熊本市議会 > 2017-09-01 >
平成29年第 3回定例会−09月01日-03号
平成29年第 3回議会運営委員会−09月01日-01号
平成29年第 3回議会運営委員会−09月01日-01号
平成29年第 3回定例会−09月01日-03号

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  1. 熊本市議会 2017-09-01
    平成29年第 3回定例会−09月01日-03号


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    最終取得日: 2022-11-22
    平成29年第 3回定例会−09月01日-03号平成29年第 3回定例会   平成29年9月1日(金曜) ┌─────────────────────────────────────┐ │ 議 事 日 程 第3号                         │ │ 平成29年9月1日(金曜)午前10時開議                │ │ 第  1 一般質問                           │ └─────────────────────────────────────┘                             午前 9時59分 開議 ○澤田昌作 議長  ただいまより本日の会議を開きます。       ──────────────────────────── ○澤田昌作 議長  日程第1「一般質問」を行います。  順次発言を許します。高本一臣議員。          〔9番 高本一臣議員 登壇 拍手〕 ◆高本一臣 議員  おはようございます。自由民主党熊本市議団高本一臣です。本日この定例会に一般質問の機会を与えていただきました我が会派の同僚議員はもとより、皆様に本当に感謝を申し上げる次第でございます。  時は金なり、タイムイズマネー。早速一般質問に入らせていただきたいと存じます。  1点目、地方自治二元代表制についてお尋ねいたします。  去る7月の東京都議選は、戦後初めて都知事が率いる地域政党が最大会派を目指して選挙戦に臨んだという点で、大きな関心を集めました。小池百合子都知事地域政党都民ファーストの会の代表として、議会改革を真正面から掲げ、その結果、圧倒的な勝利をおさめ、都民ファーストの会は都議会で最大会派となりました。都議選の結果について言及するものではありませんが、都議選を通して大きな論点の一つになったのが、首長と議会の二元代表制に関する議論であります。この二元代表制地方自治体の首長と地方議員を住民が直接選挙で選ぶ制度であり、我が国では憲法93条に定めてあります。地方自治の運営において、首長と議会の役割と権限は異なり、行政権のトップである首長は、議会が議決した条例、予算などの行政事務を管理執行する執行機関を受け持ちます。それに対して、議会は条例の制定や改正、廃止、予算の審議や決算を認定する議決機関であり、立法機関であることは私が言うまでもなく、皆さん御承知のとおりでございます。また、議会は立場が対等、平等な複数の議員から構成され、その議決に至るまで議論を深め、議会としての合意形成にたどり着かせる合議機関でもあります。さらに、議会の存在意義としては、各地域から選出された市民生活に身近な議員が、市民の多様な声を聞きながら議会としての政策提案や執行機関へのチェック機能を果たしていくことにもあり、このようなことから、議会は行政のトップが決定されたことの追認機関で決してあってはなりません。また、首長と議会が対立し、何事においても否決されるようなことがあっては、首長、議会ともに有権者の負託に応えられないという危険性もはらみます。二元代表制が車の両輪に例えられるよう、私は適切な緊張感と距離感をもって、市長と議会が互いに連携していくことが望ましいと考えます。改めて二元代表制の意義と今後の地方政治のあるべき方向性を考える意味で、大西市長へ地方自治における二元代表制のあるべき姿についてどのように考えておられるのか、お尋ねいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  地方自治における二元代表制の意義は、住民の代表である議会と市長がそれぞれ立法と行政をつかさどることで、チェックアンドバランスを図りながら自治体運営を進めていくことであります。市長には予算編成権や行政事務の管理執行権など、大きな権限が与えられておりますため、地域の課題に迅速に取り組むことができるというメリットがあります。一方で、市長が独断的、恣意的に判断し、権限を行使することがないよう、多様な民意を柔軟に酌み取ることができる議員が、公開性が確保された議会の場において予算や条例案について議論を深めることで、チェック機能を果たす仕組みになっております。
     そこで、二元代表制が機能するには、市長と議会が日ごろから十分な連携をとっておく必要があり、私は重要な政策案件等、議会に対し計画立案段階からの説明や意見交換を行うことで、建設的な議論を深めることができるよう心がけているところでございます。このように、市長と議会がそれぞれの立場で切磋琢磨し、適度な緊張と緊密な連携を図り、公の場における議論を通して市民のためのよりよい市政を実現していくことが二元代表制のあるべき姿であると考えておりまして、今後とも議員各位の御理解、御協力をよろしくお願い申し上げる次第です。          〔9番 高本一臣議員 登壇〕 ◆高本一臣 議員  ただいま市長の二元代表制のあるべき姿について御答弁いただきましたが、さすが議会、首長ともに経験されているだけに、その考え方については、採点させていただくならば100点満点、星5つであります。まさしく二元代表制を機能させるには、双方が日ごろより十分な連携を行い、特に重要な政策案件については、議会に対して計画立案の段階から説明や意見交換を行うことにより、建設的な議論を深めることを心がけることが肝要であり、私も同感であります。首長と議会の関係は、一歩離れて二歩離れず、適度な緊張と綿密な連携を図りながら、市民の皆さんのためによりよい市政の実現に向けて努力していかなければならないと考えます。  さて、市長のすばらしい答弁を踏まえて、本市の重要な事業についてお尋ねいたします。  日本たばこ産業株式会社熊本支店跡地についてお尋ねいたします。  この取り扱いについて確認させていただきますが、地元新聞紙によれば、7月24日、本市と日本たばこ産業株式会社熊本支店とが、同社跡地の売買契約に関する覚書を締結したとのことでした。報道によれば、2020年4月末まで本市が無償貸借し、この間は本市が管理し、熊本城復旧工事資材置き場として暫定活用する予定であります。しかし、さきの第2回定例会の一般質問において、我が会派の原口議員が指摘されたことに対して、疑問点や懸念材料が払拭されないまま物事が進められていると感じております。  まず、疑問点として、本市は熊本地震による財政影響を縮小させるため、歳入面における改善策の一つとして未利用地の売却を進めているが、他の未利用地を売却しながら、正式に利活用策が決定していない段階で、日本たばこ産業株式会社熊本支店跡地を購入しようとしていること。また、懸念材料としては、土地購入には予算が必要となるが、議会における議論を終えずに売買契約に関する覚書を締結されること。万が一、土地購入に係る議会審議がスムーズに進まない場合には、相手方の日本たばこ産業株式会社熊本支店に多大な御迷惑をかけることが懸念されます。  そこで、市長に2点のお尋ねでございます。  1点目、歳入面の改善策として未利用地を売却している中、利活用が決定しておらず、未利用地扱いとなる日本たばこ産業株式会社熊本支店跡地を購入する根拠についてお尋ねいたします。  2点目、議会における議論を終えずに売買契約に関する覚書を締結されましたが、執行機関としてどこまでが政策決定できる範囲なのか、市長にお尋ねいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  日本たばこ産業株式会社熊本支店跡地についてお答え申し上げます。  同跡地は熊本城の旧城域内に位置し、歴史、文化的価値が極めて大きいことに加えて、熊本城と中心商店街との結節点としての活用など、経済観光面からも重要な地区であることから、本市といたしましては、熊本城と一体的な利活用を行うことが望ましいと考えております。このようなことから、本年4月に日本たばこ産業株式会社から公有地拡大法に基づく売却の申し出があった際、もし民間企業へ売却されることとなれば、熊本城と一体となった利活用に支障を来すことも考えられることなどから、購入に向けた協議を行うことを決断したものでございます。  その一方で、復興計画期間中においては、計画に基づく事業を最優先で取り組む必要があること、また熊本城の再建にストックヤード等が必要なことから、日本たばこ産業株式会社に対し、復興計画期間中は無償で貸与していただくよう求めてきたところです。これについて日本たばこ産業株式会社の御了解をいただき、本年7月に同社との間で熊本支店跡地に関して、当分の間の無償貸借及び将来的な売買契約に向けた協議に関して基本的な事項を定めることを目的とした覚書を交わしたものでございます。  今後は、同跡地の具体的な利活用について、議会はもとより専門家や経済界など幅広い御意見を拝聴しつつ、熊本城の魅力向上はもとより、復興に資する案を取りまとめていくとともに、国庫補助の活用など財源についても検討してまいりたいと考えております。  なお、執行機関としての政策決定できる範囲についてのお尋ねでございますが、今回の覚書は、復興計画期間中の無償貸与とその後の購入に向けた協議を行うことを執行機関の責任において締結したものでございまして、改めて不動産を取得する際には、地方自治法に基づき、市議会の議決をいただいた上で実施することとなります。  今回は、公有地拡大法に基づく時間的な制約があったことから、議会と十分な議論を行うことができませんでしたが、今後は議会と十分に情報共有を図りながら検討してまいりたいと考えております。          〔9番 高本一臣議員 登壇〕 ◆高本一臣 議員  報道によりますと、JT側は確実に取得してもらえるのが前提と掲載されていましたが、今の市長の答弁によりますと、今回の覚書はあくまで購入に向けた協議を行うとの意思表示でしたので、現時点で購入を決定したのではないと認識し、安心いたしました。  続きまして、NHKの跡地についてお尋ねいたします。  NHK放送局が中央区千葉城町から花畑町に移転新築され、6月17日から本格開業されています。数年前を振り返れば、このエリアは当初劇場を含む複合ビルの再開発事業が検討されたものの、調整がつかず、NHKが単独で移転されることになりました。花畑地区再開発事業計画見直し熊本地震の影響も乗り越えられ、にぎわいを創出する地域文化の交流拠点として、また地震や水害への対策が講じられた施設の開業は、震災からの復興をアピールできる明るいニュースでもあります。一方、千葉城町のNHK跡地につきましては、その方向性が明らかになっていません。平成24年当時、NHKは熊本市を念頭に跡地売却を考えていく旨が報道されており、これまでの間、何かしらのアプローチが本市にあっているのではと推察されます。  そこで、市長にお尋ねいたします。  千葉城町のNHK跡地について、どのようなアプローチがあっているのか、また基本的には旧熊本城域として日本たばこ産業株式会社熊本支店と同様の対応となるのか、2点お尋ねいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  NHK熊本放送局跡地は熊本城の旧城域内に位置し、千葉城跡として歴史、文化的価値が極めて大きいことから、遺構の保存や景観の保全が必要な地区であり、熊本城の復旧はもとより、100年先の復元整備を見据えた上で重要な地区であると認識しております。  当該跡地や建物につきましては、本年6月の花畑町への移転後、使用していない状態と伺っておりますが、NHKからは売却などその後の利活用について、現時点では未定であると聞いております。NHK熊本放送局跡地につきましては、千葉城地区の将来的な利活用や財政状況等を十分に考慮した上で、今後市議会とも十分な情報共有を図り、御意見を伺いながら対応を検討してまいりたいと、このように考えております。          〔9番 高本一臣議員 登壇〕 ◆高本一臣 議員  NHK跡地については、現時点では未定であると聞いているとの答弁でしたので、アプローチはあっていないのだと理解いたしました。しかし、民間企業が移転するとき、跡地の方向性を考えないはずはないと思うのですが、その点については疑問が残るところであります。また、NHK跡地は重要な地区と認識している、議会にも十分な情報共有を図り、意見を伺いながら対応を検討していきたいとの答弁でした。JT跡地と同様な議会への対応とはならないと理解いたしました。情報の提供がおくれると、短期間での判断を迫られ、十分な議論ができず、判断に支障を来すおそれがありますので、市長、くれぐれも最初の二元代表制についての答弁を忘れずに、よろしくお願いいたします。  続きまして、人口構造がもたらす課題への対応についてお尋ねいたします。  地域経済の状況でありますが、業種によっては厳しい環境が続くものの、熊本地震からの復興需要が本格的に動いており、直近の景気判断指数は震災後の落ち込みからV字回復しています。一方、過去の震災の例を見てみますと、震災から2年目あたりに復興需要が一巡して、その後は大きく景気が反動減しています。本市では復興需要後の景気対策として、2019年度に迎える桜町再開発事業の開業や、熊本城天守閣の再建、あるいは世界的スポーツイベントラグビーワールドカップ女子ハンドボール世界選手権大会が相次いで開催されるなど、これまでにないにぎわいの創出や好景気が期待されています。しかし、大型投資事業スポーツイベントの経済効果がどの程度幅広く市民へ波及するかは未知数であります。持続的な地域経済の成長を図る上では、人口構造がもたらす課題への対応も必要であると考えます。  まず、2025年問題でありますが、国内で約800万人いるとされる団塊の世代が後期高齢者となることにより超高齢化社会へ突入し、介護・医療費等社会保障費の急増が懸念される問題であります。この時点で、現役世代は1.94人で1人の高齢者を支えることが推計されています。  次に、2042年問題であります。  高齢者数のピークを迎える年と見込まれており、全国の高齢者数は約3,768万人、その高齢化率は45%になるとの推計であります。また、2042年問題の厳しさは、経済的に不安を抱える高齢者が増加することにあると言われております。就職氷河期と重なった世代、あるいは非正規労働者が高齢者となるため、低年金者や無年金者が増大、未婚による独居高齢者がさらにふえるとの推測であります。この時点では、現役世代は1.39人で1人の高齢者を支えることが推計されております。  そこで、担当局長へお尋ねいたします。  2025年、2042年問題に対する高齢者への社会保障対策について健康福祉局長へ、また高齢者が増加し、それを支える生産年齢人口が減少する中、正規雇用の推進、また被雇用者の給与アップに向けた取り組みが必須であると考えますが、この件については経済観光局長へ答弁を求めます。          〔池田泰紀健康福祉局長 登壇〕 ◎池田泰紀 健康福祉局長  私の方からは2025年、2042年問題に対する高齢者への社会保障対策についてお答え申し上げます。  本市の人口ビジョンでは、65歳以上の高齢者は、2015年時点では18万人で全体の24.3%でございましたが、2025年には20.8万人で全体の28.4%に、2040年には22.8万人で全体の33.3%へと、25年間で約4.8万人増加し、3人に1人が高齢者になると見込まれており、要介護状態等となる方の増加による介護給付費や保険料等への影響に加え、高齢者を支える担い手不足についても懸念しているところでございます。そこで本市におきましては、高齢者の介護予防はもとより、要介護状態等となった方への自立支援、重度化防止の強化のため、地域ケア会議の充実やリハビリテーション専門職の積極的な活用などを図ってまいります。また、高齢者のうち8割を占める元気高齢者の方が地域活動などさまざまな形で社会参加することは、地域での高齢者支援の担い手となることに加え、本人の健康維持や介護予防の効果も有しており、結果として医療費を初めとした社会保障費の軽減も期待されることから、まちづくりセンターや公民館と連携をいたしまして、元気高齢者の積極的な地域参加を進めていくこととしております。  