熊本市議会 > 2014-06-11 >
平成26年第 2回議会運営委員会−06月11日-01号
平成26年第 2回定例会−06月11日-04号
平成26年第 2回定例会−06月11日-04号
平成26年第 2回議会運営委員会−06月11日-01号

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  1. 熊本市議会 2014-06-11
    平成26年第 2回定例会−06月11日-04号


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    平成26年第 2回定例会−06月11日-04号平成26年第 2回定例会   平成26年6月11日(水曜)  ┌──────────────────────────────────────┐  │ 議 事 日 程 第4号                          │  │ 平成26年6月11日(水曜)午前10時開議                │  │ 第  1 質問                              │  └──────────────────────────────────────┘                            午前10時00分 開議 ○三島良之 議長  ただいまより本日の会議を開きます。       ───────────────────────────────── ○三島良之 議長  日程第1「質問」を行います。  順次発言を許します。紫垣正仁議員。          〔21番 紫垣正仁議員 登壇 拍手〕 ◆紫垣正仁 議員  皆さん、おはようございます。返事を返していただいてうれしく思いますが、実は、つい先ほどもう一つうれしい出来事がありました。  三島議長も前々からおっしゃっておりますが、庁内での挨拶。1階の中央区のまちづくり推進課の方々から、私も毎朝大体あそこを通りながら「おはようございます」と言っていくのですけれども、きょうは、初めてだったかもしれませんが、あちらから「おはようございます」と言っていただきました。やはり、すがすがしい気持ちで、あ、市役所も変わってきている部分があるなというのも感じたところです。  改めて自己紹介から入りますと、自由民主党熊本市議団の紫垣正仁でございます。  きょうは暦の上では入梅。本市は梅雨入りはもう済んでおりますけれども、きょうはちょっと天気が戻っている形で、梅雨の中休みという形でしょうが、この議場では中休みというわけにはいきませんので、しっかりと前日に続きまして議論を行ってまいりたいと思っております。  不出馬を表明された市長は、どなたかもおっしゃっておりましたけれども、今まで以上に元気はつらつという感を否めないところです。執行部の方々が、原稿を棒読みとは申しませんけれども、少し元気がないように感じられるのは私だけではないのかなと思います。市長がやめられるので、悲しい、寂しいというお気持ちもわかりますけれども、ぜひ未来志向で明るい答弁をお願いしたいと思っております。  私も議長ともども議会の野球部でございますが、市長とも結構野球をいたしまして、これからの質問、変化球は投げないつもりです。直球勝負でまいりますので、魂のこもったキャッチボールとなるよう、ほかの説明員の方々も重複・周知の表現を避け、簡潔明快で、説明員の方にも一緒に野球をした方がいらっしゃいますが、あのときのように生きのいい答弁をよろしくお願いいたします。
     私で5人目ですので、重なった部分がございます。一部順番等の変更があることをお伝えし、早速質問に入りたいと存じます。  最初の質問項目、政令指定都市移行3年目を迎えて。早3年たったのだなと思うところ多々です。  私も今回はあえて選挙管理委員長さんをお呼びしております。なぜかと申しますと、3年以上前に、政令指定都市になる1年以上前に、政令指定都市になったらこういう問題が起こりますよ、決してバラ色のことばかりではない、こういう弊害もありますよということを幾つか申し述べさせていただきました。  その中で、項目にあります期日前投票所の設置問題、そして、区境のところの投票所の変更、これが大きいですよというのを、もう3年以上前に指摘しておりました。しかし、3年目に入った今、本質的にはまだ一つも解決していないと言わざるを得ないのは残念な限りです。  御案内のとおり、昔は熊本市民誰であれ、市役所横の駐輪場8階で期日前投票ができました。しかし、政令指定都市に移行してからは、そちらは中央区の方のみ。期日前投票は、今までは1週間弱でしたけれども来年の選挙は期間が延びますので、まちなかの方々が仕事の合間だったり、仕事の帰りになったり、ちょこっと時間をつくって寄られるためにつくられていたと思います。そういう方が中央区以外の方の方が多いという状況で、投票したくても投票できない方が出ているという状況は早急に改善しなければならないということで、私もさまざまなアイデアも含めて御提案をさせていただきました。  14階のホールだったり、展望所も利用していいのではないかと予算決算委員会でも触れました。しかし、いろいろなことでここは使いますからとおっしゃいますけれども、そのとき私も問われていましたが、全ての方を一つのところに集めて投票していただかなければと思ったのです。仙台市みたいに広いところを自前で持っているところはいいのでしょうけれども、そうでないところは、熊本も含めていろいろなほかの方策を考えなければいけない。そういう中で言うと、分離して場所を考えるということも考えるべきではないかと私は思っておりました。  その期日前投票所の設置問題に対して、選挙管理委員会のお考えをお聞きしたい。  また、区境の投票所。前は、校区は隣だけれども、近いからそこに投票しに行っていた。今回政令指定都市になって区が別々になったけれども、区が違うことによってそこに行けなくなり、今までよりもさらに遠いところに、バス通りを幾つも越えて行かなければいけなかったりというような状況で投票しなければいけない方々が多数出てきているという状況であります。本市で22カ所そういう場所があるという状態、これもまだ抜本的な解決には至っておりません。この現在の状況とこれからの進捗状況、そして見通しについて選挙管理委員長にお尋ねいたします。          〔田代芳郎選挙管理委員会委員長 登壇〕 ◎田代芳郎 選挙管理委員会委員長  おはようございます。選挙関係の御質問に対しまして、お答えさせていただきます。  まず1点目の全ての有権者が投票できる期日前投票所の設置につきましては、さきの第1回定例市議会でお答えしたとおり、恒常的に利用できる広い投票場所の確保が困難であること、さらには指定都市移行後初の統一地方選挙となる来年4月執行予定の市議会議員選挙県議会議員選挙が同日投票となり、市議と県議の選挙区が異なる複雑な選挙となることなどから、統一地方選挙までの設置は難しい状況でございます。  しかしながら、設置の必要性は十分認識しているところであり、全ての有権者が投票できる期日前投票所の設置場所については、以前のように1カ所に設置するのではなく、市役所別館自転車駐車場と本庁舎内に、またその付近で、例えば本庁1階のスペースなど数カ所を利用しての分散した設置を視野に入れて、実現可能な方法を考えているところでございます。  また、全国の指定都市の中で、全ての有権者が投票できる投票所を設置している市は、仙台市、静岡市、それに福岡市の3市でございますが、実施方法につきましては、期日前投票期間全てではなく、期間と時間を短縮して実施されるなど、その都市に応じた対応をされているところでございます。  本市におきましても、このような先進市の状況を参考にしながら、統一地方選挙後、なるべく早い時期に設置できるよう各区選挙管理委員会と協議してまいります。  次に、2点目の選挙投票所については、指定都市移行に伴い、選挙は区ごとに実施されておりますが、区境で投票所が変更となった対象者の方については、事前に地元自治会の説明を行い、移行後初めてとなる平成24年12月執行の衆議院議員総選挙前には、投票所入場整理券とは別にはがきなどで変更のお知らせをいたしております。  その後も引き続き地元自治会の意向を確認するなど対応をとってきたところでございますが、投票所が変更となった地域だけを対象に投票所を新たに設置することは、対象有権者数や投票所として使用する施設などいろいろな問題があります。  しかしながら、投票環境を整備することは有権者の皆様にとって重要なことであり、投票所の見直しにつきましては、地域の意見を尊重し、投票所ごとの有権者数の増減や投票環境も考慮に入れながら、投票率低下につながらないように、各区選挙管理委員会に対しまして、変更となった投票所も含めまして全体的な見直しをお願いしているところでございます。  これまで、指定都市移行後の投票所の見直しについては、地域の要望により投票所を変更した地域もあり、各区選挙管理委員会と連携を図りながら今後とも地域の皆様の御意見等を十分に尊重し、投票所の見直しを適宜行いながらよりよい投票環境の向上に努めてまいります。  以上でございます。          〔21番 紫垣正仁議員 登壇〕 ◆紫垣正仁 議員  選挙管理委員長、初めての御登壇ではなかったかと思います。懇切丁寧な御説明は承りました。  投票環境を整備していくというお話がございました。まさにこの投票所の問題、議会制民主主義の根幹にかかわる、我々議場にいる議員の身分、また11月に行われるであろう市長選においても非常に大切になってまいります。そういうところをしっかりと勘案していただいて、もう3年以上前から言っていますので、もうそろそろ具体的な改善策を示していただいて、形を残していただきたい。  私が3年ちょっと前に指摘したときには仙台市しかございませんでした。しかし、その後、静岡市、福岡市と実現してきております。静岡市に至っては熊本市とほぼ同規模ということですから、私からすると負けてくれるなというところ多々でございます。そこをあえて強く指摘させていただきまして、次の質問に移らせていただきます。  政令指定都市になりまして、消防団のあり方というものも3年ちょっと前にも触れておりますけれども、区によって地域性や文化が異なるのと同様に、消防団も区によって団員が多い地域、少ない地域、ポンプ操法等の訓練をする場所、ポンプ車倉庫等々のさまざまなケースが存在しているのも事実であります。  そのような中、中心部の消防団とそれ以外の場所の消防団、基本的には同じ役割・体制で今活動を行っております。私も消防団でしたので、消防学校に行ってもおりますので、その辺はよくわかりますが、中央区のように常備消防が充実している地域では、消防団、消防ポンプ車よりも消防車の方が早く現場に着くわけです。そういうところでは、役割がおのずと変わってくるのではないか。消火活動や、いらっしゃる近隣の方々の整理、残火の処理等が中心になっているのが現状かと思います。今後は、地域に応じて消防団の役割を見直していくべきではないかというのが、私の指摘であります。  また、それに伴い、一つの校区で消防団を持たないところがまだまだ見受けられます。20人いないと消防団がつくれないとか、消防ポンプ車倉庫の場所がないと消防団がつくれないとかいうことでは、なかなか消防団設置地域についていけない。  いろいろなところで、桜木東小学校区とかでいい例も出てきているようですので、その辺も踏まえまして消防団のあり方について消防局長の答弁を求めます。          〔大塚和規消防局長 登壇〕 ◎大塚和規 消防局長  私からは、指定都市の消防団のあり方について2点の御質問にお答えいたします。  初めに、中心部と周辺部の消防団の役割や体制についてでございますが、議員御案内のとおり、本市におきましても社会状況の変化によりまして消防団の役割が変化してきていると認識いたしております。  特に中心部の消防団におきましては、被雇用者、いわゆるサラリーマンの増加や、少子化によります若手団員の不足、あわせて常備消防の充実が図られている中で、消火活動などにおける消防団の活動も変化してきていると考えております。  しかしながら、一昨年の九州北部豪雨災害の際に見られましたように、日ごろから地域に密着した即時対応力要員動員力などを生かして、地域住民の避難誘導などが的確に実施され、消防団の必要性が改めて認識されたところでもございます。  そこで当局といたしましても、中心部や周辺部にかかわらず、火災などの災害対応だけではなく、地域防災のリーダーとして地域の災害予防活動を初め、災害時には災害時要援護者の避難を支援する消防団とのさらなる連携強化に努めてまいります。  また、地域の実情を考慮しているかとのお尋ねでございますが、常備消防におきましては、市街地の道路狭隘地区などに対応すべく小回りがきき、利便性にすぐれた15メートル級の小型はしご車を導入するなど装備の見直しを行っているところでございます。  消防団につきましても、体制を今年度から地域に密着した区に沿って方面隊を編成した1区1区団体制としたところであります。装備につきましても、常備消防と同様に軽トラックベースでの小型動力ポンプつき積載車の導入など、地域の実情に応じた装備の変更、充実を図っていくことといたしております。  次に、消防団の未設置校区への対応についてでございます。  現在、9つの小学校校区におきまして未設置でありまして、管轄する消防分団の分団長などから今後の意向について聴取いたしておりますとともに、必要に応じまして新規設置に向けての説明を実施いたしております。  具体例を挙げますと、議員御案内のとおり桜木小学校から分離した桜木東小学校におきましては、将来の分団新設に向けまして、現在の桜木分団に2つの部を設置いたしまして、災害対応地域住民とのコミュニケーションを図るなど桜木東分団に昇格するための実績づくりを行っているところでございます。  お尋ねの消防分団の設置基準につきましては、原則として小学校校区ごとに置くこととなっておりますが、一律に施設の整備や相当数の団員の確保を必要とするのではなく、各分団で所有する車両装備や機械倉庫の共有化、所属する団員の再編などで対応は可能であると考えております。  いずれにいたしましても、今後も地域の実情やニーズに合った消防分団の編成を推進してまいります。          〔21番 紫垣正仁議員 登壇〕 ◆紫垣正仁 議員  前回お尋ねしたときに比べると随分進んだなとうれしく思うところでもありますし、これからまだ予断を許さないところがございますので、ぜひ丁寧な対応、現場の方々の声を生かしながら対応をしていただきたいと思います。  それでは、市長、お待たせしました。大体、私、毎回市長に最初に立っていただいて議論することが多いのですけれども、今回は少しお休みいただいていよいよ登場と。キャッチボール、まいります。  熊本市の経済・財政視点から見ました喫緊の諸問題についてお尋ねいたしたいと思います。  きのうも種々論議がございましたけれども、桜町・花畑地区再開発事業を筆頭とした今後の投資問題等が待ち受けているわけです。その中で、まずMICE施設整備の事業費。この部分で300億円という数字がひとり歩きをしているという問題。  私も、まだ議事録が起こされていませんので、議会のホームページで何度も3月10日の予算決算委員会、午前中の市長の答弁をチェックいたしました。百年の計と言える事業であるという中で事業費が肥大するということを懸念された上での発言だったと思いますけれども、300億円程度の事業費を目安として進めていきたいと。  この中でも述べられておりますけれども、まだ検討に着手した段階であるとおっしゃっている中で300億円という具体的な数字を出だされたのは、ちょっと唐突な感じがいたしました。この数字を出された真意をお尋ねしたい。10%上がると何がし、15%上がると何がしという数字も出ておりましたので、その辺との整合性を含めて答弁をお願いしたいと思います。  続けて財政局長にお尋ねいたしますが、もし市長も思うところあられたら、そこで加えて発言していただいても構いません。  財政の中期見通しでの大規模事業費が予想される投資。随分財政局ともやりとりをさせていただきましたけれども、私からすると、幾らお話を聞いてもなかなかマジックのような形で、これだけの事業が山積している中で本当に可能なのかと思わざるを得ないところは事実であります。  例えば、特別支援学校の整備もございますし、北消防署の整備、また、川尻・熊本駅間の新駅、西熊本駅ということになるというのもちょっと聞いておりますけれども、加えて植木体力・健康づくり拠点施設整備等々にも10億円から30億円以上事業費が予想されております。こういう数字が予想される中で、事業が今言ったものの3倍という形で億単位の事業費があるのも事実でございます。これに対して財政局として説得力のある御説明をお願いしたいと思います。  経費の精度を高めるなどしていかないといけないと思いますし、当然、事業が間近になったり、進んでいく段階で次の事業への影響というものも予想されますでしょうから、そのあたりの進め方も含めまして財政局長の答弁を求めます。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  それでは、MICE施設の事業費についてのお尋ねにお答えさせていただきたいと存じます。  300億円程度を目安としてというような発言をさせていただいたわけでありますけれども、その発言の真意ということではございましたが、議会等での議論の中でも事業費が高騰していった場合はどうするのかでありますとか、あるいはそのことによって他の事業に与える影響というものが出てくるのではないかといった疑問や指摘等をいただいたところでありました。  もちろん、この事業というものは本市にとりましての将来を見据えました、きのうも答弁させていただきましたが、人口減少なども見据えましたときに大変重要な事業であるということでぜひ進めさせていただきたいと、これまで発言もさせていただいたものでありました。しかしながら、その不安や疑問の声にもお答えもしていかなければならないという中で、あのような発言をさせていただいたものでもありました。  そのような中で策定いたしました熊本市MICE施設整備基本計画でございますが、ここにおきまして概算事業費といたしまして約289億円と提示したわけでありますけれども、その中で今後大きな価格上昇が見込まれる場合には、本計画の施設プランを尊重しつつ、施設規模や仕様などの見直しにより事業費抑制を図っていくことを併記させていただいたというものでありました。  昨日見直しにつきましての基本的な考えを少し述べさせていただき、今回、見直しも進めているところでありますが、この見直しというものは、単に事業費を抑制するというものだけではなく、施設機能の向上というものもあわせて目指すものでございます。  具体的に少し申し上げますと、現在、基本計画に基づきまして3,000人規模の学会・大会でございますとか、あるいは2,000人規模のホールツアーコンサートでありますとか、まちなかの展示会など多様なMICEのニーズに対応する施設機能の維持を図りつつ、例えばメーンホール利用者の動線でありますとか視認性の向上など創意工夫を重ねているところではありますが、今後もさらに使い勝手がよく、より魅力的な施設となるように努めているところでございます。  加えまして、熊本城への眺望の確保、あるいは屋上庭園との一体的利用などによります熊本市独自のおもてなし空間を備えましたMICE施設シンボルプロムナードなどを整備いたしますことで、中心市街地の活性化の起爆剤ともなり、昼夜を通じたさまざまなにぎわいを創出いたしますとともに、交流人口の増大につなげていきたいと考えているものであります。          〔木下修一財政局長 登壇〕 ◎木下修一 財政局長  財政の中期見通しでの大規模投資事業についてのお尋ねにお答えいたします。  本年3月に26年度から30年度までの5年間の財政の中期見通しを策定しました。その中で投資的経費につきましては、継続事業MICE施設整備など現時点で計画段階にある事業も含め、各局の事業計画を参考に所要額を積み上げました上で収支見通しなどを勘案し推計しており、御案内のとおり平成27年度以降、450億円台から500億円台で推移すると見込んだところでございます。  その結果、平成27年及び28年度におきましては一時的に収支がマイナスと見込まれますものの、平成30年度までの5年間では2億円の黒字と、一定の収支が確保できるものと見込んでおり、また、財政指標につきましても、健全化法に基づく早期健全化基準を下回る数値で推移する見込みでございます。  お尋ねの大規模投資につきましても、MICE施設整備のほか、新西部環境工場施設整備龍田西小学校建設など、現時点において計画されている平成30年度までの大型投資事業につきましては一定の推計で見込み、盛り込んでいる状況でございます。  ただし、計画段階にある事業は設計も未了であり、一定の推計のもと見込んだ想定事業費であること、また、国庫補助の採択状況や入札による減額、さらには議員御懸念の労務単価の上昇や建築資材の高騰による影響などにより事業費が大きく変動する可能性もございます。  このようなことから、投資的経費全体の調整や各事業の年度間調整が必要と考えており、今後、各事業の進捗状況を見きわめながら進度調整などを行うことで投資的経費全体を平準化させることを想定しているところでございます。  いずれにいたしましても、財政の中期見通しに盛り込んでおります投資事業につきましても、毎年度の予算編成の中で事業の緊急性や事業効果などについて厳しく精査するとともに、設計を踏まえた事業費の見直しなど事業進捗に応じてその精度を高めた上で財政の中期見通しをローリングし、全体の投資水準や財政指標の推移等を見きわめ、計画的な財政運営に努めてまいります。          〔21番 紫垣正仁議員 登壇〕 ◆紫垣正仁 議員  答弁をお聞きしても、やはり不安は拭えません。  なぜ私がこのような指摘をするか。私は一貫してこの再開発事業に関しては慎重論であります。前もそうですし、今もそうです。  しかし、桜町・花畑地区が今のままでいいとは思っておりません。そういう中で、やるのであればいいもの、魂のこもったものをということでずっといろいろな指摘をさせていただいてまいりました。  また、議場で私も若い方ですけれども、若い世代の代表としても申し上げているつもりです。次世代に問題を先送りしたり、負担を先送りするということがあってはならない。30代の議員の方はこの中には多分お二人ぐらいしかいらっしゃいませんし、40代も数えるほどしかいらっしゃいません。1期で当選されている方には20代の方はもちろんいらっしゃらない。そうなると、きょうも若い世代の方もいらっしゃっていますけれども、そういう世代に対する責任というものも、私を含めて上の世代というのは負っているということを痛感しているものですから、お尋ねをいたしております。  