しください。
経済観光局長にお尋ねいたします。
〔平井英虎経済観光局長 登壇〕
◎平井英虎 経済観光局長 平成21年度に行った基礎調査におきましては、当時の船の円滑な運航のためには水深1メートルが必要とされている中、河川改修の工法的にも管理上も水深の確保が困難であると判断していたものでございます。
その後、水深50センチメートルで運航可能な船舶が開発され、他都市での運航実績もあることから、改めて坪井川の水量等の現況調査を行うこととしたものでございまして、引き続き舟運実現の可能性を検討してまいります。
〔藤永弘委員 登壇〕
◆藤永弘 委員 新たな船舶の開発で再調査が行われるとのことがわかりました。前回は大変残念な結果となりましたが、今回の再調査の結果を待ちたいと思います。
次に、全国都市緑化フェアの2022年開催に向けた今後のスケジュールと全国都市緑化フェアの2022年開催による経済効果をお示しください。
以上2点、
都市建設局長にお尋ねいたします。
〔
田中隆臣都市建設局長 登壇〕
◎田中隆臣
都市建設局長 現在、全国都市緑化フェアの開催については、2022年春の開催誘致に向けて、基本構想の策定を進めているところでございまして、今議会において報告させていただいた後、国土交通大臣へ開催協議書を提出し、年度内の正式決定を目指しているところでございます。正式決定後は、各会場内のゾーニングや事業内容を具体的に検討していくため、基本計画の策定費用などを当初予算案に計上しております。
経済波及効果につきましては、来年度の基本計画策定の中で事業内容や目標入場者数、概算事業費の検討にあわせ、経済波及効果についても算出したいと考えております。
〔藤永弘委員 登壇〕
◆藤永弘 委員 この春には正式決定となるのではと思っています。石井大臣ともしっかりつないでいきたいと思います。これから基本計画の策定ということですが、1986年のグリーンピックを見るとき、事業内容も入場者数、事業費、さらには経済効果も大きなものになります。今後、しっかりと議論していきたいと思います。
そこで、2度目となる緑化フェアのレガシーをどのようにお考えなのか、大西市長にお聞きいたします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 御案内のとおり、熊本での全国都市緑化フェアの開催は、昭和61年のクマモトグリーンピック'86以来、2回目となります。前回のフェアは、現在の動植物園の植物園エリアで開催されておりまして、フェアを契機として、現在の植物園が整備されたものでございます。当時は、いわゆるバブル景気に突入する中での開催でありまして、大型のパビリオンが設置されるなど、華美なものが大変多かったということでございます。一方、近年のフェアでは、環境保全やグリーンインフラの創造といった持続可能な緑化活動の展開が求められております。
そのようなことから、今回のフェアの開催に向けましては、市民の皆様を初め、関係団体と緑化の取り組みを展開しまして、市民一人一人の緑や環境に対する意識と活動を育んでまいりたいと考えております。先日も、その一環としてシンポジウムを開催いたしまして、フェア開催に向けた機運醸成を図ったところでございます。
今後ともそのような取り組みをフェア開催に向けて継続いたしますとともに、フェア開催後の市民運動のさらなる展開にもつながるような事業内容でありますとか、街路樹や公園などといった公共施設の緑のあり方についても検討を進めていきたいと考えております。このようなフェアを契機とした市民一人一人の緑に対する意識の醸成や活動の展開によりまして、森の都の再生、さらには森と水の都の発信につなげてまいりたいと考えております。
〔藤永弘委員 登壇〕
◆藤永弘 委員 大西市長には、レガシーについてお尋ねしました。今回は都市緑化フェアは経済成長の前回と違い、どのように未来へ遺産を残せるかが問われると思います。今、大西市長から、市民の皆さんにそういう気持ちが湧くようなものにしたいという答弁がありました。議会でも、しっかりと議論していきたいと思います。
続けて、もう一つのビッグイベント、アジア・太平洋水サミット開催準備の進捗状況と目指す内容をお示しください。
環境局長にお尋ねいたします。
〔勝谷仁雄環境局長 登壇〕
◎勝谷仁雄 環境局長 アジア・太平洋水サミットの開催準備の進捗状況と目指す内容についてお答えいたします。
開催準備の進捗状況につきましては、現在、共催者であるアジア・太平洋水フォーラムと基本合意書を締結し、実行委員会の設立に向けた準備を進めているところでございまして、今後、関係7省による閣議了解を経て、7月をめどに各国に招聘状を送付することといたしております。
目指す内容といたしましては、本市の地域を超えた市民、事業者、行政の協働による地下水保全の取り組みは、アジア・太平洋地域の持続可能な発展に貢献できるものとして会議を誘致したところでございまして、今後はこれまでの取り組みに携わってきた皆様から幅広い御意見をいただきながら、有意義な会議となりますよう、テーマを絞り込んでまいりたいと考えております。
〔藤永弘委員 登壇〕
◆藤永弘 委員 これまで熊本市では、地下水都市として水保全の対策をとっており、2013年国連命の水最優秀賞も受賞しました。こうした中での水サミットの開催はタイムリーであり、大成功に向けて、しっかり支援していきたいと思います。
その上で、大西市長にお尋ねいたします。
アジア・太平洋水サミットの開催のレガシーをどのようにお考えなのか、お考えをお聞かせください。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 第4回アジア・太平洋水サミットでは、水資源の持続可能な利用に向けた保全対策の実践と継承について話し合われる予定でございます。その成果は、熊本宣言としてまとめられ、2021年セネガルで開催されます世界水フォーラムにおいてメッセージとして発信され、世界各国の方々に共有されることとなるとお聞きしております。国際的にも高い評価を受けた本市の地下水保全の取り組みが、世界の水にかかわる課題解決の一助となることを願っております。
また、サミットを通じ、本市の地下水が自然からの恩恵であること、そして将来へ引き継いでいくためには、人々の保全に向けた継続的な営みが不可欠であることを熊本市民はもとより、全国の皆さんに改めて認識していただくきっかけとなり、これからも市域を超えて、多くの関係者、事業者の皆様方のたゆまない保全の取り組みにつながっていくことを心から期待しております。
〔藤永弘委員 登壇〕
◆藤永弘 委員 レガシーとして、第4回アジア・太平洋水サミットの成功が国際的な水にかかわる課題解決につながること、そして熊本市民の中に、水サミットを機会として、地下水保全意識が醸成されることをレガシーとして残したいとの答弁でした。同じ思いで水サミットの成功に向け、努力していきたいと思います。
以上で、私の用意した質疑は終わりました。市長を初め、執行部の答弁ありがとうございました。
これで私の質疑を終わります。(拍手)
○藤岡照代 副委員長 藤永弘委員の質疑は終わりました。
以上で、公明党熊本市議団の質疑は終わりました。
次に、日本共産党熊本市議団の質疑を行います。
持ち時間は25分となっております。
まず、山部洋史委員の質疑を行います。