今後、国の社会保障制度改革に向けた動向を注視しつつ、本市といたしましても住民が主体となって高齢者を支える地域包括ケアシステムの推進に努めてまいります。          〔中村英文経済観光局長 登壇〕 ◎中村英文 経済観光局長  正規雇用の推進、被雇用者の給与アップの取り組みについてお答えいたします。  昨年度改訂いたしました熊本市しごと・ひと・まち創生総合戦略では、雇用の場の拡大と質の向上を目標に掲げ、特に若い世代が安心して働ける相応の賃金、安定した雇用の形態、やりがいのある仕事といった雇用の質への取り組みを重視したところでございます。そのような中で、正規雇用の推進につきましては、平成28年度に地場企業PRサイトを新設いたしまして、魅力的な労働環境づくりに取り組む企業を積極的に紹介するとともに、これまでも実施してまいりました正規社員を採用する地元企業と求職者との合同就職面談会の開催や、UIJターンによる人材確保支援を実施し、493名の正規雇用を生み出すことができたところでございます。さらに本年度におきまして、企業立地促進条例を見直し、新規の正規雇用1名につき最大50万円だったものを120万円まで拡充して助成する制度としたところであり、地場企業のみならず立地企業に対しましても正規雇用を促しているところでございます。また、被雇用者の給与アップにつきましては、国におきまして賃金規定などを増額改定した企業に対し、助成金を支給する制度が整備されており、こうした制度の周知に努めながら、雇用の質の向上に取り組んでまいりたいと考えております。          〔9番 高本一臣議員 登壇〕 ◆高本一臣 議員  来年度予算編成に向けた概算要求が出そろい、財務省は各省庁の要求額101兆円規模のうち、約3兆円を圧縮する考えで、その最大の焦点が過去最大の要求額とした厚労省の予算です。高齢化や医療の高度化により社会保障費が膨らむ自然増6,300億を5,000億まで抑えたいとのことであります。高齢者の8割を占めている元気高齢者の社会参加を促し、健康寿命と平均寿命の差を縮めることが幸福なシニアライフを送ることになり、社会保障費の軽減にもつながり、ひいてはその負担をしていく世代にも恩恵が巡っていくことになりますので、頑張っていただきますよう期待しております。  また、正規雇用の推進、被雇用者の給与アップに向けた取り組みについてですが、日銀熊本支店の資料によりますと、熊本県の有効求人倍率は高い水準を保ってはいるものの、中身についてはパートの倍率が1.5倍で、正社員の倍率は1.0を切っている状況であります。総合戦略に関する交付金は現在不透明になっている状態であり、国の政策に頼るだけでなく、熊本の地域性を生かした独自の政策を期待いたします。また、大型投資も必要でありますが、人材育成など人への投資をする取り組みもあわせて要望しておきます。  続きまして、働き方改革、同一労働同一賃金についてお尋ねいたします。  地域経済の成長戦略としての働き方改革についてでございますが、政府では少子高齢化の中でも持続的成長に取り組むため、ニッポン一億総活躍プランが昨年6月に閣議決定されており、その実現に向けては働き方改革が最大のチャレンジと位置づけられており、働き方改革関連法案の審議が、今月下旬から始まる予定の秋の臨時国会の最大の焦点にもなっております。このような中、国においては同一労働同一賃金、非正規の処遇改善、あるいは長時間労働の是正や高齢者の就業促進など、さまざまなテーマに沿って議論が進められています。中でも大きな柱が同一労働同一賃金と言われており、これは我が国の労働者の約4割に当たる非正規労働者の待遇改善に大きく寄与するためであります。最近、欧州諸国と日本との賃金比較が例に挙げられていますが、欧州諸国のパートタイム労働者の賃金は正規労働者の約8割でありますが、対して日本のパートタイム労働者の賃金は正規労働者の6割程度にとどまっているとのことであります。このように、同じ仕事をしているにもかかわらず賃金格差が生じていることは、民間だけの問題でなく、実は自治体の非正規職員の待遇にも当てはまると考えております。全国的なことでありますが、行財政改革を進める中で、自治体の職員数は減少していますが、そのことに比例して業務量が減っているわけではありません。そこで、自治体の非正規職員が年々増加しており、本市の場合、約4割が非正規職員であります。今や本市の非正規職員行政サービスを左右する貴重な存在でありますが、労働の実態に比べて賃金が見合っておらず、十分な生活ができるレベルに達しているとはとても言いがたい状況です。先ほども述べましたが、政府では同一労働同一賃金の実現に向けて法改正の準備が進められています。今後、民間へ非正規労働者の雇用形態を改善させるのであれば、行政が率先して同一労働同一賃金へ取り組み、ひいては地域経済の成長へ誘導すべきであると考えます。  そこで、本市の非正規職員についても同一労働同一賃金の考え方を反映するべきと考えますが、市長の見解をお聞かせいただきたいと思います。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  同一労働同一賃金の取り組みは、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の不合理な待遇差を解消し、多様な働き方が選択でき、労働生産性の向上にもつながり、ひいては地域経済の発展に寄与するものと認識しております。先般、地方公務員法等の改正によりまして、勤務上の課題の解消や正規職員と非正規職員の待遇差を是正するため、新たに会計年度任用職員という任用形態が制度化されたところでございます。本市におきましては、これまでも正規職員と非正規職員が担う業務内容に応じて給料等の処遇を決定してきたところでございまして、新たな制度の導入に当たっても、改めて業務の整理を行い、その内容に応じた適正な勤務条件で任用してまいりたいと考えております。          〔9番 高本一臣議員 登壇〕 ◆高本一臣 議員  本市においてはこれまでも正規職員と非正規職員が担う業務内容に応じて給与等の処遇を決定してきたとの市長の答弁でしたが、果たしてそうでしょうか。ここで現実は違うということを、事例をもって紹介させていただきます。  熊本市のホームページで8月に募集されている課税管理課嘱託職員募集業務内容を拝見してみますと、詳細は述べませんが、正規職員と同様の業務内容となっております。しかも募集人員2名のうち、1名は正規職員の育児休業の代替にもかかわらず、報酬は12万円から13万円の間。正規職員と比較すればかなりの低賃金であります。また、生活保護業務の募集事例を見てみますと、業務内容は、対象者の日常生活及び社会生活上の自立支援に向けた課題の分析、支援方針の決定及び支援の実施、対象者の家庭訪問や関係機関先訪問及び訪問記録の作成、前各号に係る事務処理(パソコンを使った電算処理を含む)、そのほか所属長が定める事務としてあります。また、応募資格は社会福祉士の資格を持っていること。この募集は月額15万1,100円であります。このように、正規職員と非正規職員が同一労働であるならば、同一賃金にすべきだと考えます。少々厳しく言わせていただきましたが、国も本腰を入れて取り組もうとしておりますので、本市でも自治体が率先して取り組んでいただきますよう強くお願いして、次の質問に移りたいと思います。  第5次行財政改革についてお尋ねいたします。  本市では、将来にわたり持続可能な市政運営の実現を図るために、第5次行財政改革計画に取り組んでおられ、まちづくりセンターの設置や地域担当職員の配置、あるいはごみ収集車の乗車体制を3名から2名へ移行されたことなどは、一定の評価をしております。一方、行革の取り組みにおきまして、平成30年度までの目標達成が危惧されるものについてはお尋ねし、また民間活力等の活用に関しては一つ御提案をさせていただきたいと思います。  一つ、市政に対する市民の評価についてお尋ねいたします。  行財政改革の取り組みが進んでいると感じている市民の割合、信頼できる市政と感じる市民の割合、効果的かつ効率的に市政が運営されていると感じる市民の割合が指標となっております。これらの指標はぜひとも達成していただきたいものでありますが、例えば行財政改革の取り組みが進んでいると感じている市民の割合は、目標値の50%に対し実績値が28%、信頼できる市政と感じる市民の割合では、目標値の60%に対し実績値が47.7%と、決して高い目標値ではないにもかかわらず、市民からの評価が得られていません。  そこで、総務局長に2点お尋ねいたします。  1点目、行財政改革の取り組みが進んでいると感じている市民の割合、信頼できる市政と感じる市民の割合、効果的かつ効率的に市政が運営されていると感じる市民の割合、これらの目標値はどのような根拠で設定されたのでしょうか。  2点目、それぞれの実績値に対する分析、目標達成に向けた取り組みについてお示しいただきたいと思います。          〔田畑公人総務局長 登壇〕 ◎田畑公人 総務局長  行財政改革計画についてお答えいたします。  まず、目標値についてでございますが、この計画が目指す将来にわたり持続可能な市政運営を実現するためには、市民の皆様にとって信頼できる市政であることや、行財政改革の取り組みが進むことで市政が効果的、効率的に運営されていると実感されることが重要であるものとの考えのもと、3つの指標を設定しております。  次に、実績値についてでございますが、行財政改革の取り組みは計画に沿って着実に推進しているものの、市民の皆様にとって行財政改革の取り組みがみずからの効果として実感しづらいことや、認知度が低いことなどが評価としてあらわれたものと受けとめているところでございます。このようなことから、地域担当職員によるまちづくり支援の強化や、区役所等の窓口改革の取り組み等によって、市民の身近なところでこれまで以上に質の高いサービスを提供し、市民満足度を向上させてまいります。          〔9番 高本一臣議員 登壇〕 ◆高本一臣 議員  1点目の目標値の根拠設定については明確な答弁ではありませんでしたので、再度総務局長にお尋ねいたします。          〔田畑公人総務局長 登壇〕 ◎田畑公人 総務局長  目標値の設定根拠につきましてお答えいたします。  目標値につきましては3つの指標を用いており、それぞれ市民の多くの方々に実感していただきたいとの思いから設定したところでございます。          〔9番 高本一臣議員 登壇〕 ◆高本一臣 議員  なかなかちょっとわかりづらい部分もあり、具体的にお話ししていただきたいと思いますけれども、引き続き次の質問にいきたいと思います。  続きまして、行財政改革の進捗状況として、社会保障・税番号制度の活用についてお尋ねいたします。  いわゆるマイナンバー制度の個人番号カード交付率でありますが、平成30年度の目標値、交付率70%に対し、平成28年度の実績値は8.76%でありました。この取り組みによって、コンビニエンスストアでの証明書発行など、市民サービスの向上を図るとともに、窓口業務の軽減に伴う出張所再編等を計画されていたと認識しております。  そこで、市民局長へ2点お尋ねいたします。  昨年の熊本地震の影響は考慮いたしますが、個人番号カード交付率8.76%という実績についての分析、また目標達成に向けた取り組みについてお示しください。          〔萱野晃市民局長 登壇〕 ◎萱野晃 市民局長  個人番号カード、いわゆるマイナンバーカードに関する2点のお尋ねにお答えいたします。  まず、カード交付率に関する分析についてでございますが、第5次行財政改革計画策定時における平成30年度の目標値につきましては、当時の国の計画との整合性を図り、交付率70%と設定いたしております。本市のマイナンバーカードの普及状況は、本年7月31日現在で申請率12.3%、交付率9.5%に対しまして、本年3月時点での全国平均は申請率11.0%、交付率8.4%という状況でありまして、ともに全国平均と同水準で推移はしておりますものの、目標達成にはほど遠い状況であると認識いたしております。交付率が低迷している要因といたしましては、国も指摘しておりますように、カード交付システムの障害による手続の遅滞や、カードの利便性やメリットについての周知不足、さらには番号制度の安全性に対する市民の不安解消が十分でないことなどがあるかと考えております。  次に、目標達成に向けた取り組みについてでございますが、国が示す利活用推進ロードマップの進捗状況などを見ながら、適宜新しい情報を提供するなど、引き続き広報啓発活動に取り組んでまいります。加えて、カード利用によるコンビニエンスストアでの証明書交付のメリットであります平易な申請手続、市役所開庁時間外での利用などの利便性や手数料の安さなどを周知いたします本市独自の広報チラシを作成し、各区の窓口等において配布することといたしております。特に、今年度スタートいたしましたサービスコーナーで交付できます証明書は全てコンビニエンスストアで取得できますことから、サービスコーナーの利用者をターゲットとして先ほどのチラシを配布するなど、工夫をした積極的な広報啓発活動に取り組み、マイナンバーカードの普及に努めてまいります。          〔9番 高本一臣議員 登壇〕 ◆高本一臣 議員  依然として目標に対しかなりの乖離があります。そもそもマイナンバーカードの普及率を高めながら、出張所の再編を行っていくと認識していましたが、国が示す交付率70%は何らかの根拠があるからだと推察します。まずは隗より始めよ。未申請の職員の皆さんが手続をしていただき、メリットを実感して普及に努めてください。  続きまして、民間活力等の活用、国民健康保険業務の民間委託について御提案させていただきます。  御承知のとおり、国民健康保険は来年4月から財政運営の主体が市町村から都道府県へ移行されますが、徴収などの現場業務は市町村に残ることになります。本市の保険料収納率は87%後半で推移しており、政令指定都市の中では最低レベルにあります。また、多額の累積赤字を抱えており、平成29年度末には55.2億円まで累積赤字が増加するおそれがあります。このような中、他の地方自治体では国民健康保険業務を民間委託する動きが広がっており、窓口の受け付けにとどまらず、加入者のデータ入力や電話による保険料の納付要請など、幅広い業務を民間へ任せ始めました。既に国保業務を民間へ委託している自治体において、東京都足立区では窓口業務の待ち時間が7分から3分へ短縮した例、杉並区では年間5,000万円の経費削減効果の例が挙がっております。  そこで、健康福祉局長にお尋ねいたします。  このような他の自治体での取り組みも踏まえて、国民健康保険業務については窓口サービスの向上や収納率アップを図る観点からも、民間委託を推進すべきだと考えますが、その見解をお聞かせください。          〔池田泰紀健康福祉局長 登壇〕 ◎池田泰紀 健康福祉局長  国民健康保険業務の民間委託に関するお尋ねにお答え申し上げます。  この民間委託につきましては、第5次行財政改革計画に位置づけられた取り組みといたしまして、保険料収納業務を平成29年10月より従前の嘱託職員から民間事業者にアウトソーシングすることといたしております。この民間委託によりまして、夜間、休日の柔軟な対応による収納率向上や嘱託職員雇用に係る事務の効率化を図るとともに、年間約350万円の経費削減効果を見込んでいるところでございます。窓口業務等その他の国民健康保険業務の民間委託につきましては、経費削減効果とあわせまして、民間委託の妥当性や行政サービス向上の効果等につきまして慎重に検討してまいりたいと考えております。          〔9番 高本一臣議員 登壇〕 ◆高本一臣 議員  収納業務につきましては、来月から民間委託に移行するとの答弁でした。嘱託から民間委託、アウトソーシングすることによって、柔軟な対応がきっとできるはずだと思います。政令指定都市最下位の収納率がそのことにより向上することを期待して、次の質問に移りたいと思います。  熊本地震関連について、数点お尋ねいたします。  1点目、災害救助法における県から政令指定都市への権限委譲についてお尋ねいたします。  まず、災害救助法における県から政令指定都市への権限移譲に関してですが、このことにつきましては昨年の熊本地震の発災を機に議論が再燃いたしましたが、そもそも指定都市市長会では、阪神・淡路大震災の経験を踏まえ、平成8年から国へ要望を続けられているものであります。このような中、国の動向としては平成26年の地方からの提案等に関する対応方針において、救助の事務委任をすることは現行制度上可能であり、事前に県市との間で調整を行うことが有効である旨の閣議決定が平成27年1月になされました。