先ほどの答弁をお聞きする中で私が感じますのが、300億円のキャップの部分でいうならば、幸か不幸か、市長がキャップをかけたことによって推進室初め知恵を絞って今プランを練られている。おぼろげと出てきているというのも、私も感じております。  もし、それがなかったならこのまま行っていたのかと思うところですし、検討委員会の存在意義も問われるところだと思います。本当に審議時間、議論の時間が十分だったかというところも指摘されるところであろうかと思います。  そういうことも考えながら次の質問といいますか、関連質問として副市長にお尋ねいたしたいのですが、この再開発が動き始めた当時から責任ある立場にいらっしゃった高田副市長。特に、都市建設局長、そして企画振興局長当時も携われていたのは、皆さんも御存じの方、多いと思いますが、副市長になられてからも現在に至るまで、平面駐車場等の問題に対する対応も行っていらっしゃるというのも聞いております。  都市計画決定がされたとはいえ、まだまだ予断を許さない状況だと思います。こういう中において今までの進捗状況を鑑みて思われるところ、そして、これからの見通しについて、現場の責任者だと思います。CEOが市長だとするならば、COOというような形だと思いますので、COO高田副市長に答弁をお願いいたします。          〔高田晋副市長 登壇〕 ◎高田晋 副市長  それでは、桜町再開発、MICEに対する今の状況、私の思いというようなことでお答えさせていただきたいと思います。  桜町地区での再開発事業につきましては、これまでも議会におきまして慎重かつ活発な御議論をいただきまして、そして今般、都市計画決定を行い、これまでも市長のリーダーシップのもと、進むべき方向性に道筋がつけられつつあると考えているところでございます。  改めましてこの再開発事業を考えましたときに、当事業の行われる桜町・花畑地区は歴史的にも熊本の政務の中心地として発展してきましたように、現在も中心市街地の2核3モールをなす一つの核でございまして、また、本市のシンボルである熊本城から続く空間としても大変重要な位置にあり、中心市街地の再デザインを進める上で、また熊本の顔づくりの上でかなめの地区であると考えているところでございます。  また、先般の第1回定例会において御報告いたしました第6次総合計画の中間見直しの中で今後強化する3つの取り組みとして、定住促進、少子化対策、交流人口の増加を柱と掲げさせていただきまして、今後の市政を進めていきたいと考えているところでございます。  このような中にありまして、桜町地区で進められる再開発事業は、バスターミナルの再整備や、新たな商業の集積やホテル、住宅などの都市機能の更新、充実に加えまして、新たにMICE施設も整備されるというようなことでございまして、さらなる中心市街地のにぎわいの創出や定住促進、さらには都市の知名度、イメージアップ、さらには国際化に寄与する事業で九州中央の交流拠点都市の実現にもつながるものでありまして、今申し上げましたような市の進むべき道筋に合致した事業であるということで、私もぜひ成就しなければならないと考えているところでございます。  ただいまいろいろな事業におきまして、課題も多うございますけれども、ぜひとも努力させていただき、実現させてまいりたいと考えているところでございます。          〔21番 紫垣正仁議員 登壇〕 ◆紫垣正仁 議員  高田副市長は読書家でも有名でいらっしゃると聞き及んでおります。ぜひ机の上で得た知識、知恵を現場で生かしていただきたい。お元気だというのも、バイタリティーがあるというのも、私も存じ上げておりますけれども、ちょっと元気が表に出ていないところがあるかなと思いますので、八面六臂とは言いませんけれども、ぜひ御活躍をいただいて、今後、市長が退かれた後、どうなるかわからないところですけれども、熊本市にとって実りあるものとなるようお力添えをお願いしたい。それが副市長の役割だとも考えております。  引き続きまして、今回の中核ともいっていい風格ある文教都市熊本のための文化・教育行政についてに移りたいと存じます。  以前私も触れました創造都市という言葉がございます。ボローニャ等で有名ですけれども、この創造都市の分野で有名な大阪市立大学の佐々木教授もおっしゃっています。社会のインフラはコンクリートやアスファルトではない、文化であると。まさに名言だと私は思います。  国内では同規模の金沢市、また先輩政令市でもある神戸市、横浜市、名古屋市などもこの理念を掲げていらっしゃいます。熊本市もお城を中心にした県・市の文化施設が多数ございます。  そういう中で私が今回ちょっと懸念するところ、残念に思うところを含めてお尋ねしてまいりたいと思います。  先人が築き上げてきた我が郷土の誇るべき歴史、文化的土壌は他県の追随を許さないのは御案内のとおり、先ほども申しました。さて問題は、その大切な文化遺産が今日どのような形で将来に受け継がれていくのか。ここ数年の動きを見聞するとき、いささか不安を覚えるのは私だけではないと思います。  以下、現状を踏まえた上での私の質問は、それは県だ、町だ、市だというセクショナリズムではなく、政令指定都市になった熊本市の大局的な見地から指摘するお尋ねということをあらかじめ明確にしておきたいと存じます。  まず、昨年から議論され始めた熊本博物館の熊本県総合博物館ネットワーク、通称熊本タイプ、熊本型博物館の正体、実像とは何ぞやという疑問を投げかけたいと思います。  県は構想策定から約18年経過したため、その環境が変わり、事業費200億円も財政健全化計画で凍結され、断念。ここに来て県の総合博物館新設を前提としない時代の要請に応じた熊本タイプの博物館像を描くことでスタートいたしております。  本市の政令指定都市移行を受け、県市トップが話し合い、松橋収蔵庫と市立博物館との連携等が合意されております。  しかし、昨年末の県議会では、長年先送りして、ここに来て建設断念は拙速ではないか、熊本タイプは作文であり、実感が伴わない机上の空論、バラ色みたいな構想などと手厳しい意見が相次いでおります。県内の学芸員からも県市町村との連携にはお互いのニーズが合わなければならない。例えば大型展示はどこで開くのか、企画運営、資料の保存、管理・メンテナンス等、これら責任の所在をどこでどう調整していくのか、全く現場の声が反映されていない。絵そらごとに近いという言葉も耳にいたします。  熊本県は九州で唯一、全国でも珍しいといいますか、いろいろ調べましたら県が総合博物館を持たないのは全国で熊本県だけですね。しかし、塩漬けにされていると指摘されておりますけれども、64万点の資料は松橋収蔵庫に眠っております。これを日の目を見ぬままにするのは確かに許されない、もったいないという判断があった上での県が提唱している熊本タイプ博物館。この机上論が浮上してきたのかなと思います。  しかし、市としてその受け皿である市立博物館の歩みと現状を率直に思うとき、私は危機感を持たざるを得ません。  今、4月26日から6月29日まで熊本博物館と黒川紀章展が市立博物館のエントランスで行われております。あの黒川紀章が設計した市の博物館、第1期工事が完成し、博物館は歴史的にも人文博物館でスタートしております。途中から当時の市長の意向で自然科学系も含めたものとなったため、現状でもかなり無理をしているというのが実情。第2期工事も、時の市長が約束されておりましたが、その後、平成17年、特別史跡の指定地域となり、現状変更が認可されず、市の収蔵資料だけでもここ数年はオーバーフロー状態。体は大学生なのに衣服は幼稚園、保育園というような状態ですね。  そこで親である本市が知恵を絞って、昨年夏より許される範囲の環境整備と大規模リニューアルを開始し、現在、国宝、重要文化財の展示も可能な施設として再オープンする経緯となっていたわけですが、御案内のとおりのような状況が起きております。  ここで私がお尋ねしたいのは、熊本タイプの博物館構想が時間的にも財政的にも逼迫した県の単独行動ではなく、先ほど触れたように平成24年5月に続いて、その年末には知事、市長だけではなく副市長、副知事、6人。そこに企画振興局長、知事公室長もいらっしゃったようですが、そういう事実があるからです。当事者になっているということですね。しかし、その内容は非公開でした。何でかなと思うところですが、報道によれば、常設展示を新設するのが県市連携の第一弾とするというような話が出ておりました。県に増設したスペースを無償提供するというようなことも伝え聞いておりますので、その辺の真意もお伺いしたいところです。
     博物館協議会では、県全体の文化財の保護と調査研究の中核を担う仕組みが必要、抽象的な説明ではなく、県内施設が理解し情報を共有する、また、企画力が求められるというような意見もあったようです。  熊本タイプ博物館について、市長初め執行部はどのように理解していらっしゃるのか、疑問を持ちます。議会はもちろん、一般県市民にとっては、なぜ、どうなっているの、一時しのぎではないのかというような疑問の声も上がっております。これは説明不足によるところもあろうかと思います。何か市だけにしわ寄せが来るのではないかというような被害意識も先行しているようにも感じるところです。ぜひ、その辺の疑問も払拭する形での御答弁をお願いしたいと思います。  これに関しましては、市長が携われておりますので、市長、また博物館を所管される教育長にお尋ね申し上げたいと存じます。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  熊本県の総合博物館ネットワークについてのお尋ねにお答えさせていただきたいと存じます。  熊本県における博物館構想の推移につきましては、私も県議会議員をさせていただいておりましたし、その構想の策定の過程でございますとか、あるいはその後の県が財政健全化状態に入りいろいろな施設の凍結に入っていったというような状況、その中で構想がなかなかそのままの状態に放置されていたというようなことの中から、今回、この熊本県総合博物館ネットワークが打ち出されたということ、その推移につきましては、十分承知いたしているものでございます。このネットワークは、昨年度県が策定した計画でございまして、学芸員や収蔵資料の相互活用によりますサポート機能でありますとか、県内の各博物館が連携いたしましたデータベースを構築することなどによるネットワーク機能の発揮などによりまして、県内の博物館同士の連携を図り、県内の博物館全体で一つの博物館のように機能することが狙いであると伺っております。県の博物館という施設自体ができない中で、新たな発想の中で生み出された構想であると認識いたしております。  そうなってまいりますと、本市の熊本博物館の果たす役割というものもまた変わってくるものでございまして、そのような中で熊本博物館のリニューアルということも重なってきたという中で、県といろいろな話し合いもさせていただいたというものでありました。  熊本博物館のリニューアルの中でも県の展示スペースを確保いたしまして、松橋収蔵庫の資料を中心に展示をいただく予定でありますけれども、これは先ほどお話もありました平成24年11月に行いました熊本県市政策連携会議におきまして合意に至ったものでありまして、このことは、先ほどから申し上げておりますネットワーク計画を踏まえた連携の一環でありまして、その意味におきましても、先ほど申し上げた熊本博物館の役割は今後さらに重要になってくると認識いたしております。  そこで、今後、熊本博物館をより魅力ある博物館にリニューアルいたしまして、市民や県民の皆様に親しまれる施設を目指してまいりますとともに、県の計画とも連動いたしまして、県内の中核的博物館として資料の収集・保管・展示、調査研究、教育普及など博物館活動全体の先導的役割も果たしていかなければならないものと考えているものであります。          〔岡昭二教育長 登壇〕 ◎岡昭二 教育長  それでは、私からは博物館のリニューアル工事の状況についてお答え申し上げます。  熊本博物館のリニューアルにつきましては、当館が特別史跡内に位置しておりますことから埋蔵文化財の確認調査を実施することとしておりまして、その結果を踏まえて今回設計を変更する予定でございます。  今年1月から3月にかけまして確認調査を実施いたしまして、その後、市の文化財保護委員会や国に対しましてその報告を行ったところでございます。  その調査の結果、保護すべき地層の存在を確認しまして、現在、地層の保護方法、記録、調査成果の公開等につきまして国・県と協議を行っているところでございます。今後、その結果を踏まえた上で設計の変更を実施する予定でございます。  なお、その期間だけでも市民の皆様にプラネタリウム等を御利用いただきたいとの思いから、4月26日より一部開館したところでございます。  今後、十分に国・県と協議をいたしますとともに、助言をいただきながらリニューアルに取り組んでまいりたいと考えております。          〔21番 紫垣正仁議員 登壇〕 ◆紫垣正仁 議員  お話を聞いても、県に対して申し上げなければいけないところもあるし、博物館は本市にしかないわけですから、先輩としてもっと威厳を持って。何か県に追随しているような感じが私は否めないところがありますし、管理運営もいろいろ不透明なようですし、県の方の常駐も決まっていない。責任問題というのがそこから生じてきますので、現代美術館のようにならないようにしなければいけないとも思いますけれども、熊本タイプの博物館構想、県が置かれている立場も少しはわかるのですけれども、しかし、先ほどの選管の話ではないですけれども、こちらは失われた18年と言ってもいいと私は思うのです。構想策定当時は県内外の有識者や各界代表者の貴重な意見をいただいております。見直すのであれば、県市民のニーズを把握して関係者の理解を得るべきだと私は考えます。  熊本タイプに至るまでの丁寧な事後説明がなされていないために今後の方向性さえ暗中模索の感がございます。具体的な詰めはこれからとはいうものの、やはり先送りしてきた当局の責任は重いのではないかと私は思います。  何か熊本タイプというとバーチャルという感じで聞こえはいいのですけれども、抽象的で、まだまだ机上論の域を出ないなと思いますし、ネットワークをつくるというのは、拠点があって初めてネットワークをつなぐことができますので、言うなれば、拠点がないのに他人のふんどしで相撲をとるような話に似ているなと私は思えてならないところがあります。そこはきちんと言うべきところは言うという姿勢でいていただきたい。  隣県の長崎県が平成17年、もう10年近く前になりますが、県市合同で設立を成功させた長崎歴史文化博物館の合理的な発想と経緯、そして実現の歩みをこの際しっかりと学ぶべきであろうと私は思います。  単年度では到底無理でしょう。再開発事業もいろいろありますから、それも結構ですが、ぜひこの半年の集大成として、幸山市長が率先して県にアドバイスするような形でもいいでしょう。できる限りの協力はするからというので、基金計画に先鞭をつけていただきたいと私は強く思っております。オール熊本で10年、20年計画でつくってもいいと私は思います。都市の三種の神器の再右翼とも言われる総合博物館がないのを、私は熊本県民、市民として恥ずかしく思うべきだということを改めて表明させていただきます。  続きまして、熊本城を中心とした文化行政についてお尋ねいたします。  熊本城調査研究センターが設置されております。そういう中で、熊本城というもののあり方が問われております。  市民は、やぐらが、城門が、石垣が、本丸御殿が見事に復元されていくのを見て、ひそかに誇りを覚え、自慢にもし、何かあると城内は我々のものだという親近感が強いところもあろうかと思います。例えば、二の丸広場にはかつて時習館があり、神風連や西南の役の遺跡があったことは御案内のとおりでございます。  文化庁のようになかなかかた苦しく考えないというのが市民の偽らざる心境かと思いますけれども、行政当局はそう単純にはまいりません。このたび文化庁から厳しい指摘を受け、官民ともに我に返り、全国でも第一級の国特別史跡熊本城であることを再認識し、今日までの甘えの構造を謙虚に反省し、新しい覚悟で取り組まれるなどと私も痛感いたしております。  この熊本城の部分、清正が造営した花畑屋敷というものがこの再開発の部分で浮かび上がってきております。これは先ほど申しました再開発の副産物というよりも、私は大きな功績ではないかと思うところですけれども、この花畑屋敷の庭園部分は平成24年11月に遺構が確認されております。花畑屋敷の歴史は時間がないので割愛しますけれども、造営前からあった旧代継跡の大楠は一時枯れる寸前でしたけれども、森の都都市宣言の面目にかけて、当時の執行部、議会による大救出作戦で蘇生させたのは、私も子供ながらによく覚えております。  花畑屋敷庭園の庭石等の一部は清爽園に配置されていると思いますけれども、現在のところ花畑屋敷の遺構はここにしか確認されておりません。まさに大発見。流動的な再開発計画が進行していく中で、今後、どのような形で整備されるのか。もちろんきちんと保存していくべきだと思いますが、お尋ねしたいと思います。  最後に、熊本城の復元整備について、文化庁から史跡の調査研究が不十分であるということで、性急な整備を進めるよう厳しく改善策を求められております。ここで問題点を詳しく検証するには余りにも問題が大きくて他日に譲りますけれども、気がかりな点を羅列しますと、日本一の石垣の再検証。これは復元整備計画にもうたわれておりますけれども、専門知識を持った職員の不足、観光イベント優先での史跡保護の観点に欠けているのではないかという点、世界遺産の姫路城や金沢城と比較して調査研究の不備がある。これは先ほど申した調査研究センターで補われたのではないかと思いますけれども、文化庁が3年前から問題点を指摘して改善を求めていたのに、具体的な是正がなされなかった。なぜ放置していたのかと、私も全く疑問に思うところです。なぜこのような事態に陥ったかの検証も必要であろうかと思います。  その部分において、熊本城調査研究センターの存在というのが改めて浮き彫りになってくるわけですけれども、今の段階での熊本城調査研究センターの内容、今後の進め方について観光文化交流局長にお尋ねしたいと思います。          〔坂本純観光文化交流局長 登壇〕 ◎坂本純 観光文化交流局長  熊本城を中心とした文化行政につきましてお答えいたします。  まず、本市の文化財保護行政の基本的な考え方でございますけれども、本市には熊本城を初めとした多くの歴史的文化遺産や伝統文化が残っており、これらは郷土の貴重な財産として後世に大切に引き継がなければならないと考えております。  一方で、市民の皆様を初め多くの方々にこれらの価値や歴史的意義なども知っていただき、関心を持っていただけるよう活用を図ることも重要であると考えております。  お尋ねの熊本城調査研究センターについて申し上げますと、この設置目的ですが、熊本城跡の価値を明らかにし、次世代へと継承していくために学術的、総合的、体系的に調査研究を行うことを目的として設置しております。  また、主な事業内容は、第1にこれまでの復元整備を初めとした保存整備のあり方の再検証と総合的な調査研究、第2に数多く存在します熊本城に関する文献・絵図資料等の収集・整理。それから、第3に熊本城への理解を促進するため、調査研究成果について広く情報発信をすることです。  組織体制につきましては、本年4月からは課相当の組織として、職員は所長以下12名を配置し、調査体制の充実を図ったところです。内訳を申し上げますと、近世城郭1名、考古学3名、建築史学2名、文献史学1名の専門職7名、加えまして考古学1名、文献史学1名の嘱託職員2名、そして事務職3名となっております。  また、熊本城の保存と活用についての考え方についてですが、特別史跡熊本城跡の本質的な価値を損ねることのないよう適切な保存を図るため、文化庁や県、文化財保護委員会等の御意見をいただきながら調和のとれた保存整備と活用を図ってまいります。  最後に、お尋ねの花畑公園についてでございますが、この公園は江戸時代の大名屋敷である花畑屋敷の敷地の一部として唯一現存する公園でありますことから歴史的に非常に貴重なものと考えておりまして、シンボルプロムナードの整備に際しましても遺構や市指定樹木である大楠等の保存に努めますとともに、シンボルプロムナードと一体となった集い・交流の場と位置づけまして、公園の歴史を多くの方々に知っていただけるよう努めてまいります。          〔21番 紫垣正仁議員 登壇〕 ◆紫垣正仁 議員  とにかく文化庁との信頼関係をしっかりと取り戻して、3年に及んだ上での指摘を受けてのことですから、そこもしっかりと反省はしていただかなければならないと思います。  私がもう一つ申し上げたいのは、熊本城というのは特別史跡に指定されているエリアが51.2ヘクタールあるのですね。私は、これは大きいなと思って、これ以上あるのは姫路ぐらいかなと思って調べてみたら、さすが姫路、世界遺産、倍以上ありますね。平成3年に107ヘクタール。これはちょっと広げ過ぎて、今大変なところもあるようですけれども、熊本の倍以上特別史跡区域を指定しております。  そういう意味でいいますと、熊本城の復元整備計画が平成9年にでき上がっておりますけれども、ここで特別史跡指定をすべきだと指摘されているところが、その後、なかなか進んでいないのですね。古城堀端のところの一部ぐらい。  私は前から思っておりましたけれども、NHKが何であそこにあるんだろうと思っておりました。また、JTが何であそこだろうと。それよりも思うのは、高橋公園の手前のとっぺんさきのところですね。前はある酒造メーカーの看板がぼんとございました。まず足元からだろうと思います。  花畑公園、花畑屋敷の遺構もきちんと、私は特別史跡に指定してでもということも考えるべきだと思いますけれども、原点に戻るべきだと思います。  この復元整備計画の中、今度名前は、復元が前に出ているので保存管理とかいうふうに見直すべきだという議論もあるようですけれども、熊本城を、もともと江戸城ですから東京の皇居と考えるならば、皇居のど真ん中を我々は行き来しているのですね。道路、利便性のために便利だからといって。本来であるならば、本丸の真横ですよ。あそこは前は南坂、天皇様が来たから行幸坂になりましたけれども、そこの管理というものも本来であるならば熊本人がまず考えなければいけないところだと思います。そこの交通問題というのも含めた特別史跡問題にもしっかりと取り組んでいただくことを改めてお願いいたしたいと存じます。  昔は荒木精之さん、今は賞ができたりもしておりますけれども、こういう重鎮の方がにらみをきかせていて、文化行政を何かするといったら、ここにお伺いを立てないと前へ進めないという状況があったんですよね。それが今はなかなかそういう方がいらっしゃらない。熊日の亡き永野光哉さんとかが、本来であるならばそういう役割を果たしていただきたかったところですが、残念ながらお亡くなりになっております。だからこそ、我々議会の役割というのも非常に大事になると思っております。  しっかり守らなければ、いいものも残っていかない。