〔山部洋史委員 登壇〕
◆山部洋史 委員 日本共産党熊本市議団の山部洋史です。
私は、市営住宅の改修・維持管理予算の拡充について質疑を行います。
共産党市議団では定期的に市営住宅のアンケートを行い、寄せられた声をもとに、住民の皆さんと市へ要請を行っております。要望については、団地ごとにまとめ、昨年12月に行った要請行動のときにお渡ししております。大西市長は、ごらんいただけましたでしょうか。
低廉な家賃で入居できる市営住宅は、市民生活の基盤を支え、福祉的な意味からも大変重要な役割を果たしております。同時に、ただ住めればいいというものではなく、より快適で住みやすい住環境の整備が求められています。
まず、寄せられた声の一部を御紹介します。
昭和34年ごろに建てられた団地で60年ぐらいたっているので、建てかえてほしい。畳がえをしないと、31年もかえていないので、もうぼろぼろです。浴室の窓が壊れて2年もたちます。閉まらないので、とても心配です。北側の板の間の床が腐って、ぶよぶよ。住民の高齢化が進み、草刈りなどができず、草ぼうぼうの状態のため、近隣の方が不愉快な思いをされているのではと大変心苦しい。バスタブが高いため、自分で入ることができず、男性ヘルパーが来たときにしか入浴ができない。また、階段の天井部分が剥がれて危ない。予算がないでは済まされないなど、こうした要望が市内各地の住宅から寄せられました。
不安定雇用や経済格差、年金の削減、負担の限界を超えた高過ぎる国保料など、市民の皆さんが厳しい生活を強いられている中、安い家賃で入居できる市営住宅は、本来であれば、とても大事な役割を果たすものです。一方で、著しい老朽化と進まない修繕に、健康で文化的な生活を営むに足りているのかが今問われています。
更新周期を過ぎ、積み残ししているものが平成30年度の時点で、畳の取りかえについては更新周期30年のもの665戸残し、風呂釜の取りかえについては10年周期で823戸残されております。給湯器も15年周期が1,071戸残され、計画修繕の積み残しは年々ふえ続けています。4年前に私が一般質問で取り上げた平成26年度の積み残しデータと比較しますと、畳の取りかえが4年前は330戸でしたから、335戸の増と倍増しています。風呂釜の取りかえは470戸で353戸がふえ、約2倍、給湯器に至っては285戸に対して本年度は791戸の増で約3倍もの積み残しがふえています。
その一方で、計画修繕の予算の年次推移は、ここ数年横ばいです。このテンポでは、どれだけ修繕を進めても、毎年さらに新しい計画修繕の住宅が出てくるサイクルになり、積み残しの件数はふえ続ける一方です。
そこで、お尋ねいたします。
計画修繕の積み残しを一日も早く解消し、新たに更新周期を迎える住宅に対応し、順次に取り組む必要があると考えます。いつまでにこの積み残しを解消するおつもりなのか、具体的な期限をお示しください。もし期限を決めていないのであれば、市として期限を決め、修繕計画を策定し、積み残しの解消を図るべきだと考えますが、いかがでしょうか。
都市建設局長にお尋ねいたします。
〔
田中隆臣都市建設局長 登壇〕
◎田中隆臣
都市建設局長 市営住宅では、建物及び設備の予防保全的な維持管理を推進することで長寿命化を図り、全体的なライフサイクルコストの縮減を目指し、平成24年度に熊本市市営住宅等長寿命化計画を策定しております。その中で、現在は風呂釜等の更新や屋上防水等の建物外装などについて定期的な改修を実施しており、市営住宅修繕経費予算については、近年、前年度以上の予算措置を行っているところでございます。
また、次年度も9億4,421万円の予算を計上しているところでございますが、熊本地震の対応で復旧工事を優先させた経緯もあり、目標の周期からおくれているものもございます。今後の計画修繕につきましては、今年度見直しを行っている長寿命化計画に基づき、積み残しの一日も早い解消に向け、さらに適切な維持管理に努めてまいります。
〔山部洋史委員 登壇〕
◆山部洋史 委員 計画修繕については、目標の周期からおくれているものもあるとの御認識でしたが、わずか4年間で倍増どころか3倍にまで積み残しがふえているものもあるんです。そして、そのいずれの修繕も住民の皆さんにとっては、まさに日々の生活にかかわることです。劣悪な環境での生活を強いられている状況は、大変問題です。積み残しの解消の目標期限については言及がありませんでしたが、一刻も早い適切な住環境の整備が必要です。そのことを強く求めて、次の質疑に移ります。
これまで住民の皆さんと繰り返し何度も住環境の改善を要望してきました。しかし、そのたびごとに、予算がないからとの回答で、要望は退けられてきました。
昨年12月の住民の皆さんとの要請行動は、まさにこの
予算決算委員会室で行われたのですが、参加されたお一人が、こう訴えました。市役所を建てかえるという話が出ていると聞いていますが、こんなに立派でふかふかのじゅうたんが敷き詰められた会議室のあるきれいな市役所をどうして建てかえるのですか。そんなお金があったら古い団地の修繕にこそ使ってほしい。まさにそうだと思います。予算がないのではなくて、予算の優先順位がおかしいのです。
以前質問いたしましたが、北区の新地団地敷地内の立ち枯れした雑草の除草については、経費が600万円かかるからできないとの回答でした。伺えば、市内1万3,000戸を超える市営住宅の樹木などの管理費が年間たった2,000万円しかないということでした。その一方で、今定例会に提案されている熊本城ホールのこけら落としには1億円以上もの予算が使われます。入居者にとって、便利で快適なものとなるように整備しなければならないと規定された本市市営住宅条例からしても、また市長が標榜する誰もがあこがれる上質な生活都市という点からも、市営住宅の老朽化を放置している状況は、一日も早く改善し、せめて人間らしい生活が送れるよう最優先で取り組むべきだと考えます。
しかし、現行水準の予算では、積み残しの戸数が減るどころか、倍増しています。計画修繕の予算の増額なしには減らすことはできません。また、団地の維持管理費も同様に予算を例年ベースより抜本的に引き上げるということが必要だと考えますけれども、この点について大西市長にお尋ねいたします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 維持管理費の引き上げの必要性についてというお尋ねでございますが、市営住宅も含めて、その他公共施設においても同様に長寿命化計画の策定を指示しておりまして、市有建築物全体を見据えた上で、全庁一体となりまして適切な維持管理に取り組んでまいりたいと考えております。
〔山部洋史委員 登壇〕
◆山部洋史 委員 御答弁いただきましたが、市営住宅127団地分の樹木などの管理予算が年間2,000万円、1団地当たりでは15万7,500円の予算です。ところが、例に挙げた新地団地だけでも600万円の経費が必要です。現状の予算のレベルでは、修繕の積み残しの解消も含め、住宅の維持管理もできていない状況ですので、予算の増額をと具体的な答弁を求めたわけですけれども、全くお答えがありませんでした。この点については、抜本的な予算の増額を強く求めます。
