まず、国の礎である農業の振興、
熊本ブランドの確立に向けて、我が国の根幹を支えている農業について質問いたします。
改めて申し上げるまでもありませんが、農業は、国土の保全、水源の涵養、
自然環境の保全、良好な景観の形成、文化の伝承など、
農業生産活動が行われることにより生ずる食料その他の農産物の供給の機能以外にも多くの機能を有していることから、一般的に農業は多面的な機能を有すると表現されております。
しかしながら、
農業人口は減少の一途をたどっており、農家の高齢化や
後継者不足により、持続的な
生産活動や
維持管理活動が低下し、農業・農村の大切な恵みが失われつつあります。現状でも我が国の
食料自給率は約40%と、
主要先進国の中で最も低い状況にあります。今後も日本の人口が減少し、
農業人口も加速度的に減少していくようになれば、
人口減少により経済力も低下するでしょう。世界の国々は、
発展途上国を中心に人口は爆発的に増加していきます。
経済成長も続くでしょうから、海外からの
食料輸入は困難になってくるのではないかと危惧されます。
私の実家は、農業を長年営んできた農家です。マスクメロンや赤く色づいたトマトを1個1個収穫する両親の姿を見ながら、また私が小さいときにはノリもつくっていたようで、とても大変だったという話を聞いて育ちました。そこで、農業問題に関して質問したいと思います。
GAPについてお尋ねいたします。GAPとは、グッド アグリカルチュラル プラクティスの頭文字をとったもので、
農業生産工程管理に基づく
品質保証の考え方を
農業現場に導入し、
食品事故などの問題を農場が起こさないよう未然に防ぐ
農場管理の手法です。日本の農業界、
流通業界の
標準GAPとして開発が進められてきた
JGAPには、青果物、穀物、お茶の3分野の
農場認定があります。農産物の
安全性向上や
環境保全型農業を実践する手法として、1990年代終わりから欧州で普及が進み、2002年以降に日本では普及が進んでいるのがGAPです。
従来の
事後対応型の
取り組みから予防型の
取り組みとすることで、信頼性の高い
生産管理体制のもと
全数保証を目指すもので、病原菌や重金属の問題にも対応することが求められます。
JGAPは国内の基準をクリアしたものですが、
アジアGAP、
グローバルGAPは海外の基準を満たせば輸出が容易となり、
ブランド力が向上し
販路拡大にもつながります。
熊本市として、意欲のある農家や
営農団体に対し、このGAPの
取り組みを支援する考えはございませんか。と申しますのも、このGAPは取得後の運用がとても大変で、それを維持するためには行政の支援が必要だと思われるからです。また、あわせて
HACCP認証、ハザード アナリシス クリティカル コントロール
ポイント、これは食品の製造、加工、流通、消費という全ての段階で衛生的、安全を求められるものですが、この
HACCP認証とあわせて研修などを開催し、さらに
熊本ブランドを推進されたらいかがでしょうか。
農水局長にお尋ねいたします。
〔
西嶋英樹農水局長 登壇〕
◎
西嶋英樹 農水局長 本市では、安全安心な
農産物づくりや
環境保全、労働安全などの
持続可能性を高めるため、平成21年3月に策定いたしました第1次
農水産業計画におきまして、
農業生産工程管理、いわゆるGAPの
認証取得を推進してございます。
具体的には、GAPの意義やGAPを活用いたしました
農業経営の改善等について、県、
農協と連携いたしまして
生産者部会などを対象に研修会を開催いたしますとともに、夢と活力ある
農業推進事業におきまして、農業者などが行うGAPの導入に向けた
調査研修でございますとか、GAPの
認証取得に係る
審査経費などに支援を行っております。
また、
HACCPにつきましては、食品などの事業者みずからが行う製品の安全性を確保する
衛生管理の手法でございますが、
農業分野におきましては、
畜産農場について
農林水産省が平成21年に基準を制定してございます。全国的にはまだ
取得農場が少なく、本市においても1農場が取得しておりますけれども、
家畜伝染病の
発生予防などをより一層進めるため、それから
畜産農業者に対して県や
農協と連携いたしまして、
HACCPにつきましても積極的に
情報提供を行ってまいります。今後とも持続的な
農業生産活動や安全安心な
農畜産物の供給を推進するため、GAPの取得や
HACCPの認証を市としても積極的に推進してまいります。
〔7番
小池洋恵議員 登壇〕
◆
小池洋恵 議員 ありがとうございました。
GAP、
農場HACCPの
認証取得状況は、熊本県が確認している4種類のGAPについて紹介いたしますと、熊本県
版GAP、県全体11組織437個、
うち熊本市1組織。
JGAPは県全体74経営体、
うち熊本市4経営体。
アジアGAPは県全体31経営体、
うち熊本市7経営体。
グローバルGAPは県全体20経営体、
うち熊本市は2経営体となっております。また、
農林水産省広報より
農場HACCPについては、現在県全体7農場の
うち熊本市内は1農場の
取得状況であるようです。
熊本県は全国でも有数の農業県。熊本市も
農業生産額では全国20
政令指定都市で第3位となっております。都市でありながら豊かな農村としての表情を持つのが本市です。そのことが、この熊本市の奥行きのある魅力につながっているのだと考えます。
割愛しましたが、
観光振興について各施策が講じられていますし、
農業振興についても質問させていただいたところですが、この観光と農業を戦略的に結びつけ
相乗効果を発揮させていくこと。これが、これからの
市政発展の鍵の1つであるような気がしてなりません。熊本の農産物は、どれも本物の味だ、うまいと、
熊本訪問の方々、
災害支援の
ボランティアの方々からもうれしい声が聞かれました。
一方、
ブランド性が弱いから都会で一番早く半値がつくのも熊本県産品だと、そのような話もあります。
大西市長には、どうかこのことを念頭に置いていただき、長期的に連動した戦略を具体的な
取り組みにつなげていただければ幸甚に思います。
次に、