ただし、事前に県市との間で調整を行った上で、双方が合意できた場合にのみ、救助の実施に係る権限を移譲する趣旨であり、指定都市市長会の主張とは少し隔たりが生じております。また、知事会側の主張では、事務委任での対応は現行法で可能であることや、多数の権限者を設置した場合に調整業務が発生すること、あるいは被災者支援の公平性が損なわれるおそれがあることなどを挙げられており、知事会サイドと政令指定都市側との折り合いがついていない状況にあります。  今回の熊本地震において、県から本市へ委任された事務は、避難所及び応急仮設住宅の供与を初め、炊き出しその他による食品の給与及び飲料水の供給や、被服、寝具その他生活必需品の供与または貸与など12項目にわたっており、現場では県との役割分担や責任の所在が明確になっておらず混乱したとの声も聞いております。一方で、熊本県と本市の関係は日ごろから蒲島知事と大西市長とのホットラインが形成されていることで、震災時の連携も極めてスムーズであったとも耳にしております。  そこで、大西市長にお尋ねいたします。  指定都市市長会として災害救助法における県から政令指定都市への権限移譲を推進されておりますが、被災した自治体として権限移譲の意義をお示しください。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  災害救助法における救助の実施主体につきましては、議員が述べられましたとおり、指定都市市長会が平成8年から指定都市へ権限を移譲するよう国へ要望してきたところでございます。一方で、全国知事会からは広域的な調整や公平性の観点、さらには現行の事務委任により対応が可能であるとの認識から、権限移譲は慎重かつ丁寧な議論が必要等の意見が示されており、いまだ双方の調整が図られていないところでございます。  ここで、改めて権限移譲の意義について、今回の被災の経験を踏まえ、私の考えを述べさせていただきますと、熊本地震においては発災後すぐに救助事務の委任が県からなされており、日ごろからの県知事とのホットラインを活用し、おおむね適切かつ連携した対応ができたものと認識しております。しかしながら、一部では仮設住宅の供与や住宅の応急修理等の実施に当たり、県を通じて国と協議が必要な場面もあり、迅速な対応が難しい等の課題もございました。加えて、指定都市に権限が移譲されることで、県は指定都市以外の県内市町村の救助や支援、総合的、広域的な調整に注力することができ、県全体の災害対応力の向上に資するものと考えておりまして、私といたしましては、今後他の指定都市とともに引き続き救助の実施主体に係る権限移譲を求めてまいりたいと考えております。          〔9番 高本一臣議員 登壇〕
    高本一臣 議員  ただいま市長の答弁を聞きまして、共通の認識であることが確認できました。まさしくデメリットよりもメリットのほうが私も多いと感じております。政令指定都市に権限が移譲されることにより、被災者支援の充実につながると確信しております。今後も柔軟な対応を求めておきます。  続きまして、仮設住宅の供与期間延長についてお尋ねいたします。  昨日も一般質問でありましたけれども、またちょっと違った観点からお尋ねしたいと思います。  災害救助法は、仮設住宅の入居期間を原則2年と定めておりますが、熊本地震は被害が甚大な特定非常災害に指定されております。この特定非常災害に指定されますと、県知事が仮設住宅の入居期間について延長が必要と判断し、国が同意すれば最長1年延長が可能となります。さらに延長が必要な場合には、改めて1年延長を国に求めることができるとされています。現在、広域解体が全体の7割程度進んでおりますが、予定では来年の3月までかかり、それから住宅を再建しようとしても、建設関係者の人手不足などの影響により、早くても半年はかかる状況にあります。このような事態により、仮設住宅に避難されている多くの住民が2年の期間では生活再建が困難となっていて、このままではこの制度の支援を早く受けた方でも、8カ月後には打ち切りとなります。その不安の声は期限が近まるにつれ大きくなっております。被災者の現状も踏まえ、仮設住宅の供与延長は必要だと考えますが、本市の認識をお尋ねいたします。また、仮設住宅の供与期間について、延長する、延長しない場合も含めて、早急に周知すべきだと認識いたしますが、本市の見解をお聞かせください。          〔古庄修治政策局長 登壇〕 ◎古庄修治 政策局長  仮設住宅の供与期間の延長についてお答え申し上げます。  昨日の御質問にお答え申し上げたとおり、本市におきましては液状化等による宅地復旧に時間を要することや、住宅の再建あるいは災害公営住宅の完成時期などの関係から、災害救助法に基づく応急仮設住宅の供与期間内に恒久的な住宅への移行が困難な世帯が存在します。このようなことから、被災者の状況に応じた柔軟な対応が必要であると考えております。そこで、仮設住宅の供与期間の延長について、熊本県を通じまして被災者の実情に応じた柔軟な対応を国に求めているところでございます。  本市としましては、仮設住宅に入居される方々の一日も早い生活再建を目指して、現在実施しております伴走型住まい確保支援事業等を通じまして、住まい確保に係る支援を行うとともに、お尋ねの周知に対する見解につきましては、県と国の協議の状況を注視しながら、延長に関する方針が示され次第、迅速に被災者の方々へ周知を図りまして、必要な対応を講じる所存でございます。          〔9番 高本一臣議員 登壇〕 ◆高本一臣 議員  実は、昨日も仮設住宅に入居しておられる関係者の方からこの件についてのお尋ねがありました。市長は常に被災者に寄り添った支援をしていくとおっしゃっておりますが、まさしくそのとおりだと思います。要は、今後どうなるのか見通しが立たない不安を感じている被災者の方へ、延長するのかしないのか、早目の周知をお願いいたします。そして次の質問に移りたいと思います。  住まいの確保についてお尋ねいたします。  昨日発表されました復興基金を活用した住まい再建に関する新たな支援制度を理解した上で、住まいの確保について市社会福祉協議会が計画している住宅確保要配慮者支援モデル事業についてお尋ねいたします。  このモデル事業は、熊本地震による被災者、高齢者や障がい者等が賃貸住宅を契約したくても、さまざまな事情により保証人となる人がいないことにより自力で借りられない課題を解決するために、市社協と行政や関係団体が連携し、住宅確保の支援を行い、市社協が保証人となり被災者等の速やかな自立再建を支援する目的と伺っております。  そこで、2点のお尋ねです。  この住宅確保要配慮者支援モデル事業の事業内容について教えてください。  また、本市はこのモデル事業にどのようにかかわっていくのか、以上2点を健康福祉局長にお尋ねいたします。          〔池田泰紀健康福祉局長 登壇〕 ◎池田泰紀 健康福祉局長  市社協の住宅確保要配慮者支援モデル事業に関する2点のお尋ねにお答え申し上げます。  まず、その事業内容についてでございますが、市社協の保証人代行業務でございますこのモデル事業は、高齢者や障がい者、子育て世代などを対象に、民間賃貸住宅の契約時に求められる保証人となる方がいない人のため、市社協が身元保証人となり、滞納家賃や退去時の原状回復を保証するほか、死亡時の家財の片づけや遺産の整理などを請け負うものでございます。このモデル事業は、市社協の理事会、評議員会等の議決を経た後、実施されるものでございまして、本年度は10件程度を対象に取り組む予定と伺っております。  次に、モデル事業への本市のかかわり方についてでございますが、市社協はモデル事業の実施に向け、本年2月に法律、福祉及び賃貸住宅経営などの関係団体から成ります関係機関連絡会議を設置し、これに本市の福祉、住宅などの関係部署も参加いたしまして、保証人代行実施に係るさまざまな課題について、専門的な視点から課題の整理や検討を行ってきたところでございます。本モデル事業におきまして、市社協は入居者の選定について毎月支援調整会議を開催することといたしておりまして、本市といたしましても情報提供やアドバイスなどを行ってまいりたいと考えております。          〔9番 高本一臣議員 登壇〕 ◆高本一臣 議員  ただいま健康福祉局長の答弁で事業内容を伺いましたが、かなりハードルが高いような気がしました。この事業内容では、家賃の支援など経済的な課題を抱えている被災者の支援がないことが課題だとして問題提起をいたします。今後の取り組みを注視していきたいと思います。  続きまして、公共事業の入札不調についてお尋ねいたします。  熊本地震の復旧工事において、入札で落札者が決まらない不調不落の増加に歯どめがかからない状況が報道されております。県は、8月16日から新たな対策を打ち出しました。入札不調の主な要因は、建設業界の全国的な人手不足、高騰する人件費や材料費の影響により、予定価格と同額で落札しても赤字になるからだということです。さらには、今後桜町再開発、市民病院等の大型建築も控えており、さらなる大量の作業員や資材が必要となり、工事原価の高値を招くおそれがあり、そのことが懸念されております。  そこで、総務局長にお尋ねいたします。  周辺自治体でも多くの不調不落が発生しているようですが、本市の状況は。その件数をお示しください。  不調不落がふえているのであれば、どのような対策を講じているのか、今後の見通しも含めて、2点お尋ねいたします。          〔田畑公人総務局長 登壇〕 ◎田畑公人 総務局長  公共事業の入札状況と今後の見通しについてお答えいたします。  昨年の震災発生後の入札不調につきましては、平成27年度の25件に対して、平成28年度は218件、本年度は7月末までで91件が発生し、合計で309件となっております。これら不調不落の原因としましては、労働者不足を初め、単価の高騰や工期不足などが主な要因となっております。本市では入札不調への対応策としまして、設計積算、現場施工体制及び入札契約の3つの側面から対策を講じております。  設計積算につきましては、資材単価の毎月見直しの継続に加え、労働者を地域外から確保した場合の設計変更制度の導入や、諸経費に乗じる補正係数、いわゆる復興歩掛・復興係数の適用等を行っております。  次に、施工体制につきましては、資材調達や労働力確保に要する期間を踏まえて工期の設定を行う余裕工期の積極的活用等を行っております。  また、入札契約につきましては、総合評価方式による入札の対象範囲の縮小や、市発注工事の手持ち数制限の緩和等を行っております。  災害復旧関連の工事の発注が本格化していることに加え、民間需要の影響もあり、入札の状況につきましては厳しい環境が続くものと考えられるところでございますが、今後とも一日も早い復旧・復興を目指して、さまざまな制度の活用を行うとともに、国や県、業界団体等と連携しながら公共工事の不調不落対策に取り組んでまいります。          〔9番 高本一臣議員 登壇〕 ◆高本一臣 議員  平成27年度の落札不調25件に対して平成28年度では218件、本年度は7月末までで91件発生しているということで、本市でも震災発生後の入札不調は明らかに増加していることが判明しました。毎月資材単価の見直しをされるなど、さまざまな対策を講じておられますが、それでも不調不落が発生しているということは、さらなる精査が必要だと認識しました。災害工事というのは新規の工事と違って複雑で、企業からすれば余り利益が期待できないと聞いております。復旧工事を請け負ったために会社が倒産してしまうようなことがあっては決してなりません。行政には経済ベースで発注していただきますよう要望しておきます。  続きまして、マンションが抱える課題に対応する専門部署の設置についてお尋ねいたします。  ある雑誌の記事に、これは予測できない、必ず起きる現実だと大きなタイトルで我が国の未来が示されていました。幾つか申し上げますと、2020年、女性の2人に1人が50歳以上に、2022年、団塊世代が75歳に突入、2025年、認知症患者が700万人以上に、2027年、コンビニが24時間営業をやめる、そして2033年、3戸に1戸が空き家になる、2053年では日本の総人口が1億人を割り込むなど、いずれも人口減少、急速な少子高齢化に起因する日本の未来を示しています。中でも人口減少に突入していく状況におきまして、2033年、3戸に1戸が空き家になる空き家対策は、本市でも喫緊の課題となっております。一方、マンションの建設は現在も至るところで進められていて、今でも我が国で1年間に10万戸ずつふえている状況にあります。その反面、マンションが誕生して60年以上が経過し、その建物の老朽化、居住者の高齢化、運営管理への無関心などにより、荒廃するマンションが急増しているのも事実であります。さらに、本市では熊本地震により全壊から一部損壊までほとんどのマンションが被災しており、被害の大きいところでは入居者への連絡も難航するなど、補修工事等に向けての合意形成に苦労しているマンションも少なくありません。マンションは集合住宅であり、戸建て住宅と違い、住む人たちの家族構成、年代、収入、生活スタイルも異なり、入居者の意見の集約をするのに時間がかなりかかり、時にはまとまらず、意見の対立でトラブルになるケースも見られます。本市では、5戸以上有する分譲マンションが推計750棟、戸数にして3万5,000戸弱建っております。今後被災マンションの建てかえや改修、管理の適正化、老朽化の対策などさまざまな問題を解決に導くためには、行政の支援が必要な場合もあり、これから健全なまちづくりを目指す本市にとりましても重要な課題だと認識します。さまざまな課題を解決するために、マンション全般の問題を担当する職員を配置し、対策室をつくり、専従職員を配置すべきだと考えますが、本市の見解を都市建設局長に伺います。          〔肝付幸治都市建設局長 登壇〕 ◎肝付幸治 都市建設局長  マンションが抱える課題に対応する専門部署の設置についてお答え申し上げます。  建築年数が相当経過したマンションにつきましては、ただいま議員より御紹介がございましたとおり、居住者の高齢化や管理運営に対する無関心などにより適切に維持管理ができず、老朽化していくおそれもあり、地域コミュニティやまちづくりの視点から、今後の課題であると捉えているところでございます。本来分譲マンションの維持管理につきましては、区分所有者で構成される管理組合の責任において行われることになっており、良好なコミュニティの形成を含めてマンション管理組合が円滑に運営されることが重要であると考えております。そのため本市では、熊本県マンション管理士会等と連携し、平成20年度から個別相談を、また21年度からマンション管理士派遣を行うなど、関係団体と連携し、マンション管理組合の円滑な運営に対し、支援を行ってきたところでございます。また、関係団体では、住宅リフォーム・紛争処理支援センターにおきまして、マンションの建てかえや敷地売却等について住まいるダイヤルでの電話相談や弁護士、建築士等の専門家による無料相談が実施されているところでございます。  お尋ねのありました分譲マンションに関する専門部署の設置につきましては、現在建築政策課と建築指導課が連携し、それぞれの課題に対して取り組んでおりますが、今後もさらに連携を強化しますとともに、他都市の状況等を参考に研究してまいりたいと考えております。          〔9番 高本一臣議員 登壇〕 ◆高本一臣 議員  全国で10年後に築50年を超えるマンションは63万戸になり、全体の18.8%となります。20年後の2037年には、その63万戸が約173万戸にふえ、全体の3分の1に相当します。この推移は本市でも同様であり、マンションの老朽化に伴い、当然ながら居住者の年齢も高齢化していきます。さらには、空き室の発生率が高くなり、十分な管理もままならず、既に首都圏や都市部においてはマンションがゴースト化しているところも少なくありません。まさに巨大な空き家の存在は、周辺地域へ悪影響を及ぼしかねません。行政としては避けては通れない問題であると考えます。また、市長も記憶にあると存じますが、震災発生後、罹災証明発行に際し、マンションの仕組みの複雑さから職員の方も理解されておらず、戸建て住宅に比べて発行にかなりの時間を要しました。しかし、そのときに分譲マンションに居住しておられる職員さんのおかげで、その後スムーズに手続が進み、すごく助かったとも伺っております。マンションの実情に詳しい居住職員を配置し、専門家がそこをサポートしていくような対策室を切に望みたいところでありますが、他都市の状況を見ながら研究していきたいという答弁を伺うと、なかなか現時点では厳しいと認識しましたが、設置が実現するまで私は諦めないことをここに宣言して、次の質問に移りたいと思います。  続きまして、さくらカードの方向性についてお尋ねいたします。  