ただ、利活用、イベント重視、観光客来てくれというのではなくて、もともと都市公園ですから、熊本市民がもっとふだんに憩うような場にもしていかなければいけないのではないか。そういう意味では、課題は幾つも山積しております。トイレの改修とか雨よけとかいうのも少しずつ取り組まれてはいるようですけれども、やはりもっと抜本的な見直し、都市公園としての位置づけというのを考えるべきではないかということも加えて指摘させていただいておきます。  続きまして、水前寺成趣園の周辺地区の活性化についてお尋ねいたします。  これはうれしいといいますか、いい動きと言った方がいいかもしれませんが、私も父と母が水前寺出水小学校区が里なものですから、小さいころから預けられて、水前寺成趣園を本当に庭のように遊び回っておりましたけれども、だんだん年を重ねていくにつれて元気がなくなっていっているのを感じておりました。  そういう中で3年半前に、11月6日、7日、水前寺まつりが立ち上げられました。細川幽斎公の没後400年を記念して古今伝授の間の改修を1億円かけて行いましたけれども、そこに市も9,000万円出しているという意味から、かかわりが色濃くなってきております。  しかし次の年から、規模は小さくするにしても続けていこうという話があったのですけれども、園側がそれは聞いていなかったというような形で頓挫しておりましたが、先般、4月5日、6日で水前寺まつりが地元の有志中心に開かれたこと、私、うれしく思っております。  立ち上げのときから私もボランティアで5日、6日を含めて参りました。5日は雨がすごく降っておりまして、奥の能楽堂のところでも大変だったのですけれども、数多くの方々に来ていただいて成功裏に終わった。特に2日目が晴れたというのもあったかと思いますけれども、この水前寺成趣園の取り組みについて取り上げたいと思います。  出水神社さんが中心的に管理されておりますけれども、その体制も変わったやに聞いております。そういう中でいろいろ先進的な取り組みをされているのを私もびっくりするぐらいのことで、いいモデルになってくれればいいなと思っているところです。砂取小学校区、出水小学校区の方々が一緒になってどぎゃんかせにゃいかんと。自分たちの地域の財産、宝なのに今のままじゃいかんよねということで動き出され、前は商店街の方々がどぎゃんかせにゃという動きがありましたけれども、そこを巻き込んでの形で4月5日、6日の先ほど申しました水前寺まつりを初め、その前には新成人を対象に入園料を無料にしたりとかいうことも含めていろいろな取り組みをされております。その辺を市の方も、中央区のまちづくり推進課を初め観光振興課の方もかかわられていい取り組みをされておりますので、ぜひ御紹介いただければと思います。  観光文化交流局長の答弁を求めます。          〔坂本純観光文化交流局長 登壇〕 ◎坂本純 観光文化交流局長  水前寺成趣園とその周辺地区の活性化についてお答え申し上げます。  水前寺成趣園は、本市の文化遺産として熊本城と並ぶ貴重な観光資源であり、その活性化は重要な課題と認識しております。  このような中で、昨年3月、地元自治会や商店街を中心とした水前寺活性化プロジェクトが結成され、これを契機に公園を管理する出水神社と地元が一体となった取り組みが始まっております。  具体的に申し上げますと、定期的なのみの市や参道カフェ、2月には着物月間の催しもの、4月には熊本ルネッサンス県民運動本部と連携した水前寺まつりが開催されたところです。さらに、この10月には水前寺駅周辺を活性化しようとする若手チームを中心とした水まち水前寺賑わいまつりの開催なども計画されております。  本市といたしましては、今後とも地域の皆様と連携しながら、国内外に対しまして水前寺成趣園の歴史的・文化的魅力を広くPRし、観光客の増大に努めますとともに、関係者の皆様による水前寺かいわいの活性化が息の長い取り組みになるよう、引き続き支援を行ってまいります。          〔21番 紫垣正仁議員 登壇〕 ◆紫垣正仁 議員  やっと軌道に乗ってきたという感じがしてうれしく思うところです。来る6月28日、29日には細川公ゆかりの舞鶴、京都、長岡京を巡る細川家歴史探訪の旅というような企画も神社の方でされて、多くの参加者を募られているようです。  また、舞鶴からの教育旅行一団も、セールスのかいもあって、来年も舞鶴市立城南中学校、また舞鶴市立若浦中学校が5月に相次いで熊本市を訪れ、水前寺成趣園を探訪してくれると聞いております。こういう流れが継続していくことを願ってやみません。  続きまして、教育行政関連、特に図書館の問題についてお尋ねいたします。  市立図書館が休館いたします。県内で一、二を誇る県立図書館と市立図書館2館がともに大規模改修、同時期に休館。7月から9カ月間休館するという県立図書館。築32年である市立図書館が老朽化して来年2月まで。これは9月からということで夏休みを外されたようですけれども、半年間は両館がともに休館することになります。関係市民に大変御迷惑をかける結果になりました。遠隔地ならともかく、県市の違いはあれ同じエリアで、お互いの工事日程を調整することができなかったのかと、情報不足、連携不足が招いた市民不在、利用者不在も甚だしいと私は強く指摘させていただきます。  さきに触れた本市の博物館リニューアル工事も、特別史跡への認識と国への計画説明が不十分だったため、工法や設計の見直しで着工がおくれてプラネタリウムにも影響しております。今週開館予定だったのですけれども、これも大きくおくれることになります。  このように当局の不手際で図書館、博物館という市民の知的欲求を満たす施設が休館状態になるのは、天災なら別として、これはもうまさに人災と言わざるを得ないと思います。認識不足、見通しの甘さ、不注意によるもので県市民に不利益を与えたと言っても過言ではございません。いろいろお役所の御事情もあろうかと思いますけれども、現状とあわせ、その辺の実情をお聞かせ願えればと思います。  それに続きまして、図書館、これは学校図書館のあり方についてですが、学校図書館司書業務補助員という方がいらっしゃる。通称司書補助と言われるのですが、学校の先生で図書主任の方がいらっしゃって、司書教諭の方もいらっしゃいますけれども、その補助的な立場として配置はされておりますが、本来の業務を超えるような、授業への協力も含めて現場対応が飽和状態というのを聞き及んでおります。これに対する改善。現在、学校規模の大小にかかわらず、大規模校でも1名、小規模校でも1名という状態もあるべき姿ではないのではないか。  振り返ると、そもそも、この司書補助という体制は前の市長さんのときに、15年ちょっと前でしょうけれども、蔵書率というのが全国で注目されました。学校図書の状態がどうかということで一つの指標として。熊本市がワースト9だったのですね。これを改善すべく蔵書の予算もばあんとつけて蔵書率を上げて、学校図書館の環境整備ということで動かれた。  この司書補助を各校1名配置というのは、本市の周りを見てもございません。これは本市のいい取り組みとして評価すべきだと思います。  しかし、政令指定都市にもなりましたから、もう一歩ステップアップして、この学校図書司書業務補助員の再評価、処遇改善を考えるべきではないか。それが心のオアシスとも今言われるのですね。図書館の先生と保健室の先生はちょっとほかの先生と違うというのは、子供たちはもうよく知っています。そういう意味で図書館のあり方、存在意義というのが増している今、私は取り組むべきだと強く思います。  この司書補助業務の補助員の方の処遇改善。また、蔵書が、先ほど言いました蔵書率100%を目指すがゆえに捨てられない図書というのが出てきて、廃棄ができない状態になって、適正な新陳代謝が行えない状態に現場がなっているというのが今浮き出てきております。  私がなぜこれを知ったかというと、いろいろ聞くと、年度がかわるとまず段ボールをもらってきて、図書館の本のほとんどもう古くなったものとか、情報が古くなったもの、壊れて使えないのも含めて、もうこれは使わんというのが結構あるのですね。それを詰め込んで倉庫に入れるというのが結構な学校で起こっているということを知ったからです。  貴重な本とか、物を大事にするというのは当然ですけれども、物は劣化してまいります。そういう中で適正に新陳代謝を行っていくというのは、生物界でも当然ですけれども、いろいろな組織、いろいろな仕組みでも大事なのだという視点で図書館の、特に学校の蔵書の適正管理についてお尋ねいたしたいと思います。  続きまして、図書館の運営について。  図書館の運営については、学校図書館が夏休み二、三日しかあいていないという状態が各学校で続いております。御案内のとおり、プールの開放がなかなか難しい状況になっている中で、学校図書館の存在意義というのも今浮き出てきていると思います。私は地域の力もかりながら、ぜひ学校図書館の長期休みでの開放を推進するべきだと思いますが、当局の御意見を拝聴したいと存じます。  以上、教育長にお尋ねします。          〔岡昭二教育長 登壇〕 ◎岡昭二 教育長  教育に関する質問としまして、図書館に関します質問に順次お答え申し上げます。  まず、熊本市立図書館の改修についてでございますが、市立図書館は開館後32年が経過しておりまして、空調機や電気設備等館内設備の老朽化が著しい状況でありましたことから、今年度、地域の元気基金を活用いたしまして、開館以来初めての大規模設備改修を行うこととしたものでございます。  また、県立図書館におきましても、設備老朽化対策及び施設拡充のため、本市と同様に今年度、地域の元気基金を活用した大規模改修を計画されたところでございます。  当初、県立図書館及び市立図書館との間で設備老朽化対策につきまして協議の場などを設けることはございませんでして、相互の工事が判明した段階で調整を図ったところでございますが、互いに早急な施設整備の老朽化対策が必要なこと、及び財源となります地域の元気基金の期限となる平成26年度内での工事完了が必要となりますことから、やむを得ず工事期間が重なることとなったところでございます。県市連携が不十分であったことにより、利用者の皆様に御不便をおかけする結果となりましたことを、ここでおわび申し上げます。  教育委員会といたしましては、このような状況の中、休館中は極力利用者の皆様へのサービスが低下しませんよう、植木図書館、城南図書館、プラザ図書館や市内の各公民館図書室等を通じまして市立図書館の本の貸し出しを継続いたします。また、隣接する大江公民館に臨時の貸し出しカウンター及び議会図書室での市立図書館の本の貸し出し、返却が可能となるサービススポットを設置しますとともに、さらに県立図書館とともに協力要請を行いました一般開放を行っている周辺の大学図書館を御紹介するなど、利用者の皆様への対応に努めてまいります。  図書館利用者を初め地域住民の皆様に休館期間及び休館中の対応につきまして周知を図ってまいりますとともに、今後、このようなことがないよう県立図書館とも十分な連携を図るよう努めてまいります。  続きまして、2点目の学校図書館の運営につきまして、まずはその中で図書館司書業務補助員に関してでございます。本市では平成12年度から全国に先駆けまして小中学校全校に司書業務補助員を1人ずつ配置するなど、学校図書館の運営の充実を図ってまいったところでございます。  そのような中で、年々司書業務補助員に求められる業務内容が多様化いたしますとともに、大規模校などにおきましては、図書カードの作成や貸し出し業務等に過度の負担がかかっている状況も一部で見受けられております。  今後、教職員と司書業務補助員の連携協力を密にし、学校図書館の円滑な運営に努めますとともに、大規模校への増員等につきましても引き続き検討してまいりたいと考えております。  また、図書館の蔵書に関してでございますが、本市の学校図書館の蔵書整備につきましては、平成22年度末に市内の学校全体で学校図書館図書標準冊数を達成しましたものの、個々には未達成の学校が小中学校合わせて全体の約3分の1、41校存在いたしますことから、未達成の学校に対しまして重点的な予算の配分を行うことにより、各学校が標準冊数を上回るように努めているところでございます。  このような中で、図書の廃棄に関しましては積極的に行ってはまいりませんでしたが、平成23年度からは図書標準冊数を上回っている学校に対しまして、新たに購入した図書と同数の廃棄を可能にするなど、計画的な廃棄を始めたところでございます。  議員の御提案にもございました寄附による蔵書数を廃棄できる数として加えることにつきましても、今年度から廃棄できる数に加えることにしたいと考えております。  さらに、学校図書館の開放についてでございます。  平成24年度夏季休業日における学校図書館の開館の状況につきましては、小学校は64校で平均開館日数は3.3日、中学校は22校で平均開館日数は5.4日でございました。学校図書館を開放するための課題といたしましては、職員の配置や学校の安全対策等が挙げられるところでございます。  議員御提案にございました、PTA等への開放による子供たちの居場所づくりということでこの図書館の開放ができないかということでございますが、子供たちや保護者の夏季休業日におけるニーズの把握を行い、学校現場の課題を踏まえました上で、どのような関係団体との協働による運営が可能であるか、研究してまいりたいと考えております。          〔21番 紫垣正仁議員 登壇〕 ◆紫垣正仁 議員  図書館改修もこういうことがほかの分野でも起こらないようにしっかりとした情報管理、県市の連携をお願いしておきます。  学校図書運営に関しましては、司書補助、去年は予算を2名ほどふやして大規模校にリベロ的に動いていただいてという予算を検討されたようですけれども、予算要求はされていないようです。こういう話をしっかりと御理解いただいて、堂々と財政局の方に予算要求をしていただきたいと改めて要望しておきます。  また、学校図書館の開放はぜひ前向きにお考えいただきたい。もちろん、できる地域とできない地域、できない学校とできる学校はあろうかと思いますけれども、そういううまくいったところの例もしっかりと地域に還元していきながら、私は未来型だと思います。学校の中に地域の方々が入って来やすいような体制づくり、次の質問にもかかりますけれども、開かれた学校づくりというところにもつながっていこうかと思います。  あえて分けましたけれども、最後の地域との連携による開かれた学校づくり。教育環境格差という問題意識で私はお尋ねしたいと思ったのですけれども、前にも触れました。どういう家庭環境、学校として子供たちに家庭の状況をモデルとして示せるのか。やはり、7時から8時ぐらいの間には家に子供たちも帰って、親も帰ってきて、一家団らんで食事ができるということを一つのモデルにすべきではないかと私は強く思うのです。ここがなかなか権利と義務といいますか、いろいろなことに対応、対処していかなければいけないというような現代なのかもしれませんが、打ち出せてないような気がいたします。  効率化という意味でも、全てのことに対応することはできませんから、それだったら、1人ずつにメニューを考えなければならないようになると思いますので、そういう現状もしっかり踏まえて、これはもう社会構造というものにも影響してくるかと思います。早くお父さん、お母さんが帰ってこないと、保護者の方が帰ってこないとそういうことは実現しませんからつながった問題だと思いますけれども、そういうことも検討していっていただきたいと思います。
     その中で、教育環境の格差。塾に行くのが当たり前というような国は日本だけです。私も行きましたが、予備校がこれだけ普及しているのも日本だけです。こういう状態は正常ではないと私は思います。やはり学校、または地域である程度のレベルまでできるというのが、本来のあるべき姿だと思います。お金がないと塾には行けませんから、お金がないといい教育が受けられないというのはいい社会ではないと、成熟した社会ではないと私は強く思います。  先般もありましたけれども、そういう中では武雄市とかが、反転授業でチャレンジをしているのだと思いますが、熊本市としてそういうことにどう取り組まれているのかということを私は強く思うわけです。  開かれた学校、地域の方々が学校のしかるべきスペース、図書館であってもいいでしょう。そういうところで子供たちに物を教えたり、もしくは図書館で学ぶ子供たちを見守ってやったりというような仕組みがこれから必要になってきますし、私は熊本でもそういうふうな動きが出てきているやに聞いておりますので、その辺の実情についてもお尋ねしたいと思います。  教育長、お願いいたします。          〔岡昭二教育長 登壇〕 ◎岡昭二 教育長  地域との連携によります開かれた学校づくりに関しましての御質問でございます。  さまざまな教育問題の解決につきまして、教育委員会と学校、教職員、保護者、地域住民との意思疎通を図り、信頼関係を築き、地域社会全体で学校教育を支援していく、支えていくことは大変重要であると認識いたしております。  現在、学校では地域や保護者の方々に学校評議員をお願いいたしますほか、学校支援ボランティアとしてさまざまな教育活動に対して御協力いただくなど、地域に開かれた学校づくりに取り組んでいるところでございます。  教育委員会といたしましては、学校支援ボランティアの充実を図りますために、平成20年度から3年間、国の委託事業といたしまして学校支援地域本部事業をモデル的に実施したところでございまして、その事業の趣旨を受け継ぎながらボランティアの育成のための研修会の開催あるいは活動事例集の作成など、学校支援ボランティアの活動支援に努めてきたところでございます。  そのような中で、特に学校と地域の橋渡しを行うコーディネーターを配置し、地域との連携を強化している学校におきまして大きな成果が上がっております。そのような先進的な取り組みにつきまして、他の学校にも紹介し、積極的に情報共有を図っているところでございます。  今後もそれぞれの学校の実情を把握し、さまざまな機会を通して保護者や地域の方々等との連携をさらに深め、開かれた学校づくりを推進いたしますことで、地域全体で学校を支えることができる体制の整備充実にも努めてまいりたいと考えております。          〔21番 紫垣正仁議員 登壇〕 ◆紫垣正仁 議員  ぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思います。  具体例で言いますと、一新小学校の応援隊、桜山中学校のアフタースクール等が例かと思いますけれども、ほかの地域でもそういう芽がもう芽生えているかと思います。きちんとそういう現場の状況にも耳を澄ませて、いい取り組みに対しては、こうやるとうまくいきますよ、こうやるとちょっと難儀しますよというようなことをアドバイス、コーディネートしていただくことを改めてお願いいたしますし、武雄市の取り組み、いろいろな形で注目はされておりますけれども、韓国において先進モデルが実際あるんですね。  韓国の中部に世宗特別自治市というのが、国の政策として設置されております。ここにおいて、もう武雄市を上回るいわゆるインターネット状況というのが確保されているわけですが、サーバーが一回ダウンすると、その日は、さあ、教科書出してと言って、そこでアナログな授業になるわけです。  ですから、反転授業もよろしいでしょうし、取り組みは取り入れるべきだと思いますし、いいのですけれども、デジタルな部分、便利な部分を受け入れるのはいいのですけれども、それであってもやはり中身が大事になってくると思いますので、その中身の充実、研究というのも怠らずやっていただくことを改めて付させていただきたいと存じます。  続きまして、あえてここで、一つ項目にありませんけれども、次の項目にもかかわります。防災に対するリーダーシップというところをあえて取り上げます。  なぜかといいますと、私は都市整備委員会をあずかっておりますけれども、先般、東日本大震災で一番被害がひどかったと言われている女川町を訪ねてまいりました。この中で、まちの7割以上、8割近くが壊滅的な打撃を受けた地域であります。1000年に一度のまちづくりと須田町長が申されておりますけれども、その取り組み、私だけではなくて、一緒に同行された議員の方々、また執行部の方々も感じるところ多々だったと思います。それについて少し触れなければいけないと思いますけれども、災害があったときの要諦、大事な点は何かのいうのを、先日、西部方面隊の総監であります番匠幸一郎陸将の講演をお聞きする機会がございました。  私も前々から思っていたことですけれども、災害対応でまず大事なのはリーダーシップ、2つ目は平素の準備、3つ目が現場力とおっしゃったのですね。先般の鳥インフルエンザの対応にも重なるところがあろうかと思いますけれども、リーダーシップを町長がとられていました。2つ目の平素の準備。1万人ちょっとの町なのですけれども、財政調整基金を何と100億円以上ためられているのですね。まあ、原発があるというのもあるのでしょうけれども、不景気の中でよくためられていたなと。これをもって国や県を待たずに独自の動きをされて、瓦れきは、東日本で一番被害は大きかったけれども、一番最初に東京都ともやりとりしながら処理していただいているという現状。そのリーダーシップに引っ張られて現場が対応して、現場の職員さんも町長も仮設住宅にまだ住まわれているんですよ、そういう状況で笑顔を絶やさずに対応されている。これに関して、一緒に行かれた都市建設局長、思い感じたところをぜひ触れていただければと思います。  海フェスタの取り組みについても、せっかくですから少し簡潔に取り上げていただければと思います。          〔永山國博都市建設局長 登壇〕 ◎永山國博 都市建設局長  女川町の視察に際しての感想ということでございますので、私の率直な感想を述べさせていただきたいと思います。  まず最初に、仮庁舎で須田町長や職員の方々から津波による被災直後の状況や女川町の復興の取り組みについての説明を受けました。その際に印象に残りましたのは、町の7割が壊滅的な被害を受け、町民の1割の方々が亡くなられている状況にもかかわらず、須田町長や職員の方々はとにかく明るく前向きに復興に取り組んでおられる姿勢でございました。  また、今回は須田町長みずからが復興の現場を案内され、女川町のまちづくりについて説明を行われたわけでございますが、須田町長は女川町がこれから進めるまちづくりを災害からの復興ではなく、今回の災害を次の時代を生きる人たちのための新たなまちづくりのきっかけと考えられ、20年後に向けた新たなまちづくりの将来像をもっと人が集い、人が自主的に働き、人が何かを生み出すような創造的空間とイメージをされておりまして、そのためにかつての中心市街地を中心に200ヘクタールにも及ぶ広大な土地区画整理事業に取り組むことにしたと熱く語られ、その一方では、その計画を進めるためには被害を受けていない高台の住宅であっても必要であれば移転を進めるなど、信念を持って取り組まれていることが感じられました。  