地域コミュニティ、
地域づくりについてお尋ねいたします。
平成27年9月11日、私は最初の
一般質問に立ち、
地域住民のつながりや関係の希薄化が進むにつれ、
防犯防災あるいは福祉といった
地域社会でコミットしていく力が失われていくことに対して、危機感を指摘させていただきました。そして、そうした一方の
地域コミュニティの衰退に歯どめをかけ、地域の共助力を取り戻すために必要な
地域活性化の基盤となる仕組みを推進していくことが私の使命であると考え、喫緊の課題となっている
具体的取り組みとして、これまで4分野14の
活動改善項目について質問してまいりました。そこで、地域の
コミュニティ、いわゆる
地域づくりについてお尋ねいたします。
現在、熊本市には92校区4地区の
自治協議会があり、自治会、
社会福祉協議会、婦人会、
老人クラブなどの
地域団体や、学校、企業、
行政機関など、地域のさまざまな団体などで構成する
自治協議会は、
地域づくりの
中心的団体となっております。
その活動の概要は、
地域団体相互の連携として
地域団体の
ネットワーク化により、団体間の連携を図りながら校区の
自立運営を目指すとともに、情報の共有化のため、地域に関する情報を広く収集、発信し、住民の皆さんに
コミュニティづくりについて考える材料を提供するとされています。また、住民の意見、提案の集約を行うため、広く住民の皆さんの意見や提案を酌み上げ、地域の特性や人材などの
地域資源を活用しながら主体的に
地域活動を推進するほか、住民と行政との協働を目指し、
コミュニティづくりや
地域課題に対応するため、地域と行政がそれぞれの役割と責務を担い、協働で取り組むとされております。
これらの役割や機能が十分なものであれば、さほど心配することはないかもしれませんが、現実問題として
校区自治協議会やそれを構成する
民生委員や自治会など、
地域団体のメンバーに若い人が入っていきがたい雰囲気があります。そのため
なり手不足が深刻で、
生活環境と
社会支援の仕組みの
ミスマッチが起きています。このような状況を大変憂慮しておりますので、
なり手不足を解決するための方法について、数点提言したいと思います。
私がこれまでの
防犯協会などの
地域活動を通して感じるのは、女性は子供、男性は仕事に専念すべきという考え方が今もなお強く残っているということです。国は、日本人の勤勉な特性による働き過ぎの是正に向けて働き方
改革を掲げておりますが、働き方
改革により生み出された時間を
地域づくりのための時間として使ってもらい、
地域貢献につながるような
システムをつくっていただければと切に願っております。ここでは4点についてお尋ねいたします。
まず、
ひとり暮らしの
高齢者対策について、先進的で効果的な
取り組みを行っている北海道の登別市の
社会福祉協議会の事例を紹介いたします。
登別社協では、昨年7月から
タブレット端末を使った見守り
ネットワーク事業として、在宅で
ひとり暮らしをしている高齢者に端末を貸与し、起床や就寝、外出などの情報をワンタッチで操作してもらうことで、安否が確認できる仕組みを構築しております。これは見守りサービスの新たな
体制構築を図るもので、
人口減少や
少子高齢化などにより、見守る側の
人手不足による
地域負担の軽減も視野に入れているとのことです。
報道によれば、
登別社協では2015年12月から、独居の要支援、要
介護認定1、2の市民ら12人が協力し、
タブレット端末を使った見守り活動を試行的に実行しております。利用者からは、最初はなれずに大変だったが、操作することが徐々に習慣になった。常に誰かに見守ってもらえている気がするなどの声があったほか、家族からは、毎日会いに行くことが難しいが、端末があれば、何かあればすぐに連絡が来るので安心と、手応えがあったとのことです。
この縁、えにし
管理システムと呼ばれるこの
システムは、
緊急通報とは異なり、利用者が端末に触れないことで変化を察知することが最大の特徴です。機能としては、おやすみ、外出などのボタンがあり、例えばおやすみボタンを押すと、就寝と起床の確認が可能となっています。とにかく、間違って触れるイコール元気な証拠と捉え、24時間操作がされない場合は、御家族などが登録できる任意のメールアドレスへ自動的に通知がされる仕組みとなっております。このほか、
連絡事項のお知らせや
ラジオ体操動画の視聴、日々の体調の記録などの機能があり、端末から送られてくる情報は社協のパソコンで管理され、その情報は職員が1日3回チェックし、安否が確認できない場合は訪問するそうです。
登別社協は、高齢者などだけではなく、遠方に住む、頻繁に会いに行くことができない家族の不安解消につながると期待しているとのことです。料金は約2,000円程度ということです。市においても、このような
システムなどを構築してはいかがでしょうか。
健康福祉局長にお尋ねいたします。
〔
池田泰紀健康福祉局長 登壇〕
◎
池田泰紀 健康福祉局長 ひとり暮らしの
高齢者対策についてお答え申し上げます。
本市におきましては、
ひとり暮らしの
高齢者等の
社会的孤立感の解消や
安否確認などのため、
地域包括支援センターと連携しながら、
民生委員を初めとする地域の住民等による声かけや訪問、
老人クラブの会員が自宅を訪問する
シルバーヘルパー事業といった、高齢者を地域で見守る
体制づくりを支援しているところでございます。
また、日常的な見守りが必要で緊急時の対応が困難な
ひとり暮らしの高齢者につきましては、
高齢者安心支援事業といたしまして
安否確認及び
緊急通報装置の貸し出しを行っているところでございます。議員御案内のとおり、さまざまな機能を持つ高齢者の見守り
システムが開発されておりまして、これを活用した
民間サービスも多数あると承知しているところでございます。
本市といたしましても、
ICT技術の進歩によります
緊急通報装置の多
機能化等も考慮しながら、
ひとり暮らしの高齢者へのさまざまな見守り
体制づくりを進めてまいりたいと考えております。
〔7番
小池洋恵議員 登壇〕
◆
小池洋恵 議員 ありがとうございました。