住民の皆さんが繰り返し要望しても、こうした予算が抜本的に増額されない。その一方で、今定例会では、住民が直接利活用できない桜町再開発、熊本城ホールやMICEの誘致には108億円もの予算が提案されています。このような市民生活への予算のあり方について、市営住宅の問題のみならず、子育て世代の近隣自治体への流出問題や全国自治体の住みよさランキングで熊本市が506位というレベルである現状に、市長が目指す上質な生活都市とは一体何なのか、御自身が改めて問い直す必要があると思います。
そのことを指摘しまして、私の質疑を終わります。
○藤岡照代 副委員長 山部洋史委員の質疑は終わりました。
次に、上野美恵子委員の質疑を行います。
〔上野美恵子委員 登壇〕
◆上野美恵子 委員 日本共産党熊本市議団の上野美恵子でございます。
まず初めに、中心市街地への投資と財政運用についてお尋ねいたします。
第1に、前市長の3期12年間及び前々市長の2期8年間における10億円以上の施設整備費の総額をお答えください。
第2に、今回示されております中期財政計画に計画額が算入されております。今後10年間に予定される10億円以上の施設整備事業の見通しは、配付資料にございますように、市営住宅と学校を除きますと、総額1,351億円です。その大半は事業の中止が難しいと考えられ、今後検討し、着手していく見直し可能なものは、学校や住宅を除けば、本庁舎建てかえ、市電延伸、千葉城地区の保存・活用、花畑別館建てかえ、そして熊本城の復旧の5つです。莫大な投資額を見るならば、今後着手する事業については慎重な検討を行うとともに、市民の意見を十分に聞いて、事業の是非を判断すべきではないでしょうか。
第3に、本庁舎建てかえ、市電延伸、千葉城地区の保存・活用、花畑別館、熊本城の復旧の5つの事業について、市民への説明や意見聴取、それを踏まえた進め方をそれぞれどのようにしていかれるのでしょうか。
以上3点、市長並びに関係局長に伺います。
〔田中陽礼財政局長 登壇〕
◎田中陽礼 財政局長 私からは、過去20年間の施設整備費の総額についてお答え申し上げます。
幸山政史元市長の3期12年間の任期中に着手いたしました施設整備のうち、整備費10億円以上のものの総額を集計いたしますと、企業会計分を除きまして670億円程度でございます。同様に、三角保之元市長の2期8年間の任期中に着手いたしました施設整備のうち、整備費10億円以上のものの総額を集計いたしますと、企業会計分を除きまして490億円程度でございます。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 各種の事業につきましては、事業の緊急性や必要性及び実施効果、市民ニーズ等を踏まえて、慎重かつスピーディーに検討を行っているところでございます。
これまで本市におきましては、事業の計画立案段階からワークショップ、市民説明会、パブリックコメントなどを適宜実施いたしまして、市民ニーズや意見の反映に努めてきたところでございまして、今後着手していく事業につきましても、同様に計画立案や検討実施など、事業の進捗に応じて市民意見を拝聴し、その反映に努めてまいります。
〔古庄修治政策局長 登壇〕
◎古庄修治 政策局長 私からは、本庁舎と花畑町別館についてお答え申し上げます。
本庁舎の建てかえに関しましては、昨年度実施しました本庁舎整備計画作成業務委託の調査結果で本庁舎が一般施設としても建築基準法の耐震基準を満たしておらず、耐震改修も現実的に困難であることが判明しました。このようなことから、昨年6月に公共施設マネジメント調査特別委員会において調査結果を御報告申し上げるとともに、今後の対応について御議論いただいておりまして、これらの情報に関しましては、ホームページやマスコミ等を通じて市民の皆様に対して発信するとともに、各区の校区連絡会議等で御説明申し上げてきたところでございます。
また、花畑町別館跡地につきましては、昨年度末、市議会での御議論や市民意見等を踏まえまして、利活用に関する基本構想を取りまとめましたが、その後、本庁舎の建てかえ問題等が浮上したことから、この基本構想については一旦凍結しまして、本庁舎の問題を含めて再検討することといたしております。
今後とも、先ほど市長が答弁されましたとおり、検討の進捗状況にあわせて積極的に市民の皆様へ情報公開するとともに、市民の方々への説明及び意見を拝聴しながら、本庁舎の建てかえ並びに花畑町別館跡地の利活用について検討を深めてまいりたいと考えております。
〔
田中隆臣都市建設局長 登壇〕
◎田中隆臣
都市建設局長 私からは、市電の延伸についてお答えいたします。
午前中の高本委員の御質問にお答えしましたように、昨年度市民への説明や意見聴取のため、市民懇話会やアンケート調査等を実施しており、合計で約4,000名の御回答をいただいております。この中で、市の現状や目指すまちづくりの形、市電の延伸を含む公共交通の取り組みについて示した上で、市電延伸の必要性や走行ルート、整備形態等についてさまざまな御意見や御要望を伺ったところでございます。
今後、基本設計などの事業計画の検討に当たりましても、自衛隊ルート沿線での市民懇話会はもとより、オープンハウスなど、さまざまな機会を捉え、広く市民への説明や意見聴取等を行いながら進めてまいりたいと考えております。
〔平井英虎経済観光局長 登壇〕
◎平井英虎 経済観光局長 私からは、千葉城地区の保存・活用及び熊本城の復旧事業についてお答えいたします。
千葉城地区につきましては、各種団体への意見聴取などを実施いたしまして、特別史跡熊本城跡保存活用委員会及び文化財保護委員会で承認をいただき、昨年12月議会で報告しました後、ことし1月、千葉城地区保存活用基本構想を策定したところでございます。今後、具体的な整備計画をつくる際には、既に先週1回目を開催いたしました市民参加のみんなの熊本城ワークショップやパブリックコメントなどを実施し、策定してまいります。
次に、熊本城の復旧事業につきましては、有識者や一般市民の公募による委員から構成されます熊本城復旧基本計画策定委員会により議論を重ね、ワークショップやパブリックコメントによる市民への説明や意見聴取を実施しながら、国・県・市で連携し、もとの姿に戻すことはもとより、100年先を見据えた復元をまとめた熊本城復旧基本計画を策定したところでございます。今後は、この熊本城復旧基本計画に基づき、着実に進めてまいります。
〔上野美恵子委員 登壇〕
◆上野美恵子 委員 財政課が作成された本日の配付資料では、2017年度から2027年度までの11年間に災害復旧関連以外の事業で1,116億円という見通しが示されています。私は、この投資額を見ただけでも大変驚いておりましたが、先ほどの答弁では10億円以上の大型投資事業は、三角市長の2期8年間に490億円、幸山市長の3期12年間が670億円とのことです。今後の投資は過去の歴代市長の時代の倍にも相当するような額になっていることに、ますます驚きました。
三角市長の時代には、全国一高いと言われた国体プールの整備に260億円も使い、不要不急の用地買収にも多額の税金がつぎ込まれて、当時、震災復旧に取り組んでいた神戸市を除けば、中核市一の借金自治体となり、週刊誌にも報道されました。しかし、今の熊本市の大型箱ものの数々は、それを上回るものです。