今回の視察では女川町の町民の方々から直接話を伺う機会はございませんでしたけれども、ここまで復興を進めるには幾度となく町民や町議会との議論を経て、理解を得ながら進められているとのことでございまして、改めて災害の悲惨さや復興の難しさを再認識させられるとともに、あわせて新たなまちづくりを実現するためには、具体的な姿を描き、信念を持って取り組むことが重要であるということを感じた視察でございました。  以上が感想でございます。  次に、来年度予定しております海フェスタについて御紹介させていただきたいと思います。  この海フェスタは、海の恩恵に感謝し、海洋国日本の繁栄を願う日という海の日本来の意義を再認識し、広く国民の海に対する関心を喚起するとともに、地域観光振興による交流人口の増加など地域活性化を図ることを目的に、毎年海にゆかりのある自治体で開催されております。  今回、開催決定までの経緯でございますけれども、昨年度から平成27年海フェスタの熊本開催に向け、開催自治体としての参画依頼や関係機関への協力依頼に取り組みますとともに、基本計画書作成などの準備を進め、本年5月に国に申請を行い、先般、6月4日、国から本市を含む有明海沿岸地域の7市1町で正式開催決定の通知をいただいたものでございます。  海フェスタくまもとは、メーンテーマを「つなぐ ひろがる 有明の海」とし、人をつなぐ、地域をつなぐ、時代をつなぐ、魅力が広がる、未来へ広がるをキーワードに関係自治体の連携のもと、来年7月18日から8月2日までの16日間での開催を予定しておりまして、海の総合展や港湾施設の一般公開などさまざまなイベント開催に加え、皇室をお招きし、記念式典並びに記念祝賀会も盛大にとり行う予定としております。  今後の取り組みでございますが、熊本県有明海沿岸地域の開催自治体並びに関係機関等を構成といたしました実行委員会を立ち上げまして、さまざまな団体等との連携や推進体制の強化を図りながら、来年7月の熊本開催に向け、鋭意取り組んでまいります。議会におかれましても、御理解、御協力をいただきますようお願い申し上げます。          〔21番 紫垣正仁議員 登壇〕 ◆紫垣正仁 議員  笑顔を絶やさずユーモアを交えながら案内してくれた町長と職員の皆さん、これからも定期的な交流をと思いますし、3度町長から申し上げがございましたけれども、東松島市だけではなくて、女川町にも職員さんをぜひというメッセージを預かってきておりますので、市長並びに議会の方にも申し伝えたいと思います。  続いて、防災という観点で学校施設の防災、校舎・体育館の耐震化の部分です。  新設校でいろいろ対応されているというのも存じ上げております。そういう中で各学校に備蓄倉庫が設置されておりますけれども、現状として、体育館2階とか、放送室の反対側といいますか、そういうようなところに備蓄倉庫があったりいたします。  こうなると、本当に被災したときに、倒壊したりというのは耐震化でなかなか考えにくいところもあろうかと思いますが、物が落ちてきたりというのはあり得ますから、階段が壊れたりということもあります。そういう備蓄倉庫の適切な設置をもう一回見直すべきではないかということを指摘させていただきたいと思います。  同時に、私も地域で学校等にも出入りすることが多いのですけれども、備蓄倉庫の場所のアナウンスが全くなかったのです。いろいろ聞いてみますと、地域の中でも自治会長さん初め各種団体長さんもほとんど知らないという状況、これはあるべき姿ではないと思いますので、改善を求めます。  また、避難場所。女川に行っても感じました、ふだんの備えが大事だなと。いろいろマニュアルはつくられております。しかし、このマニュアルで終わってはいけない。このマニュアルの周知も大事です。  そういう中で避難場所として体育館というのが大きな要素を占めてくると思いますが、子供が少ないと新しく体育館を建てかえるときには規模は小さくなるから建てかえんでくれというような声も上がっているやに聞きます。  子供がいなくても地域に高齢者の方々初め成人した方々も多いという地域もあろうかと思います。そういう避難所としての体育館のあり方、特に新設するときに国補助等があるのは存じ上げておりますけれども、必要なときには手出しをしてでも、ちょっとしたところで使い勝手が悪かったり、本来あるべき姿にならないというのであれば、そこは国の基準とかにとらわれるのではなくて、熊本タイプといいますか、熊本方式でぜひ整備するべきではないかと思います。それについて、御答弁をお願いいたします。          〔岡昭二教育長 登壇〕 ◎岡昭二 教育長  学校施設の防災対策につきまして、2点の御質問にお答え申し上げます。  まず1点目の学校の分散備蓄倉庫についてでございますが、各学校に設置しています分散備蓄倉庫につきましては、各学校の意見等を踏まえまして基本的には屋内に設置しているところでございます。  校舎及び体育館は耐震改修を終えておりますことから、十分な耐震構造を備えていると考えておりますが、万が一、学校の分散備蓄倉庫が倒壊等で使用できなくなった場合は、公園や出張所に設置してあります集中備蓄倉庫から必要な物資を運搬することとしております。  議員から御指摘のございました分散備蓄倉庫の設置場所につきまして、各学校の状況や関係部局の意見等を踏まえまして検討してまいりたいと考えております。  また、学校が地域の避難場所になっておりますことや、各学校に分散備蓄倉庫が設置されていますこと等の地域住民の皆様への周知につきましては、関係部局と連携して対応いたしますとともに、教育委員会といたしましても学校行事等の機会を活用いたしまして対応してまいりたいと考えております。  2点目の体育館の避難場所としての機能に関してでございますが、体育館につきましては、国の補助制度を活用して建設整備しているところでございまして、その必要面積は国の補助基準に基づいて算出しているところでございます。  避難所の受け入れに当たりましては、体育館以外にも教室等も活用いたしますほか、市全体といたしましては出張所や公民館などの公共施設も一時避難場所として指定されているところでございます。  ただいまの議員からの御指摘も踏まえまして、一時避難場所のあり方につきましても関係部署と協議してまいりたいと考えております。          〔21番 紫垣正仁議員 登壇〕 ◆紫垣正仁 議員  ぜひ丁寧な対応をお願いいたします。  3項目めの最後に、国内唯一の姉妹都市・福井との姉妹都市20周年に当たっての部分をお尋ねいたします。  20年ちょっと前にロータリークラブ同士の提携を機会に福井市との本格的な交流が始まりました。交流の流れ、福井市さんはしっかり、A4に打ち出すならば2ページ以上、そういう流れをホームページにずっと掲げられております。では熊本市のホームページを見ると、これの何分の1といいますか、5分の1、6分の1の量をちょこっと書いてあるだけ。どういう交流がなされてきたかというのが、見ることはできません。  こういう状態に象徴される出来事が起こっております。というのは、今回、20周年を迎えていますけれども、この20周年の記念すべき節目に対して、まずこの関連予算が削減されていること。そして、青少年育成交流事業もそれに応じて人数も減っている。あるべき姿ではないと思います。  10年前には福井から50人以上OBの方、昔は小学生だったけれども、もう成人した人も含めて来ていただいております。では、20周年で熊本市が行くべきだと思いますけれども、そういうことも考えられていない。あるべき姿ではないと思います。改善を求めますが、お考えをお聞きしたいと思います。  これは健康福祉子ども局長にお願いいたします。          〔宮本邦彦健康福祉子ども局長 登壇〕 ◎宮本邦彦 健康福祉子ども局長  福井市との姉妹都市20周年に当たってのお尋ねにお答え申し上げます。  福井市小学生交流事業につきましては、本年度で20回目となります。  郷土の先哲であります横井小楠先生が福井藩の藩政改革に当たるなど、歴史的に深い縁があります福井市との姉妹都市締結に伴い、平成7年から青少年教育の一環といたしまして、両市の小学生が相互交流を行ってまいりました。この交流は、本市の子供たちにとりましては、郷土への愛着や誇りが高まるなどよい機会となり、また福井市の子供たちにとりましては本市の歴史や文化を知るきっかけとなりますなど、姉妹都市として重要な事業と認識いたしております。  平成26年度の青少年交流事業の全体を再点検する中で福井市と協議を行いました結果、受け入れの人数と予算の関係からやむを得ず事業を縮小することとなりました。  しかしながら、本年は記念すべき20周年でもありますため、本市では特に歓迎交流会を計画しており、また、来年1月の派遣の際にも記念となる行事も検討しているところでございます。また、共催の熊本市子ども会育成協議会では記念誌の作成を予定されているところと伺っております。  今後も福井市と熊本市の交流事業として、参加した両市の子供たちが交流の契機となった小楠先生を初め先人の苦労や偉大さに思いを馳せ、郷土の誇りを醸成できるよう青少年交流事業の充実に努めてまいります。          〔21番 紫垣正仁議員 登壇〕 ◆紫垣正仁 議員  交流会をされるということは評価いたしますが、総じてここ数年子ども会、育成会の方々の手弁当でのボランティアの活動に対しますと、本市の対応はお粗末きわまりなかったと厳しく指摘せざるを得ません。そこは課長さんも新しくなられて思いを新たにしていらっしゃるようですので、これ以上は申し上げませんけれども、しっかりとした節目になるよう、1月に熊本から行くときにもしかるべきことを考えていただきたいと思います。  続きまして、時間もありませんのでまとめてお尋ねいたしたいと思います。  行財政改革については、民間委託の部分。本市における民間活力の活用の考え方についてお尋ねしたいと思います。  窓口業務の民間委託というのも検討されているようですが、私は本市の1階、2階なんていうのは、前々から言われているように本市の市役所の聖域だったと思います。全てをするべきではないとは申しませんけれども、きちんと現場の意見を尊重して対応すべきだと思いますので、その考えを含めて民間活力の活用の考え方をお尋ねいたします。  続けて、組織改編。  先ほど取り上げました文化行政で、文化庁からの指摘、いろいろな問題がありました。3年前に観光文化交流局ができたときから同時に指摘が始まっておりますので、この辺の問題、組織改編のあり方、特に教育行政、先ほど述べた青少年育成課が健康福祉子ども局になっておりますけれども、教育委員会から移ってきたことによって起きているいろいろな弊害について踏まえた上での御答弁をお願いしたい。  次の人口減少問題に関しましては、国が対応いたしました。安倍総理が50年後に1億人という数字を具体的に維持していくという明言を昨日骨太の方針の骨子でなさっております。これを受けての本市の具体的な政策、人口減少社会問題。日本創成会議人口減少問題検討分科会の座長、増田寛也元総務大臣のいろいろな発言も注目されておりますけれども、それを受けた上で御答弁をお願いしたいと思います。  もちろん、この中で雇用の確保というものが三本の柱、定住促進、少子化問題、交流人口の促進というのを掲げられておりますが、特に定住促進についてお尋ね申し上げたいと思います。  そして最後に、動物愛護行政。  動物愛護センターがリニューアルされている中で、動物愛護センターのあり方というのが改めて注目されております。  これも環境省の犬猫に対する殺処分ゼロの方針が先般アクションプランとして出されました。これを受けて本市として動いている部分もあるでしょうけれども、逆に本市がすごく先進的にやっていることですので、国がいろいろなことをお尋ねになっているやに聞きます。この辺を勘案した上での動物愛護行政について、犬猫等ペットの飼育等に関しての適正なあり方も問題になってくると思いますが、健康福祉子ども局長にお尋ねいたしたいと思います。  市長、農水商工局長、健康福祉子ども局長、総務局長にお尋ねしたいと思います。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  人口減少社会への対応についてお答えさせていただきます。  御案内のとおり本市におきましては、本格的な人口減少社会を見据えまして平成21年度に第6次計画を策定いたしておりますけれども、その中でも人口減少というものを見据えたものでございました。さらに今回中間見直しを行っているところでありますけれども、それが加速するということも踏まえまして、定住促進、少子化対策、交流人口の増加の3つの取り組みを強化することとしたものでございます。  この取り組みの主な事業を申し上げさせていただきますと、定住促進といたしましては、本市の特性を生かした産業の振興や就業機会の拡充、住環境の充実などによります市外からのUIJターンの促進、さらには子供を産んでも働き続けることができる環境の整備でありますとか、若年層の男性の市外流出の抑制のための取り組みなどを進めていくことといたしております。さらには、少子化対策、交流人口の増加策につきましてもそれぞれ取り組ませていただくことといたしております。  このような取り組みに加えまして、超高齢化・人口減少社会の中で、国が地方の直面している課題解決に向けまして一体となって支援する、先日も答弁させていただきましたが、地域活性化モデルケースに選定されたところでありまして、このような支援制度も活用しつつ、人口減少社会への対応に向け取り組んでまいりたいと考えております。          〔飯銅芳明総務局長 登壇〕 ◎飯銅芳明 総務局長  私からは行財政改革に関しまして、2点のお尋ねにお答えいたします。  まず1点目でございますが、民間委託等の進め方についてでございます。  本市ではこれまで4次にわたる行財政改革計画を策定し、健全な財政を維持しながら、市民のニーズに応じた安定した行政サービスを提供できるよう行財政運営のあり方についてさまざまな見直しを進めてまいりました。  その中で、より効率的・効果的な行財政運営を図るために、民間でできるものは民間に委ねることを基本に業務委託や指定管理者制度、あるいは公共サービス民間提案制度など、民間の能力やノウハウの活用に積極的に取り組んでまいったところでございます。  その目的は、民間ならではの質の高いサービスの提供とそれによって生み出された人員や財源等を再配置、再配分し、有効に活用することで行政サービスのさらなる向上にあると考えております。  民間活力の活用に当たりましては、議員お述べのとおり単に経費効果だけでなく、業務を民間事業者等に担わせることの妥当性、行政サービス向上への効果、関係機関等への影響などについて十分に検討を行う必要があることから、その取り組みを行革計画の実施プログラムに位置づけ、関係課等による協議、調整を図りながら進めているところでございます。  今後も民間活力のより適正な活用を図っていくために、実施に当たりましては慎重に検討を行っていくとともに、関係機関等への丁寧な周知説明に努めながら取り組んでまいる所存でございます。  2点目の組織改編等についての考え方でございますけれども、組織改編に当たりましては、各分野における長期的なビジョンに沿った、機能的で市民の皆様にわかりやすい組織体制が重要でありますけれども、一方では社会情勢や市民ニーズの変化に的確に対応するため、政策の重点化等を柔軟に組織に反映させていく必要もあると考えております。  このため、指定都市移行に当たりましては、市民の皆さんに直接かかわりのある業務を本庁から区役所に移管し、全市的な政策の企画調整などは本庁組織で集中的に処理するという基本方針のもと、局の再編を図ったところでございます。  また、指定都市としてさらに活力を高めていくために、例えば九州新幹線全線開業を機に、本市が誇る貴重な歴史的・文化的遺産の国内外への発信と観光、スポーツなどのコンベンションの一体的な推進、あるいは豊かな農水産物を生かした地域産業の創出・活性化などを図るために、観光文化交流局と農水商工局を指定都市移行に先立ち設置したところでございます。  議員の方から教育行政、特に文化財保護行政につきましてのお尋ねがございましたが、文化財保護業務につきましては、これまでの文化財の適正な保全整備だけでなく、その歴史的価値や魅力を広くアピールし、観光資源として有効に活用するなど一体的な推進を図るため、教育委員会から観光文化交流局に移管したところでございますし、また、昨年度は熊本城調査研究センターを設置したところであり、ここでは保存整備や総合的な調査研究はもとより、熊本城に関する情報を広く発信する役割を担っているところでございます。  また、生涯学習やスポーツ推進の分野におきましても、市長事務部局で行うまちづくりや高齢者の生きがいづくり、地域コミュニティ活動など、これまで以上に連携を図り、さらに広がりのある事業展開を目指すために移管したものでございます。  いずれにしましても、権限を有する教育委員会と補助執行などにより事業推進を担う市長事務部局がそれぞれの責任と役割を果たしつつ、より緊密な連携を図ることで相乗効果を発揮し、移管した目的を十分に達成できるよう取り組んでまいりたいと考えております。          〔多野春光農水商工局長 登壇〕 ◎多野春光 農水商工局長  それでは、私からは定住促進に向けての雇用の確保についてお答えいたします。  人口減少社会を迎える中、本市では今後も都市の活力を維持拡大させていくため、定住促進の取り組みを強化していくこととしており、とりわけ働く場をしっかり確保していくため、市民の皆様が働く意欲と能力を発揮できるよう多様な働く機会の創出に力を入れているところでございます。  具体的には、先ほどの市長の答弁と重複する部分もございますが、地場企業の技術力強化や販路拡大への支援を初め、地域に新たな活力を生み出す起業家の育成、本市の特性を生かした成長産業の振興などによって雇用の場の拡大に努めているところでございます。  加えまして、企業ガイダンスなどを通して若年者の就職環境の充実や就業機会の拡大を図るなど、地元での就労を支援しているところでございます。
     また、企業誘致にも積極的に取り組んでおりまして、一昨年度、昨年度ともに過去最高となる16の企業が立地を決定し、合わせて1,000名を超える雇用を創出する見込みでございます。  さらに今年度は、オフィス系の企業の立地をなお一層進めるため、オフィスビル建設を促進するモデル事業にも取り組んでいるところでございます。  また、すぐれた人材の確保に向け、県外に流出した地元人材のUターンや、地方都市での生活を求める優秀な人材のIターン、Jターンを促進するべく就職面談会を福岡、東京で開催する予定でございます。  今後もこのような取り組みを着実に進めるとともに、地域経済の活性化に資する施策に積極的に取り組み、雇用の場の確保に努めてまいりたいと考えております。          〔宮本邦彦健康福祉子ども局長 登壇〕 ◎宮本邦彦 健康福祉子ども局長  動物愛護行政に関し、2点のお尋ねにお答え申し上げます。  1点目の動物愛護センターリニューアルについてでございますが、本市では、平成14年度から殺処分ゼロに取り組み、平成21年度には犬の殺処分数が1頭にまで激減いたしたところでございます。  本年3月に完成いたしました愛護棟は、人と動物との共生社会の実現を目指し、収容されております犬猫の譲渡促進、動物愛護の情報発信の拠点として建設いたしたものであります。同棟には、シャンプートリミング室、しつけ教室や講習会を行う研修室などを設置いたしました。  現在実施しております譲渡前の講習会やしつけ教室に加え、動物愛護推進員と協働で新たに相談コーナーを開設し、犬猫の介護、しつけ、病気の相談などに対応しております。また、小学校、幼稚園などを対象とした動物ふれあい教室も開催する予定でございます。  今後も愛護棟を拠点に、ペットマナーの普及啓発に向けて獣医師会等で構成されます動物愛護推進協議会と協働で、人とペットが穏やかに共生できる社会を目指してまいります。  2点目の犬猫などのペットの適正飼育についてでございますが、本市では、平成24年6月に熊本市動物の愛護及び管理に関する条例を制定いたしました。本条例では、ペットの飼い主に犬の散歩時のふんの持ち帰りや適切なしつけなどに関する規定を設けております。現在、市民の皆様へは市政だよりで広報いたしますほか、パンフレット、チラシを配布し、広報に努めているところでございます。  また、マナーやモラル向上のため動物愛護推進協議会との協働で地域猫活動の支援、パネル展示等の啓発やセンターでの譲渡前の講習会やしつけ教室、ちびっこワンワン教室を実施いたしておりますほか、年間1,000件に近い相談に対応して、マナーの訪問指導を実施いたしております。また、犬の鳴き声や猫のふん尿といった地域のトラブルを解消いたしますため、自治会と協働で回覧板やポスター、チラシを活用した啓発も実施いたしております。今後もさらに自治会などと協働して、マナーやモラル向上に向けた適正飼養の啓発を粘り強く継続してまいります。          〔21番 紫垣正仁議員 登壇〕 ◆紫垣正仁 議員  行財政改革に関しましては、先般、第5次行財政改革計画も策定されております。組織のあり方、ころころと変わる部局の名前というのも問題かと思います。横文字もいかがかと思います。この辺も勘案していただければと思います。  先ほどの海フェスには100万人以上の方々が来られる可能性があります。こういう交流人口というのから人口減少社会を食いとめていく。熊本に行きたい、住みたいという形になればと思います。  そうなると、住生活基本計画というのを熊本も考えておりますけれども、このあたりとの関連性、整合性も大事になってくるのではないでしょうか。保育園・幼稚園のあり方も関連していきます。先般の議会ではすごく問題になりましたので、対応をお願いしたいと思います。  熊本市は1,000番目のフェアトレードシティでもあります。先般、国際会議も3月末に行われております。こういう部分も一つの熊本市の魅力になるので、実態もそれに即したものになるように心がけていただきたいと思います。  また、動物愛護に関しましては、獣医師会の主催で動物愛護フェスティバルも行われております。ことしは31回目になりますので、しっかりと連携を図って命の大切さを育んでいただければと。国もこれを推進するようですので、連携も深めていただければと思います。  結びになります。お待たせしました。  私の大好きなサッカーの世界祭典ワールドカップが開幕いたします。日本代表がいいゴールを決めて勝利することを市民、国民の多くとともに願うものですが、それ以上に本市のすばらしいゴールを願ってやみません。もちろん応援だけでなく、そのゴールに対しましてそれなりの貢献ができるよう、これからも今まで以上に精進いたしてまいることを改めてお誓い申し上げ、私の質問としたいと思います。  議場の方々、ネットでごらんいただいた皆様、御清聴まことにありがとうございました。