熊本市議会 > 2017-09-11 >
平成29年第 3回予算決算委員会−09月11日-02号
平成29年第 3回予算決算委員会−09月11日-02号

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  1. 熊本市議会 2017-09-11
    平成29年第 3回予算決算委員会−09月11日-02号


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    最終取得日: 2022-11-22
    平成29年第 3回予算決算委員会−09月11日-02号平成29年第 3回予算決算委員会                予算決算委員会会議録 開催年月日   平成29年9月11日(月) 開催場所    予算決算委員会室 出席委員    47名         満 永 寿 博 委員長    藤 岡 照 代 副委員長         澤 田 昌 作 委員     藤 山 英 美 委員         光 永 邦 保 委員     大 塚 信 弥 委員         山 部 洋 史 委員     小 池 洋 恵 委員         三 森 至 加 委員     高 本 一 臣 委員         小佐井 賀瑞宜 委員     寺 本 義 勝 委員         西 岡 誠 也 委員     福 永 洋 一 委員         田 上 辰 也 委員     浜 田 大 介 委員         井 本 正 広 委員     藤 永   弘 委員         原     亨 委員     原 口 亮 志 委員         紫 垣 正 仁 委員     くつき 信 哉 委員         田 中 敦 朗 委員     那 須   円 委員         重 村 和 征 委員     村 上   博 委員
            上 田 芳 裕 委員     園 川 良 二 委員         倉 重   徹 委員     三 島 良 之 委員         齊 藤   聰 委員     大 石 浩 文 委員         田 尻 善 裕 委員     上 野 美恵子 委員         白河部 貞 志 委員     鈴 木   弘 委員         津 田 征士郎 委員     坂 田 誠 二 委員         竹 原 孝 昭 委員     江 藤 正 行 委員         田 尻 清 輝 委員     落 水 清 弘 委員         古 川 泰 三 委員     北 口 和 皇 委員         田 尻 将 博 委員     家 入 安 弘 委員         田 辺 正 信 委員 欠席委員    1名         緒 方 夕 佳 委員 議題・協議事項   (1)議案の審査(23件)      議第 178号「平成29年度熊本市一般会計補正予算」      議第 179号「平成29年度熊本市介護保険会計補正予算」      議第 180号「平成29年度熊本市地下駐車場事業会計補正予算」      議第 181号「平成29年度熊本市病院事業会計補正予算」      議第 182号「平成29年度熊本市水道事業会計補正予算」      議第 183号「平成29年度熊本市下水道事業会計補正予算」      議第 184号「熊本市附属機関設置条例の一部改正について」      議第 185号「熊本市営駐車場条例の一部改正について」      議第 186号「熊本市税条例の一部改正について」      議第 187号「熊本市地域コミュニティセンター条例の一部改正について」      議第 188号「熊本市余熱利用施設条例等の一部改正について」      議第 189号「熊本市職業訓練施設条例の一部改正について」      議第 190号「熊本市中小企業融資制度の損失補償に係る回収納付金を受け取る権利の放棄に関する条例の制定について」      議第 192号「熊本城ホール条例の制定について」      議第 193号「熊本市農業委員会の委員及び農地利用最適化推進委員の定数等に関する条例の制定について」      議第 212号「工事委託契約締結について」      議第 213号「平成28年度熊本市各会計(公営企業会計を除く。)決算について」      議第 214号「平成28年度熊本市病院事業会計決算の認定について」      議第 215号「平成28年度熊本市水道事業会計利益の処分及び決算の認定について」      議第 216号「平成28年度熊本市下水道事業会計利益の処分及び決算の認定について」      議第 217号「平成28年度熊本市工業用水道事業会計利益の処分及び決算の認定について」      議第 218号「平成28年度熊本市交通事業会計利益の処分及び決算の認定について」      議第 219号「平成29年度熊本市一般会計補正予算」                              午前10時00分 開会 ○満永寿博 委員長  ただいまから予算決算委員会を開会いたします。  これより議案の審査に入ります。  本日は、総括質疑を行います。  通告一覧表につきましては、お手元に配付いたしておきました。  なお、質疑に当たっては、項目ごとに答弁者を指名いただきますようお願い申し上げます。  それでは、予算決算委員会運営細目の発言順に従い、順次質疑を行います。  これより、自由民主党熊本市議団、小佐井賀瑞宜委員の質疑を行います。持ち時間は95分となっております。         〔小佐井賀瑞宜委員 登壇 拍手〕 ◆小佐井賀瑞宜 委員  おはようございます。  自由民主党熊本市議団、小佐井賀瑞宜でございます。  委員長のお言葉を厳粛に受けとめながら、進めさせていただきたいと思います。  第3回定例会の総括質疑の登壇に当たりまして、本日は平成28年度の決算に特化して質疑並びに御意見を申し上げてまいりたいと思っております。  ただし、28年度は通常の業務でなかったことは、市民誰もが周知している事実でございますので、この点については配慮をしながら、事業並びに業務全般の検証に取り組むべきであろうと、この場に立ちながら考えるところであります。  それでは、早速質疑に移ります。  まず、財政調整基金の展望と決算全般の総括的意見について、市長にお尋ねをいたします。  平成28年度の一般会計を主とした普通会計決算収支状況を拝見しますと、歳入歳出総額ともに、地震の影響で20ポイント近く上昇したものの、翌年度へ繰り越すべき財源を除いた実質収支は50億8,658万円のプラスとなっております。さらに、この実質収支から、前年度の実質収支を差し引いた単年度収支を見てみますと、9億8,850万円のプラスということになります。しかし、厳密に単年度で流動した収支状況を追随すれば、財政調整基金の積立額と取り崩し額の差額を差し引けば、実質的な単年度収支は19億9,699万円のマイナスであります。一般会計決算ベースでは、20億8,851万円のマイナスです。  財政調整基金そのものは、災害等の緊急を要する事態が発生したときのために保持しておくものでございますので、その使途については何ら問題視されるわけではないと判断をいたしますし、今回の決算状況においては、いわば財政調整基金が大きな役割を果たしたと言えます。ただし、地震対応に加え、大型事業を遂行せざるを得ない状況下で、債務負担行為も著しい上昇傾向にもありますので、今後の展望を考えますと、極力調整基金への依存は避けたいものと考えております。  今回の熊本地震のような予測のできない不測の事態に備え、当然、調整基金の枯渇が生じてはなりませんし、その計画的蓄積も求められるのではと感じます。  そこで2点お尋ねをいたします。  1点目に、今後の財政運営の不安を少しでも払拭していくためには、調整基金の活用と適正規模の維持という点をどのようにお考えでしょうか。  2点目に、今回の一般会計決算状況から見てとれる今後の留意すべき点や課題など、市長が率直にお感じになられたことについてお聞かせください。         〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  まず、財政調整基金に関するお尋ねにお答えをいたします。  財政調整基金につきましては、経済事情の著しい変動により財源が不足する場合や、災害により生じた経費の財源として充てる場合など、年度間の財源不足に備え、一定額を積み立てているものでございます。  財政調整基金の規模につきましては、政令指定都市においてもさまざまでございまして、その適正規模について特に定めたものはございませんが、今後も熊本地震からの復旧・復興や新たな災害の発生、また、経済事情の変動に対する備えが必要であることから、一定額の確保が必要であると考えております。  次に、決算の総括的意見に関するお尋ねについてお答えをいたします。  平成28年度の決算につきましては、一般会計において、歳入3,678億円、歳出3,573億円となっております。歳入のうち、自主財源であります市税につきましては、近年、増加基調にあったものの、平成28年度においては、熊本地震の影響等もあり、対前年度9億円減の981億円となっております。  また、歳出のうち、人件費、扶助費等の義務的経費は、対前年度62億円増の1,767億円となり、歳出全体の49.4%を占めております。そのうち、扶助費は、直近10年間で2倍を超える伸びとなっておりまして、歳出全体の26.7%を占めている状況でございます。  一方、主な財政指標につきましては、財政力指数が他の指定都市と比較すると低い水準にはありますものの、その他の指標につきましては、おおむね良好に推移していると言えます。  今後も扶助費等の義務的経費の増嵩に加え、熊本地震からの復旧・復興等に伴います本市財政への影響が見込まれることから、各種の財政指標等にも十分留意しつつ、被災者の生活再建支援に最優先で取り組みながら、熊本地震からの一日も早い復旧・復興、さらには上質な生活都市の実現を目指してまいりたいと考えております。         〔小佐井賀瑞宜委員 登壇〕 ◆小佐井賀瑞宜 委員  基金の備えについて、特段の計画は定めていらっしゃらないようですが、一定の配慮をもとに運用されているということが理解できました。  28年度は地震の影響が多大でしたので、収入が目減りし、支出は激増するということは理解しておりましたけれども、単年度の実質収支に大幅なマイナスが生じることは覚悟しなければならないものと存じます。ただ、20億円のマイナスは大きいと感じておりますので、今後の調整基金への影響が気がかりであります。  ただし、29年度以降においては、同レベルに至ることはないとは思いますが、以前示されました財政の中期見通し等の指標や今後の大型投資が控えていることを考えれば、ここ数年間の単年度収支の推移は、やはりマイナス収支と予測しておくことが現実的かもしれないとも感じているところであります。  そうであれば、現在所持している調整基金の目減りは覚悟しなければなりません。基金積立額は70億円程度と思いますけれども、10年後に危機的状況に入らないようにするために、財政全般の計画性や事業に対する柔軟な対応が求められると感じます。  市長からは決算の総括として、この10年間を踏まえ、扶助費の倍増に着眼しながらも、地震対応を怠らない旨の決意が示されました。それと同時に、理想郷の構築を目指す中で、現実的な課題も見きわめていらっしゃるようでございます。今後も各財政指標には注視の上、計画的な財政運営に携わっていただきますよう願っております。  それでは、続けて、財政局長にお尋ねをいたします。  先般の一般質問の中で、市税収入に対し市民の方から大変厳しい御指摘があった旨のお話がありました。ただ、局長が答弁されましたとおり、収納率については、昨年対比で0.64%増加しております。このことは決算状況報告書56ページに記載のとおりであります。  御指摘があったとおり、課題として、他都市の指定都市中、低位置にあることは重く受けとめなければならないとは感じます。しかし、地震の影響で、市税収納率は極端に下降傾向にあってもいたし方なしと予測していた私からすれば、意外な指標の結果に興味深く感じたところでありました。数値からいえば、決して安堵感を抱いてよいわけではございませんけれども、通常では業務が停滞するばかりではなく、納税者の皆さん方そのものに多大な影響が出ていたはずでございます。それゆえ、収納業務は困難をきわめるものとの判断をいたしております。  そこでお尋ねいたしますが、収納率ポイントの上昇につながったその背景や何らかの工夫や、特に御苦労の多かった点等ありましたら、ぜひお聞かせいただきたいと思います。  また、決算額の推移は正確に見きわめてはおりませんけれども、前年対比でかなりの増加率となっていると推察をいたします。これも地震の影響が多大と感じておりますけれども、その理由と、決算額から見た上で、この費用対効果としてどのような見解をお持ちでしょうか。財政局長にお尋ねをいたします。         〔中原裕治財政局長 登壇〕 ◎中原裕治 財政局長  市税収納に関する御質問にお答えを申し上げます。  まず、市税の収納率が上昇した背景等についてでございますが、平成28年度は、特に熊本地震によりまして、家屋被害調査等震災対応業務を優先して行い、徴収業務につきましては、例年より短期間での実施となりましたことから、本来予定していた取り組みを縮小せざるを得ない状況でございました。  しかしながら、これまで実施してきました納期内納付に向けたコンビニ納付の推進や、初期未納対策としての民間企業や嘱託員を活用した電話による納付案内、また、市民税の安定的な収入確保を目的といたしました特別徴収の推進、さらには、被災された方への文書や訪問による減免の案内など、丁寧にかつ工夫しながら適切な納付指導や滞納整理などを行ってきたところでございます。その結果といたしまして、平成28年度決算における市税収納率は、現年度と滞納繰り越しの合計で96.06%と、前年比0.64ポイント上昇いたしまして、平成22年度以降7年連続の上昇となったところでございます。  しかしながら、現状といたしましては、先ほど委員から御案内がありましたとおり、政令市のランクでは最下位に位置しておりますことから、今後も現行の取り組みを継続しながら、自主納付の推進に向けた納付環境の充実を図りますとともに、さらなる収納率向上に資する、より効果的、効率的な取り組みを積極的に進め、安定した市税収入の確保に努めてまいりたいと考えております。  次に、費用対効果についてお答え申し上げます。  平成28年度の課税及び徴収業務等の決算額は5億1,166万円でございまして、平成27年度同決算額の3億815万円に対しまして、2億351万円の増額となったところでございます。これは3年ごとの固定資産税の評価替えに伴います不動産鑑定料1億4,161万円と熊本地震に伴う家屋被害調査に係る経費7,066万円の増額が主な理由でございます。  今年度は市税収入の確保に努めながら、民間委託による電話納付案内の回数や開始時期の見直しなどの経費の削減にも取り組んでおりまして、今後も費用対効果を意識しました事務の効率化に取り組んでまいります。         〔小佐井賀瑞宜委員 登壇〕 ◆小佐井賀瑞宜 委員  全体の決算額の上昇については、必須業務であるということを確認いたしましたので、特段の指摘をするものではありませんけれども、収納業務の投資効果を精査の上、引き続き御尽力をいただきますよう願っております。  それでは、次にコスト分析について順次お尋ねをいたします。  まず、執行部が発刊する資料作成に関する経費についてお尋ねをいたします。  質疑を行うに当たり、理解が深まりますように、先般いただいております公共施設等総合管理計画の冊子を一例として掲げさせていただきますが、御理解をいただきたいと思います。この緑色の冊子でございます。  今後の公共施設の維持管理に関し、その指針となるべきものをまとめ、立派な冊子として発刊をされていらっしゃいます。資料はカラー刷りで、冒頭からページをめくり続けますと、おおむね拝読しやすい作成者の配慮が感じ取れます。そこで、興味深く内容を拝見いたしました。  計画策定の目的について申せば、熊本地震の影響も多大でありますし、施設の維持拡大あるいは縮小や廃止は喫緊の課題と認識しておりますので、執行部の着眼点は評価すべきことと感じます。  ただし、その個別の内容を細かく精査いたしますと、大きくは2つの観点に絞られているということがわかりました。2つの観点とは、一つは、方向性について、明確に具体的結論を見出している施設があるということ、そして、もう一つは、いまだ結論づけられず抽象的な表現にとどめ、今後の検討課題と位置づけられている施設があるということでございます。  要は、計画書としては、記述内容、そのものにばらつきがあり、統一性が欠けていると感じ取った次第です。いわば計画の検討段階の報告書に類似している感が否めませんでした。できばえからして、委託をして作成されたものと感じましたが、率直に申し上げ、37万円の経費を費やしてまでカラー刷りの立派な冊子を作成する必要があったのかと、いささか気になったところであります。原局の資料は存在していると思いますので、それをそのまま束ねて所持、配布すれば、低コストで済んだのではとの思いも湧いてまいります。ただし、委託した方が職員業務量の負担軽減につながるのであれば、多少なりと話は変わってまいりますが、総合的なコスト面から検証し、決算の妥当性について見解をいただきたいと思います。  そして、私どもがいただくさまざまな資料につきましては、担当部局でじかに作成されているものもあるでしょうし、委託して作成されるものもあると思います。作成段階において、指針となるべきものがあるんでしょうか。財政局長にお尋ねをいたします。
            〔中原裕治財政局長 登壇〕 ◎中原裕治 財政局長  市の資料作成に関するお尋ねについてお答え申し上げます。  市が配布します印刷物の作成につきましては、毎年度、予算要求書提出通知の中で、各局に対しまして可能な限り浄書室を活用する旨、指示をいたしまして、経費の効率化に努めているところでございます。しかしながら、委託による作成の方が人件費等を勘案すると低コストになる場合や、印刷物の仕様によっては浄書室で対応できない場合などもありまして、各局において、その都度、費用対効果を考慮した上で、印刷物の作成方法を判断している状況でございます。  今後も、印刷物作成に係る行政コストを十分意識しながら、印刷物の作成方法や発行部数について、必要な見直しを行いますとともに、電子データによる配布にも積極的に取り組むなど、より効率的、効果的な取り組みがなされるよう、各局に対する周知徹底を図ってまいりたいと考えております。         〔小佐井賀瑞宜委員 登壇〕 ◆小佐井賀瑞宜 委員  財政局としては、意識を持って指示を送り、それぞれの担当課においても一定の配慮を持って作業にいそしんでいらっしゃる旨の回答を得ました。また、ペーパーレスという対応策も前向きにお考えのようでございますし、この件は、まさに議会活性化検討会で議論中でありますので、各委員の皆さんの意見を尊重されまして、慎重に御対応いただきますようお願いを申し上げたいと考える次第でございます。  次に、情報化の推進についてお尋ねをいたします。  私は昨年の11月、政務調査で、東京のビッグサイトで開催されました地方自治体情報化フェアに赴きました。イベント会場の大きさに驚く横目で、イベントコンパニオンの美しさに気を引かれながらも、しっかりと視察にいそしんでまいりました。  そして、行政関連のシステムの多さと利便性に目を見張りました。あわせて、その必要性を重く受けとめ、個人的にも使用してみたいソフトに憧れさえ抱きました。  今や情報システムの最適化は、行政事務にとっては不可欠と心得ます。最新のデータを使いやすく、ミスの発生しにくいシステム構築は理想的でもあります。また、システムよりもむしろセキュリティー対策には余念なく取り組まなければなりません。さらに、マイナンバー制度の普及率は低迷しているとはいえ、関連システムの更新は必須のものであります。また、本市が体験したとおり、地震を初めとする災害や事故、あるいは不安視される国家間の紛争などが発生すれば、予期せぬトラブルによって行政機能が停滞するおそれさえ否めません。そうであれば、情報化の適正化の推進に重きを置くことはなおさらのことであります。  しかし、情報機器を初め、システム構築セキュリティー対策は、日々進化し続ける中において、市役所内では、今後最適化に伴うコストの計画性や運用面における人員体制や人材育成が求められるはずであります。28年度においても41億2,600万円ほどの経費を費やし、昨年度比で7.5ポイント程度上昇していると推察いたしますが、さらに、新たなシステム構築を目指し、債務負担行為も激増していくのではと感じる次第であります。決算状況を見れば、今後、執行体制を整え、計画的かつ円滑に推進するための指針に沿った行動が可能となるのか気がかりであります。  そこで、お尋ねをいたしますが、情報化の推進について、計画性や最新の進捗状況についてお示しください。また、冒頭述べましたとおり、セキュリティー対策等の重要課題もありますので、留意点を含めた今後の対応をお聞かせください。総務局長にお尋ねをいたします。         〔田畑公人総務局長 登壇〕 ◎田畑公人 総務局長  お尋ねの2点についてお答えいたします。  1点目の情報化推進の計画性に関する質問でございますが、平成28年度の情報化推進につきましては、維持管理に加え、総合行政情報システムの最適化並びに社会保障・税番号制度システムへの対応に取り組んでいるところでございます。  総合行政情報システムにつきましては、平成21年度に総合行政情報システム最適化基本計画を策定し、基幹システムである総合行政情報システムの最適化を推進しているところであり、平成30年度には完了する予定でございます。また、番号制度対応につきましては、本年秋ごろの本格稼働に向け、鋭意準備を進めているところであり、今後も制度や運用面での変更など、国の動きを注視しながら取り組んでまいります。  2点目の情報セキュリティーについてでございますが、本市では、情報セキュリティーの事件・事故への対応につきまして、副市長を最高情報セキュリティー責任者として全庁的に取り組んでおり、社会情勢に応じ、制度及び体制の見直しを行いながら、適切に対応しているところでございます。  今後とも、情報化の推進につきましては、引き続き計画的な推進に努めてまいります。         〔小佐井賀瑞宜委員 登壇〕 ◆小佐井賀瑞宜 委員  状況は理解できましたので、今後のシステム更新に係るその投資効果の検証に注視しながら、職務の効率化が進みますよう願っております。  さて、続いては、行革やコンプライアンスの推進ということに絡めてお尋ねしてまいりたいと思います。  関連性のある項目でございますので、通告の表題について、一部、質疑を入れかえて進めさせていただきたいと思います。  市長並びに執行部の皆さんには、熊本地震という混乱期を迎えながらも、行財政改革を念頭に置きながら、効率的な執行体制の整備と、そして、きめ細かな分析を通じて業務に傾注されていらっしゃることに、改めて敬意をあらわすところであります。  しかし、状況を推察する上では、組織体制よりも人員数そのものにいささか不安がよぎります。災害優先の体制整備が図られる中において、新たに積み重なる制度に、限られた時間配分と人員で適切に対応することになり、困難を来しているのではないかと危惧をいたします。先般の一般質問にありましたように、通常時とは違い、マンパワーが不足している折には、行革を重んじることが適正であるのかとの指摘もありました。他党の議員も、大変憂慮されていらっしゃると同調したところでありました。  