昨年度決算をもとに財政課が発行しております「財政ってなあに?」では、市税収入額は指定都市20市中最下位で、唯一1,000億円を下回っている。あわせて、財政力指数も政令指定都市中最下位で、財政的な自立度が低いと指摘しています。このように財政基盤が極めて弱いにもかかわらず、大型箱ものに莫大な投資を続けていけばどうなるのか、心配なのは私だけではないと思います。今回の議会では、何人もの方が財政についてただされておりましたが、誰の目で見ても、これだけの投資の行く末は案じられます。
しかも、一般の箱ものに加えて、災害復旧関連の箱ものも40年間の事業年度となります熊本城復旧を除いても400億円以上の事業費が見込まれています。市長や各局長の答弁は、これら莫大な投資となる箱ものを何のためらいもなく粛々と進めていくというものでしたが、私は聞いていて怖くなりました。
そこで、1点確認いたします。
先ほど市長は、今後着手していく事業について実施効果、市民ニーズ等を踏まえて検討を行っていると答弁されましたが、本庁舎建てかえ、市電延伸、千葉城地区の保存・活用、花畑別館建てかえ、熊本城復旧の費用対効果は、いつ、どのように検証し、どのような効果が確かめられているのか、御説明をお願いいたします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 委員の方から、何のためらいもなく、どんどん投資しているのではないかというような御指摘でございますが、そうしたことは一切当たりませんので、御理解いただきたいと思います。
先ほど申し上げましたとおり、事業の緊急性、必要性、実施効果、市民ニーズ等を踏まえて、それぞれの事業について慎重かつスピーディーに検討を行っているところでございますので、今後も事業の計画立案段階から、ワークショップあるいは市民説明会、パブリックコメントなどを適宜実施いたしまして、今後実施を予定しております事業につきましても、市民ニーズや意見の反映に努めてまいりたいと考えております。
〔上野美恵子委員 登壇〕
◆上野美恵子 委員 今のお答えのようなことは聞いておりません。
実施効果を踏まえて検討を行っていると言われたのですから、費用対効果についてお尋ねいたします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 先ほど答弁申し上げましたとおり、これまでの事業、それから今後の事業について、それぞれ緊急性、必要性、実施効果、市民ニーズを踏まえております。そして、今後の例えば市役所の本庁舎をどのようにするかということに関しましては、当然のことながら、新しい年度にそうした検討の予算も上げて、今後そうしたさまざまな御意見を聞いて効果を検証していきたいと考えているところでございます。
〔上野美恵子委員 登壇〕
◆上野美恵子 委員 それも答弁ではありません。
費用対効果は検証しているのでしょうか。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 費用対効果も含め、総合的にさまざまな検証をしているところでございます。ただ、今後予定しております事業については、当然のことながら、一定程度の、また事業の進捗等によりまして、また精査していくということでございますけれども、現時点において、例えば市電の延伸についても、その効果というものについては、先ほど関係局長がそれぞれ答弁申し上げたとおり適切に行っているということでございます。
〔上野美恵子委員 登壇〕
◆上野美恵子 委員 今、費用対効果を検証していると答弁されましたので、その結果を報告いただけないでしょうか。
〔
田中隆臣都市建設局長 登壇〕
◎田中隆臣
都市建設局長 市電の延伸につきましては、午前中、高本委員の質問にお答えしましたように、事業効果については、国が示します将来交通需要推計手法によって利用見込みを試算しております。
今回の市電延伸につきましては、24年度に実施したパーソントリップ調査のデータを用いて解析を行い、その結果、新たな市電利用者数が年間58万人、自家用車からの転換が約45万人という解析でございました。また、今後の都市交通においては、自家用車から公共交通へのこのような転換を進めていくことが不可欠でございまして、市電延伸は大きな取り組みの一つと考えております。さらに、その効果を最大化し、日常生活の移動手段として、より多くの方に御利用いただけるように、パークアンドライド等、さまざまな取り組みも行ってまいりたいと考えております。
〔上野美恵子委員 登壇〕
◆上野美恵子 委員 別に市電だけ聞いたわけではないんですよ。費用対効果をしていると言ったので、その資料を提供してほしいと言ったんです。
市長に答弁をお願いします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 今、さまざまな、これから進めていく事業については、当然、費用対効果はこれから検証していくことになるわけでありますけれども、今まで申し上げたような市電の延伸等については、今、局長の方から申し上げたような大まかな試算に基づいて事業を進めていこうと考えているところでございます。
〔上野美恵子委員 登壇〕
◆上野美恵子 委員 私は、さっき5つの事業について費用対効果をやっているのかと聞いたら、やりましたというふうに答えられましたが、では先ほどの答弁は間違いですか。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 もちろん、全ての事業について費用対効果を厳密に算出しているということではございませんけれども、当然、今申し上げたような市電でありますとか、そういったものの、ある程度期間をかけて具体的に検討してきたものについては、出せる分についての効果は出させていただいているということでございます。それ以外について、今後進めていくものについては、適宜その効果を市民の皆さんにお示しさせていただきたいと思っております。
誤解があるといけませんので、改めてお答えしますとすれば、今挙げていることについて費用対効果を全て一々上げているということではありませんけれども、当然、今後の効果を見込みながら進めているということで御理解いただきたいというふうに思っております。
〔上野美恵子委員 登壇〕
◆上野美恵子 委員 では、5つのうち、やっているものとやっていないものを今分けてください。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 通告をいただいておりませんので、また後ほどお答えさせていただきたいと思います。
〔上野美恵子委員 登壇〕
◆上野美恵子 委員 だったら、最初の答弁で効果を検証しているという答弁は間違いだったのではないですか。それは市電だけでしょう。私は5個聞いたんです。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 ですから、先ほどお答えしたとおり、市電の部分については、効果を検証している部分についてお答えさせていただいたということでございます。
〔上野美恵子委員 登壇〕
◆上野美恵子 委員 やはり最初の答弁をきちんとやっていただかないと、曖昧なことを言っているから、つじつまが合わなくなってくるんですよ。きちんとやったものはこれ、やらなかったものはこれという正確な答弁をお願いしたいと思います。
続けて、お尋ねいたします。