本市が
使用貸し出し中の端末は、日常的に見守りが必要で、緊急時の対応が困難な
ひとり暮らしの対象であり、対象者が65歳以上、
ひとり暮らし、何らかの疾病をお持ちの方、急を要する方と4段階の条件を有する方となっております。
利用者数は65歳以上の18万人中625人と利用者が限られているように感じます。
紹介した登別の
システムは
タブレットであり、本市の持つ
緊急通報とは異なります。利用者が日常、簡単に気軽に挨拶するような感じで使え、端末に触れないことで変化を察知することが最大の特徴となっております。
緊急段階に応じた
ひとり暮らし高齢者への
安心システムが、超
高齢化社会を地域で支える民生の方々の活動を補完し、支え合いの道具としてコストのかかるハードから、利用者が機能の選択ができるコストの低いアプリなど、ソフトをベースとした
システムを検討されることを願います。
さて、最近では、いじめ、虐待など、
子供たち、
生活弱者の環境が悪化し孤立化が加速しているように感じます。学校と家庭、仕事場と家庭だけではなく、いつでも立ち寄れる地域の人が集まり一息でき、笑顔を取り戻せる場所が必要ではないかと考えております。互いに支え合うような第2、第3の
居場所づくりの
取り組み、
福祉コミュニティを推進していただきたい。そして、今こそ熊本から聞こえなくなったノーマライゼーション、
ユニバーサルデザインの考えを次世代のために復活、実現を切に願っております。
次は、熊本市
ファミリー農園についてお尋ねいたします。
本市では、農地の
有効利用と農地をお持ちでない市民の皆さんに、野菜や花などの栽培を体験していただくことを目的に、農家の皆さんが経営する農園のうち、一定の条件を満たすものを熊本市
ファミリー農園として指定しています。昨年6月末時点の
ファミリー農園空き状況確認表での現状は、中央区国府本町ゼロ、東区長嶺南1、花立ゼロ、桜木2、西区小島34、南区近見4、元三町7、幸田30、
富合田尻73、城南蓍町27、北区麻生田ゼロ、鶴羽田1、高平ゼロ、立田山6と、農場の多い西区、南区では
空き区画が多く、中央区初め東区、北区の
住宅密集地には
空き区画がない状況です。
指定にかかわる7つの条件には、おおむね10年以上の
農園経営ができる農家が所有する市域内の農地であること、また、
農園面積がおおむね10アール以上あり、1区画15平方メートル以上の区画が確保できることとあります。地域性により均一な条件での
農園開設に、
住民ニーズとの
ミスマッチがあるのではと疑問を感じていますし、災害があり解体更地も多く点在し、
土地利用のため
農園開設希望の要望も耳に届いております。
農地面積がおおむね10アール以上とは、市内では広大な土地が必要になってしまうため、例えば1件当たりの
住宅敷地面積程度の条件に落とし、指定に係る
一定条件の数字を緩やかにすれば、災害後の
土地利用、
家庭菜園並みの御近所での運用、災害時の備蓄、
共助関係の構築、希薄化した
近所関係が
屋外活動で深まると考えられます。一定の条件の緩和について
農水局長にお尋ねいたします。
〔
西嶋英樹農水局長 登壇〕
◎
西嶋英樹 農水局長 熊本市
ファミリー農園の
基準緩和についてお答え申し上げます。
本市の
ファミリー農園は、
市民農園整備促進法で規定されております農業者の
指導管理のもと、利用者のレクリエーションなどの目的のため、農作業を体験する
農園利用方式として運営されてございます。
本市といたしましては、
ファミリー農園を指定する際、農園を利用する方が安心して農作業を体験できるよう、県が定めております
市民農園の整備に関する基本方針を参考に、農園の
整備条件や農園の
区画面積などを定めておりまして、市が指定した後、農園の場所や区画数などをホームページで
情報提供させていただいております。
ファミリー農園の
利用状況につきましては、先ほど議員御指摘のように、特に住宅街に近接しております市街地におきまして、利用率が高く市民のニーズも高い状況にあると認識してございます。
今回の議員の御提案を受けまして、今後、地域の
土地利用と調和しつつ、農地の
有効活用に資するよう、農園のニーズを把握しながら
面積要件などの
基準緩和について検討してまいります。
〔7番
小池洋恵議員 登壇〕
◆
小池洋恵 議員 ありがとうございました。
ファミリー農園は、法に触れない
農園利用方式での運営でありますが、書面での数字記載は市民にとっては
厳守事項と判断されがちで、1区画15平方メートル以上の条件には規定はあるものの、おおむね10アール以上の条件は緩和可能とのことでうれしく思います。最近では、若い世代の興味、関心度も高く、青空の下での
世代間交流が
ファミリー農園から生まれることを期待しております。
次は、河川敷の利活用についてお尋ねいたします。
本市の豊かに広がる河川敷の利活用について、地域の防災や
交流拠点の観点から、その後の進捗についてお尋ねしたいと思います。
河川敷のような
地域資源については、行政側の管理の都合だけにとらわれず、地域の人々が自主的かつ主体的に管理し利活用していく
仕組みづくりや、それを支える観点が重要であり、その具体策として、関連する
大西マニフェストの着実な実現を図っていくことが必要不可欠と思い、第1回目の登壇から質問してまいりました。
例えば、1期目の
市長マニフェスト89番には、
河川協力団体制度を活用して、河原、遊水地の清掃や除草などの管理を地域で行えるようにします。これによって、河川敷を
市民農園や花畑に転換することもできるようになりますとあり、これは任期中の実現を目指すとされていました。
また、92番には、市民が歩き、憩い、楽しめる白川、坪井川、加勢川などを再生するため、河川敷の整備を進めます。特に、京都の鴨川をモデルとして、
白川沿いを散策できる
まちづくりを国と協力して推進しますとあり、これは任期中に着手となっておりました。
さらに、登壇最初の
一般質問では、
子供たちの遊び場の創出としての公園の利活用についても質問しておりますが、これに関連する1期目の