この件については、また後ほど関連する事項で触れ、御提案まじりで申し述べたいと思いますが、ここでは行革やコンプライアンスを推進するに当たり、関連性が否めないのではないかとも想定されます事務処理ミスの件について、現況の分析を求めて、その対応が適正であるのかという視点で追随してまいりたいと思います。  事務処理ミスについては、幾度となく話題になっておりますけれども、巨大組織ゆえの大都市行政の大きな課題の一つであると認識をいたしております。それを踏まえ、総務局のコンプライアンスを推進している部署においては、ミスの再発防止とコストの抑制を鑑み、事務処理検証チームが稼働中と伺っております。そして、28年度においては、28件の事案について携わっていらっしゃいます。事件の発生後は、組織の正常化に向けて、検証チームが事務処理ミスの発生した経緯とその後の防止策を含め、調査研究を行い、当該部局に指導があるものと思います。  そこでまずは、検証チームの構成状況と活動内容及び活動時間数等の現状、そして、検証の具体的手法や助言等の具体的な内容について、総務局長にお尋ねをいたします。         〔田畑公人総務局長 登壇〕 ◎田畑公人 総務局長  事務処理検証チームの検証結果や助言につきましてお答えいたします。  まず、事務処理検証チームの構成でございますが、行政管理部長をチーム長とし、総務課、コンプライアンス推進室、広報課で構成しております。  2点目に、検証の活動とその時間についてでございますが、平成28年度におきましては、事務処理ミスが複数回発生した8所属を訪問し、その原因や事務処理の方法等について検証を行い、また、発生後に講じた再発防止策の実行状況を確認するなど、1所属当たり2時間程度の検証を実施しております。  3点目の助言内容につきましては、基本的なことではございますが、事務処理手順の遵守やダブルチェックの徹底について指導し、他所属での再発防止策についての情報提供も行っているところでございます。         〔小佐井賀瑞宜委員 登壇〕 ◆小佐井賀瑞宜 委員  検証チームの業務と実働状況について伺ったところでございますが、誕生して間もない組織ということも耳にいたしておりますので、どこまで解析作業を実施されていらっしゃるのか、大変注視する部分です。  伺ったところ、課題の根底と解消策の指示は実施されていますが、一人一人の意識向上を促すためには、一つの事務処理ミスについて、事案の発生後から解消に至るまでの総合的な損失額の調査と分析を行い、公表することが必須と心得ます。  わかりやすく申せば、一つの事件が発生し、市民等へ迷惑が及べば、連絡から訪問、そして、謝罪、さらに解消策の提示と、実行に至るまで、全てにおいて人員、時間、雑費等の経費を要するはずであります。それをトータルした累積金額を行政コストとして認知しなければならないと思います。このことは、我が党の光永邦保議員が以前指摘されたことは、記憶に新しいと思います。また、私も時間外勤務手当の件を絡めて、御意見を申し上げたこともございます。過去には、事務処理ミスによって生じた3から4万円の実質的金額について、課題解消するために発生したそのコストがおよそ25倍程度にまで膨れたという事実を確認いたしております。  そのコストの大半は、処理を改善するために携わった時間外勤務手当であったと聞き及びますが、このように、さまざまなミスを適切に処理し、市政の信頼回復へと費やすために発生した総合的経費については、金額ベースで28年度のトータルを把握されていらっしゃいますでしょうか。  さらには、職員の意識の向上育成策として、例年300万円程度の財源を要していますが、検証チームを初め、この特化した事業には3,000万円との金額も記載されています。大変大きな数値でありますので、恐らくこれが全てではないと考えますが、職員の能力向上に要した経費の内訳をお示しいただいた上で、コンプライアンスに関する費用対効果についていかがお考えか、総務局長にお尋ねをいたします。         〔田畑公人総務局長 登壇〕 ◎田畑公人 総務局長  事務処理ミスによる行政コストの分析と推移につきましてお答えいたします。  まず、行政コストにつきましては、事務処理ミスの起こらない仕組みづくりはもとより、職員にコスト意識を認識させることも重要であると考え、平成29年4月より、事案ごとに、事務処理ミスの改善に係る行政コストを推計しており、それをもとに、平成28年度を試算しますと、約500万円程度となったところでございます。  2点目に、費用対効果についてでございますが、まず、決算額の約3,000万円の内訳を申し上げますと、コンプライアンス関連経費分は約300万円、応援職員要請経費約1,900万円、職員研修費約800万円でございます。これまでもコンプライアンス担当監や職員倫理審議会からの事務処理ミス防止に対する助言、指導を受けてきたところであり、職員みずから再発防止策の取り組みを行うなど、事務処理ミスに対する職員の意識改革が進んできたことが大きな効果と考えております。今後も、事務処理ミスの防止に努め、市民の皆様に信頼される行政運営を推進してまいります。         〔小佐井賀瑞宜委員 登壇〕 ◆小佐井賀瑞宜 委員  特化したチームに要する経費が多大でないことは確認をさせていただきました。しかし、事務処理ミスが発生するがために、直接的なコストが発生し、それを抑制するために間接的なコストが発生するという構図は変わりません。やはりトータルで莫大なコストが生じているということは、大変重く受けとめなければならないと感じます。  さて、コスト意識の醸成を図るために、幾つかの質疑を重ねてまいりましたが、皆さん方も懸命な努力はされているものと認識はいたしております。財政局においても、行革を推進するに当たり、事業の選択と集中によって、可能な限りの人員体制を整えると同時に、財務諸表を作成し、コスト計算書等の作成と分析にまで至っていらっしゃることも存じております。また、総務局においても、コンプライアンスの推進のためにも、多彩な研修を実施しておられることは評価をいたします。皆さんが懸命に職務に携わっていることは、理解を示したいと思います。  しかし、近年では、懸命な余り、厳しい内務規定も設置してあるように聞き及びます。それと同時に、市役所外の周囲の目は、今や熊本市役所の行革やコンプライアンスは、厳しさを増すことが当然という機運が漂っている感が否めません。皆さん方が積極的に規律を受け入れる姿は、市民目線からいえば評価されるとは思います。しかし、その厳しさの内容について、果たしてどこまで見出し、そして、どのような対策を講じることが最善の策と言えるのか、私はいまだ明確な答えを見出すことができておりません。  先日の決算概要説明でも、市長は行革に対する並々ならぬ決意を述べられていらっしゃいました。少子化という最大の課題を抱えた我が国では、行政機能の効率化は行政の使命として第一義に位置づけられるものであろうと思います。だからこそ、大胆な改革もやむなしとの考えにも至ります。しかし、本市の現状は平時とは言いがたく、理想に燃えた強固な計画が、生身の人間にとっては逆にあだとなってしまうことも、可能性としては否めません。このことは先般の一般質問で御提言のあったとおりであります。  また、コンプライアンスにおいては、発生してはならない事務処理ミスが生じれば、その課題解消策として、さらに細かな規定や組織を生み出し、厳格の中にもさらなる厳格さを追い求めてゆかれるさまは、先ほどの答弁で確認済みであります。それゆえ、業務に業務を重ね、財源を投入し、従事する職員に過剰な緊張感、負担感をもたらし、心身への悪影響を及ぼすという負のサイクルを生み出しているのではとも感じざるを得ません。  せっかくの折でございますから、少しお時間を頂戴したいと思います。  本日は、厳格化がもたらしている、懸念されます一つの例を挙げて申し上げますが、コンプライアンスの代表的な指針として、飲酒運転撲滅運動の一端と称し、自動車で職場に来た者は、帰宅途中は一切居酒屋等に立ち寄ってはならないとの話を耳にいたします。さらに、代行運転も使用不可とのことで、その徹底ぶりには頭が下がるどころか頭を傾けてしまいます。  私はPTAに御縁が深いので、多くの皆さん方から次のようなお話を伺いました。学校の先生たちは、業務の都合上、そのほとんどが車で出勤されていますので、学校行事等の反省会等でさえ、お酒を飲まなくなった先生がたくさんいらっしゃいます。とてもコミュニケーションがとりづらくなった、本音のおつき合いがしにくいとのことだそうでございます。とても配慮される先生は、十数キロ先の自宅まで車を置きに帰られるそうです。とてもお気の毒だと保護者の方も語っていらっしゃいました。学校以外の職場でも同じようなことがあるのではないんでしょうか。コンプライアンスの視点でいえば、それほど業務後に酒を飲むという行為は危険行為と位置づけられるんでしょうか。代行運転も使用できないほど規制を張る必要が高いんでしょうか。  私が経済委員長だからといって経済を優先して申し上げるわけではありませんが、市域の飲食店で、私の顔を見るなりこんな話がありました。市役所では人間の性悪説や悪行の可能性を追随する余り、人を信じる、仲間を信じる心が希薄化しているのではないんですか。そのうち、車は危険走行の可能性があるから、職場には乗ってこないようにとエスカレートするのではないんですか。酒の神様、バッカスは何と思うんでしょうねとの御意見でございました。  ジョークまじりではありましょうが、この皮肉った知的な御意見に返す言葉もありませんでした。誤解を招くおそれもございますので、お叱りを覚悟で申し上げますと、リーダー的立場にある皆さんは、部下に対し、規律を重んじ厳しい戒めを行うことも必要だと思います。しかし、その根底には大きな信念と愛情が存在しているはずであります。ときには進んでそっと手綱を調整してあげることも大切ではないかと私は感じます。対人関係はパワハラ問題を初め、相手の視点で考えなければなりませんので、戒めの手法や線引きというのは大変難しいと思います。今やそれを補完してくれるための大切な手法まで、手放している気がいたします。市長や管理職の皆さんがじかに緩和の指示を公言するということは、慎重にならざるを得ないと存じますが、この機に内容を再考いただければ幸いに存じます。  次に、メンタルヘルス対策についてお尋ねをいたします。  よく企業は人なりと申しますが、市役所も同じ理が成り立ちます。市役所の職員が健康で生き生きと業務に傾注することで、市民サービスの質も量も担保されます。だからこそ、職員の安全性と健康を確保することが求められるわけですが、現況は大変危惧されると推察をいたしております。その要因は、私も幾度も触れてまいりましたが、地震前の市町村合併の業務から始まり、合併、そして指定都市への移行の中で、たび重なる組織改編、そして、そこに乗じてきた災害対応であることは間違いないと思います。このような環境によって、職員が心身のコントロール不調に至った例は激増したと聞き及びます。その人数や状況は、個人情報の及ぶところでありますので、正確には把握しておりませんけれども、恐らく例年の数倍以上で、驚異的な数値に至っているものと推察をいたします。  また、今後の将来設計に配慮し、職場ではあえて不調を表面化させない方も少なくはないと感じております。担当課もストレスチェックやアンケート、そして、健診等を通じ、対策は講じられてきたということは、今回提出されております資料中においても確認をいたしております。しかし、担当部局としても、個人の意思を尊重するが余り、支援の網の目から漏れながらも業務に携わっていらっしゃる方の存在を認識しているにもかかわらず、得策を講じることが困難に至っているのが現実ではないかと考えます。とても気がかりであります。  このような状況を鑑み、私は独自の政務調査を展開する中で、近年誕生している厚生労働省国家資格のキャリアコンサルタント有資格者の存在を知り得ました。そして、この活用によって、カウンセリング事業の確立はできないものかと思った次第であります。  このことは、先般、我が会派全員で陳情活動を展開した折、当時、厚生労働省政務官でありました馬場参議院議員にも直接御意見を申し上げたところでございました。ところが大変ありがたいことに、既に内閣府の事業によって、その制度化が図られている旨の連絡もいただき、また、自治体への事務通達も行われているということでございました。まさにタイムリーであります。  メンタルヘルス対策については、今回の成果報告書のみでは読み取れない現状が存在しながらも、経費は1億円が投じられています。特に、その財源のほとんどは一般財源であり、復興計画事業分の経費は皆無であります。そこで、メンタルヘルスに取り組む実質的な経費をお示しいただき、そこで得られた成果についてあわせてお示しください。また、先般申し述べました国の補助事業を活用しながら、職員厚生に寄与することは大変効果的と考えます。今後の対応策について、総務局長にお尋ねをいたします。         〔田畑公人総務局長 登壇〕 ◎田畑公人 総務局長  職員のメンタルヘルス対策につきましてお答えいたします。  委員が述べられました決算額約1億円の内訳は、職員のメンタルヘルス対策関係が約1,800万円、定期健康診断委託料約5,800万円、公務災害補償費約2,400万円でございます。  震災直後と1年後に行いました鬱病や心的外傷後ストレス障害、いわゆるPTSDに特化したスクリーニング調査では、対応が必要な職員の割合は13.6%、672人から、7.2%、130人と減少しております。しかしながら、現在も一定の割合で鬱病やPTSDの疑いのある職員が存在しているということがわかったところであり、今後もケアが必要な職員に対しまして、産業医を中心とした保健スタッフが一人一人丁寧に対応してまいります。  さらに、ストレスチェックを初め、従来から行っております超過勤務が著しい職員や、職場環境が変化した職員への面接指導、管理監督者などに対する研修等も実施し、一人でも多くの職員がメンタルヘルス不調に陥らないために、継続的に対応してまいります。  議員御提案のキャリアコンサルタントにつきましては、平成28年4月に新たに国家資格となったものであり、職員のメンタルヘルス対策にどのような役割を担えるか、今後研究してまいりたいと考えます。         〔小佐井賀瑞宜委員 登壇〕 ◆小佐井賀瑞宜 委員  数値的には対象者は減少傾向ということでありましたけれども、それはあくまでも総枠の中での分析であろうと私は感じております。  職員の厚生については、私自身が合併前から約7年近く注意深く見つめてきた案件でもあります。だからこそ、職員待遇の方向性や要望についても、合併法定協議会の中でも議論に及んだ経緯があります。そして、みずから政務調査も実施してきたわけであります。  今やストレスチェックは中規模以上の事業所において27年度から義務化されています。市役所もその対象です。実施して当然の事業となっているわけですけれども、それでも充足されないのが実情です。それは、自覚があっても通院がしにくい点や、職場へ申告しにくいという点など、個人保護の観点に配慮不足のために、職場内でも実態像がつかみにくいという最大の障壁が存在しております。現在の市の業務の実情やそれを取り巻く環境からいえば、深刻さが増しているというのが専門家の見解であります。被害をこうむってきた職員の実名や実数や実情を、ここでは具体的に話せないのが大変口惜しい気持ちでございますけれども、この件は決して楽観視することなく、対策を講じていただきたいと切に願っております。  市長におかれましても激務が続いておりますので、息つく暇がないというのが実情でありましょう。何とぞ一度肩の力を抜いて御自愛をいただきまして、新たなエネルギーをもって着実な歩みを進めていただければと感じる次第であります。  それでは、次に、決算状況報告の中で、幾つか気になっております事業についてお尋ねをいたしたいと思います。  まず、消費者行政の被害者救済体制についてであります。  以前、消費者行政にかかわる条例が制定された折、現行の内容は本当に救済策となり得るのかと厳しい意見を申し述べたことがございます。私も更生保護に携わりながら、犯罪に至った方々の社会復帰を促したり、一方で、消費者保護の救済策について、御意見を求められることが増加していたという背景から、大変気がかりになっていた件であります。  現在の犯罪情勢では、10年前と比較して、凶悪犯も相変わらずの様相を呈しておりますけれども、現在、知能犯の割合が急増している点が特徴的です。知能犯とは、いわゆる詐欺等の犯罪を示しますが、ネット社会の普及によって増加傾向にあるとの分析結果が示されております。  御承知のとおり、オレオレ詐欺や架空請求等は常態化しています。ましてや、被災した地域においては、その弱みにつけ込みやすい環境ができ上がっているため、多くの市民が巻き込まれる可能性は高くなっているはずです。さらに、市民・国民の多くは、生活の中からパソコンやスマートフォンを切り離すことはできない時代にあります。だからこそ、本市における消費者行政の役割は極めて重要視されます。  決算額の昨年対比を確認したところでは、若干下降気味でありましたが、実質的な活動内容や対応業務は増加傾向であるものと推察をいたしております。  そこでお尋ねをいたしますが、消費者行政にかかわる相談件数の推移や内容、また、今後の見通しとその対策について、市民局長の見解をいただきたいと思います。         〔萱野晃市民局長 登壇〕 ◎萱野晃 市民局長  消費者行政・被害救済体制についてお答え申し上げます。  過去3カ年の消費者センターにおきます消費生活相談件数は、平成26年度は6,371件、平成27年度は6,290件、そして、昨年平成28年度は、熊本地震の影響もございまして、7,182件と、約14%増加しております。  相談の内容といたしましては、インターネットでのアクセスにより架空請求を受けるといった相談が全体の2割であります。また、地震に関連いたしました賃貸アパート等の契約や、家屋修理等での高額請求などの相談が増加いたしておりまして、年代的には高齢者からの相談が年々増加し、平成28年度は4割を占めております。  今後の見通しといたしましては、地震関連は落ち着いてきておりますものの、インターネット関連や高齢者対象の事案は、今後も引き続き増加傾向にあるものと考えております。  今後とも消費者センターでの消費生活相談や、弁護士、司法書士による法律相談を引き続き行いますとともに、特にインターネット関連などの新たな事案についての注意喚起、あるいは被害が多い高齢者を対象といたしました地域での消費生活地域見守りサポーターの育成などを強化してまいります。         〔小佐井賀瑞宜委員 登壇〕 ◆小佐井賀瑞宜 委員  この件は予想どおりであります。決算の観点で申し上げれば、相談件数は増加し、コスト全般は若干下降しているとの指数が示されておりますけれども、今後はさらに業務の増加に伴い、コストの増加も見込まれます。しかし、被害者になり得る当事者にとっては大変重要な問題でありますので、何とぞ相談体制と解決策の充実が図られますよう、お願いを申し上げたいと思います。  質疑の終盤に、中心市街地のにぎわい創出について、2点お尋ねをいたします。  まず、1つ目は、桜町の再開発事業についてであります。  議会のたびごとにさまざまな意見を伺ってまいりましたが、工事も着実に進み、関係者の皆様それぞれが緊張感と期待感が増しているころだと思います。その中で、今回は28年度の決算状況から、その施設と周囲の相乗効果を求めてお尋ねしたいと思います。  熊本城ホール利活用を促進させるためには、管理者の運営努力が最大の課題となりますが、これを補完する施策として、周囲からのアクセス向上策やプロモーション等の間接的な要因も大切です。さらに、周囲全体からの人の流れを呼び込むためのハード的・ソフト的仕組みが大変重要になってまいります。そのように考えますと、施設全体へ導くため、特にシンボルプロムナードについては目が離せません。当然その場において展開するソフト事業の確立も重要ですが、新しく誕生していく段階においては、その受け皿となり得るハード的な整備が不可欠と心得ます。  そこで、上質な創造空間を誕生させるためにも、回遊性の向上策として、オープンスペースのデザインにも特段の配慮がなされているかと思いますが、その考え方についてお尋ねをいたしたいと思います。特に、成果指標の中には、今後の課題への対応として、維持管理費の低減との記載もございます。投資の抑制を気にする余り、単調な特性のないデザインに至っては、周囲全体の魅力も半減するおそれさえ否めません。特徴のあるハード整備の考え方について、都市建設局長に伺いたいと思います。  続けて、にぎわい創出についての2点目は、下通A地区優良建築物等整備事業についてです。  本年4月の末に、市役所裏手に大きな光が差し込みました。御承知、下通NSビル、通称COCOSAです。本市最大のアーケード街、下通の復活をかけて、民間事業者が主体となって開発を手がけたものではありますが、本市も3年間にわたり9億円以上の補助金を投じました。明るい透明のガラス張りは、これまでは通過点としか感じたことがなかった市役所裏手側に新たな命を吹き込みました。若々しいイメージに誰の目にも期待感があふれていたと感じます。  それからはや4カ月が過ぎましたが、集客状況を初めとする効果の分析はできていますでしょうか。この事業は民間主体であっても、中心市街地活性化事業の大きな位置づけとされ、莫大な財源を投じた経緯から、市としても今後の展望から目が離せないと感じます。事業の効果と今後の方向性を都市建設局長にお尋ねいたします。         〔肝付幸治都市建設局長 登壇〕 ◎肝付幸治 都市建設局長  中心市街地のにぎわい創出に関する2点の御質問にお答えいたします。  まず、シンボルプロムナードを含むオープンスペースの整備につきましては、多様なイベントへの利活用を想定し、容易な場面転換を可能とするハード系の舗装とすることなどを検討しているところでございます。  また、歩いて楽しめる空間とするために、江戸期にはここが広小路であったことや、花畑公園にお屋敷があったという歴史性を踏まえ、さまざまな御意見を伺いながら、デザインやそのしつらえを検討してまいりたいと考えております。  このような取り組みを通し、周辺施設との相乗効果を高め、ひいては中心市街地全体の回遊性の向上につなげてまいりたいと考えております。  次に、下通A地区優良建築物等整備事業の効果等についてでございますが、老朽化した民間ビルを共同で建てかえた下通NSビル、COCOSAには、本年4月末の開業後、5月には事業者想定を大幅に上回る約58万人の入り込みを記録するなど、地区の安全性や防災性の向上はもとより、中心市街地のにぎわいの創出に寄与しているところでございます。さらに、事業者におかれましては、商店街と連携し、商業フロアの5階にあります屋外テラスを活用したイベントの開催など、にぎわいの維持、拡大を検討されております。  本市としても、このような取り組みによるにぎわいが点から線、そして、面へとつながるなど、中心市街地全体に波及させることが必要であると考えておるところでございます。