財政の中期見通しの参考とされております市債残高の推移は、2017年度決算ベースにその後の市債残高を11年間にわたり推計されております。熊本地震分の市債残高は2021年度をピークに減少して、熊本地震分を除く市債残高についても、2016年度をピークに減少するとしているものの、2,500億円程度におさまっていくとの説明です。
政令市移行の2012年度以降、熊本地震分を除く市債残高は2,200億円程度で推移しながら減少傾向でした。しかし、今後8年間は市債残高がふえ続け、その後、減少しても、2,500億円程度と高どまりで、借金が大きく膨れ上がった形となります。当然、毎年の借金返済額も大きくなります。
一方、収支総括表では、市税収入は横ばいとされています。さらには、同じく示されております熊本地震による2019年度以降の今後に残る本市財政への影響額144億円との見込みは、今後30年間で毎年4億7,000万円、約5億円の収支改善が必要となります。今後の人口減少や就労人口の増加が余り期待できないことを考えると、歳出の削減がどうしても必要となり、市民サービスの低下が懸念されます。
市民サービスの低下は招かないという保証はありますでしょうか。
市長に伺います。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 市債残高につきましては、委員御指摘のとおり、政令指定都市への移行後、横ばいで推移してまいりましたが、今後、復興計画の重点プロジェクトにも位置づけました中心市街地整備や、耐震性能の評価を踏まえ仮置きで算入いたしました本庁舎整備等の影響によりまして、一定期間増加した後、2026年度をピークに、減少していくと見込んでおります。また、その間の市債の残高や償還の見通しについて、財政の健全性を示す各種の財政指標の推移を推計いたしますと、近年の税収の増加等の影響もありまして、著しい悪化は招かないというふうに見込んでおります。
しかしながら、市債残高の増加は将来の公債費負担につながるとともに、将来にわたって熊本地震に伴う財政影響への対応も必要になってまいります。そのため、今後の財政運営につきましても、中長期にわたり、国・県等の有利な財源を最大限に活用しながら、地域経済の活性化等によります自主財源の涵養や官民連携の推進によります歳出の効率化など、歳入歳出両面から収支改善に向けた取り組みを継続、強化してまいります。そうした取り組みを通じまして、市民サービスの低下を招くことなく、限られた人的、財政的資源を市民の皆様のために最大限効果的に活用してまいりたいと考えております。
〔上野美恵子委員 登壇〕
◆上野美恵子 委員 いろいろ答弁いただきましたが、私は大変厳しい財政運用が続いていくと心配しております。しかしながら、市民サービスの低下を招くことなくと答弁されましたので、その答弁を決してお忘れにならないように、肝に銘じて市政運営に携わっていかれるようにお願いしておきます。
ここで、今後の大型事業でとりわけ財政負担の大きい市役所本庁舎建てかえについて伺います。
第1に、新年度予算には市庁舎のあり方調査検討経費3,240万円が計上され、午前中説明がありましたように、市民説明会や各種調査・分析が行われるとのことです。市民説明会は、全ての市民への十分な情報提供ができる形で実施すべきと考えておりますが、いかがでしょうか。
第2に、各種調査・分析は、いずれも建てかえを前提とした内容のように思われますが、財政負担の大きさを考えるならば、今後の市政、市民サービスに大きく影響してくると思われます。建てかえ先にありきでなく、市民に建てかえの必要性の検討結果を説明し、意見を仰ぐべきと考えますが、いかがでしょうか。
第3に、私ども日本共産党市議団も、この間、複数の専門家に御意見を聞き、市役所建てかえについての検証を行ってきました。高度な専門的領域の問題ですので、私どもが軽々に意見を述べることはできませんが、市が行った検討と判断に疑問を持つ専門家の方が何人もいらっしゃいます。市の委託調査にわずか4人の専門家の意見を聞いただけで妥当だとの判断でいいのでしょうか。専門家の多くが納得できるような情報の提供と、広範な専門家の意見聴取の場を持つべきではないでしょうか。
第4に、市庁舎問題は、全市民的な論議と判断を必要とする問題だと考えますが、いかがでしょうか。
第5に、災害復旧として掲げられている花畑別館建てかえ関係経費40億円は、市庁舎問題の検討とあわせて、必要性について市民の意見を聞くべきではないでしょうか。
以上、市長並びに政策局長にお尋ねいたします。
〔古庄修治政策局長 登壇〕
◎古庄修治 政策局長 私からは、まず本庁舎建てかえに関する市民説明会についてお答え申し上げます。
今後、本庁舎につきましては、本庁舎のあり方や建てかえ手法などについて、現地や移転を含めた建てかえ候補地あるいは公民連携などの整備手法に関して詳細な検討・分析を行うこととしております。その検討の進捗状況に合わせて議会に報告し、御議論いただくことはもとよりでございますが、市政だよりなど、市政広報を活用した情報提供に加えて、できるだけ多くの市民の皆様に参加いただけるよう区ごとに市民説明会を開催し、幅広く情報提供を行うとともに、市民意見を拝聴しながら検討を深めてまいりたいと考えております。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 本庁舎の建てかえに関する市民への説明手法、市民意見の聴取、建てかえの必要性に関するさらなる検証に関する質問等について一括してお答えいたします。
本庁舎を建てかえざるを得ない状況に関しましては、先ほどお答えしましたとおり、これまでも適宜説明を行ってきたところでございます。新年度は、改めて建てかえの必要性を説明することはもとより、本庁舎のあり方や整備手法等について、市政だよりや市ホームページでの広報及び地域説明会の開催などの手法により、幅広く周知し、市民意見を拝聴するとともに、検討の進捗状況にあわせて市民アンケート等も実施してまいりたいと考えております。
また、建てかえの必要性に関するさらなる検証に関してでございますが、平成29年度に実施いたしました調査は、国内有数の設計事務所に発注して行ったものでございまして、また耐震性能評価及び耐震改修の手法の検討等、専門的かつ包括的に実施されているものと考えております。加えて、本庁舎の建てかえは大変重要な課題でありますことから、本調査結果について地元と東京の県内、国内を代表する専門家4名の方々に検証を依頼しまして、調査結果は妥当であるという見解をいただいたところでございまして、技術的に十分に検証を行ったと認識しております。
また大きな地震がいつ起こるかわからないという状況において、熊本地震を経験した本市といたしましては、スピーディーな対応が求められます。このようなことから、市議会はもとより、市民の皆様との合意形成を図るために、あらゆる情報を積極的に公開いたしまして、丁寧かつ迅速に進めていく所存でございます。
なお、花畑町別館跡地の利活用につきましては、隣接地権者との一体的整備を進めるための調査経費を本年度当初予算に計上していたところでございますが、本庁舎の問題が明らかになったことから、当該経費を凍結しておりまして、今後、本庁舎建てかえに関する議論とあわせて検討を進めてまいりたいと考えております。
〔上野美恵子委員 登壇〕