市長マニフェスト4番の校庭開放を推進するとともに、公園の
禁止事項を見直して、子供の自由な遊び場を確保することを目指します。及び55番には、地域の憩いの広場や子供が遊べる公園を充実し、管理も地域で実施できるようにします。これはいずれも任期中に着手することとなっておりました。この件につきましては、初回の質問の翌月には、私と河川課、
土木センターが中心となって、
坪井川遊水地を
国交省関係各課も含めて十数名で2時間歩き、
ポイントとなる箇所を視察調査していただきました。
そうしたことも踏まえて、これらの
マニフェストに関連する実際の
取り組み状況について、現在どの程度まで進捗しているのか、今後の見通しも含めて
都市建設局長にお尋ねいたします。
〔
田中隆臣都市建設局長 登壇〕
◎
田中隆臣 都市建設局長 河川敷の利活用の現在の
進捗状況についてでございますが、議員御案内のとおり、地域の交流や
防災拠点等、河川敷はさまざまな利活用が期待できる空間であることから、その活用の
仕組みづくりについてこれまで検討を進めてまいりました。
現在、
坪井川遊水地では、
地域住民等から成る
坪井川遊水地の会と
まちづくりセンター、
河川管理者協働による勉強会を開催し、今後の利活用や管理について協議を行っております。また、
地域主体によるふれあい農園や
子供たちのための
プレーパークとして活用もされている状況でございます。
次に、
白川沿いにつきましては、白川橋から龍神橋間5.1キロに
自転車専用道路、白川ちゃりんぽみちの整備や、大甲橋から
明午橋区間の緑の区間及び
白川橋左岸緑地など、河川敷での
環境空間の整備を進めています。これらの供用した施設においては、散策や
スポーツ、地域のイベントなど広く市民に親しまれている状況でございます。
次に、公園の利用に関しては、本年2月に開設しました公園では、
ボール遊びができる手法等について地元と話し合いを重ね、そのルールのもとに供用を開始しました。また、地域による管理ということについては、従来の
公園愛護会等による
ボランティア清掃などのほか、新たに公民連携による
取り組みを始めたところでございます。
今後とも市民の憩いの場である公園や河川敷の利活用については、災害時の
防災拠点としての利活用はもとより、地域の方々と連携し、憩い、楽しめる交流の拠点となるよう
取り組みを進めてまいります。
〔7番
小池洋恵議員 登壇〕
◆
小池洋恵 議員 ありがとうございました。
防犯協会、
民生児童委員、
補導委員として、水辺にたたずむ子供や
若者たちに随分声をかけてきました。人間も動物も、癒やしの空間である水辺に集まります。その風景、その環境こそ森と水の都熊本、市長が進めてきた上質な熊本市の柱であってほしいと思います。そのような風景を次世代のためにつくってほしい。市長、そして執行部の皆様、ぜひお願いいたします。
次は、
地域デビュー応援企業設置の提案についてお尋ねいたします。
お隣の福岡市では、工夫を凝らした
住民同士の
交流事業の
取り組みを支援するため、
地域デビュー応援事業として、3年を限度とした
補助事業を創設しているほか、福岡市の企業である明太子のふくやでは、地域の祭りへの参加や文化、
スポーツ振興への協賛を初め、町内会やPTAの役員、地域の
スポーツチームのコーチなど、
地域社会のために
ボランティア活動を実践する社員に
地域役員手当を支給するなど、ユニークな制度により地域に根差した活動の支援を行っております。
また、子供の授業参観など
学校行事、保育所、
幼稚園行事や
地域活動への参加を奨励し、勤務時間内においてもこのような活動を認めています。これは創業者の、私たちを育んでくれた福岡への感謝の気持ちを忘れず、このまちとともに発展していきたいとの強い思いが会社の理念として定着し、地域のために尽力するという姿勢が社員の意識の中に根づいていることが大きいように思います。
私は、本市の企業にも、このような企業理念を持つ企業は少なくないと感じています。そこで、このような
地域デビュー応援事業の創設や
地域づくりに貢献する企業を(仮称)
地域づくり支援企業として認定証を交付するなど、市としても支援制度を創設してはいかがでしょうか。
大西市長にお尋ねいたします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 地域の
まちづくりにおいて、その活動を担う人材の育成、確保は重要な課題でありますことから、2期目の
マニフェストにおきましても、
まちづくり推進のための団体、企業等との連携強化を掲げたところです。
現在、住民の
まちづくりに参加する機会をふやすため、各区の地域
コミュニティづくり支援補助金などを活用いたしまして、各
地域団体のネットワーク構築や多世代間の交流などの支援を行っております。
また、大学や企業等に、社会貢献の1つとして地域イベントへの参加や協賛をいただく中で、ノウハウの提供や人材支援を受けるなど、地域との連携が図られている事例もございます。このような
取り組みをさらに広げるため、私自身も経済団体での講演や社会人との直接対話事業の機会を通じて、企業支援や
まちづくりへの積極的な参加をお願いしているところでございます。
今後、
人口減少や高齢化が進む中、
まちづくりにおける団体、企業等の役割はますます重要になってくるということから、地域とのマッチングや
まちづくり支援企業の顕彰など、連携強化のための仕組みを検討いたしまして、
まちづくり人材の育成、確保に努めてまいりたいと考えております。
〔7番
小池洋恵議員 登壇〕
◆
小池洋恵 議員 市長、前向きな御答弁ありがとうございました。
地域コミュニティには、そこに住んでいる全ての人々が関与しなくてはならないと思います。また、このためには子供のころからの隣近所のおつき合いが大事で、それを促すための長期的な戦略や工夫を凝らした
仕組みづくりが何より重要であると考えております。
大西市長にはぜひ、
地域づくりに地域に住んでいる人たちを巻き込む長期戦略の立案、並行して商工会、企業連合会などの企業団体に対し推進するような後押しをしていただきたいと考える次第です。この点を