            〔小佐井賀瑞宜委員 登壇〕 ◆小佐井賀瑞宜 委員  答弁を伺いながら、やはり回遊性の向上策というのは極めて重要であると認識いたしました。  時間の使い方と充実度は比例してまいりますので、都市空間の演出というのは、ハード的にもソフト的にも期待以上に求められます。その中で、年齢層に応じて行動範囲が変わってまいりますので、そのコース設定が明確で、そのアプローチが親切丁寧に確立していれば、上質な都市空間が誕生し、市民の安らぎや誇りがあふれると思います。そして、観光を初めとする来訪者は、魅力と憧れを抱くものと感じます。ぜひ細かい配慮のもとに、すばらしい都市空間をつくっていただきたいと感じます。  そこで、1点だけ、御提言でございますけれども、私が日ごろから一番気になっておりますのは、市民会館のことでございます。今後、条例の制定も審議されるわけでございますけれども、市民会館の位置関係から見れば、熊本城や城彩苑、そして花畑・桜町地区の再開発地区に囲まれた、いわば一番の特等席に位置いたします。指定管理の方向性が示されているとは申せ、市が今後一層のてこ入れをお考えになっていただきたいと思っております。例えば、城下町らしい看板のかけかえや落ち着きのある花壇の整備、また、歩いてきた高齢者の方が気軽に休める温かな感じの長い木製のベンチや、外壁には高校生や大学生の描けるキャンバスの設置など、皆が集いやすいように、夢を膨らませてよいのではないかと期待を抱いております。  市民会館が子供から若い方や高齢者の方、全ての市民の憩いの場となり、集いやすく、市民一人一人の活躍できる場となることで、帰属意識は高まると考えます。そして、熊本城への観光やMICEへビジネスで来訪される県内外の方は、にぎわい創出度の高い市民会館の様相をごらんになり、憧れを抱かれるものと推察いたします。そこに熊本市民のステータスが倍増すると考えられます。  あくまでこれは私の私見でありますけれども、このような構想も担当課だけに任せるのではなく、市民に問いかけてもよいのではないかなと感じております。財源のこともありますので、まずはラフな感じで庁舎内の知恵の結集を図っていただければ幸いに感じる次第であります。市長にもぜひ夢を描いていただきたいと存じます。  結びに、今回、我が党からは私が1人で登壇いたしましたが、実は、会派室でも各議員からこんな話もささやかれておりました。28年度は、職員は熊本地震の対応に追われて、懸命に復旧・復興作業に専念しながら、多くの通常業務に取り組んでいたことは、これはもう間違いないと。だから、総じて、今回評価を見出すことは必要であっても、不備を指摘すること自体が適切であるのかは疑問が残るのではないかという御意見が述べられておりました。それぞれの議員、それぞれにやはり状況をよく見ながら温情を申し述べられていたと私は感じたところであります。それゆえ、私もいつもは登壇のたびに厳しい指摘を申し上げることもございますけれども、今回は一定の配慮のもとに検証にいそしみ、御提案も交えながら進めたつもりであります。しかしながら、言葉足らずの点については、何とぞ御容赦を願いたいと存じます。  それでは、終盤のお時間までおつき合いいただきました皆様にお礼を申し上げ、私の質疑を終結いたします。(拍手) ○満永寿博 委員長  自由民主党熊本市議団、小佐井賀瑞宜委員の質疑は終わりました。  次に、市民連合の質疑を行います。持ち時間は55分となっております。  まず、西岡誠也委員の質疑を行います。         〔西岡誠也委員 登壇 拍手〕 ◆西岡誠也 委員  おはようございます。簡潔に質疑をしてまいります。いそしまないで頑張りますので、よろしくお願いします。  2点について、お尋ねをいたします。  地震による財政影響についてお尋ねをいたします。  平成28年熊本地震に伴う財政影響試算が3月に出されました。財政影響試算では、公共施設等復旧経費、被災者支援及び生活再建等関連経費、税収の減、それから使用料の減で3,329億円、うち、本市の一般会計実質負担が382億円。ところが、財政調整基金51億円と震災に伴い新たに発生した財源として47億円がある。したがって、最終的には、本市の影響額は284億円という試算が出されました。そのうち、109億円については、熊本地震以外の収支の改善策として、残りの175億円、これは毎年6億円、30年かけて収支改善を図るという計画でございました。28年度の決算では、先ほども小佐井委員がおっしゃいましたように、財政調整基金を取り崩さなかった場合は、20億9,000万円の赤字という結果につながっているわけであります。  そこで、平成28年度と29年度は、財政調整基金を取り崩し、乗り切ることができましたけれども、約100億円あった財政調整基金ももう50億円を切っているという状況になっております。したがって、今後、30年度以降、どのように考えておられるのかお尋ねをいたします。  次に、事務事業の見直しは5年間継続するということになっております。身近な市民サービスへの影響がないのか、このあたりが心配でございます。特に公園の除草だったり、あるいは道路の中央分離帯や街路樹の除草、さらにはマンホール周辺の道路の沈下、こういうところを非常に心配いたしております。  3点目、国・県からの支援の要請、これについてどのようにされるのか。  この3点について、市長並びに財政局長にお尋ねいたします。         〔中原裕治財政局長 登壇〕 ◎中原裕治 財政局長  私からは平成30年度以降の財政運営の見通し、それから、事務事業の見直しに伴います市民サービスへの影響に関するお尋ねについてお答えを申し上げます。  まず、平成30年度以降の財政運営の見通しに関するお尋ねでございますが、本年3月にお示しをいたしました熊本市財政の中期見通しにおきましては、将来負担比率等の主要な財政指標の推移について、震災に伴う著しい悪化は招かないと試算したものの、平成28年度を含みます平成33年度までの今後6年間で、マイナス11億円の累積収支を見込んだところでございます。  一方、本市の財政調整基金につきましては、熊本地震関連等の災害関連経費の財源といたしまして取り崩して活用する結果、現時点で、平成29年度末の残高は48億円となる見込みでございますが、平成30年度以降も熊本地震からの復旧・復興や新たな災害の発生、経済事情の変動に対する備えが必要でありますことから、基金残高の一定額の確保は必要であると考えているところでございます。  こうした状況を踏まえまして、今後も被災者の生活再建を初めといたします熊本地震からの復旧・復興に最優先で取り組みながら、歳入面では、中長期にわたり国・県の補助金等を最大限に活用させていただきますとともに、市税等の自主財源の涵養を図りつつ、歳出面では継続的な事務事業の見直しに取り組むなど、計画的な財政運営に努めてまいりたいと考えているところでございます。  続きまして、事務事業の見直しに伴います市民サービスへの影響に関するお尋ねについてお答え申し上げます。  平成29年度の当初予算編成に当たりましては、熊本地震からの復旧・復興に財源を重点的に配分し、復興を加速する必要がありましたことから、予算要求に当たりましては、一定の上限額を示した上で各局に主体的な事務事業の見直しを求めたところでございます。見直しに当たりましては、各局長主導により、事業の優先順位を設定するなど、市民サービスに影響が出ないよう配慮しつつ、既存事業と復旧・復興事業のバランスや事業効果の最大化等を意識することで、事務事業の見直しや業務の効率化を進めたところでございます。  震災後の財政運営に当たりましては、今後とも継続した事務事業の見直しは不可欠と考えておりますが、議員の御指摘も踏まえ、市民サービスの影響等には十分配慮しながら取り組んでまいりたいと考えております。         〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  国等からの支援に関するお尋ねについてお答えをいたします。  熊本地震からの復旧・復興に関しましては、これまでも瓦れきの処理や熊本城の復旧、農業共同利用施設の復旧等に対する支援のほか、被災宅地の復旧や被災者の住まい再建等に対し、順次活用が進んでおります復興基金の創設などを通じて、本市負担の大幅な軽減につながっておりまして、国や県に対しましてこれらの財政措置に改めて感謝を申し上げるところでございます。  しかしながら、一日も早い被災者の生活再建を初めとする震災からの復旧・復興に当たりましては、今後も多くの課題を有しておりますことから、引き続き国等からの支援は不可欠でありまして、国等に対し強力に要請をし、また復旧・復興のための中長期にわたる予算の確保に努めてまいりたいと考えております。         〔西岡誠也委員 登壇〕 ◆西岡誠也 委員  市民サービスの影響についてでありますけれども、熊本市でいろいろな計画をつくります。その中に、質の高い公共サービスという言葉がよく出てまいりますけれども、住民の皆さんからすれば、身近な道路の沈下の復旧とか、あるいは除草とかというところが優先ではないかという気持ちは率直にあるわけでありますから、そういう意味ではぜひその辺は予算の配分について検討いただきたい。  それから、もう一つは、熊本地震の被災者に対しては、東日本大震災並み、あるいはそれ以上の対応を国の方でしてもらったということを理解しておりますけれども、ところが、財政問題に関して、自治体の財政については非常に厳しい状況が続いているということでありますから、さらに国に対する要請をお願いしておきたいと考えております。  それでは、次に、地方財政計画についてお尋ねをいたします。  この28年度決算状況報告書のまえがきというところに記載をされておりますけれども、地方交付税等の一般財源総額は確保したということで記載をされております。ところが、28年度からトップランナー方式が導入をされております。  この中身については、歳出の効率化を推進する観点から、歳出効率化に向けた業務改革で、他団体のモデルとなるようなものを地方交付税の基準財政需要額の算定に反映する取り組みを推進。そして、その際、財源保障機能を適切に働かせ、住民生活の安心・安全を確保することを前提に取り組む。これは段階補正を意味するものだと思いますけれども、さらに、地方行政サービス改革に係る調査によって把握することとしている地方団体の業務改革のうち、単位費用に計上されている全ての業務23業務について、トップランナー方式の検討対象とするとなっています。  また、基準財政収入額の算定に用いる徴収率の見直しも平成28年度から行われ、全国の平均的な徴収率から上位3分の1の地方自治体が達成している徴収率となり、5年間で段階的に反映することになっております。  ところが、地方交付税法第2条の6、単位費用の定義では、道府県または市町村ごとに、標準的条件を備えた地方団体が合理的、かつ、妥当な水準において地方行政を行う場合、または、標準的な施設を維持する場合に要する経費として云々と書いてあります。ちょっとこれは難しいものですから調べました。  逐条解説では、単位費用が標準的条件を備えた地方団体を前提とする理由として、行政の規模及び内容が自治体の平均的なレベルに近く、自然的・社会的条件の特異性のない通常自治体の必要経費を単位費用として設定しなければ、自治体の財政需要を合理的に算定する基礎として用いることができないためとしております。いわゆる、平均的ということで、例えば、県においては、人口170万人を基準とする、あるいは市町村においては10万人とか、こういうところとか、面積の問題ということで書かれております。  ただ、そういうことで書かれているにもかかわらず、トップランナー方式の導入は、先ほど言った税の徴収も含めて、平均的ではないところに基準が置かれております。ですから、交付税法の単位費用の規定から見て、トップランナー方式というのが適切かどうか、この辺の見解をお尋ねいたします。  2点目であります。トップランナー方式の導入に当たって、行政効率において不利な小規模自治体などの実情に配慮し、段階補正の見直しが行われております。すなわち単位費用引き下げにより、需要額の減少を段階補正の割り増しで相殺する対策が講じられている。ただ、今回のトップランナー方式が段階補正の適用されない都市部自治体に影響すると私は考えております。いわゆる山間地だったり、人口が少ないところについては段階補正が適用されますけれども、都市部については適用されないということになりますと、結局、交付税が減少するということになっていますから、この辺についてもお尋ねをいたします。  それから、決算ベースで、地方財政計画は策定しますから、トップランナー方式のような算定に過剰に反応するということになると、中期的には地方全体の財源保障の大枠をみずから縮減させることにつながってくるのではないかと考えております。この点についてもお尋ねをいたします。  市長並びに財政局長にお尋ねをいたします。         〔中原裕治財政局長 登壇〕 ◎中原裕治 財政局長  私からはトップランナー方式の導入につきまして、適切かどうかということと、それから、自治体への影響についてという御質問にお答えを申し上げます。  まず、トップランナー方式の導入についてでございますけれども、これは平成28年度の地方交付税の算定より、多くの地方自治体で民間委託等に取り組んでいる業務について、その取り組みの効果を反映した経費水準が単位費用の積算に反映されるということになったものでございます。  こうした見直しにつきましては、地方自治体の歳出効率化の取り組みが促進される一方、あくまで合理的かつ妥当な水準の範囲内で経費水準が見直されるものであることから、引き続き地方交付税の財源保障機能は適切に機能するものと認識をしているところでございます。  次に、トップランナー方式の導入による地方自治体への影響に関するお尋ねについてでございますが、歳出効率化を推進する観点から、これまで市町村分の地方交付税の算定におきましては、多くの地方自治体で民間委託等に取り組んでおります道路の維持補修・清掃や学校給食、ごみ収集等の17業務につきまして、民間委託等の効果を反映した経費水準が単位費用の積算に反映されているものでございます。結果といたしまして、該当いたします業務に係る財政措置は減額される一方、国におきましては、トップランナー方式の導入による歳出効率化効果額を活用いたしまして、公共施設等の維持補修・点検等に要する経費を充実させるなど、地方自治体の新たな課題への対応に取り組んでいるものと認識をしているところでございます。  本市におきましても、今後の財政状況を踏まえまして、質の高い公共サービスを効率的・効果的に提供する観点から、さらなる民間委託の活用等について検討いたしますとともに、生み出される人的、財政的資源を、新たな行政課題や市民の皆様が期待する市民サービスに最大限活用してまいりたいと考えております。         〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  トップランナー方式の導入によります地方財政計画への影響に関するお尋ねについてお答えをいたします。  先ほど局長が答弁で申し上げましたように、国の地方財政計画の中では、トップランナー方式の導入による歳出効率化の効果を見込む一方、その効果額を活用して新たな行政需要に対応する経費を計上することにより、地方自治体の一般財源総額の確保が図られているところでございます。平成29年度の地方財政計画におきましては、地方自治体の一般財源総額として、前年度を4,000億円上回る62兆1,000億円が確保をされたところでございます。  今後ともトップランナー方式の導入によって生み出される歳出効率化の成果につきましては、そうした取り組みへのインセンティブが阻害されないように、地方自治体が直面する諸課題に対応する経費等に確実に振り向けられることが必要であると考えておりまして、国に対しましても、地方自治体にとって必要な財源の確保について、強く要望してまいりたいと考えております。         〔西岡誠也委員 登壇〕 ◆西岡誠也 委員  トップランナー方式では、23項目が検討対象になっております。その中には、図書館とか、それから博物館、こういう項目も入っております。ところが、この図書館、博物館については、全国の状況を調べますと、委託または指定管理者導入については少数であります。そういうことからしますと、平均的なというところには届いていないということであります。これもその対象に入っているということについては、これは交付税の趣旨からして問題があるのではないかという認識を私は持っております。  また、トップランナー方式を導入するときに、当時の総務大臣、高市大臣でございましたけれども、そのとき、この導入によってどれくらいの影響、マイナス効果が出ますかという質問に、440億円という数字を挙げられました。基準財政需要額の対比でいいますと0.1%という数字を示されたところであります。ところが、問題なのは、これがずっと毎年続いていくということになりますと、当然決算ベースで見ますと、実際は交付税はマイナスになるということになってまいります。  先ほど市長もおっしゃったように、いわゆる交付税法で交付される分が減少する、そのかわりに新たに財源を積んで、結果的には交付税の一般財源総額、これを確保するということでありますけれども、上積みについては、法的に担保されたわけではございません。したがって、そういう意味では、ぜひ今後も国に対する要請、地方六団体にも努力をいただかなければなりませんし、植松副市長が総務省に帰られても、自治体と同じ方向を向いてやっていただきますようにお願いし、私の質疑を終わります。  ありがとうございました。 ○満永寿博 委員長  西岡誠也委員の質疑は終わりました。  次に、福永洋一委員の質疑を行います。         〔福永洋一委員 登壇〕 ◆福永洋一 委員  市民連合、2番手の福永洋一です。  今回の質疑は、この平成28年度決算状況報告書の内容に沿って、これまでの取り組みの確認を行いながら、今後の課題等についても質疑と要望を行いたいと思っています。  これまで6回、一般質問をしているんですけれども、その中でやりとりしてきた内容について3点、それと、1点新たに加えて、4点について、それぞれ質疑を行いたいと思っています。  まず、最初、66ページですけれども、これは市民局の中身で、安全で心豊かに暮らせる地域づくりの推進ということで、報告書には区ごとのまちづくりの支援について、各区の事業費の総額の記載、まちづくりの支援事業の内容と予算、地域担当職員活動件数等の記載があっているところです。  この年は政令市となって6年目、5区体制により市の行政が運営されていますけれども、4年前の平成25年9月議会で、当時幸山市長に区役所の予算、人員、組織、権限のあり方について質問を行ったところです。  全ては申し述べませんけれども、2つ、予算配分については、京都府の事例を出しました。京都府は固定額プラス人口割の予算を組んでいるのではないか。熊本市は、東区が19万人近く、中央区は18万人、西区は9万人、北区は14万人、南区は12万人ですけれども、西区は9万人で、中央区、東区は倍以上人口があるのに、各区1,000万円はおかしいのではないかという話をしたところです。現在、各区2,000万円のソフト事業のみに予算が配分されていますけれども、おかしいではないかという指摘はしてきたところです。また、権限のあり方についても、区に対して一定の人事なり、財政はハード面も含めて権限を付与すべきではないかというやりとりをしてきたところです。  幸山市長の回答は、予算については、個性あるまちづくりの推進に向けて区の個性を磨き、区の活性化につながるための予算としたい。権限については、課題解決のための事務事業を企画立案し、予算を確保できる権限も必要だと考える。今後、区役所のあり方や機能を見直す中で、再整理する考えだという回答をいただいたところです。  ということで、大きく2点質問させてください。  1点目は、各区の予算配分のあり方と権限についてです。  小さく3点、現状の取り組みの確認をさせてください。どのような取り組みをしてこられたのでしょうか。  それと、2点目ですが、各区の予算配分のあり方について、1点目がソフト事業だけでなく、ハード事業の予算も必要だと考えています。2点目、区の人口割と各区の状況に即した優先課題を明確にして、公正・公明で市民の納得が得られるような予算の配分が必要と考えていますが、今後の方向性はいかがでしょうか。  そして、権限についてですけれども、先ほど申し述べましたように、各区に一定の人事・財政の権限を付与すべきだと思っていますけれども、その辺の考え方をお示しください。  大きな2点目ですが、地域担当職員の現状の活動と課題についてです。  大西市長の顔の見える行政ということで、地域の声を拾い上げるシステムとして有効ということで、私の地元でも職員の方々が土日も、いろいろな会議に参加されて、精力的に活動されていることに対し評価をしたいと思っています。ただし、今後、活動の現状分析と今後の課題を明確にしていかなければいけないということで4点質問をさせてください。  1点目が、現状の活動の確認です。配置の施設、職員数、これまでの活動の内容、市民の要望はどうだったのでしょう。ハード、ソフト面、どのぐらい件数があったんでしょう。改善はどのぐらいできて、どのぐらいがまだできていないんでしょうか。その数値等あればお示しください。  2点目、現状の課題として、改善ができなかった事項が相当あるのかなと思っています。その内容とその対策を今後どのようにしていくのか、また、担当現場の声を聞かれているでしょうか。非常に苦慮されています。先ほど西岡委員からもありましたけれども、やはり市民の方たちからの要望はどちらかというとハード面が多いんですね。明かりだったり、公園だったり、道路だったり、街路樹だったり。私も地域の声を聞きながらいろいろな場所につないでいますけれども、現状の課題はどうでしょう。  3点目、地域課題の改善のためには、ハード面を含めた予算の配分と一定の裁量権を区なりに付与し、改善のためのシステム化が必要だと思っています。現状は、一定の改善に終わって、地域の苦情処理に終わっているのではないでしょうか。解決できた部分もあるかもしれませんけれどもどうでしょう。  4点目、今後、地域格差の是正のためにどのように取り組まれるのでしょうか。この決算状況報告書の中にも、地域ごとにまちづくりへの意識の差が見られることなどの課題があると書いてあります。  さきの震災でもそうですが、高齢化率が高くても、地域がまとまっていればきちっと対応できたところもありますし、若い世代がいてもほとんど動けなかった地域もあるかと思っています。以前もお話ししたんですが、東京都は、大学を使って、地域力の格差をきちんとグラフ化しているということです。声が上がる地域はいいんでしょうけれども、では、声なき地域の声をどういうふうに拾って対策をしていくのかという必要性もあるのではないかなと思っています。今後、地域格差の是正のために、どのように取り組まれるのでしょうか。  よろしくお願いします。答弁は市民局長に求めます。         〔萱野晃市民局長 登壇〕 ◎萱野晃 市民局長  それでは、各区の予算配分、それから地域担当職員に関します大きく2点、細かくは7点の御質問に順次お答え申し上げます。  まず、各区の予算配分関係で、現状の取り組み内容についてでございます。  各区の予算につきましては、まちづくり推進経費といたしまして、各区2,000万円を計上し、各区のまちづくりビジョンの実現に向け、各区の特性に応じた独自性のある事業を展開しているところでございます。  次に、各区の予算配分のあり方でございます。  現在、各区において把握いたしました地域からの相談、要望等を各担当局、区の施策に反映させますための地域ニーズ反映の仕組みづくりを進めているところでございまして、まずはその仕組みの中でハード整備事業も含めまして、担当局・区との緊密な連携のもと、市民の納得が得られる予算配分や優先順位など議論を深め、施策に反映させてまいりたいと考えております。  次に、3点目でございます。各区の予算配分の権限についてです。  区の権限強化につきましても同様に、オール熊本市で地域の課題解決を図っていきます中で、権限を含め、どのような体制が必要なのか、関係局とも協議を行いながら検討してまいりたいと考えております。  次に、地域担当職員に関します4点の御質問です。  まず1点目、現状の活動内容についてでございます。  今年度、新たに17カ所のまちづくりセンターを各出張所等に設置いたしまして、所長17名、地域担当職員49名を配置しております。  このまちづくりセンターにおきまして、4月から8月までの地域担当職員の活動件数は約7,400件であり、活動の中で、地域から受けました相談・要望等は、都市整備や地域活動全般に関することを中心に約1,150件であり、うち対応済みが約900件、対応中が約250件という状況であります。  次に、地域担当職員の課題についてでございますが、まちづくりセンターが受けました相談・要望等につきましては、その都度、事業主務課等と協議を行いながら、課題解決に向けて取り組んでおります。しかしながら、案件によりましては、さまざまな理由から速やかな対応が難しいものもございますことから、地域担当職員が地域と接することで築いてきました信頼関係のもと、丁寧な説明を行いながら御理解いただくよう努めているところでございます。  3点目でございます。地域課題の改善に向けた対応についてです。  次年度に向けましては、先ほど答弁いたしました地域ニーズ反映の仕組みを全市的に構築して取り組みますとともに、地域におきましても、お互いさまで支え合う自主自立のまちづくりが進みますよう、より一層の支援を図ってまいります。  最後に、地域格差の是正に向けた取り組みについてお答え申し上げます。  今後、地域担当職員を中心に、より一層地域に飛び込み活動をいたします中で、高齢化率などの統計データに基づく現状や課題について整理し、その情報を市民、地域、行政が共有をいたしますことで、これまで潜在的にあった地域課題につきましても必要な支援を行うなど、地域の特性を活かしたまちづくりに取り組んでまいります。