◆上野美恵子 委員 市民への説明会は区ごとに開くという答弁がございました。それでは、限られた市民の方々にしか説明ができないのではないかと思います。これまでさまざまな事業で区ごとの説明会というのが開かれてきましたが、参加なさっているのは自治会長が数名というような出席の回も少なくありませんでした。
市長は、先ほど市役所の建てかえ問題は重要な課題だとお答えになっておりました。伺いますが、市を挙げての大事業となる市役所の建てかえ問題について、全ての市民に説明していくというお気持ちはお持ちでしょうか。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 市議会を初め、市民の皆様にきちんと情報を提供する必要があるというふうに考えておりますので、詳細に情報を公開しながら、そして段階的にさまざまな御意見も聴取しながら、慎重かつスピーディーに進めてまいりたいと考えているところでございます。
〔上野美恵子委員 登壇〕
◆上野美恵子 委員 市民の皆様に説明していくということでありますけれども、それならば、やはり説明会等につきましては、区ごとということではなくて、もっと多様な形、いろいろな方が参加できるようなやり方というのを工夫すべきと思います。
以前、介護保険制度が始まりましたときに、やはり新制度が始まるということで、すごく丁寧に地域の隅々に市役所の方が出かけられて、たしかあのときは何百カ所も説明会があって、説明されたんですけれども、それに値するような、お金もかかる大事な事業だと思いますので、市民の皆様と言われるのであれば、この点はやはり再考して丁寧さをもっときちんとすべきだと思います。
もう一つお尋ねいたします。
先ほど調査結果について専門家の見解も聞き、技術的には十分に検証を行ったと認識していると答弁されましたけれども、それならば、なぜいまだ建築の専門家の方々から疑問の声が聞こえてくるのでしょうか。私どものところにも、つい先日、市役所の今の検討結果については、まだまだ疑問があるという声が寄せられております。そういう声に、私はやはり専門家の疑問に真摯に答えていくべきではないかと考えております。それとも、答弁のように、検証は行ったということで疑問の声を振り切って、建てかえありきで進んでいかれるのでしょうか。市長のお考えをお尋ねいたします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 先ほども答弁申し上げましたけれども、本庁舎の建てかえというのは極めて重要な課題でありますことから、本調査結果について地元と東京の県内、国内を代表する専門家4名の方々に検証を依頼し、調査結果は妥当であるという御意見をいただいたところでございまして、技術的に十分に検証を行ったというふうに認識しております。また、この結果については、特別委員会の場でも、議事録等もお示しさせていただきながら十分にお示しさせていただいていると認識しておりますので、必要であれば、そうした専門家の方々にまたお越しいただいて、説明していただくなり、そういう機会を設けることは可能かというふうに思いますけれども、科学的なデータを十分検証された上での我々に対する調査結果であるというふうに認識しているところでございます。
〔上野美恵子委員 登壇〕
◆上野美恵子 委員 私もそういう資料は拝見させていただきましたけれども、4名と言わず、私どものところには4名より多い方々から疑問が残っておりますという声が届いております。大変重要な課題ということを繰り返しておられますけれども、やはり大きな事業費ということを踏まえるならば、とにかく急いで建てかえていくということではなくて、広く意見を聞きながら、誰もが納得できるような方向性を見きわめていくべきではないかと思いますので、よろしくお願いいたします。
まだ、この問題は新年度に詳細な調査・分析を行っていくという答弁もありますので、建てかえ手法等についてということだけではなくて、いま一度建てかえの必要性について市民や専門家の疑問に答え、市民や議会の合意なく建てかえありきで進めていくことのないようにお願いしておきます。
次に、2021年度までの債務負担を含めて、約24億円の事業費が提案されておりますシンボルプロムナード等整備事業についてお尋ねいたします。
予算の積算となる具体的な整備内容を御説明ください。また、そのような整備が本当に必要なのか、市民の意見を聞くべきではないかと思いますので、この点、市長に伺います。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 シンボルプロムナード等の整備につきまして具体的な整備内容については何か、また市民の意見を聞くべきではないかということについてのお尋ねにお答えいたします。
シンボルプロムナード等のオープンスペースにつきましては、熊本城や桜町再開発施設と中心商店街の間に位置しておりまして、中心市街地における回遊の拠点として、本市の顔となる場所でありますことから、これにふさわしい整備をしたいと考えているところです。
具体的な内容といたしましては、熊本城の行幸坂の桜並木とつながるような桜を中心とした植栽を初め、水や緑といった熊本らしさを感じられるような水景施設や芝を用いた舗装、さらにはにぎわいを創出できるように、多くの方々に利用しやすい管理施設や、周辺施設との接続の強化などの整備を考えているところでございます。
これらの整備内容につきましては、これまでにオープンハウスやアンケート等で延べ8,000人を超える多くの市民の皆様方を初め、議会や諮問機関でございます桜町・花畑周辺地区まちづくりマネジメント検討委員会からの御意見も聴取いたしまして、設計に反映させていただいているところでございます。
今後も、各段階におきまして検討内容等を広く市民の皆様に説明いたしまして、整備はもとより、利活用等についての御意見を盛り込むことで市民満足度が高く、また市民の皆さんに愛着や誇りを持っていただける空間としてまいりたいと考えております。
〔上野美恵子委員 登壇〕
◆上野美恵子 委員 シンボルプロムナード等整備事業の予算の積算は、(仮称)花畑広場シンボルプロムナード15億9,000万円、辛島公園・花畑公園が7億8,000万円の合計で23億7,000万円です。しかし、この事業のために、既に産業文化会館の解体やサンビル・フラワーズビル取得費、広場整備費など、既に19億円が使われており、これらを加えると、花畑広場を含むシンボルプロムナード等整備費は43億円になります。先ほど市長は、周辺施設との接続強化ということを答弁されましたけれども、桜町再開発の周辺整備的な事業とも言えます。桜町再開発、熊本城ホールに450億円もの税金をつぎ込み、さらにその周辺整備に43億円もの事業費が使われることには、私は市民の理解は得られないと思います。
では、2点目の上下水道料金の引き上げについて伺います。
ことし10月に予定されている消費税率10%への増税を見込んで、増税分を市民に転嫁し、上下水道料金を引き上げる条例案が提案されています。
第1に、消費税10%への増税が市民の暮らしや地域経済にどのように影響してくるとお考えでしょうか。
第2に、市民へ転嫁する増税分は1年間に換算すると幾らの負担増になりますか。
上水道、下水道、それぞれにお答えください。
第3に、消費税10%への増税による市民生活への影響を考えるならば、増税分を安易に市民に転嫁すべきではありません。市民負担をふやさないという検討はされなかったのでしょうか。