熊本県統計年鑑資料によりますと、70歳以上の運転免許所持者数の推移は年々増加傾向にあり、それに伴い70歳以上人口に占める運転免許所持者数の割合も、平成20年では70歳以上の人口34万9,722人に対し、免許所持者数は12万3,157人で、その割合は35.2%だったのが、平成26年では70歳以上の人口37万7,111人に対して、免許所持者数は15万9,562人と、その割合は42.3%にまでふえております。最近でも、その影響もあってか高齢者の交通事故が多発しており、ニュースでもアクセルとブレーキを踏み間違えた、高速道路を逆走したといったことを頻繁に耳にするようになり、高齢ドライバーの交通事故が大きな社会問題ともなっております。これらの事故減少の対策の一つとして、さくらカードによる公共交通機関の利用推進が考えられます。さくらカードの目的は社会参加の促進であり、先ほど質問いたしました2025年、2042年問題対策への有効な手段の一つだとも考えます。しかしながら、現状では70歳以上人口は増加しているものの、さくらカードの利用件数及び利用金額は減少傾向にあり、主な要因は便利な自動車への依存やバス運行本数、路線数の減少が考えられます。さくらカードは制度開始から20年以上が経過しており、その間の高齢者を取り巻く状況はかなり変化しております。また、厳しい財政状況の中で、復興に向けた取り組みや年々増大する介護サービスへの対応が求められる一方、少子化対策として子育て施策にも早急に充実を図る必要があります。そのような中において、制度自体の持続可能性を確保することは、交通事業者や市民の理解と協力が懸案事項となっており、第5次行財政改革計画においては、持続可能な制度となるよう見直す、また事務事業外部評価会議では、委員8名のうち6名の委員が見直し改善が必要であるとしました。  そこで、健康福祉局長にお尋ねいたします。  さくらカードが持続可能な制度を維持するためには、そのあり方を検討する時期に来ていると判断しますが、その方向性について見解をお示しください。          〔池田泰紀健康福祉局長 登壇〕 ◎池田泰紀 健康福祉局長  さくらカードのあり方の検討に関するお尋ねにお答え申し上げます。  熊本市優待証、通称さくらカードにつきましては、高齢者、障がい者等の社会参加の促進を図るため、平成8年10月に交通事業者の協力のもと、無料パス券として制度が開始され、その後利用者一部負担の導入を初め、おでかけICカードの導入など、これまで必要に応じて制度の見直しを行ってまいりました。開始から20年以上が経過し、この間急速な高齢化の進展や平均寿命、健康寿命の延伸など、高齢者を取り巻く状況は大きく変化しており、改めて事業の目的や効果、課題を検証し、今後のあり方について検討を行っているところでございます。  現在、おでかけICカードの利用履歴から年齢別の利用状況等を分析するとともに、障がい者約9,000人及び70歳以上の高齢者約5,000人を対象とした市民アンケート調査により、制度の効果や運用面での課題、また制度のあり方に関する意見等を聴取し、集計を行っているところでございます。具体的な制度見直しといたしましては、現在の他都市の制度を参考にいたしますと、所得制限、利用者負担割合の引き上げ、利用上限額の設定あるいは対象年齢の引き上げなどが考えられるところではございますが、今後これらの調査結果をもとに、本事業のあり方についてさまざまな観点から検討を行ってまいりたいと考えております。          〔9番 高本一臣議員 登壇〕 ◆高本一臣 議員  具体的な制度の見直しも含め、検討されていることが認識できました。現時点において、制度の見直しについては賛成、反対とも判断しかねますが、これからの少子高齢化を鑑みれば、真剣に議論する必要がある、その時期に来ているのではないでしょうか。また、制度の見直しを検討されるのであれば、当然のことながら社会的に弱い立場にある人たちへの配慮も忘れてはいけないことをつけ加えておきます。  それでは、最後の質問に入ります。  政令指定都市への移行に伴い、5つの行政区が設置された本市でありますが、そのことにより1つの小学校区が2つの区にまたがっている地域が生じてしまい、住民の皆さんもさまざまな行政サービスに対し、行政区あるいは小学校区のどちらで対応すればよいのか、いまだに苦慮されている状況が続いております。この問題に関しては、平成25年第4回定例会にて質問させていただき、当時の幸山市長には、政令市がスタートして2年がたとうとしているが、新たな課題が生じてきているということはしっかり受けとめなければいけない、また、その課題解決の方法についても真摯に考えていきたいとの答弁をいただきました。その後、平成27年、28年には田尻善裕議員も尋ねておられますが、まずは行政区画等審議会を設置し、ルールづくりに向けた検討会を始めていくとの答弁を記憶しております。  そこで、市民局長にお尋ねいたします。行政区画等審議会の開催状況と、ミスマッチ解消に向けての本市の見解について伺います。          〔萱野晃市民局長 登壇〕 ◎萱野晃 市民局長  校区と行政区のミスマッチに関する御質問にお答えいたします。  行政区画につきましては、行政区画等審議会やパブリックコメントなどの意見を受け、人口、面積、地形地物及び地域コミュニティなどを考慮し、編成を行っております。行政区の編成後、区境の小学校通学区域が変更されましたことで、2つの地域で校区が行政区をまたがっている状況にあり、そのため災害時の避難所についての不安や、保健福祉分野における手続への戸惑い、まちづくり活動での課題などがあるとの指摘を受けたところでございます。そこで、現在このような地域の現状を考慮いたしまして、居住区にかかわらず行政手続ができるよう、柔軟な対応等に努めております。  また、ことしの2月に設置いたしました第2次行政区画等審議会に行政区画の変更について諮問しておりまして、現在までに3回にわたり行政区画の変更を検討する場合の基準やその手続などについて御審議いただいておりまして、年度内をめどに答申をいただく予定でございます。本市といたしましては、審議の経過や答申の内容を十分に勘案し、また住民の皆様の御意見も伺いながら、該当する地域に居住する市民の皆様へのサービスに支障を来すことがないよう、引き続き対応してまいります。          〔9番 高本一臣議員 登壇〕 ◆高本一臣 議員  審議会の答申を年度内にいただく予定だという答弁でございました。実は、市長も今月の市政だよりに掲載されていますドンドン語ろうで、校区の区割り見直しの質問に対し、政令指定都市に移行し5年がたち、行政区の区割りの問題も含めて検討する時期に来ていると答えていらっしゃいます。現場主義を貫かれ、住民の意見を伺いながら、該当する地域に住まわれている市民へのサービスに支障がないよう対応していただきますよう要望いたします。  以上で今回私が用意しました質問は全て終わりました。御清聴いただきました議員各位の皆様に感謝しますと同時に、本日は9月1日、防災の日でもあります。あの昨年の2度にわたる大きな地震のことをいつまでも心にとめて忘れず、本市も少しずつでも前進しなければいけないと考えております。  本日はどうもありがとうございました。(拍手)       ──────────────────────────── ○澤田昌作 議長  この際、議事の都合により休憩いたします。  午後2時に再開いたします。                             午前11時22分 休憩                             ───────────                             午後 2時00分 再開 ○澤田昌作 議長  休憩前に引き続き会議を開きます。       ──────────────────────────── ○澤田昌作 議長  一般質問を続行いたします。上田芳裕議員。          〔26番 上田芳裕議員 登壇 拍手〕 ◆上田芳裕 議員  皆さん、こんにちは。市民連合の上田芳裕でございます。  第3回定例会に質問の機会を与えていただきました先輩、同僚議員の皆様に感謝申し上げます。  さて、熊本地震から1年5カ月が経過しようとしております。まだまだ多くの市民の皆さんがもとの生活を取り戻すために、懸命に日々を過ごされておられます。また、全国的には、7月の九州北部地方を襲った集中豪雨を初め台風災害など、たび重なる大規模自然災害が日本列島を襲っております。改めて犠牲となられた方、被災された方々にお悔やみとお見舞いを申し上げますとともに、各被災自治体では現在も復旧・復興に御苦労されているというふうに思います。熊本地震の際も思いましたが、自然災害の猛威に人が施すすべの少なさを痛感する次第でございます。  さて、本日9月1日は、新学期の始まり、高本議員も触れられました防災の日でもあります。また、私が所属します民進党では臨時党大会が行われ、新代表選挙が今まさしく行われております。そちらの結果も気になるところではございますが、早速通告に沿って質問してまいります。  幾つか項目が重複しているところもございますけれども、私なりに切り口を変えて質問してまいりますので、大西市長を初め執行部の皆さん、どうぞよろしくお願いいたします。  まず初めに、熊本地震からの復興に向けて、特に入居期限が迫っているみなしを含みます仮設住宅と、その他公営住宅入居者への対応についてお尋ねいたします。  御案内のとおり、災害救助法による仮設住宅入居期限が2年ということで、一番早い方で来年の4月には期限を迎える被災世帯が生じてきます。これまでも県と同様に、国への期限延長の要望は行われてきましたが、いまだ道筋が見えない状況でございます。仮設住宅へ入居されている皆さんの不安を察すると、一日も早い国の判断が求められます。  そのような中、本市ではみなしを含む仮設住宅入居者1万884世帯に対し、訪問による聞き取りや、調査票回収により、今後のニーズの実態が明らかとなりました。その分析によると、住宅再建など自立可能が4,501世帯、福祉的な支援が必要が695世帯、住宅支援が必要が2,434世帯、住宅支援と福祉支援の両方必要が1,335世帯であり、実に全入居世帯1万884世帯の約35%の3,769世帯が、恒久的な住まいへ移行するには自力だけでは困難という状況が見えてきました。  本市では、本年7月から伴走型住宅確保支援事業を開始し、住宅確保へ向けた3,769世帯に対し、民間賃貸住宅や公営住宅等へのマッチング、入居手続支援などに取り組まれておられます。加えて、白藤、大江、舞原地区に災害公営住宅120戸の建設も進められておられます。  私は、2年の入居期限が迫っているということ、恒久的な住まいへの支援が必要な世帯が3,769世帯あること、またそのような状況で災害公営住宅は120戸にとどまっていること等を考えると、第一は住宅確保に支援の必要な世帯へ寄り添った対応を行い、自立可能な世帯と合わせて一日でも早く恒久的な住まいへ移行されること、そして経済的な理由などから住宅確保ができない世帯へは、入居期限2年という課題に対し、早急に道筋を見せることだろうというふうに思います。  そこで4点お尋ねいたします。  1点目として、みなしを含む仮設住宅入居世帯1万884世帯のうち、住宅支援が必要な3,769世帯に対しては、伴走型住宅確保支援に取り組まれておられますが、仮設住宅入居期限2年で考えた場合に、早い世帯ではみなし仮設で来年4月、集合仮設団地で来年6月から9月が期限となります。  特に、入居者、オーナー、本市との三者間契約を結んでいる民間賃貸住宅へ入居されている世帯では、賃貸契約上、継続契約か転居かという手続的な判断期限もあり、本年10月から順次判断が迫られる期限となると聞いています。伴走型住宅確保支援の取り組みの現状とスケジュール感についてお尋ねいたします。  2点目として、これまでみなしを含む仮設住宅入居者への訪問、聞き取り調査等では、1万884世帯中、8,965世帯と対応でき、分析等の取り組みが行われていますが、みなしを含む仮設住宅入居者と接触できていない世帯が約1,300世帯あるとお聞きしております。そういった世帯へはどのように実態把握され、取り組まれるのでしょうか。今後の課題認識も含めてお尋ねいたします。  3点目として、南区城南町にある5つの仮設住宅には370世帯が入居されておられます。実に集合仮設住宅全体の7割以上の世帯が入居されているということからは、全体数の120戸の拡充に加え、南区城南町への災害公営住宅の拡充建設が求められると考えます。  現在、150戸までの予算確保はできていますが、今後、伴走型支援の状況次第では、仮設入居者のニーズへ的確に対応した災害公営住宅の建設拡充にも早期対応が求められると考えます。必要な予算確保など、今後の取り組みについてお尋ねいたします。  4点目として、仮設住宅の期間延長についてお尋ねいたします。この件は、熊本県が窓口となって鋭意国とも協議されており、これまでの質問でも触れられておりますが、期間延長されるのかという心配もありますが、加えてこれまでの全国各地での災害において、仮設住宅の延長が所得制限などの条件つきで実施されたケースがあるとお聞きしています。大変心配しておりますが、本市としてどのように認識されておられますでしょうか。御見解をお尋ねいたします。  引き続きまして、地域防災計画における校区単位での防災組織設立に関し、お尋ねいたします。  本市では、熊本地震からの教訓を生かすために、発災当時から大変混乱した避難所での対応や、運営マニュアルの徹底に向け、本年4月より各校区単位での防災組織として校区防災連絡会の立ち上げに取り組まれておられます。校区によっては、自主的な避難所訓練などを行われている地域もありますが、全市的に取り組むことにより、熊本地震の被災を風化させず、いざ災害のときの備えとして積極的に啓発推進していただきたいと考えます。  そこでお尋ねいたします。  校区単位での防災組織づくりは、これまでの自治会単位での自主防災クラブ以上に行政からの仕掛けに加え、その後の運営面や人材面に対する行政支援の取り組みが必要であると考えますが、いかがでしょうか。取り組み状況とあわせて御見解をお尋ねいたします。  以上、政策局長、都市建設局長にお尋ねいたします。          〔古庄修治政策局長 登壇〕 ◎古庄修治 政策局長  熊本地震からの復興に関する4点の質問に順次お答え申し上げます。  まず第1点の伴走型住宅支援の取り組みについてでございます。まずスケジュールについてでございますが、仮設住宅に入居される方々の住まい再建を目的に、本年7月から伴走型住まい確保支援事業を開始しているところでございます。本年度は、災害救助法に基づく仮設住宅の供与期間を念頭に置いてスケジュールを立てておりまして、まず来年度上半期に期間満了を迎える約2,500世帯について、本年10月以降、借地借家法第38条に基づく入居期間満了の通知を順次行うとともに、あわせて重点的に住まいの移行支援を行っております。