            〔福永洋一委員 登壇〕 ◆福永洋一 委員  ありがとうございます。予算配分と権限について、一定前向きの答弁があったということで、評価はしておきたいと思っています。ただし、今後も同じような額と内容での各区への予算配分、権限のあり方では、余りにも安易であり問題だと思っています。  それと、地域担当職員の活動に4カ月で1,000件以上の相談、要望等があるということで、解決が900件強、今後きちんと分析して、その問題、課題等、明確にしていただきたいと思っています。特に、格差なき市政の発展を願って地域力の格差の把握をやはりきちっとしていかないと、虫食い状態で地域が発展してしまうのではないかということで、落ちこぼれなき全市的な発展を願って、分析もお願いしたいと思っています。答弁に沿って、今後は具体策をきちんと早急に検討していただきたいと思っています。  きょう、更問で市長に質問したかったんですけれども、ちょっと時間がなくて、12月にできれば市長に答弁を求めたいということで、もっと前向きな答弁を期待して次の質問にいきたいと思っています。  2点目、96ページです。健康福祉局長に質問をします。  中身は、生涯を通して健やかで、いきいきと暮らせる保健福祉の充実ということで、主な取り組みは介護保険制度の円滑な運営とサービスの質の向上ということで、目的が、要介護認定の迅速化、介護サービス従事者の質的向上や介護人材の確保などに取り組みますということで記載がされているところです。  昨年12月議会でも、介護人材の確保策について質問を行ってきたところです。議会の中の局長答弁では、人材の確保は喫緊の課題ということで、県とも連携して頑張りたいという答弁があったところです。県全体で2025年、75歳の方たちが一番多い時代には、県全体で1,500人以上の介護職が不足するという報告もあっているところです。  ところが、ここまで介護人材の確保などに取り組みますとしながら、96ページにどこにも介護人材確保のための取り組みの記載がないんですね。ということで、具体的な取り組みをしなかったのかなと一瞬思ったんですけれども、きちんとされているということで、具体的な取り組みの内容についてお知らせをいただきたいと思っています。  2点目、先ほど言いましたように、団塊の世代が75歳を迎える2025年問題まで残り8年しかありません。私もそのころに介護を受けるかもしれませんけれども、計画を立ててもそれを担う介護人材がいなければ、そのサービスを提供できない、受けられないということになりますので、介護人材の確保は喫緊の重要な課題だと思っています。今後、どのように取り組まれるのでしょうか。  以上、2点について質問いたします。         〔池田泰紀健康福祉局長 登壇〕 ◎池田泰紀 健康福祉局長  介護人材の確保策に関する御質問にお答えを申し上げます。  決算状況報告書におきましては、具体的取り組みの記載はございませんが、平成28年度の介護人材確保の取り組みといたしましては、介護分野への学生等の参入を図るため、介護職の仕事の魅力ややりがいを啓発する関係機関との協働により、介護の日のイベントを開催するとともに、新たな総合事業として、生活援助型訪問サービスを開始いたしますことから、その従事者養成講座を開催したところでございます。平成28年度の実績といたしましては、19名を養成し、今年度はさらに拡大をいたしまして100名の養成を計画しているところでございます。  さらに、介護人材の定着や介護サービスの質の向上の観点から、介護現場での職員の負担を軽減するため、介護事業者に対しまして、介護ロボットの導入を促進いたしました。また、介護職員処遇改善加算を適切に反映するよう指導を行うなどの取り組みを実施してきたところでございます。  特に、介護ロボットにつきましては、装着型の移動支援や認知症見守り支援の機器を48事業所に58台導入したことにより、夜間巡回が効率化され、また、介護職員の精神的負担が軽減されたという効果が上がっているところでございます。  また、本年度4月から、県の福祉人材・研修センターが運用を開始いたしました離職した介護職員の届出システムにつきましては、全国の離職した介護人材情報の提供が可能となりまして、潜在的介護資格有資格者の掘り起こしやより効果的な再就職支援ができるものと期待されておりまして、関係団体に対しまして、本システムの情報提供をするなど、利用促進を図ってきたところでございます。  今後は、高齢化の進展に伴います介護人材の確保はより厳しさを増すことが考えられますことから、本市といたしましては、現在、高齢者福祉の施策を定める熊本市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画、いわゆるはつらつプラン第7期を策定いたします中で、介護人材の確保を重要な施策の一つとして位置づけ、県との連携により幅広い世代を対象とした多様な介護人材の確保や定着促進に努めてまいりたいと考えております。  なお、決算状況報告書の記載につきましては、御指摘を踏まえまして、今後適切に対応してまいります。         〔福永洋一委員 登壇〕 ◆福永洋一 委員  ありがとうございました。  介護人材の確保については、県と連携していくということですけれども、どちらかというと、現状は国と県任せではないかなと思っています。市としての予算があるのかなと思って探したんですけれども、経済政策課しごとづくり推進室の介護職員育成事業ということで、これは委託ですけれども、介護職員実務者研修養成講座の委託費399万円というのがあります。ハローワーク等の連携なんかも含めてですけれども、頑張らないと大変なことになるのではないかなと思っています。特に、記載がなかったというところは予算がとれていないところもあるのかなと思っていますけれども、やはり政令市として、市長会でもやはり局長会議や担当課の会議の中でも、国・県だけではなくて、政令市としても予算をくれと言って何かすべきではないかなという時代だと思っていますので、ぜひ発言をしていただきたいと思っています。  それと記載がなかったということで、来年度、きちんと記載されますようによろしくお願いします。  ちなみに、保育士の確保については、109ページにきちんと記載があっています。保育士も看護師も介護士も、地域を支える対策として大事な職種ですので、きちんと記載されて取り組みを頑張っていただきたいということを申しておいて、次の質問をさせていただきます。  決算状況報告書の193ページ、安全で利便性が高い都市基盤の充実についてということで、これは空き家対策ですね、予算はゼロになっています。今回、条例案が出ていますけれども、平成26年6月に質問をしました。適正管理状況、そして、その活用についてということで、国の事業である空き家再生等推進事業というのを挙げて質問をしてきたところです。ただし、予算がとれなくて、昨年は地震があったということで、空き家や空き地が増加しています。空き家の調査の予算が大事だと思っているんですけれども、現在、足踏みの状況かなと思っています。ただし、今後増加する空き家の適正管理、そして利活用等を含めて、その対策もやはり喫緊の課題だと思っています。  そこで、2点質問です。  まずは、空き家の実態把握のための調査が必要だと考えますがいかがでしょうか。そのための予算化はできないでしょうか。  2点目、空き家の適正管理や利活用等を含めて、そのあり方についてどのように今後考えていくのか、今後の具体的な計画をどのようにつくっていかれるのか、2点質問をいたします。         〔肝付幸治都市建設局長 登壇〕 ◎肝付幸治 都市建設局長  空き家対策に関するお尋ねについてお答えいたします。  空き家につきましては、昨年の熊本地震により多くの家屋が被災した中、被災者の仮住まいであるみなし仮設住宅として活用され、また、被害の大きかった家屋につきましては、所有者からの申請により公費解体が行われているなど、その状況は大きく変化しているところでございます。特に、今後増加が見込まれる老朽危険空家の除却及び空き家の適正管理や利活用等への対応は喫緊の課題と捉えておりまして、まずは、実態の把握に努めていかなければならないと考えているところでございます。  また、空き家の適正管理や利活用を含めた具体的な計画につきましては、今後、学識経験者等により構成される熊本市空家等対策協議会を設置しまして、その中で、空き家の適切な管理や利活用の促進等を定める空家等対策計画を策定してまいりたいと考えております。         〔福永洋一委員 登壇〕 ◆福永洋一 委員  ありがとうございました。  今回設立される空き家対策のための協議会の議論を注視したいと思っています。  地震後の空き地、空き家がどんどんふえたなという印象を持っているんですけれども、一時期やはり落ち着く時期があるでしょうから、その時期を踏まえて、やはり最初は調査から始まるのかなと思っていますので、予算についても今後に期待したいと思っています。今後、具体的なスケジュール、その対応策、さらには適正管理や除去だけでなく、空き家の利活用についても、他都市の事例等を参考に、具体化に向けて取り組んでいただきたいと思っています。他都市の事例はいっぱい頭の中にあるんですけれども、これをしゃべり出すととまりませんのでやめておきます。  4点目、最後です。218ページ。これは、豊かな人間性と未来へ飛躍できる力を育む教育の振興ということで、教育長にお尋ねをします。  この質問に至った3つの事例をちょっと紹介させてください。  これは地元であった話ですけれども、地蔵祭りというのがこの前ありました。コミセンの横にお地蔵さんが30年以上立っておられて、みんなでそれを磨いて、コミセンの中に入れて、子供たち中心でお参りをするという行事です。かき氷も出たりするんですけれども、そのときに、お参りの仕方を知らない子供たちが多かったものですから、私ではありませんけれども、あるお年寄りの方がこうやってお祈りするんだよ、そして、おさい銭があるならば5円でも10円でも1円でもいいから入れてねと言ったら、その子が100円を入れたそうです。ところが、その子供の親御さんが、後から何でおさい銭を強要するのと、何でおさい銭が要るの、要るんだったらちゃんと紙に書けよということを子供会の会長さんに言われたそうです。私はその話を聞いて、最初、1,000円を入れられたのかなと思ったんです。普通だったら、お地蔵さん喜んだよね、私か僕か知りませんが、100円あげるねと言って、子供にそこのお地蔵さんにお参りすることの意味を教えるのが僕は教育だと思ったんですけれども、そういう事例が1つありました。  あと2つあるんですけれども、これは郡部の小学校、2つの学校で聞いた話ですけれども、農業をされている友人がいるんですけれども、その友人の子が3年生だったですかね、芋掘りに行ったら、芋が畝の横に置いてあったそうで、おやじ、きょう、芋掘りではなくて、芋拾いだったと言ったそうです。多分指が汚れる、服が汚れるからといって配慮して、全ての子供たちが芋拾いをしたそうです。何という教育をしているのかと思いました。  それともう一つ、これはよく聞く話らしいんですけれども、僕か私か知りませんけれども、私の子供には、給食費を払っているから、いただきますは言わせないでくれという親御さんがいらっしゃるそうなんですね。これは地域の民生児童委員の方とかにお話ししたら、その話はよく聞くよという話なんですね。もう愕然としました。  結局、子供の教育に加えて、その保護者のありようによって子供の将来、もう日本はどうなるのだろうかと私自身も思っています。価値観が多様化しているんだなということで、子育て中の保護者の家庭教育のありように課題があるのではないかなと思っています。そういった親を呼んで教育するようなシステムはないんですけれども、そこで2点質問をします。  1点目は、この事業の中に、家庭教育セミナーの目的と書かれてあるんですが、その内容、参加者の声等について確認しておきたいと思っています。  2点目、先ほど言いましたように、モンスターペアレント対策についてです。そうやってたった1人か2人か知りませんが、汚れるからと言われて芋掘りではなく芋を横に置くような教育はされていませんよね。現状はどうでしょう。きちんとした教育ができているんでしょうか。その対策はきちんとされていますでしょうか。特に、担任等の個別対応で難しい、解決ができない問題について、組織的な改善のための取り組みがされているのでしょうか。  以上、2点についてお聞きします。         〔遠藤洋路教育長 登壇〕 ◎遠藤洋路 教育長  2点お尋ねをいただきました。  まず、家庭教育セミナーについてお答えをいたします。  家庭教育は、健やかな子供の発育のために最も重要なものと考えております。しかし、近年、家庭や家庭を取り巻く社会の状況の変化の中で、家庭の教育力の低下が懸念されております。そこで、本市では、子供たちの基本的な生活習慣の習得、自立心の育成、心身の発達などに大きな役割を担う家庭の教育力の向上を目的として、家庭教育セミナーを実施しております。  家庭教育セミナーの内容は、家庭や親のあり方、子供の心身の特性、しつけ、SNS問題への対応など、幅広く対応しており、幼稚園、小中学校を中心に、PTAや企業でも活用されておりまして、昨年度も67件、4,953人の参加があっているところです。参加者からはさまざまな悩みの解消につながった、親同士の親睦の場になった、SNSやいじめ問題に関して勉強になったという意見が多く寄せられております。  今後も、子供たちの発達段階に応じた内容を用意し、多くの方々に家庭教育の必要性について学んでいただく機会を提供できるよう、より一層事業を推進していきたいと考えております。  続いて、保護者からの要望や苦情への対応についてお答えいたします。  学校への要望や苦情は年々多様化してきており、学校では対応が困難な内容や対応に長時間を要する内容もふえてきております。学校では、教育委員会が作成した対応マニュアルを活用し、報告・連絡・相談を密に行い、情報を共有するとともに、誠意をもって迅速に対応するよう心がけております。  保護者からの要望や苦情の対応に当たっては、まずは傾聴し内容を把握するとともに、担任が1人で抱え込まないよう、校長を中心として組織的に丁寧にかかわることとしております。さらに、関係機関等とも連携を図りながら、保護者の理解を得るように努めております。  教育委員会としても、状況に応じて、学校教育コンシェルジュ、緊急対応相談員の弁護士や臨床心理士を学校に派遣するなど、支援体制を整えているところでございます。         〔福永洋一委員 登壇〕 ◆福永洋一 委員  ありがとうございました。  家庭教育セミナーに5,000名近くの参加ということで、その取り組みについては一定評価します。ただし、そういったところにはモンスターペアレンツの人は余り来ないんですね。そのセミナーに参加しない、できない保護者の方もいらっしゃいますので、その方たちにどういったふうにして知らせていくのか、家庭教育の重要性を知らせていくのかというのも課題だと思っています。  そして、教師が一人で問題を抱え込まないように、対応マニュアルもあるということで、組織対応ができていると私も理解をしました。ただし、その対応については、相当苦慮されていると現場からの声が聞こえてきています。若い先生なんか、やはり年上の親御さん、私なんかぐらいの年齢のおじいちゃん、おばあちゃんもいろいろなことを言われる方がいらっしゃって、やはりそれを支える人材も必要かなと思っています。できれば、一学校の問題とせずに、問題事例集というか、その対策をどういうふうにしたのかというのも文書にまとめて、学校全体で共有化を図って改善していただきたいなと思っています。  それと、いただきますという意味はいろいろな意味があると子供たちには理解してもらう。私も命をいただき、つくってくださった方に感謝をする、いろいろな意味合いがあるんですね。先ほど言ったお金を払っているから言わせるなという親御さんは、多分給食費が無料化になっても、俺の税金が投入されているからいただきますを言わせるなと言われるんでしょうね。だから、そういった親御さんに再教育するシステムはありませんが、いただきますはこういう意味があるんですよというのを、そういう親御さんにもわかりやすく知らせるような、もう時代になってしまったのかということで、そういった取り組みもしていただきたいなと思っています。  熊本市の小中学校では、先ほどの事例のような芋拾いに類似するような事例がなきようよろしくお願いして、私の質疑を終わりたいと思います。  ありがとうございました。(拍手) ○満永寿博 委員長  福永洋一委員の質疑は終わりました。  以上で、市民連合の質疑は終わりました。  質疑の途中ではありますが、この際、議事の都合により休憩します。  午後1時に再開します。                              午前11時47分 休憩                              ───────────                              午後 1時00分 再開 ○満永寿博 委員長  休憩前に引き続き会議を開きます。  総括質疑を続行いたします。  これより公明党熊本市議団の質疑を行います。持ち時間は45分となっております。  まず、藤永弘委員の質疑を行います。         〔藤永弘委員 登壇 拍手〕 ◆藤永弘 委員  公明党熊本市議団の藤永弘です。  本日の平成28年度決算に関する総括質疑では、私の方からは、平成28年度決算について総括的な質疑を行い、個別事業については三森委員の方で質疑してまいりますので、よろしくお願いします。  それでは早速、質疑に移ります。  平成28年度決算が、これまでの熊本市の毎年度の予算執行の中でどのような位置づけになるのかを述べ、質疑していきたいと思います。  御案内のとおり、市には一般市、中核市、そして政令市があります。熊本市が一般市から中核市に指定されたのは、平成8年のことでした。その後、平成23年には、念願であった九州新幹線が全線開業し、現在連続立体交差や駅前広場の整備に向け、事業が進められているところです。そして、中核市移行から16年たった平成24年には、ついに地方自治体としては最も権限を有する政令指定都市へ移行を果たします。  今回、質疑の対象となる平成28年度決算は、政令指定都市移行後の4回目の決算であり、平成28年度の予算が提案されるまでの間、平成26年12月に大西市長が誕生したこともあり、総合計画を10年計画から首長の任期に合わせた4年ごとの8年とした第7次総合計画の策定、さらには国の地方創生の後押しを受け、来たるべき人口減少社会の中での持続可能な都市を目指すため、人口ビジョンの策定、そして、しごと・ひと・まち総合戦略を策定し、本格的な政令市を目指しての予算編成であったと認識しています。  このため、平成28年度予算は、当初予算のポイントを見ると、上質な生活都市の実現に向けてを目標として、安心して暮らせる、ずっと住みたい、訪れてみたいまちづくりを目指し、重点的取り組みや継続事業、新規事業が予算化されました。こうした流れで見ると、平成28年度予算は2025年問題などの将来予測を踏まえ、政令指定都市となった熊本市が持続可能な都市づくりに向け、本格的な予算編成がなされた年と言えると思います。  こうした中で起きたのが熊本地震でした。前震・本震というこれまでにない発表となった熊本地震は、第7次総合計画がうたう上質な生活都市である、安心して暮らせる、ずっと住みたい、訪れてみたいというまちづくりの根本を揺るがす被害となりました。被災都市の最高責任者である大西市長が前震・本震発災直後の数週間、もう一度本震と変わらぬ大きな地震が起き、壊滅的な状況になったときには、どう市民の生命・財産を守るのか、大変な心労を抱えていたことを市の幹部から聞いたとき、被災自治体首長のその使命と責任の大きさを改めて実感したことを思い起こします。  4,000回を超える余震の中、熊本市は震災からの復旧を加速するため、平成28年の8月には平成28年度当初予算に計上された既事業について、一定の見直しを行い、さらに10月には議会の議決を経て、熊本市震災復興計画を策定、当初の第7次総合計画からは8月の見直し分を削減し、新たに平成31年までを目標とした復興計画を前期基本計画の中核とし、震災後の新たな第7次総合計画として事業が実施されてきました。ここまでが私の平成28年度決算の位置づけであります。  そこで、まずは、大西市長にお伺いします。  1、平成28年度決算結果は、当初予算を策定した上で、その後の熊本地震発災による平成28年8月の既事業の見直し、同年10月の復興計画の策定、そして第7次総合計画の修正となった上での結果となったわけですが、こうした動きを通しての決算結果をどのように総括されているのか。  2、特に熊本地震は、安心して暮らせる、ずっと住みたい、訪れてみたいという思いを打ち砕きかねない災害となりました。平成28年度事業の実施で、目指してきた上質な生活都市の実現に向け、どこまで踏ん張れたと考えているのでしょうか。  以上2点について、お考えをお聞かせください。         〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  まず、平成28年度決算結果の総括に関するお尋ねについてお答えいたします。  平成28年度においては、昨年10月に策定いたしました前期基本計画の中核となる復興計画を含む第7次総合計画に基づき、各種事業を推進してまいりました。  熊本地震関連につきましては、被災者への経済的支援として見舞金や弔慰金の支給のほか、住まいの支援として応急仮設住宅の設置やみなし仮設住宅の借り上げに加え、仮設住宅入居者への訪問及び生活相談等を行いました。また、公共施設等の復旧につきましては、小中学校の校舎などの復旧工事のほか、熊本城における崩壊した石垣や建造物の応急対策や道路等のインフラ施設の復旧を行いました。結果として、熊本地震関連事業の平成28年度決算額は732億円となりました。  そのほか、重点的な取り組みとして、中学校の普通教室への空調設備の設置や熊本駅白川口駅前広場、(仮称)熊本城ホールの整備、2019年開催のラグビーワールドカップや女子ハンドボール世界選手権大会の準備など、上質な生活都市の実現に向けた取り組みを推進したところでございます。その結果、平成28年度決算における歳入総額は3,678億円、歳出総額は3,573億円となり、歳入歳出ともに過去最大を更新いたしました。  次に、平成28年度の事業に関するお尋ねについてお答えいたします。  平成28年度においては、第7次総合計画の始動に合わせ、本計画の基本構想に掲げる目指すまちの姿、市民が住み続けたい、誰もが住んでみたくなる、そして訪れたくなる上質な生活都市の実現に向けて、当初予算を編成したところです。  しかしながら、熊本地震が発生し、震災からの復旧・復興に迅速かつ確実に取り組むことが最優先の課題となったことから、当初予算に計上していた事業について見直しを行うことで、限られた人員や財源等の行政資源を震災からの復旧・復興に重点的に配分することにより、復興計画に掲げる事業を着実に推進することができたと考えております。         〔藤永弘委員 登壇〕 ◆藤永弘 委員  大西市長からは、熊本地震が発生したため、震災からの復旧・復興に迅速かつ確実に取り組むことが最優先課題となったため、当初予算に計上していた事業を見直すことで、限られた人員や財源等の行政資源を重点的に配分することにより、復興計画に掲げる事業を着実に推進できたとの答弁がありました。  当初事業の見直し、復興計画の策定は欠かせないものだったと思いますし、特に復興計画の策定は、その後の事務執行の正当性を担保するものとして、大変重要な作業だったと評価しています。その上で、当初予算で執行を予定していた事業を振り返ってみたいと思います。  平成28年度当初の事業の中心は、第7次総合計画の目指す上質な生活都市であり、これを進めるための3つのポイントが、安心して暮らせる、ずっと住みたい、訪れてみたいという思いを拡充するためのまちづくり事業でした。  その一部を紹介すると、安心して暮らせるまちづくりでは、誰もが安心して子育てできる環境整備として、医療費助成の中学校3年生までの拡大、待機児童解消を目指す保育所等の空き情報公開システムの開発、保育士等の確保対策、小中学校への普通教室へのエアコン設置、学校コンシェルジュの配置。また、おかげさまで支え合う地域コミュニティ形成として、ミドル・シニア世代の移住を促進する生涯活躍のまちCCRCの構築、防犯灯のLED機器の加速化、熊本市版地域カルテの作成。  ずっと住みたいまちづくりでは、誰もが移動しやすく暮らしやすい都市づくりとして、市電の延伸やバス乗りかえ拠点整備、熊本駅東口駅前広場整備。雇用機会の創出による熊本に住み、働ける環境整備として、企業の本社機能の移転促進、正規雇用や女性の雇用促進、クリエーターなどのネットワークの構築、自給飼料・高品質家畜等の導入。