大西市長に要望し、次の質問に移りたいと思います。
最後の質問は、市議会議員を志すきっかけとなったテーマであり、長年研究し今後ともかかわっていきたいと思っている安全安心の
まちづくりについて、今回は防災計画など、危機管理のあり方についてお尋ねします。
議員になって
まちづくりの共通基盤である防災に力を入れるため、防災士の資格を取りました。さらに、政治家として危機管理の重要性を感じ、危機管理士の自然災害と社会リスクの資格を取得し、3つの資格を取り自分なりに備えてまいりました。
危機管理とは、御存じのとおり、地域で起こり得る災害やそのリスクをあらかじめ想定しておき、その災害が発生したときには、迅速にその影響を最小化するための行動を起こし、次に災害という危機からの早期回復に向けて速やかな
取り組みを開始する。災害発生直後の想像を絶する混乱のきわみにあっても、地域の中でこうした危機管理が十分に発揮されなければならず、解決の糸口の1つになるのが
地域活動を活発にすること、つまり
地域づくりの
取り組みの中にあると考えております。このことについてお尋ねしてまいります。
地域づくりは、自助・共助・公助、そして互助により支えられています。このうち公助については、自治体が十分な財源を投入することである程度は解決が図られるかもしれませんが、そこで問われるのが、御近所や地域による互助力・共助力の向上であり、私はそれらに加え、自分自身の命は自分で守るための力である、互助力・共助力の前提である自助力の向上は喫緊の課題だと捉えています。こうした考え方は、平成28年の熊本地震を経験し、その際、地域における防災力向上の必要性をまざまざと再認識させられたことがきっかけになっております。
このような観点から、まず熊本市が結成を促進している自主防災クラブから、さらに校区ごとの地区防災計画の策定についてお尋ねいたします。
熊本市では自主防災クラブを、災害が発生した場合には、
地域住民が連携し協力し合って自助・共助の考えに基づき地域の被害を最小限度に抑えるため活動する組織と位置づけてあります。この自主防災クラブの整備や活動状況について、3点お尋ねしてまいります。
まず、自主防災クラブは原則として地域の町内会などを単位として結成するということですが、現在のクラブ数及び全町内会のカバー率、活動実態はどのような状況でしょうか。2つ目は、熊本地震が発生した際には、どれくらいの自主防災クラブが存在していたのか。また、それらは機能したのかどうか。市として、それらをどう評価しているか。3つ目は、この自主防災クラブの結成促進や育成及び活動支援に対し、市は今後どのように取り組んでいくのか。この3点について政策局長にお尋ねいたします。
〔古庄修治政策局長 登壇〕
◎古庄修治 政策局長 自主防災クラブに関する3点のお尋ねに順次お答え申し上げます。
国においては、平成7年の阪神大震災の教訓を踏まえまして、地域防災力強化のための自主防災組織の設立を進めることとしまして、これを受けて本市でも、平成8年から町内を単位とした自主防災クラブの設立促進に取り組んでいるところでございます。
現在までの設立状況としては、平成31年1月末現在で、市内全917町内のうち738の町内で設立されており、日ごろ
地域主体の避難訓練や地域での防災啓発活動などに取り組まれております。全体のカバー率は約80%となっております。
次に、熊本地震での対応についてでございますが、地震が発生した平成28年4月時点での自主防災クラブ数は713であり、自主防災クラブを中心に避難所運営などの災害対応が効率よく行われた地域も多く見受けられたところでございます。その一方で、地震後に実施しました市民アンケートによりますと、自主防災クラブの存在を知らなかったと回答された割合が約8割近くに上り、また、自主防災クラブがどんな活動をしたかわからないといった回答も見られるなど、自主防災クラブの存在や活動が地域に余り認知されていない実態も判明したところでございます。
最後に、これらを受けた今後の結成促進と活動支援についてでございますが、このようなことから現在、本市が結成促進を図っている校区防災連絡会において、自主防災クラブもその構成員の一員として加わっていただき、防災対応時の役割を協議する中において、地域への浸透、さらにはネットワークの再構築を促しているところでございます。
また、自主防災クラブの活動支援についても、これまで行ってまいりました組織結成時に構成する自治会等の規模に応じた資機材の現物支給に加えまして、熊本地震後は、これまで支給対象となっていなかった発電機や倉庫等に対する要望が数多く寄せられたことから、本年度から新たに地域みずから実情に応じて選択できるよう、購入金額の2分の1、5万円を上限に自由選択資機材の購入助成制度を設けるなど、支援の充実を図っているところでございます。今後とも自主防災クラブが地域防災活動の中心的な役割を担えるよう、その育成や活動支援に取り組んでまいりたいと考えております。
〔7番
小池洋恵議員 登壇〕
◆
小池洋恵 議員 ありがとうございました。
次に、地区防災計画について、地区防災計画学会員として提案いたします。
内閣府では、これまでの災害の教訓を踏まえ、平成25年6月から改正された災害対策基本法に基づく地区防災計画制度を創設しました。地区防災計画は、住民等が居住する地区の災害リスクを把握、その対処法を検討した上で、それを実施する方策などをみずから定めて作成するものであり、地区の特性に応じた計画です。また、その計画を市区町村の地域防災計画の一部として提案することができます。さらに、計画、素案を作成するだけでなく、計画に基づく防災計画が実際に実践され、定期的な評価や見直しが継続的に行われることを重視しています。
災害後の、2年前の予算決算委員会で質問提案いたしましたが、その後の地区防災計画の作成や運用の
進捗状況とその後の方向性についてお尋ねいたします。政策局長、答弁願います。
〔古庄修治政策局長 登壇〕
◎古庄修治 政策局長 地区防災計画に関連するお尋ねにお答え申し上げます。