     現在は仮設住宅入居者のうち、特に経済的な課題を抱える市営住宅への入居希望者を中心に、戸別訪問等による意向確認や、具体的な物件のマッチング作業等に着手しており、鋭意取り組みを進めているところでございます。議員御指摘のとおり、入居者の方々へ一日も早く道筋を示すことが必要と考えておりまして、これまで以上にスピード感を持って取り組んでまいる所存でございます。  引き続き、伴走型住宅支援に関し、接触できていない仮設入居世帯の実態把握についてでございますが、昨年11月から各区に地域支え合いセンターを設置しまして、市民病院の看護師による見守りや、生活・健康の訪問相談などの支援に取り組んでまいったところでございます。訪問するも不在で、入居者と接触が図られていない世帯については、夜間の訪問や電話連絡、あるいは不在票の投函等を繰り返し行うことで対応を図ってまいっております。  議員御指摘のまだ接触が図られていない1,300世帯の内訳は、入居契約が成立したばかりで、現在地域支え合いセンターにおいて早急に訪問準備を進めている約750世帯、繰り返し訪問等を行ってもいまだに一度も接触を図られていない約500世帯となっております。  特に、これらの接触が図られていない世帯への対応については重要な課題と考えておりまして、今後さらに訪問等の取り組みを強化するとともに、関係機関と連携しまして早急に詳細な実態把握に努めてまいりたいと考えています。  引き続き、仮設住宅の期間延長についてでございますが、御心配の点でございますが、災害救助法に基づく仮設住宅の供与延長に伴う所得制限についてでございますが、局地的な水害被害で設けられた事例はあるものの、阪神・淡路大震災、新潟県中越地震、あるいは東日本大震災など、熊本地震と類似するような大震災においてこれまで所得制限が設けられた事例はございません。  私どもとしましては、これまで申し上げましたとおり、供与期間の延長については、被災者の一日も早い生活再建のため、個々の実情に応じた柔軟な対応が必要であると考えておりまして、そのような対応を図ってまいりたいと考えております。  最後に、校区単位での防災組織についてでございますが、熊本地震では特に指定避難所の開設・運営において地域や学校との連絡不足等により、特に初期において混乱や支障が生じたことから、市民、地域、行政の緊密な連携による災害対応力の強化を基本に、組織体制の整備に取り組むことといたしたところでございます。  校区防災連絡会については、平成30年度までに市内の全92校区4地区で設立していただくことを目標に掲げ、現在取り組んでおるところでございまして、進捗状況としましては、規約や役員名簿を作成し、校区自治協議会で承認され、既に設立済みが6校区でございまして、各自治協議会などで設立に向けた協議に進んでいるところが33校区となっております。  次に、各校区等の行政からの仕掛けや運営面、人材面への支援についてでございますが、危機管理防災総室、区役所、まちづくりセンターの地域担当、あるいは避難所担当職員が事前の打ち合わせや会議に積極的に参加し、他校区の取り組み状況の情報提供を行うとともに、避難所ごとの役割分担、規約や名簿等の作成など運営面に対するアドバイスを行っておるところでございます。こういう形で設立から運営まで地域と行政が連携して、現在取り組みを進めているところでございます。  また、全市的に開催する防災訓練の中で校区単位の避難訓練や防災訓練と連携し、区役所との情報伝達訓練や物資配送訓練を行うなど、地域防災力の強化に継続的に取り組んでいるところでございます。加えて今後は、避難所運営に必要な資機材の提供や、さらには地域の防災リーダーの育成などへの支援についても積極的に取り組んでまいりたいと考えております。          〔肝付幸治都市建設局長 登壇〕 ◎肝付幸治 都市建設局長  私からは災害公営住宅の拡充等についてお答えいたします。  災害公営住宅につきましては、地域コミュニティの維持やバリアフリー対応及び既存市営住宅ストックが不足する地域に対応するため、昨年10月の意向調査に基づき、これまでに150戸程度の整備を行うこととしているところでございます。その整備に当たっては市有地を基本に用地の選定を行い、白藤地域に80戸程度、城南地域に20戸程度、大江地域に20戸程度整備することとし、本年度中の着工を目指しております。また、東区内に30戸程度の整備の検討も行っているところでございます。  しかしながら、本年2月から改めて実施いたしました恒久的な住まいの意向調査では、議員御指摘のとおり、既存市営住宅ストックが不足する城南地域への入居希望者が当初より増加する結果となっております。  そのようなことから、現在行われております伴走型支援での聞き取り調査により、入居希望者の意向を的確に把握し、既存ストックを最大限活用した上で、追加整備についても検討してまいりたいと考えております。          〔26番 上田芳裕議員 登壇〕 ◆上田芳裕 議員  仮設住宅入居者への伴走型住宅支援の取り組みについては、入居期限を見据えた重点的な取り組みなど、一定評価するところではありますが、接触すらできていない世帯が500世帯もあり、ニーズ調査がこれからという世帯を含めると、1,300世帯あります。スピード感を持って取り組まれるとのことでございますが、私は来年3月までの取り組みが極めて重要となると考えております。復興総室を軸に、全庁を挙げた取り組みとなるよう、御尽力をいただきたいと要望いたします。  また、災害公営住宅の拡充については、昨日の山部議員も触れられておられますが、特に地域コミュニティを重要視すれば、南区城南町への対応は必要不可欠となると考えております。しかしながら、災害公営住宅の拡充には国や関係機関との協議が前提となりますし、特に南区城南町には市営住宅等のストックがないことや、公用地がないなどの用地取得への課題もあるというふうに聞いております。  これまで申した今後の伴走型支援や、災害公営住宅の拡充を初めとした仮設住宅入居者の恒久的な住まい確保の取り組みは、入居期限を十分見据えた時間との闘いも生じてくると考えております。伴走型住宅支援の取り組みも含め、そういった状況を見据えた取り組みとなるというふうに考えておりますけれども、気負いしない大西市長の強いリーダーシップと判断をお願いしておきます。  校区防災連絡会の設立に対しては、大いに推進すべき取り組みではあります。しかしながら、校区といった地域には地域特有の課題もあり、行政からのサポート支援が必要となります。校区住民に対しては、まちづくりセンター地域担当職員や、避難所配置されている職員などと一体となった取り組み展開を強く要望しておきます。これまでさまざまに御答弁をいただきましたが、入居期限の延長が今一番求められております。期間延長に際し、大規模地震災害ではこれまで所得制限などの条件つきといった事例はないとのことで安心していますが、引き続き県と被災自治体が一体となって、仮設住宅の入居期限延長への国対応の強化をお願い申し上げて、次の質問に移らせていただきます。  引き続きまして、市長公約の進捗と今後の取り組みについてお尋ねいたします。  大西市長は、平成26年11月、130項目のマニフェストを示し、見事当選され、政令市熊本のセカンドステージと位置づけ、そのマニフェストの実現に取り組みが行われてきました。市民の皆さんとの30回もの政策立案会議を経て、地域主義、地域発の成長戦略、公平公正の相互信頼という基本的なお考えのもと、分野ごとに実に130項目もの実現させたい施策を掲げられました。  御案内のとおり、当選後初の予算編成でありました平成27年度には、この市長公約を踏まえた第7次総合計画を策定され、計画期間も市長任期に沿った期間に改められるなど、任期期間における公約の事業実現を重要視されたと考えます。  大西市長となり、市民が市長のシンクタンクという考えに基づいた各種施策の実現に大いに期待していたわけですが、昨年4月の熊本地震の発災により、市民や事業者の皆さんの生活基盤が一変いたしました。  復旧・復興に向けては本年3月での試算によると、公共施設等の復旧、被災者支援など国からのさまざまな補助金や復興基金を活用しても、本市財政に与える影響額は約175億円と試算されており、今後の被災者支援のありようによっては、その額も膨らむことも想定されます。そうした被災者支援を初めとした熊本地震からの復旧・復興が最優先される中、昨年10月には震災復興計画を盛り込んだ第7次総合計画を見直さざるを得ないといった状況に陥ってしまいました。  そのように、市政運営に当たって大変厳しい状況の中ではありますが、市長の130項目の公約を見ると、任期中着手、実現という点では、1つに教育コンシェルジュの設置、2つに公設公民館へのまちづくり支援センターの設置、3つとして政策局の設置、4つとして地域支援コンシェルジュ、現在では地域担当職員の配置など、目に見えて達成されている項目も数多くございます。  大西市長の任期もあと1年3カ月余り、全てのマニフェスト実現とまでは言いませんが、来年に控えた平成30年度当初予算編成が任期最終の予算編成となり、市長公約のみで考えると大西市長がいかに優先度を判断し、事業実施するのか大変注目されると考えます。  そこで4点お尋ねいたします。  1点目として、熊本地震からの復興が最優先される中ではありますが、市長の公約実現に向けた大西市長の現時点でのお考えについてお尋ねいたします。  2点目として、その視点に立って130項目で子供医療費助成の拡大など、任期中実現可能な取り組みを含め、公約実現できる取り組みはどの程度あるとお考えなのかについて。  3点目として、市長公約の実現に向けては、本市施策展開における優先度や国補助が必要で達成できていないもの、さらには熊本地震の影響でできていない、困難なものが何項目どの程度あると御認識されていますでしょうか。大西市長のお考えについてお尋ねいたします。  4点目として、本市では既に平成30年度当初予算に対し、各局要求などの取り組みが始まっていると思いますが、公約実現に向け、新年度最も重要視する実現させたい取り組みについて現時点での御見解をお尋ねいたします。  以上、大西市長にお尋ねいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  まず1点目の、お尋ねの復興優先の中での公約実現に向けた考え方についてお答えいたします。  私は、熊本市長に就任した後、市長選で掲げましたマニフェストに基づくまちづくりを着実に進めるため、これらを盛り込んだ第7次総合計画の策定に速やかに着手いたしますとともに、130項目のうち、特に市民から要望の高かったものについては、優先的に取り組まなければならないと考えております。  このようなことから、熊本地震後は市民生活の再建を最優先に、市民病院や熊本城を初め、被災した社会基盤等の復旧に全力で取り組む一方で、マニフェストに掲げた子育て支援や教育環境の整備、地域経済の活性化、さらには地域主義によるまちづくりの推進など、熊本の未来にとって不可欠な取り組みについても速度を緩めずに進めてきたところでございます。  次に、マニフェストの進捗状況に関しましては、熊本地震というマニフェスト策定時には想定していなかった大災害に見舞われたものの、先ほど議員が述べられたまちづくりセンターの設置や、地域担当職員の配置など既に達成できた項目に加えまして、子供医療費の拡充や、学校施設へのエアコン設置など、今後達成見込みの項目を含め、約6割程度は順調に進んでいるのではないかと考えております。  一方、熊本城と市街地の回遊性の向上など、熊本地震に伴い中断している項目に加えまして、巡回区役所の導入など、さらに調査研究が必要であることが明らかとなった項目もあり、現時点で達成のめどが立っていないものも1割程度残っております。  新年度に向け最も重要視し、実現させたい取り組みというお尋ねにつきましては、今なお2万人を超える方々が仮設住宅等に入居されるという状況におきましては、まずは全ての被災者の生活再建をやり遂げなければならないと考えております。さらに、熊本の未来にとって不可欠な取り組みついては、震災復興と並行して充実強化を図る必要があると考えております。  一例として挙げますと、小中学校における英語教育の充実やICT教育などの教育環境の向上、それから放課後児童対策や待機児童対策などの子育て支援の充実、また利便性の高い公共交通体系の再整備、さらには地域主義に基づく協働のまちづくりの推進や、市役所みずからが率先した働き方改革などに特に力を入れて取り組んでまいりたいと考えております。          〔26番 上田芳裕議員 登壇〕 ◆上田芳裕 議員  このタイミングで市長公約の進捗や今後の取り組みに関し、お尋ね申し上げましたのは、市長が本年7月に熊本地震からの復旧・復興とあわせて国へ要望された平成30年度重点施策の要望の中で、市長公約でございますこうのとりのゆりかごに関する要望があったからでございます。復旧・復興を最優先としながらも着実に公約実現を意識した取り組みが進められているというふうに強く感じられましたもので質問させていただきました。  130項目一つ一つの検証は御答弁にもございましたとおり、まちづくりセンターの設置や子供医療費助成の拡充、学校施設へのエアコン設置など具体的に示せるものと、市長のマニフェストの中で安全安心な地域環境整備の項での安全対策や避難体制の強化で掲げられている取り組みなど、熊本地震からの影響でよりハードルが上がった施策などもあり、自己評価は大変難しかったというふうに思っております。  大西市長の方からは、全体として約6割程度は順調に進んでいるとの御答弁でございましたけれども、私見ではございますけれども、私も一つ一つ項目を見せていただきましたが、大体7割から8割ぐらいは着手を含め達成度が見えているというふうに感じているところでございます。また、任期最終での来年度予算編成において最も重要視する実現させたい取り組みについては、現時点では具体的にはお答えできないと考えますが、キーワードについて御答弁をいただきました。  1つは全ての被災者の生活再建、2つは市民からの要望の高い取り組み、3つは熊本の未来にとって不可欠な取り組みであり、一例として子育て支援、公共交通の再整備、協働のまちづくり、市役所の働き方改革など取り組みの分野を挙げられました。  次年度においてそれら具体的事業が当初予算のポイントとして示され、先ほど述べました3つのキーワードとともに、大西市長の公約実現の最大化につながることを強く御期待申し上げて、次の質問に移らせていただきます。  引き続きまして、労働力不足への対応についてお尋ねいたします。  本年7月27日の地元地方紙に、地方、働き手確保できず。人口減、解決へ本腰をという見出しで、地方でも景気改善が図られるも、ここへきて大きく顕在化してきたのが人手不足である、地方でも人材確保に苦しんでいる状況が鮮明となったという各都道府県にある地域シンクタンクや金融機関へのアンケート調査の結果に基づいた記事が掲載されました。  労働力不足については、これまで保育や介護職といった福祉サービスを担う人材不足への懸念について議会でも論じられ、私を初め多くの議員の皆さんがその対策を強く求めてきた課題でございます。しかし、人口減少という難題が社会全体の労働力不足という問題を投げかけているのだというふうに考えます。  本市では労働力不足という観点ではないのかもしれませんが、若者や女性、障がいをお持ちの方などの就労支援に取り組まれておられますが、ここへきて働き手不足という課題への対応も必要となるのではないでしょうか。  そこでお尋ねいたします。  まず、全国的傾向として紹介いたしました人口減少を要因とした労働力不足への対応に対し、全国及び熊本市という2つの視点で、どのように認識されておられますでしょうか。労働力不足に対する現状認識について、大西市長にお尋ねいたします。  また、高齢者就労支援については、昨年からハローワークで生涯現役支援窓口を設置し、シニア向け対応が始まっているとお聞きします。今後の労働力不足への対応として、私は若者や女性、障がいをお持ちの方への就労支援などの取り組みに加え、新たに本市の就労支援として高齢者雇用に視点を置いた取り組みを展開すべきと考えます。  加えまして、本市施策として高齢者をターゲットとした就労支援策はない中、高齢者の就労支援というよりも、福祉の増進、生きがいづくりを目的にシルバー人材センターが高齢者雇用の取り組みを行っておられます。そうした元気高齢者の活躍の場であるシルバー人材センターでは、昨年平成28年4月から就業可能な業務選択肢の拡大など、その機能強化が図られているとお聞きしております。具体的には、昨年から週20時間の就労時間制限を週40時間、10日程度であった月当たりの就労日数制限をなくすというものでございます。就業時間がふえるということで、シルバー人材センターの紹介できる業務がふえ、それまでは清掃や駐輪場管理、枝木の剪定などが主であったものが、人手不足で悩むサービス業や中小企業など、雇用につながることが期待されているとお聞きしております。  そこで2点目のお尋ねでございます。  本市では、若者や女性をターゲットとした就労支援などに取り組まれていますが、高齢者就労に対する取り組みが現在ございません。労働力不足に対応として、新たに高齢者雇用に視点を置いた取り組みを展開すべきと考えますが、いかがでしょうか。現在の取り組み状況と成果、さらに高齢者就労支援に向けた今後の取り組みについて経済観光局長にお尋ねいたします。  2つ目として、テーマとしております労働力不足への対応として、元気高齢者の活躍拡大に向け、私はシルバー人材センターを大きく位置づけ、取り組みを強化すべきと考えています。昨年4月からの機能強化により、シルバー人材センターに登録されている方の登録者数の増加といった就労拡大につながっているのでしょうか。シルバー人材センターの現状と課題認識について、健康福祉局長にお尋ねいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  人口減少を要因とした労働力不足への対応に関して、全国及び熊本市の2つの視点から私の認識についてお答えいたします。  全国的な労働力不足について、最大の要因は少子化等による労働力人口の減少という構造的なものと認識しておりまして、その対応策として、まずは高齢者、女性、その他の多様な人材の活躍、活用がこれまで以上に求められていくものと理解しております。また、若年労働力の域外流出抑制やAI、IoT等の導入など、生産性の向上なども重要と考えております。  