(拍手) ○三島良之 議長  この際、議事の都合により休憩いたします。  午後2時に再開いたします。                             午後 0時13分 休憩                             ───────────                             午後 2時01分 再開 ○三島良之 議長  休憩前に引き続き会議を開きます。       ───────────────────────────────── ○三島良之 議長  質問を続行いたします。下川寛議員。          〔45番 下川寛議員 登壇 拍手〕 ◆下川寛 議員  くまもと未来の下川寛でございます。本日、この質問の機会をいただきました先輩並びに同僚議員に心から感謝を申し上げて質問を行いたいと思いますが、本日はフランスの方も傍聴にお見えいただいているようで、自分の気持ちを少し上げながら質問に取り組んでまいりたいと存じます。  私は質問のたびにテーマをつくっておるのはよく申し上げるところですが、本日の質問のテーマは地方政府といたしました。21世紀を迎えた現在、日本の行政の潮流は分権化と民営化でありまして、地方行政の自立の道が開けてきたと言われております。1993年の地方分権をうたった国会決議に始まり、1995年の地方分権推進法の成立、2000年の地方分権一括法の施行により国と地方は上下主従から対等協力へと変化してきております。  この流れの中で561事務の7割が自治事務へ移行する機関委任事務制度の全廃、行政指導、通達及び必置規制の廃止という地方への関与の縮小廃止、国と地方の係争処理機関の設置、自治立法権拡大、地方税財源充実などの地方分権が定められ、国の指導で地方行政を営むのではなく、地方が自前で政策をつくり、地域をつくる時代となったことは確かであります。  そのため、法律では地方公共団体という用語がいまだ使われておりながらも、地方自治体という表記どころか、今や地方政府という呼称が学識者においても一般的になりつつあることがそのあかしでありましょう。  この地方政府であれば単なる執行官庁というわけではなく、自治体は政策官庁に脱皮し、自己決定と自己責任を持つ必要があるわけです。つまり、これまでは国が企画活動して、地方が執行活動していたものを、地方自身がその裁量権を駆使し、憲法上も主権者である住民の目線でその満足度の高い政策づくりを目指し、創意工夫を重ねるスタイルを構築する必要があるわけです。  住民は自己解決できない課題、つまり他人の意思に多くを依存しており、他人との共同負担で問題解決せざるを得ない公共領域において、行政に問題解決者とサービス提供者の役割を期待しています。このとき住民の満足を得られるためには、主権者である住民の意思をもとに執行及び決定をしていく必要があります。そして、その意思がルソーの言う一般意思または全体意思として認められるレベルで形成されるためには、課題の発掘形成と解決のための情報が十分に提供されていなくてはなりません。  この意味で、本日の質問は地方政府としての熊本市を確立することを、全体に脈々と流れるテーマとして行ってまいりたいと存じます。なお、これまでの私の質問の慣例として、逆質問や反問ということも大歓迎でありますので、このことを事前に確認して質問に入らせていただきます。  まずは先般成立した地方自治法改正に関し、お尋ねいたします。  この地方自治法改正は、昨年6月に出されました第30次地方制度調査会の答申に基づいておるわけです。今般の改正は答申に正面から答えていないという批判はあるものの、大方の骨子は反映されておりまして、具体的には、この議会でも質問のあった総合区の設置が可能になったことや、県市の位置づけの明確化及び二重行政解消のための組織、基礎自治体の事務の共同処理などが定められておるわけです。  しかし、ここで着目すべきなのは、そういった行政サービス提供体制の手法ではなく、答申にも書かれているとおり、行政サービスに対する住民意思の的確な反映及び都市内分権により住民自治を強化するということが目的であるということです。  そこで本日の質問の冒頭に、都市内分権と住民自治の関係及びそれらへの対応について市長のお考えをお聞かせいただきたいと存じます。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  地方自治法改正に関連いたしましての都市内分権と住民自治についての考え方についてのお尋ねにお答えさせていただきたいと存じます。  御紹介もありましたように、地方分権改革の進展によりまして、地方に権限や財源が移譲され、地方による自立的な総合行政が可能となりつつありますけれども、住民が地域において真に豊かさを実感できるためには、みずからの地域のことはみずからの責任のもと、みずから決定するという理念に基づく住民自治が確立されていくことが必要であると認識いたしております。  とりわけ人口規模が大きく、複雑多様化した住民ニーズを持つ指定都市にとりまして、地域の実情や多様な住民ニーズに的確に対応してまいりますためには、住民みずからが積極的に地域活動や区のまちづくり活動にかかわりを持ち、地域の課題を身近なところでみずからの権限と責任のもとで解決していく、いわゆる都市内分権を進めていくことが重要であると考えておりまして、そのことが地方自治の本旨の一つである住民自治の実現にもつながっていくものと考えております。  このような考え方のもとに、現在、本市におきましては住民に身近な区役所を拠点としたまちづくりを展開しているところであり、今後とも都市内分権を進めつつ、住民自治のさらなる充実に努めてまいりたいと考えているものであります。          〔45番 下川寛議員 登壇〕 ◆下川寛 議員  住民自治と都市内分権に関する市長の基本的認識ということには、私も異論を挟む点がないように思います。  しかし、答弁にありました地方自治の本旨、この言葉は現在確立した定義というものはまだ見られていないのではないかと思いますが、この住民自治を確立することが、憲法論からも自治の分野で必要なことは疑いがないことではないかと思っております。  本日は、今の冒頭の市長のお考えを受けて、それについての各項目をお尋ねしながら、それが真に実現されるかということについての検証を進めさせていただきたいと存じます。  さて、さきに述べましたとおり、住民自治を確立するためには行政サービスに対する住民意思の的確な反映ということが大前提であることは論をまたないと存じます。この住民意思が形成されるためには、住民間はもとより、行政が保有する情報というものが広く提供されて、住民に共有されなければならないと考えます。  我が国の自治、また民主主義というものは市民革命を経験せずに構築されたために、世界でも特殊であると言われております。それが経験されて確立された古代ヨーロッパでは、都市の構成員としての意識を持って政治に自律的に参画する市民が集う広場が必ずといっていいほど都市の中心に置かれまして、市民たちはそこで情報交換をしながら自治を行っておったようです。  つまり、本市が住民自治を確立しようとするならば、この情報の広場が必要であると考えます。ただし、私がここで言います広場は、ハードウェアとしての広場ということではなくて、情報の場という意味で使っておりますので、通告では片仮名のヒロバと表記させていただいたところです。  このヒロバで現在の住民に情報が共有されることにより、当然、自治の具現化としての公共政策が立てられるのではないかと思います。つまり、公共政策を立案するためには解決すべき課題があって、そのための手法を立案し、立案されたものを比較検討して決定し、それを実施した上で評価を行い、さらに次の課題に向かうというプロセスをたどらなければなりませんが、この全ての段階で主権者たる住民への情報が提供されていなければ、行政側の一方的な執行になってしまうだけでなく、住民の市民化ということも構築できないものと考えます。  そういう視点で本市の状況を見てみますと、情報公開条例はあり、ホームページで情報の提供というものは行われておりますが、いずれも情報は置いておくからとりに来てくれというように感じられるものでありまして、さらに、そこに全ての情報が提供されているとは言いがたいものがあります。例えば、都市計画税の具体的使途なども公開されていないというように、本気で情報を提供する姿勢があるのかという疑問が湧いてくるわけです。  先般、市にとっての一大事業であります桜町の再開発に関しまして議会から指摘されて、その審議後にわずかの参加者しかない区ごとの説明会を開催するなどは、そのいい例であろうとも思いますし、また、保存期間が過ぎて廃棄される文書が貴重な住民の共有財産としていまだ保存公開もされていないというのもしかりでありましょう。  今後、本市の保有する全ての情報は、ICTなどを活用して全ての住民に配信するなど、容易に取得できるあらゆる手法を構築して住民間で共有できるようにすべきと考えますが、市長のお考えをお聞かせいただきたいと存じます。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  それでは、情報のヒロバづくりについてのお尋ねにお答えさせていただきます。  本市におきましては、御案内のとおり市政運営の基本姿勢といたしまして、市民の参画と協働によるまちづくりを掲げているところでありまして、平成22年の4月に情報共有、参画、協働を自治運営の基本原則と定めました自治基本条例を定めております。また、翌平成23年には、参画と協働を拡充推進するための基本的事項を定めました市民参画と協働の推進条例も制定いたしまして、全庁的に参画と協働の推進に取り組んでいるものであります。  市民への情報提供・共有は参画と協働の前提となるものでありまして、議員御指摘のとおり課題設定、政策の立案、実施、評価などさまざまな段階におきまして効果的かつ積極的に取り組んでいかなければならないと考えております。  このようなことから、本市におきましては、これまで市政だよりでありますとか、ホームページなどさまざまな媒体を活用した情報提供でありますとか、地域説明会、市政リレーシンポジウムの開催など、個別重要案件ごとに情報提供や意見聴取などにも努めてきたところであります。  市民ニーズの把握や情報収集につきましては、これまで分野ごとに必要に応じまして市民アンケート調査などを実施しておりまして、さらに、2000人市民委員会を設置し、この調査結果につきましても、市議会への報告はもとより、ホームページなどで広く市民の皆様方に情報提供を行っているものであります。  しかしながら、ただいま数点御指摘もあったところでありますけれども、課題設定から施策・事業の実施、評価に至りますまでの一連の流れの中での市民への情報提供、共有化、あるいは課題設定や政策立案など、早い段階での情報提供などさらに積極的に取り組んでいく必要があると認識いたしております。  今後はこれまでの取り組みを強化いたしますとともに、議員御提案も踏まえまして、ICTなどを活用し、市政情報に簡単にアクセスできるような仕組みを構築いたしますなど、広く市民に情報が行き渡るような手法を検討いたしますとともに、無作為抽出によるアンケート調査なども積極的に実施してまいりたいと考えております。  それから、つけ加えという形になりますけれども、情報のヒロバに関連もしてくると思いますが、やはりフェース・トゥ・フェースの関係というものも重要ではないかと考えております。  そういう意味では、政令市がスタートし、区制もしかれたわけでありますけれども、各区におきまして、あるいは区役所を通じ、それぞれの地域におきましてワークショップがいろいろな場面で開催されております。それは、例えば健康まちづくりというテーマでもあるでしょうし、あるいは地域版ハザードマップの作成というテーマにおいてもそうでしょうし、そういう形で市民の皆様方に集まっていただいていろいろな情報を共有していく、課題も共有していく、そして新たな何かを見出していくというような形は、先ほどICTを中心に答弁はさせていただきましたけれども、このようなフェース・トゥ・フェースの関係というものを、今、地域の隣同士も誰が住んでいらっしゃるかわからないというのが現実の中で、このようなことをしっかりと行政もサポートしていくということが冒頭御質問のあった住民自治の充実にもつながっていくものと思っております。いろいろな角度からしっかりと取り組んでいかなければならないと考えているものであります。          〔45番 下川寛議員 登壇〕 ◆下川寛 議員  認識は共有されていると理解いたします。また、市長から最後にフェース・トゥ・フェースでのワークショップなどのお話もございました。そのお話が出たからではございませんけれども、ワークショップは大変にいい手法だと思います。近年はそれに加えてといいますか、それを発展させた、ドイツで開発されたのですけれども、プラーヌンクス・ツェレという手法を流用した市民討議会というものが関東の自治体を中心に行われておりまして、無作為抽出の市民がチームを組んで幾つかの課題を討議して回る。そこから、決して声が大きい人ばかりではない、本当に隠れた声が拾えるというような手法も広がってきておることを御紹介しながら、そういうものも研究してぜひ活用していただきたいと思います。  また、ICTの部分では、そういうものを使用して情報を出していただけるということだったのですけれども、恐らくここで大切なのは、いかにプッシュ型でいけるかということだと思うのですよ。情報をとっていただけるのを待っておる、ためておいてアクセスしていただくということではなしに、これでもか、これでもかと、こちらからプッシュして情報を出していくという姿勢が必要ではないかと思っておりますので、そういう点にも御配慮していただきながら、情報の開示を進めていただきたいと思います。  そして、今の御答弁の中でもう一つ気になって聞いておりましたのが、2000人市民委員会のお話も出てまいりました。この委員会でそれだけ多数の方が出される声というのを決して否定もいたしませんし、一つの取り組みとしては有効なものになるというふうに認識を私もしておるわけなのですけれども、ただ、ここで注意すべき点が若干あると思うのです。  その2000人市民委員会に登録されている方、この対象者の方は少なくとも何らかの形で市政に興味がある方ではないかとも思いますし、登録されている方の属性が果たして本当に広範囲に広がっているのかということが上げられるのではないかと思います。そういう意味では、聞くべき問題、伝えるべき問題の対象になる属性が一定の方に限られる場合、そういった場合に返ってくる結果に対して、本来の回答からバイアスがかかってしまって、得られるべき結果が少々変わってくることがあるのではないかということが気になって聞いておりましたので、そういう点もよく認識しておいていただきたいと思います。  今のバイアスという点で、一つ例を挙げますと、MICEばかり申し上げますが、先般、MICEのときに2000人市民委員会のアンケートでは6割ぐらいの方がたしか認知をしていらっしゃったのではないかと思うのです。しかし、そのとき私が一般住民意識調査というものを行って、1,000件以上の回答があった中では1割しか認識がなかった。これがその属性によるバイアスがかかっていたということのあかしではないかとも思いますので、頼り過ぎることがないようにということで指摘させていただきたいと思います。  いろいろなことを言っておりますけれども、私がこの自治ということで研究を進める中で感じますのが、今の答弁の中にも少々またあった言葉なんですが、参画と協働という言葉が結構多用されるのですね。本市の条例の中にも入っておりますので、条例に入っているという意味で、決して否定とかいうわけではないのですけれども、この参画とか協働という言葉が本当に適当なのかということが若干気になるときがございます。  これは私の考えを今まずお伝えいたしますけれども、この協働という言葉、いかにも聞こえがいいんですよ。しかし、先ほどから申し上げておりますように、あくまで主権者は住民であるということを考えましたときに、その主権者から行政というのは信託をされているのではないか。言葉はちょっと適切ではないかもしれませんが、もしかすると雇用されているというスタイルになるかもしれません。そういう立場にある行政の職員が主権者とともに活動しましょうということが、いかにも何かお上の時代の中央集権的な意識の名残を感じてしまうということがございます。このことは近年学識者の間からも一部でやはり指摘がされておるようなところなのですね。  また、もう一つ言いますと、参加と参画の違いというものなのですけれども、当然、民主主義の中では主権者がみずから参画をするというのが本来の姿でありましょうけれども、都市化が進んだ中で、自治体を構成する多数の住民の方全員が参画することは不可能であるということの中で、我が国に限らず多くの国で代表制民主主義というものがとられているのではないかと思います。そして、その代表として選出したものが代執行者として行政を執行しているのではないかということを思うわけです。そういうことから私の中で考えると、主権者である住民は身近な問題の解決には参画をして、行政の決定と執行過程には参加をするのではないかと思うわけです。  今この話を持ち出しているのは、この言葉の定義というか、解釈といいますか、これが確立していないと、今市長からも御答弁いただいたような内容と私がきょう行っております質問の意図するところにちょっとずれが生じるのではないかと思いまして、この協働、参加と参画の違い、この言葉の意味するところの市長の認識を教えていただければと思います。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  参画と協働についての認識ということでお尋ねがございました。  まず最初、条文を引用することから入るので恐縮ではありますが、基本的なこととして御紹介をあえてさせていただきたいと思いますが、自治基本条例の中で、「参画 施策の立案から実施及び評価までの過程に主体的に参加することをいいます。」とあります。それから、「協働 同じ目的のために、それぞれが対等な立場に立ち、役割と責任を担い、協力することをいいます。」と条例にはうたわれております。ですから、参画と協働についての認識はどうかと問われますと、そのように答えさせていただくということではあります。  それから、先ほど議員から話がありました主権者は住民であるということ。これには何も異を唱えるものではありません。そういう意味では、参画は押しつけではないか、協働につきましてもそうでありますが、捉えられかねない言葉であるとは思います。  しかしながら、現実的には、言葉は適切ではないかもしれませんけれども、お任せ民主主義的なところもあるのではないかと思っておりまして、ある意味典型的なことは、先ほど代表制民主主義の話もございましたけれども、その最も重要なと言っても過言ではない選挙に対する投票率の低下ということにもあらわれているのではないかと思っております。  ですから、そういった現実を捉えましたときには、私ども行政の立場として、やはりもっと市民の皆様方に積極的に参加をしていただきたい。一緒にいろいろなことに取り組んでいただきたいというような姿勢というものはやはり必要ではないかと思っておりまして、そして、ツール、手段としては先ほどのやりとりの中でいろいろ出てきたものをツールとして、そしてその参画と協働につながるように私どもとしてはこれまで取り組んできたというものであります。  今のでお答えになっているかどうかわかりませんけれども、参画と協働に対する基本的な考え方、あるいは現状も踏まえましての思いというものは、今申し上げたとおりであります。          〔45番 下川寛議員 登壇〕 ◆下川寛 議員  基本的な部分は、恐らく今市長のお話を聞いていて共通しております。お任せ民主主義の部分も非常に同感する部分がございます。  よく言われますが、全国的な投票率と議会の信頼性の問題との関係を見ておりましたときに、だんだんいろいろ世間で言われます議会の信頼度というものと全国的な投票率の低下というのが、非常に同じような曲線をたどっていくのですね。  ただ、これがおもしろいのが、国政選挙の投票率の低下より地方選挙の投票率の低下の方がはるかに大きい。これが恐らく中央集権から地方分権に変わる流れの中で、いかに地方自治体がそれに対応できたかということだったのでしょうけれども、今、市長がおっしゃった条例の条文に規定をされていることは、私も検討委員会に参加していたので、そのときにいろいろな議論があったことも覚えておるのですけれども、ただ、協働ということでの意味、それから参加と参画をどう今後きちんと認識して仕分けていくかということが、地方自治体の運営に非常に大きくかかわってくるということ。今後、ますます大きくなっていくと思いますので、参画を求めるならば、本来多くの皆さんに参画していただかなければならない。  一部の方の参画では、それは成立しないだろう。一部の方しか参画ができないのならば、参加にするべきではないのか。その辺が今後議論されてくることだと思いますので、ここで余りそれだけに時間をとっておりますと次に入れませんので、ただ、そういうふうな問題提起をしながら次に進んでいきたいというふうにも思います。  続きまして、社会教育施設の転換についてこの流れでお尋ねしたいと思うのですけれども、住民自治を確立するための基本的な手法として、社会教育施設として運用されている公民館、この住民活動の場としての転換について具体的にお尋ねしたいと思います。  現在、社会教育という表現から生涯教育など本当に多様な表現が用いられておりますけれども、さまざまな活動が実施されております。しかし、このことに関して法政大学の教授でありまして地方自治のイデオローグとされる松下圭一氏によりまして、国民主権の主体者である成人市民がなぜ主権者から信託を受けているにすぎない行政によって教え育てられなければならないのかという疑問が提示されておるわけです。  つまり、戦前のように成人であったとしても社会文化的教育が未成熟であった場合にのみ行政によって行われるというのであればまだ納得はできるのですが、現代の社会教育理論によりますと、社会教育とは成人の自己教育であるか、成人間の相互教育であって、それは教育なき学習であり、市民の自由な学習であるので、市民文化活動の模索の一契機にとどまるべきものであるはずであるというようなことが言われております。  この理論に触れましたとき、私はまことに自分の中で納得がいったのですが、こういうことを念頭に社会教育法を見てみますと、市町村の教育委員会には19の事務が法の中で当該地方の必要に応じて行うこととされておりまして、このうち博物館や図書館、青年の家などは未成年への知の提供ということもありますでしょうから、教育施設としては適当と感じておりますが、その中での公民館の存在意義というものに疑問が湧いたわけでございます。  社会教育法が成立したのはかなり以前のことなのですけれども、現代では公民館の類似施設としてコミュニティセンターというものがあるわけですけれども、これは自治の施設として総務省が所管して、貸し館ということを中心として住民により運営されておるというのが一般的なわけです。  公民館は法によりますと教育施設であって、指導職員が必置義務化をされておりまして、その職員が教育活動を援助するとされておりますものの、さきに申し上げました松下氏によりますと、簡単な研修を受けただけの職員が幅広い活動の専門性を持つことは困難ではないか、今や市民文化活動の方がはるかにレベルが高いとされておるわけです。それを象徴しますように、公民館で本来の役割と違う貸し館業務というものも増加しておりまして、開催講座もカルチャーセンター化してきていると言えなくもありません。こういうことから考えますと、現代では公民館の役割は既に終えんを迎えて、そこに残る施設に求められるのは、市民が自分のことは自分で決めるという民主主義の活動の場としての役割ではないのかと思います。  こういうことから、本市で19館ある公民館につきましては、援助職員を配することで社会教育施設から文化活動施設になり得ると思いますので、その運営を住民に任せて、文化活動及び自治の場としての役割に転換すべきではないかと考えますが、所感をお聞かせいただきたいと存じます。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  それでは、公民館の役割転換についてのお尋ねにお答えさせていただきます。  先ほど御紹介もございましたけれども、改めて社会教育法におきましては、市町村は社会教育の奨励に必要な施設の設置及び運営、集会の開催等により住民があらゆる機会、あらゆる場所を利用して、みずから実際生活に即する文化的教養を高めるような環境を醸成するよう努めなければならないとされているところであります。その中で公民館というものは、その中核的な役割を担う施設といたしまして、各種講座の開催など住民の教養の向上、社会福祉の増進に寄与するような事業をこれまで実施してきたというものであります。  このような中で、昨今の情勢、都市化、核家族化などの急速な進展に伴いまして、先ほども少し触れましたが、地域のつながりが希薄化いたしましたり、あるいはこれに伴いまして災害発生時の初期対応や高齢者や子供たちの見守りといったこれまで地域が担ってきた機能が失われつつありまして、自主自立の地域づくりに向け、地域力の再生が大きな課題ともなっております。