平成23年3月の東日本大震災において、自助・共助の重要性が再認識され、平成25年6月の改正災害対策基本法において、市町村の一定の地区内の居住者及び事業者、地区居住者等による自発的な防災活動に関する地区防災計画制度が創設されたところでございます。
本市におきましては、熊本地震後の平成28年に、向山校区の
地域住民と熊本大学とが協力されまして、熊本地震の経験を生かした地域主導による地区防災計画が策定されております。このような中、熊本市においては、地域防災力向上のため平成29年度から校区防災連絡会や避難所運営委員会の設立を進めておりまして、現在、市内全96地区のうち64地区で設立済みでございます。これらの校区では、自治会を初め避難所の施設管理者や本市の避難所担当職員などを中心に自主防災クラブ等の協力を得ながら、各地域の特性に応じた規約や災害発生時の役割分担などを盛り込んだ対応マニュアル等の策定が進んでいるところでございます。
まさしくこれらのマニュアル等が、国が示す実践的な地区防災計画につながるものと私どもは考えておりまして、本市としましては、今後、校区防災連絡会に対してマニュアル等の策定はもとよりでございますが、定期的な評価、見直しの
仕組みづくりやPTAや近隣医療機関などとのネットワークづくり、さらには地域密着型の震災対処実動訓練の継続実施などを促していくこととしております。
〔7番
小池洋恵議員 登壇〕
◆
小池洋恵 議員 ありがとうございました。
以前から言っておりますが、ここで重要なことは、小学校区で進めれば中学生が防災の救援救出の枠から外れる可能性があるということです。そして、災害時は過去の事例から言うと、地区にいる中学生の活躍が期待されます。ぜひ小学校区で地区防災計画が閉じることなく、中学校に属する各小学校区の情報共有連携の仕組みへと拡充していただきたいと強く要望しておきます。
次に、危機管理に際して重要となる情報共有のあり方についてお尋ねいたします。
総務省が発表した情報通信白書によれば、近年ではスマートフォンを使っている人が激増しております。2017年の全国の世帯における情報通信機器の保有状況を見ると、モバイル端末全体及びパソコンの世帯保有率は、それぞれ94.8%、72.5%となっています。また、モバイル端末全体の内数であるスマートフォンは75.1%、前年差3.3
ポイント上昇となり、今やパソコンの世帯保有率を上回っている状況にあります。また、今後ともその比率は高くなってくるものと思われます。
この最も身近なICT機器であるスマートフォンを、危機管理に活用することが最も効果的であると考えます。熊本地震とそれに続く余震の際も、スマートフォンのアラームが一斉に鳴り、電話はつながらなくともSNSが使え、一斉に親戚、友人と安否の確認ができました。先日の和水町を震源とする震度6弱の地震の際も、突然鳴り出したアラームに思わずスマホを手にとった方も多くおられたのではないかと思います。
そこで、地震のみならず豪雨の際の避難指示や近隣での火災、地域における犯罪等の発生に関する注意喚起など、スマホを活用した情報の共有は危機管理の面で大変効果的であると考えます。災害発生と同時に起こる犯罪に対し、その情報発信として、熊本県警には、犯罪や行方不明者に関する
情報提供制度のゆっぴー安心メールがあります。これも大変有効ではあると思いますが、残念ながら、台風や洪水など自然災害が発生するおそれがある際の避難指示や勧告などの
情報提供機能はございません。
平成24年7月の九州北部豪雨では、12日午前1時から3時にかけて300ミリという猛烈な雨が阿蘇地方に降り、濁流となって白川を流れ下り、早朝に龍田陳内地区を襲いました。熊本県の防災消防ヘリコプターによる救助活動のおかげで危機一髪、死傷者が出ることはありませんでした。このようなときにスマホを使った災害情報があれば、自助力により早目の避難ができたのではないかと思います。
昨年7月にも、死者が200人以上に達した平成最悪の豪雨、西日本豪雨が発生しております。この豪雨では、避難指示が出ていたにもかかわらず避難をせずに亡くなられた方が多数おられました。最近の傾向として、地球温暖化の影響か、夜間に大雨が降るケースがふえております。昭和28年に起きた6.26水害のような豪雨が、いつまた発生するかもしれません。
今後は、南海トラフ大地震だけでなく、昨年の西日本豪雨のように、夜間に、しかも広範囲で発生した場合のことを想定しておかなくてはなりません。このような場合、市民の生命財産をどうやって守っていくのか心配します。以上申し上げたような犯罪や自然災害に関する情報共有の手段及び避難誘導、特に夜間の場合の避難誘導について政策局長にお尋ねいたします。
また、市長におかれましては、誰もが憧れる上質な生活都市を目指しておられますが、災害時要援護者にとって安全安心な環境基盤が必要です。特に、夜間や生活困窮者を含む要援護者に対して、都市づくりのベースとなる危機管理について、上質な都市とはいつまでどこまでを目標として構築していくのか、市長の具体的な構想をお聞かせください。
〔古庄修治政策局長 登壇〕
◎古庄修治 政策局長 まず、私の方から自然災害等に関する情報共有と避難誘導に関してのお尋ねにお答え申し上げます。
災害発生時において、市民の皆様の生命財産を守るためには、正確な情報をいち早く提供することが大変重要であると考えております。そこで、災害の危険性や避難情報をより的確に把握できるよう、河川氾濫や津波など災害ごとに作成されておりますハザードマップをまとめた統合型ハザードマップを来年度中に作成することとしており、これらを活用して、まずは市民の皆様に対して、災害に対する日ごろの備えを喚起してまいりたいと考えております。
また、災害発生時に情報伝達する際には、近年のスマートフォンの普及や情報技術の進展を踏まえ、これまでのホームページやテレビ・ラジオのマスメディア、あるいは防災行政無線や緊急告知ラジオに加えまして、エリアメールや災害情報メール、さらにはツイッターやLINEなどのSNSを活用するなど、伝達手段の多様化を図るとともに、最新の情報を迅速に伝えるよう努めているところでございます。