次に、本市においては全国的な傾向に加えまして、復興需要による求人増という特殊要因も加味され、熊本職業安定所管内の有効求人倍率が昨年の8月以降、継続して全国平均を上回って推移しております。  労働力不足は、本市経済に大きな影響を与えるほど深刻な課題と認識しておりまして、今後本格化する復興にも支障を来すのではないかという強い危機感を持っております。そのため、今後さらに高齢者、女性等の人材活用、若年労働力の域内就職や雇用のミスマッチ解消に向けて、より具体的な取り組みを進めていかなければならないと考えております。          〔中村英文経済観光局長 登壇〕 ◎中村英文 経済観光局長  就労支援の取り組み状況と成果及び高齢者就労支援に向けた今後の取り組みについてお答えいたします。  熊本市しごと・ひと・まち創生総合戦略を着実に推進するため、昨年度本市におきましてもしごとづくり推進室を設置いたしまして、国や県などとも連携を図りながら、就労の支援、産業人材の育成や事業主、雇用主への助成などに取り組んでおります。  これまで年齢や性別での枠を設けない求職者全般に向けた就労支援として、UIJターン就職面談会を初めとする合同就職面談会などを関係機関と連携し実施いたしまして、昨年度は493名の正規雇用内定者を生み出すことができたところでございます。          〔議長退席、副議長着席〕  また、中高年齢者を対象としました施策といたしまして、熊本市勤労者福祉センターにおいて実施するライフプランセミナーの中で生活設計のアドバイスを行いますとともに、定年後の就労啓発なども行っております。  今後の取り組みといたしましては、高齢者など多様な人材が活躍できるよう事業を精査し、昨年度開設いたしました地場企業PRサイトにおきまして、高齢者などを積極的に受け入れる企業を掲載するなど、高齢者と企業とのマッチングを促進するような事業にも取り組んでまいりたいと考えております。  さらに、高齢者就労支援を実施している熊本労働局や、熊本県、本市におきましても福祉関係部局などと連携を密にしながら、高齢者などが積極的に働ける環境づくりなどの推進に努めてまいりたいと考えております。          〔池田泰紀健康福祉局長 登壇〕 ◎池田泰紀 健康福祉局長  私の方からは熊本市シルバー人材センターに関する御質問にお答え申し上げます。  まず、御質問の平成28年4月からのシルバー人材センターの機能強化につきましては、生涯現役社会の実現に向けた高年齢者の就労促進、高年齢者が地域で働ける場や社会を支える活動ができる場の拡大を目的として、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律が改正されたものでございます。  法改正によりまして、シルバー人材センターが会員に提供することができる業務について、おおむね週20時間を超えないことから、都道府県知事が指定した場合、派遣と職業紹介に限り、会員に週40時間を上限とする業務を提供することができるとされております。  現在、熊本市シルバー人材センターでは、熊本県シルバー人材センター連合会と連携し、県知事指定を受けるに当たって必要な準備を進めていると伺っております。  また、熊本市シルバー人材センターの現状及び課題といたしましては、定年延長の影響等による新規会員数の伸び悩みや、就労機会のさらなる拡大確保が課題となっており、熊本地震後は、転居等、被災の影響による会員数の減少や、震災の影響による受注の落ち込み等が生じている状況でございます。  シルバー人材センターの活動は、高齢者の方々が社会参加をすることによる生きがいづくり等に加え、労働力不足への対応や社会貢献にもつながるものと考えており、活力ある地域社会づくりを目指すシルバー人材センターへのニーズは今後さらに高まっていくものと考えております。本市といたしましても、シルバー人材センターの活動の活性化に期待するとともに、引き続きその活動を支援いたしてまいります。          〔26番 上田芳裕議員 登壇〕 ◆上田芳裕 議員  熊本地震からの復興需要の高まりに加えて、本格的な人口減少が引き起こす課題として、労働力不足への対応についてお尋ね申し上げました。当然のことながら、大西市長もこれまで以上に多様な人材の活躍や活用が必要と認識されておられます。国際社会から見ると、外国人労働者やロボットといった発想もあるようですが、特に私は生涯現役社会、元気高齢者の活躍を生かしつつ、労働力不足という構造的課題に対応することも必要であるというふうに考えております。  御答弁では、これまでの事業を精査し、高齢者と企業とのマッチング促進に向けた事業展開など、高齢者が積極的に働ける環境づくりに努めるとのことでございます。高齢者の皆さんにターゲットを絞った本市施策の展開に大きく期待を申し上げますし、あわせてハローワークでの生涯現役支援事業との連携を深めていただいて、高齢者の皆さんの就労ニーズの把握をした上での取り組み、展開となるよう、御尽力をいただきたいというふうに思います。  また、シルバー人材センターにおける機能強化に対する現状等についてもお尋ねいたしました。シルバー人材センターの設立の趣旨が高齢者の福祉増進、生きがいづくりであることからは、高齢者の就労支援とは結びつかない件もありますが、元気高齢者の活躍の場を拡大させていくことは大変重要であると考えます。機能強化による対応については、今後、県のシルバー人材センターとの連携を強化していただいて、シルバー人材センターでの業容拡大、登録者数の拡大に御尽力をいただきたいというふうに思います。  加えて、そうしたシルバー人材センターの業容拡大に対しましては、経済観光局しごとづくり推進室での対応も必要であると考えております。所管をいたします健康福祉局と経済観光局との連携についても、御検討をいただくよう要望し、次の質問に移ります。  続きまして、教育課題に移ります。  まず、県費負担教職員の権限移譲による効果についてお尋ねいたします。  御案内のとおり、本年4月より県費負担教職員の権限が本市に移譲され、小中学校における学級編制基準や教職員定数などが主体的に決定できるようになりました。権限移譲による財源については、本年第1回定例会において、約334億円の歳出に必要な財源は、国庫負担金約82億円、県負担金約155億円のほか、地方交付税等で措置され影響はないと答弁されておられます。  また、権限移譲のメリットとして地域や学校の特色または課題に応じて、学力向上や生徒指導の充実のために重点的な人員配置を行い、教職員定数のもとで、各学校の実態に即した柔軟な職員配置を進めたいとも答弁されています。権限が移譲された学級編制基準や教職員定数などにより、その効果が大いに求められると考えます。  そこで、県費負担教職員の権限移譲による効果についてお尋ねいたします。  権限が移譲される以前においても決められた教職員の定数以外に、本市独自での学級支援員など加配措置が行われ、課題対応に取り組まれてきました。今回の権限移譲のメリットとして、さきに述べました地域や学校の特色または課題対応、学力向上や生徒指導の充実のための重点的な人員配置など、学校の実態に即した柔軟な職員配置に努められているとは思いますが、本年度の取り組み状況と効果についてお尋ねいたします。また、重点的な人員配置など各学校の実態に即した柔軟な職員配置に向けた課題認識と今後の取り組みについてもお尋ねいたします。  引き続きまして、学習指導要領改訂に関しお尋ねいたします。  本年3月学習指導要領の改正により、周知や移行期間を経て小学校では平成32年度から、中学校では平成33年度から新学習指導要領による取り組みが行われます。それに先駆け平成30年度から小学校では英語、道徳の教科化に向けた先行実施が行われ、平成31年度からは中学校で道徳の教科化が実施されます。加えて、平成30年度から小中学校では土曜授業が実施されることとなっています。  児童・生徒への幅広い学習環境が整備されていくことは否定はいたしませんが、一方でさらなる教職員の多忙化や、精神的な負担増とならないか大変懸念しております。特に、改正される学習指導要領では、アクティブラーニングという考え方に基づき、教師の指導や授業手法についても変更されると聞いております。  まさに、小中学校における学習や指導環境の大転換期を迎えていると感じています。さきに申しましたが、改訂された新学習指導要領に的確に対応し、児童・生徒の学びの力を高めることは大いに賛同するものですが、現在の学習内容は削らずに、英語、道徳の教科化への取り組み、土曜授業の実施、授業手法の変更など、さらなる教職員の多忙化や精神的な負担増とならない取り組みが重要となると考えます。  そこで3点お尋ねいたします。  まず、今回の学習指導要領のポイントについて教育委員会としてどのように認識されておられますでしょうか。アクティブラーニングといった考えで授業手法が変更されますが、アクティブラーニングの意味する点についても教育委員会の御見解をお尋ねいたします。  2点目として、英語の教科化に対しては、小学校でモデル校を指定し、既に準備が進められているようですが、道徳の教科化、土曜授業、さらにはアクティブラーニングという考えでの授業手法の変更に対する教育委員会としての課題認識と今後の取り組みについてお尋ねいたします。  3点目として、中央教育審議会では、新学習指導要領の実施に向けては、教員の資質、能力の向上、指導体制の整備充実など、必要な条件整備が必要不可欠と提言されていますが、新学習指導要領の実施に向けた必要な条件整備についての御見解をお尋ねいたします。  引き続きまして、大学入試制度改革への対応についてお尋ねいたします。  2020年度から大学入試制度が変更、改革され、具体的にはセンター試験が2020年1月の実施を最後に廃止され、大学入学共通テストとして2021年春から実施されるようです。  現在のセンター試験からの大きな変更として、新たに記述式問題の導入と、英語について読む、聞く、話す、書くの4技能が評価され、現在のセンター試験と比較すると難易度が高くなるとも言われております。
     そこでお尋ねいたします。  2021年1月からさきに述べましたように大学入試制度が大きく改革されます。本年度の中学3年生が2021年春に受験する時期がスタートとなりますが、この大学入試制度改革の概要、または教育委員会としての今後の対応について教職員、生徒、保護者への周知を含めてお尋ねいたします。  以上、教育長にお尋ねします。          〔遠藤洋路教育長 登壇〕 ◎遠藤洋路 教育長  全部で5点いただきましたので、順次お答えいたします。  まず、県費負担教職員の権限移譲による効果についてお答えいたします。  権限移譲によって、熊本県との協議が不要となったことから、本年度は本市独自の計画に基づいた新規採用と希望者全員の再任用を行いました。その結果、従来から課題となっていた臨時的任用教職員の割合の改善につながっております。  一方で、権限移譲後の教職員の定数については、これまで県から配当されていたものと同程度となったことから、本年度は原則としてこれまでの配置基準を維持したところでございます。  来年度以降、国から本市への配当に大幅な増減はないものと見込まれますが、国において進められている定数改善を踏まえつつ、権限移譲で得られた市独自の裁量権を生かし、各学校の実態に即した柔軟な配置となるよう、工夫して取り組んでいきたいと考えております。  次に、学習指導要領への対応についてお答えいたします。まず、アクティブラーニングについてです。新学習指導要領は社会に開かれた教育課程を重視し、現行学習指導要領の枠組みや教育内容は維持した上で、知識や理解の質をさらに高め、確かな学力、豊かな心、健やかな体を育成することを基本に主体的・対話的で深い学びの実現を目指しております。  この主体的・対話的で深い学びを実現するために、中央教育審議会の答申で示されたアクティブラーニングの視点から、問題解決的な学習や体験活動、グループディスカッションなど、子供たちが積極的に自分の考えを他者に伝えたり、子供同士が教え合うなど、積極的な授業改善に取り組んでおります。  次に、学習指導要領の改訂に伴う授業手法の変更についてですが、英語の教科化については、モデル校や指定校の成果、課題等を踏まえ、国に先駆けて平成30年度、来年度から全ての小学校で先行実施をすることにしております。道徳の教科化については、平成26年度に道徳教育推進協議会を立ち上げ、研修や授業研究会等を通じて、教職員の理解を深めてきております。その結果も受けて本年度から全ての小中学校で教科化の趣旨にのっとった授業を実施しているところであります。  また、土曜授業については、学校独自の教育活動の充実を図ること、開かれた学校づくりを推進することを目的に、モデル校での2年間の実践を踏まえ、平成30年度から全ての小中学校で実施することにしております。家庭、地域との連携による授業や行事、保護者、地域住民等への公開授業など、年間4日程度を予定しているところです。  次に、学習指導要領の改訂実施に向けた条件整備についてですが、新学習指導要領は先ほど御質問にもありましたとおり、小学校で平成32年度、中学校で平成33年度から全面実施となりますが、御指摘のように本市では本年度からの道徳、また来年度からの小学校英語など、本格実施に先立って先行実施を行っており、円滑な移行に向けて取り組んでおります。  今後も校内研修や授業研究会での取り組み、学校訪問での指導助言など、新学習指導要領の周知徹底を図るとともに、必要に応じてALTの増員や先ほどの市長答弁にもありましたICT環境の整備などに取り組み、関係機関と連携して円滑な実施に向けて取り組んでまいります。  5点目ですが、大学入試制度改革への対応についてお答えいたします。  新大学入試制度では、学力の3要素であります知識・技能、思考力・判断力・表現力、主体性と協働して学ぶ態度を多面的、総合的に評価する方式に転換されます。具体的には、平成32年度に始まる大学入学共通テストにおいて、記述式の問題が導入され、国語は80から120字程度の問題を含めて3問程度、数学は数式・問題解決の方略などを問う問題3問程度の実施が予定されております。  また、英語については、読む、聞く、話す、書くの4技能を総合的に評価できる問題や、民間の資格検定試験の活用により、英語の能力をバランスよく評価することとされております。  今後も大学入試制度改革について国の動向を注視し、県とも連携しながらモデル問題例やプレテストを参考に、対策の検討、生徒や保護者への周知等を遅滞なく進めてまいります。          〔26番 上田芳裕議員 登壇〕 ◆上田芳裕 議員  県費負担教職員の権限移譲による効果についてお尋ねいたしましたが、臨時採用教職員の割合の減少による改善について御答弁をいただきました。それ以外にも、これまで県に権限がございました加配定数の協議がなくなったということも聞いておりますけれども、本市の小中学校における教職員定数はこれまでと同程度、次年度以降においても大幅な増減は見込めないとのことでございました。権限移譲によってその効果、現実はそう甘くなく、教育現場の充実に向けましては本市独自での予算措置、もしくは教育委員会での柔軟で重点的な教職員の配置のさらなる検討が必要であるというふうに考えます。  これまでも取り組まれておるというふうに思っておりますけれども、支援が必要な児童・生徒への対応、学力向上、児童・生徒との向き合いや指導体制の強化など、教職員配置の充実に向けまして、今後の総合教育会議や教育委員会会議等での具体策の御検討を御要望申し上げます。  また、新学習指導要領の改訂への対応については、その根っこに教職員の多忙化、精神的負担増につながらないかとの懸念から質問させていただきました。アクティブラーニングについては、主体的・対話的な深い学びという表現で、この夏から指導要領改訂の周知、研修会も始まっているというふうにお聞きしております。指導要領の改訂や英語、道徳の教科化、土曜授業の実施など、学校現場は今まさに大きな変革期にあるというふうに考えております。  具体的な指導要領の本格実施は、小学校が平成32年、中学校が平成33年とはなりますが、それぞれの移行期間での万全な対応をお願いするとともに、ぜひ学校の現場教職員の意見や思いなども集約する取り組みについても並行して取り組んでいただき、教職員の多忙化、精神的負担増につながらない対応をお願いしたいというふうに思います。  大学入試制度の改革については、現在の中学校3年生が受験する大学入試につながることから、現時点での御認識をお伺いいたしました。学習指導要領改訂のポイントでもお尋ねしましたが、この大学入試改革については、このアクティブラーニングといった主体的・対話的な深い学びの実現ともつながっているというふうに考えております。