     そのような中で、現在の公民館の活動について少し触れさせていただきたいと思います。  公民館におきましては、教養講座のみならず、地域課題の解決や地域に根ざした学習活動ができる市民企画講座でありますとか、学習成果を生かして地域社会への貢献を目指すボランティア育成講座などにも取り組んでいるところであります。  加えまして、平成20年度からは、御案内のとおり公設公民館にまちづくり交流室を併設したものでもありまして、さらに本年度からでありますけれども、北部公民館におきましては子育て支援や高齢者支援など職員が中心となって各種ボランティア団体をコーディネートし、世代間や団体間の交流を促進する取り組みを始めますなど、地域コミュニティの活性化につながるような事業にも、現在、公民館では積極的に取り組んでいるというものであります。  このように、議員の御指摘もありましたように、本市といたしましても今後の公民館の役割につきましては、併設しておりますまちづくり交流室と一体となりまして、住民自治に基づく地域づくりの支援を行う拠点施設としての機能を充実していく必要があると認識いたしております。  他都市におきましては、地域自治センターでありますとか、公民館、市民サービスセンターなどを再編いたしまして、市民館や協働センターという名称のもと、住民自治に寄与する拠点施設として設置している事例もあります。これは名称だけでございますので、中身もじっくりと研究する必要はあろうかと思いますが、名は体をあらわすということもありまして、方向性としてはこのような状況なのかと思っております。  そういう中で、現在、本市におきましては区役所などのあり方及びまちづくり推進体制の見直しの作業も進めているところでありまして、その中におきまして公民館の今後のあり方につきましてもさらに検討していかなければならないと考えております。          〔45番 下川寛議員 登壇〕 ◆下川寛 議員  何か、私の質問も思い切ったことを言ったように聞こえたかもしれないなというふうにも思っておりますけれども、公民館の用途を転換したからといって、全ての講座を廃止せよと言ったわけではないのです。当然、それはおわかりの上で答弁いただいたと思うのですけれども、市が実施している政策について啓発するような講座があったとしたら、そういうものは各事業課が事業として持っておけばいいとも思っております。  本筋に話を戻しますと、今の答弁でも社会教育というより自治の運営といったような現状が見えるように私は聞き取れたのですが、公民館に対する基本的な考え方というのは申し上げたことと一致していると聞き取りました。大変心強い思いであります。  今後、区役所のあり方とまちづくり推進体制の中で検討を加えて方向性を導き出していただけるということであったと思いますので、住民へもそのメリット・デメリットもしっかりと開示して、情報交換した上で早い時期に方向性を出していただければと思います。  続いて、地方政府としての未来を俯瞰した基本的政策と、何か大層な名前をつけておりますけれども、まず1点目としてシビルミニマムを念頭に置いた人口減社会への対応ということでお尋ねしたいと存じます。この人口減社会への対応というのは、今回の議会でも何回か質問が既にあってございますが、ちょっと趣が違いますので、あえてさせていただきたいと思うのです。  少子高齢化という人口減少問題が議論の場に登場してから本当に久しいものがあるわけです。しかし、議論されながらもいまだその課題の解消は見られていないというのが、恐らく現実ではないかと思います。ここでも何回か議論のありました日本創成会議が発表したもので、出生率が上がっても人口減少がとまらなくて消滅する可能性がある市区町村が523あるということが発表されておるわけです。幸い本市はこれに該当しておりませんけれども、本市のホームページを見ておりますと既に人口減少に転じておることが読み取れて、2035年には今より5万3,000人程度減少すると推計されておりまして、一方で、国立人口問題研究所の推計を見ますと、6万4,000人減少するとなっておるわけです。  以前の人口増加高度経済成長という時代には、急速な都市化を迎えたこともありまして、都市部を中心に社会資本の量的充足ということが声高に求められて、憲法上の社会権に基づいて、社会資本の最低限必要数を科学的かつ定量的に指数設定するというようなシビルミニマムという理論を用いて自治体計画を作成するということが進められまして、東京都の総合計画を皮切りにこの作成が進んだわけでございます。  しかし、人口減少が避けられないでありましょうこの現代では、このシビルミニマムという理論を再構築して、量の充足からいわばスクラップ・スクラップ・スクラップ・アンド・ビルドといったぐらいの形で量から質を充足することが求められるのではないかということが言われておるわけです。  それに呼応するものかどうか、国の方ではインフラ長寿命化基本計画や道路維持管理サイクルを構築されるなどで、更新に係る維持管理費用の低減とともに、用途の変換、集約化などが図られておるところです。  本市のこの人口動態が公表された推計どおりかというのは今後の努力によって左右される部分があるというふうにも感じますが、全体として避けられない人口減少の中での税収の低下、また現在の社会資本の量的余剰などということが想定されまして、それに対する対応は待ったなしの状況であるということは論をまたないと思います。  今申し上げましたシビルミニマムの概念を念頭に置いて今後の社会資本への対応を考えた場合、どのような対応をとられるおつもりか、お聞かせいただきたいと存じます。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  それでは、シビルミニマムを念頭に置いた社会資本の人口減社会への対応というお尋ねにお答えさせていただきたいと存じます。  人口の動態につきましては、もう先ほど御紹介もあったとおりでございまして、当初、今の総合計画を策定いたしました平成20年度のときには、現時点におきましてはもう人口減少に転じているというような見込みでございました。  しかしながら、5年が経過いたしまして、中間見直しの時点で改めて推計等もやり直しますと、まだまだ人口が伸びている状況でございます。これはなかなか原因分析は難しいところでありますが、やはり新幹線の開業効果、あるいは政令指定都市効果というものも含まれているのではないかと思っております。  しかしながら、出生率も少し上がりましたとはいえ、まだ1.5程度であるというような状況を見ましても、近い将来人口減少に転じていくことは避けられないというような認識を、しっかりと持っておかなければならないと思っておりまして、そういう意味におきましても、この議場でも何度か申し上げてまいりました総合計画の見直しの中で、3つの柱も改めて掲げさせていただいたというものであります。  そのような状況の中で、社会資本についてどのように対応していくのかということでありますけれども、社会資本につきましては、御承知のとおり高度経済成長期に整備されました公共建築物でありますとかインフラ資産が、現在老朽化がかなり進んでいるところもありまして、多額の更新費用が必要となってきております。  このような状況を踏まえまして、国におきましても昨年策定いたしましたインフラ長寿命化基本計画におきましては、人口減少や少子高齢化、温暖化など、社会経済情勢の変化に応じまして、公共建築物を含めたインフラの質的向上や機能転換、用途変更や複合化・集約化を図ります一方で、必要性が認められない施設につきましては廃止・撤去を進めるなど戦略的な取り組みを推進するとの方針が示されているものであります。  また、構造面におきましても維持管理の容易な構造の選択など合理的な対策を進めることも求められているものであります。  本市といたしましても、将来を見据えました計画的な資産管理に向けまして、公共施設等総合管理計画を策定することといたしておりまして、その中で量及び質の両面におきまして社会資本の適正化を図ってまいりますことで、人口減少社会におきましても持続可能な行政運営を目指していかなければならないと考えているものであります。          〔45番 下川寛議員 登壇〕 ◆下川寛 議員  実効性のある計画策定を行われるというような内容だったかと思います。そういう意味では一旦は安心しておりますが、その計画をつくられる段階で、先ほどから申し上げておりますような着手や計画後ではなくて、作成時点からの情報提供、説明というものが大切ではないかというふうにも思いますし、特にスクラップ・スクラップ・スクラップというような状況になってきますと、そこの住民意思による計画変更の柔軟性というものも持っていただけるようにお願いしておきたいと思います。  しかし一方では、ここは難しいところがあるなと思いますのが、行政の専門性を考えましたときに、将来を見据えた本当に有効性のあるものにするためには、さきに申し上げましたシビルミニマムのような理論をしっかりと念頭に置いて、科学的に議論して、検証して、納得が得られるようなデータがそこに必要になってくるのではないかと思います。そこが、市長が常々おっしゃる丁寧な説明のつぼではないかと思いますので、御理解のある対応をお願いしておきたいと存じます。  次に移りたいと思いますが、先ほどの質問の中で公共政策の立案過程というのを少し述べさせていただきました。ここでもう少しその問題を掘り下げてお尋ねしたいのですけれども、4月12日、地元紙に満遊くまもとパスポートが販売終了という記事が載っておりました。今後は旅行会社が扱いやすい新たな策を検討するということでの内容であったかと思いますが、この割引率は大きかったけれども、扱いやすさの視点が欠けていたというような記事でした。  また、別の問題を見てみますと、プレミアムつき商品券発行事業助成というものにおきまして、データを見ると今年度は昨年度に比べて助成額が3割ほど減少しておりました。その理由をちまたで私も聞き取り調査をしてみましたら、いまどきこれを発行しても有効性はなかろうけれども、熊本市に対してむげに断れないので申請だけはしたというような声が幾つか返ってきたわけでございます。  さらに、別のもので見てみますと、介護人材の確保と育成の事業というのが行われておりますが、この介護人材の問題は介護現場から切実な人材不足という声があるにもかかわらず、この事業の多くは受講者が定員に満たないばかりか、その受講者の介護分野就労率は参加者の半分程度ということで低迷しておるわけでございます。  もう一つさきに、きょう午前中もお話があったのですけれども、オフィスビル建設促進モデル事業についても公募開始から1カ月を経過した時点でのデータを聞いてみたのですが、問い合わせは23件あっても応募はその時点でゼロというような状況でございました。  今幾つか一部の例を申し上げましたけれども、何でなんだろうという原因を類推してみますと、施策の内容が現場のニーズに合っていないのではないかということが一つ仮定として立てられるわけです。つまり、行政が予算の都合かどうかわかりませんけれども、相手があることに関する効果を勝手に推測して内容を決めてはいないかということが考えられるわけです。  このことについては、一昨年のこの本会議でマーケティングの必要性として質問したことでもありまして、このマーケティングという用語につきまして改めて簡単に説明しておきますと、市場創造に当たりニーズを把握して、それにマッチした商品をつくるということなわけです。これは政策を商品、住民を顧客と置きかえれば、公共政策においても必要性は同じであるわけです。  当時の答弁としては、企画財政局長よりマーケティングの考え方を踏まえた政策立案を推進するということでしたので安心しておったのですけれども、果たしてその答弁どおりの活動が現場で今なされているのかという疑問もあるわけです。  先ほどの例には一部のことしか挙げませんでしたけれども、政策にマーケティングがなされてなければ、言葉は大変悪いですけれども、やっつけの事業になるか、中途半端な事業になって、行政評価にすら値しないものとなってしまうことも考えられますし、本日の質問に流れる意識把握と課題の発掘ということにも反するのではないかと思います。今後の政策立案へのマーケティングの活用について真剣に取り組む考えはあるか、いま一度お聞かせいただきたいと存じます。          〔原本靖久企画振興局長 登壇〕 ◎原本靖久 企画振興局長  それでは、私から政策立案におけるマーケティングに関する御質問にお答えします。  マーケティングとは顧客の現在あるいは将来のニーズを捉えまして、顧客が真に求める取り組みを実施することでございまして、自治体における顧客は市民及び関係する市民団体や企業、観光客などであると認識しております。  また、市民等が真に求める施策を実施するためには、必要な情報提供を行いますとともに、そのニーズを把握いたしまして、行政の視点からだけではなく、市民目線に立った行政サービスの提供を行いますことが必要であるものと考えております。  そこで、市民ニーズを把握する手法といたしましては、幅広く多くの市民から意見を伺うことが可能でありますオープンハウスやシンポジウムの開催、パブリックコメント、また各種アンケートや民意をより捉えることができます2000人市民委員会でのアンケート調査、また、直接お会いして意見を伺うことができますおでかけトークや校区自治協トーク、そのほか地域説明会などがあり、それを実施しているところでございます。  このように対象事業の内容、段階、関係者の範囲などに応じまして、PI指針に定めます13の手法を組み合わせながら市民の意向を新たな政策立案や既に実施しております事業の見直しなどに反映する、いわゆるマーケティングを行っているところでございますが、まだ十分に市民ニーズを捉え切れていないところがあると認識しております。  今後ともこのようなさまざまな手法によりまして、各段階において高度化や多様化しております市民ニーズの把握に努めますとともに、他都市の事例も参考にしながら市民の隠れたニーズを掘り起こし、本市の施策に反映させていく必要があると考えております。          〔45番 下川寛議員 登壇〕 ◆下川寛 議員  少し厳しいことを言うようですけれども、武士の商法という言葉がございます。行政職員が別に武士のように威張っているというわけではありませんけれども、現場を知らずに相手の気持ちやニーズを理解できていないのではないかという点では同じではなかろうかと思っております。また、さきに述べましたように、行政の政策というものは商品でありまして、住民という顧客に満足を与えるものでなくてはならないわけでございます。  そういう中で、今の御答弁ではマーケティングは行われているということでありましたけれども、例で挙げましたような結果が実際に見られているということは認識をされているとおり、それが不十分であるか、または妥当性を欠いているということが証明されているのではないかと思います。  さらに答弁を聞いておりまして少し気になりましたのは、またもや2000人市民委員会というものが出てまいりましたけれども、さきに申し上げたとおり属性、それから興味がある方かどうかという抽出対象の課題もありますし、特にこのマーケティングで用いるようなアンケートということで考えますと、アナウンス効果というものがアンケートにはございまして、そこから導き出される結果がコントロールをされてしまうというような弊害もあるわけです。  また、さっきの情報のヒロバのところで申し上げようかとも思ったのですけれども、今もまた答弁の中にあったのですが、ニーズ把握のために多くの会を開催されているということだったのですけれども、これは人間の思想研究というものはよくできていると思うのですが、功利主義というものがあるわけです。  人々は自分に興味や利害のないものには、その功利主義があることによって、時間を使って、お金を使って、わざわざ出向いていくことはないわけなんです。そういう意味では、いろいろな会を開催して来てくださいと言っても、そこで把握されるものというのは限られておりますので、有効性を欠くのではないかと言わざるを得ない部分があります。  時間も本日は限られておりますので、これについて細かく議論を深めていくことはできませんけれども、今挙げましたような課題を指摘しておきますので、このマーケティングの手法についてはぜひゼロベースで見直して、再構築をしていただきたいということをお願いしておきます。  この項の最後では、地方政府として確立するための職員の育成をお尋ねしたいと思うのですけれども、地方政府として行政が確立するためには、みずからが考えて、みずからが実施することが求められているということから考えますと、職員の専門性というのは高度に確保されなければならない問題だと思います。  これまでもこの本会議の場、さらに委員会の場でも議論を進めてきましたけれども、ジョブローテーションが行われておりまして、その持つ意義というのは一側面としては理解いたしますが、恐らくここで想定をされるであろう総合職ということだけではない専門性の高い職員の育成に議論を進めてまいりました。  そして、その育成だけではなくて、そういう意欲のある職員に対する支援ということもお尋ねを進めてきたのですけれども、他都市でもそういう動きが進んでおりまして、仙台市でも専門職員育成の人事制度というものを正式に公表して導入されまして、また、国におかれても地方公務員法の改正で人事評価制度を義務づけられるなどの動きで、地方分権による人事と任用の制度は今自治の大きな課題ではないかと思われるわけです。  本市が今後地方政府として確立すべきであるということを考えると、この職員の専門性の習得についてどう対応していかれるのか。特にこれまでに質問した公共政策の立案、また、法務、財務と表現をされておりますが、新しい総合的な用い方、当然のごとく事務系だけではなくて、技術系の職員、また現代で必要とされます精神職や心理職といった個別専門性の高い職員の育成または配置というものが急務と考えられますが、その育成と支援についてどう考えられるのか、お尋ねいたします。  先ほどから舞い上がってどなたにというのを忘れておりまして、混乱をさせておりますが、委員会でも議論しておりますことなので、せっかくこの機会なので市長にお尋ねしたいと存じます。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  それではお答えさせていただきます。  地方分権も進んでおります。また、指定都市にも移行しております。そういう中で、私どもこれまで以上に高度な行政運営が求められていることは申すまでもございません。このため、より質の高い市民サービスの提供ができる専門的知識を持つ職員の育成でありますとか、人材確保には積極的にこれまで以上に取り組ませていただいているところであります。          〔議長退席、副議長着席〕  幾つか事例を紹介させていただきたいと思いますが、まず、人事制度における人材育成といたしましては、議員が紹介されましたような福祉・税務・用地・戸籍部門におきましてエキスパート育成制度を導入しているところであります。また、心理相談員などの医療・技術系職員や免許資格職につきましては、より専門的な知識・技能の習得を図りますためにジョブローテーションの間隔を長くいたしまして、主査以上の管理監督者にはその経験や専門性の継続を図るような人事配置も心がけているところであります。さらに、昨年度から専門的知識をさらに高める職員への支援といたしまして、精神保健福祉士等の資格取得に対しましての助成も始めたところであります。  また、研修による人材育成といたしましては、公共政策などについての専門的な知識と技能の習得を図りますため、自治大学や市町村アカデミー、熊本大学政策創造研究教育センターへの派遣を初めといたしまして、人材育成センターによる政策形成実践研修を行っているところであります。さらに、今年度は政策形成能力の向上のため、希望する職員を都市政策研究所との併任研究員とする新たな取り組みも始めたところであります。  一方、高い専門性を持ちます人材の確保のためには、企業立地、情報分野などでは任期つき職員の採用も行ってきたところでありまして、また、来年度はこれまでの土木建築に加えまして、新たに法務、情報の分野につきまして、特定の資格を前提といたしまして、幅広い知識・経験を有する民間経験者を採用することといたしております。  今後も地方分権が進みます中で、人事制度や職員研修、加えまして人材確保も一体的に運用し、職員の専門性をより高めますことで組織全体のレベルアップを図り、指定都市にふさわしい行政体制を整えてまいりたいと考えているものであります。          