次に、避難対策についてでございますが、基本的に夜間の避難は、避難途上の状況がわかりにくいなど大きな危険を伴うため、気象情報等で事前に避難の必要性が予測できる場合には、特に災害時要支援者や高齢者などについては、明るいうちの予防的避難を基本としているところでございます。
実例を挙げますと、24時間の雨量が250ミリ以上の降雨予測があり、夜間に避難の必要性が高まると判断した場合には、
高齢者等で避難に時間を要する方々に対しましては、明るいうちに避難準備・
高齢者等避難開始を発令するとともに、夕方までには予防的避難受け入れのための避難所を開設するなどの対応をとっているところでございます。また、より的確に避難情報等を発令するため、2020年度からの運用開始に向け、河川水位情報、気象情報、土砂災害情報等をまとめ、避難に関する情報の発令を支援する新防災
システムの構築にも取り組んでいるところでございます。
このように、災害の危険性を事前に予測し早目の避難を呼びかけているところでございますが、夜間で緊急の避難を要する場合には、消防関係者や地域と連携し、直接避難の声かけをするような対応もとっているところでございまして、今後は
地域主体の防災訓練の中で、夜間の避難訓練等の実施も呼びかけてまいりたいと考えております。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 全ての市民が、安全で安心して暮らせる環境づくりは、誰もが憧れる上質な生活都市を実現していく上で、その基盤となるものであると考えております。本市では、平成28年熊本地震等の教訓を踏まえ、地域防災計画を初めとする防災関連計画やマニュアルの全面的な見直しや整備を行うとともに、避難所担当職員の配置、実践的な災害対処訓練の実施など、行政の防災力強化に努めております。
また、公共施設等の耐震化や緊急輸送道路の強靱化、防災井戸や指定避難所での多目的トイレやマンホールトイレの整備、さらにはエネルギーの地産地消の推進など、災害に強い
まちづくりを進めております。加えて、校区防災連絡会や避難所運営委員会の設置促進、防災士の養成など、地域や市民の防災力向上にも積極的に取り組んでおりますほか、関係事業者と連携をした福祉避難所の増設や障がいのある方々に対する避難訓練の実施など、災害時要援護者に対する
取り組みも強化しております。
危機管理につきまして、いつどこまでを目標に構築していくのかとのお尋ねでございますけれども、改めてこれまでの大規模災害の状況を振り返りますと、近年におきましても、熊本地震では震度7クラスの地震が立て続けに起こったこと、また、北海道胆振東部地震では震源地のみならず北海道内全体で停電が発生したこと、平成29年九州北部豪雨災害では観測史上最大の集中豪雨となったことなど、これまでの想定を超える事象が次々に起こっております。熊本地震から3年近くが経過する中で、熊本市全体の災害対応力は確実に上がってきているものと考えておりますが、一方、当時の記憶も少しずつ薄れつつあります。
私は、災害対策に万全はないと考えておりまして、熊本地震を経験した都市として、今後ともあらゆる事象を想定しながら引き続き継続をした危機管理体制の充実に努め、全国のモデルとなるような防災都市を構築してまいりたいと考えております。
〔7番
小池洋恵議員 登壇〕
◆
小池洋恵 議員 市長、政策局長ありがとうございました。
災害は、行政としては想定外から想定内への追求であり、市民一人一人の固有な環境で起こる災害は、そのときその場の自助力・共助力で命が助かります。熊本地震から市長初め危機管理監など、全国各所で震災の経験として啓発講演をしておられることは存じております。また、起こるだろう災害に対しての重層的な体制の構築は、スピード感を持って取り組まれ、関係局の御尽力は大変評価しており敬意を表します。行政と同じように復旧に努力している
地域団体や
ボランティア組織にも、さらなる御支援をお願いしておきます。
また、防犯の分野では、熊本県警が構築され運用されている、校区ごとの犯罪件数が見られて、警察署管轄区域別に地図上にあらわれる防犯マップがあります。これと同じ考え方で、地区ごとの防災情報をリアルタイムに地図上に表示することで、市民がハザードマップや避難所マップを簡単に利用できる仕組みが必要だと考えます。GISなど地図を使った防災統合データベースとして構築し、例えば災害の現場にいる市民が最新の情報をアップデートすることで、災害状況がリアルタイムで利用できるようになります。一方で、市の担当者と自主防災クラブのリーダーを初めとした市民と行政の情報共有の
仕組みづくりも急務だと感じています。
こうしたことについて、机上理論だけでなくもっと深みのある検討、議論を行うため、危機管理の専門家やレスキュー、消防、警察、防災情報
システムの専門家など被災現場や避難所運営を経験したメンバーの専門家会議の設置を提案させていただきます。ぜひ前向きな御対応をお願いします。
最後になりますが、新人議員といたしまして、熊本地震の発災1年前、この議場での最初の質問は、熊本市が進める
コミュニティの再構築とはという大きなテーマで質問いたしました。安全安心環境を基盤として、コミュニケーション環境づくりから突然起こるリスクに対し、一丸となれる環境を地域で一つ一つ前進的に構築していく必要があると、最初に提案させていただきました。
それから約4年たち、最近の社会の動きで感じることは、結果の数字ばかり重視する余り、ゆがめられ、そのプロセスを捉えず目的が達成されないことに気づかずびほう策に陥り、本当に次世代のためになるのだろうか、何か抜け落ちたことがないだろうかと、不安を感じることが多くなってきました。今回も情報化について提案いたしましたが、効率化、情報化を進めれば便利になります。しかし、人の手が要らず協働という考えが薄れ、孤立は進み、またさらに情報化を強化し安心してしまう。次に来る自然災害のリスクに対し、人間がつくる安心が危険を呼び、結果的に想定外という言葉をつくってしまう。