第4に、過去の消費税率引き上げに際しては、自治体独自に増税分の水道料金引き下げを行い、実質的に消費税増税による料金値上げを回避した自治体もありました。熊本市の水道事業会計決算は、収益的収支の税込みの金額で、2016年度で18億円、2017年度で30億円の黒字がございます。黒字分を市民に還元して増税転嫁による料金引き上げを中止することはできないのでしょうか。
以上4点につきまして、
上下水道事業管理者にお尋ねいたします。
〔白石三千
治上下水道事業管理者 登壇〕
◎白石三千治
上下水道事業管理者 消費税増税に伴う上下水道の料金等についての御質問に一括してお答えいたします。
消費税率引き上げにつきましては、将来にわたり持続可能な社会保障制度を構築するための社会保障と税の一体改革の取り組みを進めるための安定的な財源確保を目的とするものでございまして、消費税率10%への引き上げによりまして市民の暮らしにおきましては、個人消費への影響、地域経済におきましては企業活動への影響が懸念されますものの、社会保障の充実・安定化のためには避けて通れないものと認識しているところでございます。今回の消費税率の引き上げによりまして、口径13ミリ、毎月の使用水量が20トンの標準的な御家庭の場合、水道料金におきましては年額で576円の増、水道事業全体における通年ベースでは約2億2,800万円の増と見込んでいるところでございます。また、下水道使用料におきましては、年額で516円の増、下水道事業全体における通年ベースでは約2億600万円の増と見込んでいるところでございます。
消費税につきましては、納税義務者である事業者が価格への転嫁を通じまして消費者に負担を求める間接税でございまして、社会保障の安定財源確保という社会保障と税の一体改革の趣旨を踏まえまして、円滑かつ適正な転嫁を行う必要があると認識いたしております。
また、毎年度の利益につきましては、企業債の返済や老朽化が進行する管路や施設を適切に更新していくための原資でございまして、将来にわたって持続可能な上下水道事業を運営していきますためには、適正な料金水準を維持していく必要がありますことから、消費税率引き上げにつきましては、その趣旨のとおり適切に転嫁することといたしております。
〔上野美恵子委員 登壇〕
◆上野美恵子 委員 るる御答弁いただきましたけれども、3点目の消費税増税分を市民に転嫁しないという検討がされたのか、されなかったのか、なかったと思いますので、端的にお答え願います。
〔白石三千
治上下水道事業管理者 登壇〕
◎白石三千治
上下水道事業管理者 消費税率を転嫁することへの検討についてでございますけれども、上下水道局におきましては、平成29年8月から経営戦略ワーキンググループ財政検討部会におきまして、水道料金及び下水道使用料の料金体系、水準に係る検討を開始いたしまして、同検討部会での検討内容及び熊本市上下水道事業経営基本計画における財政見通し等を踏まえまして、消費税率引き上げ時における上下水道所管の使用料、手数料改定の必要性等について検討を行ったところでございます。
〔上野美恵子委員 登壇〕
◆上野美恵子 委員 転嫁するか、しないか検討したという答弁ではありましたけれども、最初の影響のところで、まさに政府答弁のような説明をなさいまして、私は消費税10%増税による市民の痛みについての認識がないと思います。
今、国会では統計データの改ざん問題での論議が種々行われておりまして、増税の根拠ともなっているアベノミクスの効果による好景気という実態がなかったことが明らかになってきております。消費税10%への増税は、市民の暮らしにも多大な影響を及ぼして消費不況をますます悪化させることは間違いありません。このような現実を見るならば、市民に新たな負担を求めるべきではありません。
答弁されました上下水道合わせて年間4億3,000万円という負担増は、市民にとってはとても重いものですが、上下水道事業の黒字分、毎年莫大な金額ですけれども、吸収できる金額でもあります。紹介しましたように、過去の消費税の増税の折には増税分の料金引き下げを行って、実質的に増税分が市民に転嫁されないように取り組んだ自治体がありました。そういう市民の暮らしの実態に寄り添った検討こそがなされるべきではなかったでしょうか。
検討と言うならば、やはり住民に身近な自治体として、水道局としても住民の立場での検討をして事業を進めていくべきであろうということを指摘いたしまして、以上で質疑を終わります。
○満永寿博 委員長 上野美恵子委員の質疑は終わりました。
以上で、日本共産党熊本市議団の質疑は終わりました。
次に、市政クラブ、落水清弘委員の質疑を行います。持ち時間は15分となっております。
〔落水清弘委員 登壇〕
◆落水清弘 委員 落水清弘でございます。
今定例会で任期満了を迎えるわけですが、わたくしが知る熊本市議会の歴史の中では最も特異なことが幾つも起き、議会制民主主義の未来に大きな不安を覚える4年間となりました。そのような中、今会期中、わたくしが国会議員秘書時代からの盟友、家入安弘議員が急逝されたのは無情の寂しさがつきまとうばかりです。心から冥福をお祈りいたします。
質疑に入らせていただきます。
1、小中学校の学校管理費より、児童の健康と市民の安全のための学校トイレ洋式化について。
私が小中学校のトイレの洋式化を推進するようになったのには、人一人の命が滅するという大きな事件と、2つの団体からの切実な陳情があったからです。その1つは、熊本地震直後の9月議会でもお話ししておりますので、当時の原稿をそのまま読みます。
「私の住む花園でも、地震から1週間ほどの時期に、私が詰めていた花園小学校に避難していた高齢者の男性の方が、学校の和式トイレを使用できず、自宅に戻られ、その数日後に自宅裏の樹木の下でみずからの命を絶たれるという痛ましい事件が起きました」という内容です。とても残念なことで、70代後半の男性の方でした。
その2点目は、保育園連盟の園長先生らの話です。「保育園の和式トイレを全て洋式トイレに改修したいが、小学校が和式トイレばかりなので、小学校に上がってからの練習用として一、二個は和式トイレを残さないといけない」との内容です。来年度全面改築の園でも、練習用和式トイレ1個を残されております。
3点目は、昨年、地元の花園小学校の赤星PTA会長と井芹中学校の吉山PTA会長からの陳情で、「低学年の児童の中に学校の和式トイレが理由で大便をしないで我慢している児童がいる、トイレの洋式化を早く進めてほしい」との内容でした。
今現在、教育委員会では、新設校や増改築の学校では全面的にトイレ洋式化をされておられるようですが、この方法ですと、全校洋式化には20年以上の年月がかかってしまう見込みです。
このような話を地域でしておりましたらば洋式トイレを寄附してくれる団体が出てまいりました。
では、資料1をごらんください。
見積書と寄附申込書でございます。そこに記載の花園子どもみこし保存会と花園子ども会が現状の和式トイレを洋式化する器具、工事費一式を寄附していただくことになりました。金額は27万8,640円です。
私は、この上下水道局指定業者の見積書を見て考えました。この方法で洋式化すれば、3,000万円の予算で年107個のトイレが洋式化できる。これなら全小中学校の洋式化も現実味を帯びてくるのではないか。