〔45番 下川寛議員 登壇〕 ◆下川寛 議員  答弁をお伺いしておりまして、課題は共有されたと感じておるわけです。  ただ、ここで大切なのは、各人の希望によります分野選択でありましょうし、また業務外で専門性を身につけたいという意欲ある職員への支援ではなかろうかと思います。  一つ答弁の中であったことで気になっておりますのは、ジョブローテーションの間隔が長くなることで知識や技能がたとえ習得できたとしても、本当にそれを生かす場が確保できるかというようなことが課題ではなかろうかというのも改めて感じるわけでございます。  例えば、今市長の答弁ではそういうようなお答えがあっておりましたけれども、現場での例を挙げますと、各区役所などに精神職の資格者が配置されておりますが、福祉現場の問題解決にその資格者が活用されたという話を耳にしたことがないわけなのです。現場で生かされてこその専門職であるということをしっかりと認識して、育成また配置をお願いしておきたいと思います。  ただ、今私も質問しながらちょっと気になったことがあるのです。気になったので誤解のないように一言だけ申し上げますと、地方政府として活動するためには多様な職員が必要だということはしっかりと認識しているわけです。当然、職員全員がアカデミックな専門性を持つ必要はないとも思っておりますし、それは持たなくても現場でのコミュニケーション能力にたけた職員、文化的感性が高い職員、総合的な事務能力にたけた職員、本人の資質に合った特性をうまく組み合わせた組織というものを構築していただければと思いますので、よろしくお願いいたします。  さて、次に移ってまいりますが、予想しました時間を大変超過しておりますので、ここからは質問通告を一部変更しながらお尋ねを進めていきたいと存じます。  ただ、今までの大変重かった質問と少し趣を変えまして、地方分権時代における法制度変更への対応など、また続いては細かい点についてお尋ねを進めていきたいと思っております。特にこの法制度変更への対応は、国の決定に従わなければいけないのですが、地方の裁量の範囲で対応が可能なものということについて少しお尋ねいたしたいというふうにも思います。  介護保険法について、その改正が衆議院で可決されまして、今月にも参議院で可決成立する見込みであります。  これによりまして、もう既に本議会でも幾つか議論、質問がございましたけれども、一定額の預貯金がある高齢者が施設を利用する場合の自己負担額が増額されるでありますとか、予防訪問介護と予防通所介護が介護給付から除外されて、市町村が定める地域支援事業の中で行うということになりますのは周知のとおりでございます。  ただ、よくこの改正が予防切りという表現で言われることがあるのです。先般、社会保障審議会の委員でもあります淑徳大学の結城教授とお話をする機会がありました折に、これは予防事業のピンチではなく、チャンスなんだということを言われました。つまり、これまでの一次予防と二次予防に加えまして、市町村が自由に支援事業というものを設定できることから、地域に応じた介護予防を行うことができるというような意味でありまして、なるほどと感じたものでございます。  チャンスだということから考えますと、本市で事業化するに当たっては、介護予防という観点から広がりを見せつつあるにもかかわらず、各地で運営が行き詰まりを見せているとも言われます高齢者の地域サロンや各種インフォーマルサービスを従来の一次・二次予防に加えて、介護予防事業として事業化するということも考えられるわけです。  ただ、まだ正式に成立していない法改正でありますし、見込みの部分で考えましたときも、来月にも厚労省から指針というものが示されるというようなことが言われておりまして、その指針を見ないと確定的なことはわからないということでありますので、現時点で不明な部分というのがあることは理解した上でのお尋ねでございますが、本市における事業化の時期、サロンなどの新規予防サービスへの位置づけについて、どのように現時点でお考えをお持ちなのか、担当局長にお伺いしたいと思います。          〔宮本邦彦健康福祉子ども局長 登壇〕 ◎宮本邦彦 健康福祉子ども局長  介護保険法改正への対応方針に関し、2点のお尋ねにお答え申し上げます。  1点目の介護予防給付の改正の時期と方向性についてでございますが、今回の介護保険制度の改正案では、介護予防給付のうち訪問介護、通所介護を各自治体の地域支援事業へ平成29年度末までに移行するとされております。  このようなことから、買い物、掃除、ごみ出しなど、従来の予防給付で提供していた生活支援サービスにつきましては、新たな提供の仕組みを構築することが必要でございます。  本市といたしましては、7月に示される予定の国の指針などを踏まえながら、現在利用されている方のサービス低下を招かないよう、地域支援事業への移行時期を含めて、第6期はつらつプランの策定の中で検討してまいります。  次に、2点目の地域支援事業への高齢者サロンの位置づけについてでございますが、高齢者サロンにつきましては、校区社協などが主体となって市内417カ所に設置されており、地域で自主的な取り組みを行っております。サロンによっては、各区保健師や地域包括支援センター職員などが講師となり、介護予防や健康づくり活動を活発に行っているところでございます。  御提案の高齢者サロン活動を地域支援事業に位置づけることにつきましては、これまでのサロン活動が自主的な取り組みとして実施されてきた経緯を踏まえつつ、現在の活動内容や介護予防への効果などをまずは検証することが必要と考えております。          〔45番 下川寛議員 登壇〕 ◆下川寛 議員  事業化の時期については、法に示されたとおり第6期の中でということだったと思います。それまではサービスの低下を招かないということは当然でありますし、移行までは現在の保険適用という中での事業であるわけですけれども、先ほど結城教授が言われたとおりこれをチャンスだと捉えるのであれば、一日も早い事業化というものをお願いしておきたいと思います。  また、新たなサービスの部分につきましては検証されるということでありますが、それは本当に事業化するに当たって必要なこととして理解いたしますので、ぜひ科学的に検証して、効果があると判断されれば、できるだけ多くのことを事業化していただくことをお願いいたしておきます。  次に、都市インフラ整備と地域活性化と題しましてお尋ねを進めてまいりたいと思うのですけれども、現在、本市には8つの大学があって、31の学科が市域にあるわけです。人口の割には非常に大学が多いと言えまして、学究都市としての面目躍如と言えるのではないかと思っておりますが、しかし、その学科構成を見ておりまして、ふと疑問に思ったことがありました。指定都市の中でも農業生産額が非常に多い本市なのに、なぜ市内に農学部がないのだろうとか、東アジア戦略をここ数年推進しておって、もともと有明海を通じてアジアに開かれていると言われながらも国際関係に関する学部がないのかといったことでございます。  例えば、これらの大学があるというのは教育の場であるとともに研究の場でもあるわけでして、そこで行われました研究、そこから得られた知見というものを熊本大学なんかでも地域と共有されようという活動も行われておるわけでございます。  ただ、そういうふうな場であるのならば、本市が地方政府として活動しようとするときに、本市が長期的に継続して重要視すべき政策に呼応した研究と教育の場を本市がつくっても不思議はないと思いますし、むしろ必要なのではないかと思うときがございます。  教育の場がふえるということは、学生の移住によります地域の活性化や人口の増加、また、住民の知的水準の向上ということにもつながるものであると考えますが、当然、そういったことを言い出すと言われますのが、費用がかかるじゃないかということなのだろうと思います。しかし、前回の質問のときにも御紹介をしましたが、レベニュー債、事業に採算性があると判断された場合には市場から資金が拠出されてくるというような制度でございます。こういうものを活用すれば、本市の実質的負担はないに等しい状態でそういう場がつくれるのではないかというふうにも感じるわけでございます。  本市では、このような教育研究施設をつくって、政策、経済、住民の知的水準の向上ということを支援することが必要ではないかと感じるものでございますが、所感をお尋ねしたいと存じます。          〔原本靖久企画振興局長 登壇〕 ◎原本靖久 企画振興局長  それでは、私から研究教育施設についてでございますが、少子高齢化や地方分権が進む中で、本市の特色や強みを生かして地域の課題解決や選ばれる都市の実現に取り組んでいくことが必要であると認識しております。  このようなことから、中長期的なまちづくりの構想につながる調査研究活動を行うことや、職員の政策形成能力の向上を図ることを目的とした都市政策研究所を設置したところでございます。  また、大学との連携につきましても、本市や都市圏を初めとする地域社会の発展や人的・知的資源の交流、活用を図ることを目的とする包括連携協定の締結や、区のまちづくりビジョン策定など、テーマに応じた専門的知識やノウハウを活用させていただいているところでございます。  さらには、昨年度東海大学におきましては、文部科学省が地域を志向した教育・研究・社会貢献を進める大学を支援する地(知)の拠点整備事業に採択されまして、本市とも連携いたしまして、地域の特色を生かした政策研究やまちづくりの課題解決に取り組んでいくこととしております。  このほか、熊本大学政策創造研究教育センターによる人材育成といたしましては、政策立案能力向上のための公共政策コンペの実施や、本市職員の派遣、さらには大学コンソーシアムとの連携による留学生への支援事業なども実施しているところでございます。  このように本市独自の教育機関は持っておりませんが、県内にある多くの大学に本市の特色や強みであります農業や国際、環境、そのほか保健や芸術など幅広い分野の特色ある学部が設置されておりまして、今後ともこれらの大学と連携しながら、熊本の特性を生かした魅力あるまちづくりを進めてまいりたいと考えております。          〔45番 下川寛議員 登壇〕
    ◆下川寛 議員  ある意味突拍子もない話であったかもしれませんので、そのためか答弁も何かさっき聞いたような答弁かなというような内容であったようにも聞こえます。  なかなか短時間では理解されなかったかなとも思っておりますが、今、答弁の中にありました都市政策研究所ですけれども、去る3月の予算決算委員会の中で我が会派の大石議員がこのことについてはお尋ねしておりますけれども、そこで市長が答弁されておりますが、本年度の研究所の事業には本市の政策と直接リンクするものは含まれていなかったように記憶するわけなんですね。  また、本市の特性を生かしたまちづくりという分野では、お尋ねしたようなことの活動というのは26年度には含まれておりませんでしたし、また、住民の知の向上ということも、たしか含まれていなかったのではないかというふうに記憶しております。  この問題は、言いましたように短時間でなかなか理解が深まるものでもないし、もっともっと議論すべき問題であると思いますので、本日は深く踏み込みませんが、問題提起とさせていただきながら、今後、さまざまな手法というものも検討しながら趣旨を生かせるような考えに向かっていきたいと思いますので、御理解をどうぞよろしくお願いいたしたいと思います。  次に、上下水道の管路の問題についてお尋ねいたします。  3月の日経グローカルという情報誌の特集で上下水道が直面する危機というものがありまして、読んでおりましたら、その中では今後の技術者の不足による官民連携というような問題が記載されておりましたが、その中でも私が気になったのは、インフラの老朽度の問題が全国的な数値とともに取り上げられていたわけでございます。  その全国的な数値の一覧を見ておりますと、上下水道ともに本市は老朽度が極端に高いというわけではありませんでしたが、上水道で法定耐用年数を超えた管路の率であります経年化率が、平成20年度の13.89から毎年13.37、16.35、16.70、16.91と右肩上がりに高くなっておりまして、最新部分では指定市中高い方から6番目という位置づけでございました。また、下水道についても平成20年度の0.78から0.94、1.19、1.80、2.27と、右肩上がりにぐっと上昇しておりまして、これは指定市中高い方から11番目というような順位でございました。  ただ、これは改善されなければいけない問題なのでしょうけれども、これらの解決ということには当然費用もかかります。そういう面を勘案すると簡単に解決できる問題ではないというふうに考えられますものの、老朽化によりこれらが破損しますと、断水や道路陥没、また衛生的な問題で生活に大きな問題を招くものであります。  昨今も決算などを見ますと、一定の改修というものはなされておるものの、ここで示されたデータのように、右肩上がりにこの耐用年数を経過した老朽度の数値が増加していけば、今後、高度成長時代に築造されたものが一気に耐用年数を迎えた場合に改修し切れないという事態が起こるのではないかということを心配いたしますが、この改修についてはどう対応されていくのか、上下水道事業管理者にお伺いしたいと存じます。          〔寺田勝博上下水道事業管理者 登壇〕 ◎寺田勝博 上下水道事業管理者  上下水道の管路更新につきまして、お答えさせていただきます。  まず、管路の状況についてでございますが、平成24年度末におきまして、上水道管の総延長3,266キロメートルのうち約17%に当たります552キロメートルで、また、下水道管の総延長2,467キロメートルのうち約2.3%に当たります56キロメートルが法定耐用年数を経過しているところでございます。  議員御案内のとおり、今後、高度成長期に整備いたしました大量の管路が法定耐用年数を迎えることになりますことから、更新に係ります事業費が増大していくものと認識しているところでございます。  一方で、適切に維持管理された管路の多くは、法定耐用年数経過後も支障なく使用できているという実績があるところでもございます。  このようなことから、上水道におきましては経過年数、管種、漏水履歴などのデータと地震被害予測結果に基づきまして、対策が必要となりました管路の約19%に当たります156キロメートルにつきまして、平成21年度より水道施設整備実施計画に基づき更新を実施しているところでございます。  また、下水道におきましても、平成19年度に老朽度サンプリング調査を実施いたしまして、その結果、約12%の管路について対応が必要であるということが判明いたしました。  このことから、平成22年度より中心市街地などの合流区域約862ヘクタールを10ブロックに分けまして、テレビカメラ調査等によりまして更新が必要な管路を抽出し、順次更新に取り組んでいるところでございます。  このような取り組みとあわせまして、今後も上下水道の持続的なライフラインの機能を維持しますために、アセットマネジメントの手法を取り入れますなど事業の平準化に努めてまいりますとともに、長寿命化対策など適切な更新に取り組んでまいります。          〔45番 下川寛議員 登壇〕 ◆下川寛 議員  老朽度という耐用年数だけでは判断できないというようなことであったことは十分に理解いたしました。そのために老朽度を含めて計画的に実施されているということで一安心いたしたところでありますけれども、ただ、事業の平準化というお話がございました。平準化を余りに意識し過ぎると、それで将来対応し切れるのかという別の側面での不安というものが出てくるわけです。  これは放置できない問題でありますので、今後、老朽度の検査結果とか、将来の改修の必要度というものをきちんとデータ化していただいて、予測数値のしっかりした把握とともに、平準化の度合いを決めていただきたいと思います。それでどうしても、今後の料金改定などが仮に必要になった、避けられないとした場合は、しっかりした住民への説明とそういうしっかりしたデータをもとにした納得のもとに、改修事業の拡大とか料金の変更など、話さなければいけない時期がもしかしたら来ているかもしれないということも感じますので、そういう場合が来たときへのしっかりした御対応をお願いしておきたいと存じます。  次に、グローカル的視点での都市間独自関係構築による海外交易支援と、何のことかわからないような表題をつけておりますけれども、このグローカルという用語は既に社会的に定着したような感がございます。  私は、97年ごろから、国によらず都市が海外の都市と直接交流を持って発展するというイメージで、いろいろな場面で使用してきております。そういう意味では、地域の経済的活性化に関して国内の需要供給に頼るばかりではなくて、外貨を獲得し、また国内にない特色あるその土地の商品を獲得するということで発展していくことが考えられると感じておりますし、その側面では、本市の東アジア戦略もグローカルな活動の一つであると認識しておるわけです。  ただ、その戦略の中では、上海事務所を開設して中国との交流・交易を図られておることから始まりまして、最近ではマレーシアとのハラール認証などで交流が進みつつあるのだと思います。しかし、これまでの活動を見ておりますと、マレーシアとかタイの方へ活動が広がったとはいえ、まだ上海に偏重しているのではないかという感が拭えない部分もあるわけです。  中国との交易は、その市場の大きさを考えたときに、否定はいたしませんけれども、近年は両国間の関係が非常に不安定になっていることによって、企業は中国からの撤退の動向があるものの、いざ撤退しようとすると突然多額の罰金が科せられたりとか、地方自治体が開設した事務所であっても、突然官憲の捜索を受けて罰金が科せられたりという事例が報告されておりまして、チャイナリスクと言われる部分が拡大しておる側面もあるわけです。  そういう状況の中で、ここのところ青森県や川崎市がバンコクに交易の事務所を開設するなど、やはり東南アジア志向となっているということが言えると思いますし、その中で注目されているのがタイであり、ベトナムであったわけですが、タイは昨今の状況によりましてまたタイリスクというものが言われながら、やはりベトナムに注目が集まる部分というのはあるわけです。  そういった中で、ベトナムに対しましては多くの企業が進出の機会をうかがっていると言われているわけでございます。そして、そのベトナムに対しましては、本市には日本で唯一民間組織で国家間の交流を図っている日越協会という組織がございまして、ベトナムの国家組織を介した交流が実際に行われております。  そういう交流の中で、本市もベトナムのハイズオン市からの交流の申し出を受けまして、市長と私ども議会で現地を訪問して交流に関する会議を持ったところであります。  しかし、その後の交流については、こちらが訪問したのだから先方の訪問を受けた後という市長の意向があったとも非公式の場で聞き及んでいるわけでございます。その真偽はどうこう言うつもりはありませんけれども、実質的に具体的な交流がなく時が経過をしておりました。しかし、昨年のアジア太平洋都市サミットにおいて先方からの訪問があったにもかかわらず、その後何ら交流の進展は見られていないという実情もまたあるわけでございます。  海外、特に東南アジアとの交流は誰よりも早く行うということに、その後の優位性があると言われております。特に私たち日本に対して友好的であって、経済的にもメリットのあるベトナムの地域との交流は望んでもなかなか実現が難しいというものでありますが、ハイズオンに関しては先方から申し出を受けたという経緯もありまして、このチャンスを逃すのは大変もったいない思いもいたします。本市の活性化のためにもまず関係をしっかりと構築して、その後は本市がコーディネーターとなって企業等の交流を支援すべきではないかと考えますが、この考えを市長にお伺いしたいと存じます。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  それでは、お答えさせていただきます。  ただいま御紹介のありましたベトナムのハイズオン省とは、同省出身のブー・フィー・ムン前駐福岡ベトナム総領事の御紹介もございまして、平成23年、同省からの招聘も受けまして、市議会から議長を初めとする議員訪問団の皆様方とともに私も訪問させていただきました。そして、御紹介もございましたが、昨年10月本市で開催されましたアジア太平洋都市サミットではハイズオン市長にも参加をいただいたものであります。  この間の国の動きを改めて見てみますと、昨年7月、ベトナムから日本への観光客のビザが緩和されておりまして、ことし1月から4月までの訪日客数でありますが、4万3,000人余りとなりまして、1年前の同期間に比べ、およそ50%の伸びとなっているようであります。今後、ビザ免除が実現いたしますれば、さらにふえるものと期待いたしております。  一方、本市におきましてもベトナムからの留学生がここ1年で増加しているということも伺っております。また、地場企業も進出されますなど、同国との交流も徐々に活発化しつつあると認識いたしております。  このようなことから、本市としては今後官公庁などが主催いたしますプロモーションの機会を有効に活用し、ベトナムでの本市のPRに努めますとともに、ベトナムからの留学生に本市でのインターンシップの機会を提供いたしますなど、両市、両国の将来の友好を担う人脈を築くことも検討してまいりたいと考えております。  また、ジェトロなど関係機関と連携いたしまして、現地の市場動向や取引環境を把握いたしますとともに、地場企業のニーズを踏まえながら、ビジネス面での交流の可能性についてもさらに研究を深めていかなければならないと考えております。  ただいま申し上げたような取り組みを通しまして、東アジア戦略に基づき、新たな交流に着手いたしましたマレーシアやタイ同様、ハイズオン省も含めましたベトナムとの交流人口の増加、あるいは経済交流促進をともに図っていかなければならないと考えております。          〔45番 下川寛議員 登壇〕 ◆下川寛 議員  たしかにハイズオンからということではないでしょうけれども、ベトナムの留学生の方がふえたようですし、さきに申し上げました日越協会が直接支援しておりますので、その存在というものも少なからず影響があるのかなと思います。留学生の方は将来本国に帰国されてから要職につくことが想定されますために、支援をして人脈を築くということは大変に心強い思いがいたします。  ただ、経済交流の部分で、いまだにジェトロとかいう組織名が出てくるということがちょっと残念であるわけです。以前、非公式な場での雑談風なやりとりではありましたけれども、本市がコーディネーターとなって企業と現地を結びつけたらというのは、質問の中で申し上げましたが、私が言ったのではなくて職員の方から出たようなアイデアだったので、そういう意欲を持ってやっていただければいいなという思いもあったのですが、どうもジェトロという組織名が出てくると、腰が引けているのではないかということも感じざるを得ないわけなんです。  