     訪れてみたいまちづくりでは、伝統文化とエンターテインメントが共生するにぎわいづくりとして、桜町・花畑周辺地区の整備、オリンピック等に向けた観光客誘致、ストーリー性のある観光ルートの構築等。自然と共生する恵み豊かな熊本の発信として、家畜排せつ物処理施設の整備、東アジアやフランスの見本市出店などを掲げていました。  こうした重点的取り組みや新規事業を含め、熊本地震の発生を受け、復旧財源確保を目指し、8月の既事業の見直しが行われました。  平成28年度の当初予算審議資料に各局の要求状況一覧がありますが、その重要度や事業の進め方などを勘案し、AからEの判断が示されています。審査区分を見ると、AとBは重要度の高い事業と判断されたことがわかります。またCは、要求内容は見直されたものの、重要と位置づけられたことがわかります。Dは優先順位や事業効果が勘案され、一部を先送り。Eはゼロ査定です。そこで、お伺いします。  1、8月の事業の見直しは、どのようなシステムで行われたのでしょうか。  2、既事業の再検討を行ったわけですが、どのような基準で行ったのでしょうか。  3、見直しの対象事業は、全事業だったのでしょうか。  4、既事業で未執行としたもの、また、減額したものに分け、平成28年度の要求状況一覧表での審査区分であるAからDごとに、その事業数と金額をお示しください。  以上4点について、財政局長にお尋ねします。         〔中原裕治財政局長 登壇〕 ◎中原裕治 財政局長  平成28年度当初予算に計上した事業の見直しに関する4点のお尋ねに対して、まとめてお答えさせていただきます。  平成28年度当初予算に計上いたしました事業の見直しにつきましては、昨年度の8月補正予算におきまして熊本地震からの復旧・復興にマンパワーを集中するため、当初予算に計上していた全ての事業につきまして、各局が主体的に事業の優先度や効果、適時性等の観点から検証し、事業の先送りなどの見直しを行ったものであり、国等からの補助金の確定に伴い減額した事業を除きますと合計146事業につきまして69億9,000万円の見直しを行ったところでございます。  そのうち未執行となった事業は、合計35事業、5億9,000万円でございまして、これを財政局で整理しております当初予算要求に対する査定結果をもとに区分いたしますと、査定区分A、要求どおりの項目を認めているものに該当するものは29事業、5億6,000万円、査定区分B、要求内容や単価・数量の精査により所要額を確保したものに該当するものは4事業、2,000万円、査定区分D、優先順位や全体の財源等も勘案し、事業の一部を先送りしたものに該当するものは2事業、1,000万円となります。  また、一部経費を見直して実施することとした事業につきましては、合計111事業で64億円の見直しを行い、これを先ほどと同様に区分いたしますと、査定区分A、要求どおりの項目を認めているものに該当するものは69事業で、54億4,000万円の見直し、査定区分B、要求内容や単価・数量の精査により所要額を確保したものに該当するものは、18事業で3億4,000万円の見直し、査定区分C、要求内容の見直しを行い、事業の一部項目を認めず、既存事業やマンパワーでの実施に振りかえたものに該当するものは7事業で6,000万円の見直し、査定区部D、優先順位や全体の財源等も勘案し、事業の一部を先送りしたものに該当するものは17事業で、5億6,000万円の見直しとなったところでございます。         〔藤永弘委員 登壇〕 ◆藤永弘 委員  答弁によると、事業の見直しは事業再検討の特段の基準を設けず、各局が主体的に行ったとのことです。  また、未執行または減額とした事業の多くは、各局の要求状況一覧でのAまたはB査定の事業が多かったことがわかりました。具体的に見ると、見直した事業のうちAとBは120事業で、見直し全体の82%、金額は63億6,000万円で、見直し全体の91%に上ります。熊本地震からの復旧を加速するために行った事業の見直しは、適切であったろうと理解しますが、再検討の基準も設けていた方が事業執行の正当性を確保できたのではとの課題も残ります。  さて、震災復興計画を含めて修正された第7次総合計画がうたう上質な生活都市という目標は、平成29年度予算でもうたわれていることからもわかるように、熊本市として目指し続けるとの意思表示がされています。この上質な生活都市を標榜する市政を公明党市議団としても支持するところです。だからこそ、これからも上質な生活都市実現を目指す第7次総合計画の推進にどのような影響があったのかを、客観的に検証しておくことが求められていると考えています。  そこでお伺いします。  1、既事業の見直しには、第7次総合計画がうたう上質な生活都市実現のための重点的取り組みや新規事業なども含まれていると指摘しましたが、こうした見直しが今後総合計画を推進していく上で、どのような影響があったと認識されているのでしょうか。  2、また、見直しで未執行とした事業、減額した事業を今後どのように取り扱っていかれるのかもあわせてお答えください。  以上2点を大西市長にお尋ねします。         〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  平成28年度当初予算に計上しておりました事業の見直しに伴う、総合計画への影響に関するお尋ねについてお答えいたします。  熊本地震という総合計画策定時には想定していなかった大災害に見舞われ、観光振興や国際交流を初め、さまざまな分野で震災の影響を受けるとともに、震災からの復旧・復興に迅速かつ確実に取り組むことが最優先課題となりました。そのため、平成28年度当初予算に計上しておりました事業について見直しを行いますとともに、昨年10月には前期基本計画の中核となります復興計画を策定し、市民生活の再建を最優先に市民病院や熊本城等の復旧や、防災・減災のまちづくりに全庁一丸となって取り組んできたところです。  今後も、復興計画を含む第7次総合計画に基づき、1日も早い復旧・復興はもとより、子育て支援や教育環境の整備、地域経済の活性化など、熊本の未来にとって不可欠な事業に着実に取り組むことで、上質な生活都市の実現に全力を傾注してまいりたいと考えております。  次に、平成28年度中に見直しを行った事業のその後の取り扱いに関するお尋ねについてお答えいたします。  平成28年度8月補正予算におきまして、年度間調整によります先送りや休止等による事業の見直しを行ったものについては、改めて今年度の当初予算等において所要額を確保することなどにより、対応したところでございます。         〔藤永弘委員 登壇〕 ◆藤永弘 委員  大西市長からは、1日も早い復旧・復興はもとより、子育て支援や教育環境の整備、地域経済の活性化など、熊本市の未来にとって不可欠な事業を着実に取り組むことで、上質な生活都市の実現に全力を傾注していくとともに、見直しを行った事業については、今年度の当初予算等で対応しているとの答弁がありました。この意味でも、熊本地震からの復旧・復興を最優先としつつ、上質な生活都市の実現に向けた議会での議論が求められることになります。  さて、平成28年度決算状況報告書が決算書類として報告されています。各事業の実施状況は、毎年度決算で報告されてきました。内容としては、部門別主要施策の概要及び成果結果として政策名、施策名、基本方針、主な取り組み、所管課名、局名、事業の目的、実績、決算額や財源内訳、検証指標や実績値の状況が記載された上で、PDCAサイクルのチェックに当たる取り組みにおいて工夫した点、成果と残った課題、そして検証指標を踏まえた課題の対応が報告されてきました。また、今回の実績欄を見てみると、年度途中で策定した震災復興計画に基づく事業が実績欄に書き込まれているのが、これまでにない特徴でもあります。  このようにして、平成28年度決算状況報告書が例年どおり決算関連資料として作成され、提出されたことには感謝します。熊本地震後の復旧に向けた対応がどのようになされてきたのか、決算上で報告されていることは、今後の熊本地震からの復旧・復興をどのように進めていくべきかという参考にもなりますし、実効性のある事業となったかも検証できることになります。復旧・復興に向け、現場でのマンパワーがまだまだ不足している中、改めて提出されたことに敬意を表します。  その上でお伺いしなければならないことがあります。それは、昨年8月の事業見直しで既事業の中で未執行または減額とした事業の影響を、平成28年度決算状況報告書の中か、または別資料として各事業の検証をしておく必要があると考えています。これらの事業には、それぞれ政策上の目標があり、目標を実現することによる効果が想定され計上されました。  予算の計画から執行のサイクルはPDCAサイクルでなされます。プラン・計画、ドゥ・実行、チェック・検証、そしてアクション・改善です。特に未執行とした事業は、決算には計上されません。だからこそPDCAサイクルのチェックを行い、次のアクションにつなげなければなりません。また、事業のチェック方法としてサンセット方式というのがあります。それは事業目的が終了したもの、また途中の検証で事業目的が時間の経過とともに消滅したものは、事業を終了させるというものです。  このようにPDCAサイクルのうち、チェックは効率的な事業実施や財政運営上でも次の改善につなげるため、大変重要な作業と言えます。  そこでお伺いします。  昨年8月の事業の見直しについては、見直し方法や再評価方法など、どのようなシステムで再検討されたのかもあわせて、別建てで検証した報告書を作成すべきと考えます。今回の決算関連資料として、すぐに追加すべきとは言いません。マンパワーが大変不足しています。十分に配慮した上で、年度途中でこれほどまでに大幅に事業の見直しを、それも限られた時間の中で行ったのは、市政史上、戦後初めてのことだと思います。だからこそ、年度が終了したわけですから、次のアクションにつなげるため、チェックを行ってはどうでしょうか。大西市長の見解を求めます。         〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  平成28年度当初予算に計上しておりました事業の見直しの検証に関するお尋ねにお答えいたします。  熊本地震からの復旧・復興を迅速かつ着実に進めるとともに、熊本地震に伴う本市の対応を検証し、その教訓を次世代に生かすということは、大変重要なことであると認識しております。  平成28年度8月補正予算において、年度間調整による先送りや休止等による事業の見直しを行ったものにつきましては、改めて今年度の当初予算等において所要額を確保することなどにより対応しているということでございます。  今後、委員の御指摘を踏まえまして、昨年度見直しを行った事業について、どういった観点から見直しを行ったのか、また、どのような影響があったのかなど、改めて検証を行ってまいりたいと、このように考えております。         〔藤永弘委員 登壇〕 ◆藤永弘 委員  大西市長からは、熊本地震に伴う本市の対応を検証し、その教訓を次世代に生かすということは、大変重要であるとの認識を伺いました。また、改めて各局において検証を行うとの答弁でした。今後の教訓として、見直しのシステムや基準のあり方についての検証もお願いしておきます。  次の質疑に移ります。  平成28年度事業決算の最大の特徴は、熊本地震関連事業の初年度の決算がなされたことです。そこで、平成28年度決算における震災関連事業及び影響についてお伺いしていきます。  熊本地震は、激甚災害の指定はもちろんのこと、東日本大震災を受け、2013年に国が制定した大規模災害復興法の施行後、初めてとなる非常災害の指定を熊本地震後1カ月に満たない5月10日に閣議決定するなど、大幅な国による支援拡充がなされてきました。その後も現行法上、可能な限りの支援がなされてきていると感じています。このため、平成28年度決算における復興関連事業は、国からの支援が大きいわけですが、事業の内容次第では被災者や被災企業はもちろんのこと、熊本市の一部負担が求められ、結果として熊本市の歳出増や市債の発行増、財政調整基金の取り崩し、繰越金の活用などがなされた決算となりました。  そこで、改めて総括的にお伺いします。  28年度決算は、過去最高額の歳入歳出増となりましたが、地震関連事業の実施に伴う熊本市の持ち出し分は通常年度と比べて実質幾らに増加したのでしょうか。財政局長にお尋ねします。         〔中原裕治財政局長 登壇〕 ◎中原裕治 財政局長  平成28年度決算におけます熊本地震の影響に関するお尋ねについてお答え申し上げます。  本年3月に中期財政見通しとあわせて公表いたしました平成28年度熊本地震に伴う財政影響試算におきまして、熊本地震に伴う本市財政への影響につきましては、熊本地震分以外の収支改善を織り込んでもなお、175億円の影響額となることを試算したところでございます。その上で、今回の平成28年度決算におきまして、一般会計の実質収支は47億円となっておりまして、実質収支から既に平成29年度9月補正予算までに活用することとした繰越金17億円を差し引いた30億円につきましては、現時点において新たに発生した財源として、今後活用が可能となってございます。         〔藤永弘委員 登壇〕 ◆藤永弘 委員  答弁では、平成28年度の一般会計の実質収支が47億円となったことから、これまで活用した繰越金17億円を差し引いた30億円が活用可能とのことです。今後の繰越金の活用に注視していきたいと思います。  続けてお伺いします。  震災関連事業の実施に伴い、財政調整基金の取り崩しが行われました。財政調整基金の積み立てに関しては、地方自治法第241条で、「条例の定めるところにより、特定の目的のために財産を維持し、資金を積み立て、又は定額の資金を運用するための基金を設けることができる。」としており、熊本市でも条例により基金が設置され、財政調整基金が積み立てられてきました。また、地方財政法第4条の3第1項では、1、災害により生じた経費の財源、2、災害により生じた減収、3、前年度末までに生じた歳入欠陥、4、緊急に実施することが必要となった大規模な土木、そのほかの建設事業の経費、5、そのほか必要やむを得ない理由により生じた経費の財源としています。  そこで、改めてお伺いします。  1、平成28年度に取り崩した財政調整基金は、地方財政法が規定するどの要件を活用して取り崩したのでしょうか。  2、大きな額が取り崩されました。今後の財政調整基金の運営をどのように考えているのでしょうか。  以上2点について、財政局長にお尋ねします。         〔中原裕治財政局長 登壇〕 ◎中原裕治 財政局長  財政調整基金に関するお尋ねについてお答え申し上げます。  まず、財政調整基金の取り崩しに適用した地方財政法の規定でございますが、財政調整基金につきましては、経済事情の著しい変動により財源が不足する場合や、災害により生じた経費の財源として充てる場合など、年度間の財源不足に備えまして、一定額を積み立てているものでございます。  平成28年度におきましては、地方財政法第4条の4第2号の規定に基づき、熊本地震により生じた経費や地震により生じた減収を埋めるための財源として、財政調整基金30億円を取り崩したところでございます。  今後の財政調整基金の運営について、財政調整基金の規模につきましては、政令指定都市においてもさまざまでございまして、その適正規模については特に定めたものはございませんが、今後も熊本地震からの復旧・復興や新たな災害の発生、経済事情の変動に対する備えが必要であることから、一定額の確保は必要であると考えているところでございます。         〔藤永弘委員 登壇〕 ◆藤永弘 委員  財政調整基金については、熊本地震からの復旧・復興や新たな災害の発生、さらには経済情勢の変動に対する備えとして一定の確保が必要との答弁でした。どの程度の確保が必要かは、今後、熊本地震からの復旧・復興の状況を検証しながら、改めて議論したいと思います。  震災関連事業の最後に、市債発行状況について財政局長にお伺いします。  平成28年度は震災関連事業の実施に伴い、市債発行額が大幅にふえました。その発行総額と市債残高に占める割合をお示しください。         〔中原裕治財政局長 登壇〕 ◎中原裕治 財政局長  熊本地震関連事業の実施に伴います市債発行に関するお尋ねについてお答え申し上げます。  平成28年度普通会計決算では、平成28年度に熊本地震関連事業の実施に伴い発行した市債は、約243億円でございまして、平成28年度末時点の市債残高約3,980億円に対しまして、約6%の割合を占めているところでございます。         〔藤永弘委員 登壇〕 ◆藤永弘 委員  熊本地震に伴い、新たに発行した市債は243億円に上るとのことです。震災関連については、国の支援で圧縮されるものもあると思いますが、今後も市債発行状況を注視していきたいと思います。  さて、平成28年度決算は市政運営上、戦後初めての決算となりました。当面、こうした状況は続くことが考えられます。こうした状況の中、さらなる財政調整基金の活用や市の単独負担の増加、さらなる市債の発行が求められる場面もあるかもしれません。そうした中、熊本地震からの復旧・復興をさらに加速していきながらも、第7次総合計画が掲げる上質な生活都市実現に向け、今後の決算状況を踏まえた上で、今後どのような行財政運営のかじ取りをされていこうとお考えなのか、改めて大西市長にお尋ねいたします。         〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  厳しい財政状況の中、復旧・復興を実現するためには、人員や財源等の行政資源を引き続き必要な施策へ重点的に配分する必要があり、その確保に向けて行財政改革や市役所改革の取り組みを引き続き進めていかなければならないと考えております。  そこで、本年度は窓口改善や事務事業の効率化に取り組み、市民サービスと生産性の向上を図り、復興計画に掲げる各種事業や将来の熊本づくりに必要な施策を効果的に推進するために、必要な人員と財源を確保しているところでございます。  次年度の予算編成に当たりましても、必要な施策にマンパワーと財源を集中させるため、各局が主体的に事業の優先度や効果を検証し、予算の質の向上を図るとともに、国の財源や民間活力を最大限活用するなど、計画的な行財政運営に努めてまいりたいと考えております。  こうした考え方のもと、上質な生活都市の実現に向け、まずは被災された皆様の生活再建を初めとする復旧・復興をやり遂げるとともに、復旧・復興を下支えする地域経済の活性化、さらには子育て支援や教育環境の整備などの新しい熊本市づくりに不可欠な取り組みの充実強化を図ってまいりたいと考えております。         〔藤永弘委員 登壇〕 ◆藤永弘 委員  大西市長からは、被災された皆さんの生活再建を初めとする復旧・復興をやり遂げるとの決意と、これを下支えする地域経済の活性化、さらに子育て支援や教育の拡充など新しい熊本市づくりの強化、充実に努めるとの決意がありました。私も、熊本地震の後、しっかりと頑張ってくれたから今の上質な生活都市があると未来の子供たちから言われるよう頑張っていきますので、よろしくお願いします。  以上で、私の総括質疑は終わり、三森委員にバトンタッチします。 ○藤岡照代 副委員長  藤永弘委員の質疑は終わりました。  次に、三森至加委員の質疑を行います。         〔三森至加委員 登壇 拍手〕 ◆三森至加 委員  公明党熊本市議団の三森至加です。  決算について総括質疑をさせていただくのは2回目となります。執行部の丁寧でわかりやすい説明をお願いいたします。  今回、平成28年度決算に関する総括質疑を行うに当たり、私からは平成28年度当初予算で計上された既事業のうち、熊本地震の発災を受けて、昨年8月に行われた既事業の見直しに関し、大幅に減額、または全額未執行とした既事業の中から5事業をピックアップして質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。  それでは、早速質疑へ入ります。  女性のための職場改善事業及び正規雇用転換促進事業についてお伺いします。  まず初めに、平成28年度の当初予算では、藤永委員の質疑でもあったように、第7次総合計画が目指す上質な生活都市を実現するための取り組みとして、安心して暮らせるまちづくり、ずっと住みたいまちづくり、訪れてみたいまちづくりを掲げています。平成28年度の当初予算のポイントを見ると、女性のための職場改善事業については、ずっと住みたいまちづくりの中の雇用機会を創出し、熊本に住み、働ける環境整備を目指す重点的取り組みの新規事業として予算が計上され、28年3月議会の審議を経て、確定した事業です。  また、この2つの事業は、熊本地震被災前の当初予算の要求状況一覧表によると、重点的取り組みでもあり、新規事業と位置づけられていましたが、熊本地震発災により多くの企業が被災し、実質的に実施は困難となったため、事業の見直しで事業全てを未執行とすることが決められたものと推察されます。  そこで、確認の意味でお伺いします。  この女性のための職場改善事業820万円と正規雇用転換促進事業590万円を計上した時点での、1、それぞれの事業目的と事業内容。2、さらに未執行とした理由をお聞かせください。3、また、それぞれ未執行により当初の目標達成に影響は生じなかったのでしょうか。  以上3点について、経済観光局長にお尋ねします。         〔中村英文経済観光局長 登壇〕 ◎中村英文 経済観光局長  女性のための職場改善事業及び正規雇用転換促進事業について、3点の質問にお答えいたします。  この2つの事業は、人材不足分野での女性の雇用促進及び非正規雇用労働者の正規雇用への転換促進を目的としたものでございます。  その事業内容は、経営者などを対象としたセミナーを開催し、事業に関心のある企業をそれぞれ10社と5社程度募集します。その後、社会保険労務士などのコンサルタントの派遣を行い、経営改善や売り上げ向上の取り組みを行っていただきます。その取り組みで生み出された財源を活用し、女性の正社員化や新規雇用、または非正規を正規雇用へ転換するというものでございます。  いずれも未執行といたしました理由は、今述べた事業内容がほぼ通年の期間を要するものであり、熊本地震の影響により事業のスタートであるセミナーが開催できなかったことなどによるものでございます。