今後のさまざまな情報収集を初め、教職員や生徒、保護者へ機を捉えた対応をお願いし、次の質問に移らせていただきます。  引き続きまして、福祉課題について、まず第7期はつらつプラン策定に向けた取り組みに対しお尋ね申し上げます。  高齢者が住みなれた地域で自分らしい生活を続けられる地域社会を目指し、平成22年から住まい、医療、介護、予防、生活支援を一体的に提供することを目的に地域包括ケアシステムの構築を目指されておられます。これまでも一般質問で多くの質疑をしてきましたが、医療と介護の連携、区ごとや地域包括支援センターごとでのネットワークづくり、医療機関、介護施設、NPO、民間事業者等の社会資源の活用など、着実に前進しているとは思いますが、どう成果につながっているのかいま一つ目に見えてこないのが現状だろうというふうに考えます。  そのような中、国では地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部改正がさきの第193回国会で可決、6月2日公布されました。主な改正は、高齢者の自立支援、重度化防止に向けた保険者機能の強化とインセンティブの付与、介護診療病床の受け皿である介護医療院の創設、高齢者と障がい児者への共生型サービスの創設、一定所得以上の高齢者への3割負担の導入、被用者保険の介護納付金への総報酬割の導入などでございます。  時を同じくし、本市では平成30年から平成32年を計画期間とした第7期はつらつプランの策定作業が進められており、現在策定方針案の検討が行われているとお聞きします。第7期はつらつプランの策定に向けては、国の介護保険法改正への対応を初め、第6期の取り組みを検証し、第7期へつなげることがとても重要となると考えます。そうした第6期の実績や今後の方向性については、本年3月に行われました熊本市社会福祉審議会の専門部会でも議論されているとお聞きします。  そこで3点お尋ねいたします。  1点目として、第6期プランの成果と課題についてどのように認識されておられますでしょうか。本年3月の社会福祉審議会での議論経過を含め、お尋ねいたします。  2点目として、当然のことですが第7期はつらつプランは、地域包括ケアシステム強化のための介護保険法一部改正の内容に基づき策定されることとなりますが、先ほど述べました介護保険法の改正項目に対し、本市としてどのように対応されるのでしょうか。法改正への対応に向けた現在の検討状況や課題認識、加えて第7期はつらつプラン策定のポイントと策定スケジュールとあわせてお尋ね申し上げます。  3点目として、第7期はつらつプラン策定に向けた方針案では、介護予防・生活支援の推進に向けた住民主体の新たな通いの場の必要性について記載がされております。新潟市では、平成27年から市長肝いりで地域包括ケア推進モデルハウス事業に取り組まれ、現在ではNPOと連携したモデルハウスを常設型の地域のお茶の間として、空き家等の活用により各区に設置され、地域包括ケアの地域展開の拠点整備に取り組まれておられます。  新潟市の特徴は、地域の住宅等での常設型設置であると考えております。理想は地域包括ケアにおける生活圏域ごとの設置が必要と考えますが、こうした常設型モデルハウスを本市でも各区ごとに設置し、NPO法人や住民を巻き込んだ目に見えるいつでも通える拠点づくりを図り、地域包括ケアの推進を図るべきと考えますが、御見解をお尋ね申し上げます。  以上、健康福祉局長にお尋ねします。          〔池田泰紀健康福祉局長 登壇〕 ◎池田泰紀 健康福祉局長  第7期はつらつプランの策定に関する3点のお尋ねについて、順次お答え申し上げます。  まず、第6期はつらつプランにおける4本の重点的取り組みの成果と課題認識についてでございますが、まず1点目の在宅医療・介護の推進につきましては、医療・介護専門職の多職種連携の強化のための研修会の開催など、顔の見える関係づくりを行うとともに、熊本市版エンディングノートでありますメッセージノートを用いて、市民がみずからの人生の最終段階に受けたい医療について考える機会を創出いたしました。  2点目の認知症高齢者の支援につきましては、医療・介護の専門職で構成します認知症初期集中支援チームを設置するとともに、各区に認知症地域支援推進員を配置するなど、早期発見、早期対応に向けた体制整備を進めてまいりました。  3本目の介護予防と健康づくり及び生活支援の推進につきましては、地域との協働により、高齢者健康サロン等を開催しておりますほか、各地域包括支援センターに生活支援コーディネーターを配置し、地域の特性や課題、地域資源を整理した地域ケア計画の策定に取り組んでまいりました。  さらに、平成29年度からの介護予防・日常生活支援総合事業への対応といたしまして、事業者向けの説明会の開催や利用者への周知などにより、事業の円滑な移行を図ったところでございます。  4本目の本市の実情に応じたサービス基盤の整備につきましては、地域包括ケアシステムの構築を推進する観点から、地域密着型サービスに分類されます施設を積極的に整備することとし、地域密着型特別養護老人ホーム3施設で87床など、特に整備が進んでいない行政区や日常生活圏域について優先的に整備を進めてまいりました。  第6期の取り組み状況を踏まえた今後の課題といたしましては、本年3月に開催されました社会福祉審議会高齢者福祉専門分科会におきまして、医療・介護分野を初めとする各関係機関のさらなる連携の推進や、高齢者を地域で支える体制づくりが必要であるとの御意見を頂戴しているところでございます。  次に、法改正への対応を含む次期プランの策定でございますが、第7期はつらつプランにつきましては、これら第6期における課題の方策に加え、介護予防や自立支援、重度化防止の強化・推進等、地域包括ケアシステムの深化・推進への取り組みとともに、新たな介護保険施設、介護医療院や共生型サービスの創設、さらには介護保険制度の持続可能性の確保を目的といたしました国の法改正に対応する内容につきまして、この5月に設置をいたしました熊本市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画策定委員会で検討を進めているところでございます。  今後はこの策定委員会におけるさらなる検討を経た後、第4回定例会におきまして計画素案の提示を行わせていただき、来年1月のパブリックコメントや市民説明会を経て、今年度中に策定する予定にしております。  最後に、住民主体の新たな通いの場についてでございますが、本市におきましては、住民主体で介護予防に取り組みますくまもと元気くらぶを本年7月に創設したところでございます。本事業は、高齢者が身近な場所に集まり行う、運動を取り入れた活動に対しまして、会場使用料等の活動費の助成や理学療法士等の専門職の派遣などを通して、介護予防活動の場の継続的な運営を支援するものでございます。  まずは、このくまもと元気くらぶの活動を地域に広げるとともに、目に見える拠点づくりといたしましては、介護予防施設や老人福祉センターといった既存施設を活用してまいりたいと考えているところでございます。          〔26番 上田芳裕議員 登壇〕 ◆上田芳裕 議員  第7期はつらつプランについて御答弁をいただきました。プラン策定に向けて4日前、新聞報道で特別養護老人ホーム、特養定員318床等を含めて現在、次期のはつらつプランについては策定中ということで、そのポイントについて御答弁をいただきました。特に、はつらつプラン策定のポイントとして示されました介護予防や、自立支援、重度化防止の取り組み強化につきましては、私は本市が地域支援事業として実施しておられます総合事業と大きくかかわっており、今後は保険者としての本市が適切な手法を示し、その実績を評価する取り組みとなってくるというふうにもお聞きしております。いわば本市がより主体性を持って、いかに自立支援や重度化防止策に取り組むのかが問われてくると考えております。  また、国の介護保険法一部改正への対応につきましては、介護療養病床の受け皿でございます介護医療院や、高齢者と障がい児者が同一の事業所でサービスを受けやすくするための障がいと介護の共生型サービスの創設など、国の仕組みとしてまだ明らかとなっていない点もあるというふうに聞いておりますけれども、第7期はつらつプランの大きな柱になってくるというふうに考えております。関係します医療法人、社会福祉法人といった事業者も数多くいらっしゃるということからも、早期周知、対応できるように御尽力をいただきたいというふうに思います。  また、住民主体の新たな通いの場として地域包括ケア推進に向けた常設型モデルハウスについて提案をいたしましたが、まずはくまもと元気くらぶの地域展開を目指すとのことでございました。私はくまもと元気くらぶの取り組みは推進すべきであるというふうに考えておりますけれども、そういう取り組みの内容を聞きますと、週1回10名以上の参加が条件で、リハビリなどの人員を派遣する補助を行っていくということでございました。私も地元の公民館等で高齢者サロン等も行わせていただいておりますけれども、週1回開催、10名以上の参加、私が考えるととてもハードルが高いのかなというふうに率直に思いました。  いずれにしても、地域で目に見える地域包括ケアの取り組みの展開を強く要望し、次の質問に移ります。  引き続きまして、子供の貧困対策についてお尋ねいたします。  子供の貧困という課題については、これまでも議会で議論されるとともに、平成26年の生活困窮者自立支援法の制定以降、本市においても熊本市福祉相談支援センターを軸に、就労支援、生活支援、子供の学習支援、経済的支援などに取り組み、一定の成果もあるというふうに考えております。  これまでの議論では、子供の貧困率について昨日、山部議員も触れられておられますけれども、1985年で10.9%であったものが、2012年では16.3%と実に子供の6人に1人が相対的貧困状態であり、深刻化が進む子供の貧困への対策が求められてきました。2015年調査では13.9%と若干の改善は見られますが、いまだに高い水準であると言わざるを得ません。  ここで山形大学の戸室健作教授による子供の貧困に対する独自調査について御紹介申し上げます。この調査は、子供の貧困を都道府県ごとに調査することを目的に行われ、初の分析とのことでした。  現在、相対的貧困率13.9%を基準に社会的な対応が求められていますが、この13.9%とは厚生労働省の国民生活基礎調査に基づき算出され、平均的な所得の半分未満で暮らす人は全て貧困状態にあるとみなす、いわば全国平均値でございます。そこで戸室教授は、就業構造基礎調査や被保護者調査などを詳細分析し、都道府県ごとの子供の貧困率を昨年2月に公表されておられます。その結果からは、熊本県は17.2%で全国ワースト10位、最下位の沖縄県は37.5%、最も貧困率の低い都道府県は福井県の5.5%で、その平均は13.8%との結果となっております。  本市でも県と協調して実態調査に取り組むとされておられますが、戸室教授の分析結果からも子供の貧困は喫緊の課題として、さらなる全庁を挙げた取り組みが求められると考えます。  そこでお尋ねいたします。  御紹介いたしました戸室教授による分析によると、熊本県は全国ワースト10位、全国平均を3.4ポイント上回っています。改めて、子供の貧困に対する課題認識についてお尋ねいたします。  また現在、熊本県とともに子供の貧困の実態を明らかにするための基礎調査が行われております。具体的な手法やスケジュールに加え、調査結果の分析から具体的にどうつなげていこうとお考えなのかについてお尋ねいたします。私はこの実態調査に当たり、調査項目の精査段階から行政だけではなく、外部有識者、関係諸団体と連携した協議を積み重ね、そして調査結果の分析、具体的な対策づくりをすべきであると考えますが、いかがでしょうか。今後の取り組みとあわせて、健康福祉局長にお尋ねいたします。          〔池田泰紀健康福祉局長 登壇〕 ◎池田泰紀 健康福祉局長  子供の貧困に関する2点のお尋ねにお答え申し上げます。  まず課題認識でございますが、子供の貧困は経済的要因による衣食住などの生活面や学力等の学習面、さらには子供の自己肯定感や夢などの精神面も含め、さまざまな影響を与えるものと考えております。  また、ただいま御紹介いただきました山形大学の戸室教授の分析では、都道府県ごとでの状況ではございますが、子供の貧困率は全国平均が13.8%、熊本県は17.2%となっております。  本市における子供の貧困の実態につきましては、年少人口が減少傾向にある中、経済的要因から相対的貧困率が高いとされるひとり親家庭では、児童扶養手当の受給者数は横ばいで推移するとともに、就学援助の認定率は年々増加傾向にございまして、経済的な要因で就学困難とみられる児童・生徒は増加いたしております。  このようなことから、本市の子供の貧困の実態を早急に把握する必要があると考え、現在、子供の生活等実態調査を実施しているところでございます。その実態調査の手法等でございますが、小中学生本人及びその保護者計6,000世帯並びに特に経済的な課題を抱えていると思われる児童扶養手当の受給世帯などに対しましてもアンケート調査を実施しているところでございます。  さらには、学校関係者、主任児童委員、児童養護施設等のヒアリングもあわせて行いまして、支援者側から見た実態や御意見も伺っているところでございます。また、この調査結果につきましては、有識者や児童関係団体の代表者から構成されます社会福祉審議会児童福祉専門分科会で審議をいただくなど、さまざまな機会を捉えて御意見を伺いたいと考えております。  現在は調査結果の集計中でございまして、年内には分析も含め報告書としてまとめる予定でございまして、今後その分析結果を踏まえた施策検討を初め、相談機能や庁内連携等の体制整備も含め、効果的な対策につなげてまいりたいと考えております。          〔26番 上田芳裕議員 登壇〕 ◆上田芳裕 議員  子供の貧困に関し、山形大学の戸室教授の調査結果を御紹介し、お尋ねいたしました。これまでの内閣府調査では申し上げましたとおり、相対的貧困値であり、あくまでも全国平均値でございます。熊本県の子供の貧困率が17.2%、全国ワースト10位という結果には県全体ということもあり、余り答弁に反応が示されていなかったというふうに思っております。  いずれにいたしましても、本市で実態調査に取り組まれており、今後調査結果の分析を踏まえた施策の展開に向けましては、全庁的な体制整備を行い、効果的な取り組みにつなげていくとの御答弁でございました。ぜひ具体的な取り組み、検討に当たっては外部有識者、関係諸団体とも連携した協議となりますよう要望し、引き続きましてひきこもりの長期化、高齢化への対応についてお尋ねいたします。  平成28年9月の内閣府調査により、学校や仕事に行かず、半年以上自宅に閉じこもっている15歳から39歳のひきこもりが全国で推計54万1,000人いると公表されました。調査結果によるひきこもりとなった年齢は、20歳から24歳が34.7%と前回の平成22年調査より約13ポイント上昇、35歳から39歳も10.2%と倍増し、さらにはひきこもりの期間は7年以上が34.7%と最も多く、ひきこもりの長期化、高齢化の実態が浮き彫りとなりました。  本市も、そうした実態が明らかになる中、平成26年10月には熊本市ひきこもり支援センターりんくを創設し、電話や訪問での相談対応や、本人・家族向けプログラムによる支援に加え、ひきこもりサポーター要請などの取り組みが進められておられます。本市にひきこもりの方がどの程度いるのかについては把握しづらいとされ、その実態が明らかとなっていませんが、内閣府調査では、人口に対するひきこもり割合は1.57%と示され、本市に置きかえると約3,200名のひきこもりの方がこの熊本市におられる推計となるとお聞きしております。  相談されないケース、いわば行政から見た潜在的ひきこもり者数を考えれば、多くの市民の皆さんがひきこもりという極めて個人の内心上の問題を抱えており、行政としてもあらゆる手段を検討し、対策を講じるべき課題であると考えます。また、さきに述べました内閣府調査では、対象年齢が39歳未満ということもあり、40歳以上のひきこもりの実態は明らかになっておりません。  そこで4点お尋ねいたします。  1点目として、熊本市ひきこもり支援センターりんくでは、さまざまな関係機関と連携し、情報収集を初めケースに応じた対応が行われているとお聞きしますが、具体的な連携事例や、定期的な情報交換などの会議の場の設定はあるのでしょうか。お尋ねいたします。  2点目として、ひきこもり支援センターりんくが開設された平成26年10月からの相談やケース検討などの対応実績について、年代別、性別、家族構成等の実態をお尋ねいたします。