そこで、教育長にお伺いいたします。
ただいま私が申し上げましたことも含めて、今後小中学校のトイレ洋式化についてどのように積極的に推進されていかれるおつもりなのか、お答え願います。
〔
橋爪富二雄教育次長 登壇〕
◎橋爪富二雄 教育次長 学校トイレ洋式化についてお答えいたします。
学校施設のトイレ洋式化につきましては、平成12年度から3カ年で既存校舎内トイレのうち1カ所を洋式化し、その後、新設校の建設や増改築の際に洋式トイレを中心に設置してまいりました。また、本年1月には学校施設長寿命化計画を策定いたしまして、バリアフリー化の一環として既存のトイレの洋式化や多目的トイレの整備を実施することとしております。
今後は児童・生徒の健康と災害時の市民の安心のため、委員御提案の手法も参考とし、和便器を洋便器に取りかえる簡易な方法や限られた設置スペースでのより効果的な改修方法等も研究し、さらなる洋式化を進めてまいります。
〔落水清弘委員 登壇〕
◆落水清弘 委員 教育長、効率的な学校トイレ洋式化、御理解いただき、感謝いたします。
では、通告2、道路交通安全施設費、水道施設整備事業費より、職員の改善意識と縦割り行政の弊害について。
では、資料2の「道路案内表示板、A、B、C」の写真をごらんください。
Aの表示板は、市役所表通りを北へ向かい、坪井橋交差点手前50メートル付近に設置されております。Bの表示板は、その坪井橋交差点を左折、新堀橋方面へ100メートルほど行ったところに設置されております。熊本中央高校入り口のところです。Cの表示板は、その反対車線側に設置されております。いずれも「漱石記念館」の表記がありますが、ネットで漱石記念館を検索しますと、新宿区とロンドンの記念館がヒットいたします。言うまでもなく、熊本市には夏目漱石の記念館は存在いたしません。この表示板は、「夏目漱石内坪井旧居」の案内板となっているわけです。
まず申し上げたいのは、私はこのような小さなミスの責任追及など、毛頭考えていないということです。私が気になるのは、何十年もこのミスを市職員の誰も指摘しなかったことなのです。
参考までにお伺いいたしますが、わかれば教えてください。
道路案内表示板の表記ミスは、いつごろ、なぜ起きたのか。その原因者は熊本市か、熊本県か。二、三十年使っているようですが、その間に英語表記の修正をしたのに、どうして気がつかなかったのでしょうか。なぜなら、日本人なら内坪井旧居と想像できますが、外国人では英語表記からは想像できませんので、内坪井旧居にはたどり着かないことになります。わかれば教えていただきたいです。
続いて、資料2の「水道老朽管の布設がえ工事完了の写真D」をごらんください。
この写真で見ていただきたいのは、黄色い矢印の「破線の外側線」のところです。水道局の老朽管布設がえで、工事終了後、路側帯の外側線の復旧をしましたが、そこはもともと外側線が消えてなくなっている市道だったのです。それにもかかわらず、工事箇所のみの外側線を復旧したら、写真のように破線になってしまったのです。点々線のことです。市民目線で見ると、なぜこんな線の引き方をするのか不思議だとの声になるわけです。水道局と道路で連絡し合えれば、写真Dの反対車線のような一本のきれいな外側線が引けたのではないでしょうか。
これらのことを単純ミスとして処理しては、同じことの繰り返しになるのではないかと危惧しております。ここ30年で、あの道路案内標識板の下を何千、いや何万人の市職員が通ったのでしょうか。文化財関係職員、観光関係職員、道路などの職員、また路側帯の外側線の方も、現場に行った職員がちょっと考えれば気がつくことではないのでしょうか。
これらを改善するためには、職員一人一人の改善意識を高めるとともに、縦割り行政の弊害である、よその課のことはなるべく口を出さないでおこうとする公務員の意識改革が必要と考えますが、大西市長のお考えをお聞かせください。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 まず、道路の案内標識の件でございますけれども、御指摘の3カ所の標識のうち、一部につきましては、昭和期に設置されたと推測されますものの、正確な設置年や英語表記の更新記録等が台帳に記載されていませんことから、これまでに至る詳細な経緯については不明でございます。案内標識等は、道路を利用する方々にとって行き先等を適切に案内する施設でありますことから、引き続き、市民の皆様はもとより、国内外から本市を訪れるあらゆる方々にとって、わかりやすい道しるべとなるよう努めてまいりたいと考えております。
また、今回の上下水道局の工事におけます外側線の復旧に関しましても、効率的な道路管理や交通の安全性確保の観点を踏まえ、適切な復旧ができるよう調整してまいりたいと考えております。
現在、本市では市役所改革を進めておりまして、今後も職員一人一人の意識改革を図ることはもとより、委員御指摘の点も踏まえまして、効率的な行政運営ができますよう、また全庁的な調整のみならず、関係事業者とのさらなる連携を強化しまして、市民の立場に立った市民満足度の高い市役所の実現に向けて全力で取り組んでまいりたいと考えております。
〔落水清弘委員 登壇〕
◆落水清弘 委員 私は、随分前の議会でトヨタ自動車のカイゼンを紹介いたしました。今、世界中の企業が横文字のKAIZENの導入をし始めております。KAIZENを漢字で書くと、改めると善悪の善という字を書きます。物事をよいほうへ変えるという意味ですが、ここでいう善とは何でしょうか。それは、公益に資するという意味ではないかと考えます。
大西市長は、職員の意識改革などを含めた市役所改革を積極的に進められておりますが、今回のことも参考にしていただき、より一層の公益に資する職員の育成をお願いいたしまして、私の質疑を終わります。
御清聴ありがとうございます。(拍手)
○満永寿博 委員長 市政クラブ、落水清弘委員の質疑は終わりました。
以上で、総括質疑は終わりました。
次に、付託議案の取り扱いについてお諮りいたします。
付託議案の詳細審査につきましては、お手元に配付しております一覧表のとおり、各分科会が分担することで御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○満永寿博 委員長 御異議なしと認め、そのように決定いたします。
次回、当委員会は3月6日(水曜)午前10時に開きます。
なお、次回の委員会における締めくくり質疑の通告期限は3月5日(火曜)午前10時となっておりますので、委員各位御承知おき願います。
これをもちまして、本日の委員会を閉会いたします。
午後 3時27分 閉会
出席説明員
市長 大 西 一 史 副市長 多 野 春 光
副市長 植 松 浩 二 政策局長 古 庄 修 治
総務局長 中 村 英 文 財政局長 田 中 陽 礼
市民局長 萱 野 晃
健康福祉局長 池 田 泰 紀
環境局長 勝 谷 仁 雄 経済観光局長 平 井 英 虎
農水局長 西 嶋 英 樹
都市建設局長 田 中 隆 臣
消防局長 西 岡 哲 弘 交通事業管理者 肝 付 幸 治
上下水道事業管理者白 石 三千治 教育次長 橋 爪 富二雄
北区長 野 口 恭 子
議会事務局職員
事務局長 田 上 美智子 事務局次長 大 島 直 也
議事課長 本 田 正 文 調査課長 中 川 和 徳...