     未執行による具体的影響につきましては、新規事業でもあり把握困難でございますが、当初は女性の職場改善事業では30人以上、正規雇用転換促進事業では15人以上の処遇改善を見込んでいたところでございます。         〔三森至加委員 登壇〕 ◆三森至加 委員  女性のための職場改善事業については、目的は人材不足分野での女性の活用支援、人材育成、職場復帰支援などとのことでした。また、事業内容はセミナーの開催、10社程度へのコンサルタントの派遣を予定されていたとのことでした。  次に、正規雇用転換促進事業の事業目的は、非正規雇用労働者の正社員化、事業内容は、やはりセミナーの開催と5社程度へのコンサルタント派遣を計画されていたようです。また、目標達成への影響については、2事業とも熊本地震により事業開始時期が大幅におくれることが想定されたこと、コンサルタントと対象事業者の確保が困難になったことから、実施を断念されたことがわかりました。  その上で、続けて大西市長にお伺いします。  1、女性のための職場改善事業のように、熊本に住み、働き続けられる環境整備は重要な事業と考えており、事業の継続やその効果次第では、女性はもちろんのことですが、女性以外への対象範囲の拡充も必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。今後の取り組みとあわせ、お考えをお聞かせください。  2、また、国では経済対策の重要施策として、働き方改革を強力に推し進めようとしています。最低賃金の平準化、非正規雇用から正規雇用への転換、柔軟な就労環境整備、女性や高齢者などへの就労支援などなど、あらゆる対策を総動員して経済再生を確実なものにしようと挑戦しています。そうした中にあって、本市が新規事業として正規雇用転換促進事業や企業の人材確保支援事業などに取り組むことは、大変重要ではないかと考えています。国でも、今後、経済再生のための雇用に関するさまざまな事業が提示されていくと考えますが、これからも活用しながら正規雇用転換事業も含めて、あらゆる雇用関連事業を推進していく必要があると思いますが、いかがでしょうか。  以上2点について、大西市長のお考えをお聞かせください。         〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  雇用対策に関する2点のお尋ねについて、あわせてお答えいたします。  現在、我が国では労働力人口の減少等で生じるさまざまな課題の解決や経済成長、生産性の向上等に向けまして、働き方改革に取り組んでおります。そのような中、今月5日には、政府が進めます人づくり革命の有識者メンバーが発表され、今後、長寿社会に対応する人材投資や生産性向上を目指し、多様な働き方などについて議論するとされるなど、具体的な動きも出てきたところでございます。  本市におきましても、平成27年5月には熊本労働局と連携協定を結び、また、同年12月には熊本県や商工会議所なども加わった関係8団体で、「熊本働き方改革に向けた共同宣言」を採択するなど、働く意欲のある全ての人が個性と能力を発揮し、安心して働ける環境の整備に向けて関係各所と連携を図っているところでございます。  人手不足が顕在化する中、女性のみならず高齢者、その他の多様な方々が熊本に住み、働き続けられる就労環境の整備は極めて重要と考えておりまして、正規雇用への転換促進も含め、今後も雇用の質の向上や多様な人材確保の支援に努めてまいりたいと考えております。         〔三森至加委員 登壇〕 ◆三森至加 委員  大西市長からは、女性のみならず高齢者、その他の多様な方々が熊本に住み、働き続けられる就労環境の整備は極めて重要であるとのお考えが示されました。私たちが住む熊本市でも、働く意欲のある全ての人が安心して働ける環境の整備と人材確保の支援に頑張ってほしいと思いますので、大西市長、どうぞよろしくお願いいたします。  次に、個別事業に移ります。  熊本城跡保存活用推進経費についてです。当初予算で4,330万円が計上され、議会審議を経て既計上となった事業ですが、やはり昨年8月の事業見直しで、予定事業の約85%に当たる3,690万円が減額となっています。先輩議員によれば、この経費は熊本城の石垣カルテ策定経費等ではないかとのことでした。  そこで確認ですが、当初予算で既計上となった熊本城跡保存活用推進経費は、どのような事業を予定されていたのでしょうか。その事業内容と目的、また減額された理由もお聞かせください。経済観光局長にお尋ねします。         〔中村英文経済観光局長 登壇〕 ◎中村英文 経済観光局長  熊本城跡保存活用推進経費に関するお尋ねについてお答えいたします。  この経費は、今後の熊本城の保存と活用が調和のとれたものとなるよう推進していくことを目的といたしておりまして、事業内容といたしましては、平成28年度は特別史跡熊本城跡保存活用委員会の運営、保存活用計画書の作成、石垣カルテの作成、重要文化財建造物耐震診断を実施する予定でございました。しかしながら、昨年4月に発生した熊本地震によって、石垣や建物が被災しましたため、石垣カルテの作成や重要文化財建造物耐震診断が実施できなくなり、それらに係る経費3,690万円を8月補正で減額したものでございます。         〔三森至加委員 登壇〕 ◆三森至加 委員  さて、平成28年度の決算状況報告書で見ると、155ページの歴史的文化遺産の保存・整備・活用とあり、熊本城跡保存活用推進経費もこの事業に含まれると思います。その実績欄を見ると8つの事業が書かれていますが、そのうちの7つが震災復興計画に基づく事業となっており、5回開催された定期講座「熊本城学」のみが震災復興計画以外の事業となっています。いかに熊本城を初めとする文化財の被害が大きかったかを物語っているようです。このため、答弁にあったように、石垣カルテ作成と重要文化財建造物耐震診断が実施できず、減額補正されたのも十分理解ができます。  さて、この石垣カルテの作成ですが、熊本城の文化財としての保存・整備と利活用のバランスの中で熊本城調査研究センターが立ち上げられ、江戸城の石垣構築にも携わった石工集団によるものもあるとの指摘もあり、改めてその重要性が認識され、将来に引き継ぐ重要な文化財として石垣カルテの作成着手が検討されたと伺っています。  また、この石垣ですが、全国の城跡の石垣の裏側や、場合によっては表側にも石工によって印がつけられたものが見受けられます。例えば島津家の家紋に似た丸に十の字といったものもあるようです。当時の石工の気概が感じられます。特に、熊本城は二様の石垣に象徴されるように、全国のどこの城跡と比較しても、その規模と様式は日本一と言っても過言ではありません。今回の熊本地震で多くの石垣が被害を受けました。まずは復旧が優先されるべきと考えますが、当然復旧作業の中で改めて石垣の調査が可能となります。その上でお伺いします。  1、今回の熊本地震からの復旧事業の対象とならない石垣についても、熊本城全体の石垣の調査が必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。まずは、被災した石垣復旧作業が優先されるべきですが、石垣調査の必要性の認識と今後の対応についてお考えをお聞かせください。  2、また、熊本城跡保存活用推進事業の今後の事業の方向性と進め方についてもお聞かせください。  以上2点について、経済観光局長にお尋ねします。         〔中村英文経済観光局長 登壇〕 ◎中村英文 経済観光局長  石垣調査の必要性と熊本城跡保存活用事業の進め方についてお答えいたします。  委員御指摘のとおり、熊本城の石垣は将来に引き継ぐ重要な文化財であり、熊本城の石垣の適切な保存のためには、復旧の対象とならなかった石垣も調査を行い、図面や調査記録を記した石垣カルテを作成する必要があると考えております。カルテの作成時期や範囲につきましては、まずは被災した石垣の復旧作業を優先し、復旧作業を進める中で具体的に検討してまいりたいと考えております。  本年度は、特別史跡熊本城跡保存活用計画を策定することとしており、この計画に基づく事業につきましては、今後復旧事業との整合性を図りつつ進めてまいりたいと考えております。         〔三森至加委員 登壇〕 ◆三森至加 委員  局長からは、熊本城の石垣は、将来に引き継ぐ重要な文化財との認識と復旧の対象とならない石垣のカルテも作成していくと答弁がありました。まずは被災した石垣の修復が最優先となりますが、今後の石垣カルテの作成をよろしくお願いいたします。  次に、連立関連交差道路整備事業についてお伺いしていきます。  さて、熊本市は、熊本地震という大変大きな災害に見舞われ、被災者の生活再建を最優先課題として取り組んでいますが、一方で、将来の持続可能な都市の構築に向けた事業も進めています。その象徴的な事業が中心市街地と熊本駅周辺整備事業だと思っています。そうした中、象徴的な事業と言える駅周辺整備事業の一つである連立関連交差道路整備事業に6,450万円のうち、約56%に当たる3,603万2,000円が減額補正されました。この事業は、新幹線、在来線の高架化に伴う連続立体交差事業の関連事業として、交差する道路の整備と認識しており、実施しなければ影響が出るのではと心配したところです。  そこでお伺いします。  1、連立関連交差道路整備事業のうち、未執行とした整備事業と執行した整備事業をお聞かせください。  2、また、未執行とした整備事業による影響はないのかも心配です。十分検討した上での決定だと思いますが、改めて影響はないのかお聞かせください。  3、連立関連事業として、このほかにも整備しなければいけない事業はあるのでしょうか。  4、こうした交差道路など連立関連事業の推進は、当初の計画どおり進めていけるのでしょうか。  以上4点について、都市建設局長にお尋ねします。         〔肝付幸治都市建設局長 登壇〕 ◎肝付幸治 都市建設局長  連立関連交差道路整備事業に関する御質問に、順次お答えいたします。  お尋ねのございました平成28年度当初予算6,450万円のうち、減額いたしました3,603万2,000円につきましては、国の補助内示に伴い減額補正したものでございまして、当初予定していた踏切改良など14カ所のうち、市民生活への影響や交通量等を考慮し、優先して取り組むべき箇所を選定したところでございます。  具体的には、既存踏切改良4カ所、連立側道の供用開始等に伴う交差道路新設を2カ所、計6カ所の整備を行うこととしたところでございます。  未執行事業として、平成29年度に整備を先送りした8カ所につきましては、改良予定の既存踏切2カ所は現状でも通行可能であること、また、交差道路6カ所につきましては、新たに整備する箇所であり、利便性の低下につながるものではないことから、事業の年度間調整を行ったものでございます。  また、残事業につきましては、未執行となった8カ所を含めた16カ所の交差道路の整備や側道整備がございますが、当初計画どおりの平成31年度の完成を目指し、引き続き事業を推進してまいりたいと考えております。         〔三森至加委員 登壇〕 ◆三森至加 委員  昨年9月の減額補正は、国の補助内示に伴う減額補正とのことでした。このため、補助内示のなかった8カ所については、平成29年度に先送りし、供用開始がおくれるようですが、交差道路6カ所については新たに整備する箇所であるので、利便性の低下にはつながらないようです。  また、今後についても年度間の調整を行うなどして、当初の計画どおりに進めるとのことですので、平成31年度の完成を目指してよろしくお願いいたします。  最後の質疑になります。  農商工連携促進事業690万円についてお伺いしていきます。  今回質疑する農商工連携促進事業690万円は、平成28年度の決算状況報告書を見ると、政策名、豊かな自然環境をいかした活力ある農水産業の振興のうちの145ページと146ページの事業の一つと思われますが、この両方のページでのどの実績に当たるかよくわかりませんでした。当初予算では、重点的取り組みとされていましたが、およそ50%の345万4,000円を未執行とし、344万6,000円に減額されました。  そこでお伺いします。  1、確認ですが、当初予算で具体的にどのような事業を想定されたのでしょうか。事業の目的と内容をお聞かせください。  2、どのような事業が行われ、どのような成果を上げることができたのか、お聞かせください。  3、今後、どのように進めていかれる予定でしょうか。  以上3点について、農水局長にお尋ねします。         〔西嶋英樹農水局長 登壇〕 ◎西嶋英樹 農水局長  農商工連携促進事業に関する3点のお尋ねにお答え申し上げます。  1点目の事業の目的と内容でございます。この事業は、農と食の魅力を創造発信するため、農商工連携を推進する事業でございます。具体的には、熊本市内の事業者や農業経営者を対象にいたしまして、県内の豊かな農水産物を利用いたしました付加価値の高い新商品の開発や販売促進をするための取り組みに対して支援を行うものでございます。  2点目の事業の実績とその成果でございますけれども、この事業、平成24年度から平成28年度までの5年間で13件の商品を新たに開発いたしました。例年、予算を十分使いまして事業を行ってまいりましたが、平成28年度につきましては、熊本地震の影響がございまして、申請事業者も少なく、また採択した2社のうち1社が被災した加工施設が、まだ復旧できないという理由により事業自体を辞退されたということで、結果的に1社のみへの助成となりまして、8月補正で所要額を減額させていただきました。  なお、昨年度に開発いたしました新商品につきましては、発芽大豆をベースとした健康ドレッシングでございまして、現在、三越日本橋店等、首都圏の百貨店でも販売されております。  最後に、今後の進め方でございますけれども、本年度は既に7件の申請がございまして、うち3件の採択を行っております。今後も引き続き、新商品開発に対する支援を行いますとともに、開発されました新商品のPR等も積極的に行ってまいります。         〔三森至加委員 登壇〕 ◆三森至加 委員  熊本地震の影響もありますが、支援を行うことができた1社については、自社努力もあり首都圏の百貨店でも販売されるようになったとのことです。勇気づけられる結果でした。今後も効果を検証しながら、補助額の増額も含めた検討をされることを求めます。  以上で、私の個別5事業についての質疑を終わりますが、藤永委員の質疑にもあったように、当初に議決された事業が大きな震災によって年度途中で146事業、約70億円が見直されるという事態は、戦後初めての経験だったと思います。そうしたときに、どのように対処してきたのかを検証することは、後世に引き継ぐ大切な財産になると思っています。マンパワーも不足する中ですが、しっかりとした検証を改めて求め、私の質疑を終わらせていただきます。  ありがとうございました。(拍手) ○藤岡照代 副委員長  三森至加委員の質疑は終わりました。  以上で、公明党熊本市議団の質疑は終わりました。  次に、くまもと未来、重村和征委員の質疑を行います。持ち時間は30分となっております。         〔重村和征委員 登壇 拍手〕 ◆重村和征 委員  皆さん、こんにちは。  きょうは、市税に関しまして、平成28年度決算状況報告書及び決算附属書並びに決算関係資料等に基づき、3点お尋ねいたします。  午前中も市税については質疑がありましたけれども、なるだけ重複をしないように、皆様に質問してまいりたいので、どうぞよろしくお願い申し上げます。  まず、平成28年度は4月に発生した熊本地震の影響により、従来にない行財政運営に取り組まれたものと、執行部の御努力に対し、まずもって敬意を表したいと思います。大変御苦労さまでございました。  振り返ってみますと、熊本地震の被害は人的被害として関連死を含め75名の方がお亡くなりになり、また753名の方が重傷を負われたということであります。震災により亡くなられました方々に対し、ここに改めまして御冥福を衷心よりお祈り申し上げますとともに、負傷された皆様の一日も早い御回復を心から祈念申し上げる次第であります。  また、罹災証明書の発行に基づく家屋の被災は全壊5,752件、大規模半壊8,942件、半壊3万8,631件、一部損壊も合わせますと、実に13万4,097件が被害をこうむったところであり、このうち緊急避難措置としてプレハブ仮設住宅や民間賃貸住宅など、1万696戸の住宅に仮住まいを余儀なくされている多くの市民の方々に対し、一日も早く平穏な日常生活が取り戻せますよう念願するものであります。  さて、このような未曽有の震災を乗り越え、今多くの皆様が復旧・復興に懸命に取り組んでおられるところですが、これに呼応して本市の平成28年度予算は、補正額を含め一般会計の最終予算額で4,165億9,136万円と、震災関連の予算措置の影響もあり、対前年度比の伸び率38%となったところであります。  このような背景のもと平成28年度の決算額であります一般会計の歳入額が3,678億3,200万円余、一方、歳出額が3,573億3,800万円余と各位御案内のとおりでございます。歳入において対前年度伸び率19.28%、歳出額17.79%となっているところであります。予算額の対前年度伸び率と決算額の伸び率には相当の乖離がありますが、この点につきましては、後ほどお尋ねするといたしまして、まず歳入の決算額についてお尋ねいたします。  歳入といえば、財政運営にとって自主財源の根幹をなすものとして市税が挙げられます。この市税収入は981億1,500万円余となっており、平成27年度と比較いたしますと8億7,400万円余の減、対前年度伸び率は0.9%の減少であります。これを決算附属書で項目別に細かく見てみますと、まず個人市民税の現年度分、平成28年度の現年課税分でありますが359億3,863万円となっており、調定額と比較しますと99.1%の徴収率になるわけであります。税務部におきましては、震災後の被災調査や減免手続など大変な御苦労があったものと理解いたしておりますが、大変高い数字を確保されたことだと認識いたすものであります。  次に、法人市民税でありますが、同じく現年度分の収入額が90億8,597万円余となっており、個人市民税を上回っております。決算状況報告書の部門別主要施策の概要及び成果報告によれば、1つ目に適正かつ公平な課税と徴収の推進、2つ目に必要な財源の確保についてと題して、その取り組みの実績が記されております。適正かつ公平な課税と徴収の推進の項目では、特別徴収の推進、滞納市税の徴収、初期未納対策を実績として紹介されているところです。  また、必要な財源の確保の項目では、債権管理の推進として昨年10月に熊本市債権管理推進会議を設置、さらなる収入未済額の縮減に向けて、平成30年度の目標削減額を定めた熊本市債権管理計画を本年2月に策定されたところであります。私も財政当局の並々ならぬ決意のあらわれだと評価いたすものでありますが、残念ながら部門別主要施策の概要及び成果報告の中で検証指標及び実績値の状況欄は白紙となっているところであります。平成28年度に残った課題の中に、その顛末と今後の対応について若干触れてありますものの、目標基準値が設定されているのであれば、自主財源の主要な項目であります市税の見通しについて、まず教えていただきたいと思います。財政局長によろしくお願い申し上げます。         〔中原裕治財政局長 登壇〕 ◎中原裕治 財政局長  債権管理計画における市税収入の目標値についてお答え申し上げます。  本市では、自主財源の確保とともに、公平かつ公正な市民負担の確保に資するため、保有する債権の確実な徴収、適正な管理を目的として熊本市債権管理計画を平成29年2月に策定したところでございます。その中で、市税につきましては、平成30年度決算におきまして、基準年度でございます平成27年度決算における収入未済額約41億円を約3割縮減いたしまして、28億6,000万円とすることを目標として掲げているところでございます。  目標達成に向けまして、まず初期未納対策が重要であると考えておりまして、嘱託職員などを活用した納付の促進に努めますとともに、効果的・効率的な滞納整理等を積極的に進め、引き続き安定した市税収入の確保に努めてまいりたいと考えております。         〔重村和征委員 登壇〕 ◆重村和征 委員  目標値の設定は、これからとの答弁であったかと受けとめました。今後、目標値を設定される際には、私は強みと弱みをしっかりと分析した上で、策定に臨まなければ絵に描いた餅になってしまうものであると懸念いたすものであります。本市の自主財源の大宗をなします市税について申し上げますと、これも各位御案内のとおりでございますが、税の3原則、すなわち公平・中立・簡素という3原則の上に立って事を進めることが大切であると認識いたすものであります。  その中で、公平、これが一番重要だと考えております。税は、私たちみんなが社会の構成員として広く公平に分かち合っていかねばならないことは言うまでもありません。そういう意味でも、しっかりした徴収対策や滞納対策を講じなければなりません。課税が発生した後、滞納となり、徴収サイドが何らかの行動を起こさず、そのまま放置すると、5年で徴収権が消滅するということも御案内のとおりでございますが、そこで少し気になりますのが、市税の滞納額における徴収率についてであります。  決算附属書によれば、まず個人市民税の滞納に対する徴収実績についてでありますが、滞納調定額18億454万円余に対し、収入済額3億8,672万円余、徴収率が21.4%と低い数字になっております。また、法人市民税においても、調定額1億1,958万円余に対し、収入済額が2,620万円余、徴収率は21.9%で、個人市民税同様低い徴収率になっているところです。加えて、固定資産税につきましても、滞納繰越分の調定額は18億3,137万円余に対し、徴収額が4億6,926万円余の徴収率が25.6%、個人、法人、固定資産税、いわゆる3大市税の徴収率が軒並み低いという結果になっているところであります。反面、財産がない、生活に困窮している、所在不明であるなどを理由に不納欠損処分される金額は5億6,926万円余に上がっているところです。  御案内のとおり、不納欠損とは、歳入徴収額を調定したものの何らかの理由で徴収が行えず、今後も徴収の見込みがないため、その徴収を諦めることでありますが、税の公平の原則に照らし合わせると、いろいろな理由があるにせよ、税の公平負担の原則の視点に立てば、不納欠損処分に至る前に徴収対策を講じなければならないと考える次第であります。決算状況報告書では、市税全体の徴収率が昨年に比べて0.64%増加したものの、指定都市20市の中でも下位に低迷していると記されております。しかるに、冒頭お尋ねしました熊本市債権管理推進会議の位置づけは、大変重要であると思います。  今、全国の自治体において徴収対策の手法、さまざまな視点から検討されていると聞き及んでおります。本市におきましては、口座振替の推進や特別徴収の未実施業者への広報活動を初め、納税推進コールや民間コールセンターの活用、また納税指導員の訪問による滞納者の納税指導、24時間型社会に対応してのコンビニ納付の推進など、さまざまな対策を講じておられるところであります。しかしながら市税全体の滞納調定額を見てみますと、総額38億6,200万円余と多額の金額であります。これは、市税収入総額の約4%に当たるわけでありますので、滞納額の徴収率をアップさせていく対策を先進事例等を参考に研究していかなければならないと思うのであります。  私は、自治体における課税・徴収業務も新たなICTの活用が意識されるようになってきていると認識いたしております。その背景には、納税者の利便性向上と職員数削減に伴う業務の効率性の向上の追求があると考えております。納税者の利便性向上の代表例はコンビニ収納など、収納チャンネルの拡大ではなかろうかと思っております。  総務省の地方税の収納・徴収対策等に係る調査によりますと、コンビニ収納やクレジットカード納付、またマルチペイメントネットワーク、ペイジー収納といった住民視点でのICT活用が着実に増加しているところであります。最近では、特にペイジー口座振替受付サービスが注目されているところでありますが、これは銀行届出印のかわりに自治体の窓口でキャッシュカードを提示すれば、口座振替の申し込みが行えるもので、住民は手続の煩わしさから解放され、また行政にとっては口座振替推進の打ち手となることが期待されるところであります。また電子申請で市税等の還付金の口座振り込みの申し込みサービスを開始する自治体もふえているところであります。  このように、電子申告の利用が広まることで、今後、電子納税への対応準備を進めておかねばならないと考える次第であります。このような収納チャンネル拡大対策を進めることが、時間や場所にとらわれない納税者の利便性の向上につながり、ひいては滞納の縮減に寄与するものと期待するものであります。  本市においては、平成30年度の目標削減額を定めた熊本市債権管理計画を本年2月に策定したところでありますが、このような状況をいま一度調査・検証され、真正面から真剣に対応策を講じられるよう期待をするものであります。  現状認識を踏まえての今後の取り組みについて、財政局長にお尋ねいたします。財政局長には、明解なる答弁をよろしくお願い申し上げます。         〔中原裕治財政局長 登壇〕