そういう公的組織が握っている情報に頼らなくても、まずは関係をがっちりと構築して現地の中に飛び込んでいったら、もっと深い情報が手に入れられて、本市ならではのビジネス支援ができるかもしれないということも感じるわけです。  現地に飛び込んでいって本当の関係を構築するという思いで、ベトナムに限らず東アジア戦略というものは行っていっていただきたいと思うのですけれども、まず、このベトナム、特にハイズオンに関しては、さっき言いましたように、まずがっちりとした交流をしっかりと締結して、そこから進むということが必要だと特に思います。今回のこのハイズオンのように先方から申し出のあったケースということで、その交流についての締結に時間がかかる、手法を打ち出すのに時間がかかるといったようなことが続くとすれば、申し出のあった相手に対して儀礼上も大変失礼でありますし、本市の信用を失うことにもつながりかねないということを、今までいろいろな国際交流にかかわってきた立場として感じますので、そのことを厳しく指摘させていただきながら、今後の交流確立への活動を活性化していただきますようにお願いしておきたいと存じます。何せみずからの知恵と行動でやっていただきたいということですので、御理解をお願いいたします。  時間がかなり経過しておりまして足りなくなってきておりますが、前半までの重かった部分からぐっと直接的な問題に転換しまして、私の方にいろいろなところで相談のありました住民課題の解決につきまして、お尋ねを進めていきたいと存じます。  まず、都市の環境を保つための条例改正ということでございますが、ポイ捨ての条例の問題でございます。  議員発議によりまして、熊本市路上喫煙及びポイ捨ての禁止等に関する条例が策定施行されたということは周知のとおりでございますし、これによって一定の効果が今この中心部でも見られているということには、発議した議会にとってもうれしいことと言えるのではないかと考えております。  しかし、この条例により重点区域として過料の対象となった区域には、ある程度この条例の趣旨が定着しているというふうにも思いますけれども、条例では市域全体が禁止区域となっているにもかかわらず、重点区域以外ではなかなか禁止区域だよという理解が浸透せずに、中には禁止区域ですよと伝えた方とポイ捨てなどの行為を行った方がトラブルになるというケースがあるようで、その改善を要望する声が寄せられておるわけです。  そういう声の中では、会津若松市や草加市などが罰金や過料を科しているということを挙げられて、本市でも全域に過料を科して周知を図るべきではないかとおっしゃった方もいらっしゃるわけですけれども、この過料を科す区域については、当時作成にかかわった人間の一人として、過料自体が必要なのではなくて、あくまで趣旨の徹底を目的とすることを初めさまざまな課題を論議して現行のように決定したものであるということも認識しております。しかし、その周知のための方策としては、やむを得ず過料区域の変更も検討しなければならないという事態になるかもしれません。  そこで、本市では市域全体に関するポイ捨て等の状況の認識、またその対策についてどう考えられるか、担当局長にお尋ねしたいと存じます。          〔石櫃紳一郎環境局長 登壇〕 ◎石櫃紳一郎 環境局長  都市の環境を保つための条例改正についてのお尋ねにお答えいたします。  熊本市路上喫煙及びポイ捨ての禁止等に関する条例は、議員提案によりまして平成19年3月に制定、同年7月に施行されまして、指導員によります巡回指導などを行いますことで、美化重点推進区域であります上通、下通、新市街の各アーケード内におけるポイ捨て行為は減少したところでございます。  しかしながら、議員からただいま御指摘がありましたとおり、美化重点推進区域以外のところではポイ捨てによるごみが見られているようなところもございまして、市民からの苦情も何件か寄せられている状況でございます。  このような状況を改善するために、美化重点推進区域の全市域への拡大を検討してはどうかということでございますが、この条例を市民の皆様に広く理解していただくことが重要であると考えますことから、さらなる積極的な周知啓発に努めることによりまして、このごみのポイ捨てをしない、させない環境づくりと市民意識の向上を目指してまいりたいと考えているところでございます。  そこで、現在、アーケード内での指導員の巡回や市政だよりなどによるポイ捨て禁止についての周知を行っているところでございますが、今後はさらに各世帯に配付いたしておりますごみ出しカレンダーへの掲載や、マスメディアを活用いたしましての周知啓発を図りますとともに、公園や駅など人が多く集まる場所への看板等の設置の検討を行うなど、関係機関とも連携しながら快適な都市環境形成に向けまして効果的な啓発に取り組んでまいります。          〔45番 下川寛議員 登壇〕 ◆下川寛 議員  重点区域以外の実情は認識されているようで安心いたしましたし、また、私が申し上げるときは当然極端な方向から順に申し上げるのですけれども、答弁の中で具体的な周知策が提示されたということを評価して、一足飛びに過料を科すというよりも、まずその具体的なことを言われた効果をもって判断するということはやぶさかではございませんので、答弁にありました周知策のしっかりした実行をお願いしておきたいと存じます。  次に、災害弱者の生命維持に必要な対応ということでお尋ねいたしますが、寄せられたいろいろな課題の声の中から、ここで一つ災害弱者の中でも在宅療養中で人工呼吸器等を使用している方の課題を取り上げたいと存じます。  現在、本市では在宅で人工呼吸器を使用せざるを得ない方がたしか194名いらっしゃって、うち1日12時間以上使用している方が83名いらっしゃると聞いております。この数字には一時使用者や吸引器使用者の数は入っていないようですけれども、この方たちへ災害時停電になった場合の電源供給による生命維持は、医療施設の電源と同じく全国的な課題でありまして、東京都などでは早くから対策が講じられたこともありまして、平成24年から厚労省による注意喚起がなされて、さらには非常用バッテリーが保険適用になったところであります。  しかし、その保険適用になったバッテリーにも使用時間に限りがありまして、災害時などの長時間の停電には対応できないという課題が残るわけです。  その課題を解決する策として研究が進められておりまして、プラグインハイブリッド車の電源を非常用家庭電源として使用するのと同様に、一般の車両であっても車のシガーソケットから電源を確保する機器というものが開発されております。開発されたというのも、通常カーショップなどで販売されておりますその手の電源機器では電源波形が不安定であることから呼吸器の誤作動が考えられて、特別に電源から整流されたものでなければならないため、通常の市販品より高価なものになっているわけです。ただ、高価であるとはいえ、現在、保険適用になっているバッテリーなどよりはるかに安いものでありまして、決して金額的に手が届かないというようなものではないながらも、高額な医療費を負担しながらそれを購入することはなかなか困難な側面があるのではないかと思いますし、そう言われておるわけでございます。  これは人命にかかわることでありますし、また災害時、長時間の停電時などでも長期間使用できる。また、一回用意すれば非常に長い期間使用できるということも考慮しますと、こういうものを行政で購入して、その必要な方に貸与するなどで災害時の生命維持を図ってはどうかと考えますが、担当局長のお考えをお聞かせいただきたいと存じます。          〔宮本邦彦健康福祉子ども局長 登壇〕 ◎宮本邦彦 健康福祉子ども局長  災害弱者の生命維持に必要な対応についてのお尋ねにお答え申し上げます。  在宅で人工呼吸器を使用されている方につきましては、訪問看護ステーションから定期的に提供されます診療情報提供書に基づき、御自宅を訪問し、患者や家族からの相談にきめ細かく対応いたしますとともに、災害時の電源確保などについて不安がある方には、外部バッテリーなどの緊急時に必要な物品の配備や、緊急時に対応が可能な医療機関の確保などに関する助言を行っているところでございます。  また、さらに災害時要援護者避難支援制度についての説明と登録勧奨を行い、登録を希望された方につきましては、避難時の支援内容や避難経路、支援者などを記載した個別支援プランを作成し、総合的に支援しております。  今後についてでございますが、まずは在宅で人工呼吸器を使用するなど、医療依存度が高い方々の状況やニーズの把握をしっかりと行い、災害時を含め、市民の安心につなげてまいりたいと考えております。          〔45番 下川寛議員 登壇〕 ◆下川寛 議員  答弁では貸与するといったような直接的な具体策の提示はありませんでしたけれども、医療依存度の高い方のニーズを把握して、安心感につながる対応を実施していただけるということでありました。  私は電源の確保という一側面からだけでお尋ねいたしましたけれども、もしかしたら御答弁いただいたように、ここでは気づかない本当にそういう方が求められる支援がもっと幅広いということも考えられるために、そのような活動をしていただけることを評価いたしたいと思います。実施していただくに当たっては、御本人のニーズをしっかりと把握して、そこに有効な支援を実施していただけることをお願いしておきたいと存じます。  次に、少子化対策として、子育ての支援及び女性の就労についての関連でございます。この女性の就労については、現在、さまざまな政策が実行されておるわけでございます。特に横浜ショックなどと一部では言われましたけれども、待機児童ゼロという保育ニーズの高まりに応える保育定員の増というのがブームになりまして、保育定員の確保が全国各地で行われておりまして、本市でも例外ではありません。しかし、待機児童ゼロは政策目標になり得ないというような研究もなされておりまして、少子化を迎えて将来的な定員割れの危機を訴える動きも一部では見え始めております。最近、鹿児島市では2歳児を預かる幼稚園に助成を出すなどの政策が実行されておりますが、それはそういう研究に呼応したあらわれではないかなというふうにも感じておるわけです。  しかし、一時的な保育ニーズの高まりによっての定員増というものが必要なこともまた確かではあるということは認識いたしますが、住民の具体的なニーズとして、単なる定員増だけでいいのかということを実例の中で感じたことがございました。  現在、正社員として就労している母親の方なんですけれども、就労は継続したい、けれども、子供が小学校に入るので、帰宅時間が児童育成クラブの下校に間に合わないために退職せざるを得ないというものであったわけです。これは、俗に小1の壁と言われるものであります。さらに、児童育成クラブがなくなる小4の壁というものも存在するわけです。  今般、それを受けたのかどうか私にはわかりませんが、国の方では学童保育の基準を改正されまして、対象児童や時間の拡大、職員の資格要件や基準面積の拡大、また定員の設定などがされるようになるわけですけれども、現在の本市のハードウェアでは、育成クラブを利用できない児童がさらに今よりも増加するということも考えられるわけです。  これらのことと現場の実態というのをいろいろなところで考え合わせますと、女性の就労を促していくような政策が国によっても行われている中でも、現代はその就労形態が多様化しておりまして、変則時間の勤務は当たり前というような状況もあるわけです。これは時間だけではなくて土日祝祭日の勤務も通常のものとなっておるわけですけれども、そのための保育ニーズに現在提供されているサービスが追随していっていないのではないかということに気づくことがございます。実際ほかの事例として、夜勤もやりたいのだけれども、子供が小さいから日勤帯でしか勤務ができないとして、夜勤が必要とされる就労を辞退されるケースも目にすることがございます。  こういうことを解消するために、土日祝祭日及び24時間といったニーズに対応できる保育サービスを提供していく必要があるのではないかと感じますし、また、学童保育の時間延長や休日の開設及び質の向上というものにどう取り組んでいかれるのか、担当局長のお考えをお聞かせいただきたいと存じます。          〔宮本邦彦健康福祉子ども局長 登壇〕 ◎宮本邦彦 健康福祉子ども局長  多様な就労形態に配慮した子育て支援に関し、2点のお尋ねにお答え申し上げます。  まず1点目の24時間及び土日保育の実施についてでございますが、女性の社会進出の拡大、ひとり親世帯の増加や核家族化の進展などにより認可保育所の入所申し込みが増加しており、かつ保育ニーズは多様化傾向にあるものと認識いたしております。  御提案の土日保育につきましては、土曜日は全ての公私立保育所において実施いたしているところですが、日曜日及び祝祭日の休日保育につきましては、補助事業を活用して今年度から1カ所、8月からの実施を予定しているところでございまして、その利用状況を注視してまいります。  また、24時間保育につきましては、まずは現在の認可夜間保育所や24時間開所している4カ園を含めて、夜間開設している認可外保育施設の利用状況などの把握に努めてまいりたいと考えております。  2点目の児童育成クラブについてでございますが、放課後に留守家庭の児童を預かる児童育成クラブにつきましても、保育所と同様ニーズが増加し、そのニーズは多様化傾向にあるものと認識いたしております。  現在、本市では88校区で約5,500人の児童を受け入れておりますが、子ども・子育て3法の成立により対象児童が小学6年生まで拡大されますとともに、事業者が遵守すべき職員配置や資格、施設の面積などの基準を定める条例の制定が義務づけられたところでございます。このことを踏まえつつ、今後も多様化する保護者のニーズに柔軟に対応するため、小学校施設などさまざまな施設の活用や、幼稚園を初めとした民間事業者の参入について、まずは関係機関への説明に取り組んでまいります。          〔45番 下川寛議員 登壇〕 ◆下川寛 議員  保育については一部で実施があるようで少し安心しておりますが、利用状況を把握されるということでございましたけれども、就労場所と自宅との位置関係ということを考えると、ある程度多様な地域で実施されなければならないと考えられるため、利用状況の把握とともにニーズをしっかりと把握され、ニーズに応じた対応をお願いしたいと存じます。  また、学童保育の問題については、民間事業者の参入ということが示されましたことを、私としては高く評価したいと思います。関係機関への説明が行われるということでありますけれども、こういう事業はもう直営をせずに、これこそ民間のノウハウで質の高いサービスが提供されるということが住民の満足につながることであると思いますので、説明後は速やかな実施をお願いしておきたいと思います。  時間が迫ってまいりました関係で、数点通告からお尋ねを外してございます。  公会計基準に関する問題につきましては、固定資産台帳の整備がまず必要ではないかということをお願いするつもりではございましたけれども、今、本市の中ではさまざまな法律に基づいて各事業課でばらばらに管理されておりまして、その様式もばらばらなものがありますけれども、一番問題なのは取得価格の記載がないというようなことが課題であるのではなかろうかと思います。このことは常任委員会などを通じても議論を続けていきたいと思いますが、これを一元管理して、過大過少にならない取得価格、再取得価格も含めてそれを設定していただきたいと思います。  また、教育環境の整備として、普通教室のエアコンの設置をお尋ねしようかということを予定しておりましたが、昨日質問があったことと、時間の都合でお尋ねをいたしませんでした。ただ、昨日のこのことに対する質問の答弁を聞いておりますと、幾つかのものを挙げて喫緊の課題としてあるということをおっしゃいましたけれども、そのうちどのことの緊急度が高くて、どれを優先すべきなのかということは誰が判断して優先度を決めるのだろうという素朴な疑問が湧いてまいりました。そこに住民の意思が入る余地は果たしてないのか。そういうことも感じたわけでございます。今後は、きょう改めてお尋ねいたしませんけれども、科学的なデータや根拠をもとに住民の意思というものもしっかりと把握して、その優先度を決定しながら進まれることを強く要望しておきたいと思います。  さて、本日用意しました質問は以上でございます。本日の各質問が、今後どのような成果につながるかということは未知数でございますけれども、この質問を通して、実は自分の中で懸案だったことに一つの回答を得たような気がしておることがございます。  平成18年の第4回定例会で市長に対しまして、丁寧な説明という言葉の意味するところをお尋ねして論じたことがございます。そのときは、この言葉の意味を明確に定義することへの納得を得なかったんですよ。しかし、きょう質問のやりとりをしながら考察しておりますと、丁寧な説明というのは、当初意見が違う相手であっても、最後には納得できるような科学的かつ明確なデータに基づいた論理的説明をすることではないかということに思い当たったわけなんですよ。  これが正解かどうかということは今私にはわかりませんが、そういう説明ができなければ、少なくとも説明を受けた方はみずからの意思や利害的要求を覆すことはできないのではないかと思います。幾ら説明の頻度をふやして説明の時間をかけても、納得のもとに多数の合意を得るということはできませんでしょうし、それが代表制民主主義という中で信託を受けて執行する者の務めであり、また専門性の発揮ではないかということを感じた次第です。  勝手なことを述べておりますけれども、本日は地方政府ということをテーマに質問を行ってまいりました。実は、このこと自体が本市の将来を見据えたものでありまして、市長が不出馬表明をされたと聞いたときには、先のことは次の人間に聞いてくれと言われたらどぎゃんしようかなと思いまして、質問を全部つくり直そうかなと実は考えたのです。しかし、市長の性格からそれはないだろうと思い直しまして、腹をくくって当初の予定どおり行いましたところ、市長には真摯な答弁と議論をいただいたことに感謝しているわけでございます。  市長の不出馬表明の日、6月2日は実は私の誕生日でありまして、誕生日にえらいことば言いなはったなと思ったんですけれども、今申し上げたような意味では、私への誕生日プレゼントであったかもしれないなと思っております。  しかし、本日お尋ねした各事項は、住民自治という自治の根幹にかかわる課題が多くありましたので、示された方向性が本市の将来の自治の確立に寄与できるよう答弁の誠実な実行と指摘・要望への対応をお願いし、結びに長時間の御清聴に感謝して質問を終了いたします。(拍手)       ───────────────────────────────── ○鈴木弘 副議長  本日の日程は、これをもって終了いたしました。  次会は、明12日(木曜日)定刻に開きます。       ───────────────────────────────── ○鈴木弘 副議長  では、本日はこれをもって散会いたします。
                               午後 3時58分 散会 〇本日の会議に付した事件 一、議事日程のとおり 平成26年6月11日 出席議員 48名       1番   三 島 良 之        2番   鈴 木   弘       3番   小佐井 賀瑞宜        4番   寺 本 義 勝       5番   高 本 一 臣        6番   西 岡 誠 也       7番   福 永 洋 一        8番   田 上 辰 也       9番   浜 田 大 介       10番   井 本 正 広      11番   大 島 澄 雄       12番   原 口 亮 志      13番   くつき 信 哉       14番   松 野 明 美      15番   田 中 敦 朗       16番   重 村 和 征      17番   上 田 芳 裕       18番   那 須   円      19番   園 川 良 二       20番   藤 永   弘      21番   紫 垣 正 仁       22番   澤 田 昌 作      23番   倉 重   徹       24番   大 石 浩 文      25番   田 尻 善 裕       26番   白河部 貞 志      27番   上 野 美恵子       29番   藤 岡 照 代      30番   満 永 寿 博       31番   齊 藤   聰      32番   津 田 征士郎       33番   坂 田 誠 二      34番   藤 山 英 美       35番   田 中 誠 一      36番   東   すみよ       37番   家 入 安 弘      38番   田 尻 将 博       39番   竹 原 孝 昭      40番   牛 嶋   弘       41番   税 所 史 熙      43番   落 水 清 弘       44番   江 藤 正 行      45番   下 川   寛       46番   田 尻 清 輝      47番   古 川 泰 三       48番   北 口 和 皇      49番   益 田 牧 子       50番   田 辺 正 信 説明のため出席した者   市長       幸 山 政 史    副市長      高 田   晋   副市長      牧   慎太郎    総務局長     飯 銅 芳 明   企画振興局長   原 本 靖 久    財政局長     木 下 修 一   健康福祉子ども局長宮 本 邦 彦    環境局長     石 櫃 紳一郎   農水商工局長   多 野 春 光    観光文化交流局長 坂 本   純   都市建設局長   永 山 國 博    消防局長     大 塚 和 規   交通事業管理者  西 本 賢 正    上下水道事業管理者寺 田 勝 博   教育委員会委員長 崎 元 達 郎    教育長      岡   昭 二   代表監査委員   石 原 純 生    農業委員会会長  森   日出輝   中央区長     前 渕 啓 子    東区長      西 島 徹 郎   西区長      永 田 剛 毅    南区長      永 目 工 嗣   北区長      田 上 美智子    選挙管理委員会委員長                                田 代 芳 郎 職務のため出席した事務局職員   事務局長     大 杉 研 至    事務局次長    木 村 建 仁   議事課長     富 永 健 之    議事課副課長   本 田 正 文...