加えまして、りんくで対応された方のひきこもり状態の改善などの成果についてもお聞かせいただきたいというふうに思います。特に、ひきこもりの長期化、高齢化という観点でひきこもり期間が5年以上の方、または40歳以上の方の改善の現況についてもお尋ねいたします。  3点目として、ひきこもりの実態については把握しづらいとのことですが、先ほど申し上げましたとおり、内閣府調査を本市で置きかえると、約3,200名のひきこもりの方が本市におられる推計となります。ひきこもり支援センターりんくが開設された平成26年10月から本年3月末までの相談実績は、実数で696名とのことであり、あくまでも推計ですが、潜在ひきこもり者数は約2,500名となります。こうした潜在的なひきこもりの方を含め、長期化、高齢化するひきこもり対応について、今後どのように取り組まれていかれるのかについて、以上、健康福祉局長にお尋ねいたします。          〔池田泰紀健康福祉局長 登壇〕 ◎池田泰紀 健康福祉局長  ひきこもりの長期化、高齢化に関するお尋ねに順次お答え申し上げます。  まず、熊本市ひきこもり支援センターりんくの連携事例についてでございますが、各区の保護課や医療機関等と連携をいたしまして、ひきこもりが長期化している事例に対しまして、個別の支援計画の策定等を行っているところでございます。  また、同センターの定期的な会議といたしましては、福祉や教育、就労など約30の関係団体で構成しておりますひきこもり支援機関連絡協議会を開催しておりますほか、地域若者サポートステーション、就労準備支援事業所等と年間約20回の事例検討等を行い、ひきこもりの方の支援につなげているところでございます。  次に、同センターの対応実績につきましては、平成26年10月の開所から平成29年3月末までの2年半の相談者数は696名、延べ相談件数が5,760件と開設前の2年半と比べ、4倍となっているところでございます。年代別では10代と20代ではそれぞれ27%、30代が19%、40代が10%、50代以上が5%、不明12%となっております。性別では、そのうち7割が男性となっております。また、家族構成についての詳細は不明でございますが、相談者のうち約7割が家族からの相談となっているところでございます。  ひきこもり状況の改善等の成果につきましては、部屋から出て家族と交流できるようになった、外出可能となった、就学、復学、就労したなど状況の改善が見られたものは、平成27年度は対象者315名に対し、約73%の229名、28年度は対象者317名に対し、約55%の173名となっております。  5年以上のひきこもりの方のうち改善が見られた方は、平成27年度は対象者117名のうち83名、28年度は対象者110名のうち68名となっております。また、40歳以上のひきこもりの方で改善が見られた方は、平成27年度は対象者40名のうち25名、28年度は対象者44名のうち20名となっております。  最後に、今後の取り組みについてでございますが、ひきこもりの長期化及び高齢化につきましては、ひきこもり支援センターの相談対象者のうち、5年以上のひきこもりの方が全体の3割ほど、40歳以上の方が全体の2割近くを占めている状況でございます。また、内閣府の調査結果から、本市におきましてひきこもりの方はまだ多数存在しているものと推計されます。  ひきこもりの方への支援につきましては、まずは必要な支援情報が確実に届くことが重要であることから、現在ひきこもり支援センターの支援活動等の情報を関係機関150カ所に発信するなど、インターネットを活用した取り組みに力を入れているところでございます。今後、さらに関係機関との連携を深め、さまざまな機会を捉えた情報発信に努めるとともに、民生委員児童委員協議会や校区自治会長会議等へ出向いて啓発する仕組みを強化するなど、潜在的なひきこもりの方にも支援が行き届くよう努めてまいります。          〔26番 上田芳裕議員 登壇〕 ◆上田芳裕 議員  ひきこもりの長期化、高齢化に関し、これまでの実績、成果について御答弁をいただきましたが、特にひきこもり状態の改善については、改善の段階はあるものの、平成27年、28年度全体で対象者が632名中、402名が改善したとのこと。相談を受け対応すれば、成果につながっているんだなというふうに大変びっくりもいたしました。この傾向は、5年以上の長期ひきこもりの方、40歳以上のひきこもりの方への対応結果でも同様の改善傾向でございまして、いかに相談していただくための対応が必要であることが明らかになったというふうに思っております。  質問でも触れましたけれども、潜在ひきこもりの方が推計で2,500名いることを踏まえたさらなる情報発信、相談体制の充実強化への取り組みに御尽力をいただきますことをお願いし、最後の質問に移ります。  引き続きまして、本市観光戦略についてお尋ねいたします。  本市観光の柱でございます熊本城天守閣を初めとする熊本城域全体が熊本地震で大きく被災し、現在天守閣を優先とした復旧工事が進められております。また、ジェーンズ邸の全壊など3つの記念館は全面休館、平成32年度まで公開されないという状況は既に御案内のとおりでございます。熊本地震による観光の停滞が大きく懸念される中、本市では熊本地震からの復興のシンボルとして熊本城天守閣の早期復旧に取り組むとともに、今しか見られない熊本城の復旧過程の公開や、復興ツアーの造成等に取り組むことを初めとした震災後の危機を逆に生かす観光戦略の展開に取り組まれておられます。  また、外国人観光客誘致に向けましては、東アジアからの誘客の早期回復、さらには2019年のラグビーワールドカップや女子ハンドボール世界選手権、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを見据え、欧米へのアプローチを進めていくとされておられます。熊本地震からの復旧というハンディキャップにより、本市観光の魅力を高め、発信することに対し、大変厳しい状況がしばらく続くとは想定されますが、本市は政令市移行後、九州新幹線沿線の主要都市でございます福岡市、北九州市、鹿児島市との4都市と交流連携協定を結び、観光振興などに向けた施策推進にも取り組まれておられます。  そこで3点お尋ねいたします。  1点目として、震災後の危機を逆に生かす観光戦略の実現に向け、具体的に取り組んでいる内容、さらには今後推進される取り組み等があればお示しをいただきたいと思います。  2点目として、今後の国際的イベントへの対応に向けた欧米へのアプローチには、知名度が薄い熊本という発信ではなく、九州という冠を生かすべきであり、まさに福岡市、北九州市、鹿児島市との連携した取り組みを展開すべきと考えます。欧米へのアプローチに向けた現在の取り組み状況や課題認識に加え、九州全体の取り組みとしての交流連携協定を結んでいる各都市との取り組み状況についてお尋ねいたします。  3点目として、海外を軸とした観光客誘致に向けては、観光客の観光ルート、滞在期間、場所、購入物、消費額などの動向をしっかり把握し、観光施策の取り組みと連動させることも重要であると考えます。  そうした分析については、国や民間企業によるビッグデータとして現在存在いたしますが、活用に向けては費用的な課題があるというふうにお聞きしております。そこで、交流連携協定を結んでおります4都市で連携し、取り組みを展開することはできないでしょうか。現時点での見解をお尋ねいたします。  以上、経済観光局長にお尋ねします。
             〔中村英文経済観光局長 登壇〕 ◎中村英文 経済観光局長  観光戦略に関する3点のお尋ねに順次お答えいたします。  まず、震災後既に取り組んでいる内容と今後の取り組みについてお答えいたします。  本市最大の観光資源であり、年間170万人の観光客が訪れておりました熊本城は、現在、地震の影響により城内への入園が制限されておりますものの、今しか見られない姿を見ようと現在も多くの観光客が二の丸広場や桜の馬場城彩苑などを訪れられております。  そこで、観光客の皆様が熊本城をより見やすくするための環境整備といたしまして、7月に二の丸広場に木製の通行路を設置いたしましたほか、8月には城内など8カ所に設置しました定点カメラからのライブ映像の湧々座での放映、さらには二の丸広場など24カ所に多言語表記の案内板を設置したところでございます。また、管理上の安全性を確保いたしました上で、立入禁止区域の一部緩和を行ったところであり、今後も可能な限り公開区域の拡大を行っていく予定でございます。  次に、今後の取り組みでございますが、湧々座におきまして、熊本城の復旧過程がわかる映像の作成や展示物の更新などを行うこととしており、所要の補正予算を今議会に提案させていただいているところでございます。  次に、2点目の四都市連携による欧米への国際観光プロモーションについてお答えいたします。  欧米など海外への観光プロモーションにつきましては、議員が述べられましたとおり、熊本単独では知名度不足などの課題もあり、他都市とも連携しオール九州で展開することが効果的であると考えているところでございます。  本市ではこれまで、福岡、北九州、鹿児島の4市で九州縦断観光ルート協議会を組織し、主に東アジアに対するプロモーションを行ってきたところでございますが、今後、2019年のラグビーワールドカップ女子ハンドボール世界選手権大会、2020年の東京オリンピック・パラリンピックなどを見据えまして、ヨーロッパ、アメリカにオーストラリアを加えた国々へのアプローチが重要であると考えております。  そこで本年度、この協議会におきまして、オーストラリアをターゲットに現地イベントでのPRや、旅行会社へのセールス、情報発信などのプロモーションを行い、九州アイランドの熊本への誘客を行うことといたしております。  最後に、3点目の4都市がそれぞれ所有している観光データの連携の活用についてお答えいたします。  外国人観光客は、国によって滞在中の消費行動が異なりますことから、多様なデータを収集、分析し、その特性に応じた対策を講じることが重要であると認識しております。議員御指摘の協議会を構成する4市で連携し、データを共有、活用しますことは、今後のオール九州で国際観光戦略の展開に有効と考えており、今後各市と具体的な活用手法などについて協議を進めてまいりたいと考えております。          〔26番 上田芳裕議員 登壇〕 ◆上田芳裕 議員  熊本地震からの影響、さらには国際イベントを踏まえました本市の観光戦略についてお尋ねいたしました。震災後の危機を逆に生かす取り組みについては、二の丸公園、城彩苑湧々座を中心にさまざまに取り組まれておられます。特に、湧々座で放映されている8カ所の熊本城域定点カメラからのライブ放送を見に行かせていただきました。入園できない城内での復旧工事の様子がライブで見られ、一定評価もいたしますが、当然のことながら復旧作業では動きが少ないといった難点もあるのかなというふうに感じました。  今後、月日がたてば、1カ月の動き、半年の動き、1年の動きといった早送り、短縮した映像を見せるなど、目で見て明らかにわかる復興の見せ方についても工夫の必要性を感じました。具体的な取り組みの検討をお願いしたいというふうに思います。  また、四都市連携による観光施策の展開につきましては、オール九州での効果的な取り組みについても御認識されておられます。先般、日台交流サミットも開催されましたが、今後の国際観光プロモーションに向けては、ヨーロッパ、アメリカという欧米に加え、オーストラリアをターゲットに取り組まれるとのことでございます。オーストラリアからの観光客は観光統計から見ると、滞在期間が7日間以上と大変長く、日本での観光消費額も1位であるというふうにお聞きいたします。  ぜひ、四都市連携によるオール九州での具体的な観光戦略の構築に向け、取り組みを強化していただくとともに、観光客の動向などのデータ収集や活用についても、九州縦断観光ルート協議会で活発に協議できるよう、御尽力をお願いしたいというふうに思います。  以上で用意をさせていただいた質問を終了させていただきます。お答えいただきました大西市長を初め執行部の皆さん、また長い時間おつき合いいただきました先輩、同僚議員の皆様方に感謝を申し上げて、私の一般質問を終了させていただきます。  ありがとうございました。(拍手)       ──────────────────────────── ○藤山英美 副議長  本日の日程は、これをもって終了いたしました。  この際、お諮りいたします。  9月2日、3日の両日は、休日のため休会いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。          (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○藤山英美 副議長  御異議なしと認めます。  よって、9月2日、3日の両日は、休会することに決定いたしました。  次会は、9月4日(月曜日)定刻に開きます。       ──────────────────────────── ○藤山英美 副議長  では、本日はこれをもって散会いたします。                             午後 3時39分 散会 〇本日の会議に付した事件 一、議事日程のとおり 平成29年9月1日 出席議員 47名       1番   澤 田 昌 作        2番   藤 山 英 美       3番   光 永 邦 保        4番   大 塚 信 弥       5番   山 部 洋 史        7番   小 池 洋 恵       8番   三 森 至 加        9番   高 本 一 臣      10番   小佐井 賀瑞宜       11番   寺 本 義 勝      12番   福 永 洋 一       13番   西 岡 誠 也      14番   田 上 辰 也       15番   浜 田 大 介      16番   井 本 正 広       17番   藤 永   弘      18番   原     亨       19番   原 口 亮 志      20番   紫 垣 正 仁       21番   くつき 信 哉      22番   田 中 敦 朗       23番   那 須   円      24番   重 村 和 征       25番   村 上   博      26番   上 田 芳 裕       27番   園 川 良 二      28番   倉 重   徹       29番   満 永 寿 博      30番   三 島 良 之       31番   齊 藤   聰      32番   大 石 浩 文       33番   田 尻 善 裕      34番   上 野 美恵子       35番   白河部 貞 志      36番   藤 岡 照 代       37番   津 田 征士郎      38番   坂 田 誠 二       39番   竹 原 孝 昭      40番   江 藤 正 行       41番   鈴 木   弘      43番   田 尻 清 輝       44番   落 水 清 弘      45番   古 川 泰 三       46番   北 口 和 皇      47番   田 尻 将 博       48番   家 入 安 弘      49番   田 辺 正 信 欠席議員  1名       6番   緒 方 夕 佳 説明のため出席した者   市長       大 西 一 史    副市長      多 野 春 光   副市長      植 松 浩 二    政策局長     古 庄 修 治   総務局長     田 畑 公 人    財政局長     中 原 裕 治   市民局長     萱 野   晃    健康福祉局長   池 田 泰 紀   環境局長     勝 谷 仁 雄    経済観光局長   中 村 英 文   農水局長     西 嶋 英 樹    都市建設局長   肝 付 幸 治   消防局長     中 村 一 也    交通事業管理者  西 本 賢 正   上下水道事業管理者永 目 工 嗣    教育長      遠 藤 洋 路   中央区長     石 櫃 仁 美    東区長      田 端 高 志   西区長      白 石 三千治    南区長      松 石 龍太郎   北区長      野 口 恭 子 職務のため出席した事務局職員   事務局長     田 上 美智子    事務局次長    大 島 直 也   議事課長     本 田 正 文...