    ◎中原裕治 財政局長  滞納徴収対策につきまして、納付環境の整備の視点からお答え申し上げます。  納付手段の多様化、いわゆる収納チャンネルの拡大については、納税者の利便性向上の観点からも大変重要であると考えておりまして、債権管理計画におきましても取り組みの一つとして掲げているところでございます。そこで、これまで実施してまいりました納期内納付の促進に向けた口座振替やコンビニ納付に加えまして、本年8月から金融機関に行かずにウエブで口座振替の手続ができるサービスを開始したところでございます。  今後は、クレジットカードによる納付等についても検討を進めまして、さらなる納付環境の充実を図ってまいりたいと考えております。         〔重村和征委員 登壇〕 ◆重村和征 委員  ありがとうございました。英知を結集して取り組んでいただきますよう重ねてお願いしておきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  滞納に関連して、もう1点つけ加えておきたいと思います。それは、貸付金元利収入の収入済額であります。福祉関係から教育関係まで9事業の貸し付けが行われておりますが、平成28年度の調定額8億7,500万円に対し、収入済みとなった額が6,400万円となっております。調定額の7%、実に1割に満たない収入であります。また、雑入の中にも償還金がありますが、調定額14億3,500万円余に対し、償還された金額は2億4,400万円となっております。これも調定額の17%であります。それぞれにさまざまな理由があると思いますが、いずれも貸付金あるいは償還金といった現金を貸し付けて、計画的に返済してもらう、また、支払い過ぎを返してもらうというところでありますので、収入率が高くなるのが一般的な考えではないかと思います。  民間レベルでは起こり得ない事象だと思いますが、自分の懐から貸し付けたお金ではないとか、支払い過ぎたお金だから仕方ないという意識で対処しているのではないかと疑われてもおかしくない低い収入率となっておりますので、これも抜本的な対応策を研究・検討していただきますようお願いいたします。  この案件につきましては、注意して見守っていきたいと思っていますので、執行部の真剣なる取り組みをよろしくお願い申し上げます。  最後になりましたが、繰越明許費関係について意見を述べさせていただきます。  平成28年度決算状況報告書の18ページから繰越計算書が記されております。まず第一に驚きましたのは、繰越額の規模であります。何と一般会計において総額572億8,600万円強の金額であります。確かに震災復旧の大型補正が相次いだことと、震災の影響に伴い工事が遅れたなどの特殊性は理解していますものの、過去の繰越額と比べますと、例えば平成27年度に比べ約4.5倍に達しているところです。  私は、地震からの復旧は果たして大丈夫なのか、円滑に進捗しているのか心配をいたしておりましたので、さきの6月議会において質問の冒頭に状況をお尋ねしたところであります。振り返ってみますと、そのときの答弁は、本市公共施設の被害額約1,476億円、このうち公共建築物の被害額が1,236億円と試算している。その中で市営住宅について、被害が大きかった秋津団地や楠団地の建物の復旧に取り組む。教育施設については、今年5月時点で61%が工事完了、工事中が34%だと。また、道路、河川、公園については、昨年度末、今年の3月末での進捗率は、道路が50%、河川が71%、公園が63%というところでありました。  今回、繰越計算書で一概に断定することはできませんが、多額の繰越額を見ると、工事総額625億6,500万円余に対し、実に91.56%、572億8,600万円強の金額が繰り越されているところであります。これに、事故繰越の3億円もプラスされるわけでありますから、震災からの復旧・復興が果たして順調に進んでいるのか心配なのは私だけではないと思っております。市民生活に不自由をかけないためにも、いち早く平常時の市政運営の取り組みを戻すことはできるのでありましょうか。  昨年8月29日付で配付された資料によると、熊本地震による財政影響として、熊本城や体育館使用料など34億円の金額が減収になると試算されております。このように安定した財政運営を目指す視点からも公共施設の復旧は急務であります。このような心配をいたしておりましたので、6月議会においてもお尋ねいたしましたところであり、その時点で答弁をいただき、復旧工事が順調に進んでいると安堵したところであります。  そこで、いま一度確認の意味も含めて、公共工事の進捗状況について財政局長にお聞きしたいと思います。         〔中原裕治財政局長 登壇〕 ◎中原裕治 財政局長  公共施設の復旧工事の現在の進捗状況に関するお尋ねについてお答え申し上げます。  主な施設分野ごとの具体的な復旧状況といたしましては、市営住宅では127団地中112団地が被災しておりまして、昨年度中は主に建物基礎部分等の破損や住宅内部の修繕などに取り組んできたところでございます。被害の大きかった秋津団地につきましては、現在仮契約が終了いたしておりまして、楠団地については入札手続中でございます。  教育施設につきましては、校舎及び体育館295カ所で被災しておりまして、今年7月末時点で63%が工事完了、工事中のものが34%となっております。改築を除く補修につきましては、今年度中の完了を目指して取り組んでいるところでございます。  道路、河川、公園につきましては、施設や設備などの多くに被害を受けたものでございますが、8月末時点での工事の進捗割合は、道路が70%、河川と公園が約90%となっております。道路と河川につきましては平成30年度末、公園につきましては今年度末を目途に工事を完了させる予定でございます。  また、上下水道につきましては、施設63カ所、管破損51.8キロメートルの被害を受けましたが、現時点で施設42カ所、管破損3.3キロメートルで工事が完了しております。施設につきましては、平成31年度、管破損につきましては、平成30年度を目途に工事を完了させる予定でございます。  今後とも、現在復旧工事が未着手の施設の取り扱いも含めて、1日も早い復旧完了を目指してまいります。         〔重村和征委員 登壇〕 ◆重村和征 委員  進捗状況について、繰り越しの理由を含め、るるお答えいただきましたが、この繰越計算書の中に予算が全く執行されず全額を繰り越している事業が散見されます。これらの事業は、既に契約行為がなされているものと理解しますが、確認のためお尋ねしておきたいと思います。  なぜ私がこのようなお尋ねをするかと申しますと、熊本県やほかの自治体において工事契約に大変苦慮しているとの報道が再三なされたところであります。本市においても、同様の事案が発生し、なかなか契約に至らないという苦労があるのではないかと推察しているところであります。今春の報道によれば、熊本県内の公共工事の入札で受注業者が決まらない不調や不落が急増している、熊本地震の復旧工事が本格化する中、人手が足りないことなどが背景にある。復興のおくれを懸念する国や県などは、業者の受注意欲を高めるため、今月から予定価格を割り増すなど、対策に乗り出したということでした。  また、熊本市は、昨年4月から今年1月、入札を実施した695件のうち、125件が不調、6件が不落だった、県・市ともに地震から半年がたち、復旧工事の発注がふえた秋ごろから不調・不落が急増。昨年12月、入札を辞退した業者を対象に熊本市が緊急アンケートを実施したところ、民間や国・県の工事も受注しているため余裕がない、人手不足で工期までに仕上げる自信がない、設計価格が安過ぎて人件費や資材費と折り合いがつかないなどの回答が寄せられたところであります。  そこで、県・市は熊本地震以降、入札に参加できる地域要件を緩和したり、遠隔地から労働者や資材を受け入れた場合の差額を補填するなど、独自の対策を実施すると報道がなされているところであります。今議会にも追加提案を含め、51億9,500万円の地震関連予算を計上してありますが、被災者住宅支援事業や農水産業復旧支援経費など、市民生活にとっていずれも大変大切な案件であります。繰り越し分ともども速やかな対応が不可欠であると考えますが、これから予算執行が円滑に進むことを願いつつ、この対策の決意を総務局長にお聞かせいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。         〔田畑公人総務局長 登壇〕 ◎田畑公人 総務局長  災害復旧に係る公共工事の早期発注に向けての対策についてお答えいたします。  昨年の震災発生後、震災復興関連工事の本格化に伴い、入札不調となる案件が数多く発生しておりますが、本市では入札不調への対応策としまして、設計積算、現場施工体制及び入札契約の3つの側面から対策を講じております。  具体的な取り組みにつきましては、これまでも答弁しているところでございますが、復興歩掛・復興係数の適用、余裕工期の積極的活用、手持ち数制限の緩和などを行ってまいりました。民間需要の影響もあり、公共工事の入札の状況につきましては、厳しい環境が続くものと考えられますが、今後とも1日も早い復旧・復興を目指すとともに、予算の円滑な執行に寄与するためにも、さまざまな制度の活用を行い、国や県、業界団体等と連携しながら、公共工事の早期契約に向けて取り組んでまいります。         〔重村和征委員 登壇〕 ◆重村和征 委員  ありがとうございました。  今回は震災からのいち早い復旧・復興をなし遂げるという考えと、安定的な財政運営の根幹をなします市税収入について、平成28年度の決算状況を通じて、るるお尋ねしましたが、執行部におかれましては、大変御苦労が多いことかと思いますが、安全・安心な市民生活の創出に向けて鋭意努力を重ねて取り組んでいただきますようお願い申し上げ、私の質疑を終わらせていただきます。  御清聴ありがとうございました。(拍手) ○藤岡照代 副委員長  くまもと未来、重村和征委員の質疑は終わりました。  次に、日本共産党熊本市議団の質疑を行います。持ち時間は25分となっております。  まず、那須円委員の質疑を行います。         〔那須円委員 登壇〕 ◆那須円 委員  日本共産党熊本市議団の那須円です。  私からは熊本地震の被災者にとって、最も切実な課題の一つである震災後の生活再建に向けた取り組みに関してお尋ねいたします。  決算状況報告書の36ページに記載されています市営住宅に関する事項、住まいの確保と再建の取り組みについてお尋ねいたします。  地震直後の避難生活を経て、避難所の集約化、さらには最後の避難所となっていた市立体育館の閉鎖後、多くの被災者が市内9カ所に設置された仮設住宅、また民間の賃貸住宅、市営住宅、特定優良賃貸住宅に身を寄せ生活をされています。  決算状況報告書の検証指標、実績値の状況等の欄に仮設住宅等から恒久的な住まいへの移行率が記載されているわけですけれども、昨年度の数値が4.2%となっています。まずお尋ねいたしますけれども、仮設住宅等に入居されている数、さらには恒久的な住まいへ移行できた方の実際の数字は何件ということになるでしょうか。  また、この表の中に平成30年度、来年度には恒久的な住まいへの移行率100%という数値が記載されていますが、どのように達成するのか手法やスケジュール等具体的にお答えください。政策局長にお尋ねいたします。         〔古庄修治政策局長 登壇〕 ◎古庄修治 政策局長  2点のお尋ねにお答え申し上げます。  まず、決算状況報告書36ページに記載しております実績値につきましてでございますが、平成28年度末での仮設住宅等入居者数1万62世帯に対し、恒久的な住まいへ移行された世帯が419世帯ございまして、率にして4.2%となっております。  なお、本年8月末現在では、仮設住宅等入居者数が1万696世帯に対し、1,223世帯が恒久的な住宅へ移行されており、率としては11.4%となっております。  次に、移行率100%を目指した取り組みについてでございますが、移行率100%を達成するためには、やはり自立再建に課題を抱える方々への支援が最も重要でありますことから、本年7月から被災者の実状に応じた支援を行います伴走型住まい確保支援事業に取り組んでおるところでございます。  本事業では、災害救助法に基づく仮設住宅等の供用期間であります2年間を念頭に置きながらスケジュールを立てておりまして、本年度は住まい再建に課題を抱える約4,600世帯のうち、来年度上半期に期間満了を迎える約2,500世帯を重点的に戸別訪問等による意向確認や具体的な物件のマッチング作業等を進めております。  宅地被害からの復旧など、まだまだ時間を要するケースもございますが、そのような方々を含めまして、平成30年度末までには仮設住宅等の入居者の恒久的な住まいへの移行にめどが立つよう、被災者一人一人の状況に寄り添った支援にスピード感を持って取り組んでまいりたいと考えております。         〔那須円委員 登壇〕 ◆那須円 委員  昨年度の実績値で419件が恒久的な住まいに移行され、1万62世帯の方々が仮設住宅等で生活をされているとのことでした。また、直近の数字、8月末時点での状況も御答弁いただきましたけれども、1,223世帯が恒久的な住まいに移行されているとのことでありましたが、一方で4月以降も仮設住宅等への入居が続いており、入居世帯は昨年度末よりも600世帯増加していることも、今の答弁ではっきりといたしました。  震災が発生した28年度には、仮設住宅の整備やみなし仮設入居などの受け皿づくり、またその見守り支援などが主な取り組みだったと思いますけれども、生活再建ということでいえば、仮設住宅から恒久的な住まいへの移行をどのように図っていくのかということの取り組みも同時に進めていく必要があるかと思います。そうした意味では、昨年、仮設住宅等の入居者を対象に市営住宅に入りたいかどうかといった意向調査も行われております。市営住宅入居意向調査において、入居を希望する世帯がどれだけいらっしゃるのか、市として推計されているのか、そして、どのような計算、積算でその推計値が出されたのか、改めてお尋ねいたします。政策局長にお尋ねいたします。         〔古庄修治政策局長 登壇〕 ◎古庄修治 政策局長  市営住宅入居意向調査に関し、お答え申し上げます。  先ほど申し上げましたとおり、恒久的な住まいへの移行支援については、経済的な理由等で自力再建に課題を抱える方々への支援が重要であることから、本年2月に市営住宅の必要戸数などを把握するために、仮設住宅等へ入居されている方に対し、市営住宅入居意向調査を実施しました。  調査方法としては、その時点で仮設住宅等の全入居者7,879世帯を対象に、プレハブ仮設は聞き取りにより、またみなし仮設等については郵送により調査を実施したところでございます。その結果、本年5月末までに回答された4,509世帯のうち、市営住宅入居希望者が1,051世帯でございまして、率にすると23.3%でございました。また、現時点で未定というのが1,049世帯ございましたので、先ほどの希望率である23.3%を乗じて算出しました244世帯を、先ほどの1,051世帯に加えまして、市営住宅への入居希望世帯数を1,295世帯と推計したところでございます。         〔那須円委員 登壇〕 ◆那須円 委員  どれほどの仮設入居者が市営住宅等に入居を希望しているのか、この実態を把握することは、今後の災害公営住宅の整備戸数や生活再建の取り組みを見定めていく上で、非常に大切だと思います。  今、市の推計では1,295世帯が市営住宅入居希望ということでありました。しかし、答弁にあったように調査時点では7,879世帯の対象者、そして回答者が4,509世帯、回答率57%でありますけれども、実際に回答した4,509世帯のうち、市営住宅に入居を希望している世帯が、先ほど未定も含めて計算したら1,295世帯ということでありましたので、本来ならばその比率を現在の仮設入居世帯1万696世帯に引き直して推計しなければならないのではないかと思います。そういった意味では、非常に見通しが甘いのではないかと言わざるを得ません。調査時に回答した4,509世帯のうち1,295世帯が希望しているわけですから、入居希望率は29%ということで、現在の仮設等の入居世帯約1万700世帯で推計し直すと、3,000世帯を超える方々が市営住宅に入居を希望しているという実態があるのではないかと思います。  今後の生活再建と住まい再建の基礎的な調査データになりますので、推計のあり方がどうなのかという点を大西市長初め、関係部局でその再検証を行っていただきたいと思います。  そこで、恒久的な住まいの確保についての具体的な取り組みについてお尋ねいたしますけれども、これまで明らかにされている方針は、新たに建設する災害公営住宅が150戸、これは今後ふやす方針とのことであります。そのほか、既存市営住宅のストックで対応するとのことであります。ただ、新たな災害公営住宅についても、現在の150世帯からふやすというものの、どれだけふやすのかは具体的に示されておりませんし、また既存市営住宅のストックを活用するということですけれども、具体的にどの程度活用できるのか、数値も示されておりません。  そこでお尋ねしますけれども、最終的にどれほど新たな災害公営住宅を整備する予定なのでしょうか。また、市の推計でも先ほど1,300世帯弱という市営住宅入居希望者がいらっしゃるということでしたけれども、入居可能な市営住宅をどう確保していくのか、より具体的な見通しをお示しいただければと思います。都市建設局長にお尋ねいたします。         〔肝付幸治都市建設局長 登壇〕 ◎肝付幸治 都市建設局長  災害公営住宅の整備等についてお答えいたします。  まず、災害公営住宅の整備につきましては、委員御案内のとおり150戸程度の整備を行うこととしておりますが、当初より増加する見込みもありますことから、現在行われております伴走型支援での聞き取り調査により、入居希望者の意向を的確に把握し、既存ストックの活用も踏まえ、追加整備について検討してまいりたいと考えております。  次に、既存市営住宅の活用についてでございますが、通常年間約500戸から600戸の退去が見込める住戸に加えまして、既存ストックの未修繕空き室のうち、低層階やエレベーターつきなど利便性の高い住戸約500戸を被災者提供用として修繕を行い、災害公営住宅の整備とあわせ、必要戸数を確保することとしております。さらに、県営住宅の既存ストックにつきましても、既に県・市間で連携して協議・検討しているところではございまして、その活用についても考えてまいります。         〔那須円委員 登壇〕 ◆那須円 委員  市営住宅の活用については、年間500から600世帯の退去があることから、こうした部屋の活用、さらには空き室修繕によって約500戸の整備を行っていくとの答弁でありました。具体的な数字が示されたことは大変重要だと思います。  この答弁も踏まえて、大西市長にお尋ねいたしますけれども、市長も仮設住宅等に入り、被災者の実態を聞いてこられたことかと思います。今切実な要望は、期限の切られた仮設住居の退去後の住まいの確保をどうするかということです。  東区の仮設住宅に入居されているひとり暮らしの御高齢の方の声ですけれども、自宅は全壊、残された土地を売って民間賃貸住宅に入る予定だったけれども、宅地の被害が思った以上に大きくて売れず、見通しが立たない。民間の家賃では生活が厳しく、市営住宅に入居したいという声を寄せておられますし、北区のみなし仮設に入っている高齢者の方は、自宅の再建は断念し、入居期限が来たらどうなるのか不安だと、少しでも見通しがつけばと思って、8月の市営住宅定期募集に応募したけれども、当たらず不安は増すばかりと、こうした声が多くの仮設住宅入居者から寄せられています。こうした方々に聞けば、せめて仮設住宅の期限を迎えたときに、市営住宅に入れることが保証されている、決まっているのならば不安は軽減できるのにという声を大きく聞いてまいりました。  入居期間の延長については、現在、国や県で協議が行われているとのことでありますが、被災者の思いは1日も早く恒久的な住まいで安心して暮らしたいというものであります。そうした方々に将来の見通しを示す意味でも、市営住宅を希望する方は、その希望どおり入居できる、こうした方針を市として早く打ち出す必要があると思います。  そこで市長にお尋ねいたしますけれども、先ほど仮設住宅退去後の住まいの確保について、具体的な取り組みもあわせた答弁があったわけですけれども、仮設住宅入居者で市営住宅入居を希望する方は、漏れなく入居が可能であるということでいいのか。また、その方針を早く固めて入居者に通知していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。答弁を求めます。         〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  仮設住宅入居者で市営住宅を希望される方は、漏れなく入居可能であるかというお尋ねでございますが、先ほども局長がお答えさせていただきましたとおり、現在行われておりますこの伴走型の支援での聞き取り調査により、ニーズを的確に捉え、災害公営住宅及び県営住宅を含めた既存ストックを活用することで、必要戸数を確保するということにしております。  今後とも、被災者に寄り添い、一人一人の状況、ニーズを的確に捉えまして、新たな住宅支援を丁寧に説明いたしまして、できる限りその方に合った住まいの提供を行うなど、全ての仮設住宅等入居者の恒久的な住まいへの移行に万全を尽くしてまいりたいと考えています。         〔那須円委員 登壇〕 ◆那須円 委員  御答弁の中では、全ての仮設住宅等入居者の恒久的な住まいへの移行に万全を尽くしてまいるという答弁でありました。先ほど指摘したニーズの把握ですね、正確な実態把握に努めていただき、その見通しを一日も早く示していただきたいと要望いたします。  次に、市営住宅の入居希望と入居希望の居住地域とのギャップについてお尋ねしたいと思います。  土地勘のある地域や住みなれた地域で生活をしていきたいというのは、仮設住宅入居者のみならず当たり前の思いであると思います。また、中央区の仮設住宅等にお住まいの方の声ですけれども、市営住宅に入居を希望しているものの、現在のみなし仮設の居住校区には市営住宅はなくて、仮に市営住宅に移ったとしても、子供さんが転校しなくてはいけない。子供のためにも現在の居住校区での生活を継続したいという相談も寄せられています。  市営住宅の入居希望調査とあわせて、居住希望地の調査も行われております。しかし、たとえ市営住宅のストックを活用したとしても、希望した地域に住むことができない、つまり先ほど御紹介したように、希望居住先に市営住宅がないという校区がこの調査の居住希望地の校区の中でも17校区ありまして、この校区には約200世帯の方が希望されていらっしゃる状況です。  また、各区の市営住宅の整備戸数もばらつきがあって、例えば市営住宅整備戸数が最も多く3,994戸の市営住宅がある北区では、移りたい方は76世帯ということに対して、市営住宅の戸数が最も少ない中央区は入居希望者が293世帯と、熊本市内全体の総数のみでは見えてこない課題も生じてくると思います。さらには、低層、1階、2階とかを希望する方も20%いらっしゃるということもあり、必ずしも既存の市営住宅ストックで対応できないギャップも生じてくることが考えられますし、こうした世帯への対応も必要になってくるのではないかと考えます。  先ほど答弁で、県営住宅のストックも活用するとの答弁もあったところですけれども、新規の災害公営住宅やさらには既存の公営住宅、市営住宅で対応できないケース、先ほど紹介したような理由で市営住宅等に入居ができないケースについては、既存の民間住宅を利活用する形で、市営住宅との家賃の差額補助制度なども必要ではないかと考えますけれども、政策局長にお尋ねいたします。         〔古庄修治政策局長 登壇〕 ◎古庄修治 政策局長  ただいま委員御指摘のとおり、市営住宅等への入居あっせんを行っていく中で、お子様の通学などの理由で希望に沿った市営住宅などがないなどの課題が生じることは十分考えられると思っております。  御提案の民間賃貸住宅との家賃の差額補助につきましては、伴走型住まい確保支援に取り組む中で実態を把握して、その上で実施の是非を含め検討する必要があろうかと考えておりますが、まずは被災者の御希望をできるだけかなえられるよう、個々の状況に寄り添った支援に全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。         〔那須円委員 登壇〕 ◆那須円 委員  御答弁ありがとうございます。是非も含めて検討との答弁でございました。今後、県の基金も各自治体に配分されます。可能な手だてをとりながら、こうした基金の活用も含めて課題の解消に努めていただきたいと思います。  私の方からは、最後に、決算状況報告書の36ページに、みなし仮設の課題が記載されておりまして、入居地域が分散しており、入居者と地域住民との交流等がプレハブ仮設住宅と比較して希薄となったという記載があります。みなし仮設については、市民病院の看護師さんなどによって対応がされていると思いますけれども、取り組む側の課題や、そして被災者の側の課題が、どこに誰が住んでいるのかわからないために、私たち自身がなかなかつかむことが困難となっています。現状の取り組みの中で、どういった課題があるのかお答えいただければと思います。政策局長にお尋ねいたします。         〔古庄修治政策局長 登壇〕 ◎古庄修治 政策局長  被災者支援を行う上での、まず入居者が抱える課題についてでございますが、これまでの各地域支え合いセンターによる訪問活動を通して把握しました仮設住宅等に入居されている方々の主な課題としましては、恒久的な住まい確保などの住まいの課題、あるいは体調面での不安など健康の課題、さらには地域との交流が少ないなどの生活の課題などが大きく挙げられると考えております。そこで、現在ひとり暮らしの高齢者など、支援が必要な世帯については、定期的に見守りを行っているほか、地域包括支援センターささえりあ等の関係機関や自治会、民生委員等の地域組織と連携しながら対応を図っているところでございます。  次に、支援の取り組みを進める上での課題としましては、先日の上田議員の一般質問でもお答えしましたように、繰り返し訪問等を行うも、入居者と接触が図れない世帯の実態把握が挙げられます。7月末現在で、この繰り返し訪問等を行うも、入居者と接触を図れていない世帯が約500世帯存在いたします。今後、さらに訪問等の取り組みを強化するとともに、関係機関と連携しまして、早急な実態把握に努めてまいりたいと考えております。         〔那須円委員 登壇〕 ◆那須円 委員  ざくっとはしていましたけれども、さまざまな課題があるのはわかりましたが、例えば私自身が一議員として実態をつかもうとするとき、プレハブ仮設にはその場に行って聞き取り調査をすれば、ある程度の実態がつかめるのに対して、なかなかみなし仮設については、誰がどこに住んでいるのか情報がないために、具体的な実態をつかむことはできません。ぜひ具体的な課題も含めて、議会とも情報共有をしていただきながら取り組みを進めていただければと思います。最後の1人まで生活と住まいの再建が果たせるように親身な支援を求めて、私からの質疑といたします。 ○藤岡照代 副委員長  那須円委員の質疑は終わりました。  次に、上野美恵子委員の質疑を行います。         〔上野美恵子委員 登壇〕 ◆上野美恵子 委員  共産党市議団の上野でございます。限られた時間、最後まで頑張ります。  この間、教育分野で大きな前進面となった小中学校へのエアコン設置がございますが、昨年度は中学校で設置工事が、小学校では実施設計が行われて、ことしの夏から中学校ではいち早く利用が開始されました。快適な環境の中での授業に、現場からは大変喜びの声が届けられております。教育分野の環境整備にさらに力を入れていただきたい、その思いでお尋ねしてまいりますので、よろしくお願いいたします。
     まず、児童育成クラブです。熊本市の児童育成クラブの入会児童数は年々ふえて、直近の5年間で1,260人ふえて、約1.3倍になっています。そのため指導員の必要人数もふえて、担当課でも大変指導員確保に苦労されております。  第1に、指導員の報酬は時給870円です。市役所内の職種で時給計算となっている中で、最低の金額です。指導員確保と処遇改善のためにも、ぜひ引き上げを検討すべきではないでしょうか。  第2に、当該校区とその近隣で指導員を確保できない場合は、少し離れた校区からの採用も必要となります。実際、そういう運用も行われています。一部の育成クラブでは、物理的な条件を生かして、離れた校区から通勤してくる指導員の駐車スペースを確保しています。採用をスムーズにする条件の一つとして、駐車スペースの確保を学校と協議しながら、積極的に取り組んでいただきたいと考えますが、いかがでしょうか。  第3に、入会児童数がふえたことで、1人当たりの施設面積が狭隘になっている施設がかなり見られます。保護者の方々からもゆとりある環境での保育を望む声が寄せられています。現在、熊本市の条例による基準は、1人1.125平方メートルとなっていますが、国の基準としては2014年に1人1.65平方メートルという面積基準が示されています。子供たちが放課後を過ごす大切な場所として、その需要はますますふえる傾向にあり、適切な環境を保障することは極めて重要です。施設面積の基準を国基準へと引き上げていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  以上3点、教育長に伺います。         〔遠藤洋路教育長 登壇〕 ◎遠藤洋路 教育長  3点、お尋ねをいただきました。  まず、児童育成クラブ指導員の報酬についてお答えいたします。  児童育成クラブは、保育士資格など資格を持つ指導員と持たない指導員が混在する職場となっているため、給与の単価については、臨時職員の事務補助単価や保育士単価を参考に設定しております。単価の見直しについては、市全体の臨時職員、非常勤職員の単価改正にあわせて行っているところであります。ただ、今後、指導員の処遇改善については、人材確保の面からの給与体系の改善を含めた研究を行ってまいりたいと考えております。  次に、指導員の駐車スペースの確保についてですが、現在、可能な限り指導員の駐車スペースを確保しておりまして、一部の学校を除いては希望する指導員は車での通勤が可能となっております。今後も学校と協議しながら、駐車場の確保に努めてまいります。  3点目、本市が運営する児童育成クラブでは、定員を設けず児童を受け入れているため、施設によっては狭隘さが問題になっていると認識しております。そのため、施設の新設や学校施設の積極的な利活用を図り、国の基準の充足を目指しているところであります。今後も学校と連携しながら、一層施設の環境整備に取り組んでまいります。         〔上野美恵子委員 登壇〕 ◆上野美恵子 委員  施設の面積確保では、国と比べて低い熊本市の基準でも80カ所のうち35カ所、半数近くのクラブが基準に達していません。市としても国基準の充足を目指しているとのことですので、施設整備や学校教室の活用など積極的に取り組んで、早急な環境整備をお願いしておきたいと思います。  続けて、学校図書館及び市立図書館についてお尋ねいたします。  第1に、熊本市の学校図書購入費は、他の政令市と比べて最低レベルです。また、標準冊数に対する達成率も小中学校ともに達成済みとの報告ですが、学校単位で見ますと、未達成は小学校で23校、24.2%、中学校では17校、40.5%です。全ての小中学校で達成できるよう、さらなる予算確保が必要と考えます。また、古い蔵書も見られますので、適切な更新を行い、子供たちが利用したくなるような図書室にしていくことも必要です。以上の点から、年々減り続けてきた図書購入費を増額すべきではないでしょうか。  第2に、本市では全ての小中学校に、いち早く司書補助員の全校配置を行い、その運用は定着しています。人の温かみのある図書室は、子供たちにとっても居心地のよい場所となっており、司書補助員の役割は大変重要です。もともと図書司書は、極めて専門性の高い職種です。しかし、本市では臨時職員の位置づけで採用され、1日5時間勤務で日給4,115円です。時給計算に直すとわずか823円です。せめて嘱託職員の位置づけにして、賃金を引き上げるべきではないでしょうか。  また、現在配置されている134人の司書補助員のうち、図書司書資格保有者は半数にも満たない49%です。図書司書の専門性が十二分に発揮され、図書館が子供たちの知の宝庫としてますます充実したものになるよう、100%図書司書資格者が配置されるよう取り組んでいくべきではないでしょうか。  続けて、市立図書館についてお尋ねします。  図書館において資料購入は、その命です。しかし、その資料購入費が年々減り続けています。市立図書館5館における今後の資料購入費確保の見通しについて伺います。  また、現在、市役所職員の非正規化が大きな問題となっています。特に専門性が問われる職種では、経験を積んでいくことがスキルの高い業務につながっていくにもかかわらず、市立図書館では専門職である図書司書は31人のうち24人、77%が嘱託となっています。正規職員は全て5年以上、20年、30年と経験を積んだ人がいる一方で、嘱託職員は最長で6年、半数近くが一、二年目の方です。経験を積んだ職員育成のためにも、今後は図書司書資格者の採用が必要だと思われますが、見通しをお示しください。  以上、教育長に伺います。         〔遠藤洋路教育長 登壇〕 ◎遠藤洋路 教育長  学校図書館及び市立図書館についてお尋ねいただきました。  まず、学校図書館の図書購入費についてですが、図書購入予算は本年度、小学校が1,866万円、中学校が1,195万円、合計3,061万円で、昨年度から540万円の減少となっております。しかしながら、本年度は文部科学省が学校図書館の蔵書について定める標準冊数の達成率の低い学校から優先して、閉校した松尾3校における図書の移管を計画しており、市全体では蔵書率の上昇を見込んでおります。  また、標準冊数を超えている学校では、平成23年度から規則にのっとって古い蔵書の更新を実施しているところであり、今後も全ての小中学校で標準冊数の整備を達成できるよう努めてまいります。  次に、司書補助員の賃金及び資格者の採用についてお答えいたします。  学校図書館の司書業務補助員は、図書館の環境整備や読書相談など、学校図書館業務の補助を行っており、勤務時間は図書の貸し出し時間等をもとに5時間とし、学期ごとで雇用しているところであります。  賃金については、本市の臨時職員の賃金単価表により、業務内容に照らして事務補助よりも単価の高い技術補助の区分としているところであります。今後も、現行の形態での雇用を継続するとともに、さらに教職員と司書業務補助員との連携を図ることで、学校図書館の充実と円滑な運営に努めてまいります。  また、有資格者の採用についてですが、司書の専門性の大切さは十分認識しているところであります。募集に際しては、一次選考での作文の免除や評価点数の加点、さらに募集を学校単位から複数校によるブロック単位とするなど見直しを図っており、今後も有資格者の雇用の拡大に努めてまいります。  次に、市立図書館における資料購入費についてお答えいたします。  図書館においては、図書サービスの根幹となる蔵書を維持することが重要であると認識しております。現在は、復旧・復興を優先している状況でありますが、今後は徹底した業務の見直しを行い、必要な図書資料の購入費を確保したいと考えております。  また、図書司書資格者の採用についてですが、市立図書館には7名の司書を配置しており、選書や図書サービスの統括等の業務に従事しております。豊富な経験を有する司書の配置体制を維持するため、司書資格を持たない職員の資格取得にも努めており、平成23年、24年に1名ずつ司書資格を取得したところです。今後も司書の養成や図書館職員として必要な資質・能力を取得する研修に取り組んでまいりたいと考えております。         〔上野美恵子委員 登壇〕 ◆上野美恵子 委員  図書購入費については、閉校となった松尾3校の図書の活用で蔵書数・蔵書率の拡充に取り組んでいかれるという答弁でございましたが、政令市の比較では、児童数の多い、少ないとかもありますので、単純に比較はできないかもしれませんが、政令市で一番少ない図書購入費の増額こそが必要ではないかと思います。  また、蔵書の更新については、標準冊数を超えた学校で基準にのっとって更新を実施しているとの答弁でしたが、それはちょっと考え方が違うのではないでしょうか。全国学校図書館協議会が制定した学校図書館図書廃棄基準では、学校図書館では利用者の立場に立って、適切ですぐれた図書の選択収集に努め、かつ常に蔵書の更新を行う必要があると定められており、標準冊数の達成とは別に、更新は常に行うべきものであると位置づけています。予算シーリング等もあって、予算確保は大変厳しいかと思いますが、すぐれた図書を子供たちに提供するためにも、市立図書館とあわせて図書購入費増額を強く要望しておきます。  司書業務補助員の雇用では、有資格者の雇用拡大に努めるとのことですので、頑張っていただきたいと思います。  一方で、処遇の改善では、臨時職員の賃金単価表によって賃金が支給されているので、臨時職員の扱いです。しかし、現行の雇用形態は夏休み、冬休み、春休みを除き、同じ職員が同じ学校に勤務し、最長で5年は継続して働くことができます。司書業務補助員の全校配置が実施されて以来、恒常的に必要な業務として補助員の方々は働かれてきました。  教育長に1点伺いたいと思います。  地方公務員法の逐条解説では、地方公共団体の事務は一時的な要因によって事務員が増加したり、法定されている任用手続が欠員の補充の必要とされる時期に間に合わないことが起こり得る、このような場合に、弾力的に対応することができるように設けられたのが臨時的任用の制度であると述べられており、臨時職員は一時的な繁忙に対応するために臨時的に採用される制度です。この点、御存じでしょうか。         〔遠藤洋路教育長 登壇〕 ◎遠藤洋路 教育長  臨時職員についてお答えいたします。  地方公務員法の規定は、今、委員御指摘のとおりだと思いますけれども、学校図書館司書補助の業務といたしまして、やはり夏休み等長期休業中と学期中の業務は大きく異なるものと考えておりますので、現在学期ごとで雇用しているというところでございます。         〔上野美恵子委員 登壇〕 ◆上野美恵子 委員  ちょっと確認ですけれども、この地公法の臨時職員の規定については、御認識があると考えていいですか。         〔遠藤洋路教育長 登壇〕 ◎遠藤洋路 教育長  はい、ございます。         〔上野美恵子委員 登壇〕 ◆上野美恵子 委員  御認識とのことですので、安心しました。  先ほど紹介しました地方公務員法の逐条解説では、それに続けてこのように述べられております。臨時的任用制度は、本来一時的、臨時的な場合に限って例外的に用いられる制度であるが、これがとかくルーズに流れ、常勤的非常勤職員という変則的な現象を発生させる温床となっている嫌いがあると指摘しています。本市の司書業務補助員は、まさにこの状態ではないでしょうか。指摘しましたように、恒常的な雇用の場である司書業務補助員は、臨時職員であってはいけません。せめて嘱託職員として専門性も適切に評価し、処遇の改善を図っていただきますようお願いをしておきます。  市立図書館5館では、森都心プラザ図書館、城南図書館の2館が指定管理で運営されています。司書資格者の雇用はなされているものの、継続した雇用となっているのか、経験が蓄積されているのかなど、その把握を常時行うことは難しい面もあります。図書館への指定管理者制度導入は、全国的にも多くの問題が起こっており、なじまないと指摘されています。今後、適宜に検証を行うことを求めます。  最後に、市長に1点伺います。  今回取り上げました児童育成クラブと図書館、それぞれの事業がさらに充実したものになるためにも、その人材確保が重要です。児童育成クラブ指導員、学校図書館司書業務補助員、図書館嘱託司書等、非正規職員の処遇改善に努めるべきと考えます。人間的な労働を保障し、生きがいを持って働いていただくためにも、他都市では当たり前になっている交通費の実費支給を初め、低い賃金の引き上げ、昇給、一時金、退職手当などの支給等を検討していくべきではないでしょうか。市長に見解を伺います。         〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  非正規職員の処遇改善についてお答えいたします。  先般、地方公務員法等が改正されまして、期末手当の支給も可能とする会計年度任用職員という新たな非常勤職員の任用形態が制度化されたところでございまして、同改正法の平成32年度からの施行に向けて、現在準備を進めているところでございます。  通勤費用につきましても、平成21年度に制度を設けて以降、これまで順次改善を図っておりまして、平成28年度におきましても、通勤距離の区分に応じて引き上げているところでございます。しかしながら、委員御指摘のような課題もあるものと認識しております。このため、非正規職員の処遇につきましては、これまでも順次改善を図ってきたところでございますが、このような状況も踏まえながら、引き続き改善に向けて取り組んでまいりたいと考えております。         〔上野美恵子委員 登壇〕 ◆上野美恵子 委員  改善を図っていただくという点は、前向きに受けとめてまいりたいと思いますが、非正規職員の処遇については、これまでも順次改善を図ってきたとの答弁であったかと思います。確かに、交通費についても払われていなかったものが、わずかに支給されるようになって、金額も少しずつ引き上げられてきたわけです。  今後は、地方公務員法の改正を受けて、さらなる改善の準備を進めているとのことですが、ほかの自治体では、これまでも昇給、一時金、退職手当等の支給等を行われてきた自治体もあり、交通費に至っては実費支給でないのは政令市の中でも熊本市だけです。法改正を待たずとも、改善はできたはずです。児童育成クラブや学校図書館司書業務補助員など、一定のスキルが求められる職員の方々の処遇が余りにもお粗末だと思います。ぜひ現場にも行っていただいて、現状を把握していただきたいと思います。  そして、非正規職員がどんどんふえていく、そういう現状を改善していただきまして、正規雇用が当たり前の雇用へと転換が必要であると考えますけれども、それに向けまして非正規で働く職員の皆さんの処遇改善につきましては、熊本市だけができていないというおくれた現状を早急に改善していただきますように、強く要望いたしまして私の質疑とさせていただきます。  ありがとうございました。 ○満永寿博 委員長  日本共産党熊本市議団、上野美恵子委員の質疑は終わりました。  以上で、総括質疑は終わりました。  次に、付託議案の取り扱いについてお諮りいたします。  付託議案の詳細審査につきましては、お手元に配付しております一覧表のとおり、各分科会が分担することで御異議ありませんか。         (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○満永寿博 委員長  御異議なしと認め、そのように決定いたします。  次回、当委員会は9月20日(水曜)午前10時に開きます。  なお、次回の委員会における締めくくり質疑の通告期限は、9月19日(火曜)午前10時となっておりますので、委員各位、御承知おき願います。  これをもちまして、本日の委員会を閉会いたします。                              午後 3時17分 閉会 出席説明員    市長       大 西 一 史    副市長      多 野 春 光    副市長      植 松 浩 二    政策局長     古 庄 修 治    総務局長     田 畑 公 人    財政局長     中 原 裕 治    市民局長     萱 野   晃    健康福祉局長   池 田 泰 紀    経済観光局長   中 村 英 文    農水局長     西 嶋 英 樹    都市建設局長   肝 付 幸 治    教育長      遠 藤 洋 路 議会事務局職員    事務局長     田 上 美智子    議事課長     本 田 正 文    調査課長     中 川 和 徳...