時代に沿った情報化は進めなければなりませんが、人間は情報を求めているのではなく、人は人を求めるために情報を必要とします。情報の共有、その目的は人の思いを共有することにあると思います。まだ被災は継続しており、たくさんのつらい思いを抱えた方々が熊本におられます。大きな構造物をつくることもこれから必要かもしれません。が、大切なことは未来をつくる
子供たち、今をつくってこられた高齢者、そして災害を直接経験された方々との思いの共有が、これからの政策をつくる原点だと思います。
そもそも私がなぜ政治の世界を目指したのか。農家に生まれ、子供のころは畑と学校を往復する日々でした。高校時代、自転車通学の私は、大きな事故に遭い、手術の毎日を過ごした時期がありました。長い入院生活では、自分の意思で体を動かせない苦しみや痛み、言葉で思いを伝えられないつらさを経験した一方で、毎日畑仕事を終え看病に来てくれた両親、励まし続ける友人たちが、命を与えてくれたと感謝しております。事故を機に、次第に病気や仕事、家庭など、いろいろな環境で苦悩している人、助けや支えが必要な人たちを支える人になりたいと思うようになり、政治家を目指しました。
大西市長の掲げられたお互いさま、その思いを熊本県民みんなの心に宿る日まで、私は与えられた時間を使っていきたいと思っております。私の座右の銘は、時なれば二度と戻らぬ時ならば、このひとときに命燃やさん。燃える命も1つ。この4年間を通じ、
大西市長にはたくさんの政策を学ぶ機会を与えていただきました。そして、時には父や母と同じように、いつも温かいお言葉をかけていただいた議長初め
先輩議員の先生方、熊本市執行部の皆様の深い厚い志、優しいまなざしは忘れません。きょうまで見守っていただき、この4年間御指導をいただきありがとうございました。
これで最後の質問を終わらせていただきます。本当にありがとうございました。(拍手)
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○くつき信哉 議長 この際、本日、原口亮志議員外12名より、発言取り消し要求書が提出されましたことから、議会運営委員会開催のため暫時休憩いたします。
午前11時07分 休憩
───────────
午前11時40分 再開
○くつき信哉 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。
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○くつき信哉 議長 この際、本職より申し上げます。
原口亮志議員外12名より、本職宛て、去る22日の会議における北口和皇議員の発言について、事実と異なる点があるとして、発言を取り消されたい旨の要求がありました。
お手元に配付しております発言の内容について、本職において確認いたしました結果、不穏当であると認め、取り消すべきと判断いたしました。
〔配付した書類〕
┌─────────────────────────────────────┐
│ 平成31年2月25日 │
│ 熊本市議会議長 くつき 信哉 様 │
│ 熊本市議会議員 原口 亮志 │
│ 同 園川 良二 │
│ 同 江藤 正行 │
│ 同 津田征士郎 │
│ 同 満永 寿博 │
│ 同 澤田 昌作 │
│ 同 高本 一臣 │
│ 同 田尻 将博 │
│ 同 上田 芳裕 │
│ 同 西岡 誠也 │
│ 同 浜田 大介 │
│ 同 藤山 英美 │
│ 同 上野美恵子 │
│ │
│ 発言取り消し要求書 │
│ │
│ 平成31年2月22日の本会議における北口和皇議員の
一般質問中、事実と異な │
│ る発言があったため、別紙のとおり、取り消しを求めます。 │
│ │
│ (別紙) │
│ │
│ ┌────────────────┬────────────────┐ │
│ │ 取り消しを求める発言 │ 理由 │ │
│ ├────────────────┼────────────────┤ │
│ │ ───────────────│ 個別外部監査を請求した議会にお│ │
│ │────────────────│いて、北口和皇議員が主張するよう│ │
│ │────────────────│な事実はないため。 │ │
│ │────────────────│ │ │
│ │──────── │ │ │
│ ├────────────────┼────────────────┤ │
│ │ ───────────────│ 議会において印象操作との認識は│ │
│ │────────────────│なく、影響を受けていないため。 │ │
│ │──────────── │ │ │
│ ├────────────────┼────────────────┤ │
│ │ ───────────────│ 議会として、特別委員会における│ │
│ │─────── │慎重な審議を経て、明確な根拠を基│ │
│ │ │に決定したため。 │ │
│ └────────────────┴────────────────┘ │
└─────────────────────────────────────┘
○くつき信哉 議長 この際、北口和皇議員に確認いたします。お手元に配付しております発言について、取り消しの申し出をされますか。
〔46番 北口和皇議員 登壇〕
◆北口和皇 議員 見解の相違でございますので、取り消しはいたしません。
○くつき信哉 議長 取り消しを求めないとのことでございます。
それでは、お手元に配付しております発言について、地方自治法第129条第1項の規定により、本職において取り消しを命じます。
────────────────────────────
○くつき信哉 議長 本日の日程は、これをもって終了いたしました。
この際、お諮りいたします。
明26日から3月7日まで10日間は、常任委員会開催並びに休日のため休会いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○くつき信哉 議長 御異議なしと認めます。